○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
9月18日から10月1日までに受理いたしました陳情12件は、お手元に配付の陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
次に、説明員として出席を求めた教育委員会委員長宜保美惠子君は、別用務のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として教育委員会委員長職務代理者徳山盛彦君の出席を求めました。
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、乙第1号議案から乙第7号議案まで、乙第9号議案から乙第16号議案まで及び認定第1号から認定第24号までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
安里 進君。
〔安里 進君登壇〕
○安里 進 おはようございます。
〔議長退席、副議長着席〕
私の名前は、安心・安全な里づくりを進めるというふうに書いて安里進でございます。どうぞよろしくお願いします。
その前に、通告の3番の(2)に鹿児島県とありますが、これは福岡県の誤りでありますので、御訂正をお願いいたします。
では質問をさせていただきます。
台風14号にて設備基準を上回る暴風により壊滅的な被害を受けた宮古島の住民に対し、心からお見舞いを申し上げます。74メートルと言っているが、地元の84メートルに耐える風速計が破壊され、ところによっては100メートルの暴風が吹き荒れたのではないかと思われます。
そんな中で稲嶺知事が9月12日にいち早く作業着で宮古入りし、被害調査と激励をしたことに私は非常に深い感銘を覚えました。私たち議会文厚委員も9名が土曜の休日を返上して翌13日に宮古入りいたしました。現地踏査してみると、マスコミ報道以上に各分野の被害の大きさにただただ驚くばかりでありました。宮古の一日も早い復旧を願うものであります。
私は、去る9月18日の臨時議会で議決いたしました「平成16年産さとうきび生産者価格及び生産振興対策等に関する意見書」を携えて浦崎唯昭団長と5名は各省庁に要請に行ってまいりました。当日は稲嶺知事も一緒に要請しましたが、要請先、実に34カ所、次々と休む暇もなく知事も誠意を持って台風14号の被害の実態も含めて要請してきましたが、今回特に知事のスピーディーな行動には本当に感心いたしました。きびの問題だけではなく、県の安心・安全な里づくりのために、治安の確保のためには警察官の増員の問題等多岐にわたる要請をしてまいりました。
稲嶺知事のこのバイタリティーは一体どこから来るのかと思いきや、朝の食事だといいます。20何種類かの健康野菜や薬草をジュースにしてドリンクするだけというが、しかしまさに驚きであります。その誠意にこたえて各省庁や関係議員も熱心に聞き入れ、よい返事が返ってきたと思います。
そのきびのことについては、御案内のとおり2004年産さとうきび価格について政府と自民党「野菜・果樹・畑作物等対策小委員会」に2日午後、1トン当たりの現行生産者手取り額2万470円の維持を決定いたしました。また、本年度で3カ年度の終期を迎える「新さとうきび・糖業再活性化事業(新ルネッサンス事業)」にかわる新規事業措置も決めました。期間は2年で、4年度は1億4800万円を措置する。前年度に引き続き台風被害対策費3500万円も別枠で確保されました。県さとうきび対策本部など生産者団体が現行額を求めていた最低生産者価格は、本年度の2万300円から70円引き下げられ2万230円となりました。その穴埋めとして農業経営基盤強化特別対策費が現行の170円から240円に70円アップ、結果的に現行生産者手取り額が維持されました。新ルネッサンス事業にかわる新たな対策事業は安定生産と生産性の向上、担い手の育成などの観点から措置が認められました。沖縄や鹿児島の気象要因に配慮し、昨年初めて単年度対策として確保された台風被害対策費は500万円増額の3500万円となりました。両県合わせた措置で1トン当たり23円となったわけであります。
本当に知事には御苦労さまでございました。どうか県益のため一層の御尽力をお願いし、私の質問にも誠意を持って答えてくださるようこれからの質問をいたします。
1、生物資源利用研究所への支援についてでございます。
中国で発生した新型肺炎(SARS)は、WHOが7月上旬に制圧宣言していたが、9月9日、今度はシンガポールで最後の患者が出て4カ月ぶりにまた確認されたと報じ、心配されております。
さて、ウイルス生態学とワクチンの開発研究の国際的第一人者である根路銘国昭博士を所長に迎えて、生物資源利用研究所が平成13年11月に県立北部農林高等学校の後援会の附属機関として創設されました。この根路銘氏がこのたびまたロシア国立医学アカデミーから国際ウイルス賞を受賞したという大変いい知らせもありました。
新型肺炎(SARS)の脅威やさまざまなウイルスに起因する多様な現代疾患は、克服をされなければならない人類共通の課題であります。
根路銘所長は、同研究所設立の趣旨を「人類よ再び自然に帰れ」をテーマに、生命活動の機軸になっている生物資源分子の探索と評価を通して、人間にとって負の遺産である現代病の予防と治療を標榜して設立されたのであります。
生物資源の豊富な北部地域で根路銘所長に率いられた生物資源利用研究所の研究活動の重要さははかり知れません。同研究所の研究成果の恩恵は人類が享受し、栄誉は研究者及び研究者に帰属することは当然であるが、ひいては所在する沖縄県の振興・発展、我が国のみならず人類社会全体に貢献する内容を有していると思います。
そこで、次のことについて知事及び部局長にお伺いします。
(1)、名護市にある生物資源研究所の根路銘国昭所長は、世界的に猛威を振るった新型肺炎(SARS)ワクチンを今冬を目標に開発し、抗がん物質、抗がんウイルス、抗ウイルス物質、生活習慣病予防治療の4分野を今後一、二年で最初の製品化にこぎつけたいとしています。これは沖縄県にとって画期的なことで、SARSワクチンを沖縄発で全世界に発信することができると思うが、県知事や部局長はどう思うか、お伺いします。
(2)、沖縄における植物から抗がん剤を製造する。その前に健康食品や機能性食品として一、二年以内に製品化を図りたいとして産業面でも大いに期待が持てると思うが、所管部長の所見をお伺いします。
(3)、県としてこの研究所に対し財政面や何らかの支援をし、沖縄発SARSワクチン開発や健康産業の育成をすべきと思うが、県はどういう支援ができるかお伺いいたします。
2、インフルエンザ制圧国際会議の開催についてであります。
インフルエンザ制圧国際会議が奈良県で開催される予定であったが、生物資源利用研究所の根路銘所長の働きかけであす10月7日から11日までの5日間、名護市の万国津梁館で開催されることが決定されました。国内外から多くの学者が参加をする国際会議であります。日本から100名、国外から400名の計500名以上の参加が予定されております。各学会の参加者の皆さんにも生物資源利用研究所の重要性を情報発信するよい機会でありますが、県はこれほど大きな国際会議のレセプションや何らかのセレモニーは計画していないのか、お伺いいたします。
3番、平成16年度国民体育大会第24回九州ブロック大会についてお伺いいたします。
去る8月24日から開催されました平成15年度国民体育大会第23回九州ブロック大会に参加してきました。糸数議員も一緒でありました。各種目とも万全な準備で実施されておりました。私は特にクレー射撃競技場を見て回りましたが、そこで九州各県のクレー射撃協会の会長や役員から言われたことは、8年前に約束したクレー射撃大会は沖縄県で開催できるでしょうねと強い口調で言われました。
九州8県の持ち回りの九州ブロック大会は、平成16年、8年ぶりに沖縄県で開催することになっています。しかし、8年も経過して今なおクレー射撃場はありません。8年前の大会は九州各県の会長が了解して福岡県で開催することになりました。平成8年度九州ブロック大会のあいさつで、次回平成16年は沖縄県で開催することを約束しております。しかしいまだ施設はできておりません。その間、平成6年6月には九州地区クレー射撃連盟より県知事へ、7月には沖縄県体育協会吉田会長より県教育長へ要請文提出、また平成12年8月、スポーツ関係県議であります新里米吉議員が大分県別府市営射撃場を視察いたしております。平成12年第2回県議会において浦崎県議が教育長へ質問し、当時の翁長教育長は次のように答弁しております。
本県のクレー射撃競技は、海邦国体を契機に普及を図ってまいりました。しかしながら、団体 の競技会場となった射撃場は昭和63年に閉鎖されたことにより、県内での大会が開催できなくな ったことや練習なども県外で行わざるを得ないなど多くの課題があります。 県教育委員会とい たしましては、クレー射撃競技の普及発展と本県のスポーツ振興を図る上から、平成12年に教育 庁内に設置された社会体育施設整備検討委員会でクレー射撃場の整備についても検討を進めてい るところでございます。 また、平成16年度九州ブロック大会の県内開催に向けて努力をしてま
いりたいと考えております。
と答弁されておりますが、7年半経過して、もはや来年に迫っております。その後、平成13年8月には九州クレー射撃連盟より、11月には日本クレー射撃協会より稲嶺知事へ陳情書を提出しているが、どうなっているのか、その経過を含めて次のことについてお伺いいたします。
(1)、来年の国民体育大会第24回九州ブロック大会は、8年ぶりに沖縄県で開催されることになったが、県体育協会会長でもあられる稲嶺知事の大会に対する取り組みについてお伺いいたします。
(2)、8年前はクレー射撃競技は競技場がなくて福岡県で実施して、九州各県の協会から8年後はぜひ地元沖縄で実施できるよう強力な要請があったようだが、その経過はどうなっているか。
(3)、仮にもはや間に合わないということで本格的に実施ができなくても24回大会は仮設を設置し、次年度から本格的な射撃場の設置ができないものかお伺いいたします。
(4)、同施設は今問題になっている鉛の処理問題があるが、熊本県の施設のように環境に配慮した施設ができております。そういうことをやりながら環境にも気配りしながらできると思うがどうかお伺いします。
以上。
○知事(稲嶺惠一) 安里進議員の御質問にお答えいたします。
インフルエンザ制圧国際会議への対応についてお答えいたします。
県では、九州・沖縄サミット首脳会合の沖縄開催で培ったノウハウを活用すべく国際会議等の誘致・開催に積極的に取り組んでおります。このような折、第5回インフルエンザ制圧国際会議が本県で開催されますことは大変喜ばしく、中でも沖縄開催に御尽力された根路銘国昭氏初め関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
本国際会議はアジアで初めて開催されるもので、国内外から600名を超える参加が予定されております。県としては、参加者への歓迎の意を表するとともに、会議の成功を祈念し那覇空港ターミナルに歓迎看板を設置するほか、会議期間中に知事主催歓迎レセプションを開催し、長寿食で知られる琉球料理や伝統芸能を披露し、沖縄県の魅力を存分にアピールしてまいりたいと考えております。
次に、平成16年度国民体育大会第24回九州ブロック大会開催事業についてお答えいたします。
本大会は、国民体育大会の九州ブロック代表を選出することを目的に九州各県輪番で開催されるものであります。大会は、夏季、秋季及び冬季に分かれ合計30競技が予定されております。本県開催に向けて、本年度は平成16年度国民体育大会第24回九州ブロック大会沖縄県実行委員会を7月15日に設立し、関係競技団体及び開催予定市町村と連携を図り、準備業務を推進しているところであります。本大会は、九州各県から約6000人が参加する九州地区最大のスポーツイベントであり、沖縄県実行委員長として県民の御理解と御協力のもと大会を成功に導きたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(花城順孝) 生物資源利用研究所のSARSワクチン開発の取り組みと産業面での期待、同研究所への支援についての御質問に一括してお答えをいたします。
北部農林高等学校後援会附属の生物資源利用研究所は、がんや伝染病、各種慢性病の予防と治療薬の探索・研究、治療用機能性食品の探索・研究などを行っており、さらにSARSワクチンの開発についても研究を進めていると聞いております。同研究所のこうした意欲的な取り組みは、本県における研究開発力の向上はもとより、医薬品や健康食品等のバイオテクノロジー関連産業の振興に大きく寄与するものと期待をしております。県としては、研究開発力の向上と産業振興を図るため、産学官連携による共同研究事業や亜熱帯総合研究所を通した研究委託事業など各種支援策を講じているところであります。
同研究所は、これまで平成13・14年度に亜熱帯総合研究所からがんや糖尿病などの予防と治療に関する研究を受託して実施をしております。また、平成15年度にはこれら疾病の予防と治療に寄与する健康食品や機能性食品、新規生物学的製剤の開発に関する同研究所の研究プロジェクトを沖縄産学官共同研究推進事業として採択をして支援をしております。県としては、同研究所が今後ともこうした事業等を活用し研究開発に積極的に取り組んでいくことを期待をしております。
以上であります。
○教育長(山内 彰) クレー射撃競技の開催要請と経過及び施設について一括してお答えをいたします。
県教育委員会といたしましては、クレー射撃競技の普及及び競技力の向上を図るため競技場の設置に向けて平成10年に大宜味村内1カ所、平成11年に名護市内5カ所及び宜野座村内1カ所を候補地として調査をしてきました。しかしながら、いずれの場所においても設置条件を満たすには至らず選定を見合わせました。さらに、平成13年に名護市の2カ所を調査したところ、設置場所として適していると判断し名護市当局との合意も得られ最終予定地として設置準備をしてまいりました。しかしながら、平成15年2月になって急遽、環境汚染問題等が浮上し用地の確保が困難となりました。その後、仮設による開催ができるよう候補地の選定に努めてまいりました。本島の2カ所について調査をしたところ、環境や敷地面積、期限などの問題も関連して用地の選定をするには至りませんでした。県教育委員会としましては、実行委員会と協議の上、県外への委託開催で対応することにいたしました。御理解をいただきたいと思います。
なお、常設競技場の設置の可否については今後検討してまいりたいと考えております。
次に、鉛の処理問題と熊本県の環境に配慮した施設についてお答えいたします。
熊本県総合射撃場については、地元住民からの鉛環境問題の苦情への対応として、平成13年4月に既設の施設を閉鎖し新たな工事が施されたものと伺っています。鉛散弾及び鉛成分を含んだ土壌の除去・処分、鉛散弾等を除去した部分へのモルタル吹きつけ、コンクリート舗装、鉛弾回収桝及び保護壁等を設置するとともに、水質検査や鉛散弾回収を実施して環境問題対応の施設として平成15年4月より再オープンしているとのことでございます。
なお、このような環境に配慮した施設の設置については今後検討が必要であると考えております。
以上でございます。
○安里 進 この九州大会、国民体育大会のブロック大会でありますから、沖縄県にとってみたら大変な、今さき知事からありましたように大きな意義のある大会です。しかし、こういう施設が島内に1つだけじゃ県外でやりなさいということで、本当にクレーナランサーという意味ですか、クレーナイビランという意味ですか、クレー上等ヤイビンドー、ぜひひとつ全部ができるように、そしてそれをつくることによって各アジア大会とか年に2回とかいろんな形で利用できます。これだけを練習する場所もないと、わざわざ他府県に行って練習もして会場を借りないといけないということでは、ちょっと幾ら一生懸命やったといってもこれはできなければもうどうしようもないわけですから、もう一回これは体育協会長に聞いた方がいいな。知事である体育協会長が、これはぜひひとつやってみないといけないなという形で知事から決意を聞いて、これはもう時間的にはどうも難しいかなとも思っているんです、本当は、今からだと。でも、今さき検討してみようという教育長の話でしたが、ぜひひとつこの件、新たな決意で、じゃ次年度ぐらいからいろいろやって、もうその次、来年あたりぐらいはできるようにという感じで、かたい決意で知事並びに体育協会長としてお伺いいたします。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午前10時29分休憩
午前10時30分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 気持ちの上では大変安里議員のお考えはよくわかりますし、私も体育協会長という立場から言うと、ぜひこれは全面的に沖縄で開催したいと思っております。
しかし、現実の問題としてなかなか時期的な問題等その辺難しい問題等がありますし、また現実に話を進めている委託先との関連の問題等ございますので非常に難しい問題は多く抱えておりますけれども、安里議員の熱意を十分にとりまして、その辺について努力というか、非常に難しい状況にあるという中でできるかどうかという、できるものがあるかということを検討したいと思います。
○安里 進 ぜひ頑張ってよろしくお願いを申し上げます。
○伊波 常洋 おはようございます。
台風14号宮古島の被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
我々自民党県議団も義援金をお送りしたところであります。国、県の最大限の復興支援策を要請します。
同時に、北海道十勝沖地震の被災者の皆様にも遠い沖縄からお見舞いを申し上げます。
通告しました5件について質問をいたします。
まず初めに、嘉手納空軍基地へのタクシーの乗り入れについてお伺いします。
本年4月以降、個人タクシーが嘉手納空軍基地へ入れなくなっています。基地の中へ入れるパスを持ちながらです。有資格の個人タクシーが突然嘉手納空軍基地へ入れなくなっています。
雨降りの日とか、あるいは那覇空港あたりからたくさんの荷物を抱えてタクシーに乗り込みゲートに着いたところ、このタクシーは入れません。ですから、お客さんも米軍人だけではなく、日本人従業員も結構タクシーを利用しているらしいですけれども、その個人タクシーについてはゲートでおろされると。それで、先ほど言いましたように雨降りの日とか、あるいはたくさん荷物を抱えているお客さんとのトラブルが絶えないそうです。
そこでお伺いします。
なぜ今年4月以降、個人タクシーが嘉手納基地内へ入れなくなっているか、その理由をお聞かせください。そして、この制限措置はいつまで続くのか、お尋ねします。さらに、この事実を県は掌握していたと思いますから、この間、県は嘉手納米軍基地、これは司令官の方が権限を持っているんですけれども、乗り入れ禁止の問題をどう対処してきたか、お尋ねをいたします。
そして、基地内へタクシーが乗り入れするときに、タクシー業者から米軍関係機関は入域料と称する営業権料を徴収しています。1カ月1台当たり法人タクシーで嘉手納基地が6250円、キャンプ・ハンセンなど他の米軍基地で2800円徴収をされております。沖縄県内で年間に支払われる営業料の総額は1100万を超します。徴収の法的根拠をお聞かせください。
次に、南米諸国の沖縄県人社会への本県の支援についてお伺いします。
その前に、関連しますので所見を述べます。
2005年第46回米州開発銀行(IDB)年次総会沖縄開催を誘致しました稲嶺知事の卓越した外交力を高く評価します。サミット会議に続き2005年のこの総会、まさしく本県が目指しております「コンベンション・アイランド」に向けての大変な事業だと、誘致したことに敬意を表します。
この総会の沖縄開催決定について、知事がイグレシアスIDB総裁に感謝の旨を伝えたところ、同総裁は、沖縄からは中南米に多くの移住者がおり、各方面で活躍している。その意味で沖縄開催は重要。これを機に中南米との協力関係がさらに深まるだろうと述べています。そのとおりです。南米日系移住者の70%が実に沖縄県人で、20万人以上もいらっしゃいます。
私は、去る8月、アルゼンチン、ブラジル沖縄県人移民95周年を祝うため県議団の一員として南米へ行ってまいりました。農業、商工業の分野で沖縄県人の活躍は目覚ましく、例えばボリビアでは国の農業生産額の10%を沖縄日系コロニーの農家で生産をしているし、ペルーでは県人経営のガラス加工工場がその国の2位のその分野での製造高を上げています。大変うれしい限りではありますが、反面、南米諸国の経済状況は、今、通貨不安や債務超過等の問題を抱えて経済状況は決していいとはいえず、生活の苦しい日系人も多くいます。母国日本への出稼ぎ、高齢者福祉、特に医療面、子弟の教育問題等日系社会の抱える課題もたくさんあります。
戦前・戦後の貧しいときの沖縄を支えた移民者の方々へ、今、母県としてどのような支援策あるいは交流事業があるのか、次の点をお伺いいたします。財政を伴うもの、伴わないものも含めて質問いたします。
(1)、現在、沖縄県は南米諸国の沖縄県人社会に対してどのような支援事業を行っているか。
(2)、これまでに県に対して現地よりどのような支援要請があるのか、お伺いします。そして、これに対してどうこたえてきたか。
(3)、国際協力事業団(JICA)事業、教員の派遣とかあるいは技術者の派遣、医療面等の派遣とかいろんな事業があります。JICA事業やあるいは沖縄県人会からの特に人材派遣要請に対し、本県は積極的にこたえてきたか、あるいは啓蒙してきたか、お尋ねを申し上げます。
次に、介護保険についてお尋ねをします。
介護保険制度がスタートして3年が経過しました。3年越しに計画の策定をしますので、ちょうどたしか10月1日からですか、新第2期の介護保険制度の改革が料金を初めスタートしたばかりです。
そこでお聞きいたします。
市町村の第2期介護保険事業計画の策定に当たって、高齢者の増加や要介護認定率の増加及び在宅サービスの利用増を背景に高齢者の保険料上昇が見込まれ、それに対し県が行った財政安定化基金借入金の償還期限の延長や基金拠出金をゼロにするなどの保険料軽減策及び国の支援、特にこの国の支援は、日本全国で17億円のうち実に2億4000万円は特別に沖縄に注入をされています。国の支援等で本県の今回の第2期介護保険料はある程度の上昇を抑制したと聞いております。
そこで伺います。
(1)、今回の改定保険料について、県内各市町村の状況はどうなっているのか。各市町村ごとに一々答える必要はありません、全体的な沖縄県内の状況をお願いします。そして同時に、全国と比較して今回の改定料金はどのような推移になっているのかもできましたらお聞かせください。
サービス増に伴い高齢者の負担や県、市町村等の財政負担は大きくなりますが、介護サービスの適正化について、介護サービス事業者に対する指導や監査等事業適正化が重要になると考えます。現に3年経過した期間の中でも全国で何千もの事業所が不適正ということで指摘等を受けております。今回の適正化に向けてどのような県の指導体制をしいているのか、御説明をお願いします。
そしてさらに一番大切なことは、この介護保険制度を安定的に運営するために当然財政が伴うんですけれども、その安定化対策についてお聞かせをお願いします。
次に、公共施設の再利用についてお尋ねをします。
私は、この件はこの議場で2回目です。国の、あるいは県もそうなんですが、行財政改革により公共施設の統廃合が多くなると思われます。現に私の出身であります石川市だけを見ても、公共施設として石川保健所は既に廃止をされました。そして国立の沖縄海員学校、これも2年後に廃校が決まっております。さらには、法務局の登記所も閉鎖が決まっております。しかし、施設の跡利用については法的な制約がありなかなか再利用されづらい状況にあります。
例えば、もう既に廃止になっております旧石川保健所、実はこれは昨年までに県より市へ無償譲渡を私たちは受けたんですけれども、それを受けまして石川市では、この旧公共施設石川保健所を改築の上、老人・児童館に利用する計画を立てました。改築費に約1億円が見込まれまして国に補助申請をしたところ、制度上できませんという回答で今計画は宙に浮いております。
公共施設の再利用についての法的制度の壁、どのような制度があって公共施設がなかなか再利用できないかお聞かせください。
同時に、これまでに沖縄県内において県の公共施設、あるいは国の公共施設でもよろしいです、公共施設を全く別目的の公共的な施設に再利用した例があるのか。あればぜひお聞かせください。
○知事(稲嶺惠一) 伊波議員の御質問にお答えをいたします。
沖縄県人社会への支援事業、支援要請について一括してお答えをいたします。
本県においては、海外移住者の生活安定、福祉の増進を図る目的で海外県人会等に対し財政支援を行っております。北米、南米の県人会等が行う県人会館建設及び福利施設整備等に対し平成14年度までに件数で30件、総額8億4382万円を補助しており、今年度はボリビアにおける歴史資料館建設に2000万円を補助しているところであります。
また、本県と移住先国との友好親善の推進に寄与する人材育成を目的に、海外移住者子弟留学生を昭和44年度から平成15年度までに303名を受け入れており、海外技術研修員は昭和57年度から平成15年度までに130名を受け入れております。その他、県人会活動を支援する目的で県人会運営費補助を行っております。
県としましては、ウチナーンチュネットワークを拡充していく観点から、海外県人会等への支援を今後とも継続していく必要があると考えておりますが、具体的な支援方法については事業の趣旨、県の財政事情を勘案しつつ総合的に検討していきたいと思います。
次に、JICA事業に係る県の人材派遣についてお答えいたします。
本県は、JICAと連携しミバエ根絶事業における専門家の派遣、ボリビア国サンタクルス地方公衆衛生向上計画に基づく医師・保健婦等医療従事者の派遣、また、ボリビア国県人移住地への教員派遣等さまざまな分野の専門家や技術者を派遣しております。
また、沖縄国際センター研修員を県内の各機関等で受け入れることにより、JICAの海外技術協力を側面から支援しております。今後とも、JICAとの連携を密にし、県の人材派遣及び海外研修員の受け入れを積極的に推進してまいりたいと考えております。
次に、介護保険について、事業適正化のための県の指導体制についてお答えいたします。
介護保険制度においては、会社法人やNPO法人等さまざまな主体による介護サービスが利用者との契約のもとに提供される仕組みとなっています。
第2期の介護保険事業を実施するに当たっては、公的な大事な制度を国民で育て合い、支え合うモラルと節度が利用者、事業者ともに求められております。しかしながら、全国では不正な介護報酬請求等により指定の取り消し等が発生しております。
本県においては約4000件の事業所が指定されており、介護給付の適正化を図る観点から、沖縄県介護保険施設等指導要綱等に基づき事業所に対する指導及び監査を実施しております。平成15年度は、事業者指導を担当する職員を2名増員し指導体制を強化したところであり、適切でない事業者については指定取り消しを含む厳しい姿勢で指導に臨み、介護保険制度を適正に運営し、質の高いサービス提供に努めてまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 個人タクシーが嘉手納基地へ入れなくなっている理由や入域料徴収の法的根拠等について一括してお答えいたします。
米軍基地へのタクシーの入域料徴収を所管しているエクスチェンジサービス沖縄地域営業本部の契約事務所に照会したところ、嘉手納基地への個人タクシー等の立ち入りについては、一昨年の米国同時多発テロを受け、嘉手納基地司令官の指示により昨年の夏ごろから嘉手納基地内への個人タクシー等の立ち入りが制限されているとのことであります。
また、個人タクシーの米軍基地内への立ち入り許可の申請については、これまで個人タクシーごとに行われていましたが、ことし4月から事業協同組合単位で契約することになったとのことであります。
入域料徴収の法的根拠については、外務省の見解によりますと、入域料を徴収しているエクスチェンジサービス沖縄地域営業本部のような独立採算性による運営を前提としている歳出外資金諸機関が我が国の事業者等と契約し、当該契約の相手方から契約に基づく金銭を徴収することは、地位協定上認められるとのことであります。県としては、今後とも他県の実情や契約事業者の意見、問題の所在も含め状況把握を行い、適切に対応していきたいと思います。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 介護保険について、保険料の状況及び財政安定化について一括してお答えいたします。
本県では要介護認定率が高く、介護サービスの利用が全国より多いため、市町村の第2期介護保険事業計画では高齢者の介護保険料も上昇が見込まれたことから、国や県も保険料軽減策を講じましたが、県平均の保険料は全国平均3293円の約1.5倍の4957円となっており、全国で最も高額となっております。
このようなことから、今後は保険者に対し介護保険事業適正化対策として介護報酬点検事務、実態に見合ったケアプラン作成事務の点検、介護給付費の利用者への通知、介護保険料の収納率向上や低所得者対策として保険料軽減策等の取り組みについて引き続き強力に働きかけてまいります。
また、県としても介護に陥らないための県民の健康づくりが大事であり、健康づくりの指針となる「健康おきなわ2010」を策定し、積極的に推進しているところであります。
さらに、県においては、介護保険財政安定化基金の残高が平成15年度において約21億円あり、保険者からの借り入れ要望に十分対応できる状況にあります。
続きまして、公共施設、土地の跡利用についての中で、公共施設等の有効利用、特に石川保健所についてお答えいたします。
旧石川保健所については、平成13年度に石川市から保健・福祉施設として利用したいということで無償譲渡の要請がありました。県としても、その有効利用を図るため「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」に基づき国と調整を進めてまいりました。しかし、無償譲渡の場合、財産としての処分制限期間を過ぎるまでは他の国庫補助を受けての改築ができず、市単独での改修事業となることから、その可否について石川市と調整を行ってまいりました。その後、石川市が改修工事の見積もりをしましたところ多額の経費がかかることから、市単独事業としての実施は厳しいということで、残念ながら8月中旬に正式に無償譲渡の要請を取り下げております。
これを受けて、県の関係機関に改めて跡利用の意向調査をしましたが、建物については特に利用希望がなく、今後は建物の処分について関係課及び国との調整を進めていきたいと考えております。
なお、公共施設の再利用については、駐在保健婦制度の廃止に伴い、僻地保健指導所等を市町村に無償譲渡した例があります。
以上でございます。
○伊波 常洋 休憩してください。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午前10時54分休憩
午前10時56分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) いつまで続くのかということでございますが、現時点では明確な回答はございませんでした。
○伊波 常洋 再質問ではなく、すべて要請をいたしまして終わります。
まず、今の嘉手納基地へのタクシー乗り入れですけれども、本当に個人タクシーの方々が生活にかかわる問題となっております。単なる嘉手納基地への出入りだけにとどまらず、米軍は基地から基地へと移動していますので、その他の基地の出入りにも結局は影響しているそうで大変苦しい状況にありますので、ぜひ従来どおりパスを持っている個人タクシーが嘉手納基地へも出入りできるように県としても前向きに基地司令官へ当たってください。
それから、入域料、営業権料については、実はこの問題は現参議院議員大田前知事が国会でではなく、個人的な質問として小泉総理に直接質問状を出しまして回答が出てきているものでして、本土の内地の基地の場合にはこのタクシーの入域料を取ってないところがほとんどです。もちろん取っているところもありますけれども、取ってない基地がほとんどです。なぜ沖縄だけが地位協定を盾にして、同じ地位協定で沖縄はすべての基地が取られ、本土の場合、同じ地位協定を適用されているにもかかわらず取ってない基地もあるということですので、この辺も十分調べられて適切な、平等な地位協定の運用がされるように頑張ってください。
それから、南米諸国の日系人、特にその70%を構成しています沖縄県人会、豊かな成功者もおれば大変苦しい方もおります。特に高齢者の方々は、日本ほど国民年金やあるいは医療制度が充実しておりませんので、年をとったときの病気には大変心配なさっているみたいで、ぜひこの辺も、もちろん沖縄もほとんど国からの財政なしではできない県なんですけれども、しかし苦しいときに私たちの沖縄を救った先住者の皆さんです。できる限りの御支援を要望いたしまして終わります。
ありがとうございました。
○金城 勉 おはようございます。
一般質問の前に一言、宮古の皆さん方にお見舞いを申し上げます。大変な台風災害を受けられまして、今、復旧の最中でございますけれども、我々公明県本部も、県民の皆さんと協力をいたしまして先日街頭募金をし、そしてその寸志をお届けをしてまいりました。そのことを申し添えておきたいと思います。
では、質問をいたします。
まず1点目、旧軍飛行場用地問題についてお尋ねをいたします。
昨年、同問題の解決に向けてプロジェクト班が設置され、今年度は委託事業としての検討委員会が発足されております。聞くところによりますと、10月1日に第2回会合が開かれたとのことであります。問題解決促進協議会の皆さんは、一日も早い解決を首を長くして待っており、慎重な中にもスピーディーな取り組みが期待されております。
そこでお伺いいたします。
(1)、検討委員会の役割はどのように位置づけられているか。また、過去2回の会合の内容と今後の検討委員会の方向性について御説明をお願いいたします。
(2)点目、今日、一部の地主会から、調査結果によっては個人補償を求めるという声が上がっておりますが、新沖縄振興計画に位置づけされた点から考えて整合性はとれるのかどうかお尋ねをいたします。
(3)点目、読谷補助飛行場跡地については、2005年5月末に返還されることが合意されております。読谷の場合は、今後に続く各地にとっても大きな参考事例になるであろうと期待されております。読谷飛行場地主会は現実的な解決試案をまとめ、県の方に提出済みと聞いております。
その解決試案によると、読谷飛行場問題については先進農業支援センター事業の導入など政府としても解決に向けて動き出しているとのことであります。読谷地主会の主張は2点に要約されております。1つは、最終的に旧地主を対象に土地処分を行うこと、2つ目に、土地処分に当たってはこの問題の経緯に配慮して無償に近い低廉なものにすることであります。安田読谷村長も、土地処分に当たっては地元が受け入れられるような価格交渉について県に支援・協力を要請したとのことであります。
そこでお伺いいたします。
土地処分のあり方、価格の設定について、読谷地主会から出されている内容について県としてどのようにお考えでしょうか。
次に、観光振興についてお伺いいたします。
(1)、ことしSARSが流行し観光業界に激震が走りました。沖縄との交流の多い台湾にも残念ながらSARS患者が発生いたしました。そこで、県は苦渋の選択としてSARS防止対策のため台湾観光客に対し来県自粛要請をいたしました。問題は、SARSがおさまった今、台湾からの観光客がどのように推移しているか、その影響とまた今後の対策についてお聞かせください。
(2)点目、観光立県を標榜している我が県ですが、海外からのお客さんを受け入れる国際線ターミナルは粗末で貧弱だとの指摘がなされております。そこで、国際線ターミナルの整備について今後どのようにお考えでしょうか。
(3)、スタークルーズ船による台湾人観光客の受け入れがなされておりますが、那覇港にはターミナルもなく危険な状態での乗りおりがなされております。今後の対応についてどのようにするのかお聞かせをいただきたいと思います。
3点目、国連機関誘致の取り組みについてお尋ねをします。
本年度も県は国連機関誘致に向け予算措置をしております。7月にはタイでのイベントの視察にも行ったとのことであります。今後の国連機関誘致の取り組みについて御説明をください。
(2)点目、国連機関誘致の際の県の費用負担、経費負担について基本的な考え方をお伺いいたします。
将来、国連機関を誘致した場合、もちろんそこには一定の経費が必要になるわけですが、県として誘致のメリットと費用負担についてどのように考えていくのかお伺いをいたします。
次4点目、介護保険制度についてお伺いします。
介護保険制度が始まって3年半がたちました。その間、施設サービスも居宅サービスも利用がどんどん伸びてきております。それは制度がうまく機能しているということになるかと思います。しかし反面、サービス量がふえるに従って介護保険の給付費もふえていくわけであります。その結果、保険料が高くなってまいりました。こうした中でサービス利用の規制が働いてきたのではないかという声もあります。
例えば、訪問介護の場合、身体介護と生活援助型のサービスがありますが、生活援助型のサービスについては基本的に同居家族がいない、または、いても生活援助ができない場合に認められるということが条件になっているようであります。同居家族がいる場合は給付の対象にならないということであります。しかし、現実には同居家族はいても働きに出ていたりした場合は要介護の高齢者の面倒を見ることができない。そういうケースの場合についてお伺いします。
生活援助型のヘルパー派遣について、家族が働きに出て要介護の高齢者が日中お一人でいる場合、つまり日中独居の場合、給付の対象になるでしょうか。
次に、自宅で生活を続けていくために家政婦さんを頼んでいる家庭が重ねて訪問介護も利用しようという場合、利用規制がかかるという話を聞いたことがあるのですが、実際はいかがでしょうか。
家政婦が派遣されている家庭の場合、訪問介護は認められるでしょうか。
次5点目、「次世代育成支援対策推進法」についてお尋ねをいたします。
ことしの7月に「次世代育成支援対策推進法」が成立し施行されました。少子・高齢化社会を迎えた今、子育て支援は社会全体の責任としてとらえ、次世代育成支援のシステム構築が叫ばれております。その中では、国を初め各都道府県や市町村も行動計画を立てるようになっております。
そこでお伺いいたします。
(1)、この法律がうまく機能するよう事前の調査を行うことになっているようですが、県内の状況はいかがでしょうか。
(2)、行動計画策定に向けて今後の取り組みを御説明ください。
次6点目、土木行政についてお尋ねいたします。
これまでも取り上げてまいりました次の項目について質問をします。
(1)、県道33号線の沖縄市への移管について。
以前質問したときに、未整備の部分については地主の了解が得られず工事を断念したとのことでした。そこで、県としては沖縄市に移管して整備を進めたいとのことでしたけれども、その後の市との調整はどのように運んでいるでしょうか。
(2)点目、中城湾港新港地区の護岸工事の事業計画について。
この事業については、今年度調査を入れて事業化への準備をしております。そこで、今年度の調査を踏まえて今後のスケジュールをお聞かせください。
(3)点目、国体道路(高速南インターチェンジ近く)の米軍基地側の歩道整備について、その進捗状況を御説明ください。
次(4)点目、県道20号線の拡幅事業について、進捗状況を御説明ください。
次7点目、我が会派の代表質問との関連について、映像産業振興についてお尋ねをいたします。
我が会派の前島議員の代表質問に対し、知事や観光リゾート局長から非常に前向きの答弁がございました。高く評価をいたしております。
そこで、きょうはさらにもう一歩踏み込んで質問をしたいと思います。
映画やテレビのロケ地になることによって一躍観光地としての人気が高まる例が多いことは周知のとおりであります。映画先進国アメリカ、特にニューヨークの場合、行政と警察が一体となって撮影に全面協力することによって多くの映画やドラマが制作され、世界に冠たる映画先進地域として名をはせているわけであります。お隣の韓国も近年そうした映像産業の経済効果に注目し、国を挙げて取り組んでいると聞いております。
沖縄も映画やドラマ、CMなどの撮影地としての魅力を備えていると言われており、ロケ地として場所を提供し、多くの撮影スタッフを受け入れていくとき、その経済効果ははかり知れないものがあると期待されております。しかし、今後具体的に国内外に対し沖縄をロケ地としてのPRをするには整備しなければならない多くの課題が横たわっているようであります。
沖縄を「映画特区」として国に申請することについて。
ロケの障害になるような規制緩和を進め、本土や世界の各地から映画やドラマ、CMなどの撮影隊が多く来県できるように環境を整えていく必要があります。文化庁は、映画振興に関する懇談会や各地のフィルムオフィス、フィルム・コミッションなどの提案をもとに国交省や環境省、警察庁と連携を図り、現場から最も要望の強かった道路使用許可の円滑化、河川敷の使用、特殊車両の通行規制の緩和、あるいは山中に仮設小屋を建てるなどについて取り組んでいると聞いております。文化庁も積極的になってきた今、県としても力を入れて「映画特区」を国に提案していただきたいのですが、いかがでしょうか。
次に、県は今年度からフィルムオフィスを開設いたしました。フィルムオフィスは、県内外からの撮影要請に対するワンストップサービスの窓口であり、要望に適した情報提供や場所、機材の確保、行政や地域との連携など一手に引き受ける役割を果たしております。フィルムオフィスを立ち上げたおかげで4月から9月までに60件の撮影支援の実績を残したとのことであります。その実績は経済効果として考えた場合、どの程度の経済効果があったのか。
また、フィルムオフィスの果たす役割はますます大きなものになっていくものと期待しております。つきましては、今後の撮影支援や経済効果などについて数値目標を設定して取り組んでいってははいかがでしょうか。
次(3)点目、現在、コンベンションビューローの中に位置づけしてあるフィルムオフィスの役割はますます高まっていくものと考えられます。問い合わせもさらにふえていくと思われます。したがって、その存在をもっと高く評価するとともに、スタッフの拡充や機能及び内容のレベルアップを図るべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
次(4)点目、沖縄において国際映画祭を開催していくとの知事答弁がありました。このことは知事の選挙公約でもありますので、今後どのような形で具体的に検討するのか、いつ開催するのか、そして今後のスケジュールはどのように考えているのかお示しをいただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 金城議員の御質問にお答えいたします。
国連機関誘致の取り組み及び県の負担についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
現在、国連平和大学、アジア・太平洋地域人道支援センター等について、誘致のための方策や誘致に必要な諸条件の調査を行っているところであります。去る7月にはバンコクで開催された国連平和大学の研修の実施状況等を調査いたしました。県としては、当面、これら機関の実施する研修開催地としての実績を積み重ね、誘致に結びつけたいと考えております。
国連機関の運営等については国等と役割分担を協議してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 旧軍飛行場用地問題についての、検討委員会の役割についてお答えいたします。
旧軍飛行場用地問題は、未解決の戦後処理事案として沖縄振興計画に位置づけられていますが、この問題の解決を国に求める場合、国の理解を得るための十分な説明資料を整えておく必要があると考えております。このことから、現在実施している委託調査において、戦後処理事案として既に解決を見た事例との比較検討や旧軍関係資料の収集、嘉手納裁判記録の分析等を行い、あわせて学識経験者による検討委員会を設置し、客観的な視点から同問題を検討し、どのような処理を国に求めるのが適当であるかなどの提言を得たいと考えております。この調査結果も踏まえ、県・市町村連絡調整会議や旧軍飛行場用地問題解決促進協議会と十分協議・調整していきたいと考えております。
なお、検討委員会は第1回は7月18日に開いておりまして、事業等の概要の確認をいたしております。また、第2回目は10月1日に収集資料の確認をいたしておりまして、法律、歴史、行政など各分野の課題の報告が行われている状況でございます。
個人補償と振興計画との整合性についてにお答えいたします。
旧軍飛行場用地問題については、国会の附帯決議、県議会や県内全市町村議会の意見、旧軍飛行場用地問題解決促進協議会の要請活動等が大きな要因になって沖縄振興計画へ位置づけられております。個人補償については、所有権問題が決着している中で個人補償を求めることは大変厳しいものがあると考えております。県は、振興計画に位置づけられた意義を踏まえ、この問題の解決に当たりたいと考えており、国に対してどのような処理を求めるのが適当であるかについては現在実施している委託調査の中で問題点を整理し、学識経験者の意見も聞いた上で考え方を取りまとめていきたいと考えております。
読谷補助飛行場の土地処分のあり方についてにお答えいたします。
読谷補助飛行場については、平成17年5月末までに日本側へ返還されると見込まれており、読谷村としては旧地主の意向も踏まえ、国から同地の払い下げを受けて跡地利用を図り、旧軍飛行場用地問題の解決に結びつけたいとしております。その際に低廉な価格での払い下げを要望したいとしております。
旧軍飛行場用地問題解決促進協議会の要望については、まだ正式には県に提出されておりませんが、県としては、県・市町村連絡調整会議の場で協議検討したいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、SARSによる本県観光への影響と対策についての御質問にお答えをいたします。
ことしの春ごろから東アジアを中心として伝播したSARSにより、世界的な規模で観光への影響が出ました。県におきましては、県民の健康を守ることや観光への影響を未然に防止する観点から、県関係部局及び関係機関等が連携を図り対策を講じてまいりました。しかしながら、本県の観光におきましても平成15年1月から6月までの海外観光客数の累計が前年と比較して約6割減少するなど影響が出ております。
県におきましては、SARS終息後、台湾における重症急性呼吸器症候群の終息に対する祝賀メッセージの手交、沖縄県・台湾親善訪問団の派遣、「がんばれ台湾応援ツアー」や「上海・沖縄定期航空路線運航再開応援ツアー」等を実施してまいりました。その結果、7月、8月の海外観光客数は前年と比較して約9割まで回復してきております。今後は、12月に国と共同して台湾で沖縄観光キャンペーンを実施するなど台湾、中国、韓国等からの海外観光客誘致活動の充実・強化に取り組んでいく考えであります。
次に、「映画特区」の国への提案についてお答えをいたします。
10月3日の県内新聞で映画振興のためロケーション撮影がしやすい環境を整えようと文化庁等関係省庁と映画関係者が協議を始めるとの報道がありました。このことは、映画等のロケの円滑な推進を図るため規制の緩和を求めてきた本県にとってまことに心強い思いであります。県におきましては、こうした国の規制緩和に向けた協議の行方も見守りつつ、本県においてロケをする際のニーズや規制緩和の必要性が高い分野等を勘案しながら、引き続き再提案に向けて検討していく考えであります。
次に、フィルムオフィス設置に伴う経済効果及び今後の目標についてお答えいたします。
沖縄フィルムオフィスによりますと、今年度フィルムオフィスが支援した映画やテレビドラマ等の撮影に伴う関係者の宿泊費等直接的な経済効果は約9300万円と推計しております。今後の支援件数や経済効果などの目標値設定につきましては可能かどうかということや、設定の意義などについて先行する各地のフィルムオフィスの状況や県内の関係者の意見を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
次に、フィルムオフィスのスタッフ拡充や機能及び内容強化についてお答えをいたします。
フィルムオフィスの業務は、映画等の誘致活動から撮影に関する各種相談への対応、現地案内業務、映像制作関連企業の紹介等多岐にわたっております。こうした業務を円滑に遂行し、県内により多くのロケを誘致するため沖縄観光コンベンションビューロー内のフィルムオフィスの拡充や、県内におけるフィルムオフィスの機能強化を図る必要があります。現在、那覇市や石垣市においてフィルムオフィスの設置の計画がありますが、その他の市町村においても設置を促進するとともに、民間において設置が予定されているフィルムオフィス支援組織とも連携を図り、ロケ誘致事業の拡大や撮影支援の強化に努めてまいりたいと考えております。
次に、国際映画祭の開催時期等についてでございます。
国際映画祭開催は、本県の観光振興に大きく貢献するものと考えておりますが、現在、国内外で多くの国際映画祭が開催されていることから、沖縄への観光客やロケの誘致につなげるためには、映画祭が国際的に通用し多くの人々の共感を得るような内容であると同時に、関連イベントを充実させる必要があります。こうしたことから、沖縄での国際映画祭の開催につきましては、今後関係者との意見交換などを通してその規模、内容とあわせて開催時期の検討を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 観光振興についての、国際線ターミナルの今後の整備計画についての御質問にお答えします。
国際線旅客ターミナル施設は、那覇空港ビルディング株式会社が今月の1日より国内線旅客ターミナル施設とあわせた一元的な管理運営を行っております。これによって一層のサービスの向上が図られるものと期待をしております。
那覇空港の国際航空路線につきましては、新たに那覇─マニラ路線が開設されるとともに、台湾─上海間の乗り継ぎ需要をねらいとした上海路線の増便が図られるなど今後の需要増大が期待をされるところであります。しかしながら、国際線旅客ターミナル施設は狭隘で旅客搭乗橋もないなど利便性や快適性に問題があり、その整備は今後の大きな課題であると認識をしております。県としましては、今後那覇空港ビルディング株式会社の意向も踏まえ、同施設の整備のあり方について検討していきたいと考えております。
同じく那覇港における今後のターミナル整備についてでございます。
那覇港には年間50隻以上の国際クルーズ船等が寄港し、約2万人の観光客が訪れております。しかしながら、旅客船専用岸壁がないため貨物船との共用を余儀なくされ、乗客の安全性、利便性が損なわれている状況にあります。県では、これらの状況を解決し、本県の観光振興や国際物流拠点の形成を図るため、沖縄振興計画に旅客船専用バース等の整備を位置づけております。
このような状況を踏まえ、国においては国際クルーズ船に対応した旅客ターミナル及び専用岸壁等の整備のための基本構想を検討しているところであります。県としても、国や那覇港管理組合と連携をして早期の整備が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 介護保険制度についての中の、日中独居の生活援助型給付についてお答えいたします。
掃除、洗濯、調理などの日常生活を援助する生活援助中心型の訪問介護サービスは、利用者がひとり暮らしの場合、または同居している家族が障害・疾病等やむを得ない事情により家事を行うことが困難な場合に算定する取り扱いとなっております。その際には「居宅サービス計画」に生活援助中心型の算定理由、その他やむを得ない事情、サービスの内容とその方針を明記する必要があります。
続きまして、家政婦が訪問介護を行ったときの算定についてお答えいたします。
介護保険による訪問介護と個人契約による家政婦としてのサービスが混合して行われる場合は、次のことに限り認めることとしています。まず1点目は、サービスの提供に当たる訪問介護員の勤務形態は、住み込みではなく利用者宅への通勤であること、2点目は、訪問介護のサービスの内容が家政婦としてのサービスと明確に区分され、「居宅サービス計画」に位置づけられていること、3点目には、訪問介護と家政婦としてのサービスが別の時間帯に行われること、以上の条件を満たす場合に当該訪問介護に要する所要時間に応じて訪問介護費を算定することができます。
続きまして、「次世代育成支援対策推進法」について、その中で「次世代育成支援対策推進法」に基づくニーズ調査、行動計画の取り組みについて一括してお答えいたします。
現在、県内の市町村においては、来年度の次世代育成支援の地域行動計画の策定に向け、市町村行動計画策定のための地域協議会の設置及び少子化の動向等の現状把握をするためのニーズ調査の具体的な実施方法についての検討を行っているところであり、県においては今年度中にすべての市町村でニーズ調査等を終えるよう働きかけているところであります。
また、行動計画の策定に向け8月末に市町村主管課長会議を開催したほか、国の地域行動計画策定指針検討委員会の委員を講師に招き、各市町村職員及び県の関係機関職員を対象とした行動計画策定研修会を9月に開催したところであります。今後とも、県の関係部局、各福祉保健所等と連携し、県及び市町村の行動計画策定が円滑に行えるよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 土木行政についての、県道33号線の沖縄市への移管についてにお答えいたします。
県道33号線については、平成14年6月に沖縄市泡瀬第2自治会から拡幅整備の要請があり、さらに平成15年第1回県議会での拡幅整備についての御質問がありました。
それに対して県は、現在でも大部分が地籍未確定のため用地取得が困難であり事業の採択は厳しいことから、沖縄市へ地主の意向調査をお願いしていること、また今後とも市と連携し整備手法等も含め検討していく考えであることをお答えいたしました。
その後、沖縄市で地主の意向調査を行ったところ、地主の意向は拡幅には反対するが、現況幅員での側溝及び舗装整備には賛成であること、また沖縄市から地元自治会へ用地取得での地域協力を依頼しましたが、協力を得ることが困難であるとのことであります。このような状況を踏まえまして、県は現況幅員での側溝整備、舗装の打ちかえ等が終了した後で沖縄市へ県道33号線を移管することで市との調整が済んでおります。
次に、中城湾港新港地区の護岸工事の事業計画についてにお答えいたします。
中城湾港の具志川市前原から川田に至る既設の護岸は、築造から相当な年数が経過しており、前面は水路となっております。また、その護岸背後は宅地化が進み地域住民の憩いの場としての海岸域の整備が望まれています。このようなことから、県としては、護岸の改修とともに地域の自然環境に配慮しつつ、水辺に親しむことができる海岸域の整備が必要だと考えています。平成15年度には現況調査等を行っており、地元具志川市の事業計画等と連携し、国庫補助の海岸環境整備事業として早期事業化に向けて取り組んでいきたいと考えております。
次に、国体道路の歩道整備についてにお答えいたします。
国体道路、いわゆる主要地方道の沖縄北谷線は、沖縄市字諸見里から山内間の約660メートルの区間について道路片側部において歩道が設置されておりません。当該区域はコザ運動公園に隣接しており歩行者も多いことから、今年度から幅員5メートルの歩道設置に着手しているところであります。安全で円滑な道路交通を確保するために早急に整備したいと考えております。
次に、県道20号線の拡幅整備についてにお答えいたします。
県道20号線の拡幅整備に当たっては、都市計画の変更が必要であることから、これまで国との交差点協議や沖縄市及び関係機関との協議等を行い、去る9月5日に都市計画変更に係る住民説明会を終えたところであります。今後の予定としては、年内に公聴会の開催、市町村への意見照会、国への都市計画変更に係る協議、沖縄県都市計画審議会を行い、平成15年度中に都市計画の変更を終える予定であります。県としては、今後早期に事業着手ができるよう努力していきたいと考えております。
以上でございます。
○金城 勉 再質問をさせていただきます。
まず、旧軍飛行場用地問題についてでございますけれども、読谷村の返還計画、2005年5月末に予定されておりますけれども、その地主会としては、土地処分に当たっての低廉な譲渡、そしてまたその対象は旧地主を対象にというこの2つが要請のポイントであります。
その中で、価格交渉については県にもぜひ国との支援に協力をいただきたいという要請が上がっているんですけれども、これについて知事公室長、もう一度前向きな御答弁ができませんでしょうか、お願いをいたします。
それから、介護保険制度の日中独居の場合についての給付の考え方について、私ちょっとはっきり福祉保健部長の答弁が理解できなかったんですけれども、いま一度そういう生活援助型のヘルパー派遣については、その高齢者がお一人の場合、日中、お一人で過ごしている場合のこの日中独居の場合は給付対象になるのかどうか、いま一度はっきりとお答えをお願いいたします。
それからフィルムオフィスの件、この映像産業が果たす役割というのは非常に大きなものがあるわけですけれども、国際映画祭の開催を前向きに取り組んでいくという知事答弁、また局長答弁がありました。この映像産業の取り組みについては、知事、アメリカあたりではこのフィルムオフィス、あるいはまたフィルムコミッションという呼び方を別名ではメイヤーズオフィスとか、ガバナーズオフィスとかというような名称でもって本当に知事やあるいはまた市長がみずからの政策実現のために、あるいはまた地域の活性化のために陣頭指揮をとってリーダーシップを発揮するというそういう意味合いでメイヤーズオフィス、あるいはまたガバナーズオフィスという名称を使っているところもあるというふうに聞いております。
そういう意味でも知事の強いリーダーシップでもってこの映像産業が沖縄に根づくように、また多くの内外からのそういう関係者が訪れるような意味でもこの国際映画祭の開催に向けてリーダーシップを発揮していただきたいと要望を申し上げて質問を終わります。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午前11時38分休憩
午前11時39分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) 低廉な価格での払い下げについての再質問にお答えいたします。
県としては、読谷村や旧地主と連携を図り実現するよう努力したいと思います。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 日中独居は介護保険の対象になるかという再質問ですけれども、まず、やむを得ない事情、例えば同居人が仕事等で家にいなくて日中独居になり食事ができない場合、あるいは同居であっても親を省みずほとんど家にいないような同居家族、そのような場合には介護保険給付費の算定の対象になります。
以上でございます。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午前11時42分休憩
午後1時13分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
金城昌勝君。
〔金城昌勝君登壇〕
○金城 昌勝 通告の順に従いまして一般質問を行います。
簡潔に質問しますので、簡潔な御答弁をお願いします。
まず1番目、河川整備について。
昨年は、真玉橋が国や県の努力によってようやく昔の石橋の風情を感じさせる新たな橋として完成し、交通渋滞が緩和されたことに対し地域住民は大変喜んでおります。そこで真玉橋のかかる国場川を含めた漫湖水域の河川について再度考えてみたいと思います。
治山・治水は古くて新しい行政課題であります。戦前の国場川や漫湖ははんらんがありませんでした。戦後は、昭和30年代前半に真玉橋付近を中心に古波蔵、国場、樋川など国場川流域で大規模な床上浸水がありました。その後、建築する場合には盛り土をしながら建物が建築されていって現在に至っておりますが、平成11年9月の台風には古波蔵、真玉橋、国場、南風原の山川橋付近、石原橋付近の低地帯で床上浸水がありました。
国場川や漫湖の現状を見ますと、川の中にできた中州や護岸に繁茂する草木が流水を妨げております。マングローブの植栽により河床が上昇し浅くなりました。戦後、奥武山公園付近が埋め立てられて北明治橋、南明治橋がなくなり、明治橋のみになっております。この明治橋の河口付近はモノレール駅の埋め立て、公園側の親水護岸の埋め立て、漁協の船着き場などのために川幅が100メートルほどしかなく、流水面積が縮小しております。
漫湖に流入する国場川、饒波川、長堂川の河川改修については、河川改修計画等に基づき整備が進められております。しかしながら、台風や大雨があるたびに国場川などの河川のはんらんがないかどうか、付近の住民は過去の経験からして今でも不安に駆られております。
河川の形態というものは、上流が狭く河口が広いのが本来の姿であります。自然災害から県民の生命と財産を守るのが行政の役割であります。そのために土木・河川行政があるはずです。しかしながら、土木・河川行政を進めることがかえって災害の条件を増幅している部分、つまり自然の摂理に反していて人災に当たる部分があるのではないかと考えております。
そこで質問します。
(1)、戦前の漫湖の面積は幾らで、戦後幾ら埋め立てをし、現在の面積は幾らになっているのか。
(2)、漫湖水域の河川改修計画はどのような条件に基づく計画なのか。
(3)、現行計画の現在の進捗状況は、しゅんせつ状況も含めて河川ごとにどうなっているのか。
(4)、河川の環境が人為的な影響もあって変わりつつあるのに、基礎条件や現行計画はそのままか、また見直す考えはありませんか。
(5)、マングローブについてもどのような対策をとってきたのか、今後どうする考えなのか、伺います。
大きい2、台風14号の被害について。
このたびの台風14号で甚大な被害に見舞われました宮古地域の方々に心からお見舞い申し上げます。議会も執行部もともに全力で復旧に支援していきたいと思います。今回の台風14号に関して各議員からたくさんの質問がありましたが、私はその中から若干質問したいと思います。
新聞報道によりますと、「台風14号は宮古地方を直撃、甚大な被害を与えた。自然の猛威をまざまざと見せつけた。割れた窓ガラスでけがをしたお年寄りが心臓疾患もあって死亡し、93人が負傷した。県立宮古病院は運び込まれるけが人であふれ、「まるで野戦病院」と住民が恐怖を語る事態となった。電柱はなぎ倒され全世帯で停電、宮古空港管制塔も天井が落下、管制機能が止まった。陸海空とも寸断され、「孤島」状態となった。」と大変な状況を伝えております。
復旧段階では、沖縄電力やNTTの電柱が1000本余り根こそぎ折れて道路等をふさいだために復旧作業が大変手間取ったようであります。また、窓ガラスに対する恐怖感が残っているようであります。
そこで質問いたします。
(1)、今回倒れた電柱及び公共施設の窓ガラスは、どのような設計基準に基づくものなのか。
(2)、県としては、これだけの電柱が倒壊し、公共施設の窓ガラスが割れたことの原因をどう考えているのか。
(3)、県は、その原因に対して今後どのような行政指導をしていくのか。
(4)、電線の地中化についてはどう考えているかであります。
大きい3、知的財産立県についてであります。
国は、「知的財産立国」実現に向けた基本的な構想である「知的財産戦略大綱」を昨年7月に策定しております。時を同じくして沖縄の地域特性を十分発揮したフロンティア創造型の振興策への転換を進めるため新たな沖縄振興計画も策定されました。今まさに沖縄の将来の行方を担うにふさわしい価値観の転換期に差しかかっております。この時期を的確にとらえ、県自身がフロンティアスピリットを発揮し、新たな価値観を導入した施策の展開が輝かしい我が沖縄の未来を招来するものと私は確信しております。
今日までにおける我が国の金融システムは、不動産担保融資制度中心であったため右肩下がりの経済下では破綻を来し、幾ら公的資金を投入しても経済再生のめどが立たない状況にあります。これからの企業金融は、不動産担保制度からすぐれた技術力や特許などの知的財産を担保にした金融制度に転換することが必要であると考えます。
そこで、本県において行政サイドで知的財産を評価できる機能を持った部署を創設し、研究分野から企業化の可能性のあるものを金融機関に橋渡しをするなど、ベンチャー企業を立ち上げやすくするシステムを構築することが必要であり、そのことが自立経済につながっていくものと考えます。
また、石原東京都知事は、来年度に資本金2000億円のうち1000億円を出資して新銀行を立ち上げようとしております。つまり、技術力がありながら資金調達が困難な中小零細企業に融資を行う都主体の銀行を創設しようとしています。本県においても県主体の金融機関の創設が必要であると私は思います。
そこで質問します。
(1)、不動産担保制度から特許などの知的財産担保制度へ移行すべきと考えるが、県はどのように認識しておりますか。
(2)、特許などの知的財産を評価するような部署を新設するか、あるいは既存の組織を機能強化する考えはないか。
(3)、特許などの知的財産を評価できる人材の育成についてどう考えておりますか。
(4)、ベンチャー企業を立ち上げるために即座に金融機関に橋渡しできるようなシステムを構築する必要があると思うが、どうでしょうか。
大きい4、産業振興について。
去る8月8日、「沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター」の開所記念式典に出席して大変感銘を受けました。それは、健康バイオセンターが現在の健康志向を反映した健康食品等に関連した研究室や実証室、さらには最先端の研究機器類を整備しており、健康食品関連産業が観光産業に次ぐ重要な産業になり得る期待を確実なものにしてくれそうだからであります。つまり、これまでの健康食品をさらに化学的に解明してブームを着実なものにし、さらには新たな機能を解明した新商品を開発するなどして需要拡大が期待されるからであります。
県内総生産に占める製造業の構成比を見ますと、平成9年度が6.2%、平成10年度が5.9%、平成11年度が5.7%と減少傾向にあります。この減少傾向を食いとめ上昇に転じるには、健康食品関連産業の需要拡大が必要だと考えます。
そこで質問いたします。
(1)、健康食品関連産業の現状はどうなっているのか。
(2)、健康食品関連産業の今後の見通し、これは雇用も含めてどうなりますか。
(3)、健康食品関連産業を製造業の中でどのような位置づけで施策を展開しようとしているのか。
(4)、健康バイオセンターの運営の方針はどのように考えておりますか。
大きい5番目、教員の人材育成について。
沖縄振興計画において人材育成は、人づくりは百年の大計と言われる。21世紀の沖縄が自立に向けて持続的に発展し、世界に開かれた交流拠点を形成していくためには、産業、福祉・医療、学術・文化等各分野を担う高度多様な人材育成が不可欠であり、各分野における施策とあわせて積極的な取り組みを展開するとしております。
沖縄振興計画のすべての施策が十分展開され、目指す目標を達成できるかどうかは、まさしく行政も含めた各分野における人材育成にかかっており、人材育成という施策が最も重要な施策と考えております。特に、将来を担う子供たちを教育することが根源的な人材育成であり、それを第一義的に担っている教員の資質の向上がとりわけ重要であります。
また、教員個人個人にとっても資質の向上が自己の人格形成にとって役立つものであります。
県教育委員会では、本県の教育振興のために「沖縄県教育長期計画」や「沖縄県教育推進計画」を策定しておりますが、その担い手である教員の資質の向上の施策が欠落しているのではないかと私は思っております。
また、教員の資質の向上連絡協議等を開催しているようですが、その協議内容が施策に反映しているかどうか疑問を感じざるを得ません。
そこで質問いたします。
(1)、県民が求める教員像というものを何を根拠にどのように認識されているのか。
(2)、これまで県民が求める本県にふさわしい教員像を明確にするための調査をやったことがありますか。ない場合は調査すべきと思うがどうか。
(3)、本県の将来を担う子供たちに対する学校教育の充実のためには、学校教育の直接の担い手である教員の資質・指導力の向上が必要不可欠であります。そのためのアクションプログラムを策定すべきと思うが、どうお考えですか。
(4)、教員の資質向上のための施策を実行した際に、その効果を何らかの形で評価する方法も考えるべきだと思いますが、どういうお考えでしょうか。
(5)、これらのことを進行管理するための組織としてのプロジェクトチームを新設し、教員の資質向上を実効性のあるものにする考えはないか。
以上でありますけれども、御答弁の内容によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 金城昌勝議員の御質問にお答えをいたします。
健康食品産業の現状と今後の見通しについて一括してお答えをいたします。
本県の健康食品産業の現状につきまして、沖縄県健康食品産業協議会の平成14年度の調査によりますと、売上高は平成9年の約45億円から平成14年の約132億円とこの5年間で約3倍に伸びております。また、従業員数も平成9年の約930名から平成14年の約1750名と約2倍にふえております。健康食品産業は、近年の健康志向、自然志向等の高まりから今後の成長が期待される分野となっております。県におきましては、沖縄県産業振興計画で平成23年の売上高目標を約512億円と設定しており、戦略的な施策展開によって健康食品産業の振興と雇用機会の拡大を図ってまいります。
次に、健康食品産業の位置づけと施策展開についてお答えをいたします。
健康食品産業は、沖縄県産業振興計画において沖縄の地域特性や資源を活用した特色ある重点産業として位置づけ、戦略的な振興策を展開することとしております。健康食品産業のさらなる振興を図るには、製品の品質向上や高付加価値化による競争力強化、ブランド力の獲得が必要であると考えております。このため、県としましては薬草等の県産資源を利用した機能性素材に関する特許技術の移転や、企業との共同研究による発酵技術等を生かした新製品開発及び企業ニーズに対応した技術支援を積極的に行ってまいります。また、製品のブランド力強化を図るため原料生産から品質管理までの一貫した総合的な対策に取り組んでまいります。
さらに、新たに開設した健康バイオテクノロジー研究開発センターを産学官連携などの研究開発拠点としてその活用を促進し、健康食品産業の振興に努めてまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○土木建築部長(安慶名正行) 河川整備についての、戦後から現在までの漫湖の面積の推移についてにお答えいたします。
戦後に埋め立てられた国場川にかかる真玉橋及び饒波川にかかる石火矢橋から河口の明治橋に至る漫湖水域の面積は約75ヘクタールであり、現在の同水域の面積は約69ヘクタールとなっております。
戦前の漫湖水域の面積を明確に示す資料は確認できませんでしたが、同水域の現在の面積と戦後の埋立面積を合算した面積が約144ヘクタールとなっていることから、戦前の同水域の面積はおおむね144ヘクタールであったものと推測しております。
次に、漫湖水域の河川の改修計画及びしゅんせつ状況を含めた進捗状況並びにマングローブについてにお答えいたします。一括してお答えいたします。
漫湖に流入する国場川水系の河川につきましては、国場川及び饒波川は50年に一度程度の確率で降る雨、長堂川は30年に一度程度の確率で降る雨に対応できるよう河川改修計画を策定し、国の認可を得て整備を進めているところであります。
国場川水系の河川につきましては、浸水被害の早期解消のため重点的に整備を推進してきたところであり、平成14年度末の進捗状況は国場川は約65%、饒波川約88%、長堂川が約98%となっております。
漫湖水域のマングローブや堆積土砂につきましては、治水上支障があるものについては環境に配慮しながらこれまでも除去してきたところであり、河川管理上必要な箇所については今後とも関係機関と協議の上除去していきたいと考えております。
次に、河川計画を見直すことについてにお答えいたします。
国場川水系の河川改修計画については、流域からの流出量に影響する土地利用の進展等も想定した計画を策定し、昭和56年に国の認可を得たところであります。なお、昭和56年に国の認可を得る段階で想定した土地利用の進展はおおむね計画どおりに進展している状況にあります。したがいまして、国場川、饒波川、長堂川の整備につきましては、現行計画に基づいて推進しているところであります。
次に、台風14号の被害についての電柱、公共施設の窓ガラスの設計基準についてにお答えいたします。
電柱の設計基準につきましては、電気設備に関する技術基準を定める経済産業省令で、風圧の荷重により甲種、乙種、丙種の3種類の基準が定められております。沖縄電力株式会社によりますと、沖縄県では最も風圧荷重が大きい甲種を適用しているとのことであります。
なお、甲種風圧荷重を平均風速に換算すると毎秒40メートル、破壊に及ぶ仮定の平均風速は毎秒56.6メートルとのことであります。
次に、公共施設の窓ガラスの風圧力に対する設計につきましては、建築基準法に基づき沖縄の地域特性を考慮した計算基準で行っており、ガラスの強度が風圧力を上回るように設計されております。ちなみに、今回の台風の最大瞬間風速毎秒74.1メートルは、1平方メートル当たり315キログラムの風圧力となり、県内の公共施設で採用されている5ミリの板ガラスの場合は、344キログラムの風圧力に耐えられることになっております。
次に、電柱の倒壊、公共施設の窓ガラスの割れた原因についてにお答えいたします。
電柱の倒壊につきましては、最大瞬間風速は毎秒74.1メートルを観測するなど猛烈な台風が主な原因であったと考えられます。また、電柱そのものの強度を初めとして、電線類の架設本数や碍子等の電力装置類の電柱への設置状況、周辺の建築物など遮へい物の多寡や地形による風向の変化または風力の増減等多数の原因が考えられますが、現在のところその原因を究明するには至っておりません。沖縄電力株式会社では、大学教授を含めた専門家による研究会を設置してその原因究明及び対策を講じることとしております。
次に、公共施設の窓ガラスの破損につきましては、飛来物による衝撃、アルミサッシの金属疲労、ガラスの老朽化、建物内外の気圧差等の原因が考えられますが、現在のところその原因を特定するには至っておりません。また、現在、独立行政法人建築研究所が現地を調査し、原因を究明中と聞いております。
次に、行政指導についてにお答えいたします。
電柱の倒壊につきましては、去る9月26日に沖縄電力株式会社へ早急な原因究明と対策の検討を指示したところであります。同社の検討結果を踏まえた上で道路管理者の立場から必要に応じて占用基準の見直しを行うとともに、道路占用者に対し有効な対策を講じるよう指導していきたいと考えております。
次に、公共施設のガラスの破損対策につきましては、雨戸の設置、飛散防止フイルムの張りつけ、強化ガラスの使用など、それぞれの建物の立地条件や構造形態に適した内容で対応するよう市町村等に対して指導を行っていきたいと考えております。
次に、電線の地中化についてにお答えいたします。
電線類地中化は、「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」に基づき安全で快適な通行空間の確保、都市災害の防除、都市景観の向上、情報通信ネットワークの向上等の観点から道路管理者、電線類管理者及び地元の協力のもとで実施される事業であります。
電線類の地中化事業は、沖縄総合事務局、沖縄県、関係市町村、電線類管理者で構成される「沖縄ブロック電線類地中化協議会」において整備箇所、整備延長等が決定され電線類地中化計画が策定されます。電線類の地中化は、台風常襲地においてはライフラインの確保のための有効な手段の一つであると考えております。しかしながら、電線類地中化事業では電線類管理者において極めて大きい費用の負担があります。今後、「沖縄ブロック電線類地中化協議会」や電線類管理者と協議しながら電線類の地中化に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 知的財産権を担保とする融資制度とベンチャー企業への資金提供について一括してお答えをいたします。
我が国においては、知的財産権を担保とする融資制度は知的財産権の評価が困難なことや流通市場が未整備なために担保実行が困難なことなどから一般的には定着しておりません。このため、国においては、知的財産権担保融資制度の定着、特許流通市場の整備等を図る制度または運用の改善等の検討が進められております。現在、県においては、創造法認定審査委員会や事業可能性評価委員会等を設置し、ベンチャー企業が有する知的財産権を含むビジネスプランの評価と低利融資制度の活用促進等の支援をしているところであります。
県としては、競争力のある新商品の開発や新たな産業の創出を図る上で、ベンチャー企業等がその保有する知的財産権を活用して資金供給を受けることは重要な課題と認識しております。今後、国における制度改善等の検討状況を踏まえ、ベンチャー企業への円滑な資金供給のシステムを検討してまいりたいと考えております。
知的財産を評価する組織と人材育成について一括してお答えをいたします。
県においては、知的財産の保護・活用を図る組織として平成11年に知的所有権センターを設置し、専門知識を持った特許流通アドバイザーや特許情報検索指導アドバイザーを配置して技術移転、技術移転契約の相談等を実施しております。知的財産権の技術的側面などからの評価及び活用等に関する当センターの役割が重要になることを踏まえ、今後、機能強化について検討してまいりたいと考えております。また、知的財産の適切な評価と活用を図る人材を育成するため、現在、人材育成プログラムの検討を進めているところであります。
次に、産業振興についてのうち、健康バイオセンターの運営の方針についてお答えをいたします。
健康バイオセンターは、健康バイオ関連企業等が入居し、産学官連携などの研究開発や実証開発等を行う研究開発拠点施設であります。当センターの運営基本構想では、柔軟かつ弾力性のある研究開発を推進するためには民間の経営感覚を取り入れた運営組織が望ましいとしております。しかしながら、現時点では機械の整備等の課題があることから、当面は県が管理し、施設運営が軌道に乗った段階で財団法人等に管理を行わせることとしております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 県民が求める教員像及び調査について一括してお答えいたします。
国においては、平成12年の教職員養成審議会答申において教員に対して大きく次のような2つの能力を求めています。1つには、教員の普遍的資質能力として教育者としての使命感、人間の成長・発達についての深い理解、児童生徒に対する教育的愛情、教科に対する専門的知識、広く豊かな教養等を基盤にした実践的指導力であります。そして、今特に求められているのが多様な資質能力であります。国際社会で必要とされる基本的資質能力、さらに社会の変化に適応するための知識及び技能等の能力であります。本県においても教員の選考時において重視しているのが2つの特性、すなわちすぐれた専門性と豊かな人間性、そして4つの能力、すなわち専門的知識・技能の能力、指導技術の能力、使命感、教育的愛情であります。
なお、県民が求める教員像についての調査はしておりませんが、国及び本県の求める教員の資質能力を重視して本県教員の資質向上を図っていきたいと考えております。
次に、アクションプログラムの策定、施策の評価及びプロジェクトチームの新設について一括してお答えいたします。
よく「教育は人なり」と言われるように、御指摘の教職員の資質、指導力向上は極めて重要であります。県教育委員会といたしましては、教職員研修の基本方針を策定してライフステージに応じた教職員の資質向上のための研修を体系化しております。いわゆる教員の資質向上のためのアクションプログラムに相当するものであります。その具体として、教職員の資質向上を実効性あるものにするため学校における校内研修、市町村では教育研究所等での研修、県では総合教育センターにおいて研修を実施し、その評価や内容の充実・発展を図るようにしております。
なお、教育活動における評価には内部評価や外部評価等があり、研修施策の実施や教育活動等においてそれらの評価を導入していく必要があると考えております。現在、学校の自己点検・自己評価を行い、学校評価の実施について努めているところであります。また、評価については、現在県教育委員会では評価システムに関する検討委員会を準備し実施する予定にあります。今後とも県民の負託にこたえるべく教員の人材育成に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○金城 昌勝 再質問をいたします。
まず河川整備についてであります。
今部長の御答弁によりますと、河川整備については昭和56年に認可を受けてなさっているということであります。その当時、土砂の堆積やマングローブの植栽による河床の上昇等は計算されているかどうか。また最近各地で高潮が観測されておりますけれども、この高潮も基礎条件の中に入っているかどうか伺います。
(2)番目に、現行の基礎条件、いわゆる50年確率で雨量が24時間で360ミリということで計画されているとの御答弁がありましたが、今後50年間はその被害がないということが約束されるかどうか伺います。
(3)番目、もし行政の怠慢で被害が発生した場合、県はその責任を認め十分な補償をする考えを持っているかどうかであります。
(4)番目、もともと漫湖水域にはマングローブは自生しておりませんでした。河川法第27条によりますと、植栽や伐採の場合、河川管理者の許可が必要だと。マングローブの植栽はだれが、いつ、どのような目的で許可したのかお伺いします。
(5)、河川法第16条では、河川整備計画案を作成する場合は学識経験者の意見、関係住民の公聴会の開催、関係市町村長の意見聴取が義務づけられておりますけれども、これらの手続をとったかどうか伺います。
次に、台風被害についてでありますけれども、いろいろとありましたのでコメントだけしておきます。
安易に全国一律的な電線地中化の行政運営はすべきではなく、本県地域の特性を生かして考慮した行政の運営を心がけるよう注意を喚起しておきます。
3番目に、教員の人材育成について。
教育行政の最高責任者は教育委員会であります。その施策は絵にかいたもちであってはなりません。また、施策を評価するのは時代の趨勢であります。
人材育成について、何としても実効性のあるアクションプログラムとそれを進行管理する組織を設立すべきであると私は確信します。よって、教育行政の最高責任者である教育委員長の見解を求めます。
本県を将来ますます繁栄させるためには子供たちの教育が大変重要であり、その担い手である教員の資質にかかっていることを再認識して、先進地である三重県や長野県を参考にして人材育成行政を推進していただきたいことを要望いたします。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後1時49分休憩
午後1時54分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
土木建築部長。
〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) 再質問にお答えいたします。
河川整備について昭和56年に計画したもので現在でも大丈夫か。要するに、土砂とかマングローブとか、そういう状況が変わってきているんだけれども大丈夫かという御質問でございますけれども、異常潮位のこともありますけれども、基本的には宅地開発状況とか、そういうのを全部調べてみましたら、当時の計画と現在の計画はほとんど変わっていませんで、あとマングローブ等、これは後で出てきますが、平成4年に許可しておりますけれども、植えることを。それは広い水域のところで支障のないように植えてもらっていますので、それについても特に実情は支障がないというふうなことになっております。ただ、現在の異常潮位等については想定されておりません。当時の高潮とか、あるいは50年の確率の雨に対しての検討はそのころされております。
それから先ほどの50年確率ということで、あしたあたりにも起こることについて保証できるかということですけれども、これはいつ、あした起こるかどうかもわかりませんし、50年の確率の雨が降ればそういう超えることになりますので、それについては、50年間保証できるということではございません、あす起こるかもしれませんので。そういうことでございます。
それから、補償につきましては、これはもうそのときの状況で瑕疵がどうあるかということによると思いますので、それについてはこの場で答えることはできません。
それから、マングローブを許可したのはいつかということですけれども、これについては平成4年に許可しております。詳しい月日については今データを持ち合わせておりませんけれども、そういうことでございます。
それから、河川整備計画については、その後の整備計画については手続はとっておりません。
以上でございます。
○教育委員会委員長職務代理者(徳山盛彦) 金城昌勝議員の再質問にお答えいたします。
今日、教育環境が複雑・困難になり、さらには国際化・情報化の進展する社会の中で児童生徒の教育を担う教員の資質向上を図ることは、本県教育の振興・発展にとって大切なことであると認識しております。
御提言につきましては、先ほど教育長が答弁しましたように、現行の教員資質向上施策を踏まえ、本県教育が今後より一層充実・発展するよう努力していきたいと考えております。
以上です。
○金城 昌勝 部長答弁は余りよく理解できませんでしたので、委員会でもっとやりたいと思います。
再質問いたします。
国場川のしゅんせつについてですけれども、饒波川は平成10年度までにしゅんせつが全部完了してやっと本来の河川らしい川になりました。大変喜んでおります。しかし、国場川については随時堆積状況等の調査を行い、必要に応じてしゅんせつするというような内容のお話だったと受けとめておりますけれども、これまで国場川はしゅんせつは必要なかったのかどうか、また平成15年度予算及び計画はどうなっているか、さらに今後の年次的な計画事業についてどうなっているか伺います。
今後とも、土木・河川行政が後年になって人災あるいは行政の瑕疵、怠慢と言われないように十分な対策を講じて事業を進めていただきたいということを要望をして終わります。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後2時 休憩
午後2時5分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
土木建築部長。
〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) 再質問にお答えいたします。
国場川につきましては、これまでしゅんせつをやったことがあるかということに関しましては、あります。バイパスをつくった際に、その見返りとしても一時しゅんせつを行いました。
それと、平成15年につきましては予定がございません。
それから、今後の計画については必要に応じて随時やっていく予定であります。
以上でございます。
○平敷 昌一 本日のアンカー役でございます。簡潔に、さわやかにまいりたいと思いますので、明快な御答弁をお願いしまして質問に入ります。
まず、ワークシェアリングについてであります。
今、県政が抱える大きな課題の一つに雇用失業の問題があります。全国的にも91年ごろから失業率は少しずつ上がって、98年ごろからは急速に上昇し、最近では全国平均で5%台の高い失業率となっております。
それに対し、本県では全国平均のおよそ2倍の8%台の高い水準で推移をしておりまして、県の努力にもかかわらずなかなか改善が見られないのが現状でございます。
これまでの雇用失業問題の対策は、どちらかといいますと公共事業への財政投資を中心とした雇用維持、雇用創出への助成金支出等のいわゆる財政依存型の一時しのぎの対策ではなかったかと思います。そのことは、構造的というか抜本的な問題解決にはならなかったわけで、ある識者によりますと、公共事業というのはドラッグ、麻薬と同じであると。苦しいときに飲めば楽になる。しかしその効果はすぐに消えてしまう。また苦しくなったら次のドラッグ、公共投資が欲しくなる。この繰り返しをしていると経済とか企業の体力が失われて自立しようという意識が失われてしまうという指摘がございます。確かに財政依存の対策は限界があると思います。
国民1人当たりおよそ600万円の借金をしている今の国家財政では、従来型の政策を続けることは困難であると思います。また、少子・高齢化が確実に進行している現状と、膨大な借金を抱えて破綻状態にある国家財政の状況等を考えますと、いかに国民の雇用不安を抑え収入不安を解消し、経済を再生させるかという課題を解決するのは並大抵のことではないと思います。そこで、今、論議が盛り上がっているのがワークシェアリングの導入であります。
そこで、私、今回はそのワークシェアリングの問題を取り上げてみたいと思います。
ワークシェアリング論議は、これまでにも過去2回あったようです。1回目は石油危機後の70年代後半、2回目は、円高不況の80年代後半の2回であります。
〔副議長退席、議長着席〕
今回のワークシェアリング論議は、これまでの2回の論議とは様相を異にしているようであります。すなわち、構造改革の政策が具体的に実施されない段階で雇用失業情勢が深刻化しており、もし構造改革が本格的に実施されてなおデフレスパイラルを脱することが不可能になれば、失業情勢はもっと悪化する可能性があること。それを単に市場経済の復活までの間の痛みと割り切ってそのまま放置するとなれば、余りにも無策ではないかとの認識から盛り上がったのが今回のワークシェアリング論議のようであります。
こうした状況を背景に、昨年3月29日に政府、経団連、連合のいわゆる政・労・使の検討会議を経てワークシェアリングに関する政・労・使合意がなされ、行政団体や企業においてそれぞれの体質に合ったさまざまなスタイルのワークシェアリングの論議と実践がなされております。
先進国のヨーロッパで行われているワークシェアリングの一般的なタイプは、フランス、ドイツ、イタリアが実施しております法律や団体交渉による全般的な労働時間短縮型が有名でありますが、ドイツ、フランスでは早期退職ならぬ退職前パート勤務制による若者の雇用増加をねらったタイプも試行されているようであります。また、ベルギーでは育児休業、介護休業の導入による仕事の分かち合いを目指したものなど多様な形態があると言われております。
要するに、働きたいが職につけない人が多い社会はやはり健全ではない。だれとだれが分かち合うのか、またどういう型の労働形態にすれば合意が得やすいかということであり、まさにこれまでの日本型雇用形態の変革であると思います。
そこで以下質問をいたします。
(1)、ワークシェアリングに関する政・労・使合意を受けて、県はこれから何をしようとしているのか、その方針があれば御説明ください。
(2)点目、現在、県内においてワークシェアリングを実施している企業、団体等があれば、その内容、また実施に向けて検討している企業、団体等があれば、それを紹介してください。
次、全国の多くの自治体でもワークシェアリングが検討され、あるいは実施されております。例えば、兵庫県では職員の時間外手当をカットし、その財源で若年層を170人ほど採用しているようです。その兵庫県をモデルに北海道、福岡県など10の県で実施を予定しているようですが、本県の場合どのような取り組みをしようとしているのか、御説明願いたいと思います。
(4)点目、鳥取県では基本給をカットして雇用創出型の正規職員をふやす思い切ったワークシェアリングを実施するほか、雇用機会創出支援基金を設けるなど積極的に取り組みがなされているようです。本県は常に全国平均の倍の失業率で、特に若年層の失業率が高いことからすれば、県が率先して実施すべきと考えますが、それについて県はどう考えておられるか、御答弁願います。
実は、私が県の人事課長をしているとき、もう20年ほど前になりますけれども、あるワークシェアリングをやろうと考えたことがあります。どういうことかといいますと、本県職員には──特に教職員に多いのですが──夫婦共働きしておられる組がたくさんおられます。そこで、夫婦の一方が管理職に昇任をする際には一方はやめていただく、もちろんその場合には退職手当等を加算するなどの優遇措置を講ずる。そういう人事措置によって新規採用職員枠がふえるわけであります。
なぜそのようなことを私が考えたかといいますと、私の周辺に両親とも公務員で、しかも管理職の地位にある家庭で、子供は立派な大学を卒業し公務員を志望しておりますが、なかなか就職できずに家で遊んで両親に扶養されている。こういう状態は決して健全な状態とは言えない。何とか新規採用の枠を広げられないものかと考えまして、夫婦県職員の場合、一方が管理職に昇任する際には一方はやめていただく、そういう人事制度にしたいと考えましてこれを公表いたしました。そうしましたら賛否両論紛糾いたしまして、特に職員団体の反対が強く、私の構想はつぶれてしまいました。そういう私の経験から次の質問をいたします。
(5)点目、県職員で──これは知事部局、教育委員会の任命権者ごとにお願いしたいんですが──夫婦共働きをしている人数は何人おられるか、またそのうち管理職は何名か。
次、他の県では夫婦の一方が校長、教頭へ昇任する際は一方はやめるという慣行が定着していると言われますが、その実態をどう掌握し、どう評価しておられるか、お答え願います。
次、もし夫婦の一方が管理職に昇任した場合、一方がやめるという人事慣行があれば、新規採用枠が毎年相当数ふえると思います。そうしたワークシェアリングの導入を検討する用意がありますか、ありませんか、お答え願います。
次は、慰霊塔の管理の問題です。
私は、最近「沖縄の島守」という本を読みました。これは田村洋三さんの著書で、中央公論新社が発行しておりますが、それによって島田知事以下県職員がいつ、どこで、どのような戦時下の行政を行っていたか、当時の県庁の移動経路、足跡、そして知事の最後の模様等が克明に記述されております。
島田叡知事は、沖縄戦のわずか2カ月前に大阪府内政部長から、なり手のない最後の沖縄県知事として敢然と赴任され、在任5カ月足らずの間に県民の疎開、食糧調達、戦場の避難誘導に県職員の先頭に立って戦時下の県行政に全力を挙げた末に、わずか43歳で戦没しておられます。
島田知事は、昭和20年1月31日に第27代沖縄県知事として荒涼とした焼け野原に残る沖縄県庁に赴任をしておられます。当初、県庁は城岳の壕を中心に行政が行われていたようですが、4月1日の米軍上陸後の4月4日に旧真和志村真地の県庁壕に県庁機能が移っております。そこで歴史に残る戦時下における県知事主催の市町村長・警察署長合同会議が開催され、南部地区17市町村長と4警察署長が出席をして開かれております。それが日米激戦下の4月27日のことであります。
1カ月余にわたるさまざまな戦時行政を行ってきた真地の県庁壕も戦況の悪化で放棄することになり、5月25日、県庁は東風平村志多伯の野戦重砲隊の壕に移動をいたします。しかし、その壕も危険になり、5月27日には旧兼城村の「秋風台の壕」に移動をされます。ここでも四、五日の滞在で、6月5日には県庁最後の壕となる旧真壁村伊敷の「轟の壕」に移ることになります。そのときには既に軍司令部は摩文仁に撤退を完了しております。「轟の壕」も6月9日には県庁、警察部は解散をいたします。機能停止をいたします。明治12年の沖縄県が設置して以来67年にわたる沖縄県の歴史はついに幕を閉じるわけであります。
島田知事は、県庁解散後の6月16日に軍司令官と最後の行動をとりたいといって壕を出られます。そして6月19日に牛島司令官と長参謀長を訪ね、最後の行動をともにさせてくださいと頼まれます。しかし牛島司令官は、知事は行政官であり戦闘員ではないから、ここで死ぬ必要はないと言われ、軍司令部壕から近い医務部壕、現在の「島守の塔」の背後にある壕だったようです。そこに入るように言われ、知事は医務部壕へお入りになります。それから3日後の6月23日には軍司令官と長参謀長は自決され、沖縄戦の組織的戦闘は終わります。
軍医務部壕で知事と一緒におられた生存者の大塚薬剤中尉の証言によりますと、島田知事が医務部壕を出られたのは、組織的戦闘が終わって3日後の6月26日だそうです。国頭の方へ突破するといって知事は出られたようです。その後の消息はぷつりと切れてしまい、内務省は大塚発言によって6月26日を知事死亡の日と認定、この日が命日になっているようです。
ところがその後、読売新聞、西日本新聞の取材調査で島田知事のその後の消息が判明をしているようです。東京都三鷹市で鮮魚店を営んでおられる山本初雄さんという方で、山本さんは当時、独立機関銃隊の分隊長だった方で、その証言によりますと、山本さんは国頭への脱出をねらって具志頭方面で敗残兵として生き延びておったようです。食糧探しをしているとき、海岸から50メートルぐらい上がった断崖の中腹に横穴壕があり、そこに左大腿部を負傷した男の人が1人横たわっていると。その人が山本さんに声をかけ、兵隊さん、私は知事です、黒砂糖があるから持っていらっしゃいと言われたそうです。なるほど飯ごうの中に3枚の黒糖が入っている。そのうち2枚だけをもらって壕を出、翌々日、食糧が入ったので山本さんは先日のお礼にと知事がおられた壕に入ってみると、あごの下にけん銃が落ちて耳の下から血が流れて自決をしておられた。山本さんの証言によりますと、知事の最後が判明しておりますが、その日はもう7月に入っていたと証言をしておられるようです。
私は、なぜ長々と島田知事の足跡を申し上げたかといいますと、私は昨年の6月議会で悲惨な沖縄戦の体験を歴史的教訓として風化させないためにも、慰霊塔・碑を戦争のあかしとして尊厳・保持していく必要があると。島田知事以下459柱が合祀されている「島守の塔」は、旧県庁職員の生存者が管理しておられるけれども、関係者の高齢化で今後の管理は困難になっている。戦没された459柱は、県の組織機能として職務を全うされて亡くなられたのです。ですから当然県が管理すべきではないかと質問をいたしました。
平和の礎、これはもう国籍を問わず、軍人・軍属を問わず全部沖縄県がその碑を設置して管理しておられます。そうであれば、沖縄県民のために頑張った沖縄県の組織機能の一部として最後まで職務を全うされたこの459柱の慰霊塔は、当然県が管理していいのではないかと私はそういうふうに思っています。私の質問に対し、関係者と協議をし検討したいとの答弁でございました。
それでは、どのような協議をし、検討の結果どうなったか、明確に御答弁願います。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 平敷議員の御質問にお答えいたします。
ワークシェアリングの方針についてのお答えでございます。
本県におけるワークシェアリングについては、昨年9月に沖縄県経営者協会、連合沖縄、学識経験者、行政関係者等で構成する「沖縄ワークシェアリング研究会」を発足させ、労使双方のアンケート調査やシンポジウムを開催し、ワークシェアリングに対する課題の把握と共通認識の形成に努めているところであります。
さらに、ことし6月には沖縄県経営者協会と連合沖縄が共同運営する「沖縄県労使就職促進支援機構」が設立され、ワークシェアリングの具体化に向けた労使協働の取り組みを進めることとなっております。ワークシェアリングは、その地域の産業構造や労働市場等を踏まえ、かつ労使のコンセンサスを基本として実施されることが重要であり、県としましては、関係機関と連携して調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
次に、ワークシェアリングへの取り組みについて一括してお答えいたします。
ワークシェアリングの導入につきましては、県は厳しい財政状況を踏まえ、「新沖縄県行政システム改革大綱」に基づき10年で10%の職員削減を目標とする定員適正化に取り組んでいるところであり、行革大綱との整合を図る中で導入の手法、財源の確保等について検討していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(伊川征一) ワークシェアリングの実施企業等についてお答えいたします。
沖縄ワークシェアリング研究会が昨年度実施をいたしましたアンケート調査によりますと、ワークシェアリングを実施している企業は、回答企業204社のうち9社で、実施予定または検討中の企業は14社となっております。
実施企業9社の業種別内訳は、卸・小売業3社、製造業2社、建設業2社、その他の業種で2社となっておりまして、その実施内容は労働時間の短縮による雇用の維持となっております。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 夫婦共働きの県職員の状況等についてお答えいたします。
知事部局において夫婦ともに県職員である者は411組、822名であります。このうち、いずれかの職員が管理職である者は51名となっております。
なお、職員の管理職への登用につきましては、勤務成績、その他の能力の実証に基づき行われるべきものであると考えております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 夫婦共働きの教育委員会関係職員の状況とワークシェアリングについて一括してお答えいたします。
公立の小中学校、県立の高等学校、特殊教育諸学校及び県教育委員会事務局職員のうち、夫婦共働きである者は1143組、2286人で、このうち、いずれかが管理職である者は394人となっております。また、現在、九州各県において夫婦の一方が校長、教頭へ昇任する際に一方はやめるという慣行があるということについては承知しておりません。
なお、県教育委員会では校長、教頭については管理職候補者選考試験を実施しており、そのことも踏まえ職員の管理職への登用については勤務成績、その他の能力の実証に基づき行われるべきものであると考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 慰霊塔の管理問題について、「島守の塔」の管理を県が行うことについてお答えいたします。
財団法人島守の会が管理している「島守の塔」は、現在、沖縄県戦没者慰霊奉賛会が平和祈念公園の霊域管理の中で清掃を行っており、県はこれに対し事業費として補助金を交付して塔の尊厳の維持に努めております。
県内には、財団法人島守の会と同様な課題を抱えた団体が多数ありますが、慰霊塔・碑は、財産、建設物であり、維持管理は基本的には設置者または管理者の責任において行うべきであります。
また、慰霊塔・碑に祭られた方々は、軍人、民間人、所属団体等に差異はあっても沖縄戦で亡くなられた方々であることから、「島守の塔」を県が直接管理することについては、財団法人島守の会の存続の問題等を含め課題がありますので、今後さらに当該法人の意向を確認し対応策を検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
次会は、明7日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後2時30分散会