○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
浦崎唯昭君。
〔浦崎唯昭君登壇〕
○浦崎 唯昭 おはようございます。
またかと耳を疑いたくなるような相次ぐ事件・事故、それに対して県議会を初め県内52市町村議会、全国知事会、全国都道府県議長会、県市議会議長会及び日本青年会議所等々から日米地位協定の見直しを求める決議が次々と採択され、国民世論が高いうねりとして盛り上がったにもかかわらず、依然として運用改善での対応としてその姿勢を変えようとしない政府の対米追従の外交に業を煮やした稲嶺知事の全国行脚の旅の御労苦に対して心より敬意を表し、さきに通告した発言書に従い県民の会を代表して質問を行います。
1、基地問題について。
去る5月23日に開催された小泉・ブッシュ日米首脳会談において、県民は基地問題で何らかの進展があるものと大きく期待をして見守っていたわけでありますが、残念ながら県民の求める日米地位協定の改定問題や米軍普天間飛行場の代替施設の15年使用期限問題については何ら触れられず、対米追従の外交姿勢だけが印象づけられた感がいたします。
私は、日米地位協定問題を論ずるときに脳裏に浮かぶのは、明治時代、不平等条約改正問題で御奮闘された陸奥宗光外務大臣であります。
時は明治初年、イギリス人による13歳に満たない少女暴行事件が発生し、日本の裁判で犯人を裁くことができなかった当時の不平等条約に対して国民の怒りは頂点に達し、条約の改正を求める世論が高まる中、陸奥宗光外務大臣は日本と条約を締結していた欧米15カ国の中で最も改正に反対していたイギリスとの交渉に全精力を傾ける一方、国内世論を喚起するために次のような歴史的演説を行ったと言われております。
「条例改正の目的、否、日本外交の目的は、国として受くべき権利は受け、国として尽くすべき義務を全うする事にあります。外交政策というものは多くの場合、国民の気性を反映するものであります。かつて幕府は、鎖国攘夷という気風に影響されて、一々外国人との接触を制限する方針をとったのであります。気宇の大きい外交方針をとることは忍耐力があり、進取の気性のある人民をもつ国以外にはできないのであります。いわゆる条約励行とかそれに付随する議案は、維新以来の国是に反するものであり、政府はこの国是に反するものは、これを排除する責任があります。ここに政府の外交方針を闡明してもって諸君の反省を求めるものであります。」と述べ、国民世論をまとめると同時にイギリスとの交渉に粘り強く当たり、ついに明治27年(1894年)不平等条約を撤廃させ、日英通商航海条約の締結を見たのであります。イギリスに続いて欧米15カ国の国々も次々と条約改正に応じ、それまでだれもなし得なかった条約改正の偉業をなし遂げたのであります。
陸奥宗光氏が最後に残した言葉があります。「政治はアート(芸術)なり、サイエンス(科学)にあらず、巧みに政治を行い巧みに人心を収めるのは、美学をもち広く世の中のことに習熟している人ができるのである。決して机上の空論をもてあそぶ人間ではない。」。
歴史を動かした人物にふさわしい言葉として今日なお人々の心の中に深く刻み込まれているのであります。
第2次伊藤博文内閣の外相としてイギリスとの条約改正を成功させ見事な外交手腕を発揮し、明治日本の生存と尊厳を守り抜いた外相陸奥宗光氏の外交姿勢を、岡崎久彦氏著書「陸奥宗光とその時代」の中から引用して紹介しましたが、今日の日本外交と重ね合わせて考えるときに、いみじくもブッシュ米国大統領が小泉総理との会談後の記者会見で「日米同盟は地球規模」と述べ、米国傾斜を深める日米外交、その言葉の奥に潜む日本外交の弱さを指摘せざるを得ないのであります。運用改善という机上の空論をもてあそぶ政府の外交姿勢を喝破し、稲嶺知事にすばらしいアート(芸術)を描いてもらいたいのであります。
そこで知事に御提言を申し上げたいのであります。今や北朝鮮拉致問題は世界共通の問題として取り上げられるようになりました。日米地位協定の問題も拉致問題と本質は何ら変わらないと私は思います。すなわち、この協定によって県民はもとより国民すべてが拉致されているという認識に立つのもあながち言い過ぎではないと思うのであります。
そうであるならば、沖縄の基地問題も拉致問題と同様に日米間の大きな問題として取り上げてもらうことが今求められる大事なことであり、そのためには総理訪米の際に同行して米国大統領に虚心坦懐に知事が話し合いをすることが解決へつながる一つの大きな一歩だと思いますが、知事の御所見を承りたいのであります。
このことにつきましては、2月の定例会でも全く同様な内容の質問をいたしましたが、定例会後、知事があらゆる方策を駆使しながら地位協定改定へ向けて東奔西走することを評価しつつ、いよいよ訪米の時期を探る時期に来たのではなかろうかと感じ、あえて質問をした次第であります。
(2)点目に、6月9日付の米紙ワシントン・ポスト紙は、米国防総省が在沖海兵隊部隊のフィリピンへの配置を模索しているとして、米側はフィリピンに再び米軍基地を建設する可能性もあわせて検討していると報じております。
米軍当局は、県当局の問い合わせに対し事実関係を否定したと言われておりますが、事実関係は別としてそういう話がマスコミから報じられた以上、県民として無関心でいられるはずがありません。
そこでお伺いをいたします。
マスコミで報じられた米軍基地の海外移設問題を県はどのようにとらえ、今後対処していかれるつもりか、御見解を求めます。
新型肺炎に関する問題について。
21世紀最初の大規模感染症新型肺炎は、中国を初めとする東アジアを中心に世界的に猛威を振るい、とりわけ沖縄県と経済や文化の交流の多い台湾での感染拡大は県民に深刻な不安を与えることとなりました。
その結果、WHOは新型肺炎で初の警報を出した3月12日からちょうど100日目に当たる6月19日を前に、新型肺炎については現在はまだその初期段階にすぎないが、世界規模の感染拡大は明確な抑制方向に向かいつつあると発表したが、一方、新型肺炎が再発したり、特定地域の風土病として定着するかどうかを見きわめるためには少なくともあと1年は監視体制の継続が必要だと警告しています。感染症対策として何よりも大事なことは、ウイルスの侵入を水際で阻止することであります。
2点目に、不幸にして侵入という事態を招いた場合には、二次感染を最小限に食いとめること及び県民への情報の公開、プライバシーの保護という正しい予防対策を徹底し混乱を防止することであり、今後とも危機管理体制の強化が強く求められることは当然のことであります。感染症に対する抜本的な対策をお伺いいたします。
次に、台湾との関係についてでありますが、5月9日にWHOが台湾の台北を流行地域指定を「中度」から「重度」に引き上げたことに伴い、県や那覇市においては重度地域である台湾の航空会社や船会社に対し入港等の自粛を要請するとともに、県や県市長会、さらに県経済団体会議から中琉文化経済協会に対し見舞金を送ったとのことであります。
WHOでは、6月13日に台湾におけるSARSによる流行地域指定を「重度」から「中度」に変更し、6月17日には台湾に出されていた「渡航延期勧告」を解除したと発表しています。また、外務省には6月17日の夜に台湾全域に出していた危険情報を、「渡航延期勧告」から「十分注意」に引き下げております。これらのことは、台湾の皆様方が困難な状況の中で新型肺炎の診断や患者の隔離、感染経路の特定等を中心とする封じ込め等に取り組まれた結果であり、心から敬意を表するものであります。
沖縄県と台湾との間の国際交流については、石垣市と台湾省宜蘭県蘇澳鎮、与那国町と台湾省花蓮市が姉妹提携を結んでおり、琉球大学は台湾の留学生を受け入れているとともに、台湾師範大学に留学生を派遣しています。また、県内の他の大学にも多くの留学生がいると言われております。
さらに、これまで経済団体や観光団体を中心にさまざまな交流が行われ、本県に来る海外からの観光客の大半は台湾からの観光客であり、本県の観光の振興の面からも大きく貢献しているところであります。まさに台湾との文化的・歴史的なきずなはかたく結ばれているのであります。
そうした中で新型肺炎の影響で渡航自粛を要請された台湾の皆様の心情を察するときに、複雑な思いをするのは私一人ではないと思います。スタークルーズ社の台湾支社の盧冠群支社長は、6月26日のマスコミとの記者会見でその心情を吐露しております。
1つに、自粛要請、正直に言うと心外だった、1つに、友人であれば隣人が困った場合や問題が発生したときに、果たして来るなと言うだろうか、1つに、国民感情につながりかねないので小さな傷を早く治療することが大切だと思う。SARSは短期で友情は長期だ、1つに、感情的に残るしこりのようなものは時間が解決する。ただ、その解決方法を早目に示すことも必要だろう、1つに、今後もSARSの警戒はしっかりやっていくので、ぜひ温かく迎えてほしい等々の発言をされておられます。
知事も当然そのことを十分過ぎるほど理解していながら、行政のトップとして判断をしなければならなかった苦しい胸のうちも十分わかりますし適切な判断だったと思ってはおりますが、しかしながら文化・歴史ではぐくまれた友情はこのことでゆがめられてはなりません。
そこで、一日でも早く「雨降って地固まる」との格言のごとく、知事が先頭になってその友情の輪を広げる努力をすべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
次に、さらに恐い感染症エイズ対策について。
人が生きていくための最も大切な機能の一つである免疫を冒す疾患であるエイズは、現代の医学の最大の課題の一つと言われております。1981年、アメリカ合衆国で最初の症例が報告されて以来その広がりは世界的に深刻な状況で、我が国においても1985年3月に最初の患者が発見され、国民の身近な問題として急速にクローズアップされたと聞いております。本県におきましても、医療会を中心に深刻な問題として大きな不安となって広がっておりますが、そこで、県内におけるエイズ対策についての現状と課題についてお聞かせください。
4番目、オニヒトデ対策について。
沖縄本島周辺の海ではオニヒトデが異常発生し、沖縄の貴重な資源であるサンゴ礁が食い荒らされる被害が出て深刻な状況にあります。異常発生の詳しい生態がほとんど解明されていないため、人海戦術による駆除に頼っているのが現状であります。
特に、沖縄本島のサンゴの供給源とも言われる県や環境省などが設置したオニヒトデ対策協議会が最重要保全地域に指定している慶良間諸島近海では、地元のダイビング協会のメンバーが連日のようにボランティアの駆除作業を行っているのが実情であります。
こうした状況から、2002年の沖縄振興特別調整費のうち4700万円が駆除作業に充てられてきたものの、その予算も昨年12月で底をつき、再びボランティアの駆除活動を余儀なくされている現状であります。
こうした中、去る5月27日、政府の大臣政務官会議が首相官邸で開かれ、県内で異常発生しているオニヒトデ問題に対して関係省庁が協力して対策に当たることが確認されております。さらに、QAB(琉球朝日放送)でもオニヒトデ駆除支援のためにニュース番組を通して現状を訴え、さらに「美ら島募金」を呼びかけかなりの成果をおさめ、関係者の間から喜ばれていると承っております。
このように海のギャングオニヒトデの駆除に向けた各関係機関の取り組み、ボランティア活動等機運が盛り上がっております。ここに改めてオニヒトデ駆除のために御尽力されている関係機関の皆様を初め多くのボランティアの皆様、QAB「美ら島募金」に対して心より敬意を表するものであります。しかしながら、実態は依然として厳しい状況にあります。
沖縄のサンゴ礁は、沖縄のシンボルであり、かけがえのない財産であります。世界自然保護基金(WWF)がまとめた報告書によると、全世界のサンゴ礁がもたらす経済効果は年間300億ドル、約3兆6000億円と言われ、そのうち日本が受ける経済的利益は年間約16億7000万ドル、約2000億円と試算されております。
国内のサンゴ礁面積の9割が分布し、観光をリーディング産業と位置づける本県にとってサンゴ礁から受ける恩恵は推して知るべしであります。したがって、いつまでもボランティアの方々の善意に頼っているときではないと思います。この際、県がリーダーシップを発揮し、オニヒトデ駆除に向け強力な取り組みの必要性を訴えるものであります。
そこで伺います。
陸の嫌われものハブ駆除のためにハブ条例を制定し相当の効果を上げている市町村がありますが、それに倣い仮称「オニヒトデ駆除条例」を制定する考えはないか、お尋ねいたします。
5番目、都市モノレール事業について。
県民・那覇市民待望の沖縄都市モノレールが8月10日の開業に向けて連日試運転が続けられ、いよいよ現実のものとなってまいりました。去る5月28日には運賃認可申請が行われバス路線再編案も公表され、開業に向けた体制が着々ととられております。交通渋滞の緩和や沿線開発による地域活性化、利便性の高い公共交通網の構築が大いに期待されております。思えば長い道のりでした。
昭和47年、那覇市において都市モノレール事業が打ち出されて以来、その導入をめぐって賛否両論に分かれ侃諤激論が交わされてまいりました。我が会派の平仲善幸議員は那覇市議当時、都市モノレール事業対策特別委員長としてその取りまとめで大変御苦労なされたお一人でございます。導入のために御尽力された歴代の那覇市長、知事、議員、行政関係者の皆様に対して改めて心より敬意を表するものであります。
私も那覇市議時代から今日までずっと関心を持って見守ってきた一人でありまして、今、市内を走る戦後初の軌道交通機関「ゆいレール」を目の当たりにして感慨を新たにしているところでございます。
しかし、浮かれてばかりはおれません。都市モノレール事業となると全国的に経営が厳しいと言われ、必ず出てくるのが採算性の問題であります。特に、当初の計画に比べて運賃設定を25%引き下げ、需要予測も1日平均3万5000人に下方修正してのスタートで経営はますます厳しくなるのではと懸念するものであります。
そこで、次の点についてお伺いいたします。
(1)点目に、ずばり言って採算性は大丈夫か、その見通しと今後の経営方針について御答弁をお願いいたします。
(2)点目に、バス路線再編で都市モノレールとの競合路線が廃止されることになり、バス利用者からの苦情が聞かれておりますが、それについて御答弁をお願いいたします。
沖縄県立芸術大学の移転問題について。
沖縄県立芸術大学について、北中城村の喜屋武馨村長は6月19日の定例村議会で、米軍泡瀬ゴルフ場跡地に県立芸術大学を誘致する方針を明らかにし、県への要請を行うこととされています。
また、新聞に投稿された芸大関係者の県立芸大の現状と課題の中で、県立芸大の第1キャンパスの管理棟と一般教育棟、音楽棟、それに第2キャンパスの図書館、美術棟、体育館及び奏楽堂を除くすべての建物が老朽化していると指摘されております。
このようなことから、現在の狭隘・分散型のキャンパスから移転し、統合された真に高等機関にふさわしいキャンパスを確保するという構想は、県立芸術大学の評議会でも決議され、県との交渉に入ったが進展がないとのことでありますが、現状はどうなっているでしょうか。
さて、沖縄県立芸術大学は、当時の西銘順治沖縄県知事が沖縄県の誇る伝統芸能文化のレベルを高めることにより、日本国内だけでなく世界に通用する一流の伝統文化に持っていきたいとの強い決意のもとに整備が進められたと伺っております。また、県立芸術大学の設置場所については、1800年ごろの尚温王のときに首里王府の最高学府である国学が設置され、琉球王朝を担う人材が確保・育成されたということであります。このようなことから、明治以降その場所に沖縄県立師範学校が設置されたのも理解されるわけであります。
このような由緒ある場所が人材の育成を目的とする沖縄県立芸術大学の設置場所としてふさわしいということになり、少々狭いところではあるが沖縄県立芸術大学が設置されたとも伺っております。また、当時はまだ首里城が整備されてなく、首里城が整備されればさらに風格ある場所として沖縄県立芸術大学がクローズアップされることが大きく期待されたものと考えています。そのようなことからすれば、老朽化した建物であればその建物をどうするかが次の課題になるのであります。こういった経緯を抜きに移転の議論をするのはどうかとの考え方も成り立つわけであります。
そこで伺いますが、もし移転するとした場合、移転先の選定と綿密な移転計画をつくる必要がありますが、それについてお伺いいたします。
また、大半の建物は築後20年も経てない建物でありますので、何か跡利用を考えているのかお伺いをいたします。御答弁いただきたいと思います。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
それでは浦崎議員の御質問にお答えいたします。
最初は、日米地位協定の関連について、知事訪米についてでございます。
基地問題について、戦後58年間過重な基地負担をしてきた県民は、基地問題の解決を強く求めていることから、平成13年5月に訪米し、パウエル国務長官を初め米国政府関係者に対し、米軍基地の整理縮小、普天間飛行場の移設条件の整備、海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減、日米地位協定の見直し等について要請したところであります。
なお、県外における全国大会の開催や訪米要請については、全国行動プランの実施状況や県内外の各界各層の動向等を総合的に勘案しながら今後の検討課題にしたいと考えております。
続きまして、SARSの指定感染症への変更に伴う感染予防対策についてお答えいたします。
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」において、重症で原因不明の新感染症として現在位置づけられているSARSは、厚生労働大臣の指導・助言を得て県知事が入院勧告等について個別に対応することになっております。
県では、「沖縄県重症急性呼吸器症候群行動計画」に基づき患者への医療提供体制、相談体制、検査体制の整備を行ってまいりました。
SARSについては、現在、原因ウイルスが特定されるなど疾患の概要が判明してきたことから、政令により「指定感染症」に指定されることになっております。「指定感染症」に指定された場合には、知事の権限により健康診断の勧告、入院勧告、就業制限など迅速な対応が可能となります。今後ともSARSの行動計画に基づき防止対策を推進してまいります。
続きまして、同じSARSに関する問題で今後の台湾との友好関係についてお答えをいたします。
本県と台湾は地理的に最も近い位置にあり、歴史的にもかかわりが深く、留学生の派遣・受け入れを初め経済、農業、文化等さまざまな分野で交流が行われてきたところであります。今回の要請の件については残念な思いを持っておりますが、県民の生命保護の観点からやむを得ない措置であったと考えております。
このような状況の中、県は台湾の新型肺炎犠牲者並びに御家族に対して見舞状を送り、あわせて見舞金を送っております。さらに県経済団体会議、各団体からもマスク等の医療用具、見舞金を送る等支援の輪が県内に広がっていることは喜ばしいことと受けとめております。
台湾側からも見舞いに対する御礼と県の立場への理解を示した上で、これまでの双方の歴史的交流を踏まえ台湾の旅客を引き続き受け入れていただきたい旨の書簡が届いております。今後とも新型肺炎(SARS)が一日も早く完全制圧され、台湾と本県との交流が従前にも増して活発になるよう努力してまいる所存でございます。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 在沖米海兵隊に関するマスコミ報道についてにお答えいたします。
ロサンゼルス・タイムスの記事をきっかけとした一連の在沖海兵隊の削減報道については、日米両政府とも報道内容を否定しております。
県としては、これまでにも基地の整理縮小とあわせて海兵隊の訓練の移転及び米軍兵力の削減を強く求めてきましたが、今後とも海兵隊をめぐる国内外の動向を注視しながら正確な情報の収集に努めるとともに、あらゆる機会を通じて日米両政府に強く訴えていきたいと考えております。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 県内のエイズの現状と課題についてお答えいたします。
県内では、昭和62年に最初のエイズ患者が報告されて以来、感染者・患者とも増加し、昨年末までの感染者・患者の総数が46人と人口比では九州で最も多くなっています。
特に、平成10年に18人となった以降は急激にふえており、また全国ではHIV感染者とエイズ患者の比率が2対1と感染した段階での届け出が多いのに対して、本県では逆に発病後に届けられることが多く、蔓延防止の観点から憂慮すべき事態と考えています。
これらのことから、県ではエイズの蔓延防止を図るため、従来の普及・啓発事業、無料匿名検査、相談事業、患者カウンセリング事業に加え、さらに今年度から母子感染防止を目的にエイズ検査を希望する妊婦に対して抗体検査費用補助事業を実施しております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) オニヒトデ駆除条例につきましてお答えいたします。
沖縄のサンゴ礁は、豊かな自然環境の基盤をなす生態系として、また漁業資源、観光資源として重要な役割を有しております。
平成13年末からオニヒトデの大量発生が確認され、サンゴの食害が進行する事態となっております。県は、このようなサンゴの危機的な状況に対処するため学識経験者、関係団体等から成る「オニヒトデ対策会議」を設置し、オニヒトデ分布調査や駆除事業等を実施しております。県としましては、今後、オニヒトデの食害等からサンゴを守るため、保全すべきサンゴ礁海域を最重要保全地域として定め、総合的なオニヒトデ対策を進めながらサンゴ礁保全対策を行ってまいります。
御提言の条例制定につきましては、今後の課題として承っておきたいと考えております。
次に、県立芸術大学移転問題について質問が2つありますが、一括して御答弁いたします。
沖縄県立芸術大学の美術工芸学部の一部校舎につきましては、旧教育センター施設及び旧琉球大学女子寮施設を改修して利用したため、既に築後35年から43年を経過し老朽化が進んでおり、改築が必要になっております。
県立芸術大学におきましては、平成11年1月に「沖縄県立芸術大学第2次施設整備構想」を策定し、平成12年1月に県文化環境部文化国際局長あて、同構想の推進及び危険建物対策等の措置についての要望を提出しており、その中で、狭隘で分散しているキャンパスを一つにまとめて段階的に全学移転することを要望しております。
大学の設置者である県としましては、将来新たな整備計画の検討が必要であることを認識した上で、奏楽堂や附属研究所等築後6年から18年の新しい施設があること等から、当面は老朽校舎の改築に取り組むことを考えております。
老朽校舎の改築に当たっては、現在の芸大の敷地が狭隘であることに加えて、都市計画法に基づく第一種低層住居専用地域内であること、また那覇市都市景観条例に基づく都市景観形成指定地域内であること等建築上の制約があります。また、第1・第2キャンパス、第3キャンパスに分散しているため教員や学生の移動等に不便であること等種々の課題があります。
県としましては、当面の課題である老朽校舎の移転・改築の必要性や現在地での改築の可能性を見きわめるとともに、芸大からの要望や将来構想、さらに県の財政状況等も勘案した上、芸大の改築・移転等について検討していく考えであります。
以上です。
○土木建築部長(安慶名正行) 都市モノレール事業についての、都市モノレールの採算の見通しと今後の経営方針についての御質問にお答えいたします。
都市モノレールの採算の見通しにつきましては、損益の好転は単年度で開業後11年目、累計では開業後27年目に好転するものと見込んでおります。モノレール事業の成否はひとえに利用客の確保にあります。沖縄都市モノレール株式会社においては、通勤・通学等における安定的な利用客の確保とともに、各駅におけるイベントの開催及び観光立県としての本県の特質を生かしつつ、旅行代理店等県内外の関係団体との緊密な連携を図り、モノレール利用客の確保に努める等増収対策に取り組むことが重要と考えております。県としては、会社と緊密な連携をとりながら経営の安定化につながるよう支援をしていきたいと考えています。
次に、モノレールとの競合路線が廃止されることで利用者からの不満への対応策についてお答えいたします。
モノレール導入に伴うバス路線再編では、モノレールと競合する那覇市内線の3路線の廃止が予定されています。廃止によりこれまでのバス利用者が不便となることが想定される首里地区及び小禄地区においては、バス事業者によりモノレール等と連結した循環路線バスが運行される予定となっております。循環バスの運賃は、市内線の200円均一よりも安い100円均一(ワンコイン)が検討されていると聞いており、当該地区のバス利用者の利便性が確保されるものと考えております。
以上でございます。
○浦崎 唯昭 再質問いたします。
日米地位協定改定問題で、私が総理訪米時に知事に同行してもらいたいとお願いするのは、もうここまで来ますと、いろんなことを行動する中で残されている道は直訴し大統領に直接申し上げる以外にないと。そのため大統領に会うのは総理訪米時に同行していく以外にはないと、このようにかたく信じるが、知事は総合的に検討すると思いますが、私は、総理訪米時に同行する権利が県にはあると思います。それはある意味では75%の大株主でございます、日米外交の。そういう意味では大いに同行して行くべきだと思います。同行も拒否されるのであれば日米地位協定は当然改定の俎上にのらない。そうであればその内閣は我が沖縄県にとって要らないということになるということにもつながるのではないかと、そんな感じがします。これは答弁要りません。
台湾との関係についてでございますけれども、私が旅行社を調べましたら、東京、大阪はもう回復しているようです。沖縄は努力をされていますが、私は知事が先頭に立って、例えば訪問団をつくってそこの皆さんとの交流を深めるための行動に移すか、そのことを要望いたします。
オニヒトデにつきましては、民間の皆さん方が頑張っていらっしゃいますので、どうぞ行政的な支援を賜りたいと思いまして、私の代表質問を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前10時35分休憩
午前10時35分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 浦崎議員の再質問にお答えいたします。
台湾との問題は、先ほどお話しましたように私どもとしても非常にいろいろな面から気にかけているところでございます。
そこで、今これは県も各経済団体も一緒になって話を進めているのは、SARSが完全にこれが解除された場合、沖縄から大々的な訪問団を送りまして、そしてぜひ皆様がここまでよくカバーされましたと、今後とも台湾との友好な関係を結びたいと、そういう今計画をしているところでございます。その意味では今後とも台湾との友好関係については努力をしたいと思っております。
○新垣 米子 日本共産党を代表して質問を行います。
今、世界は米国の無法なイラク戦争を追認し、先制攻撃戦略による米国の世界支配を許すのか、国連憲章に基づく平和秩序を回復し、平和な21世紀を実現するのかが鋭く問われています。有事法制は、ブッシュ政権の国家安全保障戦略で先制攻撃戦略を日本に押しつけるものです。無法なイラク戦争を無条件で支持を表明し、憲法をじゅうりんする有事法制を強行し、今また復興支援の名でイラクに自衛隊派兵を強行しようとしている小泉政権の行為は平和を求める世界とアジアの国と国民への背信行為であり、21世紀の日本を再び戦争する国に、再び沖縄と県民を戦争の脅威に陥れるものであり、到底許されません。
イラク戦争の最大の根拠とした大量破壊兵器が戦争終結から2カ月たった今日まだ見つかっておりません。偽った情報で国民を戦争に動員したと米英政府の責任と真相究明のための追及が行われています。米英の責任と同時に大量破壊兵器の保持をうのみにし、無条件に支持を表明した小泉内閣の責任も同時に問われなければなりません。根拠のない不当なこの戦争で7000人を超す罪のない国民、子供たちが犠牲になり、今なおクラスター爆弾など不発弾の爆発や頻発している戦闘で新たな犠牲者が出ているのです。
最初に知事の政治姿勢について、イラク特措法案についてお伺いします。
イラク全土が戦闘状態であることは米軍司令官が言明しています。戦闘地域には行かない、後方支援するのだから憲法違反ではないというのは全くのごまかしであり、真に人道支援というのであれば国連を中心にした人道復興支援であり、自衛隊派兵ではありません。
イラクを訪問した赤嶺衆議院議員は、今イラクは治安の悪化に加えて電気、水、食料もない、仕事もない無政府状態で、かつての終戦直後の沖縄、米軍占領下の沖縄の様相になりつつあると報告しています。沖縄戦と27年間の米軍占領の実態が何であったのか、県民に何をもたらしたのか、私が申すまでもありません。
知事に伺います。
米英によるイラク戦争の強行、それを支持した小泉首相の判断は正しかったと考えますか。
憲法違反の有事法制が強行可決され、今また憲法の歯どめをなくし自衛隊の海外派兵の自由化に道を開くイラク特措法案まで強行しようとしている事態を知事はどのように受けとめておられますか、御所見を伺います。
次に、有事法制について。
有事法制は、米軍支援体制をどうつくるのかということがこの法制の核心部分です。しかし、この核心である米軍支援の内容や自治体や住民がどんな協力を求められるのか、全くの白紙のまま強行されました。在日米軍基地の75%の基地が集中しているこの沖縄が有事法制の最も核心的役割を担わされることは明白です。
沖縄と県民に大きな影響を与えるこの重大な法案が、全くの白紙状態でまともな審議なしで強行されたことに対して知事の所見を求めます。
沖縄と県民にどのような影響が予想されると考えておりますか。
今後、米軍支援法制、国民保護法制が具体化されます。制定の議論の中で県民の人権、安全、財産が脅かされる内容が明らかになれば知事はきっぱりと拒否をすべきと考えますが、御所見を求めます。
普天間基地の早期返還問題について伺います。
4月27日に行われました宜野湾市長選挙で、SACO合意の基地のたらい回しではなく全面返還を求める伊波洋一市長が勝利しました。この宜野湾市長選挙の市民の意思を知事はどのように受けとめておりますか。
知事は、足かせになっている15年問題を取り除くことを知事に要請するとの公約を掲げた安次富候補を全面的に支援しました。このことは15年問題が既に破綻していることを知事自身認め、15年問題に決着をつけようとしたのではありませんか。
民間空港部分についての県と国の認識の食い違いが報道されていますが、これまで9回にも上る代替施設協議会が建設ありきの議論に終始してきたこと、知事の民間空港建設で県民の財産にするという公約そのものの破綻ではありませんか、所見を求めます。
沖縄のジュゴンは、沖縄固有種であるとのある調査報告が出されています。現在やっている現地技術調査は環境アセス無視の工事着工であり許されません。知事は国言いなり、国任せの姿勢を改め、最も保全が求められている地域と指定している県の環境保護指針に基づき、県の指針に反する基地建設を中止すべきではありませんか。
(オ)の質問は取り下げます。
(4)番目に、米軍の兵力再編と在沖米軍基地についてです。
米国防総省が沖縄の海兵隊約1万5000人を削減し、オーストラリアやアジアに再配備する計画の策定を進めるとの米紙の報道がある一方で、在韓米軍の見直しと削減に伴い在沖米軍基地への配備と強化との報道がありますが、この問題に関連して質問いたします。
在沖海兵隊削減報道について米国に直接事実確認したと言われますが、米国及び米軍関係者からの説明があったのか。また、一連の報道をどのように考えますか、具体的に答弁を求めます。
6月16日の米下院軍事委員会の公聴会での米国防副長官の、沖縄海兵隊、2日で韓国に移動との発言に知事は同発言と計画に抗議をし、沖縄の恒久基地化と韓国、アジアへの出撃基地化に反対すべきではありませんか。
次に、地位協定見直し問題についてです。
5月25日、金武町でまたしても米海兵隊員による女性暴行事件が発生しました。女性として、母親として満身の怒りを込めて抗議をするものです。
地位協定の改定を求める知事の決意が本物であるのなら、今回の事件を県民は改めて許さないとの断固とした意思表示を示してこそ全国の大きな世論をつくることが可能ではありませんか。県民大会の開催への知事の決意を改めて求めるものであります。
2番目に、県民の暮らしと福祉を守る問題について。
国保問題について質問いたします。
本県の国保をめぐる県民の深刻な実態がマスコミでも取り上げられています。豊見城市や糸満、那覇、浦添、名護市において本人の承諾なしの預貯金調査が行われ、滞納回収のための預貯金などの差し押さえの実態、減免の申請に対しても減免不許可の項目にもない担税力ありという理由で申請を却下している事例が多数寄せられています。拡大解釈による法律違反の行為、プライバシーの著しい侵害と言わざるを得ません。
県内各地で起こっているこのような事例に対して県はどのように受けとめていますか。また、このような事態を県として把握しておりますか、伺います。
国保法44条は、保険者は、特別の理由がある被保険者で、一部負担金を支払うことが困難であるものに対し一部負担金を減額、免除、徴収を猶予することができるとの規定を定めています。豊見城在住のKさんの申請にかかわる国保法44条の適用に関して沖縄県国保審査会の裁決がなされ、昨年、沖縄県より県下全市町村長あて「国民健康保険法に基づく一部負担金の減免措置の適切な取り扱いについて」との通知が出されました。これを受けて県内で最初の一部負担金の減免の適用が実施されました。沖縄でこそこの44条が広く活用されなければならないと考えます。
豊見城市は、「国保一部負担金の減免および徴収猶予に関する取扱要綱」を5月28日に策定しています。県の通知を受けて、他の市町村の取り組みの状況はどうか。すべての市町村の実施要綱の策定に向けて引き続き県の指導・助言を求めるものです。
支払い可能な国保税の引き下げは県民の切実な願いです。被用者保険は、収入の約4から5%の負担に比べて、国保の10から12%の負担は客観的に見ても耐えがたい負担と言わざるを得ません。県民の4割が加入している国保世帯はこの不況のあおりを受け、失業、倒産、リストラで生活の糧を失った者、年金暮らしの高齢者や不安定な中小零細事業者であり、経済的な負担だけでなく、医療を受ける権利が侵害されているところに大きな問題があります。この現状を県政として見過ごしていいのかが問われています。本県の市町村の国保運営補助は、県民1人当たりわずか1円であることを真摯に受けとめ、県政が可能な支援を講ずることを求めるものです。
3月28日の閣議決定に基づく国保の都道府県移管構想について県としての所感を求めます。また、県として市町村と何らかの研究や検討がされているのか伺います。
介護保険問題について、ことし4月に確定した保険料について伺います。
全国との比較でどうか。全国一高い保険料についての県の認識を伺います。
徴収率について、第1号保険者について、全国との比較はどうか。
施設入所申込者と待機者の実態について。
保険料、利用料の低減措置を講じている、あるいは今後検討している市町村はあるか。
「高齢者の生活実態調査」の実施計画はどうなっているか伺います。
3番目に雇用失業、中小企業対策についてです。
本県の平成14年の失業率は8.4%で、完全失業者数は8万3000人となっています。県民の暮らしと経済を守る県政の責務からも深刻な雇用失業を解決する独自の対策が求められています。その立場から以下の質問をします。
国の雇用対策、中小企業対策事業の活用はどうか、県独自の対策についてはどうか伺います。
平成15年度策定されました行革大綱は、県職員、教職員の削減の数値化や農業など産業振興にかかわる補助金や事業の打ち切りなどが示されました。沖縄の雇用失業問題の解決に逆行する姿勢ではありませんか。
サービス残業、ただ働き、最賃以下という劣悪な労働条件を強いられている実態に対して、県がしっかりとした方針を持ち、適切な行政指導等が求められていると考えますがどうか。
公共業務での雇用創出を図ることは県政の施策で可能であり、県政の姿勢が最も問われているところです。介護従事者、看護師、教員、保育士、消防職員など公務、公共部門での要員増、さらには特別養護老人ホームを初めとする福祉や保育など生活関連施設の建設、安全・防災対策、市街地や公共施設のバリアフリー促進など、県民生活関連事業の拡大で雇用を拡大することについての見解と所見を求めます。
不良債権処理を理由に融資打ち切り、貸しはがしが行われないよう県として金融機関への指導を徹底することが求められています。貸し渋り、貸しはがし、融資打ち切りによる倒産の実態をつかんでいますか。
長期失業者の増大のもとで、つなぎ就労として実施しています緊急地域雇用開発特別交付金制度の継続と交付金の増額、対象業務の拡大など改善を図ることを政府に要請すべきではないでしょうか。
SARS問題で観光業界、特にツーリスト業界の打撃は深刻です。一昨年のテロ以来、業界の要望は低利子あるいは無利子のつなぎ資金的な県独自の利用しやすい融資制度の実現であります。御所見を伺います。
4番目に、バス問題について。
バス問題が暗礁に乗り上げている第一の原因は県の消極的な姿勢にあり、この姿勢を改めることが解決の道です。バス労働者の雇用と生活を守る立場のみならず、生活路線の廃止問題に対しても県民の足を守る県政の立場から質問いたします。
国の生活交通確保のための地方財政措置を積極的に活用すること、そのための県独自の財政支援策を具体的に提示していただきたい。
そして、県は新統合会社への債務保証を明示すべきだと考えます。
5番目に、劣化ウラン弾問題についてです。
政府・文部科学省は、95年の久米島、鳥島射爆訓練場での劣化ウラン弾の投下問題で調査を一方的に打ち切り、住民の要求である健康診断も拒否をしました。何の科学的根拠、調査結果を示さないで影響がないことが確認されたとすること自体問題であり、いまだに1520発の劣化ウラン弾の8割以上が未回収のままであり、町民から怒りの声が挙がっています。
政府に住民検診を直ちに行うよう要求すること。
政府に5年間の調査資料のすべてを公表させ、県が指名する学者、研究者による独自の分析と公表を行うこと。
鳥島での調査再開を初め、劣化ウラン弾の出回った地域、県民に対して調査を行うこと、政府に要求することを求めます。
最後に、教育基本法問題について。
中教審は、「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画のあり方について」の答申を提出しました。有事法制と一体で国家のために役立つ人づくりを掲げて、心を戦争に動員させるための教育基本法の改悪は許せません。
20万余県民が犠牲となった沖縄の知事としてきっぱり反対の意思表示をし、教育基本法の遵守、義務教育費等の国庫負担など国の責任を果たすよう国に強く求めるべきではありませんか。
以上、代表質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 新垣米子議員の御質問にお答えいたします。
最初は、イラク戦争支持の小泉首相の判断についてのお答えでございます。
イラクへの武力行使については、平和的に解決できる可能性がある限り国連を中心に最後まで外交努力がなされるべきとの考えを示してきましたが、武力攻撃に至ったことはまことに残念であります。
去る大戦で悲惨な地上戦を体験した沖縄県民は、命の大切さと平和のとうとさを肌身で感じており、世界の恒久平和を強く望んでおります。県としましては、イラクへの武力行使について細田沖縄北方担当大臣、沼田大使、ベッツ総領事に対し大変遺憾である旨申し上げるとともに、ファーゴ米国太平洋軍総司令官に対しても沖縄県民が平和を強く望んでいることを申し入れました。
次に、イラク特措法案に関する見解についてお答えいたします。
県としては、国連を中心としたイラクの復興が一日も早く実現することを期待しており、我が国も関係各国と協力しながら主体的に貢献していくことが望ましいと考えております。イラク復興支援特別措置法案は、イラクにおける人道復興支援活動と安全確保支援活動を行うことにより、イラク国家の再建と国際社会の平和と安全の確保に資するためのものであるとされております。
いずれにしましても、同法案については現在国会で審議されており、自衛隊派遣の必要性の有無などに関してさまざまな意見があることから、国民の理解を得るためにも慎重かつ十分に議論を尽くすことが必要であると考えております。
続きまして、有事関連法案審議と国民保護法制等について一括してお答えをいたします。
有事への対応については、従来、法的な根拠が確立されていなかったことから、政府において法治国家として法的整備を図る必要性を考慮された上で武力攻撃事態対処関連三法案の整備に努められたものと承知しております。同法については、国会における法案審議において広く国民の意見を聞いた上で十分な議論を尽くすよう要望した本県の意向が十分反映されず残念であります。今後は、県民の生命財産を守る観点から、国民保護法制や米軍及び自衛隊に関する法制についても早期に詳細な内容等を公表し、広く国民の意見を聞いた上で十分な議論を尽くす必要があると考えております。県としては、沖縄の基地問題は単に一地域の問題ではなく全国民的課題であり、国民保護法制や米軍及び自衛隊に関する法制の検討・審議に当たっては、米軍基地の負担のあり方等についても十分に議論を尽くしていただきたいと考えております。
続きまして、沖縄と県民への影響についての御質問に対してお答えいたします。
武力攻撃事態対処法では、地方自治の問題とかかわりの深い内閣総理大臣の総合調整、地方公共団体等に対する指示や、みずからの対処措置の実施及び損失に関する財政上の措置を規定した第14条から第16条については、国民保護法制の整備まで凍結されることになっております。また、地方自治体との関連が強い国民保護法制については現在法案を策定している段階であり、具体的内容は明らかになっておりません。県としては、県民の生命財産を守る観点から、県や県民にどのような負担が生じるのか、今後の法案の策定や国会等での議論を注視しつつ適切に対応したいと考えております。
次に、宜野湾市長選の結果についてのお答えでございます。
このたびの宜野湾市長選挙については、多くの要因を受けた結果として受けとめております。平和で基地のない豊かな島の実現は県民全体の願いではありますが、基地の整理縮小に向けては、現実的な対応によって一歩一歩着実に前進させていく必要があると考えております。今後とも普天間飛行場の早期返還に向けて全力で取り組んでまいります。
次に、宜野湾市長選挙と15年問題についてのお答えでございます。
安次富修氏は先般の宜野湾市長選挙に立候補した際、普天間飛行場の移設に関して、移設条件になっている15年使用期限が返還におくれを生じさせるのであれば、市民の総意として15年問題の再考を促すとの政策を打ち出したものであります。
代替施設の15年使用期限は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているものであり、国の責任において解決されるべきものであると考えております。使用期限問題の解決なしには着工はあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
続きまして、代替施設協議会での民間空港建設の議論と所見についてお答えいたします。
県は、普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件の一つとして、「代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであること。」を提示しております。これを受け、平成11年12月に閣議決定した政府方針の中で、「普天間飛行場代替施設については、軍民共用空港を念頭に整備を図る」と明記されております。
代替施設協議会では、私から民間機能の位置づけ及び必要性、需要見込み等について説明し、さらに民間機能に係る飛行場施設の管理運営のあり方については、県民にとって最も望ましいものになるよう県が主体となって取り組んでいく、また県が主体となって民間部門の管理運営並びにその利活用についてあらゆる方策を検討し、軍民共用飛行場としての民間機能が十分発揮されるよう国とも連携しながら全力で取り組んでいくことを申し上げました。
これに対し、国土交通大臣からは、引き続き協力をさせていただきたい、防衛庁長官からは、普天間飛行場移設に伴う機能及び適切な民間機能の双方を確保した普天間飛行場代替施設のあり方について検討してまいりたい、さらに沖縄及び北方対策担当大臣からは、軍民共用飛行場の民間機能発揮のための取り組みについては、沖縄県の取り組みに対して積極的にサポートすべくベストを尽くしてまいりたい旨の発言がありました。県としては、同飛行場の機能を生かした移設先の地域振興に全力を注ぐことにより、雇用機会の確保や産業の振興を図るなど地域経済発展の新たな拠点を形成し、北部地域の発展につなげていきたいと考えております。
続きまして、普天間飛行場代替施設のアセス実施と建設についてお答えいたします。
平成11年12月に閣議決定された政府方針には、「普天間飛行場代替施設については、軍民共用空港を念頭に整備を図る」とあり、また、「環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。」とされております。代替施設は、軍民共用飛行場として一体的に整備されるものと考えており、県としては、代替施設の埋立事業等民間専用地区の整備については、これまでの経緯等からも国が事業主体になるものと考えておりますが、今後関係機関と調整していきたいと思います。
なお、本年1月に開催された第1回代替施設建設協議会において鈴木環境大臣は、環境影響評価の手続等を通じ、ジュゴンの保護とそのえさ場としての藻場の保全、サンゴの保全並びに騒音を含めた生活環境の保全等適切な配慮を払うべく最大限の努力を行うことが重要であり、環境保全の観点から必要な助言等を行ってまいりたいとしております。
続きまして、県民大会の開催についてでございます。
県民大会を開催するためには、より効果的なタイミングを図ることが大切であると考えており、県民の盛り上がりや大会の規模などを十分に考慮しながら各界各層を網羅した全県的な大会になることが必要であると考えております。ちなみに、平成7年の県民総決起大会は、県議会全会派が提起して取り組みがスタートし、県議会議長を実行委員長として53市町村と各議会、主要な経済、労働、市民団体など320団体から成る超党派の実行委員会が組織され、その結果、多数の一般市民が参加した画期的な大会が実現したものと理解しており、県民が主体となった取り組みが必要であると考えております。
次に、教育基本法改正及び義務教育費の国庫負担についてお答えいたします。
教育基本法は、制定後50年余にわたり我が国の教育に重要な役割を果たしてきたものと考えておりますが、この間において社会状況は大きく変化し、現在、教育基本法についていろいろな意見があることも事実であります。教育基本法の改正については、各方面からの多様な意見を集約するなど幅広い論議を期待しており、今後とも国民的な論議の推移を見守っていきたいと考えております。
なお、義務教育費国庫負担制度については、教育の機会均等と全国的な教育水準の維持・向上に大きな役割を果たしてきており、当該制度の見直しに当たっては、十分な税源移譲が講じられるようこれまで全国知事会等において要請してきたところであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 在沖海兵隊削減報道についてにお答えいたします。
マスコミの在沖海兵隊の削減報道に関し、県が国防総省の報道部にその真偽を確認したところ、在沖米海兵隊の撤退も一つの考え方ではあるが、最終決定ではないとのことであり、米軍の再編成に当たっては関係諸国と協議が必要とされるとのことでありました。今回のロサンゼルス・タイムスの在沖海兵隊の削減報道については、日米両政府とも報道内容を否定しております。県としては、これまでにも基地の整理縮小とあわせて海兵隊の訓練の移転及び米軍兵力の削減を強く求めてきましたが、今後とも海兵隊をめぐる国内外の動向を注視しながら正確な情報の収集に努めるとともに、あらゆる機会を通じて日米両政府に強く訴えていきたいと考えております。
沖縄の恒久基地化についてにお答えいたします。
県としては、県民の過重な基地負担の軽減を図るため、在沖米軍兵力に占める割合が大きい海兵隊を中心とした兵力の削減について平成13年3月に初めて日米両政府に要請したところであり、これまでも機会あるごとに要請を行っているところであります。今後とも海兵隊の訓練の移転及び米軍兵力の削減を強く訴えていきたいと考えております。
劣化ウラン弾問題についてですが、住民検診の要求、独自の分析と公表、調査について一括してお答えいたします。
劣化ウラン弾誤使用問題に関する国の環境調査については、去る5月27日に久米島町において国の主催により町長、議員、各界の代表者や一般町民が参加した住民説明会が開催されました。国は、各種データを公表し、劣化ウランによる影響は問題ないものとして、今後、これまで実施してきた米軍鳥島射爆撃場における劣化ウラン含有弾誤使用問題に係る環境調査は行わない方針とのことでありますが、米軍が使用した劣化ウラン弾のほとんどが未回収であり、地元住民や県民の懸念を払拭できない状況にあります。今後、久米島町の方々の不安を払拭するためにも、県は鳥島射爆撃場における劣化ウラン弾の回収の継続、久米島における環境調査の実施を国や米軍に求めていきたいと考えています。
健康調査については、久米島町が実施を求めており、県としても国の責任において健康調査を実施すべきものと考えております。今後とも久米島町と連携しながら適切に対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 預貯金調査等の市町村の対応についてお答えいたします。
国民健康保険は、それぞれの被保険者が相応の保険税(料)を負担して助け合う相互扶助の精神で成り立っている制度です。制度の実施に当たっては、負担の公平を図ることが重要であり、被保険者の負担能力を適切に把握することが必要です。
負担能力の把握に当たって、国保税の賦課徴収に関しては地方税法による徴税吏員の質問調査権があり、また国保税の滞納処分に関しては国税徴収法による徴税吏員の質問調査権があります。市町村がこれらの規定に基づく調査を行うに当たっては、被保険者との信頼関係に十分留意して適正に事務を行うことが重要だと考えており、県においては市町村の国保担当職員の研修会等の実施により制度の円滑な推進を図っております。
続きまして、国保一部負担金の減免措置の適切な取り扱いについてにお答えいたします。
国民健康保険法第44条に基づく一部負担金の減免の取り扱いについて、昨年12月の沖縄県国民健康保険審査会の裁決を受けて県は同裁決の趣旨を十分に理解し制度の適切な取り扱いに努めるとともに、各市町村の行政手続条例に基づき審査基準や標準処理期間等を設定し公表するよう昨年12月13日付で各市町村に技術的助言を行っております。現在、県内では沖縄市と豊見城市で規定が定められており、他の市も来年4月からの施行に向けて準備に取り組んでいると聞いています。さらに町村に対しては、市の動向等も踏まえながら各地区の国保協議会で検討を行い、早期に必要な措置を行うよう助言を行っております。
続きまして、国保税軽減のための県の支援についてお答えいたします。
県では、市町村における国保財政運営の安定化を図るため、国民健康保険基盤安定負担金事業や国民健康保険高額医療費共同事業に対する負担金及び補助金として平成15年度当初予算において26億6448万円を計上しています。また、国の補助を受けて国民健康保険事業の広報・啓発事業等を行っております。
続きまして、国保の都道府県移管構想に関する県の考え方についてお答えいたします。
国保の再編・統合について、県では、1、地域保険として市町村が果たす役割が依然として重要であること、2、被保険者の資格管理や保険税(料)の賦課に関して市町村に基礎的資料があること、3、県単位での広域化が財政基盤の安定など国保が抱える課題の解決に直接結びつくものではないことなどから、全国知事会を通して他の都道府県と同様、国民健康保険事業の保険者を県単位とすることに反対の意見を出しました。
一方、去る3月28日の「医療保険制度体系及び診療報酬体系に関する基本方針」の閣議決定を受けて、全国知事会、全国市長会及び全国町村会の地方3団体、国保中央会、総務省及び厚生労働省等で構成される委員会が設置され、広域化のガイドライン策定の検討が始まっています。今後は全国知事会を通じて意見を述べていきたいと考えております。また、市町村でも関心を持って議論ができるよう国等から示される資料を随時市町村に提示し、研修会や各地区の協議会での情報提供も行っていきたいと考えております。
続きまして、全国一高い介護保険料についてにお答えします。
本県では、要介護認定率が高く介護サービスの利用が全国より多いため、県平均の保険料は全国平均3293円の約1.5倍の4957円となっており、全国で最も高額となっています。これまで県としても、高齢者の負担を軽減するため介護保険財政安定化基金借入金の償還期限を延長することや基金への拠出金をゼロにする等の措置を講じました。さらに、保険料が急激に上昇する市町村の支援について国に対し要請を行った結果、第2期保険料の新たな軽減が図られました。また、国において介護報酬を全体で2.3%下げたこと等から、本県の4月からの保険料は当初見込みの5000円台から4957円に抑えられました。県としても介護サービスの利用実態等の調査、介護予防や健康づくりの支援、事業者指導等強力に取り組んでまいります。
さらに、低所得者への保険料軽減策等の措置を各保険者が実施するよう助言してまいります。
続きまして、徴収率の全国との比較についてお答えいたします。
平成13年度の収納状況は、全国では特別徴収額が約4801億円で徴収率は100%、普通徴収額が約1081億円で徴収率が92.8%であります。本県では特別徴収額が約45億円で徴収率100%、普通徴収額が約10億円で83.8%となっております。
続きまして、介護保険施設入所申込者と待機者の実態についてお答えいたします。
介護保険施設の入所申込者についてでありますが、県が昨年8月に介護保険3施設の申込者について調査した結果、介護保険3施設における申込者は4414人となっております。しかしこの中には、現在介護認定の申請中の者や要介護度が不明の者、また病院等に入院している者や予約的に入所申し込みをしている者も含まれております。このことから要介護度や家族の状況等を勘案いたしますと、入所の必要性が高いと思われる者は約700人から800人と推定されております。
続きまして、保険料、利用料の低減措置についてにお答えいたします。
保険料については、災害や急激な収入の減少等の特別な事情がある場合の減免措置については全保険者で実施できることになっております。平成15年度において保険料の独自減免を実施する市町村は、52市町村のうち40市町村となっています。利用料の減免については、独自の減免以外に平成14年度において法施行時の訪問介護利用者に対する利用者負担額軽減措置事業を実施した市町村が49カ所、障害者ホームヘルプサービス利用者に対する支援措置事業を実施した市町村が26カ所、離島等地域における特別地域加算に係る利用者負担額軽減措置事業を実施した市町村が2カ所、社会福祉法人等による生計困難者に対する介護サービスに係る利用者負担額減免措置事業を実施した市町村が6カ所ありました。また、平成15年度に利用料の独自減免を実施する予定の市町村は3カ所となっています。
今後ともさらに多くの市町村が取り組むよう働きかけていきたいと考えております。
続きまして、高齢者の生活実態調査についての質問にお答えいたします。
本県の介護保険に係る調査経費を平成15年度予算で措置しており、主に県内介護サービス利用実態等について調査・分析を行う予定です。具体的な調査項目については、調査検討委員会を設置し、専門的な立場から審議・検討の上決定し調査を実施していく予定であります。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 失業防止の立場から国の雇用対策、中小企業対策事業の活用と県独自の対策についてお答えをいたします。
国においては、不良債権を処理する過程における影響に対処するため、雇用のセーフティーネットとして雇用調整助成金の要件緩和等を内容とする雇用再生集中支援事業を実施しているところでございます。県においても、緊急地域雇用創出特別交付金に中小企業特別委託分を設け中小企業における雇用の安定を図ることとしております。
また、失業の増加につながる倒産を未然に防止するため沖縄県商工連合会等に「経営安定特別相談室」を設置し、倒産のおそれのある中小企業からの事前相談に応じているほか、本年5月には、国の委託事業により那覇商工会議所に「中小企業再生支援協議会」が設置され、経営環境の悪化しつつある中小企業の再生を支援しております。県においても売り上げの減少等により倒産のおそれのある中小企業を融資対象とする「中小企業セーフティーネット資金」を新設しており、説明会の開催等を通してこれら各種制度の活用を推進しております。
次に、サービス残業などに対する県の対応についてお答えをいたします。
昨今の厳しい経済・雇用情勢を反映して労働相談件数も増加傾向にあり、その内容はサービス残業、賃金未払いなどの労働条件に関するもので約半数を占めております。県としては、相談者への助言や事業主に対する指導を行い、事例によっては労働基準監督署や地方労働委員会などを紹介し紛争の解決に努めているところであります。また、労働関係法規の遵守や普及・啓発を図るため中小企業事業主を対象とした労務管理改善講習会や講演会及び企業訪問相談などを実施しております。
一方、国においては、サービス残業等の防止などの指導を強化するとともに、悪質な事案については書類送検等厳正に処分を行っていくこととしております。今後とも労働相談機能の充実・強化に努めるとともに、国と連携して労働関係法令の普及・啓発に努めていきたいと考えております。
次に、介護従事者等の公的部門での要員増と県民生活関連事業の拡大による雇用拡大についてお答えをいたします。
本県の雇用の安定を図るため、沖縄県職業安定計画に基づき産業振興と一体となった雇用の促進と人材育成に取り組んでおります。公的部門については緊急地域雇用創出特別交付金を活用し、緊急かつ臨時的な雇用創出を図っているところであります。本年度は、学校教育補助者配置事業で156人、防火対象物安全対策事業で26人の臨時雇用を予定しています。また、私立幼稚園預かり保育補助員派遣事業で66人の新規雇用を予定しています。
なお、県事業及び市町村事業で事業総額約30億円、新規雇用者数約3000人を計画しています。
次に、貸し渋り等による倒産の実態についてお答えをいたします。
国が平成14年10月に取りまとめた総合デフレ対策を受け、沖縄振興開発金融公庫及び商工中金那覇支店に平成14年11月から「貸し渋り・貸しはがし特別相談窓口」が設置され、8件の相談が寄せられております。そのうち1件は、貸し渋り・貸しはがしを受けた中小企業者を支援する制度である「経済再生改革対応緊急貸付」を受けていると聞いております。
また、倒産の状況について東京商工リサーチ沖縄支店の調査によれば、平成14年度の本県の倒産件数111件のうち、過小資本による倒産が44件と一番多く全体の39.6%となっておりますが、取引金融機関の融資引き締めや拒絶など金融機関の打ち切りを主な要因とする倒産は発生しておりません。
県としては、倒産の未然防止を図るとともに、県内中小企業者の融資の円滑化を図るため売り上げの減少等により資金繰りが厳しくなっている中小企業者を融資対象とする「中小企業セーフティーネット資金」を新設しております。また、県内中小企業者による本資金の活用を推進していくため、県内各地において県単制度資金説明会を開催しております。さらに、金融機関に対しましては、「沖縄地域融資動向に関する情報交換会」等を通しまして中小企業者の実情に応じた円滑な融資が図られるよう要望を行っているところであります。
緊急地域雇用創出特別交付金制度の改善についてお答えをいたします。
平成13年12月に創設された緊急地域雇用創出特別交付金制度は、公的部門における緊急かつ臨時的な雇用就業の機会を創出することを目的とし平成16年度までの事業期間となっています。また、交付金の全国枠で800億円が増額され、本県は去る2月議会で13億4500万円を平成14年度補正予算として計上し基金に積み増ししたところであります。県としては、交付金事業でカバーできない経費等について一般財源で措置するとともに、他事業との組み合わせによって多様な事業を実施するなど、対象事業の拡大に努めているところであります。
次に、SARS問題で県独自の融資制度の実現についてお答えをいたします。
県では、SARS問題の影響を受けて売り上げが5%以上落ち込んだ県内中小企業者に対して、県単融資制度の「中小企業セーフティーネット資金」を弾力的に運用し対応しております。具体的には、本則の営業経歴1年以上を半年以上に緩和するとともに、中小企業者が負担すべき融資利率等を最大3.20%から1.05%軽減し2.15%に設定しております。
さらに、金融機関においても融資手続の迅速化に努めているところでございます。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 行革大綱と沖縄の雇用失業問題についてお答えします。
新沖縄県行政システム改革大綱は、社会経済情勢の変化に伴い多様化する県民ニーズに的確に対応するとともに、沖縄振興計画を着実に実施する簡素で効率的な行政体制を構築するため策定したところであり、県民視点に立った成果・効率重視の行政運営を目指しております。
大綱に位置づけられている補助金や事務・事業の見直しについては、1、既に事業の目的を達成したもの、2、事業効果が乏しいもの、3、類似の事業が市町村、民間等で行われているもの、4、委託化、OA化等により事務改善が必要なもの等の基準に基づいて見直しを行うものであります。また、職員数の削減については、事務・事業の見直しを初め組織のスリム化、民間能力の積極的な活用等を図りながら職員数の適正化を進める考えであります。
なお、県立病院の見直しについては、現在、「県立病院の今後のあり方検討委員会」で検討が進められており、その結果を踏まえて見直しをすることとしております。県としては、厳しい財政状況の中で限られた行政資源を最大限活用し産業振興、雇用確保、福祉施策の充実など県政の重要課題に適切に対処していきたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) バスに対する財政支援策についての御質問にお答えします。
生活交通確保のための財政支援策としては、広域的、幹線的なバス路線に対する国、県による補助制度や地域の生活交通に欠くことのできない生活バス路線に対する県独自の補助制度があります。これらの補助制度は、平成13年度以降、従来の赤字事業者に対する補助から路線ごとの補助へと補助要件を拡充しているところであります。県においては、生活交通に支障が生じるおそれがある場合には、国、県、市町村、バス事業者等で構成する沖縄県生活交通確保協議会の場で協議し、路線ごとの欠損額の補助や代替交通手段の確保などにより生活バス路線の維持・確保に取り組んでいるところであります。
ちなみに、県は平成14年度に約1億1900万円を補助しており、平成15年度には車両購入費補助を含め約2億1000万円の予算措置をしているところであります。
次に、新統合会社への債務保証についての御質問にお答えをいたします。
「法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律」第3条では、「地方公共団体は、会社その他の法人の債務については、保証契約をすることができない。」と規定をされております。したがって、バス統合新会社に対する債務保証は法的にはできないことになっております。県としては、去る2月定例会において統合後の新会社に対する出資の表明をしたところであり、今後とも支援が可能なものについて積極的に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○新垣 米子 国保の問題についてきのうから44条問題について新聞報道されました。
今、本当にこのことについて県としてのやはり県民の命、健康を守るという責任が厳しく問われております。改めてそのことを強く要求をしたいと思います。
○当山 全弘 社大・結の会連合を代表いたしまして質問を行います。
まず1点目の基地問題について。
米兵の暴行事件について。
5月25日、金武町で米海兵隊員による女性暴行事件が発生した。県当局への連絡は6月12日であったとマスコミは報じた。
ここで国と県との連絡体制と情報に対する認識の違いが浮き彫りになりました。その後の報道によれば、県知事は事件発生5日後に連絡を受けていたようであるが、一方で基地対策室は報道でしか情報を知るすべを持たなかったと言明している。
通報体制につき以下の点で伺いたい。
県知事は、今日に至るまでの事件の概要を基地対策室に伝えたのか。
県知事と基地対策室との連絡体制や意思疎通はどうなっているのか。
県知事は、基地対策室の役割についてどのような認識を持っているのか。
現在の基地対策室の人員や職務内容は何なのか。
今後、基地対策室の人員増や職務内容を含めて機能強化を図る意思は知事にあるのか。
イ、事件が発生するたびごとに繰り返された綱紀粛正はどうなっているのか。実質的な効果がない証明であるが、どのように認識し対応するのか、以下の点で知事の所見を伺う。
1995年9月の少女に対する強姦事件以来、今回までの米兵による女性への強姦暴行事件は何件で、この暴挙の実態を県民の生活と人権を守る責務のある知事としてどう考え、同問題を日米両政府にどのように迫っていったのか。
同事件の容疑者は米軍側に拘束されていると当初から報道されているが、女性の被害訴えと同時に直ちに沖縄県が動き、米兵の身柄引き渡しを要求すべきではなかったのか。これに対してどうして身柄引き渡しと逮捕がおくれたのか、県知事の考え並びに県警本部長の考えを伺いたい。
容疑者の米兵については県警察本部の身柄引き渡し要求後に起訴前の身柄引き渡しとなっているが、この米兵の逮捕に至る罪状は何なのか。また、今後厳罰に処するための取り調べ裁判など、行政対応はどうなっていくのか。
繰り返される事件・事故に対し地位協定見直し改定を求めてきたが、国の姿勢は県民の安全を優先させるべきであるのに米兵への配慮が優先されている現状にあり、地位協定の改定に踏み出さない国の姿勢は容認できるものではないが、そのことについて知事の所見を伺いたい。
普天間飛行場問題について。
宜野湾市長選挙は、普天間飛行場問題で名護市辺野古沖への移設セットで返還作業を進める側と県内移設反対を明確に打ち出し、5年以内の全面返還を提起した政策の違いが鮮明に出た選挙戦だった。その結果、県内移設反対を提起した伊波氏が勝利したが、どのように評価するのか、知事の所見を伺う。
宜野湾市民の普天間基地の早期返還の実現を願っての伊波市長の誕生は、稲嶺県政の名護市辺野古地先での軍民共用空港の方法ではだめだという意思表示と我が党は考える。稲嶺知事は、自民党内からも異論続出の名護市辺野古地先での軍民共用空港建設による普天間飛行場返還の政策は破綻しており、早期に断念し、新たな早期返還に向けての政策を模索すべき責任があると考えるが、知事の所見を求める。
(3)、キャンプ・シュワブ演習場レンジ10の実弾射撃訓練再開の問題について。
名護市数久田で発生した被弾事件は県民に不安を与えた。廃止を求める意向に反し、レンジ10における重機関銃の実弾射撃訓練を再開したが、県の対応について伺う。
地元数久田区は、米軍がマニュアルどおり実施すれば安全と判断し演習を容認していることについて、その認識と対応について伺う。
再三にわたる廃止要求を無視し、5月21日、M2試射を実施している。跳弾の可能性はないのか、対応について伺う。
米軍の民間空港使用について。
在沖米海兵隊は、米比合同演習のために下地島空港や宮古空港に強行着陸を繰り返している。空港使用の経過と対応について伺う。
民間空港を米軍が恒常的に自由に使う状況は、市民の生命財産を守るために許しがたい行為と思うが、どう認識し対応するのか、所見を伺う。
空港の設置目的は何なのか、もし設置目的に反しているならば米軍の強行着陸に厳重に抗議を含めて自粛要請をすべきではないのか、所見を伺う。
有事法制について。
日本が他国から攻撃を受けた際、国の意思決定のあり方を想定した武力攻撃事態法、安全保障会議設置法及び改正自衛隊法について。
武力攻撃事態法が想定する有事となれば米軍専用施設の75%を有する沖縄は最前線基地となり、攻撃の目標になることが予想されるが、県民の生命財産をどのように守るか、知事の所見を伺う。
首相の自治体に対する指示権限が強化される。米軍専用施設の75%を抱える沖縄県は他都道府県にも増して指示権限が強化されると思うが、どう認識し対応するのか、所見を伺う。
戦時下で県民の基本的人権はどのように守るのか。戦時下ではすべて軍事優先であり、軍隊は住民を守らない、基本的な人権は保障されないというのが沖縄戦の教訓であるが、どのように認識し対応するのか、所見を伺う。
憲法で定める平和主義、第9条の「戦争の放棄、軍備及び交戦権の否認」に抵触すると思うが、所見を伺う。
陣地構築、私有財産の使用及び収用、港湾、空港の使用、交通、通信における市民生活の規制も考えられる。憲法の保障する基本的人権を大きく抑制されるという重大な懸念がある。どのように認識し対応するのか、所見を伺う。
イラク新法について。
有事関連法案の衆議院通過5月15日、そして参議院通過6月6日と進み、有事関連法案の成立から1週間が過ぎた6月13日国会に提出された。その内容は、自衛隊のイラク派遣を可能にする特別措置の法案となっているが、どう認識し対応するか、所見を伺う。
バグダッド周辺は治安が悪い。米軍と市民の間ではかなり緊張状態にあり、米軍の死傷者が多く続出している。自衛隊の派遣によって犠牲者が必ず出ると憲法の枠内を逸脱したものと位置づけられているが、どのように認識し対応するのか、所見を伺う。
法案の内容は、武器、弾薬の輸送を可能にし対米協力の色彩が濃い法案となっているが、どのように認識しているのか、所見を伺う。
大量破壊兵器発見のための大義のためにイラク攻撃に踏み切ったが、いまだに破壊兵器は見つからず、イラク戦争は何だったのかブッシュ大統領に対する批判の声が高まっているが、所見を伺います。
祖国復帰31年の課題について。
産業の振興と企業立地による自立経済の達成への展望について。
復帰後30年間に約7兆円の国費が投入され、道路整備、上水道の整備普及率は全国平均を上回っているが、その反面、都市公園、廃棄物処理施設、下水道普及率等は全国平均を下回るものも数多く存在する。その取り組みについて所見を伺いたい。
基地財政依存型経済からの脱却と産業の振興、企業立地による自立経済達成への展望について所見を伺います。
基地の整理縮小について。
国土の0.6%にすぎない沖縄県に75%の基地が集中し、基地から派生する演習、爆音被害、米兵犯罪も復帰31年後も絶えることなく県民を悩まし続けているが、どう認識し対応するのか、所見を伺う。
在日米軍専用施設の削減と事件・事故が多発する米海兵隊の削減・撤退は急を要するが、復帰31年後も遅々として進んでいない。原因は政府の対米追従姿勢を優先する行政主導に問題があると思うが、どう認識し対応するのか伺いたい。
環境問題について。
浦添地先埋め立てと環境アセスについて伺います。
浦添地域は、サンゴや海藻類の生息地が50ヘクタール削減されることが明らかになっております。この周辺についてはカサノリやホソエガサなど貴重な海藻の生息があり、自然環境への影響が懸念されます。この環境アセスをどのように認識し対応するか、所見を伺います。
環境省は、港湾計画について絶滅危惧種に藻、ホソエガサなど周辺海域の藻場やサンゴ礁の保全に万全を期すよう国土交通省に意見を出しているが、その内容について伺います。
次に、私たちは「サンゴ礁と人の関わり」と題して市民講座を開きました。そして琉球大学の土屋教授を招いていろいろと勉強しましたけれども、サンゴの再生については、壊した場合、開発された場合、サンゴが再生するには二、三十年かかるということが指摘をされました。その生態系についてどのように配慮するか、所見を伺います。
沖縄県周辺のサンゴ礁の保全について。
南西諸島のサンゴ礁は世界の主なサンゴ礁の中でも最も固有種が多く、貴重な存在と位置づけられ、人による脅威から守るため保護策の強化が指摘されております。現状はどうなっているか、所見を伺います。
南西諸島のサンゴ礁は陸上から開発によって土砂流入が多く、水質汚染の原因になっていると指摘されているが、どのように認識して対応するか伺います。
赤土流出は本島北部、八重山で山地開墾による作物を栽培し始めた1950年ごろからである。赤土等流出防止条例との整合性について伺います。
県の海岸保全計画について。
沖縄らしい美しい海岸を次代に継承するため、人の手を加えない自然のままの海岸を保全してほしい。その具体的な計画を伺いたい。
離島を含む沖縄県全域を環境に配慮した砂浜が永久に残る計画にしていただきたい。所見を伺います。
福祉・医療問題について。
介護保険について。
平成12年度からスタートした介護保険制度は、在宅介護をふやし、これまで以上に質の高い在宅サービスを提供しようとして出発した。介護保険制度は、特養老人ホームなどの施設の整備率が全国一高い保険料となっている。
よって、以下の点について伺います。
2003年度から2005年度の介護保険料も県平均4957円と算定され、見直しされるとのことですが、その背景と対応について伺います。
介護保険料の値上げだけでなく、年金の給付引き下げ、医療費の1割負担など高齢者を取り巻く環境は厳しさを増しているが、将来の社会保障への不安解消と高齢者の健康づくりはどのように力を入れるのか、伺います。
広域連合と単独で保険者になっている市町村とは保険料はどうなっているか。
保険開始から独自に減免制度を持っている市町村はどこか。保険料減免のばらつきがあるのは何が原因なのか。
介護予防対策の実態について伺います。
答弁によって再質問をいたします。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの当山全弘君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時44分休憩
午後1時11分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前の当山全弘君の質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 当山議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、地位協定改定に係る国の姿勢についてのお答えでございます。
政府は、日米地位協定の見直しについて、運用の改善により機敏に対応していくとの方針を示しておりますが、県としては、運用改善では限界があることは明らかであり、同協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。県は、今後ともあらゆる機会を通じて、日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
次に、宜野湾市長選挙の結果と普天間飛行場返還についての御質問に一括してお答えをしたいと思います。
このたびの宜野湾市長選挙については、多くの要因を受けた結果として受けとめております。平和で基地のない豊かな島の実現は県民全体の願いであり、基地の整理縮小に向けては着実に前進させていく必要があると考えております。また、普天間飛行場の移設については、これまで閣議決定された政府方針に基づき一歩一歩進められてきた経緯があり、着実に進展しているところであります。
普天間飛行場の返還については、いろいろな考え方があることは承知しておりますが、県としては、現在行われている移設作業を進めていくことが早期返還につながる現実的で実現可能な方法と考えており、地域振興につながる跡地利用を促進する観点からも、一日も早く返還されるよう引き続き努力していきたいと考えております。
次に、有事法制についての御質問で、沖縄の基地が目標になることについてのお答えでございます。
県としては、万が一にも有事が発生しないよう政府において不断の外交努力を行っていただくとともに、沖縄の米軍基地の問題は我が国の安全保障を考える上で国民全体で取り組むべき重要な課題であり、関連法案の審議に当たっては、米軍基地の負担のあり方も含めて十分に議論していただくよう要望しております。
続きまして、首相の指示権限の強化についてのお答えでございます。
武力攻撃事態対処法では、地方自治の問題とかかわりの深い内閣総理大臣の総合調整、地方公共団体等に対する指示などを規定した第14条から第16条については、国民保護法制の整備まで凍結されることになっており、今後、十分な議論を尽くすよう要望していきたいと考えております。
続きまして、基本的人権の保障及び憲法への抵触について一括してお答えをしたいと思います。
有事法制については、政府において、従来、有事への対応について法的な根拠が確立していなかったことから、法治国家として法的整備を図る必要性を考慮し、その整備に努めたものと承知しております。
法案の審議に当たっては、特に去る大戦で悲惨な地上戦を経験し恒久平和を希求する県民の立場から、国民の人権への配慮、我が国の安全保障のあり方について広く国民の意見を聞いた上で、国会において十分な議論が尽くされるべきであったと考えております。
今後は、県民の生命財産を守る観点から、国民保護法制や米軍及び自衛隊に関する法制についても早期に詳細な内容等を公表し、広く国民の意見を聞いた上で十分な議論を尽くす必要があると考えております。
続きまして、基本的人権の抑制についてのお答えでございます。
武力攻撃事態対処法第3条第4項において、「日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならず、」と規定されており、県としても県民の生活、財産、権利を守る観点から、同法の解釈及び運用は憲法の定めるところに従って厳格に行われるべきであると考えております。
続いて、イラク特措法案に関する認識と対応の御質問につきまして一括してお答えいたします。
県としては、国連を中心としたイラクの復興が一日も早く実現することを期待しており、我が国も関係各国と協力しながら主体的に貢献していくことが望ましいと考えております。
イラク復興支援特別措置法案は、イラクにおける人道復興支援活動と安全確保支援活動を行うことにより、イラク国家の再建と国際社会の平和と安全の確保に資するためのものであるとされております。いずれにしましても、同法案については現在国会で審議されており、自衛隊派遣の必要性の有無などに関してさまざまな意見があることから、国民の理解を得るためにも慎重かつ十分に議論を尽くすことが必要であると考えております。
続きまして、ブッシュ大統領に対する批判についての御質問のお答えでございます。
去る大戦で悲惨な地上戦を体験した沖縄県民は、命の大切さと平和のとうとさを肌身で感じており、世界の恒久平和を強く望んでおります。県としましては、イラクへの武力行使について細田沖縄北方担当大臣、沼田大使、ベッツ総領事に対し大変遺憾である旨申し上げるとともに、ファーゴ米太平洋軍総司令官に対しても沖縄県民が平和を強く望んでいることを申し入れました。
続きまして、祖国復帰31年の課題についての中から爆音被害等への対応についてお答えいたします。
本県に集中する米軍基地は、県民生活に重大な影響を及ぼしており、県としてはこれまで機会あるごとに航空機騒音の軽減、環境の保全対策や隊員の綱紀粛正等を強く求めるとともに、基地から派生する諸問題の根本的解決を図るため、日米地位協定の抜本的見直しを要請しているところであります。また、県民の過重な基地負担の軽減及び米軍人等による事件・事故の減少を図るためにも、基地の整理縮小及び在沖米軍の兵力の削減が必要であると考えております。
県は、昨年8月26日に小泉総理大臣初め関係大臣に対し米軍基地の整理縮小及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減を強く要請したところでありますが、去る5月23日の日米首脳会談において、両首脳が沖縄の負担軽減の重要性につき一致したとのことであります。県としては、今後とも引き続き県民の過重な基地負担の軽減を図る観点から、基地の整理縮小を初め基地問題の解決に取り組んでいきたいと考えております。
次に、米軍施設及び在沖米海兵隊の削減についての御質問にお答えいたします。
海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減については、県の要望を受ける形で策定された沖縄振興計画において、「在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこと」と明確に位置づけられております。このことから、県としては、政府において早急に米国政府と協議していただく必要があると考え、昨年8月26日に小泉総理大臣初め関係大臣に対し、米軍基地の整理縮小及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減を強く要請したところでありますが、去る5月23日の日米首脳会談においては、両首脳が沖縄の負担軽減の重要性につき一致したとのことであります。
県としては、今後とも引き続き県民の過重な基地負担の軽減を図る観点から、基地の整理縮小を初め基地問題の解決に取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 事件の基地対策室への連絡及び意思の疎通についてに一括してお答えいたします。
今回の事件については、知事は去る5月30日に県警から連絡を受けたところでありますが、6月16日の県警の記者発表で詳細を承知したところであります。5月30日の連絡は県警による初期の捜査段階の非公式なものであり、詳細も明らかでなく、女性の人権、プライバシーにかかわる重大な事件であることを考慮して基地対策室に伝えなかったものであります。また、米軍関係の事件・事故については、その重要性にかんがみ、平素から県庁内部の迅速な連絡体制をとっております。
基地対策室の役割に対する認識、人員や職務内容及び機能強化についてに一括してお答えいたします。
基地対策室は、基地対策の総合企画及び調整に関することなどを業務としております。
具体的には、軍用地の整理縮小及び返還促進に関すること、駐留軍等の行為等による問題の対策に関することなどを行っており、県民の生命や生活に直接関係する大変重要な業務を担っていると認識しております。また、基地対策室の人員は臨時職員を含め15名となっており、同室の機能強化については県組織全体の中で検討したいと考えております。
強姦事件の件数と米政府への対応についてにお答えいたします。
平成7年の事件以来、今回の事件を含め、これまでに強姦事件の件数は未遂も含め10件も発生しており、極めて遺憾に思っております。このような事件は、女性の人権を踏みにじる凶悪な犯罪であり、断じて許すことができない事件であります。
県は、これまでにも重大な事件が発生するたびに米軍や日米両政府に対し、綱紀粛正、事件の再発防止及び兵員教育を徹底するよう強く申し入れてきたところでありますが、それにもかかわらずこのような事件が後を絶たないことは、こうした努力が生かされていないと言わざるを得ません。県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る観点から、隊員の綱紀粛正及び教育の徹底等を強く求めるとともに、三者協や協力ワーキングチーム等の場において協議や調整を行うなど、米軍人等による事件・事故の再発防止に向けさらに努力していきたいと考えております。
同事件の身柄引き渡しと逮捕のおくれについてにお答えいたします。
今回の事件については、女性の人権、プライバシーにかかわることから、県警が捜査に慎重を期したため逮捕状の発付に時間を要したものと理解しております。身柄の引き渡しについて、平成7年の刑事裁判手続に関する日米合同委員会合意による運用改善ではその都度協議して決める制度となっており、その分時間を要することになります。県としては、より迅速な措置を可能にするためには日米地位協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。
実弾射撃訓練の再開に係る県の対応及び跳弾の可能性についてに一括してお答えします。
キャンプ・シュワブ演習場レンジ10においてM2重機関銃の実弾射撃訓練が再開されておりますが、県は、これまでの同施設内における実弾射撃訓練による事故の発生状況や現地の訓練場の状況等を勘案すると、同施設内におけるM2重機関銃の実弾射撃訓練は危険であると考えており、同訓練の再開は遺憾であります。
県としては、去る2月20日、米軍を初め在沖米国総領事館、那覇防衛施設局及び外務省沖縄事務所に対し、キャンプ・シュワブ演習場レンジ10におけるM2重機関銃の実弾射撃訓練の廃止を強く申し入れたところであり、去る5月2日の第24回三者連絡協議会においても訓練再開に対する遺憾の意を表明いたしました。県としては、今後とも地元名護市などとも連携を密にしながら、日米両政府に引き続き同訓練の廃止を求めていきたいと考えております。
数久田区の演習容認の認識と対応についてにお答えいたします。
レンジ10におけるM2重機関銃の訓練については、名護市及び市議会は同訓練の廃止を求めておりますが、説明会に参加した訓練場に近接する区の区長は、米軍の安全対策を評価する趣旨の発言をしたとのことであります。
地元名護市議会においては、現在、特別委員会を設置して同訓練の問題に取り組んでいるところであり、県としては、今後とも地元名護市などとも連携を密にしながら、日米両政府に引き続き同訓練の廃止を求めていきたいと考えております。
米軍の民間空港使用に関する経過、県の認識及び自粛要請についてに一括してお答えいたします。
去る4月26日及び5月22日、フィリピンのバリカタン演習に参加する在沖米海兵隊所属のCH46型ヘリコプター6機及び給油機1機が、給油のため宮古空港及び下地島空港を使用しました。県の再三の自粛要請にもかかわらず、米軍機による空港使用が行われたということは大変遺憾であります。
県管理の民間空港については、民間航空機の運航を目的として設置された空港であり、民間航空機の円滑かつ安全な運航を確保する観点から、緊急やむを得ない場合を除いては米軍機の使用は自粛してもらいたいというのが県の一貫した方針であります。
県は、米軍機の宮古空港及び下地島空港使用後の4月28日と5月23日に在沖海兵隊基地司令官に対して、米軍機による民間空港の使用及び今後の県管理空港の使用自粛について要請を行い、今回の米軍機の民間空港の使用について遺憾の意を伝えるとともに、今後は民間空港を使用しないように強く申し入れております。県としては、今後とも米軍機の移動については民間空港の使用を自粛することを強く求めるとともに、この問題の根本的な解決のためには地位協定第5条の見直しが必要と考えており、引き続き日米両政府に対し日米地位協定の見直しを粘り強く働きかけたいと考えております。
以上です。
○警察本部長(髙橋清孝) 米軍の事件について、早期に身柄引き渡し及び逮捕をすべきではなかったかについてお答えいたします。
県警としましては、5月25日、被害者からの届け出を受けて以降、関係者からの事情聴取、現場鑑識活動、実況見分並びに採取した証拠資料の鑑定などの捜査を慎重に行い、その結果、被疑者及び犯罪事実が特定されたことから、平成15年6月16日、逮捕状の発付を得たものであります。県警としましては、直ちに警察庁に対して早期に日米合同委員会を開催するように要請し、6月18日開催された日米合同委員会において、被疑者の起訴前の拘禁移転について米国側の同意を得られたことを受け、同日午後8時35分、被疑者を逮捕したものであります。
次に、米兵逮捕の罪状及び司法手続についてでありますけれども、本件は強姦致傷罪として逮捕し、6月20日、検察庁に事件送致したところでありますけれども、今後は検察庁と連携し事案の真相解明を図るべく所要の捜査を行うものであります。
以上です。
○企画開発部長(花城順孝) 祖国復帰31年の課題の社会資本整備の取り組みについての御質問にお答えします。
県民生活の安定・向上と産業経済の持続的発展を図るためには、その基盤となる道路、空港、港湾、公園及び下水道など社会資本の整備が重要であります。このため、環境の保全に配慮しつつ、これまで以上に戦略的・重点的整備を図ってまいります。
なお、公園整備、下水道整備等いまだ十分とはいえない分野についても引き続き整備を行ってまいります。
次に、自立経済達成への展望についての御質問にお答えします。
本県経済は、リーディング産業である観光・リゾート産業が、振興計画の目標である観光客数650万人に向けて着実に進展しています。それに次ぐリーディング産業として期待のかかる情報通信関連産業は、コールセンター等の企業立地が進み雇用が創出され、さらにソフトウエア・コンテンツ分野の企業の集積も始まり、その高度化が進みつつあります。また、健康食品関連産業も昨今の健康志向の中で有望な産業として一層の成長が期待されます。
県としては、民間企業がその持てる力を十分に発揮できるよう研究開発支援、ベンチャー支援等環境整備に努めるとともに、既存産業の活性化を図ってまいります。こうした施策と民間の主体的な取り組みが相まって自立型経済の実現につながっていくものと考えております。
次に、浦添地先埋め立てと環境アセスについての御質問にお答えをします。
那覇港浦添埠頭地区にはサンゴ類、藻場、干潟等が分布しており、同地区の整備に当たっては環境保全について十分配慮することが必要であると考えております。
那覇港管理組合は、今後3年程度をかけてカサノリ、ホソエガサの生息・生育条件を含めた環境調査を実施するとともに、学識経験者等を含めた検討委員会を設置し、環境保全の方針を策定することにしております。
当該地区の整備に当たっては、この環境保全の方針や環境アセスメントに基づく対策により環境の保全に万全を期していく考えであります。そのため、県としても当該地区の適切な環境保全措置等の実現に向け鋭意取り組んでいきたいと考えております。
同じく浦添埠頭への環境省意見と生態系に対する配慮についての御質問に一括してお答えをします。
平成15年3月に改訂された那覇港港湾計画は、環境保全に関しても埋立規模の大幅な縮小、海域環境保全ゾーンの設定など最大限の配慮がなされていると考えております。
環境省は、当該計画の具体化に当たってはカサノリ、ホソエガサの生育状況の調査及び保全、海域環境保全ゾーンの機能のあり方の検討及びサンゴの保全へ配慮する旨の意見を国土交通省を通じて那覇港管理組合に対し伝達しております。
当該意見を踏まえ、那覇港管理組合は今後3年程度をかけてカサノリ、ホソエガサの生息・生育条件を含めた環境調査を実施し、専門家の指導・助言を得ながら環境保全対策について万全を期することとしております。そのため、県としても海域環境保全ゾーンの適切な保全措置等に配慮しつつ、本計画に沿った各種事業の実現に向け鋭意取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
○文化環境部長(屋嘉部長市) サンゴの保全対策の現状についてお答えいたします。
全国では400種の造礁サンゴが確認されておりますが、そのうち380種余りが本県の周辺海域に生息しております。
サンゴの生態系につきましては世界的にも高く評価されているところであり、本県の貴重な観光資源、水産資源となっております。しかし、土砂流入等の人為的な影響のほか、近年は沖縄島及び慶良間諸島周辺海域におけるオニヒトデの大量発生によってサンゴは危機的な状況にあり、赤土等流出防止対策やオニヒトデ対策等のサンゴ保全対策を行っているところであります。
次に、土砂流入による水質汚濁について、それから赤土流出等条例の整合性についてお答えいたします。
土砂流出は、澄んだきれいな海水を好む多くのサンゴや海生生物の生息環境を悪化させ、景観、漁業及び観光産業にも悪影響を及ぼしております。本県においては、赤土等の流出がパイナップル栽培のための山地開墾や復帰後の大規模な開発事業などにより多発し大きな社会問題となったことから、平成7年10月から「沖縄県赤土等流出防止条例」を施行し、流出防止技術の普及や監視・指導などの諸施策に取り組んできたところです。
その結果、平成13年度における総流出量は条例施行前の58%に減少したと推算されており、中でも開発事業現場からの流出量が28%にまで大幅に減少していることから、条例は一定の効果を上げているものと考えております。しかし、農地からの流出量は約30%程度の減少にとどまり流出量の大部分を占めていることから、農地の対策が大きな課題となっております。
農地につきましては、水質保全対策事業による圃場勾配修正や沈砂施設の整備、実証調査等で効果が認められましたグリーンベルト、マルチング等の普及、それから住民の主体的な活動を推進する流域協議会の設立促進、赤土等監視員による監視活動の強化など諸対策に取り組んでいるところであります。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 環境に配慮した海岸の保全計画についてお答えします。
沖縄県においては、海岸環境の保全及び公衆の海岸の適正な利用のため、平成15年4月に「琉球諸島沿岸海岸保全基本計画」を策定しております。
計画の主な内容は、人工リーフや養浜などの地域の特性に見合った海岸の整備、生物の多様性を確保した美しい海岸の整備を網羅した10年計画であります。県としては、同計画に基づき全海岸延長の約6割に相当する1062キロメートルについて、沖縄らしい自然海岸を可能な限り残していく保全区域に設定しております。また、沖縄の海岸についてはウミガメやオカガニなどの貴重な生物が生息しており、養浜など環境に配慮した海岸整備を図っていく考えであります。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 介護保険料の見直しについてお答えいたします。
平成15年度から始まる市町村の第2期介護保険事業計画では、要介護認定率の増加や在宅サービスの利用増が見込まれ、それにより高齢者の保険料も上昇が見込まれておりました。県としても、高齢者の負担を軽減するため、介護保険財政安定化基金借入金の償還期限を延長することや基金への拠出金をゼロにする等の措置を講じてきました。
さらに、保険料が急激に上昇する市町村の支援について国に対し要請を行った結果、第2期保険料の新たな軽減が図られました。
また、国において介護報酬を全体で2.3%下げたこと等から、本県の4月からの保険料は当初見込みの5000円台から4957円に抑えられました。今後は、介護保険事業適正化対策として保険者に対して介護報酬点検事務、ケアプランの点検、介護給付費の通知、介護保険料の収納率の向上等について引き続き強力に働きかけてまいります。
また、県としても介護サービスの利用実態等の調査、介護予防や健康づくりの支援、事業者指導等強力に取り組んでまいります。さらに、低所得者への保険料軽減策等の措置を各保険者が実施するよう助言してまいります。
続きまして、社会保障への不安解消と高齢者の健康づくり、介護予防対策について一括してお答えします。
社会保障制度の横断的な見直しが求められている中、国においては社会保障制度審議会において医療・年金・介護など社会保障制度全般にわたる改革に向けた検討が進められています。県としましては、九州地方知事会において制度が安定し持続できるよう要請を行っております。
そのような状況から、高齢者が健康で安心して暮らせるよう支援することはますます重要な課題となっております。
高齢者の健康づくりについては、その指針となる「健康おきなわ2010」を策定し、ライフステージごとに健康づくりを積極的に推進しているところであります。
さらに、介護予防対策としてひとり暮らし老人等への食の自立支援、高齢者筋力向上トレーニング事業や地域での生きがいデイサービスなどを効果的に組み合わせて高齢者の介護予防や健康づくりを支援しております。県としましては、引き続き高齢者が住みなれた地域で生き生きと安心して暮らせるよう支援していきたいと考えております。
続きまして、広域連合と18市町村の保険料についてお答えします。
沖縄県介護保険広域連合の保険料は3ランクに分けて設定してあり、構成している34市町村のうち7町村が3217円、11町村が4333円、16市町村が5225円となっています。
沖縄県介護保険広域連合以外の18市町村はそれぞれ単独での保険料設定を行っていますが、沖縄本島地域ではおおむね4000円台の後半から5000円台に設定されています。宮古、八重山地域では沖縄本島地域より比較的低い保険料となっております。
続きまして、保険料の独自減免についてお答えします。
介護保険制度が始まった平成12年度以降、介護保険料の独自減免を行った市町村は那覇市及び玉城村であります。その後、沖縄県介護保険広域連合や単独市町村でも独自減免の取り組みに理解が深まり、平成15年度からは52市町村のうち40市町村において実施されております。
以上でございます。
○当山 全弘 再質問いたします。
米兵の暴行事件の通報について知事にお伺いいたしますけれども、5月25日に発生した事件については、外務省は米側より連絡を5月25日に受けているわけですね。そして26日に防衛施設局へ米側より連絡を受けているわけですよ。そこで問題となるのは、国と県との連絡体制が、これは認識の違いが浮き彫りになっているということと、それから5月30日に県警本部長より稲嶺知事へ連絡が行っているわけですね。
そこで、担当課である基地対策室は12日ごろしかこの問題については知らなかったということであるわけでして、これに対しては知事は危機意識そのものがなかったんじゃないかなと思われても仕方がないわけですよね。ですから、この問題について知事はどう思うか。
そして、この5月30日の連絡を受けたときに知事はどこにいらして、対応等については基地対策室の方にしなかったのかどうか、そこら辺について答弁を求めます。
次に、海岸の保全については、これはブロックが積まれている海岸と自然のままの海岸とでは、リゾートホテル・ベルパライソというところがあるけれども、そこは人工ブロックがされているところとされてないところは大変な違いがあって、砂が全部えぐり取られている状況があるわけです。
そしてもう一つは、介護保険制度についてですけれども、国の減免に係る三原則については、これを守りなさいというのが保険計画の64ページにありますけれども、国が示している制度、これについてももうこれは低所得者としてなじまないから、今回は保険料も13%の値上げですよね。年金は下がるわ、大変な厳しい状況になっているわけですね。だから高齢者の負担能力に応じた市町村の所得段階を設定できるように、これは制度的な見直しが必要だということを書かれているんじゃありませんか、この保険計画の中に。
福祉保健部長、ひとつその辺の答弁を求めます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後1時49分休憩
午後1時55分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 当山議員の再質問にお答えいたします。
5月30日の連絡は、私が県警の表彰式に参りましたときに本部長の方から非公式、あくまでも非公式のお話だということでお話がございました。そして女性の人権、プライバシーにかかわる非常に微妙な問題があるというので、公式であれば私は直ちにアクションをとりますけれども、非公式ということがございましたので、その意味で基地対策室に伝えておりませんでした。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 制度の見直しについてお答えします。
本県ではこれまで制度の見直しについて低所得者に対する介護保険料軽減のための方策の検討、それから小規模離島町村における介護サービスの確保策の検討、それからグループホーム等の住所地特例の適用、それから国の財政調整交付金の算定に85歳以上の高齢者の割合を加味すること等を国に要望してまいりました。
それともう一つ、今年度じゅうにもこれらを含めて保険者や被保険者、事業者等の意見を聴取して県として取りまとめを行い、制度の見直しにこれらが反映されるよう要望していく考えであります。
以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後1時56分休憩
午後1時57分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
金城 勉君。
〔金城 勉君登壇〕
○金城 勉 こんにちは。
きょうはスピーディーに進んで最後でございます。おつき合いよろしくお願いします。
公明党県民会議を代表して質問をさせていただきます。
まず基地問題について。
(1)、旧日本軍飛行場用地問題について。
この問題は、新沖縄振興計画に位置づけられ、県の方にはプロジェクト班も設置され、解決に向けて動き出しております。ただ、最近になって問題解決促進協議会の中で解決に向けた基本的考え方に大きな見解の相違が出てきております。議論することは大いに結構なことですけれども、新沖縄振興計画の中に位置づけされたことによってようやく明かりが見えたことに思いをいたすべきでありましょう。そして再三申し上げてまいりましたが、熟度に応じた対応が必要であろうと考えます。
そこで伺います。
ア、戦後処理事案として解決するに当たって、県の基本的な考え方をお示しいただきたい。
イ、本年度の事業計画の内容について御説明をお願いいたします。
ウ、解決に向けての今後のスケジュールはどうでしょうか。
(2)、嘉手納基地の民間活用について伺います。
まず、沖縄市商工会議所の関係者の方が提案していることを御紹介します。
嘉手納空軍基地は4000メートル級の滑走路を2本持つ東洋一の飛行場と言われております。その機能を生かして民間にも開放してもらい軍民共用として活用することを考えてみてはいかがでしょうか。活用方法は、航空貨物を取り扱う拠点にするということであります。
泉眞也「グローバルハブ研究会」というシンクタンクの資料によると、国内の航空貨物の需要は2010年ごろには年間400万トンから500万トンが見込まれる。成田空港の処理能力は年間約200万トン、関西空港の方は約100万トンということであります。したがって、残り200万トンは嘉手納基地での取り扱いが期待でき、加えて東アジア、東南アジア向けの中継基地として発展が見込めるというのであります。地政学的優位性が強調されてきた嘉手納基地の存在を逆手にとって平和的民間活用ができれば、実質的基地機能の整理縮小にもつながるはずであります。
以上が提案の概要であります。
嘉手納基地を民間活用することにより、実質的基地の整理縮小につながる今回の提案を具体化することが県民の利益につながると考えるものであります。
そこで伺います。
ア、嘉手納基地を軍民共用にして、航空貨物の物流拠点として平和的活用を日米両政府に提案してはいかがでしょうか。
イ、その際、民間航空機のメンテナンス基地の機能も併設してはどうか。
(3)、米兵による婦女暴行事件について。
残念ながらまた不幸な事件が発生してしまいました。事件・事故が起こるたびに抗議を繰り返しておりますが、許しがたいとんでもないことであります。5月25日に事件が発生して知事に連絡が入ったのが5日後、県警本部長からということでありますが、米軍や外務省、那覇防衛施設局からは連絡はなかったのでしょうか。
事件・事故が起こったときの通報体制のルールはどうなっているか。
また、事件発生から逮捕、身柄の拘禁まで24日間という長期間かかっておりますが、その間の捜査について御説明をお願いいたします。
(4)、地位協定の見直しについて伺います。
地位協定の改定のために稲嶺知事が渉外知事会の知事や議長を訪ねて協力を求め精力的に行動していることを高く評価いたします。しかしながら、国の態度は一向に運用改善から変化が見られません。この問題は、沖縄県民の意識と他府県の県民・国民の皆さんとの間には大きな認識のギャップがあるように思います。やはり地位協定とは何か、どういうことが不平等なのか、国民にとってどういう不利益があるのか等々理解がほとんどないのではないかと思います。その意味で地位協定の内容を全国民的に知らしめ、不平等な実態を訴えていく運動を展開することが非常に大事だと考えます。
そこで伺います。
ア、渉外知事会の場で地位協定の内容についてどのように議論されていますか。
イ、外務省と県の間で地位協定の内容について議論したことがありますか。
ウ、全国規模で地位協定の内容について認識を深めさせることが必要だが、その方法は県としてどのように考えているでしょうか。
次2番目、国連機関誘致について伺います。
公明党は、これまでも一貫して平和の発信地、また国際交流拠点形成のために国連機関の誘致を訴えてまいりました。白保衆議院議員は、国連本部にアナン事務総長を訪ね、直接誘致運動を展開しております。その結果、公明党に対し具体的アプローチが出てまいりました。1つは、コスタリカにある国連平和大学から沖縄への進出の打診があること、もう一つはジュネーブにある国連防災戦略会議からの打診であります。粘り強い取り組みによって少しずつ動きが出てまいりました。
そこで伺います。
(1)、県の今年度の国連機関誘致についての予算が計上されておりますが、その調査内容、調査場所、スケジュール等について御説明ください。
(2)、また具体的誘致機関の目標があればお示しをいただきたいと思います。
3、文化・芸術振興策についてお尋ねします。
これまで我が国の文化行政については、文化財保護法や著作権法など個別の事項に対する法律はありましたが、文化・芸術全般にわたる法律はありませんでした。このため、公明党が主導して議員立法による文化芸術振興基本法が平成13年11月に提案され成立いたしました。
本法律の目的は、文化・芸術に関する活動を行う人々の自主的な活動を促進することを基本としながら、文化・芸術振興に関する施策の総合的な推進を図り、心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に貢献することであります。しかしながら現状は、文化・芸術がその役割を果たすことができるような基盤の整備及び環境の形成は十分な状態にあるとは言えません。21世紀を迎えた今、これまで培われてきた伝統的な文化・芸術を継承し発展させるとともに、独創性のある新たな文化・芸術の創造を促進することは緊急な課題となっております。また、各地域に息づく文化・芸術創造への活力を引き出し育成していくことは極めて重要なことであります。
そこで伺います。
(1)、文化芸術振興基本法に自治体の責務がうたわれております。県としての本年度の事業計画はどうなっているか。また、県としての文化・芸術振興指針を策定する計画はいかがでしょうか。
(2)、文化庁の文化・芸術振興予算が1000億円余措置されております。その予算については事業計画をつくって自主的に申請する仕組みになっているようですが、県内における自治体、民間などの活用実績はいかがでしょうか。
(3)、文化・芸術振興のために2003年度から税制の優遇制度も対象が拡大されております。例えば、企業メセナ協議会に審査・認定された文化・芸術活動に対する寄附は、個人の場合は所得控除、企業の場合は損金算入の特例措置が受けられるようになっております。県内においての活用実績はどうか。また、その優遇措置の周知、広報の取り組みについて伺います。
(4)、映像文化が注目されております。テレビドラマ「ちゅらさん」がヒットしたとき、全国から多くの人たちが小浜島を訪れ、観光産業に多大な貢献をいたしました。また、ドラマで登場したゴーヤーが人気を呼び、今では全国的に知名度がアップしております。映画やテレビドラマ、CMなど映像文化の持つ影響力の大きさを物語る一例であります。沖縄は、映像の撮影地として高く評価されております。
そこで、県は今年度フィルムオフィス事業を立ち上げました。映像文化を通して沖縄の活性化へ向け大きく期待されております。全国、世界にロケ地としての沖縄を積極的に売り込み、誘致運動を展開すべきだと思うのですが、フィルムオフィス事業の今後の展開を御説明ください。
(5)、県立芸大移転について伺います。
老朽化が指摘され、建てかえが避けられない状況になっていると聞いているわけですが、校舎の改築・移転計画はどのように考えているのか。また、そのことについて北中城村の喜屋武村長が泡瀬ゴルフ場跡地への誘致を打ち出しているのですが、すばらしい提案だと思います。ぜひ御検討いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
4、福祉問題について。
(1)、支援費制度について。
ア、デイサービス施設の実態はニーズに対応できているでしょうか。
イ、在宅サービスのニーズと事業者数とのバランスはとれているでしょうか。
ウ、在宅サービスの場合、時間数の上限設定など懸念されていたのですが、実施後の問題はないでしょうか。
SARS問題については割愛をいたします。
(3)、不妊治療への公的助成について。
与党3党が来年度から不妊治療への公的助成制度を創設することに合意いたしました。県としての独自の取り組みを検討する考えはないか伺います。
(4)、介護保険制度について。
6月4日付で県長寿社会対策室から各市町村や広域連合、そして事業者に対し、「別居親族による訪問介護の提供について」という文書が出されておりますが、それによって現場で混乱が起きていると聞いております。別居親族に対するサービス提供については厚生労働省の見解では、禁止するものではないとされております。しかし、県の通達文書では、別居親族に対する訪問介護は原則として認めないという内容になっております。
伺います。
親族介護について新たな基準が適用されておりますが、急な上に余りにも厳し過ぎるとの声が現場でありますが、いかがでしょうか。
(5)、女性専門外来設置について。
女性のための女性医師による診療科が全国各地の医療機関に開設されて人気を集めているそうです。公立病院で初めて女性外来を開設した千葉県のある病院では予約が殺到しているとのことです。男性医師には伝えにくい症状なども女性医師ならすべてを話しやすいのが人気になっているようです。女性専門外来は診療科ごとに分かれているこれまでの医療を見直し、女性の特性に配慮し、女性特有の病状や症状に対処していこうというものです。
そこでお伺いします。
ア、女性医師や女性の医療スタッフが診療する女性専門外来を県立病院に設置すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
イ、女性専用の医療体制は現在どのようになっているでしょうか。
ウ、県立病院における女医の数、今後の育成方針はどうでしょうか。
(6)、障害児の受け入れ制度について。
障害児デイサービス事業は、小学生は児童館などが受け入れておりますが、中・高校生は現在国からの支援制度がありません。国に対し制度の創設を求めるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
(7)、医療事故等に対する苦情や相談体制の整備について。
近年、医療機関における医療事故等が多発し、医療に関する患者や国民の不安増大に対処するため、厚労省として平成15年度に各都道府県が医療に対する患者や国民の苦情を受け、相談するための体制の整備を求めております。国はそのための予算として19億円措置しております。本年度中に体制整備を予定している都道府県は25、沖縄県はその中に入ってないようでありますが、県の考え方をお聞かせください。
(8)は割愛します。
5、中小企業支援策について。
沖縄県における借換保証制度の活用実績はどうでしょうか。
また、県独自に県の融資制度を対象に借換保証制度を創設するということはいかがでしょうか。
6、やみ金融問題について。
2月議会でも取り上げたのですが、やみ金融の動きがますます活発、巧妙になって横行していると聞いております。つい先日も執拗で悪質な取り立てにより母親と娘が自殺するという悲惨な報道がなされました。利息も法定利息をはるかに超え、数千%から数万%という法外な高金利の設定になっている場合も多く、借金苦で苦しんでいる弱い立場の人々をターゲットにさらに深みに引きずり込んでいくやみ金融の動きというのは断じて許せません。
そこで伺います。
最新の被害実態について御説明ください。
摘発実績はどうでしょうか。
被害者を出さないための今後の対策について伺います。
雇用問題、軍雇用員の身分保障について伺います。
ことし4月14日付の全駐労マリン支部の機関紙は号外を出し、在沖海兵隊の憲兵隊職場での日本人従業員の理不尽な職場環境を報道しております。このことは一般のマスコミでも取り上げられました。職場での威圧、監視、降格強制、職場追放など極めて不幸な状態となっているようであります。恐怖の職場環境が続いているようでありますが、そのことについて県は把握しているか、あるいはまた対策についていかが考えるでしょうか。
(2)は割愛します。
8、個人情報保護法成立を受けて、県としての対応の仕方をお聞かせください。
環境問題について、東南植物楽園周辺の悪臭問題。
すばらしい観光地が沖縄市にありますけれども、大変環境問題で葛藤しているようでございます。
そこで、県は近くにある養鶏団地の家畜排せつ物の管理について調査したことがありますか。
イ、家畜排せつ物が近くの河川に垂れ流されている実態を御存じですか。
ウ、家畜排せつ物処理について今後どのように対応されるか。
エ、観光リゾート局は、観光客誘致、観光振興、経済振興の立場からこの問題にどのように対処しますか。
答弁よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 金城勉議員の御質問にお答えします。
最初は基地問題で、渉外知事会や外務省との議論について一括してお答えいたします。
渉外知事会においては、毎年度、日米地位協定とその運用について適切な見直しを行い、改善を図るよう日本政府に対し要望しており、その内容は本県の要請した11項目をほぼ網羅し、また他都道県からの要望も追加した形で集約されております。
日米地位協定の見直しは、人権や環境問題など多岐にわたり国内の法制度とも深くかかわることから、より広範かつ多面的な議論が必要であり、政府全体の問題として内閣のリーダーシップのもとに真剣に取り組んでいただかなければならないと考えております。
なお、外務省は運用の改善で対応するとしており、抜本的な見直しを求める県との間でこれまで具体的な話し合いは行われていない状況にあります。
次に、地位協定の全国への周知方法についてお答えいたします。
日米地位協定の問題を国民一人一人がみずからの問題としてとらえてもらい、国民世論を盛り上げるため県は今月から米軍基地を抱える主要な14都道県で構成する渉外知事会加盟都道県の議会議長及び知事への要請行動や、本土紙の一面を使った意見広告の掲載を中心とした全国行動プランを策定し、日米地位協定の抜本的見直しに向けた取り組みを行っているところです。県としては、これら一連の行動により、地位協定の見直しの実現に向けてさらなる前進につながるものと考えております。今後については、全国行動プランの実施状況を勘案しながら検討していきたいと考えております。
次に、県として文化・芸術振興指針の策定の計画はどうかという御質問にお答えいたします。
県では、平成5年7月に「沖縄県文化振興指針」を策定し、文化行政の推進を図ってきたところでありますが、現在、同指針を見直し平成16年度中に新しい指針を策定することとしております。指針の見直しに当たっては、基礎資料となる「県民の文化に関する意識調査」を現在実施中であり、また全庁的な協議機関として沖縄県文化振興指針策定委員会を設置したところであります。今後は、文化芸術振興基本法や沖縄振興計画に沿って、平和で安らぎと活力のある沖縄県の実現を目指し、文化振興のための基本的な施策や課題等について検討するとともに、市町村を初め各種文化団体や一般県民から意見を聴取し、県民の意見が十分反映された新しい文化振興指針を策定することとしております。
次に福祉問題で、障害者の在宅サービスのニーズと事業者数についてお答えいたします。
地域社会の一員としてともに生活する社会の実現を目指すノーマライゼーションの理念のもと、障害者が住みなれた地域で安心して生活し社会参加できるようホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイ等在宅福祉サービスの充実に努めているところであります。
障害のある人やその家族を支援するホームヘルプサービスなどの居宅支援事業所は、支援費制度施行前より145カ所ふえ、平成15年6月現在336カ所で2100人が利用しており、対象者のニーズはおおむね満たされているものと考えております。
なお、事業所の増は社会福祉法人に加え介護保険事業者の積極的な参入があったことによるものであり、これにより利用者が選択しやすいサービス提供が促進されるものと考えます。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 旧軍飛行場用地問題についての基本的な考え方、事業計画及びスケジュールについてに一括してお答えいたします。
旧軍飛行場用地問題については、昨年初めて戦後処理事案として沖縄振興計画に位置づけられたところであり、県としては、同計画に位置づけられた意義を踏まえて問題解決を図ってまいりたいと考えております。
県としては、同問題の解決を国に求める場合、国の理解を得るための十分な説明資料を整えておく必要があると考えており、本年度実施する委託調査において、戦後処理事案として既に解決を見た事例との比較検討や旧軍関係資料の収集、嘉手納裁判記録の分析等を行い、あわせて学識経験者による検討委員会を設置し、客観的な視点から同問題を検討し、どのような処理を国に求めるのが適当であるか等の提言を得たいと考えています。この調査結果も踏まえ、県・市町村連絡調整会議を中心として要望内容の検討を行い、できるだけ早く戦後処理としての解決を国に求めていきたいと考えております。
嘉手納飛行場の軍民共用についてに一括してお答えいたします。
嘉手納飛行場については、日常的に発生する航空機騒音や航空機事故の発生などさまざまな問題があり、県としても地元関係市町村とも連携しながら、基地から派生する諸問題の解決に取り組んでいるところであります。嘉手納飛行場の軍民共用については現在のところ検討しておりません。
通報体制についてにお答えいたします。
在日米軍にかかわる事件・事故の通報体制については、平成9年3月31日の日米合同委員会において、通報すべき事件・事故の明確化、通報経路の確立、通報内容の標準化などが合意され、事件・事故が発生した際の本県への連絡は原則として那覇防衛施設局を通して行われることになっております。
以上です。
○警察本部長(髙橋清孝) 身柄拘禁まで24日間もかかった理由についてでありますが、県警といたしましては、5月25日、被害者からの届け出を受けて以降、関係者からの事情聴取、現場鑑識活動、実況見分並びに採取した証拠資料の鑑定等の捜査活動を適正に推進した結果、証拠に基づき被疑者及び犯罪事実が特定されたことから、平成15年6月16日、逮捕状の発付を得たものであります。
県警としましては、直ちに警察庁に対して早期に日米合同委員会を開催するように要請し、同日開催された日米合同委員会において、起訴前の身柄の拘禁の移転を要請し、6月18日、米国側の同意が得られたことを受け、同日午後8時35分被疑者を逮捕したものであります。
次に、やみ金融問題について一括してお答えいたします。
やみ金融の被害実態につきましては、行政当局からの通報、被害者等からの相談を受け、その状況を把握しているのでありますが、県警に寄せられたやみ金融等に関する相談件数は、平成13年中18件、平成14年中は88件であり、ことしは5月末現在で既に157件の相談を受理しており、激増している状況にあります。
次に検挙実績でありますが、県警では昨年、高金利の出資法違反、貸金業法違反等で6件を摘発し、暴力団総長等7名を検挙しました。ことしに入りましてからも、去る1月、無登録の上、法定利率を約20倍上回る高金利で金を貸し付けていたいわゆる「090金融」と呼ばれるやみ金融業者4名を逮捕したところであり、5月末現在、貸金業法及び出資法違反で16件6名を検挙しております。
県警では、「悪質商法110番」や警察安全相談室等に寄せられるやみ金融相談に対しては、その事案ごとに自衛手段を含めた対処方法等について教示するとともに、連絡先が明らかなやみ金融業者に対しましてはその都度厳しく警告しており、警察が警告して以降、脅迫等がなくなったとの事例もあります。県警では、増加するやみ金融事犯の未然防止を図るため、県警のホームページあるいは各家庭に配布する「交番速報」等を活用してやみ金融の実態等をお知らせし、また被害に遭わないよう注意喚起してきたところでありますが、今後ともマスコミ等を積極的に活用した広報・啓発活動を推進するとともに、粘り強くかつ強力な取り締まりを実施してまいる所存であります。
以上です。
○企画開発部長(花城順孝) 国連機関誘致についての今年度の調査内容、スケジュール、それから具体的な誘致機関の目標はどうかという御質問に対して一括してお答えをいたします。
今年度は、昨年度の調査結果を踏まえ、国連平和大学、国連難民高等弁務官事務所のアジア・太平洋地域人道支援センター等について誘致のための方策や財政負担、土地・建物の規模等誘致に必要な諸条件の調査を進めてまいります。
なお、関係者との意見交換、誘致対象の機関の実態調査等を11月までに実施し、年内には誘致方策の方向性を示したいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 県の本年度の事業計画についての御質問にお答えをいたします。
県では、平成14年度に策定をした沖縄県文化振興計画に沿って本年度は県民に芸術鑑賞機会を提供し、県民の芸術・文化活動を推進する県芸術祭及び県立芸術大学オペラ公演、伝統芸能継承・発展を図るかりゆし芸能公演及び県民劇場、芸術ワークショップ等の充実を図る劇場企画運営の研修、芸術・文化の多様な分野の代表者による沖縄文化シンポジウム、県民の文化に関する意向を把握する県民意識調査、県文化振興会、県文化協会等の団体の支援等の事業を実施してまいります。
次に、文化・芸術振興のための税制の優遇措置の県内での活用実績及び広報・周知の取り組みについてお答えをいたします。
文化芸術振興基本法第31条は、民間が文化・芸術活動に対して行う支援活動の活性化と、文化活動を行う者の活動を支援するため民間からの寄附を容易にするための税制上の措置等を講ずるよう努めることと規定しております。平成14年度から、税制上の優遇措置として特定公益増進法人である社団法人企業メセナ協議会を通した寄附についての助成制度について適用の拡大が図られました。すなわち、企業メセナ協議会を通して文化・芸術団体や芸術家が行う芸術活動に対して寄附を行った場合、一定額まで税金が課せられないことになっておりますが、この制度の対象となる芸術活動の分野、活動主体及び活動形態が拡大され、より多くの芸術家や団体が寄附を受けやすくなりました。そこで、企業メセナ協議会では本年度から相談窓口を全国に設置し制度が拡大されたことを周知するとともに、文化・芸術支援に関する活動の全国展開を図ることとしております。
現在、県内には相談窓口は設置されておりませんが、文化・芸術活動を支援するため必要であると考えておりますので、相談窓口の設置及び制度の広報・周知について県としても協力してまいりたいと考えております。
なお、県内における活用については、同協議会に問い合わせたところ、現在のところ実績はないとのことでありました。
次に、県立芸術大学の移転についてお答えをいたします。
沖縄県立芸術大学の美術工芸学部の一部校舎につきましては、旧教育センター施設及び旧琉球大学女子寮施設を改修して利用したため、既に築後35年から43年を経過し老朽化が進んでおり、改築が必要になっております。県立芸術大学においては、平成11年1月に「沖縄県立芸術大学第2次施設整備構想」を策定し、平成12年1月に県文化環境部文化国際局長あて、同構想の推進及び危険建物対策等の措置についての要望を提出しており、その中で、狭隘で分散しているキャンパスを一つにまとめて段階的に全学移転することを要望しております。
大学の設置者である県としましては、将来新たな整備計画の検討が必要であることを認識した上で、奏楽堂や附属研究所等築後6年ないし18年の新しい施設があること等から、当面は老朽校舎の改築に取り組むことを考えております。老朽校舎の改築に当たっては、現在の芸大の敷地が狭隘であることに加えて、都市計画法に基づく第一種低層住居専用地域内であること、また那覇市都市景観条例に基づく都市景観形成指定地域内にあること等、建築上の制約があります。また、第1・第2キャンパス、第3キャンパスに分散しているため、教員や学生の移動等に不便であること等種々の課題があります。県としましては、当面の課題である老朽校舎の移転・改築の必要性や現在地での改築の可能性を見きわめるとともに、芸大からの要望や将来構想、さらに県の財政状況等も勘案した上で芸大の改築・移転等について検討をしていく考えであります。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 文化庁予算は自主申告制だが、県内における活用実績はどうかの御質問にお答えいたします。
文化庁では、文化・芸術拠点の形成を図り、文化・芸術水準の一層の向上を図る目的で、平成14年度より文化施設が行う自主企画・制作公演、展覧会等の事業を助成する「芸術拠点形成事業」及び児童生徒の芸術を愛する心を育て、豊かな情操を養うことを目的に「本物の舞台芸術体験事業」への助成を行っています。県教育委員会では、文化庁の実施要綱等に基づき市町村教育委員会を通して事業実施の募集を行い、文化庁に推薦をしているところです。
なお、本県における活用実績としては、平成14年度から「芸術拠点形成事業」として「沖縄市民劇場 あしびなー」において、演劇、島唄、ミュージカル等の自主企画公演を実施しています。また、平成15年度は「本物の舞台芸術体験事業」として小・中・高校を含め43校が応募しました。8校が採択され、公立文化施設では7施設が応募し全施設が採択されております。その内容としては、合唱、オーケストラ、演劇、バレエ、ミュージカル、文楽、落語となっております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) フィルムオフィス事業の今後の展開についてお答えをいたします。
沖縄フィルムオフィスに関しましては、昨年7月の準備室設置以降9カ月間で35件の撮影支援を行いましたけれども、正式に設置した今年度の4月から6月までの3カ月間では既に31件の撮影支援を行うなど大きな実績を上げております。今後は撮影に関する許認可手続の代行や現地案内、撮影立ち会いなどの撮影支援業務に加え、撮影ガイドブックやインターネットを活用して国内外の映像制作会社や配給会社、映画監督などへの誘致活動を積極的に展開してまいります。
また、民間において関係団体や企業で構成する支援組織を設置する動きがあり、県においてもその設置を促進してまいりたいと考えております。
次に、東南植物楽園周辺の悪臭対策への対応についてお答えをいたします。
観光リゾート局では、東南植物楽園が中部地区における観光拠点として高い評価を受けていることから、近隣施設から発生する悪臭やハエの問題について憂慮し、県関係部局、所在地沖縄市と調整を行ってきたところであります。観光施設の周辺環境は、清潔で安心・安全であることが大事であり、観光振興を推進する立場から、同問題につきましては今後とも関係機関と密接な連携のもと、改善に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 障害者デイサービスの実施箇所数についてお答えいたします。
デイサービスは、身体及び知的に障害のある者が通所により機能訓練等の各種サービスを受け、自立を促進する事業であります。これまでも市町村と連携し事業の拡充に努めてまいりました。デイサービス利用者数は、平成14年度は24カ所で959人となっております。平成15年6月現在のデイサービス事業所数は、前年度に比べ7カ所ふえ31カ所となっております。今後とも、実施主体である市町村と連携し利用者ニーズに対応したサービス体制の整備に努めてまいります。
続きまして、障害者ホームヘルプサービスの時間数についてお答えいたします。
ホームヘルプサービスなどの居宅支援については、障害者の地域での生活を支援する事業としてより一層の充実を図っていく必要があることから、市町村において障害者の需要を十分踏まえたサービス提供が行われるよう助言・指導しているところであります。平成15年4月時点の調査では、一月当たり最高利用時間数は232時間で、支援費制度施行前の205時間を上回っており、各市町村において障害者のニーズに応じたサービス提供がなされているものと考えています。
続きまして、不妊治療の公的助成への県の取り組みについてにお答えいたします。
現在、不妊治療のうち体外受精などの高度な治療は医療保険給付の対象外となっております。そのため、不妊に悩む夫婦にとってこのような治療を受ける場合は医療費が全額自己負担となっております。今国会の衆議院内閣委員会では、不妊治療推進等を盛り込んだ少子化対策基本法案が今月11日に可決され、衆参本会議で成立する見通しとなっております。厚生労働省では、不妊治療を受けている夫婦に対し不妊治療助成金として来年度予算の概算要求に盛り込むことを検討しております。県としましては、厚生労働省の次年度予算編成方針や、その具体的補助内容等を見守りながら不妊治療への公的支援について積極的に検討してまいります。
続きまして、親族介護の取り扱いについてにお答えいたします。
同居家族に対する訪問介護の提供については、厚生労働省が定める「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」第25条により禁止されております。別居の親族に対する介護サービスについては、家族介護との区別がつきにくいこと、家族への介護は外部の目が届きにくいことから、緊張感の薄れやサービスの質の低下につながることなどが懸念されます。また、保険者からは別居親族に対する不適切な訪問介護の事例が見受けられるとの報告が寄せられています。
県としては、介護サービスの質の確保及び介護給付費の適正化を図る観点から、別居親族に対する訪問介護の提供については原則として認めないこととしていますが、「その地域で別居親族以外にサービス提供できる者がいない場合」等、特別な理由がある場合は保険者と協議の上、認めることとしております。
続きまして、中学、高校生の障害児デイサービスについてにお答えいたします。
障害児デイサービス事業は年間を通して実施しており、特に夏休みという期間を限定してのサービスではありませんが、幼児及び小学校または養護学校等の小学部に就学している児童を対象に日常生活における基本動作の指導及び集団生活への適応訓練を行い、その育成を助長することを目的に行う居宅支援事業であることから中学、高校生は対象外となっております。
しかしながら、障害児が年齢に関係なく、長期休暇等においても日中活動の場としてデイサービスを利用できるような支援が必要であると考えています。このようなことから、中学、高校生等の障害児デイサービスについては、適用年齢の緩和を図るよう平成15年度九州各県及び政令指定都市主管課長会議において国への要望を決議したところであります。
続きまして、医療苦情相談体制の整備についてお答えいたします。
医療苦情相談については、従来より県や県医師会等において対応しているところであります。県においては、平成16年度から新たに――仮称ではありますが――「沖縄県医療安全相談センター」を設置し、医療に関する患者・家族等の苦情や相談に迅速に対応し、医療機関に患者・家族の苦情等の情報を提供することを通じて医療機関における患者サービスの向上を図るため相談体制を整備することとしております。今年度中には医師会等医療機関の代表、弁護士、医療サービスを利用する者などで構成する「沖縄県医療安全推進協議会」を立ち上げ、センターの運営方針及び業務内容の検討などを行い、平成16年4月1日から相談事業を実施する予定です。
以上でございます。
○病院管理局長(平井哲夫) 県立病院の女性専門外来の設置についてお答えいたします。
県立病院については、地域の中核病院として一般医療を初め救命救急医療や高度・特殊医療に取り組んでおりますが、多様化する県民の医療ニーズや民間医療機関の整備の進展等医療環境の変化を踏まえ、県立病院が提供すべき医療について抜本的に見直す必要が生じております。このような中で県立病院においては、県民の医療ニーズに沿った入院医療を中心とした急性期医療や高度医療など二次医療以上の機能を充実することとして検討しているところであります。女性専門外来については、女性特有の症状に着目し、総合外来で時間をかけて診療するなど初期医療における総合相談的な要素が大きいことから、県立病院で行うことの必要性を含め、女性医師やスタッフの状況、来院される女性患者のニーズなども十分に勘案しながら検討していきたいと考えております。
次に、現在の体制や周知のあり方及び県立病院における女性医師の数等について一括してお答えをいたします。
県立病院における女性患者への対応については、患者が女性医師の診察を希望する場合には希望に沿った対応が行えるよう努めております。県立病院における女性医師の数は全医師数300名中37名で、内科や婦人科等に配置をしております。女性医師の育成については、中部病院の卒後臨床研修の中で医師の養成を行っており、平成14年度は23人の女性医師を受け入れたところであります。
なお、今後、県立那覇病院や県立北部病院においても卒後臨床研修を実施することとしており、両病院においても女性医師の育成に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 借換保証制度の活用実績と県独自の借換制度の創設について一括でお答えいたします。
国の借換保証制度の活用実績は、平成15年6月20日現在で保証承諾件数310件、保証承諾金額84億6000万円となっております。同借換保証制度では県単制度資金等も借りかえができる制度となっており、県としてはこの制度の活用促進に努めているところであります。県独自の借換制度については、現在、小規模企業対策資金において融資額の3分の1以上返済していることを条件として同一資金による借りかえを行っております。
次に、雇用問題の軍雇用員の身分保障についてお答えをいたします。
基地従業員は国が雇用し米国軍隊が使用するいわゆる間接雇用の形態であります。また、権利の保護については日本国の労働関係法令が適用されることになっております。当該問題については那覇防衛施設局と労働組合において協議し、米軍と調整の上、解決を図っていると聞いております。県としては、基地従業員の労務管理については重要な課題と認識しており、今後とも適切な措置が図られるよう要望していきたいと考えております。
以上であります。
○総務部長(仲田輝享) 個人情報保護条例の整備についてお答えいたします。
本県においては、沖縄県個人情報保護条例を平成6年10月に制定、平成7年4月から全面施行し個人情報の保護を図ってきているところであります。今般、国においては、平成15年5月30日に「個人情報の保護に関する法律」及び「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」ほか関連する3つの法律を公布し、2年以内に全面施行することとしております。「個人情報の保護に関する法律」では、地方公共団体は法の趣旨にのっとり、個人情報の保護に必要な措置を講ずる責務があると規定するとともに、地方公共団体が講ずべき基本的な事項等を定める「個人情報の保護に関する基本方針」を国が定めると規定しております。また、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」では、原則としてすべての国の行政機関を対象とし、行政機関の職員、国からの受託業務従事者等が個人情報の不正な取り扱いを行った場合等の罰則規定を設けております。
これらのことから、本県においても法の趣旨やこれから国が定める「個人情報の保護に関する基本方針」等を踏まえ、実施機関の拡大や罰則規定の設置等について十分検討した後に条例の改正を行っていくこととしております。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 養鶏団地の悪臭対策と環境対策について一括してお答えします。
沖縄市倉敷の養鶏団地は、建設から約25年が経過してふん尿処理施設の老朽化が進み、雨水の流入などにより悪臭の発生や河川への流出が問題となっております。このため、県としては、これまで沖縄市と連携し実態調査及び鶏ふん処理の改善指導を行っております。現在、当該団地では畜舎の改善等環境対策に取り組んでおり、引き続き関係機関と連携をし指導を強化してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明7月1日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後2時53分散会