平成16年(2004年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 9月30日
 


○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 本日、知事から、お手元に配付いたしました議案2件の提出がありました。
   ――――――――――――――
○議長(外間盛善) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、甲第2号議案、乙第1号議案から乙第15号議案まで及び認定第1号から認定第24号までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 平良長政君。
   〔平良長政君登壇〕
○平良 長政 一般質問を行います。
 1、知事の政治姿勢について。
 (1)、イラク戦争について。
 ア、9月13日、上院公聴会でパウエル米国務長官は、イラクの大量破壊兵器が見つからない問題で、いかなる備蓄も発見されておらず、今後も発見することはないだろうと表明した。誤った情報でイラク侵攻したブッシュ米大統領らの政治的責任も重大だと思う。知事の感想を聞きたい。
 イ、9月15日、イギリスBBCのインタビューで国連のアナン事務総長は、イラク戦争は違法だったと述べ、今後、国連での合意がない軍事行動が行われないことを願うと強調した。このアナン見解についての知事の感想を聞きたい。
 ウ、上記のア、イを受けてのけじめとして大義なきイラク戦争から自衛隊は撤退すべきと思うがどうか。
 (2)、米大統領選について。
 ア、11月2日投票の米大統領選もいよいよ終盤を迎え、今月末からはテレビ討論も始まる。米メリーランド大学などが世界35カ国で世論調査をしたところ30カ国でケリー支持だったというが、もし知事に投票権があればだれに投票しますか。それはなぜですか。
 イ、ブッシュの共和党とケリーの民主党の対外基地政策に違いがありますか。
 ウ、だれが勝った方が沖縄基地問題解決にとって有利と考えますか。
 エ、だれが勝っても基地は変わらない、問題は日本政府にあるとの考えについてはどうですか。
 オ、ブッシュも小泉も見たくないと言ったマイケル・ムーア監督の「華氏911」を見ましたか。見ていたら感想を、見ていなければ見ていない理由をお聞かせください。
 (3)、日本の国連常任理事国入りについて。
 ア、9月21日、小泉首相は日本の国連常任理事国入りの希望を国連で演説をいたしました。同じく常任理事国入りを目指すドイツは、戦後の近隣諸国との友好関係と信頼醸成の中でお隣のイギリス、フランスが支援表明いたしました。
 一方、我が国は戦後処理や首相の靖国参拝などアジアとの冷たい近隣外交で、お隣の中国や韓国は冷ややかであります。国際舞台でただアメリカ追随だけが目立つ日本の常任理事国入りで果たして何ができるのか疑問でありますが、知事の認識をお聞きします。
 (4)、郵政民営化について。
 ア、9月10日、「郵政民営化の基本方針」が閣議決定され、2007年4月に日本郵政公社を郵便、貯金、保険、窓口ネットワークの4つに分社化して民営化する大枠が決まりました。窓口ネットワーク会社というのもよくわからない会社です。優遇措置を受けたまま民営化することで民間を圧迫する怪物となる懸念や、ニュージーランドの例のように民営化後、地方都市の郵便局廃止が相次ぎ、事実上復活する動きにありますが、多くの有人離島を抱える県知事として郵政民営化についての見解をお伺いします。
 (5)、プロ野球のストライキについて。
 ア、日本プロ野球選手会が史上初のストライキを9月の18日、19日の両日成功させました。近鉄とオリックスの統合問題から端を発しましたが、一部経営者側の「たかが選手のくせに」発言や、ストライキをしたら損害賠償請求するなどとおどす、およそ憲法や労働法を知らない前近代的経営者陣に分が悪く、整然たるストに国民は多くの拍手を送りました。いすゞ自動車労組の全国委員長も務めた稲嶺知事の今回のストライキについての感想をお聞きしたいと思います。
 イ、プロ野球キャンプ地としてにぎわう沖縄で野球ファンをふやすためにも公式戦ができないものか、県として公式戦開催をお願いしたらどうか。
 2、基地問題について。
 (1)、米軍ヘリ墜落事故に関連して。
 ア、南米で事故発生を最初に聞いたときの知事の感想を聞かせてください。
 イ、辺野古移設まで16年かかるといいますが、その間、再び事故が起こらないという保証はありません。死者が出てから辺野古移設断念ではいかにも情けないことであります。22メートル掛ける5メートルの巨大な鉄塊が空から降ってきて死者が出なかったのは神様のおぼしめし。賢者は、死者が出ないうちに決断すべきと思うがどうか。
 ウ、事故で死者が出た場合、だれが責任をとるのか。知事辞任で済むと考えておられるのか。
 エ、田中眞紀子前外相は9月10日東京での講演で、ヘリ墜落事故に関して、小泉首相は夏休みだといって十二、三日後に沖縄県知事と会った。メディアも政治家も沖縄に行け、南に行けと言ったのに、彼は北方四島へ行ったと批判。さらに、今度は南に行くと言った。どこに行くかというとブラジルだ。方向音痴だとこきおろしたと報道されております。小泉首相の沖縄への冷たい対応、姿勢について知事はどのように感じておられますか。
 オ、9月20日、米軍再編をめぐって日本側から初めて対案が提示されました。米軍横田基地と航空自衛隊との共用化に限定し、米軍から打診されていた普天間基地の早期返還は完全に抜け落ちました。このことについての知事の考えもお聞かせください。
 カ、墜落した機体の回転翼安全装置6個にストロンチウム90が使用されていることが明らかになりました。ストロンチウム90は、少量でも体内に入れば発がん性の高い放射線を出す危険な物質で、燃焼した可能性が高いと言われております。専門家は、米軍は今後数十年にわたって住民の疫学的な健康調査を実施する責任があると言っているが、県はどうするおつもりですか。
 (2)、米議会の海外基地見直し委員会について。
 ア、同委員会はどのような状況にありますか。
 イ、公聴会出席はどうなっておりますか。
 ウ、同委員会メンバーが11月に訪沖するとの情報がありますがどうですか。
 (3)、日米地位協定の見直しについて。
 ア、外務省機密文書「日米地位協定の考え方」増補版の入手についての感想をお伺いします。
 イ、増補版を読んでの感想をお伺いします。
 ウ、ヘリ墜落事故を受けて、地位協定のどこをどのように改正すべきと考えますか。
 (4)、沖縄陸自の増強について。
 ア、防衛庁は沖縄の陸上自衛隊について約850人の連隊を新設し、2300人規模の旅団に増強する方針を固め、宮古島への配置も検討するとされております。全県下を軍事基地化しようとするもので許せません。知事の見解を問います。
 3、教育問題について。
 (1)、少人数学級について。
 ア、文部科学省の方針はどうなっておりますか。
 イ、全国的状況と傾向はどうなっておりますか。
 ウ、本県の現状と今後の方針はどうなっていますか。
 (2)、統合教育について。
 ア、沖縄タイムス社が昨年1年かけて連載した「学校好きなんだ」は、新聞労連の第8回大賞優秀賞に輝き、七つ森書館から上梓されました。もし教育長が読まれておりましたら感想をお聞かせください。
 イ、統合教育について見解をお伺いいたします。
 4、海洋資源の開発利用について。
 海洋資源の開発利用については、沖縄の振興を図る上で極めて重要であるとの観点から私はその促進を訴え続けてまいりました。そして今、原油高騰が懸念され、中国の開発調査活動が本格化する中で、尖閣諸島を含む東シナ海の豊富な海洋資源の開発にようやく国が腰を上げたという状況です。政治、行政、そしてマスコミを巻き込んで今最もホットな話題となり国民的な関心が高まる一方でもあります。
 このような動向を踏まえ県も積極的に対応すべきであり、独自に調査船を派遣するなどの思い切った取り組みも必要ではないかと考えます。
 そこで質問いたします。
 (1)、国の動向を踏まえ、県はどういう姿勢、決意で取り組んでいかれますか。
 (2)、16年度調査の具体的項目や内容についてお伺いします。
 5、「帰ってきた琉球の秘宝展」について。
 (1)、ごらんになった御感想をお聞かせください。
 (2)、故宮博物院に公開展示されずに倉庫に眠っている琉球王朝時代の献上物の宝物――今回の秘宝展示物はそのごく一部――を学術員を派遣して確認し、リストを作成すべきと思いますがどうですか。
 (3)、故宮博物院及び倉庫は、現在老朽化し雨漏りがひどいようで、2008年の北京オリンピックまでに補修する予定と聞いております。世界じゅうから観光客が訪れる同院内に常設の展示コーナー「琉球コーナー」を沖縄側から費用を一部負担して設置したらどうでしょうか。それができれば沖縄県の宣伝にもなり、中国人はもちろんのこと、海外からの観光客誘致にもつながると考えます。観光予算と考えても意義のあることで、今後の我が県と中国との関係発展にも大きく寄与するものと確信をいたします。
 6、我が会派の髙嶺善伸議員の代表質問との関連で、米軍ヘリ墜落事故後の県と県警の対応についてお伺いいたします。
 (1)、米軍基地内及び基地外で事故が起こった場合の県や県警のマニュアルはどうなっていますか。
 (2)、1968年の九大構内と77年の横浜市にF4ファントム戦闘機が墜落、88年の愛媛県伊方町にヘリが墜落したケースでは、いずれも日米捜査当局間で合同捜査が行われています。なぜ米軍は今回のケースで合同捜査を拒否したのでしょうか。
 ア、合同捜査の拒否はだれがだれに伝えましたか。その拒否理由は何ですか。その後の対応はどうしましたか。
 イ、他県で合同捜査ができ、沖縄でやらないのは沖縄返還協定締結の際、沖縄基地の自由使用の秘密協定があるからではないでしょうか。
 答弁によりまして再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 平良長政議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、米大統領選挙についてでございます。
 だれを米国大統領に選ぶかは米国民が判断することであり、答える立場にはありません。
 続きまして、「華氏911」についてのお答えでございます。
 実は見ておりません。しかし、別に他意があるわけではない。非常に評判の映画というのは関心がありますが、私、実はほとんど映画を見る暇がございませんので、それだけの理由でございます。
 次に、日本の常任理事国入りについてお答えいたします。
 平和を脅かすさまざまな問題を解決し、平和共存の世界を実現するためには、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、国連を中心とした不断の外交努力により問題の平和的解決に努めることが望ましいと考えております。小泉首相は、国際社会の平和と安全の維持に向けた我が国の役割を果たすため、国連総会において日本が安全保障理事会の常任理事国入りを目指すとの演説を行ったものと理解をしております。
 次に、日本プロ野球選手会のストライキについての御質問に対するお答えでございます。
 労働組合日本プロ野球選手会の今回のストライキは、球団の統合に関連して移籍、解雇が出る可能性のある選手の労働条件の維持・改善等を目的として実施されたものと認識しております。その後、労使双方の努力と歩み寄りによって一応の解決を見たところであり、今後とも健全な労使関係のもとでプロ野球界の発展と多くのファンの期待にこたえていただきたいと思います。
 次に、事故発生の第一報を受けた際の感想についてお答えいたします。
 私は、海外出張のためボリビアのサンタクルス市内に滞在しておりましたが、現地時間で8月13日午前2時15分ごろ――沖縄では同日の15時15分です――就寝中であった私のところに、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落炎上したとの第一報が入りました。民間地への墜落という極めて深刻な今回の事故はあってはならない事故であり、国や米軍に強い態度で臨まなければならない決意をいたしました。
 その後、牧野副知事から電話がありましたので、その際、強い態度で臨むようにということを申し上げたところでございます。
 次に、辺野古移設についての御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場返還問題の解決については、当面の危険性除去という緊急的措置と、本来の移設・返還のそれぞれの側面から対応する必要があります。
 緊急的措置としては、事故原因の究明と公表、普天間飛行場における全機種の安全確認と実効ある再発防止策が確認されるまでの飛行停止、兵力の削減及び訓練の分散移転など、日米両政府に強く求めたところであります。
 また、本来の移設・返還については、SACO最終報告で日米両政府によって確約された返還の方針に基づき、現在行われている移設作業を進めることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。普天間飛行場の返還については、日米両政府に対し、これまで以上に作業を加速させることにより、同飛行場の一日も早い返還を求めているところであります。
 次に、事故の責任についての御質問にお答えいたします。
 今回の民間地への墜落事故は、人命の犠牲を招きかねなかった大変深刻な事故であり、事故の当事者である米軍と政府は重く受けとめるべきであると考えております。そのため、今後危険性の除去に向け全力を尽くしていきたいと思います。
 次に、沖縄に対する総理の対応についてのお答えでございます。
 去る8月25日に私が小泉総理大臣にお会いした際、総理からは、沖縄の厳しい状況は理解している。できるだけ早く関係省庁と相談しながら、何らかの形でよい方策を出したい。そして、今回の事故に対しては、こういうことはあってはならない。沖縄の抱える問題に対して少しでも進めるものは進めていきたいという話がありました。去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍ヘリ墜落事故に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認をしております。
 続きまして、在日米軍の再編についての御質問のお答えでございます。
 去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍ヘリ墜落事故に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。県としては、日米両政府間の今後の協議を通して負担軽減の具体的な方策が検討されるよう引き続きあらゆる機会に働きかけてまいります。
 次に、海外基地見直し委員会の活動等についての御質問に一括してお答え申し上げます。
 公聴会への出席については、在沖米国総領事や米国連邦議会の関係者及び在日米国大使館首席公使に対しても協力をお願いしたところです。現在、公聴会の開催予定や現地調査の有無等についての問い合わせを行っており、今後とも関係機関等を通じ、合衆国海外軍事施設の構成見直しに関する委員会の活動予定等の把握に努め、積極的な働きかけを行いたいと考えております。
 次に、ヘリ事故に伴う日米地位協定の見直しについての御質問にお答えいたします。
 今回の米軍ヘリ墜落事故に関し、事故現場が民間地域であるにもかかわらず、警察や消防等の日本側が現場検証や立入規制等の対応を主導することができなかったとの指摘が各方面からあったことから、日米地位協定第23条や刑事裁判管轄権に関する日米合同委員会合意等の関連する規定を検証する必要があると考えております。
 次に、海洋資源開発利用に関する県の取り組み姿勢、決意についてお答えいたします。
 国は、東シナ海の排他的経済水域内での海洋資源について調査を開始するとともに、ことし8月に「大陸棚調査、海洋資源等に関する関係省庁連絡会議」を設置するなど、海洋資源調査の動きを活発化させております。
 資源・エネルギー政策は基本的に国の主導で行われますが、本県周辺海域の海洋資源の開発は、新たな産業の創出や雇用の増大など経済的波及効果が期待されることから、県としてはその開発及び利活用を促進することが重要な課題だと考えております。そのため、県では、平成15年度から基本調査を行っているところであり、今後とも国の動向を注視しながら継続して本調査を進め、県が取り組むべき事項等海洋資源の開発利用促進に向けた検討を行ってまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) イラク戦争に関する発言への感想等についてお答えいたします。関連いたしますので一括してお答えいたします。
 パウエル国務長官やアナン事務総長の発言は、それぞれの立場でなされたものと考えております。また、イラクにおける自衛隊の活動は、去る6月28日のイラクへの主権移譲以降、多国籍軍に参加する形で継続されております。自衛隊の活動は、日本国政府の指揮のもとでイラク特措法に基づき主体的に人道復興支援を中心に活動しているものと考えております。
 次に、対外基地政策の違いについてお答えいたします。
 在外米軍について、ブッシュ大統領がアジアと欧州に駐在している米軍6万から7万人を今後10年間で削減する方針を示したことに対し、ケリー大統領候補は、在外米軍の削減計画は北朝鮮に誤ったメッセージを送ることになる。正しい時期に思慮深い方法で実行する必要があり、今はその時期ではない旨の発言がなされております。
 次に、沖縄の基地問題への取り組みにつきまして一括してお答えいたします。
 本県の過重な基地負担の軽減については、米国大統領選挙の結果に関係なく日米両政府間において協議すべき問題であります。
 沖縄における基地問題は、基地が集中する本県だけの問題ではなく、我が国の外交や安全保障にかかわる全国的な問題として政府全体で考えるべき問題であると考えております。県としては、今後とも日米両政府に対し、基地の整理縮小や負担軽減等についてあらゆる機会に働きかけてまいります。
 次に、健康調査に関する県の対応につきましてお答えいたします。
 事故機に搭載され気化したとされるストロンチウム90による環境への影響については、県や沖縄国際大学による事故現場における土壌調査の結果、いずれも大学構内の対照土壌と比較して異常がありませんでした。現在、米軍と合同でより詳細な放射能調査を実施しており、その結果と合わせてストロンチウム90による環境への影響についても総合的な評価を行いたいと考えております。
 なお、気化したとされるストロンチウム90による影響については、事故当時の拡散状況や人体への危険性はないとした根拠を明らかにするよう米軍に求めたいと考えております。
 海外基地見直し委員会についてお答えいたします。
 合衆国海外軍事施設の構成見直しに関する委員会は、現在5名のメンバーで活動しております。去る7月14日に第1回の公開会議が開催され、2回目が9月2日に開催されたと承知しております。
 「日米地位協定の考え方」増補版に関する感想等について一括してお答えいたします。
 県は、これまでの国会での質疑や県の個別事例の照会などを通じてその概要は把握しております。県としては、改めて日米地位協定そのものの抜本的な見直しが必要であると考えております。
 自衛隊の増強についてにお答えいたします。
 沖縄への陸上自衛隊の増強について防衛庁に確認したところ、新聞報道等でなされているようなことはないとのことであります。
 次に、沖縄返還協定締結の際の秘密協定についてお答えいたします。
 この件につきまして外務省に照会したところ、御指摘のような事実はないとのことでありました。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 郵政民営化に対する見解についてお答えいたします。
 本県は多くの離島・過疎地域を抱えており、これらの地域においては郵政事業と住民生活とは極めて密接な関係にあり、今後とも郵政事業の安く、あまねく公平なユニバーサルサービスの確保は欠かせないものと考えております。
 去る9月10日の閣議決定においては、郵政事業の窓口は住民のアクセスが確保されるように配置する旨の努力義務を課すことや、過疎地の拠点維持に配慮すること、引き続き郵便のユニバーサルサービスの提供義務を課すなどの内容が盛り込まれております。今後、政府において関連法案の提出等の準備を進めることとされており、県としては離島・過疎地域における郵政事業のサービス低下を来すことがないよう適宜国へ働きかけていきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) プロ野球公式戦の招致についてお答えをいたします。
 プロ野球公式戦の招致については、スポーツ振興や青少年の健全育成、観光PRの観点から大変有意義であると考えております。しかしながら、プロ野球関係者によれば、公式戦を開催するためには少なくとも2万5000人規模の球場があること、また公式戦主催チームは相手チームの交通費、滞在費等の経費を負担する義務があることから、連続3試合の開催が興業的に成立することが必要とのことであります。残念ながら、現在県内には規模、内容において公式戦開催に十分に適合する球場がないことから、公式戦誘致については今後の球場整備の状況を見ながら検討してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 文部科学省の方針と全国の状況について一括してお答えします。
 文部科学省は、第7次教職員定数改善計画により少人数による授業などきめ細かな指導を行う学校への支援を認めております。
 また、平成16年度から加配定数の運用を弾力化し、都道府県の判断で少人数学級編制に活用することも可能としております。このことを踏まえて、全国では42の道府県で実態に応じた少人数学級編制が導入されております。
 本県の実施状況についてお答えします。
 本県では、学習習慣と生活習慣が十分ではなく、きめ細かな指導が必要とされる小学校1年生を対象に30人前後の学級を編制してきました。実施状況としては、導入初年度の平成14年度は13校、昨年度は20校、今年度は対象学年を2年生まで拡大して対象校52校中50校で実施しております。今後は、国の動向等を踏まえ、小学校低学年の少人数学級編制を継続できるよう努力していきたいと考えております。
 次に、「学校好きなんだ」の感想についてでございます。
 御紹介の本を読み終えて私が最初に浮かんできたのが、16名の子供たちの笑顔でした。そして、保護者の皆さんの熱い思いが伝わってきました。
 2度目に読んで考えたのが、子供の教育的ニーズにどうこたえてあげられるのかということでした。一人一人への理解、一人一人との対話、一人一人への教育愛の大切さを特別支援教育を進める上で実感しております。
 次に、統合教育についてお答えいたします。
 社会においてはノーマライゼーションの理念が浸透し、学校教育においてもその理念を受けて統合教育という考え方が生まれてきたととらえております。子供たちが一緒に学び合う中でその可能性を最大限に伸ばすことに意義があると理解しております。
 学習指導要領では、その方法の一つとして交流教育を位置づけ、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒との相互理解を推進しております。さらに、特別支援教育として個々の教育的ニーズに応じた支援を図っていくために多様な選択肢を準備し対応することが求められております。県教育委員会としては、障害のある児童生徒一人一人のニーズに応じた教育的支援及び就学指導ができるよう、各市町村教育委員会との連携を図っているところであります。
 秘宝展についてお答えします。
 昨年、故宮博物院において琉球関係の宝物を見てきたところであります。今回、地元での秘宝展開催に期待をしていました。実際に見て、改めて琉球王朝文化のすばらしさを感じました。琉球の漆芸、染織等の高度な技術、現代ではまねることのできない卓越したデザインや色づかいなど、沖縄文化の原点を感じ取ることができました。多くの県民がこれら貴重な文物を通して琉球王朝文化の価値や、琉球と中国の文化的交流を実感できたのではないかと思っております。
 琉球の宝物リストについてお答えいたします。
 県教育委員会は、昨年12月に本県では初めて北京故宮博物院と協議書を調印しました。これは沖縄関連文化財の共同調査に関するもので、その内容としましては、故宮博物院の職員を招聘し、沖縄からも専門職員等を派遣して調査を行い、ポジフィルム、カラー資料等の提供を行い報告書を作成するというものです。これまでの共同調査で判明したことは、同院に約450点の琉球関係の文物が所蔵されていることなどであります。今後は、すべてをリストアップし全体像を把握し、さまざまな文化交流に役立てていきたいと考えております。
 琉球の常設展示コーナーについてお答えいたします。
 北京故宮博物院は、一般の博物館とは異なり中国の明・清代の宮殿であった紫禁城そのものが博物館になったもので、巨大な建築物群全体が世界遺産にもなっております。したがって、同院は歴代中国皇帝に係る貴重な文物を往時のまま展示することを基本理念としており、他国の文物展示コーナーの設置は同院の展示理念にはなじまないと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 16年度の海洋資源調査の内容についてお答えします。
 本県周辺海域における海洋資源開発及び利用に関する基本調査について、平成16年度は前年度に引き続き開発による本県経済への波及効果や県が取り組むべき事項等、海洋資源の開発利用促進に向けた検討を行うこととしております。具体的には、国の海洋資源調査の動向、周辺諸国による探査・開発の状況、他の地域の振興事例、県内関連施設等の現状の把握や開発主体等の基本フレーム及び地域への波及効果などの検討を行います。
 なお、本調査は海洋資源の学識経験者及び専門家で構成する検討委員会においてその内容を検討しており、9月中旬に第1回の検討委員会を開催したところであります。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 基地の内外で米軍の事故が発生した際の県の対応マニュアルについてお答えいたします。
 普天間飛行場等米軍基地周辺地域において米軍の航空機事故等が発生した場合には、「米軍及び自衛隊の航空機事故にかかる緊急措置要領」に基づき関係機関の緊急通報、被災者の緊急救助、消火活動及び現場対策の応急措置についてそれぞれの任務分担に応じて対処することになります。同緊急措置要領では、米軍による事故の場合は、まず米軍から那覇防衛施設局へ連絡がなされ、その後、那覇防衛施設局から県等の関係機関への通報により対処することになっております。
 なお、基地内における事故については、米軍が直接対処することになります。
○警察本部長(三浦正充) 突発重大事案に対するマニュアルについてお答えをいたします。
 県警におきましては、今回のような米軍ヘリ墜落事故等の突発重大事案に対処するため、この種の事案を想定した対応マニュアルを作成し、事案発生時の措置や部隊編成等について定めているとともに、それに基づき平素から救出・救助訓練、装備・資機材の点検や資機材の操作訓練等を実施しているところであります。
 また、こうした事案に対応する部隊として広域緊急援助隊、レンジャー部隊等を設置しておりまして、事案発生時には迅速・的確にこれらの部隊を投入し、負傷者の救出・救助活動、被害拡大防止等を図ることにしております。
 なお、重大事案が基地内で発生をした場合には、米軍側の要請に基づき人命救助等必要な措置をとることになります。
 続きまして、合同捜査の拒否はだれがだれに伝えたのか、その理由、対応等についてお答えをいたします。
 日米地位協定及び刑事特別法により米国財産についての差し押さえや検証には、米国の同意を必要とするため、事故発生翌日の8月14日、宜野湾警察署長名で在沖アメリカ海兵隊法務部長に対して文書で米軍ヘリ機体の検証同意請求を行ったところ、8月17日に同法務部長名で宜野湾警察署長に対し、検証には同意できない旨の回答がありましたが、先方からの回答にはその理由について特に触れられておらず、残念ながらその理由について詳細は承知をいたしておりません。
 いずれにしましても、機体の検証の同意が得られなかったことから、同日、県警といたしましては、機体を除く事故現場や大学の建物について検証を実施し、さらに8月20日には同法務部長に対し機体についての検証の嘱託をしたところであります。これにつきましては、現在、米軍によって調査中であると認識をしております。
 県警におきましては、今後とも米軍の協力も得ながら捜査を進めてまいりたいと考えております。
○平良 長政 再質問を行います。
 ヘリ墜落事故に関連して、私は2の(1)のウで、事故で死者が出た場合、だれが責任をとるか、知事辞任では済まないのではないかとこう質問をしておりますが、答弁がありません。
 万が一もう一回あったら、これはもうただでは済まない。知事は辞任せざるを得ないと思います。辞任しても死者はよみがえらないわけで、やはり生命は地球より重いという形であれば、辺野古移設ということは考えないで、きちっと基地の閉鎖ということを要求をしないといけないのではないかと思いますので、知事の再度の答弁をお願いしたいと思います。
 基地見直し委員会ですが、7月に第1回公聴会があり、これは伊波宜野湾市長はオブザーバーで参加をしています。9月2日の委員会にも伊波市長はアル・コーネラ委員長に対して書簡を送って、ぜひ普天間基地閉鎖も検討課題にしてくれ、それから沖縄の普天間基地も見てくれという書簡も出しておりますが、県の態度がやはりもうやる気がないというのかもうちょっと、第2回でも本当は出られたんじゃないかというふうに思いますので、そこについても再度答弁をお願いしたいと思います。
 それから統合教育についてですが、教育長から2度にわたって全部読んだということで感激をしておりますが、この統合教育は大阪が進んでおりますが、大東市など障害児の就学先、普通学校に行くか養護学校に行くかという判定をする適正就学指導委員会も廃止をしたというふうに聞いていますが、そういう就学指導委員会の廃止についてどう考えているか聞きたいと思います。
 それから統合教育、分離教育もどちらも一長一短があって二者択一ではないと、こう思うわけです。だから、その両方に自由に行き来をするシステムをつくらないといけないというふうに思うわけですが、もちろん交流教育も進んでおりますが、埼玉県の土屋知事は、全障害児の普通学級籍の実現に全力を尽くしたいと、文部科学省が反対してもやりたいという決意で今取り組んでおります。普通学級と養護学校の二重学籍を認めてやっていこうということに対してお伺いしたいと思います。
 それから海洋資源の件についてですが、今、国がやっているのは「春暁」とか「平湖」とかあの辺をやっているわけですが、そうではなくて、やはり尖閣諸島近辺の独自の調査船を派遣をしてきちっと県がデータを持っておくことが大事だと思います。国の特別政策調整費などを使ってもいいと思いますが、ぜひ来年度でしょうか、琉大にでも委託して調査をする考えはないかお聞きしたいと思います。
 それから、我が会派の代表質問との関連で、合同捜査拒否の件ですが、これは8月26日の在日米軍司令官――ワスコーですか――が日本記者クラブでの会見で、事故が起きてからさまざまな対応を自分でもう一度検証した。日本政府とアメリカ政府との間の取り決め、正しくのっとったやり方で自信を持っていると、こう述べているわけです。公室長は、外務省に確かめたらそんな事実はないとこう言っているわけですが、ほかの県では3県で合同調査ができていて、沖縄で取り決めがあってやらなくていいというのは、やはり秘密協定か何かあるからではないか。やはり外務省の言うのは、なぜ沖縄でその合同調査ができないかということをきちっと私は明らかにして、ダブルスタンダードでだめということを言ってほしいと思いますし、毎日新聞の西山さんが、いわゆる公務員法違反で問われたわけですが、そのときにやはり問題になったのは、返還協定では返還をしたらアメリカが今まで自由に使っていた基地が使えないんではないかということで、基地機能の維持というのが一番大きなものだったわけですが、結局それが秘密協定も2000年5月に米公文書によって密約の存在が明らかになったわけで、その辺もぜひきちっとさせてほしいと思います。なぜ沖縄でできないかですね。
 以上です。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前10時50分休憩
   午前10時52分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 事故の責任についての再質問にお答えします。
 危険性が除去できるように全力を尽くしているわけです。そのためには、まず兵力の削減、それから訓練の分散移転に特に力を入れるというのは、実質的な危険性の除去に対して強く主張しているということでございます。
 今後とも、その面について全力を尽くしたいと思います。
○知事公室長(府本禮司) 海外基地見直し委員会のことについてお答えいたします。
 委員会の活動につきましては、現在、沖縄への視察予定の有無等を含めまして同会の事務局に対して照会しているところでございまして、同時に知事の公聴会等の出席についてもその手続、その他について今照会をかけているところでございます。
 次に、取り決めの件についてお答えいたします。
 取り決めにつきましては先ほど申し上げましたけれども、外務省からは承知してないと、いわゆるないというふうなお答えがございました。その事故の当日のさまざまな問題につきましては、私どもの方が、知事が各大臣にお会いしたときにそういう問題があったことを強く指摘しておりまして、ヘリ墜落事故の関係大臣会合におきましてその事故現場における問題点の検証等が行われておりますから、その動きを見守っているところでございます。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 適正就学指導委員会についてお答えいたします。
 就学指導委員会は、本来、障害のある児童生徒一人一人を理解し、話し合い、最も適切な就学の場や教育のあり方について本人や保護者に対し相談や支援を行う重要な機能を有していると考えております。
 また、これからの特別支援教育においては、児童生徒個々の教育的ニーズに対応するためには、多様な教育的支援ができる場を準備して提供できるようにすることが重要となってきます。したがって、個々の児童生徒のニーズに応じた教育の相談機能及び指導・助言機能を有する就学指導委員会の存在は大きな意義があり、その適切な機能を図り充実に努めることが大切であると考えております。
 二重学籍の導入についてでございますけれども、御承知のとおり児童生徒は在住する市町村教育委員会において学齢簿が作成され、指定された学校に学籍を置くことが法令で定められております。したがって、即二重学籍というものを置くということは法令上は難しいと考えますが、東京都や埼玉県では複籍や支援籍と名づけて学校行事等の場合に交流活動していると聞いております。今、委託段階でございます。
 このようなことに関しては、本県においても行事を初めふだんの授業においても校種間交流や居住地校交流等を図っており、交流及び共同学習の成果を踏まえて実際に学籍を移した事例もございます。県教育委員会としましては、多様化する障害のある児童生徒のニーズに対応するため、より一層学校間の連携に努めていきたいと考えております。
 なお、県としては、沖縄県障害者基本計画を立てておりまして、ほぼ300校を基本に交流の推進を図っていきたいと考えているところであります。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 県が調査船を派遣して独自の調査をすべきではないかという再質問にお答えします。
 資源エネルギー政策は、基本的には国の主導で行われるものでありまして、今後とも国の動向を注視しながら、県としては現在の基本調査を進め、県が取り組むべき事項等海洋資源の開発利用促進に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。
○平良 長政 合同捜査拒否というのは、ほかの県でできて沖縄県だけなぜできないかというので、ダブルスタンダードというのか、秘密協定があるのではないかとこう言ったわけだけれども、例えば秘密協定がなければないでいいんですけれども、なぜ沖縄は合同でできないかということは、県としてちゃんと明らかにしないといかぬ。宜野湾署長が行って理由もなくできませんというのでは許されないんじゃないですか。
 再度答弁を求めます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前10時59分休憩
   午前11時  再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 府本禮司君登壇〕
○知事公室長(府本禮司) 合同調査の件につきましての再々質問にお答えいたします。
 御承知のとおり、今回のヘリ墜落事故に関しまして事故現場が民間地域であるにもかかわらず、警察や消防等の日本側が現場検証や立ち入りの対応を主導することができなかったとの指摘が各方面からあったわけでありますが、これに対しまして地位協定23条や「刑事裁判管轄権に関する日米合同委員会合意」等の関連する規定を検証する必要があると考えておりまして、この件について知事の方からも各大臣に要請する際に強く申し入れておりまして、そのためにそれを受けまして各関係大臣会合が開かれ、その部分も含めて今検証がされているということでございます。
 以上でございます。
○平良 長政 強い姿勢で臨んでください。
 終わります。
○当山 全弘 おはようございます。
 通告に従って一般質問を行います。
 私は、この米軍ヘリ事件につきましては、あすは我が身という気持ちで質問いたしますので、知事の方もよそごとのように考えないで、県民を代表する知事であるという立場でまじめな答弁を求めます。
 1点目の普天間基地返還要求宜野湾市民大会についてお伺いいたします。
 8月13日、沖縄国際大学で米軍ヘリ墜落事故に抗議し普天間飛行場の早期返還を求める宜野湾市民大会が多くの県民や市民を結集して開催されました。この参加者は、過去の大会を上回る大会でした。SACO合意から7年を経過しても動かない基地、危険と隣り合わせの生活からの解放と平和な宜野湾市や沖縄県の実現を強く訴えた大会となりました。
 墜落事故よりも夏休みを優先し、よそごとのような対応をした小泉首相。知事も現場視察より庁議を優先し、伊波市長との面談にも消極的ではなかったか。宜野湾市民大会だからといって参加を見送った。県民と怒りを共有するならば参加すべきであった。
 質問します。
 沖縄県知事あて採択された米軍ヘリの沖縄国際大学への墜落事故に抗議し、普天間飛行場の早期返還を求める市民決議文について、知事の所見と対応を伺う。
 知事は、9・12宜野湾市民大会に参加しなかった。それは宜野湾市民大会だから参加を見送ったとなっている。県民の生命と財産を守る立場であるならば怒りを共有できたのではないか、所見を伺う。
 米軍ヘリ墜落後も辺野古移設の方針を崩していない知事。地元の不安除去と既定方針を堅持する理由は何か、所見を伺う。
 事故後、現場が米軍によって封鎖され、大学の自治が地位協定によって侵害され、みずからの大学に立ち入ることもできず、状況も確認できず被害者不在の事故処理が進められたが、どのように認識するのか、所見を伺う。
 アメリカでは認められない民間地域での訓練を沖縄で実施しているこの現実。米軍から見た沖縄はアメリカの占領地として思っているのか。普天間基地の辺野古への移設は基地という爆弾のたらい回しではないか、所見を伺う。
 大会では、辺野古への基地移設は論外であるという県民の意思表示が改めて示されました。それは代替基地の建設によって米軍基地の機能強化をたくらむ米軍、日本政府及び稲嶺県政に大きな打撃を与える結果につながった。所見を伺います。
 沖国大に米軍ヘリが墜落してから辺野古への移設を加速させなければならないと知事は発言した。普天間に住む人の命は大切だけど移設先の久志周辺はどうでもよいということなのか、真意を問う。普天間で危険な基地はどこへ移しても危険ではないのか、所見を伺います。
 2番目、米軍ヘリ墜落事故と政府の対応について。
 8月13日に起きた米軍ヘリ沖縄国際大学事故から1カ月余が経過しました。事故の衝撃の大きさと関心の高さが浮き彫りになった事故について、沖縄と米軍、日本の関係などを検証してみましょう。
 質問します。
 事故現場の封鎖及び県警の現場検証の拒否など、米軍の対応が日本の主権を侵害する日米地位協定の弊害がはっきりしました。その経過と対応について伺う。
 事故発生時、小泉総理がオリンピック観戦を優先した対応をし、知事との会談を先送りした。日本政府の対応は危機管理の意識に欠け、沖縄県民の基地への抗議を面倒くさがっているように思う。所見を伺います。
 事故後の日本政府の外交が大きな問題となり、沖縄県民の怒りが日本政府に向けられているが、所見を伺います。
 首相の対応について、非常識として小泉首相の対応を厳しく指摘する県民も多く、知事に対しても県民の怒りの声が向けられております。所見を伺います。
 多くの米軍絡みの事件・事故が起きると、その都度に立ちふさがる日米地位協定、その見直しが必要ではないか。日本政府は米軍の肩を持つばかりにせず、本当の主権国家として対応してほしい。所見を伺います。
 3点目、米軍再編と沖縄基地の大幅削減について。
 在日米軍の再編に絡む海兵隊の一部を沖縄から本土へ移転させるなど、米政府が作成した沖縄の海兵隊再編計画が明らかになった。このことは県民の基地負担の軽減が着実に進むのか、まだ不透明な点が多いのではないか。それらと関連して在日米軍の再編問題が浮上している。それによると、嘉手納基地を自衛隊と共同で使用し下地島空港の軍事的使用を提案している。これは沖縄の軍事拠点機能の再編強化にほかならない。防衛庁は、「防衛力のあり方検討会議」の那覇基地所属のF4戦闘機部隊を機動性の高いF15戦闘機部隊に変更、下地島への戦闘機移駐を明記している。これは自衛隊を巻き込んだ日米の軍事一体化が進んでいることである。専守防衛を形骸化させる危険な兆候ではないのか。
 質問します。
 米軍から出される米軍再編は、沖縄が新たな基地建設や機能強化につながらないか情報を的確に把握し対処する必要はないか、所見を伺います。
 今回浮上した嘉手納、下地島両飛行場の日米共同使用案は、県民の立場からすると普天間飛行場の早期閉鎖を含め基地危険被害の除去という観点から考えると到底受け入れることはできないが、所見を伺います。
 政府は、住民の痛みを視点に米軍兵力の大幅削減と国際協調路線への協力が必要と位置づけ、米政府に対し基地問題の根本的な改善をこの際強く求めるべきだと思うが、いかがですか。
 4点目、名護市辺野古沖でのボーリング地質調査について伺います。
 1996年の県民投票では基地の整理縮小が圧倒的多数を占め、辺野古への移設は1997年の名護市民投票で住民によって直接ノーの答えが出ました。直接民主主義による意思表示は重く受けとめなければなりません。15年使用期限、軍民共用と肝心なところの米軍の承諾を得ることなく公約に掲げて当選した知事も問題を混乱させました。沖縄国際大学の米軍ヘリ墜落事故も恐怖となってあらわれました。危険除去ということでボーリング調査が強行された。ボーリング調査の作業船は遠方の港から出航した。なぜこんな迂回をしなければならなかったか。辺野古漁港周辺には、一貫してヘリ基地建設やそれを前提とする調査に反対する人々がいたからにほかならない。そこには市民投票で示されたヘリ基地建設反対の名護市民や沖縄県民の意思の集団があることを忘れてボーリング調査を強行すべきではないと思います。
 質問します。
 住民投票による意思表示によって反対の意思を明確にして座り込みや抗議行動をしている住民を排除して基地建設を強行するのか、所見を伺います。
 世界的な米軍の再編問題や普天間基地所属ヘリの沖国大墜落事故などがあり、基地問題は見直す時期になっております。問題を迂回せず住民投票で示された県民の意思に立ち戻り、基地問題の解決に取り組む必要があると思いますが、所見を伺います。
 5点目、米軍及び自衛隊の航空機事故に係る緊急措置要領について。
 緊急措置要領は1977年9月、横浜市で米軍機が墜落、住民3人が犠牲となった事故を受けて整備が進められた。米軍と日本側の役割は22年前に策定されております。県では1982年、米軍と県、市町村、県警、消防などで策定されている要領では財産保護や警備、現場保存などは県警の指示に基づきと規定されております。日本側の捜査機関の役割が重視されております。
 質問します。
 (1)点目、横浜の事故や1968年九州大学における米軍機墜落事故でも県警や消防、米軍による合同検証がされているが、その実態について伺います。
 (2)点目、今回の米軍の現場処理は緊急措置要領を無視した行為と言えるが、所見を伺う。
 (3)点目、政府は、みずからつくった緊急措置要領が守られなかった理由を検証し、その実効性を履行すべきではないのか、所見を伺います。
 6点目、少年非行対策について。
 小学生を含む中学生の少年非行がふえております。また、刑法犯少年、不良行為少年の検挙・補導件数も年々増加しております。検挙・厳罰だけでは犯罪は減りません。犯罪が発生しないような環境づくりに努める必要があります。
 最近浦添で発生した不審火により空き家が全焼したり、駐車場の車やオートバイが全焼するなど住民の生活に暗い影を落としている。そのことも補導した生徒によるものと判明をした。早急に対策が必要ではないのか。
 質問します。
 不良行為少年等の検挙・補導件数について、また検挙・補導後の対応について伺います。
 (2)点目、犯罪の低年齢化が問題になっているが、その法整備について伺います。
 (3)については省きます。
 (4)点目、不審火による被害が続出をしている。その状況と対策について伺います。
 けさの新聞で、連続不審火で家裁に送致された少年は非行事実がないということで無実の不処分を出されております。県警の捜査に誤りはなかったのか、本部長のコメントを求めます。
 (5)点目、学校や地域などが連携した実践活動の状況について伺います。
 7点目、教育行政について。
 不登校対策について。
 学校へ行けない子供たちが12万人余りいるという。県内の不登校児童も1500人以上いることも判明をいたしております。不登校は怠学、遊び、深夜徘回など家庭での生活の乱れを背景にし、不登校になった原因が挙げられます。本人への学習支援、保護者への非行防止助言、経済的に苦しい家庭のための支援が急がれます。
 質問します。
 不登校対策の状況はどうなっているか。また、不登校を防止する支援対策について効果的な事例はあるのか、教育長の対応を伺います。
 宮古農林高校が受賞した水のノーベル賞は、環境に配慮した資源循環型有機肥料開発が挙げられている。地球環境に優しい水の保全、保護、水質管理等を初め資源循環型有機肥料の開発は、ともに学ぶ青少年に夢と希望を与えたすばらしい出来事であります。称賛に値します。その取り組みの成果と教育長の見解を伺います。
 8点目、台風17号、18号について伺います。
 農作物の被害状況と補償についてはどうなっているのか。また、台風の直撃等により葉野菜類が高値で推移しているようだが、その対応について伺います。
 最後に9点目、交付税の大幅削減について。
 2004年度の自治体配分額が4年連続減少ということで沖縄は5.5%減の1799億円減るということが試算され、厳しい財政運営を余儀なくされております。この交付税につきましては財源の調整機能を持つ仕組みになっておりまして、補助金とは全く違うものであります。
 質問いたします。
 2004年度の当初予算計上額と決定額との比較はどうなっているか。
 各市町村の2004年度の予算計上額と決定額との比較はどうなっているか。
 (3)点目、交付税の決定による財源不足はないか。もしあるとすれば財源調達にどのように対応するのかお伺いいたします。
 我が会派の代表質問との関連につきましては、医療廃棄物の廃プラについての通告をいたしておりましたけれども、浦添地区についてもいろいろ事情聴取をしていただくようにという要望をしましたので、このことについては取り下げしたいと思います。
 答弁によりまして再質問をいたします。よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、宜野湾市民大会及び市民決議についてお答えいたします。一括してお答えを申し上げます。
 去る9月12日の市民大会に宜野湾市民を初め多くの方々が参加したことは、今回の事故が極めて深刻で市街地にある普天間飛行場の危険性に住民一人一人の強い懸念が示されたものであり、私も激しい憤りを感じており、日米両政府においては重く受けとめるべきであると考えております。
 次に、辺野古移設方針の堅持についての御質問に対するお答えでございます。
 普天間飛行場返還問題の解決については、当面の危険性除去という緊急的措置と本来の移設・返還のそれぞれの側面から対応する必要があります。
 緊急的措置としては、事故原因の究明と公表、普天間飛行場における全機種の安全確認と実効ある再発防止策が確認されるまでの飛行停止、兵力の削減及び訓練の分散移転など、日米両政府に強く求めたところであります。また、本来の移設・返還については、SACO最終報告で日米両政府によって確約された返還の方針に基づき、現在行われている移設作業を進めることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 普天間飛行場の返還については、日米両政府に対し、これまで以上に作業を加速させることにより同飛行場の一日も早い返還を求めているところであります。
 次に、辺野古移設と移設の加速についての御質問に一括してお答えいたします。
 今回のヘリ事故は、人口が密集する市街地の中心にある普天間飛行場の危険性が改めて示されたものであります。
 普天間飛行場を辺野古へ移設することについては、飛行ルートを海域に設定することなどにより、危険性を最小限にする必要があると考えております。国は、閣議決定した「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に基づき、「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」としております。今後、名護市と連携し、供用開始までに代替施設の使用協定を締結することで地域の安全対策及び基地から発生する諸問題の対策等を講じてまいりたいと考えております。
 続きまして、宜野湾市民大会についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場については、SACO合意に従って代替施設が完成し運用可能になった後、返還されることが日米両政府によって確約されております。県としては、実効性ある代替案が政府より示されていない状況では、現在行われている移設作業を進めることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 次に、墜落事故に対する政府の対応について申し上げます。
 去る8月25日に私が小泉総理大臣にお会いした際、総理からは、沖縄の厳しい状況は理解している、できるだけ早く関係省庁と相談しながら何らかの形でよい方策を出したい、そして今回の事故に対しては、こういうことはあってはならない、沖縄の抱える問題に対して少しでも進めるものは進めていきたいという話がありました。
 また、政府としては、今回の墜落事故に対し関係閣僚会合を開催し、事故分科委員会等の場を通じ日本側も関与した形での原因究明への取り組みや事故再発防止のための安全対策、危険除去に向けた米側への働きかけなどを内閣が一体となって取り組んでいくことが確認されております。去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍ヘリ墜落事故に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。県としては、日米両政府間の今後の協議を通して具体的な方策が検討されるよう引き続きあらゆる機会に働きかけてまいります。
 続きまして、県民の怒りについて一括してお答えいたします。
 今回の事故を受け、県民の怒りの声が高まっていることについては、今回の事故が極めて深刻であるとともに、過重な基地負担を背負ってきている県民の心情のあらわれであると考えており、私も激しい憤りを感じております。県としては、日米両政府に対し、普天間飛行場における全機種の安全確認と実効ある再発防止策が確認されるまでの飛行停止、兵力の削減及び訓練の分散移転など同飛行場の危険性の除去について実効性ある取り組みを求めたところであり、引き続き強く求めていく考えであります。
 続いて、日米地位協定の見直し等に対する所見についての御質問にお答えいたします。
 政府は、日米地位協定の見直しについて、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの方針を示しておりますが、県としては、運用改善では依然として米側に裁量をゆだねることになることから、日米地位協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。日米地位協定の見直しは、人権や環境問題など多岐にわたり国内の法制度とも深くかかわることから、より広範かつ多面的な議論が必要であり、政府としても積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
 続きまして、在日米軍の再編についてお答えいたします。
 県としては、米国政府が海外駐留米軍の再編を検討しているこの機に、日米両政府において海兵隊の訓練の県外への移転も含めて在沖米軍兵力の削減などが具体的に検討され、県民の目に見える形で基地負担の軽減がなされる必要があると考えております。去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍ヘリ墜落事故に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。県としては、日米両政府間の今後の協議を通して負担軽減の具体的な方策が検討されるよう引き続きあらゆる機会に働きかけてまいります。
 続きまして、日本政府の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍ヘリ墜落事故に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。県としては、日米両政府間の今後の協議を通して負担軽減の具体的な方策が検討されるよう引き続きあらゆる機会に働きかけてまいります。
 続きまして、米軍再編と基地問題の解決についての御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場が危険な状況にあることについては、日米間で共通の認識を持っていることから、米国政府が海外駐留米軍の再編を検討しているこの機に、日米両政府において具体的に検討し県民の過重な基地負担の軽減を図る必要があると考えております。去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍へリ墜落に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。県としては、日米両政府間の今後の協議を通して具体的な方策が検討されるよう引き続きあらゆる機会に働きかけてまいります。
 また、今後米軍の再編の中で日米両政府の合意による方向性が示されるならば、総合的な観点から検討をいたします。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○警察本部長(三浦正充) まず、米軍ヘリ墜落事故に関し、被害者不在の事故処理が進められたが、どう認識しているかということについてお答えをいたします。
 県警におきましては、事故発生直後から警察署長の指揮により1号館建物内や墜落現場及びその周辺において負傷者の捜索や避難誘導等を実施いたしました。そして事故発生当時の現場は墜落機体の燃料が漏れ、また建物のコンクリート崩壊の危険性もあるという危険な状態であり、二次被害を防ぐ観点から大学関係者についても現場への立ち入りを控えるよう要請したものでありまして、危険防止の観点からやむを得ない措置であったと考えております。
 なお、事故翌日の14日夕刻には現場の安全性が確認されたため、警察官及び大学職員が1号館内への立ち入りを行い、被害の確認等を行っているところでございます。
 それから、米軍による事故現場の封鎖及び県警の現場検証への拒否などの経過と対応についてお答えいたします。
 事故発生当時の現場におきましては、燃料が漏れて危険な状況であり、また建物のコンクリート崩壊の危険性も考えられるとして、事故現場において宜野湾警察署長と米軍側の現場責任者との間で協議をしながら、安全性の観点から事故現場直近は主として米軍側が、その周辺は主として県警が警備を行ったものであります。
 捜査につきましては、8月13日の事故発生直後から事故現場の写真撮影、目撃者、参考人の確保等所要の捜査活動を実施しております。翌14日に米軍当局に対し米軍ヘリ機体の検証同意請求を行ったところ、17日に米軍当局から検証には同意できない旨の回答があり、その後米軍ヘリの機体については20日に米軍当局に対し検証の嘱託をしたところであります。
 県警としましては、事故の解明に向け米軍当局への協力要請を含め所要の捜査を行っているところであります。
 次に、米軍の現場処理は緊急措置要領を無視した行為ではないかという点についてお答えをいたします。
 緊急措置要領は、昭和57年12月10日に那覇防衛施設局、自衛隊、海上保安本部、沖縄県、関係市町村、同消防、警察等から成る協議会によって「米軍および自衛隊の航空機事故にかかる緊急措置要領」として定められたものでございます。
 同要領で定められている任務分担の区分表につきましては、米軍または自衛隊の飛行に伴う事故が発生した場合における緊急通報、被災者の緊急救助、消火活動及び現場対策などの応急措置について日本側の関係機関の役割分担を示すものであり、事故の際の現場における日米間の任務分担を定めたものではないと承知をしております。ただ、現在、政府では事故現場における日米両政府の対応のあり方について検証することを主たる目的として日米合同委員会のもとに特別分科委員会を設置してアメリカ側と協議を行っているところと承知をしておりまして、県警としても警察庁と必要な連絡をとりながら対応をしてまいりたいと考えております。
 続きまして、不良行為少年等の検挙・補導状況等についてお答えをいたします。
 窃盗や恐喝等で検挙・補導された刑法犯少年の人員は、平成11年が1262人、平成12年が1093人、平成13年が1369人、平成14年が1557人、平成15年が1719人と年々増加傾向にあります。
 刑法犯少年の特徴の第1点は、中学生の非行が多いことであります。過去5年間を平均してみますと、中学生の占める割合は約5割となっております。
 第2点目は、窃盗犯で検挙・補導される少年が多いことであります。過去5年間を平均してみますと、約7割が窃盗犯であります。
 また、飲酒、喫煙、深夜徘回などの不良行為で補導された少年は、平成11年が2万7319人、平成12年が2万277人、平成13年が2万6698人、平成14年が3万2173人、平成15年が3万6396人と年々大幅な増加傾向にございます。
 不良行為少年の特徴の第1点は、午後10時から午前4時までの深夜に補導される少年が多いこと、第2点目は、高校生の不良行為が多いということでございます。
 昨年の不良行為少年の補導人員は、復帰後最悪の数字を記録しておりますけれども、ことし7月末現在の補導人員2万3640人でありまして、対前年比525人の増加ということでやはり大変憂慮すべき状況となっております。
 県警では、検挙・補導した少年の再非行防止を図るため、勤労意欲や社会参加意欲を促進する立ち直り支援活動、スポーツや芸能の分野に目を向けさせる居場所づくり運動、大学生少年サポーターによる学習支援や継続補導活動、また警察・教員OBのペアを問題を抱える学校に派遣をして非行集団の解体や個々の少年の立ち直りを図る「スクールサポーター制度」でありますとか、あるいは警察官による安全学習支援授業の実施など各種の対策を講じているところでございます。今後とも関係機関・団体等と連携し、継続をして実施してまいりたいと考えております。
 続きまして、少年法の整備状況についてお答えを申し上げます。
 昨年来、長崎県における中学生による幼児誘拐殺人事件、あるいは同じ長崎県における小学生による同級生殺人事件、東京における中学生による幼児殺人未遂事件――これは突き落としの事件でございましたが――こういった低年齢の少年による凶悪な事件が相次いで発生をし、社会に大きな衝撃と不安を与えていると認識をしております。
 こうした状況を受け、法務省において少年法等の改正について検討がなされ、去る9月8日に法制審議会に諮問がされまして、現在、触法少年、これは刑罰法令に触れる行為をした14歳未満の少年でございますが、この触法少年等の事案に関して警察が事案解明のために調査を行う権限を明確化することでありますとか、14歳未満の少年の保護処分の見直しなどについて法制審で議論がなされているものと承知をしております。県警といたしましても、こうした法制審での議論や少年法の改正の動向について十分な関心を持って見守っているところでございます。
次に、不審火の発生状況と対策についてお答えをいたします。
 本年に入りまして沖縄県下で不審火として警察が認知した件数は、本年8月末現在で31件でございます。うち放火事件として8件を立件しております。
 その中で、那覇市牧志一帯での3件、浦添市内の宮城、大平一帯での4件は、捜査の結果、いずれの事件も触法少年――先ほど申し上げた14歳に満たない刑罰法令に触れる行為をした少年でございますが――これによる連続犯行と認めまして補導をしております。残りの23件につきましては、現在、鋭意捜査中でございます。
 対策といたしましては、発生時における捜査員を最大投入した初動捜査の推進を初めとして行政機関、消防及び地域住民と緊密な連携を図り、警戒活動を強化しこの種事件の未然防止に努めております。
 なお、浦添市宮城、大平一帯で連続して発生した不審火につきまして警察は所要の調査を行い、中学生1名を補導し、本年8月の8日、沖縄県中央児童相談所に通告し、児童相談所では翌9日、同少年を那覇家庭裁判所に送致いたしましたが、昨日9月29日、那覇家庭裁判所において不処分の決定がなされたことにつきましては、まことに遺憾に存じております。
 現時点、不処分の理由が判明をしておりませんけれども、今後県警ではその理由を精査し、また本件調査の過程をよく検証して今後の同種事件の調査に生かしてまいりたいと考えております。
 次に、学校や地域などが連携した実践活動の状況についてお答えをいたします。
 県警は、少年の非行を防止し、健全育成を図るため現在県教育庁、学校及び地域と連携し、「沖縄児童生徒健全育成サポート制度」に基づく学校との相互連絡の実施、警察官の安全学習支援授業による児童生徒の規範意識の高揚、サポートチームによる非行集団に応じた立ち直り支援活動の実施、少年サポートセンターを中心とした非行少年や被害少年の立ち直り、居場所づくり、また先ほど御説明をした「スクールサポーター制度」の実施など各種の対策を講じております。
 県警では、次代を担う青少年の育成については県民総ぐるみで取り組むべき重要な課題と考えておりまして、今後とも犯罪抑止のための効果的な検挙・補導活動を推進するほか、少年非行の実態について県民に情報発信をしていくとともに、県や教育庁等の関係機関・団体等と連携をし、少年の非行防止と健全育成に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) 在日米軍の再編報道についてお答えいたします。
 嘉手納、下地島等に関します報道については承知しておりますが、外務省に確認したところ、米側からそのような提案を受けている事実はないとしております。 
 県は、これまで日米両政府に対しあらゆる機会を通じて本県の過重な基地負担の軽減を強く求めてきたところであり、新たな基地負担につながるならば反対であります。
 ボーリング調査の実施につきましてお答えいたします。
 9月9日から現地技術調査が那覇防衛施設局により進められております。県としては、ボーリング地質調査が円滑に進められるよう、その実施に際しては混乱を回避し、安全に留意しながら進めていただきたいと考えております。
 なお、事業者である那覇防衛施設局は、調査が安全に実施できるよう留意しながら実施していきたいとしております。
 他県での墜落事故の処理についてお答えいたします。
 外務省に確認いたしましたところ、昭和52年9月に横浜市緑区で発生した米軍用機の墜落事故に際しては、神奈川県警、横浜市消防局及び米軍が共同して現場の見分を行ったと見られるとのことであります。
 一方、昭和43年の九州大学での事故につきましては、事実関係の詳細は不詳とのことであります。
 以上であります。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 緊急措置要領についての御質問にお答えをいたします。
 今回の事故におきましては、宜野湾市消防本部が事故機の積載燃料の種類、量及び爆発物もしくは危険物積載の有無等の事前情報がないまま消火活動を実施しており、危険な状況に置かれていたことは事実であります。那覇防衛施設局が所管している「米軍および自衛隊の航空機事故にかかる緊急措置要領」に基づいてなされるべきこれらの情報の緊急通報が十分でなかったことは大変遺憾であります。県は、事故発生後に那覇防衛施設局に対して緊急措置要領に基づく通報の改善方を求めたところであります。
○教育長(山内 彰) 不登校の対策等についてお答えいたします。
 昨年度の不登校児童生徒数は1590人で、ピークであった平成11年度時より626人減少しております。
 不登校対策として最も大切なことは、子供一人一人を理解し、きめ細かな対応をしていくことだと考えております。このことを踏まえ、学級担任を中心に個々の指導・支援カルテを作成・活用して子供とともに行動し、かかわりを深くしていくことを進めております。その効果的な事例として、深夜徘回を繰り返し長期欠席をしていた中学生が担任やスクールカウンセラー等とのかかわりを深め、職場体験をさせて社会での存在感を持たせたことにより学校復帰をしたことがあります。今後とも指導・支援カルテを活用した児童生徒理解を深めるとともに、子供の心のよりどころとなる居場所づくりを推進し、不登校対策の充実に努めていきたいと考えております。
 次に、水大賞についてお答えいたします。
 今回の研究成果としては、1つには、宮古の課題に対応し、みずからが生きる地域のための研究活動に取り組み、その存在をアピールしたこと、2つには、バイオ・リンの開発により宮古島の土壌と地下水を守ることに役立てたこと、3つ目には、専門高校における特色ある学校づくり、特色ある教育活動のあり方を示したこと、4つ目には、8年間の継続研究活動の大事さを示したこと、そのほかにも、生徒と教師の望ましい人間関係のあり方を示したことが挙げられます。
 今回の受賞は、本県の児童生徒に大きな夢と希望、世界にチャレンジする勇気を与えてくれました。今後、宮古農林高校の生徒に続き、多くの児童生徒が国際舞台で活躍できることを期待しております。
 以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 農作物の被害状況と補償について、また野菜の高値の対応についてお答えいたします。
 台風17号及び18号による農作物の被害状況は約12億円であります。被害の内訳は、さとうきび約7億8000万円、野菜約1億8000万円、花卉約7000万円、果樹約1億6000万円となっております。
 台風等の被害に対する補償としては、さとうきびについては畑作物共済、野菜等については園芸施設共済があり、加入農家に対して損害評価後に農業共済金が支払われることになっております。
 また、災害を受けた農家が資金等を必要とした場合は、農業経営維持資金等の融資や利子の減免措置が可能となります。野菜の価格については、主産地の豊見城市や糸満市などで台風により被害を受けたことから中央卸売市場への入荷が減少し、昨年9月比でおおむね30%高値となっております。このため、生産農家に対しては農業改良普及センター等を通じて早期の植えつけ等生産対策を強化してまいります。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 交付税の当初予算額と決定額との比較及び財源不足についてお答えします。一括してお答えいたします。
 平成16年度の県分に係る普通交付税の決定額は1799億2776万9000円となっております。これを当初予算計上額と比較しますと68億7376万9000円の増となっています。当該増加額については、勧奨退職手当など当初予算で見込めなかった財政需要に充てることとしています。
 なお、普通交付税の決定に伴う新たな財源不足は生じておりませんが、平成16年度当初予算においては、三位一体の改革の影響等により厳しい予算編成であったことから基金を取り崩して対応したというところであります。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 市町村における交付税の予算計上額と決定額との比較についてお答えいたします。
 平成16年度市町村普通交付税の予算計上総額は約1033億円で、交付決定額は約1119億円となっております。両者を比較しますと交付決定額が約86億円多くなっております。この交付税決定額と当初予算計上額との差額については、各基金へ積み戻すなど、個々の事情を十分考慮した上で対応するよう助言等を行っております。
 次に、交付税の決定による財源不足についてお答えいたします。
 平成16年度市町村予算においては、普通交付税の決定による財源不足、いわゆる予算割れの団体はありませんでした。これは、各市町村において適正な見積もりに努めたことによるものと考えております。あわせて県としても、予算編成時に普通交付税の見積もりの参考となる「試算表」を提供するなど各種の技術的助言を行ったことも効果があったものと考えております。
 以上でございます。
○当山 全弘 再質問をいたします。
 きのうから、宜野湾市民大会に最初から参加しなかったとか、NHKの「日曜討論」に出席のためとか、これについて明確な答弁が出ておりませんので、再度質問をいたしたいと思います。
 9月12日の知事の日程等について調べてみました。NHK「日曜討論」が9時、10時45分から渋谷わしたショップ視察、そして東京から帰任ということになっておりまして、これは私は宜野湾市役所の基地政策部の方に確認しましたけれども、あえて市民大会の方に、知事の方に出席要請したかということを尋ねましたけれども、これについては超党派でやるということで特に市民大会への要請はしなかったということになっておりますけれども、私考えると、これはあくまでも何か沖縄県民のことはほったらかして、全国、東京に行って「日曜討論」に出て1時間ぐらい、これはよそごとのような観を受けますけれども、知事、本当の気持ちはどうだったんですかね。
 これについて再度答弁を願いたいと思います。
 それから、日米首脳会談で小泉首相とブッシュ大統領は沖縄の基地負担軽減等について取り組むということになっているけれども、これは具体性がないわけですよ。
 これは、沖縄のマスメディアはトップで8月13日はこの事件について報道しましたけれども、日本のマスメディアはプロ野球の合併論を先に報道して、沖縄の米軍ヘリ墜落事故については全く報道しなかったわけですよね。ですから沖縄で事件・事故が、米軍の犯罪が起ころうが我関せずということになっているんじゃないですか。そして今回の沖縄担当の大臣等についても環境相と兼ねる方が就任していますでしょう。
 沖縄問題の軽視につながっているんじゃないですか。
 再度答弁を求めます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前11時53分休憩
   午前11時54分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の、最初の東京での日程についてのお話がございましたけれども、マスコミに出ているのは実は公式日程で発表するわけでございまして、そのほかに全国の皆様にNHKで訴えましたけれども、それ以外も多くのマスコミの方のインタビューがございまして、その中で全国に発信できるよう強く要望したところです。
 それから次に、いわゆるブッシュ大統領、小泉総理、これはトータル的な話で沖縄の基地負担の軽減というのは言及されたけれども、まだ具体的な実行、どうなんだというお話がございましたけれども、これは、この問題についてはこれからが今後の協議を通じて負担軽減の具体的な方策が検討されることになると思います。その意味で私もこの議会の終了後、できるだけ早い時期にこれは各関係大臣と会いまして、この具体的な方策が検討されるよう、進むよう強く求めてまいりたいと思います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前11時56分休憩
   午後1時22分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 新川秀清君。
   〔新川秀清君登壇〕
○新川 秀清 一般質問を行います。
 護憲ネットワークの最後でありまして、会派では総括質疑というのもあるんじゃないかという声もありますけれども、なかなかそういうわけにはいかぬだろうと思っておりまして、通告に従って質問をいたしたいと思います。
 質問に入ります前に二、三所見を申し上げたいと思うのでありますが、先日、我が会派の当銘勝雄議員が代表質問で宜野湾市の市民大会への参加についてお尋ねをいたしております。そして一般質問で昨日兼城賢次議員も市民大会への参加についてお尋ねをいたしました。けさは社大党の当山全弘さんから同じような質問が出されております。
 その中で知事は、そのほかの方々の大会参加への質問に対してのお答えもあったわけでありますが、NHKのテレビに出演するために参加ができなかったということを最初に申されております。その中で兼城賢次議員が、本当はそうではなかったんじゃないのかと。12日の時点での参加ではなくて、それ以前の5日に予定をされておった大会、そのときから既に知事は参加をしない、こういうことを固めておられたのではないかということをきのうお尋ねしているわけであります。
 そこで、これに対していろいろ質疑を交わす中でもなかなかこれが明確な答えになってないように私は受けとめております。大変残念なことだと思っているわけですが、まず私は、この大会に知事が参加をしていただいておるんであればもっと違っておったんではないかという思いがいたします。そしてそれはこの市民大会に参加をしておられた市民の皆さん、県民の皆さん方に対する激励と同時に、日本政府やアメリカ政府、ここに対するインパクトが絶対違っておったと、こういうふうに思っております。
 そういうことで、せめて知事がそういうふうなことで参加できないという状況があったとするならば、あれだけ思いは同じだと、痛みはよくわかるということをおっしゃるんであれば、せめてメッセージをよこすという配慮があってもよかったんではないのかというふうに思います。これについては私は質問項目に挙げておりませんから、それに対するお答えをいただくわけにいかないのでありますけれども、そういうふうなことに対する知事の思いはもう少し明確に、そして行動であらわすということが必要ではないのかというふうに思っております。
 それから次に、8月13日、ヘリが墜落した日のことであります。牧野副知事は、ボリビアに南米に行っておられる知事の職務代理者であります。そういうことでは非常に重い立場にあられたというふうに思います。緊急記者会見の中で、SACOの見直しも視野に入れた検討が必要ではないのか、普天間の見直し移設を含めた見直しが必要ではないのかという意味のことを述べられたということは地元2紙が報じているとおりであります。私は、知事の代理者として命を守る知事の職務を執行代理する立場にあられた牧野副知事の思いは立派だったと思います。そこであの思いが発せられたと。それはまさに県民の痛みを共有できた思いからであっただろうというふうに思います。
 ところが、地球の裏側におられた稲嶺知事からは、強い姿勢で臨めということを発せられたようでありますが、それと同時に、いやSACOは堅持だと、移設も堅持するという立場が伝わってきたというふうになっているわけであります。その後、何が発せられたかよくわかりませんけれども、これがマスコミでもそごがあるんじゃないかという指摘がありました。しかし、その後いろんなことがあったんだと思いますけれども、これがそごではないんだということになってしまったわけでありますが、私は、あの知事の職務代行されたときの牧野副知事の姿勢、こういう立場に立ってこの普天間の問題、SACOの問題は進めていかれるべきではないか、こういうふうに思って、その後の状況は非常に残念でならないわけであります。
 そういうことで、これまでも代表質問、一般質問の中で出されてきておりますけれども、ぜひこの県民の痛みを今申し上げたような姿勢でSACOなり地位協定の見直しに当たっていただくことを要望して質問に入りたいと思います。
 まず、(1)点目の墜落事故に対する小泉首相の対応について知事の所見を伺いたいと思いますが、県民の立場から、県民の目から本当に小泉首相が沖縄の痛み、60年近くも基地の負担を強いられてきた県民の痛みを真摯に受けとめて対応していただいたというふうには思えないのです。知事、私はそういうふうに考えますが、知事はこの小泉首相の対応についてどのようにお考えでありますか。
 (2)点目、世論調査結果と普天間基地の辺野古移設について伺います。
 もうこれまでもありました。移設反対81%であります。当然の結果ではないでしょうか。この思いに対して知事がどのように受けとめられておられるのか。そして私はこの際、民主主義の基本原則、地方自治の本旨にのっとって今知事が決意をされるべきときではないのか。これまで苦渋の選択ということをよく口にされるのでありますが、このことを沖縄の将来を見据えてさらなる選択をされることこそ歴史に評価をされる選択になると思います。そういうことでこのことをお尋ねをするわけであります。
 (3)、それから日米首脳会談について、これもいろんな評価があると思います。しかしその中で、これは報道にもあるわけでありますが、知事がおっしゃるような側面もあったかと思いますが、各論なし、各論先送りというふうな評価がなされております。私も先ほどから申し上げておりますように、本当に沖縄の痛みをわかってアメリカ大統領との会談に臨まれたというふうには思えないわけであります。知事の御所見を伺います。
 次に、(4)番目の陸上自衛隊増強報道についてであります。
 確認したけれども、そういう事実はないということだったという御答弁がありました。しかしこれまで繰り返しあの過密な嘉手納に対する統合案が出されてまいりましたし、またこのたびも自衛隊の増強報道がなされました。私たちは、今まで国のそういった姿勢で60年近く県民は命や環境やありとあらゆるかかわりのあることが我々の前に付されてきた。その結果はしかし県民が大きな被害をこうむるといったようなことが出てまいりました。ですからこの際、きちっとした情報の確認と、さらに自衛隊であってもこの増強を認めるわけにはいかないという県の姿勢を明確にしていただきたいというふうに思うのでありますが、いかがでありますか。
 次に、嘉手納、普天間の騒音防止協定について伺います。
 もう県の調査でも明らかであります。騒音防止協定は締結されているにもかかわらず悪化をしている。そして普天間の皆さん方も嘉手納の皆さん方もやむにやまれず今訴訟を起こしているわけであります。そしてそのことに対する判決が出されました。全国で初めて基地司令官を相手取った訴訟であったというわけでありますが、この判決が出されました。これについての知事の所見を伺いたいと思います。
 さらに騒音防止協定、これはどんなことがあっても守ってもらわなくちゃいかぬわけでありますが、これに対する県の取り組みはどうであったでありますか。
 次、4番であります。米陸軍複合射撃訓練場建設中止に向けた知事の決意と今後の取り組みを伺います。
 これも多くの議員から出ておりました。恩納村にこれが建設をされたときの状況と、今、金武町で進められようとしている状況と何ら変わるものはありません。時間の都合がありますからどういうことだったかということは今省きますけれども、変わってない。そういった状況の中で今基地建設が進められている。これに対して当時の知事は、みずから米国に訴えをしてこれの撤去を求めた経緯があります。これについて知事の決意を伺います。
 次に、兼城賢次議員からもありましたけれども、キャンプ・コートニーを初めとする基地汚染に対する自治体からの立入調査の申し入れについてその後どうなっておりますか。
 次に、米軍ヘリ墜落事故に対する県警の対応について伺います。
 (1)、事故現場における対応はどうであったのか。
 (2)番目、今回の事故と民間機の墜落事故が発生した際の捜査上の相違点について御説明をいただきたいと思います。
 7番、(1)、児童虐待の実態はどうなっているか。
 (2)、関係部局の対策はどうなっているか。
 (3)番目、児童相談所や児童福祉施設の整備と職員の充足が緊急だと言われるのでありますが、これはどうなっているか。そして今後の計画についてもお聞かせください。コザ児相における一次保護所の設置についてはどうでありますか。
 (4)番目に、学童保育の現状と課題について伺います。
 これもいろいろと指摘がされているとおりでありますが、現状と今後の課題についてお聞かせください。
 それから三位一体の改革は、今、地方自治体に多くの難問を投げかけているわけでありますが、その中で保育所運営に対する施設整備補助金等の減額が心配されております。県の方針を伺います。
 次に、老人虐待について伺います。
 在宅における実態はどうなっておりますか。
 また、施設等における身体拘束等の実態はどうでありますか。
 その対策について、市町村との連携はどうなっていますか。
 さらに、介護施設や福祉施設等への指導はどうなっておりますか。
 8番目に、雇用問題とその対策について伺います。
 (1)の障害者の雇用対策と職場適用等支援者配置事業について。
 緊急地域雇用創出特別交付金は16年度限りというふうになっているようでありますが、このニーズは非常に高いものがあります。そういうことでこれからの県の対応はどうでありますか。
 次に、基地従業員の職場環境改善についてであります。
 これも我が会派の渡嘉敷喜代子議員からもお尋ねがありました。今、ここにも地位協定の厚い壁が立ちはだかっているということが明らかになってまいりました。私たち護憲ネットワーク会派は、施設局に対してその改善の申し入れをいたしました。雇い主は日本政府・施設局、使うのは米軍である。そこに手も足も出ないと、こういう前近代的な実態があります。これを県民の問題として今後どのように取り組んでいかれるのか。地位協定の問題点の見直しとも絡めてお答えをいただきたいと思います。
 次、9番目の土木行政についてであります。
 沖縄市から具志川市を通ります川崎川のしゅんせつ並びに整備計画についてお伺いをいたします。
 これまでいろいろと土木建築部の方が御努力をされていることは伺っておりまして、感謝をしているところでありますが、さらに今の問題解決のために今後どのようにされるかお尋ねをいたします。
 それから(2)の県道の街路樹管理についてであります。
 嘉手納から沖縄市の知花を通ります県道にリュウキュウマツが植栽されております。まだ途中でありますけれども、私が見るところ、もう既に30本近いリュウキュウマツが枯れてしまっております。この管理がどうだったのかということと、今後どのようにされるかということ。私は、リュウキュウマツの街路樹としての選定はすばらしかったというふうに今でも思っているわけでありますが、今後どのようにされますか。
 そして沖縄市内、かつてヤマチ、ムルンジャトゥ、ヌ、ムム山の産地であります。ここにおける楊梅(山桃)が植栽をされておりますが、これも芳しくありません。これをどうされるのかお聞かせください。
 それから農林水産行政についてであります。
 BSE対策。
 国内で12頭目の感染牛が確認をされたということであります。たしかその後も出ていたと思うのでありますが、これの侵入防止対策はどうなっているか。
 さらに専門家の指摘によりますと、これからも出てくる可能性は大であるというふうに言われております。そういうことで県の対策をお伺いをしたいわけであります。
 それから(2)の「農政改革指針」の中間報告に基づく答申が出されることになっているわけでありますが、これについてお伺いをしておきたいと思います。
 今、日本の食料自給率を見てみますと、6割が輸入食品であると。これは農林水産省の統計にあるわけであります。そしてこれを次の中間報告も含めてこれから改善をしていくということのようでありますが、先進国の中で自給率40%というのは最低であります。この実態をどのように改善していくかということは、国の農政もそうでありますが、本県の農政についても大きな課題の一つであります。
 そういうことで、この中間報告に向けてさらに多くの課題がある本県農業についてどのようにされるかということをお聞かせをいただきたいと思います。
 最後に、我が会派の代表質問との関連についてお伺いいたします。
 髙嶺善伸議員からお尋ねがありましたPCBの保管状況と今後の処理計画についてお伺いをいたしたいと思います。
 以上であります。
○知事(稲嶺惠一) 新川議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、事故に対する総理の対応についての御質問にお答えいたします。
 去る8月25日に私が小泉総理大臣にお会いした際、総理からは、沖縄の厳しい状況は理解している、できるだけ早く関係省庁と相談しながら何らかの形でよい方策を出したい、そして今回の事故に対しては、こういうことはあってはならない、沖縄の抱える問題に対して少しでも進めるものは進めていきたいという話がありました。去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍ヘリ墜落事故に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。県としては、日米両政府間の今後の協議を通して具体的な方策が検討されるよう引き続きあらゆる機会に働きかけてまいります。
 続きまして、世論調査についての御質問にお答えをいたします。
 最も望ましい選択を求めるとそういう結果が出ることは当然だと思います。私は、辺野古移設に固執しているのではありません。実効性ある代替案が提示されていない段階で、日米両政府で確約された返還方針を変更することはできないと考えております。
 次に、日米首脳会談に対する所見について申し上げます。
 先日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍ヘリ墜落事故に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。私は、去る9月21日、細田官房長官にお会いし、日米首脳会談において沖縄の基地負担の軽減について取り上げられるよう強く求めたところであり、小泉総理大臣の発言は県の要望を踏まえてのものと理解をしております。
 次に、在日米軍の再編についてのお答えでございます。
 県としては、米国政府が海外駐留米軍の再編を検討しているこの機に、日米両政府において海兵隊の訓練の県外への移転も含め在沖米軍兵力の削減などが具体的に検討され、県民の目に見える形で基地負担の軽減がなされる必要があると考えております。
 次に、陸軍複合射撃訓練場の建設中止の取り組みについてお答えいたします。
 県は、これまで米軍を初め関係機関に対し陸軍複合射撃訓練場の建設中止を求めており、去る8月には小泉総理大臣や関係大臣、在日米軍司令官に改めて同訓練場の建設の中止を強く求めたところであります。県としては、今後とも金武町と密接に連携し、あらゆる機会に建設の中止を強く働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、BSE対策についてお答えをいたします。
 県においては、BSE対策として平成13年から屠畜場における全頭検査並びに特定危険部位の除去・焼却処分を実施しております。また、平成13年10月に「沖縄県BSE対策本部」を設置するとともに、死亡牛の検査や肉骨粉の焼却処分を行っております。さらに、本年9月にBSE対策の一環として南部地区に肉骨粉等の処理施設の整備を支援したところでございます。
 なお、国においては平成15年12月26日以降、米国からの牛肉等の全面的な輸入禁止を実施しております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 陸上自衛隊の増強についてお答えいたします。
 沖縄への陸上自衛隊の増強について防衛庁に確認したところ、新聞報道等でなされているようなことはないとのことであります。
 次に、騒音悪化に対する県の対応についてお答えいたします。
 県は、平成15年度の嘉手納及び普天間両飛行場周辺における航空機騒音測定結果を受け、去る9月16日に日米両政府に対し、騒音防止協定の遵守等の騒音軽減策を講ずるよう要請したところであります。県としては、これまでも米軍等の関係機関に対し、三者協や軍転協、渉外知事会を通じた要請を含め騒音防止協定の厳格な遵守等の騒音軽減措置を求めてきたところであり、今後とも関係市町村等と連携を図りながら粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 次に、普天間爆音訴訟関係の判決についてお答えいたします。
 普天間爆音訴訟における普天間基地司令官に対する訴えについては、去る9月16日に民事裁判権は及ぶが、直接被害者に損害賠償の責任は負わない旨の一審判決が出されております。同判決に対しては原告側が控訴したと聞いており、県としては引き続き関心を持って見守っていきたいと考えております。
 地位協定の問題点と見直しに関する取り組みについてお答えいたします。
 日米地位協定においては、基地従業員の労働問題や米軍ヘリ墜落事故の際の問題点等新たな問題点も指摘されていることから、県としては引き続き日米地位協定の問題点を検証していく考えであります。
 PCBの搬出確認についてお答えいたします。
 外務省からの報告によりますと、2003年1月17日に米国製約23トンを横田飛行場から空路にて搬出しております。2003年3月9日、米国製約24トンについて横田飛行場から空路にて搬出しております。2003年8月15日、使用済みとなっていたすべてのPCB含有物資――沖縄保管分を含むものでありますが――これは海路にて搬出しております。2004年4月10日、2003年8月の搬出以降に新たに使用済みとなったもののすべてのPCB含有物資――これは沖縄保管分も含むものでありますが――を海路にて搬出したという報告を受けております。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 米軍基地内の環境調査立ち入りについてお答えをいたします。
 米軍基地内の環境調査のための立ち入りについては、平成8年の日米合同委員会合意の「合衆国の施設及び区域への立入許可手続」に基づき申請しております。平成8年12月から現在までの立入申請総数18件のうち許可11件、不許可6件となっており、キャンプ・コートニーの鉛汚染に係る立入申請については、現在、日米合同委員会事務局で調整が行われているとのことであり、その回答を待っている段階であります。
○警察本部長(三浦正充) 米軍ヘリ墜落事故現場における対応についてお答えをいたします。
 県警は、8月13日午後2時19分ごろ、本件事故発生を認知いたしました。所轄宜野湾警察署長以下署員が現場へ臨場する一方、県警本部から捜査第一課長を初めとする関係所属各幹部及び捜査員を現場へ急行させ、負傷者の救護、現場保存、目撃者の確保、事故現場での写真撮影、交通規制等の現場捜査活動を実施いたしました。
 また、現場は燃料が漏れて危険な状況であり、また建物のコンクリート崩壊の危険性があったため、事故現場において宜野湾警察署長と米軍側の現場責任者との間で協議しながら、安全性の観点から事故現場直近は主として米軍側が、その周辺は主として県警が警備を行ったところであります。
 捜査につきましては、事故発生直後から目撃者及び参考人の確保、事故現場の写真撮影等所要の捜査活動を実施して、8月14日に米軍当局に対し米軍ヘリ機体の検証同意請求を行ったところ、17日に米軍当局から機体の検証には同意できない旨の回答があり、同日、機体を除く現場や大学の建物内について検証を実施したところであります。その後、米軍ヘリの機体につきましては20日に米軍当局に対し検証の嘱託をしたところであります。
 次に、今回の事故と民間機の墜落事故が発生した際の捜査上の相違点についてお答えをいたします。
 本件のような事故が発生をした場合には、民間機の事故同様、被害者の救護措置と被害の拡大防止を図り、また事故原因を究明して関係者の刑事責任の有無、程度等について徹底した捜査を行うことは警察の責務と認識をしております。
 ただ、民間機事故の場合との相違点は、地位協定及び刑事特別法により米国財産の検証等にはアメリカ側の同意が必要という点にあります。しかし、県警としましては、先ほど申し上げました警察の責務を達成するため事故原因の究明、関係者の刑事責任の有無等については米軍に必要な協力を求めながら徹底した捜査を行っているところであります。
 続きまして、児童虐待の実態と県警の対策について御説明をいたします。
 平成15年中に検挙した児童虐待事案は4件4人でありまして、前年に比べまして1件1人の減少であります。また、警察における相談処理は25件、児童相談所へ通告したいわゆる児童通告は7件で、前年に比べ相談処理で14件の減少、児童通告で4件の減少となっております。本年8月末までの検挙件数は2件2名で、また相談処理は21件、児童通告は7件となっております。
 警察といたしましては、児童虐待は人格形成期にある児童の心身に重大な影響を及ぼす問題であると認識しておりまして、警察安全相談や交番、駐在所などにおいて広く県民からの相談を受け、児童虐待の早期発見や被害防止に努めているところであります。
 児童虐待事案を認知した場合、保護者に監護させることが不適当であると認める児童については、速やかに児童相談所へ通告して保護の措置を図るとともに、事案によっては刑事事件として処理するなど積極的かつ適切に対処しております。
 また、児童相談所長等による立入調査、児童の一時保護に際して援助要請を受けた場合には援助活動を行っております。
 さらに、虐待を受けた児童に対しては、被害者の視点に立ち、被害者のニーズに対応した支援活動を効果的に推進することを目的として平成10年8月に結成された「少年被害者支援現場ネットワーク」を通して児童相談所等の関係機関・団体と連携を密にして対応しているところであります。
 今後とも、児童虐待の防止及び事案発生時の適切な対応に努めてまいる所存であります。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 児童虐待の実態及び対策について一括してお答えいたします。
 児童相談所が受け付けた県内の児童虐待の平成15年度の相談件数は380件で過去最高の件数となっており、その内訳は、保護の怠慢ないし拒否のネグレクトが全体の42.1%、身体的虐待が32.1%、心理的虐待は17.4%、性的虐待は7.4%となっております。全国に比べネグレクトの割合が高い状況となっております。
 県では、これまで年々増加する児童虐待への対応として、児童相談所の児童福祉司の増員や児童虐待対応協力員等の嘱託員を新たに配置するなどの体制整備を行うほか、「健やか親子おきなわ2010」において児童虐待の防止を主要な施策として位置づけ、育児支援に重点を置いた乳幼児検診や児童虐待に対する保健師等の研修会等を行っているところであります。
 また、子供虐待の予防、対応、支援にかかわるあらゆる機関・関係者が連携して効果的で適切な対応ができるよう「子どもの虐待に対応する関係機関のための手引き」を平成15年3月に作成しその周知・活用を図るとともに、児童虐待防止市町村ネットワークの設置を促進しているところであります。
 続きまして、児童相談所、児童福祉施設の整備と職員の充足状況、一時保護所の設置についてお答えいたします。
 県内に設置している中央、コザの2つの児童相談所のうち、中央児童相談所については老朽化していたことから平成15年に改築整備を行いました。
 また、職員の体制については、これまで年々増加する児童虐待への対応として児童福祉司の増員や児童虐待対応協力員、専門カウンセラー、法律専門家等の嘱託員の配置、中央児童相談所への児童虐待防止支援チーム設置等の体制整備を図る一方、児童養護施設等への心理療法士の配置、被虐待児個別対応職員の配置などを行ってきました。
 しかしながら、児童虐待の相談件数の増加、ケースの複雑化によりその対応に追われていることから、現在、児童相談所の体制について市町村、福祉保健所等との役割分担を踏まえ、より効率的・効果的な体制にするため部内にプロジェクトチームを設置し検討しているところであります。その検討結果を踏まえ、児童虐待を初め各種の養護相談等に迅速かつ適切な対応ができるような体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
 中央児童相談所に設置している20名定員の一時保護所についてはほぼ満床状態となっておりますが、今年度6名定員の地域小規模児童養護施設が設置され、さらに来年度、石垣市に40名定員の児童養護施設が設置されると一時保護所の満床状態も幾分緩和されるものと考えております。
 コザ児童相談所への一時保護所の新たな設置につきましては、一時保護の現状における問題点及び動向等について調査・分析し、今後の課題として検討していきます。
 続きまして、学童保育の現状と課題についてお答えいたします。
 本県の放課後児童クラブは、平成16年5月現在、実施箇所数200カ所、在籍児童数は9094名となっております。
 課題としては、本県は公的施設活用の割合が低く、例えば学校の余裕教室活用が全国では26.7%を占めているのに対し、本県では那覇市内の9カ所だけの4.5%と低くなっております。学校の余裕教室利用は、安全面、子供の遊び場、運営経費の軽減等において適当だと考えられることから、今年度、厚生労働省の施設整備費補助を活用し、那覇市の垣花小学校の放課後児童クラブの整備を行うこととしております。
 また、利用者の増により一部では利用申し込みをしたにもかかわらず利用できなかった児童がいることから、平成17年3月に策定する次世代育成支援の地域行動計画において放課後児童クラブの設置目標を掲げ、市町村における設置を促進していきたいと考えております。
 続きまして、在宅における高齢者虐待の実態についてお答えいたします。
 平成15年10月に実施した沖縄県在宅高齢者虐待実態調査の結果から、虐待の報告事例のうち約7割に何らかの痴呆症状が見られることや、虐待している者は息子や夫である割合が6割以上を占めていますが、その原因は介護疲れ、経済的困難等が理由として考えられ、高齢者の介護を取り巻くさまざまな要因、環境について課題が浮かび上がっております。
 続きまして、施設等における身体拘束の実態についてお答えいたします。
 県では、介護保険施設等での身体拘束廃止の実態を把握するため、平成13年度から15年度まで、介護老人福祉施設等を対象に身体拘束廃止に関するアンケート調査を実施しています。調査の結果、身体拘束で特に多い事例は、徘回しないようベッドさく、腰ひもをつける、車いすにベルトをする等ずり落ちないようにするとなっています。経年的に見ますと、身体拘束の件数は減少する傾向にあります。
 続きまして、在宅における高齢者虐待に対しての市町村との連携についてお答えいたします。
県では、平成16年3月に有識者、関係機関等による高齢者虐待に関する意見交換会を開催するとともに、市町村や関係機関等を対象に高齢者虐待防止研修会を実施いたしました。今年度は高齢者虐待防止検討委員会を設置し、相談窓口の明確化、福祉保健関係者・事業者向けマニュアルや地域住民に対する意識啓発のためのリーフレットの作成、発見・把握体制の整備等について対策を検討しています。また、市町村や福祉保健関係者を対象にした研修会等を実施し、連携・強化を図っていきたいと考えております。
 続きまして、介護保険施設等への指導についてお答えいたします。
 県は、身体拘束廃止を積極的に推進するため平成13年度に「沖縄県身体拘束ゼロ作戦推進会議」を設置するとともに、身体拘束廃止相談窓口の設置や身体拘束廃止相談員養成研修などに取り組んでおります。平成15年度には、身体拘束廃止の重要性を介護従事者や県民に周知するためにシンポジウムを開催し、「身体拘束ゼロおきなわ宣言」を採択したところです。平成16年度は、身体拘束廃止実態調査及び事例集を作成するなど、引き続き身体拘束廃止のために取り組んでまいります。また、介護保険施設等に対しては、身体拘束廃止の実施状況をチェックするなど定期的に指導を行っております。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 三位一体の改革と保育所運営費等についてお答えいたします。
 地方六団体から国に提出された「国庫補助負担金等に関する改革案」の中に、廃止対象補助金として保育所の運営費及び施設整備に係る国庫補助負担金も含まれております。
 同改革案には、税源移譲額が国庫補助負担金の廃止に伴い財源措置すべき額に満たない地方公共団体については、地方交付税の算定等を通じて確実に財源措置がなされるべきこと、税源の乏しい離島などの地方公共団体においても安定的な財政運営が可能となるよう地方交付税上特段の措置が必要であること、社会福祉施設など住民生活に直結する基礎的サービスを提供する施設については、地方債と地方交付税措置の組み合わせにより万全の措置を講じることなどが盛り込まれております。
 県としては、国庫補助負担金が廃止され一般財源化される場合でも地方交付税等により必要な財源が確実に確保されるよう、これまで関係方面へ要請してきたところであります。今後とも、児童福祉施策の推進に支障が生じないよう地方六団体とともに明確かつ確実な財源措置を国に強く求めていきたいと考えております。
 以上です。
○商工労働部長(伊川征一) 障害者の雇用対策等についてお答えいたします。
 本県の障害者雇用対策としましては、訓練終了後の雇用を目的とする職場適応訓練事業、職業能力開発校において身体障害者を対象とした職業訓練に加え、新たに知的障害者を対象とした販売実務の訓練、民間教育訓練機関を活用したパソコン事務の訓練を実施することとしております。また、特定求職者雇用開発助成金等各種助成金制度の活用促進も図っております。
 さらに、障害者就業・生活支援センターにおいては、地域の関係機関が連携した障害者の就業・生活支援に努めているところです。同センターにおいて本年度実施しております職場適応等支援者配置事業の継続につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。
 職場環境改善に対する対応と結果についての御質問にお答えいたします。
 県としては、那覇防衛施設局に対し日本人従業員の労働環境の改善等について要請をしてきたところであります。那覇防衛施設局は、勤務中に倒れた2名の従業員について関係者からの事情聴取及び関係書類の検討により調査を行ったところ、その勤務状況との間の因果関係を確認するに至っていないとの見解を示しております。
 同局は、これまでの調査を踏まえ、沖縄エクスチェンジに対し健康管理に万全を期すよう、また無理な業務遂行がなされないよう申し入れを行ったとのことであります。同局としては、さらに勤務実態を分析し、その結果を踏まえた労務管理の改善について適切な対応を米側に求めたいとしております。
 県としては、今後とも那覇防衛施設局、沖縄労働局及び全駐労沖縄地区本部と連携し、労務管理の改善に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 川崎川のしゅんせつ並びに整備計画についてお答えいたします。
 天願川水系の川崎川は、沖縄市の登川及び池原から天願川合流地点までの指定延長3.8キロメートルの二級河川であります。川崎川の改修につきましては、本川である天願川整備の進捗状況を踏まえ、今後検討していきたいと考えております。
 御質問の川崎川上流部につきましては、現地調査の結果、倒木等が流水を阻害している状況にあることから、その除去を行い、浸水被害の軽減を図っていきたいと考えております。
 次に、県道の街路樹管理についてお答えいたします。
 県管理道路の街路樹については、沖縄県道路植栽樹木等維持管理マニュアルに基づいて管理しております。
 沖縄市白川付近における主要地方道沖縄嘉手納線のリュウキュウマツの一部が枯れた原因は、ことし8月に樹木医による調査を実施したところ、松くい虫によるものであることが判明しました。枯損木は既に撤去しており、植えかえについては来年1月から2月にかけて行う予定であります。
 また、沖縄市山内付近における一般県道24号線及び主要地方道沖縄環状線の山桃の枯損木植えかえについては、地元と調整し対処していく考えであります。
 以上であります。
○農林水産部長(諸見武三) 食料・農業・農村基本計画の中間報告についてお答えいたします。
 国においては、食料・農業・農村基本計画の見直しを検討しており、平成16年8月に食料・農業・農村政策審議会からの中間報告が公表されております。中間報告については、品目別価格制度や農地制度の見直し等の概要が報告されております。
 今後、国においては、平成17年3月を目途に基本計画が策定される予定であると聞いております。具体的な施策については現在国において検討中であり、現段階では本県農業への影響及び対策等について言及する状況にはありません。
 なお、中間報告の中では、「政策推進に当たって、地域の特殊事情に配慮すること」が明記されております。
 以上でございます。
○玉城 義和 一般質問をいたしますが、その前に少しく所感を申し上げます。
 基地問題において知事の陥っている最大のジレンマは、15年使用期限及び軍民共用飛行場という条件で辺野古沖という場所をみずから特定をし県内移設を受け入れたことに尽きると思います。
 基地を受け入れてくれと頼んでくる場合は、頼んでくる方が条件を出して、この条件でどうですかと、こういうのが普通であります。少なくとも当初の海上ヘリ基地は撤去可能という条件がついておりました。ところが、稲嶺知事は今回の受け入れについて15年使用期限をみずから持ち出し、おまけにその条件は日米両国の基本的合意さえ得られてない。基地の建設だけは早々に決定してしまったわけであります。本来は、最後まで持っておくべき交渉カードを最初に切ってしまった。むしろ最初から持っていなかったのかもしれませんが、この時点で既にタフなネゴシエーターとしての立場は失われたわけであります。これが15年問題等をめぐる困難そのものの原因だというふうに思います。
 次に、ヘリの墜落とSACO普天間最終報告についてでありますが、そもそもSACOの普天間報告は、5年から7年という期限での返還が可能という前提であり、ヘリ墜落事故などは想定されておりません。しかし、ヘリ墜落事故は現実に起こったわけであります。これは状況が一変したということであり、県としても、政府としてもSACOの普天間報告を再検討するのはけだし当然のことであります。しかるに、SACO普天間報告の堅持をみずからに課す知事は、辺野古移設枠組みにみずからからめ捕られてまるで身動きがとれない、これが今日の稲嶺知事の置かれている客観的状況ではないかと思います。
 加えて、知事の15年使用期限問題はそれが確定しない限り着工はないと、こう来ているわけですから、ボーリング調査や環境アセスメント等々が終わった後、恐らく現状の日米の状況から申し上げれば、建設はストップするということになります。知事のお好きな表現をおかりすれば、普天間問題はそれこそ底知れない海底に沈み込むことになるのではありませんか。
 このような混乱が、知事が幾らNHKや東京キー局のテレビに出演なさって発言しても、一体沖縄県知事は何を国民にアピールしているのかよくわからないというのが県民や国民の率直な感想であります。
 大変な事態だとはおっしゃるが、普天間を閉鎖せよとは言わない。兵力の削減や訓練の移設は言うが、普天間の代替は辺野古で堅持するという。聞いている国民はよくわからないわけです。国民にアピールする絶好の機会に沖縄県を代表する知事として明確なメッセージを国民に送れなかったこと、まことに残念というほかはありません。
 知事、宜野湾有志議員団と与党の地元県議を含めて、7年で普天間基地を返還させるという主張が出ております。伊波市長は5年でありますから、ほぼ違いはなくなったと理解しております。地元でありますから当然のことであります。県民世論もしかりです。辺野古を移設先として挙げているのはわずか6%、反対が80%を超えているわけであります。この世論調査を宜野湾市民大会の予想を超えた大会結集は、知事がオウム返しに述べている辺野古沖移設を進める以外にないということと、県民・市民の思いとの間には相当な落差があることをはっきりと示しております。
 本土政府関係者が稲嶺知事の市民大会不参加に胸をなでおろしている姿は、知事が県民世論の立場に立ってないことがいかに我が県益を害し、小泉総理が夏休みで会えないというように日本政府との間の緊張関係を失わしめているか証明するものではありませんか。そして、県民と島民の区別がつかない大臣の誕生につながっているのであります。今こそヘリが墜落したという現実を直視をし、あらゆる選択肢をとることが知事として県民にこたえる唯一の道であるということを申し上げて質問に入ります。
 1、基地問題について。
 (1)、米軍ヘリ墜落事故と普天間移設について。
 ア、今申し上げましたように、情勢の大きな変化、また県民世論に沿い、辺野古移設方針を見直すべきであります。知事の見解を伺います。
 イ、県の言う海兵隊を含む兵力の削減及び訓練の分散移転は、SACOの普天間飛行場報告の見直しになると思うがどうか。
 ウ、県の言う一日も早い返還は、16年もかかると言われる辺野古移設によって実現はできないと思うがどうか。同時に、SACOの普天間最終報告との関係はどうか。この普天間最終報告との関係は非常に重要ですから、抜かさずに御答弁をお願い申し上げます。
 エ、県の言う実効ある再発防止策とは具体的にどのようなものか、またそのような方策は現実に可能なのか。
 オ、12日間待って25分間の小泉・稲嶺会談で、知事は政府からどのような成果を引き出したか。
 カ、米軍再編で沖縄県として日本政府に対しどのような具体的要求・要請をなさってきたか。
 キ、米連邦議会の海外基地見直し委員会、公聴会出席はどうなっておりますか。
 ク、事故直後に米軍がフェンスを乗り越えて沖国大に入った。この法的根拠は何ですか。
 ケ、同時に生活道も封鎖をされました。根拠は何でしょう。
 コ、1977年、横浜での米軍戦闘機のとき日米共同で現場検証をされております。沖縄でできないのはなぜか。
 (2)、辺野古沖におけるボーリング調査についてでございます。
 ア、地元の頭越しにはやらないと言い続けてきたが、ヘリ墜落で世論が沸騰しているさなか、抜き打ち的に調査が始まった。現場ではお年寄りを含め5カ月以上にわたって座り込みの抗議が続いている。県としてはヘリ墜落事故の新たな情勢も受け、調査の凍結をすべきだと思うがどうか。
 イ、知事は現場を視察し、地元反対の人々の声を聞くつもりはないか。
 ウ、中城湾港でやっている作業はどんなものか。また、同港湾で軍事施設関係の作業は容認されるか。
 (3)、15年使用期限問題についてです。
 ア、15年使用期限問題を解決するために出馬をする、知事の決意ですね。2年たちました。あと2年余の任期の中でこの大問題を解決する方策はおありでしょうか、具体的にお示しください。
 イ、宜野湾市移設促進有志議員団及び安次富地元県議らは、7年以内の返還と同時に15年使用期限は早期移設の障害となっていると主張されております。また、SACO当時の当事者であった久間元防衛庁長官――自民党総務会長でしょうか――15年使用期限や軍民共用は不可能あるいは障害と発言されているし、中川自民党(当時)国対委員長も同様な発言をしております。
 知事は、この動きをどう認識されておりますか。
 ウ、15年使用期限問題が決着しなければ着工はあり得ないとの決意はお変わりないか。また、着工とはどのような作業を指し、いつごろか。
 (4)、基地使用協定について。
 ア、基本合意書については、日米地位協定2条1項(a)とは関係ないとの6月議会の公室長の答弁です。しからば基地使用協定は何条によって合意化されるか。
 イ、現在ある基本合意書は最終的に現在の国、県、市で合意する独自的な文書なのか。
 ウ、あるいは日米合同委員会の合意のための準備的・予備的文書なのか。
 エ、どの段階で合同委員会の合意文書はでき上がるか。
 オ、地位協定は3条の1において米軍基地の自由使用をうたっております。これは安保条約、地位協定の本質をなす部分で名護市が期待する機種、飛行ルート・時間、基地立ち入り、環境等大幅な規制を加えるためにはこの基本部分の改定が必要であります。県の見解を伺います。
 2、観光振興について。
 (1)、デスティネーションウエディング、リゾートウエディングに力を入れるべきだと思いますが、現状はどうなっておりますか。ハワイやグアム、軽井沢などと競争するには施設、人材などを含めてどのような施策が必要か。
 (2)、滞在日数をあと1日延ばすために本島プラス離島1泊の商品パターンをつくるべきだと思います、いかがでしょうか。
 (3)、台風時の観光客対策――18号で1万7000名の足どめと報道されておりますが――はどのように取り組まれておりますか。
 3、ハンセン病関係についてです。
 (1)、ハンセン病証言集編集事業について。
 ア、今年度から県の支援・指導を受けながらやっておりますが、取り組みの現状はどうか。
 イ、今後の推進事業のため予算の確保も含めて取り組みが必要だと思いますが、県の対応を伺います。
 財政担当の総務部長の答弁もお願いを申し上げます。
 (2)、ハンセン病療養所の将来構想について。
 大変お年寄りが多いわけでございまして、近い将来の入所者が減少をするわけであります。これを考慮して将来の構想を考える必要があります。現在の入所者の入所を保証しながら医療機関としてどのように地域に開放されたものにしていくかということが重要です。沖縄県としての考えを伺います。
○知事(稲嶺惠一) 玉城義和議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、世論調査についての御質問のお答えでございます。
 最も望ましい選択を求めるとそういう結果が出ることは当然だと思います。私は、辺野古移設に固執しているのではありません。実効性のある代替案が提示されていない段階で、日米両政府で確約された返還方針を変更することはできないと考えております。
 次に、SACOの見直しについての御質問にお答えをいたします。
 普天間飛行場の移設・返還については、SACO最終合意で日米両政府によって確約されたものであります。SACO最終報告で合意された事案については、日米両政府あるいは政府と地元自治体等との間で諸条件等について協議し、双方の合意に基づき実施されているところであります。
 一方、兵力の削減及び訓練の分散移転については、当面の危険性の除去という緊急的措置として県が日米両政府に強く求めたものであり、SACO最終報告の見直しにはならないと考えます。
 次に、辺野古移設とSACO合意との関係についてお答えをいたします。
 SACO最終報告では、「今後5乃至7年以内に、十分な代替施設が完成し運用可能になった後、普天間飛行場を返還する。」となっており、代替施設の建設が返還の条件となっております。普天間飛行場の移設・返還については、SACO最終報告で日米両政府によって確約された返還の方針に基づき、現在行われている移設作業を進めていくことがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。また、事業者である国は工期短縮について技術的に早くする努力は可能であると考えている、政府としてもなし得る限り努力をすべきだと考えているとしております。県としては、可能な限り工期短縮の努力をしていただきたいと考えており、普天間飛行場の一日も早い返還を求めているところであります。
 次に、事故の実効ある再発防止策についての御質問にお答えいたします。
 実効ある再発防止策については、基地の提供責任者である日本政府と基地を運用している米国政府の責任において具体的に検討されるべきものであります。
 次に、総理との会談についての御質問にお答えをいたします。
 去る8月25日に私が小泉総理大臣にお会いした際総理からは、沖縄の厳しい状況は理解している、できるだけ早く関係省庁と相談しながら何らかの形でよい方策を出したい、そして今回の事故に対してはこういうことはあってはならない、沖縄の抱える問題に対して少しでも進めるものは進めていきたいという話がありました。去る9月21日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍ヘリ墜落事故に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。
 次に、米軍再編に係る県の要請行動についてお答えをいたします。
 私は、機会あるごとに兵力の削減及び訓練の分散移転など沖縄の基地負担の軽減を求めてきており、去る9月21日には細田官房長官にお会いし日米首脳会談において沖縄の基地負担の軽減について取り上げられるよう強く求めたところであります。先日の日米首脳会談における米軍再編に関する協議の中で小泉総理大臣から、特に米軍ヘリ墜落事故に言及した上で、両首脳が地元の負担軽減に考慮して取り組むことを確認しております。
 次に、公聴会出席の見通しの御質問にお答えをいたします。
 公聴会への出席については、在沖米国総領事や米国連邦議会の関係者及び在日米国大使館首席公使に対しても協力をお願いしたところであります。現在、公聴会の開催予定や現地調査の有無等についても問い合わせを行っており、今後とも関係機関等を通「合衆国海外軍事施設の構成見直しに関する委員会」の活動予定等の把握に努め積極的な働きかけを行いたいと考えております。
 次に、ボーリング調査についての御質問にお答えいたします。
 ボーリング調査については、那覇防衛施設局から提出された公共用財産使用協議に対し、留意事項や環境配慮事項を付して同意したところであります。那覇防衛施設局は、県から示された留意事項や配慮事項を踏まえ現地技術調査を実施するとしており、引き続き地域住民の生活環境やジュゴンを含む自然環境に十分配慮しつつ調査を実施していただきたいと考えております。
 次に、現場視察についての御質問にお答えいたします。
 ボーリング調査について事業者である那覇防衛施設局は、調査が安全に実施できるよう留意しながら実施していきたいとしており、円滑に進められるよう望んでおります。ボーリング調査に反対する団体等の要請、抗議の声については、要請を受けた知事公室長から詳細に報告を受けております。
 次に、15年使用期限問題についてのお答えでございます。
 15年使用期限は、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、沖縄県が移設に当たって整備すべき条件として日本政府に対し提示しているものであります。私は、同問題が任期中に解決できるよう最大限の努力をしていきます。
 次に、15年問題と軍民共用空港に関する発言についての御質問にお答えいたします。
 これまでいろいろな方がそれぞれの立場で発言されていることは承知しております。普天間飛行場の代替施設については、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から15年使用期限を設け、さらに新たな基地負担を担う移設先及びその周辺地域の振興を図る施策として飛行場機能を活用するとの観点から代替施設を軍民共用とすること等を沖縄県が移設に当たって整備すべき条件として日本政府に提示したものであります。これらの条件は閣議決定された政府方針に盛り込まれており、このことが移設作業の支障になったとは理解しておりません。
 次に、15年使用期限と着工についての御質問にお答えいたします。
 15年使用期限問題については、着工までに解決するという意思は変わっておりません。普天間飛行場代替施設については、現在進められている環境影響評価などの手続に加え、さらに県や名護市が求めている諸条件が満たされた後、着工されるものと考えております。また、着工とは代替施設の埋立工事に着手された段階を指すものであると考えております。現時点では、環境影響評価にどのくらいの期間を要するか予見ができませんから、具体的な工事の着工時期については明らかにされておりません。
 次に、沖縄リゾートウエディングの現状と今後の対応についての御質問にお答えをいたします。
 本県における平成15年のリゾートウエディングは2500組で、挙式や披露宴の同伴者を含めると約7万人の方々が沖縄を訪れており、過去5年間で約10倍にふえております。また、本年は3500組の誘致が見込まれるなど本県の認知度は高まっております。
 リゾートウエディングは、衣装、美容、写真、記念品、運輸など幅広い需要を通して雇用効果や経済効果の高い分野であり、県としても積極的に推進しているところであります。今後、ウエディングプランナー、美容や写真などの分野における専門家の育成及び挙式後の同伴者を含めた旅行商品の開発、チャペルなど魅力ある関連施設の整備・拡充を促進してまいります。また、関係機関や業界との連携を図り、亜熱帯の自然や独特の文化など沖縄の特性を生かした「おきなわブランド」の確立に努めるとともに、国内外への情報発信を強化してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 米軍が大学内に入った法的根拠についてお答えいたします。
 外務省に確認したところ、日米地位協定第17条の刑事裁判管轄権に関する日米合同委員会合意第10の4において、合衆国軍用機が施設・区域外に墜落した場合において事前の承認を受けるいとまがないときは、必要な救助作業または合衆国財産の保護をなすため公有または私有の財産に立ち入ることが許されるとされており、この日米合同委員会合意に基づくものであるとのことであります。
 次に、基地使用協定についてお答えします。
 代替施設に係る使用協定については、日米地位協定第25条に基づき設置される日米合同委員会で合意されるものであります。
 次に、基本合意書についてお答えいたします。
 基本合意書は、代替施設の使用に係る措置の基本的な事項について国、県、名護市の三者で合意し締結された完結した文書であります。
 日米合同委員会との関係についてお答えいたします。
 先ほども申し上げましたが、基本合意書は国、県、名護市の三者で合意し締結された完結した文書であります。また、基本合意書の内容については日米合同委員会で合意されております。
 次に、合意文書についてお答えいたします。
 使用協定については基本合意書をもとに協議を進め、工事着工までには代替施設の使用に係る措置の内容を明らかにし、供用開始までに締結することになっております。また、使用協定の内容については日米合同委員会等で合意を得ることとなっておりますが、合意文書ができる時期については今後、国、県、名護市及び日米両政府の協議を通じ調整がなされるものと考えております。
 次に、地位協定との関係についてお答えいたします。
 使用協定は、地域の安全対策及び基地から発生する諸問題の解決等を講じるために必要であります。
 一方、地位協定については抜本的な見直しが必要であると考えており、地位協定第3条に関しては、事前通告なしの立ち入りを可能にすることや、安全または環境に影響を与える事件・事故に関する情報の提供、日本国内法の適用を明記するよう見直しを求めているところであります。
 以上であります。
○警察本部長(三浦正充) 事故発生時の交通規制の法的根拠についてお答えをいたします。
 道路交通法第6条第4項で、「警察官は、道路の損壊、火災の発生その他の事情により道路において交通の危険が生ずるおそれがある場合において、当該道路における危険を防止するため緊急の必要があると認めるときは、必要な限度において、当該道路につき、一時、歩行者又は車両等の通行を禁止し、又は制限することができる。」と規定されております。
 今回の事案におきましては、ヘリの墜落炎上に伴う危険性のほか、事故発生直後は消火活動や救助活動等により現場付近の道路は混雑し、交通の危険が生ずるおそれがあったため警察官を現場に急行させ、危険を防止するため沖縄国際大学前のカレッジサービスステーション前から沖縄国際大学入り口バス停東交差点の約400メートルを通行どめにいたしております。同時に外周道路の長田交差点、真栄原交差点、佐真下交差点等の主要交差点に警察官を配置し、交通の安全と円滑を図るため交通整理、誘導等を実施いたしております。
 さらにその後、現場には見物人等が殺到し、交通渋滞やその見物人等が車道にあふれることによる交通事故の発生が強く懸念されたことから、交通の安全と円滑を図るため引き続き交通規制が必要であると判断し、8月13日の午後5時から道路交通法第5条第1項による警察署長の交通規制に切りかえ、交通規制区間を約300メートルに短縮して車両の迂回路を確保した上で当該区間の通行どめ等の規制を実施したものであります。そしてこうした状況が解消されたと認められた8月16日の午後0時30分に交通規制を解除いたしております。
 続きまして、日米合同の現場検証ができなかった理由についてお答えをいたします。
 地位協定及び刑事特別法により、米国財産の検証等につきましては米軍当局の同意が必要でありますが、今回の事故については県警から米軍当局に対して機体の検証の同意を求めたところ、米軍当局からその同意を得ることができなかったため共同して機体の検証を行う機会が得られなかったものであります。
 具体的には、県警の検証同意要請に対し、8月17日にアメリカ側から検証には同意できない旨の回答がありましたが、先方からの回答にはその理由については特に触れられておらず、残念ながらその理由については判明をしておりません。
 なお、機体以外の現場及び大学の建物については日本側において検証を実施し、また残るヘリの機体については現在米軍に対し検証を嘱託しているところであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 中城湾港での作業状況及び作業の容認についてお答えいたします。
 荷さばき地における作業状況については、防衛施設庁から委託を受けた企業が名護市辺野古沖でのボーリング調査に使用する機材を搬入し、組み立てた後搬出を行ったものであります。搬入された機材は地質調査用として一般的に使用されているものであり、沖縄県港湾管理条例に基づき許可したものであります。
 以上です。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、滞在日数を延ばすための離島を含めた商品造成についてお答えをいたします。
 県におきましては、滞在日数の増加を図るため、地域に密着した体験・滞在型観光メニューの開発や長期滞在者向け宿泊施設の整備促進などに取り組んでおります。離島を含めた旅行商品の造成により、滞在の長期化を図るためには離島における魅力あるプログラムのなお一層の開発や宿泊施設などの受け入れ体制の強化を図る必要があります。現在、県におきましては宮古、八重山、久米島地域で各地域関係者や旅行会社との連携により、新たなプログラム開発や誘客プロモーションを行う離島地域観光活性化推進事業を実施しております。また、その他の離島につきましても観光資源の開発、観光情報の発信、質の高い人材の育成などを推進するとともに、本島との連携を促進し滞在の長期化を目指してまいりたいと考えております。
 次に、台風時の観光客対策についてお答えをいたします。
 現在、那覇空港における台風時対策といたしましては、関係機関等で構成する台風時観光客対策協議会の取り組みとしてホテル空き室情報の提供やタオル、ビニールシートの提供、琉球舞踊の実施、テナント営業時間の延長、携帯電話充電サービスの実施、医師の配置等を実施しております。さらに、今年度は観光客の空港内滞留の抜本的解消を図る目的で学識経験者、航空会社、ホテル関係者等で構成する「台風襲来時における観光客の航空輸送対策調査検討委員会」を設置したところであり、関係者の英知を集め観光客の負担を可能な限り軽減するための方策を検討してまいります。
 一方、民間有志による「台風時観光支援ボランティアヒューマンネットワーク」が8月4日に発足し、台風18号及び21号の襲来の際にはホームステイや空港におけるライブコンサートが実施されました。このことは観光客を温かく迎える県民ホスピタリティーの発露として称賛すべき活動であると認識しており、今後とも連携を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 証言集編集事業の取り組みの現状と予算措置を含めた今後の県の対応について一括してお答えいたします。
 県では、愛楽園・南静園自治会及び編集事務局とこれまで数回の連絡会議を開催し、証言集の事業内容、編集計画について協議してきました。現在は、両自治会に対し、編集委員会の設置、編集事務局及び事務執行体制の整備について助言を行っているところです。また、予算については関係部局と協議していきたいと考えております。
 続きまして、ハンセン病療養所の将来構想についてお答えいたします。
 厚生労働省は、全国にある13カ所の国立療養所については国の機関として存続させ、入所者が希望する場合にはその意思に反して退所・転園させることなく終生の在園を保証することとしております。また、療養所内で行えない医療については委託治療を考えており、それぞれの地域に合った方法で医療の充実を考えたいとしております。さらに、国は療養所の今後のあり方としてそれぞれの療養所でどのような形が望ましいか話し合いをすべきであるとの見解を示しております。将来構想については、今後、国の具体的方針が提示された後に地域の保健・医療・福祉の各分野と連携ができるよう両園及び地元市町村と話し合いを行っていきたいと考えております。
○総務部長(仲田輝享) 編集事業の予算措置についてお答えします。
 平成17年度予算につきましては、10月の下旬に予算の編成方針を各部局に通知することにしております。したがいまして、現段階で予算措置について申し上げることはできませんが、11月下旬に提出される部からの概算要求書をもとに証言集編集事業の内容やこれまでの経緯等についてよくヒアリングを行い、財政状況も踏まえて対応していきたいと考えております。
○玉城 義和 再質問を行います。
 公室長、あなたは私の質問を巧妙に避けておられるんで、25条の合同委員会で決めるのはそれは当たり前ですよね。問題はこの25条の根拠となっている法律、条文はどこかと言っているわけで、2条の1は個々の施設及び区域に関する協定は25条の合同委員会でやると、当たり前のことです。したがって、2条の1項(a)がこの協定の根拠でしょうということを言っているわけですね。もし違うとおっしゃるなら、この種の協定を排除をする根拠をお示しください。
 それから一番肝心なのは、このヘリ墜落があって名護市民が一番心配しているのは本当に協定が守られるかどうかなんですね。だから今、日本政府と、国と県と市がやって協定がいかなる段取りで日米の合同委員会に上がるかということが興味なんで、日日協定を結んでアメリカを入れたら全部だめになったというんでは何の意味もないから、その手続を聞いているわけです。だから、どういう手続で合同委員会の合意文書になるかということを御説明ください。
 それから土木建築部長、中城湾の使用目的から軍事施設関係をつくるということは外れるんじゃないかと。使用目的外ではないかということを聞いておりますので、そこをあれしてください。
 それから知事、基地問題、まず1の(1)のウです。普天間の一日も早い返還を求めるということはSACOの最終報告の関連でいえば、皆さんの立場で考えれば、普天間の一日も早い返還を求めるということの整合性を考えるとすれば代替施設の工期を縮めるということとセットですか、これは。
 それともほかの考え方も、ほかのあらゆる選択肢もとるということですか。それともこの工期を縮めるということで、一本に絞るということと同義語で使っていらっしゃるんですか。
 これはなぜそういうことを言うかといいますと、国の方は一日も早い移設・返還というふうに移設を前に入れているわけですね。
 ところが沖縄県の場合は、移設が抜けているんですよね。一日も早い返還になっているもんですから、私はこれは辺野古も含めて違う選択肢もとるということが含まれているのではないかということで聞いておりますんで、工期の短縮とセットだと、同義語だと、一日も早い返還はですね。そういう意味なのか、ほかのことも考えられるのか、そこのところをお願いします。
 それから、同じく基地問題の1の(1)のイですが、これは非常に重要な場所なのでよくお聞き願いたいんですが、兵力の削減と訓練の移転とSACOの関係ですが、普天間報告の関係ですが、SACOの普天間報告の第3の準拠すべき方針の(a)はこうなっています。これは、あしたの呉屋議員の質問にも出ますが、「普天間飛行場の重要な軍事的機能及び能力は今後も維持することとし、人員及び装備の移転、並びに施設の移設が完了するまでの間も、現行水準の即応性を保ちつつ活動を継続する。」、これがSACOの最終報告なんですね。
 したがって、今知事がおっしゃる兵力の移転とか、分散だとか、あるいは訓練の分散移転というのはSACOの最終報告と違うことになっている。だからSACOの最終報告は明文があるわけですから、これに違反しませんかと。裏返して言えば、知事の移転分散の要求を米軍は、SACOの最終報告には日米でこう決めてありますよと、水準は維持しますよと、これは断る理由になるわけですね。だからSACOの最終報告の関係はどうかということです。
 これは事実問題でありますから、この相違はお認めになりますかどうか、これが1つ。
 もう一つは、そしてそれは当然SACOの見直しになるわけですね。ここのところは事実問題ですからはっきりしてください。
 それから、実効ある再発防止策というのは存在するかということを聞いたんですが、日米の問題だと言っているわけですね。そんなことはないんで、これは知事がおっしゃっているわけですからね。実効ある再発防止策を求めるというのは知事の要求なんですね。
 私は、現実問題として今度の墜落の原因について米軍は、要するに後部ローターの部品が落っこっちゃったと、抜けたと。それでローターがコントロールが不可能になって落っこっちゃったと、こう言っているわけですね。そしてそれは個々の機の問題だとこう言っているわけです。
 例えば、全般にかかわる共通の欠陥があるんであればまだしも、個々の機が原因だとすれば、これは防ぎようがないんですね。だから言葉としては、実効ある再発防止策というのは言えますが、実際問題としては言えないわけですね。どこで起こるかわからない。だからこの実効ある防止策というのは一体何を指しているかがわからないわけです。
 例えば、普通の乗用車だって、民間の飛行機だって落ちますよね、事故があると。これはどうしても現代生活に必要だから飛ばしているわけですね。あるいは走らせている。
 ところが、我々にとって米軍機は必要不可欠ではないわけです。だから実効ある防止策というのは、すなわち飛ばさないことなんですね。それはすなわち閉鎖につながるわけですね。
 そこのところの認識があるかどうか。私は閉鎖につながると思いますが、そのことはどうかをひとつ聞きたいと思っております。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後2時56分休憩
   午後3時  再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。 
 20分間休憩いたします。
   午後3時  休憩
   午後3時42分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 休憩前の玉城義和君の再質問に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 玉城義和議員の再質問にお答えします。
 最初は、一日も早い返還は工期短縮とセットかとの御質問にお答えいたします。
 県としては、一日も早い返還を求めているところであり、返還の方法については国において検討されるものと考えております。
 次に、兵力削減とSACOの見直しについての御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の移設・返還については、SACO最終合意で日米両政府によって確約されたものであります。
 一方、普天間飛行場の当面の危険性の除去という緊急的措置及び米軍基地の着実な整理縮小を図り、米軍基地をめぐる諸問題の解決を促進するためには、海兵隊を含む在沖米軍兵力を削減する必要があると考えており、日米間で協議するよう求めているところであります。したがって、県が求める海兵隊を含む兵力の削減及び訓練の分散移転はSACO報告の見直しにはならないと考えております。
 次に、実効ある再発防止策とは何かについてお答えいたします。
 実効ある再発防止策については、あくまでも基地の提供責任者である日本政府と基地を運用している米国政府の責任において具体的に検討されるべきものであります。
○知事公室長(府本禮司) 使用協定の手続等についてお答えいたします。 
 代替施設の使用協定は、国、県、名護市の間で合意される文書であります。
 その使用協定の内容につきましては、日米合同委員会で合意を得ることとされております。この手続につきましては、基本合意書に基づきまして国、県、名護市でつくっております実務者連絡協議会で調整をするとともに、日米間の普天間実施特別作業部会において協議され、その日米特別作業部会で勧告といたしまして日米合同委員会で合意されることになり、その合意を受けて使用協定が国、県、名護市の三者で締結されることになると考えております。
 なお、地位協定、いわゆる2条1(a)の使用協定との関係につきましては、今後の協議の中で明らかになってくるものであると考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 使用目的外であるのではについてお答えいたします。
 使用許可に当たっては、申請の内容を判断し、沖縄県港湾管理条例に照らし合わせ適切に対応することになります。
 今回、中城湾港の荷さばき地に搬入された機材は地質調査用として一般的に使用されているものでありますので、沖縄県港湾管理条例に基づき許可したものであります。
 以上です。
○玉城 義和 ちょっと休憩をお願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後3時46分休憩
   午後3時51分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 再度お答えをいたします。 
 先ほども申し上げましたけれども、今回の問題は普天間飛行場の当面の危険性の除去という緊急的措置として求めるものであります。したがってSACO報告の見直しにはならないと考えております。
○議長(外間盛善) 玉城義和君。
 休憩いたします。
   午後3時53分休憩
   午後3時55分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 知事のおっしゃっている兵力の削減や訓練の移転は、SACOで言う「軍事的機能及び能力」の低下に当たり、SACOの普天間報告とは明らかに相違していることですが、いかがでしょうか、もう一度お聞きします。
 それから、実効ある再発防止策というのは、基地の機能の閉鎖以外にないと思いますが、いかがでしょうか。
○知事(稲嶺惠一) 再度お答えをいたします。 
 今回の兵力の削減及び訓練の分散移転、これは普天間飛行場の当面の危険性の除去という緊急的措置でございますので、したがってSACO報告の見直しにはならないと、危険性の除去という緊急的措置と考えております。
 次に、実効ある再発防止策については、あくまでも基地の提供責任者である日本政府と基地を運用している米国政府の責任において具体的に検討されるべきものであります。(発言する者多し)
○玉城 義和 これ以上聞いても意見はもう出ませんですね。
 皆さんおわかりのとおり、完全に答弁の破綻であります。県民世論に背を向けてこういうことを続けていくとだんだんだんだん矛盾は深まるんですね。私は、こういうことをあと2年間やることは物すごくこれは県益に不利益を与えると思います。本当に知事は私はこれはリコールに値するんじゃないかと、そういう声が県民から出てくるんじゃないかというふうに思って警告を申し上げて質問を終わります。
○瑞慶覧 朝義 ただいまから一般質問を行います。
 まず1点目に、基地問題についての質問でございます。
 その中で(1)つ目に、金武町キャンプ・ハンセン内の伊芸地域における都市型訓練施設建設の問題についての質問でございます。
 去る9月13日に県議会米軍基地関係特別委員会による都市型訓練施設建設現場の視察がございました。現地では、在日米軍沖縄地域調整事務所長のターンボウ大佐により訓練施設の内容説明がありました。
 彼の説明によりますと、レンジ4の訓練施設は山に向かって射撃訓練をするので絶対安全だと言っておりました。流弾・跳弾事故などの心配はないとのことでありましたが、伊芸地域におきましては過去に庭先で遊んでいる3歳児の足に銃弾が命中して傷を負う、また部屋にいて化粧中の19歳の女性の大腿部に銃弾が命中して重傷を負うなど流弾・跳弾事故は枚挙にいとまがないほど起こっており、そのときにも米軍は、射撃訓練は山に向かって行っているので安全だと言ってきました。
 山に向かって撃ったはずの銃弾が何ゆえ伊芸の民間地域にまで飛んできたのか。米軍が言う安全性の確保は全く信用できず、伊芸地域は安心して生活ができない危険地帯であるというあかしではないでしょうか。
 米軍は、この都市型訓練施設建設に当たり、外務省沖縄事務所や那覇防衛施設局に対して次のことを提示しました。
 環境対策として、1つ目に、建設工事の実施に当たっては日本環境基準に従うとともに、沖縄県赤土流出防止条例を考慮する。2つ目に、建設業者に対して赤土流出防止計画の提出を義務づける。3つ目に、のり面を安定させるために植栽を実施する。4つ目に、赤土流出防止さく及び防水シートを使用して工事を実施する。
 以上のことを約束しております。
 ところが、流出防止さくを完全にしないまま急ピッチで工事を進めたために去る台風18号に伴う大雨の際、大量の赤土が流出し広範囲にわたって海域を汚染した。同工事請負業者は、県に対して工事着手前に赤土流出防止計画書を提出したかどうかお伺いいたします。
 また、工事現場からの赤土流出によりモズク養殖場海域が24ヘクタールと、県と金武町によるふるさと海岸整備事業の実施中であります海浜公園が汚染された。県は、この汚染の実態をどう見るか伺いたい。
 また、赤土汚染による被害状況を調査して米軍や建設業者に対して被害補償請求をすべきだと思うがどうでしょうか。
 リュウキュウマツの生い茂る自然の山をあれほど広範囲に削り取って、自然を保護するなんて言えたものではありません。あの状態では今後も大雨の際はまたもや赤土流出が起こりかねない。県としては、その対策をどのようにするつもりかお伺いいたします。
 伊芸区民は、文字どおり命がけで抗議行動をしてから4カ月以上にもなる。中には体調を悪くして病院通いをしている区民もいると聞く。知事は、同訓練施設建設に本当に反対であればぜひ現地に出向いて区民の生の声を聞いていただきたい。地元住民は知事の現地視察を待ち望んでおります。知事にその考えがあるかどうか明確に御答弁をいただきたい。
 基地問題についての(2)番目に、北谷町美浜の民家庭先に去る6月15日にFA-18ホーネットから飛行機部品装着ボルトの落下事故があり、8月6日になって米軍が事実を明らかにした。落下場所は、住宅の屋根からわずかしか離れていない洗濯物干し場のすぐ手前でありました。この事故も、もしも人が庭にいたら大惨事になりかねないような大きな事故であります。
 米海兵隊は、事故原因について整備点検に係る人的ミスとのことで戦闘機自体の欠陥は否定しておりましたが、去る9月15日の新聞報道によりますと、オーストラリアで岩国基地所属のFA-18ホーネットが訓練中に墜落したとの報道がなされております。戦闘機がいつかは墜落するかもしれないという住民の不安を完全に消し去るには、民間地上空の飛行を直ちに中止する以外にありません。
 この事故で我が社大党は、8月13日、県に対して次のことを申し入れた。1つ目に、落下部品250グラムがどの程度の重量になって落ちてきたか。2つ目に、民間地域上空の飛行訓練を直ちに中止するよう求めること。3つ目に、事故原因の究明と防止策を申し入れ早期に公表すること。4つ目に、すべての米軍機の安全確認を行うこと。
 以上の4点を社大党から県に対して要請いたしました。
 県は、関係機関に対してしかと申し入れるとのことでありましたが、米軍に対してそのような申し入れは行ったのかどうか、またその結果はどうなったか御答弁を求めます。
 (3)つ目に、キャンプ桑江北側返還軍用地の原状回復作業についての質問でございます。
 キャンプ桑江北側返還地は、本来なら土地を使用した米軍が土壌汚染の処理、原状回復をしてから返還をすべきでありますが、異常な日米関係で残念ながら現実は不平等条約である日米地位協定に阻まれて、日本政府が原状回復にかかるすべての費用を負担することになっております。
 去る9月16日の新聞報道によりますと、これまでの土壌汚染の処理費用が実に7億8000万円を要したと報道されております。土地の引き渡し後は、あす10月1日以降からは北谷町主導で汚染土壌の処理をすることになったわけでありますが、埋蔵文化財分布地域の土壌汚染の処理についてかなりの時間と費用を要するものと思われます。
 完全に汚染土壌が処理されるまでの間、それに伴う費用負担については北谷町や地権者に何ら負担を強いることがないよう国の責任において速やかに実行されるよう県の支援が必要であると考えるが、知事の見解を聞かせていただきたい。
 (4)点目に、CH-53D型米軍ヘリ墜落事故並びに普天間飛行場の即時閉鎖と移設問題についての質問でございます。
 8月13日の事故当日、現場は米軍が占拠しており、直近の警備はすべて米軍が行っているのを目の当たりにした。一方、沖縄県警は住民側に盾を持ってバリケードを張った。そのことは現場にいる多くの県民が違和感を感じた。
 我々軍特委員会が事故後に現地米軍に対して抗議行動をした際、在日米軍地域調整事務所長のターンボウ大佐が、米軍は沖縄県警を現場から排除したのではない、マスコミの報道は不誠実であり、正確でない情報が報道されている。沖縄県警は、米軍が合同警備の申し入れをしたが、人員不足であることを理由に沖縄県警側が断ったのだと言っておりました。
 また、8月18日の新聞記事に、在日米海兵隊副司令官は、米軍は県警に一緒に捜査をしようと申し入れたが、県警が、人が足りないので米軍だけでやってほしいと言われた。県警を排除したのではなく、むしろ米軍側の協力依頼に県警側が応じなかったと報道された。果たして真実はどうであったか、県警本部長に県民の前でしっかりとお答えいただきたい。
 もし、米軍の言うことが事実ならゆゆしき問題であります。大佐が言ったこと、あるいは在日米軍副司令官の言ったことが事実に反するなら、真実に基づいて厳重に抗議すべきではないでしょうか。県警にそのつもりがあるかどうかについて御答弁をいただきたい。
 去る8月27日の新聞報道によりますと、トーマス・ワスコー在日米軍司令官が、普天間飛行場の移設先に嘉手納基地への統合案も一つの選択肢との発言があった。普天間飛行場はだれもが認める世界一危険な基地である。県民が求めているのは普天間基地の即時機能停止であり、県外、国外への早期移設であって、危険を県内にたらい回しすることではありません。
 辺野古沖への新たな基地建設は県民の80%以上が反対しており、知事の言うベターな選択は県民にノーと宣告された。知事は今こそこの現実に目を向けるべきときであります。
 さらに、嘉手納基地への統合案に対しても絶対に許されることではありません。ヘリコプターは落ちるものだということが8月13日で現実のものとなりましたが、普天間基地で危険なものは辺野古でも嘉手納でも危険であります。
 普天間飛行場の嘉手納基地統合案については、北谷町、嘉手納町、沖縄市の3首長、議長で構成する協議会を結成し、それぞれの自治体で住民大会を開いて嘉手納飛行場への一部移駐をも認めない、基地機能の強化につながることは一切認めないとする強い姿勢を明確にして三連協が結成されたいきさつがございます。
 去る9月15日の新聞は、嘉手納基地を日米共同使用、航空自衛隊の戦闘機を移駐する内容の記事が1面トップを飾った。在日米軍の再編問題に絡み米政府が日本政府に対して具体的に提案しているとされておりますが、航空自衛隊機の嘉手納統合並びに普天間基地のヘリコプター移設問題も含めて嘉手納地域住民としては断じて容認できない。我々は、住民運動を起こし阻止行動を展開する考えがあることをこの場で表明しておきたいと思います。
 県は、一連の報道――普天間基地の嘉手納統合、自衛隊の嘉手納基地共同使用問題などをどのように解釈しておられるか、真相の確認と県の見解を伺いたいと思います。
 2点目の県道24号線バイパスにつきましては、時間の都合上、取り下げて次の機会に行いたいと思います。
 次に、観光振興と交通渋滞の緩和策についての質問でございます。
 北谷町と那覇を結ぶ高速船の導入を図り、海上交通アクセスの確立を図ってはいかがでしょうか。慢性的な58号の交通渋滞の緩和策として、また観光振興の面からも画期的だと思うがどうでしょうか。
 (2)つ目に、北谷側としては現在進めているフィッシャリーナ整備事業の中で将来的に高速船が導入されることを想定して喫水を十分確保するための作業を今回行うことになっております。空港利用との一体化を図るために那覇側の寄港先としてフリーゾーン地域一帯に係留施設の整備をすることができないかどうか、その可能性について県の見解を伺いたいと思います。
 次に、緑化推進事業についての質問でございます。
 (1)、モノレールの車窓から見える周辺の景色はコンクリートばかりであります。目に優しさを求めるとともに、都市景観の観点から屋上緑化や壁面緑化の推進をする必要性を感じて今回提案したわけであります。県としてはどのような見解であるか、御答弁をいただきたいと思います。
 (2)つ目に、去る9月8日から9日まで、さとうきび価格要請団の一員として私も東京に同行いたしましたが、大都市東京においてもコンクリートジャングルと言われている割には都市緑化は見事であります。ビルの合間に大木が生い茂っておりました。車社会の我が沖縄県は、特に市街地では年々ヒートアイランド現象が深刻化しております。そのことからもっと都市緑化に力を入れるべきではないでしょうか。沖縄の地域特性に合った樹種選定をして全県的に緑の倍増運動に取り組んでみてはいかがでしょうか、当局の見解を伺いたいと思います。
 最後に、松くい虫の駆除の状況、「松くい虫ゼロ大作戦」の課題と現状、今後の方針について伺いたい。
 キャンプ・ハンセン基地内の松くい虫の被害は目を覆わんばかりの状況でありました。民間地域で徹底して駆除作戦を展開しても、基地内の駆除も同時進行しないとどうしようもないのではないかと思うわけであります。今の状態で県の提唱する「松くい虫ゼロ大作戦」は、果たして効果を上げることができるのか疑問を感じるものであります。県としては、「松くい虫ゼロ大作戦」はいつごろまでに実現できると考えておられるか、御答弁をいただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 瑞慶覧議員の御質問にお答えいたします。
 陸軍複合射撃訓練場の建設中止についての御質問に対するお答えでございます。
 県は、金武町と連携しながら米軍を初め関係機関に対し、陸軍複合射撃訓練場の建設中止を求めているところであります。また、地元の要望についてもお聞きしたところであり、現地の状況について随時担当者を派遣し報告を受け、状況を把握しております。県としては、今後とも御指摘の点も含め金武町と密接に連携し、あらゆる機会に建設の中止を強く働きかけてまいりたいと考えております。
 続きまして、嘉手納統合案についてのお答えでございます。
 外務省に照会したところ、承知していないとのことであります。
 嘉手納飛行場周辺の市町村が現在でも大変な負担を負っている中でさらに負担をふやすようなことは到底容認できるものではなく、県としては嘉手納統合案については明確に反対を表明しております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 赤土流出防止計画書の提出についての御質問にお答えをいたします。
 米軍につきましては赤土等流出防止条例の適用はないことから、米軍から工事を請け負っている業者についても同様の扱いとなり、県への赤土流出防止計画書の提出はありません。都市型訓練施設の工事現場からの赤土流出については、県は基地境界付近で監視に努めており、去る台風18号の際には流出を確認したことから、米軍及び国に万全の流出防止を要請したところであります。
 次に、緑の倍増運動についてお答えをいたします。
緑は、豊かな自然環境を創造し、県民が潤いと安らぎのある生活を営む上で重要な役割を担っております。近年、都市化の進展、各種開発等により市街地及びその周辺において緑は減少しております。このため、県では、緑の美ら島の創生を目指して沖縄県総合緑化基本計画を策定し、県土の総合的な緑化を推進しております。
 県としては、本県が豊かな緑に包まれ、潤いと安らぎのある地域社会とするため行政と県民が一体となり、緑豊かな県土づくりを推進していきたいと考えております。
○農林水産部長(諸見武三) モズク養殖海域の汚染の実態についてお答えいたします。
 金武町地先には、モズク養殖の第169号及び170号の特定区画漁業権が設定されております。モズク養殖については6月ごろに収穫が終了していることから、9月5日に襲来した台風18号による養殖への赤土による直接的なモズク被害があったとの報告は受けておりません。しかし、漁場への赤土流入は沿岸海域への漁業に影響を及ぼすことから、赤土流出対策については原因者側で万全を期してもらいたいと考えております。
 続きまして、松くい虫対策についてお答えいたします。
 松くい虫対策については、平成14年度から15年度までに予算額14億1900万円を計上し、被害木5万300立方メートルを防除しております。この結果、中南部地域及び国頭村においては被害が減少しております。しかしながら大宜味村、名護市、金武町及び恩納村などの市町村では被害が増加しております。
 松くい虫防除については、保安林等の「高度公益機能森林」については県が事業主体となり、適宜被害木の伐倒焼却により防除効果を上げております。市町村等が防除を行う「その他松林」等については、防除対策に伴う市町村の財政負担が大きいこと等もあって、必ずしも計画どおりには進捗しておりません。今後、より一層の効率的・効果的な防除を徹底するとともに、抵抗性松の選抜・育成及び天敵利用による防除など総合的な松くい虫防除対策に取り組んでいきます。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 赤土流出によるふるさと海岸整備事業箇所の汚染についてにお答えいたします。
 現在事業実施中の金武湾港屋嘉地区海岸は、ふるさと海岸整備事業として平成18年度に養浜工事を行い完了する予定であります。事業箇所周辺海域においては、これまでも降雨時に河川等から流出する赤土等による汚れが見受けられます。その発生源対策については関係機関と協議し、必要に応じ適切な対応をしたいと考えております。
 次に、屋上緑化や壁面緑化の推進についてお答えいたします。
 都市部における屋上緑化や壁面緑化は、都市景観を向上させるとともに、ヒートアイランド現象の緩和にもつながるものと考えております。本県における屋上緑化や壁面緑化の取り組みは、那覇市において平成15年度からモノレールの開業を契機に行われております。屋上緑化や壁面緑化は、基本的にはまちづくりの主体である市町村が進めるべきものと理解していますが、県としては市町村と連携し、沖縄県景観形成条例に基づき屋上緑化や壁面緑化の推進に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○知事公室長(府本禮司) 北谷町での部品落下事故への対応等についてお答えいたします。
 県は、去る6月15日、北谷町美浜の民家敷地内で発見された金属部品について、8月6日、那覇防衛施設局より米海兵隊所属戦闘機による落下物であるとの報告を受け、その当日、在沖米海兵隊司令官を初め在沖米国総領事、那覇防衛施設局長、外務省特命全権大使に対して再発防止措置の徹底、事故調査及び報告の迅速化を強く求めるとともに、今後一層の安全管理について万全を期すよう強く要請したところであります。
 落下原因及び安全確認等については、米軍及び那覇防衛施設局等から、部品取りつけ等に原因があったものであり、事故発生後の具体的な対策として、米軍は、1、隊員一人一人に徹底して再教育、訓練を行う、2、機体の整備手続をマニュアルどおり厳格に行う、3、落下した部品の設置を整備員と監督者の2名で確認することとしたとの説明を受けております。
 また、県は、米軍航空機の徹底した安全対策を求めるため、軍転協や渉外知事会を通して住宅地域上空における飛行の中止、飛行の制限等徹底した安全対策の措置を講ずるよう米軍及び国に求めているところであります。
 なお、落下部品がどの程度の衝撃力となったかについて米軍及び那覇防衛施設局に照会したところ、いずれからも米軍の運用上提供できないとの回答がありました。
 次に、キャンプ桑江北側返還軍用地の原状回復作業についてお答えいたします。
 埋蔵文化財包蔵地の一部に油分を含む約0.6ヘクタールの土地があり、まだ汚染土壌の処理がなされておりませんが、那覇防衛施設局からの連絡によりますと、土地所有者等との調整の結果、国の経費により北谷町が今後実施する事業の中で措置するとされております。
 県は、返還跡地の原状回復については国、市町村等との協議の場を通じ適切な措置を求めております。
 以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 県警が米軍からの合同警備等の申し入れを拒否したのは事実かという御質問にお答えをいたします。
 県警におきましては、事故発生当初から事故現場直近の大学建物内及び現場周辺に負傷者がいないか捜索等を行うとともに、警備については宜野湾警察署長と米軍が連絡をとり合って、墜落事故現場直近は燃料が漏れて危険な状況であり、建物のコンクリート崩壊の可能性があるなど安全性の懸念もあり、現場直近は主として米軍が、直近周辺を主として県警が対応をいたしました。この限りでは共同で警備に当たってきたものと認識をしております。
 ところが8月15日になりまして、それまで主として米軍が担当していた墜落現場直近の警備について日本の警察官も加わって実施してほしい旨の申し入れが米軍側からなされましたが、その内容が米軍の統制下で日本の警察官を警戒配置してほしいとの内容であったため、県警としては、米軍の指揮下ではなく日米共同で警備に当たるべきである旨を回答し、この申し入れを断ったところであり、米軍側もこれを了解したと認識をしております。
 なお、8月15日夕刻以降は警察署長の指揮下で事故現場直近にも警察官を配置しているところであります。
 以上は現場における警備措置についてでありますが、捜査に関しては米軍から一緒に捜査をしようなどという申し入れはありませんし、ましてや県警がそれを拒否したという事実はございません。
 県警は、事故発生当初から現場での証拠保全措置を行ってきたほか、むしろ機体については日本側に検証をやらせてほしいということでアメリカ側にその同意を求めてきたわけでありまして、県警が米軍からの捜査協力要請を拒否するなどということはあり得ないことであります。
 以上です。
○企画開発部長(花城順孝) 北谷―那覇間を結ぶ高速船の導入についての御質問にお答えします。
 県は、本島中北部から那覇への交通アクセスを改善し幹線道路における交通渋滞の緩和を図るため、那覇沈埋トンネルを含む沖縄西海岸道路や那覇空港自動車道等の整備を促進するとともに、交通需要マネジメント施策等を推進しているところであります。北谷と那覇を結ぶ高速船の導入につきましては、基本的には民間事業者が中心となって交通需要や収支等を検討し取り組むべき事業であると考えております。
 次に、高速船の那覇側寄港先としての沖縄自由貿易地域那覇地区の整備についての御質問にお答えします。
 那覇港管理組合によりますと、那覇港については、国際流通港湾機能の充実とあわせ既存埠頭の機能の再編を図ることとしております。
 その内容は、国場川下流の那覇埠頭地区は南部周辺離島フェリーの拠点として、泊埠頭地区は海上遊覧船等の観光船の拠点として整備を行うこととしております。安謝地先の新港埠頭地区は、国際トランシップ貨物取り扱い及び本土航路フェリーの拠点として整備を行い、浦添埠頭地区は本土等との不定期貨物船を集約するなど埠頭の効率化を図ることとしております。
 沖縄自由貿易地域那覇地区の地先につきましては、米軍訓練水域となっていることから港湾施設の整備が困難であり、港湾計画には位置づけられておりません。
 以上でございます。
○瑞慶覧 朝義 答弁漏れがありますので、休憩お願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後4時30分休憩
   午後4時31分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 警察本部長。
   〔警察本部長 三浦正充君登壇〕
○警察本部長(三浦正充) お答えを申し上げます。
 事実かどうかという点でございますけれども、先ほど申し上げましたように、警備について直近における警備を日本の警察官も加わって実施をしてほしいという旨の申し入れがなされて、ただ、その内容が米軍の統制下で日本の警察官を警戒配置すると、こういうことでありましたので、そのような申し入れは受けられないということで拒絶をしたという経緯は確かにございます。これは複数回そういう拒否をしておりますので、その点において共同警備といいますか、警備の申し入れを断ったということについては確かであります。
 捜査という報道もございましたけれども、これについてはちょっとあり得ないことといいますか、報道の過程での誤りということもあろうということで特に抗議ということはしておりませんけれども、その警備の申し入れに関しては抗議以前にもうその場で敢然とその申し入れを断ったという経緯があるということでございます。
○瑞慶覧 朝義 再質問を行います。
 まず、基地問題についての質問でございますが、都市型訓練施設は現場を見た限り着々と工事が進んでおります。これまで知事も建設に反対を唱えておりますが、残念ながら建設工事をストップさせることができておりません。今後、本当に建設を中止させるということになりますと、知事、どうすればそれを抑えることができるでしょうか。まず、その点お答えいただきたいと。
 それから、これまで多くの議員から知事の現場視察の要請を受けていて、どうしても同じような答弁しか返ってきておりません。どうして現地入りを拒むのか、どうにも理解できません。
 きのうも話題になりましたけれども、知事が小泉総理に対してヘリ墜落現場に来てほしいと要請したことと余りにも知事の行動が矛盾しているのではないでしょうか。そういうふうに感じられてなりません。知事は、現地伊芸地域はどこにあるか御承知でなければ、私が御案内いたしますので、どうぞ御同行いただきたいと思います。そのことについて再度御答弁を求めます。
 それから、明らかに米軍に起因する環境汚染とわかっていても、米軍や工事関係者にその責任を問えないということに対して憤りを感ずるものでありますが、基地内の開発について、規模によらず、大小にかかわらず赤土防止対策についての計画書等については県に提出する義務がないということであるのかどうか、そのことについても再度お答えいただきたい。
 それから、ヘリ墜落事故についての質問でございます。
 沖縄国際大学は、ヘリコプターの墜落現場になって大変な被害をこうむっただけでなく、今、同大学関係者が頭を悩ましていることは、風評被害による大学経営に与える今後の影響であります。全国一危険な大学というレッテルを本当の意味で取り除くには、一日も早く普天間飛行場を撤去する以外にはございません。沖縄国際大学が今後健全な大学運営をするためには、どうしても県の支援が必要であると考えるが、そのことについて知事の見解を伺いたいと思います。
 よろしくお願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後4時34分休憩
   午後4時37分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 瑞慶覧議員の再質問にお答えします。
 訓練施設の建設中止の御質問がございましたけれども、この訓練施設の建設中止については、今後とも全力を尽くしてこの建設中止に向かって努力をしたいと思っております。
 それから、現場視察の問題ですが、先ほどのお答えの中にあったんですが、今後とも御指摘の点も含め金武町と密接に連携しながらあらゆる機会に建設の中止を強く働きかけてまいりたいと考えております。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
 県の赤土条例につきましての質問についてですが、一般国際法上、駐留外国軍隊には地位協定あるいはそれに類する協定に明文の規定がある場合を除いては接受国の法令の適用はないとされており、赤土等流出防止条例については日米地位協定で明文の規定がありませんので、米軍の事業を請け負っている業者についても同様の扱いとなっておりまして、県への流出防止計画書の提出は義務づけられておりません。
○瑞慶覧 朝義 再々質問を申し上げます。
 ただいま知事の御答弁を聞きまして半分安心しております。金武町と綿密に連携をとっていかれるということでしたので、ぜひ現地に赴くということを再度お答えを明確にしていただきたいと思います。
 それから、赤土対策についてですけれども、今後も汚染が起こり得る可能性が大であります。そのことについてはどういう指導をすることができるのか、できないのか、そのことについて担当部局の再度の答弁を求めます。
 以上です。
○知事(稲嶺惠一) 瑞慶覧議員の御質問にお答えします。
 今後とも御指摘の点も含めというのは、地元住民は現地視察を待ち望んでいるが、知事にその考えがあるか伺いたいということに関して、それも含めて金武町と密接に連携し、あらゆる機会に建設の中止を強く働きかけてまいりたいと考えております。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 御答弁をいたします。
 先ほど答弁いたしましたように、米軍の基地内で米軍が事業者としてやる事業につきましては赤土等の流出防止条例の適用除外でございます。これまでも赤土等流出については米軍や国に万全の流出防止を要請してきたところでありまして、今後とも引き続き国、米軍に対して流出防止策について強く申し入れていきたいと思います。
○瑞慶覧 朝義 再度質問を行います。
 知事、行かれることを私は想定してお迎えに上がろうと思います。いつ行かれるか、日にちがはっきりしたら教えてください。お迎えに上がります。よろしくお願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後4時44分休憩
   午後4時45分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 今、金武町と密接な連携をとっております。
○嘉陽 宗儀 通告に従って質問します。
 初めは、米軍基地問題についてです。
 (1)番目は、普天間基地のヘリ墜落事件の対応について伺います。
 このヘリ墜落事件は、沖縄がいまだにアメリカの植民地的な占領状態に置かれていることを如実に示すものとなりました。しかるに、知事の態度が県民の生命と財産を守る立場ではなく、日米両政府の基地押しつけを推進するというもので、県民の世論に挑戦するようなものでした。
 そこで質問します。
 ①、ヘリ墜落事件は大惨事でありましたが、知事はどのような対応をされたのか、具体的に説明してください。また、墜落現場の調査結果の感想を述べてください。
 ②、墜落事件は、ヘリの老朽化(金属の疲労)が原因の一つだと考えますが、その老朽化の実態はどうなっていますか。CH-53Dヘリの製造年月日はいつですか。
 ③、事故処理で米軍は事故原因の真相を隠すために機体を持ち去り現場を違法に占拠しましたが、知事はその件でどのような態度をとりましたか。
 ④、知事は、普天間基地の危険性についてどのように認識していますか。
 ⑤、再発防止は普天間基地の一日も早い閉鎖しかないというのが県民の声ですが、それを知事はどう思いますか。
 ⑥、辺野古への移設にこだわるのは、その間、県民を危険にさらし続けることになり、全く無責任で許されない態度だと思いますが、見解を伺います。
 ⑦、普天間基地を閉鎖してほしいとの県民の立場に立てず、政府、アメリカにまともに物が言えなければ知事の責任は果たせないではありませんか。
 ⑧、15年問題は今回の墜落事件で完全に破綻をし、県民の支持を失っています。それを撤回し、日米両政府に普天間基地を直ちに閉鎖するよう求めることが知事のとるべき態度であると思いますが、その決意はありますか。
 ⑨、沖縄県民の基地あるがゆえの苦難をなくするためには、冷戦構造時代の遺物になっている日米安保条約をなくすべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
 次は、辺野古のボーリング調査について伺います。
 知事が自然環境を守れるという科学的根拠もないままにボーリング調査を許可したために、辺野古では緊迫状況が続いています。
 そこで伺います。
 ①、ヘリ墜落事件のさなかに、施設局は県民の抗議を無視してボーリング調査を強行していますが、これは県民感情を踏みにじるやり方ですが、どう思いますか。
 ②、施設局は、県民の抗議に対して知事の後押しでボーリング調査を強行していると説明していますが、事実はどうですか。
 ③、ボーリング調査は、貴重なサンゴなどを打ち砕いて穴を掘るものでありますが、それでどうしてサンゴが守られるのか、自然が破壊されないのか、説明してください。
 ④、ボーリング調査は、キャンプ・シュワブから調査船を出して強行しています。まさに米軍に守られながらの作業であります。知事は、この事実をどう思いますか。
 ⑤、このような調査は直ちに中止するよう政府に申し入れるべきですが、どうですか。
 (3)番目は、都市型戦闘訓練施設の建設についてであります。
 県民の声を無視した米軍は、工事を強行しています。
 そこで伺います。
 ①、軍特委の立入調査により、その危険性は一層明確になりました。知事はその危険性についてどう認識していますか、具体的にその危険性について説明してください。
 ②、赤土汚染対策もずさんで、工事による赤土汚染は深刻です。関係者と話し合って損失補償を要求すべきだと思いますが、その意思はありますか。
 ③、都市型戦闘訓練施設での訓練は、イラク戦争をも想定したものであることを米軍は認めておりました。建築工事について即時中止を日米両政府に申し入れるべきだと思いますが、決意を伺います。
 第2の質問は、泡瀬干潟の問題についてです。
 事業者は、住民の反対の声を無視して工事を再開しています。それを許可した知事の責任も重大です。
 そこで質問します。
 事業者は、8月から埋立工事を再開していますが、問題はありませんか。
 貴重種・重要種の保全策が確立されるまでは工事は行わないと言明していたのに、工事を強行したのは許されません。なぜ工事の再開を認めたのか、説明してください。
 ③、工事の再開に当たって6月議会では「新たに確認された貝類への対応策についての環境部局との調整等も踏まえ判断していきたい」と答弁していますが、どのような対応策をとることになったのか。また、調整の内容は何か。工事の再開を許可した理由は何か明らかにしてください。
 ④、事業表明後、7月後半に新しく確認されたカラクサモク、水深6メートルのコアマモ、貝類――オキナワハナムシロ、コウシヒメムシロ、カゲロウフバイ、ヤマホトトギス、コバコガイなどの調査結果を明らかにし、その保全策を示してください。
 ⑤、貴重種についての知事意見に対する事業者見解は、保全に必要な措置を適切に講じますとなっています。ところが、これまでの事業者の示したものは対応策ではなく、保全に必要な措置ではありません。これは環境影響評価書の不履行ではありませんか。
 ⑥、宮古ではトゥリバーリゾート計画のもとに海面を埋め立て大型ホテルを誘致し、大きな人工ビーチを2カ所につくっていますが、ホテルの進出希望は全くなく、市民の税金を食いつぶしています。泡瀬の干潟埋め立ても全く同じ構図で失敗するのは明白です。調査して教訓にすべきだと思いますが、見解を伺います。
 ⑦、事業者は、海上工事を9月中旬から着工すると表明しましたが、新たな貴重種の確認・保全で海上工事は中止すべきだと思いますが、どうですか。
 ⑧、埋立工事の合理性は全くありません。この際、勇気を持って工事の中止をすべきではありませんか。
 第3の質問は、宮古の産廃処分場問題についてであります。
 処分場の火災によって多くの地域住民が健康を害し、今なお後遺症に苦しんでいる住民がいます。さらに現場では多くの問題が未解決のままです。
 そこで知事に質問します。
 (1)、宮古には産廃処理業者は何社ありますか。
 (2)、最終処分場は何カ所ありますか。
 (3)、これまで産廃処理業務に対して県は適正な指導を行ってきましたか。
 (4)、県が業者に対して行ってきた指導の内容について説明してください。
 (5)、県の指導に対して業者の対応は適正に行われてきましたか。
 (6)、違反業者に対して県はどのような措置をとってきましたか。
 (7)、崎山環境整備開発最終処分場の問題について。
 ①、火災による被害の実態はどうなっていますか。
 ②、埋蔵されている危険物質の除去はどうなっていますか。
 ③、危険な焼却灰がかなりの量まだ放置されています。どう処理しますか。
 ④、汚染された地下水が海に垂れ流されていますが、対策はありますか。
 ⑤、処分場としては廃止されているのに、現在も廃棄物が持ち込まれています。どのような措置をとっていますか。
 ⑥、焼却炉の撤去についての時期はいつの予定ですか。
 ⑦、処分場一帯の地域を公園計画して有効活用を図るべきだと思いますが、どうですか。
 第4の質問は、コザ児童相談所の件についてです。
 相次ぐ児童虐待の中で厚生労働省は、虐待防止に向けた対策の1番目に、児童相談所の体制の強化を指摘しています。コザ児童相談所の調査の中で、所長などからは体制強化についての悲痛な訴えがなされています。児童福祉司の増員や一時保護所の建設は緊急を要しています。
 そこで質問します。
 ①、コザ児童相談所に持ち込まれている相談件数はどうなっていますか。
 ②、職員の人数は何名で、非行の相談体制はどうなっていますか。児童1人に対する相談員の負担は全国平均と比較するとどうなっていますか。
 ③、現在の大きな社会問題になっている児童虐待の問題を初め、青少年にかかわる事件を防止するために陣容を強化することは緊急課題になっていると思いますが、人員増など対策はありますか。
 ④、コザ児童相談所に早急に一時保護所を建設してほしいとの要請がなされているが、その計画はどうなっていますか。
 最後に、知事の政治姿勢について伺います。
 (1)、自衛隊の増強計画が報道されていますが、知事に打診はありましたか。
 (2)、軍隊では平和は守れない。計画を撤回させるべきです。その意思はありますか。
○知事(稲嶺惠一) 嘉陽議員の御質問にお答えいたします。
 事故についての知事の具体的対応と墜落現場の調査結果の感想についてお答えいたします。
 私は、海外出張の予定を切り上げて帰国し、8月19日に細田官房長官等に面談するとともに、25日に改めて小泉総理大臣や関係大臣等に対し、普天間飛行場における全機種の安全確認と実効ある再発防止策が確認されるまでの飛行停止、海兵隊を含む兵力の削減、訓練の分散移転等の負担軽減の具体化などを求めるとともに、被害をこうむった沖縄国際大学や周辺住民に対する完全かつ早急な補償の実施についても強く要請したところであり、今後も機会あるごとに強く求めているところであります。
 感想としましては、私は去る8月21日に墜落現場である沖縄国際大学に参りました。学長さんを初め皆さんが事細かにつくったビデオを見させていただき、この現場を各担当が非常に細かく御説明をいただきました。それを見るたびに今回の事故というのが実に大変な深刻な事故であったということを感じたところであります。
 次に、普天間飛行場の危険性についての御質問にお答えいたします。
 今回、民間地への墜落という大変深刻な事故が発生したことは、市街地の中にある普天間飛行場の危険性を改めて示したものであり、県としては普天間飛行場の危険性を早急に除去することが緊急かつ最大の課題であると認識しております。
 次に、再発防止と移設についての御質問に一括してお答えいたします。
 普天間飛行場返還問題の解決については、当面の危険性除去という緊急的措置と本来の移設・返還のそれぞれの側面から対応する必要があります。緊急的措置としては、事故原因の究明と公表、普天間飛行場における全機種の安全確認と実効ある再発防止策が確認されるまでの飛行停止、兵力の削減及び訓練の分散移転など、日米両政府に強く求めたところであります。
 また、本来の移設・返還については、SACO最終報告で日米両政府によって確約された返還の方針に基づき、現在行われている移設作業を進めることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。普天間飛行場の返還については、日米両政府に対し、これまで以上に作業を加速させることにより同飛行場の一日も早い返還を求めているところであります。
 続きまして、県の要請行動等についての御質問にお答えをいたします。
 私は、これまでも沖縄の基地負担の軽減を求めてきており、昨年11月にラムズフェルド米国防長官が来県した際、沖縄の米軍基地問題について思い切った変革を望んでいることを申し上げたところであります。また、去る9月21日には細田官房長官にお会いし、日米首脳会談において沖縄の基地負担の軽減について取り上げられるよう強く求めたところであります。
 次に、15年使用期限と普天間飛行場の移設についての御質問にお答えをいたします。
 15年使用期限は、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、沖縄県が移設に当たって整備すべき条件として日本政府に対し提示したものであります。この問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、政府の責任で強い決意を持って解決すべきであると考えております。普天間飛行場の返還は、SACO合意に従って代替施設が完成し運用可能になった後、返還されることが日米両政府によって確約されております。県としては、実効性ある代替案が政府より示されていない状況では、現在行われている移設作業を進めることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 次に、日米安全保障条約に対する知事の見解についてお答えをいたします。
 日米安全保障条約は、我が国及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与していると理解しており、我が国に所在する米軍基地が重要な役割を果たしていると認識しております。県としては日米安全保障条約の重要性は認識しつつも、本県の過重な基地負担の問題は我が国の外交・安全保障をどう考えるかという極めて国民的な問題であり、国民一人一人がみずからの問題として受けとめるべきであると考えております。
 次に、建築工事の即時中止申し入れについてお答えいたします。
 県は、陸軍複合射撃訓練場の建設が計画されている場所は、住民地域や沖縄自動車道に近く非常に危険であると認識しており、当初から明確に建設反対を表明しております。県は、これまで米軍を初め関係機関に対し陸軍複合射撃訓練場の建設中止を求めており、去る8月には小泉総理大臣や関係大臣、在日米軍司令官に改めて同訓練場の建設の中止を強く求めたところであります。県としては、今後とも金武町と密接に連携し、あらゆる機会に建設の中止を強く働きかけていきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) まず、米軍ヘリの老朽化の実態等についてお答えいたします。
 現在米軍へ照会しておりますが、まだ回答は得られておりません。
 次に、米軍の事故現場における対応についてお答えいたします。
 米軍の機体回収、現場の占拠については、県が関与できるものではありません。しかしながら、事故現場における日米の対応について各方面から指摘があったことから、県は去る8月19日に細田官房長官等に対し、25日には小泉総理大臣を初め日米両政府に対し、県警の捜査、民間地での規制、住民への対応等が円滑に実施できるような日米間の協力体制のあり方及び日米地位協定の抜本的見直しについて強く要請したところであります。
 次に、ボーリング調査と国への申し入れについてお答えいたします。一括してお答えいたします。
 ボーリング調査については、那覇防衛施設局から提出された公共用財産使用協議に対し、県は留意事項や配慮事項を付して同意したところであります。那覇防衛施設局は、県から示された留意事項や配慮事項を踏まえ現地技術調査を実施することとしており、引き続き地域住民の生活環境やジュゴンを含む自然環境に十分配慮しつつ調査を実施していただきたいと考えております。
 次、ボーリング調査の実施についてお答えいたします。
 先ほども申し上げたとおり、ボーリング調査については那覇防衛施設局から提出された公共用財産使用協議に対し県は留意事項や配慮事項を付して同意しております。県としては、ヘリ事故を受け一日も早い普天間飛行場の返還を日米両政府に対して求めたところでありますが、ボーリング調査の開始については事業者である那覇防衛施設局が判断したものであります。
 次に、キャンプ・シュワブからの調査船についてお答えいたします。
 県としては、ボーリング地質調査が円滑に進められるようその実施に際しては混乱を回避し安全に留意しながら進めていただきたいと考えております。事業者である那覇防衛施設局は、調査が安全に実施できるよう留意しながら実施していきたいとしており、事業者が判断したものであります。
 次に、赤土汚染に対する損失補てん要求について。
 去る9月6日、陸軍複合射撃訓練場の建設が行われているキャンプ・ハンセン内レンジ4から赤土の流出が確認されたことから、翌9月7日に四軍調整官等に対し直ちに万全な赤土流出の防止対策を講じるとともに、同訓練場の建設工事を中止するよう強く申し入れております。金武町に確認したところ、現時点では赤土汚染に対しての損失補てんを要求する声は挙がっていないとのことであります。
 自衛隊の増強計画の打診及び計画撤回についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
 新聞報道等でなされている沖縄への陸上自衛隊の増強について県への打診はありません。また、防衛庁に確認したところ、新聞報道等で出されているようなことはないとのことであります。
 陸軍複合射撃訓練場の危険性についてお答えいたします。
 沖縄県議会米軍基地関係特別委員会として立ち入りの調査結果については承知しておりませんが、県としては、当初から陸軍複合射撃訓練場の建設が計画されている場所は住民地域や沖縄自動車道に近く非常に危険であると認識しており、明確に建設反対を表明しております。
 以上であります。
○文化環境部長(屋嘉部長市) ボーリング調査によるサンゴへの影響についてお答えをいたします。
 事業者の作業計画では、事前の潜水調査結果をもとにサンゴ類の生育部分を避けた足場等の設置位置を決めておりますが、足場等設置の作業を実施する際には改めてサンゴの状況を確認するとしております。県としましては、サンゴ類の幼群体や無節サンゴモ等への影響をできる限り低減する観点から、作業は慎重に行うこと及び環境監視の結果、サンゴ類等へ著しい影響が生ずるおそれがあると確認された場合には、必要に応じ専門家の助言も得た上で作業の一時中断を含めた措置を講じるよう環境配慮事項として求めており、調査の実施によるサンゴ類への著しい影響はないものと考えております。
 次に、宮古の廃棄物処理場問題についてお答えをいたします。
 まず、産廃処理業者は何社か、それから最終処分場は何カ所かという御質問に一括してお答えをいたします。
 平成16年8月末現在、宮古においては産業廃棄物収集運搬業者が35業者、特別管理産業廃棄物収集運搬業者が7業者、産業廃棄物処分業者が15業者であります。また、産業廃棄物安定型最終処分場が1カ所となっております。
 次に、産業廃棄物処理業者に対する適正指導とその内容についてお答えをいたします。
 産業廃棄物処理業者に対しては、事業場への立入検査や施設の点検等を行い、不適正処理を発見した場合や施設の維持管理基準や構造基準等に不備が生じた場合には事業者に対し適正な措置を講じるように指示する等の指導を行っております。宮古における指導内容は、事業者の事業場等における許可品目外の廃棄物の混入や帳簿の記載・保存、廃棄物の大量・長期保管の有無などについて立入検査を実施し、原状回復及び適正処理への是正を指示してきているところであります。また、文書による行政指導としては平成13年度から平成15年度までに、廃自動車の大量保管業者などに対し早期の適正処理を促す警告を12件出しております。
 次に、県の指導に対する業者の対応と違反業者に対する県の措置についてお答えをいたします。
 県としては、警告等の行政指導により不適正処理の是正措置や原状回復を図っておりますが、従わない業者については改善命令や措置命令を出すなど強い行政措置を行ってきております。宮古においては、平成13年度から平成15年度までに改善命令1件、措置命令5件を出しており、そのうち1件が原状回復措置を完了しておりますが、残り5件については現在改善措置を講じているところであります。県としては、今後適切な対応を講じない業者に対してはさらに厳正に対処していきたいと考えております。
 次に、宮古の産廃処分場問題についてのうち、火災による被害の実態はどうなっているかという御質問にお答えをします。
 平成13年11月28日午後、当該最終処分場で火災が発生し大量の煙が風下の大浦地区へ流れたため平良市長が避難勧告を出し、大浦地区の住民が隣接する西原地区の公民館等に避難しましたが、翌29日の早朝には鎮火したことから同日には避難勧告が解除されております。
 県の宮古産廃専門委員会報告書におきましては、火災後の自覚症状の聞き取り調査結果から判断して火災時の大浦地区に流れた黒煙中の化学物質が何らかの急性炎症を引き起こした可能性は否定できないこと、急性期症状を訴えた方もその後の健診で症状の軽快が見られたこと、火災時及びその後一定期間におけるダイオキシン類の人体への影響は大気濃度、吸収率を最大に見積もってもその暴露によるリスクはないことと判断されたことから、総合的に評価すると今後のフォローは住民健康診査で十分であるとしております。県としては、今後とも平良市等と連携し対応していくこととしております。
 次に、埋蔵されている危険物質の除去はどうなっているかという御質問にお答えをします。
 県においては、同処分場内における水質等の環境調査に加えて、地質学的観点から環境を把握するため処分場内及びその周辺を含め15地点でボーリング調査を実施するとともに、ボーリングコアを活用して45カ所において鉛やダイオキシン類等の有害物質の分析を行ってきたところであります。
 分析の結果については、産業廃棄物に係る判定基準値や土壌のダイオキシン類の環境基準値と比較し、不検出もしくは大きく下回っている状況にありました。このようなことから、県の宮古産廃専門委員会においては埋立廃棄物や火災残渣によるダイオキシン類が環境汚染の原因になり、健康被害を起こす濃度ではないと評価されております。県といたしましては、火災残渣が埋め立てられている箇所から廃棄物が飛散したり流出することがないよう監視するとともに、引き続き環境モニタリングを行うなど適切に対処していく考えであります。
 次に、危険な焼却灰がかなりの量まだ放置されているが、どう処理するかという御質問にお答えします。
 県においては、平成14年9月に当該処分場に対する詳細な調査を実施しております。その調査において、焼却炉付近の灰色の土については、同処分場の設置者、地元の建設業者である排出事業者及び廃棄物を処分場に持ち込んだ運転手等に個別に確認したところ、生コンクリートを使用した後の残渣物であることがわかっております。さらに、県では御指摘の焼却灰ではないかと言われているものについて去る9月10日にサンプリングし、県の衛生環境研究所において検査した結果、焼却灰ではないと確認されております。県としましては、同事業者に対し処分場閉鎖後の適正な管理により埋立廃棄物の安定化を図るよう指導していきたいと考えております。
 次に、汚染された地下水が海に垂れ流されているが対策はあるのかという御質問にお答えをします。
 処分場からの浸出水については、県の宮古産廃専門委員会報告書によると、1年にわたって測定された処分場内外のボーリング孔の水位変化は処分場たまり水、東側集水池、ボーリング箇所の水位変化がほとんどなく12メートル程度に保たれているのに対し、処分場外部の水位はそれより高くあるいは低い状態で変動し、処分場内の水系は周辺から独立していることが確認できており、これにより処分場外部へ汚染が広がる可能性はないと評価されております。
 一方、処分場東側集水池付近に築堤されている盛り土堰堤ゾーンからの漏水が考えられると評価されております。このようなことから、県においては処分場東側集水池の水について水質検査を実施してきており、これまでの水質検査の結果や大雨や台風時に流れ出た際の水質測定の結果についてもすべて排出基準はもとより環境基準をも達成しております。県としては、今後とも引き続き環境モニタリング調査を実施し、常時監視していくこととしております。
 次に、処分場に現在も廃棄物が持ち込まれているが、どのような措置をとっているのかという御質問にお答えをします。
 御指摘のことについては、9月3日に環境整備課及び宮古保健所が事業者を呼び出し聴取をしたところ、処分場内の計量器は現在使用していないこと、処分場は通常閉め切っている状況にあること、また火災後廃棄物を処分場に持ち込んだことはないとのことでありました。県としましては、現在、立入検査を実施し、廃棄物処理法の遵守状況を確認しているところであります。
 次に、焼却炉の撤去についてはいつの予定かという質問にお答えをします。
 焼却炉の撤去に関しては、県では当該事業者に対し平成14年4月9日付で改善命令を出し、関係法令を遵守し適正に解体・処理するよう強く求めてきております。しかしながら、当該事業者はいまだその撤去作業には着手していない状況にあることから、さらに指導を強化していきたいと考えております。
 次に、処分場一帯の地域を公園計画して有効活用を図るべきだと思うがどうかという御質問にお答えをします。
 処分場一帯の跡地利用については、当該土地所有者の意向によるものと理解をしております。
 御質問のことについては、御提言として受けとめておきたいと思います。
 以上です。
○土木建築部長(末吉 哲) 8月からの工事再開についてお答えいたします。
 8月から再開された仮設橋梁工事は昨年度に引き続き実施するものであり、事業者は去る7月22日に開催された環境監視委員会の指導・助言を踏まえて取りまとめた監視計画に従い、モニタリングをしながら慎重に工事を実施しております。なお、当該工事は環境への影響が非常に小さいことが既に確認されております。
 次に、保全策と工事の再開についてお答えいたします。
 新たに確認された貴重種等については、環境影響評価書の手続に従って環境部局と十分調整し、専門家の指導・助言を受けて具体的な対応策をまとめ環境部局へ報告を行っております。その報告に対し、事業の実施に当たっては報告書の内容に従って十分かつ慎重に実施することとの知事意見を受けております。このような一連の手続を踏まえ工事を再開したものであります。
 次に、新たな貝類への対応策、調整の内容、許可した理由についてお答えいたします。
 泡瀬埋立事業周辺海域において事業者が新たに確認し、専門家のコメントに基づき貴重種・重要種に相当する種として取り扱うこととしたオサガニヤドリガイについては、環境影響評価書の手続に従って環境部局との間で調整を図ってまいりました。その結果、工事中の水質汚濁監視を行うことや工事による影響が確認された場合は工事を一時中断し、専門家の指導・助言を受けて新たな対応策について検討することなどを具体的な対応策として策定し、報告したところであります。この報告に対し、去る7月20日に「十分かつ慎重に実施すること」との知事意見を受け、仮設橋梁工事を8月から再開したものであります。
 次に、カラクサモク、コアマモ、貝類の調査結果と保全策についてお答えいたします。
 7月23日に自然保護団体から発表のあったカラクサモク及びコアマモについては、既に事業者の調査において確認されている種であること、種の希少性について新たな文献情報はないことから、新種等に関するアセスに定める手続の要件に含まれないと判断しました。ただし、学術的に重要な可能性があるとの専門家の意見もあることを踏まえ、事業者努力の範囲内で今後専門家の指導・助言を得ながら調査を実施することとしております。また、自然保護団体から8月23日に発表のあった5種の貝類については、いずれも新種ではなく既に文献において確認された種であり、特別天然記念物としての指定もされておらず、レッドデータブック等にも特段の希少種として記載されておりません。したがって、現時点では事業者が把握している範囲において貴重性・重要性のある種とは考えておりませんが、今後とも情報収集に努め適切に対応していきたいと考えております。
 次に、環境影響評価書についてお答えいたします。
 新たに確認された貴重種等については、環境影響評価書の手続に従って工事区域外の主要分布域の保全計画を港湾管理者が環境部局と連携して策定することや、工事の影響が及ばないことを確認する水質汚濁や生育状況の監視など、具体的な対応策を保全に必要な措置として取りまとめ環境部局へ報告を行いました。これらの事業者が示した対応策に対し、十分かつ慎重に実施することとの知事意見を受け、事業を実施しているところであります。県としては、今後とも環境保全に配慮しつつ事業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、他事例も調査すべきについてお答えいたします。
 平成14年3月に公表した土地利用計画の確認作業において、現土地利用計画については需要があり、各種の条件整備と努力を前提とすれば実現の可能性があることを確認しております。地元沖縄市においては、「みなとまちづくり懇談会」で導入施設などの検討を進めており、県としては市と連携し、他地区における事例等も踏まえつつ今後とも企業誘致に向けて魅力ある環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
 次に、海上工事の着工についてお答えいたします。
 これまでに新たに確認された貴重種等については、既に知事意見を得て対応策が確立されております。また、それ以外の種については貴重性・重要性が確認されておらず、事業実施に当たって支障とならないものと考えております。
 以上のことから、今年度の海上工事は台風の来襲状況など気象・海象を勘案し、適切な時期に開始することとしております。
 次に、埋立工事の合理性についてお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業は、本島中部東海岸地域の活性化を図るための経済振興策として埠頭や交流施設、展示施設、ホテル等の誘客施設を一体的に整備し、地域特性を生かした国際交流拠点等の形成を図るものであります。また、地元からの強い要請に基づき整備を実施するものであります。さらに、本事業は県の主要施策でもある特別自由貿易地域を支援する新港地区の港湾整備とも密接な関係があり、新港地区への企業誘致を促進し、本県経済の振興を図る上でも早急な整備が必要であります。県としては、今後とも環境保全に配慮しつつ事業を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) コザ児童相談所の相談件数及び職員体制等について一括してお答えいたします。
 平成15年度にコザ児童相談所が受け付けた児童相談件数は1628件で、そのうち養護相談が681件、障害相談が627件、非行相談が238件等となっております。
 また、職員は15名で、そのうち児童福祉司は9名となっており、非行相談については児童福祉司2名が担当をしております。
 児童福祉司1人当たりの持ちケース数は平成16年6月1日現在で78件となっております。全国との比較については、各県の報告が統一した基準に基づくものとなっていないため単純比較はできません。
 県では、これまで児童相談所の児童福祉司の増員を図り、地方交付税措置人員を上回って配置しておりますが、近年の児童虐待相談件数の増や緊急事例の急増等のため十分な対応が困難になってきているとの報告を受けております。
 コザ児童相談所の体制整備についてお答えいたします。
 児童相談所の職員の体制については、これまで年々増加する児童虐待への対応として児童福祉司の増員や児童虐待対応協力員、専門カウンセラー、法律専門家等の嘱託員の配置、中央児童相談所への児童虐待防止支援チーム設置等の体制整備を行ってきました。
 しかしながら、児童虐待の相談件数が増加し児童福祉司等がかかわるケースが複雑化し、またコザ児童相談所管内においては非行相談が増加するなどその対応に追われていることから、現在、児童相談所の体制について市町村、福祉保健所等との役割分担、より効率的・効果的な体制にするため部内にプロジェクトチームを設置し検討を行っているところであります。その検討結果を踏まえ、コザ児童相談所の体制については、児童虐待を初め各種の養護相談等に迅速かつ適切な対応ができるよう体制の整備を図っていきたいと考えております。
 なお、地域・家庭からの相談に応ずるとともに、児童相談所からの受託による指導等を行う「児童家庭支援センター」があす10月1日から名護市内に開所することになっており、今後、児童相談所との効果的な連携を図り、北部地区を主とした各種の児童相談等に適切に対応してまいります。
 続きまして、コザ児童相談所への一時保護所の設置についてお答えいたします。
 中央児童相談所に設置している20名定員の一時保護所については、ほぼ満床状態となっておりますが、その理由としては児童虐待がふえてきていることもありますが、児童を受け入れる児童養護施設が満床状態となっていることから一時保護の期間が長期化していることもその要因の一つとなっております。今年度6名定員の地域小規模児童養護施設が設置され、さらに来年度石垣市に40名定員の児童養護施設が設置されると、一時保護所の満床状態も幾分緩和されるものと考えております。
 また、児童相談所では、一時保護所が満床状態の際に緊急に一時保護が必要な場合には児童養護施設や里親へ一時保護委託を行っております。このような当面の対策をとる一方、コザ児童相談所への一時保護所の新たな設置につきましては、一時保護の現状における問題点及び動向等について調査・分析し、今後の課題として検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○嘉陽 宗儀 休憩。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後5時32分休憩
   午後5時36分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 嘉陽宗儀君。
   〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽 宗儀 それでは再質問をします。
 普天間基地の問題についてですけれども、知事の答弁は、当面の危険の除去の方策として航空機等の安全確認が行われるまでの飛行停止を求めるという答弁ですけれども、その安全確認という内容がよくわからないんですね、知事の言う。どういうのが安全確認かはっきりさせてほしい。
 それから、安全確認をきちっとすると言いますけれども、いまだに事故原因が解明されてない。原因がわからぬのに、こうすれば安全ですという話は全く通らない話ですよ。だから事故原因がわからないのに、なぜ安全策が確認できるのか、これもはっきりさせてほしい。
 それから米軍は、先ほど皆さん方は、あれは老朽化しているという話をしていたんですけれども、日航ジャンボが墜落したのも、あれは金属の疲労、非常に明確です。このCH-53、それから46ヘリについても、製造年月日を調べたら30年以上みんなたっているんです。自動車でも、中古車だったら10年以上たったらどこでどういう故障が起こるかわからない。それを米軍に問い合わせしても答弁しないというのは、あの機体を持ち去ったのも明らかに金属の疲労ということがばれたら、いつ墜落するかわからない危険なヘリが沖縄県民の上空を飛んでいるということになると、まさに一大事になる。これを隠すためだと思うんですよ。
 そういう面で、なぜ米軍が簡単に調べればわかるのに、いつ製造したのかということさえも教えないというのは異常。改めて知事は、安全策を言うのであれば、こういう欠陥機が県民の上空を飛んでいるというのは重大事態ですから、改めて重大決意で、欠陥ヘリと私は思いますけれども、いつつくっているかどうか、これをはっきり調べて明らかにしてほしいと思います。
 それから、米軍の危険除去の問題についていろいろ言っていますけれども、その米軍が知事の注文に対してもなかなか言うことを聞かない。このCH-53ヘリについてもまた再開したと報道されています。知事がどんなに叫んでも、結局は知事が県民の世論に立って日米両政府に交渉するのであれば相手は聞く耳を持つんでしょうけれども、知事の今の態度は非常に卑屈。日米両政府の御機嫌をうかがって対応しているので、米軍が言うことをしない。ばかにしているんじゃないですか、米軍が知事を。
 そういう言いなりの知事の政治姿勢で県民の求める安全策がどうして実現できると思うんですか。
 それから、辺野古への移設については、米軍の戦略上の問題があるのは非常にはっきりしています。これについては資料を渡しましたけれども、それをぜひ見て改めてやはり普天間基地の移設、これはやめるべきだという立場で臨んでほしいと思います。
 それから、ボーリング調査の件について先ほど資料をお見せしましたけれども、ボーリング調査をするのは護岸工事の設計構造を決めるためだという説明でありましたけれども、先ほどの資料をお見せしたようにもう既にでき上がっているんです。防衛施設局については、これはでき上がっているじゃないかと言ったら、名護市議会については別な言いわけをしています。
 だから、でき上がっているのにもかかわらず、なお強引にボーリング調査するというのはほかに意図があるんじゃないかということが考えられます。それであれば、改めて今資料を出しましたので、ボーリング調査の目的に皆さん方が今まで議会に答弁をしてきた護岸工事の設計が目的であるのであれば、もう終わっているのでボーリング調査はやめろという申し入れをぜひしてほしいと思います。
 それから、産廃問題についてお聞きします。
 私は聞いて実に驚きました。大変ですよ。結局は向こうの環境問題というのは、住民が非常に今でも後遺症に苦しんでいるにもかかわらず、それを無視し続けている。
 それで、先ほどの答弁では汚染水の流出はないと言っていましたけれども、先ほど知事に見せましたけれども、これはけさの宮古の新聞ですけれども、(資料を掲示) これは大量の汚水が同処分場から出ていると。池のわきからは水が音をたてて大量に流れ出ている。水からは腐乱臭が出ていて、現場一帯は悪臭が立ち込めていたと。
 こういう事実があるにもかかわらず、なぜ虚偽の答弁ですか、これは。私どもは現場調査しに行きました。向こうの保健所の関係職員の立ち会いのもとに、汚水が流れ出ていることも確認しました。それから焼却灰についてもちゃんと焼却炉についている焼却灰と、それからその前に置かれている焼却灰が同一のものであるということについても確認をしています。であるにもかかわらず、なぜきちっとしないのか。
 それから、焼却炉の撤去についても金がかかるからといって業者は危険であるにもかかわらずやらない。なぜそれを撤去させ切れないのか。
 これについてはぜひ明確な御答弁をお願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後5時46分休憩
   午後5時54分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 嘉陽議員の再質問にお答えいたします。
 最初は、当面の対策として安全確認の内容は何か、原因のわからないものが安全確保できるのかという御質問にお答えいたします。
 緊急的措置ということで私どもが一番最初に上げているのは、今の事故原因の究明と公表でございます。この事故原因の究明と公表が行われるということは大変重要だと思っています。その上での普天間飛行場における全機種の安全確認と実効ある再発防止策が確認されるまでの飛行停止ということでこれはセットでございます。
 それから米軍、アメリカの言いなりにばかりなっていて……(「そうじゃないの」と呼ぶ者あり)
 とんでもありません。先般、本土のある論説委員が沖縄で講評されたときもこういう話をしておりました。日本とか沖縄では余り大きく取り上げてないけれども、ヨーロッパでは稲嶺に対して非常に高い評価があると。それはどういうことかといいますと、ラムズフェルド長官に対して面と向かってあれだけきっちり物を言ったのは稲嶺しかいないということで大変高い評価を受けております。(発言する者多し)
 したがって、現在も強い姿勢で臨みながら、その中で最善まではいかない、最善はありませんから、最もその時期にベターな方法を模索しながら基地の移設問題にも臨んでいきたいと思います。
○知事公室長(府本禮司) CH-53ヘリの件についてお答えします。
 CH-53D型ヘリというのが1969年から1972年までの間に126機海兵隊に引き渡されたということは承知しておりますが、この当該ヘリがいつ製造されたのかということについて私どもの方も御指摘があったことを含めて問い合わせをしているわけであります。
 以上であります。
○土木建築部長(末吉 哲) 嘉陽議員から見せていただいた資料を見ますと、これは平成15年9月の報告書でありますが、この報告書のページをめくってみますと、すべて波浪計算、波の計算から成っております。地形じゃなくて波。あの資料も波のやつになっています。地形といいますのは、概略の水深の等高線がありまして、お答え申し上げますと地質の調査のデータではありません。今回行うのは護岸構造がどういう構造がいいのか、あるいはこういう構造でできるのか、基礎的な現場の資料収集のためのボーリング調査です。
 以上です。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
 汚染水についての再質問にお答えをいたします。
 汚染水については、先ほども御答弁いたしましたように、処分場東側集水池付近に築堤をされている盛り土堰堤ゾーンから漏水が考えられるということで専門委員会でもそのように評価されております。
 県では、そういうことから処分場東側集水池の水の水質検査を実施し、これまでの水質検査結果、大雨や台風時に流れた際の水質測定の結果、そういったものを検証し、すべて環境基準を達成していると。そして今後とも環境モニタリング調査を引き続き実施をし、常時監視をしていくということにしております。
 きょうの新聞に載っておりました腐乱臭がする水が大量流出ということで記事が出ておりまして、台風21号の影響によりまして処分場東側集水池から汚水が流れ出ているという記事があったことから、県においては早速本日、宮古保健所を中心に平良市職員の立ち会いのもとで水のサンプリングを行っております。サンプリングした水の分析結果については11月までには明らかになる予定であり、その結果がまとまり次第調査結果を平良市等へ送付していきたいと考えております。
 なお、宮古保健所においては、新聞報道で言う流れ出ている汚染水をきのう29日に確認した大浦の産廃問題に取り組む会の事務局長へも本日のサンプリングの立ち会いを依頼しましたが、都合により立ち会いはできないとのことでありました。
 汚染水については以上でございます。
 それから焼却灰のことでございますが、焼却灰につきましては、これも先ほど御答弁いたしましたが、確かに焼却施設の隣にあるのは焼却灰でございます。ただ、先生方が現場視察をしていって、その焼却施設から離れたところ、これについて検査をしたら、それは焼却灰じゃないということが――2カ所先生方に指摘された分のものを調べたらそういうことになりました。
 それから焼却炉の撤去でございますが、焼却炉の撤去については、県では当該事業者に対し14年4月9日付で改善命令を出して、関係法令を遵守して適正に解体・処理するよう強く求めてきております。
 当該事業者はまだその撤去作業に着手してないことから、さらに指導強化していきたいと考えております。既に焼却施設2基については平成14年1月に施設使用停止命令及び業務停止命令を行っております。その後、焼却行為はなされてないことから、周辺環境への影響が生ずる状況ではありません。したがって、設置者みずからの義務により原因者負担の考え方に基づいてみずからの財産も適正に管理・処理する必要があると考えております。
 現在、焼却炉に起因して生活環境上、支障が生じている状況にはございませんので、現在のところ行政代執行等も考えておりません。県としては、今後とも当該事業者に対して関係法令を遵守して適正に解体・撤去できるよう指導を強化してまいります。
○嘉陽 宗儀 知事は、私の米軍言いなりということに対していささか心証を害したようでありますけれども、問題は、米軍に何を言っているかですよ。内容はアメリカ言いなりじゃありませんか。
 例えば、具体的に私はさっき資料を見せましたけれども、米軍は普天間基地の移設問題についていえば、1966年ごろから辺野古の方に埋め立てて軍事基地をつくるという計画を出したその資料を今見せましたよ。なぜつくるか。弾薬が運べない、ヘリポートが必要、海兵隊の総合機能を持った軍事基地が必要と。米軍はのどから手が出るほど向こうに軍事基地をつくってくれという、まさにそれに応じているのが今の稲嶺知事の態度じゃありませんか。だから米軍の望むことを今やっているから米軍言いなりと。これについては改めて米軍の方針があったことを、さっき資料を見せましたのではっきりさせてください。
 それから、宮古の産廃問題について非常に深刻な感じがしています。現地調査をしましたら、裏で暴力団の動きもいろいろ報告がありました。いろいろあって、狭い島なのでなかなか思い切って物も言えないし、県の行政指導についても無視する。私ども共産党県議団が行ったら、前もって保健所が連絡して現在使っているものを片づけさせると、異常じゃありませんか。
 そういう意味で、もっと環境行政としても業者に対してきちっと物が言えるようにしてほしい。特に焼却炉の撤去、これは明確に日にちを決めさせてください。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後6時5分休憩
   午後6時6分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 嘉陽議員の再々質問にお答えいたします。
 内容においてアメリカ側の言いなりだというお話でございますが、私はあくまでもアメリカが何を考えているからどうしようという観点からは全くありません。沖縄の立場からどれが一番いいかという、常にそれを念頭に置いて仕事を進めております。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 業者の指導につきましてはこれまでも適正に指導を進めてまいりました。今後とも適正指導に努めてまいりたいと思います。
 そして、この焼却炉の撤去につきましても、当該事業者に対しまして関係法令を遵守して適正に解体・撤去するよう指導を強化してまいります。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後6時8分休憩
   午後6時30分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 比嘉京子君。
   〔比嘉京子君登壇〕
○比嘉 京子 きょうの最後を務めます社大党の比嘉京子でございます。
 初めに、知事に一言。我々に必要な第一の条件って何だろうと。もう一度原点をかみしめてみたいと思うんですが、平和を脅かすすべてのものを排除して県民の安全・安心を保障し、健康に暮らす権利を守ることではないでしょうか、知事。同意していただけるなら軌道修正を速やかにお願いしたいなと思います。
 では、質問に入る前に、もう皆さんが本当に取り上げて、何度聞いても私も感動がよみがえってくる宮古農林高校のお話を少し入れさせていただきたいと思います。
 宮古農林高校の水のノーベル賞受賞の報告会に参加させていただきまして、教育の意義を本当にかみしめて感銘を受けました。報告会は県内の高校生も参加し、司会進行も那覇国際高校生、ロビーで振る舞われた飲み物も南部農林高校生によるお手製のと、高校生の活躍づくしに触れる機会をつくっていただきました教育委員会に感謝申し上げます。
 考えは地球規模で、行動は足元からと高校生が研究の本質を体感していることに大きな感動を覚えました。指導者の情熱と力量と努力に敬意を表します。
 この研究は、8年にわたり卒業生から後輩へつないできた成果であります。これから私が質問いたします本県の健康推進事業に照らし合わせ、行政の継続性が効果的に機能しているかどうか高校生に学ぶことがあるのではないかと考えるものであります。
 では、通告に従いまして質問をいたします。
 去る9月20日は敬老の日、家庭で地域でお年寄りを敬い、これまでの御労苦に対して思いをはせると同時に、健康で長寿という沖縄の財産を私たちがどう守り得るのか問われていることを再認識すべき日でもあると考えます。
 沖縄県民の中にはいまだに沖縄に住んでいれば長寿になれると漠然と思い込んでいる状況があります。今回、私は、県民の平均寿命、健康寿命の現状を明らかにし、年齢別の死亡率が全国平均と比較してどの位置にあるのか、そのような状況に対して沖縄県の健康推進行政がどのように進められてきたのか、そして県民がそれをどう周知し行動化しているのか。健康推進事業の成果のバロメーターの一つである医療費の推移を伺い、今後、県民の健康・長寿をいかに延伸させることができるのかを考えるため質疑をしたいと思います。
 1、健康行政について。
 (1)、平均寿命について。
 本県の男性の平均寿命は、1980年、1985年には全国1位でありましたが、1990年には5位、1995年には4位、2000年には26位に急転落をいたしました。この状況についての当局の認識を伺います。
 来年の2005年にはどのように推移していくとお考えですか。また、26位に転落した原因について伺います。
 女性は1980年から2000年まで1位ですが、来年2005年の予測について伺います。
 (2)について訂正をお願いしたいと思います。健康・長寿というのを健康寿命という言葉に訂正をお願いいたします。
 (2)の健康寿命について。
 健康寿命というのは、自立をして健康に生きることができる期間をいいます。本県の男性の健康寿命は全国的にどのような位置にありますか。女性の健康寿命はどうですか。県民の健康寿命を延ばすためにどのような取り組みをしてこられましたか、伺います。
 (3)番目に、年齢階級別死亡率について伺います。
 これは5年ごとの年齢についてその年齢の死亡率について述べているものであります。
 全国と比較して本県の男性の年齢階級別死亡率の状況を伺います。
 同じく女性の年齢階級別死亡率の状況を伺います。
 (4)に、健康推進事業について。
 県民の平均寿命を伸ばし死亡率を低下させるための緊急な課題は何ですか。
 本県の健康推進事業の内容と現時点での評価を伺います。
 「健康おきなわ2010」の現時点での達成状況はどうですか。
 次に、8500人とも言われる基地従業員は就労環境に問題がないのか懸念されます。基地以外の地域と比較して有病率に有意差がないのか調査の必要があると考え質問をいたします。
 基地従業員の健康調査は実施されたことがありますか。その結果に対する認識を伺います。
 (5)、医療費について伺います。
 ア、医療費の推移を伺います。
 イ、医療費の内容と疾病別の内訳を伺います。
 ウ、医療費の増大のため国民健康保険基金を取り崩し、一般会計から繰り入れている市町村はどれくらいありますか。また、その総額は幾らですか。
 我が党の代表質問と関連して1点だけお聞きいたします。
 米軍は、取材記者、カメラマンを規制し拘束しようとさえいたしました。取材の自由、報道する権利、知らせる権利を阻止したことになります。このことについての当局の認識を伺います。
 答弁の後、再質問をしたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 比嘉京子議員の御質問にお答えいたします。
 健康推進事業の内容と評価についてでございます。
 主な健康推進事業として、県民健康づくり推進事業を初め市町村の健康づくり計画の支援、「健康おきなわ2010」を推進するための県民会議の開催、健康づくりト-ク、研修会等の啓発事業の実施、地域の健康づくり組織の育成等を行っているところであります。特に、市町村計画の策定については15市町村にとどまっていることから、今後策定に向けてさらに支援する必要があります。
 次に、歯科保健推進事業では、「母と子のよい歯のコンク-ル」、地区歯科保健推進大会や講習会を開催し8020運動の普及・定着を図っており、その結果、齲触の状況は年々改善されてきております。
 栄養改善対策事業では、県民に正しい食生活の普及と生活習慣の改善のため、研修会の開催や県内26地区の食生活改善推進員の活動を推進しております。また、食生活改善推進員が講習会を行いヘルスサポーターを1600名養成しております。ヘルスサポーターは、健康づくりに関する知識を身につけ身近な地域で活動を行っております。今後とも地域、学校等と連携し、活動を展開していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 男性の平均寿命の順位が後退したことの認識及び原因、男女の平均寿命の今後の予測について一括してお答えします。
 平成12年の都道府県別生命表によれば、本県男性の平均寿命の順位が26位に後退しました。その内容を見ると、高齢者では良好な健康状況を維持しているのに対し、壮年期では全国平均よりも死亡率が高く、働き盛りの世代が早世することは社会全体の大きな課題であります。また、このことは健康問題だけでなく観光産業等の他の分野にも大きな影響を及ぼすものと考えています。
 本県男性の平均寿命は伸びているのにもかかわらず順位が後退した主な原因は、心臓病、脳卒中の死亡率の減少幅が全国に比べ小さく、自殺、肝疾患、糖尿病の死亡率が全国より高いことが考えられます。
 なお、これまでのデータから見ると男女とも寿命の伸び率はこれまでより減少するものの、平均寿命は伸びるものと予測されますが、順位を予測することはできません。
 続きまして、本県の男女の健康寿命について一括してお答えいたします。
 健康寿命とは、自立して生活できる期間を言いますが、平成11年の研究報告によると、本県における65歳の男性の平均余命は17.97年となり、そのうち自立期間は15.95年で、平均余命に対する自立期間の割合は88.7%となっています。
 また、女性については平均余命は23.40年、自立期間は19.21年で、自立期間の割合は82.0%であります。
 なお、全国的には男性の自立期間の割合は90.2%、女性が86.6%となっています。
 続きまして、県民の健康寿命を伸ばすためのこれまでの取り組みについてお答えいたします。
 国の第一次国民健康づくり対策を受け、昭和54年から平成9年まで各保健所で栄養教室を開催し、食生活改善推進員が養成されました。また、昭和60年からは婦人の健康づくり事業を市町村で実施し、健診と食生活の指導が行われました。その後、食生活改善推進員は平成4年に県連絡協議会を設置して体制を強化し、現在、活発に地域活動を展開しております。昭和56年には本県初の健康増進施設として総合健康増進センターを開設し、運動及び食生活の生活習慣指導において当時モデル的な役割を果たしました。
 また、昭和59年から「県健康展」及び「健康づくりフェア」を通して普及・啓発を行ってまいりました。昭和63年からの第二次国民健康づくり対策では生活習慣の改善による疾病予防、健康増進の考え方が打ち出され、県では保健所に健康増進室を増築し運動指導等を行う「健康教室」が開催されました。
 さらに、市町村では活動の拠点としての保健センター等の設置が進み、平成6年度の14カ所から平成15年度には30カ所まで増加し、マンパワーの確保では市町村の保健師が91人から255人、栄養士が6人から39人と増加してきております。
 続きまして、全国と比較した本県男性及び女性の年齢階級別死亡率について一括してお答えいたします。
 厚生労働省の発行した「平成12年都道府県別年齢調整死亡率」によりますと、本県男性の年齢階級別死亡率はおおむね60歳までは全国に比較して高く、60歳以上については低い傾向にあります。また、女性の年齢階級別死亡率はおおむね低い値となっておりますが、20歳代の後半から40歳代までの階級で高くなっております。
 続きまして、死亡率を低下させるための緊急な課題についてお答えいたします。
 本県は、30代から60代にかけての肥満の割合が全国より高い状況にあり、肥満に起因する糖尿病、高血圧、高脂血症やそれらをもとに発症する心臓病、脳血管疾患の予防が課題であります。悪性新生物では肺がんによる死亡率が高く、他のがんや心臓病等の予防のためにも喫煙対策をさらに推進していくことが重要です。また、自殺による死亡数が15年度は350人で、特に男性が8割を占めており、今後、自殺予防対策を含めた精神保健対策に関係機関、地域とともに取り組んでいく必要があります。
 続きまして、「健康おきなわ2010」の達成状況についてお答えいたします。
 「健康おきなわ2010」は、生活習慣を改善し県民の健康づくりを推進するための活動指針であり、平成22年までに達成する数値目標を設定しています。
 平成15年3月に実施した県民健康意識調査の結果と比較すると、朝食を食べない人の割合や飲酒、喫煙率では計画当初の値とほぼ同様の結果で、齲蝕の状況はやや改善されています。
 なお、平成17年度には現在分析中の県民健康栄養調査の結果等も踏まえ中間評価を行う予定にしております。
 続きまして、医療費の推移、内容及び疾病別内訳について一括してお答えいたします。
 平成14年度の被用者保険を除く沖縄県の国保医療費は1664億円となっています。過去5年間の医療費の推移を対前年度比で見ますと、平成10年度は1.04、平成11年度は1.06、平成12年度は0.95、平成13年度は1.04、平成14年度は1.02となっております。平成12年度においては、介護保険制度が施行されたことに伴い医療費が減少しています。
 医療費の内訳は、入院が48.6%、入院外が30.9%、歯科が5.7%、調剤や食事療養等を含むその他が14.8%となっています。
 疾病別内訳については、沖縄県国民健康保険団体連合会がまとめた平成15年5月診療分によりますと、入院費用に関しては循環器系が26.1%、精神行動障害が18.6%、新生物が10.5%となっております。入院外費用については、消化器系が19.1%、循環器系が16.8%、尿路性器系が16.0%となっています。入院費用、入院外費用を合わせると循環器系、精神行動障害、消化器系の順に高くなっております。
 続きまして、国保基金の取り崩しや一般会計からの繰り入れを行っている市町村の数と総額についてお答えいたします。
 市町村では特別会計を設けて国民健康保険事業を運営しておりますが、その収支は全体的に厳しい状況にあり、国民健康保険基金の取り崩しや一般会計からの繰り入れで補っている市町村もあります。平成15年度の県内市町村における国民健康保険基金の取り崩し総額は32市町村で約18億3500万円、一般会計からの市町村単独繰入総額は37市町村で約17億8500万円となっております。
 これらの繰り入れ等の大きな要因については、高齢化の進展や医療の高度化などによる医療費の増加のほかに、市町村独自の保険税の負担緩和や収納状況の低迷、さらに収納率が一定基準に満たないことによる国庫支出金の減額等が考えられます。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 基地従業員の健康調査についてお答えいたします。
 基地従業員の健康管理については、那覇防衛施設局によると、全従業員を対象とした定期健康診断のほか、特殊健康診断や成人病予防健康診断等を実施するとともに、産業医等による保健指導及び健康相談等を行っているとのことであります。
 また、産業医による定期的な職場巡視など従業員の健康管理と職場環境の実態把握に努めており、これまで基地内の環境に起因すると思われる特殊な症例等の報告はなく、健康調査は実施してないと聞いております。
○知事公室長(府本禮司) 米軍による取材の阻止についてお答えします。
 報道機関による取材の自由は、表現の自由を定めた憲法第21条の趣旨に照らし尊重されなければならない権利であり、正当な理由及び根拠なくしては規制を受けないものであると理解しております。
 今回のヘリ墜落事故において、米軍関係者が記者の取材活動を妨害したという新聞報道は承知しておりますが、県として事実確認はできておりません。
 以上でございます。
○比嘉 京子 では、再質問を行いたいと思います。
 まず、やはり働き盛りの男性が非常に早い死、早世率を高めているという現状があります。もちろん自殺は男性はトップクラスですが、女性は最下位であります。男性の心疾患や脳血管障害、いわゆるこれは生活習慣病からくるわけですけれども、問題意識が低いのも男性であります。総じてでございますが、男性でございます。そして、そのような男性にどのようにして県が喚起を促していくのか、そして早世を避けるのか、具体的な施策または本当に緊急的な課題としてどのような危機感を持っておられるのかをお聞きしたいと思います。
 その次に、予測は、順位は確かに難しいと思いますが、1つ、女性も男性も平均寿命の5年間の伸びが男性が47位で最下位であります。女性も46位で伸びが非常に悪いです。そのことからすると、改善というよりもむしろ下降していくという可能性が指摘をされるんではないかなというふうに私は思っております。
 2番目の再質問についてですが、来年平成17年に「健康おきなわ2010」の中間評価を行うという――これは各都道府県同じでございますけれども――現在、私たち沖縄県の52市町村がそれをおろしていく市町村単位の目標値を定めていくという施策が、先ほどのお答えでは15カ所しか策定されてないという現状の中で、現在の健康推進施策が15カ所しかないという中で、本当に私たちは改善に向かって来年はいい結果が期待できるかどうか、その見通しについて伺います。
 3番目に、皆さんが今行っている本県の費用や人員、それに対して今の2010の目標達成が十分でき得るというふうに認識をされておられるのか、3番目にお聞きいたします。
 それからもう一点は、先ほどの取材の規制に対することですけれども、さきの9月20日、沖縄の大学関係者や市民団体による緊急のシンポジウムがありました。そこでもアピール文の中にマスコミ取材に対して強圧的な行為により制限を加えたと、それを指摘をしております。そういうことで、県はそれに対してこれからどのようなアクションを起こす予定があるのかどうか、事実を確認する予定があるのかどうか、お聞きしたいと思います。
 以上の4点お願いいたします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後6時58分休憩
   午後7時  再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 福祉保健部長。
   〔福祉保健部長 稲福恭雄君登壇〕
○福祉保健部長(稲福恭雄) 再質問にお答えいたします。
 働き盛りの男性の健康意識の啓発についてということでお答えいたしたいと思います。
 職域健診の結果によりますと、本県は全国に比べ検査結果の異常を示す有所見者の割合が高く、働き盛りの男性に対して健康づくり活動へ働きかけを行うことは、今後の長寿県沖縄を築くためにも極めて重要であります。
 一方、健診後の生活習慣改善のための事後指導を受ける人が少ないことも指摘されており、健診後の事後管理を徹底するため各職場で労使を挙げた取り組みが必要であります。また、健康保険の保険者による各種の健康づくり事業を強化し、職場の仲間や家族ぐるみで健康づくり活動を進めていく事業等も有効であると考えられます。
 続きまして、中間評価の見通しなんですけれども、健康はきょう、あすの行動がすぐにあらわれないために、常日ごろの食生活や生活習慣を踏まえた健康づくりがついおろそかになる傾向にあります。行政の責務として健康づくりをしやすい環境を整備することはもちろんのことですが、県民一人一人の自覚もとても重要でございます。行政、企業、県民それぞれが健康づくりに励み、それらの取り組みが相乗的に効果を発揮することにより最終的に健康寿命の延伸につながると思います。県民の皆様にはぜひとも中間評価の結果をよくするためにも、それぞれの健康づくりについて関心を持ち努力されますようお願いいたしたいと思います。
 続きまして、現在の費用で2010の達成が可能かというふうなことですけれども、現在、県全体では6つの保健所において医師、保健師、栄養士、検査技師等が市町村の健康づくり事業の支援及び地域住民の健康づくりに関する事業に従事しております。また、健康づくり事業の直接の実施主体である市町村では、約250人の保健師や担当者を中心に事業を推進しております。厳しい財政状況の中、また行政改革を進める中、現在の職員数と予算の範囲内で最大の効果が発揮できるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) 米兵による取材阻止の件についてお答えいたします。
 外務省など関係機関に確認したいと考えております。
 以上でございます。
○比嘉 京子 私は、しばしばどころか月に何度も保育現場や学校現場に行く機会を与えられておりますが、長寿の危機が叫ばれて10年以上になると思うんですけれども、県の推進事業をはるかに上回るスピードで県民の健康状態が悪化しているのかもしれません。追いついてないこの現状をどうするかということをきょう、少し提案したいと思っています。
 皆さんが今なさってこられた、知事も答弁をくださいましたさまざまな機関、または組織づくりということはよく理解はしております。組織でこの「健康おきなわ2010」県民推進会議、年に2回2時間開かれております。議事録はございません。会議録はございませんが、その中で医師会、栄養士会、それから歯科医師会、さまざまな分野にこれをおろしていかれている。読ませていただいたんですけれども、なかなかそれがどこにつながっていて、どういうところに見通しをかけられているのかということが非常に漠然としていて、一番問題だなと思うことは、常にその行動に対する評価がない。そのために効率がいいのか悪いのかも見えない。そういうような状況が続いているのではないかなというふうに考えています。
 さて、今この時期に私は市町村がやるべきことと県がやるべきことをもっと明らかにしたらどうだろうかと思うんですが、沖縄県が本当に県民ぐるみで健康運動を起こしていく大きなうねりが必要ではないかなと思っています。
 それなりに知恵を出してみたんですが、まず第一歩として、これは成長期の子供も学業期の子供たちもそうです。お年寄りもそうですけれども、まず第一として、メディアを使って十分な睡眠と朝食欠食ゼロ運動というのを私は提案したいと思います。これは、年代を超えて沖縄県は11時、12時まで赤ちゃんを連れて町を歩いている若い人たちが恥ずかしくなるようなコマーシャルをつくりたいなと思います。そして、成長期の睡眠というのを十分にとるということは、脳をもちろん守りますし、育てますし、病気にならない免疫力を高めますし、成長ホルモンを促します。そして情緒の安定を促す。その十分さが朝食欠食、食欲不振を防ぎます。不登校や学力問題へも影響すると考えられます。
 成果の上がっている佐敷町では、お年寄りの健康とぼけ防止の観点から昼の30分睡眠を推奨しております。
 もう一点、やはり朝食をしっかりとるということは、もちろん成長や健康上の問題、それから糖尿病の問題もありますけれども、やはりこれは脳を活性化し、いい仕事につながる、いい学業につながるという点もあります。
 2番目に、本県男性の早世を食いとめるために、私は先ほど述べました宮古農林高校の「行動は足元から」というのを見習いたいなと思います。まず、県庁職員から皆さんの提案している7つの健康習慣の実施を行って、病気にならない、病院に行かない県庁職員づくりをしていくことはどうなんでしょうか。ぜひ御意見を伺いたいと思います。
 さらにもう一点は、10代、20代の女性が、つまり近未来の母体ですけれども、沖縄県は30代以降は肥満ですけれども、20代女性はやせです。全国よりはるかにやせています。その若いやせの人たちは、さらにやせ願望を持っています。その人たちが近未来の母親になります。10代から飲酒と喫煙率は全国より高いし、朝食欠食率も高いです。一方で乳児の死亡率、新生児死亡率も全国より高いです。
 そういうような状況の中で、1つは、働き盛りの男性をターゲットにした施策、もう一つは、近未来の母性に対する対策、これは本当に急いで私は皆さんに対策をお願いしたいと思いますし、またそれを具体的にやるための漠然としない具体策、だれを通してやるのかという具体策をぜひ目に見える形で出していこうというふうに皆さんに提案をしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
 最後になりますけれども、これは本当に大げさではなくて、沖縄県の未来がかかっていると言っても過言ではないと思います。この健康問題というのは、観光産業や健康産業へ及ぼす影響ももちろんのことですが、先ほどの医療費の問題ではありません。老人医療費は入っておりませんし、健保も入っておりません、先ほどの数字は。介護も入っておりません。ですから今、本当に30人以下の学級をどうするか、それから認可外をどうするかというときの経済的な理由も本当に私たち一人一人のこの医療費を防ぐことから財政というのが大きく生まれてくるというふうに考えます。
 1995年に総合運動公園に建立されております「世界長寿地域宣言の碑」というものを私たちはもう返上しようという土壇場に来ています。こういうことをもう一度私は健康推進行政の担当の方々に再点検をお願いし、そしてそれを集中して強化すべきところにエネルギーとお金を投資していく、こういうことをしたらどうでしょうか。
 ちょっと具体的なことで、これは医師会のこの間打った第10回の県の2010の一環なんですけれども、1つだけきょうの持ち帰り課題ですが、身長の2分の1にウエスト、おへそ周りがあるようにコントロールしてください。
 それから、二十ぐらいの体重より5キロ以上オーバーしたら落としてください。この2つを皆さんとともに私もやっていきたいなと思います。
 どうもありがとうございました。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後7時11分休憩
   午後7時12分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明10月1日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後7時13分散会

 
20040405000000