○議長(伊良皆髙吉) これより本日の会議を開きます。
日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第31号議案まで及び乙第1号議案から乙第29号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
友寄信助君。
〔友寄信助君登壇〕
○友寄 信助 おはようございます。
きょうは一般質問のトップバッターであります。私にとりましても今議会が最後の質問になります。
振り返ってみますといろいろと思い出があるわけなんですが、復帰後の歴代知事ですね、屋良朝苗氏、そして平良幸市氏、西銘順治氏、そして大田昌秀氏、今回の稲嶺惠一知事と続いてきたわけです。その中でいろいろ知事にも個性があって非常におもしろい場面もあったわけですが、やはり私が一番印象に残るのは西銘順治知事でありました。彼は、普通でも議会じゃないときでも、エイッ、どうかと、今晩酒一杯飲まないかと、こういう声もかけてくれたりして、なかなか度量が深いというんですか、そういう政治家であったと思っております。しかも、本会議で質問が非常に緊張した場面もあるし、爆笑した場面もあるし、いろいろと議会がにぎわったわけです。特に野党の質問に対して、とりわけ再質問です、再質問でいろいろと畳み込んで追及していくと、眼鏡を外して事務局が準備した原稿を読まないで率直な答弁をした。ですから、当時の部長は非常にはらはらしていたと思うんです。
さて、きょうは稲嶺知事の率直な本音の声が聞こえるかどうか、ぜひ本音をお聞かせ願いたいと思っております。
それでは質問に入りたいと思います。
まず、三位一体改革と新年度の県予算についてであります。
県の2004年度予算は、一般会計総額で6013億5000万円で、前年度比の減少幅が3%で復帰後最大の厳しい内容となっている。また、三位一体の影響で地方交付税が本年度当初比5.8%減で、臨時財政対策債が26.8%、国庫支出金が3.3%の減と計279億円の減、所得譲与税と地方特例交付金が計36億円ふえたが差し引きで243億円減り、厳しい予算編成となっている。とりわけ「骨太方針」で打ち出された国税から地方税への税源移譲を基軸に据えて地方税、補助金、交付税の三者を一体として見直すという三位一体改革が地方への税源移譲ではなく、補助金削減が前面に躍り出た状況になっているのではないか。三位一体改革は補助金削減からではなく、国税と地方税の税源配分を見直すことから着手しなければならないと思います。つまり、国と地方自治体に4対6と配分されている行政事務にあわせて、所得税と個人住民税を4対6になるように配分するべきではないのか。したがって、三位一体の改革は地方分権という基本的な立場に立った改革でなければならない。
そこで知事にお尋ねをいたします。
(1)、政府の行財政改革についてであります。
ア、地方自治体は税源移譲が十分になされないままの大幅補助金カットで予算編成に苦慮しているが、大幅な税財源の移譲を含め政府の行財政改革の是正を求めていくべきではないのか。
政府は、厳しい財政を踏まえて経費全般について徹底した節減合理化を打ち出しているが、地方財政対策の重点は何か。
今回の国庫補助負担金の見直しに伴う財源措置について県予算にどのような影響が出てくるのか。
エ、市町村合併をより一層積極的に推進することを強調しているが、地方財政措置としてどのような追加支援措置がなされているのか。
(2)、平成16年度の県予算についてであります。
県財政が厳しい中、予算編成に当たって「選択と集中」を基本方針にしておりますが、その重点施策は何なのか。
今回の予算の編成に当たって留意事項は何か。
ウ、国の投資経費の削減等によって県の公共事業の抑制見直しが求められているが、事業推進の重点は何か。また、今後の公共事業のあり方について知事の御所見をお聞きしたい。
エ、県税収見込み額が835億8700万円で3.5%の増と見込んでいるが、その確保は可能か。県経済の伸び率をどう見ているのか。
オ、主要基金の取り崩し額は最終的に148億円になったが、今後の3基金の確保と対策をお聞きしたいと思います。
カ、厳しい財政の現状下で沖縄振興計画事業にも影響が出てくるのではないかと思います。2004年には7分野における実績の中間目標年次を設けているが、実施計画の目標達成は可能なのか。その予測数値は幾らになるのかお聞かせください。
キ、各市町村は予想外の交付税、臨時財政対策債などの大幅カットで予算編成に苦慮しております。この状況では2005年以降の予算も組めなくなるのではないかと不安を抱いている。市町村行財政に与える影響と今後の対策についてお聞かせください。
2、米軍基地についてであります。
(1)、米国の海外基地の再編・削減の動きについてお尋ねをいたします。
昨年来、米国の海外基地の再編・見直しの動きが新聞等で頻繁に報道されてきた。とりわけ2003年11月25日の米国のブッシュ大統領の米軍の海外軍事力体制の見直し声明、在沖海兵隊約3000人のイラク派遣、そして2月13日の毎日新聞の報道として普天間飛行場の代替施設なしの返還は県民の間に大きな反響を呼んでおり、いよいよ在沖米軍基地の見直しに米国が着手したとその実現に期待が寄せられております。
また、こうした情報を踏まえて2月17日に中部市町村会において「米軍普天間飛行場の閉鎖・返還を求める決議」が採択されたことは画期的なことで、中部の基地を抱えている市町村長がそれぞれの立場を超えて決議した意義は重い。県民、宜野湾市民に大きな励みとなっております。知事は、この動きに対して一喜一憂せず冷静に受けとめておられるが、県独自の立場で情報を収集・分析検討し、SACO合意など既成の方針にこだわることなく、時代の変化を的確に把握し柔軟に対応していく必要があるのではないか。
そこで知事にお尋ねをいたします。
ア、県は、最近の在沖米軍基地の再編の動きについてどのような情報を把握しているか。また、2月17日における中部市町村会の「米軍普天間飛行場の閉鎖・返還を求める決議」をどう受けとめているか。
イ、今回の動きは、政府や県の対応によっては在沖米軍基地の縮小・削減の大きな転機になる可能性があると思うが、知事はこれをどう認識しておられるか。また、今後の対応をお聞きしたい。
ウ、渡米して海外米軍配置見直し公聴会に出席するに当たり、県民世論をバックにして強力な対米要請を展開するために、事前に県民大会の開催をするお考えはないのか。
(2)です。普天間飛行場の5年以内の返還についてであります。
ア、普天間飛行場の5年以内の返還は、爆音に苦しめられ、危険と隣り合わせの生活を強いられている市民にとっては切実な要求であります。政府や県の積極的な対応が求められております。知事の御所見をお聞きしたい。
イ、普天間飛行場が代替施設なしに返還できれば政府にとっても県にとっても歓迎すべきことではないのか、知事の御所見をお聞きしたい。
ウ、日米の軍事専門家の間では、在沖海兵隊の削減、他の国への移転は可能だとの声もかなりあるが、SACO合意は見直すべきではないのか。
(3)、普天間飛行場の跡利用計画の進捗状況についてであります。
ア、第1回普天間飛行場跡利用方針検討委員会が開かれましたが、当委員会で確認された主な事項は何なのか。
イ、今後の検討課題と作業日程はどうなっているか。
ウ、基本方針の策定の手順、体制と事業主体はどうなっていくのか、お聞かせください。
エ、跡利用策定に当たって文化財、環境問題に関する、基地問題に関する基地立入調査はどうなっているのか。
(4)です。米軍の都市型訓練施設の建設についてであります。
ア、金武町は町を挙げて反対しており、伊芸区は最近区民大会を開いて建設阻止を決議したが、これをどう受けとめておられるのか、知事の御所見をお聞きしたい。
知事は、日米両政府に対して強力な建設反対の申し入れを行うべきではないのか。また、キャンプ・ハンセン基地の使用協定との関係はどうなっているのか。
3、自由貿易の進展と沖縄の産業振興についてであります。
世界経済の潮流は、貿易の自由化に向かって大きく動いております。ASEANでは2010年を目標に自由化へ向かって具体的な協議が進められている。日本も昨年来、こうした国際経済の流れに乗りおくれないようにと取り組みが始まっております。既にシンガポールと自由貿易協定を締結し、現在はメキシコ、韓国、フィリピンとの協議が行われている。特に中国はASEAN諸国に急速に接近し、自由貿易に向けて協議を始めております。
政府は、農業をめぐる環境の変化や貿易の自由化を視野に入れた2005年3月を目標に農政の新計画策定に入っております。農水省は、農産物の輸入を高率関税で防ぐのはもう限界であるとして補助金を支給し、生産量の確保を目指す現行の農政の転換を図り、農業の競争力の向上を図るとしております。
そこで知事にお尋ねをいたします。
(1)、最近のアジアにおける貿易自由化の活発な動きに対応して、政府のFTA締結への動きを県はどう受けとめておられるのか。
(2)、政府のFTA締結の内容によっては本県の産業や特別自由貿易地域、金融情報特区への影響が考えられるが、県はどう対処していくお考えなのか。
(3)、FTAが沖縄農業に与える影響と国際競争力のある強い農業の振興と対策についてお聞かせください。
(4)、農水産物の自給率向上について県の方針をお聞かせください。
(5)、特別自由貿易地域内の既存企業の中に使用料滞納企業も出ている状況下で、新たな賃貸工場の建設をしておりますが、入居企業の見通しは今後どうなっていくのか。
4、情報通信産業の振興と電子自治体への取り組みについてであります。
先日、韓国の「韓国ソフトウエア振興院(KIPA)」を訪問する機会がありました。同振興院には、韓国事務所の夫龍風(プ・ヨンボン)さんの案内で訪問し、担当者から韓国のITソフトウエアの現状を聞きました。その中で、地方自治体の電子化についてはかなり進んでいるという印象を受けたが、セーフティーネットなどまだ多くの課題を抱えているとの説明がありました。
一方、県も「沖縄県マルチメディアアイランド構想」に基づいて情報通信産業の推進に取り組んでおりますが、電子自治体づくりの取り組みを含めてこれまでの実績、現状と今後の方針についてお聞きしたいと思います。
(1)、県内の情報通信企業の立地の現状とIT産業の振興策についてお聞かせください。
(2)、県内のインターネットなどのインフラ整備の現状はどうなっているのか。
(3)、電子自治体への取り組みの現状、課題と安全対策についてお聞かせください。特に個人情報保護についてどのような対策を考えておられるのか。
(4)、電子自治体づくりで市町村の財政負担はどの程度見込まれるのか。国の財政支援措置はどうなっているのか。
5、雇用対策についてであります。
日本の景気も回復基調にあると言われておりますが、雇用情勢は依然として厳しい状況にあります。
そこでお尋ねいたします。
(1)、新卒者の就職見通しと対策についてどうなっておりますか。
(2)、県内の労働者派遣会社は何社あるのか。また、本土ではパートや派遣など正社員以外の非正規雇用は全体の3割を超えると言われておりますが、本県での割合はどうなっているのか。
(3)、若年者雇用対策とミスマッチの解消策はどうなっているのか、お聞かせください。
6、年金改革についてであります。
(1)、今回の年金改革は抜本的改革とは言えない内容だと思いますが、知事はこれをどう受けとめておられるのか。
(2)、保険料引き上げによる1人当たりの年間負担増は幾らになるのか。また、給付額にどのような影響が出てくるのか、お聞かせください。
最後に、我が会派の代表質問との関連についてであります。
(1)、地位協定の抜本的見直しについて。
連合沖縄は、地位協定の抜本的見直しに向けた連合要求案をまとめた。これは駐留軍労働者の基本権や労働条件に関する規定が米軍側の非協力で著しく不利な取り扱いがなされております。地位協定12条5項では、「相互間で別段の合意をする場合を除くほか、賃金及び諸手当に関する条件その他の雇用及び労働の条件、労働者の保護のための条件並びに労働関係に関する労働者の権利は、日本国の法令で定めるところによらなければならない。」と記されておりますが、これが必ずしも遵守されていないのが現状であります。
それで県は、連合沖縄の要請事項についてどう受けとめておられるのか、今後の対応をお聞かせ願いたいと思います。
次に、バス交通問題についてでありますが、代表質問の中で我が会派の平良長政議員が那覇交通問題についても県の対応を求めましたが、県の姿勢は極めて消極的な姿勢と言わざるを得ない。
今回また琉球バスが3月までに従業員680人を全員解雇する提案を組合に提示しました。これは従業員に大きな衝撃を与えております。会社側の提案によると解雇に伴う退職金は50%カットし、分割で支払い、過去の退職者に対する未払い退職金も同様に減額するとしている。今回の提案に基づく2004年度の賃下げ分と退職金のカット分で合計38億円の人件費が削減されることになるが、これは労働者の犠牲の上の会社再建であって、会社側の責任が問われているのではないかと思います。会社の再建なくして従業員の雇用確保はできないのでありますが、余りにも厳しい内容で組合側は会社との交渉でこの提案を拒否しております。
そこでお尋ねします。
(1)、県は、今回の琉球バスの全員解雇問題をどう受けとめておられるのか。再建に向けて県の支援策をお聞きしたい。
(2)、公共性の高いバス事業をこのまま放置するわけにはいかないのではないか。この際、バス事業の抜本的対策の確立が求められていると思うが、県の今後の対応をお聞かせ願いたいと思います。
以下、答弁によってまた再質問したいと思います。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
友寄信助議員の御質問にお答えする前に、一言申し上げたいと思います。
友寄信助議員は、私が知事に就任したときの議長でございました。今本当のことを言いますと、野党でございますので大変私も心配をしたんですけれども、大変公平公正な議事運営を心がけていただいて、私も教えられるところが多かったというふうに思っております。今後もお元気で御活躍を願いたいと思います。
それときょうはお休みでございますので、あわせて同会派ということで伊波栄徳議員についても一言触れさせていただきたいと思います。
御健康を害されているということで大変心配をしているわけでございますが、伊波栄徳議員は大変高い識見からの御質問をなされまして、また特に監査委員としては県政の状況について的確な御指摘がございまして大変得るところが多かったというふうに思っております。一日も早い御回復をお祈りしながら、友寄議員の御質問にお答えをいたしたいと思います。
最初は、三位一体の改革に対する評価について申し上げます。
三位一体の改革は、地方分権を推進し、地方公共団体の自立的・自主的な行財政運営を推進する観点から重要なことと考えております。しかしながら、平成16年度は地方交付税等が予想を超える減額となるなど極めて厳しい予算編成となりました。三位一体の改革については、国庫補助負担金の廃止・縮減が本県の振興計画の推進に支障とならないよう、沖縄振興特別措置法に基づく補助率等の特例措置の存続並びに財政基盤が脆弱で税源に乏しい本県及び県内市町村が引き続き適切な行政サ-ビス水準を確保できるよう、地方交付税制度の堅持を国に求めてきたところであります。この旨は、先日来訪した財務事務次官にも要請したところであり、三位一体の改革が本県を初め地方の負担増とならないよう今後とも関係機関へ強く訴えてまいります。
続きまして、米国の海外基地再編に対する県の対応について一括してお答えをしたいと思います。
県は、昨年11月16日にラムズフェルド米国防長官が来県した際、将来の沖縄の米軍基地問題について思い切った変革を望んでいることを申し上げたところであります。12月1日には首相官邸で行われた全国知事会において、比嘉副知事より小泉総理大臣や各大臣に対し、この機会に沖縄の米軍基地の整理縮小の大幅な変革に向けて米国政府と積極的に協議するよう申し入れたところであります。
また、米国政府が海外駐留米軍の再編計画を検討している中、米国議会に設置される合衆国海外軍事施設の構成見直しに関する委員会が開催を予定している公聴会において、多くの米軍基地を抱える沖縄県が基地問題の解決を訴えることは意義のあることだと考えております。
公聴会への出席については、在沖米国総領事や先月来県した米連邦議会の関係者に対しても公聴会への出席の意向を伝えたところであり、今後とも積極的な働きかけを行っていきたいと考えております。
県民大会については、県民が主体となった取り組みが必要であると考えており、開催に当たってはより効果的なタイミングや県民の盛り上がり、大会の規模などを十分に考慮しながら、各界各層を網羅した全県的な大会になることが必要であると考えております。
次に、中部市町村会の決議についてお答えいたします。
普天間飛行場の返還については、市街地の中心部にあり市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を県政の重要課題として取り組んでいるところであります。その意味で、今度の中部市町村会の決議は県の施策と基本的に一致する内容であると考えておりますが、県としてはこれまでの基本的考え方に沿って引き続き取り組んでまいります。
次に、5年以内の返還問題についてお答えをいたします。
普天間飛行場の返還については、県としては現在行われている移設作業を進めていくことが早期返還につながる現実的で実現可能な方法と考えております。伊波宜野湾市長は普天間飛行場の5年以内の返還を求めておりますが、日米両政府が合意に至った具体的な方策ではありません。県としては、普天間飛行場が一日も早く返還されるようこれまでの基本的考え方に沿って引き続き取り組んでいきます。
続きまして、代替施設なし返還報道についての御質問にお答えいたします。
日米間では、さまざまなレベルにおいて安全保障面の課題につき緊密に協議しており、米軍の兵力構成の見直しの基本的な考え方についてもその中で話し合われていると聞いておりますが、政府は、米側から報道にあるような具体的な提案を受けているという事実はないと否定しております。普天間飛行場の移設については、閣議決定された政府方針に基づき一歩一歩進められてきたところであり、着実に進展しているものと考えております。各種報道に一喜一憂することなく、県としてはこれまでの基本的考え方に沿って引き続き取り組んでいきたいと考えております。
次に、SACO合意の見直しについてお答えをいたします。
県は、基地の整理縮小については、SACOの合意事案を着実に実施していくことが現実的で実現可能な方法であると認識しており、現在、すべての合意事案の推進に向け国と連携し全力を挙げて取り組んでいるところであります。基地問題については、これまでいろいろな方がそれぞれの立場で意見を述べたり、提案されたりしておりますが、県としては正確な情報の収集に努め、今後とも海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減など基地の整理縮小に取り組んでいきたいと考えております。
次に、陸軍複合射撃訓練場建設及び伊芸区民大会についての御質問に一括してお答えを申し上げます。
今回の陸軍複合射撃訓練場の建設計画は、県民の基地負担の軽減を求めてきた県のこれまでの要請や県民の意向に反するものであり、これまで小泉総理大臣や各大臣が出席した全国知事会等の場において同訓練場の建設に反対であることを表明し、政府に対応を申し入れたところであります。また、去る1月15日には来県された浜田防衛庁副長官に対して、陸軍複合射撃訓練場建設計画については反対であり、防衛庁におかれても沖縄の状況を十分に認識し対応していただきたい旨申し入れたところであります。
地元伊芸区においては、去る2月11日、区民総決起大会を開催し、計画の即時中止を求める抗議決議を採択しておりますが、これは同訓練場建設に反対する地元住民の強い意思の表明であると理解をしております。
次に、県内の情報通信関連企業の誘致についての御質問にお答えいたします。
県では、情報通信関連企業の誘致に積極的に取り組んでおり、本年1月1日現在の立地数は80社、新規の雇用者数は約6500人に上ります。そのうち、情報通信産業特別地区、いわゆる情報特区には平成14年9月以降、県外から16社が立地して470人の雇用が創出されております。県としては、引き続き高度なIT人材の育成と「沖縄県情報産業ハイウェイ」の拡充に努めるほか、新たに既存の空きビル等を改装して効率的・効果的にIT企業の創業・創出を支援するIT新事業創出体制強化事業を実施します。
特区制度の活用については、現在、全国メディアを利用する集中的な広報事業に取り組んでいるところであり、情報通信産業を本県のリーディング産業として育成するため今後とも各種施策を展開してまいります。
次に、若年者対策とミスマッチ解消策についてお答えいたします。
本県の雇用状況が厳しい要因の一つに、求人側と求職者側の技術・技能や職種等のミスマッチがあると考えております。特に、若年者については、県内志向、公務員志向といった職業観に関する課題が指摘されております。このような状況を改善するため、県においてはキャリアセンターを設置し、県内外インターンシップやキャリアカウンセリング等若年者の幅広い職業観の形成を図る事業を実施しております。
職業能力の開発においても、職業能力開発校における職業訓練に加えて専修学校、企業等民間の教育訓練資源を活用したIT関連講座の開設等多様な訓練を実施しているところであります。平成16年度は、新たに企業での実務経験を通して適応能力の高い人材を育成する若年者実践研修事業を実施するとともに、座学と企業実習を組み合わせたデュアルシステムによる職業訓練を導入することとしております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(仲田輝享) 国の地方財政対策の重点についてお答えをいたします。
地方公共団体の予算編成の指針となる平成16年度地方財政計画については、国の歳出予算と歩調を合わせつつ徹底して歳出を見直すこととし、中長期的な目標のもとで定員の計画的削減等による給与関係経費の抑制や地方単独事業費の抑制を図り、これらを通じて規模の抑制に努めることとされたところであります。
その結果、歳出においては給与関係経費が1.9%の減、投資的経費の地方単独事業については、平成17年度までに景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の水準を目安に抑制を図ることとされていることから、9.5%の減となるなど総額で1.8%の減となっております。それに伴いまして、歳入においては地方交付税が6.5%の減となるなど厳しい内容となったところであります。
次に、国庫補助負担金の見直しに係る財源措置及び県予算への影響についてお答えいたします。
平成16年度の三位一体改革においては、廃止・縮減される国庫補助負担金のうち、国において引き続き地方が実施すべき事業として位置づけたものについて税源移譲の対象とされているため、国庫補助負担金の減額された額がすべて税源移譲されるものではありません。
具体的な県予算への影響は、国庫補助負担金の見直しにより公共事業関係経費の事業費縮小及び義務教育費国庫負担金等の一般財源化など、国庫支出金が合計で約62億円の減額となっております。これに対して、義務教育費国庫負担金等の一般財源化に伴い所得譲与税及び税源移譲予定特例交付金が創設されたことによりまして約35億円の税源移譲が実施されております。
次に、平成16年度予算の重点施策についてお答えいたします。
平成16年度は、三位一体の改革の影響に伴い地方交付税等が予想を超える減額となるなど極めて厳しい予算編成となりました。このような中ではありますが、平成16年度は自立型経済の構築に向けた取り組みを一層強化し、沖縄振興計画を着実に推進する上で重要な年度であることから、予算編成に当たっては「新沖縄県行政システム改革大綱」の趣旨を踏まえつつ、限られた財源の中で事業の優先度に十分に配慮し、廃棄物対策などの新たな政策課題や緊急かつ重要な施策に的確に対応することを基本に編成をしたところであります。
重点的に措置した主なものは、観光・リゾート産業の振興として米州開発銀行年次総会の開催準備に取り組むこととしております。情報通信産業の振興として、新たなアクセスポイントの構築と通信コストの低減化支援を実施することとしております。産業の振興と雇用の創出については、沖縄産学官共同研究推進事業や緊急地域雇用創出特別事業を引き続き実施することとしております。科学技術の振興については、世界最高水準の沖縄科学技術大学院大学の設置促進に向けた取り組みを強化することとしております。環境共生型社会の形成に向けては、産業廃棄物に係る公共関与のあり方を検討することとしております。福祉の向上と安全・安心な生活を確保するため、認可外保育施設の認可化を促進するとともに、身近な犯罪抑止の総合対策事業を実施することとしております。さらに、基地問題の解決促進のため米国議会に設置される委員会の公聴会出席を含めた訪米を予定しております。
平成16年度は、三位一体の改革の影響のもとでの予算編成ではありましたが、本県の振興に向けた諸課題に的確に対応する予算が編成できたものと考えております。
予算編成、予算執行の留意点についてお答えをいたします。
平成16年度予算の編成に当たっては、「新沖縄県行政システム改革大綱」の趣旨を踏まえつつ「選択と集中」のもと、限られた財源の中で事業の優先度に十分配慮し、新たな政策課題や緊急かつ重要な施策に的確に対応することを基本に編成したところであります。
また、予算成立後の執行に当たっては、職員一人一人が本県の厳しい財政状況を十分に認識し、新行革大綱の趣旨を踏まえ予算執行に万全を期する必要があると考えております。
具体的には、歳入においては県税収入の確保や収入未済の縮減などにより財源の確保に努める一方、歳出においては事業の早期着手や事務処理の効率化など、事務・事業のあらゆる面で創意工夫を凝らしながら効率的な予算執行に徹していきたいと考えております。
公共事業推進の重点と今後のあり方についてお答えをいたします。
平成16年度の国の予算は、三位一体の改革の影響を受け公共事業費が全国的に抑制されており、内閣府沖縄担当部局予算及び本県の投資的経費についても減額となっております。
一方、県民生活の安定や産業の振興を図る上で重要な基盤である社会資本の整備を進めることは今後とも重要であり、公共事業が減少傾向となる中、成果・効率重視を基本に持続的発展を支える基盤づくりを進める必要があると考えております。
平成16年度県予算の投資的経費の主なものは、伊良部大橋橋梁の調査・設計や儀間川総合開発事業、博物館新館・美術館の建設工事や農業研究センターの本館の整備、老朽化した女性相談所や動物愛護センターの改築など、限られた財源の中ではありますが、緊急かつ重要な施策に対応しているところであります。
次に、県税収入の確保についてお答えをいたします。
平成16年度の県税収入見込み額は835億8700万円で、対前年度当初予算額より28億2200万円、率にしまして3.5%の増となっております。県税収入見込みは過去の収入実績、県内景気見通しや主要企業に対する利益予測アンケート、地方財政計画における税収見積もり及び税制改正による影響等を総合的に勘案し当初予算を策定しております。
平成16年1月発表の「沖縄県経済動向」によれば、県内景況は一部で停滞感はあるものの、全体として持ち直しの動きが続いている状況であることから、平成16年度県税予算額の確保はできるものと考えております。
それから、今後の主要基金の確保と対策についてお答えいたします。
平成16年度予算編成においては、三位一体の改革において地方交付税等が大幅に減額になったことから主要基金である財政調整基金、減債基金及び県有施設整備基金の大幅な取り崩しを余儀なくされる極めて厳しい対応を迫られました。基金の確保は、長期的視野に立った計画的な財政運営を行うために必要であります。
その対策としては、新行革大綱に基づく行財政改革を着実に実施するとともに、行政評価システムを活用した事務・事業の見直しによる歳出削減などさらに踏み込んだ財政健全化に取り組み、単年度ごとに収支の改善に努め、可能な限り積み立てを行っていきたいと考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 地方財政措置としての追加支援措置についてお答えいたします。
市町村合併に対しては、閣議決定された地方分権推進計画や行財政改革大綱における積極的な市町村合併推進の趣旨を踏まえ、さまざまな財政支援措置が創設・拡充されてきたところであります。
平成16年度の市町村合併促進のための地方財政対策としては、前年比約3倍となる7800億円程度が確保されており、必要な財政措置が講じられていると考えております。
次に、三位一体の改革の市町村財政への影響と今後の対策についてお答えいたします。
平成16年度の三位一体の改革による県内市町村予算への影響額は、約180億円の減と試算しております。特に、地方交付税及び臨時財政対策債の削減が大きかったことから、多くの市町村では基金の大幅な取り崩しにより対応するなど極めて厳しい予算編成になったと認識しております。
県内市町村の財政運営や予算編成は今後ともますます厳しい状況が続くものと見込まれることから、各市町村においてはなお一層の行財政改革を推進する必要があると考えております。また、地域・離島振興局としては総務部と連携を図りつつ、地方交付税の財源保障機能の維持及び所要額の確保などについて今後とも引き続き全国知事会等と一体となって国へ要望してまいります。
さらに、特に財政事情の悪化が懸念される市町村に対しては、税収の確保、組織及び職員定数の見直しなどの行財政改革に徹底的に取り組むよう強く働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 三位一体改革の影響下における振興計画の目標達成についての御質問にお答えします。
国の進める行財政改革は、補助金の削減・廃止や交付税の抑制が先行しており、地方財政に大きな影響を与えているところであります。こうした厳しい財政状況の中、平成16年度予算は沖縄産学官共同研究事業やIT新事業創出体制強化事業、沖縄科学技術大学院大学関連予算など振興計画の推進に必要な額を確保しております。今後とも国と連携し、振興計画推進の所要額の確保に努めてまいります。
分野別計画の目標については、観光客の500万人突破や情報通信関連産業、健康食品産業の大きな伸び、失業率の改善など、各部局の積極的な取り組みにより順調に成果をあらわしつつあることから、その達成は可能であると考えております。
次に、普天間飛行場跡地利用基本方針検討委員会での確認事項、検討課題、作業日程、手順等について一括してお答えをいたします。
第1回の普天間飛行場跡地利用基本方針検討委員会においては、跡地利用計画の取り組みに対する既定方針の説明や基本方針策定の手順と体制、調査の内容等について協議を行いました。今後、同検討委員会では本年度中に検討課題の抽出を行い、その後、関連調査の進捗も踏まえ、それらを取りまとめて整理をし、平成17年度の早い段階を目途に基本方針の原案を策定していく予定であります。
基本方針策定の手順と体制については、各界各層の意見を反映させるために設置された「普天間飛行場跡地利用基本方針策定審議調査会」での審議を経た後に、国、県、跡地関係市町村の代表で組織する「跡地対策協議会」での協議・調整を踏まえて宜野湾市及び県により決定をしていくことを考えております。
なお、跡地整備事業等を担当する事業実施主体については、跡地利用計画の策定の進捗状況を踏まえ協議を進めることとなっております。
同じく普天間の跡地利用策定に当たっての文化財等の調査についての御質問にお答えします。
普天間飛行場の跡地利用を円滑に進めるためには、返還前の早い段階から文化財、自然環境等の調査を行い、跡地利用計画に向けた取り組みに反映していく必要があります。文化財の調査については、県及び宜野湾市は、普天間飛行場内において平成11年度から1321カ所の分布調査と7カ所の遺跡の範囲確認調査を実施しております。また、県は、基地返還後の埋蔵文化財発掘調査の期間短縮や効率化等を図るため地中レーダーや電気、弾性波等の物理探査を実施しております。さらに市は、地形、動植物等の自然環境等についての現況調査を基地の周辺部において実施しております。
県としては、国及び市と連携して普天間飛行場の跡地利用が円滑に促進されるよう、今後とも長期的な展望で文化財や自然環境等の調査を進めていきたいと考えております。
次に、電子自治体の取り組みについての県内のインターネット利用に関するインフラ整備についての御質問にお答えします。
インターネットについては、県内全市町村で利用可能となっておりますが、ADSLなどの高速インターネットについては、離島・過疎地域でインフラの整備がおくれている状況にあります。県としましては、どの地域でも高速インターネットが利用できるよう今後とも民間通信事業者や関係市町村、国等関係機関等と連携を図りながらインフラの整備を促進していきたいと考えております。
同じく電子自治体の取り組みの現状、セキュリティー対策及び国の支援措置について一括してお答えします。
県と市町村は、国と連携して電子自治体の構築を推進しており、国と地方公共団体を結ぶ総合行政ネットワークや公的個人認証サービスなどを着実に整えてまいりました。来る4月からは電子申請システムがスタートします。これによりパソコンによるオンライン申請が可能となり、県民の利便性の向上に大きく寄与すると考えております。
個人情報を初め電子情報などの安全対策につきましては、情報の漏えいや不正アクセス、コンピューターウイルス等の発生を未然に防止するため「沖縄県情報セキュリティ基本方針」に基づき十分な対策を講じております。
電子自治体の推進に係る国の支援としては、総合行政ネットワークや公的個人認証サービス等の機器整備及び各種システム開発経費などに対する地方交付税措置と、県や市町村職員を対象とした情報セキュリティー研修の実施などがあります。
次に、琉球バス全員解雇問題と県の支援策についての御質問にお答えします。
琉球バス株式会社は、平成6年に那覇地方裁判所に会社整理を申請し、平成8年に策定された「会社再建12カ年計画」に基づき会社再建に取り組んできたところであります。しかしながらこの間、利用者の減少等厳しい経営環境により計画の目標達成が困難な状況に至ったことから、労働組合にその見直しを提案し、現在、労使間で話し合いを行っているとの報告を受けております。
県としては、同社の再建に向け労使において十分な協議がなされることを期待するとともに、国や関係自治体等と連携をして労働者の雇用確保及び生活バス路線の維持・確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、バス事業に対する今後の県の対策についての御質問にお答えします。
バス事業を取り巻く環境は、自家用自動車の急速な普及により年々利用者が減少する厳しい状況にあります。加えて、バス事業の規制緩和やモノレール開業等経営環境が変化してきております。
このようなことから、バス事業者においては抜本的な事業の再構築に向けた取り組みを主体的に進めることが求められております。県としては、経営健全化のためのバス事業各社の取り組みの動向を注視しつつ、公共交通を安定的に確保する観点から国等関係機関と連携し、県内経済界の関係者と意見交換を行うなど積極的に対応したいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) FTA締結の動き及び特別自由貿易地域等への影響について一括してお答えいたします。
我が国においては、WTOを中心とした多角的貿易体制を対外経済政策の基本としつつ、これを補完しさらなる貿易自由化を図るため自由貿易協定、いわゆるFTA締結に向けた二国間交渉が推進されております。
FTAは、一般的には、輸出入市場の拡大やより効率的な産業構造への転換などにおいてメリットがあると言われている一方、市場開放に伴う農業分野や中小・零細企業等への影響があると考えております。
FTAの締結に伴う特別自由貿易地域等への影響については、協定の締結内容にもよりますが、締結国相互間における貿易障壁の撤廃や投資の自由化が行われることから、立地業種の拡大等新たな加工交易型産業の集積及び金融関連企業等の立地促進につながる可能性があると考えております。
次に、賃貸工場の建設と入居企業の見通しについてお答えをいたします。
賃貸工場は、我が国企業を取り巻く厳しい経済環境の中で、特別自由貿易地域に関心の高いベンチャー企業を初めとする中小企業などの初期投資コストを大幅に軽減することによって本県への立地促進を図ることを目的に整備しているところであります。入居企業の一部には経営不振を理由に使用料を滞納している企業がありますが、全体としては早期立地の受け皿施設として有効に機能しております。今後とも立地企業のニーズを踏まえつつ計画的に整備していく考えであります。
入居見通しについては約20社が関心を示しており、現在、これらの企業と入居に向けて積極的に交渉しているところであります。
続きまして、新卒者の就職見通しと対策についてお答えをいたします。
平成16年3月卒業の新規学卒者の12月末時点の就職内定状況は、高校生については就職希望者が2776人、就職内定者は1076人で、就職内定率は38.8%となっています。大学生については就職希望者は2200人、就職内定者は573人で、就職内定率は26.0%となっております。
なお、前年同月比では、高校生で7.5ポイント改善しておりますが、大学生は2.5ポイント悪化しております。県としては、このような就職状況を踏まえ「就職支援特別セミナー」を開催するとともに、沖縄県キャリアセンターにおいて未内定者を個別的に支援する大学生等就職未内定者緊急支援事業を実施することにより、就職内定率の改善に努めてまいります。
続きまして、労働派遣会社の数と非正規雇用者の割合についてお答えいたします。
平成15年8月1日現在の県内の労働者派遣事業所数は129事業所となっております。また、平成14年就業構造基本調査によると、本県の雇用者数に占めるパートやアルバイトなどの非正規雇用者の割合は34.4%となっております。
続きまして、代表質問との関連質問で、駐留軍等労働者の雇用条件等についてお答えいたします。
駐留軍等労働者の勤務条件につきましては、国家公務員の給与等を考慮して防衛施設庁長官が決定することになっています。また、日米地位協定第12条5項においては、雇用及び労働条件等は、相互間で別段の合意を除き日本国の法令に定めるところによると規定されております。
なお、連合においては、駐留軍等労働者の雇用条件を確保する観点から、日米地位協定の見直し案が取りまとめられたものと承知をしております。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) FTAの本県農業への影響と対策についてお答えいたします。
外国からの安い農林水産物の輸入増加は、脆弱な本県農業に大きな影響を与えるものと考えております。このため、県としては九州知事会を通してFTAに対する適切な対応を要請しております。また、JA沖縄中央会においても全国農業協同組合中央会と一体となって国に強く要請しております。今後とも、関係機関と一体となって国に強く要請してまいります。
続きまして、自給率向上対策についてお答えいたします。
県では、県民への食料の安定供給と自給率の向上を図るため、ゴーヤー、マンゴー、モズク等拠点産地の形成による生産供給体制の強化、輸送コストの低減等流通・販売・加工対策の強化、省力・低コスト化に向けた農林水産技術の開発・普及、農業大学校等における担い手の育成・確保、地下ダム等農業用水の確保や魚礁、増養殖場等の基盤整備、天敵昆虫の導入、性フェロモン活用等環境と調和した農林水産業の推進などの諸施策を総合的に推進し、農水産物の生産拡大に努めているところであります。今後とも各種施策・事業を推進し、自給率向上に向けて取り組んでいく考えであります。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 今回の年金改革をどう受けとめているかについてお答えいたします。
公的年金は、高齢になったときや障害に陥ったときの生活の基本的な部分を支えるものであり、国民生活に不可欠な制度として認識しており、将来にわたり持続可能な制度として構築される必要があると考えております。
今回の制度改正の主なものとして、保険料負担と給付水準に関することがありますが、公的年金は世代間相互扶養の考えを基本としており、年金給付を受ける世代、また保険料を負担する世代にも十分な理解が得られ、信頼が確保できる制度として国会での十分な審議が行われるものと考えております。
続きまして、保険料引き上げによる1人当たり負担増、給付額への影響についてお答えいたします。
国の全国厚生労働関係部局長会議での資料によりますと、厚生年金保険料は平成16年10月から毎年0.354%ずつ引き上げることに伴い、月収36万円、ボーナス3.6カ月分込みで年収570万円の平均的勤労者の場合、1人当たり年間約1万円の負担増になるとされております。
国民年金保険料は、平成17年4月から毎年月額280円引き上げるのに伴い、平成16年度価格水準で1人当たり3360円の負担増となります。給付額については、保険料水準を固定した上でその収入の範囲内で給付水準を調整する仕組みとしており、今後の少子化の中でも標準的な厚生年金世帯の給付水準は、給付水準調整期間終了の平成35年以降においても現役世代の平均的年収の50%を上回ることとされております。国民年金の給付水準については、現在の水準をほぼ維持することとされております。
以上でございます。
○友寄 信助 休憩してください。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時 休憩
午前11時2分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
友寄信助君。
〔友寄信助君登壇〕
○友寄 信助 都市型訓練施設の問題について質問要旨は執行部に渡してあるんですよね。その中に入っていると思うんですが、この都市型訓練施設についてこれからも反対に取り組んでいきたいというんですが、問題は、陸軍特殊部隊がこのキャンプ・ハンセンを使用していく場合に、使用協定の中にはここでは使用部隊が限定されているんですよね、海兵隊と。限定されている。そういう中で陸軍特殊部隊が、陸軍がこれを使用していくという場合のその根拠は一体何なのか、それについてお聞かせください。
それと基地問題でありますが、再編の問題でありますが、知事も先ほど代替施設なしの返還についてはこれまでどおりSACO合意に基づいて進めることが早期返還につながるものであり、現実的な対応だということを繰り返してきているわけなんですが、しかしこの問題は政府が正式に答えてないという面もあると思うんですが、このラムズフェルドの発言というものはかなり事実じゃないかと思うんですね。
そういうことから考えますと、こういう情勢の変化に的確に対応していくというのが必要じゃないかと思うんです。知事はこれまでもこの15年使用期限問題についても大変苦慮されているわけですよね。我々から見れば、この15年使用期限問題は実質的にもう破綻しているんじゃないかと見ているんですよ。ですから、これらの問題を含めて解決するまさに一石二鳥の機会ではないかなと思うんですよ。ですから、この問題についても県として積極的に対応すべきじゃないかと思うんです。そして、その発言があったというその背景、その背景はやはりきっちりと見きわめる必要があるんじゃないかと思う。
というのは、アメリカの最近の国際戦略、対外戦略というのは変わってきているわけですよ。いわゆるテロやゲリラに対応するそういう戦略を、今度再編の動きが出てきているわけです。ですから、恐らくアメリカはもうSACO合意に基づく返還というものは行き詰まっている。これでは対応できないと見ていると思うんです、アメリカは。結局、SACO合意に基づく返還というものはこれから二十五、六年かかるわけでしょう。しかし、その上に知事が言う15年使用期限という限定もつけているわけです。アメリカの戦略から見れば恐らくそんなことはとても対応できないということでその発言が出たと思うんです。
ですからそういう問題を含めてもっと積極的に対応していくべきではないかという点をお聞きしたいと思います。
最後にバス問題についてですが、これからも積極的に対応していきたいということなんですが、やはりバス問題がここまで来たということ、結局これは私企業ですから、企業側の責任はもちろんあるわけです。ところがこのバス交通問題をどうするかという、行政にも政策の問題としてこれは非常に欠けているんじゃないかと思うんです、この問題は。
確かに言われましたように、これにはいろいろな背景があったと思うんですね。バス交通問題がここまで来たというのはいろいろ背景が、要因があったと思うんですが、やはりここで県がこのバス交通の再建はどうするんだということで、きちっとしたこれからの方向というものを示すべきじゃないかと思う。
その点をお聞きしたいと思います。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午前11時7分休憩
午前11時10分再開
○議長(伊良皆髙吉) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 友寄信助議員の基地問題についての御質問がございましたので、それにお答えいたします。
在沖米軍基地の再編計画については、昨年11月の末、米国において在外米軍の再編方針が示されたのを受け、さまざまな報道がなされております。日本政府においては、さきの国会で小泉総理大臣が在日米軍の軍事体制の見直しに関する協議においては、在日米軍が有している抑止力が効率的に維持されるとともに、沖縄を含む米軍施設・区域が所在する自治体の負担が十分念頭に置かれるべきと考えており、こうした観点からアメリカ側との協議を進めていくと述べております。
県としては今後とも情報収集に努め、日米両政府の動向を注視しつつ適切に対応していきたいと考えております。
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えいたします。
都市型訓練施設の使用についてのうち、使用協定にあるキャンプ・ハンセンの使用は海兵隊だけじゃないかということの御質問なんですけれども、施設局からの報告によりますと、キャンプ・ハンセンにおいて管理部隊はキャンプ・バトラー基地司令部で、使用部隊は海兵隊のほか陸軍、空軍がレンジ等を使用できるということでございます。
○企画開発部長(花城順孝) バス交通を公共交通の観点からどう対応していくかという御質問でございますが、先ほども答弁いたしましたように、基本的に、第一義的にはバス事業者が事業の抜本的な再構築をどうするかということがまず一義的には必要であると思います。
ただ、最近の那覇交通あるいは琉球バスの厳しい経営再建の模索といいますか、それについては労使間で今話し合いが行われておりまして、その中でどういう方向性が出るかということを行政としては見きわめていく必要があると。その中で公共交通の確保という観点から行政として何ができるかということを検討していくという姿勢で対応していきたいと考えております。
○金城 勉 一般質問をさせていただきます。
まず第1点目、基地問題についてでございます。
(1)、旧軍飛行場用地問題について。
この問題については、まず読谷飛行場が平成17年5月の返還に向け具体的に着々と進んでおります。県は、読谷のケースを先行事例として成功させられるようしっかりした取り組みをお願いを申し上げたいと思います。本日は、質問は検討委員会への委託調査がどうなったのか、それを踏まえて今後どのように対応していくのかお聞かせをいただきたいと思います。
(2)、基地内住宅建設について。
ア、瑞慶覧基地内で米軍住宅建設が大がかりに進められております。県はその実態を把握しているでしょうか。また、そのことが民間の貸し住宅業者に大きな影響を与えていくと懸念されているようですが、県の考え方をお聞かせください。
イ、その建設に当たって本土業者と地元業者の受注の実態はどうなっているでしょうか。
〔議長退席、副議長着席〕
2、国連機関誘致への取り組みについて伺います。
国連機関、国際機関誘致について平成15年度の取り組みはいかがでしたでしょうか。また、新年度ではどのような取り組みをしていくのか、御説明をいただきたいと思います。
3、福祉保健部関係について。
(1)、保育対策の推進について、この項目については順序を若干入れかえて質問をさせていただきます。エの部分を最初に持ってきて、その後順次進めていきたいと思います。
まず、次世代育成支援対策推進について伺います。
昨年7月に次世代育成支援対策推進法が公布されました。我が国における急激な少子化の進行を踏まえ、次代の社会を担う子供が健やかに生まれ、かつ育成される環境の整備を図るため次世代育成支援対策について基本理念を定めるとともに、国による行動計画策定指針並びに地方公共団体及び事業主による行動計画の策定等の次世代育成支援対策を迅速かつ重点的に推進するためにつくられました。
この法律は、これまでの子育てと仕事の両立支援に加えて、男性を含めた働き方の見直し、地域における子育て支援など新たに4つの柱に沿った対策を国を挙げて推進することとしております。しかも平成16年度での行動計画策定を義務づけ、17年度から実行に移すという10年間の時限立法であります。それだけ急速な少子化に対する対策は待ったなしの状況にあると言えます。
沖縄県としても、次世代育成支援対策は急を要するだけに非常にタイムリーな施策であると思います。ただ、県内においては他府県と違う子育て環境の問題が横たわっております。いわゆる待機児童の圧倒的な多さであり、認可外保育施設の多さの問題であります。
12月議会で答弁していただきましたように、保育に欠ける子供たちを責任を持って保育しなければならないとする児童福祉法の趣旨からすれば、県や市町村は認可外保育施設に保育責任の役割を押しつけたままになっていると言えます。
また、20日のマスコミ報道によりますと、総務省は認可外保育園にも公的助成をするという方向性を打ち出したとのことであります。つきましては、この機会に県を初め市町村も一丸となって待機児童問題、認可外保育施設問題を解決するために行動計画をつくるべきではないかと考えます。
そこで以下の質問をいたします。
(1)、次世代育成支援対策推進法の沖縄においての意義をどのように考えますか。
(2)、待機児童問題や認可外保育施設問題の認識について、県や市町村の考えはいかがでしょうか。今でも勝手に事業としてやっている法定外の施設だから行政とは関係ないという認識は残っていないでしょうか。県と市町村が一致した認識のもと、この問題に取り組んでいくための意識改革をどのように取り組んでいくのか、お聞かせをいただきたいと思います。
(3)、次世代育成支援対策のための行動計画をつくるための県や市町村の事前調査はどうなっているでしょうか。
ア、認可化促進事業の状況、県や市町村の財政的問題について。
現在、平成18年度を目標に50カ園の認可化促進事業を取り組んでいるわけですが、進捗状況と16年度の目標はどうでしょうか。また、認可化を推進するに当たって市町村にとっても財政的な問題が出てくるわけですが、現在の市町村のこの事業に対する意気込みはどうでしょうか。また、県としてどのような姿勢で市町村に対応しているでしょうか。
イ、保育士派遣事業のことについて伺います。
昨年12月議会で取り上げました保育士派遣事業に6800万円余の予算措置をしていただいたことを高く評価したいと思います。この事業が認可促進に向けて大いに効果を発揮してほしいと願っているのですが、一方、市町村によっては将来の財政負担を恐れてこの事業の受け入れを敬遠するところもあるやに聞いております。市町村に対しこの事業の啓蒙活動をどのように進めていかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。
ウ、保育所入所待機児童解消対策事業について。
この事業を進めるに当たって専任チームを編成すると伺っております。どのようなチームを編成し、どのような取り組みを考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
以上の質問を踏まえてみるとき、待機児童問題、認可外保育施設問題はなお多くの課題を残すことがわかります。先日、総務省は認可外保育施設にも認可園と同じ基準で公的支援をする方向性を打ち出しております。細かな内容はまだ把握できておりませんが、沖縄県にとってチャンスになるのではないかというふうに考えております。
そこで、以前から私どもが訴えているとおり、財政や法律的な側面から沖縄県で保育における特別措置というものを国に提言すべきではないでしょうか、重ねて県にこのことを伺います。
次、(2)、障害児学童の整備について。
障害児は、身体的、知的または両方の発達や機能に障害があるため日常生活や社会生活に相当な制限を受けているとのことです。ある報告書によると、1、障害を持つ子供の学校生活外にかかわる社会的手だてが非常に不十分、2、多くの障害を持つ子供の生活が空間的にも社会関係の上でも非常に狭められた状態である、3、一方で家族、親の生活基盤や心身に大きな影響がもたらされ、家族や親が追い詰められている、特に母親の負担が大きいとの報告がなされております。
もう一つの報告書では、多くの障害を持つ子供たちの放課後の生活は自宅で、家族、特に母親を相手にテレビやビデオを見て過ごすという空間的にも人間関係の面でも非常に貧しいものになっている。子供の自立と発達に必要な友達との活動が奪われているとのことであります。
以上のような実態から、障害を持つ子供たちの放課後の生活に学校や家庭とは異なる世界、すなわち仲間と生き生きと活動できる時間と場を保障していくことが重要であります。そこで形成される自立的世界は子供の発達にとってなくてはならない世界であります。それは思春期や青年期までも視野におさめた豊かな放課後生活の保障が求められていると言えるでしょう。同時に、安心の子育て、ゆとりある子育てが当たり前となるよう親や家族への子育て支援が重要となります。
障害児の養護学校義務制が実現したのは1979年であります。それまで障害児の多くは就学猶予・免除を強いられ、不就学の状態であったといいます。
福井県鯖江市の行った調査によると、障害児の不就学児の死亡率は学校在籍児の66倍から580倍にも上ると報告されております。養護学校の義務制が実施されることによって学齢期の障害児の死亡率は23分の1に低下したという報告もなされております。障害児の教育権保障は単に学校教育を保障するというだけでなく、生存権をも保障することにも通じたわけであります。
そこで重要なことは、どのようにして障害児の放課後保障を前進させていくのか、また夏休みや冬休みなど長期休暇の過ごさせ方はどうするのか、障害児を指導するに当たって指導者の確保はどうするのか等々課題が多くあります。このことは公的責任としてとらえるべきであろうと考えます。親や家族だけに負担させるべきではない。人権保障、生存権の保障という視点からとらえる必要があると思います。
以上の点を踏まえ、以下の質問をいたします。
ア、障害児の放課後を受け入れる施設整備について県の考えはどうか。
イ、夏休みや冬休みなど長期休暇の障害児学童についてはどうか。また、長期休暇中の養護学校の施設活用についてはどうか。
ウ、放課後児童健全育成事業において、放課後児童クラブでの障害児受け入れの補助基準を1人から適用することはできないか。
エ、障害児の障害に対応できる指導者の育成・確保についてどのようにお考えか。
オ、児童館で障害児を受け入れしている市町村への県からの財政支援について今後どのように考えていくのか。
カ、これは取り下げます。
キ、支援費制度の障害児デイサービス事業の中高校生への適用について国への要請はどのようになったのか。
ク、県として障害児受け入れのための指針・方針策定の予定はないか。
(3)の乳がん検診については取り下げます。
(4)、バリアフリー観光について。
ア、バリアフリー観光についての福祉保健部としての取り組みをお聞かせください。
イ、「沖縄バリアフリー情報」というガイドブックが出されておりますが、県民的にはよく知られておりません。関係者から見てもよくまとめられていると評価されているのですが、余り活用されてないように伺っております。インターネットで紹介されているようですが、インターネットの普及率もまだまだということですから、この情報誌が非常に重宝がられているようですから、ぜひその活用について前向きにとらえていただきたいと。現在は何冊発行し、どのような形で活用されているのかお聞かせをいただきたいと思います。
次、4番目に教育委員会についてお願いします。
(1)については福祉保健部への質問になります。
地域子育て支援事業「つどいの広場」の取り組みについて伺います。
今日、核家族化が進み、親や地域の子育て力の低下が指摘されております。児童虐待や子育て放棄などの事件・事故も起きております。そうした背景から子育て中の親子が地域の中で気軽に集まって相談したり交流したりできる「つどいの広場」事業が国の平成16年度予算に盛り込まれております。
それを受けて県としてどのように取り組んでいくのかお聞かせください。
(2)、「子どもの居場所」づくり事業について。
子供たちをめぐる事件・事故が多発傾向にある中で、安全で安心できる「子どもの居場所」を確保してほしい、保護者のそうした要望にこたえる形で文部科学省は16年度から3年計画で「子どもの居場所」づくりに着手することになっております。学校、家庭、地域が協力し合って、その地域の実情に合った居場所づくりが求められているようであります。
そのことを受けて、県内でどのような形で具体的に取り組んでいかれるのかお聞かせいただきたい。
(3)、県立高校のクーラー設置についてお伺いします。
県立高校のクーラー設置の状況はどうなっているでしょうか。また、今後の整備計画を示してください。
5、雇用問題について伺います。
(1)、失業率の高さが常に問題となっております。特に若年者の雇用問題は大きな社会問題となっております。国も昨年6月に「若者自立・挑戦プラン」を策定しております。職業観の形成から就業体験、そして就職に至るまでワンストップサービスの制度が注目されております。
そこで、県として若年者雇用対策としてのジョブカフェ設置についてどのように取り組むのかお聞かせください。
(2)、日本版デュアルシステムの導入について県のお考えをお聞かせください。
6、観光振興について。
(1)、バリアフリー観光について伺います。
ア、平成16年度の新規事業としてバリアフリー観光推進事業が予算化されております。観光立県を標榜する我が県として大変重要な施策であると思います。県としてどのような考えのもと調査検討するのか、お聞かせください。
イ、検討委員会を設置するとのことですが、その際、NPO関係者も含めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
(2)、国際映画祭開催に向けて。
昨年、公明党が提案した映画特区に向けた国際映画祭調査事業を新年度で予算化していただきました。観光振興のためにも大きな意義があると考えております。北海道においては夕張での国際映画祭が催され非常ににぎわい、町の活性化に大きな成果が出たとのことであります。
県として新年度でこの事業をどのような形で取り組みをするのか、お聞かせいただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 金城勉議員の御質問にお答えいたします。
次世代育成支援対策推進法の意義についてのお答えでございます。
次世代育成支援対策推進法は、待機児童の解消を初めとして地域子育て支援センター、子育て短期支援事業等の地域の子育て力を高める各種の子育て支援策を実施するに当たって、事業主体である市町村並びに国、県、事業主の取り組みをそれぞれ推進することを求めております。
本県においては、少子化の進行とあわせて就学前児童の保育所に預ける割合が高いことや児童虐待の相談件数がふえるなど、地域における子育て機能や家庭における育児力が低下してきており、次世代育成支援対策推進法の制定は大変に意義のあるものとして評価しております。
なお、策定が義務づけられている地域行動計画については、待機児童の多い市町村を有する都道府県において策定する保育計画も一体として策定することとしており、市町村におけるニーズ調査の結果を踏まえ、待機児童の解消に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えております。
次に、ジョブカフェ設置の取り組みについてお答えいたします。
国においては、フリーターや若年無業者が増加している現状を踏まえ、人材対策の強化を通じて若年者の職業的自立を促進する「若者自立・挑戦プラン」を昨年6月に策定しております。このプランにおいては、国が指定するモデル地域において若年者対策のワンストップサービスセンター、いわゆるジョブカフェを設置し、人材育成から就職支援までの総合的な対策を実施することとされております。
県においては、全国に先駆けて昨年6月に沖縄県キャリアセンターを設置し、職業観の形成から就職までの一貫した対策を実施しているところでありますが、モデル地域の指定を受けることによってキャリアセンターにおける若年者対策を一層強化することが重要であると考えております。現在、国においてモデル地域の指定に向けた作業が進められており、県としても地域指定を受けるべく強力に取り組んでいるところであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 旧軍飛行場の関係でございまして、委託調査の状況及びその後の対応についてにお答えいたします。
旧軍飛行場用地問題検討委員会は、委託業務の一環として委託先において設置・運営しているものでありますが、去る1月23日に最後の委員会を終了しております。現在は委員会での検討内容や収集した資料を整理し、報告書として取りまとめる作業を行っております。また、去る1月29日に開催した旧軍飛行場用地問題県・市町村連絡調整会議幹事会において、委託調査報告書の提出があり次第できるだけ速やかに連絡調整会議を開催し、報告書の内容を関係市町村に説明するとともに、今後の方針を検討することを確認しております。
基地内での米軍住宅建設についてにお答えいたします。
現在、キャンプ瑞慶覧内においてSACO合意事案に基づく米軍住宅統合関連の建物工事が実施されておりますが、那覇防衛施設局によると、それ以外の米軍用住宅の建設については平成2年度以降、新規の家族住宅の整備は行っていないとのことであります。また、家族住宅の建設・整備については、老朽化の著しい家族住宅の改築であり新規に整備するものではないと聞いております。県としては、今後とも米軍住宅建設について実態把握に努め適切に対応していきたいと考えております。
地元業者の受注の実態についてにお答えいたします。
キャンプ瑞慶覧内で実施されている住宅建設工事について那覇防衛施設局に照会したところ、平成11年度から平成14年度までの県内企業の受注状況は、工事件数では70件で84.3%、受注金額では97億4599万5000円で56.4%となっております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 国連機関誘致への取り組みについての御質問にお答えします。
国連機関等の誘致については、国連平和大学やアジア・太平洋地域人道支援センター等の誘致可能性を調査しているところであります。誘致を促進するためには、国連機関等のセミナー開催などの実績を積み重ね、アジア・太平洋地域における国際交流・協力拠点としての本県の優位性を高めることが重要であります。平成16年度は、本県の特性を生かした平和構築に関する研修テーマ等を検討するとともに、国際貢献に関するシンポジウムを予定しております。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 待機児童問題や認可外保育施設問題の県と市町村の認識と取り組みについてお答えいたします。
本県においては、保育に欠ける多くの待機児童が認可外保育施設を利用している実態があることから、県と市町村では認可保育所の足りない部分を認可外保育施設が補完的な役割を果たしているという認識を持っております。県は、市町村と協力して認可化を促進するとともに、認可外保育施設を利用している児童の処遇向上を図るため新すこやか保育事業を実施しており、平成16年度はさらなる待機児童の解消や入所児童の処遇の向上を図るため県単独事業の保育所入所待機児童解消対策事業を計画しております。今後とも、県と市町村が一体となって待機児童解消や認可外保育施設問題に取り組んでいきたいと考えています。
続きまして、地域行動計画策定に向けてのニーズ調査の実施状況についてお答えいたします。
現在、市町村においては、来年度の次世代育成支援のための地域行動計画策定に向け、子育て支援のサービス利用者の意向及び生活実態を把握することとし、国から示された14事業も含めた子育て支援サービスのニーズを把握するための調査を行っているところであります。ほとんどの市町村がニーズ調査を年度内に終え、今年の5月末ごろまでに集計を完了する予定としております。今後、ニーズ調査の結果を踏まえ市町村ごとに子育て支援の目標事業量を定めていくことになりますが、県においては市町村計画策定への助言を行うとともに、市町村の目標事業量等を踏まえ県全体の子育て支援事業の目標事業量を設定していきたいと考えております。
続きまして、認可化促進事業の状況及び県や市町村の財政的問題についてお答えいたします。
県においては、平成18年度までに認可外保育施設から認可への移行を含め、保育所創設等により3500人の待機児童解消を図ることにしており、平成16年4月には目標の45%が達成される見込みとなっています。認可外保育施設の認可化促進事業について平成14年度は2市2町で5カ所が認可化し、平成15年度は5市2町で11カ所が実施しており、平成16年度は3市4町で8カ所が計画しております。県や市町村においては、保育所の整備に当たっての法人への支援や開園後の運営費に対する負担等の財源を確保する必要がありますが、保育所の整備については緊急に解決すべき課題となっていることから、今後とも市町村に対し保育需要に適切に対応するよう働きかけていきたいと考えております。
続きまして、保育士派遣事業の見通しと市町村の意向についてお答えいたします。
県単独事業で平成16年度の新規事業として計画している保育士派遣モデル事業について、待機児童が多い市町村としては事業目的を理解の上、活用したいとの意向がありました。しかしながら、各市町村においては一段と厳しさを増した財政状況もあり、当初予算で計上したいとする市町村、あるいは補正予算で対応したいとする市町村もあり、今後とも本事業の活用について市町村に働きかけていきたいと考えています。
保育所創設専任チームの編成についてお答えいたします。
平成16年度は、待機児童の解消のため中長期的対策として保育所創設を促進、加速するために「保育所創設専任チーム」を部に設置することとしております。チームの具体的な人数、業務内容等は部内において調整中ですが、積極的に保育所創設が必要な市町村に出かけていき、それぞれ課題の異なる状況に個別に対応し助言することで保育所創設を促進する体制をつくっていきたいと考えています。
続きまして、保育特別措置についてお答えいたします。
県では復帰後、国の高率補助を受け保育所整備を促進してまいりました。しかしながら、多様化、増大する保育需要に対し整備を進めてまいりましたが、十分満たすことができないこと等から、平成15年4月1日現在、待機児童が2051人となっています。県では、新たな保育所整備計画の策定など、保育の実施主体である市町村と協力して保育の課題に積極的に取り組んでいきたいと考えています。
続きまして、障害児学童の整備、児童館で障害児の受け入れをしている市町村への財政支援について一括してお答えいたします。
放課後児童クラブの施設整備については、児童館や学校の空き教室等の既存施設の活用も含め、障害児の受け入れを前提とした施設整備について実施主体である市町村に働きかけていきたいと考えております。
また、県では、放課後児童クラブ事業を実施する市町村に対し補助金を交付しておりますが、児童館での障害児の受け入れについては、児童の受け入れ人数及び開設日数等の放課後児童クラブ事業の一定の補助要件に合致する場合に補助の対象としております。今後とも、障害児の受け入れについて実施主体である市町村に働きかけ、国庫補助事業を活用し市町村の取り組みを支援していきたいと考えております。
続きまして、夏休み等の長期休暇の障害児学童及び養護学校の施設活用についてお答えいたします。
障害児が、長期休暇等においても日中活動の場として学童保育やデイサービス等を利用できる支援が必要であると考えております。しかしながら、放課後児童クラブ事業は、夏休み等の一定の期間を限定とした場合には補助の対象となっておらず、また原則として小学校低学年児童を対象としていることから、中学生以上にまで年齢を引き上げることについては学童クラブの位置づけ等十分な検討が必要であると考えております。
また、障害児施策として18歳までの障害児やその家庭を対象としたホームヘルプサービスや障害児短期入所事業などの居宅支援事業を実施しております。今後とも市町村と連携し、居宅生活支援の充実に向け既存制度の拡充も含めて検討していきたいと考えております。
なお、養護学校の施設活用については、既存の事業の活用が図られないか検討をした上で、必要があれば関係機関に協力を求めていきたいと考えております。
続きまして、障害児受け入れの加算要件の緩和についてお答えいたします。
現在、県では、国の補助を得て放課後児童クラブに障害児を2名以上受け入れる場合に補助の加算を行っておりますが、1名以上受け入れる場合も対象とすることについては県の単独事業となることから、財源の確保や市町村の動向を踏まえ今後検討していきたいと考えております。
続きまして、障害児の障害に対応できる指導者の育成・確保についてお答えいたします。
児童館や放課後児童クラブ等にはそれぞれ指導員が配置されておりますが、障害児に十分対応できるような資質を高めるため、今後、児童館等の指導員を対象とした研修を委託している「沖縄県児童館連絡協議会」とも協議し、障害児関係の研修項目が加えられないか検討していきたいと考えております。
続きまして、障害児デイサービスについてお答えいたします。
障害児デイサービス事業は年間を通して実施しており、放課後対策などいわゆる時間を限定してのサービスではありません。現在、幼児及び小学校または養護学校等の小学部に就学している児童を対象に、日常生活における基本動作の指導や集団生活への適応訓練を行う事業であることから、中学、高校生は対象外となっております。しかしながら、障害児が年齢に関係なく、長期休暇等においても日中活動の場としてデイサービスを利用できる支援が必要であると考えます。このようなことから、適用年齢の緩和を図ることにより障害者デイサービス事業所等において中・高校生の年齢にある児童の利用を可能とすることを九州ブロック保健医療福祉主管部局長会議の要望事項の一つとして国へ要望しております。
続きまして、障害児受け入れのための指針・方針の策定について。
放課後児童クラブでの障害児の積極的な受け入れについては、放課後児童健全育成事業の実施主体は市町村となっていることから、個々の市町村における方針の策定も含め今後市町村に働きかけていきたいと考えております。
続きまして、福祉のまちづくりにおけるバリアフリー観光についてお答えいたします。
高齢者や障害者を含むすべての県民が安心して生活し、自由な移動や社会参加ができる地域社会の実現を目指す「沖縄県福祉のまちづくり条例」に基づき、公共施設を初め民間の施設も含めてバリアフリー化を促進してまいりました。また、高齢者や障害者が積極的に観光や旅行をすることに対しバリアを取り除くことは大切なことだと思います。そのためには県外、県内の障害者を含むすべての人が安全かつ快適に利用できるよう、観光関連施設についてもバリアフリー化に取り組む必要があると考えております。福祉のまちづくりの観点からも安全で安心して楽しみ、利用できる施設の提供に県全体で積極的に取り組んでいくため、県では広報番組や広報誌などを活用してお願いしてきたところであります。
続きまして、地域子育て支援事業「つどいの広場」事業の取り組みについてお答えいたします。
平成14年度に創設された国の補助事業である「つどいの広場」事業は、子育てへの不安や精神的負担感の緩和を図り、安心して子育てができる環境を整備するために極めて有効な事業であると認識しております。現在、各市町村においては、次世代育成支援対策推進法に基づく地域行動計画策定のためのニーズ調査を実施しているところであり、ニーズ調査の結果を踏まえ、平成16年度中に策定する地域行動計画に当該事業の実施を含めた目標事業量を掲げていくこととしております。県としては、各市町村におけるニーズを踏まえ、「つどいの広場」が住民により身近な場所で設置されるよう実施主体である市町村とともに今後取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 「子どもの居場所づくり」事業についてお答えいたします。
「子どもの居場所づくり」推進事業は、9つの新規事業とその他拡充事業等を含めた25の事業から成る施策であります。具体的な取り組み例としては、学校においてはスクールカウンセラーの拡充、高等学校における「生徒就学支援センター」の新たな設置、家庭においては家庭訪問巡回教育相談や家庭教育支援会議等による保護者への支援体制の充実を図ることであります。さらに、地域社会においては中・高等学校に新たに「やる気支援コーディネーター」を配置するとともに、「地域子ども教室」も新設し、子供のさまざまな体験活動や地域住民と子供たちとの心の交流を深めて地域における居場所づくりを推進してまいります。
次に、県立高校の整備状況及び整備方針についてお答えいたします。
県立高校のクーラーの整備については、防衛施設庁の防衛施設周辺防音事業、国土交通省の教育施設等騒音防止対策事業、文部科学省等の補助事業により整備を行ってきました。平成16年2月現在、県立高校62校中43校が整備済み、8校が一部整備済み、11校が未整備であります。未整備校については、校舎の改築時期や編成整備計画等を勘案し、年次的・計画的に整備をし、快適な学習環境を整えていきたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) デュアルシステムの導入についてお答えいたします。
デュアルシステムによる職業訓練については、県立職業能力開発校において平成16年度から導入する予定であります。同事業を実施することにより企業にとっては即戦力となる人材の確保が可能となり、また若年者にとっても技能の習得や幅広い職業観の形成ができ、就職の機会が広がることから積極的に推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 初めに、バリアフリー観光についてお答えをいたします。
県におきましては、旅行者に優しい質の高い沖縄観光の実現を目的に来年度よりバリアフリー観光推進事業に取り組むこととしております。事業の概要といたしましては、バリアフリー観光の実態・動向調査や先進事例の調査、行政による支援のあり方など、バリアフリー観光の推進方策を検討してまいります。
また、観光関連産業従事者を対象とした障害者等への接遇セミナーの開催や、バリアフリー対応情報の提供及びネットワーク化、モデルツアーの実施、バリアフリーに関する県民意識の啓発などソフト面の取り組みを進め、受け入れ体制の整備を図っていく考えであります。事業の実施に当たりましては、学識経験者や観光関連事業者、障害者団体などで構成される検討委員会やワーキンググループを立ち上げ、幅広い意見を取り入れていく考えであります。
次に、国際映画祭についてお答えをいたします。
県におきましては、海洋性リゾート地のロケーションを生かした新たなエンターテインメントの創出及びボトム期における観光客の増加を目的に国際映画祭に関する事業化可能性調査を実施する予定であります。
調査の概要といたしましては、国内外における映画祭の開催状況、映画祭による観光振興や地域への波及効果、IT等関連産業との連携状況、映画祭主催者や映像制作者等へのヒアリングなど映画祭の実態調査を実施するとともに、県内映画関係者や観光関連事業者へのヒアリング、沖縄にふさわしい国際映画祭のあり方に関する検討などとなっております。
以上でございます。
○金城 勉 福祉保健部長に再度お伺いいたします。
待機児童問題やあるいはまた認可外保育園問題は、県として非常に一生懸命に近年取り組んできたと評価をいたしております。
しかし、さまざまな施策を展開しているんですけれども、最終的にはやはり市町村も含めた形での財政問題がネックになるというふうに思います。この18年度までの施策においても50カ園、3500名の受け入れを整備しても潜在的にはなお8000名余の待機児童が残る計算になるわけです。
そういうことで、その認可化促進事業も非常に重要で大事なんですけれども、市町村においてもその受け入れの財政的な負担というものが出てきて、そこがなかなか思うようにいかないという現実があるわけです。ですからそういう意味で先回も私提案申し上げたんですけれども、やはり戦後の沖縄の保育の状況というものを歴史的に考えてみても、保育における特別措置というものを具体的に国に提言をし、そして国の関与を得てこれを措置するという形にしないと、県や市町村が頑張ってもなかなか財政的な面で乗り越えられない大きな壁があるということですから、そういう意味で再度保育における特別措置を国にかけ合うという考えはないかどうか、お聞かせください。
そしてもう一つは、障害児の問題についてでございますけれども、高齢者対策やあるいはまた児童、青少年への施策は大分進んできたというふうに考えております。介護保険もそういう中で家族の責任や負担を地域社会で、社会のシステムとして担っていこうという趣旨でスタートしてまいりました。そういう意味では、この障害児の問題についてはまだまだ未整備な分野だというふうに私は受けとめております。
これについては、今後もさらに福祉保健部の努力、また市町村の努力をぜひ求めていきたいなということで、このことについては頑張っていただきたいという要望にしておきたいと思います。
よろしくお願いします。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後0時休憩
午後0時再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
福祉保健部長。
〔福祉保健部長 稲福恭雄君登壇〕
○福祉保健部長(稲福恭雄) 再質問にお答えいたします。
保育特別措置の再質問にお答えいたしますが、県では、新たな保育所整備計画の策定など保育の実施主体である市町村と協力して保育の課題に積極的に取り組んでいきたいと考えております。先ほど議員から御提案のあります保育における国の特別措置については、今後の保育所整備を進めていく上での貴重な御提言として承っておきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(伊良皆髙吉) 休憩いたします。
午後0時1分休憩
午後1時31分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
安里 進君。
〔安里 進君登壇〕
○安里 進 こんにちは。
安心・安全、安らかな里づくりを進める安里進でございます。よろしくお願いします。
質問に入る前に、去る20日、山中貞則先生の訃報に接し、まことに残念のきわみであります。初代の沖縄開発庁長官として優遇税制を整備した復帰特別措置法をスタートさせ、2002年の金融・情報特区制度を備えた新沖振法の制定を党の税調の立場から尽力され、沖縄県のために尽くされた御功績は実に大なるものがあります。先生を失った沖縄県にとって実に大きな損失であります。今となってはただただ先生の御逝去に対し哀悼の誠を表するとともに、先生には天国からも沖縄県のことを見守ってくださるよう御冥福をお祈り申し上げます。
きょうは2月26日、二・二六事件が発生した日であります。この戦争につながった二・二六事件、二度とお互いはその日が来ないように、そして戦争が来ないような平和を願ってやみません。
質問に入ります。
米軍基地問題について。
私は、1960年に締結した日米安保条約1条「平和の維持のための努力」、次に「経済的協力の促進」に始まる6条から成る条約を容認する者として米軍基地の問題について質問いたします。
まず初めに、マスコミで報道されている普天間飛行場の返還問題ですが、米側が代替施設の建設を条件としない意向を日本政府に打診していたことが去る12日に明らかになりました。「日米特別行動委員会(SACO)最終報告に盛り込まれた代替施設建設合意の見直しを意味し、普天間問題が動き始める可能性が出てきた。」、「日米関係筋によると、昨年11月、沖縄県を訪問したラムズフェルド国防長官が市街地のど真ん中にある普天間飛行場を上空から視察。同長官は「こんな所で事故が起きない方が不思議だ。代替施設の計画自体、もう死んでいる」と指摘し、96年12月のSACO最終報告の見直しを国防総省に指示した」といいます。同長官の意向を受け、昨年末、外務省と防衛庁にも非公式に伝えられているようであります。
昨年12月25日、外務省の北米局長は、小泉首相に米軍の変革・再編は沖縄に関係しないと説明したが、しかし先月13日、北米局長が国防総省を訪問した際にも、ロッドマン国防次官補が普天間問題を何とかしたい、SACO合意の見直しを検討できないかと提案、さらに今月3日夜、外務省の竹内事務次官との戦略対話を終えたアーミテージ国務副長官が東京都内でひそかに石破防衛庁長官と会談し、SACO最終報告の見直しを検討したいと協議の開始を求めたといいます。防衛施設庁は事実無根と報道されているが、そこで稲嶺知事にお伺いします。
県当局は、これらの日米のSACOの合意見直しの動きを知っていたのか、見直しについての稲嶺知事の見解をお伺いいたします。
これは自民党の国会議員が、13日には県関係自民党国会議員が各省庁の説明を受けて、外務省、防衛施設庁は事実無根と言っているが、そういうことについて知事はどう思っているか、お願いしたいと思います。
(2)番目に、米軍関係者の犯罪の多発についてでございます。
米軍関係者の犯罪に歯どめがかからない。県警によると、昨年1年間に112件発生し133人が検挙された。7年連続増加傾向で米側から打つ手なしとの声も聞こえてくるとマスコミは報じております。米軍人の軍属、その家族らによる犯罪は、1995年の米兵による婦女暴行事件への県民の強い反発もあって翌年は減少したが、97年から上昇カーブを呈しております。その間、悪質事件が起こるたびに米軍は綱紀粛正に努め再発防止を図ると判で押したように反省の繰り返しをしてきた。組織を挙げてよき隣人対策にも取り組んでいるとするが、犯罪は一向に減らない。数字は米軍犯罪が悪化の度合いを深めていることを物語っております。犯罪に限らず基地から県民生活に大きな被害を及ぼす事故、騒音、環境汚染などがはんらんしているが、県は知事公室長の抗議だけが私は目につくが、対策はどうなっているか。
(3)番目に、米軍の演習による山火事の多発についてでございます。
ことしに入って北部では米軍演習による山火事が多発している。昨年同時期に2件だったのが、ことしに入って既に5件発生している。キャンプ・シュワブでは今月10日にも射撃場での原野火災があったばかりなのに、2日後の12日、また山火事が発生し900平米も焼失しております。
そこでお伺いしたい。
これまで事件・事故が起こるたびに知事公室長だけが抗議に行っているとしか私には見えないが、私はこの際、これだけ多発する事件・事故に対し、やはり県の最高責任者である稲嶺知事が直接四軍調整官のブラックマンに会って厳重に抗議すべきと思うが、知事の決意をお伺いします。
思えば1978年12月29日、名護市の民家にキャンプ・シュワブの海兵隊演習場から機関銃が乱射されました。当時の県知事──先ほども友寄議員からありましたけれども──西銘知事はこの許田の民家まで直接現場を視察し、1月4日には在沖四軍調整官のロビンソンを訪ね抗議しております。そういうことでひとつ知事も行くべきじゃないか、抗議すべきじゃないかというふうに思いますが、お伺いします。
次に、青少年の問題についてであります。
我が国の青少年の非行は、昭和35年以前は貧困や欠損家庭、家庭の乱れが主と見られる古典的非行から、高度経済成長に伴う遊び型非行と言われる非行が一般化する傾向にあり、家庭内暴力や自殺で象徴される急性の自己破滅型非行を経て、現在はいじめ、自殺等の第4の非行を迎えているといいます。この流れの中で、近年青少年の非行が増加の一途をたどり、しかもその傾向は粗暴化、集団化して低年齢層に及びつつあります。
警察庁が昨年1年間の少年事件をまとめたのを見ると、殺人などの凶悪犯罪で補導された14歳未満の少年は前年比47.2%増の212人、16年ぶりに200人を超えました。虐待で死亡した18歳未満の子供は前年より3人ふえ42人、少年が被害に遭った凶悪事件は2204件で8年連続の増加、性犯罪の被害者は7376人で過去最悪となっている。数字は青少年犯罪の凶悪化、低年齢化を裏づけております。14歳未満の殺人は2件、そのうち1件は残念ながら沖縄県です。北谷町での中学2年生殺害遺棄事件、相次ぐ女子高校生殴打事件、浦添市内で1月28日に発生した女子生徒をねらった連続暴行事件、犯人は県立高校定時制3年生の男子生徒で17歳の少年であるが、その学校の校長先生は、明るい生徒がなぜと述べております。また、出会い系サイトがきっかけで起こった殺人や強盗、強姦の重要犯罪等被害者は18歳未満で84%を占めております。
一方、大阪府岸和田市に住む中学3年の男子生徒が1年半にわたって虐待され衰弱し切っているところを警察に保護された事件。中3といえば第2反抗期に当たる年齢だが、少年は反抗するエネルギーも奪われていたということか。この事件等は、少なくとも学校と児童相談所がアンテナを敏感にし適切に対応していたら防げた事件であります。
昨今は教職員の不祥事も頻発しております。一部の教師の不祥事、教師が学校内で児童生徒の体に触れるわいせつ、セクハラ行為を行う。本来なら安心して学び、守られる教育現場で事件が起きているのであります。もはや一握りの教師の問題では済まされない事態だ。とはいえ、不祥事が起こるたびに教職員を潜在的な罪群としてとらえ、その防止をヒステリックに叫ぶことは同調できない。それにしてもまさに学校の安全神話が大きく揺らいでいることは事実であります。いや破壊したと言えるかもしれない。教育の危機を背負う現場は重苦しくかつ深刻かもしれない。しかし、教職をライフワークとして情熱を注ぐまじめなサイレントマジョリティーがいることも忘れてはなりません。教職員の不祥事の芽は学校現場にもあります。現場主義の視点に立って不祥事の背景や原因も究明してもらいたいと思います。
さて、県内では深夜徘回や喫煙、飲酒での補導、また刑法犯も増加し、県内の刑法犯の摘発人数の4割を少年が占める深刻な状況にあり、14歳未満の犯罪、強盗、強姦など凶悪犯、窃盗犯の増加が顕著になっていて復帰後最悪の状態になっているようだが、県警や県教育委員会はこの問題にどう取り組んでいるか、県警本部長、県教育委員長、教育長にお伺いします。
また、法務省は、今回治安の悪化の凶悪化に歯どめをかけるため罰則強化の公訴時効期間延長を柱とする刑法、刑事訴訟法など刑事改正案要綱を法制審議会に諮問し、97年ぶりの大幅改正となるが、県警本部長は今回の改正案にどのような見解を持っているか、お伺いします。
次に、「六諭衍義」の普及についてお伺いします。
人間社会がいかに変革しようとも、人が人として持つべき心は永遠に変わることはないのであります。
そこで、名護市教育委員会では、1728年名護間切総地頭職であった名護聖人と言われた名護親方程順則の六諭(聖諭)を現代社会を背景とした事例をもってわかりやすく解説することによって市民一人一人の理解を深め、その普及を図っていくとしてその取り組みをしているところであります。そしてその「六諭のこころ」の普及は、家庭及び地域社会における子育ての実践や、学校における道徳教育、心の教育の推進に役立てるとしています。また、心づくりに対する市民の共通理解によって「六諭のこころ」を実践し、心身ともに健康な青少年の育成を図るとともに、健全なる社会の形成を図るために役立てるとしています。
さて、その「六諭のこころ」である6つの聖諭とは、1つ、「父母に孝順なれ(いたわりあう親子関係を)」、2つ、「長上を尊敬せよ(互いの良さを尊敬しあうこころを)」、3つ、「郷里は和睦せよ(ふるさとの自然や人を愛しなかよく助け合うこころを)」、4つ、「子孫を教訓せよ(教育を大切にするこころを)」、5つ、「おのおの生理に安んぜよ(自分のやるべきことを成し遂げる喜びを)」、6つ、「非為をなすなかれ(善いおこないをするこころを)」。
この六諭は、人間の心のあり方を6つの視点で説いた教諭であり、その教えはいつの時代でも通用する不易な価値を持つものであります。急速に心の荒廃が進む現代社会にあって、県民の一人一人が「六諭のこころ」を正しく理解し、それを日々の生活の中で実践することが何よりも大切であると思います。
この「六諭衍義」は、1714年、江戸慶賀使として上国する際に薩摩の島津吉貴公に献上し、その後1719年には第8代将軍徳川吉宗に献上され、吉宗は1721年に室鳩巣にその和訳を命じ、翌年、鳩巣大意本「官刻六諭衍義大意」が刊行されます。それを機として各藩校や寺子屋における子弟教育の手本として使用されるようになり、全国に広がったわけであります。そのころから「六諭衍義」は単なる地方自治の律令としてではなく、語学の教書としてでもなく、むしろ庶民道徳の教本としての意味を強く持つようになるわけであります。およそ200年の間、人の心を善導する道徳の教科書として全国に使用されることになります。その間、各藩や地域においてはその実情に即した事例を取り入れたり、さし絵を入れるなど工夫をしたり、また時代の変遷によって不適当と思われることや記述の訂正をしたり、削除したりしながら、明治44年に刊行された「石橋本六諭衍義大意」に至るまでさまざまな「六諭衍義」の本が出版されたわけであります。
以上、「六諭衍義」について申し上げましたが、私は今こそこの六諭6カ条を学習指導要領の第1章総則の第1の2の中段に記されている条文に、「道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、豊かな心をもち、」、「進んで平和的な国際社会に貢献し未来を拓く主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。」と示されており、名護市から誕生した「六諭衍義」なる心のノートはまさに道徳教育の目標達成に大いに役立つ立派な副読本であります。
県教育委員会として全県に普及し、沖縄から全国に発信することはすばらしいことと思うが、知事並びに教育長の決意についてお伺いします。
以上、申し上げまして通告事項に記してあるように答弁をお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 安里進議員の御質問にお答えいたします。
最初は、SACOの見直し報道についてお答えをいたします。
日米間では、さまざまなレベルにおいて安全保障面の課題につき緊密に協議しており、米軍の兵力構成の見直しの基本的な考え方についてもその中で話し合われていると聞いておりますが、政府は、米側から報道にあるような具体的な提案を受けているという事実はないと否定しております。普天間飛行場の移設については、閣議決定された政府方針に基づき一歩一歩進められてきたところであり、着実に進展しているものと考えております。各種報道に一喜一憂することなく、県としてはこれまでの基本的考え方に沿って引き続き取り組んでいきたいと考えております。
次に、米軍人等による事件・事故や山火事の多発について一括してお答えをいたします。
県は、米軍基地に起因するさまざまな事件・事故等は1件たりともあってはならないものと考えており、米軍の訓練、演習に起因する山林火災や事件・事故が発生するたびに、米軍を初め関係機関に対し事故原因の徹底究明、再発防止及び安全管理の徹底等を強く申し入れてきたところであります。私は、これまでにも米国政府高官や米軍の司令官などに対し、機会あるごとに演習被害や事件・事故の再発防止を強く求めてきており、今後とも日米両政府に対し山林火災及び事件・事故の再発防止を訴えていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○警察本部長(髙橋清孝) 県内の14歳未満の凶悪事件の状況についてでありますが、平成15年中、殺人、強盗、強姦等の凶悪犯罪で検挙・補導された14歳未満の触法少年は4人で、前年に比べ1人減少しております。内訳は、殺人1人、13歳の中学生、強姦1人、13歳の中学生、放火2人、8歳と9歳の小学生であります。触法少年全体では平成15年中327人で、前年に比べ123人、約60%増加しており、中でも窃盗犯が243人と最も多く全体の約74%を占めています。
次に、少年非行犯罪を防止するための県警の対策についてであります。
県警では、少年非行を防止し健全育成を図るため街頭補導活動を強化することはもちろんのこと、「沖縄県児童生徒健全育成サポート制度」に基づく学校との相互連絡の実施、中学校、高校へ警察官を派遣しての安全学習支援授業の実施、サポートチームによる非行集団に応じた立ち直り支援活動の実施、少年サポートセンターを中心とした非行少年や被害少年の立ち直り、居場所づくりなどの各種の対策を講じており、今後も内容を充実させ継続して実施していく所存であります。
さらに、平成16年度の新規事業として学級崩壊、校内暴力、いじめなど、生徒非行が深刻化している学校からの要請に基づき警察OBと教員OBのペアを学校に派遣し、非行防止対策を継続的に推進するスクールサポーター制度の導入と、本県における少年非行の背景と原因等の調査・研究を実施すべく現在予算計上しているところであります。
県警としましては、次代を担う青少年の育成については県民総ぐるみで取り組む重要な課題と考えており、犯罪抑止のための検挙・補導活動や少年非行の実態についての情報発信を継続するほか、学校、地域、家庭等と連携した各種健全育成活動を積極的に推進してまいりたいと考えております。
安全学習支援授業の現状と実績についてでありますが、安全学習支援隊は、中高校生の非行防止と健全育成を図ることを目的に昨年9月発足し、県教育庁と調整の上、継続授業を希望する中学校3校、高校3校の計6校を対象にして9月22日に第1回目の授業を開始しました。実施状況としましては、その後単独授業を希望する学校がふえたこともあり、本年1月末現在、中学校が8校で28回、3821人、高校は11校で23回、8373人で、合わせて19の学校で延べ51回の授業を行い、受講者は延べ1万2194人であります。
本授業の反響等につきましては、生徒たちから、改めて命の大切さを知りました、あるいはもっといろんな話が聞きたいなどの感想が寄せられたほか、学校関係者等からは生徒の言葉遣いや服装、態度がよくなった、事件・事故等の実例を取り入れた授業は効果的であるなどと評価されております。今後も県教育庁及び学校関係者と十分連携して、より内容を充実させてできるだけ多くの学校へ安全学習支援隊を派遣し、青少年の健全育成に努めてまいりたいと考えております。
次に、刑事法改正案要綱についてでありますが、法務省においてお尋ねの諮問がなされたことについては承知しておりますが、本件につきましては法制審議会あるいは国会等において十分な審議が行われると思いますので、刑事法改正案要綱そのものについてはコメントを差し控えさせていただきます。
しかし、最近における我が国の犯罪の量的・質的な悪化状況を踏まえると、治安の回復を図るためには刑事法の改正なども含め効果的な各種対策を幅広く検討する必要があると考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 児童虐待の県内の実態についてお答えいたします。
本県の児童相談所が児童虐待として受け付けた相談件数は、平成12年度が275件、平成13年度が288件、平成14年度が367件と年々増加してきております。その相談種別を平成14年度で見ますと、保護の怠慢ないし拒否のネグレクトが150件で最も多く全体の40.9%、次いで身体的虐待が145件で39.5%、心理的虐待は60件で16.3%、性的虐待は12件で3.3%となっております。本県は、全国に比べネグレクトが高い状況にありますが、平成12年度と比較すると心理的虐待が大幅にふえております。
以上でございます。
○教育委員会委員長(徳山盛彦) 少年問題の対策についてお答えいたします。
本県の青少年の犯罪・非行の現状は、凶悪化、集団化、低年齢化の傾向にあり、まことに憂慮すべき事態にあると認識しております。
県教育委員会では、すべての青少年が心身ともに健やかに、たくましく生きる力をはぐくむため、人間形成の基盤であり、すべての教育活動の原点でもある家庭教育の充実、学校においては教育活動全体を通しての心の教育の充実、地域の子供は地域で育てるという地域教育力の向上等を図ることが重要であると考えております。このような観点に立って、家庭、学校、地域社会がそれぞれの役割・教育機能を十分発揮できるよう支援し、子供一人一人に対応した教育ができるよう一層力を入れていきたいと考えております。
○教育長(山内 彰) 少年問題の対策についてお答えいたします。
少年問題の主な要因の一つが遊び型非行による不登校であると考えております。その対策の一つとして、名護市や那覇市などの8つの市で学校、家庭、関係機関を結んだスクーリング・サポート・ネットワーク整備事業に取り組み、不登校児童生徒の早期発見、早期対応及びきめ細かな支援を行っているところであります。
また、今年度は県警察本部と協定を結び「沖縄県児童生徒健全育成サポート制度」を実施し直接指導を図るとともに、少年育成ネットワークのもと、学校、家庭、地域社会及び警察等関係機関・団体と連携を密にし、青少年を支え健やかに育てる取り組みを行っているところであります。
なお、平成16年度からは新たに「子どもの居場所」づくり推進事業として9つの新規事業と、その他拡充事業等を含めた25の事業から成る子供の心のよりどころとしての居場所づくりを推進してまいりたいと考えております。
次に、教師によるわいせつ行為、セクハラ行為の実態についてお答えいたします。
教職員による不祥事は、児童生徒と教師の信頼関係や県民の教育に対する信頼を損なうなどその影響ははかり知れないものがあります。平成14年度における教師によるわいせつ行為は3件、セクハラ行為が1件であり、平成15年度の2月時点ではわいせつ行為が1件、セクハラ行為が1件となっております。
なお、県教育委員会としましては、すべての研修を通してセクシュアルハラスメントの防止やわいせつ行為、体罰の禁止等不祥事について注意を喚起し服務規律の確保に努めているところであります。
次に、「六諭衍義」の普及についてお答えいたします。
名護聖人とも呼ばれました程順則は、200年以上を経た今でも県民に親しまれており、その生き方や「六諭衍義」、明倫堂の創設などの功績等については学校においても広く指導がなされているところであります。
今回、名護市教育委員会によって発刊された「六諭のこころ」は、市民のための「六諭衍義」として広く市民へ配布されたものであり、家庭教育や社会教育等の視点から活用されることが望ましいと考えております。
以上でございます。
○安里 進 再質問いたします。
現在の我が名護市には、琉球王朝時代の5賢人と言われた新しい製糖法をつくった儀間真常、琉球王国の政治の仕組みを整え、日本同化政策を進めた羽地朝秀、それから人間の心のあり方を6つの視点で説いた「六諭衍義」を出版し日本全国に教育と道徳を広めた程順則、林政・農政を重点的に進め、羽地大川を改修しかんがい工事を施行し産業政策を確立した蔡温、廃藩置県を推進した宜湾朝保のこの5人の偉人のうち、3人が名護羽地間切総地頭や名護と特にかかわっているわけであります。
今、名護親方程順則、羽地朝秀、蔡温の3人がそうであります。蔡温が280年前に植林したリュウキュウマツは、今なお北部にその雄姿を見せ、そのすごさを感じます。
そこで私は、280年前、あるいは294年前の偉人たちのことを思いながら、米軍による山林火災や道徳教育の基本である「六諭衍義」について、今の政治家や指導者が心すべきことではないかと思い質問しているわけであります。
まず1番目に、米軍の演習による山火事の多発についてでありますが、名護市のキャンプ・シュワブ、金武町、宜野座村のキャンプ・ハンセンの基地内は、今、松くい虫で県木であるリュウキュウマツは赤く枯れているのが目立ちます。松くい虫は松しか食わないが、米軍の演習による山火事は草木や小動物すべてを焼き払ってはげ山にしてしまうわけであります。私に言わすれば、米軍は松くい虫より悪い山くい虫、つまり山クエー虫だと言いたい。
そこで知事、稲嶺知事の顔は大変柔和でえびす顔をしているが、この際、米軍に対しては琉球の魔よけであるシーサーの顔をして、知事本人がブラックマン四軍調整官に抗議すべきと思うが、知事、もう一度その決意をお願いしたいというふうに思っています。
私がテレビを見ていると、いつも知事公室長の顔しか報道で見えないものですから、市民が本当にやっているかどうかと県民が思うので、たまにはシーサーの顔をしてばしっとやってくださいよ。
2番目に、心のノートの「六諭衍義」の普及についてでありますが、山内教育長、これは名護市だけのという話になっておりますが、そうじゃなくて、私が聞いているのは、あなたがこの「六諭衍義」なる心のノートの普及・促進を積極的に実施し、沖縄発全国に発信することができれば、教育長、あなたは山内沖縄聖人と呼ばれ、世の末代までその名を残すことになると思うが、その決意をお伺いしたい。
○知事(稲嶺惠一) 安里議員の再質問にお答えいたします。山火事の問題についてでございます。
私は、これまでにも米国政府高官や米軍の司令官などに対し機会あるごとに演習被害や事件・事故の再発防止を強く求めておりますが、今後とも日米両政府に対し山林火災及び事件・事故の再発防止に対してはシーサー顔でしっかり訴えていきたいと思います。
○教育長(山内 彰) 御指摘のあります県内版となりますと、もろもろ事情もありますので難しい点もございますけれども、とりあえず名護市が発刊してございますので、その発刊されたものを県内外に御紹介をさせていただきたいと思っております。
なお、安らかな里づくりの安里先生の御芳名のごとく、この「六諭衍義」の内容の一つである和睦郷里ですか、郷里を愛して仲よくしなさいと。まさにその教条そのものを学習内容の項目の一つとして指導することは十分可能でありますし、また現在でも昭和63年から私どもは「程順則」を取り上げて教材としても使っておりますので、今回は名護市が、また地元がそれを発刊したということで、これを紹介をさせていただきたいと思います。
以上でございます。
○前島 明男 通告に従い、所見を交えながら一般質問を行います。
最近よく使われる行政用語「三位一体改革」、一体何物だろうか。よくよく調べてみますと、国からの補助金や地方交付税を削減するかわりに、地方へ税源を移譲するという3つを同時に進めるのが目標であるそうだ。
ところが現状は、地方交付税が大幅削減される一方、税源移譲は少額にとどまり、各自治体は財源不足から歳出削減を余儀なくされているという代物である。地方財政を締めつけることが政府の目指す三位一体改革だとしたら、そんな改革は要りません。地方の裁量権を広げる地方分権が念頭にあったからこそ地方は賛意を示してきたのであって、そうでないなら白紙に戻したって構わない、そう考えるのは至極当然のことではなかろうか。
毎朝新聞を広げると必ず目に飛び込んでくるものは、県内の自治体からは、このままでは基金も底をついてしまう、小さい島なので税収に限りがあるとか、平成17年度から全く予算が組めないなど悲鳴が聞こえてきます。政府はこうした声に耳を傾け、現状の分析と事態を打開するための具体策を示すべきではなかろうか。いずれにしても、住民サービスが低下すれば何のための改革かということになる。改革は、地方の裁量権を広げるという原点に戻って進めてもらいたいものである。
それでは質問に入ります。
1、福祉保健行政について伺います。
休日や夜間に子供が病気になっても診てもらえる病院がない。一昨年、岩手県一関市で小児科医の当直がいないことを理由に病院をたらい回しにされ、適切な治療を受けられないまま生後8カ月の男の子が亡くなる悲劇が起きました。御両親の気持ちを思うと胸が痛みます。二度とこのような悲しい出来事を起こさないような対策が急務であります。
現在、本県でも小児科の医師が救急で対応している病院が少なく、突然高熱が出たりぐあいが悪くなった子供たちを病院へ連れていっても、簡単な処置をして、あす、外来に来てくださいと言われるだけで、対応面で不安を抱えた両親が多く見受けられます。しかも、病院へ行って受付後2時間以上の長時間待たされることがほとんどのようであります。
ある病院では、長時間待ちますから他の病院へ行ってはどうですかと促す場合もあります。何のための救急病院なのか疑いたくなります。刻一刻と状態が悪化していく我が子を見て、親はいても立ってもいられない精神状態に陥ってしまいます。一日も早くそのような状況を打開し、将来の沖縄を背負っていく子供たちをよりよい医療環境のもとで安心して育てられるように、ぜひとも小児専門医師が救急対応してもらうよう強く要望するものであります。
よって、次のことを質問いたします。
(1)、救急時及び日曜・祝祭日における小児専門医師の当番制について伺います。
ア、現在の状況はどうなっているか。
イ、今後、小児専門医師の救急対応をブロック単位で行う考えはないか。
ウ、今後の対策はどうするのか。
エ、小児専門医師の絶対数は足りているのか。
(2)、離島医療について伺います。
県議になってこれまで3回久米島へ行ってまいりましたが、その都度病院関係者が訴えられるのは、医師が不足がちなので十分な医療サービスができず、島外で治療を受けざるを得ない場合が多々あり、何とかしてもらいたいとの強い要望である。
そこで次のことを伺います。
ア、産婦人科と小児科の慢性的な医師不足の解消をどうするのか、特に久米島病院においてであります。
イ、琉球大学医学部における産婦人科と小児科の医師の養成はどうなっているか。また、協力の度合いはどうか。
(3)、長寿県日本一を維持することについて伺います。
これまで長年にわたって長寿県日本一を維持してきましたが、ここに来ていよいよ危うくなってまいりました。女性は日本一を保っておりますが、それとて安心できる状況ではありません。特に男性が26位というのは全く寂しい限りであります。その対策が急務であります。長寿県日本一が観光産業に与える影響ははかり知れないものがあります。
そこで次のことを伺います。
ア、対策と展望について御説明ください。
イ、自殺が全国で3ないし4位と高い原因は何か。また、対策をどう考えているのか。
ウ、健康で長生きする方策は何か。
エは取り下げます。
(4)、就学資金借り入れについて伺います。
現在、国や県では中小企業に対しては無担保・無保証の貸付制度もある時代です。向学心の旺盛でまじめな学生には保証人なしの制度があってもよいのではないかとのことから、次のことを伺います。
ア、なぜ保証人を必要とするのか。
イ、なぜ県外の保証人ではだめなのか。
ウ、各社協への行政指導はどうなっているか。
大きな2番、教育行政について伺います。
鉱物資源の乏しい我が県が自立発展していくためには、インドの国策を見習って人材育成に全力を注ぐしかないと言っても過言ではないと思うのであります。インドにおいては、国策でもってITの技術者を育成し、国内においてはIT産業の振興を図り諸外国からの注文にも応じ、一方、熟練した技術者を大勢外国に派遣し外貨を獲得し、興国の一翼を担っているとのことであります。人材育成という面では我が県が参考にすべき最もよい事例ではないでしょうか。国内はもとより、世界で通用する優秀な人材を大勢育成することが急務と考えます。
そこで次のことを伺います。
(1)、人材育成についてであります。
ア、奨学資金の資金量は十分か。
イ、希望者に対する充足率は何%か。
ウ、今後の資金調達をどう考えているのか。
エ、留学生の枠の拡大と貸付金額の増額を図るべきだと考えるがどうか。
オ、語学研修生に対する奨学金の適用はどうなっているか。
大きな3番、観光行政について伺います。
今さら申し上げる必要もありませんが、人がいないところに、あるいは人が来ないところに発展の可能性はないのであります。人は金なり、昔からよく言われた言葉であります。人が金を生み、人が金を使うわけであります。近い将来の観光入域者数を650万人に設定しておりますが、それを達成するためには多くの課題をクリアしなければなりません。即対応しなければならない課題、あるいは短・中・長期的に対策しなければならないものがあろうかと思います。その中で、観光客に満足してもらえるようなバラエティーに富んだ観光資源の開発と、現在あるものの保護・育成が最も重要な喫緊の課題だと考えます。そこで、今回は即対応しなければならない課題について伺います。
(1)、観光資源の保護・育成について伺います。
ア、東南植物楽園周辺の悪臭対策はどうなっているか。また、観光リゾート局としてどう対応するのか。
イ、観光資源保護プロジェクトチームをつくるべきだと考えるがどうか。これは産学官であります。
(2)、観光産業としての人材育成について伺います。
ア、各分野ごとの人材育成はどうなっているか。
イ、今後の対策はどうか。
(3)、観光リゾート局の組織について伺います。
ア、予算面はかなり伸びておりますが、人材の確保はどうなっているか。
イ、現在の2課体制から3ないし4課体制にして充実・発展を図るべきだと考えるがどうか。
大きな4番、道路行政について伺います。
本土復帰の記念事業として開催された沖縄海洋博覧会に間に合わせて竣工した伊祖トンネルも28年が経過いたしました。国道330号の当初の建設目的は、国道58号の慢性的な渋滞を緩和するため通過交通的な用途であったと記憶しております。年月が経過するに従って用途形態も変化をしてきております。現在では完全に生活道路としての役目を担うようになっております。これまで関係者がずっと言ってこられたトンネルを出てすぐ交差点があるのは安全上好ましくないとか、また、交通の流れが悪くなると主張されているのであれば、那覇市側と宜野湾市側は当初から全部平面交差になっているではないかと申し上げたい。浦添市民だけが不便をかこつ理由は何もないのであります。
なお、西海岸の臨港道路が開通すると国道330号の車の流れも随分緩和されるものと考えますので、関係部署で十分調査検討していただき、見直しをして平面交差点が実現できるよう強く要望するものであります。
そこで次のことについて伺います。
(1)、国道330号について。
ア、浦添市仲間の浦添総合病院前、浦添ハイツ入り口付近の中央分離帯を撤去し、平面交差点にすることについて知事並びに県警本部長の見解を求めます。
イ、那覇市側と宜野湾市側は当初から平面交差になっているのに、なぜ浦添市においてはできないのか。
ウ、できる方法は全くないのか。
エ、当該箇所を平面交差点にすれば救急車が約2分も早く到着することができるわけです。そのことによって大事な人命が助かる場合があるし、付近住民はもとより、県民・市民の安全・安心、より快適な生活につながると考えるがどうか。
大きな5、麻薬等の取り締まりについて伺います。
(1)、MDMAについてであります。
ア、どういう薬物なのか、詳しく御説明ください。
イ、本土では中・高校生に爆発的に広がっていると言われているが、本県での実態はどうなっているか。
ウ、今後の対策はどうするのか。
エ、各地域で民間組織をつくって協力体制を整える必要があると思うがどうか。
以上であります。
御答弁によって再質問をさせていただきます。
○知事(稲嶺惠一) 前島明男議員の御質問にお答えいたします。
健康・長寿の対策と展望についてお答えを申し上げます。
健康・長寿の維持には、子供のころからの食生活指導や壮年期の肥満予防、喫煙対策など生活習慣の改善とともに、高血圧、糖尿病の予防に力を入れる必要があります。そのためには、県民一人一人がみずから積極的に健康づくりに取り組むことが大切であります。
県においては、各地域で講演会、研修会等を開催し、健康に対する意識を高める取り組みを進めております。また、市町村が実施主体として取り組んでいる生活習慣病の健診事業、リハビリ事業及び高齢者に対する介護予防事業に対し助成及び指導・助言を行っております。さらに、地域と職域の健康づくりを推進するため、シンポジウムの開催等職場における健康づくりの取り組みを関係機関と連携して行うなど、今後とも健康福祉立県を目指した諸施策を積極的に推進してまいります。
続きまして観光行政について、各分野の人材育成及び今後の対策について一括してお答えをいたします。
本県における観光形態が多様化する中、観光事業の推進に当たっては体験学習指導者やガイド、コーディネーター等各分野における人材の育成と活用を図ることが早急な課題と考えております。このため、平成15年度から観光人材の育成や活用等にかかわる取り組みとして観光産業人材育成事業に着手したところであります。
具体的には、宿泊、輸送、飲食、娯楽、観光団体・経営者セミナー等各分野の研修制度のあり方や研修マニュアルの体系化についてモデル事業を実施しているところであります。また、観光人材の資格・技能に社会的評価を付与する資格認定制度の創設及び人材育成や活用を目的とする「観光人材育成センター(仮称)」の構築に向けて調査・研究を進めているところであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 小児科専門医の当番制について、現在の状況、ブロック単位で行う考え、今後の対策について一括して答弁いたします。
本県におきましては、沖縄県保健医療計画に基づき県内を北部、中部、南部、宮古、八重山の5つのブロックの2次保健医療圏に区分し救急医療等に対応しております。
南部圏域においては、公的病院や民間病院による病院群輪番制等を実施し小児科医を配置しており、中部圏域においては、県立中部病院を中心として小児救急医療体制が整備されております。また、北部、宮古、八重山圏域においては、小児科を標榜している医療機関が少なく輪番制が組めない中で、各県立病院において小児科医が当直もしくはオンコールにより対応しております。
このように、本県においては2次保健医療圏単位において小児救急医療体制が整備されているところですが、小児科医の養成・確保などの課題もあることから、市町村や県医師会等で構成する県救急医療協議会において協議し、小児救急医療の確保・充実に努めていきたいと考えております。
続きまして、小児科医の絶対数についてお答えいたします。
小児科医の必要数については、求められる医療の内容や水準の問題などさまざまな要素が関係することから把握することは困難であります。
なお、本県の小児科医は平成14年12月末現在で174名となっており、全医師数の7.2%となっております。小児科医の数は年々ふえておりますが、患者側の専門の診療科での受診指向が高くなっていることや救急患者に占める小児の割合が高いこと、また近年、小児科を希望する医師が少ないことや小児科医の高齢化が進んできたことなどから、全国的に小児救急医療に対応する小児科医の確保が難しくなっており、本県においても同様な傾向であります。
産婦人科と小児科の慢性的な医師不足についてお答えいたします。
産婦人科や小児科を専門とする医師については全国的にも確保が難しく、特に離島・僻地においては難しい状況にあります。
このようなことから、本県におきましては厚生労働省医師等派遣事業を活用し、久米島など離島・僻地における医師確保に努めているところです。また、離島・僻地の医師確保や本県医療水準の向上等を目的とし、県立中部病院において医師の卒後臨床研修事業を県単独事業として実施しているところであります。同研修事業では産婦人科、小児科等県内で不足している専門科を希望する研修医を優先して採用し育成に努めております。
公立久米島病院の医師については、現在、県より5名、厚生労働省医師等派遣事業により2名が配置されており、そのうち小児科医が1名、産婦人科医が2名となっております。
県としましては、引き続き産婦人科医等専門医の育成・確保に努めるとともに、久米島町や離島医療組合と協力して地域医療の確保に努めていきたいと考えております。
琉球大学医学部における産婦人科と小児科の医師養成及び協力についてお答えいたします。
平成16年2月現在、琉球大学医学部においては小児科9名、産婦人科4名が研修中ということであります。小児科や産婦人科については琉大においても医師の数が少なく、派遣は厳しい状況にあります。
なお、離島等における医師確保については、かねてより琉球大学医学部の協力を得ており、平成14年度に琉球大学医局から県立病院等へ派遣されている医師は61名となっています。また、県内の無医地区においては特定科目の巡回診療を琉球大学附属病院等の協力を得て行っています。県立宮古・八重山病院及び公立久米島病院等の医師確保についてもなお課題があることから、昨年行われた知事と琉大学長との意見交換会においても今後さらなる連携をお願いしているところです。
続きまして、高い自殺率の原因と対策についてお答えいたします。
平成12年度の厚生労働省統計資料によりますと、人口10万人当たりの自殺による死亡率は、全国の男性が30.7、女性が10.7に対し、本県が男性42.4、女性11.1で、ともに全国平均を上回っております。
自殺に至るには複雑な心理過程があると言われており、自殺の主な原因については把握しておりますが、本県の自殺者の比率が高くなっている原因については把握が困難な状況にあります。
県の取り組みとしては、こころの健康づくり相談事業の一環として総合精神保健福祉センターの「こころの電話」相談や福祉保健所の相談事業が実施されております。そのほか、民間団体において「いのちの電話」による相談が行われております。
健康で長生きする方策についてお答えいたします。
健康で長生きするには、県民一人一人が日ごろから自分の健康状況を把握し、みずから積極的に健康づくりに取り組むことが大切です。それにはバランスのとれた食生活、定期的な運動、適度な休養をとること、たばこを吸わないこと等健康的な生活習慣を身につけること、職場や地域で実施している健康診断を毎年受けることが生活習慣病の予防のため重要と考えております。
また、健康づくりを展開するため住民一人一人の努力とともに、市町村、関係団体等と連携した講演会、研修会等の啓発事業の実施や、地域に根差した食生活改善推進員の組織づくり等環境整備を推進していくことも重要であります。
続きまして、連帯保証人についてお答えいたします。
生活福祉資金貸付制度は、低所得者、障害者等に対し、その世帯の経済的自立と生活意欲の助長促進等安定した生活を営むことができるよう支援する制度であります。
この制度は、国の生活福祉資金貸付制度要綱に基づき運用を行っておりますが、連帯保証人は単に連帯して債務を負うというだけでなく、借り受け人世帯の自立を支援する役割も担っております。また、償還金は次の貸付原資になることから、貸付金の返済を円滑に行ってもらうためにも連帯保証人は必要であると考えております。
続きまして、県外保証人と行政指導について一括してお答えします。
連帯保証人は、国の要綱においては原則として借り受け人と同一市町村に居住している者となっておりますが、特別の事情がある場合にはこの限りでないとされております。本県の場合は、転入等により同一市町村に居住する連帯保証人が得られない特別の事情がある場合には、他市町村や他県に住んでいる者を連帯保証人とすることを認めております。
次に、各市町村社協への行政指導については、本事業の実施主体である沖縄県社会福祉協議会を通じて生活福祉資金貸付制度の運営や取り扱いについて指導しているほか、県社協が市町村社協を対象として実施する生活福祉資金貸付事業研究協議会等において、制度に対する方針や取り扱い等説明しております。
続きまして、MDMAとはどのような薬物かとの質問にお答えいたします。
MDMAとは、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミンの略名で、覚せい剤と似た化学構造を有する薬物で、化学薬品から合成された麻薬の一種であり、麻薬及び向精神薬取締法の規制の対象となっています。
MDMAは別名エクスタシーとも呼ばれ、白色の結晶性粉末ですが、一般的に錠剤やカプセルの形で密売されており、経口で摂取できる点が特徴となっております。MDMAには視覚、聴覚を変化させる作用があり、3時間から6時間効果が持続し、一時的に幸福な気分になったり、他人に対する親近感が増したりすると言われていますが、その反面、不安や不眠などに悩まされたりします。また、強い精神的依存性を持っており、乱用を続けると錯乱状態に陥るほか、記憶障害、腎臓・肝臓障害などがあらわれます。
県としましては、今後とも国の九州厚生局沖縄麻薬取締支所など関係機関と連携をとりながら薬物乱用防止の普及・啓発を積極的に行っていく考えであります。
以上です。
○教育長(山内 彰) 奨学資金の資金量、充足率、資金調達について一括してお答えします。
本県の奨学金貸与事業は、財団法人沖縄県国際交流・人材育成財団が実施主体となって県補助金や貸付金、財団基金の果実及び卒業奨学生からの返還金等を原資として実施しております。平成15年度は676人の学生・生徒を対象に3億4000万円余の奨学金を貸与しております。新規採用252人に対し649人の応募者があり、採用率は38.4%となっておりますが、そのほかに日本育英会奨学金制度があり、2701人が貸与を受け希望者に対してほぼ充足されております。
なお、奨学金に関する今後の資金については、基金の造成や効率的運用による運用益の増に努めております。
次に、留学生の枠の拡大と貸付金額の増額についてお答えいたします。
財団法人沖縄県国際交流・人材育成財団では、昭和57年度から県費留学生派遣事業を実施し、平成9年度から国費による留学生派遣事業を実施しております。平成15年度は県費で20人、国費5人の計25人であります。
今後の枠の拡大については、21世紀の本県の振興・発展、学術・文化及び国際交流の推進を担う国際性豊かな人材を育成する観点から、今後とも継続・拡充を図ることが必要であると考えております。
なお、留学生への貸付金の増額については、国費留学生は必要経費を全額給与し、県費留学生は必要経費の60%を給与、残り40%を貸与し、十分な対応がなされております。
次に、語学研修生に対する奨学金の適用についてお答えいたします。
本県の語学研修生の派遣については、旅費、学費、生活費等の研修に必要な経費を財団で支給しており、したがって奨学制度の適用は行っておりません。
なお、沖縄県国際交流・人材育成財団語学センターでは、平成9年度から国際化に対応し得る人材の確保を目指して、沖縄県同時通訳者養成事業により英語、中国語、韓国語、タイ語、スペイン語、フランス語の6カ国語について海外の大学、国内の研修機関に語学研修生を派遣しております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 初めに、東南植物楽園周辺の悪臭対策及び観光資源保護プロジェクトチームの設置についての御質問に一括してお答えをいたします。
観光リゾート局では、東南植物楽園が近隣施設から発生する悪臭やハエにより重大な影響を受けている問題について、その改善に向けて県関係部局、関係自治体と調整を図ってきたところであります。観光施設の周辺環境は清潔で安心・安全であることが大事であり、観光振興を推進する立場から同問題につきましては今後とも関係機関と密接に連携し、解決に向けて積極的に取り組んでまいります。
また、観光地・観光施設周辺における環境の保全・保護につきましては、当面は関係行政機関における観光資源保護への共通認識づくりと協議の場の確保などの連携・強化が肝要であると考えております。そのことを踏まえ、今後、研究機関や民間も含めた推進組織の設置について関係部局とともに検討してまいりたいと考えております。
次に、観光リゾート局の人材確保及び組織体制の拡充について一括してお答えをいたします。
観光リゾート局の職員配置につきましては、業務内容が民間と密接に関係すること、庁内他部局や各市町村との調整事項が多いことなどを勘案し、適切な人事配置に努めております。ちなみに、IDB沖縄総会関係業務につきましては民間からも職員を受け入れたところであります。
組織体制の拡充につきましては、これまでに企画・立案や調査・分析の部門及び関係部局との横断的な調整機能を備えた部門を強化しております。また、平成16年度は上海事務所開設やIDB沖縄総会開催に向けて職員5名を増員するなど、業務量に対応した配置に努めております。今後とも、多様化かつ増大する観光ニーズに対応するため、組織体制の強化に向けて積極的な姿勢で努力してまいりたいと思います。
以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 道路行政についての、中央分離帯撤去と平面交差点による安全・安心、より快適な生活についての2つの質問に一括してお答えいたします。
国道330号の古島インター以北は国が管理する道路であります。当該道路は沖縄本島中南部都市圏を結ぶ幹線道路で、交通量も1日7万台以上となっており、国道58号に次ぎ交通量が多く、今後とも増大する交通量に対応が求められる重要な道路であります。
浦添総合病院付近の道路状況は、北側90メートルに伊祖トンネルがあり、トンネルとトンネルの出入り口付近が県道153号線バイパスからの合流部となっております。交通量の多さと相まって、現況の道路交通環境のもとで平面交差にすると、トンネル付近の区間においては直進する車両や県道153号線バイパスから合流する車両、病院側へ右折する車両等が錯綜することが予想されます。浦添総合病院前を平面交差にすることは、円滑な道路交通の確保や交通安全の観点から好ましくないものと考えます。
次に、浦添市側において平面交差ができない理由についてお答えいたします。
国道330号の安里交差点から宜野湾市嘉数までの区間は、国道58号のバイパス機能を有する4車線道路として整備されております。そのため、主要道路との立体交差、中央分離帯や立体横断歩行者道の設置等によりアクセスが制限された道路構造となっております。それにより、同区間は高い交通処理機能を維持し、沖縄本島中南部都市圏を結ぶ重要な役割を果たしております。
なお、国道330号の安里交差点以南、宜野湾市嘉数以北の区間については、既存の道路を拡幅し整備したものであります。
次に、方法は全くないのかにお答えいたします。
当該区間の交通状況や道路状況及び国道330号の道路の位置づけ等から見て、中央分離帯をあけて平面交差にすることは現状では困難であると考えます。しかしながら、将来、高規格道路網等の整備供用や土地利用状況等の変化により当該地域における交通量の減少等があり、平面交差の実現化の環境が整ったと判断される場合において設置場所を含めて関係機関と調整を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 浦添市仲間の浦添総合病院前の中央分離帯を撤去して平面交差点にすることについてお答えします。
国道330号の浦添総合病院前付近は、伊祖トンネルを中心にしてカーブになっており見通しが悪く、交通事故も多発しているのが現状であります。このような交通環境で当該場所に平面交差点を設置した場合、国道330号が交通量が多いことから、交差点での停止車両がトンネル内まで滞留し追突事故発生のおそれがあること、さらにトンネル北側で牧港方面から国道330号に合流するための加速車線が設置されていて本線への合流車両、病院側へ右折する車両が直進車両と錯綜することにより交通事故発生の危険性が高くなると判断されることなどから、現状の交通環境のままで中央分離帯を撤去して平面交差点を設置することは、交通の安全を確保する観点から好ましくないと考えております。
また、その他の場所について将来的に道路管理者により道路の整備等が行われる場合には、公安委員会としましては交通の安全と円滑を図る観点から個別に検討を加え、関係機関と協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、MDMAの県内での実態についてでありますが、本県においてはこれまで3件のMDMA事案を検挙しておりますが、中高校生による検挙事例はありません。
MDMAの今後の対策についてでありますが、県警では現在薬物対策部門、風俗部門等関係部門が緊密に連携し取り締まりを積極的に推進しております。
今後の少年対策としまして、少年が蝟集するクラブ等の実態把握の徹底、繁華街等における街頭補導活動の強化、学校等との連携・強化、家庭、地域に対する広報・啓発活動の強化などの諸対策を積極的に推進してMDMAの乱用防止を図るとともに、違反者については取り締まりを徹底してまいりたいと考えております。
次に、民間組織の協力体制についてでありますが、県警では、ボランティアで活動している少年補導員や少年指導委員、また学校の教職員の方々にMDMAの形状、乱用者の一般的特徴、乱用の実態等について積極的に情報提供し、街頭補導活動等の際にMDMAの乱用防止に生かせるよう協力体制を整えていきたいと考えております。
以上です。
○小渡 亨 それでは会議規則にのっとりまして一般質問を行います。
1、海上自衛隊の練習艦隊と護衛艦隊の中城湾港への寄港について。
海上自衛隊の練習艦隊の旗艦練習艦「かしま」と護衛艦「うみぎり」が1月26日から29日までの間、中城湾港新港に初めて寄港しました。そして先日の2月16日から20日までの間、護衛艦隊の護衛艦「はるな」、「たちかぜ」、「しまかぜ」の3隻が同じく中城湾港新港地区へ寄港しました。事前に入港調整に走り回った一人として、県当局の今回の判断に対し、この場をかりて感謝申し上げます。
これを受けて、沖縄市を初め沖縄商工会議所、沖縄市観光協会、沖縄市飲食業組合等の各種経済団体並びに沖縄県防衛協会、社団法人全国自衛隊父兄会沖縄県連合会、同じく社団法人全国自衛隊隊友会沖縄県連合会等の防衛関連団体は大歓迎の各種歓迎行事を那覇市と沖縄市で開催しております。
自衛隊については、国民の9割以上がその存在及び必要性を認めており、憲法を改正して明確に憲法に位置づけすべきだとする国会議員も過半数をはるかに超えております。このような中、今回の一連の寄港は時宜を得たものであったと私は思います。海上自衛隊の幹部出身の私としては、今後とも機会を見て海自艦船等の寄港を働きかけていこうと思っております。
そこで、県民にとってなじみの薄い海上自衛隊でありますので、その理解を深める意味で基本的なことを質問します。
(1)、今回寄港した練習艦隊並びに護衛艦隊とは何ですか、その任務、規模等を説明してください。
(2)、それぞれの練習艦隊、護衛艦隊の寄港の目的は何だったのか。
(3)、自衛隊の艦船が中城湾港に寄港できる法的な根拠を説明してください。
(4)、寄港に伴う経済効果について、乗員が1500名あるいは2000名近くと言われておりますその方々が沖縄市あるいは周辺地域で落としたお金、その経済効果についてどう見ておりますか。たまに台湾からのクルーズ船も寄港します。それとの比較はどうなっていますか。
(5)、県民の寄港に対する賛成あるいは反対の動きはありましたか。その動きは具体的にどうだったのか説明してください。
(6)、県の防災計画における海自艦船等の位置づけはどうなっておりますか、説明してください。
2番目、動物病院における獣医師法等の違反事案について。
沖縄県内で動物の診療に当たっている54名の獣医師が、平成15年12月19日に糸満市や沖縄市で最近開業を始めた動物病院の獣医師3名と女性スタッフ1名を獣医師法違反容疑で県警と那覇地検に告発しております。
この動物病院は、テレビ等で本島全域どこでも往診すると宣伝をして、県民からの往診依頼に対し、獣医師ではない無資格の女性スタッフに往診させ診療行為をさせた事実が発覚したためであります。また、治療行為の中には劇薬である生物学的製剤の使用も無資格者によって行われており、薬事法にも抵触する可能性もあると考えられます。
私は、指導・監督に当たるべき県当局が、このような無資格診療の事実を確認しておきながら告発に至らなかったことは、獣医師法に照らしても大変疑問を感じております。
私は、物心がついたころから私のそばには犬が常におりました。家庭において犬の世話は私の役目でありました。現在も2頭飼っております。1頭は大型犬のロットワイラーであり、名前をブッシュとつけました。常にブッシュ、ブッシュと呼びつけにしております。
この動物病院の違反行為は、獣医師法の根本にかかわる重大な事案であり、ペットを家族の一員として考えている多くの県民の信頼を裏切る利己的な行為であると私は思います。
質問に入ります。
(1)、事案に対する農林水産部の対応を説明してください。
(2)、県警に獣医師54名が告発して2カ月以上も経過しておりますが、県警がその告発を受理できない理由は何ですか、教えてください。
3、中城湾港における港湾工事について。
中城湾港泡瀬地区事業は、沖縄市を選挙区に含む各種選挙において常に選挙の争点となっており、マスコミ等は意図的に大々的に取り上げておりますが、選挙結果、つまり沖縄市民の選択は圧倒的に事業の推進であります。しかし遅々として事業は進みません。そのために、平成13年度にこの中城湾港泡瀬地区の工事を受注した沖縄市内の土木会社は、工事準備に多大な費用をかけながら工事が一切できないため、つまり出来高がゼロであるために支払いが全くなく、厳しい会社経営に追い込まれていると聞いております。
その大きな原因の一つに、4月から8月におけるトカゲハゼの産卵による工事の中断があります。海が最も静穏で工事が進む大切な大事な時期に工事ができません。平成15年はトカゲハゼの産卵期も含めて工事は全く実施しておりません。その年度当初7匹もいたトカゲハゼが、ことし調べてみるとたったの3匹しかいないと言われており、工事の中断は全く関係ない結果となっております。
以下質問します。
(1)、泡瀬地区におけるトカゲハゼの産卵と工事中断の因果関係について説明してください。
(2)、新港地区はもう既に造成工事はほぼ終えておりますが、トカゲハゼの工事前あるいは現在との生態状況はどのように変化していたのか説明願います。
同じく、西原、与那原、佐敷等にあるマリン・タウン・プロジェクトにおけるトカゲハゼの生態状況変化はどうであったのか説明を求めます。
(4)、泡瀬干潟の一部である人工的に造成された比屋根湿地にはシラサギ等の野鳥が大変ふえております。トカゲハゼの天敵との関係はどうなっておりますか。
(5)、事業に反対をしている泡瀬干潟を守る連絡会が、干潟の沖合でジュゴンのふん並びにはみ跡を見たと報告しておりますが、その事実はどうなのか。
(6)、比屋根湿地の造成の経緯と現在陸地になっている部分の割合について説明してください。
4、沖縄市泡瀬3丁目における高層マンション建設と近隣住民とのトラブルについて。
私は、現在泡瀬4丁目に住んでおりますが、すぐ隣の泡瀬3丁目の戸建て分譲地区内で9階建て92世帯の高層マンションの建築が進んでおり、現在は5階から6階まで建築が進んでおります。このマンションを建設している会社の前身の会社から18年ほど前に、サンライズタウン泡瀬としてこの地域は2階までしかつくられないと言われ、戸建て住宅を購入した近隣住民がことしの2月16日に建設会社を相手に建築工事差しとめの仮処分を那覇地裁に申し立てました。
原告団によると、9階建て92世帯分譲という大規模な建設であるにもかかわらず、近隣住民に対し何ら事前の準備もなく、地域への配慮も全くなく、平成15年5月6日に工事が始まっております。
また、事前に近隣住民の住宅の建物調査並びにその建物の写真撮影等も行わず、160本余りのパイルを打ち込まれたことにより近隣の家屋等に亀裂・損壊を与えていると言われておりますが、補償の話は一切いまだにないそうであります。近隣住民は話し合いを会社に求め続けておりますが、行政から許可等を受け、違法性は全くないということで一切応じてないそうであります。
また、会社側は、工事をとめ切れるものならとめてみろとまで昨年7月21日には発言をしたと聞いております。
原告団は、マンション建設そのものには反対しておりません。周辺環境に合った縮小を求めているのであります。私も何度かこの現場を見ておりますが、9階建てとなると日照権あるいは眺望権等から見ても、近隣住民としての人格権としての受忍限度を超えていると思います。仮に私の家の前にあったならば、私も彼らと同じ行動をとったと思います。道を一歩隔てれば泡瀬干潟であります。その先の海域で先ほど言いました泡瀬干潟を守る会の会員の方々が日々の生活とは全く関係ないジュゴンのふんやあるいは海藻のはみ跡を見たという常識では考えられない報告や、地域住民には全くなじみや関心もない貝類や海藻類のことで右往左往している行政当局であります。
高い裁判費用をかけてでも直接的に自分が今生きている生活環境を悪化させたくないとして隣接する住民は必死の思いで会社を訴えております。沖縄市やあるいは県が、これは民事だから介入しない、建築基準法にも適合しているとして傍観しているのは大変問題だと思います。
そこで質問します。
(1)番目、県は、この住民と建設会社とのトラブルの状況をどの程度把握しておりますか。また、この会社は他の地区においても住民とトラブルを起こしていると聞いております。その辺の実態をあわせて説明してください。
(2)、県は、景観形成条例で平成15年3月10日にこの建物の審査を終了しておりますが、その審査の内容及び景観条例ですので審議会あるいは公聴会等はどうなったのか、教えてください。
1回目終わります。
○知事(稲嶺惠一) 県の防災計画における海自艦隊等の位置づけについての御質問にお答えいたします。
本県の地域防災計画の中における自衛隊の役割としては、1、大規模災害時の応急対策の実施及び救急患者搬送業務への対処、2、災害派遣計画の作成及び県地域防災計画等に基づく総合防災訓練への参加等であります。
県の地域防災計画において海上自衛隊の艦艇等について特別な規定はしておりません。
大規模災害時においては、自衛隊災害派遣要請計画に基づき必要があれば県から海上自衛隊沖縄基地隊司令に要請を行い、艦艇等を活用しての救助活動、救援物資の緊急輸送等を行うことになります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(新垣良光) 練習艦隊、護衛艦隊の任務及び規模についてにお答えいたします。
海上自衛隊の練習艦隊は、長期遠洋航海の教育及び訓練の実習等を行っており、練習艦を4隻保有しているとのことであります。また、護衛艦隊は、護衛艦隊司令部、4つの護衛隊群、海上訓練指導隊群、その他の直轄部隊から成り、日本の海上交通の安全を確保するため海上における侵略などの事態が発生した場合、直ちに現場海域へ進出し対応措置を機動的に運用することを目的としているとのことであります。護衛艦隊が保有する護衛艦は護衛艦隊群が32隻、その他の部署で数隻有していると承知しております。
県民の寄港に対する賛成または反対の動きについてにお答えいたします。
先月26日に海上自衛隊の練習艦が2隻、また今月の15日に護衛艦3隻が中城湾港に入港しております。入港に際しては地元商工会議所や観光協会等が歓迎式を開催しており、また一部団体等が寄港に対し抗議集会を開いたと聞いております。
以上でございます。
○土木建築部長(安慶名正行) 海上自衛隊の練習艦隊と護衛艦隊の中城湾への寄港についての、寄港目的についてお答えいたします。
今回の海上自衛隊の寄港は、本年1月26日に入港した練習艦及び護衛艦については給水、燃料、食料品の補給及び隊員の休養で、2月15日に入港した護衛艦については給水、食料品の補給、隊員の休養とされております。
次に、法的根拠についてお答えいたします。
県の管理する港湾施設を使用しようとする者は、沖縄県港湾管理条例第7条により「知事の許可を受けなければならない。」となっております。今回の自衛隊艦船による中城湾港新港地区の岸壁使用に当たっては、同条の規定に基づき海上自衛隊から岸壁使用許可書が提出され、同条例に基づき岸壁の使用を許可しております。
中城湾港における港湾工事等について、トカゲハゼの産卵と工事中断の因果関係についてお答えいたします。
トカゲハゼは、日本国内では沖縄本島の中城湾沿岸のみに少数生息しており、さらに中城湾は世界的な分布域の北限に当たることから学術的に貴重な種とされております。県では、貴重なトカゲハゼの保全を図る目的で平成7年度に「中城湾全体におけるトカゲハゼ保全計画」を策定し、生活史を考慮した上で繁殖期に当たる4月から7月の間は海上工事を行わないこととしております。
次に、トカゲハゼの生息状況変化についてお答えいたします。
西原与那原地区では、南西石油基地周辺の小規模な泥質地で一時的にトカゲハゼの生息が確認されたことはあるものの、以前から安定した生息地ではありませんでした。しかしながら平成14年度調査において小波津川河口周辺でトカゲハゼの生息が確認されました。これは、マリン・タウン・プロジェクトによる周辺の埋立事業の実施に伴ってトカゲハゼの生息に適した環境となったためではないかと推測されております。県としては、今後とも周辺のモニタリングを実施するとともに、トカゲハゼの生息状況の変化について注意深く見守っていきたいと考えております。
次に、トカゲハゼの天敵についてお答えいたします。
トカゲハゼを捕食する生物は、主にサギ類の魚食性水鳥であります。トカゲハゼの成魚は警戒心が強く、弱ったもの以外はそれほど多く捕食されることはないようでありますが、若魚は警戒心がないために捕食されやすいと見られております。
次に、ジュゴンのふん並びにはみ跡についてお答えいたします。
泡瀬埋立事業予定地周辺において、昨年夏に自然保護団体が独自に行った調査によりジュゴンのはみ跡及びふんらしきものが確認されたとの新聞報道がありました。事業者においては、これを受けて昨年秋にジュゴンのはみ跡の観察経験を有するダイバーによる調査を実施しましたが、はみ跡やふんらしき痕跡は確認されませんでした。また、環境省においても平成14年度に中城湾のリーフ内の藻場を対象としてはみ跡調査を実施しておりますが、同調査においても確認されていないと聞いております。
次に、比屋根湿地の陸地化についてお答えいたします。
比屋根湿地は、かつて泡瀬干潟の一部であった比屋根が、市道沖縄総合運動公園線の整備に伴い海から切り離されてできた約2ヘクタールの湿地であります。当湿地には、マングローブやヨシが繁茂し、多様な底生生物が生息していることから野鳥の休息、採餌の場所となっております。しかしながら、近年、湿地周辺の市街化の進展に伴って上流域からの汚水の流入が増加したことから、湿地の環境悪化が進んでおります。また、湿地内に土砂が流入したことによって既に全面積の4割程度が陸地化している状況であります。今後、県としましては、沖縄市と連携の上、泡瀬地区埋立事業の実施と並行して比屋根湿地の環境改善に向けた取り組みを進めることとしております。
次に、泡瀬3丁目における高層分譲マンション建設と近隣住民とのトラブルについてお答えいたします。
県の状況把握、景観形成条例の審査内容についてお答えいたします。
御質問の共同住宅については、平成15年3月4日に沖縄市の建築主事によって建築確認がなされ、現在工事中であると聞いております。当該共同住宅については、建築基準法には適合しておりますが、近隣の住民から生活環境の悪化などを理由として陳情書が沖縄市に提出されていることは承知しております。沖縄市においては、陳情書に対して文書で回答するとともに、当事者間での速やかな解決を図るため、工事関係者に対して近隣住民との話し合いを十分に行うよう指導したとのことであります。
また、沖縄県景観形成条例においては、大規模行為景観形成基準に基づき、形態、意匠、色彩、緑化等について審査を行っております。当該共同住宅については同基準に適合していることから、平成15年3月10日に適合通知を行っております。県としては、これらの状況を踏まえ、沖縄市に対して必要に応じて助言をしてまいりたいと考えております。
なお、この件に関しましては、景観形成審議会の審議事項には該当しておりません。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 自衛艦寄港に伴う経済効果とクルーズ船との比較についてお答えをいたします。
クルーズ船による本県への入域者数は、平成14年において約10万1000人で、平均1日半の滞在となっております。その経済効果は、交通費や観光施設入場料、土産品、飲食費等の1人当たり消費額が3万490円、総額は約30億円と推計をしております。
一方、自衛艦の寄港に伴う経済効果につきましては、上陸者数や滞在時間等推計を行う上で必要なデータが把握できないため経済効果の算出は困難であります。ただ、寄港の目的の一つが乗組員の休養であり、乗組員の一部については許可を得て上陸し、県内で自由に行動するとのことでありますので、飲食店や交通機関の利用等により一定の経済効果が生じるものと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 動物病院における獣医師法などの違反事例について、農林水産部の対応についてお答えいたします。
獣医師の診療業務については、獣医師法に基づきその業務が定められています。本件事案については、昨年11月に家畜保健衛生所が立入検査を実施した結果、診療行為に関する違反事例が確認されております。このため、県では国へ報告するとともに、平成15年12月15日付で当該病院の開設者及び管理者に対し文書で改善指導を行っております。
今回の事案については、獣医師法には抵触するものの、国との調整等を踏まえ、文書による厳重注意及び改善指導の行政指導を行ったものであります。
以上でございます。
○警察本部長(髙橋清孝) 獣医師法違反の告発についてでありますけれども、御質問の件につきましては昨年12月19日に複数の獣医師と弁護士が県警本部を訪れ、県内の動物病院に勤務する獣医師等を獣医師法違反で告発したいと相談のあった事案と承知しております。
同日、県警では、持参した告発状の内容を検討する必要があったため代理人弁護士等の了解を得た後、告発状の写しを受領いたしました。その後、県警におきましては告発状の写しに記載された違反行為等を確認するため監督官庁等への各種照会、関係者等からの事情聴取など所要の捜査を行っており、その結果、刑罰法令に触れる行為が認められた場合には告発を正式に受理した上で厳正に対処する所存であります。
○商工労働部長(伊川征一) 新港地区におけるトカゲハゼの生態状況変化についてお答えいたします。
新港地区でのトカゲハゼの生息個体数は、平成2年までおおむね400尾以上で推移していましたが、平成3年以降減少を続けておりました。そのため、干潟生物の生息環境保全を目的に人工干潟の造成等保全対策をとった結果、平成10年には500尾を確認するに至り、さらに平成15年3月には1500尾を上回っております。
以上でございます。
○小渡 亨 まず1番目の海自関係で、寄港に関してかなり賛成、反対がマスコミ等でもあったんですが、それに対して県当局は、賛成、反対があったものと承知していると、こんな簡単でいいんですか。
反対が何名、賛成が何名だというような、あるいはどういった団体というものを把握する必要があるんじゃないですか、もっと詳しく。これだけ世間を騒がしている、騒がしていた寄港に関してですから、もっと詳しく反対が何名、賛成はどういった業者だというのを説明してください。
次に、動物病院に関して違反事例を確認しております、農林水産部はですね。獣医師法第17条あるいは第8条等を見ると、2年以下の懲役あるいは100万円以下の罰金というふうにあるんです。あるいは8条の場合には1年以下の懲役あるいは50万円以下の罰金という中で口頭注意だけで済ませたというのは、余りにも処分が寛大過ぎるのではないかと思います。
この事件によって県内の獣医師のいわゆるモラルといいますか、獣医師の権威が失墜しかけております。それについて再度答弁を求めます。
次に、中城湾港のトカゲハゼ、新港地区ではふえております。泡瀬地区ではもう3匹しかいませんから、ほとんどいないんです。その新港地区に接した比屋根湿地ではシラサギ等がふえております。となると泡瀬地区で4月から7月まで工事を中断する意味合いがないような気がするんです。それを次年度16年度も中断すると聞いておりますけれども、その辺の中断する根拠を県はどうとらえておりますか、教えてください。
次に、4番目の泡瀬3丁目における高層分譲マンションの件ですが、あの地域は下水道もしっかり入っております。そのマンション建設用地の前の道路は、いっぱい下水道のマンホールがあります。ということは、沖縄市もこれは戸建て住宅ということでそれに合った分だけつくっているわけです。しかし、その分筆されている土地は合筆して容積率あるいは建ぺい率を上げてどんとつくっているというようなこともあるんですが、そういった行為は問題ないんですか、教えてください。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後3時26分休憩
午後3時29分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 新垣良光君登壇〕
○知事公室長(新垣良光) 再質問にお答えをいたします。
賛成と反対の動きについてでございますが、歓迎式典を実施した件でございますが、1月の26日に那覇市内のホテルで沖縄海友会の主催等でやっておりますし、それから1月26日には沖縄市の市内で実行委員会を沖縄商工会議所等が開きましてやっております。
それから2月の17日、同じように歓迎式典、歓迎会を一番街のところで実行委員会で商工会議所が中心になってやっております。
それから抗議の関係ですけれども、入港抗議集会ということで1月26日と2月16日に中城湾港ゲートの近くで沖縄平和運動センター等がやっております。
なお、人数につきましては、いずれも承知いたしておりません。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 動物病院に関する再質問にお答えいたします。
当該事案については、県内で初めてのデリバリー往診というなれないシステムの中で起きた違反事例というふうに認識しております。当該事案については、現在県警による調査が行われていると聞いておりますので、部としましては法令違反について県警等の捜査状況の結果等を踏まえて、場合によっては国の審議会への報告等を含めて検討してまいりたいと思います。
○土木建築部長(安慶名正行) まず、4月から7月までの間、工事を中止する理由についてですけれども、これにつきましては、県におきまして平成7年に中城湾全体におけるトカゲハゼ保全計画を策定しております。このため、トカゲハゼの生活史を考慮した生息環境の保全施策であることから、トカゲハゼの保全には十分配慮する必要があるというふうに私どもは認識しております。したがいまして、この期間、工事を中止することはやむを得ないことというふうに考えております。
次に、敷地を合筆して一つの敷地にすることについて問題はないかということでございますけれども、このことにつきましては建築基準法上特に問題はございません。
○坂井 民二 去る2月20日に御逝去された山中貞則先生は、私の選挙区平良市の名誉市民であります。プロ野球キャンプ誘致に必要不可欠な平良市民球場の建設や農業振興のために世界初の地下ダム事業など、宮古圏域発展のために数多くの功績をいただきました。山中先生に哀悼の意を表し、御冥福をお祈りします。
通告に従いまして一般質問を行います。
ことしも県内ではプロ野球7球団がキャンプを実施しています。プロ野球のキャンプは沖縄県の経済振興や観光振興、スポーツ振興、また子供たちへの教育効果など多岐にわたり大きな効果をもたらしているのは言うまでもありません。特に、沖縄県のリーディング産業である観光産業を考えたときに沖縄県の知名度アップははかり知れないものがあり、観光客の大幅増加につながるものです。そういう中で稲嶺知事がことしも宮古のオリックス球団を初め7球団のすべてを視察し、球団に対して激励と感謝の気持ちを伝えたことに深く敬意を表したいと思います。
そこでお聞きします。
7球団のキャンプ地を視察した知事の感想をお聞かせください。
観光振興にどのように貢献をしているか、またその効果と経済効果等についてどのように算出しているか、お聞かせください。
現在7球団がキャンプを張っているわけですが、できることなら全12球団がこの沖縄でキャンプすることが県民の夢だと思いますが、私の地元宮古島でもオリックスが12年目のキャンプを迎えました。その間にイチロー効果がありました、宮古島での日本一優勝パレードもありました。最近ではオリンピック金メダリストとして初めての宮古島来島でヤワラちゃん効果がありました。また、宮古島ではこれまで伝説の人であった元巨人軍監督長嶋茂雄さんまで来島し、島じゅうを沸かせました。
島おこしという意味でこれらの効果を考えたとき、もう1球団を宮古島へ誘致したい、2球団の誘致、これが私の夢でもあります。2年前に阪神タイガースが投手陣のみのキャンプを実施しましたが、施設の不足等で1年のみのキャンプとなりました。施設の整備を含め誘致運動に県の支援が必要ですが、どう考えますか、お聞かせください。
キャンプのおかげで宮古島でもオープン戦が開催でき、プロ選手による生の真剣なプレーが見られ、子供たちにも大きな夢を与えています。過去に日ハム、中日、横浜などが来島し、8度のオープン戦を開催しています。当然次なる夢は公式戦の開催ですが、その前にプロのブランド球団の一つである阪神とオリックス戦を実現したいと思いますが、私の経験上、県の両球団への働きかけがあれば可能性十分だと思いますが、ぜひ協力をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
ハンセン病証言編集事業について。
「らい予防法」違憲国家賠償請求訴訟において、平成13年5月11日に熊本地裁は、国も隔離政策の違憲性は明白だとして国の全面的な責任を認めた判決を下しました。この判決を受け、国は5月23日に控訴を断念し、25日に判決が確定しました。稲嶺知事も同年7月5日から宮古南静園、沖縄愛楽園を訪問して、また療養所退所者会の「沖縄楓の友の会」を訪問をして、ハンセン病に対する県の施策が十分でなかったことを入所者と退所者の皆さんにおわびをしております。
稲嶺知事は、これまでのハンセン病に対する啓発の不十分さを反省して、知事の重点施策の中にハンセン病元患者名誉回復事業を入れて現在まで普及・啓発を実施してきたと思います。しかし、国賠訴訟の判決が下された熊本県において、昨年11月に温泉ホテルがハンセン病元患者に対して宿泊を拒否する事件があり、人権問題として大きな社会問題となりました。残念ながら、国民の中にはいまだにハンセン病に対する偏見や差別を持っている人がおり、今後も継続して普及・啓発を行っていく必要性を認識したところであります。
玉城義和議員、宮里政秋議員の質問にもありましたが、現在、宮古南静園と沖縄愛楽園の両自治会では沖縄ハンセン病の歴史的な事実を後世まで残していこうという証言編集事業を進めております。このハンセン病証言編集事業は大変意義のある事業であり、知事の重点施策とも一致する事業であるとの認識から、知事は玉城、宮里両議員に対して財政的な支援措置を約束したわけですが、再度の強い決意をお願いしたいと思います。
次に、県立漲水学園、あけぼの学園の全面改築についてお伺いします。
児童養護施設及び知的障害児施設である漲水学園と知的障害者更生施設であるあけぼの学園は、宮古地区における児童福祉、知的障害者福祉の拠点として公共的・先導的役割を果たしてきました。しかしながら、漲水学園は築後32年、あけぼの学園は築後27年を経過した今日、両施設とも老朽化に伴う鉄筋の腐食によるコンクリートの剥離など危険箇所も多く見られるばかりでなく、居住空間としても極めて劣悪な環境にあります。したがって、有機的かつ効果的な処遇の実現はもとより、快適な生活環境を確保し効果的な施設運営を図る視点から、両施設の全面改築は急務であります。施設利用者の人間としての基本的人権が尊重され、安全・快適な生活環境のもとで自立及び社会復帰に向けた一層の支援強化と、(児)から(者)に至る一貫した指導訓練、生活の場としての施設づくりを実現するためには両施設の一体的な施設整備は不可欠であると考えます。
聞くところによりますと、県は全面改築に向けて基本構想、基本計画まで策定しているとのことですが、その後なかなか前に進まないようです。県の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
伊良部架橋の平成16年度の予算額とその内容、また平成17年度着工の見通しと今後のスケジュールについてお聞かせください。
認可外保育園について翁長政俊議員、狩俣信子議員、金城勉議員が質問しておりますので所見は省きますが、あえてお聞きしたいと思います。
認可外保育園における平成16年度予算での支援策についてお聞かせください。
県立宮古公園についてお伺いします。
県は、議会のたびに、県内では広域公園がないのは宮古圏域だけなのでその必要性を認め積極姿勢を示していますが、去る12月に安慶名土建部長は、平成16年度に向けて調査費の予算要求をしていると答弁しています。私の調べによると600万の予算内示があったと聞いていますが、そのとおりだと認識してよろしいでしょうか。また、平成16年度、どのような調査を予定しているのか、お聞かせください。
次に、県立宮古病院新築・移転検討委員会の設置について県のその後の考え方をお聞かせください。
続いて、平良中学校体育館の現面積での改築について。
老朽化と台風14号の被害に伴い、平成16年度改築予定の体育館が学校側、PTAに説明のないまま学級減を理由に現体育館面積の約80%に縮小された基本設計が示されました。学校側、PTA側、体育スポーツ関係者が強く反発し、平良市、県に対して宮古地区中学校における宮古一の在籍を有する体育館としては十分な機能を果たすことは厳しい。また、年間を通じて宮古地区における中学生のバレーボール、バスケットボール大会等の大会会場としての宮古圏域に開かれた宮古全体の体育館という役割や地域の実情、歴史的見地からも現体育館規模の面積での建設を強く要望していますが、県が難色を示したことに対し、学校側は縮小での建設なら建てかえ必要なしということで修繕によりそのまま使用している状況です。
老朽化と台風被害により、いつ事故が起きるかわからない危険な状況にあると思います。確かにここ四、五年は基準である18学級に対し1学級ないし2学級の減があると予測されますが、将来において伊良部架橋や市町村合併等に伴い人口が密集し学級増の可能性も十分にあると思います。教育百年の計、さらには人材をもって資源となすという教育重視による地域振興理念に基づき、早期に現面積規模の改築をすべきだと思いますが、県の考えをお聞かせください。
宮古警察署の移転に伴い、旧宮古警察署跡地に隣接した商店街や飲食街の多くの人たちから事件・事故の防止や迅速な対応を求めて、旧跡地もしくはその周辺への交番設置の強い要望があるが、県警はどのように考えているんでしょうか。
平良市西里通りの拡幅整備について、12月定例会で安慶名土建部長は平成16年度で優先的に調査したいと県単調査費の予算化を示唆しましたが、平成16年度の予算にはどのように反映されているでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) キャンプ地の訪問と観光振興への効果について一括してお答えします。
私自身のキャンプ地訪問はことしで3回目となります。以前、日本ハムのキャンプに激励に行ったところ、20何年私たちはキャンプをやっているけれども、知事が来たのは初めてだといって大変喜ばれました。それから積極的に回ることにしております。
今回は、本県で10年以上キャンプを実施しておられる国内5球団、韓国1球団に対して、本県観光振興への感謝の意を表すべく感謝状を授与しました。今、キャンプは昨シーズンにリーグ優勝を果たした阪神タイガースのほか、元メジャー選手の新庄選手の日本ハムへの加入、横浜への大魔神の復帰、落合監督の中日監督就任等各キャンプ地には多くのファンが詰めかけ、例年にない盛り上がりで大変うれしく思いました。また、各球団のキャンプをサポートする地域の協力会等の積極的な活動を肌で感じることができました。
プロ野球キャンプが本県の観光振興に大きく貢献していることは申し上げるまでもありません。金融機関や民間団体の試算によりますと、宿泊等経済的な効果は30数億円となっております。また、各種メディアが全国に向けて発信するキャンプ情報に伴う本県のPR効果は、金額でははかり知れないものがあります。さらに、キャンプの間に行われる少年野球教室を通して青少年に夢と希望を与えるなど、青少年の健全育成の面からも効果は大きいと考えております。
次に、ハンセン病証言集編集事業への財政的支援について申し上げます。
県では、ハンセン病への偏見や差別を解消するために啓発・普及を行い、元患者等に対する社会生活の支援に努めております。県の重点施策として、ハンセン病元患者名誉回復事業を全庁的に取り組んでおり、証言集編集事業はその一環として財政的な支援について検討していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず初めに、宮古島への2球団誘致についてお答えをいたします。
現在、宮古島ではオリックス1軍及び2軍がそれぞれ平良市民球場及び城辺球場でキャンプを行っております。プロ球団誘致には球場を初め屋内練習場、サブグラウンド、ピッチング及び打撃練習場といった施設の整備が必要となります。現在、宮古島においてそれらの施設が整備され、プロ球団受け入れに対応できるのは平良市民球場のみであります。したがって、新たな球団の誘致のためには施設整備を含めた地元自治体、地域の受け入れ体制を万全にすることが不可欠であり、中長期的な取り組みが必要であると考えます。県といたしましては、地元の受け入れ体制の整備を踏まえるとともに、地元から誘致運動があれば支援してまいりたいと思います。
次に、宮古でのオリックス対阪神オープン戦についてお答えをいたします。
プロ野球のオープン戦の開催は、球団間の話し合いによって自主的に実施されるものであります。オープン戦の開催に当たっては、両球団の本県でのキャンプ期間、興行主催者、開催経費、収益性など多くの課題があります。実現に向けてはこれらの課題をクリアするとともに、地域の積極的な働きかけが重要であります。県といたしましては、地元の動向を踏まえ、オープン戦の実現に向けて連携して取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 漲水学園及びあけぼの学園の改築についてお答えいたします。
漲水学園及びあけぼの学園の改築については、これまで庁内の社会福祉施設等整備計画策定委員会において県立の社会福祉施設の整備計画の中で検討してきたところであります。さらに、「新沖縄県行政システム改革大綱」に基づき運営委託先である沖縄県社会福祉事業団の運営の見直しを進めているところであり、指定管理者制度の導入や整備に当たっての優先度、さらに財源の確保等の課題がありますが、入所者の処遇の改善に向け引き続き施設の整備を検討していきたいと考えております。
続きまして、平成16年度予算における認可外保育施設に対する支援策についてお答えいたします。
認可外保育施設対策に要する経費として、平成16年度は新規事業の保育士派遣モデル事業を計画しています。これは、認可化を指向する認可外保育施設に対し保育士を派遣し認可化を加速するとともに、児童の処遇向上を図るための経費であり、約6800万円を計上しています。また、従来から実施している県単独事業の新すこやか保育事業に要する経費として約6600万円、国庫補助を活用しての認可化促進事業に要する経費として約1600万円を計上しています。
なお、認可外保育施設から認可への移行に伴う保育所整備に要する経費として4億8900万円余りを計上しており、認可外保育施設の支援に要する経費として合わせて約6億4300万円を計上しております。
以上です。
○土木建築部長(安慶名正行) 伊良部架橋の平成16年度の予算額と内容、また平成17年度着工の見通しと今後のスケジュールについてお答えいたします。
平成16年度の伊良部架橋の予算については、最終的には平成16年3月国において策定される「路線別事業費計画」で配分が決定される予定であります。平成16年度の事業内容としては、工事着工に向けた調査・設計を実施する予定であります。工事着工については、現在実施している環境影響評価の進捗等を踏まえながら国に要望していきたいと考えております。県としては、地元との連携を図りながら工事着手のための条件整備に取り組み、関係機関との調整を経て早期に着工できるよう努力していきたいと考えております。
次に、県立宮古公園──仮称ですが──の県単調査費についてお答えをいたします。
平成16年度の調査については、県営公園全体のあり方を整理する必要があることから、県営宮古公園(仮称)も含め各公園の規模、整備目的、整備内容、地域配置バランス及び管理方法等総合的な視点から、そのあり方の検討を行っていきたいと考えております。
次に、平良市西里通り県単調査費についてお答えいたします。
西里通りの延長400メートルについては、歩道が設置されていないことから歩行者の安全を確保する観点での整備は必要と考えております。しかしながら、地元からは当該通りの活性化の観点での現道拡幅整備の要請があります。このため、平成16年度において将来の交通需要、まちづくりのあり方及び国庫補助採択基準である費用対効果等について可能性調査を実施してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○病院管理局長(平井哲夫) 県立宮古病院新築・移転検討委員会の設置についてお答えいたします。
県立病院事業につきましては、「県立病院の今後のあり方検討委員会」の提言を受けて、事業の運営形態の見直しや県立病院の機能再編について県としての実施方策等を策定していくこととしております。宮古病院については、当該実施方策等を検討する中で、また現在整備中の新病院の進捗状況も勘案しながら、できるだけ早い時期に整備の方向性が示せるよう努力していきたいと考えております。
検討委員会の設置についてもその中で検討していきたいと考えております。
○教育長(山内 彰) 平良中学校体育館の改築についてお答えいたします。
県教育委員会では、平良市の老朽校舎等の改築計画に基づいて、平成15年度の改築事業を実施するため内閣府等国の関係機関と調整してきたところであります。しかし、現在の保有面積1494平米に対して、平成15年5月1日現在における国の補助制度による対象面積が1338平米となり総面積で156平米の減となることから、平良市では減少する面積分を市単独事業で整備することは現在の財政状況から困難であるとして改築事業の延期を決定しております。このことについては今後とも平良市と連携を図り、老朽校舎等の改築に取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
○警察本部長(髙橋清孝) 交番の設置についてでありますが、旧宮古警察署跡地への交番の設置について地元市長や市議会などから要請がなされていることは承知しております。旧警察署跡地やその周辺につきましては、現在西交番及び東交番が管轄しておりますが、同地域に新たに交番を設置することは既存の交番との距離、事件・事故の負担状況、要員の確保などの観点からしてかなり厳しいものがあると認識しております。
しかしながら、同地域が市の要所であることを踏まえ、当面パトカーの駐留警戒やパトロールの強化などにより対応していきたいと考えております。
○坂井 民二 県立公園の件なんですけれども、宮古の住民がかなり期待をしております。そうすると、調査をして環境アセスをしたりしてやっていくと着工までにはかなりの時間を要すると思うんですね。ですから、早いうちにぜひその調査をきちっとしていただきたいなというふうに思います。これは600万の予算内示ということですけれども、具体的にはどの程度が宮古の県立公園(仮称)に配分されているのか、そしていつごろから調査に入るのか、その辺をお聞かせいただきたいなと思います。
それと要望ですけれども、交番の件ですけれども、非常に事件・事故の多いところですので、ぜひ何とか交番の設置ができないものか再度検討していただきたいなというふうに思います。
よろしくお願いします。
○副議長(髙良政彦) 休憩いたします。
午後3時59分休憩
午後3時59分再開
○副議長(髙良政彦) 再開いたします。
土木建築部長。
〔土木建築部長 安慶名正行君登壇〕
○土木建築部長(安慶名正行) 再質問にお答えいたします。
600万円のうち宮古公園にはどれぐらいかということでございますけれども、この件につきましてはこれから額については配分は確定していきますので、細かいところについてはこれからの算定でございます。
それから、いつから調査に入るかということにつきまして、これにつきましても実際年度が変わってから設計書を組んでいくことになりますので、できるだけ早い時期に実施したいなということで考えております。
以上でございます。
○副議長(髙良政彦) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
次会は、明27日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後4時散会