○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた出納長嘉数昇明君及び技監宮尾博一君は、別用務のため本日の午前の会議に出席できない旨の届け出がありました。
また、地方労働委員会会長垣花豊順君及び人事委員会委員長新崎盛善君は、所用のため本日、明日及び16日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として地方労働委員会事務局長名幸宏明君及び人事委員会事務局長野島拓君の出席を求めました。
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○議長(伊良皆髙吉) この際、念のため申し上げます。
本日、明日及び16日の3日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
新垣哲司君。
〔新垣哲司君登壇〕
○新垣 哲司 おはようございます。
自由民主党を代表いたしまして代表質問を行います。
1、知事の政治姿勢についてお伺いします。
稲嶺知事におかれましては、このたび2期目の当選を果たされましたこと、まことにおめでとうございます。自由民主党を代表いたしましてこの席から祝福の言葉をお送りしたいと思います。これから4年間、沖縄県政のかじ取りを再度稲嶺知事に託すわけでありますが、知事には心身ともに万全の態勢で臨んでほしいと願うものであります。
さて、ここで稲嶺県政の4年間を振り返ってみたいと思います。
稲嶺知事が登場する前の県政については、確かに沖縄問題の現状を国に対し問題提起をした点では一定の役割を果たし評価もできるものでありますが、最も大事な問題解決能力が不十分であったことから、政府との信頼関係を失い基地問題は行き詰まり、県経済に対する不況感や雇用不安等が高まり、県民の間に閉塞感が充満していたのであります。
稲嶺知事は、就任早々政府との信頼関係を構築し、沖縄問題の最重要課題である経済問題、基地問題の解決に取り組み、そして経済振興のプロジェクトの多くをスタートさせ、産業経済分野の体力強化に努めてきたのであります。
基地問題については、沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画に基地の整理縮小や基地返還跡地の有効利用、未解決の戦後処理問題を初めて位置づける等大きな前進を見たのであります。
今回の選挙において、投票率は57.22%と低くなったとはいえ21万票差という圧勝に終わったのは、まさに稲嶺知事の4年間の実績と努力が県民に圧倒的に支持され信任されたことのあらわれであります。稲嶺知事は、2期目の県政運営を自信を持ってみずからの政策の実現に向かって邁進されるようお願いするものであります。
しかしながら、本県にはいまだ解決すべき課題も山積しております。新たな沖縄振興計画の主要目標である「民間主導の自立型経済の構築」をいかに具体的に実現するか、普天間飛行場代替施設の15年使用問題の解決、米軍基地の整理縮小、いわゆるSACOの完全実施及びSACO以外の施設の返還問題、米軍基地跡地利用問題、雇用失業問題等々であります。
そこで、知事にこれからの4年間の県政運営を行うに当たっての姿勢について伺います。
2期目の当選を果たされた現在の心境と山積する諸課題について、今後4年間の県政運営に当たっての決意をお聞かせ願いたいと思います。
2、北朝鮮による日本人拉致問題についてであります。
私は、この問題を取り上げるのは今回で3回目であります。最初は平成9年2月定例会、2回目は去る9月定例会、そして今回であります。この問題について、なぜ私がこうもこだわるのかと疑問に思っておられると思います。
今から7年ほど前に初めて北朝鮮による日本人拉致の問題の存在を聞いたとき、私は半信半疑でした。確かに北朝鮮という国は国際社会から孤立をし絶対権力者が君臨する独裁国家であり、何をするかわからない国との印象は持っておりましたが、まさか北朝鮮から日本に入り込んで、しかも日本の地で日本人を拉致して朝鮮に連れ出すということは、主権・法治国家として日本の警察力からして不可能に近いと考えたからであります。
しかしながら、実際に拉致された家族の方に直接問い合わせ話を聞いたのでありますが、話の中での、子が行方不明になったいきさつやその場の状況等から拉致されたことは動かしがたい事実と認識したのであります。
拉致被害者の家族は、拉致されたその日から警察や行政、政府、国会議員等に実情を訴え要請行動を続け、また街頭に出て町行く人たちに支援を訴えてきたのであります。しかも、これを20年間も毎日のように行ったのであります。その間、家族の訴えに政府は何の行動もとらず、町行く人は何の反応もなく、中には家族に対して無神経な発言をする者さえいたとのことであります。それでも家族は子供の帰りを信じて訴え続けたのであります。その家族の心情はいかばかりであったでしょうか。家族の方の心労、25年の忍耐、勇気、根気を思うと、このことを自分に置きかえたとき、自分にできることは何があるかと考え、また家族の方からも全国の皆さんの御支援をいただきたいのでぜひ県議会でも取り上げてほしいとの強い要望もあり、平成9年の2月定例会でこの問題を初めて取り上げたのであります。
そして、この問題は主権国家である日本の国で起こったことであること、この問題をいかに解決するかが法治国家として問われていること、拉致被害者は70人から80人とも言われ、日本にとって深刻な外交問題であること等、決して風化させてはならない問題であります。その上で自分の支援方法として、県議会を通して多くの人に拉致家族の実態を知ってもらい、多くの人が自分の問題として認識してほしいとの思いから何度も県議会で取り上げてきたのであります。この意味で、知事におかれましては私の思いを御理解いただき、温かい答弁をお願いするものであります。
(1)、拉致家族の帰国問題であります。
5人の拉致被害者は、現在日本に帰国しているが、その夫や子供はいまだ帰国できない状態にあるが、一日でも早く家族全員が帰国できるよう、自治体の長としても政府に働きかける考えはないか。
(2)、いまだ解明されていない拉致被害者の問題についてであります。
北朝鮮によると、8人の拉致被害者は死亡したとのことであるが、家族からは疑問の声が上がっている。これの解明がなされなければ法治国家として問われると思うが、警察本部長はいかが考えるか、お伺いします。
(3)、拉致家族の永住帰国への支援についてであります。
政府においては、5人の帰国者の支援策を決定しているが、その支援策について十分であるか、知事の御所見を賜りたい。
県内でも拉致被害者がいるかについて。
最近の新聞報道によると、県内でも拉致に遭ったのではないかとしてその捜索願を警察に出したとのことでありますが、県警察本部長はどれほど把握しておりますか、お尋ねをいたします。
3、産業廃棄物処理問題についてであります。
(1)、廃棄物の適正処理及びリサイクルの推進について伺います。
近年、我が国においても廃棄物の減量化やリサイクルの取り組みに対する関連法も整備され、取り組みも始まりつつあるとのことである。一方においては全国的に不法投棄の問題が顕在化し、廃棄物対策は大きな転換期に来ていると言われている。
本県においても最近、平良市や沖縄市における産業廃棄物最終処分場の問題もあり、廃棄物の適正処理が課題となっている。
そこでお伺いします。
①、家庭から出るごみや産業廃棄物のリサイクルの進捗状況はどうなっているか。
②、産業廃棄物最終処分場等に対する監視・指導体制はどうなっているか。
③、一般廃棄物及び産業廃棄物の焼却炉施設に関するダイオキシン対策はどうなっているか。
(2)、火災発生のあった平良市産業廃棄物最終処分場について伺います。
平良市産業廃棄物最終処分場において昨年11月28日に発生した火災問題は、1年を経過した現在においてまだ火災の原因を特定することは困難な状況にあるとのことであります。
この間、県においては地域の環境保全や健康を守る観点から、環境調査や健康調査を実施するなどの対応をしてきておりますが、平良市より県に対して健康不安に対する住民へのフォロー体制や地下水に関する地質調査の実施、食べ物の安全性を図るための海産物の調査など幾つかの要望があったと聞いておりますが、そこでお尋ねをいたします。
①、健康不安を抱えている住民への身体的、精神的フォロー体制はどうなっているか。
②、ボーリング調査等の進捗状況はどうなっているか。
③、当該海域内の海産物に含まれる汚染物質の調査についてはどうなっているか。
(3)、搬入停止された具志川市の産業廃棄物最終処分場について伺います。
新聞報道によると、具志川市の管理型最終処分場を設置している会社に対し、県は11月22日付で、処分場に隣接する場所に廃棄物を埋め立てたなどとして同日から半年間、廃棄物の搬入を停止する措置命令を出し、期間内に廃棄物を撤去し汚染のないように適正に処理するよう求めたとあります。
これに対し、同処分場は、「他の搬入先を探すなど態勢が整うまでの間、粗大ごみの回収中止を決めた。」と報じられていますが、そこでお伺いします。
①、同事業者を廃棄物処理法に基づき措置命令を行った経緯について御説明願いたい。
②、関係市町村の粗大ごみ処理等の対応はどうなっていますか。
次に4、大学院大学の設置について伺います。
沖縄新大学院大学候補地推薦検討会は、県内の12市町村から出ている13カ所の候補地の視察・調査を完了し、その結果について3カ所の候補地を選び国に推薦しており、近々場所決定をなさると思われます。
そこでお伺いします。
(1)、3カ所の候補地を選定した評価基準及び選定理由等を具体的に説明を願います。
(2)、正式決定までのスケジュール等について伺います。
本県の均衡ある発展というのは、北部や中部、南部、あるいはまた離島も含めて発展するのが県土の発展であると思います。本島中南部は、特に水の問題、水がめの問題には北部の皆さんに大変お世話になっております。同時にまた、基地の一極集中、北部、中部でございます。それもやはり国からの援助もありますが、まさにそのとおりだと思っております。
しかし、南部にはまた20万人近い人口があるわけでございますが、まだ那覇以南には大学は1つもございません。そういう意味からいたしましても、均衡ある発展といたしまして南部にもどうぞ、2つとは言いません、1つの大学をぜひつくっていただきたいというのが南部振興会を初め南部の皆さんの願いでございますので、どうぞ知事にもしっかりとその南部の声を受けとめていただきたいということを要望しておきたいと思っている次第でございます。
5番目、那覇空港滑走路の沖合展開についてであります。
那覇空港は、航空輸送需要の増加により過密化が進みつつあり、内閣府の平成13年度那覇空港長期展望調査によると現滑走路の処理能力は2015年までには限界に達すると予測されております。
また、離島県である沖縄にとって那覇空港は航空ネットの拠点であるばかりでなく、本県経済の生命線である観光産業の持続的発展の上からも重要である。このため、滑走路の増設は那覇空港の空港能力向上を図るためにも不可欠であります。
そこでお伺いします。
(1)、滑走路増設の明確な位置づけについてでありますが、今後の見通しについて御説明を願います。
(2)、空港滑走路建設で最も重要なものは、建設場所の地元の合意形成であります。政府も地元の合意形成を強く求めており、県においては地元との合意形成に向けての取り組み状況はどうなっておりますか。
(3)、滑走路の沖合展開のための環境影響調査の実施状況は進んでおりますか。
6番目、民間活力の活用による地域振興についてであります。
(1)、旭橋周辺地区再開発事業について伺います。
沖縄都市モノレール旭橋周辺の市街地再開発事業の第1期事業区域が、全地権者が同意したことにより事業が本格的に推進されることになった。この事業は、民間が主体となった第一種市街地再開発事業であるが、今後、県としてどのようなかかわりを持ち、どのような支援を行うか、説明を願います。
7、本島バス4社統合問題についてであります。
沖縄本島バス会社4社は、人の流れの多い同一路線に乗り合いバスが集中するなど過当競争の状況にあります。そのため、平成14年度に実施されたバスの需要調整規制の撤廃の規制緩和やモータリゼーションの加速に伴うバス離れの進展、都市モノレールの開業を控え、経営の健全化を確保し、公共交通の使命を担うために乗り合い部門の統合が必要として現在その調整が進められております。
そこで、現在の進捗状況とバス企業の債務処理及び新会社の事業計画について伺います。
(1)、統合に向けての現在の進捗状況について説明を願います。
(2)、バス企業の債務の処理の進展状況について御説明願います。
(3)、既存4社と新会社との関係はどうなっておりますか、御説明願います。
代表質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 新垣哲司議員の御質問にお答えいたします。
最初は政治姿勢について、再選後の心境と県政運営に当たっての決意についての御質問にお答えいたします。
今回の選挙におきましては、多くの県民の御支持と評価をいただき、改めて責任と使命を強く感じております。
今後4年間で、県民の英知と創意を結集した沖縄振興計画を着実に実施し、県民とともに本県の発展を確実にしてまいります。産業経済の振興、雇用の創出を加速させ、基地の整理縮小を引き続き強く推進してまいります。さらに、文化の振興や平和の発信、女性と若者の力の活用、環境の保全・創造、医療・福祉の充実・強化にも力を尽くしてまいりたいと考えております。
次に、拉致家族の帰国問題を政府に働きかけることについてお答えいたします。
拉致問題に関しましては、去る10月に九州地方知事会議として、1、拉致の状況、被害者の朝鮮民主主義人民共和国での生活状況、死亡に至った経緯及び死因などの真相究明のためさらに徹底した捜査や調査を実施すること、2、生存者及びその家族の永住帰国の早期実現を図ること、3、被害者や被害者の家族が受けた損害に対し、朝鮮民主主義人民共和国に賠償を求めること、以上の3点を政府に要望したところであります。拉致被害者や家族が一日も早く帰国され、さらに拉致問題が速やかに真相究明されるよう強く望んでおります。
続きまして、拉致家族への支援策についてのお答えでございます。
拉致被害者の生活基盤の再建を目的とした「北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律」は、経済的支援を柱に公営住宅への優先入居や職業訓練、就職あっせん、修学支援など国や地方自治体による幅広い支援策が盛り込まれており、経済的支援である給付金は厚生年金のモデル金額に準拠したものであると伺っております。
被害者家族の会からは「犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律」などに比べても手厚いと評価されていると聞いております。今後とも、拉致被害者家族の生活再建のためにあらゆる方策が講じられるべきであると考えます。
次に、大学院大学について、候補地選定の評価基準及び理由についてお答えいたします。
大学院大学の候補地につきましては、国から候補地推薦の依頼を受け、国の「候補地選定の基本方針」を踏まえ、県が設置した「候補地推薦に関する検討会」において「評価基準」が作成され、これに基づき3カ所の候補地が選定されております。
評価基準では、世界最高水準の大学院大学の立地にふさわしい立地環境の観点から、1、用地面積、2、交通アクセス等の利便性、3、研究や居住環境等の優位性、4、用地取得、利用の容易性、5、その他、法令上の規制等の5つを基本に100ヘクタール以上の用地確保、空港までのアクセス時間、自然景観、生活の利便性など30項目が設定されております。
3候補地は、これらの評価基準に基づく厳正な調査検討の結果、高い評価を得て選定されたものと理解しております。県としては、こうした審査の経緯を踏まえ、「候補地推薦検討会」の報告どおり国に推薦する3候補地を決定したものであります。
次に、候補地決定までのスケジュールについてお答えいたします。
県は、去る12月4日に3候補地を決定し、細田沖縄担当大臣へ提案しました。この提案を受け、国においては同日開かれた「第7回沖縄新大学院大学構想検討会」において候補地決定に向けた審議を始めたところであります。
候補地は、今後、国の「構想検討会」委員による3候補地の現地調査や、来年1月12日にサンフランシスコ近郊で開催する第3回国際顧問会議での論議を踏まえ、早ければ来年1月末から2月上旬ごろに決定される見通しであります。
次に、那覇空港の滑走路増設の明確な位置づけと今後の見通しについてお答えをいたします。
去る12月6日に開催されました国土交通省交通政策審議会航空分科会において、今後の空港整備に関する方策についての答申がなされました。
その中で、那覇空港は「主要地域拠点空港」として位置づけられておりますが、現在の空港内での新たな施設展開の余力はなく、将来的に需給が逼迫する可能性があると指摘されております。
このため中長期的な観点から、滑走路増設等を含めた抜本的な空港能力向上方策について幅広い合意形成を図りつつ、総合的な調査を進める必要があると結論づけており、那覇空港の拡張整備に向けて大きく前進したものと受けとめております。今後は、この答申を受けて次期空港整備長期計画が策定されるものと考えております。
次に、旭橋周辺地区の再開発事業について、今後どのようにかかわり、県はどのような支援を行っていくかという御質問についてお答えいたします。
旭橋周辺地区再開発事業は、バスターミナルや周辺の低未利用地を高度な都市機能を備えた魅力ある地区として再生することはもとより、モノレールの利用促進、雇用の創出につながるものと認識しております。県としましては、那覇市と連携しながら、民間の資金やノウハウを生かしたこの再開発事業が円滑に実施されるよう、都市計画決定に向けて住民説明会や公聴会の準備を進めているところであり、また国庫補助事業の導入などについても積極的に協力しているところであります。
次に、バス統合に向けての進捗状況についてお答えいたします。
バス統合は、本島バス4社がみずからの経営判断により乗り合い部門の統合を行い、経営体力の増強を図ることを目的に取り組んでいるものであります。現在、平成14年1月に発足したバス統合準備室とバス4社が統合のための諸条件の調整を行っております。
また、バス統合準備室は、新会社設立のため事業計画や出資等の資金計画、路線の再編案等を出資予定企業や県に示し出資を要請するとともに、沖縄振興開発金融公庫等の金融機関に統合に必要な資金の融資を要請していると聞いております。県としては、新会社の事業経営に対する責任を持って遂行する経営陣やそれを支える企業等が明らかになった段階で、国とも緊密な連携を図りながら、総合的な観点から対応を検討し、県として支援が可能なものについては全力で取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○警察本部長(髙橋清孝) 拉致問題の解明と、県内でも拉致被害者がいるのではないかにつきまして一括して御答弁いたします。
北朝鮮による日本人拉致容疑事案につきましては、国民の生命、身体に危害を及ぼす極めて重大な事案であると認識しております。現在、関係都道府県警察におきましてその全容解明のため必要な捜査を進めているところであると承知しております。
次に、県内におきましても拉致の被害者はいるのではないかとの質問でありますが、現在までのところ8件、12人の相談事案が寄せられておりますけれども、本県におきまして北朝鮮による拉致事案であるとの判断に至った事案はございません。
なお、県警は家出人捜索願等を受理した場合には、これまでもあらゆる可能性を想定して必要な調査を行ってきたところでありまして、今後とも拉致の可能性を疑わせるような新たな情報があれば警察庁や関係機関と連携して必要な調査を進めてまいる所存でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 産業廃棄物処理問題についての御質問に順次お答えいたします。
まず廃棄物のリサイクルについてお答えいたします。
平成13年度に実施した一般廃棄物処理事業実態調査によりますと、平成12年度に県内の家庭等から排出されたごみの量は50万7000トンで、そのうち古紙やアルミ缶など約4万1000トンが再生利用されております。排出量に占める再生利用の割合を示すリサイクル率は、分別収集実施市町村の増加等により平成9年度の5.8%から平成12年度は8.1%と向上しております。
また、平成12年度に実施した沖縄県産業廃棄物実態調査によりますと、平成11年度の産業廃棄物の排出量は194万4000トンとなっております。
このうち建設業から排出されるコンクリート殻や食品製造業から排出される加工残渣など80万1000トンが再生利用されており、そのリサイクル率は平成9年度の38%から平成11年度には41%と向上しております。
県においては、廃棄物の減量化・リサイクルを一層推進するため、平成13年度に策定した「沖縄県廃棄物処理計画」において平成17年度のリサイクル率の目標を一般廃棄物で17%、産業廃棄物で45%と設定し、その達成に向けて総合的な廃棄物対策に取り組んでいくこととしております。
次に、最終処分場等における監視・指導体制についてお答えいたします。
県においては、産業廃棄物の適正処理の推進を図るため、保健所による産業廃棄物最終処分場等への立入検査や、県、市町村、警察、産業廃棄物協会などの関係機関が連携した県下一斉の不法投棄監視パトロールを実施してきております。
今年4月には、福祉保健所へ9名の職員を増員するとともに、県警察本部より文化環境部へ警部1名を配置し、監視・指導体制の充実・強化を図っております。このような体制のもとで、去る5月から6月にかけて最終処分場全施設(28施設)について、産業廃棄物の適正処理の確保と処理施設の安全管理の徹底を図るため総点検を実施したところであります。県としては、今後とも産業廃棄物処理業者等への監視・指導の徹底を図り、なお一層の廃棄物の適正処理を推進していく考えであります。
次に、ダイオキシン対策についてであります。
ダイオキシン対策については、その総排出量の削減を図るため、本年12月1日から焼却施設に対し新たな基準が適用されております。
現在、県内の市町村においては、ごみ処理施設32施設(50市町村)のうち、24施設が新基準に適合しております。残る8施設(離島10町村)のうち、6施設(6町村)では、当面他市町村への委託処理等を行い、平成17年度を目途に国庫補助制度による処理施設の整備計画を進めております。
宮古地区の2施設(4町村)については廃止し、広域化により既存の施設で処理しております。
また、産業廃棄物の焼却施設については、15施設のうち6施設が新基準に適合しており、残る9施設は現在使用を停止しております。使用停止の9施設のうち、1施設は設備の改造、4施設が新規の整備計画を進めております。県においては、引き続きダイオキシン類の総排出量の削減を図るため、市町村や事業者の焼却施設の整備促進を図っていきたいと考えております。
次に、ボーリング調査の進捗状況についてお答えいたします。
県では、これまでダイオキシン類や大気、水質、土壌等の環境調査を実施し、地域住民の不安解消に努めてきております。
県においては、これまでの環境調査等に加えて、地質的観点から周辺環境への影響を詳細に把握するため、去る10月16日の地質調査検討委員会において地質文献資料や現地踏査等により調査検討を行ったところであります。現在、県においては、同委員会での調査検討や提言等を踏まえまして、1つ、水文地質状況の広域調査、2つ、ボーリング調査や地質観察等の処分場調査、3つ、ボーリング試料の化学分析等を実施しているところであります。
これらの地質調査の結果につきましては、まとまり次第地域住民に公表し、今後の環境保全対策に生かしていきたいと考えております。
続きまして、海産物の汚染物質調査についてお答えいたします。
県は、昭和48年度から水質測定計画を、また平成12年度からダイオキシン類測定計画を策定し、公共用水域の水質・底質、地下水、土壌及び大気など環境中の汚染物質の現況調査を毎年度実施しているところであります。これらの現況調査に加え、平成14年度は、中城湾、平良港等主要海域に生息する魚介類など海生生物の汚染及び蓄積状況を把握するため汚染物質実態調査を計画しております。
火災のあった最終処分場の周辺海域における海産物の調査については、県は同処分場からの汚染物質による海産物への影響を把握しておく必要があります。また、平良市や地域住民の方々からも調査の要望があり、今回の調査とあわせて実施することとしております。
次に、具志川市の最終処分場につきまして、措置命令の経緯についてお答えいたします。
県においては、去る5月から6月にかけて、産業廃棄物最終処分場全施設(28施設)の一斉総点検を実施しております。その総点検の結果を踏まえて、改善を要する施設については重点的に立入調査を実施してきたところであります。
具志川市にある民間の最終処分場については、埋め立て高さ等の違反行為のおそれがあったため、同設置者に対し7月下旬に最終処分場の埋立区域や高さを明確にするよう文書による改善指示を行い、事実申立書及び埋立改善計画の提出を求めてきました。
その後、10月に同設置者から中部福祉保健所へ改善計画書が提出されたことから、その内容を把握するため、県では立入調査等を数回にわたり実施し改善計画書と現況を照合し、同設置者から事情聴取を行い違反行為の事実を確認しております。
さらに、11月に事情聴取を行い、不適正処理に至った経緯等を詳細に確認した上で同設置者に対し11月22日付で措置命令を発したところであります。
次に、粗大ごみの対応についてお答えいたします。
同最終処分場への廃棄物の搬入停止に伴って、粗大ごみを同処分場へ委託処理していた島尻消防清掃施設組合等7町村においては、当面の対応策が求められております。県においては、廃棄物の適正処理を広域的に促進する立場から関係市町村、一部事務組合との緊急会議を持ち、当面の措置として地域住民への周知や、ストックヤードの確保及び市町村間の連携によるごみ処理施設の利活用などの助言を行ってきております。
島尻消防清掃施設組合の5町村においては、当面、糸満市・豊見城市清掃施設組合の協力により同組合の粗大ごみ処理施設を活用して対応することとしております。
また、中城村、北中城村においては、ストックヤードを確保し対応することにしております。
以上であります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 産業廃棄物処理問題について、身体的、精神的フォロー体制はどうなっているか。お答えします。
火災発生当日の平成13年11月28日に宮古保健所、平良市の連携のもと、健康調査及び健康相談を行いました。火災当日から翌日にかけ健康相談受診者は66名で、緊急入院はなく、救急外来受診者は2人で、点滴などの治療後帰宅しております。
ことしの5月10日、11日に平良市と連携し、問診、診察、血液検査等の項目を含めた健診を実施し、その結果を当地区と平良市他地区の過去15年間の住民健診データと比較検討を行いましたが、火災との関連は明らかではありません。
なお、長野県の医療機関に入院し精密検査を受けた方もおられましたが、火災との関連が考えられるような疾患ではありませんでした。
また、健康状態をフォローするために10月7日に住民健診を行っておりますが、その結果については集計分析中であります。
住民の身体的、精神的な不安に対応するためには継続的なケアを行うことが重要と考えております。
このようなことから、今後とも平良市と連携し過去の定期住民健診データ並びに今回実施した健診結果を踏まえた保健相談等を継続実施し、経過観察をしていきたいと考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇空港滑走路の沖合展開について、地元との合意形成と環境影響調査の実施状況について一括してお答えいたします。
滑走路増設を含む那覇空港の拡張整備については、国と県が一体となって合意形成に取り組む必要があり、現在、地元関係者や学識経験者等から成る組織の設立を検討しているところであります。
また、環境影響調査については、予備的な調査として平成13年度から14年度にかけて那覇空港周辺地域の陸上生物や海生生物、水質や潮流等に関する現況調査を進めているところであり、今後、合意形成へ向けた取り組みの中でその成果を活用していきたいと考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス企業の債務の処理の進展状況と、既存4社と新会社との関係についての御質問に一括して答弁をいたします。
本島バス4社は、未払い退職金を初めとする多額な労働債務や金融機関からの借入金等の債務を抱えております。バス4社は、その債務の処理を行うため新会社へ乗り合い事業の営業権及び資産を104億円で譲渡し、退職金債務75億円、金融機関に対する債務17億円、税金等の債務12億円、計104億円を返済することとしております。
一方、新会社はバス4社から購入する営業権、資産及び運転資金を出資金20億円と金融機関からの借入金86億円、計106億円で対応することとしており、現在、関係者に出資や融資の要請等を行っていると聞いております。
以上です。
○宮平 永治 おはようございます。
我が党も大世帯になりまして、1年ぶりの代表質問であります。フレッシュな気持ちで、ぴかぴかの1年生の気持ちで質問をしたいと思います。
では、自由民主党を代表いたしまして質問を行います。
まず1点目に、知事の政治姿勢についてであります。
去る11月17日、沖縄県知事選挙において、稲嶺知事は21万票という県知事選挙史上記録的な大差で2期目の当選を果たされました。まことにおめでとうございます。
このような結果となった背景には、まさに4年間の稲嶺知事の実績が評価されたものであります。しかし、この21万票の票の差は、知事にとってもこの4年間の県政運営を行うに当たっては重いものがあろうかと考えております。
今年から新しい沖縄振興計画がスタートするわけでありますが、21世紀という新しい時代に向かって沖縄はいまだスタートしたばかりであります。解決すべき課題は多く抱えているのであります。産業の振興、雇用の創出、基地の整理縮小など県政最大の課題をいかに解決するか等々であります。また、文化の振興や平和の発信、女性と若者の可能性をどのように生かすか、さらには環境の保全、医療・福祉の充実、国際化への対応や人材育成など課題は山積しております。
このような多くの課題に臨む稲嶺知事には1日も休まることはないと思いますが、我々自由民主党は一致団結して稲嶺知事を支えていくことをお約束するものであります。
沖縄問題を真に解決できる主役は我々県民自身であります。このことは、常々知事が知事御自身の言葉でもあり、また目の前に横たわる多くの課題を直視し、「問題解決のできる実行型県政」として県民は稲嶺県政に2期目を託したのであります。
今後4年間、沖縄の将来の発展をより確かにしてその成果が子や孫たちの歴史の評価に耐え得るか、そして引き継ぐ決意を込めて知事に頑張っていただきたいという思いから、知事にはこれからの4年間の県政運営についての決意を伺います。
質問の2点目、沖縄振興計画について。
その(1)、施策の実効性の確保について。
新振計は従来の基地依存、財政依存型から、自立的、持続的な発展可能な経済の構築を目指すとなっておりますが、活力ある「民間主導の自立型経済の構築」とは具体的にどのような施策を言うのか。また、この施策の実効性はどのように確保されるか。
(2)点目、個別分野の計画について。
個別分野計画の11分野のうち4分野については国の同意計画で、7分野については県独自の計画となっている。国の同意計画4分野と県独自の計画7分野に分けた根拠は何か。
次に、国の同意計画と県独自の計画との間に実行の段階で予算に格差が出ることはないか。
次、(3)点目、個別計画の実効性の担保について。
個別計画は、新振計の進捗状況を、3年間の事業量と予算額を明示しないと計画のいわゆる実効性を担保することはできないんじゃないか、こういう懸念がありますが、御説明いただきたい。
3点目の質問、県の行財政改革問題について。
新沖縄振興計画では、「民間主導の自立型経済の構築」を目標に上げており、同目標の実現のためには県財政の健全化が図られなければならない。このためには産業振興による民間経済を活性化させ、地方税の増収を図るなど自主財源を拡大することが必要であります。また、事務・事業の見直しによる行財政の効率化を図るほか、民間部門への業務委託等を推進する必要がある。
この点について、5項目について質問いたします。
まず(1)点目、県財政健全化のための具体的な取り組みについて。
(2)点目、自主財源確保のための具体的な方策について。
(3)点目、国庫補助等の依存体質から転換を図るための方策について。
(4)点目、県の組織・機構のスリム化、外郭団体の廃止・統合等の推進状況について。
(5)点目、平成15年度以降、県の新たな行財政改革計画と今後の推進体制について説明されたい。
質問の4点目、基地問題について6件お尋ねいたします。
まず、基地関連市町村交付金について。
私は、基本的には安保条約がある限り、また国土面積のわずか0.6%の県土において在日米軍専用施設面積の約75%の過重な負担を余儀なくされている沖縄の現状から見て、特別措置を求める権利としては当然であると考えております。
国は、米軍基地に起因する市町村税収の減額や財政需要の増大を補てんするため、米軍基地の所在する市町村に対して交付金等を交付しています。しかし、本県のように狭隘な県土の約11%、沖縄本島においては実に19%もの面積が米軍基地に占められている状況を踏まえると、本県全体が米軍基地を負担し、日米安保条約に基づく我が国及び極東アジアの平和の維持に大きく貢献していると認識する必要があると考えています。
そこでこのような観点から、県内市町村すべてを対象に基地交付金に類する交付金や地方交付税を増額するための特別措置の制度化などを国に要望してはどうか、知事の御所見を尋ねます。
基地問題の(2)点目、普天間飛行場移設問題について。
知事は、15年問題が解決しなければ普天間飛行場代替施設の建設は認めないとの認識を示してきた。この考えを押し通すと代替施設の建設自体が行き詰まると思うが、現在でも考えに変わりはありませんか。
次に、去る7月29日に政府、県、名護市が基本合意した代替施設の建設工法等(建設場所、規模)については地元は反発をしているが、工法の見直しもあり得るのか。また、地元に対して県はどのように対応するのか。
③点目に、軍民共用については、将来代替施設の軍の部分は返還してもらい、民間空港として活用するということだが、現計画の中で民の部分のその規模等についてはどうなっているか。
④点目に、名護市は代替施設の建設に当たっては、施設の使用協定の締結を条件としている。これに対して、米側と国の姿勢はどうなっているか。県は、この件についてどのようにかかわるか。
⑤点目に、政府は、普天間飛行場代替施設の環境影響評価(アセスメント)を行うため準備を進めているということであるが、現状と今後の計画について説明されたい。
基地問題の(3)点目、米軍基地の整理縮小(SACOの実施状況)とSACO2についてであります。
平成8年12月2日にSACOの最終報告がなされましたが、SACOで合意された返還施設の現在までの進捗状況について説明願いたい。
去る11月29日の記者懇談会で知事は、SACO最終報告に続き新たな米軍基地の整理縮小、いわゆるSACO2について任期中に着手する旨の決意を表明しております。本県における基地の負担を軽減するためには、SACO以上の基地の整理縮小は必要と考えますが、知事の決意を伺います。
基地問題の(4)点目、基地内への米軍住宅建設について。
近年、国の思いやり予算で米軍人及びその家族のための住宅を基地内に建設するのが増加しているようであります。このため、米軍基地周辺の米軍人向け民間貸し住宅に空き家が目立ち、関係業者は苦しい状況に追い込まれています。国の思いやり予算で基地内に米軍用住宅を建設するのは見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
基地問題の(5)点目、米軍基地跡地対策について。
政府の内閣府に沖縄県の米軍基地跡地の利用促進を図るため、跡地対策協議会が平成14年9月10日に設置されました。同協議会は、特に普天間飛行場の跡地利用基本方針や平成15年の3月に返還予定のキャンプ桑江北側の地区利用の促進を図ることを想定していると。普天間飛行場の代替施設の建設がおくれている現状で、今後同協議会の作業はどのように進められ、どのように具体化されるか、説明されたい。
(6)点目に、日米地位協定の改定問題についてであります。
日米地位協定改定問題の解決には、最終的には本土政府がいかに米国政府に強く改定を求めていくかにかかっている。このため沖縄だけの訴えには限界がある。この問題は、国民全体の問題として全国民に認識の拡大を図る必要があると思うが、知事の御所見を伺います。
日米地位協定の改定を目指す自民党有志の議員連盟「日米地位協定の改定を実現し日米の真のパートナーシップを確立する会」が12月に米国議会の有力議員やスタッフに働きかけるとの報道がある。県には具体的な話は入っているか、お尋ねします。
次に、旧軍飛行場用地問題について。
この問題については、新沖縄振興計画の中で戦後処理問題として初めて位置づけられました。また、県議会議員43名による沖縄県議会旧軍飛行場用地問題解決促進議員連盟が平成14年7月8日に発足し、県においてもこの問題に取り組むため知事公室内にプロジェクトチーム班を設置している。この問題の解決のためには、県は関係市町村や旧地主(協議会)たちとの緊密な連携と的確なバックアップが必要であります。今後、いかなる取り組みを行うか、御説明いただきたい。
6点目の質問、那覇港湾施設の浦添移設問題について。
那覇軍港の浦添埠頭への移設作業の状況について。
那覇港の将来の構想図、いわゆるマスタープランが去る10月の末にまとまりました。那覇港湾管理組合では国との協議に入るとのことであり、これにより那覇軍港の浦添埠頭移設作業が本格的に行われるものと思います。那覇軍港の移設図によると埠頭用地は点線となっています。点線の状態だと軍港より先に事業が実施されるという保証はない。このままだと軍港ありきとはならないか。
(2)点目に、港湾計画への位置づけについて。
那覇軍港を浦添埠頭地区に移設するためには、港湾計画に位置づける必要があるのではないか。その見通しはどうなっておりますか。
次、7点目の質問であります。観光振興について。
米中枢同時テロの影響について。
まず、米中枢同時テロの影響による落ち込みから回復基調にある沖縄の観光は、従前と何が違ったか、御説明いただきたい。
(2)点目に、新たな観光資源の開発についてであります。
沖縄観光振興計画によれば、同計画の平成16年には沖縄への入域観光客数は510万人、そして観光収入が4800億円を想定している。さらには、最終年度である平成23年には入域観光客数が実に650万人、観光収入が7085億円に推移すると見込んでいます。この数字を達成するためには、現在の海を主体とした観光資源ばかりでは、とてもじゃないけれども厳しいんじゃないかなと思われます。したがいまして新しい観光資源の開発が必要だと思うが、県はどのような観光資源の開発を考えているか、御説明願いたい。
(3)点目に、タクシー乗務員への苦情問題について。
交通規則違反や乱暴運転などでタクシー乗務員への苦情が増加しているようである。タクシーは、沖縄観光の顔であります。直接観光客と接触する立場にある乗務員のモラルの低下は、今後の沖縄の観光にとってゆゆしい問題であります。県は、観光を振興する立場からこの問題にどのように対処する考えか、御説明をいただきたい。
質問の8点目であります。中小企業金融対策についてであります。
(1)番目に、沖縄県信用保証協会への支援について。
沖縄県信用保証協会は、中小企業金融安定化特別保証制度に関する代位弁済や遅延債務の増加が影響し、国の信用補完制度が適用されたいわゆる復帰後の昭和47年以来初めての赤字決算となっている。この影響で貸し渋りや保証渋りにつながっており、このまま放置すると倒産する企業が増加するおそれがある。このため信用保証協会の安定化を図る必要から、補正も含めて積極的な財政措置を行うことが必要であると考えておりますが、県の御説明をいただきたいと思います。
(2)点目に、中小企業融資詐欺事件についてであります。
県の中小企業向けの融資制度を悪用した詐欺事件に沖縄県信用保証協会の幹部職員がかかわっていたとして共犯の疑いで去る11月19日に逮捕されたとの報道がなされました。
逮捕の理由について新聞報道によると、詐欺を起こしたグループが偽造の融資申請書類により信用保証協会の保証を取りつけ、複数の金融機関から運転資金の名目で約9000万円をだまし取った容疑に対し、信用保証協会の幹部職員は金融機関への口ききを行った疑いが持たれたということであります。
長引く不況の中で金融機関の貸し渋りなどもあり、資金繰りに苦しむ中小企業がある中で、中小企業を支援する立場にある県信用保証協会の幹部職員が、容疑の段階とはいえ逮捕されたことはゆゆしき問題であります。県として再発防止のため監査体制を強化することはもちろんのことであります。今後、どのような対策を講じる考えか。
また、本事件の概要と捜査状況について警察本部長にお尋ねいたします。
9点目の質問に入ります。レキオス航空の就航について。
沖縄県唯一の民間航空会社レキオス航空が2003年の4月に那覇―羽田間の就航新規参入を目指して去る11月8日に国土交通省に国内定期航空運送事業許可を申請し受理されております。来年の6月からの就航に向けて鋭意準備を進めているところであります。
レキオス航空は、運賃は大手の航空会社より安く設定するとのことであり、同社の成功は本県観光に大きく貢献し県経済への波及効果も見込まれるところから、県も何らかの形でバックアップする必要があるんじゃないか。県の御説明を伺いたい。
10点目、最後の質問ですけれども、在沖米海兵隊員による婦女暴行未遂事件についてであります。5項目に分けてお尋ねいたします。
まず(1)点目、去る11月2日午前1時30分ごろ、沖縄本島内路上に駐車中の車内において、在沖米海兵隊キャンプ・コートニー所属隊員による婦女暴行未遂事件が発生したとの報道がある。
さらに本件については、現在、米国政府が起訴前の被疑者の引き渡しを拒んでいるため、沖縄県警察本部は逮捕状を執行することができず任意の事情聴取を行っているところであります。本事件の概要と捜査状況について警察本部長にお尋ねいたします。
(2)点目に、婦女暴行は、たとえ未遂であっても被害者に与える精神的、肉体的影響は大きいものがあります。人権がじゅうりんされること、さらに今回の被疑者が在沖米海兵隊の少佐という指導的な立場にあることを考えた場合、県民に与える不安及び懸念の大きさは大なるものがあると思われます。知事の御所見を伺いたいと思います。
(3)点目に、平成13年6月に北谷町で発生した婦女暴行事件を契機として日本政府及び米国政府は、今後、殺人及び強姦の凶悪犯は起訴前に身柄を日本側に引き渡す旨の約束をしました。今回、被疑者を起訴前に日本側に引き渡さなかったことは、この最低限の約束が破られたと思うが、知事はこの件についてどのようにお考えか、御所見を伺います。
(4)点目に、本事件は、日米地位協定及びその運用改善の合意事項で定める「凶悪な犯罪」に該当するものと思うが、知事及び警察本部長の見解を伺いたいと思います。
(5)点目に、被疑者の身柄を起訴前に日本側に引き渡すためには、もはや運用の改善では不可能であることは明白であります。日米地位協定の抜本的な見直しをしない限りは問題解決の方策はないと思います。このため、日米地位協定の抜本的な見直しを全国にアピールするため県民大会の開催を視野に入れた対策を講ずる必要があると思いますが、知事の御所見を伺いたい。
以上であります。
○知事(稲嶺惠一) 宮平永治議員の御質問にお答えいたします。
最初は、県政運営の決意についてでございます。
今後4年間で県民の英知と創意を結集した沖縄振興計画を着実に実施し、県民とともに本県の発展を確実にしてまいります。産業経済の振興、雇用の創出を加速させ、基地の整理縮小を引き続き力強く推進してまいります。
さらに、文化の振興や平和の発信、女性と若者の知恵と力の活用、環境の保全・創造、医療・福祉の充実・強化にも力を尽くしてまいりたいと考えております。
次に、沖縄振興計画について、活力ある民間主導の自立経済の構築に向けた施策についてお答えをいたします。
沖縄振興特別措置法や沖縄振興計画において情報通信産業特別地区や金融業務特別地区、特定免税店の空港外展開など一国二制度的な制度や枠組みが設けられております。
これらの制度を活用して、民間が十分力を発揮することが「民間主導の自立型経済の構築」につながるものと大きく期待しております。県としては、民間活力が引き出せるよう特別自由貿易地域における賃貸工場の設置、情報通信産業振興地域等におけるインキュベート施設の設置、金融特区を活用した企業の集積などの施策を展開いたします。
また、製造業や農林水産業等の活性化を図るとともに、産学官共同研究の推進、沖縄健康バイオ開発センター(仮称)の整備等新規産業の創出を図ってまいります。
さらに、これらを支える各面にわたる高度、多様な人材の育成確保に努めてまいります。これらの施策の実効性をより高めるため観光、情報など沖縄振興計画の分野別計画を着実に進めてまいります。
次に、県の新たな行財政改革計画と今後の推進体制についてお答えをいたします。
複雑多様化する県民ニーズに的確に対応するとともに、沖縄振興計画を着実に推進するためにはなお一層の行政改革を推進する必要があります。このため現在、新沖縄県行政システム改革大綱の策定に向けて作業を進めているところであります。
新大綱においては、基本理念を「県民本位の成果・効率重視のスマートな行政」とし、1、「県民参加・協働」、2、「民間経営手法の活用」、3、「自己決定・自己責任」の3つの視点から行政改革に取り組むこととしております。今後、これらの視点を踏まえ、沖縄県行政改革懇話会など県民各界各層の意見を反映させ、平成15年3月までに策定したいと考えております。
新大綱に盛り込まれた項目については、毎年度の進捗状況を広く県民に公表するとともに、行政改革懇話会の助言を受けながら着実に推進していく考えであります。
次に、普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題についてお答えいたします。
代替施設の15年使用期限は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているものであり、国の責任において解決されるべきものであると考えております。
基地の提供責任は日本政府にあることから、日本政府が使用期限の問題を含め沖縄の基地問題を我が国全体の問題としてとらえ、しっかり受けとめることが重要だと考えており、知事選挙後には小泉総理大臣、細田沖縄及び北方対策担当大臣、石破防衛庁長官に対し、政府としてなお一層の取り組みを要請したところであります。使用期限問題の解決なしには着工はあり得ないと考えております。
次に、代替施設の建設場所等についての地元への対応についてお答えいたします。
代替施設の建設場所等を定めた基本計画は、第8回代替施設協議会で了承された「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針」に従って防衛庁を中心に検討され、地元の意見やこれまでの検討結果が反映されたものであると理解をしております。代替施設の位置については、海底地形調査に基づく設計上の考慮や環境影響評価等を踏まえ最終的に確定されることとなっております。
地元辺野古区から名護市長に対し、施設本体を外洋へ移動すること等の要請があることについては承知しておりますが、県としては今後名護市と連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、代替施設の使用協定についてお答えいたします。
名護市は、受け入れ条件として、地域の安全対策及び基地から発生する諸問題の対策等を講じるため必要であるとして基地の提供責任者である国に対し使用協定の締結を求めているものであります。
また、代替施設の使用に関する協定の締結については、閣議決定された政府方針の中で「地方公共団体の意見が反映したものとなるよう、政府は誠意をもって米国政府と協議を行い、」と明確にうたわれております。使用協定については本年7月29日、国、県、名護市の三者により基本的事項についての合意がなされたところであり、今後、本合意書に基づき段階的に協議が進められるものと考えております。 県としては、今後とも名護市と連携し使用協定締結に取り組んでいきたいと考えております。
次に、新たな基地の整理縮小についてお答えいたします。
本県が過重に負担している米軍基地の整理縮小については、まず、SACOの合意事案を着実に実施することがより現実的で実現可能な方法であると認識しており、現在、すべての合意事案の推進に向け県としても国と連携し全力を挙げて取り組んでいるところであります。
しかしながら、SACOの合意事案がすべて実施されたとしても、本県には依然として在日米軍専用施設面積の約70%の米軍基地が存在することになります。県としては、57年余も過重な基地負担をしてきた県民の意向にこたえるため国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ県民の理解と協力を得ながら、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の段階的な整理縮小に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、地位協定改定の全国民への周知についてお答えいたします。
沖縄の米軍基地の整理縮小や日米地位協定の見直しなどの問題は、単に沖縄という一地域だけの問題ではなく、我が国の外交や安全保障をどう考えるのかという極めて国家的な問題であり、政府及び各地方公共団体、そして国民の一人一人がみずからの問題として受けとめてもらいたいと考えております。
日米地位協定をめぐっては、昨年7月の衆議院外務委員会において日米地位協定の見直しが決議されたのを初め、本年7月18日に本県で開催された全国知事会議において、昨年の要望内容からさらに踏み込んだ形で日米地位協定の抜本的な見直しが採択され、全国知事会長から内閣総理大臣を初め関係大臣に要望書を提出しております。また、8月23日に日本弁護士連合会が日米地位協定の改定を求める決議をするなど日米地位協定の見直しを求める動きが広がりつつあります。
県は、去る8月26日、小泉総理大臣を初め関係大臣に日米地位協定の抜本的な見直しを要請し、また去る12月6日の沖縄政策協議会の終了後、11月2日に発生した強姦未遂事件に関連して、出席された全閣僚を前に被疑者の早期身柄引き渡し及び日米地位協定の抜本的な見直しを求めたところであります。県としては、今後ともあらゆる機会を通じて日米地位協定の抜本的見直しを訴え続け、その実現につなげていきたいと考えております。
次に、自民党有志の議員連盟の動きについての御質問にお答えいたします。
自民党有志で結成した議員連盟が日米地位協定の改定案をまとめ、米国の上下両院の有力議員と協議していく方針を掲げていることは新聞報道等を通じて承知しております。
日米地位協定をめぐっては、先ほども申し上げましたように国会での動きや全国知事会議における抜本的な見直しが採択されたほか、日本弁護士連合会での決議など日米地位協定の見直しを求める動きが広がりつつあります。県としては、国民全体の盛り上がりが日米地位協定の見直し実現につながっていくものと考えております。このようなことから、今回のような機運の盛り上がりは大変心強く思っており、日米地位協定の抜本的な見直しに向けて大きな支えになるものと期待をしております。
次に、那覇港湾施設の浦添移設について、港湾計画への位置づけの見通しについてお答えいたします。
那覇港湾施設の代替施設については、那覇港管理組合が平成15年3月に改訂を予定している那覇港湾改訂計画に位置づける必要があると考えております。去る11月7日の第3回那覇港湾施設移設に関する協議会では港湾改訂計画のもとになる長期整備構想案が示され、それを踏まえ防衛施設庁が米側と調整を開始するということが確認されました。県としては、移設協議会において那覇港湾施設の代替施設の位置、形状等が国から提示され、県、那覇市及び浦添市の合意を得た上で国において那覇港管理組合に要請することになるものと考えております。
次に、観光振興についてのうち、観光資源の開発についてお答えいたします。
本県観光は、亜熱帯海洋性の美しい自然資源と独自の歴史・文化資源を主な魅力として復帰後大きな発展を遂げてまいりました。今後、国民の観光ニ-ズが多様化・目的化する中で本県観光を今後とも持続的に発展させていくためには、従来の観光資源を守り育てるとともに、新たな魅力の開発を進めていく必要があります。このため、県においては10年後の目標達成に向け、豊かな自然環境や温暖な気候、健康的な独自の食材等を活用した健康・保養型観光やエコツーリズム、世界遺産等を活用した文化交流型観光など付加価値の高い体験・滞在型観光を推進しているところであります。
また、多彩な文化、芸能、音楽等を生かした観光資源づくりの観点から多様なエンターテインメントの導入可能性について検討を進めております。
次に、婦女暴行未遂事件についてのお答えでございます。
今回の事件は、未遂とはいえ女性の人権をじゅうりんした凶悪な犯罪であり、地域住民を初め県民に大きな不安と衝撃を与えました。しかも、海兵隊少佐という指導的立場にある隊員が犯したとされるものであり、断じて許すことができません。
県は、このような事態を重く受けとめ、米軍を初め関係機関に対し、事件・事故の再発防止、隊員の綱紀粛正及び教育の徹底を求めるとともに、速やかな身柄の引き渡しを強く要請しましたが、米側が被疑者の身柄の引き渡しを拒否したことは極めて遺憾であります。県としては、日米地位協定の運用改善では限界があることは明らかであり、同協定の抜本的な見直しが必要であると改めて痛感したところであります。今後とも、あらゆる機会を通じて日米両政府に対し日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
次に、同じく事件に関して合意事項違反、「凶悪な犯罪」の該当、地位協定の抜本的見直し及び県民大会についての御質問に一括してお答えを申し上げたいと思います。
今回の事件は、平成7年10月の日米合同委員会合意の「凶悪な犯罪」に該当するものであり、被疑者の身柄引き渡しを拒否したことは同合意内容に反するものと考えております。
県は、起訴前の身柄引き渡しを強く求めてきましたが、米側が身柄引き渡しを拒否したことに強い憤りを感じるとともに、日米地位協定の抜本的な見直しが必要であることを改めて痛感したところであります。県としては、今後とも日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
なお、御提案の県民大会については、各界各層を網羅した全県的な大会であることが必要であると考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 沖縄振興計画について、分野別計画を国の同意計画と県の独自計画に分けた根拠と、2種類の計画の間に予算等の格差が出ることはないかについて一括してお答えいたします。
沖縄振興計画は、「民間主導の自立型経済の構築」を重要な課題として位置づけております。特に、リーディング産業である観光・リゾート産業、情報通信関連産業及び農林水産業の振興と雇用機会の創出・拡大については重点的に取り組む必要があります。
このため、沖縄振興計画の実施計画を4分野について沖縄振興特別措置法に基づいて作成し、国の同意を得ることにより積極的に振興策を推進することとしております。
その他の7分野については、国の同意計画ではありませんが、同意計画と同様に沖縄振興計画の実施計画であります。したがって、実行の段階では予算等の格差が生じないよう県の主体的な取り組みのもと、国と密接な連携を図って推進してまいります。
次に、分野別計画の実効性の担保についてお答えいたします。
分野別計画は、沖縄振興計画の実施計画でありますが、現在の厳しい財政事情や不透明な経済状況、単年度予算主義の原則などから、事業費及び事業量について明示することは大変厳しいものがあると考えております。しかしながら、各分野において到達すべき政策目標数値等を明示しており、毎年度の予算を通じてその達成に努め実効性を高めてまいります。
次に、基地問題について、今後の跡地対策協議会の作業と跡地利用の具体化についてお答えいたします。
跡地対策協議会は、跡地関係市町村連絡・調整会議と連携を図りつつ、国、県、跡地関係市町村の密接な連携のもと、跡地利用計画の策定、具体化の促進に向け取り組むこととしております。
その中で、普天間飛行場跡地については、宜野湾市及び県は平成13年度から跡地利用計画策定に向けた具体的な取り組みに着手しており、平成16ないし17年度を目途に跡地利用の基本方針を策定する予定であります。
また、キャンプ桑江北側地区を初め、その他の返還予定地についても返還前の早い段階からの取り組みが重要であることから、積極的に跡地利用に係る課題の解決に向けて取り組んでまいります。
次に、那覇港湾施設の浦添移設問題について、浦添埠頭は点線計画では軍港ありきとならないかについてお答えいたします。
那覇港の港湾計画改訂については、那覇港管理組合において長期整備構想と並行して作業中であります。この長期整備構想では、新港埠頭だけではなく浦添埠頭にも水深15メートル岸壁が必要とされています。しかし、今回の港湾計画改訂は10年から15年を計画期間とすることから、浦添埠頭においては水深10メートル岸壁、臨港道路及び港湾関連用地等を整備するとのことであります。
したがって、浦添埠頭の水深15メートル岸壁の整備については長期整備構想の中で検討されるものであり、今回の改訂計画では点線計画になっているとのことであります。
○総務部長(當銘直通) 県の行財政改革について、県財政健全化のための取り組みについてお答えいたします。
県では、これまで「沖縄県行政システム改革大綱」に基づき県税等の自主財源の確保に努めるとともに、事務・事業の見直しや補助金の廃止、縮小等により経費の節減を図ったほか、県債発行の抑制などに取り組み、一定の成果を上げてきたものと考えております。
しかしながら、国、地方ともに厳しい財政状況が続く中、今後とも県民サービスの維持・向上を図るためには、「参画と責任」、「選択と集中」という姿勢のもと、これまで以上に財源の重点的かつ効率的な配分を行い、より一層財政の健全化を図っていく必要があると考えております。
このため、歳出面においては、事務・事業の徹底した見直し、民間委託や公社等外郭団体の見直しなどを進めるとともに、歳入面においては徴収率の向上などによる県税収入の確保や使用料及び手数料の見直しなどにより健全な財政運営に努め、今後の県民の行政ニーズに的確に対応してまいりたいと考えております。
次に、自主財源確保及び国庫補助等依存体質からの転換につきまして一括してお答えいたします。
国、地方を通じて今後とも厳しい財政状況が続くと見込まれる中で、地方公共団体が地域における行政を自主的かつ総合的に推進していくためには、自主財源の充実確保を図っていく必要があります。
このため、県においては、自主財源の柱である県税収入の確保に向け、特別滞納整理班の積極的活用及び市町村との連携による共同催告など徴収強化に努めているところであります。
また、使用料及び手数料については、受益者負担の原則及び負担の公平の観点から定期的な見直しを行っており、さらに県有財産の効果的かつ効率的な活用を図るため未利用及び貸付県有地の売り払い等を進めているところであります。
県としては、今後とも県税を初めとする自主財源の確保に努めるとともに、中長期的には本県経済の活性化に結びつく産業振興施策を推進して税源の涵養を図っていきたいと考えております。
次に、県の組織・機構及び外郭団体の廃止・統合等についてお答えいたします。
県の組織・機構については、社会経済情勢を踏まえ、時代の要請や県民の行政ニーズにこたえるとともに、簡素で効率的な組織とするよう努めているところであります。
具体的には、情報システム課とマルチメディア推進室を統合して情報政策室を設置し、文化国際局を廃止するとともに、福祉事務所と保健所の統合など組織再編を図ってきたところであります。
また、公社等外郭団体の見直しについては、新たな行政改革大綱の中でも重要課題として位置づけており、現在、沖縄県行政改革懇話会のもとに設置された専門委員会で集中的かつ専門的な検討が行われております。
一方、庁内においても行政改革推進本部のもとに設置された副知事を部会長とする公社等外郭団体検討部会において全庁的な検討を行っているところであります。
具体的な見直しの内容については、専門委員会や部会における検討結果を踏まえて、新沖縄県行政システム改革大綱の中に盛り込むこととしております。
以上であります。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 基地問題についての御質問のうち、地方交付税の増額等特別措置の制度化についての御質問にお答えをいたします。
現行の基地交付金や地方交付税における基地補正の制度は、米軍等基地の所在することによる市町村の財政需要等に対し措置されるものであります。
しかしながら、本県においては県土が狭隘な上、基地の占める割合が大きいことから、航空機等の騒音による被害や環境汚染、地域振興の制約等基地に起因する問題は多岐にわたり、基地が所在しない市町村においても一定の影響があると考えております。
このようなことから、御質問については貴重な御提言と受けとめ、県内の基地の実情を踏まえ、市町村の財政支援につきましては基地所在の有無にかかわらず地域経済の振興につながる事業の仕組み等について、今後とも引き続き検討していきたいと考えております。
次に、レキオス航空の就航についての御質問にお答えをいたします。
島嶼県である本県にとって航空交通は県民の生活に密着した交通機関であり、県民生活の安定向上及び観光・リゾート産業を初めとした産業経済の振興を図る上で重要であります。
このたび、那覇─羽田路線に新規参入するレキオス航空につきましては、本県観光産業の振興や同路線の利用客の負担軽減につながるものと期待しており、県は引き続きその動向に関心を持って注目してまいりたいと考えております。
○知事公室長(新垣良光) 基地問題についての、軍民共用の民の部分の規模等についてにお答えいたします。
県としては、普天間飛行場代替施設の民間機能を活用し、雇用機会の確保や産業の振興を図り、北部地域の経済発展の拠点を形成していく必要があると考えております。民間空港に係る施設については旅客ターミナル等が想定されますが、その規模や配置等については、今後、関係機関と協議していきたいと考えております。
代替施設の環境影響評価についてにお答えいたします。
県は、代替施設の建設については地域住民の生活に十分配慮するとともに、自然環境への影響を極力少なくすることを移設に当たって整備すべき条件の一つとしております。現在、事業者である防衛施設庁において環境影響評価方法書作成に係る委託業務に着手したところであります。今後、代替施設の基本計画に基づき環境影響評価が実施され、より詳細な検討が行われるものと考えており、県としては自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き国に対し要望していきたいと考えております。
SACOの進捗状況についてにお答えいたします。
SACOで合意された11事案のうち、主なものの進捗状況については、平成10年12月に安波訓練場の共同使用が解除され返還が実現しております。
北部訓練場については、ヘリパッド移設候補地の選定に関し、現在、継続環境調査が行われており、今後、具体的な移設候補地の選定に向けての取り組みがなされるものと考えております。
読谷補助飛行場については、パラシュート降下訓練が伊江島補助飛行場に移設されており、連動する楚辺通信所の移設完了後に返還されることが合意されております。
楚辺通信所の移設については、現在、建設に向けての造成工事が実施されているところであります。
また、キャンプ桑江の海軍病院の移設については、移設先の宜野湾市が平成12年7月、キャンプ瑞慶覧内の普天間地区への受け入れを表明しております。
キャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧に係る住宅統合については、キャンプ瑞慶覧内のゴルフ・レンジ地区に建設された住宅が米側に提供されたのに続き、去る11月27日の日米合同委員会において住宅統合第2段としてサダ地区における住宅建設の合意がなされております。
那覇港湾施設の代替施設については、平成15年3月に改訂を予定している那覇港湾改訂計画に位置づけるため、現在、関係機関で協議がなされているところです。
また、普天間飛行場については、今年7月に開催された代替施設協議会において基本計画が決定されたところであり、SACO合意事案の実現に向けた国の作業は着実に進展しているものと理解しております。県としては、国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ幅広く県民の理解と協力を得ながら、SACOの合意内容の着実な実施に向け前向きに取り組んでいきたいと考えています。
基地内への米軍住宅建設についてにお答えいたします。
那覇防衛施設局に照会したところ、現在、在日米軍駐留経費負担で実施している基地内の米軍人用住宅建設については、昭和20年代から30年代にかけて建設された米軍人用住宅の老朽化に伴う建てかえであり、今後、新たに住宅建設を行う計画はないとのことでありますが、県としては、今後、実態把握に努め、適切に対応していきたいと考えております。
旧軍飛行場問題の今後の取り組みについてにお答えいたします。
県は、旧軍飛行場用地問題の早期解決を図るため去る9月19日、「旧軍飛行場用地問題対策プロジェクト班」を基地対策室内に設置しました。現在、同班を中心に旧軍飛行場用地問題解決促進協議会や関係市町村との協議・調整を進めているところであり、また去る11月26日には財務省及び内閣府に対し協力を要請してまいりました。
今後は、戦後処理事案として解決を図るべき基本的考え方の整理、同協議会が要望する項目についての取りまとめ、同協議会以外の旧軍接収用地に関する調査、旧軍関係資料の収集・整理、既に解決を見た戦後処理事案の事例調査等一連の作業を行い、その後、同協議会や関係市町村、議員連盟等とも十分協議した上で国に対し要望していきたいと考えております。
なお、同問題の円滑な解決に向けて連携を強化するため、県と関係市町村との連絡会議を設置したいと考えています。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) テロ事件後の沖縄観光の変化についてお答えをいたします。
本県への入域観光客数は、ことしに入って急速に回復し、10月末までの累計実績は403万人で同時期の過去最高を記録するなど好調に推移しており、ことしの目標である480万人の達成も可能であると考えています。
一方、テロ事件を契機として顕在化した旅行商品の低価格化傾向は、全国的なデフレの影響や不況による消費支出の減少などにより現在も続いていることから、観光関連産業はなお厳しい状況にあり、今後は付加価値の高い持続可能な観光を構築していくことが必要であり、その取り組みを進めているところであります。
また、テロ後の変化として、観光産業が県経済に与える影響の大きさとすそ野の広さが再認識されたことにより、県民の観光に対する意識がより高まったのではないかと考えています。
次に、タクシー乗務員のモラルに関する御質問にお答えいたします。
県といたしましては、魅力ある観光地の形成を目指す上でホスピタリティーの向上や快適な環境づくりは重要なことであると認識しております。このことから、御指摘のようなタクシー乗務員のモラル低下については早急に対処すべき課題としてとらえております。現在、タクシー乗務員の資質向上につきましては、観光客従業員等資質向上事業の中で積極的に取り組んでいるところであります。
ちなみに、同研修はことしに入ってから70回実施され、3211名の受講者がおります。そのうち、タクシー乗務員の受講者数は826名となっております。
また、本年12月には新規に観光マネジメント研修事業を開始するなど、タクシー業界を含めた観光関連分野の人材育成に積極的に取り組んでいるところであります。
さらに、苦情の迅速な処理やモラル向上対策につきましては、沖縄総合事務局に設置された沖縄県タクシー事業適正化推進懇談会及び県タクシー協会が主催する事業改善のためのアドバイザー会議等の協議の場においてその解決、改善に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 中小企業金融対策について、沖縄県信用保証協会に対する財政措置についての御質問にお答えをいたします。
沖縄県信用保証協会は、信用保証業務を通して県内中小企業者の金融の円滑化を進め中小企業の健全育成を図ることを目的としており、同協会の経営の安定化を図ることは大変重要な課題であると認識をしております。
現在、同協会の平成14年10月末の基本財産は114億2573万3000円となっており、この結果、信用保証の担保となる保証債務総額、すなわち保証可能な枠でございますが、これは約4000億円となっております。これは10月末の保証債務残高1792億8108万円と比較しても十分に保証承諾能力には余裕があります。したがいまして、当面、保証渋りにつながる事態の発生が起こる可能性はないと考えております。
しかしながら、同協会の経営につきましては、長引く不況による一般保証の代位弁済の増加により今年度も赤字が見込まれており、保証協会の経営安定化のため国や金融機関等とも相談をしながら、どのような支援ができるか検討していきたいと考えております。
同じく中小企業金融対策についての、信用保証協会職員に係る詐欺事件の再発防止策についての御質問にお答えをいたします。
沖縄県信用保証協会の職員が詐欺事件にかかわった容疑で逮捕されたことにつきましては大変遺憾に思っております。
信用保証協会は、信用補完制度を通じて中小企業施策の重要な一翼を担っているところであり、公共性と社会的責任の重さをかんがみると、今回の事件で失った県民からの信頼の回復に向け全力を傾ける必要があります。県としても、同協会に対して平成14年11月25日付で職員の綱紀粛正及び不正事件の未然防止について文書により通知をしたところであります。
さらに、現在、事件の原因究明と再発防止のための県としての保証協会に対する調査を実施しているところであり、その調査結果を踏まえ、二度とこのような事件が起こらないよう万全な対策をとらせるべく指導を強化してまいりたいと考えております。
○警察本部長(髙橋清孝) 県の中小企業融資制度を悪用した詐欺事件の概要と捜査状況についてお答えいたします。
県警察におきましては、平成14年10月22日から、きょうまでに沖縄県信用保証制度を利用した多額融資詐欺事件の被疑者として県信用保証協会職員や暴力団幹部ら6名を逮捕しております。
事件の概要でございますが、被疑者らは平成13年9月から本年1月にかけて実態のない鉄筋会社を経営しているように装い、うその工事経歴書等を作成し、沖縄市と具志川市内の3つの金融機関から経営振興資金として3000万円ずつ合計9000万円をだまし取ったものであります。
また、これまでの捜査によって県信用保証協会職員は、共犯者が会社経営の実態がないことを知りながら金融機関へ口きき等の便宜を図り、1件ごとに500万円、計1500万円の成功報酬を得ていることが判明しております。今後、共犯者や余罪につきましても捜査を継続し、事件の全容解明に努めていく所存でございます。
次に、在沖米海兵隊員による事件の概要と捜査状況についてでございます。
同事件は、平成14年11月2日土曜日午前1時30分ごろ、沖縄本島内において発生した事件であり、在沖米海兵隊キャンプ・コートニー所属の海兵隊少佐による成人女性に対する強姦未遂事件及び器物損壊事件であります。
県警察としましては、11月2日午前3時ごろ、米軍憲兵隊から具志川警察署への電話通報により事件を覚知したところであり、事件の覚知段階から現在に至るまで被害者や被疑者の人権に十分配意しつつ所要の捜査を慎重に推進してまいりました。その結果、被疑者が犯罪を犯したことの心証を得るに至り、12月3日、逮捕状を請求しまして発付を得たところであります。
県警察は、逮捕状が発付され、さらに被疑者の身柄が米軍手中にあることから、政府に対し平成7年の日米合同委員会合意に基づき被疑者の身柄の起訴前の拘禁移転を求めたものであります。その結果、日米合同委員会が開催されましたが、12月5日、日米合同委員会において米側から身柄の拘禁移転に同意できない旨の回答がなされました。
県警察としましては、拘禁移転の同意が得られなかったことは極めて遺憾に感じております。県警察としましては、刑事訴訟法等法令に従い所要の捜査を行い、12月9日、那覇地方検察庁へ事件を送付したところであります。
次に、日米合同委員会合意事項の「凶悪な犯罪」に該当するかについてでありますが、県警察としましては、本事件の重大性や悪質性等にかんがみ、被疑者の起訴前の拘禁移転が必要であると判断し、本事件が平成7年の日米合同委員会の合意に基づく好意的考慮の対象となる殺人または強姦という凶悪な犯罪の特定の場合に該当する可能性があると判断し、日米合同委員会の開催を要請したものでございます。
以上です。
○宮平 永治 まず1点目は、旧軍飛行場用地問題について、戦後57年もたって初めて新沖縄振興計画の中に位置づけをしたということで、問題解決のために加速するものとして高く評価をしたいと思います。
その中にあって、例えば嘉手納の中飛行場の案件、読谷飛行場の案件、小禄飛行場の案件、白保飛行場の案件についてはみんな異なるわけですね。したがいまして、一括解決というような手順もあろうかと思いますが、できるところから一つ一つ解決していくというような形で、そういうことを視野に入れて知事公室は事業を進めていただきたい。
本当は、私は要望というのはやりたくないんですけれども、一応これは要望にしておきますから答弁は要りません。
そしてあと1点は基地交付金の問題、これは本当は知事に答えていただきたかったわけですけれども、私は去年、実はこの問題を代表質問の中で準備しておりました。しかしながら、去年はおわかりのとおり沖縄の将来を展望するところのポスト第3次振計、いわゆる沖縄振興新法、新たな沖縄振興計画、軍転特措法の延長、大きな課題が山積しておりました。この解決なくしては将来の沖縄の発展はあり得ないと、こういうような考え方から新たな特別措置法という考え方を引き下げておこうということで今回提案させていただいたわけであります。
答弁の中から、基地の所在しない市町村においても一定の影響があると。そして基地の所在の有無にかかわらず地域の振興発展のために貴重な提言として検討を進めていきたいというような御答弁もいただいたわけですけれども、沖縄全体が米軍基地を負担し、先ほど申し上げたように日米安保条約に基づく我が国の平和、極東アジアの平和を維持していく大きな貢献を果たしているという認識に立つならば、沖縄の現状から見て特別措置を求めるのは当然の権利だと思うわけであります。これもぜひ実現できるような検討を進めていただきたい。新しい制度や仕組み、特別措置法というのは、政府の厚い壁があって手間暇がかかるということは十分理解しております。実現に向けての検討をしていただきたいということを要望申し上げまして、1分40秒余りありますけれども、知事の御苦労を多としてクリスマスプレゼントにします。
ありがとうございました。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後0時7分休憩
午後1時30分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前に引き続き代表質問を行います。
嘉陽宗吉君。
〔嘉陽宗吉君登壇〕
○嘉陽 宗吉 それでは自由民主党を代表して私見を述べながら質問させていただきますので、当局の誠意ある御答弁をよろしくお願いをいたします。
まず1点目に、知事の2期目の県政運営と政治姿勢についてでございます。
21世紀初頭の沖縄のリーダーを選ぶ県知事選挙が去る11月17日投開票され、結果として他候補に21万1000余の大差をつけて圧倒的な記録で稲嶺知事は2期目の当選をされました。ここに改めて県民とともに心から祝意を申し上げます。まことにおめでとうございます。
このことは、知事の4年間の輝かしい県政運営の実績が県民から高く評価されたものと確信いたします。このすばらしい実績の上に立って稲嶺知事は、2期目に向けて21世紀の沖縄のさらなる飛躍発展を推進するために新たな振興計画の着実な施策の展開と、沖縄の置かれている特異で恒常的な県政課題は何といっても基地問題を初めとして雇用失業問題などの産業経済基盤の確立など、山積する難題の解決に手腕を発揮していただきますことを2期目のスタートに当たり御期待を申し上げるとともに、ますますの御精進と御活躍を祈念いたします。
そこで、次の点についてお尋ねをいたします。
(1)、このたびの選挙の結果として21万余の大差をつけて歴史的な圧勝を果たされましたことについて、知事は県民の審判をどのように評価されますか。また、今後4年間の県政運営の抱負についてお聞かせをいただきたいと思います。
(2)、知事の政治姿勢の最重要課題の一つに普天間基地代替施設の使用期限15年問題があります。もはや避けて通ることはできません。その解決に向けて今後どのような政治的手法、行動、解決策を具体的にどう展開されますか、知事の御決意を承りたいと思います。
2点目でございます。雇用失業問題についてでございますが、(1)、失業率8.6%の対策についてでございます。
県が去る10月29日に発表されました労働力調査によりますと、9月の県内完全失業率は9.4%と過去最悪でありましたが、10月の完全失業率は改善されて8.6%となりました。しかしながら、県は、今まで企業誘致も順調に進み、県内就職数も増加したにもかかわらず依然として高い数値が出たのは何が原因と思いますか。また、雇用の場を確保するためどのような対策を講じる考えか伺います。
(2)、新規高卒者の就職内定率についてでございます。
2003年度の新規高卒者の10月現在の就職内定率は15%で、7人のうち6人が就職先が決まっていないことになり、依然として厳しい雇用情勢が続いております。このため、多くの高校生が職につけないまま卒業することは社会全体の大きな損失であり、全国一高い失業率の要因ともなっております。
そこで伺います。
①、県は、このような危機的状況にある高校生の就職問題について抜本的な対策が必要と考えますが、その方策について。
②、従来から本県の高校生は県内志向が強く、就職に対する意思決定や活動がおくれがちであり、また希望就職と求人とのミスマッチも多いと言われております。このような高校生の職業観や就職意識の改善のため、教育庁や学校が一体となった指導、施策はどのように展開されておりますか。
③の方は削除をいたします。
(3)、緊急雇用対策についてでございます。
政府は、沖縄の雇用情勢が悪化している現状に対応するため関係省庁と協議し、雇用対策、産業対策、政策融資、公共事業を柱とする緊急対策をまとめ、去る12月6日、沖縄政策協議会で沖縄振興特別調整費からの資金支出が決定されたとのことであります。
それを受けて県は、沖縄緊急雇用対策本部を開催して「沖縄県緊急雇用対策」を策定したようでございますが、策定の目的は何か。また、具体的な事業の内容とその雇用効果の目標数値をどう見込んでいるのか、お示しをいただきたい。
3点目に、教育行政についてでございます。
(1)、新聞報道によると、11月8日沖縄市で起きた少年暴行事件は、事もあろうに17歳の高校生2人と勤務している17歳の少年3人とともに中学1年の女子生徒が加わって、全く無抵抗な状態の19歳の少年を2時間にわたって暴行を加えて死亡させるという残酷きわまりない事件として学校関係者及び社会的に大きな衝撃を与えました。
この事件は、交友関係にあった仲間同士で、犯行の動機は車両購入のための資金繰りを被害者に断られたのが原因で、余りにも短絡的な行為と言わざるを得ません。しかしながら、いかなる理由があるにせよ、ある面ではきずなの強い交友関係にあったはずの少年が一変して仲間の命を虫けら同様にいとも簡単に奪うという今回の事件は、まさに野獣の弱肉強食の場面をかいま見る思いがしてまことに残念のきわみであります。
ただ、結果論であるが、この事件を未然に防止する手だてはなかったのか、思い当たる節が幾つかあったやに思われます。
それは、被害者の職場の職員によると、1週間前から沈みがちで元気がないことや、彼の出身校にも事件数日前に異変が伝わったこと、家族から無断外泊についての相談があったり、事前に彼の周辺に異常があったことを察知していたことであります。このことをなぜ関係者が親身になって相談を受ける状況がつくれなかったのか、もっと積極的かつ真剣な対応が望まれるだけに悔やまれてなりません。
今回の事件を踏まえて極論すれば、1点目に、学校現場で抱えている生徒の問題行動について、学年主任や生徒指導の先生だけに任せるのではなく、学校全体として取り組む管理体制と通報体制を確立すること、2点目に、思春期で情緒不安定な生徒を見守る立場から愛情と寛容を持って接する校風をつくること、3点目に、ボランティア活動を積極的に導入して若者のあふれるエネルギーを発散させる奉仕活動を展開すること、4点目に、地域社会との連携を強化し、県警を含めた定期的な会議を開催するシステムをつくること。
以上、御提言申し上げます。
今回の事件は、社会全体の問題として人間尊厳の教育を徹底して、また急増傾向にあると言われる未成年の集団暴行について歯どめをかける対策を講じるよう強く望むものであります。
そこで、次の点についてお尋ねをいたします。
①、この事件の概要と背景についてでございます。
②、当該事件発生後の加害者に対する教育庁、県警の対応について。
③、再発防止に向けての今後の取り組みについてでございます。これは、教育庁、県警、学校、地域、父兄等の連携した防止対策でございます。
(2)、障害児童生徒の普通校への就学促進についてでありますが、今日でも認定就学制度は認められているものの、学校サイドの受け入れ体制の不十分な面もあって一部の学校以外ほとんど認められていないのが現状であります。
最近、市民の声として普通校への入学を希望する児童生徒や親たちが年々ふえておりまして、健常者と同じ環境の中でともに学ぶ意欲の発露は障害者教育を前進させる上から大切なことと考えます。那覇市がいち早く障害児童生徒の受け入れで認定就学制度の導入を決め、新年度の受け入れに向けて学校施設の安全対策やヘルパーなどの人材確保のための準備を進めているようであります。県も障害者教育を推進する立場から積極的に市町村との連携を強化して普通校への就学ができる体制を早期に整備促進していただきたいと考えます。
そこで教育長の御所見を伺います。
①、障害児童の就学の現状と他府県の実態について御説明ください。
②、今後、障害児童を受け入れる場合の課題についてでございます。
③、那覇市が先駆けて普通校への受け入れを来年度からの実施を打ち出したことについて、県はどう考えておりますか。
④、教育の機会均等の視点から那覇市方式を県が先導的役割を発揮して今後他の市町村に広げていく考えはないか。
4点目に、福祉行政についてでございます。
(1)、認可外保育園の認可促進についてでございます。
本県の認可外保育園については全国と比べて極端に多く、これまでも見直しの是非が問われてきました。児童福祉法の改正に伴って認可外保育園や保護者が認可園への促進と公的補助を求める一方、待機児童の解消に向けて大きな運動を繰り広げております。認可及び認可外保育園を問わずすべての園児が平等に同一環境のもとで園児教育が受けられるような基盤整備が急務であると考えます。今後、県と市町村との連携を密にして保育施設全体が認可保育園としての機能が発揮できる体制の確立を強く求めるものであります。
そこで伺います。
①、認可保育園と認可外保育園の現状と園児数の実態についてでございます。
②、公的補助の実態について、これは認可及び認可外園の状況でございます。
③、認可保育園に移行する際の課題についてでございます。
④、移行に向けた県の具体的支援と取り組みについてでございます。
⑤、待機児童の解消策については、県は緊急課題として解決策を早急に講じる必要があると考えるがどうか。
(2)、2期目を迎える介護保険への取り組みについてでございます。
介護保険制度がスタートしてから3年目を迎えておりますが、要介護者や家族の方などからこれまでの介護や経費の負担が軽減されたとして大変喜ばれております。今年度は市町村において平成15年度から始まる第2期介護保険事業計画を策定し、その中で計画期間中のサービス量を見込み、それに基づいて新たな保険料を定めることとなっているが、本県においては介護サービスの利用が多いため介護保険料が大幅に引き上げられると聞いている。
そこで、次のことについてお尋ねをいたします。
①、保険料が県民に大きな負担とならないための県の具体的な取り組みについてお伺いいたします。
②、保険者である市町村に対し、これまでの実績も踏まえてどのような助言を行っているのかお示しください。
次に5番目でございます。国が進める構造改革特区についてでございます。
(1)、沖縄県が提案した構造改革特区についてでありますが、国が進めている構造改革特区の関連法案が固まり、全国規模での一国二制度の特区が動き始めております。同制度は、農業、医療、教育等の分野で自治体限定で規制を緩め、独自のアイデアを導入することを目的としたものであることから全国的に注目され、多くの提案がなされているが、この制度に本県が提案した分野は何件か。また、承認されたのは何件ありますか。
(2)、構造改革特区の規制緩和については、本県が提案した構造改革特区について要望どおりの規制緩和がなされているか、特区ごとに御説明をいただきたい。
(3)でございます。新沖縄振興計画との関連性については、本県が提案した構造改革特区と新沖縄振興計画に基づき実施される施策との関連性があるのか、御説明をいただきたい。
6点目でございます。観光振興について。
(1)、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の早期整備についてでありますが、私たちの先人たちがかつて琉球王国として中国、東南アジア諸国との交易、交流を通して形成された琉球文化としての貴重な世界遺産群を観光資源として有効活用する施策の展開が重要と考えます。従来の青い海、青い空のふれ込みも結構であるが、沖縄の歴史的、自然的及び文化的特性を打ち出し観光のセールスポイントを広げてリピーターをどうつくり出すか、今後の観光振興の着眼点が求められると思います。
そこでお伺いをいたします。
①、世界遺産に登録されたグスク及び関連遺産群の整備の現状と今後の保存・整備計画についてでございます。
②、観光資源として琉球歴史回廊に位置づけるための具体策についてどのように考えておりますか。
③、各グスクの琉球王国時代の建造物の復元の可能性についてはどんなものでしょうか。
(2)、観光闘牛場の設置計画についてでございます。
沖縄闘牛の歴史は古く、その起源は定かではないが、明治の後期にさかのぼると言われております。当時から庶民の娯楽として中部地区を中心に盛んに行われ、闘牛熱が余りにも庶民を陶酔させるため農作業の意欲減退にまでつながったと言われております。
このような歴史的背景があってか、闘牛は近年ますます盛況をきわめ各地で頻繁に開催されており、本県闘牛はまさしく世界に誇れるイベントと言えると思います。従来の闘牛大会を観光資源として活用する視点から、その内容を見直しをして新たな沖縄観光の魅力づくりに資するため多様なエンターテインメント、例えば対戦の合間にエイサー、歌と踊り、古武道等々を取り入れて開催することが重要であるかと思います。
来年は具志川市で全国闘牛サミットが開催されることになっておりますが、これを契機に沖縄の闘牛を観光資源として活用するために全天候型の観光闘牛場の設置を御検討いただきたく御提案を申し上げます。
そこでお尋ねをいたします。
①、沖縄闘牛の現状についてでございます。
②、観光闘牛のニーズについてでございます。
③、全天候型観光闘牛場の設置計画の必要性についてでございます。
7点目に、那覇新都心の住環境問題についてでございます。
県都那覇市は、戦後、安里三差路から県庁前までの区間を俗称「奇跡の1マイル」と呼ばれ、国際通りを中心にして栄えてまいりましたが、戦後57年がたった今日、都市の形態が著しく変貌を遂げてまいりました。しかしながら、時代の推移とともにさまざまな社会的、経済的状況の変化の中で那覇市の新しい顔として沖縄県の発展を支える複合的機能を兼ね備えた魅力ある都市として那覇新都心が形成され、まさしく時代のニーズにこたえる夢の膨らむ都市の発展が大きく期待されております。
新都心地区の事業計画によると、人口計画2万1000人、総世帯数5800戸で、8月現在既に人口6969人、戸数2922戸となっており、今後急速な進展が予想されます。
このような状況から将来展望を踏まえて新都心の治安維持を初め、交通渋滞の緩和など住環境の早期整備が急務と考えます。
そこで県警本部長にお尋ねをいたします。
(1)点目に、交番所の設置計画とめどについてでございます。
(2)点目に、信号機の増設計画についてでございます。
8点目に、環境問題についてでございます。
廃車の不法投棄の防止については、観光立県を標榜する観点から社会問題として大きくクローズアップされてきました。県全域の放置車両ゼロを目指すため県内51市町村で防止条例が制定されました。このことを受けて廃車の不法投棄及び放置車両の問題解決に向けて一段と拍車がかかるものと思います。既に、離島においては昨年から総事業費2億円を投じて放置車両の撤去、処理事業が実施されており、これを契機に本島においても県は総事業費1億1000万余を投じて年度内の実施を予定しており、放置車両の全面撤去の実現が大きく期待されております。
そこで伺います。
廃車車両の不法投棄の実態についてでございます。
(2)、回収された廃車の処分場はどうなりますか。
(3)、回収費用及び処分料について市町村及び県の負担の割合はどうなりますか。
(4)、県は、県内からの放置車両の早期撤去と廃車不法投棄ゼロを目指して今後どのような対策を講じるか。
9番目に、農業振興と耕地面積の減少対策についてでございます。
農業振興の目的を極論すると、国民の食料の安定供給を図ることにあり、その生産基盤をなすのは農地であります。この農地を有効活用して生産活動に励むのは農家であり、当然に所得の向上と生活安定を目指して懸命に立ち働いているが、農業を取り巻く環境は大変厳しい状況にあります。このようなことから離農者がふえ、社会的要素も加わって耕地の減少に拍車がかかっているものと思われます。
新聞報道によると、この10年間で実に6900ヘクタールが減少し、この面積は普天間基地の約14倍、嘉手納基地の約3倍相当の耕作放棄がなされた計算になると言われております。今後の農業振興の面から抜本的対策を講ずる必要があると考えます。
そこでお尋ねいたします。
(1)、沖縄農業の耕地面積の現状と主要作目別の面積の割合についてでございます。
(2)、さとうきび作付面積の推移と年間収入額について、これは5年間の実績をお示しください。
(3)、耕地面積の減少の要因について御説明ください。
(4)、耕地の減少に歯どめをかける抜本的対策について御説明ください。
(5)、最近、農家の借金問題が深刻化しているようであります。新たな農業経営を展開するため補助事業を導入し、不足分を借金で賄いスタートをしたけれども、自由化や国際化が進み輸入農産品がふえ収支が悪化、また台風等の被害もあって返済が滞り、死活問題として窮地に追い込まれている農家がふえているようでございます。
このような実態を県は把握をしておりますか。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 嘉陽宗吉議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、選挙結果と今後の県政運営についてのお答えでございます。
今回の選挙は、この4年間で沖縄振興特別措置法の制定や沖縄振興計画の策定など本県の将来発展の基礎をしっかりとつくったこと、また企業誘致と雇用拡大など私が就任以来全力で取り組んできたことが成果となってあらわれていることを有権者の皆様に高く評価していただいた結果だと考えております。
今後4年間で、県民の英知と創意を結集した振興計画を着実に実施し、県民とともに本県の発展を確実にしてまいります。産業経済の振興、雇用の創出を加速させ、基地の整理縮小を引き続き力強く推進してまいります。さらに、文化の振興や平和の発信、女性と若者の知恵と力の活用、環境の保全・創造、医療・福祉の充実・強化にも力を尽くしてまいりたいと考えております。
次に、15年使用期限問題の解決策についてお答えをいたします。
私は、知事選挙再出馬に当たり、基本政策として「普天間飛行場代替施設の使用期限を15年に限る。」ことを明確に打ち出しました。代替施設の15年使用期限は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているものであり、国の責任において解決されるべきものと考えております。
基地の提供責任は日本政府にあることから、日本政府が使用期限の問題を含め沖縄の基地問題を我が国全体の問題としてとらえ、しっかり受けとめることが重要だと考えており、知事選挙後には小泉総理大臣、細田沖縄及び北方対策担当大臣、石破防衛庁長官に対し、政府としてなお一層の取り組みを要請したところであります。使用期限問題の解決なしには着工はあり得ないと考えております。
次に、高い失業率の原因と対策についてお答えをいたします。
私は、就任以来、産業の振興と雇用の創出を重要な課題の一つと位置づけ、企業誘致や各種の産業振興策を推進するとともに、幅広い職業能力の開発と人材育成に取り組んでまいりました。その結果、情報通信産業を中心に新たな雇用の場が創出され、就業者数も着実に増加しております。
しかしながら、就業者数の増加を上回る労働力人口の増加や全国的な景気の低迷による県外就職の減少等により厳しい雇用状況が続いております。
県としては、沖縄振興特別措置法において措置された各種の制度等を最大限活用するとともに、沖縄振興計画及び沖縄県産業振興計画に基づき戦略的な産業の育成や企業誘致を積極的に推進し、新たな雇用の創出を図ってまいります。特に、雇用の分野については沖縄県職業安定計画に基づき産業振興と一体となった雇用の促進と人材育成に取り組んでまいります。
また、当面の緊急対策として12月補正予算に計上している「緊急ジョブマッチング促進特別事業」等を含めた「沖縄県緊急雇用対策」を12月9日に策定したところであり、ミスマッチ対策を中心とした緊急対策を速やかに実施してまいりたいと考えております。
続きまして、待機児童の解消策についてお答えいたします。
県では、「新おきなわ子どもプラン」において平成18年度までに約3500人の待機児童の解消を図ることを当面の目標に掲げ、市町村の取り組みを強く求めているところです。
保育所整備については、現在、6カ所が平成15年4月の開所に向け準備を進めています。また、平成15年度は創設8カ所を含む16カ所の整備を計画しており、合わせて1000人余が解消される見込みです。
しかしながら、多くの待機児童が認可外保育施設を利用している実態があることから、保育所が整備されるまでの間、緊急的な取り組みとして認可外保育施設の利活用も視野に入れて幅広い観点から検討しているところであります。
続きまして、保険料の負担軽減についてお答えをいたします。
県においては、市町村が第2期の介護保険料を設定するに当たって、高齢者の負担が軽減されるよう支援を行っているところであります。
当面の対策としては、財政安定化基金借入金の償還期限を延長することや基金への拠出をゼロにするなどの措置をとることにしております。
また、低所得者が多い本県の状況に照らして、介護保険料が急激に上昇する市町村の介護保険財政への支援の実現について、11月8日と26日に町村会等と連携して厚生労働省及び財務省に対し要請を行ったところであります。
さらに、介護保険制度を安定的に運営していくために県民の健康づくりを積極的に進めていきたいと考えております。
続きまして、福祉行政についての市町村に対する助言についてお答えをいたします。
市町村の次期介護保険事業計画の策定に当たっては、高齢者の人口増加や在宅サービスの利用増を背景に保険料の上昇が見込まれており、低所得者対策は重要な課題となっております。
市町村に対しては、低所得者対策として3原則を遵守した保険料の独自減免や利用料の減免について検討するよう助言するとともに、介護報酬点検事務、ケアプランの点検、介護給付費の通知や介護に陥らないための介護予防・生活支援事業の実施等総合的な観点から強力に働きかけているところであります。
また、宮古、八重山圏域市町村の介護保険財政基盤を安定化させるために同圏域における介護保険事業の広域化についても助言、支援してまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(花城順孝) 雇用失業問題について、高校生の就職問題に関する抜本的な対策についての御質問にお答えをいたします。
沖縄労働局がまとめた新規高卒者の就職内定状況は、10月末現在で15.0%と昨年同期と同じ厳しい状況が続いております。
本県の新規学卒者の就職率が低い要因としては、新規高卒者に対する県内求人の大幅な不足に加えて、公務員志向や県内志向等の職業意識の課題が指摘されております。また、企業の採用動向も専門的な技術・技能を習得したいわゆる即戦力重視に変わってきており、特に高校生の求人は全国的に減少しております。
県においては、こうした課題に対応するため県外企業における体験実習、県内・県外企業による合同面接会の開催、県立高校への就職促進相談員の配置等の対策を実施してきたところであります。また、今年度から、高校生の就職慣行として長年行われてきた「1人1社」応募を「1人3社」まで拡大する見直しを行っており、高校生の職業選択の幅を広げることができるものと考えております。
さらに、高校生等新規学卒者の雇用対策を抜本的に拡充・強化するものとして現在「若年者総合雇用支援システム」を構築しているところであり、新たに設置する「沖縄キャリアセンター」──仮称でございますが──において職業観の形成等の人材育成から就職までの一貫した支援対策を講じてまいりたいと考えております。
次に、同じく雇用失業問題について、「沖縄県緊急雇用対策」の目的と事業内容等についての御質問にお答えをいたします。
本県の雇用状況は、全国的な景気の低迷や県内の大型スーパーの閉鎖の影響等もあって完全失業率が9%前後で推移する厳しい状況が続いております。一方で、公共職業安定所における県内新規求人数は9月及び10月と復帰後最高を更新する状況となっております。
去る9日に策定をした「沖縄県緊急雇用対策」は、こうした現在の求人を着実に雇用に結びつけるためのいわゆるミスマッチ対策を中心とした対策を集中的に実施し、雇用状況の改善を図ることを目的として策定したものであります。
主な事業として、30歳以上の求職者を対象とした緊急ジョブマッチング促進特別事業を実施いたします。これは、求人のある事業所が30歳以上の求職者を最長2カ月間実習就業としていわゆるトライアル的に雇用をし、その後の常用雇用につなげることを目的として実施するものであります。
実習就業を実施する事業所に対して、対象者1人につき1カ月当たり10万円の奨励金を支給することとしており、600人以上の実習就業を実施する計画であります。
また、専修学校や企業、NPO等民間の教育訓練機関を活用した多様な職業訓練の実施によって求職者の早期就職を支援する緊急委託訓練事業を実施します。訓練コースは40コース以上、訓練人員は900人以上を計画しております。
そのほか、環境保全型緊急雇用対策事業や地域資源を活用した事業化支援事業及び若年求職者による空き店舗を活用した事業化支援事業等を実施する計画であります。
以上であります。
○教育長(津嘉山朝祥) 雇用失業問題について、高校生の就職指導等々の施策についての御質問にお答えをいたします。
御指摘のように、本県高校生の就職希望者の多くは、進路決定が遅い、県内志向が強い、職業に対する意識が弱い等々の指摘が挙げられております。そのため、各高等学校では進路指導を教育計画全体計画の中に位置づけ、生徒みずからが自己の個性や能力、適性について理解を深め、将来の夢や希望を抱き、その実現ができるよう計画的、組織的な指導に努めているところであります。
県教育委員会としましては、中高校進路指導地区講座、就職担当者連絡協議会を開催し、進路指導についての情報交換や研究協議等を行うとともに、県立高校へ就職相談補助員を配置するなど進路指導の充実に努めているところであります。
また、国や県の関連機関と連携を図りながら、県外企業職場体験実習、県内外企業職場見学会、就職予定者宿泊学習会等々を実施し、進路の早期決定と目的意識の高揚を図っているところでございます。今後とも本県高校生が望ましい職業感、勤労観を確立をし、個に応じた進路指導ができるよう諸施策を推進してまいりたいと考えております。
次に、教育行政について、11月8日に発生いたしました高校生等による傷害致死事件の加害者への対応についての御質問にお答えをいたします。
今回の事件は、大きな夢を抱き、胸を膨らませ社会の一員として地道に努力をしている若者のとうとい命を奪うという実に痛ましいものであり、本人や家族の無念さを思うと心が痛みます。加害者の高校生2人と中学生1人は、那覇少年鑑別所で観察措置中でありますが、当該学校では生徒の現在の状態や心のケア、進退等を含め生徒及び保護者との随時面談等を行っているところであります。
県教育委員会としましては、少年たちの自立更生に向け、学校や家庭、警察、関係機関等と連携を図り、対応をしていきたいと考えております。
次に、再発防止対策についての御質問にお答えをいたします。
県教育委員会では、事件を受け、緊急に校長・生徒指導連絡会等を開催をし、生徒指導等のあり方についての総点検を実施するなど再発防止に向けての具体的取り組みを協議しますとともに、人権尊重についての啓発を図るための緊急集会を開催したところであります。
また、特殊教育諸学校においては、校内での相談支援体制の充実や障害者就業・生活支援センター等と連携した卒業生の支援を強化するよう学校を指導してございます。
学校においては、教職員全体による生徒指導体制の確立を図るとともに、緊急全体集会やロングホームルームなどで生命の尊重、他者への思いやり等について全生徒による取り組みがなされております。さらに、学校と警察署が連携を密にし情報の提供や共有化を図るため、6地区学校・警察署連絡協議会を開催するなど事件の未然防止に努めてまいりたいと思います。
次に、教育行政について、障害児の普通校への就学の現状についての御質問にお答えをいたします。
平成14年度、本県の各市町村適正就学指導委員会にて盲・聾・養護学校該当と判断されながら小中学校へ入学した児童生徒は16名で、そのうち小学校12名、中学校で4名となっております。
九州各県においては、盲・聾・養護学校該当と判断され、小中学校へ入学した児童生徒は長崎県は39名、佐賀県は14名、福岡県は35名、大分県は13名となっております。ちなみに、平成14年度における本県の盲・聾・養護学校への小学部入学者は92名、中学部入学者は130名となっております。
次に、普通校への障害児を受け入れる際の課題についての御質問にお答えをいたします。
平成14年4月、学校教育法施行令の一部改正が行われ、市町村教育委員会は個々の障害の状態に応じて適切な教育が受けられる特別な事情が認められる場合は、認定就学者として小中学校に就学させることができるようになっております。
市町村教育委員会が認定就学者として障害のある児童生徒を小中学校へ受け入れる場合の課題としましては、障害の状態に応じた施設・設備等の整備、専門性の高い教員や学習活動をサポートするヘルパー等の配置、安全な学校生活を送ることができる支援体制の整備等々が挙げられます。
県教育委員会としましては、今回の改正の趣旨を踏まえ、各市町村教育委員会に対し実情に応じて適正に就学指導が進められるよう指導・助言を行っているところであります。
次に、那覇市教育委員会の指針への所見と市町村教育委員会への指導についての御質問に一括をしてお答えをいたします。
平成14年4月24日付の学校教育法施行令の一部改正は、障害のある児童生徒一人一人の特別な教育的ニーズに応じた適切な教育が行われるよう就学指導のあり方を見直すものであり、盲・聾・養護学校への就学を基本としながら、国が定める就学手続を弾力化をし、市町村教育委員会が適切な教育を受けることができる特別な事情があると認める者については、認定就学者として小中学校に就学させることができるようになっています。那覇市教育委員会も政令改正の趣旨を踏まえ、就学についての指針の策定を行ったものと考えております。
県教育委員会としましては、今回の改正の趣旨を踏まえ、各市町村教育委員会に対し実情に応じて適正に就学指導が進められるよう指導・助言を行っているところであります。
次に、観光振興について、世界遺産の整備の現状と今後の計画についての御質問にお答えをいたします。
世界遺産に登録をされた遺産群の保存・整備については、これまでに座喜味城跡、識名園、園比屋武御嶽石門、斎場御嶽の4遺産の整備が終了し、適切な維持管理や活用を図っているところであります。
首里城跡については、城壁の整備が終了し、城壁内は国が整備を進め、城壁外は県が公園整備を進めております。
玉陵、今帰仁城跡、勝連城跡及び中城城跡の4遺産につきましては、現在、所在する市町村が国と県の補助により整備を実施をいたしております。
これらのグスクの石垣や遺構等の保存・整備に当たりましては、年次的に発掘調査を実施し、その成果をもとに文化庁も含めた整備委員会の中で詳細な検討を行い整備を進めております。
このようなことから、保存・整備につきましては長期的かつ計画的な取り組みが必要であり、玉陵は平成15年、勝連城跡は平成23年、中城城跡は平成26年、今帰仁城跡は平成33年に整備を完了する予定となっております。県といたしましても文化庁の指導を受けながら、なお一層の保存・整備の促進を図っていきたいと考えております。
次に、各グスクの建物の復元についての御質問にお答えをいたします。
各グスクの琉球王国時代の建物の復元に当たりましては、建物の図面、古絵図・古写真及び発掘調査の成果等の基礎資料をもとに建築家を含めた整備委員会において検討を行う必要があります。
首里城及び識名園については、建物の図面等復元に必要な資料が存在していることから建物の復元・整備がなされました。
各グスクについては、現時点では図面及びその他復元に必要な資料がほとんどないため、発掘調査の成果だけでは建物の復元は現在のところ困難でございます。今後の調査・研究の成果にまちたいと思います。
以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 沖縄市で発生しました集団暴行事件の概要と背景につきましてお答えいたします。
この事件は、本年11月8日、沖縄市海邦町において有職の男子少年1名、男子高校生2名、女子中学生1名の計4名の少年が男子少年1名を殴る、ける等の暴行を加え殺害したという事件であります。
犯行の動機は、加害少年たちが遊びに使用する車を購入したいがため被害少年に対しその購入資金に充てるためのローンの名義貸しを以前から申し入れしていたところ、被害少年がその申し入れを断ったため加害少年たちはそのことに憤慨し犯行に及んだものであります。
少年による集団暴行事件の一般的な背景としましては、家庭や地域等社会全体の規範意識の低下、人間関係の希薄化等により少年たちが他人の痛みを知らず、自己中心的な考え方に陥りやすくなっていることに加え、暴力的映像、情報のはんらん、テレビゲーム等の仮想空間における非現実的体験の増加が拍車をかけ、前後の見境なく犯行に及んでいると考えているところでございます。
次に、加害者に対する県警の対応についてお答えいたします。
県警としましては、この事件で高校生2名、有職少年1名を殺人罪で逮捕し、11月10日、刑事処分相当の意見をつけ、那覇地方検察庁沖縄支部に送致しております。
また、女子中学生1名を触法少年として補導し、11月14日、コザ児童相談所に通告しております。
なお、有職少年1名及び高校生2名について検察庁では、殺意の認定が困難として傷害致死に切りかえ、11月29日に刑事処分相当で家庭裁判所に送致し、現在は那覇少年鑑別所に収容されていると承知しております。
それから、女子中学生につきましては12月10日、児童自立支援施設に入園が決定しているというふうに承知しております。
また、加害少年3名に飲酒をさせた有職少年の雇用主につきましては、沖縄県青少年保護育成条例違反で昨日12月11日、検察庁に事件送致しております。
次に、那覇新都心の交番の設置計画とめどについてでございます。
那覇新都心地区につきましては、幹線道路の整備が進み、また住宅の増加、多くの商業施設の進出など市街化の進展が著しく、それに伴いまして警察が取り扱う事案や交通量の増加が目立ってきております。
このような状況に加えて、地元地域の皆様からも交番設置の要請が強くあることなどを踏まえ、総合的に検討しました結果、交番を設置する必要性があると判断し、既に交番用地の選定も済ませたところであります。現在、財政当局に対し、平成15年度予算要求の中で交番設置に関する必要経費をお願いしているところであります。予算が容認された場合には平成15年度中に交番を設置することとしております。
それから、信号機の増設についてお答えいたします。
那覇新都心地域における交通信号機の設置状況でありますけれども、平成9年9月に国道58号上之屋交差点と国道330号安里十字路北を結ぶ市道天久安里線の供用開始に伴い、同年9月6日に安里十字路北交差点に信号機を設置しております。
その後、新都心地域内の県道や市道の供用や人口の流入に合わせ、平成11年には国際高校入り口交差点など3カ所に3基の信号機を設置し、以降、平成12年2基、平成13年2基、平成14年2基と年次計画で順次整備を進め、現在では新都心地域に設置された信号機は合計で10カ所、10基を数えております。
さらに最近では、新都心地域はアパート、マンションの建設や大型店舗の進出が著しく、地域内の交通環境にも大きな変化が見られます。これらの環境の変化に適切に対応していくため、既設の信号機の調整や右折矢印を増設するなど渋滞緩和に努めているところでありますけれども、来年度は通学路として利用度の高い安謝小学校南交差点など、地域内の主要交差点に新たに4基の信号機を設置して自動車交通の整序を図りながら、学童や地域住民の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○福祉保健部長(新垣幸子) 福祉行政について、認可保育所と認可外保育施設の現状と児童数及び公的補助について一括してお答えいたします。
平成14年4月1日現在、認可保育所は322カ所で、入所児童数は2万5507人、認可外保育施設は524カ所で、利用児童数は2万2312人となっております。
認可保育所の運営費については、児童福祉法に基づいて保育料を除いた分を国、県、市町村で負担しております。
認可外保育施設に対しては、県単独事業として児童の衛生や安全確保の観点から健康診断費の助成を行ってきましたが、平成14年度からは助成を拡大し健康診断費のほか、歯科健診費及び3歳未満児のミルク代などの補助を行っております。
そのほか、市町村の単独事業として浦添市の「指定保育施設事業」があり、また教材費や賠償責任保険料等の助成を行っている市町村もあります。
同じく認可保育施設に移行する際の課題及び移行に向けた支援について一括してお答えいたします。
県では、待機児童の解消を図るため、「新おきなわ子どもプラン」において平成18年度までに認可外保育施設から認可への移行も含め保育所50カ所の創設を目標に掲げ、市町村の積極的な取り組みを求めております。
認可外保育施設の団体から認可促進の要望が再三ありますが、認可への移行も含め保育所整備が進まない理由として、市町村においては保育所整備に伴い新たに生じる運営費の負担などが課題になっていると思われます。
県では、認可外保育施設から認可への移行を促進するため認可に向けて準備している施設へ市町村が保育士を派遣し保育内容の指導などを行う移行促進事業と、施設が間仕切り工事や模様がえなどを行う環境整備事業を実施しています。平成14年度は5カ所が認可移行に向け取り組んでおり、そのうち3カ所が同事業を実施しています。また、平成15年度は10カ所が移行に向けて取り組む予定となっております。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 国が進める構造改革特区に対する提案件数及び承認件数、提案した特区の状況について一括してお答えいたします。
構造改革特区については、本県から観光、貿易、金融、健康、港湾関連で6つの特区、60の特例事項を提案し、2つの特区に係る4つの事項が承認されております。
承認された事項は、県提案の「沖縄国際観光コンベンション特区」17事項のうち、体験・滞在型観光に係る旅客自動車運送業の特例の1事項と、那覇港管理組合提案の「那覇港フリーポート特区」13事項のうち、行政財産の貸付制限の緩和等の3事項となっております。
そのほか、県提案の「沖縄自由貿易特区」2事項、名護市の「金融テクノロジー開発特区」12事項、石垣市の「観光特区」1事項、具志川市等の「健康長寿産業振興特区」15事項については承認されておりません。
なお、この中で「沖縄国際観光コンベンション特区」における海外からのビザなし渡航の特例、「金融テクノロジー開発特区」のキャプティブ保険、「健康長寿産業振興特区」の外国人医師の医療行為等については引き続き検討することとされております。
次に、構造改革特区と沖縄振興計画に基づき実施される施策との関連性についてお答えいたします。
沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画に基づく情報通信産業特別地区、金融業務特別地区、特別自由貿易地域等に係る制度・施策は、税制特例措置や公共施設の整備等の措置があり、企業集積の促進等を強力に後押しするものとなっております。
一方、構造改革特区は、一定地域に限って規制を緩和し経済の活性化を目指すもので、補助金や税制の特例についての措置は認められておらず、特に関連性はありません。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 世界遺産の観光資源としての活用の御質問にお答えをいたします。
琉球歴史回廊に位置づけられているグスク及び関連遺産群を訪れる観光客数は登録以来増加の傾向にあり、多いところでは7倍にもなっております。県といたしましては、世界遺産の整備を推進するとともに、観光資源としての利便性向上のためその周辺においても「歴史の道」修復、休憩施設、駐車場等の整備を進めているところであります。
また、現在、これらの遺産群をテーマとした新たな観光コースの開発を図るため観光パンフレットでの紹介、インターネットを活用した情報発信、新聞、雑誌等メディアを活用した誘客プロモーション活動を積極的に行っているところであり、一部エージェントにおいては遺産めぐりツアー等の旅行商品も既に発売されているところであります。今後、県といたしましてはハード・ソフトの両面から遺産群の観光資源としての価値を高め、その利活用に努めてまいりたいと考えております。
次に、観光闘牛に関する御質問に一括してお答えをいたします。
沖縄闘牛の現状につきましては、平成13年度に沖縄総合事務局が行った「闘牛を活用した観光振興の在り方に関する調査委員会報告書」によりますと、現在県内におきましては12市町村に14の闘牛場があり、年間50回程度の大会が開催されております。また、平成13年には延べ4万2000人程度の観客が観戦をしておりますが、その中にどの程度の観光客が含まれているかについては十分把握されておりません。闘牛につきましては、開催市町村等に県内外から問い合わせが多く寄せられていると聞いており、このようなニーズにこたえるため沖縄観光コンベンションビューローにおきましては月刊情報誌「マンスリーオキナワ」で毎月闘牛情報を県内外に発信しております。
全天候型観光闘牛場の設置につきましては、沖縄総合事務局の報告書においてその必要性が提言されており、県といたしましては、現在同局が行っている「観光を活かした地域空間づくり検討委員会」で関係者ともども検討していく考えであります。
以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 廃車の不法投棄の現状と今後の対策について一括してお答えいたします。
本県においては、平成10年以降、使用済み自動車の処理費を所有者が負担するという「逆有償化」となったことから放置自動車が増加し、地域の生活環境や自然景観を損ねている状況にあります。
このようなことから、県においては、放置自動車の発生防止のための条例制定を行う市町村に対し沖縄特別振興対策事業を活用し、平成13年度は離島23市町村において放置自動車1万900台を撤去したところであります。また、平成14年度は沖縄本島33市町村において放置自動車7600台を撤去することにしております。県としては、撤去後の放置自動車の再発防止を図るため市町村の放置自動車に関する条例の効果的な運用を促進するとともに、市町村、福祉保健所、警察等の関係機関が連携した合同パトロールの実施などにより不法投棄防止の徹底を図っていきたいと考えております。
次に、廃車の処分場及び処分料金の負担について一括してお答えします。
回収された使用済み自動車は、県内の自動車リサイクル施設においてタイヤ、オイル及びバッテリー等を除去した後、破砕や選別を行い、鉄やアルミ製品の原料として再生利用されます。破砕後に生ずる残渣については、焼却処理もしくは管理型最終処分場において埋め立て処分されることになります。
また、平成14年度の放置自動車対策事業においては、1億1180万円の総事業費で沖縄本島の放置自動車7600台を撤去することにしております。その負担割合については国が8割、県が1割、市町村が1割の負担となっております。現在、県と関係市町村と連携し事業が円滑に推進できるよう取り組んでいるところであります。
○農林水産部長(天願貞信) 農業振興と耕地面積減少の対策について、耕地面積の現状、減少の原因と主要作物別の面積の割合について、関連しますので一括してお答えいたします。
本県の耕地面積は、平成元年の4万6800ヘクタールから減少傾向に推移し、平成13年現在においては4万600ヘクタールとなっております。
減少の主な原因としては、都市化の進展による他用途への利用の増大、農業就業者の高齢化などに伴う耕作放棄地等の増加などが挙げられます。
また、平成13年現在における主要作物の延べ作付面積の割合につきましては、さとうきびで2万700ヘクタールで51%、野菜・花卉で4100ヘクタールで10%、パイナップル等果樹で1700ヘクタールで4%、葉たばこで1400ヘクタールで3%、その他9300ヘクタールで23%となっております。
次に、さとうきび作付面積と年間収入額についてお答えいたします。
さとうきびの作付面積は、昭和60年産の3万1400ヘクタールをピークにこれまで減少傾向にありました。過去5年間の作付面積は2万ヘクタール前後で推移しており、減少傾向に一定の歯どめがかかりつつあります。
さとうきびの生産額につきましては、平成11年産は196億円と豊作の年であり、過去5年間では160億円から190億円台で推移をしております。県としては、さとうきびの生産振興を図るため、かんがい施設等の生産基盤の整備を初め機械化の促進、優良種苗の増殖普及等諸施策を推進しているところであります。また、平成13年度からは新ルネッサンス事業の導入により遊休農地の解消による面積拡大の強化に努めているところであります。今後とも、各種事業を総合的に推進し農家が意欲を持って生産に取り組めるよう努めていく考えであります。
次に、耕地面積減少の抜本的対策についてお答えいたします。
農地の高度・効率的利用とその保全・確保を図るためには、亜熱帯の地域特性を生かした特色ある農業生産の展開を図ることが重要であります。
このため、県におきましては農林水産業振興計画に基づき圃場整備等生産基盤の整備による優良農地の確保、野菜・花卉等戦略品目の拠点産地形成による「おきなわブランド」の確立と生産供給体制の強化、認定農業者等経営感覚にすぐれた担い手の育成・確保と農地の利用集積の推進などを実施していく考えであります。今後とも、これら各種施策の推進により活力ある持続的農林水産業の振興を図るとともに、優良農地の保全・確保に努めていく考えであります。
次に、農家負債が深刻化しているが、県は把握しているかとの御質問にお答えいたします。
農家負債対策については、今年4月、県に「JA経営健全化管理委員会」を設置し負債農家の支援に取り組んでいるところであります。また、農林水産部内に「農業経営再建対策支援班」を設置し、JAおきなわ信用事業再構築計画に沿って負債農家の経営再建に取り組んでいるところであります。
具体的には、農業経営改善計画の策定指導や緊急利子補給事業等を実施をしているところであります。今後ともJAおきなわと連携をしながら農家経営の再建に向け、個別・具体的な指導を実施をしていく考えであります。
以上であります。
○嘉陽 宗吉 先ほどの観光リゾート局長の御答弁によりますと、全天候型闘牛場の設置計画についてでございますが、総合事務局が行っている「観光を活かした地域空間づくり検討委員会」の中で関係者と一体となって検討をしていくとの前向きに対応する姿勢がうかがわれて大変意を強くしております。今後ともそれが早急に実現できるように県も積極的にかかわって、その体制づくりに取り組んでいただきますよう御要望を申し上げまして終わります。
よろしくお願いします。
○新川 秀清 護憲ネットワークを代表いたしまして質問をさせていただきたいと思います。
その前に、2期目に就任をされました稲嶺知事、まことにおめでとうございます。
これまで、ひたすら走り続けてきた4年だったというふうに言われたようでありますが、その御苦労に対しまして心から敬意を表したいと思います。
また、歴代の知事が心血を注いでこられました基地問題を初めとして山積する諸課題の解決と、ウマンチュの願いであります平和で自立できる沖縄県づくりのために今後ともしっかり頑張っていただきたいと、こういうふうにお願いをいたしたいと思います。
21世紀初頭、この沖縄を考えてみますと、まさに荒海に漂っている沖縄丸ということが言えるんではないかというふうに思うわけであります。この沖縄丸には、申し上げるまでもなく130万人余の県民が乗っているわけであります。その中には11月17日の知事選挙におきまして稲嶺知事に票を投じられた35万9000余の皆さん方を初めとして、他の候補に票を投じた方々も19万8000名余おられるわけであります。
そしてよく言われるわけでありますが、現在の政治に対する不信、こういったことからでありましょうか、投票を棄権をしたこういった方々が56万4000名余にわたっているわけであります。実に47.78%の有権者であります。このことについては、今後政治の場にある者としてどうすべきかというふうなことについては、大いに反省もいたさねばならぬところではないのか、こういうふうに思うわけであります。
そしてもう一つ申し上げたいのでありますが、この130万余の中には私どもが次代を託する35万2000名余の若者たちがいるわけであります。そういうことで私たちは、この若者たちを含めて戦争の世紀と言われた20世紀から21世紀へ、この中でこの若者たちのすばらしい将来のために何をなすべきかということを考えることも必要ではないかと思っているわけであります。これまで歴代の知事も大変御苦労されたわけでありますが、どうぞ2期目の稲嶺知事におかれましてもしっかりとそのことを胸に刻んで頑張っていただきたいと思いますし、またこの沖縄丸は大変な厄介な荷物を満載をしております。米軍基地であります。この基地については、一日も早く荷主のところに届ける必要があります。そのためにしっかりとかじを握っていただきたい、こういうことも申し上げておきたいわけであります。
沖縄の先人たちは、東南アジアとの交易、そして多くの国々との外交をしながら大変な航海をしてきた歴史を持っているわけでありますが、こういった中でこのような歌を残したようであります。
櫓カジ定ミティル 船ヤ走ラシユル
寸分ハジラスナ 肝ヌティジナ
という歌を詠んだそうであります。
どうぞ知事におかれましては、しっかりとこの沖縄丸のかじ取りをお願いをいたしたい、こういうふうに申し上げまして代表質問に移らせていただきたいと思います。
まず1点目であります。政治姿勢についてでありますが、(1)にありますように、4年前の知事の示された基本姿勢、この中にここに書いてありますように、「国難ともいうべきこの変革状況は沖縄も例外ではなく、一層の閉塞感と不安感に包まれている。」。そしてこれはことしの方針の中に出てくるわけであります。「あれから4年近くの歳月が過ぎ、沖縄を取り巻く状況は一変しました。いまや、かつての閉塞感は一掃され、全国的な厳しさの中、本県においては前途に光明を見出すまでに至っています。」というふうに述べられているわけでありますが、これまでもありましたように、本県の抱える基地の整理縮小を初め遅々として進まない地位協定の改定、多発する米軍人等による事件・事故、そして全国平均2倍の高失業率、最下位の県民所得、全国2位の生活保護率、厳しい雇用情勢等々、どれをとってみても閉塞感が一掃され光明が見えたというふうには思えないのですが、知事の認識を伺いたいと思います。
次に、今問題になっておりますイージス艦の派遣について所見を伺いたいと思います。
政府は、去る4日にイージス艦をインド洋に派遣するという決定をされたようであります。そして今月中旬にもこれが出航するというふうに報じられております。これまで幾度となく出撃基地として利用された沖縄の経過から、また9・11テロ後の基地の存在が沖縄経済に投げかけた状況など。さらには与党内にさえも反対があると言われますし、また集団的自衛権に踏み込むものではないかという危惧もあるようでありますが、この派遣について知事はどのような見解をお持ちですか。
3番目に、基地問題についてお尋ねをいたします。
またしても米海兵隊少佐による人間の尊厳を踏みにじる凶悪な事件が発生をいたしました。まさに言語道断であります。
私たち軍特のメンバーは、11月21日に海兵隊の基地を視察する機会がありました。その中で幹部の皆さんから入れかわり立ちかわり綱紀の粛正やまた隊員の教育、こういったことについて説明を受ける機会がありました。こうして幹部による事件が起こってみますというと、あの説明とは一体何であったのかと白々しくもなりますし、むなしささえ覚えるわけであります。
さらにもう一つ、私は、私たちがこれまで繰り返してきた「また」と「再び」という言葉についてどう説明すればいいのかということを考えるのであります。意見書、そして抗議決議、その都度私たちはこの言葉を繰り返してまいりました。もはやこれを説明する方法はなくなってしまった、私はこういうふうに考えているわけであります。
また、10月の軍特委で、一体私たちは、復帰後県議会においてこの米軍に関係する事件・事故のために意見書や抗議決議をどれだけ行ってきたのかということを事務局にお尋ねをいたしました。一昨日までの決議を加えますと299件になります。私ども県議会もこのことを繰り返し決議をしてきた。そして、このような決議を繰り返してきたけれども、先ほども指摘申し上げましたように、いまだにその実効性が上がってないと、こういうことであります。
かつて大田前知事が基地所在市町村長を前にしてこういうことを申されたことがあります。沖縄に基地の問題さえなければ山積するほかの課題にもっと取り組むことができるのだがということを嘆かれたことがありました。まさに歴代の知事の皆さん方も艱難辛苦、このために大変な御苦労をされてきたということがわかるわけであります。
また、現県政においても稲嶺知事がこの4年間御苦労されたことも承知をいたしているわけでありますが、どうぞ次の3点につきまして知事の考えをお聞かせいただきたいと思います。
まず(1)点目の基地の整理縮小、返還について伺いたいと思います。
これもけさからもう出ているわけでありますが、これまで知事はSACO合意を進めていくことが整理縮小につながっていくということを繰り返し答弁をされているわけであります。そして2期目の当選後、SACO2もあり得るというふうなことも言われたようでありますが、これまでの間にこのSACO合意も遅々として進んでない、私はこういった感じを持つわけでありますが、SACO2のことも含めてこれからどのように取り組まれていくかということについての考えをお聞かせいただきたいと思います。
そして15年使用期限問題についてであります。
沖縄とも非常にかかわりの深い岡本行夫氏が新聞紙上で、日本政府は相当苦しい立場に立たされるということを指摘をしております。そしてまた、これまでアメリカ政府の高官を初めとして日米会談の中においても、このことについても先が見えてきてない、こういう感じが私はいたしておるわけであります。
そういうことで、知事は先ほどの御答弁でもこのことを抜きにしては着工はあり得ないということもおっしゃったわけでありますが、今後の取り組みをどうされるのかということについていま一度お聞かせをいただきたいと思います。
次に(3)点目であります。これもショッキングな報道がありました。
沖縄でも基地跡からのいろんな土壌汚染や環境汚染の問題が出てまいりました。フィリピンの事故は対岸の火事ではないような気がいたします。そういうことで、早急に返還予定地を含めて基地の環境調査を求めるべきだというふうに思うのでありますが、これについての考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、地位協定の抜本的改正についてであります。
このこともけさから与党の皆さん方からも出されておりました。これまで運用の改善で事足れりとする日本政府の態度が繰り返し示されてきたわけでありますが、本県における状況は全く変わってない。そういうことで今私たちは怒りを込めて日本政府に対して地位協定の抜本的改正を強く求めていかなければならないというふうに思いますし、またそのためにこれまで繰り返してきた決議だけではなくて、さらに強い意思を私たちは内外に表明をする必要があると、こういうふうに思うわけでありますが、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、雇用失業問題についてであります。
これまで述べられてきました。一体この過去最悪だと言われた9月の失業率、そして先ほどから出ておりますように若年者の雇用がなかなか思うようにいかない。そしてまた大型企業が繰り返し倒産をするという状況も出ておる。しかも、一昨日のあの沖縄精製の閉鎖ということについても大きなショックであります。地元自治体に対する影響、そしてそこで働いている120名余の従業員の再雇用の問題等々を含めて大変深刻な事態だというふうに思うのでありますが、今後の雇用創出のための緊急の対策と中長期の対策についてお伺いをしておきたいと思います。
さらに、深刻な状況にありますところの若年者の雇用の問題についての今後の対策をお伺いをいたします。
(3)番目に、知事の基本政策の中でも述べられているわけでありますが、医療や福祉を活用した地域の産業を振興していく、そして雇用の創出につなげたいというふうなことが述べられているわけであります。
これまで非常に厳しい雇用状況の中で、医療と福祉の分野はこれから雇用の場として非常に有望であるということは多くの識者からも指摘をされておりますし、また本県における医療や福祉の分野に新たな雇用の場としてこれをつくり出していくことは肝要なことだというふうに思っております。
そういうふうなことで、知事が述べられているこの福祉と医療、これを活用した地域産業の振興、その雇用の場をつくるということはどういうことでありますか、お聞かせをいただきたいと思います。
次に、社会福祉問題についてであります。
「アジア太平洋障害者の10年」、いよいよ最終年を迎えました。その成果と課題についてお伺いをしておきたいと思います。
これまでこの「アジア太平洋障害者の10年」については、本県でも国際的な会議が持たれた経緯もございます。そういうふうなことで、こういった会議の成果も踏まえてどのようなことが沖縄県における成果として上げられているのか、また今後の課題は何なのか、さらに第2の10年に向けた取り組みはどうなっているかということについてお伺いをしておきたいと思います。
2点目に、障害者支援費制度についてであります。
事業開始に向けて利用者の申請が行われていると思いますし、またこういった方々の利用するサービスや施設等の整備、これについても取り組みはなされていると思うのでありますが、この状況について御説明をいただきたいと思います。
認可外保育園の支援についてであります。
部長の御答弁によりますと、平成14年、さらに15年にわたって認可外の保育園を認可に移行させる取り組みがあるという御答弁もあったわけでありますが、認可外保育園の中にはぜひこの機会に認可に移行していきたい、こういう強い意欲を持って今取り組みをしているけれども、なかなかこれが進んでいかないというふうなことを申している方々がおられるわけであります。
そういうことで、もちろんこれは市町村との関係もあるわけでありますが、県として市町村とも連携をしながら積極的にこのことについて取り組みをする必要があると思うのでありますが、これについていかがでありますか。そして届け出制についてはどうなっているか、お伺いをしておきたいと思います。
それから次に、バス統合の問題についてであります。
この件に関しましては、私ども会派の平良長政議員が毎議会においてこの問題を取り上げてきております。そういった中で、これまで指摘もありますようになかなか県として具体的にこれをどう進めようとしているかということが見えてない、私はこういうふうに受けとめているわけであります。
それと知事の1期目の基本姿勢あるいは基本政策、そしてまた2期目の基本政策などを見ておりましても、このバス統合についてどうされていくのかというふうなことについてなかなか見えてきてない、こういうふうな感じを持っているわけでありますが、これから具体的にどのように支援をされていかれるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
もちろん他の交通運輸行政についてはこの基本計画の中などでも触れられているわけでありますが、このバス統合についてそれが見えてきてない、こういうふうな感じがいたすわけでありますがいかがでありますか。中でもこの統合に向けた調整作業、この作業がどのように進んでいるのか。
さらにまた私は、公共交通機関としての役割でこれまで担ってきた大変重要な役割などを考えますと、これから弱者のための交通機関としてこれを積極的に支援をしていく、そしてその中ではバリアフリーなども十分に考慮をしながら、交通機関のあり方というものを検討していくという福祉社会に見合ったようなバス行政というものを考えていくと、こういうことが必要だろうというふうに思っております。
そういうことで、これに対する県のお考えを伺いたいと思います。
それから次に、農水産業の振興についてであります。
先ほども部長から御答弁がありました。新聞に出ておりましたように、これまで農林水産業の振興についてはいろんな計画が策定をされました。新しい振興計画の中でもそのことは出ているわけでありますが、農耕地の減少を来す、これではいかんともしがたいんではないか、いかに今後の振興計画を策定してみても耕地の減少ということではどうにもしようがない、こういうふうな感じがいたすわけであります。
そういうことで、今後のこの耕地面積の減少していく状況にどう歯どめをかけていくかということが大きな課題でありますし、またこれはこれまでも伺っているわけでありますが、流動化の促進の問題とも絡んでくる、後継者対策の問題とも絡んでくる、こういったもろもろのことをまとめて解決をしていくということにならんといかぬと思うのでありますが、もちろん農家経営のこともそうであります。これについてお伺いをしておきたいと思います。
それから、これまで基盤整備の一つとして農業施設も随分整備をされてきました。そのために市町村も相当補助を出して、そしてまた県の補助を受けながらこれをやってきたわけでありますが、どうもこれが十分活用されてない、私はこういう感じを持っております。北から南、そして離島各地を見ましても、もう全く放置をされた状態の施設がかなりある、こういうふうに思うわけでありますが、この実態はどうなっているか、また今後これをどのように活用していくかということについてお伺いをしておきたいと思います。
次に、水産試験場の移転についてであります。
これも今後の沖縄の水産振興を図る上で大きな課題の一つであると思うのでありますが、せんだって水産試験場を視察する機会がありました。その中でこの周囲の環境、あるいはまた建物の老朽化、そういったことが課題としてあるようであります。そういうことで、今後この水産試験場の移転についてどのように取り組まれるかをお伺いをしておきたいと思います。
次に、観光振興については9・11以降の入域客の推移と1人当たりの消費額などの推移はどうなっているか。
そして(2)番目の観光関連産業への波及はどうなっているかということをお聞きをしておきたいと思います。
10番目の大学院大学の設置については、これもいろいろと参っておりますし、また既に候補地が3カ所に絞り込まれたということもあるわけでございますが、今後の取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。
11番の給与の減額調整措置についてであります。
これについては衆議院の決算委員会や総務委員会でも随分議論が出てきた、こういうことが言われております。私は、そういった中で人勧史上初めてのマイナス給与改定勧告がなされたというふうなことについても大変危惧をするわけでありますが、特に今回の改定に当たって長年培ってきた労使の慣行というものが十分尊重されてきたのか、こういうことを考えるわけであります。
そこで、そのことについてまずお伺いをしたいということが1点であります。
次に、不利益不遡及の原則についてであります。
これも衆議院総務委員会や決算委員会で問題になっております。このことについてはいろんな策を講じて不利益の遡及ではないんだということをせんだって総務部長も議案説明会の中で言っているわけでありますが、どうもそういうふうなことではないんじゃないのかというふうな感じがいたします。これについてお聞かせをいただきたいと思います。
そして最後であります。旧軍飛行場の問題について。
これは午前中に宮平永治議員からも出ておったわけでありますが、私もこの振興計画の中でこれが位置づけられたということについては評価をいたします。ただしかし、これは種をまいたということであって、これからこの問題を具体的にどう解決するかということは大きな課題であろうというふうに思うわけであります。
そういうことで、まず読谷、嘉手納とそして小禄、宮古、八重山にもこれに類する課題があるわけでありますが、まず当面できるところから手をつけていく、そのことが第一だろうと思います。一括してこれをすべて解決するということは非常に至難であるというふうに思います。
どうぞそういうことで、今後の取り組みについてお聞かせをいただきまして代表質問を終わります。
ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) 新川秀清議員の御質問にお答えいたします。
最初は、政治姿勢についてのうち、閉塞感の一掃と将来の展望についてお答えをいたします。
私は、これまで「問題解決のできる実行型県政」を基本に県勢発展に誠心誠意取り組んでまいりました。
本県は、全国的な景気低迷の中で県内就業者数を大きく伸ばし、情報通信関連産業を中心とした数多くの企業立地や、健康食品産業の急速な成長など本県経済は新たな成長軌道に向けて歩んでいると考えております。雇用情勢は厳しい状況にありますが、10月の新規求人数が復帰後最高となるなど明るい要因が出ております。
基地問題については、沖縄振興計画に初めて基地の整理縮小と旧軍飛行場用地問題を記述するなど、その解決に向けて着実に前進させました。
また、日米地位協定の抜本的な見直しについては衆議院外務委員会、全国知事会議の決議等全国的に理解が広がっており、今後とも強力に国に求めます。
県民の英知を結集した沖縄振興特別措置法や沖縄振興計画を実現したところであり、県民一体となって着実な実施を図ることにより明るい未来を築いていけるものと確信をしております。
次に、イージス艦派遣決定についての御質問のお答えでございます。
政府においては、テロ対策特措法に基づく協力支援活動を行うためイージス艦の派遣を計画しているとのことでありますが、この問題につきましては集団的自衛権の行使に当たるのではないかとの意見もあり、憲法との整合性の観点等も含め、国民の理解を得るためにも国政の場で十分な論議を尽くすことが望ましいと考えております。
次に、基地の整理縮小についてお答えいたします。
本県が過重に負担している米軍基地の整理縮小については、まずSACOの合意事案を着実に実施することが、より現実的で実現可能な方法であると認識しており、現在すべての合意事案の進展に向け、県としても国と連携し全力を挙げて取り組んでいるところであります。
しかしながら、SACOの合意事案がすべて実施されたとしても、本県には依然として在日米軍専用施設面積の約70%の米軍基地が存在することから、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の段階的な整理縮小が必要だと考えております。
県は、57年余も過重な基地負担をしてきた県民の意向にこたえるため、8月26日に小泉総理大臣を初め関係大臣、11月30日には石破防衛庁長官に対し基地の整理縮小について強く要請したところであります。県としては、今後とも国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ県民の理解と協力を得ながら米軍基地の段階的な整理縮小に取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、15年使用期限の問題の取り組みと見通しについてお答えいたします。
代替施設の15年使用期限は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているものであり、国の責任において解決されるべきものであると考えております。
基地の提供責任は日本政府にあることから、日本政府が使用期限の問題を含め沖縄の基地問題を我が国全体の問題としてとらえ、しっかり受けとめることが重要だと考えており、知事選挙後には小泉総理大臣、細田沖縄及び北方対策担当大臣、石破防衛庁長官に対し、政府としてなお一層の取り組みを要請したところであります。使用期限問題の解決なしには着工はあり得ないと考えております。
次に、地位協定の抜本的改正と海兵隊の兵力削減についてお答えをいたします。
県は、県民の過重な基地負担の軽減及び米軍人等による事件・事故の減少を図るためには、海兵隊の訓練の海外への移転や海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減、日米地位協定の抜本的見直しが必要と考えております。
県としては、先般の海兵隊少佐による強姦未遂事件の米側の身柄引き渡し拒否を通じ、日米地位協定の運用改善では限界があることを痛感したところであり、同協定の抜本的な見直しが必要であると改めて感じたところであります。今後とも、あらゆる機会を通じて日米両政府に対し日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
なお、県民ぐるみの取り組みについては各界各層を網羅することが必要であると考えております。
続きまして、雇用創出のための緊急対策と中長期の対策についてお答えいたします。
県においては、当面実施すべき緊急対策として12月9日に「沖縄県緊急雇用対策」を策定したところであります。
その主な事業として、30歳以上の求職者の就職を促進する緊急ジョブマッチング促進特別事業、民間教育訓練機関を活用した緊急委託訓練事業、松くい虫被害防除等の環境保全型緊急雇用対策事業等を実施する計画であります。
また、緊急地域雇用創出特別交付金事業についても、平成16年度までの事業費に70億円、新規の雇用者数を約7000人とする全体計画を策定し、現在、県及び市町村で実施中であります。
中長期的には、沖縄振興特別措置法において措置された各種の制度等を最大限活用するとともに、沖縄振興計画及び沖縄県産業振興計画に基づき戦略的な産業の育成や企業誘致を積極的に推進し、新たな雇用の創出を図ってまいります。
特に、雇用については職業安定計画に基づき産業振興と一体となった雇用の促進と人材育成に取り組んでまいります。
次に、社会福祉問題について、認可への移行計画と児童への支援策についてお答えいたします。
県では、待機児童解消のため「新おきなわ子どもプラン」において、平成18年度までに認可外保育施設から認可への移行も含め保育所50カ所の創設を目標に掲げています。認可を希望する認可外保育施設と市町村の協議が整い次第、積極的に認可していくことにしています。平成14年度は創設6カ所のうち5カ所が認可外保育施設からの移行となっており、平成15年度は創設8カ所のうち6カ所が認可外から認可への移行に向けて取り組む予定となっております。
利用児童に対しては、平成9年度から児童の衛生や安全確保の観点から、県単独事業で健康診断費の助成を行ってきましたが、平成14年度からは助成を拡充して健康診断費のほか、歯科健診費及び3歳未満児のミルク代などの補助を行っています。
次に、バス問題の統合に向けての積極的な支援策についてお答えいたします。
バスは、大量公共交通機関として県民の日常生活を支えており、その維持・確保は重要な課題であると認識しております。
バス事業につきましては、本年2月から事業への参入撤退の自由化などを内容とする規制緩和が実施されました。これに伴い、県はバスの補助制度を見直すとともに、国や県、市町村、バス事業者などで構成する「生活交通確保協議会」を設置し、関係機関と連携して県民の生活交通を確保するための支援体制の強化を図っているところであります。バス事業については、今後新しい事業により経営環境の変化が予想されることや、バス事業の公共性を踏まえ、県としても国やバス4社の代表者等と意見交換を重ねてきたところであります。 現在、バス統合準備室とバス4社が統合のための諸条件の調整を行っており、新会社発足に向けて事業計画の策定、出資、路線の再編等の具体的な作業を進めているところであります。
県としては、新会社の事業経営に対して責任を持って遂行する経営陣やそれを支える企業等が明らかになった段階で、国とも緊密な連携を図りながら総合的な観点から対応を検討し、県として支援が可能なものについては全力で取り組んでいきたいと考えております。
次に、大学院大学について、今後の具体的な取り組みについてお答えいたします。
大学院大学の設置に向けては、世界最高水準の大学院大学の立地にふさわしい候補地の選定、学長等の教授陣の選考及び研究環境等の条件整備が当面の課題であると考えております。
候補地の選定については、県からの提案を受け国の「沖縄新大学院大学構想検討会」において選定に向けた審議が始まっており、今後、構想検討会委員による現地視察や、1月12日にサンフランシスコで開催する第3回国際顧問会議での論議を踏まえ、早ければ来年1月末から2月上旬ごろに決定される見通しであります。
また、学長を初め教授陣の確保については内閣府において検討が進められており、第3回国際顧問会議において候補地の選定とあわせ論議される予定となっております。
県としては、教育や医療の充実、居住環境や交通アクセス等の利便性の向上など、研究者やその家族が安心して快適に暮らせる環境づくりに向け、国と連携しながら検討を深めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 基地問題についての米軍基地跡地等の環境調査についてにお答えいたします。
返還合意がなされた施設については、平成14年10月2日に軍転特措法施行令の一部を改正する政令が公布され、返還実施計画に定める事項として、返還地において駐留軍の行為に起因する土壌汚染の状況等について国が調査を行う必要があると認める場合の方針などが定められております。具体的には、調査を行う区域の範囲、調査の方法、調査に要すると見込まれる期間及び調査の結果に基づいて国が講ずる措置に関する方針を定めることなどが新たに追加されたところであります。
県は、平成12年8月、日米両政府に対し行った「日米地位協定の見直しに関する要請」の中で、米軍への日本の環境法の適用、返還前の環境調査及び環境浄化等原状回復措置の義務づけ等環境条項を新たに設けることを求めています。今後とも日米地位協定の抜本的な見直しを粘り強く訴え続けていきたいと考えております。
旧軍飛行場問題の今後の取り組みについてにお答えいたします。
県は、旧軍飛行場用地問題の早期解決を図るため去る9月19日、「旧軍飛行場用地問題対策プロジェクト班」を基地対策室内に設置しました。現在、同班を中心に旧軍飛行場用地問題解決促進協議会や関係市町村との協議・調整を進めているところであり、また、去る11月26日には財務省及び内閣府に対し協力を要請してまいりました。
今後は、戦後処理事案として解決を図るべき基本的考え方の整理、同協議会が要望する項目についての取りまとめ、同協議会以外の旧軍接収用地に関する調査、旧軍関係資料の収集・整理、既に解決を見た戦後処理事案の事例調査等一連の作業を行い、その後、同協議会や関係市町村、議員連盟等とも十分協議した上で国に対し要望していきたいと考えております。
なお、同問題の円滑な解決に向けて連携を強化するため、県と関係市町村との連絡会議を設置したいと考えています。
○商工労働部長(花城順孝) 雇用失業問題についての、若年者の雇用対策についての御質問にお答えいたします。
若年者の雇用対策につきましては、これまでも高校生、大学生等の県外企業におけるインターンシップの実施等職業観の育成につながる事業、合同面接会の開催等の就職支援対策、県立高校への就職促進相談員の配置等きめ細かな対策を講じてきたところであります。
また、今年度から新たに大学生等の県外就職を促進する就職の翼支援事業や、若年者の就職活動を支援する若年者就職支援特別セミナー事業を実施しております。国においても、沖縄若年者雇用開発助成金による雇用支援を行うとともに、30歳未満の若年者を対象とした「若年者トライアル雇用事業」を昨年12月から実施しております。
ところで、 新規学卒者等若年者の雇用状況を改善していくためには、県内志向、公務員志向と指摘される現状を打破し、多様な職業に目を向け県内外に積極的にチャレンジしていく幅広い職業観を若年者みずから形成していくことが非常に重要であります。
このことも踏まえて、 県としては新たに設置する「沖縄キャリアセンター」――仮称でございますが――において、現在構築中の「若年者総合雇用支援システム」を最大限に活用し、職業観の形成から就職に至るまでの一貫した支援対策を産学官の連携のもとで推進してまいります。
次に、同じく雇用失業問題についての、医療や福祉を活用した地域産業の振興と雇用の創出についての御質問にお答えをいたします。
本県は、豊かな自然環境や温暖な気候、長寿県沖縄を支えてきた独特の食文化や薬草などのさまざまな資源と健康・長寿のイメージを有しております。
県は、これらの資源やイメージを積極的に生かして健康バイオ関連産業や観光関連産業等の振興を図ってまいります。具体的には、健康食品産業のさらなる発展を促進するため、健康食品等の機能性に関する科学的な裏づけや、研究開発による高付加価値化、新製品の実証開発を推進し、またその研究開発拠点の一つとなる「沖縄健康バイオ研究開発センター(仮称)」の整備を進めてまいります。
さらに、避寒地として沖縄に長期滞在する高齢者やアレルギー・生活習慣病などの疾患を持つ者に対して健康・長寿食、海浜活動や周遊観光を組み合わせたプログラムを提供するなど、健康・保養型観光の推進を図ってまいります。
このことにより、新たな産業を創出し雇用の拡大を図ってまいりたいと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 「アジア太平洋障害者の10年」の成果と課題、今後の取り組みについてお答えいたします。
1993年からスタートした「アジア太平洋障害者の10年」は、「完全参加と平等」を目指し、我が国を初めアジア・太平洋の各国で取り組まれております。
我が国においては、1993年に「障害者対策に関する新長期計画」を策定し、これまでに障害者基本法の制定、欠格条項の見直し、生活基盤整備のためのハートビル法や交通バリアフリー法の制定等が行われ、障害者の自立と社会参加の促進が図られてまいりました。県においても、1994年に「沖縄県障害者福祉長期行動計画」を策定し障害者福祉の向上に努めてまいりました。
本年10月の「アジア太平洋障害者の10年」最終年ハイレベル政府間会合において新たな「10年」の行動計画として教育など7つの具体的な目標等を定めた「びわこミレニアム・フレームワーク」が採択されております。
なお、国及び県においては、障害の有無にかかわらず人格と個性を尊重し支え合う共生社会の実現を図るための新長期計画を策定中であります。
それから支援費制度について、利用者の申請状況とサービスや施設等の整備についてお答えいたします。
障害者福祉サービスについては、平成15年4月より現在の措置制度から支援費制度へ移行いたします。
支援費制度の対象となるのは、在宅サービスでは身体障害者、知的障害者及び障害児のホームヘルプサービスやデイサービス等、また施設サービスでは身体障害者及び知的障害者の更生施設や授産施設等であります。
申請状況については、12月10日現在、在宅サービスについては711件、施設サービスでは404件となっております。
なお、施設サービスについては、みなし規定が適用された場合、現に施設に入所している者は平成15年4月から1年間は支給決定されたものとみなされます。
次に、サービスを提供する事業所については、8月31日現在、在宅サービスについては201カ所、施設サービスについては57カ所が準備をしております。
県といたしましては、事業者の指定や市町村等に対する情報提供を行うとともに、説明会等を随時開催するなど支援費制度が円滑に施行されるよう努めてまいります。
認可外施設の届け出状況について。
平成14年10月1日から乳幼児を6人以上預かっている認可外保育施設の届け出制が実施されました。平成14年12月9日現在、34市町村で540カ所からの届け出があり、平成14年4月1日現在で把握した524施設を16施設上回っております。
届け出た事項のうち、施設名称や管理者の氏名、住所及びサービス内容や職員の配置状況などの情報を県民に提供することになっており、現在、県の担当課や市町村の担当窓口で閲覧できるよう準備を進めているところでございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス統合問題についての御質問にお答えをします。
バス統合は、本島バス4社がみずからの経営判断によりまして乗り合い部門の統合を行い、経営体力の増強を図ることを目的に取り組んでいるものであります。現在、平成14年1月に発足したバス統合準備室とバス4社が統合のための諸条件の調整を行っております。
また、バス統合準備室は、新会社設立のため事業計画や出資等の資金計画、路線の再編案等を出資予定企業や県に示し出資を要請するとともに、沖縄振興開発金融公庫等の金融機関に統合に必要な資金の融資を要請していると聞いております。
○農林水産部長(天願貞信) 農水産業の振興についての、耕地面積の減少とその対策についてお答えいたします。
本県の耕地面積は、近年、減少傾向に推移しており、平成13年度現在4万600ヘクタールとなっております。
農地の高度利用とその保全・確保を図るためには、亜熱帯の地域特性を生かした特色ある農業生産の展開を図ることが重要であります。このため、県においては農林水産業振興計画に基づき圃場整備等生産基盤の整備による優良農地の確保、野菜・花卉等戦略品目の拠点産地形成による「おきなわブランド」の確立と生産供給体制の強化、認定農業者等経営感覚にすぐれた担い手の育成・確保と農地の利用集積の推進などを実施していく考えであります。
今後とも、これら各種施策の推進により活力と魅力ある持続的農林水産業の振興を図るとともに、優良農地の保全・確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、農業施設等の利活用状況についてお答えいたします。
園芸作物の生産振興を図るためには、施設化により高品質で安定的な生産出荷体制を確立する必要があります。このため、補助事業によりビニールハウス等の園芸施設を積極的に導入し、これまでに約720ヘクタールを整備しております。
しかしながら、近年、施設園芸農家の経営は輸入農産物の増加や国内他産地との競合などによりまして厳しい経営状況にあります。
一部の施設園芸農家におきましては、作目転換や施設の老朽化などにより園芸施設が利活用されていない状況も見られます。県といたしましては、これらの施設が有効活用されるよう、今後ともJAおきなわ、市町村、農業改良普及センター等と連携をして、新規就農者や新たな利用希望農家へのあっせんなど施設の有効利用に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、水産試験場の整備についてお答えいたします。
水産試験場は、昭和49年に現在地に移転して以来28年が経過をしておりまして、施設の老朽化が著しく早急な整備が必要となっております。現在、水産関係団体、学識経験者等から成る整備検討委員会を設置し、今年度中に場所の選定を行う予定であります。今後は、早期整備に向けて具体的な整備計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) テロ事件後の入域観光客数と消費額に関する御質問にお答えをいたします。
テロ事件以降の入域観光客数の推移は、発生直後の平成13年9月は前年同月を上回ったものの、10月以降は修学旅行を中心としたキャンセルが相次ぎ、平成14年1月までの4カ月間は前年同月を下回っております。しかし、ことし2月以降、入域観光客数は急速に回復し、10月末までの累計実績は403万人で同時期の過去最高を記録しております。
一方、平成13年の観光客1人当たりの県内消費額は、全国的なデフレの影響による旅行商品の低価格化や不況による消費支出の減少などのため、8万5298円と前年を7%下回っております。
次に、観光関連業界への波及についてお答えをいたします。
入域観光客数の回復と旅行商品の低価格化は、観光関連業界にそれぞれプラスとマイナスの影響を及ぼしております。
宿泊施設につきましては、宿泊人員や客室稼働率が好調に推移している一方で、宿泊単価が減少しているため県外客への物販や県民向けサービスの拡充等により売り上げを維持している状況となっております。
観光バスにつきましては、会社間でばらつきはありますが、おおむね貸し切り部門で利用単価が減少しているものの、修学旅行の増加などにより運行稼働率は回復傾向にあります。
一方、定期観光バスにつきましては大きな価格変動はなく、利用者数、売り上げともに前年並みの状況にあります。
主要な観光施設につきましては、入場料等利用単価の減少は見られず、入場者数はことしの夏場までは昨年実績を下回っていましたが、9月以降は総体的に増加をしております。
以上でございます。
○総務部長(當銘直通) 給与の減額調整措置について、県は改定に当たって労使慣行を尊重したかにお答えいたします。
ことしの人事委員会勧告は、現下の民間の給与実態を反映し、給料表に定める給料月額を初めて引き下げるという職員にとって厳しい内容のものでありました。県としては、勧告尊重の基本姿勢のもと、これまでの労使慣行を尊重し職員団体等の理解が得られるよう誠意を持って対応したところでありますが、残念ながら県職員の給与改定について職員団体等の合意を得ることができなかったところであります。
県としましては、地方公務員法第14条の「地方公共団体は、この法律に基いて定められた給与、勤務時間その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない。」という「情勢適応の原則」等に基づき所要の措置を講ずる必要があると判断し、今議会に関係条例を提出したところであります。
次に、不利益不遡及の原則に関する認識についてお答えいたします。
不利益不遡及の原則とは、過去に適法に成立した法律関係を事後的に不利益に変更することはできないとする考え方であり、権利関係についての原則的な取り扱いであると認識しています。
今回の3月期の期末手当による差額調整の特例措置は、改正給与条例を公布の日以降の施行とした上で、年間における公民の給与を均衡させるために、改正給与条例の施行後に支給される給与である3月期の期末手当の額を将来に向かって調整するものであり、過去の法律関係自体を変更するものではないことから不利益不遡及の原則に反するものではないと考えています。
今回の特例措置と同じ内容により、国家公務員の期末手当に関する特例措置が講じられたところでありますが、当該措置については、人事院、内閣法制局及び総務省のいずれの見解においても妥当または合理的な措置であるとされております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明13日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後3時44分散会