○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた公安委員会委員長尚弘子君は、別用務のため本日、明日、25日及び26日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び明日の会議に公安委員会委員比嘉良雄君、25日及び26日の会議に同湖城英知君の出席を求めました。
また、地方労働委員会会長垣花豊順君及び人事委員会委員長新崎盛善君は、別用務のため本日、明日及び24日から28日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として地方労働委員会事務局長名幸宏明君及び人事委員会事務局長野島拓君の出席を求めました。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) この際、念のため申し上げます。
本日、明日及び24日から28日までの7日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
伊波常洋君。
〔伊波常洋君登壇〕
○伊波 常洋 おはようございます。
本来、我が党の自民党の代表質問は先輩からという順序の慣例なんですけれども、今回、新人の私が安次富修県議、それから西銘恒三郎県議の両先輩県議の優しい心遣いによってトップバッターを務めさせていただきます。
といいますのは、後ろを見れば皆さん御承知かと思いますけれども、たくさんの女性の方が傍聴をしております。石川市の女団協(女性団体協議会)と明推協(明るい選挙推進協議会)の委員の方々です。ということで、地元の私が午前のトップバッターとして両先輩から順序を譲っていただきました。さすが衆議院候補に挙がっているお二人、心の大きさを感じております。ありがとうございます。
それでは質問に入る前に、まず県政の特に福祉保健部にお礼を申し上げます。
行財政改革の一環として旧コザ保健所、石川保健所の両保健所が統合されました。そこで、旧石川保健所の施設の跡利用として地元石川市では総合的な福祉施設として活用したく県に市への譲渡を申し入れをしました。私も県議としてこの議場で、あるいは文教厚生委員会で何度となくこの旧石川保健所の石川市への譲渡を取り上げました。当初、県の回答は、旧石川保健所は当時の旧厚生省の補助事業であったので、当時の補助事業目的にそぐうような利用でなければ施設の利用は難しいという大変厳しい回答でしたけれども、県の、特に福祉保健部の大変まじめな懸命なる国・関係機関との折衝によりまして活用のめどがつくことができました。そして、まず旧石川保健所の跡施設利用として今年度は2階部分に児童館の設置が決まりました。この児童館の設置につきましては、県の方で今年度補助をつけていただきました。大変感謝を申し上げます。
それでは自由民主党を代表して質問に入ります。
昨年11月の知事選挙で稲嶺知事は圧勝で2期目の当選を果たされました。SACO合意の着実な実行、サミット開催、新石垣空港の用地決定、3歳児未満乳幼児の医療費の無料化など1期目の公約や政策を確実に実行してきた実績に対する県民の高い評価のあらわれでした。さらに今回の2期目の稲嶺県政に県民はさらなる期待を抱いております。
特に、知事が常々言われています「魚よりも釣りざお」、今回、自立経済の沖縄をつくる振興計画10年の実質的なスタートの年に当たります。県民はその自立経済をつくってくれるであろう 稲嶺県政に大きく期待をしているわけであります。
そこでまず初めに、知事の政治姿勢について伺います。
(1)、平成15年度に向けて県政運営に当たる決意をお聞かせください。
それから、イラク・北朝鮮情勢について知事の御見解を伺いたいと思います。
イラクの大量破壊兵器の撤廃を求めて米国、国連監視検証委員会、そしてイラクの間でさまざまな駆け引きが今行われているところであります。国際情勢は大変緊迫の度合いを増してきています。アメリカのイラクに対する疑念は晴れず、もはやアメリカによるイラク攻撃は時間の問題というのが一般情勢のようであります。イラクへの攻撃を主張するのはアメリカとイギリス、これに対しフランス、ドイツ、ロシア、中国はさらなるイラクへの査察の継続を主張し対立をしています。このような情勢の中で我が国はどのような対応をすべきか、どのような姿勢かをまだ明確にいたしておりません。
一方、北朝鮮については核再開発の懸念が出てきており、北朝鮮の核再開発問題はそのまま我が国の国民の安全が脅かされる大きな問題であります。アメリカ及び韓国との連携した対応が求められています。現在の国際情勢はこのイラク・北朝鮮問題による緊迫した情勢にあるが、これはいずれも我が国にとってその対応によっては国の安全にかかわる重要な問題であるだけに政府には慎重かつ的確な対応が求められています。
このようなアメリカによるイラク攻撃問題及び北朝鮮の核再開発問題はすぐれて国の外交問題ではありますが、対応いかんによっては国民の安全にかかわることであるだけに自治体の長として無関心であるわけにはいきません。特に、一昨年のニューヨークテロ事件で、あの外での事件が即刻沖縄の観光に響きましたように、外交は国に責任があるとはいえ、特に沖縄県の自治体の長としての対応がいかなるものか伺います。
次に、いよいよこれから10年間、従来の30年にわたる復帰特別措置と違いまして、今回の振興計画10年は沖縄の自立を目指した10年計画であります。この沖縄振興計画についてお伺いします。
(1)点目、自立経済構築の実効性の確保についてお伺いします。
新しい振興計画は、これからの10年間で沖縄の経済基盤を民間主導による自立型経済として構築することになっています。しかし、現在の我が国の状況を見ると、未曾有の経済不況のさなかにあり、このため国の財政も緊縮を余儀なくされております。県財政もこの影響をもろに受けている状況にあり、景気が回復するのに何年要るか予測もつきません。このような現状にあって、振興計画の主要目標である自立経済の構築は可能であるのかどうか伺います。
(2)点目に、民間企業の基盤整備強化について伺います。
1、自立経済の構築を目指すのであれば、県内企業が従来の基地依存、財政依存型経済から完全なる脱却を図る必要がありますが、依存体質になれ切った県内の民間企業をいかに基盤整備を図り、民間主導の産業振興を確立していくか伺います。
2、依存体質から脱却し自立経済を維持できる産業の振興を図るには、核となる産業の育成が重要となります。本県の自立型経済を確立する上で核となる役割を果たす産業とは何であるかお伺いいたします。
(3)点目に、国の財政支援についてお伺いします。
新しい振興計画は、本県に対するあらゆる分野への振興策を網羅しています。これらの施策を実行するためには膨大な財政の投資が必要であるが、今、国の財政が逼迫する中で沖縄振興の名のもとに確実な実行が見込めるのかどうか。
現に各省庁からは、いつまでも沖縄の振興に国の予算を出すべきではないという声も聞こえている中、いかに振興計画の実効性を確保していくのかお伺いをいたします。
(4)点目に、今年度の国の沖縄関連予算との関係についてお伺いします。
内閣府沖縄担当部局の平成15年度沖縄関係予算は、補正を加えて産業振興及び科学技術振興経費等に重点を置いた予算となっています。これは新しい振興計画の施策の実施との関連性のもとに措置されたものであるのかどうかお伺いいたします。
また、本県の平成15年度予算もそれとの整合性は図られているのかどうかお伺いいたします。
そして次に、沖縄振興計画の個別分野の計画についてお伺いいたします。
新沖縄振興計画と連動させる形で県は11分野の個別計画を策定をいたしました。そのうち4分野──職業安定計画、農林水産業振興計画、情報通信産業振興計画、観光振興計画については国の同意計画となっています。
この4分野の計画は、雇用・産業振興に関するものとなっていることから、新沖縄振興計画の施策の中核となる計画と思われます。そして、本県の自立経済を構築する上で核となり、他の産業を先導する産業は観光産業、情報産業であると県の一連の計画からはうかがわれます。
そこで、観光産業は今までの沖縄における産業の中核をなすものであり、経済発展の推進力となるものであったことは異論がありません。そこで、現状での本県の観光産業をもってこれからの沖縄の自立経済の中核となり得るのかどうか伺います。
情報産業については、これからの沖縄の産業経済の推進の上で最も可能性のある産業と考えますが、中核となる産業に発展させるためにはどのような業種を導入し、どのように推進するかお伺いいたします。
次に、名護市の金融特区についてお伺いいたします。
先月、私ども沖縄振興特別委員会は1泊2日で北部地域を視察してまいりました。その中で、名護市との会合の中で、名護市の担当の方から金融特区についていろんな課題を私たち振興委員会に投げかけられました。そこでの課題等を踏まえながら、今回、名護市の金融特区について質問をいたします。
まず、名護市と県の取り組みについてお伺いいたします。
金融ビジネスの新拠点化を図るため、名護市に設置された金融特区については制度はできたが具体的な活用方法はいまだ未整備で、制度だけが先行しているとの声もあります。名護市や県の取り組み、進捗状況はどうなっているんでしょうか。
そして、この金融特区の整備・人材養成計画についてですが、金融特区を着実に運営していくためにはハード面の整備と人材の養成は欠かせないものであります。そのための計画はなされているんでしょうか。
それから、金融特区の中で税制面等の優遇措置はうたわれているんですけれども、肝心な規制緩和については大変厳しい状況にあります。
金融特区が成功するかどうかは、ひとえに関連企業の進出にかかっていますが、このためには金融関連企業の集積を促す優遇措置が不可欠であります。金融特区設置の効果を引き出すため金融業法や証券業法等の特例運用など、規制緩和は十分になされているのかどうか伺います。
特に今回名護市が、今国の方で募集しています構造改革特区にキャプティブ保険、それから証券市場としてのパスダック創設を国の方に構造改革特区として提案の募集に応じたんですけれども、厳しい回答が出てきております。このキャプティブ保険あるいはパスダック創設などが金融特区の中で、規制緩和のもとでできなければ絵にかいたもちでなかなか企業が張りつかないんじゃないかという懸念がありますので、その辺の規制緩和の方はどうなっているのかお伺いいたします。
そして、この金融特区がそれらの条件を整備してそこに設置された場合に、県内企業との新たなる競合というか、県内企業、金融企業に及ぼす影響は考えられないものかどうかお伺いいたします。
次に、国が進める構造改革特区についてお伺いいたします。
先ほど申し上げました名護市の提案しましたキャプティブ保険やパスダック構想なども名護市が出した特区の1案ですけれども、今回、政府が進める構造改革特区制度について2次募集を行っております。これには本県も含め多くの自治体から応募があったとのことであります。この制度は、特定地域に限って従来の規制を緩和し、経済の活性化を図ろうとするものであり、この制度については昨年の1次募集に際して各自治体から自治体限定で規制を緩め、独自のアイデアを導入することができるということから大きな反響があり、多くの提案が政府に寄せられました。しかし各省庁の抵抗も強かったと聞いています。
そこで、今回沖縄県が提案した件数のうち、新規の件数と再提案の件数は幾らなのか。また、県が提案した特区の内容についても御説明をお願いしたいと思います。
さらには、2次募集の本県提案に対し関係省庁は大変厳しい対応をしているように思います。政府が難色の理由に現行法令で対応可能であるということでありますが、県の提案について現行法令で実現が可能であるかどうか伺います。
特に、沖縄にとっては大変大事な観光産業、その中で「国際観光・保養特区」なども県は提案しているようですが、それらのことについてもその可能性の方を伺います。
次に、沖縄新大学院大学の設置について伺います。
沖縄新大学院大学については、候補地も3カ所に選定され、国において建設場所の位置決定の検討も今大詰めになっていると思います。また、受け入れ側の県も組織体制を整えて万全の協力体制にあろうかと思います。あとは早期に建設されるのを待つだけであります。
今さら申すまでもないことですが、沖縄新大学院大学の性格づけについては世界的な位置づけのもと、世界最高水準の大学院大学を実現するという理念を持って設置されるものであります。いよいよこの大学院大学が我が沖縄に設置されることが現実なものとなると何かしらまた不安もよぎります。
といいますのは、尾身幸次前沖縄担当大臣が、世界最高水準の大学院大学についてあるマスコミのインタビューに答えました。新しい発展には科学が必要だ。今の空洞化を防いで日本経済がもう一度飛躍するためには頭脳で勝負しなくてはいけない。その流れを沖縄から見ると大学院大学をつくることで日本の科学技術の発展に資すると同時に沖縄の発展の起爆剤になる。国として本格的にてこ入れをしてやれるのは沖縄しかないとインタビューで尾身前沖縄担当大臣が答えております。
そのような大学であれば、まさに世界的に最優秀な教授や研究者を招聘する必要があります。現に今候補に挙がっております教授陣もノーベル賞受賞者やそれに準ずるようなすごく優秀な名前が挙がっているんですが、有名であるだけに、優秀であるだけにこういう方々はもう既にそれぞれの国の大学や企業等で要職にあるいは教授の職につかれているはずでありまして、沖縄という小さな離島県にこのような世界的な研究者が現在の地位をなげうって沖縄に来てくれるのかどうか危惧されるところであります。その辺の心配の方はいかがでしょうか。
それから、3候補地に絞られておりますけれども、用地決定の時期はいつごろなのか、決定する機関はどこなのかお伺いをいたします。
次に、観光振興についてお伺いいたします。
本県への入域観光客については、昨年483万人余りと過去最高を記録いたしました。その意味ではあの米国同時テロの影響による落ち込みを完全に脱したと言えると思います。その陰には県内観光業界の懸命な努力、大手観光エージェントのバックアップ、そして国の支援、全国からの沖縄観光支援ツアーなど、あらゆる階層を網羅した運動と全国の方々の温かい支援があったことを私たち県民は忘れてはなりません。
観光産業は我が沖縄の経済の命綱であるだけに、短期間で回復できたことに関係者の努力を評価したいと思います。
そこで、1、ここまで短期間に回復できた最大の要因は何だったと思われますか。
2、その間、落ち込みを回復するために奔走している際に、沖縄観光に欠けているもの、課題としてあるものを感じたと思いますが、それは何でしょうか。
そして次に、新たなる観光資源の開発についてお伺いいたします。
沖縄観光振興計画と新たなる観光資源の開発については、沖縄観光振興計画によれば、同計画の最終年度である平成16年には沖縄への観光入域客数は510万人を想定をしております。さらに、平成23年には650万人に推移すると予測を立てております。
沖縄とほぼ同じ人口を持つハワイが現在約700万人ぐらい観光客があります。目標どおりにいけば平成23年ごろには沖縄県もハワイ並みの観光客ということになるようですから、ぜひその目標に向かって頑張っていただきたいと思います。この目標の数字を達成するためには観光客が満足する魅力ある沖縄にする必要があります。このため、新沖縄振興計画の施策をバックアップするために策定した県独自の計画である沖縄観光振興計画の施策は、新たなる観光資源の開発も想定したものであるかどうか伺います。
そしてさらには、昨年放映されましたNHKドラマ「ちゅらさん」、その舞台となりました小浜島は、テレビ放映によって放映前と放映後では小浜島を訪れる観光客が30%とも50%ともふえているという報告もあります。そのくらいマスコミによる地域の放映は観光客の誘致に大変大きな効果をもたらすものであります。
今真っ最中のプロ野球球団の沖縄へのキャンプもそうであります。キャンプを張ることによってそれを見る方、あるいは毎日のように放映される影響も大変観光に対する大きな効果があります。
ロケの事業についてもこれは大変観光客をふやす大きな意味がありまして、実は昨年私はアメリカ国務省の招きによりまして1カ月間米国の観光行政を視察・勉強してまいりました。その中で、ハワイ州の観光局を訪れたときにこのロケ、あるいは撮影の誘致の予算がかなり高く計上されておりまして、また当局者によりますと、それによって観光客が、ああ、あの場面に映っていたところを見てみたいなということもありまして、多大な効果があると言っておりました。
幸い今回、新しい事業としてフィルムオフィス事業に2200万余りでしたか、ロケ地誘致ということでついておりますので、これから県も本格的にこのロケ事業を推進していこうという姿勢を示していると思います。
そこで1点目に、ロケ誘致のための方策及び整備すべきものは何であると思われますか。
2点目に、他の都道府県に比べ沖縄がロケーションとしてすぐれており、有利と思われるものは何であると考えられますか。
そして、ロケのため誘致するのは撮影ロケーションとしての整備、撮影場所となる地域住民の受け入れ体制、県を初め関係機関の受け入れ体制等が重要になると考えられますか。いわゆる撮影ロケーションとしてのデータの蓄積・経験が必要と思われますが、いかが思うでしょうか。
それから4番目に、議会のたびによく質問が出ます、観光客の県内の消費額が減少傾向にあると。おとといでしたか、新聞の方にも出ておりました。2001年の沖縄への観光入域客数の状況によれば、観光客1人当たりの県内消費額は前年度比7%の減でありまして8万5000円余りとなっており、観光収入も8.8%減の3780億余りとなっております。5年ぶりに4000億の観光収入を割り込んだ状況になっております。原因は、全国的なデフレや米中枢同時テロの影響でツアー価格が落ち込んだと考えられますが、今後、観光客の県内消費の向上をさせるため県はどのような対策を講じられるのかお伺いいたします。
観光産業の問題の最後になりますが、沖縄に入る観光客のほとんどは那覇空港におり、そこが旅の出発点となります。多くの方がそこで空港のタクシーを利用する方もいます。ただ、新聞報道等によれば、その肝心な空港で、旅の第一歩である場でタクシー乗務員、あるいは乗り込みをめぐりまして観光客、お客さんとタクシー乗務員とのトラブルがあると聞いております。県に寄せられている苦情や、あるいはトラブル等どういうものがあるのか。そしてこういうものに対して県はどのような指導あるいは監督、助言をなされてきたのかお伺いをいたします。
次に、雇用失業問題について伺います。
沖縄県にとって基地、そして雇用、経済、これはもう戦後ずっと抱えてきた課題であります。ほとんど前に進んでいないというのが戦後この方50数年たってもまだまだ本土に比べ、特に経済の中での失業雇用問題は、沖縄は深刻なものがあります。
本県の失業雇用情勢は、若者だけでなく中高年層にもリストラなどで依然厳しい状況にあります。最近では、有効求人倍率は改善されたが失業率は改善されないという声も聞かれます。これは、求人が雇用に結びつかないといういわゆる求人と雇用のミスマッチがあるのではないかとも思われます。
また、県はこのような事態に対応するため緊急雇用対策を実施し、これにより一定の効果があらわれ改善の兆しが見え出した感もありますが、しかし、依然雇用不振は解消されておりません。
そこで1番目、昨年からの失業雇用の不振に対し県が実施した施策の内容、その効果等について御説明をお願いいたします。
特に県内若年層の就職状況について伺いますが、県内の2月現在、今現在の新規高卒者、大学生、短大生及び専修学校生の就職内定率の状況をお聞かせください。求人状況についても御説明をしてください。
もう新年度の4月は目の前であります。残されたわずかな期間で若者の雇用をいかに好転させるか、県の対策を伺います。
県内の若年層、特に高校卒生は県外への就職よりも県内を希望する者が多く、これが高校生の就職内定率を下げている原因の一つとも言われております。
また、厚生労働省の調査によると、2000年3月に高校を卒業し県内の企業に就職した新規高卒者で1年以内に仕事をやめた者が37.8%に上り、全国で最も高い率となっているとの新聞報道を見ました。このように、本県の若年層の定着率が悪い理由はどこにあるとお考えでしょうか。それと県の対策を伺いたいと思います。
次に、県の緊急雇用対策事業について伺います。
県は、県内の雇用不振や失業率の改善を目的とし、国の協力を得ながら緊急雇用対策事業を実施しています。その一環として、1月27日に実施した緊急ジョブマッチング促進特別事業を行いましたが、那覇市内で行われた合同説明会には140人以上の求人に対し求職者の参加はわずか77人にとどまり、空席が目立ったとのことであります。職を求めている人が多くいるにもかかわらず、企業の求人がないと大きな問題になっているにしては理解できない結果と思われますが、この事業の対象者の範囲と参加した企業の種別について伺います。
それから、この事業の周知方法は万全であったのか。参加者が振るわなかった原因は何であるのか、お伺いいたします。
次に、市町村合併問題について伺います。
政府の進める市町村合併については、市町村合併促進法により2005年3月までの期限が定められており、現在、本県を含め各県の市町村においてはさまざまな形で合併に向けての協議が進められております。本県にもこのような動きがここに来て活発化し、自治体の間でその取り組みが広がっている状況になっております。
しかし、合併に向けては、合併による行政規模の拡大、財政の効率的活用という利点はあるにしても、何よりも各市町村の自主性や住民の意思を尊重することが重要であることは言うまでもありません。そこに県の指導の重要性もあると考えた上で質問いたします。
1、市町村合併の推進を図るため県はどのような主体性、指導性を発揮するのか。
現在の進捗状況はどうなっているのか。
合併特例法の期限である2005年3月までに県はどのような手順で作業を進められるのか。
現在、合併に向けて協議が進んでいる市町村の数及び確定している数はどの程度になっていますか。
次に、福祉行政の中で最初に介護保険についてお伺いいたします。
介護保険制度がスタートして3年が経過しようとしています。本県は、全国と比べて介護サービスの利用状況が高くなっており、制度がより利用されていることは喜ばしい反面、県全体の介護給付費は当初見込み額を大幅に超過する状況になっています。そのため、適正なサービスの利用についての取り組みが大きな課題となっています。
ちなみに、第1期の介護保険料は、全国平均2906円に対し沖縄は3618円で全国一高い介護保険料になっております。
そこで、この全国一高い介護保険料の軽減策をどうとられるのか。そして市町村に対する事業適正化のための支援・指導体制はどのようにとられているのか。財政安定化対策をどのようにとられているのか。
そして何よりも大事なのは、介護に至る前に介護を予防する措置をとる。
昨年、大変ショッキングなニュースがありまして、長寿県と威張っていた沖縄の男性の平均寿命がとうとう26位になるという大変な状況になっております。長野県が男女ともやがて1位になるだろうと言われております。沖縄と同じような長寿県である長野が、何と介護保険料は全国平均よりはるかに低いんです。長野県は、沖縄と同じように長寿県でありながら介護保険料が安い。これはどういうことなのか調べてみますと、やはり長野県は介護予防に相当力を入れているようでありまして、ここ沖縄もこの介護保険の課題を克服するためには予防策を打つ必要があると思いますけれども、どのような予防策をとられているのかお伺いいたします。
次に、障害者に対する今年度からの事業がスタートします。支援費制度とはどういう制度であるのか、お伺いをいたします。
次に、中部地区への看護学校の設置についてお伺いいたします。
私も中部地域への看護学校の復活に向けて文教厚生委員会等でも同僚県議とともに何度かこの問題をお伺いいたしましたけれども、当初は、今、沖縄の看護師の需要は既存の学校で満たしているから中部に新たな学校は必要ないということでしたけれども、介護保険等の導入により新たなる需要がふえてきているようで、中部地域への看護学校の設置についても県は積極的な対応をしております。
そこで、今後、本県の看護師の需要の見通しはどうなっているのか。
それから、中部地域に看護学校をつくった場合、その建設の財源はどのように、どこから補助を持ってくるのか。特に、運営については中部医師会が主体となってやることになっておりますけれども、中部医師会との看護学校を中部地域への設置について協議は進められているのか、うまくいっているのかお伺いいたします。
それと、今年度看護教員養成予算として900万余りついておりますけれども、これは中部地域への看護学校の開校を想定した上での教員養成の予算なのか、お伺いをいたします。
福祉行政の中で、最後に認可外保育園の問題についてお伺いいたします。
本県は、特に認可外の保育園の率が高うございまして、全国的には90%以上が認可保育園であるのに対し、本県は認可率がわずか50%と他県とは大変乖離した数字が出ています。
そこで、このように本県に認可外保育園が多くある原因はどこにあると思われるのかお伺いします。そして、県はこのような認可外保育園を認可保育園に持っていくためにどのような措置をとっていくのか、お伺いいたします。
県の説明によれば、平成18年度までに保育所を50カ所、3500人の待機児童の解消を図るとしておりますが、これで本県の待機児童問題は解決されるんでしょうか。本県の認可保育所に入れないいわゆる待機児童の総数を満たし切れるのか、一緒にお答えをお願いいたします。
本県の認可外保育園の解決については、確かに市町村にも責任はあるんですけれども、市町村を指導監督し保育行政の底上げを図るのは県の責任であると私は考えております。他県にはないような本県の状況を考えれば、県が主体となって現状打開を図るべきではないかと思いますが、現在の認可外保育園を一気に他県並みに持っていくのは、これは財政的にも無理であろうことは承知です。当面の措置として認可外の底上げを図る方策を市町村も協議の場に参加させ、早期に具体的な施策を打ち出す必要があると思われますが、いかがでしょうか。
次に、教育行政について伺います。
実は、私が今回質問に立つということで、私の母校である石川高校の校長先生から呼ばれましてお話を伺いました。この高校は全然防音工事がされてないと。事務室はされています。私は校長として生徒に大変申しわけない。校長先生はいいね、クーラーの中でということで皮肉も言われるそうで、校長の立つ瀬がないということで言われまして、私も、ええ、学校教育の中でこういうまだ未整備があったのかとつくづくびっくりしました。
そこで、県立高校校舎の防音工事について、あるいは空調工事について伺います。
平成14年1月現在で県立学校78校のうち空調・防音施設の整備状況は、整備済みが41校、未整備は37校となっています。特に防衛施設庁補助による防衛・防音事業は、対象校35校のうち16校はまだ未整備であります。嘉手納基地と普天間基地を抱える中部地域は特に爆音が激しく、先ほど言いました私の母校である石川高校を含め未整備の学校がまだ数多くあるのです。爆音で授業が中断することがあるという現場の声もあります。在日米軍基地面積の75%を強いられている沖縄にあって、基地から派生する被害、問題等は、基地提供者である国がきちんと対処すべきであります。ここまで防衛・防音事業がおくれている理由と今後の整備を県は国にどう働きかけていくか伺います。
次に、障害者の普通校への通学についてお伺いいたします。
3年前に車いすの生徒が沖縄県内のある工業高校に推薦入学をいたしました。ところが、この子は骨形成不全という骨の弱い病気で、車いすで工業高校に通っていたわけですけれども、残念なるかなこの高校はエレベーターを初めバリアフリーの対策はされておらず、緊急の学校の現場の対策として、この車いすの生徒ができるだけ教室移動を少なくて済むような仕組みをつくったんですけれども、やはり無理があったようで、この子はとうとう休学を余儀なくされているという事例がありました。
県がこれまでとってきた障害者の通学について、教室、いかにしてバリアフリーを初め障害者が使えるような策をとってきたのか。もし、既存の学校で無理であれば、あるいはこれから新築・改築する学校については今後このような障害者が通える学校づくり、校舎づくりでどのような施策を展開されていくのか、お伺いをいたします。
次に、稲嶺県政が誕生したときの大きな公約の柱の一つでもありました平成22年度全国高等学校総合体育大会、いわゆるインターハイの誘致・開催については、これまで計画どおり順調に推移をしてきているのか伺います。これまでの経緯と今後の推進計画をお聞かせください。
それから、大会規模、種目、大会会場数、あるいは選手団や役員団の総数。若い子たちが沖縄に来るんですから、大変いい経験をすれば、この子たちが新婚旅行あたりでまた沖縄に来たいという効果も大変期待できますので、この大会規模等についてもお聞かせください。
そして一番肝心な予算面なんですけれども、開催経費、競技施設整備費等の予算はどのくらいが見込まれているのかお伺いいたします。
そして、大会開催地である我が沖縄県のそのときの高校生の選手の強化策はもうそろそろとらなくちゃいけないと思うんですけれども、どのような強化策をとるんでしょうか。
それから、国体のときもそうでしたけれども、民宿を含め県民の協力・支援体制はどのようにとっていくんでしょうか伺います。
教育行政の最後に、今、本土の方では現在の三学期制から二学期制を実施している中学や高校があります。沖縄県内でも導入を考えている中学があると聞いております。
そこで、本土の例でもよろしいですので、二学期制についての利点と、あるいは問題点等の報告があればお聞かせください。
最後に、工業用水の転用についてお伺いをいたします。
今、工業用水がなかなか利用されてないという企業会計で決算報告の中にありました。当初、沖縄の産業振興、特に製造業の振興を図る意味でこの工業用水の活用が大変期待されていたんですけれども、なかなか製造業が思うように計画どおり沖縄で張りつかず、工業用水が大分余っているようであります。
特に、この工業用水の一番の大口のユーザーであると言ってもいい沖縄石油精製が、平成16年4月に精製の事業から撤退する予定になっておりまして、工業用水の最大手のユーザーが撤退となるとさらに工業用水の需要の低下は否めません。
そこで、現在の工業用水の供給能力と、今、果たしてどのくらい工業用水として使われているのか、供給能力と需要の量をお知らせください。
そして、この供給と需要のアンバランスがあれば、当然財政面で赤字が出るわけでありますけれども、その毎年毎年の赤字額はどのくらいであるのかお聞かせください。そして、この毎年毎年の赤字をどのようにして穴埋めをされているのかもお聞かせください。
そして、工業用水が余っているのであれば、水事情が厳しいと言われる沖縄にあって、これを水道用水に転用するお考えはないのか伺います。
今、沖縄の水資源、特にダム等は北部地域に大変頼っているんですけれども、長野県の田中知事がそうであるように、ダムの建設についても今いろいろと論議が残されていることもありまして、これ以上沖縄にダム建設の余地はあるのか。あるいは莫大な建設予算等を考えると、聞くところによると小さなダムの1個分ぐらいの工業用水の余剰分があるんじゃないかとも聞いておりますので、この現在の工業用水の余剰分を水道用水に転用することができないのか。
そして、この工業用水を水道用水に転用することによって、もちろん沖縄の水道用水としての水事情もよくなるであろうし、工業用水の赤字も幾らか緩和されるいわば一石二鳥的な転用だと思うんですけれども、いかが考えているんでしょうか。
余剰分を水道水に転用することによって工業用水道事業会計はどう改善されるのかお伺いをいたし、以上11項目について県の御見解を伺います。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
それでは伊波常洋議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、平成15年度の県政運営についてのお答えでございます。
昨年は、本県振興の手だてであるとともに道筋を示した沖縄振興特別措置法と沖縄振興計画を実現しました。平成15年度は、この計画を推進し新たな県づくりに実質的に乗り出す重要な年であります。これからの県づくりは、私たち県民がみずからが主体的に責任を持って取り組むことが極めて重要であると考えております。
私は、このような取り組みの先頭に立って、将来に誇れる県づくりに全力を傾注してまいります。
平成15年度の県政運営に当たっては、県民に開かれた実行型県政を基本姿勢として、本県の自立的かつ持続的な発展に向け産業の振興と雇用の創出・確保、大学院大学の設置、国際交流拠点の形成及び人材の育成、住みよい快適な沖縄の創造及び健康福祉社会の実現、米軍基地問題の解決促進、行政改革の推進を柱に積極的に取り組んでまいります。
次に、イラク及び北朝鮮への対応についてお答えいたします。
現在、国連によるイラクへの査察が継続されており、日本政府はこれらの問題の平和的解決のため国際協調への努力を続けているものと理解しております。県としましては、イラクや北朝鮮の問題など平和を脅かすさまざまな課題を解決し平和共存の世界を実現していくためには、世界の人々が相互理解に努め、国際連合を中心に連帯して問題の平和的解決に努めることが望ましいと考えております。
次に、自立型経済構築の実効性の確保についてお答えをいたします。
沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画においては、観光、情報通信、金融、自由貿易などの沖縄独自の大胆な制度や各種の産業振興のための支援策などが盛り込まれております。
自立型経済の構築に向けては民間企業がこれらの諸制度を十分に活用し、技術力の向上や人材の育成に努め競争力の強化を目指すことが重要であります。県としては、民間企業がその持てる力を十分に発揮できるよう立地環境の整備や企業誘致等を図るとともに、産学官共同研究やベンチャー支援等に努めるなど観光、情報等の分野別計画を徹底して推進してまいります。
国際的な競争の激化、規制緩和の推進や行財政改革などの流れを踏まえると、地域においても国内外との競争はさらに厳しくなるものと思われ、早い時期での自立的体質の確立が望まれます。このため、民間、行政ともに今回の振興計画が本県の経済自立に向けた最後のチャンスという覚悟でこの10年に臨む必要があります。民間が持てる力を発揮し、行政がそれを支える連携した取り組みにより自立型経済の実現につながるものと考えております。
次に、民間主導の産業振興の確立についてお答えをいたします。
自立型経済を構築していくためには、産業界や県民が中心となってみずから活路を開いていくという民間主導の精神が不可欠であり、県はその環境整備を積極的に推進してまいります。
また、民間主導の産業振興のためには産業界がその置かれている現状と課題を把握し、人材や資金など限られた資源を集中していくという姿勢のもと、観光・リゾート産業を中心に農林水産業、健康食品産業等の製造業やサービス業等多くの産業が有機的に連携し交流することが重要であります。県としては、このための環境整備として産学官連携事業の推進、研究開発事業の強化、人材の育成、企業の立地環境の整備等に重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、自立型経済の構築を図る上で核となる役割を果たす産業は何かについてお答えいたします。
活力ある民間主導の自立型経済を構築するためには、発展可能性の高い産業領域を戦略的に振興する必要があります。
リーディング産業としては、既に観光・リゾート産業がその地位を確立しているところであります。また、最近では情報通信関連産業が新たなリーディング産業として成長している状況にあり、沖縄振興特別措置法で認められた情報通信産業特別地区や金融業務特別地区等の新たな制度もインセンティブとして一層発展することを期待しております。
続いて、特別自由貿易地域制度や産業高度化地域等の活用に加え、企業ニーズを踏まえた魅力ある投資環境を整備するなど、戦略的な取り組みにより国内外企業の立地を促進し、加工交易型産業等の集積を図ってまいります。
また、沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センターを拠点とした産学官連携による研究体制の強化等によって健康バイオ産業や環境関連産業等の沖縄型産業を強力に育成してまいります。県としましては、これらのリーディング産業や重点産業を相互に有機的に連携しつつ発展できるよう環境整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、沖縄振興の確実な実行についてお答えを申し上げます。
平成15年度は、沖縄振興計画に基づく新たな沖縄県づくりの実質的なスタートとなる重要な年であります。このため、沖縄関係予算については、国の厳しい財政状況にありながらも県要望の多くの新規、主要継続事業が確保されております。
沖縄振興計画は国の計画として位置づけられており、本県を我が国のみならず、アジア・太平洋地域の発展に重要な役割を担う地域として振興することは、政府においても十分認識しているものと理解しております。今後とも、国庫等所要の財源の確保を含め国の積極的な支援は期待できるものであり、県としても沖縄振興計画に基づく施策・事業の着実な実施に努めてまいります。
次に、国の沖縄関係予算及び県の予算と沖縄振興計画との整合性についてお答えを申し上げます。一括してお答えをいたします。
平成15年度内閣府沖縄担当部局予算は、国の厳しい財政状況下ではありますが、沖縄振興計画の実質的な初年度に当たり、新たな沖縄の振興に向け県が要望した多くの事業に係る予算措置がなされており、本県の振興に配慮されたものとなっております。
特に、沖縄新大学院大学関連経費、沖縄産学官共同研究事業、特別自由貿易地域振興事業、観光振興地域整備事業等の産業・科学技術振興関係経費など、沖縄振興計画に基づく新たな県づくりを後押しする政府の姿勢が示されたものと考えております。
また、本県の平成15年度予算につきましても、「参画と責任」、「選択と集中」、「連携と交流」といった沖縄振興計画の基本姿勢のもと、限られた財源の中で事業の優先度に十分配慮しつつ、文化の振興、観光・リゾート産業、情報通信産業の集積、産業の振興と雇用の創出、農林水産業の振興、医療・福祉の向上、地域・離島の振興等の沖縄振興計画に基づく諸施策を推進し、緊急かつ重要な施策に的確に対応することを基本として編成したところであります。
次に、現状の観光で自立経済の中核となり得るかとの御質問にお答え申し上げます。
本県の観光は、ホテル、観光施設、土産品販売業等の観光産業はもとより、原材料の調達などを通じて製造業や農林水産業等の生産や雇用にも大きな効果をもたらしており、県においては、今後とも自立経済の中核としてその振興・発展を図ることとしております。
本県観光が将来とも県経済のリーディング産業であるためには、観光客の増加はもとより、なお一層の質的向上が必要であります。そのため県においては、観光振興計画に基づき健康・保養型観光やエコツーリズムなど地域特性を生かした体験・滞在型観光、米州開発銀行総会等の各種コンベンションの誘致、クルーズ観光拠点港湾等のインフラ整備などの諸施策を積極的に推進しているところであります。
また、観光人材育成システムの構築や体系的な研修事業の実施による人材の育成、多様なエンターテインメント等の新たな観光資源の開発など受け入れ体制の整備を図ってまいります。
さらに、観光の波及効果を一層高めるため関係業界が一体となった観光土産品対策、農林水産物の観光分野での消費拡大など産業間の連携・強化に取り組んでいく考えであります。
次に、情報通信産業の発展の推進についてのお答えでございます。
情報通信技術は、距離と時間という本県の島嶼県としての不利性を克服するものであります。本県においては近年、豊富な労働力、ホスピタリティーに富んだ県民性、快適なリゾート環境など、沖縄の特色を生かした形でコールセンター等新たな情報通信関連産業の集積が進んでおります。
県では、情報通信関連産業の集積をなお一層促進するため、広域的に県全体に効果を及ぼす拠点として情報通信産業特別地区を指定し、データセンターやインターネット・エクスチェンジなど情報中枢機能を有する企業の集積を図ることとしております。
そしてこれらを核にコールセンターなどの情報サービス分野、コンピューター・グラフィックスなどのコンテンツ分野、地理情報システムなどのソフトウエア分野の企業を集積することとしております。今後、県としては、人材育成を初め情報産業ハイウエーを活用した海外通信コストの低減化支援、データセンター集積支援などを実施し、アジア・太平洋地域における国際情報通信ハブの形成を図ってまいります。このことが本県が目指している国際的学術交流や経済交流の拠点の形成、また国際的観光・リゾート地としての形成につながるものと考えております。
次に、大学院大学の問題で、世界的な研究者が来てくれるだろうかという御質問にお答えします。
世界最高水準の大学院大学を実現するためには、研究者等の待遇や研究資金の充実、研究施設の整備などについて国際的な視点から最高の水準が整備されるものと考えております。また、生活者の視点から教育や医療、交通アクセスなど社会インフラを充実させ、研究者やその家族が安心して快適に暮らせる環境づくりも重要であります。
こうしたことから、国は国際顧問会議や構想検討会において、研究者の受け入れ条件の整備等について検討を進めているところであります。
なお、平成15年度から先行的な事業として国際セミナーや国際共同研究事業を実施し、沖縄の知名度向上と研究環境の整備を進めることとしております。県としては、こうした取り組みを進めることにより世界的な研究者の確保が図られるものと考えております。
次に、用地決定の時期、機関についてお答えいたします。
建設場所の決定に向けては国において選定作業が進められており、1月末から2月上旬にかけ、細田大臣を初め大学院大学構想検討会委員等による現地調査が3回に分けて実施されたところであります。国は現在、これらの現地調査を踏まえ、さまざまな角度から候補地の特性や課題について調査検討を深めているところであり、構想検討会における審議などを経て3月中には内閣府において決定する見込みであると聞いております。
次に、緊急雇用対策についてお答えをいたします。
本県の雇用状況に適切に対応するため、県においては昨年12月9日に「沖縄県緊急雇用対策」を策定しております。この対策に基づいて、県内の新規求人を着実に雇用に結びつけていくためのミスマッチ対策を中心とした緊急対策を実施しているところであります。
その主な内容は、企業における実習就業を通して30歳以上の求職者の常用雇用を促進する緊急ジョブマッチング促進特別事業、民間の教育訓練機関を活用して多様な職業訓練を実施する緊急委託訓練事業等があります。
緊急ジョブマッチング促進特別事業においては、2月18日現在、286人の求職者が実習就業中であります。また、緊急委託訓練事業では、専修学校や企業等に対して42コースの訓練を委託し913人の求職者が訓練中であります。沖縄労働局においても30歳未満を対象とした若年者トライアル雇用の拡大や合同面接会の追加的開催及びハローワークの臨時相談窓口の設置等の緊急対策を実施しております。
国、県及び関係機関の連携によるきめ細かな緊急対策が現在集中的に実施されており、このような取り組みが本県の雇用状況の改善につながるものと考えております。
次に、介護保険料の軽減策についてお答えを申し上げます。
平成15年度から始まる市町村の次期介護保険事業計画の策定に当たっては、要介護認定率の増加や在宅サービスの利用増を背景に高齢者の保険料の上昇が見込まれています。
このようなことから、県においても、市町村が介護保険料を設定するに当たって高齢者の負担が軽減されるよう取り組んでいるところであります。
当面の対策としては、介護保険財政安定化基金借入金の償還期限を延長することや、基金への拠出金をゼロにするなどの措置をとることにしております。
さらに、介護保険料が急激に上昇する市町村の支援について、昨年11月に沖縄県町村会等と連携して厚生労働省及び財務省に対し要請を行ったところであります。その結果、平成15年度の国の予算案において広域化を行う小規模保険者、臨時特例離島等市町村、小規模で保険料が高額となる市町村への支援が新規事業として計上されており、これによって次期保険料の新たな軽減が図られることになります。
ちなみに、昨年10月時点の見込み値で県内保険料最高額の6845円が5000円台に抑えられる見込みです。
次に、財政安定化対策についてお答えいたします。
平成13年度に介護保険財政安定化基金条例の改正を行い、積立額を増額し市町村への貸し付けを実施しました。なお、平成15年度から始まる第2期事業運営期間においては、安定した基金運用が見込まれることから新たな拠出金をゼロにする予定であります。
また、平成15年4月から介護保険業務を開始する沖縄県介護保険広域連合は、規模の拡大及び介護保険事業の適正化等により介護保険財政の安定化に取り組むこととしており、その果たす役割にも大いに期待しているところであります。さらに、介護保険制度を安定的に運営していくために、県民の健康づくり及び介護予防事業を積極的に進めていきたいと考えております。
次に、認可外保育施設の認可移行への措置についてお答えをいたします。
保育所の整備については、「新おきなわ子どもプラン」で認可外保育施設の認可への移行も含めて平成18年度までに50カ所の保育所創設の目標を掲げております。認可外保育施設が社会福祉法人を設立し、保育所を建設して認可へ移行する場合は、国の高率補助や県の補助を受けたり、社会福祉・医療事業団から借り入れすることができます。
また、平成14年度から、既存の施設を使って認可を受ける場合には施設の改善費用などを国、県、市町村が補助する認可化促進事業の活用ができます。平成15年度は、那覇市を含め5市3町1村において計14カ所が認可外からの移行を計画しており、そのうち6カ所が高率補助制度、8カ所が認可化促進事業を活用する予定となっています。
なお、平成15年度の保育所建設事業費は、今年度予算の約2.5倍の11億6771万2000円を予算案に計上しております。今後も認可外から認可への移行を含め保育所整備を推進していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(花城順孝) 金融特区について、名護市や県の取り組みについての御質問にお答えします。
金融業務特別地区制度は、我が国において初めての金融に係る特別な制度であり、県としてはこの制度を積極的に活用し、名護市と連携をして企業誘致等に努めているところでございます。
具体的には、県の情報産業ハイウエー等を活用して、金融業務関連のコールセンターや本社からの業務分離が可能なバックオフィス的業務の企業誘致を進め、それらの集積を図りながら高度な金融業務関連企業の立地を促進していきたいと考えております。
これまで名護市と連携した企業誘致説明会の開催や企業誘致活動等により、香港のユナイテッドワールド証券や日本通運の子会社である名護eテクノロジー社の誘致が実現したほか、外資系の企業を含む数社が名護市にその立地を検討しているところでございます。これらの企業の中には金融特区制度の具体的な活用を検討しているところもあり、今後は企業にとって魅力ある投資環境の整備も進めながら企業誘致に取り組んでまいります。
同じく金融特区の整備、人材養成計画についての御質問にお答えします。
金融業務特別地区におけるハード整備につきましては、現在名護市がことし秋の完成に向けて立地企業の入居のためのインテリジェントビルの建設計画を進めているほか、通信コストの低減化のための情報インフラの整備や住環境等都市基盤の整備を検討しているところです。
人材の育成については、現在、国の委託事業として金融関連業務の人材を育成するためのセミナーと講座を開催をしております。その内容は、新規卒業者や求職者向けに金融系コールセンターに対応できるように電話の対応から金融商品等の知識までを学ぶ10日間の本講座と、その基礎を学ぶ1日のセミナーを開催しております。
また、金融関連のコールセンター在職者向けの2日間の金融基礎講座を開いており、名護市を初め県内各地で金融業務に関する啓蒙と知識の普及を図っているところでございます。
同じく金融特区について、金融業法や証券業法等の特例運用などの規制緩和についての御質問にお答えいたします。
規制緩和につきましては、現在、名護市が構造改革特区推進本部に「金融テクノロジー開発特区」の申請をしており、その中でキャプティブ保険、パスダック構想等の特例措置や規制緩和等を要望しているところです。県としては、金融業務特別地区への企業誘致により企業集積を促進しながら、同地区の制度の充実に向けた規制緩和等についても名護市と連携をして取り組んでいきたいと考えております。
同じく金融特区が地域に与えるメリットと地域に及ぼす影響及び県内企業との競合についての御質問にお答えいたします。
金融業務特別地区は、我が国初の制度として各方面から注目をされております。国内外からの金融関連企業の立地集積が進めば特に若者の雇用が創出をされ、それに伴う定住人口の増加や地域の活性化が図られるとともに、本県経済の発展に貢献することが期待されております。
また、我が国における先端的な国際金融活動のショーウインドーとして日本経済の活性化を初めアジア地域の発展にも寄与することが期待されます。
なお、金融業務特別地区で想定をされている業務は、県外からの金融関連のコールセンターやバックオフィス等を初め、新たな制度の導入による企業のリスクマネジメントや財務マネジメント等に対応する付加価値の高い業務等が想定をされます。そのため、県内企業との競合というよりもむしろ新たなビジネスチャンスが生まれてくることを期待をしております。
雇用失業問題について、平成15年3月新規学卒者の就職内定状況と今後の対策についての御質問にお答えします。一括してお答えをします。
沖縄労働局が2月3日に発表した12月末現在の就職内定状況は、高校が31.3%、大学が28.5%、短大が14.3%、専修学校が37.8%で、前年の同時期と比べて高校で1.4ポイント、大学で1.1ポイント、専修学校で5.8ポイント増加し、短大は2.6ポイントの減でございます。
新規高卒者の求人状況は、県内求人は674人で前年同期に比べて12.7%増加しておりますが、県外からの求人は28.9%減少し1399人となったため、全体の求人数は19.2%の減少となっております。
また、新規高卒就職希望者の約70%に相当する1718人が県内の就職を希望しております。この結果、求人倍率は県内就職が0.39倍、県外就職が1.75倍となっており、就職内定率は県内の就職希望者が18.1%、県外就職希望者は59.8%となっております。
このことから、少ない県内求人に多くの新規学卒者が希望している一方、県外からの求人についてはこれを十分活用できていない状況にあります。県としては、引き続き県外にも目を向けた幅広い職業選択を指導・助言するとともに、教育庁等関係機関と連携をして県内求人の開拓や面接会の開催等当面の対策を強化しているところであります。
具体的には、県立高校24校に配置している就職相談員による就職指導や、中小企業団体中央会等に配置をしている求人開拓推進員による県内求人の開拓を推し進めるとともに、合同面接会等を追加的に開催をしております。
また、4月以降の未就職卒業者に対しても、若年者就職支援特別セミナーや若年者トライアル雇用事業等を活用して早期の就職を促進してまいりたいと考えております。
同じく雇用失業問題についての、職場定着率についての御質問にお答えをいたします。
厚生労働省の調査によりますと、県内に就職した平成12年3月新規高卒者の就職後1年目の離職率は37.8%と、全国平均の26.2%に比べて11.6ポイント高くなっています。
これは、職業に対する知識・体験が不十分なまま職業選択が行われることや、県内求人が厳しい中にあっても県内にとどまることを優先する職業選択によって、就職後に各種のミスマッチが発生することが要因になっていると考えております。
こうした現状を改善していくためには、多様な職業に目を向け県内外に積極的にチャレンジをしていく幅広い職業観の形成が最も重要であります。県においては、これまでも高校在学中の早い段階からの就業体験を促進するため県外企業における体験実習等を実施しております。
教育庁においても、高校生等がそれぞれの身近な地域において就業を体験することができるよう関係機関による高等学校就業体験推進協議会及び同地区協議会の体制整備を進めており、商工労働部としても積極的にこれに参加してまいりたいと考えております。
また、平成15年度に新たに設置する「沖縄キャリアセンター」(仮称)におきましても、今年度で構築をする「若年者総合雇用支援システム」によって職業観の形成を中心とした総合的な支援対策を講じてまいります。
次に、雇用失業問題について、緊急ジョブマッチング促進特別事業の面接会の実施状況等についての御質問に一括をしてお答えをします。
県が緊急雇用対策の一環として実施している緊急ジョブマッチング促進特別事業は、30歳以上の求職者を対象として求人企業において2カ月または1カ月間の実習就業を実施し、その後の常用雇用を促進することを目的とするものであります。
この事業を円滑に実施するため、求人企業と求職者を結ぶ総合窓口として県内の5カ所に「緊急雇用対策地域センター」を設置するとともに、テレビ、新聞等マスメディアによる広報やポスター、チラシによる広報等の周知・啓発に取り組んでおります。去る1月27日、28日に那覇及び中部で開催をした合同面接会もこのような取り組みの一つとして実施をしたところであります。
面接会に参加した企業は、卸・小売業、建設業、サービス業、金融保険業等から58社で、求人数が191人に対して参加した求職者は182人となっております。
求職者の参加が少なかった要因としては、広報面で工夫すべき点もあったとは思いますが、求職者においても、幅広い企業や職種に関心を持ち就職に結びつく機会を逃がさない就職活動が重要であり、この事業を活用して企業の現場における自己の適性を確認し、新たな職場にもトライする積極性が求められていると考えております。
なお、本事業の実施状況は、2月18日現在で本事業の活用を希望する事業所数が548事業所、紹介中の求職者数が977人となっており、このうち286人が実習就業に入っている状況であります。
以上であります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 構造改革特区2次募集提案の内容についてお答えいたします。
第2次提案募集に対し、沖縄県内から新規4件、再提案5件の計9件の提案が行われております。
新規の内容は、介護保険の所在地特例の緩和を内容とする「リタイアメントコミュニティ特区」が名護市から、土地所有権における地下水部分の適用除外等を内容とする「緑のダム特区」及び税制特別措置の対象拡大などを内容とする「国際海洋リゾート特区」が平良市から提案されております。
民間からは、高周波電波の規制緩和などを内容とする「電波特区」、医療国家資格単位認定の緩和を内容とする「医療資格特区」が提案されております。
再提案は、観光ビザの特例措置や沖縄観光宝くじを内容とする「国際観光・保養特区」が県から提案されたほか、キャプティブ保険制度創設などを目指す「金融テクノロジー開発特区」、外国人医師の臨床の特例等を内容とする「健康長寿産業振興特区」、観光ビザの特例措置を内容とする「観光特区」が提案されております。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) それではまず、県が提案した構造改革特区の実現可能性についてお答えいたします。
県は、構造改革特区の2次募集に際し、査証の特例及び観光宝くじの2項目を内容とする「国際観光・保養特区」を提出いたしました。まず、査証発給の特例につきましては台湾、香港及び韓国からの団体旅行に限定したノービザを要請しましたが、外務省は、不法滞在や犯罪の増加等が懸念されるとし、ノービザには否定的であります。
一方、全国ベースのこととして、一定の条件を満たす特定国からの短期滞在査証申請については、提出書類の簡素化を検討すると回答しております。
また、「沖縄観光宝くじ」の発行に当たって賞金額上限の撤廃を要請いたしましたが、総務省は、射幸心をあおることから慎重に検討すべきであるとして否定しております。
なお、宝くじ発売期間の制限の撤廃については現行法令で対応可能と回答しておりますが、県としてはそれ以上の期間を想定しており、現行法令での対応は不可能だと考えております。
次に、テロ後の落ち込みから短期間で回復できた最大の要因は何かとの御質問にお答えをいたします。
昨年の入域観光客数は483万4500人とこれまでの年間記録を大幅に上回り、過去最高を記録いたしました。このように沖縄観光が短期間で回復した最大の要因といたしましては、国の支援による緊急キャンペーンや全国各地からの温かい支援ツアー、官民一体となった県内観光業界の懸命な努力の成果によるものと考えております。
次に、その間に沖縄観光の課題として感じたものは何かとの御質問でございます。
県、沖縄観光コンベンションビューロー、観光関連業界で構成する沖縄観光コンベンション推進協議会におきましては、平成14年9月に米国同時多発テロ事件が本県観光に及ぼした影響等について総括したところであります。その中で課題として情報の収集・分析・発信のあり方、県、関係機関、観光業界との連携体制、迅速な初期対応等が特に重要であることを確認しております。
次に、新たな観光資源の開発についてであります。
近年の観光は、個人旅行やフリープラン型旅行が増加するなど形態が多様化しており、これに対応する新たな観光資源の開発が必要であります。そのため県においては、地域特性を生かした健康・保養型観光やエコツーリズム等の体験・滞在型観光を推進するとともに、いわゆる海底遺跡を含めた海洋資源の総合的な利活用を促進していく考えであります。
また、世界遺産周辺整備や、これを核とした琉球歴史回廊の形成等による観光資源の魅力向上づくりに努めております。
さらに、本県におけるショッピングの魅力向上を図るため、国際通りの日よけ設置等グレードアップに向けたインフラ整備を推進しているところであります。
また、通年滞在型観光を目指して季節を問わず楽しめる組踊や琉球舞踊など芸能の上演を通した「国立劇場おきなわ」の活用や、中部地域で盛んな闘牛やエイサー等の観光資源としての活用方策など、新たなエンターテインメントとしての可能性を調査しているところであります。
次に、ロケ誘致のための方策及び整備すべきものは何かとの御質問にお答えをいたします。
県では、昨年7月に沖縄観光コンベンションビューローの中にフィルムオフィス準備室を設置し、これまでに約40件の撮影支援を行っております。平成15年度はフィルムオフィスを正式に立ち上げるとともに、民間支援組織、許認可関係機関及び市町村等との連携を密にし、全県的な支援体制を構築していく考えであります。
ちなみに、15年度予算案におけるフィルムオフィスの経費は2288万6000円をお願いをしております。
次に、他県に比べ沖縄がロケーションとしてすぐれており、有利と思われるものは何かとの御質問にお答えをいたします。
本県は、サンゴ礁に囲まれた美しい海を初めとする亜熱帯のすばらしい自然に恵まれるとともに、近隣諸国との交易を通じて培った独特の文化を有しており、他府県とは異なる魅力を多く持っております。
また、台湾や韓国、中国などの近隣諸国とも直行便が就航していることから海外の映画やテレビ番組等のロケ地としても適しており、これらの点において他府県に比べ有利であると考えております。ちなみに、4月から全国公開予定の日本映画――タイトルが「NOEL」といいますけれども――は全編沖縄で撮影が行われました。
また、3月から中国全土で放映される連続ドラマ――タイトルが「恋恋不捨」といいますけれども――が撮影されております。また、2000年にアジア各国で公開された香港映画「恋戦沖縄」なども沖縄で撮影が行われておりまして、沖縄観光のPRに少なからず寄与しております。
次に、撮影ロケーションとしてのデータの蓄積が必要と思われるがどうかとの質問でございます。
現在、沖縄フィルムオフィス準備室におきましては、県内の代表的な撮影ポイント約200カ所と、許認可等関係機関、撮影関連業者、気象データ、宿泊施設等を紹介するガイドブックの作成を進めております。今後はこれらのデータの追加及び更新を図るとともに、インターネットを活用した情報発信に努めてまいります。
次に、観光客の県内消費額減少への対応策についてでございます。
最近の県内観光消費額の減少は、全国的なデフレの影響による旅行商品の低価格化や長引く不況による消費支出の減少等が大きな要因であり、構造的な問題であると認識しております。そのため県内の宿泊施設におきましては、県外客への土産品販売や県内向けの飲食サービスを拡充するなど経営の改善、効率化に努めております。
こうした低価格化への対応といたしましては、沖縄観光の質の向上と他の観光地との差別化が必要であり、県におきましては、観光関連業界と連携し地域特性を生かした健康・保養型観光やエコツーリズムの推進、多様なエンターテインメント等の新たな観光資源の開発など、付加価値の高い商品づくりを推進しているところであります。
最後になりますけれども、空港でのタクシー乗務員への苦情問題についてであります。
那覇空港内における観光客からのタクシ-乗務員への苦情は、主に接客態度不良、遠距離・近距離乗り場の問題、意図的に遠回りされたなどがあり、早急に対処すべき課題であります。現在、タクシ-乗務員の資質の向上につきましては、観光従業員等資質向上事業の中で積極的に取り組んでいるところであり、また昨年12月に新たに実施した観光マネジメント研修事業の中でもタクシー業界の人材育成に取り組んでおります。
さらに、苦情の迅速な処理やモラル向上対策につきましては、沖縄総合事務局に設置された「沖縄県タクシ-事業適正化推進懇談会」や県タクシ-協会が主催する事業改善のためのアドバイザ-会議等の機関協議の場を活用し、その解決、改善に努めているところであります。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 市町村合併についての御質問にお答えをいたします。
まず1番目に、合併推進のための県の主体性についての御質問でございます。
日常生活圏の拡大、少子・高齢化の進展、それから情報通信技術の飛躍的な発展、それから地方分権の推進など広域化・多様化・専門化する行政需要に的確に対応しつつ行政サービスを維持・向上していくためには、市町村の自立性を高め行財政基盤の充実・強化を図る必要があり、市町村合併は大変重要な課題と考えています。県としては、自主的な市町村の合併を推進するため市町村に対し必要な助言や情報提供、その他の措置を講じているところであります。市町村の自主性・主体性を尊重し、本県の地域特性にも十分配慮しながら市町村合併を積極的に進めているところであります。
次に、合併の進捗状況についての御質問にお答えをいたします。
県内における市町村合併の動きとしましては、平成14年4月1日に具志川村と仲里村の合併によりまして久米島町が誕生し、新しい町の建設計画に基づくまちづくりが進められているところであります。宮古地域の6市町村では昨年4月に法定合併協議会が設置され、徹底した情報公開及び情報提供を行いながら月1回のペースで活発な協議が進められております。具志川・与勝地域の3市町におきましては平成13年12月に任意の合併協議会が設置され、今年2月1日には3市町すべての議会での議決を経て法定合併協議会に移行をしております。
また、昨年末から今年にかけて任意の合併協議会が相次いで設置されております。昨年12月25日に八重山地域の2団体、今年1月14日に宜野湾周辺地域の3団体、1月21日に本島南部地域の4団体、2月5日には那覇周辺・離島地域8団体で任意合併協議会が設置されております。
このほか、本島南部やその他の市町村におきましても具体的な取り組みがなされているところであり、県内における市町村合併の動きがここに来て急速に広がりつつあります。
次に、合併特例法の期限までにどのような手順で作業を進めるのかという御質問にお答えします。
県としましては、財政上、制度上のさまざまな支援策が盛り込まれた市町村合併特例法の期限である平成17年3月までの間に、できるだけ多くの市町村で自主的な合併が実現するよう積極的に働きかけているところであります。
各市町村における速やかな法定合併協議会設置による合併協議の促進及び個々の合併協議会等に対する財政的・人的支援を行っているところであります。また、沖縄県市町村合併支援本部における合併重点支援地域の指定を通しまして、国の市町村合併支援プランに示された支援策が受けられるようにするとともに、県としても重点的に支援を行っているところであります。
さらに、地域において市町村合併を支援・推進するため宮古地域及び八重山地域に県支援本部の地方支部を設置したところです。平成15年度の後半から平成16年度にかけては、各地域の法定合併協議会で作成される市町村建設計画の知事との事前協議などが始まりますので、県支援本部における総合調整を行うとともに、合併に向けた諸手続が円滑に進められるよう必要な助言及び所要の措置を講じていきたいと考えております。
次に、協議が進んでいる市町村の数及び確定している数はどの程度かという御質問にお答えをします。
平成15年2月6日現在で地方自治法の規定に基づく法定合併協議会が設置されているのは2地域で、構成市町村の数は9団体となっております。
また、関係市町村長の覚書等により設置される任意の合併協議会が設置されているのは4地域で、構成市町村の数は16団体となっており、県内全市町村の48.1%に当たる25団体において法定または任意の合併協議会が設置されております。これらの6地域において合併を可決した地域は現在のところありません。
以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 福祉関係について、市町村に対する事業適正化のための支援・指導体制についてお答えいたします。
市町村や沖縄県介護保険広域連合に対しては、介護保険事業適正化対策として介護報酬点検事務、ケアプランの点検、介護給付費の通知、介護保険料の収納率の向上や介護に陥らないための介護予防・生活支援事業の実施等、総合的な観点から強力に働きかけているところであります。
また、今後の対策といたしまして宮古、八重山圏域市町村の介護保険財政基盤を安定化させるために、同圏域における介護保険事業の広域化についても助言・支援をしてまいります。1月25日には「わたしたちの介護保険 これからを考える」をテーマにシンポジウムを開催し、関係者や県民の意識啓発を行いました。
なお、県においては、介護保険指定事業者に対する指導監査を強化するため次年度から職員2名を新たに配置する予定であります。
それから、介護予防対策について。
介護予防対策といたしましては、介護に陥らないための県民の健康づくりが大事であり、健康づくりの指針となる「健康おきなわ2010」を策定し、積極的に推進しているところであります。さらに、市町村における国民健康保険法による健康づくりや老人保健法におけるヘルス事業などを促進するとともに、介護予防・生活支援事業の配食サービス、生活援助員を派遣する軽度生活支援事業、生きがい活動支援通所事業などを効果的に組み合わせて実施しております。
なお、平成15年度より高齢者の転倒骨折予防を目的として、柔軟性やバランス能力を向上させるため市町村における高齢者筋力向上トレーニング事業等を促進します。
支援費制度について。
現行の障害者福祉サービスは、障害者の申請等に基づき行政がサービス内容を決定する措置制度の仕組みによって利用がなされてきております。
一方、支援費制度は、利用者の立場に立ったサービスを提供するため身体障害者や知的障害者がみずから利用したいサービスを選択し、施設等事業者との間で直接に契約を行いサービスの提供を受けるものであります。平成15年4月から全国的に実施される予定となっております。
なお、対象となるサービスは、更生施設や授産施設などの施設サービス及びホームヘルプやショートステイなどの在宅サービスとなっておりますが、補装具給付事業等の一部の福祉サービスは支援費制度に移らないものもあります。
それから、中部地区医師会が計画している看護師養成所について、4つの御質問について一括してお答えいたします。
平成12年度策定した沖縄県看護職員需給見通しについては、県外の養成所卒業後に県内の医療施設等に就業する者の減少等供給数に変化が生じたため、17年度には122名の不足が生じる見込みとなっております。現在、中部地区医師会から看護師養成所の平成17年4月開設の相談があり、国への申請手続、看護師養成所の施設整備及び運営に係る国庫補助制度について助言等を行っております。今後は、看護師養成所として国の指定を受けるため平成16年1月の設置計画書、7月の設置申請書の提出に向け国と調整しながら進めていきたいと考えております。
また、看護師養成所の開設に当たっては看護教員の確保も必要となることから、8カ月間にわたる看護教員養成講習会を実施するため平成15年度当初予算で900万円を計上しております。
それから、認可外保育施設が多くできた原因について。
県では、復帰後、国の高率補助を受け保育所整備を促進してまいりました。しかしながら、増大する保育需要を十分に満たすことができなかったことや産休明けからの乳児保育、延長保育など多様な保育サービスが十分に提供できなかったことなどが認可外保育施設がふえた主な原因と考えられます。
加えて、認可外保育施設の場合、児童送迎の利便性、幼児期からの早期教育や集団教育を求める保護者の意向等を背景として増加し、さらに本県の場合は5歳児のほとんどが公立幼稚園に就園した結果、幼稚園児の午後の保育や学童保育を行うため増加したものと思われます。
保育所50カ所の創設で待機児童は解消されるのか、いわゆる待機児童数は何人かと。
市町村で保育所入所申し込みに基づき把握している待機児童数は1600人台で推移をしております。
県では、平成13年度の「就学前児童の保育等に関する実態調査」の結果から、いわゆる潜在的な待機児童は約1万2000人と推計しましたが、そのうち認可保育所への入所を希望していると思われる約3500人を当面の待機解消の目標としたものです。
しかしながら、認可保育所の整備が進むにつれ新たに入所を希望する児童の増加が考えられることから、保育所整備の状況と待機児童の推移を見ながら分園設置等による定員増などのさまざまな施策に取り組んで待機解消を図っていきたいと考えております。
認可外保育施設の施策を市町村と協議することについて。
県は、待機児童対策を検討する場として平成11年度に県と待機児童の多い市町村で構成する「保育所入所待機児童解消連絡会」を設置しております。同連絡会において、認可外保育施設を利用している児童の福祉の向上を図る観点から認可外保育施設に対する対応策も協議をしております。
なお、国では、県や市町村における子育て支援に関する新たな施策の展開を図るため児童福祉法の改正等を準備しているとのことであります。
平成15年度は、市町村において具体的な行動計画策定のためのニーズ調査も予定されていることから、今後、同連絡会の機能を強化してこれらに迅速に取り組み、本県の抱える課題への対応も含めて子育てに適した環境の整備について協議をしていきたいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育関係について、県立高校校舎の防音工事の未整備の状況と今後の計画についての御質問にお答えをいたします。
防衛施設周辺の県立高校の防音事業については、「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」に基づく防衛施設庁所管の防衛施設周辺防音補助事業を活用し、年次的に整備を図ってきたところであります。平成15年2月1日現在、県立高校の防音事業の整備状況は対象校27校──伊波先生の方からは県立学校35校とございました。これは特殊教育諸学校はもう既に8校整備済みでございますので、差し引いて対象校27校とさせていただきました。27校のうち整備済みは12校、一部整備済み校が9校、未整備が6校となっております。
未整備校の解消については、快適な学習環境を保障する必要があることから、校舎の改築時期や編成整備計画等を勘案をし、年次的、計画的に整備していきたいと考えております。
次に、障害児の普通校への通学の現状と対策についての質問にお答えいたしますが、義務と県立分に分けてお答えをいたします。
平成14年4月に学校教育法施行令の一部改正が行われ、市町村教育委員会は、個々の障害の状態に応じて適切な教育が受けられる特別な事情が認められる場合は、「認定就学者」として小中学校に就学させることができるようになりました。まさに弾力的な運用が認められるようになりました。
特別な事情とは、施設・設備の整備状況、専門性の高い教員の配置、地域における支援状況等児童生徒が安全な学校生活を送ることができる状況をいいます。平成14年度現在、市町村で盲・聾・養護学校が適正と判断され、小中学校の特殊学級に在籍している児童生徒は小学校が38人、中学校が9人、また通常の学級に在籍している児童生徒は小学校が8人、中学校が3人となっております。
県教育委員会としましては、どの教育の場が児童生徒にとってすぐれた教育効果があるのか専門家の意見等を聞き、就学指導体制の整備充実を図りますとともに、各市町村教育委員会に対し適正に就学指導が進められるよう指導・助言を行っているところであります。
また、盲・聾・養護学校から県立高校へ入学をし学業に励んでいる生徒諸君が現在7名おられます。
県立高校における障害を持つ生徒の受け入れのために「福祉のまちづくり条例」に基づく整備として平成15年度は33校の普通高校で整備を予定し、障害者トイレの設置、出入り口の改修、段差解消、階段手すり、あるいは受付カウンター改修等の整備で1億4000万円余の事業費を計上いたしております。引き続き平成16年度は専門高校の整備を計画をいたして受け入れ環境の整備に努めているところでございます。
次に、全国高等学校総合体育大会の受け入れの進捗状況と今後の課題についてお答えをいたします。
平成22年度全国高等学校総合体育大会の本県誘致については、平成14年8月の県教育委員会会議で決議されるとともに、同日、県知事が記者会見をし誘致声明を行いました。また、平成14年12月の九州高体連の理事会において本県誘致が承認をされており、さらに全国高体連において内定を得ている状況であります。
全国高等学校総合体育大会は28競技32種目が実施をされ、選手、監督、競技役員等を含めると約5万8000人規模の大会となります。県教育委員会としましては、本年3月に県下全市町村に対し競技種目別会場地に係る説明会を計画をし、平成15年度には市町村を初め関係団体に対し、競技種目別会場地に係る意向調査を実施する予定でございます。
今後の主な課題といたしましては、大会運営費などの開催経費、これは先進県においても約21億前後の大会準備開催経費が計上されておりますが、この開催経費を確保する必要があります。
また、競技施設につきましては県及び市町村等の既存施設を可能な限り有効に活用いたしますが、開催年を見通し、必要に応じ改築・改修をしたいと考えております。
さらに、本県選手の活躍が期待されることから中長期的な選手の強化・育成を図りますとともに、競技役員等の養成を行う必要があると考えています。今後、本県の特色を生かした大会が開催できるよう県民の機運を高めますとともに、県高体連を初め関係機関・団体等と連携を密にして誘致・開催に向けた諸課題に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
次に、二学期制の現状と今後の課題についてお答えをいたします。
現在、高等学校における二学期制は、すべての定時制高等学校9校と全日制高等学校2校において実施をされており、平成15年度には新たに3校が導入の予定となっております。
公立小中学校では平成15年度導入予定は2町、平成16年度は1町が予定のほか、12市町村で導入が検討されております。
なお、二学期制の特徴といたしましては、1つに、授業時間の確保が容易になるためきめ細かな学習指導ができる、2つに、教師の事務処理等に係る負担軽減が図られ、生徒との触れ合いの時間がふえる、3つに、体験的・問題解決的な学習が継続的に取り組める等のメリットが挙げられてございます。
実施に当たっての課題としては、定期考査の出題範囲が拡大することや、他校と歩調を合わせた教育活動が難しくなるなどが挙げられてございます。県教育委員会としましては、学校間の緊密な連携を図るとともに、定期考査の工夫改善など、保護者や児童生徒の理解と協力を得て二学期制がスムーズに導入されるよう支援をしていきたいと考えております。
以上でございます。
○企業局長(與那嶺恒雄) 工業用水の供給能力と需要について及び需給のアンバランスによる赤字について一括してお答えいたします。
沖縄工業用水道事業は、昭和47年の本土復帰に際し、金武湾及び中城湾沿岸地域を給水対象に計画給水量を日量10万5000立方メートルとして計画されました。現在、水源については福地ダムほか4ダムで日量6万3600立方メートル、浄水場等の供給施設については計画のほぼすべてが完成しております。
一方、産業構造の変化等により企業立地が計画どおり進まなかったことから工業用水の需要は低迷し、平成13年度の契約水量は日量2万729立方メートルにとどまっており、日量4万2871立方メートル、施設能力の67.4%の余剰水を抱えている状況にあります。このような需給のアンバランスについては、水源及び施設の未利用分に係るダム維持管理負担金などの経費を先行投資維持経費として一般会計から繰り入れている状況でございます。
一般会計からの繰り入れは単なる赤字補てんではなく、沖縄県の産業振興を図るという目的を実現するため一般会計が負担するものであり、平成13年度の先行投資に係る繰入額は1億4221万6000円となっています。
また、平成11年度から水道水源の不足を補うため水道事業へ暫定的に水源の転用を行っており、これに係る経費については水道事業会計が負担し、平成13年度の繰入額は1億5883万8000円となっています。その結果、平成13年度の工業用水道事業会計は1086万円の赤字にとどまっております。
次に、転用による工業用水道事業会計の改善についてお答えいたします。
県は、今年度中に「工業立地基本方針」を策定し、その中で工業用水の将来需要についても設定することになっております。この需要の見通しを踏まえ、平成15年度から工業用水の水源や供給施設の水道事業への転用について関係機関と協議することとしています。
転用による工業用水道事業会計への影響については、水源及び施設の未利用分に係るダム維持管理負担金や減価償却費等の費用負担がなくなるため、経営の大幅な改善につながるものと考えております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後0時7分休憩
午後1時31分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前に引き続き代表質問を行います。
安次富 修君。
〔安次富 修君登壇〕
○安次富 修 自由民主党を代表して質問を行います。2番手であります。知事を初め関係部局長の誠意ある御答弁をよろしくお願いを申し上げます。
質問に入ります前に、お隣の韓国で起こった地下鉄放火事件は、死者の数125人にも上るという大惨事となり、改めて犯罪の未然防止や安全管理、危機管理というものを考えさせられました。とうとい命を失った犠牲者に対し心から哀悼の意を表します。
それでは質問に入ります。
知事の政治姿勢については、先ほどの伊波常洋議員とは角度を変えてイラク情勢についてお聞きいたします。
沖縄の「米軍基地、再び緊迫」、「 緊迫するイラク、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)情勢を反映して米軍基地の動きが慌ただしくなっている。嘉手納基地のゲートでは、迷彩の防弾チョッキを着用し、機関銃を携帯した米兵が車両をチェックするなど警備が強化されている。」と報道されております。
そこで、緊迫するイラク攻撃に対する知事の見解についてですが、特に沖縄平和賞創設の理念である非暴力、平和共存の実現の促進と、今まさに戦争行為がなされようとする現実とのこのギャップをどうとらえ、沖縄県の知事としてどういう立場をとられるのかをお聞かせください。
次に(2)、米国のイラク攻撃と沖縄観光への影響についてでありますが、イラク情勢も日一日ときな臭さを増しつつあります。おととし9月11日の米国の同時多発テロのいわゆる風評被害で我が国で最大の打撃を受けた沖縄県にとって、米国政府や議会の動向、さらに最近のバリ島やフィリピン南部での爆弾テロなど、アジアでのテロ事件の多発傾向は見過ごすことのできない警鐘となりつつあります。狭い県土に我が国の米軍専用施設の75%を有する沖縄県にとって、最終局面を迎えたイラク攻撃は、沖縄に駐留する米海兵隊も出動するとの四軍調整官の発言等、あの9月11日の影響の傷がいまだにいえぬ沖縄観光経済に深刻な影を落としつつあります。
米国と共同歩調をとる我が国にとりましても容易ならざる事態が予想されます。観光立県を目指し、ようやく危機的状況から立ち直った沖縄経済は、再び風評被害に陥る可能性も出てきました。私たち沖縄県民はテロの教訓を生かし、事前にできる限りの対応と準備を早急に考えなければならない局面に来ております。
本県は、新たなる沖縄振興特別措置法に基づいて沖縄振興計画において観光産業はリーディング産業として産業振興の中枢に位置づけられ、さまざまな振興措置が講じられることとなっておりますが、平和の持続なくして観光産業の健全な発展も望めないのであります。
そのようなことから以下質問をいたします。
ア、おととしの9月11日の米国同時多発テロの教訓をどう生かしていくのか。
イ、予想される限りの対応策について、部局内と関係機関との話し合いはどうするのか。
ウ、予想される観光経済的危機の担保として沖縄県の経済安全保障の制度的な枠組みについても真剣に検討しなければならないと考えますが、どう思われるかお答えを願いたいと思います。
次に2番、基地問題についてでございます。
(1)、政府は、沖縄県の米軍基地跡地の利用促進を図るため跡地対策協議会を設置し、県と跡地関係市町村との連携を密にし取り組みを強化しておりますが、SACO最終報告で合意され、当面の返還予定地とされているキャンプ瑞慶覧、キャンプ桑江、泡瀬ゴルフ場、読谷飛行場等の跡地開発計画の進捗状況はどうなっているのか。また、その課題は何か。その解決方法はいかにするのかお答えください。
(2)、駐留軍用地跡地の利用については、地主への給付金支給や返還に際しての原状回復措置等についてそれぞれ別途政令で定めることになっているが、その制定状況はどうなっているか。また、文化財調査等跡地利用計画策定のための諸調査についてはどのように明記されているかを御説明願います。
(3)、「大規模駐留軍用地跡地」と「その他の軍用地跡地」の違いはどうなるのか、政府の関与も違ってくるのか御説明を願います。
(4)、普天間飛行場の移設については代替施設建設協議会を設置しているが、一方において普天間飛行場の跡地利用については、その跡地が広大であるだけに跡地利用の基本方針や基本計画の策定は、代替施設建設に向けての準備作業と同時並行的に進められるべきであり、移設する側と移設される側が一体となって代替施設建設協議会が設置されたのを受けて、普天間飛行場の跡地利用についても具体的な案づくりに入るべきだと考えますが、御見解をお聞かせください。
(5)、県は、2002年度からの20年間の県内の緑地整備や保全の指針とする県広域緑地計画の中で、普天間跡地に防災公園として「普天間公園」(仮称)を計画しているようであるが、同計画と普天間基地跡地利用基本方針との関係はどうなっているのかお聞かせください。
(6)、普天間飛行場の跡地開発は、宜野湾市の行政のみに任すことは到底無理であり、政府と県とのプロジェクトが必要不可欠であります。それは戦後58年にわたり普天間基地の爆音被害や基地被害はそこにも及んでいるからであります。だからこそ普天間基地の跡地開発に当たっては跡地面積だけを考えるのは間違いであり、跡地面積だけに目がいくと一部のいびつな開発にしかならないと断言できます。よって、本来の普天間基地の跡地開発が有効的な価値を高め、県土の発展に大きく寄与するためには普天間基地の周辺の開発が重要であり、浦添市、西原町、中城村、北中城村、北谷町、さらに将来の嘉手納基地の返還にも連動していけるように嘉手納町、読谷村あたりまで視野に入れた政府の責任と積極的関与が必要であり、中部全体の発展につなげる跡地開発プロジェクトを組まなければならないと考えるが、御見解を賜りたいと思います。
何にしても天久の新都心がいい例であります。天久の新都心は返還面積が190ヘクタール余りで、開発面積は210ヘクタールを余っております。つまり、返還面積よりも開発面積は当然大きくなってくるわけでございまして、その返還跡地と周辺とのつなぎ、交通アクセス、上水道、下水道、そのようなことを考えるとどうしても大規模なプロジェクト、ビッグプロジェクトの中で普天間返還跡地を考える必要があると言わざるを得ません。その点を御考慮の上、御答弁をお願いいたします。
(7)番、基地内への米軍住宅建設について。
近年、国の思いやり予算で米軍人及びその家族のための住宅を基地内に建設するのが増加しているようである。このため、米軍基地周辺の米軍人向けの民間貸し住宅に空きが目立ち、関係業者は苦しい状況に追い込まれているようである。国の思いやり予算で基地内に米軍人用住宅を建設するのを見直し民間活用をすべきかと思いますが、その点について御答弁をお願い申し上げます。
続きまして3番、日米地位協定の改定問題について。
日米地位協定の改定問題については、日米政府の合意により起訴前の米軍人の身柄引き渡しについては、米側が「好意的考慮を払う」、「日本の見解を十分に考慮する」として運用改善を図ることとなっております。しかし、米側は依然として米軍人の犯罪に対し起訴前の身柄引き渡しを認めておりません。厳しい高い壁がそこにあるわけですが、そこでお伺いいたします。
(1)、運用改善での「好意的考慮を払う」ということと「日本の見解を十分に考慮する」ということについて、県はどのように解釈しているのかお聞かせください。
(2)、今回の沖縄の日米地位協定の改定を求める声に対し、日本政府は改定にはこたえず運用改善で臨む方針とのことでありますが、米国に強く当たれない弱腰外交の政府に対し知事はどのように対処するのかお答えください。
さらに、抜本的な地位協定の改定を求める県民大会の機運が盛り上がってきたとの声もありますが、県民大会の可能性や知事の決意、計画について御答弁願います。
続きまして4番、レンジ10射撃訓練再開問題についてであります。
名護市での被弾事故によりその危険性が指摘され、地域住民からはその廃止が強く求められていた米軍キャンプ・シュワブの射撃訓練レンジ10については、米軍は県民の意向を無視して訓練を明21日に再開し強行しようとしております。
レンジ10射撃訓練については、県議会においてもその危険性から廃止決議をしており、米軍は事故防止の安全対策をとるとしているが、県議会の決議や地元住民が求めているのはレンジ10射撃訓練の廃止であり、急遽このような一方的な訓練再開に対し地元名護市においても新聞報道にあるように、名護市議会がレンジ10訓練再開に本土移転を求め決議、米軍の暴挙断固糾弾、近く関係機関に要請、さらに名護市の岸本市長も防衛施設局、外務省沖縄事務所を訪ね、レンジ10は欠陥施設であると施設局に訓練の廃止を求めております。
そしてさらに知事も、地元を無視、きょう米軍に抗議というふうに新聞報道でなされており、危険であるとの認識を示していると新聞報道では書かれております。そして社説においても、レンジ10訓練廃止が県民の総意であるというように社説にも載っております。
このようなことから、訓練再開は到底認めることができるものではないと考えますが、県の見解と今後の取り組みについてお伺いいたします。
私は、米軍は余りにも無神経甚だしいと言わざるを得ません。私は、宜野湾の市民として、せっかく普天間基地を今名護へ向かって粛々と移設作業が進められている中で、私どもはとにかく何も事故が起こってほしくない、何も事件が起こってほしくないと気を使いながら、トラの尾を踏む気持ちで神経をぴりぴりさせながらこの基地問題の解決に当たっているところであるのに、米軍は全くそういう意味では能天気であり、よりにもよって名護で訓練を再開するなんていうのは基地問題解決の大きな障害になると言わざるを得ないのであります。全く米軍はわかっていない。知事、しっかりとした答弁をお願い申し上げます。
次に、5番の旧軍飛行場用地についてですが、旧軍飛行場用地問題については、当事者である旧地主の長い地道な運動が実を結び、県議会議員43名による沖縄県議会旧軍飛行場用地問題解決促進議員連盟が発足し、県においてもこの問題を扱う所管課を設置したほか、さらに県・市町村連絡調整会議も設置し、市町村との連絡調整を密にするとのことであります。そして、旧軍飛行場用地問題については、新たな沖縄振興計画の中で戦後処理問題として初めて位置づけられるなど問題解決に大きな前進が見られます。
そこでお伺いをいたします。
(1)、この問題の解決のためには基地が所在する関係市町村の取り組みが欠かせないが、現在の市町村の取り組み状況はどうなっているのかお聞かせください。
また、このことについての国の姿勢はどういう姿勢をとっているのか、そのことについても御説明を願います。
次に6番、環境問題について。
(1)、産業廃棄物処理問題については、本県に限らず全国的に関係自治体や地域住民を悩ましている生活環境にかかわる問題であります。国においても廃棄物の減量化やリサイクルの取り組みに対する関連法も整備され、国、県一体となった取り組みも強化されておりますが、依然として不法投棄は後を絶たず自然環境への影響が心配されております。本県におきましても、平良市の産業廃棄物最終処分場の火災の問題は1年余りが経過してもなお地下に余熱が残り、最終的な解決には至っておりません。県と平良市当局、地域や専門家の意見なども聞きながら、責任のなすり合いではなく、今後の産業廃棄物処理問題への教訓として加速度的に解決に向けて最大の努力をしなければなりません。県の決意を聞かせていただきます。
具志川市における産業廃棄物処理場の問題もそうであります。去年の年末には、迫る年の瀬に進まぬ対策と搬入停止の問題は、関係市町村の生活への影響が大変心配されました。業者における廃棄物の適正処理のあり方、行政の指導のあり方が大きく問われております。
そこでお伺いいたします。
(1)、平良市の産業廃棄物最終処分場の火災問題及び具志川市の産業廃棄物最終処分場の問題について、現状と今後の対策を御説明願います。関係市町村との連携についても御答弁を願います。
(2)、廃車の不法投棄につきましては、車は大きいだけに特に目につきます。山林、空き地に限らず住宅地にも及んでおり、観光立県を標榜する本県にとって観光イメージのダウンにもつながり、その対策は緊急を要するものと考えます。本県における廃車とさらに廃タイヤの不法投棄の現状と防止のための効果的な対策について説明願います。
次に、(3)の赤土汚染防止対策についてでありますが、県の赤土等流出防止条例を平成7年10月に施行して7年が過ぎた現在においても、大雨や台風のときには海が赤く染まるのが見られます。この原因の多くは農地からの赤土の流出にあると聞いておりますが、現在では開発行為による赤土の流出はほとんどないと言われ、農地からの流出防止が今後の赤土防止対策のかぎを握ると言われております。県の具体的な対策をお伺いいたします。また、農林水産部との協議はどうなっているのかもあわせてお聞かせください。
次に7番、中城湾港泡瀬地区干潟の埋立事業についてでありますが、同事業の実質的な工事がようやく開始され、沖合2キロ付近の埋め立て、その後に護岸となる部分への基礎捨て石の投入の今作業中だと聞いております。護岸をつくった後に内側の海水をくみ出しながら土砂を搬入するということで新たな土地が出現するということであります。今はまだ初期の段階だが、今後急ピッチで工事が進むことが予想されます。そのことについて一部では見切り発車との声も聞かれますが、県の今後の計画についてどうなっているのか御説明願います。
さらにまた同事業に対し、環境省が事業主体の内閣府に対し、藻場保全のための十分な科学的根拠に基づく海草の移植計画の策定及び実施後の評価の公表を申し入れたとのことでありますが、今後の工事への影響はどうなるのか御説明ください。
きょうの新聞にも「泡瀬埋め立て 海草移植2法6月まで観察 環境検討委作業部会」というふうに載っております。専門的なことは私もわかりませんが、きっちりとした説明をお願い申し上げます。
次に、8番の教育関係についてお聞きいたします。
特に今回は、人格形成の基礎をつくると言われております人生初めの3年間、さらに初めの7年間、つまり幼年期の重要性について、まず教育長の御見解を賜りたいと思います。
「三つ子の魂百まで」ということわざもあるとおり、善であれ悪であれ子供の心が最も印象を受けやすいのはその幼年期であるとされており、この年代の間に正しい方向か誤った方向かのどちらかに決定的な発達がなされ、つまらないことばかりたくさん覚える子供もいれば、多くの有益な知識を得る子供もいると。そして、それは得がたい財産になるとされております。幼年期の子供の教育が大切であることは幾ら強調してもし過ぎることはなく、子供たちが人生の最初の7年間に学ぶことは、後年学ぶことよりも健全な人格の形成に関係があると言われております。
そこで、幾つかの質問をいたします。
昨年10月に政府の地方分権改革推進会議が国庫補助負担金の削減に向けた事務・事業見直しの最終報告案の中で、その「社会保障」で、幼稚園と保育所はほとんど均質化していると指摘した上で、地域の判断で一元化できるよう見直し、前段として幼稚園教諭が保育士資格を取りやすくする方法を2003年度中に検討する。一元化できない場合は児童福祉法の改正による一元化にも踏み込み、国の関与を減らし、保育所運営費の国庫負担金を地方交付税などの一般財源に切りかえることの検討を求めたとされておりますが、このことについて教育庁と福祉保健部との間で検討がなされているのかどうなのかをお聞かせください。さらに、今後の方向性についてもお示しください。
既に全国では建物を共有したり子供を一緒に保育する「幼保一体型」の園がふえていると。幼稚園教育の文部科学省と保育所を所管する厚生労働省という縦割りの行政の枠組みを超えた施策の展開がなされております。特に本県の場合は、県内の幼稚園は小学校との併置ということもあってすぐに一元化の方向で見直しを図るわけにはいかないとも言われておりますが、実際には少子・高齢化は足早に進んでおります。少子化で子供の数が年ごとに減少し、共働きの夫婦など現実の社会の実態に見合う幼稚園教育のあり方が問われておりますが、どのように議論を深めていくのか、教育長の見解をお聞かせください。
単なる財源問題にとらわれず、人生における人格形成の一番大事な時期を徳育、知育、体育と、健やかに伸び伸びと充実した成長をはぐくんでいくための環境をどのようにつくっていくのかをお聞かせください。
次に、県立高等学校編成整備計画における中高一貫教育についてお聞きいたします。
生徒一人一人の多様なニーズや能力、適性に対応し、学力向上を図り社会の変化に柔軟に対応した教育を推進するため、特色ある学科の設置、学科改編や総合学科、単位制、コース制の導入など魅力ある学校づくりに努力なされてきた教育庁を初め学校現場の皆さんに敬意を表します。
そしてさらに、21世紀をく展望した新しい教育の創造を目指し、国際社会で活躍し得るあすを担う多様な人材づくりを視野に入れた形の平成14年から向こう10年間の新たな編成整備計画が策定をされておりますが、そこでお尋ねをいたします。
この新たな県立高等学校編成整備計画のねらい、今までにない特色、子供たちに与える影響、生徒がどうなるのか、先生方はどうなっていくのか、学校現場がどう変化していくのか、地域に与える影響などを御説明ください。
さらに、その中に位置づけられている中高一貫教育についてさらにお聞かせください。
この計画の中には、「中等教育の一層の多様化を推進し、生徒一人一人の個性に合った教育を進めるためには、学校教育における教育内容・方法のみならず、学校間の接続を改善し教育制度の面で多様かつ柔軟に対応していくことが求められている。このため、生徒の個性をより重視した教育を目指し、ゆとりある教育の実施、生徒や保護者の選択の幅を広げる観点から各地域の特性に合った中高一貫教育の推進を図る。」と明記されておりますが、実際にモデル校となった高校には現実に直面するさまざまな課題も山積しているようであります。
先日、宮古の伊良部高等学校へ訪問をさせていただき、校長先生とじっくり話をさせていただく中で、私は伊良部から、いや宮古から沖縄県を代表する世界で通用する人材が次々と育っていければと激励をしたところでありますが、カリキュラムの問題、教員の充足の問題、教室数の問題、また地域においては離島なるがゆえの過疎化の問題など、県としてどのような対応をしていくのかをお聞かせください。
さらに、中高一貫教育の課題を克服し実りある成果を上げるためにはどうすべきかを御説明ください。
次に、東京都品川区教育委員会は、開設準備中の区立の小中一貫校では小学校6年、中学校3年の枠組みを弾力化し、9年間を4・3・2制の3つにして構成するカリキュラム案を固めました。現行の6・3制は子供の発達段階に合わないとし、小学5年と中学2年で変化が大きいことに着目したということですが、そのことについて県教育長の御見解を賜りたいと思います。
さらに、本県における小中一貫教育の導入についてどう思われるのかお聞かせください。
次に、(4)の私立学校の育成についてでありますが、知事の所信表明の中で「個性豊かな私学教育の振興を図るため、私立学校などに対する助成を行い、経営の安定化を促進します。」と表明しておられますが、私立学校における学力向上の実績やクラブ活動などの目覚ましい活躍をどう評価され、具体的に私学に対してどのような育成策を展開し助成の充実を図っていくのか。ハード面、ソフト面それぞれにお答えください。
さらに、私立幼稚園におきましてもその教育の質と内容に高い評価を得ており、昨今の厳しい経済情勢の中でぎりぎりの園の運営をしているところであり、県の育成策に大きく期待をしているところであります。そのことについても御説明を願いたいと思います。
次に、生涯学習についてでありますが、生涯学習とは、学習意欲と学ぶ機会さえあれば生きている限り続けられるものとされており、国際化、情報化、科学技術の進展及び少子化、高齢化などに伴い急激に変化を続けている今日、県民の学習意欲は高まり、常に新しい知識と技術の習得を目指し積極的に学ぶことが求められているとされておりますが、まさに人生を意気に感じ、一生涯を主体的に生きていく、生きる力、生きる喜びを見つける手段であると思います。
ただ、生涯学習という言葉そのものが余りにも漠然として取っつきにくい面もあるかと思いますが、幸いにして本年沖縄県で開催される第15回全国生涯学習フェスティバルは、一般県民が生涯学習を理解する上で絶好の機会だととらえますが、開催の意義、大会の規模、内容、人員、大会までの広報、アピールなどそのスケジュールを含めてどうやって成功に結びつけていくのかをお聞かせください。
そして、その成功が今後の生涯学習への啓蒙や普及にどう結びついていくのかを御説明ください。
次に、養護学校への看護師配置の問題であります。
養護学校への看護師配置の問題でありますが、文部科学省の医療的ケア研究事業のモデル指定を受け、2001年度から看護師を配置している鏡が丘養護学校について、教育委員会が新年度から看護師の配置を行わないとの決定を下した報道は、学校関係者や保護者の皆さんに大きな不安を与えております。障害児を取り巻く教育環境は極めて厳しく、それを支える保護者の御苦労は大変なものがあろうかと思います。多くの問題を抱えながらも、かけがえのない子供たちのために父母の献身的な介護と学校や周りの支援に支えられながら何とか日々学校生活を営んでおられると思います。
特に、口や鼻からのたんの吸引やチューブでミルクなどの食事を与える経管注入などのケアが必要な子供たち、すなわち医療的ケアを必要とする子供たちへの対応は急務であります。それだからこその研究事業ではなかったでしょうか。それだからこその看護師の配置ではなかったでしょうか。養護教育の充実、医療ケアの実践の成果を上げていくこと、そういうことではなかったでしょうか。
具体的にも教育効果として看護師と主治医の緊密な連携によって子供たちの入院日数が少なくなり、登校する日が多くなったとか、保護者の都合で欠席する自己欠席者が少なくなったとか、何よりも子供たちの体調もよく笑顔が多くなったことなど着実な成果が上がり、それを結実させて養護学校の充実を図っていくことが、それこそがモデル研究事業の本来の姿ではないでしょうか。モデル指定が終わるから看護師の配置も終わるということでは余りにも情けない。今日までの取り組みが水泡に帰してしまうのではないでしょうか。
同じく医療ケア実践研究のモデル指定を受けたほかの県においては、さらに継続、強化・充実の方向に向かっていると聞いております。なぜ沖縄県は予算確保ができなかったということで弱者の願いを切り捨てようとするのか、大きなショックを隠し切れません。ぜひとも医療ケアを必要とする児童生徒が安全にかつ安心して養護学校に通学できるようにするとともに、保護者など家族の過重な負担を軽減するために県内の肢体不自由養護学校すべてに看護師を配置していただくこと、特に医療設備の整っていない鏡が丘養護学校にはその必要性が高いことを考慮し、平成15年度におきましても看護師の配置が必要不可欠でありますが、このことについて教育長並びに教育委員長もせっかくおいででありますので、お二人からそれぞれ御見解を賜りたいと思います。
せっかくモデル指定校として行政の温かい光が当たり始め、これから喜びと希望に満ちた養護教育の充実に向けて歩み始めたときだということを深く認識していただき、誠意ある御答弁をお願いいたします。
次に9番、中小企業金融対策でありますが、中小企業の悲鳴をぜひ聞いていただきたい。
本県経済も全国の景気低迷の影響を受け、雇用問題を初め依然として厳しい状況にあります。さらに、我が国の金融機関の不良債権処理問題を初めとする金融不安は企業への影響がはかり知れず、現在、我が国はかつて経験したこともない未曾有の経済不況に陥っていることは周知のとおりであります。特に中小企業の受けた打撃は大きく、経営破綻や倒産が相次いでおります。本県におきましても、企業のほとんどが中小零細企業であることから、金融機関による貸し渋りや貸しはがしなどにより経営が圧迫され深刻な状況にあります。
そこでお伺いいたします。
本県の中小企業に対する金融対策の現状について御説明願います。さまざまな県制度融資もあるようですが、その活用状況、成果、さらに問題点、例えば金利、担保など利用する面でのハードルなど例を挙げて紹介してください。
次に、沖縄県信用保証協会の問題ですが、一部の職員の不祥事により事件へと発展いたしましたが、早目に県民の信頼を回復し本来の目標へと向かえるよう強く要望いたします。
さて、沖縄県信用保証協会は、中小企業金融安定化特別保証制度に関する代位弁済や遅延債務の増加が影響し、国の信用補完制度が適用された昭和47年以来初めて赤字決算となっております。この影響が貸し渋りや保証渋りにもつながっているとも言われております。このまま放置すると倒産する企業が続出するおそれもまたあります。信用保証協会の安定化を図る必要から、補正を含めて積極的な財政措置を行うべきかと思いますが、そのことについて御説明願います。
さらに、健全なる信用保証協会の運営が企業への支援・充実、育成につながると思いますが、知事の御見解を賜りたいと思います。
次に10番、人材育成についてであります。特に自立経済構築のため産業界の必要とする人材の育成、教育について絞ってお尋ねいたします。
新沖縄振興計画の主要目標は、民間主導による自立経済の構築だと言われております。その目標を達成するための最も基本となるものは、産業界の要望を反映させるような人材の確保であります。現在、本県は情報技術、国際化教育、産業技術などの振興に必要な支援体制はできているが、その受け皿となる人材が不足していると言われております。このため、本県に立地した企業が求める人材と県内の就業者の技能との間にミスマッチが生じることになり、結果として若い人材はいても欲しい人材はなかなか見つからないとの企業側の嘆きも聞こえてくるのであります。このため、沖縄高専の開校や大学院大学の開校、さらに民間の専修学校の活用なども視野に入れ、産業界が必要とする強くてたくましく高度な技術を持っている人材の育成を急ぐ必要がありますが、本県の小・中・高教育において早い時期からの人材育成、今後、産業界の要望する人材を育成するための教育内容とするためにはどのような課題や問題点があるのか。また、長期的視野からの計画を持っているのか、その取り組みについてお聞かせください。
次に、県内バス4社統合問題についてでありますが、いよいよ本年8月10日、沖縄都市モノレールの開業が決定されました。空の玄関口である那覇空港から世界遺産に登録された首里城正殿近くの首里駅までの約13キロメートルを27分で結び、沿線には沖縄県庁や那覇市役所などの行政機関を初め沖縄のショッピングの中心である沖映通りや国際通り、そのほか大型ショッピング施設などがあり、県民の足として、また県外からの観光客などの移動交通手段として大いに期待されているところであります。そのモノレールの利用促進や経営安定のためにもバス路線の再編が必要不可欠であり、モノレール、バス、タクシーなど相互の乗り入れを確実なものにするためにも総合交通体系の整備が急がれるゆえんであります。
そこで、バス4社の統合や新会社への移行の問題は解決すべき最も緊急・重要な課題であることは論をまたないところであります。この沖縄本島には公共交通機関としてバス会社4社が存在するが、これらはいずれも那覇市を中心とする同一の路線に集中しており、このため過当競争を余儀なくされている状況にあります。4社のうち、一応経営が維持されている1社を除いて、残りは極めて厳しい経営を続けており、このままの状態では到底会社の維持は難しいというのが現状であります。このため、平成9年からバス4社間で企業統合の話し合いがなされ、平成13年には労使双方の代表者で構成される労使協議会においてバス統合に向けた一応の基本合意がなされ、この合意を受けて4社統合委員会は新会社設立に向けての整備が進められ、平成14年にはバス統合準備室が設置されております。
その準備室で統合に向けての準備・調整が進められてきており、モノレールの開通を間近に控えいよいよ大詰めの段階に差し迫っており、本年1月28日付でバス統合準備室からバス会社4社の労使代表に対して要請がなされておりますが、その回答として労使双方において大分食い違いがあり、バス統合スキームの問題、労働条件の問題、労使協議会の再開のめども立っていないことなど、実態としてクリアすべき課題が何一つ解決していないような印象を受けるわけでありまして、もちろんバス4社の労使双方ともに最大の自助努力をすべきであることはもちろんでありますが、また一方において県の指導性が問われていることも事実であります。
さて、このような状況を踏まえ、バス統合準備室及びバス会社4社は統合を成功させるためには県に対し出資をお願いするなど積極的な参加を要請をしております。県としても、事ここに至っては新聞報道にあるように「バス新会社に出資へ」ということも取りざたされているようでございますが、そこでお伺いいたします。
(1)、都市部の交通行政の充実は沖縄県の発展に欠かせないことでありますが、モノレールを含む都市部交通体系の再編成の観点からこのバス問題をどうとらえるのか御説明を願います。
(2)、公共事業としてのバス事業に対する県の基本的な考え方についてでありますが、バス4社及び統合準備室は、県民の足としてのバスの公共性から他の民間企業との違いを強調し、県としても統合問題に積極的に関与すべきとしております。また、そのようにしてきたことが赤字を増幅してきた一つの要因でもあり、そこが公共性と言われるゆえんでもあります。そのことについて県の基本的な考え方を求めます。
(3)、バス4社に対する県の出資の考えであります。
県は、バス4社及び統合準備室から新会社の設立に際し出資を要請されておりますが、もし新会社に出資する考えならば、その出資予定額をお聞かせください。また、時期などタイミングがあると思いますが、あわせてお聞かせください。さらにその背景などについても御説明願います。
いずれにしても、県の関与をめぐっては不透明な状況が続いております。県の行政指導や手当てが後手に回り、そのツケが県民に悪影響を及ぼさないようめり張りのある施策の展開をしていただきますよう強く申し上げておきます。きょうの新聞にも「バス統合実現へ県の出資を要求 連合沖縄が集会、デモ行進」という記事も載っております。よろしく御答弁をお願い申し上げます。
次に、警察行政についてであります。髙橋県警察本部長にお尋ね申し上げます。
髙橋県警本部長は、沖縄にも大分なれてこられまして、本年1月からは新聞のコラムにも登場いたしまして読者を楽しませておられますことに敬意を表します。まさにコラムにも載っておりましたように、警察の営業時間は年中無休、24時間フル稼働、フルオープンということで御苦労が絶えないなと、大変だなと思っております。しかし、逆に言えば24時間犯罪が起こり事件が起こっているということでございまして、本部長を先頭に気を引き締めて頑張ってもらいたいところであります。
そこで質問に入るわけでありますが、県内の治安情勢について、昨年の県内の刑法犯認知件数が10年前に比べ2倍になっているとの新聞報道に関し、以下の点について質問いたします。
(1)、県内の犯罪の発生状況について。
ア、少年犯罪の増加について、県警察本部のまとめによりますと、本県の2002年の少年検挙・補導件数は3万3802人で復帰後最悪の数字とのことであります。補導の対象は、ほとんど不良行為となっているようでありますが、刑法犯も増加傾向にあるとのことであります。家庭や学校現場、各地域との連携した防止対策の取り組みが急がれると考えますが、検挙・補導の実態と防止のための対策をいかに考えているのかをお聞かせください。
次に、ストーカー被害について。
県警察生活安全課によりますと、本県におけるストーカー被害の実態は全国でも多い方に入るとのことであります。2001年1月から2002年12月末までの2年間に800件に上っているということでありますが、ストーカー規制法が2000年11月に施行されてから県警によるストーカー被害者の相談、保護に努めてきた結果、実態が明らかになってきたものとされています。
そこでお伺いしますが、ストーカー被害の実態と、なぜ本県が多いのか、本県における特徴は何かを御説明ください。
次にウ、出会い系サイトについて。
児童買春などの犯罪の温床になっているとされている出会い系サイトについては、現在警察庁においてサイトを利用して金銭を見返りに18歳未満の未成年者に対し交際を勧誘することを禁止する法案を検討しているようでありますが、本県における出会い系サイト利用の実態とサイト法規制のねらいについて御説明ください。
さらに、安全・安心な沖縄県をつくるためには県民が一体となって取り組む必要があるわけですが、新聞報道によりますと、県警察では身近な犯罪抑止総合対策を推進しているとのことですが、この対策がどのようなものか、その概要等について御説明していただき、あわせて今後の県民の命と暮らしを守るための髙橋本部長の決意をお聞かせください。
次に13番、長寿県沖縄についてであります。
今、沖縄の平均寿命を支えているのは、沖縄戦から厳しい戦後を生き抜いてこられた高齢者の皆さんであります。
昨年9月の時点で県内の100歳以上の長寿者は過去最多の525人に達し、全国比率で13年連続のトップであり、悲惨な戦争を生き延びてきた、いや生き抜いてきた、生きなければならないという強い意思に支えられ、日々の暮らしの中で豆腐や豚肉など伝統の食べ物をとり、地域社会に支えられ、毎日をおおらかに過ごしているのが長寿の秘訣だと言われております。
私にも祖母がおりまして、うちのオバーはことしで92歳になりますが、毎日野菜づくりやヒージャーに草をやったり、またまた琉舞を習ったりと元気に毎日を過ごしております。
どこの家庭のオジーもオバーも、はつらつと生き生きと過ごしていただければと長寿を祈念するわけでありますが、果たして現代の若い世代が、私たち若い者が80歳、90歳と生きていけるだろうかと私は常々思っております。
そこでお伺いをいたします。
本県の女性は1位を保ったが、男性は4位から26位に後退したとのショッキングな結果が出たのでありますが、本土から見た沖縄の印象は、青い海、独特の文化、健康・長寿という確立された沖縄のイメージでしたが、これがなぜそうなったのか、その原因は何かをお聞かせください。
また、どのような施策を実施していくのか、あわせてお聞かせ願いたいと思います。
次に、小児医療についてですが、これは「はしかゼロ作戦」についてでありますので、そのことについてもお聞かせ願いたいと思います。
それからその市町村の取り組み、さらに風疹の特別措置制度が切れます。これに対する県の対応についてもお聞かせ願いたいと思います。
以上、申し上げまして再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 安次富修議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、イラク攻撃に対する見解と沖縄平和賞についての御質問のお答えでございます。
過酷な沖縄戦の体験や長年にわたる米軍統治、今なお残る広大な米軍基地などから県民は平和への願いと人権の尊厳を肌身で感じており、県としましては、平和の維持・構築に向けて持続的に取り組むものとして沖縄平和賞を創設いたしました。
アジア・太平洋地域の平和が沖縄を含む日本の平和に密接に関係していることから、沖縄平和賞は当該地域の平和・非暴力の実現を促進するものであります。また、本賞を通して平和を希求する沖縄の心が国内外に発信されることは意義深いことであると考えます。
イラク問題など平和を脅かすさまざまな課題を解決し、平和共存の世界を実現していくためには、世界の人々が相互理解に努め、国際連合を中心に連帯して問題の平和的解決に努めることが望ましいと考えております。
続きまして、地位協定改定要求に関する今後の取り組みについてお答えいたします。
政府は、日米地位協定の見直しについて運用の改善により機敏に対応していくと方針を示しておりますが、県としては、運用改善では限界があることは明らかであり、同協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。
日米地位協定をめぐっては、衆議院外務委員会及び衆参両院の沖縄・北方問題特別委員会において、また昨年本県で開催された全国知事会議や日本弁護士連合会において、日米地位協定の見直し決議が採択されるなど、日米地位協定の見直しを求める動きが広がりつつあります。また、去る2月12日には、自民党の国会議員の有志で構成する「日米地位協定の改定を実現し日米の真のパートナーシップを確立する会」と、米軍基地を抱える渉外知事会の知事等との意見交換会が開催されましたが、このような取り組みは日米地位協定の抜本的な見直しに向け大きな力になるものと期待しております。
県は、見直しを求める国民全体の盛り上がりが地位協定見直しの実現につながっていくものと考えており、今後ともあらゆる機会を通じて日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
続いて、県民大会の開催に向けた決意についてお答えいたします。
日米地位協定の抜本的見直しについては、行政の立場でこれまであらゆる機会をとらえ要請活動を展開してきたところであります。県としては、基地問題の解決に当たっては、行政のみならず官民一体となった全県的な取り組みが必要であると考えており、県民大会については各界各層を網羅した全県的な大会であることが必要であると考えております。
続きまして、レンジ10の射撃訓練再開についての御質問にお答えいたします。
昨年7月23日に名護市で発生した被弾事故について、県は事故原因の究明やキャンプ・シュワブ演習場における実弾射撃演習の廃止を要請したところであります。しかしながら、県の要請にもかかわらず事故原因が究明されない中、米軍はあす2月21日に同施設内レンジ10においてM2重機関銃の実弾射撃訓練を再開するとのことであります。
同訓練の再開は、訓練の廃止を求める地元住民、名護市、県の意向や県議会決議等に反するものであり、極めて遺憾であります。県としては、これまでの同施設内における実弾射撃訓練による事故の発生状況や現地の訓練場の状況等を勘案すると、同施設内におけるM2重機関銃の実弾射撃訓練は危険であり、容認できるものではありません。
県は本日、米軍初め関係機関に対しキャンプ・シュワブ演習場レンジ10におけるM2重機関銃の実弾射撃訓練の廃止を申し入れておりますが、今後とも同訓練の廃止を強く求めていきたいと考えております。
続きまして、泡瀬の埋立事業のこれまでの経緯と今後の計画についてお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業については、平成12年12月19日に公有水面埋立免許及び承認を取得し、現在、埋立面積約186ヘクタ-ルのうち、第Ⅰ区域95ヘクタールの埋立事業に着手しております。
平成14年9月30日に開催された環境監視・検討委員会において、海草の手植え移植については適用性が高いとの評価があったことから、当面の工事実施に必要な海草の移植については手植え移植で行うこととして平成14年10月8日から海上工事に着手しております。現在は工事用仮設橋梁、仮設桟橋、護岸等の工事を行っているところであります。
平成15年度は、国が21億円、県は2億1000万円の予算で引き続き埋立護岸等の工事を行う計画としており、平成18年度からしゅんせつ土砂の投入を実施し、平成21年度には第Ⅰ区域の埋め立てを竣功する予定であります。
続きまして、バス統合の問題についてのうち、新会社への出資についてと、出資の時期及び金額についての御質問に一括をしてお答えをいたします。
県としては、バス事業の公共性や経営環境の変化等を踏まえ、出資の方向で検討していきたいと考えております。バス統合による新会社設立は、基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題と考えております。
バス統合は、本島バス4社がみずからの経営判断により乗り合い部門の統合を行い、経営体力の増強を図ることを目的に取り組んでいるものでありますが、現在進められている統合案には、1、新会社の事業経営に対して責任を持って遂行する経営陣やそれを支える企業等を明らかにすること、2、4社労使が合意すること、3、退職金等過去の債務の処理に対する経営責任を明確にすること、4、金融機関からの融資を計画どおり確保すること等当事者が解決しなければならない課題があります。
県としては、第三セクターのあり方や公的資金の使途に対する県民の厳しい目があることから、これら諸課題が当事者において解決されることが必要であると考えております。
このようなことを踏まえ、県は、1、新会社の経営の中核にはならないこと、2、新会社に人的派遣をしないこと、3、金融機関からの融資に対する保証はしないこと、4、4社の責任で対応すべき債務の処理に関し県に新たな支援を求めないこと等を方針として、広く県民の理解を得られるように出資の時期や金額等を慎重に検討していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、米国同時多発テロ事件の教訓をどう生かすのかとの御質問にお答えをいたします。
県、沖縄観光コンベンションビューロー、観光関連業界で構成をする「沖縄観光コンベンション推進協議会」におきましては、平成13年9月の米国同時多発テロ事件が本県観光に及ぼした影響等について昨年の9月に総括をしたところであります。
その中で初期対応の強化、迅速な情報収集・分析・発信、それから県、関係機関、業界との連携、積極的な誘客プロモーションの実施等が特に重要であることが確認されました。県といたしましては、緊急事態に際してはこれらの事項を教訓として的確に対処してまいりたいと考えております。
次に、沖縄観光における危機管理について一括してお答えをいたします。
「沖縄観光コンベンション推進協議会」におきましては、去る2月14日、同時多発テロ事件の教訓を踏まえ「沖縄観光危機管理マニュアル」について協議し、観光危機が発生した場合に行政・民間が一体となって的確に対処することを確認したところであります。
具体的には、沖縄観光に重大な影響を及ぼす可能性のある国内外の情勢について、県・沖縄観光コンベンションビューローは常日ごろから情報収集・集約・状況分析を行い、不測の事態に備えることとしております。
また、緊急事態に即応した対応が必要な場合、県庁内に観光緊急対策班を設置して対策を行うとともに、副知事を本部長に各部局長で構成する「沖縄観光・リゾート・コンベンション推進本部」や、「沖縄観光コンベンション推進協議会」の積極的な活用を図ることにより、県庁内はもとより、行政・民間が一体となって事態に対処することとしております。県といたしましては、昨今の国際情勢について引き続き緊張感を持って情報を収集するとともに、継続的に関係機関と連携を図り、対応に遺漏のないよう努めているところであります。
以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 基地問題について、当面の返還予定地の跡地利用の進捗状況と課題、その解決方法についてお答えいたします。
去る2月12日に開催された第2回跡地関係市町村連絡・調整会議においては、SACO最終報告で示された返還予定地等の関係市町村の跡地利用に関する取り組みや課題等について協議がなされました。
その中で、キャンプ瑞慶覧返還予定部分のうち、宜野湾市地区については、市は平成14年度末には跡地利用基本構想を策定し、15年度を目途に基本計画を策定することとなっております。
また、沖縄市と北中城村にまたがるライカム地区・ロウワープラザ地区については、両市・村が平成15年度から統一案の策定に向けた取り組みを進めることとなっております。
泡瀬ゴルフ場地区については、現在、沖縄新大学院大学の立地候補地として糸満市喜屋武地区、恩納村谷茶・南恩納地区とともに国に推薦されているところであり、新大学院大学に関する動向等を踏まえて跡地利用の促進に係る取り組みを進めることとなっております。
キャンプ桑江北側地区については、平成14年3月に土地区画整理区域の都市計画決定がなされており、返還後の早期の事業着手を目指し、関係者間で連携・協力を図りながら取り組みを進めていくこととなっております。
読谷補助飛行場については、先進農業支援センター等一部事業が具体化していることを踏まえ、村は平成15年度より跡地利用の全体計画の策定に向けた取り組みを進めることとなっております。
これらの跡地利用を進める上での課題としては、文化財調査の円滑な実施、関連調査に係る国の財政支援、返還区域や原状回復措置の具体的内容の早期の確定及び基地内立入調査の円滑な実施などがあります。今後、これら諸課題の解決に向け、跡地関係市町村連絡・調整会議や跡地対策協議会の場を通じて国、県、関係市町村が連携を密接に図りながら取り組みを進めていく必要があると考えております。
次に、給付金支給及び原状回復措置等の政令の制定状況、跡地利用計画策定のための諸調査についてお答えいたします。
大規模跡地や特定跡地の給付金に関する支給期限などについては、沖縄振興特別措置法において返還日の翌日から3年以内に政令を定めることになっており、今後具体的に規定されるものと考えております。
国が行う原状回復措置については、平成14年10月に軍転特措法政令の一部改正が行われ、返還合意後、速やかに策定する「返還実施計画」において汚染物質や不発弾の調査及び除去等に関する事項が明示されたところであります。
また、跡地利用計画策定のための諸調査については、平成13年12月の第6回跡地対策準備協議会において、返還前の早い段階からの埋蔵文化財調査や地権者等意向把握のための調査などについて取り組むべき方針が明記されております。
大規模跡地とその他の跡地の違いについてお答えいたします。
沖縄振興特別措置法においては、大規模跡地の指定を受けた場合、国の取り組み方針の策定や大規模跡地給付金支給の特例措置が適用されることになります。
大規模以外の跡地については、特定跡地の指定を受けた場合、特定跡地給付金支給の適用があるほか、駐留軍用地跡地全体に係る措置として国は必要な財政上の措置その他措置を講ずるよう努めると規定されております。
また、国の跡地対策協議会においては、大規模跡地だけでなくその他の跡地についても個別跡地の特性や課題に応じ、国、県、関係市町村が連携を図りながら取り組みを進めることとなっております。
次に、普天間飛行場跡地利用計画策定についてお答えいたします。
これまでの返還跡地における再開発事業の事例では、跡地利用計画策定のおくれが跡地利用までの期間の主な遅延要因の一つとなっております。
そのため、跡地利用を迅速かつ円滑に進めるためには、返還前の早い段階から跡地利用計画策定に向けた取り組みを進めることが重要と考えております。このことを踏まえ、普天間飛行場の跡地利用計画策定については、宜野湾市及び県は平成13年度より具体的取り組みに着手しているところであり、17年度を目途に跡地利用計画策定の基礎となる基本方針を策定することとなっております。
次に、緑地計画と普天間跡地基本方針についてお答えいたします。
沖縄県広域緑地計画は、広域的な観点から公園の整備目標や緑地の確保水準及び効果的な配置を定めた計画であります。その中で、普天間基地跡地に県民の交流を促進する余暇活動や文化活動の場として、さらに広域防災拠点となる広域公園として「普天間公園」(仮称)を位置づけております。
普天間飛行場跡地利用の基本方針策定については、平成13年度から宜野湾市と県で取り組みに着手しており、平成17年度に取りまとめを行う予定ですが、「普天間公園」(仮称)の取り扱いについては基本方針を策定する中で検討していきたいと考えております。
普天間飛行場の跡地開発についてお答えいたします。
普天間飛行場の跡地利用に当たっては、中南部都市圏における位置づけや周辺市街地整備などに留意し、沖縄の振興をリードする高次都市機能や国家プロジェクトの導入及び基幹道路の整備等総合的かつ計画的に進めていきたいと考えております。
県は、今後、国及び宜野湾市と連携を図りながら、跡地利用の促進に向けて取り組んでいきたいと考えております。
○知事公室長(新垣良光) 基地問題について、基地内への米軍住宅建設についてにお答えいたします。
那覇防衛施設局によると、現在、在日米軍駐留経費負担で実施している基地内の米軍人用住宅建設については、昭和20年代から30年代にかけて建設された米軍人用住宅の老朽化に伴う建てかえであると聞いております。
また、平成2年度以降、新規の家族住宅の整備は行っていないとのことですが、県としては今後とも基地内における米軍住宅建設についての実態把握に努め、適切に対応していきたいと考えております。
地位協定改定要求に関する運用改善の解釈についてにお答えいたします。
平成7年10月の日米合同委員会合意では、「殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場合」に、日本国が行う被疑者の起訴前の拘禁の移転要請について「合衆国は、好意的考慮を払う」、「合衆国は、日本国が合同委員会において提示することがある特別の見解を十分に考慮する」と規定されております。
県としては、この規定に基づき当然に起訴前の身柄引き渡しがなされるべきであると考えておりますが、今回の強姦未遂事件の例でも明らかになったように、その判断基準については米側にゆだねられており、極めて不十分な合意内容であると考えております。
旧軍飛行場用地問題について、市町村の取り組み状況についてにお答えいたします。
県は、旧軍飛行場用地問題について旧地主の要望内容を取りまとめ国に働きかけていくためには、旧軍飛行場用地問題解決促進協議会と一体となって取り組むとともに、県と市町村との連携を密にすることが必要不可欠であると考えております。
このため、去る1月31日、県と市町村の協議・調整の場として副知事と市町村長で構成する「旧軍飛行場用地問題県・市町村連絡調整会議」を設置したところであります。同連絡調整会議において、各地主会の要望内容の取りまとめに際し、地域の問題として関係市町村と各地主会が十分調整を行うことが確認されていることから、今後市町村の取り組みも強化されるものと考えております。
国の姿勢についてにお答えいたします。
旧軍飛行場用地問題については、従来、所有権の返還に関連した問題として取り扱われてきたため国有財産の管理者である財務省と協議を行ってきました。
しかし、同問題が戦後処理問題として新たに沖縄振興計画に位置づけられたことから、今後は内閣府とも協議を進めていく必要があると考えております。そのため昨年11月26日、両省庁に対し、問題解決に向けた協力を要請しました。その際に、財務省は国有財産管理者の立場として、また内閣府は沖縄振興計画を所管する立場からおのおの対応するとの国の姿勢が示されております。
以上です。
○文化環境部長(永山政邦) 環境問題について、平良市最終処分場の現状と対策についてお答えいたします。
県では、平良市産業廃棄物最終処分場についてこれまで大気、水質、土壌等の環境調査及び住民の健康調査を実施し、その結果については地元住民に説明し不安解消に努めてきております。
同処分場内にあった農業用廃プラスチック類の撤去については、沖縄本島の処理施設へすべて搬送され処理されております。
また、処理施設の撤去については、同事業者が関係機関の指導を受けながら撤去に向けての調査を進めております。県においては、これまでの環境調査等に加えて、地質的観点から周辺環境への影響を詳細に把握するため、ボーリング調査や地下水の状況調査等を実施しているところであります。
また、平良市、同市漁協及び地元住民から要望のあった海生生物の汚染物質実態調査については去る1月22日に地元住民及び関係機関と調整を行い、今月中には調査に着手することにしております。
これらの調査結果については、まとまり次第、地元住民等に公表するとともに、その結果を踏まえ、同事業者に対し、必要な対策を講じるよう指示していきたいと考えております。
次に、具志川市の民間最終処分場の現状と対策についてお答えいたします。
県においては昨年11月、同処分場設置者に対して廃棄物の搬入停止及び許可施設以外の場所に埋立処分した廃棄物の撤去等についての措置命令をしたところであります。 現在、同設置者においては、1、処分場の埋立区域外に投棄していた廃棄物の掘り起こし及び移動、2、可燃物の焼却処理、3、のり面の植生整備等の作業を行い、処分場内の改善に取り組んでいるところであります。県では、同処分場及び隣接する場所での浸出水による環境への影響のおそれがあることから、同設置者に対して、環境調査や雨水排除のための側溝の設置等環境保全対策を実施するよう指示しております。引き続き立入調査を実施し、措置命令に基づく改善を行うよう指示していくことにしております。
また、同最終処分場への廃棄物の搬入停止に伴って粗大ごみを同処分場へ委託処理していた島尻消防清掃組合の5町村については、当面、糸満市豊見城市清掃施設組合の協力により同組合の粗大ごみ処理施設を活用して対応することにしております。
また、中城村、北中城村においてはストックヤードを確保し対応することにしております。
続きまして、廃車の不法投棄の現状と防止についてお答えいたします。
平成13年に県が実施した放置自動車実態調査では、県内で約1万8000台の放置自動車が確認され、地域の生活環境や自然景観を損ねている状況にあります。このようなことから、県においては放置自動車の発生を防止する条例を制定した市町村を対象に放置自動車対策事業を実施し、平成13年度には離島23市町村において約1万1000台を撤去いたしました。引き続き平成14年度は、沖縄本島33市町村において約7000台の放置自動車を撤去することとしております。これまで沖縄本島の各市町村においては約700台の放置自動車の所有者を特定し、所有者みずから撤去させております。
また、所有者が特定できない約6300台については、3月末までに撤去することにしております。県としては、撤去後の放置自動車の再発防止を図るため市町村の放置自動車に関する条例の効果的な運用を促進するとともに、市町村、福祉保健所及び警察等の関係機関が連携した合同パトロールの実施などにより不法投棄防止の徹底を図っていきたいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 農地からの赤土流出防止対策につきましてお答えいたします。
農地からの赤土流出防止対策については、「赤土等流出防止対策基本方針」に基づきハード・ソフトの両面から総合的に取り組んでいるところであります。ハードの対策といたしましては、水質保全対策事業により圃場勾配の修正、排水路・沈砂池の整備、グリーンベルトの設置等に取り組んでいるところであります。ソフト対策といたしましては、ヒマワリやクロタラリアなどの緑肥作物による圃場面の被覆等の推進を行っております。
また、平成14年度からは石垣市の轟川流域において、流域環境保全農業確立体制整備モデル事業によりまして具体的な課題の整理や赤土流出防止対策技術の広域的実証などを行うとともに、農家や地域住民が主体的に取り組む「赤土対策モデル方針」を策定をすることといたしております。今後とも、このモデル事業の成果をもとに地元を主体としたより実効性の高い赤土流出防止対策を推進していく考えであります。
以上であります。
○土木建築部長(安慶名正行) 中城湾港泡瀬地区干潟の埋立事業についての環境省の発言と今後の工事への影響についてにお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業に関し、平成14年10月18日に環境省から内閣府に口頭での申し入れがあったと聞いております。その概要は、海草の移植に当たってはあらかじめ計画が作成され公表される必要があること、機械化移植工法の実用化に当たっては慎重な判断が必要であること、クビレミドロの移植についてはⅡ期工事実施前に技術が確立したことの確認に万全を期す必要があることの3点と聞いております。
環境省からの申し入れを受けて、沖縄総合事務局においては環境監視・検討委員会の意見を踏まえて「海草移植計画」を策定し、昨年12月17日に公表したところであります。その後、沖縄総合事務局は12月24日から本年1月末までに手植え移植を行い、現在は機械化移植による減耗対策工法試験を実施しているところであります。
県としては、今後とも国と連携し環境影響評価書等を遵守し、環境保全に十分配慮しながら事業を進めていく考えであります。
○教育委員会委員長(翁長孝枝) 教育関係の養護学校における看護師配置の現状と対応についての質問にお答えいたします。
今日、医療的ケアを必要とする児童生徒に対する学校教育の適切な対応が求められております。県教育委員会では、文部科学省の委嘱を受け看護師による医療的ケアの実践研究を行ってまいりました。実践研究の結果、保護者からは精神的な負担の軽減につながったなどの評価を受けております。
県教育委員会としましては、これらの成果を踏まえ、保護者や児童生徒のニーズ等にこたえるため引き続き看護師を配置することが大切だと考えております。
安次富議員の愛情あふれる御質問の趣旨を踏まえつつ、御指摘いただきました問題に対しましては協議を深め、教育行政としていささかも後退することがないよう努力してまいりたいと思います。
以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育関係について、幼年期の重要性についての御質問にお答えをいたします。
哲学者のロバート・フルガムという方が、「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」という言葉がございます。人間どう生きるか、どのように振る舞い、どんな気持ちで日々を送ればよいのか、私は全部残らず幼稚園で教わった。人生の知恵は、大学院という山のてっぺんにあるのではなくて、幼稚園の砂場に埋まっていたという内容の著書がございます。
言うまでもなく幼児期は、依存から自立へ向かう大切な時期であり、幼児期のさまざまな体験や人との触れ合いを通して、人とのかかわり方や喜び、悲しみ等の感情を味わうとともに、人としてやっていいことや、いけないこと等の道徳性の芽生えがはぐくまれ、また創造的な思考力や主体的な生活態度及び豊かな人間性等がはぐくまれていく大切な時期であると考えております。
次に、幼保一元化についての御質問にお答えをいたします。
従来、幼稚園は学校として、保育所は乳児・幼児を保育する児童福祉施設としてそれぞれの目的や役割を果たしてきました。しかし近年、両者の保育内容に差が見られなくなったことや、地方分権改革推進会議において幼稚園と保育所の一元化が指摘されていることなどから保育制度の見直しが求められております。
県教育委員会は、これまで福祉保健部等関係部局間との幼児教育連絡会において幼保の連携のあり方や幼児教育の環境の整備について論議をしてきたところであります。今後は幼稚園と保育所の一層の連携を深めるとともに、幼保の一元化について国の動向を見据えながら関係機関等と調整を図り、検討していきたいと考えております。
次に、幼稚園教育のあり方及び環境整備についての御質問にお答えをいたします。
近年の少子化や核家族化等の社会の変化に伴い、幼稚園教育のあり方が問われております。
県教育委員会は、平成12年に「幼稚園教育の充実を図る推進委員会」を設置をし、幼稚園教育のあり方や今後の方向性について提言をいたしました。また、「沖縄県幼児教育振興プログラム」を策定し、幼稚園の施設・設備の環境の整備や人的配慮、教育活動の充実や子育て支援等について具体的に示し、幼児が健やかに育つ環境づくりについて積極的に市町村に取り組んでいただけるよう促進をしているところであります。
次に、県立高等学校編成整備計画についての御質問にお答えいたします。
県教育委員会では、自立に向けた持続的発展を支える人材育成の見地から国際化、情報化など社会の急速な変化に的確にかつ柔軟に対応し、新しい時代を担う人づくりなどコンセプトを明確にした学校づくりを進めるため、昨年3月、「県立高等学校編成整備計画」を策定をいたしました。
本計画では、さらに生徒の興味・関心、能力・適性など多様化に対応した学校づくりを推進することとしており、子供たちにとってはそれぞれの興味や適性に応じた進路の選択肢がふえることになります。また、新しい学校づくりを進めるに当たっては、英語教育やIT教育など多様な研修により教職員の資質向上を図ることはもとより、高度な知識・技能を有した人材を広く社会に求め、指導体制の一層の充実を図っていくことといたしております。さらに、各地域の目指す振興の方向やそこで必要となる人材ニーズなど各地域の実情を踏まえ、既存の高等学校を再編するなど全県的なバランス等を考慮して計画を策定いたしております。
次に、中高一貫教育校の課題への対応についての御質問にお答えをいたします。
平成14年度から伊良部地域において連携型の中高一貫教育が実施をされております。
中高一貫教育では、6年間の計画的・継続的な教育指導が展開でき、効果的な一貫した教育ができること等の利点があります。伊良部地域の中高一貫教育校においては、中・高校の合同の部活動やリーダー研修、教員の乗り入れ授業などが行われ、保護者や地域住民から高い評価を受けていると認識をいたしております。
実施後の課題としては、乗り入れ授業による教員の移動に伴う負担や連携3校の時間割編成の問題、施設・設備の整備等があります。これらの課題解決のために、現在、伊良部地域では「中高一貫教育研究協議会」を設置をし、連携3校の相互の教育課程編成や学校行事の日程等の調整が行われております。
県教育委員会としましては、人事面における人的加配を行うとともに、学校運営の充実改善を図るための予算措置をするなど、中高一貫教育が円滑に進められるよう支援をしているところでございます。また、保護者や地域の支援を得て地域の実情や学校の実態にマッチした中高一貫教育が推進されるよう支援していきたいと考えております。
次に、小中一貫教育の導入についての御質問にお答えをいたします。
東京都品川区の「4・3・2制」は、文部科学省の研究開発学校の指定を受け、小中一貫校として小1から小4までの前期、小5から中1までの中期、中2から中3までの後期とした9年間の教育課程の編成を試みる研究であります。現行の小学校から中学校への接続については、児童生徒の発達段階や生徒指導等において検討を要する課題が存在していること等を踏まえ、9年間の一貫した教育課程の編成はそれらの課題にこたえていく研究と考えております。
県教育委員会では、当面、小学校と中学校の円滑な接続を目指し、教員の校種間計画交流や小学校における教科担任制の実施等を通して小学校と中学校の連携強化を図っていくとともに、品川区の研究の成果や文部科学省の動向等を見守っていきたいと考えております。
次に、看護師配置の現状と対応についてお答えをいたします。
近年、養護学校に在籍する児童生徒の障害の重度・重複化の傾向が著しくなっており、たんの吸引、経管栄養、導尿など医療的ケアを日常的に必要とする児童生徒の実態があります。
県教育委員会では、平成13・14年度に文部科学省の委嘱を受けて県立鏡が丘養護学校を実践研究校に指定をし、看護師を配置して特殊教育における福祉・医療等との連携に関する実践研究を行っております。この実践研究で看護師による医療的ケアを実施した結果、児童生徒の欠席日数が減り体調もよくなる等の兆候があらわれ、保護者にとっては安心して登校させることができる等の精神的な負担の軽減につながっております。県教育委員会としましては、これらの成果を踏まえ引き続き看護師を配置できるよう努力していきたいと考えております。
次に、産業界の要望する人材の育成についての御質問にお答えをいたします。
21世紀を迎えた今、本県は、自立に向けた持続的発展の基礎を築くべき重要な転換期を迎えており、新しい県づくりを進める上で教育の果たす役割は極めて重要であります。
県教育委員会では、国際化、情報化に対応し、新しい時代を担う人づくりを目指して小学校段階から英語教育を実施するレッツ・トライ・イングリッシュ推進事業やIT教育センターを活用した発展型IT学習事業などに取り組むとともに、夢にチャレンジ社会体験事業などを通して勤労観や職業観の育成に努め、将来の進路選択に役立てることといたしております。
また、高等学校においては、平成14年度を初年度とする県立高等学校編成整備計画に基づき新しいタイプの学校として総合実業高校、情報技術高校などを設置し、本県産業界が要望する人材を初め21世紀を担う国際性、創造性に富む多様な人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
教育関係についての全国生涯学習フェスティバルについての御質問にお答えをいたします。
「第15回全国生涯学習フェスティバル」は、平成15年11月27日から12月1日にかけて沖縄コンベンション施設を主会場に開催を予定をいたしております。
大会は、広く国民一般に対し、生涯学習に係る活動を実践する場を全国的な規模で提供すること等により国民一人一人の生涯学習への意欲を高めるとともに、学習活動への参加を促進し、もって生涯学習の一層の振興に資することを趣旨として開催するものであります。
大会規模については、協賛期間3カ月間の各市町村の生涯学習関連事業等を含めて延べ60万人を想定をいたしております。
内容については、市町村、団体、企業等の生涯学習活動を紹介する「生涯学習見本市」、児童生徒が先端科学の状況を学習・体験できる「未来科学広場」、県内外の生涯学習関連団体が参加する「体験広場」、各サークル等が日ごろの生涯学習の成果を披露する「舞台発表」等を計画をしております。
大会までの広報については、各市町村、学校等へのポスター等の配布、大会開催までの残日数を示す残暦盤の設置等を行ってまいりました。今後とも国民・県民へのPRに努め、多くの方々が全国生涯学習フェスティバル会場へ来場をしていただけるよう努めていく所存であります。
また、本県で全国的な生涯学習フェスティバルが開催されることにより、県民がより身近に生涯にわたり学ぶ必要性、学ぶ喜びを感じ生涯学習への興味・関心を呼び起こして本県の生涯学習振興につながると考えております。
以上でございます。
○総務部長(當銘直通) 私立学校の育成についてお答えいたします。
私立学校は、建学の精神と独自の校風のもと、特色ある教育を実践しており、学業面の実績、スポーツなどの部活動における活躍を高く評価しているところであります。
県では、私立学校が公立学校と同様、教育の一翼を担っていることを考慮し教育条件の維持・向上、在学する生徒などの経済的負担の軽減を図るとともに、経営の健全性を高めるため運営費補助、教職員の共済事業補助等助成策を講ずるほか、運営資金の需要に対応するため融資あっせん用の資金を貸し付けております。特に私立幼稚園については、個人立等幼稚園を含む運営費補助、魅力ある園づくり推進事業補助、新築並びに改築の際の施設整備補助等を実施し育成を図っているところであります。
今後とも施策の充実に取り組み、私立学校の健全な発展に努めてまいりたいと考えております。
○商工労働部長(花城順孝) 中小企業に対する金融支援対策の現状についてお答えをいたします。
県では、中小企業者の事業活動に必要な資金の調達を円滑化し経営の安定を促進するため、時代の変化等に適切に対応した制度融資の見直し・改善を常に行っております。
地元3行の融資残高の推移を見ますと、平成14年10月では対前年同月比マイナス0.3%と3カ月連続の減少をしておりまして、県内中小企業者の資金調達環境は悪化しているものと考えております。そのことを踏まえまして、県単融資制度においては平成13年度以降融資期間の延長、保証料率の引き下げ、貸付利率の引き下げを段階的に行ってまいりました。
貸付金利の引き下げにつきましては、昨年11月18日付で県単の4資金について0.05%から0.2%の金利の引き下げを行っております。また、平成15年度は売り上げが低迷している中小企業者や取引先企業の倒産によって、資金繰り等が悪化している中小企業者等を対象とする新しい県単の融資制度として中小企業セーフティーネット資金――まだ仮称でございますが――を創設いたします。また、企業立地推進貸し付け、経営振興資金、創業者支援資金については融資枠を拡大いたします。
ちなみに、県単融資の実績でございますが、平成13年度の融資実績は件数が1041件、金額で72億6992万円となっております。12年度と比較して件数で70件の減少、金額では1億144万円の減少となっております。
また、平成14年度の実績については、今年の1月末現在で件数が868件、これは対前年比で3.4%の減でございますが、金額にして61億5721万5000円で対前年比で0.9%の増という状況でございます。
それから、保証協会に対する財政措置等支援についての御質問にお答えをいたします。
信用保証協会は、信用保証業務を通して県内中小企業者の金融の円滑化を進め中小企業の健全育成を図ることを目的としておりまして、経営の安定化を図ることは大変重要であると認識をしております。現在、同協会の平成15年1月末の基本財産は114億7573万3000円となっており、この結果、信用保証の担保となる保証債務総額は約4000億円となっておりまして、1月末の保証債務残高1685億5377万円と比較しても十分に保証承諾能力に余裕があります。これは保証限度額のまだ42%でございまして、まだ十分余裕があるということでございます。したがいまして、保証渋りにつながる事態の発生が起こる可能性はないと考えております。
しかしながら、同協会の経営につきましては、長引く不況による一般保証の代位弁済の増加によって今年度も赤字が見込まれており、保証協会の経営安定化のため国や金融機関等とも相談をしながらどのような支援ができるか検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス4社統合問題に関連しての御質問にお答えをいたします。
まず1番目に、都市部交通体系の再編成の観点からのバスの問題をどうとらえるかという御質問にお答えをいたします。
県では、平成14年3月に策定をいたしました「沖縄県総合交通体系基本計画」で既存道路網やバスネットワークなど、既存ストックを活用した段階的な施策の検討促進を図ることとし、現在、モノレールの整備の中で取り組んでいるシームレスな交通結節施設の整備やモノレール郊外駅でのパーク・アンド・ライド、バス・アンド・ライドシステム等の導入の促進など各種ソフト施策の推進が必要であるとしております。
現在、都市モノレールとバスの利用者利便性の確保やその合理的機能分担を図るため、バス路線再編実施案検討委員会が策定している「バス路線再編実施案」に基づき4社と細部の協議を行っております。県としては、バス統合問題にかかわらずモノレールとバスの合理的機能分担が図られ、互いにその機能を発揮し公共交通サービスの向上を図る必要があると考えております。
次に、公共事業としてのバス事業に対する基本的な県の考え方の御質問についてお答えします。
バス事業、とりわけ乗り合いバス事業は、通勤・通学、通院、買い物等の地域住民の日常生活を支える公共交通機関として重要な役割を果たしてきております。乗り合いバス事業は、従来、既存路線の権益を守ることにより黒字路線の収益を赤字路線に補てんし、安定的かつ良質な輸送サービスの供給を図るとの趣旨から新規参入や撤退の規制がなされてまいりました。
その反面、既存路線の権益が守られることによって既存事業者の効率的な事業運営努力が阻害されるという制度的な短所があると指摘されているところでありました。
経済社会が成熟した現在、社会全般における規制の緩和や撤廃により経済社会を活性化していくという情勢の中で、平成14年から乗り合いバス事業の規制が緩和され、新規参入及び路線廃止が容易になっております。その結果、バス事業者から赤字不採算路線の廃止表明が出てきた場合には国、県、市町村、関係者等で構成する沖縄県生活交通確保協議会において生活バス路線の運行などに対する補助や代替交通手段の確保等について協議を行い、地域の生活に必要な交通手段の維持・確保を図ってきております。県といたしましては、今後とも引き続き沖縄県生活交通確保協議会での協議を踏まえ、生活バス路線の維持・確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 県内の治安情勢についてのうち、まず少年犯罪の実態と防止のための対策についてお答えいたします。
県内における昨年中の刑法犯認知件数は2万5000件を超え、10年前に比べますと2倍強となり、5年連続最悪の記録を更新しております。また、刑法犯で検挙された人員は3834人で10年前に比べ2倍近くになっており、捕まえても捕まえても犯罪が減らないという厳しい状況にあります。
なお、検挙人員のうち少年が約4割を占めており、少年非行問題が良好な治安を確保する上で大きな課題となっております。
平成14年中、県警が検挙・補導した少年は3万3802人で、前年比5669人、20.2%も増加しております。そのうち刑法犯を犯した少年は1557人で前年比188人、13.7%の増加となっております。
刑法犯少年の特徴を申し上げますと、1つは低年齢化であります。今週18日には沖縄市で小学6年生と中学1年生の少年が歩行中のお年寄りの財布をひったくる事件がありましたが、低年齢化を象徴しています。
また、全国では刑法犯少年のうち高校生が37.6%と最も多いのに対し、本県では中学生が726人、46%と最も多く全国の1.4倍となっております。
もう一つの特徴は、質的に悪質であるということです。窃盗犯少年のうち、一般的に凶悪犯に移行する可能性の高い侵入盗で検挙・補導された少年の割合が本県は16.6%と高く、全国の約3.7倍となっております。
次に、昨年不良行為で補導された少年は3万2173人で前年比5475人、20.5%増加し、復帰後初めて3万人を超えております。
不良行為少年の特徴の一つは、深夜22時から午前4時に補導される少年が2万3714人と多く、全体の約74%を占めていることです。そのうち深夜徘回で補導された少年は1万6822人で、少年人口1000人当たり64.9人で全国の約2.5倍となっております。
特徴の2つ目は、家出、無断外泊で補導される少年が少年人口1000人当たり2.6人で全国の約4.1倍となっていること。
3つ目は、飲酒で補導される少年が少年人口1000人当たり17人で全国の約9.5倍となっていることであります。
昨年10月には、母親が息子とその友人を自宅で飲酒させ、友人が酒に酔って転落死するという事故も発生しています。本県において未成年者の飲酒に対する大人の甘い実態をあらわす事件であり、県警は母親や酒類を販売した店を事件送致し厳しく対処したところであります。
次に、対策面でありますが、県警としましては、「未来を担う青少年の健全育成」を引き続き活動重点に掲げ、非行少年等の検挙・補導活動を強力に推進するとともに、少年サポートセンターを中心とした非行少年や被害少年の立ち直り支援、居場所づくり活動、交番所長等による非行防止教室の開催など少年非行防止対策を推進しております。
また、沖縄県少年育成ネットワーク活動を充実・強化し、酒、たばこ販売時の年齢確認の実施と未成年者への販売禁止についての指導の徹底、携帯電話会社との出会い系サイト利用に係る被害防止等の有害環境浄化対策の推進、深夜徘回防止などを図るための関係機関・団体、地域住民あるいはボランティア組織と連携した合同街頭補導活動など学校、家庭、地域、関係機関等と連携しながら総合的な少年非行防止対策を推進しているところであります。
次に、ストーカー被害の実態と本県における特徴についてであります。
平成12年11月のストーカー規制法施行後、昨年末までに警察が認知したストーカー事案は818件であります。昨年6月までの全国統計では人口10万人当たりの認知件数は、本県が約49件で全国で最も多くなっております。なぜ多いのかということにつきまして詳細な分析は申し上げられませんけれども、本県においては県内の女性団体等関係機関による広報・啓発活動や、被害者支援活動が活発に行われていることなどにより女性の被害意識が高まったこと、警察としましても相談体制の強化、相談窓口の広報を徹底したことにより積極的な被害親告がなされたことなどが要因として挙げられます。
この818件の内容を見てみますと、ストーカーの被害者は754件、92%が女性で、行為者は705件、86%が男性でありますが、女性によるストーカーも89件認知しております。
被害者と行為者の関係は、配偶者や交際相手──いずれも元を含みますが──これが630件、77%であり、その他知人や職場の同僚などとなっています。
ストーカーの動機として多いのは、怨恨の感情によるものが438件、次に好意の感情によるものが326件であります。昨年は、元交際相手の女性宅へ押しかけたり、無言電話を繰り返した男をストーカー規制法違反で検挙したほか、ストーカー行為がエスカレートした傷害事件や住居侵入等他の法令違反で58件、これは対前年比で20件増加ですけれども、58件検挙しております。
また、元妻などに復縁を迫ったり、面会を求めたりといった義務のないことを要求するなどした男性10人と女性1人に警察署長からストーカー規制法に基づく警告を11件──これは対前年比7件増加ですけれども──発しております。
次に、本県のストーカー行為の特徴について昨年上半期の数字で全国比較して申し上げますと、1つは、ストーカーの被害者と行為者の関係は、全国では配偶者──これは元を含んでいますけれども──配偶者が15%であるのに対し、本県は31%と2倍以上であるということ。
もう一つは、当事者の年齢については、行為者は全国は20代が多いのに対し本県は40代が多く、被害者は40代の比率が本県では23%と全国平均の約2倍近く多いということが挙げられます。
それからもう一つ、行為の動機では、全国は好意の感情が55%、怨恨の感情が38%という順番でありますけれども、本県は逆に怨恨の感情が52%、好意の感情が42%の順番になっているという特徴があります。
警察といたしましては、引き続きストーカー相談を適切に受理するとともに、被害者の保護対策に万全を期していく所存でございます。
次に、本県における出会い系サイトの利用の実態とサイト法規制のねらいについてであります。
県内における出会い系サイト利用の実態は、出会い系サイトの数が膨大であり、また匿名性を利用しているなどの理由でその実態を把握することは困難であります。
昨年14年中に県警が検挙した事件で申し上げますと、出会い系サイト利用に係る児童買春事件は1件、沖縄県青少年保護育成条例違反事件は4件、合計5件であります。ただ、全国では出会い系サイト利用に係る児童買春事件の検挙件数は787件となっております。
出会い系サイト利用の犯罪は、携帯電話やパソコンの普及で本県でも今後ますます増加することが予想され、法的な規制により犯罪を未然に防止する必要があると考えております。
警察庁では、児童の犯罪被害を防止して健全育成を図ることを目的として出会い系サイトを法的に規制する新規法案を今国会に提出する準備をしていると承知しております。
その主な法規制のねらいと内容は、出会い系サイト利用者に対する規制として、児童との性交等の交際の勧誘行為を禁止すること、出会い系サイト運営者に対する規制として児童による出会い系サイト利用防止を図る措置をとらせること、児童の保護者等について、児童の出会い系サイト利用防止のための指導等の措置の実施責務を明確化することであると承知しております。
次に、県警察で推進しています「身近な犯罪抑止総合対策」の概要及び今後の県民の治安を守る決意についてであります。
先ほども申し上げましたとおり、県内における昨年中の刑法犯認知件数は2万5000件を超え、5年連続最悪の記録を更新しております。このまま推移しますとさらに犯罪が増加し、沖縄の治安が崩壊しかねない状況になってくることから、検挙だけではなく犯罪の発生そのものを抑えることが重要になってきております。
そこで、このような認識のもと、近年急激に増加し、アンケート調査等でも県民が身近に不安を感じている空き巣ねらい、車上ねらい、オートバイ盗などを身近な犯罪と位置づけ、昨年12月、警察本部に「身近な犯罪抑止総合対策本部」を設置しております。
全国的にも刑法犯の認知件数が7年連続して戦後最多を記録するなど極めて憂慮すべき状況にあることから、警察庁及び各都道府県警察においても街頭犯罪等の抑止施策を推進しているところであります。
例えば大阪府におきましては、ひったくりや路上強盗等の街頭犯罪が増加し、刑法犯が東京都を上回り全国最多を記録するに至ったことから、犯罪を防止するため警察、自治体、事業者、府民がそれぞれの立場で実施すべき施策を定めた「大阪府安全なまちづくり条例」を制定し、昨年4月1日から施行し各種取り組みを行っております。
また、広島県においては刑法犯認知件数が過去最高を記録し、暴走族等の問題が深刻化したことから県民が一体となって犯罪を減少させるため、知事を議長とする「広島県「減らそう犯罪」推進会議」を設立し、県民総ぐるみで運動を推進しております。
県警におきましては、ことしの1月1日から犯罪発生実態の分析に基づき犯罪多発時間帯・場所に警察官を集中配置し、検挙・抑止活動を推進するとともに、県民の自主防犯活動の推進に資するため犯罪情報の積極的な発信などの施策を強力に推進しております。
しかしながら、犯罪抑止は警察のみでは到底達成できるものではなく、県や関係機関・団体、事業者、県民と一体となった総合的防犯活動の推進が不可欠であることから、犯罪のない安全・安心な沖縄県をつくるためには県民が自主的、積極的に参加できる体制を構築していくことが必要であると考えております。
県警察では、本年を「治安回復元年」と位置づけ、総力を挙げて「身近な犯罪抑止総合対策」を推進してまいりますので、県民各層の御支援、御協力をよろしくお願いいたします。
以上です。
○福祉保健部長(新垣幸子) 長寿県沖縄が後退した原因と今後の取り組みについてお答えします。
本県のこれまでの平均寿命が高かったのは、三大生活習慣病のがん、心臓病、脳卒中による死亡率が低かったことが挙げられます。しかしながら、最近のこれらの死亡率を見ると、全国に比べて減少速度に鈍化傾向が見られます。
男性の順位が低下した原因は、心臓病、脳卒中の死亡率低下が鈍化したこと、肺がん、自殺、乳幼児の死亡率が高いこと、肝疾患、糖尿病の死亡率が上昇したことなどが考えられます。そのような結果、男性の平均寿命の順位が4位から26位に後退し、長寿県沖縄の地位が揺らぎ始めております。
県におきましては、長寿県の地位を維持するためには、まず県民一人一人が改めてみずからの健康について考え、生活習慣等を改善するなど主体的に健康づくりに取り組むとともに、家庭、地域、学校、職域、行政など社会全体が緊密な連携のもとに個人の健康づくりを支えていくことが重要なことと考えております。先人たちの築き上げた食文化、生活様式など長寿の要因を検証し、長寿県沖縄という財産を守るため「健康おきなわ2010」等による施策を展開し、「健康おきなわ2010推進県民会議」を中心に全県民挙げての健康づくり運動を推進してまいります。
はしかゼロ作戦の充実について。
はしかは、予防接種を受けることで予防可能な病気ですが、県内の予防接種率は63.9%と低い状況にあり、このことが県内ではしかの流行が繰り返される要因になっていると言われております。
この状況を改善するため小児科医が中心となって平成13年4月に「はしか“0”プロジェクト委員会」が発足しております。その活動の一環として、県においても「はしか“0”キャンペーン週間」を設定し、シンポジウムを開催するなどにより県民への周知を図っているところです。
予防接種の実施主体は市町村ですが、県としては市町村におけるはしかの予防接種状況の調査及び普及・啓発を行うため平成15年度予算として事業費を計上いたしました。今後とも、「はしか“0”プロジェクト委員会」等関係機関と連携を図り、広域的に予防接種を受けることができる体制づくりなどを検討していきたいと考えております。
また、風疹については、一部の年齢を対象とした予防接種の経過措置が平成15年9月に終了するため定期の予防接種とあわせて普及・啓発を行い、予防接種率向上に努めていきたいと考えております。
○安次富 修 なぜ県民大会が難しいのか、公室長、お答えを願いたいと思います。
以上、ありがとうございました。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
県民大会を開催するためには、より効果的なタイミングを図ることが大切であると考えております。県民の盛り上がりや大会の規模などを十分に考慮しながら各界各層を網羅した全県的な大会になることが必要であると考えております。
ちなみに、平成7年の県民総決起大会は県議会全会派が提起して取り組みがスタートし、県議会議長を実行委員長として53市町村と各議会、主要な経済、労働、市民団体など320団体から成る超党派の実行委員会が組織され、その結果、多数の一般市民が参加した画期的な大会が実現したものと理解しております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時44分休憩
午後4時7分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
西銘恒三郎君。
〔西銘恒三郎君登壇〕
○西銘恒三郎 自由民主党を代表いたしまして質問を行います。
米軍基地問題について。
普天間飛行場移設問題の経過7年間を振り返ってみます。5分ぐらいで振り返ってみようと思います。
平成8年4月12日、日米両国政府が普天間飛行場返還を合意しております。橋本総理とモンデール駐日大使の記者会見であります。
同年4月15日、SACO中間報告の発表であります。
12月2日、SACO最終報告の発表であります。
翌年平成9年11月5日、政府が海上ヘリポート基本案を名護市及び沖縄県に提示しております。
12月21日、海上ヘリポート建設問題で名護市の市民投票が行われました。
12月24日、比嘉鉄也名護市長が受け入れの表明をし、その後辞職しております。
平成10年2月6日、大田県知事が政府のヘリポート基本案に反対の表明をしております。
2月8日、条件つき建設賛成派の岸本建男氏が名護市長に当選をしております。
5月7日、沖縄県が普天間飛行場の県外移設を正式に要請。
5月15日、大田県知事が7度目の訪米で海上ヘリポート基本案は受け入れられないことを説明しております。
11月15日、県知事選挙で海上ヘリポート基本案にかわる軍民共用空港建設を主張した稲嶺惠一氏が当選しております。
平成11年11月22日、稲嶺県知事が移設候補地を「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」に決定しております。
12月27日、岸本名護市長が移設の受け入れを表明しております。
12月28日、政府「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定しております。
平成12年2月10日、「北部振興協議会」及び「移設先及び周辺地域振興協議会」が設置されました。
2月20日、河野洋平外務大臣が訪米し、オルブライト国務長官と会談しております。
5月31日、「跡地対策準備協議会」の設置。
8月25日、「普天間飛行場代替施設に関する協議会」の設置。
10月3日、第2回代替施設協議会の開催。
10月31日、第3回代替施設協議会の開催。
11月29日、第4回代替施設協議会の開催。
年を越して平成13年1月16日、第5回代替施設協議会の開催。
3月6日、第6回代替施設協議会の開催。
3月19日、日米首脳会談。森総理大臣とブッシュ大統領の会談であります。
6月8日、第7回代替施設協議会において3工法8案が提示されております。
6月30日、日米首脳会談。小泉総理大臣及びブッシュ大統領の会談であります。
12月27日、第8回代替施設協議会。建設位置をリーフ上に決定しております。
平成14年2月3日、名護市長選挙で岸本建男氏圧勝・再選。
4月1日、沖縄振興特別措置法の施行。
7月29日、第9回代替施設協議会。普天間飛行場代替施設基本計画が決定されております。
11月17日、県知事選挙で稲嶺惠一氏歴史的大差で再選。
本年平成15年1月28日、代替施設建設協議会の発足。
以上が今日までの7年間の経過であります。
これらの32項目それぞれに歴史が積み上げられてきております。この7年間に橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗、小泉純一郎といった歴代の内閣や、名護市及び沖縄県が積み上げてきた努力を我が党は県政与党として推進する立場であります。
そこで伺います。
質問1、麻生政調会長や下地代議士の発言に見られる嘉手納基地への統合案について、稲嶺県知事の明確な答弁を求めます。
2、15年問題についてでありますが、稲嶺県知事の沖縄県政上における歴史的な使命は、市街地のど真ん中に位置する普天間飛行場を現実に移設することであります。石橋をたたきながらもゆっくりと、ゆっくり、さらにゆっくりと渡らざるを得ないほどに失敗の許されない普天間飛行場の移設問題であります。ユニラテラリズム(単独主義)を突っ走るブッシュ米国政府や、日米同盟の我が国政府を相手にイラクの問題や北朝鮮の問題まで複雑に絡む世界情勢の中で、アメリカ合衆国の歴史よりももっともっと蓄積のある歴史を持つ我らの稲嶺惠一琉球王は、琉球王朝の歴史の知恵をどのように生かしてこの言語修辞上の最大の難問とも言われるいわゆる15年問題の解決を図っていくのか、お尋ねをいたします。
質問3、去る1月28日に設置された代替施設建設協議会は、次の開催時期を含め今後どのようなスケジュールで進んでいくのか。また、これまでの協議会とは何が違うのか。今後の課題や県の対応についてお伺いいたします。
質問4、環境影響評価の実施はいつから始まるのか、また何年ぐらいかかるのか、あわせて伺います。
質問5、使用協定については平成14年7月29日、国、県、名護市の三者で基本事項の合意がなされたようでありますが、今後の段階的な協議はどうなっていくのかお尋ねをいたします。
質問6、北部訓練場のヘリパッドについては、環境調査はいつ終了するのか、規模の縮小は考えられるのか、県の基本的な考え方を説明してください。
那覇港湾施設の移設について。
軍港の移設について。
質問7、第4回の「那覇港湾施設移設に関する協議会」で移設先の位置や形状案が示されましたが、代替施設の建設に向けての今後のスケジュールと完成予定時期について説明してください。
質問8、現在の軍港及び対岸の那覇埠頭や泊港の今後の利用形態はどうなるのか説明してください。
質問9、香港や上海、そしてシンガポールの港湾の現状を見るとガントリークレーンの多さや物量の多さに圧倒されてしまいますが、那覇港湾を我が国と東アジアの中で基本的な構想をどう位置づけていくのか説明を求めます。
次に、那覇空港の沖合展開についてであります。
質問10、国の答申では「総合的な調査」の必要性が指摘されましたが、県はこれからどのような戦略で滑走路増設に向けて取り組んでいくのか。また、国の次期空港整備長期計画の策定スケジュールはどうなっているのか。さらには自衛隊との話し合いはどうなるのかお伺いをいたします。
行財政改革について。
我が国の平成15年度政府予算案を見ますと、国債発行が36兆4450億円となり、対前年比21.5%の増加であります。そして、平成15年度末の国債発行の残高が450兆円になる見通しとなっております。
一方、我が沖縄県の平成15年度予算案では、県債の発行が785億4400万円となり、県債残高は平成13年度で5873億円であります。国と全国の地方の借金の残高を合計するとおおよそ700兆円とも言われております。すなわち国も地方も借金だらけという現実であります。
このような状況下でデフレが長引き税収増も期待できません。我が沖縄県の財政は、約75%が国に依存をしております。ますます厳しい財政運営に直面していると言えます。
そこで伺います。
質問11、歳入の面で、自主財源の確保に向けて将来歳入増が見込める税源をどこに求めていくのか、具体的な目標があれば説明をしてください。
12、歳出の面で、外郭団体の統廃合について専門委員会の検討結果が出されましたが、いかにその実効性を高めていくのか具体策を説明してください。また、歳出を県民が必要とする効率的な運用をするためにもむだな、余分な歳出はカットしなければなりません。具体的に予算案で説明してください。
離島振興について。
離島は、その周辺、経済専管水域200海里を含めて我が沖縄県の県益のみならず、我が国の国益にとっても極めて重要な位置を占めております。単なるグローバリゼーションや経済効率の尺度で判断すべきではありません。その島々の持っている風土や歴史や文化、社会、すべてを総合的な視点でとらえるべきであります。同時に県益、国益の視点を加えて総合的な施策を展開すべきと考えます。沖縄振興特別措置法に指定された離島は55島、そのうち有人離島は40島あり、平成12年国勢調査の人口は12万8694人、県人口の9.8%を占めております。
質問13、離島は宿命的に高齢社会の人口構成になります。その現状で保健・医療・福祉・介護の分野で重点的に取り組んでいる施策を新年度予算で説明してください。
次に、民間活力と地域振興についてであります。
我が国を取り巻く内外の時代環境は大変厳しく、国内環境に限定すれば、今、家計単位の個人消費も視点を変えて見ますと買うものが一段落をして、あえて消費せず将来の不安に対処するべく構えているというのが現実ではないかと考えます。しかし、政府や地方自治体がなすべきことは山ほどあります。すなわち公共財、公の部門の方向性を示しながら国家や地域社会のあり方を民間部門と一緒になって考えることであります。
例えば、都市と農村のあり方、文化とは、教育、家族、資源、エネルギー、安全保障、市場、食の安全、危機管理、貨幣価値の維持、廃棄物の処理、公共交通等々公の部分がしっかりと守るべきところを守った上で、民間部門と協力をして国づくりやまちづくりや地域振興策を展開していくべきと考えます。
そこで伺います。
質問14、バスターミナル、旭橋周辺地区の再開発事業について、都市計画決定に向けてのスケジュールはどうなっていますか伺います。また、那覇市の農連市場や栄町市場の再開発はどうなっていますか。国際通りの活性化策についても説明してください。
次に、農林水産業についてであります。
質問15、県内の第1次産業就業者数の推移を復帰30年間見てみますと、昭和47年第1次産業6万6000人の就業者人口が平成13年で3万6000人まで減ってきております。就業者人口の構成比で見ますと、復帰の年の18.1%から6.2%まで減少してきております。この人口の推移を県はどのように認識していますか。また、地産地消やスローフードの概念をどう考えますか。第1次産業全般についての県の考え方を伺います。
質問16、食の安全についてであります。
農薬は、農薬取締法に基づき農林水産大臣への登録が必要であります。登録されていない農薬が輸入され、誤って農作物に使用された実態が全国で見られるようであります。
農林水産省の集計によりますと、平成14年12月11日現在で44都道府県、269の業者、3917の農家が無登録農薬の使用に関与していたという報道もあります。観光立県の我が沖縄でかかわりがないことを期待しつつ、県の現状及び指導体制についてお伺いいたします。
質問17、「お魚センター」構想については、その後の話し合い及び経過はどうなりましたか、説明してください。
質問18、松くい虫防除対策はどうなっておりますか。いつごろ完全にゼロ達成できますかお伺いいたします。
次に19、都市モノレールについてでありますが、供用開始の日付を質問したんですが、もう既に8月10日と出ております。もうちょっと与党にも気を使っていただけたらありがたいなと。最近、我が与党会派の中で、執行部は与党をちょっと軽く見ているんじゃないかという声も出ておりますが、明確な日付はいいといたしまして、モノレール駅とバスやタクシー、自転車、車いすなどとの連携を初め、利用者の視点で利用しやすい全体的なシステムにどう取り組んでいるのか、運賃を含めてすべての施策の説明をしてください。
ちなみに、世界の環境首都と言われておりますドイツのフライブルクという町は、人口20万人ぐらいでありますけれども、旧市街地は乗用車の乗り入れを禁止し、路面電車や、あるいは国鉄や、直線距離にしますと東京と博多ぐらいの距離、これを乗り放題にしていると。あるいは1年間の環境定期券を買うと乗り放題で土・日の休みは家族6人までこの環境定期券というもので乗り放題にしていると、こういうようなまちづくり施策もあるようですが、これは運賃補助かどういう形かはわかりませんけれども、このフライブルクの町、人口20万の町ですけれども、10億ぐらいの助成措置を毎年やっているというのが出ておりました。そこまでやれとは言いませんけれども、モノレールやバスの問題を考える上で運賃を安く設定をし、利用しやすいようなシステムをつくるという意味で県民の理解が得られるのであれば、年間幾らぐらいの助成措置も考えられるのかなという意味で例え話としてお話をしておきます。
質問20、モノレールの将来の延長計画について、現時点での考え方をお伺いいたします。
新石垣空港について。
21、建設予定地の用地取得はいつ完了するのか、今後の着工に向けたスケジュールを説明してください。
質問22、県営住宅の家賃徴収や管理業務を民間へ委託するには条例改正が必要とのことでありますが、いつごろをめどに条例改正に着手するのか、県の考え方をお伺いいたします。
次に、文化の振興についてであります。
文化とは、人々の「生き方である」小林秀雄、「暮らし方である」田中美知太郎、「精神の型である」三島由紀夫、「精神の形である」福田恒存。
人生の先人たちの表現であります。生き方や暮らし方の「かた」も、もともとは形と同じ語源であると言われております。地球上の60億人のそれぞれの生き方や暮らし方や精神の形があることを思うときに、まさに文化の多様性が現実に目の当たりに浮かぶ思いがいたします。
伝統を学ぼうとするときに、先人たちの言葉をかりますと、形を徹底的に学んだ上で初めてその基礎・伝統の上にその人の個性があらわれるそうであります。我々凡人は、形を学ぶ段階で挫折するのが落ちであります。
さて、我が沖縄県の美術館・博物館のあり方についてでありますが、まず第1に、この沖縄の歴史・風土・文化にはぐくまれたものを徹底的に掘り起こしていくという基本理念が最も重要な大黒柱だと認識をいたします。すなわち、陶芸、ヤチムンでは日常生活に深くかかわり、イギリスのバーナード・リーチや益子焼の浜田庄司先生が絶賛した壺屋のヤチムンなど荒焼や上焼など、織物では芭蕉布、宮古上布、八重山上布、読谷山花織、久米島つむぎ、首里の織物、紅型など、漆工芸やガラス工芸など数え上げれば切りがありません。
第2に、美術品や工芸品にしても見学者や年間500万人近い観光客を明確に意識して徹底的に参加をさせることであります。例えば、焼き物を見学者みずからつくってもらい、後で郵送できるようなシステムとか、子供たちには夏休みの宿題、絵画や工作物などをそこでつくれるように芸大の学生に敷地内でアルバイトをさせて、子供たちとの交流ができるとかであります。つまりアトリエタイプの美術館・博物館であります。
第3に、県がみずから世界の一流品を収集するのではなく、美術品や工芸品にしても世界一流の職人と地元作家との交流で互いに刺激を与え切磋琢磨していくことであります。例えば、中国と琉球の沖縄の職人による漆工芸展とか、イタリアのベネチアやチェコと琉球のガラス工芸の企画展、あるいは世界各地と琉球の島々の織物展など、一流の職人同士の交流を含めた企画展などであります。
第4に、福建省の琉球館に見られるような交流の歴史を現代に生かしていくことであります。中国やアジア各地との沖縄の美術家の作品展とかであります。
要するに、東京や世界じゅうの美術館・博物館を目標にするのではなく、沖縄そのもの、みずから立っているところを深く深くマンダチしながら深く掘り起こしていくことが必要ではないでしょうか。先人たちの歴史に学びアジアに目を向けつつ、世界に開かれた文化の構築という基本理念が観客者の求めているものではないでしょうか。これらの周辺からどんな小さなビジネスチャンスが生まれてくるかわかりませんが、想像するだけでわくわくしてまいります。
そこで伺います。
質問23、文化振興の美術館・博物館についての基本理念について説明してください。また、建設のスケジュールについてもあわせてお伺いいたします。
最後に質問24、ちゅら島条例についてでありますが、条例施行後の現状及び効果についてどう認識しているのかお伺いいたします。
また、県民や観光客に対して周知徹底を具体的にどう取り組んでいるのかお伺いをいたします。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 西銘恒三郎議員の御質問にお答えいたします。
最初は基地問題で、嘉手納基地統合論についてのお答えでございます。
普天間飛行場の移設については、平成8年4月のSACO中間報告後、移設先の一つとして嘉手納飛行場が候補地とされました。また、同年9月のSACO現状報告では、ヘリポートの嘉手納飛行場への集約等についても日米間で検討を進めることが確認されました。しかし地元市町村等の強い反対があり、結局、平成8年12月のSACO最終報告では嘉手納飛行場への集約は対象外となっております。
県は、普天間飛行場の移設先の候補地選定について、運航空域確保の問題、騒音の問題、アクセスの問題等さまざまな観点から検討し総合的に判断した結果、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を選定したものであり、SACOの最終報告においては否定された嘉手納飛行場への統合については検討しておりません。
政府は、平成11年、県の移設候補地選定結果や名護市の受け入れ表明を受け、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定し、代替施設の建設地点を定めたものであります。
普天間飛行場の移設については、閣議決定された政府方針に基づき代替施設協議会における協議を経て昨年7月に基本計画が決定されるなど、一歩一歩進められてきたところであります。
したがって、県としては現在行われている移設に向けた作業を進めていくことが普天間飛行場の早期返還につながるものと考えております。
なお、これらの経緯については、先般、麻生政調会長に対して直接説明し理解を得たところであります。
次に、15年使用期限問題の解決についてお答えをいたします。
代替施設の15年使用期限は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているものであり、国の責任において解決されるべきものであると考えております。
基地の提供責任を有する日本政府にあっては、使用期限の問題を含め沖縄の基地問題をしっかり受けとめることが重要であり、政府としてなお一層の取り組みが必要であると考えております。使用期限問題の解決なしには着工はあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
同問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、内閣総理大臣を初め関係大臣にも要望してまいりました。また、この問題はあらゆる機会をとらえて発言する必要があり、これまで代替施設協議会において何度も要望し、去る1月28日に開催された第1回代替施設建設協議会においても改めて強く要望したところであります。今後とも引き続き強く求めていきたいと考えております。
次に、代替施設建設協議会と今後のスケジュール、県の対応についてお答えいたします。
代替施設協議会は、普天間飛行場代替施設の規模、工法及び具体的建設場所等について協議したものであり、昨年7月29日に基本計画案を了承し、その役割を終えました。
一方、新たに設置された代替施設建設協議会は、普天間飛行場代替施設について「環境影響評価、設計、施工等代替施設の建設に係る事業及び「代替施設の使用協定に係る基本合意書」に基づく取組の進捗状況について報告を受けるとともに、これに関して所要の協議を行う。」としております。代替施設の建設に係る環境問題は重要な課題であり、今後、本協議会を通して政府や地元地方公共団体と緊密に協議していきたいと考えております。
なお、次回以降の開催等についての具体的なスケジュールについては、まだ明らかになっておりません。
次に、那覇港湾施設の代替施設の建設スケジュール等についての御質問のお答えでございます。
去る1月23日の第4回那覇港湾施設移設に関する協議会において防衛施設庁から、代替施設は現在の那覇港湾施設の約57ヘクタールから約35ヘクタールに縮小されて浦添埠頭地区の北側区域に移設されることなど位置及び形状案が示され、那覇市、浦添市とともに了承したところであります。
代替施設の施設建設スケジュール等については、明らかになっておりません。
次に、那覇空港の沖合展開について、滑走路増設に向けてのスケジュール、次期空港整備長期計画の策定スケジュール、自衛隊との話し合いについて等の御質問にお答えいたします。
国土交通省交通政策審議会航空分科会の答申において、那覇空港は「主要地域拠点空港」として位置づけられたことから、今後は国と地元が連携して答申内容の実現に向けて取り組むことが重要です。
那覇空港の沖合展開については、滑走路増設の必要性や環境問題等に関する幅広い県民レベルの合意形成に向けて、地元関係者や学識経験者等から成る組織の設立を検討したいと考えています。
次期空港整備長期計画については、国土交通省において社会資本整備重点計画が策定される予定であり、空港整備長期計画もその中で位置づけられたものと考えています。
また、自衛隊を含め関係機関との話し合いについては、今後適切に進めていきたいと考えております。
次に、農林水産業について、第1次産業の振興についてのお答えでございます。
本県の農林水産業の振興については、沖縄県農林水産業振興計画に基づき「持続的農林水産業の振興」と「多面的機能を生かした農山漁村の振興」を目標として施策・事業を展開していくこととしております。
具体的には、農林漁業就業者については、これまでの減少傾向の推移を踏まえ、基準年度の平成12年度3万9000人から目標年度の平成16年度には約3万5000人を見込んでおります。2、農林水産業の粗生産額については約1112億円を約1300億円へ、3、耕地面積については4万1000ヘクタールを約4万ヘクタールへ、4、食料自給率については35%を40%へそれぞれ目標としております。
また、近年、消費者においては地元で生産された食材を活用した伝統的料理を楽しむなど、いわゆるスローフードが見直されつつあります。県としては、今後とも健康・長寿や観光・リゾート地にふさわしい良質な食材の安定供給に向けた取り組みを強化していく考えであります。
次は、都市モノレールについての供用開始の日付と利用者が利用しやすい全体的な施策についてお答えします。
沖縄都市モノレールの開業日につきましては、本年8月10日日曜日を予定していることを発表したところであります。県民の皆様の御理解と御協力及び関係機関の御配慮により、当初予定より早期に開業できる見込みとなりました。ここに厚く御礼を申し上げます。
施設の整備に当たっては、利用者の利便性を高めるため、各駅にバス、タクシー、自転車などの円滑な結節が図られるように交通広場の整備などを行っているところであります。また、那覇市立病院との連絡通路や壺川駅と奥武山公園を結ぶ歩道橋など駅周辺施設の整備も進めております。
さらに、各駅舎についても高齢者や障害者等に配慮し、エレベーター、エスカレーター、多目的福祉トイレなどを設置してバリアフリーに取り組んでおります。
ソフト面の事業につきましては、駅周辺通り会等との連携を図りながら、誘客を目的とした各種イベントの開催や周辺商業施設との利用セット券の発行、民間施設を利用したパーク・アンド・ライド等の具体的な施策について取り組んでいるところであります。
なお、運賃の設定につきましては公共性を勘案した水準とし、利用者の利便性や経営上のことも考慮して運賃の低減化を図る方向で検討を進めております。
次に、美術館・博物館の基本理念とスケジュールについてお答えいたします。
本県は、古くから中国や東南アジア諸国との交易等を通して多くの文化を吸収・調和させ、個性豊かな独自の文化を創造し発展させてきました。最近では、「九州・沖縄サミット首脳会合」の開催や「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の世界遺産への登録などにより本県の文化が広く国内外へ伝えられ、沖縄の文化の重要性がますます高まっております。
このようなことから、建築後36年を経過し老朽化・狭隘化した現博物館を県民が誇れる文化施設として移転・整備し、沖縄の自然、歴史・文化に関する資料を体系的に調査、保存、展示を行い、これに関する知識と理解を深め、本県の文化の向上・発展に資することを目的に博物館新館を建設することとしております。
また、県立美術館はすぐれた美術作品の鑑賞や創作活動を通して県民の情操を豊かにし、地域の芸術・文化の拠点とすることを目的に建設するもので、その基本理念として、1、人間の根本的な感性を呼び覚ます人間復興の最前線として考える、2、現代を見詰め、未来への展望を切り開く場として機能する美術館を目指す、3、地域性と国際性を同時に共存させる視点を持つことの3点を掲げております。
本美術館においては、沖縄独自の視点でアジア美術を体系的に収集するとともに、沖縄県出身の作家や沖縄県にゆかりのある作家の美術作品を収集・展示することにより沖縄の風土的、歴史的な個性を生かした美術館をアピールしていきたいと考えています。
また、博物館新館・美術館は、体験を重視した多彩な教育普及活動の実施、情報センターにおける観光・文化情報の提供など生涯学習教育、情報化時代における県民のニーズにこたえる施設として整備することとしております。
今後のスケジュールといたしましては、平成15年度から実施設計を行った後、平成16年度から18年度にかけて建設工事を行い、その後開館に向けた諸準備を整え、平成19年度に開館することとしております。
次に、「ちゅら島環境美化条例」の取り組みについてお答えいたします。
「ちゅら島環境美化条例」の周知徹底を図るため、環境美化の推進母体として平成14年7月に「ちゅら島環境美化推進県民連絡会議」を発足させ、街頭キャンペーン等県民運動を推進しているところであります。
また、平成15年度に主要な地域に環境美化指導員を配置し、市町村、地域団体等と連携したネットワークを構築することにより道路、公園、繁華街等でごみの散乱防止パトロールを実施し周知徹底を図るとともに、心ない行為に対して指導を行ってまいります。
さらに、指導に従わない悪質な違反者に対しては、罰金を科すなど厳しく対処してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 環境影響評価の実施時期と期間についてにお答えいたします。
環境影響評価の実施については、事業者である防衛施設庁において普天間飛行場代替施設に係る環境影響評価方法書作成に関する業務を去る1月30日に業者と契約した旨聞いております。また、環境影響評価の期間については、およそ3年程度を要するとしております。
今後、代替施設の基本計画に基づき環境影響評価が実施され、より詳細な検討が行われるものと考えており、県としては、地域の住民生活や自然環境への影響を極力少なくするよう政府に対し要望していきたいと考えております。
使用協定の見通しと段階的協議についてにお答えいたします。
普天間飛行場代替施設に関する使用協定については、昨年7月29日、国、県、名護市の三者により基本的事項についての合意がなされたところであり、今後、本合意書に基づき環境影響評価など代替施設の整備の進展を踏まえつつ合意書をもとに協議を進める、工事着手までに代替施設の使用に係る措置の内容を明確にする、供用開始までに協定を締結する等段階的に進められるものと考えております。県としては、今後とも名護市と連携し使用協定締結に取り組んでいきたいと考えております。
北部訓練場のヘリパッド移設についてにお答えいたします。
SACOで合意された北部訓練場の返還に伴い、国はヘリパッド移設候補地の選定を行うため、昨年11月5日からことし10月までの予定で四季を通した環境調査を実施しております。
県としては、国による継続環境調査の結果や関係する市町村の意見等も踏まえながら、当該地域の自然環境に十分配慮された移設場所の選定がなされるよう国や米軍に働きかけてまいりたいと考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇港湾と軍港移設について、軍港、那覇港、泊港の利用形態についてお答えいたします。
那覇港湾施設の跡地開発については、現在、那覇市において平成7年度に策定された「那覇軍港跡地利用計画基本構想」の見直し等が検討されており、県としては今後那覇市の跡地利用計画に向けた取り組みと密接な連携を図りながら、跡地利用の促進に努めていきたいと考えております。
また、現在、那覇港管理組合が作業を進めている港湾改訂計画案において、那覇埠頭地区については周辺離島フェリー及び旅客船、泊埠頭地区については港内遊覧船や観光船が発着する区域として位置づけられております。
次に、那覇港湾の基本的構想の位置づけについてお答えいたします。
那覇港は、沖縄振興計画において、東アジア発着のコンテナ貨物の増大を背景として国際航路ネットワークを構築し、戦略的な中継コンテナ貨物の取り扱いによる国際物流関連産業や国際観光・リゾート産業の展開を図る上で重要な役割を担うこととされております。
そのため、港湾改訂計画案においては、中国発着貨物を那覇港において仕分けし、欧州及び北米に中継する全国でも事例の少ない国際トランシップ港湾として位置づけております。
○総務部長(當銘直通) 自主財源確保の具体的取り組みについてお答えいたします。
国、地方を通じて今後とも厳しい財政状況が続くと見込まれる中で、地方公共団体が地域における行政を自主的かつ総合的に推進していくためには自主財源の充実・確保を図っていく必要があります。
このため、県においては、自主財源の柱である県税収入の確保に向け、特別滞納整理班の積極的活用及び市町村との連携による共同催告など徴収強化に努めているところであります。
また、使用料及び手数料については、受益者負担の原則及び負担の公平の観点から定期的な見直しを行っており、さらに県有財産の効果的かつ効率的な活用を図るため未利用及び貸付県有地の売り払い等を進めているところであります。
県としては、今後とも県税を初めとする自主財源の確保に努めるとともに、中長期的には本県経済の活性化に結びつく産業振興施策を推進して税源の涵養を図っていきたいと考えております。
次に、むだな歳出を省くための具体策についてお答えいたします。
県は、現行の「沖縄県行政システム改革大綱」に基づき効果的かつ効率的な行政運営を推進しているところでありますが、新たに策定する「新沖縄県行政システム改革大綱」においては、基本理念を「県民本位の成果・効率重視のスマートな行政」とし、県民満足度の向上を図るため県民視点に立った成果・効率重視の行政を一層推進する考え方であります。
具体的には、1、行政評価システムの活用による成果主義の導入、民間能力の活用、職員へのコスト意識の徹底等を図り、効果的かつ効率的な行政運営を推進します。
2、本県の厳しい財政状況を踏まえ事務・事業の見直し、県単補助金の整理・合理化、おおむね10億円以上の県単独事業等の建物整備の抑制、一般会計における通常債の単年度発行額の250億円以内の抑制などにより財政健全化を図ります。
3、県民ニーズが直接施策に反映されるシステムを構築するとともに、職員の意識改革を進め県民サービスの向上を図ります。
4、NPO、ボランティア団体など多様な主体との協働による行政運営を推進します。また、公社等外郭団体の事業及び組織全体について検証を行い、統廃合を含めた抜本的な見直しを行います。
以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 離島の保健・医療・福祉の分野で重点的に取り組むことについてお答えいたします。
離島における高齢化の状況を踏まえ、要介護状態に陥らないための介護予防・生活支援事業を推進します。また、障害者福祉については身体障害者更生援護施設の整備を図るとともに、新規の県単独事業として児童の健全育成に資する沖縄県島めぐり体験交流事業を通し本島と離島の地域間交流を促進してまいります。
保健・医療については、インターネット等を利用して離島診療所の医師等に医療情報支援を行う「離島・へき地遠隔医療支援情報システム」や、離島診療所への代診医派遣や研修の企画調整等を行う「へき地医療支援機構」の充実・強化を図ります。
また、沖縄県ヘリコプター等添乗医師等確保事業等の実施により、離島における救急医療の充実・強化を図るとともに、自治医科大学への学生送り出しや離島勤務を義務づけた医学臨床研修事業の実施並びに厚生省医師派遣事業等により離島・僻地における医師の確保や医療の充実に努めてまいります。
そして、特定町村人材確保対策事業により保健師に対する現任教育や研修等を実施するなど、離島・僻地での保健師の定着を図ることとしております。
これらの事業を実施することにより、離島における住民の保健・福祉の向上に努めてまいりたいと思います。
○土木建築部長(安慶名正行) 民間活力と地域振興についての、旭橋周辺地区再開発事業の都市計画決定スケジュールについてにお答えいたします。
モノレール旭橋駅周辺地区市街地再開発事業は、民間主導で旭橋駅周辺の老朽化した建築物の更新と土地の有効・高度利用を図るとともに、都市再生に向けて一体的なまちづくりを進めるものであります。そのため、那覇市と連携しながら都市計画決定の手続を進め、昨年12月26日に住民説明会を、ことし1月15日には公聴会を開催し、住民意見も踏まえて都市計画の原案を取りまとめたところであります。
今後は、公告・縦覧の手続を経て、3月末の県都市計画審議会に諮問する予定であります。
次に、農連市場や栄町市場の再開発についてにお答えいたします。
農連市場地区市街地再開発事業については、那覇市が平成13年度に第一種市街地再開発事業の導入を前提とした施設計画(案)をまとめております。しかしながら、当該計画は施設規模等を決定したものではなく、モデル的な案であることから、那覇市は今年度も引き続き市街地再開発事業の成立要件である保留床処分の確実な見通し、入居テナントの確保及び事業主体の決定等条件整備に努めているところであります。
また、栄町地区市街地再開発事業については、那覇市が今年度に関係地権者、地元関係者、県及び市で構成された委員会を設け、事業範囲、事業手法及び施設計画等を検討し、地区整備のための基本計画を策定しているところであります。県としては、那覇市の条件整備の進捗を勘案しながら対応していきたいと考えております。
次に、新石垣空港について、着工までのスケジュールについてにお答えいたします。
新石垣空港の早期整備に向けて去る29日に環境影響評価法に基づく方法書の公告・縦覧手続を終えております。また、先月20日に新石垣空港整備基本計画(案)を公表し、インターネットによるパブリック・インボルブメントを開始するとともに、同計画(案)について29日に地元説明会を石垣で開催しました。さらに、今週から来週にかけて関係公民館でも説明会を行います。そして、3月以降に地権者の同意取りつけ作業にも入る予定であります。
今後、環境影響評価手続と地権者の同意取りつけ等の状況を勘案しながら、国庫補助事業としての要請を行い、地元と協力し早期事業化に努めてまいります。その後、石垣市議会や県議会の設置管理の議決を経て、平成16年度後半を目標に飛行場の設置許可を申請し、許可が得られますと用地取得し工事に着手することになります。
次に、県営住宅の民間への委託管理についての、県営住宅管理の民間委託に係る条例改正についてにお答えいたします。
県営住宅の管理については、地方自治法第244条の2第3項の規定を踏まえ、「沖縄県営住宅の設置及び管理に関する条例」第61条において「市町村又は沖縄県住宅供給公社に委託できる。」旨規定しております。
ところで、今国会において、公の施設の管理については民間事業者にも行わせることができることを内容とする地方自治法の一部改正案が提出される予定と聞いております。県としましては、同法律案の審議の結果を踏まえ、今後の対応について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 国際通りの活性化策についての御質問にお答えします。
県都那覇市の中心市街地であります国際通りの活性化については、商業の振興及び観光の振興等の観点から積極的に取り組んでいるところであります。
那覇市においては、商業者が夢を持ち、住んでいる人が利便性を享受し、訪れる人が何度でも足を運びたくなるような活力あるまちづくりを目指して平成10年度に「那覇市中心市街地活性化基本計画」を策定しております。同計画に基づき、平成13年度は県の事業として国際通りをシンボルロードとして位置づけた街路事業により電線類地中化などの工事に着手しております。
また、平成14年度には、国際通り商店街振興組合連合会により統一性のある開閉式日よけのオーニングやパラソルなどを設置し、景観・快適性を高める国際通りグレードアップ事業が国、県の補助を受けて実施されております。
また、国際通りにおいては、平成13年度に商店街活性化対策の一つとして国際通り歩行者天国フェスタ事業を実施しました。同事業は、「那覇市国際通りトランジットマイル」をテーマに、那覇商工会議所及び那覇市国際通りトランジットマイル実行委員会が国、県の補助を受けて実施したものであります。平成14年度においても同事業を実施し、約11万人が訪れ活況を呈したところであり、次年度以降の実施については、これまで実施した事業の検証結果を踏まえ検討すると聞いております。県としても、中心市街地活性化基本計画に基づき実施される取り組みに対し今後とも積極的に支援をしてまいりたいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 無登録農薬使用の現状及び県の指導についてお答えいたします。
県内における無登録農薬の使用実態については、過去に菊の成長を調節するためのホルモン剤などが輸入、使用された経緯がございます。
しかしながら、無登録の薬剤については農薬取締法により販売が禁止されており、現在は使用されておりません。県といたしましては、農薬の安全使用に関する普及・啓発を図るため農薬取締法に基づく農薬販売業者への指導・取り締まりのほか、毎年、農薬危害防止講習会と農薬管理指導士養成研修会を開催をしております。今後とも、食の安全を確保する観点から生産農家や農薬販売業者など関係者に対して適切な指導・取り締まりを強化していく考えであります。
次に、「お魚センター」整備の経過についてお答えをいたします。
「お魚センター」は、泊漁港の活性化を図るため、現在、老朽化・狭隘化している仲買人店舗を県漁連が事業主体となり整備するものであります。
しかしながら、同センターの整備計画に対し、平成14年5月2日に第一牧志公設市場組合からの建設中止を求める陳情が出されております。県といたしましては、事業主体の県漁連に対し、これまで事業計画の見直しを指導してきたところであります。その結果、施設の平面計画や施設規模の見直しが行われたところであります。
これを受けて、県では、今月10日に県漁連と第一牧志公設市場組合との話し合いの場を設けております。その中で県漁連側から整備計画及び営業形態について説明がなされたところであります。県といたしましても、今後も話し合いを継続し理解を深めてまいりたいと考えております。
次に、松くい虫防除対策についてお答えいたします。
平成14年度の松くい虫被害量は、前年度並みの約2万8000立方と予想され、依然として高水準で推移をしております。
県では、効果的な防除を実施するため「松くい虫防除研究プロジェクトチーム」を設置し、新たな防除技術の確立に取り組んでいるところであります。また、適期防除の徹底を図るため一斉共同防除の実施及び国、米軍、市町村等関係機関の役割分担の徹底などに取り組んでいるところであります。
さらに、ボランテイア等による自主的な県民参加による防除についても推進をしているところであります。今後とも松くい虫防除対策を強化し、5年後をめどに被害の終息を図っていく考えであります。
以上であります。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 都市モノレールの延伸計画についての御質問にお答えをいたします。
都市モノレールの将来の延伸計画につきましては、「公共交通の体系的整備の観点から開業後の利用状況等や延伸が想定される地域の開発計画等を踏まえた上で検討する。」ということで沖縄振興計画の中で明記をされております。また、「沖縄県総合交通体系基本計画」におきましては、新たな公共交通システムの形成を構築していく中で骨格的な公共交通軸として南北軸を形成する軌道系交通システムや既存ストックを有効活用した基幹バスシステムの導入などとともに、今後の需要動向等を勘案して都市モノレールの延伸について検討をしていくこととしております。
マルチモーダル推進の観点から、過度に自動車交通に依存しないための公共交通体系の確立のためには都市モノレールの果たす役割は極めて大きいものがあります。したがいまして、現時点では利用の促進に向けた取り組みを推進することが重要であり、今後の検討に当たっては開業後の利用状況はもちろん、バス網の再編等の本県の交通環境の推移や新たな交通システムの技術の動向などを踏まえ、多様な視点から段階的に調査検討を進めていくことが重要であると考えております。
○西銘恒三郎 1点だけ知事に再質問しておきたいと思います。
麻生政調会長、我が党の総裁選挙に立候補するぐらい、将来の総理候補と言っても過言ではないと思いますが、知事が説明をしたという御答弁でございますけれども、その知事の説明を聞いて、知事のよき理解者となったかどうか、この1点だけ確認して質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 麻生政調会長には、例の問題が提起された後、すぐおわびの電話がございましたが、私の方からは具体的な説明をしたいということで先般45分間にわたって東京に出張時にお話をいたしました。ずっとメモをとって真剣に聞いておられました。そして全部御理解をいただきました。
そのためには今までの全部資料を、例えば新聞なんかでも今まで出た記事を全部コピーをいたしまして全部持ってまいりました。真剣に聞いていただきました。今後はよき理解者になったと確信しております。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明21日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時15分散会