平成16年(2004年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 2月20日
 


○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた公安委員会委員長湖城英知君は、別用務のため本日、23日及び25日から27日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日、23日及び26日の会議に公安委員会委員幸喜徳子君、25日及び27日の会議に同比嘉良雄君の出席を求めました。
   ――――――――――――――
○議長(伊良皆髙吉) 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 平良長政君。
   〔平良長政君登壇〕
○平良 長政 護憲ネットワークを代表して代表質問を行います。
 1、米軍基地問題について。
 (1)、海外駐留米軍の再編問題について。
 ア、アメリカは、2003年の国防報告で、世界各地の駐留米軍の配置見直しを明言し、各国との協議に入っている。再編理由は、冷戦時代の体制見直し、テロ対策への対応と言われているが、在沖海兵隊の動向とも関連するので、海外駐留米軍の再編について知事の見解を問いたいと思います。
 イ、北東アジア情勢をどうとらえているのか。2つの分断国家、すなわち南北朝鮮と中国、台湾はいつまで続くと考えているか。東アジア経済圏(ASEANプラス中国、インド、日本)と東アジア共同体(ASEANプラス日本、中国、韓国)の発展をどう見ているか。2つの組織がEU(欧州連合)やOSCE(欧州安全保障・協力機構)的に発展した場合、在東アジア駐留米軍はどうなると思うか、見通しをお伺いします。
 (2)、海外米軍配置見直し委員会の公聴会参加について。
 私は、昨年12月定例会で公聴会への知事の出席を要請し、知事は「沖縄の基地問題の実情について現地の声を伝える絶好の機会であり、公聴会に出席を求められた場合は積極的に対応していきたい」と答えられました。私は、求められた場合ではなく積極的に出席できる方策を探るべきと再質問をしたところ、知事から努力をするとの答弁を得ました。評価をしているところであります。
 そこで伺います。
 ア、訪米費用も計上されたようだが、公聴会出席実現のため県はどのような努力をなされたか、その可能性はどうか。
 イ、出席できた場合、何を訴えるのか。再配置の見直し委員会ですから、基地を15年間だけ認めるというわかりにくい説明ではなく、わかりやすく明確に海兵隊撤退を訴えるべきと思うがどうか。
 ウ、知事は所信表明演説で、昨年度から「計画的」という文言を入れ、計画的、段階的な米軍基地の整理縮小を訴えています。計画的、段階的というのであれば、ぜひ新「基地返還アクションプログラム」を作成をして公聴会に持ち込むべきと思いますが、どうですか。
 (3)、普天間基地返還問題について。
 ア、アメリカ側が代替施設建設を条件としない意向を日本政府に打診との2月13日の毎日新聞報道は、海外米軍の再編問題と絡んで大変注目を浴びております。知事は、一喜一憂せずとコメントされたが、事実であれば大歓迎というべきで、普天間の県外移設の検討は「多喜」、多く喜ぶべきことではないでしょうか。
 ちなみに、岸本名護市長は、「当初から県外移転がベストだと言ってきた」とのコメントであります。また、県内移設反対の県民要求をアメリカから提案があっても外交交渉にのせない政府の姿勢にも抗議すべきではないでしょうか。事実であればとの限定つきですが……。
 イ、伊波宜野湾市長の早期(5年内)返還についての知事の所見を伺いたい。
 ウ、700兆円余の借金を抱えて国家財政の破綻が見えてきているところで15年期限の基地を1兆円近くもかけて建設するのは、麻生発言に見られるように国民の理解は得られないのではないか。麻生太郎政調会長(現総務大臣)は、2002年7月に次のように述べています。「15年に限定なんかして1兆円も使う話なんか、ほかの国民から言わせたら「冗談言うな」となる。ひどい話だと思っている国民は随分いると思う。15年たったら、またどこか別の場所に1兆円で造るのか。それは駄目だ。」。
 エ、2年半後の知事選挙で稲嶺知事が出馬をせず、後継候補が15年問題は公約にせずと言った場合、15年問題はどうなりますか。
 2、三位一体改革と県内自治体財政について。
 政府の三位一体改革は、政府の赤字財政のツケを一挙に地方自治体に転嫁するもので許せません。この件の新聞の見出しを見るだけで市町村の悲痛な叫びが聞こえてきます。「悲鳴上げる県内自治体」、「底つく基金に懸念」、「三位バラバラ改革か」、「税源移譲少なく現状に不満」、「「痛み」に不信と怒り」、「予算を組めない自治体」等々であります。地方に権限と税源をきちっと移譲すべきと思います。
 そこで伺います。
 (1)、三位一体改革の評価、問題点、対応策について。
 (2)、平成16年度県及び県内市町村予算への影響について。
 (3)、平成17年度以降の県及び市町村予算への影響について。
 3、外形標準課税導入について。
 (1)、外形標準課税導入に対して県の評価はどうか。
 (2)、全国及び県内の1億円以上の企業数と赤字企業数について。
 (3)、赤字企業はどのようにして納税額を確保すると思われるか。
 (4)、県は、赤字企業対策として6年間の納税猶予以外に何を準備していますか。
 4、市町村合併について。
 (1)、県内の市町村合併の現状と課題について。
 (2)、市町村合併に対する県独自の支援策は何か。
 (3)、市町村合併特例債は、合併の「あめ」として用意されたと思うが、交付税が削減される中、借金まみれになり財政破綻に追い込まれはしないか。
 (4)、伊江村、伊良部町、多良間村など離島町村での住民投票は合併反対が多数を占めました。離島町村では合併のメリットはないのではないか。離島町村での納得のいく支援策等が準備されているか。
 (5)、伊平屋、伊是名両村の合併には、両島を結ぶ架橋が不可欠と思うがどうか。
 (6)、平成17年4月以降の合併においてあっせんや勧告はどのようになされるのか。自主性は尊重されるか。
 (7)、合併後の旧市町村の地域自治組織は住民自治の重視の観点からどのように考えているか。組織のあり方については、画一的ではなく各自治組織に任せるべきと思うがどうか。例えば公選の長や議会。自分たちのことは自分たちで決める自己決定権が大事であると思います。
 5、道州制(琉球自治州)について。
 市町村合併が進みますと県の仕事も半減します。わかりやすく言えば、宮古や八重山で全市町村がまとまって、例えば宮古市や八重山市になった場合、宮古支庁や八重山支庁は要らなくなるでしょう。県の役割が小さくなって好き嫌いは別にして道州制への流れは必至となります。今から準備をしておかなければなりません。
 2002年7月の知事アンケートに、沖縄県知事は島嶼県であるがゆえに県政の将来像は検討していないと答えておりましたが、それでは話になりません。島嶼県ゆえにしっかりとしたビジョンを持たなければなりません。基地あるがゆえに基地に依存し、その見返りとして国の財政に依存するという悪循環をどう断ち切るのか。
 一国二制度を大胆に要求し、権限と財源を移譲させ、ウチナーのことはウチナーンチュが決める「琉球自治州」(仮称)を目指すべきだと思います。既に1998年に自治労沖縄は「琉球諸島特別自治制構想」を発表し、法律案要綱素案も出されています。
 構想の主なものは、1、独立論はとらない。ただし将来的な展望として持ち続けたい。2、日本国憲法の枠内。3、県を中心とした自治政府で、かつての琉球政府や立法院の権能を持つ等々です。
 そこで伺います。
 (1)、九州地方知事会のもとでの「道州制等都道府県のあり方を考える研究会」の経過と研究内容の概略を報告願いたい。
 (2)、かなりの道府県が庁内に道州制の研究会等を設置していると聞いておりますが、沖縄県でも早目に設置して望ましい将来像を描くべき時期に来ていると思いますがどうですか。
 (3)、北海道では「道州制モデル特区」として先行実施プログラムを走らせているが、沖縄こそ特区にふさわしい県であると思います。沖縄も早く手を挙げて道州制のモデル特区となるべきと思うがどうか。沖縄は、歴史的にも地理的にも文化的にも精神的にも経済的にも九州ブロックから独立した存在であり、単独の「琉球自治州」を目指すべきと思うが、知事の見解を問います。
 6、海洋資源の開発利用について。
 先日、尖閣で調査を行っていた中国船が海上保安庁の巡視艇に領海退去を命じられたというニュース報道がありましたが、近年、尖閣諸島付近での中国及び韓国の調査船による調査が活発に行われています。
 我が国領海内で調査を実施しているのは、尖閣諸島の地下には豊富な資源が存在する大きな可能性を示唆するものであります。我々は、こうした状況を傍観するだけではなく、我が国の財産であり本県の振興に大きく貢献する可能性を十分に有する海洋資源の開発を国、県が一体となって一刻も早く行うべきであると考えます。
 さて、ここに2枚の資料を準備をしてきました。(資料を掲示) 1枚目の図は、リチャード・ハインバーグという人の「THE PARTY’S OVER」という本からの引用です。上の図は、世界の1600年から2200年までの石油生産量と予測の図です。今が一番ピークで、埋蔵量はあと43年分しかないという図であります。イラク戦争も石油をめぐる戦争であります。
 下の図は、もし石油が枯渇した場合、世界の人口はどれぐらいになるかという予測図であります。生活の隅々まで入っている石油がなくなれば人口も減少するだろうという推測図ですが、現在70億人いる人口が35億人まで減るという予想図であります。日本は、アメリカに次いで世界第2位の石油消費国です。石油がなくなると日本経済も国民の生活も成り立ちません。どうするのでしょうか。そこで注目されているのが尖閣諸島周辺の石油資源であります。
 もう1枚は、最近中国が中間線付近で建設をした、尖閣諸島にも近いんですが、平湖油田のオイル・リグの写真であります。(資料を掲示) 昨年7月、琉大の木村政昭教授が撮った写真です。油田の煙突から吹き上げている炎も見えます。リグにはコンテナ船も停泊しております。我々も早く始めようではありませんか。
 県においては、厳しい財政状況の中、来年度予算案で海洋資源の調査費を予算配分したことに対して高く評価しておりますが、調査のみにとどまらず、今後、周辺諸国との領有権問題の解決に向けた取り組みを国に要望するなど、開発をにらんだ現実的な行動がとられることを切に望みたいと思います。稲嶺知事の任期中にぜひ目鼻をつけたいものであります。
 私はこの間、何度となく申し上げてまいりました。尖閣諸島は、石垣市登野城地番で我が県、我が国のものであることは間違いありません。しかし、不当にも石油があることを知って中国も台湾も領有権を主張してきました。しかし、尖閣を戦争の火種にしてはならないと思います。現在の石油事情からしても、とりあえず領有権を主張しつつも日・中あるいは日・中・台で共同開発をすべきと考えます。あるいは、政府が許すのであれば沖縄県と中・台との共同開発が理想かもしれません。
 EU(欧州連合)を見てください。通貨も統一し国境の壁もだんだん低くなり、将来は一つの国家となるでしょう。世界はもうそこまで来ているのです。領有権を主張し合って手をつけられないのは宝の持ちぐされです。沖縄は、在沖米海兵隊の撤退を想定して沖縄経済の、あるいは琉球自治州経済の自立の土台を築くのが油田開発だと思います。
 そこでお伺いいたします。
 (1)、海洋資源の開発までの中長期的な戦略について知事の所見を伺いたい。
 (2)、今年度の調査経過と来年度の調査内容を説明願いたい。
 7、沖縄科学技術大学院大学について。
 沖縄科学技術大学院大学構想については、学長の就任も決まり、いよいよ本格的に構想実現に向けた動きが加速度的に進んでおります。県民の期待も相当大きなものがありますが、知事には構想実現に向け県民の先頭になって奮闘していただいており敬意を表したいと思います。
 さて、沖縄振興計画では、沖縄が自立的発展の軌道に乗り、大競争時代に生き抜く魅力ある経済活動拠点として新世紀の我が国の発展の一翼を担うためには、民間主導の自立型経済を構築する必要があるとしています。私は、こうした経済発展を目指す上で最も重要なことは、人材育成と資源の発掘・開発であると考えます。
 我が県は、これといった大きな資源もなく市場規模としてのバックグラウンドも小さいものの、我が国で唯一の亜熱帯特性を有することなどから、人材の育成・確保を図りつつ付加価値の高い資源開発などについて戦略的かつ重点的に取り組む必要があると考えます。自然科学系の世界最高水準の大学院大学の設置は、まさにこうした課題解決に大きな影響を与えるものであり、県としてしっかりと対処しなければなりません。
 世界の科学技術の発展をリードする人材の育成を初め、マリンバイオや薬草といった沖縄の特性を生かした資源の開発など、自立的な経済発展に欠かせない基盤づくりに大学院大学を最大限生かすよう取り組んでいく必要があると思います。
 そこで伺います。
 (1)、大学院大学の開学をにらんで戦略的な人材育成が重要と考えるが、どう取り組んでいくのか。
 (2)、地域資源の有効な活用を図る観点から、大学院大学との連携が必要と考えるがどうか。
 8、国連機関の誘致について。
 (1)、国連機関誘致に対する知事の決意を伺いたい。
 (2)、そろそろ県庁内に国連機関誘致を担当する係、または担当者を配置して日常的に内閣府や外務省等との連絡折衝や県庁内調整をすべきと思うがどうか。
 (3)、沖縄側の各界を網羅した「誘致懇話会(仮称)」を立ち上げたらどうか。
 (4)、県は、国連のどういう機関の誘致を進める考えか。国連アジア本部誘致の展望はどうか。
 9、観光振興について。
 (1)、海外からの誘客について。
 ア、海外からの観光客数の推移、伸び悩みの原因、今後の対応策について。
 イ、上海事務所設置の意義について。
 ウ、海外からの誘客体制の条件整備として県費で24時間対応のサービスを英語、中国語、朝鮮語で行うというのはどうだろうか。日本語の話せない外国人に安心した旅を保証でき集客がふやせると思う。
 エ、外国からのクルーズ船での寄港の際、船内、その他で長寿セミナーや県産健康食品の即売会を企画したらどうか。
 (2)、観光レンタカーについて。
 本県を訪れる観光客が利用した交通機関としてレンタカーが50%を超えていますが、その受け入れ体制は不十分であり、本県の観光振興を図る上で今回のレンタカー観光調査事業は的を射るものと評価し、以下質問をいたします。
 ア、レンタカー調査の概要について。
 イ、空港内レンタカー利用者の待合所の整備について。
 10、交通政策について。
 (1)、モノレールの乗客数と採算ラインについて。
 (2)、バスや自家用車からの連結はどうなっているか。割引制度はどうなっているか。
 (3)、中南部への延伸についてはどのように考えていますか。
 (4)、那覇交通株式会社が営業譲渡で再生を期そうとしています。それができなければ破産となり、労働者は路頭に投げ出され、退職者の退職金ももらえず、バスもとまり、通勤・通学にも影響が出ます。県は、できる限りの協力をすべきであると考えていますがどうですか。幸いにも譲渡先が来週には決まるというお話もあるようですが、県の協力体制についてお伺いしたいと思います。
 11、文化の振興について。
 (1)、県立博物館・美術館の建設について。
 ア、建設スケジュールについて。
 イ、総事業費について。
 ウ、運営主体について。
 エ、県民や関係者への情報公開について。
 12、新沖縄県行政システム改革大綱について。
 (1)、大綱の進捗状況はどうか。
 (2)、公社や事業団等外郭団体の廃止や見直しについては、そこで働いている職員(労働組合)の理解と協力が何としても必要と考えるがどうか。
 (3)、沖縄県総合健康増進センターは、これからの健康づくり施策の重要性を考えた場合、存続させるべきと考えるがどうか。
 以上です。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 平良長政議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、米軍の再編と在沖海兵隊の動向についてのお答えでございます。
 米国防総省の2003年の国防報告では、米軍の機動力の向上を図るための米軍の変革とあわせて在外兵力の再編成を進める方針を打ち出しております。県は、県民の基地負担の軽減を図るため、これまであらゆる機会を通じて基地の整理縮小や海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減を訴えてきたところであります。
 昨年11月16日にラムズフェルド米国防長官が来県した際、将来の沖縄の米軍基地問題について思い切った変革を望んでいることを申し上げたところであります。また、12月1日には首相官邸で行われた全国知事会において、比嘉副知事より小泉総理大臣や各大臣に対し、この機会に沖縄の米軍基地の整理縮小の大幅な変革に向けて米国政府と積極的に協議するよう申し入れたところであります。県としては、米国政府が海外駐留米軍の再編計画を検討しているこの機会に、基地の整理縮小及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減を日米両政府に強く訴えたいと考えております。
 次に、北東アジア情勢と東アジア駐留米軍についての御質問にお答えいたします。
 南北統一問題については、南北間の対話が進められ、両国の関係が平和的共存へと発展することを期待しております。東アジア地域にはさまざまな困難な要因があり、地域間統合の実現は決して容易ではありませんが、経済を中心とした相互交流がより活発になり、各国間の連携が強まることによって相互の信頼が醸成され、さらに政治・安全保障の分野にまで協力関係が構築されることによって地域の安定と繁栄の確保に寄与するものと考えております。
 将来の東アジア駐留米軍の動向については、そのときの客観的な国際情勢いかんによって判断される問題であると考えております。
 続きまして、公聴会出席への取り組み及び可能性についての御質問にお答えいたします。
 県は、昨年11月16日にラムズフェルド米国防長官が来県した際、将来の沖縄の米軍基地問題について思い切った変革を望んでいることを申し上げたところであります。12月1日には首相官邸で行われた全国知事会において、比嘉副知事より小泉総理大臣や各大臣に対し、この機会に沖縄の米軍基地の整理縮小の大幅な変革に向けて米国政府と積極的に協議するよう申し入れたところであります。
 また、米国政府が海外駐留米軍の再編計画を検討している中、米国議会に設置される合衆国海外軍事施設の構成見直しに関する委員会が開催を予定している公聴会において、多くの米軍基地を抱える沖縄県が基地問題の解決を訴えることは意義のあることだと考えております。公聴会への出席については、在沖米国総領事や先月来県した米連邦議会の関係者に対しても公聴会への出席の意向を伝えたところであり、今後とも積極的な働きかけを行っていきたいと考えております。
 続きまして、公聴会での発言内容についての御質問に一括してお答えいたします。
 公聴会への出席が実現した場合は、基地負担の軽減を求める県民の意向を踏まえ、特に基地の整理縮小や海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減について思い切った変革がなされるよう理解と協力を求めていきたいと考えております。県としては、基地問題の解決に向けては、地元市町村の意向を初め国際情勢や県土の有効利用、基地の跡地利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、経済振興等を総合的に勘案しながら検討する必要があると考えております。
 次に、代替なしの返還報道についての御質問にお答えいたします。
 報道の件については、関係大臣はいずれも明確に否定をしております。普天間飛行場の移設については、閣議決定された政府方針に基づき一歩一歩進められてきたところであり、着実に進展しているものと考えております。各種報道に一喜一憂することなく、県としてはこれまでの基本的考え方に沿って引き続き取り組んでいきたいと考えております。
 続きまして、5年以内の返還問題についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場の返還については、県としては、現在行われている移設作業を進めていくことが早期返還につながる現実的で実現可能な方法と考えております。伊波宜野湾市長は、普天間飛行場の5年以内の返還を求めておりますが、日米両政府が合意に至った具体的な方策ではありません。県としては、普天間飛行場が一日も早く返還されるよう、これまでの基本的考え方に沿って引き続き取り組んでいきたいと考えております。
 続きまして、代替施設建設への理解についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場については、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を県政の重要課題として取り組んでいるところであります。代替施設の15年使用期限は、基地の固定化を避けるため条件の一つとして提示しているものであり、国の責任において解決されるべきものであると考えております。
 なお、代替施設は15年で取り壊すものではなく、その間は軍民共用とし、返還後は民間専用空港として北部地域の発展につなげていきたいと考えております。
 また、代替施設の建設費は、第9回代替施設協議会において政府から約3300億円と見積もっているとの説明を受けております。
 続きまして、知事選挙と15年問題についてお答えをいたします。
 15年使用期限問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断にかかわる問題であることから、これまで内閣総理大臣を初め関係大臣に何度も要望してきました。また、昨年11月、ラムズフェルド米国防長官とお会いした際、普天間飛行場の県内移設は県民にとって苦渋の決断であったことを伝え、代替施設の15年使用期限などの条件を日本政府に強く求めていることを説明し特段の配慮を要望しました。同問題は、基地の提供責任を有する日本政府の責任において解決されるべきであると考えており、今後とも引き続き強く求めていきたいと考えております。
 次に、離島町村での合併のメリット及び支援策についてお答えをいたします。
 離島町村は、少子・高齢化の進行や脆弱な財政基盤などにより、現行のままでは将来にわたってこれまでの行政サービスを維持できない状況に陥ることが予想されます。そのため、県の推進要綱において都市部と離島町村の組み合わせを示したところであり、互いの地域特性を生かした広域的な観点に立った地域振興や離島地域における福祉・医療・衛生等の行政サービスの向上及び専門職員の確保などの合併効果が期待できるとしたからであります。これら離島町村の合併に向けた取り組みに対しては、合併協議会の円滑な運営を支援するための財政的な支援や人的な支援を行っているほか、新たに平成16年度からは一島一町村等の離島町村を含む合併に対して特別な財政支援措置を予定しているところであります。
 次に、海洋資源開発の中長期的戦略についてお答えをいたします。
 海洋資源の開発は、新たな産業の創出や雇用の増大など大きな経済的波及効果をもたらすことが期待されます。そのため、県は今年度から海洋資源開発についての現況を把握するための調査を実施しており、次年度は開発による経済効果や県が取り組むべき方策等についての調査を実施していくことにしております。海洋資源の開発までの中長期的な戦略については、こうした調査の結果を踏まえ今後検討していきたいと考えております。
 次は、大学院大学の開学をにらんだ戦略的な人材育成についてお答えをいたします。
 大学院大学の設置による波及効果を高め自立型経済の構築を図るためには、これを核に県内の大学や公的研究機関、民間企業、研究所等の集積による知的クラスターの形成に取り組むことが重要であると考えております。こうした先端的研究所等の集積には、高度な技術を持った研究者の確保や研究成果を産業化につなげるコーディネート機能の強化等が不可欠であります。このため、県は大学院大学や県内研究機関等との連携・協力を強化し、科学技術や産業の振興に資することを目的に戦略的研究者・専門家育成事業を実施しております。平成15年度には東京大学に2名、米国スタンフォード大学に1名の研修員を派遣しております。16年度においても新たに2名程度の研修員派遣を予定しております。
 続いて、国連機関誘致に対する決意についてお答えをいたします。
 国連機関等の誘致は、アジア・太平洋地域の社会経済及び文化の発展に寄与する地域の形成を目指す本県にとって大きな意義を持つものであると考えております。このため引き続き国と連携し、国連機関等の誘致に努めてまいります。現在、県では誘致可能性の調査検討を進めており、当面はアジア・太平洋地域を対象とした国連機関等の研修を誘致し、本県の交流拠点としての優位性をアピールしていきたいと考えております。
 次に、上海事務所の設置の意義についてお答えいたします。
 本県のリーディング産業である観光・リゾート産業のさらなる発展に向けては、国内客に加え海外からの観光客の増加を図っていく必要があると考えております。
 県では、平成23年の観光客数を650万人、そのうち外国人観光客は60万人を目標としておりますが、目標達成のためには著しい経済発展を遂げる中国における誘致活動を強化することが重要であります。中国の中でも最大の商業都市である上海は、経済成長率が11年連続2けたの伸びを記録するなど大きな発展を遂げており、日本への旅行者数も増加傾向にあることから、直行便を有する本県にとっても魅力ある市場となっております。このため、県においては平成16年度に上海事務所を開設し観光客誘致活動を実施するとともに、県産品の販路拡大や企業誘致活動などの対外経済交流活動も行ってまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(仲田輝享) 三位一体の改革に対する評価及び県予算への影響についてお答えいたします。関連しますので一括してお答えします。
 三位一体の改革は、地方分権を推進し、地方公共団体の自立的・自主的な行財政運営を推進する観点から重要なことと考えております。平成16年度においては、「基本方針2003」を踏まえ、国庫補助負担金の見直し、税源移譲及び地方交付税の見直しがなされたところであります。県予算への影響については、三位一体の改革による影響の詳細な内容が国から示されておりませんが、単純に15年度当初予算と16年度当初予算の比較で申し上げますと、国庫補助負担金の見直しにより約62億円の減額となっております。税源移譲については、所得譲与税及び税源移譲予定特例交付金が創設されたことにより約35億円の税源移譲が実施されております。
 なお、廃止・縮減される国庫補助負担金のうち、地方が引き続き実施すべき事業を税源移譲の対象として国が位置づけをしているため、国庫補助負担金の減額された額がすべて税源移譲されるものではありません。また、地方交付税等の見直しにおいては約216億円の減額となっております。
 このように平成16年度地方財政対策では、地方交付税等が予想を上回る規模で削減され、本県及び県内市町村の予算編成に大きな影響が生じているところであります。17年度以降も三位一体の改革は引き続き実施されますが、現時点ではその影響が明らかではありません。県といたしましては、引き続き沖縄振興計画の諸施策を推進するための沖振法等に基づく補助率等の特例措置の存続及び国庫補助負担金の額の確保、本県及び県内市町村のような税源の乏しい地方公共団体が適切な行政サ-ビスを確保するための地方交付税の財源保障機能や財源調整機能の存続及び地方交付税総額の確保をあらゆる機会をとらえて国に求めてまいりたいと考えております。
 次に、外形標準課税導入の評価についてお答えいたします。
 法人事業税の外形標準課税は、資本金等が1億円を超える法人に対して全国一律の制度として導入されたものであります。
 外形標準課税導入は、事業税の本来の趣旨である税負担の公平性の確保、応益課税としての税の性格の明確化、税収の安定化、経済の活性化及び経済構造改革の推進を目指したものであります。県としましては、税を薄く、広く、公平に課税することによって安定的な地方税源の確保が可能となり、道路、港湾等の社会資本の整備、それから各種の中小企業施策など地域に根差した行政サービスの提供ができるものと考えております。
 それから、赤字法人数についてお答えいたします。
 平成13年度末時点で資本金等1億円を超える法人数は全国では3万2364社で、そのうち48.2%に当たる1万5598社が赤字法人となっております。本県におきましては、平成14年度末時点で県内に事務所・事業所を有する法人は1293社あります。そのうち39.8%に当たる515社が赤字法人となっております。
 次に、赤字法人の納税額の確保、それから納税猶予以外の施策について、関連をしますので一括してお答えいたします。
 法人事業税の外形標準課税は、税を薄く、広く、公平に課税することによって、安定的な行政サービスを提供することを目的として全国一律の制度として導入されたものであります。地方税法では、外形標準課税対象の赤字法人の法人事業税について最長6年間の徴収猶予の制度を設けております。これは他の税目の最長で2年間の徴収猶予に対してかなり徴収猶予期間に幅を持たせており、税制度上の配慮はなされているものと考えております。現行法上、赤字法人に対しては、この徴収猶予制度以外の規定はありません。
 また、赤字法人の納税資金調達については、個々の法人において対応するものだと考えております。
 それから、新行革大綱の進捗状況についてでございます。
 「新沖縄県行政システム改革大綱」においては、県民にわかりやすい数値目標等を掲げた実施計画を定め142項目の改革に取り組んでおります。おおむね計画どおりの取り組みが行われておりますが、主な推進項目の進捗状況を申し上げますと、行政評価システムについては外部有識者の指導・助言を受けながら、事務・事業の自己評価を試行的に実施し、現在その取りまとめを行っております。次年度は、事務・事業の自己評価を本格的に実施し、予算、定数の編成に活用していく考えであります。公社等外郭団体の見直しについては、肉用牛生産供給公社が解散に向けて課題整理を行っており、また住宅供給公社は分譲から撤退し借入金の償還のための資産処分計画の策定等が進められています。その他の公社等についても計画に沿って見直しが進められているところであります。
 なお、全体の進捗状況につきましては4月に平成15年度の実績を取りまとめ、外部有識者で構成する「沖縄県行政改革懇話会」に報告をし、指導・助言を受けるとともに、県民に公表するなど行政改革の実効性を高めていく考えであります。
 公社等職員の理解と協力についてお答えをいたします。
 公社等外郭団体の見直しについては、設立時以降の社会経済情勢の変化や経営上の問題点が顕在化してきたことから、その役割や必要性について統廃合を含めた抜本的な見直しが求められており、新行革大綱の中で重要課題として位置づけて外部の有識者で構成する「沖縄県行政改革懇話会」のもとに設置された専門委員会の検討結果も踏まえて見直し計画を定めたところであります。
 公社等の廃止や見直しに伴う職員の処遇については、一義的には当該公社等がみずから対応すべきものだと考えますが、行政の補完的役割を果たしてきた経緯もありますので、県としても公社等と連携して情報提供等側面から協力をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 三位一体改革と県内自治体財政についてのうち、平成16年度及び17年度以降の県内市町村予算への影響について一括してお答えします。
 県では、平成16年度の三位一体の改革による県内市町村への影響額は約180億円の減と試算しております。特に地方交付税及び臨時財政対策債の削減が大きかったことから、多くの市町村では基金の大幅な取り崩しにより対応するなど極めて厳しい予算編成になったと認識しております。県内市町村の財政運営や予算編成は、平成17年度以降もますます厳しい状況が続くものと見込まれることから、各市町村においてはなお一層の行財政改革に取り組む必要があると考えております。
 次に、市町村合併関連で、県内の市町村合併の現状と課題についてお答えします。
 現在、県内では法定の協議会が県内各地の7地域で設置されており、県内市町村の約5割に当たる25市町村で合併に関する具体的な協議が進められています。各法定協議会では、月1回から2回のペースで会議が開催され、合併期日や新市の事務所の位置などの合併協定項目に関する協議や、将来のまちづくりの基本となる市町村建設計画策定に向けた具体的な検討が行われております。
 平成17年3月までの合併特例法の期限を考慮した場合、各法定協議会では迅速かつ着実に協議を行う必要があります。こうした中、一部の離島町村では、住民投票の結果を受け合併の枠組みの見直しも予想されますが、地域の今後の発展を見据えた将来に向かって悔いのない判断が示されることを期待しております。
 県独自の支援策についてでありますが、市町村合併に対する本県独自の支援策としては、合併の機運の醸成を図るための補助金制度、合併協議会の行う合併準備や合併市町村が市町村建設計画に基づき行う事業を支援するための合併支援交付金及び市町村振興資金貸付基金からの無利子貸付制度などの財政支援制度があります。さらに、合併協議会の円滑な運営を支援するための人的支援を行う制度があります。
 合併特例債による財政破綻についてお答えします。
 合併しようとする市町村は、合併協議会を設置し、合併後のまちづくりを総合的かつ効果的に推進するためおおむね10年間の市町村建設計画を作成することになります。同計画の作成に当たっては、真に合併市町村の均衡ある発展に資する事業を選択し、その財源として合併特例債等を有効に活用し、事業規模が必要以上に過大とならないよう十分留意する必要があります。
 また、市町村建設計画に基づく事業を進めるに当たっては、健全で効率的な財政運営を図りつつ堅実な事業実施に努める必要があると考えております。
 伊平屋・伊是名架橋についてでありますが、両村において合併後の一体性の速やかな確立を図るため架橋の早期実現を求める要望が強いことは十分承知しております。伊平屋・伊是名架橋につきましては著しく大規模となることから、国庫補助事業としての採択要件等の検討課題があると聞いております。
 合併のあっせん・勧告及び自主性の尊重について。
 総務省では、現行の合併特例法にかわる新法を今国会に提案する方針であります。この新法では、県による合併構想の策定等によりさらに自主的な合併を促すこととしております。同構想に基づき都道府県知事による合併協議会設置の勧告を受けた市町村長は、その是非を議会に諮らなければならないとされております。また、合併協議において協議が不調である場合などに知事によるあっせんなどを行うことができるとしております。しかし、合併そのものの勧告は行わないことや市町村から要請があった場合のみあっせんを行うことなどから、現行の合併特例法の趣旨と同様、市町村の自主性は尊重されるものと考えております。
 次に、合併後の地域自治組織についてでありますが、総務省では合併前の旧市町村単位に法人格を有する地域自治組織の設置が可能となるよう関係法案を今国会に提案する方針であります。この地域自治組織を有効に活用することにより、住民と行政の協働のもと地域の特性を十分生かした主体的な地域づくりが進められ、住民自治の充実・強化が図られるものと考えております。特に、本県離島町村においては、島の自治を守り、住民意向の施策への反映を図るため地域自治組織を積極的に活用することを期待しております。その組織のあり方については合併協議会で検討がなされるものであり、地域の実情に応じた組織の設置が可能になるものと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 「道州制等都道府県のあり方を考える研究会」の経過と研究内容についての御質問にお答えします。
 「道州制等都道府県のあり方を考える研究会」は、九州地方知事会のもとに平成14年2月に設置をされ、これまでに5回の研究会が開催されたところであります。この間、地方制度調査会での検討課題とされた事項の検討や諸外国における分権制度などの情報収集を行ってまいりました。今後は、第28次地方制度調査会の審議状況を見守りながら、都道府県合併、都道府県連合、道州制などの広域自治体の形態や道州制の機能、権限、税財政制度などについてさらに研究を深めていくこととしております。
 同じく道州制について、研究会等を設置して特区や単独の「琉球州」を目指すべきではないかという御質問に一括してお答えいたします。
 地方分権時代における都道府県のあり方については、地方制度調査会や国の動向を注視しつつ検討してまいります。その際、広域自治体の形態を初め、役割や権限、国や市町村との役割分担、区域設定などの制度論的な検討に加え、本県の特性としての地理的位置、歴史・文化、経済圏、県民意識などを考慮する必要があると考えております。これらのことを踏まえ、さまざまな角度から総合的に検討を深めてまいります。
 次に、海洋資源の開発利用についての調査経過と来年度の調査内容についての御質問にお答えします。
 今年度の調査は、本県周辺海域における石油、天然ガス、熱水鉱床等の海洋資源についての分布や探査状況、開発動向や法制問題等についての現状を把握する目的で実施をしており、現在、海洋資源開発及び利用に関する検討委員会でその内容を検討しております。同委員会は、海洋資源開発に知見を有する学識経験者及び専門家の11名で構成されており、第1回目の委員会を昨年12月に開催し、第2回目の委員会は3月中旬に開催する予定にしております。
 なお、次年度は今年度の調査結果をもとに、開発による経済的な波及効果や開発から生産に至るまでの枠組みや体制づくり、県が取り組むべき方策等海洋資源開発についての具体的な検討を行うことにしております。
 次に、地域資源の活用と大学院大学との連携についての御質問にお答えします。
 沖縄振興計画においては、地域特性や資源を積極的に活用した産業として健康バイオ産業や環境関連産業等を戦略的に振興すべき重点産業として位置づけております。沖縄科学技術大学院大学の研究分野については、生命システムに焦点を当てた融合領域を中心に検討が進められており、健康・長寿、バイオ等本県の持つ地域資源の研究開発とも密接なつながりを持つものと考えております。県としては、公設研究機関等の整備・充実を図るとともに、民間企業、研究所等の研究開発の促進に努め、大学院大学との交流・連携を推進する体制づくりに取り組んでいきたいと考えております。
 次に、国連機関の誘致について、誘致担当係等の設置、誘致懇話会の設立、国連機関及び国連アジア本部誘致の展望についての御質問に一括してお答えをいたします。
 国連機関等の誘致については、国連平和大学やアジア・太平洋地域人道支援センター等の誘致可能性について調査しております。その結果、当面は、国連機関等のセミナー開催などの実績を積み重ね、アジア・太平洋地域における国際交流・協力拠点としての本県の優位性をアピールし、国連機関等の誘致につなげてまいりたいと考えております。誘致体制等については、誘致対象機関の具体化が進む中で検討してまいりたいと考えております。
 次に、都市モノレールの延伸についての御質問にお答えします。
 都市モノレールの延伸については、開業後の利用状況、延伸が想定される地域の開発計画、骨格的な公共交通軸のあり方やバス等他の交通機関との連携など多様な視点から総合的、段階的に検討してまいりたいと考えております。
 次に、那覇交通株式会社の営業譲渡に対する県の協力についての御質問にお答えいたします。
 那覇交通株式会社においては、現在、裁判所の監督のもとで営業譲渡による再生の方策を検討していると聞いております。県としては、乗り合いバス事業が県民の生活の足として重要な役割を果たしていることや労働者の雇用の確保の観点から、同社の動きを注視しながら、国や関係自治体等と連携をして公共交通の安定的な確保に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、海外観光客数の推移等についての御質問にお答えをいたします。
 海外からの観光客数は平成13年に19万人、平成14年に18万人、平成15年は10万人となっております。
 伸び悩みの主な原因は、海外における沖縄の知名度不足や台湾・香港路線の運休などであります。特に平成15年につきましてはSARS発生に伴う台湾路線の減便、クルーズ船の運休、中国路線の運休等が減少の要因であります。県におきましては、今後海外からの観光客の増加を図るために観光関連機関等との連携のもと、台湾における若者層の需要開拓、韓国からのハネムーンツアーやゴルフツアーの誘致強化、新たに設置する上海事務所を初め各海外事務所を活用した新たな客層の開拓などターゲットを明確にした施策を展開してまいります。また、国の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」との連携により国際観光展への参加、マスメディアを活用したPR、旅行会社やマスコミ関係者の招聘事業などを実施し、海外からの観光客誘致に努めてまいります。
 次に、海外からの観光客に対する24時間対応サービスについての御質問にお答えをいたします。
県では、海外からの観光客に対応するため国際線ターミナルビル内の観光案内所に英語、韓国語、中国語など語学力のあるスタッフを交代で配置しています。また、観光産業人材育成事業で観光従事者に対する外国語の研修を継続的に行っております。さらに、インターネットを活用した沖縄観光共通プラットホーム構築事業においても外国語での情報発信を強化しているところであります。各言語に対応した24時間のサービスについては、外国語による情報提供を行う人材の登録制度や人材派遣システムの構築などが考えられますが、現在進めている観光産業人材育成事業との関連も勘案しつつ、今後、沖縄観光コンベンションビューローや観光関連業界等とともに検討してまいりたいと考えております。
 次に、外国クルーズ船寄港の際のセミナーや即売会の開催についてお答えをいたします。
 県におきましては、外国からの不定期大型クルーズ船の寄港や初めての寄港などの節目には、市町村観光協会等と連携を図りながらエイサーや獅子舞などで歓迎するとともに、観光ガイドブックの配布等を行っています。今後、沖縄を訪れるクルーズ船客に対するサービスの向上を図る観点から船会社や沖縄県クルーズ促進連絡協議会等の関係機関との意見交換を行い、クルーズ船客の要望などを把握し、御提案のありました長寿セミナーや健康食品即売会を含め実施可能性の高いものから適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、レンタカー調査の概要についての御質問にお答えをいたします。
 レンタカーは、本県を訪れる観光客に最も利用されている交通手段であります。レンタカーの増加により観光客の利便性が向上し、従来の旅行形態では活用されていなかった観光資源の掘り起こしと観光エリアの拡大に貢献しております。
 一方、宿泊施設における駐車場の不足や道路案内標識の整備など、新たな課題も指摘されるなど沖縄観光にさまざまな変化をもたらしております。来年度実施を予定しているレンタカー調査におきましては、レンタカー利用者に観光動向や利用者の年代、旅行形態、レンタカー利用の課題などを調査することとしております。また、レンタカー事業者を対象に保有台数や稼働率、レンタカー利用者に占める観光客の割合、利用率向上への取り組み、利用者受け入れに関する課題等を調査することとしております。
 さらに、これらの調査とあわせて業界関係者や県内観光施設事業者等で構成する検討委員会を立ち上げ、レンタカー観光の課題の分析及びその対応策を検討し、レンタカー利用の増加に対応した県内受け入れ体制の整備を進めていく考えであります。
 次に、空港内レンタカー利用者待合所の整備についてお答えをいたします。
観光客のレンタカー利用は、旅行目的の多様化、リピーターや少人数グループ旅行の増加、自由で利便性が高いことなどを背景に年々増加の傾向にあります。現在、観光リゾート局で進めている「観光客移動利便性向上対策調査」の中で実施したアンケートによりますと、51.8%がレンタカー利用の旅行形態となっております。このようなことから、本県においては国の特段の配慮のもとに那覇空港内にレンタカー送迎バス乗り場が設置されております。
 しかしながら、那覇空港につきましては御指摘の待合所を初めレンタカー送迎バスの駐車スペースの問題などレンタカー利用者をスムーズに誘導する上での課題があり、県におきましては解決に向けてレンタカー協会、関係機関、那覇空港ビルディング株式会社等と調整を行っているところであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 交通政策についての、モノレールの乗客数と採算ラインについてお答えいたします。
 沖縄都市モノレールの需要予測については、パーソントリップ調査やバス利用実態調査等を踏まえ、平成15年の開業時の利用客数を1日当たり約3万1000人と見込んでおりました。昨年8月に開業しました沖縄都市モノレールの利用客数は11月以降予測を下回っておりますが、1月末現在、1日の利用客の平均は約3万2000人となっており、ほぼ予測と同じ程度となっております。しかしながらまだ1年を通しての乗客の動向が把握できないこと、バス路線の再編が十分でないこと等から需要の動向を見きわめるためにはまだしばらく時間を要すると考えています。
 採算ラインについては、乗客数1人当たりの平均乗車単価、その他の要因が収支に影響を与えることから、今後の動向を見きわめた上で判断していく必要があると考えています。
 次に、バスや自動車からの連結及び割引制度についてお答えいたします。
 沖縄都市モノレールは、バス・タクシー及び一般乗用車など他交通との連結が図られるよう各駅において交通広場等を整備しております。また、一般乗用車からモノレールへの転換を促進するため沖縄都市モノレール株式会社において小禄駅、おもろまち駅、首里駅でパーク・アンド・ライドを実施しております。
 バスとの乗り継ぎ割引については、沖縄都市モノレール株式会社とバス事業者とで協議が進められてきましたが、割引額の負担割合、割引乗車券の販売方法、精算業務等の取り扱いに検討を要することや、各バス事業者の事情等により協議は中断している状況であります。県としては、利用客の利便性の向上、安定的な利用客の確保の観点から、乗り継ぎ割引制度やバス路線との連結が促進されるよう国の関係機関とも連携しながら努力していく考えであります。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 県立博物館新館・美術館の建設スケジュール及び総事業費について一括してお答えいたします。
 県立博物館新館・美術館の建設については、平成14年度に復帰30周年記念事業として位置づけ、事業実施を決定するとともに、基本設計を終えました。平成15年度は建物と博物館展示の実施設計を進めているところであり、今年度中に完了する予定であります。建築工事は、平成16年度から平成18年度まで、展示工事につきましては平成16年度から平成19年度にかけて実施する予定にしております。オープンは平成19年の秋ごろを予定しております。
 なお、建設に係る経費としては、博物館の展示工費を含めた建物の建設費が約138億円、用地購入費が約87億円、合計で約225億円となっております。
 次に、運営主体についてお答えします。
 県立博物館新館・美術館の管理運営については、県が直営する方法や財団等へ委託する方法などが考えられますが、いずれにしましても施設の管理運営については今後検討していきたいと考えております。
 県民や関係者への情報公開についてお答えいたします。
 県立博物館新館・美術館建設計画は、県内外の有識者によって構成された検討委員会の審議を経て基本構想及び基本計画を策定し、県民にも公表してきました。また、基本設計の概要につきましてはマスコミを通して公表するとともに、「沖縄県立現代美術館(仮称)収蔵品展」や現在の県立博物館におけるミニパネル展を通して平面プランや完成予想図などを県民に公開してきました。今後とも関係情報を公開するとともに、広く県民の意見を拝聴しながら県民に親しまれる博物館新館・美術館の建設を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 健康増進センター事業の存続についてお答えいたします。
 沖縄県保健医療福祉事業団の事業の一つである健康増進センター部門は、平成4年度から収支が赤字に転じ、また利用者が近隣市町村の住民が主で広域性が薄く、さらに都市部においては民間の類似施設の増加があり公的事業としての意義も薄れていることから、「新沖縄県行政システム改革大綱」に基づき健康増進センター部門の廃止が決定されております。これに伴い、現在、沖縄県保健医療福祉事業団では「事業団の事業の見直し及び増進センターの有効活用方策に関する調査」をコンペ方式により委託を決定し、現施設の有効活用も含め検討しております。
 それとあわせて事業団の設立趣旨である県民の保健・医療の向上と福祉の増進を図るための調査・研究事業、健康づくりに関する普及・啓発事業、市町村等に対する支援など今後の方向性についても検討を行っております。
 以上でございます。
○平良 長政 再質問を行います。
 まず公聴会参加の問題ですが、県民の基地の整理縮小の願いの声を上げる絶好の機会だと私は思います。これは10年に1回、20年に1回あるかないかの機会だと思いますので、どんな手を使ってもというのか、ぜひ参加の実現を図るべきだというふうに思うわけですが、海外基地見直し委員会というのは8人のメンバーで上院、下院4名ずつ、民主、共和党おのおの2名というふうになっているようですが、本当はこれ法律で1月13日まで全メンバー決まらないといけないということですが、おくれているようなので、それを我々に幸いなことで私は提案ですが、やはり待つのではなくて、知事が行く前にアメリカに職員を派遣をして情報をきちっと収集をしてそのメンバー8人に会うなり、事務局に会うなり、あるいは委員会の日程とか、公聴会がどういう内容でされるのかという情報収集、あるいは根回しをぜひやるべきだというふうに思いますが、どうでしょうか。
 2番目に、公聴会で何を訴えるかということでありますが、私は、15年問題を言うと沖縄県民は基地を認めているのか、基地に反対なのか全然わからなくなる、メッセージが伝わらないと思うんですね。だから沖縄県民は50年も我慢をしてきて、もうこれ以上我慢できないと。基地も15年と言っているときは、15年が限界だと言っているわけですから、50何年も見てきたわけだから、平和な島で暮らしたいということをメッセージとして伝えるべきだというふうに思います。
 国防次官補代理だったキャンベルさんが言っていた、いわゆる余りにも小さいかごにたくさんの卵を盛り込み過ぎているという、そういうことも引用しながらぜひお願いしたいと思うし、その場合に、やはり県民の声を持っていく場合は県民大会などを開いて地位協定反対に開こうという話、ずっと去年からあるわけですが、それに海兵隊の削減も入れて、そして議会代表なども入れてアメリカに行ったらどうかというのが提案であります。
 それから、国際情勢に関連して15年問題は果たしてどうかということも再質問したいというふうに思いますが、先ほど申し上げましたが、2つの分断国家がまだアジアに残っています。南北のベトナムは一つになりましたし、東西ドイツも統一されて今アジアに2つ残されているわけですが、97年3月、ジョセフ・ブリー太平洋軍司令官はこういうことを言っているんですね。いわゆる南北朝鮮が和解をすれば在日米軍は削減をされると。南北朝鮮が統一されれば在韓米軍の撤退、あるいは沖縄米海兵隊の撤退があるというふうに、こう言っている。
 まさにそのとおりだと思うんですが、今、北朝鮮の経済情勢は皆さんもほとんど合意できるようにもうもたないことは間違いない、長くはない。10年はもたないということは合意できるだろうというふうに共通認識だろうと思うんですね。
 あと中・台の関係ですが、きょうは台湾総統選の告示があります。4年任期ですから、あと次は2008年、その次は2012年ですが、2012年までには恐らく台湾と中国の統一ができるだろうとこう言われているわけですが、いわゆる一国二制度での解決ということが言われております。そうなりますとあと10年内にはこの2つの分断国家も統一されるというようなことで、今知事が言う15年、アセスや建設期間を入れたら20何年間もかかるということで海兵隊基地がほとんどもう意味がない。もう撤退している時期に完成するという、そういうことはあり得ないことだろうというふうに思いますが、再度その国際情勢の認識と期間の問題、お答えを願えたらと思います。
 インドや中国が入ることになっておりますが、東アジア経済圏に入ると世界で一番大きな経済圏、30億の経済圏ができることになると思います。
 それから4番目の質問ですが、普天間基地関連で毎日報道があって政府は否定をいたしましたが、きょう再度毎日新聞朝刊に出ました。これはいわゆる日米の審議官級協議ということで3日前の17日に名前も出ていますが、ラフルーア米国務省東アジア太平洋担当特使、ローレス米国防副次官補が外務省のだれだれ、防衛庁のだれだれと会って具体的にいわゆるSACOの見直しをしようということで提案をされて、きょう毎日新聞の報道があります。返還合意から8年たっても名護市沖への代替施設のめどがたってない現状に不満を示し、早期返還策の検討を求めたというふうな記事があるわけですが、日本政府は、しかしまたこれも、きょう会っても否定をされるんだろうと思うんですが、そうであれば──やはり去年もそういうことがありましたが──直接アメリカにそういうのを確認をすべきだというふうに思いますが、それについてもお答えを願いたいと思います。
 それから、所信表明演説で一昨年までは「段階的返還」というふうに言っていたのを、去年の所信表明から「計画的、段階的」というふうに変わって、ことしもそういう表現であるので、大田県政時代、2015年までにすべての基地を計画的、段階的に返還をさせるという基地返還アクションプログラムがありました。今はそれはもうなしになっているわけですが、もし計画的というのであれば、ぜひそれを持って公聴会に本当は参加してもらいたいんですが、その期間が間に合わないとなれば、ことしじゅうにはそれを庁内でぜひつくっていくという決意はあられるのかということもお伺いをしたいと思います。
 6番目は自治体財政の件ですが、今、国から県への地方交付税交付金とか、国庫支出金等を削減をされてあっぷあっぷしているわけですが、まず今年度予算で県、市町村へおりてきている額がどれぐらいあるのか。
 それから、県民が納めている国税の額は幾らかということを数字を示してほしいと思います。
 7番目ですが、道州制の関連ですが、今国会で府県合併ができるような自治法の改正がなされる予定です。2010年には北東北3県が合併をいたしますが、少なくとも私聞きたいのは、もう九州と一緒にいくんですか、そうではなく単独でいくんですかと聞きたいけれども、それがまだ決まってなければ、各県20余りができているようですが、せめて庁内でその道州制に対してどうするのか。沖縄県単独でいくのか、九州でいくのかという庁内の検討組織をつくってほしいということを要望し答弁を求めたいと思います。
 8番目、尖閣列島ですが、先ほど図でも示しましたが、もう2050年には枯渇をするとこう言われていて、今カスピ海とかシベリアで開発しようということで進んではいますが、沖縄の尖閣に海洋資源、石油があるというのは1968年のECAFE(国連機関)で調査があるわけですが、これはやはり沖縄の海洋資源が日本を救うわけだし、あるいは沖縄の経済も救うというふうに思います。あと知事も2年半の任期を残すだけですが、前にも話をしましたが、知事のお父さんの稲嶺一郎元参議院議員が中心になって沖縄近海及び尖閣列島海域石油資源開発推進委員会というのをつくって、これは県工連や商工会議所、経営協、中小企業中央会、あと各銀行など、各団体が網羅された組織をつくってやっていた時期もあるし、ぜひ父の遺志も継いであと2年半で目鼻をつける決意を知事からお聞きをしたいというふうに思います。
 9番目に観光の問題ですが、24時間の外国語サービスというのは、実は去年暮れに私の友人が韓国に行ったら、日本語でどこどこ行ってくださいと言ったら、その運転手はわからないもんだから、携帯電話でそのサービスセンターに電話をしたら、すぐ日本語でどちらへ行かれるんですかというふうに聞いて、ITが進んでそこまで来ているわけです。
 各ホテルで例えば上海からのお客さん、ソウルからのお客さんのために中国人を雇う、韓国人を雇うというこれだけのやはりリスクを負えないもんだから、毎日来るわけじゃないので。それはビューローにでもセンターを置いてそこで対応すれば、例えば病気の心配とか外国に行けばありますので、語学がちゃんと24時間のサービスがあれば安心して外国人客も来るのではないかというふうに思いますので、これは御検討をお願いしたい、要望にしたいと思います。
 それから、10番目のバス、モノレール問題ですが、けさ、琉球バス680人全員解雇、そして賃金を切り下げて希望者再雇用という衝撃的な記事がありました。
 私は、銀バスの問題も先ほどどうにかめどがつきそうという話もしましたが、やはりここはこういうことになるぞと、統合をしなければここまで来るぞと何度となく警告をしたのに、やはり統合に対する県の不熱心さが今日を招いているというふうに思います。深く反省をして、ぜひこの件はきちっと対応をお願いしたいと思います。これは要望にしたいと思います。
 それから最後ですが、健康増進センターについては何か廃止すると言っているけれども、民間に委託するともありますが、全部なくなると思っている方も多いようで、ぜひその辺も廃止ではないということもはっきり言ってもらいたいし、それからこの沖縄県保健医療福祉事業団ができたいきさつなどを考えてみますと、いわゆる旧医療保険で黒字がたくさん出たので、それを基金に置いてそして健康増進センターをつくったというそういういきさつからすれば、やはり十分考慮をすべきだというふうに考えています。
 ちょっと再質問も多岐にわたりましたが、よろしく御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時30分休憩
   午前11時34分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の再質問にお答えいたします。
 最初は、公聴会の参加を待つのではなく積極的に対応しろというお話でございました。積極的に対応しておりまして、既に上院の専門官に対しても明確に私どもの方から沖縄サイドとしては出席したいということを強く要望をしております。
 それから、そのほか情報等もかなり現実にとっておりまして、まだ全員の実は議員が決まってないんですけれども、1党だけは全員メンバーが決まって、その他の党が今検討中であるというその細かい状況まで今こちらの方としては、その都度私どもとしてはとっております。
 それから2の訴える内容でございますけれども、これはやはり大変重要な問題なのは、沖縄が、これは平良議員も先ほど言われた、今までの約60年に近いこれだけの期間にこの基地を抱えているという沖縄が、しかもその狭い地域の中で75%の米軍基地を持っているというその状況を強く訴えまして、そして基地の整理縮小、そして兵力の削減を強く求めていきたいというふうに考えております。
 それから、国際情勢の問題等についての御意見でございますけれども、この辺については今世界的な状況の中で分断国家がそれぞれの形で一つにまとまる動きがあるという現実は、その流れにあるということは事実でございます。ただ、なかなかまだまだかなり難しい問題等はありますけれども、全般としては一つの歴史的な流れでその方向に進んでいることも事実であります。
 それから次に、普天間返還報道についてでございますけれども、これにつきましてはきょうもNHKあるいは毎日新聞等に分散移転の報道等がございましたけれども、現在のところ最終的にはそこまで、関係各省庁に確認したところ、事実はないと否定をしております。
 ただ、日米間ではさまざまなレベルにおいて安全保障面の課題につき緊密に協議してきており、米軍の兵力構成の見直しの基本的な考えについてもその中で話し合われるということで、いろいろな方がいろいろな場所でいろいろな話があることは事実でございます。しかし、それが具体的に日米レベルの中で決まったというような具体的なお話としてはありません。米側から報道にあるような具体的な提案をこの段階で受けているという事実はございませんと、これはけさ茂木大臣が明確に否定をしてございます。
 次に、計画的な返還計画の策定につきましては、これは国際情勢のほかに地元市町村の意向、そして県土の有効利用、あるいは基地の跡地利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、経済振興等を総合的に勘案しながら検討を続けているところでございます。
 次に、尖閣列島の調査について決意をしろということなんですが、この尖閣列島につきましては、私自身も尖閣の上から過去において見に行ったことがございます。そしてちょうどカツオの工場がだんだんだんだん──先般写された写真を見ますと、大幅にその工場の形が崩れていっているのを見て非常に寂しく思いました。やはり無人島を長く置いておくということは大変厳しい状況になるなということでございます。
 それから、要するに明確にあそこは石垣市に位置されているわけですけれども、単なる領土の問題だけではなくてやはり多くの工業資源の問題、あるいは領有権の問題等大変重要な場所でございます。その意味で尖閣列島の調査というのは大変重要な事項だと考えておりますので、もう既に調査費を入れて具体的にスタートをしておりますので、今後ともできるだけその進めるピッチを早くするように努力したいと思っております。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 国から県と市町村にどれぐらいの財源が来ているか、そしてまた県民が納めている国税の額はどれぐらいかという御質問にお答えいたします。
 国からの移転財源──これは平成13年度の資料でございますが──で申し上げますと、県分及び市町村分の合計で7553億円でございます。
 一方、県民が納めた国税は2748億円となっております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 道州制については先ほども御答弁しましたように、非常に総合的な観点から検討しなくてはいけないということで庁内横断的な研究会をスタートさせたいと考えております。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 健康増進センターについての再質問にお答えいたします。
 沖縄県保健医療福祉事業団の事業の一つである健康増進センター部門は平成16年度末までに廃止しますが、事業団の事業の見直し及び健康増進センター施設の有効活用についてコンペ方式により委託を決定し検討しております。
 さらに、今後の健康づくり事業を展開するに当たっては、既に実施し効果を上げている先進県の状況も参考にしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○平良 長政 議長、ちょっと休憩願います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
   午前11時42分休憩
   午前11時46分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
 暫時休憩いたします。
   午前11時46分休憩
   午後1時11分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 午前に引き続き代表質問を行います。
 新川秀清君。
   〔新川秀清君登壇〕
○新川 秀清 午前の平良長政議員に続きまして護憲ネットワークを代表して質問をいたします。
 まずその前に、私はこの3年余、議員諸兄とともに県議会に籍を置くことができまして、ともに県政を語る機会が持てたことを大変うれしく思いますと同時に、これまで知事を初め当局の皆さん方からいろいろと御教示をいただく機会ができましたことも大変うれしく、感謝を申し上げているところであります。この3年余、大変短いような感じもするわけでありますが、顧みますと大変激動の時期であったというふうな思いがいたすわけであります。
 御案内のように、アフガニスタンへの侵攻がありましたし、またアメリカ・ニューヨークにおける多発テロがありました。さらに、今、イラク戦争があるわけであります。と同時に、またBSEの問題やSARSの問題、さらに先ほどのニュースでもやっていたわけでありますが、鳥インフルエンザがカナダにも入ってきているということがありましたし、そのようなもろもろの問題がこの3年余の間に起こってきた、こういう状況が内外にあったわけであります。
 そういった中で、我が沖縄におきましても基地問題を初め戦後60年にならんとしておりますけれども、いまだに解決の見えてこない多くの問題が山積をしているということであろうというふうに思うわけであります。そういった中でこれから質問をいたすわけでありますが、今後とも知事を先頭に多くの課題解決に全力を挙げていく必要があるというふうに考えているところであります。
 そういうことで、私は、先ほどの平良長政議員の質問と関連する項目もあるわけでありますが、通告に従いまして質問をいたしたいと思います。
 まず1点目に、知事の政治姿勢についてであります。
 (1)、「憲法が危機に瀕している」、これは多くの識者からの指摘もありますし、また国民世論の中でもそういうようなことを大変危惧する声があることも事実であります。また、私もそのような実感を持っているわけであります。とりわけ憲法第9条の平和主義につきましては世界でも高く評価をされておりますし、また戦後日本が平和国家としての発展を遂げてきた大きな基礎であったというふうに思うわけであります。しかしながら、今日の状況は有事法制やイラク特措法、こういったことを持ち出すまでもなく、憲法から外れてきているのではないか、こういう思いを深くするわけであります。
 そこで、この憲法に対します知事の所見をお伺いをいたしたいと思うわけであります。
 (2)点目に、イラク戦争についてであります。
 これも憲法の理念に照らしまして大変残念だというふうに私は考えますし、また、これにつきましても多くの方々からの御指摘もあるわけであります。さらに、知事は沖縄から世界に平和を発信していくということでいろいろ議論もありましたけれども、平和賞創設をしてその声を沖縄から上げていくということで賞を創設をされました。そういう趣旨に照らしましてこのたびのイラク戦争について知事はどのようにお考えでありますか。
 次に、自衛隊のイラク派遣について知事の御所見を伺いたいと思います。
 イラクへの自衛隊の派遣につきましても、今、国民世論を二分をする、また大方がこれに反対をするという状況にありますけれども、ついに自衛隊が派遣をされております。これに対しまして、国連の査察団の一員として派遣をされたスコット・リッターという方が、せんだって週刊朝日の単独インタビューに答えたという記事が出ているわけでありますが、その中にこういうことが出ております。
  日本政府は、憲法を遵守すべきであり、国連加盟国の立場からも、国際紛争を戦争で解 決しようとすることに賛成はしないはずだ。 小泉首相の政策は、憲法と矛盾するものだ。また日本には、憲法を改正し、自衛隊が海外で軍事活動に介入できるようにしようとする動きさえあると聞いている。 これは米国の一方的な侵略行為に加担し、国防総省の国家安全保障政策を実行する代理役を担うということではないか。日本のような歴史を持つ国家がそのようなことをするのは、まったく残念だ。
と、こういうふうに述べたという記事が出ているわけであります。
 私は、戦後の平和憲法のもと、殺さない、殺されない、こういう理念のもとで歩んできたと思うんでありますが、今回の人道支援というふうなことでの派遣だと言われているわけでありますが、まことに残念でならないわけであります。そういうことで、この件につきましても知事の御所見をお伺いをしておきたいと思います。
 2番目の地位協定の抜本的見直しについてであります。
 知事は、所信表明の中で、昨年の成果を踏まえ積極的に取り組んでいくという決意を述べられているわけでありますが、これも昨日来いろいろと御質問の中でも出ているわけでありますが、このような昨年の成果、全国行脚をされた、あるいはまた都道府県における決議、そして日弁連あるいは商工会議所、知事会といったところでの決議があるのが昨年の成果だというふうに思うんでありますが、新年度におけるこれらの成果を踏まえた取り組みとはどういうことであるのか、これについてお伺いをしておきたいと思います。
 (2)の「日米地位協定の考え方」に関する文書が存在するんだという報道がなされました。その件についてお伺いをいたしたいと思います。
 報道にもありますように、照屋寛徳議員はその件に関しましても質問主意書をもってその回答を日本政府から得るようにいたしたようであります。その中での回答にも見られるわけでありますが、原本の保存を否定はした、これは報道にもあるとおりであります。しかしながら、増補版の存在は認めたということであります。全くおかしな話であります。母屋はないのにひさしがあるといったような話だと私は思っている。そういうようなことで、このような文書が存在をする、しかも沖縄の基地の問題、あるいは戦後置かれてきた沖縄の状況と密接に関連するようなこのようなことが公開されないままにある。
 そしてもう一つ、昨年の1月に公表されました環境合意についてもそうでありました。これが明らかになっておれば、私たちはこれに基づいて基地の立入調査、こういったことも含めて要求をする道が開けていたはずでありますけれども、これについても30年の間、私たちは全くこの合意の内容について知らされなかったということがありました。
 立て続けにこの1年の間に2つの文書の存在が明らかになってきた、こういうことだろうというふうに思うわけでありますが、この件につきまして次の2点についてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず、アであります。県は、この文書の存在というのを承知をして、これまで政府に対してその公開を求めた経緯がありますか。
 イ、そして今後、このような文書が存在するということはほぼ明らかになったわけでありますから、これをどのように公開を求めていかれるのかであります。
 3番目の基地問題についてであります。
 (1)の米軍の再編計画と基地の返還整理縮小についてであります。
 この件につきましては、私もこれまで代表質問あるいは一般質問の中で何回かお尋ねをしてまいりました。また、これまでシンクタンクやあるいは米国政府の中からも対外基地の再編が進んでいる、あるいはまたそのような方向で動いているというふうなこともあったわけでありますし、韓国における中心市街地にある基地が移転をするということについても現実のものになってきているということが報じられておりますし、また、その件に関しましては昨年2月に私も韓国を訪問いたしまして多くの方々からその取り組みについて伺ってまいりました。
 そういった動きがありますし、また先ほどのNHKのニュースの中でも出ていたわけでありますが、沖縄の基地を本土の自衛隊基地に移していくということも議論をされているというニュースも流れていたわけでありますが、私は、SACOの合意を進めていくという立場はこれまで繰り返し述べられているわけでありますが、このような情勢の変化の中で県として新たな返還計画、さらに跡利用計画、それともう一つ大きな課題でありますところの駐留軍の雇用員の対策も含めて早急にこの対策を策定する必要があるのではないかというふうに思うわけであります。この件につきましては、関連する平良長政議員からの質問もあったわけでありますが、具体的にこのような計画をつくっていかれる用意があるのかどうかということについてお伺いをいたしておきたいと思います。
 (2)の米軍基地の環境調査についてであります。
 ア、昨年公開されました日米合同委員会合意に基づきまして、これまで県は調査の申し入れをした事例がありますかどうか。
 そしてイのPCB処理施設建設についてであります。
 今、この処理施設が恩納村内に建設されるかどうかということで恩納村議会でもいろいろ議論があるようでありますし、また報道にも出ているわけでありますが、このような施設、米軍基地から出てきたところのこのような汚染物質を県内で処理施設をつくるということについては大きな問題がある。本来ならばこれは原因者の責任において処理をされるべきものでありますけれども、これが日米地位協定によって免除されている。このようなことから、この処理をどうするかという問題が惹起しているわけであります。そういうことでこのPCB処理施設、また北谷の返還地跡から出てきております汚染物質についても、どこで処理をするのかということが提起をされているわけでありますが、このようなことも含めて県は今後どのように対処されるのかお伺いをしておきたいと思います。
 それから、ウのキャンプ・コートニー内の鉛調査とその除去に対する取り組みについてであります。
 軍特の中でもいろいろ議論をされております。また、さきに調査申し入れをしたけれども、これが拒否をされたというふうなことも伺っているわけでありますが、これについてその後の県の対応をお聞かせいただきたいと思います。
 (3)、さきに県の環境審議会の方から県に対して提言がなされております。基地問題、基地環境問題の情報公開などに関する提言であります。その中に4点の提言があるわけでありますけれども、これについて県はどのようにされていくかということが一つでありますが、同時に、これまでの経緯を含めて、これが公開されなかった理由を日米合同委員会、さらに日本政府に対して求めるべきだというふうに提言もされているわけでありますが、これについてどのように対処されるかお聞かせいただきたいと思います。
 次に(4)であります。基地内の主要道路の共同使用についてであります。
 これは、かねてから中部市町村会、中部振興会、こういったところでも提起をされていた問題でありますし、また軍転協の中での要請事項としても挙げられているわけでありますが、これについての取り組みをお伺いをしておきたいと思います。
 質問通告にも書いてありますように、1つは北中城村の石平から国道58号に通ずる道路についてであります。さらに、嘉手納基地内の3本のルート、それから北中城村内の役場に通ずる基地内道路、この共同使用の見通しはどうなっているかお伺いをしておきたいと思います。
 次に、都市型戦闘訓練施設建設につきましては、地元金武町の皆さんを初め金武町長を先頭にしてこれに対する反対の声が上がっております。これについて県はどのように対処されるかお伺いをしておきたいと思います。
 次に、福祉行政についてであります。
 (1)の、県の障害者福祉長期行動計画についてでありますが、最終年度に当たってこれまでその成果をどのように総括をされているのか、さらに新しい長期計画への策定についての取り組みはどうなっているかお伺いをしておきたいと思います。
 (2)の、平成15年度から福祉サービスの基本が変更されました。利用者が主体的に選択できるサービスの質的あるいは量的な確保がどうなるかということが心配をされました。さらに、市町村間に格差があるのではないか、こういったことも懸念をされたわけであります。これについてどのようになっているかお伺いをしておきたいと思います。
 (3)であります。そういった中で障害者が自立をしていく上で施設から出て地域で生活をしていく、こういったことの必要性が言われて久しいんでありますが、けさのニュースを聞いておりますと、かつて厚生省の障害福祉の担当でありました浅野知事は、画期的なことを打ち出したようであります。県内の収容施設を廃止をしてすべての知的障害者を地域に帰す、そういった中で自立を支援をしていく策を打ち出していきたいと、こういうことを新年度からやるということがあるようであります。そういうようなことで、これは一挙にできることではないということは重々承知でありますけれども、自立化のためのこのような地域での生活支援が不可欠であるわけであります。これに対するグループホームなどもそうでありますが、これについて県はどのように対処しようとしているのかお伺いをしておきたいと思います。
 それからもう一つ、(4)にあります自立のための不可欠の要素として雇用の問題があるわけであります。障害者の自立と社会参加、その中の重要な柱の一つが雇用であるわけでありますが、県内における雇用・就業の状況はどうなっているか。それから、平成16年度の就労支援事業についてどうなっているかお伺いをいたしたいと思います。
 (5)の児童虐待について。
 12月の一般質問でもお伺いをいたしました。それぞれ福祉保健部、教育委員会、警察本部、こういったところで取り組みがなされているということもお伺いをしているわけでありますが、特にその中で児童相談所の機能、これを充実していく必要があるというふうに指摘をされているわけでありますが、これに対する取り組みはどういうふうになっておりますか。
 また、養護施設等における対処も急だというふうなことも前にも申し上げたことがありますが、これについてどのようになっているかお伺いをしておきたいと思います。
 (6)の高齢者在宅支援事業についてであります。
 県の方でも高齢者向けの住宅などの整備が進んでいることも承知をしているわけでありますが、さらに地域における高齢者の支援事業としてグループホームなどの建設はこれから不可欠であります。そういうようなことで、これについての新年度の取り組みをお伺いをしておきたいと思います。
 それからイであります。高齢者の緊急一時保護事業についてでありますが、せんだって新聞にも出ておりますように、高齢者に対する虐待の問題が新たに社会問題として出てきているわけでありますが、そのための一時避難的に高齢者を保護する、あるいは相談を受けるというふうなことが地域において必要とされるというふうに思うんでありますが、これについてどうなっているかお聞かせいただきたいと思います。
 (7)番目の認可外保育施設の認可移行について。
 これまで5年間、それ以前から努力はされているわけでありますが、25年間におけるその推移と認可化に向けての支援策、さらに市町村ではどのように取り組みがなされているかお伺いをいたします。
 (8)番目のホームレス対策についてであります。
 これも昨年調査が行われたはずであります。九州管内で2番目にホームレスの多いのが本県だということが言われているわけでありますが、これらホームレスに対する自立支援のための取り組みはどうなっているかお伺いをいたします。
 5番の農林水産業の振興についてであります。
 (1)、本県の地域資源を利活用した総合的な農林水産業の振興策はどうなっているかお伺いをいたします。
 (2)番目に、畜産廃棄物処理法の施行が11月でありますが、これについて県、市町村、そして畜産農家の取り組みはどうなっておりますか。
 (3)、鳥インフルエンザに対する防疫対策についてであります。
 これも先ほどのニュースを見ておりますと、カナダでもこれが発生をしたという報道がなされております。本県における対策についてどうなっているかお聞かせいただきたいと思います。
 (4)であります。水産業振興のための森林整備の具体策についてでありますが、水産業振興の上から森林の整備は不可欠なものの一つであるというふうに言われます。「森は海の母である」という言葉もあるわけでありますが、森林は森林としての整備と同時に、そのような水産資源を生かしていく、漁業を振興することに深くつながっていくわけでありますが、この森林整備の具体策についてお聞かせをいただきたいと思います。
 次に、BSE、鳥インフルエンザ等、今、食に対する安全・安心、これがかつてないほど脅かされているという状況がございます。そういった中で、12月にもお尋ねしたわけでありますが、本県における地域食料自給率の向上を図りながら地産地消を推進していくということが大きな課題であるというふうに思いますが、その対策はどうなっているかお伺いいたします。
 6番目の観光振興について。
 (1)、バリアフリー観光を推進していくということが言われているわけでありますが、その取り組みはどうなっておりますか。
 それから(2)点目の赤がわらの保存、観光施設のバリアフリー化についてお伺いいたします。
 せんだって経済労働委員会の方で小浜、与那国を視察をいたしました。そういった中で大変「ちゅらさん」効果で今注目を集めております小浜島へ行ったわけでありますが、あの「古波蔵荘」の周辺の赤がわらは保存すべきじゃないかというふうに私は感じているわけです。しかしながら、その対策はまだ樹立されてないということを伺っているわけでありますが、そういったことについての県の認識はどうでありますか。
 それから、観光施設のバリアフリー化、これからの沖縄観光を推進する上で欠かせないことだと思うんでありますが、いかがでありますか。
 7番目の治安対策についてであります。
 (1)、米軍人等の犯罪が増加の一途をたどっているということがあります。また、これまで県警の方からもそのようなことが発表されているわけでありますが、その実態と検挙者の推移を伺いたいと思います。
 (2)、多発する米軍人犯罪や観光地としての特殊事情など多面的な治安対策が必要だというふうに思うんでありますが、警察官の増員見通しはどうなっておりますか。特に、本県は警察官配置の中に加味されてない5万人に上ると言われております米軍人・軍属の存在がありますし、それから他県と違うハブの捕獲といったような特殊なことが警察の任務の中に入っているはずであります。このような特殊事情を加味して本県の警察官は配置をされるべきだというふうに思うんでありますが、これがどうなっておりますか。
 さらに空き交番の問題、いろいろ相談に行くけれども、なかなか交番に警察官がいないというふうなことはよく私たちが耳にすることでありますが、この空き交番を解消するための対策はどうなっておりますか、お伺いをいたしたいと思います。
 (3)、警察学校におけるウチナーグチ(方言)の指導であります。
 せんだって私の知人が夏目漱石の「吾輩は猫である」、それから「坊っちゃん」、これを立て続けにウチナーグチに訳いたしまして出版をいたしました。その「坊っちゃん」の出版祝賀会に行きましたら、そこで警察学校においても今ウチナーグチを指導しているということを聞いたわけであります。この知人は、そこの講師として行って指導しているということも私伺っているわけでありますが、今の若い人たちにウチナーグチを指導する、そして第一線で警察官が仕事をする上で、高齢者を含めてコミュニケーションを図る上で大変大切なことだというふうに思いますし、すばらしい配慮だというふうに思うわけであります。さらに今後ともこういったことを継続してほしいという思いもあるわけでありますが、警察本部長の御認識を伺いたいと思います。さすが「イースーブーヤアラン、シースーブードゥヤル」ということをおっしゃった本部長だというふうに思うんでありますが、これについていかがでありますか。
 8番目の教育行政についてであります。
 (1)、少人数学級への取り組みについて、これまでいろいろと御努力されているというふうに思うんでありますが、いかがでありますか。
 それから統合教育の推進について新年度の取り組みはというふうに伺っているわけでありますが、どうも私が見ますると新年度の所信表明の中でこのことが触れられていないんじゃないかというふうな気がいたすわけでありますが、教育長、どのような取り組みを考えていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 次に(3)、いじめや不登校対策についてもいろいろと出ておりますが、どうなっておりますか。
 9番、比謝川河川整備と与那原川の整備の進捗状況についてでありますが、これも毎回お尋ねをいたしております。土建部の皆さん方の大変熱意ある御努力でかなり進んでいるということも承知をしているわけでありますが、そのことと与那原川の整備はどうなっているか、お伺いをしておきたいと思います。
 10番目の辺野古海域におけるボーリング調査について、文化環境部、土建部の認識と今後の対応はどうされるのか、お伺いをしておきたいと思います。
 11番、雇用対策についてであります。
 これも本県の大変厳しい雇用状況、こういったことなどを踏まえながら緊急地域雇用創出特別事業の推進をしていくということでこれも取り組みをされておるわけでありますが、それがどのように常用雇用につながっていっているのか。また、これまでの実績はどうであるか、お伺いをしておきたいと思います。
 (2)、若年者雇用対策と新規学卒者の就労見通しはどうでありますか。
 以上、お伺いをいたしまして再質問をさせていただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 新川秀清議員の御質問にお答えをいたします。
 有事法制、イラク特措法及びイラクへの自衛隊派遣について一括してお答えをいたします。
 有事への対応については、従来、法的な根拠が確立されていなかったことから、政府において法治国家として法的整備を図る必要性を考慮された上で、武力攻撃事態対処関連三法の整備に努められたものと承知しております。県としては、沖縄の基地問題は、単に一地域の問題ではなく全国民的課題であり、国民保護法制や米軍及び自衛隊に関する法制の検討・審議に当たっては、米軍基地の負担のあり方等についても十分に議論を尽くしていただきたいと考えております。
 また、イラクの復興については一日も早く実現することを期待しており、我が国も関係各国と協力しながら主体的に貢献していくことが望ましいと考えております。現在、イラクへ多くの自衛隊員が派遣されイラクの人道復興支援に携わっております。現地での自衛隊の活動に当たっては、自衛隊員の安全確保に万全の対策を講ずるとともに、我が国の人道復興支援活動に対しイラク国民の理解が得られるよう努力する必要があると考えております。
 次に、イラク戦争に関する知事の所見についての御質問にお答えをいたします。
 平和は国際関係の中で成り立っており、アジア・太平洋地域の平和が沖縄と日本の平和に密接に関係しており、沖縄県民が恒久平和の創造に努めていくことは大切なことだと考えております。沖縄の平和への思いを世界に広げ、国際平和の創造に貢献するため沖縄平和賞を創設しました。イラクへの武力行使については、平和的に解決できる可能性がある限り国連を中心に最後まで外交努力がなされるべきとの考えを示してきましたが、武力行使に至ったことはまことに残念であります。県としては、イラクの復興が一日も早く実現することを願っております。
 次に、地位協定見直しに関する今後の取り組みについてお答えいたします。
 県は、「日米地位協定の抜本的見直しに関する全国行動プラン」を策定し、昨年6月から他県の協力・支援を得るために渉外知事会の加盟都道県への要請行動を行い、13都道県すべての議会で地位協定見直しの意見書が採択されたところであります。また、渉外知事会に加盟していない14府県においても同様の意見書が採択されており、日米地位協定を見直す動きは着実に全国の都道府県に広がっております。
 その他、日本青年会議所や日本商工会議所、中小企業団体中央会、自治労県本部、連合などの団体が独自の取り組みを行っており、日本弁護士連合会等では日米地位協定の見直しに関する決議が行われるなど、その動きは県内外の各界各層にも及んできております。今後は、国民世論を盛り上げるとともに、多くの国会議員に働きかけて全国的な運動にし、政府の理解が得られるような形に持っていく必要があり、県としても各団体等と連携しながら積極的に対応していきたいと考えております。
 次に、SACO合意の見直しや返還計画、跡利用計画、駐留軍雇用員対策等の策定についての御質問にお答えします。
 基地問題の解決に向けては、地元市町村の意向を初め、国際情勢や県土の有効利用、基地の跡地利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、経済振興等を総合的に勘案しながら検討する必要があります。本県が負担している過重な米軍基地の整理縮小については、まずSACOの合意事案を着実に実施し、計画的、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。県としては、地元市町村の意向を踏まえ幅広く県民の理解と協力を得ながら対応する方針であり、そのためにも軍用地主や駐留軍従業員の生活、返還跡地の有効利用及び移設先の地域振興等さまざまな問題について一つ一つその解決への道筋をつけながら、基地の整理縮小を着実に実施していきたいと考えております。
 次に、陸軍複合射撃訓練場建設についてお答えをいたします。
 今回の陸軍複合射撃訓練場の建設計画は、県民の基地負担の軽減を求めてきた県のこれまでの要請や県民の意向に反するものであり、これまで小泉総理大臣や各大臣が出席した全国知事会等の場において同訓練場の建設に反対であることを表明し、政府に対応を申し入れたところであります。また、去る1月15日には来県された浜田防衛庁副長官に対して、陸軍複合射撃訓練場建設計画については反対であり、防衛庁におかれても沖縄の状況を十分に認識し対応していただきたい旨申し入れたところであります。
 次に、自給率の向上と地産地消の推進についてお答えいたします。
 県産農水産物の自給率の向上を図るためには、地産地消の推進が重要であります。県では、拠点産地の育成による生産供給体制の強化を図るとともに、各種の地産地消事業等を展開しているところであります。具体的には、1、県内ホテルにおける県産食材フェアの開催、2、「沖縄100の健康料理」メニュー集の発刊・普及、3、農産物、水産物、林産物を網羅した農林水産フェアの開催、4、県内量販店を対象にフードアドバイザーの派遣、5、食育推進ボランティアの育成と活動支援などを行っております。
 また、地産地消に対する県民の意識啓発やPR等を全県的に展開するため、去る2月8日に「沖縄県地産地消推進県民会議」を設立したところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 「日米地位協定の考え方」増補版についてに一括してお答えいたします。
 外務省の日米地位協定に対する立場や基本的考え方、あるいは個々の条項の解釈については、これまでの国会での質疑や県の個別事例の照会などを通じて概要は把握しております。地位協定の運用にかかわる日米合意については県としてこれまでにも公表を求めてきており、県が地位協定の見直しを要請している11項目の中でも日米合同委員会の合意事項を公表する旨協定に明記するよう求めているところであります。県としては、今後とも地位協定の抜本的見直しの実現に向けて努力していきたいと考えております。
 なお、政府が保有していることを認めた同文書の増補版についてその提供を依頼したところ、アメリカ合衆国との信頼関係が損なわれるおそれがあるなどの理由で提供できないとの回答を受けております。
 PCB処理施設の建設についてにお答えいたします。
 現在、航空自衛隊恩納分屯地に保管されているPCB等含有汚泥の処理方針については、実証試験の結果、超臨界水酸化分解法が安全かつ確実に処理できるとの結論が出ていると聞いております。処理施設の設置等に関する今後のスケジュールについては、那覇防衛施設局が恩納村に対し処理施設の設置を申し入れており、恩納村では村長を初め関係者が北海道にある実験施設を視察し、処理施設の設置受け入れについて検討しているとのことであります。県としては、今後とも当該処理に関する情報収集に努めるとともに、地元の動向を注視していきたいと考えております。
 キャンプ・コートニー内の鉛調査等についてにお答えいたします。
 県としては、県域の環境保全を図る観点から、キャンプ・コートニー水域における海生生物の鉛調査を独自に実施する必要があると考え、昨年8月に同施設内へのサンプリングのための立入申請をしましたが、米軍からは合同委員会で調整すべきとの回答があり、現在、合同委員会で協議してもらうよう依頼しているところであります。県は、今後とも地元具志川市等と連携しながらレンジ跡地の土壌浄化、周辺海域及びビーチにおけるモニタリング調査の継続実施等についても取り組まれるよう国に働きかけていきたいと考えております。
 県環境審議会の提言に対する対応についてにお答えいたします。
 1973年の日米合同委員会合意文書について外務省に照会したところ、これまで同文書を公表しなかった理由については、30年以上も前の文書であり、その理由は明らかでないとのことであります。県は、これまでにも日米地位協定の見直し要請の中で日米合同委員会合意事項の公表を求めてきたところでありますが、合意文書が公表されなかったことは極めて遺憾であります。また、基地内への立ち入りについては、平成8年12月の日米合同委員会において米軍基地内への立入許可の手続が合意されており、現在、同合意に基づいて立入手続が行われることになっております。
 しかしながら、県や市町村が求めているような速やかな立ち入りが実現されているとは言いがたい状況にあることから、さらなる改善の検討が必要であると考えております。このため県としては、日米地位協定の見直しの要請の中で、地位協定に環境保全に関する条項を新設することとあわせて、基地内への立ち入りが円滑に実施されるよう同協定の改定を求めているところであります。
 基地内道路の共同使用についてにお答えいたします。
 基地内道路の通行については、緊急車両の通行が平成13年以降実現しておりますが、基地内道路を一般車両が通行するに際しては、米軍施設・区域の管理運用上の問題など緊急車両の場合以上にクリアすべき課題が多いと考えております。しかし、県としては、県民の通勤・通学等生活の利便性の向上や経済活動の円滑化を推進する等の観点から、一般車両の基地内道路の通行の必要性を認識しており、機会あるごとにその実現を訴えております。今年度においても昨年7月の渉外知事会や9月の軍転協において日米両政府に要請をしたところであります。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 日米合同委員会合意に基づく調査の申し入れについてお答えをいたします。
 1973年の日米合同委員会合意に基づく調査の申し入れの事例はありませんが、これまで基地への立ち入りにつきましては、平成8年12月に日米合同委員会が承認した合衆国の施設及び区域への立入許可の手続についてに基づき申請しております。平成8年12月から現在までの立入申請件数は17件で、許可10件、不許可6件、未回答1件となっています。
 次に、辺野古海域におけるボーリング調査についての文化環境部の認識と対応についてお答えをいたします。
 文化環境部としては、辺野古海域におけるボーリング調査の実施に当たり、可能な限り環境への影響の少ない調査方法が選定されることが重要であると認識しております。当部としては、ボーリング調査等の作業計画についての不明な点等の事業者への確認結果や、当部が聴取した専門家の意見内容等も踏まえ土木建築部の方へ回答したところであります。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 「沖縄県障害者福祉長期行動計画」の成果の総括及び新計画策定に向けた取り組みについてお答えいたします。
 県では、平成6年度に平成15年度までの「沖縄県障害者福祉長期行動計画」を策定し、福祉・保健・医療、教育、雇用、生活環境等各分野の連携のもと、それぞれの施策を展開してきたところであります。その結果、平成14年度末現在で211の総事業数のうち182事業を実施し、実施率は約86%となっております。ホームヘルパーの養成などの在宅サービスや福祉施設の整備などによる福祉サービスの充実、公共性の高い施設のバリアフリー化の推進による生活環境の整備など、同計画における諸施策の実施により障害者の自立と社会参加の実現に着実な成果を上げてきたと考えております。
 なお、現在、平成16年度を初年度とする「第3次沖縄県障害者基本計画(仮称)」の策定を進めているところであります。新計画の策定に当たっては、平成14年度に実施した障害者実態調査や現行計画の成果等を踏まえ、障害のある方や関係団体に対して計画案の説明会を開催し、意見・要望等をお聞きするとともに、パブリックコメントを実施するなど広く県民の意見等も取り入れながら年度内の策定に向け作業を進めているところであります。
 続きまして、障害者福祉サービスの確保と市町村間の格差についてお答えいたします。
 身体及び知的障害者施設は、平成16年1月現在58カ所が設置されており、定員は3266人となっております。なお、身体障害者施設については、授産施設及び療護施設が平良市に整備中で、これにより療護施設は全圏域に設置されることになります。また、知的障害者施設については授産施設が豊見城市に整備中であり、今後もニーズに応じて整備していくこととしております。他の種別の施設については、各圏域においてニーズをほぼ満たしております。
 また、在宅福祉サービスについてもホームヘルプサービスなどの居宅支援事業所が支援費制度施行前より206カ所ふえ、計400カ所となっております。これにより、各市町村において利用者が選択しやすいサービス提供が促進されるものと考えます。今後とも支援費支給決定を行う市町村と連携し、地域ニーズを踏まえた基盤の整備に努めます。
 続きまして、グループホームや居宅生活支援事業の確保はどうなっているかについてお答えいたします。
 障害者の居宅支援サービスを実施する事業所は、身体障害者、知的障害者、心身障害児に係るホームヘルプサービスが272カ所、デイサービスが36カ所、短期入所事業所が67カ所及び知的障害者グループホームが25カ所で、平成16年1月末で延べ400カ所となっております。支援費制度移行前の194カ所より206カ所ふえ約2倍となっており、これまでの主な運営主体である社会福祉法人に加え、介護事業者運営法人である医療法人や特定非営利活動法人などの参入があったことによる箇所増であります。
 県といたしましては、今後とも障害者ニーズに対応したサービスが提供できるよう努めるとともに、市町村に対しても社会福祉協議会などと連携し、援護の実施者としてニーズを踏まえた基盤の整備を行うよう助言してまいります。
 続きまして、児童の虐待防止及び早期対応の具体策についてお答えします。
 県では、これまで年々増加する児童虐待への対応として児童相談所の児童福祉司の増員や児童虐待対応協力員、児童虐待専門カウンセラー等の嘱託員の配置及び児童養護施設への心理療法士の配置などの体制整備を行ってきました。また、昨年度、中央児童相談所に設置した「児童虐待防止支援チーム」を中心に、市町村域における児童虐待防止ネットワークの設置を進めております。昨年3月に「子どもの虐待に対応する関係機関のための手引き」を作成しておりますが、この手引きを関係機関へ配布するとともに、児童虐待防止市町村ネットワークや研修会等において活用し、児童虐待に係る機関・関係者が連携して効果的で適切な対応ができるように努めているところであります。また、虐待の予防のためには児童虐待の早期の把握や対応が重要であることから、「健やか親子おきなわ2010」において育児支援に重点を置いた乳幼児健診や児童虐待に関する保健師等の研修会を行っているところであります。
 なお、児童相談所では、住民や学校等の関係機関から児童虐待の通告等があった場合には速やかに児童福祉司を調査に当たらせ、事実を確認するなど迅速な対応を行っているところであります。今後とも、児童虐待の防止及び早期対応に努めてまいります。
 続きまして、高齢者向け住宅等に対する新年度の取り組みについてお答えいたします。
 高齢化が急速に進展している中、高齢者が住みなれた地域において安心して暮らすことは重要であります。このため、活用できる事業として高齢者共同住宅は高齢者優良賃貸住宅が平成16年1月末現在89戸、シルバーハウジングが整備中を含め68戸、痴呆性高齢者グループホームが整備中を含め22ユニットありますが、新年度においては高齢者優良賃貸住宅は75戸、シルバーハウジングは今年度から次年度までの継続事業として24戸、グループホームについては平成16年度の整備計画として5ユニットを予定しています。県としましては、今後とも高齢者が安心して生活できる居住環境の整備に取り組んでまいります。
 続きまして、高齢者の緊急一時保護事業についてお答えいたします。
 虐待を受けている老人等への対処を行ういわゆる緊急一時保護施設については、県内には現在のところ設置されておりません。生活保護世帯や市町村民税の所得割がない高齢者が虐待を受けている場合は養護老人ホームへの措置入所が可能であり、また虐待を受けている要介護高齢者の場合は「やむを得ない事由による措置」として特別養護老人ホームへの措置入所が可能であります。なお、家族から虐待を受けている高齢者の緊急避難的な一時保護等については、高齢者やその家族等の福祉の向上を図る上からも大変重要であることから、ニーズの把握や設置主体、運営等の問題、さらに既存施設への併設の可能性等の課題も含め、昨年10月に実施した高齢者虐待実態調査の結果も踏まえ対策を検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、認可外保育施設の認可移行の推移と認可化支援策及び市町村の取り組みについてお答えいたします。
 県においては、平成18年度までに認可外保育施設から認可保育所への移行を含め、保育所創設等により3500人の待機児童解消を図ることにしており、平成16年4月には目標の約45%が達成される見込みとなっています。認可外保育施設から認可への移行は、平成14年度が創設6カ所のうち5カ所、平成15年度が創設13カ所のうち11カ所、平成16年度が創設8カ所のうち7カ所となっております。今後とも市町村に対し、積極的な取り組みを行うよう働きかけていきたいと考えています。
 また、保育の実施主体である市町村においては、保育所の整備に対し財源確保等の課題があることから、県の新たな取り組みとして「認可保育所創設専任チーム」を部内に設置する計画です。このことにより、職員を積極的に市町村に派遣し、公設民営方式、学校の余裕教室の活用を助言するなど、さまざまな方法で保育所創設を促進していきたいと考えています。
 続きまして、ホームレスの実態と自立支援策についてお答えいたします。
 ホームレスの対策につきましては、平成14年8月に「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が施行され、国や地方自治体の行う施策の目標等が規定されたところであります。昨年1月から2月にかけて「ホームレスの実態に関する全国調査」が実施され、本県では158名が把握されて、最も多いのが那覇市の79名となっております。国においては、この全国調査の結果を踏まえ、昨年7月に「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」が策定されたところであり、地方自治体においては、必要があると認められたときは、この基本方針に即し「ホームレスに関する問題の実情に応じた施策を実施するための計画」を策定することとされております。現在、県としましては、当面、基本方針に基づいた実施計画を策定するための策定委員会の立ち上げを検討しているところであります。
 また、自立支援策として国、市町村それぞれ2分の1の負担で食料や日用品等を支給する緊急援護事業があり、那覇市は平成14年度にこの事業を実施しておりますが、その際、県も那覇市の負担軽減を図る観点から4分の1の助成をしており、現在も継続して必要と認められる方に支給しております。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 障害者の雇用状況と対策についてお答えをいたします。
 法定雇用率が適用される民間企業において雇用されている障害者の数は、平成15年6月1日現在1339人で、実雇用率は1.61%と全国平均の1.48%を上回っているものの、依然として法定雇用率の1.8%を下回っている状況であります。このため県では、6カ月程度の職場適応訓練事業を実施するとともに、北部地区において社会福祉法人名護学院を「障害者就業・生活支援センター」として指定し、地域の関係機関が連携した障害者の就業・生活支援に努めているところであります。
 また、毎年9月の「障害者雇用促進月間」において事業主を初めとした県民に対し各種の啓発活動を行っております。平成16年度は、新たに養護学校や授産施設との連携により障害者の雇用の促進と定着を図る障害者職場適応等支援者配置事業を実施するとともに、「障害者就業・生活支援センター」の中南部地区での指定に向けて取り組んでまいります。
 次に、緊急地域雇用創出特別事業についてお答えをいたします。
 本事業は、平成13年度及び14年度で215事業、事業費27億4400万円、新規雇用者数4153人の実績を上げております。また、平成15年度は269事業、事業費34億2000万円、新規雇用者数2871人を見込んでおります。本事業は、臨時的な就業の機会を確保することを直接的な目的としていることから直ちに安定的な継続雇用に結びつけることは困難な面がありますが、県が実施している産業振興施策との連携等によって多様な事業を実施し、安定的な雇用機会の確保に努めております。事業終了後の継続雇用者は、情報関連事業及び環境整備関連事業などで平成14年度までに141名の実績となっております。
 なお、平成16年度は新たにエコツア-資源調査事業、在宅就業支援事業などを加えた186事業で事業費約21億9000万円、新規雇用者数を2000人と計画しております。
 若年者対策と新規学卒者の就労見通しについてお答えをいたします。
 若年者の雇用状況を改善していくため、県では昨年6月に沖縄県キャリアセンターを設置し、本年2月現在で約4000人の若年者に対し、就職支援セミナーやキャリアカウンセリングを実施するなど、職業観の形成から就職までを一貫して支援する事業を展開しております。
 また、学生の職業意識の向上及び視野の拡大を図るための県内外インターンシップや県外企業合同求人説明会及び就職の翼事業を実施しております。平成16年3月新規学卒者の就職内定率は、12月末現在で高校が38.8%、大学が26.0%となっており厳しい状況にあります。県としては、このような就職状況を踏まえ就職支援特別セミナーを開催するとともに、沖縄県キャリアセンターにおいて未内定者を個別的に支援する大学生等就職未内定者緊急支援事業を実施することにより就職内定率の改善に努めてまいります。
 以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 本県の地域資源を利活用した農林水産業の振興についてお答えいたします。
本県農林水産業の振興については、我が国唯一の亜熱帯性気候等の優位性を生かした活力ある産地を形成し、健康・長寿や観光・リゾート地にふさわしい高品質かつ安全で安心な農林水産物を消費者や市場に安定的に供給するなど「おきなわブランド」を確立することとしております。具体的には、亜熱帯性気候の優位性を生かしたゴーヤー、菊、マンゴー、シークヮーサー等の拠点産地の形成に取り組んでいるところであります。また水産については、広大な熱帯海域を利用しタイワンガザミ、シラヒゲウニ等の栽培漁業を推進するとともに、モズク、クルマエビ、スギ等養殖漁業の生産供給体制の強化を図っているところであります。さらに、機能性食品としてウコン、ボタンボウフウ、ヨモギ等の加工や黒糖の高付加価値化を図るなど、食品産業との連携強化に努めているところであります。
 続きまして、家畜排せつ物法の施行と対応についてお答えいたします。
 「家畜排せつ物の適正化及び利用の促進に関する法律」については、平成16年11月から本格的に適用されます。このため、県としては市町村等関係機関とともに整備を必要とする農家を対象に処理技術や補助及び融資資金等の説明会を開催し、その取り組みを強化しているところであります。これまでのふん尿処理施設の整備状況は、平成16年2月現在、対象農家1659戸に対し873戸の整備を行っており、整備率は53%となっております。未整備農家については市町村等と連携を密にし、国庫補助事業、2分の1補助リース事業、防水シート等による簡易な対応など総合的な畜産環境対策を推進してまいります。
 続きまして、鳥インフルエンザ対策についてお答えいたします。
 鳥インフルエンザについては、今年1月に国内で発生したことから、県ではすべての養鶏農家を対象に緊急立入調査を実施しております。その結果、鳥インフルエンザを疑うような臨床症状や、発生地域からのヒナ等の移入事例は確認されておりません。県としては、今後とも県内への鳥インフルエンザなどの家畜伝染病の侵入を防止するために関係機関と連携してモニタリング検査の継続強化、野鳥の鶏舎への侵入防止の徹底、畜舎出入りの際の消毒の徹底、鳥の異常な症状の早期発見と通報など、防疫体制に万全を期していく考えであります。
 続きまして、水産振興のための具体的な森林整備についてお答えいたします。
 森林は、川や海への栄養分の安定的な供給や土砂流出防止など豊かな海を維持する上で重要な役割を果たしております。このため、宮城県を初め全国各地で「漁民の森づくり」などの植樹活動が行われております。本県においては、北部地域や西表のイタジイを初めとする原生林が豊かな海を維持する上で大きな役割を果たしており、森林を守り育てることが重要であると考えております。現在、林業においては、イタジイ等を主体とする天然広葉樹林の育成や、イジュなど沖縄特有の樹種を生かした森林整備を行っております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 初めに、バリアフリー観光推進事業の対策についての御質問にお答えをいたします。
 近年、障害者や高齢者の旅行参加がふえており、本県におきましてもバリアフリー観光への取り組みが進められております。しかしながら、ハード・ソフト両面にわたり受け入れ体制はまだ十分とは言えない状況にあります。そのため、県におきましては次年度からバリアフリー観光推進事業に取り組むこととしております。本事業におきましては、バリアフリー観光の実態・動向調査や先進事例の調査、行政による支援のあり方などバリアフリー観光の推進方策を検討してまいります。
 また、観光関連産業従事者を対象とした障害者等への接遇セミナーの開催や、バリアフリー対応情報の提供及びネットワーク化、モデルツアーの実施、バリアフリーに関する県民意識の啓発などソフト面の取り組みを進めてまいります。これらのことにより、旅行者に優しい質の高い沖縄観光の実現を図ってまいりたいと考えております。
 次に、赤がわらの保存、観光施設のバリアフリー化についての御質問にお答えをいたします。
 沖縄観光の魅力を高めるためには、赤がわらなど本県特有の景観の保全と活用を図ることは重要な課題であります。そのため県におきましては、万国津梁館や平和祈念資料館など公的施設において赤がわらを積極的に使用するなど、沖縄らしい景観の形成に取り組んでおります。しかしながら、赤がわらなど昔ながらの沖縄らしい景観や町並みの保全については竹富島など一部に成功事例があるものの、全般的には十分な対策がなされていないのが現状であります。幸い国におきましては、次年度から「一地域一観光」に磨きをかける景観形成事業に取り組むとしていることから、今後、国や関係部局、関係市町村と連携し、景観の保全に向けた方策について検討してまいりたいと考えております。
 県内観光施設のバリアフリー対応状況については、平成13年度に観光コンベンションビューローが調査を実施しております。同調査によりますと、都市部やリゾート地域においてはハード面でのバリアフリー対応が着実に進んできておりますが、離島などにおいてはバリアフリー化が十分になされていないのが実情であります。今後、関係市町村や観光関連事業者等と連携し、ハード・ソフト両面から障害者や高齢者が安心して訪れることができる受け入れ体制の整備を促進していく考えであります。
 以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 米軍構成員等の検挙状況についてでありますが、平成15年中の米軍構成員等による刑法犯は検挙件数112件、検挙人員133人となっており、前年と比べ検挙件数で31件、検挙人員で33人それぞれ増加しています。
 罪種別で申し上げますと、強盗、強姦等の凶悪犯が7件12人、暴行、傷害等の粗暴犯が11件13人、窃盗犯が48件62人、偽造通貨行使などの知能犯が11件8人、公然わいせつ等の風俗犯が4件4人、その他住居侵入、器物損壊等が31件34人であります。
 ちなみに、平成10年からの推移を申し上げますと、平成10年は38件46人、11年は48件59人、12年は53件67人、13年は70件72人、14年は81件100人となっており、平成15年は5年前の平成10年と比較して件数、人員とも約3倍になっております。
 次に、警察官増員の見通しと空き交番対策についてであります。
 警察官の増員につきましては、知事を初め県議会の御理解をいただき平成14年度50人、平成15年度110人、平成16年度45人、計205人が認められたところであります。
 しかしながら、これまでの増員をもってしても本県の厳しい治安情勢や駐留米軍構成員等の存在、観光入域客の増加など、本県警察官の1人当たりの負担状況は依然として厳しいものがあります。したがいまして、良好な治安を維持していく上で現体制では十分であるとは言いがたく、県警としましては今後とも増員要請を行っていきたいと考えております。
 また、空き交番対策についてでありますが、県民の皆さんからは地域をパトロールしてほしい、交番に警察官が常にいてほしいという両方の要望があり、これらの要望にこたえるため各種対策に取り組んでいるところであります。
 交番・駐在所は、住民の身近なところで発生する事件・事故への対応、落とし物、盗難の届け出受理、地理案内、警察安全相談、巡回連絡、警らなど地域に根差した警察活動を行うことにより、地域の生活安全センターとしての役割を担っているものと考えております。
 しかしながら、パトロール活動を初め多発する事件・事故の処理や110番への対応などの所外活動の増加により交番を不在にする場合が多くなっている状況にあります。これらを踏まえて空き交番対策を県警の最重要課題の一つとして位置づけ、交番への警察官及び交番相談員の増員配置、事件・事故処理の合理化・迅速化、パトカーの交番への立ち寄りなど各種施策を講じているところであります。このような交番の実態を踏まえ、具志川警察署で導入した地域住民の協力による交番ボランティアは大変心強くありがたいことと考えております。
 県警としましては、今後とも地域住民の皆さんの要望にこたえるため、空き交番の解消に向けて努めてまいりたいと考えております。
 次に、警察学校におけるウチナーグチ講座についてであります。
 講座導入の経緯につきましては、採用後七、八カ月の警察署勤務を終え、再度警察学校に入校した若い警察官の多くの者から、ウチナーグチが話せない、聞けない、特にお年寄りは方言で話しかけてくるのでわからないなどとの問題提起があり、現場での必要性を感じ、昨年、講座を開設したものであります。
 警察の仕事は、老若男女を相手とするものであり、若者にウチナーグチが継承されていない現実を踏まえますと、若い警察官がお年寄りを含め多くの市民とよりコミュニケーションを図り、幅広い県民のニーズに的確にこたえていくためにはこの種講座は必要であると考えております。
 以上です。
○教育長(山内 彰) 少人数学級の取り組み状況についてお答えいたします。
 公立小中学校の学級編制については40人を基準にしておりますが、本年度、本県においては小学校でおよそ7割、中学校でおよそ4割の学級が実際には35人以下の人数編制になっております。少人数学級については、児童の発達段階を踏まえ、学校生活への適応を円滑に図ることをねらいとして小学校1年生を対象に3学級以上でかつ平均児童数が36人以上の学校において実施しており、平成15年度は20校において児童数が40人に近い学級を30人前後の学級に編制しております。平成16年度も引き続き拡充が図られるよう努めていきたいと考えております。
 次に、統合教育推進のための新年度の取り組みはどうかとの御質問にお答えいたします。
国においては、平成14年4月の学校教育法施行令を一部改正して認定就学者、いわゆる盲・聾・養護学校への就学対象児童生徒が、市町村教育委員会において特別な事情があると認められた場合には公立小中学校に就学させることができるようになっております。このことを踏まえて、県教育委員会ではそのための適切な就学指導や就学事務の周知、就学指導委員等の専門性の高揚を図るために「就学指導必携」の作成、市町村等就学指導担当者研修会、就学指導地方研究協議会などを実施しております。また、県立総合教育センターにおいても障害児巡回就学相談活動事業を実施して早期からの就学相談等に取り組んでおります。新年度は、これらの事業の充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、いじめ、不登校対策についてお答えいたします。
 いじめや不登校対策としましては、スクールカウンセラーの配置や巡回教育相談の実施、関係機関の連携による不登校対策としてスクーリング・サポート・ネットワーク整備事業の拡充、心の教室相談員の配置などを実施してきております。また、今年度は特に生徒一人一人へのきめ細かな指導と支援を図るために指導・支援カルテを作成して、その活用により個人への対応の充実を促進しております。
 なお、平成16年度は、新たに生徒のやる気支援事業等を導入して「子どもの居場所づくり」を推進することにより学校、家庭、地域の人々とのつながりを深め、いじめや不登校対策に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 比謝川河川整備と与那原川の整備の進捗状況についての、比謝川と与那原川の進捗状況についてお答えいたします。
比謝川の整備につきましては、国道330号ボックスから下流、軍道橋付近までの区間約5.9キロメートルを重点整備区間として整備を推進しているところであります。国道330号ボックス下流の水辺プラザ区間につきましては、平成17年度完成を目途に沖縄市と連携を図りながら用地補償交渉等を進めているところであります。また、国道330号ボックスについては、現在、南部国道事務所で実施設計を行っているところであります。
 知花橋から沖縄自動車道下流付近のアカギ群落地区につきましては、平成12年度から整備に着手しており、平成16年度までに完了する予定であります。
 また、福地橋から下流白川地区の米軍提供施設地内につきましては、平成15年9月に暫定掘削工事を完了しており、計画のおおむね70%程度の通水断面は確保されております。
 また、与那原川につきましては、上流の倉敷ダムが平成7年度に完成したことと、平成14年度に比謝川本川の軍道橋下流河道内にあった旧堰や倒木等を除去したことから浸水被害は軽減されております。しかし、比謝川との合流地点付近の川幅が狭いため集中豪雨時には米軍施設内で冠水し、上流民間地の畑等への影響も懸念されることから、現在、合流部付近の暫定掘削に向け用地補償交渉に取り組んでいるところであります。
 比謝川及び与那原川の整備につきましては、今後とも地域住民の協力を得ながら浸水被害の早期解消に努めてまいりたいと考えております。
 次に、辺野古海域におけるボーリング調査についての土木建築部の認識と対応についてにお答えいたします。
 本件公共用財産使用協議につきましては、国有財産法の使用許可手続に準じて使用海域の財産管理上の支障、安全対策、環境保全策、他法令との整合性及び利害関係者との調整状況等について審査しているところであります。
 以上でございます。
○新川 秀清 3点について再質問をいたします。
 まず地位協定に関する文書についてでありますが、米国との信頼関係を損ねるおそれがあるから公表できないと。とんでもない話だと思うんですよ。
 このことによって、私たちはずっとがんじがらめにされて県民はひどい目に遭ってきたわけです。ですからそのことを、日本政府の姿勢の問題だというふうに思うんですが、これをこのまま容認してはいかぬわけであります。
 そういうことで、再度県においては強くこれを申し入れをして、これまでの経過も含めて明らかにすべきだと思いますが、いかがですか。
 それから次、2点目に警察本部長にお尋ねしたいと思うんですが、これまで私何回かこのことをお尋ねしているわけですが、なかなか、非常に厳しい状況にありながら一挙に定数を満たすということはこれは容易ならぬことだというふうに私も理解しております。
 そういった中で、空き交番の問題というのは、これはもうずっと私も市にいて痛切にそれを感じてきたものでありますが、そのための相談員の配置というものは緊急を要すると思うんです。これについて現在どれだけ配置されていて、これからどのような計画で進めようとされているかということをお伺いをしておきたいと思います。
 それから最後に土木建築部長、私冒頭に申し上げましたように、比謝川本流の整備については大変努力をされている、このことを多としているわけであります。そういうことと、ただいまもありましたが、この与那原川については前から非常に問題がありまして、倉敷ダムが整備をされたときに26項目の協定があるわけでありますが、その中の一つに与那原川の河川を整備をする、それから農耕地内の橋梁を2カ所設置をするという合意がなされているわけであります。その一つの改修でありますが、本流が整備をされますとこの与那原川の河川と合流する地点で押し戻されて上流の農家が冠水をするということが集中的な豪雨のときに何回か出ているわけです。
 そういうことで、比謝川本流については承知をしているわけでありますが、これは要望として申し上げておきます。ぜひ与那原川につきましても早急にこれを改修していただくようにお願いを申し上げて私の質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
   午後2時41分休憩
   午後2時42分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) 「日米地位協定の考え方」についての再質問にお答えいたします。
 外務省の日米地位協定に対する立場や基本的考え方あるいは個々の条項の解釈については、これまでの国会での質疑や県の個別事例の照会などを通じて概要は把握しております。
 県としては、今後とも日米地位協定の抜本的な見直しの実現に向けて努力していきたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 交番相談員の数と増員計画等について御説明いたします。
 交番相談員は、交番勤務の警察官を補充する制度として平成6年から導入されたものであります。豊富な経験を有する退職警察官を非常勤の嘱託員として採用し、比較的来訪者の多い都市部の交番に配置して相談業務、地理案内、遺失・拾得届けの受理、被害届けの代書・預かり等の住民サービス的業務に従事させており、これにより交番機能が強化され大変有効であります。
 当県の交番相談員の現在員数は13人で、県下72交番のうち13交番に1人ずつ配置されており、平成16年度においても13人の増員が容認されたところであります。しかしながら、地域住民の空き交番解消の強い要望、交番勤務員の数や現在の業務の状況等を考えた場合、さらなる増員が必要と認められ、また、さきに閣議決定された平成16年度地方財政計画においても治安対策経費として交番相談員の大幅な増員が認められていることなども踏まえ、引き続き関係当局と調整を図りつつ交番相談員の増員を計画的に進めてまいりたいと考えております。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
   午後2時44分休憩
   午後3時10分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 休憩前に引き続き代表質問を行います。
 宮城國男君。
   〔宮城國男君登壇〕
○宮城 國男 通告に従い、県民の会を代表して所感を交えながら質問をいたします。
 まず、知事の政治姿勢について、(1)の自衛隊のイラク派遣についてお伺いします。
 小泉内閣のもとで日本政府はあくまでも人道復興支援を目的にイラク復興支援特別措置法、いわゆるイラク特別措置法に基づいて陸上自衛隊と航空自衛隊、そして海上自衛隊の3自衛隊をイラク南部のサマワを中心に活動するために派遣しました。自衛隊のイラク派遣に対しては国会での論議と承認などの手続を経たものであります。
 最近の本土マスコミの世論調査によりますと、自衛隊のイラク派遣を評価する国民がふえてきたとの報道があります。これは、国民の間にイラク派遣に対する一定の理解が広まってきたことを意味するものと思われます。比較的安全な地域と指摘されるサマワにおける医療や給水、学校など公共施設の復旧・整備などの人道復興支援活動に賛意を示し、イラクの復興協力や国際貢献の上でも意義があるものと理解していると思います。
 現時点では、日本の自衛隊にとっての事故や事件は一件も発生しておらず、一人のけが人も出していません。全員が無事に任務を全うして日本に帰国することを祈ってやみません。とはいいましても、一方ではいまだにテロの絶えないイラクへの自衛隊派遣については反対の意見があるのも事実であります。後に触れますが、憲法の解釈上の問題などもあって自衛隊派遣に対する賛否があり、国民にもっと派遣の意義を説明すべきとの考え方があります。
 さてそこで伺いますが、稲嶺知事は今回のイラクへの自衛隊派遣をどのように受けとめ、どのように判断しておられるのか、御見解を承りたいと思います。
 国会の方では現在、衆参両院における憲法調査会で憲法改正なども視野に入れた調査が5年の期間で行われ、ことしが調査の最終年になっております。
 戦後の憲法論議を私なりに見ますと、どちらかといえばイデオロギー対立を背景に、特に9条を中心とした解釈論議が先行してきたのではないかと考えます。しかし、現在は従来の安全保障とは質を異にした国際的なテロの発生や、我が国の近隣で問題化しているミサイル発射や核の脅威、海外への自衛隊派遣の実態と国の自衛権、アジアにおけるアジア共同防衛体制構築の動きなど、戦後すぐに憲法が制定された状況とは国際・国内情勢が大きく変化してきたと言えると思います。
 安全保障の問題だけではなく、人権の面でも、例えば遺伝子や体外受精の医療等生命倫理にかかわる新たなケースが現実に出てきています。IT社会における個人情報の保護のあり方等の問題もあります。つまり、既に制定から半世紀を経た現在の憲法では、急速に変化する時代の現状に合わないのではないかとする認識が国民の間に広まっていると指摘できます。
 このところのマスコミの各種世論調査でも大多数の国民が憲法を改正する意向を示しています。これまでの憲法解釈論だけでは現状はもはや限界に来ていると考えていいのではないでしょうか。もちろん憲法を改正するにしても国民や国会の十分な論議が必要で、さらに手続面でもちゃんとした体制のもとで行われなければならないと考えます。いずれにしても9条を含めて憲法のあり方を国民全体が真剣に検討すべき時期に来ていると思います。
 憲法改正に関する知事の御所見を伺います。
 文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会いわゆる中教審は、戦後すぐに制定された現在の教育基本法の改正について、昨年3月に「あたらしい時代にふさわしい教育基本法のあり方」と題する答申を提出しました。この答申は、教育の根本法である教育基本法を改正すべきと考えますとうたい、「いま、日本の教育を根本から見直して新しい時代にふさわしく再構築することが求められています」として、21世紀を切り開く心豊かでたくましい日本人の育成を目指して5つの目標実現を挙げています。
 目標は、国家・社会の形成に主体的に参画する日本人の育成、日本の伝統文化を基盤として国際社会を生きる教養ある日本人の育成、豊かな心と健やかな体を備えた人間の育成などでありますが、これらの目標が生まれた背景には現在の日本教育が抱える多くの課題と、日本の社会が直面するさまざまな危機的状況が横たわっています。
 沖縄県だけでなく全国的な傾向であるいじめや不登校、学級崩壊、青少年の犯罪多発、道徳心の欠如が見られ、家庭においても痛ましい児童虐待などが頻発しています。また、日本社会全体に治安の悪化、犯罪の横行が見られ、不況の中で就職難があり閉塞感が漂っています。
 こうした背景を受けて教育基本法の改正が強く主張されているわけで、道徳心、自律心の涵養、日本の伝統文化の尊重、郷土や国を愛する心の涵養などの基本理念が盛り込まれるのを初め、改正教育基本法には学校、家庭、社会、地域の全般にわたって教育の進むべき方向が規定されています。
 教育基本法の改正は、時代の変化と要求に沿ったものだと考えますが、知事は教育基本法の改正に対してどのような御見解をお持ちでしょうか、伺います。
 2番目の基地問題についてでありますが、(1)のSACO最終合意に基づく返還合意施設・区域の進捗状況についてお伺いします。
 1996年12月のSACO最終合意では、日本の米軍施設11カ所、総面積で5002ヘクタールの返還計画が盛り込まれ、そのうち実現したのは北部の安波訓練場と北谷町キャンプ桑江の一部の返還というのが実態であります。稲嶺知事は県政運営方針の中で、米軍基地の整理縮小に言及して日米特別行動委員会の最終報告の着実な実現を図るとの姿勢を打ち出していますが、普天間基地の移設等も含めて実際にはSACOの合意に基づいた返還計画はどの程度の進捗状況にあるかを改めてお尋ねします。
 それから、今後の見通しなどについても伺います。
 また、これまでのSACOに関する日米両政府の取り組みに対して知事はどのような感想をお持ちなのかお聞かせください。
 (2)、普天間基地の代替施設なしの返還報道についての説明をお願いいたしたいと思います。
 全国紙の一つである毎日新聞の東京本社版2月13日付の朝刊は、1面トップで、米側が代替施設の建設を米軍普天間飛行場返還の条件にしない意向を日本政府に打診していたとのスクープ記事を掲載しています。
 同記事によれば、「SACO最終報告に盛り込まれた代替施設建設合意の見直しを意味し、普天間問題が動き始める可能性が出てきた」と分析しています。しかも普天間飛行場の機能は嘉手納基地に統合するというもので、記者のネーム入り解説記事まで掲載されています。解説記事が出るというのはマスコミの世界では一般的にその記事の信憑性がかなり高いことの証明のようであります。記事の裏づけ、根拠としては、昨年来沖したラムズフェルド国防長官ら米政府高官の談話がまとめられ、昨年末に日本の外務省と防衛庁にも非公式に伝えられたといいます。この記事が事実であれば、当該地の宜野湾市を初め沖縄県、基地関係市町村にも新たな対応が迫られるわけで、沖縄駐留米海兵隊の削減や訓練機能の海外移転とも関係して、在沖縄米軍基地の大規模な統合・再編にもつながりかねず、極めて衝撃的な事態が生じることが予想されます。軍事記事というのは、軍事作戦や基地の機密性が高いため、その時々の情勢によっては当たり外れがあるとも言われていますが、今回の報道に関しては一概に無視できないような性格を有していると見られます。この報道に対する知事の御説明を賜りたいと思います。
 (3)、日米地位協定の抜本的見直しについて。
 (イ)、米軍基地から派生する事件や事故、さらには環境保全、騒音規制など11項目の要求を掲げて知事は昨年来、地位協定見直しの全国行動プランに基づいて全国を行脚して基地所在都道県を初め議会関係など、関係要路に日米地位協定の抜本的見直しを訴えてきました。沖縄県の知事が地位協定で全国を行脚してお願いするのは初めてですし、いろいろと困難な条件下での行動であったことと察しますとともに、御労苦を多とするものであります。
 ところで、全国行脚の成果はどのようなものだったでしょうか。また、全国行脚を教訓として沖縄県はこれからどう行動していかれますか、伺います。
 (ロ)、地位協定見直しに関し、日米両政府間の交渉でどのような進展が見られましたでしょう。また、県としては県選出の国会議員を初めとする国会議員連盟に働きかけを強め、問題解決を日米両政府に迫っていく考えはありませんか。
 それと、いつまでに全面解決にこぎつけたいとかのめどづけはお持ちですか、お伺いをします。
 (4)、キャンプ桑江返還跡地の土壌汚染について。
 (イ)、昨年の12月議会でも指摘しましたが、SACO最終報告に基づいて昨年3月に返還されたキャンプ桑江の一部返還軍用地38.4ヘクタールで砒素や六価クロムなどの特定有害物質が検出されて地権者や関係者に大きな不安を与えている問題で、今度は汚染土壌の処理を委託された民間処理業者が有害物質に対する危険性や地域住民の反発などを理由に難色を示しているとの報道が出ました。同返還地は、そうでなくとも地権者への引き渡しが大幅におくれて関係者に迷惑をかけているのが現状であります。地権者が安心して跡地利用に取り組めるよう土壌汚染の処理について国に適切な対応を求めるのか、県の姿勢を改めてお伺いいたします。
 当該地域は、沖縄振興新法で特定地域第1号に指定されていることから、軍転法の給付期間3年に沖振法政令でのプラスアルファの期間が延長される可能性がありますが、その基準や期間が明確にされていません。土壌汚染の処理がいたずらに期間を長くするということになれば、恩納村の通信所跡地の二の舞にもなりかねません。
 そこで伺います。
 当該地域に関する沖縄振興特別措置法の特定跡地給付金期間はどうなるのかについてお尋ねをします。
 3番目に財政について、(1)の地方財政・三位一体の改革について。
 三位一体改革については、梶原全国知事会会長が「三位一体改革見直し」の提言を行い、その中で同改革が地方分権、住民本位の改革、納税者本位の改革であるとし、財源なくして改革なしを基本に国庫補助負担金の廃止と税源が一体的に行われるべきであると述べています。現在、国からは基本方針2003(「骨太の方針」第3弾)で平成18年度までに取り組む方向が明確に示されていて地方財政への影響大なるものがあります。本県の予算は、公共事業を初め諸事業が国庫補助負担金の高率補助に依存し編成執行された上に、もともと税収の少ない県だけに税源移譲でカバーするのは極めて難しいと思います。
 県では、平成16年度の予算編成に当たり財源の確保に御苦労されたと思いますが、県内の市町村でも歳入不足等厳しい状況下にあり、今後の対策を講ずる必要があります。
 そこで伺います。
 (イ)、三位一体改革をどう評価していますか。
 (ロ)、改革で平成16年度予算はどの分野でどの影響が出ますか。
 2000年4月の地方分権一括法の施行で地方独自の税・法定外税導入の機運が高まり、今日まで20余の自治体で実現を見ています。東京都のホテル税、三重県の産廃税、山梨県河口湖町の遊説税等であります。本県も2005年をめどに産廃税の導入を検討しているようですが、利害関係人の理解や同意等適正な手続を経て導入し、税収、歳入の確保を期されたい。
 他方、歳出については委員会の審査・審議の際にも申し上げてまいりましたが、退職金手当加算金制度の見直し等給与の適正化や補助金の改革等を行い、財政運営や他の事業へ配慮すべきであると思います。
 そこで伺います。
 (イ)、産業廃棄物税等の独自課税の創設や徴税努力等による歳入確保について伺います。
 (ロ)、給与の適正化や補助金改革等による歳出の抑制策について伺います。
 4の産業政策について、(1)の雇用対策について伺います。
 県内の景気が回復傾向にある中で、雇用情勢も人口増加や過去最高の508万人の入域観光客の増加等で改善基調を見せています。2003年の平均失業率は7.8%と3年ぶりに7%台、有効求人倍率も0.36倍で近年にない高い数字になりました。しかし、求人倍率も職種で開きがあるほか、高い職種でも雇用側と求職者のミスマッチが指摘され、また雇用形態も正社員からパート・臨時社員へとシフト化されています。
 若年者失業率も依然として高率の上に全国との差も縮まっていないなど、課題山積であります。全国的にも完全失業者の約半数は30歳以下で、若年層の完全失業率も高くフリーターも極めて多い。2004年からはこれらの完全失業者やフリーターを民間の職業訓練や紹介会社に全面委託をして就職につなげる仕組み、若者自立、挑戦プランが本格的にスタートします。そのねらいは、将来の担い手になる若年層の技術を高め、中長期的には生産性や国際競争力の向上を図ることも視野に入れられています。
 一方、若年雇用対策とあわせ企業倒産等に伴う解雇者の再就職の促進も重要課題であり、地域雇用創出特別交付金を活用して県は失業者の雇用に向け取り組んでおるようですが、その効果や実績も上がっていると思います。
 そこで伺います。
 (イ)、本年度の高校や大学の新卒者の就職内定状況はどうなっていますか。
 (ロ)、沖縄県キャリアセンターの若年者を対象とした就職支援の実績と今後の取り組みについて伺います。
 (ハ)、中高年者の再就職支援事業はどうなっていますか。
 (ニ)、緊急雇用創出特別事業の実績と今後の取り組みについて伺います。
 次に、(2)の地域産業育成について伺います。
 近年、沖縄の農水産物や加工食品の中には、健康的要素に加え亜熱帯特有の味や香り、バランス等個性が評価され、全国展開しているものも数多くあります。そのことは、現在、農産物等の生産履歴が問われ、食の安全性に対する消費者の関心が高まっている中、商品の品質も全国的な水準を要求されているということになります。沖縄産品については商品表示が不十分と言われるだけにその対策が急がれます。県では、美ら島創出事業で県産の観光土産品や特産品のブランド化を推進しているようですが、ブランド認定の体制はどうなっていますか。
 また、本県には伝統工芸品に関し高度の技術を保持し、伝統工芸品の製作、普及・発展、ひいては地域産業の振興に貢献した高度技術者もたくさんいらっしゃいます。そのような技能者を「名匠」として認定し、その人材情報を発信し、技能塾を開校し後継者を育成する必要があります。
 そこで伺います。
 (イ)、県産の農産物を原料とした製品の県産品の認定制度と対象品目について。
 (ロ)、先端技術や伝統技術を持った高度技術者の認定制度とその後継者育成について伺います。
 介護保険について。
 介護保険料については、今年度の4月1日から65歳以上の第1号保険者の保険料が引き上げられましたが、介護保険は高齢化が進展しサービス量がふえれば保険料がふえる仕組みになっています。本県の場合は、ただでさえ全国一高いのに加え、引き上げ幅が最も大きかったのが特徴であります。
 その最大の要因はサービス増、特に施設志向が強く、それら施設入所者の割合が高くなり、そのために給付費が膨らみ、財政安定化基金から借り入れた自治体が続出したためであります。安定化基金からの借入金は、返済の条件が大分緩和されたとはいえ、その返済分が次期保険料に上乗せされ大幅アップされることになります。今後は、在宅介護が優位になるよう利用者の費用負担を変えていく必要があります。
 ところで、介護保険料は3段階を基準額にして5段階に区分されています。厚労省は、1、全額免除、2、収入だけに着目した一律減免、3、一般財源による補てんを行わないことを三原則として低所得者の保険料減免を行うよう指導しています。減免は、対象者の申請を受け保険者である市町村等が所得や資産をチェックした上で決めています。県は、未納者がふえると制度の運営そのものが困難になる低所得者を救う手だてとして減免の必要性を市町村に呼びかけています。
 そこで伺います。
 (イ)、保険料の県内市町村等における減免の実施状況はどうなっていますか。
 (ロ)、所得段階5区分のうち、5段階を2区分して低所得者の負担軽減を図ることについて伺います。
 次に、給付費用適正化事業について。
 平成12年度10月から始まった介護保険の要介護認定で、介護の必要度が最も低い要支援から最も高い要介護5まで、各段階の被保険者数は都道府県レベルで地域間格差が存在します。本県におけるそのトータルの認定者総数、在宅及び施設サービス別対象者数並びに介護事業の収支状況はどうなっていますか。
 また、介護保険事業は在宅で10事業、施設で3事業を実施していますが、本県における在宅と施設サービス事業者とその比率はどうなっていますか伺います。
 ところで、介護保険でサービスを提供する事業所になるには都道府県の指定を受ける必要がありますが、規制緩和、経済変動、社会状況等の変化で保険や福祉、医療分野に携わったことのない他業種から介護分野への新規参入が可能になり、事業所が増加傾向にあります。増加自体は悪くないにしても、事業所開設を希望する介護事業所が県に事業所申請する前に市町村との事前協議で経営をチェックするなど、手段がなければ営利主義が過剰になり介護の質を低下させることが懸念されます。
 介護保険開始3年半余、全国的にも介護事業者が各種別の介護事業に関し不正が目立ち、介護保険の信頼を損ないかねない事例が見られます。厚労省も悪質な事業者は刑事告発も視野に厳しく臨むよう都道府県に指示を出しているようですが、本県における給付不正実態はどうなっていますか。また、どのような行政処分や指導を行っていますか伺います。
 介護保険給付費用の適正化を図り、利用者に情報を提供しサービスの質を向上させるためには、事業者みずからあらかじめ設定したサービス内容や受け入れ体制等の評価項目をチェックし、評価結果を公表する自己評価制度や評価の客観性を確保するため、外部関係者による第三者評価制導入の状況はどうなっていますか伺います。
 介護保険者たる市町村は、介護予防事業を実施しているところがほとんどであります。お年寄りの介護状態になる主な原因は、骨折や転倒事故が多いため、こうした事故を防ぐために足腰や背中の筋肉をつける運動等に取り組んでいます。元気なお年寄りがふえることは介護の面でも大きくプラスに作用します。県は、介護予防事業の市町村にどのような支援をしていますか伺います。
 待機児童について伺います。
 子供の数が減る一方、それを受け入れる保育所の数がふえる中でなぜ待機児童がふえているのか。その背景には女性の社会進出の増加があります。バブル崩壊後の不景気のあおりにより、出産後すぐに働かざるを得なくなった女性がふえたことを初め、出産、育児だけでなく仕事も続けるといった女性のライフスタイルの変化等が低年児から保育需要を高めています。認可保育所の低年児、すなわち0・1・2歳児の枠が狭く設定されているのに対し、3・4・5歳児の枠が余っている状況であり、待機児童の8割は低年児が占めています。
 また、認可保育所の受け入れ基準に「保育に欠けている状態」というものがあり、そのことは両親も昼間働いているのを常態としていることを指しています。そのようなことが根拠になって認可保育所は開所時間が朝の7時半から午後6時半までの11時間保育になっています。しかし、現在、都市地区では生活サイクルが24時間になっていて夜間勤務や不規則勤務の雇用者が多く、認可保育所のシステム上の硬直性で需要と供給のミスマッチとなり、待機児童の増加の要因にもなっています。本県は、待機児童に関しては東京、大阪、埼玉など人口の多い都府県並みになっていると言われています。その解消の対策が急がれます。
 そこで伺います。
 (イ)、保育所待機児童の実態はどうなっていますか。
 (ロ)、その解消計画はどうなっていますか。
 沖縄科学技術大学院大学について。
 沖縄振興の目玉プロジェクトと位置づけられる沖縄科学技術大学院大学の学長にノーベル医学生理学賞を受賞している米国ソーク生物学研究所のシドニー・ブレナー教授が内定したことで、大学院大学の開学に向けた動きが一段と高まろうとしています。
 (イ)、同大学院大学の開学は、当初予定した2007年より1年ほどずれ込むと見られますが、開学に向けての知事の決意を改めてお伺いいたします。
 (ロ)、県は、県内経済団体の代表とともに大学院大学に関して米国西海岸を視察してきましたが、産学官連携の可能性なども含めて視察の成果と開学までの課題を教えてください。
 (ハ)、我が国の厳しい財政事情の中での大学院大学の設立であります。世界最高の教育の実施を初め地域の経済振興への波及効果、国際的人材の育成などに期待が集まります。今後考えられる国と県、当該市町村などの取り組み、対応にはどのようなものがありますか伺います。
 最後に、鳥インフルエンザについてであります。
 国内では79年ぶりに鳥インフルエンザが発生し、短期間に多数の鶏を感染死させ、その処分や鶏卵の回収等で大被害を与えました。次いで、去る17日には大分県で鳥インフルエンザウイルスの感染が確認され、その拡大防止の緊急対策が必要になっています。大分県も山口県同様に初期防疫措置として感染した鶏の処分、現場消毒、立ち入りや半径30キロメートル以内の鶏等の移動制限を指示しました。鶏の感染被害の拡大と同時に、鶏から人への感染の可能性を絶つためであります。
 鳥インフルエンザは感染力が非常に弱く、人に感染する可能性は極めて低いと言われています。山口県の養鶏場の従業員6人と家族5人もウイルス感染の有無を検査したが、幸いにもいずれも陰性だったようです。鶏肉や鶏卵からインフルエンザにかかった報告はないと言われています。
 しかし、一たん鳥インフルエンザの感染を受けると重症化して死亡する危険性が高く、ベトナム、タイ、香港では多くの感染者が死亡しました。致死率80%で、通常のインフルエンザが0.01%とされているだけに恐るべきものがあります。専門家が最も恐れるシナリオは、豚の体内で鳥と人間のウイルスが混在したり、従来の人型インフルエンザウイルスとH5N1の同時感染でウイルス変異が起き、人の体内で別の型が生まれたりして人から人へ感染する新型が出現するプロセスだと言われています。
 したがって、アジア各地の鳥インフルエンザ流行を迅速かつ徹底的に制圧し、新型インフルエンザの出現を阻止するため、WHO等国際機関の協力のもとにワクチン開発や抗ウイルス剤等生産体制の整備を期待したいと思います。人や物の移動がかつてないほどの規模と早さで増大しているだけに、山口県や大分県の鳥インフルエンザ感染の事態はどこでも起こり得ることを肝に銘じ、万全の予防策を講じる必要があります。
 そこで伺います。
 (イ)、県は鳥インフルエンザに関し、県内の養鶏場に立入検査の実施状況と結果について伺います。
 (ロ)、人への感染防止等防疫体制について農家や業者への行政指導はどうなっていますか。
 (ハ)、鳥インフルエンザに関するQ&Aを作成し、ホームページでの公表や講習会等で県民に周知させることについて伺います。
 以上でございます。
○知事(稲嶺惠一) 宮城國男議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、自衛隊のイラク派遣についてでございます。
 県としては、イラクの復興が一日も早く実現することを期待しており、我が国も関係各国と協力しながら主体的に貢献していくことが望ましいと考えております。現在、イラクへ多くの自衛隊員が派遣され、イラクの人道復興支援に携わっております。現地での自衛隊の活動に当たっては、自衛隊員の安全確保に万全の対策を講じるとともに、我が国の人道復興支援活動に対し、イラク国民の理解が得られるように努力する必要があると考えております。
 次に、憲法改正についてのお答えでございます。
 憲法については、主権者である国民がさまざまな議論を通してより理解を深めることが重要であると考えております。憲法論議についてはさまざまな意見があると認識しております。現在、平成12年1月に衆参両院に設置された憲法調査会において広範かつ総合的に調査されているところであります。
 次に、教育基本法の改正についてお答えいたします。
 教育基本法は、制定後50年余にわたり我が国の教育に重要な役割を果たしてきたものと考えております。しかしながら、同法の制定当時と社会状況は大きく変化し、教育のあり方も変容を遂げつつあることから、現在、教育基本法についていろいろな意見があることも事実であります。教育基本法の改正については、各方面からの多様な意見を集約するなど幅広い論議を期待しており、今後とも国民的な論議の推移を見守っていきたいと考えております。
 次に、代替施設なし返還の報道についてお答えいたします。
 日米間では、さまざまなレベルにおいて安全保障面の課題につき緊密に協議しており、米軍の兵力構成の見直しの基本的な考え方についてもその中で話し合われていると聞いておりますが、米側から報道にあるような具体的な提案を受けているという事実はないと政府は否定しております。
 普天間飛行場の移設については、閣議決定された政府方針に基づき一歩一歩進められてきたところであり、着実に進展しているものと考えております。各種報道に一喜一憂することなく、県としてはこれまでの基本的な考え方に沿って引き続き取り組んでいきたいと考えております。
 続きまして、地位協定見直しに関する今後の取り組みについてお答えいたします。
 県は、「日米地位協定の抜本的見直しに関する全国行動プラン」を策定し、昨年6月から他県の協力・支援を得るため渉外知事会の加盟都道県への要請行動を行い、13都道県すべての議会で地位協定見直しの意見書が採択されたところであります。また、渉外知事会に加盟していない14府県においても同様の意見書が採択されており、日米地位協定を見直す動きは着実に全国の都道府県に広がっております。
 その他、日本青年会議所や日本商工会議所、中小企業団体中央会、自治労県本部、連合などの団体が独自の取り組みを行っており、日本弁護士連合会等では日米地位協定の見直しに関する決議が行われるなど、その動きは県内外の各界各層にも及んできております。今後は国民世論を盛り上げるとともに、多くの国会議員に働きかけて全国的な運動にし、政府の理解が得られるような形に持っていく必要があり、県としても各団体等と連携しながら積極的に対応していきたいと考えております。
 次に、地位協定見直しに関する日米両政府間の交渉についてお答えいたします。
 県としては、基地から派生する諸問題の根本的解決を図るためには、地位協定の抜本的見直しが必要であることをこれまであらゆる機会を通じて訴えてきたところであります。県の要請行動を契機として県内外の各界各層において地位協定の見直しを求める独自の取り組みが行われており、着実に地位協定の見直しを求める動きが広がりつつあります。
 しかしながら、全国的に地位協定の見直しを求める動きが広がりを見せているにもかかわらず、国がこれまでの方針を変更しようとしない姿勢については遺憾であります。
 次に、沖縄県キャリアセンターについての御質問にお答えいたします。
 若年者の雇用状況を改善していくためには、雇用吸収力のある産業の振興とともに若年者みずからが幅広い職業観を形成し、仕事に関する知識や技術・技能を習得することが重要であると考えております。このため、県では昨年6月に沖縄県キャリアセンターを設置し、若年者の総合的な雇用支援事業を実施しているところです。本年2月現在で約4000人の若年者がセンターを活用しております。
 その内訳は、就職支援セミナーが約1800人、カウンセリングが約600人、就職情報提供等が約1600人となっており、沖縄県キャリアセンターの積極的な事業活動により利用者が多くなってきている状況にあります。平成16年度は、新たに新規学卒者等の採用・就職促進等を図る若年者地域連携事業や、フリーター等を対象に企業現場で実務経験を通して適応能力の高い人材を育成する若年者実践研修事業を実施します。
 続きまして、大学院大学の開学促進に向けた決意についてお答えいたします。
 沖縄科学技術大学院大学は、科学技術創造立国を目指す我が国の科学技術の発展に資するとともに、沖縄の自立型経済の構築と持続的発展に貢献することを目的とする国家的プロジェクトとして位置づけられていると認識しております。大学院大学は、これを中核的研究機関とした知的クラスターの形成等を通じ、産業の振興や学術研究・交流拠点の形成、人材育成などさまざまな面に大きな効果をもたらし、21世紀沖縄の経済発展をリードする画期的なプロジェクトであると確信しております。
 私は、これまでも国際顧問会議や評議会などに積極的に参加し、県民の期待や本県の取り組みなどに理解と支援をお願いしてきたところであります。今後とも、引き続き国を初め関係機関と連携を図りながら大学院大学の開学に向け全力で取り組んでいきたいと考えております。
 次に、開学促進に向けた国、県の取り組みについてお答えいたします。
 沖縄科学技術大学院大学については、国の平成16年度予算の計上、シドニー・ブレナー博士の学長就任内諾など実現に向けた作業が着実に進められております。国においては、研究事業や国際ワークショップの開催など先行的事業を継続的に実施するとともに、平成17年度中の整備法人設立のための法案整備、キャンパスの造成設計や施設の基本設計等を実施することになっております。
 県においては、現在、先行的研究事業の受け入れ体制の整備を進めるなど、よりよい研究環境の充実に努めております。また、周辺整備など大学院大学の立地条件の整備に向けては、平成15年度から「沖縄科学技術研究都市形成構想(仮称)」策定に向け調査を実施しており、これらの検討結果をもとに社会インフラの整備や知的クラスターの形成に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) SACOの合意事案の進捗状況についてにお答えいたします。
 SACOで合意された11事案のうち、返還されたのは安波訓練場とキャンプ桑江の北側部分となっております。残りの施設のうち、普天間飛行場、那覇港湾施設を除く7施設8事案の主なものの進捗状況について申し上げますと、北部訓練場については、ヘリパッド移設候補地の選定に関し一昨年11月から昨年10月まで継続環境調査が行われ、現在、調査結果の取りまとめが行われていると聞いております。
 楚辺通信所の移設については、現在、ことし5月までの予定で移設工事が実施されており、来年5月には返還の予定であります。
 読谷補助飛行場については、パラシュート降下訓練が伊江島補助飛行場に移設されており、連動する楚辺通信所の移設完了後の来年5月以降に返還されることが合意されております。
 キャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧に係る住宅統合については、キャンプ瑞慶覧内のゴルフレンジ地区に建設された住宅が米側に提供されたのに続き、一昨年11月27日の日米合同委員会において住宅統合第2段階としてサダ地区における住宅建設の合意がなされており、現在、建物工事が実施されているとのことであります。
 SACOの合意事案については、国において特に移設先の市町村の意向や環境問題等に配慮しながら慎重に作業を進めていると理解しております。
 汚染土壌の処理についてにお答えいたします。
 県としては、返還跡地の利用が迅速かつ円滑に進められるよう、基地の提供責任者である国において関係法令に基づき原状回復や汚染土壌の処理が適切になされるべきと考えており、昨年12月に開催された跡地対策協議会において汚染土壌問題で迅速・適切な原状回復を要望したところであります。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) キャンプ桑江北側地区等における特定跡地給付金の支給期間についての御質問にお答えします。
 キャンプ桑江北側地区等における特定跡地給付金の支給期間については、汚染物質の調査及び除去、建物その他工作物の撤去等原状回復に要する期間を勘案して沖縄振興特別措置法の政令により別途定められることになっております。
 次に、科学技術大学院大学との関連で、海外視察をした成果と設置に向けた課題についての御質問にお答えします。
 地元経済界を中心に行われた今回の視察は、大学院大学を核とした学術研究拠点づくりに県民を挙げて取り組むという観点から大変意義深いものであったと考えております。
 訪問した大学では、治安や子弟教育に配慮した居住環境に加え、魅力的な商業施設を備えたまちづくりが図られるとともに、先端技術の移転組織が充実し産業集積が進んでいたと報告を受けております。今回、これらの実例や組織のあり方等について見聞できたことは、今後、沖縄での同様な整備を検討する上で大きな成果と考えております。
 一方、本県においては、大学等の研究機関で生まれた先端技術を産業へ移転する仕組みや起業家支援組織が十分ではない状況にあると考えています。このことから、沖縄科学技術大学院大学を沖縄振興に結びつけるため、研究者が快適に暮らせる立地環境の整備にあわせ技術移転を促進する体制の強化が今後の課題と考えております。
 以上であります。
○総務部長(仲田輝享) 三位一体の改革の評価及び県予算への影響について、関連いたしますので一括してお答えいたします。
 三位一体の改革は、地方分権を推進し地方公共団体の自立的・自主的な行財政運営を推進する観点から重要なことと考えております。平成16年度においては、「基本方針2003」を踏まえ国庫補助負担金の見直し、税源移譲及び地方交付税の見直しがなされたところであります。
 県予算への影響は、三位一体の改革による影響の詳細な内容が国から示されていないため、単純に15年度当初予算と16年度当初予算の比較で申し上げますと、国庫補助負担金の見直しにより公共事業関係経費の事業費縮小及び義務教育費国庫負担金等の一般財源化など合計で約62億円の減額となっております。
 税源移譲については、義務教育費国庫負担金等の一般財源化に伴い、所得譲与税及び税源移譲予定特例交付金が創設されたことにより、約35億円の税源移譲が実施されております。
 なお、廃止・縮減される国庫補助負担金のうち、国において引き続き地方で実施すべき事業として位置づけているものについて税源移譲の対象としているため、国庫補助負担金の減額された額がすべて税源移譲されるものではありません。
 また、地方交付税の見直しにおいては、地方財政計画の歳出を徹底的に見直し、交付税総額が抑制されたことから、地方交付税の代替的措置分である臨時財政対策債と合わせて約216億円の減額となっております。このように平成16年度地方財政対策では地方交付税等が予想を上回る規模で削減され、本県及び県内市町村の予算編成に大きな影響が生じているところであります。
 県といたしましては、引き続き沖縄振興計画の諸施策を推進するための沖振法等に基づく補助率等の特例措置の存続及び国庫補助負担金の額の確保、また本県及び県内市町村のような税源の乏しい地方公共団体が適切な行政サ-ビスを確保するための地方交付税の財源の保障機能や財源調整機能の存続及び地方交付税総額の確保をあらゆる機会をとらえて国に求めてまいりたいと考えております。
 次に、独自課税の創設と徴税努力等による歳入確保についてお答えいたします。
 本県の独自課税としては、昭和47年から離島地域における石油製品の価格安定を目的として石油価格調整税を導入しております。法定外税の創設につきましては、産業廃棄物の排出抑制やリサイクルへの誘導、産業廃棄物処理施設の安定的な確保等の多様な廃棄物行政ニーズに資する財源の確保を目的として、産業廃棄物に関する税の導入について関係部局と連携しながら積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 歳入確保につきましては、自主財源の柱である県税収入の一層の確保が求められております。新行革大綱において、平成17年度までに徴収率を96%台に引き上げることを目標としております。そのための徴収対策として、1つ、広報活動等による税への理解と協力の促進及び自主納税の推進、2つ、国及び市町村との連携を密にした効率的な滞納整理の促進、3つ目に、納税秩序の確立を図るため財産の差し押さえや公売等の法的措置の強化に努めます。さらに「県税未収債権管理マニュアル」に沿った滞納の実情に即した滞納整理を実行してまいります。今後とも、税を取り巻く環境は厳しい状況が続くと予想されますが、なお一層の徴収確保に努めていきたいと考えております。
 次に、給与の適正化や補助金改革等による歳出の抑制策についてお答えいたします。
 行財政改革による歳出の抑制策については、新行革大綱に位置づけられた事務・事業の見直しなど、行財政改革を前倒しを含め着実に実施してまいります。
 給与については、地方公務員法に定める情勢適応の原則、均衡の原則等に基づき給与制度の適正化に関して調査を進め、所要の見直しを実施していきたいと考えております。
 また、県単補助金については、社会経済情勢の変化、補助目的等の達成状況、経費負担のあり方、行政効果等を精査の上、廃止・縮減、終期設定等による見直しを引き続き実施していきたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 新規学卒者の就職内定状況についてお答えいたします。
 平成16年3月卒業の新規学卒者の12月末時点の就職内定状況は、高校生については就職希望者が2776人、就職内定者1076人で、就職内定率は38.8%となっています。大学生については就職希望者は2200人、就職内定者は573人で、就職内定率は26.0%となっております。
 なお、前年同月比で見てみますと、高校生で7.5ポイント改善をしておりますが、大学生は2.5ポイント悪化しております。県としては、このような就職状況を踏まえ「就職支援特別セミナー」を開催するとともに、沖縄県キャリアセンターにおいて未内定者を個別的に支援する大学生等就職未内定者緊急支援事業を実施することにより、就職内定率の改善に努めてまいります。
 次に、中高年者の再就職支援事業についてお答えをいたします。
 中高年齢者の再就職の支援策として、事業主に離職予定者に対する在職中からの支援を行うための再就職援助計画の作成指導及び在職者求職活動支援助成金等が創設されています。また、平成15年度からトライアル雇用事業が拡充され中高年齢者等も対象となっていることから、県としても「雇用支援制度活用相談会」等を開催し、制度の普及・啓発に努めているところであります。さらに、県立職業能力開発校において中高年齢者の離転職者を積極的に受け入れ、再就職支援のための職業訓練を実施しているところであります。
 また、高年齢者の多様な就業・社会参加の促進のためシルバー人材センター事業を推進しており、これまでに8市2町でシルバー人材センターが設置されていますが、平成16年度は新規に豊見城市で当該センターの設立が予定されています。
 続きまして、緊急地域雇用創出特別事業についてお答えをいたします。
 緊急地域雇用創出特別事業の実施状況は、平成13年度が事業費で3億3300万円、新規雇用者数が856人、平成14年度が事業費で24億1000万円、新規雇用者数が約3300人となっております。平成15年度は、事業費で約34億2000万円、新規雇用者数約2800人を見込んでおります。
 なお、本事業の最終年度である平成16年度は事業費で約21億9000万円、新規雇用者数で2000人を予定しており、本事業による全体事業費は83億5900万円、これによる新規雇用者数を約9000人と計画をしております。
 次に、県産品の認定制度等についてお答えをいたします。
 県では、優良な県産品を推奨することによって製品の品質向上を図り、販路開拓に資することを目的として昭和55年度から優良県産品推奨制度事業を実施しております。同事業では、県産加工食品等を対象として食品衛生法、薬事法、健康増進法等8つの法令に照らして成分検査や現場検査等厳しい審査を実施しております。現在の推奨商品は118点で、推奨品に対しては推奨状を交付するとともに、「推奨マーク」の使用を認め、商品販売に活用されております。
 また、沖縄県健康食品事業協同組合では、健康食品の品質向上と差別化を図り、県内外での販路拡大を目指すことを目的として昨年10月に「認定商品制度」を設けております。
 続きまして、伝統技術者の認定制度と後継者育成についてお答えをいたします。
 伝統工芸品の技術の向上を図り、伝統工芸産業の振興・発展に寄与する人材を育成することを目的に、高度な技術・技法を保持し、かつ後継者の指導育成等に貢献できる者に対して国に「伝統工芸士」、県には「沖縄県工芸士認定制度」が創設されております。県における伝統工芸士は、織物、紅型、陶器、漆器分野で95名、沖縄県工芸士は、織物等に加え、ガラス、小木工、竹細工の分野で30名が認定登録をされております。後継者育成については、工芸士が産地での生産活動を通して従事者の指導育成を行っており、県におきましては、産地組合が実施する技術・技法の修得等の研修事業に対して支援をしているところであります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 保険料の減免実施状況と低所得者層の負担軽減についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
 介護保険の保険者は、年度途中に災害等の特別な事情が発生した第1号被保険者について申請に基づき保険料の減免を行うことができることとなっており、それ以外にも各保険者が独自にいわゆる三原則を踏まえた減免を行うことも認められています。今年度1月末現在で特別な事情のある場合の減免については34市町村が実施しています。また、保険者独自の減免は39市町村が実施しています。
 なお、保険者が必要を認めた場合は保険料の所得段階を通常の5段階から6段階へ変更することもできますが、本県の第1号被保険者は所得段階の低い層が多く、高い層が少ない構成になっています。
 各保険者が試算したところ、所得段階の低い層の保険料を減額するためには、所得段階の高い6段階の保険料を高額に設定する必要があるという結果が出ており、現在、本県では6段階設定を行っている保険者はありません。
 続きまして、要介護認定者数、在宅及び施設のサービス別対象者並びに介護事業の収支状況についてお答えいたします。
 平成15年12月末現在、要介護認定者数は3万6306人で、認定率が17.1%となっています。また、平成15年12月末現在、居宅介護サービス受給者数は2万655人、施設介護サービス受給者数は9043人となっております。平成14年度の介護保険給付費の収支状況は歳出が約583億円で、歳入は約600億円となっています。歳入の主な内容は億単位で、第1号保険料76億円、第2号保険料193億円、国庫支出金が146億円、県負担金74億円、市町村負担金74億円、財政安定化基金貸付金27億円となっております。今年度は第2期事業運営期間の初年度に当たり、各保険者において保険料の改定がなされ、介護給付がほぼ見込みどおりとなっているため、多くの保険者が保険料財源の不足を生じない見込みとなっております。
 続きまして、在宅と施設サービス数及びその比率についてお答えいたします。
 平成15年8月1日現在の介護保険施設等の指定事業所総数は3981で、そのうち居宅介護サービス事業所が3839、施設サービスが142、居宅と施設サービスの事業所割合は約24対1となっています。また、介護サービス総費用額は665億円で、そのうち居宅介護サービス事業所が279億円、施設サービスが386億円で、費用額の居宅と施設の割合は約2対3となっております。
 続きまして、介護給付不正受給の実態及び行政指導についてお答えいたします。一括してお答えします。
 全国で不正請求等により指定取り消しとなった事業所数は、平成15年12月現在で33都道府県201事業所に上っています。主たる取り消し事由で見ますと、介護給付費の架空・水増し請求、無資格者によるサービス、人員基準違反、無資格・架空ケアプランなどが多い傾向にあります。本県においても浦添市在の訪問介護事業所に対し、平成15年11月10日付で指定の取り消しを行いました。取り消し理由は、事業所に配置すべき人員が厚生労働省の定める基準を満たしていないこと、実際に介護サービスを提供していないにもかかわらず介護給付費を不正に請求したことによるものであります。
 県としましては、平成15年度から事業所指導を担当する職員を2名増員したところであり、今後とも指導・監査をさらに強化し、不正・不当を行った事業所等に対しては指定取り消しを含めた厳格な対応を行うとともに、介護保険制度の適正な運営を確保し、利用者が質の高い介護サービスが受けられるように努めてまいります。
 事業者の自己評価や第三者評価制度の導入状況についてお答えいたします。
 介護保険法では、介護サービス事業者は、「自らその提供する指定居宅サービスの質の評価を行うこと」が義務づけられており、県は実地指導等においてその自己評価状況を確認し、適宜必要な指導を行っています。
 第三者評価については、痴呆性高齢者グループホームが平成14年度からスタートしました。平成16年2月1日現在における本県の痴呆性高齢者グループホームは、20事業者21ユニットありますが、第三者評価は平成14年度は3事業者、平成15年度は9事業者が行われています。さらに平成16年度から訪問介護、通所介護、介護老人福祉施設等の7サービスを対象に介護サービス第三者評価モデル事業を実施することとしており、今後とも導入に向けて助言を行ってまいります。
 続きまして、市町村事業への支援策についてお答えいたします。
 介護保険制度の見直しをめぐる国の論議の中でも、介護予防のあり方やその重要性が強調されているところです。介護保険の開始以来、各市町村において介護予防・地域支え合い事業全般の実施率は年々向上しています。市町村においては、個々の実情に応じて高齢者一人一人に適した効果的な介護予防事業への取り組みが求められており、県では平成14年度より在宅福祉事業等に関する市町村ヒアリングを実施しております。ヒアリングの結果を踏まえ、高齢に伴う衰弱や転倒・骨折等のリスクの高い高齢者に対する介護予防事業として、高齢者の筋力向上トレーニング事業や転倒・骨折予防事業への取り組みを推進しているところです。
 また、介護度が上がるにつれて痴呆の割合も高くなっていることから、音楽活動等を通しての「アクティビティ痴呆介護教室」等の介護予防事業や、痴呆性高齢者家族やすらぎ支援事業への取り組みについても推進してまいります。県としましては、引き続き高齢者が住みなれた地域で生き生きと安心して暮らせるよう諸施策を支援していきたいと考えております。
 続きまして、保育所入所待機児童の実態と待機児童解消計画について一括してお答えいたします。
 平成15年4月1日現在、市町村が受け付けた中での待機児童数は2051人となっており、前年に比べて430人増加しております。待機児童のふえた理由として、求職中の保護者が申し込みの対象となったことや、保育所整備に伴い新たな需要が生じたことが考えられます。県では、「新おきなわ子どもプラン」において、平成18年度までに認可外保育施設から認可保育所への移行を含め保育所創設等により待機児童解消を図ることとしておりますが、今後、整備が進むにつれて新たな需要が考えられることから、潜在を含めた待機児童の把握と解消を図る必要があります。
 なお、「次世代育成支援対策推進法」において、県及び市町村は平成16年度中に子育て支援の行動計画を策定することが義務づけられており、ニーズ調査などに基づき新たな保育の数値目標が市町村から示されることになっています。県としては、市町村の数値目標も含めて保育所整備計画や待機児童解消計画を見直すこととしております。
 以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 県内の養鶏場への立入検査の実施状況と結果について、人への感染防止等の防疫体制について一括してお答えいたします。
 鳥インフルエンザについては、今年1月に国内で発生したことから、県では県内すべての養鶏農家467戸、約242万羽を対象に緊急立入調査を実施しております。その結果、鳥インフルエンザを疑うような症状や発生地域からのヒナ等の移入事例は確認されておりません。県としては、今後とも県内への鳥インフルエンザなどの家畜伝染病の侵入を防止するために関係機関と連携してモニタリング検査の継続強化、野鳥の鶏舎への侵入防止の徹底、畜舎出入りの際の消毒の徹底、鶏の異常な症状の早期発見と通報など防疫体制に万全を期していく考えであります。
 また、人への感染防止については、防護服、マスク、ゴーグル、手袋等を着用するよう対策を強化するとともに、関係部局と連携し万全な防疫対策に努めてまいります。
 続きまして、鳥インフルエンザの県民への周知徹底についてお答えいたします。
 県では、鳥インフルエンザに関する県民への周知徹底を図るため、去る1月21日と2月5日に沖縄本島と宮古地区で農家や消費者及び関係者を対象に講習会を実施したところであります。また、鳥インフルエンザに関する症状や予防方法、人への感染等についての情報を網羅した一問一答方式のホームページの開設準備を進めております。さらに、各地域の家畜保健衛生所に相談窓口を設置し、農家や消費者等県民からの相談に応じております。
 なお、教育庁とも連携し、文書等により学校関係への周知徹底も行っております。
 以上でございます。
○宮城 國男 先刻知事の方から憲法と教育基本法の改正については国民間にいろいろ議論もある、また国会においても調査会等を設置していろいろ調査もしているということで、その推移を見守りたいという御答弁がございました。
 今、私の手元に非常に古い4年ほど前の中央の新聞でございますけれども、(資料を掲示) この憲法問題と教育基本法のことについて総理の経験者を初め大学の先生がいろいろ議論をしています。大変革新的な大変いい議論でありますので、長くなりますけれども、引用させていただいて、またコメントがあればお聞かせいただきたいと思います。
 「日本人は、憲法について明治憲法も戦後憲法も不磨の大典に近いものとして考えてきた。憲法は国のルールで、時代が変わっていくと同時にそのルールを時代にあわせて変えていかねばならない。教育基本法も、人間とは何かという普遍的な問題と同時に、世界史の変容に即した形で人間の生きる理想というのが現れてくるわけだから、基本法もやはり改正していかなくちゃならない。」、「生きるということ自体が実験をやってることに等しい。だから本当の理想だとか、100%真実だということはあり得ない。従って、そのフィードバック作用としての改正が念頭にないのは、論理的に破たんしちゃってる。」、憲法と教育基本法を日本にあてがった米国という国の問題性はその設計主義です。つまり国民なり、国家なりは知識人たちが安逸した観念とか計画に基づいて設計できるという考え方が米国にもあった。明らかに米国はどういうふうに日本人を洗脳するかという設計主義の考え方で教育基本法を日本人に書かせた。憲法もそうですけれども、それにははっきりと批判の視線を向けるべきですと。「戦後、米国のプラグマティズムとか、英国の功利主義とか、フランスの個人主義とかが横いつし過ぎて、人間としてみっともないことをしない、汚いことをしないというような伝統的規律がうせた。それが官吏や政治家の堕落につながった。戦後の伝染病みたいにまん延した文明病を治さなければいけない。教育は人間を供給してくれるのです。これが政界にも財界にも学界にも日本社会全体に来るのですから、今、直さないともうだめになる。それには教育革命だと。そういう考えで、全国民よ、決起せよと言いたいですね。」というふうに論議されているわけです。
 それについてコメントがあればお聞かせいただきたい。
 次に、普天間基地についてでございますけれども、この件につきましては平良議員、新川議員からも報道について言及がございました。昨年、ラムズフェルド国防長官が来日して普天間飛行場を視察した際に大変危険だと。この普天間飛行場を嘉手納に統合すると。嘉手納は過密度が高いのでこれを日本の自衛隊の基地に移す、しかもそれを5年以内にやるということ。しかし依然として辺野古への移設も選択肢として残るというようなことがございました。かなり具体的で信憑性もあるかと思いますけれども、先ほど知事の御答弁では、いわゆる政府に問い合わせても拒否をしている。
 また、SACOの合意を着実に進めるということでございましたけれども、こういう情報収集にはひとつ万全を期して対処していただきたいことを要望しまして代表質問終わります。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
   午後4時30分休憩
   午後4時31分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 宮城國男議員の方から再質問で、憲法、教育基本法の改正についてのお話がございました。それに対しての何らかの意見ということでお話をしたいと思います。
 時代の変化に応じて検討をすべきだということはそのとおりだと思っております。ただ、時代の変化の内容をどう認識するか、それに対応していかなる方向に持っていくか、その両者について十分に議論をするべきと考えます。
○副議長(髙良政彦) 以上で本日の代表質問は終わりました。
 本日の日程は、これで終了いたしました。
 次会は、23日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後4時32分散会

 
20040103000000