平成15年(2003年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 7月 3日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 6月18日から30日までに受理いたしました陳情11件は、お手元に配付の陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、乙第1号議案及び乙第3号議案から乙第13号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 外間盛善君。
   〔外間盛善君登壇〕
○外間 盛善 おはようございます。
 通告順に従い一般質問を行います。
 大きい1、JAおきなわの抱える諸問題について、所見を交えながら質問を行います。
 戦後、本県における農業の復興は農協が中心でありました。それだけに農協が果たしてきた役割は極めて大きく、はかり知れないものがございます。
 そこで、農協の歴史を振り返りながら今後の農協のあり方について考えたいと思います。
 まず、戦後農協の発足は1951年5月24日の琉球列島米国民政府布令第45号、琉球協同組合法の公布に始まります。そしてその翌年、協同組合中央金庫法が立法院で成立し、それまで本県唯一の金融機関であった琉球銀行の融資の限界を補うべく農林漁業者の協同組織体に金融の利便を図ることを目的とした協同組合中央金庫が設立されております。
 さらに、1956年9月にはそれまでの琉球協同組織法にかわり立法院による協同組合法が成立、信用事業も営めることとなり、現在の総合事業体としての農協の形が整いました。
 米軍統治下の本県では、本土における1947年の農業協同組合法より9年おくれて総合農協体制が整備されたことになります。
 このように農協の歴史を振り返ってみますと、信用事業協同組合の業務としてどう位置づけるかが大きな焦点になった歴史があります。その後の推移を見れば、地域における農協信用事業の役割は大なるものがありました。この信用事業を核としながら農産物共同販売事業、肥料、農薬等の共同購入事業、さらには営農指導事業等も展開してきたのであり、信用事業を含む総合農協体制を法制度として位置づけたことは正しい選択だったと思われます。
 しかしながら、近年のバブル崩壊後の不況下、農協でも例外なく不良債権処理が大きな課題となり、28農協のうち基礎体力の弱い9農協が債務超過に陥り、救済合併という形で全国支援を受け、「新生JAおきなわ」として昨年4月に発足したことは御承知のとおりであります。
 さて、今申し上げたように本来28農協ありましたが、そのうち9農協が赤字転落、6農協は含み資産までも次第に大きくなるほど健全経営が続いてきました。残りの13農協は四苦八苦しながらの経営の連続であったと伺っております。
 農協は、組織的には特殊な存在であります。例えば、営利法人か、公益法人かということになると、営利性と公益性の両面を兼ね備えた中間的特殊な法人であります。つまり、もうけ過ぎてもいけない。かといって赤字運営もだめで、難しい側面を持っていることは本員もよく承知しております。
 ところで、なぜ28農協が合併を余儀なくされてきたのかを考えると、今後せっかく統合されたからには、やはり社会的責任という意味から健全で安定した持続できる運営をしてもらわなければなりません。そうでなければ今回の合併は何だったのかということになります。
 さて、合併前に当時の玉那覇農協中央会会長や天願農林水産部長は、農協合併問題について県議団に理解と協力を求めるために何度も説明を繰り返されましたが、その中で今も鮮明に記憶しているのは、まず合併後も組合員各位には絶対にサービス低下は起こさせない、起こさない。また、黒字運営されてきた宜野湾、真和志、豊見城など6農協に対しましては、資本金以上に莫大な含み資産があるので、これをしっかり調査・把握し、出資口数の増加(みなし配当による出資増加)を確実に実行すると約束されました。
 以上申し上げ質問に移りますが、(1)、まず再確認の意味でお尋ねいたしますが、本県の農協はなぜ他府県に先駆けて合併を余儀なくされてきたか。当時の背景と根拠を御説明賜りたい。また、合併は奈良県を筆頭に本県が2番目、兵庫県が3番目と聞いておりますが、その後、全国の動向はどのようになっているか、参考までにお聞かせいただきたい。
 (2)、次に、農協の合併問題は当時の農協中央会や単協だけでは困難な状況にあったが、県の強力な指導やバックアップがあって単一JAにするのは一応成功をおさめました。しかし、JAおきなわの真の成功とは合併が目的ではなく、経営の健全化を図り、出資者に対する責任、つまり組合員、農家の利益をいかに守っていくかが重要であると思うが、県の御所見をお聞かせください。
 (3)、単一JAになってはや1年余りになりますが、経営の健全化計画は順調に達成されたかどうか、単年度分で結構でございますので進捗状況を御説明賜りたい。また、今後の課題や解決策等の見通しも含めて御説明をお願いしたいと思います。
 (4)、農協中央会と農林水産部は、合併によるサービス低下は絶対にない、起こさせない、また黒字農協に対しては、みなし配当による出資口数の増加をかたく約束されましたが、その点はどうなっているか。
 ア、合併前と合併後ではサービスの低下は避けて通れないものと本員は考えておりますが、現状はどうなっているか御説明ください。
 イ、黒字運営されてきた6農協に対するそれぞれの配当額は幾らで、配当の実施時期はいつか明らかにしてください。
 (5)、合併前の農協が営んできた主な事業の種類を列挙し、採算性のよしあしについて事業部門ごとに説明をお願いしたい。
 (6)、かつての黒字農協の事業部門ごとの収入の一番大きな柱は信用事業であったと思うが、合併後は貸し渋りがひどく、これが原因で預貯金や借り入れなど銀行に切りかえる者が増加、農協離れが著しく、このままでは信用事業は崩壊する。信用事業の崩壊は購買事業の崩壊に連動し、ひいては農協の全事業に及び農協本体の存在すら危うくするのではないかと懸念されますが、このことについて県の御所見をください。
 (7)、合併前は管理部門やサービス部門がそれぞれ地元にあって、窓口の職員もお客さんも同じ組合員、そして自分の組合としての意識も強く、何でも親身になって相談したりされたりしましたが、現在では管理、サービス部門が中央集権化され、農家や組合員から大きな距離が生じてしまっている。悪く言えば農協は自分の手から離れ中央に奪われてしまった感を強く与えてしまっているがどうか。これはとても憂慮されることであり、組合員のこの意識を大事にできないと農協全体を失ってしまいかねないことが心配されますが、御所見をお聞かせください。
 (8)、JAおきなわは6月10日、発足後初の2002年度決算を発表されました。それによると経常利益は当初の予想を大幅に上回り、実質的な増収増益になったと報道されております。しかし、これは経営のスリム化が功を奏したのだという見方が専らであります。ここで増収増益を11億円余と報道されましたが、これは257名のリストラ、人員削減によって生じた一過性の利益であり、事業の伸びによるものではないと本員は思料いたしますがどうか。
 また、組合員に対するサービス低下はないと言いながら、実質的には営農指導部門を初め組合員に接する要員が257名も削減されたことは大きなサービスの低下につながると思われます。リストラによる利益というのは組織の縮小以外の何物でもなく、そして縮小イコールサービスの低下、削減であると思うが、県はこのことについてどのような御認識をお持ちか、お聞かせください。
 また、リストラによる人員整理、削減は今後も続くのか、見通しについて御説明をお願いしたいと思います。
 次、大きい2番目、県道11号線の拡幅並びに中心市街地土地区画整理事業の早期整備及びこれに関連する事業についてお伺いいたします。
 (1)、県道11号線は、南部20万県民と県都那覇市を結ぶ主要幹線でありますが、この整備のおくれから県下を代表する慢性的な交通渋滞地区となっております。
 県では、平成2年に県道68号線も一体的に豊見城の市昇格に向け、豊見城中央線と位置づけ都市計画決定され、現在の12メートル道路を30メートル幅員の4車線に拡幅整備することが決まりました。しかしながら、都市計画決定から13年が経過した今日に至っても完成したのは真玉橋と高安橋の橋梁だけで、他はいまだ手つかずの状態にあり、交通渋滞をさらに加速させているばかりではなく、地域発展の大きな阻害要因になっており、早期整備が求められております。このことについて県の御認識を承りたい。
 なお、これまでの進捗状況と今後の計画はどうなっているか、まとめて御説明ください。
 (2)、豊見城の中心市街地土地区画整理事業は、県と協議の上、平成6年3月に都市計画決定され、これまで既に9年が経過しておりますが、A調査やB調査から起算すると10数年になります。しかしながら、作業はいまだ緒についたばかりで事業は全く進んでおらず、役所の担当者に聞いても完成までの見通しは早くて10年はかかるとのことであります。
 地権者は、これまでの約10年間都市計画による網がかぶさり、土地利用が図れないまま固定資産税は一人前に徴収されてきました。さらに、完成まで最低あと10年はかかると言われていることからすると、トータルで20年間使用できない土地の固定資産税を納めることになります。このような行政があっていいものかどうか大きな反省を求めると同時に、ぜひ善処策を早急に講じていただきたい。
 そこでお伺いいたしますが、大幅におくれている原因は何なのか、さまざまあると思われますが、御説明をください。なお、早期整備に向けた今後の方策についてもあわせて御所見を賜りたいと思います。
 (3)、中心市街地土地区画整理事業区域に面する県道11号線の整備は、区画整理事業の中で一体的に整備するとのことでありましたが、このような手法では県道事業は大きく立ちおくれるばかりでなく、区画整理事業に要する減歩率や事業費は割高となり、関係地権者は大きな不利益を受けることになります。このことについては去る6月3日、通り会の地権者大会を開きその協議の結果、県道整備は区画整理事業とは切り離し、他の沿線同様、県の直売方式で整備させることに満場一致で決まりました。
 ついては、県土木建築部並びに豊見城市役所においては計画変更に向けて速やかに作業を進められるよう、去る6月18日、県土木建築部に要請行動を行いましたが、御検討くださったかどうか、その後の経過と結果を御説明いただきたいと思います。
 なお、本項の質問に関しては、中心市街地土地区画整理事業の仮換地図面の今後の作成とも深くかかわりがありますので、決定がおくれればおくれるほど、その間、区画整理事業が凍結されることになります。早急なる御検討をお願いし御所見を賜りたいと思います。
 大きい3、我が党の代表質問との関連についてお伺いいたします。
 (1)、大学院大学は、長い誘致合戦の末に設置場所も決まり一件落着いたしました。決まった以上とやかく言うつもりはありませんが、ただ、各地域がなぜあれほど真剣に誘致合戦を展開されてきたのかは一考に値します。一言で言うならば、誘致の成功が地域文化の振興、教育水準の向上等総合的な発展に寄与するであろうという大きな期待があったからであります。
 ところで、地域振興予算は中北部に偏り過ぎるという実感はないでしょうか。
 (1)つには、平成9年にスタートした島懇事業、10年間で1000億円、いま一つは、普天間移設条件つきの北部振興予算が年間100億円の10年間で1000億円、これも平成12年度からスタートしており、合計2000億円の国庫補助事業が今、中・北部に集中しております。これに大学院大学の上積みで地域間格差がさらに広がることはだれの目にも明らかであります。
 県勢の発展につながることですから無論悪いとは申しませんが、公平公正な面から見て、米軍基地のない南部や両先島のほか多くの離島の振興策はどうあるべきか、真剣に検討されなければならないと思われるがどうか、県の御所見をお聞かせください。また、具体策があれば御披瀝ください。
 (2)、恩納村の山や川には貴重な動植物が数多く生息しているとの報道もありましたが、事情はどうか。事実とすれば、開発に際し生息環境の保全に有効な手だてはあるのか、御説明をください。
 (3)、普天間飛行場とほぼ同じ面積の280ヘクタールの用地造成は、大量のヤンバルマージを掘り起こすことになり、開発に際して河川や海域の赤土汚染が憂慮されるが、これに対する事前の対応策をお聞かせいただきたいと思います。
 以上、答弁を聞いた上で再質問をさせていただきます。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 外間盛善議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、JAおきなわの諸問題について、農協合併の背景と意義について一括してお答えを申し上げます。
 近年の農業・農村を取り巻く厳しい経済環境は、農家経営のみならずJAの経営基盤にも大きな影響を及ぼしております。このような中、全国においてもJA合併が進められ、1都府県平均のJA数で見ると、平成3年の70JAから平成14年には20JAとなっており広域化が進展しております。
 本県においても、県全域に散在する9JAが債務超過に陥り、農家組合員の自主的な相互扶助組織としての役割を果たすことが困難な状況となったものであります。このため、JA系統組織としては、これらの債務超過JAを救済するために県単一JAの合併構想を決議し推進したものと考えております。
 今回の合併によって280億円余の多額の全国支援等を受けてJAの経営基盤が強化されたことは、本県の農業振興を図る上からも大きな成果であると認識をしております。
 続きまして、JAおきなわの諸問題のうち、合併後の進捗状況についてお答えを申し上げます。
 JAおきなわにおいては、合併に際し「合併経営計画」を策定しております。合併後の進捗状況を見ると、事業総利益は貯金や貸出金の減少及び経済事業収益の低下等により計画を下回っております。しかしながら、事業管理費の圧縮により税引き前の当期剰余金は11億円を確保し、計画を大きく上回っております。
 また、自己資本比率についても、合併当初の6.4%から7.2%へと向上しております。しかしながら、JAバンク自主ルールの8%水準を満たしていないことから、引き続き資金運用規制等を受けることになります。このため、JAおきなわにおいては今年度じゅうに8%達成を目指し、組合本来の役割である農家組合員の所得の安定とサービスの向上に取り組むことにしております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○農林水産部長(諸見武三) JAおきなわの諸問題についての、合併後のサービスの状況、みなし配当の現状等について一括してお答えいたします。
 JAおきなわにおいては、単一JA合併に際し、累積赤字を抱えるJAは赤字を持ち込まない、健全JAについては組合員にみなし配当を行うことなどの合意がなされております。
 みなし配当額については、宜野湾、浦添、真和志、豊見城、南風原、津嘉山の6支店の合計額で約40億4000万円となっております。
 配当の時期については、合併後2年を経過する来年の総代会後に実施されるものと考えております。
 組合員へのサービスの現状については、現在、JAバンク自主ルールに基づく規制を受けていることから信用事業機能を十分に発揮できない状況にあります。
 共済事業については、専門的なライフアドバイザーを配置し体制強化が図られつつあります。経済事業については、販売手数料及び生産資材価格の引き下げ、船舶輸送の拡充による輸送コストの低減、経営アドバイザーの配置などの取り組みが実施されております。
 続きまして、農協の事業部門ごとの採算性についてお答えいたします。
 JAにおける主な事業は、信用・共済事業を初め購買・販売・加工・利用などの経済事業のほか、収益を生まない営農及び生活指導事業となっております。
 JA全体の事業総利益に占める部門別構成比は、平成9年度までは信用事業が5割、経済事業4割、共済事業1割となっております。しかし、平成10年度から厳格な償却・引当基準が適用されたことから信用事業総利益は低下傾向となり、合併直前及び合併後の決算では信用事業の割合は4割弱まで減少しております。
 続きまして、合併後の貸し渋りと農協離れについてお答えいたします。
 JAおきなわにおける平成14年度末の貸出金残高は、JAバンクの自主ルールに基づく資金運用制限を受けていることなどもあり、前年度末に比較して7%減の223億円と大きく減少しております。しかしながら、貯金の平均残高では1.7%の減少にとどまっており、必ずしもJA離れしているとは言えないものと考えております。
 現在、JAおきなわでは、自己資本比率8%の達成を目指し役職員一体となった増資などの取り組みを進めております。県としても、JAの経営基盤が強化されることは、JA本来の使命である農家組合員へのサービスの向上と農家所得の安定に寄与するものと考えております。
 続きまして、合併後の農協と組合員の距離についてお答えいたします。
 JAおきなわは、県下全域を対象に広域合併を行ったことから、組合員の意向を反映させる組織体制の確立が重要な課題となっております。このため、経営管理委員会制度を導入するとともに、基幹支店に支店運営委員会を設置し、組合員のニーズを事業及び経営に反映できるよう取り組んでおります。また、作物ごとの部会や青年部、婦人部等の組織を育成・強化し、組合員のサービス向上に努めることとしております。
 県としては、JAが農家組合員の自主的な相互扶助組織であることを踏まえ、組合員の意向を反映した事業が展開されるよう指導に努めていく考えであります。
 続きまして、JAのリストラとサービスの低下等についてお答えいたします。
 JAおきなわの平成14年度決算における増益は、人件費や物件費等事業管理費の圧縮が主な要因となっております。現在の低迷する経済状況下においては、従来のような事業総利益の伸びは期待できない状況にあります。組合員サービスの基盤となる経営の健全性を確保する観点から、事業管理費の圧縮を図ることは必要であると考えております。
 県としては、JA本来の使命である農家組合員へのサービスの向上と農家所得の安定が図られるよう、今後とも引き続き指導に努めていく考えであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 県道11号線の拡幅並びに中心市街地土地区画整理事業の早期整備及びこれに関連する事項についての、県道11号線の認識とこれまでの進捗状況及び今後の計画についてにお答えいたします。
 県道11号線について、県としては重要な幹線道路として認識し、国道329号真玉橋交差点から豊見城市上田交差点までの区間を延長約2700メートル、幅員30メートルの4車線で都市計画決定しております。
 国道329号から根差部入り口までの区間約810メートルについては、平成3年度から18年度までの期間で整備を進めており、そのうち真玉橋交差点側の約220メートルについては、真玉橋の橋梁を含め平成14年11月に供用を開始しております。
 根差部入り口から高安入り口付近までの区間約1230メートルについては、現在事業中の区間の進捗状況を見ながら順次整備を進めていきたいと考えております。
 高安入り口から上田交差点までの区間約660メートルについては、現在、豊見城市が事業主体であります中心市街地土地区画整理事業の中で整備を行うこととなっております。
 次に、事業がおくれている原因及び早期整備に向けた今後の方策並びに直売方式の整備の検討結果について一括してお答えいたします。
 豊見城市の中心市街地土地区画整理事業は、平成6年3月に都市計画決定され平成9年5月に事業認可を受け、これまで測量、土質調査、設計業務等や一部の区域においては工事を実施してきております。
 しかしながら、実施設計による詳細な検討を行った結果、地形的な条件等から工事費、補償費及び不発弾探査費用が増加することが明らかになったこと、また都市核施設の配置を含む土地利用の見直しが必要になったこと等から、現在、豊見城市では市の関係部局で調整を図りながら早期整備に向け事業計画の見直しを行っているところであります。今後、市の計画では平成16年度に仮換地指定を行い、平成17年度から県道11号線の事業に着手し、平成24年度の完成を目指していると聞いております。
 また、県道11号線の整備を直売方式にすることについては、豊見城市としては地権者全員への影響、資金計画面における市の負担費の増加等から厳しいと判断しており、これまでどおり区画整理事業により道路整備を進めたいとのことであります。
 以上のことから、県としても県道11号線、中心市街地土地区画整理事業の早期整備が図られるよう助言してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 米軍基地のない南部や両先島、離島の振興策についての所見及び具体策についての御質問にお答えします。
 県土の均衡ある発展を図るには、地域の課題に的確に対応しつつ、それぞれの特色を生かした地域づくりと地域連携が促進されるような振興施策の取り組みが重要であります。南部圏域は、都市地域、都市近郊地域、農村地域と多様な地域性を有しております。その振興に当たっては、都市機能の再編・再整備や製造業、情報通信関連産業、農林水産業の振興などその地域特性を生かした活力ある地域づくりを推進する必要があります。また、両先島やその他の離島については、その地理的条件と自然環境、歴史的・文化的特性を発揮することを基本に、社会資本の整備、観光・リゾート産業や農林水産業等の振興が必要であります。今後とも沖縄振興計画に基づく諸施策を市町村と連携して取り組んでまいります。
 次に大学院大学の関連で、恩納村予定地の貴重な動植物の保全と赤土汚染対策等についての御質問に一括してお答えをいたします。
 恩納村は、国指定天然記念物、県指定天然記念物などの希少種動物の生息可能地域となっており、リュウキュウハグロトンボ等の希少種9種の生息が確認されております。希少植物については、現在のところ確認されておりません。
 整備に当たっては、自然林を十分残し、森林の中に施設が点在するような希少動植物の保護等に配慮したキャンパスづくりを目指すこととなっております。また、赤土汚染の防止については、分散型の用地造成を段階的に行うことにより土地の改変面積を必要最小限にとどめるとともに、発生源対策を徹底するなど、自然環境への影響を少なくする対策を講じることが必要であると考えております。
○外間 盛善 休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時35分休憩
   午前10時38分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 諸見武三君登壇〕
○農林水産部長(諸見武三) 257名の削減の中で組合員のサービスの低下につながるんじゃないかと、それから今後も続くかということでございますが、御承知のとおり合併に際しては議員おっしゃったとおり9JAが債務超過になったわけでありまして、その9JAについては──与那国を抜きまして8JAでございますが──3年計画の経営改善計画を策定しているわけでありまして、いわゆる赤字JAが黒字JAの経営の足を引っ張らないというのが前提でありまして、これは3年計画の中で削減計画があるわけであります。
 それから具体的な削減の中で、例えば常勤役員が平成13年度に49名いたわけでありますが、今現在は32名で17名も常勤の役員が削減されているわけですから、そういう面ではかなりいわゆる合理化が図られたということもありまして、先ほども申し上げましたように、当初の特に赤字経営の8JAについては3年をめどに今後ともその計画に基づく削減は続くということでございます。
○外間 盛善 休憩中に確認だけ……。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時40分休憩
   午前10時45分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 外間盛善君。
   〔外間盛善君登壇〕
○外間 盛善 再質問をいたします。
 土建部長に伺いますけれども、去る1月の決算特別委員会の席において本員は、この中心市街地の事業が非常におくれて県道事業に大きく影響している。役所前から真玉橋側に向かってのおよそ650メートルについてはいつごろできるかと言いましたら、平成17年に着工すると答弁されました。このことについて豊見城市役所の担当者の皆さん方にお聞きいたしましたら、中心市街地の区画整備事業が10年ごろには終わるという見通しの中で、これは完了間際にしかこの区間の県道整備はできないんだということの説明がありまして、計算すると24年から17年の2カ年を引いたらおよそ8年ぐらい県の説明と豊見城市役所の説明とに食い違いがあります。
 こんな大きな大事な事業が県と豊見城市において8カ年も違うような説明がなされたならば、お互いは何をしていいかさっぱり皆目見当がつけられないと。このあたりのおくれた要因、何が本当なのか、あるいは食い違いの生じた原因等についてわかりやすくもう一度説明を賜りたいと思います。
○土木建築部長(安慶名正行) 再質問にお答えいたします。
 豊見城市の方が10年はかかると御説明申し上げたことにつきましては、舌足らずであったと思われます。
 実際の内容については、豊見城市に聞きましたところ、平成17年度から県道11号線に係る物件補償交渉及び換地先の造成工事に着手し、現時点からおおむね10年後の平成24年度の完成を目指しているという趣旨であったというふうに聞いております。したがいまして、去る1月の決算特別委員会で申し上げました答弁と整合しているものというふうに考えております。
 以上でございます。
○上原 吉二 1番目に、沖縄振興計画と財政運営について。
 21世紀冒頭の沖縄の振興方向を示した沖縄振興計画は、「世界的水準の知的クラスターの形成」や「基地問題への対応」を振興の基本方向に掲げるなど、これまでの3次にわたる振興開発に比べ沖縄の特性や課題を強く意識した内容となっております。沖縄の優位性が発揮され、その成果が我が国経済社会の発展にも寄与するようなモデル的な対策、そして基地問題に対応した思い切った振興策、この2つの視点から国に具体的事業を提案し、その特別な支援を求めていくべきだと考えております。
 これまでは格差を是正し、本土並みを目指すというはっきりした目標のもと、各県以上の国庫補助金を投入して公共事業を推進してまいりました。その結果、こうした国の公共事業のメニューにある施設の整備はほぼ全国並みになったのではないのかとの声もあります。国からの補助金は確保しなければならないが、新しい事業箇所は余りない。だからといって効果が期待できない施設をつくり続けることは今後沖縄といえども許されない状況になっております。従来の公共事業だけではなく、沖縄から新しい補助対象事業を提案すべきだと考えております。
 例えば、港湾整備において現在ガントリークレーンなどの港湾機能整備事業は起債でやるしかありませんが、これに国庫補助金を投入できるようにすれば使用料が安くなり、那覇港も高雄や釜山などのアジア港湾に対抗できるようになります。また、現在高速料金低減のための臨時的措置として特別調整費を入れ3割程度安くなっていますが、この際、全国的に問題となっているのは道路特定財源の使い道として沖縄の高速料金を思い切ってただにするための補助金に回すことを提案してはどうでしょうか。
 これについては先日テレビで、榊原英資元大蔵財務官が全国の高速道路をただにし経済活動を活発にする方法として提案しましたが、先ほどのガントリークレーンに対する補助金とあわせ、全国に先駆けて沖縄で先行的に実施すべきだと考えます。
 「三位一体の改革」が進められており、今までの補助金はどんどんカットされていくことは間違いないわけでございますから、沖縄はみずから新しい補助金のメニューをつくり出さなければなりません。今こそ「選択と集中」の姿勢で、県庁がこれまでのような公共事業の執行だけではなく、これからの沖縄振興のための政策官庁に変わっていかなければ振興計画も絵にかいたもちになります。
 国の政策の動向を踏まえ、何が沖縄にとって効果的で全国の先駆けとなる事業なのか、基地問題を沖縄振興とどう戦略的に絡ますのか、この財政の非常事態にあって今こそ沖縄の意思と能力が問われていると考えます。
 そこで質問をいたします。
 ①、沖縄振興計画策定後、「三位一体の改革」の推進など地方財政の環境はさらに厳しくなっている。補助率カットも懸念されるが、この見通しと対応についてお尋ねをいたします。
 ②、国の動向にも対応して計画期間中の行政改革や財政運営の基本方針を示すべきと思うが、県はどのようにお考えですか。
 ③、現在の縦割りの補助事業ではなく、沖縄に必要な補助事業を選択するとともに、新たな補助事業をつくるために全庁的な取り組みが必要と思いますが、県の考えをお聞かせください。
 ④は次の項目と一緒にいたします。
 次に、基地問題について。
 在沖米軍の大幅削減や海外への一部訓練移設及び新嘉手納統合案問題等について、国内外でのマスコミ報道や要人発言で動きも慌ただしさを増しております。これも一義的にこれまで沖縄県民が過重な負担を強いられてきたことに対し、内外から大きな視点としてとらえてくれたことだと思います。
 そこで県側の意見も肝要でございますので、お聞きをいたします。
 ア、在沖海兵隊大幅削減、1万5000人豪州移転について国内外のマスコミが大きく報道されましたが、その内容について知事はどのように受けとめておられますか。
 イ、県が米国防総省に真意を確認したことに対する福田康夫官房長官の「権威発言」について、県側とのやりとりの経緯はどうなっておりますか。
 ウ、中川秀直元官房長官も個人的見解として、米軍要人と在沖米軍の配置及び豪州移転について意見交換をしたと言っておりますが、これについて県はどのように受けとめておられますか。
 エ、アロヨ大統領は小泉首相との会談でフィリピンへの訓練移設表明をしておりますが、県は政府に対しどのように対処していくおつもりですか。
 オ、米偵察哨戒部隊司令部が三沢へ移転する方向で検討されていることについてどう思いますか。
 カ、海兵隊の普天間飛行場を嘉手納飛行場に統合する県出身国会議員の提案に対し、県側のお考えをお聞かせください。
 ②、宜野湾市長のSACO合意事案の普天間飛行場の辺野古移設と海軍病院のキャンプ瑞慶覧移設受け入れ反対表明について、県はどのように対処するおつもりですか。同じく普天間移設のタイムスケジュールもあわせてお尋ねいたします。
 ③、那覇軍港移設についてタイムスケジュールはどうなっておりますか、お聞かせください。
 次に、津堅島トマイ浜の浸食防止対策について。
 勝連町の津堅島は、与勝半島から南東約5キロメートルに位置し、ニンジンの産地として全国的に知られている島であります。
 勝連町津堅島には純白で美しい海浜から成るトマイ浜があります。この海岸線一帯は、海洋レジャーを楽しむ観光客のメッカであり、区民にとりましても観光収入源の重要な場所でございます。しかしながら、ここ数年に来襲した台風や高潮等によって島の貴重な財産である海浜が浸食を受けており、防風林の根が洗われるなどの被害が出始めております。この現状を放置すれば防風林ばかりでなく、海浜に隣接する遊歩道やキャンプ場等の「キャロット愛ランド」施設にも被害を及ぼしかねません。既に農林水産部みどり推進課の職員は現地の実地踏査をしておりますけれども、私もこの前行かせてもらいましたけれども、こういうふうにして浜がありますが、(資料を掲示) ここ数年来大きく浸食しているという現状ですね。これは私ですよね。地元の有志の皆さん、そして町役場の皆さん、こういうふうにして現地を見させておりましたけれども、こういうふうに根こそぎ大変な状況になっております。(資料を掲示)
 そういうことで、つきましては観光振興の面ばかりではなく、農業振興や防災の面から防風林の保全は重要であるということからして海岸浸食は決して見過ごせない問題であります。
 そこで防風林の整備を含めた実効性のある海浜浸食防止対策について県のお考えをお聞かせください。
 再質問を考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
○知事(稲嶺惠一) 上原議員の御質問にお答えいたします。 
 最初は、沖縄振興計画と財政運営についてのうち、「三位一体の改革」による補助率カットの見通しと対応についてお答えをいたします。
 現在、国においては、地方の自主的な財政運営の確立等を目的として地方税財政の「三位一体の改革」方針が閣議決定されております。その内容は、国庫補助負担金については今後3年間でおおむね4兆円程度を廃止・縮減し、廃止する国庫補助負担金のうち引き続き地方が主体となって実施する必要のある事業で、義務的な事業については効率化した上で全額を、それ以外は8割程度を目安として地方へ税源移譲することとしており、その場合の税源移譲は基幹税目を基本とすることとしております。
 しかしながら、おおむね4兆円とされる国庫補助負担金の廃止・縮減の具体的対象事業の絞り込みや税源移譲の対象税目など、見直しの具体的内容については今後国において検討がなされる予定であり、本県及び県内市町村への具体的影響は現在のところ明らかではありません。県としては、地方が標準的な行政サ-ビス水準を適切に維持するためにも、国庫補助負担金の見直し後も引き続き地方が主体となって実施する必要があるものについては全額税源移譲することが必要であると考えております。
 また、引き続き国における議論の推移を見守りつつ、沖縄振興特別措置法等に係る事業に支障がないよう適切に対処してまいりたいと考えております。
 続きまして基地問題について、嘉手納統合案についての御質問にお答えいたします。
 県は、普天間飛行場の移設先の候補地選定についてさまざまな観点から検討し、総合的に判断した結果、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を選定したものであり、SACO最終報告において否定された嘉手納飛行場への統合については検討しておりません。先月9日には、米軍嘉手納基地を抱える沖縄市、嘉手納町、北谷町の3市町で構成する「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」が、普天間飛行場の嘉手納飛行場への統合案に反対することを表明しております。加えて地元議会においても同様に反対の決議がなされております。県としては、現在行われている移設に向けた作業を進めていくことが普天間飛行場の早期返還につながるものと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(仲田輝享) 行政改革や財政運営の基本方針についてお答えします。
 本県の財政状況は、地方交付税や県税などの増収が期待できない反面、歳出においては公債費等の義務的経費が年々増大し、近年大幅な財源不足に対応するため基金の取り崩しを余儀なくされております。このような厳しい財政状況の中においても、沖縄振興計画に基づく諸施策を積極的に推進するため「参画と責任」、「選択と集中」といった基本姿勢のもと、これまで以上に効果的かつ効率的な行財政運営に努め、中長期的にも財政収支の均衡を図っていく必要があります。このため、旧行革大綱に引き続き平成15年度を初年度とする「新沖縄県行政システム改革大綱」を策定し、財政健全化の方策として歳入の確保、歳出の見直し、県債発行の抑制など8項目について取り組んでいくこととしております。
 具体的には、歳出面においては事務・事業の徹底した見直し、民間委託や公社等外郭団体の見直しなどを進め、歳入面においては産業振興策の推進により税源の涵養を図るとともに、徴収率の向上などによる県税収入の確保や使用料及び手数料の見直しなどにより健全な財政運営に努め、振興計画に基づく諸施策の推進に的確に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 必要な補助事業や新たな補助事業についての御質問にお答えいたします。
 県民を挙げて国へ要望し、昨年制定された沖縄振興特別措置法には、本県の教育・福祉・医療の推進、社会基盤の整備に必要な補助事業等に関する国の負担及び補助の割合の特例の措置等が盛り込まれております。また、沖縄の厳しい経済状況を考慮し、さらなる沖縄振興の効果的な展開が可能となるよう毎年度100億円の沖縄振興のための特別の調整費が平成11年度から措置されております。これは、産業振興等に寄与し緊急かつ効果的であると県が認めた事業について沖縄政策協議会で決定し実施する特別な予算であり、この枠組みを積極的に活用し継続することが重要であると考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 在沖海兵隊削減報道についてにお答えいたします。
 ロサンゼルス・タイムスの記事をきっかけとした一連の在沖海兵隊の削減報道については、日米両政府とも報道内容を否定しております。県としては、これまでにも基地の整理縮小とあわせて海兵隊の訓練の移転及び米軍兵力の削減を強く求めてきましたが、今後とも海兵隊をめぐる国内外の動向を注視しながら正確な情報の収集に努めるとともに、あらゆる機会を通じて日米両政府に強く訴えていきたいと考えております。
 福田官房長官発言についてにお答えいたします。
 このことについては、福田官房長官がみずから6月2日午後の記者会見において、県の照会については自由であるとし、報道について事実を否定しております。県は、基地の整理縮小と基地の負担軽減を求める県民の強い意向を踏まえ、今後とも外務省や関係機関と連携し適切に対応していきたいと考えております。
 中川元官房長官の発言についてにお答えいたします。
 中川元官房長官が米国の要人と会談した際、沖縄の負担軽減の観点から、沖縄の基地の見直しについて意見交換したということは新聞報道により承知しております。基地問題については、これまでいろいろな方がそれぞれの立場で意見を述べたり、提案されたりしておりますが、いずれにしても県としては県民の過重な基地負担を軽減するため、今後とも海兵隊の演習、訓練の移転及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減を強く求めていきたいと考えております。
 アロヨ大統領の訓練移設表明についてにお答えいたします。
 去る6月6日に行われたフィリピンのアロヨ大統領と小泉総理との首脳会談において、アロヨ大統領から在沖米軍の訓練受け入れを表明したとの報道がありましたが、詳細については公表されておりません。県としては、これまでにも基地の整理縮小とあわせて海兵隊の訓練の移転を含む在沖米軍兵力の削減を強く求めてきておりますが、今後とも正確な情報の収集に努めるとともに、政府に対し沖縄の基地負担の軽減について目に見える形で進めていただくよう要請していきたいと考えております。
 米哨戒偵察部隊司令部の三沢基地移転についてにお答えいたします。
 米海軍太平洋艦隊の哨戒偵察部隊司令部の三沢基地への移転検討の報道については、新聞報道により承知しております。今回の移転計画は、米国政府が進めている外国に駐留する米軍の再編計画の一環であると理解しておりますが、県としては、基地負担の軽減を求める立場から今後とも駐留米軍の動向を注視したいと考えております。
 宜野湾市長の普天間飛行場辺野古移設反対と海軍病院受け入れ反対についてにお答えいたします。
 普天間飛行場の移設については、これまで閣議決定された政府方針に基づき一歩一歩進められてきた経緯があり着実に進展しているところであります。また、キャンプ桑江の海軍病院の移設については、移設先の宜野湾市が平成12年7月にキャンプ瑞慶覧内の普天間地区への受け入れを表明しております。SACO最終報告においては、海軍病院がキャンプ瑞慶覧内に移設され、キャンプ桑江内の残余の施設がキャンプ瑞慶覧または沖縄県の他の米軍の施設及び区域に移設された後に、平成19年度末までを目途にキャンプ桑江の大部分である約99ヘクタールが返還されることになっており、去る3月31日には北側部分約38ヘクタールが返還されております。
 県としては、SACOの合意内容の着実な実施に向け適切に対応していきたいと考えております。
 普天間飛行場及び那覇港湾施設の移設のスケジュールについてにお答えいたします。
普天間飛行場の移設については、代替施設の建設に当たって、今後、環境影響評価や公有水面埋め立ての手続等に3年程度要することが予想され、また工期については第9回代替施設協議会で9.5年との説明がありました。その後、移設されるものと考えておりますが、現時点では移設や返還の時期については明らかになっておりません。
 那覇港湾施設の移設については、去る1月23日の第4回那覇港湾施設移設に関する協議会において防衛施設庁から、代替施設は現在の那覇港湾施設の約57ヘクタールから約35ヘクタールに縮小されて浦添埠頭地区の北側区域に移設されることなど位置及び形状案が示され、那覇市、浦添市とともに了承したところであります。今のところ那覇港湾施設に係る建設等のスケジュールについては明らかになっておりません。
 以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 津堅島の浸食防止対策についてお答えいたします。
 津堅島のトマイ浜については、台風等により海浜が浸食被害を受けております。当該海浜は、保安林の樹木が倒伏・流失していることから、保安林を整備し浸食防止対策を行う必要があります。このため、県としては地元津堅区や勝連町役場など関係者と調整を行い、事業実施に向けて現地調査を行うこととしております。
 以上でございます。
○上原 吉二 与党に対しては、そっけない答弁だという話も聞こえますので、それについては基地問題、これについてはどう解消し解決を図っていくかという観点を見た場合には、私は体制内野党的立場で主張する必要があると思いますので、あえて再質問を基地問題について行います。
 基地関連のマスコミ報道については、日米両政府とも否定したと言っておりますけれども、好むと好まざるとにかかわらず普天間飛行場を一日も早く返還させることを考慮すべきだが、ここに政治的な駆け引きとメンツにとらわれ過ぎているような感じがするわけでございます。
 普天間代替施設が完成するのに約20年ぐらいかかるということが言われておりますけれども、何の意味もそういうことになるとないわけですよね。
 先ほど、私の質問に対して答弁漏れをしておりますけれども、この普天間移設の代替施設の要するに環境アセスメントから埋め立てを含めて施設が完了するまで大体何年ぐらいかかるのかというものももう一度聞いておきます。
 今の国際情勢からすると、この沖縄の基地自体が時代おくれになるということでございます。これは、国内外の多数の要人が沖縄米軍基地・在沖縄海兵隊の近隣諸国への移転論についての考え方として発言したことは、専門家でもない私たちにも最近の国際情勢を見て予想されることは、要人が発言しているように1カ所に基地がどんとあることが大事ではないと見る。
 また、米中枢同時テロ以降、大量破壊兵器の拡散やテロへの平時の対応を考えると、ハイテク化や機動性を高めるとなると広大な米軍基地がどこまで必要なのか。再配置についても十分あるわけでございますから、20年後の普天間移設となると、15年問題も含めて賞味期限が切れた無用の不要物となってしまうのではないのか。15年問題についてもそうこだわる必要もさほど私はないと思うのではないか。それだけの客観情勢が出てくると知事の公約との矛盾点もないのではないのでしょうか。要は一日も早く移設をするということでございますので、どうぞ知事の御意見がございましたら、ひとつお聞かせを願いたいと思っております。
 津堅島に対しましては、早期に事業実施に向けて頑張るということで大変前向きな答弁がございましたけれども、もっとスピードを出してできないかということですね。
 これから夏本番、島唯一の海浜リゾートでございますので、大きな収入源でございますので、早急な対策が急がれると思います。スピードを出し過ぎたら車の場合は、警察本部長さんもおられますけれども、怒られますけれども、この問題についてはいかにスピードを出しても、私は喜ばれはしても怒られることはないと思っておりますので、どうぞ農林水産部長、しっかりと頑張っていただきたいなと思っております。
 よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 上原議員の再質問にお答えをいたします。
 1つは、基地問題というのは、議員御指摘のように非常に大きく流動的な面も確かにございます。
 それから、いろいろな方がいろいろな面で発言をされているのも事実でございます。
 私も実は、公式、非公式を問わず、ありとあらゆるところで各界各層の方にお会いをいたしまして沖縄の基地の状況、それから基地の整理縮小を求める県民の願い、その辺についてをお話をしているところであります。そして多くの方がそれぞれの立場で沖縄の基地の軽減に対してそれなりの動きをしているのも事実でございます。
 しかし一番大事なのは、常に基本線を守ってしっかりと進んでいくということが大変重要だと思っています。その基本線は別にメンツにこだわっているわけじゃなくて、この基本線にこだわりながら進めていきながら、その時代に合った対応をしていきたいというふうに考えております。一番基本が崩れると、いかに基地問題をこじらすかということは、前県政において最後の土壇場において普天間の移設計画が狂ったことによって、私は全く海の中に沈められた、つまり計画自体がゼロからのスタートではなくて、マイナスのスタートからということでございました。
 その意味で、基本線を着実に進めながら時代時代に合った、その時代に合った最も沖縄にとってベターな選択をこれからもとり進んでいきたいと思っております。
○高江洲義政 何事でもやるぞ、やるぞとその姿勢を見せれば、相手は守りの姿勢になります。ボクシングの場合もパンチを放つ姿勢をとれば相手は身構えます。守りの姿勢になります。アメリカがイラクを攻撃して大量破壊兵器を見つけ出すぞと言えば、イラクはそれを廃棄するか、必ず隠すはずである。北朝鮮の万景峰号が入港しようとしたら、国土交通省を初め各省庁とも立入検査を強化するという。その結果は入港しない。一般質問を通告すると、立派な答弁をするために県職員の皆様は構える。議会と執行部のようによい関係なら県政もうまくいくはずであります。
 イラクや北朝鮮の件は、悪いことをしている国にこれもする、あれもやると事前に通告すれば何も見つからないはずであります。
 世の中の矛盾した話はさておいて、これから一般質問をさせていただきます。
 旧軍飛行場問題は、一昨日来の金城議員の質問にもありましたし各議員がやっておりますが、私も私の角度から申し上げたいと思います。
 沖縄振興計画で「戦後処理問題」として位置づけられて約1年が経過しております。県は、学識経験者による検討委員会を発足させ、報告書を作成し県に提案するということであり、解決に向け一歩も二歩も前進しているように思われます。
 そこで質問します。
 (1)、問題解決のためには、基地が所在する関係市町村の取り組みが重要となります。それぞれの地域で事情は違うと思うが、現在の関係市町村の取り組み状況を御説明いただきたい。
 (2)、この問題について先日の答弁でも、これから資料等を取りまとめて政府に出すと言っておりますが、現在の状況、政府は県の要望等に対してどの程度の理解を示しておりますか。
 次に、先日、沖縄市の空き店舗事業で成功例としてエコ・ルームを経営する平良安高さんの例が新聞で紹介されました。沖縄市における空き店舗対策についてお伺いいたします。
 県は、沖縄市における空き店舗の現状を把握しておりますか。
 沖縄市も現状打開に向けさまざまな方策を模索しているが、将来展望が開けない実態であります。県としての支援策は持っていますか、お伺いいたします。
 次に、起業家支援事業についてお伺いいたします。
 商工労働部が進める起業家支援事業で沖縄電子商取引普及促進事業、空き店舗活用による起業家支援などを盛り込んだ地域産業おこし事業があります。この事業の内容を御説明いただきたい。
 また、これは沖縄市の空き店舗活用に導入が可能でありますか。
 (2)番目、県内企業活動領域拡大事業について御説明をいただきたい。
 沖縄市は、市域の約35%がいわゆる米軍基地であり、市内企業と米軍との事業拡大が望まれます。この事業が活用できるかどうか、お伺いしたいと思います。
 次に、中城湾港泡瀬地区埋立事業についてお伺いいたします。
 埋立事業の進捗状況を説明してください。
 埋立土砂の確保は計画どおり進められておりますか。
 環境影響評価については取り下げます。これについては、来週の火曜日にも環境保全・創造検討委員会が開催されるということでありますのでカットいたします。
 次に、松くい虫防除事業について伺います。
 私は、かつて「中部の山 若者に似て茶髪かな」と、こういう歌を詠んだことがあります。
 (1)、松くい虫ゼロ作戦を展開しているにもかかわらず被害は北部にまで広がっている。県の対応策を聞きたい。
 (2)番目に、米軍基地内の被害に対し県の対策は効果を上げておりますか。
 次に、県営住宅の民間への管理委託についてお伺いいたします。
 以前にも代表質問でこの問題を御質問いたしましたが、土建部長は条例改正等々が必要とこういうことを話しておられました。この件については、後ほどまた渡久地県議も質問があるようでございますので、私は2項目だけ質問いたします。
 まず、管理委託についての県の考えを再度お伺いしたい。
 次に、他県での実施状況があれば御説明をいただきたい。
 次に、中部地区への看護学校の設置についてお伺いいたします。
 私は、あえて「中部看護学校」と言いたいんですが、この看護学校設置については、まず(1)番目に、中部地区医師会との話し合いは進んでおりますか。
 (2)番目、開校目標年次は検討されておりますか。
 (3)番目、看護学校指導者養成等の計画は進んでおりますか。本年度の予算でかなり1000万円近い予算が組まれておりましたが、この養成等の計画は進んでおりますか。
 次に、障害者の雇用対策についてお伺いいたします。
 全国的な雇用不安が続く中、障害者の雇用環境はますます厳しくなっております。このような状況では、障害者がみずから職を探すのは不可能に近いのが現状でございます。幸い昨年、雇用対策課では、11月より今年の2月まで知的障害者のための3級ホームヘルパー養成講座を実施いたしました。1人約5万円の予算で3カ月、15名でありました。この養成講座は、2月21日に修了式をやったわけでございますが、講座修了後、直ちに職場実習や就職支援活動で一貫した活動を行った結果、受講生15名中10名が職場実習を現在行っております。障害を持っている子供たちの両親の喜びもひとしおであります。この親たちが知的障害者のことを「エンゼル」とつけようと、エンゼル親の会を結成して今活動中であります。
 そこでお伺いいたします。
 (1)、障害者に対する県のさらなる支援策をお伺いしたい。これは障害者であります。身体障害も含めて。
 (2)番目に、知的障害者に対する県の就職支援策をお伺いしたい。
 次に、県漁連と漁業問題についてお伺いいたします。
 沖縄の養殖漁業は、スギ(クロカンパチ)を初めとして好調のはずでありました。去る6月の県漁連の総会では、ソデイカやスギの加工販売が低調だったと報告されております。
 質問いたします。
 スギを初め沖縄の養殖漁業について、その現状の説明をお伺いいたします。
 私は、県漁連が大幅な赤字を出した理由に、大きな原因としてほかにソデイカやモズクの大量在庫を抱えたのがその主な要因になっていると思っております。
 まず、ソデイカについて申し述べてみたいと思います。
 近年、ソデイカは沖縄近海では余りとれなくなったと。専門家の話によりますと、それはソデイカをえさとする鯨が沖縄近海に来るようになったからだという話もあります。真偽のほどは我々素人にはわかりませんが、真剣にその漁師は話しておりました。解禁になると1週間から10日の航海で遠く南・北大東まで漁に行っている漁師もおります。一航海で2トンから3トンがとれて、数年前はキロ当たり約700円で県漁連に売っておりました。漁民からの大量の買い上げにより年じゅう販売できるようにいわゆる価格調整をするわけです。ところが、近年の豊漁により買い上げ価格でキロ当たり400円以下に落ち、大量の在庫を抱えるようになり、現在、県漁連では280トンの在庫を持つようになったわけです。
 一方、モズクもほぼ同様でありますが、県漁連は、とれたモズクを全部県漁連に売らないと他の魚類も買い取らないと。こういうことでほとんどのモズクの漁師は、キロ当たり約250円から300円で県漁連に売っている現状でありました。
 漁連は大量のモズクを持つようになり、それが不良品となり売れなくなる。数年前、1缶約18キロを5000円ぐらいで買ったモズクが、それを処分するのに500円の費用をかけて廃棄処分したこともあるようであります。また、久米島では久米島近海に大量に廃棄処分されたモズクが黒山になって浜に打ち上げられ、久米島漁協が重機を出して処理作業に当たった例もあるようであります。大量の在庫と不良品を抱えた県漁連は、単位漁協に代金の支払いが滞るようになり、漁民は勢い浜買いをする仲買人に売るようになったと。いわゆる現金を持ってきて浜で買う、こういうふうになったと言われております。モズク漁師はキロ当たり300円で県漁連に売って、逆にお金が取れないより、現金でキロ当たり100円から150円で浜買いの業者に売った方がいいと、こういうことになるわけであります。県漁連は漁民のためにとやったことが、結果は現在5億円の赤字を出したと報道されております。価格は安いが浜買いも漁民にとってはよい結果と思われるところもあります。
 ここでモズクの話を少しやってみましょう。
 沖縄で生産されるモズクは年間約2万トンであります。キロ当たり150円とすると30億円になります。全部売れますと30億円。これを乾燥モズクにすると800トンになります。25分の1。トン当たりの乾燥モズクは1500万から約2000万であります。すなわち乾燥モズクにすると、2万トンの生モズクが乾燥モズクにすると800トン、120億円から160億円の商品になるわけでございます。
 沖縄市で乾燥モズクを生産して古波津製造業育成基金を受賞した「ハマショク」の高津原忠氏によれば、乾燥モズクや粉末モズクにすれば漁民も最大の収益を上げ、県内各地に乾燥モズクの工場をつくり、関連する産業を興す、そうするとたくさんの雇用も生まれる。彼は、指導するのにやぶさかではないと言っております。
 そこでお伺いいたします。
 ソデイカや乾燥モズクの繰越在庫や在庫管理のあり方や価格調整について県はどのように考えておられますか。
 次に、農業問題についてお伺いします。
 昨年、登録されてない農薬が出回り、国内農産物に対する消費者の信頼を傷つけたとこの「JAニュース」に載っております。
 そこで、無登録農薬を輸入させない、無登録農薬の使用を法律で禁ずる、違法な販売、使用を防ぐため罰則を引き上げると言っております。ことしの3月中旬から農薬取締法が改正されております。
 質問に入ります。
 農薬取締法の施行に伴い規制農薬の処理はどうなっておりますか。いわゆるJAが持っていた従来の農薬で規制農薬があったはずであります。その処理はどうなっておりますか。
 2番目、農作物の連作障害は主にどういう作物に起こりますか。仲里議員はさとうきびの専門家でありますが、さとうきびに肥料としてバガスを使うと連作障害は起こさないか、お伺いいたします。
 30数年前に兵庫県から沖縄県に贈られた血統書つきの但馬牛のその後についてお伺いいたします。
 実は、沖縄県に贈った但馬牛は、兵庫県畜産連盟の会長が私が神戸にある機会で牛を買いつけに行ったときに沖縄県にサシの入ったすばらしい、今売ってもこの種牛は130万はするでしょうという牛をもらってきました。美島丸という貨物船に乗って、管理をするおじさんをお願いして、このおじさんを私が管理しながら2泊3日で沖縄に持ってきました。その後のあの但馬牛はどのように沖縄県で繁殖させたか、お伺いいたします。
 次に、長寿県沖縄が危ない、男性の寿命日本一が26位に転落、悲しいことであります。1位になった長野県は脳卒中対策に20年も取り組んだ。沖縄は今頑張れば10年でもとに戻る。県も医師会も企業も教育界も一丸となってやればできると、こう言われております。今でも85歳以上の人は男女とも本土より長生きしている。55歳以下の沖縄の男性は軒並み本土より寿命が短い。女性でも45歳以下では同じことが起きている。これは原因は若年層の自殺、交通事故、あるいは子供たちのいわゆる生活習慣病、こういうことが起因しているようであります。
 沖縄県で中・高校生の薬物乱用対策はどうなっておりますか。
 長寿県再興のため幼児期からの生活習慣病対策は必要と思うがどうか。
 中部保健所運営協議会はどのような活動をしておりますか、お伺いいたします。
 次に、沖縄産の健康食品について質問いたします。
 ウコンに代表されるような健康食品の原材料の多くが農薬取締法の適用を受けない外国から輸入されている。日本では、使用してはいけない農薬が使われているはずであります。輸入段階で原材料の農薬検査が必要と思うがどうか。
 以前ににせのウコンが出て不評を買ったことがあります。これはロサンゼルスまで輸出されていたこともあります。県として製品の品質検査や表示についても取り組みを強化すべきではないかと思います。
 また、表示については具体的に県産原料と外国産原料の割合をその商品に表示するようなことで指導はできないものかお伺いいたします。
 御清聴ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) 高江洲議員の御質問にお答えいたします。
 まず、中城湾港泡瀬地区の埋立事業の進捗状況についてお答えをいたします。
 泡瀬埋立事業は、平成12年12月19日に公有水面埋立免許及び承認を取得し、現在、埋立面積約186ヘクタールのうち、第Ⅰ区域95ヘクタールの埋め立てに着手しております。
 平成14年9月30日に開催された環境監視・検討委員会において、海草の手植え移植については適用性が高いとの評価が得られたことから、当面の工事実施に必要な海草移植については手植え移植で行うことで平成14年10月8日から工事用仮設橋梁、仮設桟橋、護岸の一部分の工事を行ったところであります。平成15年度は仮設橋梁、仮設桟橋、護岸等の工事を行い、平成21年度には第Ⅰ区域の埋め立てを竣工する予定であります。
 次に、障害者の雇用対策のうち、就職支援についての御質問に一括してお答えを申し上げます。
 障害者の雇用を促進するため、職業準備訓練から職場定着に至るまでの相談・援助を行う支援機関として社会福祉法人名護学院を「北部障害者就業・生活支援センター」として指定したところであります。また、作業環境に適応することにより就職を促進させることを目的とした職場適応訓練事業を実施しております。職業能力開発についても、昨年度に引き続き緊急委託訓練として知的障害者を対象としたホームヘルパー3級養成講座を実施してまいります。さらに、障害者雇用促進月間を中心に啓発活動を行っているところであり、今後ともきめ細かな対策を講ずるとともに、関係機関との協力により積極的に対応していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係各部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 旧軍飛行場問題の市町村の取り組み状況についてにお答えいたします。
 旧軍飛行場用地問題については、各市町村ごとに担当窓口を設置し、県と連携を密にして取り組んでいるところであります。また、去る1月31日に開催した県・市町村連絡調整会議において、各地主会の要望内容の取りまとめに際しては、地域の問題として市町村が十分調整を行うことを確認しており、このことを踏まえて現在おのおのの市町村と地主会が要望内容について検討を行っているところであります。
 県としては、本年度実施する委託調査の結果も踏まえ、県・市町村連絡調整会議を中心として要望内容の検討を行い、できるだけ早く戦後処理としての解決を国に求めていきたいと考えております。
 政府の反応についてにお答えいたします。
 旧軍飛行場用地問題については、従来、所有権の返還に関連した問題として取り扱われてきたため国有財産の管理者である財務省と協議を行ってきました。しかし、同問題が戦後処理問題として新たに沖縄振興計画に位置づけられたことから、今後は内閣府とも協議を進めていきたいと考えており、財務省及び内閣府に要請を行っております。県の要請に対し財務省は、国有財産管理者の立場として、また内閣府は沖縄振興計画を所管する立場からおのおの対応していきたいとしております。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 沖縄市の空き店舗の現状と県の支援策について一括してお答えをいたします。
 沖縄市における空き店舗の状況は、平成14年末時点で総店舗数1979店舗に対しまして空き店舗が290店舗あり、空き店舗率は14.7%と県全体での空き店舗率10.2%に比べ4.5ポイント高い状況となっております。県の支援事業といたしましては、平成13年度に沖縄市において空き店舗対策事業を実施し、現在5店舗が継続して営業しております。また、今年度は沖縄商工会議所が実施する空き店舗活用起業支援事業を支援しており、7月のオープンに向けてIT教室等6店舗が開店準備を進めております。今後とも、沖縄市との連携を図りながら商店街の活性化に向けた施策に取り組んでまいります。
 次に、電子商取引普及促進事業及び若年求職者の起業支援事業の内容と空き店舗対策への活用についてお答えいたします。
 沖縄電子商取引普及促進事業は、県内企業がITを効果的かつ積極的に活用し、経営の高度化や業務の拡大を図ることを目的として新たに創設した事業であります。具体的には、ITを活用したビジネスモデルを開発する企業等に対し補助対象経費の4分の3以内、3000万円を上限に補助するものであります。また、若年求職者の業種にとらわれない柔軟なアイデアを生かして空き店舗の活用を図ることを目的として若年求職者の起業支援事業を実施しております。
 この事業は、起業に向けての研修会の実施やインキュベートショップにおける事業の検証等を行い、その中から各地域の空き店舗へ展開する可能性が高いものに対して補助対象経費の4分の3以内、300万円を上限として補助するものであります。したがいまして、いずれの事業も空き店舗対策としての活用が可能であります。
 県内企業活動領域拡大事業についてお答えをいたします。 
 この事業は、県内の米軍基地から派生する契約業務に係る発注機関、発注方法、契約手順等の状況を調査し、県内企業が米軍の発注する業務をより多く受注できるよう条件整備を図ることを目的としております。事業の実施主体は那覇商工会議所でありますが、県としても県内企業の受注機会の拡大を図る観点から支援しているものでございます。
 健康食品の品質管理等の取り組みについてお答えをいたします。
 健康食品産業の競争力向上のためには、消費者の求める安心・安全な商品を提供することが重要であると考えております。健康食品業界では平成9年に「健康食品産業協議会」を設置し、業界全体として品質管理や表示の適正化を進め、「おきなわブランド」確立に向け努力しております。また、本年6月には景品表示法等の専門知識を有するアドバイザー2人を委嘱し、取り組みを強化しているところであります。
 県としましては、このような業界の取り組みを促進するため食品衛生法や薬事法、景品表示法等の関係法令や、品質管理技術に関する講習会の開催等に対し支援を行っているところであります。また、工業技術センターや株式会社トロピカルテクノセンターにおいて企業からの依頼を受けて製品の分析検査を実施しております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 中城湾港泡瀬地区干潟の埋立事業についての、埋立土砂の確保についての御質問にお答えいたします。
 泡瀬埋立事業は、新港地区、泡瀬地区のしゅんせつ土砂を活用して埋め立てる計画であります。そのため、平成16年度より泡瀬地区の航路しゅんせつ土砂を投入し、平成19年度からは新港地区東埠頭のしゅんせつ土砂を受け入れ、平成21年度までに第Ⅰ区域の埋め立てを竣工する予定としております。
 次に、県営住宅の民間への管理委託及び他県での実施状況について一括してお答えいたします。
 県営住宅の管理につきましては、地方自治法第244条の2第3項の規定を踏まえ「沖縄県営住宅の設置及び管理に関する条例」第61条において、「市町村又は沖縄県住宅供給公社に委託できる。」旨規定しております。
 ところで、公の施設の管理については民間事業者にも行わせることができることを内容とする地方自治法の一部を改正する法律が平成15年6月13日に公布されたところであります。県としましては、同法律の内容を十分に検討し対応してまいりたいと考えております。
 なお、県営住宅の民間への管理委託について九州各県に確認したところ、現時点では実施している県はありません。
 以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 県の松くい虫防除対策と米軍基地内の防除対策について一括してお答えいたします。
 平成13年度に策定した松くい虫防除計画は、平成14年度から18年度の5カ年計画で松くい虫の防除対策を講じることとしております。防除対策については、平成14年度は約6億円を確保し、被害木約4万6000本の伐倒駆除を行っております。平成15年度の防除対策については、伐倒駆除等に要する所要の予算を確保し効果的な対策を実施していく考えであります。
 また、米軍基地内の被害木の防除については、松くい虫防除県民連絡会議の構成メンバーとして那覇防衛施設局及び米軍も参画し取り組んでいくこととしております。今後とも関係機関等と連携を密にし、県民が一体となった松くい虫防除対策を実施してまいりたいと考えております。
 続きまして、養殖業についてお答えいたします。
 本県の養殖業は、クルマエビやモズクなどを中心に生産が着実に進展し、平成13年の生産額は漁業生産額全体の36%に当たる71億4000万円となっております。オキナワスギについては、平成9年の生産額500万円から平成13年には5億5000万円と著しく増加しております。しかし、これまでは外国産の高価な種苗に頼っていたため養殖業者から県内での種苗生産が望まれていたところであります。このため、水産試験場においてスギの種苗生産技術を研究開発したところであります。
 また、栽培漁業センターでは平成12年度までに大幅な増築を行い、安価で健全な県産種苗を供給する体制を強化しております。県としては、今後とも養殖用種苗の研究開発と種苗供給体制の確立を図り、養殖業の振興に努めていく考えであります。
 続きまして、モズクやソデイカ等の在庫管理と価格調整についてお答えいたします。
 沖縄県漁業協同組合連合会においては、平成11年度にモズク、ソデイカの豊漁に加えて価格が高騰した時期に大量の買い取りを行い、繰越在庫が生じております。県漁連では、平成14年度決算に当たりこれらの繰越在庫の棚卸しを行い、多額の棚卸し評価損を計上しております。今回の措置については県漁連の理事会並びに総会において承認されたところでありますが、御指摘のとおり本県の水産業の振興を図るためには流通・販売・加工対策の強化が極めて重要であると考えております。特に、モズクなどの市場競争力の強化を図るためには共販による流通の効率化が求められております。このため、県としては沖縄県漁業協同組合連合会の冷蔵施設の整備を図るとともに、平成15年度には糸満市において乾燥モズク施設を整備する計画であります。
 続きまして規制農薬の処理についてお答えいたします。
 県においては、平成14年9月に農薬販売業者に対し無登録農薬の販売等についての一斉調査を実施しております。その結果、輸入された農薬の中で登録がとられていない植物成長調整剤の販売が確認されております。当該農薬については、流通・販売・使用がなされないよう厳重に取り扱うとともに、保管している農薬については産業廃棄物として適切に処理するよう指導してまいります。
 さらに、県では農薬販売業者や農家等を対象に農薬危害防止講習会、農薬管理指導士養成研修会等を実施し、農薬の安全使用に関する普及・啓発に努めております。今後とも、生産農家や農薬販売事業者など関係者に対して指導を強化していく考えであります。
 続きまして連作障害についてお答えいたします。
 本県の持続的な農業振興を図るためには、連作障害対策は農業経営上、重要な課題であると認識しております。連作障害に弱い作物としてはナス、トマト、葉たばこ等があります。
 農作物の連作障害対策については、さとうきびとの輪作体系、有機物資材投入による土づくりが必要であります。このため、県としては家畜ふん尿やバガス等を利用した堆厩肥の施用を推進するとともに、クロタラリア等緑肥作物の栽培による地力増強対策に努めていく考えであります。
 続きまして、兵庫県から贈られた但馬牛についてお答えいたします。 
 沖縄の本土復帰が決まったことを祝賀するため、昭和44年に兵庫県から但馬牛の雄牛「勘照」、雌牛「たじま」の各1頭が寄贈されております。当該牛は、琉球畜産試験場において飼育されてました。「勘照」は、凍結精液の実用化の試験に供用し農家に配布されております。また、雌牛の「たじま」は繁殖牛として供用し、生産された子牛は農家に払い下げております。
 但馬牛は肉質がすぐれていることから、本県では但馬系の飼育頭数は順調に増加しております。現在、繁殖牛の約4割が但馬牛であり、生産子牛の約半数近くがその系統になっております。
 続きまして、健康食品の原料の産地表示についてお答えいたします。
JAS法に基づく加工食品の品質表示事項は、名称、原材料名、内容量、賞味期限、製造業者の氏名などが対象となっております。加工食品の原料の原産地については、漬物、水産物加工品の一部及び野菜冷凍食品などが表示義務の対象となっておりますが、大部分の加工食品については表示義務はありません。特に、製造業者が原料の原産地を表示したい場合は自主的な判断で表示することができることとなっております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 看護学校設置に関する中部地区医師会との話し合い、開校の時期、指導者養成等の計画について一括してお答えいたします。
 中部地区医師会においては、具志川市に入学定員80人の看護師養成所を設置する計画で平成14年4月に準備室を立ち上げ、県と意見交換を行いながら開校に向けて準備を進めております。県としましては、現在、国の指定が受けられるようカリキュラム等について助言を行っております。開校の時期については、当初、平成17年4月の予定とされていましたが、用地の確保、施設整備等の準備の都合により平成18年4月に変更になると聞いております。
 看護教員については、設置基準上の必要数の14名が確保されております。また、県では専任教員として必要な研修が受講できるよう7月1日から8カ月間、看護教員養成講習会を実施して支援してまいります。
 続きまして、中・高校生などの薬物乱用対策についてお答えいたします。
近年の全国における薬物事犯は低年齢化が懸念されており、本県においても沖縄県警察本部等の平成14年資料によりますと、少年の薬物乱用検挙者数はシンナー等有機溶剤が21人、覚せい剤が3人となっており、その再犯性や非行に結びつくことなどから予断を許さない状況にあります。
 県におきましては、薬物乱用防止について、これまで厚生労働省や関係機関等と連携して「不正大麻・けし撲滅運動」、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動、「麻薬・覚せい剤乱用防止運動」、「薬物乱用防止教室」等あらゆる機会をとらえて啓発活動を実施してきているところであり、特に中・高校生などへの薬物乱用対策は、成長期にある青少年の健康に与える影響が大きいことなどから重点課題として認識しております。県としては、今後とも知事を本部長とした沖縄県薬物乱用対策推進地方本部のもと、関係機関や団体と連携し薬物乱用防止対策を推進していく考えであります。
 とりわけ中・高校生などに対しては、教育機関の協力を得てヤングボランティアを中心としたキャンペーンの実施や、薬物乱用防止キャラバンカーを活用した学校現場での薬物乱用防止教室等普及・啓発の充実を図り、薬物乱用防止に努めていきたいと思います。
 続きまして、中部保健所運営協議会についてお答えいたします。
 保健所運営協議会は、地域住民の意見を十分に反映した保健所業務の運営を行うことを目的として医療・福祉との連携や包括的な健康づくりという視点から、管内の関係機関と連携して地域保健対策を総合的に推進するため設置されています。
 協議会は、市町村、保健・医療、福祉施設、職域保健、利用者等の団体代表及び学識経験者で構成されています。中部地区においては中頭教育事務所もオブザーバーとして加わり、学校保健との連携を推進しております。
 続きまして、健康食品の輸入原材料の農薬検査についてお答えいたします。
 輸入食品については、沖縄を含め全国31カ所の検疫所でサンプリングし、2カ所の検疫検査センター及び5カ所の検疫所で検査が行われています。
 日本で使用してはいけない農薬等が残留している可能性の高い食品の検査と食品の種類ごとに輸入量、違反率を勘案しての計画的な検査が実施されています。
 なお、国においては農薬等の残留の規制を強化するなどのため、平成15年5月30日に「食品衛生法等の一部を改正する法律」を公布しました。この法律の改正により、残留基準の定めのある農薬の種類をふやすことと、3年以内には基準が定められていない農薬等についても規制が行われることになります。このことによりさらに輸入食品の安全の確保が図られることになります。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 児童生徒に対する生活習慣病の予防対策についてお答えいたします。
 児童生徒の食生活の乱れや運動不足など不規則な生活習慣が起因して心臓病、糖尿病、肥満症などの生活習慣病が発症すると危惧されております。
 生活習慣病は、食習慣、運動習慣、休養などが深くかかわっている病気であることから、よりよい生活習慣を身につけるよう指導することが生活習慣病を予防する上で最も重要なことであると考えております。
 したがいまして、学校では保健体育の授業においては運動の楽しさを味わわせる、給食時間においては、担任と学校栄養職員による楽しく食べる指導を行っております。また、学校医や養護教諭、そして生活習慣病を専門とする医師、その相互の連携、さらに学校栄養職員を中心とした栄養学に基づく指導などを中心にして生活習慣の改善を図る視点に立って学校教育活動全体を通して健康教育を行っているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、各種研修会の開催、指導資料の作成などを行って生活習慣病予防について教職員の指導力の向上も図るよう努めております。今後とも学校、家庭、関係機関等との連携を深めて児童生徒の生活習慣病予防対策を含めた健康教育の充実・強化に努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○高江洲義政 議長、ちょっと休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後0時8分休憩
   午後0時9分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩いたします。
   午後0時9分休憩
   午後1時31分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 小渡 亨君。
   〔小渡 亨君登壇〕
○小渡  亨 こんにちは。
 本会議も代表質問2日、そして一般質問3日目で知事以下、大分疲れたと思いますが、真剣に一般質問をしますので、真剣に答弁をお願いします。
 1、泡瀬埋立事業の推進について。
 泡瀬埋立事業は、当初、東部海浜開発構想として昭和49年、旧美里村と旧コザ市との合併当時からの構想であり、その構想を踏まえ中部圏東海岸地域の活性化を図るため、昭和62年に沖縄市において「東部海浜開発計画」として策定したのが始まりであります。現在では国や県も事業に参画し、中城湾港泡瀬地区埋立事業として事業が進められております。
 沖縄市民の15年余りにわたる長年の悲願であった事業が平成14年10月、海上工事が着工となり、早期完成が待ち望まれております。
 事業の早期完成は、中部経済圏の活性化に資するのみならず、県の重要施策である特別自由貿易地域を支援する新港地区の整備と密接な関係があると同時に、県の振興策上も極めて重要であります。
 そこで、泡瀬埋立事業がどのように今後進められるのか、予定等について質問します。
 (1)点目、沖縄総合事務局はトカゲハゼの繁殖期のため4月から工事を中断しております。そして、8月1日から再開すると述べておりますが、これに間違いないかどうか確認します。また、再開する工事内容等を説明してください。
 (2)点目、泡瀬埋立事業の完成年度等今後のスケジュールを説明してください。
 (3)点目、しゅんせつ土砂の関係から泡瀬埋立事業と密接な関係のある新港地区の東埠頭はいつから供用されるのか、お答えください。また、特別自由貿易地域の土地造成状況はどうなっておりますか。
 (4)点目、特別自由貿易地域内に誘致する企業はどのような企業を考えておりますか。また、現在の誘致の状況はどうなっておりますか。
 以上、4点について知事の答弁を求めます。
 次に2、有事関連法について。
 外国からの武力攻撃に対処するための基本的事項を定めた「武力攻撃事態対処法」と「改正自衛隊法」、「改正安全保障会議設置法」の有事関連三法案は、昨年4月開会の通常国会に提出されましたが、2度の継続審議を経て今国会に与党修正案として三たび衆議院に提出されました。
 衆議院においては、自民党と民主党による修正協議の結果、一部社民党や共産党の反対はあったものの、9割近い圧倒的多数の賛成で可決し、参議院においても出席議員235名中202名の賛成、1名の棄権、反対はわずかに同じく社民党、共産党等の32名で、可決成立しました。
 自衛隊が創設されて半世紀、福田内閣で昭和52年に有事研究に着手してから四半世紀、国会議員の9割という絶対多数の賛成で有事法制の基本的な枠組みができました。このことは、かつて国防・国家防衛の任務についていた私にとって大変感慨深いものがあります。
 法律の成立を受けて県内紙は、日本の安全保障の根幹にかかわる重要な法律だが、国民の十分な論議ができないまま与党と野党の一部が数を頼みに採決したと書きたて、憲法の精神に立ち返れと訴えております。
 私は、日本国憲法が成立したとき、どれだけの日本国民がこの憲法にかかわり、どれだけ十分な時間をかけ十分論議されたかはわかりません。
 稲嶺県知事は県内マスコミと同様、この法律の成立は審議不足だとし、政府や国会を批判しております。26年間も政府において研究され、常にマスコミの批判を浴びて内閣官房あるいは総務省は全国町村長会、市長会、知事会、各種議長会等において説明会を実施し、さらに国会において2度も継続審議となり、最終的には国会議員の9割もが賛成した法律のどこが審議不足なのか、私には理解できません。
 知事、どこが審議不足なのか、わかりやすく他の現在ある法律等とも比較しながら説明してください。知事の発言は大変重大で、県民に本当に審議不足だったのかなと誤った認識を与えかねません。答弁を求めます。
 有事法制は成立しました。しかし、実際にはこの法律を使わなくても済むような状況をつくることが最も大切であります。一次的には外交政策であり、次に精強な自衛隊、強固な日米同盟の構築であります。国家の危機に実効性のある具体的対処が速やかに実施されることが肝要であり、国民一人一人が日本国家の安全の実態を認識することが大切であります。
 さらに、地方自治体においては危機管理能力を高める必要があります。危機対処能力、知識などにすぐれた自衛官あるいは自衛官OB等を自治体の職員として迎える自治体がふえつつあります。その実態について説明してください。また、これに対する県の考え方をあわせて答弁を求めます。
 次に、この法律の成立を受け沖縄県知事として県民の安全を図る責任者として武力攻撃事態の態様等を想定し、被害の局限を図るためにあらかじめ対処方針等を定めておくことが必要だと考えますが、知事の見解をお願いします。
 3、日米地位協定について。
 米軍基地から派生する事件・事故、犯罪等が県民生活に少なからず影響を及ぼしていることから、知事は日米両政府に対し日米地位協定の見直しの要請を機会あるごとに行っております。
 これに対し日米両政府は、SACO最終報告において協定の見直しではなく運用の改善で対応し、その後の要請においても一貫して「地位協定の運用改善について、誠意をもって取り組み、必要な改善に努める。」との方針を変えておりません。
 私も、米軍関係者による事件・事故、環境問題、犯罪等について国民あるいは県民にとって不都合、不公平があるなら徹底して見直しを要求すべきであると考えております。
 そこで、知事が現在要求しております日米地位協定の見直し11項目について、政府のかたくなな態度の原因はどこにあるのかということで11項目を私なりに精査してみましたら、幾つかの疑問点が生じております。
 (1)点目、要請書の第3条関係の(1)で、地方公共団体が要求する緊急な場合とは具体的に何を指すのか、例を示してください。また、同じく(3)で、知事は航空法、道路法等について米軍には適用されてないというふうに判断し記載しております。その根拠はどうなのか。
 (2)点目、第5条関係の(1)で、SACO最終報告以降、民間の空港や港湾が米軍により緊急時以外に使用された例を示してください。また、民間航空機の円滑な定期運航、安全性が米軍の空港使用により脅かされた例を示してください。
 (3)点目、第17条関係の被疑者の拘禁の移転について、平成13年6月、北谷町での婦女暴行事件、平成14年11月、海兵隊少佐による強姦未遂事件――これは告訴そのものが問題化しておりますが――について、起訴前の身柄引き渡しの不可、あるいは遅延について知事は大いに問題視しておりました。しかし、実際に事件を捜査した県警の担当者は、捜査に関して身柄は米側にあったが、捜査に特に支障はなかったというふうに県議会で述べております。このことを警察本部長に確認します。
 4、宜野湾市長選挙について。
 宜野湾市長選挙は、知事が応援した選挙で初めての敗北でありました。私も友人の一人として精いっぱい応援したところでありますが、残念に思っております。
 5年で普天間を返還させるという今までの常識では考えられない公約を掲げた候補者が当選しました。結果的に知事が進めてきた普天間返還のシナリオが宜野湾市民から否定されたことになります。知事は、選挙の敗因をどうとらえておりますか、答弁を求めます。
 5、運転免許行政における手数料と委託料について。
 この問題について、私は平成10年から適正な委託料にしていただきたくこの壇上でも、あるいは各種委員会においても取り上げて質疑をしてきました。しかし一向に改善されておりません。
 一例を挙げるならば、運転仮免許作成交付業務で、県民がこの行政サービスを受けるのに1200円の手数料を県証紙で支払っております。県公安委員会はその業務のほとんどを民間業界に351円、29%で委託しております。余りにも少ない委託割合に対し、去る予算特別委員会で再度質疑をしたところ、警察本部警務部長は、民間は人件費が安いから29%程度で委託をしているとの答弁でありました。
 もっと詳しく述べるならば、この行政サービスを実施するのに警察職員が行えば1200円かかるが、民間企業の職員は警察職員より給与が安いから29%程度の351円で十分であるという。いわゆるキャリア官僚の官尊民卑的な平成15年3月12日の予算特別委員会での答弁でありました。
 そこで、仮運転免許関係各種取得時講習、職員講習関係、高齢者講習、初心運転者講習のそれぞれの業務について、委託先の委託割合の算出根拠と警察職員が実施する一部の業務の算出根拠を示してください。
 次に、公安委員長と県警本部長に質問します。
 県民が警察事務のサービスを県証紙で納めて受ける行政サービスは、本来警察職員が行うべき制度であります。民間業界は少子化が進む中、経営が厳しい状況で安い委託料でのすべての警察業務の委託が採算割れであります。赤字が続くこの公安委員会からの委託を民間業界は拒否することができますか。直接は公安委員会との契約でありますから、公安委員長と警察本部長に答弁を求めます。
 我が党の代表質問との関連については割愛します。
○知事(稲嶺惠一) 小渡亨議員の御質問にお答えいたします。
 最初は泡瀬埋立事業の推進について、事業再開の8月1日は事実か、また工事内容及び完成タイムスケジュールについて一括してお答えを申し上げます。
 泡瀬埋立事業は、平成12年12月19日に公有水面埋立免許及び承認を取得し、現在、埋立面積約186ヘクタールのうち第Ⅰ区域約95ヘクタールの埋め立てに着手しております。平成14年9月30日に開催された環境監視・検討委員会において、海草の手植え移植については適用性が高いとの評価が得られたことから、当面の工事実施に必要な海草移植については手植え移植で行うことで、平成14年10月8日から工事用仮設橋梁、仮設桟橋、護岸の一部分の工事を行ったところであります。平成15年度は、現在、トカゲハゼの繁殖期のため生育保全に配慮し工事を中断しておりますが、8月1日から仮設橋梁、護岸等の工事を行う計画であります。また、平成18年度までに仮設護岸を完成させ、平成21年度には第Ⅰ区域の埋め立てを竣功する予定であります。
 次に、特別自由貿易地域への企業誘致についての御質問にお答えいたします。
 県は、特別自由貿易地域への企業誘致に当たり、より効果的な立地促進を図る観点から戦略的な誘致対象業種を選定しております。選定の結果、電気機械、精密機械、化学、金属加工などの業種が立地有望と考えており、現在、これらの業種について重点的に企業訪問活動を実施しているところであります。現在の誘致状況は、平成14年度末現在で分譲地に1社、賃貸工場に7社の計8社が立地しております。また、今年度は現時点で分譲地に2社、賃貸工場に3社の計5社の立地内定を行っており、これらの企業はことし7月から10月にかけてそれぞれ操業開始の予定となっております。
 次に、有事関連法について、審議不足の根拠についてお答えをいたします。
 武力攻撃事態対処関連三法については、国会における法案審議において我が国の安全保障のあり方、特に本県に米軍基地が過度に集中している現状を含めて、広く国民の意見を聞いた上で十分な議論を尽くすよう要望した本県の意向が十分反映されず残念であります。県としては、沖縄の基地問題は単に一地域の問題ではなく全国民的課題であり、国民保護法制や米軍及び自衛隊に関する法制の検討・審議に当たっては、米軍基地の負担のあり方等についても十分に議論を尽くしていただきたいと考えております。
 次に、武力攻撃事態対処方針の策定についてお答えをいたします。
 武力攻撃事態対処法では、地方自治の問題とかかわりの深い内閣総理大臣の総合調整、地方公共団体等に対する指示やみずからの対処措置の実施及び(損失に関する財政上の措置)を規定した第14条から第16条については、国民保護法制の整備まで凍結されることになっております。また、地方自治体との関連が強い国民保護法制については、現在、法案を策定している段階であり、具体的内容は明らかになっておりません。武力攻撃事態対処法第9条の規定では、武力攻撃事態への対処に関する基本的な方針、いわゆる「対処基本方針」は、武力攻撃事態等に至ったときに政府が定めるものとされており、この「対処基本方針」には武力攻撃事態の認定のほか、国民の保護に関する措置など対処措置に関する重要事項を記載することとされております。また、現在、国が法案策定を予定している国民保護法制では、政府が都道府県や民間事業者等の意見を聴取した上で国民の保護に関する基本指針を定め、これを受けて都道府県や市町村が国民の保護に関する計画を定めることとされています。
 県としては、県民の生命財産を守る観点から、今後の法案の策定や国会等での議論を注視しつつ適切に対応したいと考えております。
 次に、宜野湾市長選の結果についての御質問についてのお答えでございます。
 宜野湾市長選挙の結果については、このたびの市長選挙が実施された経緯もあり、このような結果になったものと受けとめております。平和で基地のない豊かな島の実現は県民全体の願いでありますが、基地の整理縮小に向けては、現実的な対応によって一歩一歩着実に前進させていく必要があると考えております。
 なお、伊波市長は、宜野湾市議会定例会で普天間飛行場の5年以内返還の具体的なプログラムについてはまだできていない旨答弁したと承知しております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○土木建築部長(安慶名正行) 泡瀬埋立事業の推進についての、新港地区東埠頭の供用開始についてお答えいたします。
 中城湾港新港地区東埠頭は、現在213ヘクタールのうち197ヘクタールの埋め立てが竣功しております。港湾施設は、マイナス7.5メートル岸壁3バースが完成しており、マイナス11メートル岸壁1バース、マイナス7.5メートル岸壁3バースは現在整備中で平成18年度までに完成の予定であります。
 また、航路・泊地の整備については国が事業主体となっており、しゅんせつ土砂は泡瀬地区の埋め立てに活用する計画であります。このため、国においては平成19年度から泡瀬地区へ土砂を投入し、平成21年度には航路・泊地を完成させ、東埠頭の一部供用を図る予定と聞いております。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 特別自由貿易地域の土地造成状況についてお答えをいたします。
 特別自由貿易地域の埋立工事につきましては、平成10年8月に竣功しており、現在、区画道路、上・下水道等のインフラ整備を行っております。同地域のインフラ整備につきましては、平成19年度完了を目途に取り組んでおり、平成14年度末現在の進捗率は約75%となっております。
 以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 自衛隊OBの地方自治体への再就職についてにお答えいたします。
 県が自衛隊沖縄地方連絡部へ照会したところ、県内においては現職の自衛官が自治体へ出向した事例はなく、自治体への再就職のあっせんについても平成12年8月以降現在までは例がないと聞いており、平成12年以前については資料がなく不明とのことであります。
 退職自衛官等の地方自治体への再就職については、今後、武力攻撃事態対処法等に関する具体的な業務内容などを見きわめながら、退職自衛官等の採用の必要性が生じた段階で検討されるものと考えております。
 地方公共団体が要求する緊急な場合と、航空法等が米軍に適用されていない根拠についてにお答えいたします。
 県が平成12年に要請した「日米地位協定の見直しに関する要請」の中で、第3条関係として「緊急の場合は、事前通知なしに即座の立入りを可能にする旨を明記すること」を盛り込んでおります。米軍基地内への立ち入りについては、平成8年12月の日米合同委員会合意において原則14日前に申請することとなっており、その例外的取り扱いを求める場合は、日本側から米側に対し日米合同委員会で要請する必要があります。しかし、基地内における環境汚染物質の流出事故や航空機事故等の調査等緊急を要する場合があり、当該合意を適用していては時期を逸することになりますので、その際の緊急立ち入りを要望したものであります。
 また、航空法の適用除外については、いわゆる航空特例法(昭和27年法律第232号)により、米軍の航空機については、例えば最低安全高度の飛行、航空交通管制圏等における速度の制限、編隊飛行の制限、曲技飛行等の制限などの航空法の規定が適用除外となっております。 
 道路法の適用除外については、道路の構造保全及び交通危険の防止に関する措置を定めた道路法第47条の規定に基づく車両制限令第14条によって、米軍車両については同法の適用が除外されております。
 緊急時以外の米軍機の民間空港使用についてにお答えいたします。
 米軍は、フィリピンでのバリカタン演習に参加することを目的として平成8年以降、宮古、下地島、石垣、波照間の4空港を延べ8回、62機のヘリコプター及び給油機が使用しております。これらの米軍機の民間空港使用のトラブルとしては、県への届け出どおりの空港使用が行われなかったこと、滑走路にはみ出して給油作業を行い滑走路閉鎖を起こしたこと、駐機中のヘリがエンジントラブルを起こし、大幅に出発時間がおくれたことなどの事例があります。
 以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 平成13年及び14年の米軍構成員による事件の捜査状況等についてお答えします。
 1件目の平成13年6月29日の事件につきましては、米軍捜査機関の協力を得て被疑者を割り出しましたが、既にその身柄は米軍手中にありました。そこで、県警察におきましては7月2日強姦罪で逮捕状を請求して発付を得、7月6日の日米合同委員会において起訴前の拘禁の移転について米国側の同意が得られたことから被疑者を逮捕いたしました。
 なお、平成14年3月28日、懲役2年8カ月の実刑判決がありました。
 もう一件の事件は、平成14年11月2日の在沖米海兵隊少佐による事件でありますが、県警としましては11月2日米軍憲兵隊からの通報により事件を覚知し、被害者や被疑者の人権に十分に配意しつつ所要の捜査を推進し、12月3日逮捕状の請求を行い発付を得たところであります。県警は逮捕状が発付され、さらに被疑者の身柄が米軍手中にあったことから、警察庁に対し平成7年の日米合同委員会合意に基づき起訴前の拘禁の移転について要請を提起するための日米合同委員会の開催を要請したものであります。その結果、日米合同委員会が開催されましたが、米国側から起訴前の拘禁の移転について同意を得られませんでした。県警は所要の捜査を行い、12月9日那覇地方検察庁へ事件を送付したものであります。
 本件事案につきましては、現在公判中であることから、捜査状況等につきましては答弁を差し控えさせていただきます。
 次に、運転免許行政における委託割合の算出根拠についてでございます。
 公安委員会としましては、運転免許関係事務の一部について道路交通法第108条に基づき内閣府令で定める法人に委託しております。その際の委託割合とは、事務委託における手数料に占める委託料の割合であります。
 手数料の積算につきましては、事務処理に要する人件費、光熱水費や印刷製本費等の物件費、建物等の償却や維持費等の施設費を勘案して積算しております。また、委託料の積算につきましては、あらかじめ示された予算の範囲内において当該委託事務に要する人件費、物件費及び施設費を勘案して積算しております。
 ちなみに、仮免許学科試験・適性試験補助業務の委託料870円の積算根拠は、人件費が512円、物件費が191円、施設費が167円で予算の範囲内において積算しております。また、仮免許証作成交付業務の委託料351円の積算根拠は、人件費が162円、物件費が189円で予算の範囲内において積算しております。
 次に、行政側が実施する業務の算出根拠についてであります。
 運転免許関係手数料につきましては、特定の者のために提供する行政の役務に対しその費用を償うため徴収する金銭で、県の収入になるものであります。一方、委託料は行政事務の中で他の機関でも処理できる業種に関して事務の合理化・省略化を図る観点から、その全部または一部について事務の委託をする場合に支払われる経費であります。したがって、手数料からその委託料を差し引いた残りが行政側の実施する業務に要する経費であるとの理解であります。
 次に、行政側の委託を拒否することについてでございますが、県内におきましては例えば昨年2万1804名が仮運転免許証を取得しましたが、そのうち2万1357名、97.9%が県内の指定自動車教習所で受験し取得しております。その事務の一部について指定自動車教習所協会の御理解等により事務を委託し、免許業務の適切かつ円滑な運営に大きく貢献をいただいているところであります。これらの業務の委託は業務委託契約を締結して行われていますから、受託者の判断により契約を結ばない、つまり委託を受けないということは可能ではありますが、県警といたしましては県民の利便性の観点などから今後とも受託者の理解と協力を得ながら、現在の形態を維持していくことが望ましいものと考えております。
 なお、委託料の増額改善の要望があることは十分承知しております。
 県警としましては、過去に受託者からの要望、意見等を踏まえ、平成13年度には例えば仮免許試験・学科試験補助業務の委託料を47円引き上げて870円に、仮免許証作成交付業務の委託料も47円引き上げて351円に見直しを図ったところであり、今年度につきましてもこれらの委託料の増額要求をしたところであります。
 今後とも受託者の意見、要望等も十分勘案し、県財政当局に対する理解を得るよう改善に向けて努力してまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 以上です。
○公安委員会委員(比嘉良雄) 運転免許にかかわります事務委託料についてお答えいたします。
 公安委員会といたしましては、運転免許関係の事務の一部を指定自動車教習所協会に委託しております。これらの事務の委託料については、増額の要望があることを承知しております。それを踏まえまして県財務当局を初め関係機関の理解を得つつ改善を図るよう努めていきたいとこのように思います。
○小渡  亨 質問を続けます。
 1点目の泡瀬埋立事業については、8月1日に着工して平成21年度までに1期工事を終えると、大変いいと思うんです。2期工事に関してどうなっているのか。もしわかるならば教えてください。これは新港地区のしゅんせつが1期工事で十分なのか、あるいはまた足りないのかそういうので判断しますので、2期工事についてもまたお願いします。
 次に、有事関連法に関して、自衛隊の現職あるいはOBの採用はないというふうに答弁がありましたが、県外においてもそうなんですか。県外においてはたしか7名かいるはずです。東京都においては石原都知事が志方さんという元陸上自衛隊のOBを採用しております。もっと詳しくお願いします。
 次に、日米地位協定について、1点目の航空法の特例が米軍に適用されていると言っていますが、知事が出しているこの要請書(資料を掲示) この要請の中には2の(3)で米軍に対し「航空法等の日本国内法を適用する旨を明記する」と。日本の航空法は適用されているんじゃないですか。特例法も航空法なんですよ。ただし書きも航空法なんです。その航空法を適用されて飛んでいるのに何でこういうことを書くんですか。これは間違いだよ、これはおかしい。もう一度お願いします。
 そして米軍機以外で航空法のいわゆる適用、ただし書き等で飛んでいる飛行機の所属を説明してください。
 次に、3点目で言いました被疑者の取り調べの捜査についてはっきりと言わなかったんですが、身柄の拘禁の有無そのものに関係なく捜査は実施されております。そうであるならば、知事が起訴前の拘禁にそれほどこだわる根拠が一体どこなのかと。捜査に関しては特に支障はないと。そして起訴になるともちろん来るわけです。その前の捜査段階でも県警の方では任意出頭等しっかりとそれはできているという答弁なんですが、そのこだわる理由がわかりません。教えてください。
 次に、宜野湾市長選挙に関しましては、これは知事の普天間返還シナリオが一方の当事者である普天間の宜野湾市民から否定されたわけなんです。私は、15年使用については最初から反対でした。そして最近では辺野古の代替地の民の部分がかなり問題になっております。そしてこの基本的な民の部分の建設に至るまでの法的根拠等もあいまいです。さらに軍民での利用状況もあいまいです。それについて再度お願いします。
 委託料に関しましては前向きの答弁が得られましたので、今後見守っていきたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時10分休憩
   午後2時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 小渡議員の再質問にお答えします。
 被疑者の拘禁になぜこだわるかということでお答えします。
 県としては、17条関係で裁判権の問題について、「被疑者の起訴前の拘禁の移転の要請がある場合は、これに応ずる旨」というのを求めております。本県では、過去に米軍が身柄を拘束していた被疑者が米軍基地から米国内に逃亡した事例もあるため、平成7年10月の日米合同委員会における合意内容では不十分である。日米地位協定を見直して、すべての事案について被疑者の起訴前の拘禁を我が国が速やかに行えるようにすることを求めている県民の声は根強いものがあります。
 その意味で日米地位協定、県民の生命財産、基本的財産を保障する観点から日米地位協定の見直しの必要があるという、そういう基本的な考え方から求めているものでございます。
 それからもう一つは、普天間飛行場の問題につきまして軍民共用、問題があると。いろいろそちらの方のお話がございましたけれども、これは県は、普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件の一つとして、代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを提示しております。
 これを受けて平成11年12月に閣議決定した政府方針の中で、「普天間飛行場代替施設については、軍民共用空港を念頭に整備を図る」と明記されております。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
 自衛隊OBの採用に関する他県の状況ですけれども、他の都道県では自治体の防災関係部署に危機管理体制づくりの一環として現職や退職自衛官が出向や再就職をしている事例がありまして、17都県・市において22名が出向や再就職をしております。
 それから2番目の航空法の特例について、同国内法は適用されているのではないかということなんですが、米軍の場合、航空法の特例に関する法律によって適用除外されているものであり、国内法そのものの適用はされてないということでございます。
 それから、航空法の適用除外は米軍以外にもあるかということですが、国連軍の場合がございます。
 以上です。
○土木建築部長(安慶名正行) 再質問にお答えいたします。
 泡瀬埋立事業の2期工事の着工時期につきましては、1期工事の進捗状況を見ながら関係機関と調整して検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○小渡  亨 米軍に関しても航空法は適用されております。もう一回聞かせてください。
 次に、被疑者の件に関しては、過去にたしか逃げた例もあります。しかしSACOの最終合意以降、多分ないはずなんですよ、運用改善で。その辺をまた確認します。
 それと、私は県議会においても日米地位協定に関してはお互い特別委員会でもつくって、しっかりとその11項目等を研究して人権とか、環境問題とか、こういった問題を米軍でも反対できないような問題をしっかりと訴えるべきだと思います。余りにも11項目、多過ぎます。
 以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時27分休憩
   午後2時27分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 具志孝助君。
   〔具志孝助君登壇〕
○具志 孝助 通告に従いまして一般質問を行います。
 私は、基地問題に絞って通告をいたしました。基地問題の中で日米地位協定についてと普天間飛行場代替施設について、この2点について通告をいたしました。ただいまの小渡議員の質問とほとんど関連をいたしますので、この先を深めると言った方がいいかと思っておりますが、しかしもう通告しましたので、答弁書は既にでき上がっていると思いますから、これを聞かなければなりません。したがって重複の点もあろうかと思いますが、所見を交えながら質問をいたしたいと思います。
 地位協定問題、これは1995年の県民大会にさかのぼって少女暴行事件に端を発して、やはり我々がかねて主張してきた米軍基地の整理縮小、これをまずやらなくちゃいかぬと。これと同時に、今現にあるわけですから、そのもとで日米地位協定の中で米軍の軍人・軍属の権利義務が定められていると。この権利義務について余りにも米側優位になっているんじゃないかと。これはもう差別条約になっているので見直せと、こういうような決議をあの8万人大会でいたしました。自来、地位協定の問題がずっと県民の大揺れで絶対にこれが必要なんだということでここまで盛り上がってきております。その間、県民投票等もして県民のそれに対する熱意を示しました。
 それに対しまして日米両政府は、平成8年に地位協定の運用改善でできるんだと、こういうようなことを言うわけでありますけれども、事件は絶えない。と同時に運用改善ではしかっとした実効が上がらないと。こういう中からずっと要求をし続け、あるいは知事は訪米をするし、衆議院外務委員会で見直しを検討すべきだというような決議もされた。そして閣議決定でついに運用改善で機敏に対応し、これが十分効果的でない場合は改正を視野に入れるというところまで追い込んできたわけです。
 そこで衆参の沖特委における附帯決議、やはり検討すべきだと。全国知事会も要請決議をやった。日弁連も日本の刑訴法そのものが問題だと、こういうようなアピールをした。そしていよいよ自民党の中で有志による日米地位協定を勉強する議連が発足をしたわけであります。
 きのう、おととい、アメリカ側から抜本的な見直しをしようということで代表団も見えて45日以内に決定をしようと。あくまでも見直しと言っているんですね。そこが問題であるわけですが、知事の全国行動も展開されております。
 これまで11項目が要請されている。さきの議員からも出ていましたが、今、日米間でテーマになっている、特に県民生活でテーマになっている問題に絞り込んで徹底してこれを実現を図っていくと。そして早期に図ると。何でもかんでもこの際一気にというようなことじゃなくて、少なくとも県民の個人的な生命、財産、人権にかかわる項目、すなわち私から言わせれば4条の「施設の返還」、環境の浄化だとか、原状回復義務を徹底して守らせる、明記させる。17条の今さきの「裁判権」、起訴前の身柄引き渡し、これはやはり法治国家であるし、どうして民側がそうするのにアメリカ兵に対して特例を認めるんだと、こんなばかなことはできない、これはぜひともやらなくちゃいかぬ。甘くするから犯罪が起きるんだと、こういうようなことであります。
 それから、18条の被害を受けた側の被害者の損害賠償請求権、これも公務中は日米両政府がやるようになっていますが、公務外の場合はあくまでもその責任者、いわゆる犯罪を犯した人に最終的に責任があると。
 去る見直しの中で、米政府の方にいわゆる見舞金だとかあるいは慰謝料、こういうようなことを検討すると、こういうような努力をするというような規定があるわけですが、これは義務づけてない。これらの3項目については緊急にやはり改正すべきだと思うし、また妥協できない問題。その他すべてが重要です。すべてが重要だけれども、政府の責任においてできる部分があると思うんです、多くは。例えば租税の問題、自動車税は何で公平にやらないかという問題。もしそれをやらないんだったら政府が補てんしなさいと、こういうようなこともできるし、あるいは代替の方法があるかもしれない。しかし、この3点については譲れないと。こういうことで絞り込んで要求をするというのが大事ではなかろうかと思っております。
 そこで、11項目の見直しに対する再検討をする意思はないかと、こういうようなことでございます。
 2点目は、米国側からの運用改善についてすべて関連をいたしますが、やはり17条5項(c)の身柄引き渡しの件なんです。
 アメリカの裁判制度では、取り調べの際には弁護士立ち会いだとか、通訳は当然アメリカでは必要ないわけですが、拘禁される期間の問題だとか、4項目、要するに日本の司法制度は被疑者側に一方的に厳し過ぎると。被疑者側の容疑の段階で犯罪人扱いをされて人権が守られてないと。日本の警察につかまったら大変だと、徹底して拘禁をして白状するまで離さない。アメリカ側は3日以内に起訴をしなくちゃならない。こういうことになっているが、日本側は23日間身柄拘禁をして徹底して調べて検察に回すと。こういうような司法の制度があって、被疑者の身分保障が徹底されない限り身柄の引き渡しはとてもじゃないができないと。安保条約で日本の国を守りに自分の兵隊を送っているのに、あそこでたまたま犯罪を犯したときに、とてもじゃないけれども人権が保障されないと。こんなようなことであっては、自国民の兵隊を外国に送れないというのが日米地位協定あるいは対外国との米国人の兵隊の身分を保障する地位協定である。これを簡単に譲ると、これはもうドイツや韓国やその他アメリカが派遣している駐留軍に対して大変なことになると、こういうことで大変厳しい環境にあると。
 そこで、米軍側がいわゆる被疑者の身分保障についての運用改善を図らない限りは譲らないと、こういうかたい決意であることはもうだれでもが知っているわけです。そうであるとすれば、実際に捜査の現場において今言われた4項目についてどういうぐあいな状況になっているのか、譲れない部分であるのかどうか。実態、アメリカ側が恐れているようないわゆる環境にあるのかどうか。
 そして、アメリカ側が言う日本の刑訴法は大変劣悪であると、こういうような指摘もあるわけでありますけれども、県警本部長として現場の状況、それと捜査当局の見解、これについてお尋ねをいたしたいと思っております。
 私は、アメリカ側から厳し過ぎるというだけのことかと、こういうようなことを思ったわけでありますが、いろいろと調べてみましたら、かねてより日本弁護士連合会においてもいわゆる日本の刑事訴訟法、これは国際人権基準に照らし合わせても余りにも低過ぎると、こういうような指摘であります。
 刑事訴訟法施行50周年に当たって、日弁連は特に国際人権法の水準に見合った抜本的な改革をしてもらいたいと。中でも代用監獄の早期廃止、捜査の可視化、人質司法の打破、その他書いてありますけれども、時間がありませんから読み上げませんが、こういうような問題についてどのような見解をお持ちであるか、県警本部長の答弁をいただきたいと思っております。
 質問の2点目は、普天間飛行場代替施設であります。
 嘉手納統合論、このことについて知事は再三にわたってこの場で答弁をされてまいりました。私はこれは承知をしております。県としては、現在行われている移設に向けた作業を進めることが普天間飛行場の早期返還につながるものと考えますというようなことを何度も繰り返した。わかるんです。移設条件の一つですから、軍民共用空港をつくらなくちゃならない、つくってもらいたいということ、これは受け入れ条件ですから。15年使用期限問題も固定的な使用になってはいけない、期限つきだというようなことで期限をつけたんです。これは受け入れ条件なんです。4つの受け入れ条件の中の1つです。譲れないんです。ここはわかっております。同じような質問をやっているんじゃない。
 嘉手納統合論について自民党の代議士から違う意見も出ている。10年間で返せるよと。あそこは8000億とか9000億とか言っているけれども、これの10分の1で間に合うんだと。絶対にあの自然と環境とジュゴンは守らなくちゃいけない、新しい基地はつくらさないと、こういうようなことを申し上げている。
 これはさきに決まったことだから今さらのことじゃないだろうといって、知事はコメントに対しては消極的だった。私はこれを問題と思っているんです。きっちりと当事者責任を果たすべきだと思っている。
 野中さんが沖縄振興特別委員長を辞任されました。どうして今ごろこんなことを言っているんだと。政府もそして沖縄県も一生懸命になって苦渋の選択をしてやってもらったんだと。今さらこんなことを言ったら困ると。こんなことだったらもうやっていられないといってやめたんですよ。
 これは知事に対する強いメッセージですよ。当事者責任を果たしてもらいたいと、あなたたちの問題なんだろうと、一言もだれも言わないのか、最高責任者は何であるか。国の責任でもって代替施設をつくる。なるほど国がやると言っているんですよ。しかしつくるのは沖縄でつくるんです。皆様の条件を言って、我々の条件をのましてつくらすわけですから、決まった以上は応分の責任を果たさなくちゃいかぬというのは当たり前じゃないですか、政治の世界において。これを何とも言わないからああいうようなメッセージが出たんじゃないかと私は思うんです。
 そこで申し上げたいのは、こういうようなことを、できないことをできるように話をすると県民に誤解を招く。そういうような運動が高まってくる、抵抗運動が。何だ、知事はこんなばかなことを政府の言いなりかというようなことになってどうしますか。私は、事業の推進に大きな妨げになると思うんです。そのことについて知事は何らかの意思表示をすべきだと、私はこういうようなことでありますから、よろしく御答弁を聞かせていただきたいと思っております。
 15年問題、結論を先に申し上げます。
 15年が大事ではないと思っております。じゃ16年だったら遅過ぎて、10年だったら早過ぎるという議論かと。そうじゃない。基地は永久じゃないよと、嫌々ながら普天間を移設するためにやるんだよと。新しくつくったら、新しいもんですから古いものよりも長くもつ。永久になる、固定化につながるんじゃないかと、議論の中で違いますよと、期限つきですよというときにただ期限つきじゃ困る。それじゃ15年、15年の根拠は何か。行政上で言う長期という一つのスパンとして15年を言ったと思うんですよ。15年後に今以上にこの東アジアの緊張が高まっているときには、15年になりました、返してくださいというような話にはならないだろうと思っているんです。
 申し上げたいことは、15年という固定した期限が大事ということじゃなくて、期限つきなんだと、こういうような考え方であるということを私はもう一回県民にわかりやすい言葉で説明をする必要があるんじゃないかと。そうでないと県民の中で15年、15年と、こんなものできるわけないんじゃないかと野党の皆さん方は言っている。言葉じりをとらえている。
 そういうようなことで、きちっとしたわかりやすい言葉で説明を願いたい。
 3点目は、軍民共用空港の問題であります。
 共用空港も受け入れ条件の一つであります。アメリカのためにこれだけ莫大な金を、それ以上にあの自然環境を壊していいのかと。そのとおりなんです。みんな嫌なんです。あそこのゴルフ場から見たときに、あそこに飛行場ができるのかなと思うと本当に心が痛い。そうでないといかないのかなというときに、ここにつくるのが目的じゃない。普天間のあの危険きわまりない飛行場を何とかしなくちゃならぬというときに、苦渋の選択として出てきたのがあそこなんですよ。これが基本なんです。
 そこで、それじゃただアメリカのためのみならず、北部の振興につながるように民間が使用できるような共用空港であってしかるべきだと、こういうようなことなんです。ここはだれでもわかる。この話を聞こうとしているんじゃない。
 私は、ここで聞きたいことは、軍民共用空港をつくるという約束をした。これをつくることは、もう一回これから自然環境に与える影響を極力少なくしたいと。こういうことも文言が入っているわけですから、これから環境影響評価をやります、アセスをやる。これの結果も見、そして将来軍空港から返還される。そういうような状況の社会環境がどうであるか、経済環境がどうであるか、住民の生活環境はどうであるのか、やはり民間空港として整備すべきだというときには政府の責任で整備をするようになっているわけですから、私はいま一度その時期に再検討することも大事なことだと、これが政治家の責任であって、決まったから何がなんでもやるんだと。どんな質問をしても同じような答弁で、これは受け入れ施設でありますと、条件つきであります、そういうもとにやっております、だからつくりますと、どんな影響が出ようともつくりますと、こういうことであってはならない。代替施設をつくるのが我々の責任なんですよ。普天間を移設するためにつくらなくちゃいけなかったんですよ。いろいろな意見があってもつくらなくちゃ。だからこれがあって、これより民間部分のものをつくるために環境に与える影響は相当に大きくなると。その相当というのはわからない、予測できない、我慢の範囲内の相当なのか。とてもじゃないけれども我慢できないようなものであるのか。
 私は、環境アセスを調査をした上に再度検討する。あるいはいよいよのときに、例えば軍事基地が撤去されると、こういう状況のときに、やはり民間空港として必要というときに改めてつくると、こういうようなことになるのかどうか。私は、余裕を持った考え方、これが政治家の責任、これが本当の県民のためになる財産ではないだろうかと。決まったから、決まったとおりそのとおりやる、これしかないんだというような狭い視野に立った考え方をすると、広く県民の私は共感というか、理解は得られない。これぐらい柔軟な発言を知事は県民に向かってメッセージを発することがこの事業を推進していくためには大きな力になると思っております。
 そういうようなことを勇気を持って、これは公約の変更じゃないですよ。原則は守るんです、つくるんですよ。期限を守らす。公約の変更じゃないというようなことでありますから、どうぞ私の質問の趣旨を理解して知事の言葉でお聞かせをいただきたい。
 以上で終わります。
○知事(稲嶺惠一) 具志議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、11項目の見直し案の再検討についてでございます。
 県は、米軍基地から派生するさまざまな事件・事故や環境問題などの米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、日米地位協定の運用を改善するだけでは不十分であり、日米地位協定を抜本的に見直す必要があると考え、平成12年8月に日米両政府に対し11項目にわたる見直し要請をしております。現在、県が要請している日米地位協定の見直しの内容については、県議会や関係市町村の意見も聴取しながら十分に検討を重ねた上で具体的項目を取りまとめたものであることを御理解いただきたいと思います。
 それから、嘉手納統合案についてのお答えでございます。
県は、普天間飛行場の移設先の候補地選定についてさまざまな観点から検討し総合的に判断した結果、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域を選定したものであり、SACO最終報告において否定された嘉手納飛行場への統合については検討しておりませんということを明快に申し上げております。先月9日には、米軍嘉手納基地を抱える沖縄市、嘉手納町、北谷町の3市町で構成する「嘉手納飛行場に関する3市町連絡協議会」が普天間飛行場の嘉手納飛行場への統合案に反対することを表明しております。加えて、地元議会においても同様に反対の決議がなされております。県としては、現在行われている移設に向けた作業を進めていくことが普天間飛行場の早期返還につながるものと考えております。
 次に、15年使用期限問題の期間についてお答えをいたします。
 先ほどのここでのお話にはなかったんですけれども、私の方の質問文書の中にいろいろあった中では、15年より短い期間がなおよいと理解してよいかということもありましたので、それも含めてあわせてお答えいたします。
県は、沖縄が58年間にわたり過重な基地負担をしている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から県民が許容できる範囲として、普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件の一つとして代替施設の15年使用期限を設けたものであり、具志議員のおっしゃるとおり理解して結構だと思います。
 続きまして、軍民共用空港に関する意向調査についてお答えします。
 県は、普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件として、代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを提示しております。あわせて、代替施設の建設については、地域住民の生活に十分配慮するとともに自然環境への影響を極力少なくすることも条件の一つとしております。今後、昨年7月に決定された普天間飛行場代替施設の基本計画に基づいて環境影響評価が実施され、より詳細な検討が行われるものと考えており、県としては自然環境への影響を極力少なくするよう国に対し要望していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 日米地位協定の関連で、司法の壁に対する県の認識についてに一括してお答えします。
 日米地位協定の見直しは、人権や環境問題など多岐にわたり国内の法制度とも深くかかわることから、より広範かつ多面的な議論が必要であり、政府全体の問題として内閣のリーダーシップのもとに真剣に取り組んでいただきたいと考えております。県としても、議員から問題提起のある点も念頭に置きながら、日米地位協定の抜本的な見直しの実現に向けて積極的に働きかけていきたいと考えております。
 なお、自民党の国会議員の有志で構成する「日米地位協定の改定を実現し日米の真のパートナーシップを確立する会」では、渉外知事会とも協議・調整の上、日本の刑事司法手続の一部改善を盛り込んだ改正案を取りまとめ、日米両政府に協定の見直しを働きかけていくこととしております。
 以上です。(発言する者あり)
○議長(伊良皆髙吉) 御静粛に願います。
 警察本部長。
   〔警察本部長 髙橋清孝君登壇〕
○警察本部長(髙橋清孝) 米国側の運用改善についてお答えいたします。
 地位協定の見直しなどに関しては、県警としてはコメントする立場にはございませんが、御質問の刑事手続に関することについて、捜査の現状等を踏まえながら一般論として申し上げます。
 1つ目の取り調べへの弁護人の立ち会いについてでありますが、取り調べは事案の真相解明の上で重要な捜査手法であり、取調官と被疑者とが信頼関係を形成しながら行われるものであります。
取り調べの際に弁護人の立ち会いを認めることはこの信頼関係の構築が困難となるほか、関係者のプライバシー、名誉や捜査の秘密等が害されることが懸念されますことから、一般的には認めるべきではないと考えております。
 次に、米国側の通訳人での取り調べについてでありますけれども、県警には英語の堪能な渉外事件調査官等がおり、これらの職員が英語での取り調べを行ったり、通訳を担当しているところであり、これまで取り調べによる問題は全く起きていないことから、英語に関し部外の通訳を使用する必要はないと考えております。
 次に、起訴前の保釈についてでありますけれども、保釈制度に関することにつきましては、県警としてお答えする立場にないことを御了承いただきたいと思います。
 次に、取り調べは1日10時間以内とすることについてでありますけれども、取り調べは原則として執務時間内に行っているところですが、個々の事案の対応や捜査状況によって取り調べに必要な時間が異なることから、1日の取り調べ時間を一律的に論ずることは困難と考えております。
 しかしながら、被疑者の取り調べに当たっては、食事、休憩をとらせ、連続長時間の取り調べを行わないなど人権保障に最大限の配慮を行っているところであります。
 次に、日本弁護士連合会の意見についてお答えいたします。
 これにつきましても県警としてコメントする立場にはございませんけれども、捜査の現状等を踏まえて一般論として説明させていただきます。
 まず、代用監獄の早期廃止についてでありますが、現行の刑事法制下において、警察が犯罪の捜査を適正かつ迅速に行うために被疑者の勾留場所が近接し、取調室等の施設が十分整備されていることが必要であり、現実の問題としていわゆる代用監獄以外にそのような条件を満たす制度はありません。
 なお、この制度の運用につきましては、留置業務と捜査業務を組織上明確に区分し、被疑者の人権保障にいささかも欠けることがないように十分配意しているところであります。
 次に、捜査の可視化についてでありますけれども、取り調べ状況のすべてが録音・録画されることになれば、取調官と被疑者との信頼関係を築くことが困難になるとともに、被疑者に供述をためらわす要因となるおそれがあると考えており、現実の取り調べに及ぼす影響を考慮した上で慎重に判断する必要があると認識しております。
 最後に、いわゆる人質司法の打破についてでありますけれども、このいわゆる人質司法の件は保釈制度の運用にかかわることであり、警察としては答える立場にはなく、答弁を差し控えさせていただきます。
 以上でございます。
○知事(稲嶺惠一) 先ほど若干私のミスがございました。
 といいますのは、前にいただいた質問書にこういうことがあったんです。具志孝助議員の15年使用期限問題について、一定期間という行政上の長期間の場合を指し、長くて15年ということであり、15年より短い期間がなおよいと理解してよいかということで、理解してよいと。
 お話の中で、ここになかった、例えば16年というお話も出たんで、これは明快に否定をいたします。今言った長くて15年ということであり、15年より短い期間がなおよいと理解してよいかという点について、理解を申し上げますと申しました。訂正いたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時55分休憩
   午後2時57分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 伊波常洋君。
   〔伊波常洋君登壇〕
○伊波 常洋 タカ派の小渡さん、仏の具志さんにしては珍しくきょうは執行部には大変きつい御指摘がありました。ハト派の私ですけれども、私もきょうはどうしても言わなくちゃいけない執行部には耳の痛い2件ほど質問をさせていただきます。
 まず、バス問題について質問いたします。
 鉄軌道のない本県にとってバスは当然これは必要な唯一の交通機関です。そしてもちろん現在の4社はあくまで私企業です。しかし赤字路線も運行しています。使命があるものですから、本当は利益を求める企業としては切り捨てたいわけですけれども、その使命を負わされているわけです。ですから今回のバス4社統合、これは白紙に戻りました。莫大な累積赤字を清算して一からスタートをしたいと。しかし先ほど言いましたように私企業ではあるんですが、公共の使命を負わされている以上、私は県も公的支援を注入しなければならないと思っているんですけれども、予算特別委員会等で執行部の答弁を聞きますと、どうもバス4社統合に向けての支援に対して物すごく消極的な姿勢が見られます。そしてとうとう統合が白紙に戻ってしまいました。
 そこで伺いますけれども、この4社統合が白紙に戻ったのはひとえにバス会社だけの責任なのか。はっきり言いまして県の消極的な体制も一因となってこの4社統合が白紙に戻ったのかお聞きします。
 そして、もちろんそのまま統合をお手上げするわけにいきません。将来に向けても統合が必要であるんですけれども、今後の県の4社統合に向けての対応をお願いします。
 次に、統合が実現をすれば競合路線、特にむだな競合路線は整理されるはずでありました。しかし統合が遠のいた今、このままほっておくのか。どうせいずれはバスは統合しなくちゃいけないし、統合は遠のきましたけれども、将来の統合に向けてできるだけ累積赤字を圧縮する、そのために今からでもむだな路線競争を整理すべきだと、県は特に指導すべきだと思うんですけれども、その姿勢をお願いいたします。
 同時に、バス会社4社統合が遠のきました。統合が遠のくほどバス会社の経営は苦しくなります。そして経営が苦しくなる分バス会社は自衛策として赤字路線を廃止する。当然、廃止されたらしわ寄せは利用する県民に降りかかってくると。これは去る3月の予算特別委員会で翁長議員が指摘しました。今、全くその方向に向かっています。
 例を挙げますと、琉球バスが石川・北谷線、中部循環線、那覇交通が与根線を廃止する、もしくは赤字分を路線利用市町村で補てんするよう各市町村に通達してきています。
 例えば、石川・北谷線の経営状況を述べますと、現在、国、県の補助金125万円がついています。しかし、それでも650万円余りの赤字があります。北谷町、沖縄市、石川市にその補てんを求めてきています。この路線には全県校区の球陽高校、中部工業、美咲養護学校があります。中頭病院もあります。免許をとれない高校生、あるいは通院する高齢者にとっては欠かせない生活路線です。この路線を本年の10月1日より廃止すると会社側から、琉球バス側から石川市に示されております。
 それから地元では大騒ぎになりまして、その路線の重要性にかんがみ存続を求める署名がごく短期間で5000名余も集まりました。今、石川市とそれからバス会社の方で便数の削減とか乗り継ぎの工夫等会社側と協議を重ねていますが、それでも脆弱な自治体財政には耐えられない赤字補てんが残ります。国の支援や県独自の支援策にどんなものがあるのか、お伺いをいたします。
 2点目に、これは大変ゆゆしき問題ですので、あえてお聞きいたします。
 現在、石川市の東恩納という地域に県の種畜育成センターがあります。建物が老朽化をし、そして周辺に住宅が張りついているために移転が叫ばれて久しくなります。もう10年以上前から移転の必要性が叫ばれておりました。当初、中部市町村長会の決議を受けまして石川市の楚南地域への移転が決まっておりました。しかし、地主との用買価格が折り合わずそこを断念し、同じく石川市の別の地区にほぼ決定したんですけれども、どういうわけかそこも候補地として断念になったといういきさつがあります。そういうことで地元からの訴えが今出ております。
 中部種畜育成センター移転による債務不履行での県提訴についてお聞きします。
 同センターの移転で地主と用地買収に基本合意していたにもかかわらず、県が候補地を一方的に北部地区に変更して売買契約が成就しなかったのは債務不履行に当たるとして、石川市に住む地権者4人が県を相手に4000万円余の損害賠償を求める訴訟を那覇地裁に提訴しています。
 訴状によると、同センターについて県は2000年に原告らが土地を所有する同市西山原を移転候補地として用地買収の交渉を行った。同年11月には原告らも売却代金を確認して同意書を提出したが、県は地元の反対などを理由に西山原地区を移転先とすることを断念し、翌年2001年6月、国頭村安田への移転を決定した。
 候補地変更で原告らは、代替農地の手付金没収や農作物の植えつけ中止などの被害を受け、その弁償のほか精神的苦痛に対する賠償金各500万円を請求しているという内容になっています。
 そこでお聞きします。
 (1)、当初候補地の石川市西山原地区から北部地区に変更した理由は何ですか。
 (2)、変更に至った際、当該地権者にはどのような変更説明をしてきたのか。
 (3)、去る6月26日の第1回口頭弁論の概要をお聞かせください。
 3番に入ります。
 浸食防止護岸について、実は詳しく質問する予定でしたけれども、今、新石川浄水場が石川地先に建築中です。埋立部門はほぼ完了いたしました。石川市は金武湾に臨む町です。海中道路とか、あるいは市の1次、2次にわたる埋め立て等によって潮流に変化が生じ、墓地がいっぱい集中していますウフガチ海岸というところがあるんですけれども、そこが潮流の変化によって浸食が激しくなり、そのために10年ぐらい前になりますか、県工事によって浸食防止護岸が建築されました。それによって浸食を食いとめ墓地を守るという大事な護岸が10年ほど前に完成しております。今回、新石川浄水場の埋め立てによって、潮流の変化によってまたさらなる浸食が起こるのではないかと、私はそのために質問をしたかったんですけれども、当局と現地を見たところ、やはり自然の力、潮流の変化というのは予測はできない。時間を見て、砂が寄るのか削られるのか、これは時がたたないとわからないものですから、その護岸の必要性があるかどうかは今は判断できないということを現地を見ながら説明を受けましたので、今回はこの質問は割愛いたします。
 次に、我が党の代表質問との関連について。
 1、地位協定改定についてお聞きします。
 知事、副知事による全国行脚、大変御苦労さまでした。米軍による事件・事故のたびに沖縄は米軍に抗議し、日本政府に地位協定改定を訴えてきましたが、その声は全く届きません。海を隔てて沖縄と東京は遠いんですが、それでも飛行機ではわずか3時間足らずです。しかし、基地問題の解決を求める沖縄の声は何十年たっても東京に届いておりません。
 私はいつも思うんですけれども、沖縄で頻発している米軍の事件・事故が、これが仮に首都圏の厚木やあるいは横田、横須賀で米軍の事件・事故が多発をすれば、果たして外務省は黙っていられるのだろうかといつも思います。この意味でも、今回知事を先頭に全国的な声を集める行脚をしたのは大変評価いたします。
 お隣の韓国で昨年6月13日、県道で在韓米軍装甲車が白昼、女子中学生2人をはね死亡させるという事故がありました。現地では事件と言っています。この事件では、なぜ装甲車が、装甲車の幅よりも狭い道路を事前通告なしに通ったのか。米軍は低速で運行したというが、本当に女学生らが見えなかったのかなど多くの疑問点が提起されたそうです。しかし、米韓の条約では捜査権すらも韓国側にはないそうです。米韓には、日本で言う日米地位協定に相当するものとして米韓行政協定というのがあります。その協定によれば、米軍の公務中の事故に対しては米側に1次的裁判権があり、韓国側は捜査権も裁判権も持っていません。そのため、今韓国では今回の事件を契機に協定の改定を求める闘い、特に第1次裁判権を米国側から奪い返すという運動が今国民を挙げて展開されているそうです。米政府も対応せざるを得ないほどの国民的な運動になっているそうです。
 ですから、我々の日米地位協定改定も沖縄だけの声ではなく、全国的な問題として取り上げられない限りもはや進展はしません。その意味で今回の知事の全国行脚は国民の声を上げる大きな足がかりになったと私は評価します。
 そこでお伺いしますが、知事がお会いしました当地の各知事やあるいは議会の反応はどんなものでしたか。温度差を感じることもありましたか。全国の声とするために今後どのような方策を考えていますか。
 次に、海軍病院受け入れ拒否についてお聞きします。
 米海軍病院は1996年、SACO最終報告でキャンプ桑江の返還に伴いキャンプ瑞慶覧への移設が盛り込まれたとあるが、北谷町は海軍病院移設を条件に2007年にキャンプ桑江南側部分の返還が予定されている。ただ、移転先は特定されておらず、宜野湾市と相談したこともないとコメントしています。
 1999年の比嘉前市長が受け入れを表明した以降も何と国と市の協議は全くないと市幹部は言っています。現在まで具体的な建設位置も規模も国から明示はされておりません。これらのことから判断すると受け入れ準備作業が全く何もなされてなかったとしか思えません。1999年、比嘉前市長が受け入れを表明して以来、国、県、市はどのような協議や作業をしてきたかお聞きします。
 また、今回の宜野湾市長の受け入れ拒否は今後の知事の基地行政、特にSACO合意実現にどう影響を及ぼすか。
 拒否表明以降、県は北谷町や宜野湾市、防衛施設局とこの問題について何らかの話し合いを持ってきましたか。
 よろしく御答弁お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの伊波常洋君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後3時15分休憩
   午後3時42分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩前の伊波常洋君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 伊波常洋議員の御質問にお答えいたします。
 バス統合への県の今後の対応についてお答えいたします。
 本島バス4社の統合は、バス事業の経営健全化に資するものであり、県としては公共交通を安定的に確保する観点から統合の取り組みを進めることは望ましいことであると考えております。県としては、去る2月定例会において統合後の新会社に対する出資の表明をしたところであり、バス統合の取り組みが今後とも関係者によって継続して検討されていくのであれば積極的に対応してまいりたいと考えています。
 次に、我が党の代表質問に関連して、地位協定に係る県内外での運動について一括してお答えいたします。
 日米地位協定の問題を国民一人一人がみずからの問題としてとらえてもらい国民世論を盛り上げるため、県は6月から米軍基地を抱える主要な14都道県で構成する渉外知事会加盟都道県の議会議長及び知事への要請活動や、本土紙の一面を使った意見広告の掲載を中心とした全国行動プランを策定し、日米地位協定の抜本的見直しに向けた取り組みを行っているところであります。
 現在、訪問を終えた都道県は、北海道、福岡県、神奈川県、長崎県、東京都の5都道県ですが、それぞれから前向きに取り組んでいきたいとのお話を伺い非常に心強く思っております。今後、残り8県の訪問を予定しており、各県の協力によって日米地位協定の抜本的見直しに向けての全国的機運が高まるものと期待しております。
 なお、他県に所在する米軍基地の規模や基地の使用形態等によってその受ける影響に差があることは否定できませんが、今回の他都道県への要請活動に当たっては、日米地位協定の見直しは沖縄という一地域だけの問題ではなく、国民的な問題であることを中心に説明し、理解と協力を要請しているところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(花城順孝) バス競合路線の整理についての御質問にお答えします。
バス路線の再編は、バス事業者がみずからの経営判断により行うものと承知しております。しかしながら、県としても公共交通を安定的に確保する観点から効率的で利便性の高いバス路線のあり方は重要なことと考えており、今後、国等と連携して検討してまいりたいと考えております。
 次に、廃止表明された石川・北谷線への県の対応についての御質問にお答えします。
 県は、平成13年度から国庫補助制度を活用して石川・北谷線を運行するバス事業者に対し欠損額に対する補助を行っております。しかしながら、同路線は欠損額に対し補助の割合が小さく事業者の負担が大きいとして去る4月にバス事業者から廃止表明がなされ、現在、沖縄県生活交通確保協議会や関係市町村のバス対策会議等でその維持方策について協議をしているところであります。県としては、これまで県内各地の生活バス路線に対し国庫補助制度や県独自の補助制度を活用し補助を行ってきたところであり、生活バス路線については関係市町村も事業者に対する欠損金補助や運行回数、運行時間帯の調整などにより連携して支えることが必要だと考えております。
○農林水産部長(諸見武三) 中部種畜育成センター移転地を北部に変更した理由、地権者への説明及び口頭弁論の概要について一括してお答えいたします。
 中部種畜育成センターの移転候補地については、これまで石川市、石川市議会及び中部市町村会等から要請を受けた経緯があります。
 これらの要請を踏まえて当初は石川市を予定したところであります。しかしながら、石川市については今後の市街化の進展、近隣地域への環境対策、家畜伝染病の防疫対策等の課題があり、県としては平成13年6月に石川市を断念し、県乳用牛育成センター敷地内に移転整備を行うこととしました。その後、平成15年4月24日に西山原地区の地権者4名が沖縄県に対し、用地買収合意の不当破棄に対する損害賠償を求めて那覇地方裁判所沖縄支部に提訴しております。県としては、県の正当性を主張していくこととしております。
 以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 国、県、市の取り組み及びSACOの事案の影響についてにお答えいたします。
 キャンプ桑江の海軍病院の移設については、移設先の宜野湾市が平成12年7月にキャンプ瑞慶覧内の普天間地区への受け入れを表明しており、これを受けて国においては米側とも細部の調整を進めるなど、SACO合意事案に係る返還作業を加速化させるべく取り組んでいるとのことであります。
 SACO最終報告においては、海軍病院がキャンプ瑞慶覧に移設され、キャンプ桑江内の残余の施設がキャンプ瑞慶覧または沖縄県の他の米軍の施設及び区域に移設された後に、平成19年度末までを目途にキャンプ桑江の大部分である約99ヘクタールが返還されることになっており、去る3月31日には北側部分約38ヘクタールが返還されております。
 県としては、SACOの合意内容の着実な実施に向け国と連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ幅広く県民の理解と協力を得ながら適切に対応していきたいと考えております。
 以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時50分休憩
   午後3時51分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 諸見武三君登壇〕
○農林水産部長(諸見武三) 口頭弁論の内容についてお聞きしたいということでございますが、現在、地権者が県に対して用地買収合意の不当破棄に対する損害賠償を求めて那覇地方裁判所沖縄支部に提訴していることから、答弁の内容については差し控えさせていただきたいと思っております。御理解お願いしたいと思います。
○知事公室長(新垣良光) お答えいたします。
 県としては、SACOの合意内容の着実な実施に向け国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ幅広く県民の理解と協力を得ながら適切に対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○伊波 常洋 議長。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時53分休憩
   午後3時53分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) お答えいたします。
 ございません。
○髙良 政彦 それでは通告に従って一般質問を行います。
 最初に、地方分権に伴う三位一体について質問をいたします。
 「三位一体の改革」は、国から地方への補助金削減、税源移譲、地方交付税の見直しを同時に進め、国と地方の財政再建と地方分権を進めようとするものであります。しかし、財政基盤の弱い我が沖縄県にとっては多くの問題が惹起することが予想されますが、県はこのことについて掌握しているのかどうかについて質問をいたしたいと思います。
 義務的経費は徹底的に効率化し全額を移譲するとしておりますが、生活保護だとかあるいは義務教育、治安・防災対策などの行政分野については、国民が全国的に同じ水準の税負担のもとに同じ水準の行政サービスが受けられるような仕組みを維持することが必要であります。地方行政のすべての分野に受益と負担の関係を当てはめるのは不適当であると考えます。我が沖縄県において当てはめた場合、不合理性が大きく問題として出ると思います。
 そこで質問をいたします。
 地方分権の推進の点が弱く不透明な部分が多い。国や地方の歳出効率化が前面に出ており、特に財政基盤の弱い我が沖縄県にとってはますます財政が厳しくなるように追い込まれるのではないか、そういう懸念があります。
 (2)番目に、税源配分の見直しについて、特に地方の基幹税たる個人住民税の応益性を徹底し、広く負担を分かち合う観点から均等割の課税対象の拡大と税額の引き上げ、所得割の諸控除の見直しと課税ベースの拡大、税率のフラット化とそれに伴う所得税との調整を行うとあり、また地方消費税については清算を行うことにより税収の偏在性が少なく、安定的な基幹税目の一つとして大きな役割を期待するとしておりますが、我が沖縄県の税収にどのような影響が出ると考えるのか。島嶼県で行政効率が悪い我が県で果たして税収の増減による財政基盤にどのような影響が出ると考えるのか、御答弁をお願いいたします。
 5月の初旬に久米島病院やあるいは特別養護老人ホーム、また地場産業等を視察してまいりました。それで、それにちなんで質問をいたしたいと思います。
 最初に、公立久米島病院についての改善問題点であります。
 (1)、平成14年7月から産婦人科で出産を可能とする体制になり、また平成15年から手術ができる体制づくりに入りました。大きな前進であります。しかし、人材を継続して確保する仕組みにまだなっておりません。早急な人材確保の仕組みを確立すべきと強い要望がありますが、御答弁をお願いいたします。帝王切開のための麻酔医師の確保と産婦人科医師の今後の確保の見通しもまだ立っておりません。
 (2)番目に、内科・医師数2名、小児科・医師1名、外科・医師2名、産婦人科・医師2名を常設診療科とし、常設でない診療科が眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科、精神科を月に2回、整形外科4回診療日を設定し、琉大や県立病院から医師派遣を得て間に合わせております。外来患者が月およそ1200人から1500人前後となっております。常勤医師数の増加を訴えておりますが、その見通しは立っているのか、解決策はあるのかどうか、御答弁をお願いいたします。
 (3)番目に、現在16人の透析患者が通院加療中でありますが、本島で透析治療を受けている当地出身の患者からの受け入れ要望が強く、また最近は観光旅行者も多く、旅行者からの滞在中の透析を受けたいとの要望もあります。これにこたえるためにも現在は火、木、土の午前と午後実施しておりますが、この透析日を月、水、金にまで拡大したいという要望がありますが、これに対応ができるのかどうか、御答弁をお願いいたします。
 (4)番目に、医師の確保については県立病院からの派遣体制が不十分で、かつ琉大からの協力も困難な状況にあります。特に産婦人科、小児科の医師の確保が今後の問題となりますが、対策はあるのか御答弁をお願いいたします。また、麻酔医師の支援を持続して確保できるかどうかが課題となっております。
 (5)番目に、医師確保に関しては、県立病院附属診療所では自治医科大学で養成された医師が中部病院を研修の場として経由し派遣されますが、この仕組みは公立久米島病院を派遣の対象にはされておりません。したがって、今後はどうしても琉球大学からの医療支援が必要であり、県の行政指導で琉大の協力を得て人材支援の仕組みをつくる必要があると考えますが、御答弁をお願いいたします。
 (6)番目に、病院管理局と離島医療組合は、行政機構で異なる組織であるため医療の人材確保等についても連携が円滑に行われておりません。一元的な連携体制が求められ、病院管理局の協力が必要と考えます。この点について改善の意欲があるのかどうか、御答弁をお願いいたします。
 (7)番目に、離島に安心して人が住み、人が保養に来る条件の整備は、市場原理だけでなく包括的な社会経済的な視点から取り組む必要があり、そのためには県行政の関与が不可欠であります。特に、離島医療の確保に琉大の協力を得るための県行政の高度の関与が必要と思われますが、その意思が県行政にあるのかどうか、御答弁をお願いいたします。
 (8)番目に、離島においても生活習慣病の医療費に占める割合が非常に高くなってきております。生活習慣病は予防可能という点で病院側と市町村の保健衛生、福祉行政、そして地域住民の役割分担と協力体制が非常に重要でありますが、一般的に我が沖縄県ではこれが確立されていない、おくれているという状況であります。
 久米島の一般会計予算が91億円、そのうち12億円が医療費であります。病院の蓄積した膨大なそういう優秀なデータを地域住民の健康保健に役立てる、そういう仕組みづくりが今後は必要と考えます。御答弁をお願いいたします。そのためにも久米島にどうしても保健センターの設立が必要との地元からの強い要望がありますが、御答弁をお願いいたします。すなわち住民・医療・行政の三位一体のためのそういう保健センターの機能であります。
 次に、久米島における特養増床について。
 久米島においても超高齢化が進み、その比率も23.4%となっております。30名が特別養護老人ホーム――いわゆるミニホームですね――「くめしま」を利用し、117名が本島の施設に入所しております。その経済的・精神的負担ははかり知れないものがあります。県に特養増床の要請をしておりますが、実現はしておりません。現在、40名の申込者がおりますが、入所ができない状況であります。
 特養の増床が認められない最大の理由が、沖縄県は本土の1.6倍の整備率で、今後3年間はつくらないとのそういう方針のようであります。また、本島の空いている施設を利用すればよいとの考えが県行政側にありますが、久米島は人口も多く待機者も本島に入所している117名のうちの相当数の方が地元久米島で入所したいとそういう要望があります。他の離島よりもはるかに多いということです、人口も待機者もですね。
 例えば、待機者が伊是名が11名、伊江島が25名、粟国が10名、伊良部が30名、竹富が1名――その時点でですね――となっており、それぞれミニホームが30床ずつ特別養護老人ホームがあるわけであります。また、本土の1.6倍の整備率といってもこれは島嶼性であるがゆえの数字であり、数字だけで特養のニーズを十分に満たしているということにはならないと思います。県は、早急に久米島の特別養護老人ホームの増床を図るべきではないか。あるいはその他の何らかの方法を考えて対処すべきだと考えますが、御答弁をお願いいたします。
 次に、我が会派の金城勉議員が質問したのに絡んで質問をいたします。
 公立病院に女性専門外来の設置を、これは私は2月議会でも取り上げましたけれども、再度これは重要ですので取り上げたいと思います。
 近年、働く女性の増加や高齢化などを背景に女性が直面する病気や健康上のトラブルが多様化しております。そこで、女性専門外来の開設が各地で促進され、女性のライフサイクルに応じた適切な医療が受けられることが望まれ、これはもう常識化しております。
 (1)番目に、女性の身体的症状や精神的な不安などを総合的に診療できる女性専門外来の設置が公立病院に望まれます。御答弁をお願いします。
 (2)、女性のライフスタイルに応じた健康チェック、健康教育ができ、患者にとってアクセスをしやすい医療施設の整備拡充の必要性について御答弁をお願いいたします。
 (3)、女性の患者は女性の医師が診察をするというのが非常に好ましいと思います。そういう視点から、女性医師の育成と女性医師が働きやすい環境の整備について御答弁をお願いいたしたいと思います。
 次に、借換保証について、その趣旨が十分生かされているのかどうか。すなわち現在の実績はどうか。全国では既に14万件という実績が出ております。
 (2)番目に、県、保証協会、金融機関との三者協議連絡会を持って借換保証の趣旨が十分生かされるような体制がとられているのかどうか、御答弁をお願いいたします。
 次に、介護保険制度について質問をいたします。
 親族を介護する場合の条件は何か。
 先日、我が会派の金城勉議員の質問の中での答弁で、その地域に介護をする資格を持っている人がいない場合とか、それなりの理由があれば認めるとのそういう答弁があったわけでありますが、しかし実際は極めて条件が厳しく、資格を持った人が親族を介護するのは極めて困難との現場からのそういう指摘があります。
 そこで質問いたしますけれども、他人に介護されるより、資格を持っているのであれば身内に介護されるのが安心感や便宜上もよいのではないか。もっと規制を緩和すべきではないか。いろんな不正だとか不都合な点があるようでありますけれども、そういう点だけに着目をして規制を強めると、本来の介護から現場で離れたような状況の現象を呈しております。
 それから、ヘルパーの介護の仕方が分刻みで余りにも細かく規制のやり過ぎと考えます。人間のぬくもりを感じるようなそういう対話の余裕もない。お年寄りというのは非常に人を恋しがっております。とにかく話したがっている。ところがその話をする時間的な余裕もない。そういうようなことで規制を強めていくと、現場で働いている人たちがそういうマニュアルどおりの介護になって、人間のぬくもりのないような状況に陥っているという状況がありますけれども、この辺はもっと改善の余地があるのではないか、御答弁をお願いいたします。
 以上、また再質問をしたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 髙良議員の御質問にお答えいたします。
 三位一体について3つの御質問がございましたが、関連をいたしますので一括してお答えを申し上げたいと思います。
 現在、国においては地方の自主的な財政運営の確立等を目的として地方税財政の「三位一体の改革」方針が閣議決定されております。
 その内容は、国庫補助負担金については今後3年間でおおむね4兆円程度を廃止・縮減し、廃止する国庫補助負担金のうち引き続き地方が主体となって実施する必要のある事業で、義務的な事業については効率化した上で全額を、それ以外は8割程度を目安として地方へ税源移譲することとしており、その場合の税源移譲は基幹税目を基本とすることとしております。
 しかしながら、おおむね4兆円程度とされる国庫補助負担金の廃止・縮減の具体的対象事業の絞り込みや税源移譲の対象税目など見直しの具体的内容については、今後国において検討がなされる予定であり、本県及び県内市町村への具体的影響は現在のところ明らかではありません。
 県としては、地方が標準的な行政サ-ビス水準を適切に維持するため、国庫補助負担金の見直し後も引き続き地方が主体となって実施する必要があるものについては全額税源移譲することが必要と考えております。
 また、本県のような財政力の脆弱な地方公共団体の運営に支障が生じることのないよう、地方交付税制度の財源保障機能及び財源調整機能の維持を国へ要望しているところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 公立久米島病院に係る帝王切開のための麻酔医及び産婦人科医師の確保、常勤医師の増員、それから小児科医師及び麻酔科医師の確保対策に関しましては関連しておりますので一括してお答えいたします。
 沖縄県離島医療組合の職員配置計画では、公立久米島病院の医師の定数は5名となっており、県では外科、内科、小児科の医師5名を継続して派遣しております。
 また、県においても確保が難しい産婦人科医師については、平成14年度から厚生労働省の医師等派遣事業により2名が確保されており、16年度も同事業により1名の派遣が予定されております。
 なお、現在、同病院の常勤医師数は定数の5名と厚生労働省の派遣医師2名を合わせて7名となっております。
 帝王切開については、その可能性のある患者に対しあらかじめ本島の医療機関で受診するように勧めており、緊急帝王切開の場合には産婦人科医師や外科医師が麻酔を担当する体制がとられております。
 麻酔科医師の確保については、全身麻酔による手術体制を確保する必要性を病院機能全体の中で総合的に検討した上で対処すべきものであると考えております。
 続きまして、人工透析日数の増についてお答えいたします。
 現在、公立久米島病院においては、同病院で人工透析を希望する患者数を調査しているところであり、その結果を踏まえた上で対応を検討していきたいと考えております。
 続きまして、公立久米島病院への人材支援と離島医療確保についての琉球大学との協力についてに一括してお答えします。
 離島等における医師確保において、県で確保できない分野については琉球大学や県外大学の協力を得ており、平成14年12月現在、琉球大学医局から県立病院等へ派遣されている医師の数は延べ95名となっています。また、県内の無医地区においては、眼科、耳鼻咽喉科等の特定科目の巡回診療を琉球大学等の協力を得て行っています。現在、県立宮古、県立八重山病院及び公立久米島病院の医師確保については大きな課題があることから、先ごろ行われました知事と琉球大学学長との意見交換会においても今後さらなる連携をお願いしたところであります。
 続きまして、研修終了医師の派遣、病院管理局との連携についてにお答えいたします。
 県立中部病院で研修を受けた医師の派遣については、現在も研修終了者を同病院へ派遣しております。病院管理局からの支援については、これまでも医師、看護師等の派遣に努めてきたところでもあり、さらに連携が円滑に図られるよう努めていきたいと考えております。平成12年度に開設した公立久米島病院は3年を経過したことや病床利用率が50%前後と低迷していることから、病院機能の総合的な見直しが必要であると考えており、必要かつ適正な医療を提供するため離島医療組合、久米島町、県、それぞれの適正な役割分担と責任のもと、協力して離島医療の確保に取り組んでいきたいと考えております。
 続きまして、健康づくりの仕組みづくりと市町村保健センターの整備についてお答えいたします。
 県としては、地域における健康づくりや疾病予防、介護予防等を積極的に推進するため、地域の実情に合った保健・医療・福祉の総合的な仕組みづくりが必要だと考えております。とりわけ、生活習慣病の予防やその継続的な管理のため、住民健診や医療機関等のデータを活用した地域保健施策の取り組みが重要だと考え、県では全市町村の住民健診結果を集計・分析し市町村へ提供しております。現在、本県の市町村保健センター等は44市町村に63カ所が整備されており、久米島町におきましては、類似施設として老人福祉センター等が設置されております。
 なお、保健センターの整備については、現時点では久米島町からの要請は受けておりません。保健センターの設置につきましては市町村が実施主体でありますので、要望があり次第、県として積極的に支援していきたいと考えております。
 続きまして、久米島における特別養護老人ホーム増床についてお答えいたします。
 沖縄県の特別養護老人ホームは、平成15年4月1日現在、4065床整備されており、全国平均の約1.6倍の高い整備率となっております。県においては、去る3月に市町村の計画を踏まえ、沖縄県高齢者保健福祉計画を見直しましたが、同計画では、特別養護老人ホームの平成19年度における利用見込み数は4032床となっており、新たに定員を増加させないことにしております。
 今後の久米島町における対策については、申込者の状況や緊急度等を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
 親族介護の条件及び規制緩和について一括してお答えいたします。
 同居家族に対する訪問介護の提供については、厚生労働省が定める「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」第25条により禁止されております。別居の親族に対する介護サービスについては、家族介護との区別がつきにくいこと、家族への介護は外部の目が届きにくいことから、緊張感の薄れやサービスの質の低下につながることなどが懸念されます。また、親族である利用者とともにドライブをしたり、親戚宅への訪問や趣味等介護保険以外のサービスを行い、介護報酬を算定していることなど、保険者からは別居親族に対する不適切な訪問介護の事例が見受けられるとの報告が寄せられています。
 県としては、介護サービスの質の確保及び介護給付費の適正化を図る観点から、別居親族に対する訪問介護の提供については原則として認めないこととしていますが、「その地域で別居親族以外にサービス提供できる者がいない場合」等、特別の理由がある場合は保険者と協議の上、認めることとしております。
 続きまして、ヘルパーの介護のあり方についてお答えいたします。
 ホームヘルパーの介護業務については、利用者の身体介護や生活援助など日常生活全般の状況や希望等を踏まえ、例えば体温等の健康チェック、トイレ利用の際の介助行為、食事介助等一連のサービス行為の流れに沿った具体的内容等を定めた訪問介護計画に基づき適切に行うよう指導しております。また、県においては、サービス提供責任者やホームへルパーを対象としコミュニケーション等の介護技術の向上を図るため「訪問介護適正実施研修」、「テーマ別技術向上研修」を実施し、指定訪問介護事業者を支援しております。
 以上でございます。
○病院管理局長(平井哲夫) 女性専門外来の設置及び医療施設の整備拡充の必要性について一括してお答えいたします。
 県立病院においては、県民の医療ニーズに沿って入院医療を中心とした急性期医療や高度医療など二次医療以上の機能を充実することとして今検討しているところであります。
 女性専門外来については、女性特有の症状に着目し、総合外来で時間をかけて診断するなど初期医療における総合相談的な要素が大きいことから、県立病院で行うことの必要性も含め女性医師やスタッフの状況、来院される女性患者のニーズなども十分勘案しながら検討していきたいと考えております。また、施設整備の必要性についても、これらの課題を踏まえ、既存の病院施設のスペースの状況も勘案しながら検討していきたいと考えております。
 次に、女性医師の育成と女性医師が働きやすい環境の整備についてお答えいたします。
 女性医師の育成については、中部病院の卒後臨床研修事業の中で医師の養成を行っており、平成14年度は研修医総数62名のうち23名、約37%の女性医師を受け入れております。また、今後、県立那覇病院や県立北部病院においても卒後臨床研修事業を実施することとしており、両病院においても女性医師の育成に努めていきたいと考えております。
 なお、県立病院における女性医師の数は全医師数300名中37名で、内科や婦人科等に配置しております。今後、女性医師の増加が予想されることから、女性医師が働きやすい環境整備にも努めていきたいと考えております。
 以上であります。
○商工労働部長(伊川征一) 借換保証制度の周知徹底について一括してお答えをいたします。
 借換保証制度は、平成15年2月に創設され約4カ月が経過しており、その間、金融機関や商工会議所等関係団体を通じてその趣旨等含め周知に努めてまいりました。平成15年6月20日現在の実績は、保証承諾件数310件、保証承諾金額84億6000万円となっております。今後とも同制度が中小企業者の資金繰りを円滑に進める上で有効であるとの観点から、保証協会、金融機関とさらに連携を密にしつつ、その制度の周知に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○髙良 政彦 2点再質問をいたします。
 東北の雪深い福島県、雪に閉ざされた長い冬、大体そういうことで漬物を主体とする食習慣が昔からあり、そのため塩分のとり過ぎで高血圧を中心とする成人病が多く、日本でも有数の短命県と言われておりました。この問題を解決するのは食習慣を改める、すなわち生活習慣を改める必要があるとの行政や大学の教授等のそういう研究が実り、特に長寿県の沖縄の食生活が随分参考になった話を私たちはよく聞くところであります。
 また昨今同様に、長野県では「ピンピンコロリ」を標語に、生活習慣病撲滅に取り組み、大きな成果を上げております。80歳、90歳、100歳まで長生きしてください。しかし、元気で健やかであってほしい。そしてこの世を卒業するときは、あの人この人の手を煩わせるのではなく、「コロリ」と逝ってくださいという願いを込めた標語のようです。
 長寿県といえば我が沖縄県というイメージが長い間定着をしておりましたが、残念ながら男性が全国26位に転落し、危機感を抱いております。我が県が長寿日本一を取り戻せるかどうかのかぎは、やはり保健センターの活用と機能を徹底して生かすことに尽きると思います。公立病院に蓄積された膨大なデータ、経験が地域住民の健康、病気の予防、なかんずく生活習慣の指導による成人病の予防に十分に生かされていないことに尽きます。
 沖縄全体について言えることですが、病院側と行政、すなわち市町村の保健衛生や福祉行政、そして地域住民の有機的に連携した対策が弱い。三位一体となって公立病院に蓄積されたこういうデータ、経験を地域住民の成人病予防、保健に役立たせることができるのであれば、相当の介護保険、国保等含めた医療費の増大に歯どめをかけることができると、ここにかぎがあると思います。
 全国で毎年1兆円ないし1兆2000億円の医療・福祉予算が膨らんでおり、その70%が老人医療費と言われておりますが、健やかに老いるということがいかに重要か、長野県のこの「ピンピンコロリ」はそこに大きな意味があると思います。なかなか言い得て妙だと思います。そのためにも生活習慣、食生活の改善指導、その中心をなすのが保健センターであります。
 今回久米島からぜひ保健センターの設置をというのもこのような趣旨からであり、全県的に保健センターを中心に公立病院、行政、地域住民の三者が一体となって生活習慣改善を徹底すべきです。そうすれば必ず我が県は再び男女とも長寿日本一の座を取り戻すことは間違いありません。今度は我が県が福島県や長野県を見習う番に来ております。
 御答弁をお願いいたします。
 それからあと一点は、久米島における特別養護老人ホームの増床についてでありますが、他の離島よりも圧倒的に人口が多く高齢者も多い。そして久米島で入所をしたいという方々も本島で入所をしている117名中相当の数の方がいらっしゃいます。入所をする場合、大抵本人は入所をしたがらない。しかし家族は入所をさせたい。できれば在宅で介護をするのが理想ですが、諸事情からこれが許されない。ならば、せめて自分が生まれ育った島で入所をしたい。その方が当人も家族も多く接触できるからであります。安心だからであります。やむなく海を越えて遠く本島に一人入所するということは、家族が頻繁に会うわけにはいかない。実際は時間的にも経済的にも大変な状況を強いられております。
 このような状況を考えたときに整備率云々だけではこれは行政ではないとこう考えます。何らかのほかの方法も交えながら高齢者対策はもっときちっとこの際腰を入れてやるべきではないかと考えますけれども、もう一度この件についてひとつ決意あるいはその対策等御説明をお願いいたします。
 以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時28分休憩
   午後4時30分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 福祉保健部長。
   〔福祉保健部長 稲福恭雄君登壇〕
○福祉保健部長(稲福恭雄) まず特養のことについての再質問についてお答えいたします。
 久米島町における高齢者にとりまして、今後必要とされる施策について現在町と意見交換を行っておりますけれども、痴呆性高齢者グループホームの創設やショートステイの増床及び生活支援ハウスの整備等について、ニーズの確認も含めこの整備の可能性を検討しているところであります。
 それから保健センターの件ですけれども、先生御指摘のとおり、生活習慣病の予防のために保健活動を行う保健センターの役割は非常に重要であると考えております。そのため私も以前から特に離島の町村においてはこの保健センターを診療所の横につくって、そして健康管理、健康づくりに一体となって、保健・医療・福祉──この保健センターは目的はいろんなことに使えますから、食生活改善推進員等も利用できます。そういうことで診療所のそばにつくって、一体となった健康づくりをするセンターとしてやっていただきたいと。ただ、この保健センターの補助は9000万円定額なんです。ですから、ばかでかいものはつくれないんです。しかし、そこに見合ったちゃんとそういう健康づくりができるような施設としてはできるようになっております。ですから、この健康保健センターはまだ10分の10の補助ですからどんどんつくってくださいと、そのように今まで進めてきております。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程は、これで全部終了いたしました。
 次会は、明4日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後4時32分散会

 
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