平成15年(2003年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 10月 1日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた公安委員会委員長湖城英知君は、別用務のため本日、2日、3日及び6日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び6日の会議に公安委員会委員幸喜徳子君、2日及び3日の会議に同比嘉良雄君の出席を求めました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 吉田勝廣君。
   〔吉田勝廣君登壇〕
○吉田 勝廣 おはようございます。
 私は、県民の会を代表いたしまして代表質問をいたします。
 代表質問をする前に、今度の台風に見舞われました島民の皆さんにお見舞いを申し上げるとともに、知事を初め県首脳が現地を視察し、すぐに台風14号災害復旧支援対策本部を設置したことを高く評価するものであります。
 また、このようなときこそ県民のユイマール精神を発揮するときと考えております。
 質問いたします。
 財政問題について。
 三位一体改革についてであります。
 平成15年6月27日、閣議決定されました三位一体改革の骨子は、1、公共事業を含めた4兆円程度をめどに国庫補助負担金を廃止・縮減する、2、削減される国庫補助負担金のうち義務的経費は全額、その他は8割を目安に税源移譲をする、3、税源移譲は基幹税を基本に行う、4、地方財政計画の歳出を見直し、地方交付税の財源保障機能を縮小するとなっております。
 沖縄県の財源構造は、依存財源の比率が平成13年度74.7%で、全国平均の58%、九州平均の65.5%に比べて高く、この5年間で73から75%前後を推移しているのが現状であります。恒常的なものであります。自主財源もこの5年間23から25%を推移、そのうち県税に占める割合も決算額の13から15%であり、全国の25.2%、九州の18.6%に比べて低いのが現状であります。しかも経常収支率は91.4%であります。
 また、県民所得は全国47位で、全国平均の70%を推移しており、税源移譲と言っても税源がなければどうしようもないのが現状ではないでしょうか。
 北海道のニセコ町の逢坂町長は、試算した結果、財政は現在よりも厳しくなり、歓迎できないと明言をしております。その上、県内の市町村の財政状況も財政力指数0.279、公債比率15.2%、経常収支比率86.7%、公債費19.6%、財源依存率70から72%と高く、「三位一体の改革」は税収が少なく、財源を国に依存する県は今後市町村合併、県民所得などに大きな影響を受けるのは必至であります。
 そこで、以下質問いたします。
 小泉内閣の構造改革はますます加速すると思われるが、三位一体改革である補助金の削減、地方への税源移譲、地方交付税の再編成について、それぞれ各項目別に分析やシミュレーションを行っていると思うが、今後の財政にどのような影響を及ぼすのか、またどのように対処していくのか伺います。
 また、沖縄県の国税額は幾らか、他の都道府県と比べてどうか、伺います。
 (2)、財源の確保について。
 地位協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律第3条は、地方税法の規定にかかわらず土地、家屋、物件、所得及び事業税等について地方税を課してはならないとしているが、在日米軍の専用施設の75%を占める県としては、何らかの形で政府に非課税の補てんをさせるべきではないかと考えます。また、沖縄の貴重な環境を守り、県民を初め観光客等に環境に対する意識を高めるために環境税を課する方法も一案だと考えます。
 以下、質問いたします。
 ア、地位協定によって非課税(23項目)となっている税を政府に補てんさせることが必要だと判断します。伺います。
 イ、美ら島・美ら海を守り、地球温暖化対策のために環境税の導入は検討に値すると考えるが、伺います。
 ウ、非課税となっている基地内の固定資産税にかわる措置として基地交付金関係法が施行されているが、その根拠と金額を明らかにしていただきたい。
 エ、また、傾斜配分として基地所在市町村に地方交付税として交付しているが、その根拠を明らかにし、その金額を明示してください。
 オ、米軍車両が沖縄自動車道を使用しているが、その使用料は幾らか。その根拠も伺います。
 (3)、財政の健全化を含め各般で行政改革を進めているが、現在の進捗状況を示してください。また、今後の決意とどのように優先順位をつけて実施していくのか伺います。
 (4)、国の試算によると、深刻な交通渋滞による経済損失額は年間17280億円と言われている。県はこれに対処するため県の出先機関に権限を委譲して機能を強化し、各事務所で決定権が大幅に拡大できるよう推進すべきであると考えるが、伺います。
 2、基地問題について。
 日米地位協定について。
 ブッシュ米大統領が今月の17日来日予定、引き続いてラムズフェルド国防長官も24日に訪日し、沖縄の基地問題等も協議する見通しとマスコミは報道しております。私は、この際、沖縄の積年の思いを知事が直訴する機会を日米両政府が設けることを期待しつつ質問いたします。
 ア、知事を初め県議会を代表して議長も全国へ基地のある都道府県への要請を展開して地位協定の抜本的見直しの決議がなされるなど一定の成果を得ております。しかし、第2次小泉政権の外務大臣に留任した川口大臣は相変わらず運用の改善を主張しているが、今後の地位協定改正の抜本的な取り組みについて伺います。
 イ、県が提起している11項目のうち、4条、5条の2項、13条、25条の条文は、政府が実施すれば可能と考えるものであります。政府と個別的な調整をする考えはないか伺います。
 ウ、日米交渉の中で解決できる可能性のある条文としては、2条、3条、17条、18条等がありますが、これらの条文の改正には強力な対政府、対米交渉が求められております。
 そこで、知事は地位協定の改正等について米大統領を含め政府高官に直訴する考えはないか伺います。
 エ、政党では民主党の改正案骨子、自民党の中に「日米の真のパートナーシップを確立する会」の案等があり、また各党とも県の地位協定の見直し要請には賛同しております。それに国会における決議、県議会等における決議、労働団体等の決議があります。県は条文の改正等についてこれらの各団体と連携を深めながら進める必要があると考えますが、どうでしょうか伺います。
 (2)、普天間の代替施設の事業主体は国が当然担うべきだと判断をしますが、これまでの経緯と国が県に参画を求めている根拠は何か、伺います。また、仮に県が事業主体となった場合、どのような負担があるのか明らかにしてください。
 (3)、自衛隊員の自宅アパートや借家から対戦車ロケット弾やM16自動小銃、実弾等が見つかったことは、米軍の不発弾処理及び武器・弾薬等の管理体制のずさんさを露呈をしました。これまでの事件経過と米軍の不発弾処理及び武器・弾薬等の管理について、詳細に明らかに早急に事実を解明し、県民の前に明らかにしてください。
 (4)、カート・キャンベル元国防副次官補らは、論文で在沖海兵隊について、一部を島外か島の北部に移転することを検討していると発表していたが、この件について県はどのように調査・分析しているか伺います。
 3、教育行政について。
 子供たちを自然の中ではぐくむことの重要性が指摘されてから久しいが、残念なことに青少年の凶悪な事件が続いております。
 県警の調査によると、14歳以下の触法少年の総数は204人で、前年度の191人に比べて13人、6.8%増加しているとのことであります。私たちはもう一度子供たちを自然の中に帰して自然の厳しさ、優しさ、そして物をつくる喜び、共同生活の楽しさ、苦しさ等を体験させるべく努力をする必要があると考えます。また、幼稚園と保育所の一元化に向けての方向性を示すことも重要であると考えております。
 以下、質問いたします。
 (1)、失業や離婚等に伴う家庭崩壊が起こり、子供たちの生活環境は悪化している。そこで、要保護、準要保護児童生徒の数と生活実態について明らかにしてください。
 (2)、学校に配置されているスクールカウンセリングの役割とその数、その機能が十分発揮されているか伺います。
 また、児童相談所の相談件数及びカウンセリングの件数について明らかにしてください。
 (3)、両親の失業及び母子・父子家庭等の失業が子供たちの成長に大きな影響を及ぼすと考えております。そこで、母子・父子家庭の状況と生活実態を明らかにしてください。
 また、こうした家庭の支援は非常に重要と考えております。これまでどのような対策をとってきたのか、今後どのような対策があるのか伺います。また、諸制度を活用して優先的雇用ができないのか伺います。
 (4)、保育行政と教育行政が交錯をし、それぞれ課題が存在し幼児教育を二分をしております。今後、県はどのように対処していこうとしているのか、その方向性を伺います。
 (5)、沖縄県は自然の宝庫であり、ヤマ学校には最適であると考えます。自然と共生する、植物を栽培する、動物を飼育する、自然科学を勉強する、こうした一貫した体験学習の場がありません。今後、「自然科学公園(仮称)」など自然豊かな地に建設したらどうでしょうか、伺います。
 4、雇用創出について。
 小泉総理は所信表明で530万人の雇用創出について、今後2年間で300万人の雇用創出を目指すとしております。そこで、小泉内閣のブレーンであり島田懇談会の座長でもある島田晴雄教授が、530万人の雇用計画をその著書で発表しておりますが、その中心には子育て、介護、医療、環境サービス、住宅の資産化であります。今後の沖縄のグランドデザイン、雇用創出に大きな示唆を与えると思うが、知事の所見を伺います。
 5、乳がん検診について。
 県のSARS対策は内外から高く評価されておりますが、今後は冬を迎えて万全な対策をお願いをしておきます。
 そこで、乳がん検診で乳房エックス線撮影と視・触診の併用検査を実施している市町村の数及び乳がん患者の数、及び今後の対策について伺います。
 答弁によって再質問をいたします。
 以上であります。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 吉田議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、日米地位協定改正に係る今後の取り組み及び日米両政府との調整等についての御質問に対して一括してお答えを申し上げます。
 政府は、日米地位協定の見直しについて、運用の改善により機敏に対応していくとの方針を示しておりますが、県としては、運用改善では限界があることは明らかであり、同協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。
 日米地位協定の見直しは、人権や環境問題など多岐にわたり国内の法制度とも深くかかわることから、より広範かつ多面的な議論が必要であり、政府全体の問題として内閣のリーダーシップのもとに真剣に取り組んでいただきたいと考えております。
 また、地位協定の問題は日本政府が改正の方針を明確に打ち出すことが必要であると考えております。
 続きまして、地位協定改正に向けた各種団体との連携についての御質問にお答えをいたします。
 日米地位協定の問題を国民一人一人がみずからの問題としてとらえてもらい、国民世論を盛り上げるため県は「日米地位協定の抜本的見直しに関する全国行動プラン」を策定し、6月から他県の協力・支援を得るため渉外知事会加盟の都道県への要請行動を展開しているところであります。
 また、自民党有志で構成する「日米の真のパートナーシップを確立する会」や連合等の各分野の関係諸団体等とは勉強会や情報交換等を行っており、その他の団体についても、同行動プランに基づき県の求める日米地位協定の見直しや基地問題の解決に向けて、県と連携して取り組んでいただくよう理解を求め協力を要請したところであります。県は、見直しを求める国民全体の盛り上がりが地位協定見直しの実現につながっていくものと考えており、今後ともあらゆる機会を通じて日米両政府に対し日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
 次に、代替施設の事業主体についての御質問にお答えいたします。
県は、普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件の一つとして、「代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港」とすることを提示しており、平成11年12月に閣議決定された政府方針では、「普天間飛行場代替施設については、軍民共用空港を念頭に整備を図る」と明記されております。米軍提供施設である代替施設については防衛施設庁が事業主体になりますが、民間専用地区について防衛施設庁が事業主体になるのは難しいため、県が事業主体になってもらいたいとの意向であります。
 代替施設は、軍民共用飛行場として一体的に整備されるものと考えており、県としては代替施設の埋立事業等民間専用地区の整備については、これまでの経緯等からも国が事業主体になるものと考えておりますが、現在国と調整を行っているところであります。
 続きまして、島田教授の530万人雇用創出プログラムについての御質問にお答えします。
 国は、構造改革を円滑に推進しつつ我が国の経済活性化を実現するため、島田晴雄内閣府特命顧問を座長とする雇用創出促進チームにおいて「530万人雇用創出プログラム」をことし6月に取りまとめております。
 本プログラムに示されている新規分野を含む子育て関連、高齢者関連、環境関連等のサービス分野における新たな展開は、本県の雇用の拡大を図る上で重要な分野と考えております。県としましては、本プログラムを踏まえた国の施策に積極的に対応するとともに、その分野を担う人材の育成等に努めてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(仲田輝享) 「三位一体の改革」が本県に及ぼす影響及びその対処についてお答えいたします。
 現在、国においては地方の自主的な財政運営の確立等を目的として、地方税財政の「三位一体の改革」方針が閣議決定されております。その内容は、国庫補助金については今後3年間でおおむね4兆円程度を廃止・縮減し、廃止する国庫補助負担金のうち引き続き地方が主体となって実施する必要のある事業で、義務的な事業については効率化した上で全額を、それ以外の事業については8割程度を目安として地方へ税源移譲することとしております。その場合の税源移譲は基幹税目を基本とすることとしております。
 しかしながら、おおむね4兆円程度とされる国庫補助負担金のうち廃止・縮減の具体的対象事業の絞り込みや税源移譲の対象税目など見直しの具体的内容については、今後、国において検討がなされる予定であり、本県及び県内市町村への具体的影響は現在のところ明らかでないためシミュレーションを行うことは困難であります。
 県としては、「三位一体の改革」については地方分権を進める観点から基本的に望ましいことと考えておりますが、改革によって本県のような財政力の脆弱な地方公共団体の財政運営に支障が生じることのないよう地方交付税制度の財源保障機能及び財源調整機能はぜひとも堅持すべきと考えており、九州地方知事会及び全国知事会と一体となって国へ要望しているところであります。
 沖縄県の国税額及び他県との比較についてお答えします。
 平成13年度において沖縄県内で徴収された税関分を除く所得税等の国税額は約2748億円で、全国の国税総額は約50兆9662億円となっております。人口1人当たりの国税総額は、沖縄県は20万4627円に対し、全国平均は40万2964円となっております。本県の県民1人当たりの負担額は、全国平均比50.8%となっております。
 地位協定によって非課税となっている税を補てんさせる必要についてお答えいたします。
 日米地位協定第13条第1項の規定により、合衆国軍隊については租税を課されないこととなっております。国税については所得税、法人税及び消費税などであります。また、地方税については住民税、法人事業税、自動車税及び固定資産税などが対象となっております。
 なお、米軍に使用させている国有施設については、いわゆる基地交付金が、それから米軍みずからの資金で建設した施設については、調整交付金が非課税措置等による税制上の影響を考慮して基地所在市町村に対して交付されております。
 また、基地が所在することによる渉外関係事務や清掃関係事務等に係る行政経費に対し、合衆国軍隊の構成員・軍属及び家族の数、合衆国軍隊の用に供する土地の面積を算定基礎として普通交付税での措置が講じられております。
 普通交付税は、地域の行政需要を客観的に把握し合理的基準に基づき算定されるものであるため、どのような行政需要があるか、また客観的に捕捉できるものであるかどうか、さらには現行の他の制度とのかかわりなどを含め、今後とも調査・研究をしていきたいと考えております。
 行政改革の進捗状況と今後の決意についてお答えいたします。
 「新沖縄県行政システム改革大綱」においては、県民にわかりやすい具体的な数値目標等を掲げた実施計画を定め、142項目の改革に取り組んでいるところであります。
 主な推進項目の進捗状況について申し上げます。1つ、行政評価システムについては、事務・事業の自己評価を試行的に実施しております。2つ目は、財政の健全化の取り組みについては、事務・事業の見直しや県単補助金の整理合理化、県税収入の確保に向けた取り組みを進めております。3つ目は、公社等外郭団体の見直しについては、肉用牛生産供給公社が年度内の解散に向けて課題の整理を行っております。また、住宅供給公社は分譲から撤退をし、借入金の償還のための資産処分計画の策定等が進められております。
 その他全体の進捗状況につきましては、11月中には上半期の取り組み内容を取りまとめまして中間報告という形で行う予定であります。県としては、新大綱で定めた年度ごとの計画を可能な限り前倒しに努めながら着実に実施するとともに、その結果を県民に公表するなど行政改革の実効性を高めていく考えであります。
 それから、出先機関への権限委譲についてお答えいたします。
県においては、住民サービスの向上を図る観点から、本庁から出先機関への権限の委譲を推進しております。その実績として、平成12年度から現在までに建築基準法に基づく建築物の仮使用承認等22件を委譲したところであります。平成15年度も引き続き調査を行い、出先機関への権限委譲を図っていきたいと考えております。今後とも「新沖縄県行政システム改革大綱」に基づき、本庁から出先機関への権限の委譲を促進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 環境税の導入の検討についてお答えをいたします。
 温暖化の対策のための税、いわゆる環境税につきましては、これまで中央環境審議会において平成13年10月に地球温暖化対策税制専門委員会を設置し、温暖化対策税制の制度面を対象とした検討を行っております。本年8月には国民による検討・議論のための提案として温暖化対策税制の具体的な制度の案が公表されたところであり、今後は温暖化対策の新たな仕組みの一つとして環境税についての議論が高まるものと考えております。
 また、地方分権一括法が平成12年4月に施行され、法定外目的税の創設など地方自治体の課税自主権が強化されたことに伴い、多くの地方自治体で拡大された課税自主権の活用についてさまざまな試みや検討が行われてきております。御提言の環境税の導入の可能性について、各県の取り組み状況について情報を収集してまいりたいと考えております。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 基地交付金の根拠とその金額についてお答えいたします。
 基地交付金関係法等には、米軍に使用させている国有施設及び自衛隊が使用している国有施設を交付金の対象資産とする「国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律」及び同法施行令と、米軍みずからの資金で建設した施設を交付金の対象とする「施設等所在市町村調整交付金交付要綱」があります。「国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律」に基づく交付金、いわゆる基地交付金の配分は毎年度予算総額の10分の7に相当する額を対象資産の価格で案分し、10分の3に相当する額を対象資産の種類、用途、市町村の財政状況等を考慮して総務大臣が配分しており、平成14年度は24億5000万円が本県に交付されております。
 「施設等所在市町村調整交付金交付要綱」に基づく交付金、いわゆる調整交付金は予算総額の3分の2に相当する額を米軍資産の価格を基礎とし、3分の1に相当する額を市町村民税の非課税措置等により市町村が受ける税財政上の影響を考慮して総務大臣が配分しており、平成14年度は本県に対し40億200万円が交付されております。
 次に、基地補正の根拠とその額についてお答えします。
 普通交付税を算定する際、各地方公共団体の基準財政需要額を割り増し・割り落としする手法として補正係数が用いられます。基地所在市町村に係る基地関係経費については、平成9年度から、米軍人口に係る財政需要及び基地が所在することによる財政需要として、普通交付税に関する省令第9条に基づき密度補正により割り増しされております。これは、米軍人口が国勢調査の対象外であることや渉外事務、防音施設の維持管理等基地が所在することによる財政需要を反映したものとされております。
 また、平成15年度基準財政需要額に算入された基地関係経費は全国措置額としては例年並みの150億円と聞いており、本県では市町村分は約53億円、県分は約24億円の計77億円程度となっております。
 以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 米軍車両の沖縄自動車道使用料についてお答えいたします。
 合衆国の軍用車両による有料道路の使用については、日米地位協定第5条に基づき提供施設間の移動に伴う場合には料金が課されないこととなっており、これを受けて制定された有料道路損失補償要綱により日本政府が負担していると聞いております。同料金の損失補償額については、那覇防衛施設局によると平成14年度は約2億4400万円となっております。
 自衛官爆死事件の経過及び米軍の武器・弾薬等の管理についてお答えいたします。
 県は、去る9月12日に米軍に対し、同事件に関し県警や自衛隊とも連携し、流出経路を徹底的に調査し隊員の綱紀粛正の徹底を図るとともに、廃弾の適正処理を含め武器・弾薬等の管理体制に万全を期すよう強く要請しております。その際に、在沖米軍基地の武器・弾薬の保管状況等について質問したところ、現在、県警の捜査に協力しているところであることや、運用上の理由により明らかにすることは困難であるという趣旨の回答がありました。県としては、今回の事件について県警の捜査の状況を見ながら適切に対応していきたいと考えております。
 キャンベル元国防総省次官補代理の論文についてにお答えいたします。
 キャンベル元国防総省次官補代理の、海兵隊の一部については沖縄から撤収させるか、人口の少ない沖縄北部へと移動させることが検討されているとの論文については承知しております。基地問題については、これまでいろいろな方がそれぞれの立場で意見を述べたり提案をされたりしておりますが、いずれにしても県としては、県民の過重な基地負担を軽減するため、今後ともSACOの合意内容の着実な実施に向け積極的に取り組むとともに、海兵隊の演習、訓練の移転及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減を強く求めていきたいと考えております。
○教育長(山内 彰) 要保護、準要保護児童生徒の数と生活実態についてお答えいたします。
 平成14年度における小中学校児童生徒数15万6447人に対し、要保護児童生徒数は2147人、準要保護児童生徒数は1万6645人となっており、その比率は全体で12.01%であります。
 なお、生活実態については、市町村が要保護及び準要保護児童生徒の認定を行っており、県ではその把握は困難でありますが、市町村は、保護者が生活保護法第6条第2項に規定する要保護者及びこれに準ずる程度に困窮している場合に認定することとなっております。
 次に、スクールカウンセラーの役割と人数、その機能についてお答えいたします。
 スクールカウンセラーは、児童生徒の臨床心理に関して高度な専門的知識や経験を生かし、不登校及びいじめ、その他問題行動の未然防止、早期発見及び早期解決のために相談を実施することを役割としております。
 平成15年度のスクールカウンセラーの人数は65人で、公立の64の中学校と8つの高等学校の合計72校でその役割を果たしております。平成14年度の相談延べ回数は1万214回で、1人当たり157件の相談を行っていることになります。
 相談で最も多い内容は不登校に関することで、延べ4360回で総数の43%に相当します。
 また、その成果としましては、平成13年度、14年度連続配置校における不登校が50人減少するなどその働きは大きなものがあると考えております。
 次に、幼稚園教育の現状、課題、方向性についてお答えいたします。
 幼稚園と保育所は、これまでそれぞれの機能・役割を果たしながら幼児教育と保育行政との連携に努めてまいりました。しかし、制度的な問題や設置者等とのかかわりにおいて連携を図るには対応すべき課題が多くあります。
 県教育委員会は、本県幼児教育に関する施策を推進するため「沖縄県幼児教育振興プログラム」を策定し、3歳児からの就園の促進や預かり保育等の子育て支援、幼稚園と保育所との連携等に取り組んできたところであります。特に、幼稚園と保育所における幼稚園教諭と保育士の合同研修や、福祉保健部等との幼児教育振興プログラム検討会、さらに県教育委員会と市町村教育委員会との振興計画の作成等についての研修会などを通して幼児教育の方向性について考えてまいりました。今後の方向性についても、関係機関等とより一層の連携を図り取り組みをしていきたいと考えております。
 次に、「自然科学公園(仮称)」等の建設についてでございますけれども、豊かな自然の中で行う体験活動は、心豊かな青少年の育成に大きく寄与するものと考えております。
 本県には、現在、県民の森や県立青少年教育施設、市町村営の公園等があり、そこを活用して青少年の自然体験活動等が推進されております。今後とも既存施設の利活用を一層推進することにより、心豊かな青少年の育成に努めていきたいと思っております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 教育行政についての中の、児童相談所の相談件数及びカウンセリング件数についてお答えいたします。
 平成14年度の児童相談所における相談実件数は5060件となっており、前年度に比べ43件、0.9%の増となっております。
 その内訳は、障害相談が2069件、養護相談が1428件、性格行動や不登校、しつけなどについての健全育成相談が532件、非行相談が415件等となっております。
 また、心理療法・カウンセリング等の件数は延べ1万3453件で、そのうち児童福祉司等によるものが1万1970件、心理判定員等によるものが859件、医師によるものが148件などとなっております。これをカウンセリング等の対象で見ますと、保護者に対するものが全体の約6割、児童に対するものが4割となっており、保護者に対するカウンセリングの割合が高くなっております。
 続きまして、同じく母子家庭等の支援策についてお答えいたします。
平成10年度に実施した「沖縄県ひとり親世帯等実態調査」によりますと、母子世帯の月収は15万円未満の世帯が約7割、父子世帯では約4割となっております。
 就労の状況につきましては、母子世帯の有職者は86%で、うちパート・臨時雇用者が37%、常用雇用者は31%となっております。父子家庭では有職者が82%で、うち常用雇用者は44%で最も多く、次いで自営業が11%、臨時雇用は7%と低くなっております。
 なお、母子世帯等の約8割が家計を困窮状態と感じているとの結果が出ております。
 母子家庭等への支援策としましては、これまで就業支援、生活支援及び経済支援のための各種事業を実施してまいりましたが、今年度は1級ホームヘルパーの養成や自立支援教育訓練給付金事業等を新たに実施しております。また、労働部門の施策としては、母子家庭の母等に対し就職の支援策の一つとして公共職業訓練施設の受講生に対して訓練手当を支給しているほか、ハローワークに寡婦等職業相談員を配置し就労支援を行っております。
 なお、市町村においては、母子生活支援センターにおいて母子家庭の母の優先雇用の事例があり、今後とも諸制度や施策を活用して雇用の促進を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして、同じく教育行政の保育所の現状と課題、一元化に向けての対応策についてお答えいたします。
 平成15年4月1日現在、県内の認可保育所数は公立151カ所、私立175カ所、合わせて326カ所で2万6456人の児童が入所しております。また、545カ所の認可外保育施設があり、多くの待機児童が利用している実態があります。
 県では、待機児童解消のため、当面の目標として平成18年度までに認可保育所50カ所の創設を目標に取り組んでおります。保育所と幼稚園の一元化の流れは、幼児の健やかな育成を図るという大きな目的から考えますと自然なものと受けとめております。
 なお、厚生労働省においては、「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設」について、「利用者や地域のニーズを考え、保育所と幼稚園の供用施設や、構造改革特区における合同保育の実施状況も評価しながら検討すること」としております。県としましても、国の動向を見据えながら保育所と幼稚園の一元化について県教育委員会と協議会等の場を設け、一元化のあり方について検討していきたいと考えております。
 続きまして、乳がん検診について、併用検査の実施市町村数、乳がん患者数及び今後の対策についてお答えいたします。
 近年、全国的に乳がんの罹患率は増加傾向にあります。本県では、がん登録事業によれば平成10年度の新規乳がん登録数は135人になっております。また、県内の老人保健事業による平成13年度乳がん検診では、受診者4万1545人のうち、がんであった者は47人となっております。
 なお、県内の老人保健事業では平成15年度から乳房エックス線撮影が導入され、16市町村が視診・触診との併用による乳がん検診を実施しております。乳がん検診の精度の向上を図るために、乳房エックス線撮影を取り入れた乳がん検診を実施するよう今後とも市町村を指導してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○吉田 勝廣 再質問いたします。
 まず、知事に、直訴、どうなんでしょうかということで、ちょうどブッシュ大統領も国防長官も来るわけですから、これはどうしますかということで、これは恐らく答弁漏れだと思いますけれども、よろしくお願いします。
 それから、総務部長の答弁なんですが、三位一体についての考え方がどうも遅過ぎるんじゃないかなと、その対策が。私も調査をしましたが、税源移譲の関係については沖縄の県税ですね、それから沖縄の国税、これは若干違うと思いますけれども、これでやったとしても、例えば沖縄の県税が約900億円として、国税が2648億円ですね。それから依存財源、国庫支出金、地方交付税、これで約580億円あるわけですよ。したがって、これらの差は1442億円。つまり、税源移譲、しようがないんじゃないかと、税収が少ないわけだから。しかも、地方交付税の中では基準財政需要額が、これはいわゆる地方交付税の財政保障機能が弱まりますよということを言っているわけですから、それを、例えば何%かということでやはりシミュレーションすべきだと私はそう思っていますよ、予算委員会でもそういう話をしましたので。この辺はやはり現実対応という形でどうするかは基本的に僕はやるべきじゃないかなと。
 また、塩川さんは3割を削減すると、全体で。そういう話もしているわけですから、ここのところをきちっとしておかないと、これからの合併問題だとか、それから沖縄の沖振計におけるこれからの10年間の施策について大きな影響があると思うんですよ。そこをぜひきちっとやっていただきたいなと私は思います。再度質問いたします。
 それから、財政の確保について私はこういう質問をしました。いわゆる地位協定によって非課税がありますよと。その非課税項目について沖縄県として、要するに基地の75%が沖縄に存在するわけだから、それによってこうむるわけですよね、税収がないわけだから。それをどういうふうにして政府に補てんさせるかということを考えなければ──これは恐らく全国的に了解するだろうと。だからこそ昭和32年にいわゆる国有提供施設とかの法律ができて、これを固定資産税にかわるものとして補てんしようじゃないかということで法律が制定されたわけです。
 それから、平成9年にさっきの傾斜配分、交付税に算入させようとできて、現在77億と言っていましたから。これを調べましたら、例えば地方交付税として1人当たり沖縄県がどれくらい政府から交付税が交付されているかというと、沖縄県は1人当たり――これは僕の試算ですが――17万6000円、市町村が10万8000円、合計28万4000円、1人当たり交付税を交付されているわけです。沖縄県に駐留する米軍が約5万人いるわけですね。掛けたら142億円あるわけです。したがって、私たちは、アメリカさんは事件・事故も起こす、それから道路もいろいろ使う。いわゆるそういうことですから、この辺はやはり地方交付税の算定の中でどうするかということを議論をしていくべきじゃないかと。
 またもう一つは、これは国税なんですが、いわゆる揮発油税、それから地方道路税、これは道路特定財源として還付されます。これが実に349億円あるわけです。こうした国税をどうして非課税にして、それを僕は補てんすべきじゃないか。だからこれこそ今後財源の不足に対してどうするかというときには、こういう新たな財源の確保に向けて努力すべきじゃないかと私は思いますが、その辺いかがでしょうか。
 それから、地位協定の問題についてですが、地位協定は大きく分けて僕は約7項目に分類することができるんじゃないかと。ちょっと時間がありませんからはしょります。基地の管理権に関する問題、環境に関する問題、演習、訓練等に関する問題、租税に関する問題、民事賠償請求に関する問題、刑事手続に関する問題、合同会議、その他の問題。大体これに大きく分けられると思います。だから、そういう項目に分けて地位協定の改定部分をどうするかということを、今後、各政党あるいは各団体、先ほど知事がおっしゃったような団体と協議をして、どういう形で条文を新たな改定をするかということを密接に連携をしてやるべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうかと。
 それから、これまで運用改善で改正されたものが4条関係、これは北谷町とか金武町の基地対策とか、恩納村のPCB問題、これは国がやるということで国が今やっているわけですね。
 それから5条の2項問題、これは例の武装した兵隊が行軍をしてそれが中止になった。
 それから10条関係で言いますと、米軍車両にナンバープレート、これができるようになったと。
 それから3条関係で言いますと、基地内の立入調査が緩和されたりしたと。
 それから事件・事故の通報関係も、これは自治体なんですが、その自治体には司令官が速やかに通報するという形も改善されているわけですから、この辺はきちっとした形でぜひやっていただきたいなと私は思います。
 それから、教育委員会にお願いいたします。私は、今、子供たちがどういう状況の中にあるのかと。いわゆる子供たちがすさんでいるわけですね。それは僕も県民の森へ行ったり自然の家へ行ったりやりますよ。しかし、対外的に宿泊をして自然を学ばす、そういうものがないんですよ。それは早急につくるべきじゃないかなと思います。
 後でまた答弁によって再質問いたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時52分休憩
   午前10時55分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 吉田議員の再質問にお答えいたします。
 大統領に対して直訴のお話がございましたけれども、私は、外交・防衛問題というのは、これは国と国との問題で、国レベルの問題で、まずは日本政府を動かすことに全力を注ぎたいと思っております。
 しかし、従来、私は常にその立場に立ちながらも、アメリカ側に対してはあらゆる機会をとらえてこの基地問題、特に最近では地位協定の問題について述べておりまして、先般、例えばクリントンが沖縄に来られたときも基地問題全般について強く状況を訴えましたし、訪米の際もパウエル国務長官、アーミテージ副長官、あるいはウルフォウィッツ国防副長官を初めとする多くの方にそれを訴えてまいりました。
 先般、ブッシュが東京に来られたときも、私も本当に時間が少なかったので1分程度しかお話できなかったので、次に訪日の際はぜひ沖縄に来て、沖縄の基地を見てほしいということを強く要望いたしましたし、ブッシュに対してこのように話をしましたということを同行しておりましたパウエル長官、あるいはライス補佐官にもお話をしております。そういう意味では、今後ともありとあらゆる機会をとらえて沖縄の基地問題を訴えていきたいと考えております。
○総務部長(仲田輝享) 再質問の税源移譲への対応についての御質問でございますけれども、税源移譲につきましては、今後、いわゆる12月の16年度予算の編成、国の編成があるわけですけれども、この12月の予算編成の中である程度のものは示されてくるんじゃないかということがあります。
 と申し上げますのは、いわゆる概算要求が幾らになるのか、あるいはまた国庫補助金の廃止につきましては、この概算要求の額が幾らになるのか、あるいは具体的な国庫補助金のメリットはどれなのか、それから金額は幾らになるのか、それぞれそういった具体的なものが今のところは全然見えておりませんので、シミュレーションをすることは困難であるというふうに先ほど申し上げたわけであります。
 それと、税源移譲の交付税の関係につきましても、いわゆる交付税全体の総額をどうするかという問題、それから算定の方法の見直しの問題、それから事業費の補正の見直しの問題、段階補正の見直しの問題等々まだ具体的には示されておりませんので、これらのものが今議論されているところでございますので、そういった動向を注視しながら対応していきたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、やはり税源の偏在ということがありますので、指数ですけれども、例えば東京都が170の場合に沖縄県は57くらいという指数が出ておりますので、そういった偏在がありますから、やはりこの税源の移譲が行われても地方公共団体間の財政力の格差は依然として残るわけでありますから、本県としましてはやはり地方交付税制度の財源保障機能、それと財源調整機能はぜひとも堅持すべきと考えておりまして、全国知事会と一体となって国へ要望しているというところでございます。
 それから、非課税関係の件についてどのように補てんをさせるかということでございますが、先ほども答弁申し上げましたけれども、この非課税措置による税制上の影響に対して考慮をして基地所在の市町村に対して基地交付金、それから調整交付金が交付されているということでございます。
 それと、交付税につきましては、14年度の場合は普通交付税の基地関係経費ということで県分が23億円、それから市町村分で52億円、合計で75億円になっております。この算定の考え方は、合衆国軍隊の構成員、それから軍属・家族の数、それから合衆国軍隊の用に供する土地の面積、それから自衛隊の用に供する土地の面積等を基礎として普通交付税が措置されているということでございます。
 交付税は、このように客観的に捕捉できるものがあれば制度として改善の要請ができますので、今後ともこの客観的に捕捉できるものがあるのかどうかは研究をしていきたいというふうに考えております。
○知事公室長(新垣良光) 地位協定の改定の件で、項目ごとに分けて再要求するよう検討したらどうかという再質問にお答えいたします。
 平成12年8月に日米両政府に対し県が要請した11項目の日米地位協定の見直しの内容については、県議会や市町村の意見も聴取しながら十分に検討を重ねた上で具体的項目を取りまとめたものでありますので、御理解をいただきたいと思います。
 県の取り組みに賛同し、地位協定の見直しや基地問題の解決に向けて取り組みをしていただくよう関係団体に対しても呼びかけをしておりますので、今後とも連携をして対応していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時4分休憩
   午前11時4分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 山内 彰君登壇〕
○教育長(山内 彰) 先ほども御答弁しましたように、やはり子供たちの自然体験・社会体験という体験活動は今非常に求められていることでございますので、その実行する場があるということは望ましいことでございます。
 ただ現状といたしましては、既存の施設等においてかなりのプログラムを立てて具体化を図ることがまず先じゃないかなということで、例えば名護青年の家においては「ナゴランを育てよう」、「子ども科学教室」とか、そのようなたぐいで各施設において「親子いきいき体験」、糸満青年の家、このような形で展開をさせているわけでございまして、御提言の「自然科学公園(仮称)」の建設については、公園そのものの建設についてはまた関係部局等との調整もする必要があるかなと思っておりますので、検討させてください。
 以上でございます。
○吉田 勝廣 総務部長、私はやはり、12月に予算編成の中で予測しますよね、そういうことがどういう形で組み込まれるかということは。それを先取りしてどうなのかということを聞いているわけですよ。それが1点ですね。
 それから2点目は、要するに沖縄県はないわけだから、財源がないわけだから、その財源をどう確保するかというのがまた例のいわゆる非課税の23項目の中で取るべきところは取るべきじゃないのかなと。要するに経過があるわけです、全部。基地交付金にしろ、それから傾斜配分にしろ全部経過があるわけです。なぜそれができたかという歴史があるわけだから、そこのところをきちっとやれば、恐らくそのことは政府も国も理解するんじゃないかなと思いますから、そこを僕はぜひ御研究なさっていただきたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時6分休憩
   午前11時6分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 大城一馬君。
   〔大城一馬君登壇〕
○大城 一馬 おはようございます。
 社大・結連合を代表いたしまして質問をさせてもらいます。
 まず知事の政治姿勢でございます。
 (1)、小泉内閣は、日米地位協定見直しや15年使用期限問題など基地問題への対応は、対米追従、弱腰外交と多くの県民から批判されましたが、第2次小泉内閣に対する期待を知事は持っているのでしょうか。また、小泉首相に対する沖縄問題解決策を具体的にどのような形で求めていくのですか。
 (2)、自民党の派閥の幹部やメディア、評論家などは、第2次小泉内閣をカタログ内閣、選挙目当て内閣、足踏み内閣、芸能プロダクション内閣などと形容しています。また、自民党大物議員が毒まんじゅう内閣とも言っているようでございますけれども、ちなみに私はワイドショー型内閣ではないかなというふうに思っています。知事が形容するとすればどのような内閣と思いますか。どうか気楽な気持ちで、答弁があれば幸いに思います。
 次に、普天間基地問題についてでございます。
 知事公約の15年使用期限問題については、米国の拒否でたなざらし状態になっており、日本政府や稲嶺知事からもしかるべき発言が出ていません。15年使用期限問題はどのように進展しているのでしょうか。
 民間空港部分の事業主体について国と県の調整が難航していますが、山中防衛施設庁長官は、施設庁が民間部分の事業主体となり得るのは法的に及ばないと発言しています。県の立場を明確に示していただきたいと思います。
 事業主体問題は国と県が進めている移設作業にどのような影響を及ぼすことになるのでしょうか、具体的な問題点を示してください。
 移設問題は、15年使用期限や事業主体問題をあいまいにして作業が進められ、建設ありきの計画が露呈いたしました。知事公約の責任が問われています。所見を伺います。
 那覇防衛施設局のボーリング調査について県農水部は、漁場内の岩礁破砕等の許可について日米の安全保障上の公益性を考慮して取り扱うものとして知事の許可は必要ないと施設局に回答しています。専門家から県漁業調整規則の目的に沿わない他事考慮であり、明らかに不適切と指摘されています。この件に対する知事の認識を問います。
 辺野古海域は、県の指定する自然環境の厳正を図る区域と評価され、同地区ではジュゴンなど自然保護を守る県の立場としてボーリング調査を中止すべきではないですか、県の対応を伺います。
 稲嶺知事は、普天間飛行場の辺野古への移設表明以来、今日まで知事の公式日程として移設先の視察を行ってきましたか。
 宜野湾市の伊波市長は、去る4月の市長選挙で市民に公約した普天間基地5年以内返還を具現化すべく基地対策協議会を設置し、そして去る9月10日基地被害調査の実施や訪米行動などが盛り込まれた「普天間基地返還アクションプログラム」の答申が出されました。知事は市民の意を尊重し、普天間基地5年以内返還を目指して市長と共同歩調をともにすべきと考えますが、知事の決意を伺いたいと思います。
 日米地位協定でございます。
 地位協定の刑事裁判手続に関する日米交渉が妥結に至りませんでしたが、日米双方の主張のどこが問題か説明を求めます。
 さきの交渉では米兵被疑者の処遇改善のみが協議されていますが、県が出した11項目の見直し論議がなされておりません。日米両政府の見直しへの壁が厚いと思いますが、今後、両政府に知事はどのような手法で訴えていくのですか。
 沖縄の声を結集する日米地位協定見直しを求める県民大会開催について、知事及び知事を支える周辺の熱意がトーンダウンしている感を否めません。開催に向け改めて知事の決意を示していただきたいと思います。
 基地騒音被害についてでございます。
 県が去る8月18日に発表した2002年度基地周辺騒音調査結果は対前年度比で大幅増となっていますが、実情について説明を求めます。
 2003年度現時点での傾向はどうなっているのでしょうか。
 基地騒音が激化している要因は何と分析するのですか。
 基地周辺の住宅防音工事や騒音対策などの達成率について説明を求めます。
 1996年に日米で合意した騒音防止協定の実効性は形骸化しています。政府に強く対応を求めるべきと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。
 嘉手納基地への航空医療搬送中隊の新設についてでございます。
 医療搬送中隊の移駐は海軍病院の機能強化につながり、KC135空中給油機の利用で爆音被害や航空機事故の増加で新たな基地被害が生じます。県民が求めている基地の整理縮小にも逆行するものと思います。知事は強く反対を求めるべきですが、決意を伺います。
 沖縄市長が移設予定地住民に説明もなく市長の独断で嘉手納基地の海軍駐機場の受け入れを表明いたしましたが、住民に対する説明責任を無視した行政手法と批判が出ています。知事はこのような手法をどうとらえますか。
 市側は航空騒音や洗浄水の飛散のおそれがないと判断していますが、しかるべき調査はなされているのですか。
 海上自衛隊ヘリ、ミサイル試射についてでございます。
 久米島町の鳥島射爆撃場では、米海兵隊が1995年から96年にかけて1520発の劣化ウラン弾を使用し、いまだその大半が回収されず、今度はミサイル試射問題であります。周辺海域や島民に与える影響が懸念されますが、所感を伺います。また、海域周辺は好漁場で漁業関係者からも反対や不安の声が挙がっています。漁業への影響について農水部長の見解を伺います。
 自衛隊が初めて県内の米軍専用射爆撃場でのミサイル実射訓練となり、日米軍事訓練の共同化で基地機能強化が危惧されております。県は反対表明をすべきと思いますが、所感を伺います。
 劣化ウラン弾の早期回収と久米島町民の健康診断を行うことを政府に強く求めるべきですが、知事の所見を伺います。
 航空自衛官爆死事故及び弾薬所持問題についてでございます。
 同事故の概要の説明を求めます。
 ロケット弾やカービン銃など武器・弾薬などの入手経路についての調査状況はどうなっていますか。
 防衛庁による全自衛隊員の不発弾・武器の保持などの調査はどうなっているのですか。
 米軍からの爆発物の流出が引き起こした事故であり、県は米軍などに徹底した武器・弾薬等の管理体制を強く求めて再発防止の具体的な対策を講じさせるべきと思いますが、県の対応について伺いたいと思います。
 台風14号被害対策についてでございます。
 去る台風14号は宮古全域に大打撃を与えました。宮古島の早期復旧と住民の日常生活を取り戻すには国、県の早急な支援策が求められています。
 質問します。
 最新の被害状況を示してください。また、推測される被害状況はどうでしょうか。
 教育関係の施設機材や農業生活者支援など緊急的施策についての対応も求めます。
 現制度で救済・支援策が該当しない部分についての手だてはどう措置するのですか。
 災害復旧、支援策の法制度の拡大、改善など中長期的対策について伺います。
 さとうきびなど農林関連の共済制度への加入状況と加入指導についてどうなっているか説明を求めます。また、共済掛金の補助等についても手当てすべきと思いますが、どうでしょうか。
 台風通過後も児童生徒は心の不安を訴えているようですが、実情とケアなど対応策はどうなっていますか。
 次に、市町村合併についてでございます。
 2005年3月31日までの特例法期限が差し迫っていますが、県内市町村の法定合併協議会の設置状況はどうなっているのですか。また、期限内合併に向けての進捗状況について説明してください。
 合併に対する市町村の論議が深まらず機運が盛り上がらない自治体が数多く出ていると言われていますが、実情を示してください。
 去る9月14日に西原町において合併に伴う住民投票が実施されましたが、投票成立要件に満たず不成立になりました。結果は他の自治体にどのような影響があると考えられますか。
 県教育委員会の民間人校長導入についてでございます。
 2004年度から県内初の民間人校長が登用されることになりましたが、県内で導入する背景について伺います。
 去る3月、広島県で民間出身校長が自殺するという痛ましい事件が起きました。原因は、教育現場との乖離、あつれき、教育委員会の支援体制の不備などが指摘されています。県教育委員会はこのことを踏まえ、教師や父母への十分な説明と支援策が求められますが、その対応について示してください。
 民間人校長導入制もさることながら、逆に民間企業への校長研修派遣制についてどう思われますか。
 民間人校長の異動や身分など任用適用についてはどうなっているでしょうか。
 今後の採用計画はあるのでしょうか。
 最後に、警察官の学校派遣についてでございます。
 県警は9月から中学、高校に現職警察官を派遣していますが、そのモデルとなった八重山農林高校における交通安全教育の具体的な成果について説明を求めます。
 今回の派遣内容の概要を説明していただきたいと思います。また、派遣によってどのような成果を期待しているのでしょうか。
 今後の派遣計画についての方針は持っているのでしょうか。
 民間人校長導入と同様、何よりも現場の教師、父母との信頼関係の構築が求められます。十分な調整はなされたのでしょうか。
 答弁によって再質問をしたいと思います。よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 大城一馬議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、第2次小泉内閣に対する期待と沖縄問題解決策をどのように求めていくかについてお答えいたします。
 第2次小泉内閣には、これまで小泉首相のもとで進められた沖縄科学技術大学院大学の設置など沖縄振興計画を引き続き強く推進することを期待しております。基地問題につきましては、普天間飛行場の移設を閣議決定に基づき早期に移設できるよう求めていくとともに、日米地位協定についても国民世論を喚起しながら抜本的見直しを求めていきます。
 次に、第2次小泉内閣をどのように形容するかについてお答えいたします。
 第2次小泉内閣について、その立場、立場でいろいろな形容の仕方があると思いますが、小泉首相には我が国の将来の発展基盤を確実なものにし経済活性化を実現していただくとともに、本県が抱える基地問題等の解決や経済振興にも特段の配慮をいただきたいと考えております。
 続きまして、15年使用期限問題の進展についてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設の15年使用期限は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているものであり、国の責任において解決されるべきものであると考えております。本年5月に行われた日米外相会談で川口外務大臣はパウエル国務長官と会談し、使用期限の問題を取り上げ今後とも協力していきたい旨述べております。これまで2プラス2(日米安全保障協議委員会)等でも取り上げられてきており、外務大臣は本年1月に開催された第1回代替施設建設協議会で真剣に取り組む所存であると述べていることから、今後も引き続き日米間で協議が行われるものと考えております。
 基地の提供責任を有する日本政府にあっては、使用期限の問題を含め沖縄の基地問題をしっかり受けとめることが重要であり、政府としてなお一層の取り組みが必要であると考えております。
 次に、事業主体と移設作業に関する2つの御質問につきまして一括してお答えをいたしたいと思います。
 県は、普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件の一つとして、代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用空港とすることを提示しており、平成11年12月に閣議決定された政府方針では、「普天間飛行場代替施設については、軍民共用空港を念頭に整備を図る」と明記されております。米軍提供施設である代替施設については防衛施設庁が事業主体となりますが、民間専用地区について防衛施設庁が事業主体になるのは難しいため県が事業主体になってもらいたいとの意向であります。代替施設は軍民共用飛行場として一体的に整備されるものと考えており、県としては代替施設の埋立事業等民間専用地区の整備についてはこれまでの経緯等からも国が事業主体になるものと考えておりますが、現在、国と調整を行っているところであります。
 次に、普天間飛行場移設作業についての御質問にお答えします。
 県は、移設に当たって整備すべき条件として軍民共用空港、15年の使用期限など4つの条件を提示しております。これを受け、政府は平成11年12月、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定しております。普天間飛行場の移設については、閣議決定された政府方針に基づき、代替施設協議会における協議を経て昨年7月に基本計画が決定されるなど一歩一歩進められてきたところであり、今後とも名護市と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
 続きまして、辺野古視察についてお答えいたします。
 私は、何度か移設先である辺野古を視察しております。その中にはヘリによる上空からの視察も含まれております。
 続きまして、宜野湾市長の公約についてお答えいたします。
 普天間飛行場の返還については、県としては、現在行われている移設作業を進めていくことが早期返還につながる現実的で実現可能な方法と考えており、一日も早く返還されるよう引き続き努力していきたいと考えております。
 次に、地位協定の刑事裁判手続に関する日米双方の問題点及び今後の対応についてお答えいたします。一括してお答えをいたします。
 去る7月に日米間で行われた地位協定の刑事司法手続に関する協議においては、日本側の米軍人被疑者の取り調べに際し、米政府関係者の立ち会いを求める米側と日本側との間で意見の相違があり、合意に至らなかったものとされています。
 いずれにせよ、今回の日米協議は運用改善の枠組みの中で行われたものであり、県はこれまで運用の改善では限界があることを指摘し、地位協定の抜本的見直しを求めてきました。県としては、見直しを求める国民世論の盛り上がりが地位協定見直しの実現につながっていくものと考えており、今後とも全国行動プランに基づき県内外の各界、諸団体とも連携しつつ、あらゆる機会を通じて日米両政府に対し日米地位協定の抜本的な見直しを強く求めていきたいと考えております。
 続きまして、県民大会開催に係る決意についてお答えをいたします。
 県としては、日米地位協定の問題解決に当たっては、行政のみならず官民一体となった全県的な取り組みが必要であると考えています。県民大会の開催については、より効果的なタイミングをはかることが大切であり、県民の盛り上がりや大会の規模などを十分に考慮しながら、各界各層を網羅した全県的な大会になることが必要であると考えております。
 ちなみに、平成7年の県民総決起大会は県議会全会派が提起して取り組みがスタートし、県議会議長を実行委員長として、53市町村と各議会、主要な経済・労働、市民団体など320団体から成る超党派の実行委員会が組織され、その結果、多数の一般市民が参加した画期的な大会が実現したものと理解しており、県民が主体となった取り組みが必要であると考えております。
 次に、医療搬送中隊の移駐についてお答えします。
 今回の嘉手納基地への航空医療搬送中隊の要員及びその家族の受け入れについては航空機数の増加はないとされていますが、兵員の増加を伴っており、県のこれまでの要請や県民の意向に反するものであり、大変残念であります。
 また、地元自治体は今回の医療搬送中隊の新設によって、離着陸回数の増加や爆音被害の拡大など地元住民の基地負担がふえるのではないかと強く懸念しております。県としても、今回のことが地域住民の基地負担の増大につながってはならないと考えており、去る8月29日にファーゴ太平洋軍総司令官、9月3日にラーセン在日米軍副司令官に対し、県民の基地負担の増加につながらないよう配慮してほしい旨申し入れております。県としては今後とも情報の収集に努めるとともに、地元市町村の意向等を踏まえ適切に対応していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○農林水産部長(諸見武三) ボーリング調査にかかわる岩礁破砕の照会についてお答えいたします。
 平成15年3月31日付那覇防衛施設局から照会のあったボーリング等の調査については、海底の形状を大幅に変更するものではなく、漁場の汚濁及び水産資源に与える影響も軽微であることから、岩礁破砕に当たらないと判断したものであります。この判断は、水産資源保護法第4条並びに漁業調整規則第38条の趣旨に沿ったものであります。したがいまして、今回の許可の取り扱いは他事考慮には当たらないものと考えております。
 なお、岩礁破砕の許可については、海底の形状を改変する航路掘削、土砂採取等のしゅんせつや埋め立てに類似する行為等は、水産資源に与える影響が大きいと考えられることから許可が必要であります。
 続きまして、ミサイル試射の漁場への影響についてお答えいたします。
 鳥島周辺水域は、久米島漁業協同組合等の漁業者が操業している漁場であります。この水域は現在、米軍が訓練に使用しているため操業が制限されておりますが、自衛隊による新たな訓練は周辺で操業を行う漁業者に不安を与えることが懸念されます。
 続きまして、台風14号関係で農家生活者支援などについてお答えいたします。
 台風14号の災害に伴う主な被害については、9月19日現在、さとうきび等農作物約10億円、ハウス等農業用施設関係約23億円、水産関係約1億円となっております。このため、県としては被災農家の資金対策や再生産の支援に対応するため、去る16日に宮古農業改良普及センターに特別営農相談窓口を設置したところであります。
 農業生活者関係の災害復旧については、既決予算の災害復旧費やJAの営農生活資金に県の利子補給などで支援してまいります。また、災害復旧費の対象とならないさとうきびの被害、鉄骨ハウスの損壊等については、県の単独支援として新植夏植えの植えかえ費用の支援、鉄骨ハウスの撤去に要する経費の支援、農業用施設等の復旧や経営資金の利子補給事業の条件緩和などの支援を行ってまいります。
 続きまして、農業共済制度についてお答えいたします。
 宮古地域における農業共済の加入状況については、平成15年3月時点において家畜共済62.4%、畑作物共済12.8%、園芸施設共済31.8%となっております。
 農業共済は、農家が台風、干ばつ等によって受ける損失を補てんし農業経営の安定を図る上で極めて重要と考えております。このため、県としては農業共済の加入推進を図るため沖縄県農業共済普及推進協議会を設置し、関係者が一体となって加入率の向上に努めているところであります。農業共済に対する国の助成については、農家掛金の4割から5.5割となっております。特に、園芸施設共済については加入の促進を図るため、県の助成として平成14年度から農家掛金の一部を支援しているところであります。
 以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) ボーリング調査についてにお答えいたします。
 那覇防衛施設局が予定しているボーリング調査は、現地技術調査の一環として護岸構造検討に必要なデータを収集するために実施するとのことであります。調査の実施に当たっては、ジュゴンや海草藻場・サンゴへの影響を可能な限り回避または低減するため調査予定地点周辺の海域の状況を調査し、基礎資料の収集を行っているところであると聞いております。県としては、自然環境への影響を極力少なくするよう要望しているところであります。
 騒音激化の要因分析と騒音防止協定の実効性を政府に求めることについてに一括してお答えいたします。
 文化環境部が実施した平成14年度の嘉手納及び普天間両飛行場周辺における航空機騒音測定結果によると、両飛行場周辺の状況についてうるささ指数が環境基準値を超過している測定局が過半数を超えております。航空機騒音が増大している要因としては、騒音防止協定が遵守されていないことや、外来機の飛来等による訓練の増加などが考えられますが、県としては、これまで三者協や渉外知事会、軍転協等を通じて騒音の軽減及び騒音対策の強化を日米両政府に要請しているところであり、今後とも関係市町村等と連携を図りながら日米両政府に対して粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 騒音対策の達成率についてにお答えいたします。
 嘉手納及び普天間飛行場周辺の住宅防音工事の対象地区については、昭和53年12月にうるささ指数85以上の地域が指定され、その後、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律施行令の改正に伴い、昭和56年7月にはうるささ指数が80以上の区域へ拡大しております。さらに昭和58年3月にはうるささ指数が75以上の区域へと適用範囲が拡大されました。那覇防衛施設局に確認したところ、嘉手納飛行場周辺地域においては昭和58年当時の対象世帯数約4万件に対し、その後の追加世帯分も合わせて約7万1000件の防音工事が行われております。また、普天間飛行場周辺地域においては対象世帯数約8800件に対し、その後の追加世帯分も合わせて1万9000件の防音工事が行われており、両飛行場合わせてこれまでに約9万件の防音工事が行われております。
 沖縄市長の行政手法についてにお答えいたします。
 SACOの合意事案である海軍駐機場の移転に関し、去る8月1日、沖縄市長から沖縄市への移転を受け入れる旨の表明がなされております。今後、国において移転作業を進めるに当たっては、移転先である沖縄市や地元住民の意向を尊重するとともに、地域の生活や自然環境にも十分配慮する必要があると思います。
 航空機騒音等の調査についてにお答えいたします。
 那覇防衛施設局によると、移転予定地から最も近い住宅地までの距離は約1500メートルで、同地点での屋外の騒音レベルは50デシベルで静かな事務所程度であり、また洗機場からの洗浄水飛散の影響も少ないとのことであります。しかしながら、騒音問題等を懸念する地元住民等からの要望を受けて、那覇防衛施設局では去る9月2日に現地において騒音測定を実施しておりますが、気象条件が悪かったため再度実施する予定とのことであります。
 自衛隊のミサイル発射訓練についてに一括してお答えいたします。
 久米島町では、過去に鳥島射爆撃場における劣化ウラン弾誤使用問題や漁業操業妨害問題が起こっており、仮に予定どおり発射試験が実施されると地元住民に大きな不安を与えるのではないかと懸念しております。国は、地元の同意を得た上で発射試験を実施したいとの意向でありますが、県としては、ミサイル発射試験が地域住民の基地負担の増大につながってはならないと考えており、県民の生命財産を守る観点から今後とも正確な情報の収集に努めるとともに、地元久米島町の意向等も踏まえつつ適切に対応していきたいと考えております。
 劣化ウラン弾の回収と健康診断を政府に求めることについてにお答えいたします。
 劣化ウラン弾誤使用問題に関する国の環境調査については、去る5月27日に久米島町において国の主催により町長、議員、各界の代表者や一般町民が参加した住民説明会が開催されました。当該説明会において国は、これまでの環境調査及び環境影響評価を踏まえ、住民検診の必要性はないとの考えを示していますが、久米島町はその実施を希望しており、県としても国において健康調査を実施すべきものと考えております。今後とも久米島町と連携しながら適切に対応していきたいと考えております。
 なお、沖縄県と基地の所在する31市町村で構成する軍転協において去る9月上旬、在日米軍沖縄地域調整官を初め県内の関係機関及び内閣総理大臣など県外の関係機関に対し、劣化ウラン弾の回収、従前どおりの環境調査の継続、環境調査結果の久米島住民への説明及び久米島住民に対する健康診断の実施を要請したところであります。
 防衛庁による自衛隊員への調査についてにお答えいたします。
 県は、去る9月12日に自衛隊に対し、今回の事件に係る爆発物の流出経路など事実関係を把握するとともに、隊員の綱紀粛正や隊員教育を徹底するなど事件の再発防止に万全を期すよう強く要請しております。また、自衛隊においては、先月、自衛隊全体に対し、「火薬類取締法または銃砲刀剣類等所持取締法に違反する武器・弾薬等の違法保有の調査に関する通達」及び「武器・弾薬加工等の違法保有防止等に関する教育の実施に関する通達」が出されたとのことであり、現在、調査及び教育を実施しているとのことであります。
 米軍の武器・弾薬管理体制等の強化による事故の再発防止についてお答えいたします。
 県は、去る9月12日に米軍に対し、同事件に関し県警や自衛隊とも連携し、流出経路を徹底的に調査し隊員の綱紀粛正の徹底を図るとともに、廃弾の適正処理を含め武器・弾薬等の管理体制に万全を期すよう強く要請しております。県としては、今回の事件について県警の捜査の状況を見ながら適切に対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 2002年度基地周辺騒音調査の結果についてお答えをいたします。
 2002年度の航空機騒音に係る環境基準の達成状況を見ますと、嘉手納飛行場周辺においては14測定局中9局で、普天間飛行場周辺では9測定局中4局で環境基準値を超過しておりました。いずれの飛行場においても環境基準値を超過した測定局数及び測定地点は前年度と同様であり、北谷町砂辺と宜野湾市上大謝名地区が最も騒音の著しい地区となっております。
 また、電車のガード下並みの音とされる100デシベル以上の騒音は、嘉手納飛行場周辺ではすべての測定局で、普天間飛行場周辺では9測定局中7局で記録されております。夜間及び早朝における騒音発生回数については、ここ五、六年で最も多かった2001年度と比較して嘉手納飛行場周辺では若干減少したものの依然として発生回数は多く、普天間飛行場周辺については新城局で大幅に増加したほか、上大謝名局では1999年度から増加傾向が続いております。
 2002年度の測定結果から、両飛行場周辺においては騒音レベルや発生回数などの値が依然として高い状況にあり、周辺地域住民の生活環境に対し大きな影響を与えております。
 次に、最近の傾向についてお答えをいたします。
 2003年4月から8月までの測定結果から、生活環境に対する影響が大きい夜間及び早朝における月平均騒音発生回数の推移を見ますと、嘉手納飛行場周辺の砂辺局では約200回前後で推移しており、2002年度月平均値と比較して特に減少傾向は見られておりません。普天間飛行場周辺については、上大謝名局において月100回前後で推移しており、横ばい状態となっております。
 次に、台風14号関連の御質問にお答えをいたします。
 まず、最新の被害状況及び推測される被害状況についてということでお答えをします。
 台風14号の被害は、宮古地方、八重山地方、久米島等で発生しております。その被害状況は、平成15年9月29日現在で人的被害が死者1名、負傷者97名、家屋損壊は全壊16棟、半壊54棟、一部損壊151棟、非住家損壊197棟、そのうち公共建物19棟、その他178棟、浸水被害は床上浸水2棟、床下浸水13棟、船舶被害は転覆破損した船舶が58隻、車両被害は転倒、浸水等91台、停電被害は最大時2万2600戸停電、電話被害は4038回線が不通であります。停電については23日に全面復旧をしております。電話につきましては28日に全面復旧となっております。現在、被害状況を調査中でございますので、今後被害はふえることが見込まれております。
 次に、現行制度で支援策等ができない部分の今後の対策についてと、それから中長期の対策についてということで一括してお答えをいたします。
 県では、全庁的に災害復旧を支援するため「平成15年台風第14号沖縄県災害復旧支援対策本部」を設置したところであります。同対策本部におきましては、個別の事業で対応が可能な復旧事業については各部局で災害復旧対策の取り組みをしているところであり、従来の制度では実施できない災害復旧対策につきましては課題等を抽出をし、県としてどのようなことができるのか現在検討をしているところでございます。
 以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 自衛官爆死事件及び弾薬所持問題の概要についてお答えいたします。
 この事件は、平成15年8月31日午後3時50分ごろ、沖縄市字池原在の廃品分別作業所において、航空自衛隊那覇基地所属の空曹長(53歳)が所持していた米軍の66ミリ対戦車砲ロケット弾が爆発したことにより死亡したものであります。
 県警では、事件発生後、所要の捜査体制を確立し、事件現場の検証と並行して自宅など関係箇所7カ所の捜索を実施し、ロケット弾4発、M16ライフル1丁、M1カービン銃1丁、実包689個、空包1636個の合計で2331点を押収しております。
 また、被疑者の知人の自宅など関係箇所29カ所を捜索して銃剣5丁を押収し、銃砲刀剣類所持等取締法違反で2人を逮捕して事件送致しております。
 県警としましては、現職の自衛官が自宅等において危険な不発弾等を多数収集していたこと、その不発弾を処理するために付近住民が避難を余儀なくされるなど県民に大きな不安と動揺を与えた極めて重大な事件と認識しております。現在、爆発物等危険物の入手先及び入手経路の早急な真相解明とこの種事案の再発防止を図るため所要の捜査を鋭意推進中であります。
 次に、武器・弾薬の入手経路の調査状況でございますが、先ほども申し上げましたが、入手経路につきましては現在鋭意捜査中であります。
 次に、警察官の学校派遣についてお答えいたします。
 まず、八重山農林高校における交通安全教育の具体的成果についてでありますが、平成10年1月1日、石垣市内において高校生4人が飲酒絡みの交通事故で死亡するという痛ましい事故が発生いたしました。そのような事故を踏まえ、高校生に対する交通安全教育の強化を図るため、平成11年4月、沖縄県教育委員会から八重山警察署交通課長が非常勤講師として委嘱を受け、1年間、交通安全教育の授業を実施することになりました。授業は、毎週水曜日、2年生を対象に50分授業で30回実施しております。
 その成果につきましては、八重山農林高等学校生による交通人身事故は平成10年3件、平成11年1件、平成12年2件、平成13年、14年はゼロで減少傾向にあると言えます。
 そのほかに、保護者や学校関係者などからは、生徒の言葉遣い、態度、服装等に改善が見られたとの話を伺っております。
 次に、警察官学校派遣の概要と期待する成果についてでございますが、警察としましては、近年の多発する少年非行を抑止し、また増加する犯罪から少年を守るため、少年を取り巻く有害環境を浄化することは当然のこと、知識や社会経験が乏しい無防備な少年が事件・事故等の被害に遭わないようにするためには直接少年を指導することも重要であると考え、今回、県教育庁や学校と協議の上、実務経験豊富な警察官を学校に派遣し授業を行うこととしました。
 派遣授業は、9月17日に発足した警察官4名で構成する安全学習支援隊が専従で行い、授業の内容としては、出会い系サイトやハイテク犯罪、悪質商法等の被害防止、深夜徘回や交通事故防止等を予定しております。警察としましては、この安全学習支援授業によって少年の非行防止を初め犯罪被害防止、交通事故防止等を図り、少年が健全に育成されることを期待しております。
 次に、派遣計画と指針についてでありますが、警察官派遣授業は、現時点、中学校3校、高校3校の計6校で実施しており、1校当たり、2学期、3学期で六、七時限の授業を行うこととしております。県警は、現在行っている授業の実施状況等を踏まえ、県教育庁、学校関係者等と調整の上、今後とも継続して生徒のための授業を実施していきたいと考えております。
 最後に、教師、父母との調整状況についてでありますが、授業を実施するに当たっては、県警は県教育庁や授業を希望する学校現場と授業内容、授業時間数について十分な調整を図ってまいりました。警察としましては、今後とも学校の先生方と連携の上、生徒に対して愛情と情熱を持って接し、その期待に十分こたえていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 大城一馬君の質問に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
  午前11時51分休憩
  午後1時21分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。 
 午前の大城一馬君の質問に対する答弁を続行いたします。
 教育長。
   〔教育長 山内 彰君登壇〕
○教育長(山内 彰) 台風14号関係で、教育関係の施設機材などの緊急的施策についてお答えいたします。
 台風14号によって被災した教育関係の施設機材の復旧については、公立学校施設災害復旧費国庫負担法に基づき文部科学省等への災害復旧事業の手続を迅速に進めているところでございます。特に、教室のガラス、入り口のドア等緊急を要するものについては、関係市町村と連携し国の災害状況現地調査前の復旧工事が行えるように取り組んでいるところでございます。
 続きまして、台風通過後の実情とケアなどの対策についてお答えいたします。
 今回の台風14号により不安を訴えている児童生徒への心のケアは緊急かつ重要なことととらえております。現在、現地においては、県のスクールカウンセラーを中心に保護者や教職員等に心のケアについての対応策を示して臨床体制をとっております。スクールカウンセラーや巡回教育相談員の相談時間の延長を図るなどして対応を進めております。
 なお、先日マスコミで報道されました心の不安を訴えている児童生徒につきましては、養護教諭等のケアなどにより、9月30日現在、通常どおり登校しているとの報告を受けております。今後は、宮古教育事務所が全児童生徒に実施した「心の健康診断アンケート」の結果をもとに詳細を把握して、よりきめ細かな対応に努めてまいります。また、島内の福祉事務所や保健所、病院等の関係機関との連携を深め、子供たちの心のケアに万全を期したいと思います。
 続きまして、民間人校長導入の背景についてお答えいたします。
 平成12年に「学校教育法施行規則等の一部を改正する省令」が施行されたことに伴い、教員免許状がなくても県教育委員会の判断により民間人等を校長に任用することが可能になりました。このことを踏まえ、本県では平成16年度から民間人等校長を任用する予定にしております。
 民間人等校長を導入する背景としては、民間の経営感覚や斬新な発想を生かして教育界に新風を吹き込むことが期待できること、民間の幅広いネットワークを生かした地域や企業等との連携が期待できること、また特色ある学校づくりや組織的・機動的な学校運営による総合的なマネジメント能力を活用できることなどの効果を期待しております。
 次に、教師や父母への十分な説明と支援策についてでございますけれども、民間人等校長に対して事前に県総合教育センター等において学校運営のあり方や教職員及び父母等との信頼関係の構築等について即戦力を培う総合研修を6カ月程度行うことにしております。さらに、学校への配属に際しては学校の選定や教職員配置等にも考慮し、学校配置後においても学校訪問を適宜実施し、相談支援を行うなど適切なバックアップ体制に努めたいと思います。また、学校現場での教職員及び父母等との信頼関係が構築できるように十分に説明をし支援していきたいと考えております。
 次に、民間企業への校長研修派遣制についてでございますけれども、県教育委員会では、教員に対しみずからの教育観や指導観を見詰め直しその資質の向上と意識改革を図る趣旨で、それぞれのライフステージに応じて初任者研修、10年経験者研修、民間企業等長期体験研修等において民間企業研修を積極的に推進しているところであります。なお、民間企業への校長研修派遣につきましては、その必要性も含めて慎重に検討していきたいと考えております。
 民間人校長の任用適用についてお答えいたします。
 民間人等校長の身分等の取り扱いといたしましては、他の公立学校長と同様に、公務員として地方公務員法及び教育公務員特例法等の適用を受けることになり、異動等に際しても本県の「公立学校教職員人事異動方針」にのっとり全県的視野に立って行う予定であります。
 今後の採用計画についてお答えいたします。
 民間人等校長の今後の採用計画につきましては、その効果や評価等を総合的に勘案し検討してまいりたいと考えております。
 次に、警察官の学校派遣について、派遣の際の教師、父母との調整についてお答えいたします。
 学校と警察との連携については、これまで学校現場のニーズにこたえ、警察官によるPTAでの講話、生徒への交通安全講話、薬物乱用防止教室等の授業が積み重ねられてきた経緯があり、職員や保護者の理解が得られているものと考えております。これらの実績を踏まえ、さらに整備・拡充しスタートさせたものであります。
 本事業は、青少年の問題行動が多様化・深刻化している現状を踏まえ、学校からの要望に基づいて実施するものであります。現在、中学校3校、高校13校から希望があり、先日、第1回目の授業が行われたところであります。今後は各学校の実施状況や成果、課題等を踏まえ、保護者や関係職員等の意見も参考にしながら一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 市町村合併関連の質問で、法定合併協議会の設置状況及び期限内合併に向けての進捗状況についてお答えいたします。
9月現在における法定の合併協議会は、宮古地域6市町村による宮古地区市町村合併協議会、具志川市・石川市・勝連町・与那城町合併協議会、伊平屋村・伊是名村合併協議会、八重山地域市町合併協議会の4協議会が設置されております。そのほか、沖縄本島中南部地域において任意協議会が設置されており、法定協議会設置に向けた取り組みが行われております。県としては、合併特例法の期限である平成17年3月までの間にできるだけ多くの市町村で合併が実現するよう、市町村合併を積極的に支援してまいりたいと考えています。
 県内市町村の合併機運の実情についてお答えします。
 現在、県内における法定または任意の協議会が設置されている地域は8地域33団体となっており、県内全市町村の6割を超えております。その他の市町村においても、合併の必要性についての議論が深まり、具体的な取り組みが行われることを期待しております。
 県としては、これまで新聞、テレビ、広報誌等を活用した県民への広報・啓発を行ってきたところであります。今後とも、県民に対する幅広い情報提供を行い、市町村合併に向けての機運がより一層広がっていくよう努めていきたいと考えています。
 次に、西原町の住民投票結果の影響についてお答えします。
 西原町における住民投票が不成立となり、結果的に開票作業が行われず住民意思が確認できなかったことは残念に思います。この住民投票の結果を受け、現在、西原町とともに任意合併協議会を構成している宜野湾市、中城村は法定合併協議会移行の議案をそれぞれの議会へ提案しないこととしております。
 しかしながら、同地域においては地域住民を中心とした新たな合併の枠組みの模索や再検討を促す動きも見られることから、今後、関係市町村長、議会議員、住民が一体となった取り組みがなされることを期待しております。
○大城 一馬 再質問をさせてもらいたいと思います。
 まず、民間空港部分の事業主体問題でありますけれども、知事の答弁は一貫して国が事業主体と考えているとか、あるいはまた調整しているとか、そういう通り一遍の答弁になっておりますけれども、やはり県の立場、要するに譲れない条件ということを明確に私は県民に示してもらいたいというふうに思いますけれども、もう一度知事の所見をお伺いしたいと思います。
 次に、辺野古視察でございますけれども、確かに知事は北部視察のついでとか、あるいはまたヘリに乗って上空からという話も説明も出ておりますけれども、これもまた大学院大学の視察のついでというふうになっておりますけれども、やはり知事が辺野古に普天間代替施設を決定した。この知事の視察、これを正式に知事日程として入れてもらって、反対する立場の人々とも、あるいはまた賛成する立場の人々ともしっかりと対話をする、私はこれは非常に重要ではないかなというふうに思うわけであります。どうかひとつこの点につきまして、先ほど申し上げましたように正式に知事日程として取り入れて現地に赴くということは考えられませんか。ひとつ知事の懐の深さをぜひ示していただきたいというふうに思っております。
 次に、鳥島でのミサイルの試射問題と嘉手納基地への航空医療搬送中隊の新設の件ですけれども、知事も非常に遺憾であると、あるいは残念であるという中で、地元の意向で適切に対応するという答弁がありました、知事も公室長もですね。この2つの問題は、もう既に地元の議会やあるいは首長もはっきりと明確に反対を求めているわけですね。したがいまして、やはり県も地元の意向に対応するならば、当然知事としてもこの2つにつきまして明確に反対の意思表示をすべきだと思いますけれども、いま一度決意をお願いしたいと思います。
 次に、民間人校長導入と警察官の学校派遣についてでありますけれども、この件につきまして私も学校現場の団体の教職員団体あたりからもいろいろとお話を聞かせてもらいました。これは団体としてのどうのこうのじゃなくて、どうもまだまだ十分なる説明、調整が私はなされていないような感がいたします。ぜひこのことにつきましてはしっかりと教育現場あるいはまた父母の皆さん方ともっともっと深く調整をしながら進めていただければというふうに思っております。これは要望でございます。
 後でまた再々質問を行いますので、よろしく御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後1時38分休憩
   午後1時39分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 大城議員の再質問にお答えいたします。
 最初の事業主体の問題でございます。
 これは代替施設は、軍民共用飛行場として一体的に整備されるものと考えており、県としては代替施設の埋立事業等民間専用地区の整備については、これまでの経緯等からも国が事業主体になるものと考えておりますが、現在国と調整を行っているところであります。
 次に、辺野古の視察について地域住民と直接話し合うべきですという御趣旨だと思いますが、それにつきましては、この問題では私は常にあらゆる機会をとらえまして市民代表である名護市長とお話をしております。
 次に、嘉手納基地の航空医療搬送中隊の新設について反対なのかという御質問にお答えします。
 県としては、基地負担の軽減を求める立場から、基地負担の増大につながるような米軍の再編については反対であり、今後、正確な情報の収集に努めるとともに、駐留米軍の動向を注視しながら適切に対応していきたいと考えております。
○知事公室長(新垣良光) ミサイル試射について、県は反対かとの再質問についてお答えいたします。
 県としては、基地負担の軽減を求める立場から、地域住民の基地負担の増大につながるような自衛隊の訓練については反対であり、今後、正確な情報の収集に努めるとともに、地元久米島町の意向や自衛隊の動向を注視しながら適切に対応していきたいと考えております。
○大城 一馬 知事、最後に1点だけ、辺野古沖合視察ですけれども、これは名護市長云々もよく理解をしております。
 私がさっき申し上げましたのは、やはり反対する立場の人とも賛成する立場の人とも一緒になって対話をやるべきじゃないかと。そして海上にも一緒に船に乗って出て、あの辺野古沖、これをしっかり見ていただくということができないかどうか、知事日程として組み入れることができないかどうか、それを問うておりますので、よろしく答弁を願いたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 今後とも地元の状況を大変よく熟知しておられる市民代表である名護市長とあらゆる機会をとらえて話し合っていきたいと考えております。
○前島 明男 それでは通告に従いまして公明党・県民会議を代表して質問を行います。
 質問に入ります前に、台風で亡くなられた方に心からお悔やみと被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げます。また、県知事を初め県首脳の素早い対応に敬意を表するものであります。
 それでは大きな1番、宮古島を襲った台風14号について伺います。
 去る9月11日未明、宮古島全域を暴風雨に巻き込んだ台風14号は、過去30年間に宮古島を襲った台風の中で最大級のものとなり、島民生活に甚大な被害をもたらしました。中でも電気、水道及び電話等のライフラインがずたずたに引き裂かれ、数日間、真っ暗やみの中で恐怖と不安な生活を余儀なくされました。二度とこのような被害を出さないために今回の台風14号の教訓を生かし、今後の台風襲来に備えなければならないと考えます。
 そこで、次のことを伺います。
 (1)、これほどまでに被害が大きくなった要因は何ですか。
 (2)、それに対する今後の抜本的な対策は何ですか。
 (3)、被災者への復興支援はどうなっていますか。また、全県民的な支援活動を展開すべきだと考えるがどうですか。
 (4)、(5)は県議会として国へ要請を行っておりますので、割愛をいたします。
 大きな2番、教育行政について伺います。
 教育といっても幼児教育から生涯学習まで幅広いわけですが、今回は学校教育に絞って質問させていただきます。
 (1)、英語教育特区についてであります。
 去る8月29日、県内では初めて宜野湾市が認定を受け、市内の全小学校8校で英会話の授業を新設し、1年生から授業を始め、2004年度には2校に導入し、2006年度には全校で実施する計画で、中学校と連携した系統的な英会話教育を目指すとあります。
 大変結構なことだと思いますが、ただ、子供たちの負担になりはしないかとの懸念から次のことを伺います。
 正規の授業時間数との関係はどうなっていますか。
 週何時間で年間何時間ですか。
 学年ごとにどの程度の理解度を目標にしていますか。
 (2)、「沖縄インターナショナル高等学校(仮称)」の設置計画についてであります。
 計画書を見ますと、設置目的や教育内容も立派で、設置する場所についても中頭地区の美里高等学校を再編して実施するとのことであり、全く異存はありませんが、なぜもっと早く実行できないのか、次のことについて伺います。
 実施時期が後期の平成19年度から23年度となっておりますが、なぜですか。
 国際的に通用する人材を育てるには一日も早い設置が望まれるわけですが、前倒しはできないのか。
 学校名は、沖縄インターナショナルハイスクールに変えた方が時代にマッチしていると思うがどうですか。
 (3)、学校施設内における安全対策はどうなっていますか。
 2年前に起きた大阪の池田小学校での小学生殺傷事件以来、学校はどこよりも安全であるという神話は崩れてしまったわけですが、安全対策を学校側だけに任せるのではなく、父母や一般のボランティアを活用する方法は考えられないのか伺います。
 大きな3番、福祉行政について伺います。
 我が国は福祉国家であると言われているように、戦後この方、随分福祉には力を注いできたように思われます。しかしながら、他の箱物の整備に比べますとかなりおくれをとっているように思います。そのことについては我が県においても全く同様であると認識をしております。
 そこで、次のことについて伺います。
 (1)、老人福祉施設の現状と対策はどうなっていますか。
 いろいろな施策があって、いろいろな施設があるのも承知しております。しかし、現実の問題として特別養護老人ホームに入所するのに数年もかかるようではどうかと思います。終戦後の苦しい時代を復興のために昼に夜を次いで一心不乱に頑張ってこられた皆様方も今では70歳以上の高齢を迎えております。もうあと何年生きられるかわかりません。そういう方々が安心して余生を送れるように施設を十分に整備すべきであるとの考えからであります。
 (2)、障害者福祉施設の現状と対策はどうなっていますか。
 各養護学校を卒業した子供たちは、その多くがボランティアで運営している民間の作業所か自宅で日々を過ごすしかありません。障害児を抱える親は、生活は苦しくても1人残しては働きにも出られません。そういう状況を見聞きした者としては行政にもっともっと力を入れてもらわなければならないとの考えからであります。
 (3)は割愛をいたします。
 (4)、健康・長寿対策について県はどう取り組んでいますか。
 これまで「長寿県沖縄」の名をほしいままにしてきましたが、ここに来ていよいよ危うくなってまいりました。行政、議会、民間、県民が一丸となって取り組まなければ維持できるものではありません。そこで、もっと行政が力を入れてほしいことは病気の予防対策であります。余りお金をかけずにできる方法が幾らでもあるはずであります。要は各地区において中高年の対象者をいかに諸活動に参加させるかにかかっていると思います。取り組みをお聞かせください。
 大きな4番、環境行政について伺います。
 現在、国、県においては環境型社会の構築に向けてさまざまな施策が実施されております。本県でもリサイクル製品を新たに製造する「静脈産業」と言われる企業が立ち上がってきております。
 その中で「容器包装リサイクル法」の再商品化義務対象物であるガラス製容器のリサイクル工場を見学する機会があり、製造工程をつぶさに見学してまいりました。タイル、インターロッキング、車どめなど多くの製品が高度な品質管理のもと製造されていましたが、製品の売れ行きが伸びず経営が苦しいと悩んでおりました。せっかく県内に立派なリサイクル工場が数カ所できたわけですから、行政サイドが大いに活用し企業を育てていくべきだとの考えから次のことを伺います。
 (1)、循環型社会の構築に向けての県の取り組み状況についてであります。
 ア、ゼロエミッション・アイランドを目指す中で公共工事でのリサイクル商品の利用状況とその指導方はどうなっていますか。
 イ、文部科学省では、平成9年度からモデル校を指定し環境に優しい学校施設、いわゆるエコスクールの整備を推進しているが、本県の取り組みとリサイクル商品などエコ商品の使用状況はどうなっていますか。
 ウ、小学校低学年から環境教育の実践活動に取り組むことが最も大事だと考えるが、現状はどうですか。また、今後の方針をお聞かせください。
 (2)、クリーンエネルギーについてであります。
 ダイオキシンやフロンガス、CO2の大気汚染問題が叫ばれてから久しいわけですが、国や県、市町村も真剣に取り組んでいるおかげでかなりの効果を上げているように思います。しかし、まだまだ努力することがいっぱいあります。その一つがクリーンエネルギー、いわゆる太陽光発電の普及であります。環境に優しく無尽蔵な太陽エネルギーを使わない手はありません。
 そこで、次のことを伺います。
 全県における太陽光発電装置の普及率はどうなっていますか。
 普及率を高める方策は何ですか。
 国は助成金を出しております。県も環境保全や石油エネルギー節約の意味からも助成金を出して奨励すべきではないかと考えるがどうですか。
 文化・芸術振興について伺います。
 文化・芸術の話をするときに、よく引き合いに出されるのが戦時中の金武捕虜収容所におけるカンカラ三味線であります。缶詰の空き缶でつくったたった一個の三味線がどれほど多くの人々に生きる勇気を与えたことか。それを思うとき、芸能の持つすごさを感じずにはいられません。沖縄には他府県にないすばらしい文化があります。もっともっと磨いて財宝にしなければならないとの思いから次のことを伺います。
 (1)、文化芸術基本法の制定により具体的な支援策ができたわけですが、本県においては活用度が低いと聞いております。
 そこで、次のことを伺います。
 8月末現在の活用件数と助成額は幾らか。
 法の周知徹底をどのようにして図ったのですか。
 今後の活用度を高めるのにどのような対策をとられますか。
 (2)、映像産業について伺います。
 青い空、青い海、南国の花々が咲き誇り、亜熱帯の緑が神秘的現象を生む豊かな自然の宝庫沖縄。独自の文化・芸術をはぐくみ、人間味あふれる県民性、まさに沖縄はロケーションにとって最も適した島であります。「ちゅらさん」や「Drコトー診療所」などが示すように、映像がもたらすPR効果、影響力は抜群であります。観光振興はもとより、平和、文化、教育などへの波及効果も絶大なものが期待できます。
 そこで、沖縄をぜひとも映画の島にすべきだとの考えから次のことを伺います。
 ア、沖縄を「映画特区」として国に申請し、ロケの障害にならないように規制緩和を進め、本土や世界の各地から映画やドラマ、CMなどの撮影隊が多く来県できるように環境を整えてはどうか、県の考え方をお聞かせください。
 イ、今年度からフィルムオフィスを開設しました。今後、さらに広く展開するためには各市町村とも連携をとりながらフィルムオフィス、フィルムコミッションの拡充を図るべきだと思いますがどうですか。
 ウ、将来、沖縄において国際映画祭を開催して映画の島としての沖縄を推進してはどうですか。
 6、商工業の振興について伺います。
 特別保証にしても借りかえ保証にしても国策でありながらその国策が県の保証協会のお家の事情によって機能が不十分、あるいは機能できないとなると、幾ら中央政界で立派な政策を立ち上げてもそれは平等であるべき国策ではなく、できるところはやればという優勝劣敗の格差を促進するにすぎなくなってしまいます。おのおのの事情を招いた原因究明は必要としても、そのツケを中小企業支援の消極化という目的を踏み外したところへ持っていってはならないのであります。
 現在、銀行は財務省からの厳しい管理基準を押しつけられてリスクの大きい貸し出しは行わないと言われております。そのため中小企業に対しては貸し渋りや貸しはがしが継続しております。したがって、銀行は厳しい中小企業にとって現状はほとんど役立っていないと言えます。しかし、その銀行という民間企業の不良債権処理には半ば強制的に国税が投入されていながら、中小企業が頼りにする保証協会は国がコントロールしているにもかかわらずいまだに処理がなされていない。なぜなのか。県は、早急に国に対し不良債権を処理し、本来の機能を取り戻した健全運営が図られるように要請すべきではないかとの考えから次のことを伺います。
 ア、同協会の資金が不良債権によって枯渇してきているとの報道があった。その対策として、①、貸し出しの際の予審調査の厳格化、②、債権回収に力を入れるとしているが、こうした管理強化策は中小企業への資金の流れを悪くし、経済活性化の阻害要因になると思うがどうですか。
 イ、さらに保証協会は、③、市、県、金融機関への支援要請を行うと言っているが、当然、国へも要請すべきだと考えるがどうですか。
 (2)、起業活性化について。
 ア、本県では平成12年度にゼロエミッション計画の基本構想を発表しているが、具体的な取り組みの方向性が発表されるまでに実に3年も要している。それはなぜですか。
 イ、全部局が産業の振興促進に向かって足並みをそろえられるようにするため、入り口から出口までのチェックと調整を図る統括部門を新設すべきだと考えるがどうですか。
 ウ、善行表彰制度はよく聞きますが、新しい産業の振興に寄与した人を人事評価の面で顕彰する仕組みはあるのか。もし、なければ改正してでも本気になって懸命に努力した人が報われるようなシステムにすべきではないかと考えるがどうですか。
 7、観光振興について伺います。
 本県のリーディング産業の一つである観光産業については、議員の意識も高く毎定例会の代表質問や一般質問でも取り上げられてきております。観光客の入域者数は右肩上がりで年々ふえてきております。ことしは500万人を突破する勢いであります。しかし、喜んでばかりはいられません。
 宿泊施設の整備、エンターテインメント関連施設、その他多くのインフラ整備が遅々として進んでいないのが現状であります。そのことによってサービスの質の低下を招き、リピーターが減っていくのではないかという心配があるからであります。産官学が今何をすべきか、何が最も大事かとの考えから次のことを伺います。
 (1)、観光振興フォーラムについて。
 ア、去る9月18日、那覇市内で多数の観光関係者の参加のもと、「国際観光地としての沖縄の可能性」をテーマに熱心な討議が行われました。パネルディスカッションの中で、外国人客の誘致が沖縄観光発展のかぎを握るとして、国連機関や国際会議の誘致を通じ沖縄社会の国際化を進めることの重要性を強調されました。このことについて知事の御所見を賜りたい。
 イ、沖縄のリゾートは、点と点にしかなっていない。面としての開発・整備がぜひ必要だし、そのためには県の積極的な取り組みが重要だとの発言もありました。そのことについてどう思われますか。
 ウ、県都那覇市の町並みの整備が重要で、もう一度行ってみたいという気持ちにさせることが大事であるとの提言もありました。そのことについて県は何ができるのか伺いたい。
 (2)、クルーズ船で来沖される外国人観光客の対応について。
 船舶が接岸してから上陸するまでに余りにも時間がかかり過ぎる。それはなぜですか。
 入管、税関は国の業務だが、県から国に対して改善を申し入れたことはありますか。
 上陸や乗船の際に600人の乗客がいる場合は2時間余りもかかるそうです。そのことが観光発展を阻む一要因にもなると思うがどうですか。
 8番目、県民の安全確保について。
 検挙率が全国の21%に比べて18%と低いのはなぜですか。
 事件や事故、110番通報処理、相談件数がふえている割には警察官の増員がないのも検挙率の低下につながっていると思われます。私なりの試算として、各都道府県の人口と警察官の割合を見ても、我が県の場合は全国平均よりもかなり低いのではないかと思うわけであります。そこで、今後とも積極的に要求をして検挙率をもっと上げて県民が安心して生活できるように頑張ってもらいたいが、県警本部長の決意のほどをお伺いいたします。
 ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) 前島議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、宮古の台風の復興及び全県民的な支援活動の展開についてお答えいたします。
 県では、今回の台風で電気、電話、水道等のライフライン等の甚大な被害、住家の損壊、農作物、公共土木施設、教育施設等に多大な被害を受けたことから、全庁的に災害復旧を支援するため平成15年9月16日付で私が本部長、各部局長を本部員とする「平成15年台風第14号沖縄県災害復旧支援対策本部」を設置したところです。今後、被害総額、地元の要望事項等を早急に取りまとめ整理した上で、国に支援をお願いする事項については具体的な支援策について要請してまいりたいと考えております。
 台風14号による被災地の復旧支援活動については、県議会、各市町村議会の支援決議並びに各市町村、マスコミ、NPO等による義援金募集活動等が取り組まれ、全県民的な支援活動が展開されております。
 次に、健康・長寿対策の取り組みについての御質問にお答えいたします。
健康・長寿の基本となる健康づくりは、県民一人一人の意識を高めることが重要であり、県としては普及・啓発の一環として健康づくり講演会・研修会等の開催、県広報誌・テレビ番組を通した広報活動などを行っております。
 また、県民健康意識調査を活用し市町村の健康づくり計画策定の支援を行っております。加えて、市町村が実施主体として行っている生活習慣病の予防事業や脳卒中後遺症者等の機能訓練事業、寝たきり予防のためのミニデイサービスや筋力向上トレーニング、太極拳等を取り入れた健康づくり教室等を推進するため助成及び指導・助言を行っております。
 さらに、健康増進法が平成15年5月に施行されたことを受け、地域・職域の健康づくりシンポジウムの開催等職場における健康づくりの取り組みを関係機関と連携して行うなど、今後とも健康・長寿を基盤とした「健康福祉立県」を目指し、諸施策を積極的に推進してまいります。
 次に、フィルムオフィスの拡充及び国際映画祭の開催について一括してお答えいたします。
 本県では、ことし4月にフィルムオフィスを設置し、9月までの6カ月間で60件の撮影支援を行うなど大きな実績を上げております。また、沖縄で撮影された「ちゅらさん」や「Drコトー診療所」が全国放映され沖縄観光に大きな効果をもたらしました。
 フィルムオフィスの業務は、誘致活動から撮影支援まで幅広いことから、各市町村や関連民間企業等との連携がより重要だと認識しております。現在、那覇市がフィルムオフィスの設置に向けて準備を進めておりますが、その他の市町村につきましても設置を促進しサービスの強化に努めるとともに、誘致活動についても連携して実施してまいりたいと考えております。
 国際映画祭の開催につきましては、開催期間中に国内外から多くの映画ファンや関係者が訪れることで沖縄観光の発展に貢献するとともに、映像関係者に対して沖縄での映画撮影をアピールする絶好の機会でもあり、今後、映画祭の内容や規模等について検討し実施に向けて前向きに取り組んでまいりたいと思います。
 次に、国連機関や国際会議の誘致についてお答えいたします。
 県では、九州・沖縄サミット首脳会合の沖縄開催を契機として、国との連携協力のもと、国際会議等の誘致に積極的に取り組んでおります。その結果、平成15年度の国際会議の実績・予約状況は、9月現在19件と堅調に推移しております。
 ちなみに、ことしは5月に「太平洋・島サミット」、7月に「国連アジア太平洋地域地図会議」が開催され、10月には「トヨタ世界大会」、12月には「アジア原子力協力フォーラム大臣級会合」が開催予定であります。さらに、平成17年には「第46回米州開発銀行年次総会」の沖縄開催が決定しております。
 また、国連機関を含む国際機関等の誘致により国際的に人的交流が活発化するとともに、国際コンベンションの開催がふえることも期待されるなど、今後の沖縄観光の振興・発展に大きく寄与するものと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 台風14号関連の御質問のうち、被害が大きくなった要因及び今後の抜本的な対策について一括して答弁をいたします。
 今回の台風被害が大きかった原因としては、台風14号が猛烈な台風で、中心の気圧が910ヘクトパスカル、最大瞬間風速が74.1メートルを記録する等ここ30年では最も強い台風であったことが考えられます。
 台風被害の特徴としては、電柱の倒壊が多数あり、ライフライン等の被害が甚大であったということ、大規模公共施設の体育館や公民館等の被害が大きかったこと、強風でガラスの破損が多く、風雨が吹き込み家具やパソコン等の被害が大きかったこと、農作物の被害が甚大であったこと等が挙げられると思います。
 本県は、毎年のように台風が接近し多くの被害が発生していますが、今後も台風の接近は当然あり得ることから、平時から行政、住民ともに台風に対する対策と心構えが必要であると考えております。今回の台風の教訓として、台風常襲地帯の沖縄においては、30年に一度のまれに見る台風にも対応できるような台風対策をとる必要があると考えております。
 次に、文化・芸術振興についての御質問にお答えをします。
 文化芸術振興基本法の周知徹底についてお答えします。
 県では、市町村、文化・芸術関係団体に対し本法の目的、内容等を周知するとともに、市町村文化行政連絡会議において内容を説明したほか、県のホームページを文化庁のホームページにリンクし、同法の内容を閲覧できるようにするなどあらゆる機会を通じて周知を図ったところであります。また、県民からの問い合わせに対しては説明や資料配布などの対応をしております。
 次に、具体的な支援策の今後の活用についてお答えをいたします。
 今後とも、市町村、文化・芸術団体、県民を対象に資料の配布、説明会の開催、県の広報手段の活用等により文化庁の事業内容の周知及び情報の提供を図っていきたいと思います。
 なお、平成15年11月に文化庁、沖縄県、沖縄県教育委員会の共催により文化行政関係者、文化施設関係者、文化・芸術関係団体、文化ボランティア実践者、その他地域住民が出席する文化芸術懇談会を沖縄で開催する予定であり、その中で文化芸術振興基本法及び文化芸術支援事業の周知を図ることとしております。
 県としては、国の支援策の活用はもとより、広く県民の文化・芸術活動の支援に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 英語教育特区における年間の標準総授業時数との関係についてお答えいたします。
 宜野湾市教育委員会の計画によりますと、授業時数については各学年とも文部科学省が定めた年間の標準総授業時数内で、教育課程の弾力的な編成により小学校1学年から6学年まで「英語科」を新設し指導すると伺っております。
 次に、英語の指導時数については、1・2学年はそれぞれ週1時間程度、年間で23時間、3学年から6学年は週2時間、年間70時間程度を実施すると聞いておりますが、指導時数については児童の実態や負担を考慮しながら宜野湾市教育委員会と各学校が調整の上、決定すると伺っております。
 次に、英語教育の目標については、低学年では英語に触れる活動を重視し、「英語をよく聞き、大きな声でまね、意思表示ができる」、中学年では、英語になれる活動を重視し、「英語であいさつをしたり、簡単な英語の質問に進んで答えようとする」、高学年では、英語に親しむ活動を重視し、「相手の話す英語を分かろうとしてよく聞き、伝えたいことを簡単な英語で話したり、書いたりすることができる」ことが目標となっております。また、児童が小学校を卒業するまでには全員英語検定試験5級以上の取得も目標にしていると聞いております。
 次に、「沖縄インターナショナル高等学校(仮称)」の設置計画についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
 沖縄インターナショナル高等学校――仮称でございますが――の設置時期につきましては、編成整備計画策定の過程において、県内の6地区における「教育施策に関する地区協議会」等の意見を踏まえ次のことを勘案し、平成19年度から23年度の後期の計画としております。1つ目には、指導者の養成に時間がかかること、2つ目には、既存校の再編に伴う課題、3つ目には、施設・設備等の整備に伴う財政上の問題等でございます。
 御提案のあります設置時期や学校名につきましては、関係機関との調整を経て学校長、PTA関係者等で構成する学校設置準備委員会において検討してまいりたいと考えております。
 次に、各学校での校内巡視体制についてお答えいたします。
各学校では、県の危機管理マニュアルをもとに独自のマニュアルを作成し、不審者等への対応策が図られています。
 具体的に申しますと、来校者には受け付けをさせ、ネームカード等をつけてもらい、不審者と容易に識別できるようにすると。職員による来校者への声かけ、職員のベルの常時携帯、防犯カメラによる監視などであります。また、教職員による校内巡視が日常的・継続的に行われています。
 さらに、緊急時に対応できるような防犯教室や避難訓練等を実施して危機回避能力の育成や危機管理意識の高揚を図り、被害を最小限に食いとめる指導がなされています。より一層の学校安全対策を充実させるためには、保護者や地域の方々の理解と協力が必要と考えています。保護者や地域、ボランティアによる校内巡視活動の実施は重要でかつ必要なことであり、今後の学校安全対策の充実に生かせるものと思います。
 次に、環境に優しい学校施設(エコスクール)の整備状況とリサイクル商品等エコ商品の使用状況についてにお答えいたします。
 近年の地球規模の環境問題に対して、学校施設についても環境を考慮した施設づくりが求められていることから、県教育委員会においては、学校施設の整備に際し環境への負荷の低減に努めているところであります。
 平成15年5月1日現在、県立学校におけるエコスクールの整備状況は、太陽光発電設備1校、雨水利用35校、省エネ型空調設備24校となっており、環境緑化については学校環境緑化推進事業として全県立学校を対象に実施しています。また、公立小中学校におけるエコスクールの整備状況は、雨水利用45校、運動場への芝張り58校、環境緑化58校、屋上緑化1校、太陽光発電装置1校、風力発電装置1校となっており、年次的に環境に優しい学校施設の整備を進めているところであります。
 また、リサイクル建材の使用については、再生クラッシャランの使用、再生PET樹脂使用の防球ネットを設置するなど、リサイクル商品の使用推進に努めております。今後とも市町村教育委員会と連携し、さらに環境を考慮した学校づくりを推進してまいりたいと考えております。
 次に、環境教育の取り組みと小学校の実践活動の現状についてお答えいたします。
 環境問題は、地球温暖化やオゾン層の破壊など地球規模の問題があり、人類共通の重要な課題と認識しています。本県の教育施策の一つである「学校教育における指導の努力点」にも環境教育を位置づけ推進しております。
 小学校においては、低学年から身近な自然環境や社会環境により多く触れる機会を設け、環境を大切にする心をはぐくむことができるようにしております。また、平成12年度の小中学生サミット宣言を受けて平成13年度から「ちゅら島環境21」を開催し、地域の特色を生かした実践活動を推進しているところであります。
 具体的活動例としましては、堆肥づくりや空き缶回収などのリサイクル運動、牛乳パックの折り方の工夫などのごみを出さない取り組み、小動物の飼育、野鳥の観察などの自然保護活動、草花の栽培、クリーン活動等が実施されております。
 昨日9月30日も小中学生代表約450名が漫湖河川敷のクリーン活動を実施しております。今後とも、ちゅら島沖縄にふさわしい環境教育を推進していきたいと考えております。
 文化芸術振興基本法に基づく事業の平成15年8月末現在の活用件数と助成額についてお答えいたします。
 活用件数は7つの事業すべてで24件、助成見込み額は4503万6000円となっております。
 なお、7事業24件は文化庁が企画し、都道府県が実施する事業の全項目に相当して件数としても多く、各市町村、学校、その他関係団体で積極的に取り入れられております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 福祉保健行政についての中の、老人福祉施設の現状と対策についてお答えいたします。
 本県の介護老人福祉施設の整備は、全国平均の約1.6倍と高い整備率となっており、「沖縄県高齢者保健福祉計画」においては新たな整備は行わないこととしております。
 介護保険制度の施行後、介護老人福祉施設への入所申し込みが増加しておりますが、これは直ちには入所の必要のない高齢者が入所を申し込んでいたり、複数の施設に申し込んだりしていることが大きな要因と考えられます。
 このようなことから、真に入所の必要な高齢者が優先的に入所できるよう、県と老人福祉サービス協議会が共同で「入所指針」を作成し、去る4月1日から運用しております。今後は、施設から在宅へのシフト対策及び高齢者が住みなれた地域で安心して暮らしていけるよう、ケアハウス、痴呆性高齢者グループホーム、生活支援ハウスの整備を促進してまいります。
 続きまして、障害者福祉施設の現状と対策についてお答えいたします。
 平成15年9月1日現在、身体障害者施設は21カ所、定員1105人、知的障害者施設は43カ所、定員2243人、障害児施設は12カ所、定員700人となっており、障害者プランに基づき整備を図ってきております。また、地域で働く場や活動の場の確保が困難な在宅の障害者の自立と社会参加を促進するため、親等が中心になって設置している心身障害者小規模作業所があります。県では、施設の安定的な運営を図るため、小規模作業所に対し市町村を経由して補助金を交付し助成を行っており、平成15年度は25市町村における47小規模作業所へ補助を予定しております。
 なお、利用者処遇の一層の向上を図るため小規模作業所を法人化し、法定施設である小規模通所授産施設等への移行促進を図っているところであり、今後も市町村と連携しつつ支援を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 環境行政についての、リサイクル商品の利用状況とその指導方についてにお答えいたします。
 公共工事でのリサイクル商品の利用状況につきましては、平成7年度から5年ごとに実態調査を行っております。平成7年度のリサイクル率は、コンクリート殻は72%、アスファルトコンクリート殻は45%で、平成12年度にはコンクリート殻及びアスファルトコンクリート殻のリサイクル率が95%になっております。また、廃ガラス等を使用したその他の資材につきましては、一部試験施工等で使用されております。今後、県内産リサイクル資材の使用促進を図るため、平成15年度に評価基準及び認定要領を策定し、平成16年度から県内産リサイクル資材の認定及び使用促進によって循環型社会の構築に努めていきたいと考えております。県としては、今後とも評価基準及び認定要領を満たし適正な価格を有するリサイクル資材については積極的に活用していきたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 環境行政についての、太陽光発電の普及等について一括してお答えをいたします。
 太陽エネルギーを利用した発電システムは排出物を全く出さないクリーンなシステムであり、地球環境保全の観点からも極めて有効なものと認識をしております。国の助成制度を利用して県内に設置された太陽光発電は、平成13年度までの実績で268件、2766キロワットとなっております。県としましては、太陽光発電の普及について国の助成制度の利用、県単融資制度の活用を促進してまいりたいと考えております。また、市町村の新エネルギービジョンの策定等を促進し太陽光発電の普及に向け努めてまいります。今後、太陽光発電の導入に向けた方策については幅広く検討していきたいと考えております。
 次に、商工業の振興についての、中小企業の金融の円滑化についてお答えをいたします。
 沖縄県信用保証協会は、平成14年度の決算において金融安定化特別保証による代位弁済の増加を主要因として多額の欠損金が生じ、基本財産を取り崩すことを余儀なくされております。このような状況を打開し、経営の健全化を図るため、平成15年度を初年度とする経営改善5カ年計画を策定しております。同改善計画では、平成15年度の保証承諾額を平成14年度実績に対し約12%増を見込んでおり、中小企業者の金融の円滑化に努めることとしております。
 県としましては、中小企業者を取り巻く昨今の厳しい経営状況を踏まえ、個々の事業者の実情に応じた弾力的な運用により、金融の円滑化が図られるよう指導してまいりたいと考えております。
 次に、国に対する支援要請についてお答えをいたします。
 信用保証協会の基本財産は、国、県、市町村及び金融機関からの負担金で成り立っております。このうち国の負担については、県が国から補助金として受け入れ、県の負担分と合わせて信用保証協会に出捐しております。このようなことから、県としては信用保証協会の要請を踏まえて国に対し必要な支援措置を要請したいと考えております。
 産業振興を図る統括部門の新設と職員表彰について一括してお答えをいたします。
 本県が地域の資源を活用して新たな産業の創出と地域産業の活性化を図るためには、観光・リゾート産業を初め農林水産業、伝統工芸産業、健康食品産業、環境関連産業等が相互に連携し、その波及効果を高めていくことが重要であります。このため、県においては去る1月22日に副知事を会長とし関係部局長で構成する「沖縄県地域産業おこし行政連絡会議」を設置するとともに、1月31日には産業振興公社等15の機関で構成する「沖縄県地域産業支援機関連絡会議」を設置したところであります。今後とも関係部局及び機関が密接に連携し、本県産業の振興に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、職務成績が特に優秀で県政の発展に功績があった職員の表彰制度として沖縄県職員表彰規程が定められております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず「映画特区」についての御質問にお答えをいたします。
 県におきましては、これまでの特区構想提案の中で映画などのロケの円滑な推進を図るために道路使用許可等の規制の緩和を国に要望いたしました。しかしながら、所管省庁からは個別・具体の事情に照らして判断されるべきものとの理由で否定されております。本県におきましては、映画やドラマのロケ等を積極的に誘致していくためにはロケ支援体制や情報発信機能等の整備、各種許認可手続の迅速化などが必要であります。
 御提案の「映画特区」につきましては、本県においてロケをする際のニーズや規制緩和の必要性が高い分野等を勘案し、引き続き再提案に向けて検討していきたいと考えております。
 次に、リゾートの面的開発、整備のための県の取り組みについてお答えいたします。
 本県を訪れる観光客の満足度を高めるためには、リゾートの面的整備が必要であると考えております。そのため、県におきましては観光振興地域を核に宿泊施設、スポーツ・レクリエーション、飲食施設、販売施設等の民間観光関連施設の集積促進及び道路、港湾、公園、海浜等の観光関連公共施設の一体的な整備を推進しております。具体的な事例として、部瀬名地域においては宿泊施設、ゴルフ場、販売施設、コンベンション施設、人工ビーチ等の集積促進を図っております。また、北谷西海岸地域では宿泊施設、販売施設、映画館等劇場、人工ビーチ、スポーツ・レクリエーション施設等の集積が進んでいます。今後とも観光振興地域制度を活用し、観光・リゾート地の充実を図っていきたいと考えております。
 次に、県都那覇市の町並み整備についてお答えをいたします。
 本県の玄関口であります那覇市における快適な町並みの整備は、観光振興の面からも重要であります。そのため、県におきましては、国際通りにおける歩道の拡幅、電線類地中化、街路樹による緑化及び日よけ設置等の事業を実施しております。また、世界遺産周辺整備事業として首里城周辺地域において町並みに調和した休憩所及び展望台等の整備を進めております。観光リゾート局といたしましては、今後とも那覇市における良好な町並み整備に向けて県関係部局、那覇市、関係団体等へ積極的に働きかけていく考えであります。
 次に、クルーズ船に係る入国審査手続の改善についてお答えをいたします。一括してお答えいたします。
 御指摘のクルーズ船乗客の上陸までの時間がかかり過ぎるということにつきましては、所管の入国管理局那覇支局に確認したところ、その原因としてSARSの以前の伝播地域からのクルーズ船入港に対し、引き続き検疫を慎重に行っていることの影響によるものとのことであります。しかしながら、現在は入国審査業務体制の拡充・強化を図り、おおむね1時間程度で審査業務を終了しているとのことであります。
 県におきましては、クルーズ船での沖縄観光の魅力向上を図るため、入管、税関手続の迅速なる処理について今後とも関係機関に協力要請を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 「ゼロエミッション・アイランド沖縄」構想の取り組み状況についてお答えします。
 県では、「ゼロエミッション・アイランド沖縄」構想の実現に向けて既に平成12年度から家畜排せつ物等の有効利用調査及び処理技術の開発、放置自動車の撤去及び廃自動車等破砕物の分別、資源化の促進や古紙の高度利用など具体的な取り組みを行っているところであります。今年度は、産業廃棄物の分別技術開発による最終処分場の延命化、リサイクル資材の利用拡大に向けた公共事業における基準の作成に取り組んでおります。今後とも市町村や民間等とも連携しながら、同構想の具体化に向けて取り組んでまいります。
○警察本部長(髙橋清孝) 県民の安全確保についてのうち、検挙率が低いのはなぜかについてお答えします。
 御指摘のとおり、平成14年の本県の刑法犯全体の検挙率は全国平均を下回っていますが、検挙率の低下の要因は従来の聞き込み捜査等の手法を活用した捜査が困難化していることなども一因でありますが、犯罪の増加に検挙が追いつかないことに大きな原因があるものと認識しております。
 県内の犯罪がここ10年間で約2.3倍増加していることに対応して、警察としてはより多くの犯人を捕まえることに力を注いでおります。平成14年中の検挙人員が10年前の約1.9倍の3834名となっていることがそれをあらわしております。したがって、全刑法犯の約8割を占める窃盗犯の場合が典型でありますが、検挙した被疑者の取り調べ等に以前のように時間をかける余裕がないことから余罪の解明が非常に困難になっており、そのために検挙件数が伸びず検挙率が低くなっているのが実情であります。
 なお、平成15年、ことしの8月末現在、県内の刑法犯全体の検挙率は23.0%で、前年同期に比べ0.8ポイント上回っております。さらに全国平均21.3%と比べますと1.7ポイント上回るなど若干向上いたしております。
 次に、警察官の増員要求についてでありますが、警察官の増員につきましては知事を初め県議会の御理解をいただき、平成14年度50人、平成15年度110人の増員が認められたところであります。しかしながら、犯罪の多発等に検挙が追いつかない現状にあることや駐留米軍構成員等の存在、観光入域客の増加など、本県警察官1人当たりの負担状況は依然としてかなり厳しいものがあり、良好な治安を維持していく上でいまだ十分であるとは言いがたいというのが実情であります。
 警察庁におきましても我が国の治安状況を勘案して平成16年度から3年間に1万人の警察官の増員を計画しており、県警としても既に増員の要求をしておりますし、去る9月25日には知事が国家公安委員会委員長や総務大臣等に対し、増員の要請を行ったところであります。
 犯罪を抑止し県民の安全を確保するためには、警察官の増員だけではなく、一般職員や警察OB等の非常勤嘱託職員等についても増員を図るなど、あらゆる視点から体制を強化して犯罪抑止対策を講じることが必要不可欠でありますので、今後とも御理解、御協力をお願いいたします。
○外間 久子 質問に入ります前に、所見を述べます。
 政局は、9月26日に臨時国会が召集され、この国会でアメリカのイラク占領支援のためのテロ特措法延長を強行した後、今月10日に国会を解散、11月投票・総選挙という流れが強まりました。内政、外交ともに破綻が明瞭となった小泉政治に対する国民の怒りが大きく高まっている中での解散・総選挙となります。
 この解散・総選挙は、国民の生活苦をよそに消費税の大幅増税と米国の地球的規模で行う介入戦争への歯どめのない参戦体制づくりのための憲法9条の改悪を許さない小泉政治への審判を下す絶好の機会にすることだと考えます。
 以上、所見を述べ、日本共産党の県議団を代表して質問を行います。
 最初に、台風14号に対する災害復旧と被害対策について。
 過去30年間で最大級の猛烈な台風14号は宮古島を直撃し、平良市内の86歳の女性が亡くなられました。心からの御冥福を申し上げるものであります。
 我が党県議団は、赤嶺衆議院議員とともに宮古の航空路が再開してすぐ12日、13日の2日間現地調査を行い、16日には稲嶺知事あて14項目にわたる災害復旧と被害対策についての申し入れを行いました。9月17日には赤嶺衆議院議員と玉城ノブ子県議が政府への申し入れ、その日の夕方には前細田沖縄担当大臣から、あすの閣議では各省庁に宮古復旧のための取り組みを強化してほしいと発言するとの回答がありました。
 特に農作物はさとうきびを中心として壊滅的な打撃を受けています。災害時には地域住民の避難場所となり安全であるはずの公共施設、病院、学校、福祉施設等の建物の損壊がひどく、関係者は老朽化が主な要因だと述べています。まさに政治の責任は大きいと言わざるを得ません。
 以下、質問をいたします。
 (1)つ、県は宮古島台風被害対策について被害対策会議を設置したが、これまでどんな調査を行い、どういう対策を立てたのか。被害の実態、被害額及び県独自の施策について答弁を求めます。
 (2)つ、国に対してどういう要望を出したのか。国からどんな回答があったのか。
 (3)つ、さとうきびを初め農畜水産業に対する支援について。
 (4)つ、公共施設、病院、学校、福祉施設等の対応と今後の方針について。
 (5)つ、電柱倒壊による停電と幹線道路の遮断をなくすためにも、電線地中化を促進することについて。
 2つ目は、軍民共用空港の建設計画について。
 アフガン戦争やイラク戦争でも出撃拠点とされた在日米軍基地は、ブッシュ政権の新たな世界戦略のもとで米軍戦力を地球規模の戦争に投入するハブ基地としてさらに強化されようとしております。それが沖縄・名護への新基地建設です。辺野古への新基地建設場所のリーフを埋めることは、リーフを破壊するだけではなく、天然記念物であり絶滅の危機に瀕しているジュゴンのえさ場を破壊することになります。沖縄の自然を破壊することに今各国から反対の声が上がっています。今、国民はイラク戦争を契機に極めて異常な国家的な対米従属の状態として日米軍事同盟の現状に対する新たな批判が高まっています。
 改めて新基地建設反対の立場から質問をいたします。
 (1)つ、那覇防衛施設局の現地技術調査に関する県農林水産部長の回答文書は、国益優先の立場がその根拠になっていますが、そのとおりか。
 (2)つ、地元名護市長は、ヘリコプターの運用しか認めないと公言している。防衛施設庁は現状の普天間飛行場の運用機能が移設すると言っているが、どちらですか。
 (3)つ、民間部門の空港の需要予測や共用後の収支予測を示してください。
 (4)つ、滑走路はSACO合意の1300メートルから2000メートルに拡大したが、それによって軍用部門が拡大することにならないように運用は1300メートルであるという拘束力のある方法で線引きはできますか。
 (5)つ、本体が2000メートルの滑走路は長さ2500メートル、幅730メートルを埋め立てなければならないが、大量の埋立土砂は北部のどこの山を取り壊し、どのように持ってくるのか。また、資材置き場は必要となりますか、どれくらいの規模か、自然破壊のおそれはないか。
 (6)つ、防衛施設局のボーリング調査は環境アセスもないままに強行されようとしている。環境アセスに資する現地技術調査であれば、法的には文献資料でも構わないとうたわれています。アセスなしに自然に手をつけるボーリング調査を県は容認するのか。
 (7)つ、大義のないアメリカへの一国覇権主義の戦争に加担するような新たな基地建設には反対すべきではないか、知事の見解を伺います。
 3つ目の柱として、泡瀬干潟で発見・生育する貴重種の保全と泡瀬干潟の埋立中止について。
 6月には貴重種の発見を受け、その保全策を主要な議題にして7月29日には第2回環境監視委員会が開かれました。そこで出された事業者の保全措置案は本当にひどいもので、検討に値するものではありませんでした。監視委員会では事業者の出した海草、貝類等の保全措置案は実態を無視した不十分なもので、審議できる内容ではないということで再調査をし、資料を再整備して次回の委員会で審議することになっていましたが、事業者は委員会終了後記者会見をし、8月1日から工事着工する旨県に報告すると発表しました。
 このことは委員会の役割、審議経過、結果や指導・助言を無視した事業再開ありきの事業者の傲慢な態度を示したものでした。この態度に対して、参加した委員、「環境保全・創造検討委員会」や「海藻草類専門部会」の委員数名が連名で意見書を提出し、抗議の声が広がる中で、8月1日本格工事再開に踏み切れば内外から大きな批判を受けると判断したんでしょうか、事業者は8月4日、記者会見をして、本格工事は当面見送る旨発表いたしました。
 以上がこれまでの経過です。
 質問に入ります。
 (1)、新種の可能性のある海草や貝が見つかり、その保全が求められている。貴重種が発見されたときの対応で総合事務局と県の間で貴重種の保全策についての対応の調整がなされると思うが、県としてどのような保全策を示したのか。調整の結果はどうなっているのか。
 (2)つ、埋立周辺を含め沖縄の海域に生息しているウミヒルモ類は、学問的な面で整理され分類されているのか。
 (3)つ、自然保護団体は、同海域でジュゴンのふんが発見され、ジュゴンが生育している可能性が高いことから、同海域でのジュゴン調査が必要と指摘している。県として泡瀬干潟を含む中城湾でのジュゴン調査を環境省に依頼すべきではないか。また、文化財保護の立場から県独自に調査を実施する必要があると思うが見解を伺いたい。
 (4)つ、海草の専門家は移植が極めて困難であると指摘している。泡瀬海域で行われたこれまでの機械移植、手植え移植も海草藻類専門部会では成功と判断はしておりません。海草の移植実験の成功、失敗の判断の基準を示してください。
 4つ目の柱として、県内中小企業支援と将来の沖縄経済を支える人づくりと臨時雇用問題について。
 昨年の県内の実質収入も4.4%減少、私の試算では金額にして21万2885円減少し落ち込んでいるもとで、これから4兆円の負担増を国民に押しつける。その上、さらに年金の大改悪や消費税の大増税をねらっており、本当にどこまで生活を破壊すれば済むのでしょうか。そういうときだからこそ地方自治体が知恵も力も入れて具体的な支援策を実施するときです。まず県ですぐできるものとして建設工事の下請、孫請の工事代金や賃金未払いの解決のための手だてをとることが必要ではないでしょうか。物品購入が一括購入制度になって中小企業が入札から外される実態もあります。財政難を口実にして一括購入制度を取り入れたことが県内の中小企業の経営を圧迫し、経営難に追い込んでいる実態をつかんでいますか。
 以下、質問いたします。
 (1)、消費税が10%になったとき、県経済や県民生活に及ぼす影響はどう予想されますか、所見を伺いたい。
 (2)つ、この不況を反映して公共工事などの孫請の賃金未払いの相談がふえている。孫請の労働者が路頭に迷っているが、その実態をどう認識しているのか。また、過去1年間の相談件数及び解決件数、敏速な対応を図るための対策を示してもらいたい。
 (3)つ、都合のいいときに都合のいいだけ労働力を調達することが効率的な経営のように言われますが、人間の労働力は物ではありません。いつでも解雇でき、低賃金で働かせ、教育訓練もしないで使い捨ての労働からはあすの沖縄を担う力は生まれません。若者の雇用問題は県の責任で本腰を入れて取り組まなければならない課題になっています。知事、どう取り組まれますか。
 (4)つ、今、各県では雇用創出の努力が始まっています。県民の暮らしと経済を守る県政の責務から、教育現場と行政の現場にいるおよそ1700名の臨時職員を初め、県庁のサービス残業をなくし、30人学級の実施によって新規雇用が生まれ、失業率を引き下げることができます。本気で若者の雇用問題を考えておられるのであれば、公共業務の分野で雇用の創出を検討する考えはないか、知事の所見を伺いたい。
 (5)つ目に、パソコン一括導入実績の資料によれば、平成10年の一括導入から6年も過ぎ、ネットワーク端末やサーバー用のデスクトップの稼働台数は5114台でおよそ県職員1人1台。提出された資料によれば、台数が平成14年1100台から平成13年度は2190台と台数規模がまちまちである。一括導入の理由には仕様及び導入時期を統一することでのメリットを挙げておりますが、例えば500台以下でも年2回から4回に分けて調達しても目的の達成は可能ではないか。今後はシステムの見直しと機器の入れかえが中心で、仕様及び導入時期の統一も考慮しながら、各部署ごとの調達でも所期の目的が達成できる方法を検討すべきだと思うが、見解を伺いたい。
 (6)つ目に、経費面での節減効果として挙げておりますが、資料の予算額と契約額の比率を見ますと平成10年の①が0.78%、②が0.9、そして以下、平成15年の0.50まで一貫して減少しています。パソコンの一括導入実績では一括導入のスケールメリットによる大幅値引きの期待には当たりません。執行単価の低減化は年度ごとの業界の事情によるところが大きいと言われています。県庁の各部署でも全体システムとの整合性や契約事務の効率化も考慮しながら、部署の事情や業務に適した機能の高い機器をより安価で調達できる方法が可能と思われます。県内の中小企業にとっては年度契約額2億円から3億円が10分の1の2000万円から3000万円になるだけで10社以上の会社が潤い、1人以上の雇用が維持されます。
 中小企業支援と雇用問題の解決のためにもパソコン等の機器調達にも公共工事の分離・分割発注に近い各部署での個別調達を提案したいが、御見解を伺いたい。
 答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、代替施設の基地機能と拘束力との2つの御質問につきまして一括してお答えをいたします。
 SACO最終報告では、普天間飛行場の機能について普天間飛行場のヘリコプター運用機能のほとんどを吸収する、またヘリコプターに係る部隊等を支援するよう設計され、短距離で離発着できる航空機の運用をも支援する能力を有するなどとされております。昨年7月29日に合意された「代替施設の使用協定に係る基本合意書」において、「代替施設の米軍に供用する施設・区域としての機能については、SACO最終報告の内容に何ら変更がないことを確認する。」とされております。県としては、名護市が懸念している代替施設の基地機能については、SACO最終報告の範囲を超えることのないよう使用協定締結等今後とも名護市と連携し、取り組んでいきたいと考えております。
 次に、普天間飛行場の移設についての御質問にお答えいたします。
県は、普天間飛行場返還問題の原点は、市街地の中心部に位置し、市民生活に深刻な影響を与えている普天間飛行場を一日も早く返還させることであると認識しており、このためSACOの合意事案を着実に実施していくことが早期の返還に向けた実現可能な方法であると考えております。
 次に、若年者雇用対策についての御質問にお答えいたします。
 若年者の雇用状況を改善していくためには、雇用吸収力のある産業の振興とともに、若者みずからが幅広い職業観を形成し、仕事に関する知識や技術・技能を習得することが重要であると考えております。そのため県では沖縄県キャリアセンターを設置し、キャリア形成、就職活動、資格取得等若年者の就職を総合的に支援する体制を構築したところであります。
 また、学生の職業意識の向上及び視野の拡大を図るための県内外インターンシップや就職活動支援のための県外企業合同求人説明会、就職支援特別セミナー及び就職の翼事業を実施しております。さらに国においても、県内の若年者を雇用した場合に奨励金を支給する沖縄若年者雇用開発助成金制度を設け、雇用の促進を図っているところであります。県としましては、今後とも関係機関と連携を図りつつ若年者雇用対策を積極的に推進してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 台風14号に関する御質問にお答えをいたします。
 被害の実態、被害額及び県独自の施策についてお答えをいたします。
 今回の台風では、電気、電話、水道等のライフライン等の甚大な被害、住家の損壊、農作物、公共土木施設、教育施設等に多大な被害が発生しておりまして、被害額は平成15年9月29日現在で100億8000万円となっております。県では、全庁的に災害復旧を支援するため「平成15年台風第14号沖縄県災害復旧支援対策本部」を設置したところであります。同対策本部で、個別の事業で対応が可能な復旧事業につきましては各部局で災害復旧対策の取り組みをしているところであり、従来の制度では実施できない災害復旧対策については課題等を抽出し、県としてどのようなことができるのか現在検討をしているところであります。
 次に、国に対してどういう要望をしたのかという御質問にお答えをします。
 県は、知事が9月25日、26日に政府関係省庁に台風14号の被害状況等を説明するとともに、災害復旧支援について要請をいたしました。今後、被害総額、地元の要望等を取りまとめ、整理した上で改めて要請に上がりたい旨申し上げました。関係大臣等からは、要請の趣旨はよく理解できたので適切に対応したい旨の回答がございました。
 次に、泡瀬干潟の御質問にお答えをいたします。
 総合事務局と県との間で貴重種の保全策についての対応の調整はどうなっているかという御質問でございます。
 泡瀬干潟におきましては、日本新記録の可能性が高い海草の一種であるホソウミヒルモや――これは仮称でございますが――貝類のニライカナイゴウナが自然保護団体等の調査によって確認をされております。こうした新たに確認された種につきましては、環境影響評価の手続における知事意見に基づき平成15年8月4日付で事業者から報告がなされているところであります。当該報告において、今後追加で報告するとしているウミヒルモ類と貝類についてのより詳細な確認調査結果とあわせて十分に審査していくこととしております。
 以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 台風被害の実態及び支援についてお答えいたします。
 台風14号の農林水産業の被害額については、9月19日現在約42億円で、そのうち宮古島においては約40億円となっております。主な内訳は、さとうきび等農作物約10億円、ハウス等農業用施設関係約23億円、水産業関係約1億円となっております。
 農業生活者関係の災害復旧については、既決予算の災害復旧費やJAの営農生活資金に県の利子補給などで支援を行ってまいります。また、災害復旧費の対象とならないさとうきびの被害、鉄骨ハウスの損壊等については、県の単独支援として新植夏植えの植えかえ費用の支援、鉄骨ハウスの撤去に要する経費の支援、農業用施設等の復旧や経営資金の利子補給事業の条件緩和などの支援を行ってまいります。
 続きまして、農林関係公共施設の対応についてお答えいたします。
 台風14号の宮古地域における公共施設の被害額については、9月19日現在、農業用施設関係約9億円、林業施設関係約4000万円、漁港施設関係約5000万円で、総額約10億円となっております。公共施設の災害復旧については、既決予算の災害復旧費で対応することとしております。現在、復旧に向けて関係機関と調整し災害査定設計書の作成などに取り組んでおります。
 続きまして、ボーリング調査に係る岩礁破砕の照会についてお答えいたします。
 平成15年3月31日付那覇防衛施設局から照会のあったボーリング等の調査については、海底の形状を大幅に変更するものではなく、漁場の汚濁及び水産資源に与える影響も軽微であることから岩礁破砕には当たらないと判断したものであります。今回の取り扱いは、水産資源保護法第4条及び漁業調整規則第38条の趣旨を踏まえるとともに、これまでの事例を参考にして適切に判断したものであります。
 なお、岩礁破砕の許可については、海底の形状を大幅に改変する航路掘削、土砂採取等のしゅんせつや埋め立てに類する行為等は、水産資源に与える影響が大きいと考えられることから許可が必要であります。
 以上であります。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 台風14号に関する病院、福祉施設等の被害への対応と今後の方針についてお答えいたします。
 福祉保健部が所管する施設の被害は、医療・福祉、保健衛生施設等多くの施設に及んでおり、部としましては、宮古支庁や各施設からの報告及び関係職員を派遣し被害状況の把握に努めるとともに、本島保健所から4名の食品衛生監視員を派遣し、その後の食中毒の発生予防に努めてきたところであります。被害状況については、医療・福祉施設等において建物の一部損壊、窓ガラス破損に伴う暴風雨の吹き込みによる設備損壊等の大きな被害が出ておりますが、現在、各施設ともほぼ通常どおりの運営に戻っております。
 被害への対応策としましては、厚生労働省所管補助施設災害復旧事業の適用について国と調整を進めているところであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 台風14号に関する災害復旧と被害対策についての、公共施設の対応と今後の方針についてにお答えいたします。
 土木建築部所管の被害は、道路、海岸、公園、港湾、空港、住宅等多くの施設に及んでおり、部としては応急対策を講じるとともに、被害状況の把握に努めてきたところであります。今後、公共土木施設災害復旧事業負担法の対象事業については国への災害復旧申請を早期に行うとともに、その他の事業については既決予算で早期復旧に努めてまいりたいと考えております。
 次に、電線地中化の促進についてにお答えいたします。
 電線類の地中化は、「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」に基づき安全で快適な通行空間の確保、都市災害の防止、都市景観の向上等の観点から道路管理者、電線類管理者及び地元の協力のもとで実施される事業であります。電線類の地中化事業は、沖縄総合事務局、沖縄県、関係市町村、電線類管理者等で構成される「沖縄ブロック電線類地中化協議会」において整備箇所、整備延長等が決定され、電線類地中化計画が策定されます。県内におきましては平成4年度から整備が始まり、平成14年度までに国道58号の上之屋、国際通りの県庁前等で約50キロメートルが整備されております。平成15年度までには宮古管内の平良城辺線を含む約66キロメートルにおいて地中化される予定であります。電線類の地中化は、台風常襲地においてはライフラインの確保のための有効な手段の一つであると考えております。しかしながら、電線類地中化事業では、電線類管理者において極めて大きい費用の負担があります。今後、宮古島における電線類地中化につきましては、「沖縄ブロック電線類地中化協議会」や電線類管理者と協議しながら、平成16年度から始まる次期計画に盛り込まれるよう積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、泡瀬干潟で発見・生育する貴重種の保全と泡瀬干潟の埋立中止についての、ウミヒルモ類は学問的に整備され分類されているかについてにお答えいたします。
 泡瀬海域におけるウミヒルモ類の分布調査については、平成15年7月7日から11日に事業者において調査をし、さらに7月13日に事業者と自然保護団体との合同観察を実施したところであります。この調査結果に基づきウミヒルモ類を形質比較により4種類に分類し、7月29日に開催された泡瀬地区環境監視委員会に諮り、委員から指導・助言をいただいたところであります。
 次に、中城湾でのジュゴン調査についてにお答えいたします。
 泡瀬埋立事業予定地周辺において、自然保護団体が独自に行った調査によりジュゴンのはみ跡及びふんらしきものが確認されたとの新聞報道は承知しておりますが、調査内容等については把握しておりません。県としては、現在環境省で実施中のジュゴンと藻場の広域的調査を参考に、同調査で確認された場合は適切に対処してまいりたいと考えております。
 なお、環境省においては、平成13年度より沖縄本島周辺を対象に藻場のはみ跡調査を行っており、平成14年度には中城湾南部でリーフ内の藻場を対象としてはみ跡調査を実施し、平成15年度は泡瀬周辺を含む中城湾北部の調査を実施する予定と聞いております。
 次に、海草の移植実験の成功、失敗の基準についてにお答えいたします。
 泡瀬海域における藻場の移植実験の結果については、海藻草類を専門とする学識経験者等で構成する「海藻草類専門部会」及び「環境保全・創造検討委員会」に移植種の定着状況、生育状況等モニタリングの結果を示し、当該委員会において総合的に検討を行った上で移植実験の成否について判断されるものと考えております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 台風14号に関連して、学校の対応と今後の方針についてお答えいたします。
 学校における台風14号の主な被害は、校舎や体育館等の窓ガラスやドアの破損、屋根や天井の破損等があります。特に、城辺町立城辺中学校では体育館の屋根が完全に吹き飛ばされ、壁や床等が水浸しになっております。9月26日現在で把握しているその被害額は、市町村立学校等で約4億8200万円、県立学校で約1億1400万円、合計で約5億9600万円となっております。現在、迅速に復旧工事に着手できるよう関係市町村と連携を図りながら、公立学校施設災害復旧費国庫負担法に基づき文部科学省への災害復旧事業の手続を進めているところでございます。
 次に、ジュゴン調査の文化財保護の立場からの本県独自の調査実施についてお答えいたします。
 国指定天然記念物ジュゴンの調査は、現在、環境省が平成13年度より沖縄周辺海域における同種の保護方策を検討する目的で実施しております。県教育委員会としましては、今後、同調査の結果に基づいて文化財保護の立場から文化庁や環境省等関係機関と連携を図りながら、ジュゴンの保護について検討していきたいと考えております。
 次に、30人学級の実施による雇用創出についてお答えいたします。
 本県においては、平成15年度は第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画により、少人数授業等のための指導方法工夫改善の加配として425人の教員の配置に努めてきたところであります。また、緊急雇用創出特別交付金を活用して小学校低学年支援事業と学校教育補助者配置事業で131人の雇用を図っております。
 なお、学級編制の見直しについては、平成14年度に小学校1年生に限って特に必要と認められる場合について3学級以上かつ1学級の平均児童数が36人以上の学校において実施し、平成14年度は13校、平成15年度には20校において学級編制の弾力化に努めてきたところであります。今後、少人数学級の拡充については、関係機関と協議しながら引き続き努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 民間部門の需要予測と収支予測についてにお答えいたします。
 代替施設の民間機能の需要見込みについては、第2回代替施設協議会で県から説明しました。その内容は、那覇空港における既存の調査結果や北部地域における航空貨物の実績並びに今後展開される多くの振興策等を勘案しながら、民間機能における潜在的ポテンシャルを求めたものであります。また、北部地域にある主要ホテルの利用者は年間延べ約260万人の観光客に利用されていることなどから、北部地域の航空旅客は現状でも一定の利用可能性があると考えています。これらを踏まえ、県の独自の推計では関東、関西、中部方面に1日6便(3往復)程度の就航を見込んでおります。
 また、代替施設は、普天間飛行場の代替施設として国が建設する飛行場であることから、特に収支予測の必要性が問われるものではないと考えています。県としては、同施設の民間機能を活用して雇用機会の確保や産業の振興を図り、地域経済発展の拠点を形成することにより移設先や北部地域の振興を図っていきたいと考えております。
 代替施設の埋立土砂と資材置き場についてにお答えいたします。
 第9回代替施設協議会において国から示された「代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針に基づく検討資料」によると、代替施設本体の建設に伴う埋立土砂については沖縄及び近傍で十分確保可能としていますが、具体的な採取場所は現時点では明らかではありません。また、資材置き場等いわゆる作業ヤードは、ブロック製作等のための陸上ヤードが約31ヘクタール、ケーソン仮置きのための海上ヤードが約3ヘクタールとされておりますが、場所についてはまだ明らかになっておりません。
 ボーリング調査についてにお答えいたします。
 那覇防衛施設局が予定しているボーリング調査は、現地技術調査の一環として護岸構造検討に必要なデータを収集するために実施するとのことであります。調査の実施に当たっては、ジュゴンや海草藻場・サンゴへの影響を可能な限り回避または低減するため調査予定地点周辺の海底の状況を調査し、基礎資料の収集を行っているところであると聞いております。県としては、自然環境への影響を極力少なくするよう要望しているところであります。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 消費税増税と県民生活についてお答えします。
 消費税については、少子・高齢化がますます進展する中で世代間の公平の確保、経済社会の活力の発揮、安定的な歳入構造の確保の観点からその役割は重要なものとなっております。現在、消費税のあり方については、政府税制調査会において税制及び歳出を含めた財政全体、さらには国民生活に与える影響等をも含め論議されているところであり、その動向を見守りたいと考えております。
 次に、公共業務の分野での雇用の創出についてお答えいたします。
県では、厳しい財政事情のもとで「新沖縄県行政システム改革大綱」に基づき行政全般についての見直しを行っております。その中で職員数の適正な管理についても簡素で効率的な組織・機構づくりを推進し、新たな行政需要に対応するため徹底したスクラップ・アンド・ビルドを行うこととし、職員の採用についてはこの抑制を図っているところであります。県としては、同改革大綱の趣旨を踏まえた上で定年退職者等の補充や勧奨退職制度を活用し、可能な限り若者の雇用の場の確保に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 賃金未払いの実態等についてお答えいたします。
沖縄労働局によりますと、平成14年賃金不払い申告事件の処理件数は296件で、うち建設業が92件と前年の58件から34件、約6割ふえており、昨今の厳しい経済社会情勢を反映して賃金や退職金の不払いなどが増加傾向にあると理解をしております。
 県における平成14年度の賃金不払いに関する労働相談件数は59件で、前年度の1.5倍となっておりますが、匿名での電話相談が多く解決に至ったかどうかの把握は困難でございます。県としましては、相談者や事業主に対する指導・助言を行い、事例によっては労働基準監督署や地方労働委員会などを紹介し紛争解決に努めております。今後とも労働相談機能の充実を図るとともに、国と連携して労働関係法令の遵守や普及・啓発に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) パソコン等の各部署ごとの個別調達や分離・分割発注についての御質問に一括してお答えいたします。
 パソコン等の機器調達については、県庁全体の効率的・効果的な情報化を進めていく上で、パソコン等の仕様の統一化及び経費節減を図るため平成10年度より3年リースを基本として一般競争入札による一括調達を実施しております。その結果、契約事務の効率化、費用の節減、機器の保守管理等での事務改善とともに全庁ネットワークの円滑な運用が図られております。
 このようなことから、今後ともこれまで同様の調達方式で進めていきたいと考えております。
○外間 久子 答弁漏れがあるものですから……。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時21分休憩
   午後3時39分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) 土木建築部関係の工事代金・下請代金の未払いの相談件数についてお答えいたします。
 平成12年度で42件、これは全相談件数の50%、それから13年度で58件、これは全相談件数の32%、14年度で58件、全相談件数の64%、15年度で4月から8月までに37件、これは全相談件数の58%となっております。
 なお、解決件数につきましては、相談者からの連絡も特にないことから掌握しておりません。
 以上でございます。
○外間 久子 土木建築部長、答弁漏れ。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時40分休憩
   午後3時45分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) 建設工事に伴う賃金未払い等の防止策につきましては、国からの通知、下請契約における代金支払いの適正化等についてを建設業団体を通じて建設業者に対し周知徹底を図っているところであります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時46分休憩
   午後3時53分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 外間久子君。
   〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 農林水産部長に伺いますけれども、31日付で防衛施設局から照会があって、それを31日に回答しています。そのため、さっきの答弁のとおりやったというのであれば──科学的な調査をやったと思うんですが──どういうメンバーでそれを調査をしてその判断をしたのか、その専門家の皆さんの名前を挙げていただきたいと思います。
 あと1つは、やはり軍事基地の公益性というのであれば、国際的に認知された根拠があるのか、それを示してもらいたい。
 あと1つは、漁業調整規則の38条の許可申請を無視したものだと思うんですけれども、改めて申請をさせる意思はないのかどうか、そこを確かめたい。
 あと1つ、さっきのボーリング調査のところですけれども、法的には文献、資料でも構わないというふうにうたわれているんですが、このことをやはり県は認知しているのか。認知した上でこれを進めさせているのか、その辺をひとつお伺いしたいと思います。
 あと1点ですけれども、若者の雇用の問題というのはいろいろやっていらっしゃるけれども、県庁の中での公共の部門においてどうするかという、その立ち上げを組織的にやる考えはないのか。とりわけ今非常勤が1700名、教員を含めてその人たちの臨時職員の賃金を約100億円近く払っていると思う。だから、計画的に県庁の中での若者の雇用の枠を広げる。さっき30人学級やったんですが、そういう形の立ち上げをやる必要がないかどうかということを県知事にお伺いしたいと思います。
 あと、答弁によってやります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時56分休憩
   午後4時2分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の再質問にお答えいたします。
 若年者の雇用をもっと県庁内でというお話でございますが、県は、今求められておりますのは行政改革というのがございます。これは全国的にもその方向に進んでおりますが、やはり税金を使うという観点から考えますと、県の行政改革というのは大変重要でございます。
 一方、雇用問題というのは、これは別の意味で大変重要でございまして、私もきのうお話しましたように大変企業誘致あるいは産業振興に努力をしているわけですが、この辺につきまして今後とももっともっと努力して、新たなパイをふやさない限りはやはり雇用というのはふやせませんから、パイをふやすことについて全力を尽くします。
○農林水産部長(諸見武三) 平成15年3月31日付の那覇防衛施設局から照会のあったボーリング等の調査については、「下記により回答する」ということでございまして、この「記」の部分でございますが、今回の地質ボーリングでは漁場の汚濁も軽微で、かつ水産資源に与える影響も軽微であると思料されるため、許可を必要としないものと解するというふうに答えているわけであります。
 さらに、当該漁業権者との十分な調整を踏まえた上で周辺の漁場環境に留意し、適切な汚濁防止対策を講ずるよう万全な配慮を願いたいということで答えているわけでございます。
 以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
 法的には文献、資料でも構わないということは承知しておりますが、より詳細なデータを収集するために現地調査を実施するというふうに思っております。
○外間 久子 答弁漏れ。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時5分休憩
   午後4時11分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 外間久子君。
   〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 この文書を出すのは、やはり部長名では出せないはずなんです。やはり知事の判断が必要だと思うんですよね。だから、どこでその許可をおろしたのか。皆さんがその文書を出すにはだれが許可をおろしたのか、その辺を聞きたい。
 やはり農林水産部長の答弁とさっきの新垣知事公室長の答弁とはまた大変食い違っていると思うんですよ。その辺の整合性をきちっとしていただきたい。矛盾していますから、その辺をきちっと整合性を示してもらいたいと思います。
○農林水産部長(諸見武三) 岩礁破砕の所管については農林水産部になっておりまして、しかも課長専決事項でございます。そういうことで農林水産部長名で出していると。今回、農林水産部長名で回答を出していることについては、那覇防衛施設局の方からの照会文書で建設部長名で出ているわけでありますから、それに合わせる形で出しているわけでございます。
 以上でございます。
○外間 久子 ということは、今の部長答弁だと、やはり権限の越権行為になりますね。その辺を確認したいんですけれども。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時17分休憩
   午後4時19分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 諸見武三君登壇〕
○農林水産部長(諸見武三) 再質問にお答えします。
 沖縄県事務決裁規程により課長の専決事項でありまして、越権行為ではございません。
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで終了いたしました。
 次会は、明2日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後4時20分散会

 
20030403000000