平成15年(2003年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 10月 7日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 諸般の報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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   〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(伊良皆髙吉) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、乙第1号議案から乙第7号議案まで、乙第9号議案から乙第16号議案まで及び認定第1号から認定第24号までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 坂井民二君。
   〔坂井民二君登壇〕
○坂井 民二 おはようございます。
 通告に従いまして台風14号について質問をしたいと思います。
 今回、宮古島を襲った台風14号は、1966年に襲来したコラ台風、1968年のデラ台風に次ぐ35年ぶり、県内観測史上3番目、最大瞬間風速74.1メートルの超大型台風でありました。
 その勢力は、9月10日から11日にかけ、ほぼ24時間猛威を振るい、災害の深いつめ跡を残し、島民生活へ重大かつ多大な影響を及ぼしました。
 「災害は忘れたころにやってくる」という言葉があります。まさに今回宮古島を襲った台風14号は、この30年余り超大型台風に見舞われず、台風なれした宮古島の住民を直撃し、甚大な被害をもたらしたものであります。
 農作物はまれに見る被害を受け、折れた街路樹や大木は道路に散乱し、公共施設や住宅などの窓ガラスが割れ飛び散り、それによって負傷した数多くの人たちが病院へ運ばれました。
 知事におかれましては、被災日の翌日、12日の午前中には宮古入りしていただき、島内の被害状況を視察していただきました。さらに、9月16日には災害復旧支援対策本部が設置されました。このような知事の迅速な対応について敬意を表すると同時に、住民にとっては何よりの励みになっています。ありがとうございます。
 また、県選出の国会議員や県議会文教厚生委員会、さらに沖縄総合事務局、県当局幹部による現地視察が速やかに行われたことに対しても感謝申し上げます。
 また、沖縄電力や沖縄県警、自衛隊、NTT、日本トランスオーシャン航空など、各方面の迅速な対応を初め石垣市の大濱市長による救援本部のいち早い設置など各自治体、県内外の多くの方々の物心両面から成る御支援に温かい思いを感じると同時に、深く感謝申し上げたいと思います。
 9月17日には宮古圏域の6市町村長が小泉総理に被害状況を直接説明した際、総理からしっかり対応するという温かい言葉をいただきました。まことにありがたいことであります。
 さて、それでは台風被害における県の対応策を幾つかお伺い申し上げます。
 質問も最終日になりますと多岐にわたり質問が重複しますが、被害状況が日ごとに変化するということとあわせて、私の地元でもありますのであえて重ねてお伺いしたいと思いますので、当局の誠意ある答弁をよろしくお願いしたいと思います。
 稲嶺知事を初め関係部局長の現地視察が行われましたが、知事の今後の取り組みに対する決意と、現時点での農林水産、教育、文化、福祉、観光、土木建築、商工、その他各部局が関係する被害状況とその内訳、今後の対応をお聞かせください。
 今回の台風14号の最大瞬間風速74.1メートルは、過去の気象データと比較すると国内観測史上第1位の第2宮古島台風(コラ台風)の85.3メートル、国内第3位の第3宮古島台風(デラ台風)の79.8メートルに次ぐ県内観測史上第3位、国内でも第6位というまれに見る超大型台風だったわけですが、現時点での被害総額はどのようになっているのか。また、宮古島における過去5年間の台風被害総額を年度ごとにお聞かせいただきたいと思います。
 今回の災害において、災害復旧支援対策本部を設置されましたが、今年度県は災害復旧費として約37億円の予算措置を行っています。今回の台風14号においてこの災害復旧費からの対応はどのように考えているのか。また、10月1日現在の新聞報道などでは約100億円余りの被害が報告され、今後さらに被害総額が増加する傾向にあります。
 そこで、増加する被害額に対応するためどのような予算措置を検討しているのか、お聞かせ願いたいと思います。
 今回の災害の特徴は、約900本の電柱倒壊により宮古島全世帯の約90%以上の2万1000世帯にも及ぶ停電と、それに伴う断水や電話の不通によるライフラインの寸断でありました。現地では、全世帯に電気がついたのは2週間後の9月24日です。やっと空っぽな冷蔵庫に物が入れられる、昼のうちに水ぶろに入らなくてもいい、洗濯もいつでもできる、住民はこのように表現しております。
 こういった危機的状況を考えたとき、早急な電線地中化の実施が強く求められるところです。そのためには国の高率補助が必要不可欠です。県の考えとその見通しをお聞かせください。
 また、現在行われている沖縄電力を中心とした電線地中化の予算措置はどのようになっているのかお聞かせいただきたいと思います。
 平良市総合体育館、上野村体育館、平良市中央公民館、平良中体育館、城辺中体育館などの学校教育施設や社会体育施設など大型施設に被害が集中し、特に屋根の損壊に激しいものがあります。これは、建築基準が本土の基準で設計されたもので、今回のような大型台風には持ちこたえられず、台風のたびにこのような被害は繰り返されるでしょう。国との調整で沖縄における建築基準を見直すべきだと思いますが、どのように考えているかお聞かせください。
 また、このような公共文教施設の復旧は最優先課題だと思われますが、体育館を初めとして建てかえが必要な施設が多く見受けられました。現時点で建てかえを要するものは幾つの施設でどの施設なのか、復旧に係る予算措置と復旧完了時期などはいつごろになるか、お聞かせください。
 宮古島にとっても観光産業は地域経済への大きな役割を果たしております。今回の台風により下地町の前浜など観光資源の被害はかなりなものがあります。また、道路植栽の倒木などで市街地の景観確保が重要な問題となっています。県は、観光資源への復旧支援をどのように考えているのかをお聞かせください。
 電気、水道、電話などライフラインが長期にわたりストップし、各ホテル、宿泊施設とも観光客を余儀なく断らざるを得ない状況が続きました。まさに期日も同じく9月11日、自然テロと言わざるを得ません。どれだけの宿泊客がキャンセルし、被害額をどのように把握しているのか。また、その支援策をどのように考えているのか、お聞かせください。
 オリックスのキャンプ地として定着している宮古島ですが、今回の台風で雨天練習場や球場、ブルペン、サブグラウンドなどの施設に大きな被害が生じております。御承知のように、プロ野球のキャンプはファンや報道関係者など多数の人たちが県内外から来島し、観光面からも大きな経済効果を生んでおります。
 このような中、平良市では11月1日から行われる秋季キャンプに向けて9月補正で全国市有物件災害共済保険と起債によって1300万円の補正予算を緊急計上して対応することになっています。しかし、春季キャンプに向けた全面補修までは約5000万円が必要とされています。これに対する災害復旧費での支援措置が必要と思われますが、どのような対策が考えられるか、お聞かせいただきたいと思います。
 大阪航空局宮古空港の管制塔のガラスが割れ、激しい風雨が内部に吹き込み無線施設が使用不能となり、管制機能がストップする前代未聞の被害に遭いました。そこで、現在どのような形で航空機をコントロールしているのか。また、安全管理面からも完全復旧を急がなければなりません。管制機能の完全復旧はいつの時期になるのか、その復旧スケジュールと被害総額をお聞かせいただきたいと思います。
 今回の被害においては、国、県の補助になじまない民間企業の大きな被害があるものと考えられます。そこで、民間事業所の小規模企業対策資金があると聞くが、どのような制度でどのようなものが対象となり、その窓口はどこなのかお聞かせいただきたい。
 伊良部町のパパイア栽培のビニールハウスや畜舎など宮古全域の農業施設の被害は想像を絶するものであり、このような農業の生産意欲をかき立てる生産施設の復旧・修復についての援助が急がれるところです。どのような補助制度や資金援助があるか、その手続等をお聞かせください。
 宮古島の基幹産業であるさとうきびにも甚大な被害が出ております。被害状況とどれだけの被害総額が予想されるのか。その支援措置はどのように考えているのか、お聞かせください。
 また、さとうきび災害救済のためのさとうきび共済加入が低いと聞いております。組織として加入率アップのための指導をすべきだと思うがどうなっているのか。沖縄県と宮古の加入状況と共済の内容をお聞かせください。
 医療施設においても大きな被害が出ております。宮古島リハビリテーション病院では風雨で窓ガラスが散乱し、医療機器やリハビリ器具など、また建物の損壊など大きな被害が出ています。どのような支援措置を考えているのか。また、県立宮古病院の被害状況とその後の対応をお聞かせください。
 答弁を聞いて再質問したいと思います。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 宮古の復興が一日も早からんことを祈りまして、坂井民二議員の御質問にお答えしたいと思います。
 今後の取り組みの決意についてお答えいたします。
 県では、全庁的に災害復旧を支援するため沖縄県災害復旧支援対策本部を設置したところです。
 同対策本部においては、個別の事業で対応可能な復旧事業については、各部局で復旧対策の取り組みをしているところであり、従来の制度では実施できない災害復旧対策については課題等を抽出し、県としてどのようなことができるか現在検討しているところです。今後、被害総額、地元の要望事項等を早急に取りまとめ整理した上で、一日も早い地元の災害復旧の支援に取り組んでまいりたいと考えております。
 続きまして、さとうきびの被害状況と支援についてお答えいたします。
 宮古地域におけるさとうきびの被害としては、茎の折損・倒伏等があり、被害額は9月19日現在約9億5000万円で極めて大きな被害をこうむっております。県としては、新植夏植えの植えかえに要する経費や、株出し管理に要する経費の助成等を行ってまいります。今後、さとうきび振興対策協議会等を通じて迅速に対応してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 文化環境部関連施設等における被害状況と今後の対応についてお答えいたします。
 台風14号による一般廃棄物処理施設の被害状況は、ごみ焼却施設平良工場が窓ガラスや壁、前処理施設天井等の破損、被害額1776万1000円、平良最終処分場が浸出水処理施設のシャッター及び処分場フェンス等の破損、被害額156万3000円、川満最終処分場が前処理施設の壁等の破損、被害額119万5000円など被害総額は2051万9000円となっております。
 また、災害廃棄物を処理するため伊良部町が600万円、上野村においては345万4000円の費用が必要であると報告を受けております。伊良部県立自然公園施設においても街灯が倒壊する等の被害が生じており、被害額は150万円となっております。
 県としては、これら被害の復旧対策として、伊良部県立自然公園内の被害については既決予算等による復旧措置を講じます。また、一般廃棄物処理施設の復旧費及び災害廃棄物の処理費については、国が2分の1を補助する制度があるため地元市町村、宮古清掃施設組合と緊密に連絡をとりつつ事務手続を円滑に進め当該補助金の確保に努めてまいります。
 次に、被害額と宮古島における過去5年間の被害総額についてお答えをいたします。
 台風14号の被害総額は、平成15年9月29日現在で100億8000万円となっております。そのうち、宮古地方の被害総額は98億2000万円です。
 過去5年間の宮古地方の被害総額は、平成11年1億9000万円、平成12年5億4000万円、平成13年6億5000万円、平成14年13億7000万円、平成15年98億6000万円──うち4000万円は台風6号被害──となっております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 宮古島台風14号被害について、福祉保健部関係の被害状況とその内訳及び今後の対応についてお答えいたします。
 福祉保健部が所管する施設の被害は、医療・福祉、保健衛生施設等多くの施設に及んでおり、部としましては宮古支庁や各施設からの報告及び関係職員を派遣し被害状況の把握に努めるとともに、本島保健所から4名の食品衛生監視員を派遣し、その後の食中毒の発生予防に努めてきたところであります。
 人身の被害に遭われた方は、死亡1名、重傷1名、中・軽傷95名、計97名となっております。
 施設については、医療・福祉施設等において建物の一部損壊、窓ガラス破損に伴う暴風雨の吹き込みによる設備損壊等の大きな被害が出ておりますが、現在、各施設ともほぼ通常どおりの運営に戻っております。
 被害への対応策としましては、厚生労働省所管補助施設災害復旧事業の適用について国と調整を進めているところであります。
 続きまして、同じく宮古島リハビリ温泉病院への支援措置についてお答えいたします。
 宮古島リハビリ温泉病院の被害額は、老人福祉施設の部分を含め現時点で約2億円が見込まれるとの報告を受けております。現在、被害を受けた施設についてはほとんど復旧しており、ほぼ通常どおりの運営に戻っております。
 また、被害への支援措置としましては、厚生労働省所管補助施設災害復旧事業の活用について国と調整を進めているところであります。
 以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 農林水産業の被害状況と対応策についてお答えいたします。
 台風14号の農林水産業の被害額については、9月19日現在約42億円で、そのうち宮古島においては約40億円となっております。
 このため、県としては被災農家の資金対策や再生産の支援に対応するため、9月16日に宮古農業改良普及センターに特別営農相談窓口を設置したところであります。
 特に、被害の大きいさとうきび、ハウス等については、県の支援としてさとうきび新植夏植えの植えかえに要する種苗、肥料、農薬などの支援、さとうきびの株出し管理に要する経費の助成、鉄骨ハウスの撤去に要する経費の支援、施設等の復旧や経営資金の利子補給事業の条件緩和などの支援を行ってまいります。
 また、農業用風力発電施設、光ケーブル及び護岸等の災害復旧については、既決予算の災害復旧費で対応していく考えであります。
 続きまして、生産施設の復旧・修復の補助及び融資制度についてお答えいたします。
 災害農家の農業用施設の復旧等については、農業近代化資金、農業経営維持安定資金、農林漁業施設資金並びにJAの営農資金、農業設備資金が活用できます。
 このうち、農業経営維持安定資金と営農資金については、農作物被害に伴う収入減の補てん等経営再建資金として借り入れることも可能であります。各資金については、農業改良普及センターや各融資機関の窓口において融資相談を受け付けております。また、県単独の支援として農業生産施設の復旧費及び経営資金に対し、利子補給事業の条件緩和などの支援を行ってまいります。
 続きまして、さとうきび共済についてお答えいたします。
 農業共済は、農家が台風・干ばつ等によって受ける損失を補てんし、農業経営の安定を図る上で極めて重要と考えております。
 さとうきび共済の加入状況については、平成15年3月現在で県全体の31.6%に対し、宮古地域においては12.8%と低い状況にあります。宮古郡農業共済組合においては、加入推進を図るため農家の戸別訪問や集落単位の説明会等を実施しているところであります。県としても、沖縄県農業共済普及推進協議会を設置し加入率の向上に努めているところであります。
 さとうきび共済の農家掛金は10アール当たりおおむね8000円であり、このうち5.5割を国が負担し、加入農家が災害に遭った場合は収穫後に損害評価を行い補償されることとなっております。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 被害状況と内訳、今後の対応についてお答えいたします。
 商工労働部が所管する商工関係の被害状況については、宮古商工会議所や伊良部町商工会など関係機関と連携し状況把握に努めてきたところであります。
 その結果、調査した690事業所のうち約6割に当たる432事業所が建物や窓ガラスの損壊、商品の水ぬれ、機械設備の停止などの被害を受けており、被害総額は9月25日現在で約19億7000万円に上っております。
 市町村別の内訳につきましては、平良市において約11億2000万円、城辺町が約3億7000万円、下地町が約1億9000万円、伊良部町が約1億6000万円、上野村が約1億3000万円となっています。
 県においては、去る9月22日から宮古地区において被害を受けた商工業者を対象に、県制度資金の小規模企業対策資金について金利及び保証料の引き下げなど融資条件を緩和し、金融面からの支援措置を講じております。また、関係機関においては特別相談窓口を設置し、中小企業者等への適切な対応に努めているところであります。
 次に、小規模企業対策資金についてお答えいたします。
 小規模企業対策資金とは、小規模事業者の設備及び運転資金の円滑化を図るため、1250万円を貸付限度額として商工会等のあっせんにより融資する制度となっております。
 このたび、宮古地区において被害を受けた小規模事業者を対象とした小規模企業対策資金は、金利・保証料を現行の有担保3.2%、無担保3.3%をそれぞれ0.675%引き下げ、有担保2.525%、無担保2.625%となっております。
 融資対象者は、沖縄宮古商工会議所及び伊良部町商工会が台風14号により被害を受けた者と認めた小規模事業者で、申込先は各金融機関、それと申し込みの期間は9月22日から12月末日までの受け付けとなっております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、観光関連施設等の被害状況と今後の対応についてお答えをいたします。
観光関連施設等の被害状況は、30の事業所において建物や窓ガラスの破損、内装・調度品の水ぬれによる客室使用不能、樹木の立ち枯れ、機械設備類の破損などが発生しております。また、観光資源等ではビーチにおける砂の大量流失、観光案内板破損等があります。
 これらの被害総額は、10月2日現在で約8億7000万円に上っております。その内訳は、ホテル等宿泊施設で3億5000万円、観光施設で1600万円、ゴルフ場で3億7000万円、ボウリング場で1億4000万円となっております。
 県におきましては、被害を受けた施設等を対象に県制度資金の金利及び保証料の引き下げなど融資条件を緩和し、金融面からの支援措置を既に講じているところであります。
 また、ビーチにおける砂の流失等観光資源の被害につきましては、関係部局と協議を進めており、適切に対応をしてまいりたいと考えております。
 次に、観光資源等被害への復旧支援についてでございます。
台風14号は、宮古地域の街路樹や道路標識、観光案内板、ビーチ等の観光資源などにも甚大な被害を及ぼしております。特に、下地町与那覇前浜においては土砂の流失や樹木の倒木など被害が大きく、その災害復旧に向けて関係部局、下地町、宮古東急リゾート側と調整を図ってきたところであります。その結果、保安林区域の復旧につきましては農林水産部が対処する予定でありますが、指定区域から除外された宮古東急リゾート前の海浜につきましては対象外となっております。
 なお、この区域につきましては観光客の利用頻度も高いことから、企業側においては砂の埋め戻しなどの応急措置をとっていきたいとの意向があり、その作業許認可手続の迅速化について関係部局で調整をしているところであります。
 また、同ビーチの自然条件は季節や台風時の風向き等によっても砂の堆積状況に変化が見られることから、今後については宮古支庁を中心に関係機関等で十分協議の上、対応するとのことであります。
 次に、宿泊キャンセルによる被害額とその支援策についてお答えいたします。
 宿泊客のキャンセル数は、10月2日現在22施設で8581人、損失額は約1億200万円に上っております。
 県におきましては、これらの営業損失被害を受けた施設等を対象に、県制度資金の金利及び保証料の引き下げなど融資条件を緩和し、金融面からの支援措置を講じているところであります。観光リゾート局におきましては、宮古島における観光振興を図る観点から、宮古における宿泊施設など受け入れ面ではほぼ回復の状況にあることの情報発信や、キャラバン隊派遣事業、旅行商品造成支援事業等の集客活動を積極的に展開し、災害復旧支援策とする考えであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 土木建築部が関係する被害状況とその内訳、今後の対応についてにお答えいたします。
 土木建築部所管の被害は、道路、海岸、公園、港湾、空港、住宅等多くの施設に及んでおり、部としては応急対策を講じるとともに被害状況の把握に努めてきたところであります。
 被害状況については、国道、県道、市町村道での道路標識等の倒壊や植栽木の倒木、平良市池間海岸の離岸堤の決壊、城辺町、下地町、上野村の各都市公園のフェンス、照明施設等の破損、平良港第1埠頭岸壁等の決壊、トゥリバー地区のマリーナ浮き桟橋等の損失等、宮古空港、下地島空港における場周さく、照明施設等の破損、県営住宅14団地235戸、5市町村営団地47団地227戸におけるガラスや隔板破損等の被害が発生しております。
 現時点での被害額については、1、道路関係が一般国道、県道、市町村道合わせて4億800万円、2、海岸関係が9400万円、3、公園関係が6700万円、4、港湾関係が3億2200万円、5、空港関係が1億円、6、住宅関係が7400万円の総額で約10億6500万円となっております。
 今後、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の対象事業については、早期に国への災害復旧申請を行い、その他の事業については既決予算で早期復旧に努めてまいりたいと考えております。
 次に、高率補助の見通しと現在行われている事業の予算措置についてにお答えいたします。
 沖縄県内における電線類地中化事業につきましては、平成4年度から整備が始まり、平成14年度までに国道58号(上之屋)、国際通り(県庁前)等で約50キロメートルが整備されています。平成15年度までには宮古管内の平良城辺線を含む県全体で約66キロメートル地中化される予定であります。電線類の地中化は、台風常襲地においてはライフラインの確保のための有効な手段の一つであると考えています。しかしながら、電線類地中化事業では、電線類管理者において極めて大きい費用の負担があります。沖縄県における補助事業では、バイパス等の改築や区画整理に伴う道路整備と同時に施行する場合はそれぞれの事業の補助率が適用され、県事業については9割の国庫補助があります。また、道路の拡幅等を伴わずに単独で既存道路に地中化する場合は電線共同溝整備事業となり、5割の国庫補助となります。県としては、可能な限り高率補助事業で電線類の地中化を推進していく考えであります。
 今年度の国、市町村を含めた県内の全体事業概要は、国道58号ほか7路線で路線延長8.22キロメートル、金額にして26億8000万円となっております。電線管理者の工事負担金が9000万円であり、それ以外に電線管理者の負担額は資材費等で約17億円となります。ちなみに、電線類地中化のキロメートル当たりの単価は全体で5億6000万円であります。電線管理者の工事負担金は全国平均でキロメートル当たり約2億3000万円で、その内訳は工事費約2000万円、資材費約2億1000万円となります。今後、沖縄ブロック電線類地中化協議会や電線管理者と協議を重ね、地中化実現に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、建築基準の見直しについてにお答えいたします。
 建築物の構造安全性を確保するため、建築基準法により台風の風圧力の基準値が定められております。風圧力とは、風による建築物等に及ぼす外力のことであり、県内の建築物については以前から全国一律の基準値を県の条例で50%割り増しして適用することとなっておりました。平成12年に建築基準法及び同法施行令等が改正され、50年に一度遭遇するであろう台風を想定して地域ごとの風圧力が規定されたことから、風圧力に関する条例を削除し、法律による風圧力を適用することとしております。その結果、例えば東京都の23区内と本県を比較いたしますと約1.8倍本県の風圧力が大きくなっており、地域性が反映された基準値となっております。
 今回屋根が損壊した体育館等については、いずれも昭和50年から60年代に建築されたものが多いことから、風圧力だけでなく施設の老朽化や維持管理の状況等もその一因であることが考えられます。仮に、風圧力の基準値を見直し、現在よりさらに厳しい基準値を採用する場合、建築主の負担が増大することや既存の建築物が不適合となり、増築の際に改修が必要となることなどの影響が予想されることから、慎重に検討する必要があるものと考えております。
 次に、宮古空港の管制機能の復旧スケジュールと被害総額についてにお答えいたします。
 宮古空港の航空管制対空援助業務については、所管している国において被災直後の9月12日から非常用携帯無線機を使用して航空機との通信を確保することにより航空機も平常どおり運航しております。また、宮古空港は10月1日から航空管制官が配置されたことにより、直接航空機に離発着の指示が出せるようになり効率的な運航が期待されております。なお、管制塔が復旧する間は空港エプロン近くに設置した非常用管制塔を使用して対応しているところであります。
 現在、国においては被災を受けた管制塔及び機器等の復旧作業を急いでいるところでありますが、完全復旧は11月の初旬ごろになると聞いております。被害総額につきましては、現在国で取りまとめ中と聞いております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) まず、教育関連施設等の被害状況と今後の対応についてお答えいたします。
 台風14号は、宮古地区の教育関連施設においても多くの被害を及ぼしました。被害の状況は、窓ガラスの破損、ドアの破損、樹木の倒木、フェンスやブロック塀の倒壊・破損、屋根や天井の破損、クーラー室外機の破損等々多くの被害があります。中でも城辺町立城辺中学校は、体育館の屋根全部が吹き飛ばされるなど甚大な被害を生じております。教育関連施設の被害総額は約15億7700万円となっており、その内訳は公立学校施設約5億9600万円、社会体育施設約8億700万円、社会教育施設等約1億7400万円となっております。県教育委員会では被災市町村と連携を図り、迅速な災害復旧に取り組んでいるところであります。
 なお、教室の窓ガラスやドア等緊急を要するものについては緊急事前着工手続を行い、既に復旧を済ませております。
 次に、公共文教施設で建てかえが必要な施設と復旧に係る予算措置と復旧完了時期についてお答えいたします。
 校舎、体育館及び公民館等での被害の大きかった主な施設、その被害額、建てかえ、改修の別、復旧額及び復旧完了時期については次のとおりであります。なお、被害額と復旧額はほぼ同額でございますので被害額のみを、また復旧完了時期につきましては平良市の中央公民館を除いては今のところ未定でありますので省略させていただきます。御理解ください。
 平良中学校体育館、被害額約500万円、建てかえを予定しております。平良市総合体育館、被害総額約1500万円、改修予定。平良市の中央公民館は被害総額約1億4000万円、改修予定、完了時期が平成16年6月。平良市立多目的屋内運動場、被害総額約1300万円、改修予定であります。城辺中学校校舎は被害額約2000万円、建てかえの予定であります。城辺中学校体育館、被害額約1億2000万円、改修予定であります。城辺町陸上競技場、被害額約2800万円、改修予定であります。城辺町中央公民館、被害額約1200万円、改修予定。下地町勤労者体育センター、被害額約1億6000万円、改修予定。上野村営体育館、被害額約5億6000万円、建てかえの予定となっております。県教育委員会としましても、市町村教育委員会との連携を密にし、その復旧に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、学校関係施設については、平良市、城辺町、伊良部町教育委員会と本庁との災害復旧書類を作成終了し、昨日文部科学省に持参、提出してまいりました。
 以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 台風14号による警察関係の被害状況と今後の対応についてお答えいたします。
 まず台風の際の対応状況でありますが、県警としましては宮古島地域の災害復旧支援と治安維持活動を目的に、9月12日には機動隊員で構成する広域緊急援助隊10名及び交通対策要員3名を、さらに翌13日には警察本部の警備部長を現地に派遣し、現地指揮及び諸活動に当たらせたところであります。
 宮古警察署における台風対策の状況でありますが、当日の激しい暴風雨の中、住民の方々から救助の要請などの110番が約60件寄せられ、これらに対応するため警察官が出動し、例えばリハビリセンターにおける避難誘導及び妊婦の病院搬送、城辺町砂川(ウルカ)における倒壊家屋からの男性の救出活動等署長以下署員が一丸となって市民の安全確保に万全を図ったところであります。さらに復旧活動としましては、独居老人等の家屋の片づけ、幹線道路での倒木の撤去、交差点での手信号による交通整理等の活動を実施してまいりました。
 次に、警察関係の被害の状況でありますが、警察施設については宮古警察署で雨漏り等の被害が出たほか、交番4カ所のうち2カ所、駐在所12カ所のうち9カ所、待機宿舎3棟36戸中3棟24戸、安全運転学校で天井亀裂、雨漏り、ガラス破損等の被害が出ております。
 次に、交通安全施設の被害状況でありますけれども、信号機の柱が3本倒壊したほか、全信号灯器789灯器中、灯器破損が55灯器、向き不良が210灯器、全体の34%に被害が出ております。また、交通標識につきましては、標識柱622本中185本、標識板952枚中256枚に被害が出ております。
 信号灯器の損壊、向き不良の補修は9月18日までに終了し、信号機が倒壊した3カ所につきましても9月25日までに完全復旧しております。
 交通標識につきましては、早期に工事発注を行い、交通の安全確保に当たることとしております。
 警察車両の被害は、大型輸送車、捜査用車両、パトカー等11台に被害が出ております。被害車両のうち2台は、暴風雨の中に運行したためエンジン部に水が浸透し運行できない状態にあります。他の車両は応急措置で運行可能な状態にしてありますが、いずれにしても修理を必要としており、手続をしているところであります。現時点での警察関係の被害額は約4400万円になります。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 災害復旧費の対応と今後の予算措置についてお答えします。
 災害復旧費の予算措置については、当初予算において約37億円の計上を行っております。また、不測の事態による予算外の支出等に充てるため一般会計に予備費を2億円計上しております。今回の台風14号による被害のうち県の予算にかかわるものについては、迅速な復旧、機動的な対応という観点から各部局と調整を行い、災害復旧費などの既決予算と予備費の充用により適切に対応することにしております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) オリックスキャンプ地の災害復旧対策についてお答えいたします。
 台風14号により被害をこうむったオリックスキャンプ地の屋内運動場、市民球場等の公共施設を原形に復旧する場合は、災害復旧事業として起債の対象になります。起債の手当てについては市町村と十分調整を図り、補助あるいは単独災害復旧事業債等により適切に対応したいと考えております。
○病院管理局長(平井哲夫) 県立病院の被害状況とその後の対応についてお答えいたします。
 宮古病院における台風被害の救急患者等への対応については、院長を中心に迅速かつ適切な対応が行われ、災害拠点病院としての役割を十分果たしたものと考えております。
 御質問の宮古病院の被害状況については、病棟の窓ガラスの破損15枚、ドアの破損2カ所、冷却塔の破損1カ所、エレベーター用換気扇の破損1カ所及び医師・看護師住宅の門扉破損等を合わせて80カ所の被害がありました。これらの被害箇所のうち、特に緊急を要する窓ガラスの破損及び冷却塔の破損については速やかに修復を行い、診療への影響がないように対応しているところであります。その他の破損箇所につきましては早急に修復を行う考えであります。
 以上です。
○坂井 民二 それぞれの部署が一生懸命取り組んでいることに深く感謝したいと思います。
 要望と再質問をしたいと思いますけれども、まず電線地中化の件で知事に強く要望したいと思います。
 答弁では、電線の資材費が全国平均で2億3000万円ということを話しておりました。ということは、沖縄においては沖縄電力が2億3000万円を負担するということになるわけですよね。そしてこれが平成16年からの5カ年計画の中で制度が変わるとのことですけれども、資材費に対する支援はこれまでと同じゼロだということです。そうすると、沖縄電力の負担がこれだけあると、民間の負担がこれだけあるとなかなか電線地中化に関しては進まない部分があると思うんです。それで10月2日でしたか平良長政議員が質問しておりましたけれども、ぜひ宮古島を電線地中化のモデル地域というふうな形でやっていたただきたい。そのためにはふだんの予算と外した形で別枠でやはり予算確保をしないとなかなか沖縄電力も前に進みにくい事業じゃないのかなというふうに思います。
 そういう意味で、稲嶺知事にはぜひ別枠での電線地中化事業を国に強く要請をしていただきたいなというふうに思います。
 一、二点担当部長に聞きたいと思いますけれども、電線の地中化、これまで県内で済ませたのは50キロだというような答弁でございましたけれども、そのうち宮古はどれぐらいしているのか。そしてさらには平成16年からの5カ年計画の中で県内でどれだけの距離を予定して、その中で宮古はどれだけを予定しているのか。そして昨年から宮古から要望のある北市場通り、下里東通り、あるいはマクラム通り、要望していると思いますけれども、それは全長どれだけなのか、またそれぞれどれだけの距離なのか、そしてその見通しはどうなのかというようなことをお聞きしたいなというふうに思います。
 それと雨天練習場の件の話が出ました。ぜひともプロ野球のキャンプというのは沖縄にとっても宮古島にとっても非常に大きな経済波及効果をもたらすものであります。答弁では、起債と補助によりというようなことでありましたけれども、起債というのは借金であるわけですから、やはり補助がどれだけあるかというのが重要だと思いますので、その補助の見通しはどうなのかということをお聞きしたいなというふうに思います。
 それと教育長から、体育館や校舎など学校教育施設、社会体育施設など私は大変いい答弁が聞けたと思いますので感謝をしたいなと。ただ補修をして完成して初めて完全復旧ですので、一日も早い着工で完成をしていただきたいなというふうに思います。
 それと宮古病院の被害の件を聞きましたけれども、これも10月2日の新垣米子議員と宮里政秋議員からの質問にもありました宮古病院の台風災害時に果たした役割の重大性を考えたとき、老朽化した宮古病院の移設・新築は急ぐべきだと訴えておりましたけれども、これまで宮古は何度も要請をしております。そして当局も決算特別委員会、予算特別委員会のたびに高度・多機能病院の次は宮古病院だよということを答弁はしておりますけれども、ぜひとも早期の建築を着工をお願いしたいと思うものですけれども、知事の宮古病院の早期建設に対する決意をお聞きしたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時54分休憩
   午前10時58分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 坂井議員の再質問の中の、宮古病院改築に対するお話がございました。
 この件に関しましては、以前から坂井議員を初めとする多くの宮古の皆様から何度も強い要望がございまして、その重要性というのは大変に認識しておるわけです。しかもまた、今回の台風における宮古病院の役割というのはこれは大変なものでございまして、多くの人の心の支えになったわけであります。その意味で病院の計画につきましては、現在病院管理局等あるいは有識者等を中心に計画を練っておりまして、その中で対応すべきものでございますけれども、宮古病院の置かれた状況等を考えますとできるだけ早く進めるようにしたいと考えております。
○土木建築部長(安慶名正行) 再質問にお答えいたします。
 電線地中化につきまして宮古島での整備状況は何キロメートルかということについてお答えいたします。
 宮古地域につきましては、街路の市場通り線で740メートルについて平成12年度から事業が始まっております。そのうち平成14年度までに455メートルを整備しております。
 次に、宮古島での今後の整備計画ですけれども、宮古地域を含む沖縄県全体での平成16年度から始まる次期電線類地中化計画につきましては、現在沖縄ブロック電線類地中化協議会において計画を策定中でございます。現時点におきましては、次期計画の候補路線としまして県全体で64路線、整備計画延長が約95キロメートルとなっております。そのうち宮古地域は3路線、整備計画延長が約3キロメートルとなっております。
 宮古の路線名ですけれども、市場通り線で0.6キロメートル、それから下里通りで0.74キロメートル、それから高野新里線、いわゆるマクラム通りで1.84キロメートルという状況でございます。候補路線でございます。
 以上です。
○地域・離島振興局長(上原 昭) オリックスキャンプ地の屋内運動場、社会体育施設でございますので補助対象外の施設になります。したがいまして、単独災害復旧事業ということで単独災害復旧事業債等により対応することになります。
 なお、単独災害復旧事業債については、充当率が100%ですので全額起債の対象になります。そして、元利償還金が普通交付税で対象になりまして、財政力やあるいは起債の総額等によって47.5%から最高85.5%まで交付税の対象になります。
 以上でございます。
○坂井 民二 電線地中化に関しては、今、県内で全長50キロが完成していると。宮古は455メートルだということですね。この調子でいくとなかなか進まないと思います。ですから、先ほど私が話したように別枠においてぜひ宮古島を電線地中化のモデル地域ということで知事には再度強く要望しておきたいなというふうに思います。
 そして、今、土木建築部長から答弁がありましたけれども、北中、下里、マクラム通りですね、ぜひ15年度からの5カ年計画の中で最優先課題として取り組んでいただきたいなと。これも要望しておきます。
 それと地域・離島課に関してですが、災害復旧、起債ですか、やはり補助がないとなかなか──雨天練習場だけではありませんので、いろんな自治体の持ち分、宮古の持ち分というのは。ぜひその辺がどこかから取れないものか再度検討して、何とか支援をしていただきたいなというふうに思います。
 今回の台風の件に関しては、稲嶺知事を先頭として県職員の皆さんが一生懸命取り組んできたことに感謝をして、そしてまた、復旧までまた汗を流していただきたいことをお願いをしながら質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○翁長 政俊 それでは一般質問を行います。
 まず最初に、普天間飛行場代替施設の民間空港事業主体問題についてであります。
 米軍普天間飛行場の代替施設建設は、民間空港部分の事業主体をめぐる国と県との調整が暗礁に乗り上げ、今夏予定していた環境影響評価(アセスメント)の手続に入るめどが立たず、また事業主体の明記が義務づけられている方法書の作成作業も大幅におくれることが確実となっていて、移設計画そのものが問われる事態に至っております。
 政府は、民間空港は知事の選挙公約であり県が事業主体となるのは当然。また、民間部分を県有地とすることで米軍提供施設の面積を減らすことにつながり、県が進める基地の整理縮小策と合致することとあわせて、法的面でも事業主体になることができないと結論づけております。
 一方、県は、1999年10月の政府方針に軍民共用空港の整備が明記されていることと、また代替施設の建設受け入れ条件でもあることから政府が一体となって取り組み、法的面も含め責任を持って事業を推進すべきものと反論をいたしております。
 また、受け入れ先の名護市は、民間部分の軍事使用による機能の拡大をおそれており、SACO合意の範囲内での決議を求め、県による歯どめが必要との考えも示しながら、県の主張に一定の理解を示しております。
 しかしながら、名護市長は、この問題は完成後の運用面まで踏み込まないと結論が出せないとして判断を保留しているのが現状であります。事業主体問題で関係当事者は三者三様の判断を主張し、同床異夢を露呈しております。もう一度原点に立ち返って普天間の危険を一日でも早く取り除くことを最優先として問題解決に取り組む必要があります。知事は、高度な政治判断にゆだねる姿勢でありますが、それとて問題解決の先送りと指摘され、糸口が見えないままであります。
 そこで、以下の質問をいたします。
 (1)、県が事業主体となることで具体的デメリットは何か。
 (2)、県と名護市は、事業主体は国との認識で本当に一致したのか。
 (3)、名護市長の懸念する軍事機能拡大の歯どめを県はどう担保していくのか、お聞かせいただきたい。
 (4)、国の事業主体は法的にも困難との認識を示しているが、解決策とその時期を示してください。
 2番、環境行政について。
 (1)、公共関与による管理型処分場の早期整備の実現について。
 本県における管理型最終処分場の残余容量は二、三年程度と言われており、延命措置を行っても一、二年程度の延びにとどまり、このまま最終処分場の整備がおくれれば県内の企業活動の停滞を招くばかりでなく、廃棄物の不適正な処理等による生活環境の破壊や、ひいては豊かな自然環境を資源とする観光産業にも悪影響を与えかねない差し迫った状況にあることを再三指摘し本会議でも取り上げてまいりましたが、県の対応は鈍く、早急な対策が必要と考えます。県の取り組みと現状を伺います。
 (2)、石垣空港のそばの廃自動車の撤去処理状況と無許可業者への指導強化と摘発について。
 廃自動車を積み上げ保管している解体業者に対し、県は2月に、9月19日までの撤去を求める措置命令を出しましたが、その期限が切れた今日まで、現在も1000台の廃自動車を山積みしたままで完全な違法状態であります。その後どう改善されたのか、処理状況を伺います。また、徹底した指導強化が実施されず無許可業者の横行を許す結果となりましたが、県の対応を伺います。
 3番、農水行政について。
 (1)、牛由来肉骨粉処理ラインの設置に伴う県支援事業について。
 牛由来肉骨粉は、BSE対策から焼却処理をされてきました。本県のレンダリング処理の90%は牛以外であります。これまで牛、豚、鶏の分別処分が行われなかったためすべて焼却処分を余儀なくされてまいりました。豚、鶏の肉骨粉の使用が解禁されるとともに、死亡牛についても全頭BSE対象となることから牛ラインの処理対策が必要となっております。国2分の1、県4分の1、自己負担4分の1の支援事業が最終年度となり、県の対応費を補正し予算の確保を行うことが必要と思慮しておりますが、県の対応を伺います。
 (2)、伊野田漁港の航路標識設置について。
 平成12年度までに同漁港整備は完成しましたが、地元漁業者は、夜間の操業もふえ、その場合、航路標識がないため船揚げ場の照明灯を目印として出入港しているのが現状であります。大変支障を来しております。漁業者からは航路標識の強い要望が出されており、漁港管理者の石垣市から県に対し航路標識の要望が上げられていると認識しておりますが、その進捗状況を伺います。
 4、商工行政について。
 県信用保証協会の機能及び保証業務の維持確保について。
 県保証協会は、代位弁済が多発して2002年度も赤字決算となり、今年度の経営改善計画では県内3カ所の連絡所の廃止なども含めた経費削減策が検討され、計画どおりに連絡所の廃止が行われると地域中小企業の金融業務に大きな支障と影響が出ることが懸念されます。よって、同協会の機能及び保証業務の維持確保が必要と考え、県の指導方針を伺うものであります。
 (2)、県産品自給率向上に向けた政策立案の必要性について。
 県産品の自給率に関する調査によれば、地元製造業が振興し県産品の自給率が高まれば、生産誘発や雇用誘発を高めるとの調査結果が示されております。
 主要6業種の自給率を3%上げると生産誘発で374億円、雇用誘発数で5918人となり、6%上げると803億円、雇用で1万1851人の可能性が見込める調査結果となっております。自給率を3%あるいはそれ以上上げることは、県の積極的な施策の展開と関係者の努力で十分達成できるものと考えております。県の考え方を伺います。
 (3)、経営指導員の欠員理由と適正配置について。
 経営指導員は、地域の小規模事業者の経営管理に関する指導等を行うことが義務でありますが、平成11年度より商工会8名、商工会議所4名の計12名の定数配置が減員となっております。関係者から適正配置の要望がありますが、県の対応を伺います。
 5番、観光行政について。
 グローバル観光戦略と県事業との連携について。
 政府は、観光立国を唱えて世界に開かれた観光立国を目指し、グローバル観光戦略を掲げたところであります。この具体策の一つとして「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を実施しておりますが、県は国家的戦略として取り組まれているこの施策をどのように活用されているのかお伺いをいたします。
 (2)、沖縄と台湾、中国定期航空路の増便に伴う経済効果と国際化事業について。
 今度、中華航空と中国東方航空の協力で那覇空港を乗り継ぎ、中継基地として毎日1往復する増便ダイヤが組まれましたことで両国のビジネスマン、観光客を沖縄に呼び込む絶好の機会到来となり、大いに期待をしているところであります。しかしながら、戦略を誤ると増便利用者が単なる通過者となる可能性もあり、効果的な誘致活動を行い、経済波及効果をつくり出すことが最も必要であると考えます。また、国際交流都市、世界の観光地沖縄を目する以上、国際線ターミナルを海外旅行者のためのサービスとして両替施設やトランジットのための内部施設の充実・整備を早急に行わなければなりません。県の考え方を伺います。
 6番、企業局発注の電・管工事における公募型入札制度の改善について。
 平成6年度より県企業局が導入した公募型指名競争入札において、電気工事と管工事の改善を求める業界からの強い要望があります。
 改善箇所は、応募資格要件の共同企業体の代表者の必要事項に、本工事で使用する主要機器を自社製作のできる者と、建設業法に基づく許可を受けた者で本県に本店または営業所がある者とする2点であります。
 自社製作と確定されると機器メーカーと限定され、県内業者は1社も入れず、また代表構成員(メーカー)が共同企業体の構成員を指定することで偏った指名となり、公平性が失われております。さらに、営業所があれば参加できるとする点についても、多くの従業員を抱えている地元業者が参加できず、数名の営業者が参加というふぐあいも生じ、どう考えても地元優先発注とはなっておらず改善が必要との強い指摘があります。県の考えを問います。
 答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 翁長政俊議員の御質問にお答えいたします。
 民間部分の事業主体に関する2つの御質問につきまして一括してお答えいたします。
 米軍提供施設である代替施設については、防衛施設庁が事業主体になりますが、民間専用地区について防衛施設庁が事業主体になるのは難しいため県が事業主体になってもらいたいとの意向であります。
 代替施設は、軍民共用飛行場として一体的に整備されるものと考えており、県としては、代替施設の埋立事業等民間専用地区の整備については、これまでの経緯等からも国が事業主体になるものと考えております。
 現在、国と調整を行っておりますが、去る10月5日に茂木沖縄担当大臣来沖の際、この問題に関し国においても積極的に取り組む旨の発言をしておりますので、今後とも国と十分調整していきたいと考えております。
 次に、名護市の認識と懸念について一括してお答えします。
 民間部分の事業主体に係る県の基本的な考え方については、名護市長にも理解が得られているものと受けとめております。
 また、名護市が懸念している代替施設の基地機能については、SACO最終報告の範囲を超えることのないよう、使用協定締結等今後とも名護市と連携し取り組んでいきたいと考えております。
 次に、牛由来肉骨粉処理施設の整備についてお答えをいたします。
 死亡牛及び牛の屠畜残渣物の処理については、平成13年11月の農林水産省令により飼料等に利用可能な豚、鶏由来の肉骨粉を牛と分離して処理する必要があります。しかしながら、現在、本県においては分離処理ができないためすべて焼却処分している状況にあります。このため、県としては、これらを分離し肉骨粉の有効活用を図るため沖縄畜産副生物加工協同組合が行う施設整備に対して支援していく考えであります。
 次に、商工行政についての、自給率の向上についてお答えいたします。
 県産品の市場占有率の向上を図るためには、これまで行ってきた公共工事における県産資材の優先使用や産業まつり等の県産品奨励運動に加え、県内企業の市場競争力を強化していく必要があります。このため、昨年策定した沖縄県産業振興計画においても、市場占有率の向上を製造業の再構築を図る重要な施策の一つと位置づけて付加価値の高い創造性あふれる製品づくり、売れる商品づくりの支援に努めております。
 具体的には、特許技術の移転、企業との共同研究による新商品の開発、ISOやHACCPなどの国際的な品質保証規格や食品の安全性を確保する認証取得等の技術支援に取り組んでいるところであります。
 次に、グローバル観光戦略と県事業との連携についてお答えをいたします。
 県においては、従来から本県との直行便を有する韓国、台湾、中国等を中心にマスメディアを活用したキャンペーンや国際観光展への参加などを通して誘客活動を展開してまいりました。国において、世界に開かれた観光大国を目指して策定されたグローバル観光戦略においてもこれらの地域を重点市場と位置づけ、「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を展開していることは、本県にとっても大きな追い風であります。
 こうしたことから、昨年度は国との連携により韓国からのハネムーンツアーの促進事業を実施し、一定の成果を上げております。今年度も国との連携により台湾で12月に沖縄観光キャンペーンを実施するほか、中国や韓国の旅行関係者招聘事業などを実施し、海外からの観光客誘致に努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 環境行政の御質問にお答えいたします。
 まず、公共関与による管理型最終処分場の早期整備についての御質問にお答えいたします。
 県内の処理業者が有する産業廃棄物管理型最終処分場は、ここ10年来、新たな施設の立地がないことから逼迫してきております。産業廃棄物処理施設の整備は、排出事業者の処理責任のもとに行うことが基本でありますが、その立地に対する住民の理解と協力を得ることが厳しい状況になっていることから公共の関与が求められております。
 公共関与による施設の整備・運営につきましては、排出事業者等の関係団体との合意形成、事業主体の形態、用地、財源の確保など多くの課題があります。県においては、これまで公共関与に関する調査・研究を行うとともに、ことし6月には建設業協会や工業連合会等の排出事業者団体、産業廃棄物協会並びに県、市町村の関係者で構成する「産業廃棄物の適正処理推進に関する研究会」を設置し、現状や課題を踏まえて最終処分場に関する基本的なあり方について検討しているところであります。
 県としては、年度内をめどに同研究会の成果を取りまとめることとしており、今後、それを踏まえ産学官の有識者からの意見や提言等を反映させながら、公共関与に関する具体的な方策の検討を進めていきたいと考えております。
 次に、石垣空港周辺に野積みされた廃自動車の撤去状況及び無許可業者に対する指導等についての御質問にお答えをします。
 石垣空港に隣接した場所に野積みされた廃自動車は、地元の自動車解体業者が集積したもので、空港周辺等で3カ所に合計約1000台が放置されておりました。八重山福祉保健所においては、以前から同事業者に対して廃自動車の撤去及び産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するよう指導・警告を重ねておりましたが、改善が図られないことから、平成15年2月20日付で同事業者に対して廃自動車の撤去を求める措置命令を発しております。事業者においては、9月24日から撤去作業を開始し、廃自動車を港湾内へ運び込みをしているところであり、10月中旬ごろまでには船積みを終えて福岡県のリサイクル施設に運ばれ適正処理される予定になっております。
 県においては、これまで産業廃棄物収集運搬業の許可を取得していない自動車解体業者等に対しては許可取得を指導してきたところであり、各保健所においては、平成13年から本年6月までに立入検査524回、警告書の交付72件、報告書の徴収49件、措置命令9件を実施するなど指導強化に取り組んでいるところであります。県におきましては、今後とも行政指導に応じない悪質な業者に対しては、措置命令や告発も検討するなど警察と緊密な連携を図り指導強化に努めていきたいと考えております。
 以上です。
○農林水産部長(諸見武三) 伊野田漁港の航路標識設置についてお答えいたします。
 伊野田漁港は、航路標識がないため夜間の漁船の出入港に支障を来しております。このため、県としては、地元石垣市と調整を行い、早期の整備に向けて検討してまいりたいと考えております。
○商工労働部長(伊川征一) 保証協会の機能維持についてお答えいたします。
 保証協会から県に提出された当初の経営改善計画案では、経費節減を理由に北部、宮古及び八重山の3連絡所の廃止が予定されておりました。しかしながら、廃止に伴い過疎・離島地域の中小企業者に対するサービス低下が懸念されることから、調整の結果、3連絡所を存続し機能を維持していくこととしております。県としましては、今後とも当該地域中小企業者の金融円滑化に十分配慮するよう信用保証協会を指導してまいりたいと考えております。
 次に、経営指導員の適正配置についてお答えいたします。
 商工会等における経営指導員は、金融や税務等の相談・指導のほか、地域資源を活用した特産品開発や観光資源の開発など多様な業務を担い、地域経済の活性化に努めております。県においては、これまで段階的に経営指導員の増員に努めてきたところ、現在、4商工会議所及び41商工会に103名配置しております。
 県としては、地域経済の活性化を図っていく上において指導員の果たす役割は極めて重要であると認識しており、今後、指導員の適正配置に努めてまいりたいと考えております。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 中国定期航空路増便への対応についてお答えいたします。
 沖縄―上海直行便は、2000年8月に週2便体制で始まり、去る9月27日から週5便に増便されました。さらに10月末からは毎日運航に移行する予定であります。増便により利便性が向上したほか、台湾からの乗り継ぎ利用者の増加が見込めるようになりました。県といたしましては、上海のマスメディアを活用した沖縄観光PRや旅行関係者等の招聘事業などを実施し、上海から沖縄への旅行商品開発を促進してまいります。
 また、台湾において沖縄―上海便の利便性が向上したことをアピールし、沖縄経由ルートの利用を呼びかけるとともに、乗り継ぎ客に対してビザなしで72時間以内の滞在ができる「寄港地上陸制度」の周知を図り、同制度を利用した観光客誘致を図ってまいります。
 さらに、国際線ターミナル内での沖縄観光ビデオの放映、中国語観光パンフレットの充実、中国語観光ガイドの養成など受け入れ体制の強化に努めてまいります。
 以上でございます。
○企業局長(當銘直通) 企業局の入札制度についてお答えいたします。
  企業局の工事発注におきましては、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき可能な限り分離・分割し、県内企業への優先発注に努めているところであります。
 企業局発注の設備工事のうち、浄水場等の基幹設備は規模が大きく県民生活に大きな影響を及ぼすことから、これら設備の施工業者には高い技術力と故障時の迅速な対応が求められます。このため、これら基幹設備工事については、当該設備の製作に直接関与するメーカーでなければ対応が困難であり、御指摘の条件につきましては県内企業の技術力や法制度面を勘案すると、現状ではすぐに改めることは難しいと考えております。
 企業局といたしましては、現在、県内企業が技術的に対応が可能な電気設備工事等につきましては御指摘の条件を外し県内企業に優先発注しているところであります。
 今後、御質問の趣旨を踏まえまして関係機関・団体から意見を聴取しつつ県内企業の技術力の把握に努めるとともに、計画している取水ポンプ場の改良工事などにおいてさらに県内企業への優先発注を拡大できないか検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○翁長 政俊 議長、答弁漏れ。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時37分休憩
   午前11時39分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 事業主体の問題については、普天間の代替施設でありますので、当然に国が主体になるべきであり、メリット・デメリットの問題ではありません。
○商工労働部長(伊川征一) 経営指導員の配置につきましては、議員御指摘のとおり商工会及び商工会会議所におきまして12名の不充足となってございます。今後、県といたしましてはその適正配置に努力していきたいと考えております。
○翁長 政俊 それでは再質問をさせていただきます。
 まず企業局、公募型の入札でございますけれども、私はここに平成14年度企業局設備工事発注関係の資料を持っています。(資料を掲示) 14年度62件の発注がありました。一般競争入札1件、公募型16件、指名競争入札45件であります。そのうち一般公募を含めて91.5%がメーカー代表になっております。
 先ほど答弁がありましたように、私は技術的な問題はあると認識をいたしております。しかしながら、国のいわゆる指導だからというやり方ではなくて、ここにやはり県内へのいわゆる優先発注という政治的な手当てというものが入ってきて当然しかるべきだと思っているんです。他の都道府県においてもこのような地元の優先発注というものは当然勘案されて行われていることですから、県企業局においても技術的に厳しいものについてはおっしゃるとおりだろうと思いますが、できる限りいわゆる地元業者が指名できるような環境をつくっていくことが重要だと考えておりますので、どうかこの部分は業界の皆さん方の意見も聴取して改善をできる部分からやっていただきたい、このように申し述べておきますので、その姿勢をお伺いしたいと存じます。
 それと事業主体問題でございますけれども、知事は国に対して事業主体問題については踏み込んだ発言がこの前の議会で行われました。現在、政府のどの機関と、どのレベルとこの問題を事務的に詰めてきたのか、この議会では見えないんですよ。いわゆる窓口省庁はどこなのか、交渉先はどことどこなのか、回数はどれぐらいやっているのか、内容を含めてどういう内容なのか、こういった問題を議会にもっとわかりやすく説明してもらわないと、私たちもこの問題についてはなかなか理解ができない。この部分をぜひ御説明をお願い申し上げます。
 この問題で法的改正を視野に入れた議会答弁が先ほども言ったようにありました。これは私は重要な部分だと思っています。どの法律を想定した発言なのか、この法律がどの法律なのか、これをまず明確に示してください。
 それともう一点、事業主体問題は埋立事業を想定したものだと私は理解をいたしております。
 じゃ、埋立後、民間空港の管理運営形態は国が行うのか県が行うのか、それとも三セクに行わせようというふうに考えているのか。知事には当然のこととして青写真があると思いますので、この部分も含めて御説明いただけませんか。
 大きく分けて埋立部分、そしてターミナル建設するのはどこがやるのか、そして、できたターミナルを運営管理するのはどこなのか、この部分の御説明をお願い申し上げたいと存じます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時40分休憩
   午前11時40分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 翁長議員の再質問にお答えいたします。
 まず、事業主体問題に関する国の窓口はどこなんだという御質問にお答えします。
 国の窓口は内閣府であり、事務段階の各レベルで協議しております。
 次に、先般の法改正の問題がございましたけれども、これにつきましては早速茂木大臣の方からフォローがございまして、先般おいでになったときに、次のステップの環境影響評価でできるだけ早く入りたいと。制約の中で国としてどのような工夫が可能か県と相談し早急に検討したいということで、早急に検討できるような状況になっております。
 それから、民間部分の管理運営についてどう考えるかという御質問にお答えいたします。
 民間部分の管理運営については、これまでの第2回及び第8回の代替施設協議会で次のように発言しております。「民間機能として代替施設に設置される飛行場施設の管理運営については、国及び地元地方公共団体と相談の上、県を中心として検討していきたい」と答弁しております。
○企業局長(當銘直通) 企業局の入札制度につきましてでございます。
 今後、御質問の趣旨を踏まえまして、関係機関・団体から意見を聴取しつつ県内企業の技術力の把握に努め、計画している取水ポンプ場の改良工事などにおいて、さらに県内企業への優先発注を拡大できないか総合的に検討していきたいと考えております。
○翁長 政俊 事業主体について私は3点質問しましたけれども、思ったような答弁が返ってきません。
 窓口が内閣府。国交省、ここは航空法によって民間事業主体部分については建設できないという見解を示している。防衛施設庁、事務文書上の問題があるということで、この事務文書上という問題であればどうにか防衛施設庁が引き取って、事業主体部分についての問題解決が図られるんではないかなという思いはあるんですけれども、実際、知事が発言されたこの法律部分は国交省のことを指しているのか、防衛施設庁のいわゆる事務文書上の問題を指しているのか、この部分は明確にしてもらわないと、どこを対象にどういう交渉をしているのかが私どもには見えないんですよ。そうであれば可能性があるのかどうなのかというものも含めて議会も注視しないといけませんので、この部分はもうちょっと明確に踏み込んでお答えいただけませんか。
○知事(稲嶺惠一) この問題につきましては、私の方が一貫しておりますのは、代替施設についてはこれは軍民共用飛行場ということで一体的に整備されるべきものであり、国交省とか防衛施設庁とかということではなしに、国として一貫してそれを受け取ってほしいということで強く要望しております。
 それについて先ほども申し上げましたように、茂木大臣から事業主体問題については次のステップの環境評価にできるだけ早く入りたいと。制約の中で国としてどのような工夫が可能か県と相談し、早急に検討したいという答弁を得ております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時46分休憩
   午後1時13分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 次の質問及び質疑に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた出納長嘉数昇明君は、別用務のため本日のこれより以降の会議に出席できない旨の届け出がありました。
   ――――――――――――――
○副議長(髙良政彦) 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 浦崎唯昭君。
   〔浦崎唯昭君登壇〕
○浦崎 唯昭 こんにちは。
 所感を述べさせていただきます。
 去る9月18日に開催された臨時議会は、台風14号被害による宮古地区の復旧、救済・支援を求める要請決議、自衛官爆死事故の徹底究明を求める意見書、2004年産さとうきび生産者価格及び生産振興対策等に関する意見書を審議するために議員提出議案のみを付議案件として開催された議会であります。
 御承知のように、いずれも県民の生命財産にかかわる緊急かつ重要な案件にもかかわらず、執行部からはだれ一人出席者がいなかったのであります。もちろん本県議会の慣行で今回のように知事部局から提出案件がなく、議員提出議案だけで開かれる臨時議会においては、地方自治法第121条の規定に基づく出席要求は行わないことになっており、一概に執行部だけを責めるわけにはいかないことは承知しております。しかしながら、県民の意思を代表し決定する最高機関である県議会において、これだけ重要な案件が提出され審議される中で、県民を代表する行政の長である知事の出席がなく、ただ議会の慣行というだけで片づけてよいものか疑義を感じております。九州県下の県議会の状況を見ても、どこにも本県議会のような運営をしているところは見当たりません。本県議会だけであります。
 その理由は、本県は復帰前、立法院議会という他県に例を見ない純粋の大統領制が採用されていたために、その名残が独特の議会運営として引き継がれてきたと考えられ、それまでは何の疑義も持たずごく当然のごとく思ってきたわけであります。しかし、今回、あれだけの大きな災害が宮古地区を襲い、どうすれば県民の要望にこたえられるか県議会が真剣になって審議している中で、知事以下執行部の姿が見られなかったことはそれまでとは異なる異様な光景に映り、あえて申し上げているのであります。
 議会事務局職員の説明によると、出席要求があって初めて執行部の出席義務が生じる地方自治法第121条の趣旨に照らしても理にかなっているということでありますが、単純には割り切れないものを感じます。確かに執行部の議会出席は地方自治法第121条の出席要求が前提とされ、大統領制がとられております。
 一方、議案の提出権は長と議員の双方に認められるいわゆる議院内閣制が採用され、現行地方自治制度が大統領制と議院内閣制の折衷型と言われる中で、本県議会の運営が今のままでよいのか疑問とするところであります。独自性を強調する余り、硬直した運営になっていないか危惧するものであります。むしろ他県下の議会運営を調査検討し、いいところは積極的に取り入れ、実態に即し弾力的に運営していくことこそ地方分権下の議会に求められる議会運営だと思うのであります。
 今回のように、議会の招集権者である知事が議会からの要請にこたえて議会を招集しておきながらみずからは出席しないということは、たとえ議会の慣行意思を尊重しての行為とはいえ、県民の目には我関せずとも映りかねず、いかがなものかと指摘しているのであります。
 つまり、こういう場合、審議には加わらずとも議会の招集権者として出席し、知事の開会あいさつの中で議会を招集した意義を県民に対してコメントしてしかるべきではなかったか。そういう血の通った運営こそ地方分権時代に即した運営であり、ひいては長と議会のよりよい関係が築かれていくものと思うのであります。今後、議会内部で真剣に議論を深めていく時期に来ていることを強く申し上げておきたいと思います。
 次に、地方自治法第101条議会の招集権の件で納得できない点がり、この際、指摘しておきたいと思います。
 御承知のように、議会の招集権は現行制度上、長に専属しており、今回のように長に提出議案がなく議員提出議案だけを付議案件として議会が開催される臨時会ですら議会には招集権が認められておらず、知事に依頼して招集してもらうか、もしくは地方自治法第101条の規定に基づいて議員定数の4分の1以上の議員から臨時会招集請求をするしか方法がなく、理論上矛盾を感じます。
 このような場合には議会にも当然招集権が付与されてしかるべきであり、地方分権時代にそぐわない法律の感がいたします。この件も議会内部で議論を深め、場合によっては法改正を求める決議を行い、全国都道府県議会議長会を通して国に改正を求めていく運動を展開し、議会改革の大きな目玉として取り組みが必要かと思います。
 以上、所感を述べまして、さきに通告した発言通告書に従い一般質問を行います。
 1、農林水産行政について。
 沖縄県漁業無線局の移転問題について。
 沖縄県漁業無線局は、1962年(昭和37年)、旧琉球政府水産研究所の一部を借用し通信業務を開始して以来これまで約41年間、不眠不休の24時間体制で操業中の漁船の安全確認や気象情報、航行警報などの連絡業務はもとより、漁獲物の水揚げ調整、漁具、船員の手配等本県の漁業振興の一翼を担ってきました。
 現在の沖縄県漁業無線局は、局舎の狭隘さと市街地雑音の妨害等立地条件が悪かったことから、当時の日本政府、琉球政府及び那覇市の援助により1968年(昭和43年)に那覇市首里赤平町の那覇市有地に移転し、那覇市と30年間の賃貸契約を結び今日に至っているものであります。
 しかしながら、移転後35年を経過した当該無線局は、局舎の老朽化や那覇市との30年間の賃貸契約期間の終了に伴い、平成11年度から移転計画を模索してきており、ようやく防衛庁補助により平成16年度から平成17年度にかけ糸満市西崎町への移転計画がまとまったと聞いております。
 当該移転工事の実施においては、漁業無線局に多額な事業費負担が伴うため今日までその財源確保のめどが立っておらず、せっかく確保した防衛庁の補助事業そのものが危うい状況であると聞いています。
 また、無線局の機能が県内全域28漁協の対象漁船数1000隻余にかかわっていることもあり、さらに約41年間本県の漁業振興に貢献していることから考えれば、今後もその一翼を担う沖縄県漁業無線局の移転に伴う経費について県の財政支援を行うことが必要であると考えますが、次の点について所見を伺います。
 ア、漁業無線局の移転計画の内容及びスケジュールについて。
 イ、県と漁業無線局との関係及び位置づけ。
 ウ、本県の漁業振興の立場から漁業無線局の事業費の裏負担分について、県で支援すべきだと考えるがどうですか。
 2、教育問題について。
 (1)、少人数学級の導入について。
 児童生徒個々人に目が行き届いた学習指導や生活指導を行うため、全国の道府県において少人数学級が実施されています。山梨県教育委員会が本年6月に公立の小中学校304校を対象にアンケートを実施したところ、1学級当たりの子供の人数は何人が適当かとの問いでは、すべての学年で26人から30人とする回答が多く、一方で30人以上を支持する回答の割合は、学年が高くなるにつれ、ふえるという結果が出ています。低学年ほど少人数学級を望む傾向があり、学年が上がると学級活動などある程度大きな集団で行いたいとの考えから来ていると思われます。
 少人数学級の全国的な実施状況について、時事通信の調査によりますと、47都道府県のうち30道府県で実施しているとのことであります。少人数学級を1学級30人以下で実施している都道府県は秋田県、福島県、群馬県、三重県、鳥取県、島根県、宮崎県の7県で、その他1学級32人から38人以下で実施している都道府県は北海道、埼玉県、岡山県、熊本県、鹿児島県等の22道府県となっています。
 少人数学級については、次のような教育効果があると言われています。
 1つ、子供が先生と接する機会や発言・発表する機会が増大する、2つ、先生が一人一人の子供を理解しやすくなる、3つ、いじめや不登校等へのよりきめ細かい対応がしやすくなる等であります。そのことについて、子供の学校生活への不適応状態を改善するとともに、個に応じた指導により基礎学力の向上が図られるものと考えます。
 本県も小学校1年生に対し、ある一定規模以上の学級や児童数に対し教員の加配をしているということですが、該当する学校すべてに派遣できない状況にあることから学校間に格差が生じております。
 子供たちの基礎学力向上、また他県の取り組み状況からしますと、本県の少人数学級の取り組みは極めて弱いように思います。それがまた基礎学力の低下を招いているのではないかと思うわけであります。最低でも該当する学校すべてに教員を派遣する等教育の均衡を図り、また他県と同様に少人数学級の推進を目指すべきではないでしょうか。
 そこで、次のことについて御所見をお伺いします。
 ア、本県における少人数学級の実施状況と課題を伺います。
 イ、本県において小学校の一部において35人学級を実施していますが、35人学級の完全実施と、今後、小中学校全学年で30人学級を実施することの見通しについてお伺いをいたします。
 3番目、都市モノレールについてでございますけれども、きょうは都市モノレールの湖城社長も公安委員として御出席でございますけれども、このたび「ゆいレール」の車両がグッドデザイン賞を受賞されたということでおめでとうございます。シルバーグレーと赤で調和されて沖縄県の景観も損なわないようにしたということで、まことにありがたいことだと思っています。ぜひグッドデザイン賞を受けまして、グッド企業に成長してもらいたい、そのような思いを込めて都市モノレールについて御質問いたします。
 (1)、沖縄都市モノレール開業に伴う諸課題について。
 沖縄都市モノレールは構想から30年、工事着手から7年余の長い年月を経て、8月10日をもってめでたく開業となりました。多くの県民・市民にとって初めての軌道系交通システムであり、本県の陸上交通の歴史に新たな一ページを刻む記念すべき門出であります。また、地域の通り会、自治会主催による盛大な駅開きが実施されました。これは県民・市民の都市モノレールに対する期待の大きさのあらわれだと考えています。
 沖縄都市モノレールの開業後の利用客の実績は、利用見込みを大幅に上回っており、順調な滑り出しに今後の都市モノレール事業の採算性の向上、ひいては延伸について一歩も二歩も前進するとの明るい展望を抱いているところです。
 沖縄都市モノレールは定時・定速で大量の乗客を一手に運ぶことができ、排出ガスによる大気汚染が少なく、バス、タクシーなどの他の交通機関との円滑な連結により移動時間が短縮されるなど、環境に優しい快適な交通機関であります。市民の足として利用が高まり本来の機能が発揮されれば、交通渋滞の緩和や排ガス削減などの効果が期待できるとともに、モノレールの導入によって駅周辺を初めとした沿線開発による地域活性化が図られます。このように沖縄都市モノレールは今後の都市づくりに欠かすことのできない骨格としての役割を担っております。
 沖縄都市モノレールの定時・定速性等の本来の機能と採算性を考える上でバスなどの他の交通機関との連結はもとより、バス事業との共存共栄を図る上からも、モノレールと競合するバス路線再編の実施は重要であります。沖縄都市モノレールにはこのような問題が残されていることも事実です。
 沖縄都市モノレールには新たな課題として「ゆいレール」の延伸、需要喚起等モノレールの利用促進策等があり、今後これらの課題に適切に対処していかなければなりません。
 沖縄都市モノレールの利用促進については、沖縄県都市モノレール促進協議会が開催され、多くの提案がなされておりますが、その中には実現したものもありますが、まだ手つかずのものも多く残されています。モノレール沿線商店ガイドブックの作成や駅を中心とした観光ルートマップの作成、駅を起点とするコミュニティーバスの運行等があります。
 先進の大阪や北九州等のモノレールにおいては、駅前広場での朝市、フリーマーケット、モノレール美術館の開催、納涼ビール列車やワイン列車等趣向を凝らした取り組みがなされています。沖縄都市モノレールの駅に隣接して奥武山公園や漫湖公園があることから、グラウンドゴルフやゲートボール大会等のスポーツ大会を実施したり、またいろいろなイベントを奥武山公園で開催できるような仕組みづくりが必要ではないかと思います。
 ハード面では、モノレール旭橋駅前の開発に向け新会社が設立され事業が動き出しました。今後、安里駅前の安里地区の再開発の整備促進が待たれるところであります。
 そこで、沖縄都市モノレール開業に伴う諸課題に係る次のことについて所見をお伺いします。
 ア、開業後約2カ月となりますが、今日までの1日当たりの平均利用客数は何名ですか。
 イ、1日当たりの利用客は3万1000人が採算分岐点と言われておりますが、今後の見通しはどうですか。
 ウ、市内バス路線の再編が当初の予定どおりになされていないが、これによる利用客数の影響は1日当たりどの程度か。また、今後バス会社に対しどのように臨む方針か。
 エ、慢性的な那覇市の交通渋滞にどのような変化をもたらしておりますか。
 オ、利用客数をふやすため循環バス路線の新設の必要性が指摘されておりますが、その実現の見通しはどうですか。
 カ、県職員の利用促進策としてどんなことを実施しましたか。また、利用の実態はどうなっておりますか。
 キ、今後、より一層の利用客をふやす対策としてハード・ソフトを含めどんなことを実施する必要がありますか。
 以上でございます。
○知事(稲嶺惠一) 浦崎唯昭議員の御質問にお答えいたします。
 1日当たりのモノレールの平均利用客数と今後の見通しについて一括してお答えいたします。
 沖縄都市モノレールの9月28日現在の利用客の総数は約193万人で、1日当たりの平均利用客数は約3万8000人となっており、予測を上回っております。その間、家族連れや観光客等に多く利用されてきました。
 今後の見通しにつきましては、モノレール開業後間もないことから、しばらく様子を見ていく必要があると考えております。
 モノレール事業の成否は、ひとえに利用客の安定的な確保にあります。バス路線再編や乗り継ぎ割引運賃などの早期解決を図り、通勤・通学等の安定的な利用客を確保することが重要であると考えております。
 続きまして、モノレールの利用客をふやす対策についてお答えいたします。
 都市モノレールのより一層の利用客をふやす対策としては、1、バス路線再編の促進や乗り継ぎ割引の実施、2、旭橋駅周辺などの沿線地域開発の整備促進、3、各駅周辺のイベントや住民と連携した特色ある駅づくりの促進、4、修学旅行でのモノレールの活用など旅行社とタイアップした新商品の開発、5、メディア等の活用による広報活動の充実等を考えております。
 あわせて、駅周辺の交通量調査や駅間起終点調査、駅勢圏ミニパーソントリップ調査等を実施し、需要喚起のためのより効果的な施策を検討していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○農林水産部長(諸見武三) 漁業無線局の移転スケジュールについてお答えいたします。
 沖縄県漁業無線協会は、那覇市の虎瀬公園整備計画により立ち退きを求められていることから、那覇市首里赤平町から糸満市西崎町への移転を検討しております。
 移転後の無線能力については、現在と同様に本島周辺から南太平洋に至る県内マグロはえ縄漁船の操業区域をカバーする能力を想定しております。
 整備のスケジュールについては、平成16年度に局舎の建設、マイクロ回線等の整備に着手し、平成18年3月を目途に関係機関との調整を行っているところであります。
 続きまして、県と漁業無線局の関係及び漁業無線局の事業費の裏負担について一括してお答えいたします。
 県と漁業無線局との機能分担については、県は、遭難・緊急・安全に関する通信や取締船・実習船との通信業務を扱っております。また、無線協会は操業の打ち合わせに関する通信、水揚げ・市況情報等の通信業務を担っております。
 移転整備の経費については、漁業無線の運営に係る県と無線協会との機能、役割分担を踏まえ対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 少人数学級の実施状況と課題、今後の見通しについて一括してお答えいたします。
 学級編制については40人を基準にしておりますが、現在、本県においては小学校でおよそ7割、中学校でおよそ4割の学級が実際には35人以下の人数による編制になっております。
 少人数学級の実施については、児童の発達段階を踏まえ、学校生活への円滑な適応を図るようにするということをねらいとして、小学校1年生を対象に1年生が3学級以上あり、かつ平均児童数で36人以上の学校においては学級編制の弾力化、いわゆる少人数学級を行っております。平成14年度は13校、平成15年度には20校において児童数が40人に近い学級を30人前後の学級に編制しております。また、その他の学年につきましては国の定数改善により指導方法工夫改善として小学校160校に261人、中学校88校に164人の加配教員を配置して、基本教科の指導で1学級20人程度の少人数授業の実施を行っております。
 なお、課題といたしましては、全学級について少人数授業を実施するにはその絶対数が多く、財政上の対応に厳しい状況がございます。
 35人の完全実施及び30人学級編制の実施については、今後、国の動向も踏まえて関係機関と協議しながら鋭意努力していきたいと思っております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 都市モノレールについての、利用客数の1日当たりの影響とバス会社に臨む方針についてにお答えいたします。
 バス路線再編が予定どおり実施されなかったことによるモノレール利用客数の影響については、開業後間もないためしばらく様子を見ていく必要があると考えています。
 バス路線再編については、那覇都市圏の渋滞緩和やモノレールとバスの合理的な機能分担と有機的な結節を図り県民の利便性向上を図る必要があるため、予定どおりのバス路線の再編成ができるようバス事業者と調整を行っていく考えであります。
 次に、那覇市の交通渋滞の変化についてにお答えいたします。
 沖縄都市モノレールは、那覇都市圏の交通渋滞の緩和と利便性の高い公共交通ネットワークの構築を目的とした事業であります。モノレール導入に伴う交通渋滞の変化については、市内主要交差点における交通量及び渋滞長等をモノレール開業前後で比較検討する必要があると考えております。現在、国の協力を得ながら交通量及び渋滞長等の調査を実施し、実態の把握に努めているところであります。
 次に、循環バス路線の実現の見通しについてにお答えいたします。
 沖縄都市モノレールの導入に伴うバス路線再編案では、首里、小禄を運行する路線が廃止され、それにかわる路線として首里地域及び小禄地域で循環バスを実施することになっておりました。しかしながら、現時点ではバス事業者の再編中止により循環バスの運行は実現されておりません。現在、予定どおりのバス路線再編ができるようバス事業者と調整を行っているところであります。
 次に、県職員の利用促進策についてにお答えいたします。
 県職員のモノレール利用については、全部局に通勤、出張及び業務上の移動手段として可能な限りモノレールを利用するよう協力依頼を行っております。今後とも職員に対して周知徹底を図り、利用者をふやしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○池間  淳 一般質問を行います。
 一昨年の9月11日には、御承知のとおり米国において同時多発テロが発生し世界を震撼させました。沖縄においては大変なショックと損害を受けております。そしてまた、ことし9月11日には最大瞬間風速74.1メートルという猛烈な台風が宮古島を直撃し多大な損害をこの沖縄県にもたらしております。
 9月11日、この沖縄県にとってショックの日であり、これから厄日になるのでしょうかということで心配でありますが、そういうことがないように願いたいものであります。
 ところで、知事は宮古島視察のためいち早くあらゆる公務を外し、そして自衛隊を初め多くの関係者に支援要請を行っております。このことは、台風の被害で大きなショックを受け落胆していた宮古島の人々に、復興に向けての大きな自信と勇気を与えてくれたものだと感謝いたします。稲嶺知事、ありがとうございます。
 そして、復旧のために協力していただいた自衛隊を初め関係する皆様に衷心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございます。
 それから議会においては、上原吉二文教厚生委員長を初め委員の皆様が早速委員会を開き宮古の視察をしております。そして御承知のとおり台風の被害のすさまじさに驚き、早急に政府への支援要請が必要とのことで再度委員会を開き要請文を採択し、臨時議会に上程して議会で決議をし、9月18日には上京して政府に支援要請を行っております。きっと政府においてもこのような熱意をお酌み取りいただき早急に対応してくれるものだと確信いたします。
 議員の皆さん、宮古島に生をうけた者の一人として衷心より厚く感謝を申し上げます。
 宮古の皆さん、このように知事を先頭に議会もともどもに支援要請活動を展開しておりますので、復興に向け以前の明るい宮古島を一日も早く取り戻すためともどもに頑張りましょう。
 皆さん、今議会から議会が本当に温かくなりました。どうぞ執行部の皆さんをごらんいただきたいと思います。どうぞ皆さん、胸を張ってください。どうぞ胸を見せていただきたいと思います。赤い羽根の下に温かみを感じさせる名札があります。稲嶺知事を初め副知事、そして各部長の胸には大変温かみのあるリュウキュウマツでできたネームプレートを胸につけていらっしゃいます。これぞ沖縄県木であるリュウキュウマツを大事にする気持ちのあらわれであり、我が沖縄県を愛する大きな気持ちのあらわれであると私は思います。このような思いがあればリュウキュウマツを悩ましている松くい虫の駆除に大きく取り組んでいかれるのは間違いないと思います。
 諸見農林水産部長、知事はきっと惜しみなくこの予算を措置していただけるものと信じておりますので、自信を持って松くい虫の駆除にしっかり取り組んでいただきたいと思います。そして控室でこの議会を聞いていらっしゃる次長以下執行部の皆さんも、ぜひあすから胸にはこのリュウキュウマツでできたネームプレートをつけていただきたいと思います。
 それでは一般質問を行います。
 廃棄物処理施設の対策について。
 廃棄物の問題は、今や大きな社会問題となっております。行政や事業者だけでなく、県民一人一人が真剣に受けとめ、各家庭から、そしてみずからの事業活動において可能な限り廃棄物の排出を抑え、そしてどうしても排出される廃棄物については適正に処理や処分をしていくという資源循環型社会の形成に県民挙げて取り組んでいく必要があろうかと思います。
 最近の新聞報道などによりますと、市町村が広域的な一般廃棄物の最終処分場を確保するため候補地の選定に当たって大変御苦労をされている事例や、那覇市などにおいては大規模な焼却施設等の建設に着手する中で、港湾への最終処分場建設を計画するなど大がかりな大事業を抱えております。
 また、産業経済活動を支えていくためには産業廃棄物の処理施設の整備が最も重要でありますが、処分場も二、三年で満杯と報道され新たな建設が必要となっておりますが、民間の力だけではなかなか進むことができない状況にあると察しております。
 このような背景を踏まえて、次の4項目についてお伺いいたします。
 (1)、廃棄物の適正処理に当たっては最終処分の確保が最も大事であると考えますが、一般廃棄物並びに産業廃棄物の最終処分場の現状についてお伺いいたします。
 (2)、産業廃棄物の最終処分場が逼迫していることを踏まえて、管理型の最終処分場の延命化につなげるため沖縄特別振興調整費を活用し、最終処分場に搬入された廃棄物をリサイクルしていく実証試験を行うと聞いておりますが、予定している事業の概要について御説明願います。
 (3)、産業廃棄物最終処分場の確保が土地利用上あるいは地域とのコンセンサスを得る上で難しい状況にあるようですが、那覇市と南風原町は那覇港湾に一般廃棄物最終処分場を整備し埋め立てを計画しております。そのためには最終処分場として埋め立てしても後々何の影響もないと言われるような立派な焼却施設を建設しなければなりません。浦添市においては、御承知のとおり焼却灰をスラグにして路盤材として使えるような立派な施設を建設して好評を得ております。県内の施設がすべてこのような施設であれば最終処分場の確保もたやすくなると思います。しかしながら、今のところ最終処分場はあと二、三年で満杯になってしまうと言われておりますので、この際、最終処分場の確保を支援するために港湾の活用を考えてみたらいかがですか。
 (4)、沖縄県の離島圏域においては、ごみの最終処分場の確保は急を要するところが多いと思います。特に、宮古圏域においては最終処分場の火災もありまして新しい処分場の確保が急がれているようでありますが、新しい施設整備の計画はどうなっておりますか。
 一般廃棄物の処理については、市町村の固有事務であり、産業廃棄物の処理は排出事業者の責任によって処理しなければならないとなっているようでありますが、宮古圏域においては産業廃棄物を処理できる施設を建設し、最終処分場まで確保できる事業者がいるか心配であります。
 そこで提言をさせていただきますが、宮古圏域においては一般廃棄物と同様な性状の産業廃棄物もあわせて処理できる焼却等の処理施設を県の支援で整備する必要があろうかと思いますが、知事の御所見をお聞かせください。
 2、上野村のシュレーダー通りの改修について。
 1873年、ドイツ商船ロベルトソン号が上野村の沖合で遭難した際に、上野村の宮国部落を中心に上野村の皆さんが船員を救助し介護して無事ドイツに帰国させたことは御承知のとおりであります。上野村とドイツ国は、これがきっかけで交流が始まっております。1873年といいますと、上野村を初め全宮古郡であの悪税と言われた人頭税に悩まされて、その日をどのように過ごそうかと苦しんでいる時期でありましたが、全村民が自分でできるものを持ち寄って遭難した船員たちを手厚く介護したようであります。あのころの生活状況を思うときに、我々にはまねごともできないのではないかとつくづく感心させられるところであります。
 このような先人たちのすばらしい偉業は、子々孫々まで何らかの形で上野村の文化遺産として残さなければならないと思います。上野村では記念として上野ドイツ文化村を建設してありますが、幸いに九州・沖縄サミットが稲嶺知事の強いリーダーシップによって沖縄で開催され、先進各国首脳がこの沖縄県に来県しております。ドイツ国と交流のある上野村では、この際ドイツのシュレーダー首相を宮古上野村まで招聘しようと運動を展開し、見事に実現を見ております。これも先人たちのロベルトソン号救出のすばらしい活躍があったからではないかと思っております。
 我々は、あの人頭税の苦しみの中でも人命救助というすばらしい偉業をなし遂げた先人たちの心を忘れてはなりません。
 そこで稲嶺知事に御提言申し上げたいと思います。
 シュレーダー首相が招聘されたときの記念として、宮古空港近くから上野ドイツ文化村までの道路を「シュレーダー道路」と命名して空港近くの入り口に石碑を建立してありますが、この道路をドイツのイメージができるような道路形態に改修し、あのすばらしい偉業をなし遂げた先人たちに感謝の気持ちをあらわすことはできないでしょうか。このような道路に改修することができれば上野ドイツ文化村と一体となり、観光名所となって宮古の観光産業にも大きく貢献することは間違いないと確信いたします。
 上野村からはシュレーダー通りに自転車専用道を早期に設置していただきたいという陳情書も県に提出されておりますが、ドイツをイメージできるような道路に改修し、そこに自転車専用道を設置して一挙に解決できるように早急に改修整備をしていただきたいと思いますが、稲嶺知事の御決意のほどをよろしくお願い申し上げます。
 時間はありますので、答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 池間淳議員の御質問にお答えいたします。
 一般廃棄物並びに産業廃棄物最終処分場の現状についてお答えいたします。
 県内では、32市町村が単独または共同で26カ所の一般廃棄物最終処分場を設置しております。そのうち廃棄物処理法に基づく施設基準に適合しているのは12施設で、残る14施設は基準に適合していない不適正な施設となっております。県としては、これら14施設を有している12市町村及び一般廃棄物最終処分場を有していない20市町村に対して、処分場の改善や新たな最終処分場の確保について指導を行っているところであります。産業廃棄物最終処分場については、民間処理業者が有する22施設のうち安定型が18施設、管理型が4施設となっております。特に、管理型最終処分場についてはここ10年来、新たな施設の立地がないことから埋立残余容量が逼迫している状況にあります。
 次に、島しょ型ゼロエミッション事業の概要についてお答えいたします。
 県では廃棄物の減量化や資源化対策等を推進し、自然環境と社会経済活動との調和を図るとともに、環境負荷の少ない循環型社会の構築に取り組んでいるところであります。このような中、沖縄特別振興対策調整費を活用し、島しょ型ゼロエミッション推進実証事業を2年間実施することにしており、今年度は9月補正として計上し、産業廃棄物管理型最終処分場に持ち込まれる廃棄物をリサイクル可能な資材へ選別する実証事業を行うこととしております。
 また、次年度は同事業の選別技術を基盤として最終処分場に埋め立てられている廃棄物からリサイクル可能な資材への選別やリサイクル基準に適合した製品を製造する実証事業を予定しております。同事業の推進により、新たなリサイクル産業等の静脈産業が創出されるとともに、管理型最終処分場の延命化が図られ廃棄物の適正処理の推進が期待されます。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 産業廃棄物最終処分場の確保を支援するため港湾の活用を検討してみたらどうかという御質問にお答えをいたします。
 産業廃棄物処理施設の整備は排出事業者の処理責任のもとに行うことが基本でありますが、その立地に対する住民の理解と協力を得ることが厳しい状況となっていることから公共の関与が求められております。県におきましては、これまで公共関与に関する調査・研究を行うとともに、ことし6月には建設業協会や工業連合会等の排出事業者団体、産業廃棄物協会並びに県、市町村の関係者で構成をする産業廃棄物の適正処理推進に関する研究会を設置し、現状や課題を踏まえ最終処分場の確保に関する基本的なあり方について検討しているところであります。
 なお、用地等の確保については、今後、関係団体や関係機関の合意形成を踏まえて事業主体の形態等を検討していく中で論議されていくことになりますが、港湾の活用については用地確保の上で貴重な御提言として受けとめ、今後の検討に資していきたいと考えております。
 次に、宮古地域における最終処分場の整備動向と産業廃棄物のあわせ処理についての御質問にお答えをいたします。
 宮古地区における産業廃棄物処理施設につきましては、安定型最終処分場が1施設、焼却施設が2施設となっております。現在、当該安定型最終処分場に廃棄物が集中し残余容量が逼迫していることから、同事業者が新たな処分場の規模を拡張するため廃棄物処理法上の手続を進めているところであります。また、廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、一般廃棄物とあわせて処理することができる産業廃棄物等について市町村が処理することができると規定されております。県としては、産業廃棄物排出事業者等の関係団体、地元市町村の意向を踏まえ、一般廃棄物と産業廃棄物のあわせ処理について地元市町村に対して必要な支援を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 上野村のシュレーダー通りの改修についてにお答えいたします。
 シュレーダー通り、いわゆる県道平良新里線、県道宮国線及び村道宮国学童線に関連して、現在、ドイツ文化村周辺においては観光を支援する観点から、幅広歩道を取り入れた県道保良上地線や国道390号の拡幅整備を鋭意実施しているところであります。シュレーダー通りをドイツ風な道路として新たに整備することについては、当該道路が改修済みであることから交通量の増大状況や社会経済情勢の動向などを踏まえて整備の可能性について検討してまいりたいと考えています。
 上野村から要請のありましたシュレーダー通りを自転車道として整備することについては、自転車道整備の補助事業採択要件が当該路線の1日の自転車交通量が500台以上となっており、現道の利用状況や交通安全上の観点から必要性、緊急性等を考慮して宮古島内の自転車道のネットワークの形成を含め総合的に検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○池間  淳 一般廃棄物、それから産業廃棄物の件については、特に離島においては民間だけではできないようなことが多く出てくると思いますので、ぜひ先ほどの部長の答弁どおり県が支援していただいて、立派なちり行政をやっていただきたいというふうにお願いいたします。ありがとうございます。
 それから今土建部長の方、シュレーダー通りは検討していくというふうなことでありますが、私は、知事、この130年前のこと、あるいはまた人頭税に苦しめられた時期にこういう博愛の精神といいますか、この気持ちでもってすばらしい活躍をして外交にまで貢献しているというふうなこの上野村の先人たちに感謝を込めて、そして上野村はもちろん皆さん御承知のとおり博愛の村というふうなことで知られているわけなんですが、この博愛の精神を地球、世界各地の国民が持つようになれば戦争もなくなってしまうんじゃないかと。この博愛の精神、これこそが地球を平和にする大きな原動力になるんじゃないかというふうに私は思っております。
 ですから、沖縄県から平和をというふうなことをいつも知事は話しておりますが、この博愛の精神はやはり130年前に宮古の上野村で生まれておるわけでありますから、その精神を世界にPRするためにもぜひシュレーダー首相が訪問したときのあの道路を立派に整備をして、この博愛の精神を世界に発信していただきたいなという気持ちからこの質問をさせていただいておりますので、どうぞ知事の御決意のほどをひとつよろしくお願いしたいと思います。
 知事の意見を聞かせていただきたいと思います。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
   午後2時3分休憩
   午後2時3分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 池間議員の再質問にお答えをいたします。
 シュレーダー首相等いわゆるG8の首脳が実は離島に行かれるというのは、話をお聞きすると非常に可能性が低かったわけでして、その方がわざわざ行かれたということは、池間議員を初めとする宮古関係者の大変な熱意の結果だと深く敬意を表します。そしてただいまのお話のように、平和とも結びついた企画としてぜひ展開をしてほしいという強い要望でございますので、今後いろんな面で総合的に考えまして、できるだけ早くそのようなことができるように努力をしたいと思います。
○糸洲 朝則 本定例会の一般質問もしんがりとなりました。通告に基づいて質問をさせていただきます。
 まず1点目に、県立博物館及び美術館の建設についてお伺いいたします。
 (1)、事業執行の状況及びオープンまでの工程について伺います。
 長い間凍結されておりました県立博物館及び美術館の建設事業が着々と進んでいることに対し多くの県民が喜んでおります。新世紀にマッチした博物館・美術館として沖縄の歴史・文化・芸術の継承・発展に寄与することを期待します。そのためには箱物もさることながら、否、箱物よりも展示物の内容が問われます。したがって、建物の設計と並行して進めておられる展示設計が重要であることは言うまでもありません。また、展示物の収集、特に美術品の収集には多くの予算を伴うものであります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 これらのことを踏まえ、事業執行の状況及び今後のオープンまでの工程等について御説明を願います。
 (2)、現在の県立博物館跡地利用について伺います。
 県立博物館の建設に伴い現在の県立博物館の跡地利用について伺いますが、これまでの御説明によりますと、首里城公園の一角としての整備をなされるようであります。前面の石垣の取り扱い、地域住民の生活環境や交通安全の問題等もあります。石垣の保存のあり方、生かし方は公園設計の視点からも大変重要であります。したがって、この跡地利用が首里城公園の付加価値を高め、地域住民の生活環境向上につながる跡地利用を期待し、今後の跡地利用についての県の考えを御説明願いたいと思います。
 2、新都心地区の公共施設の建設についてでございますが、天久新都心のまちづくりは順調に進んでいるように思います。しかしながら交通渋滞、公共施設の未整備、治安の問題等さまざまな地域住民ニーズや問題等が提起されております。特に郵便局や交番所などは早急に設置してもらいたいという声も多くございます。こういったことを踏まえましてこの新都心の名前にふさわしいまちづくりを期待し、以下の質問を行います。
 (1)、今後建設予定の公共施設の整備について御説明をお願いします。
 (2)、新都心周辺との交通アクセス、道路網の整備等についても御説明を願います。
 (3)、交番、郵便局等の配置について、あるいはまたこの展望についても御説明を願います。
 3、農連市場市街地再開発事業について伺います。
 新都心という新しいまちづくりと並行して、老朽化、衰退していく旧市街地の再開発事業も重要課題であることは言うまでもありません。市街地再開発事業は地権者、地方公共団体、ディベロッパーテナント、この三者が協力して行う事業であります。したがって、県は地方公共団体及び地権者としての責任があります。この事業の推進に当たっては那覇市及び関係者と協力して積極的に取り組んでいただきますよう以下の質問をいたします。
 (1)、農連市場地区再開発事業に対する県の認識と役割について御説明を願います。
 (2)、当該事業は平成17年度の事業開始を目指しているが、那覇市との協議の状況はどうなっておりますか。また、課題は何なのか、御説明を願います。
 (3)、A街区で8割、全体の6割の土地所有者である県の動向は同事業推進に大きく左右することから、那覇市や組合任せではなく、もっと主体的にかかわるべきではないかとこのように考えますが、県の御所見を賜ります。
 (4)、旭橋再開発事業のように、県の対応窓口を一本化して那覇市や組合との協議を効率化、迅速化すべきではないかと考えますが、いかかでしょうか、御説明を願います。
 4点目の福祉行政について伺います。
 障害者雇用推進についてでございますが、障害者の雇用には本人の意欲と企業及び社会の理解がなければ実現できません。そのためには政治及び行政の取り組みが重要でございます。先日も沖縄労働局とハローワークで障害者の求職相談会を持っており、166人が参加したと報道されております。本県は、56人以上の県内民間企業での障害者雇用率は全国平均1.47%を少し上回る1.64%となっておりますが、法定雇用率の1.8%を目指し、否、それを上回るような取り組みをお願いをし、以下の質問をいたします。
 (1)、障害者雇用促進について、現状と今後の取り組みについて具体的に御説明を願います。
 (2)、「障害者就業・生活支援センター」の設置について、現状と今後の計画あるいは展望等について御説明を願います。
 (3)、障害者の職場適応を手助けするいわゆるジョブコーチ制度の導入について──これは県と国とのかかわりが深いことになっていると思いますが──現状とまた今後の取り組みについて御説明を願います。
 (4)、民間企業やNPOらと連携する「障害者支援ネットワーク」の構築についてどのように取り組んでいるか、御説明を願います。
 (5)、表記変更についてでございますが、札幌市を初め各地での取り組みが広がっております。障害者へのマイナスイメージをぬぐうため、偏見や差別をなくすためであり、法律とか固有名詞は従来どおりの漢字の「害」で表記いたしますが、施設や行政の部署名、案内板、広報誌や文書等平仮名の「がい」に表記変更し、障害者の基本的人権に配慮する問題提起をしております。本県でも取り組んでみてはどうかと提案をし、県の所見を伺います。
 5点目の観光振興について伺います。
 (1)、世界遺産を観光資源として活用するための施策について、例えば周辺道路や駐車場の整備、写真撮影の場所とか、あるいは売店の設置、こういった付加価値を高めるためにどのような施策を考えているのか。また、現在どのように取り組んでおられるのか、今後どのように計画されているのか、ここら辺の御説明を願います。
 (2)、レンタカーの増車に伴う問題が惹起しております。交通渋滞、交通事故、駐車場、タクシーとの競合等であります。駐車場問題だけでも空港、ホテル、観光地等でさまざまな問題が指摘をされております。また、交通渋滞、なれない道での事故の誘発、これらの現象は観光客へのマイナスイメージを与えるばかりでなく、経済的ロス、交通安全への悪影響を与えており、何らかの対応が求められていると考えますが、いかがでしょうか。また、タクシーとの競合についてもどのように考えているか、御説明を願います。
 (3)、首里城周辺の駐車場の対策についても、年々ふえる観光客やレンタカーの増車による駐車場問題は、地域住民の交通安全対策とあわせて御検討いただきたいと考えますが、いかがでございましょうか、県の御所見を賜ります。
 (4)、守礼の門前の写真撮影場所の環境整備については、観光振興の視点から環境整備をお願いしたいのであります。いわゆる現在の仮設テントではなく、ちゃんとした施設整備ができないのかということでございます。景観の問題とか、場所の問題とかいろいろと課題はあると思いますが、関係部署・部局と連携をして調整した上でカメラマンの待機場所とか、衣装や機材の置き場とか、あるいは写真撮影の受付窓口等の設置、こういった施設整備を提案をし、そして県の対応について御説明を願います。
 6点目の離島振興についてでございますが、(1)、離島及び僻地における情報格差是正について伺います。
 ア、沖縄本島―宮古―多良間―石垣―与那国までの光ファイバーの敷設については、これまでも取り上げてまいりましたが、現在の沖縄本島―宮古間は既に満杯状態であり、もう一本の敷設が必要であると言われております。この際、思い切って大容量の光ファイバーをもう一本沖縄本島から与那国まで敷設していただきたい。県が主体的に国や企業等と連携をとって推進できないか、県の所見を伺います。
 イ、南・北大東島を初めとする本島周辺離島及び本島過疎地域の情報格差の是正、例えば総務省が推進しております高周波数帯の電波の割り当てを受けて無線通信網の整備を推進するとか、何らかの対策を講じていただきたい。いわゆる離島・僻地における情報格差について是正をしていただくこの取り組みについて県の考えを聞かせていただきたいと思います。
 (2)、新多良間空港の開港式がいよいよ10月10日となりました。知事を初め関係者の皆様へ心より御礼と感謝を申し上げます。大変ありがとうございました。
 さて、新空港の開港に伴う現空港跡地の利用計画についてどのように考えておられるのか、現状とどういった取り組みをされているのか、今後の取り組みも含めまして御説明をいただきたいと思います。
 (3)、多良間フェリーの代替船については、生活航路として欠かせないものでありますが、船は既に耐用年数を超えており、老朽化も著しく代替船がどうしても必要でございます。いろんな課題はあろうかと思いますが、島民の生活を守る観点からも特段の配慮をお願いをし、御答弁を賜ります。
 (4)、多良間村水納島及び周辺海域の自然環境の保全について、早急に調査を入れて適切な対応をお願いをいたします。水納島の今の自然環境をどのように守るかということは、県全体にとっても大変大きな重要な課題であろうと認識をしておりますので、御答弁を賜ります。
 (5)、久米島・仲里港の泊地区、真謝地区、儀間港の防暑施設の整備についても地元から大変要望があります。順次整備をしていただきたいと思いますが、今後の計画等も含めて県の考えを伺います。
 (6)、久米島の防風・防潮林の立ち枯れ及び農作物への影響等について伺います。
 せんだっての台風14号の被害調査のため久米島を訪れたとき、千里浜という空港から鳥島部落まで続く浜辺に設置された護岸が、台風時等越波による防潮林や農作物への被害は本当に歴然としております。護岸のない場所ほど被害も少なく、砂浜もきれいに残っております。
 したがって、こういった一例を見ましてもわかりますように、この際、護岸を改修または撤去することにより千里浜の砂を取り戻し、防潮林や農作物の被害を少なくできるとこのように考えます。千里浜及び他の護岸の改善で海岸の自然再生をしていただき、そして観光資源としても、あるいはまた島を塩害から守り、農作物あるいは防潮林を守る観点からもこのような施策を講じてはどうかと、このことを申し上げて県の所見を伺います。
 (7)、離島における護岸の実態、いわゆる今申し上げました久米島は一例でございます。そのほかの離島も含めて、離島における護岸の実態と今後の改善策についてどのように考えられ、どのような施策を持っておられるか、具体的な計画を示していただきたいと思います。
 また、県が策定しています「琉球諸島沿岸海岸保全基本計画」の中でどのように位置づけられているか。そしてまた、あわせて本島も含めた護岸工事のあり方、今後の対応策についても御説明を願います。
 (8)、モズクの乾燥工場の進捗状況については、現状と今後の展望について御説明ください。久米島などモズク生産地が安心して生産ができる、そういった乾燥工場ができることを期待してこの質問をいたしておりますれば、その進捗状況についてどうか、御説明をいただきたいと思います。
 最後に(9)、久米島沖の鳥島での自衛隊の実弾演習については、これまで質疑がなされておりまして、これまでの答弁を了といたし、質問を割愛させていただきます。
 以上質問を申し上げましたが、答弁によりましては再質問をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 糸洲朝則議員の御質問にお答えをいたします。
 新都心地区の公共施設、今後の建設予定の公共施設についてお答えいたします。
 今後の建設予定としては、国関係では沖縄総合事務局那覇第二地方合同庁舎の2期棟、3期棟があります。県関係では県立博物館新館・美術館があり、今年度は実施設計を進めており、来年度に着工し、平成19年度の開館に向け取り組んでいるところであります。市関係では銘苅小学校が平成17年度開校予定、埋蔵文化財センターが平成19年度完成予定であり、その他に総合庁舎、水道局庁舎、総合文化施設等が予定されております。
 また、公益施設としてNHK沖縄放送会館及びメルパルク沖縄があります。
 続きまして、福祉行政のうち、「障害者就業支援キャリアセンター」の設置及び「障害者支援ネットワーク」の構築について一括してお答えしたいと思います。
 障害者の雇用を促進するため、障害者の生活から就業までの一貫した支援を地域において実施する機関として社会福祉法人名護学院を「北部障害者就業・生活支援センター」として指定したところであります。当該センターは、障害者の職業生活における自立を図るため雇用、保健、福祉、教育等の関係機関とネットワークを構築し、身近な地域において必要な指導・助言を行っています。昨年度の主な活動実績としては、相談件数が646件、職場実習をあっせんした者が37名、その結果17名の就職実績となっています。
 なお、当該センターについては障害者支援の重要な役割を担う機能と認識しており、中部及び南部地区にも1カ所ずつ指定し、障害者就労支援のネットワークを構築していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育長(山内 彰) 県立博物館新館及び美術館建設の事業執行状況等についてお答えいたします。
 県立博物館新館及び美術館の建設については、昨年、復帰30周年記念事業に位置づけられ事業実施を決定するとともに、基本設計を終えたところであります。今年度は、建物と博物館展示の実施設計及び用地の購入を予定しており、実施設計については平成16年3月までに完了する予定であります。用地につきましては那覇新都心地区に予定しており、沖縄県土地開発公社から今年度中に取得すべく今議会に提案しているところであります。建築工事及び展示工事につきましては、平成16年度から平成18年度にかけて実施する予定にしております。博物館新館の展示につきましては、現博物館の実績を踏まえ本県の自然・歴史・文化等を総合的に展示し、充実した内容にしていきたいと思います。
 美術館の美術品の収集については、本県の作家作品を中心に平成15年9月現在、336点の美術品を収集しており、今後とも計画的に収集していきたいと思います。
 なお、博物館新館及び美術館のオープンは平成19年の秋ごろを予定しており、県民に親しまれる博物館及び美術館を目指して事業を推進していきたいと思います。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 県立博物館及び美術館建設についての現博物館の跡地利用についてにお答えいたします。
 博物館移転後の跡地利用については、当該敷地が公園区域として都市計画決定がなされております。移転後の跡地利用については、琉球庭園や駐車場を整備する計画となっております。
 なお、前面の石垣については都市計画道路の龍潭線として決定され、現位置に残して整備する計画となっております。 
 次に、新都心地区の公共施設の建設についての、新都心周辺との交通アクセスについてにお答えいたします。
 那覇新都心地区と周辺地区との主なアクセス道路としては、那覇中環状線ほか5路線があります。国道58号側、国道330号側及び第2環状線側の5路線については平成14年度でほぼ完成しており、崇元寺側の新都心牧志線については平成18年度完成を目途に鋭意整備を行っているところであります。
 なお、新都心牧志線の完成により、新都心地区周辺の交通渋滞の緩和が図られるものと考えております。
 次に、交番、郵便局等の計画についてにお答えいたします。
 那覇新都心地区内の交番所は、那覇国際高校西側(安謝2丁目)に今年度中に開所予定であります。また、郵便局については、現在、設置位置を検討中であると所管の沖縄総合通信事務所から聞いております。
 次に、農連市場市街地再開発事業についての、農連市場市街地再開発事業に対する県の認識と役割についてにお答えいたします。
 県は、商業の活性化と居住環境の改善を図る観点から、農連市街地再開発事業の必要性は十分認識しております。また、県の役割としては、那覇市の取り組み状況を踏まえ資金計画及び施設計画等の策定に向けた助言を行い、事業の実現に向けて協力していくことだと考えております。
 次に、那覇市との協議状況及び課題についてにお答えいたします。
 那覇市では、平成13年度に策定したモデル的な施設計画(案)をもとにこれまで県関係部局と調整を行ってきております。しかし、昨今の地価下落に伴う権利資産の減少等の理由から資金計画及び施設計画等の見直しが必要となり、今年度改めて見直し調査及び事業成立の可能性の検討を行っているところであります。那覇市は今後、これらの検討結果を踏まえ改めて関係者と協議を行う予定となっております。
 また、事業が成立するためには地権者との合意形成、健全な資金計画及び施設計画を立てるための保留床処分の確実な見通し、権利床への公共施設等の入居確保、実効性のある事業計画の策定等が極めて重要な課題と考えております。
 次に、県の窓口の一本化についてお答えいたします。
 市街地再開発事業は、基本構想を立て、その後、基本計画を踏まえた資金計画及び施設計画等の策定を行い、都市計画決定、事業計画決定、権利変換計画決定という手続を経た上で新たな建築物等の工事着手・完成により事業が完了いたします。現在、農連市場市街地再開発事業については基本計画の段階であり、事業主体である那覇市が個別に権利者及び事業参加予定者と協議を行い、資金計画及び施設計画等を明確にすることが必要であると考えております。
 次に、観光振興についての、首里城周辺の駐車場対策についてにお答えいたします。
 首里城周辺の駐車場の駐車スペースは、県営の首里杜館駐車場で最大203台、民間駐車場3カ所で115台、合わせて最大318台となっております。平成14年度の首里城公園の入園者数は約236万人で、県営駐車場への利用は約19万9000台、1日当たりの平均利用台数は約550台となっております。現在のところ土日・祝祭日のピーク時には最大約60台分の不足があるものの、平日においてはほぼ充足しているものと考えております。現在、首里城を訪れる観光客は団体客を中心とした観光形態から、乗用車、レンタカー、都市モノレール利用へ変化しつつあります。したがって、今後の駐車場整備に当たっては、増大する観光入域客や移動交通手段の変化による入園者数と入庫状況、民間駐車場設置の動向等を調査し、設置箇所や規模等を検討してまいりたいと考えております。
 次に、守礼の門前の写真撮影環境整備についてにお答えいたします。
 守礼の門前の綾門大道は首里城のメーンストリートであり、平成12年に周辺を含め完成しております。当該箇所には綾門大道を整備する以前から写真撮影業者がいたことから、現状としては公園利用者の通行等に支障にならないことや、簡易な施設であること等の条件で許可をしております。当該箇所は、歴史的風致景観を確保する必要があることから写真業者のための新たな施設の設置は困難であると考えております。
 次に、離島振興についての、現多良間空港の跡地利用計画についてにお答えいたします。
 現多良間空港の跡地利用計画については、平成15年2月に多良間村が設置した「現多良間空港跡地利用審議会」から、去る9月2日に跡地利用計画について多良間村に答申がなされております。その答申によると、空港敷地約8.3ヘクタールと隣接する採草地を組み入れ、ヤギ肉の加工・販売を目的としたヤギ牧場として利活用する計画が提案されており、畜産等の新たな産業振興が期待されております。県としましては、今後、答申で示された計画を踏まえながら多良間村や関係機関と調整を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 地権者としての県の対応についてお答えします。
 県有地の処理方針としては、「県有地有効利用基本計画」の中で都市再開発事業等の予定区域内の一般貸付地については当該事業に積極的に協力し、当事者と十分な調整を図り一括処理を図るものとしております。具体的には、1、原則一括で売り払う、2、一括賃貸借を行う、3、県公共施設等の整備計画がある場合は権利床確保などの方法があります。同再開発事業は、現在、事業主体である那覇市において施設計画等の見直しを含め事業の成立に向けて検討を行っているところであり、その結果を踏まえ対応していきたいと思います。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 障害者雇用の現状と取り組みについてお答えをいたします。
 障害者の雇用については、「障害者の雇用の促進等に関する法律」において、常用労働者56人以上の企業は1.8%、地方公共団体は2.1%に相当する数以上の障害者を雇用することとされています。県内における平成14年6月1日現在の達成状況は、民間企業の実雇用率で1.64%となっており、7年連続で全国平均を上回っておりますが、依然として法定雇用率の1.8%には達していない状況にあります。県においては、障害者の雇用を促進するため6カ月程度の職場適応訓練事業を実施するとともに、特定求職者雇用開発助成金等の活用促進を図っているところであります。また、毎年9月の障害者雇用促進月間において障害者雇用促進大会を開催し、優良事業所等の表彰や雇用相談会の開催等の啓発活動を行っております。今後とも、職業能力の開発や地域における就労支援体制の整備を通して障害者の雇用拡大に取り組んでまいります。
 続きまして、「ジョブコーチ」制度の導入についてお答えをいたします。
 平成14年5月に改正された「障害者の雇用の促進等に関する法律」において、専門の知識を持ったジョブコ-チを職場に派遣し、一人一人の状況を踏まえた支援を行う事業が制度化されております。県内には14名のジョブコーチが配置され、職場内での人間関係や作業習得など職場適応の課題等について障害者、事業所の双方に対し必要な援助を行っております。昨年度の支援対象者は34名で、そのうち26名が就職に結びついております。今年度は9月末現在で支援対象者は37名、うち31名が就職に結びついており、引き続き支援対象者の拡大と職場適応に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 福祉行政についての中の、障害者の「害」の漢字を仮名へ表記変更することについてお答えいたします。
 「障害者」という用語は、障害者のための施策に関する基本的理念、施策の基本事項等を定めた「障害者基本法」を初めとして法律や条例等で使用されてきております。
 一方、他の都道府県においては、「害」という漢字は不快感を与えて好ましくないとの関係団体等の意見を受けて平仮名表記に変更した市町村があると聞いております。「障害者」の文字は、法令等はもとより福祉用語として一般に定着・普及していることから、県としましては御提言として承り、今後とも障害のある人もない人もともに生活し活動できる社会の構築を目指すノーマライゼーションの理念に基づく地域社会の実現に向けて取り組んでまいります。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、世界遺産を観光資源として活用するための施策についての御質問にお答えをいたします。
世界遺産には多くの観光客が訪れており、重要な観光資源であります。そのため県におきましては、世界遺産及び周辺の歴史・文化・自然資産等を活用し、沖縄観光の振興を図ることを目的として平成14年度より5年計画で世界遺産周辺整備事業を実施しております。事業の内容は、首里城跡と中城城跡を結ぶ歴史の道の整備や読谷村喜名番所跡の復元、それから勝連城跡の駐車場及び観光案内所の整備等を実施しております。また、観光客誘致の観点から世界遺産シンポジウム及びセミナーの開催、マスコミ招聘やテレビ番組制作等による情報の発信、新たな旅行商品の開発、世界遺産観光ガイドの人材育成等の取り組みを行っております。さらにデジタルアーカイブ、真南風ネット、それから県教育庁のホームページ等による世界遺産の紹介も行っており、今後とも世界遺産活用の施策展開を図っていく考えであります。
 次に、守礼の門前の写真撮影環境整備についてお答えをいたします。
 旅の思い出としての記念撮影は多くの人々の経験するところであり、撮影対象となる名所旧跡周辺における快適な空間づくりは観光客に快い印象を与え、満足度を高める上で重要なことと認識しております。このことから、世界文化遺産に登録され、沖縄観光の代表的施設として位置づけられる首里城や守礼の門の周辺環境のあり方については、これら施設のすぐれた歴史的景観との調和のとれたものが望ましいと考えております。
 御指摘の件につきましては、守礼の門周辺で写真撮影業を営んでいる全沖縄観光写真協同組合、それから首里城観光写真協業組合の意見や観光客からの声を踏まえた上で、守礼の門周辺を所管しております関係機関と協議の上、改善に向けて検討をする考えであります。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 観光振興についてでございますが、レンタカーを含む自動車交通の増加による交通渋滞等の対策についての御質問にお答えします。
 自家用車やレンタカーなど自動車交通の増加により生じている交通渋滞や交通事故、駐車場の不足等の問題は、県民生活はもとより観光を初めとした産業活動に相当な影響を及ぼしているものと認識をしております。県では、これらの課題に対処するため引き続き道路網の整備、混雑交差点の改良を推進するとともに、モノレール、バス、タクシーの機能的な結節による公共交通機関への転換を促進しているところであります。さらに、時差出勤やパーク・アンド・ライドなどの交通需要マネジメントの導入促進を図るなど、今後とも交通環境の改善に向けハード・ソフト両面の整備について積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、離島振興について、先島地区や本島の過疎地及び周辺離島の情報格差是正についての御質問に一括してお答えをします。
 先島地区における情報格差是正については、今年度、八重山地区で中波ラジオ放送の受信障害解消事業に取り組んでいるところであります。次年度は宮古地区での同様の事業を計画しております。
 先島地区への光ファイバーケーブルの敷設については、関係市町村、県、民間通信事業者で事業費、事業効果等について検討を進めているところであります。
 南・北大東村における情報格差是正については、今年度、沖縄総合通信事務所が準ミリ波帯を利用した新たな無線システムの実証実験を行っております。県としては、その結果を踏まえて同地域でのインターネット回線増設等を検討してまいります。
 離島・僻地等における情報格差の是正については、今後とも民間事業者や関係市町村、国等関係機関と連携を図りながら積極的に取り組んでまいります。
 同じく離島振興について、多良間フェリーの代替船建造についてでございます。
 多良間海運所有の船舶「フェリーたらま」は、建造から21年が経過し老朽化していることから、多良間村から代替船の建造についての要請があります。
 代替船の建造については、離島航路整備法に基づき国の認可が必要とされますが、その際、需要予測や収支の見通し、代替船の規模、能力等について審査をされ判断されることとなっております。県としては、離島航路の維持・確保を図るとともに、航行の安全性や快適性の向上等を促進する観点から、代替船建造について今後国等関係機関と協議してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 離島振興の御質問のうち、多良間村水納島及び周辺海域の自然環境の保護・保全についての御質問にお答えをいたします。
 水納島周辺海域はおおむねサンゴ礁地形となっており、海岸線はおおむね砂浜で一部に岩、護岸があり、海岸においてはアカウミガメの産卵が確認されております。自然環境の保全に関する指針において、水納島沿岸域は評価ランクⅠ、陸域は評価ランクⅢとなっております。
 御提言につきましては、今後、地元を初め関係機関との意見交換を図っていきたいと考えております。
○農林水産部長(諸見武三) 久米島における漁港の防暑施設についてお答えいたします。
 県内の漁港においては、防暑施設がないため炎天下において漁船・漁具等の維持修理作業等を行っております。久米島町における防暑施設の整備については、平成15年度に仲里漁港泊地区、平成17年以降は真謝地区と儀間漁港の整備に向けて町と調整してまいります。
 続きまして、農作物等の潮風害についてお答えいたします。
 久米島における農作物等については、近年、相次ぐ台風の接近により被害をこうむっております。潮風害の要因については、台風の速度が遅く長時間にわたる停滞、雨が少ないこと、また海岸線における防潮林や農地防風林の機能の低下等が考えられます。県としては、台風等の災害に強い農業を確立するため防潮保安林等の海岸防災林造成事業、防風林等の農地保全整備事業、かんがい排水事業等を推進してまいります。
 続きまして、離島における海岸整備についてお答えいたします。
 本県における海岸の整備状況については、これまで3次にわたる沖縄振興開発計画により平成13年度までに整備延長約176キロメートルを整備しております。そのうち、離島においては整備延長が約51キロメートルとなっており、整備率が12%と低い状況にあります。県としては、平成15年4月に策定した「琉球諸島沿岸海岸保全基本計画」において沖縄らしい海岸を整備していく計画であります。同計画は、全海岸延長の1062キロメートルについては自然海岸として保全することとしております。また、海岸の整備については、自然石を利用した護岸や養浜等による沖縄の自然環境などに配慮した整備を行ってまいります。
 続きまして、乾燥モズク加工場についてお答えいたします。
 乾燥モズク加工場は、本県モズクの高付加価値化と消費の拡大を図るため、沖縄県漁業協同組合連合会が事業主体となり整備を計画しております。しかしながら、県漁連は現在経営再建整備計画を策定中であり、同計画の中で経営の健全化を図るとともに、各種事業の点検作業が行われております。このため、県としては乾燥モズク加工場の建設については再建計画の進捗状況を見ながら整備に向け県漁連等と調整してまいります。
 以上でございます。
○糸洲 朝則 それでは再質問をさせていただきます。
 まず1点目に、首里城門前の写真撮影環境整備についてですが、これは今に始まったことじゃなくて、かなり以前からいろいろ議論をされてきたところでございます。関係者に会ったり現場調査したりいろいろ私なりに考えてみました。
 1つは、やはり写真を撮る場所というのはその場所があるわけです。聞いたら一番こっちがいいと。いい場所で撮らしてもらいたいということで撮らしてもらっているわけですが、残念ながら仮設テントというこのみすぼらしい状態ではむしろ観光客の皆さんにも不快感を与えているんじゃないかと。したがって、観光振興という視点からするならば、この場所で写真がスムーズに撮れるようなそういう方策を考えるべきである。いわゆる禁止すべきものじゃないよということを指摘したいわけでございますから、そこら辺、前向きな答弁をもう一回お願いします。
 土建部長につきましては、風致地区とかあるいは場所的な答弁でございましたが、これこそ制限された中でどのようにして施設をつくるかというのは、ある意味でこれは建造物を設計する側にとって何とも言えないこれはやりがいのある仕事なんです。したがって、あの一段上がったところの横穴にするとか、いろいろ工夫がある。その工夫をやってもらいたいためにわざわざ一般質問という本会議でこのことをやっているんです。
 そこで、もう一度この認識を改めていただく意味でも再度御質問しますから、どうか工夫のある施設整備についての前向きの御答弁をお願いします。
 次に、水納島の環境保全についてでございますが、私は本当に沖から見た水納島を久しぶりに、いや初めて海側から西側を見て感動いたしました。一周することはできませんでしたが、一番自然に近い形で沖縄内に残されている島、海域はここじゃないかと。したがって、ここは早急に調査を入れてほしいと。こういう意味で質問をしておりますので、消極的な姿勢じゃなくて、村のあるいは地元からの要請云々じゃなくて、むしろ県から出かけていってやる、こういうかたい決意を私は聞いているわけでございますから、そこら辺をぜひ再度御答弁をいただきたいと思います。
 最後に、千里浜についての質問、具体的に私は今ある護岸じゃだめですよと、撤去するなり改修するなりしないと砂浜は戻りませんよと、また越波による塩害はおさまりませんよということを言っているわけですから、町の千里浜の護岸をどうするのか明確に答えてください。
 さらに、この皆さん方が計画をしております「琉球諸島沿岸海岸保全基本計画」、この中にどのように位置づけられているのか。この千里浜を初め各離島の護岸、本島内の護岸、そういった護岸の整備に対する取り組む姿勢をもう一度明確にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時52分休憩
   午後2時55分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) 再質問にお答えいたします。
 首里城周辺での写真撮影につきましては、以前からずっと話になっているところですけれども、サミット以降、以前かなりもっと秩序がなく撮影されていたところをまとめまして、最近ではかなりよくコントロールされて、ある一定の区間で写真撮影をしてもらうというふうなことでかなり以前よりはよくなっているというふうに認識しております。
 今おっしゃるように、そういうことで写真撮影する箇所については、確かに適切な場所が必要ですので、今の区域内で他のお客様に迷惑にならないような範囲を大体指定しましてそこでやっていただくということと、あといろんな小道具等を置く施設が必要だということがありまして、それにつきましては今目立たないところでということで一応工作物を設置・許可してさせておりますけれども、今後これについて県の方で設置するかどうかについては、先ほど景観審議会の話もあったんですけれども、那覇市の方にも景観審議会がありますので、そこでの議論も必要になってくると思いますので、そこも含めて今後検討してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 多良間村水納及び周辺海域の自然環境の保護・保全についての御質問にお答えをします。
 御提言の件につきましては、調査・実施をする方向で早急に関係機関との意見交換をしてまいりたいと考えております。
○農林水産部長(諸見武三) 久米島における海岸整備についての再質問にお答えいたします。
 海岸整備については、先ほどお答えしました「琉球諸島沿岸海岸保全基本計画」に位置づけられておりまして、地元の合意形成を図りつつ基本計画に基づきまして海岸の利用と環境に配慮した波浪及び高潮対策の施設を整備してまいりたいと思っております。
 具体的には、例えば自然式海岸の造成あるいは養浜、あるいは植栽等のような整備をやってまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時58分休憩
   午後2時59分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 諸見武三君登壇〕
○農林水産部長(諸見武三) お答えいたします。
 千里浜地区の整備についても、先ほど申し上げましたように具体的に自然式の海岸、それから養浜や植栽等をやってまいりましたということでございます。
○糸洲 朝則 具体的に聞いているわけですから、具体的にいつ、どういう形でやるというこういう答弁が欲しかったんですが、残念ながらその答弁が聞けませんでした。
 再度聞きますが、それはぜひ答えていただきます。
 全体的な護岸・海岸の保全について私の質問に合わせたかのように、開発の荒波、砂浜をのむ、きのうの社説では、「失って初めて気付く宝」、まさしくこれは今の護岸工事のあり方を指摘されているわけでございまして、このことをしっかり念頭に置いて沖縄の自然再生に対して取り組んでいただきたい。
 先ほどの具体的な点だけ答弁いただきたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時1分休憩
   午後3時1分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 諸見武三君登壇〕
○農林水産部長(諸見武三) 再質問にお答えいたします。
 琉球諸島の海岸保全基本計画、これは10年計画でございますが、この10年計画に具体的に位置づけられておりますので、そこの位置づけに従いましてその範囲内で町と具体的に詰めて早期の整備ができるように詰めてまいります。
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって通告による一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 決算については、9月12日の議会運営委員会において19人から成る決算特別委員会を設置して審議することに意見の一致を見ております。
 よって、ただいま議題となっております議案のうち、認定第1号から認定第24号までについては、19人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 次に、お諮りいたします。
 ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定によりお手元に配付の名簿のとおり指名いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、決算特別委員会の委員は、お手元に配付の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
   〔決算特別委員名簿 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) ただいま決算特別委員会に付託されました決算を除く甲第1号議案、乙第1号議案から乙第7号議案まで及び乙第9号議案から乙第16号議案までについては、お手元に配付してあります議案付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
   ――――――――――――――
   〔議案付託表 巻末に掲載〕
   ―――――◆・・◆―――――
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時4分休憩
   午後3時5分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 この際、お諮りいたします。
 委員会審査及び議案整理のため、明10月8日から15日までの8日間休会とすることにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊良皆髙吉) 御異議なしと認めます。
 よって、明10月8日から15日までの8日間休会とすることに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 次会は、10月16日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後3時6分散会

 
20030407000000