平成15年(2003年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 9月30日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた地方労働委員会会長垣花豊順君及び人事委員会委員長新崎盛善君は、所用のため本日、10月1日から3日まで、6日及び7日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として地方労働委員会事務局長佐久間盛喜君及び人事委員会事務局長野島拓君の出席を求めました。
 その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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   〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 乙第8号議案を議題といたします。
 本案に関し、委員長の報告を求めます。
 土木委員長。
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   〔委員会審査報告書(条例) 巻末に掲載〕
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   〔土木委員長 高江洲義政君登壇〕
○土木委員長(高江洲義政) おはようございます。
 ただいま議題となりました乙第8号議案について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 委員会におきましては、土木建築部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
 以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
 まず、乙第8号議案沖縄県空港の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例は、多良間空港を廃止し、滑走路1500メートルを有する新多良間空港を新たに設置するため条例を改正するものであります。
 改正の概要は、1点目に、空港名称を「多良間空港」から「新多良間空港」に改める、2点目に、就航機材の大型化に伴い新多良間空港の重量制限を「3トン以上」から「8.5トン以上」に改めるものであるとの説明がありました。
 本案に関し、多良間空港の跡利用計画はどのようになっているかとの質疑がありました。
 これに対し、多良間空港の跡利用については、多良間村が設置した跡利用検討委員会からヤギ牧場として畜産の振興を図りたいという提案も出ていることから、今後、多良間村と協議していきたいとの答弁がありました。
 次に、機材の大型化に伴って就航便数が減少し村民から利便性の不満が出ないかとの質疑がありました。
 これに対し、便数及び座席数等については地元及び多良間村との調整に基づいており、理解は得られているとの答弁がありました。
 以上、委員会における審査の概要を申し上げましたが、審査の結果、乙第8号議案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(伊良皆髙吉) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより乙第8号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、乙第8号議案は、原案のとおり可決されました。
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○議長(伊良皆髙吉) この際、念のため申し上げます。
 本日、10月1日から3日まで、6日及び7日の6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第2 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 外間盛善君。
   〔外間盛善君登壇〕
○外間 盛善 おはようございます。
 代表質問を行います前に、去る9月10日から11日にかけて宮古群島を襲った台風14号で大きな被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げます。国、県による一日も早い災害の復旧と救済措置を講じていただきますよう知事に強く要請を申し上げ、質問に移らせていただきます。
 大きい1番目、小泉総理の再選と再改造内閣について。
 去る9月20日の自由民主党総裁選挙は、小泉総理が1回目で過半数を獲得し大差で再選されました。自由民主党沖縄県連においても4票中3票が小泉氏に投じられ、面目躍如の感を深くしているところであります。
 小泉総理は、就任と同時に翌21日には自由民主党役員人事を手がけ、山崎拓幹事長を副総裁とし、後任幹事長に安倍晋三氏を抜擢、政調会長に額賀福志郎氏、総務会長に堀内光男氏、幹事長代理に久間章生氏を選任し、電光石火の早さで党の役員人事を固められました。新執行部体制は、お顔ぶれを拝見しますと沖縄に深く理解のある方々ばかりで、県民とともに心から歓迎を申し上げたいと思います。
 また、翌22日には「改革推進内閣」と位置づけた小泉再改造内閣を発足させました。この中で沖縄・北方対策担当大臣に選任されました衆議院3期、若くて有能な茂木敏充氏は、沖縄振興施策の着実な推進と新大学院大学実現に向けた積極的な取り組み、ずば抜けた外交手腕による日米地位協定の見直しなど、米軍基地問題の解決に果敢なリーダーシップを発揮していただけるものと沖縄県民挙げて期待を申し上げているところであります。
 総体的に党役員、改造内閣ともに新進気鋭の若手中心の人事体制ができて国民から高く評価されているものと思われます。
 そこで、知事にお伺いいたしますが、(1)、自由民主党の総裁選挙において小泉総理が他の3候補者の追随を許すことなく1回目で過半数を獲得し、大差をもって再選されましたが、勝因は何か、知事の所感をお聞かせください。
 (2)、小泉内閣の再選と自由民主党の役員人事及び再改造内閣の顔ぶれをごらんになられて、知事は沖縄の立場からこれをどのように評価しておられるのか。また、茂木沖縄担当相に期待することもあわせて感想をお聞かせください。
 大きい2番目、自衛官爆発死亡事故について。
 去る8月31日、沖縄市池原の廃品回収置き場で爆発があり、航空自衛隊那覇基地所属の空曹長が死亡したと大々的な報道がございました。その後の県警の捜査で、死亡した空曹長の自宅で米軍のものと見られる銃砲弾などの実包や対戦車ロケット砲弾、実弾、M16自動小銃等を含む多数の米軍銃器類が見つかり、県警がこれを押収したとのことであるが、空曹長の部屋はまるで武器庫のようであったとのことであります。
 さらに、空曹長が別に借りていた民家からも銃砲や実弾等が多数見つかったとのことでございます。見つかった銃砲等が民間人の住むアパートに隠し持っていたことで、一歩間違えば周囲の住民にも被害が及びかねない状況にあったということでございます。
 問題は、このような銃砲や銃弾を大量に隠し持っていたのが現職自衛隊員であったことであります。自衛隊員は、このような器材に接する機会が多く、当然その危険性も認識していたはずでございます。ただ単に軍需品のマニアであったでは済まされないし、これは自衛隊全体の問題として隊員の綱紀粛正が求められなければなりません。
 そこで伺います。
 (1)、今回の事故の概要をまず御説明ください。
 (2)、今回の事件で空曹長が隠し持っていたのは米軍の銃器類であったようだが、米軍の使用済み銃器類等の管理体制はどうなっているか。また、どのような経路で入手したのか。入手ルートの解明はできているのかどうか、お聞かせください。
 (3)、マスコミ報道では、今回の兵器類は専ら米軍人や米軍施設から入手したと言われているが、事故死したのは我が国の自衛官であり、自衛隊基地あるいは自衛官仲間から入手した銃器類は全くなかったのか、県警本部長の御説明をください。
 (4)、このような危険な物資が凶悪事件の武器として使用される心配はないか、御説明願います。
 大きい3番目、沖縄振興計画について。
 平成14年度からスタートした沖縄振興計画は、はや2年目を迎えております。この新たに策定された沖縄振興計画がこれまでの3次にわたる振興計画と根本的に違うのは、10年間の期限内で沖縄の経済基盤を民間主導による自立型経済として構築することを柱にしていることであります。
 このため、県は次の沖縄振興計画はないとの観点から、計画の実現に全力を尽くし、また民間に対してもそれ相当の覚悟を求めているものと思われます。もちろん自立型経済の構築を実現するということは言葉で言うほど容易ではなく、本県経済界等の自主的な努力はもとより、国による基盤整備のための財政的支援が求められます。しかし、我が国の経済の現状を見ると、未曾有の経済不況の最中にあり、このため国の財政も緊縮を余儀なくされており、県財政もこの影響をもろに受けているところでございます。最近は株価の好調な上昇が続き、国内経済も将来への明るい展望が見られるとの期待感も出てはいるが、一方においては低迷からの脱出にはまだまだ不透明部分がたくさんあります。
 このように我が国の経済が立ち直り、景気が回復するにはまだ何年要するか予測がつかないというのが日本経済の実態ではないでしょうか。このような現状にあって、本県の自立経済の構築という振興計画の主要目標をいかに達成するかは極めて厳しい状況にあると考えざるを得ません。
 また、本県が真に自立経済の構築を目指すのであれば、県内企業が従来の基地依存、財政依存型経済から完全な脱却を図る必要があります。依存体質になれきった県内民間企業の基盤整備をいかに図り民間主導の産業振興を確立していくか、難しい課題が山積しているのも現実でございます。
 そこで伺いますが、(1)、新振計の目標を達成するに当たっての留意事項は何か。
 (2)、自立経済の構築を目指すためには県内企業に何が求められているのか。
 (3)、自立経済の構築を目指すということは、県内産業に自由競争原理を持ち込むことになりはしないかという心配もありますが、本県の企業にこれに勝ち抜く力が備わっているのか、考えをお聞かせください。
 (4)、沖縄振興計画の目標達成のための国の財政支援については万全かどうか、見通しを説明ください。
 (5)、個別分野の計画について、①、観光産業を本県の自立経済の中核をなすリーディング産業として発展させるために課題、問題点となるものは何か。
 ②、情報通信産業をこれからの沖縄の産業経済の中核の一つとして発展させていくための県の対応策をお聞かせください。
 大きい4番目、2004年度国の沖縄関係予算の概算要求について伺います。
 (1)、2004年度の各省庁の沖縄関係予算の概算要求は、県の要請どおり満足できる内容になっているか、お聞かせください。
 (2)、2004年度の県の国庫支出金要請は、次年度が振興計画の実効性を高める分野別計画の3年目に当たる最終年度であることから、個別計画に基づく事業推進のための新規事業も盛り込んだ内容となっておりますが、これにより分野別計画3年の目標は達成される見込みであるのかどうか、御説明ください。
 (3)、県は、振興計画で自立経済の構築を柱としている。この趣旨を実現するための予算として主にソフト事業を新規に要求している。国は県の考えを理解し、それに見合う予算措置がされているかどうか、御説明願います。
 (4)、沖縄関係予算の概算要求の県内各圏域別配分は十分考慮されているのかどうか。この点でもまた御説明願います。
 大きい5番目、雇用失業問題について。
 本県の雇用情勢は一向に改善の兆しが見えず、大学や高校を卒業しても就職先が見つからずフリーターや専門学校等に通うという状況が続いております。その上、若者に限らず中高年も企業倒産、リストラなどで職を失っても再就職ができず、依然として厳しい状況にあります。本県は、全国一高い失業率にあり、特に若者の完全失業率が高く、雇用失業問題は恒常的な社会問題となっております。
 本県の高校生等が給油所やレストラン、居酒屋などでアルバイトをする者が多く、また高校を卒業しても職がなく、このような形態でフリーターとして働く若者も多いと言われております。
 このようなフリーターやアルバイトを否定するものではありませんが、県内の雇用情勢が就職を希望する若者を受け入れる企業等の受け皿不足が背景にあるのではないか。就職したくてもできないことに原因があるのではないかと考えます。県は、このような事態に対応するため、緊急雇用対策を実施するなどそれなりの努力は認められますが、決定的な効果や改善の兆しは見えておりません。
 そこでお尋ねいたします。
 (1)、雇用失業対策の現状について。
 ①、雇用の不振、失業率の改善について県が実施した施策の内容とその効果等について御説明を賜りたい。
 ②、来年度卒業予定の新規学卒者採用見込み状況について御説明を願います。
 (2)、県の雇用拡大策について。
 ①、現在の雇用不振に対し県の職業能力開発校等はいかに対応しているか。雇用の拡大につながる実績があれば御説明をください。
 ②、国は、長引く不況の中で雇用不振に対応するため専修学校等の教育と企業での訓練を組み合わせた実践的な能力を身につけさせる新たな制度として「デュアルシステム」の導入を検討しているとのことであります。この制度は、企業の現場で働いた経験のない学校の新卒者と違い、実際に現場で働く経験を有することで企業にとっても即戦力となることから、雇用の機会が膨らむものと期待されております。本県のように慢性的に若者の雇用機会の少ない県においては大いに参考になるものと考えておりますがどうか、御説明願います。
 大きい6番目、民間活力の活用による地域振興について。
 (1)、那覇市の旭橋周辺地区再開発事業について伺います。
 旭橋周辺地区再開発事業は、民間企業が中心となって取り組む県内最大の事業であります。同事業は、民間資金による社会資本整備を図るいわゆる「PFI」を導入して行われるようでございます。財政依存型と言われる本県経済が自立型経済に移行し得るかは、まさに民間企業が公共事業依存体質からいかに脱皮し得るかにかかっていると言っても過言ではありません。この意味で旭橋周辺地区再開発事業の「PFI」を導入した民間資金による社会資本整備を図る手法は、今後の本県経済の将来を左右する試みとなるものとして期待されております。今後、どのようなスケジュールで事業が推進されていくか。また、今後の事業を進めるに当たっての課題と展望をお聞かせください。
 大きい7番目、那覇国際空港滑走路の沖合展開について伺います。
 那覇空港は、昨年12月に国土交通省の交通政策審議会航空分科会において、滑走路の増設を含めた抜本的な調査の必要性を明記した答申が出されました。
 この答申によれば、那覇空港は将来的に需要が逼迫する事態が予想される空港であるとし、今後の航空需要の動向を勘案しつつ、中長期的な観点から滑走路増設等を含めた抜本的な空港能力向上策等について幅広い合意形成を図り、総合的な調査を進める必要があるとしております。
 この答申によれば、今後の空港整備については調査は即事業につながるとは限らないのでございます。そうであれば今後、事業化に向け県としての取り組みは急を要するだけではなく、相当な理論武装が求められます。
 そこで伺いますが、(1)、滑走路増設の進捗状況について。
 ①、県の事業化に向けての具体策をお聞かせください。
 ②、国は、今年度で滑走路増設を含めた空港能力向上策等に関する総合調査事業として予算化をしているようであるが、この調査に県はどのようにかかわっていくのか。
 (2)、周辺地域への影響について。
 沖合への展開を図るため海域の一部の埋め立てが必要になってくるが、沖合のサンゴ礁等に自然環境との調和をいかに図るか。また、拡張による航空機の離発着の増加による騒音の影響等環境影響評価、いわゆるアセスメントをどのように行うか、お伺いしておきます。
 (3)、自衛隊との関係について。
 現空港は民間と自衛隊との共同使用となっております。滑走路の沖合展開に伴い、今後、防衛庁と国土交通省の共同使用形態のあり方が重要となってくると思われるが、その調整はどのように考えておられるか、御所見をお聞かせください。
 大きい8番目、公共事業関係について。
 (1)、県営住宅の民間への管理委託について伺います。
 県営住宅の民間業者への管理業務の委託については、民間関係団体から強い要請があります。県は、沖縄県住宅の設置及び管理に関する条例第61条で、市町村または沖縄県住宅供給公社に委託できる旨規定されていること、また現時点では公営・公社の管理を民間に委託している都道府県が他にないことなどから、民間委託については他の自治体の動向を勘案しながら検討するとの考えを示してこられました。しかしながら、このほど地方自治法の一部改正がなされ、公営住宅の「指定管理者制度」が導入され、公営住宅を民間へ管理委託することも可能になったということでございます。この際、民間にできることは民間に任すという政府方針に従い、本県は民間委託の方がよいと思うが、県の考え方をお聞かせください。
 (2)、公共事業の地元業者への受注機会の増大について伺います。
 県内企業への優先発注については、平成14年度からスタートした沖縄振興計画の中で、県内建設産業が県経済の中で果たす役割が多大であること、県内企業の大部分が中小零細企業等の現状を踏まえて、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律等に基づき、地元小・中堅建設業者の受注機会の増大に積極的に取り組む」ことが初めて明記されたわけであります。
 県内の建設業者は、これまで多くのプロジェクトに係る公共事業について豊富な技術力、施工能力等を持って工事施工に当たり数多くの実績を有し、今ではいかなる工事でも責任施工できる体制ができ上がっております。
 今後、沖縄振興計画の実施により本県においては国、県の事業等各種のプロジェクトが推進されるものと思われます。このため、県経済の活性化と雇用の拡大並びに県内優良企業の育成を図るとの観点からも、地元企業への受注機会の増大を図る必要があると思われますがどうか。
 ①、受注機会の増大を図るため、沖縄に限定した数値目標を設定するなど特別措置を講じる必要もあると思われるがどうか。
 ②、国等においては、設備工事における最適な発注方法である分離発注を遵守すべきと思うがどうか。
 ③、沖縄県企業局発注の公共工事に係る公募型入札制度の改善については、県企業局が全国に先駆けて実施した公募型入札制度は県内設備業界にとってはメーカー主導の自主結成方式であり、かつ地元企業の構成員も恣意のまま決められるという状況に対し、地元業者からは不満が続出しております。このため、沖縄振興計画の趣旨を踏まえ地元企業への優先発注を実現するため、県内の優良設備業者を主体とする発注方式に改めていくべきであると考えますがどうか、御説明をください。
 大きい9番目、長寿県沖縄について。
 昨年末に厚生労働省の都道府県別平均寿命調べで、本県の女性は1位を保ったが、男性は4位から26位に後退した結果となったことは既に御案内のとおりであります。
 長寿県沖縄は本県の誇りであり、観光立県を目指す沖縄の代名詞と言えるものであり、今や観光資源としても欠かせない目玉資源となっていることからすると、長寿県復活の対策をいかに講じていくか、今問われているところであります。県においては、長寿危機からの脱出に向けあらゆる団体等が協力して運動を展開していくことを確認したようでありますが、(1)、長寿県沖縄復活に向けた施策をどのように実施してきたか。
 (2)、本県の健康・長寿というイメージは観光ブランドとして定着し、また健康食品産業にも波及効果を及ぼしている。男性だけとはいえ、今回の長寿県沖縄が崩れたことは観光政策に大きな影響はないか、実態はどうなっているのか、お伺いいたします。
 (3)、今のままの県民の食生活や健康管理の方法を続けていけば、今後、何年か後には本県の女性も平均寿命全国一の看板をおろすことになるかもしれないとの指摘もあるようでございますが、このことについて県の指導方針等御所見をお聞かせください。
 大きい10番目、市町村合併問題について伺います。
 政府の進める市町村合併については、市町村合併促進法により2005年3月までの期限が定められており、現在、全国の各市町村においてさまざまな形で合併に向けての協議が進められているのも御承知おきのとおりでございますが、本県でも同様な動きがここに来て活発化し、自治体の間でその取り組みが広がっております。
 しかし、合併に向けては、合併による行政規模の拡大、財政の効率的活用という利点はあるにしても、何よりも各市町村の自主性や住民意思の尊重が重要であることは言うまでもございません。そして、県の指導の重要性もそこにあると考えます。
 そこで伺いますが、(1)、本県における各市町村の合併問題の進捗状況はどうなっているのか、御説明ください。
 (2)、本県の離島としては、合併により大きい市町に取り込まれることで島の独自性が失われ、結果として離島住民の生活福祉にマイナスになってしまうのではないかとの懸念があると聞いています。県は、離島町村や住民に対し離島の特殊性や状況の違いを十分理解させた上での指導を行ってきたか、お尋ねします。
 (3)、市町村によっては合併の是非を住民投票の結果にゆだねるところもあるが、仮に住民投票の結果、合併反対が多数を占めた場合、県の対応はどうあるべきか、どうしてきたか。また、結果として合併をしなかった町村に対しても国や県の財政措置はこれまでと変わらないかどうか、御所見をお聞かせください。
 さらに、市町村合併促進法は昭和40年に制定された時限立法であるが、これまで何度も延長手続がとられてきましたが、2005年以降も延長手続の可能性はあるのか、見通しをお聞かせください。
 大きい11番目、戦後処理問題についてお尋ねいたします。
 (1)、旧軍飛行場用地問題について。
 平成14年度からスタートした沖縄振興計画により旧軍飛行場用地問題もその解決が位置づけられ、県においては担当部署も決定し、市町村連絡調整会議の設置、事務局の始動、そして学識経験者による検討委員会を発足させるなど、問題解決に一層の弾みがつくものと思われます。
 沖縄振興計画が10年計画である以上、旧軍飛行場用地問題は10年の間に何らかの解決策を見出さなければならず、まさに時間との戦いであります。現在までの政府の姿勢は厳しいものがあり、壁は厚いと聞いております。
 そこで伺います。
 ①、県は、旧軍飛行場用地問題で国の理解を得るための資料として「旧軍飛行場用地問題調査・検討業務委託」を実施するとしているようでありますが、この調査の目的と調査内容について御説明をください。
 ②、旧軍飛行場用地問題は、事務的な折衝だけでは解決は難しいと思われます。県は、政治的決着を図るべきと思うがどうか、御説明ください。
 ③、新振興計画は、沖縄の戦後総決算の意味合いがあり、旧軍飛行場用地問題も当然戦後処理としての観点からとらえ、最後で最大の機会としてその解決を求めていくべきではないかと考えるがどうか。
 ④、旧軍飛行場用地問題の解決には国に対し県民世論を喚起し、知事が先頭になって強力に働きかけていくことが肝要と思いますがどうか、知事の御所見をお聞かせください。
 答弁によって再質問を考えてみたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 外間盛善議員の御質問にお答えをいたします。
 最初に、自民党総裁選及び内閣改造への所感と沖縄担当大臣への期待についてお答えをいたします。一括してお答えします。
 今回の小泉首相の自由民主党総裁再選は、党員の総意のあらわれだと受けとめており、自民党役員人事及び再改造内閣は、改革の一層の推進を目指す体制であると考えております。小泉首相には、我が国の将来の発展基盤を確実なものとし、経済活性化を実現していただくとともに、本県が抱える基地問題等の解決や経済振興にも特段の配慮をいただきたいと考えております。
 茂木沖縄担当大臣は、海外での学究生活や民間企業経験があり、また前職が外務副大臣でもあり、国際的な広い視野から本県の振興計画の推進や諸課題の解決に力強く取り組んでいただけるものと期待しております。
 次に、沖縄振興計画の目標達成についてお答えいたします。
 沖縄振興計画の目標である「平和で安らぎと活力のある沖縄県」を実現するためには、民間主導の自立型経済の構築、アジア・太平洋地域の発展に寄与する地域の形成、安らぎと潤いのある生活空間の創造など、ハード・ソフト両面から総合的に進める必要があります。そのためには、人材や資金など限られた資源を集中して活用する「選択と集中」、沖縄の優位性を高めるためさまざまな分野で多様な連携と交流を重層的に進める「連携と交流」、それぞれの分野で県民が主体的に沖縄振興に取り組む「参画と責任」の姿勢が重要であると考えております。県としては、計画期間3年の沖縄振興計画のアクションプランを策定し、目標達成に向けた進行管理を行ってまいります。
 次に、自立型経済の構築についてお答えをいたします。
 沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画においては、観光、情報通信、金融、自由貿易などの沖縄独自の大胆な制度や産業振興のための各種の支援策が盛り込まれております。自立型経済の構築に向けては、民間企業がこれらの諸制度を十分に活用するとともに、沖縄の特性を生かし、技術力の向上、高付加価値化や人材の育成に努め、競争力強化を図ることが重要であります。県としては、民間企業がその持てる力を十分に発揮できるよう産学官共同研究の推進やベンチャー支援等環境の整備に努めてまいります。
 次に、情報通信産業を発展させる対応策についてお答えをいたします。
 県におきましては、「沖縄県情報通信産業振興計画」に基づき情報通信産業特別地区制度等を活用して情報通信関連企業の集積を推進するとともに、人材育成、通信コスト低減化支援等の各種施策を展開しております。具体的には、高度なIT技術者の早期・大量の育成を図るIT高度人材育成事業を実施しております。また、沖縄県情報産業ハイウエーを活用した通信コスト低減化支援事業に加えて、国際的なビジネスモデルを展開する企業に対しても海外通信コスト低減化支援事業を実施しております。
 さらに、県内への進出が相次いでいるコールセンター等情報通信関連企業を支援するためインキュベート施設等の整備を進めております。今後とも、このような施策を推進し、情報通信産業を本県のリーディング産業として育成してまいります。
 次に、沖縄関係予算における県の要請と分野別計画についてお答えいたします。関連しますので一括してお答えいたします。
 平成16年度の内閣府沖縄担当部局の概算要求は、自立型経済の構築に向けた産業振興施策、雇用の安定と職業能力の開発、科学技術の振興についての施策を推進するとともに、道路、港湾等の生活・産業基盤としての社会資本の整備について着実な推進を図るなど県の要望に配慮した内容となっております。平成16年度は沖縄振興計画の3年度目であるとともに、各分野別計画の最終年度に当たることから、引き続き本県の振興に向けた諸施策を推進する重要な年度であります。
 内閣府沖縄担当部局においては、このことを十分に理解していただき、観光・リゾート産業や情報通信関連産業を初めとする産業振興のための事業、世界最高水準の自然科学系の沖縄科学技術大学院大学(仮称)の設置に向けた取り組みなどとあわせて、健康食品品質向上対策等の新規事業や儀間川総合開発事業など継続事業の推進、伊良部架橋の実施設計など沖縄振興計画及び分野別計画の着実な推進に必要な事業が概算要求に盛り込まれております。今後は、内閣府沖縄担当部局等との連携を密にし、分野別計画の目標が達成できるよう要求の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、雇用失業問題で、県が実施した施策の内容、その効果等についてお答えいたします。
 県においては、雇用情勢の改善を図るため企業誘致や各種の産業振興策を推進するとともに、幅広い職業能力の開発と人材育成等各種施策を推進しているところであります。その結果、私が就任以来、本年9月1日現在で情報通信関連企業を中心に86社の企業が立地され、約5200人の雇用が創出されております。また、昨年度実施した主な事業である緊急地域雇用創出特別事業で約3300人の新たな雇用が創出されております。
 さらに、沖縄の地域特性や優位性を生かした新規産業の創出や製造業を初めとした既存産業の活性化を図り、雇用の場の拡大に努めているところであります。
 しかしながら、就業者数を上回る労働力人口の増加や全国的な景気の低迷による県外就職の減少等により、依然として厳しい雇用状況が続いております。県としては、若年者の雇用情勢の改善を図るため、ことし6月に開所した「沖縄県キャリアセンター」を中心とした総合的な就職支援事業を実施し、雇用の改善につなげていきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○警察本部長(髙橋清孝) 自衛官爆発死亡事件の概要についてお答えいたします。
 この事件は、平成15年8月31日午後3時50分ごろ、沖縄市字池原在の廃品分別作業所において、航空自衛隊那覇基地所属の空曹長(53歳)が所持していた米軍のロケット弾が爆発したことにより死亡したものであります。
 県警では、事件発生後、所要の捜査体制を確立し、事件現場の検証と並行して自宅など関係箇所7カ所の捜索を実施し、ロケット弾4発、M16ライフル1丁、M1カービン銃1丁、実包689個、空包1636個、合計で禁制品2331点を押収しております。
 また、被疑者の知人の自宅など関係箇所29カ所を捜索して銃剣5丁を押収し、銃砲刀剣類所持等取締法違反で2人を逮捕して事件送致しております。
 自衛官が死亡した爆発物につきましては、県警の科学捜査研究所で鑑定の結果、昨日までに米軍用66ミリ対戦車砲ロケット弾と判明しております。
 県警としましては、現職の自衛官が自宅等において危険な不発弾等を多数収集していたこと、その不発弾を処理するために付近住民が避難を余儀なくされるなど県民に大きな不安と動揺を与えた極めて重大な事件と認識しております。現在、爆発物等危険物の入手先及び入手経路の早急な真相解明と、この種事案の再発防止を図るため所要の捜査を鋭意推進中であります。
 次に、米軍の使用済み銃器類の管理体制及び入手ルートについてでありますが、米軍の使用済み銃器類の管理体制につきましては、お答えする立場にはございません。
 本件の銃器類の入手ルートにつきましては、現在鋭意捜査中であります。
 次に、自衛隊の弾薬の押収の有無についてでありますが、今回の押収品の中には自衛隊関係のものはありませんでした。
 最後に、凶悪事件の武器として使用されることの有無についてでありますが、沖縄連合旭琉会対山口組系上原組・琉真会の第4次抗争事件の最中、昭和52年6月、名護市で旭琉会組員から押収したけん銃9丁のうち、7丁が昭和49年9月ごろに米軍基地から盗まれたものであるということが判明した事案がございました。
 それから、入手ルートは不明ですが、昭和52年8月、那覇市在の琉真会事務所前において、警戒中の警察官に対して旭琉会組員が車両で乗りつけ、米軍用コルトAR15のカービン銃を発砲して警察官に重傷を負わせ、さらに同事務所内に乱射して米軍用手りゅう弾1個を投げ込み爆破させた事件がありました。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 自立型経済の構築と県内企業の競争力についての御質問にお答えします。
 本県が目指している自立型経済の構築のためには、本県の産業が持続可能な発展のメカニズムを確立することが必要であると考えております。そのためには、比較優位性のある産業の重点的な振興を初め、人材の育成・確保や先進的な研究開発による新たな事業展開を促進するとともに、県外、海外に市場を求めていく産業界の積極的な取り組みを支援していく必要があります。
 また、本県の企業は総体として中小零細であり、協業化等の促進や金融面での支援が必要であります。沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画には、そのための各種の制度と支援措置が盛り込まれており、県としても企業活動の環境整備に強力に取り組んでまいります。県内の企業がこれら諸制度を積極的に活用し、競争力を強化していくことが本県経済の発展につながるものと考えております。
 次に、国の財政支援についてであります。
 沖縄振興計画は、知事が案を作成し内閣総理大臣が決定したものであります。また、振興施策・事業の実施に当たっては国等の資金の確保やその他支援に努めることが沖縄振興特別措置法に規定され、国の責務が示されております。県においては、毎年度国に対し計画の目標達成に必要な事業の予算要求を行い、その確保に努めてまいります。
 次に、那覇国際空港滑走路についてでありますが、その事業化に向けての具体策についての御質問にお答えします。
 那覇空港は、本県が目指すアジア・太平洋地域における国際交流・協力拠点形成に欠かせない重要な中核施設であり、その拡充整備が喫緊の課題であります。そのため、那覇空港の滑走路増設に向けて官民を挙げて次期空港整備五箇年計画への位置づけを目指した結果、平成14年12月の交通政策審議会航空分科会の答申で那覇空港は「主要地域拠点空港」として位置づけられるとともに、滑走路増設等を含めた抜本的な空港能力向上方策等の総合的な調査の必要性が認められたところであります。今後、県としては空港能力向上の可能性を見きわめた上で滑走路増設の条件整備に努めてまいります。
 同じく那覇空港の御質問で、国の総合調査事業への県のかかわりについてでございます。
 総合的な調査を円滑かつ効果的に実施するため、先般、国と県で構成する「那覇空港調査連絡調整会議」を設置したところであります。今後、県としては国と役割分担を図りつつ、周辺地域計画との連携、空港の地域への効果や影響など、地域と結びつきの強い分野の調査を行ってまいります。
 同じく自然環境との調和及び環境影響評価についてでございます。
 那覇空港の拡張整備に当たっては、周辺地域の開発計画との整合性や環境問題について幅広い合意形成を図ることが重要であると考えております。
 一方、県では今年度から国と連携して那覇空港の総合的な調査を実施することになり、その調査において空港能力向上の可能性を見きわめた上で滑走路増設等の検討に入ることになっております。環境影響評価については、その時点で事業主体である国と調整を図りながら検討してまいります。
 次に、滑走路の沖合展開に伴う自衛隊との調整についてでございます。
 県では、今年度から国と連携して那覇空港の総合的な調査を実施することとしており、その調査において空港能力向上の可能性を見きわめた上で滑走路増設等の検討に入ることになっております。空港の使用形態についてはその時点で検討されるものと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、リーディング産業としての沖縄観光の課題は何かとの御質問にお答えをいたします。
 本県観光の持続的な発展に向けた重要な課題は質の高い観光の実現であります。具体的に申し上げますと、1つには、変化する旅行形態や旅行目的への対応であり、個人旅行やリピーターに向けた新たな魅力づくり、増大するレンタカー観光への対応、健康・保養やエコツーリズム、文化交流型観光等体験・滞在型観光の推進があります。また、ソフト・ハード両面における国際観光への対応、インターネットによる情報発信など進展するITへの対応も大きな課題でございます。
 2つには、新たな旅行受け入れに向けた整備課題であり、観光メニューの開発や観光ルートの整備、バリアフリー観光への対応など新たな旅行形態に対応した観光地の形成、自然環境の保全や良好な景観の形成等があります。また、質の高い観光人材の育成、県民のホスピタリティーやマナーの向上、関連産業との連携強化による経済波及効果の拡大なども重要な課題であります。県におきましては、これらの諸課題解決に向け今後とも観光業界、県民と一体となって取り組んでいく考えであります。
 次に、男性の平均寿命の順位後退による観光への影響についての御質問にお答えをいたします。
 沖縄の男性の平均寿命が全国26位へ後退したことは、長寿県沖縄を沖縄観光の魅力の一つとして国内外にアピールしている本県にとって残念なことであります。しかしながら、ことしの観光客数はこれまで過去最高を記録し堅調に推移するなど、現在のところ観光への影響は特にないものと考えております。
 男性の平均寿命の順位が低下したとはいえ、女性の平均寿命は依然として全国1位を維持しております。また、沖縄の温暖な気候、美しい自然環境、健康・長寿に適した食文化や生活環境等はいやしや健康・保養を目的とする観光客にとっては大きな魅力であると考えております。こうしたことから、今後とも健康・保養型観光やエコツーリズム等の推進を図りつつ、さらなる観光客の誘致に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 沖縄関係予算のソフト事業と圏域別配分について、関連しますので一括してお答えします。
 平成16年度の内閣府沖縄担当部局の概算要求は、自立型経済の構築に向けた産業の振興、「沖縄科学技術大学院大学(仮称)」等による科学技術の振興、人材の育成、持続的発展を支える基盤づくり等に重点を置いて取りまとめられており、県の要望に配慮した内容となっております。
 特に、民間主導の自立型経済の構築に向けた産業振興のためのソフト事業としては、観光・リゾート産業のさらなる発展に寄与するためのバリアフリー観光推進事業、情報通信産業の一層の振興を図るためのIT新事業創出体制強化事業、健康食品産業の産業競争力を高めるための健康食品品質向上総合対策事業、環境関連産業将来発展調査、雇用の創出と地域産業の活性化を目的とする若年求職者による空き店舗を活用した起業支援事業及び地域資源を活用した事業化支援事業などの事業が県の要請を踏まえ新規事業として要求されております。
 国庫支出金要請に当たって県は各市町村からの要望も踏まえるとともに、県内全域の振興を考慮して要請を行ってきたところであります。国の概算要求も地域の特性を生かした県土の均衡ある発展という観点に配慮した内容になっているものと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 雇用失業問題についての、新規学卒者の採用見込みについてお答えをいたします。
 沖縄労働局によりますと、平成16年3月新規高卒予定者の求人・求職状況につきましては、7月末現在で求人数が959人と前年同期の717人より33.8%増加しており、そのうち県内求人は200人から432人と増加しております。また、有効求人倍率についても0.37と対前年同期比0.06ポイント増となっております。
 新規学卒者の雇用対策については、経済団体への求人開拓推進員の配置による県内求人の開拓とあわせて、就職指導の強化を図るため高等学校へ就職指導補助員を増員したところであり、今後とも国、県及び関係機関の連携によるきめ細かな対策が図られるよう連携を強化することとしております。
 次に、職業能力開発校の実績等についてお答えをいたします。
 県の職業能力開発校では新規学卒者や求職者に対して職業に必要な技能・知識を習得させ、就職につなげることを目的に訓練を行っております。また、技術革新や情報化の進展等社会のニーズに対応するため科目の見直しなどを行い、企業において即戦力となる人材を育成しております。昨年度は、自動車整備科やメディア・アート科など26科で訓練を実施し554名が就職をしております。
 さらに、雇用情勢が厳しい中で求職者の早期就職を促進するため、職業能力開発校では実施が困難なコースについて専修学校等を活用した緊急委託訓練を実施し411名が就職しております。県においては、今後も引き続き求職者の雇用につながる訓練の実施に努めてまいりたいと考えております。
 続きまして、「デュアルシステム」の導入についてお答えをいたします。
 国が来年度から導入を予定している「デュアルシステム」は、教育訓練機関における座学と企業における実習を組み合わせ、即戦力を育成する職業訓練の仕組みのことであります。訓練受講者が訓練期間中に企業の現場を体験することは、特に本県においては民間に目を向けた幅広い職業意識の形成や就職後の職場定着につながるものと考えております。
 県としましては、より多くの企業の理解と協力を得て本システムによる職業能力開発が円滑に実施されるよう具体化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 民間活力の活用による地域振興についての、旭橋駅周辺地区再開発事業の今後のスケジュール及び事業を進めるに当たっての課題と展望についてにお答えいたします。
 旭橋駅周辺地区再開発事業は、国庫補助制度を活用した市街地再開発事業であり、補助対象事業に要する費用の3分の1を国、3分の1を県と那覇市、3分の1を施行者で負担する制度であります。
 本事業は、平成15年度に新規地区として採択され、事業期間は平成15年度から平成21年度までの7年間を予定しております。現在、当事業の施行者となる旭橋再開発株式会社が平成15年9月1日に設立され、事業着手に向け準備に取り組んでいる状況であります。
 次に、本事業の課題でありますが、事業費の約7割を占める保留床の取得予定者の確保の問題があります。再開発会社としましては、今後、情報収集、新聞広告やホームページによる広報活動及び営業活動等を通して床の取得予定者の確保に向け取り組みを強化していく予定であると聞いております。県としましては、今後とも那覇市と連携して当事業が円滑に推進されるよう支援していくこととしています。
 次に、公共事業関係についての、県営住宅の民間への管理委託についてにお答えいたします。
 県営住宅の管理については、現在「沖縄県営住宅の設置及び管理に関する条例」において市町村または沖縄県住宅供給公社に委託できる旨規定しております。しかしながら、公の施設の管理については、平成15年9月2日に施行された「地方自治法の一部を改正する法律」により、民間事業者にも行わせることができることとなりました。このため、県営住宅の管理を民間事業者に行わせる場合の業務の範囲等について整理する必要がありますが、これについては国土交通省から指導・助言があるものと伺っております。
 県としましては、これらの指導・助言を踏まえるとともに、同法律の内容を十分に検討の上、業務の具体的範囲等を検証し、県営住宅の管理に支障のないよう制度改正に適切に対応したいと考えております。
 次に、地元業者の受注機会の拡大と分離発注についてに一括してお答えいたします。
 公共工事の発注につきましては、県においては「県内企業への優先発注及び県産品優先使用基本方針」に基づき地元業者へ優先的に発注しており、国に対しましても同趣旨の要請を毎年行っております。また、地元中小・中堅建設業者の受注機会の増大につきましては、平成14年7月に決定した沖縄振興計画の中で積極的に取り組むとなっております。
 なお、平成14年度における国の県内企業への発注状況は、件数で82%、金額で52.1%となっております。さらに、国の分離発注については、平成14年12月6日に了承された国の「産業・雇用対策の追加的実施」の中で公共事業の地元中小・中堅企業の受注機会の増大を図るための方策を実施することとしており、その中で分離・分割に引き続き取り組むとされております。県としましても、国に対しまして毎年同趣旨の要請をしているところであります。
 以上でございます。
○企業局長(當銘直通) 企業局の入札制度についてお答えいたします。
 企業局の工事発注におきましては、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき可能な限り分離・分割し、県内企業への優先発注に努めているところであります。
 御質問の設備工事につきましては、企業局の浄水場等の基幹設備は規模が大きく県民生活に大きな影響を及ぼすことから、これら設備の施工には高い技術力と不調発生時の速やかな対応が求められております。これらの点から現状では県内企業では対応が困難なものが多く、当該設備を製作できるメーカーと県内企業との組み合わせによる共同企業体に発注しているところであります。
なお、基幹設備以外の取水ポンプ場等の設備工事については、現状においても可能な限り県内企業に優先発注しているところであります。県内企業への発注拡大につきましては、御提言の趣旨を踏まえ、県内企業の技術力の推移や制度的側面を勘案しながら総合的に検討していきたいと考えております。
 以上です。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 長寿県沖縄についての中の、健康づくり施策の実施についてお答えいたします。
県においては、平成7年に疫学調査や健康実態調査を実施し、その結果を受け、健康・長寿県の維持に関し警鐘を鳴らしてきました。
 また、平成14年1月に県民の健康づくりの指針となる「健康おきなわ2010」を策定し、推進県民会議を中心に各団体・関係機関への普及・啓発を図ってまいりました。しかし、男性の平均寿命の順位が大きく後退したことを受け、平成15年1月、推進県民会議から「沖縄県の長寿の危機緊急アピール」を発表しました。平成15年3月には「健康おきなわ2010県民健康意識調査」を行い、8月からは健康・長寿の要因分析等の健康長寿推進事業を実施しております。さらに健康づくりトーク、講演会、県医師会との共催による県民公開講座の開催、県広報誌・テレビにより県民への広報・啓発を行っております。また、市町村の健康づくり計画策定の支援、沖縄県食生活改善推進員連絡協議会の活動支援等長寿県沖縄の復活に向けた健康づくり運動を今後とも積極的に推進してまいります。
 続きまして、女性の健康づくりの取り組みについてお答えいたします。
 本県の女性の平均寿命は86歳で全国1位を維持しておりますが、伸び率が全国より低くなっており、このまま推移していきますと1位を維持できなくなることが危惧されております。
 伸び率が低くなっている要因として、壮年期の心疾患、脳血管疾患、糖尿病等による死亡率の上昇が考えられます。また肥満者の割合、運動不足、脂肪摂取量の割合も全国に比べ高く、若い女性の喫煙率が上昇している等の課題があります。肥満や喫煙は生活習慣病の大きな要因であり、肥満者の割合の減少や喫煙率を減らすため市町村の健康づくり事業の推進を図り、食生活改善推進員や母子保健推進員及び婦人団体等と連携を強化し、生活習慣病を予防するための健康づくり事業を積極的に推進してまいります。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 県内の市町村合併の進捗状況についてお答えいたします。
 9月現在における法定の合併協議会は、宮古地域6市町村による宮古地区市町村合併協議会、具志川市・石川市・勝連町・与那城町合併協議会、伊平屋村・伊是名村合併協議会、八重山地域市町合併協議会の4協議会が設置されております。そのほか、沖縄本島中南部地域において任意協議会が設置されており、法定協議会設置に向けた取り組みが行われております。県としては、合併特例法の期限である平成17年3月までの間にできるだけ多くの市町村で合併が実現するよう市町村合併を積極的に支援してまいりたいと考えております。
 次に、離島町村や住民に対する合併の指導についてお答えいたします。
離島町村は、少子・高齢化の進展や脆弱な財政基盤などにより、将来にわたって現在の行政サービスを維持し続けていくことは非常に厳しいものがあると考えております。そのため都市部との合併も有効な手段と考え、県の推進要綱において都市部と離島町村の組み合わせを示すなど、離島町村の合併に向けた取り組みに対し積極的に支援を行ってきたところであります。県としては、これまで離島の市町村長や議会議員との意見交換を行い、合併の必要性や意義について理解が深まるよう働きかけてきました。
 このほか、議会等の主催する研修会・講演会及び住民懇談会等に職員を派遣し、合併に関する各種資料や情報提供を行うなど積極的に広報・啓発に努めております。
 次に、住民投票の結果に対する県の対応及び合併しなかった町村に対する財政措置についてお答えいたします。
県内市町村においても、伊江村及び西原町において合併の是非や相手方を問う住民投票が実施されたところであります。このような住民投票は、地域住民の意思を把握することに役立つ一つの方法であると考えており、その結果につきましては、市町村の自主性、主体性に基づき実施されるものであることから尊重したいと考えております。
 また、合併しない市町村への財政措置については従来と変わりはありません。
 続きまして、合併特例法の延長についてお答えいたします。
 合併特例法は、地方分権一括法の制定に伴い、自主的な市町村の合併を推進するため平成11年7月に大幅に改正され、さまざまな財政支援措置等が講じられたところであります。同法について、国の方は延長はしない旨の発言を繰り返し行っております。
 なお、同法の失効後は新しい法律を制定し、一定期間さらに自主的な合併を促進することとしており、この場合、現行のような財政支援措置はとらないとされております。
 以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 旧軍飛行場用地問題調査・検討業務委託の目的と調査内容についてにお答えいたします。
 旧軍飛行場用地問題は、未解決の戦後処理事案として沖縄振興計画に位置づけられていますが、この問題の解決を国に求める場合、国の理解を得るための十分な説明資料を整えておく必要があると考えております。このことから、現在実施している委託調査において戦後処理事案として既に解決を見た事例との比較検討や旧軍関係資料の収集、嘉手納裁判記録の分析等を行い、あわせて学識経験者による検討委員会を設置し客観的な視点から同問題を検討し、どのような処理を国に求めるのが適当であるかなどの提言を得たいと考えております。この調査結果も踏まえ、県・市町村連絡調整会議や旧軍飛行場用地問題解決促進協議会と十分協議・調整していきたいと考えております。
 旧軍飛行場用地問題の解決についてに一括してお答えいたします。
 旧軍飛行場用地問題については、昨年初めて戦後処理事案として沖縄振興計画に位置づけられたところであります。同問題は、戦後58年経過しても依然として解決していない大変難しい問題でありますが、同問題の解決のためには県民一体となった取り組みが必要であると考えており、今後とも旧軍飛行場用地問題解決促進協議会や関係市町村とも十分協議し、また県議会議員連盟の意見も拝聴しながら、沖縄振興計画に位置づけられた意義を踏まえて問題解決を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○外間 盛善 時間が2分近くありますので、再質問をいたします。
 まず土建部長に再質問を行いますが、県営住宅の民間への管理委託について、これは前々から議員連盟の皆さん方が質疑を繰り返してまいりましたが、一向に前進しておりません。部長の説明によりましたら、去る15年の4月に法改正がなされたわけですから、これはまさに地方分権、規制緩和の理想にかなう、地方にできるものは地方に、民間にできるものは民間への総理の言っているやはり改革と共通する事項であります。
 ただ国の指導を待つとか、あるいは他府県の動向を見守ってというやり方は消極的で、もっと積極果敢にこの方向を県独自の創意工夫でもって前向きに進めていただきたいと思っております。いま一度御説明をお願いしたいと思います。
 それから、県企業局の公募型発注については、ゼネコンを中心とする、あるいは機械メーカーを中心としたやり方の公募型は、やはりメーカー主導の組み合わせが恣意的に行われていきます。これまで県産業部門にはかかわっていない単なる国の販売店、代理店が起業化を起こしてやはり建設業産業にまた従事する形になって、既存の企業がないがしろにされてきている経緯があることを認識され、このことも公募型を全国に先駆けてこれはまた実施されてきたんですよ。
 悪いのはもっと慎重にやっておくべきと思いますが、いま一度御所見をお聞かせください。
○土木建築部長(安慶名正行) 再質問にお答えいたします。 
 法律につきましては、まだ施行されて、9月2日ということで間もないということもありますけれども、それと各県についても一応情報を収集しているということで、これを参考にしているというのもちょっと独自にとおっしゃることなんですけれども、この法律の内容を我々としてももっと十分に検討してその委託業務の具体的な範囲、そういうことについても十分に検証した上で、いろいろ支障がないような制度の改正に対して適切に対応していくというふうに考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○企業局長(當銘直通) 県内企業への発注拡大につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、いわゆる現状では技術力の問題、それから制度的側面などの制約がございまして、メーカーを主とする共同企業体に発注しているということでございます。
 そのようなことではございますが、やはり県内企業への発注拡大につきましては我々もそういう趣旨で業務を進めておりますので、今後検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 以上です。
○上原 吉二 私は、再々質問は行いませんので、次の質問は東京で行います。
 そういうことで、吉二にもっと答弁をやりたいと当局が言っても、もう私の姿はここにありませんので一歩踏み込んだ答弁をお願いしたいと思います。よって、特に知事は心残りのないようにお願いをいたしまして、では上原吉二、代表質問を行います。
 まず1番目、知事の政治姿勢についてでございます。
 (1)、在沖海兵隊の沖縄からの撤退について。
 沖縄は、戦後58年にわたって狭隘な面積の島に全国の75%に相当する米軍専用施設を押しつけられ、この間、県民は基地あるがゆえに派生する事件・事故等数々の被害を初めとする基地負担を強いられてきたものであります。米軍による事件・事故の多くは、これまで在沖海兵隊に関係あるものが多いことから、県民は在沖米軍の兵力削減及び在沖海兵隊の沖縄からの撤退と県民の負担の軽減を訴え続けてきたのであります。
 本県が求める米軍基地の負担軽減は、沖縄における基地問題の根本的な解決が現実的に難しい状況の中で最低限の県民の訴えであります。
 このような中、米国防総省は、日韓両国を中心にアジアに駐留する米軍を再配置する計画を策定しているとして、その中で沖縄に駐留する海兵隊の一部を撤退しオーストラリアに移転させると報じております。この報道について政府は、そういう重要な問題について日本政府と相談なく動くということは全くないと撤退の事実を否定しているのであります。
 また、来日した米国防副長官は、川口外務大臣、石破防衛庁長官との会談で、在沖海兵隊のオーストラリア移転について米国内においてそういった考えでないと今回の報道である沖縄からの撤退を否定し、新しい安全保障環境に対応するため米軍の再編を世界レベルで進めていることを強調したとのことであります。
 県は、このような一連の報道に対し直接米国防総省に事実の確認を行っております。それによると、米国は沖縄から海兵隊を削減させるということも考慮していると述べ、削減を省内において検討していることを明らかにしたその上で、最終決定ではないとし、日本政府との協議の必要性を強調していたとのことであります。
 確かに冷戦構造が崩壊した現在においても、沖縄基地の重要性は何ら変わりないばかりか、厳然として沖縄基地は存在しているのであります。このことは、米国から見れば在沖海兵隊の削減問題は、東アジア全体の動向、特に朝鮮半島の情勢と無関係には議論されないと日本側にくぎを刺したものと受け取られます。
 しかしながら、今回県の事実確認に対し報道をすべて否定せず、削減を考慮していると述べたことは、在沖海兵隊撤退の動きが米国防総省内で相当進んでいるのではないかと推測するのであります。東アジア全体の動向、特に朝鮮半島の情勢を見据えた米国の戦略的意図もあるであろうが、米国防総省も在沖海兵隊の削減も選択肢の一つと認めており、今後の動向によっては劇的な展開が起こらないとも限らないのではないかと考えるのであります。
 この意味からも、我々県民は常に在沖海兵隊の沖縄からの撤退を訴え、そして求め続けなければならないと考えるものであります。
 そこで伺います。
 ①、日米間に在沖海兵隊のあり方についてどのような思惑があるにせよ、米軍基地の負担を強いられている本県にとって、米軍基地の増減に関する問題は即県の基地政策、そして県民生活等に直結する最重要問題である。このため、政府は、本県に対しどのような事実、情報についても事前に知らせるべきであると考えるが、政府との通報・連絡体制はどのように構築されているか。
 ②、今回のような重要で大きな情報が出た場合、今後とも県独自で直接米国側に事実確認を行うことは必要と考えるがどうか。
 (2)、普天間飛行場移設問題について。
 当時の橋本龍太郎首相が1996年4月、米軍普天間飛行場を5年から7年以内に返還するとの米国と合意したことを劇的に発表してからはや満7年が経過しているのであります。普天間飛行場は宜野湾市の中心に位置し、住宅地に隣接していることから、危険性の面から一日も早く移設するべきとの声が地元や県民から強く出されていたことを受けて返還が決まったのであります。返還合意から7年を経過した現在、普天間飛行場はまだ現存し、地域住民に対する航空機の巻き起こす騒音等の被害はいまだに解決されておらず、15年問題、移設先の軍民共用空港の民間空港部門の事業主体の問題等で移設時期のめどさえついていない現状であります。
 不可能と思われていた普天間飛行場が、県内移設とはいえ返還合意ができた背景には何があったのであろうか。我々は、普天間飛行場移設問題を早期に解決を図るという基本に立ち返って考えてみることが必要ではないかと思うのであります。すなわち、普天間飛行場の返還の移設場所の決定に至った経緯をいま一度確認しておくことが必要であると考えます。
 普天間飛行場移設問題は、県政に課された最重要な課題であることから、返還合意に至った基本を押さえることで、今問題となっている移設先の軍民共用空港、民間空港部門の事業主体の問題等に対する県の姿勢もおのずから見えてくるのであります。
 そこで伺います。
 ①、軍民共用空港の民間空港部分の事業主体について。
 ア、事業主体について国との調整は進んでいるのか。
 イ、国は、軍民共用空港の民間空港部分の事業主体は、県以外には法的にはなり得ないとの考えであり、県は法的にこの問題をクリアすることは可能か。
 ウ、県は、調整の結果によっては民間空港部分をあきらめることもあり得るか。
 エ、名護市とは、民間空港部分の事業主体について協議はなされているのか。また、移設先に軍民共用空港を建設することについて名護市と考えは一致しているか。
 ②、代替施設建設協議会での建設に向けての議論はどの段階にあるのか。
 ③、環境影響調査について手続は予定どおり進められているのか。
 ④、名護市の求めている代替施設の建設に当たっての使用協定の締結の進捗状況はどの段階か。
 (3)、15年問題について。
 稲嶺知事が普天間飛行場代替施設の移設受け入れの条件としたのが、「軍民共用空港」と「使用期限15年」であるが、軍民共用空港の民間空港部分の事業主体が決まらなければ、15年問題はたなざらし状態になるのではないのか。
 大きい2番目、基地問題について。
 日米地位協定の改定問題について。
 本県は、全国の75%に相当する米軍専用施設を狭隘な面積に押しつけられ、県民は基地あるがゆえに派生する事件・事故等数々の被害を初めとする基地負担を強いられてきたほか、経済の振興においても支障を来している状況にあります。このため、県民は基地負担の軽減、人権や基地環境の改善を図るため日米地位協定の改定を長きにわたって求めてきたのであります。
 これに対し、政府は改定にはこたえず、運用改善で臨むとの方針を変えず、米国に対する弱腰外交は改まっていないのであります。しかし社会状況は確実に変わってきており、今や県内市町村はもとより、全国知事会、日本弁護士会、日本青年会議所等の全国の主要団体がこの問題を注目し早期の改定を求める決議を行っているのであります。
 政府もここに来て、米兵被疑者の取り扱いに関する日米交渉を開始しておりますが、結局、日米双方は合意に達せず不調に終わったとのことでありますが、そもそも米兵被疑者の刑事手続問題は、1995年に起きた米兵による少女暴行事件がきっかけであったのであります。米兵が基地外で犯罪を起こし、基地内へ逃げ込めば、起訴されるまで米側が被疑者の身柄を確保するという優遇措置が米兵による犯罪に歯どめがかからないとの非難が県民から強く出されていたのであります。
 その際、日米両政府は、米側の起訴前の身柄引き渡しに好意的に考慮を払うとの運用改善で切り抜けたのであります。そこでも政府は、県民が求める日米地位協定の改定という問題を避けてきたのであります。
 我々県民が求めるのは、今、日米で協議されている米兵被疑者に弁護士を同席させるか等の処遇改善の問題ではなく、地位協定の抜本的見直しそのものであります。幸い知事が中心となって展開している全国行動プラン、いわゆる知事の全国行脚の効果もあり、これには我が自民党も全国渉外知事会、議会への働きかけを行っているものでありますが、日米地位協定の改定問題は全国的な広がりを見せているのであります。
 そこで伺います。
 ①、日米地位協定の改定を求める本県の取り組みを全国的な運動として発展させるため全国行動プラン、いわゆる知事の全国行脚を展開しているが、要請した米軍基地及び施設を抱える13都道県の反応とこれまでの感触を伺いたい。
 ②、知事の全国行脚が終了した後、全国に広がった改定への機運を拡大・発展させるため今後の計画を伺いたい。
 ③、県は、県内の各種団体に対し日米地位協定の改定に向けた具体的な取り組みを呼びかける文書を送付したとのことであるが、その趣旨を伺いたい。
 (2)、米軍基地の整理縮小について。
 ①、日米両政府は、日米合同委員会で、横浜市内の在日米海軍施設の4施設を日本側に返還することで合意したということである。返還対象の土地は約300ヘクタールで、横浜市内の米軍施設の約56%に上るとのことである。本県においては、SACOの合意事項がありながら一向に大規模な施設の返還が実現していない。本土との違いはどこにあると考えているのか。
 ②、県と基地所在31市町村でつくる「軍用地転用促進・基地問題協議会」の2003年度の総会で、1996年に日米間で返還合意をされた米軍施設について、返還区域の明確化を新たに求めることを決めたとのことであるが、それを実現するための行動計画があれば示していただきたいと思います。
 (3)、基地から発生する騒音問題について。
 米軍基地から発生する航空機騒音問題については、これまで騒音被害を受けている飛行場周辺住民の負担軽減を図るため、国が維持管理費責任を含めた空調機器等の費用を全額負担すべきであるとし、私はこれまで主張したところであります。平成15年から太陽光発電システムによる措置が一部地域で実施されておりますが、全体的な取り組みがなされるよう一日も早く国に強く求める必要があると思います。県としての今後の対応についてお聞きをいたしたいと思います。
 (4)、米軍による事件・事故について。
 ①、最近の米軍による事件・事故の多発について県の対応を伺いたい。
 ②、目に余る米軍の事故については、もはや安全管理の手違いや米兵の操作ミスなどの説明で片づけられる問題ではない。政府に徹底的な原因調査を求めるべきと考えますが、どうですか。
 大きい3番目、沖縄新大学院大学の設置について。
 沖縄新大学院大学は、その名称も正式決定されるまでは「沖縄科学技術大学院大学」と呼称されることで合意され、建設場所も恩納村に決定をされました。現実に建設場所も決定し、あとは建設と完成を期待するとなるとやはりさまざまな心配がよぎるのであります。建設費が約800億円、教授陣が世界的な研究者の招聘、運営費は年間約200億円と言われており、前途は容易じゃないと思います。しかし、新沖縄振興計画で自立経済の構築を目指す本県にとって新大学院大学の果たす役割や期待は大きいものがあります。その意味からも新大学院大学が予定どおり建設が進められ、2007年9月の開学が実現するよう願うものであります。
 そこで伺います。
 (1)、沖縄科学技術大学院大学の建設に向けて、来年度予算要求においても関連経費が計上されたことで事業の具体化が見えてきたが、建設に向けての今後のスケジュールはどうなっているか。
 (2)、当初、大いに期待されていた世界的に優秀な教授・研究者招聘計画がここに来て不透明感が出てきたようである。本当に世界的な大学、世界的な教授陣は実現するのか、進捗状況について説明願います。
 大きい4番目、福祉関係について。
 中部地区への看護学校の設置について。
 沖縄県の看護師数は、九州各県と人口10万人当たりで比較すると最も少ないのが現状であります。ところが、看護師養成所入学定員は相次ぐ閉校や定員削減により大幅に減少し、今後、看護師への道は非常に狭き門となってくると思います。
 看護師養成所を保健医療圏別に見ると、北部1校、南部5校あるが、中部は看護師養成所は存在しない地域偏在の状態であり、中部地区から看護師を目指す子供たちは圏域外または県外への進学という状況になっております。さらに、卒業後は中部地域の就職より圏域外への就職の割合が高く、中部地域の医療現場は看護師の確保が容易でない状況が続いております。
 そこで伺います。
 ①、平成17年度までの看護師の需要見通しはどうなっているか。
 ②、開校の見通しはどうなっているか。また、財源の見通しはどうなのか。
 ③、中部医師会との協議は進展しているのか。
 大きい5番目、土木建築関係について。
 (1)、都市モノレール事業について。
 去る8月10日、本県の慢性的な交通渋滞の緩和や地域経済活性化等の期待を受け、沖縄で戦後初となる軌道交通沖縄都市モノレールが開業した。他の第三セクターのような採算面での不安を抱え、連結するバス路線再編も不完全で、多くの課題を残す中で総合交通体系の改善に踏み出したのであります。開業初日から8月31日までの22日間の乗客数は100万人を突破し、1日当たり約4万人から5万人と当初の需要予測3万1000人を大きく上回ったとのことである。スタートとしては大成功で喜んでいるところであるが、初日には車両事故が発生し約2時間の運行停止があり、また8月31日には4歳の子供がホームと車両とのすき間から3メートル下の軌道床に転落する事故が発生するなど先行きに不安要因が見られたのも事実であります。本格的な勝負は10月以降からと思われますが、何点かの質問を行います。
 ①、首里駅等主要駅でのバス及びタクシー乗り場の整備について。
 ②、今後の路線延長について。
 ③、バス事業との共存共栄方策について。
 ④、需要予測及び運賃の見直しについて。
 ⑤、事故防止のための安全対策はいかになされているか。
 (2)、宜野湾浄化センター埋立工事による漁業被害について。
 ①、県土地開発公社が宜野湾浄化センター拡張工事を行うに当たって、発注業者へ指導した海域への環境対策の内容を説明願いたい。
 ②、センター拡張工事着工前に北谷町漁業協同組合やほかの漁協との話し合いはどのように行われ、どのように理解を得たのか。
 ③、工事を進めていた間の公社の海域の監視体制は適正であったのか。
 ④、土砂が漏れた原因は何なのか。また、現在行っている原因調査等により原因の特定は可能か。
 ⑤、今後の工事の再開はどのように進めるのか。
 (3)、中城湾港泡瀬地区干潟の埋立事業について。
 ①、中城湾港泡瀬沖合の埋立事業の工事がようやく開始された。これに対しては見切り発車との声も聞かれるが、県の今後の計画はどうなっているのか。
 ②、また、同事業に対し、環境省が事業主体の内閣府に対し藻場保全のための十分な科学的根拠に基づく海草の移植計画の策定及び実施後の評価の公表を申し入れたとのことであるが、今後の工事への影響はどうなるのか。
 6、教育関係について。
 (1)、小中校老朽校舎の建てかえについて。
 県教育庁によれば、県内の小中学校施設は築25年以上を経過した建物が総面積で18%を占めており、現在の耐震基準ができた1981年以前の建物が総面積で全体の45%を占めるということであります。また、沖縄は塩害の影響が他県に比べ強いことから、老朽化のスピードが速いと言われております。このため県教育庁は校舎改築事業費の国庫補助等の関係から、市町村に対し改築を前倒しで実施するよう市町村に要請活動を行うとのことでありますが、老朽校舎の実数と建てかえ計画、校舎改築事業費の国と県、市町村の負担割合等について説明を願いたい。
 (2)、児童生徒の県内問題行動についてでございます。
 児童生徒の暴力行為、いじめ、不登校、高校中退などの問題行動が文部科学省がまとめた2002年度の問題行動調査結果で減少していることがわかった。しかし、暴力行為については全体的には減っているが、対教師については逆に3年連続増加しており、生徒指導での教師側の苦悩が浮き彫りになっているとのことであります。本県では不登校、高校中退など数字的には前年度を下回っているが、県教育委員会は表面的な数字と見ており、むしろ行動は悪質化しているのではないかと警戒しておりますが、本県における問題行動の実態と教育庁の対策をお伺いします。
 (3)、外国人留学生受け入れ問題について。
 外国人留学生受け入れについては、日本と諸外国との相互理解の増進と友好関係の推進、日本の国際化の推進と国際社会に対する知的貢献、経済社会のボーダーレス化に対応した日本人学生の国際化と多様な教育機会の提供による国際的に貢献できる人材の育成等、留学生の受け入れについては高まっている。しかし、現実には受け入れた留学生が不法就労や事件に絡んだりする事例がふえ、留学生の質の問題を懸念する声も増大している。本県にもこのような留学生を受け入れていると思われるが、その現状と不法就労等の問題が起こっていないか伺います。
 7、人材育成について。
 沖縄振興計画の主要目標は民間による自立経済の構築であります。そのために人材の確保は必要であります。
 (1)、自立経済構築のため産業界の必要とする人材の育成・教育について。
 ①、現在、高等学校において技術を主体とした人材育成はどのように行われているのか。
 ②、小中学校において産業技術を主体とした教育は可能か。
 ③、今後、本県が本格的に産業技術を主体とした教育プログラム等を取り入れるためにはどのような課題や問題点があるか。
 8番、9番については、また東京でさせていただきたいと思います。よろしく御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) ただいまの上原吉二君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時47分休憩
   午後1時12分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 午前の上原吉二君の質問に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 上原吉二議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、民間部分の事業主体に関する2つの御質問につきまして一括してお答えいたします。
 県は、普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件の一つとして、「代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであること。」を提示しており、平成11年12月に閣議決定された政府方針では、「普天間飛行場代替施設については、軍民共用空港を念頭に整備を図る」と明記されております。代替施設は、軍民共用飛行場として一体的に整備されるものと考えており、県としては代替施設の埋立事業等民間専用地区の整備については、これまでの経緯等からも国が事業主体になるものと考えておりますが、現在、国と調整を行っているところであります。
 続きまして、軍民共用空港についての御質問にお答えいたします。
 先ほども申し上げましたが、軍民共用空港は条件の一つであり、国においてもそれを認め、これまで代替施設協議会等で協議してまいりました。県としては、民間空港の機能を生かした移設先の地域振興に全力を注ぐことにより、雇用機会の確保や産業の振興を図るなど地域経済発展の新たな拠点を形成し、北部地域の発展につなげていきたいと考えており、民間空港の機能を十分活用していきたいと考えております。
 続きまして、軍民共用飛行場に係る名護市の認識についての御質問にお答えをいたします。
 代替施設を軍民共用飛行場とすることについては、選挙公約として掲げ、移設に当たって県の条件として提示したことなどや代替施設協議会での協議の経緯等から、名護市と共通の認識を有しているものであります。また、民間部分の事業主体に係る県の基本的な考え方については、名護市長にも理解が得られているものと受けとめております。
 続きまして、民間部分の事業主体と15年問題についての御質問にお答えいたします。
 県は、移設に当たって整備すべき条件として「軍民共用空港」、「15年の使用期限」など4つの条件を提示しております。
 普天間飛行場代替施設の15年使用期限は、沖縄県が戦後58年間にわたり過重な基地負担をしている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から使用期限を設けたものであります。使用期限問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、内閣総理大臣を初め関係大臣にも要望してまいりましたが、今後とも引き続き強く求めていきたいと考えております。
 県の提示した条件は、それぞれ国の責任において解決されるべき問題であると考えております。
 次に、基地問題のうち、全国行動プランの県外要請の反応及び今後の計画についての御質問に一括してお答えいたします。
 県は、去る6月の上旬から北海道を皮切りに福岡県、神奈川県、長崎県、東京都、山梨県、静岡県、千葉県、山口県、広島県、茨城県を直接訪問し、地位協定の見直しに関する要請を行ったところであります。
 その内容は、各都道県議会に対し地方自治法に基づく意見書の採択をお願いし、各都道県へは当該議会における意見書の採択の取り組みへの支援をお願いしたところであります。
 東京都、北海道、神奈川県、長崎県、青森県、茨城県の6都道県においては既に当該意見書を採択しており、その他の都道県からは前向きに取り組んでいきたいとのお話しを伺っており、非常に心強く思っております。
 今後の対応については、県議会の終了後に予定している埼玉県を訪問し、地位協定の抜本的見直しへの協力をお願いするとともに、全国行動プランの実施状況や県内外の各界各層の動向等を総合的に勘案しながら検討していきたいと考えております。
 次に、大学院大学建設に向けての今後のスケジュールについてお答えいたします。
平成16年度内閣府の大学院大学関連経費は、先行的研究事業等の継続事業に加え、新たに設置母体法人の運営経費、施設の基本設計や敷地の造成設計費など事業化に向けた予算が初めて要求されております。
 今後のスケジュールについては、これら16年度事業の実施を踏まえ、17年度に敷地の造成工事と施設の実施設計を行い、18年度に建設工事に着手し、19年度開学という予定になっております。県としても、16年度予算の確保はもとより、大学院大学設置に係る各種事業の着実な推進に向け積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、世界的な大学、教授陣の実現についての御質問にお答えします。
世界最高水準の大学院大学実現のかぎは、世界トップクラスの研究者等の確保にかかっていると考えております。そのためには、給与や研究資金等の待遇面や研究設備の充実を初め、安全で快適な生活環境など世界の研究者を引きつけるような条件整備を図っていく必要があると認識しております。
 また、今年度から、すぐれた研究者を確保するためのネットワークの形成や、沖縄の科学技術の振興及び大学院大学構想の知名度向上を図ることを目的に、大学院大学開学までの5年間、先行事業として研究資金助成プログラム、国際シンポジウム、国際ワークショップを継続的に実施することになっております。このような取り組みによって優秀な人材が確保され、世界最高水準の大学院大学が実現されるものと考えており、県としても国と連携しながら事業の円滑な実施に努めていきたいと考えております。
 次に、泡瀬の埋立事業の今後の計画についての御質問にお答えいたします。
 泡瀬埋立事業は、平成12年12月19日に公有水面埋立免許及び承認を取得し、埋立面積186ヘクタールのうち、第Ⅰ区域95ヘクタールの埋立事業については平成14年10月から工事用仮設橋梁、護岸等の本格的な海上工事に着手しました。平成15年度については、4月から7月までの間はトカゲハゼの繁殖期のため生育保全に配慮し工事を中断しておりましたが、8月には台風対策として護岸の防護対策工事を実施しております。
 一方、護岸等の本格的な工事については、周辺海域で新たに発見された海藻・草類等の保全措置について環境アセスメント手続に従い事業者で検討しているところであり、これが終了し次第工事を再開し、平成21年度には第Ⅰ区域の埋め立てを竣功する計画であります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 米軍基地問題の情報収集について一括してお答えいたします。
 県は、基地行政の円滑な推進に資するため、ふだんから国等の関係機関からの情報収集を図るとともに、米国の主要新聞や雑誌の購読、インターネットの積極的な活用、関係機関への照会等により基地関係情報の収集に努めているところであります。県としては、基地の整理縮小や基地負担の軽減を求める県民の強い意向を踏まえつつ、県民の生命財産を守る観点から、今後とも国と連携をとりながら正確な情報の収集に努めていきたいと考えております。
 代替施設建設協議会についてにお答えいたします。
 代替施設建設協議会は、普天間飛行場代替施設について「環境影響評価、設計、施工等代替施設の建設に係る事業」及び「「代替施設の使用協定に係る基本合意書」に基づく取組の進捗状況について報告を受けるとともに、これに関連して所要の協議を行う。」こととしております。本年1月に開催された第1回協議会においては、使用協定についての今後の取り組み並びに環境影響評価や現地技術調査など代替施設建設に係る当面の取り組み等についての協議がなされました。
 次回の協議会の開催について、具体的にはまだ決まっておりません。
 環境影響評価の手続についてにお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設に係る環境影響評価については、現在、防衛施設庁において方法書の作成や現地技術調査が行われるなどその手続が進められているものと考えております。
 使用協定の進捗状況についてにお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設に関する使用協定については、昨年7月29日、国、県、名護市の三者により基本的事項についての合意がなされたところであり、今後、本合意書に基づき環境影響評価など代替施設の整備の進展を踏まえつつ、合意書をもとに協議を進める、工事着手までに代替施設の使用に係る措置の内容を明確にする、供用開始までに協定を締結する等段階的に進められるものと考えております。県としては、今後とも名護市と連携し、使用協定締結に取り組んでいきたいと考えております。
 各団体への連携の呼びかけについてにお答えいたします。
 県では、地位協定の改定を求める機運を国民全体の盛り上がりに発展させるためには、基地問題は県民すべての共通の課題であることから、広く県民の理解と協力を得る必要があると考えております。そのため、県の取り組みに賛同し、地位協定の見直しや基地問題の解決に向けて取り組みをしていただくよう、関係団体等に対して協力を呼びかけております。
 基地の整理縮小の本土との違いについてにお答えいたします。
 去る7月18日、日米合同委員会において横浜市内の根岸住宅地区など4施設、約300ヘクタールの米軍施設の返還が合意されたことは承知しております。今後、返還に向けては、返還条件となっているさまざまな課題を解決することにより返還されるものと考えております。
 本県におけるSACOの合意事案については、移設先の市町村の意向や環境問題等に配慮しながら諸課題の解決に向け国において慎重に作業を進めているところであり、県としてもすべての合意事案の推進に向け、国と連携し全力を挙げて取り組んでいるところであります。
 SACOの合意施設の返還時期と返還区域の明確化の要請についてにお答えいたします。
 去る8月8日に開催された沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会の総会で、SACO最終報告に基づいて返還合意された施設について、関係地権者の合意形成等跡地利用対策を推進する観点から、返還時期と返還区域の明確化を要請することが決議されました。この総会決議に基づき去る9月2日から4日までの間、内閣府を初め外務省、防衛施設庁など県内外の関係機関に対し要請を行ったところであります。県としても、今後、同協議会の要請の趣旨を踏まえ、関係市町村とも連携しながら適切に対応していきたいと考えております。
 太陽光発電システムの設置補助についてにお答えいたします。
 平成15年度における太陽光発電システム設置工事について那覇防衛施設局に照会したところ、嘉手納飛行場周辺の航空機騒音の激しい区域においてモニタリング事業の一環として、住民からの希望で太陽光発電システムの設置によりクーラーの電気代の補助を開始し、今年度は200世帯を対象に約4億円の予算を確保していると聞いております。
 県としては、今月上旬に沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会を通して防音工事区域の拡大、空調機器の維持管理費の全額国庫負担及び騒音指定区域の見直し等を防衛施設庁長官等に対して要請したところであります。今後とも、防音工事区域の拡大や空調機器の維持管理費補助の拡大などについて、渉外知事会や軍転協において要請を行うなど、あらゆる機会を通して国に強く求めていきたいと考えております。
 米軍の事件・事故及び原因調査についてに一括してお答えいたします。
 平成15年上半期の米軍基地に起因する事件・事故は、6月30日現在、航空機関連事故34件、原野火災7件、演習等に関連するその他事件・事故6件となっており、特に航空機関連事故が増加している状況にあります。
 また、県警の発表によると、本年上半期の米軍構成員等による刑法犯罪の検挙件数は59件、検挙人数は51人となっており、昨年同時期と比較すると米軍人・軍属の検挙件数及び人数ともに増加しております。
 県は、米軍基地に起因するさまざまな事件・事故等は1件たりともあってはならないものと考えており、事件・事故が発生するたびに米軍を初め関係機関に対し事故原因の徹底究明、再発防止及び安全管理の徹底等を強く申し入れてきたところであります。また、今月上旬、県と基地所在市町村で構成する軍用地転用・促進基地問題協議会が内閣府を初め外務省や防衛施設庁などの関係機関に対し、本県の米軍基地問題の解決促進を要請した際にも事件・事故の未然防止及び安全管理の徹底等を米軍に強く働きかけてもらいたい旨の申し入れを行いました。
 今後とも、県民の生命、生活及び財産を守る観点から、隊員の綱紀粛正及び教育の徹底等を強く求めるとともに、三者協や協力ワーキングチーム等において協議や調整を行うなど、米軍人等による事件・事故の再発防止に向け努力していきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 平成17年度までの看護職員の需要見通しについてお答えいたします。
 看護職員の需給見通しについては、平成15年3月に見直し策定された沖縄県高齢者保健福祉計画、平成14年末の看護師等業務従事者届け等を踏まえ、その推移を点検した結果、平成17年度においては当初見込みより看護職員の需要が増大することが予測されます。このことから、県としては中部地区への看護師養成所の設置は必要と考え積極的に支援しているところであります。
 続きまして、中部地区医師会の看護師養成所の開校及び財源の見通し、中部地区医師会との協議について一括してお答えいたします。
 開校の見通しについては、現在、中部地区医師会が設置主体として平成19年度に入学定員80人の看護師養成所を開設する準備を進めているところであります。
 施設整備については、具志川市において進めている「キャンプコートニー等周辺まちづくり構想策定事業」の一環として、防衛施設周辺まちづくり計画事業補助金を活用すると聞いております。県は、中部地区医師会に対し専任教員の確保、カリキュラム等について助言を行う等設置に向けた調整を進めているところであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 土木建築関係についての、主要駅でのバス及びタクシー乗り場の整備についてにお答えいたします。
 沖縄都市モノレール15駅のうち、小禄駅、県庁前駅等の7駅において交通広場の整備を終えております。交通広場にはバス、タクシーが結節する箇所に屋根つきのバスベイ、タクシーベイを設け利用者の利便性を図っております。
 なお、おもろまち駅については、12月完成をめどにバスベイを8バース設け、14路線の折り返しが可能な施設を整える予定であります。また、スペースの関係で交通広場を設置していない首里駅等については、路側帯を拡張し交通広場同様の施設整備を行っております。
 次に、バス事業との共存共栄方策についてにお答えいたします。
 都市モノレールの導入に伴いモノレールとバスとの合理的な機能分担と有機的な結節を図り、県民の利便性の向上を図りつつバスとの共存を図る方策としてバス路線再編成を予定しておりました。しかし、一部バス事業者において再編が予定どおり行われなかったことにより再編が不十分なものとなっています。モノレールとバスの共存共栄につながるバス路線再編成の実施については、今後ともバス事業者と調整を図っていく考えであります。
 次に、需要予測及び運賃の見直しについてにお答えいたします。
 沖縄都市モノレールの需要予測については、パーソントリップ調査やバス利用実態調査等を踏まえ、平成15年の開業時の利用客数を1日当たり約3万1000人と見込んでおります。
 モノレールの運賃の設定につきましては、初乗り運賃は3キロまで200円、以後3キロを超えるごとに30円を加算し、最長区間は290円となっております。
 8月10日に開業しました沖縄都市モノレールの利用客数は、9月28日までに193万人が利用しております。その間の1日の利用客の平均は約3万8000人となっており、予測を上回っていることになります。また、新学期を迎えた9月1日から28日までの1日平均の利用客は約3万3000人で、予測を若干上回る程度の数字となっております。
 今後の需要予測につきましては、モノレール開業後間もないことから、しばらく様子を見ていく必要があると考えています。
 なお、運賃の見直しについては、今後、沖縄都市モノレール株式会社において需要の動向等を見ながら検討されるものと考えております。
 次に、事故防止の安全対策の実施についてにお答えいたします。
 沖縄都市モノレール開業後、車両の運行停止、乗客がドアに手を挟まれたり、電車とホームのすき間からの転落等の事故が発生しております。発生要因としては、乗務員のふなれや乗客の軌道系交通へのふなれが挙げられます。
 沖縄都市モノレール株式会社における安全対策については、既に実施した対策として乗務員教育の徹底を初めドア開閉時の注意喚起のアナウンス、電車とホームのすき間に対する注意ステッカーの張りつけ及びゴムによりすき間を狭める措置を実施しております。
 今後の安全対策としては、乗降部の表面に注意喚起の表示、電車とホームすき間を電車下からのライトアップ、転落の際の衝撃緩衝材を設置するなど乗客の安全に万全を期すことになっております。県としては、沖縄都市モノレール株式会社とともに安全運行を図るためあらゆる手段を講じることとし、県民・市民が安心してモノレールを利用できるよう努力していきたいと考えております。
 次に、宜野湾浄化センター拡張工事に当たって、県土地開発公社が発注業者へ指導した環境対策についてにお答えいたします。
 沖縄県土地開発公社は、施工業者に対し、(1)、捨て石に付着している土砂を除去するため採取現場の洗浄施設で捨て石を洗浄してから現場に搬入するとともに、捨て石の洗浄が適正に実施されているか、採取現場での洗浄状況を抜き打ちで検査すること、(2)、埋立地北側にはヘドロの堆積層があることが調査で確認されており、ヘドロの拡散を防止するため汚濁防止膜を二重に設置し、捨て石を投入する際には可能な限り緩やかに投入すること、(3)、汚濁発生の状況を監視するため、捨て石投入施工時には汚濁防止膜の内側と外側で水質調査を実施すること等を指導し、周辺海域への工事による影響がないよう努めてきたと報告を受けております。
 次に、北谷町漁業協同組合及び他の漁業協同組合との話し合いについてにお答えいたします。
 当該埋立地は、浦添宜野湾漁業協同組合、那覇市沿岸漁業協同組合、那覇地区漁業協同組合が権利を有する15号漁業権内にあります。3漁業協同組合とは漁業権消滅補償について交渉を行い、金銭による補償で合意に達しております。
 また、北谷町漁業協同組合については、工事による影響補償の交渉を進めてきましたが、影響補償にかえて工事施工業者との公害防止協定を要求してきたため、要望どおり工事施工業者と公害防止協定を締結しております。
 次に、工事施行中の公社による海域の監視体制についてにお答えいたします。
 県は、土地開発公社に対し埋立免許条件として環境保全措置について義務づけております。土地開発公社は、その条件を遵守するため埋立工事着手前及び工事中において環境調査専門業者による環境監視調査を継続して実施してきております。また、工事中は工事請負業者により汚濁防止膜の設置状況の確認、捨て石投入の際には汚濁防止膜の内外の水質調査等を行っております。さらに、工事の安全確保のため海上からの監視も実施しており、県としては公社による海域の監視体制は適正に行われていたものと考えております。
 次に、土砂が漏れた原因についてにお答えいたします。
 土砂が漏れた原因は、汚濁防止膜が破損したためであります。汚濁防止膜の破損により周辺漁場へどのような影響を与えたかを把握するため、環境影響調査を専門コンサルタントへ委託して実施しております。
 本調査は、大潮及び小潮時における周辺海域の浮遊物質量、塩分、化学的酸素要求量等の水質を調査し、工事により拡散された汚濁物質が周辺漁場に与えた影響についてシミュレーションを行っております。本調査結果報告によりますと、周辺海域の水質は監視基準を満たしており、漁場への影響は少ないものと推測されております。
 次に、今後、工事の再開をどのように進めるかにお答えいたします。
 平成15年4月24日に汚濁防止膜の破損が確認されたため、工事を一時中断した上で汚濁防止膜の破損に伴う環境影響調査を実施しております。その後、公社は北谷町漁業協同組合と協議を行い、陸上、海上、水中からの監視を強化することで平成15年5月17日に合意に達し工事を全面再開しております。
 なお、現在、公社において環境影響調査を実施しており、その調査結果をもとに必要に応じて関係機関と協議をし対応していきたいと考えております。
 次に、泡瀬埋立事業についての、環境省の申し入れたことによる今後の工事への影響についてにお答えいたします。
 泡瀬埋立事業における海草移植計画は、海草・藻場保全のため平成10年度から平成13年度に移植実験をし、それを踏まえ計画を策定したものであります。当該計画は、平成14年9月30日及び12月11日に開催された環境監視・検討委員会において、海草の手植え移植は適用性が高いとの評価が得られたことから工事に着手し、その内容について平成14年12月17日に公表をしたところであります。
 今後の工事実施に必要な海草移植は、当面手植え移植で行い、環境に配慮しつつ工事を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 都市モノレールの延伸についての御質問にお答えします。
 都市モノレールの延伸については、開業後の利用状況、モノレール株式会社の収支見通し、延伸が想定される地域の開発計画や今後のバス路線網の再編等を踏まえ、段階的に検討してまいりたいと考えております。
○教育長(山内 彰) 小中学校老朽校舎の実数と建てかえ計画、校舎改築事業費の国と県、市町村の負担割合等についてお答えします。
 県教育委員会では、安全で快適な学習環境の整備が必要であるとの考えから、老朽校舎等の解消に取り組んできております。しかしながら、県内における老朽化していると思われる校舎、すなわち昭和52年度以前に建築された建物は、平成15年5月1日現在で市町村立小中学校で約34万平米残っており、総面積約207万平米の約16%を占めております。
 各市町村においては、建てかえ計画として沖縄振興計画に沿って平成23年度までの「学校施設整備事業計画」が作成されておりますが、近年の厳しい財政事情から事業の先送りが多く見られるなど、実行性のある改善計画となっていない状況にあります。そのことを踏まえて、県としては改築事業の早急な取り組みについての通知や県・市町村行政連絡会議等において、市町村長や市町村教育長に対し事業の前倒しを強く求めているところであります。
 なお、校舎等改築事業の負担の割合は、国が75%、設置市町村が25%となっております。
 次に、本県の問題行動の実態と対策についてお答えいたします。
 本県における平成14年度の実態として、前年度より暴力行為は98件の減少、いじめは42件の減少、不登校児童生徒数は200人の減少、県立高校における中途退学者は81人の減少となっております。このことはスクールカウンセラーや巡回教育相談員の配置、全教育活動を通じた人権教育の徹底などの教育効果のあらわれと考えております。
 また、高等学校の中途退学者の減少は自己教育力の育成や生徒の学習意欲を喚起し、個々の生徒に対応し得る多様で特色ある教育課程の編成などの効果性によるものと考えております。
 今後の対策といたしましては、スクールカウンセラー配置事業の拡充、「不登校児童生徒等への指導・支援カルテ」の活用による児童生徒の居場所づくりの推進、地域住民、関係機関・団体等との緊密な連携、警察等との連携による「沖縄県児童生徒健全育成サポート制度」等の機能化などを図っていきたいと考えております。
 次に、技術を主体とした人材育成教育と教育プログラム等についてお答えいたします。
 本県の高等学校における技術を主体とした教育は、26校において実習を主体に専門的な技術・技能の習得に努めております。また、県立産業技術教育センターにおいても、最先端で高度な情報技術や先端技術に関する実習を行い、情報化・国際化に対応しております。その実際として民間の専門家を学校に招き高度な専門性を生かす、いわゆる民間人活力導入事業等を実施しております。
 これまでの学習の成果としては、宮古農林高校生による有機肥料「バイオリン」の研究開発とか、南部農林高校と企業との連携によるパッションフルーツの商品開発、沖縄工業高校生による海水の濃縮装置の特許申請、食用廃油のディーゼル燃料化の研究開発などがあります。企業化を視野に入れた取り組みなど多くの実績を上げております。今後は、このような技術を主体とした教育プログラムを積極的に推進していきたいと考えております。
 小中学校における産業技術についてお答えいたします。
本県の自立経済の構築に向けた人材の育成は、教育においても重要なことであると考えております。学校においては、小学校の造形活動で作品をつくり出す喜びを味わう指導を行い、中学校の技術・家庭科では、生活と技術とのかかわりについて工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる指導を行っております。
 さらに、本県の教育施策として将来への夢や社会性をはぐくみ、みずからの生き方を考えることができるように小学校高学年で親や身近な大人の働く姿を見る体験、中学校2年生で職場体験活動などを取り入れて実践力の育成に努めております。
 また、小中学生のロボット大会や産業教育フェアへの参加等を通して産業技術への興味・関心の芽を育てる指導も推進しております。今後とも、沖縄らしさを生かした教育活動の充実に努めていきたいと考えております。
 次に、教育プログラム等を取り入れるためにはどのような課題や問題点があるかについてお答えいたします。
 沖縄が持続的に発展していくためには、やはり産業、医療、学術・文化等の各分野を支える多様な人材を育成することが学校教育においても重要であると考えております。このため、高度な専門的知識・技術を有する人材の育成を担う職業教育の一層の充実が必要であります。そのためにも人材を育成する教育プログラムの構築が必要であり、企業や民間と学校のより一層の連携が大切となります。県教育委員会といたしましては、有為な人材育成に向けて取り組みを続けていきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 本県の外国人留学生受け入れの現状についてお答えをいたします。
外国人留学生を受け入れている県内大学等及び県内各機関により構成されている沖縄地域留学生交流推進協議会の調査資料によりますと、国費・県費留学生を含め541名──これは平成15年の5月現在でございますが──の外国人留学生が県内大学で修学をしております。
 本県では県費留学生として21名受け入れており、琉球大学、県立芸術大学等に在学をしております。県費留学生にはアルバイトを禁止しており、これまで不法就労等の問題は起きておりません。
○警察本部長(髙橋清孝) 留学生による不法就労問題についてでありますが、平成13年以降の留学生による不法就労事案としましては、平成14年に1件1名を入国管理局と合同で摘発しておりますが、ことしは現在までのところございません。
 県警としましては、不法就労等外国人労働者問題沖縄地区幹事会において入管等関係機関との情報交換を行ったり、留学生等の受け入れ機関に対する指導を行うなど不法就労防止対策を推進しているところであります。
○砂川 佳一 我が自由民主党の基本理念の中に、「わが党は、国民とともに未来に向けてつねに改革を進める、開かれた民主的な政党である。」との一節がございます。
 今、まさに改革政党として国民との信頼関係を築き、支持率63%を有する自由民主党を代表して立たせてもらいますが、それはさておきまして、9・11、くしくも米国テロ事件と同一日とはいえ、台風14号は宮古群島に悪魔のつめ跡だけ残して去っていきました。それでも、それでもです、台風常襲地帯の宮古島であったからこそ何とかあれで食いとめることができたのであって、もしほかの地域であったのなら根こそぎ跡形もなくさらわれていたであろうことは間違いなく想像がつきます。
 その中で、稲嶺知事を初め県内外の多くの皆様の温かい励ましと真心に包まれながら、宮古郡民は「アララガマ、ワイドー」との気構えで気持ちを奮い立たせ、「災いを転じて福となす」の心意気で復旧に立ち上がりつつあることを感謝の気持ちを添えながら御報告申し上げます。
 ただ気になることは、30数年前のあのデラ台風、コラ台風の後に多くの人々が島を見限って離れていったとの話を聞かされております。このような寂しい話にならないようにしっかりと政治の使命を果たすことが肝要だと考えます。何しろ釣った魚も釣りかけた魚もすべて逃げてしまっただけでなく、釣りざおも折れてしまったのであります。このことを踏まえての質問とさせていただきます。
 1、台風14号の宮古島襲来に関連して。
 ①、知事は翌朝一番で現地に飛び、みずから視察をなさいました。現場視察後、各市町村長と意見交換会などもなさっておられます。そのときの御所見を踏まえて今後の対応策を承りたいと思います。
 ②、県民の命、財産、生活の安全と安定を守る立場からも台風常襲地帯としての地理的条件を強調し、災害救助法や激甚災害法の適用枠を超えた総合的な措置が講じられる必要がありますが、現行法の拡大適用を含め法令外の災害復旧支援策を政府に求める考えはありませんか。そして、県単事業としての支援策についての取り組みについても伺います。
 ③、比嘉副知事を初め、諸見農林水産部長など関係部局が現地視察を行っておられます。そのときの被害状況とその後の対応策、救済措置について警察当局、教育長を含め各部局の経過報告をお願いいたします。
 ④、現時点での被害総額は幾らでしょうか。分野別、市町村単位での被害額をお知らせください。
 ⑤、宮古市町村会など関係機関から要請されている緊急かつ特殊性を持つ支援措置予算についてどのような取り組みがなされているか具体的にお示しください。
 さらに、特別交付税の重点配分や起債枠の確保についての見通しについて伺います。そして、国庫補助制度の新設や単独災害復旧事業債に係る元利償還金の後年度負担が大きいことから、地方交付税(基準財政需要額)への算入率の引き上げが必要だと考えるが、県の取り組みを伺います。
 ⑥、今回の台風被害の特徴は、約800本余の電柱が倒壊し、電気、水道、電話の不通といった生活の生命線が寸断されたことだと分析されます。台風常襲地としては電線地中化の実現を強く要請いたしますが、その実現方について見解を賜ります。
 ⑦、災害時の避難場所に指定されていた上野村体育館などの復旧の見通し、めどは立っていますか、伺います。
 ⑧、台風による瓦れきが山積みされております。不法投棄が懸念されますが、そのことに対する県の指導体制、処理対策はいかようになっているのでしょうか、説明お願いいたします。
 2、知事の政治姿勢について。
 (1)、有事関連法について。
①、有事関連法が成立し、今後は国民の人権や財産等の保護を図るための国民保護法制の制定が急がれますが、知事の御所見を伺います。
②、米軍専用施設の75%を負担する本県にとって、有事に際しての県の対応は他県と比べてもその役割の重要性は大きいと考えますが、知事の考えを伺います。
③、県は、国に対し、国民保護法制の整備に向けて県民の人権や財産など私権の制限範囲の明確化などをまとめた5項目の要望を提出したとのことであるが、この5項目の要望をまとめるのに当たっての県の国民保護法制に求める基本的な姿勢と5項目の要望の内容を説明をしていただきます。
 3、国が進める構造改革特区について。
 (1)、本県が提案した特区の件数のうち、認定されたのは何件か。また、認定された特区が本県の今後にどのような影響を与えるか説明願います。
 (2)、名護市の金融特区について。
 ①、金融特区を本来の目的に沿った形で軌道に乗せるためには、法的規制緩和のほかにどのような事項が必要とお考えでしょうか。
 ②、金融特区での人材養成・確保等計画の進捗状況について説明願います。
 ③、金融特区への企業の進出状況と今後予定されている企業進出を伺いたいと思ます。
 4、那覇港湾施設の課題について。
 (1)、那覇港国際コンテナターミナル地区の運営について。
 ①、那覇港管理組合は、那覇港新港地区にある国際コンテナターミナル地区の運営参加について国際公募を準備しているようである。国際的な公募にする理由、基本的な考え方を説明願います。また、現実に国際的な優良な企業の応募が見込まれるのかどうか伺います。
 ②、政府の構造改革特区で認められた「那覇港フリーポート特区」による民間長期貸し付けに対する優遇措置は制度として十分でしょうか。
 (2)、那覇軍港移設後、新軍港をどのように運用するのかについて米側と使用協定を結ぶのでしょうか、考え方を伺います。
 5、伊良部架橋事業について。
 伊良部架橋は、通常の架橋事業と異なり、単一市町村ではなく宮古圏域として実現に向け取り組んでいます。それは、架橋に圏域の課題を解決する牽引者たる役割を期待するからであります。伊良部架橋によって伊良部島、下地島と宮古本島、さらに池間島と来間島が陸路で結ばれ、相互の交流やコミュニケーションが促進され、地域の特性や人材を活用した観光・リゾート、地場産業、新規産業の振興及び育成を図り、「宮古はひとつ」のスローガンを架橋によって実現するのであります。架橋はそれ自体が目的ではなく、広域的な連携を推進し、宮古圏域が一体的な発展を遂げるための手段とすること、そして市町村合併の相乗的効果を発揮することにつなげるとし、以下質問いたします。
 (1)、次年度の予算要求で実施設計費が盛り込まれ来年度の事業化に着手することになりました。地元も長年の夢がかなうことに大いに喜び感謝申し上げたいと思います。
 そこで、今後の建設までのスケジュールについて説明をお願いいたします。
 (2)、予算要求額は幾らでしょうか。
 (3)、架橋実現と離島振興計画等について。
 ①、航空大学設立支援について。
 架橋実現に伴って新規産業の創出が望まれます。まず、下地島空港とその周辺の広大な県有地を生かした事業展開、産業振興が期待されます。とりわけ、2つの空港が隣接する地域は国内唯一と言われています。そのことを生かして地元からも強い要望のある航空大学設立支援についての進捗状況と今後の取り組みスケジュールについて伺います。
 ②、交通利便性の向上について。
 架橋計画は、架橋取りつけ部分から市街地や集落、主な施設までのアクセス道路が必要となる。また、将来的には下地島空港の利用に応じての道路整備も必要となる。宮古島側では平良市街地、トゥリバー地域、平良港、宮古島空港などに連結するとともに、医療施設、主要公共施設との円滑な接続が望まれる。これらのネットワーク道路を整備・改善し、生活・産業の両面で架橋効果を最大限に生かすための道路網を構築する必要があると考えるが、見解を求めたいと思います。
 ③、農産業用水源確保について。
 架橋実現によって宮古本島から地下ダムとのパイプラインを利用したネットワークを築き、農業生産の多様化による農業用水の需要増大にこたえるために伊良部町においてかんがい用水施設を整備する必要がありますが、県の取り組み方の考え方を伺います。
 ④、県営宮古公園について。
 広域的発想から伊良部島にて大規模公園を設け、観光・リゾート、新エネルギービジョンなどを備えた、見て、触れて、学べる環境教育の教材としても使える総合公園整備を推進すべきだと考えますが、いかがなものでしょうか。
 ⑤、架橋実現と都市計画について。
 県立宮古病院、県立高校、廃棄物処理施設、イベント対応型公共施設などの位置選定を初め、これまで平良市、城辺町、下地町、上野村を対象に進めてきた平良都市計画マスタープランなどの計画については、伊良部町を含めて長期的観点、多面的視点かつ整合性を持って推進すべきだと考えますが、県の方針を伺います。
 6、県経済の活性化について。
 (1)、沖縄政策特別調整費関係について。
 新沖振法に基づく沖縄振興計画を実質的なスタート年度として位置づける稲嶺県政、それを戦略的に後押しする沖縄政策協議会の中の特別調整費「自立的発展」を目標に掲げた振興計画の推進の中でどのように生かしていくのか、県や市町村の各施策と有機的に連携、効果的な成果、政策評価のあり方など県民の今後の力量が問われていると思います。
 そこで、沖縄特別調整費の配分についての基本的な考え方、査定規準を明示していただきます。そして、これまでの各地域圏域別の配分の実績を説明し、平成15年の計画があれば説明をお願いいたします。
 7、県の行財政改革問題について。
 県内地方公社13法人の経営赤字の実態について説明し、年々悪化する県財政状況の財政健全化のために具体的にどのように取り組んでいくのかを伺います。
 そして、自主財源確保のための方策について展望を伺います。
 さらに、県の組織・機構のスリム化、外郭団体の廃止・統合等は「選択と集中」との視点からどのように生かされ、推進されているのか状況を伺います。
 8、環境問題について。
 (1)、産業廃棄物最終処分場建設を県主導で進める必要があると考えますが、その考えはありませんか。
 (2)、廃車の不法投棄防止について。
 ①、本県における廃車の不法投棄の現状について説明願います。
②、本県において廃車の不法投棄が急増した原因は何でしょうか。
③、廃車自動車の野積み保管、不適正処理対策について今後の対策を伺います。
 ④、宮古の産業廃棄物の約8割を処分していた平良市西原にある宮古産廃処分場は、平成11年11月に火災を起こして以来、閉鎖しております。そのため、宮古では処分できない医療器具やたばこ生産に使用している廃ビニール等は沖縄本島に運送し処理しているため、医療関係者や農業関係者は多大な金銭的な負担を強いられているのが現状であります。
 一方、宮古には、火災があった産廃処分場に埋設してある産業廃棄物等の処分、放置廃自動車の処分、野積み廃自動車の処分、農業用ビニール及び廃プラスチックの処分とあわせて一般廃棄物の焼却施設が6年で耐用年数を迎えることから、長期的な処分場のあり方が検討される時期に来ております。これらの廃棄物は、このまま放置しておくと宮古の美しい景観を損なうばかりでなく、地下に浸透して命の水・地下水を汚染し、宮古島の人々に多大な悪影響を及ぼしかねません。
 そこで、私としては宮古島において産業廃棄物最終処分場完結型の処理施設の整備が必要であると痛感いたします。特別調整費等を入れて県主導で整備を進めることについての見解を賜ります。
 9、観光振興について。
 (1)、本県観光の現状と将来について。
 ①、この3年間の入域観光客数、観光客1人当たりの県内消費額及び観光収入の推移を説明願います。
 ②、去る8月10日に開業した沖縄都市モノレールは、現在のところ順調に稼働しているようである。乗客は特に空港からの観光客に好評とのことであるが、モノレールの開業が沖縄観光に与える影響はどのように見ているか。現時点で推計できる効果等を伺っておきます。
 (2)、新たな観光資源の開発について。
 新たな観光資源の開発は緊急かつ重要な課題だと思いますが、県の計画を伺っておきます。
 (3)、観光立県を推進していく上で現在の関係部局の組織体制、人材要員で支障はありませんか。増員体制強化が必要だと考えますが、計画的な御見解を賜りたいと思います。
 10、離島振興について。
 (1)、知事は、国の国土交通政策に関する懇談会において、国土保全に果たす離島の役割の大きさを強調し、離島振興に積極的に取り組むよう要請したとのことであるが、この懇談会のねらいと県の離島振興策との関連を説明お願いいたします。
 11、新石垣空港建設について。
 (1)、石垣市民の長年の念願である新石垣空港の建設について、県はさきの6月定例会において空港の建設の2005年度の事業化を目指す考えを示したが、その実現の可能性はあるのかどうか改めて伺います。
 (2)、県として、建設に反対する共有地主から同意取りつけと建設用地の所有権取得はいつまでに完了するのか、今後のスケジュールを伺います。
 (3)、地権者の同意取りつけが困難となり、新規事業採択が進まず、地域振興発展に大きな支障になると判断したときの対応策はとられているのでしょうか伺います。
 (4)、土地収用法改正案が平成13年6月29日に参議院本会議で可決され成立し、同年7月に公布されました。その改正の目的、内容、手続等について説明をいただきます。
 12、商工労働関係について。
 (1)、自由貿易地域の活性化について。
 ①、中城湾港新港地区の自由貿易地域賃貸工場への入居状況について説明願います。
 ②、中城湾港新港地区の整備はすべて完成しましたか。未整備の部分があれば、そのおくれている主な原因についての説明をお願いいたします。
 (2)、県産品優先使用と県経済の振興については、よく言われておりますように県産品の優先使用は地域産業振興と自給率の向上につながり、これは生産性と雇用の誘発を高めるという好循環を生み出します。
 県産品優先使用は、県経済振興及び県財政の確立イコール沖縄の自立化へ向けた最良、最短の道であることを確信するものでありますが、その実現に向けては人材育成を初め多岐にわたる施策を展開されているものと思います。その概要を御説明ください。
 (3)、新産業創出と雇用創出について。
 失業率と経済の活性化を係数で見る重要な要素の中に、実働就業者数の推移を見ることも大切であります。
 実働就業者の数は、総務省の調査によると沖縄県は平成元年52万人から平成13年には約58万人と増加傾向にあります。失業率の高さも気になりますが、大事なことは、何人の県民が働いているかということですから、失業率の高さだけ窮屈に追いかけるのではなく、気持ちをおおらかに発想転換を図ることから始めたらいかがでしょうか。
 新産業創出については、長期的に見れば大学院大学を生かせということになります。特に4つの「T」、IT(インフォメーションテクノロジー)、BT(バイオテクノロジー)、ET(エコテクノロジー)、NT(ナノテクノロジー)を融合させる可能性が高まりますから、その波及効果ははかり知れないものと思われます。産学官の連携をシステム化することが重要視されるゆえんであります。
 そして短期的には、今、目の前に差し迫った重点課題である環境問題への解決に有効な手段となりながら、雇用の誘発にもつなげ早期効果を発揮する新規産業として環境関連産業の振興が強く求められております。
 県内では、社会のニーズに対応した形で現在57の環境関連業者が芽出ししつつありますが、リサイクル製品の県内優先使用を含めこれらの産業育成こそ新規産業創出イコール雇用創出に結びつながるものと考えます。県の御見解を賜りたいと思います。
 13、農業問題について。
 (1)、さとうきびの生産振興対策について。
 近年の本県農業は、野菜、花卉、熱帯果樹等の園芸作目や、さとうきびは耕地面積の48%、農家数の約70%と基幹作物としての重要な位置づけになっております。ただ、さとうきび農家を取り巻く環境はますます厳しくなっておりますけれども、①、平成15年度さとうきび価格の政策要請について、県はなお一層積極的な支援策が求められると思いますが、どう考えますか。
 ②、国内甘味資源作物及び糖業の持続的な発展を図る観点から、WTO農業交渉及びFTA自由貿易協定交渉においては、現行の関税率やアクセス水準等の国境措置や国内支持を堅持する必要があるが、県は政府に強く働きかける考えはありませんか。
 新ルネッサンス計画の継続の見通しについても伺います。
 以上です。
○知事(稲嶺惠一) 砂川議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、宮古島の台風襲来の所見と今後の対応策及び災害復旧支援策を政府に求める件について一括して答弁をいたします。
 台風14号の被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興を願うものです。
 御承知のとおり、台風14号が9月10日から11日にかけて宮古島を通過し大きな被害が発生したところです。私も12日に現地入りし、被害の大きかった箇所を調査して、1つは、電柱の倒壊が多数ありライフラインの被害が甚大であること、2に、大規模公共施設である体育館や公民館等の被害が大きいこと、第3に、管制塔の被害や農作物等の被害が膨大であることなどから、今回の台風がまれに見る強い台風であったと感じました。
 災害復旧対策としてライフラインの復旧は、地域住民にとって最優先課題であったことから自衛隊に災害派遣を要請し、沖縄電力、NTT西日本、県警察本部の応急復旧要員等を現地に輸送するとともに、電力の資機材の輸送、伊良部町での飲料水の確保等を行ってきたところであります。9月16日には、私を本部長とし、各部局長を本部員とする「沖縄県災害復旧支援対策本部」を立ち上げ、全庁的に取り組んでいるところです。
 また、去る25日には茂木内閣府沖縄担当大臣、麻生総務大臣、26日には橋本沖縄振興委員長、坂口厚生労働大臣、小池環境大臣、石原国土交通大臣を初め政府関係省庁に要請を行ってきたところであります。今後、被害総額、地元の要望事項等を早急に取りまとめ、整理した上で具体的な支援策について国に要請してまいりたいと考えております。
 次に、国民保護法制に関する知事の所見及び基本的姿勢、内容についてお答えいたします。国民保護法制の制定について一括して答弁をいたします。
 沖縄は、去る大戦で悲惨な地上戦を体験しており、有事の際の国民の保護がいかに困難なものであるか沖縄県民は身をもって痛感しております。そういう意味で万が一にも有事が発生しないよう政府におかれては、これまでにも増して不断の外交努力を行っていただくことが何よりも重要であると考えております。
 したがって、その前提で以下の点について要望いたしました。
 1点目に、今後、国民の保護のための法制は、国民の人権や財産権等を有事の際の非常事態法として制限するものであることを明確にして基本的人権の制限や財政負担の明確化、国民の協力への国の支援のあり方等についても、広く国民の理解が得られるよう十分な論議を尽くす必要があると考えております。
 2点目に、安全に住民の避難誘導を行うためには、武力攻撃の状況やそれに対応する措置が明確でなければなりません。特に本県が広大な海域に点在する島嶼県であることから、(1)、ライフラインの確保、(2)、食糧の確保、(3)、避難の適切な実施等について政府におかれても確実な対処方法を提示していただきたいと考えております。
 3点目に、沖縄に過度に集中している米軍基地に係る問題は、我が国の安全保障を考える上で国民全体で取り組むべき重要な課題であり、有事が発生した場合、さまざまな制限等が沖縄県へ集中し、安全保障で既に大きな負担を担っている沖縄県民がさらなる負担を強いられることが想定されることから、この機会に平時における米軍基地の負担のあり方等も含め十分な論議をしていただきたいと考えております。
 政府におかれては、引き続き地方公共団体や関係民間機関等の意見等を踏まえ、広く国民の理解と協力が得られるような法制の整備に努めていただきたいと考えております。
 次に、那覇港湾施設の課題について、国際公募する理由及び基本的な考え方、また応募企業の見込みについてお答えいたします。
 那覇港は、沖縄振興計画において国際交流及び国際物流の拠点として整備することとされており、とりわけ国際トランシップ港湾としての機能強化が重要な課題であります。そのためには、国際航路ネットワークの構築や効率的なターミナル運営の実現が不可欠であることから、国際的なオペレーター企業の誘致に向け国際公募の準備を進めているところであります。
 那覇港管理組合においては、本年の7月から海外11社のオペレーター企業に対しポートセールスを行っており、米国やフィリピンの企業からは前向きな応募の意向が示されております。私自身も先日のフィリピン訪問の際、インターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービス社の社長と面談をし、那覇港進出についての積極的な意向を確認したところであります。このことからも国際公募の際には相当数の応募があるものと期待をしております。
 次に、伊良部架橋事業の今後の建設までのスケジュール及び次年度予算要求額についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
 伊良部架橋事業については、平成14年度までに架橋ルートや構造形式を決定しており、平成15年度は環境影響評価準備書と評価書に関する調査及び手続を進めているところであります。平成16年度は実施設計等を行う予定であり、必要な経費として7億円を国に要求しているところであります。工事着工については、現在実施している環境影響評価の進捗等を踏まえながら国に要望していきたいと考えております。
 このようなことから、県としては地元との連携を図りながら条件整備に取り組み、関係機関との調整を経て早期に着工できるよう努力していきたいと考えております。
 次に、行財政改革の問題のうち、「選択と集中」はどのように生かされるかとの御質問についてお答えいたします。
 沖縄振興計画に基づく諸施策を効果的に推進するためには、同計画の基本姿勢である事業の選択と資源の集中が求められています。このため、新沖縄県行政システム改革大綱においては、県民視点に立った行政を一層推進するとともに、真に必要な政策を選択し、やるべきことはしっかりとやる行政運営を目指しております。具体的には、現行の行政評価システムに自己評価や政策評価を導入するなどなお一層の行政改革を推進し、沖縄振興計画の着実な推進を図る考えであります。 今後とも、限られた行政資源を最大限活用して行政サービスを提供するため、これまで以上にコスト意識の徹底、成果重視、民間能力の活用等を図り、効果的かつ効率的な行政運営に努めていきたいと考えております。
 次に、新たな観光資源の開発についての御質問にお答えします。
 昨年オープンした「美ら海水族館」は、その圧倒的な魅力で多くの観光客を引きつけており、このことは、魅力ある観光資源の開発が観光を振興する上でいかに重要であるかを如実に物語るものであります。こうしたことから、県においては、「沖縄県観光振興計画」に基づき新たな観光資源の開発に積極的に取り組んでおります。具体的には、世界遺産を積極的に活用すべく整備を進めるとともに、歴史・文化に新たな光を当てる琉球歴史回廊の形成を促進しております。また、沖縄本島北部や離島における豊かな自然や個性的な文化を活用したエコツーリズム、本県の持ついやしの効果や食文化を生かした健康・保養型観光等を推進するとともに、独自の音楽や芸能等を活用したエンターテインメントの充実を図る考えであります。さらに、国際的な文化・芸能の交流拠点である「国立劇場おきなわ」の活用を図ってまいります。
 また、コンベンションセンターや万国津梁館を積極的に活用するなどコンベンション・アイランドの形成を図ってまいります。さらに、沖縄型特定免税店の空港外展開によるショッピングの魅力の向上、付加価値の高い観光土産品の開発を進めていく考えであります。こうした特色ある観光資源の開発や活用とあわせて地域振興を担う人材の育成を図ってまいります。
 次に、特別自由貿易地域賃貸工場の入居状況についてお答えいたします。
 特別自由貿易地域における賃貸工場については、平成11年度から段階的に整備を進め、平成14年度末までに12棟が完成しております。また、今年度におきましても新たに6棟の整備を進めているところであります。
 入居状況については、平成15年9月現在、電気機械器具製造業や金属製品製造業など10社が入居しております。現在、水槽用アクリル板製造で世界最高水準の技術を誇る企業との間において入居に向けて具体的な手続を進めるとともに、10数社の企業と折衝を行っているところであります。今後とも、企業誘致セミナーなど企業誘致活動を強力に推し進め、特別自由貿易地域の活性化に努める所存であります。
 次に、農業問題について、平成15年度さとうきび価格要望及びWTO等農業交渉についての御質問に一括してお答えいたします。
 さとうきびは、本県農業の基幹作物として農家経済はもとより地域経済の維持・発展に大きな役割を果たしております。このため、平成15年度さとうきび価格・政策等の要望については、これまで鹿児島県との合同要請を皮切りに、9月25日には県を初め県選出国会議員、県議会代表団等関係者が一体となって取り組んでまいりました。要望の主な内容は、1、さとうきび生産者価格については再生産が可能な価格の設定、2、新さとうきび・糖業再活性化事業にかわる新たな対策の創設、3、WTO農業交渉における適正な国境措置の存続などとなっています。
 また、WTO農業交渉及びFTA協定に関する要望については、鹿児島・沖縄県・北海道甘味資源作物対策合同集会において、国内農業助成のための支援や価格支持に必要な措置を堅持して甘味畑作物の存立基盤が守られるよう強く働きかけてまいりました。
 県としては、さとうきび・糖業が地域農業を支えている重要な作物であることから、今後とも関係機関と一体となって取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 台風14号関連で、福祉保健部関係の被害状況と対応策及び被害総額について一括してお答えいたします。
 福祉保健部が所管する施設の被害は、医療・福祉・保健衛生施設等多くの施設に及んでおり、部としましては宮古支庁や各施設からの報告及び関係職員を派遣し被害状況の把握に努めるとともに、本島保健所から4名の食品衛生監視員を派遣し、その後の食中毒の発生予防に努めてきたところであります。人身の被害に遭われた方は死亡1名、重傷1名、中・軽傷95名、計97名となっております。施設については、医療・福祉施設等において建物の一部損壊、窓ガラス破損に伴う暴風雨の吹き込みによる設備損壊等の大きな被害が出ておりますが、現在、各施設ともほぼ通常どおりの運営に戻っております。
 現時点の被害額につきましては病院関係2億2700万円、老人保健・福祉施設1億1300万円、上水道施設5000万円、知的障害者援護施設2600万円、児童福祉施設2400万円、クリーニング店2000万円、宮古福祉保健所1700万円及び生活保護世帯における家屋損壊の1300万円で総額約4億9000万円を超えるものと見込んでおります。
 被害への対応策としましては、厚生労働省所管補助施設災害復旧事業の適用について国と調整を進めているところであります。
○農林水産部長(諸見武三) 台風14号に関連しまして、農林水産業関連の被害状況と対策について一括してお答えします。
 台風14号の農林水産業の被害額については、9月19日現在約42億円で、そのうち宮古島においては約40億円となっております。主な内訳については、1、さとうきび等農作物約10億円、2、ハウス等農業用施設関係約23億円、3、水産業関係約1億円となっております。
 市町村別には、平良市約7億7000万円、城辺町約17億5000万円、下地町約4億1000万円、上野村約5億3000万円、伊良部町約4億7000万円、多良間村約8000万円となっております。
 このため、県としては、被災農家の資金対策や再生産の支援に対応するため去る16日に宮古農業改良普及センターに特別営農相談窓口を設置したところであります。特に被害の大きいさとうきび、ハウス等については県の単独支援として、1、新植夏植えの植えかえ費用の支援、2、鉄骨ハウスの撤去に要する経費の支援、3、施設等の復旧や経営資金の利子補給事業の条件緩和などの支援を行ってまいります。
 また、情報基盤施設等の災害復旧については、既決予算の災害復旧費で対応していく考えであります。
 続きまして、伊良部町の農業用水の確保についてお答えします。
 伊良部町における農業の振興を図るためには、農業用水の確保が極めて重要であります。しかしながら、伊良部町においては水資源が乏しく、農業用水は降雨に頼っている状況にあります。このため、国においては平成16年度から宮古圏域における水資源開発の可能性調査を行う計画であります。県としては、国の調査結果を踏まえ伊良部町における農業用水の確保を検討してまいります。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 台風14号に関連して、商工労働部関係の被害状況と対応策について一括してお答えをいたします。
 商工労働部が所管する商工関係の被害状況については、宮古商工会議所や伊良部町商工会など関係機関と連携し状況把握に努めているところであります。その結果、調査した690事業所のうち、約6割に当たる432事業所が建物や窓ガラスの損壊、商品の水ぬれ、機械設備の停止などの被害を受けており、被害総額は9月25日現在で約19億7000万円に上っております。
 市町村別の内訳につきましては、平良市において約11億2000万円、城辺町が約3億7000万円、下地町が約1億9000万円、伊良部町が約1億6000万円、上野村が約1億3000万円となっております。
 県においては、去る9月22日から宮古地区において被害を受けた商工業者を対象に、県制度資金の小規模企業対策資金について金利及び保証料の引き下げなど融資条件を緩和し、金融面からの支援措置を講じております。また、関係機関においては特別相談窓口を設置し、中小企業者等への適切な対応に努めているところであります。
 次に、金融特区の関連施策についてお答えをいたします。
 金融業務特別地区については、沖縄振興特別措置法において一定の要件を満たす認定法人に対して法人税の35%の所得控除を認めるなどの税制上の優遇措置が講じられており、企業進出のインセンティブの一つとなっています。金融特区制度を有効に活用しつつ、本県に金融業務の関連企業を集積するためには戦略的な企業誘致活動の展開、金融の専門知識を有する人材の育成・確保、情報通信基盤やレンタルオフィス等の企業立地環境の整備を行う必要があると考えています。
 同じく金融特区に係る質問の、金融特区における人材の育成・確保についてお答えをいたします。
 金融特区において金融関連企業の集積を促進するためには、金融に係る基礎的な能力を有する人材から専門的な能力を有する人材まで幅広い人材の育成・確保が必要と考えています。そのため、平成14年度から国の事業として金融系コールセンター基礎講座などを内容とする基礎的な能力の育成に比重を置いた人材育成事業が実施されております。また、専門的な能力の育成のため本年度から新たに名護市において県外等への派遣研修と専門セミナーを内容とする金融及び情報通信関連の専門的・実践的な人材育成事業が実施されます。県としてもこうした事業の積み重ねにより、将来的には層の厚い金融関連の人材が確保されるものと考え、その取り組みを積極的に支援してまいります。
 次に、金融特区への企業進出についてお答えいたします。
 金融特区へのこれまでの進出状況については、香港に本店を置く日系証券会社と大手流通会社関連企業の2社が立地しているほか、本年8月には県内証券会社の中間持ち株会社が進出しております。そのほか数社が進出を検討しており、県としては名護市と連携して当面は金融関連のバックオフィス業務を行う企業の誘致を推進し、それらの集積を図りながら高度な金融関連企業の立地を促進してまいりたいと考えております。
 続きまして、中城湾港新港地区の整備についてお答えをいたします。
 特別自由貿易地域の埋立工事につきましては、平成10年8月に竣功しており、現在、区画道路、上・下水道等のインフラ整備を行っております。同地域のインフラ整備につきましては、平成19年度完了を目途に取り組んでおり、平成14年度末現在の進捗率は約75%となっています。また、特別自由貿易地域に隣接する東埠頭の整備状況は、マイナス11メートル岸壁1バース、マイナス7.5メートル岸壁3バースについて、平成18年度を目途に整備が進められているところであります。
 次に、県産品優先使用と県経済の振興についてお答えいたします。
 製造業は、地域産業への経済波及効果の極めて高い重要な産業であります。しかしながら、本県製造業はそのほとんどが中小企業であり、経営基盤が弱いため移・輸入品との価格競争など厳しい環境にあります。 
 このような状況を打開し、県経済の一層の活性化を図るためには製造業の再構築が必要であり、技術開発力、研究開発力、商品開発力等を高め、市場競争力の強化に向けた施策に取り組むとともに、引き続き県産品優先使用の普及・啓発に努めてまいります。
 次に、リサイクル産業の振興についてお答えをいたします。
 リサイクル産業等の環境関連産業については、沖縄県産業振興計画において発展可能性の高いいわゆるオキナワ型重点産業の一つとして位置づけ、戦略的な振興に取り組んでいるところであります。具体的には、環境関連ベンチャー企業に対する出資や新技術・新商品の開発に対する補助及び融資等の支援を行っており、ガラスのリサイクルや焼却灰の再利用等に実績を上げている有望な企業も出てきている状況にあります。
 環境問題の深刻化と世界的な対策の流れの中で、環境関連産業は今後さらに重要性を増してくると考えており、技術面や経営面の支援、リサイクル製品の使用促進等を積極的に推進し、新産業の創出と雇用の拡大につなげてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 台風14号の宮古島襲来に関しての、県単事業としての支援策、被害状況と対応策、救済措置、被害総額及び分野別、市町村別の被害額、支援措置予算についての取り組みについて一括してお答えいたします。
 土木建築部所管の被害は、道路、海岸、公園、港湾、空港、住宅等の多くの施設に及んでおり、部としては応急対策を講じるとともに、被害状況の把握に努めてきたところであります。
 被害状況については、国道、県道、市町村道での道路標識等の倒壊や植栽木の倒木、平良市池間海岸の離岸堤の決壊、城辺町、下地町、上野村の各都市公園のフェンス、照明施設等の破損、平良港第1埠頭岸壁等の決壊、トゥリバー地区のマリーナ浮き桟橋等の損失等、宮古空港、下地島空港における場周さく、照明施設等の破損、県営住宅14団地235戸、5市町村営団地47団地227戸におけるガラスや隔板破損等の被害が発生しております。
 現時点での被害額については、1、道路関係が一般国道、県道で2億6500万円、市町村道で平良市7600万円、城辺町1500万円、下地町2300万円、上野村2300万円、伊良部町600万円、2、海岸関係が平良市で9400万円、3、公園関係が城辺町で5060万円、下地町で950万円、上野村で722万円、4、港湾関係が平良市で3億2260万円、5、空港関係が宮古空港7900万円、下地島空港2090万円、6、住宅関係が県営分で5200万円、市町村営分で2200万円の総額で約10億6500万円となっております。 
 今後、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の対象事業については早期に国への災害復旧申請を行い、その他の事業については既決予算で早期復旧に努めてまいりたいと考えております。
 次に、電線地中化の実現についてにお答えいたします。
 電線類の地中化は、「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」に基づき安全で快適な通行空間の確保、都市災害の防止、都市景観の向上、情報通信ネットワークの向上等の観点から道路管理者、電線管理者及び地元の協力のもとで実施される事業であります。
 電線類の地中化事業は、沖縄総合事務局、沖縄県、関係市町村、電線類管理者等で構成される「沖縄ブロック電線類地中化協議会」において整備箇所、整備延長等が決定され、電線類地中化計画が策定されます。県内におきましては平成4年度から整備が始まり、平成14年度までに国道58号──上之屋ですが──それから国際通り(県庁前)等で約50キロメートルが整備されております。平成15年度までには宮古管内の平良城辺線を含む約66キロメートルにおいて地中化される予定であります。
 電線類の地中化は、台風常襲地においてはライフラインの確保のための有効な手段の一つであると考えております。しかしながら、電線類の地中化事業では、電線類管理者において極めて大きい費用の負担があります。今後、宮古島における電線類地中化につきましては「沖縄ブロック電線類地中化協議会」や電線類管理者と協議しながら、平成16年度から始まる次期計画に盛り込まれるよう積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、伊良部架橋事業についての、架橋計画に伴う交通利便性の向上についてにお答えいたします。
 伊良部架橋は、宮古圏域の道路ネットワークの中で広域交通を担う重要な幹線道路の一部であることから、県道として整備を行うため、平成13年3月に平良市久貝を起点とし伊良部町佐和田を終点とする延長14.4キロメートルの区間を「平良下地島空港線」として県道認定を行っております。そのうち橋梁を含む6.5キロメートルの区間について整備を行う予定であります。また、宮古島側の取りつけ道路については、平良市街地、平良港、宮古空港へのアクセスを考慮するとともに、平良市及び地元住民の意見を反映したルート決定を平成15年6月に行っております。
 次に、伊良部島での総合公園整備の推進についてにお答えいたします。
 宮古圏域における県営都市公園の整備については、沖縄県広域緑地計画にも位置づけており、県としてもその必要性を十分認識しております。しかしながら、県営都市公園を整備する市町村の前提条件としては当該市町村が都市計画区域の指定を受ける必要があります。伊良部町は現在、都市計画区域に指定されてないことから県営都市公園の整備はできない状況であります。
 次に、平良都市計画マスタープランについては伊良部町を含めるべきではないかにお答えいたします。
 都市計画区域マスタープランは、都市計画区域の市町村を対象とした20年後の都市の将来像を描いた計画であります。現在、伊良部町は平良都市計画マスタープランの対象市町村ではありませんが、県としては今後架橋建設や市町村合併等の動向を踏まえ、伊良部町が都市計画区域に指定された時点で当該マスタープランを見直すこととしております。
 次に、離島振興についての、国土交通政策に関する懇談会についてにお答えいたします。
 去る7月13日に国と地方が広域的視点に立った社会資本整備等について意見交換し、国が地域の現状や要望を把握するための一環として「沖縄県における国土交通政策に関する懇談会」が開催されました。この中で知事は国土保全の観点を踏まえた離島振興の必要性について発言し、新石垣空港や伊良部架橋の事業推進等についても要請しました。県といたしましても、この懇談会での要請が国において策定中の社会資本整備重点計画等に反映されるよう期待しております。
 なお、社会資本整備重点計画については国土交通省において調整中と聞いております。
 次に、新石垣空港建設についての、2005年度の事業化の可能性についてにお答えいたします。
 新空港の事業化に向けて現在環境影響評価準備書の作成に取り組んでおり、今年度中に終了する予定です。また、地権者の同意取りつけについては去る6月上旬から開始し、現時点で共有地主及び公的機関を除く地主の81.1%の同意を得ております。共有地主に対しては、これまで県は石垣市や「新石垣空港早期建設を進める郡民の会」と連携し理解と協力をお願いしてきております。また、事業への同意の依頼文書を送り協力をお願いしているところです。
 今後とも早期事業化が図られるよう環境影響評価手続を適切に進めるとともに、地元と連携し同意取りつけ作業などに鋭意取り組んでまいります。
 次に、共有地主への対応と用地取得のスケジュールについてにお答えいたします。
 建設に反対する共有地主数は522人となっています。地積割合では全体の0.1%、地主数では83.9%となっております。共有地主は、主に環境保全などからカラ岳陸上地区での新空港建設に異議を唱えているものと考えております。県としては、環境影響評価法に基づく環境アセスメントの実施や赤土流出の防止対策などにより環境への負荷の低減策を講じ、地元と連携して共有地主の方々へ新空港建設に対する理解と協力をお願いしております。
 建設予定地の用地確保のスケジュールにつきましては、飛行場設置許可申請までに原則として地権者の同意が求められており、工事着工時までに用地の取得が必要となります。県としては、用地確保に向けて鋭意努めてまいります。
 次に、同意取りつけが困難になったときの対応策についてにお答えいたします。
 新石垣空港の建設は、八重山郡民の四半世紀にわたる宿願となっております。県としては新規事業採択へ向けて地元と連携し、同意取りつけ作業などに鋭意取り組んでまいります。
 次に、平成13年7月に公布された改正土地収用法の目的、内容、手続方法についてにお答えいたします。
 改正土地収用法は平成14年7月10日から施行されております。この改正は、事業認定手続の透明性等の向上や権利者多数の収用裁決手続の合理化等が目的となっております。
 主な内容ですが、事業認定手続については、事業についての起業者の事前説明会や認定庁による公聴会の開催、事業認定理由の公表などを規定しております。
 収用手続については、補償金が少額である土地所有者等が100人を超えるなどの場合に、土地調書及び物件調書の作成に当たって土地所有者等一人一人に立ち会い・署名押印を求める方式ではなく公告縦覧方式にすることができることや、収用委員会の審理において共同の利益を有する土地所有者等が多数の場合には代表当事者を選定することができるなど、裁決手続の合理的かつ円滑な遂行を図っております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 最初に、台風14号関連で、県単事業及び要請に対する支援策について一括してお答えいたします。
 県単事業としての支援策として県教育委員会としては、教科書支給に対する支援や県指定文化財の復旧に対する補助を想定しております。なお、大きな被害を受けた学校教育施設については、市町村と連携をとりながら既存の国庫補助制度を活用して災害の復旧に対応していく考えであります。
 次に、教育委員会関係の被害状況と対応策及び被害総額等について一括して答弁します。
 台風14号は、宮古地区の教育関連施設においても多くの被害を及ぼしました。県教育委員会では関係職員で現地に赴き、被害状況の把握に努めてきたところでございます。その状況としては窓ガラスの破損、ドアの破損、樹木の倒木、フェンスやブロック塀の倒壊・破損、屋根や天井の破損、クーラー室外機の破損等々大変な状況でございました。中でも城辺町立城辺中学校は体育館の屋根全部が吹き飛ばされるなど甚大な被害が生じておりました。
 公立学校施設、社会体育施設、社会教育施設等の9月26日時点での被害総額は約15億7700万円となっており、市町村別被害額は平良市が約2億5300万円、城辺町が約4億3400万円、下地町が約1億6600万円、上野村が約5億6000万円、伊良部町が約4400万円となっております。また、県立の施設の被害額は約1億2000万円となっております。
 その対応策といたしましては、公立学校について被災市町村と連携を図り、公立学校施設災害復旧費国庫負担制度を活用し迅速な災害復旧ができるように取り組んでいるところであります。また、特に緊急を要する教室のガラスとか入り口のドアなどについて、国の災害状況現地調査前の復旧工事を行えるように取り組んでいるところでございます。
 続きまして、上野村体育館や平良市体育館などの復旧のめどについてでありますが、宮古郡域には32の社会体育施設があります。そのうち12の施設において被害の報告がありました。特に、平良市総合体育館、上野村体育館では屋根が破損し、館内に風雨が吹き込み床が水浸しになるなど被害が甚大でございました。これらの施設等の復旧については、今後、関係市町村及び関係機関等と調整をして進めていきたいと考えております。
 次に、教育特区で認定された教育関係の特区についてお答えいたします。
 構造改革特区について、教育関係では宜野湾市が認定されました。今回の宜野湾市の構造改革特区は、県教育委員会が推進してきました英会話指導事業によるネーティブ・スピーカーを活用した英語活動等が基盤となり特区申請がなされ、今回の認定がなされたものと思われます。
 今後、教育に関する構造改革特区については、市町村教育委員会の意向を踏まえ、県としても十分に検討して対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 台風14号による被害状況と警察の対応策等について一括してお答えいたします。
 今回の台風は、記録的暴風により予想を超える被害をもたらしたものでしたが、災害に際して一番大切なことは、人命の早急な救助活動であり、住民の不安感解消にあります。そのためには平素から自治体、警察を初めとする関係機関が計画的に防災訓練を行うなど連携を密にし、防災対策の万全を期する必要があると再認識したところであります。
 次に、台風の際の警察の対応状況でありますが、県警としましては宮古島の災害復旧支援と治安維持活動を目的に、9月12日には機動隊員で構成する広域緊急援助隊10名及び交通対策要員3名、さらに翌13日には警察本部の警備部長を現地に派遣し、現地指揮及び諸活動に当たらせたところであります。
 宮古警察署における台風対策の状況でありますが、当日の激しい暴風雨の中、住民の方々から救助要請などの110番が約60件寄せられ、それらに対応するため警察官が出動し、例えばリハビリセンターにおける避難誘導及び妊婦の病院への搬送、城辺町砂川における倒壊家屋からの男性の救出等署長以下職員が一丸となって住民の安全確保に万全を図ったところであります。さらに、復旧活動としましては、独居老人等の家屋の片づけ、幹線道路での倒木の撤去、交差点での手信号による交通整理などの活動を実施してまいりました。
 これらの活動中、市民の皆さんから多くの激励があったとの報告を受けており、この機会に御礼を申し上げます。
 次に、警察関係の被害の状況でありますが、警察施設については宮古警察署で雨漏り等の被害が出たほか、4つの交番のうち2交番、12の駐在所中9つの駐在所、待機宿舎3棟36戸中3棟24戸、それから安全運転学校で天井の亀裂、雨漏り、ガラス破損等の被害が出ております。
 次に、交通安全施設の被害状況ですが、信号機の柱が3本倒壊したほか、全信号灯器789灯器中、灯器の破損が55灯器、灯器の向き不良が210灯器と全体の34%に被害が出ております。また、交通標識につきましては、標識柱622本中185本、標識板952枚中256枚に被害が出ております。
 信号灯器の損壊、向き不良は9月18日までに補修・復旧しまして、信号機柱が倒壊した3カ所につきましても9月25日までに完全復旧しております。
 交通標識につきましては、早期に工事発注を行い、交通の安全確保に当たることとしております。
 それから警察車両の被害は、大型輸送車、捜査用車両、パトカー等11台に被害が出ております。被害車両のうち2台は暴風雨の中、運行したためエンジン部に水が浸透し運行できない状態にあります。他の車両は応急措置で運行可能な状態にしてありますが、いずれにしても修理を必要としており、手続をしているところであります。
 現時点での警察関係の被害総額は約4400万円になります。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 文化環境部関連施設の台風被害の状況についてお答えをいたします。
 台風14号による一般廃棄物処理施設の被害状況は、ごみ焼却施設平良工場が窓ガラス、壁、ドア及び前処理施設天井トタン等の破損による稼働停止、被害額1037万3000円、平良最終処分場が浸出水処理施設のシャッター及び処分場フェンス等の破損、被害額162万5000円、川満最終処分場が前処理施設の壁等の破損、被害額142万4000円、し尿処理施設上原苑がルーフファンの消失、被害額312万円など総被害額は1654万2000円となっております。ごみ焼却施設平良工場の稼働停止の間に収集した一般廃棄物につきましては、平良最終処分場及び川満最終処分場へ搬入し保管するなどの措置を講じております。
 そのほか、伊良部県立自然公園施設の被害状況は、街灯の倒壊等で被害額150万円となっております。県立自然公園の快適な利用を確保するために県単独事業による整備であり、既決予算等による措置を講じてまいります。
 次に、廃棄物処理施設の復旧及び災害廃棄物の処理に対する支援策についてお答えをします。
 一般廃棄物処理施設の被害復旧に要する費用及び災害によって発生した廃棄物の収集・運搬・処理に要する費用について国が2分の1を補助する制度があります。
 対象となるのは、ごみ処理施設、し尿処理施設、埋立処分地施設などにおける災害復旧費及び一般家庭において発生した災害廃棄物の収集・運搬等に必要な労務費、自動車の燃料費などです。当該補助金の申請に当たっては被害の状況、被害の概算額などについて環境省へ報告が必要なことから、環境省及び宮古清掃施設組合と緊密に連絡をとり事務手続を円滑に進めて補助金の確保に努めてまいります。
 次に、瓦れき等災害廃棄物の処理についてお答えをいたします。
 台風14号により伊良部町内では約430トンの災害廃棄物が発生し、現在、旧焼却施設敷地内など3カ所で保管をしております。そのうち、家具、廃材類約110トンについては平良市内の一般廃棄物焼却施設へ、瓦れきその他のごみ約200トンは宮古島内の一般廃棄物最終処分場へ、鉄くず約120トンは沖縄本島のリサイクル事業者へ運搬し処理する予定となっております。また、宮古島内で収集された災害廃棄物の量は約740トンですが、各家庭内で保管している廃棄物もあるため今後ふえるものと思われます。
 県としては、これらの廃棄物の処理について廃棄物処理法に基づき適正に処理するよう産業廃棄物処理業者、地元市町村、宮古清掃施設組合に対して指導を行うとともに、地元市町村、清掃施設組合が処理した廃棄物の処理費用に対する国庫補助金の確保について国に働きかけていきたいと考えております。
 次に、産業廃棄物最終処分場建設を県主導で推進することについての御質問にお答えをします。
 県内の処理業者が有する産業廃棄物管理型最終処分場は、ここ10年来新たな施設の立地がないことから逼迫してきております。
 産業廃棄物処理施設の整備は、排出事業者の処理責任のもとに行うことが基本でありますが、その立地に対する住民の理解と協力を得ることが厳しい状況となっていることから公共の関与が求められております。公共関与による施設の整備・運営については、排出事業者等の関係団体との合意形成、事業主体の形態、用地、財源の確保など多くの課題があります。
 県においては、これまで公共関与に関する調査・研究を行うとともに、ことし6月には建設業協会や工業連合会等の排出事業者団体、産業廃棄物協会並びに県、市町村の関係者で構成する「産業廃棄物の適正処理推進に関する研究会」を設置し、現状や課題を踏まえ最終処分場の確保に関する基本的なあり方について検討しているところであります。県としては、年度内をめどに同研究会の成果を取りまとめることとしており、今後それを踏まえ、産学官の有識者からの意見や提言等を反映させながら公共関与に関する具体的な方策の検討を進めていきたいと考えております。
 次に、廃車の不法投棄、不適正処理対策等について一括してお答えをいたします。
 廃自動車の不法投棄・大量保管の状況は、平成15年3月末現在で100台以上の大量保管箇所が沖縄本島で39カ所、約2万3000台 宮古、八重山で10カ所、約1万4000台となっております。
 自動車解体業者の実態は、平成13年8月に県が実施した調査結果によりますと、廃自動車の処理を行う自動車解体業者の総数は165業者あり、県の指導の結果、本年9月末までに85業者が産業廃棄物収集・運搬業の許可を取得しております。残る80業者については許可取得に至っておりません。
 廃自動車の不適正処理が増加した理由としましては、自動車に対する依存度が極めて高く中古車が多いことから、使用年数が短く廃車の発生率が高いこと、平成10年末以降スクラップとしての有価物から処理費用が必要となったこと、一部の排出事業者等に法の趣旨、内容等が十分に周知されていないこと等が挙げられます。
 今後の対策として、許可を得ていない自動車解体業者等に対する収集・運搬業の許可取得の指導強化、排出事業者等に対する適正処理に関する指導強化を図るとともに、去る5月に警察本部と合同で立ち上げた「美ら島環境クリーン作戦本部」の趣旨に沿って悪質な不法投棄や不適正処理事案に対して迅速な行政措置及び積極的な事件捜査に努めているところであります。
 県におきましては、行政指導に従わず改善に応じない悪質な事業者に対しては、廃自動車の受け入れの中止や撤去を求める措置命令、警察へ告発を行うなど対策を強化しているところであり、今後、行政代執行も視野に入れてこれまで以上に厳正に対処していきたいと考えております。
 宮古の産廃処理施設を特別調整費等を活用して県主導で整備することについてお答えをいたします。
 宮古地区における産業廃棄物処理施設については、現在、安定型最終処分場が1施設、焼却施設が2施設となっております。既存の安定型最終処分場においては、廃棄物が集中し残余容量が逼迫していることから、同事業者が新たな処分場の規模を拡張するため廃棄物処理法上の手続を進めているところであります。
 産業廃棄物の処理施設は、地域の経済産業活動を支え快適な生活環境を確保する上で必要不可欠なものであり、可能な限り宮古圏域内で処理施設を整備することが望ましいと考えております。県としましては、地元の農業団体、建設業団体、医療機関などの排出事業者、産業廃棄物処理業者等の動向を踏まえながら地元市町村との連携を図り、廃棄物処理施設の整備について沖縄特別振興対策調整費の活用も含めどのような支援ができるか検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 台風14号に関連いたしまして、特別交付税の重点配分や起債枠の確保の見通し及び元利償還金の算入率引き上げについてお答えいたします。
 台風14号による宮古地域各市町村の公共施設や農作物被害等については、その状況を十分に把握の上、国に対して所要の特別交付税や災害復旧事業に係る起債枠の確保を働きかけていきたいと考えております。
 単独災害復旧事業債の元利償還金は、財政力補正により47.5%から85.5%が普通交付税の基準財政需要額に算入されております。県としては、単独災害復旧事業債の増大が市町村財政の過重な負担にならないよう、各市町村の意見も聞きながらその算入率の見直し等について国に働きかけていきたいと考えております。
 伊良部架橋関連で、航空大学の進捗状況及び今後の取り組みについてお答えします。
航空大学については、伊良部町が設置した航空大学設立基本計画検討委員会の検討結果報告書を受け、航空大学の設立・運営方式、設立費用等の課題について町において検討することになっております。
 また、去る4月及び7月に開催された航空大学に係る関係者間の勉強会の中で航空高校についての提案がありました。県としては、伊良部町における検討状況の推移を見守りつつ対応してまいりたいと考えております。
 次に、市町村に係る地方公社の経営赤字の実態についてお答えいたします。
 県内市町村に係る地方公社は、豊見城市を除く10市の各土地開発公社、沖縄県町村土地開発公社の11法人となっております。
 平成13年度の決算によりますと、県内市町村に係る地方公社11法人のうち5法人が赤字となっております。市町村分については、糸満市土地開発公社7866万円、浦添市土地開発公社3698万円、沖縄市土地開発公社1005万円、石垣市土地開発公社105万円、石川市土地開発公社12万円の赤字となっております。
 市町村土地開発公社の指導監督については、一義的には設立市町村の長が有しておりますが、県は市町村土地開発公社の設立認可庁でもあることから、経営健全化に向けた適切な指導を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 構造改革特区についての御質問にお答えします。
 構造改革特区の推進は2段階の手続で進められます。
 第1段階は、構造改革特別区域法に盛り込むための規制緩和に係る特例措置の提案募集でありまして、第2段階は、同法に基づく特例措置を適用する特区計画の認定申請であります。このうち、提案募集についてはこれまで平成14年8月、平成15年の1月と6月の3度実施されております。
 これに対し、本県からは14の特区で80項目の提案がなされ、そのうち第1回の提案募集において那覇港管理組合が提案した「那覇港フリーポート特区」における4項目、また、第2回の提案募集において県が提案した「国際観光・保養特区」における1項目、合計2つの地区の特区における5項目が認められ法定化されております。
 一方、認定申請については、これまで平成15年4月及び7月の2度受け付けが行われております。これに対し、本県からは宜野湾市の「小学校英語教育特区」が7月に申請され、8月に県内の第1号として認定をされております。
 次に、特区における優遇措置の追加についてであります。
 那覇港管理組合が提案をした「那覇港フリーポート特区」については、岸壁を含めた埠頭の長期一括貸し付けや柔軟な料金の設定等4項目が平成14年12月に認められたところであります。今後は、構造改革特別区域法に基づく特区の認定申請に向けて、国際コンテナターミナルにおけるオペレーター企業を決定することとしております。県としましては、新たな優遇措置につきましては特区指定後のターミナルの運営状況を踏まえ、那覇港管理組合と連携をしながら検討していきたいと考えております。
 次に、特別調整費の配分、圏域別の実績、15年度の計画について一括してお答えをいたします。
 沖縄特別振興対策調整費は、沖縄振興計画に盛り込まれた諸施策の機動的な実施を図るとともに、沖縄全体の経済振興に即効性のある事業を実施するため措置されている予算であります。平成11年度から平成14年度までに実施した事業は合計85事業、国庫ベースで約199億円となっております。
 圏域別の実施状況でございますが、北部地区で6事業、約7億2000万円、中部地区で7事業、約30億7000万円、南部地区で10事業、約33億3000万円、八重山地区で2事業、約6000万円でございます。
 広域的な事業としては沖縄自動車道利用促進事業、世界遺産周辺整備事業、IT高度人材育成事業、修景緑化重点地域モデル事業など60の事業、約127億3000万円となっております。平成15年度につきましては、沖縄観光強化キャンペーン事業、沖縄農産物流通効率化事業、島しょ型ゼロエミッション推進実証事業などに取り組むこととしております。
 以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 那覇港湾施設の代替施設に係る使用協定についてにお答えいたします。
那覇港湾施設の代替施設の使用協定については、移設先である浦添市は今のところ必要はないとしており、地元自治体等の意向を踏まえ対応していきたいと考えております。
○総務部長(仲田輝享) 県が出資する地方公社の経営赤字の実態についてお答えいたします。
 県内の地方公社13法人のうち県が出資するものは沖縄県住宅供給公社、沖縄県土地開発公社及び沖縄県町村土地開発公社の3公社となっています。
 その3公社の平成13年度決算における当期損益の状況は、住宅供給公社が8億6700万円の損失、土地開発公社が1億1400万円の利益、町村土地開発公社が1億6000万円の利益となっております。
 損失の著しい住宅供給公社については、新沖縄県行政システム改革大綱においてその見直し計画を策定しております。
 その内容は、1、民間と競合している分譲事業からの撤退、2、借入金の償還のための資産の処分、3、事業の整理に伴う組織の大幅な縮小、4、保有資産処分計画及び借入金償還計画の策定と借入金償還の最優先化となっており、公社の見直しに着実に取り組んでいるところであります。
 なお、これら3公社以外の公社等外郭団体につきましても、統廃合を含む見直し計画を策定しており、計画に従って見直しを推進していきたいと考えております。また、公認会計士等外部の有識者で構成される「公社等経営委員会」を去る8月に設置し、公社等外郭団体の経営状況の自己評価及び第三者評価を実施することにしております。これらの評価結果につきましては、公社等がみずからの経営改善の参考とするとともに県民に公表し、公社等外郭団体のさらなる見直しを図ることとしております。
 財政健全化への取り組みについてお答えいたします。
 県では、平成12年度から14年度までの3年間、沖縄県行政システム改革大綱に基づき県税等の自主財源の確保に努めるとともに、事務・事業の見直しや補助金の廃止・縮小等により経費の節減を図ったほか、県債発行の抑制などに取り組み一定の成果を上げてきたものと考えております。
 しかしながら、国、地方を取り巻く厳しい財政状況の中、今後とも県民サービスの維持向上を図るためには「参画と責任」、「選択と集中」といった基本姿勢のもと、これまで以上に財源の重点的かつ効率的な配分を行い、より一層財政健全化を図っていく必要があると考えております。このため、旧行革大綱に引き続き新沖縄県行政システム改革大綱においても、歳出面においては事務・事業、補助金、民間委託、それから公社等外郭団体の見直しなどを進めるとともに、歳入面においては、徴収率の向上等による県税収入の確保や使用料及び手数料の定期的な見直しなどにより健全な財政運営に努め、今後の県民の行政ニーズに的確に対応してまいりたいと考えております。
 それから、自主財源の確保及び国庫補助等依存体質からの転換を図るための方策についてお答えをいたします。
 国、地方を通じ今後とも厳しい財政状況が続くと見込まれる中で、地方公共団体が地域における行政を自主的かつ総合的に推進していくためには、自主財源の充実・確保を図っていく必要があります。このため、県においては自主財源の柱である県税収入の確保に向け、特別滞納整理班の積極的活用及び市町村との連携による共同催告など徴収強化に努めているところであります。また、使用料及び手数料については、受益者負担の原則及び負担の公平の観点から定期的な見直しを行っており、さらに県有財産の効果的かつ効率的な活用を図るため、未利用及び貸付県有地の売り払い等を進めているところであります。
 県としましては、今後とも県税を初めとする自主財源の確保に努めるとともに、中長期的には本県経済の活性化に結びつく産業振興施策を推進して税源の涵養を図るなど国庫補助等依存体質からの転換を図っていきたいと考えております。
 それから、県の組織・機構のスリム化、外郭団体の廃止・統合等の推進状況についてお答えいたします。
 県の組織・機構については、社会経済情勢を踏まえ、時代の要請や県民の行政ニーズにこたえるとともに、簡素で効率的な組織とするよう努めているところであります。
 具体的には、文化国際局の廃止、福祉事務所と保健所の統合など組織再編を行ってまいりました。その結果、平成12年度から現在までの間に1局、2課室、12出先機関を減らしまして現在の7部、4局、79課室、81出先機関と再編を図ってきております。今後とも、新沖縄県行政システム改革大綱に基づき組織や事務・事業を県民の視点から見直し、簡素で効率的かつ柔軟な組織体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
 また、外郭団体の廃止・統合等の推進状況については、1、肉用牛生産供給公社については年度内の解散に向けて課題の整理を行っているところであります。2つ目に、住宅供給公社につきましては、分譲事業からは撤退し借入金の償還のための資産処分計画の策定等が進められております。3つ目に、保健医療福祉事業団につきましては、基金の活用を含め事業団の今後の方向性について外部有識者を含めた検討委員会において検討が行われております。4つ目は、社会福祉事業団につきまして今年度中に方向性を決定する予定で庁内の検討委員会や作業部会において集中的に検討し課題の整理を行っているところであります。
 県としましては、公社等経営委員会を活用して公社等みずからの経営改善の取り組みを支援するとともに、公社等の統廃合を含めたさらなる見直しを推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、観光客数、消費額、観光収入の推移についてお答えをいたします。
 過去3年間の入域観光客数は、平成12年に452万1200人、平成13年は443万3400人、平成14年は483万4500人となっており、米国同時多発テロ事件の影響による落ち込みはあったものの、官民一体となった誘客キャンペーンや航空路線の拡充などにより順調に増加傾向にあります。
 また、観光客1人当たりの県内消費額は、平成12年に9万1757円、平成13年は8万5298円、平成14年は7万1704円となっており、全国的なデフレの影響や不況による消費支出の減少、旅行形態の変化などにより減少傾向にあります。そのため、観光収入は平成12年の4148億5200万円から、平成13年は3781億6000万円、平成14年は3466億3200万円と減少しております。
 次に、モノレールの沖縄観光に与える影響についてお答えをいたします。
 モノレール開業による沖縄観光への影響につきましては、那覇市内における観光施設や宿泊施設へのアクセスの向上などが挙げられます。特に首里城公園におきましてはモノレール開業後に入場者数が増加しており、モノレール効果が出ているのではないかと思われます。また、旅行商品にモノレールを組み込むなど移動手段の多様化や定時・定速運行により観光客の利便性向上が図られるものと考えております。さらに、沖縄型特定免税店のモノレールおもろまち駅での展開にあわせてレンタカーの貸し渡し施設の設置計画があり、レンタカー利用者の利便性向上が図られるものと考えております。
 県におきましては、現在、観光客を対象に交通機関の利用状況に関する調査を実施しているところであり、観光客のモノレール利用状況についても詳しく把握することとしております。
 次に、観光立県推進のための組織体制等についてお答えをいたします。
 観光・リゾート産業は、本県経済のリーディング産業としてさらなる発展が期待されており、関連産業との連携を強めながら経済波及効果の拡大を図ることが重要であります。このため、県におきましては昨年度の機構改革で観光行政の企画・立案、調査・分析の部門や関係部局との横断的な調整機能を備えた部門を強化するなど従来の組織体制を見直したところであり、観光施策の一層の強化を図っております。今後とも、多様化かつ増大する観光ニーズに対応するため、観光推進体制の強化について引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) ルネッサンス計画の見直しについてお答えいたします。
 新さとうきび・糖業再活性化事業は、平成13年から15年度までの3カ年計画として実施しております。
 これまでの成果として、収穫面積・経営面積の拡大、機械化による農作業の省力化並びに単収・品質の向上など生産振興に寄与する極めて有効な事業と考えております。このため、県としては県選出国会議員や農業団体等の関係者が一体となって事業の継続が図られるよう取り組んでいく考えであります。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時39分休憩
   午後4時1分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩前に引き続き代表質問を行います。
 高嶺善伸君。
   〔高嶺善伸君登壇〕
○高嶺 善伸 去る9月10日から11日にかけて、最大瞬間風速74.1メートルという猛烈な台風14号に見舞われました宮古島地方の被災地の皆さんに心よりお見舞いを申し上げ、一日も早い復興と万全の救済措置がなされますことをお願い申し上げまして、護憲ネットワークを代表し質問を行います。
 まず、台風14号の関連ですが、今回の災害の発生は家屋の倒壊状況や被害地域の広さ等本土の事情と違い災害救助法等の適用要件を満たさず、台風常襲地帯の沖縄では台風対策や救済措置については特別立法の必要があると思料いたします。沖縄周辺海域のサンゴ礁は島を守り、国土を保全します。そのサンゴ礁の白化現象を救うのは台風とも言われており、地球気象上、沖縄は台風の通り道で台風被害に泣いており、国策として恒常的な支援制度の確立が必要だと思い、以下の質問を行います。
 (1)、宮古群島を襲った台風の被害状況及び県の対応についてお聞きしたい。
 (2)、災害復旧及び補償等について災害救助法等の関連法律の適用と、「台風災害特区」のような特別対応を含めた国、県の支援が必要ではないか、今後の対応についてお聞きしたい。
 (3)、農林水産業の再生産を確保するため、JA、漁協等とタイアップしてどのような支援をするかお聞きしたい。
 次に、知事の政治姿勢についてであります。
 「琉球」は、明治政府の廃藩置県政策で1879年に47番目の県に編入され沖縄県となりました。内務省の琉球の評価は、離島のため経済的に経費がかかり過ぎるという慎重論と、地理的に戦略的な国土としての価値があるとの推進意見がありましたが、台湾出兵を控え反対する清国を説得するため宮古・八重山を中国側に割譲する条件で「沖縄県」と位置づけられました。廃藩置県後、大正後期から昭和初期にかけて沖縄の貧困は「ソテツ地獄」と言われ、井野次郎沖縄県知事は、「沖縄県振興計画調査会」において県民の窮状を訴え救済を直訴します。政府は、沖縄県振興計画を閣議決定し、1933年から実施過程に入りますが、結果的に調査会の決定額に対して実際の交付額は38.2%にしか至らず、戦争突入でうやむやになりました。
 太平洋戦争では、日本本土の捨て石として国内唯一の激しい地上戦により未曾有の惨害をこうむり、戦後は米国の施政権下、沖縄の経済は再生産機能を失い完全な基地経済、消費経済へと転落し、27年を経て日本復帰となったわけであります。しかし、米軍は復帰後も居座り続け、不平等きわまりない状況下にあります。そのことが大きな阻害要因となり、各面においては本土との格差が広がり、3次にわたる振興計画をもっても類似県と比較したときの国費投入額は低いという見方もあり、今後の振興策での政府の支援のあり方が問われております。これまでの経緯を検証し、稲嶺知事の歴史認識についてお伺いいたします。
 (1)、歴史上「琉球処分」と言われる廃藩置県によって、どのような経緯で沖縄県が日本の版図に組み入れられ、いつから沖縄県になったと認識しておられるのか。宮古・八重山を清国に割譲することを条件とした廃藩置県についてどのように認識しておられるか。
 (2)、廃藩置県後の沖縄振興に対する政府の責任について。
 ア、「沖縄県」にすると離島であるため経済的なコストがかかり過ぎるという慎重論と、地理的に戦略的なメリットがあるという政府の思惑があったと言われますが、現在の日本政府の沖縄政策の視点につながることであり、知事の認識をお聞きしたい。
 イ、沖縄県振興計画が策定されたが、戦争突入で立ち消えとなり、政府による沖縄振興策は不十分だったと歴史的に問われていますが、知事の認識をお聞きしたい。
 (3)、 戦後の米軍統治下の日本国民としての沖縄についての認識をお聞きします。
 ア、戦後の復興で米軍統治下に置かれたがゆえに受けた不利益についての認識はどうでしょうか。
 イ、基地経済・消費経済へ傾倒した戦後27年間の沖縄経済についての認識はどうでしょうか。
 (4)、復帰後についての認識をお尋ねします。
 ア、過重な基地負担を強いられている沖縄について、日本にとって沖縄とは何か、沖縄にとって日本とは何か、知事の認識をお聞きいたします。
 イ、政府の支援について、沖縄は優遇されたという見方と、沖縄は県民1人当たりの公的総固定資本形成や地方交付税、国庫支出金を合わせた国費投入総額は類似県と比較したら下回っているという見方もあるが、知事の認識はいかがでしょうか。
 ウ、道州制の議論の中で沖縄県の独自性について知事の認識をお聞かせください。
 3、基地行政について。
 去る8月31日、航空自衛隊員が米軍の武器・弾薬等を民間住宅地域で保管し、ロケット弾で爆死する事件が起きました。付近住民は、爆弾をまくらにして寝ていたようなもので、自衛隊及び米軍に強く抗議するとともに、武器・弾薬の流出経路や管理状況について早急な調査を求めるものであります。
 国連総会でアナン事務総長は、米国のイラク攻撃は国連憲章に対する挑戦として米国至上主義よりも国連中心の国際協調主義を訴え、米国のイラク攻撃をいち早く支持した日本政府の米国追随姿勢が問われております。この先、先制攻撃を戦略とする米国任せでは真っ先に沖縄県民を戦争に巻き込む危険性があります。米軍基地が集中する沖縄では日米地位協定により米軍駐留に対して優遇措置があり、県民にはさまざまな制約があります。
 県の航空機騒音測定結果によりますと、普天間基地周辺は生活環境基準を超える航空機騒音が報告されており、宜野湾市新城地区では1日平均騒音発生回数は、前年度24.6回から3倍の77.3回にふえ、夜間から早朝の飛行を制限する騒音防止協定があるにもかかわらず、月平均騒音発生回数は上大謝名においては100.8回と騒音被害は許しがたい状況であります。
 県の航空機騒音による健康影響調査によると、環境基準を超える被害人員は47万人に上り、睡眠障害、聴力喪失、幼児問題行動、早産児出生等の被害が報告されております。稲嶺知事は、SACOの実施が基地の着実な整理縮小につながるとの認識でありますが、安易な妥協を許さず基地の早期整理縮小を訴え、究極的には全面撤去を求めるべきであります。また、米国政府に追従するばかりの日本政府は使いたい放題の思いやり予算で米軍駐留を慰留していますが、跡地利用として那覇新都心の開発や北谷町の開発の成功事例があり、基地のない県土の有効利用を図るべきです。知事の御所見をお聞きしたい。
 (1)、自衛官爆死事件に対してどのように対応したか。
 (2)、在沖米軍基地の武器・弾薬の概要と管理状況及び今回のような武器・弾薬の流出経路と今後の対策についてお聞かせください。
 (3)、日米両政府の都合で合意されたSACOの着実な実施のみで基地の整理縮小に対応するのか、県民の立場から過重負担解消のためにSACOで合意された施設以外も含めて並行して基地返還プロジェクトチームを組織し、県民優先の基地解消プログラムを策定し、日米両政府に要求する取り組みのお考えはないのか。
 (4)、知事は、基地の提供責任は政府にあるとの認識のようだが、基地が撤去されるまでの間、基地の過重負担と基地撤去後の自立経済確立の確保を根拠として、基地の存在にかかわる貢献度あるいは犠牲を脱基地対応振興基金として日米両政府に要求していく考えはないのか、知事の所見をお聞きしたい。
 (5)、思いやり予算による米軍基地の居座りについて知事の認識はどうか。
 (6)、2006年3月に期限到来の特別協定解除への知事の対応をお聞かせ願いたい。
 (7)、日米地位協定改定についてでありますが、ア、日米政府の対応と今後の見通しについてどうか。地位協定は一国二制度的な米軍基地特区であり、弊害しかもたらさない県民が望まない特区は返上すべきではないか。
 イ、国際条約や国連憲章に照らして県独自に改正に向けた取り組みをする考えはないかお聞かせ願いたいと思います。
 (8)、普天間代替施設の国外移設と15年使用期限問題についてでありますが、ア、在沖米軍基地の平等負担について他府県の意向をどのように認識しているか。
 イ、県内移設条件としている15年使用期限が結果的に県民に過重な負担を強いることになると思うがどうか。航空機騒音等基地被害をこれ以上県民に我慢せよとの考えなのか。
 ウ、伊波宜野湾市長と連携して普天間基地の5年以内移設の取り組みをしていただきたいがどうでしょうか。
 4、米州開発銀行年次総会誘致について。
 平成17年4月に沖縄で開催されることが決まりました。中南米への移民の歴史的なかかわりと国際会議開催の誘致でサミットを初め着実な実績が評価された結果だと喜んでおります。参加者は5000名ということで経済効果や地域振興、平和問題を国内外に発信するチャンスであり、ぜひとも成功させたいものでありますが、開催まで準備期間も短く、サミットほどの盛り上がりが感じられず不安でありますが、沖縄県の対応についてお伺いします。
 (1)、国際会議誘致としての意義はどうか。
 (2)、日本政府や沖縄県の立場と役割及び準備状況と今後の取り組みについてお聞かせ願いたい。
 5、情報通信産業について。
 護憲ネットワーク県議団は、去る8月、IT大国と言われるインドのバンガロールを中心に行政視察をしてまいりました。1991年、経済自由化政策により600社のIT関連企業が立地し、ソフトウエア産業は2008年には10兆円と見込まれるほどの急成長をしております。IT関連企業立地のために通信インフラの整備、10年間法人税等の免除や輸入税の免除、事務所の提供、人材提供などの施策が確立されており、アメリカと昼夜が反対である地の利を生かした成功事例であります。
 さて、本県における情報通信産業の条件整備はどうなっているのかお伺いします。
 (1)、情報通信産業特区の優遇措置について立地条件として十分だとの認識か、今後の対応を含めてお聞かせ願いたい。
 (2)、立地状況と今後の展望はどうか。
 (3)、人材育成と人材確保について現状と今後の計画や見通しはどうか。
 (4)、雇用の確保と失業対策との関連効果と今後の見通しはどうか。
 6、産業振興策について。
 沖縄県の商工業の実態を全国と比較したとき、1企業当たりの従業員数は全国が391名に対して沖縄は42名、売り上げは全国が231億円に対して沖縄は85億円と格差があり、小規模零細企業の実態に即した振興策が必要であります。ちなみに、イタリアは9名以下の企業が全体の94.8%を占め、個性の産業化を中小企業の地域集積で成功していると言われております。
 沖縄県物産公社と沖縄物産企業連合に代表される沖縄発の特産品の県外展開は、両社だけでも100億円を売り上げるに至っており、県外市場に競争力を持つ沖縄の特性の企業化が必要であり、沖縄型製造加工業の振興策が必要であります。さらに、輸送コストの低減等物流体制の確立で離島の不利性を克服することが課題であります。さらに、戦略産業の観光産業が総合産業としての牽引力を果たすためには自給率の向上を図ることが重要だと考えます。
 また、今議会で外形標準課税を導入するための沖縄県税条例の一部改正案が提出されていますが、課税対象法人の39.8%、特に県内企業にあっては57.5%が赤字企業であります。優良企業529社は8億7000万円減税し、764社は14億1600万円の増税となり、特に赤字県内企業に担税能力を超える増税を課すことについて再検討を求めるものであります。
 (1)、平成16年度から外形標準課税の導入を提案していますが、県内該当企業の担税能力と税制適用の影響に問題はないか、どのようにお考えか、産業振興上、問題が解決されるまで導入を見送るべきではないか。
 (2)、製造加工業等商工業振興についての現状と課題、展望についてお聞きしたい。
 (3)、地産地消と観光産業とリンクした自給率向上の取り組みについてお聞きしたい。
 (4)、物流体制の確立と輸送コストの低減の対策として、これまでの調査・研究を踏まえた取り組みについてお聞かせください。
 7、雇用失業対策について。
 雇用促進法が改正され地方自治体でも職業あっせんができるようになりましたが、厚生労働省の職業安定所、いわゆるハローワークよりも小回りのきくきめ細かい就業希望者への情報提供やあっせんを効果的にするために「県立就業相談所」のようなものの設置についてお聞きしたい。
 (1)、求職者の状況、ハローワークでの求職者の職業あっせんで失業解消率はどれくらいになっているのか。
 (2)、沖縄県独自の「県立就業相談所(しごとセンター)」を設置するお考えはありませんか。
 8、新沖縄県行政システム改革大綱について。
 行政改革では、行政の公的な役割をいかに果たすかという視点を大事にすべきであります。県は上意下達で唐突に肉用牛生産供給公社の廃止を決めましたが、これから果たすべき役割を積極的に展開し、沖縄県固有の肉用牛改良を進め、地域性に合った効果的な畜産経営の確立を推進すべきであります。
 また、県立厚生園など12施設を委託経営させている社会福祉事業団に対して、委託料を減額する方針で事業団に踏み絵的な選択を示していますが、福祉の切り捨てになるのではないか懸念されます。
 地域医療においては県立病院の果たす役割は絶大なものがありますが、南部病院、宮古病院に次いで八重山病院まで病床削減の検討がなされています。さらに公営企業法完全適用が検討されており、離島医療を切り捨てるような行政改革に疑問を持つものであります。
 そこでお聞きしたい。
 (1)、沖縄県肉用牛生産供給公社廃止による閉鎖ということではなく、畜産試験場あるいは研究所として積極的に活用することを提案したいがどうか。
 (2)、県立厚生園等社会福祉施設の民間委託は公的役割の後退もしくは放棄が懸念されるが、県の方針を伺いたい。
 (3)、県立病院の公営企業法全面適用について検討しているようだが、地域・離島医療の切り捨てにもつながるが、県の方針を伺いたい。
 9、沖縄県農業共済制度の拡充について。
 台風常襲地帯としての沖縄におけるたび重なる台風被害は、農業共済制度で救済しているということですが、救済は加入者のみに限定され、沖縄県は他府県に比べ共済加入率が低い現状にあります。農業所得を全国平均と比べると本県は低く、加入率低迷の要因の一つであります。
 そこで、加入特例期間を設け、県、市町村が掛金の一部を助成をしてJA等と一体となった支援のスキームをつくり加入促進をする取り組みが必要だと考えます。
 (1)、農業共済制度の加入の実態と共済実績、加入促進に対する共済掛金助成等の国、県の取り組みをお聞きしたい。
 (2)、再生産可能な共済制度に拡充するための課題と県の取り組みをお聞きしたい。
 10、離島振興について。
 島嶼県沖縄の市町村合併は陸続きの本土と違い沖縄型の合併をどうするか、県としての方針を明確に示し指導性を発揮することが大事だと思います。
 沖縄県は国土面積では全国の0.6%ですが、国土保全で重要な役割を果たす排他的経済水域は全国の25%を占め、日本政府は国連海洋法条約により2009年5月までに65万平方キロメートルの排他的経済水域の海底資源調査を行い、大陸棚の申告をして国連の承認を受けなければなりません。そのため資源の調査に1000億円投入すると言われており、琉球諸島周辺は石油、天然ガスが豊富に埋蔵されていることから沖縄の価値が注目されることは明らかであります。
 尖閣諸島については沖縄県も可能性調査予算を計上しており、国とタイアップして存在感を示すチャンスです。
 そこでお聞きします。
 (1)、島嶼県沖縄に対して国策として「国土保全コスト」を新たに離島振興財源として創出する取り組みをお伺いします。
 (2)、国の合併施策に対する沖縄県の対応について。
 ア、県内市町村合併の進捗状況と今後の見通しについてどうなっているか、課題は何か。
 イ、1島1町村堅持、あるいは近接離島町村同士の合併についてどう対応するか。
 ウ、沖縄型合併支援を政府に進言して、特に離島振興に対する支援を進めてはどうか。
 11、沖縄の戦後処理事案について。
 (1)、旧飛行場問題解決について。
 ア、太平洋戦争中の日本軍の飛行場建設は全国的に行われ、沖縄以外の飛行場は戦後旧地主に返還されたようだが、どのように解決されたかお聞かせください。
 イ、戦後、旧飛行場問題の解決策として平和条約発効までと日本復帰の間、沖縄と他府県との法的相違についてお聞きしたい。
 ウ、今後、解決に向けての取り組みはどうなっているか。
 (2)、八重山戦争マラリア補償問題について。
 ア、軍命によってマラリア有病地帯に強制的に疎開させられた結果発生した戦争犠牲者の問題は、平成7年の慰藉事業では不満であるとの八重山戦争マラリア遺族会から強い要望があるが、どのように認識しているか。
 イ、遺族会から犠牲者補償を求める要請があるが、県はどのように対応するかお聞かせください。
 12、教育行政について。
 ユニセフの発表によりますと、世界の発展途上国では5億人の子供たちが飢餓の状況にあると言われ、「子どもの権利条約」が国内外で守られるように積極的に働きかけるよう日本の果たす役割はますます大きくなっております。
 しかし、今、地球市民というグローバルな教育の展開ではなく、愛国心を公の教育の展開として打ち出そうという動きがあり、中央教育審議会の答申を受けて教育基本法を変えようとしております。「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」を目指す教育の実現のために簡潔にして明瞭かつ教育の理念を示したのが教育基本法であります。県教育委員会においては、平成14年度から10年間の「沖縄県教育長期計画」を策定しました。教育基本法及び関係法令に基づく本県の教育行政運営の計画でありますが、県教育の推進に関連してお聞きしたいと思います。
 (1)、現行の教育基本法と本県の教育のあり方について知事及び教育長の見解をお聞きしたい。
 (2)、発展途上国では5億人の子供たちが飢餓の状況にあり、1日に3万5000人の子供たちが死んでいくと言われております。国際理解教育を推進するために子供たちの人権についてどのような教育をされているかお聞かせください。
 (3)、少子化が進行しているとはいえ、都市化政策の弊害で過密校と過疎校の学校間格差や地域間格差が依然としてあります。新時代の教育再生と人間蘇生に果たす学校教育生涯教育の方策の一つとして、離島や過小規模校の活用は検討できないかお伺いしたい。
 13、健康・医療行政について。
 (1)、離島医療について。
 西表の県立大原診療所で赴任したばかりの医師が24時間拘束状況の診療業務に不満を述べ、3カ月足らずでやめてしまいました。その後無医地区となったため八重山病院から交代で医師を派遣しており、小浜診療所は医師不在であります。フジテレビで、離島の診療所に赴任した青年医師「Drコトー」の献身的な奮闘と喜怒哀楽が茶の間の話題を集めました。離島の県民はドラマではなく毎日が地域医療の問題と向き合っているのです。また、竹富、黒島の診療所は医介輔が高齢で退職した後は閉鎖され無医地区となっております。
 思うに、教育の機会均等等の施策は、過小規模校においても場合によっては生徒数を上回る教職員が配置されることによって確保されています。しかるに、人々の生活にとって最も重要な生命の安全を守る医療の機会均等等の施策は余りにもおくれているのではないでしょうか。
 離島における医療についてお聞きしたい。
 ア、離島医療の実態及び医師の確保など支援はどうなっているか。
 イ、島嶼県沖縄としての地域医療を今後どのように計画しているかお伺いします。
 14、交通運輸行政について。
 (1)、新石垣空港建設について。
 平成16年度の国庫補助金要請に新石垣空港建設事業が含まれておらず大変残念でしたが、今議会で環境現況調査等の補正予算も措置されており、進捗状況と今後の取り組みについてお聞かせ願いたい。
 (2)、8月10日開通の都市モノレールの運用状況とバス、タクシーへの影響及び連携と今後の対策はどうなっているかお聞かせください。
 交通渋滞解消と交通弱者に優しい鉄軌道系交通導入の可能性調査について、民間主導の対応も含めて今後の取り組みをお聞かせください。
 答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 高嶺議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、我が国と沖縄についての認識についてお答えをいたします。
 戦後日本は、米国の対日政策のもとで経済の復興に専念し今日の繁栄を築いてまいりました。このことは、我が国の安全保障が日米安全保障条約体制に支えられているという意味では、過重な基地負担を強いられた沖縄が日本の繁栄の礎となったと言っても過言ではないと考えております。  政府は、沖縄の置かれた特殊な諸事情にかんがみ、復帰後3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく総合的な施策を推進しました。これと、県民の不断の努力が相まって各面にわたる本土との格差が縮小され、社会経済は着実に進展してまいりました。今後は我が国、ひいてはアジア・太平洋地域の社会経済及び文化の発展に寄与する地域の形成を目指し政府とともに取り組んでまいります。
 次に、在沖米軍基地の平等負担についての御質問にお答えいたします。
 県は、本県の米軍基地が我が国の安全保障体制を推進する上で重要な役割を担っていることについては認識しております。しかしながら、本県には在日米軍専用施設面積の約75%の米軍基地が存在し、県民生活や本県の振興開発にさまざまな影響を与えていることから、多くの県民は基地の整理縮小を強く望んでいます。
 昨年、本土紙が実施した沖縄に関する全国世論調査の結果によると、沖縄の米軍基地のあり方に関する質問に対し、大半の人が沖縄の米軍基地を整理縮小すべきとしておりますが、そのうち、日本本土には移設しないとする基地負担に否定的な回答が大勢を占めております。県としては、沖縄の米軍基地の問題は単に沖縄という一地域だけの問題ではなく、我が国の外交・安全保障をどう考えるのかという極めて国民的問題であり、国民一人一人がみずからの問題として受けとめてもらいたいと考えております。
 次に、15年使用期限についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場代替施設の15年使用期限については、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、沖縄県が移設に当たって整備すべき条件として提示しているものであります。使用期限問題の解決なしには着工はあり得ないと考えており、着工までには政府から一定の方向性が示されなければならないと考えております。
 なお、代替施設の15年使用期限問題が普天間飛行場の移設作業に支障になっているとは認識しておりませんが、国の責任において解決されるよう今後とも引き続き強く求めていきたいと考えております。
 続きまして、普天間飛行場返還の取り組みについての御質問にお答えします。
 普天間飛行場の返還については、県としては現在行われている移設作業を進めていくことが早期返還につながる現実的で実現可能な方法と考えており、一日も早く返還されるよう引き続き努力していきたいと考えております。
 次に、米州開発銀行の総会誘致の意義はどのようなものかという御質問にお答えいたします。
 米州開発銀行(IDB)年次総会は、2005年4月に沖縄での開催が正式に決定いたしました。IDB年次総会は、世界46カ国から財務大臣・中央銀行総裁等多数の要人を含む約5000人が参加して開催されるものであり、世界銀行や国際通貨基金の総会に次ぐ世界有数の国際会議であります。
 本県は、2000年の「九州・沖縄サミット首脳会合」開催を契機として国との連携・協力のもと、国際会議を積極的に誘致しており、IDB総会の沖縄開催は現在県が推進しているコンベンション・アイランド形成への大きなステップになるものと考えております。県としては、同総会の開催は国際会議開催適地、国際的な観光・リゾート地としての沖縄を広くアピールし、国際的認知度を高める絶好の機会だと考えております。また、県内の関係機関や関連企業における国際会議開催のノウハウの蓄積が図られるとともに、宿泊・交通等の直接的な経済効果を初め、県経済全体に及ぼす間接的な波及効果も大きいと考えております。
 次に、情報通信産業振興に係る雇用の確保と今後の見通しについての御質問にお答えをいたします。
 県におきましては、コールセンターを中心とした雇用創出効果の高い情報サービス産業を情報産業振興を図る重点分野の一つとして位置づけ、情報通信関連企業の集積を推進しております。その結果、私が就任以来、本年9月1日現在でコールセンター27社を含む71社の情報通信関連企業が県外から立地し、コールセンターによる雇用者約4400人を含む約5100人の新規雇用を創出しており、今後とも各種支援策等を実施することにより着実な増加が見込まれます。現在、県におきましては、テレ・ビジネス人材育成センター及び「おきなわ はたらコール」において実践的なIT業務研修を実施しコールセンター等への就職を促進しております。今後とも情報通信関連産業の振興を図りながら、雇用機会の拡大に努めてまいりたいと思います。
 次に、新たな離島振興財源についての御質問にお答えします。
 広大な海域に散在する沖縄の多くの島々は、経済水域の確保等我が国の国土保全に大きな役割を果たしており、今後とも離島振興のための諸施策を積極的に推進していく必要があります。御提案の新たな離島振興財源については極めて厳しい面もありますが、今後、その可能性等について調査・研究してまいりたいと考えております。
 次に、離島振興の御質問の中で、合併支援の政府への進言についての御質問にお答えいたします。
 本県の離島町村は、概して面積が狭く人口規模が小さい町村であり、財政面においても地方税等の自主財源の比率が低く、地方交付税や国庫支出金等に依存した脆弱な財政構造となっております。これら離島町村においては、海域を越える都市部との合併に対し、自治権の喪失に伴う島の衰退や若年層の流出による過疎化の進行などの懸念が示されております。そのため、離島町村の合併に当たっては、合併に伴うこれら懸念事項を緩和し、合併後も離島地域における住民福祉の向上や地域振興が図られるよう特別な配慮や支援が必要であると考えております。今後、関係市町村と調整の上、国への進言等について検討していきたいと考えております。
 次に、教育基本法と本県の教育についてお答えいたします。
 教育の基本理念と基本原則を定めた教育基本法は、制定後50年余にわたり我が国の教育に重要な役割を果たしてきたものと考えております。しかしながら、同法の制定当時と社会状況は大きく変化し教育のあり方も変容を遂げてきていることから、現在、教育基本法についていろいろな意見があることも事実であり、今後とも国民的な論議の推移を見守っていきたいと考えております。本県教育については沖縄振興計画にも位置づけ、多様な人材の育成と文化の振興を目指し、さまざまな教育施策を推進しているところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 台風14号に関連いたしまして、被害状況と県の対応についての御質問にお答えをします。
 台風14号の被害は、宮古地方、八重山地方、久米島等で発生しておりまして、その被害状況は平成15年9月26日現在で申し上げますと人的被害は死者1名、負傷者97名、うち重傷1名、軽傷96名、家屋損壊は全壊16棟、半壊54棟、一部損壊151棟、非住家損壊が197棟、うち公共建物19棟、その他178棟、浸水被害は床上浸水2棟、床下浸水13棟、船舶被害は転覆破損した船舶が58隻、車両被害は転倒、浸水等91台、停電被害は最大時で2万2600戸停電でございます。23日に全面復旧をしております。電話被害は4038回線が不通になりました。これは28日に全面復旧をしております。
 災害復旧につきましては、ライフラインの復旧が地域住民にとって最優先課題であったことから自衛隊に災害派遣を要請し、沖縄電力、NTT西日本、県警察本部の応急復旧要員等を現地に輸送するとともに、電力の資機材の輸送、伊良部町での飲料水の確保等を行ってきたところです。9月16日には知事を本部長とする「沖縄県災害復旧支援対策本部」を立ち上げ、全庁的に取り組んでいるところです。また、去る25日、26日に知事が政府関係省庁に要請を行ったところであります。今後、被害総額、地元の要望等を早急に取りまとめ、整理した上で国に支援をお願いする事項につきましては、具体的な支援策について要請してまいりたいと考えております。
 次に、台風災害特区のような特別な制度についての御質問にお答えをいたします。
 台風常襲地帯であるということで、議員御提言の「台風災害特区」のような特別な制度を設けるということは現行制度のもとでは厳しいものと考えられますが、貴重な御提言として承っておきたいと考えております。
○農林水産部長(諸見武三) 台風14号関連で、JA、漁協等とのタイアップについてお答えいたします。
 台風14号の災害に伴う支援については、国を初め市町村、JA、漁協などの関係機関と連携して迅速かつ積極的に対応していきたいと考えております。このため県においては、現在、特に被害の大きいさとうきび、ハウス等については県単独の支援として、1、新植夏植えの植えかえ費用の支援、2、鉄骨ハウスの撤去に要する経費の支援、3、農業用施設等の復旧や経営資金の利子補給事業の条件緩和などの支援を行ってまいります。
 また、JAなどの関係機関に対しては、JA等の営農生活資金や経営再建資金の低利融資に県の利子補給を行ってまいります。
 続きまして、肉用牛生産供給公社についてお答えいたします。
 肉用牛生産供給公社は、優良種畜の生産供給という役割が低下していること、経営状態が悪化し業績の回復が見込めないこと等から、新沖縄県行政システム改革大綱において平成15年度に解散する方向で検討することとなっております。公社の解散に当たっては、1、土地、施設等の資産の処分、2、債務処理、3、職員の処遇等の問題があり、現在、その処理に向けて検討委員会を設置する等関係者が一体となって鋭意取り組んでおります。
 肉用牛改良については、肉用牛の振興上重要な課題であり、今後、推進体制や新技術の活用などを検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、農業共済制度について一括してお答えいたします。
 農業共済は、農家が台風・干ばつ等によって受ける損失を補てんし、農業経営の安定を図る上で極めて重要と考えております。本県における平成15年3月末時点における農業共済への加入状況は、農作物共済51%、家畜共済24.8%、果樹共済9.1%、畑作物共済31.6%、園芸施設共済19.4%となっております。農業共済の支払い実績については、昭和47年から平成14年度まで掛金の約2倍の236億円が農家に支払われております。
 農業共済に対する国の助成については、農家掛金の4割から5.5割となっており、共済制度の拡充については災害補償方式の改善などを国に対し要望しているところであります。また、園芸施設共済については、加入の促進を図るため県の助成として平成14年度から農家掛金の一部を支援するとともに、「沖縄県農業共済普及推進協議会」を設置し、関係者が一体となって加入促進に努めているところであります。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 知事の政治姿勢についての中の、廃藩置県と分島案、さまざまな見解についてどう考えるかという御質問に一括してお答えします。
 沖縄県になった経緯は、明治政府が中央集権国家の形成を目指してとった一連の過程であります。明治政府は、明治2年に版籍奉還、明治4年に廃藩置県を行いました。この廃藩置県に際して琉球王国は鹿児島県の管轄下に置かれました。明治5年に琉球藩を設置し、明治12年に廃藩置県が通達され沖縄県が設置されました。また、明治13年には清国との外交交渉の過程において宮古・八重山を割譲する分島案が交渉の議題に上りました。
 このような経緯は、19世紀後半の欧米諸国のアジア進出という状況の中で、我が国が近代国家に移行する過程で生じた歴史的歩みであったと承知をしております。
 同じく戦前の沖縄県振興計画についてでございます。
 昭和初期における沖縄県民の生活レベルは、本土の各地域と比べるとかなりの格差があったため、政府は昭和8年に計画期間15年の沖縄県振興計画を実施しました。しかしながら、当該計画は戦争の開始とともに達成率が低いまま有名無実化し、所期の目的を達成することができなかったものと認識をしております。
 同じく米軍統治下での不利益及び戦後の沖縄経済についてでございます。一括してお答えします。
 戦後27年間の米軍の統治下においては、基地建設に伴う土地の強制収用、選挙権の制限、渡航の自由の制限など日本国民としての基本的人権が制限されたことなど、他の都道府県とは大きく異なる状況下にあったと認識をしております。米国施政権下の沖縄経済の戦後復興は、まず大規模な基地建設に依存する形で始まりました。その後、農漁業や基地建設に関連する製造業が立ち上がり、社会資本整備も徐々に進みましたが、本県経済は我が国経済の発展過程から切り離され、総じて第2次産業が振るわず基地依存の消費型経済の構造が形成されたものと認識をしております。
 同じく政府の支援についてでございます。
 政府から地方への支援は、大きく分けて国庫支出金と地方交付税があります。本県に投入された平成12年度の国庫支出金額を県民1人当たりの額に換算すると全国一高い水準となっております。
 一方、地方交付税は、地方公共団体がひとしくその行うべき事務を遂行できるよう一定の基準により交付されるものであります。その結果、平成12年度の国庫支出金、地方交付税を合わせた県民1人当たりの国費投入総額は全国で7番目の水準となっております。
 次に、道州制についてでございます。
 近年、地方分権が進められている過程で道州制の導入が将来の検討課題として挙げられております。その背景には、交通手段の発達や地域経済の広がり等に伴い、より広域化する行政需要にこたえる観点と、行政の効率化を図り地方分権にふさわしい受け皿づくりの観点があると考えております。このようなことから、沖縄県の独自性については、第1点には、本土から遠隔地にあり県域が広大な海域に散在する多くの離島から成っている地域であること、第2点には、近隣県との経済的なつながりが他都道府県に比較して弱いことが今後道州制を議論していく場合の検討課題になると考えております。
 次に、交通運輸行政についての鉄軌道系の交通についての御質問にお答えします。
 軌道系を含む交通システムの整備は、効率的な公共ネットワークの形成や魅力的な交通環境の創出のためには重要な課題であると認識しています。しかしながらその整備に当たっては、軌道系の交通システムの技術の進展や今後の交通需要の動向、地域開発との整合性など検討すべき要素が多岐にわたります。そのようなことから、軌道系を含む交通システムの整備については、沖縄自動車道や幹線道路などの既存ストックの活用、今後のバス網の再編やモノレールの延伸など多様な視点から検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 自衛隊員爆死事件への対応及び米軍の武器・弾薬の管理状況等について一括してお答えいたします。
 県は、去る9月12日に自衛隊に対し、今回の事件に係る爆発物の流出経路など事実関係を把握するとともに、隊員の綱紀粛正や隊員教育を徹底するなど事件の再発防止に万全を期すよう強く要請しております。また同日、米軍に対し、同事件に関し、県警や自衛隊とも連携し流出経路を徹底的に調査し隊員の綱紀粛正の徹底を図るとともに、廃弾の適正処理を含め武器・弾薬等の管理体制に万全を期すよう強く要請しております。その際に、在沖米軍基地の武器・弾薬の保管状況等について質問をしたところ、現在、県警の捜査に協力しているところであることや運用上の理由により明らかにすることは困難であるという趣旨の回答がありました。県としては、今回の事件について県警の捜査の状況を見ながら適切に対応していきたいと考えております。
 基地返還プロジェクトチームについてにお答えいたします。
 県は、基地の整理縮小については、SACOの合意事案を着実に実施していくことが現実的で実現可能な方法であると認識しており、現在、すべての合意事案の推進に向け、国と連携し全力を挙げて取り組んでいるところであります。県としては、58年余も過重な基地負担をしてきた県民の意向にこたえるため国との連携を密にし、地元市町村の意向を踏まえ県民の理解と協力を得ながら、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の段階的な整理縮小に取り組んでまいりたいと考えております。
 基地返還プロジェクトチームを組織し、基地解消プログラムを策定することについては、御提言として承っておきたいと思います。
 脱基地対応振興基金についてにお答えいたします。
 県としては、基地の整理縮小を求める県民の強い意向を踏まえ、今後とも引き続き県民の過重な基地負担の軽減を図る観点から、基地の整理縮小を初め基地問題の解決に取り組んでいきたいと考えております。
 思いやり予算への認識と同予算に関する特別協定について一括してお答えいたします。
 在日米軍駐留経費負担、いわゆる思いやり予算をめぐってはさまざまな意見があると承知しております。県としては、我が国の安全保障体制の問題や沖縄の基地問題は、単に一地域の問題ではなく全国民的課題であると考えており、また戦後58年余りの長期にわたって沖縄は過重な米軍基地を負担してきていることから県民は基地の整理縮小を強く望んでおり、同予算のあり方については、米軍基地の負担のあり方等もあわせて国政の場で十分に議論を深めていただきたいと考えております。
 地位協定改定に関する日本政府の対応と今後の見通し及び県独自の取り組みについて一括してお答えいたします。
 県は、米軍基地から派生するさまざまな事件・事故や環境問題などの米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、日米地位協定を抜本的に見直す必要があると考え、平成12年8月に日米両政府に対し11項目にわたる見直しを要請しました。政府は、日米地位協定の見直しについて、「運用の改善により、機敏に対応していく」との方針を示しておりますが、県としては、運用改善では限界があることは明らかであると考えております。県としては、基地の提供責任がある日本政府が米国政府との間で早期に地位協定の改定についての話し合いを進めてもらいたいと考えており、今後とも全国行動プランに基づき県内外の各界各層とも連携しながら、あらゆる機会を通じて日米両政府に対し日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
 旧軍飛行場の他県での解決状況及び復帰以前の他県との法的相違について一括してお答えいたします。
 平成13年に県と那覇市が実施した聞き取り調査によると、他県の旧軍飛行場用地は、駐留軍が引き続き軍事施設として使用した用地以外は、食糧増産のための「緊急開拓事業実施要領」や農地法に基づく払い下げ、または旧大蔵省から普通財産として処分されたと聞いております。払い下げは、農地については元地主や現に耕作していた者及び新規入植者等を対象に行われ、その他の土地については個人や企業等になっておりますが、いずれも有償で国有地の処分が行われております。
 一方、本県においては、さきの大戦で米軍上陸と同時に、いわゆるニミッツ布告により日本国政府のすべての行政権が停止され平和条約締結までの間、米国の占領下にありました。また、平和条約締結から復帰までの間は米国の施政権下にあったため、他県において終戦直後にとられた緊急開拓事業等が適用されなかったという相違があります。
 同じく旧軍飛行場の解決に向けての取り組みについてにお答えいたします。
 県は、現在実施している委託調査において戦後処理事案として既に解決を見た事例との比較検討や旧軍関係資料の収集、嘉手納裁判記録の分析等を行い、あわせて学識経験者による検討委員会を設置し客観的な視点から同問題を検討し、どのような処理を国に求めるのが適当であるか等の提言を得たいと考えています。この調査結果も踏まえ、県・市町村連絡調整会議や旧軍飛行場用地問題解決促進協議会と十分協議・調整していきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) IDB総会に関する日本政府や沖縄県の立場と役割及び準備状況と今後の取り組みについてお答えをいたします。
 IDB総会の主催はIDBそのものであります。我が国は、ホスト国として会議本体に係る受け入れを行い、また県は会議開催のための宿泊・輸送等に係る支援業務及び開催地としての歓迎行事等に係る業務を行うこととなっております。開催に向けた準備状況としては、去る8月18日に「沖縄開催実行委員会」を発足させたところであり、現在、組織体制の強化、IDB沖縄総会に係る広報活動、IDB駐日事務所との共催によるセミナーの開催等関係機関と連携・協力しながら、同総会の成功に向け官民一体となった作業を進めているところであります。
 今後の取り組みとしては、2004年3月に開催が予定されているIDBペルー総会へ代表団を派遣し、沖縄総会に向けたアピールや調査活動を行う予定であり、また県内外の経済界等に対する寄附金等の協力要請活動を行うことにしております。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 情報通信産業の中の、情報特区の優遇措置の認識と今後の対応及び立地状況と今後の展望についてお答えをいたします。一括してお答えをいたします。
 昨年策定した「沖縄県情報通信産業振興計画」において、那覇・浦添地区及び名護・宜野座地区の2地区が情報通信産業特別地区に指定されております。同地区では、地方税の減免措置に加え、常時雇用する従業員が20人以上であること等の要件を満たす新規の認定法人については、法人税の35%の所得控除を受けることが可能です。平成14年9月以降、県外から同地区に立地した企業は14社、新規雇用創出が340人に上る成果を上げております。これら企業の中には、現時点で特区制度に係る認定を受けた実績はまだありませんが、将来的に認定を視野に入れている企業があり、情報通信関連企業の誘致にとって重要な施策の一つと認識しております。今後とも人材育成、通信コスト低減化支援等の各種施策を展開し、情報通信関連企業の集積に取り組んでまいります。
 同じく情報通信産業の人材の育成と確保についてお答えをいたします。
 情報通信産業の振興を図る上で人材育成は重要な課題であり、県ではコールセンター要員や通信・放送分野の専門技術者の育成を行っております。さらに平成14年度からは、高度なIT技術者を早期に大量に確保するためIT高度人材育成事業を実施しております。県ではこの事業を平成18年度まで実施し、約2500人を超える高度なIT人材層の形成を図り、情報通信関連分野の人材の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、産業振興策の製造加工業の課題、展望についてお答えいたします。
 県内製造業はそのほとんどが中小企業であり、経営基盤が弱いため移・輸入品との価格競争など厳しい環境にあります。既存製造業の活性化を図るためには研究開発体制の整備、商品開発力の向上、マーケティング機能の充実、販路開拓力の拡充等の基本的な課題があります。県としては、生産体制の整備、研究開発の推進、品質向上への取り組みや意欲的な経営革新等を通した経営の高度化により県内企業の市場競争力の強化に向けた施策に取り組んでまいります。
 次に、自給率向上についてお答えをいたします。
 県産品の市場占有率の向上を図るためには、これまで行ってきた公共工事における県産資材の優先使用や産業まつり等の県産品奨励運動に加え、県内企業の市場競争力を強化していく必要があります。このため、昨年策定した「沖縄県産業振興計画」においても、市場占有率の向上を製造業の再構築を図る重要な施策の一つと位置づけて付加価値の高い創造性あふれる製品づくり、売れる商品づくりに努めております。また、今年度は観光土産品のデザイン開発及び新商品の開発の支援を強化するため工芸品の観光土産品マーケティング支援調査事業を実施しております。これらの支援策により県内市場占有率の向上と観光客への県産土産品の消費拡大に努めてまいります。
 同じく産業振興策の物流体制の確立と輸送コストの低減策についてお答えをいたします。
 本県産業の振興を図るためには、県産品の市場競争力の強化と県外市場への販路拡大が重要な課題であり、そのためには物流コストの低減を図ることが必要であります。このような観点から、県においては集荷から仕分け、配送に至る物の流れを一元的に管理する新たな物流システムの構築に向けて平成13年度から調査を行っております。これまでの調査の結果から、大口にまとめた商品を県内出荷拠点から県外配送拠点まで海上輸送するシステムを構築することによって、安定的な物流とコストの低減を図ることが可能であると考えております。今年度は、泡盛や健康食品等を対象とした新たな物流システムによるモデル実証実験を行い、平成16年度からの本格稼働につなげていきたいと考えております。
 次に、雇用失業対策についての、ハローワークの就職率の状況等についてお答えをいたします。
 沖縄労働局の発表によりますと、ハローワークにおける平成14年の新規求職申込件数は8万8596件で、紹介・あっせんによる就職件数は2万3246件となっており、就職率は26.2%となっております。なお、全国の新規求職者に対する就職率は26.3%でございます。
 次に、「県立就業相談所」の設置についてお答えをいたします。
 本県の失業率は全国に比べ高水準で推移しており、とりわけ若年者については全体の失業者に占める割合が4割以上を占めるなど厳しい雇用情勢となっております。県においては、若年者の就職を総合的に支援するため、本年4月「沖縄県キャリアセンター」を設置したところであります。当センターでは、新規学卒者を含む若年者に対しカウンセリングの実施、就職に役立つ情報提供、就職活動セミナーの開催等あらゆる面から支援を行っております。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 外形標準課税導入についてお答えします。
 法人事業税の外形標準課税は、税負担の公平性の確保、行政サービスを受ける応益課税としての税の性格の明確化、地方分権を支える基幹税の安定化の観点から、平成15年度の地方税法の一部改正により全国一律の税制度として導入されたものであります。外形標準課税の対象法人は、資本金1億円を超える比較的大規模な法人となっており、中小企業に対して一定の配慮がなされているものと考えております。
 また、外形標準課税導入に伴い、3年以上継続して赤字となっている法人や、創業5年以内のベンチャー企業で赤字となっている法人については3年間の徴収猶予制度が設けられております。そしてこの徴収猶予期間内に納付が困難であると認められる場合については、さらに3年間の徴収猶予の期間の延長ができることとなっており、最長6年間の徴収猶予ができる制度となっております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 新沖縄県行政システム改革大綱についての、県立福祉施設の民間委託と公的役割についてお答えいたします。
 沖縄県社会福祉事業団の見直しの背景には、公的機関による措置制度から利用者主体で福祉サービスの選択を行う介護保険制度の導入などの福祉施策の変化、利用者ニーズの多様化等があります。現在、福祉保健部内に事業団も含めた「沖縄県社会福祉事業団運営見直し検討委員会」を設置し、今後のあり方等の検討を行っているところであります。検討に際しては、「公の施設」の管理に関する自治法の改正により「指定管理者制度」が導入され、事業団も含めた民間事業者に指定の範囲が拡大されたことや、「県民本位の成果・効率重視のスマートな行政」という行政改革の基本理念を踏まえつつ、これまで県立の施設が担ってきた牽引的役割や社会福祉施設という施設の特性に着目し、民間との役割分担や効率的経営の視点のみでなく、利用者ニーズへの的確な対応等の課題を十分考慮して見直し作業を行っております。
 続きまして、沖縄の戦後処理事案についての中の、八重山戦争マラリア犠牲者遺族会からの要請に対する県の認識と対応について一括してお答えいたします。
 八重山戦争マラリア問題については、当時の遺族の皆様のさまざまな要請活動及び国と県において数回にわたって調整した結果、平成7年12月、沖縄開発調整会議において国は遺族に対する個人補償は行わないこととしましたが、慰藉事業として平成8年度に総額3億円で祈念館建設、慰霊祭等の事業がとり行われました。遺族の皆様も最終的にはそれを受け入れており、平成10年10月2日付で当時の援護会から知事あて、解決が非常に困難視されていたこの問題が慰藉事業という形でどうにか解決でき遺族の心も和んでいるとの感謝表明も行っております。
 このように慰藉事業が実施されたことと、同援護会は会の目的は達成されたとして解散したことから、県としてもこの問題は解決がなされたものと考えております。
 続きまして、健康・医療行政の、離島医療の実態、支援、今後の計画について一括してお答えいたします。
 現在、離島においては医科と歯科を合わせて33診療所が設置されています。離島における医療を確保するため、人口が300人以上の離島において診療所の整備促進及び診療所の運営費補助等を行っています。また、無医地区や無歯科医地区に対しては、巡回診療により医療の確保を図っています。離島地域における医師の確保については、自治医科大学への学生の送り出しや、中部病院における医学臨床研修事業のプライマリーケア医養成等において離島勤務を条件づけることによりその確保を図っています。
 また、医師確保が困難な専門科目については、厚生労働省派遣医師制度を活用しております。さらに、離島の救急医療についても沖縄県ヘリコプター等添乗医師等確保事業などにより充実・強化を図っています。
 また、平成14年4月に「沖縄県へき地医療支援機構」を設置し、離島診療所への総合的な支援の企画・調整を行うとともに、「沖縄県離島・へき地遠隔医療支援情報システム」を運用し、離島に勤務する医師の診療支援や最新の医療情報等を提供しております。県としては、今後ともこれらの施策・事業を推進し、離島医療の充実を図ってまいります。
 以上でございます。
○病院管理局長(平井哲夫) 病院事業の地方公営企業法全部適用の検討についてお答えいたします。
 県立病院事業においては、民間医療機関の整備の進展に対応した役割の分担や公的医療機関に対する医療ニーズへの対応、経営の改善等の諸課題に対処するため、「県立病院の今後のあり方検討委員会」を設置して県立病院の役割・機能、運営等の抜本的な見直しについて検討を行っているところであります。現在、検討委員会のもとに設置している幹事会において地方公営企業法全部適用への移行も含めた検討を行い、幹事会案として取りまとめている段階であります。今後、幹事会案をもとに検討委員会において引き続き検討を重ね、最終的な提言を取りまとめる予定となっております。ちなみに、地方公営企業法の全部適用のメリットといたしましては、一般的には経営責任の明確化と自律性の拡大による運営の効率化、職員の経営意識の醸成が図られることが言われております。
 なお、幹事会においては、全部適用に移行したとしても離島医療等政策的な医療については引き続き公的病院の役割として担っていく必要があるという趣旨で検討が進められてきております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 県内市町村合併の進捗状況と今後の見通し及び課題についてお答えいたします。
 9月現在における法定の合併協議会は、宮古地域6市町村による宮古地区市町村合併協議会、具志川市・石川市・勝連町・与那城町合併協議会、伊平屋村・伊是名村合併協議会、八重山地域市町合併協議会の4協議会が設置されております。そのほか、沖縄本島中南部地域において任意協議会が設置されており、法定協議会設置に向けた取り組みが行われております。平成17年3月までの合併特例法の期限を考慮した場合、速やかに法定合併協議会を設置し合併に関する具体的な議論を迅速かつ着実に行う必要があり、県としても積極的に支援していきたいと考えております。
 次に、1島1町村堅持、近接離島町村同士の合併への対応についてお答えします。
 市町村合併は、地域の将来のあり方や住民自治及び住民生活に大きな影響を与える重要な事項であることから、関係市町村、議会、地域住民の方々が十分議論し決定されていくものと考えております。特に、本県離島町村は少子・高齢化の進展や脆弱な財政基盤などにより、将来にわたって現在の行政サービスを維持し続けていくことは非常に厳しいものがあり、こうした課題に対し市町村合併は有効な手段の一つであると考えております。県としては離島市町村の合併に向けた取り組みに対し、必要な助言や情報提供を行うなど積極的に支援していきたいと考えております。
 以上であります。
○教育長(山内 彰) 教育基本法と本県の教育についてお答えいたします。
 戦後我が国の教育は、教育基本法のもとで教育の機会均等や量的拡大及び教育水準の向上が図られ、今日の経済社会の発展に大きく寄与してきたものと考えております。県教育委員会では、教育基本法のもとで整備された教育法令・制度を初め国の教育改革の動向を踏まえ、「創造性・国際性に富む人材の育成と生涯学習の振興」を目指した沖縄県教育長期計画等を策定して時代の転換期に合った教育の推進に努めております。
 なお、教育基本法については国民の間に多様な意見があり、国民的な論議が必要であると思います。今後その推移を注意深く見守っていきたいと考えております。
 次に、国際理解教育の推進についてお答えいたします。
 本県では、沖縄の地域特性を生かして国際性や創造性に富んだ人材育成を教育施策の目標として国際理解教育を推進しています。その際、おおむね5つの視点、すなわち平和、人権、異文化理解、自国理解、コミュニケーションを国際理解教育の基本にしてその具体化を図っています。特に人権については、小・中・高校生によるユネスコ街頭募金やユニセフ学校募金などの各種ボランティア活動を展開して人権意識の高揚を図っております。
 また、各学校では毎月人権の日を設定して人権教育の一層の取り組みがなされております。今後とも人権教育の視点を踏まえた国際理解教育の充実に努めてまいりたいと思っております。
 次に、離島や小規模校の教育の充実と活性化についてお答えいたします。
 離島や小規模校のよさは、美しい自然や豊かな人情を生かし、個々の子供への声かけなどを通して児童生徒一人一人の特性を把握して教育効果を高めていることにあるととらえています。そのことを踏まえて僻地の豊かな教育環境を生かした自然体験や社会体験学習などを推進しております。また、異学年での合同学習、近隣校間での集合学習、都市部の児童生徒との交流学習などを積極的に推進し、自主性や社会性、表現力の育成に努めており、その促進を図っているところでございます。今後とも、離島や小規模校など地域の特性やよさを生かして教育活動を推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 交通運輸行政についての、新石垣空港整備事業の進捗状況と取り組みについてにお答えいたします。
 新空港整備の新規要望に向けては、現在、環境影響評価準備書の作成に取り組んでおり、今年度中に終了する予定であります。また、地権者の同意取りつけについては去る6月上旬から開始し、現時点で共有地主及び公的機関を除く地主の81.1%の同意を得ております。共有地主に対しては、これまで県は石垣市や「新石垣空港早期建設を進める郡民の会」と連携し理解と協力をお願いしています。また、事業への同意の依頼文書を送り協力をお願いしているところであります。今後とも地元と連携し地権者の同意取りつけ作業に鋭意取り組んでまいります。それらの作業を進めながら新規要望のスケジュールについて国と調整を図り、早期事業化ができるよう努めてまいります。
 次に、都市モノレールの運用状況とバス、タクシーへの影響及び連携と今後の対策についてにお答えいたします。
 8月10日に開業しました沖縄都市モノレールの利用客数は、9月28日までに193万人が利用しております。その間の1日の利用客の平均は約3万8000人となっており、予測を上回っております。また、新学期を迎えた9月1日から28日までの1日平均の利用客は約3万3000人で予測を若干上回る程度の数字となっており、今後の需要予測につきましてはモノレール開業後間もないことから、しばらく様子を見ていく必要があると考えています。
 バス、タクシーへの影響につきましては、モノレールの需要動向がまだ定着していないため影響度を評価分析するには一定期間の時間を要するものと考えています。バス、タクシーとの連携につきましては、バス路線再編成の促進、乗り継ぎ割引制の導入、モノレール駅交通広場におけるタクシーの円滑な利用促進等の対策を進めていきたいと考えています。
 以上でございます。
○高嶺 善伸 答弁漏れがあります、ちょっと休憩。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時20分休憩
   午後5時28分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 諸見武三君登壇〕
○農林水産部長(諸見武三) 答弁漏れについてお答えいたします。
 台風14号の災害に伴う支援については、国を初め市町村、JA、漁協などの関係機関と連携して迅速かつ積極的に対応していきたいと考えております。このため、県においては現在特に被害の大きいさとうきび、ハウス等については県単独の支援として、1、新植夏植えの植えかえ費用の支援、2、鉄骨ハウスの撤去に要する経費の支援、農業用施設等の復旧や経営資金の利子補給事業の条件緩和などの支援を行ってまいります。また、JA、漁協の関係機関に対しては、JA、漁協の営農生活資金やJAの経営再建資金の低利融資に県の利子補給を行ってまいります。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時30分休憩
   午後5時31分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 高嶺善伸君。
   〔高嶺善伸君登壇〕
○高嶺 善伸 私は、今回の質問で歴史的な認識を知事に問うているのは、日本政府はどのような視点で沖縄の政策に携わるのかという基本的なことを、知事が認識することによって政府に何を要求するかというのが出てくるんですよ。歴史的な認識が必要だから、知事が議場に来て廃藩置県以来の日本政府の対応についての歴史的な認識を述べるのは、別に部長を通さなくてもいいんじゃないかと思いますので、この知事の政治姿勢に関する、特に廃藩置県後の沖縄振興に対する政府の責任、これは慎重論と政府の思惑について、これは日本政府の沖縄政策の視点につながることだから知事はどういうふうに認識しておられるかと尋ねているわけですので、知事の方から歴史的な認識についてお聞かせ願いたいとこう思います。
 それから、外形標準課税なんですが、県内の1億円の企業であっても764社が14億の増税になるわけです。知事は経営者協会の会長でもあった。県内の企業の実態についてはよくわかると思うんですよね。そういう地方税の改正に伴う税条例の改正といえども、県内の企業の担税能力、課税しても滞納につながることが予想される。滞納の後6年猶予しても財産処分による執行しかないんですよ。そういうことを考えたときに、これは本県の企業にとっては平成の人頭税だと、それくらい担税能力を超える大きな県税措置だと私は考えるんですよ。そういう意味で、これは知事の県内企業の担税能力、外形標準課税が導入されたときに県内企業にはどんな影響があると、そういうことを見越した上であえて条例を改正するんだという見通しを知事の方からお聞きしたいとこう思います。
 それから、台風特区についてでありますが、知事は、台風直後の12日には宮古に行かれたということで、私も先日行きましたら、知事が直接すぐさま来たということで宮古の住民の皆さんは大変心強く思っておりました。そういう意味では、急遽駆けつけたことが今回の災害復興及び万全の救済措置につながるものだと思っております。
 しかし、個別法でいろいろ整理したところで、台風常襲地帯の沖縄、この宮古の被害を契機として恒常的に来る台風に対して、恒常的な支援のスキームをつくるということも今後の県民の負担を考えたら大事じゃないかとこう思います。そういう意味では、知事の被災地の状況を見たあのショックから、やはり政府に要請しているそのアクションの中に超法規的な措置じゃなく、恒常的に台風特区というような形での支援のスキームを要請することを知事の決意としてお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時35分休憩
   午後5時38分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 高嶺議員の再質問にお答えをいたします。
 最初は、日本の沖縄に対する政策は、19世紀後半の欧米諸国のアジア進出という状況の中で、我が国が近代国家に移行する過程で生じた歴史的歩みであったと承知しております。
 なお、沖縄振興計画の根拠の一つに、県民の長年の労苦に報いるということが大変大きな影響を与えておりますが、その結果、現在に至り沖縄県になりましたが、本土復帰30年の節目のアンケート調査では、全市町村長が日本国家の国民であることに賛意を表しております。以上でございます。
 次に、台風災害特区の問題についてお答えいたします。
 台風災害特区につきましては、これは先ほど申し上げましたように、現在県として調査をいたしまして、よりベターな方法は何であるかという観点から今後進めていきたいというふうに考えております。
○総務部長(仲田輝享) 再質問にお答えをいたします。
 先ほども申し上げましたが、この外形標準課税は事業税の本来あるべき応益課税の考え方に即しまして、税負担の公平の見地からいわゆる行政サービスを受けるすべての法人に薄く広く、そして安定的に税を負担していただくという制度ということで、いわゆる赤字法人に対しても課税されるというものとなっております。
 これにつきましては、これまで長年にわたりまして旧自治省あたりで検討してきて、このたびの15年度の地方税法の一部改正で全国一律の税の制度としてモデル導入されたものであります。したがいまして、先生御指摘の赤字法人の緩和措置についてでございますが、これにつきましてはやはり県内には全体で1億円以上の法人は1293社あります。内訳としましては、県内の法人が221社、それから県外の法人が1072社であります。これらの法人につきましては、パンフレット等の送付を行いましてこの広報に努めて導入に向けて周知を図っているところでございます。
 それと、先ほどこれのいわゆる緩和措置でございますけれども、赤字法人に対する配慮といたしましては、先ほども申し上げましたが、赤字が3年以上続く法人で地域経済、それから雇用等に与える影響が大きいと認められる場合、それから創業5年以内の赤字企業などに対しては最長で6年間の税の徴収の猶予ができる制度ができておりますので、このあたりでこういった企業に対する配慮もしていきながら導入を図っていきたいというふうに考えているわけでございます。
 よろしくお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の代表質問は終わりました。
 本日の日程は、これで全部終了いたしました。
 次会は、明10月1日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時44分散会

 
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