平成15年(2003年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 12月 4日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、甲第2号議案、乙第1号議案、乙第2号議案及び乙第5号議案から乙第13号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 おはようございます。
 渡久地健さんの御逝去に接しまして、まことに残念のきわみであります。私は、本部の同郷でもございまして、小学校からよく存じ上げておりました。高校のときには生徒会活動で一緒に交流をした中でございまして、大変残念でございます。大変理と情をあわせ持つ方で、保守政治家としては非常にオーソドックスな政治手法を好まれておりました。そのことが非常に彼の安定感を支えていたというふうに思います。特にあの9月議会で行った──きのうも高嶺さんから指摘がありましたが──定数是正の演説は非常に見事なものがございました。私も大変感動いたしました。今となっては、もっと頑張っていただきたいと思っておりましたが、大変残念でありますが、御冥福をお祈りをするばかりであります。
 それでは一般質問に入ります。
 基地問題についてでございます。
 (1)、軍民共用空港について。
 防衛施設庁が事業主体になると、こういうふうに報じられておりますので、それを前提に申し上げます。
 ア、環境影響評価書の事業主体について政府との折衝過程はどうなっているか。
 イ、また、防衛施設庁はこれまでなれないとこう言ってきたわけですが、今日、なれるとする理由は何なのか、根拠法は何か。
 ウ、知事は、民間機能として設置される飛行場施設の管理運営については県を中心として検討していきたいと第2回代替協で述べておりますが、どのような形を考えているのか。また、採算性についてはどうか。
 エ、本土間1日6便3往復の根拠を示されたし。
 オ、全国の県営空港の数とその経営状況について、黒字空港は幾つで、また赤字空港の平均赤字額は幾らか。
 カ、那覇空港の沖合展開との整合性を示されたし。
 キ、北部に空港をという要求は普天間移設問題が持ち上がる前に出たことがあるか。
 ク、知事は、軍民共用空港ということによって長さ、面積等で当初案の海上ヘリ基地の約2倍の軍事基地になったとの認識はあるのか。
 (2)、15年使用期限問題について。
 ア、知事は任期中に解決すると明言しているが、15年使用期限問題の解決とはどのようなことを念頭に置いての答弁か。
 イ、今年11月で受け入れ後4年が過ぎたが、問題は1センチメートルでも前に進んだか。希望的観測や決意表明ではなく、事実をもって具体的に示されたし。
 ウ、15年問題は日米双方とも国際情勢に絡むことゆえ難しいということが共通認識である。知事は向こう3年以内に国際情勢が劇的に変化すると思うか。そう思うのであれば根拠を示されたし。
 エ、着工までにどのような手続が必要で何年ぐらいかかるか、見通しを示されたし。
 (3)、基地の使用協定について。
 ア、基本合意書3の代替施設への立ち入りとはどのような中身か。米国との調整はされているのか。
 イ、使用者の入らない使用協定にどのような意義があるか。また、この使用協定は日米地位協定上はどのように位置づけられるか。
 ウ、既存の普天間、嘉手納の騒音防止協定とはどこがどう違うのか。
 エ、米国が在外米軍基地について提供国と基地の使用そのものについて協定を締結している例はあるか。
 オ、基本合意書に対する県の評価はどうか。
 (4)、都市型訓練施設建設及びキャンプ・シュワブでの射撃訓練の移転問題に対して具体的にどのように対処していくか。
 (5)、辺野古沖における地質調査と海象調査のための公共用財産使用協議書について。
 ア、具体的に何を協議するのか。
 イ、協議することによって県はどのような責任が生じるのか。
 ウ、使用面積は幾らか。
 エ、不同意ということもあり得るのか。
 (6)、教育庁に提出された文化財保護法に基づく同意の必要性確認の照会文書について検討の状況を説明されたし。
 2番、農業振興について。
 (1)、農業共済制度の拡充・強化について。
 ア、9月議会で知事は園芸農家共済への県の補助金の継続について前向きに検討すると答弁されましたが、検討の結果はいかがでございましょうか。
 イ、制度の拡充・強化のため具体的にどのような施策を行うか。
 (2)、多額債務農家の救済について。
 農家も農協も相すくみ状態にあり、具体的な道が見出されてない。県が仲介役となり抜本的な方策を提示し意欲ある農家を継続させるため努力すべきだと思うがどうか。
 3、交通問題について。
 (1)、鉄軌道系交通の検討についてはどのような段階にあるか。
 (2)、観光客のレンタカー利用による交通混雑はピーク時でいかほどか。
 4、北部振興策について。
 (1)、今年度に採択された事業はどのようなものがあるか。
 (2)、執行済み予算と事業計画予定予算はそれぞれ幾らか。
 (3)、北部振興事業基本構想(平成13年度)は以後の事業にどのように生かされているか。
 (4)、本来、国や県で行うべき公共事業の前倒しで行われていると思うがどうか。また、このような事業は本来の振興策と言えるのか。
 的確な御答弁をお願い申し上げます。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 玉城義和議員の御質問にお答えいたします。
 まず、環境影響評価の事業主体についての御質問のお答えでございます。
環境影響評価の事業主体について、県としては代替施設は軍民共用飛行場として一体的に整備されるものと考えており、民間区域を含め国が事業主体になるものと考えていることから、昨日、その旨を茂木沖縄担当大臣に申し上げました。その際、大臣は、知事の要望は重く受けとめさせていただく。知事の要請を受け、できるだけ早く調整したいと述べており、早期に調整が図られるものと考えております。
 次に、民間部分の事業主体についての御質問にお答え申し上げます。
民間部分の事業主体については、先ほども申し上げましたようにこれまで国に対して県の基本的考えを説明しており、さらに昨日私の要請に対し、茂木大臣から、できるだけ早く調整したいと述べていることから、県としては、法律も含めて国において早期に解決が図られるものと考えております。
 次に、軍民共用空港の面積についてお答えいたします。
 面積が拡大したことは承知しておりますが、軍事基地が2倍になったとの認識はありません。県としては、米軍専用施設に対する県民感情への配慮や新たな基地負担を担う地域の振興開発を図るため、代替施設については民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産になるようにしたものであります。
 なお、代替施設の基地機能については、使用協定に係る基本合意書にSACOの最終報告の内容に何ら変更がないことを確認するとされております。
 次に、15年問題の解決についてのお答えでございます。
 15年使用期限問題の解決とは、戦後58年間にわたり過重な基地負担に苦しみ、基地の整理縮小を求める沖縄県民の気持ちを踏まえて日本政府がしっかりと対応することであり、代替施設の供用開始から15年後には民間空港として北部地域の発展、沖縄県の発展につながることであると考えております。
 15年使用期限問題の進展についてお答えします。
 普天間飛行場代替施設の15年使用期限は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているものであり、着工までに国の責任において解決されるべきものであると考えております。使用期限については、これまで日米首脳会談や日米外相会談、2プラス2(日米安全保障協議委員会)等でも取り上げられてきており、川口外務大臣は、先月15日のラムズフェルド米国防長官との会談でも使用期限問題を取り上げております。
 また、私は先日、ラムズフェルド米国防長官とお会いした際、普天間飛行場の県内移設は県民にとって苦渋の決断であったことを伝え、代替施設の15年使用期限などの条件を日本政府に強く求めていることを説明し特段の配慮を要望しました。基地の提供責任を有する日本政府にあっては、使用期限の問題を含め沖縄の基地問題をしっかり受けとめることが重要であり、政府としてなお一層の取り組みが必要であると考えております。
 続きまして、国際情勢の変化についての御質問にお答えします。
 米国が世界じゅうの米軍基地を見直すと言っていることは国際情勢の変化を意味するものであり、先日、ラムズフェルド米国防長官にお会いした際にも沖縄の米軍基地の整理縮小を強く要請したところであります。
 次に、陸軍複合射撃訓練場建設及びキャンプ・シュワブの射撃訓練の移転問題についてお答えをいたします。
 県は、県民の基地負担の軽減を求める立場から、これまで基地の整理縮小、海兵隊の訓練等の移転及び在沖米軍兵力の削減などを求めてきているところでありますが、今回の陸軍複合射撃訓練場の建設計画は県のこれまでの要請や県民の意向に反するものであり、同訓練場の建設には反対であります。去る12月1日、政府主催による全国知事会が首相官邸で行われましたが、その席上、比嘉副知事より小泉総理大臣や各大臣に対し、今般、新たな米軍訓練施設の計画が示されたことについて県民は強い不満を抱いており、本県における米軍基地問題の解決は目に見える形で一歩一歩前進させることが重要である旨訴えたところであります。
 また、昨日来県した茂木沖縄及び北方対策担当大臣に対して、陸軍複合射撃訓練場の建設計画には反対である旨表明したところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 民間機能の管理運営と採算性についてにお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設における民間機能の管理運営と採算性については、今後、関係機関と協議しながら検討していきたいと考えております。県としては、同施設の民間機能を活用して雇用機会の確保や産業の振興を図り、地域経済発展の拠点を形成することにより移設先や北部地域の振興を図っていきたいと考えております。
 1日6便3往復の根拠についてにお答えいたします。
 代替施設の民間機能の需要見込みについては、第2回代替施設協議会で県から説明しました。その内容は、那覇空港における既存の調査結果や北部地域における航空貨物の実績、並びに今後展開される多くの振興策等を勘案しながら民間機能における潜在的ポテンシャルを求めたものであります。また、北部地域にある主要ホテルの利用者は、年間延べ約260万人の観光客に利用されていることなどから、北部地域の航空旅客は現状でも一定の利用可能性があると考えています。これらを踏まえ、県の独自の推計では関東、関西、中部方面に1日6便3往復程度の就航を見込んでおります。
 那覇空港との整合性についてにお答えいたします。
 代替施設は、普天間飛行場の代替施設として軍民共用飛行場を念頭に国において建設されるものと考えております。県としては、同施設の民間機能を活用して雇用機会の確保や産業の振興を図り、地域経済発展の拠点を形成することにより移設先や北部地域の振興を図っていきたいと考えています。
 一方、那覇空港は第二種空港として全国の航空ネットワークに位置づけられており、沖縄県の表玄関として今後も増加することが予想される航空需要に対応するものであります。県としては、那覇空港と代替施設はそれぞれ異なる機能を有する飛行場であると認識しております。
 北部への空港設置の要請についてにお答えいたします。
 平成9年10月27日付で名護市長から沖縄県企画開発部長あてに「地域振興について」の陳情がありました。その中で、北部地域と県外等との交通アクセスを高めるため空港の建設を図る必要性が述べられております。
 15年使用期限問題解決までの見通しについてにお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設については、今後、環境影響評価及び公有水面埋め立ての手続等に3年程度要することが予想され、また施設配置の検討等所要の手続等が進められた後に着工されるものと考えております。
 基本合意書3の代替施設への立ち入りについてにお答えいたします。
名護市は、代替施設受け入れのための基本条件として基地使用協定の締結を求めておりますが、その中で地域の安全対策及び基地から発生する諸問題の対策等を講じるため、基地内への自治体の立ち入り等を求めております。「代替施設の使用協定に係る基本合意書」は、代替施設の使用に係る措置として基本的な事項を定めたものであり、今後、協議を進め、供用開始までに使用協定を締結するとしております。
使用協定については、閣議決定された政府方針の中で、「地方公共団体の意見が反映したものとなるよう、政府は誠意をもって米国政府と協議を行い、」と明確にうたわれており、国において米側と協議されるものと考えています。
 使用協定の意義と位置づけについてにお答えいたします。
県としては、名護市が受け入れ条件として地域の安全対策及び基地から発生する諸問題の対策等を講じるために基地の提供責任者である国に対し、使用協定の締結を求めているものと考えております。基本合意書において、使用協定の内容については日米地位協定第25条に規定する日米合同委員会で合意を得るとしております。
 既存の騒音防止協定との違いについてにお答えいたします。
嘉手納及び普天間両飛行場に係る航空機騒音規制措置については、航空機から生ずる騒音が周辺地域における住民生活に多大な影響を与えていることから、県や周辺自治体がその解決を日米両国政府に強く求め、平成8年3月28日の日米合同委員会において合意されたものであります。
 名護市が求めている使用協定は、地域の安全対策及び基地から発生する諸問題の対策等を講じるため名護市の意見を反映した性格を持つものであり、関係大臣、名護市、県で締結するものであります。基本合意に基づき、今後、具体的に協議が進められますが、使用協定においては環境対策や代替施設への立ち入りの項目があるほか、適切な協議機関を設置し、使用協定についての定期的なフォローアップを行うとされており、これらの点が騒音規制措置と異なる内容であると考えます。
 他の使用協定の例についてにお答えいたします。
一般論として、基地の使用に関し、米韓地位協定やNATO軍地位協定が存在していることは承知しておりますが、個々の基地に関する使用協定があるかどうかについては把握しておりません。
 基本合意書への評価についてにお答えいたします。
「代替施設の使用協定に係る基本合意書」は、代替施設の使用に係る措置として基本的な事項を明記するとともに、代替施設の機能の範囲や日米合同委員会等で合意を得ること、使用協定締結までの段階的な取り組み並びに使用協定の定期的なフォローアップ等について示されております。県としては、基本合意書は使用協定締結に向けた第一歩であり、重要な意義を有していると考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 基地問題についての、全国の県営空港の数とその経営状況についてにお答えいたします。
 全国で都道府県が管理している第二種空港は3空港、第三種空港は51空港あり、合わせて54空港となっております。これらの空港の経営状況について取りまとめられたものはございませんが、各県に着陸料等の収入及び維持管理運営費等の支出について問い合わせたところ、収入が支出を上回っている黒字と見られる空港は5空港、支出が収入を上回っている赤字と見られる空港は47空港となっております。問い合わせた結果によりますと、支出が収入を上回っている赤字と見られる47空港の平均額は約1億円となっております。
 次に、公共用財産使用協議の具体的内容、使用面積、協議により派生する責任及び不同意の可能性についてに一括してお答えします。
 本件公共用財産使用協議の具体的内容としましては、地質調査63カ所及び海象調査13カ所、総面積3783平方メートルの使用に関して環境保全の観点、災害防止の観点及び他の法令との整合性等の総合的な観点から支障が生じるか否かを精査・検討し、同意または不同意の判断を行うことになっております。協議後は、協議の結果が遵守されるよう公共用財産管理者である立場から監督する責任が生ずるものと考えております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 那覇防衛施設局の照会文書に関する県教育委員会の検討状況についてお答えいたします。
 那覇防衛施設局から11月17日付で文化庁長官あての照会と、県教育委員会あて同文書の進達依頼が提出されました。この照会は、文化財保護法に基づく手続ではなく、同局が辺野古沖で計画している地質調査及び海象調査が文化財保護法第91条第2項に言う文化庁長官の同意を求める手続をする必要があるか否かを照会しているものであります。
 したがって、県教育委員会では現在その調査計画の具体的作業内容やジュゴンへの配慮等に関して不明な点や疑問な点について那覇防衛施設局に確認を行いつつ慎重に検討をしているところであります。今後、県教育委員会としての意見をまとめ、文化庁長官あて進達をしていきたいと考えているところであります。
 以上です。
○農林水産部長(諸見武三) 農業振興について、園芸施設共済への県の補助金の継続についてお答えいたします。
 農業共済については、農家の自主的な相互扶助を基本としていることから加入率の向上が極めて重要であると考えております。しかしながら、本県の園芸施設共済事業は農家の加入率が低く、毎年のように多額の共済不足金を生じ極めて厳しい状況にあります。このため、県としては園芸施設共済事業の円滑な運営を図るため、平成14年度から農家掛金の一部を助成し共済加入率の向上を促進しているところであります。農家掛金の助成措置等の継続については現在農業共済組合連合会、農業共済組合及び市町村等の関係者と調整しながら検討を進めているところであります。
 続きまして、制度の拡充・強化のための具体的な施策についてお答えいたします。
 農業共済については、台風、干ばつ等災害の多い本県の農業振興を図る上で極めて重要であると考えております。農業共済制度の拡充・強化を図るための具体的な施策としては、1、農業共済団体の組織強化対策として運営事務費等の補助、2、事業借入金の利子補給の実施、3、離島特例として加入審査、損害評価、事故確認方法の改善等事務の簡素化、4、園芸施設共済の収支改善を図るための通常標準被害率の改善、5、共済資源台帳のシステム化及び共済連絡員体制の強化などであります。
 以上であります。
○企画開発部長(花城順孝) 鉄軌道系交通の検討についての御質問にお答えします。 
 軌道系を含む交通システムの整備については、沖縄自動車道や幹線道路などの既存ストックの活用、今後のバス網の再編やモノレールの延伸など多様な視点から調査を進めてまいりたいと考えております。現在は都市モノレールの整備を踏まえ、広域交通拠点及び拠点都市を結節する骨格的な公共交通軸の形成に向けて既存バス網の再編や基幹バスシステムの導入について検討しているところであり、今後、段階的に調査を進めていきたいと考えております。
 次に、観光客のレンタカー利用による交通渋滞への影響についての御質問にお答えします。
観光客のレンタカー利用が県内の交通渋滞に及ぼす影響については詳細には把握しておりませんが、自家用車やレンタカーなど自動車交通の増加により生じている交通渋滞は、県民生活はもとより観光を初めとした産業活動に影響を及ぼしているものと認識しております。県では、交通渋滞の緩和・解消を図るため交通容量の拡大、主要交差点の混雑解消、公共交通機関の利便性の向上等の施策を推進しているところであります。
 さらに、モノレール、バス、タクシーの機能的な結節による公共交通機関への転換を促進するとともに、時差出勤やパーク・アンド・ライドなどの交通需要マネジメントの導入促進を図るなど、今後とも交通環境の改善に向けハード・ソフト両面の整備について積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、北部振興策について、今年度の採択事業についての御質問にお答えいたします。
 今年度の北部振興事業は、非公共事業15件、公共事業19件が採択されております。そのうち、新規事業は非公共事業では大宜味村のシークヮーサー加工施設整備事業、東村の体験・滞在型観光振興事業、名護市久辺地区の生活環境整備計画策定事業など8件、公共事業では仲宗根運天線道路改良事業の1件であります。また、継続事業では、非公共事業で名護市の北部生涯学習推進センター整備事業、恩納村の赤間運動場整備事業など7件、公共事業では道路、海岸、港湾、漁港など18件となっております。
 同じく北部振興策について、執行済み予算と事業計画予定予算についての御質問にお答えします。
 平成12年度以降平成15年11月末までの執行済み予算は、公共事業で72億8000万円、非公共事業で196億円、合計268億8000万円となっております。
 また、これまでに採択された事業で平成16年度以降継続される執行見込み額は、公共事業72億1000万円、非公共事業15億3000万円、合計で87億4000万円となっております。これらを合わせますと公共事業は144億9000万円、非公共事業は211億3000万円、合計で356億2000万円となっております。
 北部振興事業基本構想は以後の事業にどのように生かされているかという御質問にお答えします。
 北部振興事業基本構想は、「北部振興並びに移設先及び周辺地域振興に関する基本方針」を踏まえ、北部12市町村が共同で策定したものであります。
 同構想は、北部地域における産業の振興、雇用機会の創出や定住条件の整備に資する事業推進方策や事業プログラムを策定したものであります。同構想の基本理念に基づきこれまでマルチメディア館、サーバーファーム、キノコ生産出荷施設、食肉処理施設や道路、港湾、海岸施設などが整備されております。今後とも、同構想の着実な実施により北部地域の振興が図られていくものと考えております。
 次に、同じく北部振興策について、国や県が行う公共事業は本来の振興策と言えるのかという御質問にお答えします。
 国や県が行う公共事業は、北部振興事業基本構想や北部市町村の要望を踏まえ、非公共事業との一体的な整備等地域の振興に相乗効果の高い事業を中心に実施をしております。これまでに名護市の北部生涯学習推進センタ-や緑のネットワーク広場、本部町の海洋ウェルネス・リゾート施設等の周辺道路や港湾の整備による利便性の向上、漁港整備による生産基盤の強化等を行っております。今後とも地元の要望に迅速に対応し、北部地域の振興に取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 農業振興について答弁漏れがありましたのでお答えいたします。
 多額債務農家の支援についてお答えいたしたいと思います。
 JAおきなわにおいては、固定負債を抱える農業者に対して経営改善計画書の作成を指導し、負債農家再建対策委員会を設置して支援を行っております。
 支援に際しては、農地担保の強制処分は可能な限り避けた上で違約金の減免を伴う負債整理資金の貸し付けを実施しております。また、負債整理資金の貸付要件を満たさない農業者に対しても、再建可能性が認められる場合はJA独自の償還期間の延長と金利低減を図ることとしております。県としても、地域農業の振興を図る上で負債農家対策は重要な課題であることから、部内に農業経営再建支援対策班を設置し、負債農家に対する経営改善計画書の作成等を指導しております。
 また、負債整理資金については、国、県の利子補給に加えて平成14年度からは県独自の上乗せ利子補給事業を実施しております。さらに、ことし10月に各地区農業経営改善対策連絡協議会が設置され、JA、市町村、農業改良普及センター等が一体となって負債農家の再建に向けた支援を強化しております。
 以上であります。
○玉城 義和 ちょっと休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時37分休憩
   午前10時40分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 再質問いたします。
 先ほどの土木建築部長、不同意もあり得るかということでもう一回明確な答弁をお願いします。
 それから知事公室長、管理運営は関係者と協議をするということで、県が抜けていますけれども、第2回協議会で出した県が運営の主体になるということは変更したんでしょうか。これをひとつお願いをします。
 それから使用協定でございますが、きょう初めてお聞きしたんですが、地位協定25条による合同委員会でこれを確認するということは、名護市と日本政府が結んだものをさらに25条による合同委員会でこれを別個協定をつくると、こういう趣旨であるんでしょうか、確認をしておきます。
 それから、防衛庁設置法5条19項は所掌事務というのがありまして、「駐留軍の使用に供する施設及び区域の決定、取得及び提供並びに駐留軍に提供した施設及び区域の使用条件の変更及び返還に関すること。」、こういうふうに書かれているわけですね。これが要するに仕事であります。
 これまで従来、防衛庁、施設局は、この法律の条項によって事業主体になることができないとこう言ってきたわけですね。ところが一転して報道のとおりだとしますと、この同じ断ってきた条文によって今度はできると、こういうことを言っているわけであります。
 私は、実にこれはもう、こうなってきますと法治国家日本としてはまさに地に落ちたというふうに考えざるを得ないわけで、法律の上に安保条約とか地位協定を上にすることによって法解釈をいかようにもねじ曲げていくと、こういう結果に今度の事態はなっているのではないかと、こういうふうに思わざるを得ないわけですね。県は、こういうことをどう認識されますか、お答えいただきたいと。
 そしてもう一つ、こういうことで防衛施設庁が仮に事業主体となって事業を進めた場合、逆につくってしまった施設は、これは軍の施設になるんではないかとこういうふうに思うわけですが、そこはどういうふうにお考えでしょうか。
 それから、軍民共用の採算性の問題について、私は、これはもうちょっと詳しく説明があれば再質問は省きたいと思っておりましたが、ほとんど説明がありません。それでちょっと詳しく聞きますが、先ほど47空港が赤字だとこういうことですね。本土の大きな空港ではもっと赤字幅が大きいわけで、特に佐賀空港とか秋田の大館能代空港なんていうのは、もうこれは悲惨な状況になっておりまして、各地空港は今大変な状況を迎えているわけでありまして、人集めに補助金を出したりして躍起になっていますが、なかなかうまくいかないと、こういう状況であります。この状況の認識ですね、こういう状況に各地方空港はなっていると。こういう認識を知事、どういうふうに思われますか。ひとつ知事の方からお願いしたいと思っております。
 それから1日6便3往復、これは非常に重要なところですね。どうしてかといいますと、知事は軍民共用空港と言っているわけですから、つまり軍民共用空港の民間部分が成り立ちませんと軍民共用空港も成り立たない。したがって、それがだめであれば15年問題も根拠を失うことになるわけですね。したがって、私は飛行機が飛ばせるかどうかというのは極めて重要だということで質問をしているわけでありますから、お答えをいただきたいと思います。
 1つは、北部地域の利用率を12.3%にしていますね、はじくのにですね。この根拠を示していただきたいと思います。
 それから、定住人口は15万人が達成されるという前提で利用率を修正されているわけですね。12.3から12.7にされている。ところが、まだまだ達成される見込みはないわけです。あと6年間で2万5000人ふやさなきゃならぬと、これができますかということです。できない場合にはこの修正率はどういうふうに考えるかということであります。
 それから、北部地域を出発地、目的地とする人々の70%が軍民共用空港を利用すると、こういう前提ですね。この根拠は一体何でしょうか。
 また、観光客の利用率、最高で30%とっていますね。この根拠も示していただきたい。そうしませんと1日に6便飛行機を飛ばすという根拠がわからないわけです。これは必要なことでありますから申し上げているわけです。これらを踏まえて北部地域の利用者が22.3%から28.3%とこういうふうにはじいているわけです。この数字もどこから持ってこられたかお示しいただきたいと思います。
 それで、この22.3%と仮にしても、県がはじく22.3%としてもこれで計算しても県の想定する65%の平均搭乗率でも700人が足りないわけですね、1機飛ばすのに。そうしますと、場合によっては飛行機が1機も飛ばないような軍民共用空港になる可能性があると。このことをどういうふうに考えるか、お聞かせをいただきたいと思います。
 今、航空会社は極めて大合理化の最中でありまして、むしろ分散ではなくて集中なんですね。合理化を図っているわけです。例えば、全日空も山形、青森、徳島路線を撤退をしたわけです。そして日航も宮崎、大分、熊本と減便をしたわけです。分散ではなくて集中なんですね。
 こういうふうに赤字空港のほとんどが理由としては、近隣にある既存の地方拠点空港に比べて空港ダイヤや、あるいは運賃面で有利な設定がなされなかったと、こういうことが大きな理由ですね。まさに私は、那覇空港と新しい軍民共用空港の構図は似ていると思うんですね。そういう意味で那覇空港の沖合展開を図り空港機能を飛躍的に向上させて利便性を高めていって、まさに1時間やあるいは40分に1本飛行機を飛ばそうと、こういう飛行場をつくろうとしながら、片や一方で乗る人がいるかいないかわからぬような、1便飛ぶか飛ばないかわからぬような飛行場をつくるということが、どこでどう整合性を持つか、ここのところはやはりこの時点で明らかにしていただきたいというふうに思っております。
 それから15年問題でありますが、任期中に解決をするとこう言われたわけでありますから、どういう状況になれば解決かというのは当然これは知事の頭の中になきゃならぬわけですね。それで私は、例えば日米両政府が合意をした場合、そして少なくとも15年後には日本政府が責任を持って基地を少なくとも県外へ、国外か国内かは別にして、少なくとも県外へ移設するということがなければ私は解決できないと思うんですね。そういうことを聞いているわけですから、知事、ひとつよろしくお願いを申し上げたい。
 基地の使用協定ですが、これは立入問題は非常に重要な問題だと思うんですね。我々は今、基地への事前通告後の立ち入り、あるいは緊急を要する場合の事前通告なしの立ち入りは地位協定を改定してやろうと、改定していこうと、こういうことですよね。そうすると今度、名護市、沖縄県、政府が一応合意した地位協定の原案は、このことについてアメリカ政府の合意を得ているかどうかという問題ですね。これは地位協定の改定も必要なわけですが、当然アメリカ政府、使用者が合意しないと何の意味もないわけです。そこのところを聞いているわけでありまして、その「日日協定」で足りるということはまさか考えてないと思いますが、どういう手続でこれを日米合意に持っていくかということが極めて私は重要だと思いますので、考え方をお聞かせいただきたいと思います。
 先ほどの答弁と関連してでございますが、今度できるものは改めて聞きますが、地位協定の中の25条で日米合同委員会にのせると、こういうふうに考えていいということですね。そのことをもう一回確認をしておきたいというふうに思います。
 それから、ボーリング調査については、先ほど申し上げましたことをもう一回不同意もあるということをここで答弁をいただきたいと思います。
 今回の調査目的は、護岸構造の検討に必要な調査としているわけですね。この護岸は当然に埋め立てと一体のものであるわけですから、当然私は護岸の建設も環境アセスの対象でなければならぬと思います。護岸だけつくれるわけじゃないんですから、護岸と埋め立ては一体のものでなければ意味がないわけですから、当然環境アセスの対象になるんではないかとこういうふうに思っております。
 農業共済については、知事の公約ですから、これはしっかりと来年度予算では取り入れていただきたいというふうに思います。
 ひとつよろしく答弁を願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前10時50分休憩
   午前11時19分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 玉城議員の再質問にお答えいたします。
 基地問題の中で、民間空港の事業主体の御質問でございまして、これは問題があるという御指摘がございましたけれども、私の方はこれは国がつくるべきということで基本的な考え方を持っておりまして、昨日も私の要請に対してできるだけ早く調整したいということを茂木大臣の方で述べておられますから、県としては法律も含めて国において早期に解決を図るべきだというふうに考えております。
 次に、15年の使用問題でございますが、この15年使用問題というのは高度な政治判断でございます。その高度な政治判断というのを決定させるためには、やはり多くの県民が多くの国民がこの沖縄の基地問題というのを単に国民一人一人の問題ではなく、全体の問題であるという認識を強く持っていただくということが大変重要だというふうに考えております。その意味で私が全国行脚あるいは多くの団体にもいろいろ地位協定の問題をお願いしていますのは、究極的にはこの点が一番重要なポイントでございまして、多くの国会議員がそういう形でバックアップする形になれば、総理の決断というものに持っていくということに対して最も近道でございます。しかも、私どもの方としては一つのきっちりとした期限を設けております。着工までに何らかの進展なしには着工はあり得ないということを明快にしておりますから、その線に沿って全力を尽くしていきたいと思います。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
 民間空港の管理運営について県は加わらないのかという質問ですが、県は第2回代替施設協議会において「民間機能として代替施設に設置される飛行場施設の管理運営については、国及び地元地方公共団体と相談の上、県を中心として検討していきたいと考えております。」と述べております。
 使用協定と地位協定25条との日米合同委員会との関係についてですが、基本合意書において使用協定の内容については日米地位協定25条に規定する日米合同委員会で合意を得るとしております。 防衛施設庁の事業主体になった場合、軍の施設になるのではないかという問いですけれども、普天間飛行場の代替施設として国が整備するものであります。
 民間部分の経営についてどう思うかと。
 全国の県営空港は、空港整備法に基づいて地方公共団体が設置管理している空港です。それに対して代替施設は普天間飛行場の代替施設として国が建設する飛行場であり、基本的にその性質は異なるものと考えております。県としては同施設の民間機能を活用して雇用機会の確保や産業の振興を図り、地域経済発展の拠点を形成するとともに、移設先周辺地域における振興策や空港活用型の産業振興等について国の支援を得ながらその実現を図ることにより採算性は確保されるものと考えています。
 使用協定で求める立ち入りについてでございますが、使用協定の締結は名護市の移設受け入れの条件であり、また閣議決定にうたわれていることから、今後日米合同委員会等での合意を初め使用協定の定期的なフォローアップを行うこと等により実効性が図られていくものと考えています。
 代替施設の使用に関する協定の締結については、閣議決定された政府方針の中で、「地方公共団体の意見が反映したものとなるよう、政府は誠意をもって米国政府と協議を行い、」と明確にうたわれており、地元名護市の意向は尊重されなければならないと考えています。県としては今後とも名護市と連携し、使用協定締結に取り組んでいきたいと考えています。
 需要予測の信頼性についてですが、第2回代替施設協議会で県から需要予測について説明しました。これを受けて運輸大臣は、「代替施設における民間機能の位置づけに関しまして考え方を取りまとめられた沖縄県の努力を極めて高く評価したいと思います。」と発言しており、県の需要予測については代替協議会の場で認知されたものと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 再質問の、不同意もあり得るかの御質問にお答えいたします。
 公共用財産使用協議の審査は、その財産の用途を妨げないか、財産管理上や環境保全上の支障はないか、他の法律への抵触はないか、利害関係者との調整は図られているか、必要書類は添付されているか等について関係機関の意見を聞きながら総合的に審査を行うことにしております。したがって、これらの審査事項に著しく支障が生じるか、またはそのおそれがあり、事業者との協議でこれを回避する措置が講じられない場合は調整不調ということで不同意もあり得るということでございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時27分休憩
   午前11時36分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) 今、答弁漏れのことについてお答えいたします。
 今回の公共用財産使用協議につきましては、あくまでもボーリング調査のための使用協議ということでございます。護岸構造埋め立てということではございません。
○知事公室長(新垣良光) お答えいたします。
 6便3往復の件でございますが、民間機能における旅客量の潜在的ポテンシャルの2010年度での見込み、それから北部地域での民間機能における旅客量の潜在的ポテンシャルとか、そういうことからして約20万人の利用がされると見込んでおりまして、3往復は必要であるというふうに考えておりまして、代替協議会においても認められているところでございます。
 それ以外のことにつきましてはお答えしたとおりでございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時38分休憩
   午前11時40分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 土木建築部長。
   〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) ただいまのボーリングの使用許可の目的でございますけれども、これは使用協議の申請書のところで使用の目的というのがございますけれども、その中で使用の目的は地質調査、海上ボーリング、それから海象調査ということで提出されております。
 以上です。
○玉城 義和 お聞きのように、さように全く意味がわかりません。
 もっときちっとやりたいんですが、きょうは午後の日程もそれぞれありますのでその辺も考えてもう一回やりますが、これは那覇防衛施設局はちゃんと目的を書いた作業計画を出してやるわけですね。単なるボーリングじゃないわけですから、そこのところを答えてください。
 それから、1日6便3往復というのは根拠は何かと聞いているわけですね。ポテンシャルという、どういう可能性があって、どういうことでそういう可能性が出てくるのかと。10万とか20万が出てくるかということを聞いているわけですからお答えをいただきたいというふうに思います。
 それから、護岸と埋め立ては一体のものである。これはだれが考えてもそうですね。だからこれはアセスの対象になるんではないかとこういうふうに言っているわけですから、もう一回それをお答えをいただきたいというふうに思います。
 それから、防衛施設庁がやればこれは軍の施設になるんではないかということですね。現行法から言って軍の施設になるんではないかというふうに思いますが、ここはどういうふうにお考えか、ぜひお願いしたいと。
 それから知事公室長、25条による日米合同委員会にかけるということは、日本の米軍基地は全部地位協定で運用されるわけですね。したがって、この沖縄県と名護市と県が結んだとりあえずの仮定の協定は、正式には25条によって合同委員会にかけて正式な文書にすると、こういうことで考えていいんでしょうか。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時43分休憩
   午前11時46分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) 1日6便の根拠についてお答えをいたします。
 国交省の「数字で見る航空」、県企画開発部の那覇空港将来整備構想基本調査、国交省の航空旅客動態調査、県宿泊施設利用状況調査、県「沖縄県の園芸流通」、沖縄郵政管理事務所のゆうパックの販売状況等を利用して推計したものでございます。
 それから、2点目の使用協定の件なんですけれども、政府は使用協定の内容について日米合同委員会等で合意を得るとなっております。
 それから、軍の施設になるのではないかということですけれども、普天間飛行場の代替施設として国が整備するものであります。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 今回、使用協議が出ている協議の内容はボーリング調査ということになっておりまして、このボーリング調査は埋立事業計画を作成するために埋立地の護岸構造の検討が必要であることから、事業に先立って行われる地質調査等でありまして、調査そのものは環境影響評価法の対象事業ではありません。護岸の構造の検討が必要ということで、護岸工事そのものではございません。工事をする事前の調査はアセスの対象にはならないとこれまで御答弁を申し上げたところです。ですから、護岸工事そのものは埋立事業と不離一体となって将来アセスが必要になります。
○玉城 義和 お聞きのようにすべてがよくわからないということであります。
 特に民間部分については、これからも私は本格的に3月を含めてやってまいりたいと。
 1日6便3往復という根拠がきょう全く示されなかったということと、護岸と埋め立ては一体でありまして当然これはアセスの対象になるべき事業ですね。そこを巧妙に分けて使うというのは、私は実にこれはひきょうなやり方だと思っていますし、県民の理解は得られないと思っています。引き続き民間部分を含めてやってまいりたいと思っています。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時51分休憩
   午後1時17分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 当山全弘君。
   〔当山全弘君登壇〕
○当山 全弘 県議会議員の志半ばで亡くなられました渡久地健議員のみたまに対し御冥福をお祈り申し上げます。
 それでは一般質問を行います。
 基地問題について。
 (1)番目に、キャンプ桑江跡地の鉛、砒素、六価クロム汚染等についてであります。
 北谷町キャンプ桑江北側の返還地で有害物質が検出されました。11月13日、防衛施設局は、4月の返還後に油やPCBが見つかるなどをしたキャンプ桑江北側跡地と隣接する米陸軍貯油施設跡地で行った土壌調査の結果を発表した。その土壌から土壌対策法で定める基準値の20倍の鉛が検出されました。
 次の質問を行います。
 (1)番、有害物質は何か、また有害物質はどのように使用されていたか、因果関係について伺います。
 原状回復と環境浄化について伺います。
 返還に際して米側が原状回復や補償の義務を負わない日米地位協定は基地の整理縮小と矛盾しているが、その対策について伺います。
 (2)点目、普天間飛行場代替施設の建設計画について。
 石川、金武、宜野座の3漁協は、代替施設の建設には潮流の関係で漁業海域が汚水などの影響を受け、沿岸での漁獲量が減り損害を受けると指摘をしております。この普天間基地の建設には環境破壊につながり漁民には死活問題だと訴え、反対表明をしているが、その対応について伺います。
 基地が集中している第2選挙区において、基地の県内移設の反対政策を掲げて選挙戦に臨んだ候補者が約6割を得票しました。そのことは普天間飛行場の県内移設反対の県民意思であると思うが、どう認識し対応するのか伺います。
 1996年12月2日、SACOの最終報告で普天間基地は名護市辺野古地先と決定されて以来、7年が経過しようとしている。7年以内の返還のめどではなかったのか。また、何が原因で延びているのか伺います。
 環境破壊や海域汚染等につながり反対の意思表示も多く出されました。軍民共用飛行場の事業主体もようやく決まりつつありますけれども、使用期限の15年問題も宙に浮いたままであります。このままでいくとあと15年ないし20年はかかると言われております。この際、県内移設を撤回し伊波市長の5年以内の返還に協力すべきと思うが、知事の所見を伺います。
 在日米軍の編成を抜本的に見直すことについて伺います。
 米国は、在日米軍の抜本的見直しに向けた本格的な協議を政府と開始し、二、三年以内に結論を出すとしている。県民の求めている基地の整理縮小につながるのか。また、新たな機能が付加されるのか、重要な時期を迎えております。基地の75%が存在する基地の島の知事としての行動力が問われております。どのように認識し対応するのか伺います。
 2点目、市町村合併について。
 地方制度調査会は、県が市町村に合併を推進する目安として人口1万人未満を明記した最終答申をまとめて答申をしました。本来、住民の意思である合併を地方債特例などの財政支援措置を盛り込んだ特例法を制定し合併を促進してきました。長年の地域的な結びつきや離島という自治体の抵抗も強く、政府や県の思うようには進んでおらず、目標達成にはほど遠く、2005年3月に期限が切れる特例法にかわる新法の制定を求めております。
 次の質問をいたします。
 地方制度調査会の答申と今後の対応について。
 第27次地方制度調査会は、今後の地方自治制度のあり方について11月13日答申した。その内容について伺います。
 今後の地方自治制度のあり方について、離島県の立場から独自の意見書を調査会及び総務省に提出しているが、その内容について伺います。
 県の提出した意見書は、今後の地方自治制度のあり方に十分に反映されているのか。また、合併期限後の対応について伺います。
 3点目、拉致事件とその対策について伺います。
 最近、生徒や児童、特に女の子をねらった拉致未遂事件が発生をしております。未成年者への声かけ事案や、児童生徒に道を尋ねるふりをして車などで連れ去ろうとする未成年者略取未遂事件が各市町村で相次いで発生しております。子供を犯罪から守るための活動が強く求められております。事件発生に歯どめがかからない現状を学校、PTA、地域住民の危機意識のもとに住民が力を合わせて防犯活動に取り組む必要があります。
 次の質問をします。
 拉致未遂事件の推移と対策について伺います。
 県警と教育委員会の対応はどうですか。
 各市町村の取り組み状況、特に県内で拉致未遂事件が多発していることを受けて不審者を一掃する必要があります。各市町村での緊急大会の開催が求められるが、その状況と取り組みについて伺います。
 4点目、憲法9条改正の危機と自衛隊のイラク派遣について伺います。
 米国の平和憲法の精神を普及する活動家チャールズ・オーバービーさん、米オハイオ大学名誉教授が北中城村で11月17日講演し、日本の憲法9条の改正論議について「「戦争を知らない若い政治家たちが、軍事力を必要というのが悲しく、恐ろしい」と危機感を募らせた。」、「私は米国を愛するから言いたい。世界の多くの問題は国際条約を無視したブッシュ政権のごう慢な姿勢に基づいている。」とブッシュ政権を厳しく批判しております。日本政府の対米追従によるイラクへの自衛隊派遣についても批判をしました。憲法9条については、「戦争放棄は子どもにも分かるほど明確だ。他国とは武力行使ではない別の交流方法を見いださなければならない」と強調をしております。
 知事の憲法9条改正の危機意識と自衛隊のイラク派遣について所見を伺います。
 教育行政について、教員の悩みに関する調査結果から。
 最近特に少年非行が増加し、検挙される小中学生もふえる傾向にあります。非行や落ちこぼれ等を防止するために生徒の指導等で悩みを抱える教師が多数いることも判明をしております。生徒指導のあり方や人間関係で苦悩し、精神的なストレスにより病休の教師がふえ、早急なメンタルヘルス事業の実施を行い、一日も早い職場復帰の対策が求められております。
 次の質問をいたします。
 教師が抱える心の病に対応するための相談事業の実施状況と病休教師の実態について。
 県内の病気で休職している教師は、全国的に見て沖縄はどの位置を占めるか。また、学校の週5日制で授業が詰め込まれ、ゆとりがなくなって教師のストレスにつながってはいないか。
 各学校での現場教師との日ごろからの話し合いでその悩みの解消につなげなければいけないが、その対応について。
 病休教師の相談窓口と訪問ケアはどうなっているか。
 県内の最高学府である琉球大学の琉大祭で、大学生風の人が中学生等に酒を販売した。飲酒した生徒が数多く発生したとマスコミは報じております。学園祭は、子供たちに夢と希望を与えるために地域に開放されるべきものであって、昨年に引き続き2度も同じ問題が起きております。事実を確認し大学側に指導の徹底を求めるべきだと思うが、その経過と対応について教育長の所見を伺います。
 来春の高卒者の就職内定率が全国34.5%に比べ、県内は最下位の6.6%で全国で最も低い。厳しい就職内定状況だが、企業訪問等その状況と対策について伺います。
 6点目、福祉行政について。
 国民健康保険の保険料の滞納世帯が前年同期から43万世帯ふえ、過去最高の450万世帯に達していることが判明しております。沖縄県も滞納世帯が6万7483世帯と25%を超え、全国3番目に位置づけされております。これは過去最高で失業や雇用不安につながっております。このことは加入者である自営業や農林水産業従事者及び無職の人が加入していて、高齢者の割合や医療費が膨れ上がり、自然に収入がなく滞納につながており、相互扶助である国民健康保険財政を圧迫している要因につながっております。早急な対策が求められております。
 次の質問をいたします。
 国民健康保険の滞納について。
 失業者の増加等が原因で国保税を納めることができない世帯が多くなっているとマスコミは報じております。その実態をどう認識し対応するのか伺います。
 国保税の減免措置や徴収猶予の状況についても伺います。
 次に、我が会派の代表質問との関連について伺います。
 1点目、普天間飛行場について。
 SACO合意は橋本元総理・モンデール会談で5年ないし7年の間に普天間基地は返還すると発表しました。2003年12月2日の期限を過ぎても宜野湾市民は返還はおろか、爆音被害に悩まされ続けております。これは知事が基地の県内移設を容認し、15年使用期限を設定し、軍民共用空港建設を打ち出したための政治手法のおくれであることは明白でありますけれども、知事の所見を伺います。
 2点目に、米軍基地の返還調査について。
 キャンプ桑江の返還地で六価クロム等が検出されました。そのことは土地の有効利用ができないばかりか資産価値も下がり、地主に損害を与えていることは明らかであります。沖縄にある2万3729ヘクタールの軍用地及び地主3万1784人がいる米軍基地は相当に汚染されている可能性があり、土壌環境汚染を防ぐために環境調査を徹底すべきであると思いますけれども、この対応と知事の所見について伺います。
 あとは答弁によって再質問をいたします。よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、衆議院選挙沖縄第2選挙区結果の認識についてでございます。
県民にはさまざまな意見があることは承知しております。しかしながら、ベストの方法がない以上、ベターな方法を選択していくのが私の手法であり、現在行われている移設作業を進めていくことが普天間飛行場の早期返還につながる現実的で実現可能な方法と考えております。今後とも、同飛行場が一日も早く返還されるよう引き続き努力していきたいと考えております。
 続きまして、SACOの最終報告についての御質問にお答えいたします。
 平成8年12月のSACO最終報告では、「今後5乃至7年以内に、十分な代替施設が完成し運用可能になった後、普天間飛行場を返還する。」となっており、代替施設の建設が返還の条件となっております。普天間飛行場の移設問題は、前県政が最終段階において県内移設を拒否したため、返還に向けた動きが全くめどのつかない状況になりました。このような状況の中からスタートしたこともあり時間を要しましたが、昨年は代替施設の基本計画が策定されるなど返還の実現に向けて着実に進んでいるものと考えております。
 次に、5年以内の返還問題についてお答えいたします。
 普天間飛行場の返還については、県としては現在行われている移設作業を進めていくことが早期返還につながる現実的で実現可能な方法と考えており、一日も早く返還されるよう引き続き努力していきたいと考えております。
 次に、在日米軍の見直しに対する認識及び対応についてお答えいたします。
 県は、県民の基地負担の軽減を図るため基地の整理縮小や海兵隊を含む在沖米軍兵力について、これまであらゆる機会を通じて日米両政府に訴えてまいりました。ラムズフェルド国防長官が去る11月16日に来県した際に、県民が基地の整理縮小を強く望んでいることやSACO合意事案以外のさらなる基地の整理縮小及び在沖米軍兵力の削減等を検討するよう強く訴えたところであります。県としては、長官の沖縄訪問を契機に沖縄の基地問題が目に見える形で進展するよう今後とも情報収集を行うとともに、米国政府の動向を注視しつつ、あらゆる機会を通して基地問題の解決促進を訴えていきたいと考えております。
 次に、自衛隊のイラク派遣についての御質問にお答えいたします。
県としては、国連を中心としたイラクの復興が一日も早く実現することを期待しており、我が国も関係各国と協力しながら主体的に貢献していくことが望ましいと考えております。イラクへの自衛隊派遣は、イラクの人道復興支援を目的としたものだと承知しておりますが、国民の理解を得るためにも自衛隊の派遣に際しては十分な議論を深めるとともに、派遣地域や活動内容等について慎重かつ十分な検討が行われることを強く望むものであります。
 次に、SACO合意と普天間飛行場移設についての御質問にお答えいたします。
 平成8年12月のSACO最終報告では、「今後5乃至7年以内に、十分な代替施設が完成し運用可能になった後、普天間飛行場を返還する。」となっており、代替施設の建設が返還の条件となっております。普天間飛行場の移設問題は前県政が最終段階において県内移設を拒否したため、返還に向けた動きが全くめどのつかない状況の中からスタートしたこともあり時間を要しました。普天間飛行場の移設については、閣議決定された政府方針に基づき、代替施設協議会における協議を経て昨年7月に基本計画が決定されるなど一歩一歩進められてきたところであり、着実に進展しているものと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 有害物質の使用状況及び因果関係等について一括してお答えいたします。
 那覇防衛施設局の説明によると、土壌汚染対策法に定める基準値を超える汚染物質として砒素、鉛、六価クロムが検出されたとのことであります。また、建物からはPCB入りの疑いのある蛍光灯安定器338個が発見されたとのことであります。同安定器については、建物撤去作業中に建物内の蛍光灯から発見されており、砒素等の有害物質はバスターミナル跡地等から発見されたとのことであります。
 キャンプ桑江の返還跡地については、地位協定で米軍の原状回復義務が免除されているため現在国が環境調査を行っておりますが、返還後の跡利用を円滑に進めるためには返還前の段階で十分な環境調査と汚染の除去などの措置を講ずる必要があります。県としては、米軍基地に係る環境問題の根本的解決を図るためには、汚染の原因者である米軍に原状回復義務を課することも含めて、日米地位協定の抜本的見直しが必要であると考えております。
 石川市など3漁協の表明についてにお答えいたします。
 県は、代替施設の建設については地域住民の生活に十分配慮するとともに、自然環境への影響を極力少なくすることを移設に当たって整備すべき条件の一つとしております。今後、代替施設の基本計画に基づき環境影響評価が実施され、より詳細な検討が行われるものと考えており、県としては自然環境への影響を極力少なくするよう引き続き国に対し要望していきたいと考えております。
 米軍基地内への立入調査についてにお答えいたします。
 県としては、県民の生活環境や自然環境を保全し、また基地返還跡地の利用を円滑に進めるためには米軍基地の環境調査が必要であると考えており、これまでにも環境調査のための基地内への立ち入りを求めてきたところであります。基地内への立ち入りについては、日米合同委員会合意により立ち入りの手続が合意されておりますが、緊急時の立ち入りが明示されていないほか、立ち入りの許可が米軍の裁量にゆだねられているなど、県が求めている速やかな立ち入りが実現しているとは言いがたい状況にあります。このため、県は日米地位協定に環境保全に関する新たな条項を設けることや、関連する条項の改定も含め日米地位協定の抜本的な見直しを要請しているところであります。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 第27次地方制度調査会の答申内容についてお答えいたします。
最終答申の主な内容は、平成17年4月以降の合併推進の手法として、現行の合併特例法にかわる新法により自主的な合併を促すこととし、必要に応じて都道府県が合併構想を策定することとしております。その際、地理的条件等を考慮するものの、同構想の対象となる小規模市町村の目安としておおむね人口1万未満としており、同構想に基づき知事による合併協議会設置などの勧告、あっせんなどが示されております。
 また、住民自治の強化などを目的として地域自治組織を設置できることとし、そのタイプとして、一般制度として必要な区域に任意に設置できる行政区的なタイプと、合併市町村に限り旧市町村単位に合併後の一定期間設置することができる法人格を有する特別地方公共団体とするタイプが示されております。
 次に、意見書の内容と答申への反映及び合併期限後の対応について一括してお答えいたします。
 県では、6項目から成る「地域自治組織のあり方等に関する意見書」を県内市町村からの意見を集約した上で、県と市長会、町村会との連名で去る10月に第27次地方制度調査会の諸井会長等に対し提案したところであります。
 その主な内容としましては、地域自治組織の弾力的な制度化や常設機関としての設置及び合併の有無にかかわらず、一島一町村などの離島町村について特別な財政措置等となっております。提案に対し、おおむね理解が得られたものと考えており、地方制度調査会の最終答申においても地域自治組織の位置づけ等、意見書の内容がある程度反映されていると考えております。
 合併特例法の期限後につきましては、第27次地方制度調査会の最終答申によれば、現行の合併特例法は延長しないこととし、新しい法律のもとで平成17年4月以降一定期間さらに自主的な合併を促すとしております。この新法では、現行法のような財政支援措置によらない、合併に関する障害を除去するための特例を中心として定めることとしております。
 以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 拉致事件の推移等についてお答えします。
 略取事件、いわゆる拉致事件と声かけ事案の過去5年間の発生状況でありますが、略取事件は、平成11年2件、12年5件、13年2件、14年6件で、本年は11月末現在で15件であります。
 一方、声かけ事案の発生状況は、平成11年9件、12年19件、13年29件、14年26件で、本年は11月末現在で64件であります。
 また、被害者の男女別、年齢等についてでありますが、平成11年から本年11月末までの間、略取事件と声かけ事案の被害者は205名でありますが、そのうち約9割が女子で、さらにその約半数は8歳から12歳までの女子児童生徒であります。
 次に、拉致事件等への県警の対応についてでありますが、県警では多発傾向にある児童を対象とする拉致事件等を未然に防止するため、各警察署ごとに多発時間帯と多発地域を中心に学校及び公園周辺、通学路における注意喚起と警戒警らの実施、発生状況や手口を初め防犯上の死角の改善方法等の防犯対策に関する情報の提供、学校や自治会等における防犯教室を開催し、被害時の対応要領や不審者発見時の通報要領等の防犯指導等の諸対策を全県的に強化しているところであります。
 次に、各市町村の取り組み状況についてでありますが、県警では、各警察署ごとに管内の市町村において地域の自主的な防犯活動の支援対策を強化しておりますが、主なものとして、浦添市においてはPTA連合会による1万人の市民パトロールが実施され、西原町においてはPTA連合会による緊急集会が開催され、地域、行政、警察の連携・強化を確認し、与那原町においては緊急対策会議が開催され、防犯パトロールや子ども110番の「太陽の家」の活用等が強化されるなど、各地において行政、地域、警察が一体となった防犯活動を実践しているところであり、児童を守る対策の輪が県内全域に徐々に広がっている状況にあると認識しております。
 以上です。
○教育長(山内 彰) 県内の拉致事件に対しての県教育委員会の対応と各市町村の取り組み状況について一括してお答えいたします。
 現在、県下のほとんどの地域や市町村、学校においてその具体的な取り組みがなされております。浦添市では、住民総出の1万人パトロールで啓発活動が行われ、豊見城市では「不審者を一掃する豊見城市緊急大会」を開くなど、地域ぐるみの取り組みがなされております。また、各学校では緊急PTA集会や緊急対策会議を開催し、保護者及び地域住民の防犯意識の高揚と防犯対策が講じられております。このような取り組みは、子供たちは地域で守るというよりよい社会環境づくりにつながり、地域の教育力の充実という点でも大きな意義があると考えております。
 県教育委員会では、通知文書の発送や各地区の取り組み状況の情報提供等を行い、より効果的な安全対策が図られるよう支援しているところであります。また、年間を通して各市町村と連携した夜間街頭指導の継続実施や児童生徒育成サポート制度による警察官派遣事業など、警察本部と連携した活動を実施しております。今後も警察、PTA、関係機関、地域などとの連携を一層深め、教育活動の面から安全対策に努めてまいりたいと考えております。
 次に、教員の悩みに関する相談事業と病休教師の実態、相談窓口等について一括してお答えいたします。
教職員の精神性疾患への対応については、教職員の悩み相談事業や平成14年度から新たに教職員等のメンタルヘルス相談事業、「教職員健康相談24」等を実施して心身の健康づくりに努めているところであります。
 本県の教職員の病気休職者の実態は、数にして平成14年度260名で、そのうち精神性疾患は82名となっております。また、病気休職者に対しては教職員の悩み相談事業、教職員等のメンタルヘルス相談事業、スクールカウンセラー配置事業等が相談窓口となって対応しているところであります。
 なお、訪問ケアについては、現在直接的にはかかわっておりませんが、今後、関係部局との連携に努めていきたいと考えております。
 次に、休職の状況と教師のストレスについてお答えいたします。
 本県の教職員の病気休職者の数は、全国比較を見ると、平成13年度のデータで在職者数における比率を比較しますと休職者数が279人で、これは全教職員に占める割合は1.66%であります。全国は0.56%となっており、本県は高い数値になっています。他県との比較については、病気休職に至る前の病気休暇日数の取り扱いが県によって異なっておりまして、単純に比較できないところがありますので御理解ください。
 なお、御指摘のように完全学校週5日制及び新教育課程の実施により教育内容や週の授業時数が変わるなど教育環境の変化に伴い、教職員によっては生徒指導や学級経営等で悩んでいる状況もあると存じます。しかしながら、完全学校週5日制の実施が教師のストレスの直接的な要因となっているか否かについては、実際として実態の把握が困難であり明言し得ないのが現況であります。
 次に、悩み解消への対応についてお答えいたします。
 御提言のとおり、話し合いでの悩み解消はとても大切であり、学校で最も大切なことは対話をもって理解を図り、その中で豊かな人間関係をはぐくむことが重要であると考えております。そのため、学校においては校長を初め教職員相互が気軽に話し合える明るい職場づくりを目指すとともに、スクールカウンセラーの配置及び管理職等による相談活動ができるような雰囲気づくりに努めているものと考えています。
 現在、各学校には産業医や養護教諭による健康相談、教職員の悩み相談事業、教職員等のメンタルヘルス相談事業等を実施し、教職員の悩みの解消に努めているところであり、県教育委員会としましては、今後とも校長を中心に教職員一人一人の意見を尊重し、相互理解のもとでよりよい学校運営ができるよう支援していきたいと考えております。
 次に、琉大祭での中学生等の飲酒問題についてお答えいたします。
 琉大祭で未成年者に無理に酒を勧めるという事件が起きたことに大きな衝撃を受けております。
 県教育委員会としましては、この問題について近隣市町村教育委員会及び県立の学校と連携を図り実態把握に努めてまいりました。その結果、861名の中学生が琉大祭に参加し、うち167名が飲酒したとのことであります。また、高校生は1497名が参加し、うち178名が飲酒したとのことです。このことを踏まえ、大学に赴き再発防止について申し入れを行ったところであります。
 なお、県教育委員会としましては、今回の問題を踏まえ、みずからのことをみずからで守り、規律正しく生きる力を身につけさせる──いわゆるライフスキル教育と言っておりますけれども──ライフスキル教育の充実を深め、さらに社会生活における規範意識の形成を図るなど現在行っている喫煙、薬物乱用、飲酒防止教育の徹底に努めていきたいと思います。
 次に、厳しい就職内定状況に対する対応についてお答えいたします。
 高等学校の進路指導は、生徒に将来の夢や希望、目的を見出させ、将来に向けて自己実現ができるようキャリアガイダンス等の指導・援助を行い、生徒の出口をしっかりと保証することが重要であると考えております。しかし、現況としては御指摘のとおり厳しい雇用情勢の中、県内外とも求人数が少なく就職内定率も厳しい現実にあり、生徒たちの要望にこたえられるようさまざまな取り組みが必要であり、努力をしているところであります。
 県教育委員会では、就職相談補助員の41校への配置や県校長会の求人開拓事業など、県内・県外求人開拓等を積極的に実施し活路を開くよう努めているところでございます。また、沖縄労働局、県商工労働部と連携し、県内・県外企業合同説明会、面接会等を実施し、就職内定の促進を行っているところであります。そのほかにも、学校においてはインターンシップを実施し、望ましい職業観、勤労観の育成に取り組んでおります。
 今後とも地域や父母、関係機関と連携し、広く県民の理解と協力をお願いしつつ積極的に求人開拓に取り組み、本年度の目標である70%の内定率達成に向けて取り組みを強化したいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 国保税滞納世帯の実態と対応策についてお答えいたします。
 国民健康保険は、各市町村等が保険者となって運営しており、平成15年6月1日現在、県内市町村国保税滞納世帯は5万1771世帯で、国保加入世帯の19.5%となっています。国民健康保険制度は、被保険者が保険税を負担して運営される相互扶助の制度ですので、滞納の増加は国保の運営に重大な影響を及ぼします。
 滞納世帯の中には、所得が低いために滞納している世帯と、十分な負担能力があると思われ特別な事情がないにもかかわらず滞納している世帯とがあり、市町村ではその取り扱いに苦慮していると聞いています。このため、各市町村では滞納者と話し合ってその事情を把握し、納税意欲はあるけれども経済的事情で納付が困難な世帯には、短期被保険者証で当面必要な医療給付を行いながら、引き続き納付に向けた助言を行っています。また、必要に応じて分割納付や減免等の措置を行い、あるいは被保険者資格証明書を発行するなど被保険者の理解を求めながら収納の向上に努めております。
 続きまして、国保税の減免措置や徴収猶予の状況についてお答えいたします。
 国保税の減免及び徴収猶予は、市町村の条例によって実施されており、天災等による被害で減免を必要とすると認められる者や、その他特別の事情がある被保険者に適用されます。減免は、分割納付や納期限の延長を行ってもなお納税が困難な場合に実施され、その運用は他の納税者と均衡を失しないよう慎重に行われるものと理解しています。
 平成14年度においては、16市町村で2511世帯に減免が実施され、減免額は2億406万円になっています。平成14年度における徴収猶予の取り扱いについては、ないと聞いております。
 以上でございます。
○当山 全弘 二、三再質問をいたします。
 まず教育長ですね、病休職員が279名となっておりまして、これは恐らく臨時的な補充でなされているのかなと思うんですけれども、そのような休職に対する対応ですね、これはどうなっているか。
 それともう一点は、この休んでいる教職員の皆さん方の身分はどうなるのか。給与規程による給与とかそういうのは全額支給なのか。これはいつまで休めるのか、そこら辺のことについてちょっと聞かせていただきたいと思います。
 次に、国保税の滞納についてでありますけれども、私は、再質問で保険料滞納世帯がこれはもう前年度に比較しまして相当な数に今なっているわけですよね。そして滞納世帯等については19.3%とわかっておりますけれども、全国的に見まして平成9年が42位、10年が40位、11年が36位、12年が36位、13年が31位、14年の実績が出ておりませんので、全国的にはどこで位置づけされるか。
 それともう一点は、これは保険料を1カ年以上滞納しますとペナルティーがあるわけですよね。被保険者証を取り上げまして、被保険者資格証明書というのを発行するわけですよね。そしてこの資格証明書によって一応病院で受けるけれども、医療費は全部個人負担になってしまうわけですよ。これは滞納してしまうと、後で相当な額を自分で納めなきゃいけないというふうな格好になろうかと思いますので、この被保険者資格証明書の実態ですね、どれくらいの金額で、どれくらいの市町村が何件くらい出されているか、説明をしていただきたいと思います。
 それから基地問題についてでありますけれども、普天間基地の移設につきましては、代替施設の完成が移設条件ということで知事はおっしゃっております。
 そこでお伺いしますけれども、返還合意は5年でしたよね、5年ないし7年。まだまだ先のことじゃないかなと思うわけです。そしてここでお答え願いたいのは、辺野古の移設作業について環境アセスは何年かかるのか。埋立工事とかそういったのは何年かかるのか、滑走路の付随施設はどれくらいかかるのか、そこら辺をひとつ説明をしていただきたいと思います。
 もう一点は、米軍基地の環境調査についてでありますけれども、これは確かに日米地位協定によって軍事基地については立入調査が制限されているわけですよね。ですけれども、この米軍の原状回復義務の免除ということを盾にとっていただいて、地主とかそういった汚染等につながることについては全く知らぬふりということは、これは許されるべきじゃないと私は思うんですよ。ですから、ここで言いますけれども、米軍の用地の管理状況について米軍の方に、防衛施設庁を通じてでもいいからただすことはできないのかどうかですね。米軍が使っている管理状況について全く公表されてないわけですよね。何があるのかわからないし、大変深刻な問題じゃないかなと思っておりますので、答弁をよろしくお願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後2時4分休憩
   午後2時9分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 山内 彰君登壇〕
○教育長(山内 彰) 当山全弘議員の再質問にお答えいたします。
 1点目の休職者への代替でございますけれども、これは制度的には臨時的任用教員で充てております。別名代替補充教員と呼んでおりますけれども、その期間をすべて任用するという形になります。
 2つ目の休んでいる者への給与上の待遇はどうなっているかということでございますけれども、これは1つには、地方公務員法28条がありましてまず保障がされております。1年間を有給とすると。1年を超えた場合には無給になっていくと。したがって、休職期間が3年を超えない範囲内において対応するというふうになっておりますので、3年間の休職が地方公務員法及びそれを受けまして本県の沖縄県職員の分限に関する条例でもって保障しております。
 なお、2年目からは無給でございますけれども、その間においてまた共済組合で100分の80の保障をしてあげている状況でございます。
 以上です。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 再質問の国保の収納率順位についてお答えいたします。
 平成14年度における国民健康保険税の収納率は91.81%で、厚生労働省が発表した速報値の全国平均90.39%と比べて1.42%上回っております。
 なお、都道府県別の数値についてはまだ入手できていないため順位は不明であります。
 ちなみに、平成13年度は全国平均の収納率91.92%に対し本県は90.87%で31位でありました。
 続きまして、被保険者資格証明書の交付状況と対策についてお答えいたします。
 県内各市町村が交付した被保険者資格証明書は、平成15年6月1日現在129件で、滞納世帯のうちの0.25%となっております。全国では25万8332世帯に交付され、滞納世帯のうちの5.7%となっています。
 本県では、短期被保険者証を交付し、当面必要な医療給付を行いながら滞納世帯との相談の機会をふやして納付を促進する方法をとっているようであります。
 ちなみに、短期被保険者証の交付は全国平均20.8%に対し沖縄県は34.9%となっております。
 以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 代替施設の今後のスケジュールにつきましての再質問にお答えいたします。
 代替施設の建設に当たっては、今後、環境影響評価や公有水面埋め立ての手続等に3年程度要することが予想され、また工期については第9回代替施設協議会で9.5年との説明がありました。その後、十分な代替施設が完成した後に移設されるものと考えておりますが、現時点では移設や返還の時期については明らかになっておりません。
 次に、米軍が保有している有害物質の管理状況を県は確認すべきではないかにお答えいたします。
 有害物質等移動、保管については、環境関係の法令により管理や届け出の義務がありますが、米軍には適用されない状況にあります。このため、県は日米地位協定に環境保全に関する新たな条項を設けることや、関連する条項の改定も含め日米地位協定の抜本的見直しを要請しているところであります。
 以上でございます。
○外間 久子 渡久地議員の突然の訃報に大きな驚きを禁じ得ません。志半ばにして御逝去されました渡久地議員の無念さを思いますと、本当に胸が痛みます。心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 それでは一般質問に入りたいと思います。
 1つ、農業試験場跡地利用計画について。
 平成12年に都市計画法が改正され、県内7都市計画区域においてもマスタープランを定め、地域に密着したまちづくりを進めることが改正の趣旨です。真和志地域住民の一人一人が20年先、30年先を考え、積極的にまちづくりに参加しようとする意識が高まった地域です。
 行政と住民が良好なパートナーシップを築いて、地域特性を生かしたまちづくりのモデルとして跡地利用計画の中に多目的広場の公園をという要求があります。速やかに御検討を願って質問をしたいと思います。
 (1)つ、県は公園用地として買い取れとの方針のようですが、農業試験場をつくるときの地域住民の協力にこたえるためにも公園用地として無償提供すべきではないですか。知事の見解を伺います。
 (2)つ目に、県の跡地利用計画の進捗状況について伺います。
 2つ目に、泡瀬干潟で発見、生育する貴重種の保全策及び移植の目的、移植の判断基準についてお伺いします。
 泡瀬海域で発見されました海草ホソウミヒルモや貝ニライカナイゴウナ等について、事業者は沖縄県に8月と9月に報告書を提出しています。その後さらに追加調査を行い、県に対して追加調査結果を11月にも行っています。報告書に示されました保全策(対応策)は、1つには生育環境に対する工事中の水質汚濁調査、2つには、生育状況の監視、3つには、改善策の実施、4つには、事業区域外の主要分布域の保全策の作成となっています。
 この事業者の報告書、対応策を詳細に見ますと貴重種の分布域はある程度わかりましたが、保全策については不十分であると思われます。
 以下、質問を行います。
 (1)つ、沖縄県として貴重種への保全策は持ち合わせていますか。
 (2)つ、ホソウミヒルモ、ウミヒルモsp、リュウキュウズタ、さらにはニライカナイゴウナ、スイショウガイ、さらにはオボロヅキ、オキナワヤワラガニの貴重性について県の認識を伺います。
 (3)つ目に、事業者の保全策は、具体的な保全策が全くなく極めて不十分と思います。県の認識をお伺いします。
 (4)つ目に、沖縄県として事業者側に具体的な保全策を示すべきではないですか。
 (5)つ目に、環境省との調整も必要と思われますが、どうなっておりますか。
 (6)つ目に、沖縄県としての意見(知事の意見)はいつごろを予定していますか。
 (7)つ目に、泡瀬海域における海草・藻場の移植の目的について、事業者側の資料によりますと平成14年に出されております。それによりますと、中城湾港の泡瀬地区の公有水面埋立事業に係る環境影響評価書──それは平成12年3月に出しておりますが──においては、アマモ類など大型海草の生育被度50%を超える藻場が25ヘクタール消失することになるため、できる限り移植をして特に埋め立てにより消失する海草・藻場のうち構成要素の大型海草をできる限り移植をして、もって当該地区の生態系の保全のために努めるとしたものであります。資料はこのように述べています。
 以上のように、海草・藻場の移植目的は大型海草を移植し、藻場の保全、生態系の保全に努めるということでありますが、こういうことで認識をしてよろしいでしょうか。
 (8)つ目に、沖縄県として海草の移植実験の成功、失敗の判断基準をどのように考えているのか、示してもらいたい。
 3つ目の柱として、普天間代替施設の予定地調査について。
 那覇防衛施設局は、県に対してボーリング地質調査と海象調査の海域使用のための公共用財産使用協議書と添付された作業計画で専門家からの助言内容なるものが学問的裏づけのないいいかげんな内容であることを質問を通して明らかにしたいと思います。
 以下、質問を行います。
 (1)、63カ所のボーリング調査ポイントのうち、ジュゴンのえさ場が18カ所も含まれています。生息環境に影響を与える今回のボーリング調査の協議内容への同意か不同意かの回答はいつごろをめどに出されますか。回答に当たって具体的な判断はどのような過程を踏んで決定するんですか。
 (2)つ目に、辺野古海岸一帯が県の自然環境保全Aランクに指定された地域であり、大規模なボーリング調査そのものが環境破壊につながるものであります。県の自然環境保全の基本政策を示してもらいたい。
 (3)つ目に、辺野古海岸一帯は自然環境の保全が求められている指定地域であり、判断決定に当たってはその手順を示してもらいたい。
 (4)つ目に、文化財保護法80条1項によりますと、史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、文化庁の許可を受けなければならないが、許可手続はとられるのですか。
 (5)つ、公共用財産使用協議書には環境に配慮したというのであれば、音の影響や大きさをどれだけ軽減したのか、科学的根拠を示してもらいたい。
 (6)つ目に、全体の中で海草・藻場が破壊される割合ではなく、どこの海草が破壊されるのか。ジュゴンの活動区域も調べましたか。
 (7)つ、サンゴは無節サンゴ藻類等が付着していたことから死滅していると判断され、影響面積はおおむねなしと結論づけていますが、サンゴは再生するものであり、サンゴの生態系についての基礎的な知識もないままに結論づけておりますが、サンゴについての生態系を述べてください。
 (8)つ目に、公共用財産使用協議書に記載されております環境省の助言者は氏名が公表されておりませんが、社会的影響を伴う分野で専門家が助言をする場合には科学者は自分の責任を明らかにしなければならないと思います。氏名の公表を求めます。
 (9)つ、今回の調査で護岸の構造を検討するということですが、従来の護岸とどこがどう違うのか述べてください。この護岸の規模、幅、長さを示してもらいたい。
 (10)、藻類のうち、無節サンゴ類や小型藻類はサンゴの死滅した跡に生える。これらは本海域の生態系に果たした役割が小さいと述べておりますが、根拠は何ですか。藻類の役割及び種類を挙げてください。
 (11)、ソフトコーラルとハードコーラルというサンゴはどんな特性を持ったサンゴですか。この2種類のサンゴが共存しているのが我が沖縄県のサンゴであり、生育条件が合ってそこに生育しています。その条件が壊されると生態系が破壊されるのではありませんか。
 (12)、ジュゴンについて、海象調査機器の音の出力は魚群探知機に比べて相当微弱なものであり、またジュゴンの可聴範囲に関する文献はないと承知していると述べながら、後半ではジュゴンには聞こえない音域と思われるため問題はないのではないかといういいかげんな助言です。ジュゴンについては学問的にも研究の段階だと思いますが、そこまで助言するからには学問的な裏づけがあってのことだと思います。どの学者のどの文献によるものか示してもらいたい。
 (13)、農水部は那覇防衛施設局に対して漁場内の岩礁破砕等の許可回答後に防衛庁は藻場やサンゴの生息地変更を明らかにしました。石川や金武、宜野座漁業組合は基地建設反対決議を行っていることから、農水部の判断や回答は誤っていたのではないですか、御見解を伺います。
 4つ目に、那覇軍港移設問題に伴う那覇港湾問題について伺います。
 (1)つ、第9次港湾整備計画までに整備すべき港湾計画の達成率をバース、コンテナヤードなど、個々の計画の達成量と率及び荷役量の達成目標とその到達状況について答弁ください。
 (2)つ目に、国際ハブ港湾及びハブ的機能の性格を持つ港湾という場合、国内近隣諸外国との競争力に勝たなければ成り立たないと思います。現在のこれらの港湾とのコストはどうなっていますか。さらに、コストの低減が必要とすればどのような方法が求められるのか、お答えください。
 (3)つ目に、現在、新港地域にある外貿バースの稼働率、目標貨物量とその到達率(実績)、また外貿貨物の民間貨物と米軍物資の比率、この数年間の貨物の推移を軍民それぞれお答えください。また、平成11年度に策定いたしました那覇国際流通港湾計画は見直しは必要はないのですか。さらに、2003年3月に平成20年後半を目標年次とする那覇港湾計画が改訂されましたが、改訂された同計画についてお答えください。
 (4)つ目に、外貿地域のそれぞれの使用料(利用料)を当初設定より割安料金にしたといいますが、その理由はなぜでしょうか。現在までの割引総額は幾らになりますか。
 (5)つ、港湾は物すごい競合関係にあり、安いサービス、いいサービスが提供されれば船会社はすぐにそこにシフトします。これが港の競争の実態です。那覇港湾区域の収支はどうなっておりますか。港湾の収支について全体及び外貿地域別にお答えください。さらに、工事費や起債の償還などに県、那覇市、浦添市の毎年の負担はそれぞれ幾らになりますか。
 (6)つ、これまでの港湾整備に対しては利用の少ない地方の港にも予算が投入され、むだな公共事業の典型との批判を受けてきました。スーパー中枢港湾計画はこうした批判を予算の重点配分でかわすねらいも見られます。予算の重点配分や補助金制度の見直しとの関係で今後の整備計画の見通しはありますか。
 (7)つ、港湾特別会計の起債償還額の増大や今後の整備費、管理費の増大で管理組合への県の持ち分、負担はどれだけを見込まれておりますか。
 (8)つ、県予算に占める港湾関連経費で負担能力は可能との判断で今後の整備計画を進めるのですか。
 (9)つ、新たな港湾整備計画は、離島県沖縄の物流を拠点としてそれにふさわしい整備を重点に県、那覇市、浦添市の財政に過大な負担を強いるような港湾計画は見直すべきだと思いますが、お答えください。
 次に、代表質問との関連について、今回の護岸構造の検討に必要な地質調査はその対象にはならないという答弁をしておられますが、防衛施設局の図面を見てただの護岸だという認識での答弁ですか。
 以上、答弁によって再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、那覇港のコストの比較と低減方法についてでございます。
 那覇港が国際トランシップ港湾として成立するためには、国際航路ネットワークの拡充、港湾利用コストの低減及び効率的なコンテナターミナルの運営等を実現することが重要であります。現在の那覇港におけるコンテナ1個当たりの港湾利用コストは、台湾の高雄港や韓国の釜山港に比べると割高になっていると聞いております。このため那覇港管理組合は、現在、国際公募により誘致するターミナル運営企業が国際競争力を確保できるよう、新港埠頭の国際コンテナターミナルの賃貸料の低減化や長期の貸し付け等について検討を進めているところであります。
 続きまして、港湾計画の見直しについてお答えいたします。
 那覇港管理組合は、那覇港を県内の物流拠点として整備するとともに、新たに中国と欧州及び北米間の国際海上コンテナ輸送の中継拠点港湾として位置づけ、その整備を推進することとしています。県としましては、那覇港は中継拠点港湾としての理想的な地理的条件を備えていること、効率的なターミナル運営や港湾利用のコストの低減化などにより国際的な競争力の確保が可能なことから、増大する中国発着のコンテナ貨物を獲得できるものと考えております。
 那覇港の整備に当たっては、確実な利用需要の見込みや戦略的に優先度の高い港湾施設から段階的に整備を進めることとしており、構成団体の財政状況も十分に考慮しながら推進されていくものと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(花城順孝) 農業試験場跡地の公園用地としての無償譲渡及び利用の進捗状況について一括してお答えをいたします。
 農業試験場の跡地利用につきましては、平成7年度に基本方針を策定し、高度医療・福祉等ゾーン、国際特殊病害虫技術等交流・協力ゾーン、国際教育・文化・芸術交流ゾーンに分けて整備することとしております。
 この基本方針を踏まえた跡地利用の進捗状況でありますが、高度医療・福祉等ゾーンでは高度・多機能病院の建設が着手されたほか、身体障害者更生相談所等の検討が進められております。国際特殊病害虫技術等交流・協力ゾーンでは、イモゾウムシ等の根絶防除に向けた施設の検討が進められております。国際教育・文化・芸術ゾーンでは、教育関係施設の提案があるほか、用地の一部については南風原町が行う公民館整備等について了解したところであります。また、農業試験場跡地における公園の整備計画について具体的な提案は聞いておりませんが、いずれにしても県有財産を処分する場合有償が原則であります。
 次に、那覇港湾の港湾計画における施設ごとの整備状況と計画取扱貨物量と実績量についてお答えいたします。
 那覇港管理組合によりますと、平成14年度末の那覇港の整備状況は、岸壁については490メートルが整備され、第9次港湾整備計画に対する整備率は71%となっております。コンテナヤードを含む埠頭用地については7万800平方メートルが整備され、整備率は60%となっております。また、緑地については3万2200平方メートルが整備され、整備率は43%となっております。昭和63年の那覇港港湾計画による計画取扱貨物量1240万トンに対し、平成14年の実績は970万トンで計画に対する割合は78%となっております。
 次に、新港埠頭地区の外貿岸壁の稼働率、計画及び実績貨物量、外貿貨物における米軍貨物の比率及び推移、平成11年の港湾計画の見直し、2003年港湾計画改訂の内容についての御質問であります。お答えいたします。
 那覇港管理組合によりますと、新港埠頭においては現在すべての岸壁で外貿貨物、内貿貨物の双方を取り扱っており、1週間に6日程度の船舶の利用があります。また、外貿取扱貨物量は111万トンの計画に対し実績が120万トンで計画の108%となっております。外貿貨物の推移はここ数年ほぼ横ばいとなっており、その半分程度が米軍関連物資と聞いております。平成11年度は那覇港の国際流通港湾に向けての基礎調査を行い、本年3月に改訂された那覇港港湾計画に反映されております。那覇港管理組合は、同計画において国際流通港湾機能の充実、国際観光・リゾート産業の振興、港湾機能の再編、環境の保全と創出、安心・安全の確保を整備方針に定め、那覇港を国際流通港湾として整備することとしております。
 外貿地域の料金を割引した理由と割引総額についての御質問にお答えします。
 那覇港管理組合は、那覇港の国際流通港湾の実現に向け国際競争力の確保に必要な港湾諸料金の水準について検討を重ね、船主の要請や他港の状況も踏まえ、昨年11月にガントリークレーン利用料金を約28%軽減したところであります。昨年11月から本年10月までの軽減額は約2000万円となっております。
 次に、港湾の全体及び外貿地域の収支並びに各母体の毎年の負担金についての御質問にお答えします。
 那覇港の収支については、埠頭別ではなく港湾全体で行われております。那覇港管理組合の平成14年度決算における収支につきましては、歳入総額は55億8190万円で、その主なものとしては負担金及び分担金で17億3692万円、使用料及び手数料が13億9350万円、国庫支出金が7億2343万円、組合債が12億5180万円となっております。歳出総額は55億128万円で、主なものとしては港湾総務費10億1186万円、港湾建設費22億8376万円、公債費21億9743万円となっております。また、各母体の負担金は、平成14年度が県が約9億8800万円、那覇市が約5億8400万円、浦添市が約1億6500万円となっております。平成15年度について予算ベースで見ますと、県が約11億6500万円、那覇市が約5億8300万円、浦添市が約1億9400万円となっております。
 次に、港湾整備の見通しについての御質問にお答えします。
 那覇港の国際物流機能を充実し、国際競争力の強化を図ることは、本県の目指すアジア・太平洋地域における人・物・情報の結節点として産業の振興、国際交流拠点形成に向けた極めて重要な基盤整備の一つであります。県としては、今後とも国庫支出金等の確保に努め、那覇港の整備を推進してまいります。
 次に、那覇港管理組合への今後の負担金の見込みと港湾の整備についての御質問に一括してお答えします。
 那覇港の整備に要する経費については、現在、那覇港管理組合が検討を進めているところであります。同組合は、今後の那覇港の整備に当たり確実な利用需要の見込みや、戦略的に優先度の高い港湾施設から段階的に整備を進めることとしており、県としても引き続き支援をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 泡瀬干潟で発見、生育する貴重種の保全策及び移植の目的、移植の判断基準についての貴重種への保全策についてにお答えいたします。
 泡瀬埋立事業において、事業区域及び周辺区域で新たに発見された海藻・草類、貝類等について、保全措置等を環境アセスメント手続に従って事業者から環境部局へ報告したところであります。現在、貴重種・重要種の海藻・草類、貝類等の保全策も含めて環境部局と調整を図っているところであります。今後は、これらの保全措置について早期に調整を図っていきたいと考えております。
 次に、ウミヒルモ類、貝類等の県の認識についてにお答えいたします。
 泡瀬干潟で今年度新たに発見された海藻・草類、貝類等のホソウミヒルモ、ウミヒルモsp、リュウキュウズタ及びニライカナイゴウナ、オボロヅキについては、レッドデータブック等に未記載種であるが、当面貴重種・重要種に相当する種と同等に扱うこととしております。また、オキナワヤワラガニは「レッドデータ沖縄」で希少種にランクされております。なお、スイショウガイについては、分布も広域であるため普通種扱いとすることとしております。
 次に、海草・藻場の移植目的についてにお答えいたします。
 泡瀬埋立事業における海草移植は、消失する海草・藻場の機能を移植された藻場が代償することで泡瀬海域の生態系を保全する目的で行うものであります。このことから、埋立事業者として実施可能な範囲内で埋め立てにより消失する海草・藻場のうち、主要な大型海草の密生・濃生域を移植することとしております。
 次に、海草の移植実験の成功、失敗の基準についてにお答えいたします。
 泡瀬海域における藻場の移植実験の結果については、海藻・草類を専門とする学識経験者等で構成する「海藻草類専門部会」及び「環境保全・創造検討委員会」に移植種の定着状況、生育状況等モニタリングの結果を示し、当該委員会において総合的に検討を行った上で海草移植実験の成否について判断されるものと考えております。
 次に、普天間代替予定地調査についての、使用協議判断の時期、判断決定に至る手順についてに一括してお答えいたします。
 公共用財産使用協議においては、環境保全部局等の関係機関の意見を求めることになっており、それぞれの機関においては、関係法令に照らした上で慎重に検討し意見を提出することになっております。本件公共用財産使用協議の可否につきましては、関係機関からの意見や関係法令及び先例等に照らした上で慎重に検討し、標準処理期間である30日をめどに適切に判断したいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 泡瀬干潟に関連をした御質問にお答えをいたします。
 まず、事業者の保全策に対する県の認識についてお答えをいたします。
 泡瀬干潟において確認された日本新記録種である海草のホソウミヒルモや貝類のニライカナイゴウナ等については、環境影響評価における知事意見に対する事業者の見解に基づき、平成15年8月4日付で平成14年度の事後調査結果とあわせて事業者から報告がなされているところであります。また、平成15年9月26日付で追加で実施した確認調査の結果が報告されております。現在、それらの報告について事業者と調整を行っているところであり、当部としてはその内容を十分に検討して必要な意見を述べていく考えであります。
 次に、県として事業者側に具体的な保全策を示すべきじゃないかという御質問にお答えをします。
 事業の実施に伴う環境保全措置は、環境影響評価の結果を事業計画や環境保全措置の検討及び工事中、供用時の環境配慮等に反映することができる事業者がみずからの責任と負担で検討すべきものであります。現在、泡瀬干潟で確認された貴重種等の報告に関し事業者と調整中でありますが、当部としては、事業者において環境保全措置の十分な検討がなされるよう調整していく考えであります。
 次に、環境省との調整、それから知事の意見を述べる時期についての御質問に一括してお答えをいたします。
 環境保全措置については、事業者みずからが責任を持って検討し実施すべきものであり、今回の調整において必要な意見を述べていく考えでありますが、環境省にも情報提供を行う等の連携を図りながら対応をしております。また、現在、平成14年度の事後調査結果と日本新記録種等に関する報告について事業者と調整中であり、意見を提出する時期については明言できません。
 次に、県の自然環境保全指針の考え方についてお答えをいたします。
 県では、島ごとの多様な生態系が健全な状態で維持されるよう地域ごとの自然の現況や特性を把握した上で保全すべき自然を明らかにするとともに、適切な保全のあり方を示した「自然環境の保全に関する指針」を策定しております。同指針は、沖縄県における望ましい環境を実現するため、県土の良好な自然環境の保護と節度ある利用について県民、事業者、行政機関がそれぞれの立場でみずから配慮するための指標となるものです。そのため、調査の実施については環境への影響を回避し、または低減するため事業者において可能な限り環境への影響の少ない調査の方法が選定されることが重要であると考えております。
 次に、普天間代替予定地調査の関係の御質問で、音の影響、大きさをどれだけ軽減したのか科学的根拠を示してもらいたいという御質問にお答えをします。
 公共用財産使用協議で事業者が示した環境配慮事項については、現在、その内容について検討をしているところであります。県としては、事業者が示した環境配慮の根拠等について確認するとともに、専門家の意見も聞きながら環境への影響の低減を求めていきたいと考えております。
 次に、どこの海草が破壊されるのか、ジュゴンの活動区域も調べたのかという御質問にお答えをします。
 公共用財産使用協議で事業者が示した作業計画等の資料によれば、調査範囲の北端に当たるリーフ内の1カ所で海草・藻場約1平方メートルが影響を受けるとしております。また、事前の潜水調査においてジュゴンによるはみ跡は確認されなかったとしております。県としては、影響を受ける海草・藻場とジュゴンの活動区域との関係について事業者に確認し、環境への配慮を求めていきたいと考えております。
 次に、サンゴ礁の生態系についてお答えをいたします。
 サンゴ礁生態系は、一般的に熱帯・亜熱帯の比較的低栄養塩レベルの浅海域に極めて巧妙なバランスを保ちながら豊かな生物層を形成している生態系と言われております。県としては、事業者が示した結論づけについて、今後専門家の意見も聞きながら事業者に対し環境への配慮を求めていきたいと考えております。
 次に、事業計画に助言した専門家の氏名等の公表についてお答えをいたします。
 事業計画に対して助言した専門家の氏名等は、事業者の判断で公表されておりません。作業計画に対して助言した専門家の氏名等については、透明性や説明責任の確保の観点から公表が望ましいと考えております。しかしながら、その判断は事業者により行われるべきものと考えております。
 次に、藻類の役割及び種類についてお答えをいたします。
 一般的に無節サンゴモ類は、幼生期は海に漂い、その後、岩、サンゴ、海藻等に着生して成長する原生生物で、死んだサンゴの破片を接着させサンゴ礁の成立に重要な役割を担っていると言われております。沖縄でよく見られる藻場は、サンゴ礁の浅い砂地の海に位置し、海生生物の産卵の場、保育・生育の場、えさ場であり、また水質を浄化する機能、底質を安定化する機能を持っており、生態系として重要な機能や自然環境を有しております。藻場をつくる海草類は世界じゅうで50種ほど知られており、このうち沖縄ではリュウキュウアマモ、ウミヒルモなど3科7属10種の海草類が確認されております。県としては、事業者が示した海域の生態系に果たす役割についてはその根拠等を確認し、また専門家の意見も聞きながら事業者に対し環境への配慮を求めていきたいと考えております。
 次に、サンゴの生態系の破壊についての御質問にお答えをいたします。
 一般的には、ハードコーラルと言われているサンゴはカルシウムの骨格を持っており、このカルシウム骨格はサンゴ礁を形成する主軸になります。ハードコーラルは別名造礁サンゴと言われております。それに対し、非造礁サンゴと呼ばれる骨格を持たないサンゴがソフトコーラルであります。これらのサンゴの多くは、造礁サンゴの死んだカルシウムの骨格の上に増殖します。県としては、生育条件が壊されると生態系が破壊されるのではないかということについて専門家の意見を聞きながら、事業者に対し環境への配慮を求めていきたいと考えております。
 次に、ジュゴンの音域の根拠についての御質問にお答えをします。
 事業者が示した作業計画等によれば、機器の周波数帯自体が同属のマナティ及びイルカの可聴域をも超えていることから、ジュゴンにも聞こえない音域と思われるため問題ないのではないかとしております。県としては、海象調査機器の音の出力によるジュゴンの生息環境や採餌活動への影響の軽減や根拠となる考え方について、どのような対策を講じるのか等事業者から聞いて環境への配慮を求めていきたいと考えております。
 次に、護岸がアセスの対象にならないのかという御質問にお答えをいたします。
 ボーリング調査は、埋立事業計画を作成するために埋立地の護岸構造の検討が必要であることから事業に先立って行われる地質調査であり、環境影響評価法の対象事業ではありません。
 また、環境影響評価法では12の事業種が定められておりまして、護岸が独立した事業種として施行される場合には環境影響評価法では対象とする事業種とはなりません。言葉を変えていいますと、12種の環境影響評価の対象事業がありまして、それと一体となる護岸の建設工事の一体となった対象事業種としてのアセスということになります。
 環境影響評価法において環境影響評価の手続が義務づけられている埋立事業の対象規模は50ヘクタール以上であり、普天間飛行場代替施設の規模は基本計画で約184ヘクタールとされております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 文化財保護法第80条第1項に基づく文化庁長官の許可手続についてお答えします。
 既に御承知かと存じますが、国指定文化財の現状変更等の制限については、文化財保護法第80条と第91条により規定されております。第80条は、国以外の機関・個人等が現状変更等をしようとする場合、文化庁長官の許可を受けなければならないことを定めており、第91条第2項は、各省各庁の長以外の国の機関が現状変更等をしようとする場合、あらかじめ文化庁長官の同意を求めることを規定しております。今回の那覇防衛施設局の照会は、各省各庁の長以外の国の機関としての行為であり、第91条に該当することになります。したがって、文化庁長官に対し辺野古沖の調査が文化財保護法第91条第2項に規定する行為に該当するか否かについて照会しているものであり、また県教育委員会に対しては、その進達を依頼しているものでございます。
 以上でございます。
○知事公室長(新垣良光) 代替施設の護岸についてにお答えいたします。
 一般論として、護岸の構造様式は、波浪、基礎地盤の土質、埋立地の利用状況、周辺水域の状況等の設計条件に基づき安定性、周辺への影響等を考慮してその地域に適切なものを選定します。普天間飛行場代替施設の護岸については、国から配付された資料によると護岸の構造は傾斜堤式とケーソン式となっており、護岸の長さは傾斜堤式護岸が約4900メートル、ケーソン式護岸が約1750メートルであり、ケーソンの代表的な施工部分では幅が約43メートル、重量は1個当たり約1万1500トンとのことであります。
 以上です。
○農林水産部長(諸見武三) 普天間代替予定地調査について、辺野古沖のボーリング等の調査について農林水産部の岩礁破砕等の許可回答の判断は誤りであったのではないかということについてお答えいたします。
水産資源保護法第4条並びに県漁業調整規則第38条に基づく岩礁破砕等の許可は、海底の形状を大幅に改変する航路掘削・土砂採取等のしゅんせつや埋め立てなどが許可の対象となります。今回の事案については岩礁破砕の許可が必要か否かの照会であり、許可の回答をしたものではありません。
 以上であります。
○外間 久子 1つは、今答弁の中で土木建築部長は、この30日ということで同意するか同意しないかの回答をやりたいということです。そして文化環境部長の今の答弁の中では、やはりそれぞれの環境分野については専門家の意見を聞く、事業者の意見を聞くということですけれども、これを聞いて判断するための資料を取り寄せてやるからにはこの1カ月で回答できるというふうな判断ですか。それをやらなければならないですけれども、その手順はちゃんと踏まれるんでしょうねということでできますかということが1つです。
 次の再質問をしたいと思いますが、11月12日に行われました泡瀬の問題で環境監視委員会で保全策について議論をされています。そのときの委員のメンバーでオブザーバーとして参加いたしました「日本貝類学会」の会長の奥谷さん、水産大学の名誉教授が新種の貝であるというニライカナイゴウナについての保全策について御発言をしています。それから、琉大の名誉教授の香村眞徳教授も、そこでまた新種の可能性のあるホソウミヒルモというものについての貝類の新種があるということで御発言をなさっています。
 この保全策についての両教授の御発言とあわせて環境監視委員会の審議の経過を御報告願いたいと思います。
 2つ目の問題ですが、同じく泡瀬の問題です。
 やはり9月議会も同じ答弁で今も同じ答弁なんですが、1つには海草の移植の実験の成功、失敗の判断の基準ということですが、やはりすべて丸投げして、事業者は県であるけれども、国にすべて丸投げをしてこの「環境保全・創造検討委員会」にみんなお任せという形で判断をされるということはやはりいかがなものかと思いますが、私はきちっとその判断は土木建築部もやるべきだと思いますし、とりわけ文化環境部のその分野の専門集団であります皆さんがどのような判断をしていらっしゃるのか、改めてこの問題についてお伺いしたいと思います。
 3つ目の問題でヤンバルの問題ですが、専門家の公表ができないということであれば、名前の公表ができなかったら、皆さん方、これから専門家の意見を聞くということだから、文章とそれなりの報告書があると思いますから、この報告書、名前を伏せて報告書を提出していただきたいということ。
 4つ目ですけれども、やはり1つには護岸の問題については、1つには護岸だからできないということを言っているんですが、皆さん方、それぞれ県にこういうものがいっぱい来ていると思うんですよね。(資料を掲示) この資料から見ても護岸と埋め立てが一体になっていると。こういう資料が全部インターネットからも出されているし、こういうふうな、(資料を掲示) 埋め立てがここで、ここが護岸でしょう。不離一体になっていることがはっきりしていますね。こういう図面というものをすべてインターネットでも出されている。そして県にも出されている。
 そういうことだのに、その護岸が埋め立てやることだから護岸はアセスの対象じゃないということにはならないと思いますので、改めてその護岸の規模がどれぐらいなのか、防衛施設庁から出されているものでどれぐらいになっているか計算してください。埋め立ての分野がどれぐらいになるのか、護岸がどれぐらいになるか、数字をきちっと出していただきたいということをお願いしたいと思います。
 2つ目の問題ですが、サンゴの生育する範囲についても専門家の助言でシミュレーションをやっているんですが、そこではやはりサンゴは波当たりは全然変わらないと、だから大丈夫だということを言っているんですね。この波当たりがないから大丈夫という根拠は何ですかと。そこにやはり構造物ができるんだから、当然この構造物に波当たりが激しくなってくると。そこにいる生き物は全部死滅してくると思う。そういうことで潮流も大きくなることだし変化することだと思うんですが、そういうことについての判断をひとつ求めたいと思います。
 2つ目は、やはり藻場についても同じように影響が小さいということを言っているんですね。小さいということであれば、なぜ小さいのか。水質の変化が変わらないという。なぜ水質の変化が変わらないのか、その辺をきちっと明らかにしていただきたいと思います。
 次に、代替施設の周辺での海草の生育地は砂が安定するから大丈夫だと。なぜ藻場ができて流れが物ができて一方の流れにしか行かないのに、潮流も変わってくるはずなので砂は安定しません。泡瀬においても同じでした。なぜそれが安定するというのか、その根拠を示していただきたいと思います。
 それから、護岸ということなんですが、私みたいに素人の者にはよくわからぬけれども、その護岸そのものがやはり埋め立て──地図でこれを見せたように(資料を掲示)──ここにつくる埋立地を守るのが今度の護岸であって、そのための調査をやれということが言われているわけですよね。
 1つには、皆さん方が出されている護岸の構造や埋立地盤の安定性の検討に必要な地盤の強度のデータ収集ということできちっと出されている。だからごまかさないで、きちっと護岸をつくるという前提での調査なんですから、それについての答弁をお願いしたいと思います。
 それからアセスの問題で、ここでやはり皆さん方から出されている問題で15ヘクタール以上がアセスの対象だということですが、ここは私は15ヘクタール以上の規模だと思いますね。計算して答弁していただきたい。
 以上です。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時4分休憩
   午後3時10分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 文化環境部長。
   〔文化環境部長 屋嘉部長市君登壇〕
○文化環境部長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
 まず1番目ですけれども、協議事項についての判断がその期間中にできるかという御質問ですけれども、事業者とそれから県の委嘱する専門家の御意見もお聞きしながら期限内で処理するように努めます。
 それから、海草等の移植等についてなんですが、移植実験の成功、失敗の判断基準をどう考えているかという御質問にお答えをします。
 海草・藻類に関する移植成功の判断基準については、学術的に確立されたものはなくて、各専門家により異なるものであると思われますが、当部としては、移植後の定着状況や器質の状況等を踏まえた総合的な判断が重要であると考えております。
 それから、護岸のアセスについてお答えをいたします。
 護岸のアセスにつきましては先ほど答弁を申し上げたとおりでございますが、環境影響評価法では、その対象となる事業を環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあるものとして、事業形態としての事業種と許認可等の法的関与の2つの要件から対象事業種を規定しております。それぞれの対象事業種ごとに対象規模を定めてアセスをすることになっておりまして、同法におきましては12の事業種を対象となる事業種として規定をしております。その事業種の例示を申し上げますと、道路、河川、鉄道、飛行場、発電所、廃棄物最終処分場、埋め立て、干拓、土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業、工業団地造成事業、新都市基盤整備事業、流通業務団地造成事業、こういったものが主として定められております。
 そういうことで、護岸独自そのものだけではアセスの対象にならない。要するにこの12の事業の一体事業としてなされる護岸は対象になります。ですから先ほどから答弁しておりますように、その事業を着手する前の事前調査としての調査事業、これはアセスの対象になりませんが、埋立事業として一体として施行される海岸事業は将来アセスが必要になります。要するに埋立事業としてアセスの対象になるという理解であります。
 次に、サンゴの生育する範囲とか藻場への影響とか、そういった事業者からの環境保全への配慮の事項につきましては、現在、文化環境部の方で審査中でございますので、事業者からその根拠、説明をお聞きし、さらに県から委嘱をしております専門家の方にも御意見を聞いて、その根拠等審査を進めていきたいというふうに考えております。
○土木建築部長(安慶名正行) 監視委員会の審議の状況についてですけれども、これは公開しておりまして、議事録についてホームページを通じて公表することとしております。当日の監視委員会では、御質問の両委員も含めまして各委員から指導・助言をいただいております。
 それから、海草の移植実験の成功、失敗の基準についてですけれども、泡瀬海域における藻場の移植実験の結果につきましては、海草・藻類を専門とする学識経験者等で構成する「海草藻類専門部会」及び「環境保全・創造検討委員会」に移植種の定着状況、生育状況等モニタリングの結果を示し、当該委員会において総合的に検討を行った上で海草移植の実験の成否について判断されるものというふうに考えております。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時16分休憩
   午後3時20分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 外間久子君。
   〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 護岸がアセスの対象にならないと言っていますけれども、皆さん方が出されている資料は、ここの中までボーリングするということはどういうことですか。(資料を掲示) 護岸の周囲じゃなくて、中まで、埋立地まで調査するというのはどういうことですか。これがアセスの対象になりませんか。
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 護岸工事と埋立工事事業は不離一体のものであり、将来的にはアセスの対象となります。ですからそれを埋立事業計画を策定をするために必要な埋立地の護岸構造の検討が必要であるので、その事業を着手する前に資料収集として事業に先立って調査が行われるものであり、調査そのものはアセスの対象にはなりません。しかし、調査をして埋立事業が護岸事業と不離一体として事業がなされると、護岸事業、埋立事業、一体の埋立事業としてアセスの対象になるということであります。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後3時23分休憩
   午後3時47分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 兼城賢次君。
   〔兼城賢次君登壇〕
○兼城 賢次 御逝去された渡久地健議員の御冥福を祈ります。今となっては9月定例会の最終本会議で賛成討論と反対討論でこの壇上からいたしましたことは心に残るところでございます。
 所見を述べながら質問をいたします。
 基地問題についてお伺いいたします。
 米軍による事故が頻繁に発生しております。昨年は照明弾や燃料補助タンク、風防ガラスの落下などでしたが、最近は具志川市内での航空機燃料流出事故が発生しました。キャンプ・シュワブ沖では無通告訓練、宜野座村では水陸両用軍の事前通告なしに村内の国道を横断しています。米軍は事前通告無視は単なる人為的ミスとしております。さきには、米軍は空中給油機更新KC135空中空輸機を最新鋭機KC767が配置されています。給油対象が大幅に広がるため、嘉手納基地に配備されれば太平洋のかなめとしての役割が強化されるのは間違いないものであります。
 さらに、嘉手納基地に航空医療搬送中隊が発足したといいます。地元が懸念し基地機能の強化であり、騒音の不安の声がある中、米軍は機能強化でもなく従前どおりの医療飛行機であり問題は何もないかのごとくですが、ではこれまで駐留していた横田基地での年間出動実績はどうかと問うと、軍事上の理由で答えられないという。嘉手納町議会は、外務省沖縄事務所の所長に航空医療搬送中隊の設置や在韓米軍のU2偵察機の一時駐機、緊急即応訓練の中止を求める申し入れをいたしておりますが、外務省沖縄大使は、基地の機能の強化ではないとの認識であります。騒音の防止協定のあるなしにかかわらず、米軍は時間に関係なく航空機の爆音をまき散らし基地周辺の爆音は耐えがたく、我慢も限度との声があります。
 環境基準を上回る激しい爆音が日常化している。航空機騒音規制措置がとられ、米軍との騒音防止協定があるにもかかわらず一体どういうことなのか。軍の演習や機能維持のためには守るべき協定も有名無実化していますが、アメリカの軍事行動に伴う協定の中身のあり方が見えます。
 そこでお聞きいたします。
 米軍事故の頻発に起こっていること、医療中隊や陸軍の指揮権の組織再編の動きは新たな基地の機能強化、集中化と見るが、知事の所見をお聞かせください。
 次に、15年使用期限問題についてお伺いをいたします。
 知事の移設受け入れの条件は15年使用期限問題であります。4月9日の地元紙の社説は、「知事は15年問題の解決なしに着工はあり得ないと繰り返しているが、保証があるはずはない。むしろ、日米両政府の姿勢をみると、「空手形」に終わる可能性が高いだろう。」と。「留意しなければならないのは、建設に向けた作業が進展すればするほど、着工を差し止めるのは困難になることである。」と指摘をいたしております。
 ところで、使用期限を明示することについては将来の国際情勢などさまざまな要因とも関連するため困難であるとの政府答弁があります。このことを踏まえてお聞きいたします。
 知事に就任してから何ら具体的な進展が見られませんが、どこに問題があるのか。15年使用期限問題はどうなっているのかお聞かせください。
 次に、軍民共用空港についてお聞きいたします。
 軍民共用は、提供施設の滑走路等を共同使用する場合については、「日米地位協定第2条4項(a)の規定に基づき日米合同委員会を通じて両政府間で取り決められるものである」と9月定例会の答弁でございました。この4項(a)は、合衆国軍隊が施設及び区域を一時的に使用していないときに使用することができるということであります。
 新たな日米政府の話し合いが前提となっているこの軍民共用はどのように進んでいるのか。
 また、新聞報道によりますと、横田基地の軍民共用向け調査が、アメリカのシンクタンクが来年7月までに国防総省とホワイトハウスにその報告を提出するということであります。軍民共用の中身は生易しいことではないことが感じられます。軍民共用がいかなるものであるのか、その実態はアメリカですらこれから調査をして検討していくというものです。日本政府とアメリカ政府に軍民共用の合意がなければ一歩も進まぬ軍民共用空港ですが、日米政府の話し合いはどうなっているのか、知事の見解をお聞かせください。
 次に、ラムズフェルド米国防長官との会見に対し、日本政府のアドバイスがあったのかお聞きいたします。
 アメリカの偉い人が日本に来るときは、これまでも沖縄の負担軽減に努力したいと日米双方がシナリオどおりの発言を繰り返してきたと指摘されています。サミットのクリントン大統領も足跡を小さくするとのことで県民に基地軽減の思わせぶりでありましたが、結果は、県民を軽んじた日米双方に翻弄される県民の悲しさであります。どのようなアドバイスがあったのか、なかったのかお聞かせください。
 次に、ラムズフェルド米国防長官に要請書を提出したとのことでありますが、会見の時間的制約上やむを得ぬこととはいえ直接回答が得られぬことでありますが、要請の内容は事前に関係者に提出されているのではありませんか。会見の成果は当面の問題を取り上げたことであり、日米両政府高官も同席しているこの機会に提出された要請書であります。
 要請書は行きっ放しですか、それとも後日回答があるのか。アメリカ政府の回答を求める手だてをすべきと考えるが、その対応を考えていますか。
 次に、キャンプ・ハンセンに計画されている都市型戦闘訓練施設についてお聞きいたします。
 グアムに予定していた都市型戦闘訓練施設は膨大な費用になることと、民間地域に隣接するがゆえに危険であり安全性に問題があるとのことであります。キャンプ・ハンセンのレンジ4に建設が伝えられていますが、レンジ4に最も隣接する伊芸区は、流弾による人身事故、砲弾の破片、被弾事故、山林火災等多発し、地域住民は恐怖と不安を強いられてきた。いまだにその善処がなされていない状況である。新たな施設の増設は軍事演習の強化と固定化につながり事故発生は明らかで、区民は決して容認できないとして訓練場の建設に反対する要請決議がなされています。
 このような地元のことがありますが、茂木内閣沖縄担当大臣は、基地の機能強化ではないと聞いているので地元の負担にはならないと言っています。石破防衛庁長官は、内容をよく説明し地元の理解を得る努力が必要とし建設の理解を求めるという。それでいて建設による影響はどうかと問えば、ストレートに増強になるかどうかコメントする立場にないという。那覇防衛施設局の担当者は、分散している演習を効率的に実施するための計画で騒音や山火事の演習被害は軽減され、環境にも配慮するとして米軍の意向を説明したという。外務省沖縄大使も、訓練を効率的にするもので基地機能の強化ではないとしています。東京の本庁と沖縄との温度差をなくすためにできたはずの政府の出先機関の反応も、アメリカの要望や言い分は聞き分けても沖縄地元の心配や不安には聞く耳を持たず、基地を押しつけるだけではありませんか。
 国の都合で犠牲になる沖縄の姿は、復帰のころも昔も今も変わらぬものですか。普天間飛行場移設問題と同じで、どちらを選択しても危険な施設を押しつけて、以前に比べていかにも状況が好転するかのように言いくるめようとする。
 そこでお聞きいたします。
 キャンプ・ハンセン内の都市型戦闘訓練施設は新たな基地強化と見るのか。きょうの琉球新報を見ますと、もう既にレンジ16がその施設であって、しかも老朽化したがゆえにこのレンジ4が建設されるというようなわけですから、ここら辺をひとつ含めて御答弁願います。
 次に、低周波ソナー(音波探知機)の日本近海での訓練についてお聞きいたします。
 海洋生物への影響がアメリカでは訓練中止のものが日本近海で行われるのは理不尽に尽きます。ラムズフェルド長官は、知事の要請書で答えてもらいたい肝心な項目は無視して、低周波ソナーに及ぶと海洋生物への影響はないなどとし、普天間飛行場や嘉手納飛行場周辺住民の騒音に対しては、長官は、自分の理解では訓練や騒音のレベルは低下しているとのことですから、低周波ソナーの海洋生物への影響はないという根拠も信用するわけにはいきません。知事の所見をお聞かせください。
 次に、我が会派の渡嘉敷喜代子議員の代表質問との関連でお伺いいたします。
 国の天然記念物ジュゴンの環境にも影響は必至と言われる辺野古沖のボーリング調査のあり方に市民からも疑問の声があり、専門家も厳しい指摘をいたしております。ジュゴンは敏感な動物で、ボーリングの作業を進めることで辺野古沖に寄りつかなくなるのではないか。国はこのことを承知でボーリングを進めているのではないか。施設局が環境影響に関する専門家の名前を公表しないことに対する不信感もあります。公表するしないは施設局の判断することだと繰り返していますが、辺野古沖の調査の行方は県民にとっても知事にとっても重大な政治問題ではありませんか。その認識はありますか。
 地元紙9月27日の論壇で、調査を実施するのは事業者であり、普天間代替施設の場合は防衛施設庁である。そうなると事業者に都合のいい調査が行われ評価なされると考えるのが自然であろうという指摘があります。県民一般の見方だろうと思います。
 そこでお聞きいたします。
 この環境影響調査の結果によっては埋め立てができず、飛行場移設予定地としては不適切となることがあるかどうかお聞かせください。
 次に、代表質問との関連ですが、アメリカの基地再編計画であります。
 外国の米軍基地の整理縮小の見直しについてでありますが、韓国やドイツの見直しは言われるが、沖縄基地も含むのか不透明であります。そればかりか、かえって世界規模の米軍再編によって東アジアで沖縄の戦略的重要性が増し、機能も強化されるのではないかとの見方さえあります。韓国からの撤退の受け皿が沖縄基地ということになれば最悪のシナリオになります。再編のこの時期に何らかの行動をしなければ沖縄の現状は変わらない。
 一昨日、普天間でのシンポジウムで軍事専門家の梅林宏道氏は、基地再編計画で米国議会に設置された米海外基地見直し委員会には県が訴えることもできること、基地問題に積極的な取り組みの必要性を訴えています。ラムズフェルド長官がみずからの目で沖縄の基地を見て話を聞き学ぶという今回の機会に、沖縄の重過ぎる基地の整理縮小に向けた取り組みがなされるようにすべきであります。今こそ知事が行動すべきときだと思います。沖縄の動かない基地の整理縮小に取り組むチャンスと考えますが、知事の所見をお聞かせください。
 次に、観光産業及び組織の拡充に関する要請書が1年前に提出されております。観光産業に限らずいろいろな分野で計画書やシンポジウム、座談会等がよく行われております。今回の要請書のたぐいも陳情や提言の形で当局には多くのものがあると思います。
 観光産業の役割については多くの人たちが指摘するところであるが、沖縄の観光産業がこれまで以上に波及効果を高める努力の必要性、県産品等の消費拡大などは繰り返し論議されていることであります。県のリゾート産業と言われる割には観光リゾート局の体制はどうなのか、人員や予算はこれでいいのか。4000億円産業と言われる観光産業を持続していくためには地道な取り組みが要請されるわけですが、そこで指摘されている観光リゾート局に産業政策論のエキスパートを配置する考えはあるのかどうか。
 4000億円産業と言われる産業への予算や人員はどうするのか。成り行き任せではいけないと思いますが、好調のときこそ細かな対応をすべきだと考えますが、どのように考えているのかお聞かせください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時1分休憩
   午後4時2分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の御質問にお答えいたします。
 基地問題についてのうち、基地の機能強化、集中化についてお答えいたします。
 県は、県民の基地負担の軽減を求める立場から、これまで基地の整理縮小や海兵隊の訓練等の移転及び在沖米軍兵力の削減などについて、あらゆる機会を通じて日米両政府に訴えております。去る11月16日にラムズフェルド米国防長官が来県した際にも、県民が基地の整理縮小を強く望んでいることやSACO合意事案以外のさらなる基地の整理縮小及び在沖米軍兵力の削減等を検討するよう強く訴えたところであります。
 続きまして、15年使用期限問題の進展についてお答えをいたしたいと思います。
 普天間飛行場代替施設の15年使用期限は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているものであり、国の責任において解決されるべきものであると考えております。使用期限については、これまで日米首脳会談や日米外相会談、2プラス2(日米安全保障協議委員会)等でも取り上げられてきており、川口外務大臣は先月15日のラムズフェルド米国防長官との会談でも使用期限問題を取り上げております。また、私は先日、ラムズフェルド米国防長官とお会いした際、普天間飛行場の県内移設は県民にとって苦渋の決断であったことを伝え、代替施設の15年使用期限などの条件を日本政府に強く求めていることを説明し特段の配慮を要望しました。
 基地の提供責任を有する日本政府にあっては、使用期限の問題を含め沖縄の基地問題をしっかり受けとめることが重要であり、政府としてなお一層の取り組みが必要であると考えております。
 次に、ラムズフェルド米国防長官との会談についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
 私は、今回の国防長官との会談を沖縄の基地問題の実情について現地の声を伝える好機ととらえ、基地から派生する諸問題、県民感情、基地負担の軽減を求める県民の意向等を強く訴えたところであります。県の要望に対し、国防長官からは、具体的な回答は避けたいという趣旨の発言がありましたが、国防長官や同行した政府のスタッフには沖縄の実情や県民の意向を理解していただけたものと考えております。県としては、今回の沖縄訪問を契機に沖縄の基地問題が目に見える形で前進するよう米国政府の動向を注視しつつ、今後とも粘り強く基地問題の解決を訴えていく考えであります。
 なお、外務省からのアドバイスはありませんでした。
 次に、陸軍複合射撃訓練場の建設についての御質問にお答えいたします。
 県は、県民の基地負担の軽減を求める立場から、これまで基地の整理縮小、海兵隊の訓練等の移転及び在沖米軍兵力の削減などを求めてきているところでありますが、今回の陸軍複合射撃訓練場の建設計画は、県のこれまでの要請や県民の意向に反するものであり、同訓練場の建設には反対であります。
 去る12月1日、政府主催による全国知事会が首相官邸で行われましたが、その席上、比嘉副知事より小泉総理大臣や各大臣に対し、今般、新たな米軍訓練施設の計画が示されたことについて県民は強い不満を抱いており、本県における米軍基地問題の解決は目に見える形で一歩一歩前進させることが重要である旨訴えたところであります。また、昨日来県した茂木沖縄及び北方対策担当大臣に対して、陸軍複合射撃訓練場の建設計画には反対である旨表明したところであります。
 続きまして、新型低周波水中音波探知機の使用についての御質問にお答えいたします。
 米海軍が使用する新型低周波水中音波探知機の問題については、去る11月6日に日米両政府の第1回協議が開催され、米側が実施した海洋生物への影響を調べた科学的調査結果の概要が説明されたとのことでありますが、日米両政府は、米側が実施した同調査結果を公表し十分な説明を行うべきであると考えております。県としては、海洋生物などへの影響があるというのであれば、日本周辺海域でも使用すべきではないと考えており、去る11月16日に来県したラムズフェルド米国防長官にもその旨強く申し入れたところであります。
 また、昨日来県した茂木沖縄及び北方対策担当大臣に対して、海洋生物などへの影響がある場合は日本周辺海域での新型低周波水中音波探知機の使用を禁止すべきである旨表明したところであります。県としては、日米両政府の協議を見守りつつ、今後とも外務省や関係機関などから情報の収集に努め適切に対応していきたいと考えております。
 次に、米軍基地の整理縮小に対する県の取り組みについての御質問にお答えします。
 先月末、米国において在外米軍の再編方針が示されたとのことであり、さきの日米首脳会談や米国防長官との会談においても沖縄の基地負担の軽減について認識が一致したとのことであります。
 県は、去る11月16日にラムズフェルド米国防長官が来県した際、将来の沖縄の米軍基地問題について思い切った変革を望んでいることを申し上げたところであります。
 また、去る12月1日、首相官邸で行われた全国知事会において比嘉副知事より小泉総理大臣や各大臣に対し、この機会に沖縄の米軍基地の整理縮小の大幅な変革に向けて米国政府と積極的に協議するよう申し入れたところであります。県としては、基地問題の解決促進を図るためにはあらゆる機会を通じて日米両政府に訴える必要があると認識しており、過去の訪米実績や効果を検証しながら最も効果的な方法や時期を検討していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 軍民共用飛行場の米軍同意についてにお答えいたします。
 県は、普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件の一つとして、代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを提示しております。
これを受けて、平成11年12月に閣議決定した政府方針の中で、普天間飛行場代替施設については、軍民共用空港を念頭に整備を図ることとし、米国とも緊密に協議しつつ取り組むこととすると明記されております。基地の提供責任は国にあることから、国において米国との協議がなされているものと考えております。
 ボーリング調査と今後の作業についてにお答えいたします。
 那覇防衛施設局が予定しているボーリング調査は、現地技術調査の一環として代替施設の護岸構造の検討に必要なデータを収集するためのものであります。現在、ボーリング調査等を行うための公共用財産使用協議書が提出されているところであり、今後、環境影響評価や公有水面埋立申請等所要の手続が行われるものと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 観光振興予算及び組織の拡充に関する要請への対応についての御質問にお答えをいたします。
 現在、沖縄観光は、観光客の増加に伴う新たな課題や旅行形態の多様化への対応、あるいは質の向上を図るための各面の施策展開等積極的な対応が求められております。こうしたことから、県では逐次観光関連予算及び組織の拡充を行ってきております。
 ちなみに、平成15年度の観光リゾート局の組織は前年度に比べて定数で2名増、当初予算では単発的なハード事業を除いて比較しますと6.5%の増となっており、要請趣旨をある程度反映しているものと考えております。
 観光リゾート局といたしましては、本県観光が将来とも県経済のリーディング産業として成長し、世界的に通用する質の高い観光・リゾート地を目指していくためにはさらなる予算及び組織の拡充が必要と考えており、引き続き努力してまいる所存であります。
 以上でございます。
○兼城 賢次 1点目の基地の強化、集中化ではないかということを聞いたわけですが、そのことには答えずに状況だけを説明しているわけですが、県民が今一番不満に思っていること、例えば具体的には騒音ですけれども、これは県の方もよほど我慢ができないと思われて抗議をしているわけですが、いつまでもこういう状況が許されるものではないし、なぜこのことを聞いたかというと、県民のこの不満を知事が具体的に受けとめて、県民の立場でやるのか、あるいはこれは国から押しつけられているんだからやむを得ないという形で対応するのかというだけの違いなんです。そういうことで、この現在の状況について知事はもっと真剣に取り組むべきだということで聞いておりますので、いま一つ県民の不満に対して県民の立場からやるということであれば、ひとつ決意を聞かせていただきたいと思います。
 それと、15年使用問題と軍民共用というのは、これは知事にとっての選挙公約ですから不離一体のものだと思います。国が責任を持ってやると言うけれども、国はただアメリカに伝えているけれども具体的に何もやってないわけですね。そして質問の中でも言いましたけれども、この使用期限を明示することができるかといえば、これは将来の国際情勢の関係があるからこういうことはできないということをちゃんと明確に答えているわけですから、そういうのを突破しなければ知事が言う15年使用期限問題も進展しないわけですし、先ほどのまた当山議員でしたか、この15年使用問題が解決しないのは、進展しないのはいかにも大田前知事が県内移設を拒否したかのごとく答弁しておりますけれども、本当にそう思っているのか、それをひとつ答えていただきたいと思います。
 それと、軍民共用も先ほど申し上げましたように国際的にも軍民共用というのはなかなか一定の実績がない。そういうことと、日米地位協定の2条の4項(a)というのは、日米政府でこれは当然話し合わなければならないわけですから、それも十分にその話し合いがなされないうちに今進められているわけですね。着々と進んでいる状況をどこで歯どめをかけるかということで、その15年使用問題やあるいは軍民共用について、もうなし崩しに進んでいくということで受けとめていいのか。
 それと再編の問題ですが、これは今一番いい時期だと言われているわけですが、東門代議士は9月ごろ、この基地閉鎖委員会の上院の方であるそうですが、そこに行って沖縄の状況を伝えたいというようなことも言っているわけですが、こういういろいろな方法で今再編に一番いい時期に、沖縄の基地負担を軽減する絶好のチャンスじゃないかというような時期に知事が積極的にいろんなルートを通してこれはやるべきだということでこの再編問題について問うておりますし、また先日の新聞でも御承知と思いますけれども、釈迦に説法ですが、前の在沖海兵隊の基地司令官も、沖縄の過重負担というのは国内に分散する可能性を問われて、十分これは可能性があるんだということを言っているわけですから、何も我々が勝手に本土に持ち込めとか言っているんじゃなくて、当事者でさえそういう可能性を言っているわけですから、ぜひこのことを県外移設に頑張るべきだということで知事の見解をお聞きしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時18分休憩
   午後4時19分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 兼城議員の再質問にお答えいたします。
 若干私の取り違えている点もあったとしたら、それは言っていただきたいんですが、最初は、非常に姿勢の問題が大事だということを言っておられたような気がいたします。
 基地の問題については、これは騒音のお話をされたんですけれども、私も大変にこれは大事な問題だということで、重要な問題だということでしっかり受けとめております。
 そこで、先般、ラムズフェルド長官が、沖縄の騒音はむしろ減少しているということをお話になってすぐ席を立とうとしたので、私は、そこでまた座っていただきまして、これについては私どもの方として詳細な全部騒音に関するデータというものを英文で取りつけてありましたので一緒に渡して、それをごらんくださいということを言っております。これからも私の方としても積極的にこれらの問題については取り組んでいこうと思っております。
 それから、ちょっと誤解されちゃいけないのは、私は15年使用期限の問題について大田知事の、前県政のということを言ったことは一遍もありません。15年問題は、これは私の問題でございます。
 何をじゃ前県政のときにと言っていたかというと、要するにSACOに対して合意をしたのが、ずるずるずるずるここまで来たのが前県政の責任だということを言ったわけです。
 それはどういうことかといいますと、前県政は、平成8年4月12日に普天間飛行場の解決を図るためには、一番望ましいのは無条件に返還していただくことだが、今の厳しい状況の中でそれを望んだ場合には実現しないという面が出てくると。より危険度の少ないという関係でこれを第一歩にして次々と解決を図っていく道しか我々には道はないということで、これがいわゆるベストの方法であるということで現実に普天間の返還問題というのは進んでいたわけです。それを最終段階で放棄されたために、私どもは1からじゃなくてマイナスからということでお話をいたしましたので、15年問題については、これが私が出るときの15年使用なしにはあり得ないということで言ったわけですから、これは全然、前県政との関係は全くございません。
 したがいまして、私どもとしてはこの15年使用期限問題については、これは着工までにはあり得ないという強い姿勢を持っておりますので、それについて今後政府に対して強く当たりまして、特に重要なのは政府ないしそれから多くの国会議員の方がそれに対して一緒になって努力していただくということが大変重要だと思いますので、今後とも国民的、全員が、国民の一人一人がやはりこの沖縄の問題、15年問題というのはこれは基地問題の一つですから、沖縄の基地問題を一人一人が単に沖縄の問題ではなく、全国的な問題であるというふうに考えていただくよう努力をしたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○兼城 賢次 ちょっと休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時23分休憩
   午後4時25分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
 軍民共用飛行場の米軍同意についてでございますが、県は普天間飛行場の移設に当たって整備すべき条件の一つとして、代替施設は民間航空機が就航できる軍民共用空港とすることを提示しております。
 これを受けて、平成11年12月に閣議決定した政府方針の中で、軍民共用空港を念頭に整備を図ることとし、米国と緊密に協議しつつ取り組むこととすると明記されております。基地の提供責任は国にあることから、国において米国との協議がなされているものと考えております。
 以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後4時27分休憩
   午後4時35分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 兼城賢次君。
   〔兼城賢次君登壇〕
○兼城 賢次 一方的になってもしようがないんですが、再度確認いたします。
 知事に就任してから何ら具体的な進展が見られないということで今休憩中も議論しておりますが、具体的進展が見られない理由というのを明確に教えていただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 着実に進展はしております。これは内閣で決議されたということ、これ自体が大変大きな要素でございます。
 具体的に、それから今までも先ほども御説明しましたように、日米首脳会談、外相会談、2プラス2等でもそれを取り上げられております。
 そして私が常に申し上げていますように、この日米安全保障の中において基地の提供責任というのは日本政府にあるわけですから、私どもとしてはこれを15年ということを政府にはっきり申し上げています。したがって、政府としては提供責任がある中でそれをどうするかというのはこれは日本政府の責任であります。それはできるようにきっちり私どもとしては、着工までには何らかの向こうの方から具体的なものがない限りは着工はあり得ないということを明示しております。これ以上の進み方は、これはもう最高の進み方だと思っております。
○兼城 賢次 知事、国に幾ら訴えてもこの15年使用問題は進展しているということ、全然これは国は相手にしていないわけですよ。何度も指摘しますけれども、閣議であろうが、2プラス2であろうが、国としてはこの期限を明示することはできないということを明確に言っているわけですから、それをちゃんとやらないと。それを私は訴えました、訴えましたと。訴えることはいいけれども、具体的な実効性のある担保になるものは何もないじゃないですか。そういうことでこのことを申し上げているんです。ちゃんと担保となるようなものがあるというんだったら、具体的な数字なり、この状況を教えてください。
○知事(稲嶺惠一) 私どもは、常に何らかの進展がない限り着工はあり得ないということを言っております。それに対して日本政府はただの一度もノーと言ったことはありません。
○新垣 米子 渡久地議員の突然の御逝去に心から哀悼の意を表し、質問に入りたいと思います。
 まず最初に、久米島・鳥島射爆場におけるミサイル発射訓練について。
 「イラク駐留 米兵劣化ウラン障害か」を報じた9月5日沖縄タイムスは、イラク駐留の米兵の一部で肺炎や皮膚疾患などが広がっており、急死する例も出ていること。専門家は、急性の放射性障害の可能性が高いと指摘した上で、自衛隊が派遣されれば同様の被害を受けるおそれがあると警告しています。さらに11月24日新報の「自衛隊のイラク派兵先、放射能測定も。防衛庁方針」の報道で、自衛隊が派遣されるサマワについて、防衛庁は現時点で劣化ウラン弾の使用は確認されてないとしているが、しかし湾岸戦争ではサマワでも劣化ウラン弾が使用され、障害児の出産や白血病など小児がんが急増していることを指摘しています。
 1000発を超える劣化ウラン弾が埋まっている鳥島に自衛隊が実施しようとしているミサイル発射訓練がどれほど無謀で反人道的、環境破壊の行為であるか、許されません。また、米軍演習の激化に加え、新たな自衛隊の訓練は基地の整理縮小、県民負担の軽減を求める県の立場からしても到底容認できないのではありませんか。きっぱりと反対の態度をなぜ表明できないのか、反対すべきではないかとただす前に昨日反対の表明がされましたが、改めて決意を求めます。
 2つ目に、精神障害者医療福祉についてです。
 平成10年度からスタートした精神科救急医療システム整備事業は、地域に住む精神障害者や家族にとっていつでも安心して相談や受診ができ、また夜間・休日でも適切な医療や保護を受けられるようになり、大きな役割を果たしていることを認識すると同時に、毎年1000名余の精神障害者が増加していること、最近身近な若者たちの相談が相次いで寄せられ、その実態の深刻さを痛感しております。
 総括的な質問になりますが、以下、質問します。
 精神障害者の受療状況について、過去5年間の推移について伺います。
 平成10年度よりスタートした精神科救急医療システムについて。夜間・休日の救急の実績について。
 平成14年度より精神保健福祉施策が一部市町村に移譲されましたが、現在市町村が実施しているデイケアの状況、作業所の状況について。また、精神医療の「病院から地域へ」の方向を推進していく上でも市町村における生活自立支援のためのデイケアと作業所の役割は大きいものがあります。しかし、知的・身体障害者の作業所より低額の補助となっている実態からも財政支援強化は重要であり、県としての積極的な支援が求められていると思います。
 引きこもり、拒食等の思春期事例の増加でこれらの事例への支援を実施しているのが総合精神保健福祉センターのデイケア事業です。本県の精神保健福祉施策の中核の役割を担っているセンターのソーシャルケースワーカーの専門家の配置、体制の強化が求められていると考えます。
 高度・多機能病院における精神科病棟の20床の確保とあわせ、県立精和病院との連携等で精神科医療の強化のために医師の確保は絶対条件であると考えますが、見通しはどうでしょうか。
 3番目に、教育問題についてです。
 (1)つ、45分昼休み見直し問題について。
 9月議会で教育長は、休憩時間等のあり方等について検討していきたいと答弁をいたしました。今後、具体的にどのようなスケジュールで検討を進めていかれますか、伺います。
 (2)つ目には、少人数学級の早期実現について。
 河村健夫文部科学相が21日閣議後の記者会見で、都道府県が独自に実施している少人数学級に対して、増員した教員の給与を国庫負担の対象にすることを来年度から実施する方針を明らかにしました。少人数学級の実現を要求してきた立場から一歩前進と言えます。文部科学相の方針を受けて、また県教委としてのこれまでの実施した成果、評価を踏まえ、試験的な実施から本格的、全面的に実施すべきと思いますが、教育長の決意を伺います。
 (3)つ目に、高校の進級、卒業に関する内規の見直し問題についてです。
 県教育庁の今回の見直し通知に対して、少なからず現場教師から疑問や不安の声が寄せられました。単位未修得による留年がなくなることによって勉強しなくても進級できるとなると、努力することを怠り真剣に授業に取り組まなくてもいいと考えてしまう生徒がふえ、学校全体の学力が損なわれていくことになるのではないか。また、生徒本人にとってもやるべきときにやらず、後から追試で単位を取ればいいという安易な考えのまま高校時代を過ごすと、培うべき基礎学力や努力する姿勢を持たず進級や卒業をすることになり、生徒本人の成長にもつながらないのではないか。学問や社会の規範に対する厳しさを教えていく教師の責任があるのではないかとの訴えであります。
 また、現在、各学校の実情に合った進級条件によって生徒は頑張って学習し、単位未修得で進級が危ぶまれる生徒に対しては節目節目に追試や補講等を行い、教師も生徒たちの頑張りを励ましていることもあわせて報告されました。
 新学習指導要領は、卒業に必要な修得総単位数を現在の80単位以上を74単位以上とするとしています。同時に、学習指導要領で定めた教科・科目以外にも各学校で独自に学校設定教科・科目を開設できるようにしています。ですから、学校によって卒業認定を74単位以上を超える単位以上と定めた場合、生徒はこの条件を満たさなきゃならないとして学校の独自性を前提としているのです。そうであれば、進級に当たっても一律で画一的な見直しの押しつけではなく、各学校の実情に合った見直しが保障されるべきではありませんか。
 以下、質問いたします。
 なぜ内規の見直しが必要なのか。
 (2)番目は取り消します。
 内規見直しの通知に当たって、学校現場での検討・議論の場がどれだけ保障されたのでしょうか。
 「論壇」に投稿した一高校教師の真意は、学校現場の実態や声に耳を傾けもっと時間をかけて検討すべきではないか、当然の現場の不安や思いであり、一体どこに処分の理由、根拠があるのでしょうか。
 今回の県教委のとった強権的な姿勢が許されることになれば、自由に意見が言えない学校現場となり、本県の重要な課題である中退問題などの解決のための共同、協力の関係を構築することはできません。処分を撤回し、沖縄県の高校のあり方に大きな変更を余儀なくされる内規の見直しに当たっては学校現場での議論を尊重し、合意形成のために努力すべきではありませんか、お伺いします。
 4番目に、やみ金融被害対策強化についてです。
 貸金業規制法が改正され、行政や警察の役割がより一層明確になり、消費者保護の面が前進したことを評価しています。9月議会で県警の決意も示されました。しかし、県警に訴えたら助言のみでやみ金業者に直接対応してくれず、所轄の警察に行くように言われ、その後も脅迫、嫌がらせが続き、その結果甚大な被害をこうむったとの訴えが寄せられました。事実確認をし、今後このような事態を繰り返さないために県警としての改めての決意を伺いたいと思います。
 5番目に、我が党の代表質問との関連についてです。
 (1)つ、辺野古沖の新基地建設問題について。
 知事は平成11年11月22日、総返第250号「普天間飛行場の移設候補地選定にかかる御協力について(依頼)」を岸本名護市長に発しました。その中で4項目の「移設にあたって整備すべき条件」を国に求めることを明確にしました。平成11年11月24日、総返第251号で稲嶺知事は、内閣総理大臣小渕恵三氏に対して「普天間飛行場の移設候補地の選定について(通知)」を発し、移設に当たっては4項目の事項の実現に関し具体的な方策が講じられるよう求めています。
 岸本名護市長は、平成11年12月27日、名市室第9号「普天間飛行場の移設候補地選定にかかる協力について(回答)」を稲嶺知事に発し、その中で7項目13小項目の前提条件を提示し、この前提が確実に実施されるための明確で具体的な方策が明らかにされなければ移設容認を撤回することを市民に約束することを明確にしています。
 ボーリング調査は地質調査であり、事実上の着工そのものです。この事態に当たり、稲嶺知事と岸本名護市長は県民・市民に約束したことを守り、その検証の上でボーリング調査の許可の成否を判断すべきではありませんか。
 15年使用期限問題や環境保全問題などこれらの公約が何ら県民・市民を納得させる明確な具体的な方策が示されていない現在、ボーリング調査の許可を行うべきではなく、また知事はみずからの責任を果たす上からも移設容認を撤回すべきであります。知事に伺います。
 (2)つ目に、県立南部病院問題についてです。
 県立病院あり方検討委員会の報告書が多機能病院検討委員会報告書の、県立南部病院がこれまで果たしてきた役割を踏まえ、医療ニーズの高い診療部門及び救急を引き続き実施するなど、医療の質を落とさないように効率的な運用を図っていくとの趣旨と全く相反する内容になっていることはなぜなのかと我が党の代表質問で玉城ノブ子議員が質問したことに対して、多機能検討委員会の報告書を踏まえた上での議論であり、あり方検討委員会の意見を尊重していくとの病院管理局の立場を表明しました。同時に、今後、あり方検討委員会として地元糸満市の意見、声を聞き、総合的に検討されるものと考えるとの認識も示されました。
 あり方検討委員会の最終報告に一定の変更があり得るという認識と受けとめていいかお伺いします。
 答弁により再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 新垣米子議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、精神科救急医療システムの実績についてお答えいたします。
 精神科救急医療システムは、精神科医療を必要とする者がいつでも安心して相談や受診ができるよう休日・夜間の外来診療時間外において適切な医療を確保し、精神保健福祉の向上を図ることを目的として平成10年度から実施しております。相談件数は平成10年度710件、平成11年度1375件、平成12年度1871件、平成13年度2214件、平成14年度は2700件となっており、年々増加しております。現在、県においては、精神科救急医療情報センターの電話番号を新聞に公開し、休日・夜間における精神障害者及び家族等からの緊急な相談に応ずるとともに、精神科救急医療システムの普及・啓発に努めております。
 次に、代表質問との関連で、県や名護市の条件と移設についてお答えをいたします。
 政府は、県及び名護市の要請を受け「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定しており、政府においてしっかり受けとめられていると考えております。普天間飛行場の返還については、県としては現在行われている移設作業を進めていくことが早期返還につながる現実的で実現可能な方法と考えており、名護市と連携しながら一日も早く返還されるよう引き続き努力していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 鳥島での自衛隊ミサイル発射訓練に対する県の反対表明についてにお答えいたします。
 久米島町では、過去に鳥島射爆撃場における劣化ウラン弾誤使用問題や漁業操業妨害問題が起こったこともあり、地元久米島町や町議会も今回のミサイル発射試験に反対の意思を表明しております。県としては、基地の固定化や基地負担の増大につながることが懸念されることから、鳥島射爆撃場における自衛隊のミサイル発射試験には反対であります。県としては、今後とも地元久米島町と連携しながら適切に対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 精神障害者の受療状況についてお答えいたします。
 毎年6月末現在の調査によりますと、県内で精神科治療を受けている患者は、平成11年2万6338人、平成12年2万7287人、平成13年3万1132人、平成14年3万2091人、平成15年3万3028人となっており年々増加の傾向にあります。なお、このうち入院患者は5400人前後で推移しており、通院患者につきましては年々増加しております。
 続きまして、市町村デイケア及び小規模作業所についてお答えいたします。
 平成15年6月現在、デイケアを実施している市町村は42市町村で718人の利用者がおり、レクリエーション等の交流活動や調理等の生活訓練を行っております。精神障害者小規模作業所は、平成15年10月現在29カ所で454人が利用しております。なお、運営費補助につきましては市町村を通じて助成していることから、今後、市町村と連携を図りながら検討していきたいと考えております。
 続きまして、精神保健福祉センターの体制強化についてお答えいたします。
 県は、精神保健及び精神障害者の福祉の向上を図るため、総合精神保健福祉センターに精神科医師2名、保健師4名、作業療法士1名、心理士1名、ソーシャルケースワーカー2名の専門職員等を配置しております。同センターにおける精神障害者に対する専門的な相談、保健所等に対する指導・助言、普及・啓発の充実を図るため今後とも職員研修等を実施し、職員の資質向上を図るとともに対象者の福祉の増進に努めてまいります。
 以上でございます。
○病院管理局長(平井哲夫) 新病院と県立精和病院の精神科医師の確保についてお答えいたします。
 新病院においては、精神障害者身体合併症に対応するため5床の精神病床と14床の一般病床から成る混合病棟を設置し、専任の精神科医師を配置することとしております。また、その機能を十分に発揮するため県立精和病院との連携を行うとともに、新病院の内科や外科系の医師とのグループ診療を実施することとしております。県立精和病院の医師については、現在、退職等に伴う欠員が生じておりますが、琉球大学等との調整により今年度中に確保する予定であります。
 あり方検討委員会の最終報告についてお答えいたします。
 あり方検討委員会及び幹事会においては、県立病院の抜本的な見直しについて客観的な立場から検討いただくためにあらかじめ県の案を提示する形ではなく、自由に論議する形で進めてきております。具体的には、まず県立病院の現状と課題について共通認識を得るために委員会・幹事会合同で、各地区医師会等との意見交換や各県立病院の現場視察を行いながら論議が進められております。その後、幹事会で集中的に検討を行い、幹事会報告がまとめられたものであります。現在、その報告をもとに委員会で検討を行っているところでありますが、糸満市からの意見聴取も予定しており、今後の委員会においても多角的な検討が行われるものと考えております。
 以上です。
○教育長(山内 彰) 45分の休憩時間についてお答えいたします。
 45分の休憩時間については、教職員の福利厚生と勤務効率を図るため、労働基準法等関係法令にのっとり勤務時間の途中に設定され定着しているものと考えております。各学校においては、教職員が休憩時間を思い思いに活用し、職員同士の交流や児童生徒との触れ合い等有効に活用していると理解しております。また、児童生徒にとって休憩時間はゆとりと潤いを与え、自由な遊びを通して学年間との交流を促すことができるものであり、主体性や創造性を涵養するよい機会であると認識しております。
 なお、学校においては学校行事や研修会、その他各種大会の練習時間等の確保の際には学校長の裁量により弾力的な運用がなされております。
 以上のことにかんがみて、県教育委員会では関係法令等を踏まえた上、完全学校週5日制の実施に伴う教育環境の変化等を考慮し、休憩時間のあり方等について県教育委員及び県校長会との意見交換の場を持ち、さらに現在、各教育事務所を通して学校設置者である各市町村教育委員会から意見を聴取しているところであります。今後については、これらのことを踏まえて考えていきたいと思っております。
 少人数学級の早期実現についてお答えします。
 現在、国においては義務教育費のあり方等の根幹となる義務教育費国庫負担制度について議論がなされており、その結果によって教職員定数配置や学級編制等の多くの課題が生じてくると考えております。文部科学省では、国庫負担制度の根幹を維持して総額裁量制の導入を強く主張しておりますが、今のところまだ不確定であり、今後、学級編制や教職員定数を定めた義務標準法の問題などについて中教審で検討されると考えております。
 少人数学級の国庫負担対象ということについては一般情報としては存知していますが、まだ正式情報としては得ておりません。したがいまして、県といたしましては少人数学級については国・文部科学省の動向を踏まえて対処していきたいと考えております。
 なお、本県については小学校1年生を対象に平成14年度から少人数学級を実施しており、今後も継続できるよう努力していきたいと考えております。
 なぜ内規の見直しが必要なのかについてお答えいたします。
 高等学校においては、平成15年度から新学習指導要領に基づいて教育活動が展開され、あわせて校内規程の見直しを行うことが必要であります。見直しのねらいは、生徒たちの学習権を幅広く保障し、一人一人の個性を生かし、その能力を十分に伸ばすことを目指したものであります。従来の校内規程では単位を修得する、いわゆる教科の成績をもって原級留置を判定するという規定になっております。そのことを見直して授業に出席し学んだ実績を大事に見てあげる、いわゆる履修したことを進級の基本にして原級留置を判断するという内容の見直しであります。このように学習指導要領に基づいて進級規定の弾力化を図ることが生徒の学習環境条件を十分に保障し、価値観の形成、多様な生徒の個性の伸長、選択能力の形成、学ぶ意欲の向上を育成するという教育的な意義があると考えております。
 学校現場での内規見直しについて、学校現場での議論及び合意形成等についてお答えいたします。
 進級の校内規程に関する見直しは、平成5年及び平成15年の新学習指導要領の趣旨を踏まえ、各学校に進級規定の弾力化を促すとともに、校長会、教頭会、各学校の生徒指導担当者研修会等を通して学校で論議を深め取り組むことを促進してきました。原級留置の問題は、生徒の学習意欲の喚起や進路にかかわる大切なものであることから、各学校では夏季休業中等に職員会議や学年会など各種会議や校内研修会を数多く開き、職員の合意形成を目指し、議論がなされてきているものと理解しております。
 進級規定の見直しは、生徒の学習環境を十分に保障すること、多様な生徒の個性の伸長、学ぶ意欲の向上、選択能力の形成等を図るためであり、今後とも各学校において検討・議論を深めてよりよく生かされていくものと考えております。
 それから、処分の理由と根拠及びその撤回等について一括して答弁いたします。
 今回の「論壇」投稿は、個人がみずからの自由な意見を述べたことであり、そのことが処分の対象となるものではないと考えております。今回のことにつきましては、行政と校長との意思疎通や行政の対応に不十分な点があり、そのことが誤解を生み、学校現場に信頼関係を損ねるような状況を生じさせたと考えており、教育行政としてはその解消に努めていきたいと思っております。
 なお、今後は学校及び教職員との相互理解を図り、父母や地域社会、関係団体等との連携を一層深め、信頼関係の構築に努めていきたいと思っております。
 以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) やみ金融被害対策強化についてお答えいたします。
 御質問の件につきましては、去る9月から10月にかけ中部の警察署と警察本部に3回にわたってなされた同一女性からのやみ金融の相談事案であると思われます。
 当該相談は、内容は異なるものでしたが、いずれも相談を受理した職員は、それぞれの相談内容を十分検討した上、やみ金融業者からの取り立てに対しては電話応対はしないこと、今後金銭の支払いを一切行わないこと、万一、対象業者と思われる者等が自宅に押しかけた場合は直ちに110番通報すること、証拠となる資料を持参の上、所轄署に被害届けを提出することなどの防犯指導を行い、相手の女性も納得したものと承知しており、適切に対応したものと考えております。
 なお、やみ金融相談におきまして警察ではその事案ごとの内容に応じ、先ほど申し上げましたような防犯指導を行うほか、悪質業者と判断される者に対しては相談者の意向を踏まえた上でケース・バイ・ケースで直接業者に対して必要な警告を迅速に行っているところであります。
 県警としましては、今後ともやみ金融を撲滅するため警察の総合力を発揮した強力な取り締まりと適切な被害者対策を推進してまいる所存であります。
○土木建築部長(安慶名正行) 我が党の代表質問との関連についての、ボーリング調査の正否の判断についてにお答えいたします。
 本件公共用財産の使用の可否につきましては、関係機関からの意見や関係法令及び先例等に照らした上で慎重に検討し、総合的な観点から適切に判断したいと考えております。
○新垣 米子 再質問を行います。
 知事、15年問題はあらゆる場所、機会をとらえて訴えてきた、今後も訴え続けていくと、実に表明から4年間同じことを繰り返してきたわけですけれども、日米両政府から明確にその回答が得られたとお考えですか、お答えください。
 ラムズフェルド米国防長官にも知事は直訴したと、比嘉副知事も政府に訴えたと。ところが、知事が求めた回答が本当に返ってきたのか。
 先ほど知事は、一度も政府はノーとは言わなかったとおっしゃった。一度もイエスと言ったことはないじゃありませんか。15年問題は協議の対象にしないというのが日米両政府の明確な姿勢ではありませんか、お答えください。
 事前調査であっても着工を前提としたボーリング調査が今実施されようとしているこの事態においてもなお政府の責任において解決されるべき問題であるとのこの姿勢というのは、本当に県民には説明つかない、県民の目から見ても納得がいかない知事の姿勢です。
 私は、以前に例えで知事に問いただしたことがあります。社会一般のルールとしてですよ。例えば土地の賃貸問題で、地主である知事が15年の賃貸契約を相手の借り手に貸そうとしている場合、ところがこの借り手がなかなか応じない。15年で契約を交わしたいと思っても応じない。話し合いの場も正式に持てない。しかし借り手の建設計画の図面がつくられ、準備はどんどん進められている。いよいよ基礎工事のための調査等が行われようとしている。このときに今この時点で明確な賃貸条件の問題が解決されていなければ、明確に契約書が交わされていなければ調査するべきではないと。この作業にストップをかけるというのが社会通念での民事上の立場、ルールではありませんか。どうでしょうか。
 調査を容認し着工され、完成したときに15年問題を訴えてきたのだからと言ったところで、約束した覚えがないと、一度も受け入れると、イエスと言った覚えがないよと、こう一蹴されることは明らかではありませんか。
 くどいようですけれども、私の相談事務所に貸したお金が返してもらえない、どうしたらいいかと金銭トラブルの問題で相談が寄せられます。なぜ借用書を交わさなかったんですかと。信用していたんだと。どんな身近な間柄でも証書を取ることが大事ですよとアドバイスしますよ。知事も同じように相談を受けたら、そうアドバイスするのではありませんか。契約書なしの口約束が効力はない、無効であるというのは厳然とした常識ではありませんか。
 この社会常識のルールについての知事の所見を求めたいと思います。
 2つ目に、県立南部病院の問題について、多機能病院構想の決定に当たって、私は平成13年2月定例議会で多機能病院の財政問題について質問しました。当時も病院の赤字問題がやり玉に上がり、ドクターの手当等がカットされた経緯があります。莫大な赤字を抱え大変だと言いながら、単なる那覇病院のリニューアルではない多機能病院に係る建設や運営費用について、この検討委員会では一切議論されない中、構想が大急ぎで決定されました。行政上、財政計画とこの検討がなされないままの事業の構想決定があり得るのかと私は当時問いただしました。
 多機能病院検討委員会の報告書に同時に県立病院あり方検討委員会の立ち上げが盛り込まれたわけです。これまでのあり方検討委員会のこれまでホームページで公表された議事録を私は全部読みましたが、県立病院はどうあるべきかのテーマが、県立病院の役割はどうあるべきかということではなく、県立病院のリストラをどう進めるかということが中心テーマで議論され、かつ委員の自由闊達な意見をと言いながら、病院管理局の意図がしっかり反映された検討委員会の結論となったと言えるんですよ。
 今回の南部病院の廃止の方針を出した検討委員会に責任を転嫁して、病院管理局はみずからの責任を棚上げするようなこのようなやり方が、現に地域住民との矛盾、県の責任は厳しく問われなければならないというふうに言わざるを得ません。
 同時に南部病院の問題のみならず、宮古・八重山、その他の病院も目標値を達成しなければ規模や機能の縮小、県立病院の役割そのものの切り捨ての方向が第4次健全化計画に盛り込まれたこともまた重大だと言わざるを得ません。今後、より一層地域住民、県民との矛盾は拡大することになります。
 県病院管理局の県民に対する納得いく責任ある態度で臨むことを改めて要求をし、病院管理局の改めての見解を求めます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時14分休憩
   午後5時15分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 15年問題については証文があります。これは閣議決定でございます。使用期限の問題というのを明確に出しております。しかも今後とも協議していくと。
 しかも私どもとしては、それに対して明快に着工までに何らかの進展なしにはあり得ないということを明確にいたしております。
○病院管理局長(平井哲夫) 県立病院の今後のあり方検討委員会ですけれども、この検討委員会では最近の民間医療の整備の進展であるとか、それから公的医療機関に対する県民のニーズに対する必要性、それから県財政、それから病院事業の経営の厳しい状況、そういうもろもろを背景にいたしまして県立病院の役割と機能、それと経営と運営という両視点から総合的に抜本的に見直す必要があるということでその委員会を設置して今論議を進めているところでございます。
 そういうことで、さきの多機能病院からの検討委員会報告書もその委員会の方にあらかじめ提出をしておりますので、それも含めた形で今論議がされているということでございます。
 以上でございます。
○新垣 米子 議長、休憩お願いします。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午後5時17分休憩
   午後5時19分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 新垣米子君。
   〔新垣米子君登壇〕
○新垣 米子 病院管理局は本当に責任転嫁、棚上げを今後もしそういうことをずっとやっていくのであれば、大きな県民の批判に問われることになります。これは当然いつかは最終報告を受けて県政としての病院管理局としての立場、稲嶺知事の姿勢が問われることになりますので、改めてそのことは強く要求しておきたいと思います。
 最後に15年の問題です。
 私は閣議決定が一番の担保だとおっしゃったけれども、現実にこの4年間やはり明確なイエスだということが示されてないからこの問題はずっと来ているわけですよ。受け入れ条件が認められなければ受け入れを撤回するとした知事の決意が本当に最初から守る意思があったのか、あるのか、県民ごまかしのための時間稼ぎではないかということを指摘されても私は仕方がない今の時点だというふうに思います。
 そうではないということであれば、みずからの決意が本物だということであれば、いわばこの破綻した受け入れの容認を撤回するということが県民に対する示しではないかということを改めて表明します。アメリカの基地のためには、憲法も国内法も社会のルールも無視して当たり前というこれほど屈辱的な対米従属の日本政府と稲嶺県政の姿勢が今ここにあるというふうに言わざるを得ません。
 そういう意味では、本当に県民の立場から撤回を改めて要求いたします。
○議長(伊良皆髙吉) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程は、これで全部終了いたしました。
 次会は、明5日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時21分散会

 
20030506000000