○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、甲第2号議案及び乙第1号議案から乙第25号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
狩俣信子君。
〔狩俣信子君登壇〕
○狩俣 信子 おはようございます。
本日、一般質問のトップを切りまして護憲ネット狩俣からさせていただきます。
まず1点目でございますけれども、12月1日の離任記者会見での沼田貞昭外務省沖縄大使の発言から取り上げさせていただきます。
記者会見の中で、「米軍に常に抗議するのではなく、双方通行の対話をしていただきたいという気持ちを持っている」と発言し、それが市民団体等から批判を受けております。地元両紙の社説にも取り上げられるなど波紋を投げかけています。
私自身も10月16日に社民党県連委員長の照屋寛徳さんと、米軍属による女性暴行事件での要請で沼田沖縄大使にお会いしました際、もっと沖縄の立場に立って取り組んでほしい由の発言をしましたところ、自分は目に見えないところで沖縄側と米軍との摩擦をなくすために一生懸命やっているといういら立った感じでの発言がありました。
私としては、事件・事故を起こすたびによき隣人として、あるいは綱紀粛正に取り組んでいますと言いながら、一向に事件・事故が減らない状況に対する不信感があり、特別に沖縄に派遣されている外務省の大使であるならば、もっと強力に対応してほしいという気持ちからの要請でありました。
沖縄大使は4代目ですが、1997年の設置以来何が変わったのか、県民にはなかなかわかりません。
そこで伺います。
(1)点目、外務省沖縄大使は何のために置かれているのか伺います。
(2)点目、その仕事内容について伺います。
(3)点目、発言を受けての知事の所見を伺います。
次、2番目に、11月12日に知事公室長を介してお届けしました辺野古への基地建設反対の高校生から知事への手紙について伺います。
これは、10月13日に行われた「夕なんぎーの道ジュネー」に寄せられた高校生等の約240通に上る手紙です。知事に直接手渡したいと申し出ましたが、日程の都合により公室長を介しての手交でした。当日参加した高校生は、純粋な気持ち、素直な気持ちを吐露し、涙ながらに公室長に訴えていました。美しい辺野古の海を埋め立てないでほしい、環境を破壊しないで守ってほしい、自分たち若い人たちの将来にかかわる基地の負担を何とかしてほしい、私たちの声も聞いてほしいなどなどの意見でした。そのとき、知事へは辺野古の海を埋め立てないでほしい、ぜひ直接知事が辺野古に来て見てほしいということで招待状が手渡されております。
そこで伺います。
(1)、高校生からの手紙を読んだ感想をお聞かせください。
(2)点目、子供たちからの招待状を受けて知事は辺野古へ視察に行かれるのかどうか伺います。
(3)点目、新たな基地・辺野古ヘリ基地の建設で将来の子供たちへの基地負担について知事の見解を伺います。
次、3点目に行きます。指定管理者制度について伺います。
三位一体改革や厳しい財政の中でいろいろな工夫がなされ、指定管理者制度、民活の導入などいろいろ考えられていると思いますが、(1)点目、お伺いいたします。平成16年度の取り組みでどのくらいの経費節減になっているのか伺います。
(2)点目、今後の見通しについて伺います。
(3)点目ですが、女性総合センターの取り扱いについてお伺いいたしますけれども、女性総合センターは、封建的・家父長的な考えを改め、男女平等社会を目指して文化的・社会的につくられた性差をなくすことや、男女の自立、意識変革などを啓発するためにその拠点として設立されたものであります。実態としていまだに男女差別は解消されていません。
指定管理者制度の導入に当たっては、経費削減の面だけではなく、そのよって立つ理念、目的など幅広く検討されなければならないと思います。多くの女性たちの熱い思いでつくられただけに、そこにかかわった多くの女性たちの声も聞いてほしいと思います。
先日、私は、女性総合センターを訪問しいろいろ話を聞いてまいりました。公募による民間委託でその目的、理念を達成できるのか大変不安を持っておられました。いま一度真剣な話し合いが必要だと感じております。女性総合センターにどのように指定管理者制度を導入するのか、その具体的なことをお聞かせいただきたいと思います。
次、4番目、学校2学期制の導入について伺います。
去る11月18日、首里地区の城北小学校で来年4月から学校2学期制の導入を突然告げられ、保護者の皆さんが大きな不安を持っています。首里では石嶺小学校がそのモデル校ということでございますが、そのメリット・デメリットの分析も十分聞かされない中で、9月に職員朝会あるいはPTA三役会で校長が来年からやります、校長会で決まりましたという発言があり、那覇市の教育委員会の説明も授業参観日につけ足したように行われるなど不十分であります。多くの保護者の理解もないまま導入することや、子供たちへの影響を心配する声を無視することはできません。明治以来長年続いてきた教育制度を変更するという大切なときに、保護者への十分な説明、意見交換、論議の場を保障せず強引な形でやることは、後に禍根を残すことになります。そんなに急いでやる理由が見えません。
私も他府県の例をちょっと見てみましたけれども、なぜ沖縄側がそんなに急いで御父母への説明も不十分なままこれを導入するのか、本当に理由が見えてきません。子供たちの教育にかかわることは教育委員会や校長会だけでやるものではないと思っております。
そこで伺います。
(1)点目、2学期制のモデル校は何校か伺います。
次、モデル校実施後のメリット・デメリットをどのように分析しているのか伺います。
(3)点目、県内の2学期制導入に向けての取り組み状況を伺います。
(4)点目、2学期制についての教育長の所見を伺います。
次、5番目に、義務教育費の国庫負担削減について伺います。
昨日の仲田総務部長の答弁もございました。次年度の4250億円の義務教育費国庫負担削減につきましては、教育水準の維持等のためにも負担がないようにする由の答弁がありました。具体的に沖縄県に及ぼす影響はどうなっているのか気になりますのでそれを伺いたいと思います。また、この問題に関する教育委員会としての対応について伺います。
次、6点目ですが、我が会派の平良長政議員の代表質問と関連して伺います。
(1)点目、きのう、日の丸・君が代についての天皇発言の中で、天皇は「強制になるということでないことが望ましいですね」と発言していますが、教育長は自発的にやるのが望ましいと解釈しました。強制にならないということと自発的というのは大きな違いがあると思っておりますが、どうでしょうか。
(2)点目に、指導要領は国旗国歌法、そして憲法を上回るものかどうか伺いたいと思います。
以上、また答弁によりましては再質問をさせていただきます。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
狩俣信子議員の御質問にお答えいたします。
最初は、高校生からの手紙と基地負担についての御質問のお答えでございます。一括してお答えいたします。
去る11月12日の要請の際に届けられた高校生の手紙については、知事公室から報告を受け、目を通しました。全部に目を通しておりませんけれども、かなりを公室長の方でピックアップしまして、それに目を通させていただきました。手紙には、沖縄の基地問題や自然環境を大事にしたいという考えが率直に書かれており、その気持ちが伝わってまいりました。
普天間飛行場は市街地の中心部に位置し、市民生活に深刻な影響を与えていることから、早期返還を実現するため県としては限られた選択肢の中から県内移設という苦渋の選択をしたものであります。県としては、県民の目に見える形で基地負担の軽減が図られるよう日米両政府に対し要望してきたところであり、普天間飛行場の一日も早い返還に向け今後とも努力していきたいと考えております。
続きまして、辺野古の視察についてでございますが、私は既にヘリによる上空からの視察も含めて何度か移設先である辺野古を視察しております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 外務省沖縄大使の役割等につきまして一括してお答えいたします。
外務省沖縄大使は、在沖米軍に係る問題等に関する沖縄の意見、要望を那覇防衛施設局と連携しつつ聴取すること、在沖米軍の諸活動や地位協定の具体的運用に関する事項について適当な場合には那覇防衛施設局と連携して米側との間で連絡を行い、これらの問題に対応するなどの業務を行うものとされております。
沼田大使の発言につきましてお答えいたします。
外務省沖縄事務所に確認したところ、沼田大使が県民の意向を米軍に伝えていく中で感じたことを一般的な県民の方々に対して述べたものであり、米軍等の直接被害をこうむっている県民に対してのものではないとのことであります。
県は、沼田大使がさまざまな機会をとらえ米軍に県民の要望等を伝えるために米軍との接触を重ねた結果、そのように感じたものと思いますが、本県は過重な基地を背負わされ続け、そこから派生する事件・事故等により県民は米軍に対するぬぐい切れない不信感を抱いております。外務省沖縄担当大使には、このような県民の感情を理解し業務に当たっていただきたいと思います。
次に、指定管理者制度導入における沖縄女性総合センターの取り扱いについてお答えいたします。
県は、公社等に管理委託している公の施設を中心に平成18年4月からの指定管理者制度への移行を目指し、指定手続等を盛り込んだ条例の整備に向けた作業に取り組んでいるところであります。沖縄県女性総合センタ-も対象施設になっておりますので、県の基本的な考え方を踏まえて指定管理者制への移行を図りたいと考えております。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 指定管理者制度の導入に伴う経費節減額及び今後の見通しについて一括してお答えします。
指定管理者制度については、今議会に1件の条例改正案を提案しているところであります。改正条例に基づきまして指定管理者の選定を行い、2月議会での議決を経て平成17年度の早い時期に導入する予定であります。また、現在公社等に管理を委託している施設については、平成17年2月議会に条例改正等を提案する方向で調整を進めており、平成18年4月から指定管理者制度に移行する予定としております。
なお、直営で管理を行っている施設については、今後、指定管理者制度の導入について検討することとしております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 2学期制のモデル校及びメリット等について一括してお答えいたします。
2学期制のモデル校は、浦添市が小学校2校、中学校2校、那覇市は小学校3校、中学校3校、沖縄市が小学校4校、中学校3校となっております。
実施校の報告では、メリットとして、学期が長くとれるので体験的学習や問題解決的な学習を継続的に取り組めるとか、授業時数の確保が容易になりきめ細かな学習指導ができるなどとしております。また、課題として、学期途中に夏休み等の長期休業が入ることへの不安等を挙げております。
次に、導入の取り組み状況についてお答えいたします。
2学期制は、8つの市町村においてその裁量により小学校16校、中学校が14校で導入しています。高等学校では、校長の裁量により全日制高等学校において8校、定時制高等学校9校すべてが導入しております。
加えて、次年度は小中学校では沖縄市、豊見城市が全面実施、那覇市は約半数の学校が予定しており、高等学校では現在実施予定の報告は受けておりません。
所見についてですけれども、2学期制は、生徒の実態や学校、地域の実情を踏まえて効果的な教育活動を展開するため導入するもので、学期の区切りとしての選択肢の一つであると考えております。今後は、2学期制を実施している学校や市町村教育委員会の実施状況も踏まえ、学校や地域の主体性を尊重し、県としての教育支援をしていきたいと考えております。
義務教育費国庫負担金について一括してお答えします。
義務教育制度については、政府・与党で合意した三位一体の改革の全体像において、その根幹を維持し国の責任を引き続き堅持することとされております。義務教育費国庫負担金については、平成17年度は暫定的に4250億円減額され、減額相当分については税源移譲予定特例交付金で措置されることになっております。しかしながら、都道府県への配分額や配分方法等詳細については示されておりません。今後は、その把握に努めてまいりたいと考えております。
教育水準の維持向上を含む義務教育のあり方については、平成17年秋までに中央教育審議会において結論を得ることとされております。県教育委員会としては、中央教育審議会における審議の推移を見守りつつ、教職員の配置に支障が生じないよう国に働きかけていきたいと考えております。
それから、代表質問との絡みでございますけれども、自発的と強制的、強制的は字のとおり無理強いをすることだととらえられるわけですから、自発的というのは児童生徒が喜んで進んでできるようなありさまを言うのではないかと思っています。その指導については、要領にも「指導するものとする。」と定められておりますので、その意義を理解させ尊重させる態度を育て、諸外国の国旗・国歌にもひとしく敬意を払う心情、態度を育成することが教育における責務であると理解しております。
なお、国旗国歌法、教育基本法と学習指導要領の関係においては、国旗国歌法は上位法でございますので、そのとおりとらえております。もちろん罰則規定もございませんが、しかし学習指導要領に基づき職務上指導しなければならないのが教育公務員でございますので、それに準ずる必要があるととらえております。
以上でございます。
○狩俣 信子 御答弁大変ありがとうございました。
まず1点目、沼田大使発言についてでございますが、県民へのものではなくて一般的な感情を述べたものだということでございますが、県民から見て、この沖縄大使の役割って一体何なんだろうと、ますますわからなくなっておりますね。防衛施設局と連携してとか、米側との間での対応とかいろいろ言っておりますけれども、本当にこの沖縄にそういうお金をかけて必要なのかなという思いがあります。そして、これは新聞投稿にも載っておりましたね。ここに使うお金があったら、稲嶺知事がアメリカへ行くときの費用に回したらどうかというお話もございました。これにつきましては所見だけでいいと思いますが……。
次、知事が高校生からの手紙を読んで、高校生から辺野古へぜひ視察に来てほしいという要請があったんですが、ヘリによる視察を何回かやったという御答弁でございました。高校生がお願いしているのは、直接知事があの辺野古の座り込みをしているところ、そして埋め立てをしようとしているところを実際に上からじゃなくて、地上から見てほしいという願いがあると思います。
私は、あれから後、電話でお話をしましたけれども、ぜひ現地に来ていただきたいというこれが気持ちだということでございます。これについてもう一回御答弁をお願いします。
それからこの手紙なんですが、子供たちの基地負担について、将来にわたっての基地負担について、これは知事はどういうふうに思っていらっしゃるのか。この部分は答弁が抜けておりましたのでお願いします。
次に、指定管理者制度についてですが、基本的なものを踏まえてやるということは御答弁いただきましたけれども、実際に女性総合センターを今預かっている皆さん、非常に不安を感じていますね。
それからあと一つ、ここは大きな違いだと思うのは、多くの女性たちがあれを本当に熱望してつくったという中で、ぜひ女性団体との意見交換、これが必要だと思っています。これが持てるかどうかお伺いします。
それから次、学校2学期制についてですが、モデル校が幾つかあるという話でございました。そしてメリット・デメリット、いろいろ言いましたけれども、これがなぜ今の3学期制が2学期制になっていくか、そこらあたりまでは全然わかりません。強力な変更する意味があるのかわかりません。
私が聞きました城北小学校の、教育委員会――11月18日でしたでしょうか――教育委員会から来て説明があった後の保護者の感想なんですけれども、もう多くの父母がこの2学期制に疑問を持っている。こういう中で推し進めていくということ、これはとても大変なことだと私は思っております。
まず、二、三挙げてみますけれども、私は2学期制について初めて聞かされ驚いています。急な話で、教員、教頭、校長先生から何の説明もなく、いきなり本校も来年度から実施しますと言われても、一度の話し合いで親の気持ちも決まってないし納得のいくものではありません。もう少し親、地域の人たちの意見も聞きじっくり話し合いましょうと。教育委員会の方たちは独断で判断するのではなくて、親、子供の立場、気持ちになって考えてください。もうほとんどがこういうことです。3学期制から2学期制に移行するという意義がわからないということです。
そして、今年度から始まった制度でモデル校も3校、首里か那覇のことだと思いますが、3校程度の中でメリット・デメリットがはっきりしていないと思います。そのデータ取りのための実施であれば反対ですと。もう少し時間をかけて保護者、子供に説明し納得のいく形で導入してほしいと。そういういろんな御父母の疑問が出てきております。
そして私は、嘉手納小学校でやった部分を、ちょっとこれを取り寄せてみました。モデル校です。
この話ですが、学期の分け方がよくないため気候のよい10月がもったいない。学期の区分が沖縄の気候に合わないように思う。1学期と2学期の区切りがよくない。いろいろ出てきているんです。始業式、終了式がなくなった分、めり張りがない。単位の途中で秋休みに入ってしまって勉強したことを忘れてしまっている子が多かった。休んだり出たりと学習への集中ができにくかった。こういうデメリットの部分もちゃんと報告されているんです。だから、今まで明治以来続いてきたこの学校制度、3学期制から2学期制へというならば、もっとそういう部分も出して御父母にも説明して、それでどうなのかということを聞いていくのが私は筋だと思っております。
そういうことでこの2学期制についてメリット・デメリットの出し方、そして那覇市の教育委員会に対して県の教育委員会がどういうふうな対応をしていくのか、これをお聞かせください。
それから、日の丸・君が代については、私が聞いたこととはちょっと教育長の答弁は違ったような感じもいたします。強制をしないということと自発的ということの違いを私は聞いたんですが、答弁が違っておりましたので、できたらそこももう一度お願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 狩俣議員の再質問にお答えいたします。
先ほどの高校生のお手紙につきましては、200何十通ございましたので全部に目を通しておりませんが、できるだけ代表的なものを選んでいただきまして読まさせていただきました。それと同時に、高校生と知事公室長のやりとりの議事録がございました。それもじっくり読ませていただきました。
その中で非常に感じましたのは、やはり子供の皆様の非常に純粋であられるという純粋性というものを特に感じました。
それともう一つ、今回の問題でも非常に純粋性、それから議事録にも出ておりますけれども、例えば公室長自体も海に再三潜りまして、その中から海の美しさというものを十分に認識しているわけです。
基本的なお話をいたしますと、私としてもあの時点で、要するに最高の選択がない以上、その中でどこがぎりぎりの選択かということで非常に苦渋の選択としてさせていただいたわけです。それはその現実性という、子供さんの純粋性ということは私も十二分に理解をしておりますし、心に訴えるものがありました。
しかし、現実社会の複雑性というものを、それをどのような形でマッチして進んでいくかということを考えているわけです。そこで、その中から当然実現可能なベターな選択ということを選択したわけです。しかし、世の中というのはいろいろな状況によって変化等、例えば米軍の再編等がございます。新たな動きがございます。やはりその時期時期によって最もベターな選択は何かということで今後とも進めさせていただこうと思っております。
なお、辺野古について私は実は空からだけの話じゃなくて、現実には何度か具体的に状況というものを見ておりますし、フォローをしております。その意味でも今後ともいろいろ各面の状況、そういうものを現実的な視野から一番ベターな方法はどうなのかと、この辺をじっくりと認識をしながら進めていきたいというふうに考えております。
○知事公室長(府本禮司) 女性センターの指定管理者制に向けての件についてお答えいたします。
県といたしましては、女性総合センターの移行につきましては、指定管理者制の導入に当たりましては、施設の効率性を高めるために例えば県民の公平な利用の確保、県民サービスの向上を図り、効用を最大限に発揮するということ、安定的な管理運営ができるような人員と財政的な措置を有するというふうなことを含めて検討させていただいておりまして、女性団体との話し合いにつきましては、女性財団との話し合いは随時行っておりますし、女性団体連絡協議会、それから女性の翼の会の皆さん方には、役員の方々に私どもの制度の仕組みの説明と県の基本的な考え方を説明し理解を得ているところでございます。
今後とも、意見の交換については努めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 先ほど強制と自発的というものについては御説明をしたつもりでございますけれども、強制というのは、無理強いをして一方的にさせるという意味のとらえ方でありまして、自発的というのは、児童生徒が喜んで進んでできるようにしていく状況を言うということを説明したわけでございまして、したがって進んでできるようなありさまというのは、要領にも「指導するものとする。」ということになっておりますので、そういう理解と尊重させる態度を育てる指導というものは当然求められていることであるというふうにとらえております。
それから2学期制については、先ほども申し上げましたように市町村において、それとその報告を受けて県でも研修会を実施し、研修会のもとで説明がされておりますし、さらには学校の自主性・自立性を尊重しろということが大きな建前がございまして、さらに法的にも学校管理規則の中にうたわれていることでございます。設置者である「那覇市立小学校及び中学校管理運営規則」においても、第2条において、「学校の学年は、4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。」ということで、その3項の中に、「校長は、教育上必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、2学期制実施承認申請書により教育委員会の承認を得て、学年を次の2学期とすることができる。」ということになっているものですから、学校長の裁量によってコンセンサスを得て実施すると。このことについては2学期制のよさ、デメリット等々もありますので、あくまでも学校や地域の実態に応じて学校長の判断のもとにやっていくのが望ましいということでの指導をしているところでございます。
以上でございます。
○狩俣 信子 まず、公室長の発言なんですが、これは効率的にとか、県民へのサービスを効率的にやるということなんでしょうね。そして安定的な管理運営という話をしておりましたけれども、財団との話し合いはやっているかもしれません。けれども、あちらを支えてきた多くの女性団体がある。そういう皆さんとの話し合いをぜひやってほしいと言っているんですよ。これがなぜできないのか不思議です。もう一回お願いします。
それから次、学校2学期制についてなんですが、モデル校の説明を受けてということなんでしょうね。保護者へのアンケートをとったことがあるのかどうか。
多くの保護者が今非常に不安を持って、何で2学期制なのかということを言っているんですね。校長の裁量で地域の実態に合わせてと言っています。実態が反対だという声が多いというこの実態、これをどう教育長は受けとめているのかということなんですね。多くの父母が納得してやっていくんだったら、実態は、そういうふうに校長の裁量どおりということになるんでしょう。けれども、今アンケート調査をとってみても、それはもう多くの父母が、ほとんどの父母が反対しているんですよ。そこの実態をどう見られるんですか。校長の裁量というのは、地域のそういう実情を踏まえないでやるのが裁量でしょうか。ちょっとお聞かせください。
それから先ほどから言っていますのは、天皇発言。教育長は自発的にやるのが望ましいというふうに解釈したから私はあえて聞いているんですよ。天皇が言っているのは、強制になるということではないことが望ましいと言っているわけですから、そこを私は、教育長の解釈は自発的にやると言ったけれども、どうなんですかということです。
以上です。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前10時41分休憩
午前10時41分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 府本礼司君登壇〕
○知事公室長(府本禮司) 再質問にお答えいたします。
女性団体協議会の方々とはお話しておりますけれども、その傘下32団体おられると聞いておりますので、そこの方々とも今後意見交換をしていきたいというふうに思っております。
○教育長(山内 彰) 先ほど、学校長は地域や学校の実情を踏まえてということを申し上げましたが、その実情そのもの自体が父母の意見も聞いて等々含まれていると理解しております。したがいまして、設置管理者である那覇市の教育委員会においてそういうものが十分にされるよう我々も指導・助言はしていきたいと考えております。
以上です。
○狩俣 信子 御答弁ありがとうございました。
公室長の女性団体と話し合いを持つということで、ぜひこれはお願いします。
それから、実態を踏まえていないという私の発言に対して、那覇市の教育委員会をちゃんと指導・助言するという発言でございますので、父母の意向もしっかりと酌み取ってやるように御指導をよろしくお願いいたします。
以上です。
○当山 全弘 おはようございます。
通告に従いまして一般質問を行います。
まず、三位一体改革と県予算への影響について。
三位一体改革とは国から地方自治体への補助金削減、税源移譲、地方交付税の見直しを一体的に行う改革と位置づけされております。三位一体改革のポイントが見え始め、全体像が11月26日決定した。それによると、3兆円規模の税源移譲を目指すとしながら確定額は2兆4000億円にとどまり、義務教育費の国庫負担金も先送りされ、不満の多い内容になっているようである。
伺います。
(1)、3兆円規模の税源移譲した場合の県予算への影響と、確定額2兆4000億円となった場合、三位一体改革は県予算への影響はないか伺います。
(2)点目、地方六団体が補助金削減、つまり地方側が不要を求めた補助金は何だったのか。また、補助金改革の仕組み、地方案と政府案の比較はどうなっているのか、このことについて説明をしてください。
(3)点目、国からの補助金や交付税を削減するかわりに地方へ税源を移譲するために同時に進められている税源移譲のシステムは、その行き先が不透明と指摘されておりますが、その中身について説明をしてください。
(4)点目、税源移譲しても税収増が見込めない地方自治体に対し、交付税は財源能力を持つ制度であるが、交付税の改革についてはどのように実施されようとしているのか、その真意について伺います。
次に、従来の高率補助は維持できるのか、また高率補助にかわる特例制度とは何か、そのことについて伺います。
次に、今回の改革全体像で1年、2年先送りされた対象経費は何か、今後の対応について伺います。
2番目、地方分権の推進について。
(1)、地方六団体は地方分権推進総決起大会を開催し、地方の意向を尊重した改革実現を訴えた大会となったが、改革の全体像は改革実現の柱になっているのか、またどのように位置づけされたか、その真意はどうなのか。全体像は知事らに不満が指摘もされております。大会に参加しました嘉数副知事の意見を伺います。
(2)番目、政府は補助金削減を柱とする三位一体改革の全体像をまとめた。それは地方財政改革の理念とはほど遠く、地方分権の推進の趣旨にそぐわない制度になっているようだが、その認識と対応について伺います。
次に、義務教育費の国庫負担金削減について現行の2分の1負担率は維持できるのか。その対応と2005年度以降の対応について伺います。
(4)点目、国民健康保険など県費負担金の導入については地方の財政改革と地方分権の趣旨に反しないか、対応と所見を伺います。また、生活保護費負担についても伺います。
(5)点目、沖縄は全国と異なり、全国一低い県民所得で、公共事業を初め施設整備で高率補助が打ち切られると施設整備などに支障を来すのは明らかである。その対応と所見を伺います。
3点目、市町村決算(2003年度)について。
国の三位一体改革の影響で苦しい財政運営が続いている。借金5300億円と過去最悪と市町村財政の深刻な実態が浮き彫りになっております。徹底した行財政改革と県の指導的助言が強く求められております。
伺います。
(1)番、三位一体改革の影響で苦しい財政運営が続く市町村の決算状況が公表され、借金が過去最高の5300億円となり、赤字転落寸前の12市町村もあり深刻な実態が浮き彫りになっておりますが、どう認識し対応いたしますか。
次に、自主財源が乏しく依存財源に頼っている市町村が多い。国の三位一体の改革により補助金、交付金の削減が考えられる。どのように県として認識し対応するのか伺います。
次に、沖縄は離島県で所得も全国一低い。本土とは異なる課題を抱え、自主財源に乏しく、補助金、交付金削減に見合う特例制度による手当てが必要と考えるが、その対応について伺います。
4点目、税制改革について。
政府税制調査会が2005年度税制答申で本格増税の必要性を強調し、所得税の各種控除の見直しと個人家庭の負担増を目指す方針を明らかにしております。これは国の公債の増に伴う税制再建を後押しし、国民に負担増を強いる結果につながります。増税につながると県民生活を圧迫する要因になります。その背景と知事の対応について伺います。
次に5点、国際自然保護連合の決議と対応について。
(1)番、環境問題に取り組む国際会議において絶滅の危機にあるジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全を求める勧告を2000年と2004年に採択し、日米両政府に要求しました。これはいずれも普天間飛行場の代替施設の建設とヘリパッド北部訓練場の建設に起因するものとなっております。保全を強く求める勧告内容となっておりますが、どう認識し対応するのか所見を伺います。
(2)、貴重な野生生物の宝庫としてヤンバルの海や森が世界に認知される結果につながっている。自然は壊したら二度とよみがえらない。どう認識し対応するのか所見を伺います。
次に、日米政府への代替施設の建設に関し、アセスやジュゴン保護を求める対策を促しているが、どう認識し対応するのか所見を伺います。
次に、日米地位協定で定めた米軍基地の管理権が国の環境行政に優先してないか。どう認識し対応するのか所見を伺います。
(5)点目、知事の諮問機関である県環境影響審査会の答申も具体的なデータ記載がなく、ボーリング調査も環境への影響を十分検討するよう求めているが、どう認識し対応するのか所見を伺います。
(6)点目、勧告では、政府の環境行政に対し評価が得られなかったことにつながっております。世界からの不信にこたえるためにもボーリング調査を中止し、環境アセスを導入すべきと考えるが、知事の対応と所見を伺います。
6番目、普天間飛行場代替施設建設に伴う環境影響評価の方法書に対する知事の意見書についてであります。
(1)、県の環境影響審査会は、ジュゴン保護など40項目にわたる環境保全策を求めました。それによると、基礎データの不備が指摘され意見を述べることは困難とした。意見は方法書の中にどう反映したのか所見を伺います。
(2)番、ボーリング地質調査については環境への影響を十分考慮する必要があるという表現にとどめ、アセスの対象外と判断した理由は何か、そのことについて伺います。
7点目、教育問題について。
下校時の安全対策について。
奈良市で小学1年生の女児が下校中に誘拐・殺害されました。教育委員会は下校時の安全対策と確保は難しいと考えていることが明らかになりました。保護者、地域と連携して安全確保の実行策を講ずることが急務と考えます。
伺います。
(1)点目、学校での低学年、高学年の下校時の実態はどうなっているのか。また、通学路対策の危機管理マニュアルはあるのか、対応について伺います。
(2)点目、現在実施中の安全対策はどうなっているのか。また、今後の対策として地域、警察との連携策を講じる必要があると思うが、対応について伺います。
(3)点目、県の安全なまちづくり条例での対応はどうなっているのか伺います。
学校の安全対策について。
外部からの不審者の侵入により児童生徒の殺害事件があった。登下校時の誘拐、事件など児童を取り巻く環境は厳しい。事件が起こってからでは遅い。災難は忘れたころにやってくるという教訓を忘れず子供たちの安全確保に当たっていただきたい。
質問します。
(1)、侵入者対策を含む学校の安全対策のマニュアルは実行されているのか、その対策について伺います。
(2)点目、学校の放課後、日曜、祝祭日は当直の先生方がおりません。その警備と安全対策はどうなっているのか伺います。
次に、我が党の代表質問との関連についてお伺いいたします。
米軍再編が進む中、目に見える形で沖縄の基地の整理縮小は進んでいるのか。知事はあらゆる機会をとらえていろいろ頑張っているということをおっしゃいますけれども、どのような具体的な方策を持っているのかお伺いします。
次に、代替施設の移設から供用開始まで何年かかるのか。ボーリング護岸工事埋め立て等飛行場本体の整備費用は幾らなのか。基地の耐用年数は何年か。これは移設条件としている15年期限設定との整合性について私は聞いております。よろしくお願いします。
次に、代替施設は辺野古移設ありきではないと言いながら、ボーリングの実施により環境破壊が進み、県民を混乱に陥れております、県民を二分してですね。どう認識し対応するのか伺います。
次に、知事訪米について。
これは過去の訪米を反省し、効果的な要請方法というのはどういうことなのか。過去において訪米して実現した基地問題を初めいろんな問題があるのかどうか。
訪問先、訪問のメンバー、これは基地関係を抱える市町村長等も含むのか、訪米費用等については幾らなのか、御答弁を願いたいと思います。
答弁によりまして再質問をいたしたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 当山全弘議員の御質問にお答えいたします。
最初は、三位一体の改革と全体像に対する認識と対応についてのお答えでございます。
三位一体の改革の全体像においては、国庫補助負担金について平成17年度及び18年度において3兆円程度の廃止・縮減等の改革を行うこと、税源移譲については所得税から個人住民税へのおおむね3兆円規模の移譲を目指すとともに、地域間の財政力格差の拡大について確実な対応を図ることとしております。
また、地方交付税については「基本方針2004」を遵守し、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源総額を確保することとしております。特に本県において講じられている補助制度に係る特例措置については、その趣旨を踏まえ必要な措置を講ずるとの文言が盛り込まれており、沖縄振興に対する政府・与党の強い配慮が示されたものと考えております。
一方、国民健康保険への都道府県負担が盛り込まれたほか、義務教育費国庫負担金などについて結論が先送りされるなど不明確な点があります。県としても今後の動向を注視し、地方分権の趣旨に沿った改革となるよう見きわめていくとともに、地方交付税の算定等を通じて確実な財源措置が講じられるよう地方六団体とともに国へ強く働きかけていきたいと考えております。
続きまして、IUCNの決議への認識と対応についての御質問に一括してお答えをいたします。
IUCN勧告の内容は、希少な動物であるジュゴンやノグチゲラ、ヤンバルクイナなどが生息するヤンバルの貴重な自然について世界が注目していることのあらわれであると受けとめております。勧告は、日本政府とアメリカ合衆国政府に対する要請であると承知しておりますが、今後の国の具体的な方針に対応し、国と協力してジュゴン等の保護・保全に取り組んでいくとともに、環境影響評価の手続においても環境影響評価法の規定に基づき適切に対応していく考えであります。
次に、米軍再編における基地の整理縮小についての御質問にお答えいたします。
在日米軍の再編については、現在、日米両政府間で協議が行われているところであります。県としては、小泉総理大臣のリーダーシップのもと、県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減がなされるよう引き続きあらゆる機会を通じて働きかけてまいります。
次に、15年使用期限と耐用年数との整合性についてお答えいたします。
15年使用期限は、耐用年数を想定して条件をつけたものではありません。
次に、ボーリング調査についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場は市街地の中心部に位置し、市民生活に深刻な影響を与えていることから、早期返還を実現するため県としては限られた選択肢の中から県内移設という苦渋の選択をしたものであり、辺野古に固執するものではありません。普天間飛行場の移設・返還については、実効性ある代替案が政府より示されていない状況では、現在行われている移設作業を進めることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
続きまして、効果的な訪米要請についての御質問にお答えをいたします。
県としては、ブッシュ大統領の2期目の閣僚人事の状況や合衆国海外軍事施設の構成見直しに関する委員会の活動状況等を踏まえ、総合的な観点からより効果的な時期を見きわめて訪米したいと考えております。訪米の際には普天間飛行場の早期返還を求めるとともに、米軍再編の中で県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減がなされるよう、本県が抱えている基地問題の解決を米軍を初め連邦議会や国務・国防両省等の米側の関係機関に対し訴えたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○副知事(嘉数昇明) おはようございます。
答弁の機会をいただきましてありがとうございます。
地方分権推進総決起大会の位置づけ及び決意についての当山全弘議員の御質問にお答えをいたします。
11月17日に開催された同大会は、三位一体の改革に関する政府案の決定を前に全国3000余の自治体の首長や議長等が結集し、地方分権の推進と真の三位一体改革の実現に向けた地方の決意と結束を示す大会でありました。大会では補助金改革と税源移譲の一体的、確実な実施、地方交付税による確実な財源措置、国庫補助負担率の引き下げ等負担転嫁の排除、国による関与、規制の見直しなど6項目を内容とする「地方分権改革の推進に関する緊急決議」が決議され、大会終了後は内閣総理大臣を初め関係大臣等への要請行動が行われました。地方が結束して真の三位一体の改革実現を訴えたことは大きな意義があり、国に対しても少なからぬ影響を及ぼしたものと考えております。
私も統一行動の一環として県選出国会議員に対し、同大会の緊急決議の要請とあわせて沖縄の特殊事情に基づく所要額の確保など、三位一体の改革に伴う必要な措置について強く要請したところであります。今後は、知事を補佐する担当副知事として政府と与党の合意に盛り込まれた沖縄に対する必要な措置の具体化に向けて全力で取り組んでまいります。
以上であります。
○総務部長(仲田輝享) 三位一体の改革による県予算への影響についてお答えします。
三位一体の改革の全体像では、国庫補助負担金の改革について平成17年度及び18年度において3兆円程度の廃止・縮減等の改革を行うことなどが示されました。
しかしながら、国庫補助負担金改革の対象となる項目や見直しの具体的な内容について不明な点が多く、また税源移譲や地方交付税改革の内容についても詳細が明らかにされていないため、現時点では県財政への具体的な影響を把握することは困難であります。県としては今後の動向を注視し、改革の具体的な内容及び県財政への影響の把握に努めてまいりたいと思います。
次に、地方六団体が求めた移譲対象補助金の内容と補助金改革の仕組みについてお答えします。
地方六団体は、地方分権を推進する観点から、廃止して税源移譲すべき国庫補助負担金として社会保障関係で児童保護費等負担金、文教関係で義務教育費国庫負担金、さらに公共事業関係で公営住宅建設費等補助や下水道事業費補助など148項目、約3.2兆円の改革案を取りまとめ政府に提出したところであります。
一方、三位一体の改革の全体像では義務教育費国庫負担金や公営住宅家賃収入補助、廃棄物処理施設整備補助、地方六団体が求めた国庫補助負担金が含まれているもの、地方案にはない国民健康保険の都道府県負担の導入などが示されたところであります。また、生活保護に関する負担金や建設国債の対象である公立文教施設等の施設費の取り扱いなどについて平成17年中に検討を行い結論を得ることとしております。
なお、平成17年度及び18年度に行う国庫補助負担金改革の内容としては、税源移譲につながるものが約1.8兆円、税源移譲を伴わないスリム化分が約0.4兆円、交付金化分が約0.6兆円、合計で約2.8兆円が示されたところであります。
次に、税源移譲の中身についてお答えします。
政府・与党の三位一体改革の全体像の中で「この税源移譲は、所得税から個人住民税への移譲によって行うものとし、個人住民税所得割の税率をフラット化することを基本として実施する。あわせて、国・地方を通じた個人所得課税の抜本的見直しを行う。また、地域間の財政力格差の拡大について確実な対応を図る。」とされております。
なお、平成18年度までに所得税から個人住民税への税源移譲がなされることとされておりますが、税源移譲の具体的手法については今後検討するとされていることから、引き続きその把握に努めてまいります。
続きまして、交付税の改革についてお答えします。
三位一体の改革の全体像では、地方交付税の改革について平成17年度及び18年度は「基本方針2004」を遵守することとし、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源の総額を確保することとしております。また、2010年代初頭の基礎的財政収支の黒字化を目指して国・地方の双方が納得できる形で歳出削減に引き続き努め、平成17年度以降も地方財政計画の合理化、透明化を進めることとしております。
さらに、税源移譲に伴う財政力格差が拡大しないようにしつつ円滑な財政運営、制度の移行を確保するため税源移譲に伴う増収分を当面、基準財政収入額に100%算入することとしています。
なお、「基本方針2004」においては、財政力の弱い団体においては税源移譲額が国庫補助負担金の廃止・縮減に伴い財源措置すべき額に満たない場合があることから、実態を踏まえつつ地方交付税の算定等を通じて適切に対応することなどが明記されているところであります。県としては、今後とも地方交付税による確実な財源措置が講じられるよう地方六団体とともに国へ強く働きかけていきたいと考えています。
続きまして、全体像で先送りされた対象経費及び今後の対応についてお答えします。
三位一体の改革の全体像においては、生活保護や児童扶養手当に関する負担金の改革、公立文教施設等建設国債対象経費である施設費の取り扱いなどについて平成17年中に検討を行い結論を得ることとされております。このうち、生活保護費負担金及び児童扶養手当の補助率の見直しについては、地方団体関係者が参加する協議機関を設置して検討を行い、平成18年度から実施することとされております。また、公立文教施設の取り扱いについては、義務教育のあり方等について平成17年秋までに結論を出す中央教育審議会の審議結果を踏まえ決定することとされています。
県としては、こうした協議機関や中央教育審議会における審議の推移を見守りつつ、地方六団体とともに適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、税制改革についてお答えします。
政府税制調査会は、平成16年11月25日の「平成17年の税制改正に関する答申」の中で、「「あるべき税制」に向けての抜本的税制改革は、国・地方の三位一体改革、社会保障制度の改革と整合性をとって行う必要があり、2010年代初頭の基礎的財政収支の黒字化に取り組む上でも避けて通れない課題である。」としております。そのうち個人所得課税については、定率減税の見直しや課税ベースの拡大、税率構造、諸控除の見直しといった諸課題に取り組む必要があるとしております。税制改正については、県民生活や経済社会に与える影響も大きいことから、あらゆる面から十分に議論を深める必要があると考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 三位一体改革に伴う高率補助制度の継続と特例制度についての御質問にお答えします。
沖縄振興特別措置法等に基づく高率補助等の特例措置は、三位一体の改革が進められる中においてもその趣旨が損なわれることがあってはならないと考えております。県としては、高率補助等の特例措置が講じられている事業が廃止される場合は特例措置の趣旨が損なわれることなく、また沖縄振興計画の着実な推進に支障がないよう沖縄に対する特別の交付金の創設など所要額の確保のための措置を国に対し要望しております。また、各省庁において補助金の交付金化等新たな制度が創設される場合も、従来の高率補助等の特例措置の趣旨が損なわれることのないよう必要な措置を求めてまいります。
次に、三位一体改革が施設整備に支障を来すことはないかについてお答えいたします。 三位一体の改革に伴う国庫補助金の廃止は、沖縄振興計画の着実な推進に支障を生じるおそれがあることから、県は国に対し沖縄に対する特別の交付金の創設など所要額の確保のための措置を強く求めてまいりました。これにより11月26日の政府と与党の合意に、沖縄に係る特例措置について必要な措置を講ずるとの文言が盛り込まれたところであります。国や地方の財政状況は今後も厳しさを増すものと考えられることから、「選択と集中」の基本姿勢のもと、重点的な社会資本の整備と行財政改革を徹底し沖縄振興計画の着実な推進に努めてまいります。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 義務教育費国庫負担金についてお答えいたします。
義務教育制度については、政府・与党で合意した三位一体の改革の全体像において、その根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持することとされております。義務教育費国庫負担金については、平成17年度は暫定的に4250億円減額され、減額相当分については税源移譲予定特例交付金で措置されることとなっております。
しかしながら、都道府県への配分額や配分方法等詳細については示されておりません。今後はその把握に努めてまいりたいと考えております。
教育水準の維持向上を含む義務教育のあり方については、平成17年秋までに中央教育審議会において結論を得ることとされております。県教育委員会としては、中央教育審議会における審議の推移を見守りつつ、教職員の配置に支障が生じないよう国に働きかけていきたいと考えております。
次に、通学路の安全対策についてお答えいたします。
児童生徒が被害に遭う事件・事故の多くは、子供が一人で行動しているときに発生していることから、学校では兄弟や地域の集団登校、保護者同伴による登下校、車による送迎などが行われております。また、地域の子は地域で守るという観点から、PTAや地域ボランティアなどの協力により児童生徒の見守り活動や広報マイクによる啓発活動が行われています。危機管理マニュアルについては、多くの学校において地域の実情に応じた学校独自のマニュアル等が作成され、登下校時の安全対策の強化が図られております。
次に、地域、警察との連携についてお答えいたします。
現在、多くの地域において警察及び地域ボランティアによる通学路の巡視・巡回や、緊急時の「太陽の家」、「子どもタクシー110番」の活用などの取り組みがなされております。また、「ちゅらさんの日」には関係機関・団体が連携して「親子20万人ふれあい下校」等も実施し、地域での啓発活動を推進しております。さらに、児童生徒による「地域安全マップ」づくりを推進し、危険回避能力の向上に努めております。今後とも地域及び警察等との連携を深めていきたいと考えております。
次に、ちゅらうちなー安全なまちづくり条例についてお答えいたします。
この条例には、「通学路等における児童等の安全の確保に関する指針」が定められております。同指針を踏まえて防犯灯や街頭緊急通報装置、防犯カメラの設置などがなされております。また、地域住民による児童の見守り活動、通学路の安全点検、危険箇所の改善等も行われております。
次に、不審者侵入対策についてお答えいたします。
学校の不審者侵入対策としては、学校独自の危機管理マニュアルに基づいて安全対策の強化が図られております。具体的な対応策としては、来校者の受け付けやネームカード等の着用、教職員による来校者への声かけ、緊急時の緊急連絡体制の確立、教職員やPTA等による日常的・継続的な校内巡視活動、防犯カメラや防犯灯の設置などが行われております。また、警察官を招聘した防犯教室等も実施され、教職員や児童生徒の安全対応能力の向上に努めております。
次に、放課後、日曜等の安全対策についてお答えいたします。
日曜、祝祭日等は、公立小中学校の設置者である市町村教育委員会により安全対策が講じられているものと理解しております。県教育委員会においても、児童生徒が人気のない場所や死角となる場所へ近づかないように文書等により注意喚起を促すなど安全対策に努めております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 国民健康保険と生活保護の県費負担についてお答えいたします。
政府・与党において合意された三位一体の改革の全体像の中で、国民健康保険については都道府県負担が導入されることとなっております。新たに導入される都道府県調整交付金の市町村への配分方法については、今後、全国知事会など地方三団体と総務省、厚生労働省による検討の場を設け、地方の意見を尊重しつつガイドラインが作成されることとなっております。
一方、生活保護費については、国庫負担金の負担率を引き下げることで検討されていましたが、平成17年度の実施は見送られ、今後、「地方団体関係者が参加する協議機関を設置して検討を行い、平成17年秋までに結論を得て、平成18年度から実施する。」との内容になっております。県としましては、今後の動向を注視し関係省庁等からの情報収集に努めているところであります。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 市町村の決算状況に対する認識と対応についてお答えいたします。
本県市町村の平成15年度決算は、公債費に係る負担の度合いを示す公債費負担比率について12団体が危険ラインとされる20%を超えるなど厳しい財政状況を示しております。これは、国・地方を通じた行財政改革により普通交付税から臨時財政対策債への振替などが行われ、起債残高が増大し公債費が増加したためであります。
市町村の財政状況は、地方税収入等が低迷する一方で、義務的経費が増加するなど構造的に見て極めて厳しい状況となっております。さらに、経常収支比率や起債制限比率が年々悪化するなど財政構造の硬直化が一層進んでおり、今後の財政運営への影響が懸念される状況となっております。
県としては、決算統計調査や財政事情調査を実施し、市町村の財政運営に係る総合的な検収を行う中で、特に厳しい市町村については徹底した行財政改革の推進や税収の確保等について助言等を行っております。今後とも、個々の市町村に対して財政事情に応じた適切な助言等を行ってまいりたいと考えております。
次に、三位一体の改革による市町村への影響に対する認識と対応についてお答えいたします。
本県市町村の地方税収入等の自主財源が歳入に占める割合――いわゆる自主財源比率でありますが――は、平成15年度は31.2%となっております。前年度の31.7%に比べ0.5ポイントの減となっております。これは全国の47%と比較し約7割弱となっており、本県市町村の財政構造は財源の大半を地方交付税や国庫支出金等に依存したものとなっております。
三位一体の改革の全体像においては、国庫補助負担金について平成17年度及び18年度において3兆円程度の廃止・縮減等の改革を行うこと、地方交付税については地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源総額を確保することとしております。今後とも三位一体の改革の動向を注視し見きわめていく必要があると考えております。
なお、全体像による市町村への影響については、まだ詳細が示されていないため引き続きその把握に努めてまいります。
次に、補助金、交付金削減に見合う特例制度についてお答えいたします。
政府・与党で合意された三位一体の改革の全体像において、特に沖縄の特例措置については必要な措置を講ずるとされたところであります。県としては今後の動向を注視するとともに、市町村との連携を密にしながら国庫補助負担金の廃止・縮減に伴う確実な財源措置が講じられるよう取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) ヤンバルの自然についての認識と対応についてお答えをいたします。
ヤンバル地域は、イタジイに代表される亜熱帯の自然林に覆われ、ノグチゲラ、ヤンバルクイナなど多くの固有種が生息しており、また周辺海域においてはジュゴンが確認されるなど豊かで多様な自然環境を形成しております。県としては、沖縄県環境基本計画、自然環境の保全に関する指針等に基づき今後とも国、関係機関と連携を図り、自然環境の保全に努めていきたいと考えております。
次に、ボーリング調査に関する審査会の答申とIUCNの決議についてお答えをいたします。
当該勧告の内容は、日本政府とアメリカ合衆国政府に対する要請であると承知をしております。現行の環境影響評価法においては、事業を建設工事や土木工事など具体的な工事としてとらえられる範囲に限定をしており、計画策定のために行われるボーリング調査等の事前調査は同法の対象とはなっておりません。そのため同勧告は、法の改正等の法制度にかかわる要請であると考えております。
また、ボーリング調査等についての審査会からの答申については、その趣旨を踏まえ、法的権限をも考慮して知事意見の前文に反映しております。
次に、答申の知事意見への反映についてお答えをいたします。
普天間飛行場代替施設建設事業に係る方法書については、環境影響評価法で定める事項は記載をされており法的要件は満たしておりますが、事業内容の記載が十分でないと考えております。そのため、答申においても網羅的に意見が述べられております。県としては、答申をもとに知事意見を形成しておりますが、事業内容の記載が十分ではない事項については、準備書を作成するまでの間に決定される事業の具体的な内容を考慮して環境影響評価を行うこととの意見を述べております。
ボーリング調査はアセスの対象外と判断した理由についてお答えをいたします。
現行の環境影響評価法においては、事業を建設工事や土木工事など具体的な工事としてとらえられる範囲に限定しております。そのため、計画策定のために行われるボーリング調査等の事前調査は同法の対象とはなっておりません。
以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) 日米地位協定で定められた管理権が環境行政に優先したとの認識についてお答えいたします。
地位協定3条において、米軍基地内の管理については米側の裁量権にゆだねられております。基地から発生するさまざまな環境問題に対しまして地元は迅速な立ち入りを求めてきたところであります。
基地内への立ち入りについては、平成8年12月の日米合同委員会において米軍基地内への立入許可手続が合意されており、現在、同合意に基づいて立入手続が行われることになっております。しかしながら、県や市町村が求めてきている速やかな立ち入りが実現されているとは言いがたい状況にあることからさらなる改善の検討が必要であると考えております。このため、県としては、日米地位協定の見直しの要請の中で地位協定に環境保全に関する条項を新設することとあわせて、基地内への立ち入りが円滑に実施されるよう同協定の改定を求めているところであります。
次に、代表質問との関連におきまして移設までの期間についてお答えいたします。
普天間飛行場代替施設の移設までの期間については、国から具体的な数字が示されたことはありませんが、環境影響評価等の手続に3年程度要することが予想され、また工期については環境影響評価方法書で9.5年とされております。
次に、代替施設の建設費についてお答えいたします。
代替施設の護岸、埋め立てなどの建設費用は、第9回代替施設協議会において国から約3300億円との説明がありました。この費用には滑走路、誘導路、駐機場及び建物などの施設、環境保全措置、進入灯及び航空保安無線施設などの建設費は含まないとされております。全体の建設費については現時点では明らかにされておりません。
次に、代替施設の耐用年数についてお答えいたします。
代替施設の耐用年数については国から示されておりません。
次に、代表質問との関連におきまして訪米時の訪米先等についてお答えいたします。
県といたしましては、訪問先や訪問メンバー等具体的な訪米計画は、ブッシュ大統領の2期目の閣僚人事の状況等を踏まえ、これまでに訪米したものを参考に決定していきたいと考えております。
平成16年度訪米予算としては約1500万円を計上してございます。
以上でございます。
○当山 全弘 再質問をさせていただきます。
三位一体改革の評価についてでありますけれども、これは今回の改革についてはほとんどの7割以上の知事がこのことについては不満と。三位一体改革は地方分権の推進ができないという答えがありましたけれども、稲嶺知事は特に沖縄振興への補助金改革で考慮がされたということで評価をしていらっしゃいます。これは私は、沖縄県がこの基地とかそういうことがある上に全国で47番目の所得しかない。一向に自立を果たすまでには至ってないわけですけれども、稲嶺知事がこの高率補助等を受けてどんな沖縄県にしようとしているのか、やはりこの発言を私は知事の決意をここでしていただきたいと思います。
この三位一体の改革の評価の中で、沖縄の稲嶺知事が特例補助を受けて評価をしている。一体どんな沖縄県をつくっていこうとしているのか、その全体像を示していただきたいと思います。
もう一つは、我が党の代表質問との関連で、普天間の移設問題については今この本体飛行場の整備、埋め立てを初めとして3300億円ぐらいということなんですけれども、最近の情報によると1兆円というふうなことが想定をされております。それはやはり15年問題との関連がありますけれども、1兆円かけてつくる基地を15年でアメリカ軍が返してくれるかどうか、そこら辺が問われる問題だと思うんですが、私はこの基地の耐用年数等についても聞きましたけれども、県の方は調べてないわけですよね。1兆円とか3300億円だとか、膨大な金額をかけて整備する基地を知事が移設条件としておる15年の期限でアメリカ軍に返してもらえるかどうか、その辺はちょっと疑問でございますので、再度御答弁をお願いをしたいと思います。
そしてこの代替施設のボーリング調査については護岸構造の検討をするということであるけれども、実質上は基地建設への作業ではないのか、その辺についてもう少し具体的に説明を願いたいと思います。
次に、63カ所にも及んで掘削されているくい打ち、このことについては今盛んに海の方ではいろいろ施設局と押し問答がありますけれども、生態系に与える影響はないのか、再度答弁を願いたいと思います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時40分休憩
午前11時41分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 当山議員の御質問にお答えいたします。
大変いい御質問をいただいてありがとうございました。
全体像についてちょっと述べてみたいと思います。
三位一体の改革について、私は全面的に評価をしているわけではありません。丸か三角か、私は横でございます。しかしその中で非常に高く評価しているのは、今回実は大変難しい問題がございましたのは、三位一体の改革というのは全体の問題です。そこで知事個人、個人としても――例えば税源が豊かな地域、あるいは税源が取れない地域、弱い地域、こういうところの差が出てきます。一人一人の考え方も微妙に違います。
しかし、その中で何が中心になったかというと、石原都知事が大変いいことを言いましたのは、知事会という、地方がまとまって国に当たる地方分権の時代だと、税源も地方に移譲して自主性を伸ばさなきゃならないと。そのためには小異を捨てて大同につくということが大変大事だという発言がございまして、皆さんもそれに同意をいたしまして、いろいろ問題はあろうが、ともかく今回の全般について評価はしていないけれども、国と地方との話し合いの場が持たれたということは一歩前進であるという面についてはみんな評価しております。中身については不透明な点もございます。それから逆に言いましてまだまだ不満な点もあるわけです。
そして、沖縄の場合の立場でどういう難しさというのがあるかというと、こういうことがあります。
沖縄というのは特殊な地域でございます。しかし、特殊なこのいろいろな振興費用は沖縄だけではないのです。ほかにもかなりあります、例えば北海道とか奄美とか。きょうの新聞にも出ていましたけれども、北海道は北海道開発庁がなくなったということはこれは大変に大きいということを考えておりました。なぜかというと、沖縄という文言は書かれていましたけれども、北海道という文言はないんです。
それで私ははっきり言いまして、今回私のやり遂げたことは自画自賛すれば100点でございます。本当に通常の形のルールを頭ごなしに――これはもう大変いろいろ御不満の方もいっぱいおられると思いますが――かなり頭ごなしにいろいろな手を打ちました。
というのは、地方六団体と国との両方のときに、地方六団体の私は代表者ではないわけです。そのないのを出していただいているということは、これはもう大変な実はアクションが必要だったわけです。そこで、そのときに正式に小池大臣の方から沖縄の特別措置に触れられまして、私がそれにフォローをしたところ、浅野さん――当時梶原知事会長はドイツに行っておりまして、そしてかわりに出られた、今度あの楽天で話題になった宮城県の浅野知事が非常にフォローをよくしていただきまして、全面的にそういう意味では地方六団体と国が全部話が合わなかったのを沖縄の問題だけは合ったといういきさつがありました。
それから当山議員が御指摘のように、これからやはり重要なのは、今までと違った形での自立に向かっての方策はどのように考えるかということで御指摘ございました。
私が前回の振興計画において特別措置法において、魚も欲しいけれども、それより釣り道具だというのは、沖縄の今後の振計はこの釣り道具をどううまく使うかということが発展につながると思います。特別自由貿易地域、情報特区、金融特区、いろいろなシステムがございます。あるいは新大学院大学が出てくることによって――それも既に先行事業は始まっておりますけれども――それに伴ってこれからはいろんな世界的な先行事業が行われて、それによって周りに企業が張りついていくという一つの方針というのがいろんな形で出されました。これをどう進めていくかということが今後の沖縄の発展に大きくつながってくると思います。
その意味でいろんな形で種がまかれたと思っております。今後はこれがさらに大きく花開くことを目指しまして全力を尽くしたいと思います。
済みません、もう一つございました。
次は辺野古の問題でございますけれども、1兆円と15年問題ということでございますが、これは幾らかという予算というのは具体的に出ていないわけですけれども、これは全額国が出す問題でございまして、国が出す問題というのはどういうことかというと、アメリカとは直接関係はないわけです。
一番重要なのは、15年問題というのは今度の小泉さんが言われたことで一番大きな意味を持つのは、沖縄の問題は沖縄だけの問題ではなくて日本全体で考えるべき問題だということでございます。これについて当然、したがってこの15年の問題も、この問題が出ない限りは非常に難しい問題があったわけですけれども、この15年を小泉さんのこの発言というのはトータル的にやはり日本全体の中でどのような基地にしていくのか、そして日米安保というものをどのようにとらえてくるのか、そして今後の基地の構成というのは海外、県外を含めてどのようにしていくかということに大きなポイントがあると思います。したがって沖縄として最もベターな方法になるように全力を尽くします。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
ボーリング調査は実質的な工事の着手じゃないかという御質問にお答えいたします。
環境影響評価法においては、事業を建設工事や土木工事など具体的な工事としてとらえられる範囲に限定をしております。そのため、護岸構造の検討及びそのために行われるボーリング調査等は同法で規定する事業の範囲に含まれるものではありません。ただし、護岸の設置による環境への影響、すなわち護岸の工事、護岸の存在による環境への影響については飛行場事業と一体として環境影響評価が行われることになります。
次に、現在行われているボーリング調査の環境への影響ということでございますが、現在行われている地質調査及び海象調査の実施により少なからず環境への影響が生ずるものと考えております。そのため、公共用財産使用協議の際にこれらの調査による環境への影響をより低減するための観点から意見を申し述べているところでありまして、公共用財産使用協議の際の環境配慮事項において地質調査及び海象調査実施時に環境への著しい影響が生ずるおそれがあると確認された場合は関係機関へ報告するということになっております。
今回のスパット台船設置に係る環境への影響等については事業者に確認したところ、早期に調査を行い報告する旨の回答を受けておりますが、まだ報告がありません。県としては報告を受けて内容を検討し、必要に応じ作業の実施に当たっての十分な環境への配慮を求めていきたいと考えております。
○当山 全弘 知事に再度質問をいたします。
今さき、大演説をしていただきまして、今、賛否両論ありましたけれども、戦後60年経過しまして基地問題等について一向に動かない、そしてまた所得等については全国の47位と。失業率、基地建設と、こういった高率補助を入れての振興策等全く矛盾した政策が今展開されておりますけれども、一日も早くこの基地問題等について、辺野古への移設のボーリング調査等中止して元に戻していくという決意を伺いたい。
終わりたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 当山議員の再々質問にお答えをいたします。
私は、常に申し上げているように辺野古には固執しているわけではありません。しかし、しっかりした代替案がない限りは従来のこのままの方針を続けるということしかないわけです。しかし、将来の夢としては平和で豊かで基地のない島を心から願っております。それについて全力を尽くします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時53分休憩
午後1時23分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
玉城義和君。
〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 一般質問を行います。
通告をしておりませんけれども、緊急ですので議長のお許しを得てお願いしたいと思います、当局にもお伝えしてありますので。
下地島空港にけさ8時過ぎに米軍のKC130が1機、CH46が3機着陸をして9時過ぎに離陸をしているようであります。県は抗議をしておりましたが、強制的に着陸をすると。意向が無視された形であります。あした以降も恐らく予定があるというふうに言われていますが、知事はどういうふうにこれをとらえているか。そして、あした以降についてどういうふうに実効性のある抗議をされるか、所見をお聞かせいただきたいというふうに思います。
それでは、通告に従いまして質問を申し上げます。
まず、基地問題であります。
環境影響評価方法書についての知事意見についてであります。
ア、県環境影響評価審査会の答申は、「当該方法書の事業の内容は環境影響評価の項目及び手法が適切なものであるか否かを判断するに足る内容とは言い難い」としております。県の見解を伺います。
イ、また、同答申は「同法に基づく手続は、事業者としてある程度具体的な事業計画が想定できる時期であって、その変更が可能な時期に開始されるもの」とし、手続が早かったと指摘しています。県の見解はどうでしょうか。
ウ、現在行われているボーリング調査等に関しては、同答申はこれらの調査がジュゴンやサンゴ類などに影響を生じることから、「この調査の実施による環境への影響を十分に検討させた上で実施させる」となっていて検討期間を設けるように述べております。それに対して県の意見は、「環境への影響について十分に考慮する必要」とし、大きなそごがあります。県知事の見解を伺います。
エ、知事意見2-(3)-ウに言う「民間機能に係る運用計画について、「民間機能における潜在的ポテンシャル」ではなく具体的な計画の内容を記載すること」とはどういうことでしょうか。
オ、審査会答申の39から41まで、すなわち39の代替施設建設事業に係る経過、40の準備書面等の「内容が一般にも理解できるよう工夫して作成させること」、41の公表においては幅広く住民等の意見が聞けるようにすることなどが知事意見で落ちています。理由は何か。
(2)、普天間移設問題について。
ア、アメリカの世界的軍再編の中で、沖縄県として具体的で明確なメッセージを出す必要があります。どのような中身で、いつまでにやるか。
イ、山崎首相補佐官は、普天間飛行場の返還については米軍再編の中で一気に進めたいと述べたと報道されています。少なくとも普天間基地の閉鎖は県民の統一要求として出す必要があると思うがどうか。
ウ、「使用協定に係る基本合意書」についてであります。
(ア)、日米合同委員会で合意されている「基本合意書」の中身について基地の立ち入り等どのような合意がされているか、合意書を明らかにされたい。
(イ)、この「基本合意書」の内容と嘉手納、普天間飛行場の騒音防止協定の違いはどこにあるか。
(3)については、既に出ていますので割愛します。
それから、2の(1)以降エまでダブりますので割愛いたします。
(2)、郵政民営化について。
小泉内閣は、現行の郵政公社の4機能、すなわち窓口サービス、郵便、郵便貯金、簡易保険を分割し、2007年までに4つの株式会社にしようとしております。県内では、郵便貯金や簡易保険資金が首里城公園を初めとする多くの公共施設に融資されております。また、特に離島の多い我が県では本島を含む24の島々で銀行のあるのは4島に対して、郵便局は全島に設置されており、まさに郵便局は島の人々の生活に不可欠なものとなっております。郵便局や郵便事業は、130年の歴史の中でもはや日本の都市やあるいは地方でそれぞれの風景に溶け込んだ文化であります。しかるに、小泉内閣は何のために、そしてだれのためにという十分な説明もなしに民営化ありきを主張しています。我が県にとっては多大な影響があると思われます。知事の所見を求めます。
3、北部振興事業について。
(1)、北部振興事業は、事業開始5年が経過いたしました。この間の事業実績は、公共93件、81億5400万円、非公共89件、236億5900万円、合計国庫で318億1400万円になっています。500億円の予算でありますから318億円、すなわち63%の事業実績ということであります
ア、県としてこのような実績をどう評価しておられますか。
イ、これら10年間で1000億円という北部振興事業は法的にはいかような裏づけがありますか。
ウ、公共事業について採択基準の緩和や翌年度への繰り越しを含めた公共と非公共の枠の撤廃等見直しを行うべきだと考えるが、県としても取り組む考えはないか。
4、医療・福祉行政についてであります。
(1)、県立北部病院の産婦人科の存続について。
ア、これは、決算委員会でも一応やるということは出ておりましたが、具体的に存続の見通しはついたかどうか、御答弁ください。
イ、今後、県立病院の産婦人科、小児科の医師の継続的・安定的な確保のためにどのような対策を講じるか。
(2)、助産師の確保について。
ア、民間病院等における助産師不足を解消するために県立浦添看護学校に助産学科を新設すべきと思うがどうか。
5、第3回世界自然保護会議の勧告について。
(1)、ジュゴンなど希少生物の保護について。
2000年のアンマン第2回世界自然保護会議に続き、11月24日のIUCN総会は2度目のジュゴンやノグチゲラ、ヤンバルクイナなどの希少生物の保護勧告を行いました。
ア、ジュゴンの保護区の設定などが勧告されておりますが、当事者県として、日米両方に勧告したなどとおっしゃらずに、沖縄県としてどうするかということをお聞きをしたいと思います。
イ、ヤンバルクイナについて絶滅の危機から救うための人工繁殖への取り組みが指摘されております。県としてはどうお考えでしょうか。
(2)、同会議は、同時に辺野古移設の白紙撤回も含めた複数案、またボーリング調査をアセスの対象にすることを求めております。知事はどう受けとめますか。
(3)、沖縄県内の希少種・絶滅危惧種動物はいかほどか。
6番目、美ら海水族館と北部観光についてです。
(1)、美ら海水族館は、開館2年目を11月で迎えました。その間、500万人の来館者を達成いたしておりますが、地元本部町を初めとする北部観光とどう結びつけるかが大きな課題になっております。県の戦略的な施策を伺います。
7番、沼田大使発言について。
沼田沖縄担当大使が、沖縄は米軍に対して抗議だけでなく米軍の立場に思いをいたすべしと発言しております。知事はどのように受けとめておられるか。
以上、明確な御答弁をいただきます。
○知事(稲嶺惠一) 玉城義和議員の御質問にお答えいたします。
米軍再編における県の考え方の取りまとめについての御質問にお答えをいたします。
県は、米軍再編の動きに的確に対応する観点から、本県のさまざまな基地負担の状況を十分に検討しながら、米軍再編の中で県として求める基地負担の軽減策はどのようなものであるべきか、普天間飛行場やキャンプ・ハンセンなど在沖米海兵隊の兵力の削減や訓練の分散移転などを軸とした基本的な考え方を取りまとめているところであります。県としては、機を逸することがないよう早急に取りまとめる所存であります。
続きまして、普天間飛行場の返還について山崎首相補佐官に関しての御質問に対してお答えいたします。
県は、普天間飛行場の危険除去については当面の最大の課題と考えており、事故発生後速やかに日米両政府に対し危険除去のための対策を講じ、危険性を限りなくゼロにするなど再発防止に万全を尽くすよう強く求めているところであります。普天間飛行場の返還については、日米両政府に対し、これまで以上に作業を加速させることにより同飛行場の一日も早い返還を求めているところであります。
続きまして、ジュゴン等の保護区の設定についての御質問にお答えをいたします。
今回の勧告は、日本政府とアメリカ合衆国政府に対しジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保護区を設置し、保全に関する行動計画を策定するよう勧告されているものと認識しております。県としては、今後とも国の保護対策等に対応しながら、国と協力してジュゴン等の保護に取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) まず、答申に対する県の見解についてお答えいたします。
普天間飛行場代替施設建設事業に係る方法書は、環境影響評価法で規定する記載事項は示されており法的要件は満たしておりますが、方法書において示された事業内容は、環境影響評価の項目及び手法が適切なものであるか否かを判断するには十分なものではないと考えております。そのため、県としては、答申をもとに知事意見を形成しておりますが、事業内容の記載が十分ではない事項については、準備書を作成するまでの間に決定される事業の具体的な内容を考慮して環境影響評価を行うこととの意見を述べております。
次に、方法書手続の開始時期についてお答えいたします。
環境影響評価法に基づく手続は、事業者としてある程度具体的な事業計画を想定できる時期であって、その変更が可能な時期に開始されるものであり、個々の事業者においてその適切な開始時期が検討されるものであります。
次に、ボーリング調査等に関する知事意見についてお答えをいたします。
現在行われているボーリング調査等は環境影響評価法の対象となるものではなく、また代替施設建設事業の実施による環境影響を予測・評価するために実施されているものでもないことから方法書に記載されておりません。そのため、答申においても前文で述べられているところですが、その趣旨を踏まえ法的権限をも考慮して知事意見の前文に反映したものであります。
次に、民間機能に係る運用計画についてお答えをいたします。
方法書においては、代替施設の民間機能における航空機利用の潜在的ポテンシャルについて記載されておりますが、供用時における航空機騒音や道路交通騒音、水質汚濁等の環境への影響の程度はどのような機能がどう運用されるか等により異なります。そのため、民間機能に係る運用計画についても具体的な内容を示す必要があるということであります。
次に、知事意見に反映されなかった答申の項目についてお答えいたします。
方法書に対する知事意見については、環境の保全の見地から述べることになっております。審査会からの答申にある記39の経緯等に関する事項は、方法書についての環境の保全の見地からの意見ではないことから知事意見に反映しておりません。また、記40の事項は準備書の作成に関する注意事項であり、準備書における希少な動植物に関する情報の記載の仕方については、技術指針等を定める主務省令でも規定されていることから、知事意見に反映しておりません。
環境影響評価の手続における公表に関する記41の事項につきましても、積極的な情報公開についての意見であり方法書についての環境の保全の見地からの意見ではないことから、知事意見へは反映しておりません。
次に、ヤンバルクイナの人工繁殖についてお答えいたします。
県では、外来種による捕食の脅威からヤンバルクイナ等を保護し、ヤンバル地域の生態系を保全するためマングース対策を実施してきたところであります。しかしながら、山階鳥類研究所の調査によると、ヤンバルクイナの生息数が1000羽以下と推定されていることから、今後、国が策定する保護増殖事業計画の中で国と連携して保護対策等に取り組んでいきたいと考えております。
次に、ゼロオプション及びボーリング調査に関するIUCN勧告についてお答えいたします。
当該勧告の内容は、日本政府とアメリカ合衆国政府に対する要請であると承知しております。
現行の環境影響評価法においては、事業を建設工事や土木工事など具体的な工事としてとらえられる範囲に限定しており、計画策定のために行われるボーリング調査等の事前調査は同法の対象とはなっておりません。また、現行の環境影響評価法で定める環境影響評価は、事業の実施に当たりあらかじめ行われるもので、ゼロ・オプションを含む代替案の比較検討を義務づけてはおらず、環境影響評価の結果から事業者みずから判断することにゆだねられております。そのため、同勧告は法の改正等の法制度にかかわる要請であると考えております。
次に、希少種・絶滅危惧種についてお答えをいたします。
沖縄県レッドデータブックでは、県内の絶滅危惧種はダイトウオオコウモリ、イリオモテヤマネコなど哺乳類6種、ヤンバルクイナなど鳥類10種及び爬虫類、魚類等その他12種を含め合計で28種となっており、また危急種53種、希少種は208種となっております。
以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) まず、下地島空港の使用につきましてお答えいたします。
米軍機による下地島空港の使用について、12月6日に総領事館より県に連絡があり、県は使用の自粛を強く申し入れました。しかし本日、フィリピンの台風災害に対する人道支援活動に向かうためとして在沖米海兵隊所属のCH46型ヘリコプター3機及びKC1301機が給油のため下地島空港を使用しました。県としては、本日、在沖米軍海兵隊に遺憾の意を伝えるとともに、今後とも民間空港を使用しないよう強く申し入れました。
下地島空港等の民間空港については、民間航空機の円滑かつ安全な運航を確保する観点から、緊急やむを得ない場合を除いては米軍機の使用は自粛してもらいたいというのが県の一貫した考えであります。県としては、今後とも米軍機による民間空港の使用自粛を強く求めるとともに、この問題の根本的な解決のためには地位協定第5条の見直しが必要と考えておりますので、引き続き日米両政府に対し日米地位協定の見直しを含め強く働きかけてまいります。
次に、基本合意書の基地の立ち入りなどの合意中身についてお答えいたします。
基本合意書では、代替施設の使用に係る措置の基本的事項として安全対策及び騒音対策や環境対策、代替施設への立ち入りなどが定められております。基本的事項の内容については、今後の協議により定められるものであります。
次に、基本合意書と騒音防止協定の違いについてお答えいたします。
嘉手納及び普天間両飛行場に係る航空機騒音規制措置については、航空機から生ずる騒音が周辺地域における住民の生活に多大な影響を与えていることから、県や周辺自治体がその解決を日米両政府に強く求め、平成8年3月28日の日米合同委員会において合意されたものであります。
一方、基本合意書に基づき協議され締結される使用協定は、地域の安全対策及び基地から派生する諸問題の対策等を講じるために国、名護市、県で締結するもので、具体的内容については今後協議を進める中で検討されますが、環境対策や代替施設への立ち入りの項目があるほか、適切な協議機関を設置し使用協定についての定期的なフォローアップを行うこととされており、これらの点が騒音規制措置と異なる内容であると考えております。
次に、沼田大使の発言につきましてお答えいたします。
外務省沖縄事務所に確認したところ、沼田大使が県民の意向を米軍に伝えていく中で感じたことを一般的な県民の方々に対して述べたものであり、米軍等の直接被害をこうむっている県民に対してのものではないとのことであります。
県は、沼田大使がさまざまな機会をとらえ米軍に県民の要望等を伝えるために米軍との接触を重ねた結果、そのように感じたものと思いますが、本県は過重な基地を背負わされ続け、そこから派生する事件・事故等により県民は米軍に対するぬぐい切れない不信感を抱いております。外務省沖縄担当大使には、このような県民の感情を理解し業務に当たっていただきたいと思います。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 郵政民営化に対する所見についてお答えいたします。
本県は多くの離島・過疎地域を抱えており、これらの地域においては郵政事業と住民生活とは極めて密接な関係にあり、今後とも郵政事業の安く、あまねく公平なユニバーサルサービスの確保は欠かせないものと考えております。
去る9月10日の閣議決定においては、郵政事業の窓口は住民のアクセスが確保されるように配置する旨の努力義務を課すことや、過疎地の拠点維持に配慮すること、引き続き郵便のユニバーサルサービスの提供義務を課すなどの内容が盛り込まれております。現在、政府において法案化に向けた制度設計等の準備を進めているところであり、県としては、これらの動きを注意深く見守りつつ、離島・過疎地域における郵政事業のサービス低下を来すことがないよう適宜国へ働きかけていきたいと考えております。
以上であります。
○企画開発部長(花城順孝) 三位一体改革の北部振興事業との関連についてお答えします。
北部振興事業については、平成16年8月24日に地方六団体から内閣総理大臣へ提出した三位一体の改革案では、移譲対象補助金から除外されております。また、平成16年10月19日の国と地方の協議の場において小池沖縄担当大臣は、沖縄固有の補助金は移譲対象外とすべきであり、これは地方六団体の改革案に沿うものであると発言をしております。
これらを受け、平成16年11月26日に政府と与党の三位一体の改革についての合意の中で、「沖縄等特定地域において講じられている補助制度に係る特例措置については、その趣旨を踏まえ必要な措置を講ずる。」との文言が盛り込まれ、沖縄振興に対する強い配慮が示されております。このようなことから、今回の三位一体の改革では北部振興事業費への影響はないものと考えております。
北部振興事業の実績の評価についてお答えします。
北部振興事業は、北部地域における産業の振興、雇用の拡大、定住人口の増加につながる事業を実施するものであります。
宜野座村のサーバーファーム、名護市のマルチメディア館、「みらい1号館」等の整備によりIT関連企業の新規雇用は約500名を数えており、現在建設中の「みらい2号館」が供用開始されることによりさらなる雇用の増加が期待されます。
本部町の海洋ウェルネス・リゾートセンターや八重岳観光周辺施設等を整備することにより観光振興を図っております。
名護市の食肉処理施設、今帰仁村のキノコ生産出荷施設、伊江村の特産品加工施設等を整備することにより農林水産業の振興に寄与しております。また、上下水道、公園、国頭村のパークゴルフ場、恩納村の赤間運動場など住環境の整備を図っております。
次に、北部振興事業費の根拠についてお答えします。
北部振興事業は、平成11年12月17日の第14回沖縄政策協議会の了承を踏まえ、同月28日に閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に基づき実施されております。
事業費の根拠については、第14回沖縄政策協議会における当時の青木内閣官房長官発言において、おおむね10年間で1000億円の特別の予算措置を確保するとされており、平成12年度から毎年度公共50億円、非公共50億円の予算措置がなされているところであります。
同じく北部振興事業について採択基準の緩和や公共・非公共枠の撤廃等についてお答えします。
北部振興事業の公共事業については、去る11月30日の北部振興協議会において予算を効率的に活用するために必要な措置を講ずることが申し合わされました。これにより、事業採択の幅や地元の裁量度が広がるとともに、翌年度の繰り越しも可能となり、予算執行がスムーズになるものと考えております。
公共・非公共枠の見直しについては、公共事業が道路、港湾、住宅、公園、下水道等産業振興基盤や定住条件の整備に重要な役割を果たしており、予算の枠内で公共及び非公共事業を着実に実施していくことが北部地域の振興に寄与するものと考えております。
以上でございます。
○病院管理局長(平井哲夫) 県立北部病院の産婦人科について、来年4月以降の存続の見通しはどうかにお答えいたします。
県立北部病院の産婦人科については、現在、職員2名と県立中部病院からの応援医師1名を含め3名の医師を配置しております。産婦人科については、医師のなり手が少なく確保が大変厳しい状況にありますが、北部病院の現在の診療体制を来年4月以降についても維持していく必要があると考えており、病院事業全体としての支援を含め適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、県立病院の産婦人科、小児科の医師の安定的な確保についてお答えをいたします。
産婦人科、小児科については、他の診療科に比べなり手が少なく全国的にもその確保が非常に厳しい状況にあります。県においては、これら医師の確保について県内外の大学への派遣要請や中部病院臨床研修修了医及び県立病院での勤務経験がある医師等への呼びかけ、ホームページによる募集等も行っております。
また、県立中部病院での臨床研修事業において産婦人科や小児科等を希望する医師については優先的に採用するよう配慮するとともに、他の診療科を専攻している医師に対して産婦人科、小児科への変更も呼びかけるなど、その確保に努めているところであります。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 県立浦添看護学校への助産学科新設についてお答えいたします。
助産師の養成は、平成13年度までは県立沖縄看護学校助産学科と琉球大学医学部保健学科において年間26人から27人養成されておりましたが、平成15年度は琉球大学と県立看護大学で9人の養成となっております。大学における助産師の養成は、学生がみずから選択するコースとなっていることから助産師を希望する学生は少ない傾向にあります。
また、病院や診療所に勤務する助産師の確保が厳しい状況にあるとして、医療機関や関係団体等から県内での助産師の養成が強く求められております。
県立浦添看護学校への助産学科の新設については、看護職員の需給の動向等を踏まえて検討しているところです。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 美ら海水族館と北部観光についての御質問にお答えをいたします。
北部観光につきましては、美ら海水族館の効果により入域観光客数が増加するとともに、レンタカー観光の普及によりまして、これまで観光客が訪れることのなかった飲食店等への立ち寄りが増加するなど周辺地域への波及効果も着実にあらわれております。
また、エコツーリズムの推進、本部町海洋ウェルネス・リゾートセンターの整備など、滞在型観光・リゾート地の形成に向けた環境整備が進みつつあります。このような動向を今後、北部全域への経済波及効果の拡大につなげていくためには、平成15年度に北部広域市町村圏事務組合が実施した「体験・滞在型観光計画策定調査」において提起されているように、地域の体験・滞在型観光の各推進主体の拡充やネットワーク化等を進めるなど、地域主体の受け入れ体制の整備を図ることが重要であると考えております。
県におきましては、エコツーリズムや健康・保養型観光の推進、各種イベントの支援等により北部観光の振興を図っておりますが、今後とも市町村、関係団体等との連携を図り、地域の主体的な取り組みを支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○玉城 義和 極めて不十分な答弁でありますので再質問をいたします。
まず、公室長、この沼田発言でありますが、私は米軍等の直接被害をこうむった県民に対して云々ということは聞いておりません。県民に考えていただけたらということを申し上げると、こういう切り出しで始まっているわけですね。日本国外務省の沼田大使閣下殿は、去り際に、沖縄県民はよくわかってない、抗議だけしている。たまには米軍の世界的な役割も考えなさいと、こういう訓辞を垂れていかれたわけですね。そのことについて沖縄県はどう受けとめているかと聞いているんですよ。
知事、たまにはきちっと答えてください、こういうことに対してね。こういうことに答えることが沖縄県の主体性であり県益なんですよ。そういうことをわかっているかいないかわかりませんが、先ほどの公室長の答弁では全然だめですよ、それは。もちろんですよ。それは県民に対して言っているわけで、もう一回知事からお答えをいただきたい。
それから環境アセスに関して、1の(1)ですが、県もこの事業内容が不十分だということは認めているわけですね。
一方、このアセス法はその5条2項において目的及び内容を書けとうたっているわけですね。当然、法律は事業内容が不十分で項目及び手法が適切か否かを判断できかねるようなことは想定してないわけですね、法律自体は。したがって、こういうふうなあいまいな事態、県が指摘すること自体この法律で言う内容という法の規定を満たしてない、こういうことです。したがって、少なくともこの書き足りないものの内容は追加をさせる、いわば追加アセスのような、そういうことぐらいは当然県として求めなければ法律も含めて整合性は出てきませんね。そういう意味で局長、もう一回きちっと答弁してください。わかるように答弁してください。
方法書がだめで準備書でというなら、方法書は一体じゃどういうことになりますかということになりますね。別の問題が生じますよ。
(1)のウです。ボーリング調査について審査会では一時中断をして、その間に環境への影響を十分に検討をしたらどうかと言っているわけですね。県はしかしその必要はないと、こういうことでしょうか。
もう一つ、県は施設局長に出した財産使用協議の中で環境監視の2項でこういうふうに書いています。藻場・サンゴ類の状況調査については、足場等の設置前、調査中――現在が調査中ですね――及び撤去後において実施することと。なお、藻場・サンゴ類の状況については写真とあわせて図示することと。ただいま調査中でありますから、そういう写真の図示はありましたか。きのう比嘉京子さんから、これは市民団体が撮った写真がありましたね、そういう図示があったでしょうか。
3点目は、県はサンゴへの配慮も含めて環境配慮事項を提出しているわけですね、協議の中で。したがって当然にこれらの担保責任、つまりこれが行われているかどうか、適正かどうかということを県は独自で検証する、証明する責任があります。そういう意味では独自の調査は当然すべきであります。いかがでしょうか。
(1)のエでございます。民間機能ですね。
そもそも民間機能における潜在的ポテンシャルというのは、これはそもそも平成12年の10月3日に沖縄県が出したものですよ、これ。沖縄県が計算してね。そのことを忘れていたのかわかりませんが、沖縄県側が軍民共用と言った手前、どうしても民間機を飛ばさなきゃならぬと、こういうことで私は何回もこの場で指摘をしていますが、数字合わせをして資料を出したわけでしょう。
今度はそれを事もあろうに防衛施設庁にもっと具体的にして出しなさいと、こう言っているわけですね。これはどういうことを意味するんでしょうか。具体的内容とは一体何を指すんですか。防衛施設庁が出した案ではないんですよ、これは。沖縄県が出した案ですよ。そのことを御説明ください。
それからもう一つ、防衛施設局にすれば、すったもんだの末、法律を無理に解釈をして事業主体になった。1年近くかかりましたよね。非常にそういう意味ではこれは一体どういうことだと、こういうことになっていると思いますね、矛盾が出てきています。そういうことであれば、県はこのように防衛施設局に預けるんであれば、民間機を飛ばすか飛ばさないかも含めて、可否も含めてこれは国に全権を任したと、こういうことになりますが、それでいいんでしょうか。
それから1の(2)のアとイです。トランスフォーメーションですね、米軍の。
私は、去る7月26日から29日まで韓国のソウルで、本県議会の同僚議員と一緒に日米韓のセミナーに参加をいたしました。その中で、米陸軍が1万2500人撤退するという経過なども報告されました。また、2万4000ヘクタール、これは沖縄県と同じ面積ですが、これが8000ヘクタールに減ると――3分の1に減るということですね――ということも出てまいりました。非武装地帯から米軍をソウル以南に引き揚げる、つまり引き離すということです。こういうことが着実に行われていて韓国は縮小されております。これは南北の融和も含めてコリアンナショナリズムというのが出てきていますので、それに配慮して戦略的な決定なんですね。それに比べて我が国は非常におくれております。
それで、沖縄からは私は明確なわかりやすい要求を知事は出していく必要があると思うんですね。だからキャンプ・ハンセンや普天間飛行場の海兵隊の兵力の削減や訓練の分散移転ということでは県民の期待にこれはこたえられません。
そういう意味で、山崎さんも、政府の高官さえも一気に進めたいとこう言っているわけですから、知事としてはここは政治判断を的確にしていただいて、普天間の危険性をゼロにする、ということはすなわち閉鎖ですから。ここのところは県民世論をまとめて、ひとつぜひとも普天間の閉鎖・撤去を県民の統一要求として出していただきたいというふうに思います。
加えて、普天間の危険性ゼロというのはどういう状況を指すのか、それも知事からお答えを願いたいというふうに思います。
それから、非常に重要なことでありますが、この1の(2)のウに関して、使用協定に関してであります。
この外務省の平成14年7月29日の日米合同委員会の文書ですね。ここにありますが、この文書だと、7月25日の日米合同委員会で合意されたことが代替施設に関する騒音防止及びその他の合意、こうなっていますね。つまり名護市と沖縄県、国がこれまで使っていた使用協定という言葉が全然ないんですね。つまり騒音防止とその他の原則とこういうふうになっていて、いきなり騒音防止だけに話が行っている、これが日米合同委員会の決定なんですね。これはどうしてそういうことになっているのか、どうして使用協定がなくて騒音防止協定になっているのか、それを説明をしていただきたい。
そして、この日米合同委員会の合意文書の中身は、普天間飛行場に関するSACO最終報告に従い、両政府はそのような合意が代替施設において現普天間飛行場の極めて重要な軍事上の機能及び能力は維持されるという原則にかなうものであることに同意する。すなわちこういうことです。このような騒音防止協定を結んだにしても、現普天間飛行場の持っている軍事上の機能や能力は少しもこれを減少させないと、変えないと、こういうことなんですね。すなわち、その合意の内容は、何も中身が決まらないうちに現普天間飛行場の機能は一切損なわないというところだけは早々と日米で合意をしたと、こういうことです。これは言いかえれば、この使用協定というか騒音防止協定は、すなわち現普天間飛行場の協定を超えるものではないと、こういうことですが、いかがでしょうか、明確にお答えをいただきたいと思います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後2時8分休憩
午後2時22分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
15分間休憩いたします。
午後2時22分休憩
午後2時45分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
休憩前の玉城義和君の再質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 玉城議員の再質問にお答えいたします。
最初は、沼田大使発言でございます。
実は沼田大使が発令される何日か前に私とちょうど会う時間がございまして、ごあいさつに来られたんです、もう発令までにはお会いできないということで。そのとき私は、ぜひ新しい大使に沖縄の本当の状況というものを、県民の感情というものを十分に理解するよう努力をしていただきたいということをお話をしました。
それに対して大使としては、沖縄の県民が長らく基地に対する大変に苦悩を背負っておられると。そういう心というのをしっかり新しい大使にも引き渡していきたいというような話をいたしまして、私も実はほっとしたところ、その後新聞を見まして私の力が至らなかったのかということを思い知らされたわけです。
考えてみますと2年です。沖縄の県民というのは60年という長い歴史の中からの多くの積み重ねです。それをやはり凝縮してこられた方にどのような形でこれから強くしっかりと教えていくか、教えていくという表現はおかしいですけれども、わかってもらえるかということは、これは大変大事なことだと思っております。
これは私のみならず、大使と当然接せられる方、多くの方がおられるわけですから、皆様方にきっちりとその辺を言っていただいて、そして大使として十分沖縄の県民がこの60年間の間に本当に多く悩んで、苦しんで、そしてここまで来て今なお多くの基地の存在があるという、この中で生きているというその思いをしっかりと受けとめてもらうように努力をしていきたいというふうに思っております。
次に、普天間の閉鎖の問題がございました。なぜしないかということ、それについてお話をしたいと思っております。
普天間飛行場の移設の問題というのは、これは前県政からの大変な重大な問題でございました。そして辺野古への移設というのが決定をいたしました。先ほどの玉城議員のお話の中にございましたように、北部振興計画の話というのは内閣の決議の中で決められたわけですけれども、そのときの一つとして普天間の跡地利用の問題というのがあるわけです。
一つの問題というのは数多くの問題、よく私が糸のように絡み合っているというのは、その多くの問題が絡み合っているんです。例えば、普天間の跡地の利用の計画を考えてみても、基地の従業員の問題、あるいは軍用地主の問題、それから開発の問題、それから一番大きなのは周りの市街地との連結をどうするかと。現に天久の那覇新都心の状況を見てもそうですけれども、これだけ30年たってもまだまだ空き地もございます。実際開発するにはまだまだ時間がかかります。普天間というのは、状況によっては100年もかかると言っても過言ではない状況です。これを国家プロジェクトとしてしっかり抱いてもらったということです。これは、その一つをとっても多くの問題と絡み合っているんです。
したがって、私が辺野古に固執するわけではないけれども、日米両政府の話し合いできっちり決められた事項が、これがはっきり両政府の間で決められないものについて私はノーとは言わないというのは、そういう多くの問題の絡みがあるということです。
したがいまして閉鎖は私は要求はいたしません。しかし、限りなくゼロに近づくというのはどういうことかというと、兵力を極端に削減というのは、削減の最終目標はゼロでございます。訓練の移転というのも、これも限りなく近づくというのはゼロでございます。そのゼロに近づく方向に持っていくということが私の考え方であり、信念であり、その方向に向かって頑張ってまいります。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
まず、アセス方法書についての再質問にお答えをいたします。
先ほども御答弁申し上げましたが、環境影響評価法は、環境影響評価の結果を事業計画や環境保全措置に反映させること等により環境保全についての適正な配慮の確保を目的としているため、同法に基づく手続は事業者としてある程度具体的な事業計画を想定できる時期であって、その変更が可能な時期に開始されるものとしており、手続の開始時期を明文化しておりません。
以上のことから、同法に基づいて定められている技術指針等を定める主務省令においては、その他の事業内容について既に決定されている内容に係るものに限ると規定されているところであります。
しかしながら、当該事業に係る方法書においては、環境影響評価の項目及び手法が適切なものかどうかが判断できる程度に具体的な事業の内容が示される必要があったものと考えております。
方法書においては事業内容の記載が十分でないため、知事意見においては準備書を作成するまでの間に決定される事業の具体的な内容を考慮して、環境影響評価の項目及び手法を見直し、環境影響評価を行うこととの意見を述べております。今後は準備書を作成するまでの間に決定された事業内容等について、決定された段階で県へ報告し、公表することとの意見を述べており、事業者から報告された段階で調査項目、手法等が適切であるか調整をしていきたいと考えております。
次に、ボーリングについての知事意見についてお答えをいたします。
ボーリング調査等は環境影響評価の対象となるものではありません。
また、環境影響評価は具体的な土木工事や建設工事等を対象に行うもので、調査そのものについて行うものでもありません。そのため、ボーリング調査等の調査そのものの実施による環境への影響について環境影響評価が実施されることはありません。
しかし県としては、現在行われているボーリング調査等の実施により少なからず環境への影響が生ずると考えていることから、調査そのものについては、環境影響評価が実施されるものではないにもかかわらず、代替施設建設事業に係る環境影響評価においてボーリング調査等による環境影響を十分に考慮する必要があると知事意見の前文において述べたものであります。
次に、現在実施されているボーリングの報告ということで御答弁をいたします。
公共用財産使用協議の際の環境配慮事項においては、地質調査及び海象調査実施時に環境への著しい影響が生ずるおそれがあると確認された場合は関係機関へ報告することとされております。今回のスパット台船設置による環境への影響については、事業者に確認したところ、早急に調査を行い、報告する旨の回答を受けておりますが、現在のところまだ報告はありません。県としては、報告を受けて内容を検討し、必要に応じ作業の実施に当たっての十分な環境への配慮を求めていきたいと考えております。
次に、民間機能に係る運用計画等についての再質問にお答えをいたします。
先ほども答弁申し上げましたが、方法書における代替施設の民間機能における航空機利用の潜在的ポテンシャルについて記載されておりますが、供用時における航空機騒音や道路交通騒音、水質汚濁等の環境への影響の程度は、どのような機能がどう運用されるか等により異なります。民間航空機の運航による影響を予測、評価するためには、その予測条件となる飛行回数や機種等が必要となりますので、こうした内容を具体的に示すということであります。
なお、環境影響評価は事業者が行うものですが、事業者である那覇防衛施設局は、民間機能については県の関係部局よりこうした予測に必要な情報の提供を受け、方法書に記載をしていく必要があるというふうに考えているところであります。
以上です。
○知事公室長(府本禮司) 基本合意書につきまして、使用協定は現行の普天間飛行場の騒音防止協定を超えるものにはならないのではないかというふうなことにつきましてお答えいたします。
平成14年7月25日に開催された日米合同委員会において、現普天間飛行場の極めて重要な軍事上の機能及び能力は維持されるという原則にかなうものであることを同意するとなっておりますが、これはSACO最終報告の準拠すべき方針でも示されておりますことや、基本合意書の中でもSACOの最終報告の内容に何ら変更がないことが確認されておりますので、これは何ら矛盾するものではないというふうに考えております。
使用協定のこれらの基本合意書の内容につきましては、今後協議されていくわけでありますから、その結果、現行の普天間飛行場の騒音防止協定との関係についても協議されていくものというふうに考えております。
○玉城 義和 ほとんど質問に答えてなくて、時間があれば一つ一つもう一度聞きたいところでありますが、時間がありません。
知事のおっしゃっていた件で、ゼロに近づける。これは普通日本語で言えば閉鎖なんですね。振興策があるので言えませんとこういうことですので、私の方から申し上げて閉鎖に近い状況と受けとめていいかと、こういうことにお答えください。
それから、ボーリング調査中の写真は要求するんですか。それとも県独自の調査は行わないんですか。
それともう一つは、合同委員会は何で騒音防止及びその他になって、日本側は使用協定になっているんですかと。この違いを教えてくださいというふうに聞いていますので、これは重要ですからぜひお答えください。
それから、民間機能についてはこれは県がつくるんですか、国がつくるんですか、どっちですか。
○知事(稲嶺惠一) 玉城議員の再々質問にお答えいたします。
兵力を限りなく、そしてまた訓練も限りなくということでございます。閉鎖ではございません。閉鎖に限りなく近い状況に持っていきたいと思っております。
○知事公室長(府本禮司) 基本合意書の件につきましてお答え申し上げます。
基本合意書は、代替施設の使用協定に結びつけるためのものでございますけれども、その合意書の中の根幹の部分が日米の合意になったものでございまして、その内容を示すためにあのような騒音防止、その他の合意に係る原則というふうな名称になったものと考えてございます。
それから、代替施設の民間部分につきましては、国が事業主体として整備されることになっておりますので、国の方で整備されるものと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
現在、事業者にその影響について確認をしましたところ、早急に調査を行って報告する旨の回答を受けております。県としては、まだ報告がございませんが、報告書を見てその内容を検討して、必要に応じ調整をしていきたいというふうに考えます。
写真の件につきましてもその報告書の中で、報告書を見た上で検討をいたします。
○渡嘉敷喜代子 こんにちは。
護憲ネットワークの今がしゅんの渡嘉敷喜代子です。
嘉数副知事、それから新垣幸子出納長、御就任おめでとうございます。
稲嶺県政6年目にしてやっと咲いた一輪の花だと思います。残された2年間、女性の地位向上に向けての、そして県管理職への女性の部課長の積極的な登用に頑張っていただきたいと思います。
さて、この本についてちょっと御紹介いたします。(資料を掲示)
これは「オキナワ いくさ世のうないたち」という本ですけれども、母の戦争体験、それから母と娘の戦争体験、そして私の戦争体験という三部で構成されておりまして、私自身の戦争体験の証言も収録されております。
戦争中、私は5歳でした。戦争という異常なときだけに、断片的ではありますけれども覚えています。そういう記憶をたぐり寄せながら、子供の目から見た戦争を伝えたかった。私は、フィリピンのジャングルを毛布を背負い、母に手を引かれて降りしきる雨の中を転んでは起き、転んでは起きと、本当に母親に対して足手まといになったと思います。そういう私に対して母はいら立ちを隠せずに母のかけたその一言、「捨てるよ」、このたった一言で私は母への懐疑心、そして不信感となって成人するまで引きずってまいりました。戦争によってもたらされた母への不信感。実は母こそ苦しんでいたことを知ったとき、愕然としました。母が亡くなった今、やっと話せるようになりました。戦争とは、傷つき死んでいくばかりではなく、心に深い傷を負い引きずっていくこと、このむごさを戦争を知らない若い人たちに知らせたい、そういう思いでいっぱいです。
今、日本は大変危険な方向へ向かっています。憲法、教育基本法の改正への動きが活発化しています。今この時期にしっかりと伝えていかなければならない、そういう思いがこの本に込められております。
ここで私が最も気になることは、戦争を知らない世代が国会議員の大半を占め、戦争が何たるかを知らず法改正に動いていることの危うさです。
私ども護憲ネットワークでは、11月16日から23日まで中米のコスタリカへ行ってまいりました。武器を持たない平和憲法の国、一度は行ってみたい国でした。国の予算の3分の1をアメリカに援助されていても、言うべきことははっきり言う姿勢。これまでの軍需費をすべて教育につぎ込み、国の予算の25%を教育費に充て、徹底した環境教育や自然保護政策に取り組み、自然保護の立場から石ころ道の舗装もしない状況は、便利さにならされている私たちが先進国ばかりに学ぶのではなく、発展途上国に学ぶことの多さを知りました。そんな国が昨年3月19日に米国のイラク戦争支持表明をした。これを憲法違反とする学生が国を相手取って訴え、そしてことしの9月に違憲判決をかち取りました。
このことを彼は、当初国を訴えることが国へのダメージになるのではという不安もありましたけれども、司法がしっかりと憲法を守っていることで力の支配から法の支配へと世界にアピール、コスタリカの信用を取り戻すだろうということでした。私たちは、この学生へ会うことはできませんでしたけれども、前副大統領の講演で、コスタリカの長い歴史の中で隣国からの侵略と紛争を繰り返してきた反省に立って非武装とする平和憲法を定めてきた。忘れてはならないことにコスタリカの土壌に国民の民主主義の精神があったことでした。このことは琉球王朝時代の沖縄によく似ているような気がしてなりません。
片や日本では、憲法に違反して自衛隊をイラクへ派遣する行為がまかり通っていることへの危うさとおろかさを感じてなりません。
そこで質問いたします。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、イラクにおける日本人人質殺害と自衛隊派遣期限延長についてお尋ねいたします。
ア、小泉さんは、自衛隊のいるところが非戦闘地域だと国会で答弁しました。なんて誠意のない人をばかにした答弁だと聞く人は腹を立てました。待てよ、これは小泉さん自身の不誠実さと同時に、実は小泉さん自身、戦場がどんなものか知らないのではと思いました。国会でのこのようなやりとりで若い人たちに間違ったシグナルを送っているのではないか。そんなことで香田君がイラクへ出かけ、そして犠牲になったとしたら、国の責任は重いのではないか。小泉さん、日本へ帰りたいのですと救いを求めている青年に対して、小泉さんはテロには屈しないと。そして殺害されました。
フィリピンのアロヨ大統領が、たった一人のために軍隊を撤退させたことと対照的になりました。日本人の命がこんなにも軽いことに心が痛みます。
知事は、このことについてどうお考えでしょうか、所見を伺います。
イ、たった一人の日本の若者の命さえ守れない日本政府がイラクの人道支援と称し、自衛隊の派遣に矛盾を感じます。知事は、自衛隊のイラク派遣期限延長についてどうお思いでしょうか。
(2)、国が進めようとしている地方分権の一つとして道州制が導入された場合、沖縄県の位置はどうなりますか。諸井発言にもあるように一国二制度を取り入れるなど沖縄の伝統文化等特色を生かし、知事の積極的な意思表明をすべきではありませんか。このことについての所見を伺います。
(3)、下地島空港軍事利用について。
照屋寛徳衆議院議員の質問主意書に対して日本政府は、「屋良確認書」が現在でも効力を有するとしながらも、軍事利用もあり得ると見解を出した。それでも調整の権限は沖縄にあるとしている。沖縄の知事の強い姿勢が問われているかと思いますが、所見をお伺いしたいと思います。
2、基地問題について。
(1)、普天間飛行場の返還と事故責任の所在についてお尋ねいたします。
ア、ヘリ墜落事故の責任は、日米両政府と辺野古移設を容認した知事の責任も重大だと思いますが、どうでしょうか。
イ、ヘリ墜落事故から4カ月、知事の危険の除去とは一体どういうことでしょうか。その後の経緯はどうなっていますか、お尋ねしたいと思います。
普天間に残されている10機未満の飛行場ではもう機能は果たしておりません。即閉鎖と言うべきではないか、お尋ねしたいと思います。
事故以前は、ヘリの騒音をうるさいと思っていたのが、事故以後怖いと思うようになった。その事故現場周辺の市民は、いまだに恐怖におののいています。普天間が具体的にどう進展したのかお尋ねいたします。
ウ、9月議会の軍特委で知事公室長は、普天間が返還合意された基地として軍事再編見直しの最優先課題とすることを約束しました。いま一度確認します。
(2)、環境影響評価方法書についてお尋ねいたします。
ア、11月26日、護憲ネットワークの抗議に対して文化環境部長は、ボーリング調査の際、少なからず環境影響が出ることは予想されていたとする見解は、環境保全上問題と思います。環境を守る立場にある部長が多少の影響があるとすることこそ問題ではありませんか、お尋ねいたします。
イ、国際自然保護連合(IUCN)は、同調査がアセスの対象とするよう2度も勧告していることへの県の認識を伺います。
ウ、ボーリング調査がアセスの対象外とする根拠はどこにあるのか、お尋ねいたします。
エ、ボーリング調査作業員の危険な行為の現状を県はどの程度把握しているのか。
きょうの新聞によりますと、やぐらから落下してけが人が出ております。私どもは11月30日にその現場でそのような状況を目の当たりにしてまいりました。やぐらの上で押さえつける者、そして作業をする者、そのやぐらの周囲を3隻の船が守っています。そういう中で作業をしていることに対して、本当に県としてどの程度掌握しているのか、そういうことを許していいものかどうかお尋ねいたします。
オ、辺野古沖ボーリング調査台船足場によるサンゴの被害調査を県独自で行う予定はありませんか。事業者からの報告を待ってではなく、県独自の調査を求めていきたいと思います。
(3)、都市型訓練施設建設中止について。
防衛施設局から得た回答によると、ア、米軍は、レンジ4は必要な施設を集約する用地を確保できる場所として、伊芸地区住民の安全確保よりも軍事優先がうかがえます。このことに対して知事の所見を伺います。
イ、知事は県民の命や財産を守る立場から、国に対してもっと強い姿勢で中止を要請すべきだと思います。知事は今回の議会とそれから9月議会の答弁で何ら変わらない同じ答弁を繰り返しております。住民は、早急な政治的決着を待っております。
3、教育行政についてお尋ねいたします。
今回コスタリカに行く途中、フェニックス空港から乗り込んできた一人の日本人女性に出会いました。カナダに1年間留学しているというこの女性は、日本を離れて日本人としての誇りと文化に対する興味を覚え、インターネットで日本の情報を得ているとのことでした。改めて日本の若者を頼もしく思いました。
そこでお尋ねいたします。
(1)、「国を愛する心」を教育基本法に盛り込みたいとする自民党がなぜそこまでこだわると思いますか。また、この文言からどんなことを連想するか、知事と教育委員長にお尋ねいたします。
(2)、長年これまで教育にかかわってきた教育委員長は、生徒を教育・指導するに当たって教育基本法が障害になったことがおありでしょうか。
(3)、30人以下学級にすることによってどのような教育的効果を想定していますか。義務教育費の国庫補助が削減され、財源が厳しくなる中で30人以下学級の完全実施に係る財源の確保と、それに要する期間はどれぐらいかかるとお思いでしょうか、お尋ねいたします。
(4)、陳情にもあるように母性保護の立場から妊娠中の体育教職員の代替要員の必要性と、対象者人数と配置の予定の有無についてお伺いいたします。
(5)、複式学級の生徒の定数は何名で、定員オーバーの学級の数と、配置の必要な教職員の数はどれぐらいですか、お尋ねいたします。
(6)、水の大賞を受賞した宮古農林高校のように指定研究校が研究課題を継続している学校があれば紹介してほしい。
この中で、義務教育の中で研究校がずっと継続できないということでそのことも合わせて質問をお願いしたいところでしたけれども、高校教育の方で引き取ったということで、改めてまた次の機会に義務教育の方へ質問したいと思います。
4、福祉行政について。
(1)、DV、児童虐待について。
ア、虐待の早期発見や予防のため児童相談所や保育所、病院等との連携が必要とされるが、本県の現状はどうなっていますか。
イ、DV対策でも半数以上の自治体の窓口が夜間・休日の相談や緊急時の一時保護の対応ができていないと言われているが、本県ではどうか。また、予算措置はどうなっていますかお尋ねいたします。
5、我が会派の代表質問と関連して、米軍基地再編問題について平良議員の質問に対して知事の答弁の中で、日本政府が進めていることについての情報収集だの、それから小泉首相のリーダーシップに期待しているだの、このようにして本当に他力本願、人ごとのように聞こえて仕方がありません。小泉さんのリーダーシップに頼るのではなくて、知事自身のリーダーシップこそ問われているのではありませんか。
知事の訪米に対しても、見直し委員会の活動状況を見て云々と言っておりますけれども、このようではチャンスを生かすどころか、チャンスを失ってしまうのではないか、再度お尋ねいたします。
これで質問を終わりますけれども、答弁によっては再質問したいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 渡嘉敷喜代子議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、知事の政治姿勢についてのうち、イラクでの邦人犠牲者と自衛隊のイラク派遣についての御質問に一括してお答えを申し上げます。
今回の事件は極めて卑劣な行為であり、断じて許すことができません。犠牲になられた香田証生さんにつきましては、心から哀悼の意を表します。
このような犠牲者をなくすためには、平和で安定した地域を構築する必要があり、国際社会の協力のもと、国連が主体となってその役割を果たすことが望ましいと考えております。県としては、国連を中心としたイラクの復興が一日も早く実現することを期待しており、我が国も関係各国と協力しながら主体的に貢献していくことが望ましいと考えております。
自衛隊のイラク派遣については、自衛隊員の安全確保に万全の対策を講じられ、我が国の人道復興支援活動に対し、イラク国民の一層の理解が得られるよう努力する必要があると考えております。
次に、下地島空港の使用についての御質問にお答えをいたします。
下地島空港については、これまで米軍の使用を自粛するよう強く要請してきたところであり、いわゆる「屋良確認書」や昭和54年に県と国との間で確認した同空港の管理運営方針「西銘確認書」を踏まえた利用が行われるべきであると考えております。県としては、これまで日米両政府に対し、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減が行われるようあらゆる機会を通じて強く求めてきたところであり、新たな基地負担につながるようなことに対しては反対であることを明言しております。
次に、ヘリ墜落事故の事故責任についての御質問にお答えをいたします。
去る8月13日の沖縄国際大学への米軍ヘリの墜落事故は、人命の犠牲を招きかねなかった大変深刻な事故であり、事故の当事者である米軍と政府は重く受けとめるべきであると考えております。県は、普天間飛行場の危険除去については当面の最大の課題と考えており、事故発生後、速やかに日米両政府に対し、危険除去のための対策を講じ、危険性を限りなくゼロにするなど再発防止に万全を尽くすよう強く求めているところであります。
次に、危険除去の経過についての御質問にお答えをいたします。
普天間飛行場の危険除去は当面の最大の課題であり、普天間飛行場の現状を申し上げますと、同飛行場に配置されていた事故機と同型機は8月に6機がイラクに派遣され、10月に3機が岩国飛行場へ移動し、現在は残り2機となっており、目視情報では全機種合わせても10機程度しか残っていないとのことであり、事故以降、騒音が軽減されている状況になっております。
県は、イラクに派遣された普天間飛行場の常駐機の帰還については反対を表明しており、また再発防止策に関しても事故分科委員会における日米双方の専門家等の協議結果を踏まえた勧告が日米合同委員会で合意され、その結果を公表して県民の不安を払拭することを求めてきたところであります。
次に、陸軍複合射撃訓練場についての御質問にお答えいたします。
県としては、陸軍複合射撃訓練場の建設が計画されている場所は住民地域や沖縄自動車道に近く非常に危険であると認識しており、日米地位協定第3条第3項に規定する「公共の安全」への配慮が十分なされていないと考えております。
次に、陸軍複合射撃訓練場の建設の中止についての御質問にお答えをいたします。
県は、これまで米軍を初め日米両政府に対し、陸軍複合射撃訓練場の建設中止を求めてきており、去る10月16日に町村外務大臣が来県した際にも改めて建設中止を強く求めております。先日も県選出国会議員や与党関係者等にお会いし工事の中止を強く求めたところであります。県としては、今後とも金武町と密接に連携し、日米両政府に対しあらゆる機会を通じてさらに強く工事の中止を求めてまいります。
次に、「国を愛する心」についての御質問にお答えをいたします。
「国を愛する心」についてはさまざまな受けとめ方がありますが、みずからの国や伝統文化について理解し、日本人であることの自覚を持ち、他の国や異文化に対して敬意を払い、国際社会の一員としての意識を涵養することは重要であると考えております。
なお、公党の政策について述べることは差し控えたいと思います。
次に、訪米等についての御質問にお答えをいたします。
県としては、ブッシュ大統領の2期目の閣僚人事の状況や合衆国海外軍事施設の構成見直しに関する委員会の活動状況等を踏まえ、総合的な観点からより効果的な時期を見きわめて訪米したいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(花城順孝) 道州制における県の位置づけについての御質問にお答えします。
道州制につきましては、本年4月に設置した「道州制等研究会」で、九州地方知事会の「道州制等都道府県のあり方を考える研究会」の論点整理や北海道の「道州制特区」構想の事例、地方制度調査会における道州制の議論などを踏まえ、国と道州や市町村との役割分担、道州の財源、国からの権限移譲、産業振興、区域の設定等について課題の整理を行っているところであります。
道州制に対する県としての対応については、九州地方知事会での議論や第28次地方制度調査会の動向等も踏まえながら検討していきたいと考えております。
○知事公室長(府本禮司) 基地問題につきまして、普天間飛行場の返還についてお答えいたします。
県は、米軍再編の中で県として求める基地負担の軽減策はどのようなものであるべきか、普天間飛行場やキャンプ・ハンセンなどの在沖米海兵隊の兵力の削減や訓練の分散移転などを軸とした基本的考え方を取りまとめているところであります。
次に、ボーリング調査の現状につきましてお答えいたします。
ボーリング調査作業について、那覇防衛施設局に確認したところ調査会社からは、妨害者に対し、妨害行為をやめるよう注意喚起はしたとの報告を受けている、安全には最大限の注意を払い作業を進めたいとのことでありました。県としては、調査が円滑に進められるようその実施に際しては混乱を回避し、安全に留意しながら調査を実施するよう申し入れております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) ボーリング調査についての見解についてお答えをいたします。
ボーリング調査の実施に当たり、スパット台船や固定ブイやぐらを設置する際に、海面の上下動によりやぐらの足部分がサンゴ類等が定着する基盤を攪乱するおそれがあることは、公共用財産使用協議のときにある程度想定されていたことであります。そのため、事業者は、公共用財産使用協議の際の「地質調査・海象調査の作業計画について」において、海底との接地面積が比較的小さい3種類の足場を使用するとし、また事前に潜水調査を実施してサンゴの分布状況等に配慮し、調査地点及び足場等の向きを決定するとしてサンゴへの影響はおおむねなしと見積もっております。また、県としても同協議への同意の際に調査の実施による環境影響をより低減する観点から、基盤の破壊や踏みつけなどの環境攪乱をできるだけ避けること等の意見を述べたところであります。
次に、ボーリング調査等に関するIUCNの勧告についてお答えをいたします。
当該勧告の内容は、日本政府とアメリカ合衆国政府に対する要請であると承知しております。現行の環境影響評価法においては、事業を建設工事や土木工事など具体的な工事としてとらえられる範囲に限定しており、計画策定のために行われるボーリング調査等の事前調査は同法の対象となっておりません。そのため、同勧告は法の改正等の法制度にかかわる要請であると考えております。
次に、ボーリング調査がアセス対象外である根拠についてお答えをいたします。
環境影響評価法においては、事業を建設工事や土木工事など具体的な工事としてとらえられる範囲に限定し、対象となる事業種を定めておりますが、その中にはボーリング調査は含まれておりません。また、当該ボーリング調査は、代替施設建設事業の計画策定のために行われているもので、具体的な埋立工事や埋立地の存在、供用時の活動による環境影響を予測・評価するために実施されているものでもありません。
以上のことから、ボーリング調査等の事前調査は同法の対象とはなっておりません。
ボーリング調査によるサンゴ被害の調査についてお答えをいたします。
公共用財産使用協議の際の環境配慮事項においては、地質調査及び海象調査の実施時に環境への著しい影響が生じるおそれがあると確認された場合は、関係機関へ報告することとされております。今回のスパット台船設置による環境への影響については事業者に確認したところ、早急に調査を行い報告する旨の回答を受けておりますが、現在のところまだ報告はありません。県としては、報告を受けて内容を検討し、必要に応じ、作業の実施に当たっての十分な環境への配慮を求めていきたいと考えております。
以上です。
○教育委員会委員長(徳山盛彦) 「国を愛する心」についてお答えいたします。
「国を愛する心」については、中学校学習指導要領に、地域社会の一員として自覚を持って郷土を愛し、日本人としての自覚を持って国を愛し、世界の中の日本人としての自覚を持ち、国際的視野に立って世界の平和に貢献することが示されております。郷土や国を愛する心は社会の形成者として必要な資質であり、このような観点から指導することは大切であると考えます。
なお、公党の政策について述べることは差し控えたいと思います。
次に、教育基本法についてお答えします。
教育基本法は、すべての教育法令の根本法であると認識しております。
戦後の教育は、同法の理念にのっとり展開され、教育の機会均等や量的拡大及び教育水準の向上が図られ、我が国の経済社会の発展に大きく寄与してきたものと考えております。しかしながら、同法の制定当時と社会状況は大きく変化し、教育のあり方も変容を遂げてきていることから、現在、教育基本法についていろいろな意見があることも事実であります。
教育基本法については、各方面からの多様な意見を集約するなど幅広い論議が必要であると考えております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 30人学級についてお答えいたします。
少人数学級編制の教育的効果については、児童一人一人へのきめ細かな学習指導や生活指導の充実が図られるものと考えております。しかしながら、県内の小中学校の全学級を30人学級にすると数十億の財政負担増となり、現状ではその実施は厳しいものがあります。今後については、国の動向などを踏まえ対応していきたいと考えております。
体育代替教員についてお答えいたします。
現在妊娠中の職員に対しては、「沖縄県職員の勤務時間、休日及び休暇等に関する条例」等により勤務上の緩和が図られております。学校においても授業内容を工夫したり、実技を伴う指導内容の場合には授業交換をしたり、他の教員が授業を持つなどして勤務緩和への対応がなされております。代替教員については、その必要性等について検討していきたいと思います。
なお、対象者人数等については掌握しておりません。
複式学級についてお答えいたします。
複式学級の編制基準については、小学校1年生を含む場合は8名、その他の学年では16名、中学校の場合は8名となっております。
なお、学級編制については、学校長の意向や市町村教育委員会の協議を受け、教職員の配置について対応をしているところであります。
次に、高等学校の研究活動についてお答えいたします。
本県の高等学校においては、スペシャリストの育成を目指し、地域に密着した独自の研究がなされております。主として北部農林の琉球在来の豚「アグー」の研究、中部農林の野生ランの増殖、南部農林の新種の芝「パスパラム」の研究、八重山農林の赤米の商品化、沖縄工業の手軽に塩を精製する低温海水結晶化装置の開発、中部工業や宮古工業のITロボットの研究等数多くあります。これらの研究は、生徒の継続した粘り強い取り組みと教師の熱心な指導の成果であり、県教育委員会といたしましてはこのような研究活動を一層支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 児童虐待防止における関係機関の連携の現状についてお答えいたします。
児童虐待防止に当たっては、児童虐待防止にかかわる市町村、保育所、学校、医療機関等の関係機関相互が密接な連携を図るためのネットワークの構築が重要であることから、市町村における児童虐待防止ネットワークの設置を促進しており、現在、那覇市など12市町が既に設置済みとなっております。さらに、今年度じゅうに石垣市など3市町が設置を計画しているところであります。
市町村ネットワークにおいては、事例検討会議等の定期的な開催や各機関の役割分担を決定したり、緊急時の迅速な対応方法をあらかじめ決めるなどの取り組みを行っているところであります。今後とも未設置の市町村における当該ネットワークの早期設置を促進するとともに、既に設置済みの市町村については、当該ネットワークがより効果的に機能するように働きかけていきたいと考えております。
続きまして、DV被害女性等への夜間・休日の対応及び予算措置についてお答えいたします。
本県では、DV等の相談業務については県女性相談所において土、日、祝日も午後5時まで実施しており、緊急保護については24時間体制をとっております。
なお、平成16年度の女性相談所の運営に係る経費として約4800万円を計上しております。
以上でございます。
○渡嘉敷喜代子 答弁漏れがあります。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後3時41分休憩
午後3時42分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
渡嘉敷喜代子君。
〔渡嘉敷喜代子君登壇〕
○渡嘉敷喜代子 再質問いたします。
「国を愛する心」ということであえて教育委員長にやりましたのは、教育長がこれまでとても優等生の発言をするものですから、教育委員長でしたら本音で話してくれるのかなという願いで話をしましたけれども、やはりその域を出ない答弁でしたけれども、国を愛する心が本当に教科書の中で教えるべきものなのか、強制してやるべきものなのかというように大変疑問がわいてきます。これはおのずと出てくるものであって、強制してこの教科書の中で教えるべきものではないと私は思います。
それから知事の答弁の中で、都市型訓練施設建設の中止について、町村大臣とかそれから県選出の与党議員に対してお願いをしたというような答え方をしていますけれども、基地問題解決に対してはやはり超党派で取り組んでいかなければ進展しないという思いがいたします。
それからさきの答弁に対しても地位協定に阻まれているという言い方をしていますけれども、このような中に本当にナンセンスな答弁の仕方ではないかというような感じがしてなりません。今後の対応策、どんどん工事は進んでいくわけです。そこで本当に中止をさせなきゃいけないのか、そういう気持ちで知事は取り組んでいただきたい、そういう思いであります。
それから下地島空港の軍事利用についてでありますけれども――きのう、きょうですか――そこを給油のために軍事利用しております。あしたもやるだろうということで先ほどの玉城議員に対しての答弁もありませんでした。いま一度お答えお願いします。本当にこの「屋良確認書」を切り札に知事はもっと強い姿勢で臨まなければいけない、そういう思いであります。
それからボーリング調査ですけれども、そのアセスの第31条対象事業の実施、この項目で本当に公告を行うまで対象事業を実施してはならないというふうにして言われておりますけれども、これは環境庁の関係部局が監修した環境評価の逐条解説の中で言われております。この件についていま一度お尋ねしたいと思います。
それから時間がありませんので、この教育基本法の改悪にも伴うことですけれども、憲法の問題でいま一度ちょっと触れたいと思います。
きのうファクスが届きまして――赤松良子さんから入っておりますけれども――「ベアテの贈りもの 映画「ベアテの贈りもの」が完成した。」、これを読み上げて紹介したいと思います。 ベアテとは、1945年から47年、GHQで働いたベアテ・シロタ・ゴードン(82歳)が日本国憲法14条と24条にかかわってきた草案を書いたということで映画になっております。このベアテ・シロタ・ゴードンさんは、22歳のときに日本女性のためにすばらしいお仕事をしたと。そして日本国憲法への熱い思いを語っております。実にチャーミングな主演女優であるということの紹介があります。
この中で、本当に日本国憲法がこのGHQの皆さんの日本に対する熱い思いでこの草案がなかったならば、本当に日本の女性は家父長制のもとで無権利状態で今なお戦前と変わらないそういう状況にあっただろうということです。そういうことで本当にこの憲法というのはすばらしい贈り物として私たちはこの精神を受け継いでいかなければならない。そして教育基本法もこの憲法の理念に基づいてつくられたものということで紹介したいと思います。
先ほどの質問にまた知事はお答えいただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 金武町の問題につきましては、現在でも金武町と密接に連携をとっておりますが、あくまでも訓練場の中止に向かって全力を尽くしてまいります。
次に、下地島についてですが、これは既に「屋良確認書」、そして「西銘確認書」に盛られている精神を受け継ぎまして、軍事利用につながらないように今後ともしっかりと発言をしていきたいと思います。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 再質問にお答えいたします。
先ほども御答弁申し上げましたが、ボーリング調査は、環境影響評価法では事業というものを具体的な土木工事などと具体的に工事としてとらえられる範囲に限定して対象となる事業種を定めております。その対象となる事業種につきましては、環境影響評価をした後でなければ実施はできません。そういう意味で法律には環境影響評価を実施して工事を着手すると、こういうことに規定されておりますが、現在実施されているボーリング調査、これはアセス法の対象となるボーリング調査ではございません。
○髙嶺 善伸 こんにちは。
通告書の順を追って一般質問を行います。
まず、知事の政治姿勢についてでありますが、国境警備と中国潜水艦の領海侵犯事犯についてお伺いいたします。
11月10日、石垣島周辺海域で国籍不明の潜水艦が領海侵犯し、国籍確認を無視しながら潜航したまま中国方面の排他的経済水域外に去りました。
11月16日、中国政府は、調査の結果、当該潜水艦は中国の原子力潜水艦と確認した。通常の訓練過程で技術的な原因で石垣水道に誤って入ったもので、事件の発生を遺憾に思うと述べ、小泉総理は、中国政府が陳謝したものと受けとめる、今後の友好発展に支障にならないよう再発防止を求めていくと談話を発表して幕が引かれました。当時、県民にはマスコミ報道でしか知らされず騒然とし、県民及び国境警備に対する日本政府の危機管理のずさんさを痛感いたしました。
そこで稲嶺知事にお聞きいたします。
ア、今回の事件の概要と県の対応及び国境警備のあり方についてどのようにお考えでしょうか。
イ、中国の軍事増強や尖閣諸島の領有権、海洋権益をめぐる中国脅威論が新防衛大綱にどのように反映されるのか、沖縄の安全性はどのように確保されるのか、県の認識をお聞かせください。
次に、下地島空港等の軍事利用についてでありますが、下地島空港がパイロット訓練飛行場として建設されたとき、建設賛成派と軍事利用を懸念する反対派が島を二分し流血事件に発展し、琉球政府は事態を収拾するため1971年、屋良主席と日本政府の間で、下地島パイロット訓練飛行場は民間航空機訓練及び民間航空以外の目的には使用しないといういわゆる「屋良確認書」が合意されました。いわゆる軍事利用を明確に禁じたのであります。
ところが、照屋寛徳衆議院議員の質問主意書に対する11月12日の政府答弁は、「パイロット訓練及び民間航空以外の利用が当然に許されないということではないと考える」と回答しております。これは、過去のいきさつを無視するものであり看過できません。去る11月28日には宮古圏域の市町村や議会、住民の皆さんが軍事利用反対の総決起大会を開催し、地元の反対の意思が明確に表明されました。
そこで稲嶺知事にお聞きいたします。
ア、「屋良確認書」の効力に対する知事の認識と政府見解への対応についてお伺いします。
イ、有事法に関連した下地島空港の使用についての御所見を伺います。特に、知事はこれまでの代表質問、一般質問に対し、新たな基地負担は反対である、軍事利用は反対と答弁してまいりました。ところで、周辺事態対処法第9条の1項(国以外の者による協力等)で、国は「地方自治体の長に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる」とされておりますが、その有する権限の行使について空港管理者である稲嶺知事に対し下地島空港の使用を求められたとき、「屋良確認書」を正当な理由として拒否する根拠として示すのかどうか、明確にお示しください。
ウ、下地島空港及び周辺地域の非軍事利用を早急に進め、離島振興策を明らかに進めた方がいいと思いますが、取り組みの現状についてお聞きしておきます。
次に、コスタリカに学ぶ沖縄の役割についてお伺いします。
先ほども渡嘉敷議員から御紹介がありました。護憲ネットワーク県議団は、11月16日から23日まで中米のコスタリカを視察してまいりました。人口400万人という小さな国でありますが、国連平和大学を設置して平和、人権、国際交流、紛争解決等々の教育プログラムを展開し、国際的な人材育成の役割を担っております。
それは、過酷な侵略と武力抗争の反省に立ち非武装、永世中立の平和憲法を定め、武力によらない紛争解決の先頭に立っていることが国連から評価されたのであり、コスタリカはそれによって1987年にノーベル平和賞を受賞したのであります。また、地球の自然を守るための「国連地球評議会」の本部事務所も設置されており、かつて国土が乱開発されその反省に立って、残された自然保護に国を挙げて環境教育や自然保護政策に取り組んでいることが世界から評価されたのであります。
東アジアに平和と自然保護の情報発信を担えるのは沖縄だと思います。辺野古の新基地建設が自然を破壊するのは明らかであり、建設を前提とした事前調査は環境アセスの対象になると主張することが後世の評価につながるのではないでしょうか。稲嶺知事にコスタリカに学ぶ沖縄の役割について御所見を伺います。
ア、憲法第9条を生かし軍事基地を沖縄から撤廃させる決意を表明し、国際交流による平和構築のかなめとしての役割を国内外にアピールするために「沖縄平和宣言」をしたらどうでしょうか。
イ、世界遺産候補としての琉球諸島の自然を守る環境行政の確立のために辺野古への新基地建設を中止させるべきではないでしょうか、お答えいただきたいと思います。
次に、交通運輸行政についてであります。
まず、新石垣空港建設問題。
県議会は、平成17年度新規事業採択の3度目の要請決議を全会一致で行い、12月3日に内閣府、財務省、国土交通省等関係要路へ要請行動を行ってまいりました。新石垣空港建設計画は30年近い年月を経過しており、いよいよ正念場であります。いみじくも25年前から新石垣空港問題とかかわってきた国土交通省航空局飛行場部計画課の須野原課長は、今回を逃してはいけないという危機感もある、事務方への叱咤激励をお願いしたいと逆に要請しておりました。稲嶺知事は、位置選定からこれまで新石垣空港建設に強力に取り組んでいただいており、平成17年度の重点施策でも実施設計に取り組むと明記しており感謝しております。
そこでお伺いいたします。
ア、新規国庫事業採択に向けての取り組みをお聞かせください。
イ、事業執行の地元の決意を示すためにも来年度以降の執行体制の強化を示す必要があると思われますが、その取り組みについてお聞かせください。
次に、航空運賃軽減についてであります。
離島は海を隔てており、大方飛行機に頼っており、機種が小さくなるにつれて運賃も割高になる傾向にあります。そして、児童生徒のスポーツ等の派遣旅費は離島ほど大きな負担になっております。また、ふるさとを離れて暮らしている県出身者が正月やお盆、冠婚葬祭で里帰りしたい場合、離島出身でありながら離島割引運賃の適用が受けられないというのが実情であります。
また、八重山ではマンゴー等熱帯果樹の積み残しや特産品の積みかえでピーク時に貨物積載量に弾力的に対応できる機材の運航を期待して要望しておりますが、改善策についてお聞きしたい。
ア、児童生徒の派遣等特別割引、里帰り等特別割引制度等の創設や離島割引運賃制度の拡充について取り組んではどうだろうか。
イ、公租公課等の軽減による航空運賃軽減策について取り組めないのか。
ウ、離島振興のためにコンビネーション機材、例えばボーイング737-700等の運航はできないかについてお答えいただきたいと思います。
環境行政についてでありますが、西表島では天然記念物のイリオモテヤマネコが外来種のオオヒキガエルという毒ガエルを食べて死亡するという事件が起きており、緊急な対策を訴えております。
11月9日には第51回高校生による生物化学展があり、県立八重山農林高等学校のエコリサーチ部が石垣島に生息するオオヒキガエルの実態を4年間調査、その生態を発表し優秀賞を受賞し、来年2月の九州大会に出場するといううれしいニュースが報じられました。早速同校をお訪ねし調査結果をお聞きしましたら、オオヒキガエルは、さとうきびの病害虫であるアオドウガネの天敵として石垣島に導入されたのがきっかけで、現在、石垣島全域に繁殖、西表島にも広がっており生態系に深刻な影響を与えているということであります。オオヒキガエルは体長が15センチもある大型のカエルで、日に20キロをどん欲に食べ、昆虫など小動物などを手当たり次第に捕食し繁殖力も旺盛で、水田地帯だけでも1万3000匹程度生息していると推測、悪いことには耳腺から大量の毒液を分泌し、人身への被害も及ぶということであります。
そこでお伺いします。
ア、外来種の本県における実態と対応策についてお伺いいたします。
イ、オオヒキガエルの被害が大きいと言われるが、今後の対策をお聞かせください。
4、医療行政について。
離島医療に対する考え方についてお聞きします。
「県立病院の今後のあり方検討委員会報告書」によれば、県立中部病院と那覇病院を広域的基幹病院と位置づけ、周辺圏域県立病院を地域病院としております。宮古、八重山の県立病院は中核病院としての機能・役割を持っていますが、さらに離島・僻地に診療所を抱えており、住民にとって救命救急医療や高度・特殊医療も受けられる病院としての期待が大きいのであります。
そこで、離島医療に対する今後の計画はどうなっているかお聞かせください。
次に、県立八重山病院の拡充についてでありますが、八重山圏域の離島医療では八重山病院の果たす役割は大きいのであります。しかし、症状や病気によっては沖縄本島の病院にわざわざ移送しているのが現状であります。特に血管造影撮影装置、いわゆるアンギオ装置は離島における中核病院としては必要不可欠な医療機器でありますが、現状は不備であります。
そしてまた、あわせて慢性的な医師不足の課題もあります。これらの問題について今後の対応策をお聞かせください。
5番目に、旧軍飛行場問題の解決促進についてお伺いします。
平成17年度の重点施策において、旧軍飛行場用地問題については、旧軍飛行場問題県・市町村連絡調整会議を中心に各地主会や関係市町村長の意見を聞いた上で国に対する要望案を取りまとめ、同問題の解決を要請するなど国との協議・調整を進めるとされております。県は、団体補償による解決で決着を図りたいとの意向であるが、地主会では依然として個人補償の要望が強いと聞いております。戦争中とはいえ契約の状況、土地代金支払い状況等を当時の資料により判断したとき、旧地主関係者の無念さがよく理解できます。ぜひ適正な解決ができるよう取り組んでいただきたい。
(1)、沖縄振興計画に戦後処理事案として解決すべき課題として位置づけられた意義をどのように認識しているのか。
(2)、個人補償が困難であるとの県の判断の根拠は何か。
(3)、団体補償は可能だという県の判断の根拠は何か。また、見通しについてお聞かせください。
そして最後に、解決に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。
答弁により再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 髙嶺善伸議員の御質問にお答えいたします。
最初は、「屋良確認書」についてでございます。
下地島空港については、これまで米軍の使用を自粛するよう強く要請してきたところであり、「屋良確認書」等の趣旨に基づき下地島空港を管理運営するという県の姿勢は一貫しております。県としては、これまで日米両政府に対し、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減が行われるようあらゆる機会を通じて強く求めてきたところであり、新たな基地負担につながるようなことに対しては反対であることを明言しております。
次に、周辺事態法に関連した下地島空港等の使用についての御質問にお答えいたします。
県としては、周辺事態対処法第9条に基づき政府から下地島空港等の使用の申し入れがあった場合には、県民の生命財産を守る観点から適切に対応していきたいと考えております。
なお、県としては、周辺事態が万が一にも発生しないことを願うものであり、政府においてはこれまでにも増して不断の外交努力を行っていただきたいと考えております。
次に、「沖縄平和宣言」についての御質問にお答えいたします。
沖縄県は、毎年6月23日の沖縄全戦没者追悼式において「平和宣言」を実施しており、世界の恒久平和を希求する沖縄の心を発信しているところであります。また、アジア・太平洋地域の平和に貢献している個人や団体を顕彰する沖縄平和賞を通じて平和の構築・維持に主体的にかかわるとともに、沖縄平和賞関連事業などにより沖縄とアジア諸国との相互理解を深め、平和友好のかけ橋を築くことを目指しています。今後ともこれらの事業を継続して実施し、本県がアジア・太平洋地域における平和交流拠点となるよう努めてまいります。
次に、辺野古への代替施設建設についての御質問にお答えを申し上げます。
県は、普天間飛行場代替施設の移設候補地を選定した際、地域住民の生活と自然環境への配慮を国に強く申し入れ、国は平成11年の閣議決定において「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」との「安全・環境対策」の方針を示しております。県としては、環境影響評価の手続の中で国において適切な措置がなされるものと考えておりますが、引き続き地域の住民生活や自然環境への影響を極力少なくするよう求めてまいります。
続きまして、新石垣空港の事業採択に向けての取り組みについての御質問にお答えいたします。
新石垣空港の建設は県の重要な課題であることから、平成17年度の新規事業化はぜひとも実現したいと考えております。このため、地元石垣市と一体となって関係するあらゆる要路に対し要請活動をしてきました。
私は、6月に続き去る12月1日には全国空港建設整備促進協議会の会長代理として、「一般空港を考える懇談会」の総会に出席し、関係する国会議員に対し全国の地方空港の建設とあわせて新石垣空港の事業化について要望しました。総会終了後は、懇談会の役員とともに谷垣財務大臣に直接お会いし、新石垣空港の新規事業化について強く要望したところであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 領海侵犯事件の概要及び県の対応、国境警備のあり方についてお答えをいたします。
事件の概要は、11月10日午前5時40分ごろ、石垣島南東の日本領海に不審潜水艦が領海侵犯し、午前7時40分ごろ領海外に出ました。再び領海侵犯をするおそれがあることから、午前8時45分に海上警備行動が発令され、沖縄本島の北西約500キロまで追尾し、当面再度我が国領海に戻ってくるおそれがなくなったことから、約55時間後の12日午後3時50分に解除されております。県において当該事件を把握したときには、潜水艦は領海外に出ていたことから、情報収集に努め国の対応を見守っていたところであります。
本県の離島は、経済水域や海洋資源の確保等我が国の国土保全の面でも重要な役割を担っております。これら離島の定住促進を図ることは、尖閣諸島問題に見られるように安全保障の上からも重要であり、国境を守るためにも国策として取り組んでいただきたいと考えております。また、国において領海警備を徹底し、安全確保に万全を期し適切に対応することが必要かつ重要であると考えております。
次に、外来種の実態についてお答えをいたします。
本県に持ち込まれ繁殖が確認されている外来生物は、哺乳類では10種ほど、鳥類で20種ほど、魚類、昆虫類等その他の動物では100種を超えていると言われております。
外来生物の中には在来生物の捕食、生息環境の競合による在来生物の駆逐、交雑による遺伝的な攪乱などの生態系への被害や、かみつきや毒等による人の生命や身体への被害を及ぼすおそれのあるものがあります。このため国では、外来生物による被害等を防止するため、ことし6月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」――略称「外来生物法」といいますが――その法律を制定したところであります。県では、現在ヤンバル地域の生態系保全のためにマングース駆除事業などを実施しております。今後とも、生態系に影響を及ぼす外来生物の対策を進めてまいります。
次に、オオヒキガエルの被害と対策についてお答えいたします。
さとうきびの害虫駆除のため1978年に石垣島に導入されたオオヒキガエルは、現在ではきび畑以外の森林にも生息し、雑食性であることから昆虫などをどん欲に捕食し、在来の生態系に影響を及ぼしていると言われております。
国においては、西表島においても生息が確認されていることから、平成13年度よりオオヒキガエルの監視駆除を行っているところであります。また、国ではオオヒキガエルについて「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」による特定外来生物の指定に向けて検討しているところであり、今後、外来生物対策が推進されることとなると考えられます。
県としては、今後とも生態系に影響を及ぼす外来生物の対策について国と連携し取り組んでいきたいと考えております。
○知事公室長(府本禮司) 新防衛大綱についてお答えいたします。
新防衛大綱は、小泉総理のもとに設置された「安全保障と防衛力に関する懇談会」における議論等を踏まえ、今年中に策定するよう政府において現在取り組んでいると聞いております。我が国周辺を取り巻く状況とその対応策については、同懇談会における議論等を踏まえ新防衛大綱に反映されるものと思っております。
次に、旧軍飛行場関係について、まず、沖縄振興計画に位置づけられたことの意義についてお答えいたします。
国は、旧軍飛行場用地について正当な手続を経て国有地になったものであり、嘉手納裁判の結果も踏まえ旧軍飛行場用地問題は決着済みとしていました。しかし、沖縄振興計画に位置づけられたことは、この問題が未解決の戦後処理事案であるとの国の認識につながったものであり、県としては、関係市町村と連携しながら同問題を国と協議する道筋ができたものと考えております。
次に、個人補償が困難である判断根拠についてお答えいたします。
個人補償は、土地の対価あるいは土地使用の対価に相当するものを金銭で旧地主に補償することを意味するものであります。調査報告書では、個人補償を求める根拠について、1、強制収用であったかどうか、2、戦争終結後に土地を地主に返す、払い下げるとの口約が適用されるかどうか、3、土地の対価が支払われていたかどうか、4、米軍に接収された土地との不公平の問題の4点から検討した結果、法的に個人補償を求めることは困難であると結論づけています。
また、過去の戦後処理事案を検証したところ、被害実態、権利関係が明白に証明されたものについては個人補償がなされているが、旧軍飛行場の場合、土地代金を現金で受け取った者、一部受け取った者、国債等で受け取った者等が存在しております。また、嘉手納裁判の結果を踏まえ、国は土地代金そのものについても解決済みと主張している中で個人個人の補償額を算定し、かつ証明することは困難であり相当の期間を要するとしています。
県は、このような検討結果や県民の総意として国に沖縄振興計画に位置づけるよう要望したことを踏まえ、個人補償では国の理解を得ることが困難であるとの判断になりました。
次に、団体補償の根拠及び見通しについてお答えいたします。
団体補償は、各市町村や旧軍飛行場ごとに解決策を求めたいとする考え方であります。県は、個人補償は法的根拠がないこと、個人補償では解決のめどが立たないこと、沖縄振興計画への位置づけを要望したこと等を根拠に、去る11月24日に開催された政策会議で団体補償を解決策として推進することを基本方針として確認しました。しかしながら、この方法による解決策を模索するに際しても各地主会の同意が前提となっていることから、理解が得られるよう今後とも各地主会や市町村と協議したいと考えております。
次に、今後の取り組みについてお答えいたします。
県は、去る11月24日に開催された政策会議で、沖縄振興計画に位置づけられた背景や委託調査報告書も参考にしながら総合的に検討した結果、団体補償を解決策として推進することを基本方針として確認しました。
この考え方については、旧軍飛行場用地問題県・市町村連絡調整会議で説明し、また各地主会とも協議を行い理解を得たいと考えております。今後、県としては県・市町村連絡調整会議を中心に要望案を取りまとめ、できるだけ早く戦後処理としての解決を国に求めていきたいと考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 下地島空港周辺地域の振興策についてお答えいたします。
下地島空港周辺公有地の有効利用については、空港機能と連携し、地域の特性を生かしたリゾート型の観光振興等の土地利用を図ることとし、事業導入に当たっては民間活力を積極的に活用することを基本としております。これまで伊良部町と連携を図りながらコミュニティーアイランド事業、体験滞在交流促進事業、都市農村交流施設整備事業を活用した宿泊施設等のほか、パブリックゴルフ場、通り池の歩道の整備等に取り組んできたところであります。
下地島空港周辺公有地の有効利用は、宮古圏域の活性化に寄与するものであり、今後、伊良部架橋の事業化及び宮古地域の市町村合併が進められていく中で町及び関係機関と連携を図りつつ、広域的な視点で取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 新石垣空港整備事業の執行体制についてお答えいたします。
新石垣空港の整備事業は、過去の経緯が示すように全国的にも注目されており、赤土流出対策等自然環境に配慮した事業として取り組むことが重要であります。事業化が認められますと、万全な環境保全対策や用地取得等に適切に対応し円滑な事業推進を図る必要があります。このため、平成17年度から職員の増員等組織を機能拡充し、執行体制の強化を図る必要があると考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 離島航路、離島航空路線の割引運賃制度の創設等についてお答えいたします。
離島県である本県にとって航空運賃の低減を図ることは重要であることから、県ではこれまで県管理空港の着陸料を軽減し、これをもとに航空会社が割引を実施しております。
御提案の割引運賃については、コストや需要動向等を勘案しながら各航空会社において検討されるものであると考えております。
同じく離島における航空運賃軽減策の取り組みについてお答えします。
現在、那覇―本土を結ぶ路線及び一定の要件を満たす離島路線の航空機燃料税と那覇空港の着陸料等が軽減をされております。加えて、県管理空港の着陸料についても軽減しているところであります。県としては、今後とも公租公課の軽減措置の継続・拡充に向けて関係機関と連携して取り組んでまいります。
次に、コンビネーション機材の運航についての御質問にお答えします。
旅客と貨物の混載が可能なコンビネーション機の運航につきましては、航空会社においてその需要やコスト等各面から検討するものであると考えております。県としましては、離島の産業振興を図る上で航空輸送力の確保は重要と考えており、貨物の需要動向を踏まえ必要に応じ航空会社に働きかけてまいります。
以上でございます。
○病院管理局長(平井哲夫) 離島医療に係る県立病院の今後の計画についてお答えいたします。
宮古及び八重山の両圏域では、本島と比較して民間の医療機能が十分でないことから、県立病院が当該圏域の中核病院としての役割を担っていくこととしております。このため、宮古・八重山病院においては地域の医療機関との連携を図りながら急性期を中心とする2次医療や救急医療を提供するとともに、可能な限り地域で完結できる医療体制の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、県立八重山病院の血管造影撮影装置の整備と医師確保についてお答えをいたします。
八重山病院の医療機器についてはこれまでも計画的に整備を進め、診療機能の充実に努めてきたところであります。
血管造影撮影装置、いわゆるアンギオについては現機器が老朽化していることから早期に対応する必要があると考えており、年度内に整備する方向で八重山病院と調整を進めているところであります。
医師確保については、中部病院での臨床研修修了医を配置するとともに、引き続き地元の琉球大学や県外大学への派遣要請、ホームページによる募集等も行い、その確保に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○髙嶺 善伸 先ほど新石垣空港の取り組みについてお聞きしました。次年度から陣容を増強して取り組むという姿勢が見られます。私たち地元郡民としては大変心強く思って感謝を申し上げます。
今回、県議団要請の中で内閣府大臣官房の和田智明審議官がいみじくもこういう話をしておられました。今のところ財務省と話をして何ら問題が起きてないと。しかし予算というものは最後までわからない。大丈夫と思っていたら予算がついてないことがあるということでどきっとしましたが、12月20日には予算内示と聞いておりますので、ぜひ知事を先頭にして予算がきちっとつけられ、新規事業採択ができるように取り組んでいただきたいと。きょう石垣市議会も要請に行っております。波状的に行っておりますが、何よりも執行部の取り組みが今大事かなとこう思っておりますので、御協力をお願いを申し上げたいと、こう思っております。
再質問に入ります。
下地島空港の軍事利用をさせない、新たな基地負担は反対だと言いながら、個別にじゃどうするかというときに、周辺事態対処法第9条の使用依頼が出たときに下地島に関しては過去のいきさつで、こういう確認書があるのでだめだということを明確に言っておくことが必要じゃないのか。これは「屋良確認書」は、運輸省としては民間航空以外の目的に使用させる意思はない。また、「西銘確認書」でも第3種空港である下地島空港というのは第一義的には沖縄県が決める問題であるというふうにしておりますので、やはり過去のいきさつを十分知事が認識した上で、絶えず下地島に限ってこういうことについては応じられないということを明確にする必要があると思うんですよね。
それで、周辺事態法の都道府県への説明のときの議事録を見てみますと、一般的な協力義務といいまして、もし管理者が拒否をすることができるかといったら、正当な理由があれば拒否もできる、それに対しては何ら制裁的な措置はないということなんです。したがって、その周辺事態対処法の第9条第1項に基づいて国から使用を求められた場合は、こういう確認書があるので提供はできませんとはっきり私は申し上げることが方針を確認することだと思いますので、改めて稲嶺知事に御答弁をお願いします。
あわせて、きょう、こういうふうな形で使用されておりますが、日米地位協定の第5条の場合はどうするのか、これもあわせて答弁をお願いしたいと思います。
それから沖縄振興計画で位置づけられていますが、国連機関の誘致の可能性を検討する。コスタリカは憲法を定め、非武装で平和理念を明確に出しているんですよ。だから国連も評価してそこに国連平和大学を設置したんです。だから基地を認めながら平和を唱えるというのには少し国際的な評価は弱いんじゃないかなという気がしますので、そういう意味では基地撤廃に対する毅然とした対応を示すことが国連機関の誘致に必要だと思いますので、改めて決意をお聞かせください。
それからオオヒキガエルですが、大変深刻な状況であります。先ほど部長の答弁では、特定外来生物の指定をさせたいということでありますので、こういう制度的な法的な指定ができたとするとどのような対応策ができるのか、これは緊急的な措置が必要だと言われておりますので、指定された場合の対応策についてお聞かせいただきたいと思います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後4時31分休憩
午後4時33分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 髙嶺議員の御質問にお答えをいたします。
県としては、周辺事態対処法第9条に基づき政府から下地島空港等の使用の申し入れがあった場合には「屋良確認書」、「西銘確認書」の精神を踏まえ、県民の生命財産を守る観点から適切に対応していきたいと考えております。
なお、日米地位協定第5条に関連してお答えをいたします。
米軍機の民間空港の使用については日米地位協定第5条で認められておりますが、緊急やむを得ない場合を除き米軍機の使用を自粛してもらいたいというのが県の一貫した方針であります。
それと国際機関の問題ですが、これにつきましては私どもとしては大変厳しい状況にある中で、平和を求めるという形でこの精神を生かして国際機関の誘致に努めていきたいと思っております。
なお、最終的に平和で豊かで基地がない島というのはこれは私たちの願いであります。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 特定外来生物に係る法律でございますが、この特定外来生物は、生態系に係る被害を及ぼし、または及ぼすおそれのある外来生物ということで政令で指定をいたします。政令で指定をいたしますと、特定外来生物の飼養――養うということですが――飼養と輸入等の規制がかかります。飼養、栽培、保管または運搬は主務大臣の許可を受けた場合等を除き禁止されます。輸入は、上記の許可を受けた場合を除き禁止をいたします。個体識別措置等を講じる義務を課します。それから野外へ放すこと等が禁止されます。
それから防除につきましては、野外における特定外来生物について国のほか地方公共団体等の参加により防除を促進するということで、特定外来生物被害防止基本方針の策定及び公表ということで国の方で取り組んでいるところであります。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後4時36分休憩
午後5時3分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
新川秀清君。
〔新川秀清君登壇〕
○新川 秀清 一般質問を行います。
まず1点目の米軍再編と基地の返還・整理縮小についてであります。
昨日までの代表質問、さらに先ほどの一般質問におきましてもこの件につきましてはお尋ねがございました。それに対するお答えもいただいているんでありますが、私もまた別の角度から知事の御所見をお伺いし、また今後の取り組みについてお伺いをしておきたいと思います。
米軍の再編問題がクローズアップされましてから久しいんでありますけれども、これにつきましては、既に冷戦の時代で任務を終えたそういった米軍の機能を再編をしていくということだというふうに言われております。そういうようなことで、これにつきましてはドイツあるいはそのほかの国でも削減が進んでいくというふうなことであるわけでありますが、それとお隣韓国でもこれが具体的に今進められようとしているということであります。これによって韓国での米軍の削減ということが言われているわけでありますが、これに対しまして日本の状況はといいますと、非常にこれとは対象的に在日米軍の削減問題が進んでいるのではないかというふうな指摘があるわけであります。
その1つとして、削減問題というよりも、日本においてはあくまでも再配置というふうなことでとらえられているんではないかということであります。いわゆる米軍の冷戦に伴う削減というふうなことではなくて、不要になったものを削減する方向よりも質的な強化ということに力点が置かれている、これが日本で今議論されていることではないかという指摘があるわけであります。
そういうふうなことで、私は今本県のこの過密な基地の状況を考えますときに、新たにこれが再編強化として進んでいくということに対して警戒をしなければならぬ。そういうことで知事は、ここで腰を据えて政府に対してしっかりとした返還要求あるいは整理縮小というものを要求していくことが必要ではないか、こういうふうに考えているわけであります。そういうことで知事の御所見と、そしてこれまで政府に対してどのような要求をしてこられたのかお伺いをしておきたいと思います。
それから、2点目の米軍再編と自衛隊の増強についてであります。
9月定例会におきまして私は知事公室長から御答弁をいただいたんでありますが、沖縄に自衛隊の増強ということが検討されているんではないかということをお尋ねをしたわけであります。これに対しまして知事公室長は、防衛庁に確認したけれども、そういう事実はないというふうなことだったという御答弁がありました。
しかしながら、今申し上げましたこの米軍の再編とも絡んで沖縄への自衛隊の増強というものが具体的に議論をされているんじゃないかと、これがマスコミ等でも指摘をされているわけであります。そして別の角度からでありますけれども、これは今米軍の再編と自衛隊の再編増強が二人三脚で進んでいると、こういう指摘があるわけであります。
そしてまた一方では、嘉手納基地への自衛隊の統合あるいは下地島空港に対する利用といったことが報じられてきているわけであります。今、御案内のように防衛大綱あるいはそのほか自衛隊の再編についても協議がなされているわけでありますから、こういったことと関連して仮に米軍の再編あるいは削減が進む中で、一方において自衛隊の増強が進むとするならば、これは沖縄はいつまでたっても基地なき島にはほど遠いというふうに言わざるを得ないわけであります。
そういうことで、私は改めてこの米軍再編計画と自衛隊の増強についてお伺いをいたすわけであります。
それから3番目の、沼田大使の離任会見でありますが、これについても私どもの会派あるいはまた先ほど玉城義和議員からもお尋ねがございました。私は、このことについての御答弁は結構でございますけれども、前大使もそうでありました。離任をされる段になって県民の感情を逆なでするようなことを会見で述べて去っていかれた。そして今回の沼田大使もそうであります。
そしてこの沼田大使は県議会の代表の要請の席上で、もうこれ以上あなた方と議論しても始まらぬということまで言ったわけであります。一体、今の外務省はどこの外務省だということを私たちは感じますし、また県民からも率直なそのような声があるわけでありますが、まさに私はこの2人の大使が沖縄に来て、米軍との間に立って沖縄の問題の解決をするといったこととは裏腹に、米軍に軸足を置いた外務省の大使であるということをここではっきりあらわれてきたというふうに思うわけであります。
でありますから、これに対しては私は知事あるいは知事公室長の御答弁を聞いておりまして、こういう姿勢ではいかぬのじゃないかと。明確に県民の立場から物を申すべきであるというふうに思います。これについて今後のこととしてぜひそのような対処をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
次に、4番目の地位協定の抜本改正についてであります。
知事の全国行脚、そして地方議会での決議あるいは日弁連の決議等々、ここ数年地位協定に対する私たちの声が届いたのかというふうな感じを受ける時期があったわけでございますが、最近になってどうもこれが失速しているんじゃないかという指摘があるわけであります。それの1つは、米軍の再編ということに打ち消される形でこの地位協定の問題が置かれてしまったんじゃないかと、こういう指摘もあるわけでございます。
そういうふうなことで、御案内のようにこの地位協定、せんだってのヘリ墜落事故における処理のあり方、排他的な処理のあり方、そしてずっと繰り返されております基地にまつわる環境問題等々、この地位協定の抜本的な改正なくして沖縄の県民の命や財産を守ることは極めて難しいということは明確でありますから、そういうことで知事に改めてこの地位協定に対する今後の取り組み、決意を承っておきたいと思います。
それから、5番目の辺野古沖におけるボーリング調査についてであります。
これも多くの議員からお尋ねがございました。私は、あの日本サンゴ礁学会の山里清先生の、このボーリング調査は、人間に例えるならば、心臓に針を刺すようなものだという御指摘がありますけれども、これは環境を守る県の立場からしっかりとこういった学者の発言を、あるいは御指摘を受けとめて、きっちりとこの調査については対処すべきではないのかというふうに考えているわけであります。
そこでお尋ねをいたすわけでありますが、繰り返し述べられてきておりますところの県の基本計画あるいは基本条例にのっとってこのボーリング調査というのは整合性があるのかどうか、お伺いをしておきたいと思います。
それから、(2)点目の国際自然保護連合の2度にわたる――これは極めて異例だというふうに言われるんでありますが――この勧告についてどのようにお考えでありますか。
そしてジュゴン等への影響と具体的保護策を伺いたいんでありますが、ジュゴンにつきましては、これは昨年の新聞でも報道されておりますように在日米軍の規範とされておりますところの国防総省の日本における環境管理基準、この中でもこのジュゴンについては明確に保護すべきものだというふうな規定がうたわれております。
そういうことで、これについての影響は、あるいは文化財保護法、そのほかの関連法に照らしてもこのジュゴンに対する影響が出ることは許されない、こういうふうに私は解すべきだろうというふうに思うのでありますが、これについての影響をどういうふうに考えていらっしゃるのか、それから具体的にどのような保護策を考えていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
次に、都市型複合訓練施設中止に対する取り組みについてでありますが、これも知事からの御決意もあったわけでありますが、改めてこの中止に向けて知事は今後どのように行動をされるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
それから、同施設から流出しました赤土についてであります。
9月議会で文化環境部長は、これは条例が適用されないというふうなことの御答弁がありました。しかし私は、この中で今申し上げましたこの日本環境管理基準、これに基づいて米軍にその流出を防止するための策を要求する手だてがあったんではないか。この管理基準によりますと、日米両方の法的基準を上回るような形でこれは守っていくというふうな規定もあるわけでありますから、今、条例を盾にとったらこれは適用されないというふうな姿勢ではなくて、もっとこの環境管理基準などを盾にとってこれは要求すべきである。
あるいは、そのほかの環境問題についてもそのような対処の仕方を考えるべきではないかというふうに思っているわけであります。これについてお尋ねをいたします。
それから7点目の、同じ環境管理基準の中にあるわけでありますが、環境評議会あるいはそれに相当するものを創設をして定期的に施設の環境遵守プログラムやプロジェクトの評価を行うこととされております。これについて在沖米軍基地ではこれが守られているのかどうか、そのことをお伺いをします。
それから8点目の国民年金についてでありますが――ここの数字で2400名としておりますが、これは2万4000名のミスでありますのでそのように御訂正をいただきたいと思うのでありますが――障害基礎年金支給対象者が来年4月から支給されるわけでありますが、全国で2万4000名対象者がいるという報道がなされております。本県の対象者はどのようになっているか、お聞かせください。
それから、国民年金未納者情報提供についてこれも新聞に取り上げられているわけでありますが、これについての県の御見解をお聞かせください。
次に、農林水産業の振興についてでありますが、これについてもお尋ねがございました。しかしいま一度お尋ねをいたします。
本年の台風被害、相次いで来たわけでありますが、これに対する被害の状況、そして台風銀座と言われておりますけれども、そういった中で産地としてこの対策なくしてはこれから他の産地との競争に勝てないということは明白でありますから、今後のこの対策をどういうふうにされるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
それと、目標達成見通しとこれまでの被害状況をあわせてお尋ねしておきたいと思います。
10点目、児童虐待、これも実態と今後の対策についてお尋ねもありましたが、その中で児童相談所の強化、あるいは一時保護所の充実といったことが要求されているわけでありますが、児童福祉法の改正によりまして来年4月から市町村、こういったところが窓口として対処しなければならぬということが今度の児童福祉法の改正ではっきりうたわれているはずであります。
そういうことで、この市町村との連携をどのようにされていくのか、今後特に大きな課題の一つだろうというふうに思うんでありますが、これについてお聞かせをいただきたいと思います。
それから11番目の雇用問題についてであります。
基地従業員の職場環境改善について、これも9月の一般質問でお尋ねをいたしたところであります。県のお答えは、那覇防衛施設局あるいは沖縄労働局、そして全駐労沖縄地区本部と連携をしながら改善に努めていきたいというお答えをいただきました。その後の対応はどうなっているか、お尋ねをいたします。
次に、我が会派の代表質問との関連についてお尋ねをいたします。
下地島空港の軍事利用についてもお尋ねがありました。残念ながら知事の先ほど来の決意とは違って、きょうも既に3機の米軍機が着陸をしたという報道がなされております。まことに許しがたいことだというふうに思うんでありますけれども、そういったことと関連して我が会派の平良長政議員から御質問があったわけでありますが、その中で山中先生がこの「屋良確認書」について施設局に確認書を出したことを庁内の記録にとどめておいてほしいということを言われたということがあるようであります。それについて確認をしたのかということを平良長政議員がお尋ねしているわけでありますが、これについてどのようになっておりますか、お答えください。
それからあと1点でありますが、沖縄電力の原発研究についてであります。
これにつきましても我が会派の平良長政議員は明確にお尋ねをしております。県は、原発導入検討中止を申し入れるべきではないかとこういうことをお尋ねをしているわけでありますが、これに対するお答えは極めてあいまいであったというふうに私は受けとめております。
そういうことで県のエネルギー政策、これに対するお考え、これは一応出ているように思いますけれども、株主としての県の立場からこの中止を申し入れるべきだと思うがどうかということをお尋ねをしているわけであります。これについていま一度明確なお答えをいただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 新川秀清議員の御質問にお答えいたします。
最初は、米軍再編と政府への要求についての御質問に対してのお答えです。
県は、これまで日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて米軍再編において本県の過重な基地負担の軽減がなされるよう求めてきたところであり、去る10月16日に町村外務大臣が来県した際にも、県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減が図られるよう強く求めたところであります。小泉総理大臣は、沖縄の基地負担の軽減を図るため国内外への移転も含め日本全体の問題として責任を持って進めることを表明しております。県としては、政府の責任において米軍再編の中で県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減がなされるべきであると考えております。
次に、米軍再編と自衛隊の増強についての御質問にお答えします。
県は、これまで日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて米軍再編において県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減がなされるよう強く求めてきたところであります。県としては、どのような形であれ基地の過重負担には反対であり、日米両政府に対し引き続きあらゆる機会を通じて働きかけてまいります。
次に、日米地位協定についての御質問のお答えでございます。
県が平成15年度に策定した全国行動プランに基づき働きかけた結果、29都道府県議会において日米地位協定見直しの意見書が採択されたほか、日本青年会議所等主要な全国団体における見直し決議等の独自の取り組みが行われつつあります。また、自民党に対し、日米地位協定の問題を検討する正式機関を設置するよう要請を重ねた結果、本年10月に自民党政務調査会の中に「日米安保・基地再編合同調査会」が設置され、自民党はその中で日米地位協定についても検討したいとしております。このことは、日米地位協定の問題が政府・与党においても正式機関の中で幅広く議論されるということであり、日米地位協定の見直し問題に対する取り組みに一定の前進があったものと考えております。県としては、同合同調査会の中で日米地位協定がしっかり議論されるよう引き続き働きかけていく所存であり、今後ともあらゆる機会を通じて日米地位協定の抜本的見直しに向けて粘り強く取り組んでまいります。
次に、陸軍複合射撃訓練場の建設中止についての御質問にお答えします。
県は、これまで米軍を初め日米両政府に対し陸軍複合射撃訓練場の建設中止を求めてきており、去る10月16日に町村外務大臣が来県した際にも改めて建設中止を強く求めております。先日も県選出国会議員や与党関係者等にお会いし、工事の中止を強く求めたところであります。県としては今後とも金武町と密接に連携し、日米両政府に対し、あらゆる機会を通じてさらに強く工事の中止を求めてまいります。
続きまして、下地島空港の使用についての御質問にお答えします。
「屋良確認書」、「西銘確認書」の趣旨に基づき下地島空港を管理運営するという県の姿勢は一貫しております。県としては、これまで日米両政府に対し県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減が行われるようあらゆる機会を通じて強く求めてきたところであり、新たな基地負担につながるようなことに対しては反対であることを明言しております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 県環境基本計画との整合性についてお答えをいたします。
沖縄県環境基本計画は、本県の環境の保全及び創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画として沖縄県環境基本条例により位置づけられ策定されたものであります。基本目標として「環境への負荷の少ない循環型の社会づくり」、「人と自然が共生する潤いのある地域づくり」、「環境保全活動への積極的な参加」、「地球環境の保全に貢献する社会づくり」を掲げ、その方向に沿った各種環境保全施策を展開しております。
なお、各種事業の実施に当たっては、本計画の趣旨に沿って事業が行われるものと考えております。
次に、IUCN勧告とジュゴン等の保護策についてお答えをいたします。
IUCN勧告の内容は、ジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナなどの希少動物が生息するヤンバルの貴重な自然について世界が注目していることのあらわれであると考えております。勧告は、日本政府とアメリカ合衆国政府に対する要請であると承知しておりますが、今後、環境影響評価の手続において環境影響評価法の規定に基づき適切に対応していく考えであります。
ジュゴン等の保護について、県においてはジュゴンレスキュー実地研修会やパンフレット、ビデオ作成等により普及・啓発を図っております。また、国においては、ジュゴンと藻場の広域的調査を実施しており、調査結果を踏まえ具体的な保護対策が検討されるものと考えております。
県としては、今後とも国と協力してジュゴン等の保護対策に取り組んでいきたいと考えております。
○知事公室長(府本禮司) 都市型複合訓練施設の関連につきまして、まず、日本環境管理基準の遵守についてお答えいたします。
米軍基地からの赤土流出事案については、日本環境管理基準に記述はありませんが、那覇防衛施設局から、キャンプ・ハンセンのレンジ4における陸軍複合射撃訓練場の建設に関する環境対策として、建設工事の実施に当たっては日本環境管理基準に従うとともに、沖縄県赤土等流出防止条例を考慮すること、建設業者に対し赤土流出防止計画の提出を義務づけること等の対策をとるとの説明を受けておりました。
しかしながら、去る台風18号の際に県の基地境界付近での監視の結果、赤土流出が確認されたことから、赤土流出に関する対応策を適切に行うよう強く申し入れたところであります。
次に、日本環境管理基準の在沖米軍基地での適用についてお答えいたします。
平成12年9月の日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2の会合において日米両政府は、「環境原則に関する共同発表」を行い、日本環境管理基準を定期的に見直し、情報交換、環境汚染への対応に係る協議に取り組むことを表明しております。具体的には、日米合同委員会の環境分科委員会において日本における施設及び区域に関連した環境問題並びに施設及び区域に隣接する地域社会に関連した環境問題について定期的に協議するとされておりますが、その協議内容等については明らかにされておりません。
次に、我が会派の代表質問との関連につきまして山中氏の証言内容に関してお答えいたします。
山中氏の証言内容については、現在、那覇防衛施設局に照会中であります。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 国民年金未納者情報提供についてお答えいたします。
国民年金未納者情報提供については、さきの国会で「国民年金法等の一部を改正する法律」による国民年金法第106条の規定が改正されたことに伴い、実施主体である国においては、国民年金保険料の未納対策に資するため同法の規定に基づき各市町村長あて協力を求めたと聞いております。県内全市町村においては、同法の規定により資料を提供したものと考えております。
続きまして、本県の障害基礎年金の支給対象者についてお答えいたします。
さきの国会で、国民年金が任意加入だった時期に未加入のまま障害を負い、年金給付を受けられない元学生と主婦を救済する議員提案の「特定障害者に対する特別障害給付金に関する法律」が可決・成立しました。国民年金が強制加入になる以前に障害を負った者が給付対象となりますが、全国で約2万4000人が該当すると聞いております。年金に関する事務を所管している国の沖縄社会保険事務局に照会しましたところ、県内の対象者数については把握していないとのことであります。
続きまして、児童虐待防止における市町村等との連携についてお答えいたします。
児童虐待防止に当たっては、児童虐待防止にかかわる児童相談所、福祉保健所、市町村、保育所、学校、医療機関等の関係機関相互が密接な連携を図るためのネットワークの構築が重要であります。児童福祉法改正後は、市町村における児童虐待防止ネットワークの設置が必要となっております。現在、那覇市など12市町が既に設置済みとなっており、さらに今年度じゅうに石垣市など3市町が設置を計画しているところであります。
今後とも未設置の市町村における当該ネットワークの早期設置を促進するとともに、既に設置済みの市町村については、当該ネットワークがより効果的に機能するように働きかけていきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 台風被害状況と今後の対応についてお答えいたします。
本県に襲来した台風は、6月9日の台風4号から10月29日の台風24号まで12回となっており、農作物等が大きな被害を受けております。
農林水産業の被害内訳は農作物45億2000万円、農業施設2億8000万円、林業関係2億1000万円、水産業関係8億8000万円、その他2000万円で被害総額は約59億円となっております。
県としては、台風など自然災害に強い農業振興を図る観点から、今後とも保安林及び農地防風林の整備や平張り施設、防虫・防鳥等ネット施設等の整備を積極的に推進してまいります。
なお、台風等の被害に対する補償としては畑作物共済、園芸施設共済、家畜共済等があり、また災害を受けた農家が資金等を必要とする場合は、農業経営維持資金等の融資や利子の減免措置を行うこととしております。
続きまして、主な指標の目標達成についてにお答えいたします。
農林水産業振興計画の主要施策等の達成状況については、3カ年計画が終了した後に示すこととなります。
なお、これまでの主要な指標の達成状況としては、農業粗生産額目標1060億円に対し931億円で達成率88%となっております。また、圃場整備については、達成率77%の1万7617ヘクタールを整備しております。かんがい施設整備については、達成率94%の1万2680ヘクタールを整備しております。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 基地従業員の職場環境改善についてお答えをいたします。
那覇防衛施設局においては、沖縄エクスチェンジにおける基地従業員の勤務実態等を踏まえ、職場環境の改善について全駐労沖縄地区本部及び米側と個別に協議をしているとのことであります。県としては、基地従業員の労務管理は重要な問題であると認識しており、今後とも那覇防衛施設局と全駐労沖縄地区本部及び米側との協議の動向を注視していきたいと考えております。
次に、原発導入検討の中止申し入れについてお答えをいたします。
沖縄電力株式会社は、原子力発電について発電方式の一つとして長期的な視点から勉強しており、導入を前提としたものではないとしております。県としては本県の電力需給見通しが今後とも安定的に推移していくと見込まれることから、原子力発電について検討したことはありません。また、地球温暖化の防止対策とエネルギー供給構造の多様化を図る観点から、石油、石炭、原子力などの既存エネルギーとは異なる新エネルギーの導入について積極的に促進をしております。
このようなことから、沖縄電力株式会社の原子力発電に関する勉強についてはその動向を見守っていきたいと考えております。
以上でございます。
○当銘 勝雄 きょうの最後になりましたが、もう議員の皆さんも同じような質問がたくさん出て聞き飽きていると思いますが、味をつけて質問いたしますので、ぜひ最後までおつき合いをお願いいたします。
普天間飛行場の危険性は前県政から指摘され、日米両政府においてもその危険性を認識し、5ないし7年で返還することが決まったものであります。にもかかわらず、8年が過ぎても一向に返還される状況にはありません。現実にヘリコプターが墜落し、県民の生命財産が脅かされている。この状況は当事者である日米両政府も動き出しております。ところが、被害の当事者である沖縄県知事は時が解決するのを待つのか、SACO合意を進めることが早期返還につながる云々で、このままでは15年も20年もかかってしまうのではないかと危惧します。またもや不測の事態が起きたらどうするつもりか。
今や県民は、15年問題を信じている人はいないというふうに思います。知事は、たとえ選挙公約であったにしても15年問題に固執しないでもらいたい。基地の提供責任者は日本政府であるので、日米両政府において実効性ある代替案が提示されれば固執しないと我が会派の代表質問に答えておりますが、知事は他人任せにしないで積極的に県外、外国への移設を日米両政府に働きかけるべきであり、普天間基地の閉鎖要求こそが前進であるというふうに思うわけであります。
そこでお聞きします。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、基地問題について。
ア、 15年使用後は軍民共用空港にする知事の提案は日米両政府とも認めていない。知事は、それが認められなければ辺野古への移設は認めないとしている。これでは普天間飛行場の返還はいつになるかわからない。日米両政府との話し合いが先ではないか。
イ、環境アセス調査ではサンゴやサンゴ礁が破壊されていると報じられている。15年問題が決まらない段階ではボーリング調査をやる必要があるのかお聞きしたい。
ウ、山崎首相補佐官は、普天間基地の県内移設、辺野古に固執しないと言っております。知事もSACO合意に固執しないで積極的に県外移設を模索すべきではないかお伺いします。
エ、辺野古へ移設する間、下地島空港を使用する案が報じられておりますが、これは民間航空が使用する空港として建設され、当時の「屋良確認書」が交わされており、軍事使用は断じて許されるものではないと考えます。知事の御所見をお聞かせください。
次に、三位一体改革についてお尋ねします。
我が国の700兆円という借金は、これまでの地方自治体の予算の分捕り合戦とあわせて、政府の選挙対策のための予算のばらまき方式が今日の状況をつくってしまっております。その予算の必要性やプライオリティーに関係なく、もらえるときにもらおうという地方自治体の体質を生んだ自民党政治の責任は大きいというふうに考えます。
地方の時代、地方分権が言われて久しい。しかし、分権に必要な税源の移譲も行わず、地方自治は形骸化され、3割自治とやゆされてきた。今回の三位一体改革は補助金削減が優先され、肝心の税源の移譲は到達していない。これでは税源の乏しい自治体では住民への行政サービスができなくなる。義務教育費などは教育の機会均等が確保できるか心配であります。
そこでお尋ねをします。
(2)、三位一体改革について。
ア、三位一体改革の原点は何でありますか。
イ、全国知事会や地方六団体はかなり政府とのせめぎ合いを行ったが、それはなぜか。
ウ、自主財源の乏しい本県にとって財政運営上どのような問題が考えられるか。
エ、義務教育費の国庫負担も削減の対象となると財源の乏しい自治体において教育の機会均等が図られるか懸念されるが、どう考えますか。
次に、農業問題についてお尋ねをいたします。
本県の農産物やその加工品が大都市で人気を得ており、県外出荷も伸びております。にもかかわらず、農業の粗生産額は先ほど部長からも答弁がありましたが、950億というふうに1000億を切っております。さとうきびの生産量が年々減少し、関係者の努力にもかかわらず最盛期の3分の1まで減少しております。さとうきび作は厳しい仕事で、これまで一生懸命にやってきたお年寄りの引退や、最近の若い人たちの生活も多様化し家業を手伝う者も少なくなり、機械化できない地域は耕作放棄が多くなっております。
もともとさとうきびは、土地利用型作物なので所有面積の大きい地域で生産し、機械化による省力化を図っていく必要があると考えます。
一方、面積の小さいところは花卉や園芸、薬草の栽培に転換すべきと考えます。亜熱帯の気候はこれらの作物の栽培に適し、特に薬草は加工による付加価値が高く、また雇用の場を創設する利点があります。現在、民間企業においては薬草園の見学とあわせて薬膳料理を食べさせ人気を博しております。県外においては漢方薬の調剤までやっているところがあります。本県においても亜熱帯の立地条件を生かし、これら薬草の生産振興を図るべきと考えます。
そこで農業問題についてお尋ねします。
(1)、農業の戦略品目として薬草は有望と考えます。普及に移した品目は何か。
(2)、現在試験研究している品目は何があるか。
(3)、薬草園の設置構想はあるか、お聞かせください。
次に、小泉総理の行財政改革、規制緩和や民間にできるものは民間にのかけ声は結構でありますが、地域の実情によっては厳しいものがあります。郵政の民営化において本県は特に離島や過疎地域が多い県だけに住民生活に多大な影響を及ぼすことが考えられます。
そこでお聞きします。
3、郵政民営化について。
(1)、離島・過疎地域の多い本県において郵政の民営化は郵便事業の問題や郵便貯金、簡易保険などのほか、どのような問題が考えられるかお聞かせください。
(2)、県は、国の民営化論にどのように対応していらっしゃるか、お聞きしたい。
次に、教育問題についてお聞きします。
先般、護憲ネットワーク会派を中心とするメンバーで、先ほども私どもの会派から質問がありましたコスタリカを訪ねました。目的は大きく分けて2つでありました。
まずは、軍隊を廃止し、永世中立国としての国連の平和大学が存する平和主義の国、もう一つは、環境や自然を大事にし、国民挙げて取り組んでいる国ということでの訪問でありました。特に公立・私立を問わず小学校のカリキュラムに環境教育を緻密に周到に取り入れているということでありました。学校に木を植えることは、自分たちの生活環境であると同時に昆虫や鳥たちの共存の場でもあるとともに、隣の森への回廊であるとして環境は独立しているのではなくつながっているという考え方が取り入れられておりました。木の葉は集めて堆肥をつくり、野菜栽培に使っておりました。小学生ながら循環型社会を誇らしげに説明していたのが印象的で生きた教育を見た思いがいたしました。
次に、子供たちの健全な発達はよい環境が保たれていることとあわせて、食育を大切に考えることが必要であると考えます。医食同源、これは医療を施すことも食べ物で体をつくるのも一緒という考え方で、一つの予防医学としてとらえることができます。食育の中で食の安全が大事なことであり、目に見える、生産者がわかる地産地消を進めることが産業教育にもなれば地域の産業の振興にも役立つと思います。
かつて、学校給食に外国産の加工乳が使用されていましたが、年次的に県産酪農牛乳に変えてきました。今では100%県産乳になっており、子供たちからも大変喜ばれているというふうに聞いております。
そこでお伺いいたします。
4、教育問題について。
(1)、環境教育についてどのように進めているかお聞きします。
(2)、学校給食について。
ア、地産地消をどう進めているかお尋ねします。
イ、子供たちの食育をどう進めているかお伺いします。
我が国の少子・高齢化は早いテンポで進み、大きな社会問題となっております。一定の人口が保たれなければ年金の問題にしても、保険、住宅政策や公的施設、あるいは民間企業における設備投資や生産計画などが立てにくく、社会のひずみをつくり、むらやむだを生ずることになります。
我が国は、人口を自然に維持する出生率2.08を大きく下回っており、その改善が求められております。政府は2004年版「少子化社会白書」で、2005年から日本の人口が減少期に転ずる転換期に当たると同時に、第2次ベビーブーム世代の女性が出産年齢期にあることから、安心して出産や子育てができるような環境づくりが必要としております。
お尋ねします。
5、子供を産み育てる環境づくりについて。
ア、本県の合計特殊出生率の推移はどうなっているか。
イ、出生率が減少した主な原因は何か。
ウ、県ではどのような対策を講じているか、お聞かせください。
次に、豊見城地先の埋立事業は糸満市西崎や潮崎など南部戦跡公園へのアクセスであり、また早期整備が望まれます。整備状況をお聞かせください。
6、豊崎プロジェクトの進捗状況について。
(1)、埋立事業の進捗状況はどうなっているか。
(2)、施設の整備状況はどうなっているか。湾岸道路や公共施設など。
(3)、埋立地の処分状況はどうなっているか。
7、我が会派の代表質問との関連についてお尋ねします。
児童虐待は今や大きな社会問題となっております。特に、家庭内での両親による虐待は訴えることのできない、逃げ場のない最悪の状況であります。児童相談所は虐待を受ける子供たちにとって最後のとりでであり、必要とするすべての子供たちを救える状況にないといけないというふうに考えます。
そこでお尋ねします。
(1)、児童相談所の組織体制の整備についてお聞かせください。このことは少子・高齢対策特別委員会でも既に県に対して要請をしております。
(2)、循環型社会の構築との関連で、我が会派の代表質問との関連で、火力発電所の石炭の燃えかすが年間20万トン出ることが報じられております。レンガやコンクリートブロックの強化剤として利用されているようでありますが、さらに改良を進め研究することによって農地の改良材として利用できないかお聞かせください。
以上、質問しましたが、答弁によってまた再質問いたします。
よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 当銘勝雄議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、普天間飛行場の返還と15年使用期限についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場については、SACO合意に従って代替施設が完成し運用可能になった後、返還されることが日米両政府によって確約されております。
普天間飛行場の代替施設については、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から15年使用期限を設けたものであり、さらに新たな基地負担を担う移設先及びその周辺地域の振興を図る施策として飛行場機能を活用するとの観点から、代替施設を軍民共用とすること等を沖縄県が移設に当たって整備すべき条件として日本政府に提示しているものであります。これらの条件は、平成11年12月に閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に盛り込まれており、代替施設の供用開始後15年間は軍民共用飛行場として使用し、返還後は北部地域の空港として地域の発展につなげていきたいと考えております。
次に、ボーリング調査についての御質問にお答えいたします。
15年使用期限は沖縄県が移設に当たって整備すべき条件として提示しているものであり、着工までに政府の責任で解決すべきであります。
一方、ボーリング地質調査は普天間飛行場代替施設の護岸構造を検討するため、建設場所における地盤の強度等の必要なデータを収集するための調査であります。
次に、普天間飛行場の県外移設の御質問についてお答えいたします。
山崎首相補佐官は、普天間飛行場について米軍再編の中で加速して進めたいと述べ、県の考えに対し重く受けとめ、対処していくことを示したものと思います。県としては、実効性ある代替案が提示されていない段階で日米両政府で確約された返還方針を変更することはできないと考えております。今後、米軍の再編に関連して日米両政府の合意による実効性のある代替案が提示されるならば具体的に検討していきたいと考えております。
次に、下地島空港の使用についての御質問にお答えいたします。
下地島空港については、これまで米軍の使用を自粛するよう強く要請してきたところであり、いわゆる「屋良確認書」や昭和54年に県と国との間で確認した同空港の管理運営方針「西銘確認書」を踏まえた利用が行われるべきであると考えております。県としては、これまで日米両政府に対し、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減が行われるようあらゆる機会を通じて強く求めてきたところであり、新たな基地負担につながるようなことに対しては反対であることを明言しております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○総務部長(仲田輝享) 三位一体の原点についてお答えします。
三位一体の改革は、歳入歳出両面での地方の自由度を高め、地方がみずからの責任で行政サービスを選択できる幅を拡大するものであり、地方公共団体における自主・自立的な行財政運営を確保し、地方分権を推進する観点から重要なことであると考えております。しかしながら、改革による影響は各地方公共団体によりさまざまであることから、それぞれの地域の特殊事情に配慮した見直しを行うべきであります。特に、本県においては、沖縄振興特別措置法の趣旨が損なわれることなく、また沖縄振興計画の着実な推進に支障が生じないよう必要な措置を講ずるべきであると考えております。
また、税源に乏しい離島等の地方公共団体が引き続き適切な行政サービス水準を確保することができるよう、三位一体の改革の推進に当たっては配慮する必要があると考えております。
次に、全国知事会及び地方六団体と政府のせめぎ合いについてお答えします。
三位一体の改革については、改革の初年度である平成16年度において地方交付税等が大幅に削減されたことから、地方公共団体の予算編成に重大な影響が生じ、国と地方の信頼関係を損ねる結果となりました。こうした中、政府から地方公共団体に対し、国庫補助負担金改革の具体案の取りまとめが要請されたところであります。これを受けて地方六団体は、国と地方の協議の場の設置を前提として約3.2兆円の改革案を取りまとめ政府に提出したものであります。
この協議の場において、各省庁からは国と地方の役割分担の観点や、公共事業等については建設国債が財源であるため税源移譲の対象にできないなどの理由から、改革案に対する意見や代替案が提出されました。これに対し、地方六団体は地方分権と地方自治の確立につながる三位一体の改革を実現するため、国と対等の立場で真剣に7回に及ぶ協議を重ねてまいりました。政府においては、この協議の場の議論を踏まえて全体像を取りまとめたところであります。
次に、本県の財政運営上どのような問題があるかについてお答えします。
税源に乏しい本県においては、国庫補助負担金の廃止に伴い税源移譲が行われる場合においても廃止額に見合う税源の移譲がなされるか懸念されるところであります。三位一体の改革の全体像では、地方交付税について「基本方針2004」を遵守することとしており、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源総額を確保すること、税源移譲額が国庫補助負担金の廃止・縮減に伴い財源措置すべき額に満たない場合は、実態を踏まえつつ地方交付税で適切に対応することとしています。
県としては、今後とも地方交付税の算定等を通じて確実に財源措置が講じられるよう地方六団体とともに国へ強く働きかけていきたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 義務教育費国庫負担金についてお答えいたします。
義務教育制度については、政府・与党で合意した三位一体の改革の全体像において、「その根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持する。」こととされております。
義務教育費国庫負担金については、平成17年度は暫定的に4250億円減額され、減額相当分については税源移譲予定特例交付金で措置されることとなっております。しかしながら、都道府県への配分額や配分方法等詳細については示されておりません。今後はその把握に努めてまいりたいと考えております。
教育水準の維持向上を含む義務教育のあり方については、平成17年秋までに中央教育審議会において結論を得ることとされております。県教育委員会としては、中央教育審議会における審議の推移を見守りつつ、教職員の配置に支障が生じないよう国に働きかけていきたいと考えております。
次に、環境教育についてお答えいたします。
環境教育については、「地球規模で考え、地域から行動する」という基本的な考え方に立ち、児童生徒が環境保全に主体的に参加する態度や能力の育成が図られるように努めております。
その実践として、小学校では日常生活の視点からの学習――事例としてラムサール条約で指定された漫湖公園の生き物・マングローブの調べ学習、中学校では教科指導での環境理解ということでタヌキアヤメなど希少種の調査保護活動、小中学生サミット宣言「ちゅら島環境21」による地域住民との清掃活動、高等学校においては土壌や地下水保全のための有機肥料の開発、G8高校生サミット提言「高校生グリーンデー」に基づく県下一斉に取り組む環境保全活動などがあります。
また、文化環境部との連携により沖縄県環境教育プログラムを作成し、実践資料として各学校での活用を推進しております。今後とも、環境教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、地産地消についてお答えいたします。
学校給食において児童生徒へ本県の食文化や郷土食のよさを伝え、本県産業の理解を深める上で地場産物を活用することは重要であると考えております。
昨年度、知事を会長とする「沖縄県地産地消推進県民会議」が設立されました。県教育委員会では、同会議の方針を踏まえ地場産物使用状況調査を実施するとともに、食に関する児童生徒用指導資料「知ってる?沖縄の特産物と学校給食」を作成・配布し、学校給食に積極的に取り入れることを推進しております。また、食育推進事業に係る学校・地域を指定し、地場産物を活用した学校給食のあり方について研究を行い普及・啓発に努めているところであります。
次に、食育についてお答えいたします。
現在、食育は給食の時間や教科指導、学級活動、「総合的な学習の時間」など学校教育活動全体を通して行われております。食育は子供たちにとって心身の成長と人格形成のために不可欠であり、知育・徳育・体育の基礎となるものと考えております。引き続き食育の充実に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 薬草の普及品目についてと試験研究項目については一括してお答えいたします。
本県における薬用作物の普及に移した品目は、ウコン、アロエベラ、クミスクチンなど7品目であります。また、農業試験場においては、ヤエヤマアオキ、ウコンについて抗酸化作用のある機能性成分の分析・評価等の研究に取り組んでおります。
続きまして、薬草園構想についてお答えいたします。
薬草園の構想については、平成8年度から平成10年度にかけて基本構想策定予備調査、基本構想策定調査、基本計画予備調査を行ってきたところであります。同調査を踏まえ庁内の関係部で構成する薬用植物事業連絡会議において検討した結果、事業主体、採算性等の課題があり構想の実現には至っておりません。
続きまして、代表質問との関連での石炭灰の利用についてお答えいたします。
農業試験場においては、平成10年度から火力発電所から排出される石炭灰の利用について試験研究を実施し、平成13年度に普及に移す技術として確立しております。農家においては、試験成果を踏まえ多孔質で保水性がよい粒子の粗い灰を観葉植物や洋ラン類の培養土として利活用しております。
一方、微粒子の灰については硼素の含有が高い等の課題があり、土壌改良剤としての実用化には至っておりません。現在、微粒子灰の利活用については電力会社と大学が連携して試験研究に取り組んでいると聞いております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 郵政民営化に伴う問題についてお答えいたします。
本県は多くの離島・過疎地域があり、これらの地域においては郵政事業と住民生活とは極めて密接な関係にあります。特に、郵便局以外の金融機関が存在しない地域においては、郵便貯金のサービスの提供が受けられないことによる資産管理、送金等の日常生活に支障を来す可能性があるものと考えております。県としては、今後とも郵政事業の安く、あまねく公平なユニバーサルサービスの確保は欠かせないものと考えており、郵政事業の民営化に際し、離島・過疎地域における郵政事業のサービス低下を来すことがあってはならないと考えております。
次に、郵政民営化への県の対応についてでありますが、去る9月10日の閣議決定においては、郵政事業の窓口は住民のアクセスが確保されるように配置する旨の努力義務を課すことや、過疎地の拠点維持に配慮すること、引き続き郵便のユニバーサルサービスの提供義務を課すなどの内容が盛り込まれております。現在、政府において法案化に向けた制度設計等の準備を進めているところであり、県としてはこれらの動きを注意深く見守りつつ、離島・過疎地域における郵政事業のサービス低下を来すことがないよう適宜国へ働きかけていきたいと考えております。
次に、豊見城市地先開発事業の埋立事業の進捗についてお答えいたします。
豊見城市地先開発事業は、豊見城市の与根、翁長地先の公有水面約160ヘクタールを埋立造成することによって産業用地、住宅用地及び道路用地等を確保し、産業振興、南部地域の交通渋滞の解消等を図ることを目的としております。用地造成につきましては、平成9年に着手し本年5月までにすべての区域の埋め立てが完了していますが、一部区域において分譲に向けた造成を行っているところであります。
次に、施設の整備状況についてお答えいたします。
インフラ整備につきましては、平成13年度から周辺アクセス道路や埋立地内道路、上下水道等に着手し、本年4月には県道東風平豊見城線が一部供用開始するなど整備が進んでおります。平成17年度中の国道331号バイパスの暫定供用開始を初め、平成18年度までにすべてのインフラ整備が完成する予定となっております。
また、海浜に面する総合公園の整備につきましては今年度から事業着手し、現在、事業主体である豊見城市において実施設計を行っております。さらに、平成14年12月には「沖縄アウトレットモールあしびなー」がオープンし、県内外からの買い物客でにぎわっているほか、約100戸の住宅の建設や病院の開院など徐々にまちづくりが進んでおります。
次に、埋立地の処分状況についてお答えいたします。
現在、住宅用地、都市開発関連用地、公共用地の処分が始まっており、本年10月末現在39.7ヘクタールの公募等に対し28.8ヘクタールを処分しております。公募等の面積に対する処分済みの面積の割合は72.5%となっております。
なお、全体の処分予定面積は132ヘクタールとなっており、商業用地については今年度中、臨空港産業用地については平成18年度に公募を予定しております。引き続き県、豊見城市及び事業主体である土地開発公社が連携して円滑な土地処分に取り組んでまいります。
以上です。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 本県の合計特殊出生率の推移についてお答えいたします。
厚生労働省が発表した「平成15年人口動態統計の確定数の概況」によりますと、全国の合計特殊出生率が1.29であるのに対し、本県は1.72と全国一高い状況にあります。昭和50年には2.88でありましたが、平成2年には初めて2.00台を下回り1.95となり、以後、全国と同様に減少傾向が続いております。
続きまして、出生率が減少した主な原因についてお答えいたします。
出生率が低下している要因の県独自の調査は行っておりませんが、全国的な少子化の要因としては、結婚することや子供を持つことに対する意識の変化に伴う晩婚化・未婚化がその要因の一つに挙げられております。また、国立社会保障・人口問題研究所の調査によりますと、持ちたいと思う子供の数に対し実際に生まれる子供の数が少ない現象、いわゆる夫婦の出生力の低下という新たな現象が明らかになっております。子育てに伴う経済的な負担感の増大とあわせて子育てそのものの負担感も大きくなり、これが出産をためらう家庭の増加の要因となっているものと推測しております。
続きまして、県の少子化対策についてお答えいたします。
県では、少子化の流れを変えるため平成9年に「おきなわ子どもプラン」、平成14年に「新おきなわ子どもプラン」を策定し、子育てと仕事の両立支援を中心として子供を産み育てやすい環境づくりに努めてきました。現在、「新おきなわ子どもプラン」に基づき待機児童の解消に向けた保育所の整備等を積極的に行い、保育所定員の増を図っており、このほか放課後児童クラブの設置、児童館の整備等において一定の成果をおさめているところであります。
しかしながら、夫婦の出生力の低下、地域の子育て力の低下等により本県においても少子化が進行していることから、平成17年3月までに策定する次世代育成支援の地域行動計画において地域における子育て支援の強化を位置づけ、社会全体で子育てを支援していく環境づくりに努めていきたいと考えております。
続きまして代表質問関連で、児童相談所の組織体制の整備についてお答えいたします。
児童相談所の組織体制については、市町村、福祉保健所等との役割分担、両児童相談所の児童福祉司1人当たりの持ちケース数等の状況を踏まえ、限られた人員の中、適切な対応ができるよう体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
コザ児童相談所への一時保護所の設置につきましては、一時保護の現状における問題点及び動向等について調査・分析し今後の課題として検討していきます。
なお、当面の対応といたしましては、中央児童相談所の一時保護所の定員増の検討を行うとともに、児童養護施設及び里親への一時保護委託等によって適切に対応していきます。
以上でございます。
○当銘 勝雄 もう時間も遅いので再質問はしないでおこうと思ったんですが、やはり知事の答弁に私の質問の趣旨が伝わってないんじゃないかということで改めて質問いたします。
先ほどの答弁の中で、知事は日米両政府による代替案が示されればSACO合意には固執しないと、辺野古には固執しないとこういう答弁をされておりますが、そういうことではいつまでたっても普天間の基地の返還にはならないんじゃないかと。こういうことでやはりそこに固執するんじゃなくて、もはや今、総理も言っているし、あるいはまたアメリカの大統領も言っていますし、何とか沖縄県民の基地負担軽減を図らねばならないと。こういうことを言っているわけでありますから、その日米両政府が提案する前に知事から、ここ普天間飛行場は閉鎖してくれと、こういうことを知事は県民の立場に立って申し上げる立場にあるんじゃないかと。
今のような、要するに他力本願とさっき言ったのはそういうことなんです。向こうから提案されれば、それを受け入れる用意がありますよということでは県民の生命財産は守れないと。ですからこの際、知事にさっき私どもの新川議員からも同じような質問がありましたが、とにかく普天間基地を、このままじゃ県民の生命財産が守れないからもうすぐ閉鎖してくれと、こういうことを強く言うぐらいのことにならないと私はいかないと。
さっき知事はいろいろとるる述べておりますが、そういうことにはならない。県民の希望というのは、気持ちというのはそういうことじゃないんです。ぜひこれは知事が心配して、じゃこれを閉鎖した場合にどうするかということを心配するのは、それは日米両政府の問題、心配するのは。とにかく我々としては、生命財産を守る立場から閉鎖してくれというのが知事の立場ということを再度申し上げて御答弁を求めます。
○知事(稲嶺惠一) 当銘議員の再質問にお答えいたします。
小泉総理のお言葉を、最近言われている言葉を思い出していただきたいと思います。これは歴代の総理としては初めてでございます。
それは、私が就任以来ずっと言い続けてきたことです。それは何か。沖縄の基地問題は沖縄だけの問題ではないと。日本全体の問題だと。ようやく総理として初めてしっかりとこれを受けとめてもらったわけです。そして普天間の問題についてもしかりでございます。
先般、ラムズフェルド国防長官が来沖の際、現実にはっきりと、私は非常にはっきりと物を言いました。非常に高い評価を受けました。そして帰国以後、普天間の問題について着々と進んでいるわけで、普天間についての危険性がこれが各首脳に認識されたということは、これは沖縄から強い発信が続けられたからでございます。そこで私としてもはっきり物を言っております。
先ほども御質問がございました。普天間の状況というのは非常に危険であると。そして兵力を削減すると。そして訓練の移転をすると。最終的にはそれは何かというと、それはゼロに近い形でということを申し上げました。それだけ強いメッセージをしっかりと出しております。
なぜ私がそれではもっと別なSACOのということを言っているかというと、これは思い出していただきたいんです。私が何で知事になったか、ここにいるのか。それは平成9年に当時進められていた状況が海に流れたからです。ということは何かというと、それからまた積み上げてきたわけです。決められたことを途中で交換するという、それをキャンセルするということはすべてまた新たな積み直しになるんです。したがって進められたものをしながら、しかしその中で最もベターな方法は何がいいか、それについて今後とも全力を尽くしてまいります。
○当銘 勝雄 知事、海に沈んでいたものを拾い上げたという話ですが、私はそう考えてないんです。要するに大田さんがこの普天間基地の県内移設は受け入れられないということに対して、日本政府は困ったんです。アメリカ政府も困ったんです。そこに知事が15年問題を持ち出して、じゃ、辺野古に受け入れましょうと、こういうことを持ち出しただけの話です。これは敵に塩を送っている話であって、決して私はそうは思いません。ですから今知事に大事なことは、とにかく普天間基地を私たちの目の前からなくしなさいと、これを言うのが知事の立場だというふうに考えます。
再度答弁してください。
○知事(稲嶺惠一) 人それぞれ考えの違いがございます。私は、私が最も正しいと、そして沖縄のためになると、そういう方向で進んでおります。
○議長(外間盛善) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程はこれで全部終了いたしました。
次会は、明9日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後6時26分散会