平成14年(2002年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 10月 3日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 9月18日から30日までに受理いたしました陳情17件は、お手元に配付の陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
 次に、説明員として出席を求めた教育委員会委員長翁長孝枝君は、別用務のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として教育委員会委員長職務代理者宜保美惠子君の出席を求めました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、乙第1号議案から乙第12号議案まで及び認定第1号から認定第3号までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 友寄信助君。
   〔友寄信助君登壇〕
○友寄 信助 通告に従い一般質問を行います。
 まず、我が会派の代表質問との関連についてであります。
 15年使用期限について。
 閣議決定は、沖縄県知事、名護市長の要請を重く受けとめることと、国際情勢の変化に対応して米政府と協議するとの内容で15年使用期限を約束したものではないと思うがどうか。また、政府は県の要望を米政府首脳に伝えたにすぎず、正式な日米の外交交渉の議題にもなっていないのであります。重大な決意で臨むというが、その解決の見通しはあるのか。知事の御所見をまず伺いたいと思います。
 (2)点目には、非核三原則の法制化の質問について明確な答弁がなされておりません。非核三原則の法制化に賛成なのか、御所見をお聞きしたいと思います。
 沖縄振興計画についてであります。
 先般、沖縄振興計画が政府において決定され、向こう10年の沖縄振興の方向が示されました。沖縄の優位性を十分に発揮し、民間企業主導による自立経済の確立を目指し、金融、情報の特別地区や観光、情報の振興地域など新たな制度がつくられました。真の自立経済の確立は、基地依存体質から脱却し、基地のない沖縄の将来展望を示すものでなければならないと思います。
 ところが、計画の内容は、県議会の全会一致で決議された海兵隊の削減や地位協定の抜本的改正などが削除された上に、県案の在沖米軍の移転、さらなる整理縮小の表現が削除されるなど大幅に後退し、県益より国益が優先された内容となっているのであります。知事はこれをどう受けとめておられるのか、御所見をお聞きしたいと思います。
 (2)点目には、同計画の数値目標は、全国を上回る経済成長率2.6%や、ほぼ全国並みの5%程度の完全失業率、毎年7000人以上の雇用創出・確保などを自立化への目安としてかなり高いハードルを見込んでいる。しかし、県内外の経済の実態はデフレ不況からの脱却は見えず低迷している厳しい経済環境の中にあって、果たして計画の数値目標の達成は見込まれるのか、知事の御所見をお聞きしたい。
 (3)ですが、金融特区等への企業立地の条件整備についてであります。
 名護市全域が金融業務特別地区に指定され、国内初の特区として県内外から注目されているが、実際の企業進出には課題も多いと思う。特区の特別事業としてのキャプティブ保険の導入について政府は9月25日、構造改革特区の自治体案に対して特定の者が対象なら保険業法の対象外云々と否定的な意向を示しているが、今後の対応をお聞きしたい。
 また、企業誘致には一層の規制緩和と企業のニーズにこたえられる魅力ある条件整備が必要だが、今後の対策をお聞きしたい。
 アイルランドのダブリンの金融特区を視察して、本県の置かれた状況と多くの点で異なっていることを感じた。それは、アイルランドの場合は英語圏であること、多くの人材がアメリカや外国からUターンして活用され、国内にも人材育成の教育機関が充実していることや、企業の集積ができる立地条件等が整備されていることである。
 そこでお聞きしたい。
 ダブリンの金融特区から学ぶものは多いと思うが、それは何か。また、本県の場合はアジア地域に視点を置かねばならないと思うが、それをどう生かしていくお考えか。
 (4)、基地返還アクションプログラムの策定についてであります。
 県経済の自立化は、基地のしがらみから脱却することなくして達成は困難である。県民世論調査でも明らかなように、県民の願いも基地との共存共栄ではなく、積極的な基地の整理縮小・撤去であり、そのためには具体的な基地返還を目指す基地返還アクションプログラムの策定が求められていると思います。知事の御所見をお聞きしたい。
 (5)、尾身沖縄担当大臣が7月13日、「沖縄新大学院大学構想」について講演し、2005年9月に研究機関の開設、2007年9月に開学を目指し、建設費800億円、年間200億円の運営経費などかなり具体的な内容を明らかにしました。
 そこでお尋ねをしたい。
 各市町村の誘致合戦も過熱を帯びてきたが、同大学の好ましい立地条件とは何か。また、どのような手順で建設場所を決定されるのか。国の財政確保の見通しはついているのか、御所見をお聞きしたいと思います。
 (6)番、「構造改革特区構想」についてであります。
 政府は、経済の活性化の目玉として地域限定で規制を緩和する「構造改革特区構想」を進めており、これに対して全国から合わせて426件の提案が出されていると言われています。新聞報道によると、県も先月末に観光振興を皮切りに観光特区、那覇港フリーポート特区、沖縄自由貿易特区を提案し、具志川市、勝連町、与那城町からは健康長寿産業振興特区、石垣市からは観光特区が提案されました。
 これらの提案は、それぞれの地域経済の活性化と地域振興につながることが期待されている。規制緩和によって地域振興、活性化に寄与すべくいろいろアイデアを凝らしたこれらの特区構想については、むしろ沖縄振興計画策定の段階で取り入れるべきではなかったかと思う。ところが、政府は県が提案した5特区58件の規制緩和要求について、那覇港フリーポート特区の港湾施設の民間企業への貸し付けなど3件のみにとどまったようだが、これは構想の内容自体に問題はなかったのか、今後の対応をお聞きしたい。
 また、沖縄のような離島県では県内にばらばらに特区を設けるより、県全体を経済特区に位置づけた方が地方の自立性と特性を生かした経済の自立化への構築につながるのではないかと思う。また、それは政府の構造改革の先進地域として示すことになるのではないかと考えますが、知事の御所見をお聞きしたいと思います。
 沖縄振興分野別計画についてであります。
 分野別計画の年度別事業量と事業費の確保について。
 県は、沖縄振興計画の実効性を高めるために4つの分野別計画を策定し、それぞれ数値目標を掲げているが、事業達成となる年度別事業量と事業費の裏づけがなされていない。これでは振興計画は空手形に終わりかねないが、きちっとした計画期間中の事業費の見込み額を示すべきではないのか、知事の御所見をお聞きしたいと思います。
 (2)点目には、計画策定過程での経済団体等からの意見、提案についてであります。
 分野別計画策定の過程で、県は経済団体や各市町村に対して県案の説明を行ってきたと思うが、各界からどのような意見、提案がなされ、取り入れられた主な提案等は何なのか、御説明を願いたい。
 (3)点目には、観光振興施策展開による3年間の数値目標として入域観光客数510万人、観光1人当たりの県内消費額は9万4000円、平均滞在日数3.73日を目標としているが、その根拠と数値目標達成は可能なのか。
 那覇空港ターミナル施設の整備とモノレールの北上延伸についてであります。
 那覇空港国際線ターミナルビルは、狭隘で各種サービス施設の不備が指摘されているが、今後の具体的な施設整備の計画はどうなっているのか。また、モノレールの中部地域への延伸についてはどのように検討されているのか。さらに、供用開始の時期が予定より早まるとの新聞報道がなされているがそうなのか。この振興計画期間中には方針を打ち出すべきではないかと思うが、御所見をお聞きしたい。
 (5)ですが、国際ショッピングモール構想についてであります。
 県は、沖縄観光の新たな魅力づくりのため、沖縄型特定免税店の空港外展開とあわせて国際ショッピングモールを宜野湾市の西海岸に設置する構想を進めておりますが、その構想の施設、規模等の内容についてお示しください。また、進捗状況とこの3年計画の期間中に実施する見通しはあるのか、お聞かせ願いたいと思います。
 地価下落による県経済への影響についてであります。
 県企画開発部は9月19日、県内の地価調査結果を発表しました。全用途平均では前年比4.1%の下落で、1974年の調査開始以来の最大の下げ幅となっており、住宅地は2.3%の下落で、商業地は8.6%の下落となっており、下落幅が1.1ポイント拡大した。
 特に那覇、浦添、宜野湾、沖縄市など価格帯の高い各市で下落幅が大きく周辺市町村へも波及しつつあるとのことである。地価の下落はマイホーム等を求める庶民にとっては都合はよいが、土地資産の目減りなど県経済への影響も出てくると思うが、まず連続した土地下落の要因と県経済に与える影響をどう受けとめておられるのか。また、地価対策としてとるべきことは何なのか、お示し願いたい。
 (3)点目には、地価下落と軍用地料についてであります。
 県内の地価は8年連続で下落しているのに、一方、軍用地料は毎年引き上げられている。また、地価の下落が続く中、軍用地の売買は活発化し、取引価格も上昇していると言われています。軍用地料の適正額とは何を基準にして決められているのか。また、民間地価との矛盾をどう考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
 4つ目には、普天間基地等の返還跡地利用計画の策定と事業の推進についてであります。
 米軍基地の返還跡地を抱える8市町村と県でつくる跡地関係市町村連絡・調整会議が9月20日に発足し、跡地利用の促進に向けた具体的な対策が進められることになりました。
 (1)、跡地対策準備協議会において普天間飛行場の跡地利用の促進等に関する106項目にわたる「課題と対応方針」が決められておりますが、その概要を説明願いたい。
 (2)つ目には、480ヘクタールの面積を擁する普天間飛行場の場合、膨大な事業費が必要とされますが、国の財政支援措置の確保と事業を推進する主体についてはどのような協議がなされているのか。
 (3)、これまでの米軍返還跡地の土地区画整理事業の一覧表によると、那覇広域圏13地区の549.2ヘクタールで総事業費は861億4200万円となっておりますが、普天間飛行場の跡利用事業にはどの程度の事業費が見込まれるのか。
 (4)点目、宜野湾市は、将来必要とされる公共公益施設用地を計画的に確保するため基地返還跡地転用促進基金を設立しましたが、その基金の使用目的と国や県の支援措置はなされているのか、お聞きしたい。
 (5)点目に、普天間飛行場の跡地利用計画は、宜野湾市が主体的に策定されることになるが、県の振興開発計画や中南部都市圏の将来計画を踏まえて、跡利用計画の将来像を示す県のマスタープランの策定が必要ではないか。
 (6)、返還前の文化財等の調査に関する米軍基地内への立ち入りについて、米軍側の了解は得られているのか。また、跡地関係市町村連絡・調整会議の方針と今後の取り組みについてお聞きしたい。
 5番目に、米軍基地問題についてであります。
 都市型戦闘訓練施設計画の撤回についてであります。
 県は、この訓練施設計画の全容を把握しているのか。グレグソン四軍調整官は記者会見で、「既存施設を新しくするもので、建設場所は周辺住民に影響が出ないよう県や日本政府と連携している。」と述べているが、事前に県に規模や場所などの説明があったのか。
 また、防衛施設庁は、新たな施設ではなく、既存の代替施設だと説明しているが、このような危険な施設が現在もあるということだが、県はこの施設を確認したことがあるのか。
 キャンプ・ハンセン訓練場はマリンの施設だが、陸軍特殊部隊が使用することは基地の使用協定いわゆる5・15メモに反しないのか。また、この危険な計画は直ちに撤回させるべきだが、知事の御所見を伺いたいと思います。
 PCBの問題についてであります。
 在沖米軍が管理するPCBを米国に移送・処理する問題で米環境保護局は、日本製機器についても同法の適用除外を認め移送を認めるとの同局案を官報に示したと新聞で報道されております。政府から何らかの連絡はなされているのか。
 また、在沖米軍基地内に2100トンが保管されていると言われているが、基地内立ち入りで総量を確認すべきではないのか、御所見をお伺いしたい。
 最後に、「急使」の身柄不拘束特権についてであります。
 去る6月16日の深夜、那覇市内の飲食店で米軍基地所属の整備士が酒などを飲食した帰りに、店頭に置かれたライターを盗んだとして窃盗容疑で緊急逮捕された後、即日釈放された。それは、1951年の行政協定にかかわる日米合同委員会の合意事項で、身柄を拘束されない特権を持つ(急使)の身分証明書を持っていたためという。犯行時は仲間2人とともに酒を飲んでいた状況などを考えると、どう見ても公務執行中とは見受けられないが、身分証明書を所持していれば無条件に公務執行中と認定されたのは明らかに公務の拡大解釈ではないのか、知事の御所見をお聞きしたい。
 また、このような不平等な条文が現在も適用されていること自体が時代錯誤であり早期に改定すべきだが、それを要請する考えはないのか。
 さらに、「急使」の身分を持った軍人は何人くらいいるか把握しておればお示し願いたいと思います。
 県警本部長にお聞きしますが、県警は容疑者を逮捕した後、即日釈放したのは、公務中か否かなのか、「急使」という身分証明書を所持していたからなのか、その判断の根拠を明らかにしてほしいと思います。
 あとは、答弁によって再質問を行いたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 友寄議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、振興計画で在沖米軍の移転等の表現が削除されたことについてお答えいたします。
 沖縄振興計画において、基地問題について基地の整理縮小が初めて記述されたことは大きな前進であり、さらに、在沖米軍の移転について初めて言及されたことは意義深いと考えております。
 また、米国政府との協議に関する記述は、SACO以外の基地の整理縮小につながるものと期待しており、早急に米国政府と協議していただく必要があると考えております。
 次に、基地返還アクションプログラムの策定についてお答えいたします。
 平成7年に日米両政府によって設置された「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)」は、沖縄県民の基地負担を軽減するため日米両政府が全力を挙げて沖縄問題に取り組むことを目的としたものであり、SACOの合意事案は基地返還のためのアクションプログラムであると理解しております。したがって、SACOの合意事案を着実に実施することがより現実的で実現可能な方法であると認識しており、その実現に向け全力を挙げて取り組んでいるところであります。
 しかしながら、SACOの合意事案がすべて実施されたとしても、本県には依然として在日米軍専用施設面積の約70%の米軍基地が存在することから、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の段階的な整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
 なお、基地返還に伴う跡地利用の促進及び円滑化については沖縄振興特別措置法に初めて盛り込まれ、具体的な枠組みとして国、県、関係市町村の代表で構成する跡地対策協議会を平成14年9月に設置し、跡地利用の促進に向け取り組んでおります。
 次に振興計画について、大学院大学の立地条件、建設場所決定の手順、国の財政確保の見通しについてお答えをいたします。
 大学院大学の立地については、本年6月3日の「沖縄新大学院大学構想検討会」において決定された「大学院大学候補地選定の基本方針」で、知的クラスターの将来展開も含めた十分な用地面積の確保ができること、交通アクセスや魅力ある環境に恵まれていること等の条件が示されております。
 県としては、こうした国の意向を踏まえ、去る9月19日に市町村の誘致要請や立地環境等さまざまな条件を調査検討し、候補地を国へ推薦するための「大学院大学候補地の推薦に関する検討会」を発足したところであり、今後、現地調査と4回程度の検討会を開催し、11月末ごろには候補地を数カ所選定し国に推薦したいと考えております。建設場所については、本県からの推薦を受け国において決定されることとなっております。
 財政確保については、国設民営を基本とすることから、その建設に係る経費等については国において所要の予算措置が講じられるものと考えております。
 なお、内閣府は、平成15年度予算として設立に向けた諸準備を進めるための経費約19億円を概算要求しております。
 次に、代表質問との関連で、15年問題の閣議決定と解決の見通しについてお答えをいたします。
 代替施設の使用期限を設けることについては、閣議決定された政府方針にも示されているように、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。
 15年使用期限問題については、基地の提供責任は日本政府にあることから、政府が責任を持って早期に解決すべきものと考えております。県としては、同問題の解決について着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えており、これまで以上に重大な決意で臨む考えであります。
重大な決意とは、同問題の解決に向けて政府の考え方が示されるようなお一層強く求めていくことであります。
 続きまして、非核三原則の法制化についてお答えいたします。
 核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませずといういわゆる非核三原則は、国会で決議された我が国の国是であり、政府はこのことを明言しております。非核三原則の法制化が必要か否かについては、世論の動向などを受けて論議されていくべきものと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 沖縄振興計画の数値目標の達成は可能かについてお答えいたします。
 沖縄振興計画では、観光・リゾート産業、情報通信関連産業、加工交易型産業、健康食品産業等を県経済を牽引する重点産業として位置づけ、戦略的な振興策を展開するとともに他の地域産業との連携を深め、産業間の相乗効果を高めることにより経済全体の発展を図ることとしております。このため、情報特区、金融特区、特定免税店の空港外展開など沖縄独自の大胆な制度や中小企業の経営革新、新規事業創出のための措置など産業振興策を大幅に充実しております。
 沖縄振興計画における「人口及び社会経済の見通し」については、見通しとしての性格に加えて努力目標値としての性格をあわせ持つものであり、産業界や県民が主体となって行政との協力のもと、その実現に向けて全力で取り組むことが重要であります。今後、これらの制度・施策を積極的に活用することにより、年平均経済成長率2.6%を初め計画最終年度における県内総生産約4兆5000億円、完全失業率4.8%等については実現できるものと考えております。
 次に、キャプティブ保険導入への対応についてお答えいたします。
 名護市の提案したキャプティブ保険の導入については、関係省庁から回答が示されておりますが、これに対し、名護市は意見書を内閣府に提出しているところであり、県としてもキャプティブ保険導入の実現に向けて市の取り組みを支援してまいります。
 次に、企業誘致のための規制緩和と条件整備への対策についてお答えいたします。
 金融特区制度は、我が国において初めての金融に係る特別な制度であり、県としては名護市と連携してこの制度を積極的に活用し、高度な金融の専門知識を有する人材の育成・確保、情報通信基盤や道路等の企業立地環境の整備を促進してまいります。
 ダブリンの金融特区から学ぶものは何かについてお答えいたします。
 ダブリンの成功要因は、欧州と米国の間にある地理的条件や税制優遇措置の設定、外国語に対応できる良質で低コストの労働力資源、整備された通信インフラ、連携のとれた企業誘致体制等にあると考えられます。今後は、このような成功要因を積極的に生かしてまいりたいと考えております。
 次に、「構造改革特区構想」についてお答えいたします。
 今回の県の提案については、関係省庁から回答が示されており、認められなかったものの理由としては、例えばビザなし渡航の特例については、不法就労・不法滞在防止などの観点から慎重な対応が必要であること、入国に関するCIQ業務の迅速化及び簡素化については現行体制で対応可能であるなどとしております。
 県の今後の対応としては、今回の各省庁回答に対して県の意見書を内閣府に提出するなど、構造改革特区の実現に向けて継続して取り組んでまいります。
 また、今回の国の構想は、各分野ごとに地域の特色を生かした規制改革のモデルケースとして位置づけられていることから、その範囲を原則として市町村としております。このため、さまざまな特区をまとめて県全体を1つの特区とすることについては、今回の国の構想の趣旨にそぐわないものであると考えております。
 次に、分野別計画の年度別事業量と事業費の確保についてお答えいたします。
 分野別計画は、沖縄振興計画の実効性を高めるため具体的成果を目指すアクションプランとして作成したもので、施策全体の目指すべき成果を指標化し3年間で実施すべき具体的な施策・事業を盛り込んでおります。
 年度別の事業量及び事業費については、予算の単年度主義等の関係から記述しておりませんが、主務大臣の同意を得ていることから、毎年度の予算折衝を通じて目標達成のための事業量及び事業費の確保は可能と考えております。
 次に、地価下落の要因、県経済への影響とその対策についてお答えいたします。
 地価下落の要因としては、県経済が全国同様に停滞していることから、厳しい雇用情勢や所得の減少により不動産市況の低迷が続いていること、店舗、事務所等の商業用不動産の需要が減退していること及び郊外型大型店の進出等に伴う既存商店街での空洞化が進行していること等によるものと考えております。
 また、県経済への影響としては、企業が所有する土地の含み損が拡大すること、金融機関の不良債権の損失が拡大すること、消費マインドが低下すること等のおそれがあります。
 一方、宅地が入手しやすくなること、社会資本の充実が図られること及び新規設立企業の参入が有利になること等のプラス要因もあろうかと考えております。
 国と県におきましては、税制改革を含めた対策として土地の取得、保有、売却の各段階での減税についての検討に着手するとともに、土地取引の事後届け出制の導入、商店街活性化対策及び低未利用地の土地利用転換対策事業等を行って土地の有効利用を図っているところであります。
 次に、普天間飛行場跡地利用に関する課題と対応方針の概要についてお答えいたします。
 普天間飛行場の跡地利用の促進及び円滑化等については、跡地対策準備協議会において6回にわたり協議が重ねられ、昨年12月に106項目にわたる課題と対応方針が取りまとめられたところであります。  
 その内容については、取り組むべき分野として跡地利用計画策定関係、再開発事業関係、文化財関係、地権者支援関係、自治体財政関係など9つの分野を明確にした上で、それぞれについて国、県、市の役割分担を図り、課題と対応方針を取りまとめたものとなっております。現在、これに基づき国、県、宜野湾市が連携・協力して、普天間飛行場の跡地利用の促進及び円滑化等に向けた取り組みを進めているところであります。
 普天間飛行場跡地整備事業及び国の財政支援等について一括してお答えいたします。
 普天間飛行場跡地整備事業については、跡地内における道路等の基盤整備のほか、学校等施設整備やアクセス道路、周辺市街地の整備等多くの関連事業を実施する必要があります。これらの跡地整備事業等に要する費用については、今後策定される跡地利用計画に基づき検討されていくものであります。
 跡地対策準備協議会においては、宜野湾市が国、県と連携しながら跡地利用計画等を踏まえた財政計画の策定に取り組むこととなっており、必要な国の財政上の支援措置についてもこれにあわせて検討することになると考えております。
 また、跡地整備事業等を担当する事業実施主体についても、跡地利用計画の策定の進捗を踏まえ協議を進めることとなっており、これは沖縄振興特別措置法に基づき大規模跡地の指定を受けて策定する国の取り組み方針へ反映されていくものと考えております。
 次に、基地返還跡地転用促進基金の使用目的と国や県の支援措置についてお答えいたします。
宜野湾市においては、跡地内における将来の公共・公益施設用地の確保を目的とした「宜野湾市基地返還に伴う跡地の転用推進基金」を設置し、計画的に軍用地の先行取得事業を推進しているところであります。
県としては、跡地再開発に関連する公共・公益施設整備のため早い段階からの安定的な土地の先行取得への支援のあり方について、国の協力を得ながら検討を進めていきたいと考えております。
 なお、国においては再開発事業の促進の観点から必要となる国有財産について、沖縄振興新法の国有財産の譲与等の特例措置の対象とする方向で検討を行うこととしております。
 次に、跡地の県マスタープランの策定についてお答えいたします。
 普天間飛行場の跡地利用については、大規模性や地理的位置等から本県全体の振興に影響が及ぶものと考えられ、宜野湾市、県及び国が密接な連携を図りながら取り組んでいくこととしております。
 宜野湾市及び県は、平成13年度から跡地利用計画の策定に向けた取り組みに着手しており、3ないし4年後を目途に跡地利用計画の基礎となる基本方針を策定することとしております。現在、県は、この基本方針策定のため広域的な見地からの中南部都市圏基本構想及び機能導入に関する調査を行っております。
 次に、基地内立入調査についてお答えいたします。
 跡地対策準備協議会においては、再開発事業のための返還前の立入調査が円滑に進められるよう米側の理解と協力を求めることとなっており、今後とも国、県、市が密接に連携を図りながら基地内立入調査に関する取り組みを進めていく必要があると考えております。
 なお、現在、普天間飛行場内において埋蔵文化財の所在状況を把握するための詳細分布調査を実施しているところであります。
 次に、跡地関係市町村連絡・調整会議の方針と今後の取り組みについてお答えいたします。
 県及び跡地関係8市町村は、去る8月20日に跡地関係市町村連絡・調整会議を設置しました。
その役割及び方針は、跡地利用の促進に関し県と跡地関係市町村との連携を図るとともに、国、県、跡地関係市町村の代表で構成する跡地対策協議会へ意見の反映を図っていくものとなっております。
 また、今後の取り組みについては、県内の国の関係機関の協力も得ながら跡地の課題の解決に向けた取り組みを進めることとしており、次回以降の会議において普天間飛行場の跡地利用の基本方針策定に向けた取り組みのほか、個別跡地ごとの課題と取り組み方向について具体的な協議を進めることとなっております。
○商工労働部長(花城順孝) 金融特区について、アジア地域に視点を置いてどう生かしていくかという御質問にお答えいたします。
 金融業務特別地区に金融関連産業の集積を促進していくに当たっては、中国や台湾、韓国等経済発展の目覚ましいアジア諸国との経済交流を念頭に置いた企業誘致を進めていくことが大変重要であると認識しております。現在、名護市のマルチメディア館には香港に本店を置く日系の証券会社が立地をして香港及び中国の株式のオンライン取引を行っております。
 また、名護市に設立を表明している大手流通会社では、同社の上海法人をバックアップするデータ処理業務等を行うことが計画されています。県としましては、こうした動きを確実にとらえ、今後アジアをにらんだビジネス展開のための環境整備に取り組んでいく必要があると考えております。
 次に、分野別計画の情報通信産業振興計画策定過程での経済団体等からの意見、提案についての御質問にお答えします。
 沖縄県情報通信産業振興計画の策定に当たり、県内関係業界の意見が十分反映されるよう県内産業の課題と必要とされる公的支援についてアンケート調査を実施いたしました。さらに、NPO法人フロム沖縄推進機構内に業界や学識経験者、コンサルタント等から成る作業班を編成し、アンケート調査の結果等を踏まえ素案を策定いたしました。
 その中では、通信コストの低減化支援の継続や高度なIT技術を持つ人材の育成、研究開発の促進についての支援が業界の主な意見でした。これらの意見、提案については計画の中へおおむね事業として盛り込んであります。 
 もう一つ、分野別計画の職業安定計画策定過程での経済団体からの意見、提案についてお答えします。
 沖縄県職業安定計画の作成に当たっては、経済団体等関係機関で構成する沖縄県職業安定・人材育成計画策定調査検討委員会を設置し、本県の実情に応じた施策のあり方等について広く検討をいただいたところであります。
 検討委員会におきましては、産業振興と一体となった人材育成の重要性や若年者の雇用対策の推進等の観点から具体的な意見、提案が出されました。このような提案等を踏まえて、職業安定計画においては多様な産業人材を育成するための民間教育訓練資源の活用や新たに設置する沖縄キャリアセンター(仮称)における産学官の連携等を盛り込んだところであります。
 次に、国際ショッピングモール構想の実施見通し等についての御質問にお答えします。
 国際ショッピングモール構想は、沖縄観光の新しい魅力を創出するため沖縄振興計画にその推進を図ることが位置づけられ、現在、宜野湾市において同市西海岸地区での実現に向けた取り組みを進めているところであります。同地域における国際ショッピングモール構想は、免税店を核としてアミューズメント施設、エンターテインメント施設、飲食施設等を集積した複合施設となっております。
 なお、設置場所について、宜野湾市は当初、仮設避難港跡地を予定しておりましたが、ショッピングモールの早期実現を図るため西海岸地区内の新たな場所に変更したところであります。
 施設の内容及び規模については、設置場所の変更により見直さざるを得ない状況となっておりますが、いずれにしても沖縄振興特別措置法施行令で定める要件を満たした特定小売施設、特定飲食施設及び附帯施設が併設されるものになると考えております。県としましては、同構想の早期の実現が図られるよう関係者と連携を密にしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 分野別計画に関する経済団体等からの意見、提案についての御質問にお答えをいたします。
 観光振興計画の作成に当たりましては、県、沖縄観光コンベンションビューロー及び観光関連業界で構成する沖縄観光コンベンション推進協議会を2回開催し、計画の考え方や内容に関する意見交換を行いました。
 協議会においては、事業量や予算規模の明確化、赤土問題への対応、観光地への交通アクセスの改善、新水族館の利用促進、観光振興地域の指定等多くの意見が出されました。県におきましては、これらの意見を踏まえ、赤土等流出防止対策の項目を新たに設定するとともに、新水族館の利用促進を計画に取り入れるなど業界の意向を可能な限り反映いたしました。
 一方、各市町村に対しましては、観光振興地域や市町村事業について意見照会を行い、新たに那覇新都心地域や読谷ニライ・カナイ地域など5つの地域を観光振興地域に指定いたしました。
 また、市町村にかかわる主な施策項目として与那国の海底観光資源の利用促進、ダイビング等観光利便施設の整備、音楽のまちづくりや文化交流の拠点づくり、世界遺産の周辺整備等を盛り込んでおります。
 次に、観光振興計画の数値目標の根拠とその達成についてお答えをいたします。
 観光振興計画の数値目標は、10年後の沖縄観光のあるべき姿を見据え、これまでの実績とトレンドを踏まえた施策展開の努力目標値として設定しております。
 入域観光客数につきましては、ことし7月まで前年比1.6%増と過去最高のペースで推移していること、観光振興地域の拡充や国際会議等の誘致及び国内外における誘客プロモーションの展開等、沖縄振興特別措置法や観光振興計画に基づく諸施策の展開、世界有数の水族館を初めとする大型集客施設の整備等の増加要因を踏まえ、平成16年の目標を510万人に設定いたしました。
観光客の1人当たり県内消費額につきましては、付加価値の高い健康・保養型観光やエコツーリズム等の推進、沖縄型特定免税店の拡充やアウトレットモールの新設、観光土産品の質の向上に向けた施策展開等の増加要因を踏まえ、目標を9万4000円に設定いたしました。
 平均滞在日数につきましては、地域特性を生かした体験・滞在型観光の推進、長期滞在型宿泊施設の整備促進等の増加要因を踏まえ、目標を3.73日に設定しております。
 県といたしましては、これらの目標達成に向け国や市町村、観光業界を初め県民一体となり、計画に盛り込まれた諸施策を推進していく考えであります。
 以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 沖縄振興分野別計画についての計画策定過程での経済団体等からの意見、提案等についてお答えいたします。
 農林水産業振興計画の策定に当たっては、市町村、JA等関係団体に対して計画案の説明を行うとともに、意見を聴取し策定作業に反映をさせております。
 関係団体からの主な提言内容としては、拠点産地の育成対策、輸送コストの低減対策、農林水産物の販売戦略、食の安全性の確保対策、担い手の育成・確保対策、森林ツーリズムの推進、漁場整備などであります。これらの提言については、計画の施策・事業に盛り込み、関係機関との十分な調整の上で計画策定を行っております。
 以上であります。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 那覇空港国際線ビル整備とモノレールの北伸についての御質問にお答えをいたします。
 那覇空港国際線旅客ターミナルビルは、施設が狭隘である上、旅客搭乗橋──PBBと言っておりますが、PBBや各種サービス機能が不備であること等旅客の利便性、快適性の面で課題があります。
 国際線旅客ターミナルビルの整備につきましては、国際交流拠点の形成に向けた基盤施設として本年7月に策定された沖縄振興計画の中でも「所要の施設の整備拡充を図る。」と位置づけられており、早急に整備する必要があると考えております。現在、県におきましては、将来の需要にも対応できるターミナル施設の整備を図るため、平成4年に国が策定した「那覇空港ターミナル地域整備基本計画」の見直しに向けて空港管理者である国に要望しているところであります。
 また、モノレールの延伸につきましては、沖縄振興計画の中で「公共交通の体系的整備の観点から開業後の利用状況等や延伸が想定される地域の開発計画等を踏まえた上で検討する。」と位置づけられており、今後多様な視点から検討してまいります。
 以上です。
○土木建築部長(安慶名正行) 沖縄都市モノレールの開業時期が早まるとの新聞報道は本当かという御質問にお答えいたします。
 モノレールの開業時期については平成15年12月をめどとしておりますが、工事が順調に進捗しておりますので、開業時期の前倒しについて検討をしているところであります。
○知事公室長(新垣良光) 軍用地料の算定基準及び民間地価との矛盾についてにお答えいたします。
 那覇防衛施設局に照会したところ、防衛施設用地の借料については、周辺の開発状況及び公示地、基準地等の客観的なデータをもとに「駐留軍の用に供する土地等の損失補償等要綱」などの算定基準により算定しているとのことであります。
 都市型戦闘訓練施設の事前説明と計画の撤回について一括してお答えします。
都市型戦闘訓練施設については、外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局、第10地域支援群に対し計画内容に関する照会を行っておりましたところ、去る9月27日に在日米軍司令部から、建設計画の詳細についてはまだ最終的な決定をしていない旨の回答がありました。
 県としては 、県民の基地負担を軽減し、基地の整理縮小を求める立場から、基地の固定化につながるような施設、あるいは周辺住民の生命財産や生活に著しい影響を及ぼすような施設の建設については反対であります。今後とも、当該計画に関する正確な情報の収集に努め、関係町村とも連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 米軍基地内のPCBの撤去についてにお答えいたします。
 去る8月28日に米国防総省において在日米軍管理下のPCB含有物質を処理するための環境評価報告書が公表され、同報告書に在日米軍が管理するPCB廃棄物の米国への搬出に関する記述がなされております。
 また、米国防総省は同報告書を策定するに当たってPCB含有物質の重量を調査しており、沖縄に保管されているPCB廃棄物の総量は360トンで、総量の中にはPCBを含有している可能性はあるが、含有していると断定できない物質や梱包材の重量も含まれているとしております。使用中の機器の総量は、推計で1740トンであるとされております。
 在沖米軍基地内のPCB廃棄物の保管状況については、去る8月に米軍による現地説明があり、在沖米軍の保管するPCB廃棄物はキャンプ瑞慶覧、嘉手納基地の2カ所に集められ、適切に保管されているとのことであります。
 日本製PCB廃棄物の米国への搬出に関する米国環境保護庁の承認案が官報に公示されたことについては外務省沖縄事務所に確認しております。県としては、今後とも情報の収集に努めるとともに、関係機関や地元市町村と連携しながら早期の移設がなされるよう適切に対応したいと考えております。
 「急使」に関する「公務」の解釈、条文の改定要請、人数についてにお答えいたします。
 外務省の見解によりますと、米国との協議の結果、「急使」としての身分は、公務執行中で、機密文書または機密資料を運搬または送達する任務に従事している場合に限ることで合意したとのことであり、去る6月16日に発生した事件については、当該容疑者は、逮捕された時点では公務執行中ではなく、機密文書または機密資料を運搬または送達する任務に従事していなかったとの結論に達したとのことであります。なお、「急使」の人数については、任務等により変動するとのことであります。
 県としては、「急使」の取り扱いについて、今後とも同種の問題が起こり得ると懸念されることから、「急使」に関する日米の合意事項の再検討が必要であると考えております。
○警察本部長(髙橋清孝) 「急使」の身分証明書を所持していた者の事件についてお答えいたします。
 本事件は、本年6月16日午前2時30分ごろ、那覇市東町在の飲食店において、米カリフォルニア州在米軍基地所属の23歳の軍人が、同店に陳列していた時価1500円相当のライターを窃取した事案で、被害者からの通報で駆けつけた警察官が緊急逮捕いたしました。
 取り調べの過程において、容疑者が「急使」の身分証明書を提示しましたので、米軍当局に問い合わせたところ、急使任務である旨の回答を得、警察としても「急使」であることを確認いたしました。
 そこで、同事案につきましては、刑事訴訟法の手続によるとともに、日米地位協定第17条の適用に関し合同委員会において合意された刑事裁判権管轄に関する事項第2(4)の急使条項を踏まえ、被疑者を釈放し、任意捜査に切りかえ、6月19日事件送致しております。
○友寄 信助 休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時56分休憩
   午前10時57分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 友寄信助君。
   〔友寄信助君登壇〕
○友寄 信助 企画開発部長、それでは構造特区との関係で全県を経済特区に位置づけたらどうかという点についてもう一度御答弁願いたいと思います。
 それともう一点は、いわゆる基地返還アクションプログラムの策定、やはり前大田県政との違いといいますか、これからの沖縄振興開発を進めていく場合の違いの大きな点は、やはり基地返還アクションプログラムが策定されてないということなんですよね。
 確かに今回の沖縄振興特別措置法の中で4つの情報特区なり観光特区なり、いわゆる4つのアクションプログラムというのが策定されることになったわけですが、じゃ、これから沖縄の振興開発が10年後、そして21世紀の沖縄の将来というものを、50年、100年の将来というものを考えてみた場合、振興計画を打ち出す自立的経済の確立ということを考えてみると、とりわけ中部に密集する米軍基地を計画的に返還をしていくということでなければ私は真の沖縄の自立経済の確立は非常に難しいと思います。
 それは、既に返還された跡地をどのように有効に生かされているかということを見たら明らかだと私は思うんですよ。キャンプ・マーシー、それから北谷のハンビー、天願等そういう返還跡地がいかに有効に、そしてその返還された跡地を利用することによってその地域の経済の活性化に大変大きな力を発揮しているかということを考えてみた場合、やはり私はこれからの沖縄振興開発計画の中にこれからの将来をどうするかということを考えたら、やはり基地の返還、具体的な返還プログラムを策定することがどうしても必要じゃないかと、その点について再度知事の御見解をお聞きしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時  休憩
   午前11時2分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 友寄議員の再質問にお答えをいたします。
 私どもの考え方とすれば、SACOの合意事案は基地返還のためのアクションプログラムであると理解をしているわけです。したがって、SACOの合意事案を着実に実施することがより現実的で実現可能な方法であると認識しており、その実現に向け全力で取り組んでいるところです。そして、SACOで合意された施設以外についてもさらなる基地の段階的な整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
 なお、基地返還に伴う跡地利用の促進及び円滑化については、沖縄振興特別措置法に初めて盛り込まれ、具体的な枠組みとして国、県、関係市町村の代表で構成する跡地対策協議会を平成14年9月に設置し跡地利用の促進に向けております。なお、トータル的な問題につきましては、沖縄振興計画の中で着実に経済を自立経済に向けて進めていくことによって、これ自体で基地の受け皿として十分なり得るように努力をしてまいります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 県全体を経済特区とすることについての再質問にお答えいたします。
 今回の国の構造改革特区構想は、各分野ごとに地域の特色を生かした規制改革のモデルケースとして位置づけていることから、その範囲を原則として市町村としております。このため、さまざまな特区をまとめて県全体を一つの特区とすることについては、今回の国の構想の趣旨にそぐわないものであると考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時5分休憩
   午前11時6分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 新垣米子君。
   〔新垣米子君登壇〕
○新垣 米子 ちょっと休憩をお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時7分休憩
   午前11時7分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○新垣 米子 それじゃ通告に従って質問をいたします。
 まず最初に介護保険制度の改善についてです。
 全国平均収入の4割しかない、84%が非課税世帯の本県の高齢者が全国一高い介護保険料を負担し、現在でさえ耐えがたいのに来年4月から介護保険料が一気に約6000円に引き上げられると、本県の高齢者の暮らしと命を本当に守ることができるのでしょうか。
 昨年12月の定例県議会で1号保険者の普通徴収の徴収率が85%、1万2000人の滞納者の実態が明らかになりましたが、平成13年度の徴収率が83.7%に落ちています。来年度はますます払えない人が増加するのではありませんか。
 さらにこの10月から70歳以上の医療費が1割負担となり、ますますお金がなければ病院に行けなくなります。
 沖縄市でことしに入ってわずか半年の間に8人のお年寄りのおひとり暮らしの高齢者が孤独死、餓死するという痛ましい事件が相次いで起こりましたが、今後、このような事態が起こらないと言い切れるのでしょうか。生存権を守る税制上の救済措置として非課税の措置が保障されているのに、この非課税世帯からも保険料を徴収するという介護保険制度の仕組みそのものが欠陥であり、とりわけ84%が非課税の本県の高齢者の実態を直視するなら、制度の仕組みと片づけられない県政の責任が問われています。改めて質問します。
 約6000円に引き上げられる保険料は、本県の高齢者に耐えがたい痛みになると考えますが、その影響についての知事の所見を伺います。
 国に対して基金からの借り入れの返済償還期間の延長を要請したとのことですが、この対策だけで本県の介護保険事業の根本的な解決と考えているのでしょうか。国に対して低所得者への減免措置を国の制度として要請すべきではありませんか。
 市町村に対して減免措置の実施の指導をしているが、検討している市町村はないとの6月議会での答弁でした。今後、どのように指導を強化していくのか。市町村が前向きに検討・実施できるように県として財政支援も含めた支援策を提起すべきではありませんか。
 また、市町村の抱えている問題や県に対する要望など意向調査をする考えはありませんか、伺います。
 2つ目に、多重債務、やみ金融被害から県民を守る対策についてです。
 昨年末から出始めたやみ金融の被害がことしになって急増しています。被害の実態は深刻であり、県民生活を守る立場からも放置できない課題になっています。
 9月25日には、沖縄県クレジット・サラ金被害をなくする会が県警に86社90件について出資法違反で告発しました。私の事務所を初め各地の我が党の相談事務所にも多数の相談が連日寄せられていますが、やみ金融の被害に加えて日掛け金融の被害が急増しているのも最近の特徴です。無職、労働者に平然と貸し付けている実態、利息先取りとともに54.75%をはるかに超える高利。日掛けといいながら振り込み、送金をさせている。相保証でお互いに縛りをかける手口は、被害から抜け出したいと思ってもできないようにさせられている。やみ金融にしろ、日掛け金融にしろ、限られたこれらの相談ケースからだけでも県民全体に及んでいる被害の深刻な実態を推しはかることができます。
 私は、これまでもサラ金の多重債務ややみ金融の被害は決して個人の問題だと片づけられない県民全体の問題、県民生活を守る課題としての位置づけと対策が求められていることをこれまでも指摘してきましたが、今日の実態は従来の対応では解決できない事態になっていることを改めて強調し、質問します。
 大臣登録、知事登録のないやみ金融業者に対する取り締まりの徹底強化が緊急に求められています。警察庁は、生活経済対策室長の名で各警察本部に対して金融事犯の厳正な取り締まりの推進を5点にわたって指示していますが、どのような対策を検討してきたのか、またしているのか、伺います。
 やみ金融業者の違反行為については、相談が寄せられた段階で業者への指導・勧告を行うことが被害を未然に食いとめる有効な手だてと考えます。警察本部の対応方針について明らかにしてほしいと思います。
 登録業者への指導・監視を強める問題についてです。
 違法な出資法、利息制限法を上回る高金利や恐喝的な取り立てなど悪質な手口など県内の登録業者にも広がっています。また、日掛けの宣伝ステッカーが電柱や団地などに無差別に張られています。これらの違反業者への徹底した行政指導をすべきではありませんか。
 県の苦情相談窓口の強化とともに、相談窓口の拡充が必要です。市町村の相談窓口の設置について要請する考えはありませんか。
 県と警察が情報交換を密に行い、悪質なやみ金融の摘発に迅速に対応できるようにすべきではないでしょうか。また、関係団体等を含めた対策室等の設置が必要と考えます。
 若者の被害が急増しています。高校生に対する消費者教育でサラ金、やみ金融についての啓蒙、啓発を徹底すべきではないか。現在、どれぐらいの学校で実施しているか、伺います。
 3番目に、平良市の産業廃棄物処理場問題についてです。
 火災発生から10カ月が経過しようとしていますが、大浦住民の健康被害と後遺症の苦しみは依然として解消されていません。
 70代の女性のTさんが3月以来、全身に出ていた斑点が9月になって水疱になり、全身に広がり化膿するなど状態が悪化し、県立宮古病院に緊急入院したこと。また、県外の専門病院への検査、治療のための移送費、治療費などの緊急策をとるよう市当局に求めた平良市議会の全会一致の要請に対して、伊志嶺市長が対応することを決定したことが9月20日の新聞は報じています。
 私は、地元の上里議員からTさんが9月25日に宮古を出発したことを報告されました。また同時に、この緊急移送が実現したのは、9月16日に上里議員にかかってきた一本の電話からです。Tさんの隣に住んでいる方から、おばーが大変、死にたいと苦しんでいるとの電話を受け、直ちに現場に直行、Tさんから、かゆくて眠れない、水疱がつぶれると血が出て痛いと深刻な症状を訴えられた上里議員が、翌日の定例市議会でこの問題を取り上げ、公費での緊急対応を要求したこと。Tさんの写真を見たほかの議員らも、余りにもひどいと全会一致で確認したことなどを知らされました。Tさんの一日も早い回復を願うものです。
 そこで伺います。
 7月30日、大浦住民が崎山環境開発の施設責任者に対して、業務上過失傷害の告訴と「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」違反行為の告発を宮古警察署にしていますが、許可、指導監督責任者としてどのように受けとめていますか。
 Tさんの本土専門病院への移送費用と治療費について、伊志嶺市長は前向きに検討したいとの意向を示し、県に対しても支援を求めたいとのことが報道されていますが、県としても支援を検討する考えはありませんか。
 地元大浦住民と「大浦のいのちとくらしを守る会」から稲嶺知事へ直接訴えたいとの要望が出されていますが、こたえる考えはありませんか、伺います。
 5番目に、豊見城団地の再開発問題についてです。
 私は、平成12年の9月定例県議会でこの問題を取り上げました。当初計画は平成12年度実施設計、13年度に着工、30年度に完了計画で現在の約1000戸の総建てかえの賃貸住宅の計画でした。しかし、完成後の家賃が7万から8万円という試算提示に現在の入居者のほとんどが払えない、入居できない。8割が低所得者で公営住宅の対象であること、また再入居希望者が7割を超えることがアンケートで明らかになったことで当初計画の見直しを示し、再入居希望者のための公営住宅の建設整備の方針を県、当時の豊見城村、公社の三者の協議をする。そのために一定の事業スケジュールの変更はあるが、計画の根本的な大幅な見直しは現時点ではないと考えているとの答弁でした。
 見直しの方針が示されてから既に2年が経過しています。老朽化によるコンクリート片の落下の事故も相次いで起こりました。
 9月18日に県住宅公社の理事会の方針の内容が示されましたが、その内容について団地住民からこれまで以上に不安の声が寄せられています。この方針は、これまでの方針の全面的な見直しであり、公社の赤字経営のツケを団地住民に押しつけ、公営住宅も500戸と最初からはみ出し、締め出しを前提にしていること。県と市任せの姿勢で、公社としての現入居者への責任を放棄するものと言わざるを得ません。
 今回の見直し方針は、県の指導に基づいたものであることも明らかにしました。そうであれば県として約1000世帯、約4000人以上の住民の生活権をどうするのか、県の姿勢が厳しく問われています。
 そこで伺います。
 多くの住民が団地での居住を希望しているその意向に沿って、団地に今後も住み続けられるように住民第一で対応するよう、一方的な追い出しはしないということを明確に示すことが住民との合意形成の前提と考えます。基本的姿勢を示してください。
 早急に取り壊しの必要な棟、危険な部屋はどれぐらいか。住民への説明と話し合いの状況はどうか、伺います。
 危険な部屋でも移れないのは引っ越し費用の補助を受けても、移ったアパートの家賃が払えない。ましてや団地に戻ってこられるか見通しがない中で移れない住民が多数です。引っ越したアパートの家賃との差額分の補助をするなど支援策を講ずるべきではないでしょうか。
 最後に教育問題についてです。
 義務教育国庫負担制度の堅持について。
 憲法と教育基本法は、教育の機会均等と義務教育を無償で受ける権利を保障しています。義務教育は、全国どこでも一定の教育条件、教育内容を保障されなければなりません。公立小中学校の教職員給与などの半額を国が負担する国庫負担制度は、義務教育への国の責任を果たすためのものです。小泉内閣の見直し方針は、この責任を後退させるもので到底容認できません。多くの自治体が財政負担の転嫁のみならず、義務教育の根幹にかかわる重大な問題として声を上げているのは当然です。制度の堅持を求める意見書や要望書を国に出しているのは26の都道府県に及んでいます。
 父母や教職員を初め国民が求めているのは教職員の削減ではなく、30人学級などの少人数学級の実現です。そのための教職員の増員であり、教育予算の増額です。自治体独自の少人数学級を低学年を中心に実施している自治体が4割にも及んでいます。本来なら国の基準を30人学級とし、その費用の半額を国が負担すべきです。
 父母や教職員の願いに背を向け、自治体の独自の努力にブレーキをかけ、さらに国庫負担制度そのものを廃止・削減し、国の義務教育への責任を後退させようとしていることに県教育委員会として断固として反対を表明し、国庫負担制度の堅持を強く要請すべきではありませんか、伺います。
 次に、小中学校のクーラー設置についてです。
 豊見城市内のある小学校で、実は6月25日から7月18日の間の調査、4年生の3つのクラスの調査ですが、気分を悪くし欠席した子が延べ29人、早引けした子が17人、保健室に駆け込んだ子が32人、病院に10人が行き、そのうち4人が点滴を受けるという実態が報告されました。
 全県の実態について、このような実態があるかどうか把握しているでしょうか。
 さらに、教室の温度なども含めた実態調査をする考えはありませんか。
 文部科学省は、全国30万教室を10年間──1年間で3万教室──でクーラーの設置を促進するために設置費用の3分の1の補助を出す方針を打ち出しています。この方針をどのように受けとめていますか。今後の設置計画はどうしますか、お伺いします。
 (3)番目に、児童買春の多発についてです。
 いじめや学級崩壊、校内暴力、児童虐待など子供と教育をめぐる状況は深刻です。不登校の増大、相次ぐ少年犯罪、最近の児童買春の多発など県民だれもが心を痛めています。毎日のように児童買春の事件が報道されていますが、とりわけ教員の問題は子供と教育に責任を負っている指導的・社会的立場からも深刻に受けとめざるを得ません。
 我が党は、受験中心の詰め込み教育、競争教育、ふるい分け教育から子供たちを解放し、一人一人の子供の成長と発達を中心に置いた教育への改革を図る。子供の世界の健全な発達のためにも大人社会の各分野のモラルを確立し、道義ある社会を目指し、子供たちを有害な情報から守るため文化面で社会の自主的ルールをつくるという3つの問題での国民的取り組みを呼びかけてまいりました。
 98年6月に国連子どもの権利委員会は、日本政府への勧告の中で、極度に競争的な教育制度によるストレスのため、子供が発達のゆがみにさらされていると厳しく批判をしています。
 今回の事態は、もちろん教育委員会だけの問題ではありませんし、また解決できるものではありません。しかし、子供の教育に大きな責任を負っている立場から、学校現場の教師と子供たちの実態をしっかりとらえ、問題解決の方針を提示してほしいことを要望し、質問をします。
 目に余る少女買春の多発に対する教育長の見解と、教員がなぜこのような事態になったのか、教育長の所見を求めます。
 9月24日の校長会で教員の綱紀粛正と事件の再発防止に対する指示の内容が示されましたが、私は、あわせて教員の精神的にも身体的にもゆとりのない忙しさ、ストレスを解消するための手だてを講ずるべきではないか。
 また、子供たちの居場所が学校にあるのか。学ぶ喜びを共感できる学校、学級づくりが大事ではないか。そのための条件整備、習熟度別の少人数学級ではなく、学級そのものを少人数にし、教師が行き届いて子供たちに向き合える、教えることのできるそういう少人数学級にすることが大事ではないかというふうに考えております。いかがでしょうか。
 テレクラやツーショットなどで被害に遭っている少女たちのほとんどが家出や怠学の状況にあると言われていますが、実態について伺います。
 退廃的な文化をまき散らしているマスメディアの野放し状態こそ問題であり、青少年がこのような状態に無防備にほうり込まれている日本の実態は異常です。従来のキャンペーンだけでなく、青少年への悪影響を与える番組や雑誌、報道に対する規制など実効性のある根本的な対策と方針を示すべきではないか、お伺いいたします。
 答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 新垣米子議員の御質問にお答えいたします。
 義務教育費国庫負担制度についてのお答えでございます。
今年6月、内閣総理大臣の諮問機関である地方分権改革推進会議の中間報告、経済財政諮問会議の論議の中で義務教育費国庫負担制度の見直しが取り上げられているところであります。
 見直しにより教職員給与等の2分の1を一般財源化し、交付税措置となった場合、各地方公共団体の財政事情により教員の定数及び給与等に格差が生じ、教育の機会均等、教育水準の維持が困難となることが予測されます。とりわけ僻地指定の学校が約40%を占める本県の教育に与える影響は大きなものがあります。
このような情勢を踏まえ、県としては、国の責務として義務教育の水準確保という制度の根幹を堅持するよう他の地方公共団体や関係団体等と連携し、国へ要請活動を行っていきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 介護保険制度の改善についての質問(1)、(2)、(3)、まとめて答弁したいと思います。
 保険料引き上げの影響に係る所見や減免措置の国への要請等について。
 介護保険制度は、給付がふえれば負担がふえるという仕組みになっており、次期介護保険事業運営期間においては高齢者人口の増加や在宅介護サービスの利用増が見込まれていることから、それに見合った保険料が算出されており、県平均で5324円となる予定です。このことから低所得者対策は重要な課題であると考えております。
 次期介護保険料の軽減策として、介護保険財政安定化基金への償還によって保険料が上昇する保険者に対しては償還期限の延長を実施することとしております。9月12日に市町村助役会議等を開催し、さらに低所得者に配慮した保険料の基準額に対する割合変更や、新たな6段階保険料の設定及び保険料や利用料の減免についてきめ細かな取り組みの周知徹底を行ったところであります。
 なお、市町村との意見交換については、いろんな機会を通して意見交換、聴取をしております。
 平成14年6月の九州地方知事会においても、低所得者の高齢者が安心して適切な介護サービスを利用することができるよう制度の施行状況を踏まえ、保険料や利用者負担に係る低所得者対策について早急に新たな対策を実施するよう国に対して要望しているところであります。
 平良市の産業廃棄物処理問題につきまして、公費負担について県としての支援はどうかという御質問にお答えします。
 けさの新聞、それから平良市からの情報によりますと、9月26日入院当初、大変熱発や痛みやかゆみを訴えられたその御当人は、治療により大変軽快になりまして熱も下がり、痛みも和らいでおさまってきているということの報告がありました。私どもも一安心しております。
 同患者さんについては、現時点では火災との因果関係が明らかではありませんので、県において移送費及び治療費を負担することは難しいものと考えております。
 それから教育問題について、青少年への有害環境ということで、有害環境からの青少年の保護についてお答えいたします。
 有害情報からの青少年の保護は、沖縄県青少年保護育成条例に基づき有害興行、有害図書等の指定を行い、青少年への観覧、販売、貸し付け等を禁止しており、平成13年度は有害図書60冊、有害ビデオ等5782本を指定しております。また、その陳列方法や自動販売機による販売についても規制を行っております。
 さらに、青少年を取り巻く有害環境の実態を把握し、社会環境の浄化活動に資する目的で年1回、県下一斉に社会環境実態調査を実施しております。その結果に基づき業者等の指導を実施するとともに、各関係業界に対して自主規制等の協力要請も行っております。また、平成12年に設置した関係行政機関・団体及び関係業界で構成する「沖縄県少年育成ネットワーク」において社会環境浄化の取り組みを連携して行っております。
 今後とも関係業界、業者への周知の徹底を図り、関係機関・団体と協力して青少年の健全育成に努めていきたいと考えております。
○警察本部長(髙橋清孝) やみ金融業者に対する取り締まりの徹底強化についてお答えいたします。
 昨年7月、警察庁から「金融事犯に対する取り締まりの推進について」ということで、悪質な金融業者に対する積極的な取り締まり、被害者等からの相談への適切な対応など5点について指示を受けております。県警では、警察庁からの指示に基づき直ちに各警察署に対しても同様に厳正な取り締まり、被害の拡大防止等について指示したところであります。
 ちなみに、昨年は、高金利の出資法違反及び無登録営業による貸金業規制法違反で11件を摘発し、暴力団員等6名を検挙しており、本年も9月26日現在、貸金業規制法違反等で暴力団総長を含む5件6名を検挙しております。
 これら事犯の大半は、行政当局等からの通報、被害者からの相談などが端緒となっておりますので、今後とも被害者相談への適切な対応、関係機関との連携の強化をするなどして広く情報を収集し被害実態の把握に努めるとともに、無登録の貸金業と判明した場合、あるいは暴力団が関与する高金利、取り立て行為違反等の悪質な事犯につきましては、法と証拠に基づき厳正に対処してまいる所存であります。
 やみ金融業者の違反行為に対する警察本部の対応方針についてお答えいたします。
 昨年中、県警で受理したやみ金融等金融事犯に関する相談件数は18件で、ことし上半期は45件を受理しております。これら相談の対象となった金融業者の大半は東京都内の業者と思料され、かつ電話による契約のため借用証書や申込書など、いわゆる証拠になる書類を作成していないこと、業者が短期間で事務所の所在地や屋号を変えるなど巧妙な手口で敢行していることなどから捜査に困難を伴う実態にあります。
 県警としましては、連絡先の明らかな悪質業者に対してはその都度警告を発するなど所要の措置を講じているところであり、今後とも関係行政機関等との連携を一層強め、各種広報媒体を活用した被害防止のための広報を実施するとともに、他の都道府県警察との連携を強化しながら、被害実態の把握とその摘発に努めてまいりたいと考えております。
 次に、児童買春の被害少女の実態についてでありますが、本年10月2日現在、児童買春事件の検挙は33件で、そのうちテレホンクラブ等を利用した事件は21件となっております。
 被害児童数は23人ですが、家出中に被害者となった事案はありません。
 また、被害当時、中学校、高校に在籍していた少女は20人いますが、ほとんどの子供は普通に学校に通っていたと聞いております。
○文化環境部長(永山政邦) 多重債務、やみ金融被害から県民を守ることにつきまして、違反業者への行政指導についてお答えいたします。
 県では、県登録貸金業者に対し、新規登録時の法令講習会や年2回の法定研修会において、貸金業規制法を初め出資法や屋外広告物条例等関係法令の遵守について指導しております。
 また、違反業者に対しては立入検査等を実施し、口頭で厳重注意を行うとともに、必要に応じ業務改善の文書勧告を行うなど積極的に対応しております。県としては、今後ともあらゆる機会を通して貸金業者に対し法令の遵守指導を強化するとともに、業務改善が見られない違反業者に対しては、警察等関係機関との連携を図り厳正に対処していきたいと考えております。
 県の苦情相談窓口の強化と市町村の相談窓口の設置についてお答えいたします。
 県においては、本庁に貸金業苦情相談室、三重城合同庁舎に県民生活センター、宮古・八重山両支庁に県民生活センターの分室を設置して県民からの消費生活相談に応じております。
 近年、フリーローン、サラ金等に係る相談が増加していることから、県民生活センターに平成14年4月から相談員1名を増員しております。
 また、市町村においては7市町村に相談窓口が設置されておりますが、相談件数の増加や地域住民の利便性等から相談窓口の拡充が必要であると考えております。そのため、県は去る7月に開催した市町村消費者行政担当課長会議において市町村に対し相談窓口の設置を要請しております。県としては、特に相談件数の多い市町村に対して引き続き相談窓口の設置を要請していく考えであります。
次に、悪質業者への対応についてお答えいたします。
 県においては、警察等関係機関で構成する沖縄県消費者保護連絡会議や消費者行政関係機関連絡会議を開催し、無登録業者いわゆるやみ金融を初め苦情相談等についての情報交換を行い、被害の未然防止等に努めております。
 また、増加傾向にある無登録業者に対応するため沖縄総合事務局、県及び警察で構成する貸金業関係連絡会を去る8月に開催し、行政当局と取り締まり当局との情報交換を行っております。県としては、今後とも各連絡会議において警察を初め関係機関と情報交換を行うとともに、苦情相談窓口に寄せられた悪質業者に対する情報については早急に警察に連絡し被害防止に迅速に対応していく考えであります。
 次に、平良市の産業廃棄物処理問題でございますが、大浦住民からの平良市の産業廃棄物施設設置者の告発について県はどのように受けとめているかについてお答えいたします。
 県においては、同最終処分場に対しこれまで保健所による立入調査を行い、廃棄物の分別、焼却灰の適正処理など不適正事項について改善するよう強く指導してきております。その結果、分別の改善、管理型処分場への焼却灰の搬入などの改善がなされております。県としては、同処分場に対する監視・指導の積み重ねが十分な維持管理の徹底までには至らなかったことを踏まえて、去る5月に全最終処分場について総点検を実施しております。
 今回、地元住民から同処分場責任者に対し、告訴・告発があったことは新聞報道等で承知しております。このことについては、今後、捜査当局の判断にゆだねられるものであることから、その成り行きを見守っていきたいと考えております。県としては、今後、通常の監視・指導とあわせて最終処分場への総点検を定期的に実施し、産業廃棄物の処理業者等に対し監視・指導と改善指示の徹底を図り、厳正に対処していく考えであります。
 次に、地元大浦住民から知事への要望についてお答えいたします。
 県においては、火災発生以来、これまで同処分場内や周辺集落の環境調査及び住民の健康調査を実施してきております。その結果については、まとまり次第その都度公表するとともに、現地に赴き直接地元の方々へ説明し、不安解消に努めてきたところであります。
 地元自治会、平良市長及び平良市議会等からの県への要望に対しては、そのたびごとに真摯に受けとめ県として対応してきており、去る9月には平良市長と副知事が面談しております。
 地域からの要望については、今後とも関係部局との連携を密にしながら適切に対応していく考えであります。
 以上であります。
○教育長(津嘉山朝祥) 消費者教育の実施状況についての御質問にお答えをいたします。
 経済社会や消費生活の変化の激しい今日、消費者教育を通して自主的な意思決定能力や価値判断能力、実践的な態度を育成する必要があります。
 高等学校においては、主として家庭科、公民科の授業を通してすべての生徒に消費者教育を実施をいたしております。また学校によっては「総合的な学習の時間」、ホームルーム活動等において学校独自の取り組みをいたしております。
 消費者教育の中の消費者金融については、その仕組みと多重債務や自己破産に陥りやすい危険性を理解させ、適切な意思決定に基づいて責任ある行動ができるよう指導に努めているところであります。県教育委員会としましては、学校における消費者教育を一層充実をさせ、生活の充実向上を図る能力と実践的な態度を育成していきたいと考えております。
 次に、クーラーの全県の実態調査をする考えはないかとの御質問でございますが、実態調査及び今後のクーラー設置計画についての御質問にお答えをいたします。一括をしてお答えをいたします。
 本県が国内唯一の亜熱帯地域で、特に高温多湿となる夏場に児童生徒の学習の場である教室内が適切な学習環境にないことから、その改善を図るため全国に先立ち沖縄県のみに適用される普通教室への空調整備事業が平成10年度に創設をされております。
 県教育委員会においては、同補助制度を活用して設置者である市町村に対し、普通教室への空調整備を働きかけてきたところであります。平成14年5月1日現在、防衛施設局等が所管する空調整備事業を含めまして小学校90校、率にして32.1%、中学校53校、率にして同じく32.1%の普通教室に空調が整備をされております。
 今後、さらに快適で充実した学習環境を確保するため、設置市町村に対し教室内の室温調査等を踏まえ、学校の実情に合った空調整備計画を作成し、新沖縄振興計画期間中での整備を推進するよう積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、少女買春に対する見解と所見についての御質問にお答えをいたします。
 子供の健全な成長を促す立場にある教員を含めた大人たちによる買春事件が多発していることは、心が痛み、激しい憤りを禁じ得ません。
 事件の背景には、大人社会のモラルの低下や倫理観の欠如、せつな主義、拝金主義の横行、人間関係の希薄化や他者へのいたわり、自制心の欠如などが複雑に絡み合っており、一部の教職員が職責への自覚と使命感を欠き、みずからを見失い、買春等の恥ずべき行為に及んだものと考えております。
 県教育委員会としましては、今日の憂慮すべき状況を踏まえてすべての保護者や学校関係者、大人及び子供たちに「県教育委員会緊急メッセージ」を発したところであります。
 また、社会教育関係団体等緊急連絡会などを通して、市町村ごとに具体的な取り組みが展開されることとなっております。
 学校に対しては、自浄作用のある職場環境づくりと教職員に対する服務規律の徹底を図るとともに、性に関する特設授業を実施する等人間としての「在り方生き方」を真剣に考えるよう指導しております。
 さらに家庭や地域においては、PTAや地域が一体となって有害環境の浄化運動を展開する予定となっております。今後は事件の再発防止に向け、継続性や実効性のある県民一斉運動を展開していきたいと思います。
 次に、忙しさとストレスを解消する手だてについての御質問にお答えをいたします。
 県教育委員会では、平成13年度の「教員の悩み・体罰(暴力)に関する調査」の結果を受けまして同対応策検討委員会を設置し、今年8月には対応策の検討結果の報告を受けました。現在は、提言された対応策等の実現に向け順次実施に努めているところであります。
 中でも、習熟度別学習やチーム・ティーチングの拡大、シラバス等の蓄積、カウンセリング技法の習得、学習支援ボランティアの確立、学校行事の精選や校務のマニュアル化、さらには教職員等のメンタルヘルス相談事業等々を実施をし、教職員の学習指導、生徒指導等々の悩みの解消に努めていきたいと考えております。
 次に、子供たちの居場所が必要じゃないかということについての御質問にお答えをいたします。
 学校においては、すべての学校生活を通して子供たちが友達や教師とともに学び合う中で、自分がかけがえのない一人の人間として大切にされ、頼りにされていることを実感でき、存在感と自己実現の喜びを味わうことができることが大切であると考えております。各学校では、子供一人一人が学ぶ喜び、成長する喜びが実感できるよう個に応じたきめ細かな指導を基盤とした「分かる授業」の展開に努めているところであります。
 また、子供たちが喜んで参加できるような球技大会や修学旅行などを企画し、すべての子供たちに参加の機会を与える中で、学級や学校での有用感を持たすための行事なども多くの学校で取り組まれております。
 さらに、日ごろからの教育相談の実施等により児童生徒の理解を深め、子供一人一人が安心して生活できる学校づくりに努めております。
 県教育委員会としましては、学校はもとより、家庭や地域社会とも連携をし、地域が子供たちを育てるという機運を醸成し、学校が地域コミュニティーの拠点になるよう支援策を講じることを通して学校における子供たちの居場所づくりを促進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 豊見城団地の再開発問題についての、住民との合意形成に関する基本的姿勢についての御質問にお答えいたします。
 豊見城団地の再開発につきましては、沖縄県住宅供給公社において経営状況を踏まえた事業の見直しを現在行っているところであります。今後、当該再開発について豊見城市を初めとする関係機関と十分調整を図るとともに、団地住民の理解を得ながら事業を推進していくものと承知しております。
県としては、住宅公社に対して団地住民の生活の安定を考慮するよう指導するとともに、必要な支援策について検討してまいりたいと考えております。
 次に、危険な部屋の数と住民への説明状況についてにお答えいたします。
 昭和44年度から昭和51年度にかけて住宅公社が建設した豊見城団地の賃貸住宅は、著しく老朽化が進行していることからコンクリートの剥落が生じています。
 住宅公社においては、入居者の安全を確保すべく個別に補修等を行ってきましたが、特に老朽化の著しい7棟208戸のうち、2棟56戸は既に移転、除却が完了しております。残る5棟152戸についても引き続き移転を推進しているところであり、他の住戸につきましても現在新たな劣化調査及び緊急修繕措置を行っているところであります。
 また、これまで住民への説明や住民参加のもとで進めてまいりました事業計画につきましては、社会経済情勢の急激な変化に伴い事業の見直しが迫られているところであります。事業の見直しにつきましては、住宅公社が関係機関との調整を進めているところであり、調整後、速やかに住民への説明がなされるよう指導していきたいと考えております。
 次に、移転先家賃との差額分補助をするなど支援策についてにお答えいたします。
 豊見城団地の家賃は民間のアパートに比べると低額な家賃設定となっており、移転先の家賃と差額が生じることがあると思われます。そこで、公社においては事業を円滑に推進するため入居者への支援策について検討していくと聞いております。
 以上でございます。
○新垣 米子 休憩してください、答弁漏れ。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時50分休憩
   午前11時52分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 津嘉山朝祥君登壇〕
○教育長(津嘉山朝祥) 再質問にお答えをいたします。
 学校教育における消費者教育の状況ということでございますが、先ほど答弁の中で高等学校においては家庭科、公民科の授業を通してすべての生徒に消費者教育を実施をいたしておりますと。
 主な内容でございますが、公民の中では現代社会の諸課題として消費者問題と消費者保護について政治と経済とを関連させて考察をさせるということで、その中身の中に資料としてクレジットカードやキャッチセールス、サラ金等の消費者問題について考えさせると。そういう内容で公民科の中で取り上げてございますと。これはすべて必修でございます。
 また、家庭科教育の中でも消費者としての適切な意思決定に基づいて責任を持って行動ができるというような立場から、消費者金融等の問題について取り上げてございます。
 以上でございます。
○新垣 米子 再質問いたします。
 介護保険の問題で、仕組みの説明ではなくて、本当にこれだけの沖縄の84%非課税世帯のお年寄りの皆さんが5000円、6000円も引き上げられた介護保険を4万そこらの年金から天引きされて耐えられると思うかと。その事態についての知事の政治的な認識の所見を伺いたいということで改めて答弁を求めます。
 そしてあともう一つは、三宅島の介護保険料が8300円引き上げられるという問題が報道されましたが、10月1日に我が党の国会議員団が厚生労働省に要請しています。これは本当に負担が重過ぎるこの問題について、三宅島のこともそうなんですが、やはり県に対しての特別減免についての検討を求めております。厚生労働省当局は検討する余地があるということでの答弁を引き出しておりますから、改めて国に対しても県の立場から知事としてもこの特別減免についての要請を強く求める必要があるんじゃないかということで要求いたします。
 それからあと、やみ金融ですね、このダイレクトメール、どこから一体この名前をつかんでいるのかという問題です。調停を含めた多重債務者についての名簿が信用情報センターから漏れているという疑いをすごく強くしています。絶対にあり得ないと言い切れるのかどうか。この情報センターでの管理システムがどうなっているのか。高度の個人情報でもあり、罰則規定はどうなっているか、そのことについて担当部局、そして警察の方にちょっとお伺いいたします。
 以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時55分休憩
   午後0時1分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 新垣米子議員の再質問にお答えいたします。
 介護保険制度は、制度がスタートして3年目でさまざまな課題が出ておりますが、本県の実態がかなり特異な状況にあるため、その状況を分析して国ともいろいろ調整をしております。その中で幾つか措置されたものもあり、負担軽減が図られております。
 今後とも制度の見直しの検討については、介護保険法により介護保険法施行後5年を目途として、保険料負担のあり方を含めて制度全般について検討し、必要な見直し等の措置を講ずると定められています。平成17年の制度見直し時期に向けて高齢者や公費の負担割合を検討し、必要があれば県として制度改正を国に要望していきたいと考えております。
○文化環境部長(永山政邦) ダイレクトメールの件でございますが、信用情報センターが過剰貸し付けを防止する観点から、金融業者間の貸し付け状況のデータやりとりをしていることは聞いておりますが、やみ金融業者がそのデータを悪用しているとの状況については把握しておりません。
○警察本部長(髙橋清孝) 債務者に関する個人情報流出の法的抑止策についてでございますけれども、県警としましては、多重債務者等に関する個人情報がやみ金融業者等に流出しているかどうか、現在までのところ把握しておりません。
 この法的抑止につきましては、貸金業規制法第30条第2項におきまして、貸金業者は、信用に関する情報を顧客の借入金返済能力の調査以外の目的のために使用してはならないと規定しておりまして、その保秘の徹底、情報の漏洩防止に万全を期すよう義務づけておりますけれども、同条項に違反した場合の罰則規定はございません。
 しかしながら、この種事犯は人の弱みにつけ込んだ悪質な事犯と考えておりますので、警察庁を初め全国警察及び関係機関とも連携を強化し関連情報の入手に努めるとともに、無登録の貸金業、高金利の出資法違反等法令に違反する行為を認めた場合には、法と証拠に基づき厳正に対処してまいる所存でございます。
○新垣 米子 これをちょっとごらんいただきたいと思います。(資料を掲示) これは、嘉陽事務所にやみ金融から送られたものです。やみ金融そのもの、そして強制的な脅迫的な取り立てそのものが犯罪だというこの認識が重要だと思います。県警本部の毅然とした対応をお願いをいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後0時6分休憩
   午後1時31分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 髙良政彦君。
   〔髙良政彦君登壇〕
○髙良 政彦 通告に従って一般質問を行います。
 まず1番目に、保育行政について質問をいたしたいと思います。
 10月から児童福祉法の改正に伴い認可外保育園も保育内容や職員数、保育料金等を県に届け出る義務が生じます。また、それらの資料は利用者にも情報提供されます。
 そこで質問をいたします。
 ア、その目的と意義について説明をしてください。
 イ、指導監督の基準が公立・認可園並みでは県内の認可外の保育園には相当厳し過ぎて合致しない園が多く出るのではないか。その数はどのぐらいと見ているのか、御答弁をお願いします。
 ウ、違反をすれば罰金や事業停止とあるが、閉園になる認可外保育園は認可外保育園全体の何%ぐらい出ると考えているのか、御答弁をお願いいたします。
 エ、沖縄における認可外保育園の果たした役割については非常に大きいものがあります。戦後27年間の長い間、米軍の統治下に沖縄が置かれている間に本土では保育行政についても相当充実・強化され、現在では92%が公立・認可保育園となっており、8%が認可外保育園という状況にあります。
 一方、沖縄県では公立・認可保育園と認可外保育園はほぼ半々の50%の比率を占めております。ゼロ歳児から5歳児までの認可外保育園に通う園児は2万2000人もおり、そのうちの60%は親が共働きで同居の祖父母もいないいわゆる保育に欠ける子供たちであります。公立あるいは認可保育園に預け入れたいと思っても相当期間待たなければならないし、その間、子供の面倒を見てくれる人もいない、仕事の都合や通勤途中にあるという利便性で認可外保育園に預けざるを得ない、これが我が沖縄県の保育園の実態であり、沖縄の本土復帰後30年がたって今なおこのような実情を見たとき、行政の責任も問われなければなりません。
 認可外の基準引き上げには自助努力だけでは不可能な部分も多く出ると思いますが、行政はこのような部分にどう対処するつもりなのか、御答弁をお願いします。
 オ、東京都は、2001年度から独自の認証保育制度を導入し、現在の認可保育園だけでは対応できない大都市の保育ニーズに対応しようと実施しております。これは東京都と区、市町村が運営費を補助する制度であります。
 また、県内では浦添市が2001年度から「指定保育制度」を実施しました。「指定保育所」に認定された認可外保育園に対し、ゼロ歳児に1人月3万円、1歳から2歳児まで1人月2万円を助成する制度で現在6カ所の指定を受けております。このように各都道府県では独自の保育施策を展開する自治体がふえてきております。
 そこで質問いたしますが、出生率日本一、一方、保育園への入所待機児童率も日本一、しかも行政の不十分な保育行政を補う形で認可外保育園が大きな役割を果たしてきました。
 このような我が県における米軍の統治下及び本土復帰後の保育行政の歴史的な経過からすれば、また我が県の保育の実態を見たとき、我が沖縄県こそ独自の基準を設け、無認可保育園への思い切った助成措置が講じられるべきではないでしょうか、御答弁をお願いいたします。
 次に、福祉行政について質問をいたします。
 乳幼児医療費助成について質問をいたします。
 乳幼児医療費の自己負担率が3割から2割に引き下げられるのに伴い、那覇市では3歳児未満から5歳児未満まで市単独で実施することを決定しております。那覇市のこの決定は、全県の市町村へ大きな影響を与え、那覇市と同様の方向へ進むものと考えます。
 そこで質問いたします。
 ア、県が助成の拡大をすれば那覇市は6歳児未満まで助成をするとのことですが、子育て支援政策は稲嶺県政が最も重視する政策の一つであります。県は、当然6歳児未満まで助成すべきではないでしょうか。
 (2)、精神障害者に対する施策について質問をいたします。
 障害福祉の中で特に精神障害はその理解も含め福祉サービスのおくれがあります。平成11年、精神保健福祉法の改正により本年4月から精神障害者福祉に関する業務が市町村に移り、関係者にとっては身近に相談することができ、心強い思いをしていることと思います。那覇市では、本年11月に那覇市精神障害者地域生活支援センターがオープンします。
 そこで質問をいたします。
 ア、那覇市では精神障害者の日常生活を支援するホームヘルプサービス事業の実施が予定されておりますが、全県的にはこのような支援事業の実態はどうなっているのか、御答弁をお願いいたします。
 イ、このようなヘルプサービスを必要とする精神障害者の全県下の実情と、その人数の実態はどうなっているのか。
 ウ、精神障害者への福祉医療費支給について質問をいたします。
 兵庫県川西市では本年10月、精神障害者を対象とした医療費助成制度がスタートします。これは、精神障害者の一般疾病に対する医療費の自己負担分を全額市が助成するもので、精神障害者を抱える家族の負担を軽減する画期的なものと注目を浴びております。
 本県では、精神障害者の通院医療費の公費負担制度はありますが、福祉医療費の支給には対応はできていないところがほとんどと考えますが、家族で入院費用を工面できない重度精神障害者の家族にとっては大変な悩みと考えます。
 昭和52年から身体障害者及び知的障害者を対象に重度心身障害者医療費助成事業を実施しておりますが、障害者相互の公平性から精神障害者も助成する事業の対象とすべきではないか。我が県の実態について明らかにしてもらいたいと思います。
 (3)、次に、自殺行為について質問をいたします。
 長期不況のあおりを受け、職場において働き盛りの人たちが倒産やリストラに遭い、失業率も8%台で高い水準が続いております。このような社会背景のせいか、全国的に自殺者が多くなっております。特に我が県は働き盛りの壮年男子の自殺率が全国でも高いと言われておりますが、その実態を明らかにしていただきたいと思います。
 ア、その自殺の原因別ではどうなっているのか。
 イ、職場におけるストレス、社会的な不安によりうつ状態に陥る人が多く、なかなか見抜けない、気づけない例が多いと言われております。また、大きな自殺の要因とも言われております。企業すなわち職場との協力による予防を行政の側で何らかの方法を講じる必要があるのではないか、御答弁をお願いいたします。
 (4)、障害者手帳の統一について質問をいたします。
 身体・知的・精神の各手帳は、所管の違いから色、形、大きさが異なり、これは障害を目に見える形で区別されることになり、他人の目を気にし、いたたまれない思いをしている人が大勢います。
 神奈川県では、本年度から障害者手帳の規格統一に踏み切っております。我が県も早急にすべきと考えますがどうか。
 (5)、後見的支援を要する障害者支援の施策について質問をいたします。
 社会福祉事業法が2000年に法改正され、障害者関連の福祉サービスが来年4月より「措置制度」から「支援制度」に変わります。そこで、自分で福祉サービスの選択や契約をするのが困難な障害者をサポートする必要があります。
 横浜市では、障害者の親亡き後の不安解消と支援制度への切りかえに伴うサポート体制の強化の観点から、「後見的支援を要する障害者支援条例」を本年7月に施行しております。全国初の条例だそうですが、急速に全国に広がるものと思います。
 その内容が、1、生活にかかわる相談、助言、指導であります。2、成年後見制度を利用するための支援、3、地域で生活するために必要な場と費用の確保、4、資産の保全・活用のための助言、あっせん等、5、後見的支援を必要とする障害者を持つ親のための相談・助言となっております。
 判断能力が十分でない知的・精神障害者や痴呆性老人の権利を守るため、裁判所が選任した後見人が本人にかわって福祉サービスの利用契約や預貯金の管理、売買契約、相続・資産の保全・活用などを行うとされ、障害者の親亡き後の対策を含めて今後需要がふえてくると思いますが、公的支援がなければ制度の活用は困難な場合が多いと言われております。後見的支援を必要とする障害者が地域社会で安心して生きていくためには、行政の何らかのかかわりが必要と考えられます。
 そこで質問をいたしますが、我が県での対応はどうなっているのか。また、対応するとすれば何ができるのか。条例制定をすべきと考えるがどうか、御答弁をお願いいたします。
 (6)、特別養護老人ホームなどの入所基準の見直しについて質問をいたします。
 本年8月7日、指定介護老人福祉施設いわゆる特別養護老人ホームや介護老人保健施設、または指定介護療養型医療施設への入所基準の見直しに伴う省令の改正が通達されました。従来の申込順を改め、介護の必要の程度や家族の状況など総合的に判断して必要性の高い順に入所をさせるということであります。特に、特養ホームについては入所希望者が多いことから、関係自治体と関係団体が協議し、入所に関する具体的な指針を共同で作成することが適当との助言も付されております。
 そこで質問いたします。
 ア、このことについての県の対応について御答弁をお願いします。
 イ、入所希望者の数や待機待ちの実態はどうか。
 (7)、独居老人の安全対策について質問をいたします。
 ア、ことしに入って沖縄市で2月、5月、6月に相次いでお年寄りのひとり暮らしの孤独死が報じられ、しかもほとんど1週間近くも発見されず、ことしで4件も続いております。沖縄市では訪問事業、配食サービスなど安否確認をしているが限界があるとのことです。その限界の理由は何だと思いますか。
 そこで質問をいたします。
 ア、祝祭日のときの役所はどうなっているのか。
 イ、台風で学校や役所が休みとなるが、そのような場合の独居老人の安否確認はどうなっているのか。台風のときのひとり暮らしの老人が心配で役所に電話をしたが、だれも応対に出なかったというそういう事例があります。
 ウ、我が県のひとり暮らし老人は何名いるのか。また、ひとり暮らし老人の安全対策として行政の対象、例えば配食サービスや生きがい活動支援通所事業、あるいは緊急通報体制等整備事業等の対象となっているのは全独居老人の何%か、御答弁をお願いいたします。
 家事援助者、友愛訪問員等の家庭奉仕員制度やデイサービス、ショートステイ等の在宅サービスの施策もありますが、全体から見れば十分に行き渡っているとは言えません。そのため、福祉の第一線でこのような老人問題に真剣に取り組んでいる職員が最も気にかけているのは、隅々まで目が行き届かないため、いざというときの老人一人一人の安否の確認だといいます。
 ひとり暮らしの老人の死が1週間近くも発見されなかった事例が後を絶たない現実を考えたとき、またこれらの福祉サービスの利用希望で3割の老人が拒否をしているとのことですが、この実態を見るとき、もっとひとり暮らしの老人の立場で、またその気持ちを酌んであげられるような施策が必要ではないか。
 今、NPO団体で「ふれ合いコール」が普及しつつありますが、ひとり暮らし老人の安全対策として最も現場に合ったシステムではないかと考えます。まず、日曜日だろうが祝祭日であろうが台風時であろうが、定期的に電話を入れ、まず1番目は健康状態の確認、2番目は心の触れ合い、3番目は緊急発生時の迅速な通報が主業務となっております。
 厚生労働省老健局計画課からの報告によりますと、全国の市町村等では配食サービスが2423自治体で全体の74.6%、生きがい活動支援通所2688自治体、全体の82.7%、緊急通報体制等整備2537市町村、全体の78.1%、その他の事業として「ふれ合いコール」も含め141事業所、全体の4.3%、これは北海道や長野県、鳥取県で実施されており、電話による定期的な安否確認を行う「ふれ合いコール」等名称はさまざまですが、これらに対しても類似する事業として補助を行っているという厚生労働省老健局計画課の報告もあります。
 今後、高齢化社会が進むにつれ、ひとり暮らし老人の数は加速度的に増加します。したがって、ひとり暮らし老人の安全確認の問題は今後ますますきめ細やかな対応が求められます。ひとり暮らし老人の孤独死が今後頻発する傾向性が強くなってくると思いますが、そういうことがないように行政当局には温かい血の通った対応策が求められます。「ふれ合いコール」は、行政の目の届かないひとり暮らしの老人の安否確認に大きな効果を出します。前向きな検討をする必要があるのではないでしょうか、御答弁をお願いいたします。
 以上です。よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 髙良議員の御質問にお答えいたします。
 乳幼児医療費助成の6歳未満児までの年齢拡大についてお答えをいたします。
 乳幼児医療費助成事業は、平成11年10月から保護者の一部負担等の条件を付さずに3歳未満児まで年齢を拡大して市町村への補助事業として実施してきております。この事業は健康政策の一環となっており、52市町村の乳幼児にひとしく制度の拡充を図ることが望ましいと考えております。
 さらなる年齢拡大については、市町村の財政負担等の課題もありますので、引き続き市町村と調整しながら具体的に検討していきたいと考えております。
 次に、精神障害者に対するホームヘルプサービス事業とその現状についてお答えいたします。一括してお答えを申し上げます。
 精神保健福祉法の改正により、今年度から新たに精神障害者ホームヘルプサービス事業が市町村において提供されることになりました。
 同事業は、精神障害者が居宅において日常生活を営むことができるようホームヘルパーを派遣して食事等日常生活を支援し、自立と社会復帰を促進することを目的とする事業であります。県では、精神障害者に対するヘルパーをこれまで371名養成しており、同事業に対応する人材を確保しております。
 現在、市町村が把握している派遣対象の精神障害者は121人で、13市町村において今年度実施を予定しております。今後とも、精神障害者の福祉の向上を図るため、県としましても市町村と連携を密にし同事業を積極的に推進してまいります。
 その他の御質問は、関係部局長より答弁させます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 保育行政について、認可外保育施設の届け出制の目的と意義、指導基準に満たない施設について一括してお答えします。 
 認可外保育施設の届け出制のねらいは、施設の実態を適切に把握し、その情報を保護者等へ提供して、保護者の適切な施設選択を可能とすることによって保育環境の向上を図ろうとするものです。
 届け出制の背景には、施設での事故等があったことから指導監督と保護者への情報提供を強化して児童の衛生や安全の確保に努めるということがあります。
 平成13年度に115カ所を立入調査したところ、認可外保育施設指導監督基準をすべて満たしている施設は1カ所でした。この基準は、保育士資格者の数や匍匐室及び保育室、給食や災害訓練等の規定が児童福祉法の定めた最低基準より緩やかなものとなっておりますが、過去4年間の調査結果では指導基準を満たしている施設は平均して4.4%となっております。
 平成14年4月1日現在、524カ所の認可外保育施設がありますが、届け出制の実施により状況把握が効率的にできるものと考えておりますので、改善に向けての指導についても力を入れていきたいと思っております。
 同じく保育行政について、認可外保育施設への対応とその施策の見直しについて一括してお答えいたします。
 認可外保育施設は、待機児童だけではなく、いろいろな理由から多くの児童にも利用されています。認可外保育施設は、保育内容や設備などがさまざまであるため、児童の衛生や安全を確保する観点から認可外保育施設指導監督基準に基づいて立入調査・指導を行っています。特に、今年度は児童の処遇向上を図るため保育士等を派遣する事業も実施しています。
 県としては、「新おきなわ子どもプラン」において、認可外保育施設から認可への移行を含めた保育所の増設を打ち出したところであり、今年度は5カ所が認可に向けて取り組んでいます。また、次年度は17カ所の整備を目標としていますが、現在までに8カ所から計画が挙がっており、そのうち5カ所が認可外からの移行を希望しております。認可への移行促進とあわせて、新すこやか保育事業の充実を図りたいと考えています。
 福祉行政について、精神障害者の重度心身障害者医療費助成事業適用について。
 重度心身障害者医療費助成事業は、重度の身体障害者と知的障害者に医療費を助成することにより、福祉と健康の増進を図ることを目的としております。同事業の対象範囲を精神障害者まで拡大することについては、市町村の財政負担等もあることから十分な調整が必要であり、市町村の意向及び他県の動向を見ながら対応していきたいと考えております。
 同じく福祉行政について、自殺者の実態及び原因について。
 平成13年における全国の自殺者総数は、人口動態統計によると3万1042人となっており、本県は329人となっています。
 本県の推移を見ますと、1980年代は年間210人程度で推移しておりましたが、1990年代から増加傾向にあります。また、本県における自殺による死亡率は、平成7年の年齢調整死亡率によると女性は全国最下位であるのに対し、男性は全国2位となっており、特に20代から40代の死亡率が大きな問題となっております。
 原因別では、沖縄県警察本部犯罪統計書をもとにした調査によると、病苦、経済問題、精神障害の順となっており、最近の傾向としては病苦と経済問題を原因とした自殺者が増加しております。
 予防対策については、精神医学的、社会経済的観点などから多角的に検討することが必要と考えております。本県におきましては、「健康おきなわ2010」に基づき心の健康づくりも含めた総合的な健康づくり運動を推進しています。今後、心の健康問題について県民に普及・啓発するとともに、各関係機関・団体と連携し、自殺予防に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 同じく福祉行政について、障害者手帳の規格統一について。
 障害者手帳の規格統一については、県といたしましても、障害者が地域でともに生活し積極的に社会参加を促進する観点から、福祉サービスの基礎となる身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のサイズ、色の規格統一について関係団体の意向を踏まえ、今後前向きに検討していきたいと思います。
 後見的支援を要する障害者支援の施策について。
 成年後見制度は、判断能力が不十分な痴呆性高齢者、精神障害者、知的障害者のうち、身寄りがない場合や4親等以内に養護できる人がいない場合等において、市町村長に法定後見開始の審判の申立権が与えられており、市町村の業務となっております。
 また、痴呆性高齢者、知的障害者が成年後見制度を利用する場合に、その申し立てに要する鑑定費用等を介護予防・生活支援事業として市町村に補助を行っております。
 さらに、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理等を行う地域権利擁護事業として沖縄県社会福祉協議会に補助し実施をしております。
 障害者が地域において生活していくためには、今後とも市町村と連携を密にして障害者の権利擁護等に努めていきたいと考えております。
 指定介護老人福祉施設の入所に関する指針の作成について。
 介護保険制度の導入に伴い、指定介護老人福祉施設いわゆる特別養護老人ホームへの入所が「措置」から「契約」になり、入所申し込みが各施設に直接行われることになったことから、1人の人が複数の施設に申し込んだり、直ちに入所の必要のない高齢者が申し込んだりしていることにより、入所対象者の実数把握が困難な状況にあります。
 このような状況から、国においては去る8月7日付で介護の必要性の高い者を優先的に入所させるよう関係省令を改正したところであります。県としましても、これらの運用に当たっては透明性及び公平性が求められることから、関係団体である沖縄県老人福祉サービス協議会と共同で特別養護老人ホームの入所に関する指針を年内に作成するため協議を進めているところであります。
 独居老人の安全対策について一括してお答えいたします。
 本県のひとり暮らし老人は3万2493人で、高齢者のいる世帯の22.9%を占めております。
 ひとり暮らし老人等を支援する事業として配食サービス、生きがい活動支援通所事業、緊急通報体制等整備事業などがあり、利用延べ人員は1万4195人となっております。
なお、祝祭日及び台風時における市町村の対応としては、市町村の実情の違いによりさまざまな対応がとられておりますが、在宅介護支援センターにおいても相談や支援に応じております。
 これまで、県といたしましては再三繰り返されております孤独死について当該市町村の状況を把握するとともに、去る7月に市町村との会議の場や、さらに文書によりひとり暮らしの方々の孤独死が二度と起こらないように取り組みをお願いしたところであります。
 また、独居老人の安否を確認する事業を介護予防・生活支援事業として本年度から知念村、与那原町、南風原町の3町村が取り組んでおります。今後、老人のプライバシーの保護等の課題はありますが、事業の趣旨や理解等を求めることとし、独居老人の安否確認等のため電話による「ふれ合いコール」事業を積極的に促進していきたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 企業との協力による自殺予防についての御質問にお答えします。
 厚生労働省は、平成12年8月に「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を策定しております。同指針は、事業場において事業主が行うことが望ましい労働者のメンタルヘルスケアの基本的な考え方及び実施方法について示したものであります。
 国においては、県内民間事業所の健康管理者を対象としたメンタルヘルス指針研修がことし2月に実施されました。また、3月には産業保健と地域保健の役割を有機的に連携させ、職場のメンタルヘルスケアの円滑な推進を目的として沖縄県メンタルヘルス対策推進連絡会議を発足しております。
 県においては、国と連携をとりながら毎年10月に行われる「全国労働衛生週間」や「産業安全衛生大会」などの広報・啓発を通して同指針の周知を図っていきたいと考えております。
○安里  進 一般質問をいたします。
 まず最初に、我が党の代表質問との関連で15年使用期限問題についてであります。
 15年使用期限問題については、普天間飛行場代替施設を名護に移す条件としてどうしても明確にしていただく必要があると考えております。
 この問題については、今議会でも我が党の比嘉勝秀議員を初め与党、野党と多くの議員が質問をいたしておりました。私も名護選出の議員として知事にこの問題について明確に答弁していただきたいと思うのであります。
 2期目の知事選に臨む基本政策の中で、代替施設の使用期限は15年に限ると明記しております。これは今選挙の争点の一つになっておりますので、具体的な答弁を求めます。
 次に、沖縄平和賞第1回受賞に当たってであります。
 去る8月30日、第1回沖縄平和賞の授賞式典が世界のかけ橋である万国津梁館で挙行されました。
 私は、この平和賞の持つ3つの理念、アジア・太平洋地域における平和・非暴力実現の促進、人間の安全保障実現の促進、内発的多様性を基礎とした平和実現の促進、この3つの理念がかなった賞であるとつくづく感動を覚えました。
 悲惨な沖縄戦を体験した一人として、ペシャワール会の皆様方のあの戦乱の地であるアフガニスタンで銃口を向けられながらも体を張っての人間愛に満ちた平和活動は、これこそ平和賞に値する行為だと改めて感じ入った次第であります。
 受賞を受けたペシャワール会の代表である中村先生は、アフガニスタンの子供たちが明るい顔でいるのは、何も持たないから楽天的になるのであって、物がふえればふえるほど顔が暗くなるともおっしゃっていました。
 アフガニスタンと同じ体験をした沖縄県がこの平和賞を創設したことは、アジア全体に、いや、世界に平和の灯を投げかけたことになるとおっしゃっておりました。また、受賞した賞金の1000万円を建設中の診療所に使い、その診療所の名前も「オキナワ・ピース・クリニック」と名づけるというから、沖縄の平和の礎がアフガニスタンに根づくことになったのであります。
 平和賞をめぐる議論についてはいろいろあるものの、平和とは少なくとも沖縄においては政治的立場を超えて全県民が切実な思いで求めているものと確信するものであります。中村先生は、米軍基地を抱えている沖縄の苦悩は実はアジア、いや、全世界の縮図であることをぜひお伝えしたいとも言っておりました。
 また、暴力によって立つものは暴力によって滅ぶことは人類史上の鉄則であります。この沖縄平和賞がアジアの平和と世界の平和に貢献するよう願い、質問をいたします。
 (1)、第1回平和賞の授賞式においてペシャワール会の中村哲先生は、平和賞の賞金1000万円をアフガン東部山岳地帯ダラエピーチ渓谷に建設中の診療所の建築費用に充て、「オキナワ・ピース・クリニック」と名づけると表明されましたが、私は大変感激を覚えました。戦乱の地にあって、平和の礎を築くその「オキナワ・ピース・クリニック」に対し、沖縄県として何らかの助成をすべきと思うが、県知事の所感をお伺いします。
 (2)番目に、米中枢同時テロから1年、大国の墓場と表現されたアフガニスタンでの戦争を終え、そして1年を経た今日、ブッシュ政権は国家主権尊重の原則を打ち立てたウエストファリア条約以降、国際秩序を根底から崩すイラクへの先制攻撃への道を踏み出しているが、沖縄平和賞の創設者である稲嶺知事は、悲惨な沖縄戦を体験した沖縄県民を代表して小泉総理にブッシュ大統領に対しどうしても平和解決するよう進言し、日本における米軍基地の75%を占める沖縄県知事としてアメリカへ出かけてでも訴えるべきだと思うが、知事の決意をお伺いします。
 次に、行政改革と留保財源率の引き上げについて県はどのような影響を受けるか。
 交付税の手厚い財源保障の仕組みが自治体の行財政改革努力を阻害しているとの批判にこたえる意味で、総務省は7月に地方行財政改革の一環として自治体が地方税を義務的経費でなく、自由に使える割合を示す留保財源を2003年度から最大で5%引き上げる方針を固めたようで、都道府県分現行20%を市町村分現行25%に先行して引き上げ、市町村分は都道府県への影響を見た上で時期を考えて段階的に引き上げも検討するようであるが、留保財源率の引き上げは1954年の交付税制度創設以来初めてであります。留保財源がふえても交付税総額は変わらないが、税収の伸びが大きい自治体ほど確保できる財源がふえます。
 逆に税収減の影響も受けやすくなるため、自治体間の財政力格差が拡大する可能性があり、自治体から反発も出そうだが、沖縄の場合、留保財源の引き上げによってどのような影響を受けるか、また行財政改革が進むのかどうかお伺いします。
 次に、金融業務特区についてお伺いします。
 ことし4月1日から沖縄振興新法が施行されました。いよいよ日本にも本格的な税制優遇措置を設けた金融特区が誕生する。これが名護市に指定された国際金融センター構想であります。
 ことしの2月8日、閣議決定を経て国会に提出された沖縄振興特別措置法の56条に金融特区の創設が明記されております。これについては岸本市長と稲嶺知事が沖縄の自立経済に向けて政治生命をかけた政治力によるもので、財務省の厚い壁をこじ開けて実現したもので高く評価するものでありますが、しかし非常に厳しい条件が附帯されているようだが、国際金融センターとしては物足りないようだとも言われているが、それでも小さいながらもようやく日本の鎖国状態に穴をあけることができてその期待は大きいものがあります。
 そこでお伺いします。
 金融特区と沖縄金融センターというのはどういうものか。
 これからのスケジュールについてお伺いしたい。
 真の金融センターに残された課題は何か。
 金融センターができたら直接・間接の雇用がどれだけ期待できるか。
 沖縄振興特別措置法の56条では「金融業務に係る事業を営む法人は、常時使用する従業員の数が政令で定める数以上であること」とあるが、その従業員は何名か。
 (6)番目に、金融特区設立により最大の課題は何といっても人材の育成であります。名護市では1994年に名桜大学、2004年には国立高専が開校し、ここでもIT関連コースが入る予定であるが、何といっても目玉になるのは大学院大学構想であり、国立大学院大学が産業共同でベンチャー企業をつくり、世界的なセキュリティー企業などが誕生している。そこで、名護市にぜひ大学院大学を設立し、こうした機能を持たせてはどうかと思うが、県知事の積極的な取り組みについてお伺いします。
 次に、教育行政についてであります。
 今日、青少年の人間形成を図る上で極めて憂慮すべき教育問題が頻発し、これまでこれらの問題に対処する家庭、学校、地域社会における改革、改善などについて各種の提言が多くの関係機関・団体から行われました。そして真の青少年の豊かな人間性をはぐくむためには、世の大人たちが率先・協力して取り組まなければならない国民的課題であることが強調されております。
 これまでの各種の提言において十分に触れられなかったり、全く言及されなかった青少年の人間性の育成のために喫緊かつ重要と思われる。第1は、これまではその取り組みが不十分であったと思われる青少年の道徳的実践規範をより明らかにすること、第2は、我が国教育の現状及び新世紀を迎えるに当たっての教育の課題を踏まえ、新たな教育の指導を明らかにするため教育基本法の見直しを行うことについてであります。
 顧みますれば、戦後の復興とともに国民の物の豊かな利便性に富んだ生活に恵まれてきた反面、このような生活環境の中で人としての生き方を静かに考えるゆとりを失い、いたずらに物欲や利己思考に流れ、特に暴力、性的荒廃などに見られるように社会のモラルが衰退し、社会生活を営む規範意識が薄れ、国民としてわきまえるべき道徳の意義をも軽視されてきました。その道徳性を培うことについては各方面で幾たびか検討されたが、広く国民に浸透せず、その理解を得られないまま今日に至っております。
 新世紀を迎えるに当たって、我が国の青少年が歴史と文化を継承し、次代の創造的発展を担うたくましい国民として成長し、進展する国際社会において信頼と尊敬を得る日本人となるようその育成を図ることは我が国にとって基本的かつ重要な課題であると思います。
 そこで、今日の青少年問題についてどのような認識を持っておられるかお伺いします。そして事項別に質問いたします。
 (1)つ、障害児と健常児が一緒に学ぶ統合教育の現状についてお伺いします。
 私は、去る2月の代表質問でその問題を取り上げました。名護市の真喜屋小学校に入学する生徒の父兄がどうしても普通校に入学させたいとの強い要望があり、県教育庁、名護市教育委員会もそれを聞き入れ実現いたしました。私は、夏休み前の7月16日に小学校を訪ね、授業状況を見学して校長や担任の先生方と話をしました。その児童はもちろんのこと、学校全体の雰囲気が思いやりのある状況が生まれ大変喜んでおりました。確かに私もこの障害を持つ児童が伸び伸びと明るく、他の健常児と溶け込んでいるのを見て大変感激いたしました。その子の保護者も、私の子供は随分変わりましたと喜んでいました。これこそ人間教育だと私は思いました。これをかなえてくださった県教育庁の皆様に心からお礼を申し上げ、これからも各地域の教育委員会に対して積極的に児童個々に合わせた「適切教育」を推進してくださるようお願いし、現状はどうなっているかお伺いします。
 (2)番目、児童買春について県教育委員会でどのような対策がなされているか。
 昨年9月、中学校、高等学校の生徒が性被害に遭う事件が続けて発覚いたしました。陸上自衛官、県立中部病院医師が女子中学生と関係を持ち、県青少年健全育成条例や児童買春禁止法違反で相次いで逮捕される事態に関係者は大きな衝撃を受けました。そこで、津嘉山教育長は学校関係者、児童生徒、保護者へ向けて「県教育委員会緊急メッセージ」を発信いたしました。当時、教育長の事件への対応として極めて異例とマスコミは報じ、県民ぐるみの行動がないと事件の再発防止は望めないと強調いたしました。
 ことしに入って6月に中学校教諭、9月に入ってまたまた高校教諭、琉大の名誉教授の逮捕と、一体どうなっているのか大きなショックを県民は受けて、まさか、信じられないというのが実感でありましょう。
 信頼をしていた教師の犯行は生徒にとっても大きな衝撃に違いない。子供たちの信頼回復を取り戻すために親・家庭の問題、教師・学校の問題、大人・社会の問題に対してどのような施策が必要か、教育長にお伺いします。
 近年、家庭の少子化、核家族化などに伴い親の子供に対する過保護、甘やかし、放任がふえ、子供のわがままが募ったり、家庭内で子供が孤立したり、家庭内暴力などが頻発するなど、本来、親密な家庭の日常生活を通じて培われるべき基本的習慣や人間としての望ましい心情、態度が育ちにくい傾向にある。家庭は親子の愛情、信頼を基礎とする人間形成の場であり教育の源泉とも言われるが、この教育機能が近年とみに低下しております。
 家庭教育の特質は、いわば親の行う子供のしつけ教育にあると言われます。人間は、人間とのかかわり、自然とのかかわり、文化とのかかわりの中で成長していくことに認識を深め、親として健全な家庭を築き、家庭教育の果たす役割と責任を自覚することが厳しく問われております。特に、乳幼児期における家庭教育は子供の人格形成に大きな影響を及ぼすと言われております。しかし、近年、若い親たちはどう子供を育てたらいいか、そのすべを知らないでいらいらして暴力に走ったり、子育てを捨てたりするのが多くなっております。やはり若い親たちの子育て教育が必要と思います。
 そこで、子育て最中の親に対して、子育て機能を果たせる子育てサポーター制度を創設し、各市町村に子育て支援センター等を設置したらどうか、お伺いします。
 ことしの4月に「風俗営業の規制及び適正化等に関する法律」の改正に伴い、「沖縄県青少年によるテレホンクラブ等の営業の利用を助長する行為の規制に関する条例」も改正したと思うが、効果のほどはどうか。
 テレホンクラブやツーショットダイヤルの取り締まりをもっと強力に進めるべきではないか、また条例の見直しなどは考えていないか、一連の児童買春に関し県警本部長の所感と取り組みについてお伺いいたします。
 松くい虫駆除の進捗状況についてお伺いします。
 川柳をつくりました。
   県木が虫に食われて赤松に 枯れて予算も赤字かな
 高速道を通って議会に来るとき、枯れ行く沖縄県木であるリュウキュウマツが松くい虫にやられて一木一木枯れていくのを目の当たりにして大変悲しい思いをしております。緑は平和のシンボルであります。平和賞の創設で大変喜んでいる一方で、平和のシンボルである緑が消えていく。しかも沖縄県が誇る県木であります。平成14年度予算で15億かけ5カ年計画も立てたが、一体どうなるのか。
 高速道路沿いの松は毎日毎日赤く染まっていき、特に金武町から沖縄市南インターまではますますひどくなる一方だが、沖縄平和賞にふさわしい緑豊かな県土の保全のために早く解決できないか、また基地内はどうなっているのか、駆除の進捗状況についてお伺いします。
 答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 安里議員の御質問にお答えします。
 最初は、米国のイラク先制攻撃についてのお答えでございます。
 県としては、イラク問題については、国連の場や我が国を初めとする多くの国々があらゆる外交努力を重ね、同問題が平和裏に解決されることを強く望んでおります。
 小泉総理は、イラク問題に対する対応について去る9月13日の日米首脳会談においてブッシュ大統領に対し、アメリカがイラクに対する対応をとる場合に最も重要な視点は、国際協力体制、国際協調であるということを強く主張したとのことであり、政府としても平和的な解決を望んでいるものと理解をしております。
 次に、名護市への大学院大学設置についてお答えをいたします。
 大学院大学の設置に向けては、多くの市町村等から誘致要請があり、県民の期待も相当高まっております。
建設場所については、「大学院大学候補地選定の基本方針」に基づき知的クラスターの将来展開も含めた十分な用地面積の確保ができること、交通アクセスや魅力ある環境に恵まれていること等を条件に国において決定されることになっております。
 県としては、こうした国の意向を踏まえ、去る9月19日に「大学院大学候補地の推薦に関する検討会」を設置し、世界最高水準の大学院大学の立地にふさわしい候補地の選定をお願いしたところであります。今後、検討会の提言を受け、県としての候補地を数カ所選定し国に対し推薦したいと考えております。
 次に、15年使用期限問題についてお答えを申し上げます。
 普天間飛行場代替施設の15年使用期限については、沖縄県が57年間にわたり過重な基地負担をしている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から使用期限を設けたものであり、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。今般の知事選挙再出馬に当たり、基本政策として「普天間飛行場代替施設の使用期限を15年に限る。」ことを明確に打ち出しました。
 このことは、同問題の解決について、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないとする政府に対する強いメッセージであり、これまで以上に重大な決意で臨む考えであります。
 その他の御質問には、関係部局長より答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 「オキナワ・ピース・クリニック」に対する県としての助成についてにお答えいたします。
 沖縄平和賞の賞金が、アフガニスタンにおける診療所「オキナワ・ピース・クリニック」の建設費用に活用され、現地の人々の命を救う医療施設に使われることを大変うれしく思っております。また、このことを通して平和を希求する県民の思いが国内外に伝わっていくことは大変意義深く、賞金を受賞者の活動資金として活用していただく賞の趣旨にも合致するものであります。
 今後とも、第1回の沖縄平和賞受賞者として国内外にペシャワール会の活動内容等の周知を図ることなどを通して側面から同会を支援してまいりたいと思います。
○総務部長(當銘直通) 留保財源率の引き上げに伴う県への影響についてお答えいたします。
現在、国においては、地方の自主的な財政運営の確立等を目的として交付税制度における留保財源率の見直しが検討されております。その内容は、各地方公共団体の標準的な税収入のうち基準財政収入額に算入されない割合、すなわち留保財源率の割合を都道府県分について現行の20%から25%に引き上げるものであります。留保財源率の引き上げに伴い、その相当分については基準財政需要額も圧縮されることから、全国の地方交付税総額には影響しないこととなっております。
 なお、具体的な見直しについては国において作業中であり、本県及び県内市町村への具体的影響については明らかではありません。県としましては、全国知事会を初め地方6団体と一体となって、財政力の脆弱な地方公共団体の運営に支障が生じることのないよう地方交付税の財政調整機能の維持や所要総額を確保することについて国へ要望しているところであります。
 以上であります。
○商工労働部長(花城順孝) 金融業務特別地区と金融センター、今後のスケジュール、課題及び雇用について一括してお答えをいたします。
 金融業務特別地区とは、金融関連産業の集積立地を促進するため沖縄振興特別措置法に基づき設けられた制度であり、平成14年7月に名護市全域が指定されたところでございます。同地区内において課税の特例を受けるためには、常時20人以上の従業員を雇用することが要件となっています。
 また、金融センターとは、東京やニューヨーク、ロンドンに代表されるように多くの銀行や証券会社、保険会社、証券・為替取引所等の金融機関が集積している地域を称するものであります。
 本県に金融業務の関連企業等を集積するためには、戦略的な企業誘致活動の展開、高度な金融の専門知識を有する人材の育成・確保、情報通信基盤やレンタルオフィス等の企業立地環境の整備を行う必要があると考えております。当面は、沖縄県情報産業ハイウェイなどの情報通信インフラをインセンティブとして本社からの業務分離が可能なバックオフィス的業務の企業誘致を推進し、それらの集積を図りながら高度な金融業務関連企業の立地を促進していきたいと考えております。
 なお、金融業務特別地区での雇用については、企業の集積に伴って創出されていくものと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育行政について、統合教育の現状についての御質問にお答えをいたします。
 現在、我が国においては統合教育の概念については確立はされておりませんが、一般的には障害のある子供と障害のない子供が可能な限りともに教育を受けることとされております。
 今回、学校教育法施行令の一部改正により就学手続の弾力化が図られ、平成15年度から市町村教育委員会が専門性の高い教員の配置やスロープ、エレベーターの施設の整備等で障害のある児童生徒が適切な教育を受けることのできる特別な事情があると認める者については「認定就学者」として小中学校に就学させることができるようになっております。現在、市町村教育委員会で盲・聾・養護学校への就学が望ましいと判断された児童生徒のうち、小学校、中学校の通常学級に11名、特殊学級に47名、計58名が在籍をいたしております。
 県教育委員会としましては、当施行令一部改正の趣旨を踏まえまして適正な就学指導ができますよう引き続き市町村教育委員会に指導・助言を行っていきたいと考えております。
 次に、児童買春の対策についての御質問にお答えをいたします。
教師によるたび重なる児童買春事件が発生をし、生徒、保護者を初め県民への信頼を損ねたことはまことに痛恨のきわみであります。児童買春事件の背景には大人社会のモラルの低下、教師の使命感と倫理観の欠如、せつな主義、人間関係の希薄化等が考えられます。
 県教育委員会としましては、今日の憂慮すべき状況を踏まえ、全県民に「夢と希望のもてる社会をつくろう」の緊急メッセージを発するとともに、社会教育関係団体等と連携を図り、「子どもを守り育てる県民一斉行動」を県内各地で展開をいたします。
 また、学校に対しては、教職員の服務の総点検を指示しますとともに、教職員一人一人がみずからの「在り方生き方」を真摯に見詰め直すとともに、同じ教職員から不祥事を出さないための自浄作用のある職場環境づくり等について指導をいたしております。さらに子供たちには性に関する特設授業を実施し、生命の尊厳と人権の尊重、心の教育の充実について指導の徹底を図っていきたいと考えております。
 子供たちは社会の宝であり、子供たちが夢と希望の持てる社会をつくるためにも学校、PTA、関係機関・団体、マスコミ等を含めた県民総ぐるみの運動を展開していきたいと思います。
○福祉保健部長(新垣幸子) 教育行政について、地域子育て支援センターについてにお答えいたします。
 現在、子育て支援の制度として地域子育て支援センタ-や母子保健推進員の活動等があります。
 地域子育て支援センタ-は、育児不安等についての相談・指導や子育てサ-クルの育成等地域の子育て家庭に対する育児支援のために保育所等を指定して行うもので、平成14年度は25カ所で実施されております。
 また、母子保健活動においては、乳児健診の受診勧奨や乳幼児を抱える母親の育児相談、サポ-トを行う目的で県内の52市町村に約800人の母子保健推進員が活動しております。
 今後の取り組みとしましては、「新おきなわ子どもプラン」では地域子育て支援センタ-を平成18年度までに45カ所にふやす目標を掲げており、また母子保健推進員の活動についても母子保健計画「健やか親子おきなわ2010」に基づき充実を図ることとしております。
 なお、地域において子育てを支え合う自主的組織として「母親クラブ」が30団体あり、約2000人の会員が相互の交流や子供を取り巻くさまざまな問題解決のための研修、ボランティア活動等を行っております。今後とも市町村等と連携し子育て支援を推進してまいります。
○警察本部長(髙橋清孝) 児童買春の関係で、風適法の改正効果、これからの取り組み等についてお答えいたします。
 国内外における児童買春の撲滅に向けた積極的な動きがある中で、全国的に見てテレクラ等が児童買春の温床となっている実態があったことから、これまで各都道府県の条例において規制されていたテレクラ等営業を本年4月1日施行の「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律」によって、いわゆる風適法において性風俗関連特殊営業として位置づけし、都道府県公安委員会への届け出を義務づけ、利用者が18歳以上であることの確認措置の義務づけ、その他の必要な規制を行うこと等が規定されました。
 特に、18歳未満の者の利用を防止する措置として国家公安委員会規則において利用希望者から身分証明書の写しをファクシミリ装置により受信すること等が明確に規定されております。
 警察としましては、これまで業者に対する法令講習実施時及び届け出の際にその旨の指導を徹底しております。
 なお、県内のテレホンクラブの実態としましては、本年8月末現在で店舗型9件、無店舗型4件、計13件の届け出を受けております。
 一連の児童買春事件で、被害児童が現実にテレクラを利用している実態を踏まえ、警察としましては今後とも児童買春の被疑者の検挙のみならず、テレクラ営業所等に対する立ち入り、指導取り締まりを徹底し、違反行為に対しては厳正に行政処分を行う方針であります。
○農林水産部長(天願貞信) 松くい虫防除の進捗状況についてお答えいたします。
 県においては、効率的、効果的な防除を推進するため松くい虫被害木調査専従班を設け、早期の防除を実施しているところであります。現在までの防除の進捗状況は、予算額ベースでいきますと県実施分はおおむね50%で計画どおりの実施状況となっております。
 一方、市町村実施分につきましては5%程度とかなりおくれておりまして、早期の防除を促進しているところであります。
 また、米軍基地内の松くい虫防除対策につきましては、防衛施設局及び米軍が実施することとなっておりますが、早期の防除について働きかけをしているところであります。県といたしましては、今後とも関係機関と連携をして徹底した防除を実施してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○安里  進 再質問をいたします。
 普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題についてであります。
 知事は先ほど、私の質問に丁寧にお答えしてくれました。
 しかし、全く物足りない感じをしております。この際、知事の胸につかえているものを一気に吐き出してはいかがでしょうか、再度お伺いします。
 知事の言われた15年使用期限問題について重大な決意で臨むということの意味について、今議会のこの場において明確な説明を賜りたいと思います。もし、知事が重大な決意で臨むという意味について言われない場合、私も11月の知事選に重大な決意をしなければなりませんので、重大な決意を持って答えていただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 安里議員の再質問にお答えします。
 安里議員がただいま、もし私の考え方が安里議員と違う場合には、知事選挙に関しても重大な立場で臨むとおっしゃいました。
 私は、安里議員と全く同じ立場でございます。それが重大な決意でございます。
○安里  進 重大な決意の内容をもう少し具体的にわかりやすく、よろしくお願いします。私は、重大な決意といってもわからないものですから、わかりやすく──皆さん、わかりますか。わからぬですね。だから重大な決意について、具体的にわかりやすく説明していただきたいと思います。
 もしこの15年問題が具体的な、例えば15年問題ができない場合、知事はどういうふうにこれをやるかとか、あるいは撤回するのかどうか、こういうことも含めて具体的にちょっと説明していただきたいなというふうに思います。
○知事(稲嶺惠一) 安里議員の御質問が100%はわからないんですけれども、99.9%察するに、もしこの15年使用期限問題が何らかの解決がない限りは着工はないと、あり得ないというような御質問だと理解をしておりますので、今、口を縦に、顔を振っておりましたので、私も全く同じ考えでございます。
○砂川 佳一 しんがりを務めます。
 私は、共産党並びに公明党、社民党や社大党、自民党などの代表ではなく、離島55島、24市町村の約12万9000人の切なる思いを代表し、一般質問をさせていただきます。
 県は、沖縄振興計画の原案作成に当たって本土政府に対し、離島県ゆえにさまざまなる不利性、遠隔地ゆえのハンディ等の克服のため諸政策、新たな制度の創設を求めてきました。そして今回、総合計画である沖縄振興計画を策定し、その具現化に向けて主要4分野推進計画を決定した。しかし、その視点は、どの計画を見ても沖縄本島先導型、優先型になっていて、離島の振興についての具体的施策、振興方向のイメージがつかめないのです。
 さらに、今回の新しい離島振興計画案もこれまでの計画の域を脱し切れず、具体性に欠け緊張感がないのです。
 離島は、決して沖縄本島のお荷物ではなく、有望な先行投資先なのです。各離島が存在するからこそ我が国の領域の明確化、国防も成り立つのです。県が掲げる選択と集中の方向性であるリーディング産業、観光立県の牽引役は今後間違いなく各地離島が大黒柱となって支えるのです。
 沖縄県は、本島があって離島があるのではなく、各地離島があってこそ島嶼県沖縄なのです。島の小さきを憂うことなかれ、海の広さを誇り生かそうじゃないかの教えであります。
 新しい離島振興計画策定に向けては、総花的ではなく、より具体的に、しかも一国二制度的な大胆な発想を持って取り組み、実効性のある新離振計にしなければならないと使命感を持って訴えます。
 そこで、以下、県の考え方を伺います。
 (1)、離島は、自己完結型システムを構築しなければならない分野を抱えている。特に環境保全の問題、廃棄物処理、医療・福祉施設の充実等は単に費用対効果のみの観点で論じられる問題ではない。脆弱な自然環境と開発の調和を考慮し、生態系の保全を図るための費用または助成措置は本来の事業とは別に手当てすべきであると考えます。このことから、新離島振興計画の中に独自の総合的助成制度として盛り込むべきだと考えるが、どうでしょうか。
 (2)、沖縄振興推進4分野別計画のうち、観光、農林水産業、職業安定の宮古圏域における分野別の目標値を知らせてください。また、目標設定に当たっての算定方法についてもお聞かせいただきます。
 (3)、新離島振興計画は、地域特性を生かすことをうたっています。宮古圏域は、生活、産業用水とも地下水に全面的に依存しています。そのため、地下水の保全の施策は島の自然環境との調和を図る観点からも総合的に推進する必要があります。その中にあって下水道の整備は急務であるが、その整備率は極めて低い状況にあります。ついては、離島振興の視点から下水道の整備について県の考え方を伺います。
 そして、圏域の抱えるさまざまな問題点を総合的かつ横断的に対処するためには現在の支庁の組織では極めて不十分であります。離島は、生活物資、農林水産物の輸送費用及び情報通信経費の負担が沖縄本島に比べて割高であること、医療・福祉及び教育費の負担増等があり、これら離島の抱える課題を本庁の各部と対等な立場で協議し調整する組織とした支庁の位置づけ、権能は早急に改善すべき大きな離島振興策であります。
 今、新たな離島振興計画を策定する中において宮古・八重山支庁の組織を――人的陣容はそのままで結構です――ぜひ権限機能を本庁各部同様な位置づけとし、かつ予算提案権を有し、さらに総合調整費を新設するなど、その権能を高めることが地方分権時代にふさわしい離島振興のための組織活性化策と考えるが、県の方策を伺いたい。
 (5)、新しい離島振興計画の中に、県の長年の懸案事項である伊良部町下地島空港周辺公有地の有効利活用を離島振興策の目玉として、新離島振興計画の中にはっきりと明示すべきことを主張いたします。
 このことは今から32年前、当時は屋良主席時代でありますが、県は国策として下地島パイロット訓練飛行場誘致に際し、先祖伝来住んでいた全島民を移籍させて全島買い上げとし、島の将来についてはバラ色の夢と希望を与える振興計画を提示したのであります。その内容は、航空大学設置やハワイ並みのリゾート観光地の計画でしたが、諸般の事情とかの不可解な理由でいまだに実現されていないのです。よもや、決してここに来て、伊良部町が自衛隊誘致決議をせざるを得ない状況になるとはだれも考えていなかったのです。そのことに対する県の責任は極めて大きいと言わざるを得ません。
 そこで県は、このことを回り回った責任を果たす絶好の機会ととらえ、新離島振興計画の中に取り組むこと、向こう10年後の離島振興に結果責任を持つ計画として政治的使命、判断を持つべきであります。何しろ、今どき3000メートルの空港施設建設はどこを見渡しても建設不可能と言われる時代でありますし、広大な県有地を持つ有利性を生かせることを考えると空港周辺公有地を活用した振興開発計画こそ、宮古圏域のみならず県土の自立振興発展に大きく貢献すると確信いたします。まさに21世紀初頭の離島振興策と位置づけ、新沖縄県離島振興計画の中に明示すべきだと考えますが、県の決意のほどを伺います。
 2、続いて離島振興法の延長、改正法案についてです。
 国の離島振興法が2002年度で期限切れとなります。
 同法は、議員立法で時限立法ですが、これまで4回延長され通常国会で改正法案として上程されます。その中で、これまで港湾や道路の整備など公共事業中心だった離島振興をさらに消費税無税、ガソリン税も減税政策を盛り込むことで、住みにくい寂れた島から物価が安く暮らしやすい島への脱却を図ることとの国会内での動きがあるが、県はこのことをどのように認識されているのか伺います。
 さらに、多くの離島を抱える沖縄県としても、これらの改正案要綱をまとめ推進している超党派の国会議員でつくる島嶼議員連盟──現在、藤波孝生さんが会長ですが──や、全国離島振興協議会などと相連携しながら県独自の考えをまとめることが早急に必要だと考えますが、御所見を賜りたいと思います。
 大きな3、伊良部架橋技術検討委員会について。
 第2回伊良部架橋技術検討委員会が先月の12日開かれ、計1600メートルの海中道路を含む全長4400メートルの架橋ルートを承認したと報じられました。いよいよ夢の大橋、伊良部架橋早期実現に向けて着実に歩み出したのだと喜ぶものであります。しかし、調査費は前年度並みに計上されるものとしても、物事をうまく運ぶには悲観的に計画し、楽観的に行動をすることだと言われます。計画段階では念には念を入れ、慎重に油断することなく全力で取り組み、一たん決まると果敢に自信を持って実行するということですが、伊良部架橋、現段階ではいかなることがあるかを想定しながらも油断することなく取り組むことが肝要だと考えます。関係者一同とともに知恵を出し合ってしっかりと進めたいものであります。
 以下、質問いたします。
 (1)、同委員会ではどのような課題が取り上げられ討議されているのか、進捗状況を伺います。
 (2)、同検討委員会終了後は架橋実現に向けてどのようなスケジュールで進行するのか、伺います。
 (3)、同委員会の次回の検討委員会はどのような検討議題があるのか。そしてどこまで進行するのか。そして次回開催はいつごろですか。
 (4)、久松地区のモズク生産者らが藻場への影響を懸念し、海中道路に反対していることを県は誠意を持って対応すべきだと思いますが、このことについての考え方を伺っておきます。
 (5)、国の道路公団の見直し論が聞かれますが、この見直しの枠の中に入らないようにするためには常に慎重なる理論構築が求められると思います。その対応についての概要を伺っておきます。
 以上、選挙の年にふさわしい御答弁を期待をします。
○知事(稲嶺惠一) 砂川議員の御質問にお答えをします。
 島嶼議員連盟で検討している離島における免税、減税政策につきまして一括してお答え申し上げます。
 離島振興法の有効期限を10年間延長する等の内容を含む同法の一部を改正する法律は、平成14年7月19日付で公布され、平成15年4月1日から施行されることになっております。
 同法については、超党派の国会議員で構成されている島嶼議員連盟において、さらなる改正案として本県の離島を含む全国の離島地域の消費税と揮発油税の減免措置の導入を検討しているように聞いております。この改正案については、離島振興の新たな施策として注目しており、全国離島振興協議会等との連携を図りながら島嶼議員連盟の動向を見守っていきたいと考えております。
 なお、本県は離島振興法の適用除外となっておりますが、沖縄振興特別措置法や復帰特別措置法等により高率補助制度や揮発油税等の軽減措置がなされております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 沖縄県の離島振興計画策定についての御質問のうち、独自の総合的助成制度を新離島振興計画の中に盛り込むことという御質問にお答えをいたします。
 本県の離島振興については、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画及び沖縄県離島振興計画等に基づき諸施策が講じられ、その結果、社会資本の整備を中心に各面にわたり相当の成果を上げ住民生活も向上してまいりました。
 しかしながら、本県離島地域は地理的条件などから情報通信基盤のおくれ、医療・福祉等の生活環境面で低位にあるほか、離島の持つ豊かな自然環境の保全を図るため、環境負荷の少ない循環型社会の構築などの課題があります。県では、これまで離島の地域特性に配慮し、県単独補助事業、国庫補助事業に対する県費のかさ上げ、過疎債・辺地債による市町村事業を支援しており、今後ともこれらの行財政上の支援に努めていきたいと考えております。
 御提言のありました独自の総合的助成制度の導入につきましては、貴重な御意見として承っておきたいと考えております。
 次に、下地島空港周辺公有地を活用した振興開発についての御質問にお答えをいたします。
 下地島空港周辺公有地の有効利用については、空港機能と連携し、地域の特性を生かしたリゾート型の観光振興とあわせて航空及び海洋関連等の土地利用を図ることとし、事業導入に当たっては民間活力を積極的に活用することを基本としております。これまで伊良部町と連携を図りながら、コミュニティーアイランド事業及び体験滞在交流促進事業を活用したキャンプ場等のほか、パブリックゴルフ場や通り池周辺の遊歩道の整備等に取り組んできたところであります。
 下地島空港周辺公有地の活用は宮古圏域の活性化に寄与するものであり、現在策定中の新沖縄県離島振興計画に盛り込み、引き続き地元と連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 宮古圏域における観光振興計画の目標値についての御質問にお答えをいたします。
 観光振興計画におきましては、県全域を対象に入域観光客数、観光収入及び国際会議開催件数等9項目の指標を設定しております。
 圏域別の指標につきましては、離島航空路線における観光客アンケート調査を実施しておらず、乗客に占める観光客の割合や観光客の個別の離島における消費額等の実態を把握していないため数値目標を設定しておりません。
 一方、宮古広域圏事務組合は、ことし3月に取りまとめた「宮古地域観光振興アクションプログラム」において平成18年度の入域観光客数の目標を約37万人から48万人と設定しております。したがいまして、県といたしましては、その目標達成に向け宮古広域圏と連携を図りつつ、健康・保養型観光やスポーツコンベンション等の取り組みを推進していく考えであります。
 以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 農林水産業振興計画の宮古圏域における目標値と算定方法についてお答えいたします。
 農林水産業振興計画においては、主要指標として農林漁業就業者数、農林業粗生産額、漁業生産額、耕地面積、食糧自給率などについて掲げております。
 同計画における主要指標値につきましては、市町村、JA等関係団体が一体となって取り組む努力目標としての性格を持っていることから、各圏域を包括した県全体の指標値として掲げております。
 今後、各地域の特性を生かした農林水産業の振興を図るためには圏域別の主要指標を明示し、具体的施策・事業に取り組む必要があると考えております。このため、県におきましては、現在、計画策定時の基礎資料に基づき圏域別主要指標の作成作業を進めているところであります。今後、市町村、JA等関係団体と調整を図りながら圏域別の主要指標を策定してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○商工労働部長(花城順孝) 職業安定計画における宮古圏域の目標値についての御質問にお答えいたします。
 職業安定計画は、県全域を対象とした計画として策定していることから、各圏域別の目標値は設定しておりませんが、地域雇用開発促進法に基づき本年4月に策定をした雇用機会増大促進計画では、平成14年度から平成18年度の5年間を計画期間とする圏域別の計画として策定をしております。
 宮古圏域を対象とする雇用機会増大促進計画におきましては、農水産業や観光・リゾート産業等の振興策の促進とあわせて、地域雇用開発助成金等の雇用支援制度の活用を促進することにより、5年間の計画期間における新規雇用者数を1000人とする目標を設定しております。
○土木建築部長(安慶名正行) 新沖縄県離島振興計画策定についての、離島における下水道の整備についての御質問にお答えいたします。
 県においては、生活環境の改善及び公共用水域の水質保全に資することを目的として汚水処理施設の整備を進めているところであり、整備を進めるに当たっては、効果的、効率的な事業促進のため全市町村を対象に沖縄県下水道等整備構想を策定し、計画的な事業促進を図っているところであります。
 離島地域においては、市街地を公共下水道事業、また観光地・景勝地を特定環境保全公共下水道事業により、さらにその他の地域については農業・漁業集落排水事業、合併処理浄化槽設置整備事業の対象区域として位置づけ整備を進めております。
 特に、生活用水を全面的に地下水に依存している宮古圏域においては、地下水や海域等の公共用水域の水質保全を担う汚水処理施設の役割は重要なことと認識しております。そのため、県としては地元市町村と連携し、より一層効率的な整備普及促進を図っていきたいと考えております。
 次に、伊良部架橋技術検討委員会についての、伊良部架橋技術検討委員会の検討課題と進捗状況及び次回の同委員会の検討議題と進捗状況及び開催時期についてにお答えいたします。一括してお答えいたします。
 伊良部架橋の計画策定においては、海上距離が4キロメートル以上あり、厳しい自然環境下で事業規模も大きいことから、環境や景観への配慮、経済性の比較検討及び航路との整合性等の課題があり、伊良部架橋技術検討委員会を設置し、構造形式等の検討を行っているところであります。
 同委員会は、これまでに2回開催し、橋梁の上部工及び基礎工の構造形式について3案程度に絞り込みを行ったところであります。また、次回の第3回検討委員会では、第2回検討委員会で選定された案の中から、地域特性や現場条件等に最も適した案の絞り込みを行う予定であります。
 なお、開催の時期としては平成14年12月ごろを予定しております。
 それから、同委員会終了後、架橋実現に向けてのスケジュールについてにお答えいたします。
 伊良部架橋の今後のスケジュールについては、平成15年度も引き続き環境影響評価に関する調査や手続などを実施することとしております。
 伊良部架橋の事業化に向けては、種々の課題解決を図るため地元の強力な支援体制が必要であると考えております。県としては、地元と連携を図りながら関係機関との調整や条件整備に取り組み、早期に事業化できるよう努力していきたいと考えております。
 次に、久松地区のモズク生産者に対する県の対応についてにお答えいたします。
 伊良部架橋については、平成11年度に地元関係者等で構成された「伊良部架橋調査検討委員会」において一部海中道路を含む架橋の概略ルートが提案されております。同案を受けて、現在、技術検討委員会で総合的な観点から構造形式等の検討を行っているところでありますが、平良側の海中道路案については、久松地区のモズク生産者からモズク養殖への影響を懸念する意見があります。
 県としては、架橋ルートの構造については、海域の利用状況や環境及び景観への影響など総合的な検討を踏まえ、地元との合意形成を図り判断したいと考えております。
 次に、国の道路公団の見直し論がある中での伊良部架橋の対応についてにお答えいたします。
 昨今の道路特定財源の見直しや公共事業の縮減など、道路事業を取り巻く環境が厳しくなってきている状況の中で、伊良部架橋の事業採択に向けては費用対効果の検討を初め膨大な事業費の確保、地域開発計画との整合性、環境への配慮、地元関係者の合意形成等解決すべき多くの課題があります。
 県としては、これらの課題解決について「伊良部架橋技術検討委員会」の指導・助言をいただき、さらに「伊良部架橋地元推進協議会」の協力を得ながら取り組み、早期に事業化できるよう努力していきたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(當銘直通) 宮古・八重山支庁の組織の強化についてお答えいたします。
 宮古・八重山支庁は、地方自治法第155条第1項の規定に基づく「沖縄県支庁設置条例」により設置しているもので、宮古・八重山地域の県行政の連絡調整、地域開発の調整・推進に関する総合出先機関として位置づけられております。
 ちなみにこれまでの経緯を申し上げますと、平成8年度に各部の出先機関であった福祉、農林土木、土木事務所等を統合し支庁内の「課」として位置づけるとともに、支庁長の格付を本庁の部長級へ格上げしたところであります。平成10年度には、農林水産業の振興の一体的な推進体制を確立するため家畜保健衛生所及び農業改良普及センターを支庁へ統合し、平成13年度には総合的企画・立案及び調整機能を強化するとともに、効率的な組織とするため支庁の「振興総務課」と「商工観光課」を統合し「総務・観光振興課」としたところであります。
 また、本年度は、福祉・保健・医療サービスを総合的・一体的に県民に提供するため「福祉課」と「保健所」を統合した「福祉保健所」を支庁の組織として位置づけるなど、宮古・八重山地域の総合的かつ一体的な振興を図るため支庁の組織及び支庁長の権限拡大を行い、体制強化に努めてきたところであります。引き続き両支庁が地域市町村と密接に連携し、住民サービスの向上が図られるよう執行体制を整備してまいりたいと考えております。
 また、地域振興に向けた事業化や予算措置につきましては、各部局との連携を一層推進していく中で対応してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程は、これで全部終了いたしました。
 次会は、明4日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後3時16分散会

 
20020606000000