平成15年(2003年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 2月27日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第33号議案まで及び乙第1号議案から乙第27号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 池間 淳君。
   〔池間 淳君登壇〕
○池間  淳 おはようございます。
 通告に従いまして一般質問を行います。
 1、基地問題について。
 (1)、日米地位協定の改定への今後の取り組みについてお伺いいたします。
 1期4年間の実績が高く評価され、2期目の選挙は21万票余の差をもって圧勝いたしました。知事、おめでとうございます。
 知事の4年間の行動は、トップギアで走りに走り政策を実現させ種をまいてきたことは御承知のとおりであります。本当に知事、御苦労さまでございます。自立する沖縄県確立のための沖縄振興計画も策定されましたし、この計画を実現させるための大事なスタートの議会であります。走りに走った1期目でありましたが、2期目はギアを四輪駆動にチェンジして、解決できなかった問題やまいた種を育てて収穫するように頑張っていただきたいと思います。
 特に、基地問題や日米地位協定の改定については並大抵の努力では解決できないと思います。2期目の選挙で証明されましたように圧倒的な県民のバックアップがありますし、また本議会においても全会一致で日米地位協定の改定の決議がなされておりますので、自信と勇気を持って頑張っていただきたいと思います。
 さて、知事も御承知のことと思いますが、1637年に始まり1902年まで琉球王府によって宮古、八重山において「人頭税」という過酷な税が課せられておりました。宮古、八重山の農民たちは、このような悪税制におよそ266年間も苦しめられ、この悪税制をどうにか廃止させることはできないかということでいろんな運動を展開したようでありますが、農民の力だけではどうにもならなかったようです。
 幸いに当時、県庁職員の城間正安氏が農業指導員として宮古に派遣されます。城間正安氏は、農民の苦しみを見て、この悪税制を廃止させなければ農民たちの生活はいつまでも楽になることはないということで県庁を退職し、農民たちと一緒になってこの税制廃止運動を展開しております。
 城間正安氏が参加しても厳しい状況であったようですが、幸い本土から真珠養殖のため石垣島に向かう途中、宮古島に立ち寄った新潟県出身の中村十作氏に農民たちが人頭税という悪税制の苦しみを訴え税の廃止運動の協力を頼みますが、すぐにはオーケーを出さなかった中村十作氏でありましたが、農民の懇願によって、海はいつまでもあると、真珠養殖はいつでもできる。しかし、農民の命には限りがある、いつまでも続くことはないということで、私の協力で人頭税の廃止、苦しみから解放されるのであればと、農民たちの先頭に立ち廃止運動に参加をしております。
 当時、農民たちは役人に逆らうと打ち首を覚悟でこの廃止運動をしておりましたが、中村十作氏の協力が勇気百倍となって運動の輪が広がっていったようであります。
 訴え続けた県庁は何を言っても取り合ってもらえません。ならば、帝国議会に直訴以外にないということで帝国議会に直訴をして見事に解決をしております。農民代表と中村十作氏、城間正安氏で国会に直訴しておりますが、その旅費の捻出にも農民たちは大変な苦労があったようです。
 この訴えが解決できないで帰ってこようものなら間違いなく打ち首になっていたと思います。政治家でもない皆さんが農民を守るために命をかけて体を張って闘ったあの勇気こそ我々政治家は見習わなければならないと思います。
 あれから100年が経過した現在、沖縄県も日米地位協定の改定という難題である政治課題に直面しております。今こそあの100年前の人頭税廃止運動を展開した中村氏や城間氏、そして農民たちのような勇気と英知を結集し、知事を先頭に県議会やあらゆる団体、沖縄県民が一丸となって何らかのアクションを起こさなければ解決の糸口は見つからないと思います。日米地位協定の知事の改定への御決意をお聞かせください。
 (2)、基地内道路の共同使用について。
 沖縄県卸商業団地から国道58号を北上する流通業の迅速化、効率化を図る目的でキャンプ・キンザー内に浦添市が道路を建設し共同使用しております。その使用料は浦添市が9割、防衛施設局が1割を負担しております。西海岸道路が完成するまでとなっておりますが、もうすぐ組踊劇場もオープンすることになっておりますし、那覇港湾整備事業も始まります。交通渋滞は火を見るよりも明らかであります。キャンプ・キンザー内の勢理客から牧港までの道路を共同使用することによって流通業の迅速化や効率化はより図られるのではないでしょうか。
 交通渋滞による損失が約1600億円とも言われますし、そのほとんどがこの浦添市内の国道58号に起因していることは御承知のとおりであります。キャンプ・キンザー内の勢理客から牧港までの共同使用について頑張っていただきたいと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 那覇港湾計画改訂について。
 県民の願いでありました那覇港管理組合が稲嶺知事の強いリーダーシップによって昨年4月にスタートしております。いよいよ21世紀に自立する沖縄県経済構築のために那覇港湾の改訂がなされようとしております。県民に喜ばれるような改訂にして立派なインフラ整備をしていただきたいと思います。
 那覇港は、古くから沖縄県の物流、人流の拠点として沖縄県経済の発展のため重要な役割を果たしてきたのは御承知のとおりであります。21世紀はこのような重要な役割を果たしながら、沖縄振興計画にありますように国際航路ネットワークを構築し、国際トランシップ港湾として中継コンテナ貨物の取り扱いを促進し、国際物流関連産業などの新たな産業拠点を形成し、民間主導の自立型経済を発展させるためのインフラとして整備することになっております。また、観光産業に貢献するために国際クルーズ船基地やコースタルリゾート地を形成することになっております。
 このような大きな夢の持てるすばらしい計画が策定されておりますが、去る2月12日の那覇港地方港湾審議会において決定されました那覇港湾改訂計画図面によれば、この計画を実現するにはほど遠いような感じがいたします。
 知事、浦添市側の図面はごらんになったと思いますが、やたら軍港が目立っているように見えませんか。これがその図面です。(資料を掲示) 県民や浦添市民は、立派な民港を整備して、その一画に軍港があるのが望ましい姿だと思っております。県民から喜ばれる改訂をしていただきたいと思いますが、次の質問をいたします。
 (1)、この改訂計画の整備期間は何年ですか。
 (2)番、この計画期間中の軍港の整備はどうなりますか。
 (3)番、軍港のそばのバースの行方はどうなったんですか、御説明ください。
 3番、市町村合併について。
 国は、地方分権の推進や少子・高齢化の進展、財政の著しい悪化等により市町村の行政サービスが懸念されることから、行政サービスを維持し向上させるためには市町村合併は不可欠であるということで、現在ある3200余の自治体を約1000を目標に推進しております。全国の市町村を1000にすることになれば、沖縄県に対しても数の目標を提示されたと思いますが、沖縄県は目標を持っていらっしゃるのですかどうかお伺いいたします。そして次の質問をお伺いいたします。
 (1)、市町村合併の進捗状況と市町村合併によるメリット・デメリットを説明ください。
 (2)、議会議員の取り扱いについて御説明ください。
 (3)、職員の身分の取り扱いについて御説明ください。
 (4)、県議会議員や県に対してどのような影響があるか、あれば御説明ください。
 4番、伊良部架橋について。
 この件については機会あるごとに取り上げさせていただいておりますが、伊良部架橋が伊良部町の離島としての苦しみである医療や教育等もろもろの問題を解決し、宮古の産業振興に大きく貢献することは間違いありません。
 平成16年度着工に向けての諸調査が実施されており、着工準備調査は15年度に完了予定と聞いております。環境影響調査も実施されておりますが、モズク漁者の皆さんからモズク漁に大きな影響が出るのではないかという懸念もあるようです。伊良部架橋建設でこのような懸念される諸問題等が起こらないためにも、環境影響評価の調査をきちっとやってもらって宮古郡民から喜ばれるような、そして将来悔いを残さないような立派な架橋建設をしてもらいたいと思います。
 そこで次の質問をいたします。
 (1)、伊良部架橋の進捗状況と今後のスケジュールについて。
 (2)、平良市側の海中道路案が架橋案に変更して伊良部架橋技術検討委員会に提出されておりますが、変更の理由を御説明ください。
 (3)、現在の平良市側の海中道路案でモズク漁に大きな影響が出るのであれば、解決策として与那城町にある海中道路方式でカルバートボックス等を設置し海流をよくすることによってモズク漁を守ることはできないかどうか、シミュレーションしたことがあれば説明ください。
 5番、我が党の代表質問との関連について。
 (1)、松くい虫の駆除に頑張っている農林水産部の皆さん、御苦労さまでございます。県木であるリュウキュウマツはぜひ予算措置をしていただいて守っていただきたいと思います。皆さんだけでなく県民がともに駆除に参加していただければ、よりよい効果が出ると思います。松に触れる機会があればもっともっと松を大事にし、松に対する愛着心も出ると思いますので、次のことを提言したいと思います。
 私は、嘉数出納長の胸に松でつくったネームプレートを拝見したことがあります。このネームプレートを県庁職員や市町村の職員が使用することになれば、県民の松に対する認識も変わってくるのではないかと思います。
 そこで質問いたしますが、松でつくったネームプレートの県庁職員の使用について知事と農林水産部長の御所見をお聞かせください。
 (2)、2010年度に実施される高校総体に向けて施設整備がなされると思います。水泳競技には短水路、長水路等の競技方法があるようですが、このインターハイにはどの競技方法が採用されるんですか。
 沖縄県には短水路用の小さな屋内競技場はありますが、長水路用の屋内競技場はありません。その競技場整備の計画をお聞かせください。
 あとは答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 池間淳議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、地位協定改定の取り組みについてお答えいたします。
 政府は、日米地位協定の見直しについて運用の改善により機敏に対応していくとの方針を示しておりますが、県としては、運用の改善では限界があることは明らかであり、同協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。
 日米地位協定をめぐっては、衆議院外務委員会及び衆参両院の沖縄・北方問題特別委員会において、また昨年本県で開催された全国知事会議や日本弁護士連合会において日米地位協定の見直し決議が採択されるなど、日米地位協定の見直しを求める動きが広がりつつあります。
 また、去る2月12日には自民党の国会議員の有志で構成する「日米地位協定の改定を実現し日米の真のパートナーシップを確立する会」と米軍基地を抱える渉外知事会の知事等との意見交換会が開催されましたが、このような取り組みは日米地位協定の抜本的な見直しに向け大きな力になるものと期待しております。
 県は、見直しを求める国民全体の盛り上がりが地位協定見直しの実現につながっていくものと考えており、今後ともあらゆる機会を通して日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
 次に、伊良部架橋の進捗状況とスケジュールについてお答え申し上げます。
 伊良部架橋は、平良市久松と伊良部町池間添を結ぶ延長約4.4キロメートルの離島架橋であり、着工準備調査として平成13年度から橋梁予備設計、環境影響評価方法書作成及び技術検討委員会などを実施しております。現在、架橋ルートの橋梁区間と埋立道路区間の検討を行うとともに、最適な橋梁タイプの絞り込みや環境に関する調査などを進めており、地元及び関係機関と調整を行いながら条件整備を図っているところであります。
 今後のスケジュールとしては、平成15年度に環境影響評価準備書及び評価書に関する調査や手続などを行い、地元の合意形成など条件整備が整い次第、新規事業採択要望を行っていきたいと考えております。
 次に、県職員の名札を県木であるリュウキュウマツ材でつくったらどうかとの御質問にお答えいたします。
 リュウキュウマツは、沖縄らしい景観を形成するとともに、木目の美しさから木材資源としても重要な役割を果たしております。県としましては、この県木であるリュウキュウマツを松くい虫から守り、潤いと安らぎのある「美ら島沖縄」づくりに取り組んでいるところであります。
 御提案のリュウキュウマツを活用したネームプレート等の制作・普及については、本県の小木工製品の育成を図る上から推進してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 基地内道路の共同使用についてにお答えいたします。
 県は、県民の通勤・通学等生活の利便性の向上や経済活動の円滑化を推進する観点等から、一般車両の基地内道路の通行についてこれまで軍転協や渉外知事会を通して日米両政府にその実現を強く要請してきております。基地内道路の通行については、緊急車両の通行が平成13年に実現しておりますが、基地内道路を一般車両が通行するに際しては、米軍施設・区域の管理・運用上の問題など緊急車両の場合以上にクリアすべき課題が多いと考えております。
 県としては、一般車両の基地内道路の通行については、浦添市に見る基地内道路の共同使用の例も参考にしながら、引き続き日米両政府に対しその実現を働きかけていきたいと考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 那覇港湾改訂計画について、計画期間と軍港予定地域の隣接地の計画についての御質問にお答えいたします。
 現在、那覇港管理組合が作業を進めている平成20年代後半を目標年次とした那覇港の港湾改訂計画案においては、当面、早期整備及び供用が可能な新港埠頭地区でトランシップ貨物を取り扱うこととしております。
 浦添埠頭の高規格コンテナバースについては、浦添埠頭地区の防波堤など先行的な施設の整備に時間を要すること、新港埠頭地区でのトランシップ貨物取り扱いの進捗状況を踏まえる必要があることなどから、将来構想を意味する点線計画として位置づけているとのことであります。
 なお、点線計画は港湾計画に定められる事項とは区別される参考表示でありますが、計画の目標年次前に目標となる貨物需要が顕在化するなど、各種条件整備が整えば一部変更の手続を経て港湾計画に定めることができるとのことであります。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 合併に関する御質問にお答えをいたします。
 県としまして、合併に当たりまして合併推進要綱を提示いたしておりまして、合併パターン12の基本パターンを提示したところでございますが、市町村合併は地域の自主的・主体的な取り組みで進めるということにしておりますので、数値目標ということは特に定めておりません。パターンを示しているところであります。
 最近の動きといたしましては、宮古地域での法定協議会、それから具志川・与勝地域における法定協議会の設置、それから八重山地域の任意協議会、宜野湾周辺地域での協議会、それから本島南部地域、那覇周辺離島地域等で任意協議会が設置されているところであります。
 このほか、沖縄本島北部、中部、南部地域の複数の市町村においても合併協議会設置の動きが出ているところでありまして、県としましては、財政上、制度上のさまざまな支援策が盛り込まれております合併特例法の期限である平成17年3月までの間に多くの市町村で合併が実現するよう、市町村の自主性、主体性を尊重して本県の地域特性にも十分配慮しながら市町村合併を積極的に進めているところであります。
 次に、合併する市町村のメリット・デメリットについての御質問にお答えをいたします。
 一般的な合併の効果といたしまして、広域的な視点に立った効果的なまちづくりの展開や行政サービスの維持・向上、行財政の効率化と財政基盤の強化などが考えられます。
 一方、合併に際しまして周辺部が取り残されるのではないか、住民の意見が反映されにくくなるのではないか、また地域の特徴や個性がなくなるのではないかといった懸念が挙げられますが、これらにつきましては、市町村建設計画を作成するに当たり、同計画の中でバランスある地域の発展を図ることや、地域住民の声を反映させることなどで解消されるものと考えております。
 各地域における個々具体的な合併のメリット・デメリットについては、合併協議会において各種住民サービスの水準や使用料・手数料等の住民負担などの協議を進めていく中で整理され調整がなされていくものであると考えております。
 次に、議会議員の取り扱いについての御質問にお答えをいたします。
 市町村の合併が行われた場合には、新設合併であれば旧市町村の議会の議員はすべて身分を失い、新設される市町村において設置選挙が行われることとなります。編入合併であれば、編入される市町村の法人格が消滅するので当該議会の議員はすべて身分を失うこととなります。このため、合併特例法では、激変緩和措置として同法第6条及び第7条で定数または在任期間に関する特例措置を定めております。
 新設合併の場合においては、合併関係市町村の協議により定数特例として設置選挙の際、当該選挙により選出される議員の任期相当期間に限り地方自治法に規定する上限数の2倍の範囲内でその議会の議員の定数を定めることができます。また、在任特例としては、選挙を行わずに旧市町村の議員全員が合併後も2年以内は引き続き新設される市町村の議員として在任することができます。
 一方、編入合併の場合におきましては、定数特例として、編入された旧市町村の区域で選挙区を設けて増員選挙をすることができ、さらに次の一般選挙までは増員された定数で選挙を行うことができます。また、在任特例としては、選挙を行わずに旧市町村の議員全員が編入先の残任期間は在任することができ、その後最初の一般選挙においては、編入された旧市町村の区域で選挙区を設け、一定の算定方法により定数増を行った上で選挙を行うことができることとなります。
 また、同法では議会議員の退職年金に関する特例も定めており、在職期間が8年以上12年未満でありましても在職期間の要件を満たしているものとみなされます。
 次に、職員の身分の取り扱いについての御質問です。
 合併特例法第9条第1項において、「一般職の職員が引き続き合併市町村の職員としての身分を保有するように措置しなければならない。」と定められており、また同条第2項におきましては、「合併市町村は、職員の任免、給与その他の身分取扱いに関しては、職員のすべてに通じて公正に処理しなければならない。」と定められております。このため、新設される市町村が消滅する市町村の一般職職員を引き継ぐこととなります。
 次に、県議会議員や県に対してどのような影響があるかという御質問にお答えをします。
 公職選挙法では、「議員の選挙区は、郡市の区域による。」こととされており、郡市の区域に変更が生じた場合は、それに伴い選挙区も変更されることになります。しかしながら、同法の規定にかかわらず合併特例法では、合併の後に行われる最初の一般選挙においては従前の選挙区とするか、または合併市町村が従前属していた郡市の区域を合わせて1選挙区とすることが特例として認められております。
 また、県に与える影響としては、個別法に基づく市町村単位の地域指定や広域の圏域及び出先機関の所管区域の見直しなどが考えられます。
 また、市町村合併により新設される市町村が一定程度の規模、能力を備えることによって県から市町村への権限移譲がさらに進むものと考えられます。
 以上であります。
○土木建築部長(安慶名正行) 伊良部架橋についての、平良市側海中道路案の変更理由についてにお答えいたします。
 平良市側の海中道路案については、平成11年度に地元関係者等で構成された「伊良部架橋調査検討委員会」で人と自然の触れ合い活動の場を創出し、観光資源としての利活用が図られる等の理由で海中道路案が提案されております。
 その後、詳細な調査検討を行ったところ、海中道路案については自然環境や水産資源への影響が懸念され、また伊良部大橋の環境影響評価方法書に対しても自然環境への影響について十分検討するよう意見が出されております。
 このようなことから、県としては平良市側海中道路について自然環境への影響の軽減、景観性等の総合的な観点から比較検討を行い、橋梁案が望ましいとして「伊良部架橋技術検討委員会」幹事会に提案したものであります。
 なお、橋梁案への変更については、3月上旬に開催される「伊良部架橋技術検討委員会」で審議される予定であります。
 次に、ボックスカルバートを設置した場合のシミュレーションについてにお答えいたします。
 平良市側海中道路の計画に当たっては、潮流のシミュレーションを行ったところ、ボックスカルバートの設置により流速の変化によるモズク漁への影響は少ないという結果になっております。
 しかしながら、モズク漁等への影響については、潮流以外の海水温度、海底底質などの環境要因も関与していると考えられ、モズクの生育条件の特性については十分解明されていない状況にあります。このようなことから、モズク漁への影響の度合いについては潮流シミュレーションによる評価だけでは不確定な面があり、判断することは困難であると認識しております。
 以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) リュウキュウマツの素材を活用した県職員等の名札の制作・普及についての御提案にお答えをいたします。
 県木のリュウキュウマツは、白砂青松など風致林として古くから県民に親しまれている樹木であります。リュウキュウマツは、建築用材や小木工材としても評価が高いことから、松くい虫の被害木についても有効利用を図っているところであります。
 御提案のリュウキュウマツを活用したネームプレート等の制作・普及については、本県の小木工製品の育成を図る上から推進してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○教育長(津嘉山朝祥) インターハイの水泳競技についての御質問で、競技方法及び水泳プールの整備計画についての御質問にお答えをいたします。
 全国高等学校総合体育大会の競泳種目は、50メートルの長水路で行われます。
 平成22年度に本県で開催予定の全国高等学校総合体育大会の水泳競技につきましては、大会運営の関係上、競泳、水球、飛び込みの3種目を同時日程で開催することとなります。現在、本県には公認50メートルの水泳プールが奥武山総合運動場に1基、県総合運動公園に1基、また公認飛び込みプールが奥武山総合運動場に1基ございます。
 奥武山総合運動場水泳プールにつきましては、地盤沈下等による施設の劣化が進んでいるため、現在、耐久度等の調査を行っているところであります。平成15年度におきましては、当該調査の結果を踏まえ、外部有識者を交えた委員会を設置をし、高校総体の開催を見据えながら、移転・新築または改築等を含めた水泳プールの整備について検討する考えであります。
 以上でございます。
○池間  淳 ちょっと休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時36分休憩
   午前10時37分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) お答えいたします。
 代替施設の建設スケジュール等についてにお答えいたします。
 去る1月23日の第4回那覇港湾施設移設に関する協議会において防衛施設庁から、代替施設は、現在の那覇港湾施設の約57ヘクタールから約35ヘクタールに縮小されて浦添埠頭地区の北側区域に移設されることなど位置及び形状案が示され、那覇市、浦添市ともに了承したところであります。
 代替施設等の施設建設スケジュール等については明らかになっておりません。
○池間  淳 知事、私が心配しているのは、実は当初こういう民港を──この赤も含めた緑のところ(資料を掲示)──整備をしてその横に軍港を置こうというふうな計画がなされてきたんじゃないかと思うんです。これがいつ計画決定が変更されたのかどうかわからないんですが、実はこの形になってしまっているんです。(資料を掲示) 本当に軍港の中に民港があるような感じがするわけなんです。ですから15年度、今、企画開発部長は平成20年度の後半までということを説明しておりますが、約15年間の計画になるわけなんですが、その計画にはのっていないんです。ですから、いつ、どの時期でこの消滅したところは復活してくるかというふうなことを聞いておりますから、そのあたりについて県民が納得いくような説明をしていただきたいと思います。
 それから浦添市の道路の件でありますが、浦添市はもう平成5年から共同使用をやっております。これはしかも沖縄県のこの流通網の充実・強化を図るというふうな目的で財政の厳しい浦添市がこの使用料、しかも道路の建設も1億3000万、そして今までの使用料が約7000万、もう2億2000万近くの出費をやっているわけなんですが、この件については私は県が持ってもいいんじゃないかと、県が負担してもいいんじゃないかなというふうに思っているんです。これは沖縄県の流通業の充実・強化ですから、そのあたりについての県の所見を聞かせていただきたい。できたら浦添市の負担を削減させるためには一日も早くあの西海岸道路の共同使用ができないかというふうなお願いもやっているわけですから、再度答弁していただきたいと思います。
 それから知事、この地位協定の見直しについては従来の要請では到底難しいんじゃないかなというふうに思っております。
 まず、先ほど人頭税の廃止運動を述べさせていただきましたが、これは東京でも大変な苦労があったようです。中村十作氏の太い人脈によってマスコミを活用することができて世論に強く訴えることができたそうです。そしてまた、国会議員を通して帝国議会を動かすことによってこれは見事に解決をしているわけなんですが、知事はこの地位協定の改定に向けての県民大会はタイミングを見てやりたいというふうな答弁をやっておりますが、私は、今朝鮮問題等が大きくクローズアップされている中で、日本の防衛問題が全国民から注目されていると思います。私は今こそ沖縄県民の基地による苦しみを全国民に訴えて基地の問題を全国民へ認識させる大きなチャンスじゃないかなというふうに思っているんです。
 ですから、地位協定改定に向けてのタイミングは今じゃないかというふうに私は思っておりますが、県民大会を行うことと、そして沖縄県民だけの問題じゃないというふうなことで各都道府県の首長にあるいはまた議会に対してこの日米地位協定の改定決議をやってもらうような要請をしてみたらどうかと。これは全国民からやはり防衛の問題は日本の防衛だと、沖縄県だけの問題じゃないというふうなことを認識させるためにも僕は今が一番チャンスじゃないかと思っているんです。その件について再度知事の御所見をお願いしたいと思います。
 伊良部架橋については、次、砂川県議(郡区選出)が詳しくやるそうですから、これは割愛をします。
 市町村合併の(4)番についてちょっとお聞きしたいんですが、この県議会議員に対しての影響、これは今任意合併協議会と法定合併協議会があるわけなんですが、この協議会を設置することによってこの選挙区、これについてどういうメリット・デメリットがあるのか、それについてはわかりますか。わかっているんであれば説明願いたいと思います。
 例えば名護の方は国調によると、国頭郡区が48なら1減、それから南部の方が1増というふうなことになっているんですが、この合併協議会等の設置によってその点は変わってくるのかどうか、そのあたり説明を願いたいと思います。
 それから県の問題なんですが、県の出先機関、例えば宮古が今6市町村あるわけなんですが、6市町村の合併が実現することになれば宮古支庁はどうなるのか、全く関係ないのかどうか。今までの従来どおりの宮古支庁の機能であるのかどうか。それと八重山も一緒なんです。そういうことの変化はないのかどうかについて、県議会の議員と県に対する問題はないのかどうかを聞いておりますから、そのあたりについて御説明願いたいと思います。
○渡久地 健 議長。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時45分休憩
   午前10時45分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 池間 淳君。
   〔池間 淳君登壇〕
○池間  淳 訂正をさせていただきます。
 国調によれば今の定数48であれば国頭郡区1減、そして島尻郡区が1増というふうなことになっております。先ほど名護市と言ったようでありますから、訂正をさせていただきます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時46分休憩
   午前10時49分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 池間淳議員の再質問にお答えいたします。
 最初は、地位協定の問題ですけれども、地位協定の問題というのはこれは国家間の問題であり、大変重要な問題であります。そのために政府を動かすためには、これは国民全体の力強い支持、そして多くの国会議員の大変な支持が必要であると考えております。
 その意味で、初めて私の時代になってから積極的に取り組んだ結果、先ほど申し上げましたけれども、衆議院の外務委員会あるいは全国の知事会、あるいはいわゆる沖特委の附帯決議等、弁護士会等出てまいったわけです。そして特に大きかったのはやはり2月に行われました国会議員の有志、これは本人だけでも約50名近く出席しましたし、代理を入れると100名を超える多くの方に出席いただきまして渉外知事会との意見交換会を図ったわけです。やはり全体のそれだけの強いバックアップがないとなかなか進みません。その意味でこれからもこのような流れをさらに進めるようにしていきたいと思っております。
 それと同時に、当然県民大会の方のお話の御指摘がございましたけれども、やはり県民大会で一番重要なのは各界各層を網羅した全県的な取り組みというのが大変必要であると思っております。
 そこで私もここでも申し上げましたけれども、平成7年の県民総決起大会というのは、これは私は大変に大きな動きであったと思います。このときのちなみに構成その他を申し上げますと、県議会全会派が提起して取り組みがスタートし、県議会議長を実行委員長として53市町村と各議会、主要な経済、労働、市民団体など320団体から成る超党派の実行委員会が組織され、その結果、多数の一般市民が参加した画期的な大会が実現したものというふうに考えております。
 その意味で、県民大会を開催することについてはより効果的なタイミングをはかることが大切であり、県民各層の盛り上がり、それを十分に考慮しながら進めていきたいと思っております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 再質問にお答えいたします。
 平成11年度策定の那覇港国際流通港湾計画素案においては、平成30年代後半も含めた長期構想として新港及び浦添両埠頭でトランシップ貨物を取り扱うための岸壁を位置づけております。これがこの11年度の全体の中では浦添も全部記されております。(資料を掲示) 
 現在、那覇港管理組合が作業を進めている平成20年代後半を目標年次とした那覇港の港湾改訂計画においては、当面、早期整備及び供用が可能な新港埠頭地区でトランシップ貨物を取り扱うこととしております。
 浦添埠頭の高規格コンテナバースについては、浦添埠頭地区の防波堤など先行的な施設の整備に時間を要すること、新港埠頭地区でのトランシップ貨物取り扱いの進捗状況を踏まえる必要があることなどから、将来構想を意味する全体計画として位置づけしているとのことであります。
 なお、点線計画は各種条件整備が整えば一部変更の手続を経て港湾計画に定めることができるということでありまして、(資料を掲示) この港湾改訂計画の中では先ほど議員のおっしゃる絵がこういった形になっております。
 以上であります。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
 共同使用している牧港補給地区の状況については、県としても十分承知しております。
 予算の件につきましては、浦添市と連携しながら那覇防衛施設局で対応できないのか申し入れをしたいと考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
 先ほど御説明したとおり、御答弁したとおりでございまして、公職選挙法では議員の選挙区というのは「郡市の区域による。」こととされておりまして、郡市の区域に変更が生じた場合──合併によってです──は、それに伴い選挙区も変更されることになります。議員の数は人口によるんですけれども、区の、要するに選挙区の設定自体は、郡市の区域に変更が生じた場合はそれに伴い選挙区も変更されます。
 しかしながら、同法の規定にかかわらず合併特例法では、合併の後に行われる最初の一般選挙においては「従前の選挙区によるか、または合併市町村が従前に属していた郡市の区域を合わせて一選挙区を設けること」、これが特例で定められておりますので、どちらかを議会の方で条例を設定をして選挙区の特例をとるか、とらないかという決定ができるということです。(「市町村でしょう」と呼ぶ者あり) 県議会の今お話でございます。市町村も同じように、市町村は市町村の区域の選挙区をどうするかということは市町村の条例で設定をすることになるかと思います。
 それから、県に与える影響で、合併をしたときの市町村単位の地域指定、広域の圏域及び出先機関の所管区域の見直し、これは当然のように見直しが必要になるということでございます。
○総務部長(當銘直通) 合併に伴う支庁はどうなるのかとの質問にお答えいたします。
 市町村合併に伴う宮古・八重山支庁の組織をどうするかについては、合併の推移を見ながら今後検討してまいります。
 以上でございます。
○池間  淳 知事、日米地位協定の改定に向けての努力は高く評価をいたしますが、国会議員もようやく腰を上げたばかりでありますので、これは国民が世論がやはりこの地位協定の改定を世論から高めていくことが大事でありますから、私は各都道府県の首長にお願いし、あるいはまた議会にお願いをして、そこで取り上げてもらうような方法も大きな世論の喚起になるんじゃないかなというふうに思っておりますから、再度答弁をお願いします。
 それから要望なんですが、これは議長に対して質問することはできないんですが、ぜひ県民大会を皆さんの意見を聞きながら、各会派の意見を聞きながら、その方向に持っていけないものかどうかについて要望いたしまして、質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) ただいまの池間議員の再質問にお答えいたします。
 地位協定の改定に当たっては、これは全国的な盛り上がりが大変重要でありますので、ただいま御指摘のございました各県、県議会、と申しますのは、知事会議においては全国的に決議が行われているわけですけれども、各県あるいは地方の議会においては行われておりません。その意味では、今後これを前向きにこちらでもっては検討いたしまして、ぜひそういう全国的な盛り上がりに進むような方向で努力をしたいと考えております。
○安里  進 おはようございます。
 今、世界の注目はイラク攻撃の問題だと思います。
 私は、58年前地上戦を体験した沖縄県民の一人として絶対に戦争は避けるべきだと思います。戦争で犠牲になるのは、いつの世にも弱い者ばかりで子供や一般市民なのです。私は、国連がもっとしっかりと話し合い、平和裏に解決できるよう働きかけるべきであり、イラク攻撃は絶対に避けるべきであります。特に、日本はアメリカによって核兵器である原爆を世界で初めて使用された国であることを忘れてはなりません。イラク攻撃は何が何でも避けるべきであることを宣言し、一般質問に入ります。
 1番、金融特区の充実に向けた県の取り組みについてであります。
 金融業務特別地区制度は、新沖振法に基づく制度で沖縄地域の振興を目的としております。地方構造改革特区は、規制改革を進め、地域特性の活用と民間活力を発揮させ、我が国経済社会の活性化を図ることを目的としております。名護市としては、我が国唯一の金融特区指定を地域の最大の特性と位置づけ、これに構造改革特区の規制改革を加えて相乗効果の発揮をねらっております。このことによって特区制度が沖縄県の成長エンジン及び我が国並びにアジア地域の経済社会の発展に大きく寄与できると期待しております。このため、構造改革特区の第2次分として「金融テクノロジー開発特区」を再提案してその実現化に向け万全の対策を講じる必要があると思うが、そこで以下の質問をいたします。
 (1)、構造改革特区で2次分として「金融テクノロジー開発特区」を再提案しているが、どうなったか。その中でも特にキャプティブ保険、パスダック構想について県はもっと積極的に働きかけるべきと思うがどうか。
 (2)、金融テクノロジー開発特区は、構造改革特区のスキームに従い名護市の独自提案であるが、その内容が国の金融対策に係るものであり、産学官連携による幅広い活動を展開する必要があると思うが、その取り組みについてはどうか。
 (3)、企業誘致を効果的に進めるためには、県の企業誘致及び雇用に係る施策・事業と名護市の立地条件整備事業を統合させ、立地インセンティブを高めることが重要と考えるが、どうか。
 (4)、通信インフラの整備については、平成14年度からスタートした県の情報ハイウエー構想に基づく通信料金の低減化策との役割分担を明確化する必要があると思うが、どうか。
 (5)、人材育成事業については県と名護がタイアップして取り組むようだが、金融及び情報特区においては相当数の若年者の雇用が見込まれており、人材については北部地域にとどまらず、中部、南部を含めて全県的に取り組むことが求められており、国、県及び名護市の事業と十分に連携する必要があると思うが、どうか。
 次に2番、農業行政についてお伺いいたします。
 農家負債、再出発の支援についてであります。
 「百姓は生かさず殺さず」は昔のことと思っておりました。ところが、今日でも借金苦から生き続けられずに自殺する農業者がふえております。お上の勧める補助事業で新たな農業に挑戦した者も多い。その際に補助残の自己負担分を借り入れしたが、自由化、国際化で輸入農産品がふえて収支が悪化し、台風等の被害があると返済が滞り、その利息、損害金が借入元金に加算されてふえ、今では農業収益では返済困難な借入残高になっております。国の方針もあって農協も不良債権処理を急ぎ、農地等の競売も迫り農家は糧道を断たれようとしております。
 北部の農業先進地で花卉農家が借金取り立て話の後、自殺したといいます。野菜農家が畑で自殺、ラン農家がビニールハウスで自殺したということ等々ないしょにはしているが、農家は我が事のように感じているのであります。また、農業施設を放置して夜逃げ、出稼ぎに出たり、土地改良した畑に売地の看板が立ち、電柱に売畑の張り紙もあります。
 農家の皆さんと懇談すると、農業に熱心な者ほど深い傷を負って苦しみ、早目に農業をあきらめた者は傷も浅く助かったといいます。
 借入者としては、返済のために自分の農地等が競売されるのはよいが、保証人である親戚、友人に迷惑をかけることが心苦しくて生きた心地がしないといいます。農業者には職を失っても失業保険金や退職金もなく、保証人へのおわびだけが残る者もおります。新聞報道の企業の再建策を見ると、銀行が負債の一部を放棄して再出発を支援しています。
 農協は、農家の再出発のために負債の一部を放棄して支援することは考えられないのか。旧やんばる農協は、不良債権処理のために全国支援もあったのに、それは農業者には恩典がなく、農協だけが恩典を受けるのかと農家の皆様は畳みかけております。農協では貸した金が返されて金融が成り立ち、未返済者が得することは許されないと考えるだろう。それゆえか農協の対策は、既往債務を毎年減少させる場合は営農継続を支援すると、完全返済を目指して債権の一部放棄はない。未収利息に計上していない利息、損害金は減免するが、計上した遅延損害金は取るようだ。
 支援策としては、利子補給と償還期限の延長を考えているようであります。その案では、農家は既往債務の荷の重さで沈没するおそれがあります。
 借入者の農地を競売して債権が残る場合でも、全国支援金等で個別貸倒引当金が手当てされているものは債権を放棄して農家の再出発を支援してもらいたいが、どうなのか。
 競売の農地は、農業開発公社が取得して前農家に小作料前払いで賃貸して営農と生活を維持・継続させ、その農家に返済能力がついたときに競売価格で譲渡することについてはどう思うか。
 農家は、「借金を返す者は信用を倍にする」という格言を守り、農協事業は農協栄えて農家亡ぶにならないよう県、市町村の協力を得て破格の支援策を考えてもらいたいが、知事の決意をお伺いしたいと思います。
 次に(2)番目、畜産振興についてであります。その中でも名護市食肉センターについての県の行政支援についてであります。
 近年の沖縄県における食肉流通をめぐる環境は、急激な国際化の進展、価格の長期低落傾向、新たな衛生基準の設定等厳しい状況にあります。加えて最近の世界貿易機関(WTO)ハービンソン議長の発言で農産物関税率を最低で25%から45%の削減のおそれがあり、深刻な問題であります。
 沖縄県の北部地域における農家所得の畜産の占める割合は4割強で重要な地域産業であり、特に中南部の都市化によって北部地域にシフトしてきており、その傾向は継続するものと思われます。中でも豚の生産は県内の35%が北部地域で産出されているが、北部地域における屠畜の状況は全体の5%程度が処理されているが、均衡のとれた屠畜場の整備が急務となっております。
 また、豚肉やヤギ肉は長寿県沖縄の食文化の代表的な食材であり、北部地域経済の重要な役割を担っており、今後ともその生産振興に取り組む必要があります。
 また、北部地域が目指すべき将来方向で雇用機会の創出に向けた産業振興が喫緊の課題となっており、今後ともその生産・加工・流通基盤を整備し、付加価値を高め、競争力の強化や需要喚起を推進し、畜産の拠点産地の形成を図り、均衡ある経済発展に資するため食肉加工処理施設の拡充・整備を図る必要があります。しかし、食肉処理施設の運営においては名護市はそのノウハウがなく、また運営等に必要な財政力も乏しいことから、民間活力を生かして自主・自立の健全な運営を図る必要があります。
 本島北部地域は今後畜産の伸びが期待されておりますが、消費者がよりレベルの高い安全かつ衛生的な食肉をさらに求めてきている中で、本県の脆弱な処理業者のみでの高度な衛生処理施設の整備は困難な状況にあり、北部地域の畜産振興を図る上で県の支援が必要であると思いますが、そこでお伺いします。
 ア、土地賃貸料について。
 現在、年間2688万円で賃貸の予定だが、できれば沖縄県で購入して安い料金で賃貸借できないものか。また、沖縄県が購入できないならば何か別の策はないものか、お伺いします。
 イ、協業組合運営について。
 屠畜数が現在の計画では年間12万頭の積算根拠が協業組合から提出されているが、12万頭での計算では経営が成り立たない。屠畜行政の範疇で沖縄県に屠畜数の調整を行う必要があるが、どうか。
 ウ、豚飼育頭数の拡大について。
 最近の飼育頭数については、下降減少が続く中、平成16年11月以降に施行される「家畜排泄物法」(俗称)に伴う生産農家の減少等は、今後の屠畜行政においても重大な影響を与えるので、生産供給体制の確保が急務となっています。沖縄県は、新振興計画で平成22年には47万頭の生産体制を確保しているが、目標達成はできるのかどうか、お伺いします。その対策はあるのかどうか。
 エ、豚肉販売に係る流通及び販売拡大について。
 現在、豚肉の県内需要は26万から27万頭と言われ、自給率は100%をはるかに超えており、県外へ移出する豚については基金公社から補助金をつけて移出計画が実施されております。これからますます豚屠畜数が要求されていることなどから、今後の県外移出に向けての取り組みは重要な課題と思うが、銘柄、ブランド計画はないか。
 オ、畜産農家の支援体制について。
 これからの畜産農家支援については、排せつ物の問題や豚肉生産に絡む需要・供給の問題、生産地域の基盤確立等々さまざまな角度からの支援体制が必要であり、沖縄県においても重要な産業の一つである畜産業については、県の広域行政においても喫緊の課題と思うが、広域圏の取り組みを県はどう取り組んでいくのかお伺いいたします。
 教育行政について。
 北部僻地・小規模校研究所の設置についてお伺いします。
 全国的に経済活動の都市地域への集中で、北部地域も例外ではなく人口の過疎化が進んでおります。その現象が顕著にあらわれているのが学校現場であります。最近、楚洲中学校に浦添から1人転校してきたのでやっと中学校の廃校が免れた。国頭村では、僻地の6中学校が2004年に国頭中学校1校に統合されることになっている。その他の今帰仁村などでも同じ傾向にあります。
 さて、こうした僻地教育の現状を憂い、嘆き悲しむだけでは一歩も前進しません。私は、僻地教育の充実の面から僻地教育センター的な研究所の北部への設置を要請するものであります。
 この僻地教育というのは、教師が複合・複式授業をするなど、都市地域の大規模校と違って教師の苦労も並大抵ではありません。生徒が少ないのでつい勉学に切磋琢磨する意欲が見られなかったり、共学学習ができないなどいろいろな問題、課題を抱えていることも十分承知しております。また、一面では教師の教育技術などの力量が問われることも確かであります。
 教育は、国の百年の大計を築く面からも重要な政治・行政の施策であることは言うまでもありません。一般に僻地校には新米教師を派遣しがちであることも事実であります。その反面、都市地域と違って僻地には塾はありませんので、学校教育ですべて実力をつけなければならないという実情があります。その分、余計に教師への教育技術的な負担、精神面の負担が募ってまいります。
 こうした実情を考えますと、教師の研修がどうしても必要になりますので、センターの設置は当然なことになります。もちろん教師の熱意、情熱も欠かすことができません。
 ところで、国頭教育事務所管内の僻地校は小学校で20.5%、中学校で21.1%、併置校で80%、全体では32.9%にも及ぶ高い数値を示している現状にあります。また、僻地校ではないが、小規模校のため複式授業を展開している学校もあり、授業の形態が多様化している状況にあります。また、沖縄県・九州・全国僻地教育研究大会の開催が国頭地区で過去3回も開催されており、それに向けて研究の充実を図る必要があります。
 このような状況を踏まえ、僻地教育の充実、小規模校の複式授業の指導方法の改善等の研究、個々に応じた指導方法のあり方、資料作成等は重要であり、その充実を図る研究所の設置が望まれますが、教育長の積極的な取り組みについての御見解をお伺いします。
 4番、医療行政についてであります。
 (1)、北部地域の医療体制の強化について。
 県立の病院事業は、7つの病院と18カ所の附属診療所を運営し、県民の健康保持に必要な医療を提供するため多様化する医療ニーズにこたえ、救急医療、特殊医療、離島・僻地医療を担当し、その使命とする地域医療水準の向上に努力していることはしかと理解しているところであります。
 しかし、地域によって医療格差があるのもまた事実であります。北部地域は、沖縄県本島面積の61%を占める広域な地域であります。その中にあって、県立である北部病院のスタッフは北部地域の医療に一生懸命頑張っているが、他の県立病院に比較すると診療科目が少なく中部病院まで行かなければならない。救急になると中部病院に搬送されるまで間に合わず、途中で亡くなった例もあります。
 また、医師の数からしても平成元年と平成13年を比較すると他の病院と病床数は変わらないけれども、北部病院以外は全部増員されている。北部病院の医師の不足は、医師の激務と名護市夜間急病診療所への派遣も重なり、大変な激務で今回2人の医師がやめるという事態に発展し深刻な問題であります。これでは医療の均衡ある行政とは言えません。北部振興の中でも医療、教育は定住条件整備の最も重要な施策に上げられなければなりません。
 そこで、県立北部病院の充実・強化が今大変重要と思うが、知事のこの問題の取り組みについてお伺いします。
 (2)番、次に名護市夜間急病診療所の県立北部病院への業務移管についてお伺いします。
 沖縄県は、保健医療計画の救急医療体制の中で県民が救急の手当てが必要な場合にいつでも、どこでも、より早く適切な医療が受けられる体制を確立することが行政の重要な責務であると明記してあります。しかし、この27年間の北部地域における夜間救急の現状は、名護市任せと言っても過言ではありません。名護市夜間急病診療所には常勤の医療スタッフは配置されていません。そのために夜間急病診療所のスタッフの確保は、行政にとって緊急かつ重要な課題になっております。
 沖縄県が策定した保健医療計画は、人口が集中する中南部に重点が置かれ、北部地域の救急医療計画については配慮が欠けています。北部地域の住民が安心して適切な救急医療が受けられるように、沖縄県は北部地域における救急医療体制のあり方について真剣に取り組んでもらいたいが、北部病院への業務移管について県はどう考えているか、お伺いします。
 以上。
○知事(稲嶺惠一) 安里進議員の御質問にお答えいたします。
 金融特区の充実に向けた県の取り組みについてのうち、金融及び情報特区における人材育成の取り組みについてお答えいたします。
 IT分野の人材育成につきましては、情報通信関連産業をリーディング産業として発展させるための高度なITスキルを持った人材を育成することが必要であり、また産業・教育・医療・福祉等の各分野の情報化を推進する人材の育成も重要な課題であります。
 金融業務関連の人材育成につきましては、当面は金融関連のコールセンターやバックオフィス等に対応できる人材を育成してまいります。また、その後の金融業務特別地区の発展に対応して、企業のリスクマネジメントや財務マネジメントの高度な人材育成についても検討する必要があると考えております。「情報通信産業特別地区」や「金融業務特別地区」への企業集積は、北部地域の活性化にとどまらず全県的な経済的波及効果が見込まれることから、人材育成については官民を挙げて体系的、効率的に進めていく必要があります。
 そのためには、国、県、市町村、関係団体及び企業が密接に連携し、それぞれの役割を明確にしつつ取り組んでいくことが肝要であると考えます。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 「金融テクノロジー開発特区」についての県の働きかけと産学官連携による取り組みについて一括してお答えいたします。
 名護市が提案したキャプティブ保険の導入等については、関係省庁から困難との回答が示されているところであります。
 構造改革特区は、地域の特色を生かした規制改革を各自治体が国に直接提案する仕組みとなっており、各市町村が主体となって進めていくものと理解しております。県としては市町村からの相談に応じるとともに、情報提供を行うなどその取り組みを支援してまいります。
○商工労働部長(花城順孝) 金融特区の関連で、県の施策・事業と名護市の立地条件整備事業の統合による立地インセンティブの強化についての御質問にお答えします。
 企業誘致を効果的に進めるため、これまで名護市と連携して企業誘致説明会や誘致活動を行ってきたところです。
 現在名護市では、今年秋の完成に向けて立地企業の入居のためのインテリジェントビルの建設計画を進めているほか、通信インフラ等の整備や住環境等の都市施設整備を検討しているところです。県としてもこのような名護市の計画等を踏まえ、企業誘致に向けて人材育成を初め情報産業ハイウエーとこれを活用した海外通信コストの低減化支援、データセンター等集積支援などを実施し、企業の立地インセンティブを高めていきたいと考えております。
 同じく金融特区について、通信インフラ整備と県の通信コスト低減化策の役割分担についての御質問にお答えします。
 平成11年度から開始した県の通信コスト低減化支援事業は、本県の企業誘致の大きなインセンティブとなり、コールセンター等多数の情報通信関連企業の立地集積が実現しました。情報通信関連産業や金融業務関連産業にとって通信インフラの整備は、その基盤となる重要なものであります。まだ、名護市から独自の通信インフラの整備についての具体的な相談は受けておりませんが、県の情報産業ハイウエーとの効果的な役割分担等について今後調整していきたいと考えております。
○農林水産部長(天願貞信) 農業行政について、農家負債と農家の再出発の支援についてお答えをいたします。
 JAおきなわの負債農家に対する債権放棄については、組合員間の公平性の問題や寄附行為として税務上の負担が課されることなどもあること等を踏まえまして判断されるものと考えております。JAとしては、負債整理資金の貸し付けに際して違約金等の減免措置を行うこととしており、税務上の問題も考慮しながら一定の債務減免が行われるものと思われます。
 また、農業開発公社が負債農家の農地を買い上げて借地させ、将来は売り戻すとの措置については現在のところ制度上難しいと考えております。県としても、負債農家の経営再建を支援するため農業経営再建支援対策班を設置をしておりまして、改善計画書の作成指導等を行っております。
また、農家に対する負債整理資金の貸し付けに際してはJAと連携をして利子補給を行うこととしております。
 次に、名護市食肉センターに係る土地賃貸料についてお答えをいたします。
 名護市食肉センターの管理については、一般的に土地と建物は一体として補助事業者が管理運営することが望ましいことから、事業実施主体である名護市が対応すべきものと考えております。しかしながら、名護市食肉センターの運営に当たり、現在、土地の賃貸料が北部食肉協業組合の経営収支に影響を与えることから、県としては名護市等と協議を重ね、課題解決に努めてまいりたいと考えております。
 次に、協業組合の運営についてお答えをいたします。
名護市食肉センターの屠畜頭数は年間約14万頭を見込んでおります。
 しかし、名護市食肉センター管内の屠畜予定頭数は現在のところ年間約12万頭を見込んでおり、屠畜頭数の確保が課題となっております。県としては、計画頭数の確保に向けて養豚の生産振興を図り、段階的に飼養頭数の増加に努めてまいりたいと考えております。
 次に、養豚の飼養頭数の拡大と養豚農家の支援についてお答えをいたします。関連しますので一括してお答えいたします。
 沖縄県農林水産業振興計画における養豚の飼養頭数については、基準年である平成12年度の約30万頭から、平成16年には約31万頭を目標としております。養豚の生産性の向上と安定的な供給体制の確立を図るため生産基盤の整備、それから優良種豚の導入等を行い、高品質で安全な「おきなわブランド豚」の確立を推進することとしております。
 また、平成16年度からの「家畜排泄物法」の施行に伴う畜産環境対策として、家畜ふん尿処理施設の整備や畜舎への改良等に取り組んでいるところであります。
 次に、豚肉販売に係る流通及び販売拡大についてお答えをいたします。
 本県の豚肉の消費形態は、他県とは食文化が異なることからバラ肉などの部位に消費が偏っております。このことから、ロースなどの部位については消費量が少なく恒常的に余る傾向にあります。県としては、これらのロースなどの部位の県外出荷を促進するため県外移出助成事業を行い、豚肉の需給調整に努めております。
 また、豚肉の消費拡大を図るため、沖縄県農林水産物販売促進協議会や畜産振興基金公社等が中心となってイベントの開催や消費拡大キャンペーンを行っております。
 さらに、県産豚肉のブランド化を促進するため原種豚場の整備や外国からの優良種豚の導入による「おきなわブランド豚」の作出などに努めております。
 以上であります。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育行政について、北部・僻地研究所の設置についての御質問にお答えをいたします。
 僻地教育の充実は、本県教育の重要な課題であります。僻地における教育の充実を図るため、地域の特色及び少人数・複式学級等のよさを生かした特色ある学習指導の改善・充実を現在図っているところであり、複式学級学習指導資料の発行、「県へき地教育研究大会」の開催及び教員の県外研修会への派遣等教員の資質向上を図るとともに、個に応じた学習指導の充実に努めているところでございます。
 また、県立総合教育センターにおいては、「へき地教育研究室」を設置をし、長期研修の実施及び複式学級担任研修会等を開催するとともに、教育センターと僻地学校を結ぶ情報ネットワーク化を促進をし、僻地教育の充実に努めているところであります。
 「へき地・小規模校研究所」の設置につきましては、北部地域市町村が一体となり主体的に取り組むことが重要でありますが、県教育委員会としましては、北部地域で僻地教育に係る出前講座の実施を検討するなど、県立総合教育センターの積極的活用を通して僻地・小規模校の学校・学級経営の充実に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 北部地域の医療体制の強化についての御質問にお答えいたします。
 県立北部病院は、北部保健医療圏における中核病院として19の診療科目による総合的な医療の提供を行うほか、第二次救急医療や重症患者に対する高次の医療を実施いたしております。
 また、県立北部病院の診療体制の強化を図るため平成13年度に脳神経外科1名、麻酔科1名、14年度に循環器科1名、整形外科1名の合わせて4名の医師を増員してきております。
 一方、北部圏域においては平成3年に北部地区医師会病院などの2病院が増設されて保健医療計画上の基準病床数が充足し、さらに同圏域内の医療機関に従事する医者の数につきましても平成2年度の95名から平成12年度は152名に増加しており、医療環境が充実してきております。
 県としましては、これら民間医療機関や名護市夜間急病診療所と機能連携を図りながら、今後とも北部地域の住民に対する良質な医療提供の充実・強化に努めていきたいと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 医療行政について、名護市夜間急病診療所の県立北部病院への業務移管についてお答えします。
 救急医療については、市町村も地方自治法に基づき住民福祉の増進を図るため地域医療の確保に一定の役割を果たす責務があり、地域住民の最も要望の強い事項であることから、地域の実情に即して主体的にかかわる必要があると考えております。
 名護市夜間急病診療所は、毎日午後6時から12時までの6時間、名護市だけでなく北部地域住民ために診療を行っており、また県立北部病院は24時間体制で北部地域の初期、二次の救急医療を担っている状況にあります。県では、今後とも名護市夜間急病診療所に対し財政的支援等を行っていく予定であり、引き続き診療所の運営に努めていただきたいと考えております。
 一方、県立北部病院に業務を移管・集中させることは同病院の過重な負担となり、ひいては北部地域の救急医療体制の質の低下につながることが懸念されます。
 県といたしましては、住民が安心して良質な医療を受けられるよう北部地区保健医療協議会においてもこの問題について協議を重ねながら、市町村と県の適切な役割分担のもと、医師の確保等協力して救急医療体制の充実に努めていきたいと考えております。
○浦崎 唯昭 一般質問を行います。
 議会と長は、車の両輪とよく言われます。確かに制度上は機関対立型をとる現行地方制度において独立・対等の立場で相互に均衡・抑制に立つものとされております。しかし、本当に車の両輪として機能していると言えるでしょうか。私が見る限り、車の両輪とは名ばかりの実態が随所に見受けられます。つまり、議会に比較して執行部の勢力が余りにも大き過ぎてバランスがとれていない感がいたすのであります。私は、これまで機会あるごとに議会と長のよりよい関係確立のために議会の改革を訴えてまいりました。しかし、一朝一夕に改められるものでないこともよくわかりますけれども、今回も取り上げた次第であります。問題点を幾つか指摘しながらただしてまいりたいと思います。
 まず、議員立法についてでありますけれども、議会の権限の中で貴重な権能の一つであります議員立法が十分機能しているとは言いがたいのであります。すなわち、地方自治法上、議員にも首長同様、条例の提案権が認められているにもかかわらず、議案は執行部が提出するもの、議会は提出された議案を審議しさえすればいいといった考え方が体にしみついて立法機関としての認識に欠け、また条例の提案権が付与されているんだという意識すら持とうとしないところに最大の原因があると指摘をされております。ちなみに、47都道府県議会の議員立法の実態について宮城県議会の秋葉賢也氏は、その著書「地方議会における議員立法」で次のように指摘されておられます。
 まず、1967年から99年までの33年間で議員提出条例の発議が1248件、年間平均わずか38件と少なく、1都道府県当たり0.8件と年間1件にも達しない惨たんたる状況だと述べ、さらに条例の内容も委員会条例や議員定数条例、報酬及び費用弁償条例、議会事務局条例といった議会の自律規定がほとんどで、地域住民の権利や義務、日常生活にかかわる政策的な行政事務条例は皆無に等しいと指摘し、議員の権能を最大限に生かして議員立法を活発に行い、政策的な行政事務条例の制定をふやせと訴えておられます。
 2点目に、議員政策立案能力の問題であります。つまり、議員は日常の議会活動、政治活動に追われて政策立案能力の向上に努める姿勢に欠けていることと同時に、議員政策立案を補佐する事務局体制の弱さを指摘しております。議員が条例を提出する際、条例案の法形式、他の法令との整合性及び財政面での妥当性等々について調査検討が必要とされるわけですが、それを補佐する事務局体制、いわゆる執行部にある法規係に相当する法制事務に精通した専門スタッフの確保が必要不可欠であり、議会の自立性、独立性の確立の上からも緊急の課題だと指摘されております。
 このように宮城県の現職県議がみずからの議会活動を通して得た知識をまとめた著書であるだけに、リアリティーに富み的を射る指摘として私自身大いに反省しているところであります。
 一方、本県議会の実情を見ますと、復帰後、議員提出条例が10件提出されております。政策的な行政事務条例は3件、うち2件が可決・制定を見ており、全国レベルの議員立法の状況であります。昨年の4月に設置されました議会事務局の政務調査課を機能させ、議員立法をふやす努力が緊急の課題だと指摘したいのであります。
 以上、議員立法の実態について問題点を指摘してまいりましたが、ほかにも議員が議会活動において必要とする資料の収集において問題が提起されております。すなわち、議会事務局独自の資料収集・調査が不十分なため、議員は執行部が保有する資料を提供してもらい、それをもとに質疑・質問を行っている現状にあり、議会の自主性、独立性の立場から改革が求められております。
 このように議会と長の関係は、今指摘したように必ずしも対等・平等の関係とは言いがたく、議会と長がそれぞれの立場、役割を尊重し合い、車の両輪としてよりよい関係を構築していくことが今議会と執行部にとって緊急の課題と思うのであります。
 そこで、次の点について知事の御所見をお伺いいたします。
 まず、(1)点目の人事行政についてであります。
 地方自治法第138条第5項では、議会の議長にも議会事務局職員の任免権が付与されておりますが、知事部局との人事交流は適正になされておりますか。
 次に、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員等の行政委員会に対する長の任免権と議会議長の任免権との違いについてですが、地方自治法第180条の4の規定のいわゆる組織等に関する長の総合調整権は、さきに述べた行政委員会には及ぶが議会には及ばないことと明確になっております。したがって、人事権においても双方大きな違いがあると思うわけですが、いかがでしょうか。
 次に、(2)点目の渉外問題についてですが、県が主催する各種イベント、式典等において議会を代表する議長が来賓として祝辞を述べておりますが、車の両輪の関係に反しないかということであります。
 私の手元に平成14年沖縄全戦没者追悼式典の式次第があります。まず、「1 開式の辞」として副知事、「2 黙とう」と続き、「3 式辞」として沖縄県知事、以下割愛をいたしまして10番目の「来賓あいさつ」として内閣総理大臣、参議院議長となって、その後に沖縄県議会議長となっております。
 「来賓」という言葉を辞書で調べると、「式典や会合に招待を受けて出席した客」とあります。そういたしますと、沖縄県という地方公共団体の中に執行機関、議決機関として設置されている同じ組織内の議会の議長を来賓扱いするのはどう考えても筋が通らないし、車の両輪にもなり得ないと思います。早急に改善すべきだと思いますが、いかがですか。
 (3)点目に、地方分権時代の課題についてでありますが、自己決定・自己責任が求められる地方分権下において議会の役割はますます増大し、チェック機能の充実・強化、政策形成能力を高め、議会と長が対等・平等の関係を維持し、よりよい関係を確立していくことが緊急の課題と思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 (4)点目に、附属機関等の委員の改革についてでありますが、議会本来の権能は執行機関に対する批判・監視・牽制にあり、審議会本来の設置目的に沿う形で附属機関等の委員の構成を図るべきだと思います。
 そこでお伺いいたします。
 イ、附属機関等の委員に議員が就任することについてはチェック機能の低下を来し、好ましくないとの文献等もあり、早期に改革すべきだと思いますが、当局の御見解をお示しください。
 ロ、このたび、「新沖縄県行政システム改革大綱素案」で附属機関等の「委員公募制の導入」が打ち出されておりますが、住民意思の反映、専門知識の導入となり、審議会本来の目的に沿うものとして高く評価するものであります。その内容と実施の見通しについてお聞かせください。
 次に、奥武山公園野球場の整備についてであります。
 今期のプロ野球春季キャンプは、県内で過去最高のセ・リーグ5球団、パ・リーグ2球団、計7球団がキャンプ地として沖縄県を訪れました。特に、ことし初めて宜野座村で行われた阪神タイガースのキャンプは5万人前後の人々がキャンプ地を訪れ、宜野座、阪神景気に沸くなどと報道されました。そしてオープン戦も始まり、人気球団の来県も相まってその熱気はいやが上にも高まっております。また、そのことが連日テレビを中心とするマスコミによって全国に報道されて、はかり知れない経済効果への期待はますます広がっております。
 そこで、奥武山公園の野球場の整備についてでありますが、これまで機会あるたびに質問をしてまいりましたし、知事にも球場を見ていただきました。そこで、本年1月23日に開催されました内閣府、防衛施設局、沖縄県、那覇市で構成される「県都那覇市の振興に関する協議会」で那覇市から奥武山球場、陸上競技場等の整備要望が出され、野球場の整備が確認されたと聞いております。これまで老朽化が著しいにもかかわらず、整備の見通しのつかなかった野球場の整備の方向性についてめどがついたということで県野球界挙げて高く評価しその整備促進を願うものであります。
 そこで伺います。
 第3回の「県都那覇市の振興に関する協議会」で具体的に何が議題として協議され、どういうことが確認されましたか。
 次に、奥武山公園の野球場は県管理の施設であり、野球場等を整備するに当たっての必要な施設の移管について那覇市側と引き続き協議していくと思いますが、私は、最初に整備される野球場から移管交渉を精力的に行っていくべきだと思います。いかがですか。
 今や沖縄県はプロ野球キャンプのメッカとなってまいりました。現在の状況をさらに発展させ、奥武山野球場がキャンプ地としての仲間入りを果たすならば、巨人を初めとする有名球団の誘致に一気に弾みがつくものと確信いたします。そのためにも早目に取り組んでいただき、長く先の見えない不況下における県経済発展の起爆剤にと願うものでありますが、知事のお考えをお聞かせください。
 那覇新都心地区周辺の交通計画についてであります。
 那覇新都心地区は、東に国道330号、西に国道58号、北に第二環状線、南に泊と安里の住宅街に囲まれた広大な地域ですが、周辺への出入り制限や大型店舗の集中なども重なり、地区内外に交通渋滞
を来しております。関係機関は現在、渋滞を緩和するために左折帯や右折帯をふやしたり、交差点を改良したりと努力しておりますが、渋滞の解消にはなっておりません。たとえ将来、新都心牧志線を初めとする計画中の道路がすべて整備されたとして、果たして渋滞の解消が保証できるのか疑問であります。那覇新都心地区の計画戸数は5800戸、人口は2万1000人と伺っております。現在、一般住宅地や商業業務用地においては予想を上回る早さで住宅街等の建設が進んでいます。同様のぺースで建設が進むと計画戸数や計画人口を大きく上回ることは容易に予測されます。そうなりますと、必然的に当初予測した交通量も見直しが必要だと考えます。そこで、県が総合交通体系調査の将来交通計画で構想した国道58号と那覇中環状線の交差点から西海岸に取りつける道路──一部トンネル──や、国道330号と那覇中環状線の交差点から沖縄高速道首里入り口に取りつける道路が今こそ必要だと考えます。構想された2つの路線についての必要性、緊急性、そして現在の位置づけと進捗状況、さらに今後の取り組む姿勢について伺います。
 次に、認可外保育園対策についてであります。
 沖縄県は全国的に最も出生率が高い反面、県民所得は全国一低いこともあり夫婦共働きが多いこと、核家族の増加、労働時間における保育所間の制約、認可保育園の絶対数の不足等保育環境整備の現状はいまだ道半ばであります。県内の認可外保育施設に入園している児童数は、平成14年4月現在において2万2312人となっており、全国における認可外施設への依存率が21.5%であるのに対し、県内においては61.9%となっております。潜在的な待機児童数は実質的に相当数に達するものと思われます。
 また、認可外保育施設の児童の中には、保育に欠ける児童として、本来、認可保育所において保育を受けるべき児童が多数いると考えます。このようなことから、認可外保育施設は公立保育所、認可保育園等で十分対応できない部分を担っており、子育て支援の面で一定の役割を果たしてきております。
 また、公立や認可の保育園の運営費については、国や県や市町村の支援により1人当たり年額にして80万円から100万円程度の額が支給されているのに対し、認可外保育園の助成については牛乳の支給や健康診断となっており、助成額は年額にして約1万円前後となっております。今後、国が待機児童をゼロにすると声高に叫んでみても、市町村の財政事情、公立や認可保育園の限界を考えれば認可外保育園をいかに充実させるかも重要な課題となってまいります。
 そこで伺いますが、新年度の認可外保育園の施策をお聞かせください。
 また、県の予算だけで対応することには限界もあろうと思われますので、プロジェクトチームをつくり、本格的に認可外保育園問題について対処することが必要であると思いますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、我が会派の代表質問との関連で、基地問題についてであります。
 今定例会の代表質問及び一般質問において、米軍普天間飛行場の代替施設の名護市辺野古沖への移設問題が15年期限問題を含めて嘉手納飛行場への統合案が再燃し、その是非をめぐって各会派それぞれの立場から議論をされております。
 米軍普天間飛行場代替施設の問題は、去る11月の知事選の争点の一つとして県民世論が真っ二つに割れた結果、稲嶺知事の圧勝となったことは周知のとおりであります。
 さらに、同普天間飛行場代替施設の名護市辺野古沖への移設問題は既に閣議決定され、政府挙げて取り組まれていること。しかも、嘉手納統合案はSACO最終報告で否定されたこと等から考えた場合、ここに来て嘉手納統合案が再燃していること自体理解に苦しみます。
 ただここで疑問に思うことは、基地の固定化につながってはという県民感情に配慮して出された15年問題ですが、果たして県民の声がアメリカの大統領に届いているのかということであります。すなわち、県民世論を真っ二つにして県議会を初めあらゆる場で議論されている15年問題でありますが、その割には政府の動きはいま一つの感がするわけであります。感触として、政府は外交問題としてこの問題を真剣に考え取り組んでいるか甚だ疑問に思うのであります。
 そこで知事にお伺いいたします。
 現地沖縄の生の声をアメリカの本国に訴える手法として、総理大臣が訪米される際に同行させてもらい、日米地位協定の改定の問題も含めて沖縄の生の声を直接知事からアメリカ大統領に訴えることが最善の方法だと思うわけですが、政府に対してそのことを申し入れる考えはないか。知事の御所見をお伺いいたします。
 以上です。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの浦崎唯昭君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時55分休憩
   午後1時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 答弁に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた副知事牧野浩隆君は、別用務のため本日の午後の会議に出席できない旨の届け出がありました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 午前の浦崎唯昭君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 浦崎唯昭議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、議会の機能の充実・強化、議会と長のよりよい関係の確立についてお答えいたします。
 議会と地方公共団体の長は対等の立場にあり、相互のチェック・アンド・バランスによる適切な行政運営を行うことが期待されております。地方分権が実行の段階に入り、地方公共団体の自己決定権の拡大に伴い住民の代表である地方議会の果たすべき役割の重要性がこれまで以上に高まっていると認識しております。
 一方、県の執行機関においては、議会に対し今後とも積極的に情報提供を行うとともに、議会における活発な質疑・討論を通じ、行政運営に対する意見・提言をいただき、県民の意思が十分に反映されるよう県政の運営に当たっていきたいと考えております。
 次に、「県都那覇市の振興に関する協議会」での協議事項についてお答えいたします。
 去る1月23日に開催された第3回「県都那覇市の振興に関する協議会」において、奥武山公園の野球場の建てかえのための構想策定に係る経費が、防衛施設庁のまちづくり支援事業として平成15年度予算案に計上されたことを確認しております。
 また、那覇市が奥武山野球場を整備するに当たり必要となる同施設の移管について、県は那覇市と引き続き協議し、その実現に向けて前向きに検討していく所存であります。
 次に、奥武山野球場の整備及びプロ野球キャンプ等誘致について一括してお答えをいたします。
 本県においてプロ野球の球団がキャンプを行うことは、県経済の発展に資するとともに青少年の健全育成に大きく寄与するものであり、県といたしましても大いに歓迎するところであります。
現在、那覇市におきまして奥武山公園の野球場及び陸上競技場の整備を検討しているところでありますが、奥武山公園は県が管理する施設であるため、那覇市が整備を行うには移管が前提となります。移管について市の要請があり次第、庁内関係部局で課題の整理を行い、同施設の移管について前向きに検討していく所存であります。
 次に、平成15年度の認可外保育施設に対する施策についてお答えいたします。
 待機児童を含め多くの児童が認可外保育施設を利用している実態があることから、認可外保育施設の認可への移行を促進するとともに、利用児童の処遇の向上を図るため新すこやか保育事業を実施しています。平成15年度は、それらに要する経費として6億3400万円を予算案に計上してあります。
 認可への移行については、那覇市を含め5市3町1村において14カ所が計画しております。
 また、新すこやか保育事業では職員の健康診断費の助成を新たに実施するとともに、ミルク代を3歳未満児から4歳未満児へ拡充することとしております。今後とも、認可外から認可への移行を推進しながら認可外保育施設の全体的な質の向上を図っていきたいと考えております。
 次に、知事訪米についてお答えいたします。
 基地問題について、戦後58年間過重な基地負担をしてきた県民は、基地問題の解決を強く求めていることから、一昨年5月に訪米し、パウエル国務長官を初め米国政府関係者に対し米軍基地の整理縮小、普天間飛行場の移設条件の整備、海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減、日米地位協定の見直し等について要請したところであります。
 総理の訪米に同行することにつきましては、貴重な御提言であり、その趣旨も踏まえてあらゆる可能性を検討していきたいと思います。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(當銘直通) 議会と長のよりよい関係について、まず議会事務局職員の任免、知事部局との人事交流についてお答えいたします。
 議会事務局職員の任免につきましては、地方自治法の規定に基づき「議長がこれを任免する。」こととされております。
 また、議会事務局と知事部局との人事交流につきましては、それぞれの役割を踏まえた上で事前に調整を行い、人事の活性化と新たな能力の開発及び円滑な業務遂行に資するため適正かつ積極的に推進しているところであります。
 なお、平成12年度から平成14年度の3年間の交流実績につきましては、議会から知事部局へ転入した者が20名、知事部局から議会へ出向した者が25名となっております。
 次に、各種委員会等の長の職員の任免権と議会議長の職員の任免権との違いについてお答えいたします。
 教育委員会等の各種委員会等は、地方自治法第180条の5の規定により執行機関として法律に基づき設置されているものであります。その職員等の任免につきましては、一部を除きおのおのの長が任免することとされております。
 また、議会事務局の設置につきましては、執行機関とは別に規定されているところであり、職員等の任免につきましても議長が独立して行っているものと考えております。
 なお、組織等に関する長の総合調整権として、普通地方公共団体の長は、各執行機関における相互の間に権衡を保持するため必要があると認めるときは、事務局等に属する職員の身分取り扱い等について、委員会または委員に必要な措置を講ずべきことを勧告することができるとされております。
 次に、県が主催する行事等への議長の来賓出席についてお答えいたします。
 地方公共団体の長と議会は、ともに住民を直接代表する機関であるとともに、独立・対等の関係にあり、相互のチェック・アンド・バランスにより適切な行政運営を行うことが期待されております。
 執行機関が主催する行事等への議長の来賓出席は、県民を代表する機関である県議会の議長の出席を得てあいさつを賜るとともに、県が実施する事業についての理解を深めていただくことを期待して依頼しているものであります。
 次に、附属機関等の委員への議員の就任についてお答えいたします。
 県議会議員の附属機関の委員への就任については、法令や条例で県議会議員を選任することと規定されている場合を除き、附属機関の機能が執行機関の一部であることから、議決機関の構成員である議員が加わることは適当でないとされているところであります。したがいまして、附属機関等への議員の就任につきましては、議会と調整しながら適切な運用に努めているところであります。
 次に、附属機関等の「委員公募制の導入」の実施時期、見通しについてお答えいたします。
 附属機関等の一部委員の公募制の導入については、県民ニーズの複雑多様化・高度化、NPO等の活動の活発化等時代の変化に対応しつつ、県民の意見を総合的かつ公平に行政の意思決定に反映させるため導入するものであります。
 実施時期につきましては、導入方針、選任基準を策定し、各附属機関の委員の任期等を勘案しながら、遅くとも平成16年度から一部導入していきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 那覇新都心地区周辺の交通計画についての、那覇中環状線から西海岸道路及び沖縄自動車道へ取りつける道路の取り組みについてにお答えいたします。
 当該道路は、県の総合交通体系調査において沖縄自動車道と那覇新都心及び西海岸道路を結ぶ那覇都市圏の主要な東西幹線道路として位置づけられております。そのため、国道330号から首里側の沖縄自動車道までの区間については、地域高規格道路、那覇インターアクセス道路として平成11年に調査区間の指定を受け、県で予備設計や環境調査等を実施し、現在、整備手法も含めて関係機関と協議しているところであります。
 一方、国道58号から西海岸道路への延伸については、国の直轄事業である那覇北道路と密接に関連することから、今後の那覇北道路の整備計画を踏まえ、延伸ルートや交差形式等も含めた整備方針について関係機関と協議・検討していきたいと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 福祉行政について、認可外保育施設対策のためのプロジェクトチームをつくることについて。
 県は、平成11年に県と待機児童の多い市町村で構成する「保育所入所待機児童解消連絡会」を設置しております。同連絡会において、認可外保育施設の認可の促進や利用児童の福祉の向上を図るための対応策及び市町村が抱える課題等について協議をしております。平成15年度には県において体制強化のために増員が図られる予定であります。
 なお、この問題は県だけで解決できるものではないため、同連絡会の機能を積極的に活用し、本県の抱える保育の課題への対応も含め保育環境の整備について協議していきたいと考えております。
○浦崎 唯昭 どうも御答弁ありがとうございました。
 渉外関連についてでございますけれども、総務部長、私は、沖縄戦没者の追悼式を例に出したんですけれども、これはあくまでも例であって、私は、車の両輪というのであれば、議会の議長が来賓として出席するのは、すなわち両輪を否定していることにつながると。この基本的な問題を私は例を引用しながら、皆さんがされている式典を見ながら、またこの式次第も見ながらお話申し上げたわけで、ただいまの部長の答弁は大ざっぱな話で、私の質問の趣旨とはちょっとかけ離れているような感じがするんですよ。
 まさに車の両輪というのであれば、例えばこの戦没者追悼式の中におきましては、知事のあいさつの中で、次は議長のあいさつがあってしかるべきだと、沖縄県の主催なんですから。
 そういう意味で、部長、車の両輪という意味でこの式次第が適当なのかどうか、そういう観点からの質疑でございますので、いま一度御答弁を賜れればと思います。
 知事の訪米についてでございますけれども、過去に西銘知事時代から基地問題をひっ提げまして、大田さんは7回、稲嶺さんも一昨年訪米されたわけでございますけれども、なかなか前に進むことができない。先ほど池間淳議員からもありましたけれども、違った陳情のあり方も、要請のあり方も探るべきではないのかと。中村十作さんのお話がございました。私もそういう中での提案でございます。
 米国での面談者を見ましても、これが大統領に通じているのかどうかも定かではありませんし、ぜひ知事が同行していただいて、私はすぐの訪米を要求しているわけではございませんので、違った形での訪米をするとき、要請をされるときには、あそこの大統領と確実に会える方法、これは外交を持つ内閣の総理大臣と一緒になって訪米することが大統領にじかにお会いできる。外交は総理が、政府がやる特権でございます。その中でおそばに仕えて見る中でも私は非常に沖縄の知事の、代表としての意味がそこにもあるのではなかろうかと思いまして、ぜひそれを知事もあらゆる可能性を探っていきたいということでございますので、これに期待をいたしたいと思います。
 以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後1時38分休憩
   午後1時43分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 総務部長。
   〔総務部長 當銘直通君登壇〕
○総務部長(當銘直通) 先ほどもお答えいたしましたが、県議会議長は県民から選ばれた議会の代表という立場からこれまでごあいさつをいただいているところでございます。
 しかし、いわゆる全国戦没者慰霊追悼式につきましては、県がやっている行事だという形で県議会議長の位置づけについてのお話でございますので、しっかりと受けとめておきたいと思います。
○浦崎 唯昭 総務部長、私、ただ単に戦没者のことを話しているんじゃないです。
 基本的な話、議会と長の関係はどういうことかがこれに包含されているんですよね。議会というのは来賓扱いされているのかということになりますと、基本的に皆さんとのかかわりが全然変わった形になるわけです。そういう意味で、ただ単に戦没者の追悼式の式典ではありますけれども、こういう来賓扱いになりますと大変大きな意味がありますよということ、そうじゃないんじゃないですかということなんですよね。議会と長のよりよい関係というのはそういうものではないのではないかという立場なんですよ。理解できますか、私が言っていること。これは基本にかかわっているんですよね、議会と長の役割としての、よりよい関係という意味で。
 これを来賓としてあくまでもとらえていくというのであれば、私は長と議会は執行機関、議決機関としての沖縄県の施策を進めていくときに、これは両輪たり得なくなるのではなかろうかという基本的な話をこの戦没者の追悼式を引用しながら話しているわけでございますので、ここを御理解いただきましていま一度御答弁いただきたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後1時44分休憩
   午後1時45分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 比嘉副知事。
   〔副知事 比嘉茂政君登壇〕
○副知事(比嘉茂政) ただいまの浦崎唯昭議員の御質問にお答えいたします。
 先ほど知事の答弁にもありましたように、議会と長のよりよい関係というふうにとらえますならば、さっき知事が言ったように執行部は議会に対して情報の提供を行う、そして議会の意見、提言などを踏まえて執行の方に生かしていく、これが執行部の態度であろうと思います。
 議会はまた代表でありますから、議員の皆さんはそれぞれ選ばれていますから、地域の代表、それから県民の代表という立場で変わりはありません。そういうことで車の両輪のごとくと、両輪のごとくありなさいというふうな解説がなされているわけであります。両輪ですから常に一緒にすむとは限りません。一緒にすむ方がベターですけれども、一緒にすまない場合もあります。そういうふうなことが一般的に言われております。
 ただいまの御質問については、たまたま県の主催する行事について議長が出席するのはどうかというふうなことを言われておりますが、これは私どもはっきり申し上げてそこまで詳しく掘り下げて検討したことはありません。今までずっとやっていますから、そういうことでは少し考えてみる必要があると思います。
 そして今後考えるのは、あらゆる行事について県と議会がかかわる場合にはその都度じっくり相談して、そしてちゃんと法律の趣旨にのっとって県民の納得するような形でやっていく必要があるんじゃないかと思います。
 以上です。
○髙良 政彦 それでは通告に従って一般質問を行います。
 まず、米軍基地問題、普天間基地の跡地利用について質問をいたします。
 普天間米軍基地の跡地利用について、宜野湾市を中心に、専門家や地主等を中心にこれから計画が立てられるようですが、本員が繰り返し指摘してきたことは、従来のありきたりの消費型のまちづくりではなく、県外や国外から金を稼げるようなそういう企業の一大集積地として活用すべきと考えます。我が県内でまとまった土地は米軍返還跡地しかなく、特に普天間の海兵隊基地跡は大規模返還跡地となっており、沖縄の産業振興へ活用すべきであります。御答弁をお願いいたします。
 普天間米軍基地の跡地利用計画が明確になるのはいつごろか。
 普天間米軍基地の跡地利用のコンセプトは何か。
 次に、バス4社の統合問題について。
 統合の条件整備について質問をいたします。
 バス4社の統合の意思の統一はなされているのか、各バス会社の労組との統合への諸条件については合意は成立をしているのか。
 新会社の資本金20億円のうち民間12億円、公共8億円の見通しはどうか。
 4社統合に必要な資金は104億円と試算されております。その他に退職金として40億円必要とのことですが、そのめどはついたのか。
 統合に必要な資金のうち60億円を公庫に融資をお願いしておりますが、その可能性はあるのか。
 県へ要望のある4億円の出資の是非はどうなっているのか。
 それから統合会社の経営責任体制の問題は明確になったか。また過去の累積赤字の経営責任、その処理はどうなるのか。
 次に、観光産業について、特に修学旅行について質問いたします。
 本土各県の海外への修学旅行の学校数と生徒数、また上位の国々はどこか、年間のデータがあれば公表してください。
 教育現場では「総合的な学習の時間」の導入がなされ、これを修学旅行にその意義を見出そうとしております。そのため、歴史教育、体験プログラム等が日程に組まれる傾向が強いが、我が県のこのような形での受け入れは十分か。
 本土から特に中国の東海岸と韓国への修学旅行生が増加しつつありますが、我が県への将来にわたっての誘致対策は十分か。
 本土以外の国外からの誘致対策に力を入れるべきですが、どのような対策がなされているのか。
 国外からの一般観光客の誘致には直行便や乗り継ぎが容易なことがかぎとなります。この対策は十分立てられているのか。
 平和行政と国際交流拠点づくりについて。
 国連機関の誘致と国際会議の誘致について質問をいたします。
 太平洋・島サミットがことし5月に開催されます。また、全米国州立銀行年次総会も沖縄開催が決定しております。そのほか、世界的な大企業「トヨタ」の総会も沖縄で開催決定となっております。このような国際会議や、さらに息の長い運動となる国連機関の誘致等、我が沖縄は本格的に取り組む段階に来ております。専門の部署あるいは誘致班等の設置と職務内容はどうなっているのか。
 これらの国際会議や国連機関の誘致の予算の裏づけはどうなっておりますか。
 次に、福祉と保育支援について。
 乳幼児医療費問題について。
 県は、今回助成対象を3歳児未満から5歳児未満に引き上げます。しかし、2歳児までは入・通院費は無料なのに、拡大した3歳、4歳までは入院費のみの支援であります。他府県では小学校入学前までの医療費の無料化は常識化しております。しかも、沖縄は出生率は日本一高いが、乳幼児の死亡率も高い。少子化にも歯どめがかかっていない実情であります。
 我が沖縄県も小学校入学前までの医療費を助成すべきであります。御答弁をお願いいたします。
 若い親にとって子供の医療費は大きな負担となります。その負担を少しでも軽くするためにも立てかえの償還払いではなく、現物給付にして親の立場に立ったやり方にぜひ改めてもらいたいと思います。子供を背負ってバスやタクシー賃を使ってわざわざ役所に手続に行く大変さのために手続を放棄する親がおります。これでは制度はあってもないのと同然であります。
 次に、保育支援について。
 公明党は、与党の自民・自由両党に働きかけ待機児童対策を主眼とする緊急少子化対策の基本方針の発表や、市区町村の少子化対策を支援する特例交付金事業や認可保育所の設置基準の大幅緩和等で合意をしております。この方針に基づいて地方自治体の事業を国が後押しをし、本土では駅前保育所や駅前ステーションの設置、病後児一時預かり所の整備、幼稚園での預かり保育など自治体で大きく進んでおります。東京都でも2001年から独自の認証保育所制度を発足させ、ゼロ歳児保育、延長保育など都独自の基準に合った無認可保育園に助成し、現在、予想をはるかに上回るペースで120カ所にふえております。
 我が沖縄県の認可・無認可保育園の数及び入所児童数の現在の実態はどうなっておりますか。
 過去3年間で無認可から認可になったのはどのくらいありますか。
 待機児童の状況はどうか、その解消の見通しはどうか、またいつごろ解消に近い状態になりますか。
 本土が認可92%、無認可8%に対し、沖縄はほぼ半々となっております。県は無認可保育園の認可への移行を奨励しておりますが、現実は資金等の事情もあって到底県の思惑どおりにはいきません。多少待機児童の解消はあっても根本的な解決にはほど遠いと思います。県独自の基準を設けて東京都のような認証保育所制度みたいな基準で認可外保育園に適用し、助成措置を講ずる時期に来ていると考えますが、御答弁をお願いいたします。
 園長さんへの講習は認可保育園は平日でも時間がとれますが、認可外の園長は土・日以外は時間がとれません。講習のあり方も工夫すべきではないでしょうか。
 次に、中小企業支援策について。
 資金繰り円滑化借換保証制度について質問をいたします。
 この制度は、公明党の提唱によって現在の経済状況にかんがみてデフレの進行等による売上高の減少等に対し、保証付借入金の借りかえや複数の保証付借入金の債務の一本化を促進して月々の返済額の軽減等を推進して中小企業の資金繰りの円滑化を図るものであります。
 中小企業が金融機関から融資を受けるのを都道府県の信用保証協会が保証をする信用保証制度を拡充するため本年度補正で10兆円が確保されましたが、これはまず1番目は一般保証──これは担保・保証人がある場合、限度額は最高2億円であります。2番目にセーフティーネット保証──これは一般保証額の倍額を保証──となっております。3番目に特別保証──これは2001年3月に終了いたしておりますが、返済残高が112万件、金額で約8兆円、この3つで構成されております。資金繰りに苦しむ中小企業のために幅広く利用できるように今月の2月10日からスタートをしましたが、現場の金融機関には周知徹底されているのかどうか。
 また、県内中小企業への啓蒙はなされているのか、御答弁をお願いいたします。
 次に、医療について。
 医療現場においてデリケートな女性の医療への配慮がないがしろにされた嫌いがあります。公明党では、浜四津敏子参議院議員を中心に全国的に女性専門の外来の設置を推進中であります。既に2003年度予算案には国立成育医療センターへの設置が盛り込まれ、また昨年は大阪市議会公明党の提案で大阪市立十三市民病院に女性専用外来が開設され、自治体レベルで整備が進んでおります。
 そこで質問をいたします。
 女性患者を女性医師が診察する女性のための専門外来を開設し、女性の身体的症状や精神的不安等総合的に診療ができる女性の体と心の診療科の設置が強く望まれておりますが、御答弁をお願いいたします。
 医師、看護師、カウンセラー、助産師、薬剤師、ソーシャルワーカー等が一体となって女性の一生のライフスタイルに応じた健康チェックのできる体制が望まれます。今後の女性医療の方向性としてどのように考えているのか、御答弁をお願いいたします。
 女性医師や女性医療の専門家の育成と女性医師が働きやすい環境づくりが重要と考えますが、御答弁をお願いいたします。
 沖縄に「造血幹細胞移植センター」──これは骨髄、臍帯血など──の設置について質問をします。
 再生不良性貧血症、通称白血病と言われる病気は血液のがんとも言われ、一度かかるともはや死を待つしかないと言われ、最も恐れられた病気でありました。しかし、骨髄の造血幹細胞やさらに臍帯血の中に強力な造血作用のある幹細胞があることが解明され、これの移植によって白血病も治る時代に入りました。
 移植医療を行う病院は、骨髄移植で全国に200カ所、臍帯血移植では150カ所あると言われております。しかし、各施設間の医療技術に格差があり、またお互い同士の情報不足もあり、移植可能な骨髄や臍帯血が見つかっても移植が受けられなくて死亡をしてしまうケースがあります。移植施設の統合化と規模の拡大が急務とのことであります。今後の患者の増加と、我が沖縄がいやしの島として九州各県のみならず、日本のすぐれた医療技術をアジア諸国の人々のためにも沖縄を拠点に医療で貢献することも平和の発信地沖縄としての使命ではないかと考えますが、御答弁をお願いいたします。
 最後に、我が会派の代表質問との関連について質問をいたします。
 下地幹郎代議士の米軍普天間基地の嘉手納基地への統合論について質問をいたします。
 公明党の遠山清彦参議院議員が外務省を初め関係機関から詳細な情報を収集し、下地幹郎代議士が唱えている普天間基地の嘉手納統合論がいかに非現実的で根拠の薄いものか、普天間基地の嘉手納統合こそ実現不可能に近いと結論づけております。
 このことを参考に我が会派公明県民会議の糸洲朝則議員が、下地幹郎代議士の嘉手納統合論はそれこそ絵にかいたもちにすぎないと代表質問で厳しく断じました。
 時間がないので二、三その矛盾点を指摘し、知事の御所見を賜りたいと思います。
 まず、下地代議士は、辺野古沖移設は環境調査に3年、工事に12年、計15年かかり、その後普天間の跡地利用に環境調査と土地改良に5年、合計20年かかると述べております。一方、嘉手納統合では滑走路があるので格納庫と管理棟的なものを移せばよいので5年で済む。その後、普天間の跡地利用までに5年、合計10年で済むと述べております。
 果たしてそうでしょうか。
 嘉手納統合論で最も大事な嘉手納を取り巻く関係市町村の住民の意見、それを代表する首長の意思の統一、これは容易なことではありません。住民の合意が得られなくて嘉手納統合論は平成8年12月のSACOの最終報告で否定されたのではなかったのか。百歩譲って仮に嘉手納統合でいくとすると、まず日米外交上の約束事であるSACO合意による辺野古沖移設を破棄します。当然、米国はこれだけ時間を費やして紆余曲折を経ながらも合意にこぎつけた。また、これからやり直しということで、いい加減にしてくれということで恐らく一、二年は交渉のテーブルにはつかないでしょう。やっと交渉のテーブルについたとしても、さらに嘉手納統合について恐らく米軍側の都合を述べて相当交渉は難航をすることが予想されます。外務省は日米地位協定ですら県民から改正を強く迫られておりますが、一度も米側との交渉にはのせず運用での改善の一点張りであります。
 このような外務省が改めて嘉手納統合論をまともにやると思っているのだろうか。仮に交渉のテーブルに日米がついたとしてもこれでまた一、二年はかかります。さらに、嘉手納町長を初め選挙で住民の信を問うことになり、四、五年を要するだろう。さらに住民大会や住民投票、町議会や市議会が紛糾するのは必至であります。純粋な民間専用空港の石垣空港ですら住民合意が得られず二転三転をし長年かかっていることを考えれば、ましてや嘉手納統合となるとその比ではありません。過去に嘉手納基地関係市町村住民のコンセンサスが得られず、嘉手納統合がだめになった経過を考えれば、まず可能性はゼロに近い。なぜ、今ごろそれを蒸し返すのか。滑走路があり、空き地があるから格納庫と管理棟を移せばよいという下地代議士の主張の根拠がいかに軽薄なものかということであります。
 また、辺野古沖への移設には8000億円、嘉手納統合だと1000億円で済む。7000億円が浮くので沖縄振興に使えば経済の活性化になると、いとも簡単に述べております。
 遠山清彦参議院議員は、8000億という金額は外務省を初め関係機関に確認したが、どこも8000億円かかると公表したところはないとのことであります。下地幹郎代議士は自分で勝手に8000億円の数字を出し、嘉手納統合に1000億円と決めて勝手に7000億円を浮かして、この7000億円を勝手に沖縄振興に使えばよいと言っているにすぎません。
 基地移設の予算は防衛施設局であり、沖縄振興に7000億を使うと言っても振興関係の予算は内閣府の権限で国家予算、国民の税金を簡単に振り向けられることはできません。仮に嘉手納統合としたとき、そこへの移設の諸費用を積算して1000億円と出たら、そこには余りも不足も出るはずがありません。下地幹郎代議士は勝手に場所を移し、勝手に経費を浮かし、浮いた金を勝手に沖縄振興に使うというこのような論理展開にはもはやあきれてしまうばかりであります。
 その他、嘉手納基地の離発着7万回のうち3万回は本土や空母から飛んでくるので、これをやめさせれば4万回に減ると言っております。
 ところで、下地幹郎代議士は一方では、高い使命を持った彼ら軍人は訓練を行うことで任務遂行の達成度を高め、それにより地域の安定、平和、さらには自分の命をも守ることができ、軍人に対し訓練をやめてくれということは彼らにとっては死を意味し、同時に平和が崩れることになると述べております。
 本土や空母から嘉手納基地へ飛来する航空機は作戦遂行や訓練のためのものであり、暇があるので遊びのために嘉手納に飛んできたとでも思っているのだろうか。訓練をやめよということは軍人にとっては死を意味すると言いながら、一方では3万回の離発着をやめさせるという。だとすると、何をもって3万回の嘉手納基地の離発着をやめさせるのだろうか。あの危険なレンジ10ですら県民の激しい抗議をしり目に訓練再開をしております。ここにも下地代議士の根拠のあいまいさが出ております。
 また、海外の訓練で海兵隊1万6000名を削減できると言っております。2001年6月という時点をとらえてみますと、海兵隊のほぼ半分が県外か国外で作戦遂行あるいは訓練で、沖縄には常時半分しかいないということが判明しております。したがって、下地代議士が海外の訓練で沖縄の海兵隊は減らすと言っておりますが、既に実情はそうなっており、関係者から見れば何を今さらということになります。また、海外訓練をしても沖縄が彼らの生活の本拠地であるので結局は1万6000名の削減にはならないということになります。
 このように検証していきますと、下地代議士の嘉手納統合論は実に根拠があいまいで矛盾だらけということになります。
 また、下地代議士は、要するにいろんな意見があっていい、それが民主主義だと、必ずしも辺野古沖にはこだわらないということを言いました。ならば、聞きたいんですけれども、歴代の橋本・モンデール会談で始まって小渕首相、森首相、小泉総理という4代の総理、さらにいわゆる9回にわたる移設協議会、さらに名護の岸本市長や稲嶺知事の2回にわたる公約を掲げての選挙の洗礼を受けてきた。さらに住民投票とか、こういうように我々は国外、県外が一番望ましい。しかし、日米両政府の厚い壁に当たって、しかも海外へというのができない。しかし、それをほっておくわけにはいかない。宜野湾市民の世界で一番危険と言われるこの普天間基地を何とか軽減したいと、そういう思いから苦渋の選択として紆余曲折を経ながら今回の結論に達したのではないか。その手法、プロセスは民主主義ではなかったのか。これを否定するような辺野古沖にはこだわらないというような言い方は従来のものを否定するような、従来の民主主義の詰めを否定するような言い方、これも納得できるはずがありません。
 このように検証していきますと、下地代議士の嘉手納統合論は実に根拠があいまいで矛盾だらけということになります。
 普天間基地問題で最も苦労している稲嶺知事は、県民を惑わすこのような下地代議士の発言に対し、毅然とした姿勢で反論し県民に誤解を与えないようにすべきではないか。
 最後に、知事の御所見を賜りたいと思います。
 以上です。
○知事(稲嶺惠一) 髙良政彦議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、小学校入学前までの医療費助成についてお答えをいたします。
 乳幼児医療費助成事業は、平成11年10月から健康政策の一環として入院、通院ともに3歳未満児まで保護者の一部負担を付さずに実施してきております。また、平成15年10月からは3歳未満児までは従来どおりの助成を行い、3歳児、4歳児については、通院に比べ経済的にも医療費の負担が大きい入院について1日につき700円の負担を付して実施していきたいと考えております。
 さらなる年齢などの拡充については、全県的な施策として取り組むことや財政負担などの課題もありますので、実施主体である市町村と調整を図りながら検討していきたいと考えております。
 次に、嘉手納統合案についての御質問にお答えをいたします。
 普天間飛行場の移設については、平成8年4月のSACO中間報告後、移設先の一つとして嘉手納飛行場が候補地とされました。また、同年9月のSACO現状報告では、ヘリポートの嘉手納飛行場への集約等についても日米間で検討を進めることが確認されました。しかし地元市町村等の強い反対があり、結局、平成8年12月のSACO最終報告では嘉手納飛行場への集約は対象外となっております。
 県は、普天間飛行場の移設先の候補地選定についてさまざまな観点から検討し、総合的に判断した結果、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を選定したものであり、SACOの最終報告において否定された嘉手納飛行場への統合については検討しておりません。
 政府は、平成11年、県の移設候補地選定結果や名護市の受け入れ表明を受け、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定し代替施設の建設地点を定めたものであります。
 普天間飛行場の移設については、閣議決定された政府方針に基づき代替施設協議会における協議を経て、昨年7月に基本計画が決定されるなど一歩一歩進められてきたところであります。したがって、県としては、現在行われている移設に向けた作業を進めていくことが普天間飛行場の早期返還につながるものと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 普天間飛行場跡地利用の産業誘致、計画のコンセプト及び策定時期について一括してお答えいたします。
 普天間飛行場の跡地利用に当たっては、中南部都市圏域における位置づけや周辺市街地整備などに留意し、沖縄の振興をリードする高次都市機能や国家プロジェクトの導入及び基幹道路の整備等総合的かつ計画的に進めていきたいと考えております。
 普天間飛行場の跡地利用計画策定については、宜野湾市及び県は平成13年度より具体的な取り組みに着手しているところであり、平成17年度を目途に跡地利用計画策定の基礎となる基本方針を策定することとしております。
 その後、同利用計画については、基本方針を踏まえ、宜野湾市が中心となって策定されるものと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 代表質問との関連で、骨髄と臍帯血移植の合同センターについてお答えいたします。
 白血病や再生不良性貧血などの病気は、骨髄に含まれている骨髄液、胎盤及びへその緒に含まれている血液を移植して治療されております。骨髄移植については、財団法人骨髄移植推進財団の骨髄バンク事業として平成4年度から実施されており、骨髄移植認定医療機関は全国に134カ所あり、県内には1カ所あります。
 臍帯血移植については、日本臍帯血バンクネットワークによって平成11年度から実施しており、臍帯血バンクは全国に10カ所あります。臍帯血移植登録医療機関は118カ所あり、県内には1カ所あります。本県においては、一人でも多くの患者さんに健康を取り戻していただくためにドナー登録の目標達成のために骨髄移植等の普及・啓発を行っております。
 御質問の骨髄移植と臍帯血移植の合同センターにつきましては、厚生労働省の造血幹細胞移植委員会の審議を見守っていきたいと思っております。
 続きまして福祉と保育支援について、償還払いから現物給付への変更について。
 乳幼児医療費助成事業の支払い方法は、償還払いと現物給付がありますが、本県においては、現在、各市町村とも償還払い方式を採用しております。
 市町村が現物給付を行う場合の問題点として、市町村の国保加入者のうち市町村単独事業による現物給付の対象者が一定の割合を超えると、国は療養給付費等負担金及び調整交付金を減額交付する仕組みをとっており、現物給付とした場合には療養給付費等負担金などが減額されることとなり、試算額では約2億2000万円となっております。償還払いから現物給付への変更については、実施主体である市町村の意向を踏まえながら検討していきたいと考えております。
 続きまして、認可保育所と認可外保育施設の入所と入所児童数、過去3年間に認可へ移行した施設数、認可外保育施設長の研修のあり方について一括してお答えいたします。
 平成14年4月1日現在、認可保育所数は公立153カ所、私立169カ所の計322カ所で、入所児童は2万5507人となっており、認可外保育施設の数は524カ所で2万2312人が利用しております。
 この3年間に認可外から認可へ移行の施設は、平成13年度に2カ所、平成14年度に3カ所、また平成15年4月の認可に向けて5カ所が準備を進めております。
 現在、認可外保育施設長研修会は、施設長の意向を踏まえ、参加しやすい土曜日の午後に開催しており、毎回200人から300人の参加があります。今後とも多くの施設長が参加することができるよう工夫していきたいと考えております。
 続きまして、待機児童の状況と解消の見通し及び県単独事業の助成について一括してお答えします。
 県では、「新おきなわ子どもプラン」において、認可外保育施設から認可への移行も含め認可保育所を50カ所創設する目標を掲げ、保育所整備を積極的に推進しているところです。平成14年度は6カ所の創設により450人、平成15年度は16カ所の創設等で約1000人の待機児童の解消を図る計画です。これにより16年4月には、当面の解消目標となっている3500人の約45%が解消される見込みとなっております。
 しかしながら、整備が進むにつれて新たな需要が考えられること、またさまざまな理由で認可外保育施設を利用する児童もいることから、認可外から認可への移行を推進しながら、認可外保育施設の全体的な質の向上を図るため市町村と協力して対策を検討したいと考えております。
 なお、県独自の基準につきましては多くの課題があることから、検討課題としていきたいと思っております。
 医療について、女性のための専門外来の設置及び女性医師等の育成について一括してお答えいたします。
 女性特有の疾病に対しては、恥ずかしさなどから受診を先延ばしにして症状を悪化させてしまうケースがあると思います。
 そのような中で、複数の診療科の女性医師等が横断的に特定の日時に診療に当たるなど、女性特有の疾病に対し受診しやすい状況を提供している事例があります。これらは、医療ニーズに対応する患者サービスの一環として各医療機関がその需要動向等を勘案し、それぞれの特性を生かした形で取り組む必要があると考えております。
 ところで、平成12年の全国の女性医師の比率は総数で14.4%ですが、29歳以下の場合は30.9%となっております。将来、女性医師の比率が高くなり、女性特有の疾病で診察が受けにくいという状況は緩和されていくものと考えられます。
 このような中で、女性医師が働きやすい、また働き続けられる環境を整えることも必要であります。現在、病院現場においては女性医師の増加により、医師確保等の観点などから更衣室や当直室など環境を整えつつありますが、女性医師の場合は産休、育児休業等の労働環境の整備も重要なことであると考えます。
 御質問の件は貴重な御提言であり、関係団体等と意見交換をしていきたいと考えております。
 続きまして、女性のライフスタイルに応じた健康チェック体制について。
 女性の健康の保持増進のために、妊娠、出産などの女性特有の身体的特徴や悩みに応じて、気軽に健康診断や相談が受けられるように配慮することは必要であると考えます。
 女性のライフスタイルに応じた健診及び相談事業としては、これまで保健所、市町村、学校及び各相談機関などで乳幼児健診、思春期相談、妊婦健診、住民健診など乳幼児期から更年期を含んだ幅広い年齢層へそれぞれの事業が実施されております。
 健康チェックを専門職種が1カ所で一体となったチームで診ることにはさまざまな課題がありますので、既存の事業を進めながら、新たなシステムの方策を含めて体制の整備に向けて検討していきたいと考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス4社統合問題に関する御質問にお答えします。
 まず、バス4社の統合の意思の統一及び労組との合意は成立しているかという御質問に一括して答弁をいたします。
 バス統合準備室は、平成14年6月にバス4社から営業権、資産等を104億円で買い取る統合案を4社に提案し、さらに平成15年1月末に必要資金104億円のうち88億円を新会社が出資及び融資で調達し、残り16億円をバス4社で調達する新たな提案を行い、4社の労使にその合意を求めていると聞いております。
 次に、民間及び県等の出資の見通しについての御質問に一括して答弁をいたします。
 新会社への民間からの出資12億円については、要請している企業から条件等を付されて承諾を得ていると聞いております。残りの8億円の出資につきましては、県や沖縄振興開発金融公庫に要請がなされております。公庫は現在検討中と聞いております。
 県は、バス事業の公共性や経営環境の変化等を踏まえ、出資の方向で検討していきたいと考えております。
 バス統合による新会社設立は、基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題と考えており、その事業経営に対して責任を持って遂行する経営陣やそれを支える企業等を明らかにすること等諸課題を当事者が解決する必要があると考えております。
 そのことを踏まえ、県は新会社の経営の中核にはならないこと、新会社に人的派遣をしないこと、金融機関からの融資に対する保証はしないこと、4社の責任で対応すべき債務の処理に関し県に新たな支援を求めないこと等を方針として、広く県民の理解が得られるよう今後出資の時期や金額等を慎重に検討していきたいと考えております。
 次に、統合案以外に必要とする退職金40億円のめどについての御質問にお答えをします。
 バス4社は、新会社へ乗り合い事業の営業権及び資産等を104億円で譲渡し、未払い退職金を初めとする多額な労働債務や金融機関からの借入金等の債務の処理を行うとしております。統合案で示された以外の退職金40億円につきましては、4社から特に説明は受けておりません。
 次に、公庫からの融資の可能性についてお答えをいたします。
 バス統合準備室は、新会社設立に当たりバス4社から営業権、資産等を買い取るために必要な資金104億円を出資及び金融機関からの借り入れで対応することとしております。金融機関からの借入金86億円のうち、沖縄振興開発金融公庫から60億円借り入れる計画ですが、統合準備室から公庫に対しては正式な融資の申し込みはなされていないと聞いております。
 統合会社等の経営責任は明確になったかということについて答弁をいたします。
 県としましては、バス事業の公共性や経営環境の変化等を踏まえ、出資の方向で検討していきたいと考えております。
 出資を検討するに当たりましては、その事業経営に対して責任を持って遂行する経営陣やそれを支える企業等を明らかにすること、4社において退職金等過去の債務の処理に対する経営責任を明確にすることなど当事者において解決しなければならない課題があると申し上げたところであります。御質問の件につきましては、今後当事者において明らかにされるものと考えております。
 次に、観光産業についての御質問のうち、国際航空直行便や乗り継ぎに係る対策についてお答えをいたします。
 本県における国際観光の振興を図るためには、国際観光客の受け入れ体制や国際空港機能の強化とともに、国際航空路線網の拡充が重要な課題となっております。
 国際航空直行便や乗り継ぎに係る対策につきましては、平成14年3月に策定した沖縄県総合交通体系基本計画において、今後における「国際交流拠点の機能強化」として「本県と海外とのゲートウェイ機能を担う主な空港、港湾機能強化、これと各地域を結ぶアクセス交通体系、シームレスな交通結節システムの形成について、総合的に推進する。」としており、東アジアを中心とする主要都市とのきめ細かな航空ネットワーク化に取り組む方針を打ち出しております。県としましては、引き続き航空路線網の維持・拡充を図るとともに、直行便や乗り継ぎ便の充実による利便性の高い航空交通の確立に向けて国、航空会社及び関係機関と連携をして取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、海外への修学旅行の学校数と生徒数についてお答えをいたします。
 財団法人日本修学旅行協会の統計によりますと、各県の海外への修学旅行の状況は平成14年度の総数で学校数が1132校、生徒数で17万6377人となっております。
 また、行き先としての上位の国々は韓国が246校で3万8521人、中国が191校で3万6666人、オーストラリアが171校で2万6740人となっております。
 海外への修学旅行を実施した学校について地域別に見ますと、多いところから中部、近畿、九州、中国、東北、関東、北海道、四国の順になっております。
 次に、「総合的な学習の時間」導入に対応したプログラムについてお答えをいたします。
「総合的な学習の時間」の具体的な学習活動として国際理解、情報、環境、福祉、健康が例示されており、これらの学習は修学旅行と関連して実施されることによりさらに効果が上がることと考えられ、既に総合的な学習を取り入れた修学旅行の試みも始まっております。現在、「総合的な学習の時間」を活用した沖縄への修学旅行はまだ少数ですが、今後は高等学校への導入により増加が見込まれております。本県におきましても、「総合的な学習の時間」と関連して実施される沖縄県への修学旅行に十分対応すべく、従来から推進してきた平和学習やマリンスポーツ、三線やエイサーの体験学習などに加え、今後は国際交流、環境学習、農業体験等の体験学習プログラムを開発し誘致に努める考えであります。
 次に、海外への修学旅行生が増加しつつあるが、我が県への将来にわたっての誘致対策は十分かとの御質問にお答えをいたします。
 海外への修学旅行は、全国的に航空機の利用が進んでいることや、国際化への対応ということで近年増加傾向にあります。
 本県では、こうした状況に対応すべく各市町村等とも連携し、平和学習に加え、マリンスポーツやエイサーなどの体験等本県の地域特性を十分活用すべく、各地域で魅力ある体験学習のメニューの開発に努めております。また、県外での説明会の開催や関係者の招聘を行うなど積極的な誘致活動を展開し、新規校開拓に努めているところであります。
 ちなみに、本県への修学旅行は平成11年は1373校で26万3943人、平成12年は1596校で30万3672人となっております。平成13年は、米国同時多発テロの影響により1091校で20万6864人と落ち込みましたけれども、平成14年は好調に推移し一昨年並みに回復をしております。
 次に、海外からの誘致についてお答えをいたします。
 本県への修学旅行は国内がほとんどですが、平成13年度には台湾から1校、860人が来県をしております。平成15年は、近年、日本への修学旅行実施校が増加している韓国や、過去に実績のある台湾において「ビジット・ジャパン・キャンペーン」と連携して沖縄修学旅行説明会を開催するとともに、教育関係者を招聘し修学旅行コースの視察や県内関係者との意見交換を行い、誘客に努めていきたいと考えております。
 次に、国際会議の誘致班の設置及び予算についての御質問にお答えをいたします。一括してお答えをいたします。
 九州・沖縄サミット首脳会合の沖縄開催を契機として、県は国との連携・協力のもと、国際会議等の誘致に積極的に取り組むこととし、平成12年8月、観光リゾート局に「国際会議等誘致プロジェクトチーム」を設置しました。平成13年4月には、「国際会議誘致班」として誘致体制を強化いたしました。その結果、国際会議の開催は堅調に推移し、平成14年度の国際会議の実績・予約状況は、平成15年1月末現在29件となっております。
 また、本年5月には太平洋・島サミット、10月にはトヨタ世界大会の開催が決定しております。さらに平成17年の米州開発銀行年次総会の沖縄開催も確実視されております。
 国際会議を初めとする各種コンベンション誘致のための予算として、平成15年度は約8000万円を計上しております。
 以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 中小企業支援策についての、資金繰り円滑化借換保証制度の金融機関への周知徹底と中小企業者への啓蒙についての御質問に一括してお答えをいたします。
 国においては、平成14年度補正予算の成立を受けて、新たな保証・貸付制度を創設するなど中小企業金融のセーフティーネット対策を拡充しております。その中の資金繰り円滑化借換保証制度は、デフレの進行等による売上高の減少等に対応して中小企業の保証付借入金の借りかえや複数の保証借入金の債務の一本化を促進することにより、中小企業の月々の返済額の軽減等を推進し資金繰りを円滑化することを目的とするものです。同制度は去る2月10日から実施され、中小企業者の積極的な活用による資金繰りの改善が期待されています。
 そのため、国では金融機関、地方公共団体及び商工関係団体等を対象とした中小企業金融対策に係る沖縄地域説明会を2月14日に開催しております。
 さらに、中小企業者に対し周知徹底を図り、効果的な施策の活用を促進するため同制度の説明会及び相談会を県内5地区で2月24日から開催をしております。県においても、制度の周知徹底を図るべく県制度融資関係機関等連絡会議の中で金融機関に対し制度の周知徹底を図っており、また中小企業者への啓蒙につきましても、県制度資金融資説明会及び相談会等において制度の広報に努めてまいります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 1件答弁漏れがございましたので、改めて答弁させていただきます。国連機関の誘致専門部署の設置及び予算について一括してお答えいたします。
 国連機関を含む国際機関等の誘致については、平成14年度は、沖縄の地域特性を生かしつつ国際社会に貢献できるような拠点形成のあり方等を検討するため「国際貢献拠点形成可能性調査」を実施しております。平成15年度は、この調査結果を踏まえ、国連機関を含む国際機関等の具体的な誘致可能性を検討するため国際貢献拠点形成促進事業として1215万2000円の予算を計上しているところであります。
 誘致専門部署の設置については、誘致すべき国連機関等について国との連携のもと、調査等を進める中で検討してまいりたいと考えております。どうも失礼いたしました。
○髙良 政彦 米軍基地の返還跡地の利用の仕方について、私は10数年来指摘をしております。
 すなわち、私流の表現で申し上げますと、パスカルの原理じゃないけれども、風船のどこかが膨らむとどこかが引っ込んでおります。すなわち、開放地がにぎやかな消費型の町ができると、その分だけ旧市街が全部だめになっております。これはハンビー飛行場跡、小禄開放地、それから天久もそうです。旧普天間通りだとか、コザの商店街、旧那覇公設市場はみんな寂れております。
 そういうところに商店街活性化の何がしかの資金を援助してもこれは非常に厳しい。というのは、消費者は限られておりますから、ですから米軍返還地の跡地というのは県民の稼ぎの場にしてもらいたい。そこに我々ウチナーンチュが別荘みたいな家を構えて住む必要はありません。個人有地が多いことは承知しております。ですからそこにリースか何かの、県と国が絡んでリース方式で借り上げて、そこに一大リーディング産業を入れて稼ぎの場にする、多くの人に職を与えて稼ぐ。その稼いだものを旧商店街で買い物をさせる、こういう仕組みをつくらないと旧商店街の活性化もこれは厳しいと思います。もし、旧商店街が活性化したら今度は新都心が寂れるという論理になります。モグラたたきではだめだと思います。こういうひとつコンセプトを持って、特に普天間は大規模ですから開発をしてもらえませんか。
 もう一度御答弁をお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 髙良議員の御質問にお答えいたします。
 今のお話は私も常に言っていることで大賛成でございます。
 つまり、従来の基地の跡地は、私はよく光と影というお話をしておりまして、つまり、そこが光るかわりにどこかが影になる。要するにパイが同じである限りは、どこかが引っ込めばどこかが減るわけです。ですから今までの状況というのは、必ず栄えた地域があると、それに伴って寂れる地域が出てくるわけです。
 そのために一番基本的に大事なのは、全パイのパイを膨らますということです。これは全く賛成でございます。そのために私は今回普天間の跡地利用については、これはどうしても国が絡まなければ、もし従来の手法でやるとするならば、21世紀中には私は普天間の跡地利用というのは完全になり得ないということで、国に振興計画の中に、あるいは特別措置法の中に入れるように全力を尽くしたわけです。
 したがいまして、今後の普天間の跡地利用については、いかにその沖縄全体としてのパイを膨らますかと、その方向に向かって進んでいきたいと思っております。
○小渡  亨 会議規則にのっとりまして一般質問を行います。
 1、議会議員の定数について。
 これは先ほど池間議員もちょこっと話しましたけれども、平成12年度の国勢調査において我が県の人口は131万8220人となりました。そこで県議会議員の定数も地方自治法により現在の49名から1名増の50名にしてもよいことになりました。なお、現在は法定定数49名のところを減数条例により1名減らして48名にしております。
 今回、議会運営委員会に公職選挙法により議員1人当たりの人口較差が0.5倍以内になるような4種類の案が提出されております。すなわち、島尻郡区と沖縄市区をそれぞれ1名増とした50名案、次に島尻郡区のみ1名増とする49名案、さらに島尻郡区1名増、国頭郡区1名減の1増1減の48名案、最後に国頭郡区1名減の47名案であります。
 いずれを選択するかは今後十分に協議されていくとは思いますが、そこで参考までに県内市町村議会での議員定数の状況を説明してください。
 (1)点目、減数条例を定めずに法定定数のまま運営している市町村議会はありますか。
 (2)点目、県内の市町村議会で最も多く減数をしているところはどこか。そして何名減としたのか。法定定数との割合は何%減なのか、教えてください。
 (3)点目、県内市町村議会での平均の減数は何名で、その割合は何%か。
 2、貴重な野生生物の保護について。
 我が国固有の領土であり、沖縄県の一部である尖閣諸島で深刻な環境問題が発生しております。25年ほど前に人為的に持ち込まれたヤギが増殖を続け、貴重な植物をも食い荒らし生態系が壊滅的な危機にさらされているようであります。このことは、世界日報社の平成15年2月9日付の新聞にも詳しく掲載されております。
 そこで6点ほど質問します。
 (1)点目、尖閣諸島で危機にさらされていると言われている植物と動物はどういうものですか。  (2)点目、尖閣諸島の地番はどうなっておりますか。
 (3)点目、尖閣諸島の土地の権利関係について説明してください。軍用地も含めます。
 (4)点目、尖閣諸島の固定資産税等の税金はだれがどこに、年間幾らぐらい支払っておりますか。 (5)点目、今年度の沖縄県鳥獣保護区等位置図の中にも例年どおり尖閣諸島の記載はありませんでした。県は、我が県の一部である尖閣諸島の生態系を調査し、その状況を記載する義務があると私は考えますが、見解を求めます。
 (6)点目、本島ヤンバルの生態系の脅威となっているマングース、このマングースがいまだに狩猟獣になっておりません。保護獣のままです。その理由を説明してください。
 3、平成14年7月名護市における被弾事件について。平成14年7月23日午後1時45分ごろ、
 パン、パン、ドン。名護市数久田のパイン畑に激しい射撃音が響いた。かがんで作業をしていた島袋哲男さん(44)=建設業=のわずか2メートル先に銃弾が突き刺さった。鈍い音に驚いて上げた顔をめがけて、粉々に砕けた土片が飛んできた。上がる土煙に命の危険を感じて逃げ出した島袋さんは「次の弾に撃ち抜かれると思い、無我夢中だった。」 じっと身を潜めて待つと、射撃音は約5分後にやんだ。恐る恐る畑に戻ると、直径約5センチメートルの穴が斜めにあいていた。25センチメートルほど掘り下げると、10円玉と同じような銅色をした長さ約6センチメートルの銃弾が出てきた。「手に取ると、まだ熱がこもっていた」。自分の命を奪ったかもしれない銃弾に「ぞっとした」という島袋さん。すぐに数久田公民館に銃弾を届け出た。
 これは翌日の7月24日の県内紙の記事であります。
 これを受けて県議会は、意見書等を全会一致で可決し、関係機関に徹底した原因究明と事故の再発防止を申し入れております。外務省沖縄事務所によると、米軍側は四軍調整官代理が事実関係の確認については全面的に協力する、原因が判明するまで訓練は中止をすると述べておりました。しかし先日、米軍はいまだ原因が究明されていない現状において実射訓練を再開しました。極めて遺憾であります。
 事件から半年以上も経過しておりますが、この名護市の被弾事件の状況について質問をします。
 (1)、県議会も稲嶺知事も北部の市町村長も、当初から米軍側による謝罪よりも徹底した事故原因の究明を求めております。原因究明をしなければならない機関は米軍ですか、那覇防衛施設局ですか、外務省ですか、それとも沖縄県警ですか。知事及び県警本部長の答弁を求めます。
 (2)点目、唯一の物的証拠である弾頭は、島袋さんが数久田公民館に届けて以来、どこが保管・管理をしているのか。
 (3)点目、着弾したときの状況を理解するためにキャンプ・シュワブレンジ10について質問します。
 発射地の標高は何メートルか。前方にある弾頭が飛しょうしたと考えられる山頂までの距離と、その山頂の標高は何メートルか。着弾地の標高と発射地からの距離は何メートルか。
 (4)点目、事件発生当時のレンジ10付近における風向と風速を教えてください。
 (5)点目、この50口径の機関銃は性能や取り扱いが非常によく、世界のベストセラーの機関銃であります。当然、自衛隊にも装備されております。この銃の性能について質問します。
 発射時の初速は何メートル毎秒か。有効射程距離は何メートルか。最大到達距離は仰角何度で、何メートルか。そしてそのとき、着弾の際の入射角は何度か。そして着弾時の弾速は何メートル毎秒にまで減速しているのか、教えてください。
 (6)点目、弾頭の発見現場、つまりパイン畑に着弾するためには仰角は何度なければならないのか。そして着弾時の弾速は何メートル毎秒に減速しているのか。入射角は何度になるのか、教えてください。
 また、そのときの飛しょう時間は何秒かかって到達するのか、教えてください。弾頭の飛しょう形態については、弾道工学に基づいた弾道計算や50口径の射表を用いれば簡単に出ます。
 (7)点目、銃砲を撃ったときに残る硝煙反応について、その硝煙反応の検査方法を説明してください。もう一度言います。硝煙反応の検査方法を説明してください。
 また、撃ったその日の弾頭と、2カ月前あるいは4カ月前のものとは硝煙反応で区別することはできますか。
 4番目、普天間代替基地の15年使用期限について。
 知事、これからかなりきついことを述べさせてもらいますが、大きな心で聞き流さずに、しっかりとこういった意見もあるということを受けとめてほしいと思います。
 去る知事選において知事は、15年問題を解決するために立候補すると述べ選挙戦に臨みました。稲嶺選対沖縄市支部においては、仲宗根正和沖縄市長を支部長に、私が支部長代行として徹底した選挙戦を展開したものです。
 沖縄市には現職の社民党代議士もおり、市議選では当選ライン1200票のところを1人で5000票余りも得票した社民系のタレント議員もおります。稲嶺候補は投票日のその日まで弱いと言われ続けておりました。しかし、結果は去る4月の沖縄市長選挙で当選した仲宗根正和市長の得票を3000票も上回る大量得票でありました。全県的にも歴史的な地すべり的圧勝と言われております。私は、政治家が世論に憶して自分が正しいと思っている意見が言えなくなったら政治をやる必要はないと思っております。
 そこで私は、今でも我が国の安全保障上、国防上、このような軍事施設に使用期限を設けるのは誤りであり、無意味であり反対であります。知事が15年使用期限を唱え始めた3年前には同時多発テロやイラクや北朝鮮の問題はなく、緊張状態はありませんでした。予期し得ない国際情勢にあって、一方的に15年を主張するのはいかがなものかと思います。
 確かに、今まで15年使用期限は県にとって新たな基地建設に反発する一部県民の感情を和らげ、SACOで合意した普天間移設のとんざを避ける政治的役割を果たしていたと考えられます。その結果、代替施設協議会は予定どおり開催され、貴重な県民の財産でもあるサンゴ礁の広大なリーフの上に埋立建設するという基本計画が決定しました。結果的に今のこの段階まで15年問題で知事が突っ張ったことはよかったかもしれません。しかし、私の周りにいる人たちで15年で使用終了ができると考えている人はだれ一人としていません。15年使用期限が認められなければ移設の中止もあり得るという今回の知事発言は大変重大であります。
 一方の当事者である米国が全く否定している以上、SACO合意によるこの代替案は白紙に戻ります。政治は結果がすべてであります。途中経過がどんなによくても白紙になることは大田前知事のオール・オア・ナッシングと何も変わらないと私は考えます。
 そこで質問です。
 (1)点目、極東最大の米軍基地嘉手納飛行場において、沖縄市長を初めほとんどの地権者は20年間の借用を認めた予約契約をしております。その後、返還を求めるという話はありません。この嘉手納飛行場と基地の固定化を避けるため15年の使用期限を要求している新たな普天間代替施設との県民感情の整合性を説明してください。
 (2)点目、普天間代替施設は海上に造成されますが、この土地の地権者はだれですか。
 (3)点目、15年使用期限問題の解決とはどういう状態を言うのか、説明を求めます
○知事(稲嶺惠一) 小渡亨議員の御質問にお答えいたします。
 15年問題の解決についてのお答えでございます。
 15年使用期限は、県が移設に当たって整備すべき条件の一つとして提示しているものであり、また名護市も受け入れ条件としております。さらに閣議決定された政府方針にもうたわれております。
 15年使用期限問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、これまで内閣総理大臣を初め関係大臣にも要望してまいりました。
 同問題について川口外務大臣は、去る1月28日に開催された第1回代替施設建設協議会において、非常に重く受けとめている、昨年の2プラス2(日米安全保障協議委員会)の場においても取り上げた、真剣に取り組むと述べ、また、去る2月2日に来県した際、「閣議決定したことであり、今もって覆されたことはない。今後とも重要問題として取り組んでいく」と述べられており、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。
 基地の提供責任を有する日本政府にあっては、使用期限の問題を含め沖縄の基地問題をしっかり受けとめることが重要であり、政府としてなお一層の取り組みが必要であると考えております。
 同問題の解決とは、戦後58年間にわたり過重な基地負担に苦しみ、基地の整理縮小を求める沖縄県民の気持ちを踏まえて日本政府がしっかりと対応することであり、代替施設の供用開始から15年後には民間空港として北部地域の発展、沖縄県の発展につながることであると考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 議会議員の定数についての御質問にお答えをいたします。県内市町村議会における条例による議員定数の減についてでございます。
 地方公共団体の議会議員の定数につきましては、平成11年7月に制定された地方分権一括法による地方自治法の改正により、人口区分に応じた法定定数制度から、人口区分に応じて上限を法定し、その数を超えない範囲内で条例で定める条例定数制度に改められました。
 法定定数制度では、条例を定めることにより定数を減数できることになっており、いわゆる減数条例を制定しなかったのは金武町、与那国町及び平成14年4月1日の市町村合併により議員定数特例のある久米島町の3町でありました。また、条例定数制度における議員定数条例はすべての市町村において制定されており、上限数どおりの定数を定めたのは10市町村であります。
 なお、この議員定数に関する改正規定は今年1月1日から施行されておりますが、「(同日)以後初めてその期日を告示される一般選挙までの間、なお従前の例による」旨の経過措置が設けられていることから、現在、改正後の条例定数制度の適用があるのは、去る23日に市議会議員選挙の行われた豊見城市のみであり、その他の市町村につきましては次の一般選挙までの間は従来の法定定数制度が適用されます。
 次に、最も多く減数している市町村とその減数及びその割合についてお答えをいたします。
 平成14年4月1日の市制施行に伴い、法定定数が増加しました豊見城市を除き、法定定数制度のもと、減数条例により最も多く議員定数を減員したのは具志川市であります。
 同市におきましては、地方自治法により人口段階別に定められた法定定数36人に対し、減数条例により25人と定めております。減員数は11人、減員率は30.6%であります。
 なお、改正後の条例定数制度のもとで最も多く上限数から減員した議員定数を定めたのは北大東村であります。
 同村においては、人口段階別に定められた上限数12人に対し議員定数条例により5人と定めており、減員数は7人、減員率は58.3%となっております。
 次に、県内市町村議会議員の平均減数及びその割合についてお答えをいたします。
 法定定数制度のもと、法定数に対する平均減員数は約5.4人、平均減員率は約22.7%であります。また、改正後の条例定数制度のもと、上限数に対する議員定数条例による平均減員数は約2.8人で、平均減員率は13.4%であります。
 次に、尖閣諸島の地番等についてお答えをいたします。
 石垣市によりますと、尖閣諸島の南小島は石垣市字登野城2390番地、北小島は同じく2391番地、魚釣島は同じく2392番地、久場島は同じく2393番地、大正島は2394番地となっております。
 権利関係についての御質問ですが、現在、大正島は国有地であります。また、南小島、北小島、魚釣島及び久場島の4島につきましては民有地があり、国と地主との間で賃貸借契約が締結されていると聞いております。なお、久場島及び大正島につきましては米軍提供施設となっております。
 尖閣諸島の固定資産税についてお答えをいたします。
固定資産税は、地方税法第342条及び第343条に基づき、固定資産が所在する市町村において毎年1月1日現在の所有者に対して課税する市町村税であります。したがいまして、尖閣諸島の固定資産については、その所在する石垣市において固定資産税が課税されていることになります。具体的な個別の土地等に係る税額などにつきましては、地方税法の守秘義務が課されていることから、納税義務者本人や代理人以外には開示できないことになっております。
 以上です。
○文化環境部長(永山政邦) 貴重な野生生物の保護について、尖閣諸島の危機にある動植物及び生態系の調査等について一括してお答えします。
 尖閣諸島については、昭和46年に琉球大学が実施した尖閣列島学術調査を初め、国または学術経験者による数回の調査が実施されております。多くの固有種を含む学術上極めて価値の高い生物相を有することが明らかになっております。しかしながら、日本哺乳類学会の報告によりますと、魚釣島においては昭和53年に持ち込まれたヤギの増殖により植生の喪失が生じ、生態系への悪影響が懸念されております。
絶滅の危機にある種としまして、植物ではセンカクオトギリ、センカクツツジなどがあります。動物ではセンカクモグラ、セスジネズミなどの固有種や希少種が挙げられております。そのため、県としましてはヤギによる生態系への影響調査が必要と考えておりまして、国等の関係機関と調整の上、検討していくことにしております。
 御指摘の沖縄県鳥獣保護区等位置図に同諸島が記載されていないことにつきましては、次年度の位置図には記載することにしております。
 続きまして、マングースの狩猟鳥獣指定についてお答えいたします。
 狩猟鳥獣は、環境大臣が農林水産大臣と協議して指定することになっております。マングースを狩猟鳥獣に指定することについて、県においては環境省に意向を聞いたところ、第9次鳥獣保護事業計画の基準で移入種については根絶または抑制するための新たな許可基準を設けており、適正数が管理される狩猟獣とするよりも移入種対策で取り組む方が望ましいとのことでありました。
 また、本県と同様にマングース駆除に取り組んでいる鹿児島県に確認したところ、同様な理由で狩猟鳥獣への指定は必要としないとのこともあり、県は環境省への指定の働きかけを見合わせたところであります。
 県においては、平成12年から実施している北部地域のマングース等駆除事業の結果や今年度の沖縄島全域の生息状況調査結果を踏まえ、今後、全県的なマングース対策のあり方などについて検討することにしており、その中で沖縄県猟友会の協力を求めていきたいと考えております。
○知事公室長(新垣良光) 被弾事件の原因究明についてにお答えいたます。
 昨年7月23日に名護市で発生した被弾事故について、県は米軍を初め日米両政府に対し、事故原因の究明やキャンプ・シュワブ演習場における実弾射撃演習の廃止を求めているところであります。
 一方、県警においても発見された弾丸と米軍から提供された試射弾丸の同一性の鑑定を行うなど、科学的な検査を含め捜査を行ってきたものと承知しております。県としては、日米両政府、県警及び米軍等の関係機関の連携・協力のもと、早期に事故原因の究明が図られることを望んでおります。
 15年使用期限と県民感情の整合性及び所有権に関する2つの質問について一括してお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設については、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、15年の使用期限を条件の一つとして提示しているものであります。また、普天間飛行場代替施設は基地の提供責任者である日本政府が整備し、米軍に提供する施設であることから、その所有権は国に属するものと考えております。
○警察本部長(髙橋清孝) 被弾事件の原因究明についてでありますけれども、一般論として民間地域において事件・事故を覚知した場合は県警が捜査するものと考えております。
 本件事案につきましては、県警としては当初から米軍演習に絡むものかどうかも視野に入れ、事件・事故両面から捜査を推進してきておりますが、現時点で刑事事件であるとの認識には至っておりません。本件事案につきましては、米軍及び関係機関が連携して原因を究明すべきものと考えますが、県警としましては、県民の生命・身体の安全を守る立場から原因究明に向けて米軍や関係機関にできるだけ協力していきたいと考えております。
 弾丸の保管についてでありますが、当該弾丸につきましては現在沖縄県警が保管・管理しております。
 次に、レンジ10の発射地や着弾地の標高等についてでございます。
 レンジ10における発射地の標高は約90メートル、発射地点から着弾地点までを結んだ直線上にある久志岳の最も高い位置が標高約325メートル。ちなみに久志岳の頂上は約335メートル、着弾地点の標高は約80メートル、発射地点から同久志岳の標高325メートル地点までの水平距離は約1420メートル、発射地点から着弾地点までの距離は約4280メートルとそれぞれ算出しております。
 次に、事案当時のレンジ10の風向、風速についてであります。
 沖縄気象台に事案発生時の風向及び風速について確認しましたところ、レンジ10に最も近い名護市
宮里在名護地方合同庁舎の観測地点において、午後1時、北東の風、風速4.7メートル毎秒、午後2時、北東の風、風速4.8メートル毎秒であるとの回答を得ております。
 なお、この観測地点から着弾地点までは南東約5.2キロメートル、発射地点までは南東約7.8キロメートルとなっております。観測地点から着弾地点までは5.2キロメートル、観測地点から発射地点までは7.8キロメートルとなっております。
 このように発射地点、着弾地点の発射時のずばりの観測データがありませんので、自然環境条件については若干の誤差があり得るとの認識であります。
 次に、50口径機関銃の性能についてであります。
 50口径M2重機関銃の性能は、初速850メートル毎秒、有効射程距離1800メートル、最大到達距離6800メートルであります。弾道計算の結果、有効射程距離の仰角は1.57度、着弾時の弾速は308メートル毎秒、入射角は3.24度で、最大到達距離の発射時の仰角は39.0度、着弾時の弾速は181メートル毎秒、入射角は63.6度となっております。
 次に、事件現場への着弾の際の仰角等についてでありますが、弾道計算の結果、発射地点から着弾地点までの弾の飛び方については二通りの可能性があります。
 1つ目は、発射時の仰角が10.4度の場合、着弾時の弾速は191メートル毎秒、入射角は22.3度、着弾までの時間は約15.3秒であります。
 2つ目は、仰角が69度の場合、着弾時の弾速は208.3メートル毎秒、入射角は80.6度、着弾までの時間は約57.1秒であります。
 なお、二通りとも若干の誤差が算出されますが、同誤差につきましては気象条件等の要因により変動し得る可能性があるとの認識であります。
 最後に、撃ったその日の弾頭と、2カ月前、4カ月前のものとは硝煙反応で区別できるかについてであります。
 県警の鑑定の結果、当該弾丸から火薬残渣の成分としてニトロセルロース、ニトログリセリンが検出されいわゆる硝煙反応がありました。両物質は、薄層クロマトグラフィー及びガスクロマトグラフ出量分析を行い検出いたしました。
 これらの火薬成分というものは時間の経過とともに分解、減少していくものであり、その分解、減少していく度合い、速度は、弾丸が放置された周囲の環境、例えば湿度、温度、土砂の性質等により異なります。科学警察研究所、米軍、自衛隊等に照会した結果、いずれも現時点では弾丸の火薬残渣成分の残存期間に関するデータがないとの回答であり、県警としましては火薬残渣成分のみで撃ったその日の弾丸か2カ月前のものであるか、4カ月前のものであるのかの区別をすることは非常に困難であると認識しております。
 しかし、米軍が当該弾丸は米軍のものだと自認していること、発見弾丸を鑑定したところさびはなく、光沢が認められたことから、同弾丸は比較的新しいとの鑑定結果が出ていること、米軍は平成14年7月23日午後1時過ぎごろ、レンジ10内でM2重機関銃の実弾射撃演習を実施していること、また米軍は平成14年6月、7月の期間内では事案発生当日以外にはレンジ10においてM2重機関銃を使用した演習を実施していないとの回答を得ていること、付近への聞き込み、関係機関へ照会等を行っても同訓練以外にほかに同種M2重機関銃を使用した訓練がなかったこと、さらに弾丸の発見者の供述に信憑性があること等これまでの各種捜査結果を総合的に判断して、県警としましては、当該弾丸は7月23日当日、レンジ10から発射された可能性が高いと判断しております。しかし、腔線痕の一致する銃身の特定に至っていないことからそれ以上の断定はできず、最終的な事案の解明は困難な状況にあります。
 以上です。
○小渡  亨 被弾事件について、弾頭は低い角度で接地すると跳弾となり、地面にめり込みません。22.3度でめり込むかどうかというのをチェックしなければならないわけですが、入射角が何度以上で地面に突き刺さるのか。
 また、証言によると、5センチの直径で25センチの深さがあったといいますから、そのパイン畑のような赤土に25センチめり込むための弾速は何メートル毎秒必要なのか教えてください。
 実射訓練は水陸両用戦闘車両で行われております。この車両における機関銃の仰角は何度ですか。
 当初から弾頭の腐食の進行状況について米軍は盛んに指摘しておりましたが、その検査結果、今の説明では腐食はなかったということなんですが、もう一度確認します。
 唯一の物的証拠である当該弾頭を事故原因を解明する直接の責任者、先ほどの答弁では米軍あるいは関係機関に捜査を協力するということであったんですが、なぜ県警がずっと半年以上もその弾頭を持ち続けているのか説明を求めます。
 次、15年使用期限について。
 国有地に対し、地権者でない知事が使用期限を要求できる法的根拠を説明してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時19分休憩
   午後3時19分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 15年使用期限につきましては、私どもは今の法律的根拠という意味ではなくて、移設の条件として政府に正式に提示をいたしました。名護市ともども提示をいたしました。そして、政府がそれを閣議決定で受け入れるということで進んだわけですので、政府としてはその15年使用期限の問題についてきっちりとまとめるという必要があるわけです。私どもは、着工までには何らかの政府の方から、向こうの方から対応がなければならないということでスタート、着工することはあり得ないということを明言をしておりますので、ボールは投げられておりますので、政府はそれをしっかりと受けとめて、その当初の条件をしっかりカバーするということがこれは当然だと考えております。今後とも全力を尽くして頑張ります。
○警察本部長(髙橋清孝) 再質問にお答えいたします。
 まず1点目、跳弾の可能性はどうかということでございますが、跳弾の有無につきましては、諸条件において変化するもので、必ずしも何度だと跳弾が出るのかということについての知識はございません。ただ、一般的に科捜研の職員に聞いたところ、実験の結果では10度以上あれば着弾する、逆に言えば10度以下であると跳弾の可能性があるというふうに私は聞いております。
 それから2番目、そういうふうに土にめり込むほどの威力があるのか、あるいはその際の着弾時の弾速はどうかということですが、それについても明確なものはございません。
 ただ、レンジ10からのM2重機関銃の被弾事故はかつても何件かありまして、例えば昭和62年に発生したレンジ10からのM2重機関銃被弾事故におきましては、同じ位置から発射された弾丸が今回の着弾現場を飛び越えて、約435メートル遠い国道58号を北上中のタクシーの右前部フェンダーを貫通する被弾があったことなどからも、警察としては今回の地点で土砂に20センチぐらい食い込む威力があるというふうに推測しております。
 それから3点目は、水陸両用車に搭載されている銃身の角度につきましては、米軍に確認しましたところ、最大45度というふうに聞いております。当時使用していた水陸両用車に搭載された銃身の最大傾斜角度は45度というふうに聞いております。
 それから4点目の、弾丸の腐食の関係でありますけれども、先ほど申し上げましたとおり、県警の科捜研の鑑定結果では、弾丸に付着した物質は土砂であり、さびは認められないと。それから、弾丸側面の摩擦痕あるいは弾丸の溝部分にそれぞれ光沢が認められたということで、腐食は確認しておりません。
 最後に、弾頭の保管についてでありますが、先ほど申し上げましたように現在県警で保管しておりますけれども、米軍の方からもその所有権に基づいて発見弾丸を返してもらいたいという要望もありますので、県警としましては、弾丸に関する必要な鑑定は現在終了していますことから、米軍側に返還する予定であります。
○小渡  亨 被弾事件について、今回のこの被弾事件を質問するに当たり、質問取りあるいは答弁調整の中で県警の数名の職員は、直接被害者が出てなく事件でもないのに何でこんなにしつこく質問するのかというような旨の話をしておりました。
 先ほどの答弁でも、原因究明の主は米軍、そしてその関係機関、つまり外務、防衛施設等で、県警は従という答弁であります。つまり、原因究明には協力していくということでありました。
 直接被害者がいないから事件ではないという考え方は私は大変遺憾であります。
 そこで、尚弘子公安委員長にお尋ねします。
 むしろ一歩誤れば、島袋さんは弾に当たって大けがもしくは死んでいたかもしれません。重大な事件であります。58号まではわずか800メートルです。最大到達距離内にあります。130万県民一人一人が被弾する可能性がある事件であります。県民の生命と安全を守る立場から、県警に対し、過去にあったタクシー事件と同じように積極的に主導権をとり、原因の究明に当たらすべきだと私は考えますが、尚公安委員長の見解を求めます。
 15年使用期限について、事前に質問、答弁の調整がなかったものですから直接知事にお伺いします。
 先ほども述べましたように、私は、軍事施設に使用期限をつけることは反対であります。そして、大変危険なことでもあると思います。知事は、15年使用期限は基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、県民が許容し得る限度として、15年使用期限は県民が許容し得る期限として設定したと繰り返し繰り返し述べております。
 那覇港湾施設、すなわち那覇軍港の浦添地先への代替施設案については国の案をすんなり了承し、使用期限については一言も言及しておりません。このことは、普天間代替施設と同じく新たにつくる軍事基地である那覇軍港には、普天間代替施設のような基地の固定化を避けたいという県民感情はないというふうに知事は判断しているのか、答弁を求めます。
○警察本部長(髙橋清孝) お答えいたします。
 確かにこういうライフルの弾が飛んでくるということにつきましては非常に危険でありますし、そういう意味では小渡議員と同じように、私も県民全体がそういう危険性にさられているということ、あるいはそういう重大な事案に発展する可能性があるということは十分認識しております。
 ただ、そういう一般的な危険性というだけでは、やはり警察としてはそれ以上の捜査はできないと。逆に、そこまで拡大して警察が一般的危険性がありますよということで捜査をすると、法令にも認められておりませんし、そこまでですね、それが実情でございます。
 ですから、できる限りの調査、捜査はいたしますし、最終的に米軍当局が原因を究明する際には、我々が調べたことについてできるだけ提供して、総合的に原因が究明できるようには協力していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○公安委員会委員長(尚 弘子) 小渡議員の再質問にお答えいたします。
 公安委員会は、警察の民主的運営と政治的中立性を確保するために設置され、その目的に沿って県警を管理しているところでございます。したがいまして、個々具体的な警察活動につきましては直接指揮監督を行うものではありません。
 本件事案に関しましては、県警から逐次報告・説明を受けており、適正に行われているものと考えております。
 以上でございます。
○知事(稲嶺惠一) 15年使用期限の問題についてお答えいたします。
 那覇の港湾施設と普天間とは経過が一つは違うわけです。
 と申しますのは、那覇の港湾については昭和49年に既に日米間で返還が合意されまして、しかも平成7年には約35.3ヘクタールの代替施設が那覇港港湾計画浦添埠頭へ移設されることを条件として、その施設の全部56.8ヘクタールを返還することが既に日米合同委員会で承認されております。そして、平成8年のSACO合意においては浦添埠頭地区への移設と関連して那覇港湾施設の返還を加速するための最大限の努力をするということを共同で既にもうきっちりと確認をされているわけです。
 今回の普天間の問題につきましては、今回の普天間の移設について名護に移設条件として県、それから名護市が移設に当たる条件として提示したものでありますから、基本的には経過が違いますので、15年問題については私どもはあくまでも普天間の移設についての条件としてのみつけているわけでございます。
○小渡  亨 被弾事件に関しては、あと予算特別委員会でやらせてもらいます。
 15年問題については、知事、それでは那覇軍港に関しては期限は考えてないというふうに理解していいわけですか。
○知事(稲嶺惠一) 那覇軍港については、期限をつけることは考えておりません。
 しかし、全般において基地の整理縮小というのは一日も早く、将来はなくしたいというのが基本的な考えでございますので、一歩一歩それに従って努力してまいります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時34分休憩
   午後4時1分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 金城 勉君。
   〔金城 勉君登壇〕
○金城  勉 それでは通告に従って一般質問をさせていただきます。
 お疲れでしょうけれども、今しばらく御協力、おつき合いのほどをよろしくお願いいたします。
 まず、基地問題について。
 1、旧日本軍飛行場用地問題についてお尋ねをします。
 この問題は、旧日本軍飛行場用地問題解決促進協議会の皆さんの熱心な取り組みの結果、新沖縄振興計画に戦後処理問題としての位置づけがなされました。国の計画である同振興計画に位置づけがなされたということは、主管する内閣府も解決に向け取り組まなければならないという認識に立ったことになります。県もプロジェクト班を設置し解決に向け本格的体制ができました。今後は一日も早い解決に向け関係者が一致協力して取り組んでいかなければならないと思います。
 そこで、具体的取り組みに入るに当たって問題解決促進協議会の各地域の解決試案を聞いてみますと、地域によって要望事項や解決への道のりに差があるように思います。読谷村のように平成17年5月の返還をにらみながら具体的計画に取りかかっているところ、あるいは裁判記録の検証や同問題の調査・研究を求めるというところもあり、一様ではありません。そういう状況を踏まえた上で解決に向けどのように進めていくのかお尋ねをします。
 (1)、今後の進め方はどう考えているか。
 (2)、これまでの国との交渉の経過はどうか。
 (3)、問題解決促進協議会の各地域の声を聞く限り、地域によって対応策が大きく異なります。そこで、県として国との交渉に当たって地域の熟度に応じた対応策を講ずべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 次に福祉問題、(1)、障害者福祉についてお尋ねをします。
 平成15年度から市町村障害者生活支援事業及び障害児(者)地域療育等支援事業について、予算が地方交付税措置として一般財源化されることになるということです。しかし、関係者の皆さんから市町村など地域間格差や事業の廃止などが出てくるのではないかと懸念されております。それについて県としてどのように対応するか、お聞かせください。
 次に、新年度から障害者支援費制度がスタートすることになりました。これまで障害者に対し自治体がサービス内容を決めていた措置制度から、障害者自身が施設やサービスを選んで事業者と契約を結び本人の自己決定が尊重される制度へと大きく転換します。その意味ではすばらしいことなんですが、懸念される事態もあります。支援費制度導入に伴い、在宅サービスにおいて障害者の人数に対し指定事業者の数、サービス供給体制はいかがでしょうか。
 次に、在宅サービスの場合、現状と比べ時間数の上限設定などサービスの低下が心配されていますが、いかがでしょうか。
 次に、施設サービスにおいて施設の受け入れ体制は大丈夫でしょうか。
 支援費制度における各市町村の役割はいかがでしょうか。単にサービスあっせんや相談業務にとどまることなく、地域でのサービス拡充にリーダーシップを発揮しなければなりませんが、県としての考え方をお聞かせください。
 次、市町村における相談援助、ケアマネジメント体制の整備をどのように推進するか。
 次に、利用者にサービス選択など自己決定能力がない場合はどのように対応するお考えでしょうか。
 次に、市町村間の地域格差にどのように対応するおつもりか。
 また、利用者の費用負担は措置制度と支援費制度でどのように変わるか、お聞かせください。
 (2)、鏡が丘養護学校への看護師配置の件をお尋ねします。
 先日の代表質問での翁長教育委員長の答弁は、引き続き配置することが大切との認識を示されましたが、新年度で具体的にどのように対応するのか、予算措置を含めて御答弁をお願いします。
 (3)は、割愛いたします。
 (4)、小児医療救急体制の現状と今後の対応について。
 幼子を持つ父母にとって、いざというときの医者の存在ほど心強いものはありません。その小児医療、特に小児救急医療の危機が叫ばれています。全国的にも救急体制、夜間体制の不備が指摘され、国を挙げての対応が求められています。その理由は、小児科医の減少や医療制度における経済的問題などが指摘されています。我が沖縄県は、全国でも高い出生率を誇っている反面、乳幼児の死亡率も全国平均よりかなり高い数値が出ております。
 そこで、我が県における小児救急医療の実態と県としての取り組みについてお聞かせください。
 1つ、小児救急医療体制の整備はどうか。そして小児専門医の人材確保はどうか。
 (5)は割愛いたします。
 (6)、認可外保育園への支援について。
 平成15年度の認可化促進事業の取り組みはどうか。
 また、この問題についてさまざまな課題が山積している以上、県だけの取り組みでは非常に厳しい状況にあります。そこで厚生労働省の中に沖縄の認可外保育園問題対策室の設置を要請してはいかがでしょうか。
 次(7)、「こども未来ゾーン」への支援策について伺います。
 沖縄市のこどもの国の敷地内に新たに「こども未来館」を建設し、沖縄市のみならず全県の子供たちのための施設「こども未来ゾーン」が着々と完成に向け進められております。
 同施設は、社会福祉施設としての性格はもとより、「こども未来ゾーン」としては社会教育的施設としても位置づけております。県もその性格をよく理解いただき、新年度予算で8400万円の運営費補助を措置していただきました。大変感謝申し上げます。
 この施設は、自然体験学習や情操教育、先進的IT教育などメニューも豊富で、多くの県民から多大な期待が寄せられております。そういう意味で、今後とも県と沖縄市が密接に連携しながら知恵を出し合い、盛り上げていかねばなりません。
 そこで伺います。
 新しく財団法人を発足させるわけですが、県としての財団への理事派遣を社会福祉施設という側面と社会教育的施設という側面から、福祉保健部と県教育庁の両方で対応すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
 次に、後年度の財政支援についてどのようにお考えでしょうか。
 次、大きな3、環境問題についてお尋ねします。
 (1)、環境教育や環境問題学習について。
 今日、地球規模で環境問題が叫ばれています。持続可能な社会を構築することが全人類の共通の課題であります。そのためには学校教育での取り組みは当然のこと、家庭、地域社会、経済活動などあらゆる分野を視野に入れた総合的な環境教育、環境問題の学習などを通じて地球環境を守っていかなければなりません。環境と共生した人間の生き方や社会構造のあり方を学び、持続可能な社会を実現していくための取り組みについて御説明をお願いします。
 (2)、ゼロエミッション・アイランド実現に向けてさまざまな取り組みが展開されていると思うのですが、目標及び進捗状況を御説明ください。
 (3)、クリーンエネルギー(太陽光発電)への支援策について伺います。
 オゾン層の破壊などから地球環境を守るためにクリーンエネルギーへの関心が高まっております。国も京都議定書の目標を達成するために一生懸命であります。国は、クリーンエネルギー導入を推進するために現在太陽光発電システムを設置する家庭に対し、キロ当たり10万円の補助を出して応援しております。全国の都道府県や市町村においても129カ所が補助を出しているという報道もあります。我が沖縄県では那覇市が新年度から太陽光発電に対し、200万円の補助を予算計上していると聞いております。県としては、クリーンエネルギー導入に対しどのような認識を持っていらっしゃるか、また今後クリーンエネルギー導入に対しどのような支援策を考えていくか、お聞かせをいただきたいと思います。
 次、教育問題について伺います。
 (1)は割愛します。
 (2)、いじめ問題への対応について。
 学校教育におけるいじめの問題が深刻化しております。だれもがかけがえのない存在、最も尊重されなければならない人権、そうした考え方をすべての子供たちにしっかり教えなければなりません。いじめの問題について単純明快にすることが大事だと思います。
 いじめる方が絶対悪いという認識を関係者一同が持つべきであると思います。いじめられる方にも問題があるというような話を聞くこともあるのですが、とんでもないことだと思います。いかなる理由があろうとも一人の人間を傷つける権利などないはずであります。
 いじめについて教育長の認識をお伺いすると同時に、いじめ問題への対処策をお聞かせください。
 (3)、ゲーム脳の恐怖についてお尋ねをします。
 「ゲーム脳の恐怖」という本が出版されております。コンピューターやテレビゲームを長時間やっていると脳が壊れると指摘されております。
 人間の理性や創造性をつかさどる脳の部分を前頭前野という。ところが、テレビゲームを幼少期から何年もやって育った子供たちの脳波を測定すると、前頭前野がほとんど活動していない場合があることがわかった。重い痴呆とよく似た状態だといいます。こうした状態の脳をゲーム脳と名づけ、警告が発せられています。
 ゲーム脳の特徴は、すぐ切れる、忘れ物が多い、表情が乏しいなどの特徴があるようであります。理性や創造性の機能が低下すると人間としての重要な部分が損なわれる。コンピューターはあくまでも道具にすぎない。生活を豊かにし、便利にしていく道具であります。人間のために使いこなしていくべきだが、自己を見失うような、またのみ込まれるような本末転倒があってはいけません。子供の教育においてもIT教育は当然大事であります。しかし、適切な使い方をわきまえないといろいろな障害を引き起こすこともあるようであります。
 したがって、教育現場においてもゲーム脳についての問題意識を持ち、調査・研究をする必要があるのではないかと思うのですが、教育長の御所見を伺います。
 次、公安委員会関係についてお尋ねをします。
 (1)、やみ金融の実態、取り締まりについて。
 最近、景気が低迷しているために生活に困窮した人や資金繰りに困った中小業者がやみ金融の被害に遭っているとの報道があります。法外な利息を請求されたり、恐喝まがいの取り立てにおびえるという実態があるやに聞いております。そのやみ金融の実態と対策について県警本部長の御説明をお願いします。
 (2)、薬物汚染の実態について。
 覚せい剤や麻薬、シンナーなど薬物は人間の人格をむしばみ、心身を破壊する極めて悪らつなものであります。暴力団の資金源になったり、青少年までが犠牲になったりすることもあります。そこで、ここ最近の薬物乱用の実態と犯罪に対する対処策を御説明をお願いいたします。
 次、大きな6、地域問題についてお尋ねをします。
 (1)、県道20号線の拡幅工事の今後のスケジュールについて御説明をお願いします。
 次に、県道33号線の拡幅工事のスケジュールについて御説明をお願いします。
 (3)、国道329号バイパス工事のスケジュールについて御説明をお願いします。
 (4)、中城湾港新港地区護岸工事のスケジュールについて御説明をお願いいたします。
 (5)、高速沖縄南インターから北谷向け歩道工事のスケジュールについて御説明をお願いいたします。
 次、我が会派の代表質問との関連について、(1)、普天間基地の嘉手納統合案についてお尋ねをします。
 県は、普天間基地移設についてSACO合意の辺野古沖への移設を推進している。それは市街地にある危険な普天間基地を一日も早く撤去できる方法だからと考えているからであります。沖縄県民にとっては危険な基地を着実に整理縮小し、基地被害、基地公害をなくしていくことが願いであります。しかし最近、普天間基地の移設案として嘉手納統合案なるものが浮上し、県民にとってどちらがよい案なのかと問題提起されております。国、県、名護市が進めている辺野古沖への移設に対し、嘉手納統合案の方が県民にとってよりよいベターな案だというのであります。
 この嘉手納統合案について代表質問で、我が会派の糸洲議員、また先ほど髙良議員がその問題点や矛盾点を厳しく指摘した上で県の考え方をただしましたが、明快なる答弁はありません。県は、辺野古沖への移設を進めている以上、県民に対し、両案の優劣を説明する責任があると思うのですが、いかがでしょうか。
 例えば期間の問題、辺野古案は23年、嘉手納案は10年、あるいはまた嘉手納基地の訓練回数7万回を4万回に減少する、普天間基地の現在の訓練回数を半減させる、あるいは基地建設費の8000億や1000億についての根拠、あるいは基地のフィリピンやグアムへの移転等々この具体的な項目について県の見解を伺いたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 金城勉議員の御質問にお答えいたします。
 福祉問題の平成15年度の認可化促進事業の取り組みについてでございます。
 「新おきなわ子どもプラン」では、認可外保育施設の認可への移行も含めて平成18年度までに50カ所の保育所創設の目標を掲げております。
 認可外保育施設が認可へ移行する際の施設整備補助事業として保育所建設事業と既存の施設を活用する場合の認可化促進事業があります。平成15年度は那覇市を含め5市3町1村において計14カ所が認可外からの移行を計画しており、そのうち6カ所が保育所建設事業、8カ所が認可化促進事業を活用する予定となっております。
 なお、平成15年度の保育所建設事業費は今年度予算の約2.5倍の11億9171万2000円を予算案に計上しております。今後も認可外から認可への移行を含め保育所整備を推進していきたいと考えております。
 次は、嘉手納統合案についてお答えをいたします。
 普天間飛行場の嘉手納統合案については、これまでも何度もお答えしておりますが、改めて申し上げます。
 普天間飛行場の移設については、平成8年4月のSACO中間報告後、移設先の一つとして嘉手納飛行場が候補地とされました。また、同年9月のSACO現状報告では、ヘリポートの嘉手納飛行場への集約等についても日米間で検討を進めることが確認されました。しかし地元市町村の強い反対があり、結局、平成8年12月のSACO最終報告では嘉手納飛行場への集約は対象外となっております。
 県は、普天間飛行場の移設先の候補地選定についてさまざまな観点から検討し、総合的に判断した結果、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を選定したものであり、SACO最終報告においても否定された嘉手納飛行場への統合については検討しておりません。
 政府は、平成11年、県の移設候補地選定結果や名護市の受け入れ表明を受け、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定し、代替施設の建設地点を定めたものであります。
 普天間飛行場の移設については、閣議決定された政府方針に基づき、代替施設協議会における協議を経て昨年7月に基本計画が決定されるなど、一歩一歩進められてきたところであります。したがって、県としては、現在行われている移設に向けた作業を進めていくということが普天間飛行場の早期返還につながるものと考えております。
 嘉手納飛行場への統合については全く考えておりません。
○知事公室長(新垣良光) 旧軍飛行場用地問題に関する今後の進め方と国との交渉経過について一括してお答えいたします。
 県は、昨年9月「旧軍飛行場用地問題対策プロジェクト班」を設置して以降、財務省及び内閣府に対し、同問題の解決に向けて協力を要請したのを初め協議会や関係市町村との調整を進めてまいりました。特に、県と関係市町村間で連携を密にする必要があることから、副知事と市町村長で構成する「旧軍飛行場用地問題県・市町村連絡調整会議」を去る1月31日に設置したところであります。今後とも協議会や関係市町村とも十分協議し、また県議会議員連盟の意見も拝聴しながら、沖縄振興計画に位置づけられた意義を踏まえて問題解決を図ってまいりたいと考えております。
 なお、昨年11月26日、両省庁に対し、問題解決に向けた協力を要請しました。その際に、財務省は国有財産管理者の立場として、また内閣府は沖縄振興計画を所管する立場からおのおの対応するとの国の姿勢が示されております。
 旧軍飛行場用地問題に関し、熟度に応じた対応策についてにお答えいたします。
 旧軍飛行場用地問題解決促進協議会の要望については、まだ正式に県に提出されておりませんが、県としては振興計画に位置づけられた意義を踏まえ問題解決を図っていきたいと考えております。
 各地主会の要望については、おのおの市町村とも協議し、その上で同問題解決促進協議会が取りまとめることとなっておりますので、その後どのような解決が図られるのか、市町村連絡調整会議の場でも協議・調整し、総合的に判断していきたいと考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 福祉問題について、障害者生活支援事業についてお答えいたします。
 県では、支援費制度への円滑な移行を推進するため相談・支援体制の整備を図ることは重要であると考えているところから、障害者生活支援事業の充実を図っているところです。平成15年度は障害児(者)地域療育等支援事業を新たに3カ所ふやし8カ所、市町村障害者生活支援事業を新たに3カ所ふやし6カ所で予定しており、今後とも事業の拡充を図ってまいります。
 また、市町村に対しても身近な地域で相談・支援が円滑に図られるよう事業の推進及び予算の確保について助言しているところであります。
 続きまして、指定事業者の数、サービス供給体制についてお答えします。
 平成14年3月31日現在、障害者の数は身体障害者5万359人、知的障害者7944人となっております。
供給体制については、施設サービスは身体障害者施設が17カ所、定員1012人、知的障害者施設が40カ所、定員2165人となっております。
 また、在宅サービスについては、平成15年2月25日現在、身体障害者の事業所で23カ所、知的障害者の事業所で26カ所、障害児の事業所で16カ所を指定しております。
 在宅サービスについて。
 身体障害者、知的障害者、心身障害児に係る在宅サービスとしてホームヘルプサービス、デイサービスなどが支援費制度に移行いたします。現在、国が示しているホームヘルプサービスの市町村に補助するための国庫補助基準案は個々のサービスの上限を定めるものではなく、また市町村におけるサービスの量を制約するものではないとしていることから、現在提供されているサービス水準は確保されるものと考えられます。
 続きまして、施設の受け入れ体制と市町村間の地域格差の対処について一括してお答えします。
 身体障害者施設については、療護施設が平成14年、15年の継続事業として平良市に整備される予定で、これにより療護施設は全圏域に設置されることになります。
 知的障害者施設については、授産施設が平成15年、16年度の継続事業として豊見城市に整備予定であり、今後もニーズに応じて整備していくこととしております。
 なお、そのほかの種別の施設については各圏域においてニーズをほぼ満たしております。
 また、在宅サービスについては、市町村と連携し介護保険の事業者の参入を促進するなどその充実に努めるとともに、支援費支給決定を行う市町村のニーズを踏まえた体制の整備を助言してまいります。
 同じく市町村の役割について。
 市町村においては、施設利用者や在宅福祉サービス利用者への相談、支援費支給決定等を行い、地域ニーズに的確に対応できるサービスを提供するとともに、社会福祉協議会などと連携し、みずから事業者として参入するなど支援費制度を積極的に推進する役割が求められております。
 ケアマネジメント体制についてお答えします。
 県では、支援費制度への円滑な移行を図るため、相談・支援を行う障害者生活支援事業を14カ所で、ケアマネジメント試行的事業を7カ所で実施するとともに、ケアマネジメント従事者養成研修を平成10年度から14年度までに232名が受講するなど、相談・支援体制の整備を図ってきました。
 市町村は、身近な地域での相談を行い、生活支援事業を実施している専門施設を活用し障害者ケアマネジメントを行うことになります。県では、今後とも研修受講の促進、生活支援事業の拡充などにより相談支援、ケアマネジメント体制の整備を推進してまいります。
 それから、利用者に自己決定能力がない場合についてお答えいたします。
 支援費制度においては、障害者は事業者と直接に契約を締結しサービスを利用することになりますが、契約締結能力のない障害者については、障害者本人の意思を踏まえることを前提に本人が信頼する者、例えば家族等が本人にかわって契約を締結してもよいことになっております。また、そのほかに地域権利擁護事業や成年後見制度も活用できます。
 利用者の費用負担について。
 利用者負担額は、身体障害者の場合、基本的に変わりませんが、知的障害者の場合は施設入所における利用者負担額の決定に当たり、これまで収入から必要経費として日用品費を控除されていたものが、支援費移行後は控除されることがなくなるため、その分、利用者負担額がふえることになります。
 続きまして小児救急体制についてお答えいたします。
 近年、小児科を希望する医師が少ないことや医師の高齢化が進んできたことから、全国的に数が少なく本県においても同様な傾向であります。
 このような中、本県においては15の救急告示病院等が小児救急に対応しております。
 南部地区や那覇地区においては、公的病院や民間病院による病院群輪番制を実施し小児科医を配置しており、中部地区においては県立中部病院を中心として小児救急医療体制が整備されております。
 また、北部・宮古・八重山地区においては、小児科を標榜している医療機関が少なく輪番体制を組めない中で、各県立病院においては小児科医が当直もしくはオンコールにより対応しております。
 小児救急医療については、小児科医の養成・確保や小児科以外の医師の支援体制の整備等の課題があることから、県救急医療協議会等において協議しているところであります。
 なお、小児科専門医の人材確保については、県単事業でハワイ大学に委託し、県立中部病院で実施している医学臨床研修事業において平成14年度は9名の小児科医が研修を受けているところであります。
 続きまして厚生労働省内に「対策室」設置を要請することについて。
 本県の保育行政については、これまでも国との連携を図り対応してきており、厚生労働省においては県との意見交換、地元が開催する会議等への出席、情報提供等を担当する「沖縄保育等対策チーム」が編成されております。
 なお、県においては、平成15年度には体制強化のために増員を図る予定であります。今後とも、国及び市町村との連携を一層密にして保育所の整備促進等子育て環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
 「こども未来ゾーン」への理事の派遣と財政支援について一括してお答えいたします。
 「こども未来ゾ-ン」は、沖縄市が「島懇事業」を活用して整備を進めている施設でありますが、県の「県立児童・青少年総合施設建設基本構想」の理念が生かされ、本県の青少年の健全育成に資する全県的な施設として評価をしております。「こども未来ゾーン」が沖縄の未来を担う子供たちに対する支援等を目指していることから、県としましても運営主体となる新財団へ理事を派遣する方向で検討しております。
 後年度の財政支援については、沖縄市を通して助成することとし、運営方針や事業計画、経営実績及び自主財源の確保等の経営努力の状況を見ながら、新財団における健全な運営や管理に対する創意工夫が生かされるような支援のあり方を検討したいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 福祉問題について、鏡が丘養護学校への看護師配置の対応についての御質問にお答えをいたします。
 医療的ケアに際しては、看護師を配置することにより主治医の適切な指示のもと、看護師が児童生徒の健康状態の的確な把握や迅速な対応について養護教諭、担任、保護者等と連携を図り、医療、福祉、教育の面からきめ細かな指導ができる学習環境の整備がなされたと考えております。県教育委員会としましては、医療的ケアを必要とする児童生徒個々のニーズに合ったきめ細かな対応をしていくためには、看護師の配置についてどのような方法が望ましいのか関係部局や関係機関等と連携して配置する方向で取り組んでいきたいと考えております。
なお、具体的には平成15年度の予算の範囲で工面をしていく方向で現在検討しているところであります。
 次に、新財団への理事派遣についての御質問にお答えをいたします。
 「こども未来ゾーン」は、自然や動物との触れ合い等のさまざまな体験活動を通して心豊かな青少年の育成に向けて大きく貢献するものと考えます。新しく立ち上がる「沖縄こども未来ゾーン運営財団」――仮称でございますが――への理事派遣について県教育委員会としましては理事を派遣する方向で検討をしております。
 次に、教育問題について、いじめ問題への対応についての御質問にお答えをいたします。
 平成13年度の本県におけるいじめの発生件数につきましては、小学校で44件、平成12年度の72件から28件減少し、中学校では173件、平成12年度の178件から5件の減少となっております。
 全体的には減少傾向となっておりますが、いじめは、児童生徒の充実した学校生活を阻害するだけでなく、心身の発達に大きな影響を及ぼす深刻な問題であり、教育上極めて重要な課題であると受けとめております。
 県教育委員会といたしましては、いじめの問題に対応するため家庭、学校、地域社会及び関係機関・団体が一体となった生徒指導体制の充実・強化を図るとともに、スクールカウンセラーや心の教室相談員、巡回教育相談員等の効果的な活用及び教職員が緊密に連携した教育相談体制の確立を図り、全校体制による早期発見、早期対応の充実・強化を図っているところでございます。
 その他、校内人権委員会や「人権を考える日」を各学校で設置をし、自他の人権を尊重できる心情を育てるための人権教育を促進するとともに、人権教育指導資料等の活用や道徳、特別活動等の全教育活動を通じてその未然防止に努めているところであります。今後とも家庭や地域社会、関係機関等との連携をより密にし、その防止に向け積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、ゲーム脳についての御質問にお答えをいたします。
 テレビゲームを長い時間、長い期間続けると脳の働きが低下するとともに、人間らしさ等を失うといういわゆるゲーム脳については、脳そのものへの影響はもとより、児童生徒の学習時間の確保や望ましい生活習慣の確立という面からも悪影響が懸念されます。また、親子の会話を通して行われる家庭教育の充実や友達との遊びなどを通して得られる望ましい人間関係をはぐくむという面からもその影響が指摘をされております。県教育委員会としましては、テレビゲーム等に関する今後の全国的な研究の動向を踏まえますとともに、当面は読書活動等の奨励、多様な自然体験や社会体験等を通して豊かな情操や望ましい人間関係等を醸成をし、健全な児童生徒の育成に努めてまいりたいと考えております。
 なお、テレビゲーム等の実情につきましては、「児童生徒の生活実態調査」等を実施し、その中で実態の把握に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○文化環境部長(永山政邦) 環境問題についての総合的な環境教育、環境問題の学習等の取り組みについてお答えいたします。
 多様で複雑な環境問題を理解し解決に向けて行動するためには、体験を通じてみずから考え、調べ、学び、行動するという過程を重視した環境教育、環境学習を推進することが大切であります。このため、県においては、地域の自主的な環境保全の取り組みを支援するため地域環境センターに環境アドバイザーを配置するとともに、県下5地域に環境保全推進員を配置して地域住民によるごみのリサイクル等の環境保全活動の推進を図っております。
 また、県民、事業者、行政が協力して自然環境の保全、地球環境の保全等に取り組むため環境交流集会を開催するとともに、子供たちが主体的に行う環境学習活動を支援するこどもエコクラブ事業や体験学習を通して豊かな人材の育成を目指す環境教育モデル事業等を実施しております。平成15年度は「沖縄県環境基本計画」において重点的な取り組みとして「環境教育等の推進」を位置づけ、小学生向けの学習指導のための環境教育プログラムを作成し、環境教育活動を支援していくことにしております。
 今後とも、関係機関、学校、環境NGO等とのパートナーシップのもと、持続可能な社会実現のための環境教育、環境学習を推進していきたいと考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) ゼロエミッション・アイランド実現に向けた取り組みの目標及び進捗状況についてお答えいたします。
 「ゼロエミッション・アイランド沖縄」構想は、環境保全と産業振興が両立する施策の展開により環境共生モデル地域の形成を目指す構想であり、その基本方向として自然環境に配慮した県土の保全・整備、自然環境を生かした観光産業の高度な展開、自然エネルギー等の導入の促進、環境関連ビジネスの企業化の促進と資源の地域内循環の推進、社会システムの整備と環境保全技術の開発・活用を示しております。
 構想実現に向けた目標及び推進スケジュールの設定等については、今後検討していくことになりますが、これまでに取り組んだ事例としましては、処理困難物の適正処理を推進するシュレッダーダスト減量化事業や有機性廃棄物の有効利用を図る「バイオガス利用可能性調査」、エコツーリズム国際大会の開催等を通した環境保全型自然体験活動の促進などのほか、産学官共同研究事業で古紙の高度利用や畜産廃棄物処理の技術開発等を推進しているところであります。
 今後とも、市町村や民間等と連携し全庁的に「ゼロエミッション・アイランド沖縄」構想を推進していきたいと考えております。
○商工労働部長(花城順孝) 環境問題の太陽光発電への支援策についての御質問にお答えします。
 太陽エネルギーを利用した発電システムは排出物を全く出さないクリーンなシステムであり、地球環境保全の観点からも極めて有効なものと認識しております。
 太陽光発電に対する国の助成制度として平成14年度は住宅用補助として232億円、産業等用補助として418億円が経済産業省において予算措置されました。
 補助の内容としては、一般住宅への太陽光発電設置者にその設置費用として1キロワット当たり10万円を補助するものや、民間企業等に対し出力100キロワット以上のシステムを設置する際の費用の3分の1を助成するもの等となっております。こうした補助を利用して県内に設置された太陽光発電は、平成6年度から平成13年度までの実績で住宅用が274件1210キロワット、住宅用以外が25件1698キロワットとなっております。
 県としましては、市町村が策定する地域新エネルギービジョンの実現に向けて、他県の支援状況等も参考にしながら支援策を検討してまいりたいと考えております。
○警察本部長(髙橋清孝) やみ金融の実態と対策についてでありますが、一般的に登録、無登録の別にかかわらず高金利貸し付けを行う貸金業者のことをやみ金融と位置づけておりますが、やみ金融業者のほとんどは無登録であり、かつ事務所を持たず、貸し付けの契約書も残さないほか、連絡先は身元確認が困難なプリペイドカード式の携帯電話を使用しているなどの形態が大半であることから、その全体像を把握するまでには至っておりません。
 やみ金融被害については、行政当局からの通報、被害者等からの相談を受けてその状況を把握しているのでありますが、県警に寄せられたやみ金融等に関する相談件数は平成13年中18件、平成14年中は88件となっており激増しております。
 なお、県警では昨年、高金利の出資法違反及び無登録の貸金業規制法違反等6件を摘発し、暴力団総長等7名を検挙しております。
 また、去る1月には無登録の上、法定利率を約20倍上回る高金利で金を貸し付けていたいわゆる「090金融」と呼ばれるやみ金融グループを摘発し4名を逮捕するとともに、主犯格の男を全国に指名手配したところであります。この事件では、半年の間に県内で約650名の顧客に4000万円近くを貸し付け、約1000万円の利益を上げていたことが判明しております。
 県警では、増加するやみ金融事犯の未然防止を図るため県警のホームページ、あるいは各家庭に配布する「交番速報」等を活用して県民がやみ金融被害に遭わないよう注意喚起するとともに、警察相談への適切な対応、取り締まりの強化等を各警察署に指示しているところであります。今後とも、やみ金融事犯につきましては粘り強くかつ強力な取り締まりを推進してまいる所存であります。
 次に、薬物乱用の実態と対策についてであります。
 本県の薬物事犯は、過去3年間で覚せい剤事犯189件141名、麻薬・大麻事犯66件46名を検挙して約100キログラムの覚せい剤と約35キログラムの大麻を押収しております。そのうち、暴力団員は38名、少年は12名、米軍人・軍属は9名をそれぞれ検挙しておりますが、検挙件数、検挙人員ともほぼ横ばいの状況で推移しております。
 また、シンナー事犯は、過去3年間で230件228名を検挙しており、そのうち少年は66名となっておりますが、これもほぼ横ばいの状況で推移しております。
 最近の薬物乱用の特徴としましては、暴力団が関与した覚せい剤の密売事犯や乱用が増加傾向にあること、インターネットや宅配便を利用して本土から入手し、沖縄本島から宮古、八重山まで波及していること、青少年層への乱用の広がりが見られるなど極めて憂慮される事態となっております。
 薬物事犯の根絶に向けて、県警では暴力団による組織的な密輸・密売事犯や末端乱用者の徹底取り締まりを図る一方、各小・中・高校生を対象に薬物乱用防止教室を開き、少年に対する薬物乱用防止の指導及び広報・啓発活動を強化しております。
 以上です。
○土木建築部長(安慶名正行) 地域問題の県道20号線及び国道329号バイパス工事のスケジュールについてに一括してお答えいたします。
 県道20号線の拡幅整備は、国道との交差点協議や、地形条件が厳しい区間における円滑な沿道アクセスを考慮した道路構造の検討など多くの課題があり、現在、国や沖縄市及び関係機関との協議を進めているところであります。また、国道329号沖縄バイパスは、国の直轄事業で整備する計画ですが、環境影響評価準備書作成や成果指標及び効果的な整備手法の検討など予想以上に時間を要していると聞いております。
 これらの道路は密接に関連していることから、同時の都市計画決定を予定しておりましたが、県道20号線については中の町再開発事業の支援や中心市街地へのアクセス機能強化の緊急性が高いことから、今後は県道20号線を先行して都市計画決定の手続を進めることを検討しております。
 なお、国道329号沖縄バイパスについても引き続き関係機関との協議や環境影響評価など都市計画の手続を着実に進める考えであります。
 次に、県道33号線の拡幅整備についてにお答えいたします。
 沖縄市高原交差点から具志川市前原までの県道33号線については、これまで一部道路改良工事を実施してきたところであります。
 しかし、御質問の未整備区間約900メートルについては、当時、地権者の協力が得られないことや地籍が未確定のため用地の取得ができず未整備のままで事業を完了した経緯があります。平成14年6月に沖縄市泡瀬第2自治会から再度整備要請を受けたところでありますが、現在でも依然として大部分の土地が地籍未確定であります。このような状況の中では用地の取得は困難であり事業の採択は厳しいことから、地元沖縄市に地主の意向確認をお願いしているところであります。県としましては、今後とも市と連携し整備手法等も含め検討していく考えであります。
 次に、中城湾港新港地区護岸工事についてにお答えいたします。
中城湾港の具志川市前原から勝連町南原漁港に至る既設の護岸は、築造から相当な年数が経過しています。また、その護岸背後は宅地化が進み、地域住民の憩いの場としての海岸域の整備が望まれています。
 このようなことから、県としては護岸の改修を行うとともに、地域住民が水辺に親しみ、快適に散策等ができるよう水たたき兼用遊歩道や植栽等の整備が必要であると考えております。平成15年度には現況基礎調査等を行うとともに、関係機関と調整を図りながら国庫補助の海岸環境整備事業として早期事業化に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 次に、沖縄環状線の歩道整備についてにお答えいたします。
 沖縄南インター出口付近の歩道については、延長約600メートルの区間が未整備の状況となっておりますが、当区間は沖縄市運動公園に隣接し歩道の連続性等から早急に整備する必要があると考えております。
 当該地域は、一部米軍提供施設内にあるため事業と並行して米軍用地返還手続等を進めることになります。現在、当該区間の歩道整備については概略設計を完了しており、平成15年度の新規事業として検討しているところであります。
 以上でございます。
○金城  勉 再質問をさせていただきます。
 まず、基地問題の旧日本軍飛行場用地問題についてでございます。
 これから問題解決促進協議会の皆さん、あるいはまた関係市町村との連携を図りながら、総合的に判断をし進めていきたいという御答弁でございました。
 そこで、先日の代表質問の中で糸数議員も触れましたけれども、この旧軍港市転換法というものがあって、横須賀市において無償譲渡されたという報道がなされました。このことは、この問題を解決するに当たって、私は非常に参考になる事例ではないかというふうに考えた次第でございます。そういう意味でこの旧軍港市転換法あるいはまたこの中にあります「旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律」というものもこの中にあります。
 そういうものを参考にして、今回の旧軍飛行場用地問題、沖縄の事例に当てはめてみた場合、どのように参考になるのかならないのか、このことについて知事公室長の見解を伺いたいと思います。
 それから、福祉問題の支援費制度のスタートに当たって、今福祉保健部長から御答弁をいただきましたけれども、関係者の皆さんからは、サービスの低下あるいはまた業者あるいは市町村の対応等々についていろいろと懸念が出されております。ですから、そういう懸念を払拭するように市町村との連携も密に図りながら、また民間へのサービスの指定業者という形にももっともっとなっていくかと思いますので、これについてはしっかりした対応方を要望をしておきたいと思います。
 それから、嘉手納統合案についてですけれども、やはり知事は原則的な答弁しかできません。立場がわかるだけに私も了としたいところなんですけれども、私が推察するに、この嘉手納統合案について県としてこのように考えているんではないかという思いがするんですけれども、つまり嘉手納統合案は稚拙であると、何の根拠も示さずに単なる主観的な提案をしている。数字や期限などを設定することによってあたかも具体性があるかのように装っているけれども、これはトリックでしかない。辺野古沖への移設が万が一にも破棄するようなことになれば、どのような結果になるか。大混乱を引き起こし、嘉手納統合案を議論するところではないはずだ。国家間の信頼関係、政府と県の関係、県民合意、予算措置の問題、あるいはまたさまざまな民主的な手続等々、普天間基地の移設を話し合うことさえできなくなるというふうに思います。
 これが県の本意ではないかと思うんですが、もし間違っておれば訂正をしてください。
 以上、終わります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時  休憩
   午後5時1分再開
○知事(稲嶺惠一) 嘉手納統合案について申し上げます。
 先ほど御説明したのが県の考え方の基本的な考え方でございます。この考え方に沿って今後も着々と進めてまいりたいと思います。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
 旧軍港市転換法につきましては承知しております。この法律が旧軍飛行場用地問題の解決につながるように今後検討していきたいと考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明28日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時2分散会

 
20030107000000