平成15年(2003年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 2月25日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた教育委員会委員長翁長孝枝君は、別用務のため本日及び明日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として教育委員会委員長職務代理者宜保美惠子君の出席を求めました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第33号議案まで及び乙第1号議案から乙第27号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 平良長政君。
   〔平良長政君登壇〕
○平良 長政 一般質問を行います。
 1、大学院大学について。
 世界最高水準の大学院大学は、いよいよ来月には建設場所が決定をされ、平成19年(2007年)開学に向け歩み出します。教授陣200名、学生500名と聞いております。世界各地から若い学生が沖縄に集う。胸が高鳴るのを抑えることができないほどです。
 さて、学生500人のうち沖縄出身の何人が世界に伍して入学できるか心配であります。せっかく沖縄に設立するのですから、期限つきで一定枠を沖縄県出身学生に割り当てできないものだろうかと考えるものです。
 振り返ってみますと、復帰前には国費・自費制度や米留制度があり、その中から多くの人材を輩出し沖縄発展に大きく寄与したと確信しております。
 世界に目を向ければ、マレーシアには「ブミプトラ政策」というのがあります。マレー系60%、中国系30%、インド系10%とあらゆる分野で民族別の枠を設けています。大学入学枠も6・3・1の割合です。また、北欧などでは女性議員に40%枠を設けるクオーター制などもあることは御承知のとおりでございます。
 そのようなことからも、沖縄に設立される大学院大学に一定期限つきでの沖縄出身学生枠は十分理解が得られるのではないでしょうか。
 そこで質問です。
 (1)、県内設立による県メリットは何か。
 (2)、県出身学生への優先枠「5年5%」を要求してはどうでしょうか。
 2、道州制について。
 先日、新聞を見てびっくりいたしました。東北3県──青森、秋田、岩手が2010年から2015年までに合併し、その後、道州制を目指すという記事で、府県合併が具体的に進んでいることでした。
 九州はどうだろうかと調べてみると、「道州制等都道府県のあり方を考える研究会」が昨年、沖縄を含めて設置され4回も会合が開かれていました。おつき合いで参加するのは悪いことではないと思います。ただ心配するのは、市町村合併が進み、いよいよ府県合併、道州制となった場合、沖縄が現在九州地方知事会のメンバーでもあり、九州は一つということで8県合併とならないかと心配するものです。私は、沖縄は九州他県と歴史的にも地理的にも同一ではなく、経済圏も違うため、道州制の場合は沖縄は単一のブロックとすべきと考えております。
 スコットランドでは、イギリス本国から一定額の予算をまとまって確保し、使い道はスコットランドで決めるという施策をとっています。道州制で国からの権限や財源移譲がどうなるかは定かではありませんが、特別県制構想でもあったように外交・防衛など国がやるべき仕事を除いて国からの歳入予算は一本化して歳出予算は沖縄で決める。そのためにも九州からの分離は必要だと考えます。
 そこで質問します。
 (1)、東北3県と九州の動向はどうなっていますか。
 (2)、沖縄の将来を考えると、九州ブロック(道州制)からは分離独立して沖縄県単一のブロックとすべきと思いますが、どうですか。
 3、海洋資源の開発利用について。
 沖縄振興計画では、「沖縄の持つ優位性を最大限に発揮する」とうたわれていますが、まさに海洋資源の開発利用こそがこれに当てはまるのではないかと考えています。しかし、これまでも豊富な海水資源や漁業資源など他県にないほどの海洋資源に恵まれ、また産業振興に直結する海底鉱物資源の埋蔵の可能性も有しているにもかかわらず、十分な利活用が図られていないのが現状ではないかと考えています。したがって、今後こうした豊かな海洋資源の積極的な開発と利活用を図るため、具体的かつ実効性のある施策の速やかな実施が望まれるところであります。
 そこで質問いたします。
 (1)、沖縄振興計画で海洋資源等の開発利用を促進するとされているが、どう取り組んでいくのですか。
 (2)、平成15年度に予定している事業があれば、その内容を伺いたい。
 4、バス統合問題について。
 2月22日に行われた交通問題の公開シンポジウムに参加いたしました。世界のバス交通の最近の動きや高速バスとモノレールとを結ぶ「社会実験」のスライドなど興味深く聞き入っておりました。バスは斜陽産業かと思っておりましたが、やり方によっては十分やっていける魅力ある産業との確信も深まりました。
 高速道路のバス停と路線バスの接続、モノレールと路線バスの接続、高速バスとモノレールとの接続などが大事だと思います。モノレールを生かすも殺すもバスとの結節だと思います。そのためにもバスの経営健全化、4社統合は基礎条件です。今議会で知事は初めて新会社への出資を明言いたしました。しかし、その内容は4条件つきで相変わらず他人事で、県民の足を守る県の責務が感じられません。バス統合準備室が御苦労しておりますが、これは本来県がやるべき仕事ではありませんか。ボランティアに任せて高みの見物とは情けない。労働組合も一時金もカット、基本給も15%カットと血を流して統合を進めようとしているのに見て見ぬふりは許しがたいと思います。
 そこで質問いたします。
 (1)、県の消極姿勢はどこから来ていますか。
 (2)、統合のためには県の出資と融資支援は必要と思うが、どうですか。
 (3)、国会に上程されている産業再生機構法案や改正産業活力再生特措法による支援策は検討に値すると思いますが、どうですか。
 (4)、国の調整費の投入を検討できませんか。
 5、日米地位協定の抜本的改定について。
 日米地位協定は、1960年の安保条約の締結と同時に発効し43年間一度も改定されておりません。その抜本的改定については、1995年の県民大会、96年の県民投票、幾度かの県議会決議、2度にわたる県から政府への要請など、その実現を迫ってまいりましたが、いまだ運用改善にとどまっています。
 さらに驚くことは、政府はアメリカに一度も改正の要請さえしてないことが先日国会で明らかになりました。要請さえしない外務省・日本政府の弱腰外交には開いた口が閉まりません。沖縄県民の声など聞く耳を持たないのか。
 お隣の国韓国でも、昨年6月の米装甲車による女子中学生の轢殺事件を機に韓米地位協定見直しを求める大デモ、大集会が持たれています。韓国との共闘も大事になってきました。
 我が護憲ネットワーク県議団は、1月に新川秀清議員を団長に韓国視察交流団を派遣して、韓国との共闘の道筋をつけてきたことも報告しておきたいと思います。
 そこで質問です。
 (1)、抜本的改定を実現するためには、要請だけではなく県民大会開催など県民世論を大きく盛り上げる必要があるのではないでしょうか。
 6、恩納通信所問題について。
 1995年11月30日に返還された恩納通信所の汚水処理槽の汚泥からPCB、カドミウム、水銀等の有害物質が検出されました。その後、94本のドラム缶に詰めて10個のコンテナに納め、航空自衛隊恩納分屯基地へ搬出・保管されました。PCB等検出問題が出て跡利用計画にもおくれが生じ、跡地の資産価値も減少をいたしました。ゴルフ場計画も一部地主の合意が得られず断念をいたしました。
 軍転法適用第1号となった恩納通信所は、返還軍用地の環境浄化問題と跡地利用計画という問題が改めて浮き彫りにされ、給付期間の延長など軍転法見直しが必至となりました。
 そこで質問いたします。
 (1)、航空自衛隊恩納通信所に保管されたPCB等が含まれた汚泥は、その後どうなりましたか。
 (2)、跡利用計画はどうなっていますか。
 (3)、軍転法の地主への補償期限3年は汚染除去など原状回復措置がなされ、跡利用計画が出て実際に地主が土地を活用できるときまで延長すべきではありませんか。
 7、教育行政について。
 (1)、訪問教育について現状と課題はどうなっていますか。
 (2)、県立鏡が丘養護学校の看護師は継続配置すべきではありませんか。
 8、観光問題について。
 私ども護憲ネットワーク県議団では、ことし1月にニュージーランドを訪れました。体験・滞在型観光がかなり進んでいるように見受けられ、もう一度ゆっくり訪れたい魅力的な国でした。県内では東村や西表島等でエコツーリズムがようやくスタートした段階にあると思いますが、以下質問いたします。
 (1)、エコツーリズムを中心とした体験・滞在型観光の現状と課題はどうなっていますか。
 (2)、平成15年度予算ではどうなっていますか。
 9、県と労働組合(県職労)の関係について。
 県(執行部)と県議会は、よく車の両輪に例えられますが、同じように県とそこに働く職員の代表である労働組合(県職労)も、両者が良好な関係が保てなければ県民のためのいい仕事ができないことは言うまでもないと思います。同時に賃金、労働条件について労使が対等な立場で交渉するというのも理の当然だと思います。
 調査したのではありませんが、恐らく労働組合の全国委員長の経験を持つ知事は稲嶺さん以外にはいないと思います。そういうことでは沖縄県は全国一よい労働条件で、全国一良好な労使関係であっていいと思います。
 そこで知事にお尋ねいたします。
 (1)、労働組合(県職労)をどのように位置づけておりますか。
 (2)の労使交渉に関する質問については、県の誠実に交渉するとの姿勢が確認されましたので取り下げたいと思います。
 10、我が会派の友寄議員の代表質問に関連して質問いたします。
 イラク問題についてです。
 イラク戦争反対の世界的なうねりはベトナム戦争当時を上回り、2月15日の土曜日には60カ国600都市、1000万人を超える市民がデモ・集会に参加したと報道されました。ローマ300万人、ロンドン200万人、マドリード200万人、ベルリン50万人、アメリカでもニューヨーク・マンハッタンの38万人を含め150都市で反戦デモが展開されました。沖縄でも来月半ばに大規模な集会が予定されております。
 知事は、このようなイラク反戦の世界的なうねりをどう評価されますか。
 次に、沖縄への影響ですが、私たちは9・11テロ後の沖縄観光の落ち込みを経験いたしました。現在でも嘉手納基地からF15がイラクに飛び立っております。戦争ともなれば嘉手納が発進基地となり、沖縄がまた攻撃対象となり、再度の観光落ち込みが十分に予想されます。
 そこで知事、アメリカのイラク攻撃反対、平和的解決をと明確なメッセージを世界に発信すべきではありませんか。嘉手納基地を抱える沖縄県知事のメッセージは、平和を求めて立ち上がった全世界の人々への大きな激励となり、ブッシュの狂気を押し込む力となると考えますが、知事の答弁を求めます。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 それでは、平良長政議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、大学院大学についてのうち、県内設立による県メリットについてお答えをいたします。
 大学院大学の設置は、大学周辺への企業、研究機関等の集積による地域経済の活性化、最先端の科学技術の開発に伴う新たな産業の創設、世界的レベルの研究者、学生等による知的交流の活発化及び人材の質的向上など本県の振興・発展に大きく貢献するものと考えております。また、外国から多数の学生、教授陣等を受け入れることなどにより、国際交流・貢献の拠点形成が図られることになります。
 さらに、直接・間接的な設備投資による経済波及効果や雇用機会の増大など、地域経済の発展にも大きな影響を及ぼすものと考えております。
 続きまして、県出身学生への優先枠の要求についてお答えいたします。
 大学院大学は、世界じゅうから優秀な教授陣、研究者を集め、世界最高水準の研究と教育を実践することになっております。
 学生の入学につきましては、その実力や研究分野などについて客観的かつ厳しい選抜により世界じゅうから優秀な学生が集められるものと考えております。県出身学生につきましても、厳しい選抜を勝ち抜き世界的レベルの研究を行える優秀な学生として入学できることを期待しております。
 次に、海洋資源の開発利用について、その取り組みについてお答えをいたします。
 四方を海に囲まれた本県は、豊富で多様な海洋資源を有しており、こうした海洋資源を開発及び利活用することは、本県の振興に大きく寄与するものと考えております。
 海洋資源の開発及びその利活用の促進に当たっては、海洋深層水が既に利用されているところでありますが、その他の資源についてもその有限性及び海洋環境の保全にも十分考慮した包括的な基本調査を実施する必要があり、今後、効率的かつ多面的な利用促進の可能性を検討していきたいと考えております。
 次に、地位協定改定の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 沖縄の米軍基地の整理縮小や日米地位協定の見直しなどの問題は、単に沖縄という一地域だけの問題ではなく、我が国の外交や安全保障をどう考えるのかという極めて国家的な問題であり、政府及び各地方公共団体、そして国民の一人一人がみずからの問題として受けとめてもらいたいと考えております。 
 日米地位協定をめぐっては、衆議院外務委員会及び衆参両院の沖縄・北方問題特別委員会において、また、昨年本県で開催された全国知事会議や日本弁護士連合会において日米地位協定の見直し決議が採択されるなど、見直しを求める動きが広がりつつあります。
 また、去る2月12日には自民党の国会議員の有志で構成する「日米地位協定の改定を実現し日米の真のパートナーシップを確立する会」と、米軍基地を抱える渉外知事会の知事等との意見交換会が開催されましたが、このような取り組みは日米地位協定の抜本的な見直しに向け大きな力になるものと期待しております。
 県は、見直しを求める国民全体の盛り上がりが地位協定見直しの実現につながっていくものと考えており、今後ともあらゆる機会を通して日米地位協定の抜本的な見直しを訴え続け、その実現につなげていきたいと考えております。
 なお、県民大会を開催するためにはより効果的なタイミングをはかることが大切であると考えており、県民の盛り上がりや大会の実現などを十分に考慮しながら、各界各層を網羅した全県的な大会になることが必要であると考えております。
 続きまして、県職労の位置づけについての御質問にお答えいたします。
 沖縄県職員労働組合は、職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織された団体であり、勤務条件に係る当局との交渉において職員を代表して意見を提示する団体であると認識しております。
 公務における労使関係については、公務員の全体の奉仕者性、職務の公共性といった要素があることから、民間の労使関係とは異なる特殊性があると考えております。
 公務能率を向上させ、効率的な行政運営を推進する面からも勤務条件を改善し、職員の士気や職場の活性化を図ることは重要であり、県としては沖縄県職員労働組合との交渉について誠意を持って対応しているところであります。
 続きまして、イラク問題の御質問につきまして一括してお答えをいたしたいと思います。
 現在、世界各国でイラク攻撃反対のデモや集会が開かれていることは承知しております。これは、戦争を回避し平和的解決を求める世界の人々の思いであると理解しております。
 本県は、太平洋戦争最後の地上戦の場となり、20万人余のとうとい命が失われただけでなく、かけがえのない多くの文化遺産や生活基盤が破壊されました。県民は、この悲惨な戦争体験から平和の大切さと命のとうとさを肌身で感じております。
 戦争の犠牲になるのは罪のない市民であります。国連を中心に連帯して武力攻撃を回避し、平和的解決に最大限の努力がなされるべきであると考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 道州制について、東北3県及び九州の動向と九州ブロックから独立した沖縄ブロックについて一括してお答えいたします。
 青森県、岩手県及び秋田県から成る北東北3県は、県合併など望ましい地方自治体のあり方について検討するため、昨年4月に北東北広域政策研究会を設置し、12月には報告書骨子案を公表しております。その中では、道州制による東北州へ移行する過程として2010年から2015年を目途に北東北3県の合併を提案しております。
 九州においては、平成14年2月に各県の次長級で構成する「道州制等都道府県のあり方を考える研究会」が設置され、これまで4回開催されて過去の道州制等に関する意見や外国の事例等について研究しているところであります。
 道州制について、沖縄県をどう位置づけるかについては、全国的な動向を見守りつつ地方分権の進展や広域化・多様化する行政需要への対応などあらゆる角度から総合的な研究を続けていく必要があると考えております。
 次に、海洋資源の開発利用について、平成15年度の事業内容についてお答えいたします。
 平成15年度の事業として、県は豊富な海洋資源の効率的かつ多面的な利活用を図ることを目的に海洋資源開発・利用基本調査事業を実施する予定であります。
 具体的な事業内容としては、海洋資源の「分布とその利活用の状況」、「開発と実用化及びその経済効果」、「開発からその利活用に至るまでの枠組み及び体制作り」など基本的な調査を行うこととしております。
 次に、恩納通信所跡地利用計画についてお答えいたします。
 恩納通信所跡地は、平成10年に跡利用計画が策定されましたが、同計画の中心となるゴルフ場について全地主の合意が得られず、平成11年には立地を予定していた企業が撤退し計画の見直しが求められております。
 村では、今後の跡利用計画について、跡地内に完成した「沖縄亜熱帯計測技術センター」や計画中の「ふれあい体験学習センター」の立地を踏まえつつ検討することとしており、そのため地権者等関係者の意向把握の取り組みを引き続き進めていくこととしております。
 次に、軍転特措法における給付金支給期間の延長についてお答えいたします。
 沖縄振興特別措置法においては、一定の要件のもとに大規模跡地や特定跡地が指定されます。
 このような跡地は、跡地の円滑な利用を促進し、汚染の除去等の原状回復等に期間を要することに伴う所有者等の負担の軽減を図る等のため、返還後3年を超えて給付期間を延長することが規定されました。また、大規模跡地や特定跡地は原状回復にかかる期間、面積等一定の要件を勘案し、かつ返還日より3年を経過した日である基準日までに指定することになっております。
 なお、給付金の延長期間等については、今後の原状回復の進捗状況などを見きわめながら政令で定めることになっております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス統合問題についての御質問にお答えをいたします。
 まず、県の姿勢と、それから出資及び融資支援等について一括して答弁いたします。
 バス統合は、本島バス4社がみずからの経営判断により乗り合い部門の統合を行い経営体力の増強を図ることを目的に取り組んでいるものであります。県は、これまで国やバス4社の代表者等と意見交換等を重ねてきたところであり、また支援が可能なものについては全力で取り組んでいきたいと申し上げてきたところであります。
 県としては、バス事業の公共性や経営環境の変化等を踏まえ、出資の方向で検討していきたいと考えております。
 しかし、バス統合による新会社設立は基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題と考えており、その事業経営に対して責任を持って遂行する経営陣やそれを支える企業等を明らかにすることなど、諸課題を当事者が解決する必要があると考えております。そのことを踏まえ、県は新会社の経営の中核にはならないこと、新会社に人的派遣をしないこと、金融機関からの融資に対する保証はしないこと、4社の責任で対応すべき債務の処理に関し県に新たな支援を求めないこと等を方針として、広く県民の理解が得られる支援のあり方について慎重に検討していきたいと考えております。
 次に、「産業再生機構法案」による支援策についての御質問にお答えいたします。
 平成15年1月28日に「産業再生機構法案」及び「産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、今国会に提出されております。
 現在、同法案は国会で審議されているところであり、その詳細については承知しておりませんが、審議の状況を注意深く見守りながら、今後どのような支援が可能か検討してまいりたいと考えております。
○知事公室長(新垣良光) 恩納分屯基地で保管された恩納通信所跡地PCB等が含まれた汚泥についてにお答えいたします。
 恩納通信所跡地から発見されたPCB等を含む汚泥は、現在、航空自衛隊恩納分屯基地に保管されております。
 同汚泥の処理については、那覇防衛施設局に照会したところ、現在、PCB等含有汚泥の確かな処理方法について施設局で調査検討中であるとのことであります。
 県としては、今後とも情報収集に努めるとともに、関係機関や地元市町村と連携しながら適切に対応していきたいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育行政について、訪問教育の現状と課題についての御質問にお答えをいたします。
 障害があるため通学して教育を受けることが困難な児童生徒に対し、家庭または病院に教員を派遣して訪問教育を行っております。
 平成14年度に在宅訪問教育を受けた児童生徒は19人、病院訪問教育を受けた児童生徒は37人の計56人であります。
 在宅訪問教育は週3回から4回、1日2時間を標準とし、病院訪問教育については主治医の意見を参考にして週20時間程度となっております。
 県教育委員会といたしましては、訪問教育の大きな課題である病院訪問教育を受けた児童生徒が退院後、入院前に在籍していた小中学校にスムーズに転校ができるよう、学校に対し教育的配慮をするよう指導に努めているところでございます。
 なお、訪問先病院の協力を得て、主治医の許可のもと、教科等の進度がおくれないよう夏季休業期間中に15時間程度の補充指導も行われております。今後とも、家庭や訪問先病院の協力を得て訪問教育がスムーズに行われるよう努力していきたいと思います。
 次に、鏡が丘養護学校の看護師の継続配置についての御質問にお答えをいたします。 
 県教育委員会では、文部科学省の委嘱を受け、県立鏡が丘養護学校を研究校に指定をし、看護師による医療的ケアの実践研究を行ってまいりました。
 研究を進めるに当たっては、実践研究運営会議が設置をされ、医療・福祉、教育の立場から適切な医療的ケアがとれるよう指導・助言が行われております。
 医療的ケアに際しては、児童生徒の主治医の適切な指示のもと、看護師が養護教諭、担任、保護者等と連携を図り、児童生徒の健康状態の把握やきめ細かい指導を通して医療・福祉、教育の面からよりよい学習環境の整備がなされたと考えております。実践研究の結果、児童生徒の健康状態がよくなり、出席日数がふえた、保護者の精神的な負担の軽減につながったなどが挙げられております。
 県教育委員会としましては、実践研究の成果を踏まえ、今後とも引き続き看護師の配置をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、体験・滞在型観光の現状と課題についてお答えをいたします。
 県におきましては、沖縄の地域特性を生かした新たな観光形態としてエコツーリズム、健康・保養型観光、文化交流型観光等の体験・滞在型観光を関係各部局と連携をしながら推進をしております。
 エコツーリズムにつきましては、本島北部や西表島、慶良間諸島などにおいて積極的な取り組みがなされており、県におきましても今年度から検討委員会を設置し、3カ年計画で推進体制の検討やガイドラインの策定等エコツーリズム推進事業を実施しているところであり、その一環として昨年11月に「エコツーリズム国際大会」を開催したところであります。
 エコツーリズムの課題として、地域特性に即したガイドラインの策定、ガイドの育成、全県的な推進体制の確立などがあります。
 健康・保養型観光につきましては、アレルギー性疾患や生活習慣病の方々を対象とするモデル事業を実施し、医・科学的な検証を行った上で特色ある商品開発を目指しているところであり、今後の課題として、実施体制の整備やツアー実施マニュアルの作成、ビジネスモデルの形成などがあります。
 文化交流型観光につきましては、世界遺産周辺整備事業として那覇市、読谷村など5市町村において観光案内板や休憩施設、散策路の整備等を実施しているところであり、今後の課題として集客の仕組みづくりなどがあります。
 次に、平成15年度予算での取り組みはどうなっているかとの御質問にお答えいたします。
 平成15年度の体験・滞在型観光関連事業の予算案につきましては、観光リゾート局所管分としてエコツーリズム推進事業に4500万円、健康保養型観光に2500万円、世界遺産周辺整備事業に4億5000万円、合計5億2000万円を計上しております。
 観光リゾート局所管以外の体験・滞在型観光関連の予算といたしましては、エコツーリズム関連事業として自然体験活動指導者養成事業、自然公園施設整備事業が計上されているほか、農林水産資源を活用した事業としてグリーンツーリズム総合支援事業、漁村活性化推進事業、森林体験学習事業などが計上されております。
 また、文化交流型観光関連事業として世界遺産保全・復元事業、世界遺産普及事業、「国立劇場おきなわ」推進事業、県立博物館新館・美術館建設事業などが計上されております。
 以上でございます。
○平良 長政 再質問をいたします。
 バスの関係ですが、やはり県サイドの消極姿勢というのがもう我慢ならないというのか、私はこの何年かバス問題をずっとやってきましたが、今回は代表質問3名、一般質問4名、7名がバス問題の質問をしているところですが、昨日、きょう新聞にも出ていましたが、連合沖縄とそれからバスの労働組合連名で知事に抗議の声明がされました。直接知事に手交しようとしたら、知事はこちらの本会議場にいるのでできずに、かわりにどなたかに手交したと思いますが、これは異例ですよね。県議会での知事答弁に抗議声明が出されるというのは聞いたことがない。
 それぐらい労働組合ももう頭に来たということだろうと思いますが、その消極姿勢というのは、例えば私が質問をした産業再生機構、あるいは改正産業活力再生特措法などについてもまだ調べてもないとこういうわけですね。
 私は、総合事務局運輸部長にも先日会ってきたら、その可能性があると言っていました。それで準備室の室長は、この法律の件だけで上京して国に勉強しに行っている。本来、県がやるべき仕事だのに、そういう可能性があるのに調査をしない。国段階での大きな大企業に対する支援ではなくて、今回は地方の県段階の中小の企業も救っていこうという法律ですよね。国が出資をするというようなことなんですが、そういうこともやらないというのは本当にどうかしているんじゃないか。県民の足を守るという県の責務、義務をわかっていないということだろうと思うんです。
 昨年2月にいわゆる需給調整の規制が撤廃をされて、撤退する6カ月前に、もうここは赤字路線だから撤退するよと言ったらそのまま撤退するわけですよ。
 そうなると、本当にバス会社が南部や北部を中心としてみんな赤字ですから、ここを撤退しますよと言ったらどうなりますか。学生、通勤者もそうです。あるいは障害を持った人、お年寄りなんかどうなりますか、自分のマイカーを持っていない人は。そうなると恐らく県営バスか、市町村も一緒になった公営バスかを走らさないといけないんですね、バスも購入し運転手も雇うと。それはもう今我慢して、統合があるから。統合までは赤字路線撤退の申請をしてないだけの話なんでしょう、そういうことがどうしてわからないのか。
 それからモノレールとの結合の問題でも、結局そのまま8月10日までいきますとどうなりますか。今は進んでないわけでしょう、各駅とどう結んでバス路線の再編するかというのも。もし統合が進まなければその各駅との結節のバスは各社が奪い合うんですか。
 私は土曜日の公開のシンポジウムに行って、やはりディマンド応答型のバスとか、ノンステップバスとか、いろいろ統合して体力つけばいろんなことができる、そういう展望も見出してきたわけですが、今の企業の4社ですね。沖縄で4社もお互い走っているという状況ではどうしようもないわけですね。何としても統合を県がやはり中心になって私はやるべきだと。中心になってというのは、金を出す出さぬの話じゃなくて、やはり抗議声明にもあるように、タイムリミットが迫ったこの段階で当然高いハードルを設定するのはおかしいと。もっと当初から一緒になって困難な課題を一つずつ解きほぐして県が一緒に悩んでいく、一緒に苦しんでいく、一緒に勉強していくというそういうのがなかったことが一番いけないことで、もうここではっきりしていますが、行政怠慢は許されないとまで言い切っているわけですね。
 そこで質問したいと思いますが、まずこの異例とも言える議会での知事答弁に対する抗議声明について知事のコメントを求めたいと思います。
 それから不採算路線について、撤退した場合どうするおつもりなのか。
 それから3点目は、モノレールとの結合ですね。バス再編は、4社との話はどこまで行っているのか、具体的に説明をお願いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時44分休憩
   午前10時47分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) バス問題に対する平良長政議員の御質問にお答えいたします。
 昨日、連合の方から私に対する抗議文を受け取りました。これはおのおのの立場によっていろいろと御意見があるわけですから、その辺についてはその立場でもって、連合という組合の立場でもってなされたと思っております。
 と申しますのは、基本的に県が一貫しておりますのは、今回も出資をするということを明確に打ち出しているわけです。しかし一番大事なのは、県というのはこれは沖縄県民の皆さんの税金によって成り立っているわけですから、しっかりとした、やはりどの事業でもそうですけれども、基本的には経営主体というものをしっかりしていただくというのが大変重要でして、その意味では県は県の立場として特に公共性のあるバス事業に関しての気持ちというのは、取り組み方というのは全く変わっておりませんし、十分に対応ができるものについてはしっかりと受けとめていきたいと考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
 まず、県は不採算路線の運行についてどのように考えているかということについてお答えをいたします。
 バス事業、とりわけ乗り合いバスの事業は、通勤・通学、それから通院、買い物等の地域住民の日常生活を支える公共交通機関として重要な役割を果たしていることは十分認識をしております。しかし、乗り合いバス事業は公営、民営にかかわらず独立して採算のとれる企業が行うものであり、当然企業の経営努力が必要であると考えております。県としても規制緩和に対処するため平成13年3月に国、県、市町村、関係者等で構成する「沖縄県生活交通確保協議会」を設置し、生活バス路線の運行などに対する補助や代替交通手段の確保等地域の生活に必要な交通手段の維持・確保について協議をし、行政としての責任を果たしております。
 次に、モノレールとバスとの結節について、交通施策を担う地域・離島振興局としての考え方、県の考え方ということでお答えを申し上げます。
 県及び那覇市と本島バス事業者4社は、平成6年1月26日に都市モノレールとバスの利用者、利便性の確保やその合理的機能分担を図るため、都市モノレール開業時にバス路線再編を行うことについての協定書を交わしております。現在、都市モノレールとバスの利用者、利便性の確保やその合理的機能分担を図るためバス路線再編実施案検討委員会が策定しているバス路線再編実施案に基づき4社と所管の土木建築部が協議を行っております。
 地域・離島振興局としては、その状況を見守りながら、関係者にモノレールとバスの合理的機能分担が図られ、互いにその機能を発揮し、公共交通サービスの向上を目指した解決を促すとともに、必要があれば協力をしてまいりたいと考えております。
○平良 長政 不採算路線について地域協議会をつくっているから行政の責任は果たしていると、こんなばかなことはないでしょう。私が聞いているのはそうではなくて、もちろん協議会があるのは知っていますよ。その協議会にも労働組合の代表も送ってくれという要請もし、それもできていないんですが、そうではなくて、撤退を申し出てみんな撤退したらどうするんですかと。協議会で話し合うのは話し合うでしょうけれども、どうするんですかと県の責任を聞いているわけです。
 それからモノレールの協議中ということですが、8月10日、もう走ると言っている。私は、その前にいろいろ再編も必要だと思うんだけれども、うまくいっていないと聞いているんですよ。4社とおのおのこうやって合併がつぶれたり、あるいはおくれたりしたら競合して取り合いをするんですかと、具体的にどこまでいっているかというのを聞いているので、もう一度お答え願いたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時54分休憩
   午前10時56分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) 再質問にお答えいたします。
 バス4社との協議につきましては、これまで数回協議を重ねております。その内容につきましては、まだ詰めている最中でございますので、現在のところ申し上げられません。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 先ほど御答弁申し上げましたように、「沖縄県生活交通確保協議会」の方で生活バス路線の運行などに対する補助や代替手段の確保等地域の生活に必要な交通手段の維持・確保について協議をし、行政としての責任を果たしているところでありますが、乗り合いバスの規制緩和に伴いまして生活交通の確保を図る観点から、地方公共団体がより主体的に関与していく新たな生活交通路線維持費補助制度、バス路線の補助制度が創設されております。その中で、国や県は広域的、幹線的な路線を支援していき、県や市町村は広域幹線以外のバス路線で採算の確保が困難な離島・過疎地域を中心に地域の生活交通に欠くことのできない路線について「沖縄県生活交通確保協議会」の議決を経て助成を行い、地域にとって必要な生活交通路線の維持・確保を図ることとしております。
 この制度によりまして、企業間の路線競合や企業の赤字の有無にかかわらず助成が可能になることや、採算のとれる都市部等の路線に自由に参入できることから、県としては統合がなくてもバス事業が継続し公共交通が確保できるものと考えております。
○平良 長政 議長、ちょっと休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時58分休憩
   午前11時  再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 平良長政君。
   〔平良長政君登壇〕
○平良 長政 国の調整費の投入を検討できないかということで再度答弁を求めます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 国の調整費の投入を検討できないかという御質問でございますが、県としては、広く県民の理解が得られる支援のあり方について国や関係機関と密接に連携をとりながら、慎重に検討していきたいと思います。
○高嶺 善伸 おはようございます。
 通告に従って一般質問を行います。
 まず、1、沖縄振興計画について。
 沖縄県の県民所得は全国平均の約70%で、財政依存度と失業率は全国平均の2倍であり、沖縄県の山積する課題解決のために新しい沖縄振興計画の効果的な実現が求められています。全国的な不況の中で相次ぐ倒産にあすは我が身かと不安を抱いている事業所の悲痛な叫びが聞こえており、沖縄振興計画の効果的な推進と的確な対応がかぎを握っていると言っても過言ではありません。
 復帰後30年にわたる沖縄振興開発計画をもってしても本土との格差は依然として改善されず、新しい沖縄振興計画で「格差是正の振興策からフロンティア創造型の振興策」へと振興策の表現を変えても、全国47都道府県の相互比較という意味での全国尺度は格差の存在であります。むしろ全国のわずか0.6%の県土に米軍提供施設の75%を押しつけられ、沖縄本島の20%を占める米軍基地の存在による功罪を本土との格差として訴え続ける必要があり、米軍基地に起因する事件・事故は許しがたい人権じゅうりんで、広大な基地の存在は経済的にも自立の最大の障害であることを指摘したいと思います。
 県計画は、沖縄振興計画の着実な実施により主な経済指標を全国水準に近づけ、県民生活の向上と経済の自立的発展が図られるとしており、10年後の自立像を達成するためには、離島市町村等県内地域格差を解消しつつ抜本的な諸振興策が必要であることは言うまでもありません。
 しかし、立ちはだかる財政問題にはいかんともしがたい状況にあり、平成13年度決算の歳入に占める自主財源は26%で、全国平均42%に比較してもわかるように貧困財政であります。離島市町村の自主財源はさらに厳しい状況にあります。したがいまして、これから沖縄振興計画実現のための各種の事業の実施には裏負担、つまり対応費としての自己財源の確保には限界があり、特に離島市町村に至っては自主財源がないためにこれまでにも手を上げられないケースが多々ありました。
 国の地方財政計画では、今後地方交付税や国庫支出金がますます削減されることは確実であり、そのため私はこれまで離島振興交付金の創設、沖縄振興基金の創設、基地対策税の創設等々財源確保の必要性を機会あるごとに提言してまいりましたが、県当局はことごとく自己規制的な答弁に終始してまいりました。
 そこでお聞きしたい。
 沖縄県全体の沖縄振興の効果的な展開に資すると言われる沖縄振興特別調整費とはどのような目的で予算措置されてきたのか、その経緯と今年度の予算措置について御説明いただきたい。
 あわせて今後、沖縄振興特別調整費を沖縄県が自由に使える安定した一般財源としての沖縄振興特別調整交付金とするよう政府に対して要求することを提案したいと思いますが、知事の御所見を賜りたい。
 2、港湾・都市再生について。
 小泉総理の第156回国会での施政方針演説において、「日本の魅力再生」で全国都市再生のための緊急措置の一つとして沖縄県石垣市の港湾を中心にしたまちづくりを支援すると表明いたしました。具体的に地方の都市名を挙げて言及するのは珍しいと思われますが、逆に地方が政策の先端に位置づけられることは大事なことと思います。
 そこで、政府の都市再生本部において、地方に都市再生事業としてどのような計画がなされているのか、経緯も含めて支援事業の概要をお聞きしたい。
 あわせて、それに対して県としてはどのような支援策を予定しておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
 次に、石垣港港湾改訂計画の支援についてでありますが、石垣港は重要港湾に指定されていますが、今年度新しい港湾改訂計画が国の承認を受けました。沖縄振興計画では、石垣港を「八重山圏域における拠点港湾としての整備」と「大型クルーズ船に対応した施設整備」の方針を示しているが、市との計画の整合性の確保及び県としての支援についてお聞かせ願いたい。
 次に、構造改革特別区域についてでありますが、台湾からの観光客にとって八重山観光は人気のスポットと言われております。石垣市は、石垣港を国際観光港として整備していく方針で、国有地となっている新港地区の利活用を観光特区として指定できるとノービザ制導入だけでなく、南に開かれた国際交流の拡充につながることが期待でき、特区指定を要望していますが、県の支援についてお聞きしたいと思います。
 次に、港湾行政と座礁問題への対応についてであります。
 石垣港は、国内あるいは各離島間を結ぶ拠点港湾としての機能のほかに、開港としての貿易物流港湾としての機能を有しています。現在、石垣港には外国からのクリアランス船が年間3000隻を超え、検疫錨地や港湾区域でおさまらず定期航路に混在し順番待ちをしている状況にあります。今後さらに物流を充実することが期待されていますが、近年クリアランス船等の座礁事故が頻発しており、万一積み荷が流出した場合の環境汚染や修復作業を考えたとき、早急な対応策を講ずる必要があると思います。
 外国船舶の近海航行によっては海図の保有や航海技術とマナー、保険加入等の課題が野放しの状況にあるのが今日であります。座礁による事故が発生してからでは遅く、県としての対応が必要だと思いますが、実態と対策についてお聞きしたい。
 3、与那国近海の安全確保についてであります。
 中華民国軍の演習実態と対策について。
 与那国漁協の要請によりますと、与那国の近海はソデイカ漁等の好漁場でありますが、最近、中華民国軍の射撃訓練が昼夜を問わず頻繁に行われており町民の漁業が脅かされており、安心して操業が営めるように解決策を求めています。射撃訓練は、通知により海上保安部から与那国漁協等に通報され注意を喚起するようになっていますが、例えば12月には4日、5日、9日、11日、12日、17日、24日、25日、26日と一月に9回、午前7時から午後5時まで平面射撃、対空射撃訓練が行われており、予告なしの訓練日時の変更もあり、その漁場には近づけないということであります。
 県は、このような実態をどのように把握しておられるか。また、与那国漁協の窮状打開策についてお伺いしたい。
 次に、国境の保安のあり方についてでありますが、沖縄県の最西端の与那国は、台湾との間が160キロメートルで国境にあるために安全性の確保が町民の課題であります。
 防空識別圏が与那国を縦断していることなど国政レベルで議論されるべきでありますが、国交の問題で直接台湾との交渉ができるのかどうか不明でありますが、領海や経済水域の問題として与那国漁協の要請によりますと、台湾保安警察による事実無根の領海侵犯に関する町民・漁民への嫌疑と通告などがあり、安心できないということであります。
 安全性確保から、県としてどのように対応するかお聞かせ願いたい。
 4、農業行政について。
 平成15年度の取り組みについて稲嶺知事は、「おきなわブランドの確立に向けた産地形成、品質向上等のための新技術の開発・普及、流通・販売・加工体制の強化など活力を高める振興策を展開」しますと述べておられます。
 具体的にどのような取り組みをするのか、お聞きしたい。
 (1)、戦略品目の「おきなわブランド」の確立とはどのようなことか。市場出荷品目、消費者流通品目にどのような支援策を計画しているか。
 (2)、安定品目の生産供給体制をどのように計画しているか。さとうきびの分みつ糖、含みつ糖対応と増産対策についてお聞きしたい。
 (3)、流通・販売・加工対策の強化についてどのように行うか。
 (4)、経営の安定のための担い手の育成・確保をどのように促進するか。特に高齢者のリタイア等により農業従事者は平成12年3万4000人から平成16年2万9700人に減少されることが懸念されるが、若者の新規就農者の確保・育成等についてお聞きしたいと思います。
 (5)、環境と調和した農業の推進について、赤土流出防止の抜本的な施策と堆肥等の資源循環型農業として畜産農家と耕種農家の連携をどのように支援するか、県の施策をお聞かせ願いたい。
 (6)、多面的機能を生かした農村の振興策について県知事が定める離島遠隔地にある農業生産条件の悪い農地に対し、中山間地域直接支払事業の推進で遊休農地解消事業や農村定住化を促進する支援事業の実施についてお聞きしたい。
 また、小規模農村の研修施設等の整備の支援についてどのように対応するかもあわせてお聞きいたします。
 (7)、離島におけるフライト農業の支援についてであります。最近、マンゴーやパイン等の宅配による消費者への直接出荷が人気を呼んでおりますが、乗降客の集中するシーズンの積み残し問題が課題となっております。特に、八重山ではピークシーズンの7月に貨物専用路線、貨物専用機が確保できないのか検討されていますが、県の対応についてお聞かせ願いたい。
 5、離島振興について。
 新石垣空港建設問題は八重山郡民の待望の課題であります。特に、全国的な不況の中で離島経済は深刻であり、自立経済の構築に必要不可欠なインフラ整備は山積しております。その意味において、八重山圏域の閉塞した経済状況を打開できるのは新石垣空港建設の早期着工と早期開港であります。
 これまで県当局は八重山の実情を御理解いただき、平成16年度の事業採択に向けて取り組んでこられたことに対し感謝申し上げます。いよいよ平成15年度は国への概算要求をする重要な年ということになります。しかし、稲嶺知事の施政方針を聞いていると取り組みが従来に比べて後退している
ような気がいたしました。気のせいでしょうか、改めて知事の決意をお聞きしたいと思います。
 (1)つ、平成15年度予算措置の内容はどうなっていますか。平成16年度国庫補助事業採択に向けての具体的な取り組みはどのようになっているかお聞かせ願いたい。
 (2)、先般公表されました新石垣空港基本計画によれば、水平・転移表面及び進入表面には障害となる山等がありますが、その確保についてどうなっているのか。
 また、空港設置許可を得るまでの諸課題の解決の見通しはどうなっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
 次に、与那国空港整備計画の内容や今後の対応をお聞きしておきたいと思います。
 次に、八重山圏域のラジオ難聴解消事業が平成15年度に実施されることになり、県当局の対応に感謝申し上げます。
 そこで、ラジオ放送受信障害解消事業について事業主体、財源、受信障害解消仕組み等の事業概要と事業効果についてお聞きしたい。
 次に、市町村合併についてでありますが、今、全国の市町村合併はタイムリミットを恨めしく思いながら、国策にどのように対応するか意見が大きく揺れており、毎日新聞の調査では21都道府県の41自治体が合併しない決定をしていると伝えております。沖縄県でも各島々の特性と魅力をいかに生かして自立するかという振興策を考える中で、合併選択のいかんによるメリット・デメリットは大きな課題であります。
 島嶼県沖縄では、合併支援本部を設置し合併を推進する立場をとっており、その指導力のあり方が問われております。複雑な要因が錯綜する合併パターンの中で八重山圏域を例に県の対応をお聞きしたい。
 (1)つ、竹富町は合併協議会への不参加を決めているようですが、その理由、県の対応はどうなっているのか。
 次に、任意合併協議会に参加した与那国町は竹富町の対応で疑問を抱いて動揺しているが、県の対応をお聞かせください。
 次に、町民発議による合併論議への取り組みがあるが、県の対応をお聞かせください。
 次に、1島1町村等のような島の魅力や行政単位の特殊な経緯から合併が進まない自治体について、県として明確な選択肢を示して的確な住民判断ができるように指導性を発揮する必要はないのかどうか、県のお考えをお聞かせ願いたいと思います。 
 あとは割愛させていただきます。よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 高嶺善伸議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、石垣市のまちづくり事業の経緯と支援についてお答えをいたします。
 平成14年4月に小泉総理を本部長とする都市再生本部において、身の回りの生活の質の向上と地域経済社会の活性化を図るための緊急措置として民間の投資を促進する都市再生の取り組みを支援することが決定され、全国を対象に事業の募集が行われました。このたび、「海に開かれた交流拠点の形成」により都市景観を推進する事業として石垣市のまちづくりが取り上げられ、先月、地元において検討委員会が設置されたところであります。
 都市再生本部では、このような各地の委員会において提起されるまちづくりの課題に対し、今後、予算や制度の運用を通じて事業促進を図ることとしております。県においても、市及び国と連携しながら関連する公共施設の整備等について支援していきたいと考えております。
 次に、離島振興についてのうち、与那国空港整備計画の今後の対応についてお答えをいたします。
 与那国空港の整備については、航空機の離発着の安全性と就航率を高め安定的な輸送を図るため計器着陸装置等を整備するとともに、滑走路を現行の1500メートルから2000メートルに拡張するものであります。当該事業は平成13年度に着手し、昨年12月20日に航空法に基づく飛行場の施設変更許可を得、現在、公有水面埋立免許申請の手続と実施設計を行っているところであります。
 今後のスケジュールについては、平成15年度に用地買収、物件補償等を実施し、埋め立てに係る護岸工事等に着手する予定であります。また、平成16年度から平成17年度にかけては用地造成工事、滑走路工事、進入灯及び無線施設工事等を実施し、平成18年度に国の飛行場検査等を経て供用を開始する予定であります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 特別調整費の予算措置の経緯と交付金として要求することについてお答えいたします。
 特別調整費は、平成10年12月、第9回沖縄政策協議会における小渕元総理大臣の指示に基づき、沖縄県の厳しい経済状況を考慮しさらなる沖縄振興策を効果的に展開するため、沖縄振興のための特別調整費として平成11年度から毎年100億円の予算が措置されてきたところであります。平成15年度も政府において100億円の予算が計上されております。
 特別調整費は、本県経済の活性化を目的として県が要望する事業について沖縄政策協議会で決定し、実施する特別な予算であります。このようなことから、特別調整費を県が自由に使える交付金とするよう要求することは極めて困難であると考えております。
 次に、ラジオ放送受信障害解消事業の概要と事業効果についてお答えいたします。
 八重山地区においては、地域に中波ラジオ放送の中継局がないこと、外国に極めて近いことなどから、特に夜間において外国波との混信による中波ラジオ放送の受信障害が発生しております。
 中波ラジオ放送受信障害解消事業は、石垣島、西表島及び与那国島へ民放ラジオ放送の中継局を設置し、昼夜を問わず障害がないラジオ放送が受信できるようにするものであります。
 なお、事業主体は八重山広域市町村圏事務組合であります。
 それから、予算につきましては、現在想定されている事業費が総事業費で2億9497万9000円を予定しております。
 そのうち、現在国の方に15年度の特別調整費をお願いしているところですけれども、それを総計した場合に全体の国の補助率10分の8で2億3598万3000円、それから県が10分の1で2949万8000円、それから残り3市町で負担するのが10分の1で2949万8000円を予定しております。
 効果ですけれども、これによりまして地域の情報格差が是正され、特に台風や地震等の自然災害発生時においては情報が確実に入手できることから防災上の効果も大きく、地域住民の安全性確保に寄与するものと考えております。
○土木建築部長(安慶名正行) 港湾・都市再生についての、石垣港港湾整備の支援についてにお答えいたします。
 石垣市が管理する重要港湾石垣港については、沖縄振興計画において国内外の大型クルーズ客船の就航を促進しアクセス条件の改善を図るほか、離島ターミナルの再編等観光・リゾート拠点として整備を促進することが位置づけられております。また、石垣市においては昨年11月に石垣港港湾計画の改訂を行い、地域の生活を支える港湾の形成、地域の触れ合いの場となるみなとまちの形成を目指して登野城・美崎町地区の離島ターミナルの再編・整備及び新港地区におけるクルーズ需要に対応した大型旅客船バースの整備等について新たに計画に位置づけられており、沖縄振興計画と整合が図られた計画内容と考えております。
 現在、県においては、石垣港と結ぶ県管理の各離島港湾において浮き桟橋や旅客待合所等の港湾施設整備を推進中であり、港湾機能のさらなる充実・強化に向けて今後とも市と連携・協力し、八重山圏域の振興に資するべく港湾整備に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、離島振興についての、平成15年度予算措置と国庫補助事業採択へ向けた具体的取り組みについてにお答えいたします。
 平成15年度の新石垣空港整備事業に関する空港建設費として約4億600万円を計上しており、その主な内容は、前年度から継続して実施する環境影響調査、コウモリ等生態系調査及び地下水調査と環境影響評価法に基づく準備書の新規作成となっております。
 国庫補助事業採択に向けた課題としては、環境影響評価手続や新石垣空港整備基本計画の策定及び地権者の同意取りつけ等の進捗状況があります。
 環境影響評価手続につきましては、1月29日に環境影響評価法に基づく方法書の公告・縦覧手続を終え、現在、意見書の概要の取りまとめを行っているところであります。
 また、新石垣空港整備基本計画(案)については、1月20日に公表し、全国民を対象にしたインターネットによるパブリック・インボルブメントを開始するとともに、同計画(案)に地元の意見を反映させるため1月29日に関係する地域住民・利用者を対象とした地元説明会を石垣市で開催しました。さらに、今週から来週にかけて関係公民館でも開催します。そして地権者の同意取りつけ作業についても3月以降から着手する予定であります。
新石垣空港の早期着工へ向けて、知事が1月22日、国土交通省へ支援をお願いしております。今後とも、新石垣空港の早期事業化が図られるよう地元と連携し鋭意取り組んでまいります。
 次に、水平・転移表面の確保と解決すべき課題についてにお答えいたします。
 公共用飛行場については、航空機の運航の安全を確保するため進入表面、転移表面及び水平表面、いわゆる制限表面を超える物件については航空法第49条に基づき設置等が制限されます。
 新石垣空港予定地の制限表面に関する抵触物件の主なものとして、カラ岳、水岳・カタフタ山等の山地、宮良台地のサイロ、電柱、樹木等が確認されております。
 進入表面、転移表面に抵触するカラ岳のすそ野の一部については切削し、また宮良台地のサイロ等については撤去または移転を行う計画であります。
 水平表面に抵触するカラ岳の頂上部や水岳・カタフタ山等の山地については、環境保全上等の観点から切削を行わず、障害灯を設置し航空機の周回進入区域を海側に限定することによって対応することとしております。
次に、空港設置許可を得るまでの課題としては、環境影響評価法に基づく手続の完了、新石垣空港整備基本計画の策定、予算の裏づけ、地権者の同意等があります。その解決へ向けて県としては地元と連携し鋭意取り組んでまいります。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 石垣市の観光特区要請への支援についてお答えをいたします。
 石垣市が提案した台湾からの旅客を対象とするノービザ制度につきましても、それから県が提案した台湾、香港、韓国からの団体旅客を対象とするノービザ制度につきましても、外務省は、不法就労や不法滞在等の防止の観点から、現時点で査証免除を実施することは困難との否定的な回答を示しております。
 一方、県の提案に対しましては、一定の条件を満たす特定国の国民からの短期滞在査証申請について提出書類の簡素化を検討すると回答しており、一定の簡素化措置が講じられることが示唆されております。石垣市の観光特区に対する取り組みは、これまでの県の取り組みとも符合するものであり、今後とも情報を交換するなどともに協力し合いながらその実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 港湾・都市再生についての、クリアランス船の座礁事故の実態と対策についての御質問にお答えいたします。
石垣港に入港の手続をするクリアランス船の海難事故は、過去10年間で17件発生し、そのうち平成14年には4件の発生となっております。
 事故の種別としては、浅瀬などへの乗り上げが15件と最も多く、ほか衝突1件、浸水1件となっており、これまで環境汚染をもたらすような事故は発生しておりません。このような海難事故については第11管区海上保安本部で対処しております。
 また、石垣港に入出港する外国船の海難事故の防止や安全対策について協議するため、平成3年7月に石垣海上保安部等の国の機関や同港の管理者である石垣市及び地元関係者で構成された「石垣港外国船安全対策協議会」が設置されております。
 県としましては、同協議会における協議の状況を踏まえ、港湾周辺の海図等情報を周知徹底するなど、海難事故防止対策について海上保安本部に申し入れをしていきたいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 与那国近海の安全確保について、中華民国軍の演習実態と与那国町漁協の窮状打開策についてお答えいたします。関連しますので一括してお答えいたします。
 台湾国防部の演習海域は、台湾花蓮市の南東約30海里、与那国からは南西約45海里の海域に設定されております。海域での演習情報につきましては、従来、財団法人交流協会や水産庁及び海上保安庁から県及び沖縄県漁業無線局に通知があります。平成14年には1年間で99日間の演習が実施されております。演習による漁業への直接的な被害につきましては、現在のところ報告は受けておりません。 また、与那国近海の国境保安につきましては、現在、第11管区海上保安本部が領海及び排他的経済水域の監視及び取り締まりに当たっております。県といたしましては、今後とも県内海域における演習情報の周知に努めるとともに、安心して漁業が営まれるよう関係機関と連携して安全操業の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、農業行政につきまして、「おきなわブランド」の確立についてお答えをいたします。
 県においては、我が国唯一の亜熱帯性気候等の優位性を生かした活力ある産地を形成し、「おきなわブランド」の確立に努めております。
産地の育成につきましては、市場競争力の強化による生産拡大が期待されるゴーヤー、菊、マンゴーなどを戦略品目として位置づけ、産地協議会の設立を初め防風・防虫等ネット栽培施設や低コスト輸送体系の整備などを推進をしているところであります。現在、名護市のゴーヤー、南風原町のカボチャ、読谷村の菊、豊見城市のマンゴーなど11の地区を産地認定をしブランド化に取り組んでいるところであります。今後とも、付加価値の高い新たな品目を育成するとともに、拠点産地の形成に向けた諸施策を積極的に行い、「おきなわブランド」の確立に努めてまいりたいと考えております。
 次に、安定品目の生産供給体制とさとうきびの増産対策についてお答えをいたします。
 農林水産業振興計画においては、本県の主要作物であるさとうきび、パイナップル等について今後とも安定的に生産振興を図る品目として位置づけております。
 安定品目については、原料の加工を通して雇用機会の確保など地域経済に大きく寄与しておりまして、安定的な生産量の確保が求められております。このため、今後ともかんがい施設等生産基盤の整備、機械化・省力化による生産コストの低減、優良品種の開発・普及等を推進していく考えであります。特に、さとうきびにつきましては単収の増加及び品質の向上を図るため、生産基盤の整備を初め農地の利用集積、機械化一貫作業体系、土づくり等を推進してまいります。
 また、分みつ糖及び含みつ糖企業への支援につきましては、さとうきび原料の増産体制を初め集荷製造経費の低減及び観光土産品など、新商品開発などの推進によりまして経営安定に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、流通・販売・加工対策の強化についてお答えをいたします。
 本県農林水産物の市場競争力の強化と生産出荷の拡大を図るためには、流通・販売・加工対策は極めて重要であります。そのため流通対策としては低コスト輸送ルートの開拓や、生産から販売までの情報システムの整備など農産物の物流効率化を図っているところであります。
 具体的には、菊などを航空輸送から船舶輸送へ誘導することにより輸送コストの低減を図っているところであります。花卉の出荷団体の事例で見ますと、菊の船舶輸送が平成12年度の25%から平成13年度には約33%に増加をしておりまして、今後とも飛躍的に増加するものと見込んでおります。
 販売対策としては、一貫性のある効果的なマーケティング戦略の構築や「おきなわブランド」の確立、地産地消の推進などの強化に努めているところであります。
 加工対策につきましては、観光・リゾート産業や食品産業と連携をし、ゴーヤーや黒糖、モズクなど農水産物を活用した地域特産品の開発を促進しているところであります。今後とも、県としては「おきなわブランド」の確立のため流通・販売・加工対策を強化していく考えであります。
 次に、新規就農者の育成につきましてお答えをいたします。
 本県農林水産業の持続的な発展を図るためには、魅力ある農業経営の確立と、それを担う農業者の育成・確保が重要な課題であります。県といたしましては、農業大学校における実践的な研修教育、普及センター等における農業経営・技術研修、また農業後継者育成基金事業による新規就農者の研修などを推進しているところであります。
 また、新たな事業として平成15年度から他産業従事者やUターン青年等を対象に農業の基礎訓練を行う就農サポート事業を実施し、多様な担い手の育成・確保を図ることとしております。今後とも市町村、農業団体、学校関係機関との連携を強化し、新規就農者の育成・確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、赤土流出防止の抜本的な施策、堆肥等の資源循環型農業について、環境と調和した農業の推進についてお答えいたします。
 農地からの赤土流出防止対策につきましては、従来から「赤土等流出防止対策基本方針」に基づき、ソフト面あるいはハード面の両面から総合的な取り組みを行っているところであります。特に、石垣市の轟川流域におきましては平成14年度から流域の環境保全モデル事業を実施し、農家や地域住民が主体的に取り組む「赤土対策モデル方針」を策定することとしております。具体的には、現在、流域内の赤土流出実態の把握と具体的な対策の検討、緑肥作物による圃場面の被覆やグリーンベルトの設置など、赤土流出防止技術の広域的実証などを実施をしております。今後、このモデル事業の成果を踏まえまして、地元を主体としたより実効性の高い赤土流出防止対策を推進していく考えであります。
また、持続的な農林水産業の振興を図るため、家畜排せつ物等の堆肥化を促進し、農地への還元による有機質資源を活用した土づくりを進めるなど耕種部門と畜産部門の連携を強化してまいりたいと考えております。
 次に、直接支払制度の推進による遊休農地解消、それから小規模農村の研修施設整備の支援につきましてお答えをいたします。
 中山間地域等直接支払交付金は、遠隔離島など条件不利地域の農業生産条件の不利性を補償するために支払われるものであります。当該交付金は、集落で取り決めた協定に基づき共同で取り組む活動に対して交付されることとなっております。遊休農地の解消に当たっては、担い手に農地が集積されるよう関係市町村を指導してまいりたいと考えております。
 また、農村・漁村の定住・活性化を促進するための集落センターの整備につきましては、集落地域整備事業や農村振興総合整備事業等により整備を実施してまいりたいと考えております。県としては、離島・過疎地域における農林水産業の振興を図るため中山間地域等直接支払交付金の活用を初め各種施策を推進するとともに、遊休農地の解消についても取り組んでいく考えであります。
 次に、離島におけるフライト農業支援についてお答えをいたします。
 離島地域で生産されている生食用パイナップルやマンゴーにつきましては航空輸送が主となっております。昨年、八重山地域においては、出荷ピーク時における台風の影響等もあってマンゴー、パイナップルの輸送におくれが生じております。関係機関からの聞き取り調査によりますと、平成14年度のマンゴーとパイナップルの出荷量約1900トンのうち、出荷ピーク時には約400トンに輸送のおくれが生じております。
 県としましては、離島農業の振興を図る上で輸送対策が極めて重要であることから、生産農家、JAなど関係機関と一体となって効果的な輸送対策を講じていく考えであります。具体的には、航空輸送とあわせて冷蔵コンテナによる船舶輸送を活用した低コスト輸送体系を確立していく考えであります。
 以上であります。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 離島振興の御質問のうち、竹富町の合併協議会への不参加理由と県の対応、それから与那国町に対する県の対応についての御質疑にお答えをいたします。
 八重山地域における市町村合併につきましては、「沖縄県市町村合併推進要綱」の合併パターンの中で石垣市、竹富町、与那国町の3市町の組み合わせを示したところであります。
これは、3市町が一つの行政主体として八重山圏域全体の視点に立って一体的なまちづくりを実施できることや、福祉、環境、衛生などの部門の拡充が図られ、行財政基盤の強化や行政サービスの向上が期待できるとしたからであります。
昨年11月25日、3市町の長の間で任意の合併協議会設置の合意がなされたところでありますが、その後、竹富町長の合併協議会への不参加表明により石垣市、与那国町の2団体による八重山地域市町合併協議会が昨年12月25日に設置されたところであります。当協議会によれば、竹富町長は本年1月28日に開催された第2回の合併協議会に出席し、不参加の理由として、町役場を移転し、自主・自立の道を選択する意見を述べたとのことであります。
 市町村合併は、地域の将来のあり方や住民自治及び住民生活に大きな影響を与える重要な事項であることから、地域住民に対する情報公開や情報提供を行いながら石垣市、竹富町、与那国町の3市町の間で十分議論を深めて合併の協議を進めていただきたいと考えております。
 次に、住民発議についての県の対応についての御質問にお答えをいたします。
 住民発議制度は、自主的な市町村合併の推進という観点を踏まえ、地域住民の意向がより反映されるよう住民の立場から合併協議会の設置を請求することができる制度であります。
 竹富町におきましては、町長による合併協議会不参加表明に対し住民発議による署名が行われ、去る2月19日に全有権者数2993人の38.2%に当たる1142人分の署名簿が町の選挙管理委員会へ提出されております。今後、町選挙管理委員会による審査等を経て、署名者の数が有権者総数の50分の1以上であれば請求代表者は竹富町長に対し合併協議会設置の請求を行うこととなります。
 これを受けて、竹富町長は石垣市長、与那国町長に議会に付議するか否かの意見を求め、いずれも付議する旨の回答があった場合には、3市町の長は合併協議会設置についてそれぞれの議会に提案することになります。
 仮にでございますが、石垣市、与那国町の両議会において議案が可決され、竹富町議会で否決された場合には、竹富町長による請求または有権者の6分の1以上の署名による直接請求により、合併協議会の設置について住民投票を行うこととなります。投票の結果、有効投票総数の過半数の賛成があった場合には議会が可決したものとみなされ、合併協議会が設置されることになります。
県としましては、竹富町における住民発議による合併協議会設置の動きを今後とも見守っていきたいと考えております。
 次に、離島町村の合併について指導性を発揮する必要はないかという御質問にお答えをいたします。
 県が平成13年3月に公表いたしました「沖縄県市町村合併推進要綱」の合併パターンの中で、離島町村と本島都市部との組み合わせを示したところであります。これは、都市基盤の整備とあわせて本島と離島が連携し、互いの地域特性を生かすことにより離島における福祉、医療、衛生等の行政サービスの維持・向上や、離島を含めた一般廃棄物処理施設の効率的な配置及び離島航路の総合的な整備など、合併効果が期待できるとしたからであります。
 しかしながら、広大な海域に点在する離島町村については合併が困難な面もあるため、地域の実情や意向を踏まえた特別な配慮や支援が必要ではないかと考えており、現在、調査検討しているところであります。県としましては、引き続き自主的な市町村の合併を推進するため、離島町村における合併の取り組みに対し必要な助言を行うなど積極的に支援してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○高嶺 善伸 再質問いたします。
 まず、新石垣空港の問題でありますが、私は知事が御答弁なさるんではないかと期待しておりましたが、部長答弁になりました。
 昨年の11月の知事選は、大方の予想以上に稲嶺知事の方に票が流れたのは、新石垣空港早期建設に対する期待票だったんじゃないかということで、改めて知事の明確な取り組みへの決意をお聞きしたいと私は思っております。
 というのは、私が平成12年6月の定例議会で質問したときの知事の答弁は、「平成15年度には新空港の設置許可を得、事業着手をして早期建設に努める」でした。国庫事業採択に向けて取り組むと表明はしておりますが、西銘恒三郎県議の質問でも部長は、平成16年度後半には空港設置許可の申請をしたいという話をしておりますので、これには先ほどの答弁にもありましたように予算の裏づけが必要なんです。ということは、知事は今年度、遅くとも夏ぐらいから新年度の新規事業に向けての概算要求に入らないといかぬわけです。したがって、ことしは大事な年。そういう意味では幸い1月22日には知事みずから国土交通省へ新石垣空港の要請をなさったと聞いて大変喜んでおりますが、もう一押し、知事が先頭に立って概算要求への取り組みをしてもらいたい、そういう八重山郡民の思いについて知事の御答弁をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、沖縄振興特別調整交付金の提案でありますが、困難であるということであります。私は、数多い離島の振興をするためには離島が果たしている役割も大きい。しかし、全国尺度でなかなか難しい。
 本来、国土の連続性という意味では離島そのものが過重な負担をすることを軽減する、あるいはそれを避けることが政治の課題だということで離島振興交付金を創設したらどうかという提案をしたら、県は困難であるということでありました。
 私は、県民に背を向けて日本政府に気を使っているばかりなのかなと、こういう思いもしますが、現行の制度で可能な改善策という意味では、調整費はその年度年度でしか予算措置されない。来年あるかもしれない、ないかもしれない。そういう意味では全く県の振興計画の安定した財源とは言えないんです。それを一般財源化する工夫はないのか、そこを知事はぜひ政府と折衝して、これから10年の沖縄振興策の対応費として使える、場合によっては市町村にも割り振りできる、そのような一般財源化に向けての交付金制度としての位置づけをぜひお願いしたいと思いますので、取り組みの御答弁をお願いしたいと思います。
 それから、フライト農業の支援についてでありますが、ボーイング737─400というのは最大で7トンの貨物を積めるんですけれども、満席の場合はお客の貨物が優先になって一般貨物は1トンしか載せられない。しかし、滞貨する貨物の量というのは7月は大変な量なんです。
 そこで私は、60万人を超える観光客が買って帰る宅配便、それから特産品として今全国の消費者に直結する宅配している今の展開、大きな離島振興の意味があるんです。ところが、買っても積めない、載せて行けないということを船にかえるんじゃない。需要があるからその支援をどうするかというところに大きな課題があると思っております。
 そこで、今2トンぐらいの貨物専用機をチャーターして思い切り7月の滞貨分だけでもテスト的に飛ばそうかという農家からの提案もあるんです。これは背に腹はかえられないと、お客を大事にしようという思いであります。その意味で離島のフライト農業というものを支援することが離島の振興策にもつながるということからJTAさん、ANKさんなども含め農協、そして市、そして農家の皆さんに今度の7月こそ滞貨のない、消費者に喜んでもらえる流通を支援するということでの県の取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、市町村合併問題でありますが、片山総務大臣は、合併後も市町村の自治権を残すように求める自治体に配慮して、自治権を与えることは検討に値すると述べておられます。また、タイムリミットについても弾力的な運用があるということで、離島市町村の苦悩をよそに国自体が二転三転しているのではありませんか。その意味では改めて市町村合併に対して国の方向性と県の選択肢に対する明確な指針を情報として提供していくことが必要じゃないかと思っておりますので、それについての県の答弁を求めます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時55分休憩
   午前11時58分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 高嶺議員の新石垣空港の問題についての再質問にお答えいたします。
 新石垣空港整備事業費の予算要望を行うためには、環境影響評価手続や新石垣空港整備基本計画の策定及び地権者の同意取りつけ等の進捗状況が重要であると考えております。現在、それらの課題に全力で取り組んでいるところであり、今後その進捗状況を見ながら新規予算要望のスケジュールについて国と調整を図っていきたいと考えております。
 なお、私も早期予算採択のため機会があるごとに国に対し直接要請してまいります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 特別調整費に関する再質問にお答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、特別調整費の経緯などからしまして、特別調整費は本県経済の活性化を目的として県が要望する事業について沖縄政策協議会で決定し実施される特別の予算という位置づけでありますので、交付金を課することは困難であると思っております。
 なお、離島地域につきましてこれまで非公共事業で離島地域における放置自動車対策事業あるいはサンゴ礁の緊急保全対策事業、さらには沖縄県離島医療特別支援事業等離島地域についても対応されております。
 それから公共事業につきましては、これまで座間味村、渡嘉敷村、それから竹富町西表島地域における港における待合ターミナル等そういった事業等も実施しておりまして、離島についても特別調整費は公共、非公共とも十分対応可能な予算措置となっております。
○農林水産部長(天願貞信) 離島におけるフライト農業支援についての再質問にお答えいたします。
 チャーター便の活用に対する運賃助成につきましては、県の財政事情等から大変厳しいものと考えております。
 ただ、県といたしましては生産農家、それからJAなど関係機関と一体となりまして航空輸送とあわせて冷凍コンテナによる船舶輸送を活用した低コスト輸送体系を確立してまいりたいと考えております。いずれにしましても生産者、JA等と一緒になって効率的な輸送対策を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) お答えいたします。
 離島市町村の合併に対する支援についての御指摘ですが、先ほども御答弁申し上げましたように、県といたしましては離島町村の合併を支援するために、現在、離島町村と本島都市部との合併の効果等に関する調査・研究に取り組んでいるところであります。
 また、離島町村を含む合併に対する財政支援策の拡充、宮古地域、八重山地域において合併を支援するため、沖縄県市町村合併支援本部のもとに地方支部の設置を去る2月10日の県の支援本部において決定したところであり、離島の市町村の合併については今後とも積極的に支援をしていきたいと考えております。
○高嶺 善伸 フライト農業なんですけれども、この7月ピーク時期は1日200個ぐらいしか宅急便に積めない。しかし、民間の宅配便でも1日600個から800個あるんです。ゆうパックだけでも1900個あるんです。そういう意味で県の具体的な対応をもう一度お聞きしておきたいと思います。
○農林水産部長(天願貞信) 再質問にお答えいたします。
 航空輸送、それから船舶輸送、ゆうパックの件もございますけれども、いずれにしましても生産者、それから団体であるJA等とも一緒になって効率的な輸送体制についてこれから、輸送関係の専門家もいらっしゃいますので、効率的な体制を整備をしてまいりたいということで考えております。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後0時5分休憩
   午後1時31分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 新川秀清君。
   〔新川秀清君登壇〕
○新川 秀清 一般質問をさせていただきます。
 通告いたしてあります中で、我が会派の代表質問、また、けさの一般質問等と重複する分については割愛もいたしながら質問をさせていただきたいと思います。
 まず、1点目の知事の政治姿勢についてでございます。
 代表質問、あるいはまたけさの一般質問でもこのイラクの情勢については出ておりますし、また知事からも御答弁もいただいているわけでありますが、改めてお伺いをいたしたいと思います。
 けさの新聞にもありますように、このイラクをめぐる情勢は大変日を追って緊迫してきているというふうな感じをいたすわけでありますが、またアメリカ、英国が新たな決議案を安保理に提出をしたということも報じられているわけであります。このことに関しては、知事も平和を願う沖縄の立場からいろいろと言及されているわけでありますが、特にイラクに対する武力行使が現実のものとなりますと、これまで幾たびか攻撃の基地として使用されてきた本県にとっても大変大きな影響を受けるんではないかということをまず心配をいたすわけであります。
 そのようなことから、知事におかれては、明確にイラクに対する武力行使についてはノーであるということを内外に表明されてはいかがでしょうか。そのことをまずお伺いをいたしたいと思うわけであります。(「北朝鮮は」と呼ぶ者あり)
 それは後ほどにいたしたいと思います。
 次に2番目でありますが、前の橋本大使の発言についてであります。
 このことについても代表質問で出ているわけでありますが、どうも知事公室長の御答弁をお聞きしておりますと、なかなか私たちが聞いて納得できるものでないというふうに感じているわけであります。
 大使は在任中、私たちのいろんな要請に対して、あるいはまた事件・事故に対して沖縄県民の立場に立って大使をしていただけるんじゃないかというふうにも思ったわけでありますが、最後の段になって県民の感情を逆なでするような発言をされて飛び立っていかれました。
 そして、新たに赴任をされた大使でありますけれども、名護市民や県民、そして私ども県議会の全会一致の決議をしておりますところのレンジ10に対して、県民の痛みを理解するどころか、訓練なき米軍の立場から物事を理解をされたようであります。そういうことでこれに理解を示すというふうなことになっているようであります。
 我々は、よく外務省や国に対して沖縄の抱える基地問題、そして地位協定などの要請に対してなかなか私たちの思いが通らない、こういった感じでいら立ちを覚えてきたわけでありますが、またしても前大使、そして着任をされた大使におかれましてもなかなか私たちの痛みが伝わらぬのじゃないかと、こういう思いがいたすわけでありますが、知事、前大使の発言をどのように受けとめておられますか、お伺いをいたしたいと思います。
 それから2番目の基地問題についてでありますが、在韓米軍の削減方針が出された。これについては、本日就任をされました盧武鉉新政権と公式に協議をしていくというふうなことが報道されているわけであります。
 そこで、この在韓米軍の削減に伴いまして在日米軍、あるいは沖縄の米軍が増強されるんじゃないかという懸念が示されております。そしてまた、これまで私たちが見てまいりましたところのほかの国々などの状況からいたしますと、米軍にとって最も居心地がいいのは日本であります。そういうことで、この削減に伴って沖縄にこれが増強される心配はないのかどうか。
 私は、せんだって韓国へ行ってまいりましたけれども、その際に米軍の基地の一部と、それから昨年6月の中学生2人が轢殺をされたその事件後の韓国における人々の運動の先頭に立って取り組んでおられる皆さん方にお会いしてまいりました。米軍犯罪を根絶するための本部の皆さん方であります。その皆さん方は今、ソウル市内にある基地はどうしても撤去しなきゃならぬという非常に強い思いを持っておられますし、また、あの少女2人の轢殺事件、さらにそれ以前にも見るにたえないような女性の残虐な殺人、こういったことなどが背景にあって、今、地位協定やあるいは基地の撤去に対する非常に大きな運動が高まってきた。そして、新しい大統領を生み出す大きな力になってきたということが言われているわけであります。
 そのようなことを考えますと、今、朝鮮の問題などもあるわけでありますけれども、韓国からの米軍の削減ということは現実のものになってくるんじゃないかと、こういうふうな感じを受けているわけであります。そういうことに対する知事の御認識をお伺いをしておきたいと思います。
 (3)番の15年使用期限問題につきましては、これまでも出ておりますので割愛をさせていただきたいと思います。
 次、3番の地位協定の抜本的な見直しについてであります。
 この件につきましても、代表質問あるいは一般質問でお伺いをいたしております。これまで繰り返し私たち県民の総意として見直しを求めてまいりました。しかし、残念ながらこれに対しても日本政府の姿勢は見えてまいりません。そういうことで我が会派の3名の議員からも知事に対して、県民の総意であるのでぜひその先頭に立って大きなアクションを起こしていただいたらどうかということをお尋ねしているわけでありますが、いま一度知事の御所見を賜りたいと思います。
 次、4番目の財政運営についてでございます。
 与党の皆さんや野党の皆さんからも昨日来、代表質問でも御指摘がありますように、今、国、地方を問わず借金にまみれた財政状態が続いております。これを解消するために県におかれてもいろいろと尽力されているということは承知をしているわけでありますが、特にこれからの多くの県民要求、そしてまた新しい振興計画に基づく事業の執行を考えますときに、今こそ腰を据えてこの厳しい財政を立て直していくということが求められていると思うんでありますが、この財政改革に対する知事の御決意を伺いたいと思います。
 5番目の社会福祉に関することでございますが、まずその(1)点目にホームレスの実態とその対策についてお伺いをしておきたいと思います。
 昨年7月に議員立法で「ホームレスに対する支援特別措置法」が制定をされたことについては御案内のとおりでございます。そういうようなこととも関連いたしまして、これは昨年の10月1日の新聞でありますけれども、こういうことが紹介をされております。これは、北九州市におけるNPOの活動を紹介したものでありますが、この中に、あるホームレスがこういうことを言ったということが紹介をされております。「自分は、死ぬと無縁仏になるが、生きていたことを知ってほしい」ということを言ったそうであります。
 それと、昨年4月5日の週刊誌でありましたけれども、アメリカの著名な写真家が日本のホームレスの実態を写真に撮ったようであります。そして、その写真の説明の中にあるわけでありますが、日本という国は経済大国で非常に発展しているように見えるけれども、私たち外国人からは想像もできないようなことが大都市やあるいは地方の都市の中で起こっていると。その人々というのがいわゆる路上生活者と言われるホームレスの方々でありますが、この人たちは何ら顧みられることもなくて、そして福祉のサービスの恩恵も受けることなく放置をされている。こういうことが出ておりました。
 そして昨年、この支援のための特別措置法が立法されたわけでありますが、これに基づいてこれからいろんな施策が講じられるということになっているわけでありますけれども、これに対する県のこれまでの取り組みがどういうふうになっているかということをお伺いをしておきたいと思います。
 たしか1月から3月にかけて全国で一斉調査が行われるはずでありますが、その取り組みがどうなっているかということでございます。
 それから(2)番目の障害者基本計画についてであります。
 昨年12月24日に閣議決定をされました福祉障害者基本計画に基づいて、これから向こう10カ年間の障害者の福祉の基本的な施策が進められていくわけでありますが、2003年度はその初年度に当たります。しかしながら、本県におきましては前に策定されました計画との関係もありまして1年ずれ込むことになっているわけでありますけれども、そういったことと関連する県の取り組みをお伺いをしておきたいと思います。
 それから(3)点目であります。保育所の入所待機児童と認可外保育施設についてでありますが、これまでもお聞きをしてまいりました。非常に大きな課題の一つでありますが、お聞きしますと、現在、無認可を営んでいる方々の中にも積極的に認可に移行したいということを考えていらっしゃる方々も随分おられるようでありますが、なかなかこれが進まない。これには市町村の財政事情等もいろいろあるようでございますけれども、こういうようなことで待機児童の解消というものはなかなか道が遠いんじゃないのかというふうに思うわけでありますが、これに対する取り組みをお伺いをしておきたいと思います。
 それから次に、国保事業についてでございますが、国保事業については、大変低所得階層が多いだけにその経営というのは大変厳しい。そして、各保険者とも非常に苦慮しておられるということについては承知しているつもりでありますが、国においては平成15年からその安定を図るための制度を拡充していくということが言われております。そういうことで、この支援策と内容について、さらにこれに伴うどれだけの実効が上がってくる予測であるかということをお伺いをしておきたいと思います。
 それから、今後、市町村合併などとも関連していろんな議論が出てくると思いますけれども、この国保事業に対する大きな柱の一つでありますところの健康づくり事業、いわゆる保健事業でありますが、これに対する取り組みがどのようになっているかということもお伺いをしておきたいと思います。
 乳幼児医療費助成制度については割愛をいたしたいと思います。
 介護保険事業について1点お伺いをしておきたいと思うんでありますが、昨年、朝日新聞の調査によりますと、この4月以降保険料が大幅にアップされるんじゃないかということが調査の結果から出ております。本県においてもそういうことが報じられているわけでありますが、その上げ幅がどういうふうになっていくのか。
 そしてまた、もう一つの課題でありますところの今後の在宅サービスの受け皿についてどのように整備をされているかということもお伺いをしておきたいと思います。そして、1号保険者の保険料に対する軽減策についてお伺いをいたしておきたいと思います。
 次に、農林水産業の振興についてであります。
 「地域特性をいかした農林水産業の振興」を推進すると15年度の所信表明でうたっているわけでありますが、これに対する具体的な施策をお伺いをしておきたいと思います。
 次に、中城湾における水産業の振興の施策をお伺いをいたしたいと思います。
 (3)点目の病害虫駆除対策についてでありますが、さきに毎日新聞にアルゼンチンアリが侵入してきて大変大きな被害を及ぼすということが心配をされているということが報じられております。これの防除対策がどうなっているかということをお伺いをしておきたいと思います。
 7番目の雇用失業問題についてでありますが、これもこれまで深刻な状況が報じられてまいりました。また、12月の代表質問でもお尋ねをいたしたわけでありますが、これに対する雇用対策がどうなっているかということをお示しいただきたいと思います。
 そして、その雇用対策に伴う今後の雇用効果についてもお尋ねをしておきたいと思います。
 8番目の比謝川の河川整備、鋭意努力されているということは承知しているわけでありますが、進捗状況と今後のさらなる進め方をお伺いをしておきたいと思います。
 9番目のバス統合問題、これは平良長政議員から出ておりました。県におかれてはぜひ積極的に支援をしていただいて交通弱者に対する対策を踏まえて十分な支援策を講じていただきたいということを要望を申し上げておきたいと思います。
 我が会派の代表質問との関連につきましては、割愛をさせていただきます。
○知事(稲嶺惠一) 新川秀清議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、イラク攻撃についてでございます。
 本県は、太平洋戦争最後の地上戦の場となり、20万人余のとうとい命が失われただけでなく、かけがえのない多くの文化遺産や生活基盤が破壊されました。県民はこの悲惨な戦争体験から平和の大切さと命のとうとさを肌身で感じております。戦争の犠牲になるのは罪のない市民であります。国連を中心に連帯して武力攻撃を回避し、平和的解決に最大限の努力がなされるべきであると考えております。
 次に、在韓米軍削減方針と沖縄基地への影響についてお答えをいたします。
 在韓米軍削減に関するラムズフェルド国防長官の発言については、外務省に照会したところ米側によれば、在韓米軍の見直し作業については、今後、韓国政府と協議を行った上で検討されていくものであり、現時点において何ら結論が得られているものではない旨回答がありました。県としては、過重な基地負担の軽減を図るため、日米両政府に対し、基地の整理縮小及び兵力の削減を強く要請しているところであり、今後とも両政府に対し強く働きかけていきたいと考えております。
 次の基地問題のうち、基地の整理縮小についてお答えをいたします。
 沖縄振興計画においては、SACOの最終報告に基づき在沖米軍の部隊・装備等の移転を含む米軍施設・区域のさらなる整理縮小を計画的、段階的に進めていくとともに、国際情勢の変化に対応して、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくことが重要であるとしております。現在、国においては、SACOで合意された各事案について返還に向け積極的に取り組んでいただいておりますが、県としては、県民の過重な基地負担を軽減するため、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の段階的な整理縮小が必要であると考えております。
 沖縄振興計画は、向こう10年間の沖縄振興の基本となり、自立経済の構築等に向けた方向づけを行うものであり、国においては目に見える形で基地問題の解決促進を図るため、基地の整理縮小に積極的に取り組んでいただきたいと思います。県としては、今後とも日米両政府に対し、基地の整理縮小及び兵力の削減を強く求めていきたいと考えております。
 続きまして、地位協定改定の取り組みについてお答えをいたします。
 政府は、日米地位協定の見直しについて運用の改善により機敏に対応していくとの方針を示しておりますが、県としては、運用改善では限界があることは明らかであり、同協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。
 日米地位協定をめぐっては、衆議院外務委員会及び衆参両院の沖縄・北方問題特別委員会において、また昨年本県で開催された全国知事会議や日本弁護士会連合会において日米地位協定の見直し決議が採択されるなど、日米地位協定の見直しを求める動きが広がりつつあります。
 また、去る2月12日には、自民党の国会議員の有志で構成する「日米地位協定の改定を実現し日米の真のパートナーシップを確立する会」と米軍基地を抱える渉外知事会の知事等との意見交換会が開催されましたが、このような取り組みは、日米地位協定の抜本的な見直しに向け大きな力になるものと期待しております。
 県は、見直しを求める国民全体の盛り上がりが地位協定見直しの実現につながっていくものと考えており、今後ともあらゆる機会を通して日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
 次に、農林水産業の振興策についてお答えいたします。
 農林水産業の振興については、沖縄振興計画の実質的な初年度として新たな視点に立って諸施策を展開していくこととしております。
 平成15年度の主な事業としては、「おきなわブランド」の確立と生産供給体制の強化として「トロピカルおきなわフルーツランド支援事業」による農林水産業と観光・リゾート産業との連携、流通・販売・加工対策の強化として農産物トレーサビリティー導入支援事業による食品表示の適正化、農林水産技術の開発・普及として農業研究センターの整備、生産基盤の整備として県営かんがい排水事業による与勝地下ダムの整備、環境と調和した農林水産業の推進として移動規制害虫防除事業による久米島のアリモドキゾウムシの根絶等の事業を実施する計画であります。
 特に、平成15年度においては、新規事業18事業の創設を初め主要継続事業30事業等の展開により、本県の地域特性を生かした農林水産業の振興を図っていく考えであります。
 次に、雇用失業問題について、若年者の雇用対策についてお答えをいたします。
 新規学卒者等若年者の雇用状況を改善していくためには、雇用吸収力のある産業の振興とともに、県内志向・公務員志向と指摘される職業意識を打破し、県内外に積極的にチャレンジしていく幅広い職業観を若者みずからが形成していくことが最も重要であると考えております。
 このような観点から、県においては、県外企業における職場体験実習や「就職フォーラム」の開催及び高校生等に対する就職指導の強化に努めてきたところであります。
 平成15年度はこれらの事業を引き続き実施するとともに、地域や関係機関が一体となって若年者の職業観の育成を支える体制の整備を進めてまいりたいと考えております。また、新たに設置する「沖縄キャリアセンター」(仮称)においても、今年度で構築する「若年者総合雇用支援システム」を活用し、職業観の育成を中心とした総合的な支援対策を講じてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 橋本前沖縄大使の発言についてにお答えいたします。
 沖縄県民は、戦後58年間の長い基地負担の歴史の中で多くの被害を受けてきたことから、小さな事件であっても過去にあった幾多の不幸な事件を想起させ、米軍に対する不信感を募らせております。
 県としては、県民、米軍のいかんを問わず事件・事故は一件たりともあってはならないと考えており、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る観点から、米軍人等による事件・事故の再発防止に向け努力していきたいと考えております。
○総務部長(當銘直通) 財政状況改革に対する施策と決意についてお答えいたします。
 本県の財政状況は、自主財源の柱である県税収入の歳入総額に占める割合が依然として低い状況にあり、地方交付税や国庫支出金に大きく依存した構造となっております。
しかしながら、国においても財政状況が厳しいことなどから、今後、地方交付税などの増加に期待した財政運営を行うことは厳しいことが予想されます。
 このような中、今後とも県民サービスの維持・向上を図るためには、民間や市町村との適切な役割分担を基本に「参画と責任」、「選択と集中」という姿勢のもと、これまで以上に財源の重点的かつ効率的な配分を行う必要があります。
 このため、歳出面においては事務・事業の徹底した見直し、民間委託や公社等外郭団体の見直しなどを進めるとともに、歳入面においては産業振興策の推進により税源の涵養を図るとともに、徴収率の向上などによる県税収入の確保や使用料及び手数料の見直しなどにより健全な財政運営に努め、今後の県民の行政ニーズに的確に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 社会福祉問題について、ホームレスの実態とその対策について。
 公園、道路等をゆえなく起居の場所として生活を営んでいるいわゆるホームレスは、平成13年9月に国からの依頼に基づき調査を行ったところ、県内で122名が把握されており、市部が100名、郡部が22名で、最も多いのが那覇市の89名となっております。
また、現在、国におきましては、昨年8月に施行されました「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」に基づく全国調査を行っているところであり、県内市町村においても概数調査が行われておりますので、調査結果がまとまり次第、国と協議の上、公表したいと思っております。
 ホームレス対策につきましては、特別措置法により国や地方自治体の行う施策の目標等が規定されたところであります。
 同法では、厚生労働大臣及び国土交通大臣が全国調査の結果を受けてホームレス対策に関する基本方針を策定することとされております。また、県においてはこの基本方針に即して必要に応じ実施計画を策定することになっております。したがいまして、県で国の基本方針ができ次第、県内の実情に応じた実施計画の策定を検討したいと考えております。
 続きまして、県の障害者基本計画について。
 県におきましては、平成16年度から第3次の県障害者基本計画を策定するため、昨年9月に身体、知的、精神に障害のある方へ策定の基礎資料とするため「障害者の福祉に関するアンケート調査」を実施しております。
 策定に当たっては、国が策定した新計画、県の現行計画の実績、アンケート調査結果及びインターネット等を活用してパブリックコメントをより広く求め、沖縄県障害者施策推進協議会において十分論議し策定していきたいと考えております。
 施策体系別計画では、障害の有無にかかわらず地域でともに生活していくため「保健・医療・福祉サービスの充実」、「社会参加の拡大」、「ともに支え合う社会の構築」などの基本方針のもとに利用者本位の支援、障害者の特性を踏まえた施策としてこれに基づく各種事業を展開していきたいと考えております。
 なお、そのため主要施策については施策目標数値等を積極的に定め、健康福祉社会の実現を目指した計画にしたいと考えております。
 保育所入所待機児童と認可外保育施設について。
 県では、認可保育所への入所を希望していると思われる約3500人を当面の待機解消の目標として「新おきなわ子どもプラン」において、認可外保育施設の認可への移行も含めて平成18年度までに50カ所の保育所創設の目標を掲げました。
 待機児童解消及び認可外保育施設対策に要する経費として、平成15年度は16億3800万円を予算案に計上しております。
 その主な内容は、入所児童の増に対応する運営費、保育所整備に要する経費、新すこやか保育事業の拡充等となっております。
 待機解消のための保育所整備については、16カ所の創設と4カ所の増改築を計画しており、合わせて約1000人の待機解消が図られる見込みです。今後とも認可外から認可への移行を推進しながら、認可外保育施設の全体的な質の向上を図っていきたいと考えております。
 次に、国民健康保険事業に対する支援策について。
 県では、国民健康保険の運営の広域化支援や財政の安定化を図るため沖縄県国民健康保険広域化等支援基金を設置し、平成16年度までの3年間で約5億7000万円の基金を造成することとしております。また、平成15年度から低所得世帯の国保税軽減措置を支援する保険基盤安定制度を拡充するとともに、高額療養費の支払いに係る市町村の負担を軽減するために国と県が行っている支援事業も拡充することにしております。
 一方、保健事業は、疾病を予防し住民の健康の保持・増進を図るとともに、国保の医療費軽減にもつながるため大変有効な施策であり、県では、各保険者に対して国の特別対策事業等も活用し、また健康対策部局とも緊密な連携をとって積極的に保健事業を推進するよう助言を行っております。
 続きまして、介護保険の1号保険料の引き上げと軽減策について。
 市町村の次期介護保険事業計画の策定に当たっては、要介護認定率の増加や在宅サービスの利用増を背景に介護保険料の上昇が見込まれています。
 昨年12月に公表した10月時点の見込み値では、県加重平均で5129円と現行保険料の1.4倍になると見込まれております。このようなことから、県におきましては市町村が介護保険料を設定するに当たって高齢者の負担が軽減されるよう取り組んでいるところであります。
 当面の対策としては、介護保険料で負担することになっている介護保険財政安定化基金借入金の償還期限を延長することや、基金の拠出金をゼロにするなどの措置をとることにしております。
 さらに、介護保険料が急激に上昇する市町村の支援については、昨年11月に沖縄県町村会等と連携して厚生労働省及び財務省に対し要請を行ったところであります。その結果、平成15年度の国の予算案において小規模で保険料が高額となる市町村等への支援が新規事業として計上されており、これにより次期保険料の新たな軽減が図られることになります。
 在宅サービスの受け皿の整理について。
 現在、県においては、平成12年度に策定した「高齢者保健福祉計画」を見直すため計画策定委員会を設置し次期計画を検討しており、介護保険事業支援計画の中でこれまでの介護サービスの実績をもとに検討したところ、特別養護老人ホーム等の介護保険施設については既に整備目標を達成していることから、新たな整備は行わないこととしております。 
 また、在宅重視・自立支援の観点から、在宅サービスについては、平成15年度から平成19年度までの5カ年間のサービス供給量やサービスの充実及び質の向上等を目標として定め、これを指標として示すことにしております。これにより「痴呆性高齢者グループホーム」や「高齢者生活支援ハウス」等を充実させるとともに、訪問看護等の在宅サービス基盤の充実を図り、高齢者が可能な限り住みなれた地域で自立した在宅生活を送ることができるよう取り組みたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 農林水産業の振興について、中城湾港における水産業の施策についてお答えをいたします。
 中城湾は、沖縄市漁協を初めとする8漁協が利用し、主に一本釣り漁業、刺し網漁業、モズク養殖業が行われ、さらに沖合ではパヤオ漁業やソデイカ漁業などが行われております。
 しかしながら、湾内では埋め立て等の開発による漁場の喪失及び資源の減少が大きな課題となっております。このため、県としてはその海域特性を生かし、水産資源の維持・増大を図ることを目的として中城湾沿岸漁業振興推進協議会に対し、放流用種苗を供給するなど放流事業を支援してきております。
 また、地域の拠点となる漁港の整備、浮き魚礁の設置など漁場の造成及び荷さばき施設、冷蔵施設等の整備もあわせて実施をしてきたところであります。
 中城湾における水産業の施策については、県としましては、昨年策定した沖縄県農林水産業振興計画に基づき今後ともガザミ類やハマフエフキなどの放流事業を継続するとともに、モズク等養殖業の経営安定化を図るなど、つくり育てる漁業を積極的に推進していく考えであります。
 次に、アルゼンチンアリの侵入防止対策についてお答えをいたします。
 国内への新たな病害虫の侵入防止対策につきましては、植物防疫法に基づき国が実施をしております。
 本県へのアルゼンチンアリの侵入については、現時点において確認をされておりません。しかしながら、広島県、山口県、兵庫県の一部地域ではアルゼンチンアリの侵入・定着が確認されております。
 新たな病害虫の本県への侵入については、生態系や農業への影響が懸念されることから国と連携して情報の収集に努めてまいります。
 以上であります。
○商工労働部長(花城順孝) 緊急雇用対策の雇用効果についての御質問にお答えします。
 本県の雇用状況に適切に対応するため、県においては、昨年12月9日に「沖縄県緊急雇用対策」を策定し、ミスマッチ対策を中心とした緊急対策を実施しているところであります。
その主な内容は、求人企業における実習就業を通して30歳以上の求職者の常用雇用を促進する緊急ジョブマッチング促進特別事業、民間の教育訓練機関を活用して多様な職業訓練を実施する緊急委託訓練事業等であります。
 緊急ジョブマッチング促進特別事業の実施状況は、2月18日現在で本事業の活用を希望する事業所数が548事業所、紹介中の求職者が977人となっており、このうち286人が実習就業に入っている状況であります。
 緊急委託訓練事業では、専修学校や企業等に対して42コースの訓練を委託し、913人の求職者が訓練中であります。
 また、去る20日に沖縄労働局等との共催により開催した合同面接会には、137の事業所と1361人の求職者が参加しております。現在、国、県及び関係機関の連携によるきめ細かな緊急対策が集中的に実施されており、このような取り組みが本県の雇用状況の改善につながるものと考えております。
○土木建築部長(安慶名正行) 比謝川の河川整備と進捗状況についてにお答えいたします。
 比謝川の整備につきましては、平成13年9月の台風16号による照屋・安慶田地区の浸水被害を踏まえ、国道330号ボックスから下流、軍道橋付近までの区間約5.9キロメートルを重点整備区間として整備を推進しているところであります。
 国道330号ボックス下流の水辺プラザ区間につきましては、沖縄市と連携を図りながら、これまでに水辺プラザ用地に係る5件の建物の移転補償契約を終えたところであります。また、国道330号ボックスについては現在予備設計を行っているところであり、その成果を踏まえて今後南部国道事務所で実施設計を行うことになっております。
 知花橋から沖縄自動車道下流付近のアカギ群落地区につきましては、平成12年度から整備に着手しており、平成16年度までに完了する予定であります。
 また、福地橋から下流白川地区の米軍提供用地内につきましては、河川断面を計画の70%程度まで広げるために去る2月6日に暫定掘削工事を発注したところであり、平成15年中に完成する予定であります。
 比謝川の整備につきましては、地域住民の協力を得ながら今後とも重点的に予算を投入し、浸水被害の早期解消に努めてまいりたいと考えております。
○外間 久子 質問に入ります前に、昨日の我が党の宮里政秋議員の代表質問に対する知事の答弁について所見を述べます。
 2001年の宜野湾市長選挙をめぐる違法献金問題で、自民党沖縄県の第2選挙区支部の会計責任者である仲村正治代議士の政策秘書の金城暁氏、前商工会会長で稲嶺惠一後援会の副会長の津波保光氏らが逮捕されました。
 この問題で重大なことは、公職選挙法第199条、第200条の「特定の寄附の禁止」事項、すなわち公共事業受注企業からの選挙に関する寄附を禁止する条項に違反したことが犯罪とされていることであります。
 自民党の全国幹事長会議では、これが違法ならどうやって政治資金を集めればいいのかという声があったと伝えられています。この発言からもわかりますように、自民党がどこに依拠して政治活動を行っているか、明々白々です。
 政治と金を企業側はどう見ているのか。
 1998年の6月23日付の日経新聞で、三井物産の熊谷直彦社長は、企業献金について、どうしても利益誘導型になってしまうと語り、企業が政党や議員に献金をすることはその見返りを求めているとのことであることを認めました。
 ところで、知事選挙があった1998年の政治資金報告書を見ますと、知事の政治資金団体であります「沖縄・未来をひらく県民の会」に対して約5億7000万円の政治献金が行われております。収入の内訳は、個人からの献金はわずか1%足らずです。あとは企業団体からの献金です。この中には県の公共事業の受注業者も幾社か名前を連ねています。
 知事は、公共事業の受注業者からの献金は受け取るべきではないという我が党の代表質問に対して全く回答がありませんでした。これが言えないのは、知事の政治活動の大部分が企業献金によって賄われているからと言わざるを得ません。政治と金をめぐる問題は知事自身の責任問題であり、知事自身が積極的に明らかにすべき責任があります。
 我が党は、政治をゆがめる企業献金の一切の禁止がどうしても必要だと考えるものです。
 以上申し上げまして質問に入ります。
 1つ、「男女共同参画推進条例」について。
 沖縄県のすべての女性が、男女共同参画施策をより強力に推進するためにも、計画にとどまらず条例をと願い、取り組みを進めてまいりました。それだけに今議会で男女共同参画推進条例が提案されていることに感動を持って受けとめています。全県の市町村でも条例の策定や新たな計画づくりが進むことを願い、また県としてもさらなる指導と助言を願うものであります。
 今条例に対してあえて一言述べさせていただきますと、世界に誇れる日本国憲法のもとでの男女平等は据えられておりますが、人権の分野と平和の分野が条例に据えられていないことが大変残念です。今後、積極面を活用しながら条例見直しとあわせて計画や施策の改善・充実を御一緒に進めてまいりたいと思います。
 質問の(1)として、男女平等を阻む大きな原因となっております働き方(働かせ方)についてはほとんど述べられておらず、事業者の責任についても県の施策推進に協力を求めるだけではなく、義務規定にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 (2)つ目に、国の「男女共同参画社会基本法」においては、苦情処理や被害者の救済に必要な措置をとると第17条でうたわれておりますが、沖縄県の条例も苦情処理や救済に必要な処理機関を設置し専任を配置すべきだと思いますが、見解をお伺いします。
 2つ目の大きな柱として政治保護行政の実態についてお伺いします。
 今、福祉事務所に相談に行きますと、働ける年齢だから、住民票がないからということで生活保護を断る理由にしています。生活保護制度というのは本来、貧困の理由は問わず、だれでも平等に最低限度の生活を保障することになっています。社会の解決不可能な問題や社会保障の網の目からこぼれる人たちを全部引き受ける仕組みとして出発したものであります。
 今、全国では自殺者が3万人、ホームレスが3万人、失業者が300数万人、リストラや銀行の貸しはがしも厳しい中で暴動やパニック状態に陥らないのは、生活保護制度が曲がりなりにも機能しているからではないでしょうか。今、地方自治体の財政が厳しいことを理由に保護を受ける人がふえると財政破綻を招きかねないということで、県や市町村の危機感から生活保護の適正な実施という名目で保護率を下げることではなくて、不正受給をなくすと同時に、保護を必要とする人を把握し、実際に保護することであります。
 今、社会全体がいじめモードになっています。自己責任や規制緩和が言われ、しわ寄せがどんどん弱者に来ています。働いても生活が苦しい人や、働く能力があっても働く場所がない人たちが保護されないとどうなるんでしょうか。今、政治や行政にこのことが大きく問われているのではないでしょうか。
 それでは質問に入ります。
 (1)、これまでの生活保護は、次官通達、課長通達で仕事をしておりましたが、通達類は地方分権化で現場の実務はどう変化したのでしょう。変化しなかったんでしょうか。
 (2)つ目に、最低生活保障ということを踏まえた経済的な給付の実践という視点から見た場合、援助者側の貧困のとらえ方が表面的になっておりませんか。生存権保障を具体化する制度が生活保護でありますが、生活保護の理念などのとらえ方が現場の中で一致していると思いますか。
 (3)つ目に、厚生労働省の統計では、保護開始の主な理由として稼働収入の減少が保護開始の主な理由になっています。失業など予期せぬ事故を理由とした貧困について、福祉事務所に従事する職員は実際にどのように受けとめておりますか。社会構造上の問題、またはさまざまな社会背景の中から問題が生じているということについての現場の中での認識はどうでしょうか。
 (4)つ目に、貧困、困窮そのもののとらえ方が福祉事務所の中できちっと受けとめられていないように思われます。保護申請を受け付けることはケース数をふやすこと、保護費の支給をふやすこと自体が何か福祉事務所の組織全体の中でしてはいけないことのような認識が支配的ではありませんか。お答えください。
 (5)つ目に、生活保護法や実施要領では当然に行われなければいけないことが行われておりません。それを無視した行政が行われています。実施要領にもないことが慣習や独自のマニュアルでやられておりませんか。お答えください。
 (6)つ目に、初期面接相談の重要性についての認識をお伺いします。
 (7)つ目に、却下件数及び不服申し立ての件数とその内容は何でしょう。
 (8)つ目に、DV防止法施行後、女性相談所の入所者がふえ続け、常時定員を上回る入所者、なお潜在化したケースがあると言われております。女性相談所を初め施設の拡充は検討されておりますでしょうか。
 (9)つ目に、DV防止法による一時保護のケースが帰来の意思なく、女性相談所の一時保護中に生活保護の必要性が生じた場合の実施責任はどうなっておりますか。
 3つ目の柱として泡瀬干潟問題についてお伺いします。
 (1)、機械による海草移植は成功とは言えません。2003年の5月ごろまで経過を観察して機械移植の適用性を判断することになっていましたが、なぜ手植え移植工事を着工したのですか。
 (2)つ目に、機械移植による初期減耗対策、台風減耗対策の実験はこれから始まり、その結果は2003年度の台風通過まで経過を観察し、成果を評価することになっております。成功するかどうかは現時点では判断できないのではないでしょうか、お答えください。
 (3)つ目に、手植え移植の問題点についてお伺いします。
 ア、手植え移植実験の面積は、機械移植のモニタリングの面積の約100分の1であります。この結果をもとに移植を行うことは余りにも大胆過ぎると専門家は述べておりますが、見解をお伺いします。
 イ、手植え移植による移植実験は、自然の海草藻場周辺の浅海域でしか行われておりません。その結果をもとに自然海草藻場のないところ、いわゆる深場へ移植を行うことは科学的ではなく、環境監視・検討委員会の議論の中でも専門家からも批判されているが、科学的な見地からの見解をお伺いします。
 次に、環境監視・検討委員会の設置要綱の第2条の目的から、事業実施者は、検討委員会で論議され、まとめられた意見を尊重しなければならないと思いますが、見解をお伺いします。
 (4)つ目に、現在の委員会のメンバーで次の専門家はどなたでしょうか。1つ目に海草の専門家、2つ目に渡り性水鳥の専門家、3つ目に底生生物の専門家、4つ目に自然環境保全の専門家、それぞれ4つのメンバーはどなたでしょうか、名前を挙げてください。
 (5)つ目に、委員会にNPOの代表を加えるのは、今国際的、国内的な流れです。社会の趨勢です。委員会にNPOの代表を加えるべきだと思いますが、見解をお伺いします。
 (6)つ目に、現在の委員会やワーキンググループ委員会が公開されておりますが、これは情報公開、説明責任、民主主義の立場から当然なことであります。次年度の委員会やワーキンググループ委員会は公開が原則だと思いますが、いかがでしょう。
 (7)つ目に、埋立予定地及びその周辺の海草藻場調査についてお伺いします。
 ア、海草藻場の役割、価値についての見解を伺います。
 イ、2002年度の海草藻場調査結果の中で被度50%の面積が2001年度に比べて大幅に減少しておりますが、その原因は何でしょうか。
 ウ、工事に伴う移植対象が「被度50%以上の海草」の根拠は何でしょうか。また、被度50%以下の海草藻場はそのまま「生き埋め」でいいのでしょうか、お答えください。
 (8)つ目に、環境省が2002年9月、沖縄周辺海域で調査した結果の公表では、海草藻場の面積は以前に比べて増加していると言われておりますが、事業者の2002年度11月の調査結果との比較検討はどうなっておりますか。
 (9)つ目に、県は、埋立認可に当たっての海草の保全、クビレミドロの保全についての条件をつけています。県が出した条件が守られているのか、県はチェック機能を果たすべきでありますが、どのようになされておりますか。具体的な例を挙げて答弁してください。
 (10)、環境省は現在、独自に埋め立てた海域周辺の海草藻場調査を行っています。その結果のデータの公開と2002年9月との比較検討の結果の資料を求めたいと思います。
 (11)番目は質問をカットいたします。
 次に、那覇軍港の浦添移設について質問いたします。
 (1)、那覇軍港(港湾施設)の使用条件を5・15メモ等の日米の合意事項に基づいて具体的にお答えください。
 (2)つ、那覇軍港内で米軍がやってはならないことや、原子力艦船や武装した艦船などの入港や利用が禁止されているのがあれば、具体的にお答えください。
 (3)つ目に、那覇軍港に持ち込みが禁止されている米軍の兵器などの装備品がありますか。あれば具体的に答弁してください。
 (4)つ目に、那覇軍港の浦添移設の条件についてのSACO合意の内容を具体的に答えていただきたいと思います。
 (5)つ目に、入港する艦船や米軍の軍事行動などで港の安全性や民間地域の港湾業務に支障が出ることがあったり予測される場合は、入港や利用の中止を求めることができますか。あるとすれば、その担保は何でしょうか。
 (6)つ目に、那覇軍港の移設を含む浦添地先の埋め立てでサンゴ類や海草類の生息する区域から50ヘクタール程度が消滅すると言われておりますが、事実ですか。県内で残り少ない海岸域の貴重な自然は残すべきだと思いますが、答弁を求めます。
 答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の御質問にお答えいたします。
 那覇港湾施設への船舶の入港についてお答えいたします。
 那覇港湾施設の代替施設は、米国が管理運営する専用施設となりますが、代替施設は那覇港港湾計画区域内に移設されることから、民間船舶の航行の安全等については「那覇港湾施設移設に関する協議会」において協議していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 男女共同参画推進条例についての、事業者の責務を義務規定とすべきことと、苦情処理機関の設置についてに一括してお答えいたします。
 男女共同参画の実現のためには、県民一人一人がその必要性を認識し、課題の解決に向けた取り組みをあらゆる機会と場所で主体的に続けることが重要と考えております。そのため、男女共同参画推進条例(案)作成に当たっては、各界各層の有識者で構成される沖縄県女性問題懇話会において地域意見交換会や県民意見募集を実施し、多岐にわたる県民等の意見を反映させ、議論を重ねてまとめた提言に基づいております。
 事業者の責務については義務規定ではなく、第6条で、事業者は、男女共同参画の推進に寄与するよう努め、県が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力する。雇用する男女について、雇用上の均等な機会・待遇を確保し、職業生活における活動とその他における活動とを両立して行うことができる職場環境を整備するよう努めると規定しております。
 苦情処理や救済については、沖縄県女性問題懇話会において本県には有識者で構成される行政オンブズマンが既に設置され、県の施策に関する苦情等に適切に対処していること。また、人権侵害等に関する相談については、沖縄県女性総合センター「てぃるる」や女性相談所等の既存の相談体制を有効に活用すべきとの意見を踏まえております。
 次に、那覇軍港の浦添移設について、那覇軍港の使用条件等についてにお答えいたします。
 那覇港湾施設の使用条件について、5・15メモにおいては使用時間、用途等について合意されております。水域の使用時間に関しては常時使用されることが使用条件となっております。
 用途に関しては、港湾運営のため使用されることになっております。
 那覇軍港における原子力艦船の入港に関する取り決め及び兵器等の扱いについてに一括してお答えいたします。
 米軍施設の運用に関しては、軍事上のこともあって明らかにされていませんが、原子力艦船の入港については、科学技術庁原子力安全局の「原子力軍艦放射能調査指針大綱」によると、原子力軍艦の寄港地周辺住民の安全確保のため放射能調査をすることになっており、本県ではホワイトビーチが原子力潜水艦の寄港地となっております。
また、那覇港湾施設においては弾薬類は取り扱われておりません。
 去る1月23日の第4回那覇港湾施設移設に関する協議会においても、防衛施設庁から現有の那覇港湾施設では米軍が必要とする物資等の積みおろしを行い、砲弾等の積みおろしは認められていないと承知している旨の説明がありました。
 那覇港湾施設に係るSACO合意についてにお答えいたします。
 那覇港湾施設の浦添埠頭地区への移設については、浦添埠頭地区への約35ヘクタールの代替施設の移設を条件に現在の那覇港湾施設の全部及び牧港補給地区に隣接する制限水域の全部を返還すること、代替施設と牧港補給地区とを結ぶ進入道路が提供されること及び新しい港湾施設には代替施設に隣接する約50メートルの制限水域を含むことが具体的な移設の条件となっております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 生活保護行政の実態について、次官通達等は地方分権下で変化したのかについてお答えいたします。
 生活保護法による保護の実施要領及び関係通知については、地方自治法第245条の9第1項及び3項の規定に基づく処理基準とされていることから、「地方分権の推進を図るための関係法令の整備等に関する法律」の施行後においても全国統一の処理基準で実施されており、その取り扱いに変わりはありません。
 続きまして、福祉事務所職員の生活保護制度に関する認識について一括して答弁いたします。
 生活保護制度は、生活に困窮する方がその利用し得る預貯金、土地等の資産やその他法律による各種施策を活用してもなお最低生活が維持できない場合に必要な保護を行うとともに、その自立を助長することを目的として適用されるものであり、生活保護の原理原則については、県の社会福祉研修所及び各福祉事務所において初任者研修等を実施し、その周知に努めております。
 また、生活保護の実務については各福祉事務所に配置されている査察指導員等を通してその適正な実施に努めております。
 生活保護のケースをふやすことの認識について。
 生活保護制度を適正に実施していく中で、受給要件を満たし保護を受けることは国民の当然の権利であります。このことについては研修及び監査を通して指導を行っているところであり、各福祉事務所においても当然理解しているものと考えております。おっしゃるような事例があれば、今後ともあらゆる機会を利用して指導してまいりたいと考えております。
 次に、生活保護法や実施要領を無視した行政が行われていないかについてお答えします。
 生活保護制度は、全国一律、公平・平等に実施されるため国において事務処理基準が示されており、この事務処理基準、いわゆる実施要領の施行に関し不適切な取り扱いが行われている実施機関がある場合は、生活保護の監査でその是正改善を指示しており適正を期しております。
 次に、初期面接相談の重要性の認識について。
 福祉事務所に来所される方の中には、生活保護の仕組みを十分理解されてないために保護の適用に至らない方や、他の施策を活用すること等によって最低生活が維持できることとなり保護が適用されない場合もあることから、まず窓口において相談に来られる方々の相談に応じるため専任の面接相談員を配置し適切な助言を行っております。相談を受ける場合、生活保護の制度・趣旨、仕組み等を御理解いただいた上で、生活保護の申請の意思のある方については申請手続について援助を行っております。
 福祉事務所の窓口における初期面接も含めた相談者への対応については、あらゆる機会を利用して県民の誤解を招くことがないよう助言・指導しているところでありますが、なお一層懇切丁寧な対応及び適正実施について助言してまいりたいと思います。
 続きまして、却下及び不服申し立ての件数と内容について。
 生活保護申請却下件数は平成13年度は123件、月平均10件でありましたが、平成14年度は11月までに157件と前年度を上回っております。
 平成14年度における却下内容を見ますと、資産、預貯金等の活用が43件で全体の27.4%を占め、次いで稼働能力不活用が31件19.7%、収入が最低生活を上回るためが26件16.6%、そして調査拒否等が16件で10.2%となっております。
 また、不服申し立て件数は平成13年度は5件、14年度はこれまでに14件の不服申し立てがあります。14年度における不服申し立ては保護の停止・廃止に伴うものが7件で、その内容は稼働能力不活用による世帯分離、仕送りの認定、多額の預貯金の発覚等による福祉事務所の処分を不服としたものです。
 保護の申請却下に伴う不服申し立ては7件で、その内容は稼働能力不活用、多額の立ち退き保証金等による申請却下等を不服とするものです。
 DV防止法施行後の施設拡充について。
 現在、DV被害者を含め一時保護は女性相談所の一時保護所で行っております。DV防止法施行前に比べて増加傾向にあることから、広く被害者保護が図られるよう離島を含む県内5地区において次年度より民間施設を利用した一時保護の委託を検討しております。今後とも、施設整備を含め被害者保護の一層の充実に努めたいと考えております。
 女性相談所で一時保護中の実施責任について。
 生活保護では、女性相談所の行う一時保護施設等に入所している者については、ほかに帰来先としての居住地がない限り居住地がない者として認定され、当該施設の所在地を所管する福祉事務所が実施責任を負います。
ただし、退所後に居住するための住宅が確保されている場合は、当該住宅の所在地を所管する福祉事務所が保護の実施責任を負うこととなっております。
 なお、この取り扱いにつきましては、各福祉事務所生活保護関係課長・係長会議において説明するとともに、平成14年12月11日付で「沖縄県女性相談所等入所者の実施責任等の取扱いについて」を各福祉事務所長に通知をしております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 泡瀬干潟埋立問題についての、なぜ海草移植に着手したかについてお答えいたします。
 泡瀬地区埋立事業においては、埋め立てにより藻場の一部が消失することから、移植して新たな藻場の造成を図ることにより環境への影響を低減することとしております。
 藻場の移植については、平成10年7月から手植えによる移植実験をし、4年を経過した現在においても順調に生育していることを確認しております。これら経過を踏まえ、平成14年9月30日に開催された環境監視・検討委員会において、手植え移植については4年の実績等から適用性はあるとの見解が示されたことから、当面の工事実施に必要な海草の移植については、現段階において機械化工法に比べ減耗への抵抗力にすぐれている手植えにより行ったところであります。
 次に、機械化移植実験の評価判断についてにお答えいたします。
 機械による海草移植実験については、平成13年11月から平成14年2月にかけて移植を行い、平成14年6月末までは水深の浅いところを除いて比較的順調に生育しておりましたが、その後の相次いだ台風により影響を受けました。
 このことから、平成14年9月30日に開催された環境監視・検討委員会において、機械化移植については平成15年5月ごろまでモニタリングを継続するとともに、台風等による減耗対策工法試験を実施していくことが提案されたところであります。これを踏まえ、現在、沖縄総合事務局においては、台風により影響を受けた海草の回復状況についてのモニタリングを行うとともに、減耗対策工法試験を実施しているところであります。
 機械化移植の適用性については、本年5月ごろまでのモニタリング結果や台風後の減耗対策工法試験の結果を踏まえた上で判断していく考えであります。
 次に、手植え移植及び深場に移植したことの見解についてに一括してお答えいたします。
 藻場の移植については、平成10年7月から手植えによる移植実験を実施し、去る9月30日に開催された環境監視・検討委員会において、4年間の実験成果から、条件が整った場所においては良好な生育が確認され、適用性が高いとの評価がなされております。
 また、同委員会において機械化移植の実験に基づき水深や底質等の移植地選定の条件が確認されております。このことから、手植え移植については、これまでの実験成果と機械化移植実験で得られた知見とを組み合わせることにより可能と考えております。
 手植え移植については、環境監視・検討委員会の指導・助言を得て策定した「海草移植計画」に基づき、沖縄総合事務局において平成14年12月24日から平成15年1月31日までの間に当面の工事に影響がある範囲の藻場の移植を実施しております。今後は、さらに移植技術の確実性を高めるためモニタリングを適切に行い、その結果を環境監視・検討委員会に諮り、指導・助言を受けた上で移植計画、施工にフィードバックさせていくこととしております。
 次に、事業実施者は、検討委員会でまとめられた意見を尊重しなければならないと思うがどうかについてお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区環境監視・検討委員会は、泡瀬地区埋立事業を進める上で望ましい環境保全及び創造を行うため事業者に対する指導・助言を行うことを目的として設置されたものであります。このため、事業者である沖縄総合事務局、沖縄県は、同委員会として確認された見解を尊重して事業を進めているところであります。
 次に、委員会のメンバーでの専門家についてにお答えいたします。
 環境監視・検討委員会には水産植物学、陸生動物生態学、魚類生態学、海洋環境、生態工学、海岸工学、地域経済学等の幅広い分野の専門家が委員となっております。
 なお、次年度における本委員会の委員の構成については、本年3月開催予定の検討委員会において委員の意見を聞いた上で検討する考えであります。
 次に、委員会へのNPOの参加についての御質問にお答えいたします。
 環境監視・検討委員会の委員については、専門家の指導・助言を得ることと地域の声を反映させることを目的に学識経験者や地元自治会代表を選定したところであります。御質問のNPOの参加については、来る3月に開催予定の検討委員会において各委員から意見を聞いた上で検討することとしております。
 次に、次年度の委員会やワーキンググループの公開についてにお答えいたします。
 環境監視・検討委員会については、幅広く県民の理解を得るために情報公開しているところであります。
 一方、本委員会から付託された事項について検討を行っている下部組織であるワーキンググループにおいては、透明性は確保しつつも委員会の自由活発な議論を促す面から公開のあり方を見直すべきとの委員からの要望がありました。このため、去る2月19日に開催された海藻草類移植・保全ワーキンググループにおいては、会議そのものの議場での公開は行わず、終了後速やかに検討に使用した資料及び検討の概要について公開したところであります。
 なお、次年度以降の委員会の運営については、3月開催予定の委員会において検討を行うこととしております。
 次に、海草藻場の役割、価値についてにお答えいたします。
 海草藻場の役割については、水質浄化や底質の安定化の機能とともに、魚類の産卵場、幼稚仔魚の保育場・えさ場となるなど、さまざまな機能が複合的にあることから重要な場であると認識しております。
 次に、海草藻場調査結果についてにお答えいたします。
 海草藻場については、航空写真等によるこれまでの調査から、台風等自然条件によって絶えず消長を繰り返し変化することが知られております。このことから、泡瀬海域における藻場については藻場の分布調査を毎年行うこととしております。
 沖縄総合事務局において、平成13年11月及び平成14年11月に分布調査を実施したところ、被度50%以上の大型海草藻場が平成13年は56.8ヘクタール分布しておりましたが、平成14年は20.6ヘクタールと減少しております。これは平成14年夏の台風による減耗が主な原因であると考えております。
 次に、移植対象藻場についてにお答えいたします。
 藻場については、環境への影響を低減するためできる限り移植して保全することとしております。移植は、工事実施に伴う藻場の減少を低減するため実施することから、移植作業の効率性を考慮し、大型海草の生育被度50%を超える濃生・密生域の藻場を被度の低い周辺藻場へ移植することとしております。
 なお、藻場については台風等の自然条件により絶えず消長を繰り返し変化することから、毎年、移植前に分布調査を実施し、分布に応じて適宜移植を実施していくこととしております。
 次に、環境省と事業者が実施した海草藻場調査結果の比較検討についてにお答えいたします。
 環境省においては、平成13年度に「ジュゴンと藻場の広域的調査」を実施したとのことであります。当該調査では、沖縄本島周辺の浅場の海草藻場について航空写真による判読で約2057ヘクタールの海草藻場が確認されたとのことであります。また、沖縄市南部海域においては352ヘクタールの海草藻場を確認しております。
 一方、沖縄総合事務局において平成14年11月に実施した泡瀬海域の海草藻場の分布調査においては317ヘクタールを確認しております。
 環境省と沖縄総合事務局の調査では、調査範囲や時期が異なることから比較することはできません。なお、藻場は台風等の自然条件によって絶えず消長を繰り返し変化することが知られております。
 次に、県のチェック機能についてにお答えいたします。
県は、埋立承認に当たって留意事項として環境保全上配慮すべきことを示したところであります。
事業者においてはそれに基づき現在環境監視調査を行うとともに、環境監視・検討委員会を設置して検討を行うなど環境保全に配慮して事業を行っているところであります。
 次に、環境省が実施している海草藻場調査結果の公開と比較検討についてにお答えいたします。
 環境省は、沖縄周辺海域に生息するジュゴンの保護方策を検討するため、平成13年度からおおむね3カ年の予定で「ジュゴンと藻場の広域的調査」を実施しているとのことであります。
 当該調査は環境省が実施しているものであり、平成13年度の調査結果は平成14年9月に新聞等で報道されたところでありますが、平成14年度の藻場の分布調査については公表されていないことから、比較は現時点ではできない状況であります。
 以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇軍港の浦添移設について、サンゴ類や海藻類の消滅についてお答えいたします。
 那覇港管理組合が作業を進めている港湾改訂計画案によると、浦添埠頭地区においてサンゴ類や海藻草類の生息・生育区域が50ヘクタール程度消失することが予測されておりますが、既定計画に比べて埋立規模を大幅に縮小するとともに、海域環境保全ゾーンの設定など環境保全に最大限の配慮がなされていると考えております。
 国際流通港湾、国際観光港湾としての那覇港の整備は、沖縄振興計画の実現に向けた県の最重要施策の一つであり、県としても海域環境保全ゾーンの適切な保全措置に配慮しつつ改訂計画案に沿った各種事業の実現に向け鋭意取り組んでいきたいと考えております。
○外間 久子 答弁漏れです。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時59分休憩
   午後3時5分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) 専門家委員の件でございますけれども、個人名で言いますと海草の専門家は金本先生でございました。あと、渡り性の水鳥、それから底生生物の専門家については現在おりませんけれども、それに類似した先生が対応可能だと考えております。(「いないならいないと言ってください」と呼ぶ者あり) 直接的にはおりません。
○文化環境部長(永山政邦) 環境保全の立場からチェックについてお答えいたします。
 海草については、環境影響評価の手続において事業着手後に実施する事後調査に対し、移植先での海草の生育調査及び藻場の調査を実施すること。事後調査の結果に基づき専門家等の指導・助言を得ながら保全対策について関係者間での調整の上、措置を講ずることとの知事意見を述べているところであります。
 事業者においても、当該意見に対する旨の見解を示しているところでありますので、今後実施される事後調査に関する調整の際に十分にチェックしていきたいと考えております。
 クビレミドロについては、公有水面埋立法に基づく手続の際に同種の移植が技術的に可能であると判断された後にクビレミドロが分泌する細砂質性干潟域の埋め立てに着手することとの文化環境部長意見を述べております。
 また、その移植が技術的に可能であるとの判断に当たっては、当部にも意見を聞くことになっておりますので、その際に十分なチェックを行っていきたいと考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時8分休憩
   午後3時9分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 外間久子君。
   〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 土木建築部長に再度ちょっとお伺いしますが、被度50%以下のところはそのまま埋めるんですね。改めてそこは確かめたいと思います。
 再質問ですけれども、1つには、男女共同参画推進条例ですが、私たちは大変期待しておりましたので、それをぜひ中身のあるものに進めていきたいと。ところが1つには、苦情処理の問題とかというのは、さっきの答弁の中でいろいろオンブズマンを使うとか、女性総合センターを使う、女性相談所を使うというんですが、やはりここまで条例ができたんだから、ひとつ中身をつくるために位置づけて、男女共同参画オンブズウーマンという、そういう「てぃるる」の中の一角にそれを設けると。稲嶺知事の名前で今回新しく条例をスタートさせたんですが、それはそんなに予算がかかることじゃないんで、そこはきちっと中身のあるような形にしていただくために「てぃるる」の一角にその部屋を設けて専任を置くということを知事自身が決意なされば、金のかかることじゃないと思いますので、知事の方の答弁を求めたいと思います。
 2つ目ですけれども、いろいろ福祉保健部長は答弁なさったんですが、1つには、今、福祉事務所に行きますと、まず、あんたは働けるねえという形で、稼働年齢というのがあると思いますから、その稼働年齢は何歳から何歳まで。そういう人たちを対象にした人たちというのが、いま一つは、福祉事務所に行って生活保護の申請書を見ますと、まず福祉事務所に行くという意思があるということは、申請する、生活保護を受けたい、そういう形で福祉事務所に足を運ぶわけですよ。ところが、行ったところのそこのハードルが高いわけです。あなた、年齢が若いですねと。あなたは病気ですか、まず健診をとってきてくださいと。あなたの扶養義務者はだれだれですかと。こういうところで帰されてきているわけですね。この辺の部分が福祉事務所の中できちっと組織的に意思統一がなされているのかどうか。いろいろマニュアルをつくってやっていますよ、事務は本当にうまくいっている。実務はいっているんだけれども、理念がないものだから、やはり窓口でけられていくケースが今あるわけなんです。その辺について十分に実態をつかんでいるのかどうかということをまず確かめたいと思います。
 2つ目の問題ですが、私は各福祉事務所へ参りました。そうしたらその中で、申請に最初の段階に来る人たち、そこに来た面接記録簿があるのかないのか、最初面接に来たときの。該当しなくてもしても面接の記録簿があるのかないのか。それによってその面接記録簿がきちっと生かされて、そこの地域ではどれくらいの問題のケースがあるなと、どういう要求があるなと、こういうのが行政の中で、どれだけ福祉行政の中で生かされているのか。監査の分野でどれくらい監査をしているのかということをまず一つお伺いしたいと思います。
 それから稼働の問題で、稼働年齢というのはさっきも却下のところで多かったんですが、特に20何%とかと言っていたんですが、母子世帯の皆さんたちがうんとけられてきているわけですよね。ところが、この母子世帯の皆さん方の実態というのは、私はサラ金のあれを調べましたら、ほとんどが母子世帯が多いんですよ。生活保護世帯もいるわけですよ。稼働年齢だからといって皆さん方が、窓口でけられた女性の人たちがサラ金に手を出して破産宣告をやっている。破産宣告が去年の1月から6月まででも66件あるわけなんですよ。その中で占めるのが母子の皆さん方なんですよ。そういうふうな部分で母子世帯が福祉事務所の窓口でけられて保護を受けられなくてサラ金に手を出して、子供までサラ金業者から追っかけられる、こういう事態が今沖縄でも起きているというその実態というのを福祉事務所の窓口はつかんでいるのかどうか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
 以上、後で再度質問します。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時15分休憩
   午後3時16分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) 再質問にお答えいたします。
 移植は、工事実施に伴う藻場の減少を低減するため実施することから、移植作業の効率性を考慮し、大型海草の生育被度50%を超える濃生・密生域の藻場を被度の低い周辺藻場へ移植することにしておりますので、それに満たない藻場については埋まることになります。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
 男女共同参画推進条例の兼ね合いですが、苦情処理や救済に必要な処理機関を設置し、専任を配置すべきではないのかにお答えいたします。
 県としては、現在のところ既存の苦情処理機関の活用を図っていきたいと思います。また、専任職員を配置することにつきましては、現在のところ専任職員を配置する考えはなく、相談の状況等を見ながら検討していきたいと思います。
○福祉保健部長(新垣幸子) 再質問にお答えします。
 生活保護の理念には十分に理解されているかという御質問についてですけれども、生活保護は御案内のとおり最低生活の保障ということで憲法25条に定められました国民の権利でございます。そして、無差別・平等の原則ということで、困窮に陥った原因を問わずに現に困窮している家庭に対しては保護を行うという形になっております。
 これは先ほど申し上げましたように、福祉事務所の新任職員の研修あるいは各福祉事務所での現任訓練等々で十分に周知をさせております。
 さらにまた、保護を受ける方々についても一定の原則があります。それは保護の補足性の原理でございまして、資産の活用、能力の活用あるいは他法・他施策の活用ということで、そういう活用をしてもなおかつ保護の最低生活を維持できない場合に保護できるということでございまして、なお却下とかあるいは廃止になった場合にでも再審査によって不服を申し立てるという道も開かれておりまして、現に再審査等によって継続をされたケースもございます。
 そういうことで、生活保護の理念は十分に生かされて実施されているというふうに思います。
 それから、受付面接の問題でございますけれども、受付面接受理簿はきちんと整備されて面接に応じております。
 それから監査についてでございます。
 監査につきましては、県の監査班が実施する場合はおおむね全ケースの1割実施しております。さらに特別に監査をする場合は特別監査と申しますけれども、それは全ケースの2割を監査してございます。そういう意味で毎年監査を実施しておりますので、そういう意味では十分な監査が行われているというふうに思いますし、また監査に当たって不適切な処理がありました場合には指摘をして改善を指示しておりますので、監査の体制が整えられると思っております。
 それから、窓口での受付拒否というんですか、そういうことが、締め出しがあるのではないかという御指摘でございましたけれども、先ほど申し上げましたように保護の補足性の原理がございますので、特に稼働年齢の場合は──先ほど稼働年齢は幾つかという御質問がありました。15歳以上65歳未満が稼働年齢になっておりますけれども、それ以外の方々でも、例えば母子世帯についても他法・他施策で能力があればそれなりに活用していただくというようなことで、保護の原理原則に照らして、その持っている能力を活用してなおかつ、先ほど申し上げましたように現に困窮しているような状況がある場合はきちんと保護の申請に至っているというふうに思っております。
○外間 久子 もう一回男女共同参画室の問題ですが、やはり私は、スタートさせるからには今あるような既存の、今、オンブズマンのところへ行ったり女性相談所へ行ったりというふうなことをやられているんですよね。だから、私はあえて条例をスタートさせるからには、条例と一緒にそこに参画室ができたよという形のものを稲嶺県政のもとできちっとやってもらいたいと思うんですよ、そんなに金がかかるものじゃないので。
 鳥取県なんかうちの県よりは小さい県ですが、もうすばらしいものをつくっているんですよね。そういうところからすると、ここの参画条例のあれはひとつもう一度知事の決意で、私は「てぃるる」の方に設けてほしいということをあえて知事の決意をお伺いしたいと思います。
 あと1つ福祉保健部長なんですけれども、今、1つには生活保護の中でいろいろ理念、学習やっていますよ、研修も深めています、社会福祉研究所でやっていますということだけれども、やはりインテークの段階の初期の面接の人たちがマニュアルだけでやっていて、本当に理念をきちっとつかんでいないと。そして判断は組織的にはやられてないと。この人のインテークの判断で恣意的に進められているというふうな嫌いが各福祉事務所にあるわけなんですよ。だから、個々の組織的にきちっと対応するということをやらないと、今みたいにはじき飛ばされている。その人個人の考え方ではじき飛ばされているケースがうんと出てきているものですから、そこを組織的に対応することをひとつ意見をお伺いしたいと思います。
 あと1つなんですけれども、やはり今皆さん方、稼働能力だけで生活保護の──今、私、資料を持ってきたので、これは司法書士の皆さんがやっているんですが、結構母子世帯が多いわけですよ。低所得、15万以下なんですよね。そういう人たちで稼働能力というけれども、働く場所が女性たちにない。売春しろというふうなことなのか、夜の仕事に行けということなんですか。今、こんな状態の中でこの母子世帯のケースがどれだけになっているのか、ここ3年くらいのあれを報告していただきたいと思います。
 以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時24分休憩
   午後3時24分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の再々質問にお答えします。
 その前に、外間久子議員が男女共同参画推進条例について、また生活保護につきまして非常にきめの細かい勉強をされていることに心から敬意を表したいと思っております。
 ただいまの男女共同参画推進条例について、大変貴重な御意見をいただきましたので、今後の推移を見ながら検討させていただきます。
○福祉保健部長(新垣幸子) 久しぶりに生活保護の質問が出まして大変ありがとうございます。
 母子世帯の状況でございますけれども、昭和47年ごろ、全世帯の13.3%ぐらいの受給率でございましたけれども、年々若干増減がございまして、平成12年度は9.2%、平成13年度は8.4%、平成14年の11月は8.2%で推移しております。
 全国的に見ましても、全保護世帯に占める割合が8.2%から8.5%ぐらいですので、全国の推移と大体似たような形で保護の推移をしております。
 それから、組織的に面接指導等いろんなことが対応されてないというようなことでございますけれども、先ほど申し上げましたように、監査を通して私ども具体的には実地指導をしていますので、そういう意味で今回、監査のいろんな項目がございます。組織的に対応しているのか、査察機能はきちっとしているのかというような監査項目もございますので、そこら辺をまた重点的に監査をしながら指導していきたいというふうに思っております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時26分休憩
   午後3時51分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 質問の前にいささか所見を申し上げます。
 稲嶺県政が誕生した最大の理由の一つは、基地問題で普天間の移設に関してその使用期限を15年に限ると言ったこと、また軍民共用空港とすると県民に公約をして選挙に臨んだことだと思います。これは、多分に当時の大田県政の2015年までの基地返還アクションプログラム及び県内には新たな基地はつくらせないという政策に対峙するものとして着想されたものと思います。
 2015年から15年を取り、そして軍事基地だけではありませんよと、民間もついているんですよというカムフラージュであります。すなわち、大田県政との基地問題での際立った相違点を打ち消すという戦術であったと思います。
 また、本来、政策というのはその実現性からいろいろな要素を加味しつつ多方面から検討されて出されてくるものでありますが、この15年使用期限問題や軍民共用問題についていえば、まさに選挙用として提案されたものという色彩が非常に強いわけであります。それゆえにこの15年使用期限問題等は誕生のときから社会的・経済的に、また軍事常識的に全く整合性を欠くことから、本音のところではどこからもまともに相手にされてこなかったわけであります。
 県選出の自民党の代議士や自民党本部の政策責任者からここに来て異議が出るなどということは、これまでほとんどまともに議論されてなかったというあかしであると思います。
 ここにおられる与党の賢明なる諸氏にしても、巨額の費用をかけて新しくつくられた基地が15年で返されるなどということを本気に考えている方は、私はいらっしゃらないだろうと思います。日本政府、米国政府もまたしかりであります。
 残念ながら稲嶺知事、今のあなたはまるで「裸の王様」その人であります。あなたがこの15年問題で今日のような態度をとり続けていくならば、できもしないことを言い続け、県民をだまし、基地をみずから誘致したという不名誉な烙印を押される知事として、沖縄県の歴史にその名を残すことになるでありましょう。
 この4年間の15年問題についての県議会の議論は、本議会も含めてどうであったでしょうか。まさに不毛であります。木一本、草一つ生えてないのであります。県議会の権能が問われていると私は思います。どうぞ知事、想定問答集は置かれて、御自身の政治家としての信念をお述べいただきたいと思います。
 それでは一般質問に入ります。
 最初に、2の(5)と4の(4)は取り下げさせていただきます。
 基地問題についてであります。
 (1)番、15年使用期限問題について。
 ア、代替協における15年問題の知事の主張はどのように政府によって生かされているか。
 イ、1月28日に第1回目が開催された建設協は、普天間移設過程の中でどのような位置づけになっているか。
 ウ、第1回建設協において、知事の15年問題の提起に対して日本政府側は「県民の気持ちを重く受けとめ、一歩でも二歩でも国際情勢が肯定的に変化していくよう、真剣に取り組む」(外務大臣)と答えております。これは実質的に建設に向けての協議の開催に当たり、日本政府が拒否回答をしたものと受け取れますが、知事はいかがでしょうか。
 エ、15年使用期限問題が建設協の協議対象になってないことについて知事の見解はどうか。また、当問題は今後どこで協議するのか。
 オ、知事の言う15年問題の解決とはいかなる事態を指すのか。日本政府に対する要求を明確な形で示されたし。これは、県内移設の条件として15年使用期限をつけたのは知事自身でありますから、政府云々と言わずに知事がその要求内容を明確にする義務があると思います。
 カ、15年使用期限問題の決着が着工前までだとすると、着工までの年数は何年か。また、環境影響評価や埋立申請許可等に要する年数はどれほどか。
 キ、基地の使用協定協議の進め方、中身はどうか。また、米国との協議はどこで行うか。
 (2)、知事は、キャンプ・シュワブにおけるレンジ10訓練再開問題で岡崎施設局長の再開容認発言をどう思うか。また、訓練の廃止と同レンジの撤去を求めるべきだと思うがどうか。
 (3)番、県は、ガラビ壕活用に向けて環境調査を行うと報道されている。再三にわたり指摘されたことであり、遅きに失した感もあるが、これらを契機にして各地にある同様の壕や戦跡を調査し、平和教育、観光行政の視点から活用すべきと思うがどうか。また、修学旅行等に基地沖縄をどう繰り込んでいくか、お答えを願いたいと思います。
 (4)番、米軍基地内における日本人警備員に対する銃の携帯義務づけは基地内での新たな事件・事故を招くおそれがあり、やめさせるべきだと思うがどうか。
 平成15年度沖縄平和賞委員会の事業について説明されたし。中身を説明してください。
 2番、雇用失業問題でございます。
 稲嶺県政(平成10年以降)4年間の就業者数の推移と失業率の推移について明らかにされたし。
 (2)番、同10年以降の企業立地による雇用者数について明らかにしてください。
 これまでに設立されたコールセンターは幾つあるか。また、雇用形態はどうか。常用だとかパートとかですね。
 (5)番目は割愛します。
 (6)番、足元から雇用の場をつくり出すため、従来からあった伝統的な産業の復活――塩田だとかそういうことを言っています――や身の回りの商品の県内産化等を進め、雇用と沖縄の特性をつくり出していく必要があると思うが、知事の見解はどうか。
 3番、予算編成と主要施策について。
 予算編成に向け「自立的かつ持続的な発展」、そして「格差是正だけでなく沖縄の特性を十分に発揮したフロンティア創造型の振興策へ」とうたっているが、予算編成で具体的にどのようにあらわれているか。
 (2)、年間の主要施策と主要事業について、その成果をわかりやすく示す必要があると思います。できればリアルタイムで県民にわかりやすくする必要があります。知事の見解を伺います。
 4番、観光振興策について。
 観光政策における観光客数主義――何百万人などという言い方です――は転換を図る時期に来ていると思いますが、どうですか。
 (2)番、レンタカーの増加は沖縄観光にどのような影響を与えていますか。
 (3)番、観光土産品の不当表示については、沖縄観光全体の信頼にかかわる問題でありますので、県はどのように指導しますか。
 5番、北部振興策について。
 (1)、どのような事業が行われてきましたか。
 (2)番、現在までに執行された予算と関連する執行予定の予算額は幾らか。公共、非公共別々にトータルで、別に出してトータルで。
 (3)番、北部12市町村全体で人口の増加は計画初年次から幾らか。
 6番、鉄軌道系交通システムの導入について。
 平成15年度としてどのような取り組みがあるか。
 7番、NPO法人フロム沖縄と県の随意契約に関して。
 (1)番、NPO法人のフロム沖縄の事業内容について説明してください。
 (2)番、これまでの経過について、またこれまで事実把握ができなかった理由は何か。
 (3)番、同様な事例はほかにもあるか。
 答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 玉城義和議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、15年問題の主張を政府はどう生かしているかのお答えでございます。
 15年使用期限問題については、去る1月28日に開催された第1回代替施設建設協議会において川口外務大臣から、非常に重く受けとめている、昨年の2プラス2(日米安全保障協議委員会)の場においても取り上げた、真剣に取り組むとの趣旨の発言がありました。また、去る2月2日に川口外務大臣が来県した際、同問題について、閣議決定したことであり、今もって覆されたことはない、今後とも重要問題として取り組んでいくと述べられており、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。
 続いて、代替施設建設協議会での15年問題に対する外務大臣発言についてお答えいたします。
 先ほども申し上げましたが、15年使用期限問題については、先月開催された第1回代替施設建設協議会において川口外務大臣から、非常に重く受けとめている、昨年の2プラス2の場においても取り上げた、真剣に取り組むとの趣旨の発言がありました。したがって、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。
 続きまして、15年問題の解決についてお答えをいたします。
 15年使用期限問題の解決とは、戦後58年間にわたり過重な基地負担に苦しみ、基地の整理縮小を求める沖縄県民の気持ちを踏まえて日本政府がしっかりと対応することであると考えております。
 続きまして、岡崎那覇防衛施設局長発言及び訓練の廃止等について。これはレンジ10の訓練再開問題でございます。それについてのお答えでございます。
 昨年7月23日に名護市で発生した被弾事故について、県は、事故原因の究明やキャンプ・シュワブ演習場における実弾射撃演習の廃止を要請したところであります。
 しかしながら、県の抗議要請にもかかわらず、事故原因が究明されない中、米軍は去る2月21日に同施設内レンジ10においてM2重機関銃の実弾射撃訓練を再開しております。同訓練の再開は、訓練の廃止を求める地元住民、名護市、県の意向や県議会決議等に反するものであり、極めて遺憾であります。
 また、那覇防衛施設局長が訓練の再開を容認する発言をしておりますが、これは訓練の廃止を求める県民感情への配慮を欠くものであり、遺憾であると言わざるを得ません。
 県としては、これまでの同施設内における実弾射撃訓練による事故の発生状況や現地の訓練場の状況等を勘案すると、同施設内におけるM2重機関銃の実弾射撃訓練は危険であり、容認できるものではありません。このため、県は去る2月20日、米軍を初め在沖米国総領事館、那覇防衛施設局及び外務省沖縄事務所に対し遺憾の意を表明するとともに、キャンプ・シュワブ演習場レンジ10におけるM2重機関銃の実弾射撃訓練の廃止を強く申し入れたところでありますが、今後とも引き続き同訓練の廃止を求めていきたいと考えております。
 次は、沖縄振興計画の予算への反映についてお答えいたします。
 沖縄振興計画は、従来の本土との格差是正を基調とするキャッチアップ型の振興開発から、沖縄の優位性を十分に発揮したフロンティア創造型の振興策への転換の姿勢を打ち出しております。平成15年度は、沖縄振興計画の実質的な初年度に当たり、新たな沖縄の振興に向けた諸施策を推進し、自立的かつ持続的な発展に向けて本格的に歩み出す重要な年であります。
 このため、平成15年度当初予算は限られた財源の中で事業の優先度に十分配慮しつつ、観光振興地域制度や情報特区、金融特区等の積極的活用による観光・リゾート産業、情報通信関連産業、亜熱帯性気候を生かした農林水産業、地域資源を生かした健康食品産業などの産業振興策を積極的に推進することといたしました。
 また、文化の振興や医療・福祉の向上、地域・離島の振興を図るなど沖縄振興計画に基づく諸施策を推進し、緊急かつ重要な施策に的確に対応することを基本として編成したところであります。
 続いて、観光振興について、観光客数主義の転換についてお答えをいたします。
 本県観光が将来とも県経済のリーディング産業であるためには、観光客の増加はもとより、なお一層の質的向上が必要であると考えております。このため、県においては、観光振興計画に基づき健康・保養型観光やエコツーリズムなど地域特性を生かした体験・滞在型観光、クルーズ観光拠点港湾等のインフラ整備、人材の育成、多様なエンターテインメント等の観光資源の開発など沖縄観光の付加価値を高めるための施策を積極的に展開しているところであります。
 同計画における観光振興の基本的な指標は、入域観光客数、観光客1人当たりの県内消費額及び観光収入等でありますが、それぞれの目標達成に向けた施策展開により沖縄観光の一層の発展が図られるものと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 代替施設建設協議会の位置づけについてにお答えいたします。
 普天間飛行場の移設については、代替施設協議会での協議を経て、昨年7月、代替施設の基本計画が決定されたところであり、今後はこの決定を踏まえ、政府において環境影響評価を初め所要の手続等が進められるものと考えております。
 新たに設置された代替施設建設協議会は、建設段階に対応した協議機関として発足したものであり、「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行いつつその円滑な建設を推進することを目的」としております。
 代替施設建設協議会における15年問題の扱いと今後の協議についてにお答えいたします。
 15年使用期限問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、内閣総理大臣を初め関係大臣にも要望してまいりました。また、この問題はあらゆる機会をとらえて発言する必要があり、これまで代替施設協議会において何度も要望し、去る1月28日に開催された第1回代替施設建設協議会においても改めて知事から強く要望したところであります。今後とも引き続き強く求めていきたいと考えております。
 着工までの期間と環境影響評価等に要する期間についてにお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設については、今後、環境影響評価及び公有水面埋め立ての手続、施設配置の検討等所要の手続等が進められた後に着工されるものと考えております。
 また、環境影響評価の期間についてはおよそ3年程度を要するとしており、埋立申請手続には120日から240日を要するとのことです。
 使用協定の協議についてにお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設に関する使用協定については、昨年7月29日、国、県、名護市の三者により基本的事項についての合意がなされたところであり、今後、本合意書に基づき環境影響評価など代替施設の整備の進展を踏まえつつ、合意書をもとに協議を進める、工事着手までに代替施設の使用に係る措置の内容を明確にする、供用開始までに協定を締結する等段階的に進められるものと考えております。
 また、米国政府との協議は、閣議決定された政府方針及び基本合意書に基づき政府が行うものと考えております。県としては、今後とも名護市と連携し、使用協定締結に取り組んでいきたいと考えております。
 平成15年度の沖縄平和賞委員会の事業についてにお答えいたします。
 沖縄平和賞委員会では、平成15年度の主な事業として、平成16年度に実施予定の第2回沖縄平和賞授賞式に向けて推薦人へ受賞候補者の推薦を依頼し、推薦のあった受賞候補者について詳細な調査まで実施いたします。
 また、本賞の関連事業として花の平和交流事業をカンボジアのプノンペン市で行います。本事業は、沖縄平和賞検討委員会からの提案を受けて実施するもので、アジアの国々へ花木を贈り、これらの地域との間に平和友好のかけ橋を築くことを目指します。
 さらに、沖縄平和賞委員会では平成15年度より募金活動を実施いたします。これは委員会独自の財源確保、本賞の周知、募金を通して本賞の運営に参加している意識を醸成し、県民参加型の顕彰制度として継続実施することを目的としております。
 なお、沖縄平和賞委員会の予算総額は3042万8000円で、主な事業の予算は、推薦人データの更新、追加や受賞候補者の詳細調査などが1400万3000円、花の平和交流事業1349万2000円、募金関連250万円を予定しております。
 以上です。
○教育長(津嘉山朝祥) 基地・平和行政についての、各地にある壕や戦跡を調査をし活用すべきと思うがどうかとの御質問にお答えをいたします。
 現在、文化財に指定をし保存の基礎資料とするために、文化庁の補助を得て平成10年度から平成17年度までの8年計画で県内全域の戦争遺跡詳細分布調査を実施中であり、平成13年度までに沖縄本島内で660カ所の戦争遺跡を確認をし、今年度までに119カ所の現地調査を行いました。
 これらの歴史的価値のある戦争遺跡の代表的なものについては、所有者等の同意を得た後に県文化財保護審議会の意見を聞いて文化財として指定し、保存していきたいと考えております。
 また、平和学習や観光面での活用については、指定した戦跡の保存を前提にし、当該市町村や関係者等と調整をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、修学旅行等に基地沖縄をどう組み込んでいくかとの御質問にお答えをいたします。
 県におきましては、異文化体験、平和学習、亜熱帯性気候体験を沖縄修学旅行の中心メニューとして、県外でのセミナー開催や関係者の招聘事業などの誘致活動を展開しております。
 平和学習のモデルコースとしては、戦跡地や県立平和祈念資料館、ひめゆり平和祈念資料館などの見学、戦争体験者の講話学習、避難壕の入壕体験などを紹介し、平和のとうとさをアピールしております。
 また、米軍統治の歴史及び米軍基地の現状についても、県が発行する「修学旅行のしおり」において紹介しているほか、関係者の沖縄招聘時に現地視察などを実施し理解を深めていただいております。
 なお、修学旅行時においては、本島北部への移動の際に嘉手納基地の外部からの視察やバスガイドからの説明などがメニューとして組み込まれております。
 次に、レンタカー増加の影響についてお答えをいたします。
 レンタカー利用の増加で観光客の行動範囲が拡大したことにより、従来は余り活用されていなかった地域資源や商業施設の観光利用など観光地としての対象が広がり、新たな観光資源の開発と多様化や地域の活性化に寄与しているものと考えております。
 一方、レンタカーの利用増加によるもう一つの影響としてタクシーの利用率低下が挙げられます。平成14年3月現在における実車率は32.2%で、前年に比べて0.7%減少するなど低下傾向にあります。また、レンタカー利用の若者がふえる夏場においては、観光バスの稼働率の低下が顕著になっております。
 次に、観光土産品に関する指導についてお答えをいたします。
 観光土産品は、沖縄観光のイメージ形成に深くかかわるとともに、製造業や農林水産業等の関連産業に大きな波及効果をもたらすなど重要な役割を担っております。そのため、観光土産品の不当表示の改善については関係機関や関係団体、県の関係部局が連携し、土産品業界みずからが適正な表示に取り組みながら、自主的に規制を行う組織である「観光土産品公正取引協議会」の設立を積極的に支援しているところであります。
 また、県におきましては、次年度において観光を軸とする関連産業の連携を一層強化し、沖縄特産品の品質の向上やブランド確立を図るための実態調査や商品開発支援など、総合的な土産品対策を実施していくこととしております。
 以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 米軍基地内警備員の銃携帯に対する県の見解についての御質問にお答えします。
 駐留軍従業員の雇用につきましては、雇用主は日本政府、使用者は米軍という間接雇用形態をとっています。また、その服務は、日米両国政府間で締結された基本労務契約等に基づき運用されております。
 警備員の拳銃の携帯につきましては、職務定義書の中で、一定の勤務場所における小型武器の携行が規定されているところであります。
 ところで、過去に基地従業員の拳銃携帯に起因した事件・事故が発生しており、去る2月1日にも勤務引き継ぎの際の誤った発砲が判明するなど、その危険性は少なくありません。このようなことから、県としましては県民の生命と安全を守る立場を踏まえ、基地従業員の拳銃携帯は原則として廃止すべきであると考えています。
 次に、雇用失業問題について、平成10年以降の就業者数等の推移についての御質問にお答えをいたします。
 労働力調査による平成10年以降の主な数値の推移は、就業者数は平成10年が56万1000人、11年が56万5000人、12年が57万9000人、13年が57万7000人、14年が57万3000人で、この間1万2000人増加しております。また、労働力人口は平成10年の60万8000人から各年ごとに61万6000人、62万9000人、63万人、62万5000人とこの間1万7000人の増加となっております。
 このように就業者数の増加を上回る労働力人口の増加等もあって、完全失業率は平成10年の7.7%から平成14年には8.3%と0.6ポイントの上昇となっております。
 同じく雇用失業問題について、平成10年以降の企業立地による雇用者数についての御質問にお答えいたします。
 県においては、新たな産業の振興と雇用の創出を図るため、特別自由貿易地域制度や情報通信産業振興地域制度等を活用し、積極的な企業誘致活動を推進しています。その成果として、平成10年からこれまでの4年間で67社の企業が立地し、3656人の雇用が実現しています。
 雇用者の内訳は、製造業関係で147人、情報通信産業関連ではコールセンター関係で3003人、コールセンター以外では506人となっております。
 コールセンター企業の立地数と雇用形態についての御質問にお答えいたします。
 県では、県内に立地するコールセンター企業に対し年3回、情報通信関連企業立地状況調べを実施し、雇用者数や雇用形態等を把握しています。
 平成14年11月1日現在の調査結果によりますと、平成10年以降に県内へ立地したコールセンター企業は21社、24事業所、雇用者数3003名となっております。雇用形態につきましては、管理職を含めた正社員や契約社員の長期雇用者が全体の82%程度、残り18%がパート、派遣職員等となっています。
 次に、雇用失業問題についての、伝統的な産業の復活等による雇用と沖縄の特性の必要性についての御質問にお答えいたします。
 雇用失業問題を解決していくためには、既存産業の振興や新規産業の創出等により総合的な視野に立って雇用の場をつくり出していくことが重要であると考えております。
 伝統的工芸品産業は地域に根差し、地域の活性化に重要な役割を果たしており、県ではこれまで各産地の拠点整備、後継者育成、原材料確保対策事業など積極的な支援を行ってきました。
 一方、近年、ウコン、グァバ等の健康茶やもろみ酢、自然海塩、アロエ等の健康食品、海洋深層水を活用したミネラルウオーターや塩、豆腐、化粧品など本県の地域資源を生かし、高い評価を得ている商品が数多く生産され、県内外へ出荷されております。
 また、県産木材を活用した机やいすなどの木製品及び古紙、ガラス等のリサイクル商品も県内で商品化されるようになってきております。
 ところで、地域の産業を復活させるためには地域の伝統的な技術・技法を掘り起こしていくことも重要な課題であり、商工会などとも連携をとりながら地域特産品の開発に対する支援についても取り組んでいきたいと考えております。
 また、沖縄振興計画の分野別計画であります沖縄県産業振興計画においては、これら地域特性を生かした比較優位性のある産業を「オキナワ型産業」として位置づけています。これらの分野は地域に根差した雇用の場を創出する大きな可能性を持っており、積極的な支援をしてまいりたいと考えております。
 次に、NPO法人フロム沖縄の事業内容についての御質問にお答えします。
 フロム沖縄推進機構は、平成11年4月に「沖縄県マルチメディアアイランド構想」を推進するための団体として設立され、同年11月に特定非営利活動法人としての認証を受けております。
 同法人は、産・学・行政・市民が一体となって本県の情報通信関連産業の振興に取り組む非営利の組織であり、特に産業界からは県内のほとんどの情報通信関連企業及び団体が参加しております。
 同法人の事業内容としては、情報通信関連産業の集積・活性化事業、人材育成事業、情報格差是正事業、研究開発促進事業を行っております。
 情報通信関連産業の集積・活性化事業としては、企業誘致のための広報活動や県内関連産業の活性化のための講演会の開催などを行っております。
 人材育成事業としては、情報通信関連産業における人材不足を解消するため、コールセンター従事者養成講座を初めソフトウエアやコンテンツ技術者養成のための研修などを行っております。
 情報格差是正事業は、ボランティアと連携し、小・中・高校生がパソコンに触れる機会をふやし、操作能力の向上を図るためリース切れパソコンをリサイクルし、学校等へ配布するなどの活動を実施しています。
 研究開発促進事業は、中小零細企業の多い本県において、企業共同による研究開発への取り組みを支援する事業であります。
 同法人のこのような事業活動は、本県の情報通信関連産業の集積、人材の育成、小・中・高等学生等の情報活用能力の向上に大きな役割を果たしてきたと考えております。
 次に、同じくNPO法人フロム沖縄のこれまでの経緯について、またこれまでの事実認識についての御質問にお答えします。
 NPO法人フロム沖縄推進機構の設立目的は、「沖縄県マルチメディアアイランド構想」推進の中核的役割を担うことであります。
 NPO法人としての認証を受けたのは平成11年11月で、当時の本県の状況は情報通信関連産業の技術・人材・基盤等の蓄積が少なく、同構想を実現するためには県内の産・学・行政・市民が一体となって取り組んでいく組織の必要性が指摘されました。
 そこで、情報通信関連団体の代表者や大学教授、そして県の副知事が発起人となり同団体を設立し、設立後は副理事長に就任をしました。設立当初、活動期間を2年間と定め、産業界が中心となり県が活動を支援するという形でスタートしました。
 同法人は、会員から会費を徴収して活動費とし、県は企業誘致・活性化事業や人材育成事業など公益的な事業に対して補助金を交付しておりました。
 その後、2年間の活動を通して多くの会員の中から同法人の存続延長を要望する声が多く、平成13年度からさらに2年間同法人を存続させ、活動を行うこととなりました。
 その際、県内部におきましては、これまで補助事業として実施してきた企業誘致・活性化事業や人材育成事業などは本来県が行うべき事業であり、委託事業として執行することが望ましいとの議論がなされ、そのほとんどを補助事業から委託事業に切りかえて実施することとなりました。また、企業の急速な立地に伴い技術者の不足が指摘されたことから、人材育成事業を大幅に拡大をしました。その結果、平成13年度には同法人の事業収入に占める県委託事業の割合が拡大することとなりました。
 地方自治法に定める兼業禁止との関連で、副知事が同法人の副理事長を務めていることについては、同法人が関係団体を広く網羅する非営利法人であることから副知事の職務執行の公正、適正を損なうことはなく、兼業禁止規定に抵触するおそれがあるとは認識していなかったものであります。
 以上でございます。
○総務部長(當銘直通) 予算編成と主要施策についての、主要施策の成果を県民にわかりやすく知らせることについてお答えいたします。
 主要施策の成果については、毎年度の決算を認定に付する際に「主要施策の成果に関する報告書」として取りまとめ、議会に提出しているところであります。
 その内容については、主要施策を各部局ごとかつ施策の体系別に並べ、おのおのの事業について事業の目的、内容、事業の実績(計画・実績)及び事業の効果について記述しております。今後、主要施策の成果が県民により理解しやすいものにするとともに、県のホームページに掲載するなど県民への積極的な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
 次に、NPO法人フロム沖縄と県の随意契約に関して、同様な事例があるかということについてお答えいたします。
 県三役等が理事等に就任している公社等外郭団体において、県が出資している資本金、基本金、その他これらに準ずるものが2分の1未満で、平成14年度において県からの委託金の割合が収入総額の50%を超える見込みの団体として財団法人沖縄県戦没者慰霊奉賛会及び財団法人沖縄観光コンベンションビューローがあります。
 以上です。
○企画開発部長(与儀朝栄) 北部振興事業の執行状況と見込み額について一括してお答えいたします。
 平成14年度までに採択された北部振興事業は、道路、海岸、港湾施設等を中心とした公共事業で約46億6000万円、産業の振興、雇用の拡大、定住条件の整備につながる事業を中心とした非公共事業で約165億4000万円、合わせて約212億円となっております。
 また、これまでに採択された北部振興事業で、平成15年度以降継続して執行される見込み額は公共事業で約99億円、非公共事業で約38億5000万円、合わせて約137億5000万円となっております。
 次に、北部市町村の人口増加についてお答えいたします。
 北部振興事業がスタートした平成12年の北部12市町村の人口は12万4051人で、平成14年は12万5434人となっており、1383人増加となっております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 軌道系交通システムの15年度の取り組みについてお答えをいたします。
 「沖縄県総合交通体系基本計画」におきまして、新たな公共交通システムの形成を構築していく中で軌道系交通システムの導入についても調査検討することとしております。
 新たな公共交通システムの検討に当たりましては、今後の地域整備や需要の動向等も踏まえた中で本県の適正なシステム形態等についてそのフィージビリティーの検討、そのための交通実態データ整備や整備手法について検討していくことが必要であります。平成15年度は、沖縄都市モノレールの開業による交通環境の変化を注視するとともに、公共交通のシステムの検討の一環として公共交通機関の利用促進等を目的としたパーク・アンド・ライドなどの交通需要マネジメント施策の導入可能性の検討を進めることとしております。
 なお、軌道系交通システムの検討につきましては、平成18年度の「新たな交通システム導入検討委員会」の立ち上げに向け、沖縄都市モノレールの開業後の利用状況、バス網の再編等の本県の交通環境の推移とともに、軌道系を含む新たな交通システムの技術の動向などの基礎調査を踏まえ、多様な視点から段階的に調査検討を進めていくこととしております。
○玉城 義和 ちょっと休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時34分休憩
   午後4時39分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) それじゃ漏れている分についてお答えいたします。
 15年使用期限問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、内閣総理大臣を初め関係大臣にも要望してまいりました。また、この問題はあらゆる機会をとらえて発言する必要があり、今後とも引き続き強く求めていきたいと考えております。
○玉城 義和 私は、全く答弁になってないと思いますが、時間もありますので再質問をいたします。
 知事、15年問題が日本政府にしっかりと受けとめられているとこういうふうにおっしゃっておりますね。
 私は、いかにもけなげな感じがしますが、実際には実態とは全然違うわけですね。知事が代替協に出られて6回発言されています、9回のうちですね。建設協で1回、7回発言されています。
 発言内容は大体同じことですが、県民の強い要望を理解いただき、15年使用期限問題の解決に向けて積極的に取り組んでいただきたいと。こういうことを代替協で9回のうち6回言っているわけですね。建設協で1回と。
 政府側の答弁ですが、私は全部読み返してみました。政府側の答弁、第1回目は、「閣議決定に従い適切に対処」と言っています、外務大臣。2回目、「閣議決定に従い、適切に対処」、官房長官。4回目、「閣議決定に従い、適切に対処」、官房長官。第5回目、これは沖縄担当大臣にかわっていますから、「国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議」、これは閣議決定の後半の部分を読み上げているだけですね。7回目もしかり、同じことを担当大臣。8回目も同じ。9回目は外務大臣で、一歩でも二歩でも県民にとって理想の姿に国際情勢が肯定的に変化するよう努力。
 これを見てもわかるように、15年問題は1回も取り上げてないんです、やりますということは。知事は同じことを言っていますが、全然日本政府は15年問題をやるということは一言も言ってないわけですね。そして1月28日の第1回の建設協において川口外務大臣は、先ほど読み上げましたように、国際情勢が一歩でも二歩でも好転するように真剣に取り組んでいくと。つまり国際情勢が好転するように取り組んでいくと。一国の外務大臣として当たり前のことですよ、こんなことは。一般論を言っているわけで、だから知事がおっしゃっていることを全然取り上げているわけではない。
 あなたの発言は、事ほどさように政府にとってはこれは全く問題になってないわけですね。そういうことを御理解いただかないとしっかり受けとめられているということにはならないだろうと。
 そして知事、昨年の11月19日付の朝日新聞は、外務省幹部が、稲嶺知事が基地問題を訴え続けなければならない事情は、米側もよく承知している、知っている。みんなでにせ歌舞伎を演じるしかない、こういうふうに言い切っていると、こういうふうに報じているんですね。外務省の幹部、これは事務次官か副大臣か何か知りませんが、外務省の幹部がそう言い切っているということですね。これは知事が御当選なさった翌日の発言ですよ。19日の新聞、朝刊ですからね。小泉総理も同じ新聞で、沖縄の問題として受けとめて云々と言っているんですね。日本全体の問題ではない、沖縄が言っているからと、こういうふうに言っているわけです。
 要するに知事も政府も米国も、にせの歌舞伎の芝居を演じているだけなんだと、こう言っているんですよ。
 私は、これほど沖縄県民を愚弄した発言はないし、知事もこれほど政府や外務省にこけにされて、なおなお日本政府は15年問題をしっかりと受けとめていると、こういうふうに強弁する。これは私はそばから見るとそれこそもうこっけいではないかと、こういうふうに思わざるを得ないわけです。
 もう一回聞きますが、何をもってあなたは15年問題が政府にしっかりと受けとめられていると思うのか、その根拠と御発言の真意を明らかにしていただきたいとこういうふうに思います。
 それから、この15年問題が建設協のテーマになってないということについてでございますが、外務大臣や国土交通大臣あるいは防衛庁長官、沖縄担当大臣、こういう主要な閣僚がそろっている席、この席が何で高度な政治判断をする場ではないんですか。このほかにどういう場が高度な政治判断をする場としてあるんでしょうか。私はこれは理解できないんですね。どうしてこれが政治的な高度な判断ができないと判断されるのか、それを知事の方からおっしゃっていただきたい。
 それでは具体的にどこでやるのか、どの場でやるのか。(「あらゆる機会だ」と呼ぶ者あり)
 あらゆる機会というのはあってなきがごとしですよ、これは。つまり、これがこの場が建設に向けてやる協議会ですから、ここでやらずにしてどこの外野でやるんですか。外野でほえてみてもしようがないですよ、これは。これが2点目です。
 それから、そうであれば代替協や建設協が15年問題を取り扱う場としてふさわしくないというんであれば、何で知事はこれまで代替協で6回、建設協で1回、答えるたびにこういう発言をしてきたんですか。矛盾するじゃないですか、これは。何の意味もないということですよ、そうすると。この場が政治的なものを取り上げる場じゃないならば、こんな発言は意味ないでしょう。矛盾しているんですよ、知事がおっしゃっているのは。
 ここのところをわかるように明確にしてください。
 それから、知事の想定する15年使用期限問題の解決はいかなるものかと。これは答えが幾つもあって、知事の想定する答えが幾つもあって、我々は問題を解いているようなものですから、答えを1つに固定しませんと、それはいかようにもなるわけです、知事が。最後に、いや、実は私が思っているのはこういうことだったんだとこう言えば、全く意味がなくなってしまうんで議論の意味がないんですね。だから私は何回も同じことを言っているんですが、もう一度私が質問をしますので、はっきり答えてもらいたい。
 1つは、米軍が国外へ撤去することなのか。2番目は、米軍が日本本土へ移動することなのか。3番目は、県内に新たな基地をつくるということを日本政府が新たにまた約束することなのか。4番目は、県内基地へ統合することなのか。5番目は、具体策は一切示さずに日本政府が15年後にはよきに計らうと、こういうふうに言うことなのか。あるいはほかに方法があるのか。どのことを想定して15年問題の決着ということを想定されているかを明確に示していただかないと、これは議論のしようがないわけですね。
 答えがわかってないものを我々は議論しても、いや、胸のうちにあるんだと言われても困る。
 その次に、15年問題と埋立問題でありますが、はっきりしていただきたいと思うんですが、環境影響評価が終わった段階で15年問題がいまだ決着をしてない、こういう時期に至れば、知事は、県は埋立申請許可を出さない、こういうふうに理解していいかどうか。ここは今議会の一つの大きなポイントでありますから、はっきりしてください。
 それから、沖縄平和賞委員会のことでありますが、カンボジアのプノンペンに1340万円以上をかけて木を植える。私は、木を植えることは結構だと思うんですよ、アジアに木を植える。ただ、何でプノンペンなのか。
 もう一つは、2点目は、何ゆえに沖縄県のような厳しい財政状況の県が税金で外国に木を植えるのか。これは中途半端な額ですね。1340万円というのは多くもない少なくもない、中途半端な額。こういうことをやはり説明できますか。
 私は、こういうことが恐らく県民にはほとんどこれは理解を得られないというふうに思うんですね、このような事業は。これも続けるのか。これはだれかの思いつきなんですか。本当に県庁を通してこういう議論ができているんですか。
 私は、その平和賞自体が県の中で、県議会もコンセンサスが得られてないわけでしょう。その上に立ってこういうことをやるということが私は非常に行き当たりばったりの感じを持つんですが、御説明ください。
 それから、北部の人口の問題でございますが、15年間で15万にしようという計画ですね。既に3年たっている。3年で1383人、先ほどのお話では。あと2万5000人以上ふやさんといかぬわけですね。それが15万人が民間空港の前提でもあるんですよね。これは崩れてきませんか。その辺をひとつもう一回説明をしてください。
 それから、NPOに関して当事者の牧野さん、所感がございましたら一言お願いを申し上げます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時49分休憩
   午後4時54分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 玉城義和議員の再質問にお答えいたします。
 最初は15年問題ですけれども、国がしっかり受けとめているという一番大事な問題は、私は閣議決定されたということです。しかもそれも明快に川口大臣もそれを受け継いでいるということを言われております。
 そうしたら、それ以上に大変重要なポイントというのは、私が明快にはっきり言い切っていることがあります。これはどういうことかというと、政府に対してきっちりと15年期限問題の解決なしには着工はあり得ないということを明快に言い切っております。そしてその具体的な、それ以上の高度な場所というのは、政治的な判断の最高の場所はこれは相手は総理大臣でございます。したがって、私どもは総理大臣にも明快に文書としても出しておりますし、口頭でもちゃんと言っております。そのほか、私は地位協定の問題についてもそうですけれども、ありとあらゆる場所で必ず申し上げるということを言っております。
 やはり一番重要なのは、これは1つは沖縄の問題が単に沖縄の問題でなく、国民の問題であるということの大きな、国民の皆さんが理解を求めるということが大変重要だと思いますし、中でも多くの国会議員の方がそれについて十分に考えていただくということが大変重要だと思っています。その意味でありとあらゆる機会というものを設けているわけです。
 それから、決着は何かというお話なんですけれども、私どもは今15年問題解決なしに着工はあり得ないということでボールを向こうに投げているわけです。どういう形であろうと15年問題というのは、解決というのは15年後に私どものもとにそれが返ってきて民間空港としてすばらしい北部の発展、沖縄県の発展につながるということでございます。
○副知事(牧野浩隆) 玉城県議の御質問にお答えいたします。
 NPOフロム沖縄の件に関しまして調べましたところ、過去13年度に抵触することがわかりましたので、きのう日付で辞任届を提出したところであります。
 なお、この問題につきましては、平成11年度に沖縄県のマルチメディアアイランド構想をつくって、IT関係産業を沖縄の基幹産業に育てるということを我々は打ち立てました。しかしながら、マルチメディアアイランド構想を実行していくためには、過去の沖縄県における産業構造の蓄積上、IT関係の基盤も技術も人材も不足しているという状況がありましたので、それを実現するためには産官学が一緒になって推進体制をつくる必要があるということで大学関係者、経済団体、それから県の行政から私が発起人になってつくっていったといういきさつがあります。
 そういうことで、県からも委託事業を出しましたけれども、11年度は県からの委託のパーセントはゼロ、12年度も12%、それから今年度の14年度も23%ということで兼業禁止規定に触れておりませんけれども、13年度がたまたま82%という大きな規定に反しておりましたので、そういうことがありましたので、24日付に辞任届を出しております。
 なお、そういう意味では産官学のものということで13年度に多くなりましたけれども、企業誘致、それからコールセンターなどIT関係の産業の企業誘致が進みまして、関連の人材が非常に不足しているという状況がありましたので、急遽、人材育成の仕事をフロム沖縄に委託したというような状況がありました。そういったことで結果的に82%という、抵触しておりましたので直りました。
 なお、この件につきましては、フロム沖縄も当初の目的を達成したと思っていますし、それから今後の公明性、透明性に関するこういう懸念がありますので、先ほど申しましたように、去る24日付で辞意を届けたというような状況であります。
 以上です。
○知事公室長(新垣良光) お答えいたします。なぜカンボジアで実施するかにお答えします。
 花の平和交流事業をカンボジアで実施することについて沖縄平和賞検討委員会で提案がありました。カンボジア国民は、長期にわたる内戦や政治不安による苦難な歴史を有し、平和を強く希求しています。現在は国の復興、発展に向かって懸命な努力を続けているカンボジアの人々にエールを送る意味で本事業を実施するものであります。
 また、沖縄平和賞はアジア・太平洋地域の平和に貢献した個人、団体を対象としていることから、アジア・太平洋地域の国において花の平和交流事業を実施することは本賞の趣旨に沿うものと考えます。
 なぜ県が木を植えるかについてお答えします。
 沖縄平和賞委員会としては、花木を植えて平和のメッセージを込めることにより現地の人々と心の交流が末永く続くことを目指しています。花木は平和の象徴であり、これを植えることによって平和を希求する沖縄の心を末永く伝えていきます。
 また、カンボジアにおいてはNGO等の国際貢献として地雷除去、学校や井戸の建設などが行われており、これらの活動を補完するものであり、有益な事業であると考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 北部の人口は目標15万人のため約2万5000人の増加が必要だが、民間空港の前提ではないかという再質問にお答えいたします。
 北部振興事業については、名護市マルチメディア館や宜野座村サーバーファームの整備等とあわせ、各種公共事業の実施により雇用の拡大と定住条件の整備が着実に進みつつあります。また、本年4月には名護市食肉処理施設が操業することにより雇用の拡大が図られます。さらに、平成16年4月には「沖縄工業高等専門学校」の開校に伴い、学生や教師など相当数の人口増が見込まれます。
 今後とも情報・金融特区等を活用した情報・金融関連産業の集積やヤンバルの豊かな自然、健康・長寿等の地域特性を生かした健康・保養型観光の推進等雇用の創出や定住人口の増加につながる事業の積極的な展開により、圏域人口15万人の達成につなげていきたいと考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時4分休憩
   午後5時5分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 使用期限の問題の解決なしには着工はあり得ないということが、これがすべてのお答えでございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時6分休憩
   午後5時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 平敷議員に対するお答えは、「使用期限問題の解決なしには着工はあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。したがいまして、御質問の趣旨につきましてはそのように理解していただいて差し支えないと考えます。」ということをお答えをいたしました。
 したがいまして、着工までにははっきりあり得ないと考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時22分休憩
   午後5時35分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 極めて不鮮明でありますが、時間もありますので再質問をいたします。
 きのうの質問は、公有水面埋め立ての免許権者は知事であると。したがって、知事であるということですね。政府は、着工までに15年問題について回答しなければならない立場にあるとすれば、その内容で態度を決める。つまり、免許権者としての態度を決めるということはどうかと聞かれたわけですね。それに対して知事は、結論としてそのように理解していただいて差し支えないと。
 私は、相当踏み込んだ答えだというふうに、きのう聞いたんですね。それを私流にきょうは聞き直しているわけです。だから、そういうことですかと。
 要するに、免許権者として最後のフリーハンドは知事が持ちますと。その答えいかんによっては拒否するということもあり得るかということをきのう質問者は聞いているわけですが、知事は、それに対して差し支えないと言っているわけですが、それをもう一回お答えをいただきたいと思います。
 それから、知事がおっしゃっている閣議決定なるものでありますが、これはこういうふうに書かれているんですね。2つの文章からできていまして、1つは15年問題、要するに期限問題ですね。「政府としては、代替施設の使用期限については、国際情勢もあり厳しい問題がある」との認識があると。これは厳しいということをまず言っているわけです。そして、しかし沖縄県知事及び名護市長から要請があったことを受けとめて、基地を受け入れると言っているんだから重く受けとめましょう、15年問題ですね。受けとめて、「これを米国政府との話し合いの中で取り上げる」というんですね。これが前半の文章です。
 後半は、「国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していく」、今度は協議なんですね。つまり、後半は一般の沖縄の米軍の兵力とか規模を言っているわけです。国際情勢がうまくいけば、この本代替施設も含めて、兵力の数も含めて米国政府と協議しましょうと。これは協議ですね。2つの文章になっているわけです。
 したがって、知事が頼みの綱とする閣議決定のどこにも日本政府の意思として、15年問題でわかりましたと、政府として取り上げましょうという文章にはなってないんですよ、これは何回読み返してみてもですね。
 そういう意味で、知事はこの文章のどこに依拠して日本政府が重く受けとめていると、こういうふうに思われるのか、そこをもう一回具体的に教えてほしいと、こういうふうに思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時39分休憩
   午後5時42分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 玉城議員の再質問にお答えいたします。
 答えが違ったというようなお話なんですけれども、もう一遍きのうの平敷議員の御質問を読んでみます。その御質問の趣旨というのは一体何かということのとらえ方の違いだと思います。
 平敷議員のはこういうことを言っておられます。ボールは政府側にあるので、着工までには必ず政府から返球されるとのことであると理解します。すなわち、着工をするには公有水面の埋立免許が必要である。免許権者は知事であるのに、知事の出した条件について政府は何らかの回答をしなければならないと。ポイントは、したがって着工までには国側から返球がある。その返球が直球か変化球かはわからないが、その返球の内容によって態度を決めればよいと、そのように理解すればよいのかと。つまり、返球の内容によって理解をすればいいということに対して、御質問につきましては、そのように御理解していただいて差し支えないというふうに言ったわけです。したがって私は、着工はあり得ないということですから、政府側からきっちりとそれまでにボールを投げかけてくるということを確信しておりますので、私は先ほど申し上げましたように、着工までに政府から一定の方向が示されるということを申し上げました。
 それから、もう一つの解釈の問題で、15年問題についてどこで受けとめるか、これは考え方の違いですが、閣議できっちりと15年問題を受けとめたと。重く受けとめたということは、これは大変政府がきっちり重く受けとめたというふうに考えております。
○玉城 義和 知事、答弁というのは主体的に何を考えていたかということじゃなくて、結果としておっしゃったことがどういうふうにとられるかということがポイントなんですよ、知事。
 きのうの質問者は、明確にこれはわざわざ免許権者は知事であるということを置いているわけです。したがって、最後の切り札は知事の許可権だなということは、よく行政をわかっている方ですから、それは前提に置いているわけです。それについて知事は、そう受け取っていいと。ボールによって、直球か変化球かわからぬが、それによって免許権者としてのその権能を生かすと、こういうことを言っているとだれでもそうとりますよ、これは。当たり前じゃないですか、こんなこと、客観的に。みんなそうとっていますよ。それが違うということを言うのは私はおかしいと思うんですね。
 だから、私の質問に対する答えと――きのうはもう答え言っちゃったわけですからね――違うということを私は言っているわけで、だから与党と野党、きのうときょうの答弁が違うのは、これは議会運営として非常に問題があるんじゃないかとこういうことを言っているわけですから、改めて聞きますが、それじゃ、この免許権者としての許認可権、許可権はこの15年問題とは関係ないかどうか。そういうことを日本政府に最後の切り札として使うお気持ちはないかどうか、そこをお聞かせを願いたいと思いますし、閣議決定はどんなに繰り返して読んでも知事のおっしゃるようにはならないと思いますね。
 もう一回、そこのところを聞かせてください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時46分休憩
   午後5時47分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) これは、使用期限問題の解決なしには着工はあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
 そして、閣議決定の問題につきましては、これはとらえ方はありますが、私どもとしては正式に閣議で決まったことを重く受けとめております。
○玉城 義和 議長。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時48分休憩
   午後5時48分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 当山全弘君。
   〔当山全弘君登壇〕
○当山 全弘 空転の後でしんがりを務めますので、ひとつ議員の皆さん、執行部の皆さん、よろしくお願いを申し上げます。
 まず1点目に、那覇港の整備と那覇港湾施設について質問をいたします。
 那覇港の港湾計画は昭和49年7月に策定され、国及び近隣アジア諸国を初め主要離島を結ぶ流通の拠点として港湾整備を図ることからスタートし、昭和54年12月、昭和59年8月、昭和63年4月の改訂を経て平成8年7月に那覇港湾区域が浦添市の空寿崎付近まで拡張されました。
 その背景には老朽化した港湾施設の再開発により施設の活性化と効率的な施設が要求されました。振興のための産業基盤の整備とともに、住民の憩いの場、文化、レクリエーション施設の整備が要請され現在に至っております。また、国際港への大きな課題を抱えながら港湾計画改訂がなされようとしております。
 港湾施設(軍港)の移設に関しても、去る1月23日に開かれた第4回那覇港湾施設移設に関する協議会で防衛施設庁から軍港の位置と形状を逆L字型にすることで合意したとマスコミは報じております。
 このことは、岸壁の水深が12メートルとなり、大型艦船の出入り接岸が可能となり、米軍艦艇の恒常的な使用や空母、原潜の運用計画も可能になることから、機能が物資の輸送や兵員輸送の限界を超えることは明らかであり、現軍港の機能強化が懸念されます。
 軍港位置予定地は、浦添埠頭の水深が15メートルから16メートルに及ぶ12号、13号浦添埠頭ターミナル建設場所に隣接したり、また市民の憩いの場所である人工海浜ビーチにも隣接することになり、軍事基地と隣り合わせの那覇港湾計画改訂には機能を強化させない立場で住民、そして船舶の安全を確保する意味から使用認定等の締結が必要と考える。
 そこで次の質問をいたします。
 (1)、国際港湾を目指しての港湾改訂に資するため、平成13年度に実施した流通港湾実現のための調査が実施されましたが、幾つかの課題があったと思うが、那覇港長期整備構想にどう反映したか伺います。
 (2)点目、那覇港整備構想委員会(幹事会)の開催状況と、国際機能の整備を初め委員からの注文は何だったのか。その指摘事項に対しどのようにまとめたか伺います。
 (3)点目、浦添西海岸地域は、自然環境の保全に関する指針により自然環境の保護・保全を図る区域に指定され、都市地区に残された唯一の干潟藻場、サンゴ礁の被害が最も低い地域だが、自然を大事にし保全に力を入れるべきだと思いますが、所見を伺います。
 (4)点目、臨港道路の計画のルートを説明してください。これは起点と終点、そしてキャンプ・キンザーの今海浜があります上の方になるのか、制限水域の真上を通るのか、説明をしてください。
 (5)番、那覇港国際流通計画改訂に際し船舶の航行安全を確保し民港の整備を確認する立場で、那覇港湾施設の位置づけと利用については使用協定を結ぶ必要があります。知事の所見を伺います。これは、航路については東口ともう一つありますけれども、そのところから艦船が入りますと民港に大変支障を来しますので、回答を願いたいと思います。
 (6)番、国土交通省における地理的優位性を持つコンテナ輸送のアジアにおける中継拠点としての検討の結果と、そして国による那覇港の整備指針について伺います。
 (7)番、埠頭整備の根拠となるコンテナ需要の動向と国の港湾予算の配分についてはどうなっていますか。
 (8)番、2000年実績で外国貿易のコンテナは7万6000TEUで、目標のトランシップ貨物量は100万TEUから40万TEUに下方修正されました。世界は今、中国の物流の伸びが突出し、上海等は貨物の処理能力が限界に達し、小型船で釜山などに輸送され大型船に積みかえられ北米に向かっております。
 貨物の増大をにらみ、上海、釜山などは大規模な港湾整備を急ピッチで進めている。沖縄もトランシップの港湾を目指すのであれば、施設整備を初め規制緩和等国の支援が不可欠と思うが、どのように認識しているか。また、これらの課題にどう対処しますか、所見を伺います。
 (9)番、那覇港湾審議会について。
 これについては、那覇軍港の位置と形状、民港との整合性についてはどのように審議されたか、その審議状況について伺う。
 次に、一般廃棄物処理場の位置決定とクルージング観光船の寄港地と隣接しているが、支障はないのか伺いたい。ごみはどこのごみを処理するのか。
 次に環境問題で、特にサンゴや藻場等の保全関係についての審議状況はどうだったのか伺います。
 2番、小泉内閣の政治姿勢と沖縄の諸問題について。
 小泉内閣の支持率は48.5%で、支持率が50%を割り込んでいると共同通信社は報じている。不支持の理由を見ると、「首相に指導力がない」、「首相が信頼できない」と前回の調査より上昇しているという。また、米国が準備を進めているイラク攻撃についても「反対」が78.7%に上り、「賛成」の15.5%を大きく上回った。イラク攻撃への日本政府の対応については、「支持すべきではない」が48.5%に達し、前回1月調査の38.8%が政府の支持表明に対し反対が強まっている結果になっている。
 イラク攻撃が始まった場合の日本政府や県民生活への影響についても、かなり影響があると82%の人が懸念を示しております。
 また、国会は衆参本会議で代表質問を終えたが、沖縄問題は一度も取り上げられることはなかった。在沖基地問題が政府の重要課題として1995年以降歴代首相は施政方針、所信表明の各演説で沖縄問題への取り組みについて触れてきたが、昨年の臨時国会での所信表明演説では沖縄に一言も言及しなかった。沖縄問題への関心の薄さが浮き彫りになっております。
 次の質問をいたします。
 小泉内閣の所信表明演説や代表質問において沖縄問題は一度も取り上げられなかった。それに与野党の関心度も低下していることが浮き彫りになっているが、基地問題等においては課題が山積していると思うが、知事の所見を伺います。
 イラク情勢や北朝鮮問題に質問が集中し、沖縄問題は隅に追いやられた状況だが、知事の所見を伺う。
 イラク攻撃が始まった場合、経済や県民生活へ懸念を表明する人がふえている。沖縄も一昨年の9・11テロ以降観光面に大打撃を受けた。沖縄も基地があるゆえに例外ではないと思うが、どのように認識し対応するのか、所見を伺います。
 次に、政府は国民保護法制について地方自治体に対し、同法制の概要説明を行うことを明らかにした。県への説明会はあったのか、だれが行ったのか、その概要と対応について所見を伺います。
 (5)番、米国防予算案を見ると、軍拡継続路線の内容で沖縄の米軍基地への影響──基地の整理縮小に矛盾する──拡大が懸念される。普天間飛行場の輸送ヘリCH46、CH53の後継機オスプレイの配備計画も想定し軍拡路線が継続され、沖縄の基地はますます強化されることは間違いないと思うが、どう認識して対処するのか、その所見を伺います。
 失業対策事業について。
 沖縄県の2002年の完全失業率は、平均8.3%と2年連続して8%を超えている。完全失業者数の平均は5万2000人を数える。失業率は男性が8.4%、女性が8.2%となっている。有効求人倍率は0.30倍と3人に1人しか仕事がない状況と言われております。
 次の質問をします。
 (1)、有効求人倍率0.30倍と仕事がない状況が続いているが、その原因と有効な失業対策事業について伺います。
 政府は、緊急雇用対策事業及び緊急地域雇用創出特別事業を予算化しているが、それぞれ予算化された沖縄県交付額は幾ら予算化され、それぞれの対策事業に充てられたか。また、失業対策事業への効果と今後の対応について伺います。
 市町村自治体の国の予算を受けての対応について伺います。
 次に、県の乳幼児医療助成事業については、これはたくさんの議員から質問がありましたので、私は子育て支援策の一環としてぜひ取り組んでほしいという立場で質問をいたします。
 浦添市は、区画整理事業で将来の学校敷地を取得しておりましたけれども、将来の子供たちの数が少ないということで今回、事業計画の見直しによって学校敷地の軍の換地によって全部削られる格好になっております。将来、大変深刻な問題は子供たちが少なくなると。そして35歳未満の若年の皆さんが住んでいる浦添市においてこのような状況ですので、ほかの市町村もこれに追い打ちをかけることが心配をされます。ぜひ子育て支援策の一環として乳幼児のこの無料化問題等については精力的に頑張っていただきたいと思って質問をいたしております。
 次に観光行政について、ホテルの収益状況はどうなっているのか。これについて経済の波及効果について伺います。
 県産品、土産品の流通状況についてもどうなっているか。
 レンタカー、タクシーについては玉城議員からありましたので割愛します。
 (4)番目の、カヌチャベイリゾートの白石会長が、定住型など「第三のふるさと」として新しいリゾートの形を提案し、観光振興に貢献したリーダーとして「観光カリスマ百選」に選ばれたと内閣府は発表しているが、観光振興の面からどう認識し、沖縄観光振興の面からどう育成、活用、支援していくか、知事の所見を伺います。
 白石会長は、「過疎と呼ばれる地域でも、秩序ある開発をすれば観光客は来てくれる。」ということを言っております。
 6番目の県内産業廃棄物施設について。
 ごみ焼却施設のダイオキシン排出基準が強化され、このことを受けて県内の産業廃棄物焼却施設の9施設が基準に適合せず休止または廃止に追い込まれております。1日75トンの処理能力も48トンに落ち込んでいる状況が続いております。
 次の質問をいたします。
 (1)、県内15施設の状況と休止または廃止の施設は何カ所か。また、休止・廃止の施設は何が原因か。
 新炉建設もあると聞くが、そして稼働時期はいつなのか、対応してほしいが、そのことについて伺います。
 次に、県で管理型廃棄物処理施設をつくって対応してほしいが、そのことについて行政の果たす役割と対策について伺います。
 次、我が会派の代表質問との関連ですけれども、市町村合併について二、三点質問をしておきたいと思います。
 市町村合併は、市町村建設計画によって協議され、市町村議会の議決を経て知事に申請し合併となりますけれども、あくまでもこれは市町村の廃止・分合の一形態と私は理解しております。
 合併については、市町村の形態等がいろいろ異なるところが合併しますので、後々後悔がないようなことで取り組む必要が私はあると思うけれども、自主財源が3割未満の自治体が36あるけれども、その財政的な効率の指摘がありますけれども、合併によって依存体質から脱却できるのかどうか。そこら辺と、国及び県による支援策はどうなのか。
 そして、2005年3月までの特例法の期限までに合併をしてはならないとありますけれども、この特例法についてはたびたび延長されてきておりますけれども、2005年以降も延長される可能性があるんじゃないかなと思っておりますけれども、そのことについて答弁を願いたいと思います。
 あとは答弁によって再質問いたします。よろしくお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後6時4分休憩
   午後6時4分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○当山 全弘 当初検討された要望の強かった対象年齢が小学校就学前から引き下げられ、入院のみの条件がついているが、どのように検討したか伺います。
 それから……
 ちょっと休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後6時5分休憩
   午後6時5分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○当山 全弘 通院、入院を合わせた無条件の補助経費は幾らになったのか、市町村の対応についても伺います。
 実施後の状況を見て、通院を含めた小学校までの助成措置について将来見直しの必要もあると思うが、これは子育て支援の一環としてぜひ実現をしていただきたいと思うんですが、所見を伺います。
 以上です。
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、那覇港の港湾施設についての使用協定についてお答えいたします。
 使用協定については、移設先である浦添市は今のところ必要ないとしており、地元自治体等の意向を踏まえ対応していきたいと考えております。
 次に、小泉内閣の課題の山積と沖縄問題の関心度の低下についてお答えをしたいと思います。一括してお答えを申し上げます。
 米軍基地問題は、日米地位協定の抜本的見直し、基地の整理縮小、兵力削減、米軍人等による事件・事故の防止など解決すべき課題が山積しております。
 基地問題について、去る1月31日の第156回国会の所信表明において小泉内閣総理大臣は、「普天間飛行場の移設・返還を含め、沖縄に関する特別行動委員会最終報告の実施に取り組み、沖縄県民の負担軽減に努力するとともに、地域の特性をいかし、沖縄の経済的自立を支援します。」と述べており、政府として沖縄の基地問題に取り組む姿勢を明確に打ち出したものであると理解しております。
 県としては、米軍基地の整理縮小や日米地位協定の見直しなどの問題は、単に沖縄という一地域だけの問題ではなく、我が国の外交・安全保障をどう考えるのかという極めて国家的な問題であり、国全体として真剣に取り組んでいただくことが大変重要であると考えております。今後ともあらゆる機会を通して基地問題の解決を訴え続けてまいりたいと考えております。
 次に、イラク攻撃問題と沖縄への影響についてのお答えでございます。
 去る2月14日、イラクの大量破壊兵器開発疑惑に関して国連監視検証査察委員会は、国連安全保障理事会に対して査察の追加報告を行った際、対イラク査察の継続を求め、同理事会では査察継続論が大勢を占めたとのことであります。県としては、イラク問題につきましては国連の場や我が国を初めとする多くの国々が外交努力を重ね、同問題が平和的に解決されることを強く期待するところであります。
なお、イラク問題による県民生活への影響については、県民の生命、生活及び財産を守る観点から、県民生活に支障がないよう今後とも重大な関心を持って対応してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇港の整備と那覇港湾施設について、13年度調査の長期構想への反映についてお答えいたします。
 平成13年度の那覇港国際流通港湾実現化調査では、「全体施設計画・土地利用計画検証」、「産業導入のための事業化可能性検討」、「港湾利用効率化・道路利用検討」及び「環境」調査を行っております。
 これらの検討結果については、平成14年4月1日に設立された那覇港管理組合に引き継がれ、那覇港長期整備構想において、那覇港における国際コンテナ貨物トランシップメント実現のためのターミナル配置計画や港湾の効率的管理運営計画、開発と環境保全の調和を図った浦添埠頭地区の開発利用計画及び環境保全方針などに反映されております。
 次に、「那覇港長期整備構想検討委員会」についてお答えいたします。
 「那覇港長期整備構想検討委員会」は、13年度に2回、14年度に2回開催され、また同幹事会は各委員会の前に開催されております。委員会及び幹事会では、機能配置及び浦添埠頭地区の環境保全が主要な論点となっております。
 機能配置については、特にコンテナ埠頭の分散配置が取り上げられましたが、当面、新港埠頭地区でトランシップ貨物を取り扱い、貨物需要の動向を見て浦添埠頭地区でのトランシップ貨物取り扱いを目指すとした段階的整備の考え方が示されました。
 浦添埠頭地区の環境保全については、コースタルリゾート地区の見直し等により既定計画から約130ヘクタール埋立面積を縮小するとともに、環境保全ゾーンを位置づけているとのことでありました。これらの審議を経て、去る1月10日に開催された第2回委員会において那覇港長期整備構想が了承されております。
 次に、浦添西海岸地域の自然環境保全についてお答えいたします。
 国際流通港湾、国際観光港湾としての那覇港の整備は、沖縄振興計画の実現に向けた県の最重要施策の一つであります。
 一方、浦添埠頭地区にはサンゴ類、藻場、干潟等が分布しており、これらの環境保全について十分配慮することが必要と考えております。
 那覇港管理組合が策定中の那覇港長期整備構想及び現在作業を進めている港湾改訂計画案は、沖縄振興計画実現のために必要な各種の港湾機能の展開が適正に配置されているとともに、環境保全に関しても埋立規模の既定計画からの大幅な縮小、海域環境保全ゾーンの設定など最大限の配慮がなされていると考えております。そのため、県としても海域環境保全ゾーンの適切な保全措置等に配慮しつつ、本計画に沿った各種事業の実現に向け鋭意取り組んでいきたいと考えております。
 次に、臨港道路のルートについてお答えいたします。
 那覇港臨港道路浦添線は、那覇港からの港湾貨物の効率的な輸送を図るため整備されるものであります。
 港湾改訂計画案において、同臨港道路のルートは浦添市西洲の港湾浦添埠頭地区1号線を起点とし、浦添市牧港の空寿崎を終点とする延長約2500メートルの区間として位置づけられております。
 次に、中継拠点の検討結果と整備指針についてお答えいたします。
 国土交通省は、平成13年3月に、21世紀における新しい港湾政策の基本的方向として「暮らしを海と世界に結ぶみなとビジョン」を示しており、その方針を踏まえて平成13年3月に内閣府沖縄総合事務局は、「沖縄における新世紀港湾ビジョン」を策定しております。
 その中で、那覇港においてはその地理的優位性を生かしながら、東アジアと本土・欧米間等の輸送を中継する航路の開設を目指すとしております。また、大水深岸壁を複数有する国際海上コンテナターミナル及び臨港道路の整備等を重点的に進める必要があることなどが示されております。
 次に、コンテナ需要の動向と予算配分についてお答えいたします。
 国土交通省の資料によりますと、東アジア全体におけるトランシップ貨物の取扱量については、1995年に約700万、2000年に約1500万TEUの実績であったものが、2011年には約2700万TEU程度に達するものと予測されており、毎年100万TEU程度増加するものと見込まれております。
 港湾事業の予算額としては、平成15年度当初の国費ベースで沖縄県港湾全体が約292億円、そのうち那覇港が約130億円の配分予定となっております。
 次に、国の支援とこれらへの対応についてお答えいたします。
 那覇港の国際流通港湾としての整備は、沖縄振興計画の実現に向けた県の最重要施策の一つであり、その促進に対して規制緩和等国の各種支援が必要不可欠と考えております。
 このため、去る1月22日に、知事が国土交通大臣及び内閣府沖縄担当大臣に対し、国際トランシップ貨物取り扱い実現のための財政支援、各種港湾施設の整備促進等那覇港の国際流通港湾化に向けた各種支援を要望しております。
 また、那覇港管理組合においては、コンテナターミナルの効率的な運営に民間活力の導入を図るため、平成15年度にターミナルオペレーターの公募を予定するとともに、平成16年度にはターミナルオペレーターへの行政財産の一体的長期貸し付けが可能となるよう「那覇港フリーポート特区」の認定申請を予定しているとのことであります。
 次に、那覇港湾審議会についてお答えいたします。
 那覇港地方港湾審議会は、港湾法により那覇港の開発、利用、保全及び管理に関する重要事項を調査・審議するため那覇港管理組合において設置されたものであります。第1回の審議会が去る2月12日に開催され、港湾計画の改訂案が審議されております。
同審議会においては、ターミナルオペレーター公募に当たっての港湾労働者との協議、コンテナの安全管理強化、廃棄物処理施設と旅客船バースとの関係及び旅客船バースの早期整備等について議論がなされた後、全会一致で改訂案が了承されております。
 なお、改訂案は3月中旬に開催される予定の交通政策審議会港湾分科会に諮問されることとなっております。
○知事公室長(新垣良光) 国民保護法制の説明会についてにお答えいたします。
 国は、「国民の保護のための法制」について武力攻撃事態対処法案の成立後、早急に整備していくとしており、昨年11月及び本年1月に都道府県を対象とした同法制に関する説明会が実施されております。
 国の説明によると、同法制は武力攻撃事態から国民の生命、身体及び財産を保護し、武力攻撃が国民生活及び国民経済に与える影響を最小とするため国、都道府県及び市町村の具体的な役割分担、指定公共機関の役割、対処措置の実施を推進するための体制等について定めることとなるとしております。
 また、都道府県知事の責任と権限については、住民避難の指示や避難住民等の救援、災害への対処等の実施などを考えているようでありますが、現在、同法制の骨子を策定している段階であり、具体的な法案については、今後、地方公共団体等の意見も聴取しながら整備していくとしておりますので、県としては国における法案の整備作業を注視しつつ適切に対応していきたいと考えております。
 米国の国防予算と基地強化についてにお答えいたします。
 県は、戦後58年にわたり過重に基地を負担している県民の負担軽減を図る観点から、SACOの合意事案の着実な実施や海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減について日米両政府に訴えてきたところであります。
 昨今の新聞報道等でオスプレイの沖縄への将来の配備について報道がなされておりますが、現時点では、日本政府から県に対してオスプレイの配備計画について何ら説明はありません。
 県としては、今後の米軍の動きを慎重に見守りたいと考えております。
○商工労働部長(花城順孝) 県内求人の状況と雇用対策についての御質問にお答えします。
 本県の求人状況は、雇用吸収力のある産業振興の途上にあることや就業者数を上回る労働力人口の増加等から、有効求人倍率が全国平均の半分以下の厳しい状況が続いております。
 こうした中にあって、平成14年は有効求人倍率が0.30倍と前年に比べて0.04ポイント改善し、本県としては平成4年以来の高い数値となっております。また、新規求人数も9月が4500人、10月が4800人と復帰後最高の数値となっております。
 県としては、このような求人状況を着実に雇用に結びつけていくことが重要であるとの観点から「沖縄県緊急雇用対策」を策定し、緊急ジョブマッチング促進特別事業や緊急委託訓練事業等のミスマッチ対策を中心とした緊急対策を実施しているところであります。緊急ジョブマッチング促進特別事業においては、2月18日現在、286人が実習就業に入っており、委託訓練事業でも913人の求職者が訓練中であります。
 また、去る20日に沖縄労働局等との共催により開催した合同面接会には137の事業所と1361人の求職者が参加しております。
 現在、国、県及び関係機関の連携によるきめ細かな緊急対策が集中的に実施されており、このような取り組みが本県の雇用状況の改善につながるものと考えております。今後とも戦略的な産業の振興や企業誘致を積極的に推進し、新たな雇用の創出を図るとともに、産業振興と一体となった雇用の促進と人材育成に取り組んでまいります。
 次に、緊急地域雇用創出特別交付金事業の実施状況等について一括してお答えをいたします。
 緊急地域雇用創出特別交付金事業は、国からの交付を受けて、県及び市町村の公的部門において臨時的な雇用を創出する平成16年度までの臨時・応急の措置として実施しているものであります。
 平成16年度までの全体事業費を70億円、これによる新規雇用者数を7000人と計画しております。
 これまでの実施状況は、平成13年度は県事業として事業費2億3300万円で11事業、新規雇用者が532人、市町村事業として事業費は1億円で25事業、新規雇用者数が324人となっております。平成14年度は、県事業として事業費14億3000万円で35事業、新規雇用者数1069人、市町村事業として事業費11億1500万円で146事業、新規雇用者数1330人の計画で現在事業を実施中であります。また、平成15年度は県事業として17億8300万円で54事業、市町村事業として11億8300万円で180事業、合計29億6600万円を当初予算に計上しており、これによる新規雇用者数を2700人と計画をしております。
 本事業は、より多くの失業者に臨時・応急の雇用機会を確保することを目的としていることから、本事業を直ちに安定的な雇用に結びつけることは困難な面がありますが、今後の産業振興につながる事業や新たな雇用の受け皿となる分野の事業等を実施することによって雇用機会の拡大を図ってまいりたいと考えております。
 以上であります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 県の乳幼児医療費助成事業について、対象年齢及び入院への助成について。
 当該事業は、健康政策の一環として平成11年10月に対象年齢を拡大して実施しております。また、平成15年10月から3歳未満児までは従来どおりの助成を行い、3歳児、4歳児については、経済的にも医療費の負担が大きい入院について助成していくこととしております。
 また、自己負担を付した理由は、県単独事業で実施している類似の医療費助成事業などが条件を付していることを勘案し、入院1日につき700円の一部負担を付すことにしております。
 また、対象年齢を4歳児までとした理由は、はしかやインフルエンザなどの病気にかかりやすい年齢層であることを考慮して実施することとしております。
 無条件で入院、通院に助成したときの経費、市町村の対応について。
 医療費の伸び率や高額療養費の影響額などを考慮して入院、通院ともに所得制限や保護者の一部負担など条件を付さずに実施した場合、約16億6000万円が見込まれます。
 なお、県及び市町村それぞれ2分の1負担の補助割合となっているため、市町村でも同額の16億6000万円が必要となります。
 既に乳幼児医療費助成事業の年齢拡大などに取り組んでいるところは4カ所、さらに平成15年度から市町村単独で年齢拡大などを計画しているところは4カ所で、残り44市町村は県に準ずる形で検討しているところです。
 医療費助成事業の見直しについて。
 当該事業の年齢拡大や給付の条件などについては、実施主体である市町村の財政措置などの課題や全県的な施策として取り組むことが望ましいと考えております。
 さらなる年齢拡大については、次年度の実施状況や新たな財政措置の課題を見ながら引き続き検討していきたいと考えております。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、ホテルの収益と経済波及効果についてお答えをいたします。
 金融機関の県内主要ホテルの調査によりますと、平成14年は入域観光客数の増加に伴い、稼働率は77.6%で前年に比べて6.7%上昇するなど好調に推移をしております。
 一方、宿泊単価は6574円で前年に比べて1.6%減少しており、特に那覇市内におきましてはビジネスホテルや格安ホテルとの競争激化により、既存ホテルの経営は厳しい状況にあります。そのため、ホテル業界では県外客への土産品販売や県内向けの飲食サービスの拡充、レストランをテナントに賃貸するなど経営の改善に努めているところであります。
 また、ホテル事業の県経済に及ぼす効果につきましては、来年度の調査においてホテル等観光関連産業の売上高や利益率、従業員数、県内自給率等従来の統計調査の範囲を広げ、実態を分析することとしております。
 次に、「観光カリスマ百選」の本県観光振興への活用方についてお答えをいたします。
 内閣府の選定した「観光カリスマ百選」に本県からカヌチャベイリゾートの白石武治会長が選ばれましたことは画期的なことと喜んでおります。
 県では、白石氏を初めとするこのようなリーダーの方々のたぐいまれなる実践に裏打ちされた努力と成功例に学ぶことは、経営や人材育成の面など観光振興を図る上で極めて重要であると認識しております。このため、「観光カリスマ百選」に選ばれた方々を各種研修会や交流会等において講師として招聘するとともに、その業績や考え方について観光関連業界への周知を積極的に図るなど、本県観光の振興に大いに役立ててまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 県内産業廃棄物処理施設について、県内の15焼却施設の状況と休止・廃止、そしてまた新炉建設について一括してお答えいたします。
 ダイオキシン対策については、その総排出量の削減を図るため、昨年12月1日から廃棄物焼却施設に対し新たな基準が適用されております。
 これまで県が許可した15の産業廃棄物焼却施設のうち6施設が新基準に適合しております。新基準に適合しない9施設のうち5施設が廃止、1施設が施設の改善、3施設が新たに焼却施設を設置することになっております。また、3月中には本島中部地区において新規の規模の大きい焼却施設が稼働することになっております。
 これらの施設整備が進捗することにより、県内の焼却施設の処理能力は増大することになり、廃棄物の減量化が進み、最終処分場の延命化が図られるものと考えております。
 続きまして、県の関与する管理型最終処分場の整備についてお答えいたします。
 県内の処理業者が有する産業廃棄物管理型最終処分場は、最近10年以上にわたり、新たな施設の立地がないことから逼迫してきております。
 また、産業廃棄物処理施設の整備は、排出事業者の処理責任のもとに行うことが基本でありますが、その立地に対する住民の理解と協力を得ることが厳しい状況となっていることから、公共の関与が求められております。
 公共関与による施設の整備、運営については、用地、財源の確保や排出事業者等の関係団体との合意形成、事業主体の形態等多くの課題があります。
 県としては、現在、公共関与事業のあり方について調査・研究を行うとともに、昨年12月に庁内関係部局による連絡会議を設置し、検討をしているところであります。今後、排出事業者や処理業者等の関係者と意見を交換しながら、公共関与事業に関する合意形成を図っていきたいと考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 市町村合併についての御質問にお答えをいたします。
 まず、市町村合併によって財政依存から脱却できるかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
 御指摘のとおり、本県市町村における平成13年度決算状況では、歳入に占める地方税等の自主財源の割合が県平均で30.8%で、30%未満の市町村が36団体となっており、財源の大半を地方交付税や国庫支出金等に依存した脆弱な財政構造となっております。今後、国、地方を通じた厳しい財政状況が見込まれる中で少子・高齢化の進展や地方分権の推進、行政サービスの維持・向上を図っていくためには市町村合併は有効な手段の一つと考えております。
 市町村合併に伴う一般的な効果として、広域的な視点に立ったまちづくりや市町村建設計画の着実な展開により地域全体のレベルアップの実現が期待されることから、これら地域経済の活性化に伴う税源の涵養を図ることにより自主財源の確保に努める必要があると考えております。
 次に、同じく合併で、国、県の支援策についての御質問にお答えをいたします。
 国の支援策としては、市町村合併特例法に基づくものとして、平成17年3月までに合併した場合、市町村建設計画に基づく事業に充てられる合併特例債や普通交付税の算定の特例、合併直後の臨時的経費に対する財政措置などがあります。
 また、国の市町村合併支援本部で決定した市町村合併支援プランには、関係省庁の連携による支援策として道路等の社会基盤整備を初め生活環境、保健・医療・福祉、教育等の各分野における事業の優先採択、重点投資等が盛り込まれております。
 一方、県におきましては、合併の機運の醸成を図るための補助金制度、合併協議会の行う合併準備や市町村建設計画に基づき行う事業を支援するための交付金制度、市町村振興資金貸付基金からの貸付制度などの財政支援制度や合併協議会の円滑な運営を支援するための人的支援を行う制度があります。
 次に、2005年3月の特例法の期限は再度延長される可能性はあるかという御質問にお答えいたします。
 合併特例法は、昭和40年に時限立法として制定され、これまで3回延長されており、平成17年3月31日までの期限となっております。
 同法は、地方分権一括法の制定に伴い、自主的な市町村の合併を推進するため平成11年7月に大幅に改正され、さまざまな財政支援措置等が講じられた一方、全国のシンポジウムや講演会等の場で国は特例法の延長はない旨の発言をこれまで行ってきたところであります。このことから、さらなる延長はないものと考えておりますが、最近のマスコミ報道によりますと、優遇期限の延長等の報道もあることから、今後の動向に関心を持って見守っていきたいと考えております。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 済みません。1点答弁漏れがございましたので答弁させていただきます。県産品の関連の御質問でございます。
平成13年度に実施した沖縄観光土産品の実態に関する調査によりますと、お菓子、泡盛等の食料品部門における原材料等の県外への依存率は約70%、Tシャツやミンサー織等の繊維製品部門の依存率は約80%、陶器、ガラスなどの窯業・土石部門の依存率は約60%となっております。
 県におきましては、次年度において観光を軸とする関連産業の連携を一層強化し、沖縄特産品の品質の向上やブランド確立を図るための流通状況も含めた実態調査を実施するとともに、商品開発支援など総合的な土産品対策を実施していくこととしております。
 以上でございます。
○当山 全弘 再質問をいたします。
 那覇港の整備と那覇港湾施設についてお伺いいたしますけれども、これは那覇港湾施設につきましては、形状 と位置については安易に認めて使い放題に米軍にさせること自体私は問題があると思っております。
 そこで、那覇港湾管理者として、そしてまた知事として浦添市が使用協定を結ぶ必要はないと言っているけれども、港湾管理者として将来にわたる機能維持をどう担保するかがこれは明確じゃないといかないと思うんですよ。そして規模、機能を具体的にこれは明らかにすることを防衛庁に求めて、使用協定等で歯どめ策をかける必要が私はあると思うんですよ。
 知事、これは那覇港湾管理者として権限、港湾管理条例というのがありますでしょう。この範囲で知事の港湾管理者の権限というのは大きいですよ。ですから、こういった使い放題にさせないためにもやはりしっかりとした担保とか、そういうことを徴して使用協定等の締結が私は必要であると思うんですが、このことについて再度答弁をしていただきたいと思います。
 それから、環境問題については、これはサンゴとか干潟の50ヘクタールが失われるということは大変残念でならないわけですね。
 知事は、キャンプ・キンザーと隣接する白い砂浜を見たことがありますか。糸満から名護に至るまで海浜が唯一残されたのは浦添だけなんですよ。どうしてもこのことについては保全をしていただきたいということと、サンゴは、高波とかそういったことについてのこれは保護策をとっているわけですよ。そして漁業権の設定等も行われているんじゃないかなと思っているわけです。魚の産卵場所とか漁業権の設定等についてこれは重要なところでありますので、ぜひこの漁業権の設定を初めとする環境保全についてはいま一度再考をお願いしたいと思っております。
 次に、国民保護法制について、これは去る1月20日に説明会があったと思うんですが、担当部長はどなたが行かれたわけですかね。
 これは国では、「全国都道府県武力攻撃事態対処法制担当部長会議」というのを開いているわけですよ。そしてこの内容等についてはいろいろありますけれども、これは昔の戦争法みたいなことで隣組の問題とか、配給制に勤労奉仕、戦闘訓練、愛国婦人会の組織、さらには空襲も想定しながら疎開や消火活動、避難訓練、犠牲者の埋葬の手だて、これを定めようとしているわけですよ。
 二度と繰り返してはならない沖縄戦を経験した我が沖縄県が、この法律そのものを絶対通してはいけない、そういう立場から知事の所見を求めたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後6時44分休憩
   午後6時46分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の再質問にお答えします。
 港湾管理者としてというお話だったんですが、ここは那覇港湾の議会ではございませんので、その立場としては控えさせていただきまして、知事として申し上げます。
 使用協定については、移設先である浦添市は今のところ必要はないとしており、地元自治体等の意向を踏まえ対応していきたいと考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) サンゴ等の保全について再考してもらいたいという再質問にお答えいたします。
 那覇港の整備は、基本的には那覇港管理組合が主体的にやるわけですので、そこにおける議会でのやりとりでもって説明にかえさせていただき、要するに那覇港管理組合の議会における環境問題についての那覇港管理組合の基本方針について紹介したいと思っております。
 那覇港管理組合によりますと、浦添埠頭地区における港湾機能の計画に当たっては、環境の保全に配慮する必要がありますと。具体的には埋立面積を最小限にとどめ、臨港道路を可能な限り陸側に配置するとともに、コースタルリゾートを縮小し、出島方式を取りやめるなど自然環境への影響を配慮してまいりました。
 また、サンゴの着生等も考慮した透過式防波堤といった環境共生型の港湾構造物を考慮するなどにより環境影響の低減化に努めていく考えであります。
 環境保全対策としましては、浦添埠頭北側領域について埋め立てを免れる海域の環境保全、修復、改良を十分に図る必要があることから、海域環境保全ゾーン(仮称)と位置づけ、学識経験者等の助言を得ながら調査検討を行い、サンゴ類、海草藻類などの良好な生育の場として管理していく考えでありますという形でその方針で組合として取り組んでいるところであります。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
 国民保護法制については、現在、同法制の骨格を策定している段階であり、具体的な法案については今後地方公共団体等の意見も聴取しながら整備していくとしておりますので、県としては、国における法案の整備作業を注視しつつ適切に対応していきたいと考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程は、これで全部終了いたしました。
 次会は、明26日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後6時49分散会

 
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