平成16年(2004年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 9月28日
 


○副議長(新垣哲司) 外間議長が所用のため会議に出席できませんので、議長にかわり私が暫時議長の職務を行います。
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○副議長(新垣哲司) これより本日の会議を開きます。
 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 前島明男君。
   〔前島明男君登壇〕
○前島 明男 おはようございます。
 それでは通告に従い、公明党県民会議を代表して所見を交えながら質問を行います。
 まず、再三にわたり台風の襲来を受け、大きな被害に遭われた関係者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 次に、米軍ヘリの墜落事故関連についてでありますが、今回の事故は一歩間違えば大惨事になりかねない重大事故であり、再び起こり得るということを我々県民は強く認識しなければならないと思うものであります。市街地のど真ん中に普天間基地があるがゆえに宜野湾市民は常に危険にさらされており、爆弾を抱えて暮らしているようなものであります。一日も早く危険を取り除き、市民や県民が不安なく安心して暮らせるようにしなければなりません。そのためには、まず事故機種の飛行中止と飛行訓練の分散移転を早急に実施させることであります。同時に普天間飛行場の早期返還を強く求めるものであります。
 それでは質問に入ります。
 1、基地問題について。
 普天間飛行場問題についてお伺いいたします。
 8月13日の米軍ヘリの墜落炎上事故は、我々県民が懸念していたことが現実に起こってしまったという意味で大変ショッキングな事故でありました。地域住民に死傷者が出なかったことはまさに奇跡としか言いようがありません。沖縄県民は基地の整理縮小、兵力の削減を求めてきたのですが、思うように進まない現状に県民のいら立ちは頂点に達しております。危険性を指摘されているからこそ日米両政府はSACOで合意をし、一日も早い辺野古沖への移設を進めてきたわけであります。問題は、この危険な普天間飛行場の移設作業のスピードアップをどのように図っていくのか、十五、六年もかかるかもしれないという工期をいかに短縮できるのかが問われています。また、移設までの期間、現にある普天間飛行場の危険を具体的にどのように除去していけるのか、日米両政府に対して断固とした姿勢で臨まなければならないと思います。
 そこでお伺いいたします。
 (1)、普天間飛行場の危険除去のために、飛行訓練の分散移転については日本政府の責任においてさせるべきであるが、県はどのように実行させる考えか。
 (2)、辺野古移設の工期短縮をどうするか。
 (3)、今回の事故について地位協定上どのような問題点があったと考えているか。
 (4)、世界的規模での米軍再編計画の中に在沖米軍の整理縮小、兵力削減をいかにして位置づけさせるか。
 大きな2番、国連機関の誘致についてであります。
 これまで公明党県民会議は議会の内外でたびたび国連機関の誘致を訴えてまいりました。何ゆえそれほどまでに執着するのか。それは一言で言えば、沖縄を平和の発信地にし、全世界に平和を発信するためであります。
 現在の世界情勢は地域紛争やテロとの闘いが行われており、人間同士が殺し合っております。これほど悲しいことはありません。一日も早くこの悲劇を地球上からなくさなければなりません。
 そこで、第2次世界大戦で唯一地上戦が行われ、一木一草に至るまで焼き尽くされ、一番悲惨な目に遭った我が沖縄から平和を訴えるのが最も効果的で真実味があり、皆が納得できるのではないかと考えるからであります。
 そこで次のことを伺います。
 (1)、日本における国際機関の誘致の実態と成功要因は何か。広島県や福岡県の例であります。
 (2)、沖縄に誘致するのに最も適した機関、あるいは誘致したい機関は何か。
 (3)、誘致を成功させるために、やる気のある人材を2年程度国連本部に派遣する考えはないか。
 (4)、これまでいろいろな調査が実施されてきたが、平成17年以降の予定があればお聞かせください。
 大きな3番、福祉問題についてであります。
 行政の大きな根幹をなすのが福祉であります。福祉が充実していれば県民は幸せであります。行政の中で福祉ほど分野が広いものはありません。
 今回、以下の4点に絞って質問をいたします。
 (1)、認可外保育園、待機児童問題について。
 これまでも再三再四質問をしてきたことですが、いまだに問題解決に至っておりません。県も一生懸命待機児童解消に向けて取り組みをしていることは評価しているのですが、待機児童は一向に減りません。逆に潜在的待機児童が顕在化し、ふえてきているのではないでしょうか。認可化促進事業を一生懸命進めても追いつかない。一方で、子供たちの保育環境整備は待ったなしの状況であります。
 厚生労働省は、全国的取り組みとして「待機児童ゼロ作戦」を実施し、各種の新しい施策を導入いたしました。駅型保育事業、保育ママ制度、分園制度等々、待機児童を解消するための方策をいろいろと取り組んでおります。その中で駅型保育については、認可外保育施設でありながら5年間という期限つきで厚生労働省から助成金を出しているという現実があります。このことをヒントにして沖縄型保育制度を厚生労働省に認めさせる手だてはいかがでしょうか。
 そこでお伺いいたします。
 ア、駅型保育所は認可外にもかかわらず行政からの助成を受けている理由は何か。
 イ、沖縄でも期限つきで県独自の保育制度を制定し、厚労省や総務省から認可外保育施設の子供たちに公的助成を受けさせるような提案をしてはどうか。
 (2)、児童虐待についてであります。
 現代社会は病める社会だとよく言われますが、まさにそれを実証するような事件や事故が多発しております。その中で特に耳目を引くのが虐待事件であります。せっかくこの世に生をうけながら人格を否定され、殺されていく何とも言いようのない悲しい現実を見た場合、憤りを感じずにはいられません。何とかなったのではないかと思えてなりません。
 そこで次のことを伺います。
 ア、本県は全国に比べて保護の怠慢ないし拒否のネグレクトが高い状況にあるが、要因と対策は何か。
 イ、児童福祉司の絶対数が不足していると思うがどうか。また、宮古・八重山における児童福祉司の配置状況はどうなっているか。
 ウ、各市町村域における児童虐待防止ネッワークの構築はどうなっているか。
 (3)、不妊治療について。
 不妊治療の県補助について伺います。
 国は、本年度から保険適用されていない特定不妊治療の体外受精や顕微授精に対し助成事業をスタートさせました。国が2分の1、県が2分の1の助成をする内容となっています。
 そこで、県内における実施状況はどうか伺います。
 (4)、障害者の就労支援についてであります。
 本県の雇用状況は、完全失業率が本土の約2倍という大変厳しいものであります。健常者の失業対策も緊急を要する課題でありますが、同時に障害者の失業対策も極めて重要であると考えます。
 そこで次のことを伺います。
 ア、どのような支援事業を行っているのか。
 イ、就業希望者と就労者の実態はどうなっているか。
 ウ、公共と非公共の法定達成状況はどうなっているか。
 エ、今後の取り組みはどうなっているか。
 4、教育問題についてであります。
 教育は、国や県をも救うという表現があります。私は、全くそのとおりだと思います。県や国が発展していく上で最も重要なことは、教育を充実させることであります。人や物、お金、機械を動かすのもすべて人間しかなし得ない行動であります。特に鉱物資源に乏しい我が県においては、いかに教育が大事であるか言うをまちません。
 そこで次のことを伺います。
 (1)、学力向上対策の成果と今後の取り組みはどうなっているか。
 (2)、IT教育の取り組みと成果はどうなっているか。
 (3)、国際的視野での教育活動はどうなっているか。
 ア、ハワイ沖縄高校生交流事業を積極的に推進すべきだと考えるがどうか。
 (4)、本県教育の課題と今後の取り組みについて伺います。
 大きな5番、観光産業についてであります。
 沖縄経済を引っ張っていく重要なリーディング産業の一つであり総合産業でもある観光産業の発展は、即県経済の発展を加速させる原動力になるわけであります。多くの課題を抱えながらも飛躍的に発展してまいりました。足踏みは許されません。これからももっともっと発展していくためには、まだまだ多くの課題を解決しなければなりません。
 そこで次のことを伺います。
 (1)、沖縄観光の現状と課題について御説明願いたい。
 ア、魅力的な旅行商品の提供と受け入れ体制の整備はどうなっているか。
 イ、地域総体としての魅力の向上対策はどうなっているか。
 (2)、観光振興施策の展開について伺います。
 ア、イベントの開催による波及効果をどのように見ているのか。
 イ、沖縄フィルムオフィスの陣容を大幅に強化すべきと考えるがどうか。また、将来賃貸撮影スタジオを建設する考えはないか。
 ウ、レンタカーの参入によってタクシー業界が窮地に追い込まれているが、対策をどう考えているのか。
 (3)、観光特区について。
 ア、経過と現状を御説明願いたい。
 (4)、国際映画祭の誘致の取り組みはどうなっているか。
 8月初旬、経済労働委員会で韓国の釜山市を視察してまいりました。その中で釜山市の国際映画祭について詳しく説明を受け、開催によって30億円余の経済波及効果があったとのことであります。まさに映像産業の経済に与える影響がいかに大きいかを示したものと言えましょう。
 そこで、我が県での取り組みはどうなっているか伺います。
 (5)、第46回米州開発銀行年次総会の開催についてであります。
 ア、IDB沖縄総会の支援状況及び今後の取り組みはどうなっているか。
 イ、九州・沖縄サミットのときにも増して環境美化と安全に全県民の協力を結集すべきと考えるが、取り組みはどうなっているか。
 ウ、本県の空の玄関口である那覇空港から山下交差点に至るまでの間の自衛隊基地内の斜面を花いっぱいにするために自衛隊那覇基地に要請する考えはないか。
 6、行財政改革についてであります。
 今さら申し上げる必要もありませんが、肥大化した組織をスリム化し、最小の経費で最大の効果を上げるのが目的であります。三位一体改革は、国の方針で全国一律でありますが、地方への財源移譲が不十分なため、特に財政基盤の弱い我が沖縄県は厳しい財政運営を強いられており、島嶼県としての配慮があってしかるべきだとの考えから次のことを伺います。
 (1)、三位一体及び行政改革についてであります。
 ア、人口が少ない自治体ほど厳しい財政運営を強いられております。支援体制はどうなっているか。
 イ、離島・島嶼県としての配慮はどのようになされているか。
 (2)、市町村合併についてであります。
 ア、地域エゴのために合併協がうまくいってないところがあるが、県は積極的に関与しているのか伺います。
 イ、多くの離島を抱える我が県は合併ありきではなく、特殊事情も配慮されるべきだと考えるがどうか。
 以上であります。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 前島議員の御質問にお答えをいたしたいと思います。
 最初は、普天間飛行場の危険性除去についての御質問のお答えです。
 普天間飛行場の返還問題の解決については、当面の危険性除去という緊急的措置と本来の移設・返還のそれぞれの側面から対応する必要があります。緊急的措置としては、事故原因の究明と公表、全機種の飛行停止、事故の再発防止、兵力の削減、訓練の分散移転など、日米両政府に強く求めているところであります。このことについては、去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍ヘリ墜落事故に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。
 県としては、日米両政府間の今後の協議を通して具体的な方策が検討されるよう引き続きあらゆる機会に働きかけてまいります。
 続きまして、米軍再編の中での整理縮小等についての御質問にお答えをいたします。
 県としては、米国政府が海外駐留米軍の再編を検討しているこの機に、日米両政府において海兵隊の訓練の県外への移転も含め在沖米軍兵力の削減などを具体的に検討され、県民の目に見える形で基地負担の軽減がなされる必要があると考えております。
 去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣が、抑止力を維持しつつ、沖縄を初めとする地元の負担を考慮すべきであり、特に米軍基地が集中する沖縄県は、ヘリコプターの墜落事故もあって不安を感じているので留意をしなければならないと述べております。
 それに対し、ブッシュ大統領が、より効率的な抑止力を達成し、地元負担の軽減に努力していきたいと述べており、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。県としては、日米両政府間の今後の協議を通して具体的な方策が検討されるよう引き続きあらゆる機会に働きかけてまいります。
 続きまして、観光の魅力的な旅行商品の開発と受け入れ体制の質問に関してお答えをいたします。
 県におきましては、魅力的な旅行商品開発の一環として地域特性を生かしたエコツーリズムを推進するため、エコツアー事業者間の保全利用協定の締結の促進、プログラム認定制度や全県的なエコツーリズム推進機関の創設等に関する検討を進めております。また、健康・保養型観光を推進するため生活習慣病等のモニターツアーを実施いたしましたが、現在はその商品化に向けたプロモーションを展開しております。
 世界遺産を活用した文化交流型観光については、世界遺産周辺地域における「歴史の道」の復元や休憩所など観光利便施設の整備を進めておりますが、今後は「歴史ガイド」の育成にも取り組む考えであります。また、リゾートウエディングの誘致を強化するため国内外においてキャンペーンを展開するとともに、関係事業者を対象にしたフォーラムの開催など受け入れ体制の整備を進めております。
 さらに、沖縄型特定免税店の空港外展開やホテルと製造事業者の連携による土産品のブランド化など、ショッピング観光の魅力向上に努めるとともに、離島観光の受け入れ体制の整備や誘客キャンペーンを展開しております。
 次に、観光について、地域総体としての魅力の向上についての御質問にお答えをいたします。
県におきましては、地域総体としての魅力を高めるため離島における空港や浮き桟橋の整備、観光地へのアクセス道路や観光案内標識など観光インフラの整備を進めております。また、道路沿線における沖縄らしい植栽、部瀬名地域や国際通りにおける電線類の地中化など良好な景観の形成に取り組むとともに、赤土流出の防止対策など観光リゾート地にふさわしい環境の整備に取り組んでおります。
 さらに、質の高いサービスを提供できる人材育成システムの構築、きめの細かい観光情報基盤の整備、観光に対する県民意識を高めるための「めんそーれ沖縄県民運動」の展開、台風時における関係機関と連携した対策などを実施しております。また、エイサーや綱引きなど沖縄の文化・芸能を活用した地域イベントの振興、県産食材のホテル等における利用の促進、すべての人に優しい観光地の形成に向けたバリアフリー化に取り組んでおります。
 観光地としての魅力は、県民生活の各分野に支えられていることから、県におきましては今後とも県民、関係団体、市町村などとの連携を密にし、地域総体としての魅力の向上に努めていきたいと考えております。
 次に、IDB沖縄総会の支援状況及び今後の取り組みについてお答えいたします。
 IDB沖縄総会については、昨年8月に官民一体となった沖縄開催実行委員会を設立し、ことし8月にIDB沖縄県推進本部を立ち上げ支援体制を確立しております。IDB沖縄実行委員会においては、県主催の歓迎行事、宿泊の手配及び参加者の輸送、ボランティアを含む会議スタッフの確保、協賛事業の実施等の諸準備を進めております。同時に、事業予算確保に向け県内外における募金活動も積極的に推進しているところであります。
 また、県においては今議会において会場周辺整備、沿道の緑化、警備体制の強化等の予算補正をお願いしているところであります。今後は、国や関係団体との連携をさらに強化し引き続き諸準備を進めるとともに、県民への広報活動を積極的に展開し、IDB沖縄総会の成功に向け機運を高めていく考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から説明させます。
○知事公室長(府本禮司) 辺野古移設の工期の縮小についてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設の建設について、事業者である国は技術的に早くする努力は可能であると考えている、政府としてもなし得る限り努力をすべきだと考えているとしております。県としても普天間飛行場の一日も早い返還を求めたところであり、可能な限り工期短縮の努力をしていただきたいと考えております。
 次に、ヘリ事故に関する日米地位協定上の問題点についてお答えいたします。
 今回の米軍ヘリ墜落事故に関し、事故現場が民間地域であるにもかかわらず、警察や消防等の日本側が現場検証や立入規制等の対応を主導することができなかったとの指摘が各方面からありました。また、今回の飛行再開は県や宜野湾市だけでなく政府の申し入れさえも無視する形で行われており、改めて現行の日米地位協定の限界を浮き彫りにしたものであると考えております。
 以上です。
○企画開発部長(花城順孝) 国内における国際機関誘致の実態と成功要因についての御質問にお答えします。
 平成15年末現在で国内に立地する国際機関は、9都府県に30機関となっております。うち国連機関は26機関であります。これらの地域で誘致が成功した要因は、国際機関の設置や運営に対する地元の手厚い財政的支援に加え、国と地元が一致協力して誘致したことが考えられます。
 次に、沖縄に誘致するのに適した機関についての御質問にお答えします。
 本県は、アジア・太平洋諸国に近接した地理的特性、亜熱帯・海洋性などの自然的特性や国際性豊かな歴史的特性と、平和への強い思い入れとホスピタリティーに富む県民性を有しております。これらの地域特性を踏まえ、国際平和や国際貢献、地球環境保全などに関連する国際機関等を誘致したいと考えております。
 次に、国連本部への人材派遣、平成17年度以降の予定についての御質問に一括してお答えをします。
 県は、平成14年度から国際機関の誘致可能性の調査検討を行ってきました。国際機関の誘致については、国の理解や国際交流拠点としての実績を積むことが重要であります。現段階では国連機関への人材派遣より、むしろ国際会議やワークショップの開催・誘致など環境整備が優先されるものと考えております。平成17年度以降も引き続き沖縄の地域特性にふさわしい国際機関を幅広く調査し、誘致に向けて取り組んでまいります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 駅型保育所が助成を受けている理由についてお答えいたします。
 駅型保育試行助成事業は、児童手当法第29条の2に基づき国が実施するモデル事業であります。事業内容といたしましては、設置場所が駅や駅に隣接するオフィスビル等の通勤の便利なところで保育事業を行っている社会福祉法人等への助成であります。なお、当事業の新規受け付けは平成12年度以降はなされておりません。
 続きまして、認可外保育施設の子供たちへの公的助成についてお答えいたします。
 県といたしましては、児童福祉法に基づく認可保育所での保育の実施を基本と考えており、認可外保育施設に対しては保育士派遣モデル事業の活用による認可化の促進を図るとともに、新すこやか保育事業によるミルク代や健康診断等の助成により入所児童の処遇の改善を図っているところです。
 御提言の件につきましては、貴重な御意見として承りたいと考えております。
 続きまして、児童虐待のネグレクトの割合が高い要因と対策についてお答えいたします。
 児童虐待の発生については複合的な要因が重なっており、本県の児童虐待相談におけるネグレクトの割合が高い要因は特定できておりませんが、虐待の要因としては、一般的には育児に対する認識の低さ、親自身の生育歴、家庭の養育力の低下、地域社会の子育て機能の低下などが考えられます。
 今後、市町村、学校、福祉保健所、医療機関等の児童虐待防止にかかわる関係機関相互が密接な連携を図るための児童虐待防止市町村ネットワークの設置の促進など、児童虐待の早期発見・早期対応の取り組みを進めていきます。
 また、市町村が事業主体として実施する保健師、母子保健推進員等による育児支援のための家庭訪問や一時保育、ショートステイ等の育児支援サービスの実施の促進を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして、児童福祉司の配置状況等についてお答えいたします。
現在、児童福祉司を中央児童相談所に14名、コザ児童相談所に9名、計23名を配置しております。この数年、児童虐待の相談が増加し、児童福祉司がかかわるケースも複雑化しその対応に追われていることから、現在、部内にプロジェクトチームを設置し、児童相談所の体制について市町村、福祉保健所等との役割分担、より効率的・効果的な体制にするための検討を行っているところであります。その検討結果を踏まえ、児童虐待を初め各種の養護相談等に迅速かつ適切な対応ができるよう体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
 なお、宮古・八重山地区については児童福祉司は配置しておりませんが、当該地区を所管している中央児童相談所が巡回相談を実施しているほか、継続して指導を要する要保護性の高いケースについては、当該地区担当の児童福祉司が福祉保健所、福祉事務所の家庭相談員等と連携し対応しているところであります。
 各市町村域における児童虐待防止ネットワークについてお答えいたします。
 市町村における児童虐待防止ネットワークについては、現在、那覇市など11市町が既に設置済みとなっており、今年度じゅうに石垣市など4市町が設置を計画しているところであります。現在、中央児童相談所に設置している児童虐待防止支援チームを中心に、未設置の市町村における児童虐待防止ネットワークの設置を促進しております。さらに、次世代育成支援の市町村行動計画において、当該ネットワークの早期設置を目標として掲げるよう市町村へ積極的に働きかけているところであります。
 続きまして、特定不妊治療費助成事業の県内の実施状況についてお答えいたします。
 特定不妊治療費助成事業は本県ではまだ実施しておりませんが、本事業の実施に際しては、不妊に関するカウンセリング体制の整備を図ることが望ましいことから、本年6月7日に不妊専門相談センターを開設し、不妊に悩む夫婦の相談体制の充実に努めております。現在、対象者の状況調査等を行いながら関係部局との調整を図っているところです。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 障害者の就労支援についてお答えいたします。
 本県の障害者雇用対策といたしましては、障害等の区別なく訓練終了後の雇用を目的とする職場適応訓練事業、職業能力開発校において身体障害者を対象とした設計製図やOA事務などの職業訓練を実施しております。また、障害者を雇用した事業主を支援する特定求職者雇用開発助成金等の各種助成金制度の活用促進を図っているところであります。さらに、北部地区、中部地区の「障害者就業・生活支援センター」において福祉、保健、教育等の地域の関係機関が連携した障害者の就業・生活支援に努めております。
 続きまして、障害者の就職状況についてお答えいたします。
 沖縄労働局によると、ハローワークにおける平成15年度の障害者の就職状況は、就職希望者2607人に対し就職者405人となっており、その内訳は、精神障害者47人、身体障害者249人、知的障害者109人となっております。
 続きまして、法定雇用率の達成状況についてお答えいたします。
 県内における平成15年6月1日現在の法定雇用率の達成状況は、民間企業においては法定雇用率1.8%に対して実雇用率は1.61%となっております。県、市町村等の機関におきましては、法定雇用率2.1%に対して実雇用率は2.7%となっております。
 今後の取り組みについてお答えいたします。
 県といたしましては、障害者の雇用を促進するため、これまでの施策に加え10月から具志川職業能力開発校において知的障害者を対象とした販売実務の職業訓練、また民間の教育訓練機関を活用して身体障害者を対象としたパソコン事務の職業訓練を実施することとしております。さらに、南部地区における「障害者就業・生活支援センター」の指定、職業能力開発の充実、地域における就労支援体制の整備などを通して障害者の雇用拡大に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 学力向上対策についてお答えいたします。
 本県の学力向上対策は、長期17年間、各学校、全地域において実践されてきました。県民ぐるみの取り組みにより基礎学力の向上、読書冊数の増加、生活習慣や学習習慣が形成され、さらに個々の表現力にも大きな変容が見られるようになりました。具体的には、達成度テストや大学入試センター試験結果の著しい伸び、読書冊数目標値の達成等が挙げられます。
 このようなことを踏まえて、近年、本県児童生徒のスポーツや文化・科学面における九州や全国、国際レベルの大きな舞台での活躍が顕著になっております。今後とも学力向上対策の充実を図っていきたいと考えております。
 次に、IT教育についてお答えいたします。
 本県では、全国で唯一のIT教育センターを建設し、IT教育研修等の充実に努めてきております。コンピューターの整備においても市町村教育委員会と連携した結果、整備率が児童生徒8.4人に1台となり、全国平均を上回るようになっております。
 さらに、コンピューターで指導できる教員の割合も92.4%と全国トップとなり、児童生徒のコンピューター操作能力も向上しており、今後ともIT教育の推進に努めていきたいと考えております。
 次に、ハワイ沖縄高校生交流事業についてお答えいたします。
沖縄県ハワイ州高校生交流事業はこれまで14年間実施され、総計約700名が参加しております。参加した生徒たちは、友好親善大使として国際理解の大切さを学ぶとともに、郷土文化に対する認識を新たにし、学校生活や地域でもリーダーとして活躍しております。今後とも、本交流事業の充実に努めていきたいと考えております。
 次に、本県教育の今後についてお答えいたします。
 今後の本県教育については、子供には確かな学力の向上を、社会にとっては潤いと生きがいのある生涯学習社会の形成を、県民には国際化・情報化社会で活躍する県民の育成を目標にし、創造性・国際性に富む人材の育成と生涯教育の振興を目指していきたいと思っております。
 近年、本県児童生徒のスポーツや文化・科学面における目覚ましい活躍は、個人のよさの発揮、指導者の情熱、社会の理解があってのことだと認識しております。
 今後は、本県のよさ、らしさを最大限に発揮できる教育環境づくりが求められております。そのため、基礎学力のさらなるアップ、国際性の発揮向上、ユイマール精神を生かした青少年の育成、独自の文化の振興等により一層力を入れていきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、イベント開催による誘客効果についてお答えをいたします。
 県におきましては、観光入り込み客の年平準化並びに各地域への観光客の増加を図るため県主催のイベントを実施するとともに、市町村等の主催する地域イベントへの支援を行っております。平成15年は、「大琉球・まつり王国」ほか3つの県主催イベントを実施するとともに19の地域イベントを支援したところであり、これらのイベントへの観光客の参加は約38万人となっております。今後とも、イベント内容や地域イベントへの支援方法について改善を図るとともに、誘客効果を高めるため航空会社や旅行社等とさらに緊密な連携を図っていきたいと考えております。
 次に、沖縄フィルムオフィスの陣容強化及び賃貸スタジオ建設についてお答えいたします。
 沖縄フィルムオフィスは、沖縄観光コンベンションビューロー内に設置され、観光推進部長、専門職員2名及び非常勤職員1名の計4名で対応しております。また、市町村に対してはフィルムオフィスの設置を促進しているところであり、ことし6月には石垣市に設置されました。今後は、市町村との連携を深め、撮影支援活動は市町村が主体的に取り組み、沖縄フィルムオフィスでは大型プロジェクトの撮影支援や国内外の誘致活動を強化する方向で機能を拡充してまいります。
 また、賃貸スタジオにつきましては、県内に4カ所が設置されておりますが、主にコマーシャル撮影やポスター撮影などに使用されております。御指摘のスタジオ建設につきましては、既存のスタジオの活用状況や映像業界のニーズ等市場動向を踏まえながら国内外の情報収集に努めてまいります。
 次に、タクシー業界への対応についてであります。
県内タクシー業界の現状は、交通手段の多様化等によって実車率、輸送人員ともに低下傾向にあります。タクシー業界では、この状況を打開すべく航空会社との提携によるマイレージタクシーや長時間運賃割引制度による観光タクシーの導入を行うとともに、優良個人タクシー事業者認定制度、いわゆるマスターズ制度の創設など顧客サービスの向上に努めているところであります。
 一方、県におきましては、タクシー業界の活性化に向けては乗務員の資質の向上が重要であるとの認識から、観光従業者接遇指導事業において乗務員の接遇向上と観光基礎知識についての研修を行っているところであります。また、修学旅行におけるグループ学習でのタクシー利用のさらなる促進を図るとともに、沖縄を訪れた高齢者や障害者の方々が安心して利用できるバリアフリータクシーの増加促進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、観光特区についてであります。
 観光特区の規制緩和措置として、県ではこれまで3回にわたりビザの免除を提案してきましたが、特区ではなく全国的に考慮する課題であるという理由で認められておりません。
 一方、国においては、全国的に韓国や中国からの修学旅行生及び香港からの短期滞在者に対するビザの免除を実施するとともに、台湾からの修学旅行生及び愛知万博などのイベント期間中における韓国や台湾からの観光客に対するビザの免除を検討するなど、規制緩和を着実に進めております。県といたしましては、このような国のビザに関する緩和措置の活用や「ビジット・ジャパン・キャンペーン」との連携により、外国人観光客誘致に努めていきたいと考えております。
 次に、国際映画祭についてお答えをいたします。
 県におきましては、沖縄国際映画祭調査事業において国内外の国際映画祭の開催状況を調査するとともに、インターネットを活用し広く全国から沖縄における国際映画祭開催について意見聴取を行っているところであります。今後は、引き続き先進事例調査を実施するとともに、県内観光関連事業者等へのヒアリング調査、映画祭による観光振興や地域への経済波及効果等を調査し、沖縄にふさわしい国際映画祭の開催可能性について検討していくこととしております。
 次に、IDB沖縄総会における環境美化の取り組み及び自衛隊那覇基地への要請についてでございます。一括してお答えいたします。
 環境美化につきましては、IDB沖縄実行委員会の中に関係行政機関で構成する環境美化部会を設置して取り組んでおります。特に総会会場から各ホテルまでの道路については、各道路管理者と環境美化部会とで調整を行い、道路の整備・美化に努めることとしております。
 さらに、クリーンアップについては「ちゅら島環境美化推進県民連絡会議」と共催で県民参加のもと、ことしの12月並びにIDB沖縄総会直前に「ちゅら島環境美化全県一斉清掃」を予定しております。また、総会参加者の安全確保につきましては、県警及び関係機関との連携を密にしながら取り組んでいく考えであります。那覇空港からの沿道の美化につきましては、自衛隊那覇基地にも早急に要請をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 人口が少ない自治体に対する支援体制についてお答えいたします。
 政府の「骨太方針2004」や地方六団体の改革案では、財政力の弱い団体においては税源移譲額が国庫補助負担金の廃止・縮減に伴い財源措置すべき額に満たない場合は、実態を踏まえつつ地方交付税の算定等を通じて適切に対応する旨が明記されており、これは人口が少ない自治体へ配慮したものと考えております。
 一方、県としては、市町村の財政運営を支援するため、4月に市町村財政対策チームを設置して支援体制の強化を図っております。特に財政事情の厳しい市町村に対して行財政運営全般に関する意見交換を行いつつ、8月下旬には小規模離島市町村など19団体に対して文書による助言を行っております。今後とも、引き続き個別の市町村の財政事情に応じた適切な助言等を行ってまいりたいと考えております。
 離島・島嶼県としての配慮についてお答えいたします。
 去る8月24日に政府に提出された地方六団体の改革案では、離島の地方公共団体においても安定的な財政運営が可能となるよう、地方交付税上特段の措置が必要であると明記されており、これは離島市町村へ配慮したものと考えております。県としては、三位一体の改革を進める中においても県内市町村のような財政基盤の脆弱な地方公共団体が財政運営に支障が生じないよう、地方交付税の財源保障機能及び財源調整機能の堅持について引き続き関係機関に対し要請を行ってまいりたいと考えております。
 次に、合併協議の難航に関する県の関与についてお答えいたします。
県内の一部の法定協議会では、構成市町村間の協議難航による解散や単独自治体としての存続を目指すことを理由とした離脱の動きがあります。
 これら合併協議会に対し、県としては、協議会を構成する市町村長や議会議員との意見交換を行い、地方分権の推進や市町村財政を取り巻く現状を説明するなど、改めて市町村合併に対する理解が深まるよう働きかけを行っております。
 次に、合併に関する本県の特殊事情への配慮についてお答えいたします。
昨年11月の第27次地方制度調査会の最終答申では、都道府県が合併を求める小規模市町村の目安としておおむね人口1万人未満としておりますが、地理的条件は考慮するとされており、一島一町村等の離島町村の特殊性に対し今後の国の方針等において配慮がなされるものと考えております。また、広大な海域に散在する本県の離島町村は、経済水域の確保等我が国の国土保全の面で重要な役割を担っており、県としても地域事情や財政事情を踏まえた特別な配慮や支援が必要ではないかと考えております。
 以上でございます。
○當山 眞市 皆さん、おはようございます。
 公明県民会議を代表いたしまして通告に基づいて質問をいたします。
 1、基地問題について。
 金武町米軍キャンプ・ハンセン基地内における都市型戦闘訓練施設建設工事について。
 ア、建設現場は伊芸区に近く、過去に被弾事故もあり安全上問題があり、即時中止をさせるべきだと思うがどうか。
 今、伊芸区の皆さんは、「自分たちの命は自分たちの手で」を合い言葉で語り合いながら連日、老若男女の町民がキャンプ・ハンセンゲート前で建設中止を求めて早朝抗議行動を行っております。
 伊芸地区においては、1988年に実弾演習場からの流弾事故を初め人身事故を含む数回の事故を体験し、今回のレンジ4での施設建設は、さらに住民地域に近く高速自動車道にも近いことから危険で過去に起こった事故より多発することは間違いなく、断じて容認できるものではないとするさらにかたい決意があります。
 県の今日までの中止を求める要請の経緯と現状、さらに今後の中止に追い込む決意をお示しいただきたいと思います。
 イ、工事現場における赤土対策も不十分であると思うがどうか。
 私たちは、9月13日に現地調査でキャンプ・ハンセンに参りまして現場担当米国関係者より説明を受けましたが、現場における赤土対策は十分行っているということであったが、実際には全く見せかけの対策であり、県の赤土流出防止条例に定めた基準にはほど遠いものでありました。
 工事着手したのが5月25日で、105日が経過した9月10日になって初めて切り取ったのり面に対する乳剤散布が行われ、その量は通常の県発注工事の半分しか散布されてなく、また沈殿池も裸地1000平米に対し150立方という基準に全く届かず、汚濁浄化に使用する布団かごも施工されてなく、現場の一角で製品そのものが未完成のまま放置されている状態であり、9月6日の大雨で大量の赤土が伊芸地区の海上まで流出した後に、その場しのぎで13日の我々の現地調査に間に合わせて対策を講じたことは明らかであります。
 そうしたことから、日常的に基地内の工事が県の赤土流出防止条例が適用されないという認識で施工されているものであり、県からのたび重なる対策要請も全く無視し、本県の漁業並びに観光資源たる海を守る立場からも中止を申し入れるべきだと思うがどうか。
 ウ、日米地位協定を早期に改定し、国内法が適用されるよう急ぐべきだと思うがどうか。
 (2)、SACO合意の早期実施について。
 ア、平成8年12月の合意からやがて8年になるが、現状と今後の見通しはどうか。
 イ、合意事項の見直しはあるか。
 (3)、在日米軍再編計画について。
 ア、再編計画で嘉手納基地の自衛隊との共同使用が含まれているが、県はどのように考えているか、お伺いいたします。
 嘉手納基地の日米共用化については、普天間の統合案が出たり、那覇基地の改修工事に伴う自衛隊機の一時使用など米軍の機能が集中した過密な基地へのさらなる強化は、航空機の事故、騒音などの新たな被害は必至であり、断じて容認できないとする地元嘉手納町議会の反対意見書も可決されているが、県としては日本政府に対し強く反対の意思表示を行うべきだと思うがどうか。
 イは省きます。
 2、教育問題について。
 (1)、学校教育法改正に伴う六三制見直しについて県はどのように考えているか。
 このほど、文部科学省において学力低下不安などへの対応策として義務教育を9年の範囲で五四制等へ市町村が独自に変更できる抜本改革案をまとめ、来年の通常国会に提出すると言われているが、今回の見直し案について県教育長としてどのように考えているか、お伺いいたします。
 (2)、県内で実施されている2学期制の実施状況とその成果はどのようになっているか、お伺いいたします。
 平成15年度から県内初の試みとして嘉手納町の幼稚園と小中学校で2学期制が導入され、16年度からは那覇市でも実施されております。2学期制は学期ごとの始業式や終業式、定期試験などが減って授業時間が多く取り入れられることや教師の事務負担軽減などのメリットがあると言われ、全国的にも広がりつつあると言われますが、県内の現在の実施状況とその成果はどのようになっているか、お伺いいたします。
 (3)、教員の病気休職者が増加している原因とその対策はどのようになっているか、お伺いいたします。
 県教育委員会まとめによると、昨年、教員の病気休職者が過去最高となる300人もいると言われ、その中で99人が精神性疾患で、医師の診断で教師に適さない人も一部いるという極めて憂慮すべき状態であり、その原因が過重労働にあると言われており、早目に何らかの対策が必要だと言われております。
 教師が子供たちと触れ合う精神的なゆとりが求められている中で現状は厳しいものがあり、部活動や生徒指導のあり方等総合分析を行った上で対策を講じ、安心して子供たちを任せられる職場環境をつくる必要があると思うが、教育長の所見をお伺いいたします。
 3、離島振興について。
 (1)、宮古地区主要プロジェクト支援について。
 ア、伊良部架橋の当初計画どおりの早期実施について。
 2001年に沖縄開発庁で1億5000万円の調査費が計上され着々と実施計画に向けた調査が行われ、事業着手を間近に控え国の行財政改革のあおりを受け、事業費引き締めの関係で歩道部分の削除案が提起されているという話があったが、観光を初め町民の日常生活上も歩道の必要性は必須条件であり、当初計画どおりの事業が施工され、30年の夢がかなうよう県としては国に対して強く要請すべきだと思うがどうか。
 イ、下地島空港残地の利用計画について。
 下地島空港の県有残地375ヘクタールについては、現在、多くが黙認耕作地として町民に利用されているが、町発展の要因となる残地の有効利用が必要だと言われております。県としても残地有効利用対策会議を設置するなど努力されているということでありますが、航空大学構想を初め第二のハワイと位置づけ、観光を目指す町の計画を今後どのように支援していかれるか、お伺いいたします。
 ウ、旧多良間空港の跡地利用計画について。
 平成15年10月の新多良間空港完成に伴い多良間村においては旧多良間空港跡地利用審議会を発足させ、跡地に導入すべき事業3案について検討し、将来性、実効性の観点から優位な事業としてヤギ牧場計画が決定され、空港跡地や村有地、字有地を借り受け、総括して48万7500平米の大規模な事業計画が行われております。当然県にも指導を得て進行していると思うが、ユニークで将来性のある事業だと思うが、今後どのように進めていかれるか、お伺いいたします。
 4、海外移住地支援について。
 (1)、南米ボリビア・コロニアオキナワへの事業支援について。
 コロニアオキナワの入植50周年記念式典が8月15日に開催され、外間議長を団長とする県議会議員団9人の一員として参加させていただきました。1954年第1次琉球政府計画移民として275人が移住し、第19次移民まで3314人の県民が入植され、広大なジャングルを手おの一つで開拓し、洪水、干ばつと闘い、うるま病と称される熱病と闘いながら現在の第一コロニアから第三コロニアオキナワまで6万7000ヘクタールという沖縄県の全耕地面積を超える面積を241戸の農家で経営するまでに至った県民の開拓魂に心から敬意を表する次第であります。沖縄移住地の皆さんが周辺地域のインフラ整備を行うことによって、さらに安定した生産に取り組めるよう私たちも側面からの協力が必要だと感じました。
 日ボ協会やサンタクルス商工観光会議所、日本領事館等で次の事業に対する支援要請がありましたが、県としても同じ沖縄の問題として国に対し支援を要請すべきだと思うがどうかお伺いいたします。
 ア、第一コロニアから第二、第三を通ってサンタクルス市まで70キロの幹線道路アスファルト舗装工事支援について。
 イ、リオ・グランデ川への橋梁建設支援について。
 ウ、リオ・グランデ川の堤防工事支援について。
 以上でございます。
○知事(稲嶺惠一) 當山眞市議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、陸軍複合射撃訓練場の建設についてのお答えでございます。
 県は、これまで米軍を初め関係機関に対し陸軍複合射撃訓練場の建設中止を求めており、去る8月には小泉総理大臣や関係大臣、在日米軍司令官に改めて同訓練場の建設の中止を強く求めたところであります。県としては今後とも金武町と密接に連携し、あらゆる機会に建設の中止を強く求めてまいります。
 次に、日米地位協定の早期改定と国内法の適用についてのお答えでございます。
 県は、平成12年8月に要請した日米地位協定の見直しに関する11項目の中で、合衆国軍隊の施設整備や演習、訓練等の諸活動の実施に対しても我が国の国内法を適用する旨を明記するよう求めているところであります。県としては、今後ともあらゆる機会を通じて日米地位協定の抜本的見直しに向けて粘り強く取り組んでいきたいと考えております。
 続きまして、SACO合意の見直しについてお答えをいたします。
 SACO最終報告は、沖縄県民の基地負担の軽減を図る観点から、普天間飛行場の全面返還や安波訓練場、楚辺通信所など11施設の返還等について日米両国政府が協議を行い合意に達したものであります。合意された事案については、日米両政府間あるいは政府と地元自治体との間で諸条件について協議し、双方の合意に基づき実施されているところであります。したがってSACO最終報告の合意の実施という枠の中で対応されるものであり、SACO最終報告の見直しはないものと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 建設現場の赤土対策についてお答えいたします。
 去る9月6日、陸軍複合射撃訓練場の建設が行われているキャンプ・ハンセン内レンジ4から赤土の流出が確認されたことから、翌9月7日に四軍調整官等に対し直ちに万全な赤土流出の防止対策を講じるとともに、同訓練場の建設工事を中止するよう強く申し入れております。
 次に、SACOの合意事案の現状と今後の見通しについてお答えいたします。
 SACO合意事案のうち、これまでに返還されたのは安波訓練場とキャンプ桑江の北側部分であります。残りの事案のうち、楚辺通信所の移設については、現在、キャンプ・ハンセン内で移設工事が実施されており、平成17年5月に返還の予定であります。
 読谷補助飛行場については、パラシュート降下訓練が伊江島補助飛行場に移設されており、連動する楚辺通信所の移設完了後に返還されることが合意されております。
 ギンバル訓練場の移設については、金武町が移設条件であるヘリコプター着陸帯の移設先をブルービーチ訓練場からキャンプ・ハンセン演習場に移すことを国に求めている状況であり、金武町長が金武町議会9月定例会においてヘリコプター着陸帯の移設問題は跡地利用計画と同時並行で取り組み、来月にも判断を下すと述べております。
 普天間飛行場の移設については、平成14年7月に代替施設の基本計画が決定され、平成15年1月には新たな代替施設建設協議会が設置されております。先般、国において環境影響評価方法書の公告・縦覧が行われ、意見の概要書が県に対し提出されたところであります。
 那覇港湾施設については、防衛施設庁から示された代替施設の位置及び形状案を県、那覇市及び浦添市が了承し、平成15年7月の日米合同委員会において位置及び形状案が合意されております。
 その他の北部訓練場、瀬名波通信所、牧港補給地区、キャンプ桑江及びキャンプ瑞慶覧に係る住宅統合についても、国において特に移設先の市町村の意向や環境問題等に配慮しながら慎重に作業を進め、早期に返還されるよう取り組んでいるものと理解しております。
 次に、自衛隊の共同使用報道についてお答えいたします。
 在日米軍の再編における嘉手納基地の自衛隊との共同使用計画の報道については承知しておりますが、外務省に確認したところ、米側からそのような提案を受けている事実はないとしております。また、那覇空港滑走路改修工事に伴う自衛隊機の嘉手納飛行場の一時使用については、工事が完了するまでの一時的なものと理解しており、政府には騒音等の影響を最小限にする努力を望んでおります。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 六三制の見直しについてお答えいたします。
 六三制は、戦後の我が国の義務教育制度の根幹をなし、国民の教育水準の向上や社会発展の原動力となる制度として定着してきたものと理解しております。その見直しについては、今後幅広い論議が必要であると考えております。義務教育改革案については、現在、中央教育審議会において審議中であり、県教育委員会としましては審議の動向等を見守っていきたいと考えております。
 次に、2学期制についてお答えいたします。
 現在、2学期制は8つの市町村において小学校16校、中学校14校、県立学校において全日制高等学校8校、定時制高等学校9校で導入されております。
 実施校からは、授業時数の増加によりきめ細かな学習指導ができること、学期の長期化により体験的・問題解決的な学習の充実及び継続的な学習活動の充実が図られること、教師と生徒の触れ合いの時間が多く持てることなどの効果があるとの報告があります。
 2学期制は、生徒の実態や地域の実情を踏まえて効果的な教育活動を展開するために導入されるものであり、学期の区切りとしての一つの選択肢であると考えております。今後は既に実施している学校や市町村教育委員会からの報告等を照会しつつ、それぞれの学校や地域の主体性を尊重していきたいと考えております。
 次に、教員の病気休職についてお答えいたします。
 平成15年度の病気休職者の内訳は、成人病等疾患が41.3%、精神性疾患が33.0%、産休前の病気休職が25.7%であります。
 精神性疾患の原因については特定はしかねますが、その数値を分析した結果、生活習慣病との併発、職場環境への不適応、病気の繰り返しから来たもの、その他育児等によるものなどとなっております。 
 その対策としましては、校長を初め教職員相互が気軽に話し合える明るい職場づくりを目指すとともに、スクールカウンセラーの配置及び管理職等による相談活動ができるような雰囲気づくりに努めているところであります。さらに、養護教諭や産業医による健康相談、医師による24時間フリーダイヤル相談、病院を指定したメンタルヘルス相談等を実施し、教職員個々に応じた対応に努めているところであります。今後とも実効性のある対策に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 伊良部架橋の国への要請についてお答えいたします。
 大型プロジェクトの実現には膨大な事業費を要することから、国、地方とも厳しい財政状況のもと、その事業費の抑制が強く求められております。このようなことから伊良部架橋につきましても、現在、円滑な道路交通はもとより、歩行者の通行空間の確保にも配慮しながら、橋梁の横断面構成や縦断線形など設計・施工面からコスト縮減策を検討しているところであります。
 県におきましては、平成13年度から着工準備調査を進めてきましたが、平成17年度には橋梁実施設計や取りつけ道路等の工事に着手できるよう国に要請を行っているところであります。
 以上であります。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 下地島空港残地の利用計画についてお答えいたします。
 下地島空港周辺公有地の利用計画については、空港機能と連携し地域の特性を生かしたリゾート型の観光振興等の土地利用を図ることとし、事業導入に当たっては民間活力を積極的に活用することを基本としております。これまで伊良部町と連携を図りながらコミュニティーアイランド事業、体験・滞在交流促進事業、都市農村交流施設整備事業を活用した宿泊施設等のほか、パブリックゴルフ場、通り池の歩道の整備等に取り組んできたところであります。
 下地島空港周辺公有地の有効利用は、宮古圏域の活性化に寄与するものであり、今後、伊良部架橋の事業化及び宮古地域の市町村合併が進められていく中で、町及び関係機関と連携を図りつつ、中長期的・広域的な視点で取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。
○農林水産部長(諸見武三) ヤギ牧場についてお答えいたします。
 ヤギ牧場の構想については、農林水産関係の補助事業で整備する場合、地域農業マスタープランへの位置づけが必要であります。
 事業実施に当たっては、事業主体や生産計画、需要や販路の確保等専門的な見地からマーケティング調査、商品化の検討など事業の可能性調査を行い、国庫補助事業としての採択要件等の整備に取り組む必要があります。このため、県としては村と連携を図りながら調整してまいります。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 海外移住地支援についての御質問にお答えをいたします。
 第一コロニアから第二、第三コロニアを通ってサンタクルス市まで約70キロメートルの幹線道路アスファルト舗装工事支援、リオ・グランデ川へ橋梁建設支援、リオ・グランデ川の堤防工事支援について一括してお答えをいたします。
 コロニアオキナワからサンタクルス市までの幹線道路については、日本のODA予算による舗装整備の要請が平成13年9月ボリビア政府から日本政府に出され、本県からも平成14年1月に外務省等関係機関に要望書を提出しております。しかし、当該案件については、ボリビア国内での優先順位が低いこと及び膨大な経費を要すること等から採択に至っておりません。
 最近の動向を外務省に確認しましたところ、現地では当該事業の採択に向け事業計画の見直しを検討しているところであり、そのため次年度のODA予算に向けたボリビア側からの要望の中に当該事業は含まれておりません。
 県としましては、現地から正式に要望があれば速やかに関係機関に対し要請していきたいと考えております。また、リオ・グランデ川の橋梁建設及び防波堤工事の支援につきましても、ODA予算での要望がこれまで出されていないことから、今後、要望があった時点で外務省等関係機関に対し要請していきたいと考えております。
○新垣 良俊 こんにちは。
 同僚議員の御理解のもと、今回初めて代表質問ができますことを心から感謝申し上げる次第であります。初陣でありますので、皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。
 では、所見を述べながら代表質問通告表に従いまして質問を行います。
 3年前のアメリカ・ニューヨーク世界貿易センタービルとワシントンの米国防総省に民間機を撃墜させた同時多発テロが発生、世界じゅうを震撼させたあの忌まわしい事件はまだ目に焼きついております。それ以来、各国の米軍基地、米国関係施設等に厳戒態勢がしかれ、沖縄の観光産業にも多大な影響が出たことは御承知のとおりであります。
 アメリカの同時多発テロ以来、鎮静化すると思っていたやさき、去る9月2日、ロシア北オセチア共和国の学校人質事件で死者340人以上、そして160人以上がまだ行方不明となっているそうです。さらに、9月9日にはインドネシア・ジャカルタのオーストラリア大使館前で爆弾テロが発生、多数の死傷者が出ました。どのテロも周到に準備された犯行で無差別で卑劣な行為は絶対許されるものではありません。いかなる理由にせよ、人命を無視し、何の罪もない多数の子供たち、一般市民をも巻き込んだテロ行為は、全世界の国民と民主主義社会への挑戦であり、強い憤りを覚えるものであります。
 アメリカでの同時多発テロが発生してから世界じゅうが緊迫した情勢にあるように感じられます。今度の米軍ヘリ墜落事故もイラク戦争、テロ事件の延長線上で発生したように思うのであります。まさに法と生命の軽視が戦争を初め事件・事故につながっていると言っても過言ではないと思います。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、一日も早く平和で安心して暮らせる社会が構築され、そして沖縄県から基地の整理縮小と過重負担の軽減が図られることを祈念するものであります。
 では質問を行います。
 1、基地問題について。
 (1)、米軍ヘリ墜落事故についてであります。
 去る8月13日午後2時15分ごろ、米海兵隊所属のCH-53Dヘリが沖縄国際大学の構内に墜落する事故が発生しました。今回の事故は、米海兵隊第31海兵遠征隊所属のCH-53Dヘリ(乗員3名)が沖縄国際大学の市道に隣接した本館建物に接触し、墜落炎上した結果、当該建物の一部や周辺の樹木等が炎上または破損したほか、近隣の住宅等にも部品が屋内を貫通し、落下する等多大な被害を与えた。事故による人身被害は負傷した乗員3名のうち1名は重体とされており、市民・県民への被害はなかったものの、一歩間違えば甚大な被害を招きかねない深刻な事態でありました。
 普天間飛行場が市街地の中にあり、周辺を住宅地、学校、商店街等に隣接することから、極めて危険な基地であることは日米両政府とも共通の認識でありました。昨年11月に来沖したアメリカのラムズフェルド国防長官が普天間飛行場を上空から視察し、墜落事故が起きた場合の危険性と日米同盟への影響に懸念を表明しておりました。今回、米国防長官が指摘した墜落事故が起きた場合の危険性と日米同盟への影響が現実のものとなったのであります。
 米海兵隊は、2004会計年度――昨年10月からことし9月まで――の航空事故の急増に危機感を持ち、7月末に緊急会議を開催、総司令官らが事故防止のための安全対策を強く指示していたことが明らかになりました。沖縄国際大学への墜落事故は指示直後に起きたわけで、対策を徹底しなかった在沖海兵航空団の指揮官クラスの責任が問われる可能性もあると言われております。
 会議では、事故の多くが機体のトラブルよりも人為ミスや現場指揮の不徹底から起きていることが指摘されたと言われています。
 以上のことを述べ、次のことについてお伺いいたします。
 (ア)、今回の墜落事故によって被害をこうむった住宅等の物件が何件で、被害額は幾らになるかお伺いします。
 (イ)、墜落事故後に米軍が県警の立ち入りを排除したと言われているが、実際はどうだったかお伺いします。
 (ウ)、県警は、米軍が事故機を撤去した後、現場検証を行ったのか。事故原因の究明には事故機が必要で事故の立件は難しいと思うが、県警の見解をお伺いいたします。
 (エ)、県は、危険性を排除する上であらゆることを検討すると言っているが、あらゆることとはどういうことかお伺いします。
 (オ)、ヘリ墜落事故で現場の土壌が放射能汚染の疑いがあると言われているが、環境への影響はないか。また、米軍が現場の土壌を採取したというが、米軍から採取の理由について説明があったかどうかお伺いします。
 (カ)、危険な状態の普天間飛行場を代替施設完成まで放置することはできなくなったと思います。一日も早い返還を進めるためいろいろな方策を考えなければならないが、知事の率直な考えをお伺いします。
 次に、(2)、普天間飛行場の代替施設についてであります。
 普天間飛行場の移設については、県の移設候補地選定や名護市の受け入れ表明を受け、1999年(平成11年)末、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定されました。2000年(平成12年)8月には国、県、名護市、宜野座村及び東村で構成される「代替施設協議会」が設置され、9回にわたる協議を経て政府は2002年(平成14年)7月29日、辺野古沖のリーフ上を埋め立て、2000メートルの滑走路を有する代替施設の建設を内容とする基本計画が策定されました。2003年(平成15年)1月には新たに「代替施設建設協議会」が設置されたのであります。そして現在、国において環境影響評価(アセスメント)の手続が進められているところであります。昨年11月の米国のラムズフェルド国防長官が普天間飛行場を視察した後、国防総省当局に三、四年で移設を完了させるよう検討をもとに8年以内を日本側に求めたと言われております。
 日本側は、着工前の環境影響評価(アセスメント)に3年、建設期間に約10年の計13年を要するとして再考を要請したと言われております。そういう中、ことしの4月、7月の日米審議官協議の席上で、日米合意に基づく辺野古沖への移設を8年以内、2012年までに完了させる方針をことしじゅうに確定するよう日本政府に要求しているということであります。
 知事は、1998年(平成10年)11月の知事選挙で争点となっていました普天間移設問題で、移設を認めるが、代替施設の供用開始から15年で日本側に返還し、県の民間空港として活用するという条件を付すことを公約として掲げ、在日米軍基地の過重負担を着実に減らしていくためには必要として15年期限について政府に代替施設の着工までに解決をと迫っている。しかし肝心の政府は否定的で、米国政府も事実上拒否していると言われています。
 そこで次のことについてお伺いします。
 (ア)、代替施設の着工がおくれているのは15年期限が原因であると言われているが、知事の見解をお伺いします。
 (イ)、15年期限について名護市の移設受け入れ条件の一つとして提示したが、国が拒否したら代替施設の着工を県として認めるのか、見解をお伺いします。
 (ウ)、去る12日の宜野湾市民大会でSACO合意の見直しと辺野古沖移設の再考が決議されましたが、そのことについて知事の見解をお伺いします。
 (エ)、政府は、在日米軍再編問題で年内にも基本合意を目指す方針を固めたとありました。普天間飛行場の危険性を代替施設の完成まで放置することはできないと思います。在日米軍再編問題で基地負担の軽減、基地の整理縮小を図ることであれば普天間飛行場の返還ができると思うが、知事の見解をお伺いします。
 (3)、日米地位協定の見直しについてお伺いします。
 今回、米軍ヘリが墜落したのは民間地域で、しかも学問の府である大学でした。にもかかわらず県警の現場検証ができないまま立ち入りも拒否、再三の現場検証の要求にも明確な返事さえありませんでした。県警は、撤去作業を見ているだけしかありませんでした。
 県民の生命にかかわる重大な事故だけに県警は捜査を尽くしたいと意気込んでいましたが、通常の事件・事故とは違う米軍絡みの特殊事案の前に、墜落機のない墜落現場を検証する屈辱的な結果となったことは御承知のとおりであります。
 今回の事故の大きな壁となったのが日米地位協定であると言われています。事故機の飛行経路もわからぬまま、事故機を含む現場検証の道を断たれたことは県民、そして日本国民にとって屈辱的なことであります。
 過去に本土での米軍機の民間地での墜落事故で日本側捜査当局が米軍と合同で現場検証をしていたことが明らかになっており、今回の墜落事故での米軍の検証拒否が不当であり、米軍の沖縄への差別的取り扱いであると言わざるを得ません。
 日米地位協定は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」で1960年(昭和35年)1月に締結され、ことしで44年になります。米軍の権利が過度に強められ、偏った現行の協定の改定を実現し、日米の真のパートナーシップを確立すべきであります。
 県は、米軍基地の運用から派生する事件・事故や環境問題、米軍人・軍属等による犯罪などから県民の生活と人権を守り、県民の福祉の向上を図るためには、米軍や米軍人等の権利義務及び米軍の施設・区域の使用や権利関係を定めている日米地位協定を見直す必要があると考え、平成12年8月に日米両政府に対し11項目にわたる「日米地位協定の見直しに関する要請」を行って以来、繰り返し要請活動を行っていることは御承知のとおりであります。
 米軍ヘリの墜落事故を受けて、去る7日に参議院沖縄・北方特別委員会の閉会中審査が開かれました。その中で与党議員を含め質問した6人の委員全員が地位協定の改定を求めましたが、委員会で政府は改定するのは難しい、協定違反とは言えないなどと答弁しております。県は、基地問題の重要課題として速やかに改定されることを申し入れています。しかし、改定ではなく運用改善で事を済まそうとする政府の考えは、米国追従と言われても仕方がない極めて消極的で、県民の要求を踏みにじるもので本当に残念であると言わざるを得ません。
 外相ら政府側はアメリカの顔色をうかがって、改定ではなく運用改善で決着をつけようとする姿勢がむしろ日米間に溝をつくり、国民及び県民の不満や反発を一層増幅させることにならないでしょうか。
 以上のことを申し述べ質問に移ります。
 (ア)、国は、日米地位協定がなぜ改定するのが難しいのか、なぜ運用改善でないといけないのかときちんと説明するのが政府の務めであり、説明責任を果たすことが最も大事なことであると思うが、知事の見解をお伺いしたいと思います。
 (イ)、県は、政府・外務省に対して地位協定の改定の要請を繰り返し行っています。政府・外務省の消極的な姿勢が感じられますが、知事の見解をお伺いします。
 (ウ)、外務省の機密文書「日米地位協定の考え方」増補版の概要が明らかになりました。この増補版について知事の見解をお伺いします。
 以上で代表質問を終わります。
 ありがとうございました。
○知事(稲嶺惠一) 新垣良俊議員の御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性除去についてお答えいたします。
 普天間飛行場の返還問題の解決については、当面の危険性除去という緊急的措置と本来の移設・返還のそれぞれの側面から対応する必要があります。緊急的措置として、事故原因の究明と公表、全機種の飛行停止、事故の再発防止策、兵力の削減、訓練の分散移転など、日米両政府に強く求めているところであります。このことについては、去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍ヘリ墜落事故に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。
 県としては、日米両政府間の今後の協議を通して具体的な方策が検討されるよう引き続きあらゆる機会に働きかけていきます。
 次に、普天間飛行場返還のための方策についてお答えいたします。
 先ほども申し上げましたが、普天間飛行場については、当面の危険性除去という緊急的措置と本来の移設・返還のそれぞれの側面から対応する必要があります。本来の移設・返還については、SACO最終報告で日米両政府によって確約された返還の方針に基づき、現在行われている移設作業を進めることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。普天間飛行場の返還については、日米両政府に対し、これまで以上に作業を加速させることにより同飛行場の一日も早い返還を求めているところであります。
 15年期限と代替施設の建設についての御質問にお答えいたします。
 15年使用期限がこれまで一度として移設作業の支障になったことはありません。15年使用期限は、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から沖縄県が移設に当たって整備すべき条件として日本政府に対し提示しているものであります。この問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、政府の責任で強い決意を持って解決すべきであると考えております。
 次に、15年使用期限と代替施設の着工についての御質問にお答えいたします。
 15年使用期限問題は、日米安全保障条約に基づき基地の提供責任を有する日本政府の責任において解決されるべきであると考えており、着工までに政府から一定の方向性が示されるべきであると考えております。
 続きまして、宜野湾市民大会決議に対する知事の対応についての御質問にお答えをいたします。
 普天間飛行場については、SACO合意に従って代替施設が完成し運用可能となった後、返還されることが日米両政府によって確約されております。県としては、実効性ある代替案が政府より示されていない状況では、現在行われている移設作業を進めることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 次に、在日米軍再編と普天間飛行場の返還についての御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場が危険な状況にあることについては、日米間で共通の認識を持っていることから、米国政府が海外駐留米軍の再編を検討しているこの機に、日米両政府において具体的に検討し県民の過重な基地負担の軽減を図る必要があると考えております。去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍へリ墜落に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。県としては、日米両政府間の今後の協議を通して具体的な方策が検討されるよう引き続きあらゆる機会に働きかけてまいります。
 続きまして、政府の説明責任と外務省の姿勢についてお答えいたします。一括してお答えをいたします。
 政府は、日米地位協定の見直しについて、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの方針を示しておりますが、県としては、運用改善では依然として米側に裁量をゆだねることになることから、同協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。日米地位協定の見直しは人権や環境問題など多岐にわたり、国内の法制度とも深くかかわることからより広範かつ多面的な議論が必要であり、外務省としても積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 墜落事故に関する被害状況についてお答えいたします。 今回のヘリ墜落事故に係る被害状況について那覇防衛施設局に確認したところ、9月17日現在、沖縄国際大学の建物を除く被害件数は61件で、そのうち補償支払い済みの件数が49件、総支払い額は約800万円であるとのことであります。
 また、61件の被害の内訳については、民間家屋等への被害27件、車両等への被害32件、洗濯物へのオイルの付着1件、その他1件となっております。
 なお、沖縄国際大学の建物等の被害状況及び被害額については現在調査中であることから、把握できてないとのことであります。
 次に、「日米地位協定の考え方」増補版に対します見解についてお答えいたします。
 県は、これまでの国会での質疑や県の個別事案の照会などを通じて日米地位協定の概要は把握しております。県としては、改めて日米地位協定そのものの抜本的な見直しが必要であると考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) まず、米軍ヘリ墜落事故現場への県警の立ち入りの問題についてお答えをいたします。
 県警におきましては、事故発生当初から事故現場直近の大学建物内及びその周辺に負傷者がいないか捜索等を行うとともに、現場に立ち入って墜落現場の写真撮影等の所要の活動を実施してまいりました。
 ただ、その後墜落事故現場直近は燃料が漏れて危険な状況であり、建物のコンクリート崩壊の危険性もある等安全性の懸念があることが判明をいたしたため、所轄の宜野湾警察署長と米軍側で連絡をとり合いまして、警備につきましては事故現場直近は主として米軍が、直近周辺を主として県警が対応をいたしました。
 捜査につきましても、こうした安全性の懸念があったため現場直近への立ち入りを控えた時期はあったものの、安全性が確認をされた14日夕刻以降は現場直近における捜査活動を再開をしております。実際にはこうした経過をたどったものであります。
 それから、現場検証の経緯と今後の事故解明についてお答えをいたします。
 県警では、8月13日の事故発生直後から現場保存、目撃者の確保のほか、ヘリテレ――ヘリコプターのテレビシステムですが――これによりますビデオ撮影及び現場の写真撮影等の捜査活動を行っております。
 また、令状に基づく現場検証につきましては、機体の撤去前である8月17日午前から機体を除く建物及び現場周辺の現場検証に着手をしております。つまり、機体そのものの検証結果は今のところ得られておりませんけれども、機体が存在する状態での現場における検証は実施をしているわけであります。
 今後、県警といたしましては、機体の検証、関係者の事情聴取等に関しまして米軍に必要な協力を求めて事案解明を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) ヘリ墜落事故での放射能汚染の懸念と環境への影響及び土壌採取の理由についてお答えをいたします。
 県においては、米軍ヘリ墜落事故に伴い8月19日の県警による現場検証後、環境の現況を把握するため墜落炎上した地点を中心に土壌を採取し放射能調査を行いました。調査は、ベータ線の総量を把握するための全ベータ測定、劣化ウランの有無を確認するためのアルファ線スペクトロメトリーによるウラン同位体の放射能比分析を実施しました。調査の結果、墜落地点の土壌の全べータ値は、大学構内の対照地点と比較して特に異常はありませんでした。また、ウラン同位体の放射能比を調べた結果、劣化ウランは確認されておりません。
 なお、事故に伴う環境への影響については、現在、米軍と合同で行っている環境調査の結果と合わせ、総合的に評価する必要があると考えております。
 また、土壌採取については、米軍は事故調査等のため墜落炎上した地点から5検体の土壌を採取するとともに、機体の破片や燃え殻とともに表層土壌を撤去したと説明しております。
 以上でございます。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午前11時53分休憩
   午後1時21分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 次の質問に入ります前に報告いたします。
 本日の会議に出席できない旨の届け出がありました出納長嘉数昇明君から、午後の会議に出席するとの届け出がありました。
   ――――――――――――――
○議長(外間盛善) 午前に引き続き代表質問を行います。
 喜納昌春君。
   〔喜納昌春君登壇〕
○喜納 昌春 皆さん、こんにちは。
 新しく社会大衆党委員長になりました喜納昌春と申します。よろしくお願いいたします。(拍手)
 平成16年第4回沖縄県議会定例会に際しまして、沖縄社会大衆党4名の県議団を代表いたしまして代表質問を行います。
 台風21号が久米島近海に停滞しておりまして、これまで沖縄本島での人身事故を含めまして農産物等への被害を受けました皆さんに心からお見舞い申し上げます。また、稲嶺知事には、9月21日から22日にかけまして平成17年産さとうきび価格要請でJAおきなわの皆さんや我々県議団、安里進団長を含めて政府に要請しました重要な任務の遂行、御苦労さまでした。
 それでは通告に従いまして代表質問を行います。
 最初に、知事の政治姿勢について。
 (1)、普天間基地返還とヘリ墜落事故に関して8点の質問を行います。
 ア、8月13日の沖縄国際大学構内への米軍ヘリ墜落事故を県はどうとらえていますか。
 イ、この事故は、たとえ県民に1人の犠牲者がなくても極めて重大な事故と我が党は考えますが、その認識が日本政府には全く欠如しています。日本政府は、これまでの知事答弁から聞いても、遺憾と言っただけで米軍に抗議した形跡は一切ないし、基地を提供している国の責任者の面々、いわゆる総理大臣や外務大臣、防衛施設庁長官が今日までいまだに一人として現場を見て、県民に謝罪なり釈明、米軍への抗議がないという事態を知事はどう考えていますか。
 ウ、この事故に対する米軍側の認識と反応はもっとひどいものと言わねばなりません。まず、トーマス・ワスコー在日米軍司令官の、3人の乗員が制御不能の状況下で被害を最小限度にしようと努力し、人々のいないところにヘリを持っていったというすばらしい功績があったと賞賛した発言。地元沖縄県警の調査や捜査などを拒否したことも、安全確保で現場封鎖したと米軍の準機関紙の「星条旗」で報じ、海兵隊の活動を賞賛。事故後一時停止していたCH-53D型ヘリの同型機の飛行再開への批判にも在沖米軍ロバート・ブラックマン四軍調整官は、飛行再開は何も軽率ではないと居直りをする始末であります。こうした米軍側の我々地元県民を愚弄し無視し続けている米軍の態度に対し、県はどう抗議し対応してきたのか。愚弄されっ放しではたまりません。明確な知事の答弁を求めます。
 エ、地元沖縄タイムス紙が朝日新聞社と合同で実施した46都道府県への緊急アンケートで県警との事故後の合同検証を拒否した米軍の対応について、31の回答中29都道府県知事が問題ありと回答を寄せられていることがわかっています。我が党は、検証の第一の権利は沖縄県警にあり、日米地位協定の関係で次のレベルとして日米合同検証であり、当然、当初から沖縄県警が調査にかかわるべきと考えます。しかし、日本における過去の事例にも反して最も肝心なときの県警の調査は拒否されました。まさに主権国家の否定が証明された屈辱と我が党は考えますが、このことに関して事故当日の沖縄県警の対応と米軍側への要請、その後の米軍側の調査拒否などにどう対応してきたのか、答弁を求めます。
 オ、事故当日の大混乱の中で必死に消火活動を専ら任されて行っていた宜野湾消防署の消防隊員の傍らで、黄色などの化学物質に対する防護服らしきものをつけた米軍関係者の姿を私も見ましたが、米軍側の我々には全く情報を流すことなく、自分たちは用意周到ないでたちでの現場の状況から、人体や環境に危険な物質が墜落ヘリに搭載された可能性があったと考えるのが当然であります。
 9月13日から開始された日米合同調査はそのことから始められたようだが、この1カ月おくれの調査といい、米軍側の我々県民を愚弄する態度、姿勢のひどさには言葉すらありません。まさに悔しかったらかかってこいのアメリカ流のけんかを売られたと言ったら言い過ぎでありましょうか。この環境汚染問題での調査はどうなっていますか。また、この調査が1カ月もおくれた合同調査となったことへの米軍への抗議は当然と考えますが、どうしてきましたか。
 カ、9月12日、沖縄国際大学への米軍のヘリ墜落に抗議して普天間飛行場の早期返還を求める宜野湾市民大会には3万余の市民・県民が大結集されました。この集会の意義を知事はどう考え、どう生かしていかれますか。
 また、日米両政府に知事の怒りをわからすためには大会に稲嶺知事も参加すべきだったと我が党は考えますが、知事の所見を求めます。
 キ、普天間基地がある限り宜野湾市民を初め近隣市町村民の生活の場にヘリが墜落することは、これからもいつでも起きることは論をまちません。1996年12月に日米両政府で5年ないし7年のうちに普天間基地を返還するという公約は既に7年余となり、ほごにされた状況です。なぜほごにされたのか冷静に考えてみれば、岸本名護市長と稲嶺知事合作の辺野古移設という選択が何ら意味をなしていないということに気がつくべきであります。
 岸本市長の7つの条件、稲嶺知事の4つの条件がいかにばかにされ続けて7年以内の移設公約がほごにされたか、その責任の所在をあっさりと指し示し怒るべきときだが、このSACO最終報告で5年ないし7年で普天間基地を返還すると約束した日米両政府の公約違反の責任を知事はどう求めてきましたか。
 また、今回の重大事故を踏まえどう新たに公約実現を求めていく考えか、所見を求めます。
 ク、一日も早い普天間基地の返還問題は10年以上もかかると言われる辺野古沖での新基地建設ではなしに、米国など県外への移設こそより現実的な考え方と我が党は考えます。今こそ県民の圧倒的不支持と自民党内部からも異論続出の稲嶺知事のクリア不可能な15年使用問題を含む軍民共用空港、名護市辺野古沖移設の公約の変更が迫られていると考えますが、知事の所見を求めます。
 次に、名護市辺野古沖での国のヘリ基地建設に向けたボーリング調査の強行に関して4点にわたって質問いたします。
 ア、9月9日、那覇防衛施設局のボーリング調査は、ごまかしの住民説明会を盾にしての決してやらないと言った頭ごなしの強行であり許しがたいものであります。県への連絡なり説明はあったのですか。
 イ、県が国のボーリング調査に関して4月7日付で公共用財産使用協議で同意した際の5点にわたる留意事項と、別紙の「調査実施の際の環境配慮事項」について文書での国からの回答はあったのですか。
 ウ、国のボーリング調査の強行の背景には、最悪の普天間基地の一日も早い返還に向けた稲嶺知事の強い姿勢と国の焦りが見え見えの蛮行と我が党は厳しく糾弾するものです。ボーリング調査への同意の際には、あれほど強くジュゴンや環境に配慮するよう求め、条件をつけた稲嶺知事の立場、責任に反するものと言わねばなりません。ボーリング調査の強行の知事の責任は一層大きいと考えますが、所見を求めます。
 エ、名護市辺野古住民の漁港現地での座り込み闘争は、4月19日以来今日まで160日余も続き大変な苦しみを強いている現実があります。これに対する知事の思いと痛みがあれば伺います。
 一方、9月10日、山中昭栄防衛施設庁長官は、代替工事着工から完成まで9年半を予測し、短縮の努力はするものの大幅な工期短縮は困難ということが明らかとなっています。環境アセスに要する3年余を含めて、まさに13年以上かかることが政府の責任ある官僚が名前も明らかにして言明したことになります。稲嶺知事が受け入れ条件とした4つの課題でも15年使用問題は日米両政府から門前払いの閉塞状況を認めるべきだし、知事の苦渋の選択が知事をして一層みずからを苦渋の状況に陥れている現実を冷静に認識すべきであります。
 もとより知事が主張されますように、基地の提供責任者は日本政府にあります。ならば、苦渋の選択を迫られるのはまさに日本政府でなければなりません。知事は、さきの日米首脳会談後の小泉総理の発言で、沖縄の基地問題は日本全体の問題とやっと総理の口から出たことを前進と評価すると言いました。
 知事、これ以上沖縄県民のためにだまされてはなりません。この総理の言葉に責任と真実を求めるために今こそ苦渋の決断を小泉総理と沖縄以外のすべての国民に対して、そしてアメリカの国益のためにこそ駐留している米軍に求めるときであると我が党は考えます。これ以上名護市民を苦しめ、宜野湾市民を恐怖のどん底に放置し、稲嶺県政が不当に責任を負わされている異常さからの解放は辺野古移設反対の知事みずからの決断、政策変更しかないと考えます。知事の決意ある答弁を求めます。
 (3)点目の質問は、金武町における米陸軍都市型訓練施設建設の問題に関して5点の質問をいたします。
 ア、5月にこの問題が惹起されて以来、県はこの問題をどうとらえ、どう日米両政府に対応してきましたか。
 イ、同問題に対する金武町当局、町議会、伊芸区民の皆さんの取り組み、闘いをどう評価しておりますか。
 ウ、同問題での金武町当局等地元からの県への要請にどう対応してきましたか。
 エ、地元金武町や県の建設反対の声を無視して、国は基地管理権を理由に米軍に何も物を言わない態度で県民要求が無視され建設が強行されている実態がありますが、この許しがたい日本政府、米軍の横暴に対し県は今後どう対処していく決意ですか。
 オ、今後、同問題で建設中止を求める県民ぐるみでの大会とか現地での阻止闘争が提起されたら、知事は積極的に参加すべきと考えますが、その決意のほどを伺います。
 また、比嘉副知事には恩納村でのかつての同種の問題での闘いの勝利の教訓は生かされると考えるのですか、またどう生かすべきと考えますか、御所見を賜ります。
 (4)番目に、地位協定の見直しに関して3点の質問をいたします。
 ア、普天間基地のヘリ墜落事故での米軍の反県民的対応や金武町での都市型訓練施設の建設強行はもはや日米地位協定の抜本改正しかないと我が党は考えますが、知事の認識と所見を求めます。
 イ、地元琉球新報社がJCJ大賞に輝いた「日米地位協定の考え方」は、日米地位協定の不平等性、反憲法性が一層浮き彫りにされたものと我が党も高く評価しています。地位協定の抜本的な改正を厳しく求めていくために日本政府が渋々認めたこの重大な文書の開示を一日も早く求めるべきと考えますが、知事の所見を求めます。
 ウ、普天間基地での重大な事故後も川口外務大臣など政府の閣僚は、日米地位協定は抜本的改正の必要はなく、相変わらず運用改善で十分との立場を主張し続けています。この県や県民を愚弄する日本政府の対米追従の弱腰を知事は今後どう打開していく決意か、所見を求めます。
 2番目の大きな質問は、県財政の確立と国の三位一体改革について5点の質問をいたします。
 (1)、県の平成17年度国庫支出金要請の特徴は何ですか。
 (2)、要請の背景に、これまで過重な米軍基地の負担の現実を国に迫る表現が盛り込まれていたものが、どうしてことしは欠落したのか。基地の問題は重要ではないという誤ったシグナルを国に送る形にならないか我が党は懸念しています。真意と県の所見を求めます。
 (3)、全国知事会が2009年度までに総額9兆円の国庫補助負担金の削減をする改革案をまとめましたが、その中身と経過と沖縄振興計画を抱える本県などの課題を県としてどうクリアさせる考えか、所見を求めます。
 (4)、義務教育費国庫負担金の削減については、我が党は反対であります。全国知事会では賛否が分かれたとのことでありますが、知事はどう判断されましたか。
 (5)、教育費の国庫負担金の削減は、離島県、多島県の本県では、他県以上に義務教育の維持に不安を抱える自治体が多いことは当然であります。財源の維持と県独自の教育への取り組みは急務と考えますが、これに対する県の所見を求めます。
 最後に、西原町内で発生した環境汚染問題に関しまして5点の質問をいたします。
 (1)、富士テックは、問題の建物を当初無許可で建築したと言われますが、その経過とその後の県の指導対応は適切だったかどうか問います。
 (2)、この会社は、農地以外の使用は認められていない農用地域に特別管理型産業廃棄物処分業の焼却炉の設置許可を得ていますが、どういうことなのか。
 (3)、この会社は、廃プラスチックなど違法な焼却を3年余にわたって行い、西原町の徳佐田、棚原、森川地域の皆さんに頭痛や鼻水などの被害をもたらしております。この調査はどうなっていますか。
 環境調査を含めて住民の側の健康調査について県も積極的に責任を持って対応するように強く求めます。その対応策を答弁として求めます。
 答弁をよろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 喜納議員の御質問にお答えする前に、委員長就任おめでとうございます。
 それでは御質問にお答えいたします。
 まず、事故に対する認識についての御質問にお答えいたします。
 今回、民間地への墜落という大変深刻な事故が発生したことは、市街地の中にある普天間飛行場の危険性を改めて示したものであり、県としては普天間飛行場の危険性を早急に除去することが緊急かつ最大の課題であると認識しております。
 次に、事故に対する日本政府の認識についての御質問にお答えします。
 去る9月1日、日本政府を代表して茂木沖縄及び北方対策担当大臣が来県して現場を視察し、県及び沖縄国際大学などの関係者との面談を行ったところであります。
 また、去る8月25日に私は小泉総理大臣にお会いした際、私から事故の状況を詳しく説明した上で県の要望について強く申し入れるとともに、沖縄の米軍基地の現状を視察していただきたい旨申し入れております。総理からは、沖縄の厳しい状況は理解している、できるだけ早く関係省庁と相談しながら何らかの形でよい方策を出したい。そして今回の事故に対しては、こういうことはあってはならない、沖縄の抱える問題に対して少しでも進めるものは進めていきたいという話がありました。
 去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍ヘリ墜落事故に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。県としては、日米両政府間の今後の協議を通して具体的な方策が検討されるよう引き続きあらゆる機会に働きかけてまいります。
 次に、事故に対する米軍側の認識についての御質問にお答えいたします。
 去る8月22日にこれまでの県や地元宜野湾市の要請、またその前日の21日に私から四軍調整官及び在沖米国総領事に直接面談し、全機種の飛行停止を求めたにもかかわらず事故機と同型機の飛行が再開されたことは県民感情や県の申し入れを無視するものであり、断じて容認できない旨、私から緊急に抗議声明を出したところであります。
 ワスコー在日米軍司令官を初め米軍関係者によるさまざまな発言が報道されておりますが、このような発言は今回の事故に対する県民感情を全く理解しておらず、甚だ遺憾であります。
 次に、宜野湾市民大会への参加についての御質問にお答えをいたします。
 去る9月12日の市民大会に宜野湾市民を初め多くの方々が参加したことは、今回の事故が極めて深刻で、市街地にある普天間飛行場の危険性に住民一人一人の強い懸念が示されたものであり、日米両政府においては重く受けとめるべきであると考えております。当日、私は東京でのNHKの討論番組に出演し、米軍ヘリ墜落事故や沖縄の過重な基地負担の現状と軽減の必要性等について全国に向け強く訴えていたところであります。
 県としては、日米両政府に対し、普天間飛行場における全機種の安全確認と実効ある再発防止策が確認されるまでの飛行停止、兵力の削減及び訓練の分散移転など、同飛行場の危険性の除去について実効性ある取り組みを強く求めていく考えであります。
 次に、SACO合意の実現についての御質問にお答えいたします。
 SACO最終報告では、「今後5乃至7年以内に、十分な代替施設が完成し運用可能になった後、普天間飛行場を返還する。」となっており、代替施設の建設が返還の条件となっております。普天間飛行場の移設問題は、前県政が最終段階において県内移設を拒否したため返還に向けた動きが全くめどのつかない状況になりました。このような状況の中からスタートしたこともあり時間を要しましたが、基本計画が策定され、環境影響評価の取り組みが開始されるなど着実に進んでいるものと考えております。
 普天間飛行場返還問題の解決については、当面の危険性除去という緊急的措置と、本来の移設・返還のそれぞれの側面から対応する必要があります。緊急的措置としては、事故原因の究明と公表、普天間飛行場における全機種の安全確認と実効ある再発防止策が確認されるまでの飛行停止、兵力の削減及び訓練の分散移転など、日米両政府に強く求めたところであります。
 次に、普天間飛行場の移設についての御質問にお答えをいたします。
 普天間飛行場については、SACO合意に従って代替施設が完成し運用可能になった後、返還されることが日米両政府によって確約されております。県としては、実効性ある代替案が政府より示されていない状況では、現在行われている移設作業を進めることがより現実的で実現可能な方法であると認識をしております。
 次は、辺野古移設についての御質問に対してのお答えでございます。
 現地で座り込みが行われていることについては憂慮しております。平和で基地のない豊かな島の実現は県民全体の願いであり理想でありますが、現実には今なお過大な米軍基地が存在し、日常的に米軍基地と隣り合わせの生活を余儀なくされております。多くの問題が複雑に絡み合っている基地問題の解決については、実現可能なものから着実に一つ一つ解決する手法が現実的な対応であると考えております。
 県としては、実効性ある代替案が政府より示されていない状況では、現在行われている移設作業を進めることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 続きまして、陸軍複合射撃訓練場に係る県の対応について一括してお答えを申し上げます。
 県は、陸軍複合射撃訓練場の建設が計画されている場所は、住民地域や沖縄自動車道に近く非常に危険であると認識しており、当初から明確に建設反対を表明しております。県は、これまで金武町や地元の意向も踏まえ、米軍を初め関係機関に対し同訓練場の建設中止を求めており、去る8月には小泉総理大臣や関係大臣、在日米軍司令官に改めて同訓練場の建設の中止を強く求めております。
 また、9月15日に来県した衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会にも建設の中止について特段の配慮を求めたところであります。
 次に、地域住民の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 現地の状況や地域の方々の活動については、大変厳しい状況の中で苦労を重ねていることを実感しております。県は、金武町や地元の意向も踏まえ、米軍を初め小泉総理大臣や細田官房長官等関係大臣に対しても陸軍複合射撃訓練場の建設を中止するよう求めております。県としては、今後とも金武町と密接に連携し、あらゆる機会に建設の中止を強く働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、建設中止への今後の対応についての御質問にお答えします。
 県としては、今後とも金武町と密接に連携し、米軍や基地の提供責任者である日本政府に対し、あらゆる機会に陸軍複合射撃訓練場の建設の中止を強く働きかけてまいりたいと考えております。
 また、基地管理権の根拠となっている日米地位協定についても、今後ともあらゆる機会を通じてその見直しに向けて粘り強く取り組んでいきたいと考えております。
 次に、建設中止についての御質問にお答えします。
 県は、陸軍複合射撃訓練場の建設中止に向け金武町と密接に連携をしながら取り組んでいるところであります。県は、県の立場から米軍や基地の提供責任者である日本政府に対して働きかけているところであります。
 次に、基地問題に対する日米地位協定の抜本的見直しについての御質問にお答えいたします。
 県としては、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、日米地位協定を抜本的に見直す必要があるという考えから、平成12年8月に日米両政府に対し11項目にわたる見直しを要請しております。米軍ヘリ墜落事故の対応や陸軍複合射撃訓練場の建設問題でも日米地位協定の問題が改めて浮き彫りになっております。県としては、今後ともあらゆる機会を通じて日米地位協定の抜本的見直しに向けて粘り強く取り組んでいきたいと考えております。
 次に、日米地位協定の見直しへの決意についての御質問にお答えをいたします。
 県は、日米地位協定の抜本的見直しを実現させるためには積極的に多くの国会議員に働きかけて政府を動かす必要があると考えており、各団体等と連携しながら全力で取り組んできたところであります。特に自民党に対して、日米地位協定の問題を検討する党の正式機関を設置するよう要請を重ねた結果、安全保障を総合的に議論する特別調査会を10月に設置し、その中で日米地位協定についても検討したいとしております。
 また、昨日退任されました茂木沖縄・北方対策担当大臣は、日米地位協定そのものの全面的な検証の必要性について述べており、日米地位協定の見直しについての認識が広がりつつあると考えております。県としては、今後ともあらゆる機会を通じて日米地位協定の抜本的見直しを粘り強く求めていきたいと考えております。
 次に、義務教育費国庫負担金についての対応と財源の維持に対する課題についての御質問に一括してお答えいたします。
 義務教育費国庫負担金について、地方六団体の改革案は、義務教育における国と地方公共団体との適切な役割分担を踏まえ、国の責務を法律上明記すること、都道府県間において教育費の水準に著しい格差が生じることがないよう考慮すべきこと、離島の小規模校の小中学校に係る教職員給与等について地方交付税上配慮が必要であること、財政力の弱い地方公共団体に対する地方交付税による確実な財源措置を行うべきことなど、税源移譲後の義務教育の水準確保に関することが盛り込まれたことから、本県は改革案に賛成したものであります。
 義務教育費国庫負担金が廃止され一般財源化される場合でも、教育の機会均等及び教育水準の維持の観点から、教職員の配置等に支障が生じないよう地方六団体とともに明確かつ確実な財源措置を国に強く求めているところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○副知事(比嘉茂政) 過去の教訓をどういうふうに生かすか、複合射撃訓練場の建設中止の問題でお答えいたします。
 この複合訓練施設の建設の問題が起こったときに真っ先に感じましたのは、私が村長時代に、もう15年くらい前ですけれども、また同じような問題が起こるのかなと。相変わらず基地の被害に悩まされている県民の日常生活というのがあるというふうに思ったところであります。
 そして、金武町長を初め地元の区長さんなどにお会いするたびに当時のことを思い出して、施設の建設中止を強く求めていかなければならないと思っているところであります。
 私もキャンプ・ハンセン、金武、宜野座、恩納などの状況をよく知っていますし、またこの問題が起こってから公式でなく、例えば休み、日曜日に自分でもよくあの現場を見ております。そのようなこともありまして、このことは知事にその都度お伝えしているところであります。
 そして、一番この建設中止の主体になるのはもちろん地元であります。金武町の場合には町長が実行委員会の会長、そして区長さんを初めまさに伊芸区の地元の皆さんが頑張っているわけであります。その地元の意向が米軍あるいは日本政府にどういうふうに届くか、その届かせ方をどうするのか、これが私ども県としてもぜひこの地元の意向に沿って中止を求めていかなければならないと思っております。
 そのことで県はこれまでも、先ほど知事もお答えしましたが、金武町や地元の意向を踏まえ、米軍を初め関係機関にその都度同訓練場の建設中止を求めてきたところであります。今後ともそのような姿勢で取り組みをしていきたいと思っております。
 終わります。
○警察本部長(三浦正充) 事故当日の県警の対応及び米軍への要請の状況等についてお答えをいたします。
 県警は、8月13日午後2時19分ごろ、事故発生を認知いたしました。所轄の宜野湾警察署長以下署員が直ちに現場へ臨場する一方、県警本部から捜査第一課長を初めとする関係所属各幹部及び捜査員を現場へ急行させ、負傷者の救護、現場保存、目撃者の確保、事故現場での写真撮影、交通規制等捜査活動を初めとする現場活動を実施いたしました。途中、安全性の懸念があったため墜落現場直近への立ち入りを控えたものの、安全性が確認された14日夕刻以降は現場直近での捜査活動を再開しております。
 他方、日米地位協定及び刑事特別法により米国の財産についての差し押さえや検証にはアメリカ側の同意を必要とするため、事故発生翌日の14日には米軍当局に対し令状に基づく米軍ヘリの機体についての検証の同意請求を行いましたが、8月17日に米軍当局から検証には同意できない旨の回答がありました。そこで同日、機体を除く事故現場に対する検証を開始するとともに、8月20日には米軍当局に米軍ヘリ機体の検証を嘱託したところであります。これについては、現在、米軍において調査中であると認識をしております。
 県警においては、今後も米軍の協力を得ながら捜査を進めてまいりたいと考えております。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 米軍ヘリ墜落事故に伴う環境調査についてお答えいたします。
 事故現場における環境調査につきましては、米軍と合同で去る9月13日から実施しております。県としては、事故に伴う環境への影響を適正に把握するため、合同調査の計画段階から調査項目や調査手法、調査範囲等について米軍、那覇防衛施設局、沖縄国際大学、宜野湾市及び県の五者で協議を行うとともに、サンプリングの際は随時立ち会っております。
 9月18日までに、墜落現場や尾翼ローターの落下地点を中心に計29地点から土壌を採取するとともに、地下水を2地点から採取しており、現在、重金属等の有害物質、油分含有量、ストロンチウム90や劣化ウランについて分析作業が進められております。また、米軍が機体の破片や燃え殻とともに撤去した表層土壌についても合同での環境調査に含めるよう申し入れを行い、9月15日に県及び沖縄国際大学の職員立ち会いのもとサンプリングが行われ、同様に有害物質や放射能の分析作業が進められております。
 なお、分析結果は11月中旬までに取りまとめられる予定ですが、事故に伴う環境への影響については五者で総合的に評価したいと考えております。
 次に、西原町内で発生した環境汚染問題について、特別管理産業廃棄物処分業の許可についてお答えいたします。
 県においては、同事業者が西原町において感染性廃棄物の焼却を行うため、廃棄物処理法に基づく特別管理産業廃棄物処分業の許可申請があったことから、同法の許可基準に合致していることを確認し、平成13年8月に許可を出したところであります。
 廃棄物処理法以外の関係法令上の手続については、基本的に事業者みずからの責任において対応すべきですが、県においては事業者に対し関係法令を遵守するよう、口頭や資料提供により周知を図っているところであります。
 県におきましては、各部局間の連携を一層図るため、去る9月7日に関係法令を所管する土木建築部、農林水産部及び企画開発部の担当課と調整会議を開催したところであります。また、9月15日には県内の産業廃棄物処理業者を対象に産業廃棄物の適正処理講習会を開催し、廃棄物処理法と関係法令との関係について等を説明し、関係法令の周知を図っているところであります。
 次に、これまでの指導状況についてお答えいたします。
 この事例につきましては、去る6月8日に当部へ匿名で苦情の情報があったことから、南部保健所が6月11日からこれまで数回の夜間を含めた立入調査や、事業者を保健所に呼び出すなどして調査を行った結果、廃プラスチック類について産業廃棄物処理施設設置許可を得ないで焼却していたこと、収集運搬業の許可で積みかえ保管施設がないにもかかわらず積みかえ保管行為を行っていたこと等の違反事実が確認されたことから、9月7日に南部保健所が焼却炉での焼却の中止、保管している感染性廃棄物は排出事業者の了解のもと、9月30日までに適正に処理すること等の警告書を出したところであります。
 同事業者は、県の警告に従って改善を図っており、9月13日までには焼却炉2基をすべて撤去しております。また、現在保管されている感染性廃棄物については撤去作業を進めているところであります。県としては、同事業者に対して警告書の遵守状況を監視していきますが、警告書に従わない場合にはさらに厳正に対処していくこととしております。
 次に、健康や環境調査を要請されているが、県の所見を伺いたいという御質問にお答えをします。
 去る9月6日の西原町議会からの要請及び9月17日の地域住民からの要請があり、健康及び環境調査の実施等を求める内容となっております。
 産業廃棄物の処理に伴う環境影響があった場合には、一義的に原因者負担の考え方に基づき原因者が責任を負うことになっております。県では、同事業者に対し許可条件として、環境に関する苦情等の申し出があった場合には、その原因を調査し適切な措置を講ずることを付しており、今後、同事業者にその遵守を求めていくことにしております。
 また、地域の健康及び環境調査等に関しては、地元西原町と相談しながら対応していきたいと考えております。
○知事公室長(府本禮司) 合同の環境汚染調査についてお答えいたします。
 事故現場における土壌汚染調査は、県の要請に基づき米軍が那覇防衛施設局、沖縄国際大学、宜野湾市及び県に呼びかけ合同で実施することになったものであります。
 当該調査に関する第1回目の会議は去る8月26日に開催されましたが、米軍が会議の目的等を説明せずにすぐに調査内容の調整を行おうとしたこと等の理由により、会議は意見交換会に変わりました。その後、去る9月2日に第2回目の会議が開催され、環境調査を合同で行うことを合意しました。9月13日には放射能調査や土壌等のサンプリングを開始し、現在分析作業が進められているところであります。
 次に、ボーリング調査の県への連絡についてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設に係る現地技術調査は、去る9月9日の午後から開始されており、県は、当日の午前10時50分ごろに調査開始の連絡を受けております。
 次に、ボーリング調査開始についてお答えいたします。
 ボーリング調査については、那覇防衛施設局から提出された公共用財産使用協議に対し、県は、留意事項や環境配慮事項を付して同意したところであります。
 那覇防衛施設局は、県から示された留意事項や配慮事項を踏まえ現地技術調査を実施することとしており、引き続き地域住民の生活環境やジュゴンを含む自然環境に十分配慮しつつ調査を実施していただきたいと考えております。
 次に、地位協定の考え方の開示要求につきましてお答えいたします。
 県は、平成16年1月及び7月に当該増補版の提供を外務省に依頼しましたが、アメリカ合衆国との交渉上不利益をこうむるおそれがある、または信頼関係が損なわれるおそれがあるなどの理由で提供できないとの回答でありました。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 公共用財産使用協議に同意した際に付した留意事項と環境配慮事項への文書回答についてお答えいたします。
 県が公共用財産使用協議に同意する際に付す留意事項等については、住民生活や環境保全のために事業者みずからの責任と負担で検討すべきものとして示したものであり、特に公文書による回答を要するものではありません。しかしながら、事業者からは着手届けの際に「普天間飛行場代替施設に係る現地技術調査実施時の環境への配慮事項」が県に対して提出されております。
 次に、無許可建築物の経過と指導対応についてお答えいたします。
 西原町字棚原の当該建築物については、平成14年8月に西原町から中部土木事務所あてに違反建築の通報がありました。これを受け、同月中に当土木事務所において現場調査及び建築主の事情聴取を行い、当該建築物が建築基準法に基づく建築確認を得ていないことから、建築基準法第12条に基づく報告を求め、平成15年2月に当該建築物の用途は牛舎であること等の報告書を受理しております。
 この報告書により、建築基準法に規定する当該建築物の安全上及び構造上の問題がないこと、また当該地域は市街化調整区域であることから都市計画法の許可を要しない建築物であることを確認しました。
 その後、平成16年8月11日に西原町から、当該建築物が産業廃棄物処理施設への用途変更をしている旨の報告を県建築指導課において受けております。このため、8月20日に現場調査を行い、産業廃棄物処理施設等に使用していることが確認されたことから、9月8日に建築主の事情聴取を行いました。その際、産業廃棄物処理施設の用途の部分については都市計画法に違反することを指摘し、9月16日付で勧告書を送付し是正結果の報告を求めているところであります。
 以上です。
○総務部長(仲田輝享) 平成17年度国庫要請の特徴についてお答えします。
 平成17年度は、沖縄振興計画の4年度目であるとともに、第2次の分野別計画の初年度に当たることから、引き続き活力ある民間主導の自立型経済の構築を目指し、産業の振興、雇用の創出、離島地域の振興などの諸施策を展開する重要な年度であります。このため、県においては、沖縄振興計画に基づく自立型経済の構築に向けた産業の振興、雇用の安定と職業能力の開発、科学技術の振興と国際交流・協力の推進、持続的発展を支える基盤づくりなどの諸施策の着実な推進のための所要の措置について要請いたしました。
 特に、沖縄科学技術大学院大学の設置や離島地域の活性化に向けた取り組み、新石垣空港整備の新規事業採択について特段の配慮をお願いしたところです。
 さらに、三位一体の改革が進められる場合であっても、沖縄振興特別措置法の趣旨が損なわれることなく、また沖縄振興計画の着実な推進に支障が生じないよう要請したところであります。
 次に、国庫支出金要請書における米軍基地の記述についてお答えいたします。
 広大な米軍基地の存在など、本県を取り巻く社会経済情勢は依然として厳しいものがあるとの基本的認識に何ら変わりはありません。
 平成17年度の国庫支出金要請に当たっては、離島地域の役割と振興の重要性について盛り込む必要があったこと、また三位一体の改革が進められる重要な時期であったことから、本県の特殊事情にかんがみ講じられている各種の特別措置について配慮していただくよう記述する必要があったことなどから従来の記述を整理したものであります。
 なお、国等に対しては、これまでも本県の置かれた歴史的、地理的、自然的事情や米軍施設・区域が集中するといった社会的事情などの特殊事情を明記した上で、三位一体の改革に関する要請を行ってきていることから、本県の考え方は国に伝わっているものと考えております。
 次に、改革案取りまとめの経過と本県の課題を県としてどうクリアさせるかについてお答えいたします。
 去る6月4日に閣議決定された「基本方針2004」で、地方団体に対し国庫補助負担金改革の具体案の取りまとめが要請され、これを受け8月24日に地方六団体から国に対し「国庫補助負担金等に関する改革案」が提出されたところであります。
 この中で、平成17年度及び平成18年度における廃止国庫補助負担金の額を3.2兆円とし、平成21年度までに総額9兆円程度を廃止することとしております。
 同改革案の取りまとめに当たり、本県は沖縄振興計画に基づく施策を推進中であることから、歴史的、地理的、社会的事情等の特殊事情にかんがみ、特定地域において講じられている補助制度に係る特例措置については、その趣旨を踏まえ必要な措置を講じるべきであると主張し盛り込んでいただいたところであります。
 さらに、本県が求めてきた離島等に対する地方交付税上の特段の措置や、財政力の弱い地方公共団体に対し確実な財源措置がなされるべきであることなどが盛り込まれております。今後、県としては、三位一体の改革が進められる中においても、沖縄振興特別措置法の趣旨が損なわれることなく、また沖縄振興計画の着実な推進に支障が生じないよう必要な措置を引き続き国に求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 独自の教育への取り組みについてお答えいたします。
 本県では、県独自の教育施策として、17年間にわたり学力向上対策を実施し基礎学力の定着に努めてきました。また、全国に先駆けたIT教育センターの設置や教育用コンピューター及び校内LANの整備等によりコンピューターで指導できる教員の割合が92.4%で全国でもトップとなり、児童生徒や教師のコンピューター活用能力も著しく伸びております。
 国際理解教育においても、沖縄ハワイ高校生交流事業や高校生の海外派遣研修、小学校英語教育活動の導入などを推進しております。また、ユイマール精神を生かした「子どもの居場所づくり」を進め青少年の健全育成を図っております。今後、本県の独自性、優位性を生かした教育の推進に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(外間盛善) 以上をもって代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで終了いたしました。
 次会は、明29日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後2時18分散会

 
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