平成15年(2003年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 2月21日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 友寄信助君。
   〔友寄信助君登壇〕
○友寄 信助 おはようございます。
 護憲ネットワークを代表いたしまして、さきに通告しました質問事項に従って質問を行います。  まず、知事の政治姿勢についてであります。
 1点目は、アメリカのイラク攻撃と沖縄への影響についてであります。
 今、世界の視線は米英がイラクへの軍事攻撃へ踏み切るのかどうかの一点に集中し、国際情勢は 日々に緊迫している。こうした情勢の中で、イラク攻撃の姿勢を崩さないアメリカに対して米英の 軍事攻撃に歯どめをかけるためフランス、ドイツとロシアはあくまでも国連による査察の継続と実 質的な強化を改めて主張し、米国が急ぐ対イラク攻撃に反対する内容の三国共同宣言を発表してお ります。また、中国の江沢民国家主席も2月11日共同宣言への支持を表明した。これから国連安保 理の中で、アメリカの軍事攻撃に追従する国とそれに反対する国との激しい論議の展開が予想され るが、軍事行動に反対する国際世論も大きく高まってきております。
 2月15日には沖縄、東京を初めアジア、中東、ヨーロッパの国々、米国での大規模なイラク攻撃反対のデモや集会が開かれ、世界60カ国の400の都市で1000万人が統一行動に参加したという空前の広がりを見せたと新聞は報じております。
 一方、国内においても、最近の共同通信の世論調査によれば、イラク攻撃に78.7%が反対を表明し、賛成の15.5%を大きく上回っていることが示しているように攻撃反対の世論が高まっております。
 ところが、日本政府は米国のイラク攻撃があった場合は武力行使を認める決議を支持する姿勢をとっているのであります。太平洋戦争の悲惨な戦争の反省の上に制定された平和憲法を持つ我が国として、積極的に外交、平和的手段を通じて解決を図るべく努力をすべきではないでしょうか。平和賞を創設し、沖縄を平和の発進地として位置づけている知事として、今回のイラク攻撃に反対表明するお考えはないのか、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 また、アメリカのイラク攻撃は石油の高騰を招き、世界的な景気後退などで経済にも大きな影響を与えるのではないかと懸念されている。とりわけ、本県においては2001年9月の米中枢同時テロで観光産業が大きな打撃を受けた記憶が生々しいだけに、米国がイラク攻撃に突入した場合に再び観光産業への影響が懸念される。米軍のイラク攻撃に対する沖縄への影響についてどう受けとめているのか、今後の対策を含めて御所見をお聞きしたい。
 2点目には、有事法制関連法の制定の動きについてであります。
 沖縄は、太平洋戦争において全土が戦場となり、かつてない未曾有の惨禍をこうむった。この悲惨な戦争体験から二度と再び戦争を起こしてはならないと県民はかたく誓いをし、沖縄の心として今日に引き継がれているのである。毎年開催されている6月23日の「慰霊の日」には「平和宣言」が行われ、米軍基地の整理縮小と世界の恒久平和を願ってきたのである。
 私たちは、昨年の有事関連法案が国会に提案された際にこれに反対し、その廃案を求めてきた。戦争法である有事関連法案が国民にとっていかに危険な内容を持ったものであるかを指摘してきました。また、「武力攻撃事態」のあいまいさや、自衛隊、米軍の行動を円滑にするために自治体や住民の自治権、言論が抑圧され、仮想敵国を想定した戦争法規を準備することが平和憲法を擁する日本のとるべき道ではないと思うのである。
 この法案は、昨年の国会で国民の反対や自治体からも不安と疑問が出されるなどして廃案になった。しかし、政府は再度同法案を今国会に提出しその成立を図ろうとしている。元沖縄県知事、現参議院議員の大田昌秀氏は、「沖縄戦が語るその事態 有事法制は、怖い」と題しての本を出版した。その中で同氏は、「有事法制下で、人々の人権がいかにないがしろにされるか、さらには、いくら法律がよく整備されたとしても、「有事」事態になれば、法律は無視され、「超法規的事態」に陥ってしまうことを、わたしたちは、沖縄戦での体験を通して骨身に沁みて思い知らされた。」と述べ、みずからの戦争体験と戦時法制下での住民の悲劇を生々しく記述しております。
 悲惨な戦争体験を持つ沖縄県知事として、有事関連法案に反対するお考えはないのか。知事の御所見と、もしこの本を読んでおられるならば知事の御感想をお聞かせください。
 米軍基地問題についてであります。
 1点目は、米軍演習場の廃止と演習場の海外移転についてであります。
 米軍の実弾射撃訓練は、これまでも何回か流弾事故を起こし、地域住民の生命財産や生活が絶えず脅かされてきた。沖縄のような狭隘な地での実弾演習は限界があり、直ちにレンジ10は廃止すべきである。昨年、米会計検査院は米国外における米軍演習の制約についての報告書をまとめ、その中で、演習場が狭く、小さな部隊単位でしか訓練ができないとして制約を少なくするための見直しが求められておりました。このことはレンジ10などは欠陥訓練場でいかに危険であるかを示したものである。それにもかかわらず、1回の説明会で米軍は安全性を強調し訓練を再開する姿勢を明らかにしていることは許されないことであります。
 県は、地域住民の生命と安全を守るため訓練の再開に反対し演習場の廃止を求めるべきだと思う。知事の御所見をお聞きしたい。
 また、先般、中川秀直元官房長官が、沖縄基地の過重負担を軽減するため在沖米軍の訓練を東南アジア諸国に移転する構想を明らかにしました。そして昨年12月上旬に来日したフィリピンのアロヨ大統領に対して訓練移転を提言している。この際、知事は県内の米軍演習場の海外移転を積極的に求めていくべきではないのか、御見解をお聞きしたい。
 2点目は、地位協定の抜本的改定についてであります。
 日米地位協定の抜本的改定は、とりわけ米軍専用基地の75%が本県に集中していて、米軍基地から派生する事件・事故が後を絶たない現状からして解決しなければならない急務の課題である。中でも凶悪犯罪に対する刑事手続について被疑者の人権保障を確保しつつ、日本が第一次裁判権を持つ事件の被疑者の身柄の拘束は原則として日本が行うこととするなど、従来の米軍優先の手続を改めることである。いわゆる合衆国の軍当局は、日本国の当局から被疑者の起訴前の拘禁の移転の要請がある場合はこれに応ずることを明記する旨など、県は11項目の見直しを求めてきたのである。
 ところが、外務省を初め関係当局は平成7年1月25日の刑事裁判手続に関する日米合同委員会合意事項を盾にして「運用改善」で対応はできるとして県民の強い要望に耳を傾けることなく全く誠意ある姿勢は見られないのである。
 今、韓国では米軍の装甲車による少女ひき殺し事件以来、米軍地位協定の改定や米軍の撤退を求める運動が激しさを増してきている。今でも毎週1回抗議行動が展開されている。
 また、韓国の廬武鉉次期政権は、同協定改定の本格的な取り組みを公約している。もはや米軍の駐留によって住民の生命や安全を脅かすことは、安全保障の名においても絶対に許せないということである。また、かつて小泉首相は、運用改善が効果がなければ改定も視野に入れることになると発言したことがある。
 そこで知事にお尋ねをいたします。
 知事は、地位協定改定について今後どのように対処するのか。また、同じ米軍基地を抱え、共通課題である地位協定の改定については、韓国などと国際的に連携を深めて取り組んでいってはどうか、御所見をお聞きしたい。
 そこで県警本部長にお聞きしたい。
 現在の日米合同委員会合意事項で、殺人または強姦という凶悪な犯罪の特定の場合についてのいかなる要請に対しても好意的考慮を払うとあっても、実際には米軍の判断に左右され被疑者の身柄の引き渡しができないこともあって捜査当局の壁になっているが、県警本部長はこれをどう受けとめておられるのか、御所見をお聞きしたい。
 3点目に、オスプレイの沖縄配備についてであります。
 オスプレイが実戦配備の段階になると真っ先に沖縄に配備されるのではないかという想定は、数年前から専門家の間では指摘されてきた。2月4日の新聞によると、米国防総省が3月に発表した2004年会計年度国防予算案で、米海兵隊の次世代輸送機V22オスプレイ機の購入費が盛り込まれたとのことである。オスプレイは、普天間飛行場に配備される輸送ヘリCH46、CH53の後継機である。また、海兵隊は中期予算の節目である2009会計年度までに117機の購入計画が示されている。同 機はこれまで試験飛行中に何度も墜落事故等を起こしており、しかも騒音はこれまでのヘリ機より 数倍を超えると言われ、欠陥航空機と指摘されている。安全性の面からも極めて危険な飛行機である。
 実戦配備となると普天間飛行場は避けられないと思うが、配備に断固反対していくべきではないでしょうか。知事はどう受けとめておられるのか、御所見をお聞きしたいと思います。
 次に、15年使用期限問題とSACO2についてであります。
 15年使用期限問題は、昨年の知事選挙公約でも明確に位置づけた基地問題の最重要課題である。しかし、政府はこれまでも何回も重く受けとめていると述べるにとどまっており、具体的に解決する姿勢は全く見られない。むしろ政府は迷惑だと受けとめているのではないでしょうか。昨年12月16日、日米の外交・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)がワシントンで開催された。この会議でも日本政府が県側の要望を伝達しただけに等しいおざなりのものに終わっている。
 1月27日には「米軍普天間飛行場代替施設建設協議会」が発足し、「代替施設建設協設置要綱」が決定された。この協議会は、代替施設の建設に関する重要事項について政府と沖縄県などが意見を調整するのが目的であります。県側から着工の前提となる15年使用期限問題は主要な議題に含まれなかった。これは実質的に15年使用期限問題は門前払いにされたのに等しいのではないかと思う。これでは代替施設の建設だけがどんどん先行し既成事実化し、15年使用期限は線香花火のように消え去ってしまうのではないでしょうか。
 15年使用期限問題は知事の公約であり、その実現のために「代替施設建設協設置要綱」の中に明確に位置づけ、担保にしていくべきではないのか、知事の御所見をお聞きしたい。
 また、知事は昨年末の知事再選後の記者会見で新たな在沖米軍基地の整理縮小の枠組みについて、SACO2の策定を求めていく考えを示した。知事は今後、SACO2策定に向けて具体的にどのように作業を進めていくお考えか。
 さらに、本県の振興計画の推進、自立型経済の構築と密接に関係する基地の整理縮小、撤去の将来像を提示するお考えはないのか、御所見をお聞きしたい。
 下地幹郎衆議院議員は、基地負担軽減へのチャレンジとして普天間基地を嘉手納基地へ統合を提案して各方面に波紋を投げかけている。これは6000億から7000億円とも言われる莫大な金をかけて、しかもかけがえのない貴重な海域の自然環境を破壊してまでも新たな基地建設に対する疑問を持って提起したものだと考えます。また、下地氏はその中で、日米間の合意事項であるSACOを見直し、普天間基地の名護市辺野古地区への移設計画を断念し、新たなプランをつくるべきだと主張しているが、下地氏のこの提案に対する知事の御所見をお聞きしたいと思います。
 次に、那覇軍港の代替施設計画についてであります。
 防衛施設庁と県、浦添市、那覇市などで構成する那覇港湾施設に関する協議会は、新たな軍港の位置、形状、規模で合意したと新聞は報じている。これによると、牧港補給地区の北側に逆L字型で面積は現在の那覇軍港の約57ヘクタールより縮小した約35ヘクタールで、岸壁の総延長が現行と同じ1900メートルで、水の深さは10.4メートルか12メートルに深くなっている。
 港湾機能は、船舶の接岸可能な水深と関係することから、施設庁が言う現行の3万トンから4万、5万トンだけでなく、8万トン級の空母も含めてすべての船舶の寄港が可能となると言われている。これでは実質的な規模拡大につながり、牧港補給基地と直結することにより一層の機能強化と固定化となる。これは、振興計画と連動する国際物流中継としての大型港湾計画ではなく、まさに新たな軍港整備計画ではないのか。
 那覇軍港の利用状況は、99年から2001年はわずか38隻だ。なぜこれだけの大型軍港が必要になるのか。軍事評論家の前田氏は、佐世保、岩国基地などと連携が深まり、海兵隊にとっては飛躍的に足回りがよくなると述べている。これは明らかに現那覇軍港より一層機能が強化された新たな軍港整備計画ではないのか。この計画を撤回させていく考えはないのかどうか。
 また、米軍の港湾使用協定はどうなっているのか、あわせて知事の御所見をお聞きしたい。
 米軍基地内の日本人警備員の拳銃携帯を原則的に廃止することについてであります。
 1987年11月30日午後、浦添市小湾のキャンプ・キンザー基地で立哨中の日本人警備員が襲撃され、45口径短銃の実弾5発が強奪されるという事件が発生し、県民に衝撃を与えたことはまだ記憶に新しいことである。その後も瑞慶覧基地内のゲートの警備員が米兵によって拳銃を強奪されるなどの凶悪事件が発生し、日本人警備員を初め全駐労など関係者から再発防止のため拳銃携帯の廃止が強く要請され、県議会においても要請決議が採択されてきたところである。
 米中枢同時テロ後、拳銃携帯を拡大しており、海兵隊は9ミリ弾の拳銃、陸軍関係はバラ弾の入ったショットガンを携帯させ、拳銃検査の際、誤射する事件も発生をしている。
 昨年の4月から駐留軍従業員の労務管理は特別法人組織に移管されたといえども地域住民に危害が及ばないとも限らず、日本人警備員及び県民の生命と財産を守る立場から、拳銃携帯を原則的に廃止させるべきであると思う。知事の御所見をお聞きしたい。
 次に、在韓米軍の削減の動きと沖縄基地への影響についてであります。
 ラムズフェルド米国防長官は、13日、上院軍事委員会において、在韓米軍を削減しアジア地域の機動部隊増強に充てる方針を示した。このことは在沖米軍基地の一層の強化につながりかねないだけに、現在でも基地の重圧に苦しむ県民に一層の不安を与えている。これに対して政府関係者や軍事専門家は否定的であるが、今後の展開によっては沖縄への移動の可能性が全く消えたわけではない。朝鮮半島が緊迫化する情勢下での在韓米軍の削減表明は、東アジアにおける米軍兵力の再編・強化の一環と見なければならない。在韓米軍の削減が在沖米軍基地の強化につながらないよう、今後の動向と情勢をしっかりと把握して知事は対処すべきだと考えるが、知事の決意のほどをお聞かせください。
 次に、国際物流中継港計画についてであります。
 那覇港湾計画改訂案が2月7日に明らかにされました。同改訂案によると、港湾の能力を計画の目標年次となる平成20年代後半、2013年から17年の取扱外国貿易貨物量を1020万トンと設定し、2000年実績の8.7倍に当たり、国際物流中継港としての位置づけを鮮明にしました。改訂案では、こうした取扱貨物量増加、特に国際コンテナ船に対応するため公共埠頭を新港地区で3バース整備すると打ち出している。
 そこで知事にお尋ねをいたします。
 今回の「那覇港国際流通港湾計画」と当初の「那覇港湾計画」改訂案との相違点と特徴は何か。当初の全体事業費は約5500億円と言われていたが、今回の同計画案での総事業費は幾らなのか。
 沖縄の周辺国にはシンガポール、香港、台湾、韓国や上海などアジアの先進港湾があるが、国際物流中継港(国際トランシップ港湾)として荷物量の集積は可能なのか。その見通しはどうか。
 国際物流中継港として成立するためにはいろいろな条件整備がなされなければならない。国際トランシップ港湾としての成立要件は何なのか。
 港湾の国際競争力をつけるためには荷役料金の低減や入出港湾関連費用の低減等の措置が求められるが、どう対応していくのか。FTZの導入を含めて御所見をお聞きしたい。
 次に、構造改革特区制度の導入についてであります。
 政府は、1月15日、特定地域に限って規制を緩和・撤廃し、経済の活性化を促す構造改革特区の第2次提案の募集を締め切った。地方自治体や企業からの提案は昨年の第1次募集を上回り、地域の特性を生かした多種多様なアイデアを生かした提案がなされた。県内からも査証発給特例の条件緩和、沖縄観光宝くじ等を内容とする国際観光・保養特区、名護市提案の金融テクノロジー開発特区、具志川市等提案の健康・長寿産業振興特区などの9件が提案をされました。
 ところが、1月28日、政府の構造改革特別区域推進本部は各省庁の対応策を公表しましたが、県内から提案された特区創設で認められたものは皆無であったとのことである。全国の自治体や企業が提案した500件を超える特区案もことごとく門前払いとなったとのことである。地域限定で思い切った規制緩和で経済活性化につなげと、小泉政権が華々しく打ち上げた特区構想もこれでは単なるうたい文句に終わりそうである。
 そこでお尋ねをいたします。
 今回も認められなかった理由と今後の対応についてお聞きをしたい。
 2点目は、また全国的な提案の中で農業・医療・教育分野での規制緩和を求める提案が目立っているが、学校や病院に株式会社参入、競争原理を導入する動きについて教育庁、知事部局はどう受けとめておられるのか、御所見をお聞きしたい。
 また、キャプティブ保険制度、パスダック創設を内容とする金融テクノロジー開発特区や県の査証発給特例の条件緩和、石垣市の台湾観光を対象にしたノービザ制度を内容とする観光特区等は、「沖縄振興特別措置法」の中に位置づけるようその見直しに取り組んでいってはどうなのか、御所見をお聞きしたい。
 次に、2003年度政府及び沖縄関係予算についてであります。
 新年度政府予算をどう受けとめているのかについてまず1点お聞きしたいと思います。
 小泉内閣の表看板である「聖域なき構造改革」もかけ声ばかりで、経済不況の原因と言われている不良債権の処理も一向に進まず、企業の倒産、リストラなどによって失業率は5.4%という最悪の状況で、日本経済のデフレは深まるばかりであります。こうした中で編成された今年度の政府予算は一般会計で81兆7891億円で、政策経費である一般歳出は0.1増の47兆5922億円、少子・高齢化や失業者増で社会保障費が伸びる中、歳出が抑制されております。
 また、歳入不足の中で大企業や投資家のための先行減税1兆8000億円が行われ、国民大衆に対してはボーナスを含めた総報酬制導入などで年金、医療保険、雇用保険、介護保険料はすべて引き上げられ、他方、年金給付は物価スライドで約1%引き下げ、サラリーマン本人の医療費は3割へ引き上げ、失業手当は上限額を引き下げ、給付日数も削減しております。介護報酬も2.3%に抑えて、これに加えて来年からは配偶者特別控除が妻の年収が103万円以下の場合に廃止され、実際には所得増税となる。デフレ不況克服のためには個人消費を刺激することでなければならないのに、個人消費を担うサラリーマンと高齢者をねらい打ちした措置で、国民に痛みだけを押しつける予算であり政策ではないのか。
 そこで知事にお尋ねをいたします。
 今回の政府予算は、前述したように地方自治体にとっても大変厳しい内容となっているが、県予算への影響と、知事はこれをどう受けとめておられるのか。
 今回の政府予算は、果たして景気浮揚、雇用拡大につながっていくとお考えなのか。また、年金、医療、介護保険料の引き上げ、給付の削減など年金生活者、庶民にとっては痛みの伴う予算であるが、県民生活にどのような影響があると思うか。消費行動に微妙な影響を与えることにならないのか。
 地方分権、地方の自立という観点から、国の財源移譲を含めた地方自治体の財政確保、予算編成のあり方について知事の御所見をお聞きしたいと思います。
 一方、将来の借金となる県債は785億4000万円で前年度比31.8%の大幅増となっている。このように本年度の県予算は地方交付税、県税収入減など例年を上回る歳入不足で、収入不足を補う基金を大幅に取り崩すなど歳出抑制、緊縮型の厳しい内容の予算となっている。今後は県債の償還や退職手当への支出増が予想され、行革を含めた行財政対策が求められている。
 そこでお尋ねをいたします。
 新年度の予算編成に当たっての特徴と重点事業は何なのか。
 県債発行額が大幅にふえているが、県債残高は幾らか。また、財源硬直化にどう対応していくのか。県職員の退職時期が2007年度にピークに達すると言われているが、年度別退職者数、その必要財源額等今後の財政計画についてお聞かせください。
 特に法人事業税への外形標準課税の導入については、平成15年に資本金1億円超の法人を対象として平成16年度から適用されることになると聞いているが、法人事業税の収入はどの程度見込まれるのかお聞きをしたいと思います。
 沖縄振興計画事業の中身である内閣府沖縄担当部局の予算は概算要求の3777億円余に対して、補正予算合算で3387億8700万円となっている。自立型経済の構築に向けた新規事業が盛り込まれたというが、実質的に沖縄振興事業費の初年度の予算として県はどう受けとめているのか、御所見をお聞きしたい。
 最後に、本島バス4社の統合問題についてであります。
 本県における陸上交通の大量輸送機関であるバス事業は民間企業ではあるが、極めて公共性が高く、県民生活の安定・向上と経済発展のために効率的で良質の交通体系を確立することは必要不可欠なことである。かかる観点から、バス事業4社の統合問題の解決は急務の課題である。
 このバス統合問題は今日まで紆余曲折を経ながら、ようやく平成9年6月23日にバス4社間で企業統合を進めるためにバス統合準備室が発足し、長期にわたって協議が重ねられてきた結果、事実上の最終案として「バス4社提案事項検討結果報告書」をバス4社に提出し、4社もこれを受諾したのである。
 こうした経緯を踏まえて準備室は県に4億円の出資を要請しているが、県は当初慎重な姿勢をとっていたが、知事は出資する方向で検討するとのことであるが、早期に4社統合を実現し、県民の期待にこたえるためにも県の協力が求められているのである。
 いよいよことしの8月10日からモノレールがスタートする時期にあわせて、4社統合による新会社が発足することはモノレールとバス運行が連結して、双方の経営安定と県民の足を確保する立場からも欠かせないことである。
 そこで知事にお尋ねをいたします。
 4社統合の成否に影響を及ぼす県の出資に大きな期待がかかっています。今後設立される新会社に対し、経営責任の明確化や注文などをつけてでも県は出資していくべきだと考えるが、知事の御所見をお聞かせください。
 バス4社統合は、紆余曲折を経て今日に至っているが、県は統合するに当たって何が問題であると考えているのか。また、規制緩和が進む状況下で今後のバス交通のあり方はどうあるべきと考えているのか、御所見をお聞きしたい。
 以上、終わります。答弁によって再質問を行いたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 友寄信助議員の御質問にお答えをいたします。
 まず最初にイラク攻撃についてでございます。
 現在、国連によるイラクへの査察が継続されており、日本政府はこれらの問題の平和的解決のため国際協調への努力を続けているものと理解しております。県としましては、イラクの問題など平和を脅かすさまざまな課題を解決し、平和共存の世界を実現していくためには世界の人々が相互理解に努め、国際連合を中心に連帯して問題の平和的解決に努めることが望ましいと考えております。
 次に、イラク攻撃問題と沖縄への影響についてのお答えでございます。
 去る2月14日、イラクの大量破壊兵器開発疑惑に関して国連監視検証査察委員会は、国連安全保障理事会に対して査察の追加報告を行った際、対イラク査察の継続を求め、同理事会では査察継続論が大勢を占めたとのことであります。県としては、イラク問題につきましては国連の場や我が国を初めとする多くの国々が外交努力を重ね、同問題が平和的に解決されることを強く期待するところであります。
なお、イラク問題による県民生活への影響については、県民の生命、生活及び財産を守る観点から、県民生活に支障がないよう今後とも重大な関心を持って対応してまいりたいと考えております。
 次に、有事法制関連法に対する考えと大田昌秀氏の本についてのお答えでございます。
 現在、国会で継続審議となっている「武力攻撃事態対処法案」を初めとする関連3法案については、直接県民の生命財産を預かる地方自治体に対して国は十分な説明を行いその意見を尊重するとともに、広く我が国の外交や安全保障のあり方も含めて国民の意見を聴取した上で慎重に議論を尽くす必要があると考えております。
 特に、沖縄に過度に集中している米軍基地に係る問題は、我が国の安全保障を考える上で単に沖縄という一地域の問題としてとらえるのではなく、国民全体で取り組むべき重要な課題であると考えており、米軍基地の整理縮小を求める県民の強い意向を踏まえ、この機会に米軍基地の負担のあり方も含めて十分に議論するよう国に対して要望しております。
 なお、大田昌秀氏が有事法制に関する本を出版されたことは承知しており、多くの方がいろいろな考えを述べ議論を深めることは大変結構なことだと考えております。
 次に、レンジ10の廃止と海外移転についてお答えいたします。
 昨年7月23日に名護市で発生した被弾事故について、県は、事故原因の究明やキャンプ・シュワブ演習場における実弾射撃演習の廃止を要請したところであります。
 しかしながら、県の要請にもかかわらず事故原因が究明されない中、米軍は本日、同施設内レンジ10においてM2重機関銃の実弾射撃訓練を再開するとしております。
 同訓練の再開は、訓練の廃止を求める地元住民、名護市、県の意向や県議会決議等に反するものであり、極めて遺憾であります。県としては、これまでの同施設内における実弾射撃訓練による事故の発生状況や現地の訓練場の状況等を勘案すると、同施設内におけるM2重機関銃の実弾射撃訓練は危険であり容認できるものではありません。
 県は、これまで海兵隊の演習、訓練の移転について申し入れを行っておりますが、昨日、米軍を初め関係機関に対し、キャンプ・シュワブ演習場レンジ10におけるM2重機関銃の実弾射撃訓練の廃止を強く申し入れたところでありますが、今後とも引き続き同訓練の廃止を求めていきたいと考えております。
 次に、15年使用期限問題を代替施設建設協議会の議題とすることについてお答えいたします。
 新たに設置された代替施設建設協議会は、「普天間飛行場代替施設について、地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行いつつその円滑な建設を推進することを目的」とし、「環境影響評価、設計、施工等代替施設の建設に係る事業及び「代替施設の使用協定に係る基本合意書」に基づく取組の進捗状況について報告を受けるとともに、これに関連して所要の協議を行う。」ことになっております。
 15年使用期限問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、内閣総理大臣を初め関係大臣にも要望してまいりました。また、この問題はあらゆる機会をとらえて発言する必要があり、これまで代替施設協議会においては何度も要望し、去る1月28日に開催された第1回代替施設建設協議会においても改めて強く要望したところであります。今後とも引き続き強く求めていきたいと考えております。
 次に、基地の整理縮小の将来像についてお答えいたします。
 県は、基地の整理縮小についてはSACOの合意事案を着実に実施していくことが現実的で実現可能な方法であると認識しており、現在、すべての合意事案の推進に向け、国と連携し全力を挙げて取り組んでいるところであります。
 しかしながら、SACOの合意事案がすべて実施されたとしても、本県には依然として在日米軍専用施設面積の約70%の米軍基地が存在することになります。県としては、58年余も過重な基地負担をしてきた県民の意向にこたえるため国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ県民の理解と協力を得ながら、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の段階的な整理縮小に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、嘉手納統合案についてお答えいたします。
 普天間飛行場の移設については、平成8年4月のSACO中間報告後、移設先の一つとして嘉手納飛行場が候補地とされました。また、同年9月のSACO現状報告では、ヘリポートの嘉手納飛行場への集約等についても日米間で検討を進めることが確認されました。しかし地元市町村等の強い反対があり、結局SACO最終報告では嘉手納飛行場への集約は対象外となっております。
 県は、普天間飛行場の移設先の候補地選定について運航空域確保の問題、騒音の問題、アクセスの問題等さまざまな観点から検討し総合的に判断した結果、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を選定したものであり、SACO最終報告において否定された嘉手納飛行場への統合については検討しておりません。
 政府は、平成11年、県の移設候補地選定結果や名護市の受け入れ表明を受け、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定し代替施設の建設地点を定めたものであります。
 普天間飛行場の移設については、閣議決定された政府方針に基づき代替施設協議会における協議を経て昨年7月に基本計画が決定されるなど、一歩一歩進められてきたところであります。したがって、県としては、現在行われている移設に向けた作業を進めていくことが普天間飛行場の早期返還につながるものと考えております。
 次に、代替施設の機能及び使用協定についてお答えいたします。
 去る1月23日の第4回那覇港湾施設移設に関する協議会において、防衛施設庁から代替施設の機能について現有の那覇港湾施設の機能を確保することを目的としていることを確認しております。県としては、代替施設においては、基本的に現在の那覇港湾施設の機能が維持されるものと理解しており、那覇市及び浦添市と連携して取り組んでいきたいと考えております。
 使用協定については、移設先である浦添市は今のところ必要はないとしており、地元自治体等の意向を踏まえ対応していきたいと考えております。
 次に、在韓米軍削減と沖縄基地への影響についてお答えいたします。
 在韓米軍削減に関するラムズフェルド国防長官の発言については、外務省に照会したところ、米側によれば、在韓米軍の見直し作業については、今後、韓国政府と協議を行った上で検討されていくものであり、現時点において何ら結論が得られているものではない旨回答がありました。県としては、過重な基地負担の軽減を図るため、日米両政府に対し基地の整理縮小及び兵力の削減を強く要請しているところであり、今後とも両政府に対し強く働きかけていきたいと考えております。
 次に、2003年度政府及び沖縄関係予算についてのうち、新年度予算の特徴についてお答えいたします。
 平成15年度は、国、地方を通じて厳しい財政環境下にありますが、本県においては「沖縄振興特別措置法」及び「沖縄振興計画」に基づき新たな沖縄の振興に向けた諸施策を推進し、自立的かつ持続的な発展に向けて本格的に歩み出す重要な年であります。このため、平成15年度当初予算の編成に当たっては、限られた財源の中で事業の優先度に十分配慮しつつ、新たな政策課題や緊急かつ重要な施策に的確に対応することを基本に編成したところであります。
 具体的には、観光・リゾート産業の振興として観光誘致対策事業や世界遺産周辺整備事業を引き続き実施するとともに、新たに観光振興地域等整備事業、観光産業人材育成事業、沖縄観光共通プラットホーム構築事業などを実施することとしております。
 情報通信産業の振興として、通信コスト低減支援や高度なIT技術を活用できる人材の育成を進めるほか、沖縄デジタルアーカイブ事業を推進することとしております。
 農林水産業の振興については、農業研究センターの整備を推進し、島嶼県沖縄における地域農産物流通効率化事業を実施するとともに、新たに「トロピカルおきなわフルーツランド支援事業」や農水産物マーケティング推進対策事業を推進いたします。
 産業の振興と雇用の創出については、新たに「沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター」を設置し、産学官連携による研究開発の促進を図るとともに、沖縄電子商取引普及促進事業の実施など自立型経済の構築に向けた取り組みを強化してまいります。また、厳しい雇用環境の改善を図るため緊急地域雇用創出特別事業を実施するほか、新たに若年者総合雇用支援事業などを実施いたします。
 科学技術の振興と国際交流・協力拠点の形成については、世界最高水準の自然科学系の大学院大学の設置促進に向けた取り組みを強化するとともに、那覇空港の拡張整備の促進や那覇港の整備を促進いたします。
 また、ジュニアスタディーツアー事業を実施するほか、第3回太平洋・島サミットの開催を支援いたします。
 また、環境共生型社会の形成に向け、産業廃棄物処分場環境データの整備やダイオキシン類発生源監視指導事業を実施するほか、「ちゅら島環境美化条例」に基づく環境美化に取り組んでまいります。
 医療・福祉の向上については、認可外保育施設の認可保育所への移行を促進するほか、認可外保育施設利用児童への支援及び乳幼児の医療費助成を拡充するとともに、沖縄市の「こども未来ゾーン(仮称)」に対する支援を実施いたします。また、引き続き救命救急医療、母子総合医療等の機能を有する県立高度・多機能病院の整備を推進いたします。
 多様な人材の育成と文化の振興については、小学校における英語教育の充実等を図るためレッツ・トライ・イングリッシュ推進事業を実施するほか、博物館新館・美術館建設事業の推進、沖縄文化シンポジウム等の開催及び「国立劇場おきなわ」開場記念公演事業を支援いたします。
 持続的発展を支える基盤づくりについては、都市モノレールの早期開業に取り組むとともに、モノレール旭橋駅周辺地区再開発を促進してまいります。
 地域・離島の振興を図るため、与那国空港の整備を推進するほか、体験・滞在型交流促進事業を引き続き実施いたします。また、新たに八重山地区の中波ラジオ放送の受信障害の解消を支援いたします。
 さらに、基地問題の解決促進と駐留軍跡地の利用促進については、大規模駐留軍跡地利用の促進及び旧軍飛行場用地問題の解決促進に取り組んでまいります。
 平成15年度も依然として厳しい財政状況のもとでの予算編成でありましたが、新たな沖縄の振興に向けた諸政策・課題に的確に対応する予算が編成できたものと考えております。
 次に、沖縄振興の初年度予算についてお答えいたします。
 平成15年度内閣府沖縄担当部局予算は、国の厳しい財政状況下ではありますが、沖縄振興計画の実質的な初年度に当たり新たな沖縄の振興に向け県が要望した多くの事業に係る予算措置がなされており、本県の振興に配慮されたものとなっております。
 特に、沖縄新大学院大学関連経費、沖縄産学官共同研究事業、特別自由貿易地域振興事業、観光振興地域整備事業等の産業・科学技術振興関係経費など、沖縄振興計画に基づく新たな県づくりを後押しする政府の姿勢が示されたものと考えております。
 続きまして、バスの統合問題で新会社に対する出資についての御質問にお答えいたします。
 県としては、バス事業の公共性や経営環境の変化等を踏まえ出資の方向で検討していきたいと考えております。バス統合による新会社設立は、基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題と考えております。
 バス統合は、本島バス4社がみずからの経営判断により乗り合い部門の統合を行い、経営体力の増強を図ることを目的に取り組んでいるものでありますが、現在進められている統合案では、1、新会社の事業経営に対して責任を持って遂行する経営陣やそれを支える企業等を明らかにすること、2、4社労使が合意すること、3、退職金等過去の債務の処理に対する経営責任を明確にすること、4、金融機関からの融資を計画どおり確保すること等当事者が解決しなければならない課題があります。県としては、第三セクターのあり方や公的資金の使途に対する県民の厳しい目があることから、これら諸課題が当事者において解決されることが必要であると考えております。
 このようなことを踏まえ、県は、1、新会社の経営の中核にはならないこと、2、新会社に人的派遣をしないこと、3、金融機関からの融資に対する保証はしないこと、4、4社の責任で対応すべき債務の処理に関し県に新たな支援を求めないこと等を方針として、広く県民の理解を得られるように出資の時期や金額等を慎重に検討していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 地位協定改定に関する今後の対処及び韓国等との連携についてにお答えいたします。
 日米地位協定をめぐっては、衆議院外務委員会及び衆参両院の沖縄・北方問題特別委員会において、また、昨年本県で開催された全国知事会議や日本弁護士連合会において日米地位協定の見直し決議が採択されるなど、日米地位協定の見直しを求める動きが広がりつつあります。県は、見直しを求める国民全体の盛り上がりが地位協定見直しの実現につながっていくものと考えており、今後ともあらゆる機会を通じて日米両政府に対し日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
 また、韓国における地位協定の動向についても注意深く見守っていく必要があると考えております。
 オスプレイの沖縄配備についてにお答えいたします。
 昨今の新聞報道等でオスプレイの沖縄への将来の配備について報道がなされておりますが、現時点では日本政府から県に対してオスプレイの配備計画について何ら説明はありません。
 県としては、今後の米軍の動きを慎重に見守りたいと考えております。
○警察本部長(髙橋清孝) 地位協定上の被疑者の身柄引き渡しについてお答えいたします。
 県警察は、地位協定を含む法令に基づき捜査活動を行っているものであり、地位協定の改定自体について意見を言う立場にはありませんので、コメントは差し控えさせていただきます。
 なお、身柄の拘束について一般論としてどちらが望ましいかと問われれば、逮捕状を得て捜査している以上、逃走及び証拠隠滅防止等の観点からも、警察においては身柄を拘束して捜査を進めることの方が望ましいと考えております。
○商工労働部長(花城順孝) 米軍基地問題についての、日本人警備員の銃携帯の原則的廃止についての御質問にお答えします。
 駐留軍従業員の雇用につきましては、雇用主は日本政府、使用者は米軍という間接雇用形態をとっています。また、その服務は日米両国政府間で締結された基本労務契約等に基づき運用されております。警備員の銃の携帯につきましては、職務定義書の中で一定の勤務場所における小型武器の携行が規定されているところであります。
 ところで、過去に基地従業員の銃携帯に起因した事件・事故が発生しており、去る2月1日にも勤務引き継ぎの際の誤った発砲が判明するなどその危険性は少なくありません。
 このようなことから、県としましては、県民の生命と安全を守る立場を踏まえ、基地従業員の銃携帯は原則として廃止すべきであると考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 国際流通港湾計画について、国際流通港湾計画と改訂計画案についてお答えいたします。
 平成11年度策定の那覇港国際流通港湾計画(素案)においては、長期構想として新港及び浦添両埠頭でトランシップ貨物を取り扱うための岸壁を位置づけ、その他の港湾施設整備にかかる事業費と合わせて約5500億円が見込まれておりました。現在、那覇港管理組合が作業を進めている平成20年代後半を目標年次とした那覇港の港湾改訂計画案においては、浦添埠頭の水深15メートルバースを将来構想としたことにより総事業費約4400億円と見込まれております。
 次に、荷物量集積の可能性と見通しについてお答えいたします。
 港湾改訂計画案によると、那覇港を中継拠点として中国東沿岸との間に小型船、北米及び欧州間に大型船を就航させる機能的なコンテナ輸送体系の構築、コンテナターミナルの効率的な運営及び港湾諸費用の低減等により約40万TEUのトランシップ貨物の取り扱いが見込まれております。 
 なお、同計画については、去る2月12日に開催された那覇港地方港湾審議会において了承されております。
 次に、トランシップ港湾の成立要件についてお答えいたします。
 国際トランシップ港湾としての要件としては、主要港湾を結ぶ基幹航路が成立する地理的優位性に加え、大型船の就航可能な高規格コンテナバースの整備、電子データ交換等を含む情報処理システムの構築、効率的なターミナル運営及び国際競争力のある港湾諸料金の設定等が挙げられます。
 次に、国際競争力向上についてお答えいたします。
 那覇港の国際競争力の向上に向けた取り組みとして、昨年11月よりガントリークレーンの使用料低減が実施されております。
 また、コンテナターミナルの効率的な運営に民間活力の導入を図るため平成15年度にターミナルオペレーターの公募を予定するとともに、平成16年度には「那覇港フリーポート特区」の認定申請を予定しているとのことであります。
 なお、特別自由貿易地域導入については、中城湾港の沖縄特別自由貿易地域や国内外の貿易動向を踏まえ、今後検討していきたいとのことであります。
 次に、構造改革特区制度の導入について、提案されたものが認められなかった理由と今後の対応についてお答えいたします。
 第2次提案募集に対し、現時点で認められたものはありません。
 主な理由としては、県提案の「国際観光・保養特区」に係る査証発給及び観光宝くじの特例については、不法就労・犯罪防止の観点や射幸心をあおるおそれがあるなどの観点から慎重な検討が必要であるとしております。
 その他の特区についても、他地域への影響や代替措置の確保の問題などの理由で認められておりません。今後は、内閣府と各省庁の調整を見守りつつ、国と連絡調整を図るなど継続して取り組んでまいります。
 次に、県内から提案された構造改革特区の沖縄振興特別措置法への位置づけについてお答えいたします。
 「沖縄振興特別措置法」に基づく情報通信産業特別地区、金融業務特別地区、特別自由貿易地域等の制度・施策は、税・財政上の特例措置を備え、企業集積の促進等本県の産業振興を強力に後押しするものとなっております。
 一方、構造改革特区は、地域の創意工夫に基づき一定地域に限って規制を緩和し経済の活性化を目指すものであり、税制や財政の支援を伴わないものであります。
 このように、「沖縄振興特別措置法」とは性格の異なる仕組みであり、同法に位置づけることは困難と考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 構造改革特区制度の導入について、学校に株式会社が参入することについての御質問にお答えをいたします。
 現在の学校は、学校教育法第2条の規定により国、地方公共団体及び学校法人以外の主体による設置が認められておりませんが、今回の構造改革特区制度の第2次提案において、文部科学省は、学校教育の活性化を図るため構造改革特区において特別なニーズがある場合、株式会社が学校設置主体となるよう特例措置を講ずる方向で検討したい旨回答いたしております。
県教育委員会といたしましては、株式会社の教育への参入が多様な国民のニーズにこたえ、新しい時代を切り開くたくましい日本人の育成につながるのかどうか、国における今後の構造改革特区の取りまとめの動向を踏まえ慎重に対処していきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 構造改革特区制度の導入について、病院への株式会社参入等についての質問にお答えいたします。
 現行の医療法では、営利を目的として病院等の開設を行おうとする者に対しては許可を与えないことができるとして、実質的に営利を目的とした病院の開設を認めておりません。
 そのような中、国の諮問機関である総合規制改革会議においては、患者ニーズに直結した効率的な経営が期待できるとして病院への株式会社の参入を容認すべきとの答申が出されております。
 現在、法律を所管する国においてその是非を検討しているところでありますので、県といたしましては、現在の医療制度が国民皆保険制度のもと、適正に維持されていることを踏まえ、県民が安心して良質な医療が受けられるよう国の動向を見守りつつ、医療提供体制の確保に努めていきたいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 構造改革特区制度の導入についての、農業への株式会社の参入についてお答えをいたします。
 株式会社の農業経営への参入については、平成13年12月18日に「総合規制改革会議の「規制改革の推進に関する第1次答申」に関する対処方針について」の閣議決定を受けて、国においては構造改革特別区域法における農地法の特例措置が講じられております。
 構造改革特区においては、平成15年4月から農業生産法人の要件にかかわりなく株式会社などの法人による農業経営ができるようになっております。ただし、農地の確保につきましては、農地の投機的取得に対する懸念から、農地保有合理化法人などの公的機関からの賃借に限られております。
 当該特例措置につきましては、農地の効率的利用や農村地域の活性化を図る上で有効な施策として考えております。
 以上であります。
○総務部長(當銘直通) 2003年度政府及び沖縄関係予算についての質問に順次お答えいたします。
 まず、新年度政府予算の県予算への影響についてでございます。
 小泉内閣が進める「聖域なき構造改革」は、日本経済の再生を図るもので、「改革なくして成長なし」との基本的な考え方を引き続き堅持し、経済活性化に向け歳出改革などの構造改革に取り組むものであります。
 このような基本的な考え方を踏まえた国の平成15年度当初予算は、「改革断行予算」と位置づけた平成14年度予算の基本路線を継承し、一般歳出及び一般会計歳出全体について実質的に平成14年度の水準以下に抑制することとして編成されております。
 特に、地方歳出については平成14年度に引き続き地方財政計画全体の規模が減額となっており、平成15年度は国、地方を通じ厳しい財政環境下での編成になったものと認識しております。
 その結果、本県においても投資的経費の補助事業の減、地方交付税の減などの影響があり、また景気の後退により県税収入が減少したことから、臨時財政対策債の増額や基金の取り崩しをするなど厳しい予算編成となったところであります。
 しかしながら、平成15年度は「沖縄振興特別措置法」及び「沖縄振興計画」に基づき新たな沖縄の振興に向けた諸施策を推進し、自立的かつ持続的な発展に向けて本格的に歩み出す重要な年であります。このため、平成15年度当初予算の編成に当たっては、限られた財源の中で事業の優先度に十分配慮しつつ、文化の振興、観光・リゾート産業の振興、情報通信産業の集積、産業の振興と雇用の創出、農林水産業の振興、医療・福祉の向上、地域・離島の振興等の政策課題や緊急かつ重要な施策に的確に対応することを基本に編成したところであります。
 次に、地方分権、地方の自立という観点からの予算編成のあり方についてお答えいたします。
 現下の地方財政は、長引く景気の低迷による税収の減収などにより引き続き大幅な財源不足が生じるとともに、数次の景気対策による公共事業の追加等により借入金残高が急増しており、その償還が将来の大きな負担となるなど極めて厳しい状況にあります。
 その中にあって、地方公共団体が国民の期待にこたえ、その役割を十分に果たしていくためには地方公共団体の創造性、自立性を高め、積極的な施策展開が可能となるような国と地方公共団体の適切な役割分担に応じた事務・事業及び税財源の配分のあり方などについて検討し、地方公共団体における財政基盤の充実・強化を図ることが重要であると考えています。
 なお、その場合においても税源の偏在による財政力格差を是正する地方交付税制度の財源調整機能を維持する必要があると考えております。
 次に、県債残高及び財政の硬直化についてお答えいたします。
 平成15年度末の一般会計の県債残高見込み額は約6199億円で、臨時財政対策債の増等により前年度に比べ320億円、5.4%の増加となっております。
 新沖縄県行政システム改革大綱(素案)においては、公債費の増大を抑制する観点から、一般会計の県債発行額は、国の経済対策や地方財政対策等に係るものを除きおおむね250億円程度に抑制することとしており、平成15年度当初予算では222億1400万円となっております。今後とも公債費の動向に留意しつつ、県債発行の抑制に努めたいと考えております。
 次に、県職員の退職手当の対応についてお答えいたします。
 県職員の退職については、平成19年度のピーク時には1000人を超え、その後、平成22年度までは各年度900人程度で推移し、その退職手当の額は各年度200億円から300億円程度になるものと見込んでおります。このような多額の退職手当の支出に備えるためには、今後、職員退職手当基金への積み増しを行うとともに、計画的な勧奨退職を実施し財政負担の平準化を図っていく必要があると考えております。
 次に、外形標準課税の導入による税収見込みについてお答えいたします。
 平成15年度税制改正において全国一律の導入が予定されている法人事業税への外形標準課税において、課税対象となる法人は資本金1億円超の法人となっております。
本県において、その対象となる法人数は県内法人が225社、県外法人が1078社、合計で1303社となっております。
 御質問の税収の見込みにつきましては、現時点ではこれらの法人における外形標準課税の算定の基礎となる報酬給与額、純支払い利子、純支払い賃料などの把握が難しいことから税収見込み額の算定は困難であります。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス4社統合問題と今後のバス交通のあり方についての御質問にお答えをいたします。
 バス統合に当たりましては、新会社の事業経営に対して責任を持って遂行する経営陣やそれを支える企業等を明らかにすること、4社労使が合意すること、退職金等過去の債務の処理に対する経営責任を明確にすること、金融機関からの融資を計画どおり確保すること等当事者が解決しなければならない課題があります。
 また、今後のバス交通のあり方については、乗り合いバス事業は通勤・通学、通院、買い物等の地域住民の日常生活を支える公共交通機関として大きな役割を果たしてきており、今後とも重要な交通手段として必要であると認識をしております。
 乗り合いバスは、地域住民の日常的な生活の足としての役割のほか、高齢者や児童生徒の移動手段確保、公共交通利用による交通渋滞の解消、環境問題への対応の観点からも重要な役割を担っております。
 県といたしましては、県民の日常生活の足を確保する観点から、今後とも引き続き生活バス路線の維持・確保に努めるとともに、効率的で利便性の高いバス路線網の整備が必要であると考えております。
○友寄 信助 まず1点目は、那覇軍港の代替施設の問題ですが、これまで明らかになった計画によると規模は同程度というんですが、機能的には非常に強化されてくると思う。しかも、国際トランシップ港湾というこれから沖縄の経済活性化に大きくつながる、期待されている大規模な港湾と軍港が一体となっているということですよね。
 そうしますと、果たして外国で軍港と一体となったそういう大規模な港湾というものがあるんだろうかということね。もしあるんだったらお聞かせ願いたいと思う。
 もしこのような計画で進めていくと、これから有事法制が作成されますと恐らく港湾というのはかなり規制されるんですよね、出入りする船舶、それから施設。ですから、そういう大きなこれからの国際港湾を整備しながら、一方ですぐ隣接にそうした巨大な軍港湾があった場合に果たして荷物量の集積ができるのかということですね、その点もお聞きしたいと思うんです。
 それともう一つは、この新しい港湾のこれから国際競争力をつけていくためには、港湾ターミナルの運営コストですね、これは荷物量の問題も含めてなんですが、年間の港湾ターミナル施設の運営コストというものがやはり一つの大きな条件になってくるんじゃないかと思うんですが、これはどの程度の水準にしていくのかということ。
 3点目にバス問題ですが、バス問題についていろいろとあります。確かに県が慎重になるのはわかるんですよね、県民の税金を注いでいくわけですから、民間企業に投資するというわけですから、それはわかるんです。
 今言ったように、余り慎重になり過ぎるというんですか、非常に厳しい条件がつけられているわけなんですが、やはり県がこのバス4社に協力をしていくという姿勢でいくというのを持たないと、またこの問題というのは行き詰まっていくんじゃないかなという気もいたしますんで、そういう点にも配慮しながら対応していただきたいと思います。
 もう一度この件についてお聞きしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時17分休憩
   午前11時24分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 企画開発部長。
   〔企画開発部長 与儀朝栄君登壇〕
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇港湾の国際競争力を高めるための運営コストはどのように推移していくのかという再質問にお答えします。
 現在、那覇港管理組合において平成20年代後半を目標年次とした那覇港の港湾改訂計画案が提案され、審議されているところであります。
 国際競争力を高めるための運営コストについても管理組合で今後検討されるものと思われます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス統合についての御質問にお答えをいたします。
 現在、バス統合準備室とバス4社が統合のための諸条件の調整を行っており、新会社の発足に向けて事業計画の策定、出資、路線の再編等の具体的な作業を進めているところであります。
 県としては、新会社の事業経営に対して責任を持って遂行する経営陣や、それを支える企業等が明らかになった段階で国とも緊密な連携を図りながら、総合的な観点から対応を検討し取り組んでいきたいと考えています。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
 那覇港湾施設の機能につきましては、現在の機能が維持されるものだと考えております。
 それから、有事法制との関係につきましては現在国会で審議中でありますので、その審議を見守りたいと思います。
 それから、軍港と民港との件につきましては承知しておりません。
○友寄 信助 議長、休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時26分休憩
   午前11時29分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 兼城賢次君。
   〔兼城賢次君登壇〕
○兼城 賢次 所見を述べながら護憲ネットワークを代表して質問をいたしますが、ただいまの我が会派の友寄議員に対する答弁の仕方は、議会そのものの議論を殺すようなことになります。まともな答弁をして初めて議会が議会たるゆえんだと思いますので、執行部がちゃんと質問に答えるというようなことをぜひしていただきたいと思います。
 私どもは、政務調査で韓国の視察をしてまいりました。これまで理解していた韓国と目の当たりにする韓国はかなりの大きなギャップがありました。
 私たちの視察は、昨年6月、米軍装甲車での中学生轢殺の米軍人の無罪判決で市民の怒りと米韓地位協定に対する対応を調査することでした。休戦ラインを境とする北には親子、兄弟、友人、知人が住んでいる現実があります。米軍基地への経済的依存が少ないこと、北との緊張関係よりも南北統一がいずれ実現するものでそれを前提に南の対応がなされていることであります。
 市民運動の中心的役割を果たしている駐韓米軍犯罪根絶運動本部がありました。米軍犯罪の被害者の人権保護と韓米地位協定のための組織で、宗教、市民、学生と各界各層の参加を網羅しています。
 轢殺事件の無罪判決への抗議集会にも参加いたしましたが、若者が圧倒的に多かったのですが、韓米地位協定改定の運動は人権問題として取り組まれていることでした。
 これまで米軍人・軍属の事件・事故の処理で日米地位協定の改定、見直しの声があり、県議会、市町村議会でも抗議決議や改定、見直しの決議がなされました。県民の間には、復帰後かなりの抗議決議や意見書、たび重なる要請行動に何の歯どめにもならない打ち続く事件・事故に無力感があります。
 県は、平成12年8月に「日米地位協定の見直しに関する要請」をいたしました。知事は、これまであらゆる機会を通して見直しの実現を求めたとのことであります。ところが政府は、運用改善によって機敏に対応していくことが合理的としてアメリカに一度たりとも地位協定の改定を要求したことがないことを明らかにしました。
 知事、これはどういうことなんだという思いはありませんか。
 これまで知事も議会も、県民が地位協定の改定をせよという決議や抗議をしているにもかかわらず、アメリカに対して日本政府は一度たりともこの地位協定の改定を要求したことがなかったということで知事の思いを聞かせていただきたいと思います。
 代替施設建設協議会が発足しましたが、十分なコンセンサスが得られぬままになし崩しに進める手法は納得いくものではありません。SACO報告に基づいて進められるはずの移設がSACO報告にすら反している。知事が掲げる15年使用期限については議題外とのことであります。
 15年使用期限の議題外に、協議の場で、議題によらなければ県知事が強い姿勢を示しても意味がない。実際、15年期限は破綻しており、県民をだますパフォーマンスにすぎないと強い批判があります。話し合うべき大事な協議会に知事の肝心な公約課題がテーブルの場にのらないというのは、15年使用期限問題に知事は要望はするが、真摯に公約を実現する意思がないものと言わざるを得ません。
 15年使用期限問題や辺野古への移設には疑問や見直しが麻生自民党政調会長の発言にもあらわれております。麻生発言を沖縄問題を知らない無責任な発言のごとく言われますが、そう単純なものではないと思います。麻生政調会長は、2001年12月に「麻生ビジョン」として沖縄を経済特区にして新規立地企業の法人税を5年間減免、関税や輸入割り当ての撤廃、外国人の居住などを提言いたしております。
 自民党総務会で問題発言となったことで麻生政調会長は終了後、まともなことを言っただけだと述べたとマスコミは伝えております。
 米軍基地から派生する事件や事故、県民の思いを現地沖縄で対応することで問題解決するのが沖縄大使の役目かと思っておりました。橋本前大使の米軍人の事件・事故と県民との対比発言は、県民に不愉快な思いがあります。地元紙の社説や投稿がそのことをあらわしております。
 質問をいたします。
 知事は、地位協定改定の県民大会については、各界各層を網羅した全県的な大会が必要であるとの認識を示しておられます。県民大会をやることに全面的に大賛成とも述べられておりますが、県民大会に向けてのリーダーシップを発揮する用意がありますか。
 普天間飛行場移設問題で設置される代替施設建設協議会の設置目的は何か。なぜ協議会へ15年使用問題を議題としなかったのか。知事は要求したのか。
 私は、SACOには基本的に反対ですが、知事はSACO報告の着実な実施がベターと繰り返し述べております。辺野古沖への移設計画は、SACO報告にすら反しているのではないかということを申し上げます。このSACO報告についてあえてお聞きいたします。
 次に、普天間飛行場移設問題で麻生自民党政調会長の発言は、移設に疑問を持っただけでなく、議論を深めるための提起と考えます。政府と改めて議論すべきと考えますが、どうですか。
 次に、橋本前沖縄大使の米軍事件の県民との対比について県民の反応が大きい。発言と県民の反応に対して知事の所見を賜りたい。
 次に、「沖縄振興特別措置法」と振興計画についてお伺いいたします。
 復帰後3次にわたる沖縄振興開発特別措置で経済振興を進めてきたにもかかわらず本土との格差是正や自立型経済にはほど遠く、1972年の復帰時よりかえって財政依存は高まり、失業率も悪化してきました。振興策の企業誘致も目玉は製造業を念頭に置いたものでした。しかし、製造業が沖縄に不向きであることは日本企業が沖縄を素通りして中国や東南アジアに生産拠点を移していることです。
 労働集約型で大きな敷地を要するような製造業の誘致は、30年の企業誘致の取り組みからも明らかで、中城湾やその他埋立地を覆い尽くすような企業立地は厳しいと言わざるを得ません。来ないものを待ち続けるわけにはいかないので、大田前県政はマルチメディアアイランド構想を打ち出しました。今、観光・リゾート産業をリーディング産業として位置づけて取り組まれているものと考えます。
 今、最も期待される観光リゾート局の職員体制、あるいは取り組むべき課題も指摘されつつも、なかなか改善されずにあることです。財政が厳しいだけでは責任ある説明にはなり得ません。9・11テロ後の観光入域客の激減でその波及効果、影響の大きさを経験いたしました。知事は、釣り具に見立てて新振計の手ざわりを表現しております。3次にわたる振興策の経過もあり、果たしてこの釣り具で魚が釣れるかどうかであります。
 そこでお伺いいたします。
 これまでの3次にわたる「沖縄振興開発特別措置法」と今回の「沖縄振興特別措置法」で自立型経済を目指す産業振興策での違いは何なのか。
 特別自由貿易地域は十分に機能しなかったと言われるが、実態はどうか。
 振興新法に一国二制度を求めてきたが、どのように位置づけられているのか。
 「沖縄振興特別措置法」の中で構造改革特区の事業メニューについて論議はなされたのか。
 知事は、他県にない制度ができたと言われるが、地元企業でどのような活用が期待されるのか。
 次に、中小企業の支援・育成についてお伺いをいたします。
 県内の中小零細企業は厳しい状況にあえいでおります。労働関係者は就労を分かち合うことを検討しています。公共工事の分離・分割発注も地元の中小企業にも仕事の機会を与える配慮でした。
 さて、沖縄県中小企業家同友会は昨年12月、知事に対し、「沖縄県の産業振興・中小企業政策に対する中小企業家の要望と提言」をいたしております。その中に公共事業についての要望とともに情報産業についての優先的発注と支援策の要望があります。IT機器の調達において4年前までは分割形式で発注があったが、これが現在では一括発注形式になったために地元の中小企業の受注機会が少なくなっていること、新規企業に対する特典ばかりで支援策が偏っているのではないかとの指摘であります。
 そこでお聞きいたします。
 IT産業における地元既存の企業育成とベンチャー育成をバランスよくすべきとの声があるが、対応はどうなっているのか。
 公共施設へのIT機器発注での分離・分割発注の要望があるが、対応はどうなっているか。
 次に、教育行政についてお伺いいたします。
 障害のある児童の教育システムが変わりつつあります。養護学校のこれまでの分離教育の役割と健常児とともに学ぶ統合教育のあり方が保護者や関係者を交えて論議されています。従来の分離教育を否定するものではないけれども、学ぶ場を選択したいという保護者や障害児の希望にこたえることも教育行政のこれからのあり方と考えます。
 お聞きいたします。
 統合教育についての所見を伺いたい。
 埼玉県が2004年度から導入しようとしている障害がある児童生徒の「二重学籍」についての所見を伺いたいと思います。
 次に、農業振興についてお伺いいたします。
 小菊の品種開発や沖縄の気象条件に配慮した新しい平張りハウスの施設ができるなど技術や施設は改良が進んでいます。しかし、農家にとって生産物が適正な値段で売れるかどうかが大きな関心があります。県外出荷は輸送コストが大きな課題であります。輸送コストに占める割合が大きく、流通、販売は沖縄農業の今後の活路を見出す課題でありますが、流通、加工はどのような対応がなされているのか。
 また、流通についてですが、さきにJAコンテナの実験事業がなされましたが、その結果と、現在どのような対応がなされているかお聞かせいただきたいと思います。
 次に、介護保険についてお伺いいたします。
 介護保険料が4月から値上げが予定されております。普通徴収納付率は県平均で約85%、徴収対象者月額年金収入1万5000円以下の人たちであります。
 市町村の現場では夜遅くまで、時にはプライベートに触れるようなところまで踏み込んでの話し合いをしているそうです。現在でも厳しい保険料が値上げされれば未納者がふえるだけです。払いたくても払えない未納者には罰則があり、現状のままでは値上げすればこれまで以上に未納者がふえるだけです。
 いざ介護を受けようとすると、一括払いや介護給付費からの差し引きなどで対応するとしても限度があります。もともと支払えないのですから滞納は深刻になります。今の制度では真に介護が必要なとき、低所得者たちが救われないことになります。政府の三原則などにこだわっていては介護保険の精神が生かされません。未納者対策は緊急だが、このまま成り行きに任せるつもりか対応をお聞かせください。
 次に、市町村合併についてお伺いいたします。
 市町村合併が論議や理解も不十分なまま進められている。国のあめとむち利益誘導をしながら期限を切っての合併は、本来の自治や分権にもとるものではないか。県は、地域の実情を勘案した合併を進めるべきではありませんか。
 具志川、与勝など以前から論議された地域ですら市民レベルでの合併問題は熟したものとは言いがたい。利益誘導型で期限を切っての合併ではなく、住民に十分論議を深めさせた時点でやるべきと考えるが、県もその方向で進めるべきと考えるが、所見を賜りたいと思います。
 次に、県文化祭での砂川友弘氏の作品撤去についてお伺いいたします。
 昨年、沖縄文化祭前日に不適当と撤去されたという。主催者である県文化振興課長は、沖縄の明るい展望を発信するコンセプトに風刺漫画は適当ではないとのことであります。砂川氏の作品は昨年、県文化協会奨励賞を受賞されております。沖縄タイムスに12年間掲載され続けております。県民になじみの作品ですが、適当ではないの一言では理解しがたい。
 知事は、砂川氏の「時事漫評」10周年に談話を寄せられておりますが、そのことを踏まえて知事の所見をお聞かせください。
 次に、具志川市新赤道の分譲住宅、県営団地、住宅公社の複合住宅の共同汚水処理施設の管理運営についてお伺いいたします。
 県住宅公社に昨年12月17日付で新赤道自治会から汚水処理施設についての質問書が提出されております。処理施設の撤去費用の負担問題がありますが、どう措置されるのかお伺いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの兼城賢次君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時45分休憩
   午後1時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 午前の兼城賢次君の質問に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の御質問にお答えいたします。
 最初は基地問題についてのうち、県民大会の開催についてお答えいたします。
 日米地位協定の抜本的見直しについては、行政の立場でこれまであらゆる機会をとらえて要請活動を展開してきたところであります。県としては、基地問題の解決に当たっては、行政のみならず官民一体となった全県的な取り組みが必要であると考えており、県民大会については各界各層を網羅した全県的な大会であることが必要であると考えております。
 続きまして、代替施設建設協議会の設置目的と15年問題についての御質問についてお答えをいたします。
 新たに設置された代替施設建設協議会は、「普天間飛行場代替施設について、地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行いつつその円滑な建設を推進することを目的」とし、「環境影響評価、設計、施工等代替施設の建設に係る事業及び「代替施設の使用協定に係る基本合意書」に基づく取組の進捗状況について報告を受けるとともに、これに関連して所要の協議を行う。」ということになっております。
 15年使用期限問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、内閣総理大臣を初め関係大臣にも要望してまいりました。また、この問題はあらゆる機会をとらえて発言する必要があり、これまで代替施設協議会において何度も要望し、去る1月28日に開催された第1回代替施設建設協議会においても改めて強く要望したところであります。今後とも、引き続き強く求めていきたいと考えております。
 続きまして、SACO合意の実施についてお答えをいたします。
 SACOの最終報告の内容と普天間飛行場代替施設の基本計画については、昨年11月の参議院外交防衛委員会において、川口外務大臣及び石破防衛庁長官が、代替施設の受け入れ過程において、地元からの要請を踏まえて具体的な整備内容に変更が生じたことは事実であるが、代替施設の整備による普天間飛行場の移設・返還が今の時点で最大限実施し得る沖縄の米軍施設・区域の整理縮小、統合を図るというSACO最終報告の趣旨に合致をしているという点ではいささかの変化もないと答弁しております。県としては、SACOの最終報告の趣旨に沿って普天間飛行場の移設・返還に取り組んでいきたいと考えております。
 続きまして、麻生自民党政調会長の発言についての御質問にお答えをいたします。
 普天間飛行場の移設については、平成8年4月のSACO中間報告後、移設先の一つとして嘉手納飛行場が候補地とされました。
 また、同年9月のSACO現状報告では、ヘリポートの嘉手納飛行場への集約等についても日米間で検討を進めることが確認されました。しかし、地元市町村等の強い反対があり、結局、平成8年12月のSACO最終報告では嘉手納飛行場への集約は対象外となっております。
 県は、普天間飛行場の移設先の候補地選定について、運航空域確保の問題、騒音の問題、アクセスの問題等さまざまな観点から検討し総合的に判断した結果、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を選定したものであり、SACO最終報告において否定された嘉手納飛行場への統合については検討しておりません。
 政府は、平成11年、県の移設候補地選定結果や名護市の受け入れ表明を受け、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定し代替施設の建設地点を定めたものであります。
 普天間飛行場の移設については、閣議決定された政府方針に基づき代替施設協議会における協議を経て昨年7月に基本計画が決定されるなど、一歩一歩進められてきたところであります。したがって、県としては現在行われている移設に向けた作業を進めていくことが普天間飛行場の早期返還につながるものと考えております。
なお、これらの経緯については、先般、麻生政調会長に対して直接説明し理解を得たところでございます。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 橋本前沖縄担当大使の発言についてにお答えいたします。
 沖縄県民は、戦後58年間の長い基地負担の歴史の中で多くの被害を受けてきたところから、小さな事件であっても過去にあった幾多の不幸な事件を想起させ、米軍に対する不信感を募らせております。
 県としては、県民、米軍のいかんを問わず事件・事故は1件たりともあってはならないと考えており、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る観点から米軍人等による事件・事故の再発防止に向け努力していきたいと考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) これまでの「沖縄振興開発特別措置法」と新法における産業振興策の違い、一国二制度の位置づけについて一括してお答えいたします。
 「沖縄振興特別措置法」は、情報通信産業特別地区や金融業務特別地区の創設、特定免税店の空港外展開など産業振興のための一国二制度的な特別措置が盛り込まれております。
 これに加え、産業高度化地域制度、中小企業経営革新支援法の特例、経営基盤強化の支援、新規事業の創出促進など産業振興のための多くの税・財政上の特別措置があります。
 さらに、観光、情報、農林、雇用の分野における国の同意を得る計画に関する規定を設け、具体的な施策展開の実効性の確保を図るなど、これまでの「沖縄振興開発特別措置法」に比べ本県の産業振興を強力に後押しする内容となっております。
 次に、「沖縄振興特別措置法」での構造改革特区事業の議論についてお答えいたします。
 「沖縄振興特別措置法」の制定に向けては、沖縄県振興開発審議会や県議会における審議、関係市町村長からの意見聴取、県民フォーラム等を踏まえて幅広く検討し県の基本的な考え方を国に提案いたしました。その結果、平成14年3月末日に成立した同法には一国二制度的な特別措置を初め、産業振興のための数多くの税・財政上の特例措置や、文化・科学の振興及び国際協力等の推進のための規定が盛り込まれております。
 構造改革特区は、一定地域に限って規制を緩和し経済の活性化を目指すもので、平成14年7月26日に1次募集が行われ、同年11月8日に2次募集が行われたところであります。
○商工労働部長(花城順孝) 特別自由貿易地域の実態についての御質問にお答えします。
 特別自由貿易地域については、平成10年度末の地域指定を受け、翌11年度から用地分譲を開始し企業誘致を積極的に進めております。
 あわせて、企業の初期投資負担を軽減する賃貸工場の整備を初め、株式会社沖縄産業振興センターに同地域における立地企業の支援や施設等の管理を委託するなど、企業が進出しやすい環境整備に努めております。
 同地域には、特別自由貿易地域の機能を生かして医療用半導体基板を製造する企業や電気・電子機器類のプリント基板の製造装置を製造する企業など、これまで沖縄にはなかった新たな業種などが合わせて8社立地しております。今年度は4社の立地内定を見込んでおり、さらに具体的に調整を進めている企業を含め10数社が関心を示しております。今後とも魅力ある投資環境の整備を図るとともに、積極的な企業誘致活動を展開し企業の立地促進に努めてまいります。
 次に、「沖縄振興特別措置法」の中で地元の中小企業にとってどのような制度があるのかという御質問にお答えをいたします。
 他県にはない沖縄独自の制度としましては、特別自由貿易地域制度や金融業務特別地区制度などのいわゆる一国二制度がありますが、とりわけ中小企業のための制度としましては「中小企業経営革新支援法」の特例措置があります。
 当該制度は、新商品や新たな販売方式の導入などにより経営の向上に挑戦する中小企業を支援するものであり、知事により経営革新計画が承認された中小企業及び組合等に対する特別償却や税額控除など税制上の沖縄特例措置が設けられております。
 このほかの支援措置としましては、経営革新のための新商品、新技術等の開発に対する補助金や沖縄振興開発金融公庫による低利融資等の支援措置があります。今後ますます厳しい市場環境が予想される中で、当該制度に対する中小企業の関心は高く、県では商工会議所等と連携し各地での説明会を積極的に実施しているところであります。
 IT産業の育成についての御質問にお答えします。
 情報通信基盤の整備と情報通信技術の発達は、本土市場との遠隔性が課題とされる沖縄の距離と時間の不利性を克服できることから、情報通信関連産業は新たなリーディング産業として期待されています。
 現在、県外からコールセンター等の企業の立地・集積を促進しているところですが、一方では県内企業の高度化等による情報通信関連産業の振興も期待されているところです。そのためには経営基盤の強化や高度な人材育成を初め、積極的に県外市場を開拓していく姿勢が求められています。
 このような観点から、県では高度な技術を持つ人材を育てるためにIT高度人材育成事業を実施しているほか、国内外の先進企業等への派遣研修に対して助成事業を行っています。
 また、最大のマーケットである首都圏等からの業務の受注を促進するため、東京等で積極的に営業活動を行うための拠点として事務所を開設する県内企業に対して家賃補助等を実施しています。
 さらに、県内のベンチャー企業の育成につきましては、県や市町村が整備した各種インキュベート施設の提供を行っているほか、投資や融資制度あるいは各種税制の積極的な活用促進を図ってまいります。
 次に、中小企業への物品の分割発注についての御質問にお答えします。
 官公需における中小企業者への受注機会の増大については、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」に基づき、地方公共団体においても国の施策に準じて努力することが求められております。
 国は、毎年「中小企業者に関する国等の契約の方針」を閣議決定しており、平成14年度の同方針においては、物品等の発注に当たって、価格面、数量面等から見て分離・分割して発注することが適切であるか十分検討し、可能な限り分離・分割して発注を行うように努めるものとするとしております。県においても、この政府の契約方針の趣旨に沿って、物品等の発注に当たっては可能な限り分離・分割して行うよう各部局に通知するとともに、県内各市町村に対してもその趣旨の周知徹底方を依頼しております。
 ちなみに、平成13年度における県の官公需契約実績に係る物件契約額の92%は中小企業者に対する発注となっております。
 以上であります。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育行政について、統合教育についての所見を伺いたいという御質問にお答えをいたします。
 統合教育とは、一般的に障害のある子供と障害のない子供が可能な限りともに教育を受けることとされております。
 平成14年4月の学校教育法施行令の一部改正により、就学基準に該当するものはこれまで同様、盲・聾・養護学校への就学が基本となりますが、市町村教育委員会が専門性の高い教員の配置やスロープ、エレベーター等の施設整備がなされ、障害のある児童生徒が適切な教育を受けることができる特別な事情があると認められる者については、「認定就学者」として小中学校に就学させることができるようになりました。弾力的な運用が認められるようになりました。
 県教育委員会としましては、当施行令改正の趣旨を踏まえ、障害のある児童生徒一人一人のニーズに応じた教育的支援を行う就学指導ができるよう市町村就学指導担当者研修会等を実施をし、各市町村教育委員会に指導・助言を行っているところであります。
 次に、二重学籍についての御質問にお答えをいたします。
 障害のある児童生徒が障害のない児童生徒とともに授業を受けられるように、在籍する特殊教育諸学校に加えて普通学校にも学籍を置こうというのが二重学籍ととらえられます。
 障害のある児童生徒が学習目的に沿って特殊教育諸学校と普通学校との間を行き来をし学習することにより、障害のない児童生徒と一緒に学ぶ機会がふえるほか、運動会など学校行事等を通して地域社会とのつながりも強くなるものと考えられます。
 県教育委員会としましては、保護者や多様化する障害のある児童生徒の学習ニーズに対応するため、二重学籍等について文部科学省の動向や関係市町村教育委員会との協議も進めながら検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 農業振興についての、流通、加工の対応についてお答えをいたします。
 本県農林水産物の市場競争力の強化と生産出荷の拡大を図るためには、流通・販売・加工対策の強化が重要であります。
 そのため、流通対策としては低コスト輸送ルートの開拓や、生産から販売までの情報システムの整備など農産物の物流効率化を進めているところであります。
 具体的には、菊などを航空輸送から船舶輸送へ誘導することにより輸送コストの低減化を図っているところであります。花卉の出荷団体の事例で見ますと、菊の船舶輸送が平成12年度の約25%から平成13年度には約33%に増加しており、今後とも飛躍的に増加することが見込まれております。
 販売対策としては、一貫性のある効率的なマーケティング戦略の構築や「おきなわブランド」の確立、地産地消の推進などの強化に努めているところであります。
 加工対策については、観光・リゾート産業や食品産業と連携をし、ゴーヤーや黒糖、モズクなど農水産物を活用した地域特産品の開発を促進しているところであります。今後とも、県としては「おきなわブランド」の確立のため流通・販売・加工対策を強化していく考えであります。
 以上であります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 介護保険について、低所得者の介護保険料未納者への対応について。
 県と市町村は、介護保険料の納付促進を図るため共同してテレビや新聞等を通して広報・啓発活動を行っております。また、県は引き続き各保険者に対して徴収率の向上を図るよう指導・助言を行ってまいります。
 次期介護保険事業運営期間においては、要介護認定率の増加や在宅サービスの利用増を背景に保険料の上昇が見込まれることから、未納を防止するための低所得者対策は重要な課題となっております。
 市町村や沖縄県介護保険広域連合に対しては、低所得者対策として三原則を遵守した保険料の独自減免や利用料の減免実施に取り組むよう助言しているところであります。
 ちなみに、34市町村で構成する沖縄県介護保険広域連合においても、次年度から低所得者に対する保険料の独自減免を実施する予定になっております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 市町村合併について、住民合意形成に向けての取り組みについての御質問にお答えをいたします。
 県としましては、合併特例法の期限であります平成17年の3月までの間に多くの市町村合併が実現するよう市町村の自主性、主体性を尊重し、本県の地域特性にも十分配慮しながら市町村合併を積極的に進めているところであります。
 市町村合併は、地域の将来のあり方や住民自治及び住民生活に深くかかわる重要な事項であることから、議会議員や首長がリーダーシップを発揮して地域住民に対する情報公開や情報提供を行いながら関係市町村、議会、地域住民の方々が十分に協議を進める中で合意形成が行われていくものと考えております。
○文化環境部長(永山政邦) 沖縄文化祭での砂川氏の作品展示についての御質問にお答えいたします。
 復帰30周年記念事業の沖縄文化祭の一環として開催した「オキナワエキシビション」は、生活用品等の現物資料や写真の展示、映像の放映等を通して復帰30年を振り返る展示会でありました。
同展示会場は、第1・第2・第3展示室と映像室から成り、御質問に係る第3展示室では「海を越える沖縄物語」をテーマに海外へ雄飛した県民の活躍、世界のウチナーンチュ大会の開催、アジアとの交流、沖縄の音楽に焦点を当て、これらに関係する諸資料を展示する計画でありました。
砂川氏の風刺漫画については、このような展示計画に含まれていなかったことから委託業者、監修者の了解のもと、展示を見合わせることとしたものであります。
砂川氏の「時事漫評」は、新聞連載満10周年の際の知事の談話にもありますように時事問題を的確にとらえ、鋭い風刺の中にもウチナーンチュらしい温かさが感じられ、そのあたりが多くの読者から長く支持されているところではないかと思います。
 県としては、文化行政の推進に当たってはさまざまな文化活動の発表の場やすぐれた芸術・文化等の鑑賞機会の充実を図り、幅広く多くの分野の文化の振興に取り組んでまいりたいと考えております。
○土木建築部長(安慶名正行) 具志川市新赤道の分譲住宅等の共同汚水処理施設の管理運営についての、共同汚水処理施設の撤去費用の負担についてにお答えいたします。
 具志川市新赤道の分譲住宅、県営住宅、沖縄県住宅供給公社賃貸住宅の複合団地の共同汚水処理施設の管理運営については、住宅公社が一括して対応しております。
 共同汚水処理施設は住宅公社の所有財産であり、権利・義務のすべては住宅公社に帰属しております。したがいまして、当該施設の撤去については住宅公社の負担で行われるものと承知しております。
○兼城 賢次 知事、1点目ですが、県民大会にリーダーシップを発揮するかということを聞いているんでありまして、知事自身が大会の必要性も認識しているし、また県民大会も大賛成だということも県民に表明しているわけですから、その説明ではなくして、リーダーシップを発揮して県民大会へ持っていくというような知事自身の意欲があるかどうかを聞いておりますので、もう一度御答弁願いたいと思います。
 それから、普天間飛行場移設問題で設置されました代替施設建設協議会の目的が知事から説明がありましたように、「円滑な建設を推進すること」だとおっしゃっております。当然もう拍車をかけて建設に進むわけですが、ところが知事が政治的公約としている15年使用問題が何らめどもつかない、そういう中で「円滑な建設を推進する」ということは、もう15年期限問題については知事はギブアップだというぐあいに考えていいのかどうかです。
 というのは、これまでも15年使用問題については名護市の前市長が海上基地に対する投票で、海上基地に反対だということを市民が判断を下した。ところが、やめてしまって、それを受け入れてしまうと、そういう手法をとっている。現市長は、この15年使用問題について、たしかこう言っていると思います。基本計画の策定までにその回答が必要だというようなことを言っている。ところがもう計画も終わりましたし、まして円滑に進める協議会に名護市長が何らの弁明もなくしてやると。
 知事は、これまで基地の提供責任は国にあるということを言ってきました。じゃ、こういう15年使用問題について何ら根拠のないことを根拠にしてずるずるといってしまう。そのときに結果として、着工までに何らかの進展もなくして進むことはあり得ないということを言っているけれども、結果的にはずるずると進んでいって、結局は基地の提供責任は国にあるんだからやむを得ないという形でやるのか、そういうようなことで済ますつもりなのか。そしてまた、こちらから見ればもう15年使用問題というのは正体があらわれたと、やる気はないんだと我々は思っておりますけれども、もう一度御答弁願いたいと思います。
 そしてSACOのことですが、すべていかにもSACOに従ってやれば順調にいっているということを言っているんですが、そのSACOについて実際にかかわった元アメリカ国防総省日本部長のロビン・サコダという人が、平成13年11月14日の新聞にありますけれども、当事者がこう言っているわけですよ。「移転のための埋め立ては許されないという前提で作業した。SACOの意図に反するからだ。SACOが目指したのは、沖縄の状況を改善することで、県土を大きくし、米軍の規模を増やすことではない」と、埋め立てによる代替基地確保は、基地整理縮小の理念に反するという見解をはっきり示したと。つくった人でさえこういうことを言っているんです。何も反対派がそういうことを言っているんじゃないですよ。そういうことでSACOがいかにも着々と進めば整理縮小になるということを言っているけれども、決してそうではなくして、むしろ基地の強化につながると。新しい基地をつくれば、もっと現在以上の機能を発揮して基地の強化になるというような指摘に対して知事はどう考えているのか。
 そして、この麻生発言も実はこれと絡むわけで、麻生政調会長というのは現在の米軍基地の海兵隊の演習は東南アジアとか、あるいはグアムとかハワイの方に移転することによってそういう軽減ができると。しかもまた中川元官房長官も、東南アジアに演習を移転することによって基地の軽減化を図ると、そういうことを積み重ねながら海兵隊を海外に移転することも考えるべきじゃないかということを言っているわけです。
 そういうようなことがあって、むしろ麻生発言を、整理縮小と言うならば歓迎すべきことであって、何も理解を求めるようなことではないと思いますが、そういう観点からこの基地問題というのをむしろみずから新しい基地を辺野古につくるために今、知事が頑張っているような対応になっているんじゃないですか。
 それと、先ほどのIT関係のことですが、中小企業が今大変苦しんでいるわけでございます。ところが、全体として92%も盛んに工事をやっているよと言うけれども、こちらで指摘しておりますのはIT産業についてであります。そのIT産業で皆さん方も「中小企業新聞」の新年号を読んでいると確認しておりますので、読んでいると思いますけれども、そういう問題をずらすような答弁は困る。
 ここで指摘しているのは、これまで3年、4年前までは地元の中小の企業にも発注があったけれども、ここ最近はほとんどそういう発注はないと。だからこれは検討すべきじゃないかということを指摘して私は質問しているわけです。
 実際にそういう中で指摘しているのは、ITの機器の調達において従来分割であったけれども、現在は一括発注になった。それでもう全然仕事がないということを言っているわけですよ。このことは、自分たちが数が多くて対応できないのではなくて、十分対応可能だということも言っているわけです。
 これはフロム沖縄とも若干──私は兼職のことについては次の機会にやりたいと思いますが──フロム沖縄のIT産業について仕事はどういうことをやっているのか、ひとつ教えてください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後1時58分休憩
   午後2時4分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 兼城議員の再質問にお答えいたします。
 最初は、県民大会についてですが、県民大会を開催するためにはより効果的なタイミングをはかることが大切であると考えており、県民の盛り上がりや大会の規模などを十分考慮しながら各界各層を網羅した全県的な大会になることが必要であると考えております。
 ちなみに、平成7年の県民総決起大会は、県議会全会派が提起して取り組みがスタートし、県議会議長を実行委員長として53市町村と各議会、主要な経済・労働・市民団体など320団体から成る超党派の実行委員会が組織され、その結果、多数の一般市民が参加した画期的な大会が実現したものと理解をしております。
 それから次に15年使用期限の問題ですが、この15年使用期限問題については、私は今回の立候補のときに「使用期限を15年に限る。」ということを明快に打ち出しておりまして、はっきりと政府にも申し上げております。そして、着工までに何らかの進展なしに着工することはあり得ないというこれほど強いメッセージを出しているわけですから、いささかもこの問題についてはこれからも態度は変わりません。
 続いてSACOの問題でございますけれども、御承知のように私どもとしては、まずSACOを着実に推進し、そしてさらなる新たなるSACOというものを私どもは目指しているということを明言しているわけですから、最も現実に対応した形でしっかりと進めていきたいというふうに考えております。
 なお、麻生発言につきましては、先般、私もお会いをいたしまして全面的に私のお話を理解していただきました。それはなぜかというと、非常に厳しい状況にありながらも、やはり現実的に対応していくということが大変重要であり、その辺の状況というものは、現実的に最もベターな方法は何かということを具体的に今までの長い歴史の中からつながりをお話をして了解を得たわけでございます。その意味では今後とも私どもとしては一歩一歩確実に進むというその方向に向かって進んでいきたいと考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) IT機器の物品納品においては、従来、分離・分割形式であったのが一括発注形式で行われ、中小企業者は受注できる機会が少なくなっているという再質問にお答えいたします。
 IT機器、いわゆるここではパソコンのことですけれども、パソコンの調達については、平成9年度までは各部各課が個々に調達しておりましたが、県庁全体の効率的、効果的な情報化を進めていく上からネットワーク端末としてのパソコンの仕様書等の統一を図る必要があること及び経費節減を図ることから、平成10年度より一般競争入札による一括発注を実施しているところであります。
 なお、この一括発注に係る過去7回の一般競争入札には多くの地元業者も参加しており、そのうち6回は地元業者が落札しております。
○兼城 賢次 15年使用問題についてですが、知事、建設協議会の方で正式に議題にしなきゃいけないんじゃないかと。
 いろいろとあっちこっちで訴えて要望していますよということをおっしゃっているけれども、正式な議題にのっけないで、そういう場を利用しないであちらこちらで言っているよということで根拠がないような発言になっております。そういうことが大事じゃないかということを言っているわけです。なぜ、そういうあらゆる機会でというのであれば、最も大事な機会である建設協議会に議題として取り上げなかったかということを言っているわけです。それが正式な日米との一つの話し合いの順序じゃないですか。そういうことです。
 もう一つ、中小企業の発注の問題ですけれども、数字でそういうことになっていますが、そういう機関紙でも指摘しているものだからあえてこれを取り上げているわけです。そういうことがなければこういうような公の機関紙で議論されるような問題はないわけですから、あえてまた申し上げておきます。
○知事(稲嶺惠一) 15年使用期限問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、内閣総理大臣を初め関係大臣にも要望してまいりました。
 また、この問題はあらゆる機会をとらえて発言する必要があり、これまで代替施設協議会において何度も要望し、去る1月28日に開催された第1回代替施設建設協議会においても改めて強く要望したところであります。今後とも引き続き強く求めていきたいと考えております。
○糸数 慶子 社大党・結の会連合を代表して質問いたします。
 知事の政治姿勢について伺います。
 今、国際社会はイラク攻撃か回避か、かたずをのんで見守っています。アメリカは、フランスやドイツ、ロシア、中国などの反対を押し切って開戦準備を進めています。もし戦争が始まると真っ先に犠牲になるのは罪のないお年寄りや子供、そして女性などの弱者です。それは、私たちにとって沖縄戦の悲劇が再現されることを意味します。それに、米軍に基地を提供し戦争に加担させられる沖縄は、決してこの戦争と無関係ではないのです。また、一昨年の同時多発テロ後に起こった観光への打撃を二度と繰り返してはならないのです。こうしたあらゆる意味において、このイラク戦争の開戦を黙って見過ごすわけにはいかないのが沖縄県民の立場です。
 そこで知事にお伺いいたします。
 知事は、県民の先頭に立ってイラク攻撃に反対すべきだと思いますが、どう対処されるのか。
 対イラク開戦が沖縄観光に与える影響をどのように考え、どう対策されているか。
 次に、今、イラク問題と並んで北朝鮮をめぐる情勢が緊迫化しています。我が国に対する影響の重大性から言えばこちらの方が緊急性や衝撃性が高いと言えるかもしれません。
 こうした状況のもとで、政府は有事法制関連三法の今国会での成立を目指していますが、県民の命と暮らしを最優先に考えるべき知事としてこの危機的状況をどう認識するか。
 北朝鮮情勢と有事法制関連三法の制定の動きに関して知事の所見を伺いたい。
 有事法制関連法が本県の基地行政や観光行政に与える影響にどう対処するかお伺いいたします。
 次に、基地問題について。
 普天間飛行場移設問題について。
 知事は、今度の所信表明でも「15年使用期限については、基地の固定化を避けるため、条件の一つとして提示している」と述べています。
 そこでお尋ねしますが、この条件が満たされるかどうかについて、いつ、いかなるところで判断されるのか伺います。
 去る1月28日に新たな代替施設建設協議会が設置され、第1回会合が総理官邸で開催されました。環境を破壊し新たな基地を国民の血税で建設する動きが加速される中で、自民党議員の間でも異論が出るなど物議を醸しています。
 そこでお尋ねしますが、知事は、提示している移設条件の中で1つでも条件に欠けると判断される場合には、移設拒否や撤回もあり得ると県民は理解していいか。
 環境省は、ジュゴン保護の意見書を提出するというが、知事は辺野古での環境アセスメントでジュゴンの生態系にどのような影響が出る場合に移設条件に欠けると判断するか。
 また、今後行われる環境アセスメントの諸手続の過程で知事の環境保護の姿勢をどのような手順で、どのように反映させていくのか具体的な対策を伺いたい。
 自民党の下地幹郎代議士は、「1996年の閣議決定で5から7年以内としながら現段階で動いていない現状を直視すべきだ」と批判しているとマスコミ報道されておりますが、これは自民党政調会長麻生発言と同様で、これに対して知事はどう反論したか、県民が納得できる説明をお願いいたします。
 次に、米軍基地の整理縮小問題について伺います。
 昨年スタートした新振法や新振計は、SACO合意の進捗にどのような効果を与えているか。
 SACOで合意した返還跡地の跡利用の取り組み方策と読谷補助飛行場の取り組み状況について伺います。
 次に、日米地位協定の改定問題について。
 昨年12月11日に衆議院外務委員会で外務省北米局長は、日本政府として日米地位協定の改正を要求したことはないと答弁して、改めて米側に一方的に有利な日米地位協定の問題性が浮き彫りになりました。そのことを踏まえてお尋ねいたします。
 政府が運用の改善に固執する理由について、知事はどのように理解しているのか。
 知事の改正要求項目に対し、政府はどの点を運用で改善したと言っているのか。
 政府の運用改善のどの部分が知事の改正要求と合致しないか、示していただきたい。
 知事は、一方的に求めるだけでなく米側の要求もあるというが、具体的には何か伺います。
 次に、在韓米軍の削減問題について所見を伺いたい。
 ラムズフェルド米国防長官は上院軍事委員会の公聴会で、陸軍を主力とする3万7000人の在韓米軍を削減する方針を示しています。この新しい状況の変化について以下の点で伺いたい。
 政府は、これまで「国際情勢の変化に対応して、普天間代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。」と繰り返してきました。今度の在韓米軍の「削減可能な国際情勢の変化」について知事はどのように分析され、どう対応されるのか御所見を伺いたい。
 この「在韓米軍削減方針」は、韓国の国民世論の先頭に立つ盧武鉉新大統領の存在が大きく影響していると言われますが、情勢の変化をただ待つだけでなく、こうして国民世論の先頭に立って情勢の変化をつくり出していく新しい指導者の出現を稲嶺知事はどのように評価しているか、御所見を伺いたい。
 次に、旧軍飛行場問題について伺います。
 この問題は、昨年新たな沖振法や沖振計が制定されスタートすることによって、その解決の方向性は制度的に担保されることになり大きな前進を見ることができました。しかし、問題は、このかち取った制度をいかに活用して地主会を中心とする関係者の積年の悲願を一日も早く実現していくかが今最も問われていることです。
 聞くところによりますと、問題解決促進協議会では解決試案なるものも具体的に検討されているようですが、県の役割はそうした具体案を行政のレールに乗せていくことだと思います。そうしたことも踏まえて以下お尋ねいたします。
 プロジェクトチーム発足後の取り組みについて具体的に伺いたい。
 関係市町村との連携について、取り組みはどうなっているか。課題は何か伺いたい。
 関係省庁に対し、予算要求等の具体的な働きかけはなされているか。
 さらに、返還財産の処分方法の旧軍港市転換法や有償三分割制等に県は対応してきたか、お伺いいたします。
 次に、平和行政について伺います。
 戦後も60年近い歳月が流れました。沖縄戦を直接体験された人々も全人口の3割を切りました。また、かつて周りにあふれていた戦争遺跡や遺物もいつの間にかそのほとんどが姿を消し、沖縄戦の風化現象は一段と進行しつつあります。
 中でもこれまで沖縄戦の悲惨さを後世に伝え、20万人余の修学旅行生が平和学習の場としても貴重な戦争遺跡とされてきた「ガマ」の問題が、時間との闘いを象徴するように急速にクローズアップされてまいりました。
 そこで、この「ガマ」の問題に象徴される戦争遺跡や遺物の保存や活用が稲嶺県政の平和行政の中でどのように位置づけられているのかお尋ねいたします。
 まず、ガラビ壕閉鎖の早急な解決方法と糸数アブチラガマ保存・活用における関係者間のコンセンサスづくりについて、県はどのように対応しているか。
 現在、平和学習に活用されている戦争遺跡は文化財の観点から保存・整備を進め、より有効活用が可能になるよう諸施策が必要でありますが、県の対応策はどうなっているのか。
 沖縄戦の特徴にかんがみ、住民を巻き込んだ戦争の実相を後世に伝えるためにも「ガマ」を戦争遺跡に指定するなど保存や活用法が緊急課題だと思うが、対策はどうなっているのか。
 また、専門家による調査・研究や審議機関の設置といった具体的方策等はあるのか、お伺いいたします。
 観光振興政策について。
 米同時多発テロ後の影響と回復状況について伺います。
 第4次観光振興基本計画の展開について。
 さらに、観光消費額の低迷を解消するにはどのような手だてがあるのか伺います。
 さらに、カジノの調査結果についてお伺いいたします。
 イラク攻撃が開始された場合の本県の観光に与える影響についての対応策はとられているのか、お伺いいたします。
 次に、環境問題について。
 「ちゅら島環境美化条例」について、条例の実効性について伺います。
 平良市の産業廃棄物最終処分場火災問題について、原因究明と対策について今後の産廃問題にどう生かしていくのかお伺いいたします。
 次に、泡瀬地区干潟の埋立問題について。
 特に、知事の環境影響評価準備書に対する意見に対することについてお伺いいたします。
 まず1点目に、海草移植について。
 移植先での生育可能性を確かめた上で移植を行っているのか。
 環境監視・検討委員会での専門家が否定的なものを事業者が独断で判断していいのか。
 Ⅰ期工事がクビレミドロに与える環境影響評価は行われているのか。
 海草移植とクビレミドロの移植の調査後の報告書は提出されているのか。また、それに対する文化環境部の意見はどうなっているのか。
 機械移植より手植えの方がよいということが委員会で確認されたというが、それがどうして着工につながるのか、以上お伺いいたします。
 次に、西表リゾート問題については、開発審査会の現地調査の時期、調査項目について伺います。また、調査の結果はどうだったのか。同計画についての不服者からの意見聴取はできたのかお伺いいたします。
 大宜味村塩屋地先の埋立問題について。
 同事業について埋立願書が提出されていますが、現状と今後の手続について伺います。
 次に、市町村合併問題について。
 合併特例法の期限である2005年3月までに県はどのような姿勢で合併作業を進めようとしているのか、またその理念と現場の実態の間に整合性はあるのか、伺います。
 合併に向けた協議会の設立準備が進行している市町村の数や設立が完了した市町村の数はどれぐらいか。また、そこで抱える主な課題についてどんなことがあるのかお伺いいたします。
 次に、健康・長寿に対する取り組みに対して。
 昨年末に公表された都道府県別平均寿命による本県男性の平均寿命が4位から26位に後退しているが、その原因は何か。
 健康・長寿というイメージは本県の観光ブランドとしても定着し、また健康食品産業にも波及効果があります。健康・長寿というイメージが損なわれると観光にも大きく影響すると思われますが、どう対応していくのか。
 関係機関や団体、県民が健康・長寿の現状を認識し全県民挙げての健康づくり運動を推進する必要があると思うが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。
 次に、農林水産行政について。
 沖縄ブランドの確立と生産供給体制の強化策について伺います。
 流通・販売・加工対策の強化について。
 特に、沖縄ブランドについてこの中ではお伺いしたいと思います。
 既に沖縄ブランドとして評価の高いモズクは、学術・研究に裏づけられた産官学の一体的取り組みが功を奏し、現在では香港に対しても輸出量がかなりふえています。平成9年度0.5トンから始まりまして、平成13年度23.5トンという成長ぶりですが、なぜ平成14年度のモズクの輸出量がゼロという状況になっているのか、その原因と今後の対策についてお伺いしたいと思います。
 モズクに関しましては、学術・研究に裏づけられた産官学の一体的な取り組みが功を奏しまして海外マーケットの販路の拡大の中では群を抜いております。この先、県庁内でのこの組織体制について今年度の事業スケジュールの計画と、それから関係機関との連携体制をとって今後どのように展開していくのかお伺いいたします。
 次に、多面的機能を生かした農山漁村の振興の中で、グリーンツーリズムの取り組みについて伺います。
 次に、環境と調和した農林水産業の推進の中で、特に中山間直接支払い制度による赤土対策は考えられないかお伺いいたします。
 次に、母子総合医療センター(子ども病院)の実施運営について、母子総合医療センターの設立推進室を設置していただきたいという声があるが、いかがですか。
 患者家族のための宿泊施設を新病院の隣接地につくっていただきたいという声がありますが、いかがでしょうか。
 次に、沖縄都市モノレール事業について伺います。
 沿線地域の開発事業の進捗状況及び利用促進について。
 それから供用開始後のモノレールの路線延長計画について。
 さらにバス事業との共存共栄方策について。
 そして需要予測と運賃の見直しについてお伺いいたします。
 また、沿線地域の景観対策については、特に屋上緑化とあわせてぜひ考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、バス4社統合問題について。
 統合に向けての現在の進捗状況について伺います。
 バス会社の債務の処理についてお伺いいたします。
 既存4社と新会社と県のかかわりについてお伺いいたします。
 以上、答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の質問にお答えいたします。
 最初は、イラク攻撃についてでございます。
 現在、国連によるイラクへの査察が継続されており、日本政府はこれらの問題の平和的解決のため国際協調への努力を続けているものと理解しております。
 県としましては、イラクの問題など平和を脅かすさまざまな課題を解決し、平和共存の世界を実現していくためには、世界の人々が相互理解に努め、国際連合を中心に連帯して問題の平和的解決に努めることが望ましいと考えております。
 次に、有事三法案に対する所見についてのお答えをいたします。
 現在、国会で継続審議となっている「武力攻撃事態対処法案」を初めとする関連三法案については、直接県民の生命財産を預かる地方自治体に対して国は十分な説明を行い、その意見を尊重するとともに、広く我が国の外交や安全保障のあり方も含めて、国民の意見を聴取した上で慎重に議論を尽くす必要があると考えております。
 特に、沖縄に過度に集中している米軍基地に係る問題は、我が国の安全保障を考える上で単に沖縄という一地域の問題としてとらえるのではなく、国民全体で取り組むべき重要な課題であると考えており、米軍基地の整理縮小を求める県民の強い意向を踏まえ、この機会に米軍基地の負担のあり方も含めて十分に議論するよう国に対して要望しております。
 次に、15年問題解決の可能性と時期についてお答えいたします。
 代替施設の15年使用期限は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているものであり、国の責任において解決されるべきものであると考えております。
 基地の提供責任を有する日本政府にあっては、使用期限の問題を含め沖縄の基地問題をしっかり受けとめることが重要であり、政府としても一層の取り組みが必要であると考えております。川口外務大臣は、去る2月2日に来県した際、同問題について、閣議決定したことであり、今もって覆されたことはない、今後とも重要問題として取り組んでいくと述べていることから、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。
 使用期限問題の解決なしには着工はあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。今後とも引き続き強く求めていきたいと考えております。
 次に、麻生自民党政調会長の発言についてお答えをいたします。
 普天間飛行場の移設については、平成8年4月のSACO中間報告後、移設先の一つとして嘉手納飛行場が候補地とされました。また、同年9月のSACO現状報告では、ヘリポートの嘉手納飛行場への集約等についても日米間で検討を進めることが確認されました。
 しかし、地元市町村等の強い反対があり、結局、平成8年12月のSACO最終報告では、嘉手納飛行場への集約は対象外となっております。
 県は、普天間飛行場の移設先の候補地選定について、運航空域確保の問題、騒音の問題、アクセスの問題等さまざまな観点から検討し、総合的に判断した結果、「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」を選定したものであり、SACO最終報告において否定された嘉手納飛行場への統合については検討しておりません。
 政府は、平成11年、県の移設候補地選定結果や名護市の受け入れ表明を受け、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定し、代替施設の建設地点を定めたものであります。
 普天間飛行場の移設については、閣議決定された政府方針に基づき代替施設協議会における協議を経て、昨年7月に基本計画が決定されるなど一歩一歩進められてきたところであります。したがって、県としては、現在行われている移設に向けた作業を進めていくことが普天間飛行場の早期返還につながるものと考えております。
なお、これらの経緯については、先般、麻生政調会長に対して直接説明し理解を得たところであります。
 次に、ジュゴンへの影響についてお答えいたします。
 ジュゴンの生態については、まだ未解明な部分があり、現在、環境省において沖縄近海全域にわたる調査を実施しているところであります。
 県は、代替施設の建設については、地域住民の生活に十分配慮するとともに、自然環境への影響を極力少なくすることを移設に当たって整備すべき条件の一つとしております。
 去る1月28日に開催された第1回代替施設建設協議会において鈴木環境大臣は、環境影響評価の手続等を通じ、ジュゴンの保護とそのえさ場としての藻場の保全、サンゴの保全並びに騒音を含めた生活環境の保全等適切な配慮を払うべく最大限の努力を行うことが重要であり、環境保全の観点から必要な助言等を行ってまいりたいとしております。
今後、事業者である防衛施設庁において環境影響評価が実施され、より詳細な検討が行われるものと考えており、県としては、自然環境への影響を極力少なくするよう要望していきたいと考えております。
 次に、在韓米軍削減と米軍基地の機能強化についてお答えをいたします。
 在韓米軍削減に関するラムズフェルド国防長官の発言については、外務省に照会したところ、米側によれば、在韓米軍の見直し作業については、今後、韓国政府と協議を行った上で検討されていくものであり、現時点において何ら結論が得られているものではない旨回答がありました。県としては、過重な基地負担の軽減を図るため、日米両政府に対し基地の整理縮小及び兵力の削減を強く要請しているところであり、今後とも両政府に対し強く働きかけていきたいと考えております。
 次は、「ちゅら島環境美化条例」の実効性についてお答えをいたします。
 「ちゅら島環境美化条例」の周知徹底を図るため、環境美化の推進母体として平成14年7月に「ちゅら島環境美化推進県民連絡会議」を発足させ、街頭キャンペーン等県民運動を推進しているところであります。
 また、平成15年度に、主要な地域に環境美化指導員を配置し、市町村、地域団体等と連携したネットワークを構築することにより道路、公園、繁華街等でごみの散乱防止パトロールを実施し周知徹底を図るとともに、心ない行為に対して指導を行ってまいります。
 さらに、指導に従わない悪質な違反者に対しては、罰金を科すなど厳しく対処してまいりたいと考えております。
 次に、健康づくり運動の推進についてお答えいたします。
 県では、県民の健康寿命の延伸等を目指して「健康おきなわ2010」による県民健康づくり運動を推進するため31団体で構成する「健康おきなわ2010推進県民会議」を設置し、各団体の取り組みを進めております。
 健康づくりは、県民一人一人が主体的に食生活改善や運動などに取り組むとともに、社会全体でこれを支援し一体となって取り組んでいくことが重要と考えております。
 このため、各団体や県民の取り組みを促すため、去る1月28日に「長寿の危機緊急アピール」を行いました。さらに、来る2月23日に県民参加のもとに「健康おきなわ2010ウオーキング大会」を開催いたします。今後とも、県民挙げての健康づくり運動を継続的に盛り上げるため諸事業を展開していきたいと考えております。
 次に、農林水産行政のうち、「おきなわブランド」の確立と流通・販売・加工対策について関連いたしますので、一括してお答えいたします。
 本県においては、農林水産業の振興を図るため農林水産業振興計画に基づき高品質かつ安全で安心な農林水産物を消費者や市場に安定的に供給することのできる「おきなわブランド」を確立することとしております。このため、市場競争力の強化による生産拡大が期待される野菜、花卉、果樹、養殖魚介類の品目については定時・定量・定質の出荷が可能な拠点産地を育成していく考えであります。
 また、流通・販売・加工対策については、低コスト輸送体系の確立を初めマーケティング戦略の構築、農水産物を活用した地域特産物の開発などを強力に推進していく考えであります。
 現在、流通対策については、菊などを航空輸送から船舶輸送へ誘導することにより輸送コストの低減を図っているところであります。今後とも「おきなわブランド」の確立と流通・販売・加工対策の強化を図るため、各種施策を積極的に実施していく考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 有事関連法による知事の権限と責任及び本県の費用負担についてにお答えいたします。
 国は、武力攻撃事態における知事の権限等について、今後整備される「国民の保護のための法制」において具体的に定めていくとしております。
 国の説明によると、同法制においては、住民避難の指示や避難住民等の救援、災害への対処等の実施などを考えているようでありますが、現在、同法制の骨子を策定している段階であり、費用負担等を含め具体的な法案については今後地方公共団体等の意見も聴取しながら整備していくとしておりますので、県としては国における法案の整備作業を注視していきたいと考えております。
 基地問題について、SACOの進捗状況についてにお答えいたします。
 SACOで合意された11事案のうち、普天間飛行場、那覇港湾施設及び安波訓練場を除く7施設8事案の主なものの進捗状況について申し上げますと、北部訓練場については、ヘリパッド移設候補地の選定に関し昨年11月から継続環境調査が行われております。
 読谷補助飛行場については、パラシュート降下訓練が伊江島補助飛行場に移設されており、連動する楚辺通信所の移設完了後に返還されることが合意されております。
 楚辺通信所の移設については、現在、建設に向けての造成工事が実施されているところであります。
 また、キャンプ桑江の海軍病院の移設については、移設先の宜野湾市が平成12年7月、キャンプ瑞慶覧内の普天間地区への受け入れを表明しております。
 キャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧に係る住宅統合については、キャンプ瑞慶覧内のゴルフ・レンジ地区に建設された住宅が米側に提供されたのに続き、昨年11月27日の日米合同委員会において住宅統合第2段階としてサダ地区における住宅建設の合意がなされております。
 県としては、国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ幅広く県民の理解と協力を得ながら、SACOの合意内容の着実な実施に向け前向きに取り組んでいきたいと考えています。
 地位協定改定の要求項目、進捗状況、運用改善状況についてに一括してお答えします。
 県は、平成12年8月に日米両政府に対し、日米地位協定の11項目の見直しを要請しておりますが、政府は「運用の改善により、機敏に対応していく」との方針を示しております。このため、日米地位協定の条文そのものの見直しについては全く進展していない状況にあり、また運用改善についても政府の取り組みは明らかではありません。
 現在、運用改善に係るものについて、日米両政府間で正式に話し合われている項目として県が承知しているのは、第17条の被疑者の身柄の引き渡しについてであります。県としては、今後ともあらゆる機会を通じて日米地位協定の抜本的な見直しを訴え続け、その実現につなげていきたいと考えています。
 旧軍飛行場問題について具体的な取り組み、関係市町村との連携、関係省庁への要請及び予算の裏づけについてに一括してお答えします。
 県は、昨年9月、「旧軍飛行場用地問題対策プロジェクト班」を設置して以降、財務省及び内閣府に対し、同問題の解決に向けて協力を要請したのを初め、協議会や関係市町村との調整を進めてまいりました。特に、県と関係市町村間で連携を密にする必要があることから、副知事と市町村長で構成する「旧軍飛行場用地問題県・市町村連絡調整会議」を去る1月31日に設置したところであります。
 今後とも協議会や関係市町村とも十分協議し、また県議会議員連盟の意見も拝聴しながら、沖縄振興計画に位置づけられた意義を踏まえて問題解決を図ってまいりたいと考えております。
 なお、現在、各地主会ごとに試案の取りまとめ作業を行っており、その後、協議会としての検討を加えた上で県に提出されることとなっておりますので、具体的な要望を国へ提出する段階にはないと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 返還跡地の跡利用取り組み方策と読谷補助飛行場の状況についてお答えいたします。
 SACO合意施設の返還跡地につきましては、「跡地対策協議会」及び「跡地関係市町村連絡・調整会議」の枠組みを活用して、国、県及び跡地関係市町村が密接に連携しながら跡地利用計画の策定に向けて取り組むこととしております。
 去る2月12日に開催された「第2回跡地関係市町村連絡・調整会議」において、読谷村は読谷補助飛行場跡地の先進農業支援センターなど一部事業の具体化を踏まえ、平成15年度に跡地全体の利用計画を策定するとともに、国有財産の有効活用などについて関係者間で引き続き課題解決に向けた取り組みを進めることとしております。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、ガラビ壕問題の解決及び糸数アブチラガマの保存・活用についてお答えをいたします。
 具志頭村に所在するガラビ壕が管理人によって閉鎖されて以来、県ではガラビ壕の現状及び今後の活用可能性について具志頭村と調整してまいりました。その結果、現在、具志頭村はガラビ壕の安全度確認調査に取り組んでいるところであり、県はこの調査を支援することとしております。
 また、玉城村に所在する糸数アブチラガマにつきましては、国や県の支援を受け、南部観光総合案内センター及び駐車場が平成13年度に整備されたところであり、今後は同センターを中心に村当局の管理運営のもと活用が図られるものと考えております。
 今後における戦争遺跡としての「ガマ」や壕の保存・活用につきましては、まずもって所在自治体の方針が示されることが重要であり、その中で地域にとっても意義ある形での進展が図られていくべきものと考えております。このことから、観光リゾート局におきましては当該自治体や関係団体と緊密な連携のもとに、修学旅行を中心とする訪問客の安全性、利便性を中心に今後とも支援策を検討してまいりたいと考えております。
 次に、テロの影響と回復状況についてお答えをいたします。
 米国同時多発テロ事件の影響による修学旅行や一般団体等のキャンセルは約25万人で、これに伴う観光収入の減少は約213億円と推計しております。その後、官民一体となった緊急キャンペーンが功を奏し、昨年の入域観光客数は483万4500人と過去最高を記録し完全に回復をしております。また、本年1月も同月比で過去最高を記録するなど本県観光は引き続き好調に推移をしております。
 次に、観光振興基本計画の展開についてお答えいたします。
 県におきましては、観光振興基本計画に基づき国際的な海洋性リゾート地の形成や健康・保養、体験・滞在型観光、コンベンション等の多様なニーズに対応した通年・滞在型の質の高い観光・リゾート地を形成することを目標とし、実現のための諸施策に取り組んでいるところであります。
 具体的には、観光地の魅力の向上を図るための観光振興地域の指定拡充や世界遺産の周辺整備など観光基盤の整備に努めてまいりました。
 また、健康・保養型観光のモデルツアーの実施やエコツーリズム国際大会の開催など体験・滞在型観光を推進してきたところであります。
 さらに、全国エイサー道ジュネーやマスメディアを活用したキャンペーンの推進など強力な誘客宣伝に取り組んでまいりました。
 また、阪神球団のキャンプ等スポーツコンベンション、太平洋・島サミット、トヨタ世界大会、2005年米州開発銀行年次総会など各種コンベンションの誘致に取り組んできたところであります。
 平成15年度はこれらの事業に加え、観光振興地域等整備事業、一元的な観光情報システム及び観光人材育成システムの構築、フィルムオフィスの設置等により受け入れ体制の強化を図るとともに、さらに観光土産品のブランド化を図るための産業間連携推進事業など新規事業にも着手することにしております。
 さらに、今後は、国のグローバル観光戦略とも連携した観光振興地域や世界遺産等本県観光の魅力の国内外への発信、体験・滞在型観光の地域の拡大や受け入れの充実など積極的な施策を展開し、観光振興基本計画の目標の達成に向けて取り組んでいく考えであります。
 次に、県内消費額低迷に関する御質問にお答えをいたします。
 最近の県内観光消費額の減少は、全国的なデフレの影響による旅行商品の低価格化や長引く不況による消費支出の減少等が大きな要因であり、構造的な問題であると認識しております。そのため、県内の宿泊施設におきましては、県外客への土産品販売や県内向けの飲食サービスを拡充するなど経営の改善に努めております。
 こうした低価格化への対応といたしましては、沖縄観光の質の向上と他の観光地との差別化が必要であり、県におきましては、観光関連業界と連携し地域特性を生かした健康・保養型観光やエコツーリズムの推進、多様なエンターテインメント等の新たな観光資源の開発など付加価値の高い商品づくりを促進しているところであります。
 次に、カジノに関する御質問にお答えをいたします。
 カジノの実態調査を含む「エンターテインメント事業可能性調査」につきましては、現在、報告書作成の最終段階に入っており、年度末までには取りまとめることとしております。
 次に、イラク問題に関する対応策についてお答えをいたします。
 去る2月14日、「沖縄観光コンベンション推進協議会」におきましては、米国同時多発テロ事件の教訓を踏まえ、「沖縄観光危機管理マニュアル」について協議し、観光危機が発生した場合に行政、民間が一体となって的確に対処することを確認したところであります。
 具体的には、沖縄観光に重大な影響を及ぼす可能性のある国内外の情勢について、県及び沖縄観光コンベンションビューローは常日ごろから情報収集・集約・状況分析を行い、不測の事態に備えることとしております。
 また、緊急事態に即応した対応が必要な場合、県庁内に「観光緊急対策班」を設置して対策を行うとともに、副知事を本部長に各部局長で構成する「沖縄観光・リゾート・コンベンション推進本部」や「沖縄観光コンベンション推進協議会」の積極的な活用を図ることにより県庁内はもとより、行政、民間が一体となって事態に対処することとしております。県といたしましては、昨今の国際情勢について緊張感を持って情報を収集するとともに、継続的に関係機関と連携を図り、対応に遺漏のないよう努めているところであります。
 以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 平和行政について、戦争遺跡は文化財として保存・整備・活用を図ってはどうかとの御質問にお答えをいたします。 
 今次大戦で住民を巻き込んだ唯一の地上戦が行われた本県では、各地に戦争にかかわる遺跡が数多く存在をしております。これらの歴史的価値のある戦争遺跡の代表的なものについては、所有者の同意を得た後に県文化財保護審議会の意見を聞いて文化財として指定をし保存をしていきたいと考えております。
 また、文化財に指定後、平和学習等への活用を図るため保存の措置が必要なものについては当該市町村とも調整を行い、適切な保存措置を講じていきたいと考えております。
 次に、戦争遺跡に指定してはどうかという御質問にお答えをいたします。
 現在、文化庁の補助を得て県内の戦争遺跡を平成10年度から平成17年度までの8年計画で文化財としての価値や位置づけ、保存状況等について詳細分布調査を実施をしています。調査の結果、文化財として価値の高いものについては、所有者の同意を得た後に県文化財保護審議会の意見を聞いて県の文化財として指定をしていきたいと考えております。
 次に、専門家による調査・研究・審議する機関を設置をしてはどうかとの御質問にお答えをいたします。
 現在、平成10年度から17年度までの8年計画で県内全域の戦争遺跡詳細分布調査を実施中であり、5年目の今年度で沖縄本島についての調査が終了いたしました。今後、代表的な戦争遺跡については、県文化財保護審議会に諮問をして、同審議会内に設置している専門家で構成する専門部会で検討をした後に、所要の手続を経て文化財として指定をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 平良市最終処分場の原因究明と対策、今後にどう生かしていくかについてお答えいたします。
 平良市最終処分場の火災の原因については、宮古広域消防本部及び宮古警察署が現場の実況検分や従業員等から聞き取り調査を行っておりますが、同消防本部から原因不明との報告を受けております。県においては、これまで実施してきた環境調査等に加え、地質的観点から周辺環境への影響を詳細に把握するためボーリング調査や地下水の状況調査等を実施しております。その結果については地元住民等へ公表し、同事業者に対しては必要な対策を指示していきたいと考えております。
 県では、広域的な産業廃棄物対策を推進するため昨年4月に福祉保健所へ9名の職員を増員するとともに、警察本部より文化環境部へ警部1名を配置し組織体制の強化を図ったところであります。このような体制のもとで、昨年5月から6月にかけて最終処分場全施設について総点検を実施しております。その結果、分別の徹底等については改善されておりますが、廃棄物の飛散防止など改善を要する施設については引き続き指導を行っております。
○土木建築部長(安慶名正行) 環境問題についての海草移植についてにお答えいたします。
 泡瀬地区埋立事業においては、埋め立てにより藻場の一部が消失することから、移植して新たな藻場の造成を図ることにより環境への影響を低減することとしております。
 藻場の移植については、平成10年7月から手植えによる移植実験を実施し、4年を経過した現在においても順調に生育していることを確認しております。これら結果を踏まえ、平成14年9月30日に開催された環境監視・検討委員会において、手植え移植については4年の実績等から適用性はあるとの見解が示されたことから、当面の工事実施に必要な海草の移植については手植えにより行ったところであります。
 次に、環境監視・検討委員会の意見に対する事業者判断についてにお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区環境監視・検討委員会は、泡瀬地区埋立事業を進める上で望ましい環境保全及び創造を行うため、事業者に対する指導・助言を行うことを目的として設置されたものであります。本委員会には海洋生物学、水産植物学、魚類生態学、海岸工学等のさまざまな分野の学識経験者が委員として参加して幅広い見地から意見が交わされております。
 事業者である沖縄総合事務局、沖縄県は、同委員会で論議がなされ、委員会として確認された見解を十分尊重して事業を進めているところであります。
 次に、Ⅰ期工事に係る環境影響評価についてにお答えいたします。
 クビレミドロは、第Ⅱ区域の一部に生育しており、現在、工事中の第Ⅰ区域の工事区域から離れていることから直接的な影響はないと考えております。工事の実施に当たっては、クビレミドロへの影響をできる限り低減するため、仮設道路工事については海水交換の容易な透過構造の橋梁形式とし、汚濁防止膜を二重に展張する等の対策を講じているところであります。
 また、工事期間中の適切な保全対策を実施するため、監視計画に基づき毎日水質測定を行う等厳重な現場管理のもとに工事を進めております。去る2月19日の海藻草類移植・保全ワーキンググループにおいても、現時点では工事による影響は見られないとの評価がなされております。
 次に、事後調査の報告についてにお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業の実施に当たっては、工事の実施が環境に与える影響を監視するため環境影響評価書において大気や水質、クビレミドロ等について事後調査を実施し報告することになっております。当該事業については、昨年10月8日に公有水面埋立法に基づく工事着手がなされたことから、事後調査については平成15年3月までの調査結果を取りまとめ、環境監視・検討委員会に報告した後、速やかに県の文化環境部へ提出することとしております。
 なお、事業者においては、工事実施前と後との比較を行うためのバックグラウンドとして工事実施前の環境の現況調査を平成12年度から実施してきておりますが、当該結果については環境監視・検討委員会へ報告するとともに、インターネット等で公開しております。
 次に、手植え移植と着工についてにお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業の埋立予定地には藻場が分布していることから、工事着手に先立ち被度50%以上の藻場を移植することとし、これまで移植工法について検討を進めてきたところであります。平成14年9月30日に開催された環境監視・検討委員会において、手植え移植については4年間のモニタリングの結果、たび重なる台風に耐え良好に生育しており、適用性はあることが確認されております。そのため、当面の工事実施に必要な範囲の藻場については、手植え移植を行うこととして海上工事に着手したところであります。
 なお、機械化移植については、今後ともモニタリングを継続し、台風等による減耗を低減するための対策工法試験を実施していく必要があることが確認されております。
 次に、開発審査会の現地調査の時期及び審査請求人からの意見聴取等についてに一括してお答えいたします。
西表リゾート開発においては、沖縄県開発審査会に対して行政不服審査請求がなされております。
 沖縄県開発審査会による現地調査は、平成15年1月27日に行われておりますが、同審査会において現在審査中の事案ですので調査等の内容については回答できる立場にないことを御理解いただきたいと思います。
 また、審査請求人からの意見については、3月に開催予定の口頭審理の場で沖縄県開発審査会委員が直接意見を聞く予定となっています。
 次に、公有水面埋め立ての手続の現状と今後の手続についてにお答えいたします。
 塩屋湾外海における埋め立てについて、昨年の12月20日に大宜味村から県に公有水面埋立免許の出願がありました。現在、願書記載事項の点検や必要図書の添付等の形式審査を終え、告示・縦覧のための手続を進めているところであります。
 今後は、埋立願書の告示・縦覧を行い、住民等利害関係者からの意見を受けるとともに、大宜味村からの意見や県関係部局からの意見を踏まえ、埋め立ての必要性や免許基準との適合性等の内容を審査した上で公益上の観点から総合的に免許の可否を判断することになっております。
 次に、沖縄都市モノレール事業についての、都市モノレールの沿線地域の開発事業の進捗状況と利用推進についてにお答えいたします。
 都市モノレールの沿線地域の開発のうち、面的な整備につきましては、現在整備を行っている那覇新都心開発事業が平成15年度に、真嘉比古島第二土地区画整理事業が平成19年度に完了する予定になっております。また、民間主導型の第一種市街地再開発事業として旭橋駅周辺地区及び牧志・安里地区などが計画されております。
 さらに、モノレール関連事業として赤嶺駅を初めとする8駅で交通広場を整備するとともに、那覇市立病院への連絡通路の整備、壺川駅と奥武山公園とを結ぶ人道橋の整備、駅舎に昇降する自由通路などの整備を行っており、開業までには完成させる予定となっております。
 ソフト面の利用促進につきましては、駅周辺通り会等と連携を図りながら、誘客を目的とした各種イベントの開催及び周辺商業施設との利用セット券の発行、民間施設を利用したパーク・アンド・ライド等の具体的な施策について取り組んでいるところであります。
 次に、バス事業との共存共栄方策についてにお答えいたします。
 バスとモノレールの合理的な機能分担を図り、利用者の利便性を確保しつつ両者が共存できることを目的として平成6年1月26日に沖縄県、那覇市、バス事業者間により都市モノレール建設に関する協定が締結されております。このバス協定の締結を受けて学識経験者、関係行政機関、バス事業者等で構成する「沖縄都市モノレール・バス路線再編実施案検討委員会」が設置され、その中でバス路線再編の基本方針等について審議が行われ、これまでにバス路線再編の原案が作成されております。今後は県民意見を集約しながら実施案を策定することとしており、モノレール開業と同時に実施する予定であります。
 バス路線の再編は、バスとモノレールの有機的な連携を図り、わかりやすく利便性の高い公共交通ネットワークの形成を促進し、ひいてはバスの利用率を向上させるものと考えております。
 次に、需要予測と運賃の見直しについてお答えいたします。
沖縄都市モノレールは、開業時の利用客数を1日当たり約3万5000人と見込んでおります。これは、パーソントリップ調査やバス利用実態調査等を踏まえて予測したものであります。
 運賃の設定につきましては、公共性を勘案した水準とし、利用者の利便性や経営上のことも考慮し運賃の低減化を図る方向で検討を進めております。
 次に、沿線地域の景観対策についてお答えいたします。
 モノレールの沿線地域の景観対策につきましては、道路の中央分離帯における植栽工事やモノレールの支柱緑化などを実施しているところであります。
 また、那覇市においては、モノレール車窓からの眺望景観の向上を図ることを目的としてモノレールの駅周辺をモデル地区に指定し、屋上緑化を推進する「那覇市屋上緑化助成要綱」が平成15年4月1日から施行される予定になっております。
 さらに、沿線の歩道整備に当たっては、電線類の地中化やカラー舗装などを実施しており、今後とも沿線地域の景観に配慮した整備を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 市町村合併についての御質問にお答えをいたします。
 県におきましては、財政上・制度上のさまざまな支援策が盛り込まれました市町村合併特例法の期限であります平成17年3月までの間に多くの市町村で合併が実現するよう市町村の自主性・主体性を尊重し、本県の地域特性にも十分配慮しながら市町村合併を積極的に進めているところであります。
 市町村におきましては、市町村合併が地域の将来のあり方や住民自治及び住民生活に深くかかわる重要な事項であることから、地域住民の方々に対する情報公開や情報提供を行いながら、合併に関する具体的な議論を進めていく中で地域の将来を決定していくものと考えております。平成15年2月6日現在で法定合併協議会は2地域で設置され、構成市町村数は9団体となっております。また、任意合併協議会は4地域で設置され、構成市町村数は16団体となっております。これらの地域で合併を可決した地域は現在のところございません。
 次に、沖縄都市モノレール事業の御質問のうち、都市モノレールの延伸計画についての御質問にお答えをいたします。
 都市モノレールの将来の延伸計画につきましては、「公共交通の体系的整備の観点から開業後の利用状況等や延伸が想定される地域の開発計画等を踏まえた上で検討する。」と沖縄振興計画の中で明記されております。また、「沖縄県総合交通体系基本計画」においては、新たな公共交通システムの形成を構築していく中で骨格的な公共交通軸として、南北軸を形成する軌道系交通システムや既存ストックを有効活用した基幹バスシステムの導入などとともに、今後の需要動向等を勘案して都市モノレールの延伸について検討をしていくこととしております。
 マルチモーダル推進の観点から、過度に自動車交通に依存しないための公共交通体系の確立のためには都市モノレールの果たす役割は極めて大きいものがあります。したがいまして、現時点では利用の促進に向けた取り組みを推進することが重要であり、今後の検討に当たっては開業後の利用状況はもちろん、バス網の再編等の本県の交通環境の推移や新たな交通システムの技術の動向などを踏まえ、多様な視点から段階的に調査検討を進めていくことが重要であると考えております。
 次に、バス4社統合問題についての御質問にお答えをいたします。一括をして答弁をいたします。
 バス4社は、新会社へ乗り合い事業の営業権及び資産を104億円で譲渡し、未払い退職金を初めとする多額な労働債務や金融機関からの借入金等の債務の処理を行うとしております。現在、新会社の設立を予定しているバス統合準備室は、1月末に必要資金104億円のうち、88億円を新会社が出資及び融資で調達し、残り16億円をバス4社で調達する新たな提案を4社にしております。統合についての諸条件の調整を行っているところであります。
バス統合は、本島バス4社がみずからの経営判断により乗り合い部門の統合を行い、経営体力の増強を図ることを目的に取り組んでいるものでありますが、県は、公共交通を担う健全なバス会社が立ち上がるよう引き続き支援していきたいと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 男性の平均寿命が後退した原因についてお答えします。
 本県のこれまでの平均寿命が高かったのは、三大生活習慣病(がん、心臓病、脳卒中)による死亡率が低かったことが挙げられます。しかしながら、最近のこれらの死亡率を見ると全国に比べて減少速度が鈍化しており、男性の順位が低下した原因としては心臓病、脳卒中の死亡率の減少速度が鈍化したこと、肺がん、自殺、乳幼児の死亡率が高いこと、肝疾患、糖尿病の死亡率が上昇したことなどが考えられます。
 続きまして観光への影響とその対処についてお答えします。
 本県男性の平均寿命の順位が4位から26位に後退し、長寿県沖縄の地位が揺らいでいますが、このことは健康問題だけでなく、観光産業などほかの分野にも大きな影響を及ぼすものと危惧しております。
 県におきましては、長寿県の地位を維持するためにはまず県民一人一人が改めてみずからの健康について考え、生活習慣等を改善するなど主体的に健康づくりに取り組むとともに、家庭、地域、学校、職域、行政など社会全体が緊密な連携のもとに個人の健康づくりを支えていくことが重要なことと考えております。先人たちの築き上げた食文化、生活様式など長寿の要因を検証し、長寿県沖縄という財産を守るため「健康おきなわ2010」等による施策を展開し、全県民挙げての健康づくり運動を推進してまいります。
○農林水産部長(天願貞信) モズクの販売対策についてお答えいたします。
モズクの販売対策については、これまで県内においては販売促進のためのフェア及び街頭キャンペーンを実施しております。
 県外においては、量販店における物産展等を通した販売促進に努めているところであります。
 海外においては、平成7年度より香港を中心に販売促進に取り組んでいるところでございますが、その輸出量はまだまだ低い状況であります。今後、輸出の拡大を図るには流通チャンネルの新規開拓を図るほか、レストラン、量販店及び市民への普及活動が課題となっております。このため、県においてはモズク販売促進プロジェクトチームを設置しており、水産団体と連携をしてこれらの課題に取り組み、香港を初め上海等海外におけるモズクの消費拡大に努めていく考えであります。
 次に、多面的機能を生かした農山漁村の振興について、本県におけるグリーンツーリズムの取り組みと今後の展望についてお答えをいたします。
 本県では、農林水産業振興計画の柱の一つとしてグリーンツーリズム等の促進を初めとした多面的機能を生かした農山漁村の振興を図ることといたしております。
 グリーンツーリズム等の取り組みにつきましては、これまでにガイドブックである「美ら島おきなわ 農の散歩道」の発刊やホームページの開設等による情報の提供を行っております。また、実践者養成講座の開設を初めとした人づくりや、推進地域の育成を行う組織づくり、交流施設等の整備や農林水産加工品の開発といった物づくり等を行ってきたところであります。本年度からは「ふるさとづくり」を行う地域団体を顕彰する「おきなわふるさと百選」の認定を初め、「おきなわの名木百選」の認定を行うなど農山漁村の振興に役立てているところであります。
 今後とも、農山漁村地域の多面的機能を生かすために各種施策を連携させながらグリーンツーリズム等の促進を図り、農山漁村の振興に努めてまいりたいと考えております。
 次に、赤土流出防止対策についてお答えいたします。
 石垣市の轟川流域においては、平成14年度から流域環境保全農業確立体制整備モデル事業を開始し、流域内の赤土流出実態の把握と具体的な対策の検討、緑肥作物などによる圃場面の被覆など赤土流出防止技術の広域的実証を行い、農家を初め地域住民が主体的に取り組む「赤土対策モデル方針」を策定することといたしております。
 また、中山間地域等直接支払制度の活用による赤土流出防止対策につきましては、今後とも国に対して要望してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○病院管理局長(新田宗一) 母子総合医療センター設立推進室の設置についての御質問にお答えいたします。
 県立高度・多機能病院(仮称)の整備につきましては、関係者との調整を経て去る12月に基本設計を取りまとめ、公表いたしたところでございます。現在、実施設計作業を進めているところでありますが、一方、新病院の運営面の検討を行うため去る1月に病院管理局及び病院現場のスタッフで構成する「県立高度・多機能病院診療体制検討ワーキングチーム」を設置し、新病院の機能がより効率的に発揮できるよう診療科目・診療体制等ソフト面についての検討を行っているところであります。
 今後は、同ワーキングチームでの検討を受け、新病院の運営計画等ソフト面の検討を行う委員会を設置することとしており、母子総合医療センターにつきましてもその中で検討していくことといたしております。
 次に、患者家族のための宿泊施設の設置についてお答えいたします。
 現在進めております新病院の建設計画では、付き添いや患者家族のために家族控室や面会室、相談室等を設置する計画といたしております。緊急入院や手術の際の長時間待機や夜間待機に対しましては、これらの部屋を活用することで対応できるものと考えております。これらの病院施設以外に家族の宿泊施設を別途設置することにつきましては、現在の病院事業の現状から見まして困難であると考えております。
 以上でございます。
○糸数 慶子 答弁漏れがあります。休憩お願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時21分休憩
   午後3時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 天願貞信君登壇〕
○農林水産部長(天願貞信) 答弁漏れについてお答えいたします。
 香港への平成14年度の輸出量がゼロになっているという説明でございますけれども、香港での月単位の消費量は大体1トン程度でございまして、年間12トンと非常にわずかでございまして、13年度に27トンか流通業者の方で送っておりまして、そういう意味ではストックがあるという状況でございます。
 したがいまして、14年度がゼロという理由は送ったモズクがストック状態にあるということで分析をしておりまして、今後、庁内にモズクの販売促進を行うためのプロジェクトチームを2名配置をいたしまして、水産団体と共同して市場開拓に当たっていくということで取り組んでいるところであります。
 以上であります。
○糸数 慶子 今答弁漏れで、農水部長に再度答弁をお願いしたんですが、実は香港へのモズクの輸出の出荷実績なんですけれども、平成9年度に0.5トン、10年度に0.8、それから11年度に0.1、12年度に6.2、平成13年度に23.5というふうにしてかなり消費量が上がっています。
 今、県の政策の中にも「おきなわブランド」を確立して、もちろん県内や県外にもあらゆる沖縄のこういう農産物を展開していくという動きの中で、今ゼロというのは、大体一月に1トンぐらいの割合でしか消費されないとは言っていますけれども、これだけ今まで駐在員の方々であるとか、あらゆるチャンネルを通して、あるいはまた県の職員がいろんな形で販売ルートを確立して、それから産官学で研究をして随分モズクというのが健康食品としても今かなり評価を得ている中で、やはり農水部としてももっと力を入れて、職員の増員も含めてなんですけれども、このことに関しては、せっかくここまで23.5トンというふうに輸出がふえてきたわけですから、単に月々の消費量が少ないからということで放置するのではなくて、もっと力を入れてあらゆる面で販路の拡大をしていくことをぜひ要望したいと思います。
 それから旧軍飛行場問題についてなんですが、これは一昨日の新聞の方にも紹介されておりましたので、恐らく知事を初めとして関係部局も御存じだと思うんですけれども、この旧軍飛行場問題についてなんですが、この問題に関連して極めて重要な記事が報道されています。
 それは、神奈川県の横須賀市に国が旧米軍長井住宅地を無償譲渡するという報道です。これは一見何の変哲もないような記事ですが、同地区は旧日本軍航空基地の跡地になっておりまして、その土地を戦後米軍が接収しています。それを今から18年前の1985年に日本政府に返還した正真正銘の旧軍飛行場跡地なんです。これは横須賀市やそれから広島県の呉、京都の舞鶴市、それから長崎県の佐世保市の旧軍港4市には国が必要と認めれば国有財産を無償譲渡すると定めた旧軍港市転換法という法律に基づく措置であり、まさに戦後処理の典型的な事例であります。
 ですから、この法律の制定が昭和25年ですが、最終の改正というのが昭和53年、つまり沖縄県が日本に復帰した後で改正されておりまして、今度の適用事例のように現在も有効な法律であります。そして、この法律の第1条には、「この法律は、旧軍港市を平和産業港湾都市に転換することにより、平和日本実現の理想達成に寄与することを目的とする。」と1条に定められています。
 旧軍港市転換法を沖縄振興法と読みかえていけばその趣旨は戦後処理と同じでありまして、この点に旧軍飛行場問題を戦後処理問題として沖振法に規定した意味があったわけです。
 きょうは時間も余りありませんのでこれは問題を提起することにとどめるわけですが、知事の見解を求めることはいたしませんけれども、やはり旧軍飛行場問題の解決の糸口といいますか、これがこちらの方にも実証されておりまして、これまで問題解決のために本当に尽力をされてきた多くの関係者の皆さんの労が報われるのも本当に間近だというふうに思います。ぜひ、今後とも県の方では積極的に地主の皆さんと一緒に連携を深めてこの問題解決のために取り組んでいただくよう強く要望いたしまして終わりたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時28分休憩
   午後3時50分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩前に引き続き代表質問を行います。
 喜納昌春君。
   〔喜納昌春君登壇〕
○喜納 昌春 知事以下執行部の皆さん、御苦労さんです。それから同僚県議の皆さん、傍聴の県民の皆さん、こんにちは。
 社大・結連合を代表しまして、先ほどの糸数慶子県議に続きまして平成15年第1回沖縄県議会定例会に際しましての代表質問を継続させていただきます。
 最初に、知事、通告しました1の中のア、それからラムズフェルド国防長官のア、イについては割愛します。
 それでは最初に、知事の政治姿勢について、対イラク政策について1点だけ、糸数慶子議員からもありましたが、確認の意味でいま一度決意ある知事の答弁をいただきたい。
 イに入りますけれども、アメリカ、イギリスは対イラクに関しては何とか早期の攻撃を今でもとる立場です。これに対してドイツ、フランス等の多くの国は安易な対イラク戦争に反対し査察の継続を主張しています。
 国際世論も広範な反戦集会などに見られるように、戦争反対の流れと我が会派も考えていますが、こうした中でアメリカと日米安保の関係から最も危うい立場の日本があいまいな発言と態度をとっています。昨今の答弁からしますと、日本も国際協調に向けて頑張っているということを言っていますけれども、実際は核査察を続けなさいとか、あるいはやめろとか、そういう明確な行動をやってないんです。ですからそういう答弁では本当は物足りない、許せないんです。そういう政府のあいまいな結果が、万が一のことがあると2月18日の在日米海兵隊基地司令官で在沖米軍トップのウォーレス・グレグソン中将が地元新聞社の取材に答えて、イラク攻撃が実施された場合は在沖海兵隊の一部がイラクへ派遣される可能性があると発言しているように、沖縄県民が最も深くアメリカの戦争に巻き込まれていく危険性が高いと考えますが、これに対して知事はどう考え、どのように沖縄県民の命と暮らしを守るために日米両政府にアクションを起こしていくのか。沖縄の知事としては県民の命と暮らしを守る責任ある立場から、アメリカのイラク攻撃、戦争については明確に反対の立場を明らかにして日本政府に迫るべきと考えますが、知事の決意を伺います。
 次に、平成15年度の予算に関しまして4点にわたって質問いたします。
 1点目に、平成15年度当初予算は歳入歳出ともに6201億1000万円となっていますが、予算編成をする上での基調は何ですか。また、新沖縄振興計画の実質的初年度の予算として従来と違う特徴点は何ですか。
 2点目に、稲嶺県政は発足以来、「魚よりは釣り糸を」と国からの補助金等に依存する県財政、県経済の体質の改革に向け県民経済の活性化と地場産業の自立・育成に力を入れてきたと考えますが、今回の自主財源は26.2%と対前年比0.6%も悪化しての予算編成となっており、知事の努力やねらいとは裏腹に財源確保の見通しは年々厳しくなっていますが、経済の稲嶺知事としてもいかんともしがたいということなのか、その厳しさの背景は何ですか。
 3点目に、新しい沖縄振興計画の初年度として、自立的かつ持続的な発展に向けて本格的に歩み出す重要な年として基本方針で述べていますが、その特徴はどう打ち出されていますか。
 4点目に、各部局の重点施策と予算について以下質問いたします。
 ア、厚生労働省が1月に発表した今春卒業予定の就職を希望している高校生の内定率が昨年11月末現在、過去最低だった前年同期を3.1ポイント下回る60.3%にとどまっていることがわかりました。県内の状況は全国最低で25.2%の異常ぶりです。こうした深刻な雇用状況の打開に向けての抜本的な施策、対策はあるのですか。また、その財政的な対応はどうなっていますか。
 イ、高校生の新卒の就職内定状況は依然として厳しいと言われていますが、発表された11月段階から今日の県内状況はどうなっていますか。厳しい中でも読谷、与勝両高校での高率の内定の状況が注目され、関係者の皆さんのその努力と成果に拍手を我が会派としても送りたいと思いますが、どういう取り組みの結果なのですか。また、この好例を今後どう全体に生かしていく考えなのか、所見を求めます。
 ウ、稲嶺知事選挙公約の就学前医療無料化は私たちも訴えてきた課題であり、子供を抱える県民とともに野党ながらも評価しますが、実施は早い方がよいと考えますが、いつからの実施を検討していく考えですか。また、市町村との調整はどう図っていきますか。実施に向けての新年度の予算措置はどうなっていますか。
 エ、児童福祉に関しての認可外保育施設の認可の促進について、2003年度の計画はどうなっていますか。当初予算で認可促進事業費が前年度2666万8000円から新年度は2400万円と266万8000円が減となっていますが、認可外保育問題に対する県民のニーズに逆行していませんか。所見を求めます。
 次に、那覇軍港の移設問題に関して6点の質問をいたします。
 1点目に、米軍が使用している那覇港湾施設の移設については、「那覇港湾施設移設に関する協議会」に国が代替施設案を提示したとありますが、どんな内容になっていますか。
 2点目に、その国の代替案と現在の那覇軍港の機能についてはどうなっていますか。機能の面で強化につながっていませんか。
 3点目に、県として機能の強化につながるか否かを判断するためにも、もっと具体的な移設計画案を早目に国に求めるべきと考えますが、所見を求めます。
 4点目に、受け入れ地域の浦添市は代替案について、形状については了承しながらも、空母や原潜の寄港がないよう強く求めたとありますが、この懸念問題に対し県はどんな考えですか。
 5点目に、浦添市側のこうした要求に対しての国の回答はどうなっていますか。
 6点目に、浦添市側からの機能の強化に反対するこの要求は、市民の命と暮らしと港湾産業の自立と活性化を図る上で極めて当然のものと考えますが、その要請内容を守らせ、那覇軍港の機能強化を認めず県民の命、暮らし、産業を守る観点から、那覇港湾管理組合の責任者として県が米軍に対して使用協定を求めるべきと考えますが、それに対する決意ある見解を求めます。
 次に、米軍の事件・事故に関しまして、県民と怒りを共有しながら米軍の一日も早い撤退を切望しながら4項目の質問をいたします。
 1点目に、1月14日の外務省前沖縄大使の橋本大使が、米軍の事件・事故に関して、「在沖米軍関係者1人当たりの犯罪発生率は、沖縄県民よりも低い」と発言したことは大きな問題を含んでいると考えますが、知事はこの発言の問題をどうとらえていますか。また、この発言の波紋をどう把握されていますか。今後の外務省への対応をどうしていく考えか、含めて知事の所見を求めます。
 2点目に、恩納村におけるレンジ10での演習再開はきょうということですが、再開の動きは名護市議会での全会一致の反対決議や市当局の反対、加えて稲嶺県政の反対表明を押し切って強行されようとしておりますが、この県民無視の日本政府の演習容認の態度とアメリカ軍の蛮行に対し知事は何らかの怒りの行動を県民を代表し起こすべきだと考えますが、今後どうしていく決意か、所見を求めます。
 3点目に、県民の要求や米軍当局のよき隣人になりますとのたび重なる公約とは裏腹に、後を絶たない刑事事件に関しまして、1995年9月の米兵による少女暴行事件以来の米軍人等による刑法犯の推移についてお伺いします。
 ア、検挙者はどう推移し、またその犯罪の内容についてはどうなっていますか。
 イ、各警察署別の発生状況はどうなっていますか。
 ウ、交通違反検挙状況は、ここ3年間の推移はどうなっていますか。
 4点目に、外務省が米軍人・軍属による事件・事故の再発防止策の一環で米軍幹部を対象に実施している研修についてお伺いします。
 ア、2002年度の研修内容が1月16日に発表されておりますが、どんな内容ですか。
 イ、研修にかかる負担はどこが行い、幾らかかっていますか。
 ウ、過去8回となる幹部研修と言われていますが、その総費用とその効果はどうなっていますか。また、県はこれをどう評価しておりますか。
 エ、事件・事故は一般軍人、特に若い新兵が圧倒的に多い現実です。新兵を含め軍属、家族への事件・事故防止に関しての周知徹底、綱紀粛正の努力はどうなっていますか。
 オ、在沖米軍基地から派生する事件・事故の数は、防衛施設庁まとめでは研修開始翌年の1996年度が783件で、97年度と98年度が800件台、99年度が900件台と右肩上がりの傾向と言われておりますが、2000年度から今日までの推移はどうなっていますか。
 カ、最後ですが、国の地位協定の抜本的な見直しの要求を含めての米軍関係の事件・事故防止に向けての県の施策と決意を伺います。
 次に、大学院大学の設置に関しまして7点の質問をいたします。
 1点目に、日本における大学院大学の設置状況はどうなっていますか。また、その社会的位置づけ、地域的貢献についてはどうなっていますか。
 2点目に、大学院大学の設置については、国での話し合いの状況はどうなっていますか。また、県のどの部局がどう関係し、地元沖縄県の考え方、要望はどう反映されていますか。
 3点目に、大学院大学の設置については県内の3カ所の候補地が国に挙げられていますが、この挙がった候補地についてどのような組織で論議され、どんな手順でいつ決定されますか。決定される場合の最重要ポイントは何だと県は考えていますか。
 4点目に、大学院大学の明確な位置づけ、特徴は論議され決定されているのですか。
 5点目に、大学院大学の学生の規模、教授陣についても論議され決定されているのですか。まだならば、いつごろどのように決定されますか。
 6点目に、大学院大学の教授陣の中心には世界的なノーベル賞受賞者等の顔ぶれが予想されていますが、県内出身者からも起用されることは当然望ましいと考えますが、可能性のある教授陣について地元県としての検討を始め、タイミングよく推挙できる体制づくりも必要と考えますが、県の御所見を求めます。
 7点目に、「支援団体の設置など環境整備に強力に取り組み、」とありますが、具体的にはどんな組織をいつごろ、どのように立ち上げていく考えなのですか、所見を求めます。
 次に、医療費の3割負担引き上げ問題について2点の質問をいたします。
 1点目に、ことしの4月からサラリーマン本人の医療費窓口負担が2割から3割に引き上げられる問題に対して、年金の切り下げや賃金の切り下げが強行される中での負担増に納得いかないと県民の怒りと反対の声が渦巻いていますが、県民の健康と医療を保障する責任ある県としてこの問題をどう考えていますか。
 2点目に、この問題に関しては県内医師会や歯科医師会など医療関係団体からも、国民・県民の安心して医療を受けられる立場から負担引き上げの凍結を求める陳情や署名活動が展開されていますが、こうした県民の訴えに県はどうこたえて国に届けていく考えか、所見を求めます。
 次に、県内漁業の振興に関して7点にわたる質問をいたします。
 1点目に、新年度の主要施策の「農林水産技術の開発と担い手の育成・確保」のところで、「県内漁協の合併を促進し、経営基盤の強化を図ります。」とありますが、具体的にはどんな構想をどのように進めていく考えですか。
 2点目に、この施策については平成14年昨年3月26日に政府・閣議で決定された「漁港漁場整備長期計画について」に基づいての県の取り組みの一環と考えますが、そうですか。
 3点目に、「漁港漁場整備長期計画」が水産庁計画課から出され閣議決定されましたが、その背景となる近年の日本における水産業の実態と自給率についてはどうなっていますか。また、本県におけるここ5カ年の漁業従事者、漁獲高や県内の自給率の推移についてはどうなっていますか。
 4点目に、「コンブは地球を救う」と研究をし、国内外にその成果を「コンブの森づくり」倍増による大幅な漁業振興を訴えている境一郎氏の著書、研究の一端を私も最近知りましたが、知事、部長は知っておられますか。
 5点目に、このコンブの森構想については、昨年、国会の農林水産委員会でも論議されたもので、当時の武部国務大臣も「漁港漁場整備長期計画」に触れながら、水産動植物の育成、環境を新たに保全・創造する視点から海中林、いわゆるコンブの森で海を思い切り耕すと相当資源が変わってくる、ふえてくるという発言もなされていますが、まさに同構想は国の「漁港漁場整備長期計画」の目標と趣旨に大いに合致すると私は考えますが、県の所見を求めます。
 6点目に、沖縄における「つくる漁業」の一層の振興の上からもコンブの森構想は大いに活用されるべきと考えますが、国の施策に対応する県の体制及び調査はどうなっていますか。また、NPO団体を含め漁業関係者への働きかけはどうなっていますか。
 7点目に、県内においてNPO沖縄昆布生産機構設立準備委員、プロジェクト「宮古に昆布の森をつくる会」から、同会と県農林水産部と共同でプロジェクト「宮古における浮沈式養殖施設による耐台風試験およびコンブなど大型海藻、貝類、ウニ類の養殖試験について」の申請が出されていると思いますが、この申請等については積極的な対応と指導で国の施策の利活用を図るべきと考えますが、県の決意ある所見を求めます。
 最後に、農林水産業におけるトレーサビリティー導入促進総合対策事業に関して3点の質問をいたします。
 ア、この事業の背景は何ですか。
 イ、この事業のねらいと今後の展望について伺います。
 最後にウですが、この事業に関して農薬や化学肥料を使わないEMを使っての農業の実践面での研究・調査が一層重要と考えますが、県のこれまでのEMに対する研究・調査の状況と今後の対応について伺います。
 答弁によって再質問をいたします。
○総務部長(當銘直通) 財源確保は年々厳しくなっているが、その背景についてお答えいたします。
 現下の地方財政は、長引く景気の低迷による税収の減少などにより引き続き大幅な財源不足が生じるとともに、数次の景気対策等による公共事業の追加等により借入金残高が急増しており、その償還が将来の大きな負担となるなど極めて厳しい状況にあります。
 このため、平成15年度の地方公共団体の予算編成の指針となる地方財政計画は、前年度の基本路線を継承した国の「改革断行予算」と歩調を合わせて歳出の徹底した見直し、給与関係経費の抑制や地方単独事業の削減を通じその規模が抑制され、初の前年度比マイナスとなった昨年度に引き続き2年連続の減となったところで、通常収支では過去最大規模の財源不足が見込まれております。
 これらの結果、地方財政計画では地方交付税前年度比7.5%減、地方税収6.1%減、国庫支出金3.6%減となるなど厳しい内容となっております。本県においても地方交付税の減などの影響があり、また景気の低迷等により県税収入が減少したことから臨時財政対策債の増額や基金の取り崩しをするなど厳しい予算編成となったところであります。
○商工労働部長(花城順孝) 平成15年度の予算の中の、雇用対策についての御質問にお答えします。
 本県の雇用状況を改善していくためには、雇用吸収力のある産業の振興とともに、これを支える専門的な人材の育成や県内外に積極的にチャレンジする幅広い職業観の形成等を推進することが重要であり、このような観点から雇用対策を強化してまいりたいと考えております。
 平成15年度の予算における主な対策として、民間の教育訓練機関を活用した多様な職業訓練を実施する緊急委託訓練事業として2億2300万円を計上しております。また、人材育成と雇用創出を一体的に推進するため、財団法人雇用開発推進機構が行う戦略的人材育成支援事業に対して1億2500万円の補助を予定しております。
さらに、今年度で構築する若年者総合雇用支援システムを運用し、若年者の職業観の形成から就職まで一貫して支援する沖縄キャリアセンター(仮称)の経費として1億1800万円を計上しており、産学官連携のもとで若年者対策を抜本的に強化してまいります。
 このほか、臨時・応急の雇用対策として実施している緊急地域雇用創出特別交付金事業についても29億6600万円を計上しており、2700人の臨時的な雇用を創出する計画であります。
平成15年度予算に計上しているこれらの事業を効果的に実施するとともに、職業安定計画に基づく各種の施策を推進し雇用状況の改善を図ってまいります。
○教育長(津嘉山朝祥) 平成15年度の予算に関して、高卒予定者の就職状況と取り組みについての御質問にお答えいたします。
 平成14年12月現在、本県の県立高等学校卒業予定者の就職内定率は32.0%で、昨年同期を0.4ポイント下回っており厳しい状況となっております。
 このような中で、読谷、与勝両校の内定率は県平均を大きく上回り注目されておりますが、そのほかにも高い実績を上げている学校がございます。各学校とも内定率の向上に向けて取り組んでいるところであります。特に、読谷、与勝両校が成果を上げている要因には、進路担当者の危機感を持った早期からの就職指導への取り組み、全校を挙げた進路指導体制の確立、地域企業に対する粘り強い求人開拓、県外企業への早期求人依頼等があります。
 県教育委員会としましては、各学校に対して両校の取り組みを参考にした進路指導の改善・充実を行うよう指導を図っていきたいと考えております。今後とも、高校生の就職内定率を高めるためインターンシップの推進による望ましい職業観の育成、沖縄労働局、県商工労働部との連携による県内外の求人開拓等を強力に推進していきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 平成15年度の予算に関して、就学前無料化の実施の時期及び新年度の予算措置についてお答えいたします。
 乳幼児医療費助成事業の制度の拡充については、平成15年10月から3歳未満児までは従来どおり入院、入院外とも保護者の一部負担などの条件を付さずに実施し、3歳児、4歳児については医療費の負担が大きい入院について一部負担を付して助成していくこととしております。
 就学前までの無料化については、県、市町村それぞれ2分の1の財政負担などの課題や全県的な施策として取り組むことが最も望ましいと考えておりますので、引き続き実施主体である市町村と調整を図りながら拡充に向けて検討していきたいと考えております。
 なお、平成15年度は年度途中の10月から3歳児、4歳児の入院まで拡大して実施することを見込んで8億8808万8000円を計上しております。
 同じく認可外保育施設の認可促進計画と予算についてお答えいたします。
 平成15年度は、那覇市を含め5市3町1村において14カ所が認可外から認可への移行を計画しております。
 認可外保育施設が認可を受ける際の施設整備の補助事業は2つの方法があります。その1つとして、社会福祉法人を設立して保育所を建設する場合は、国の高率補助が受けられる保育所建設事業、もう一つは、既存の施設を活用して整備する場合は認可化促進事業があります。平成15年度は両事業を合わせて11億9171万2000円を予算案に計上しております。これは本年度予算の2.4倍となっております。
 「新おきなわ子どもプラン」において認可外保育施設から認可への移行を含めて50カ所の保育所を創設する目標を掲げておりますので、市町村に対し今後とも強力な取り組みを求めていきたいと考えております。
 医療費の3割負担引き上げ問題について、医療費の3割負担の問題と実施凍結について一括してお答えいたします。
 国においては、増大する医療費の適正化や医療提供体制の効率化を図り、持続可能な医療保険制度とするため健康保険法等の一部を改正し、平成14年10月から高齢者医療制度の見直し等の一部を実施するとともに、平成15年4月から被用者保険の一部負担金を国民健康保険と同じ3割負担とすることとしております。
 県といたしましては、国民皆保険制度を維持し、長期的な視点で適正な負担で良質な医療サービスを安心して受けられる医療保険制度とするため、保険者である市町村等とともに国の動向を見きわめつつ、全国知事会等において対応を協議してまいりたいと考えております。
○知事公室長(新垣良光) 橋本前沖縄担当大使の発言についてにお答えいたします。
 沖縄県民は、戦後58年間の長い基地負担の歴史の中で多くの被害を受けてきたところから、小さな事件であっても過去にあった幾多の不幸な事件を想起させ、米軍に対する不信感を募らせております。県としては、県民、米軍のいかんを問わず事件・事故は1件たりともあってはならないと考えており、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る観点から、米軍人等による事件・事故の再発防止に向け努力していきたいと考えております。
 平成14年度研修内容と研修費負担及び予算についてに一括してお答えいたします。
 平成14年度の研修内容は、外務副大臣への表敬訪問のほか、日米安保体制、沖縄の歴史と日米関係、在沖米軍と地元社会の関係、日本経済、我が国の防衛政策について講義を行うとともに、外務省関係者、防衛庁関係者等との意見交換及び日本の伝統文化に関する体験学習となっております。
 また、予算については外務省の負担で実施されており、平成12年度が約232万円、平成13年度が約219万円とのことであります。
 研修会の費用効果及び県の評価についてにお答えいたします。
 研修会は、米軍人に対し日本の文化や歴史等を学ぶ機会を設けることによって米軍人等による事件の防止を図ることをねらいとしているものと承知しておりますが、研修日程中、観光旅行とも受け取られかねないプログラムがこれまでの研修に多く含まれておりました。県は、米軍基地が集中し、米軍人等による事件・事故が多発している沖縄の実情や沖縄の歴史・文化を理解するプログラムを設ける必要があると考え、昨年12月26日、外務省沖縄事務所に対し、米軍人等による事件・事故の効果的な再発防止策を講ずる観点から、同研修会の内容の見直しを検討するよう要請しました。
 去る1月21日から24日までの日程で実施された平成14年度研修会においては、本県の要請を踏まえ、沖縄の歴史や在沖米軍をめぐる状況等に関する講義が新たにプログラムに組み込まれたという点で一定の評価はできるものと考えております。県としては、同研修会の実施に当たっては、研修会が発足した趣旨を踏まえて今後とも対応してもらいたいと考えております。
 2000年度以降の事件・事故の傾向と米軍人等の綱紀粛正及び県の施策についてに一括してお答えいたします。
 那覇防衛施設局によると、在沖米軍基地から派生する事件・事故は2000年度が957件、2001年度が951件とのことであり、横ばいで推移している状況であります。
 事件・事故の防止対策としては、現在、米軍がゲートにおける飲酒チェックの強化や生活指導巡回を実施するとともに、県警が新任兵士に対する道路交通法及び風俗営業法の講義の実施や、警察官を動員した基地周辺地域における夜間警らの強化などを行っております。
 また、昨年9月に開催された協力ワーキングチーム会合では、増加する米軍人・軍属の子弟による事件・事故の防止対策として米軍や軍関係者による基地内高校生への訓話、基地内教会による青少年教化プログラムなどを実施することを確認しております。
 県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る観点から、日米地位協定の抜本的な見直しや隊員の綱紀粛正及び教育の徹底等を強く求めるとともに、三者協や協力ワーキングチーム等の場において関係機関での協議や調整を行うなど、米軍人等による事件・事故の再発防止に向け努力していきたいと考えております。
 以上です。
○警察本部長(髙橋清孝) 米軍の事件・事故についてお答えいたします。
 まず、米軍人等の事件の検挙状況についてでありますが、米軍人・軍属及びそれらの家族を含めた米軍人等による犯罪総数の検挙状況と米軍人による犯罪検挙状況に分けてお答えいたします。
 平成7年は総数が70件、62名で、うち米軍人によるものが54件、47名、平成8年は総数が39件、33名で、うち米軍人によるものが16件、21名、平成9年は総数が44件、46名で、うち米軍人によるものが27件、23名、平成10年は総数が38件、46名で、うち米軍人によるものが16件、14名、平成11年は総数が48件、59名で、うち米軍人によるものは36件、45名、平成12年は総数が53件、67名で、うち米軍人によるものが40件、50名、平成13年は総数が70件、72名で、うち米軍人によるものが51件、39名、平成14年は総数が81件、100名で、うち米軍人によるものが40件、46名となっており、平成7年から平成14年までの8年間では総検挙件数443件、総検挙人員は485名となっております。
 これを罪種別に見てみますと、窃盗犯が最も多く238件で約54%、暴行や傷害等の粗暴犯が58件で約13%、強盗や婦女暴行等の凶悪犯が24件で約5%、器物損壊や住居侵入等を含めたその他の犯罪は123件で約28%となっております。
 次に、警察署別における検挙状況ですが、沖縄警察署が235件、約53%と過半数を占め、続いて石川警察署が72件、約16%、宜野湾警察署が66件、約15%、那覇警察署が21件、約5%、以下、嘉手納警察署14件、浦添警察署10件、具志川警察署10件、名護警察署9件、豊見城警察署3件、与那原警察署3件の6署で計49件、約11%となっております。
 また、米軍人等の道路交通違反の取り締まり件数ですが、平成12年1315件、平成13年1282件、平成14年1605件であります。
○農林水産部長(天願貞信) 県内漁業の振興について、平成15年度主要施策と漁港漁場整備長期計画とのかかわりについて、近年の日本における水産業の実態と自給率について、また本県におけるここ5年間の漁業従事者、漁獲高、自給率についての御質問にお答えいたします。関連しますので一括してお答えいたします。
 漁港漁場整備長期計画は、漁港漁場整備法に基づき国で定めるもので平成14年度に閣議決定をされております。
 同長期計画の骨子は、水産物の安定供給、沿岸域の環境の保全・創造の推進、漁村の総合的な振興を図る内容となっております。県においても、同計画に基づいて漁港及び漁場整備を進めているところであります。
 平成15年度には、漁港において南大東漁港ほか26港、漁場整備については伊平屋地区ほか6地区の整備を行うこととしております。 
 近年の我が国の水産業の実態につきましては、新たな国際海洋秩序の定着、周辺海域の資源状況の悪化、漁業者の減少及び高齢化等により漁業生産量は減少し、ピークであった昭和59年の1282万トンから平成12年度には約半分の638万トンに低下をしております。
 また、我が国の水産物の自給率につきましては昭和50年の100%から低下傾向に推移をしておりまして、平成12年度には53%に低下をしております。
 一方、本県における過去5年間の漁業の推移については、モズク、クルマエビなどの養殖漁業の進展によりまして生産量は平成8年の3万1300トンから平成12年には3万8600トンに増加をし、漁業従事者も4460人から4860人に増加をしております。本県の水産物の自給率につきましても46.2%から58.5%に上昇しております。
 次に、「コンブは地球を救う」という境一郎氏の著書について、コンブの森構想について、コンブの森構想に対する県の体制、調査、それから「宮古に昆布の森をつくる会」からの要請のあります試験については一括してお答えいたします。
 境一郎氏の著書「コンブは地球を救う」の図書の中でのコンブの森構想、海中林造成計画案の提案内容につきましては承知をいたしております。
 同氏が提案をしておりますコンブなどの海藻類の増養殖による海中林造成手法は、漁業資源の確保や沿岸漁業振興の上からも貴重な提言として評価をいたしております。
 コンブの養殖は、北海道や東北地方を中心に取り組まれておりまして、国においても大規模な海中林造成手法の一つとして検討されております。しかしながら、熱帯海域に属する本県においては、寒帯から温帯に生育しているコンブは分布をしていないことから、その増養殖試験の実施につきましては慎重を期す必要があると考えております。
 「宮古に昆布の森をつくる会」から要望が出されておりますコンブの浮沈式養殖試験の実施につきましては、その前提として熱帯海域でコンブが生育するか否かについての基礎的な試験を実施する必要があると考えています。県といたしましては、コンブなど海藻の越冬試験等の予備的な試験の実施については、今後同会との調整を図ってまいりたいと考えております。
 次に、農林水産業のトレーサビリティー導入促進総合対策事業について、事業の背景は何か、事業のねらいと今後の展望について、EMの研究と今後の対応について、関連しますので一括をしてお答えいたします。
 近年、食品の偽装表示等の発生から、食の安全に対する消費者の意識が高まっており、安全で安心な食料の供給が求められております。このため、県としては、トレーサビリティー導入促進総合対策事業により農業団体、消費者、量販店等から成る協議会を設置し、農水産物の生産履歴の整備や消費者への情報発信のあり方等の検討を進めてまいります。
 具体的には、園芸作物の植えつけ時期、肥料・農薬の使用状況や養殖水産物の飼養状況等の生産履歴を整備し、消費者へ情報発信するシステムを構築することといたしております。
 食品表示の適正化につきましては、現在、「食品表示110番」を設置するとともに、新たに食品表示監視員を配置をしていく考えであります。
 有用微生物EM資材の効果試験につきましては、平成7年から現在まで行っておりまして、引き続き効果試験については実施をしてまいりたいと考えております。また、環境と調和した農業を推進するためEMなどの有用微生物を活用した環境保全型農業に取り組んでいく考えであります。
 今後とも、環境に配慮した生産対策を初め品質表示の徹底、消費者から顔の見える産地を育成し、「おきなわブランド」の確立に向けた安全で安心な農水産物の供給体制強化を図っていく考えであります。
 以上であります。
○喜納 昌春 2点ほど知事、再質問させてもらいます。
 1点目は、那覇軍港の浦添移設の件ですが、この前、提案されたときに機能の問題がありますけれども、機能について私は具体的に出ていないという話を聞いていますので、機能強化か否かを知る上でより具体的な資料を求める必要があると思っております。それについて、まず見解。
 それから、浦添地先に行く場合、さっき使用協定の問題で浦添市は今のところは求めてないとあったんですが、管理者は知事ですよ。そういう意味では原潜か空母が来る、来ないのときの使用許可、これはだれがやるんですか。そういう意味では私は知事だと思っているんで、その辺のことを聞いて、来る、来ないという場合の入る、入らない。今、例えば基地を提供する場合、防衛施設局が云々ありますけれども、今度のM16でもそうですよ。私は知事にあると思っているんで、使用協定はぜひとも必要。名護だって辺野古でああいうふうに求めているわけですから、私は浦添がどうであろうが言いにくいわけですから、浦添は。知事の方から管理者として私は求めるべき、こう思っているんですが、それに対しての見解。
 それから橋本発言については、「星条旗」でとんでもない波紋があるんですよ。いわゆる友好的な格好で政府側が基地の事件・事故については評価しているという格好で翌々日ぐらいですか、新聞にあるんですよ。そういう意味ではその間違ったコメントというんですか──に対しては知事がしっかりと私はそうじゃないということを言っていただきたい。そういうことを強く求めます。
 答弁願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時56分休憩
   午後5時1分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 喜納議員の再質問にお答えをいたします。
 那覇軍港の移設の問題につきましては、国において、先ほども御説明いたしましたように代替施設において空母や原潜を運用する計画があることは承知していない旨回答をしております。
 そして先ほども申し上げましたように、地元の浦添市についても今のところは必要としていないので地元自治体等の意向を踏まえて対応していきたいと考えております。
○知事公室長(新垣良光) お答えいたします。
 橋本発言についての「星条旗」新聞の件につきましては、事実関係を詳しく確認しまして今後適切に対応してまいりたいと考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の代表質問は終わりました。
 本日の日程は、これで終了いたしました。
 次会は、24日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時2分散会

 
20030103000000