平成15年(2003年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 2月28日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 2月24日、仲里利信君外13人から、議員提出議案第1号米海兵隊キャンプ・シュワブ演習場レンジ10における実弾射撃訓練及び演習の廃止に関する意見書及び議員提出議案第2号米海兵隊キャンプ・シュワブ演習場レンジ10における実弾射撃訓練及び演習の廃止に関する抗議決議の提出がありました。
 また、昨日、安次富修君外9人から、議員提出議案第3号医療費3割自己負担の実施延期を求める意見書及び安次富修君外10人から、議員提出議案第4号国民の健康の保護及び食品の安全性を確保するための食品安全行政の確立を求める意見書の提出がありました。
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○議長(伊良皆髙吉) この際、日程第1 議員提出議案第1号 米海兵隊キャンプ・シュワブ演習場レンジ10における実弾射撃訓練及び演習の廃止に関する意見書及び日程第2 議員提出議案第2号 米海兵隊キャンプ・シュワブ演習場レンジ10における実弾射撃訓練及び演習の廃止に関する抗議決議を一括議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 仲里利信君。
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   〔議員提出議案第1号及び第2号 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔仲里利信君登壇〕
○仲里 利信 おはようございます。
 ただいま議題となりました議員提出議案第1号及び第2号について、提出者を代表いたしまして提案理由を御説明申し上げます。
 去る2月21日、米海兵隊は、本県議会、県、名護市議会、名護市及び名護市数久田区が反対しているにもかかわらず、キャンプ・シュワブ演習場レンジ10においてM2・50口径重機関銃の実弾射撃訓練及び演習を再開しております。再開に際しては、その必要性や理由を説明し、訓練を安全に行い地域住民の不安を和らげると強調しております。
 しかしながら、今回の安全対策を実施しなければならなくなったそもそもの原因である平成14年7月23日、名護市数久田区内畑地で発生した被弾事故については、当日の実弾射撃訓練との因果関係や事故の原因については何ら言及してなく、地域住民や県民の不安や懸念を払拭するまでには至っておりません。
 M2・50口径重機関銃の射角制御装置については、昭和55年にも類似の射角制御装置が導入されたにもかかわらずタクシーへの被弾事故が発生しております。
 さらに、米会計検査院や米軍の調査によりレンジ10における実弾射撃訓練が構造的欠陥を持っており、実戦的訓練環境を提供できない施設であることが明らかになるとともに、米軍もそのことを認め、その後のレンジ10における実弾射撃訓練を中止してきたわけでありますが、そのことについても今回の安全対策とのかかわりの観点から県民に納得のいく説明が行われておりません。
 また、外務省沖縄事務所及び那覇防衛施設局は、県を初め名護市、名護市議会からの強い廃止要請に対して、要請の趣旨は米軍に伝えると述べたものの、訓練再開を容認する考えを示し、訓練をとめることはできないとしております。
 本県議会は、これまで米海兵隊キャンプ・シュワブ演習場レンジ10において被弾事故等が発生する都度その危険性を訴え、米軍や関係機関に対し実弾射撃訓練等の廃止を強く要請してきたところでありますが、今回このような形で実弾射撃訓練等を再開したことはまことに遺憾であります。
 よって、本県議会は、県民の生命財産の安全を守る立場から、米海兵隊キャンプ・シュワブ演習場レンジ10における実弾射撃訓練等の再開に対して厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに実現されるよう関係要路に求める必要があるということで両議案を提出した次第であります。
 意見書を朗読いたします。
   〔米海兵隊キャンプ・シュワブ演習場レンジ10における実弾射撃訓練及び演習の廃止に関する意見書朗読〕
 次に、抗議決議につきましては、内容が意見書と同じでありますので、あて先だけを申し上げます。
   〔米海兵隊キャンプ・シュワブ演習場レンジ10における実弾射撃訓練及び演習の廃止に関する抗議決議のあて先朗読〕
 以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 なお、両議案につきましては、その趣旨を関係要路に要請するため議会代表を派遣する必要があるとの意見の一致を見ておりますので、議長におかれましてはしかるべく取り計らっていただきますようお願い申し上げます。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第1号及び第2号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、両案については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
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○議長(伊良皆髙吉) これより議員提出議案第1号米海兵隊のキャンプ・シュワブ演習場レンジ10における実弾射撃訓練及び演習の廃止に関する意見書及び議員提出議案第2号米海兵隊キャンプ・シュワブ演習場レンジ10における実弾射撃訓練及び演習の廃止に関する抗議決議の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第1号及び第2号は、原案のとおり可決されました。
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○議長(伊良皆髙吉) ただいま可決されました議員提出議案第1号及び第2号については、提案理由説明の際提出者から、その趣旨を関係要路に要請するため議員を派遣してもらいたいとの要望がありました。
 よって、お諮りいたします。
 議員提出議案第1号及び第2号の趣旨を関係要路に要請するため議員5人を派遣することとし、その期間及び人選については議長に一任することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第3 議員提出議案第3号 医療費3割自己負担の実施延期を求める意見書を議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 安次富 修君。
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   〔議員提出議案第3号 巻末に掲載〕
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   〔安次富 修君登壇〕
○安次富 修 おはようございます。
 ただいま議題となりました議員提出議案第3号について、提出者を代表いたしまして提案理由を御説明申し上げます。
 現在、我が国は深刻なデフレ経済下にあり、給与所得の減少や伸び悩みは個人消費の低迷など国民生活に多大な影響を与えている。
 このような状況下で、給与所得者に係る医療費の自己負担割合を2割から3割へ引き上げることは、医療機関における治療の中断や受診控えにつながり、病気の早期発見や治療がおくれるなど国民の健康を阻害することにもつながる。
 厚生労働省が公表した平成15年度予算案による収支見通しでは、政府管掌健康保険については給与所得者の保険料の引き上げや高齢者の医療費自己負担の増等により、単年度収支が11年ぶりに黒字に転換する見込みとなっている。
 このような状況を踏まえ、給与所得者に係る健康保険の医療費3割自己負担の実施を延期するよう関係要路へ要請するため本案を提出した次第であります。
 意見書を朗読いたします。
   〔医療費3割自己負担の実施延期を求める意見書朗読〕
 以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第3号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、本案については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
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○金城  勉 議長。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時16分休憩
   午前10時16分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 これより議員提出議案第3号医療費3割自己負担の実施延期を求める意見書を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第3号は、原案のとおり可決されました。
   ―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時17分休憩
   午前10時17分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 日程第4 議員提出議案第4号 国民の健康の保護及び食品の安全を確保するための食品安全行政の確立を求める意見書を議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 安次富 修君。
   ――――――――――――――
   〔議員提出議案第4号 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔安次富 修君登壇〕
○安次富 修 ただいま議題となりました議員提出議案第4号について、提出者を代表いたしまして提案理由を御説明申し上げます。
 食品の安心・安全は消費者にとって大きな願いであり、国民に共通の課題である。しかしながら近年、O157、BSE、遺伝子組みかえ食品など食品の安全性に係る新しい問題が続発している。特に、BSEの発生、一部食品メーカーのずさんな管理、牛肉等の産地・日付表示の改ざんなど、あってはならない行為により食品の安全性に対する消費者の不安が広がっており、改めて食品行政の抜本的改革が求められている。
 このような状況を踏まえ、国民のための食品安全行政の確立を早期に実現するよう関係要路へ要請するため本案を提出した次第であります。
 意見書を朗読いたします。
   〔国民の健康の保護及び食品の安全性を確保するための食品安全行政の確立を求める意見書朗読〕
 以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
○外間 久子 議長。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時22分休憩
   午前10時22分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第4号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、本案については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) これより議員提出議案第4号国民の健康の保護及び食品の安全性を確保するための食品安全行政の確立を求める意見書を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第4号は、原案のとおり可決されました。
   ―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第5及び日程第6を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第33号議案まで及び乙第1号議案から乙第27号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 渡久地 健君。
   〔渡久地 健君登壇〕
○渡久地 健 おはようございます。
 2月定例会も代表質問、一般質問、きょうが最後でございます。さわやかにいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず初めに、我が党の代表質問の企業の誘致及び観光振興の関連で、沖縄型特定免税店について質問いたします。
 那覇空港内で免税店を運営するDFSグループの空港外への新規展開計画については、観光関連産業の振興と雇用の面からも期待されており、DFSグループの試算によりますと500名以上の地元雇用、年間30万人の観光客増、地元製造業の底上げ、増設に伴う地元小売業の出店、120億円の総事業費等を含め年間400億円の経済効果を見込んでおります。
 一方、空港外での特定免税店については1997年から経済産業省が調査し、宜野湾市が最適としてDFS社を誘致し準備を進めてきておりましたが、昨今の新聞によりますと、2月19日にDFS社の代表と知事との会見でDFS社は、「空港外大型免税店を那覇市新都心に建設することに同意を求めた。しかし、稲嶺知事は宜野湾市を推す従来の姿勢を堅持し、交渉は決裂した。 同社は来月7日までに県の同意が得られなければ「沖縄への出店そのものを撤回する」と表明。国に認められた空港外免税店制度が、活用されないまま宙に浮く可能性が出てきた。」と報じられております。
 そこで質問いたします。
 (1)、沖縄振興計画や県観光振興計画で同制度をどう位置づけし、活用を図るねらいは何なのか。
 (2)つ目に、同制度における宜野湾市、県、国の役割と責任はどうなっているのか。
 (3)点目に、世界で130の免税店を展開しているDFSグループが進出を決めた経緯、その後の事業展開の進捗状況について。
 (4)点目に、宜野湾市の用地取得等企業進出のための環境整備の条件とその整備状況について。
 (5)点目に、宜野湾市の関係者によると、企業進出の環境整備が図られずDFS社の誘致を断念する可能性が強いとの意向でありますが、県はその宜野湾市の実態を把握しているのか。また、宜野湾市が断念した場合、県は那覇市に変更することもあり得るのかをまず質問いたします。
 次に、今年度から3年間で実施される行政システム改革大綱について質問いたします。
 この大綱は、計画だけではなく目標の内容及び目標達成度を明らかにしており、事務・事業の見直しについてもこれまで総枠ではなく、きめ細かくその内容と方向性を明確にしている点は私自身も高く評価いたします。
 しかし次の点について御提案いたします。
 まず第(1)に、民間人材の活用についてであります。
 経済の自立的発展に向けた沖縄振興計画の着実な実施を図るための簡素で効率的な行政体制を構築するとの行政改革の必要性をうたい、民間経営手法の活用の視点、コスト意識の徹底、成果重視、民間能力の活用等を図り、効果的かつ効率的な行政運営に取り組むとの重要性から見て、県庁内の人材についてもぜひとも民間の人材を活用していただきたいというふうに思うわけでございます。
 (2)つ目に、公社等外郭団体の見直しについては、県の方では事業及び組織全般について今日的適合性の検証を行い、統廃合を含めた抜本的な見直しを行うとの方針でありますけれども、私はこれらの団体をすべて廃止をいたしましてゼロからのスタート、つまり今行政上どうしても必要な組織を再構築する、このような視点が必要だと思います。
 それに基づいて質問いたします。
 まず第(1)に、平成15年2月に素案が提出されましたが、最終的にいつ決定するのか。また、決定までに各種団体や県民の声をどう反映させるのか。
 (2)点目に、昭和60年及び平成8年度に新沖縄県行政改革大綱、平成12年度に沖縄県行政システム改革大綱を策定・実施してきましたが、今回の行革との相違点及びその特徴についてお伺いたします。
 (3)点目に、沖縄振興計画の着実な推進を支えるための行政体制の整備及び効果を発揮するための財政確保のあり方についての基本方針についてお伺いいたします。
 (4)点目に、県財政健全化のための具体策について。
 財源の確保と住民負担の公平の観点から、未収金の解消を図ることが急務であると思います。平成13年度決算による収入未済額は一般会計で86億7405万余り、特別会計で33億7556万余り、合計120億4180万8490円となり、特に県税が全体の68億8000万円、中小企業近代化資金が26億3000万余りとなっており、これが県の財政を圧迫する大きな要因となっております。
 そこで、県の方としては県税徴収率について平成13年度が92.4%でありますけれども、平成17年度に他府県並みの96.2%の目標を掲げております。3.8%アップするだけで、私の試算によると約35億円の収入増が見込まれております。その具体策と達成見込みについてお伺いいたします。
 (5)点目に、国庫補助等依存体質から転換を図る方策についてお伺いいたします。
 (6)点目に、成果の見える行政運営のあり方については、県民視点に立ち真に必要な政策を推進する行政システムを構築するために、特に重点施策に基づく客観的な政策評価の仕組みの導入についてお伺いいたします。
 次に、那覇空港滑走路の沖合展開について質問いたします。
 昨年12月、国土交通省において滑走路増設を含めた抜本的な調査の必要性を明記した答申が出され、総合的な調査を進める方針が示されました。しかし、国の厳しい財政事情から空港整備については調査が認められても即事業につながることはないとの方針であります。県としては事業化に向けた相当の理論武装が必要であると思いますけれども、その決意と方針についてお伺いいたします。
 (2)点目について、沖合展開が認められ事業着手しても完成までに12年と言われております。観光入域者数を平成23年度までに現在の483万人から650万人との目標を設定しておりますけれども、完成の時期と県の予測する滑走路の容量の限度に達する時期とのミスマッチは生じないのかお伺いいたします。
 (3)点目に、周辺地域への影響についてでございます。
 国は答申の中で、抜本的な空港向上方策として幅広い合意形成を図り、総合的な調査を進める必要があるとしている。それは環境への影響や旅客需要、費用対効果など総合的に調査してその結果を見て着工の可否を決定することと考える。
 ア、海域の一部埋め立てによるサンゴ礁等の自然環境との調和等の環境影響評価(アセスメント)をどのように行うのか。
 イ、空港周辺の住民への意向調査、特に騒音との関連についての合意形成をどう図っていくのかをお伺いいたします。
 次に、観光振興についてでございます。
 まず第1に、構造改革特区の2次募集の提案のあった韓国、台湾及び香港からの団体観光旅行の査証(ビザ)の免除、イ、「沖縄観光宝くじ」の発行の2つが見送られましたが、その理由は何なのか。また、今後どのように対応していくのかをお伺いいたします。
 そして県が提出したこの2つのア、イの特区が認められた場合の本県観光振興にどのような反映をされるのかについて試算をお伺いいたします。
 次に、沖縄振興推進計画における10年後の目標値、観光客1人当たりの県内消費額8万5000円を10万9000円に、入域観光客の平均滞在日数3.66日を4.18日に目標を設定しておりますけれども、その根拠及び目標達成のための具体策についてお伺いいたします。
 平成13年の県内消費額は前年比7.7%減、平成14年度はさらに落ち込むことが見込まれている中で、このような数字についてお伺いいたします。
 そして宿泊施設客室数2万8000室を3万3500室、約1万室ふやすこのような室数、及びクルーズ船の寄港回数年67回を200回と設定しております。宿泊施設の増設のための県の支援策はあるのか。また、クルーズ船寄港の誘致の方針と寄港の整備は可能なのかについてお伺いいたします。
 次に、自由貿易地域の活用状況について。
 (1)、これについては誘致企業の状況とその見通しについて。
 (2)、賃貸工場の整備計画とその利用状況についてお伺いいたします。
 次に、県産品の優先使用についてでございます。
 県産品の定義については、いろんな解釈があると思います。原料を県産品のみに使う1次製品のみを設定するのか、あるいはほかから持ってきた2次製品を含めて県産品と設定するのか、その定義についてお伺いいたします。
 (2)番目に、優先使用のための事業はどのようなものがあるのか。それがどのように展開され、またその効果及び特に経済効果についてお伺いいたします。
 (3)点目に、県、市町村での公共事業等で県産品の優先使用が本県の産業振興にどのように反映されているかについてお伺いいたします。
 次に、医療・福祉の関係でございますけれども、離島の救急患者の搬送については昭和47年の復帰直後から本島、離島を中心に自衛隊が、石垣、宮古については第11管区海上保安本部が実施しており、本県では沖縄県離島振興協議会加入の24市町村が恩恵を受けております。
 自衛隊による搬送は鹿児島県の奄美大島以南の離島も対象とされ、昨年11月6日の搬送で6000回を数えております。実に1年間で約200回でございます。これら急患輸送は、原則として医師または看護師のうち1人が添乗し、台風や悪天候、深夜の場合でも患者の生命を守るためみずからの生命を顧みずその任務を遂行しております。特に、平成2年2月17日の午前1時30分ごろ、交通事故に遭った救急患者を空輸するため自衛隊所属のLR─1機が宮古空港に向かっていたんですけれども、宮古沖で消息を絶ち、南部徳洲会の知花医師と自衛隊員3名のとうとい命を失っております。
 離島医療事業に貢献している自衛隊及び海上保安庁に改めて深い敬意を表するとともに、知事の御感想をお聞きしたいと思います。
 そして伊江村の離島医療組合の進捗状況と今後の作業日程でございますけれども、先ほど言いましたこの6000回のうち沖縄県が5230回、87.2%ですけれども、その40%が久米島の2075回でございます。しかし、久米島病院ができてからこれが激減しているといいますけれども、伊江村の離島医療組合の進捗状況は前から要望がありますけれども、それについて久米島町が合併し、その後の進捗状況も変わっていると思いますので、ぜひとも早期の加入を希望し質問いたします。
 次に、高齢化社会における難聴問題と補聴器適用システムについてでございます。
 高齢化社会に入り難聴高齢者がふえ、70歳以上では約半数が補聴器を必要とされると言われ、本県では7万人から8万人が該当すると言われております。補聴器を使用する場合は周波数、特性など理論的検査によって最も合った機種を選定しなければならないけれども、多くの場合、その検査が十分行われず購入し、着装してもよく聞こえず、かえって煩わしくそのまま放置してしまい、実際に1人で五、六個高価な補聴器を持っている難聴者がいると言われております。
 実際に補聴器を日常使用しているのは難聴者の10名から20名に1人であり、年齢が進んで難聴のままでいるとコミュニケーション障害により家庭内では孤立し、地域社会活動にも参加せず生きがいを喪失し、ぼけ、寝たきりになりやすいと言われております。この問題を解決するためにNPO法人「沖縄県難聴福祉を考える会」が結成され、約3000名以上の会員が中心となり、各市町村において社会福祉協議会等で難聴相談事業が実施されております。
 また、昨年5月に野田琉大医学部教授が中心となり、那覇市に沖縄補聴相談センターを設置し無料で補聴相談に応じ、センターに備えた100種類の補聴器を実際に貸し出しして難聴者が最も合った補聴器を選定できるよう手助けしております。
 そこで次の点について質問いたします。
 (1)、本県における高齢者の難聴者の実態とその対策についてお伺いいたします。
 (2)番目に、県として補聴相談事業、研修、指導の場としての施設の提供ができないものか。
 (3)点目に、各種事業を推進するために機器整備と専門医等の配置ができないものか。そして集団補聴(磁気ループ)というのが公共施設等外国のヨーロッパにおいては整備されて補聴器が十分活用されていますけれども、その公共施設の整備等ができないものかについてお伺いいたします。
 以上、質問を終わりますけれども、答弁によりまして再質問をさせていただきます。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 それでは渡久地健議員の御質問にお答えいたします。
 「新沖縄県行政システム改革大綱」の中で、新大綱の決定の時期と県民の声の反映、これまでの行政改革との相違及び特徴についてを一括して御答弁いたします。
 県は、現行の「沖縄県行政システム改革大綱」に基づき効果的かつ効率的な行政運営を推進しているところであります。
 新たに策定する「新沖縄県行政システム改革大綱」においては、「県民本位の成果・効率重視のスマートな行政」を基本理念とし、「県民参加と協働」、「民間経営手法の活用」、「自己決定・自己責任」を視点になお一層行政改革を推進していく考えであります。このため、これまで以上に県民の県政に参加する機会の拡充やNPO団体等との連携を深めるなど、県民視点に立った行政運営を推進し、県民満足度の向上を図ってまいります。また、公社等外郭団体の事業及び組織全般に係る統廃合を含めた抜本的な見直しを行います。
 さらに、具体的な数値目標等を掲げた実施計画を定めることで行政改革の実効性を高めることとしております。
 新大綱策定に当たっては、広く県民の意見を反映させるため、県のホームページや広報誌等で公表し意見募集を行っております。これらの県民意見を含め、外部有識者で構成する行政改革懇話会の意見を反映させて3月末に決定する予定であります。
 続きまして、那覇空港の沖合展開の事業化に向けた決意と方針についてお答えいたします。
 那覇空港の抜本的な空港能力向上方策等についての調査は、平成15年度から沖縄総合事務局により行われる予定です。
 国土交通省交通政策審議会航空分科会の答申において、滑走路新設事業については国が整備指針を明示し、また事業の計画策定等の過程における住民参加、いわゆるパブリック・インボルブメント等の手続をルール化すべきであるとしております。県としては、今年度中に国が策定する「新たな空港整備プロセスのあり方」を踏まえ、国と連携してパブリック・インボルブメントを通じた合意形成に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 次に、自由貿易地域の誘致企業の状況と賃貸工場の整備計画について一括してお答えいたします。
 特別自由貿易地域については、平成11年度から企業誘致を積極的に進めております。あわせて、企業の初期投資負担を軽減する賃貸工場の整備を初め、立地企業の支援体制を構築するなど企業が進出しやすい環境の整備に努めております。
 このような取り組みにより、分譲地に1社、賃貸工場に7社の計8社が立地しております。今年度は4社の立地内定を見込んでおり、さらに具体的に調整を進めている企業を含め10数社が関心を示しております。
次に、賃貸工場の整備については、おおむね24棟の整備を計画しており、今年度末までに整備済みの9棟を含め12棟、平成15年度末までに18棟が整備される見込みであります。残り6棟の整備については、企業の入居状況を踏まえながら対応する考えであります。
 続いて、陸上自衛隊の急患搬送が6000回に達したことに関する感想についてお答えいたします。
 県では、離島からの急患搬送について、復帰後の昭和47年から陸上自衛隊並びに第11管区海上保安本部の協力を得て実施しております。昨年11月6日には陸上自衛隊による急患空輸が6000回に達しております。その間、とうとい犠牲を払いながらも本県の離島救急医療の確保に多大な貢献をされたことに対し、心から感謝の意を表したいと思います。
 本県は離島県であり、多くの有人離島を抱えており、離島住民の救急医療対策は切実な問題であります。陸上自衛隊を初め関係者の皆様方におかれましては、本県の実情を御理解いただき、今後とも安全に急患空輸業務が行われ、離島住民が安心して生活できるよう御協力をお願いしたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(當銘直通) 「新沖縄県行政システム改革大綱」のうち、行政体制の整備についてお答えいたします。
 行政組織については、社会経済情勢を踏まえ、時代の要請や県民の行政ニーズにこたえるとともに、簡素で効率的な組織とする必要があると考えております。このことから、平成15年度は沖縄振興計画に基づく今後の沖縄づくりを推進していくための重点事業、新たな事業などへの取り組みを考慮した組織編成を行うこととしております。
 具体的には、沖縄振興計画の進捗管理及び総合調整を行うための機能を強化するとともに、金融業務特別地区の振興、地域の産業を振興し雇用機会を創出するための推進体制を強化することとしております。
 また、民間主導の自立型経済の振興に寄与する科学及び学術の振興、大学院大学の設置推進を図るため「科学・学術振興室」を新設するとともに、国際空港の整備促進、都市モノレールとバス路線の連携など交通運輸政策を推進するため交通対策課を「交通政策室」に格上げし、行政組織を整備することとしております。
 次に、沖縄振興計画の効果的発揮のための財源確保及び国庫補助依存体質からの転換について一括してお答えいたします。  
 国、地方を通じて今後とも厳しい財政状況が続くと見込まれる中で、地方公共団体が地域における行政を自主的かつ総合的に推進していくためには、自主財源の充実・確保を図っていく必要があります。このため、県においては、自主財源の柱である県税収入の確保に向け、特別滞納整理班の積極的活用及び市町村との連携による共同催告など徴収強化に努めているところであります。
 また、使用料及び手数料については、受益者負担の原則及び負担の公平の観点から定期的な見直しを行っており、さらに県有財産の効果的かつ効率的な活用を図るため、未利用及び貸付県有地の売り払い等を進めているところであります。県としては、今後とも県税を初めとする自主財源の確保に努めるとともに、中長期的には本県経済の活性化に結びつく産業振興施策を推進して税源の涵養を図っていきたいと考えております。
 次に、平成17年度までに徴収率を他府県並みに引き上げることについてお答えいたします。
 県財政健全化のためには、自主財源の柱となる県税収入の一層の確保が求められており、「新沖縄県行政システム改革大綱」(素案)において平成17年度までに徴収率を96%台に引き上げることとしております。
その対策としては、1、広報活動等による税への理解と協力の促進及び自主納税の推進、2、国及び市町村との連携を密にした効率的な滞納整理の促進、3、納税秩序の確立を図るため財産の差し押さえや公売等の法的措置の強化等に努め、さらに「県税未収債権管理マニュアル」に沿った滞納者の実情に即した滞納整理の展開を図っていきたいと考えております。
長引く景気低迷により、今後も税務を取り巻く環境は厳しい状況が続くと予測されますが、これまでにも増して創意工夫を凝らし、目標数値の達成のためあらゆる対策を講じてなお一層の税収確保に努めていきたいと考えております。
 以上であります。
○企画開発部長(与儀朝栄) 客観的な政策評価の仕組みの導入についてお答えいたします。
 県民的視点に立った行政の推進や効率的な行政運営を行うため、施策・事業の成果を検証・評価する行政評価を実施しております。
 観光、情報等の産業の振興や健康福祉社会、環境共生型社会の形成などの政策目的を着実に実現するためには、行政評価に加え、政策や施策の体系的な効果を明らかにし、新たな政策形成や行政運営に反映させる政策評価が重要であると考えております。政策評価のあり方については、現在、他県の事例や手法等を調査しているところであります。
 次に、那覇空港滑走路の沖合展開について、環境アセスメント、周辺住民への意向調査、騒音関連の合意形成について一括してお答えいたします。
 国土交通省交通政策審議会航空分科会の答申を受け、滑走路増設の必要性を検証するため、抜本的な空港能力向上方策の検討などさまざまな調査が国により行われることとなっております。その後、事業の計画策定等の過程における住民参加、いわゆるパブリック・インボルブメントを通した基本構想、基本計画が策定され、法に基づき騒音を含めた環境アセスメントを国が実施することになると考えています。
 県としては、これまで周辺地域の現況調査等基礎的な調査を行ってきたところでありますが、今後、国の動きに対応しながら、幅広い県民レベルの合意形成に向けて地元関係者や学識経験者等から成る組織の設立など条件整備に努めてまいりたいと考えております。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、那覇空港拡張完成時期と観光入域目標値のミスマッチはないかとの御質問にお答えをいたします。
 那覇空港の現在の滑走路における航空機発着回数の上限はおおむね年間13万回とされており、観光リゾート局におきましてはこれに基づく試算を行い、観光客の受け入れ容量を年間590万人と推計いたしました。
 観光振興基本計画においては、この現在の那覇空港における観光客の受け入れ容量に離島空港における受け入れ人数及び海路による受け入れ人数を加えて、平成23年度における入域観光客数の目標を650万人に設定したところであります。したがいまして、650万人の目標達成年と現在の滑走路容量の限度時期とにミスマッチが生ずることはないと考えております。
 次に、構造改革特区の第2次提案に関する御質問にお答えをいたします。
 査証発給の特例につきましては、台湾、香港及び韓国からの団体旅行に限定したノービザを要請いたしましたけれども、外務省は不法滞在や犯罪の増加等が懸念されるとし、ノービザには否定的であります。
 一方、これまで一定の条件を満たす特定国の国民からの短期滞在査証申請について提出書類の簡素化を検討するとの見解が示されておりましたけれども、昨日、韓国など近隣諸国からの修学旅行生について手続の緩和措置を行う旨の回答が示されております。
 また、「沖縄観光宝くじ」の発行に当たって賞金額上限の撤廃を要請しましたが、射幸心をあおることから慎重に検討すべきであるとして見送られております。今後は、国の構造改革特区の作業状況を見守りつつ、継続して本県が要望する特区の実現に取り組んでいく所存であります。
 なお、本県がこれまで要望してきた国際観光・保養特区が認められた場合には、台湾、香港及び韓国からのアクセス条件の改善により海外からの観光客の増加が見込まれます。
 また、観光宝くじによる旅の楽しみの演出による観光客の増加はもとより、観光振興のための財源確保及び当せん品として県産品を設定することによる県産品の普及・拡大等の効果があるものと考えております。
 それから、沖縄振興推進計画における目標値に関する御質問にお答えをいたします。
 沖縄振興推進計画の目標値は、10年後の沖縄観光のあるべき姿を見据え、これまでの実績とトレンドを踏まえ、努力目標値として設定しております。
観光客1人当たり県内消費額につきましては、付加価値の高い健康・保養型観光やエコツーリズム等の推進、沖縄型特定免税店の拡張やアウトレットモールの新設、観光土産品の質の向上に向けた施策展開等の増加要因を踏まえ目標を設定いたしました。
 また、平均滞在日数につきましては、体験・滞在型観光の推進や「沖縄美ら海水族館」及びその周辺整備による滞在の長期化、新たなエンターテインメントの創出等を踏まえ、目標を設定いたしました。
 宿泊施設の増設に対する県の支援策としては、観光リゾート振興資金の融資がございます。
 クルーズ船の誘致につきましては、平成15年2月に発足した県、沖縄観光コンベンションビューロー、沖縄総合事務局、港湾所管市町村等で構成する「沖縄県クルーズ促進連絡協議会」を中心に誘致並びに受け入れ事業を推進し、国内外に向けて積極的なポートセールスを行っていく考えであります。また、クルーズ船就航の増加に向け、大型旅客船バースの整備を推進していく考えであります。
 次に、沖縄型特定免税店制度の位置づけ、目的についてお答えをいたします。
 沖縄振興計画において、「ショッピングの魅力の向上を図るとともに、さらにその新たな魅力の創出に向け、沖縄型特定免税店の空港外展開と併せて国際ショッピングモール構想の推進を図る。」と位置づけております。
 また、観光振興計画においては、「国際ショッピングモール構想の実現を図るため、宜野湾西海岸観光振興地域において、海洋性アーバンリゾートの特性と魅力をいかし、沖縄型特定免税店の空港外展開としての国際的なショッピング施設を核に、周辺地域のマリーナ、ビーチ及びコンベンション関連施設等と連動したレクリエーション施設や飲食施設等観光関連施設の集積拠点の形成を促進する。」と位置づけております。
 沖縄型特定免税店制度は、新たなショッピング拠点の形成を促進することにより本県観光の新たな魅力を創出し、本県への入域観光客数や観光客1人当たり消費額の増大とともに、雇用の拡大を図ることを目的としております。
 次に、特定免税店制度における関係機関の役割等についてお答えいたします。
 沖縄型特定免税店の空港外施設の実現に関しては、沖縄振興特別措置法において「内閣総理大臣が関係行政機関の長に協議して指定する。」とうたわれており、関係者が協力して取り組むことが求められております。
 以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 県産品の定義についての御質問にお答えします。
 県産品の定義につきましては、県内で製造・加工される製品はすべて県産品であると考えております。
 製造・加工とは付加価値をつけることであり、材料に何らかの加工を加えることを前提としております。
 次に、県産品の優先使用を事業展開をした効果についての御質問にお答えします。
 経済の自立的発展及び雇用の場の創出を図るには産業の振興が極めて重要であり、そのうち製造業は地域産業への経済波及効果の極めて高い重要な産業であります。
 しかしながら、本県製造業はそのほとんどが中小企業であり、経営基盤が弱いため移・輸入品に押され後退を余儀なくされている状況にあります。
 この状況を打開し県産品の市場占有率向上を図るため、県は昭和59年に「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」等を策定し、以来、毎年7月の県産品奨励月間の設定や産業まつりの開催等県産品の優先使用に関する諸事業を展開し、県内企業の育成・強化に努めてきたところであります。その結果、品質、製造技術、デザインが著しく向上した商品開発が活発に行われるようになってきました。また、最近においては健康食品関連やベンチャー等の分野を中心に県外市場を開拓している企業もふえてきており、新たな県産品が県内企業の牽引役として育ちつつあります。
 ところで、県産品を優先使用するということは財貨が県内に滞留するということ、雇用の場を創出することなど県内経済への波及効果を高めることにつながり、引き続きその徹底に努めていきたいと考えております。
 次に、公共工事での県産品優先使用の産業振興についての御質問にお答えします。
 県発注の公共工事においては、特記仕様書の中で県産品の優先使用を明記することにより県産品の優先使用に取り組んでいるところであります。
 また、毎年、県発注の公共工事における鉄筋、セメント等11品目の主要建設資材の県産品優先使用状況を調査し、その把握に努めているところです。平成13年度の主要建設資材の使用割合については、アルミ形材83.3%となっているほかはすべて96%以上となっております。
全国に比べ公共工事の割合が高く公共投資依存型である本県において、公共工事での県産品優先使用に取り組むことは鉄筋、セメントなど建設資材を製造する基幹産業に対する強力な育成・支援になるとともに、県内における経済波及効果、雇用創出効果が大きく期待されるものであります。
 県としましては、今後とも公共工事等における県産品の優先使用についてその徹底を図るため積極的に取り組むとともに、市町村等に対しても引き続き「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」及び「大型プロジェクト建設工事発注方針」への理解と協力についての要請を行ってまいります。
 次に、DFSグループの進出の経緯と事業展開の進捗状況についての御質問に一括してお答えします。
 平成13年度に宜野湾市において、特定免税店を核とした国際ショッピングモールの事業提案公募を実施したところ、DFS社1社が応募し、その結果、平成13年7月に事業主体予定者としてDFS社が選定されております。
 その後、DFS社が進出するに当たって、同社と宜野湾市、指定された開発業者等の関係者間で立地のための環境整備について調整が進められてきました。しかしながら調整は難航し、DFS社は宜野湾市での立地の断念を表明したところであります。
 次に、宜野湾市におけるDFS社誘致の断念の意向及び県の対応についての御質問にお答えします。
 現段階では、宜野湾市がDFS社の誘致を断念する可能性があるということについては掌握しておりません。県としましては、沖縄振興計画の分野別計画である沖縄県観光振興計画の中では、宜野湾市西海岸地域において沖縄型特定免税店の空港外展開としての国際ショッピングモールの立地促進を位置づけていることもあり、同地域における実現が図られるようDFS社に対し再考を要請したところであります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 医療・福祉について、伊江村の離島医療組合の加入についてお答えします。
 伊江村の沖縄県離島医療組合への加入については、経費負担等の問題などの調整を行いながら検討しているところであります。次年度は離島医療組合への加入準備のため職員の派遣が検討されており、今後、関係部局、国等と調整を進め、できるだけ早い時期に参画できるよう推進してまいります。
 聴覚障害者と補聴器についてお答えします。
 平成14年3月末現在、聴覚障害により身体障害者手帳の交付を受けた方は5384人で、そのうち65歳以上の方が約3300人で61%となっております。
 聴覚に障害のある方については、障害の軽減、身体機能を補う観点から必要に応じ補装具として補聴器を交付しております。交付に当たっては、身体障害者更生相談所において障害の程度に応じ必要な検査等を実施しております。
 なお、手帳交付に至らない者や耳に不自由を来す多くの高齢者が福祉的配慮を必要とすることから、市町村社会福祉協議会等において健康相談などの各種相談事業を行っており、必要に応じ医療機関を紹介しております。
 また、難聴者に対する環境整備については、「沖縄県福祉のまちづくり条例」において固定式観覧席を設ける映画館、集会場などは、難聴者の聴力を補うための磁気ループやFM補聴装置などの設置に努めるよう規定しております。これまでに読谷村文化センターや那覇市新都心にオープンした映画館、2月に供用開始した沖縄県総合福祉センターなどでこれらの装置が整備されております。
 今後とも、関係機関・団体との連携を図りながら聴覚障害者の福祉の向上に努めてまいります。
○渡久地 健 再質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、伊江村の離島医療組合への加入については、先ほど福祉保健部長から答弁がありましたけれども、これは具志川村と仲里村が合併して久米島町となって後、先ほど答弁あったように早期に実現するということになっておりますので、早期の実現をお願いしたいと思います。
 そして、自由貿易地域の活用関係についても知事から御説明がありましたけれども、やはり今企業誘致というのが知事が就任して1期目から随分と努力なさって、トップセールスということで企業誘致をなさっております。
 今回のDFS社の大型免税売店についてはこういうふうに言われています。免税売店が成功するためには、まず大量の品物を入荷して価格を安くすること、そしていろんな品物を提供すること、これには大企業でなければいけない。つまり、DFS社は世界で130の免税店を展開しております。そういう中で今、先ほど部長答弁がありましたけれども、宜野湾市の意向は聞いてないというんですけれども、もう既に宜野湾市は断念したと言われているんです。
 そして今問題なのは、3月の7日までに返事がないと撤退するということを言っているわけでございます。企業が受け入れる体制の整備については、地域にリスクを負って企業の進出はないものだと思います。企業はもうけなければいけない、利潤を上げなければいけないのは、これは当然の原理であります。採算が見込めて経済効果にも自信が持てる地域を選びたい、そしてそれが時間的な問題も解決したいというのが企業の論理であります。
 そういうことにおいて、3月7日までに県、宜野湾市が調整してDFS社と調整しなければ、沖縄から撤退してほかの地域に行くと。これはこれまでの企業誘致としての県の姿勢に反しないものか。
 我々は、雇用の問題あるいは経済効果の問題を考えますと、これについてもう一度しっかりした答弁を知事の方からいただきたいと思いますけれども、それについての知事の姿勢を答弁をお願いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時12分休憩
   午前11時13分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 牧野副知事。
   〔副知事 牧野浩隆君登壇〕
○副知事(牧野浩隆) 渡久地県議のDFS社の空港外展開についての御質問にお答えいたします。
 県内の産業振興につきましては、一番基本的には地元企業の育成ということがあります。それで足りない分はまた県外から企業誘致してくるというような二面的な作戦をとっております。その中の1つとしてDFS社や県外企業を誘致してきたわけでございますけれども、空港内では所期以上の成果を上げていまして大きな展望が開けたと思っています。
 なお、空港外の展開につきましては、今回の法律の中でも大きな成果として空港外の展開が沖縄振興特別措置法の中で可能となりました。
 一方、それを受けまして振興計画の中では、これまで政府等の関係先とも交渉しながらいわゆるショッピングモールをどこにつくるかということで県内の数カ所を検討した結果、関係先と検討しました宜野湾の西海岸地区に展開することがいいだろうということで場所の位置が決定したわけです。それを受けまして宜野湾市が公募しまして、今問題になっておりますDFS社が公募したといういきさつがあります。
 その後、進出条件などいろいろな交渉があって難航していることは私ども重々承知しております。県としても何らかのお手伝いをしてきたわけでございますけれども、当事者同士のものがありまして、今御指摘がありましたように場所の変更ということは先方から申し渡しております。しかしながら、県といたしましてはこれまでの制度の趣旨、それから観光開発計画の中で宜野湾市の西海岸地区にショッピングモールをつくって、DFSを核としたようなものということを位置づけて、それが政府の承認を受けた観光開発計画として残っております。
 そういったことがありますので、まだ我々としましては当初の趣旨に従ってDFSの方にやっていただけないかということで、せんだっての要請がありましたときも再考を要請したところでございます。まだ事態は流動的でありますけれども、所期の趣旨に従ってやっていけたらなと私どもは思っているところでございます。
○渡久地 健 DFS社と宜野湾市の話し合いは、去年の10月末にはほぼ断念しているんです。要するにこれまでの会合で、いろいろとこの2月の20日の知事との話し合いで、もうDFS社は3月7日の期限をもって宜野湾は断念しておりますから、那覇市に進出しないと沖縄への進出は断念すると言っているんです。それを相手に再考を求めても、もし相手がノーと言った場合には大きな企業誘致を逃すことになるんです。
 県は、宜野湾市と早目に話をして、宜野湾市が断念しているんであれば、那覇市への進出も含めて考えるのが普通じゃないかと思いますけれども、観光産業が650万人、10年後目指している。先ほども話がありました。要するに宿泊施設も1万室をふやす。そう言いながら、こういう関連施設の条件整備を図るのが観光産業の大きな目玉になるし雇用の確保にもなると思いますけれども、もう一度知事の御決断をお聞きして終わります。
○知事(稲嶺惠一) DFSの誘致については私は非常にかかわっております。
 しかもこの3月の初旬には──表には出ないで、マスコミには報じられましたけれども──サンフランシスコのDFSの本社まで行って会長さんとお会いをしております。したがいまして、DFSの沖縄観光における重要なウエートを持っているということは十二分に理解をしております。
 3月7日、これは当初の沖縄の基本的な考え方の中でうまく進むように全力を尽くして残された期間努力します。
○砂川 佳一 島に生かされ、島と生き、島にこだわり、島を主張し、島々との深情けにかすかな快感を味わいつつ質問させていただきます。
 まず、今議会で最も多くの議員が取り上げております市町村合併についてであります。
 その中でも、特に私は県内離島市町村に視点を絞り込んで考えてみます。
 そこで、今ここに重大な責任と選択を背負わされた離島市町村長の生の声をお聞きください。
 A町長。離島である我が町の最大の課題は財政問題だ。住民の町外流出によって生産年齢人口は50%を下回り、65歳以上は30%を超えた。地方税は減少を続け、福祉や医療の義務支出は増加し多額の地方債の償還もある。ここで独立を貫き、地方交付税を減額されれば町の財政は破綻しかねない。むしろ合併特例法の期限内に合併すれば、10年間は箱物などの事業費の5%を元手に起債が認められ、償還金の7割は国が肩がわり負担する支援策を利用し、基盤を強めることが町民にとっては得策である。
 一方、B村長は、陸続きの本島内なら仕事や生活が広い範囲に広がり、都市と郊外に交通網が整って自治体の広域統合が十分考えられる。だが離島は違う。離島は行政を別の島に統合したり、離島と本島が一緒になっても広域行政による利点はない。また、行政の効率化にもならない。村役場がなくなった離島住民の不便は、本島とは比べものにならないほど大きな負担になる。その結果、住民の離島離れをますます加速するだけで、結局は小さい島から順次切り捨てになっていくのではないか。だが、合併しない市町村に対する地方交付税の減額は非常に困る。もともと地方交付税は、我が国の複雑な地形や気候、産業適性地との所得差、地域格差を調整するものではなかったか。均衡交付金的な性格の地方交付税として制度化されたものだ。これが合併する、しないという国の政策に対する忠誠度でさじかげんされることは承服できない。納税年齢の若手は島から都市に移り、保護と介護を要する子供と高齢者を抱える地域にどうやって自立せよというのか。新しい市誕生とともに、辺境部として徐々に衰退しかねない状況にやりきれない思いをしているのですと。
 しかし、嘆いてばかりもいられないのもまた実情、実態であります。ピンチはチャンスの発想で島おこし、まちづくりのビッグチャンスに転回しなければならないと考えるのも一方策です。今後の島のあり方を県も交え、島の住民みんなで一緒に取り組まねばならないのです。
 社会基盤の港湾、電力、空港や情報、教育訓練、観光拠点のあり方や地点別の役割、保護すべき島の環境、景観や資源、伝統文化、それらの価値情報と発信、またこれらの構想を先導する自治体及び住民のあり方など、合併するにしてもしないにしても十分な計画の練り直し時間が必要です。国の都合だけで時間を区切られることへの不満が全国的に渦巻いています。
 ついては、この実情を調査し、時限立法である合併特例法の期間の猶予を求めることを国に働きかける必要はありませんか、伺います。
 そして、多くの国防の島を抱える沖縄の地理的位置などを主張しながら、「一島一町村」の実現こそ個性ある自治体と住民自治が生まれ、我が国のすばらしい島嶼県となることを具申し、「一島一町村」の実現を国に働きかける考えはありませんか、知事の御見解を求めます。
 さらに、宮古市町村合併協議会においてこれまで多岐にわたる協議がなされたものと思いますが、ここら辺でこれまでの協議事項を事務整理し、問題点をオープンに開示することも必要だと考えます。今後の課題、問題点など解決すべき事項をお示しください。
 2点目、伊良部架橋早期建設に向けてであります。
 伊良部架橋実現は、御案内のように島と島を結ぶだけでなく、人々の文化、教育、産業、命と暮らし、さらに歴史と未来をつくるかけ橋であり、島の住民にとっては新世紀の夢開くあけぼのであります。伊良部町民はもとより、宮古圏域関係者を初め多くの県民が一日も早い実現に向けてその確かな芽出しをまさに祈るような気持ちで見詰めております。
 稲嶺知事誕生以来、実現がさらに加速される見通しの伊良部架橋早期建設に向けて質問いたします。
 (1)、伊良部架橋技術検討委員会幹事会で平良市、伊良部町両側の海中道路区間の比較検討案として橋梁案が提示されました。その経緯、選定基準、今後の課題、各委員からの意見内容などをここで明示し説明をしてください。
 その中で、環境影響評価方法での藻場の最大評価、自然環境への影響を再度十分検討すべきだとの知事意見書、さらには地元久松モズク漁民、平良市漁協などへ配慮した水産業振興策については整合性はどのように図られているんでしょうか。
 (2)、今後の技術検討委員会のスケジュールと、委員会に提示される検討事項についてどのようなものがあるかお伺いいたします。
 (3)、2004年度の事業化に向けた作業日程、取り組みについて概要を伺っておきます。
 3点目、県立宮古病院新築・移転計画についてであります。
 宮古地区は、離島及び遠隔地にあることから、地域住民にとっては沖縄本島のように大学附属病院、県立病院や民間総合病院などが少ないだけに県立宮古病院への依存度は高く、期待するものは極めて大きいのです。しかしながら、県立宮古病院施設の狭隘化・老朽化及び設備・機器の不十分さ等により住民に十分な医療サービスを提供できない状態になっております。
 例えば、障害者や老人に優しいバリアフリーな構造にほど遠いことや、救急搬送患者の95.3%を受け入れている中核病院にもかかわらず、救急車入り口と夜間通用門、救急受診治療室と待合室や警備室が相部屋的な同一状態で狭隘であります。機能的ではないのであります。
 地域完結型医療を担う中核病院としての機能、役割、そしてどの地域で生活していても医療を受けるのは平等であるという基本理念に沿って医療格差を生じさせないことを強く要望しつつ、県の考えを伺います。
 (1)、地域の中核病院についてどのような整備計画があるか。宮古については新しい高度・多機能病院の建設後となっていますけれども、現在、県が設置している「県立病院の今後のあり方検討委員会」で検討される中で離島病院の宮古や八重山の病院の整備についてはどのようにお考えなのでしょうか。
 (2)、平成15年度中にはあり方検討委員会の答申が出されるが、さきに「宮古病院将来構想検討委員会」から出された早期移転・新築の要望書と答申のすり合わせはどうなるのでしょうか。
 (3)、老朽化して狭い建物で修繕費で対応するなどの応急措置は非効率的であり、限界であります。医療環境の改善のため早急に移転・新築が望まれます。15年度は今後のあり方検討委員会答申、16年度に基本計画、17年度実施計画、18年度建築開始、19年度から20年度初めに移転との移転・新築のスケジュール計画で理解しているんですけれども、その認識でよろしいでしょうか、確認をいたします。
 4番、新多良間空港供用開始開港式の日程についてであります。
 新離島振興計画にも明示され、これからの多良間島の振興はもとより、宮古・八重山圏域の交通利便性が図られる新多良間空港がいよいよ開港されますことに、ここに感謝申し上げながら質問をいたします。
 多良間島には国指定無形民俗芸能文化財、通称八月踊りがことしは9月4・5・6日の3日間行われます。この組踊は、昨年、国立劇場や首里城などで上演・披露されたように、沖縄の誇る格調高い民俗芸能であるとともに、多良間村が島の神事、祭りとして継承・発展に島を挙げて取り組んでいる歴史・文化遺産であります。 
 この個性豊かな歴史・文化遺産の紹介を新多良間空港開港に伴う供用開始周知イベントとして抱き合わせ発信することは、島に住む人々にとっても二重三重の慶祝事であり、まさに離島振興策の相乗効果を発揮する二度とない絶好の機会であります。チャンスを生かすこと、これが成功の秘訣です。どうか多良間村振興発展の新しい門出の日として10月供用開始予定を八月踊り、祭りと同一日程の9月4・5・6日に合わせる考えはありませんか。都市モノレール(ゆいレール)の前倒し開通の前例があるように、ぜひ県の決意のほども伺っておきます。
 5点目、宮古地域栽培漁業振興についてであります。
 近年の宮古の漁業生産は沿岸海域に依存していることから、栽培漁業の強化推進が求められます。これまで種苗生産、稚魚放流事業は平良市を主体とする6市町村でこれらの事業は分担金を出して運営しております。しかしながら、平良市栽培漁業センターの自然災害被害や老朽化に伴い、飼育生産の防疫体制を初め種苗生産技術の確立や維持管理が困難な状況にあります。国立水産研究機関や県水産試験場などのある他地域との格差を生じさせないためにも県の対応策が求められております。
 ついては、(1)、県栽培漁業センター、県水産試験場、平良市栽培漁業センターとの連携を密にして技術人材の定期的派遣、種苗生産、あるいは海藻や貝類の栽培技術開発、稚魚放流事業の実施などを行い栽培漁業の育成を強化すべきと考えるが、県の方針を伺っておきます。
 続いて我が党の代表質問との関連についてであります。
 旧軍飛行場用地問題についてお伺いいたします。
 用地接収の方法もさまざま、まちまちであり、地代、補償金等の受領の状況や用地の形状も軍用地、飛行場、宅地、農耕地など地域、施設によってそれぞれ状況が異なることから、複雑な難問題が横たわっていることは痛感しております。しかも、これまで所有権の返還に関連した問題として取り扱われていたことが、今後は新たな戦後処理として沖縄振興計画の中に位置づけられ、そうすることによって協議事項も地主の所有権を優先するのか、県の振興計画優先なのか、スタンスもしっかりとした方向性を示さなければならないことになっているのは理解しております。
 ついては、県・市町村連絡会議では今後どのような協議がなされるのか、また宮古関係地主会からはどのような意見、要望が出されているのかお伺いいたします。
 以上、答弁によっては再々質問も行います。
○知事(稲嶺惠一) 渡久地議員に対する答弁に間違いがございました。
 サンフランシスコ本社でDFSの会長とお会いしたのは3月と申しましたが、3月はまだでございまして、御質問の中に3月というのでつい言ってしまったんで、ことしの1月でございますので訂正しておわび申し上げます。
 それでは砂川議員の御質問にお答えをいたします。
 伊良部架橋の問題で、事業化に向けた作業日程、それから取り組み概要についてお答えを申し上げたいと思います。
 伊良部架橋は、平良市久松と伊良部町池間添を結ぶ延長約4.4キロメートルの離島架橋であり、着工準備調査として平成13年度から橋梁予備設計、環境影響評価方法書作成及び技術検討委員会などを実施しております。現在、架橋ルートの橋梁区間と埋立道路区間の検討を行うとともに、最適な橋梁タイプの絞り込みや環境に関する調査などを進めており、地元及び関係機関と調整を行いながら条件整備を図っているところであります。
 今後のスケジュールとしては、平成15年度に環境影響評価準備書及び評価書に関する調査や手続などを行い、地元の合意形成など条件整備が整い次第、新規事業採択要望を行っていきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 市町村合併についての御質問にお答えをいたします。
 まず、合併特例法の延長等を国に働きかける必要はないかという御質問にお答えをいたします。
県内における法定または任意の合併協議会が設置されている地域は、平成15年2月6日時点で6地域、構成市町村の数は25団体でありましたが、去る2月20日に本島南部の4団体が任意の合併協議会を設置したとの報告があり、現在、7地域で県内全市町村の55.8%に当たる29団体において市町村合併についての具体的な協議が進められているところであります。
 合併特例法の期限までに合併を実現しようとするならば、合併協議会設置から合併実現までの目安としておおむね22カ月は要するとされております。
 合併特例法は、地方分権一括法の制定に伴い、自主的な市町村の合併を推進するため平成11年7月に大幅改正され、さまざまな財政支援措置等が講じられた一方、全国のシンポジウムや講演会等の場で国・総務省で特例法の延長はない旨の発言をこれまで行ってきたところであります。このことから、さらなる延長はないものと考えておりますが、最近のマスコミ報道によりますと優遇期限の延長等の報道もあることから、今後の動向に関心を持って見守っていくと同時に、今後の各市町村における進展状況を見きわめた上で検討していきたいと考えております。
 次に、「一島一村」、「一島一町」の実現に向けた働きかけを行う考えはないかという御質問にお答えをいたします。
 県が平成13年3月に公表いたしました「沖縄県市町村合併推進要綱」の合併パターンの中で、離島町村と本島都市部との組み合わせを示したところであります。これは、都市基盤の整備とあわせて本島と離島が連携し、互いの地域特性を生かすことにより離島における福祉・医療・衛生等の行政サービスの維持・向上や、離島を含めた一般廃棄物処理施設の効率的な配置及び離島航路の総合的な整備など、合併効果が期待できるとしたからであります。
 しかしながら、広大な海域に点在する離島町村については合併が困難な面もあるため、地域の実情や意向を踏まえた特別な配慮や支援が必要ではないかと考えており、現在、調査検討しているところであります。
 県としては、引き続き自主的な市町村の合併を推進するため、離島町村における合併の取り組みに対し必要な助言を行うなど積極的に支援していきたいと考えております。
 次に、宮古地区の合併で、合併を前進するための解決すべき具体的事項についての御質問にお答えをいたします。
 宮古地域の6市町村では平成14年4月に法定合併協議会が設置され、月1回のペースで協議会が開催されており、女性委員会の設置や44項目の合併協定項目の設定、合併の方式などの決定がなされ、 去る2月19日の第10回目の協議会では地方税及び納税に関する協議事項が提案されております。このほか、財政推計や将来構想策定に関するワークショップや住民説明会の開催、また協議会の審議の模様を地元ケーブルテレビで放映するなど、地域住民に対する積極的な情報公開や情報提供を行いながら合併協議が進められております。
 今後、当協議会の中で将来のまちづくりとなる市町村建設計画の作成についての協議が活発に行われるものと思いますが、それぞれが英知を結集し合併の協議を進めていただきたいと考えております。
 以上です。
○土木建築部長(安慶名正行) 伊良部架橋早期建設に向けての海中道路区間の見直し経緯、選定基準、今後の課題、幹事会での意見内容及び知事意見書、水産漁業振興との整合性についてにお答えいたします。
 海中道路案については、平成11年度に地元関係者で構成された「伊良部架橋調査検討委員会」で人と自然の触れ合い活動の場を創出し、観光資源としての利活用が図られる等の理由で海中道路案が提案されております。その後、詳細な調査検討を行ったところ、海中道路案については自然環境や水産資源への影響が懸念され、また伊良部大橋の環境影響評価方法書に対しても自然環境への影響について十分検討するよう意見が出されております。
 このようなことから、県としては海中道路区間について自然環境への影響の軽減、景観性等の総合的な観点から比較検討を行い、平良市側については全区間を、伊良部町側については陸域側の一部区間を橋梁に変更する案を伊良部架橋技術検討委員会幹事会に提案したものであります。
 幹事会での意見としては、自然環境への影響の軽減や景観等への配慮から橋梁案への変更を評価する意見が出されております。
 今回提案した橋梁案は、環境影響評価方法書に対する知事意見書及び水産漁業振興と整合が図られていると認識しております。
 なお、橋梁案への変更については、今後、技術検討委員会の審議を経て、地元の合意形成や関係機関との調整を行っていく必要があると考えております。
 次に、委員会のスケジュールと検討事項についてにお答えいたします。
 今後の技術検討委員会のスケジュールとしては、平成15年3月に委員会・幹事会を開催し、架橋ルートの橋梁区間と埋立道路区間の検討を行うとともに、最適な橋梁タイプの選定を行う予定であります。
 次に、新多良間空港の供用開始についてお答えいたします。
新多良間空港は、増大する航空需要と機材の大型化に対応するため、平成11年度から1500メートルの滑走路を有する新たな空港として整備しているところであります。工事の進捗状況は、空港本体工事及びターミナルビル工事等を平成14年度までに完成させ、平成15年度は国の無線施設及び気象施設工事等を行う予定であります。
 多良間村の八月踊りの9月4日に合わせた供用開始の重要性については十分承知しており、その要望に沿うために国の関係機関等とも調整してまいりました。空港を供用開始するには、工事完成後、航空法に基づく国の飛行場検査、各国への航空情報の提供、消防自動車の配備等が必要となり、これらの作業を整えるには9月下旬までかかる状況にあります。
 県としましては、一日も早い新空港の供用を待ち望む地元の声に配慮し、平成15年10月初旬の供用開始に向けて努力してまいります。
 以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 県立宮古病院の新築・移転計画につきましての御質問で、県立病院の今後のあり方検討における地域の中核病院の整備計画について、及び「宮古病院将来構想検討委員会」からの要望と、あり方検討委員会の答申とのすり合わせについて並びに宮古病院の整備スケジュールについての御質問がありますが、関連いたしますので一括してお答えします。
 県立病院事業につきましては、医療環境が変化する中で県立病院の機能、役割等を抜本的に見直す必要があることから、現在、県立病院の今後のあり方検討委員会を設置し、検討作業を行っているところであります。
 同委員会では、各医療圏のそれぞれの県立病院が担うべき役割を明らかにするとともに、その機能、役割に応じた適切な規模等についても検討することとしております。宮古病院及び八重山病院についても、同検討の結果を踏まえて整備方針を策定していきたいと考えております。
 さらに、宮古病院につきましては平成13年度に病院の機能、役割等を判断する基礎資料を作成するため実施いたしました宮古地域の医療需要動向調査の結果も参考にしながら、また現在進めております「高度・多機能病院」(仮称)の整備の進捗状況も見ながら整備計画及び整備の時期等について検討してまいりたいと考えております。
 また、検討に当たりましては、さきに出されております「宮古病院将来構想検討委員会」からの要望につきましても参考にさせていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 宮古地域の栽培漁業の育成・強化についてお答えをいたします。
 平良市栽培漁業センターは、本県唯一の地域栽培漁業センターとして宮古地域における栽培漁業推進の中核をなしております。同センターは昭和60年に開所し、これまでハマフエフキ、タイワンガザミ、シラヒゲウニの種苗生産を行い、宮古地域の放流事業として種苗を供給しております。しかしながら、同センターは施設の老朽化や放流事業が十分進展していないことなどによりまして運営が厳しい状況となっております。
 県では、これまで平良市栽培漁業センターとの間で技術交流会議の開催、県研究員の短期派遣、宮古地域へのタカセガイなどの放流用種苗の配布を行ってまいっております。県からの技術員の派遣や種苗放流事業の支援については、今後、平良市当局と調整を図ってまいりたいと考えております。
 以上であります。
○知事公室長(新垣良光) 旧軍宮古飛行場用地についてにお答えいたします。
 県は、旧軍飛行場用地問題について旧地主の要望内容を取りまとめ国に働きかけていくためには、旧軍飛行場用地問題解決促進協議会と一体となって取り組むとともに、県と市町村との連絡を密にすることが必要不可欠であると考えております。このため、去る1月31日、県と市町村の協議・調整の場として副知事と市町村長で構成する旧軍飛行場用地問題県・市町村連絡調整会議を設置したところであります。
 同連絡調整会議は、沖縄県及び関係市町村間の連携を強化し、旧軍飛行場用地問題解決のための諸課題を協議することを設置目的としておりますので、今後は同連絡調整会議を中心として要望内容の検討を行い、戦後処理としての解決を国に求めていきたいと考えております。
○砂川 佳一 伊良部架橋早期実現については、知事及び部長答弁には明確な数字の区切りはありませんでしたけれども、やる気が十分にじみ出ておりますので、我々地元としてもお互いの合意形成を重ねながら早急に実現に向けて頑張りたいということであります。
 県立宮古病院についてもそうですけれども、幸い、私は文教厚生委員会に所属しております。委員会で徹底的に議論をしてみたいと考えております。
 それから、多良間空港の供用開始、開港式を八月踊りに合わせて実施すること、これはまさに今後の離島振興の観点から考えてもグッドタイミングのアイデアであり、確かな手法なんです。あえて3カ月も4カ月も前倒ししろと言っているのではないんです。予算がふえるわけでもないんです。要はやる気の人事的努力が必要だということです。
 幸い、9月6日は大安吉日でまさにお祝いの日なんです。これは神様のおぼしめしであります。安慶名部長を初め関係者の皆さんがこれまで多良間村の要望実現のために取り組まれたことに対しましては高く評価し感謝申し上げますが、これからもぜひこれまでの努力が花開くためにもなお一層の努力をぎりぎりまでなさることを強く要望して質問を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時55分休憩
   午後1時21分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 國場幸之助君。
   〔國場幸之助君登壇〕
○國場幸之助 それでは通告に従いまして質問をします。
 1、金剛石林山について。
 本日は、国頭村の方からこの問題に関するたくさんの応援団が来ておりますので、知事、特に永山部長の方には希望の持てる、また誠意ある答弁の方をよろしくお願いしたいと思います。
 「国頭3村においては、豊かな自然や伝統文化等の地域資源を生かしたエコツーリズム、グリーンツーリズム、健康長寿をテーマとした体験・滞在型観光、農林水産業や地場産品の開発等を中心に振興を図る。」、沖縄振興計画第4章圏域別振興の北部に関する記述であります。
 私は、この問題を行政に対し一方的に質疑をするというスタンスではなく、ともに考えていただきたいという思いでここに取り上げました。
 昨年6月10日、自然公園法の違反に伴う県の措置、つまり同法21条に基づいた原状回復命令は、行政としては当然の判断でありましょう。しかし、法を破った行為に対し制裁を加える、自然公園法を遵守させるということだけではこの問題そのものが解決するわけではありません。貴重な自然を守り生態系を保全することと、それを生かして人々が保養・観光を楽しむという行為は対立概念ではないはずであります。過疎化で貧窮する地域からの声に耳を傾け、守るべきものは何か、自然とそこに実際に生活をする人間とのよりよい関係とは何なのかということを県民の前で一緒に考え、悩んでいただきたいと思います。
 国頭村を初めとしたヤンバルが求めているのは、自然や景観を著しく改変することではなく、 「ユタ道」に許されているような極小の順路標識であり、尾瀬の遊歩道のような最低限の安全確保でしかありません。健康・保養型観光の振興を目指す本県が、北部地域の観光資源そのものである自然を破壊することは自滅行為であり、そのような理不尽な要求を出しているわけではないのであります。
 冒頭に引用した沖縄振興計画の北部の振興に関する県の考え方に如実にあらわれていますが、ヤンバル地域は自然との共生、自然の利活用を最大限に発揮する方向によってのみ過疎の克服、定住人口の増大が図られます。自然の保護、法の遵守徹底、厳格な運営を行い、その結果ヤンバルが衰退したとしても、静観しているというスタンスは、県民の生活を守り福祉の向上に努める行政の機能を果たしていないのではないでしょうか。何が可能で何が不可能であるのか、執行部に最大限の知恵と協力を要望し、以下質問に入ります。
 (1)、国頭村、北部市町村会、北部振興会、北部市町村議会議長会を初め地元からは数多くのランク見直しに関する要請が出されております。地方分権一括法における自然公園法の改定により、国定公園の特別地域の取り扱いは知事権限となっておりますが、ランク見直し要求に対する知事の考えと決意を聞かせてください。
 (2)、県は、本部のカルストの自然公園化と同時並行的に金剛石林山のランク見直しや特別保護地域の公園利用計画の策定を考えているようだが、その際の作業スケジュールを明らかにしてほしい。また、現在の進捗状況を本部と国頭に分けて詳細に説明をしてください。
 (3)、これから土地所有者との調整や地元の合意を取りつけようとする本部のカルストの自然公園化と、既に観光客が訪れ地元経済、地域に多大な貢献をしている金剛石林山とは状況と時間、そして作業スケジュールの点をかんがみ切り離して対応していくべきだが、この点をどのように考えていますか、明らかにしてください。
 (4)、自然公園法の違反がないと仮定したら、県はいつ開発許可を出したのか。また、そもそも県は自然公園法第1条の理念にのっとり、この貴重な観光資源をどのようにして県民の保養及び教化に資するつもりであったのか、お聞かせをください。
 (5)、開山からの入山数の推移、トータルの雇用数、地元経済への波及効果を把握しているのか、お答えください。
 2、地位協定の改定について。
 私は、先日、「日米地位協定の改定を実現し日米の真のパートナーシップを確立する会」の勉強会を傍聴しました。改定の実現には県民大会の実施を初めとした県議会の英知と県民の力の結集が不可欠なのは当然ですが、地位協定の改定決議は日米安保体制、つまり安全保障の問題である以上、国会議員の動きも極めて大切であります。外務省任せの外交ではなく、国民の信託を受けた国会議員がお互いに勉強、議論を積み重ね、直接国務省、国防総省、そして米国議会に訴える、私は極めて有効な手法であると考えております。
 今回の勉強会は、基地を抱えた全国14都道県で構成する渉外知事会の代表が、地域における地位協定の現状を報告し、それに基づいて国会議員が議論を行うという形式でありました。
 以下、印象的な発言をしるしてみたいと思います。
 地位協定の問題は、アメリカに訴えるだけでなく、日本国民にも訴えていかなければならない。そして地位協定の条項ごとに世界最先端の項目を並んでしるし、改定の方向性を明確にしていくべきだ。特にアメリカが最も抵抗している17条5項の(c)は、緻密な理論武装が必要であろう。身柄引き渡しの基準も明確にするべきである。河野太郎衆議院議員の発言であります。
 日本の刑法、刑事訴訟法が先進国並みに成熟していないのが改定の障害になっているのではないか。日本の監獄法は1908年に制定されたものであり、取り調べも自白強要、代用監獄制度が存続をしている。さらには弁護士、通訳の立ち会いを認めない司法制度、警察制度の見直しも必要ではないか。日本国内にも多くの外国人が生活していることであるし、グローバリゼーションの波はあらゆる分野の再考を求めているのではないか。倉田雅年衆議院議員、弁護士も兼任しております。
 地位協定は外務省、防衛庁、防衛施設庁だけの問題ではない。最も影響を受けているのは地域である以上、地方自治体を含めた定期的な協議機関の設置が求められているのではないか。青森県木村守男知事の発言であります。
 地位協定の改定は総論では共有していても、地域により各論部分で共有しがたい部分が出てくる。神奈川県岡崎洋知事。
 そして稲嶺知事の発言であります。地位協定の論議は、全国民的な課題であるということを繰り返し訴えておりました。
 有志による議連という性質である以上、初めて参加された国会議員の方もいらっしゃいましたので、提言というより勉強しに来たというスタンスの方もいましたが、地位協定の改定論議、つまり沖縄が抱える問題に関心を持つ国会議員がふえるのはとても有意義であると感じました。
 政治とは、一つの問題に他人、特にほかの政治家を巻き込みつつ問題解決に取り組む行為であると思います。粘り強く継続をしていただきたいと感じました。
 地位協定の改定の手法には工夫が必要であります。米国からすると、日本を初めとしたアジアの平和と安全に対し命をかけて守っているのだから、米国軍人身分の特権を認めるのは当然ではないかという言い分もあるでしょう。それに加えまして、今はイラク、北朝鮮問題で瀬戸際に立たされており、地位協定の改定論議そのものに耳を傾ける余裕をアメリカは全く持っていないかもしれません。
 安全保障という国力の最たる領域で世界最強の米国を相手に交渉する以上、外務省ペースの事務交渉だけでは事態の解決は到底望めません。韓国と日本両国の議員間で地位協定を議論する議連を立ち上げ、米国政府に働きかけたり、イラク対応への推移を見て日米の親しい議員同士でこの議論を忌憚なく話してもらい、共通認識が生まれてくれば米国の議会でも議連を立ち上げてもらい、解決へ邁進をしていく。デリケートな問題である以上、ふだんからの信頼関係が問題解決の糸口をつくると思いますし、そもそも問題が生じたときにだけ問題解決の交渉を行うのは政治家のやるべき仕事ではありません。
 このような働きを国会議員に期待しつつ、沖縄県議会も大いに知恵を絞り戦略を練っていきながら、旧来の手法、過去の成功例にとらわれない大胆な発想と行動でもって改定実現に取り組まなければならないでしょう。
 以下、質問をします。
 (1)、地位協定の改定を全国民的な課題とするため、どのような取り組みがなされてきたのか。また、これからの戦略を明らかにしてください。
 (2)、全国知事会の決議だけではなく、全国の知事、都道府県議会、特に渉外知事会を構成する14都道県の議会に改定決議を働きかけるべきではないでしょうか。
 (3)、17条5項、被疑者の起訴前の身柄の引き渡しはアメリカの抵抗が最も強いと言われております。その原因の一つに、日本の刑法、刑事訴訟法が他の先進国並みに成熟していないことも指摘をされております。自白強要、代用監獄制度、そして弁護士や通訳の立ち会いを認めないといった具体的な問題点も指摘をされておりますが、知事は国内制度の見直しを含めて日本政府に対し改定要求を行う決意はありますか。
 3、環境問題について。
 (1)、廃棄車両、特に中古車に関する諸問題についてお尋ねをします。
 環境省による廃棄物処理法に照らし違法な保管、廃棄状態の車両の全国調査(2001年8月)によりますと、本県は約4万8000台で全国の4割近くを占めるという不名誉な結果が明らかになりました。同調査は、自治体による不法投棄の判断基準が明確ではなかったとはいえ、本県、特に過疎や離島における車の放置は深刻な問題であり、緊急な対応が求められます。不法投棄をなくすには地域住民の情報収集や行政の監視体制強化が求められますが、最終的には車両所有者一人一人のモラルが大きく問われてきます。
 では、不法投棄を行った持ち主を捜し当てるにはどのような手法があるのか。
 県警相談室によりますと、ナンバープレートがついていない不法廃棄車両は、1、事件性、2、自治体からの要請、3、明らかに不法投棄であるという定義にのっとれば、警察本部の照会センターにて車台番号等の確認を行い所有者を捜すことになっているようですが、中古車のように持ち主が転用されるケースでは不法投棄を行った人物の特定に煩雑な作業が求められ困難であるとのことです。
 そこで、県警では車の不法投棄を行った持ち主を捜し当てるためどのような手法をとっているのか。また、どのような対策を講じているのかを伺いたいと思います。
 私が考えるに、車台番号を管理登録する警察と、車両番号を登録する陸運事務所をオンライン化すれば、最後に中古車を購入した所有者、つまり不法投棄を行った人物の特定がオンラインにより車台番号のみでも可能となります。このオンライン化が実現すれば、不法車両投棄の抑止に効果があるだけでなく、警察が登録している車庫証明の取り扱いにも大きなメリットがあります。
 現在のシステムでは、陸運事務所で車両を抹消しましても、警察に抹消登録証明書を提出し車庫証明書を抹消しなければ、何十年もある特定の駐車スペースは存在しない車両によって占拠されることになります。
 アパートやマンションの管理者、そして中古車業界の方々から指摘をされましたが、賃貸者が車庫証明の抹消を行わずに引っ越しや消息不明になった際、そのまま駐車スペースが占拠され、新たに部屋の賃貸者があらわれても同一のスペースに重ねて車庫証明を発行することができずトラブルになっているそうです。陸運事務所の車両証明が確認された時点で警察が自動的に車庫証明を抹消するシステムの構築はできないのか、県の見解を求めます。
 (2)、環境省によると、全国の産業廃棄物の残余年数は約3.7年分しかなく、国として適正な処分場確保が課題となっておりますが、県内の残余年数を県民に対して明らかにしてください。
 (3)、沖縄振興計画においても公的関与による廃棄物処理施設の設備が規定されている。このことに対する県のスタンス、対応を明確に説明してください。
 4、モズクの振興について。
 (1)、圧倒的な県内供給量と健康食品として評価の高いモズクは、学術・研究に裏づけられた産学官の一体的取り組みと、香港を初めとした海外マーケットの販路拡大が極めて重要だが、1、県庁内の組織体制、2、今年度の事業スケジュール計画とその進捗状況、3、関係機関との連携体制を詳細に説明してください。
 5、視覚障害者の福祉増進についてお尋ねします。
 (1)、視覚障害者に対する県の主要施策を明らかにしてほしい。
 (2)、視覚障害児童生徒の教育環境の向上に県はどのような取り組みをしているのか。
 (3)、沖縄県視覚障害者福祉協会から要請が出されている視覚障害者総合福祉センターの改築は、狭隘化・老朽化が著しい同センターの改築とあわせて、視覚障害者のための情報やサービス機関が集積している同センターの利点を生かし、また那覇市松尾という地の利を活用し、施設の絶対数が不足している市内に都市型の特別養護老人ホームを併設し、視覚障害者が地域高齢者とともに老後を安心して暮らせる施設を建設したいというものであります。実現に向けては、国に対して強力な働きかけが必要と思うが、その見通しはどうなっていますか、県の見解を求めます。
 6、フィルムオフィスについてお尋ねします。
 観光が沖縄の戦略産業である以上、「オキナワンウエー」、つまり沖縄型の観光誘致策を確立しなければなりません。それは、一昨年の9・11の教訓でもあります。沖縄観光誘客に対し最もふさわしいフィルムオフィスを今回県が新規事業として採択したことに対してまず高く評価をします。
 同事業は、映像、観光産業の振興、ロケ隊の県内長期滞在による直接経済効果にとどまらず、情報通信産業、景観と環境の保全、離島振興、基地の跡地利用、そして人材育成に対しても多大な波及効果があります。しかし、その存在と潜在力は観光業界を含めて余り県民に知られておりません。ぜひとも広報活動を積極的に推進、促進していただきたいことを要請しまして以下質問します。
 (1)、平成15年度の新規事業として計上された2288万円のフィルムオフィス推進事業費の内容を明らかにしてください。
 (2)、県のフィルムオフィス事業に対する戦略を明らかにしてほしい。特に民間との役割分担(1、予算、2、スタッフ、3、県民への啓蒙、4、ロケ誘致から撮影に至るプロセス)をどのように考えているのか明らかにしてください。
 (3)、昨年7月10日にコンベンションビューロー内に設置された沖縄フィルムオフィス準備室の実績はどうか。そして、同事業を成功に導くため予算以外のこれからの課題があれば明示してください。
 7、大那覇国際空港の建設について。
 (1)の問いは取り下げたいと思います。
 (2)、航空審議会最終答申を踏まえて今後の県の取り組みを、1、県庁内組織強化、2、PIの形態、3、市町村との連携に関し説明してください。また、地元の合意形成をいかにして図っていくのかにも言及してください。
 (3)、次期空港整備計画に「沖合展開の必要性」を盛り込むことを最大の組織目的としてきた知事を会長とする那覇空港整備促進連盟の今後のあり方について知事の考えを聞かせてください。
 8、花の平和交流事業について。
 沖縄平和賞の第1回受賞者が「中村哲を支援するペシャワール会」に決定されました。賞金の1000万円は「オキナワ・ピース・クリニック」と名づけられたアフガニスタンの人々への診療所建設費に充てられたそうです。戦禍著しいアフガニスタンの一画に「オキナワ」の名を冠する診療所が誕生する。小さなともしびかもしれませんが、平和を希求する本県が世界の人々にメッセージを発信する上で極めて意義深いことであると考えます。
 沖縄平和賞は、構想段階からさまざまな議論を生みました。選考基準は何か、だれが選ぶのか、そして平和とは何なのか。今回の受賞により沖縄県が考える平和の定義の輪郭が見える気がします。
 平和を構築するとは、美辞麗句に彩られた観念的平和論を語り続けることでも、軍事力以外に平和を構築する方法はないとかたくなに主張する思考停止的立場でもなく、名声を求めず、ただ静かにひたすらに紛争や貧困下で光の当たらない無数の人々のために命をかけて尽くすこと、行動すること、沖縄平和賞がなければこれほど多くの人々が中村哲さんとその仲間たちの偉業を知ることはなかったでしょう。今後とも継続して平和賞の実施により沖縄の心を体現していただきたい。
 また、受賞のない年に実施される沖縄平和賞関連事業の花の平和交流事業とは何なのか。本事業の趣旨、目的、またカンボジアで実施する理由を明らかにしてください。
 答弁によっては再質問します。
 以上です。
○知事(稲嶺惠一) 國場幸之助議員の御質問にお答えいたします。
 地位協定改定に向けた戦略、全国の知事や都道府県議会への働きかけについて、これを一括してお答えをいたします。
 日米地位協定をめぐっては、衆議院外務委員会及び衆参両院の沖縄・北方問題特別委員会において、また昨年本県で開催された全国知事会議や日本弁護士連合会において、日米地位協定の見直し決議が採択されております。さらに、昨年の7月に開催された全国都道府県議会議長会の総会において初めて日米地位協定の抜本的見直しが決議されております。
 このように、日米地位協定の見直しを求める動きが広がりつつある中、去る2月12日には自民党の国会議員の有志で構成する「日米地位協定の改定を実現し日米の真のパートナーシップを確立する会」と、米軍基地を抱える渉外知事会の知事等との意見交換会が開催されました。これらの取り組みは、日米地位協定の抜本的な見直しに向け大きな力になるものと期待しております。
 県は、見直しを求める国民全体の盛り上がりが地位協定の見直しの実現につながっていくものと考えており、全国の知事や都道府県議会への改定決議を働きかけてはどうかという御提案は貴重な御意見であり、早急に検討していきます。今後ともあらゆる機会をとらえて日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
 次に、地位協定で国内制度の見直しについてお答えいたします。
 県は、米軍基地から派生するさまざまな事件・事故や環境問題などの米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、日米地位協定の運用を改善するだけでは不十分であり、日米地位協定を抜本的に見直す必要があると考え、平成12年8月に日米両政府に対し11項目にわたる見直しを要請しております。
 日米地位協定の見直しは、人権や環境問題など多岐にわたり国内の法制度とも深くかかわることから、より広範かつ多面的な議論が必要であり、政府全体の問題として内閣のリーダーシップのもとに真剣に取り組んでいただきたいと考えております。県としても、その点を視野に入れながら日米地位協定の抜本的な見直しの実現に向けて積極的に働きかけていきたいと考えております。
 次に、那覇空港拡張整備促進連盟の今後のあり方についてお答えいたします。
 本連盟は、平成12年の設立以来、那覇空港の拡張整備を促進するため要請活動やシンポジウムの開催などの広報活動を主な事業として取り組んでおります。国土交通省交通政策審議会航空分科会の答申の中で「主要地域拠点空港」と位置づけられたことについても、本連盟の活動の成果と考えております。
 今後の地方空港の整備は、事業の計画策定等の過程における住民参加、いわゆるパブリック・インボルブメントなどを国と地元が連携して実施することが重要であります。このような状況を踏まえ、連盟は引き続き県民の合意形成に主眼を置いた広報活動を進めていく役割を担っていくものと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(永山政邦) 金剛石林山についての御質問に順次お答えいたします。
 まず、ランク見直しの要請についてお答えいたします。
 国定公園における計画の変更は、自然公園法第13条第3項において、環境大臣が関係都道府県及び中央環境審議会の意見を聞いて決定することとなっており、保護計画の変更に当たるランク見直しは知事権限ではなく環境大臣の権限となっております。
 当該特別保護地区については、依然として高い自然性を保っており、昭和47年の指定当時と比較して当該地域に著しい自然性の変化が認められないこと及び国の「開発を前提とした見直しを行わない」との方針等から、当該地域の保護計画の見直しは困難と思われます。
 続きまして、本部カルストの指定及び金剛石林山の見直しのスケジュール並びに進捗状況についてお答えいたします。
 本部町の山里カルストの自然公園化については、地元の要望もあることから早期の指定を目指して取り組んでいくことにしております。今年度、本部町においては自然公園化に係る調査を行い、町としての詳細な公園計画案がまとまりつつあるとのことです。
 辺戸石山地域につきましては、依然として高い自然性を保っていること及び国の「開発を前提とした見直しを行わない」との方針等から保護計画の見直しは困難と思われます。
 また、当該地域の公園利用計画につきましては、当該地域における公園利用の適否、適正な利用のあり方等について事業者、環境省及び専門家の意見を聞いている段階であります。
 次に、本部町山里カルストと金剛石林山は切り離して対応すべきではないかという御質問にお答えいたします。
 公園計画は長期的なものであり、その変更等は頻繁に行われるものではないことから、沖縄海岸国定公園の保護計画及び利用計画に関する変更は同時に行われることが望ましいと考えております。しかし、本部町山里カルストと金剛石林山の課題については、元来別々の課題であることから、それぞれの進捗等の状況が異なっております。
 本部町山里カルストの沖縄海岸国定公園への編入につきましては、地元の要望の詳細が明らかになるなど熟度の高いものであり、必要な調査を実施した後に県としての案を作成していきたいと考えています。
 金剛石林山のある辺戸石山については、保護計画の変更は困難であること、利用計画の変更のめどがまだ立っていないことから、本部町山里カルストの進度に合わせることは現時点では厳しい状況にあると考えています。
 続きまして、開発許可及び利用のあり方についてお答えいたします。
 特別保護地区において、今回行われた木竹の伐採、工作物の新築などの行為は法律上許可できないものであります。
 第2種特別地域において代替の駐車場、券売所及び中央部の避難小屋等許可が可能なものについては許可をしてきたところです。
 自然公園法は、「すぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もつて国民の保健、休養及び教化に資することを目的」としております。
 自然公園のすぐれた自然の風景地は国民全体の宝というべきものであり、できる限り自然のままの姿で存続するよう保護すべきであります。特に特別保護地区は、その景観が公園要素の精髄とも言えるもので、厳正に保護すべきものとして指定されているものであります。
 一方、利用の増進とは、すぐれた自然の風景地を国民の利用に供するため、国が定めた利用計画に基づいた適正な事業の執行を展開していくことであります。当該辺戸石山の特別保護地区は、自然のまま保護する計画となっております。
 次に、環境問題について、産業廃棄物処理場の残余年数と公的関与の産業廃棄物処理施設整備について一括してお答えします。
 県内の処理業者が有する産業廃棄物管理型最終処分場の残余年数は、平成13年度の産業廃棄物処理実績報告によると約3年と逼迫してきております。産業廃棄物処理施設の整備は、排出事業者の処理責任のもとに行うことが基本でありますが、その立地に対する住民の理解と協力を得ることが厳しい状況になっていることから公共の関与が求められております。
 県や市町村が関与する産業廃棄物処理施設の整備促進については、国の沖縄振興計画に位置づけられ、県においても同計画を着実に推進する分野別計画として「沖縄県環境保全実施計画」を策定し取り組んでいくこととしております。
 公共関与による施設の整備、運営については、用地、財源の確保や排出事業者等の関係団体との合意形成、事業主体の形態等多くの課題があります。
 県としては、現在、公共関与事業のあり方について調査・研究を行うとともに、昨年12月に庁内関係部局による連絡会議を設置し、検討しているところであります。今後、排出事業者や処理事業者の関係者と意見交換しながら、公共関与事業に関する合意形成を図っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、金剛石林山の開山からの入山者数及び経済効果についてお答えをいたします。
 昨年3月開山以来、入山者数は5月の約2万9000人をピークに現在は月に約3000人であります。平成14年12月末までの入山者数は合計7万1500人となっております。また、雇用者数はパートタイマーを含めオープン当初約50人、現在は35人程度と聞いております。
 地元経済への波及効果といたしましては、「道の駅」である国頭村物産センターや土産品店など国道沿いの店舗及び村内の飲食店などにおいて利用者数、売り上げともに以前に比べ増加しているとのことであります。
 次に、フィルムオフィスの予算内容についてお答えいたします。
 平成15年度のフィルムオフィス事業費の内訳は、人件費が1051万5000円、旅費が304万5000円、ガイドブック作成費が500万円、フィルムオフィス運営費が294万円、フィルムオフィス設立の際に開催するシンポジウム開催費が70万円、その他需用費等となっております。
 次に、フィルムオフィス事業の戦略、民間との役割分担等についてお答えをいたします。
 昨年7月に設置されましたフィルムオフィス準備室においては、映像関係者からの問い合わせへの対応や沖縄での撮影支援を行うとともに、ガイドブック作成等データ整備を行ってまいりました。平成15年度は、フィルムオフィスを正式に立ち上げ、国内外への積極的な誘致活動を展開してまいります。
 フィルムオフィスにおきましては、今後、国際機関である「国際フィルムコミッショナーズ協会」への加盟による海外への映画誘致活動や国内外での観光展などにおいて、ロケ地のPRや県内で撮影された映画などを通して新たな観光客の誘致につなげていきたいと考えております。
 一方、民間の側におきましては、今後、関係団体や企業で構成するフィルムオフィス支援組織を設置し、フィルムオフィスと連携した誘致活動や関係業界内の連絡調整の役割を担っていただき、官民一体となって取り組んでまいります。
 次に、フィルムオフィス準備室の実績とこれからの課題についてお答えをいたします。
 2月19日現在、沖縄フィルムオフィス準備室への問い合わせ件数は42件で、そのうち実際に撮影支援を行っているのは31件となっております。今後の課題といたしましては、フィルムオフィスの国内外への周知と誘致活動の強化、許認可関係機関や市町村、民間支援組織などとの連携・強化が挙げられます。
 以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 不法投棄車両対策についてでありますが、警察では不法投棄された車両にナンバープレートや車台番号がついている場合にはその番号から所有者を割り出しております。ナンバープレートがなく、車台番号も削り取られた車両についても、県警では過去に車内に残された給油所のレシートから所有者を割り出し検挙した事例もあり、可能な限りの手段を講じて所有者を割り出しております。
 また、名義変更がなされないまま転売等により所有者が変遷した場合においても、それぞれの所有者から順次事情聴取するなど追跡捜査を行い、最終的な所有者を割り出しているところでありますが、車台番号も削り取るなど悪質な投棄も多く、全く手がかりのない車両の所有者を割り出すことは困難であります。ちなみに、県警では去る2月15日、読谷村内の空き地に廃棄自動車数百台を不法投棄した自営業者を廃棄物処理法違反で現行犯逮捕し、現在、事案の全容解明を図っているところであります。
 県警では、今後とも関係機関・団体との連携を密にし、県民が身近に不安を感じている不法投棄等環境犯罪の取り締まりを強力に推進してまいる所存でございます。
 次に、陸運事務所と警察のオンライン化についてでございますが、自動車の保管場所管理業務につきましては県警においてもコンピューター化しており、平成6年以降、警察庁を通じ国土交通省から自動車の抹消データの提供を受け、活用しているところであります。
 自動車の抹消登録につきましては、普通自動車等の車両はおおむね2日おくれ、軽自動車はおおむね10日間隔でデータの入手を行っております。そのため、登録抹消の有無が確認できないときには、二重登録等の防止を図るため抹消登録証明書の提出を求める場合があります。
 また、アパートやマンションの居住者が転居し、新たな居住者から車庫証明申請がなされた際には、住民票などで申請者の居住事実が確認できれば旧来の車庫登録を抹消し、新たな居住者、申請者に車庫証明を交付して便宜を図っているところです。
 以上です。
○農林水産部長(天願貞信) モズクの振興について、モズクの海外への販路拡大についてお答えをいたします。
 本県の周辺海域は、広大な浅海域に恵まれモズク養殖等に適していること及び栽培技術の向上等によりましてその生産量は全国の9割以上を占めており、さらなる増産も期待をされております。モズクは、フコイダンなどを豊富に含み、長寿・健康食品として注目され、需要の拡大も期待されております。このようなことから、県においては、広く国内外に市場展開が期待できる戦略品目として海外マーケット拠点確保支援事業等を推進しているところであります。
 県の組織体制については、水産団体と連携をしながら販売プロジェクトチームを設置し、国内外の販売促進に取り組んでいるところであります。
 平成14年度の事業計画とその進捗状況については、香港においてフードエキスポへの出展、量販店での試食販売等を実施しており、3月には新規取扱業者への販売促進イベントを計画しております。上海においては上海国際食品博覧会への出展、モズク料理大会等を実施しており、3月にその優勝者を招いて県内料理関係者とのモズク料理交流活動を計画をしております。
 これらの事業実施に当たっては、県香港事務所、沖縄県漁業振興基金、沖縄県漁業協同組合連合会等と連携をとりながら進めているところであります。県といたしましては、今後とも積極的にモズクの海外への販路拡大を図っていく考えであります。
 以上であります。
○福祉保健部長(新垣幸子) 視覚障害者の福祉増進について、視覚障害者に対する施策について御説明いたします。
 県では、ノーマライゼーションの理念のもと、住みなれた地域社会の中でともに生活し活動する社会づくりを目指して各種障害者福祉施策を推進しているところです。特に、視覚障害者の福祉の増進を図るため、社会福祉法人沖縄県視覚障害者福祉協会や同法人が設置する沖縄点字図書館への運営費を補助しております。
 また、委託事業としてガイドヘルパー養成研修や、点訳・朗読奉仕員養成、点字や録音による情報提供、点字による即時情報ネットワークなど社会参加促進事業を行っております。
 そのほかに、盲導犬育成事業や情報バリアフリー化支援事業を実施し、視覚障害者の福祉の向上に努めております。
 視覚障害者福祉センターの改築の際に、特別養護老人ホームを併設することについてお答えいたします。
 点字図書館、点字出版施設等が入居している沖縄県視覚障害者福祉センターは、社会福祉法人沖縄県視覚障害者福祉協会が設置、運営をしております。
 同協会から要請のあります特別養護老人ホームの整備については、「沖縄県高齢者保健福祉計画」で掲げた整備目標を既に達成しており、全国平均の約1.6倍の高い整備率になっております。また、現在見直し中の次期計画においても特別養護老人ホームを含めた介護保険施設については、新たな整備は行わない方針であります。
 なお、老朽化している点字図書館の改築については、国の補助対象となっていることから、今後、事業計画等が提出されれば内容を十分に検討した上で対応していきたいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 視覚障害者の福祉増進について、視覚障害児童生徒の教育環境の向上についての御質問にお答えをいたします。
 本県の視覚障害幼児・児童生徒は、県内で唯一の視覚障害児のための教育機関県立沖縄盲学校の幼稚部、小学部、中学部、高等部において視覚障害に基づく種々の困難を克服するための教育を行っております。
 沖縄盲学校では教育相談室を設置をし、保護者や保育関係者等に対して乳幼児等への就学前の早期の教育相談にも応じております。
 学校にあっては、小・中・高等学校に準ずる教科指導と障害に基づく種々の困難を克服するための感覚訓練を中心とした自立活動の指導を重視した教育活動が取り組まれ、社会参加や自立を目指して個々の障害の程度に応じたきめ細かな指導を行っております。
 また、就労体験や近隣校との交流学習等を通して職業意識の高揚や豊かな人間関係の醸成に努めております。
 平成10年度には高等部専攻科に新たに保健理療科を設置をし、あんまマッサージ指圧師の国家試験等に向けた職業指導の充実が図られております。平成14年度には盲学校を視覚障害教育支援のためのセンター校としての役割について県の研究校に指定をし、普通学校に在籍をする視覚障害児童生徒に対する支援のためのさまざまな研究を進めております。
 県教育委員会といたしましては、視覚障害幼児・児童生徒が安心して教育が受けられるよう県立沖縄盲学校の学習環境の整備充実に努めますとともに、地域に開かれた視覚障害教育センター校としての役割が果たせるよう努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 大那覇国際空港の建設について、県庁内組織強化、パブリック・インボルブメントの形態、市町村との連携、地元の合意形成についてお答えいたします。
 県庁内組織については、那覇空港に関連する業務を総括的に取り扱うため企画開発部に交通政策室を設置し取り組み体制の強化を図りたいと考えています。
 パブリック・インボルブメントの形態及び市町村との連携については、交通政策審議会航空分科会の答申を受けて国が策定予定の「新たな空港整備プロセスのあり方」の中で、実施すべきパブリック・インボルブメントの形態や関係地方自治体の役割が明らかになるものと考えています。
 また、滑走路増設の必要性や環境問題等に関する幅広い県民レベルの合意形成に向けて、地元関係者や学識経験者から成る組織の設立を検討したいと考えております。
○知事公室長(新垣良光) 花の平和交流事業についてにお答えいたします。
 沖縄平和賞検討委員会において委員の方から花の平和交流事業が提案され、これを受けて次年度に国際平和貢献事業としてカンボジアのプノンペン市において実施する予定です。
 沖縄県は、かつて戦災により失った緑を取り戻すために、海外に移住した県系人などから送られた多くの花木が県民の心と生活を潤した背景があります。授賞式と重ならない年度に本事業を実施し、平和友好のかけ橋を築くことを目指します。継続的に平和を希求する沖縄の心を発信して沖縄平和賞をアピールしていくことを目的としています。
 カンボジアで実施することについては、沖縄平和賞検討委員会から提案がありました。カンボジア国民は、長期にわたる内戦や政治不安による苦難な歴史を有し、平和を強く希求しています。現在は国の復興・発展に向かって懸命な努力を続けておられ、激励の意味を込めて本事業を実施するものであります。
 また、沖縄平和賞はアジア・太平洋地域の平和に貢献した個人・団体を対象としていることから、同地域の国において事業を実施することは本賞の趣旨に沿うものと考えております。
○國場幸之助 金剛石林山について再質問を行います。
 部長の答弁では、ランクの見直しは絶対不可能であるという話でありました。しかし、平成3年に当時の大田知事は、特別保護地域から第2種地域へのランクの見直しを行いましたが、12年前には可能であって今回は絶対に不可能である、そういう理由を説明してください。
○文化環境部長(永山政邦) 再質問にお答えいたします。
 自然公園でございますが、その見直しの際にはある程度の期間といろんなその他の社会情勢、その自然公園の状態などを見てやるわけでございますが、前回見直しをした時点におきましては、その石山の中ほどにちょうど従来からそこは村民の方々が──自由にといいますか──出入りをしたようでございまして、畑とかそういうふうな感じで利用しておったということでその特別地域からのその部分については該当といいますか、それの価値というものがないだろうということで見直しをしたということでございまして、全体を見直しをしていなくて、その石山の中の一部分の見直しをしているわけでございます。そして現在、残された部分については依然として自然状態が保たれているということでございます。
 そして、どういうことをすればいいかということでありますけれども、そこに利用計画というものを持ちまして、いろんな事業の展開ができるかということを次は検討することが大切でありますけれども、現在、事業者からの聞き取りをいろいろ行っておりまして、事業者が希望する公園事業の全体計画がまだまとまっていないということであります。
 したがいまして、関係機関や専門家等の意見を聞きまして、辺戸石山地区の利用のあり方について今後も慎重に検討しながら、どのような公園事業がそこに打たれていくかということを検討していくということであります。
○國場幸之助 自然の保護と生態系の保全は地元地域の協力なくしては実現できません。
 部長の答弁の中には、もう少し地元の声に謙虚に耳を傾けて、できるだけ最大限の努力をさらに推進しますことを要請しまして質問を終わります。
○翁長 政俊 それでは一般質問を行います。
 1、15年問題について。
 普天間飛行場の辺野古沖への建設に向け、政府、県、地元自治体が代替基地の建設を話し合う代替施設建設協議会が設置されました。
 協議会は、環境アセスメントから建設着工、完成、使用協定に至るまで国と地元による基地の建設の協議の場となります。しかし、15年使用期限については協議会の協議項目から除かれ、高度な政治問題として処理されることになり、問題を先送りした形になっております。知事も15年問題の解決がなされなければ代替施設の建設はさせないと明言をされております。
 そこで、代替施設建設の15年問題を分離して取り扱う国の方針を知事はどのように評価されておりますか。
 私は、代替施設の生命線は知事公約の15年の解決にあると思料いたしております。所見をお伺いいたします。
 (2)、15年使用期限のアメリカ政府の対応は、従来の米軍駐留と軍の活動が縛られることから、国際情勢や米軍の防衛戦略とリンクする高度な政治問題だけに明確に否定をいたしております。
 一方、アメリカ政府に配慮を見せる日本政府の態度は歴代の外務大臣、防衛庁長官とも慎重な態度をとり、重く受けとめます、知事の気持ちをアメリカに伝えます、議題として取り上げます等々の発言を繰り返しております。政府における閣議決定の実効性が問われる事態に至っております。
 また、稲嶺知事就任2期目に入った現在でも何一つ結果を引き出すことのできない対米交渉が行われている現状に、県民を小ばかにしたような政府の対応と言われても私は仕方がないように感じております。
 県は、本腰を入れて対米交渉の改善を政府に要求すべき時期に至っていると思います。
 ここで日本政府のこれまでの対米折衝に対する知事の評価をお伺いいたします。
 日米地位協定について。
 自由民主党の衆議院の有志でつくる議員連盟で、米軍基地を抱える渉外知事会と地位協定の改定について協議が行われました。
 今日の地位協定の課題は、環境問題、人権問題の改定であり、特に17条5項(c)の被疑者の起訴前の日本側への身柄引き渡し問題に焦点が当たり、地位協定そのものよりも司法制度の見直しが必要との論議に至っております。いずれにしろ、地位協定の改定は国論をリードする国会議員、全国知事会、地方議員が先頭に立って改革論議を全国に喚起することが最も重要となります。
 そこで、在日米軍の75%を抱え、基地の重圧に苦しむ沖縄県の知事として地位協定の改定に積極的にかかわり、地位協定の政府対応を確実に変えさせる必要があると思います。そのためにも新たな行動が要求されます。
 知事の戦略があればお伺いをいたします。
 3、広島県における米空母艦載機の夜間離着陸訓練NLP施設の誘致に絡み、改めて米軍基地移設問題の厳しさを思い知らされた感があります。この問題で広島県藤田知事は、夜間離発着訓練施設は軍事施設であり、平和を希求する広島県民の願いからして断じて容認できず、基地誘致には絶対反対すると表明されました。
 私は、非常に複雑な思いに駆られました。
 我が沖縄県の現状はこれを許さない状況にあります。去る大戦で唯一の地上戦を経験した県民の思いは、人一倍平和を希求する気持ちが強く、戦後から今日まで基地の過重負担に苦しみ続けながらも、基地の整理縮小を政府に訴え続けてきた現実があるからであります。
 他方、基地のない県民との間にはこの問題の考え方に乖離があり、温度差があります。本当の意味で日米安保条約の問題が理解されてないように感じます。
 安保のただ乗り、迷惑施設の押しつけ、一極平和主義、沖縄県民にとってはどれをとっても許すことのできないことであります。
 昨年の知事選挙において元副知事の吉元氏が普天間飛行場の岩国移設を提案し、猛反発を食らいました。沖縄県民にとりましてはごく当然の提案であり、基地の拡散などという理論で片づけられる問題ではありません。
 これらのことからしても、米軍基地の本土移設は容易なことではなく、固定化も懸念をされているところであります。さきの藤田知事の発言は、理屈では理解ができるものですが、県民感情からして釈然とせず納得できないものがあります。
 沖縄県の知事としてどのようにお感じになられましたでしょうか、所見を伺うものであります。
 バス4社統合について。 
 労働集約型の特性から多くの従業員を抱え、雇用吸収力の高い産業であり、戦後から今日までの長きにわたって県民の足として公共的使命を遂行してきました。8月の都市モノレール開業を間近に控え、4社統合、新会社の設立に向けた諸条件の整備が急がれております。同時に、県政にとってもバス4社統合問題は最重要課題だと考えております。
 そこで次の質問をいたします。
 バス4社に経営責任を求めておりますが、具体的に責任とはどういうことですか、明快に示してください。
 (2)、新会社の経営主体と責任能力の明確化を求めておりますが、その基準となるのは何ですか。
 (3)、新会社が示す収支計算書(バランスシート)の評価をどう受けとめておられますか。
 (4)、出資金以外の財政支援も行う用意がありますか、お伺いをいたします。
 次に、母子総合医療センター(子ども病院)の併設について。
 子ども病院を計画、検討していくのは設立準備室の立ち上げが不可欠と同時に医療センター長の迅速な人選が必要かと思われます。県の方針を伺います。
 (2)、離島や遠隔地から入院患者の家族のための宿泊施設が必要とされておりますが、病院敷地内かもしくは隣接地に土地の確保ができないか、お伺いをいたします。
 待機児童の解消について。
 (1)、沖縄県における公的保育施設の絶対数の不足は構造的なものと言えます。潜在的な待機児童を推計すると約1万2000人にも上り、保育行政にあっては全国的に見てもかなりの後進県となっております。県は、このような現状を打開しようと「新おきなわ子どもプラン」を策定し、平成18年までに50カ園、3500名の待機児童を解消しようと計画をしておられますが、保育の現状を全国水準並みに引き上げるには20年から25年を要するものと私は思料いたしております。
 ところで、復帰時を振り返って考えてみますと、当時大多数であった認可外保育園を認可園に移行する事業を実施しましたが、計画どおり達成することができず、それに加えて公的保育施設の整備も市町村の財政難を理由に取り組みが大幅におくれました。
 反面、保育ニーズの拡大に呼応して認可外園がふえ続け、今日のいびつな保育事情となっております。このことは、まさに復帰時の実態調査や検証の不備、対応のまずさに起因するものと考えます。
 復帰時の積み残し事業として県の重要施策と位置づけ、取り組む必要があるものと私は考えますが、県当局のお考えをお示しください。
 (2)、届け出制度の実施に伴い規制と指導の強化が懸念されておりますが、本県において単純に締めつけを強化していきますと保育現場に混乱を招きます。県の対応はどうなっているのか、お伺いをいたします。
 全国の自治体の中には、独自の基準で認可外園に対し運営費などの助成をする自治体がふえておりますが、県が検討された待機カード事業を初め幾つかの支援策がどのように推移しているのか、お答えください。
 子供の安全に対する助成金もあわせてお伺いをいたします。
 次に、県立空手道大学設置について。
 沖縄県が世界に誇れる、外国や国内においてもよりすぐれているものは何かと考えるときに、沖縄の空手・古武道は胸を張って世界や国内に向けて紹介することのできる固有の伝統武道であります。空手武道の達成は、武器を持たない先人たちが護身の精神をもとに研さん、修練したわざが共感を得て国内はもとより、世界各地に4000万人もの愛好者や弟子を持つまでに広く普及をいたしております。特に海外の愛好家の中には、空手・古武道のメッカである沖縄を訪れて武道の原点をきわめたいとする者が多く、来県者も年々増加していると聞いております。
 また、沖縄の空手や古武道に対する評価は県内よりもむしろ海外における評価が高く、これら世界の愛好家を迎え入れる体制を一日も早く確立することが沖縄の特性と伝統文化を世界にアピールする大きなキーワードとなり得るものと思います。また、観光立県を訴える沖縄県の観光振興の観点からも空手・古武道を発展させることは重要な施策であります。
 そこで、空手・古武道を県民の生活の中に生かし、学校教育の場にも位置づけ、世界に普及させる頂点として県立空手道大学を設置する必要があると考えます。同構想は、県においても調査費を計上し検討した経緯があったものと思いますが、県の考え方をお聞かせください。
 次に、全国育樹祭の誘致について。
 平成5年4月に復帰20周年を記念いたしまして天皇・皇后両陛下の御臨席のもと、第44回全国植樹祭を開催して以来、10年が経過しております。そのとき植樹された苗木は順調に生育し、会場地の糸満は県土緑化の拠点として、また県民の憩いの場として広く利用されております。
 植樹祭開催後、生育した樹木の育成を願って全国育樹祭の開催が必要だと考えますが、実施についてはどのように考えておられますでしょうか。
 また、観光振興の上からも全国的規模の諸行事を積極的に誘致することが必要だと考えますが、県の対応をお伺いいたします。
 暴走族追放のための県条例制定についてお伺いをいたします。
 暴走族による暴走行為が県民生活に悪影響を及ぼしていることは周知のとおりであります。暴走族は、犯罪を常習的に敢行する悪質な非行集団であります。その行動は、ますます悪質・凶悪化し、暴力団の予備軍的存在になっております。また、ギャラリーとか期待族と呼ばれる暴走行為見物人が数多く集まり、暴走族をますます助長させる結果になっております。地域住民に大きな不安と脅威を与えております。
 本県における暴走族は、特に那覇市、浦添市、沖縄市等近隣市町村を巻き込んで暴走行為が広域化し、取り締まりも大がかりになっております。こうした暴走族を壊滅するには県警の取り締まりに頼るだけではなく、社会全体の暴走追放機運を盛り上げ、県民一体となった暴走族を許さない環境をつくることが不可欠であります。
 よって、県条例を制定することは暴走族を追放していく上で大変大きな効果をもたらすものと確信をいたしております。県の考え方を問うものであります。
 答弁によって再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 翁長政俊議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、代替施設建設協議会設置要綱と15年問題についてお答えいたします。
 新たに設置された代替施設建設協議会は、普天間飛行場代替施設について「環境影響評価、設計、施工等代替施設の建設に係る事業及び「代替施設の使用協定に係る基本合意書」に基づく取組の進捗状況について報告を受けるとともに、これに関連して所要の協議を行う。」ことになっております。
 15年使用期限問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、内閣総理大臣を初め関係大臣にも要望してまいりました。また、この問題はあらゆる機会をとらえて発言する必要があり、これまで代替施設協議会において何度も要望し、去る1月28日に開催された第1回代替施設建設協議会においても改めて強く要望したところであります。今後とも引き続き強く求めていきたいと考えております。
 次に、15年問題の政府の対米折衝についての御質問にお答えいたします。
 政府は、閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」において、「代替施設の使用期限については、沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。」としております。これまで、日米外相会談や2プラス2(日米安全保障協議委員会)等でも取り上げられてきており、外務大臣は去る1月28日に開催された第1回代替施設建設協議会で「真剣に取り組む所存です。」と述べていることから、今後も引き続き日米間で協議が行われるものと考えております。
 次に、地位協定改定に向けた戦略についてお答えをいたします。
 日米地位協定をめぐっては、衆議院外務委員会及び衆参両院の沖縄・北方問題特別委員会において、また昨年本県で開催された全国知事会議や日本弁護士連合会において日米地位協定の見直し決議が採択されるなど、日米地位協定の見直しを求める動きが広がりつつあります。また、去る2月12日には、自民党の国会議員の有志で構成する「日米地位協定の改定を実現し日米の真のパートナーシップを確立する会」と米軍基地を抱える渉外知事会の知事等との意見交換会が開催されました。これらの取り組みは、日米地位協定の抜本的な見直しに向け大きな力になるものと期待しております。
 県は、見直しを求める国民全体の盛り上がりが地位協定見直しの実現につながっていくものと考えており、今後ともあらゆる機会を通して日米両政府に対し日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
 次に、NLP誘致に対する広島県知事の発言についての御質問にお答えいたします。
 広島県知事が沖美町のNLP(夜間連続離着陸訓練)の誘致に関し、容認できない旨の発言をしておりますが、これは、県民の生命財産及び生活を守る立場にある県知事として率直に誘致反対の意思を表明したものであると理解しております。今回のNLPの誘致問題は、米軍基地の移設問題の困難性を改めて提起したものであり、政府においては、我が国の安全保障問題とあわせて在日米軍兵力の構成や米軍基地のあり方について真剣に検討していただきたいと考えております。
 県は、米軍基地問題については国民一人一人がみずからの問題として受けとめるべきものと考えており、今後とも国会議員を初め各界各層の理解と協力を得ながら沖縄の米軍基地問題の解決促進を訴え続けていきたいと考えております。
 次に、全国育樹祭の誘致についてお答えいたします。
 県においては、毎年、県植樹祭及び育樹祭を開催し、緑化の普及・啓発に努めております。また、平成5年4月には復帰20周年を記念して第44回の全国植樹祭を糸満市字山城・米須地区において実施したところであります。
 なお、全国育樹祭の開催については、これまで全国植樹祭が開催された都道府県において実施されています。
 御提言のあります全国育樹祭の誘致については、県民の緑化意識の高揚と「緑の美ら島づくり」を推進する上から誘致に向けた条件整備に取り組んでまいりたいと考えております。
 次は、暴走族追放の条例制定についてでございます。
 県内における暴走行為は、主に沖縄市、浦添市、那覇市の主要国道で行われており、騒音等により地域住民の平穏な日常生活が妨げられております。このため県では、警察、教育関係者、交通安全関係団体等で構成する暴走族対策部会を平成14年12月に開催し、各関係機関・団体における取り組みについて協議を行い、諸施策を推進しております。
 暴走族追放条例については、昨年12月に沖縄市において制定され、また那覇市、浦添市等においても制定の動きがありますが、暴走族対策をより広域的に取り組むための県条例の制定につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス4社統合についての御質問にお答えをいたします。
 バス4社の経営責任についてという御質問でございますが、バス4社は、未払い退職金を初めとする多額な労働債務や金融機関からの借入金等の債務を抱えております。このため、県は出資を検討するに当たって、当事者において解決すべき課題の一つとして退職金等過去の債務の処理に対する経営責任を明確にすることを示したところであります。これらの債務は、4社がその責任で処理する必要があると考えております。
 次に、新会社の経営主体と責任能力の明確化の基準についてという御質問でございます。
 県は、第三セクターのあり方や公的資金の使途に対する県民の厳しい目を踏まえ、新会社が健全経営できる事業主体でなければならないと考えております。その事業経営に対して責任を持って遂行する経営陣や、それを支える企業等を明らかにすることなど諸課題を当事者が解決することが必要であると考えております。現在のところ新会社の中核となり、その事業執行や債務等に責任を持つ経営陣や企業等は明らかにされておりません。
 次に、新会社の収支計画書の評価についてにお答えいたします。
 新会社の設立を予定しているバス統合準備室は、平成14年6月にバス4社から営業権、資産等を104億円で買い取る統合案を4社に提案し、さらに今年1月末に必要資金104億円のうち88億円を新会社が出資及び融資で調達し、残り16億円をバス4社で調達する新たな提案を行い、4社の労使にその合意を求めていると聞いております。現在、統合の諸条件について統合準備室とバス4社の労使で調整中であり、新会社の収支計画につきましては今後の調整の動向を見守りたいと考えております。
 出資金以外の財政支援についてにお答えをいたします。
 県としましては、バス事業の公共性や経営環境の変化等を踏まえ、出資の方向で検討していきたいと考えております。
 バス統合による新会社設立は、基本的には当事者が主体的に取り組むべき問題と考えており、その事業経営に対して責任を持って遂行する経営陣やそれを支える企業を明らかにすることなど、諸課題を当事者が解決することが必要であると考えております。そのことを踏まえ、県は、新会社の経営の中核にはならないこと、新会社に人的派遣をしないこと、金融機関からの融資に対する保証はしないこと、4社の責任で対応すべき債務の処理に関し、県に新たな支援を求めないこと等を方針として広く県民の理解が得られる支援のあり方を慎重に検討していきたいと考えております。
○病院管理局長(新田宗一) 母子総合医療センターにつきまして、センター長の選任と推進室の設置についての御質問ですので、お答えいたします。
 県立高度・多機能病院の整備につきましては、関係者との調整を経て去る12月に基本設計を取りまとめて公表し、現在、実施設計作業を進めているところであります。
 同時に、新病院で実施する診療科や医師等専門スタッフの確保の方針等運営面につきましても「県立高度・多機能病院診療体制検討ワーキングチーム」において現在検討作業を行っているところであります。今後、その検討結果を踏まえまして新たに「高度・多機能病院運営等検討委員会」を設置することとしておりまして、同検討委員会において母子総合医療センターにつきましても検討していくこととしており、同センターを統括するセンター長の格付及び小児専門医等専門スタッフの確保方針を含め、センターの診療体制等具体的な運営のあり方について検討を進めていきたいと考えております。
 人選等につきましては、今後の検討課題と考えております。
○福祉保健部長(新垣幸子) 「母子総合医療センター」の設立について、宿泊施設のための土地の確保についてお答えします。
 平成14年4月30日に沖縄県周産期保健医療協議会から知事報告を行った「母子総合医療センター(仮称)の整備について」において、付添家族のための宿泊施設等の配慮が必要であるとしています。県といたしましては、単に土地の確保だけでなく宿泊施設の建設、管理運営等についてもさまざまな課題があることから、今後、民間を含めて調整をしていく必要があると考えております。
 待機児童の解消について。
 認可保育所の不足について。
 県では、復帰後、国の高率補助を受け保育所整備を促進してまいりました。復帰時に94カ所で定員が6401人であった保育所は、平成14年4月1日現在、322カ所で定員が2万5507人となっておりますが、多様化、増大する保育需要を十分に満たすことができないこと等から、待機児童が1600人台で推移をしております。県では、認可保育所への入所を希望していると思われる約3500人を当面の待機解消の目標とし、「新おきなわ子どもプラン」において平成18年度までに50カ所の保育所創設を目標に掲げております。平成16年4月には、当面の目標である3500人の約45%が解消される見込みです。今後とも目標達成に向けて認可外保育施設の認可への移行も含めて保育所整備に取り組んでまいります。
 届け出制による規制について。
 届け出制は、認可外保育施設の実態を適切に把握し、その情報を保護者等へ提供して適切な施設選択を可能とすることによって保育環境や利用児童の福祉の向上を図ろうとするものです。届け出制により児童が6人以上の認可外保育施設をすべて把握することができますので、今後とも利用児童の衛生や安全確保の観点から、「認可外保育施設指導監督基準」に基づき市町村と協力して指導してまいります。
 なお、平成15年1月から県及び市町村の窓口で届け出た事項について閲覧ができるようになっており、2月末現在、窓口での閲覧が100件以上あります。保護者が適切な選択をすることにより、認可外保育施設の質の向上につながると考えております。
 認可外保育施設に対する助成について。
 県では、認可外保育施設を利用している児童の衛生や安全確保の観点から、単独事業として新すこやか保育事業を実施しており、平成15年度は職員の健康診断費の助成を新たに実施するとともに、ミルク代を3歳未満児から4歳未満児へ拡大することとしております。
 また、認可外保育施設から認可への移行も推進しており、15年度の認可外保育施設対策に要する経費として6億3400万円を予算案に計上しております。待機児童を含め多くの児童が認可外保育施設を利用している実態があることから、今後とも認可外から認可への移行を推進しながら認可外保育施設の全体的な質の向上を図っていきたいと考えています。
 なお、11市の市長会において認可外保育施設の環境整備について論議されたとのことであり、実施主体である市町村での検討も加速するものと思われますので、県といたしましても市町村と緊密な連携を図り解決策を見出したいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 県立空手道大学の設置について、空手道・古武道の継承及び普及・発展についての御質問にお答えをいたします。
 沖縄において体系化された空手道・古武道は、世界140カ国、4000万人の人々が愛好していると言われており、本県が世界に誇る伝統文化の一つであります。
 空手道の普及・発展のため、中・高等学校においては選択制の授業の中で空手道は中学校で55校、33%、高等学校で27校、44%において実施されております。
 県教育委員会においては、平成15年8月16日から19日までの期間に開催予定の「2003沖縄空手道古武道世界大会」に向け準備業務を進めているところであります。世界大会を開催することにより、各国の愛好家との交流を通じて沖縄の空手道・古武道を正しく継承し、普及・発展させるための拠点づくりを進めていく考えであります。そのためには指導者の育成は欠くべからざるものであり、その養成のあり方等について関係者と広く意見を交換してまいりたいと考えております。また、沖縄の空手・古武術を県指定無形文化財に指定し、空手家9名を保持者として認定し、すぐれた文化遺産である空手・古武術を将来にわたって保存・継承するために取り組んでおります。
 今後とも、沖縄空手道・古武道の継承及び普及・発展に努めていく考えであります。
 以上でございます。
○翁長 政俊 休憩願います。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
   午後2時51分休憩
   午後2時56分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 企画開発部長。
   〔企画開発部長 与儀朝栄君登壇〕
○企画開発部長(与儀朝栄) 空手道大学の設置についてお答えいたします。
 本県の空手道・古武道については、県教育委員会において空手道古武道世界大会の開催や、空手家を県指定無形文化財保持者として認定するなど、その普及・発展や保存・継承に取り組んでおります。過去に空手道大学の設置可能性について検討会を設置するための予算を計上しましたが、流派の違いによる委員選任の困難性等、諸般の事情により検討会の設置開催ができなかった経緯があります。
 空手道大学の設置につきましては、本県が世界に誇る伝統文化の拠点形成を図るという観点から貴重な御提言でありますが、今後、空手の普及・発展や保存・継承の方向づけなど県教育委員会の意向を踏まえ、その可能性について県教育委員会とともに検討していきたいと考えております。
○翁長 政俊 再質問をいたします。
 まず、15年使用期限の問題でございますけれども、知事、知事は閣議決定を受けていわゆるあらゆる機会をとらえてこの問題についての解決方を政府及びアメリカ政府にも要請をしていくという答弁をずっと繰り返しておられます。そして担当閣僚なのか、外務大臣、防衛庁長官等ともお会いする中で、そういう趣旨のいわゆる解決に向けての要請をされておりますけれども、この15年問題を所管する省庁がどこなのか、これが明確になってないでしょう。知事は、閣議に上げていって閣議決定をしたからいいというふうに考えていると思いますけれども、この15年問題は、いわゆる使用協定の問題にもかかわりますけれども、使用協定は建設協議会というところで協議されることに決まったんですよ。15年問題だけが棚上げになっているんです。ですから、これはどこが所管をして、どの省庁のどの部で実際受けて検討しているのか、まずこれを明確にしていただきたい。
 そして、もしかなうんであれば、代替施設に係るこの15年問題は建設協議会と同じように所管庁のしかるべきところで協議会をつくってもらって15年問題を徹底して話し合う。この解決に向けてどう国と協議していくか、こういう新しい機関でなくても結構ですから、そういう場所というものをきちっと設定していかないことには、私はなかなか政府における15年問題というものは進まないのではないのかなと危惧をいたしておりますので、ひとつ御答弁をお願いいたします。
 次に、バス問題でございますけれども、これは聞いていて非常に歯に衣がかかっている感じで、どうもわかりにくいんですよ。県民自体も私はわからないと思います。県が主張するいわゆる経営責任の明確化は当然ですよ。
 一方では、県は公共交通を支える公的な責任というものが一番大事なんです。どうも今議会のやりとりを見ていると、現在のバス会社の債務ばかりに目がいって、公共交通をどうするんだという視点の答弁というものがなかなか出てこない。その点は私は一番重要だと思っているんです。だから、ある意味では中途半端な答弁になって何をしたいのかはっきりわからない。ぜひここについても明確な御答弁をお願いいたします。
 それと空手道、これはいい答弁書があるんじゃないですか。あるんだったら最初から出してくれればいいんですけれども、ただ空手道については、私は沖縄のいわゆる固有の独特な文化だと思っていますし、よく知事が言う、沖縄の特性を生かすという意味でも私はこれは最たるものじゃないかと思うんですよ。ぜひこれを県立大学にまで高めていって、沖縄の固有の伝統文化として世界にアピールしていく、これはぜひやっていただきたい。このことについて再度答弁をお願いいたします。
 そしてもう一つ、暴走族追放県条例について前向きに御検討なさるということでございましたけれども、県警本部長からも、私はこの条例があることによって暴走族追放の県民運動の盛り上がりというものが非常にこれは喚起されるだろうと思っておりますので、いわゆる暴走族の取り締まりや道交法でやるということは承知をいたしておりますけれども、喚起という意味でどう考えておられるのか、御答弁をお願いしたいと思います。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
   午後3時4分休憩
   午後3時8分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 翁長政俊議員の御質問にお答えします。
 15年問題の窓口はどこかということですが、窓口は外務省であります。しかし、最終的にはこれは総理の問題です。内閣の問題であります。したがって、非常に高度の政治的な問題なので、私どもがあらゆる機会をとらえて強く求めていくというのは、総理に最終的な一つの判断をするための材料としてしっかりと私どもとしては線を示さなければならないと。そこで、この15年の使用期限の問題には私どもとしては移設の条件として明確に整備し、そして着工までに何らかの進展なしに着工することはあり得ないという明快な表示をとらえたのは、最終的にはこれはきっちりと総理として最終的な判断、決断をしてもらうために努力をしておるわけでございまして、今後とも私どもはあらゆる機会をとらえましてこれを強く言い続けていって、最終的なこの15年問題の解決に結びつけたいと考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) バス統合問題についての再質問にお答えをいたします。
 バス事業、とりわけ乗り合いバス事業は通勤・通学、通院、買い物等の地域住民の日常生活を支える公共交通機関として重要な役割を果たしております。そのため、国、県、市町村、関係者等で構成する沖縄県生活交通確保協議会において、生活バス路線の運行などに対する補助や代替交通手段の確保等について協議を行い、地域の生活に必要な交通手段の維持・確保を図ってきております。県といたしましては、今後とも引き続き沖縄県生活交通確保協議会での協議を踏まえ、生活バス路線の維持・確保に努めてまいりたいと考えております。
 今回のバス統合の出資につきましては、バス事業を取り巻く経済環境の変化を考慮いたしまして、新しい統合会社についての出資については今後条件を付して出資について検討していくというふうに考えております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 再質問にお答えいたします。
 空手道大学の設置可能性につきましては、流派の違い等諸課題がありますので、今後、空手の普及・発展や保存・継承の方向づけ等、県教育委員会の意向を踏まえ、その可能性について県教育委員会とともに検討していきたいと考えております。
○警察本部長(髙橋清孝) 暴走族追放のための県条例の制定についてでありますけれども、本県の暴走族関連条例につきましては沖縄市で公布・施行されておりますし、那覇市、宜野湾市で条例上程中であります。また、浦添市、北谷町でも条例制定の動向があります。
 これら条例は、暴走族を追放するため行政や保護者、事業者等の責務を明らかにし、期待族のあおり行為に罰則を付して禁止しており、対策上、大変有効であります。
 暴走族追放には警察の取り締まりだけではなく、関係機関や県民一人一人の理解と協力が必要であり、御指摘の県条例制定については県民の意識づけの上で効果があると考えておりますので、県警といたしましては、今後必要な支援をしていきたいというふうに思っております。
○翁長 政俊 まず最初に15年問題ですけれども、これは知事が言っているように外務省だと思います。外務省のどの部署できちっと受けて解決のために努力するかという部署をきちっと把握することが重要だと思っておりますので、これは引き続き委員会等でもやっていきたいと思っておりますから、十分調査をしていただきたい、このように思っています。
 そしてもう一つバス問題、これはもう何遍言ってもオウム返しみたいなものでして、はっきりした明確な答えが出てこない。組合やいわゆる4社、さらには新会社を含めて県の4条件ではハードルが高過ぎてだめだと、こういうことを言っているんですよ。これじゃつぶれてしまう。じゃ、つぶれないためにどうするのか、県の方で新しいスキームがあれば提示していただきたい。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
   午後3時15分休憩
   午後3時16分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 地域・離島振興局長。
   〔地域・離島振興局長 屋嘉部長市君登壇〕
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 御質問にお答えをいたします。
 現在進められておりますバス4社統合、乗り合い部門の統合につきましては、基本的には4社の方の経営体力を増強させるということで、4社が主体的になって取り組んできているところであります。県といたしましても、この4社の現在進められている4社乗り合い部門の統合につきましては、4社の方で主体的・自主的に進められるものだと考えております。
 現在、4社の統合につきましては先ほども御答弁申し上げましたが、統合準備室とそれから4社労使とも統合の諸条件について話し合いが持たれていると聞いておりますので、今後の推移を見守りたいと思います。
○吉田 勝廣 一般質問を行う前にイラク問題に一言触れます。
 世界は「アメリカ世」ではありません。沖縄の歴史的体験、今後の沖縄の生きる方向性を考えるならば、アメリカのイラク攻撃に断固反対を表明いたします。
 一般質問をいたします。新米なので気負って質問が多岐にわたっていますので、早口をお許しください。
 1、基地問題について。
 (1)、日米地位協定の抜本的見直しについて。
 日米地位協定、いわゆる地位協定は日米安保条約第6条に基づいて制定されたものであります。この6条をめぐって今も議論されているのが極東の範囲なのであります。条約の制定時は、政府はフィリピン以北と明言しておりましたが、この間、いろんな変遷をたどりながら今日では極東の範囲は中東まで拡大をし、防衛範囲が限りなく広くなったのは周知のとおりであります。
 また、復帰以前は沖縄の警察が米軍人・軍属を逮捕・拘留することは困難であったが、米軍はベトナム戦争に見られるように自由に出撃し、直接敵国を空爆することができた、いわゆる沖縄は自由出撃基地であったのであります。
 しかし、1972年日本に復帰したことにより国内法、日米安保条約や地位協定により米軍の自由は制限され制約されたのであります。米軍からすれば、本土復帰したことにより法律が変わってもこれまでの占領意識から抜け切れず、復帰後、殺人事件、暴行事件などの凶悪事件が多発をしました。これまで発生した凶悪事件25件中、公訴前に身柄を引き渡したのはただ1件のみであります。
 このように復帰後30年、事件・事故が発生するたびごとに日米地位協定の不平等性、憲法や国内法との矛盾が指摘され、問題点が浮き彫りになったことも周知のとおりであります。
 私は、これまでの沖縄県及び軍転協の地位協定の抜本的な見直しの要請書の内容は、NATO軍の行動を分析し、ドイツにおけるボン補足協定を引用し作成したものであり、高く評価するものであります。私は、この要請書を何とか現状を打開するために次の2つに分類して考えてみました。
 1、日本政府が努力すれば可能な事項、2、日米交渉の中で解決できる事項、この2つに分類して要請書を作成し、日本政府が努力すればできるものは可能となり、米国、政府との交渉が目に見えてくるのではないか、そういう立場で提起するものであります。
 日本政府が努力すれば可能な事項。
 第4条(施設の返還)、これは原状回復、復元補償問題であります。第13条(租税)、現在これは固定資産税については調整交付金、助成交付金で国から支給されております。第18条第6項、これは公務外に米軍が事件を起こしたときの補償問題であります。公務外の事件・事故について政府の公的補償制度の確立をすればこれは可能であろうと思います。第25条(合同委員会)、政府が積極的に公表すれば可能性が高まります。
 (2)、日米交渉の中で解決できる事項。
 第2条(基地の提供)、これは、基地の設置基準や空域・海域を決めたものであります。第3条(施設・区域に関する措置)、いわゆる基地への立入調査権であります。第5条(入港料・着陸料の免除)、これは石垣や宮古に飛んでくる飛行機の問題。米軍による民間空港・港湾の使用の問題であります。第17条(裁判権)、特に17条5の(c)、これは公務中・公務外にかかわらず身柄の拘束問題を提起してあります。第18条(請求権の放棄)、これは補償制度でありまして、公務中は現在政府が補償し積極的にかかわっております。
 そこで、私は次のような要請項目を整理して優先順位をつけて要請行動を展開する必要があると考えますが、所見を伺います。
 第3条、第5条、第13条、第17条、第18条であります。
 また、県庁内にも弁護士等関係者で構成する日米地位協定改定プロジェクトチームなどを組織し、改正案を提案する力量を高める必要があると思いますが、知事の所見を伺います。
 (3)、(4)、(7)の基地問題については、後日論議をさせていただきますので、割愛させていただきます。
 次に、跡地利用について。
 基地返還と跡地利用計画は表裏一体でなければなりません。跡地利用計画が万全でなければ、基地返還はあり得ないと言っても過言ではありません。それぐらい地権者は返還の際、跡地利用計画について重大な関心を寄せているのであります。それゆえに県を初め関係市町村、軍用地地主会等は跡地利用計画策定のための財政支援を含む法的措置を復帰以来要請をし続けてきたのです。
 その結果、軍転特措法が平成7年に制定されたし、また平成14年4月1日に沖縄振興特別措置法に新しく駐留軍用地跡地の利用の特別措置が制定され、国、県、市町村の責務も明記されました。私は、このことを高く評価するものであります。しかし、この法律が普天間飛行場の跡地利用を意識して策定されたことは背景からもうかがえます。同時に、重要な決定が政令にゆだねられているのが気になります。
 また、各市町村が所有する軍用地は全軍用地面積の40%以上を占めております。しかし、各市町村の引き上げの要求にもかかわらず、給付金の上限が1000万円にとどまっていることは納得できるものではなく、今後の大きな課題と言えます。今後の政令制定に当たっては、県や市町村の意見が十分反映されるよう頑張っていただきたい。その意味で県の責務は重大と言えます。
 そこで、読谷補助飛行場などの主なSACO関連の市町村の跡地利用がどうなっているのか伺います。
 また、国頭村の安波訓練場は大規模跡地、特定跡地のいずれに該当するのか。また、国頭村の跡地利用計画はどうなっているか伺います。
 イ、恩納通信所について。
 恩納村の恩納通信所は、平成7年11月に返還され跡地利用計画が策定されました。地主の理解やPCBの問題、条件整備がなされていないために今日まで計画が策定されていないのが現状であります。
 そこで、軍転法の第1号として給付金が支給されました。この恩納通信所の跡地利用の成功は、今後の跡地利用計画にも大きな影響を与えるのは必至であります。
 そこで、県は恩納通信所跡地の跡地利用について、これまで指導・助言したことはありますか。また、PCBの残留が跡地利用計画に影響を与えたか伺います。
 (6)、基地被害について。
 軍人等の家族の犯罪が増加していますが、その対策について伺います。
 2、美ら島について。
 (1)、ごみ問題について。
 現状を分析すると、ごみの量に対して最終処分場の建設がおくれぎみであります。また、米軍のごみを処理している民間の業者も飽和状態に近づいていると思われます。
 順次伺います。
 ア、ごみ焼却炉の状況と焼却灰の処分について。
 イ、最終処分場の状況と遮水シート、水処理の設置について。
 ウ、米軍のごみ処理について。
 エ、今後の県及び市町村の対策について。
 オ、不法投棄について。
 カ、くみ取りトイレの実態について伺います。
 (2)、赤土対策について順次伺います。
 ア、全県における継続的な調査地点と結果及び対策について。
 イ、各市町村及び関係団体との連携、組織があり、どのような活動をしているか伺います。
 ウ、赤土流出の発生源対策について、農地、開発現場について伺います。
 (3)、海岸線と河川の面的整備と多自然型整備について順次伺います。
 ア、既存の整備した海岸や三面張りを改良し、面的整備と多自然型整備工法にすべきではないか。
 イ、金武湾における海流、流砂の動きを調査をしたことがありますか。今後の金武湾の海岸整備はどういうことになっていますか。
 ウ、河川の堆積土砂をどのように調査し対策しているか伺います。
 (4)、マングローブと野鳥の保護について。
 ア、全県でマングローブ等や野鳥の生息状況を調査したことがありますか。その対策について伺います。
 イ、シロガシラ等の農産物への被害と他の野鳥への影響について伺います。
 (5)、今帰仁村における採掘権の問題について。
 今帰仁村では、今帰仁城跡が世界遺産に指定されて以来、村づくり、村おこしに村民一体となって北部振興の財政を活用しながら、諸施策を遂行しようと一生懸命に努力をしております。そのやさき、本土の大手業者が石灰石を採石するための採掘権を国に申請しております。
 この件について今泊区民、今帰仁村当局は、今帰仁城跡、周辺の自然保護、カルスト保護の立場から採掘権設定に反対しております。私は、これは当然だと考えます。
 そこで伺います。
 ア、今日までの進捗状況について。
 イ、自然、景観及び世界遺産の保護の観点から採掘権を容認しないと思うが、県の姿勢について伺います。
 (6)、移入種の実態調査について伺います。
 (7)、名護市源河から大宜味、国頭村を走る国道58号の改修について伺います。
 国道58号を通って皆様も気づいていると思いますが、嘉手納町、恩納村、名護市までは歩道や植栽、スポット等々が整備されていますので、快適なドライブが楽しめます。ところが、名護市源河、国頭村に至る国道は歩道、植栽、スポット等がなく、車道も狭く、ヤンバル路を楽しむにはほど遠いものがあります。同じ国道でありながらなぜかと言いたい。ヤンバルの振興は基幹道路の整備であり、人に優しい道路づくりは急務であります。
 そこで、国道の改修は必要と考えますが、県の対策を伺います。
 (8)、松くい虫対策について伺います。
 3、教育行政について。
 自然に人と人との関係が持てる環境がとってもよい。沖縄の時間の流れ、人との会話の深さ、表情がよくてどこへ行っても気持ちのいい対応をしてくれると本土から来た人たちは言い、また沖縄的生き方として自然環境を大事にする心、祖先崇拝、親族・地域の結束の強さ、支え合い許し合う精神風土、他と争わず和合する沖縄的心情と県民は言います。
 しかし、今の現状は、青少年は病んで目標を見失っていると思えてなりません。言い過ぎでしょうか。離婚率、失業率、飲酒運転、青少年の犯罪、飲酒・喫煙、夜間徘回、不法投棄、幼児虐待等々、ウチナーンチュの持つ優しさ、寛大、結いなど、これまで県民の心の支柱であったものが失われようとしていることに危機感と憂いを持つものであります。
 沖縄の未来を、日本の未来を青少年が担うものと期待するのであれば、県民が一体となって彼らがゆとりを持って生活できる環境づくりに全力を挙げるべきであります。そのために学校、家庭、地域、行政の連携が大事であります。見て見ぬふりではなくて、一声優しく小さな声をかけることが最も大切です。また、教育行政は21世紀を担う人材育成のために大胆に発想し、大胆に改革し、大胆に行動することが求められています。
 以下、順次伺います。
 「美らヂム・チムグクル」の形成について。
 ア、伝統・芸能・文化を充実させることは、情緒・情操教育に寄与すると考えますが、どのような指導をされていますか伺います。
 イ、オジー、オバー等に学ぶことは大切だと思いますが、所見を伺います。
 ウ、大学院大学の設置が決定し本格的に始動しようとしておりますが、これを機会に沖縄の自然を活用したサバイバル訓練など、自然科学の学習に力を注ぐべきと考えますが、所見を伺います。
 エ、自然をテーマにした科学館等の整備も必要と考えますが、所見を伺います。
 (2)、国際交流や世界的なコンピューターの普及によってコンピューターの整備は早急に実施する必要があると考えます。コンピューターの整備率と今後の対策について伺います。
 (3)、移民県及び国際交流・協力拠点として形成していくためには、県民の外国語の向上は必要であります。私は、ここで思い切って他の都道府県に先駆けて小学校のカリキュラムや「総合的な学習の時間」に外国語を導入したらいかがかと思います。
 そこで順次伺います。
 ア、小・中・高校における外国語の教育の実情について。
 イ、世界の移住地と在住している外国人との交流を深め、あらゆる機会を活用しつつ「青少年の船」など青少年が世界へ飛躍できるような事業を創出したらと思うが、所見を伺います。
 (4)、小・中・高校における学校間の交流は大切だと思います。特に、中学校区における小学校間の交流は、同じ中学校の生徒になることから、常日ごろ交流を深めておけば中学に入学して違和感がなくスムーズに中学校生活が送れるものと思います。また、中学と高校、高校と高校、高校と大学の交流は、進路の決定及び動機づけなどに大きな影響を与えると思います。
 そこで伺います。
 小・中・高校における学校間の交流の現状と今後の方針について伺います。
 (5)、県立高等学校編成整備計画について。
 12月の代表質問で提起した就業体験推進プログラムを早速実施し始動しようとしていることに意を強くしております。
 現在の高校卒業生の就職状況は厳しいものがあることは周知のとおりです。毎年6000人から7000人の卒業生が仕事につかず進学もせず、いわゆる無業者であります。こうした若者の対策をどうするのか、県や関係者の大きな課題と認識しております。
 そこで、教育委員会は県立高等学校編成整備計画の財政計画を立てるとともに、関係市町村やPTA等在校生の理解を深め早急に進めることが大事であります。また、新たに子供たちの人格形成、学力向上のためにも全寮制の学校創設も必要だと思います。
 そこで、ア、整備計画の進捗状況を伺います。
 イ、北部・中部・南部地域に各1校、全寮制の実業高校を設置したらいかがでしょうか。
 4、財政問題について伺います。
 復帰後、変わらぬものがあるとすれば失業率と在沖米軍基地、そして県民所得であります。失業率が高く所得が低ければ、当然のように国に対する依存財源が高くなります。そのために国は復帰後30年間、国庫支出金を中心に高率補助等で財政支援を行ってきました。県の財政は、その大半を地方交付税、国庫支出金で占めているのは周知のとおりです。
 そこで、国から県に対する各種交付額における1人当たりの割合を調査をしますと、1人当たりの地方交付税で一番高いのが島根県、2番が高知県、3番が鳥取県、5番が沖縄県であります。
 また、平成12年度都道府県財政指数表によると、財政力指数0.3未満グループに属する県別人口1人当たりの決算額割合は、1番が島根県90万421円、沖縄県は15県中49万1807円で15番であります。それに人口1人当たりの受益率も1番島根、2番高知、3番鳥取、4番沖縄県であります。私は、これまで沖縄県が断然他の県よりも国の財政支援は高いと考えておりましたが、数字を見る限りそうではなかったことに驚いております。
 そこで知事に伺います。
 この数字の結果について知事の所見を伺います。
 嘉手納町長は、財政確保に沖縄県の面積は海洋も含めれば日本一になると創意工夫を促しましたが、今後の財政確保について伺います。
 5、大学院大学について伺います。
 大学院大学は、設置される市町村にとって期待の星であります。私も比嘉県議と同じように北部地域が位置や設置条件も他の地域よりも完備されていると自負しております。
 そこで伺います。
 (1)、現在の進捗状況について。
 (2)、3候補地の条件整備について、ア、地権者の数、イ、条件提示(無償か有償か)、ウ、基地であれば借地料の額、エ、候補地と他の法令との関係は抵触することはないか伺います。
 6、県立北部病院について。
 今、北部病院では、医師の確保に院長以下スタッフが躍起になっているようです。その理由は、医者が少なく、当直が多く、過酷な労働条件のために三、四十代のベテラン医師が辞職に追い込まれるようであります。典型的な悪循環の見本のようなものであります。
 また、小児科を含めて救急医療体制が不備のため救急車で搬送されても応急処置しかできず、中部に搬送されることもしばしばあるそうです。そのことに医療スタッフも歯ぎしりをしているし、また患者の関係者にとってみれば怒り心頭だと推察できます。テレビ報道でも公立病院の医師の当直の回数、激務を理由に自殺をしたという報道があり、まさに北部病院の医師が自分の命を守るためには辞職する以外にないということだと思います。
 私は、公立病院は他の民間病院でできない医療を行っている状況から、赤字であってもやむを得ないと思っております。その意味でも医療は公平でなければなりません。今、北部病院の現状をどう打開していくのか、中長期的にはどう運営していくのか。
 以下伺います。
 医師確保について。
 救急医療について。
 今後の北部病院の機能について。
 最後に、議会の活性化について。
 知事の政策をより理解を深めるとともに、議会の活性化のために国会での予算委員会等で質疑されているような一問一答の機会を設けることが必要と考えます。知事の意欲を伺います。
 以上です。
○副議長(髙良政彦) ただいまの吉田勝廣君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上、休憩後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後3時37分休憩
   午後4時3分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 休憩前の吉田勝廣君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 吉田勝廣議員の御質問にお答えをいたします。
 地位協定改定要求の順位づけ及びプロジェクトチームの設置について一括してお答えをいたします。
 日米地位協定の見直しについては、人権や環境問題など多岐にわたっており、見直しの検討に当たってはより広範かつ多面的な議論を行う必要があると考えております。日米地位協定は、これまで一度も改定がなされておらず、改定に向けて一定の道筋をつけるためにもできるところから一歩一歩前進させる必要があり、県としては議員提案の件も含めあらゆる選択肢を視野に入れながら、政府に対し日米地位協定の抜本的見直しを強く働きかけていきたいと考えております。
 また、現在県が要請している日米地位協定の見直しの内容については、関係市町村の意見も聴取しながら十分に検討を重ねた上で、具体的項目を取りまとめたものであることを御理解いただきたいと思います。
 次に、大学院大学の設置についての進捗状況についてお答えをいたします。
 大学院大学は、平成17年研究所としてスタートし、平成19年の開学を目指し検討が進められております。
 現在、国際顧問会議や構想検討会等において、学長の選考や研究分野等大学院大学の枠組み、候補地の選定などについて検討が深められております。また、平成15年度事業として大学院大学等基本計画策定・設計調査や、沖縄の知名度向上と研究環境の整備を図るための先行的研究事業などが実施されることとなっています。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 基地問題について、SACO関連の跡地利用の状況、特に安波訓練場跡地についてお答えいたします。
 去る2月12日に開催された第2回跡地関係市町村連絡・調整会議においては、SACO最終報告で示された返還予定地等の関係市町村の跡地利用に関する取り組み等について協議がなされました。
 その中で、読谷補助飛行場については、先進農業支援センター等一部事業が具体化していることを踏まえ、村は平成15年度より跡地利用の全体計画の策定に向けた取り組みを進めることとなっております。
また、キャンプ瑞慶覧返還予定部分のうち、沖縄市と北中城村にまたがるライカム地区・ロウワープラザ地区については、両市・村が平成15年度から統一案の策定に向けた取り組みを進めることとなっております。
 ギンバル訓練場については、町は沖縄懇談会事業等の活用も含め、関係者間で連携・協力を図りながら跡地利用について検討を進めるとともに、地権者等関係者に対する取り組みのあり方についても並行して検討を進めることとしております。
 その他、普天間飛行場、キャンプ桑江、那覇港湾施設等についても、同会議において関係市町村の取り組み等について協議がなされたところです。
 安波訓練場跡地については、現在、国頭村において各種振興事業の活用による跡地利用について検討、取り組みを進めているところであり、今後とも関係者間で連携・協力を図りながら取り組みを進める必要があると考えております。
 また、当該跡地は平成10年12月に共同使用が解除され返還が実現しておりますが、返還日より3年を経過していることから、沖縄振興特別措置法における「大規模跡地」、「特定跡地」には該当しないものと考えております。
 次に、恩納通信所跡地についてお答えいたします。
 恩納通信所跡地においては、返還後、PCB等の汚染物質の存在が明らかになり、その撤去作業等のために2年余を要したことは地権者へ不安を生じさせるとともに、跡地利用の取り組みに影響を与えたものと考えております。同跡地は、その後、ゴルフ場を中心とした跡地利用計画が策定されましたが、全地主の合意が得られず、平成11年には立地を予定していた企業が撤退し計画の見直しが求められております。
 村では、今後の跡地利用計画について、跡地内に完成した「沖縄亜熱帯計測技術センター」や計画中の「ふれあい体験学習センター」の立地等を踏まえつつ検討することとしており、そのため地権者等関係者の意向把握等の取り組みを引き続き進めていくこととしております。県としても、同跡地の利用促進を図るため跡地関係市町村連絡・調整会議の場を通じて村と連携を図りながら取り組みを進めているところであります。
 次に、大学院大学の設置について、3候補地の地権者の数、有償・無償の有無、借地料、他法令との関係について一括してお答えいたします。
 候補地として推薦しました3候補地の諸条件について御説明いたします。
 地権者の数は、糸満市が210名、恩納村119名、北中城村が270名となっています。
 提供の条件は、民有地についてはいずれの候補地も有償となっており、市・村の公有地については恩納村が無償提供の申し出を行っております。
 基地の借地料については、北中城村の候補地が米軍ゴルフ場用地として利用されており、借地料は年間5億3000万円となっています。
 他法令との関係については、いずれの候補地についても森林法、自然公園法、都市計画法などの法令による開発の制限がありますが、関係機関との協議等により円滑な開発が可能であると考えております。
○知事公室長(新垣良光) 米軍家族の犯罪増加についてにお答えいたします。
 県警が発表した平成14年の米軍構成員等による刑法犯罪のうち、米軍家族の検挙件数は39件、検挙人数は52人で、対前年度比では検挙件数で22件、検挙人数で21人の増加となっております。
 事件・事故の防止対策については、現在、米軍がゲートにおける飲酒チェックの強化や生活指導巡回を実施するとともに、県警が新任兵士に対する道路交通法及び風俗営業法の講義の実施や、警察官を増員した基地周辺地域における夜間警らの強化などを行っております。
 また、昨年9月に開催された協力ワーキングチーム会合では、増加する米軍人・軍属の子弟による事件・事故の防止対策として米軍が軍関係者による基地内高校生への訓話、基地内教会による青少年教化プログラムなどを実施することを確認しております。
 県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る観点から、日米地位協定の抜本的な見直しや隊員の綱紀粛正及び教育の徹底等を強く求めるとともに、三者協や協力ワーキングチーム等の場において関係機関での協議や調整を行うなど、米軍人等による事件・事故の再発防止に向け努力していきたいと考えております。
○文化環境部長(永山政邦) 美ら島についての御質問に順次お答えいたします。
 廃棄物処理施設の状況及び対策について一括してお答えいたします。
 県内52市町村におけるごみ焼却施設の整備については、45市町村で24施設が整備されております。未整備の離島7町村においては、平成14年度から19年度にかけて整備する計画であり、現在のところは沖縄本島の処理施設等で処理しております。
 また、遮水シートや浸出水処理設備を有する最終処分場については、20市町村で12施設が整備されております。まだ最終処分場を整備していない市町村や浸出水処理設備等のない最終処分場を使用している32市町村では、民間の管理型処分場で処理しております。
 これらの32市町村のうち、3市町においては平成16年度から広域化により既存の最終処分場を活用し、22市町村においては平成14年度から19年度にかけて整備する計画となっております。県においては、残る7町村については早期に整備計画を策定するよう指導しているところであります。
 次に、米軍のごみ処理についてお答えします。
 基地内の家庭等から排出される廃棄物については、県内の廃棄物処理業者に委託処理されており、その処理量は1年間で約4万トンとなっております。
 県においては、処理業者が有する管理型最終処分場の残余容量が逼迫していることから、米軍関係者に対し、これまで在沖米軍環境担当者意見交換会や廃棄物対策調整会議等において、排出者責任のもとで基地内における廃棄物処理施設の整備とともに、分別排出の徹底やリサイクルを推進し廃棄物の排出抑制を図るよう求めてきております。県としては、今後とも米軍に対し、廃棄物の適正処理やリサイクルの一層の推進を図るよう強く求めていきたいと考えております。
 次に、不法投棄について。
 平成13年度に県が実施した「産業廃棄物等不法投棄実態調査」によると、県内の97カ所で廃タイヤ、粗大ごみ等の不法投棄が確認されております。これら不法投棄の要因としては、投棄者のモラルの欠如、処理費用の出し惜しみ等が挙げられます。
 県においては、不法投棄の未然防止対策として保健所による監視パトロールや、県、市町村、警察、産業廃棄物協会など関係機関が連携して県下一斉に合同パトロールを実施するとともに、悪質な事例については警察との連携を強化しているところであります。
 また、放置自動車対策事業を実施し、平成13年度は離島23市町村において放置自動車約1万1000台を撤去し、引き続き平成14年度は沖縄本島33市町村において約7000台を撤去することとしています。
 さらに、空き缶やたばこの吸い殻等の散乱防止を図るため、「ちゅら島環境美化条例」により心ない投げ捨て行為に対して指導を行い、指導に従わない悪質な違反者に対しては罰金を科すなど厳しく対処してまいります。
 続きまして、くみ取りトイレの実態についてお答えいたします。
 県内の生活排水の処理については、平成12年度において公共下水道及び浄化槽等による水洗化人口が90%、その他の非水洗化人口は10%となっており、非水洗化人口は公共下水道の普及等に伴い年々減少しております。
 単独処理浄化槽等については、地域の水環境の保全や生活環境の向上を図る観点から、地域の実情に応じて公共下水道や農業集落排水施設への接続、または合併処理浄化槽への転換が必要であると考えております。県においては、平成3年度より、短期間で安価に設置できる合併処理浄化槽について設置費用の一部を補助する設置促進事業を実施しており、その普及・促進に努めております。
 続きまして、赤土関係について、継続的な調査地点と結果及び対策についてお答えいたします。
 県では、海域における赤土等の堆積状況を把握するため、平成7年度から本島周辺の9海域、 阿嘉島周辺の1海域、平成11年度から石垣島周辺の2海域を加え、合計12海域で調査を実施しております。調査の結果、阿嘉島、大度海岸等4海域は低い濃度で推移していることから、赤土による汚染は少ないと思われます。
 金武湾加武川河口域、平南川河口域等3海域については、平成11年度に比べ改善が見られます。
 また、東村平良川河口域、石川川河口域、宮良川河口域等5海域はまだ高い濃度の赤土が認められます。これらの地点について今後とも引き続き調査をすることにしております。
 赤土流出の発生源については、開発現場からの流出量が減少し農地からの流出量が大半を占めております。そのためグリーンベルトの設置、暗渠排水等による流出防止対策の実証調査、裸地被覆のための緑肥植物の普及など、農林水産部と連携を図りながら赤土流出防止対策を実施しております。
 次に、関係団体との連携活動についてお答えいたします。
 県では、赤土流出の顕著な地域を対象に赤土等の流出防止を図るため、地域住民や関係団体で組織する流域協議会設立の働きかけを行ってきており、現在、石垣市と久米島町で同協議会が設立されております。
 同流域協議会の活動としてグリーンベルトの設置、裸地被覆のための種子散布、敷き草によるマルチング等農地における赤土流出防止対策の実施、普及・啓発など効果を上げております。このようなことから、県としては今後とも各地域に流域協議会を設立し、市町村や関係団体と連携し、赤土流出防止対策の強化を図ってまいります。
 次に、開発現場の赤土流出防止対策についてお答えいたします。
 県では、平成7年10月に「沖縄県赤土等流出防止条例」を施行し、1000平方メートル以上の開発に対し発生源対策、濁水処理対策等を義務づけております。条例施行後、平成13年までに4385件の事業行為通知、届け出がなされております。
 これらの届け出等に基づき保健所、衛生環境研究所等と合同の監視パトロール等を実施し、改善を要する事業者に対しては文書による指導等を行っております。
 また、各地域に民間から赤土監視員を委嘱し、赤土の流出状況、流出源の調査結果等の報告を受けております。
 なお、事業者の赤土等流出防止技術の向上を図るため、定期的に赤土等流出防止対策講習会及び赤土流出防止技術交流集会を開催しております。その結果、開発現場からの赤土流出量は、条例施行前の3分の1以下に減少しております。今後とも、赤土流出の削減を図るため監視・指導等を強化していきたいと考えております。
 続きましてマングローブ、野鳥の調査及び対策についてお答えいたします。
 沖縄国際マングローブ協会の平成3年の調査報告によりますと、県内のマングローブ林面積はおよそ530ヘクタールで、西表島には日本で最大のマングローブ林があります。沖縄本島では那覇市・豊見城市の漫湖、東村の慶佐次、名護市の大浦川、金武町億首川が主な生育地となっております。
 野鳥については、渡り鳥を含め約420種が本県で確認されており、県はこれまでノグチゲラ、ヤンバルクイナなどの希少種の調査を初め、山地や湿地に生息する鳥類の生息状況調査などを行っております。また、渡り鳥であるガン・カモ類、サシバの飛来数調査を毎年実施しております。
野鳥保護の施策として鳥獣保護区、休猟区等の設定、マングース等移入種の排除、傷病鳥獣の救護、愛鳥週間等での啓発事業などを行っております。
 続きまして、シロガシラ等による農作物の被害と他の野鳥への影響についてお答えいたします。
 鳥類による農作物の被害としては、カラス、ヒヨドリによる果樹類への被害、シロガシラによる穀物、野菜類への被害があり、平成13年度の被害額は約1億7000万円に及んでおります。
農作物への被害が著しい場合は、市町村等により有害鳥獣として駆除が行われ、平成13年度にはカラス、シロガシラ等約2700羽が駆除されております。本県には近年増加しているシロガシラを初めアミハラ、キンパラなど移入された鳥類が20種ほど生息しており、食餌や生息環境が競合する在来の鳥類が排除されることによる生態系への影響が懸念されております。
 続きまして、移入種の実態調査と対策についてお答えいたします。
 本県に持ち込まれ繁殖が確認されている移入種は、哺乳類では10種ほど、鳥類では20種ほど、魚類、昆虫類等その他の動物は100種を超えていると見られます。
 移入種の中には、捕食や生息環境の競合による在来種の駆逐、交雑による遺伝子の攪乱などにより固有種の多い本県の生態系に大きな影響を及ぼしているものがあり、排除等の対策が必要となっております。
 県においては、本島北部地域に生息するヤンバルクイナ、トゲネズミ等の希少動物を保護するため移入種であるマングース、野猫の実態調査を行うとともに、平成12年度から駆除事業を実施しております。今後とも生態系に悪影響を及ぼす移入種を排除するとともに、移入種発生の要因となっているペットの適正な飼養の啓発についても関係機関と連携して取り組んでいくこととしております。 
 以上でございます。
○農林水産部長(天願貞信) 農地からの赤土流出防止対策についてお答えをいたします。
 農地からの赤土流出防止対策につきましては、「赤土等流出防止対策基本方針」に基づき、ハード・ソフトの両面から総合的に取り組むこととしております。
 ハード対策としては、水質保全対策事業により圃場勾配の修正、排水路・沈砂池の整備、グリーンベルト等の設置等を行っております。
 ソフト対策としては、ヒマワリやクロタラリアなどの緑肥作物による圃場面の被覆等の普及・推進に努めております。
 また、平成14年度からは、石垣市の轟川流域において流域の環境保全モデル事業を実施し、具体的な課題の整理や赤土流出防止技術の広域的実証などを行うとともに、農家や地域住民が主体的に取り組む赤土対策モデル方針を策定してまいりたいと考えております。今後、このモデル事業の成果をもとに、地元を主体としたより実効性の高い赤土流出防止対策に努めてまいりたいと考えております。
 次に、松くい虫被害対策についてお答えをいたします。
 松くい虫の被害対策については、適期防除の徹底、一斉同時防除の実施及び国、米軍、市町村等関係機関の防除役割分担の徹底などに現在取り組んでいるところであります。
 また、自発的な防除を推進するため、地域のボランティア組織の育成も含めて県民が一体となって取り組む体制についても整備を行っているところであります。
 さらに、被害木の利活用につきましても「松くい虫被害木利用促進ワーキングチーム」を設置をし、適正な利活用を推進しているところであります。今後とも国、米軍、県、市町村、研究機関等と連携を密にして効果的かつ徹底した被害対策を実施してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○土木建築部長(安慶名正行) 美ら島についての、海岸の面的整備と河川の多自然型整備についてにお答えいたします。
 海岸の整備につきましては、護岸や消波ブロックのみで海岸線を防護するこれまでの線的防護方式から、近年は金武町の伊芸海岸や国頭村浜海岸のように人工リーフや砂浜なども組み合わせたいわゆる面的防護方式による海岸整備が主流となっております。
 既に整備が終わった海岸につきましても、防護機能が低下した箇所や施設が老朽化した箇所等においては、今後、環境や利用にも配慮した面的防護方式による海岸整備を推進していきたいと考えております。
 また、河川整備につきましては、平成7年度から国頭村の奥川や名護市の幸地川等で多自然型川づくりを進めているところであります。既に整備が終わった河川につきましても、老朽化した護岸や堰等の改築を行うに当たっては多自然型整備工法を取り入れていきたいと考えております。
 次に、今後の金武湾港の海岸整備についてにお答えいたします。
 これまでの金武湾港等の海岸域の整備に当たっては、台風等の異常気象時における波浪等を考慮した整備を行ってきたところであります。
近年は、海岸域の自然環境や利用に対する県民の関心が高いことから、海岸域の整備に当たっては海流・流砂、動植物の生息・生育状況等の調査を行い、自然環境に与える影響のシミュレーションや地域住民から意見を聞くなど、自然環境や利用等に配慮した整備を行っております。現在、金武湾に面した伊芸や村内原等においては、海流、海岸の自然環境等の調査を行った上で、海岸の防護とともに減少した砂浜の維持・復元を図るため突堤、養浜等を施した面的防護方式による海岸の整備を行っているところであります。
 次に、河川の堆積土砂をどのように調査し対策しているかについてお答えいたします。
 河川に堆積した土砂等につきましては、パトロールや河川調査により適宜堆積状況の把握に努めているところであります。
 また、治水上支障となっている堆積土砂等につきましては除去しているところであり、今後とも治水や環境保全の観点から、必要となる堆積土砂等の除去については適宜実施してまいりたいと考えております。
 次に、名護市源河から国頭村までの国道58号の改修についてにお答えいたします。
 名護市源河以北の国道58号の改修については、これまで国において交通安全対策等の面から鋭意整備を進めてきており、現在、国頭村伊地から辺土名地内で歩道や落石防護対策等の整備を行っております。
 今後とも引き続き地域の産業や観光道路にふさわしい整備を進めていく予定と聞いております。県としても、安全・安心の確保等の観点から国に対して整備促進を働きかけていきたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 今帰仁村における採掘権の進捗状況及び県の姿勢についてお答えします。一括してお答えします。
 採掘権を取得しようとする場合、国に出願をし、その許可を受けなければなりません。国は出願を受理した後、鉱業法第24条に基づき、公益に対する支障の有無について県に対する協議を行います。
 当該案件については、平成14年3月27日付で国から県に対して協議のための意見書を求められ、県は出願区域に含まれる今帰仁村及び本部町からの意見を踏まえて平成14年8月23日付で回答しております。その中で県は、採掘権の設定に当たっては、地域の生活環境や自然環境への配慮及び当該町村、区域住民との鉱害防止対策について協議する等、十分に地域住民とのコンセンサスを得るべきであるとの意見を示しております。
 その後、国は平成15年1月30日に今帰仁村役場において出願人、県及び市町村の関係機関を集めて協議会を開催し他権益との調整を行ったところであり、今後、国は協議結果を踏まえて採掘権許可の可否を判断することになっております。
○教育長(津嘉山朝祥) 教育行政について、伝統文化教育についての御質問にお答えをいたします。
 本県は、地理的位置や歴史の過程を経て独自の香り高い文化を生み出してまいりました。この文化は県民共有の財産であり、その価値を再認識をして保存・継承・発展させることは県民の責務であります。
 児童生徒に郷土の文化や伝統に触れ、体験させることは、地域社会の一員としての自覚が生まれ、郷土を大切にする心や豊かな情操がはぐくまれると考えております。このため、「学校教育における指導の努力点」の柱の一つに「地域の自然・文化の重視」を掲げており、各学校においては各教科や道徳、特別活動及び「総合的な学習の時間」など、学校の教育活動全体を通じて地域の文化遺産等地域人材の積極的な活用を図りながら、郷土の文化や伝統への関心を高め、心豊かな幼児・児童生徒の育成に努めているところであります。特に、学校行事等におきましては空手や琉舞、エイサー、郷土音楽の鑑賞、郷土楽器の演奏等が指導されております。
 県教育委員会としましては、心身の成長期にある児童生徒にすぐれた芸術・伝統芸能を鑑賞する機会を提供することによって郷土を愛する心の育成と豊かな創造性や情操の涵養を推進しているところであります。
 次に、お年寄りとの交流についての御質問にお答えをいたします。
子供たちとお年寄りとの交流は、さまざまな生きた知識や人間の生き方を学び、お年寄りに対する感謝と尊敬の気持ちや思いやりの心をはぐくむことができることから重要であると考えております。お年寄りを招いた授業は、地域のお年寄りのその道の名人に昔の遊び、たこづくりや竹とんぼづくりを教えてもらうなど多くの学校で行われ、子供たちと触れ合う機会がふえております。特に小学校では、「総合的な学習の時間」や生活科などの授業において昔の遊びや地域の行事などを教えてもらったり、直接地域のお年寄りを訪ね、聞き取りをしたりするなどが行われております。また、長寿学園等の修了者が学校支援ボランティアのサークルを自主的に結成して子供たちと交流もいたしております。
 県教育委員会としましては、今後も学校や地域において子供たちがお年寄りと触れ合い、お年寄りに学ぶ機会が多く持てるよう促進をしてまいりたいと考えております。
 次に、自然体験などを通した自然科学の学習についての御質問にお答えをいたします。
 世界最高水準の大学院大学の設置は、本県の学校教育をなお一層充実させる絶好の機会だと考えております。
 完全学校週5日制のもとに実施された新教育課程においては、児童生徒にみずから学び、みずから考える力などの「生きる力」をはぐくむことが求められており、現在、各学校においては教科や「総合的な学習の時間」等において自然体験やボランティア活動などの社会体験、観察・実験、見学や調査などの体験的な学習が展開をされております。児童生徒に科学する心や科学的な見方や考え方をはぐくむため、小学校では生き物の生活する自然環境を再現した観察園等における飼育・観察が実施されており、中学校や高等学校では、課題研究や野外観察等を実施するなど、自然体験や観察・実験の一層の充実を図っているところであります。
 県教育委員会としましては、豊かな自然に触れる集団宿泊学習や農林漁業体験、自然体験を行う豊かな体験活動推進事業等を推進し、科学する心や社会性をはぐくむとともに、児童生徒の将来への夢や希望の育成に努めていきたいと考えております。
 次に、自然科学館等の整備についてはどうかとの御質問にお答えをいたします。
 成長期にある子供たちに、自然をテーマに体験的な学習の機会を提供する施設の整備は、科学的に考える視点を育てることや情操教育の面で大きく寄与すると考えております。県では、これまでに県立博物館、各少年自然の家や青年の家で、児童生徒を対象とした星座観察会や自然探検など、自然と触れ合う各種体験学習等を企画・実施をしてまいりました。
 県としましては、御提案の趣旨を生かせるよう現在建設を計画いたしております県立博物館新館の中で沖縄の化石人類を含めた動物、植物、地質等に係る自然史分野の展示並びに児童生徒や親子を対象とする自然に関する体験学習講座やプログラム等を計画いたしております。それらを実施する中で子供たちに科学的な視野で物を考える力をはぐくみ、また「チムグクル」や「生きる力」を身につけられるよう取り組んでいきたいと考えております。
 次に、コンピューターの整備率と今後の対策についての御質問にお答えをいたします。
 本県の公立学校における教育用コンピューターの設置状況は、平成14年3月31日現在で1学校当たり全国32.4台に対しまして本県は34.1台、1台当たりの児童生徒数は全国が11.1人となっておりますが、本県は12.2人となっております。国においては、学校における教育用コンピューターの整備を推進するため平成17年度までに小・中・高等学校のコンピューター教室に42台、特殊教育諸学校のコンピューター教室に8台、各学校の普通教室に2台、特別教室等に6台の整備を促進しているところであります。
 県教育委員会におきましては、平成14年11月に沖縄県教育情報化基本計画及び同推進計画を策定しており、平成17年度までに各学校における校内LANの整備をし、教育用コンピューター整備計画の目標達成に努めていきたいと考えております。また、各市町村教育委員会における教育情報化推進計画の策定を促進しているところであります。
 次に、英語教育についての御質問にお答えをいたします。
 国際化、情報化の進展に伴い、学校における外国語教育、とりわけ英語による実践的コミュニケーション能力を身につけることは重要であります。
 平成14年度、本県小学校の約8割が「総合的な学習の時間」の中で英会話活動等に取り組んでおります。中学校においては、英語の基礎・基本の定着を重視し、必修教科と選択教科で英語学習を実施をいたしております。高校においては、「聞く」、「話す」、「読む」、「書く」の4技能の習得を目標に実効性のある英語学習がなされております。
 なお、学習成果の発表の機会としまして、中・高校においては英語ストーリーコンテスト、全県英語弁論大会、スキットコンテスト等が実施をされております。
 また、本県では、特定の市の全小学校を研究開発校として新規にレッツ・トライ・イングリッシュ推進事業を行うとともに、県立高等学校編成整備計画で「沖縄インターナショナル高等学校」(仮称)を設置をし、オール・イングリッシュによる授業の実施等を計画いたしております。
 県教育委員会としましては、昨年、文部科学省より出された「「英語が使える日本人」の育成のための戦略構想」に基づき、グローバル化に対応した実践的コミュニケーション能力を身につけさせるための英語教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、青少年が世界へ飛躍できる事業の創出についての御質問にお答えをいたします。
 沖縄が自立に向け持続的に発展するためには、国際性豊かな広い視野を持ち、社会の変化に主体的に対応し得る人材の育成が不可欠であります。現在、本県27の市町村教育委員会では、児童生徒を対象に米国を含む11カ国と交流事業を実施をいたしております。
県教育委員会では、沖縄県・ハワイ州高校生交流事業、専門高校生国際交流研修事業のほか、高校生による国際文化交流派遣事業、国外留学派遣事業、米国派遣事業等を実施し、毎年100人程度の高校生を海外へ派遣しております。また、私費により毎年100人程度の高校生が海外へ留学をいたしております。さらに、小・中・高校においては海外の学校と姉妹校交流を実施をしている学校が14校あり、そのほか44校が基地内の学校と交流するなど、本県の地域特性を生かした取り組みが幅広くなされております。
 県教育委員会としましては、今後とも国際社会に貢献し得る有為な人材を育成するため、国際交流事業の創出に向け財政当局及び関係機関等と調整を図り検討していきたいと考えております。
 次に、学校間交流の現状と今後の方針についての御質問にお答えをいたします。
学校間交流は、異年齢交流や合同による学校行事の開催など、児童生徒の友好と活性化をねらいとして小・中・高等学校において文化・スポーツ活動を初めさまざまな形で実施をいたしております。
 小中学校では、小学校間同士または小中学校間における集合学習や地域行事等への参加及び僻地校と都市部における交流学習等が行われております。
 高等学校では、近隣の学校間の連携のほか、小中学校との連携推進事業、中学生による体験入学、交通安全集会等を実施いたしております。
 学校間交流により児童生徒の緊密な連携が図られ、開かれた学校づくりや特色ある学校づくりに役立っております。また、高等学校と大学との連携についても生徒の進路決定に役立つ取り組みがなされております。
 県教育委員会としましては、学校間の緊密な連携を図るとともに、異年齢による体験学習、ボランティア活動等を通して望ましい学校教育が展開されるよう各学校に対して指導しているところであります。
 最後に、編成整備計画の進捗状況及び全寮制の実業高校の設置についての御質問に一括をしてお答えをいたします。
 昨年3月に策定をいたしました県立高等学校編成整備計画においては、総合学科制の導入、総合実業高校、情報技術高校、中高一貫校の設置など、新しいタイプの学校を設置することといたしております。本整備計画に基づき、平成14年度は伊良部高校で連携型の中高一貫校を実施し、さらに平成15年度は沖縄水産高校の総合学科制を拡充するとともに、本部高校において連携型の中高一貫校がスタートすることになっております。現在、与勝高校を中高一貫校として、中部工業高校や八重山商工高校を情報教育中心校等として整備していくために学校、PTA、行政関係者で構成する学校設置準備委員会等を当該学校ごとに設置をし、教育課程、整備スケジュール等について検討しているところであります。
 なお、全寮制の実業高校の設置につきましては、本整備計画を推進する中で引き続き検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(當銘直通) 財政問題についての、平成12年度都道府県財政指数表における人口1人当たりの決算状況及び今後の財政確保について一括してお答えいたします。 
 地方交付税は、人口、面積、道路の延長などを測定単位として各団体ごとの財政需要に応じて算出されており、また国庫支出金は各団体における事業の実施に伴い交付されるものであります。
 平成12年度都道府県財政指数表において、本県の収入決算額人口1人当たりの額が示されておりますが、この収入額は地方税、地方交付税、国庫支出金、繰入金のほか、借入金である地方債なども含めた合計額となっております。本県のように沖振法に基づく高率補助の適用のある場合、地方債充当率が低く全国で45位であることや、地方税1人当たりの額が47位であることなど本県の特殊事情が含まれていることから、同指数はあくまでも当該都道府県の財政状況を把握するための一つの方法と理解しております。
 なお、今後とも県民サ-ビスの維持・向上を図るため交付税や国庫支出金の所要額の確保に努めるとともに、自主財源の柱である県税収入の充実・確保、使用料及び手数料については、受益者負担の原則及び負担の公平の観点からの定期的な見直しを行うとともに、産業振興施策の推進により税源の涵養を図るなど、財源の充実・確保に努めていきたいと考えております。
 次に、議会の活性化のため一問一答の機会を設けることについてお答えいたします。
 一問一答方式による質問方法は、質問に対する答弁の内容が理解しやすい点があり、主に議員数が少ない市町村議会において用いられております。議員数の多い都道府県議会等においては、時間的な制約等もあり総括質問方式を採用しており、沖縄県議会においても同様の趣旨で総括質問方式を採用していると承知をしております。
 以上でございます。
○病院管理局長(新田宗一) 北部病院の医師確保及び救急医療についての御質問に一括してお答えいたします。
 県立北部病院は、北部医療圏域の中核病院として一般医療はもとより、二次救急医療や重症患者に対する高次の医療を実施いたしております。県では、県立北部病院の医療機能の充実・強化と医師の過重労働の解消を図るため、平成13年度と14年度に合わせて4名の医師を増員したところであります。
 医師の確保につきましては、平成14年度は他の県立病院からの異動のほかに琉球大学医局から5名、中部病院臨床研修修了医から3名、他の大学医局から4名の計12名の医師を確保するなど、同病院の診療体制の維持・確保に努めているところであります。
 県立北部病院における救急医療につきましては、主に二次救急医療を中心に24時間体制で患者を受け入れており、平成13年度は約1万3000人の救急患者に対応いたしております。今後とも、北部医療圏域の救急医療機関である北部地区医師会病院や名護市夜間急病診療所と連携して、北部圏域における適切な救急医療の提供体制の確保に努めていきたいと考えております。
 次に、今後の北部病院の機能についての御質問にお答えいたします。
 県立病院事業につきましては、県立病院の機能、役割等を抜本的に見直す必要があることから、現在、「県立病院の今後のあり方検討委員会」を設置し検討作業を行っているところであります。同委員会では、それぞれの県立病院が担うべき役割を明らかにするとともに、その機能、役割に応じた適切な規模等についても検討することにしております。県立北部病院の今後のあるべき機能、役割についても同委員会の検討結果を踏まえながら検討することといたしております。
 以上でございます。
○吉田 勝廣 文化環境部長に、マングローブは、国際マングローブは委託したんでしょうか、国際マングローブ協会に。
 これだけやって、平成3年ですから、もう今は平成15年ですから12年、どうしたんでしょうか、ちょっと伺います。
 それから与儀部長に、これは跡地利用関係ですが、恩納村、平成7年11月返還されて、平成8年4月にPCBが発見されまして、それが除去されるまでに2年7カ月たっています。そういう意味で、こういう有害物質が発見されたときの跡地利用関係、給付金関係はどうなっているのか。新法にそういうことが明記されているのか伺いたいなと思っております。
 そしてまた国頭村、これは国頭村は例えば480ヘクタール返還されたわけですが、特定跡地が300ヘクタールですので、平成8年から平成11年の2月に返還されるわけです。そして現在の法律施行が平成14年ですから、本当は1年ちょっとあるんですがね。返還のために国頭村は相当みずからの土地を再提供して返還に協力しているわけです。返還に恐らく協力してなかったら、今でもまだ返還をされなくて、いろいろあって今の新法に適用できたんじゃないかと私は思うんですが、この辺は今の新法の中で何とかできないのかなと思っております。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
   午後4時55分休憩
   午後4時58分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 文化環境部長。
   〔文化環境部長 永山政邦君登壇〕
○文化環境部長(永山政邦) マングローブの調査についてお答えいたします。
 平成3年度の調査でございます。これは沖縄国際マングローブ協会が独自でやったということでございますが、平成12年度はやってないということであります。
○吉田 勝廣 県はやったことはないということですね。
○文化環境部長(永山政邦) 県はやってございません。
○企画開発部長(与儀朝栄) 再質問にお答えいたします。
 恩納通信所跡地の給付金の適用でございますけれども、それにつきましては軍転特措法による返還後3年間における給付金の支給も既に終えておりますので、沖縄振興特別措置法による適用は基本的にはできないことになっております。
 それから、安波訓練場跡地の支援につきましては、沖縄振興特別措置法においては、大規模跡地や特定跡地以外の跡地についても国、県、跡地関係市町村の密接な連携のもと、跡地利用の促進に努めることや、国が必要な財政上の措置、その他措置を講ずるよう努めることが規定されております。安波訓練場跡地についても、これに基づき今後とも国、県、村が連携を図りながら跡地利用に関する取り組みを進めていく必要があると考えております。
○吉田 勝廣 県は一回もマングローブの調査をしたことはないということですから、どうも何か県のこれまでの方針とちぐはぐなような感じがしますので、この辺はきちっとしてもらいたいなと思います。
 それから、やはり跡地利用のための施策は軍用地地主会とか、地主にとっては非常に重大な問題ですから、この辺はぜひ県も地主会と、また各関係市町村とも連携をとって今後の対策をとっていただきたいと思います。
 以上です。
○金城 昌勝 通告順に従いまして一般質問を行います。
 まず最初に、県土の均衡ある発展について知事にお伺いいたします。
 私金城昌勝は、南部選出の議員として一貫してこの問題について代表質問あるいは一般質問の機会をとらえ、知事以下各部局長に質問をぶっつけ、意見を申し上げ訴えてまいりました。この間、時には耳に痛く感じることをあえて申し上げることもいたしました。それはとりもなおさず知事と施策をともに支える者の一人として、知事とともに最後まで県民に対する責任を負う立場から知事の感じられることを申し述べ、県民全体の奉仕者として我が県民がひとしく公平に取り扱われることを願っての気持ちからの発露でなされているものであることを、まず知事、御理解していただきたいと思います。
 さて、先月の9日、10日両日にわたりまして振興特別委員会で金融特区、マルチメディア館、国立高専など北部地域の振興状況を視察してまいりました。宜野座村では、全国でも最大規模の海洋療法施設、総工費20億円をかけて完成した「かんなタラソセンター」を見せていただき、率直にすばらしい施設であると感嘆いたしました。名護市では、我が国で唯一の金融特区地域の指定を受け、現在インテリジェントビルを建設予定だとの説明を受け、マルチメディア館では地域の子弟が毎日楽しみながら常時インターネットにつながったパソコンを遊具がわりにして遊び、未来の科学者を夢見ていると感じ、次代を担う子供たちの環境整備も整いつつあり、非常に有意義な視察でありました。
   〔副議長退席、議長着席〕
 私も県議になる以前、長年市町村の議会の議員として市町村の振興に携わってまいりましたが、それらは一市町村の力のみで簡単にできる代物ではありません。北部振興策に対する並々ならぬ思い入れを感じた次第であります。
 本部町のウェルネスリゾート事業は、沖縄振興計画の観光振興計画にも位置づけられ、北部振興事業費6億6000万円で事業が実施されております。類似の事業としてヘルシーリゾート構想は、長寿と観光を組み合わせ、南部地区が構想している事業でありましたが、1億円余の予算をつぎ込んで検討してまいりましたが、国や県の支援がなく、事実上撤退せざるを得ませんでした。本部町のこの事業は、これはぜひ成功させてほしいと思いますが、北部と南部とでは内容的に同一の事業が一方では事業ができまして、一方では事業化できない。これでは県民に納得いく説明ができません。
 南部は、去る大戦の激戦地であります。多くの犠牲者を出し、復帰の前後には米軍用地が返還され、軍転法という制度もなく、国や県の支援もなく今日に至っているのが歴史的事実であります。南部でも毎日米軍機は飛行しております。米軍機からの爆音や危険は共有しているのであります。公平な利益の配分を行うのが政治であり、行政であります。基地のある地域や北部にさまざまな制度や予算の配分がなされることは大いに結構でありますが、同じ危険や苦痛を背負わされている南部が政治的に取り残されるわけがありません。
 このような趣旨で昨年の2月議会におきまして、新年度予算における基地のない市町村に対する均衡ある発展のためどのような措置をされたか、されているかについて伺いましたところ、基地のない市町村の振興については、「活力ある地域社会の形成と特色ある産業の振興が図られるよう、できるだけ具体的な施策・事業を盛り込んでいきたい」、「基地のない市町村に対する財政支援策等につきましては、地域経済の振興等につながる事業の仕組みについて町村会等と協議を重ね検討してきたところであります。県としましては、関係団体等と今後も引き続き協議検討してまいりたいと考えております。」という答弁をいただきました。
 そこで、県土の均衡ある発展についてお伺いいたします。
 (1)番目に、北部の施設整備は、1番目に米軍基地所在市町村活性化特別事業、2番目に北部振興事業、3番目にSACO関連経費がなければ困難なものと思われますが、それぞれの事業が目指す目的は何ですか。
 (2)番目に、北部においてこれまで実施された主な事業名と、合計何事業行われていますか。
 総事業費はどれだけですか。そして国庫補助率は幾らですか。
 市町村の裏負担の名目並びに実質額はどうなっておりますか。
 また、住民1人当たりに換算すると幾らになりますか。今後の予定はどうなっておりますか。   (3)番目に、県で何名の職員が北部関連に携わっておりますか。
 (4)番目に、仮に南部市町村で同様の事業を実施する場合、裏負担を含め国庫補助はどうなりますか。
 (5)番目、この対比から県土の均衡ある発展が図られていくと考えられるか、知事の御所見をお伺いいたします。
 (6)番目、基地のない市町村の振興について平成15年度予算にどのように具体的な施策・事業を盛り込んでおりますか。また、財政支援策の協議・検討の経過及び結果はどのようになっておりますか。
 (7)番目、昨年の県と市町村との行政懇談会において南部振興会から提出された40の要望の取り扱いについてであります。
 特に、南部地域への大学院大学の誘致、海洋深層水利用施設建設、南部東道路の建設促進について、その後の処理経過、現在の状況、今後の見通しについて具体的に御答弁をお願いいたします。
 2番目、構造改革特区における教育特区についてであります。
 去る9月の定例議会において、私が人材育成について代表質問をした際に、英語教育を重点に置いた教育特区の指定を国に求め、具体的な調整は今後進めていくとの御答弁をいただいております。私も、本県の国際的な人材育成のためには早期の英語教育が必要だと認識しております。
 現在、小学校における英語教育は「総合的な学習の時間」でなされている場合と、研究開発指定校として取り組みがなされている場合とかあるようであります。その中で那覇市、浦添市、宜野湾市が教育特区の意向を示していると聞いております。この教育特区の指定がなされると公立の小学校で教科として英語教育が導入されるものと考えております。
 そこで、教育特区の概要についてお伺いします。
 (1)番目、指定を受けるためにはどのような条件が必要となりますか。
 (2)番目、英語教育の内容はどのようなものですか。
 (3)番目、週何時間を予定しておりますか。
 (4)番目、何校で何人の英語教諭の採用を予定しておりますか。
 (5)番目、国庫などの予算措置はどうなっておりますか。
 (6)番目、中学校に進学した際、教育特区とそれ以外の生徒の英語の学力の差が出てくると思いますが、その解消策はどう考えておりますか。
 3番目に、県の海外事務所の活用についてであります。
 昨年10月、環太平洋地域行政視察に行ってまいりました。その際、シンガポールや香港の海外事務所の職員の頑張りに大いに感激し感心させられました。
 海外事務所の役割は、本県の地理的特性を生かし、アジア諸国との貿易振興を図るためアジアの経済、貿易情報の収集・提供を行うことと、本県の総合窓口として観光や学術・文化の交流促進のため活動を行うものと認識しております。
 そこで、海外事務所の活用についてお伺いします。
 (1)番目、海外の各事務所はそれぞれ何人体制で予算措置はどうなっておりますか。
 (2)番目、これまで各事務所から幾つの提言がなされ、どのような成果に結びついておりますか。
 (3)番目、本県と直行便で海外と結ばれている路線において、上海路線のみ海外事務所が設置されておりません。どういう理由で設置されていないですか。
 (4)番目、今後、中国との観光・経済交流がますます拡大していくと思われますが、上海事務所の設置をする考えはありませんか。
 4番目、新規産業の創出についてであります。
 不動産担保融資制度から知的財産融資制度への転換についてであります。
 日本経済を取り巻く環境は依然厳しい状況にあり、将来に対する閉塞感を払拭できない中、我が国の国際競争力を高め、経済社会全体を活性化することが求められております。そのためには我が国を科学技術や文化などの幅広い分野において、豊かな創造性あふれ、その成果が産業の発展と国民生活の向上につながっていく世界有数の経済社会システムを有する知的財産立国とすることが必要であります。その目標に向けた諸改革を直ちに実行するため、国は知的財産立国実現に向けた基本的な構想である知的財産戦略大綱を平成14年7月に策定しております。
 時を同じくして、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画の反省を踏まえ、本土との格差是正を基調とするキャッチアップ型の振興開発だけでなく、沖縄の特性を十分に発揮したフロンティア創造型の振興への転換を進めるため新たな沖縄振興計画が策定されました。知的財産戦略大綱では、2005年度までをめどに知的財産に関する制度等の改革を集中的、計画的に実施するとしております。まさに今後の沖縄の行方を担うにふさわしい価値観の転換に追い風が吹きつつあります。沖縄自身がフロンティアスピリットを発揮し、この新たな価値観を導入した具体的な施策を展開すれば輝かしい未来が到来するものと確信しております。
 また、これまでの日本経済における金融機関は不動産担保融資制度であったため、現在のデフレ経済下では破綻を来しております。これからは不動産担保融資制度にかえて、特許などの知的財産を担保にした金融システムの構築が必要と考えております。
 そこで、知的財産施策についてお伺いします。
 (1)番目、特許ノウハウなどの知的財産に対してどのような認識を持っておりますか。
 (2)番目、知的財産に対してどのような施策を展開しておりますか。
 (3)番目、知的財産支援センターの役割と効果はどうなっておりますか。
 (4)番目、ベンチャー企業に対する支援の実績はどうなっておりますか。
 (5)番目、ベンチャー企業に対する資金について、これまで金融機関の不動産担保評価にかえて、知的財産の価値を専門に評価する企業の創設や誘致する考えはありませんか。
 (6)番目、知的財産の価値を評価する機能を産業支援センターに持たせる考えはありませんか。
 5番目、我が党の代表質問と関連いたしまして、世界トップレベルの大学院大学構想は、我が国の科学技術の振興及びアジア・太平洋地域の発展に先端的頭脳集積地域として寄与するとともに、沖縄の経済的自立を目指すものであります。
 今日、その設置場所が大きな政治的関心事になっておりますが、私なりに多少整理をいたしますと、県の候補地推薦検討委員会が糸満市、恩納村、北中城村の3カ所に絞り込んだのは、単に大学院大学を設置できる物理的な条件を満たしていると認定しただけにすぎないと思っております。県として主体的に本県全体の圏域について検証はされていません。県全体の利益について若干持論を申し述べさせてもらいます。
 まず、自然破壊の問題であります。
 生い茂った樹木を切り倒すことがあってはいけないのであります。山を削ることがあってはいけないのであります。赤土で海を殺してはいけないのであります。山々を削ることにより海と山から織りなす見事なコントラストは永遠に失われてしまいます。山に木々がなくなったら海も死んでしまいます。さらに、それから派生する赤土問題を我々は皆経験済みであります。先ほども元金武町長の吉田議員からもその対策について質問がありました。青い海を求めてやってくる観光客が遠のいていくのは火を見るよりも明らかであります。漁業にも深刻なダメージを与えます。ビーチ沿いのリゾートホテル業界の経済的損失もはかり知れません。
 そして何よりも自然科学を牽引する世界最高水準の大学院大学をつくるのと引きかえに自然の破壊、あるいは調査によっては貴重な動植物の生息が明らかになった場合、それこそ世界的な非難を浴びることになると私は思っています。
 次に、大学院大学から将来派生するであろう周辺産業の形成をあらかじめ織り込んでおかなければ経済的自立は遅々として進まないということであります。周辺産業が集積できるようなゆとりのある土地が広がり、将来、施設の拡幅にも柔軟に対応しなければいけません。
 次に、県土の均衡ある発展を実現する観点からであります。
 中部には琉球大学、北部には国立工業高等専門学校と国立の高等教育機関が既にバランスよく配置され、地域の教育環境が整い、子弟の励みになっております。さらにもろもろの施設、施策、地域指定が「島懇事業」、毎年100億の北部振興事業費、SACO関連経費などによって中北部に集中している中でバランスのとれた圏域を配分しなければなりません。これらを総合的に勘案し、また客観的にも土地造成工事を必要としない地形、太平洋と東シナ海が同時に眺望できるリゾート環境、約120ヘクタールの用地、空港への最も近い交通アクセス・利便性、水産試験場や移転予定の農業研究センターなど各種研究機関との連携、県都那覇市に近接しておりまして、生活の利便性などが整っている糸満以外に大学院大学の設置場所はないと私は考えております。
 新大学院大学の設置場所は南部に設置すべきと思いますが、知事の御判断をお聞かせください。
 以上でありますけれども、御答弁の内容によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 金城昌勝議員の御質問にお答えいたします。
 大学院大学の南部への誘致についてのお答えでございます。
 大学院大学は、沖縄に自然科学系の世界最高の研究・教育水準を有し、国際性と柔軟性を有する大学院大学を設置することにより、沖縄をアジア・太平洋地域の先端的頭脳集積地域として発展させること、世界の科学技術の発展に寄与することなどを目的にしています。
設置場所については、世界最高水準の大学院大学を設置するのに最も適切な敷地を選定するとの観点から候補地が選定されるものと考えます。場所の決定は、細田大臣を初め大学院大学構想検討会委員等による現地調査を踏まえ、さまざまな角度から候補地の特性や課題等について調査検討を深めているところであり、構想検討会における審議などを経て内閣府において決定されることになっております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等より答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) SACO交付金についてお答えいたします。
 いわゆるSACO交付金は、「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」第9条に基づき、特定防衛施設が所在する市町村に対し、公共用の施設の整備を行うために交付される特定防衛施設周辺整備調整交付金の特別交付分として、SACO合意事案を受け入れた市町村に対し5年間に限って交付されるものであります。
 北部においては、読谷補助飛行場のパラシュート降下訓練の移転先である伊江村、楚辺通信所の移設先である金武町及び普天間飛行場の移設先である名護市に対し、平成13年度までに総額28億6000万円が交付されており、住民1人当たりの換算額は約4万円となっております。国庫補助率については、当該交付金が補助金ではないことから定額交付となっております。
 また、これまで行われた主な事業は、伊江中学校グラウンド整備事業や金武町物産・商工業研修等施設事業、消防署久志出張所建設事業などがあり、平成10年度から平成13年度までの間に合計30余の事業が実施されていると聞いております。
○企画開発部長(与儀朝栄) 県土の均衡ある発展について、北部振興事業の目的と実施状況等についてお答えいたします。
 北部振興事業は、産業の振興や生活環境の整備による定住人口の増加と地域の活性化を目的としております。これまで実施された主な事業は、浜元中原線等の道路、渡久地港等の港湾、瀬良垣漁港施設等の公共事業と宜野座村サーバーファーム、今帰仁村キノコ生産出荷施設等の非公共事業、合わせて延べ112事業で総事業費は約212億円となっております。住民1人当たりの換算額は約17万円であります。
 北部振興事業の補助率は、公共事業については沖縄振興特別措置法等と同様の割合で、非公共事業については10分の9となっております。非公共事業の市町村負担分10分の1については地方交付税措置が講じられております。本事業は、平成21年度までおおむね毎年度100億円の事業実施が見込まれております。
 北部振興事業にかかわる県職員数は本庁に4名、北部駐在に2名、北部広域市町村圏事務組合に1名で、合わせて7名が業務に携わっております。
 次に、島田懇談会事業の目的と北部地域における実施状況等についてお答えいたします。
 いわゆる島田懇談会事業は、基地の存在による閉塞感を緩和するための地域経済の活性化や人づくり等を目的とした事業であります。北部地域においては、これまで8市町村26事案が実施されており、名護市マルチメディア館、東村つつじエコパーク、宜野座村かんなタラソセンターなど12事案が完了しております。
 本事業がスタートした平成9年度から平成13年度までの総事業費は約206億円となっており、基地の所在する8市町村の住民1人当たりの換算額は約19万円となります。国庫補助率は10分の9で、市町村負担分の10分の1については地方交付税措置が講じられております。残る14事案についても既に着手されており、平成19年度までにすべて完了する予定であると聞いております。
 次に、南部市町村で同様な事業を実施する場合の国庫補助と県土の均衡ある発展について一括してお答えいたします。
 北部地域は豊かな自然に恵まれ、沖縄本島の水源涵養地域として県民生活の安定に重要な役割を果たしており、これからの発展にポテンシャルの大きな地域でありますが、産業の集積が低く、生活基盤の整備も十分でないことから、定住人口の増加と地域の活性化を目的とした北部振興事業が設けられたところであります。北部振興事業は、閣議決定に基づく特別な予算措置により実施されているものであり、北部地域の振興を図ることは、北部地域のみならず県土の均衡ある発展を図る上からも重要であると考えております。
 次に、大学院大学、海洋深層水利用施設の南部への誘致についてお答えいたします。
 大学院大学の設置場所の決定については、細田大臣を初め大学院大学構想検討会委員等による現地調査を踏まえ、現在、さまざまな角度から候補地の特性や課題等について調査検討を深めているところであり、構想検討会における審議などを経て内閣府において決定されることになっております。
 海洋深層水利用施設建設については、内閣府において平成13年度に深層水利用施設の実現可能性を検討するため、県内外企業の深層水需要動向や事業化の可能性などについての調査を行っております。
 また、平成14年度はこれらの調査結果を踏まえ、海洋深層水の利用可能性や必要性についての考え方を盛り込んだ「海洋深層水利用基本構想」の策定に向けた作業を進めているところであると聞いており、事業の実施及び適地選定に当たっては同構想に基づく考え方を踏まえ、事業主体や事業採算性、施設建設の要否などについて総合的な検討を行い、客観的に判断がなされていくものと考えております。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 県土の均衡ある発展についてのうち、平成15年度予算におけるいわゆる基地のない市町村に係る施策・事業及び財政支援についてお答えいたします。
 県の平成15年度当初予算で、南部圏域の事業として糸満市における農業研究センター整備事業、豊見城市における渡橋名団地建替事業、南風原町、東風平町における津嘉山バイパス事業、大里村の中央児童館整備事業等を提案しているところであります。
 市町村の振興につきましては、基地所在の有無にかかわらずそれぞれの地域特性を生かした役割、機能を発揮して、個性豊かな活力ある地域社会の形成と特色ある産業の振興を図ることが重要であると考えております。このことから、いわゆる基地のない市町村に対する財政支援につきましては、地域経済の振興等につながる事業の仕組みについて今後とも引き続き検討してまいりたいと考えております。
 次に、昨年の県・市町村行政連絡会議における南部地区からの要望の取り扱いについてお答えをいたします。
 県・市町村行政連絡会議は、県三役及び部局長等と市町村長、議会議長が一堂に会し、県の主要施策の説明と市町村からの要望事項を聴取し、意見交換を行うことによって県並びに市町村行政の円滑な運営を図り、もって県勢発展に寄与することを目的として本県、県市長会、県町村会、県市議会議長会及び県町村議会議長会との共催で毎年開催しているところであります。平成14年度の同会議は昨年4月30日に開催され、南部地区からは38項目の要望が出されております。
 当該年度の市町村からの要望につきましては、それぞれ担当部局において検討を行い、翌年度の同会議において県よりその措置状況を御説明しているところであります。
 以上です。
○土木建築部長(安慶名正行) 県土の均衡ある発展についての、南部東道路の建設促進についてにお答えいたします。
 南部東道路は、知念村、佐敷町、玉城村、大里村を経由して南風原町内の那覇空港自動車道に連結する延長約12キロメートルの地域高規格道路として平成9年度に調査区間の指定を受けております。当該道路が大規模な事業となることや、関係町村が5町村に及ぶことなどからルート調整等に時間を要し、事業化の前提となる整備区間指定に至っていない状況にありました。
 そのため、県は、平成13年11月に計画ル-トや整備手法等について検討を行うことを目的に、関係町村を中心にした南部東道路調査検討委員会を設置したところであります。同委員会での調整・協議を踏まえて、平成15年2月に南風原町の那覇空港自動車道から佐敷町の「つきしろの街」方面までの約7.5キロメートルについて概略ルート案を選定しております。
 なお、残りの区間については引き続き調査検討を進めることとしております。今後は道路構造、整備手法などについて検討を行うとともに、関係機関との調整や地域の合意形成等を図り、早期に整備区間指定ができるよう積極的に取り組んでいきたいと考えております。
○教育長(津嘉山朝祥) 構造改革特区における教育特区について、教育特区の指定条件及び国の財政支援についての御質問にお答えをいたします。
 本年1月末に閣議決定されました構造改革特区基本方針によりますと、全体で80の特例措置事項があり、そのうち教育に関するものは小学校段階からの英語教育など教科の自由な設定が可能となることや、市町村費負担教職員の任用の制度化など15の特例措置があります。
 構造改革特区については、地方公共団体からの計画申請に基づき国が認定することとなっております。その認定の基準は、地域が自発性を持って構造改革を進め、我が国全体の経済の活性化や新規産業の創出等による地域の活性化につながるなど、特区の基本方針に適合するものであること、また当該特区に対し適切な経済社会的効果を及ぼし、円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであります。
 なお、認定申請の主体となり得る地方公共団体は都道府県や市町村等であり、単独及び共同での申請ができるようになっております。
 国の財政支援については、地域の自助と自立の精神を生かすため税の減免や補助金等従来型の財政措置を講じないこととされております。
 次に、小学校英語教育についての御質問にお答えをいたします。
 本県の沖縄振興計画においては、世界に開かれた交流拠点を形成するための人材育成が求められており、学校教育においても国際化、情報化に対応できる人材の育成が重要と考えております。
 小学校英語教育の導入につきましては、当面、教育特区構想とは別に特定の市のすべての小学校を研究開発学校として教科としての英語を導入することを計画をいたしており、文部科学省と調整をいたしております。
 小学校英語教育の実施方法や指導内容等の詳細については、研究を進める当該市や学校が決定をしてまいります。研究開発学校として取り組む英語の指導時数については、学校の状況や児童の発達段階に応じて各学年週一、二時間程度、指導内容については、児童が英語になれ親しむことを重視をし、あいさつや歌、日常生活に関連のある簡単な表現を学級担任やネイティブ・スピーカー、英語専科担任がチーム・ティーチングで指導していくことが想定をされます。
 小学校英語教育を導入する市と導入しない市では、児童の英語の力に格差が生じることは十分考えられますが、市町村や学校が児童に身につけさせたい能力、資質により生じる差は学校の特色としてとらえていくべきものだと考えております。
 県教育委員会としましては、今後とも教育特区制度での実施も踏まえ、児童が英語になれ親しむ体験を重視した小学校英語教育の推進を図り、国際化、情報化に対応できる人材育成の基礎づくりに努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(花城順孝) 県の海外事務所の体制と予算措置についての御質問にお答えします。
 県では、国際的な経済交流の活性化を図る拠点として台北、香港、シンガポール、中国福州市及び韓国に海外事務所を設置し、また北米には委託駐在員を配置しております。
 台北事務所、福州事務所につきましては、沖縄県産業振興公社の海外事務所として位置づけております。台北事務所は出向県職員1名のほか、現地職員1名であります。平成14年度予算は3842万円となっております。福州事務所は出向県職員1名のほか、現地職員2名であります。平成14年度予算は3132万円となっております。
 香港、シンガポールにつきましては県の事務所として位置づけており、それぞれ県職員1名、現地職員1名の体制であります。平成14年度予算につきましては香港事務所で3966万円、シンガポール事務所で3085万円であります。
 沖縄観光コンベンションビューローも海外事務所を台北とソウルに設置しており、現地採用職員が職務に当たっております。平成14年度予算は台北事務所が1264万円、ソウル事務所が1371万円となっております。
 米国につきましては、現地に精通した県出身者に業務を委託しており、平成14年度は919万円が予算措置されております。
 これまでの各事務所からの提言と成果についての御質問にお答えします。
 各海外事務所等においては、県産品の宣伝紹介、国際観光誘客、企業誘致等に関する事業を実施しております。また、数次にわたり沖縄物産展を開催し積極的に宣伝活動を行ってきました。その結果、県産品の認知度が高まり、県が関与している県産品の売り上げも平成14年度は8000万円を超えている状況にあります。
 例えば、駐在員からの提案をもとにシンガポールでは平成12年から県産卵の販売が始まりました。品質の優位性をアピールしたことに伴って、平成14年は800万円の販売額に達しております。また、香港では高級スーパーに沖縄ブースが常設されるなど販売の足がかりができつつあります。
 観光につきましては、平成13年の海外から沖縄への入域観光客数は14万人となっております。
 企業誘致につきましては、経済情勢が厳しい中で台湾、香港から3社の進出または進出表明を受けております。福州事務所は、県内企業の中国進出支援が主要業務となっており、これまで12社が福建省に進出をしております。
 次に、上海事務所の設置についての御質問に一括してお答えをいたします。
 県は、歴史的に交流の深い中国の福建省と、世界のビジネス拠点として発展している香港に事務所を設置し、中国との経済・文化交流に積極的に取り組んでまいりました。
 上海との交流につきましては、沖縄観光コンベンションビューローや香港の駐在員、福州駐在員が現地に出向き観光プロモーションを積極的に行っております。上海における県産品販売等につきましては、現地の市場の状況を把握するとともに、見本市への参加、物産展の開催を検討してまいりたいと考えております。
 御提言の上海における駐在員事務所の設置につきましては、当面は福州事務所、香港事務所が上海エリアでの諸事業に対応し、市場の動向を見きわめながら検討してまいりたいと考えております。
 次に、新規産業の創出についての、知的財産に対する認識と施策についての御質問に一括してお答えをいたします。
 21世紀は「知的創造の時代」と言われています。国の知的財産戦略大綱は、我が国産業の国際競争力強化を図ることを目的に、知的財産の創造及びその効果的な活用による付加価値の創造を基軸とする活力ある経済社会の実現に向けて、施策を集中的にかつ計画的に推進するために策定されています。
 企業においては、商品の付加価値を高め市場競争力を強化し、企業の経営戦略上優位に展開できるフロンティア創造型へと経営転換を図るためには、特許等技術やノウハウなどの知的財産の創造と活用に努めることが重要であります。
 このような観点から、県においては産業の活性化を図るため知的財産の創造、保護、活用のための施策として県内外の特許を地域産業界に移転・活用する特許流通支援事業、特許電子図書館の特許情報を地域産業界の閲覧に供する特許電子図書館情報有効活用事業、知的財産権に関する講習会の開催や情報提供、発明の普及を図るための沖縄県発明工夫展等を実施しているところであります。
 同じく、新規産業の創出についての、沖縄産業支援センターの役割と効果についての御質問にお答えします。
 沖縄産業支援センターは、既存産業の振興及び新事業の創出を図るため、諸施策を総合的かつ一体的に支援する産業振興の拠点施設として平成13年2月に完成しました。現在、同センターには中核的産業支援機関である財団法人産業振興公社を初め社団法人工業連合会、中小企業団体中央会などの各種産業支援団体が入居しており、各団体が緊密に連携して企業に対する支援サービスをワンストップで提供しています。
 また、沖縄産業支援センターにはインキュベート施設のほか、研究開発や実証実験を行うスペースが整備されており、新事業創出に係る研究開発から事業展開に至るまでの総合的な支援を集中的に行っています。
 さらに、ホールや研修室では連日セミナーやIT講習会が行われ、人材育成や情報提供の拠点施設としての役割も果たしています。県は、今後とも中核的支援機関である財団法人沖縄県産業振興公社を中心としたベンチャー企業創出支援体制を強化し、既存産業の活性化と新事業の創出を支援していく考えであります。
 次に、ベンチャー企業に対する支援の実績はどうなっているかという御質問にお答えします。
 県経済が現下の厳しい経済状況を克服し、民間主導による自立型経済を構築していくためには、新規産業の創出や新規企業の育成が重要な課題であります。このため、県はベンチャー企業等の創出や育成のため創造的企業支援事業や企業化支援事業など種々の事業を実施しているところであります。
 その実績について申し上げます。
 ベンチャー企業の研究開発を支援するため、これまで65社の創造法研究開発等事業計画を認定しております。認定企業に対しては製品開発費補助金13件を交付しているほか、信用保証枠の拡大、株式の取得、沖縄公庫による低利融資などのさまざまな支援を行っております。
 本県独自の取り組みとしては、ベンチャー企業7社に対して投資を行い、延べ28社に対してインキュベート施設を提供したほか、ベンチャー支援資金の融資などの支援実績があります。
 沖縄振興開発金融公庫においてもベンチャー企業に対する融資、出資制度があり、新規創業者を対象とした融資は過去3年間で45件、平成14年度にスタートした出資制度では3件の実績があります。こうした取り組みによりLSIの設計、世界初の医療用ミニガンマカメラの製造、遺伝子組みかえ用のベクターの生産といった高度な技術を持つ企業を初め多数のベンチャー企業が創出され、順調に成長しております。
 次に、ベンチャー企業に対する資金についての評価、企業の創設及び知的財産の価値を評価する機能についての御質問に一括してお答えをいたします。
 我が国の金融機関では、土地や建物等の物的担保や保証人という人的担保を徴して融資が実行されるのが一般的であります。このため、技術力にすぐれていながら担保力を有しないベンチャー企業に対する資金供給の円滑化は重要な課題であります。
知的財産権を担保とするベンチャー企業への融資については、沖縄振興開発金融公庫において制度化され1件の実績があるものの、知的財産権に関する評価が困難なことや、流通市場が狭隘なため担保実行が困難なことなどの問題があり、一般的に定着しておりません。このため、国において制度または運用の改善等について検討がなされているところであります。
一方、県においては、ベンチャー企業が有する知的財産権を含むビジネスプランを評価する場として創造法認定審査会やベンチャー企業投資審査委員会、事業可能性評価委員会などを設置しております。これらの委員会は、産業支援センターに入居する産業支援機関が中心となって構成されています。その中で、ベンチャー企業に対する創造法の認定、補助金の交付、出資の実行、事業可能性評価などを実施しているところであります。
○金城 昌勝 休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時47分休憩
   午後5時49分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 企画開発部長。
   〔企画開発部長 与儀朝栄君登壇〕
○企画開発部長(与儀朝栄) 南部市町村で同様な事業を実施する場合の国庫補助について、先ほど答弁しましたけれども再度説明いたします。
 北部振興事業は、閣議決定に基づく特別な予算措置により実施されるものであります。国においては、南部地域に同様な枠組みの事業は想定されておりませんので、仮定で国庫補助について述べるのは極めて困難であります。
○金城 昌勝 教育特区について再質問いたします。
 大変すばらしい制度でありますけれども、金のある、予算のある市町村はできるけれども、予算のない市町村はできないということになろうかと思います。
 そこで、特定の市町村の小学校での英語教育に限定しますと、教育基本法第3条に「教育の機会均等」という理念があります。項目があります。この理念に反すると思いますが、教育委員長の御見解を賜りたいと思います。
 2番目に、また市町村間を移動する児童が増加して新たな過密校、過疎校の問題が出てくると思いますが、教育長はどうお考えでしょうか。
 次に、大学院大学の場所決定は構想検討委員会の答申のもと、最終的には細田沖縄担当大臣が3月じゅうに決定するというふうにマスコミは報道していますし、また知事もそういう御答弁がありました。しかし、昨年末から沖縄のマスコミを初め県民の間では、既に恩納村に決定しているのではないかという話がしきりであります。これはなぜかと申しますと、土地の無料貸与や出身地の副知事がいるからとその理由とされているようであります。
 知事、私が一番心配していることは、もしそういった恩納村に決定すると、世界じゅうの自然保護団体が反対運動を起こすのではないかという心配であります。そうなると国や県の権威が失墜して国際的に信用が失われていくことであります。また、そのことにより建設工事のおくれや事業の中止の憂き目に遭うのではと大変心配しております。
 一昨日、我が党の比嘉幹事長の発言にもありましたが、名護市の北明治山に決定していた全国植樹祭が大田知事の就任によって糸満に変更された経緯があります。
 過去を振り返ってみますと、昭和50年に開催されました沖縄国際海洋博覧会が有力地の北谷町や読谷村から、那覇空港から一番遠い、しかも当時の副知事の出身地である本部町に変更されたという事実もあります。
 知事、私が申し上げたいのは、たとえ国の事業であっても最終的には県の三役の意向が大きく、その影響が大きかったと、果たしてきたということであります。
 私は、知事の政治理念である県土の均衡ある発展が言葉だけではなく実践するためにも、この大学院大学は糸満市にという知事の強力なリーダーシップをいま一度求めるものであります。そうすることによって21世紀初頭に立派な知事を持っていたことを沖縄県民は誇りに思い、後世高く評価していくものと確信するものであります。
 本議会には、かつて名護で知事と机を並べた竹馬の友もいらっしゃいます。また、私自身は知事を誇りとする那覇高校のかわいい後輩の一人だというふうに私は思っています。知事の誠意ある前向きな御答弁を再度お願い申し上げまして、今回質問を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時54分休憩
   午後5時56分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 金城議員から大変熱意のあるお話をお聞きいたしましたけれども、大学院大学についてお答えをいたしたいと思います。
 この大学院大学の大変大きな特徴はどういうことかといいますと、世界で最高水準ということであります。世界で最高水準であるというのはどういうことかといいますと、今回の顧問会議にもあらわれるように、世界的な学者が国際顧問会議で20名もメンバーに加わっておりまして、そのうち10名はノーベル賞の学者なわけです。
 どういう視点でとらえているかというと、沖縄に位置いたしますけれども、世界的な最高水準の大学が日本にできるということは、日本の教育というものも将来大きく変えていく、しかも世界の学会あるいは教育界に非常に大きな影響を与えるという、従来の私どもの考え方をはるかに超えるそういう考え方から候補地が選定されることになっております。
 もう一つは、沖縄に場所がどこであろうと、この世界最高水準の大学院大学ができるということは全県下に広く大きな影響、プラスの影響、効果を与えるというふうに考えております。その意味で、金城議員が申し上げられたいろいろなポイントもございますが、多くのポイントをこれら世界的な最高水準の方、また構想検討委員会の方が広範囲にトータル的にしっかりと決められると思っておりますので、私も世界の最高水準にどこが最もふさわしいかということを総合的に決められると考えております。
○教育委員会委員長(翁長孝枝) 特定の市町村の小学校で英語教育を限定すると、「教育の機会均等」の理念に反するのではないかの再質問についてお答えいたします。
 「教育の機会均等」は、憲法の「教育を受ける権利」、「法の下の平等」の規定を受け、その趣旨を教育において具体的に実現する手がかりとして規定されたものであります。これは、個人の尊厳を実質的に確保する上で欠かせないものであり、将来にわたって大切にしなければならない重要な原則であります。
 今、我が国におきましては教育改革を強力に推進しており、教育目標を画一化から自立と創造へと21世紀型に大きく転換し、子供一人一人の能力、適性に応じた指導の充実や学校、教師の創意工夫の拡大が求められております。また、教育の地方分権を大幅に推進し各地方ごとに多様な特色ある教育を実現していくことが求められております。
 このことから、教育の機会を確保し、国民として基礎的な資質の上に一定の範囲で地域や学校の特色ある教育を盛り込むことは、「教育の機会均等」に反するものではないと考えております。
 以上でございます。
○教育長(津嘉山朝祥) 再質問にお答えいたします。
 小学校の英語の導入に伴いまして市町村間を移動する児童が増加し、過疎・過密の問題が生ずるのではという御質問にお答えいたします。
 御承知のように、現在、県内の学校では「総合的な学習の時間」などで既に英語活動が約80%の小学校で導入をされております。また、児童生徒が通学すべき学校については、学校教育法施行令により当該市町村教育委員会が指定をしており、新たに過疎校・過密校が生ずることはないと考えております。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) この際、報告いたします。
 説明員として出席を求めた副知事比嘉茂政君は、別用務のため本日のこれより以降の会議に出席できない旨の届け出がありました。
 休憩いたします。
   午後6時1分休憩
   午後6時2分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 前島明男君。
   〔前島明男君登壇〕
○前島 明男 質問に入ります前に、代表質問3日間、そして一般質問4日間、延べ7日間、県知事を初め各部局長の皆さん、そして各委員会の委員長並びに事務局長の皆様方には、私ども各議員の質問に対して真剣に耳を傾けていただき、また誠意ある御答弁をいただきましたことに感謝申し上げたいというふうに思います。
 いよいよ私が最後の最後でありますので、どうぞ誠意ある御答弁を期待いたしまして質問に入ります。
 それでは、知事提案説明要旨の中から次の事柄についてお伺いいたします。
 大きな1番、観光・リゾート産業について伺います。
 本県の観光・リゾート産業は、経済的な効果だけでなく観光振興への活用を通した豊かな自然や生活環境の保全、伝統文化や芸能などの保存・育成及びこれらに対する県民意識の高揚や県民の豊かな心の形成にも大きく寄与しております。地域産業のバランスある発展に寄与するリーディング産業としての地位を確保するに至っております。
 以上のことから、観光リゾート局なんて小さな組織でなく、観光開発部なるものに昇格させて、人員面でもあるいは予算面でももっともっと力を入れるべきだとの観点から次の質問をいたします。
 (1)、平成15年の年間目標観光客数500万人の根拠は何か。
 (2)、観光客へのアンケート調査はどのように行っているか。
 ア、調査の頻度は。調査の方法、時期は。
 イ、沖縄観光の満足度と不満足度の割合は。それをどう評価するか。
 ウ、不満足の多い事項を多いものから5つ示してください。また、その対策はどうなっているか。
 エ、初訪問者とリピーターの割合はどうか。それをどう評価するか。
 (3)、台風時の観光客に対する対策はどうなっているか。
 御承知のように、台風銀座と呼ばれている本県には毎年数個の台風が接近し、空や海のダイヤが全く狂ってしまい、観光客が空港や港のターミナルロビーにあふれ、疲れ切った暗い表情をテレビで見るにつけ胸が痛みます。観光リゾート局や観光コンベンションビューローでも職員総出で対応しておられるようですが、あれだけ何千人という大勢の人数ですから、到底十分なことはできないと考えております。今後リピーターとなってくれるであろう大事な観光客でありますから、手厚く手厚くもてなして沖縄の人々の心の温かさをしみじみと感じてもらい、喜んで帰って、また再び来沖されることを願い質問するものであります。
 ア、宿泊所の手配の支援はどうなっているか。
 イ、宿泊所を確保できない方々の対策は。
 ウ、ボランティアの活用はどうなっているか。
 先ほども申し上げましたように、関係職員だけでは十分な対応は無理だろうとのことから、ボランティアの方々に御協力をいただこうとの考えであります。希望者を募って登録制にしておけば、いざというときにすぐ連絡がとれ、大きな力になること間違いないと思うからであります。宿泊の手配、輸送、食事、寝具の手配などあらゆる面で活躍が期待されます。
 (4)、「国際的海洋性リゾート地の形成に向けた諸事業」とありますが、具体的に御説明ください。
 (5)、一昨年の同時多発テロ直後と今日の旅館及びホテルの経営状況をどう把握しているか。また、行政の支援はどうなっているか。
 (6)、「クルーズ観光拠点として、那覇港における大型旅客船バースの整備を進めます。」とあるが、具体的に御説明ください。
 大型クルーズ船が初めて沖縄に寄港したのは平成6年のパナマ船籍であります。かなりの年月がたっているわけですが、いまだに専用バースが確保できておらず、貨物と同じような扱いを受けている現状を見るにつけ、外国の観光客の皆さんに大変申しわけなく言葉も出ません。自国へ帰られたらどんな話をされるだろうかと心配でなりません。一日も早い専用バースができることを願って次の質問をいたします。
 ア、計画位置はどこか。完成予定年度はいつか。
 イ、水深は幾らか。何万トンまで可能か。
 ウ、旅客ターミナルの規模と位置について。
 大きな2番、商工業の振興について伺います。
 (1)のア、イ、ウ、これまでの各議員の質問に具体的な答弁がありましたので、割愛をいたします。
 (2)、既存の中小企業の支援体制について。
 県内企業における中小企業の占める割合は、平成11年度において99.9%となっており、全国平均の99.7%より0.2ポイント高くなっております。
 このように、本県の中小企業は小規模零細企業が多く経営基盤が脆弱であるが、県経済に占める割合は極めて高く、本県経済の発展に多大な貢献をしております。また、政府においても平成11年12月に36年ぶりに中小企業基本法を改正し、中小企業の支援体制の構築を図っております。
 中小企業は一般的に経営規模が小さく、事業経営上不利な立場にあり、また急速な技術革新や情報化の進展、消費者のニーズの高度化、多様化などさまざまな経営環境の変化を受け厳しい状況にあります。このため、本県の中小企業は資金調達力が乏しく、経営基盤の脆弱な中小零細企業がそのほとんどを占めるため、県単融資制度及び沖縄振興開発金融公庫資金の拡充を図り、中小企業の資金の円滑化を行ってきておりますが、必ずしも十分とは言えません。沖縄の活力は中小企業の活性化以外にないと言っても過言ではありません。あと少し運転資金を融資してあげれば元気になる企業がたくさんあると思われます。既存の中小企業は既に設備や陣容も整い稼働しているわけですから、少し力をかしてやるだけで活発な企業活動が展開できるわけであります。ベンチャー企業に力を入れるのは大変結構でありますが、ぜひ既存の中小企業にもっともっと力を入れていただきたい。
 そのことから次のことを伺います。
 ア、「信用補完制度や制度金融の拡充に努め、」とありますが、具体的に御説明ください。
 イ、金融機関等の貸し渋り、貸しはがしの実態はどうなっているか。
 ウ、倒産した企業の実態を把握しているか。また、運転資金不足による倒産は何件か。
 大きな3番、持続的発展を支える基盤づくりについて伺います。
 (1)、都市モノレールについて伺います。
 車社会の沖縄では車の渋滞が日常的で、特に朝夕のラッシュ時はひどいものでいらいらが募るばかりです。これでは出勤してもなかなか仕事が手につかない状態であります。
 そのようなことから、交通渋滞の緩和と快適な県民生活を確保するためにモノレールという発想が出てきたと思うのでありますが、一方、運営面を考えますとかなり厳しい局面を迎えるのではないかと心配するわけであります。赤字分は県と那覇市で負担することになっているとはいえ、県民や市民の税金を投入するわけでありますから、余り利用しない県民からすればおもしろくない話であります。しかし、来る8月10日から運転開始することになったからには、いかに利用者をふやし赤字を減らして県民の負担を軽くするかに全県民が努力をしなければならないと考えます。
 そこで次のことを伺います。
 ア、モノレール利用促進のための需要喚起策は何か。
 イ、駅周辺の公営駐車場は何カ所つくるのか。何台収容可能か。
 ウ、北方への延伸計画はどうなっているか。
 エ、モノレール沿線の屋上緑化促進について。
 質問のア、イ、ウ、エは関連いたしますので、一括して私見を申し上げます。
 モノレール利用促進のための需要喚起策については、当局もいろいろと策を練っておられることと思いますので、お聞かせ願いたい。
 私個人の考えを申し上げますと、今のままですと起点から終点の駅までの距離が短過ぎるし、ほとんど那覇市民で、しかも沿線の人たちしか利用しないと思いますし、そうなりますと利用者は限られてきます。利用者をふやすためには北伸しかないと考えます。せめて沖縄自動車道の西原インター付近まで延ばして浦添市民や宜野湾市民、そして中北部の皆さん方が利用しやすいようにすればモノレールをつくった価値があろうというものです。パーク・アンド・ライド方式の推進であります。
 それともう一つ、モノレールの沿線の屋上緑化をすることであります。
 翁長雄志那覇市長は、モノレールの試験乗車されたときに、車上から眺めた風景が余りにも殺風景なのにがっかりされ、早速みずから自宅の屋上に土を運び上げ、緑滴る屋上庭園ができ、感無量なるものがあるとあるパーティーで話しておられるのをお聞きし、私自身感動を覚えました。すばらしいアイデアであります。しかも、那覇市全域に広めようと「那覇市屋上緑化助成要綱」──これは案でありますが──それまででき上がり、実施される方々に助成金まで出すことにしております。必ず成功するものと期待をいたしております。
 そこで私が申し上げたいことは、モノレール車上から眺める風景が緑滴るすばらしいものであれば、心がいやされ、気分爽快になり、また乗りたいという気持ちにさせるはずであります。そのようなことから、県も那覇市とタイアップして沿線の緑化に力を入れるお考えはないか、伺います。できれば条例か要綱をつくってできないものかということであります。
 大きな4番、人材の活用について伺います。
 ここで言う人材の活用は、県外の有能で沖縄大好き人間をうまく活用して沖縄の発展につなげようとの考えからであります。
 仕事の関係や何らかの事情で沖縄で居住したことがあるか、あるいは何度か来沖し沖縄が大好きになり、「沖縄病」にかかってこれからも応援団として頑張ってくださる方々を「おきなわ大使」として知事が任命し、県産品のPR活動はもちろんのこと、観光産業、教育文化、国際化などさまざまな面で意見や提言をしていただき、県政全般に反映させ、活力ある県づくりに役立てようとの考えからであります。
 私が一般質問で取り上げたのは、議員になり立ての2000年9月の定例議会でしたが、ようやく実現の運びとなり、大変うれしく思います。他府県では大きな成果を上げているようですので、活用次第では沖縄の経済自立にも大きく貢献できるものと確信しております。「仏造って魂入れず」にならないように、せっかくつくるわけですから、大いに活用されんことを願って次の質問をいたします。
 (1)、「美ら島おきなわ大使」について。
 ア、創設の意義について。
 イ、新年度の予算と事業計画について。
 ウ、要綱の概要について。
 エ、いつから施行するのか。
 それと、ここで一般質問通告の中で、私はあえて「美ら島おきなわ大使」という名前に対しまして、執行部の方では「美ら島沖縄」という漢字で「沖縄大使」となっております。非常にかたい感じがするといいますか、そういうイメージがあります。私はそういうイメージを持っております。ですから、「美ら島沖縄」を漢字でなくて、「おきなわ」というふうにひらがなにして大使というようなものに変えてもらえないか、それもあわせてお伺いをいたします。
○知事(稲嶺惠一) 前島明男議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、モノレール利用促進のための需要喚起策は何かについてお答えいたします。
 モノレール事業の開業後の健全経営を図るには、県民・市民に親しまれ、広く利用されることが必要であります。モノレールの利用促進を図るため、モノレールとバスの効率的役割分担と交通サービス向上の実現に向けてバス路線の再編を実施する予定であります。
 また、各駅にバス・タクシー・自転車などと円滑な結節が図られるように交通広場の整備などを行っているところであります。さらに、那覇空港や市立病院との連絡通路や壺川駅と奥武山公園を結ぶ歩道橋など駅周辺施設の整備も進めております。
 ソフト面の事業につきましては、駅周辺通り会等との連携を図りながら、誘客を目的とした各種イベントの開催や周辺商業施設との利用セット券の発行、民間施設を利用したパーク・アンド・ライド等の具体的な施策について取り組んでいるところであります。
 続きまして、人材の活用のうち、「美ら島沖縄大使」の創設の意義、事業計画、新年度予算、制度の概要及び施行時期について一括してお答えをいたします。
 大使制度創設については、前島議員を初め多方面からの御提言をいただき、沖縄に深い愛着と関心を寄せ、本県にゆかりのある者のPR活動を通して県のイメージアップを図る必要があるとの観点から、平成14年12月27日に「美ら島沖縄大使」設置要綱を制定したところであります。
 次に、平成15年度予算及び事業計画については、認証式典への参加旅費や名刺・大使証等の製作に要する経費として477万4000円を計上しております。人数については、50人から100人程度の方を大使に認証していきたいと考えております。
 設置要綱では、設置の目的、活動、推薦・認証等について定めております。
 その中で、大使の活動についてはボランティアを基本とし、それぞれの立場でさまざまな機会をとらえて独特の風土、歴史・文化を初め観光、物産等沖縄の魅力を広げていきたいと考えております。
 また、大使の認証に当たっては、幅広い分野の方を対象とし、関係機関等から推薦のあった者の中から大使にふさわしいと思われる方を認証したいと考えております。
 最後に、実施につきましては、15年度当初に大使の推薦・人選の手続を進め、9月ごろまでには大使を認証し制度をスタートさせたいと思います。
 なお、御提案の件につきましては、貴重な御意見として受けとめさせていただきます。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、平成15年の目標観光客数の根拠についてお答えをいたします。
 県におきましては、平成23年の入域観光客数の目標を650万人に設定するとともに、観光振興計画において平成16年の目標を510万人に設定いたしました。
 平成15年の500万人の目標につきましては、これらの目標を見据えるとともに、昨年の観光客数の急速な回復など本県観光を取り巻く動向等を踏まえ、実現可能な目標として設定したところであります。
 また、観光客の主な増加要因として羽田─石垣路線等の航空路線の拡充、美ら海水族館や沖縄型特定免税店等大型集客施設のオープンによる誘客効果、トヨタ世界大会や生涯学習フェスティバル全国大会など大型コンベンションの開催があり、さらに修学旅行も増加することが見込まれております。
 次に、観光客へのアンケート調査についてお答えをいたします。
 観光客へのアンケート調査は、3年に一度実施している航空乗客アンケート調査と、その間の2年に実施している空港内アンケート調査があります。
 航空乗客アンケートは、本土へ出域する航空機内で全乗客を対象に調査票を配布し、到着地で回収しております。調査内容は、本県の入域観光客数算出の根拠となる混在率のほか、沖縄への訪問回数や旅行目的、宿泊日数、県内消費額等の把握を目的としております。
 また、空港内アンケート調査は、那覇空港ゲートラウンジ内で、本土へ出域する航空乗客を対象に調査はがきを配布し、郵送で回収しております。調査内容は旅行目的、宿泊日数、県内消費額等の把握を目的としております。今年度は空港内アンケート調査の実施年度となっており、毎月3日程度の調査を実施しております。
 次に、観光客の満足度の割合、不満足の項目とその対策、リピーターの割合についてお答えをいたします。一括してお答えをいたします。
 平成12年度の「観光客満足度調査」によりますと、設問項目の23項目の平均では満足が84.4%、不満足が15.6%となっております。
不満足の多い項目としては、娯楽・エンターテインメント関連が33.3%、交通アクセス関連が32.3%、インターネット情報関連が32.2%、都市型ホテル関連が25.8%、飲食関連が20.6%となっております。
それぞれの項目への対策としては、多様なエンターテインメントの可能性調査、観光案内標識の整備、県産食材のホテルや飲食店での利用促進などに取り組んでおります。
 また、平成15年度において観光客の県内移動の利便性向上対策を検討するほか、インターネット情報については、沖縄観光共通プラットホームの構築を図り、観光情報システムの拡充を図ることとしております。
本県を訪れる観光客のリピート率は51.6%となっており、初訪問の48.4%を上回っております。リピーターが増加しているということは、観光地としての沖縄を評価してくださる方々がふえているということでございまして、今後ともこの方々の期待を裏切ることのないようなお一層質的向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、台風時の観光客対策としての宿泊所の手配、食事、ボランティアの活用等について一括してお答えをいたします。
 台風時における宿泊所手配等の支援につきましては、那覇空港観光案内所において台風情報や航空機欠航状況の説明を初め、ホテル・旅館のリアルタイムな空室情報を提供するとともに、沖縄観光コンベンションビューローのホームページである「真南風ネット」による情報発信を行っており、パソコン、携帯電話での情報入手も可能なことから、この面はニーズに対応できていると考えております。
また、やむを得ず那覇空港内で待機する方々については、那覇空港ビルディングが同ビル内での緊急的な仮宿泊対策を講じております。
 飲食につきましては、空港内店舗の営業時間を延長することにより対応しております。
 なお、平成15年度の対策としては、路線バスの運行停止時における緊急シャトルバスの運行、那覇空港ビルディング内各テナントの営業時間の延長、携帯電話の電池切れに対する充電サービスの実施、大型ビジョンによる沖縄関連PRビデオ放映サービスの実施、タクシー乗り場の近距離・遠距離区分の一時撤廃、タオル、寝具等の提供など、対策のさらなる充実・強化を図ってまいりたいと考えております。
各分野にわたる支援ボランティアの登録制度を設け、対策の一環とすることにつきましては、ニーズ調査等を行うなど、課題を把握した上で検討してまいりたいと考えております。
 次に、国際的海洋性リゾートの形成に向けた施策についてお答えいたします。
 県におきましては、「国際的な海洋性リゾート地の形成」に向けて、観光振興地域への宿泊施設やショッピング施設等の集積促進、世界遺産を核とした周辺地域の整備や歴史・文化資源のネットワーク化を図っているところであります。
 また、国際航空路線については運航維持に努めるとともに、国や国際観光振興会と連携を図りながら航空路線が結ばれている台湾、韓国、香港、上海路線の重点地域において各種メディアを活用したイメージアップ・キャンペーン、新たな旅行商品の開発等の諸施策を展開し、海外観光客の増加を図っているところであります。
 さらに、米州開発銀行年次総会や太平洋・島サミットなど国際会議の誘致・開催を推進するとともに、外洋クルージングネットワークの構築や大型旅客船バースの整備など、国際クルーズ観光を推進していくこととしております。
 また、特色ある音楽、芸能等を活用した多様なエンターテインメントの創出に努めているところであります。さらに、同時通訳者の育成、外国語表記の案内板の整備など、外国人観光客の受け入れ体制の整備を進め、名実ともに国際的な海洋リゾートを目指していく考えであります。
 最後に、宿泊施設の経営状況と行政の支援についてお答えをいたします。
 金融機関の県内主要ホテルの調査結果によりますと、平成14年には入域観光客数の増加に伴い稼働率は77.6%で、前年に比べて6.6ポイント上昇するなど好調に推移をしております。
 一方、宿泊単価については、最近は改善傾向にあるものの、平成14年においては長引く景気の低迷やデフレの影響を受けて低価格化が続いたため、平成13年に比べて1.8%減少しており、総じて宿泊施設の経営は厳しい状況にあるものと認識しております。
 宿泊施設への支援策としては、テロ事件直後においては、観光関連事業者を対象とした県による緊急経営安定化支援資金の創設や、沖縄振興開発金融公庫による緊急融資などの支援策を講じたところであります。
 また、継続的な支援策としては、県による観光・リゾート振興資金や、沖縄振興開発金融公庫による沖縄観光・国際交流拠点整備資金などの融資制度がございます。
 以上でございます。
○企画開発部長(与儀朝栄) 観光・リゾート産業について、旅客船バースの位置、水深及び旅客ターミナルについて一括してお答えいたします。
 那覇港管理組合が作業を進めている港湾改訂計画案によりますと、那覇港における大型旅客船バースの位置は新港埠頭地区に位置づけられ、水深は9メートルで7万トン級の旅客船が対象となっております。
 旅客船バースの完成年度については、平成15年度の調査に基づき16年度着工、18年度完成を目指しております。
 旅客ターミナルについては、旅客船バースと近接した位置に予定されておりますが、規模等については今後検討されるとのことであります。
○商工労働部長(花城順孝) 商工業の振興についての、信用補完制度及び制度金融の拡充についての御質問にお答えします。
 信用保証協会は、国、地方公共団体及び金融機関から出捐金や負担金を受けることにより基本財産の拡充を図り、もって信用保証業務に伴うリスクに対する資金的な裏づけを確保しております。
 ところで、沖縄県信用保証協会は、中小企業の多様な資金需要に積極的かつ適切にこたえていくことが期待されておりますが、安定化特別保証制度による代位弁済の増加により平成13年度に赤字決算を計上するなど、経営環境は一段と厳しさを増しております。そのため、県では、信用保証協会の経営基盤の一層の強化を図り、信用補完制度の円滑な運営を維持するため引き続き国、市町村、金融機関と連携して基本財産の造成に努めてまいります。
 また、県の制度融資につきましては、中小企業者が設備の近代化や新技術の開発などに伴う設備資金や運転資金を必要とする場合に、時代の変化や資金ニーズに的確にこたえるべく、必要に応じて新たな資金の創設や見直しを行うなどその充実に努めております。
 平成15年度では、売り上げが低迷している中小企業者や取引先企業の倒産等により資金繰りが悪化している中小企業者等に対する新しい融資制度を創設します。また、企業立地推進貸付、経営振興資金、創業者振興資金については、融資枠を拡大いたします。
 次に、金融機関等の貸し渋り、貸しはがしの実態についての御質問にお答えします。
 国におけるいわゆる総合デフレ対策を受け、沖縄振興開発金融公庫及び商工中金那覇支店に平成14年11月5日から「貸し渋り・貸し剥がし特別相談窓口」が設置されております。これまでの相談受付件数としては沖縄公庫4件、商工中金2件となっております。
 一方、沖縄振興開発金融公庫及び商工中金は、取引金融機関から不良債権処理の加速化を理由とした貸し渋り、貸しはがしを受けた中小企業者を支援することを目的として2月3日より「経済再生改革対応緊急貸付制度」を創設しております。
 また、県は、売り上げの低迷や金融機関からの借り入れが減少して資金繰りに困難を来した中小企業者に対して、融資を行う制度として平成15年度に「中小企業セーフティネット資金」(仮称)を新設いたします。金融機関に対しては、「沖縄地域融資動向に関する情報交換会」等を通して中小企業者の実情に応じた円滑な融資が図られるよう要望を行っているところであります。
 次に、倒産企業の実態把握及び運転資金不足による倒産件数についての御質問にお答えします。
 本県における負債総額1000万円以上の倒産企業は、東京商工リサーチ沖縄支店の資料によりますと、平成10年が176件、平成11年が83件、平成12年が139件、平成13年が123件、平成14年が113件とおおむね減少傾向で推移しております。
 また、過小資本を主な要因とする倒産は過去5年間で219件となっており、総倒産件数634件の34.5%を占めております。この主因となる過小資本は、さらに運転資金の欠乏と金利負担の増加とに区分されますが、運転資金の欠乏が12件、金利負担の増加が207件で、運転資金の欠乏よりも金利負担の増加を主因とする倒産が多いという状況になっております。
 なお、このような過小資本を主因とする倒産が多いことは、本県企業の経営基盤の脆弱性を示しているものと考えております。
○土木建築部長(安慶名正行) 持続的発展を支える基盤づくりについての駅周辺の公営駐車場の整備についてにお答えいたします。
 駅周辺における駐車場の整備につきましては、自動車からモノレールへの交通転換を図り、都心部に流入する車の交通量を低減する有効な施策であると認識しております。しかしながら、都心部の駅近傍における公営駐車場の整備につきましては、用地取得の問題や事業費の確保など解決すべき多くの課題がありますので、県としては民間施設を利用したパーク・アンド・ライド等の施策に取り組んでいるところであります。
 なお、赤嶺駅を初めとする8駅においては、バス、タクシー、自家用車などと円滑な結節を図ることを目的とした交通広場などの整備を行っており、残りの駅においても近接する道路敷にタクシーベイなどを整備することとしております。
 次に、モノレール沿線の屋上緑化の促進についてにお答えいたします。
都心部における屋上緑化は、都市景観を向上させるとともに、ヒートアイランド現象の緩和にもつながる重要な施策であると考えております。
 このため、那覇市においては、駅周辺をモデル地区に指定した上で、建築物の屋上緑化を行おうとする市民などに対して工事費の助成を行うことを目的として平成15年4月1日から「那覇市屋上緑化助成要綱」が施行される予定になっております。県としても、モノレール沿線地域の景観対策として道路の中央分離帯における植栽工事やモノレールの支柱緑化等について積極的に取り組んでいるところであります。
 御提言の沿線の緑化等の県の条例制定につきましては、今のところ県としましては考えておりませんが、関連道路の緑化に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(屋嘉部長市) 都市モノレールの延伸計画についての御質問にお答えいたします。
 都市モノレールの将来の延伸計画につきましては、「公共交通の体系的整備の観点から開業後の利用状況等や延伸が想定される地域の開発計画等を踏まえた上で検討する。」と沖縄振興計画の中で明記されております。また、「沖縄県総合交通体系基本計画」においては、新たな公共交通システムの形成を構築していく中で骨格的な公共交通軸として、南北軸を形成する軌道系交通システムや既存ストックを有効活用した基幹バスシステムの導入などとともに、今後の需要動向等を勘案して都市モノレールの延伸について検討していくこととしています。
 マルチモーダル推進の観点から、過度に自動車交通に依存しないための公共交通体系の確立のためには都市モノレールの果たす役割は極めて大きいものがあります。したがいまして、現時点では利用の促進に向けた取り組みを推進することが重要であり、今後の検討に当たっては開業後の利用状況はもちろん、バス網の再編等の本県の交通環境の推移や新たな交通システムの技術の動向などを踏まえ、多様な視点から段階的に調査検討を進めていくことが重要であると考えております。
○前島 明男 もう時間も時間ですので再質問はしないでおこうと思ったんですが、質問じゃなくして花城順孝商工労働部長に御要望を申し上げて終わります。
 せっかく国や県の融資制度がたくさんございます。だけれども、銀行の末端の支店まで徹底してない面がございます。これは現に私も何件かその零細企業の方々からそういう相談も現に受けておりますので、銀行窓口に行っていろいろ担当者と話するけれども、十分それが徹底されてないというそういう面がありますんで、ぜひともこれはまた県の方から各銀行に対してその辺の徹底方をお願いしたいというふうに思います。
 要望して終わります。
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって通告による一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 予算については、2月7日の議会運営委員会において21人から成る予算特別委員会を設置して審議することに意見の一致を見ております。
 よって、ただいま議題となっております議案のうち、甲第1号議案から甲第33号議案までについては、21人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 次に、お諮りいたします。
 ただいま設置されました予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定によりお手元に配付の名簿のとおり指名いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、予算特別委員会の委員は、お手元に配付の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
   〔予算特別委員名簿 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) ただいま予算特別委員会に付託されました予算を除く乙第1号議案から乙第27号議案までについては、お手元に配付してあります議案付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
   ――――――――――――――
   〔議案付託表 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後6時45分休憩
   午後6時46分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 この際、お諮りいたします。
 委員会審査及び議案整理のため、明3月1日から5日までの5日間休会といたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、明3月1日から5日までの5日間休会とすることに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 次会は、3月6日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後6時47分散会

 
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