○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた教育委員会委員長宜保美惠子君は、別用務のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として教育委員会委員長職務代理者徳山盛彦君の出席を求めました。
また、公安委員会委員長尚弘子君は、別用務のため本日から4日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として公安委員会委員比嘉良雄君の出席を求めました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、乙第1号議案及び乙第3号議案から乙第13号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
喜納昌春君。
〔喜納昌春君登壇〕
○喜納 昌春 おはようございます。
平成15年第2回沖縄県議会定例会に際しまして、通告に従いまして一般質問を行います。
4月1日以来、着任されました仲田総務部長、山内教育長、ほか各部局の新任の部局長の皆さんには、稲嶺知事を中心にしながらそれぞれの部署で県民のために立派な仕事人としての活躍を冒頭心から期待、祈念申し上げます。頑張ってください。
それでは質問に移ります。
大きな項目の1点目、旧日本軍飛行場用地問題に関してであります。
与野党の代表質問でもこれまで触れて論議されてきましたように、おくれた戦後処理問題として一日一日が正念場の決意で、我々県議会はもとより、稲嶺知事以下執行部の国を動かしていく熱意が問われている最重要課題の一つと私も考えております。そういう視点に立ちまして質問をいたします。
(1)点目に、この問題が新しい沖縄振興計画に昨年「戦後処理の課題」と位置づけられたことに関しましては、関係者の皆さんとともにその努力を高く評価しますが、以来、これまでの約1年間の県としての同問題に対する取り組みはどうされてきましたか。
(2)点目に、同問題の解決に向けての国の責任は大きいと私は考えます。加えて本県の政治的に置かれてきた特殊事情の中、琉球政府時代や復帰後の行政認識の欠如や対応のまずさ等が今日58年余を経て地権者が年々亡くなっていく中で、時間との戦いの様相も相まって待ったなしの迅速な行政対応が求められていると考えますが、この関係者の皆さんの叫びと要請の切実さを県はどう認識され、今後対応していく決意か、いま一度知事の御所見を賜りたいと思います。
(3)点目に、この問題の解決に向けては地権者の皆さんの考え方、希望が大事にされるべきことは論をまちません。しかし、土地の有効活用面では当該市町村や県の計画との関係も必要となってくると考えます。現在、この問題の解決に向けて取り組んでいる地権者の皆さんの組織は5団体ありますが、それぞれの要求と課題と県の役割についてはどうなっていますか。また、統一できる課題は何ですか。
(4)点目に、基地対策室に検討委員会が設置されましたが、その意義と当面の任務、課題は何ですか。このことにつきましては早期解決に向けての努力と評価しますが、調査を経て県の決意を示し国を迅速に動かしていく上では、副知事あたりをチーフにしたプロジェクトチームを立ち上げての強力な体制づくりでできるだけ短期間での解決を図るべきと私は考えますが、知事の決意を求めます。
(5)点目に、調査は来年2月までに終了を目指すとありますが、5人の委員での検討内容にしては量の多さと期間の少なさが気になるところであります。調査を支える県側行政スタッフの確保に力を入れるべきと考えますが、それはどうなっていますか。
(6)点目に、ことし1月に設置されました市町村連絡調整会議の役割と、今後の県や地権者の皆さん、団体等との連携はどうなっていきますか。
以上、答弁のほどよろしくお願い申し上げます。
次に大きな項目の2点目、沖縄戦で犠牲になったハンセン病患者の皆さんの「平和の礎」への刻銘に関しまして2点の質問をいたします。
(1)点目に、平成15年度の「平和の礎」の追加刻銘者は県内が69名、県外77名、大韓民国17名、米国1名、合計164名と県の資料で示されていますが、それぞれこれまでの累計及び総計はどうなっていますか。
(2)点目に、これは(3)点目のものもくっつけましたので、知事、よろしくお願いします。
沖縄戦で犠牲になったハンセン病患者の皆さんの「平和の礎」への刻銘に関しては、これまで沖縄愛楽園、宮古南静園の代表者から、園にある死亡者名簿などをもとに自治会の申告で刻銘してほしいとの要望がなされていると思いますが、県はどう対応していくお考えですか。
知事、この問題に関しては、長年のハンセン病訴訟の闘いが2001年に歴史的全面勝訴で元患者の皆さんの人間回復が実現されたという事実を踏まえ、戦争の犠牲になった今は亡き患者の皆さんにとって人間回復が実現されたという事実を知らしめ得る唯一の方法と考える療養所の皆さん、自治会、関係者の思いと願いが込められた要請であると私も考えます。それだけに通常の刻銘の手順とは別の行政的判断が求められていると考えます。
ハンセン病訴訟が提起されてきた背景には、国や行政の政治的・行政的無知や判断の誤り、加えて私たち国民、県民の偏見と差別の中で言語を絶する苦悩と悲劇があって、ハンセン病患者の皆さんの人間回復に向けての闘いと叫びがあった事実を忘れるわけにはまいりません。それゆえにこそ時の行政責任の立場にある小泉総理が謝罪し、本県にあっては稲嶺知事の謝罪があってハンセン病元患者の皆さんや関係者に受け入れられ評価されたと私は理解しています。
今回の礎への刻銘の要請は、まさに沖縄ならではの特異な歴史と現実から提起された重要な課題、沖縄戦で犠牲となられたハンセン病患者の皆さんの人間回復に向け大きな新たな一里塚にする決意と視点から、要請者の皆さんの声、いや、悔しい思いで戦場に倒れられたハンセン病患者の皆さんの地底からの叫びにこたえる稲嶺知事の決意ある答弁を求めます。
大きな項目3点目に移ります。新沖縄県行政システム改革大綱に関して以下の質問をいたします。
行政改革の取り組みについては、これまで知事以下職員の皆さんの努力を評価し、以下質問いたします。
(1)点目に、さきの平成12年から14年に至る沖縄県行政システム改革大綱の実績はどうなっていますか。それについては県はどう評価し、また県民からはどう評価されていると考えていますか。
(2)点目に、新沖縄県行政システム改革大綱は、さきの大綱の課題をどう引き継いでいますか。新大綱の特徴点は何ですか。また、さきの大綱との違いは何ですか。
(3)点目に、沖縄県行政改革懇話会の役割は何ですか。新しい行革大綱での任務は従来どおりのものですか、お答え願います。
(4)点目に、行政改革の基本方針の中で明記されている公社等外郭団体の統廃合に関して、福祉保健部では沖縄県医療福祉センター、沖縄県社会福祉事業団、沖縄県保健医療福祉事業団がその対象とされていますが、それに関して以下の質問をいたします。
ア、それぞれの組織のこれまで果たしてきた役割と意義は何ですか。
イ、社会福祉事業団に委託されている12施設について、その主な事業、施設の状況はどうなっていますか。
ウ、福祉事業は採算性のみでははかれない要素と任務があり、単純な統廃合や民間委託ありきでは困る問題があります。運営や事業のあり方を検討するというとき、統廃合の検討と民間委託の検討は別次元、視点で検討されるべきものと考えますが、県の所見を求めます。
エ、事業や施設の統廃合の場合、当該職場で働く職員の皆さんの身分など勤務形態の変化につながるもので十分な話し合いも必要と考えますが、これについての県の対応、所見を求めます。
(5)点目に、「公社等外郭団体の役割の見直し」で「公社等経営委員会(仮称)の設置」を掲げていますが、どんな人員構成で、どんな機能と役割を想定していますか。
(6)点目に、「成果が見える行政運営」に関して、組織・機構の改革の中で職員数の適正化に触れた5項目中、最後の(オ)の部分で「再任用制度の活用」とありますが、この制度の背景と本県での県職員労働組合等との話し合いの状況や県の対応はどうなっていますか。よろしく御答弁お願いします。
大きな項目4点目に移ります。県教育庁の「危機意識に関する自己診断票」によるアンケートに関してであります。
昨日も我が党大城一馬議員や無所属の玉城義和議員からも同問題に関して突っ込んだ質問と論議がありましたので、重複する部分は割愛していきます。
新着されました山内教育長の教育行政に対する理念、姿勢は、伊波栄徳議員の代表質問を通しながら、未来に責任を持てる子供たちへの教育を、現在を原点にして臨むことや、理解と対話を基本に据えて価値観の形成、個性の伸長、選択能力の形成の3本柱を大事にしテーゼとすることを強調されました。実に立派であります。
問題になっているアンケートに関しては、緊急の事態に早急に対応し、教師みずからの危機意識の高揚と教育委員会が活用できるデータが欲しかったということであります。信頼する教師たちの異常さには、まさに内なる反乱ともいうべき憂慮すべきことだと私も同感でありますが、それでもこのアンケートは拙速過ぎたと私は思います。むしろ、PTAとか沖教組とかの身近な団体、関係者との話し合いこそ大事ではなかったかと思います。なぜなら、事が重大であればこそ教師に対する県民、父母の信頼、教師間の信頼はまさに山内教育長の言われる理解し合うことと対話しかないからであります。
そこで質問をしますが、(1)と(2)と(4)は割愛します。
(3)点目の、この問題で沖教組や高教組などやPTA組織を交えての話し合いや対応策を論じたことはありますか。
(5)点目の、このアンケートは任意で、しかも月1回定例化していくとの方針のようですが、こうしたアンケートに対する各市町村教育委員会や肝心な先生方の反応はどうとらえておりますか。この種の調査の実施については、まさに協力と理解が得られなければ意味のないもので、沖教組や高教組などとの話し合いが不可欠なものと考えますが、その努力について答弁を求めます。
大きな質問の5番目は、我が社大党・結連合会派代表質問の当山全弘議員の質問に関連して以下の質問をいたします。幾つかまとめましたので、知事、よろしくお願いします。
(1)点目に、有事関連三法の成立に関して、知事は憲法の規定に沿うべきこと、国民の十分な論議が大切にされるべきことを強調されておりますが、知事は有事三法は平和憲法に沿ったものであると考えますか。また、国民論議は十分になされたと考えますか。
知事、有事三法の成立に関して通告しました沖縄戦の教訓、二度と沖縄を戦場にさせない、日本軍は沖縄県民の命も財産も守ってくれなかった。アメリカ軍は、今日のイラクでの戦争同様に沖縄県民を無差別に殺りくし、決して正義や解放を大義に掲げる資格はない。つまるところどんな軍隊でも人間の生命や財産、すべての権利は守り得ないという教訓に対する知事の認識と御所見をお聞かせください。
次に、有事三法は衆参両院で論議不十分のまま成立してしまいましたが、それに関して以下の質問をいたします。
ア、有事三法の施行のもとで今後、県民の生命を守る保障はだれが、どのようにするのですか。
イ、法制論議の経過からすれば県民の権利や財産の侵害はまた起きる危険性が十分にあると考えますが、これこそ憲法違反ではないですか、知事の所見を求めます。
ウ、憲法で保障されている戦後民主主義の基本である地方自治の規定に反する総理大臣の都道府県知事への命令、指示等も多く用意されていますが、これこそ憲法に抵触する重大な危険なことと私は考えます。知事はこのことをどう認識されていますか。憲法に違反する命令や指示が出されてきたら沖縄県の知事としてどう対処する考えですか、知事の御所見を求めます。
(2)点目に、今国会で審議されているイラク復興支援に関する法律案に関して日米両関係者に対し、広大な米軍基地を抱えている沖縄としては極めて遺憾であることを申し入れたということですが、沖縄県民の命と暮らしを第一に守るべき知事としては、国民論議が不十分で米軍基地の不公平な負担過重のもとで、同法案のアメリカの戦争に特に沖縄の米軍基地を通して沖縄県民を危険に巻き込んでいくおそれとか、法のもとでの平等や平和条項の憲法にも違反する実態を訴えて、断固一人であっても47都道府県が決して同じではない立場を表明し闘うべきではないのかと考えますが、知事の決意ある御所見を求めます。
答弁によりまして再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) ちょっと休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前10時18分休憩
午前10時19分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
それでは喜納議員の御質問にお答えいたします。
行政システム改革大綱の実績とその評価についてお答えいたします。
平成12年3月に策定した沖縄県行政システム改革大綱においては、「県民起点の行政」の基本理念のもと、県民サービスの向上や行財政の効率化等に向けた各種改革を実施してきました。
3年間の実績としては、大綱本文に掲げる51件の改革項目については、民間経営的視点を取り入れた行政評価システムの導入など50件、98%の改革を実施しております。また、事務・事業見直しについては882件の見直し計画のうち797件、90%の見直しを実施し約40億円の経費を削減しております。さらに、補助金の見直しについては57件の廃止計画のうち54件、95%を廃止し約14億円の経費を削減するなど、県としては一定の成果が上がっているものと考えております。
なお、外部の有識者で構成する沖縄県行政改革懇話会からは、全体として評価できるとの意見がある一方、事務・事業見直しの実績については実質の増減額を示した方がわかりやすいとの意見等があり、新大綱に反映させたところであります。
続きまして、新大綱の特徴等についてお答えいたします。
新沖縄県行政システム改革大綱については、「県民本位の成果・効率重視のスマートな行政」を基本理念とし、旧大綱の実績や課題等を踏まえ、なお一層の行政改革に取り組んでいく考えであります。
具体的には、旧大綱で導入した行政評価システムをさらに充実させ予算編成等へ活用し、政策立案機能の強化を図ります。また、簡素で効率的な組織・機構を構築するとともに、事務・事業や補助金の整理合理化、県債発行の抑制等一層の財政健全化に取り組みます。
新大綱では、これまで以上に県民の県政に参加する機会の拡充やNPO等との連携を深めるなど、県民視点に立った行政運営を推進し、県民満足度の向上を図ってまいります。
また、公社等外郭団体の統廃合を含めた抜本的な見直しを行います。さらに、県民にわかりやすい具体的な数値目標等を掲げた実施計画を定め、その実績については毎年県民に公表するなど行政改革の実効性を高めることとしております。
続きまして、代表質問との関連について、最初の有事関連三法についての御質問にお答えをいたします。
有事への対応については、従来、法的な根拠が確立されていなかったことから、政府において法治国家として法的整備を図る必要性を考慮された上で、武力攻撃事態対処関連三法の整備に努められたものと承知しております。
同法については、国会における法案審議において広く国民の意見を聞いた上で十分な議論を尽くすよう要望した本県の意向が十分に反映されず残念であります。県としては、県民の生活、財産、権利を守る観点から、同法の解釈及び運用は憲法の定めるところに従って行われるべきであると考えております。
次に、議員の御質問と順番が若干違うんですが、事前に御提出願った順番に従いましてお答えを申し上げたいと思っております。
続きまして、イラク復興支援法案についてお答えいたします。
県としては、国連を中心としたイラクの復興が一日も早く実現することを期待しており、我が国も関係各国と協力しながら主体的に貢献していくことが望ましいと考えております。
イラク復興支援特別措置法案は、イラクにおける人道復興支援活動と安全確保支援活動を行うことにより、イラク国家の再建と国際社会の平和と安全の確保に資するためのものであるとされております。いずれにしましても同法案については現在国会で審議されており、自衛隊派遣の必要性の有無などに関してさまざまな意見があることから、国民の理解を得るためにも慎重かつ十分に議論を尽くすことが必要であると考えております。
続きまして、沖縄戦の教訓についての御質問がございました。一括をしてお答えをしたいと思います。
戦争は、人間のとうとい生命を奪うということにおいて人間性に反する行為であります。
沖縄戦の実相についてはさまざまな状況があったものと承知しております。戦後58年が経過していますが、一人一人がこの戦争の悲惨さを教訓にして平和を希求していくことが最も大切なことだと考えております。
続きまして、個人の財産及び権利保護についてお答えいたします。
武力攻撃事態対処法第3条第4項において、「日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならず、」と規定されており、県としても県民の生活、財産、権利を守る観点から、同法の解釈及び運用は憲法の定めるところに従って行われるべきであると考えております。
また、国民保護法制や米軍及び自衛隊に関する法制についても早期に詳細な内容等を公表し、広く国民の意見を聞いた上で十分な議論を尽くす必要があると考えております。
次に、県民の生命財産等の保護及び指示権限についてお答えいたします。一括してお答えを申し上げます。
武力攻撃事態対処法では、「日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならず、」と規定されており、県としても県民の生活、財産、権利を守る観点から、同法の解釈及び運用は憲法の定めるところに従って行われるべきであると考えております。
また、武力攻撃事態対処法では、地方自治の問題とかかわりの深い内閣総理大臣の総合調整、地方公共団体等に対する指示やみずからの対処措置の実施及び(損失に関する財政上の措置)を規定した第14条から第16条については、国民保護法制の整備まで凍結されることになっております。
地方自治体との関連が強い国民保護法制については、現在法案を策定している段階であり、具体的内容は明らかになっておりません。
県としては、県民の生命財産を守る観点から県や県民にどのような負担が生じるのか、今後の法案の策定や国会等での議論を注視しつつ適切に対応したいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 旧軍飛行場用地問題について、県の取り組み、関係者の要請に対する認識、検討委員会の意義及び体制の強化について一括してお答えいたします。
旧軍飛行場用地問題の戦後処理を求めて旧地主の方々が戦後58年の長期にわたり御苦労されてきたことは、県としても十分に理解しております。
県は、沖縄振興計画に同問題が戦後処理事案として初めて位置づけられて以降、同問題の早期解決を図るため「旧軍飛行場用地問題対策プロジェクト班」を昨年9月19日に設置し、また県と関係市町村間で連携を密にする必要があると考えたことから、副知事と市町村長で構成する「旧軍飛行場用地問題県・市町村連絡調整会議」を去る1月31日に立ち上げ、県と市町村の連絡体制を強化したところであります。
旧軍飛行場用地問題は、未解決の戦後処理事案として沖縄振興計画に位置づけられていますが、この問題の解決を国に求める場合、国の理解を得るための十分な説明資料を整えておく必要があると考えます。このことから、本年度実施する委託調査において、戦後処理事案として既に解決を見た事例との比較検討や旧軍関係資料の収集、嘉手納裁判記録の分析等を行い、あわせて学識経験者による検討委員会を設置し客観的な視点から同問題を検討し、どのような処理を国に求めるのが適当であるかなどの提言を得たいと考えています。
なお、検討委員会については業務の受託者側で設置・運営することになっており、県としては適切に指導していきたいと考えています。
地主会の要求と県及び市町村連絡調整会議の役割についてに一括してお答えいたします。
旧軍飛行場用地問題解決促進協議会の要望についてはまだ正式には県に提出されておりませんが、県としては、沖縄振興計画に位置づけられた意義を踏まえ問題解決を図っていきたいと考えています。
また、県・市町村連絡調整会議は県と市町村の連絡を強化し、旧軍飛行場用地問題解決のための諸課題を協議することを設置目的としております。同問題に関する要望については、現在、おのおのの市町村と各地主会が検討しているところであり、県としては、本年度実施する委託調査の結果も踏まえ、県・市町村連絡調整会議を中心として要望内容の検討を行い、できるだけ早く戦後処理としての解決を国に求めていきたいと考えております。
「平和の礎」の刻銘者数についてにお答えいたします。
「平和の礎」の刻銘者数は、平成15年6月23日現在、23万8429名となっております。その内訳は、県出身戦没者は14万8446名、県外出身戦没者7万5457名、米国1万4008名、英国82名、台湾28名、北朝鮮82名、韓国326名であります。
自治会からの申告による刻銘と知事の行政的判断についてに一括してお答えいたします。
「平和の礎」は、世界の恒久平和を願い、国籍や軍人、民間人の区別なく、沖縄戦などで亡くなったすべての人々の氏名を刻銘する記念碑であります。県出身者については、これまで原則として御遺族の了解のもとに市町村別に本名で追加刻銘を行っております。沖縄愛楽園及び宮古南静園の戦争犠牲者につきましても、「平和の礎」の理念に照らし一般県民と同じように刻銘すべきであると考えております。しかし、その刻銘については、今なお残るさまざまな問題を考慮する必要があります。昨年11月に追加刻銘について新聞広告をしましたが、御遺族からの申し出は1名のみでありました。今後は、ハンセン病に対する正しい知識の普及・啓発活動とあわせて、沖縄愛楽園、宮古南静園及び関係機関と連携をとりながら一人でも多くの追加刻銘が実現できるように取り組んでまいります。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 行政改革懇話会の役割についてお答えします。
沖縄県行政改革懇話会は、本県の行政改革の推進に関する事項を調査検討し、広く県民各界各層の意見を県行政に反映させるため設置しております。その構成員は、産業・経済関係、報道関係、労働関係等の各分野の有識者から選任しております。新大綱策定に当たっては、懇話会を4回開催し、その意見を反映させたところです。今後は、実施の段階において懇話会に具体的に進捗状況を報告し助言をいただきながら着実に行政改革を推進してまいりたいと考えております。
続きまして、公社等経営委員会についてお答えします。
公社等外郭団体は、これまで県行政の補完的な組織として重要な役割を担ってきましたが、社会経済情勢の変化に伴い、設立当初の目的と現状の乖離や経営上の問題が顕在化するなどそのあり方が大きな課題となってきました。そのため、県では行政改革の中で公社等の見直しを重点項目として位置づけて積極的に取り組んでいるところであります。これら公社等の経営改善及び統廃合を含めた見直しのため、今年度中に3名ないし4名の法人経営にすぐれた識見を有する公認会計士等で構成する公社等経営委員会を設置する予定であります。
公社等経営委員会の機能及び役割は、財務諸表、経営計画、事業の公益性の観点から分析等を行い、公社等の経営状況の実態や課題を総合的に把握するとともに、経営改善などに役立てるため経営評価マニュアルを作成し評価を行うことであります。
続きまして、再任用制度についてお答えします。
再任用制度は、本格的な高齢社会に対応し、退職者が長年にわたり培ってきた知識・経験を社会において活用していくとともに、年金制度の改正にあわせ、60歳台前半の雇用の促進と生活の安定を図る目的で実施しております。
再任用職員の採用に当たっては、これまでの勤務実績等に基づく選考採用となり、現在のところ希望者についてはできるだけ採用するように努めております。再任用の状況は、昨年度18名、今年度が14名となっております。
本制度の運用に当たっては、職員定数の枠内で実施するとともに、新たな人件費の増大を避け、任用された職員の能力を活用して公務の能率的運営に努めております。再任用制度の実施に当たり給与その他制度全般にわたって職員団体とも十分に話し合いを行い、円滑に実施をしているところであります。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 医療福祉センター、社会福祉事業団及び保健医療福祉事業団の役割と意義についてお答えいたします。
財団法人沖縄県医療福祉センターは、公衆衛生及び医療に関する各種事業を行い、もって県民の健康の保持増進に寄与することを目的として昭和51年に設立されております。県内の医療確保の一環として医師、看護師等医療従事者団体に対する研修事業、医療従事者団体等の行う研修等に対する施設提供事業及び准看護師から正看護師への養成を目的とする看護師養成事業を実施し、医療従事者等の資質向上に寄与しております。
社会福祉法人沖縄県社会福祉事業団は、県立社会福祉施設の管理運営を目的に、公立民営方式による福祉行政の効率化及び施設の経営の近代化を図ることを期待され、昭和47年2月に設立されております。社会福祉事業団設立当時は、福祉分野でも本土との格差が著しく、そのため県は社会福祉施設の整備を積極的に進めてきました。現在、16の県立社会福祉施設がありますが、そのうち12施設の管理運営を社会福祉事業団へ委託しております。社会福祉事業団は設立以来、県立社会福祉施設の適切かつ効率的経営の実施という県福祉行政の一端を担い、さらに民間福祉施設のリーダー的役割を果たし、県民福祉サービスの向上へ寄与しております。
財団法人沖縄県保健医療福祉事業団は、県民の保健及び医療の向上と福祉の増進を図ることを目的に昭和49年に法人が設立され、昭和56年に沖縄県総合健康増進センターが開設されました。主な事業である健康増進センターは、沖縄県初の本格的な健康増進施設として健康度測定の機能を有し、プール、体育館、トレーニングルーム等の施設も完備し、健康づくりの拠点として県民に活用されています。当施設が健康づくりの普及・啓発事業の先駆けとなり、健康づくり関連事業への民間企業の参入が促進され、類似施設もふえ県民の健康増進が図られております。
続きまして、社会福祉事業団に委託している施設についてお答えします。
12施設の概要を御説明いたします。
重症心身障害児施設として沖縄療育園があり、入所定員100名に対し95名が入所しております。漲水学園は児童養護施設と知的障害児施設が併設されており、定員50名に対し32名が入所しております。
知的障害者更生施設は、あけぼの学園と北嶺学園の2施設があり、両施設の定員80名に対し79名が入所しております。
身体障害者療護施設の都屋の里は、定員50名に対し50名が入所しております。
婦人保護施設のうるま婦人寮は、定員45名に対し25名が入所しております。
救護施設は、いしみねとよみたんの2救護園があり、両園の定員150名に対し147名が入所しております。
老人ホームは名護、具志川、宮古及び八重山の4厚生園があり、それぞれ養護老人ホーム、特別養護老人ホームが併設されております。養護老人ホームは合計で180名の定員に対し167名が入所しております。また、特別養護老人ホームは合計で330名の定員に対し325名が入所しております。
これら12施設及び事業団事務局の運営に要する経費は、県の委託料で対応しており、平成14年度決算額で45億7470万円となっております。
続きまして、福祉事業の運営のあり方についてお答えいたします。
社会福祉事業団の今後のあり方や県立社会福祉施設の運営のあり方を沖縄県社会福祉事業団運営見直し検討委員会において検討しております。その際、採算性の視点のみではなく、これまで事業団が果たしてきた役割や各施設の利用者サービスの変化に配慮しつつ、各施設の設置目的に適合する適切な今後の運営のあり方を検討していく必要があると考えています。
続きまして、見直しの際、職員身分等への県の対応についてにお答えいたします。
現在、福祉保健部内に設置した沖縄県社会福祉事業団運営見直し検討委員会において、委託の方法の見直しや今後のあり方を検討中であります。あり方については、合理化の視点のみではなく、これまで事業団が果たしてきた役割や利用者へのサービスの変化、また事業団プロパー職員、県派遣職員の勤務形態の変化等に十分配慮することを念頭に置き、望ましいあり方を検討しているところであります。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 先ほどの御質問の「危機意識に関する自己診断票」について喜納先生の御質問にお答えします。
先日もこの問題については答弁したわけですけれども、本日は特に不祥事に関する職員団体との話し合い、そして自己診断に対する反応及び職員団体との話し合いについて、2点についてということでございますが、関連性もありますのでその点も含めてお答えをさせていただきたいと思います。
教職員の不祥事の原因を分析してみますと、教職員のモラルの低下や教育公務員としての自覚の欠如等も挙げられますが、職務に懸命な教師が事件・事故を起こしている現状もあります。すなわち、一人になったときの自己管理の弱さ、いわゆる自戒心や自制心の弱さも大きな要因となっていると分析しております。これまでの不祥事に対して職員団体等とはその都度話し合いを持ってまいりました。また、PTAとも四者連絡協議会などを立ち上げ、話し合いを持ち、不祥事の再発防止に取り組んできております。したがいまして、本年度はこれまでの指導や話し合いなどの一連の経過を踏まえて、真に理解を図りたいものだというねらいのもとに実施した次第でございます。拙速過ぎるという御指摘もございましたけれども、自己診断の意義そのものが、1つには、緊急事態であり、早急に対策を講じ危機意識の実態を把握する必要があると。2つには、教師みずからが自分を律する意識の高揚への働きかけをする必要があると。3つ目には、全県的に客観的データを集め提供してあげる必要があるんじゃないかと。
以上のことを踏まえて、いわゆる予知・予防の観点から服務監督権者である市町村教育委員会と連携しながら実施したわけでございます。そして、各学校の管理者及び職員そのものが一体となって職場の自浄作用、すなわちみずから内省し、よりよく律することにつながるものであり、そこに大きな意義を感じているものであります。
教師の協力と理解については、自己診断に対する各市町村教育委員会や教職員の反応につきましても、回答している市町村教育委員会においては約90%の教職員が回答しております。したがって、おおむね御理解をいただいているんではないかと認識しているわけです。そのことを踏まえて次への対応を考えていきたいと思っております。
また、今回の自己診断は教職員の服務管理やとりわけ身分の保障に関する問題として取り上げております。いわゆる任命権者である県教育委員会と服務の監督権者である市町村教育委員会とで話し合い、そして学校や教職員の理解と協力を求めていく必要があると考えております。
今後は、県教育委員会といたしましては教師の身分を保障し、教職員一人一人が内面形成作用を働かせていけるようにその手助けができたらと思っております。関係機関の意見も聞いて今後対応をまた考えていきたいと思っている次第です。
以上でございます。
○喜納 昌春 答弁をいただきましたが、2点にわたって質問します。
1点目は、知事、公室長からいただいたんですが、とりわけ旧日本軍飛行場、戦後処理の問題ですが、この業務は戦後58年たった今、他府県にはない業務だと思いますね。そういう意味ではこれまでもちろん地権者の皆さんの結束の仕方も問題あったでしょうし、より以上に行政の責任あるいは国の場合も、国がある意味では沖縄県から戦後処理問題ありますよと提起しないとやらぬと言ってきたわけですからね。我々が戦後処理問題で行ったときに──対馬丸で行った例がありますよ──日本政府が言ったことは、対馬丸あたりも補償したら、船舶転覆というのは幾らでもあったと、日本じゅういっぱいあったわけだからと、だからできぬというふうな話していましたよ。だけれども、言われるように補償するために理論・理屈をおまえらが持ってこいという理論になっていると思うんですが、少なくとも土地の問題に関して県民が負ってきた歴史的事実ということについてはあるわけですよ。戦後、他府県ではしっかりやられてきたわけですよ、沖縄ではおくれてきた。それだけに国を説得する資料、確かに必要だと思うんですが、あの委員会というのはどうも委託された業務の皆さんがつくったようですから、市町村連絡の自治体と副知事を中心とした連絡協議会があったというわけですから、実行する側での執行部でのやはり早期解決を図るんだという私は体制づくりが大事だと思うんですよ、国を動かす意味で。そういう意味で、その件に対しての知事の振興計画の中に入ったことは評価しますよ。逆に県の側の決意を体制づくりの中でスタッフ含めて示すべきだと思うんですが、そのことをひとつしっかり知事の方で答えていただけませんか。
○知事(稲嶺惠一) 喜納議員の再質問にお答えをいたします。
旧飛行場用地の戦後処理問題というのは大変重要な問題でございまして、戦後30年にわたって具体的にしっかりと取り上げられたことはなかったわけです。その意味で新たなる沖縄の振興計画に織り込むということは大変非常に難しい事業でありましたけれども、多くの県民の皆様の御支持を得、また県会議員の皆様方の力強いバックアップ、あるいは国会議員の皆様、そして各市町村等多くの方と一体となりながら進んだ結果、この厚い壁というものがひとつ取り除かれたわけです。
議員が御指摘、御承知のように、この旧軍飛行場用地の問題というのはケースが一つずつ全く異なるものがございまして、しかしまとめて案として出す以上はその辺の状況を十分に勘案しながらしっかりしたことをしなきゃならないわけです。その意味で、先ほどもお話がございました1月31日に副知事と市町村で構成する「旧軍飛行場用地問題県・市町村連絡調整会議」というのをスタートいたしました。これを中心に県と市町村の連携を強化しながら今後進めていきたいと思っております。
○糸数 慶子 通告に従いまして一般質問いたします。
最初に、我が会派の代表質問との関連について。
米軍機の民間空港使用問題についてであります。
1、県の使用自粛要請の根拠ですが、理由は実態を反映しているか。
2、この根拠は現在の下地島空港にも当てはまるのか。
3、将来は普天間代替施設の民間部分にも当てはめるのか。
4、知事は要請理由を軍事利用反対に変更すべきではないか。
以上が米軍機の民間空港使用問題について私が単刀直入に知事にお尋ねしたい点です。
それは我が党の当山全弘議員の代表質問に対する答弁で、県当局のこれまでの自粛要請の根拠として「県管理の民間空港については、民間航空機の運航を目的として設置された空港であり、民間航空機の円滑かつ安全な運航を確保する観点から、緊急やむを得ない場合を除いては米軍機の使用は自粛してもらいたいというのが県の一貫した方針であります。」と答弁しています。
しかし、このような理由であるならば、民間航空機の円滑かつ安全な運航に支障がなければ使用してもいいという反対解釈が必ず出てきます。事実、県の自粛要請がほとんど無視されている現状はこうした実態が反映された結果ではないでしょうか。
そこで私は、民間空港はその設置目的以外の使用は原則として認めない、いわゆる軍事利用には明確に反対するという姿勢を鮮明にすべきではないかと提案したいのです。これは決して非現実的な提案ではありません。過去には屋良確認書とも言われる協定書で下地島空港は復帰後もかなりの期間その軍事利用が阻止されてきました。また、将来不幸にして辺野古の海に軍民共用空港が出現した場合にはこの歯どめが絶対に必要になります。
このように過去と将来を見据えるならば現在においてこの視点を鮮明にし、稲嶺知事が情熱を燃やしておられる日米地位協定の抜本改正にも反映させる必要があると考えますが、知事の率直な御見解をお伺いしたいと思います。
次に、医療・福祉行政の問題に移りますが、最初にお断り申し上げたいのは、この項目で真っ先に取り上げていた県総合福祉センター問題はこれまでの代表・一般質問の中でほとんど解明されましたので、答弁づくりに奔走されました職員の皆さんには感謝しつつ、この質問は取り下げていきたいと思います。
ただ、この問題で私が申し述べたかったことは、福祉の殿堂であるべき県総合福祉センターが障害者に対する配慮に欠けた施設と批判されたことは、県の福祉行政の基本が問われたものであります。この反省が今後の県行政にいかに生かされるかが問題になります。特に、現在進行中の高度・多機能病院建設や沖縄都市モノレールの建設等で十分な配慮が求められております。
そこで、福祉・医療行政の問題を順次お尋ねいたします。
まず、高度・多機能病院の進捗状況についてですが、子ども病院・精神科専用病床等の問題について関係機関との調整はどうなっているのか。
母子総合医療センター設立推進室の設置についてはどのように進展しているのか、また人的措置に問題はないのか、伺います。
離島・過疎地からの患者家族のための宿泊施設の設置については、どの程度の規模を想定しているか伺います。
次に、児童虐待問題について。
本県における児童虐待の実態について伺いたい。
児童虐待に関する相談件数は本県の場合全国の2.3倍とふえていますが、そのふえている原因は何か伺います。
児童虐待に対する県の支援策、対応策はどうなっているのかお伺いいたします。
次に、沖縄都市モノレール事業についてお伺いします。
我が会派は、去る6月16日、沖縄バリアフリー研究会「沖縄子育て情報うぃず」、車いす使用者、視覚障害者の皆さんとバリアフリーの視点でモノレールに試乗いたしました。
以下、お伺いいたします。
まず、車いすの乗降装置についてでありますが、ホームと車両の間があくことは理解できますが、10センチの段差は、つえで歩行する人、それから足の上がりの悪い人、高齢者にとってはつまずきの原因となり、またベビーカーでも荷物を持っての乗りおりは少し難しいのではないでしょうか。車いすの人に限定したこの乗降装置の利用にもバリアフリーという点からすれば疑問がありますが、また利用するときの駅員・運転手の連携も人手を煩わすことで利用することに車いすの皆さんにちゅうちょが出てくるのではないかと思います。
次に、和式トイレについてでありますが、福祉トイレはありますが、利用者がかち合うこともあり、洋式であれば障害者、高齢者も利用できますので、和式のものを洋式に変えることはできないのか。また、障害者や女性は荷物をかける、あるいは置くための棚を設置してほしいという意見があります。
それから階段について。
歩道からの階段の段差部分の見分けがつきにくいので、おりる際は足を踏み外すおそれがある。改善を求めます。
次に、車両発着までの待ち時間の対応についてですが、障害者、高齢者が立ったまま待つのは大変なので、いすを設置し、そこに専用のスペースを表示していただきたい。また、風雨の対策は十分になされているか、伺います。
次に、表示についてですが、切符を求めるとき、障害者割引の表示を入れていただきたい。また、仲介者の割引なども示すべきではないでしょうか。
ホームの車いす専用の乗りおりの位置表示をホームから見えるところに表示していただきたい。
車両の中の障害者の座席マークの表示が低く、混雑するときには見えにくいのではないでしょうか。
それから、歩道の駐車場所に障害者等の専用場所をぜひ確保していただきたい。那覇空港では確保されていても、ほかの車が停車して使えないことが多い。そうでなければ障害者は駅舎まで行くこと自体が困難で結局は利用しなくなるのではないでしょうか。
その他。
主要駅に駅員が2名、他の駅は1名とのことですが、ハード面は比較的充実しておりますが、人的なソフト面が絶対に不足していると思われます。車いすの乗車装置は車掌が操作するわけですが、停車、発車の20秒間で果たしてその操作ができるのか疑問です。
それから、二層構造の駅舎に1人の駅員で安全の確保ができるのでしょうか。緊急時の対応ができるのか。モノレール運営の根幹の問題点ですが、いかがでしょうか。
点字ブロックはホーム、コンコース、外階段、3種類が使い分けてありますが、その理由は何でしょうか。
ホームの床の水勾配が急な箇所があり、車いす、ベビーカーが横流れするおそれがありますが、それについてどう対応していかれるのかお伺いいたします。
次に、農林水産行政について。
去る6月20日から22日までの日程で、「第9回全国農村交流ネット21 IN沖縄」の集いが開催されました。今回は、人を生かし地域を生かす農の新展開、沖縄を知って心も学ぶをテーマに、県内外から200人余の農業者及び農業法人などの代表者、あるいは村づくりや農業に関する諸課題に積極的に取り組んでいる市町村自治体や農協の関係者が集い、活発な交流が展開されました。
この「農村交流ネット21」は、三重県の「モクモク手づくりファーム」に事務局を置き、全国に200名余の会員がおり、そこを中心に運営がなされております。第1回の北海道大会から今回の沖縄大会まで農業及び各地の文化・歴史を学び、さらには21世紀の日本の農業を引っ張る人になろうという趣旨のもとに大会が運営されています。
沖縄大会では、豊見城の農場視察、名護市のゴーヤーパークを視察した後にシンポジウムがありました。県内の4人のパネリストを中心にシンポジウムがありましたが、貴重な提言がありました。特に、農と食と観光の結びつきがこれからは大事であり、グリーンツーリズムの推進あるいはまた薬草など、沖縄の素材を生かした健康食品産業が地域の雇用創出にもつながるという実例の紹介があり、とても有意義なシンポジウムが開催されました。
また、食生活の欧米化や生活様式の多様化などを背景に、沖縄男性の平均寿命が全国26位に低下した現状を回復するには、伝統の食文化に回帰すること、あるいは学校給食での子供たちの「食育」の徹底を図ることなどの提言もありました。郷土料理の風味と豊穣を再確認していくことは、再び沖縄が男女ともに長寿日本一を取り戻す大きなきっかけになると思います。
そこで部長にお伺いいたしますが、スローフードとスローフード運動について部長の御見解を伺いたい。
急速に進む農業就業人口の減少は、若年者の3次産業への流入も原因の一つだと言われています。解決策としてグリーンツーリズムを推進し、農と食と観光を結びつけるのがポイントと考えますが、具体的な支援策について伺いたい。
「地産地消」を標語として全国各地で運動が発生していますが、その代表は学校給食であります。本県における学校給食での県産農水産物の使用率はどうなっていますか。
また、野菜の種類別使用量、1年間の食材費のうち地元へはどの程度還元されているのか。今後の課題と展望について伺いたい。
児童生徒に対する沖縄の伝統食を通しての「食育」も大切だと思いますが、現状はどうなっているのか、お伺いいたします。
次に、環境問題について。
世界自然遺産の候補地に琉球諸島が決定というビッグニュースが流れました。グスク遺産に続いて世界自然遺産への推薦は、琉球諸島の固有種や自然景観がいかにすばらしいか高く評価された結果であり、素直に喜びました。
しかし、現実は景観を破壊し、固有種は絶滅の危機に瀕しています。県の環境行政の実態と世界自然遺産の候補地として整合性のある環境行政を展開しているか、知事の所見を伺います。
次に、名護市辺野古沖での那覇防衛施設局の現地影響評価の方法書作成のために9億5000万円という大金をかけて環境調査をすることになりましたが、この内容についてお伺いしたいと思います。
また、ボーリング調査があるようですが、サンゴ礁の地盤に影響はないのか、お伺いいたします。
次に、泡瀬干潟の第Ⅰ工区内でホソウミヒルモ(仮称)が発見されました。新種の可能性もあり、クビレミドロ以上の大発見であると専門家は評価しています。今後、花や種子が見られ、生活史が明らかになるまで慎重な対応が必要でありますが、生息地に対して厳重な保全が求められますが、知事の御所見を伺いたいと思います。
次に、クビレミドロ、トカゲハゼ、ヒメウミヒルモ、ホソウミヒルモ、海草の新種リュウキュウウズタ、希少種の貝類、希少種ヤマトウシオグモ等の生息地、泡瀬干潟とそれに続く遠浅の海域は学術的にも極めて貴重な場所であるということが明らかにされました。琉球諸島が世界自然遺産に登録されようとしていることからしても、この中城湾全体の保全が今求められております。早急に中城湾全体の保全の対策をし、それを実行することが泡瀬干潟の埋め立てを即刻中止していくことがこれからの環境行政に大切だと思いますが、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
次に、女性行政について。
2003年4月に公表されました内閣府による「配偶者からの暴力に関する調査」のアンケートですが、結果が内閣府から出ておりますが、この被害の実態あるいは認知度について、実態などを年齢別にお伺いしたいと思います。
相談窓口についてもお伺いいたします。
次に、DV法に関する件について、国の規制改革事項について国土交通省は、県営住宅の空き部屋を活用するよう被害者への対応を明確にしていますが、本県でもその取り組みがなされているかどうか、お伺いいたします。
被害者の自立支援のための県営住宅への優先入居は受け入れられないかどうか、お伺いいたします。
現在のDV法は被害者の保護対策が中心になっていますが、加害者の更生を促すプログラムも重要であります。県独自のプログラムを作成する考えはないか。また、他府県にその事例はあるのか、お伺いいたします。
DVに関するビデオを作成し、DVは犯罪だということを人権教育の視点で児童生徒の授業の中に活用できないか、お伺いいたします。
次に、旧軍飛行場用地問題について。
これは沖縄振興計画に「戦後処理の問題」として位置づけられて1年が経過いたしました。振興計画の理念との整合性を図りながら、旧地主の救済をどう進めていくのか、お伺いしたいと思います。
次に、教育行政について。
昨年11月14日に中央教育審議会が教育基本法の見直しに関する中間報告を発表いたしましたが、この見直しが国や行政が教育に直接踏み込むことにつながるのではないかと大変危惧しています。
教育基本法の改正について教育長の御所見をお伺いしたいと思います。
以上、答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 糸数慶子議員の質問にお答えします。
その前に、モノレールに対して非常にきめの細かいいろいろ御質問をいただき敬意を表します。
次に、福祉・医療行政について、児童虐待の対応策についてお答えをいたします。
県ではこれまで、年々増加する児童虐待への対応として児童相談所の児童福祉司の増員や児童虐待対応協力員、専門カウンセラー、法律専門家等の嘱託員の配置及び児童養護施設への心理療法士の配置等の体制整備を行ってきました。昨年度には中央児童相談所に「児童虐待防止支援チーム」を設置し、地域における児童虐待防止ネットワークの構築や心理治療ネットワークの構築などに取り組んでいるところであります。また、「健やか親子おきなわ2010」に基づく施策として、乳幼児健診等を活用した虐待予防の取り組みや保健師等の研修会を開催するなどの取り組みを推進しているところであります。さらに、住民に身近な市町村における児童虐待防止ネットワークの設置を進めるとともに、これらの機関・関係者が連携して効果的で適切な対応ができるよう「子どもの虐待に対応する関係機関のための手引き」を今年3月に作成したところであります。
今後とも関係機関との連携を深め、児童虐待の防止に努めてまいります。
次に、環境問題について、世界自然遺産の候補地として整合性のある環境行政の展開についてお答えいたします。
国の世界自然遺産候補地に関する検討会において、琉球諸島が学術的な見地から世界自然遺産の候補地の一つに選定されたことは本県の自然環境が世界的にもすぐれた地域であると認められたものであり、喜んでいるところであります。本県は亜熱帯・海洋性気候のもと、多くの島々から成っており、固有の自然環境を有しております。この恵み豊かな環境を保全し、次の世代に引き継ぐことは私たちに課された責務であると認識しております。県は、沖縄県環境基本計画、自然環境の保全に関する指針を定め、それぞれの島ごとの多様な生態系が健全に維持されるよう地域環境の特性に応じた環境のあり方を示し、適切な土地利用への誘導及び調整を図っているところであります。
今後とも、豊かな自然環境に恵まれた安らぎと潤いのある沖縄県を目指し、環境の保全に努めてまいりたいと考えております。
次に、加害者更生プログラムについてお答えいたします。
御質問のDV加害者の更生プログラムにつきましては、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」第25条に、国及び地方公共団体は、加害者の更生のための指導の方法等に関する調査・研究の推進に努めることがうたわれております。平成14年度に内閣府は海外における加害者更生を行うための制度及び仕組みに関する調査・研究を行い、引き続きその必要性、対象とする加害者、働きかけの内容、実施機関などについて検討が必要としております。県としては、国、他県等の動きを見ながら今後の課題として関係機関と連携を図りつつ検討していきたいと考えております。
また、内閣府が実施した調査によりますと、都道府県が加害者更生プログラムを実施している例はいまだございません。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○病院管理局長(平井哲夫) 新病院における母子総合医療センター及び精神病床の調整状況についてお答えいたします。
新病院の整備については、関係者との調整を図りながら設計作業を進め、平成14年12月に基本設計を公表、平成15年5月に実施設計を終了し、現在、工事発注に向けての作業を進めているところであります。新病院に併設される母子総合医療センターについては、関係団体や病院現場の医師等との調整を行いながら専門的かつ多角的に検討を進めてまいりました。その結果、成人部門から独立した小児外来、小児病棟の設置や院内学級、プレイルーム等小児のためのアメニティーの確保など、関係団体からの要望等についてもできる限り配慮し設計に反映できたものと考えております。
精神病床の設置については、関係団体との調整を踏まえ5床の精神病床を含む19床の混合病棟を整備することとしております。したがいまして、これら母子総合医療センター及び精神病床の件につきましては関係者の理解も得られているものと考えております。
次に、母子総合医療センター設立推進室の設置についてお答えいたします。
新病院の整備については、運営面の検討を行うため去る1月に病院管理局及び病院現場のスタッフで構成する県立高度・多機能病院診療体制検討ワーキングチームを設置し、新病院の機能がより効率的に発揮できるよう診療科目・診療体制等ソフト面についての検討を行っているところであります。同ワーキングチームにおいては、これまで5回の検討会議を開催し新病院の診療体制等について論議を重ねております。今後は同ワーキングチームでの検討を受け、新病院の運営計画等ソフト面の検討を行う委員会を設置することとしており、母子総合医療センターについてもその中で検討をしていくこととしております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 患者家族のための宿泊施設についてお答えいたします。
平成14年4月30日に沖縄県周産期保健医療協議会から行った「母子総合医療センター(仮称)の整備について」の知事報告において、付添家族のための宿泊施設等の配慮が必要であるとしています。県としてはその必要性は認識しており、管理運営、土地の確保、規模も含めた宿泊施設の建設等についてさまざまな課題があることから、今後、民間による運営の方法も含めて検討していく必要があると考えています。
続きまして、児童虐待の実態及び伸び率が高い原因についてに一括してお答えします。
全国の児童相談所が取り扱った児童虐待の平成14年度相談処理件数は2万4195件で、集計を始めた平成2年度の約22倍に上り過去最高の件数となっております。
一方、本県の児童虐待の平成14年度の相談処理件数は367件で、平成2年度の約23倍に上り、本県においても全国と同様過去最高の件数となっております。この数年の全国及び本県における児童虐待の相談処理件数が高い伸びを示しているのは、虐待に対する地域の認識が深まってきていることや、それに加え、講演会を開催するなど虐待防止の周知を積極的に推進していることなどがその要因であると考えております。
本県における平成14年度の児童虐待の相談種別は、養育の怠慢ないし拒否のネグレクトが157件で最も多く、全体の42.8%、次いで身体的虐待が142件で38.7%、心理的虐待は56件で15.3%、性的虐待は12件で3.3%となっております。全国に比べネグレクトの割合が引き続き高い状況となっております。
以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 沖縄都市モノレール事業についての、車いす乗降装置の車いす以外の利用についてにお答えいたします。
沖縄都市モノレールは、多くの県民が利用する公共機関であることから、沖縄県及び那覇市の福祉のまちづくり条例に基づき関係団体等との協議を重ね、車いすや視覚障害者の皆さんの実体験の結果も取り入れ、高齢者や障害者等にも安全・快適で利用しやすい公共機関を目指してバリアフリーに配慮した整備を進めております。
ホームと車両の高低差につきましては、都市モノレールの構造基準で15センチメートル以内と定められていますが、沖縄都市モノレールにおいては安全性・利便性を考慮し10センチメートルとしております。車いす乗降装置については、基本的には車いす対応としておりますが、ベビーカー利用者等でも駅務員に申し出れば利用することができるようになっており、気軽に利用していただけるよう周知に努めていくことになっております。
次に、モノレール駅舎の和式トイレを洋式トイレにできないかという御質問にお答えいたします。
駅舎のトイレは、衛生上和式がよいとの考えもあることから、洋式への変更は利用状況を見ながら検討していきたいと考えております。また、棚は開業までに設置することになっております。
次に、見分けがつきにくい段差区分についてお答えいたします。
見分けがつきにくい階段の段差区分につきましては、今後検討してまいります。
次に、車両発着時までの待ち時間の対応と風雨対策についてお答えいたします。
待ち時間の対応については、各駅にいすを14脚設置しております。また、障害者、高齢者のための表示をすることになっております。さらに風雨の対策としては、ホーム階の両端に風よけスクリーンを設置しております。
次に、切符を求めるときの障害者と介助者の割引表示、ホームの車いす専用の乗りおりの位置表示及び障害者の座席マークの表示について一括して答弁いたします。
障害者、介助者の料金表示については、鉄道運輸規定が数多くあることから困難であります。
なお、障害者からの切符購入等のお尋ねについては駅務員が対応することになっております。車いす専用の乗降位置及び障害者の座席マークの表示については、混雑時でも確認できる位置に開業時までに設置することになっております。
次に、モノレールを利用する障害者の駐車場所の確保についてお答えいたします。
各駅には乗降用の停車スペースが確保されておりますが、特に多くの乗客が見込まれる小禄駅、赤嶺駅、おもろまち駅には障害者専用の停車スペースが設置されます。
次に、運転士の車いす乗降装置への対応及び駅務員の緊急時の対応について一括して答弁いたします。
車いす乗降装置の操作は、運転士が十分に安全を確認して行うことになっており、開業までの習熟運転に励んでいるところでございます。駅務員については、主要3駅に2名、他駅には1名配置することになっております。緊急時の対応については、社内教育を徹底し安全を確保することになっております。
なお、将来の駅務員の配置につきましては、モノレールの利用状況及び会社の経営状況を勘案しながら会社において検討していきます。
次に、点字ブロックの使い分け及びホーム床の水勾配が急な箇所の対応について一括して答弁いたします。
点字ブロックの設置に当たっては、視覚障害者福祉協議会の見学会を行い確認していただき、了解を得ております。3種類の点字ブロックの使い分けは使用した年度の違いによるもので、機能的には何ら問題がありません。ホーム床の排水勾配が急な箇所については、注意喚起の表示で対応していきたいと考えております。
次に、環境問題について、ホソウミヒルモの生息地の保全についてお答えいたします。
泡瀬埋立工事区域内において、日本新種ホソウミヒルモ(仮称)が発見されたとして「泡瀬干潟を守る連絡会」から平成15年6月20日に発表がありましたが、現在、その種の生活史及び生態系等はいまだ明らかになっておりません。今後、沖縄総合事務局と連携し生息環境・生態系調査を行い、ホソウミヒルモが事業区域もしくは周辺区域で確認され、さらに貴重種と認定された場合は専門家の意見を伺い、必要に応じて適切に対処していきたいと考えております。
次に、貴重種の保全について。
中城湾港泡瀬地先には干潟等の豊かな自然があり、生物の生息・生育の場として、また渡り鳥の採餌場等としても利用されていることからその保全は重要であると認識しております。 ヒメウミヒルモ、ホソウミヒルモ等が事業区域もしくは周辺区域で確認され、さらに貴重種と認定された場合は、沖縄総合事務局と連携し生息環境・生態系調査を行い、必要に応じて適切に対処していきたいと考えております。
次に、女性行政についての、DV被害者の県営住宅への入居についてお答えいたします。
県営住宅への入居については、原則として公募期間中に応募し、入居者資格等を満たせば入居が可能となります。このため公募によらず、また入居者資格等を問わずに入居することは制度上困難であります。しかし、DV被害者については国が支援策としてのガイドラインをまとめる予定になっておりますので、それを踏まえ、関係機関と調整しながら検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) スローフード運動についてお答えいたします。
スローフードは、地域の食べ物や食文化など地域の特色や多様性を守り、食事本来の楽しさ、大切さを見直そうという運動であると承知しております。沖縄には、温暖な気候風土にはぐくまれた野菜、野草、海藻類等の多様な食材があり、またこれらの食材に工夫を凝らして調理した沖縄特有の食文化があります。このようなことから、バランスのとれた沖縄の伝統的な食文化やライフスタイルは健康・長寿の要因として高く評価されるとともに、食材についても健康食として注目されるなど、沖縄はスローフード推進に適しているものと考えております。県としましては、ハンダマ、ニガナ、パパイア等沖縄特有の島野菜を積極的に普及・推進していくとともに、沖縄の食文化の普及に取り組んでいるところであります。
続きまして、グリーンツーリズムについてお答えいたします。
本県独自の亜熱帯農業の展開や多様な自然及び農山漁村文化、伝統芸能等の地域資源を生かすグリーンツーリズムを促進することは、地域活性化を図るために重要であります。このため、県においては平成14年度に「農林水産業振興計画」を策定し、グリーンツーリズム実践者の養成、都市と農山漁村の交流ネットワークづくり、農産物直売所の設置などの諸施策・事業を推進しているところであります。具体的にはグリーンツーリズムの実践者の養成を図るため、これまでに74講座を開設しております。その結果、105名の実践者を養成し、恩納村の修学旅行生等の農業体験受け入れ、東風平町の農産物直売所の設置、下地町の農家民宿等に成果が見られます。
県としては、今後とも都市住民との交流の促進、地産地消の推進及び就業機会の創出等を図り、地域活性化に努めてまいります。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 学校教育における県産農水産物の利用状況、野菜の使用量、地元への還元状況、今後の課題と展望についてお答えいたします。
本県の学校給食においては、県産牛乳の100%利用を初め県産農水産物が食材として積極的に活用されております。平成13年度利用状況は野菜が30.3%、果実が20.1%、畜産物が82.4%、水産物が28.1%、総量にして38.8%に相当します。中でも野菜の使用量ではゴーヤー21トン、これは98.7%、トウガン78トン、91.1%、ヘチマ14トン、94.5%、パパイア27トン、90.8%であります。
また、平成13年度学校給食における県産農水産物使用総額は17億8774万8000円で、そのうち県産額は8億7090万4000円となっており48.7%を占めております。学校給食で県産食材を活用することは、児童生徒へ本県の食文化や郷土食のよさを教えるとともに、本県の産業についての理解を深めるいい機会であると考えております。
なお、県産食材についての学校給食の視点からの課題といたしましては、年間を通じて安定した供給量の確保等が挙げられます。今後とも市町村等と連携し、県産食材の活用を積極的に促進してまいりたいと思います。
次に、「食育」の現状はどうなっているかという御質問にお答えします。
食生活は人間が生きる上での基本であり、望ましい食習慣や栄養バランスのとれた食生活を形成して豊かな心を身につけさせることは大切であり、学校教育においても大切なことであると認識しております。学校給食においては、ゴーヤーチャンプルー、イナムルチ、クーブイリチー等郷土食を年間を通して意図的・計画的に取り入れております。
また、食に関する指導は、次のような教育的意義があると考えております。1つ目に、バランスのとれた食事、十分な休養や睡眠等の体の健康、2つ目には、相手を思いやる気持ち、自然を大切にするなどの心の育成、3つ目に、食事をともにしながら楽しい会話を交わすなど社会性の涵養、4つ目に、自分の健康は自分で守るという自己管理能力の育成、以上の教育的視点を踏まえて各学校においては年間計画を立てて食に関する指導として実施されております。そのことが子供たちの生活習慣形成の大きな基軸になっていると思います。今後とも関係機関や家庭、地域と連携して指導の充実に努めてまいりたいと思っております。
3つ目に、学校におけるDVに関する人権教育についてお答えいたします。
人権教育は、生命の尊重や個人の尊厳の考え方を実生活の中に生かすことができるようにすることが大切であり、他人の立場を理解し、思いやりや寛容の精神を育成することが重要であると考えております。
学校教育における人権教育は、児童生徒の発達段階に応じて各教科・科目、道徳、特別活動、「総合的な学習の時間」など教育活動全体を通して行われております。その具体例を言いますと、毎月の「人権を考える日」、「校内人権教育委員会」の設置などを通して人権教育の一層の取り組みが図られております。また、県教育委員会といたしましては「人権指導資料」、「人権ガイドブック」などを作成して人権意識の高揚とその充実・深化に努めているところでございます。
なお、学校教育におけるDV防止等の指導については今後調査・研究していきたいと考えております。
続きまして、教育基本法の改正についてお答えいたします。
教育の基本理念と基本原則を定めた教育基本法は、昭和22年に公布・施行された法律であり、制定後50年余にわたり我が国の教育に重要な役割を果たしてきたものと考えております。教育の根本法である教育基本法の改正については、各方面からの多様な意見を集約するなど幅広い論議が不可欠であり、今後とも国民的な論議の推移を注意深く見守っていきたいと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 現地技術調査の内容とボーリング調査の影響についてにお答えいたします。
那覇防衛施設局が実施する現地技術調査は、代替施設の護岸構造の検討に必要な地形、海象、気象及び地質のデータを収集するためのものであり、そのデータは環境影響評価の基礎資料としても活用すると聞いております。
また、現在、那覇防衛施設局がボーリング調査地点の位置等について、ジュゴンや海草藻場・サンゴへの影響を可能な限り回避または低減するため調査予定地点周辺の海底の状況を踏査し、基礎資料の収集を行っているところであります。今後は踏査結果を踏まえ、専門家の助言を得て地質調査及び海象調査に係る作業計画を取りまとめ、所要の準備を経た後、逐次実施していくことを予定しているとのことであります。
女性行政について、内閣府調査におけるDV被害の実態、DV防止法及び相談窓口の周知度についてに一括してお答えいたします。
内閣府調査によると、配偶者等から身体的暴行があったと答えた人は男性8.1%、女性15.5%、心理的脅迫は男性1.8%、女性5.6%、性的強要は男性1.3%、女性9.0%となっております。また、身体的暴行、心理的脅迫、性的強要のいずれかまたは幾つか一度でも受けたことのある人は男性が9.3%、女性19.1%となっております。
一度でも配偶者等から暴力を受けた人を年齢別に見ると、20代、30代、40代、50代、60代の順に男性は11.0%、12.7%、12.8%、5.8%、7.2%となっており、女性は16.3%、27.5%、21.4%、20.4%、13.5%となっております。いずれも女性の割合が高く、その中でも30代の女性の割合が最も高くなっております。
DV防止法の周知度については、法律を知っている人を年齢別に見ると、20代、30代、40代、50代、60代の順に男性は57.1%、67.2%、74.2%、77.1%、75.4%となっており、女性は60.8%、75.8%、79.3%、80.0%、68.6%となっております。
DV相談窓口の周知度については、相談窓口として警察、法務局・人権擁護委員会、女性相談所・婦人相談員等、女性センター、県庁、市役所、町村役場、裁判所、民間の機関、その他がありますが、それぞれの周知度は72.3、24.7、29.3、24.2、4.5、24.9、19.5、30.6、1.2のそれぞれパーセントとなっております。
なお、同調査結果はDV被害が一部の問題ではなく多くの人にかかわる社会問題であること、被害の実態が深刻であることが浮き彫りにされています。県としては、今後とも関係機関と連携してDV防止に努めていきたいと考えております。
DVに関する人権教育についてにお答えいたします。
配偶者等から暴力の発生を防止するためには、特に若年者に対する人権教育、学習による意識啓発が必要であることから、平成15年度は一般県民を対象としたDV問題講演会や前年度に引き続き県内大学生を対象とした啓発講座の開催、児童生徒等を対象とした人権教育に対する講師派遣等を行っていくこととしております。また、DVに関するビデオ作成につきましては、関係機関が制作したビデオ等の活用を考えております。
旧軍飛行場用地問題について、県の取り組み状況及び振興計画と旧地主救済の整合性についてにお答えいたします。
旧軍飛行場用地問題については、昨年初めて戦後処理事案として沖縄振興計画に位置づけられたところであり、県としては同計画に位置づけられた意義を踏まえて問題解決を図ってまいりたいと考えております。県としては、同問題の解決を国に求める場合、国の理解を得るための十分な説明資料を整えておく必要があると考えており、本年度実施する委託調査において戦後処理事案として既に解決を見た事例との比較検討や旧軍関係資料の収集、嘉手納裁判記録の分析等を行い、あわせて学識経験者による検討委員会を設置し客観的な視点から同問題を検討し、どのような処理を国に求めるのが適当であるか等の提言を得たいと考えています。
この調査結果も踏まえ、県・市町村連絡調整会議を中心として要望内容の検討を行い、できるだけ早く戦後処理としての解決を国に求めていきたいと考えております。
代表質問との関連ですが、米軍機の民間空港使用についてに一括してお答えいたします。
県管理の民間空港については、民間航空機の運航を目的として設置された空港であり、民間航空機の円滑かつ安全な運航を確保する観点から、緊急やむを得ない場合を除いては米軍機の使用は自粛してもらいたいというのが県の一貫した方針であります。米軍機の民間空港使用はこれまでにも県民に大きな不安を与えており、県としては米軍機の民間空港使用があるたびに米軍に対し自粛を強く要請しているところであります。
下地島空港については、1971年に同空港建設に先立ち、当時の屋良主席と総務長官及び運輸大臣との間で同訓練飛行場を民間航空訓練及び民間航空以外の目的に使用させないことが確認されております。また、普天間飛行場代替施設の民間部分について、民間機能に支障がないよう関係機関と協議する必要があると考えております。
以上でございます。
○糸数 慶子 再質問を行います。
まずDVの件なんですけれども、先ほど知事はこの加害者の対策についての答弁の中で、海外での調査・研究あるいは国や他の都道府県の事例を研究して検討していきたいということをおっしゃっていますが、実際には昨今の新聞紙上にも出ておりますし、また私は実際に女性相談所を訪ねまして調査いたしました結果、何と前年比186人が訪れている。子供たちを連れてそこへ駆け込んでくるわけですけれども、やはり幾ら女性を保護するというよりも、その前に加害者の対策が一番大事だと思います。
せんだって総務企画委員会でオーストラリアの方に参りましたけれども、オーストラリアの視察の中で特に感心いたしましたのは、サウスオーストラリア、そこでは家庭内暴力は今まで野放しの状態にありましたけれども、それはやはりいけないということで法律で取り締まっていることと、あとはまたシェルターの設置、あるいは加害者の男性のケアとしてカウンセラー、ソーシャルワーカー、心理学者が一体になって問題解決に当たっているという積極的な姿勢が見られたわけですが、沖縄県は他の都道府県に比べると経済的な理由がかなり問題にもなっておりますけれども、それがかなり原因になって女性に対して暴力をふるう男性が多いという意味ではちゃんと数字に出ておりますので、他の調査を待つよりもむしろ沖縄県がモデルになって他の都道府県に対してきちんと指導ができるような状況で加害者対策をぜひやっていただきたいのですが、それについて知事の御決意をお伺いしたいと思います。
それから、今、女性の駆け込み寺みたいな状況になっております現在の女性相談所なんですが、実は国土交通省の方でも、先ほど土木建築部長からお答えがありましたけれども、実際に早急な解決策として法的にもことしじゅうにこういう住宅関係をきちんと取りまとめて女性たちに提供するようにと出ていると思うのですが、それについては再度お答えをお願いしたいと思います。
それからモノレールについてなんですが、先ほど部長のお答えの中に和式トイレは洋式トイレよりも衛生面でよいということをおっしゃっていましたけれども、これはどういう根拠に基づいてそういうことをおっしゃっていらっしゃるんでしょうか。今、障害を持っている方々、あるいは妊産婦、お年寄りに対してもむしろ洋式のトイレの方がいいということで、デパートを見ても公共の施設を見てもそういうのが普及しておりますが、再度その件についても御答弁をお願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時46分休憩
午前11時47分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) ただいまの糸数議員の再質問にお答えします。
DVの問題に対して沖縄の問題は非常に大きな問題であると、したがって他府県ということではなしに沖縄がトップを行くつもりでひとつその決意を聞きたいということでございます。
先ほどお話しましたように、都道府県に例はございませんけれども、ただ沖縄の場合はただいまございましたように非常に重要な問題でございますので、国とも連携をとりながら、できれば沖縄がトップになるつもりで頑張っていきたいと思っております。
その他の御質問については、関係部長等から答弁させます。
○土木建築部長(安慶名正行) 女性行政についての、DV被害者の県営住宅への入居についてでございますけれども、これは先ほどもお答えしたことと同様なことになりますけれども、現在、国土交通省の方でガイドラインの方は作業中ということで、現時点ではまだまとまってないということですので、それを早目に情報をつかんで、それをもとに対応していきたいと。各県の状況も今同様な状況でございますので、そういうのを見て対応していきたいというふうに考えております。
それから、和式トイレの方が衛生上よいという話のことにつきましては、そうおっしゃる方もいらっしゃいますので、その辺についてはやはり利用状況を見た上で対応していきたいというふうに考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○糸数 慶子 土木建築部長にもう一度お伺いいたしますけれども、和式トイレの件、余りトイレの話は食事の前でもありますししたくないのですが、やはり障害を持っている方、あるいは妊産婦の方にはむしろ負担がかかるということですね。どんな根拠で和式がいいとおっしゃっているのかということを伺っているんです。再度御答弁いただきたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 時間です。
○糸数 慶子 それから、国土交通省の件は実際には他府県ではそれを優先でやっています。沖縄県は、他の都道府県とはもっと違う深刻な状態にあるので考えていただきたいということ。むしろ他の都道府県よりもこちらの方が進むような状況をつくっていただきたい。特に申し上げたいのは、最初に申し上げた福祉に対する県の行政の根幹が問われますのでよろしくお願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 時間です。休憩いたします。
午前11時50分休憩
午前11時50分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
土木建築部長。
〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) 先ほどの和式トイレの方が洋式より衛生上よいということにつきましては、確たる根拠はございませんけれども、個人によってはやはり、こういうのも言いにくいんですけれども、人が座った後のトイレというのはちょっと何となく違和感を感じるという方がいらっしゃるようで、そういうことも含めましてやはり利用状況を見て対応していきたいというふうに考えております。
それとDVの被害者の関係の県営住宅への入居につきましては、もっと研究して対応してまいりたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時51分休憩
午後1時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
渡嘉敷喜代子君。
〔渡嘉敷喜代子君登壇〕
○渡嘉敷喜代子 こんにちは。渡嘉敷喜代子です。
一般質問に入る前に一言お願いがあります。
私は、宜野湾市に住んでこの方10数年になります。基地から派生する爆音と、常に危険と隣り合わせの生活を余儀なくされております。そういう当事者でもあります。基地あるがゆえに感じる憤り、そしていら立ちは当事者でなければわかりません。それを酌んでいただいてこれからの質問に誠意を持って答えていただきたいと思います。
それでは、基地問題についてお尋ねいたします。
今回の宜野湾市長選は、普天間飛行場の早期返還が争点となり、現県政が進めている辺野古沖ではSACOの合意から7年過ぎ、さらにこれから13年あるいは14年かかることへの市民の拒否反応だったと思います。
伊波洋一さんは、県内移設に反対し5年以内の返還を訴えて見事当選いたしました。私は、一市民として誇りと明るい未来が開けてきた思いでいっぱいです。
7年前、普天間飛行場の移設が決まったとき、どんなに喜んだことか。ところがSACOの合意もことしの4月12日に期限が切れました。そんな中で宜野湾市民が選択したのは5年以内の返還でした。知事は、これをどう受けとめますか、所見をお聞かせください。
(2)番、99年12月の定例県議会でこんな質問がありました。普天間基地の辺野古移設は、経済振興策と引きかえに県政史上初めて新たな基地建設を容認するのではないかとの質問に対して、知事の答弁は、県民が負担する過重な米軍基地の整理縮小については、SACOの合意を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識している、SACOの実施は本県の米軍施設・区域の面積を確実に縮小でき、県民の希望する基地の整理縮小に着実につながるものと考えていると答えております。
つまり、SACOの実施は基地の整理縮小に着実につながる、このことは知事の政治姿勢と受けとめます。それほどSACOの合意に期待をかけ信じて疑わなかったはずなのに、普天間飛行場は7年たっても返還されなかった。それはどこに問題があったと思いますか。
(3)番、知事の公約15年問題は既に破綻していると思われます。今議会での自民党代表質問でも、15年問題を進めようとすると返還がおくれるのではないかと内部からも疑問の声が上がっています。15年問題を掲げて4年半、日米政府のテーブルにも上がらないこの現実をどうとらえますか。さらに、軍民共用の飛行場としたために恒久的で基地の規模も大きくなり、事業主体も県でやるべきだと主張する政府側の姿勢にも不信が募ります。そこで、宜野湾市民が選択したこの現実を直視して5年以内の返還に向けて伊波宜野湾市長とともに日米交渉するつもりはありませんか、知事の言葉で答えてください。
(4)番目、普天間飛行場から派生する爆音についてお尋ねします。
平成13年10月、上大謝名で測定されたピークレベル123デシベル、これは人間が許容できる音の基準値をはるかに超えています。大山局を除いてすべての局においてすべての月が100デシベルを超え、特に上大謝名では平成11年から13年にかけて22時から翌朝の7時までの発生回数が大幅にふえています。
上大謝名の123デシベルはイーグル機だと思われます。イーグル機が旋回するときの音は、金属音をこすりつけるような激しい爆音は想像を絶します。騒音規制協定があるにもかかわらず守られていない現状です。この状況をどうとらえ、今後どう対応していくおつもりですか、誠意ある御回答をお願いします。
(5)番目、普天間飛行場の跡地利用対策の進捗状況と基本的な視点はどこに置くかについてお尋ねします。
沖縄振興新法は10年の時限立法ですが、今進めている辺野古沖の移設では跡利用期限をはるかに超えてしまうことになりますが、跡利用対策はいつの時点から始めるのか。あるいは文化財の調査等を始めているのか教えてください。そして、そのときの視点をどこに置くかについてお尋ねします。
2、普天間基地のヘリ事故についてお尋ねいたします。
基地と隣接している民間地域では、住宅の庭の囲いの一部が基地のフェンスです。基地から派生する騒音はもちろんのこと、常に危険と隣り合わせが宜野湾市の現状です。夜間飛行の停止の協定も守られず、次から次へと相次ぐ事故がなぜ起きるのか。どこにその要因があるとお考えですか。さらに、今後どう対応していくおつもりですか。また、6月20日の2件の普天間基地のヘリ事故の詳細についてもお尋ねします。
3番目、地位協定の改定について。
知事の地位協定見直しを訴える全国行脚は評価します。しかし、どこまで本気なのか真意がわかりません。全国行脚をより効果的なものにするためには県民世論に訴えることが大切です。そのためにも県民大会で一気に盛り上げることだと思います。沖縄で起きた米軍絡みの事件は、他府県の人たちにとってはしょせん沖縄の問題でしかありません。悲しいかな、これまでもそうでした。沖縄県民がまず盛り上がらないといけないのです。
そこで3つのことを質問します。
(1)、知事の全国行脚を終えた後、知事は今後どう行動につないでいくおつもりですか。
(2)、県民大会の時期はいつですか。
(3)、地位協定の改定は県民の世論です。政府が動かないのはどうしてだと思いますか。
4、教育問題について。
3月20日に出された中教審の答申によると、いじめや不登校、あるいは就職できない青年の増加は教育の危機として改革の理由としています。さらに、改革の視点として家族の教育力の回復と郷土や国を愛する心を挙げています。家庭の役割を法で制定するものではなく、個々の家庭にはそれぞれの営みがあっていいことであり、すべて画一化するものではありません。国を愛する心はまさに戦前の軍国主義を思わせる復古的な考え方で絶対に受け入れられません。
また、改正の方向性として示されているのが「生涯学習の理念」と「男女共同参画社会への寄与」が改正の理由としています。しかし、生涯学習については80年代から既に重要性が認識されていて、98年には男女共同参画基本法が制定され機能しているので改正の理由にはなりません。
ここで一番問題なのは、改正の方向性として示されている一つに「宗教の持つ意義を尊重する」としていることです。ここで言う意義とは、宗教教育の想定を変えようとしているのかということです。これはまさに憲法で保障されている宗教の自由を阻害するものです。
以上の観点から教育基本法の改正には強く反対します。
そこで、知事と教育長にお尋ねします。
なぜ改正だと思いますか、お答えください。
5、待機児童の問題について。
5歳児保育についてお尋ねいたします。
待機児童の問題は、女性が働きたくても働けない、また女性が社会進出する上で大きな阻害にもなっています。特に、公立における5歳児の保育について低所得者や母子・父子家庭や、家庭に問題を抱えている児童が多く、幼稚園から帰った後、家庭での受け入れができない子がほとんどです。就学前の児童であり、保育所でも幼稚園のカリキュラムを取り入れて指導はしているものの、一日の保育のため行き届かないのではないかとの現場の悩みでもあります。
ある地域においては、多目的ホールでの保育を余儀なくされています。本来ならば独立した保育室が必要だと思われます。就学前の児童という大切な時期だけに、県としてもその対応に考慮していただきたい。
きょうの新聞報道でも見られますように、県内で2051人の待機児童がいるということですが、県として5歳児保育について今後どう対応していくおつもりなのか、お尋ねいたします。
(2)番目、沖縄でも幼稚園の修了者が毎年減少する傾向にあるようですけれども、それでもまだ他府県に比べて幼稚園への就学率が高いと言われています。3歳児からの幼稚園制が施行されたとき、午後からの受け入れができない家庭の子が入園を希望してくる可能性があります。保育の必要な子は保育所でといえども、入園希望者の児童の午後の保育についてどう対応していくおつもりですか。幼稚園と保育所の特性を生かして、一元化は難しいにしても、縦割り行政のしわ寄せが子供たちにいかないためにも早急な対策を講じなくてはならないと思いますが、今後の対策や取り組みについてお尋ねいたします。
○知事(稲嶺惠一) 渡嘉敷議員の御質問にお答えいたします。
最初は、宜野湾市長選の結果についてのお答えです。
宜野湾市長選挙の結果については、このたびの市長選挙が実施された経緯もあり、このような結果になったものと受けとめております。平和で基地のない豊かな島の実現は県民全体の願いでありますが、基地の整理縮小に向けては現実的な対応によって一歩一歩着実に前進させていく必要があると考えております。
なお、伊波市長は宜野湾市議会定例会で、普天間飛行場の5年以内返還の具体的なプログラムについてはまだできていない旨答弁したと承知しております。
続きまして、普天間飛行場の返還と日米交渉に関する御質問につきまして、2つの質問に一括してお答えします。
普天間飛行場の移設問題は、前県政が最終段階において県内移設を拒否したため、返還に向けた動きが全くめどのつかない状況になりました。私は、ゼロからではなく、いわばマイナスから始めて一歩一歩積み上げてまいりました。
このような状況の中からスタートしたこともあり時間を要しましたが、普天間飛行場の移設については、これまで閣議決定された政府方針に基づき着実に進展しているところであります。また、代替施設の15年使用期限は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているものであり、国の責任において解決されるべきものであると考えております。
普天間飛行場の返還についてはいろいろな考え方があることは承知しておりますが、県としては、現在行われている移設作業を進めていくことが早期返還につながる現実的で実現可能な方法と考えており、一日も早く返還されるよう引き続き努力してまいります。
次は、地位協定の全国行脚後の対応についてお答えいたします。
県は、去る6月の上旬から北海道を皮切りに福岡県、神奈川県、長崎県、東京都を直接訪問し、地位協定の見直しに関する要請を行ったところであります。
その内容は、各都道県議会に対しては、地方自治法に基づく意見書の採択等をお願いし、各都道県へは、当該議会における意見書の採択等の取り組みへの支援をお願いしたところであり、今後、県議会の終了後に予定している8県を訪問し同様な協力要請をしていきたいと考えています。
今後の対応については、全国行動プランの実施状況等を勘案しながら検討していきたいと思っております。
次に、県民大会の開催時期についての御質問にお答えいたします。
県民大会を開催するためにはより効果的なタイミングを図ることが大切であると考えており、県民の盛り上がりや大会の規模などを十分に考慮しながら、各界各層を網羅した全県的な大会になることが必要であると考えております。
ちなみに、平成7年の県民総決起大会は県議会全会派が提起して取り組みがスタートし、県議会議長を実行委員長として53市町村と各議会、主要な経済、労働、市民団体など320団体から成る超党派の実行委員会が組織され、その結果、多数の一般市民が参加した画期的な大会が実現したものと理解しており、県民が主体となった取り組みが必要であると考えております。
次に、地位協定の政府の対応についての御質問にお答えします。
政府は、日米地位協定の改定については一貫して運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であると考え、これが十分効果的でない場合には日米地位協定の改正も視野に入れていくとしております。
次に、中教審の答申についてのお答えでございます。
教育基本法は、制定後50年余にわたり我が国の教育に重要な役割を果たしてきたものと考えておりますが、この間において社会状況は大きく変化し、現在、教育基本法についていろいろな意見があることも事実であります。
教育基本法の改正については、答申で示された改正理由や、新たな理念の追加などを含めて幅広い論議を期待しており、今後とも国民的な論議の推移を見守っていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 普天間飛行場から派生する爆音への対応についてにお答えいたします。
県は、これまで関係市町村との連携のもと騒音調査を実施するとともに、普天間飛行場周辺における航空機騒音の軽減及び騒音対策の強化を日米両国政府に対し要請してきたところであります。 しかしながら、平成8年3月の日米合同委員会における航空機騒音規制措置の合意後、県が実施した普天間飛行場周辺における平成13年度航空機騒音の測定結果を見ますと、平成7年度と比較して平成8年度から平成12年度にかけて、普天間飛行場の周辺においては騒音回数はやや減少傾向が見られたものの平成13年度は増加傾向にあり、平成7年度とほぼ同様の値となっています。
米軍は、航空機騒音規制措置については遵守するよう努力していると言明しておりますが、米軍の任務に必要とされる場合は必ずしも規制措置に拘束されない内容となっており、飛行場周辺の住民の負担を軽減するためには同規制措置の厳格な運用が必要であると考えております。県としては、今後とも騒音の実態調査を行いつつ、地元市町村とも連携しながら、航空機騒音の軽減に向けて一層の改善を図るよう日米両政府に働きかけていきたいと考えております。
ヘリ事故の要因と今後の対応についてにお答えいたします。
米軍基地から派生するこのような事故は、日常的に米軍基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている県民に大きな不安を与えるものであり、極めて遺憾に思います。
県は、米軍に対し、今回の事故原因の究明、再発防止及び普天間飛行場に常駐する米軍機の一斉点検を実施するなど、安全管理についてより一層徹底するよう要請いたしました。県としては、県民の生命と財産を守る観点から、事件・事故の再発防止について今後とも日米両政府に対し強く働きかけていきたいと考えております。
以上です。
○教育長(山内 彰) 中教審の答申についてでございますが、なぜ改正されるかということにお答えいたします。
戦後の我が国の教育は、教育基本法のもとで教育の機会均等や量的拡大及び教育水準の向上が図られ、今日の経済社会の発展に大きく寄与してきたものと考えております。
教育の根本法である教育基本法の改正について、その理由については、中教審の答申で示された教育の危機や社会の状況変化等が挙げられておりますが、そのような改正理由や、あるいは「郷土や国を愛する心」など新たな教育理念として追加するかどうか、この辺も含めて幅広い論議が不可欠であり、今後とも国民的な論議の推移を注意深く見守っていきたいと考えております。
次に、3歳児からの就園に伴う預かり保育についてでございますが、お答えいたします。
女性の社会進出等に伴い幼稚園における預かり保育の必要性が求められており、文部科学省においては預かり保育を推進しております。
県教育委員会では、「沖縄県幼児教育振興プログラム」を策定して幼稚園における子育て支援の一つとして預かり保育を促進しているところでございます。
預かり保育の実施主体は市町村教育委員会でございますが、希望するすべての幼稚園で預かり保育ができるようその促進を図っているところでございます。
なお、平成15年度においては公立幼稚園243園中61園、25.1%が預かり保育を実施しており、その対象は4歳・5歳児が中心でありますが、3歳児においては就園児もほとんどなく預かり保育も実施されておりません。今後は市町村教育委員会等と連携を図りながら、3歳児からの預かり保育についても促進していきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 5歳児保育についての県の考えについてお答えいたします。
本県の5歳児保育の実施状況は、平成15年4月1日現在、保育所326カ所中168カ所で実施しており、入所児童数は1663人となっています。
ちなみに、保育所入所児童に占める5歳児の割合を全国と比較しますと、平成13年10月1日現在、全国平均が22.6%であるのに比べ本県は14%と低くなっております。その原因として、本県ではほとんどの公立小学校に幼稚園が併設され、5歳児になると幼稚園に入園する傾向が高いからだと考えられています。
県としては、保育に欠ける児童については保育所での保育が基本と考えており、保育の実施主体である市町村に対し保護者のニーズに対応できる保育体制の整備を図るよう働きかけているところです。
また、保育に欠ける幼稚園児の午後の保育については、県教育委員会と連携し幼稚園での午後の預かり保育の実施を促進しているところです。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 跡地利用対策の進捗状況と基本的な視点についての御質問にお答えします。
普天間飛行場の跡地利用については、跡地対策準備協議会における取りまとめに基づき現在取り組んでいるところであります。
同飛行場の跡地利用計画の策定に向け、平成13年度より中南部都市圏調査や都市マスタープラン調査等に着手しているところであり、平成17年度を目途に同計画の基礎となる基本方針を策定することとしております。
なお、同飛行場の跡地利用は、平成11年12月に閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」における「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」に基づくものであります。
以上でございます。
○渡嘉敷喜代子 知事に再質問いたします。
伊波市長の当選はこれまでの経緯があってとおっしゃいますけれども、知事が今進めております辺野古沖への移設では私たちは7年待ったわけです。これでしたら知事がおっしゃいますように、辺野古沖への移設が一日も早い返還だとおっしゃいますけれども、宜野湾市の皆さんは7年待ちました。これからあと15年待つということは、もうとてもそれじゃ我慢ができないという結果がこの選挙の勝利につながったと思います。
そういう意味で、辺野古沖の基地が知事は県民の財産だとおっしゃいます。でも、基地は観光資源にはなりません。そして、この美しい海を残すことが次の世代へ残してあげられるものだと思います。そういう意味でも辺野古移設は反対したいと思います。
そして今、宜野湾市長が5年以内の返還に向けて日米交渉していこうとする中で、県の責任者として当然一緒になってそれを進めていこうという気持ちがおありなのかどうか、そのあたりをもう一度お尋ねいたします。
○知事(稲嶺惠一) 渡嘉敷議員の再質問にお答えいたします。
県は、普天間飛行場返還問題の原点は、市街地の中心部に位置し、市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還させることであると認識しており、普天間飛行場の早期返還を県政の重要課題として取り組んでいるところであります。したがいまして、現在行われている移設に向けた作業を進めていくことが普天間飛行場の早期返還につながるものと考えております。
○新里 米吉 一般質問を行います。
教育行政について質問します。
現在、政府においては「三位一体の改革」が大きな課題になり、国民の関心も高く、マスコミが報道し続けております。
マスコミは、分権会議が分権よりも地方交付税削減など国の財政再建をねらった財務省寄りの動きを見せていると報道しています。また、「骨太の方針第3弾」が基幹税の中身に触れていないことに対し、大半の知事が所得税や消費税の具体的な税目を挙げて移譲を求めており、補助金削減のかわりとして移譲される税源額が8割程度とされている点についても、数字がひとり歩きすることを警戒する声が多数であると報道していますし、与党の保守党幹事長も、骨太というが内容がないと厳しく批判しています。
「三位一体の改革」では義務教育費国庫負担制度も課題になっています。この問題については、沖縄県議会を含む43都道府県議会において同制度の堅持の意見書が採択されています。また、全国都道府県教育委員長協議会と全国都道府県教育長協議会も昨年7月に、国民のすべてに対して義務教育の機会均等と教育水準の維持向上を保障するための義務教育費国庫負担制度を今後とも国の責務としてぜひとも堅持されたいとの趣旨で同制度堅持の要望をしております。
私は、昨年の12月定例会においても義務教育費国庫負担制度について質問しましたが、今大きな問題になっている中で再度質問します。
ア、義務教育費国庫負担制度の堅持について知事の所見を伺いたい。
イ、義務教育費国庫負担制度が廃止された場合に沖縄として懸念されることについて説明してください。
私は、毎年県高校総体を見ていますが、例年バレーボール競技だけで他の競技会場へは長年行っておりませんでした。ことしはバレーボールが1週間前に実施されたため、久しぶりにバレーボール以外の競技を見ることができました。
6月1日は空手、6月2日はバスケットと陸上を観戦しましたが、各競技とも競技力の向上が著しいと感じました。特に、陸上競技では大会2日目に男子100メートルで10秒71の県高校新記録で池原選手が優勝、翌日6月2日は私の目の前で男子100メートルを上回る最高のドラマが展開されました。3週間前の国体選考会で100メートル10秒74の県高校新記録で注目された仲元紀清選手が得意の走り幅跳びに出場し、3回目の試技で7メートル18の大会新記録、4回目の試技では7メートル31の県高校新記録の大跳躍、最後の6回目の試技では本人が会場に手拍子を求めて手拍子の中を快走、そして空中高く跳んで着地、しばらくすると仲元選手がガッツポーズ、何が起きたかと記録表示を見ると何と7メートル64、高校生が沖縄記録を22年ぶりに塗りかえました。その日の競技で3回も記録をつくりかえる快挙でありました。
そのほかに陸上競技では女子円盤投げと女子3000メートル競歩、男子5000メートル競歩で県新記録が出ましたし、重量挙げでは男子94キロ級で大会新記録、女子75キロ超級で県高校新記録が出ました。
また、南九州陸上や全九州高校体育大会における県勢の活躍はすばらしいものです。特に、南九州高校陸上は38種目中20種目で県勢が1位、38のうち20です。中部商業高校が男女総合優勝しています。2010年の全国高校総体に向けて競技力向上は大変明るく希望の持てるものですが、長距離競走はまだ全国との差が大きいと感じます。2010年の沖縄開催で球技や重量挙げ、ボクシングを初め陸上の短距離競争や跳躍、投てきですばらしい活躍をしても、5000メートルで1周も引き離されると県民の喜び、感動も半減してしまいます。
そこで質問します。
ア、県高校総体及び全九州高校体育大会、南九州高校陸上における各種目、選手の活躍について教育長の感想を伺いたい。
イ、長距離競走の強化について、現状と今後の対策を伺いたい。
次に、新石垣空港建設について質問します。
20数年も前、乗降客数が増加を続け航空機騒音がひどくなる中で、空港に近い八重山商工高校では空港の移転を求める声が起きていました。そしてそのころ、YS11型では輸送能力が限界となり、暫定ジェット化空港として1500メートルの滑走路を利用してきましたが、現在就航しているジェット機の離着陸には通常2000メートルの滑走路が必要と言われています。そのことが原因で1982年にはオーバーランによる機体の大破・炎上の事故も発生し、現在の空港では安全上の問題があることが明らかになりました。しかし、現空港の滑走路延長線上には国指定のフルスト原遺跡があり、空港周辺は住宅や学校等が密集し現空港の拡張は不可能な状況です。そのため空港を移設し、新石垣空港の建設をすることが八重山郡民の共通認識となり、出発点になったと思います。
それで最初の候補地が白保の海を埋め立てる案でありましたが、貴重なサンゴを埋め立てることに大きな反対運動が起こりました。その後に宮良案が検討されましたが、農地改良事業により整備された農地の問題と地域住民の反対で実現しませんでした。
そのような中から、大衆的な説明と討議を重ねつつ地元関係者を中心に学識経験者、自然保護団体等で構成された新石垣空港建設位置選定委員会の提言を受け、2000年4月にカラ岳陸上案が決定されました。建設位置をめぐって長年対立を続け、苦しみ悩んできた八重山の皆さんには大きな喜びであったと思います。
しかし、このような新空港建設の理由や経過を理解できない県外の人々が反対運動をし、新空港建設に対し誹謗中傷する発言やピント外れの批判を続けていることはまことに遺憾であります。
また、新石垣空港整備事業の早期事業化に関する要請決議を全会一致で決めた沖縄県議会の一員としてもこのような事態を見過ごすことはできません。
そこで質問します。
(1)、現空港は1500メートルの短い滑走路であるため拡張が必要であるが、空港の延長線上に遺跡があり、周辺は住宅や学校で密集し騒音と安全上の必要から移設することが共通の認識であり、出発点であったと思うが、県の所見を伺いたい。
(2)、環境影響評価に万全を期すことが大切であるが、どのように進める考えか。また、赤土流出防止が最も重要な課題だと思うが、その対策について伺いたい。
(3)、新空港建設の理由やこれまでの長い経過と地元の状況を理解できない県外のN国会議員は、新石垣空港建設をむだな公共工事と発言されている。そのことについて県の所見を伺いたい。
次に、県立芸大について質問します。
私は、国際交流財団及び人材育成財団の役員のころに県立芸大を数回訪問しましたが、先日視察調査をしてきました。元の琉大女子寮を利用した陶芸棟、染織棟は築43年、英語センターを利用した彫刻デザイン棟が築35年になり、ひび割れ、コンクリートの剥離が著しくなり、さびた鉄筋がむき出しになっています。応急的な補修や天井からの剥離したコンクリートの落下対策ネット等で当面の対処をしていますが、いつまでも放置できる状況ではありません。また、敷地も狭く、彫刻の実習等に対して隣接する住民から騒音苦情等が出ていますし、キャンパスも分散しています。それだけにもっと広い敷地を有する場所への移転を求める声が再び学内で起きています。平成11年にはワーキンググループの答申を踏まえて協議・検討を続けてきた移転を視野に入れた第2次施設整備構想を評議会で決定しましたが、県財政の悪化の中で県の計画として検討されるまでには至りませんでした。したがって、県財政の現状と芸大の実情を考慮すると、段階的移転等を含めた検討が必要ではないかと思います。また、移転実現には政府の支援が重要になると考えます。
そこで質問します。
(1)、県立芸大は、築40年以上や築30年以上の老朽化した一部の建物と狭い敷地等の問題があると思います。そのことについて県の所見を伺いたい。
(2)、県立芸大の発展を考えると、広い敷地への移転と老朽建築物の改築を同時に進める必要があると思います。そのことについて県の所見を伺いたい。
次に、基地問題について質問します。
米軍基地を抱える13都道県議会に日米地位協定の抜本的見直しを求める決議と意見書の採択を求めて知事、副知事が行動を起こしたことを評価するものです。
小泉内閣発足間もないころ、首相と当時の外務大臣、防衛庁長官が地位協定改定に前向きの発言をし県民に期待を持たせましたが、首相訪米後、運用改善で足並みをそろえた発言に変化し失望させられたことがあります。日本外交の主体性のなさ、アメリカ追随を強く感じたものです。
それと同時に、海兵隊移転報道に関して県が米国防総省に照会したことに対する官房長官の発言は、後日弁明したとはいえ政府の本音が見えた思いでありました。また、米比合同演習に際し、下地島空港を6回も変更して使用したことに対し社民党県連が抗議したときに、米軍は使用する権利があるとの大使発言も地位協定が原因であります。私たちはすかさず、だから地位協定を変えるべきだと言っている。政府が運用改善でいいと言うからこんなことになると反論しました。
運用改善の矛盾は、女性暴行事件等で加害の側が被害の側に好意的配慮で犯人を引き渡すことにもあらわれています。
東門美津子衆議院議員の質問で明らかになったように、米軍人・軍属による女性暴行事件が圧倒的に沖縄に集中しています。また、我が会派の伊波栄徳議員が代表質問で取り上げた軽油引取税も地位協定にかかわることです。
在日米軍専用施設の約75%が集中する沖縄、事件・事故が集中する沖縄が地位協定改定の運動を盛り上げ、全国に呼びかけて全国連帯の運動に発展させ、隣の韓国とも連帯してアメリカに広げていくことが求められています。
今、知事が全国行動を起こし、全国知事会、日本弁護士会、連合、自治労、JC等が地位協定改定に取り組む姿勢を表明している中で、大会を持ち県内の運動を盛り上げることが大事なときだと思います。
そこで3点質問します。
現在の地位協定改定の運用改善では限界があり、地位協定の抜本的改定が必要であると思います。そのために県内外での運動をつくっていくことが求められていると思います。そのことについて知事の所見を伺いたい。
(2)、犯人の日本側への引き渡しについて、加害者の米側が被害者の日本側に対し好意的考慮で引き渡すということについて知事の感想を伺いたい。
(3)、去る6月24日の衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会で、東門美津子氏の質問で女性暴行事件が県内に集中していることが明らかになった。そのことについて知事の感想を伺いたい。
次に、我が会派の代表質問との関連で質問します。
1、普天間飛行場代替施設について、政府が民間空港部分を県主体の事業にさせようとしているのは採算のとれない民間空港部分は政府にとってお荷物であり、県主体事業を打診することによって沖縄県に軍民共用空港をあきらめさせ、米軍専用施設にすることをねらっていると考えるが、県の所見を伺いたい。
2、水中爆破訓練について、国際法上認めざるを得ない、中止要請はできないとの外務省の見解について県の所見を伺いたい。
答弁の後、再質問します。
○知事(稲嶺惠一) 新里議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、義務教育費国庫負担制度の堅持についてでございます。
義務教育費国庫負担制度については、教育の機会均等と全国的な教育水準の維持向上に大きな役割を果たしているものと考えております。このような観点から、これまで全国知事会等において同制度の見直しに当たっては十分な税源移譲が講じられるよう要請してきたところであります。
次は、新石垣空港の建設についてお答えをいたします。
現空港は、航空需要の増加に対処するため昭和54年から暫定的なジェット化空港として供用開始されました。その際、ジェット化に伴う航空機騒音による住環境の悪化については、新空港ができるまでの間として空港周辺住民や学校関係者の了解をいただいた経緯があります。このため、空港周辺住民や学校関係者は現空港の拡張に断固反対するとともに新空港の早期建設を要請しております。現空港は北側に国指定のフルスト原遺跡が、南側には住宅や学校などが密集した市街地があり、遺跡保存や騒音問題、大規模な物件移転等の多くの課題から、現空港の拡張は極めて困難な状況にあります。
以上のことから、新石垣空港の建設は現空港の移設が原点であると考え、八重山郡民が選定したカラ岳陸上地区で建設計画を進めているところであります。
次に、地位協定に係る県内外での運動についてお答えをいたします。
日米地位協定の問題を国民一人一人がみずからの問題としてとらえてもらい、国民世論を盛り上げるために、県は6月から米軍基地を抱える主要な14都道県で構成する渉外知事会加盟都道県の議会議長及び知事への要請行動や、本土紙の一面を使った意見広告の掲載を中心とした全国行動プランを策定し、日米地位協定の抜本的見直しに向けた取り組みを行っているところであります。県としては、これら一連の行動により、地位協定の見直しの実現に向けてさらなる前進につながるものと考えております。
次に、代替施設における民間部分の事業主体についての御質問にお答えします。
県は、普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件として、「代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであること。」を提示しております。これを受け平成11年12月に閣議決定した政府方針の中で、「普天間飛行場代替施設については、軍民共用空港を念頭に整備を図る」と明記されております。代替施設は、軍民共用飛行場として一体的に整備されるものと考えており、県としては、代替施設の埋立事業等民間専用地区の整備については、これまでの経緯からも国が事業主体になるものと考えておりますが、今後関係機関と調整していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育長(山内 彰) 義務教育費国庫負担制度が廃止された場合に県として懸念されることについてお答えいたします。
現在政府が進めている「三位一体の改革」が去る6月27日に「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」、いわゆる「骨太の方針第3弾」として閣議決定されました。同方針の改革工程の中で、義務教育費国庫負担制度については平成16年度中に、義務教育費に係る経費負担のあり方については平成18年度末までに国庫負担金全額の一般財源化について所要の検討を行うとしております。
改革方針の各論と具体的な措置内容は、中央教育審議会における義務教育制度のあり方についての検討結果等を踏まえつつ政府が改革工程期間内に示すことになりますが、一般財源化に伴う財源措置のあり方によっては地方の負担がふえることも考えられ、その結果、都道府県の財政力格差により教育の地方格差が生ずることが考えられます。とりわけ、僻地指定の学校が約40%を占める本県においては教職員の確保や学級編制に要する経費の負担増等その影響は大きなものがあると考えられます。このため、これまで九州地方教育委員長協議会や教育長協議会等を通して同制度の根幹の堅持について関係機関へ要請してきたところでありますが、今後とも国の動きを注意深く見据えながら、必要に応じて各県とも連携して要請行動を展開していきたいと考えております。
それから、県高校総体等における選手の活躍についての教育長の感想及び長距離競走の強化についてでございますけれども、本県の高校生の活躍をたたえる御質問に感謝申し上げ、一括してお答えいたします。
平成15年度県高等学校総合体育大会や全九州高等学校体育大会等では数多くの入賞を果たし、すばらしい成績を上げ競技力の向上が見られました。
県内での高校総体ではウエートリフティング競技や陸上競技の男子走り幅跳び、女子円盤投げ、ハンドボール競技のほか、空手道競技等で全国トップレベルの熱戦が展開され、全国大会優勝が期待できます。また、全九州高等学校体育大会では団体で2競技、個人9種目に優勝しております。さらに、南九州高校陸上競技大会においては、先ほどの御説明のように38種目中実に20種目を制覇し、中でも中部商業高等学校が男女ともに総合優勝するなど輝かしい成績が見られました。
このような本県高校生の活躍は、児童生徒を初め県民に勇気と自信と誇りを与えるものであり、まことに心強く、頼もしく感じております。まさに教育ブランドは人材の育成ではないかと実感しております。と同時に、その成果の裏には指導者の多大な努力と技術指導があることに対し誇りを感じております。
なお、各競技種目で活躍が見られる中にあって、御指摘の長距離競走においては九州・全国レベルにはいまだに届かず苦戦を強いられております。したがって県教育委員会では、長距離競走の強化が本県競技力向上の課題であると考えて、その中長期的な対策として、沖縄陸上競技協会の駅伝強化プロジェクトチームや地域の競技クラブ等と連携を図りながら、ジュニアからの一貫指導体制の確立、そして指導者の養成・確保等に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 新石垣空港建設についての、環境影響評価手続と赤土流出防止対策についての御質問にお答えいたします。
新石垣空港の建設に当たっては、周辺地域の自然生態系への配慮や貴重種等の保全対策が重要であります。そのため、環境影響評価法に基づき環境アセスメントを実施しており、方法書の手続は終了し、現在、準備書作成に向けて作業を進めているところであります。
赤土等の流出防止対策については、学識経験者等で構成された「新石垣空港建設工法検討委員会」において検討されている濁水の発生抑制工、濁水処理対策工等万全の対策を講ずる計画であります。
次に、公共事業としての新石垣空港建設についてお答えいたします。
離島にとってライフラインとなる空港は、島民生活の安定、離島振興等の観点から安全で適正な規模の空港整備が必要不可欠であります。石垣空港は、全国の2000メートル以下の空港の中で貨物量、旅客数ともに第1位と非常に利用度の高い空港で、今後さらに航空需要は増加するものと予想されています。しかしながら、現在、滑走路1500メートルのまま暫定的なジェット化空港として供用しているため安定運航上、重量制限が課せられ、農水産物の積み残しが生じる等八重山圏域の産業振興の課題となっております。また、現空港周辺は航空機騒音により住環境の悪化が進んでいます。
新石垣空港の建設は、これらの諸問題を解決し、重量制限解消により農林水産業者の生産意欲を高め、供用後における関連産業の波及効果等八重山圏域の振興・発展に大きく寄与するものであります。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 県立芸大の老朽化した校舎の改築と大学の移転について一括してお答えをいたします。
沖縄県立芸術大学の美術工芸学部の一部校舎につきましては、旧教育センター施設及び旧琉球大学女子寮施設を改修して利用したため既に築後35年から43年を経過し老朽化が進んでおり、改築が必要になっております。県立芸術大学においては、平成11年1月に「沖縄県立芸術大学第2次施設整備構想」を策定し、平成12年1月に県文化環境部文化国際局長あて、同構想の推進及び危険建物対策等の措置についての要望を提出しており、その中で狭隘で分散しているキャンパスを一つにまとめて段階的に全学移転することを要望しております。大学の設置者である県としましては、将来、新たな整備計画の検討が必要であることを認識した上で、奏楽堂や附属研究所等築後6年から18年の新しい施設があること等から、当面は老朽校舎の改築に取り組むことを考えております。老朽校舎の改築に当たっては、現在の芸大の敷地が狭隘であることに加えて、都市計画法に基づく第一種低層住居専用地域内であること、また那覇市都市景観条例に基づく都市景観形成指定地域内であること等建築上の制約があります。また、第1・第2キャンパス、第3キャンパスに分散しているため、教員や学生の移動等に不便であること等種々の課題があります。
県としましては、当面の課題である老朽校舎の移転・改築の必要性や現在地での改築の可能性を見きわめるとともに、芸大からの要望や将来構想、さらに県の財政状況等も勘案した上で芸大の改築・移転等について検討していく考えであります。
○知事公室長(新垣良光) 米側の「好意的配慮」についてお答えいたします。
平成7年10月の日米合同委員会合意では、殺人または強姦という凶悪な犯罪の特定の場合に日本側が行う被疑者の起訴前の拘禁の移転について、合衆国は、好意的考慮を払うと規定されており、その判断基準が米側にゆだねられていることについて極めて不十分な合意内容であると考えております。このような地位協定の運用改善では限界があることは明らかであり、地位協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。
県内の米軍人等による女性暴行事件の集中についてにお答えいたします。
県警の統計資料によると、昭和48年から平成14年までに県内で発生した米軍人等による強姦事件の検挙件数は111件に上っており、極めて憂慮すべき事態であると認識しております。このような事件は女性の人権を踏みにじる凶悪な犯罪であり、断じて許すことができない事件であります。県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る観点から隊員の綱紀粛正及び教育の徹底等を強く求めるとともに、三者協や協力ワーキングチーム会合において米軍人等による事件・事故の再発防止に向け、実効性のある対策が講じられるよう関係機関とも協力しながらさらに努力していきたいと考えております。
以上です。
○農林水産部長(諸見武三) 代表質問との関連で、米海軍の水中爆破訓練に対する県の考え方についてお答えいたします。
沖縄周辺海域における爆破訓練は、本県のマグロはえ縄やソデイカ釣りなどの漁業に従事する漁船の安全操業などに多大な影響を及ぼすことが懸念されております。このため、県では平成15年5月8日に在沖米海軍艦隊活動司令部並びに外務省沖縄事務所に対し、水中爆破訓練の中止を要請したところであります。また、九州地方知事会を通して、国に対しても米国に水中爆破訓練等危険な軍事訓練の中止を申し入れるよう要請しているところであります。県としましては、漁船の安全操業などの確保のため今後ともこのような姿勢で臨みたいと考えております。
以上でございます。
○新里 米吉 1点質問をし、あと要望をしたいと思います。
普天間代替施設の民間空港部門の事業主体については、恐らく県も国もどちらも採算がとれないという認識があってのことだろうと思っていますね。
ですから、どちらも、国の方も県が主体になれと、県も国が主体になれと。こういうことがやはり根底にあるのではないかと思っているんですが、知事の所見を伺いたいと思います。
それから芸大の移転ですが、現在地で改築をしてしまうと築1年になっちゃいますね。築1年になるともう移転は実際上できないということにもなりかねない。行政をやっている人ならこれは当然の判断だと思うんです。ですから確かに古くなっているけれども、今やっていいのかどうかという問題は当然出てくるわけですね。それだけに芸大側の要望も聞いて、構想も聞いて双方で話し合いしながら、どういう方法がいいのか、私はむしろ個人的には移転計画をしっかり持って、その中でこの問題をどう処理していくかというのをやらないとこれは後でかえって大きな問題になるだろうと思いますので、そこら辺を要望しておきます。
○知事(稲嶺惠一) 今、新里議員の方から再質問で、事業主体ということで、そこで県が拒否をしているのかということがありましたけれども、これは事業主体というのは、実は事業というのは一体的に整備されるものでありますから、これは採算の問題では実はないんです、一体的にされるものですから。
○新里 米吉 あとの分野のことを聞いている。
○知事(稲嶺惠一) だからお答えとしては採算の問題ではございません。
○兼城 賢次 所見を述べながら質問をいたします。
有事法が成立し戦争のできる国になりつつあります。沖縄戦が県民を巻き込んだ地上戦だったことが、他府県にはない「慰霊の日」に見られるセレモニーであります。沖縄で学ぶ他府県の出身の若者が、平和の礎や魂魄の塔で見た手を合わせているオジーやオバーの思いに圧倒され戸惑ったといいます。これは沖縄の抱える歴史であります。沖縄戦の悲惨さもアメリカのイラク攻撃の実態もむごいものであります。有事法が成立したとはいえ、沖縄戦やイラク戦争を繰り返させてはならない。
米軍人の事件・事故が続発しております。そのたびに米軍側は、まことに遺憾に思い、国、県は綱紀粛正、再発防止を申し入れてきました。事件・事故もさまざまですが、どれも県民生活にとって身に迫るものであり、一歩間違えば大惨事に至るところであります。
金武町で5月25日に発生した女性暴行事件は、人間の尊厳にかかわることであります。このような事件がたびたび発生するのも、米軍当局がいかに遺憾に思い、国、県が綱紀粛正、事件の再発防止の要請もその場限りのものでしかありません。米軍基地があるがゆえでありますが、被疑者の身柄引き渡しも起訴前にはままならない現状で主権国として情けないところであります。
6月20日の普天間飛行場でのCH─53ヘリコプター機の事故は、フェンスを一つ隔てたところは住宅密集地であります。これこそ危険きわまりないことであります。
そこでお聞きいたします。
今回の事件について知事の所見をお伺いいたします。
次に、普天間飛行場の移設準備への対応についてお伺いいたします。
受け入れ条件が明確にされぬまま辺野古海域は着工へ向けて進められておりますが、着工ありきで政府の思惑どおり進行させております。振興策の前になすことなく基地を受け入れる知事の姿が見えますが、自然環境の厳正な保護が位置づけられている海域で環境影響評価前に海底地形測量でボーリングや音波など環境に影響が出てくる可能性すらあります。県は、環境アセスメントの面からも対応すべきと考えるが、知事の所見をお聞かせください。
次に、海兵隊の国外移設についてお伺いをいたします。
ロサンゼルス・タイムス紙の海兵隊1万5000人を撤退させ、オーストラリアに移転させるとの報道がありました。この報道の前に、米軍がオーストラリア国内への海兵隊の駐留を検討していることをオーストラリアの地元紙は伝えております。ワシントン・ポストが同様なことを伝えております。全世界的な米軍配置見直しの一環として位置づけられております。
ロサンゼルス・タイムス報道の事実確認をした県の対応に福田官房長官は、不快感を示したと伝えられましたが、後日、それは県への不快感ではなく、マスコミに対してだと釈明をされております。発言のやりとりがマスコミに対してか、県の対応に対するかは明らかであります。ロサンゼルス・タイムスの報道が具体的計画ではないにしても、冷や水をぶっかけるような政府の対応は、沖縄への政治的姿勢と見ることができましょう。米高官がそういった考えはないと否定をし、憶測記事だとしながら、現在進められている米軍再配置が検討されていることすら打ち消しかねないアメリカの気配りがあります。
去る6月6日、フィリピンのアロヨ大統領は、海兵隊の訓練移設受け入れを明らかにしました。これまでアメリカ議会調査局や海兵隊トップは、沖縄の海兵隊の訓練をグアムや日本国内の他基地に移動することを可能としておりましたが、日本政府は、陸海空の3施設が一体として機能しているから県外移設は困難として県外への訓練移設を阻んできました。
そこでお聞きいたします。
基地の整理縮小や地位協定を含め日本政府の対応こそ改めなければならないと思いますが、知事の所見をお聞かせください。
次に、キャンプ・コートニーのクレー射撃場跡地の鉛汚染についてお伺いをいたします。
海兵隊は、環境調査を実施をし、海岸の砂や海中の沈殿物などの鉛の濃度は基準以下としてヒジキへの影響は基準値がないとのことでありました。稲嶺知事は那覇防衛施設局長に対し、キャンプ・コートニーにおける旧クレー射撃場から発生した環境問題の解決促進について5点の要請をいたしました。防衛施設局は、米軍の補完的調査として県が求めた5点の要請のうち、2点は調査したものの、周辺海域に残存する鉛弾の除去、レンジ跡地の土壌浄化、周辺海域及びビーチにおけるモニタリング調査の継続実施はされずにそのままの状態にあります。
沖縄環境ネットワークから、沖縄県独自の在具志川市米軍キャンプ・コートニーのクレー射撃場跡地並びに周辺海岸域における鉛の環境影響調査の実施を求める陳情がなされております。そこでも指摘されておりますが、沖縄県環境審議会は、知事に対し、平成14年度公共用水域及び地下水逝域の水質測定計画(案)に基地周辺の鉛その他による汚染が懸念される地域の調査について検討を行うことが附帯意見として答申され、県の担当部も米軍に調査申し入れをいたしているようでありますが、いまだに実現せぬままに至っております。米軍の調査報告でも約49トンの鉛弾がレンジ跡地及びその周辺海域に堆積していること、土壌が日本環境管理基準の基準値を大きく上回っていることなどが明らかにされています。
知事が2001年9月18日付の那覇防衛施設局長へ要請されたキャンプ・コートニーにおける旧クレー射撃場から発生した環境問題の解決促進について対応されていない項目にどのようになっているのか、その後についてお聞かせください。
次に、農業問題についてお伺いいたします。
これまでの航空機中心の農産物の県外出荷の大きな課題は、輸送コストが高いことであります。農家にとって値段が低迷したときも、値段に関係なく輸送コストはかかるわけですから深刻な問題であります。
県は、2000年度から県外への販売体制を図るためにJRコンテナ活用事業を始めました。事業初年度にスイートコーンを輸送し、東京の市場からは品質保持の面では問題ないとの評価を受け、JRコンテナ輸送の第一関門をクリアされております。
そこでお聞きいたします。
JRコンテナの取り組み状況についてでありますが、平成12年度から13年度、14年度の輸送の割合──これは航空貨物輸送との割合でございます──輸送上の問題点があるとすればどのようなことがあるか、示していただきたいと思います。
我が会派の伊波栄徳議員の代表質問との関連で質問をいたします。
15年使用期限を確実に約束させることができますかとの質問に対して、知事は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているもので、国の責任において解決なしに着工はあり得ないことで、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと15年使用問題について繰り返し答弁してきました。その根拠を閣議決定された政府方針であり、政府においてもしっかり受けとめられている、第1回代替施設建設協議会において外務大臣は非常に重く受けとめられ、真剣に取り組むとの趣旨の発言があったようであります。
県民は、日米地位協定について幾度となく日本政府に改正の申し入れ要請をしてきました。日本政府が一度もアメリカと協議をされてないことを知って憤りとともに、あきれ返ったのではありませんか。
橋本元首相は沖縄担当大臣のとき、15年使用問題で米国へ正確に伝えるが、現実に非常に難しいと県に話したと。今、国際情勢が厳しい中でもっと難しいと述べています。
知事は国の責任で解決すべきだと言いますが、国はやる気がない、担当大臣はアメリカに伝えるだけ、どうして15年問題が知事が述べられている一定の方向性が出てくるのか。また、一定の方向性というのも抽象的でおかしなものです。一定の方向性とはどこを向いた方向性なのか。
そこでお聞きいたします。
日本政府は、アメリカとまともに15年使用問題を協議されたことがありますか、お聞かせください。
○知事(稲嶺惠一) 兼城議員の御質問にお答えいたします。
最初は、海兵隊の国外移設についての御質問に対するお答えでございます。
海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減については、県の要望を受ける形で策定された沖縄振興計画において「在沖米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していく」と明確に位置づけられております。このことから、県としては、政府において早急に米国政府と協議していただく必要があると考え、昨年8月26日に小泉総理大臣を初め関係大臣に対し、米軍基地の整理縮小及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減を強く要請したところでありますが、去る5月23日の日米首脳会談においては、両首脳が沖縄の負担軽減の重要性につき一致したとのことであります。
県としては、これまでにも基地の整理縮小とあわせて海兵隊の訓練の移転及び米軍兵力の削減を強く求めてきましたが、今後とも海兵隊をめぐる国内外の動向を注視しながら正確な情報の収集に努めるとともに、あらゆる機会を通じて日米両政府に対し強く訴えていきたいと考えております。
次に、農業問題で、JRコンテナ活用を含めた輸送コストの低減対策についてお答えをいたします。
本県の農業振興を図るためには、農産物の輸送コスト低減が重要であります。そのため県としては、低コスト輸送ルートの開拓を図るため平成12年度から船舶とJR貨物を活用した調査・実証輸送事業に取り組んでいるところであります。その結果、菊などの品目が航空輸送から船舶輸送への移行が促進されたことにより輸送コストの低減が図られております。
花卉の出荷団体の実績で見ますと、菊の鹿児島、東京ルート等の船舶輸送が平成12年度の20%台から、平成14年度には40%台に増加しております。また、平成15年度から戦略的県外輸送システム確立事業により、これまでの事業の成果を踏まえたさらなる物流の効率化を図ることとしております。具体的には、1、野菜・花卉等の包装資材の改善による積載量の効率化、2、共同輸送による輸送の効率化、3、船舶、JR、航空の組み合わせによる輸送コスト低減対策など総合的な輸送対策を講じていくこととしております。
今後とも、出荷団体が実証事業の成果を踏まえて低コスト輸送に取り組めるよう対応を強化していく考えであります。
次に、代表質問との関連で、15年使用期限問題の日米交渉についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているものであり、国の責任において解決されるべきものと考えております。
先月23日に行われた日米外相会談で、川口外務大臣はパウエル国務長官と会談し、使用期限の問題を取り上げ、今後とも協力していきたい旨述べております。これまで2プラス2(日米安全保障協議委員会)等でも取り上げられてきており、外務大臣は本年1月に開催された第1回代替施設建設協議会で真剣に取り組む所存であると述べていることから、今後も引き続き日米間で協議が行われるものと考えております。基地の提供責任を有する日本政府にあっては、使用期限の問題を含め沖縄の基地問題をしっかり受けとめることが重要であり、政府としてなお一層の取り組みが必要であると考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 米軍人の事件・事故についてにお答えいたします。
県としては、どのような地域社会においても事件・事故は1件たりともあってはならないと考えており、これまでにも事件・事故が発生するたびに米軍や日米両政府に対し綱紀粛正、事件の再発防止及び兵員教育を徹底するよう強く申し入れてきたところでありますが、それにもかかわらず事件が後を絶たないことは残念であります。県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る観点から隊員の綱紀粛正及び教育の徹底等を強く求めるとともに、三者協や協力ワーキングチーム会合において米軍人等による事件・事故の再発防止に向け、実効性のある対策が講じられるよう関係機関とも協力しながらさらに努力していきたいと考えております。
普天間飛行場代替施設に係る地形調査への影響についてにお答えいたします。
那覇防衛施設局が実施している現地技術調査は、護岸構造検討に必要な地形、海象、気象及び地質のデータを収集するために実施するとのことであり、地質調査及び海象調査については、現在、調査地点の位置等についてジュゴンや海草藻場、サンゴへの影響を可能な限り回避または低減するため調査予定地点周辺の海底の状況を踏査し、基礎資料の収集を行っているところであります。今後は踏査結果を踏まえ、専門家の助言を得て地質調査及び海象調査に係る作業計画を取りまとめ、所要の準備を経た後、逐次実施していくことを予定しているとのことであり、県としては自然環境への影響を極力少なくするよう要望しているところであります。
キャンプ・コートニーの鉛汚染についてにお答えいたします。
キャンプ・コートニーにおける環境汚染問題については、地元具志川市を初め周辺海域の漁業従事者からその解決方について日米両政府に対して要望がなされており、県においても平成13年9月18日に同問題について要請を行っております。その後、那覇防衛施設局は、平成14年3月9日から29日までの間、平成13年に米側が実施した調査の結果を踏まえた補完的調査として食品としての安全を確認するための同水域のヒジキの鉛含有量の調査を実施しております。国は、同年6月21日に当該調査結果を発表し、食品衛生上の観点では人の健康に影響はないとしています。
県としては、今後とも地元具志川市等と連携しながら周辺海域に残存する鉛弾の除去、レンジ跡地の土壌浄化、周辺海域及びビーチにおけるモニタリング調査の継続実施について早急に取り組んでいただくよう国に働きかけていきたいと考えております。
以上でございます。
○兼城 賢次 知事、事件・事故が発生するたびに同じことを繰り返しているものですからこのことを申し上げているわけですが、今回は特に私は知事の対応について疑問を持っておりまして、この疑問と申しますのは、5月30日に既に非公式とはいえ事件を承知している。ところがその後の報道がなかったわけですが、まず1つ再質問することは、今回、女性暴行事件について知った後の対応が十分ではないと思うんですが、米軍の事件・事故が発生した場合、とりあえず知事の対応すべきこと、やるべきことはどういうことだというぐあいに理解すればいいのか、ひとつ御説明を願いたいと思います。
それから、キャンプ・コートニーの件ですが、基地の周辺が汚染されて人体にも危険があるということでこれを取り上げているわけでございます。今回の鉛弾だけではなくして、これまでも劣化ウランの問題であるとか、104号線を封鎖しての不発弾の問題だとか、こういう汚染や不発弾の問題についてもこれからの対応として一つ一つやらなければ、要請をするけれども、要請した後はもう何もしないということがこれまであるものですから、決してそのままするんじゃなくして、今回のキャンプ・コートニーの件もぜひ目に見えるものを見せていただきたいということで、再度県の方で取り組んでいただきたいということであります。
それから、県外、国外への移設の問題についてですが、知事はこれまでずっと要請をしてきたということですが、今回の問題は特にロサンゼルス・タイムスの報道があって、それを国防総省に県は問い合わせをしているわけです。その中で報道に対して、国がいきなり、日本の側が、国を越えてそういう問い合わせをするのは何事かということで県に対する不満があったと思うんですが、たとえこの報道が最終決定ではないにしても、以前、大田前知事がよく言っておったことは、情報を収集してどう対応するかということをいつも言っておりました。今回のロサンゼルス・タイムスやあるいはワシントン・ポストの報道といいますのは、米国は沖縄から海兵隊を削減させることも考慮しているということを言っているわけですから、このことについて、何も日本政府がああいうことを言ったからということでそれを取り消すのではなくして、今回の海兵隊の撤退問題についてももっともっと日本政府に対応すべきじゃないかということで申し上げているわけです。
それから、農産物について申し上げたわけですが、具体的な数字として15年が最終の計画になるわけですが、具体的な数字として挙げていただきたいということを申し上げたわけですが、この輸送問題といいますのは農業の一番肝心なネックと言われていたことですから、ぜひ数字を示して説明していただきたいなと思っております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後2時54分休憩
午後2時56分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の再質問にお答えいたします。
一般論として事件・事故を知った後の対応はどうするかということですが、これは担当部署が対応しているか否かによりまして、まだの場合は即座に指示をいたします。
次に、撤退の問題に関して、情報は十分に集めるべきだということで、人の思惑は気にせずということでございますが、これは情報を集めるということは大変重要なことだと思って常に食指を動かしまして、ありとあらゆるところから情報収集には努めております。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
キャンプ・コートニーの件ですが、要請した後の対応についてお答えいたします。
県としては、今後とも地元と連携しながら周辺海域に残存する鉛弾の除去、レンジ跡地の土壌浄化、周辺海域及びビーチにおけるモニタリング調査の継続実施について早急に取り組んでいただくよう国に働きかけていきたいと考えております。
○農林水産部長(諸見武三) JRコンテナ活用を含めた輸送コストの低減対策についての具体的な数字を示してほしいとの再質問にお答えいたします。
花卉団体の年度別の実績例で申し上げますと、平成12年度は船舶輸送が20%台でございます。それから平成13年度は30%台でございます。それから平成14年度は40%台ということで船舶輸送が拡大されているということでございます。
以上でございます。
○兼城 賢次 知事、こういう米軍人の事件・事故が発生したときの知事の最初に対応すべきことは何かというと、今、知事の答弁は、部下に指示をすることだということをおっしゃっているわけですが、今回の事件を見てみますというと、少なくとも公式であれ非公式であれ、知事は5月30日に事件を承知しております。非公式であろうが公式であろうが事件の事実には関係ないわけですから、そういうことで公式の通達があるまで、通報があるまで部下に指示をしないということは、本来のやるべきことというのは指示をするということを言っておりますが、何を指示するかとさっきお聞きしましたら、何を対応することが一番大事なのかということを聞いているわけですが、どういうことを指示するのかと、知事として何をやるべきかということを聞いているわけですから、それをひとつ答えていただきたいわけです。
少なくとも、知事のマスコミからの状況からすれば、捜査に影響を与えちゃいかぬというけれども、これは警察の方で十分被害者や被疑者に対する配慮をしながら捜査をするわけですから、知事がそういうことでもって今回の事件の対応について疑問を持たれるようなことではないと私は思います。
それと15年使用問題ですが、たびたび外務大臣や日米会談で取り上げたことは取り上げたかもしらぬけれども、具体的な協議がなされてないというから、そういう協議があるのかどうかということを聞いているわけでありまして、そういう伝えたり協議があったということはそれは我々も知っています。しかし中身のことが議論されてないし、先ほどの日米地位協定の問題もあるわけですから、これについて明らかにしてもらいたいということです。
それと……
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時2分休憩
午後3時2分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
○兼城 賢次 国外へのそういう演習の移転の問題についてこれまでもずっと要望しながらやっていることについてですから、あえて15年使用問題で今指摘をされたわけですが、要望として1つ聞きます。
要望の面で15年使用問題と空港問題は同じような形でセットになっているのかどうか。ということは、15年使用問題と軍民共用の問題は同じようなセットになっているのかということです。
○知事(稲嶺惠一) それでは、対応に何をするのかということでございますが、まずは情報を各部署から的確にスピーディーにとるということが重要でございます。それとともに関係各部局、対米軍、そして外務省、そして防衛庁、その他関係各部局に抗議をするということでございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後3時5分休憩
午後3時31分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
平良長政君。
〔平良長政君登壇〕
○平良 長政 一般質問を行います。
まず、我が会派の代表質問との関連で、イラク復興支援特措法についてお伺いいたします。
まだ戦闘が続いている地域への自衛隊派兵問題も当然ありますが、それ以前の問題としてイラク戦争とは一体何だったのかをまず問わなければなりません。
アメリカは、大量破壊兵器の脅威をあおって開戦に持ち込みましたが、いまだに大量破壊兵器は見つかっておりません。イラクは本当に大量破壊兵器を保有していたのか、情報操作をして戦争に突入したとしてブッシュとブレアは批判の矢面に立っております。
そもそもイラク復興支援とは何でしょうか。戦争で破壊して復興させる。爆弾で橋を壊して、また橋を建てかえる。たたいて破壊すればするほど復興には金がかかり、もうかる。その復興資金に群がるのがアメリカの企業であります。ブッシュ政権はことし初め、共和党やブッシュ大統領に巨額な献金をしているベクトル社を初めとするアメリカ大手6社と復興工事契約を締結していたことが明るみに出ました。戦争前に契約を交わしていたのです。
政府と癒着した死の商人が戦争を推進し、巨額の利益を得るブッシュの戦争の本質が見えます。戦後復興についても、血を流したのはおれたちだから、利権にあずかるのもおれたちだと言ってはばからないアメリカ、イギリスであります。
そして、ブッシュを後押ししているのがネオコン(新保守主義)です。世界制覇を夢見る勢力の台頭です。核を持っていてもイスラエルやパキスタンのように親米政権であれば保護し、イラクやイランや北朝鮮のようにアメリカの言いなりにならなければ悪の枢軸国としてたたきつぶす。シリア、リビア、イエメンなどのアメリカの言うごろつき国家もねらわれています。
フセイン政権は、独裁政権で確かに悪いかもしれません。しかし、悪いからといって民主化を旗印に先制攻撃を仕掛ける権利や、他国に攻め入って政権交代をさせる権利はアメリカにはないはずです。フセイン打倒や民主化はイラク国民に任せるべきで、主権国家への内政干渉は国際法上も許されるものではありません。
中東きっての親米家ムバラク・エジプト大統領さえも、この戦争は100人ものビン・ラディンを生んでいると述べています。国際ルールを守らない、これがイラク戦争であります。
さて、稲嶺知事、イラク支援法について我が会派の伊波栄徳議員への答弁では、さまざまな意見があり慎重かつ十分な議論が必要だというものでありましたが、さまざまな意見があることは承知しておりますが、米軍基地の集中する沖縄の県知事としての考え、所見をお伺いしたいと思います。しっかりと反対を表明すべきであると思いますが、どうでしょうか。
あとは順次通告に従い質問いたします。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、日米地位協定改定について。
ア、知事の米軍基地のある都道府県への要請を評価するものでありますが、反応はどうですか。
イ、JCや自治労の全国的運動展開についてどう評価していますか。
ウ、日米両政府を動かすには県内世論形成が大事であります。知事の主導で県民大会を開催すべきと考えていますがどうですか。県民大会には韓国の代表もお呼びしたらどうでしょうか。
実はきょう、琉球新報の夕刊に出る予定になっているそうでありますが、それによりますと稲嶺知事は連合沖縄の狩俣会長と10月5日県民大会開催時期の調整をしているという報道がなされるようですが、それについてはどうでしょうか。
(2)、海兵隊削減について。
ア、在沖米海兵隊削減計画という米紙報道がありましたが、削減の展望はどうですか。
イ、米紙報道をめぐる県対応への福田官房長官の「不快感」発言について知事の感想を求めます。
(3)、宜野湾市長選について。
ア、5年内返還、国外移設を主張した伊波洋一氏当選をどう見ていますか。
イ、知事は、普天間基地の県内移設反対、5年内返還を主張する新市長とどのように対応されますか。
ウ、5月23日の日米首脳会談で一致したと言われる沖縄の負担軽減の中身は何ですか。伊波市長の主張する普天間の県外移設が一番の沖縄の負担軽減となるのではありませんか。
(4)、有事法案の成立について。
国民的議論も不十分のまま、国会審議でなく与党と民主党の密室協議で法案ができ上がり、有事三法が6月6日成立をいたしました。
復帰31周年の記念すべき5月15日に衆院で採決されたとき、反対討論に立った我が党の今川正美衆議院議員に対し自民党席から、非国民、売国奴と罵声を浴びせられたと言われております。戦争前夜の様相を見せております。アジアに対する侵略戦争の反省に立って戦争放棄を誓ったはずの日本が、この法案成立によって再び戦争をする国へと転換してしまったのであります。
そこで質問ですが、ア、この法案成立についての知事の所見をお伺いしたい。
イ、沖縄への影響についてはどうですか。
(5)、イラク戦争で使用された「第二の対人地雷」と言われるクラスター爆弾の自衛隊那覇基地配備について。
ア、航空自衛隊はクラスター爆弾をいつからどれだけ購入していますか。那覇基地にはいつからどれだけ配備されていますか。
イ、96年に国連人権委員会でその製造・使用を禁止する決議も採択されています。専守防衛であるはずの自衛隊がこの残虐な兵器を何のためにどういう場面で使うのか。その目的が納得できるものでなければ知事は撤収を強く申し入れるべきと思いますが、どうですか。
2、教育行政について。
ああ、弟よ、君を泣く、 君死にたまふことなかれ。
末に生れし君なれば 親のなさけは勝りしも、
親は刃をにぎらせて 人を殺せと教へしや、
人を殺して死ねよとて 廿四までを育てしや。
これは御存じの与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」の一節であります。
このような肉親を案ずる気持ちまでが非国民と弾劾されました。教師は愛国心を鼓舞し、生きて帰ってくるなとたくさんの教え子を戦場に送り出しました。
このようなさきの大戦の反省の上に立って新憲法のもと、教育の力で平和と民主主義を培う決意を示したのが教育基本法であったと思います。
イラク攻撃が強行された3月20日に教育基本法の骨抜きを図る中教審答申が出されました。学力優先の受験競争に疲れ切った子供たちの声が聞こえなかったのでしょうか。いじめで非業の死を選んだ子供たちの痛ましい声は届かなかったのでしょうか。さきの大戦であたら若い命を奪われた若者の声をしっかり受けとめる人はいなかったのでしょうか。
この答申は、今問題となっているいじめや不登校の子供たちをいやし、個性を大事にした豊かな教育を目指すものではありません。憲法改悪をするための準備として国家に対する忠誠を、そして愛国心、すなわち国民が国家のためにすべてをささげる精神を誓わせ、戦争に反対しない人づくりのためのものではありませんか。今必要なものは、教育基本法の改正ではなく同法の確固たる実践、すなわち30人以下学級や統合教育や「子どもの権利条約」などの速やかな達成や履行ではないかと思います。
有事法制を急ぎ、教育基本法の改正を急ぐ理由は一体何でしょうか。同答申に対する知事及び教育長の見解を求めます。
3、障害者支援費制度について。
(1)、ことし4月から導入された同制度で何が変わったのか。
(2)、サービスを選べるだけのサービス基盤、供給体制は十分か。
(3)、ホームヘルプの上限問題もありましたが、実施主体となる市町村にニーズに応じた支給ができる財源が保障されるか。市町村の持ち出し分はないか。
4、商工行政について。
(1)、新型肺炎(SARS)による観光業界の落ち込みの影響とその救済策はどうなっているか。
(2)、沖縄デジタルアーカイブ事業の内容とその事業での県内コンテンツ産業の育成はどうなっているか。運営方法等を理由に3企業体参加辞退等の新聞報道もありましたが、どうなっていますか。
(3)、政府の「構造改革特区第3次募集」に再提案される名護市のキャプティブ保険などに対し、県は実現に向け名護市任せでなく県全体のものとして支援すべきではありませんか。そのため、政策協議会に持ち込んででも解決する姿勢を示すべきではありませんか。
5、バス問題について。
(1)、バス4社統合は現在とんざした状況にありますが、県の統合への消極姿勢にこそその原因があるのではありませんか。
(2)、これまでの統合案に難色があれば、県民の足を守る立場から実現可能な県案を出すべきではありませんか。
(3)、那覇交通株式会社はついに6月20日、民事再生の手続を開始いたしました。県は、このことをどうとらえていますか。責任を感じていますか。
(4)、今後のバス4社統合の可能性はどうですか。沖縄バスを除いた3社統合の可能性はどうですか。
(5)、4社統合が不発に終わりましたが、モノレールとバス結節はどの会社と接触を持っていますか。
(6)、モノレール導入に伴うバス労働者の余剰人員対策は万全ですか。
(7)、バス車内広告会社のモノレール導入による損失補償についてはどう考えていますか。
6、美ら島環境クリーン作戦について。
(1)、県警は、去る5月から県当局とタイアップして「美ら島環境クリーン作戦対策本部」を設置して、不法投棄等環境犯罪対策を強力に推進しているとの報道がありましたが、その作戦の目的、内容、具体的な取り組み方法等についてお伺いをいたします。
質問は以上ですが、答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 平良議員の質問にお答えいたします。
最初は、地位協定見直し要請行動の反応についてお答えいたします。
県は、去る6月の上旬から北海道を皮切りに福岡県、神奈川県、長崎県、東京都を直接訪問し、地位協定の見直しに関する要請を行ったところであります。
その内容は、各都道県議会に対しては、地方自治法に基づく意見書の採択等をお願いし、各都道県へは、当該議会における意見書の採択等の取り組みへの支援をお願いしたところであります。各都道県から前向きに取り組んでいきたいとのお話を伺い、非常に心強く思っております。今後、残り8県の訪問を予定しており、各県の協力によって日米地位協定の抜本的見直しに向けての全国的機運が高まるものと期待しております。
続きまして、県民大会の開催についてお答えいたします。
県民大会を開催するためにはより効果的なタイミングを図ることが大切であると考えており、県民の盛り上がりや大会の規模などを十分に考慮しながら、各界各層を網羅した全県的な大会になることが必要であると考えております。
ちなみに、平成7年の県民総決起大会は、県議会全会派が提起して取り組みがスタートし、県議会議長を実行委員長として53市町村と各議会、主要な経済、労働、市民団体など320団体から成る超党派の実行委員会が組織され、その結果、多数の一般市民が参加した画期的な大会が実現したものと理解しており、県民が主体となった取り組みが必要であると考えております。
先ほど、きょうの新聞に出るという記事のお話がございましたが、私は聞いておりません。逆に、さっきマスコミからちょうど休み時間にそういうお話をお聞きし、私というお話じゃなくて、行われるそうですねというお話をお聞きしましたので、私も初耳でございます。連合とは私はこの前お会いしていますけれども、そのときは「慰霊の日」の前の日で、本土から皆さん来られたものですから、具体的なお話は出ておりません。私は、ごあいさつをしただけですから。
宜野湾市長選の結果についてお答えをいたします。
宜野湾市長選挙の結果については、このたびの市長選挙が実施された経緯もあり、このような結果になったものと受けとめております。平和で基地のない豊かな島の実現は県民全体の願いでありますが、基地の整理縮小に向けては現実的な対応によって一歩一歩着実に前進させていく必要があると考えております。
なお、伊波市長は宜野湾市議会定例会で、普天間飛行場の5年以内返還の具体的なプログラムについてはまだできていない旨答弁したと承知しております。
次は、宜野湾市長への対応についてです。
普天間飛行場の移設については、これまで閣議決定された政府方針に基づき着実に進展しているところであります。普天間飛行場の返還についてはいろいろな考え方があることは承知しておりますが、県としては、現在行われている移設作業を進めていくことが早期返還につながる現実的で実現可能な方法と考えており、一日も早く返還されるよう引き続き努力していきたいと考えております。
次に、有事法案の成立についてのお答えでございます。
有事への対応については、従来、法的な根拠が確立されていなかったことから、政府において法治国家として法的整備を図る必要性を考慮された上で武力攻撃事態対処関連三法の整備に努められたものと承知しております。
同法については、国会における法案審議において広く国民の意見を聞いた上で十分な議論を尽くすよう要望した本県の意向が十分反映されず残念であります。今後は、県民の生命財産を守る観点から、国民保護法制や米軍及び自衛隊に関する法制についても早期に詳細な内容等を公表し、広く国民の意見を聞いた上で十分な議論を尽くす必要があると考えております。
県としては、沖縄の基地問題は単に一地域の問題ではなく全国民的課題であり、国民保護法制や米軍及び自衛隊に関する法制の検討・審議に当たっては、米軍基地の負担のあり方等についても十分に議論を尽くしていただきたいと考えております。
続いて、沖縄への影響についての御質問にお答えします。
武力攻撃事態対処法では、地方自治の問題とかかわりの深い内閣総理大臣の総合調整、地方公共団体等に対する指示や、みずからの対処措置の実施及び(損失に関する財政上の措置)を規定した第14条から第16条については、国民保護法制の整備まで凍結されることになっております。また、地方自治体との関連が強い国民保護法制については、現在法案を策定している段階であり、具体的内容は明らかになっておりません。
県としては、県民の生命財産を守る観点から、県や県民にどのような負担が生じるのか、今後の法案の策定や国会等での議論を注視しつつ適切に対応したいと考えております。
次に、教育基本法についてお答えいたします。
教育基本法は、制定後50年余にわたり我が国の教育に重要な役割を果たしてきたものと考えておりますが、この間において社会状況は大きく変化し、現在、教育基本法についていろいろな意見があることも事実であります。教育基本法の改正については、各方面からの多様な意見を集約するなど幅広い論議を期待しており、今後とも国民的な論議の推移を見守っていきたいと考えております。
次に、イラク復興支援特別措置法案についての御質問にお答えいたします。
イラク復興支援特別措置法案は、イラクにおける人道復興支援活動と安全確保支援活動を行うことにより、イラク国家の再建と国際社会の平和と安全の確保に資するためのものであるとされております。
いずれにしましても、同法案については現在国会で審議されており、国民の理解を得るためにも慎重かつ十分に議論を尽くすことが必要であると考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) JCや自治労の全国的運動の展開についてにお答えいたします。
日米地位協定の見直しをめぐる動きについては、ことし4月に日本青年会議所において日米地位協定、基地問題等を沖縄固有の問題ではなく国家全体の安全保障の一環として取り上げ、その解決に向けて具体的に行動するとの沖縄宣言がなされております。
さらに、6月には全国組織である自治労において各自治体における6月議会または直近の議会での日米地位協定の抜本的改正へ向けた意見書の採択に取り組むことが決定されたと聞いており、大変心強く思っているところであります。このような取り組みは、日米地位協定の抜本的な見直しに向け大きな力になるものであり、今後、さらに県内外の各界各層に取り組みが拡大することを期待しております。
在沖海兵隊削減報道についてにお答えいたします。
マスコミの在沖海兵隊の削減報道に関し、県が国防総省の報道部にその真偽を確認したところ、在沖米海兵隊の撤退も一つの考え方ではあるが最終決定ではないとのことであり、米軍の再編成に当たっては関係諸国と協議が必要とされるとのことでありました。今回のロサンゼルス・タイムスの在沖海兵隊の削減報道については、日米両政府とも報道内容を否定しております。
県としては、これまでにも基地の整理縮小とあわせて海兵隊の訓練の移転及び米軍兵力の削減を強く求めてきましたが、今後とも海兵隊をめぐる国内外の動向を注視しながら正確な情報の収集に努めるとともに、あらゆる機会を通じて日米両政府に強く訴えていきたいと考えております。
福田官房長官発言についてお答えいたします。
このことについては、福田官房長官がみずから6月2日午後の記者会見において、県の照会については自由であるとし、報道についての事実を否定しております。県は、基地の整理縮小や基地負担の軽減を求める県民の強い意向を踏まえ、今後とも外務省や関係機関と連携をとりながら正確な情報の収集に努め、適切に対応していきたいと考えております。
日米首脳会談における沖縄の負担軽減についてにお答えいたします。
去る5月23日に行われた日米首脳会談において両首脳は、沖縄の負担軽減の重要性につき一致したとのことでありますが、詳細については公表されておりません。
県としては、県民の基地負担の軽減を図る観点から、今後とも日米両政府に対し基地の整理縮小や兵力の削減及び日米地位協定の見直しなどについて、目に見える形で沖縄の基地問題の解決を図っていただくよう強く求めていきたいと考えております。
クラスター爆弾の配備状況についてにお答えいたします。
国の説明によりますと、航空自衛隊は1987年度から2002年度までにクラスター爆弾の調達を終了し、調達金額は合計148億円とのことであります。しかしながら、沖縄を含めた各基地への配備状況については、軍事機密であり公表できないとのことであります。
クラスター爆弾の撤収についてにお答えいたします。
クラスター爆弾は、過度に傷害を与え、または無差別に効果を及ぼすことがあると認められる特定の通常兵器の使用を規制する「特定通常兵器使用禁止制限条約」による規制対象とはなっておりません。
しかし、国連の人権小委員会においては、大量・無差別破壊兵器の製造・使用等は国際的な人権及び人道法と両立しない旨述べた上で、すべての国がクラスター爆弾等の製造及び拡散を制限することを要請しております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 教育基本法についてお答えいたします。
教育の基本理念と基本原則を定めた教育基本法は、昭和22年に公布・施行された法律であり、制定後50年余にわたり我が国の教育に重要な役割を果たしてきたものと考えております。この教育の根本法である教育基本法の改正については各方面からの多様な意見があり、それらのことを集約するなど幅広い論議が不可欠であり、今後とも国民的な議論の推移を注意深く見守っていきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 支援費制度導入により変わった点についてお答えいたします。
従来の障害者福祉サービスは、障害者の申請等に基づき行政がサービスを決定する措置制度によって利用がなされておりました。
一方、ことし4月から導入された支援費制度は、利用者の立場に立ったサービスを提供するため障害者がみずから利用したいサービスを選択し、施設等事業者との間で直接に契約を行いサービスの提供を受けるものであることから、支援費制度は障害者の自己決定が尊重される制度となっております。
続きまして、サービス基盤についてお答えいたします。
身体及び知的障害者施設は、平成15年6月現在57カ所が設置されており、定員は3192人となっております。
なお、身体障害者施設については、授産施設及び療護施設が平良市に整備中で、これにより療護施設は全圏域に設置されることになります。また、知的障害者施設については、授産施設が具志川市と豊見城市に整備中であり、今後もニーズに応じて整備していくこととしております。他の種別の施設については、各圏域においてニーズをほぼ満たしております。
また、障害のある人やその家族を支援するホームヘルプサービスなどの居宅支援事業所は、支援費制度施行前より145カ所ふえ、平成15年6月現在336カ所で2100人が利用しており、対象者のニーズはおおむね満たしているものと考えております。
続きまして、市町村の財源についてお答えいたします。
国が示したホームヘルプサービスの国庫補助基準案の概要については、市町村間の公平公正な執行を図るための基準であり、個々のサービスの上限及び市町村におけるサービス量を制約するものではないとの説明を受けております。現在、国においては、今年度の全国の市町村のホームヘルプ事業に要する経費を把握し所要の措置を講ずるとともに、当該事業の円滑な実施を図ることとしております。
県においては、前年度の約2.7倍に当たる1億7874万4000円の予算を確保し、障害者の需要を十分に踏まえたサービスの提供が行われるよう市町村に対し助言をしているところです。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 新型肺炎による観光業界への影響とその救済策についてお答えをいたします。
県では、6月11日県内企業64社に対し「SARSによる県内企業への影響について」のアンケート調査を実施しております。
この調査結果によりますと、観光土産品店、旅行業、観光施設、飲食店、観光バス、旅館・ホテル業の売り上げ及び雇用に少なからず影響を生じております。とりわけ台湾からの観光客を対象としている観光関連業界の落ち込みが顕著となっております。このため、SARSの影響を受けた観光業界等への支援策として県単融資制度の「中小企業セーフティネット資金」を弾力的に運用し対応しております。具体的には、本則の営業経歴1年以上を半年以上に緩和するとともに、中小企業者が負担すべき融資利率等を最大3.20%から1.05%軽減し、2.15%に設定しております。また、金融機関におきましても融資手続の迅速化に努めております。
次に、沖縄デジタルアーカイブ事業についてお答えをいたします。
沖縄デジタルアーカイブ事業は、歴史や自然、芸能など沖縄の幅広い分野にわたる文化資産をデジタル情報として整備し、インターネット等を通して国内外に情報発信しようとするものであります。この事業の目的の一つは、県内のコンテンツ制作分野の人材育成を図り、もって情報通信関連産業の振興につなげようとするものであります。本事業には県内から57社、400人以上の制作スタッフが参加し、最高水準の制作技術の導入等により、県内コンテンツ産業の育成・振興につながるものと考えております。
また、公募によって選考された32の制作企業コンソーシアムのうち4コンソーシアムが制作分量や予算、納期など県の提示した制作条件に応じられないとして辞退をいたしましたが、次点として採用しました県内企業を中心とするコンソーシアムによって制作を行い、去る6月10日にその運用を開始したところであります。
次に、名護市が提案するキャプティブ保険などへの支援についてお答えをいたします。
構造改革特区は、地域の特性を生かした規制改革を各自治体等が国に直接提案する仕組みとなっており、各自治体等が主体的に取り組むものと理解をしております。県としては、名護市の提案について、市からの相談に応じ情報提供を行うなどその取り組みを支援していくとともに、金融関連産業の集積に向けて名護市と連携して企業誘致活動を進めてまいります。また、金融業務特別地区制度を最大限に活用するため、新たなビジネスモデルの可能性について調査・研究を行い、名護市が進める国際情報通信・金融特区構想の実現に向けて市と連携して取り組んでまいります。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) バス統合への県の姿勢及び県の案についての御質問にお答えします。一括してお答えします。
本島バス4社の統合は、バス事業の経営健全化に資するものであり、県としては公共交通を安定的に確保する観点から、統合の取り組みを進めることは望ましいことであると考えております。また、バス統合による新会社設立は基本的に当事者が主体的に取り組むべき問題であり、経営主体等の課題が解決されることが重要であると考えております。県としては、バス事業の公共性や経営環境の変化等を踏まえ統合後の新会社に対する出資の表明をしたところであり、バス統合の取り組みが今後とも関係者によって継続して検討されていくのであれば積極的に対応してまいりたいと考えております。
那覇交通の民事再生法の申請についての御質問にお答えします。
那覇交通株式会社が運行している乗り合いバスや貸し切りバスは、那覇市及びその近郊を結ぶ県民の通勤・通学の足及び観光客の移動手段として重要な役割を果たしており、今回、民事再生法の適用が申請される事態に至りましたことはまことに残念であります。今後は、裁判所の監督のもとで関係者の協力と努力により再生計画が策定され、県民の足である公共交通が安定的に提供できるよう一日も早く再建されることを期待しております。
県としては、裁判所における手続の推移を見守りながら、今後とも国や関係自治体等と連携して生活バス路線の維持・確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、バス4社統合及び3社統合の可能性についての御質問にお答えします。
バス統合については、今後とも関係者によって検討され、実現されることを期待しております。県としては、公共交通を安定的に確保する観点から、4社による統合の取り組みを進めることが望ましいことであると考えており、そのような取り組みが今後進められるのであれば積極的に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) バス問題についての、モノレールとバス結節はどの会社と接触を持っているかについてお答えいたします。
沖縄都市モノレール導入に伴うバス路線の再編については、沖縄県、那覇市、バス事業4社との協定に基づきバス事業者、関係行政機関等で構成する「沖縄都市モノレール・バス路線再編実施案検討委員会」において、昨年1月に「バス路線再編原案」が作成されております。これに基づき本年5月上旬にはバス事業者によりバス路線再編の認可申請が国に対してなされております。このようにモノレール導入に伴うモノレールとバスの結節を含むバス路線再編については、バス事業4社及び関係機関の協力を得て進めております。
次に、余剰人員対策についてお答えいたします。
バス路線再編により生じるバス事業の余剰人員対策は、県としても重要な課題であると認識しております。当該余剰人員対策としては、関係機関による検討機関を設置して企業等への雇用あっせんに努めるほか、各種雇用支援制度の活用及び再就職に向けた職業訓練の実施等、県としても最善の努力を払っていく所存であります。
次に、バス車内広告の損失補償についてお答えいたします。
那覇交通のバス車内広告代理店の2社から沖縄都市モノレール株式会社に対し、モノレール導入に伴う損失補償をしてほしいとの要望があります。沖縄都市モノレール株式会社においては、要望のある2社に対しては法令上の損失補償の対象となっていないことから損失補償はできないと同社から聞いております。県としましては、会社の方針を尊重したいと考えております。
以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 「美ら島環境クリーン作戦」についてでありますが、昨年県警が実施しました県民への安全に関する意識調査では、身近に不安を感じる犯罪は何かという問いに対し、不法投棄などの環境犯罪が最も多く、回答者の68.3%が不安を感じているという結果になっております。
県警としましては、このようなことから廃棄物の不法投棄事犯は県民の身近な犯罪であるとともに、観光立県としても看過できない重要な問題であると認識しております。
そこで県当局と連携した環境犯罪抑止対策を強力に推進し、「美ら島ウチナー」を実現することを目的に去る5月13日、「美ら島環境クリーン作戦対策本部」を設置いたしました。この作戦は、「許しません 島の環境破壊」をキャッチフレーズに県と県警が連携し、積極的な事件化と行政代執行を活用した原状回復措置を図ることなどを主な内容としております。県警では、同作戦の実効を期すため去る6月17日、警察本部と関係警察署の警察官11名を環境犯罪捜査員──通称「エコポリス」と呼んでおりますけれども──に指名し、組織的・広域的環境犯罪の取り締まりに当たっているところであります。
なお、同作戦スタート以降、県警では産業廃棄物最終処分場を廃棄物処理法違反で摘発したのを初め、廃棄自動車、建築廃材の不法投棄事犯等10件10名を検挙したところであります。
県警では、今後とも関係機関・団体との連携を強化し、県民が身近に不安を感じている不法投棄等環境犯罪の取り締まりを強力に推進していく所存であります。
以上です。
○平良 長政 6点にわたって再質問をしたいと思います。
1つは、県民大会についてですが、知事はタイミングが大切だとこう言われますが、どういう条件が整えられれば大会開催が可能かというそういうタイミングについてお伺いしたいと思います。
昨日知事は、先頭に立ってということで、また言い直して、行政の立場ですから先頭に立てないと言ったわけですが、どうして行政の立場だと先頭に立てないと考えるのか。私は知事が先頭に立つべきだと思います。
2番目は、クラスター爆弾についてですが、那覇市議会では自衛隊那覇基地への存在を認めたというふうに報道されていたと思いますが、その那覇基地にあることさえ確認してないんでしょうか。
3番目は、名護市のキャプティブ保険についてですが、先ほどもちょっと言ったんですが、ぜひやはり政策協議会にでも上げて県全体のものとして取り組みをお願いしたい。やはりキャプティブ保険がどうにもできなければ名護金融特区も生きてこないというふうに思います。
4番目ですが、SARSの件です。
台湾も指定解除されて、今、東京、北海道、大阪などたくさんの台湾、中国からの観光客が押し寄せているらしいんですが、沖縄はホテルの受け入れがなくて来たいけれど来れないという状況が続いていると聞いております。やはり早く手を打たないと今後こちらからお願いする場合に大変支障が出ると思いますけれども、その辺についての考えはどうでしょうか。
5番目ですが、バスの車内広告の問題ですが、一番最初に広告特約店の指定問題があって、これは県議会で全会一致でやりました。あと広告枠特別割り当てもできたんですが、この枠が結局極めて少ない。これではもう倒産するということで今損失補償問題が出ているわけです。道路拡張工事など考えてみますと、土地の所有者や建物の所有者だけではなくて、その借地人とか借家人も補償されるので、バスの会社等バスの広告会社と同様の関係ですね。やはり補償しないというのはおかしいのではないかと思いますので、この観点から再度答弁をお願いしたいと思います。
最後に、バス統合問題です。
普通は再質問というのは答弁を聞いてから書くというのが普通でしょうけれども、私は午前中、私の前に、前の統合準備室の比嘉良雄さん、室長がお見えなので、彼を見ながら、彼の御苦労や無念さを考えてワジワジーしてこの原稿を書いたわけです。
読みたいと思いますが、私は答弁を聞いて悲しくなりました。本当は答弁は聞いてないんですが、どうせ聞かなくても大体わかる。でも答弁を聞かなくても再質問ができるというのは本当に何ということだろうか。これほど悲しいものはないかもしれません。むなしさも覚えました。怒りも増してきました。毎回統合問題を取り上げて何一つ動こうとしない県、県民の足を守るのは県行政の大きな仕事であるはずなのに、他人事。統合がつぶれても何の責任も感じない。統合できずにバスが倒産しても何の責任も感じない県。那覇交通は民事再生の申請だが、再生計画が認可されなければ破産です。破産になればそこに働く労働者は街頭に投げ出されます。統合したら退職金が出ると一途に統合を願って苦しい生活を我慢してきた退職者の皆さんも退職金未払いで投げ捨てられます。バスもとまります。とまったらどうなりますか。自分たちは賃金も一時金も退職金も保障されている安全地帯にいて、労働者の苦しみと痛みを共有できず他人事として高みの見物をしている県行政、温かみがない冷たい行政は県民にとって何の意味があるのでしょうか。結果は別にして県がもっと泥んこになって当事者と一緒になって苦しみ、もがき、解決の道を探るのであればどれだけ救われたのでしょうか。公共交通施策も持たず、何もやる気がなく、前進させることができなければ、知事を初めみんなおやめになってやる気のある人、できる人と交代すべきではないでしょうか。もし、知事初め県の担当者が今はやめたくないというのであれば、せめてバス会社を破産に追い込まない施策を県として全力を尽くすこと、バス統合に向け今度こそリーダーシップを発揮して積極的に動くことを約束してください。
以上であります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時17分休憩
午後4時20分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 県民大会の開催についてのタイミングはどうかという御質問にお答えをいたしたいと思います。
私は、日米地位協定というのは国と国との問題ですから、相当強い力がない限りこれを動かすのはできないと思っております。
そこで私としても最近非常に印象的だったのは、北朝鮮の問題が全国的な課題とされてから政府の対応が全く変わったことです。そのためにやはり全国の多くの人、それから国会議員の多くの人を動かさない限りは私はこの問題は進まないと思っています。その一つとして全国行脚を始めたり、全国キャンペーンを始めたのもその一つです。それと今までも一貫してふやすための努力をしてまいりました。例えば衆議院の外務委員会における決議、あるいはJCだとか最近ではまた自治労だとか、あるいは連合さんとか多くの仲間が出ましたが、その前にも弁護士会であるとか、全国知事会であるとか、全国議長会であるとか、多くの味方が出てきたわけです。これを大きく全国的に本当の意味でふやしていくというのは、地道にやはり各地方に行けば各地方選出の国会議員の先生もおります。皆さんが動くわけです。そのために盛り上がり運動を展開をしたいと思っております。それに対して最も効果的なのはいつなのか、それは今後の全国展開の推移を見ながらいろいろ決めていきたいというふうに考えております。
それと前回のことを私再度申しますけれども、前回もそうですけれども、行政の立場は表に立っておりません。前回は嘉数実行委員長、玉城事務局長、この2人のラインのもとに320にも及ぶ──これはもちろん県議会も市議会も皆さんそうですけれども──経済団体にしろ、労働団体にしてもあるいはほかの一般の数多くの320にも及ぶ市民団体が結束して、いわゆる県民の総意として県民の盛り上がりによって成り立ったわけですから、その意味では県民が盛り上がることによって、私は今でも自分としても積極的に飛び回っているわけですから、意欲としては一つも失っておりません。むしろ燃え上がっております。しかし、その形としてはやはりそのような形、あのようなすばらしい成功の例というのが現実にあるわけですから、やはりそれを一つの大きな参考にしながら、それから非常に盛り上がりが少ない場合にはこれは逆に言ってプラスにならなきゃならないんです。プラスにするためにはいかにきっちりと全県的に網羅されることが重要であるか、そう考えております。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
クラスター爆弾の件でございますが、平成15年6月11日に那覇基地へ確認したところ、沖縄への配備については回答できないとの回答でございました。
○商工労働部長(伊川征一) 政策協議会への提案についてお答えをいたします。
名護市の提案につきましては、今後、市と関係省庁との間で調整・検討が行われる予定となっておりますので、その議論の推移を見守りつつ検討してまいりたいと考えております。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) SARSに関する再質問にお答えをいたします。
台湾のSARS問題につきましては、流行指定地域からの完全解除の日も近いものと期待しており、心置きなく双方の交流ができる日を指折り数えて心待ちにしているところでございます。
台湾からの観光客に対する宿泊拒否があるのではないかとのことでございますけれども、沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合に確認をいたしましたところ、SARS関連での台湾観光客の宿泊についてはホテル、旅館個々の判断ではあるが、直近の状況においてSARSを理由に宿泊を拒否した事実はないとの報告を受けております。
以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 再質問にお答えいたします。
バス車内広告2社への補償の問題ですけれども、公共事業などの場合、通常与える損失が明らかな場合、補償する基準がありますけれども、今度のような事例はないということでございます。
例えば、新しいバイパスをつくって旧道路が影響を受けた場合などそういう補償ができませんし、交通方法変更の際にも釣り具店などで往復が逆になったために営業に影響があったということがあるんですけれども、そういうことも補償できなかった等がありますけれども、この広告会社につきましては別途沖縄広告協同組合の方に契約をしているところと話し合いなど持つなりして、何とか方法を講ずる手もあろうかと思いますので、その辺工夫していきたいと思います。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 再質問にお答えします。
県としては公共交通を安定的に確保する観点から、4社による統合の取り組みを進めることが望ましいことであると考えております。今後、合理的で現実性のある4社統合への取り組みが進められるのであれば、行政として取り組める範囲で最大限積極的に対応してまいりたいと考えております。
○平良 長政 議長、答弁漏れがあります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後4時28分休憩
午後4時30分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
安次富 修君。
〔安次富 修君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 最初は、伊波宜野湾市長の公約についての御質問にお答えいたします。
伊波宜野湾市長の政策である普天間飛行場の5年以内の返還について、県として説明を受けたことはありません。
なお、伊波市長は、宜野湾市議会定例会で普天間飛行場の5年以内返還の具体的なプログラムについてはまだできていない旨答弁したと承知しております。
次に、15年使用期限問題と移設作業についてお答えいたします。
普天間飛行場代替施設の15年使用期限問題が、普天間飛行場の移設作業に支障になっているとは認識しておりません。15年使用期限については、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、沖縄県が移設に当たって整備すべき条件として提示しているものであり、政府も十分理解しているものと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○副知事(比嘉茂政) 安次富修議員の御質問にお答えいたします。
知事の政治姿勢の中の、在沖海兵隊撤退報道の県の対応及び削減の可能性についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
今回のロサンゼルス・タイムスの在沖海兵隊の削減報道については、外務省や在日米軍へもその真偽を問い合わせた上で国防総省報道部に事実関係を確認したところ、在沖米軍海兵隊の撤退も一つの考え方ではあるが、最終決定ではないとのことであり、米軍の再編成に当たっては関係諸国と協議が必要とされるとのことでありました。
県としては、基地の整理縮小と海兵隊の兵力削減を求める県民の意向等を考慮し、その問い合わせの内容をマスコミに提供したものでありますが、その後、日米両政府とも報道内容を否定しております。県としては、今後とも海兵隊をめぐる国内外の動向を注視しながら外務省や関係機関とも連携しつつ、正確な情報の収集に努めるとともに、あらゆる機会を通じて海兵隊の兵力削減を日米両政府に強く訴えていきたいと考えております。
○知事公室長(新垣良光) キャンプ瑞慶覧の返還作業についてにお答えいたします。
キャンプ桑江・キャンプ瑞慶覧に係る住宅統合については、キャンプ瑞慶覧内のゴルフ・レンジ地区に建設された住宅が米側に提供されたのに続き、昨年11月27日の日米合同委員会において住宅統合第2段階としてサダ地区における住宅建設の合意がなされており、現在、建物工事が実施されているとのことであります。県としては、SACOの合意内容の着実な実施に向け、国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ幅広く県民の理解と協力を得ながら前向きに取り組んでいきたいと考えております。
海軍病院受け入れ拒否やSACOへの反対表明及び救急救命センター構想についてにお答えいたします。
キャンプ桑江の海軍病院の移設については、移設先の宜野湾市が平成12年7月にキャンプ瑞慶覧内の普天間地区への受け入れを表明しております。SACO最終報告においては、海軍病院がキャンプ瑞慶覧に移設され、キャンプ桑江内の残余の施設がキャンプ瑞慶覧または沖縄県の他の米軍の施設及び区域に移設された後に、平成19年度末までを目途にキャンプ桑江の大部分である約99ヘクタールが返還されることになっており、去る3月31日には北側部分約38ヘクタールが返還されております。海軍病院の移設については、県としてもSACOの合意内容の着実な実施に向け、国と連携し適切に対応していきたいと考えております。
また、御提案の緊急救命センター構想については、貴重な御提言として承っておきたいと思います。
普天間飛行場の移設、返還等のスケジュールについてにお答えいたします。
代替施設の建設に当たっては、今後、環境影響評価や公有水面埋め立ての手続等に3年程度要することが予想され、また工期については第9回代替施設協議会で9.5年との説明がありました。その後、十分な代替施設が完成した後に移設されるものと考えておりますが、現時点では移設や返還の時期については明らかになっておりません。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) キャンプ瑞慶覧の跡地利用計画等についての御質問にお答えします。
キャンプ瑞慶覧返還予定地のうち、宜野湾市部分については平成19年度末を目途に返還が合意されております。返還後の跡地利用に向けては、宜野湾市において平成14年度に基本構想を策定し、今年度は跡地利用基本計画が策定される予定となっております。同地域の跡地利用の促進及び円滑化に向け、今後とも跡地関係市町村連絡・調整会議や跡地対策協議会の場等を通じて国、県、宜野湾市が連携を密にしながら取り組んでいくことが重要であると考えております。
次に、跡地対策協議会の設置についての御質問にお答えします。
跡地対策協議会は、平成11年12月に閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」における「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」に基づき国、県及び跡地関係市町村が密接な連携のもとで跡地利用の促進を図るため平成14年9月に設置されたものであります。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、沖縄型空港免税店制度についてお答えをいたします。
空港外免税店の出店に関しましては、法令で示されている空港外の特定免税店で購入した免税品の引き渡しは、空港内旅客ターミナル施設に限られる等の要件を満たすのであれば制度上の制限はございません。しかし現実問題として那覇空港旅客ターミナル施設内において引き渡し場所を確保するなどの課題があると認識しております。
次に、宜野湾市西海岸観光振興地域への新たな振興策についてお答えをいたします。
宜野湾市西海岸地区につきましては、観光振興計画においてにぎわいのある都市型リゾート・コンベンション拠点として整備していくことを基本方向としております。これまでの整備状況としましては、沖縄コンベンションセンター、宜野湾港マリーナ、国道58号宜野湾バイパス、遊漁船等利用施設、人工ビーチ、宜野湾市情報センター、民間宿泊施設等の整備が行われております。また、今後はマリン支援センター及び民間企業による飲食店等の整備が計画されております。
しかしながら、国際ショッピングモール構想の中核として位置づけられていたDFSが宜野湾市から撤退するという状況変化があることから、宜野湾市においては同地域の振興開発計画の再検討を行っているところであり、今後、宜野湾市から改めて考え方が示された段階で協議し、国、関係部局及び民間団体等と連携し、宜野湾市西海岸地区の整備に取り組んでいきたいと考えております。
次に、沖縄コンベンションセンターの舞台管理業務委託についてお答えをいたします。
沖縄コンベンションセンターは、本県におけるコンベンション施設の中核施設として昭和62年供用開始以来、国内外のコンベンションを初め大規模展示会等多様なコンベンションが開催されるなど高い評価を得ております。また、コンベンション開催を通じ本県経済の発展と地元宜野湾市の地域振興に大きく寄与しております。
沖縄コンベンションセンターの舞台管理につきましては、従来、随意契約による委託でしたが、高度な技術と芸術性が求められるとともに、公平公正の確保及び経費節減を図る観点から、平成14年度より指名競争入札に移行し専門業者へ委託しております。委託に際しては、「沖縄コンベンションセンター委託業者選定要項」に基づき沖縄観光コンベンションビューロー内に審査委員会を設置し、入札参加資格審査を厳正に行った後、入札に付しております。しかしながら、平成14年度においては入札制度導入初年度ということから、入札業務にふなれであったため疑義を生じさせたことはまことに遺憾であり、県として今後指導監督を強化してまいりたいと考えます。
次に、沖縄コンベンションセンターの人事配置についてであります。
現在、沖縄コンベンションセンターには館長以下14名の職員が配置され、管理運営に携わっております。同センターの職員は適材適所、士気の高揚を念頭に人事異動を行っており、今後も同センターのよりよい管理を目指した人事配置を行うよう指導してまいります。
また、職員の指導の徹底を図り、資質の向上に努め、入札業務を初め管理運営に万全を期したいと考えております。
次に、利用者やお客様に満足してもらえるような体制づくりについてお答えをいたします。
県としましては、利用者やお客様に満足していただくために常に質の高い管理運営を図るべく取り組んでいるところであります。御指摘の件につきましては、利用者等の意見にも真摯に耳を傾け、コンベンションセンターの総力を傾注してその改善を図るよう指導してまいります。具体的には職員のスキルアップ、行事主催者との事前調整の強化や委託業者への指導の徹底を図り、適正な運営管理に努めてまいりたいと考えております。
沖縄コンベンションセンターは、コンベンション・アイランドを支える中核施設としてその機能を十分に果たすとともに、アジア・太平洋地域における国際交流拠点としての役割を果たすべく質の高い管理運営に努めてまいります。また、同センターを活用し、今後ともより一層強力に国際会議等各種コンベンション誘致に取り組んでまいります。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 平良市の産廃処理問題に関連いたしまして、自己完結型の新しい産廃処理施設の建設についての御質問にお答えをします。
宮古地区における産業廃棄物処理施設につきましては、現在、安定型最終処分場が1施設、焼却施設が2施設となっております。既存の安定型最終処分場におきましては、廃棄物が集中し残余容量が逼迫していることから、同事業者が新たな処分場の規模を拡張するため廃棄物処理法上の手続を進めているところであります。
産業廃棄物処理施設は、地域の経済産業活動を支え、快適な生活環境を確保する上で必要不可欠なものであり、可能な限り宮古圏域内で処理施設を整備することが望ましいと考えております。県としましては、地元の農業団体、建設業団体及び医療機関などの排出事業者、産業廃棄物処理業者等の動向を踏まえながら、地元市町村と連携を図り廃棄物処理体制の整備について促進していく考えであります。
○福祉保健部長(稲福恭雄) はしか「ゼロ」作戦についてお答えいたします。
はしかは、予防接種を受けることで予防可能な病気ですが、県内では流行が繰り返されており、議員御指摘のとおり平成10年度以降の2度の流行では9人の乳幼児が亡くなられております。
本県のはしかの予防接種率は1歳児で79.8%と低く、今後もはしかの流行が起こるおそれがあります。この状況を改善するため、平成13年4月に社団法人沖縄県小児保健協会が中心となって「はしかゼロプロジェクト委員会」が発足しております。
その活動の一環として、県と「はしかゼロプロジェクト委員会」では、「はしかゼロキャンペーン」活動を実施し、シンポジウムを開催する等により県民への周知を図っているところです。
また、県では市町村代表、医師会等関係者で構成する沖縄県予防接種協議会を定期的に開催し、その結果を保育所長会議等で通知するなど接種率の向上に努めております。
予防接種の実施主体は市町村ですが、県としては接種率の低い要因等を含む保護者の予防接種に対する意識調査、それから普及・啓発などを行うために今年度は予防接種推進事業を実施しております。今後とも「はしかゼロプロジェクト委員会」等関係機関と連携を図り、広域的に予防接種を受けることができる体制づくりなどを推進してまいります。
続きまして、風疹予防についてお答えいたします。
妊娠早期に風疹に罹患すると流産、早産の原因となったり、心臓、目、耳などに障害を持つ先天異常児の出現率が高く、昭和40年の風疹大流行により県内で約400人の先天性風疹症候群の出産が見られ、当事者はもとより、乳幼児期の療育、聾学校の新設、生活支援体制の整備など社会全体にも大きな影響を与えました。そして近年は、予防接種率の低さから専門家等により再流行が懸念されています。
ところで、昭和52年からは予防接種法に基づき先天性風疹症候群の発生を予防するため中学女子を対象に予防接種が実施されてきました。しかし、平成6年の予防接種法改正により予防接種の対象が中学女子から生後12カ月以上90カ月未満の男女の小児に対象年齢が変更されました。
予防接種法改正に伴う経過措置として、ことしの9月30日までは対象から外れた者、つまり7月2日現在の年齢で15歳9カ月から24歳3カ月の者は定期予防接種として扱われることになっており、期限内の接種を現在呼びかけているところでございます。
風疹を初め予防接種事業は市町村が実施主体ですが、県では風疹の予防接種の重要性を考慮し、経過措置対象者に対する風疹の予防接種の勧奨ポスターを作成し周知に努めるとともに、小児のできるだけ早い時期の接種についても啓発し予防に努めることにしております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
次会は、明3日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時4分散会