平成16年(2004年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 12月 9日
 


○副議長(新垣哲司) 外間議長が公務出張で上京されておりますので、議長にかわり私が議長の職務を行います。
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○副議長(新垣哲司) これより本日の会議を開きます。
 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、甲第2号議案及び乙第1号議案から乙第25号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 喜納昌春君。
   〔喜納昌春君登壇〕
○喜納 昌春 おはようございます。
 社大党の喜納でございます。委員長になって初めての一般質問に入ります。
 通告してあります質問表がありますけれども、きょうは稲嶺県政が誕生して満6年目の節目の日のようであります。こういう会合もそうありませんので、出会いということで一言私見を述べながら、知事、御所見があれば少し御開陳ください。
 1998年に基地問題を解釈ではなしに解決するんだと。また一方では、当時深刻な9.2%の失業率がございました。まさに大田不況だからと批判しながら、一方では稲嶺さんは経済の稲嶺ですから、稲嶺好況を約束して登場された稲嶺県政がきょうは満6年ということですから、そういう意味では、健康でこれまで県民のために頑張ってこられた県知事に敬意を表したいと思っております。
 選挙は、県民の選択であり極めて厳粛なものであります。そういう意味では、私も、余りにも高い失業率や50年以上たっても米軍基地の負担が沖縄に押しつけられて、日本政府の理不尽なやり方に怒りを禁じ得ない、そういう立場でありまして、野党の一員といえども、稲嶺県政の手腕と成果には少なからず期待してきた一人であります。
 ただ、現在を見ますと、基地問題は確かに入り口は開いたけれども、糸はほぐしたとおっしゃいますけれども、実際は糸は余計もつれて出口が見えない。一方では、雇用の問題も確かに一歩一歩前進はしておりますけれども、今日、全国的に比較すれば8%台ということでこれも異常です。そういう意味ではこういう状態でありまして、けさ、ある新聞社の評価もありまして、社大党は39点つけました。社会大衆党ですから大衆論議をしながらけんけんごうごうやったんです。
 ある意味ではそういう点数でありますけれども、稲嶺県政がもし――辺野古で海を守り、命と暮らしを守っている200日以上の座り込みがございます。それから、1999年に知事が受け入れ表明した日以来、辺野古あるいは名護の皆さんはずっとこの座り込みの闘争を含めて闘っている現状があります。そういう意味ではこの皆さんの闘いに対するある意味では苦渋の選択でやってきた稲嶺県政ですから、これに対するある意味では県知事だから、地元の皆さんの苦渋をあの闘いを体現していただいたならばもう少し点数は上がったかなと。ある意味では金武町での闘いもそうです。言葉では一緒に闘いましょうと、反対ですということなんですが、実際は体を張ってあの現場で、10月何日かに行かれたんですが、我が党の瑞慶覧議員が、できれば場所もわからなければ車で案内しますよという中での後日の決断でしたけれども、そういう意味ではあの闘いにむしろ体を挺しながら知事が闘っておればあるいはもっと点数は上がったかなという思いです。
 今、稲嶺県政に求められていることは、日米地位協定問題での全国行脚などで説明し訴える手法から、まさに下地島パイロット訓練飛行場で昨日、きょうと使用拒否の稲嶺県政の声と立場を全く無視して強行使用する実態。それからそれを容認する腰砕けの日本政府の実態。金武町では伊芸区の都市型訓練、県政を含めて地元与野党を問わず反対です。それでもなおかつ強行していく。最悪最低の選択をして、場所の移動さえも、知事、言ったかどうかわからぬ、日本政府も言えない、あの高速道路から見える場所さえも移動も検討もできない、こういう最悪な日本政府、米国の立場です。県政が言ったかどうかわからない。そういう意味では、こういう中で私はむしろ一方では稲嶺県政があのラムズフェルド国防長官が来たときに、帰ろうとした長官を引きとめて、負担軽減は並大抵の決意じゃないですよという格好で言ったあの姿勢は私は評価しています。
 そういう意味では、今日知事に求められていることは、まさにそういう私も反対ですよ、行ってきましたよと。あの沼田さんみたいな発言は愚の骨頂ですよ。目に見えないところでは県民の立場に立って言った云々あるけれども、うそですよ、あんなのは。むしろ見えないところでは手を結んでいますよ、手を。まあまあしっかりやってくださいと、評価していますよと、こう言ったに違いないんです。それとは違うと思うんですがね、知事の言ってきたことについては。
 ただ私は、そういうラムズフェルドにさえも物を言った稲嶺知事ですから、もっと厳しく志とか姿勢を持っているわけだから。今日、130万の県民の命と暮らしを守る、あるいは経済の自立を云々するときにまさに先頭に立っての責任者です。そういう意味ではそういう闘っていくという、ある意味では、今ノーと言えば、地方からの反乱云々したら石原知事あたりが脚光を浴びますけれども、むしろ沖縄の稲嶺知事がノーと言うべきときはノーと言うという、そういう姿勢と決断が今求められていると私は思っております。
 そういう意味で6年目の節目ですから、あと2年ありますけれども、しっかりとこれまで確かに知事は着実に足で訴えて全国に訴えた基地問題はありますよ。経済の自立でも稲嶺さんの手法の中での手法はありますよ。それは評価できるものがあります。ただ後は、今日なおかつ反対しても押しつけられていくというこの現実に知事が体を張ってノーと言うときだろうと思いまして、そういう意味できょうはあえて6年目の節目で、通告はしてありませんけれども、そういう思いで今後2カ年に向けての知事の所見と決意があればお聞かせいただきたいと思っております。
 では、通告に従いまして一般質問を行います。
 まず初めに、政治姿勢に関して2本の柱を立て、通告に従って質問いたします。
 (1)点目は、米軍普天間基地の名護市辺野古移設問題に関して6点の質問をいたします。
 ア、辺野古海域での国のボーリング調査の環境破壊、住民とのトラブルなど混乱の状況、責任ある県はこの問題をどう把握し対応していくお考えですか。
 イ、県は海域での環境破壊の実態を調査すべきと考えますが、県の所感を求めます。
 ウ、4月7日の国の公共用財産使用協議に同意する際に県がつけた5点ほかの条件を国にどう守らせるか、またその守っているか否かの点検はどうするお考えか所見を求めます。
 エ、スパット台船の脚柱などでの環境破壊の予測については、当初の事業計画にはないこと、計画書の見直しと、その間の作業中止を求めるべきと考えるが、それぞれ県の見解を求めます。
 オ、11月19日の県環境影響評価審査会の答申に対する県の所見を求めます。また、この答申を今後どう生かしていく考えか。私は、現在行われている国のボーリング調査の中止を求め、今からでも環境アセスメントの手続を求めるべきと考えますが、県の所見を求めます。
 カ、国際自然保護連合(IUCN)が11月25日、2000年に次いで再度ジュゴンなどの希少野生生物保護と環境影響評価(アセスメント)の見直し勧告を辺野古沖米軍基地建設問題に関して出したことについて県はどう認識していますか。
 また、この世界的環境団体の2度にわたる日米両政府への勧告は重く、日本政府の外務省、環境省が政策の重大変更を早晩求められてくることは必定。知事の政策変更は避けられないと考えますが、知事の所見を求めます。
 2本目の柱は、米国の米軍基地再編計画と辺野古移設問題に関して2点の質問をいたします。
 ア、11月26日来沖した山崎拓首相補佐官は、普天間返還を加速させると、SACO合意の問題として考えるのではなしに、在日米軍基地の再編問題として対処していく方向を語り、辺野古沖に固執せず嘉手納統合案も有力との発言をしているが、かつては嘉手納統合案に強い反対を主張していた同氏の発言、しかも首相補佐官の同氏の発言だけにこれまでの他の政治家の同様の発言とは違うと考えますが、知事の感想と所見を伺います。
 イ、山崎首相補佐官の発言の重さは重大と私は考えます。知事の辺野古移設表明、軍民共用空港、15年使用問題の破綻を宣告するもの、わざわざ宣告を伝えに来たものと私は考えるべきだと考えておりますが、知事は政策変更を余儀なくされたときどう対応され、どう責任をとる考えか所見を求めます。
 2番目の大きな質問に移ります。ことし西原町内で発生した環境汚染問題に関して4点の質問をいたします。
 (1)点目に、問題の株式会社富士テックの違法建築の建物は現在も残っているが、その後の県の行政指導の対応はどうなっているか。
 (2)、注射器などの医療廃棄物を焼却などの違法行為をした会社や病院側の責任追及はどうなっていますか。また、同様の県内での問題発生防止に向けて、県の抜本的な対応策はどうなっていますか。
 (3)、付近住民の健康調査や農地や植物などの環境調査については地元西原町とどう連携し、県はどう対応してきましたか。
 (4)点目、地域住民から県に対し環境調査の前に住民説明会などの要望も出ているはずですが、県の今後の対応策を伺います。
 次に、3本目の大きな柱の沖縄本島と津堅島を結ぶ生活、交通、ライフラインの安定確保の課題について3点の質問を伺います。
 (1)、津堅港を起点にして一般旅客定期航路事業を営んできた勝連海運合名会社から県に切実な嘆願が来ていると考えますが、この問題を県はどう認識し、どう対応していく考えか、所見を求めます。
 (2)点目に、国の規制緩和によって同様の問題が起きているケースが本県でほかにもありますか。
 (3)、離島・多島県でしまちゃびに悩む離島住民の生活、交通、ライフラインの安定・確保の上で離島交通の重要な任務を担う民間海運産業の振興策等を含めて県はどう努力をし、責任を果たしていく考えか、所見を求めます。
 最後に、12月7日の我が党の比嘉京子議員の代表質問との関連で、2本の柱を立てて質問をいたします。
 米軍基地問題の辺野古沖での国のボーリング調査の強行実施に関してに関連します。
 11月29日に知事が出した国の環境影響評価(アセスメント)方法書に対する知事意見に関してであります。
 ア、国がやろうとしている環境影響評価(アセスメント)は、辺野古沖での海上基地建設の是非を今から問うものなのか、それとも辺野古での建設ありきでそれに合わせてのアリバイづくりのアセスメントなのか、県の認識を伺います。
 イ、辺野古沖で強行されている国のボーリング調査について、県は今どんな環境への影響が出ていると思いますか。今後、10カ所で単管足場の設置、20カ所でスパット台船の工作が予定されていると言われ、今のままでの作業ではいよいよ大変な環境破壊につながるが、県はこれをどう認識し、県民の大きな財産のジュゴンが生息する豊かな辺野古の海をどう守っていく考えか、対応策を伺います。
 ウ、11月19日、県環境影響評価審査会の答申を知事はどうとらえ評価し、どのように知事意見に反映させてきたのですか。
 エ、知事意見では実に40項目の要望・要求が出されていますが、これは国の方法書がいかに欠陥だらけであるかの証明と私は考えます。突っ返して方法書の見直しを求めるのが県のとるべき本筋ではなかったのか、知事の認識と見解を求めます。
 オ、国のボーリング調査についてスパット台船等での環境破壊について調査結果についての報告はまだないとのことであるが、そうした中での国のボーリング調査の継続はおかしいと私は思います。中止を求めて速やかな調査結果の公表を求めるべきだと考えますが、県の所見を求めます。
 カ、今回の国のボーリング調査については、地質や海象調査で建設や土木工事ではないのでアセス法の対象にはならないと国も県も同様のことを繰り返し言っていますが、ところで基地建設につながるボーリング作業は環境アセスの対象となるというわけですが、今後、海域での今回同様の環境破壊をもたらすであろうボーリングは何回、建設工程のどの時点であると考えますか、所見を求めます。
 キ、今回、県が求めた40項目の要求課題について、今後どのように国の方に実施を求めていく考えですか。準備書面で反映されるなど県は楽観した答弁を繰り返していますが、今回の方法書のでたらめさからは全く国は信用できません。40項目の是正についてはもっと厳しく国にボーリング調査強行の中止と方法書の見直しを現段階で求めるべきと考えますが、県の所見を求めます。
 2つ目の柱は、米軍基地問題で金武町伊芸区での都市型訓練施設建設問題に関連して2点の質問をいたします。
 ア、稲嶺知事が国にも国会議員にも精力的に反対を表明し中止を訴えてきたとこれまでの論議で答弁されましたが、その努力もわかるし評価もしましょう。しかし、現実に知事や地元などあらゆる県民の反対の声を無視して刻一刻と建設が進行している現実は、まさに異常のきわみと言えます。国家権力の無謀、無政府状態と言ったら言い過ぎでしょうか。この許しがたい現状をどう具体的にとめていく考えか、決意ある答弁を求めます。
イ、比嘉京子県議の代表質問の県民大会開催に関しての所見の中で、幅広い県民各界各層の結集で盛り上がりのある意義ある大会をとの賛意の答弁と受けとめましたが、我が党は地元金武町民や県内のすべての政党、平和を願う草の根の市民団体を網羅した県民大会の実施に努力していく決意ですが、大会実現の際には当然稲嶺知事も参加し決意表明されると考えますが、そのことに関しての決意ある答弁を求めます。
 答弁によりまして再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 喜納昌春議員から私の6年目ということで、いろいろ厳しいが、しかし温かい御指摘をいただきました。
 私もちょうど丸6年です、12月議会ですから。再来年の12月の議会には私はもう――9月議会が今期の最後でございますけれども、今までお話をお聞きしますと、喜納議員は点と線の話ではなく、常に広い面でもっていつもこの議場でお話をされております。いろいろ立場上の違いはありますけれども、ただ沖縄をどのようにしていくのがいいかということを本当に真剣に考えられるなと――私はもうそれに負けないぐらい考えているつもり、あるいはそれ以上に考えているつもりですけれども――思っております。今後ともますますお元気で御活躍を期待し、私もすばらしい御意見を傾聴したいというふうに思っております。
 さて、それでは答弁に入りたいと思います。
 国際自然保護連合の勧告と辺野古への移設についてお答えをいたします。
 県は、普天間飛行場代替施設の移設候補地を選定した際、地域住民の生活と自然環境への配慮を国に強く申し入れ、国は平成11年の閣議決定において「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」との「安全・環境対策」の方針を示しております。県としては、環境影響評価の手続の中で、国において適切な措置がなされるものと考えておりますが、引き続き地域の住民生活や自然環境への影響を極力少なくするよう求めていきます。
 続きまして、山崎首相補佐官の発言についての御質問にお答えします。
 山崎首相補佐官は、普天間飛行場について米軍再編の中で加速して進めたいと述べ、県の考え方に対し重く受けとめ対処していくことを示したものと思います。
 また、嘉手納統合については、嘉手納飛行場周辺の市町村が現在でも大変な負担を負っている中でさらに負担をふやすようなことは到底容認できるものではなく、県としては明確に反対を表明しております。
 続きまして、普天間飛行場移設の政策についての御質問にお答えします。
 県としては、実効性のある代替案が提示されていない段階で日米両政府で確約された返還方針を変更することはできないと考えております。今後、米軍の再編に関連して、日米両政府の合意による実効性のある代替案が提示されるならば具体的に検討していきたいと考えております。
 さらに、陸軍複合射撃訓練場への今後の対応についてお答えいたします。
 県は、これまで米軍を初め日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて陸軍複合射撃訓練場の建設中止を求めてきており、去る10月16日に町村外務大臣が来県した際にも改めて建設中止を強く求めております。先日も県選出国会議員や与党関係者等にお会いし、工事の中止を強く求めたところであります。県としては、今後とも金武町と密接に連携し、日米両政府に対しあらゆる機会を通じてさらに強く工事の中止を求めてまいります。
 次に、県民大会についての御質問に対してお答えいたします。
 県民大会については、県民全体の盛り上がりや大会の規模などを十分に考慮しながら、各界各層を網羅した全県的なものになることが必要であると考えております。このような県民が主体となった全県的な大会が開催されるならば参加するのは当然であります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 知事の政治姿勢に関連いたしまして、ボーリング調査の状況についてお答えいたします。
 ボーリング調査作業について那覇防衛施設局に確認したところ、調査会社からは、妨害者に対し妨害行為をやめるよう注意喚起はしたとの報告を受けている、安全には最大限の注意を払い作業を進めたいとのことでありました。県としては、調査が円滑に進められるよう、その実施に際しては混乱を回避し、安全に留意しながら調査を実施するよう申し入れております。
 次に、我が党の代表質問との関連で、海域でのボーリングについてお答えいたします。
 現在行われているボーリング調査以外に海域でのボーリングについては国から示されておりません。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 辺野古海域の実態調査についてお答えをいたします。
 公共用財産使用協議の際の環境配慮事項においては、地質調査及び海象調査の実施時に環境への著しい影響が生じるおそれがあると確認された場合は関係機関へ報告することとされております。今回のスパット台船設置による環境への影響については事業者に確認したところ、早急に調査を行い報告する旨の回答を受けておりますが、現在のところまだ報告はありません。県としては、報告を受けて内容を検討し、必要に応じ作業の実施に当たっての十分な環境への配慮を求めていきたいと考えております。
 次に、審査会の答申及びボーリング調査についての御質問にお答えをいたします。
 現在行われているボーリング調査等は環境影響評価法の対象となるものではなくて、代替施設建設事業の実施による環境影響を予測・評価するために実施されているものでもないことから、方法書に記載されておりません。そのため、答申においても前文で述べられているところですが、その趣旨を考慮し、また法的権限をも考慮して答申の内容を修正して知事意見の前文に反映をしました。
 なお、前文においては、代替施設建設事業に係る環境影響評価においては、現在実施されている護岸構造の詳細な検討のための地質調査及び海象調査によりもたらされる環境への影響について、十分に考慮する必要があると述べたところであります。
 当部としては、現在行われている地質調査及び海象調査の実施により少なからず環境への影響が生じるものと考えております。そのため、当該地質調査及び海象調査に係る公共用財産使用協議の際に、これらの調査による環境への影響をより低減するための観点から意見を述べたところであります。
 一方、環境の現況は一定ではなく季節的変化や年ごとの変化があり、また自然的・人為的影響による変化もあります。そのため、環境影響評価における調査は当該調査を始めた時期、すなわちボーリング調査が実施された後の自然環境の状態を「現況」としてとらえることになります。そのため、当該事業に係る環境影響評価においては、ボーリング調査等によりもたらされる環境への影響も十分に考慮する必要があると考えております。
 次に、IUCN勧告に対する県の認識についてお答えをいたします。
 IUCN勧告の内容は、ジュゴンやノグチゲラ、ヤンバルクイナなどの希少動物が生息するヤンバルの貴重な自然について世界が注目していることのあらわれであると考えております。勧告は、日本政府とアメリカ合衆国政府に対する要請であると承知しておりますが、今後の国の具体的な方針に対応し国と協力してジュゴン等の保護・保全に取り組んでいくとともに、環境影響評価の手続においても法の規定に基づき適切に対応していく考えであります。
 次に、西原町の医療廃棄物問題についてお答えをいたします。
 本件につきましては、県の現場調査等において、廃プラスチック類が産業廃棄物処理施設設置許可を得ないで焼却していたこと、収集運搬業の許可で積みかえ保管施設がないにもかかわらず積みかえ保管行為を行っていたことが確認されたことから、9月7日に焼却炉での焼却の中止、保管している感染性廃棄物は排出事業者の了解のもと適正に処理すること等の警告書を出したところであります。その結果、同事業者が所有していた焼却炉2基は9月13日までに解体撤去され、また保管されていた感染性廃棄物については10月6日までにすべて搬出され適正に処理されていることから、現在、廃棄物処理法上の違反する事実はない状況となっております。
 また、同事業所へ感染性廃棄物を搬入していた病院は、県内約22カ所となっており、委託基準に抵触する事実があるか等については現在調査を進めているところであります。県としましては、産業廃棄物処理業者による産業廃棄物の適正な処理を推進するため去る9月に講習会を開催し、廃棄物処理法等の周知徹底を図っているところであります。
 次に、環境調査に係る県の対応について、住民からの説明会の要望に対する県の対応ということでお答えいたします。
 環境調査については、西原町と県の関係部署で連絡会議を開催し、調査項目、調査地点、実施体制等について調整を行っております。その結果をもとに去る11月9日に調査項目、調査地点等について西原町徳佐田区、棚原区の自治会長と調整会議を開催しました。その際、調査地点5地点のうち3地点については調整を行ったところであり、残る2地点についても、県としては西原町と調整し早急に環境調査を実施していきたいと考えております。
 次に、代表質問との関連の御質問のうち、環境影響評価に関する県の認識についてお答えいたします。
 環境影響評価は、事業の実施に当たりあらかじめ行うものであり、事業の実施が前提となっているものであります。しかし、環境影響評価法は環境影響評価の結果をその事業に係る環境保全措置やその他の事業内容に関する決定に反映させることにより、事業に係る環境保全について適正な配慮がなされることを確保することを目的としているものであり、環境影響評価の結果から事業を実施するかどうかについては事業者の判断によるものと考えております。
 次に、ボーリング調査の環境への影響と今後の対応についてお答えをいたします。
 県は、ボーリング調査等に係る公共用財産使用協議への同意に当たっては、留意事項及び調査実施の際の環境配慮事項を付しており、また事業者においては当該環境配慮事項に沿って「普天間飛行場代替施設に係る現地技術調査実施時の環境への配慮事項」を作成しております。
 スパット台船設置による環境への影響については、事業者に確認したところ、早急に調査を行い報告する旨の回答を受けておりますが、現在のところまだ報告はありません。今後、報告を受けて内容を検討し、必要に応じ作業の実施に当たっての十分な環境への配慮を求めていきたいと考えております。
 事業者においては、自然環境への影響を可能な限り回避・低減するためにボーリング等の調査の実施に当たり、公共用財産使用協議への同意の際に付した留意事項及び調査実施の際の環境配慮事項に十分配慮していただきたいと考えております。
 次に、審査会答申の知事意見への反映についてお答えをいたします。
 県環境影響評価審査会においては、普天間飛行場代替施設建設事業に係る地域特性と事業特性を考慮し、方法書において示された環境影響評価の項目及び手法が適切なものであるかどうかの観点から十分に審査されたものと考えております。しかしながら、方法書は環境影響評価法で規定する記載事項は示されており法的要件は満たしているものの、方法書において示された事業内容は環境影響評価の項目及び手法が適切なものであるか否かを判断するには十分でないと考えられ、そのため答申において網羅的に意見が述べられたものと理解をしております。
 知事意見の形成に当たっては審査会からの答申をもとにしておりますが、当該答申の内容を精査し、また法的権限等も考慮した上で知事意見に反映をしております。
 次に、方法書の見直しとボーリング調査の中止について一括してお答えを申し上げます。
 環境影響評価法においては、方法書に示された事業内容が十分でないことをもって方法書の見直しを行うことや手続をやり直すことは規定されておりません。そのため、知事意見においては準備書を作成するまでの間に決定される事業の具体的な内容を考慮して、環境影響評価の項目及び手法を見直し環境影響評価を行うこととの意見を述べております。
 また、準備書を作成するまでの間に決定された事業内容等について、決定された段階で県へ報告し公表することとの意見を述べており、事業者から報告された段階で調査項目、手法等が適切であるか調整していきたいと考えております。
 なお、ボーリング調査については、事業者において自然環境への影響を可能な限り回避・低減するためにボーリング等の調査の実施に当たり、公共用財産使用協議への同意の際に付した留意事項及び調査実施の際の環境配慮事項に十分配慮していただきたいと考えております。県としては、今後、報告を受けて内容を検討し、必要に応じ作業の実施に当たっての十分な環境への配慮を求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 留意事項と環境配慮事項の遵守点検についてお答えいたします。
 県は、那覇防衛施設局から提出された公共用財産使用協議に対し留意事項及び調査実施の際の環境配慮事項を付して同意したところであります。現地技術調査の実施状況につきまして必要に応じて事業者から報告を受けることにしております。現在、やぐらの設置基数等について報告を受けております。県としましては、引き続き住民の安全と環境保全に十分配慮して現地技術調査が実施されていくものと考えております。
 次に、計画書の見直しと作業中止の要求についてお答えいたします。
 事業者の作業計画では、事前の潜水調査結果に基づき環境攪乱をできるだけ避けるよう足場等の設置位置を決めたとしております。また、事業者は足場等の設置作業を実施する際には改めてサンゴの状況を確認し慎重に作業を進めるとしております。県は、公共用財産使用協議の同意の際の環境配慮事項として、事業者に環境への影響をできる限り低減する観点から作業は慎重に行うこと及び環境監視の結果サンゴ類等へ著しい影響が生じるおそれがあると確認された場合には、必要に応じて専門家の助言も得た上で作業の一時中断を含めた措置を講じることを求めております。県としましては、事業者が引き続き環境配慮事項を遵守して現地技術調査を実施していくものと考えております。
 次に、西原町内で発生した環境汚染問題の建物に関する県の対応についてお答えいたします。
 当該建築物については、去る9月8日に都市計画法に基づき建築主に対する事情聴取を行い、9月30日までに違反是正を行うよう勧告書を送付したところであります。その後、建築主から当該建築物の違反用途部分を10月2日までに是正をした旨の報告を受け、10月22日に是正が完了したことを確認しました。
 なお、当該建築物については今後とも西原町と連携し、違反が繰り返されることのないよう注視していきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 西原町内で発生した環境汚染問題に関する健康調査に係る県の対応についてお答えいたします。
 西原町棚原の焼却施設に係る調査について、県では管轄の南部福祉保健所を中心に西原町と連絡会議を開催し検討しております。
 地域住民の健康調査については、アンケート調査の内容及び役割の分担について協議し、西原町は健康調査及び健康相談を実施し、南部保健所はアンケート調査の集計・分析等に協力することになっております。
 西原町は、11月に徳佐田、棚原及び森川地区の1206世帯に対してアンケート調査票を配布し回収するとともに健康相談を実施しております。今後は、西原町とともにアンケート調査の集計・分析などを行い、地域住民の健康状態の把握に努めてまいります。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 勝連海運の嘆願書に対する県の認識と対応及び同様のケースがほかにもあるかとの御質問に一括してお答えをします。
 勝連海運合名会社の嘆願書の趣旨は、津堅―平敷屋間の航路に新たな航路事業者が参入し国・県の補助が受けられなくなったことから、経営状況が厳しいとするものであります。津堅航路には平成14年に新たな航路事業者が国の許可を受けて就航し、現在、勝連海運を含め2社が運航しております。国・県の補助対象航路は他に交通機関がない地点間を連絡する航路、すなわち1事業者のみの運航であることが要件となっておりますが、津堅航路は平成14年7月に2社が運航することとなり、それ以降補助対象外の航路となっております。
 なお、新たな航路事業者が参入する際に、県は国・地元自治体とともに双方に対し、2社運航となれば当該航路は補助対象外の航路となることを説明し検討を促しております。県としましては、住民の生活の足や物資の輸送手段を確保する観点から国及び地元自治体と連携を図り、航路事業者の今後の動向を見ながら適切に対応していきたいと考えております。
 また、平成12年の規制緩和以降、新たな航路事業者の参入によって国・県の補助が受けられなくなった航路は津堅航路のみであります。
 次に、離島航路の安定・確保を図るための県の努力と責任についてお答えをいたします。
 離島航路の維持・確保は、離島住民の生活の安定・向上及び離島地域の振興を推進する上で重要であります。このため、県では、これまで航路事業により生じた欠損額のすべてに対し国と協調して補助を行い、経営の安定を図り航路を維持してまいりました。今後とも離島航路の実情を踏まえ、その維持・確保に努めてまいります。
 以上でございます。
○喜納 昌春 再質問します。
 知事、考えてくださいね。ボーリング調査は二度とありません。恐らくこれ以上の環境破壊はないんですよ。ですからアセスに入れなさいと言っているんです、我々は。そういう意味では単管によって環境は破壊されているわけだから、ぜひ今文化環境部長も言っているように報告すると言っているわけだから、報告を早目に求めてください。報告を受けるまではあと10カ所、20のスポットをやるわけだから、もっと破壊されますよ。ぜひそれを求めてください。いま一度決意。
 それから、土木建築部長は十分潜水調査もして足場もやって、しかも慎重に云々言うんだが、やってないんだよ。だから破壊されているんだよ。その辺についてはとめながら、どういうふうに足場を決めるのかを含めて方法書の不備が今日のことになっているわけだから、土木建築部を含めてしっかり問うてくださいよ。我々お互いは県の最終報告の29日のところでもこの方法書の不備をとがめ切れなかったわけだから、ぜひ調査もとめて意見書を求める、そういう決意を求めます。
 答弁もう一回。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 再質問にお答えいたします。
 ボーリング調査につきましては、事業者において自然環境への影響を可能な限り回避・低減するため、ボーリング等の調査の実施に当たって同意の際に付しました留意事項、それから調査実施の際の環境配慮事項に十分配慮していただいて実施をしていただきたいと考えているところであります。
 今後、早急に報告を受けて内容を検討し、必要に応じ作業の実施に当たっての十分な環境への配慮を求めてまいります。
○瑞慶覧 朝義 おはようございます。
 社大党の瑞慶覧朝義でございます。
 ただいまから一般質問を行います。
 まず、教育行政についての質問でございます。
 (1)点目に、県が今日まで人材育成事業として、特に高校生による海外派遣事業として取り組んでこられた事業内容とその効果について御答弁を求めたいと思います。
 (2)つ目に、国費及び県費での派遣事業、その他の事業もあればその内容もあわせて御答弁をいただきたいと思います。
 (3)つ目に、派遣先はどこの国で、毎年何人の生徒を派遣しているか。また、平成10年から同事業を実施しているようでございますが、これまで延べ何人派遣してきたか。また、英語圏だけでなくアジアの国々なども派遣先に検討してみてはいかがだろうか、それぞれ御答弁を求めたいと思います。
 (4)つ目に、市町村合併や道州制の問題が加速する中、将来の沖縄県を背負って立つ若者を、私たちは今、大勢のリーダーを養成していかなければいけない大事な時期だと思います。そのために人材育成にもっと力を入れて加速した事業展開をしなければならないと考えます。教育費をやりくりすることによって予算的には実現可能だと私は思います。
 例えば、費用の幾らかは個人に負担をしてもらうなどの方法も検討してみてはいかがでしょうか。そうすることによって毎年もっと大勢、例えば10人単位じゃなくて100人単位の派遣をすることができると考えますがいかがでしょうか、当局の御見解をお伺いしたいと思います。
 (5)つ目に、市町村によっては中学生を対象とした海外派遣事業を実施しているところがございます。県の人材派遣事業と市町村の同事業との連携を図りながら実施することによって、より効率的に、より専門的な人材育成ができるのではないでしょうか。そうすることによってもっと効果の上がる事業になるのではないかと思われますがいかがでしょうか、当局の見解を伺いたいと思います。
 (6)つ目に、世界各地で活躍しているウチナーンチュたち、彼らと連携することによって毎年もっと大勢の子供たちを各地に派遣することができると考えられますが、いかがでしょうか。彼らは沖縄の子供たちを受け入れてもよいとの情報を私は聞いておりますが、いかがでしょうか。
 (7)つ目に、学校における安全対策について伺います。
 先日、まことに痛ましい事故が起こってしまいました。与那城町の伊計小中学校における、テレビが落下して頭を打ち死亡するという事故でございます。事故に遭い、とうとい命を落としてしまった子供さんに心から御冥福を祈りたいと思います。安全であるはずの学校においてあのような痛ましい事故が起きたことは大変残念でなりません。特に小学校における安全対策には十分過ぎるほど配慮をしなければならないと改めて思わずにはおられません。
 教育委員会として、今回の事故を教訓として二度とこの種の事故が起こらないようにするために、特に小学校の安全対策についてどのような指導をなさってきたかについて教育長の御答弁を求めたいと思います。
 2点目に、県道24号線交差点改良工事についての質問でございます。
 謝苅入り口交差点の改良工事についてでありますが、北谷町への入り口である謝苅入り口方面は、国道からの右折の際は、最近、右折路線が十分確保されてスムーズに流れておりますが、国道向けには北谷町民や沖縄市方面からの車の往来が非常に激しい地域であります。国道向けに右折路線がないために慢性的な交通渋滞を招いております。実際、この地域は交通事故も絶えません。何とか右折路線を設ける必要があると思いますが、当局の御見解を伺いたいと思います。
 ちなみに、去る11月24日、25日の両日、午前8時から午後7時までの間、北谷町役場の職員により謝苅入り口の車両動向調査を行った結果、5612台の車が通過しております。1時間当たり、実に510台の車が同交差点を利用しているということでございます。
 直進車両と右折車両が一つの路線になっているために、時には右折車両が1台も通過できないという事態も起こっております。そのことから、いらいらして交通事故を誘発するということもたまに見受けられます。よって、この地域にはどうしても右折の路線の確保が必要であります。
 現在国道に設置されております歩道橋は、バリアフリーになっておりません。そのために健常者のみしか利用できません。そこで、老人や身体にハンディのある者も利用できるような安全な横断歩道を設置して、歩道橋を撤去し、右折路線を確保するか、あるいは現在の歩道橋の階段部分の移設をすることによって右折路線を確保することが可能になると思うわけでありますがいかがでしょうか、担当部署の御見解を伺いたいと思います。
 あわせて、謝苅入り口のバス停上屋の設置許可についての質問でございます。
 謝苅入り口のバス停は、先ほど同様、去る11月24日、25日の両日、午前8時から午後7時までのバス停の利用状況調査をした結果、学生が32人、一般客が82人の利用がありました。一般利用者の半数近くは老人でございます。同地域のバス停には上屋が設置されてなく、真夏や荒天時には利用者が大変困っているのが実情であります。それで住民からの要望も多く、北谷町議会においても定例会のたびに議員からの質問が絶えません。北谷町としても何とか早くバス停の上屋の設置をしなくてはならないとの思いがあるようでございますが、ここは県道であるために勝手に上屋を設置するわけにはいかず困っております。北谷町としては、かねてより県に対して要請をしてきた経緯がありますが、路線を管理している県の担当部署の見解を聞かせていただきたいと思います。
 3つ目に、県道24号線バイパス工事についての質問でございます。
 (1)、この事業に対しては、北谷町民はもとより、現24号線を利用している多くの県民が24号線バイパスの早期実現を待ち望んでいるところであります。この県道24号線バイパスの北谷地域における事業の進捗状況を伺いたい。御答弁を求めます。
 (2)つ目に、同バイパスと現町道と平面交差する部分はすべて接続して交通の利便を図らなければならないと考えますが、計画ではどうなっているかお答えをいただきたいと思います。
 4つ目に、中城城跡公園南側の傾斜地にありますコンクリートの残骸の撤去についての質問でございます。
 (1)、この建築物はいつ、だれが、何の目的でそこに建築をしたか伺いたい。
 (2)つ目に、世界遺産周辺にあのような建造物があるのはどうにも見苦しい限りでございます。早急に撤去が望まれるところでありますが、担当部署としてはどのように考えるか、御答弁を求めたいと思います。
 5点目に、中水利用による河川の浄化についての質問でございます。
 伊佐浜下水処理場の処理水の有効活用についてであります。
 (1)、伊佐浜下水処理場における処理水の水質と比謝川の北谷浄水場への取水地域における水質の状況を伺いたいと思います。
 (2)点目に、処理水の1日の排出量は幾らで、どこに排出しているか伺いたい。そして排出先の生態系に問題はないか、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
 (3)つ目に、比謝川の源流である越来ダムに同処理水をまぜることによって比謝川の水質はどのように変化するか。今よりよくなるのか、悪くなるのか、そのことについてお答えください。
 比謝川は、北谷浄水場の取水池にもなっており、上流での水質汚染は許されることではありません。特に東南植物楽園北側隣接地の排水路は比謝川に合流する二級河川ではないかと思いますが、どうでしょうか。その周辺にある養鶏場や畜舎等からの水質汚染の心配がありますが、そのあたりの水質については環境基準値をクリアしているのだろうか、お答えいただきたいと思います。
 河川は常時適度の水量があれば自然に浄化すると考えますが、いかがでしょうか。そのためにも比謝川の源流に水質に問題のない水を供給できるのであれば、河川の浄化につながると思いますがいかがでしょうか、当局の御見解をお伺いいたしたいと思います。
 6番目の沖縄自由貿易地域の運営状況につきましては今回は取り下げまして、次の機会に回したいと思います。
 最後に、我が党の代表質問との関連で質問いたします。
 (1)、先日、我が党の比嘉京子議員からの代表質問の中で、県民大会を開催して都市型戦闘訓練施設の建設中止を訴えるべきだと、県民大会の開催を促す質問に対して知事は、県民全体の盛り上がりや大会の規模などを十分に考慮しながら各界各層を網羅した全県的なものになることが必要と答弁なさいましたが、これでは全く意味がわかりません。
 皆さん、その内容で意味が理解できますか。知事は、県民大会を開催することを御答弁なさったのか、改めてお答えいただきたいと思います。
 (2)つ目に、知事はこの問題に関していち早く訓練施設の建設に反対を表明されました。そして去る10月7日に実際に知事御本人が現地を視察なされたことによって、地元伊芸区民は県知事と一体感を感じ本当に喜んでおりました。現場では、知事と区民との感動的な場面があったことは新聞紙面で紹介されておりました。知事は、実際に現地に行かれてどのような感想をお持ちになったか、気持ちを新たにすることがあったのかどうかについて知事の思いを聞かせていただきたい。
 私は、先月25日に伊芸区の監視塔に行ってみました。残念ながら建築現場はかなり工事が進んでおります。そこで、伊芸区の池原自治会長とお会いしてお話を聞きましたが、池原自治会長のおっしゃるには、もはや地元だけでこの訓練施設の建設を中止させることはできない、ここは知事を先頭にして政治決着でしか問題の解決はできないと話しておりました。私も同感であります。
 そこで知事に改めて伺いますが、知事はこの問題、都市型戦闘訓練施設の建設を中止させるために今後どのような対策を講ずる考えであるか、改めてお伺いしたいと思います。
 また、政治決着をつけるにはどうしても県選出の国会議員の先生方、与野党を問わず一丸となって政府に当たるべきであると考えますが、どうもそのような雰囲気が感じられないのは残念であります。
 伊芸区の自治会長に聞きましたら、11月末現在、野党の国会議員の先生方はそれぞれが何回か現地にお見えになって地元の区民とも接触があり、オジー、オバーたちを励ましておられます。しかしながら、与党の国会議員の先生方はいまだに現地にお見えになっていないと聞いております。知事は事あるごとに与党の国会議員の先生方に会ってお願いするとおっしゃいますが、私の知る限りにおいて与党の国会議員の先生方は現地を見ずしてどうして危険な状態を体感できるのか。知事も現地に行かれて改めて感ずることが何かあったはずではありませんか。何なら私が先生方を現地へ案内する役目を務めても結構でございます。どうか知事から申し上げていただきたいと思います。
 沖縄に新たに危険な基地をつくらせないという共通認識の上に立ち、県民のことを真剣に考え、県民の立場に立ってこそ沖縄選出の国会議員であると言えるのではないでしょうか。
 知事は、与野党を問わず県選出のすべての国会議員の先生方に対してこの都市型戦闘訓練施設建設を中止させるために要請すべきであると私は考えますが、いかがでしょうか、知事の明確な御答弁を求めたいと思います。
 以上でございます。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午前11時5分休憩
   午前11時5分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 瑞慶覧議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、人材育成事業の内容とその効果についてでございます。一括してお答え申し上げます。
 本県が自立に向けて持続的に発展し、世界に開かれた交流拠点を形成していくためには、国際化に対応し得る人材を育成することが重要であると考えております。県としては、沖縄振興計画のもと国際性豊かな多様な人材の育成に努めております。現在、県人材育成財団等を通じて行っている事業としてアメリカ、ドイツ、スウェーデン、フィリピン、韓国等への高校生海外派遣事業や沖縄県・ハワイ州高校生交流事業、沖縄県人材育成海外派遣事業、同時通訳者養成事業等があります。これらの事業により派遣した人数は国費では405名、県費では1472名、計1877名となっております。留学に参加した人たちは通訳、医師、研究者等として県内外を初め各分野で国際的に活躍しております。今後とも本県の振興・発展に貢献し、国際社会に通用する人材育成を図っていきたいと考えております。
 次に、県民大会の質問にお答えいたします。
 県民大会については、県民全体の盛り上がりや大会の規模などを十分に考慮しながら、各界各層を網羅した全県的なものになることが必要であると考えております。ちなみに平成7年の県民総決起大会は、県議会全会派が提起して取り組みがスタートし、県議会議長を実行委員長として53市町村と各議会、主要な経済、労働、市民団体など320団体から成る超党派の実行委員会が組織され、その結果、多数の一般市民が参加した画期的な大会が実現したものと理解しており、県民が主体となった取り組みが必要であると考えております。
 次に、現場視察の感想についてお答えをいたします。
 私は、去る10月7日に現地を視察し、改めて陸軍複合射撃訓練場の危険性を認識するとともに、地元の方々から直接お話を伺い、建設中止への思いを強くしております。
 続いて、陸軍複合射撃訓練場の今後の対応等についての御質問は一括してお答えいたします。
 県は、これまで米軍を初め日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて陸軍複合射撃訓練場の建設中止を求めてきたところであります。県としては、今後、県選出国会議員や金武町と密接に連携し、日米両政府に対し、あらゆる機会を通じてさらに強く工事の中止を求めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育長(山内 彰) 沖縄県高校生米国派遣事業についてお答えいたします。一括してお答えします。
 平成10年度から始めたこの事業は、国との合意により高校生を米国に派遣する事業で本県のみに適用されている国費によるものであります。現在までに226名を派遣しております。今後の派遣先や派遣人数の拡大については国との調整を図り考えていきたいと思います。
 次に、中学生の海外派遣についてお答えいたします。
 県教育委員会は、世界と手をつなぐグローバルな教育という視点で、市町村に海外派遣の推進を働きかけてまいりました。現在、26の市町村が海外派遣事業を行っており、その派遣先はアメリカが19市町村、カナダが5市町村、中国が2市、台湾、イギリスが1町1村、フランスが1村となっております。これは、九州・沖縄サミットを機会にして各市町村において交流が活発になったと理解しております。今後とも各市町村と連携して、国際交流拠点沖縄を担う国際性豊かな人材育成に努めていきたいと考えております。
 次に、世界各地との連携についてお答えいたします。
 現在、高校生の派遣・交流事業として5つの事業により世界10カ国に毎年110名前後で派遣をしております。この事業においては、海外の沖縄県人会の大きな支援を得ております。特にハワイ沖縄連合会には格別な協力・支援を得ております。
 御提言の留学生の受け入れについては、今後検討していきたいと思います。
 次に、小中学校の安全点検についてお答えいたします。
 児童生徒の健やかな成長の場である学校においてとうとい命が失われたことは、まことに遺憾に思っております。
学校の安全点検については、学校保健法に基づき学期に1回以上実施するよう定められていますが、県内のほとんどの学校において月に1回実施されております。安全点検については点検マニュアルを作成し、それに基づき学校の施設・設備や備品、遊具等の安全性をチェックし、設置者に報告するよう指導・助言をしております。今後、設置管理者である市町村教育委員会と連携し、よりきめ細かな安全点検の徹底を図り、事故防止に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 県道24号線の謝苅入り口交差点についてお答えいたします。
 県道24号線は、起点を北谷町吉原の国道58号とし、終点を沖縄市島袋の国道330号とする延長4.3キロメートルの道路であります。当該道路は交通量が多く、一部において線形が悪いことから、平成14年度より現道の整備を実施しているところであります。
 国道58号と接続する謝苅交差点の改良につきましては、国道管理者である国と歩道橋の取り扱いも含めて協議し検討していきたいと考えております。
 次に、謝苅入り口のバス停上屋設置許可の可能性についてお答えいたします。
 バス停上屋の設置の申請に対しては、道路法第32条による占用許可で対応しており、歩道幅員が原則として3メートル以上の箇所においては設置可能であります。
 次に、県道24号線バイパスの進捗状況についてお答えいたします。
 県道24号線バイパスは、平成15年度から整備に着手しており、平成16年度は実施設計、用地測量等を進め、平成17年度は用地買収、物件補償等を行っていく予定であります。事業の推進に当たっては、地元地権者の御理解と御協力が必要であります。
 同バイパスと町道との接続についてお答えいたします。
 県道24号線バイパスと町道が平面的に交差する箇所は4カ所あります。そのうち、町道の謝苅桑江線と謝苅バイパス線の2カ所については、県道バイパスが地形等の関係で高架橋区間となることから接続は困難であります。また、町道の謝苅1号線と謝苅中央線の2カ所については、交差点等による接続が可能であります。
 次に、中城公園内南側にあるコンクリート建造物の建築目的及び撤去について一括してお答えいたします。
 中城公園内にある当該物件は、昭和46年から48年ごろにかけ株式会社国際産業、沖縄国際観光都株式会社ほか個人1名の三者により、ホテルやレストラン等の用途を目的として建築され、昭和49年の営業中断以降、放置されている状況であります。当該箇所は、公園整備事業計画において「歴史学習エリア」として位置づけ、案内施設等を整備する計画であります。現在、権利者と交渉中であり、県としても早期に撤去し工事の早期着工を図りたいと考えております。
 次に、宜野湾浄化センターの処理水の水質の状況についてお答えいたします。
 宜野湾浄化センターの処理水は、下水道法で規定されている生物化学的酸素要求量20ミリグラムパーリットル、浮遊物質量70ミリグラムパーリットル等の水質基準値を満足しております。
 次に、宜野湾浄化センターにおける1日当たりの処理水量と放流先についてお答えいたします。
 平成15年度の処理水量は、1日平均で8万4700立方メートルであり、宜野湾浄化センター地先の海域へ放流しております。
 次に、比謝川と宜野湾浄化センターの処理水との水質の比較についてお答えいたします。
 比謝川における測定位置や検査項目等の違いにより一概に比較はできませんが、処理水は一般的な水質の指標である浮遊物質量は良好なものの、生物化学的酸素要求量は同程度か、比謝川の水質の良好な場所と比較してやや数値が高い状況にあります。
 次に、越来ダムに処理水をまぜることによる比謝川の水質の変化について、また処理水を河川に放流することによる河川の水質の浄化について一括してお答えいたします。
 現在、宜野湾浄化センターでは下水の二次処理を行っております。越来ダムに同センターの処理水を放流することについては、ダム水に富栄養化現象を起こす等の課題が考えられます。また、河川に放流することについては、河川の状況を総合的に調査検討を行う必要があり、現時点では河川の浄化について予測することは困難であると考えております。
 以上であります。
○瑞慶覧 朝義 再質問をいたします。
 まず、県道24号線謝苅入り口交差点改良工事につきまして再度質問いたします。
 北谷町におきましては、同交差点事業とバス停上屋の設置につきましては長年の懸案でございます。今回の私の質問に対する当局の答弁を聞いて実現も近いなという感じがいたしました。本来、バス停の上屋の設置はバス会社が行うべきものだと思いますが、諸般の事情からいつまでも待つわけにはいかないということで、北谷町としては早期実現に向けて予算をやりくりして早速設計にかかる準備をしていると聞いております。
 交差点改良工事とあわせて県の担当部署には、実現に向けて最善を尽くしていただきたいということで担当部署の決意ある答弁を再度求めたいと思います。
 それから、都市型戦闘訓練施設建設について再度質問いたします。
 知事は、今日までその種の質問に対して常に申し上げておられていたことは、県選出の与党国会議員ということに終始しておられました。先ほどの答弁からしますと野党国会議員も含めて要請するという答弁だったと認識していいかどうか、再度お答えいただきたいと思います。
 また、去る10月7日、知事が都市型訓練施設建設の現場を伊芸の監視塔から視察されたときに、伊芸区民と直接お会いになり、オジー、オバーたちとの感動的な場面の中で知事は、子や孫の命を守るために全力を尽くしている区民の話に胸を打たれたと言われました。そのことは知事が実際に現場に行かれて体感された率直な表現であると、私は知事のコメントに胸を打たれました。
 知事のその熱い思いが冷めないうちに国や米国に対して政治生命をかけるつもりで強力に訴えていただきたいと思いますが、知事はどのような方法でこの思いを彼らに伝えていかれるか、今後の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 瑞慶覧議員の再質問にお答えをいたします。
 最初は、県選出与党ということであるけれども、今回は全部ということでいいかという御指摘でございますけれども、県選出議員ということで先生の御指摘のとおりでございます。
 次は、その現地に行きまして皆様の感想を得た上でさらにその上でどうするかということなんで、若干感想をもう少し細かく述べてみたいと思います。
 私が心を打たれましたのは、先ほどの御指摘にございましたように、現地の年取った方々が皆さん来られまして、これは私たちはイデオロギーで物を言っているのではありませんよと。私たちはただ自分たちの子供や孫のために一生懸命頑張っているんだということで頭を深々と下げまして――私もできる限り頭を深々と下げたんですけれども――本当にこれは私の心に強く訴えたものでした。この思いというのは今でもしっかり持っております。
 そして先週も――私も東京に行く機会も多いわけですけれども――表にはそれは出しませんけれども、本当にありとあらゆるところに現実にいろいろな形で行ってまいりまして、多くの方に今その方向に向かって本当に全力を向けて努力していただいております。それとともに、金武町と連携をとりながら少しでもいい方向に行くように全力を尽くしていきたいと思っております。
○土木建築部長(末吉 哲) 謝苅交差点改良とバス停の上屋の設置についての再質問についてお答えいたします。
 謝苅交差点の改良につきましては、管理者である国と協議して検討していきたいと考えております。
 バス停の上屋の設置につきましては、現バス停の近くに歩道幅員が3メートル以上あるかどうか調査し、地元による早期整備ができるかどうか検討していきたいと考えております。
 また、交差点改良をした場合に3メートル以上の歩道幅員がとれるかどうかを検討していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○新里 米吉 護憲ネットワークの新里米吉です。一般質問を行います。
 知事の政治姿勢について質問します。
 知事は、6月定例会まで、辺野古沖への基地建設についてはSACOの着実な実施を答弁してきましたが、ヘリ墜落後の9月定例会で辺野古に固執しないとの答弁をしました。SACOの着実な実施に辺野古に固執しないとの答弁が追加されましたが、これまでの答弁の一部修正と受け取れます。
 (1)、SACOの着実な実施を一部修正されたのか伺いたい。
 沼田大使が離任に当たっての発言で、沖縄に対する理解者のポーズをとりながら最後まで沖縄を理解できず、そして最後まで県民の側に立てなかった大使であったことをみずから証明しました。県民は日常的にアメリカ人といがみ合っているのではなく、事件・事故が起きたときに抗議をしており、当然の行動さえも全く理解されてなかったことに憤りを超えて沖縄大使の存在意義に疑問を感ぜざるを得ません。沖縄県民はおとなし過ぎるとの声が聞かれるほどで、事件・事故に抗議行動がとれず、対話になってしまったら沖縄県民は米軍基地の存在に満足しているという誤ったシグナルを日米両政府に与えることになり、基地問題が前進しないことは明白であります。沼田大使は、事件・事故に対する私たちの抗議や申し入れに対し、外務省の立場から理解を求めたり、米軍を擁護する発言が見られる人でした。
 そもそも外務省沖縄事務所を1997年に設置して以来、大使がかわるたびに軸足が県民からずれていくとの声が多くの方から聞かれ、最近ではこのような大使は要らないとの声も聞かれます。
 この質問は複数の方からありましたので答弁は結構ですが、しかし不満がうっせきしていることを新しく赴任する宮本大使へ知事から伝えることを要望したいと思います。もちろん私たちも申し入れ等の際に厳しくそのことを話していきたいと思っています。
 翁長那覇市長は、奥武山球場の建てかえや陸上競技場を再整備する奥武山スポーツコンベンションアイランド構想の実現を街頭演説、総決起大会、後援会の集会等で語ったと報道されています。また、当選後のインタビューでも最初に取り組みたい公約について、奥武山野球場の建てかえ、屋内練習場を設け、3万人収容のプロの公式戦もできる野球場、その1年後に奥武山陸上競技場を完成させると明言しています。ところで、現在奥武山野球場を含む奥武山公園の各施設は県が管理しています。
 そこで質問します。
 (3)、沖縄県と那覇市の間で奥武山公園の各施設についての改築と施設管理の分担を協議されたのか、その結果はどうなっているのか説明してください。特に野球場と陸上競技場の改築と管理について明確にしてください。
 (4)、那覇市が野球場と陸上競技場の改築と管理をすることは長年の懸案事項であったと思います。県は、今回のことを踏まえて奥武山のその他の施設の改築に積極的に取り組む姿勢が必要になります。とりわけ全国高校総体で必要不可欠なプールの改築について知事の所見を伺いたい。
 次に、基地問題について質問します。
 県は、これまで辺野古沖への基地建設については、親川知事公室長が13年ないし14年、府本知事公室長が15年ないし16年と答弁され、13年ないし16年かかることを明らかにしてきました。新聞報道によると、政府はアメリカから8年以内の建設を求められたことに対し13年以上かかるとしていました。那覇防衛施設局もヘリ墜落事故についての抗議・申し入れの際にそのことに言及し13年以上と発言しました。
 しかし、9月定例会において知事は、「普天間飛行場代替施設の建設について事業者である国は――これは8月24日の石破長官の発言ですけれども――技術的に早くする努力は可能であると考えている、」、県としても工期短縮の努力をしていただきたいと考えていると私に答弁しました。
 ところが那覇防衛施設局長は、10月の新聞インタビューで工期短縮が困難な状況を次のように述べています。「やはり一番は天候。少しでもうねりが出てくると作業ができない」、「科学性を持つ土木工事に基づく積算であり、パッと何かが出てくる話ではない。」、「気象条件による作業への影響は、われわれの知識、経験を超えた部分がある」、「工事そのものが非常に困難。リーフの端にかかって、浅い場所と深い場所がある。リーフ内は一トン船までしか使えない。外からの激しい波に直面し、海底も平たんではない。他の埋め立て空港にはない、建設条件そのものに対する負担がある」と厳しい建設環境を率直に話しています。
 また、山崎拓首相補佐官は、SACO合意の最大の目玉は普天間返還だが、辺野古沖代替施設はまだ着工もされていない。着工しても完成まで10数年かかる。この問題は宙に浮いている感じがすると述べています。
 そこで質問します。
 ア、知事は9月定例会において、普天間飛行場代替施設の建設について事業者である国は技術的に早くする努力は可能であると考えていると答弁しています。これまでアメリカから8年以内を求められたことに対し、13年以上かかるとしてきたのに、ヘリ墜落後突然、工期短縮が可能になった理由を伺いたい。
 イ、県がこれまで答弁してきた13ないし16年の根拠を伺いたい。
 ウ、工期短縮が可能になった結果、建設に何年かかりますか。どの程度短縮できますか。
 エ、那覇防衛施設局長は、10月10日のタイムスインタビューに工期短縮が困難な状況を述べています。日本政府関係者の中で工期短縮の認識に違いがあるのか伺いたい。
 オ、SACO最終報告の長さ1500メートルの海上基地を、長さ2500メートルの広大な埋め立てに変更させた理由を伺いたい。
 次に、普天間基地について質問します。
 去る11月28日、下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民総決起大会において、民間航空以外利用しないとする「屋良確認書」の遵守のほかに、普天間飛行場の早期閉鎖を求める大会決議を採択されたことが報道されました。宮古郡民の平和を希求する心が決議に反映されたものと思います。知事は9月定例会において普天間基地閉鎖につながる答弁をしています。
 そこで質問します。
 ア、9月定例会において、危険除去の具体的な方法には、イラクに参戦している40数機の帰還反対と残る10数機を早急に国外等へ撤退させる取り組みも含まれるかとの質問に、イラクからの40数機の帰還に反対する、残る10数機の早急な撤退についても、事故原因の究明と公表、全機種の飛行停止、事故の再発防止、兵力削減、訓練の分散移転等に当然それも含まれると答弁しています。この答弁は、普天間基地からすべての飛行機を撤退させる姿勢を明確にしたものです。すべての飛行機を撤退させる考えであれば、当然普天間基地の閉鎖要求になると思います。知事の所見を伺いたい。
 イ、沖縄国際大学構内の事故現場を視察した町村外相は、被害が重大な事故にならなかったのはパイロットの操縦がうまかったかもしれないと述べたことが報道された。町村発言について知事の所見を伺いたい。
 次に、教育行政について質問します。
 平成14年度公立学校の教育職員の病気休職の状況調査によると、沖縄は260名で、沖縄より多いのは埼玉331、大阪301、東京299の3都府県のみです。3都府県とも沖縄の数倍の人口があり、率では沖縄よりはるかに少なくなります。九州では福岡158、鹿児島97、宮崎75、長崎51、熊本44、佐賀36、大分34となっており、沖縄の260名は異常なほど多いことがわかります。その原因と改善の取り組みについて伺いたい。
 統合教育の取り組みについては、山内教育長が2回も読んだと言われる「学校好きなんだ」に紹介されています。
 今帰仁村は、10年以上も前から障害児を普通校へ受け入れてきた。吉田学校教育課長は、どの程度の障害までなら受け入れるのか尋ねると、ケース・バイ・ケース。仮に全盲で寝たきりの子供がいて、親が地元の学校へと希望するなら受け入れる。可能な限り対応すると答え、山城教育長は、障害児受け入れに積極的な理由について、村民は村の学校で教育していくとの基本理念を語られた。
 また、伊平屋村の西銘村長は、島での暮らしを希望する住民の受け皿づくりは行政の責任。健常児でも交通事故などで障害を持つ可能性がある。それを受け入れないのは施設的な欠陥だと述べ、積極的に取り組まれています。
 しかし、統合教育の取り組みは県内の市町村で格差があります。統合教育についての県教育長の所見と課題を伺いたい。
 次に、交通及び福祉行政について質問します。
 沖縄都市モノレールが「バリアフリー優秀施設・活動大賞」をJR東日本などとともに受賞しました。新聞報道によると、同大賞は、交通バリアフリーの推進と支援を目的に、全国各地の公共交通機関の利便性や安全性の向上に取り組んだ団体に贈られる。沖縄都市モノレールは、視覚障害者のための音声誘導システムや車いす乗降装置の設置などバリアフリーの取り組みが評価され、県視覚障害者福祉協会から推薦されたとのことであり、大変喜ばしいことです。
 県視覚障害者福祉協会の山田会長は、今後、バス会社などにも取り組みを頑張ってほしいと述べています。大賞受賞と山田会長の述べたことへの所見を伺いたい。
 次に、我が会派の代表質問との関連質問をします。
 1点目に、平良長政議員の沖縄電力の原発研究についての関連質問をします。
 ほとんどの先進国が脱原発の方向でクリーンエネルギーの研究や導入を積極的に取り組んでいます。沖縄も事故の絶えない原発よりも、風力などのクリーンエネルギーの研究にもっと力を入れ、実用化していくことが大切だと考えます。
 ところが、沖縄電力が県内の電力需要に見合う出力30万キロワット程度の小型原子炉の研究開発を進めている日本原子力発電に社員を出向させ、研究していることが明らかになりました。県の答弁は、導入を前提としたものではない、沖縄電力の検討について見守るとのことですが、県内の電力需要に見合う30万キロワットの研究であり、原発導入の可能性を含めた研究であることが明白です。県民に不安を与える原発導入の検討中止を申し入れる必要があると思いますが、どうですか。
 2点目に、當山弘議員の国際自然保護連合の再勧告への対応に関連して質問します。
 国際自然保護連合は、ジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全を求める勧告を採択しました。そして軍民共用空港建設計画、ヘリパッド、軍用道路の建設計画やマングース、野猫等に憂慮を表明しています。
 このように具体的な指摘、憂慮表明について県の見解と対応を伺いたい。
 答弁の後、再質問します。
○知事(稲嶺惠一) 新里議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、SACOの実施についてでございます。
 山崎首相補佐官は、普天間飛行場について米軍再編の中で加速して進めたいと述べ、県の考えに対し重く受けとめ対処していくことを示したものと思います。県としては、実効性のある代替案が提示されていない段階で日米両政府で確約された返還方針を変更することはできないと考えております。今後、米軍の再編に関連して日米両政府の合意による実効性のある代替案が提示されるならば、具体的に検討していきたいと考えております。
 続きまして、奥武山水泳プールについての御質問にお答えいたします。
 奥武山水泳プールは広く県民に利用され、本県スポーツの振興に大きな役割を果たしてきました。しかしながら施設の老朽化が著しい状況にあります。現在、関係部局間で調整会議を設置し、県民の利活用や全国高校総体の開催を視野に入れ、施設の規模や整備の方法等について検討を進めているところであります。
 続いて、普天間飛行場の危険除去についての御質問にお答えをいたします。
 県は、普天間飛行場の危険除去については当面の最大の課題と考えており、事故発生後、速やかに日米両政府に対し、危険除去のための対策を講じ危険性を限りなくゼロにするなど再発防止に万全を尽くすよう強く求めているところであります。普天間飛行場の返還については、日米両政府に対し、これまで以上に作業を加速させることにより同飛行場の一日も早い返還を求めているところであります。
 続きまして、外務大臣の発言についての御質問にお答えします。
 外務省に確認したところ、御指摘の発言については、事故現場を確認した際、民間人の死傷者が出なかった原因としては、事故の際の操縦士の技能にも一つの原因があるのかもしれないとの印象を述べたものに過ぎず、今回の事故を軽視したり、操縦士の技能を称賛したりする趣旨のものではないとのことであります。また、誤解を与えかねないような発言を行ったことについては、不適切なところがあったかもしれないとしております。県としては、今回の事故発生後、速やかに日米両政府に対し、普天間飛行場の危険除去のための対策を講じるなど再発防止に万全を尽くすよう強く求めているところであり、町村外務大臣におかれては県民の不安を払拭する観点からも最大限の努力をしていただきたいと思います。
 続きまして、沖縄都市モノレールの「バリアフリー優秀施設・活動大賞」の受賞についての御質問にお答えいたします。
 沖縄都市モノレールは、だれにでも安心して利用できる公共交通機関を目指して、沖縄県及び那覇市の福祉のまちづくり条例に基づき計画段階から積極的に障害者団体とともにあらゆる角度から検討を重ね、バリアフリーに配慮した施設整備に取り組んできました。このたびその取り組みが評価され、去る11月12日に沖縄都市モノレール株式会社が「バリアフリー優秀施設・活動大賞」を受賞したことは、まことに喜ばしいことであります。特に車いす利用者は1日平均約25人で、他都市のモノレールと比較しても極めて利用率が高く、車いす利用者の円滑な移動に寄与しております。今後ともバリアフリーの推進に積極的に取り組んでいく考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 基地問題の中で、工期の短縮についてお答えいたします。
 県は、今回の事故の後、日米両政府に対し、これまで以上に普天間飛行場の一日も早い返還を強く求めたところであります。国としては、県の要望を真摯に受けとめ、代替施設の建設について工期短縮に最大限の努力をする考えを示したものであります。
 次に、工期13年から16年の根拠についてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設の完成までの期間については、国から具体的な数字を示されたことはありません。これまでに環境影響評価等の手続に3年程度を要することが予想され、また方法書でも工期について9.5年とされております。
 次に、どの程度短縮できるかについてお答えいたします。
 国は、現在、工期短縮に向けて検討を行っているところとのことであり、短縮期間については明らかにされておりません。
 次に、工期短縮の認識についてお答えいたします。
 報道によりますと、代替施設の建設について那覇防衛施設局長は、工事そのものは非常に困難としながらも、工期短縮に向けて努力していくとしております。また、外務大臣と防衛施設庁長官も工期の短縮を図る考えを述べており、政府関係者の工期短縮を図るという考えは一致しております。
 次に、代替施設の長さの変更についてお答えいたします。
 平成8年のSACOの最終報告の長さ1500メートルの海上ヘリポート案は、米軍の専用飛行場として計画されたものであります。県は平成11年11月、代替施設については、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを移設に当たって整備すべき条件の一つとして国に申し入れました。同年12月には、閣議決定において「代替施設については、軍民共用空港を念頭に整備を図る」とされました。その政府方針を受け設置された代替施設協議会において国、県及び名護市等で協議を重ね、平成14年に基本計画が策定され、長さ2500メートルとなったものであります。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 那覇市との協議についてお答えいたします。
 県は、那覇市の「奥武山公園スポーツ施設整備基本構想」策定に際し協議をしてまいりました。協議により奥武山野球場の整備と管理については平成19年度以降、同市が行うことでおおむね合意に達しており、年内に覚書を締結する予定であります。
 なお、陸上競技場の整備については、同市からの具体的な計画が示された時点で検討したいと考えております。
 次に、病気休職についてお答えいたします。
平成15年度の病気休職者の内訳は、成人病等疾患が41.3%、精神性疾患が33.0%、出産前の病気休職が25.7%であります。その原因については特定はしがたいのですが、教職員の年齢構成による生活習慣病の増加、教職員の男女の割合、休職前の病休日数の違い等さまざまで複合的な要因が考えられます。
 取り組みとしては、スクールカウンセラーの配置及び養護教諭や産業医による健康相談、医師による24時間フリーダイヤル相談、病院を指定したメンタルヘルス相談等を実施しております。今後とも教職員個々に応じた実効性のある取り組みに努めていきたいと考えております。
 統合教育についてお答えいたします。
 社会においては、ノーマライゼーションの理念が浸透し、学校教育においても統合教育という考え方が生まれてきたととらえております。その際、相互理解、相互扶助という視点に立って児童生徒一人一人の教育ニーズに応じた教育的支援を行うことが大切であると考えております。今後の課題といたしましては、施設・設備の整備、専門性を有する教員の配置等の条件整備があります。市町村教育委員会と連携してその充実を図ることが必要であると考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 交通バリアフリーの推進に向けたバス会社の取り組みについてお答えします。
 ノンステップバス等の低床バス導入により、公共交通のバリアフリー化を推進することは、高齢者や身体障害者等が自立した日常生活や社会生活を営む上で極めて重要であると認識しております。本県のバス事業者においては、本島及び石垣市で低床の乗り合いバス5台を導入しバリアフリー化に努めているところでありますが、低床バスの普及には車両価格が高価であるなどの課題があると聞いております。県としても引き続き車両購入補助制度等の活用により公共交通事業者を支援し、交通バリアフリーを積極的に推進してまいります。
 以上です。
○商工労働部長(伊川征一) 原発導入検討の中止申し入れについてお答えをいたします。
 沖縄電力株式会社は、原子力発電について発電方法の一つとして長期的な視点から勉強しており、導入を前提としたものではないとしております。県としては、本県の電力需給見通しが今後とも安定的に推移していくと見込まれることから、原子力発電について検討したことはありません。また、地球温暖化の防止対策とエネルギー供給構造の多様化を図る観点から、石油、石炭、原子力などの既存エネルギーとは異なる新エネルギーの導入について積極的に促進しております。
 このようなことから、沖縄電力株式会社の原子力発電に関する勉強については、その動向を見守っていきたいと考えておりますが、同社とは今後とも新エネルギーを含めた電力の需給見通しなどについて協議してまいります。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) ジュゴン等の保護についての県の対応についてお答えをいたします。
 IUCNの勧告は、ジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナなどの希少動物が生息するヤンバルの貴重な自然について世界が注目していることのあらわれであると考えております。県は、ジュゴンの保護対策としてジュゴンレスキュー実地研修会やパンフレット、ビデオ作成等により普及・啓発を図っております。ノグチゲラ、ヤンバルクイナ等野生鳥獣については、ヤンバル地域に6カ所の鳥獣保護区を設置し保護・繁殖を図っております。また、ヤンバル地域の生態系の保全を図るためマングース、野猫等の実態調査を行い、平成12年度からマングース等外来種対策事業等を実施しております。
 県としては、今後とも国と協力して野生動物の保護対策に取り組んでいきたいと考えております。
○新里 米吉 ちょっと休憩。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午前11時58分休憩
   午前11時58分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 ただいまの新里米吉君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。 
   午前11時59分休憩
   午後1時21分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 午前の新里米吉君の質問及び質疑に対する答弁を続行いたします。
 文化環境部長。
   〔文化環境部長 屋嘉部長市君登壇〕
○文化環境部長(屋嘉部長市) IUCN勧告についての午前中の答弁に補足をして答弁をいたします。
 環境影響評価法においては、対象とする事業種と対象とする規模を定めておりますが、ヘリパッドは同法で対象とする事業種として定められておりません。そのため、現在、北部訓練場内への移設が計画されている北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業――仮称ですけれども――同法の対象となるものではありません。また、沖縄県環境影響評価条例においても同様であります。
 ヘリパッド移設事業及び代替施設建設事業は、自然度の高い地域で実施されるものでありますが、ヘリパッド移設事業については事業者みずからが平成14年6月より自主的に環境影響評価の手続を行っております。
 また、代替施設建設事業については環境影響評価法に基づいて手続を行っております。今後、こうした環境影響評価の手続においてこれらの事業の実施による環境への影響を回避・低減し、または代償とするための環境保全措置が検討されることになります。
 県としては、今後の国の具体的な方針に対応し、国と協力して自然度の高いヤンバル地域の自然環境の保全・保護に努めてまいりたいと考えております。
○新里 米吉 再質問を行います。
 まず、2500メートルの広大な埋め立てについてでありますが、答弁では、政策協議会で軍民共用空港を決めた云々ということで述べておりました。県議会においてこれまでの質問、答弁で、軍民共用空港は採算がとれないということはもうこれは明らかになっています。しかも今回、国際自然保護連合からジュゴンは軍民共用空港建設計画で絶滅の危機がさらに進んでいるという憂慮の表明があります。この指摘について知事の所見を伺いたいと思います。
 2つ目は普天間基地ですが、きのう知事は非常に肩に力が入って大きな声で、閉鎖は求めないということで答弁しておりましたが、それと同時に飛行機も限りなくゼロに近づけるという答弁をして、きょうも私に対してもそのような答弁をしておりました。しかし、9月定例会で私の質問に対して知事が答えたときに、残っている10数機について兵力削減、訓練の分散移転等に当然それも含まれると答えたんです。ということは、飛行機は10数機もなくなればゼロになる。ゼロに近づけるんじゃなくてゼロになるんです。それだけに限りなくゼロに近づけるという答弁では、9月議会の答弁との整合性に欠けます。再度答弁をしていただきたいと思います。
 最後に要望いたします。
 知事は今回の質問に対する答弁で、平和で豊かな基地のない島が最終的な目標であるということを強調されております。基地のない島を目指すなら新しい基地はつくるべきではないと思います。新しい基地をつくれば、その目標からはむしろ遠のいていくんじゃないでしょうかね。
 これまでのマスコミ報道では、アメリカは8年以内につくれと。13年以上もかかるならこれはだめだということで、辺野古への基地建設にはどちらかというと非常に否定的な感じを受けます。問題はむしろ日本政府だなと思っているんですね。しかし、山崎さんのこの間の沖縄での発言を考えると、自民党内も必ずしも一つじゃなくて意見が分かれてきているんじゃないのかという感じさえ受けます。
 国際自然保護連合の再勧告、そしてヘリの墜落、そして事実上工期短縮はもうこれは無理だという状況があります。そういうときこそ辺野古を断念する一つのチャンスではないか。しかもアメリカが基地再編の時期に来ている。このことを考えると県が動くべきときじゃないのか。この間、与党からもありました、参謀がいないと。マスコミ報道を紹介して苦言、提言という感じを受けました。元自民党県連幹事長、会長を経験した方が副知事におられます。自民党本部にもパイプがあるんだろうと思います。こういう方を活用して水面下でそういう工作をして、いきなり知事が表に出るとこんなのはもうパアになるはずですから、水面下の工作をして最終局面で知事が表に出るということで頑張ってほしいと思います。
 終わります。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後1時31分休憩
   午後1時32分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 新里議員の再質問にお答えいたします。
 前回の答弁と今回の答弁と全く違っておりません。整合性はきっちりとあります。
 もう一度申し上げます。
 私は、辺野古に固執しているわけではありませんと。しかし、日米両政府間できっちり合意をされている事項を変更案がない限りは新たなる考え方ということは認めるわけにはいきませんと。そのためにはどうするかと申しますと、現在の大変危険な普天間の基地を危険性がゼロに近づくように――それは兵力、それから訓練の移転等によって危険性がゼロに近づくように全力を尽くすということを申し上げたわけです。新たなる日米間で合意が、新たなる案が出た場合は、それについては検討いたしますと。前後、常に一貫した物の言い方をしております。
○文化環境部長(屋嘉部長市) ジュゴンやノグチゲラ、ヤンバルクイナの保護・保全につきましては、今回の勧告だけではなく、平成12年10月にもIUCNの世界自然保護会議で調査・保護を求める勧告案が日米両政府を除く全会一致で採択されており、その際、国においては同勧告への対応について早期に調査していく考えを明らかにしております。
 今回の勧告案の決議についても、ジュゴンやヤンバルの貴重な自然について世界が注目していることのあらわれであると考えております。
 ジュゴンについては、平成15年4月に改正された鳥獣保護法において新たに同法の対象となる鳥獣となり、現在国においてはジュゴンの全般的な保護方策の検討に資するため平成13年度からジュゴンの広域的な調査を実施していることから、この調査結果を踏まえ具体的な保護対策が検討されていくものと考えております。
 また、ノグチゲラやヤンバルクイナについても、国においてその保全のためにさまざまな調査・研究や対策が行われているところであり、今後、県としては国と協力してジュゴンやノグチゲラ、ヤンバルクイナの保護・保全に向けて取り組んでいきたいと考えております。
○前田 政明 私は、発言通告に基づいて一般質問を行います。
 昨日の12月8日は、63年前の太平洋戦争開始の日です。15年に及ぶ侵略戦争は2000万人以上のアジアの人々の命を奪い、国土をじゅうりんしました。戦後の日本は侵略戦争の反省に立って、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、憲法で平和原則を定めて出発しました。不戦の決意は今日の日本の原点であり、ますます重要さを増しています。戦争のない平和な世界を願い、質問を行います。
 最初に知事の基本姿勢について、基地行政について質問します。
 イラクの大量破壊兵器に関する米政府調査団は、イラクに開戦時、大量破壊兵器が存在せず、開発計画も存在しなかったとの結論を出しました。大量破壊兵器の存在を唯一の根拠にブッシュ米政権の無法なイラク戦争をいち早く支持してきた小泉内閣の責任は重大です。イラク戦争に対する知事の見解を問うものです。
 イラクのファルージャを米軍が包囲して事実上の住民無差別虐殺を行いました。おびただしい数の民間人の犠牲者を出しました。ファルージャの攻撃の中心部隊がまた在沖米海兵隊でありました。沖縄はイラクの人々を殺りくする出撃基地となっております。改めて沖縄の米軍基地の危険な実態と役割を示したものです。知事の見解を問うものです。
 イラクからの自衛隊の速やかな撤退に向けた真剣な検討を行うことが求められていると思います。知事の見解を問うものです。
 米軍の地球的規模での軍事体制再編は、先制攻撃戦略に沿った米軍の地球的規模での緊急展開能力の強化や同盟国の役割拡大をねらっています。在日米軍再編では米軍と自衛隊との一体化が重要な柱に位置づけられています。アジア・太平洋地域での能力を強化するとの在日米軍基地再編成問題に関連して、既に沖縄の米軍基地を戦略的に再編強化する危険な動きとなっているのではありませんか。知事の見解を問うものです。
 地球的規模での米軍再編成においては、沖縄の米軍基地の実質的な再編強化に反対をし、都市型戦闘訓練施設建設や普天間基地でのヘリ訓練を許さず、辺野古のボーリング調査を中止させ、SACOを見直し、普天間基地の即時閉鎖・撤去、辺野古への新基地建設、浦添地先への新軍港建設の中止を求めることが県民の命を守る知事の職責ではありませんか。知事の見解を問うものです。
 昨日、在沖米海兵隊のCH46輸送ヘリ3機とKC130空中給油機1機が下地島空港に着陸しました。きょうも着陸するということでありますが、下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民総決起大会、これは私も参加いたしましたが、下地島空港の軍事基地化に断固反対を表明した宮古郡民の総意に挑戦するものです。下地島空港の軍事利用をさせてはなりません。知事の見解を問うものです。
 環境行政、普天間飛行場建設事業に係る環境影響評価方法書についての知事の意見について質問します。
 県環境評価審査会の答申は、前文で、当該事業に係る環境影響評価は、より慎重かつ十分に、より科学的かつ客観的に行われなければならない。そのために方法書においては、事業の実施に伴う環境への影響を適切に評価し得る環境影響評価の項目・調査・予測・評価の手法が選定されなければならない。しかしながら、方法書の事業内容は環境影響評価の項目及び手法が適切なものであるか否かを判断するに足る内容が示されているとは言いがたい。当審査会としては、当該事業に係る環境影響評価を適切に行わせるための方法書について的確な意見を述べることは困難であると考えると指摘したことは極めて重要であります。当局の見解を問うものです。
 国際自然保護連合が日米両政府に対し、ジュゴンなど希少野生生物保護とボーリング調査を環境アセスの対象とするなどの見直しを求める勧告をどのように受けとめているか、知事の見解を問うものです。
 行財政・三位一体改革について質問します。
 三位一体改革は、国庫補助負担金の廃止・縮減、地方への税源移譲、地方交付税見直しの3点を指しますが、一体した改革の後の出口は国の歳出のカットにあります。教育、福祉関係が大半を占める補助金の削減で国の財政負担を減らすとともに、国の財政支出で大きな割合を占める地方交付税の削減をねらっています。地域住民の暮らし、福祉を守る地方自治の役割を踏みにじり、しわ寄せを暮らし、地方財政に押しつける内容となっています。三位一体改革に対する知事の基本的な見解を問うものです。
 三位一体改革の県財政への影響額と各部局ごとの事業への影響を具体的に説明してください。
 県内市町村財政と住民生活――国保行政、生活保護行政、教育行政、地域経済――への影響について説明してください。
 児童福祉行政について質問します。
 児童相談所問題につきましては本議会でも決議がされました。児童相談所の強化を求める決議の、1、児童福祉司を増員、コザ児童相談所に一時保護所の設置を真正面から受けとめて、児童相談所の充実と体制強化について取り組んでいただきたいと思います。当局の見解と対応を問うものです。
 次に、学童保育行政について質問します。
 障害を持つ我が子にも生き生きした放課後の生活を送らせたい、そんな親たちの願いから障害児補助事業が実現しました。障害を持つ子供の放課後生活の保障への願いは県内でも急速に広がってきました。しかし、施設・設備や指導員の加配等まだまだ不十分な面が多く、必要とする子供たちを十分受け入れ切れていない現状です。学童保育の充実と学童保育における障害児保育について当局の見解と対応を問うものです。
 医療・保健行政について質問します。
 2004年4月から就業経験10年以上の准看護師が看護師の資格を得るための教育の拡大を目的として2年課程通信制がスタートしました。この制度は、看護のレベルアップを図り、安全・安心の医療・看護を確立する方策の一つとして実施されたものです。2年課程通信制を受講するためには養成所での受講が必要です。本県には就業している准看護師が約4800人います。多くの準看護師が受講を希望しております。
 (1)、准看護師が看護師の受験資格を得るための2年課程通信制の養成所の設置について当局の対応と見解を伺います。
 産婦人科医、助産師の不足は深刻な事態となっています。助産師の養成について当局の対応と見解を問うものです。
 また、県立病院における産婦人科医の確保について当局の対応と見解を問うものです。
 教育行政について質問します。
 栄養教諭制度が平成17年度から施行されることになりました。栄養教諭の職務は、子供たちに対して正しい基礎知識に基づいてみずから判断し食をはぐくむ上で非常に重要な役割を担うものと期待されております。学校における食教育に関する指導の充実を図るために早期の栄養教諭制度の導入が求められております。当局の見解と対応を問うものです。
 最後に、文化財保護行政について質問をいたします。
 重要文化財保護行政について説明をしてください。
 国指定重要文化財「新垣家」の保存について当局の見解と対応を伺います。
 答弁によりましては、時間の許す範囲で再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 前田議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、イラク戦争についてでございます。
去る大戦で悲惨な地上戦を体験した沖縄県民は、命の大切さと平和のとうとさを肌身で感じており、世界の恒久平和を強く望んでおります。県としては、イラクの復興が一日も早く実現し、平和的な民主国家として再建されることを願っております。
 続きまして、在沖米軍基地の実態と役割についての御質問にお答えいたします。
 在沖米軍基地の運用は、日米安保条約に基づき行われていると理解しておりますが、過酷な沖縄戦を体験した県民としてイラクはもちろんのこと、武力紛争の生じない国際社会が実現することを念じております。
 続いて、自衛隊の撤退についての御質問にお答えいたします。
 県としては、イラクの復興が一日も早く実現することを期待しており、我が国も関係各国と協力しながら主体的に貢献していくことが望ましいと考えております。自衛隊のイラク派遣については、自衛隊員の安全確保に万全の対策を講じられ、我が国の人道復興支援活動に対し、イラク国民の一層の理解が得られるよう努力する必要があると考えております。
 次に、米軍再編についての御質問にお答えをいたします。
 県は、これまで日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて米軍再編において本県の過重な基地負担の軽減がなされるよう強く求めてきたところであり、小泉総理大臣は、沖縄の基地負担の軽減を図るためには国内外への移転も含め日本全体の問題として責任を持って進めることを表明しております。県としては、政府の責任において米軍再編の中で県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減がなされるべきだと考えております。
 次に、米軍再編における沖縄の米軍基地についての御質問にお答えいたします。
 県としては、米軍再編の中で、日米両政府において基地の整理縮小や海兵隊の訓練の国内外への移転も含め、在沖米軍兵力の削減などが具体的に検討され、県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減がなされるよう求めているところであり、引き続きあらゆる機会を通じて働きかけてまいります。
 次に、下地島空港の使用についての御質問にお答えいたします。
 下地島空港については、これまで米軍の使用を自粛するよう強く要請したところであり、いわゆる「屋良確認書」や昭和54年に県と国との間で確認した同空港の管理運営方針「西銘確認書」を踏まえた利用が行われるべきであると考えております。県としては、これまで日米両政府に対し、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減が行われるようあらゆる機会を通じて強く求めてきたところであり、新たな基地の負担につながるようなことに対しては反対であることを明言しております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 審査会答申に対する見解についてお答えをいたします。
 方法書については、環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法が示されますので、方法書についての意見は項目及び手法が適切かどうかの観点から述べることになります。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る方法書は、環境影響評価法で定める事項は記載されており、法的要件を満たしているものの、事業内容の記載が十分ではないものがあります。そのため、沖縄県環境影響評価審査会からの答申においては、環境影響評価の項目及び手法が適切なものであるか否かを判断するに足る内容が示されているとは言いがたいことから、準備書を作成するまでの間に決定される代替施設建設事業の具体的な内容を考慮して項目及び手法を改めて見直しさせ、当該見直しに係る環境影響評価を行わせることとの意見が述べられたものと理解しております。
 また、審査会としては方法書について的確な意見を述べることは困難であると考えたことから、個別の項目について網羅的に41項目に及ぶ意見が述べられたものと理解をしております。
 次に、IUCNの勧告に対する見解についてお答えをいたします。
 IUCNの勧告の内容は、日本政府とアメリカ合衆国政府に対する要請であると承知しております。当該勧告におけるジュゴンやノグチゲラ、ヤンバルクイナなどの希少動物の保護に関する内容は、ジュゴンなどの希少動物が生息するヤンバルの貴重な自然が国際的に注目されていることのあらわれであると考えております。県としては、今後の国の具体的な方針に対応し、国と協力してジュゴン等の保護・保全に取り組んでいく考えであります。
 また、ボーリング調査等に関する勧告の内容についてでありますが、現行の環境影響評価法においては、事業を建設工事や土木工事など具体的な工事としてとらえられる範囲に限定しており、計画策定のために行われるボーリング調査等の事前調査は同法の対象とはなっておりません。そのため、同勧告は、法の改正等の法制度にかかわる要請であると考えております。
○総務部長(仲田輝享) 三位一体の改革に対する知事の見解についてお答えします。
 三位一体の改革は、歳入歳出両面での地方の自由度を高め、地方がみずからの責任で行政サービスを選択できる幅を拡大するものであり、地方公共団体における自主・自立的な行財政運営を確保し地方分権を推進する観点から重要なことであると考えております。しかしながら、改革による影響は各地方公共団体によりさまざまであることから、それぞれの地域の特殊事情に配慮した見直しを行うべきであります。
 特に、本県においては沖縄振興特別措置法の趣旨が損なわれることなく、また沖縄振興計画の着実な推進に支障が生じないよう必要な措置を講ずるべきであると考えております。また、税源に乏しい離島等の地方公共団体が引き続き適切な行政サービス水準を確保することができるよう、三位一体の改革の推進に当たっては配慮する必要があると考えております。
 次に、三位一体の改革による県財政への影響額及び各部局ごとの事業への影響についてお答えします。
 三位一体の改革の全体像では、国庫補助負担金の改革について平成17年度及び18年度において3兆円程度の廃止・縮減等の改革を行うことなどが示されました。しかしながら、国庫補助負担金改革の対象となる項目や見直しの具体的な内容について不明な点が多く、また税源移譲や地方交付税の改革の内容についても詳細が明らかにされていないため、現時点では県財政への具体的な影響を把握することは困難であります。県としては、今後の動向を注視し、改革の具体的な内容及び県財政への影響の把握に努めてまいります。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 県内市町村財政への影響についてお答えいたします。
 先ほど総務部長からも答弁がありましたように、全体像による県内市町村への影響については、まだその詳細が示されていないことから具体的に示すことは困難であります。今後とも、引き続き改革の具体的な内容や市町村財政への影響の把握に努めてまいります。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 三位一体改革についての中の国保、生活保護行政への影響についてお答えいたします。
 政府・与党において合意された三位一体の改革の全体像の中で、国民健康保険については都道府県負担が導入されることとなっております。新たに導入される都道府県財政調整交付金の市町村への配分方法については、今後、地方三団体と総務省、厚生労働省による検討の場を設け、地方の意見を尊重しつつガイドラインが作成されることになっております。
 一方、生活保護費については、国庫負担金の負担率を引き下げることで検討されていましたが、平成17年度の実施が見送られ、今後「地方団体関係者が参加する協議機関を設置して検討を行い、平成17年秋までに結論を得て、平成18年度から実施する。」との内容になっております。このように、具体的な内容については詳細が明らかにされていないため、現時点では住民生活への影響を把握することは困難であります。県としましては、今後の動向を注視しながら関係省庁等からの情報収集に努めてまいります。
 続きまして、児童相談所の充実と体制強化についてお答えいたします。
 児童相談所の組織体制については、より効率的・効果的な体制にするための見直しを行った上で、市町村、福祉保健所等との役割分担、両児童相談所の児童福祉司1人当たりの持ちケース数等の状況を踏まえ、限られた人員の中で適切な対応ができるよう体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
 コザ児童相談所への一時保護所の設置につきましては、現在、一時保護所入所児童1人当たりの一時保護期間が九州各県平均に比べ2倍以上になっていることや、一時保護の動向等について調査・分析し今後の課題として検討していきます。
 なお、当面の対応としては、中央児童相談所の一時保護所の定員増の検討を行うとともに、児童養護施設及び里親への一時保護委託等によって適切に対応していきます。
 続きまして、放課後児童クラブの充実と放課後児童クラブにおける障害児保育についてお答えいたします。
 本県の放課後児童クラブは、平成16年5月現在、実施箇所数は200カ所、在籍児童数は9094名となっております。
 昨年度市町村が実施したニーズ調査によりますと、放課後児童クラブ設置の要望が多いことから、平成17年3月までに策定する次世代育成支援の地域行動計画において放課後児童クラブの設置目標を掲げ、市町村における放課後児童クラブ設置を促進していきたいと考えております。
 また、県では、国の補助を得て放課後児童クラブで障害児を2名以上受け入れる場合に補助の加算を行っております。放課後児童クラブにおける障害児の受け入れは、障害児が異年齢の児童と交わることで積極性が身につくなど、障害児の成長にとって有益であることなどの効果が指摘されております。
 このようなことも踏まえ、今後とも放課後児童クラブにおける障害児の受け入れについて実施主体である市町村に働きかけ、市町村の取り組みを支援していきたいと考えております。
 続きまして、看護師2年課程通信制の養成所の設置についてお答えいたします。
 看護師2年課程通信制は、准看護師が看護師国家試験受験資格を得るための教育機会の拡大として平成16年4月から実施できることとなり、現在、全国で3校において開設されております。県においては、平成15年度に准看護師の進学意向調査を行った結果、アンケートに回答した准看護師の64.9%が通信制への進学を希望しております。また、医療関係団体等からも県内での開設に向けて強い要望があることから、県においても検討をしているところです。
 続きまして、助産師の養成についてお答えいたします。
 助産師の養成は、平成13年度までは県立沖縄看護学校助産学科と琉球大学医学部保健学科において年間26人から27人養成されておりましたが、平成15年度は琉球大学と県立看護大学で9人の養成となっております。
 大学における助産師の養成は、学生がみずから選択するコースとなっていることから、助産師を希望する学生は少ない傾向にあります。また、病院や診療所に勤務する助産師の確保は厳しい状況にあるとして、医療機関や関係団体等から県内での助産師の養成が強く求められております。助産師の養成については、看護職員の需給の動向等を踏まえて検討しているところです。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 教育行政への影響についてお答えいたします。
政府・与党で合意した三位一体の改革の教育行政に及ぼす影響として義務教育費国庫負担金、公立学校施設整備補助・負担金、その他文部科学省所管の補助・負担金があります。
 義務教育制度については、改革の全体像においてその根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持することとされています。その方針のもと、義務教育の維持向上を含む教育のあり方及びその費用負担について平成17年度中に結論が出されることになっております。また、公立学校施設整備に係る補助・負担金については、平成17年度中にその取り扱いを決定することとなっております。その他の文部科学省所管の補助金を含めいずれの補助・負担金についてもその詳細が示されておらず、現時点では教育行政への具体的な影響を把握することは困難であります。県教育委員会としましては、今後の動向を注視し、改革の具体的な内容及び教育行政への影響の把握に努めてまいります。
 次に、栄養教諭制度の導入についてお答えいたします。
 学校教育法等が改正され、栄養教諭制度が創設されました。栄養教諭は、栄養に関する専門性と教育に関する資質をあわせ有することが求められることから栄養教諭の免許状を取得する必要があります。現在配置されている学校栄養職員が免許状を取得するためには、免許法認定講習を受講し所要の単位を取得することが要件となります。同講習は、国の委嘱を受け県教育委員会が実施することになっているため、平成17年度実施に向け検討をしているところであります。
 次に、重要文化財保護行政についてお答えいたします。
 文化財のうち、歴史上または芸術上、特に価値の高いものを重要文化財に指定し保護しております。重要文化財を保護するためには、適切な時期に保存・修理が必要です。保存・修理については、基本的には所有者が国及び県・市町村の補助を受けて行うことになっております。
 「新垣家」の保存についてお答えいたします。
 新垣家住宅は、伝統的な壺屋陶工の住宅形式を知る上で唯一貴重なものであり、沖縄県に所在する建造物として19件目になる国の重要文化財指定を受けました。
 同住宅は、長年の風雨等により劣化や傷みがあり、現在、保存・修理に向けて文化庁と連携し、那覇市や所有者と協議を進めているところであります。この保存・修理は、母屋のほかに登り窯等も含まれることから事業経費が多額で所有者負担も大きいため、その負担軽減が図られるよう調整を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 三位一体改革が地域経済へ与える影響についての御質問にお答えします。
 県経済を予測する場合は、財政支出を初め民間消費、民間設備投資、観光収入、為替レートや消費者物価など幅広い分野の動向を考慮する必要があります。
 三位一体の改革については、国庫補助負担金改革の具体的な内容について不明な点が多く、税源移譲や地方交付税の内容についても詳細が明らかにされていないため、現時点では地域経済への影響を把握することは困難であります。
○病院管理局長(平井哲夫) 県立病院における産婦人科医の確保についてお答えいたします。
 産婦人科医については、他の診療科目に比べなり手が少なく、全国的にもその確保が非常に厳しい状況にあります。県においては、これら医師の確保について県内外大学への要請や中部病院臨床研修修了医及び県立病院での勤務経験がある医師等への呼びかけ、ホームページによる募集等も行っております。
 また、県立中部病院での臨床研修事業において産婦人科を希望する医師については優先的に採用するよう配慮するとともに、他の診療科を専攻している医師に対しても産婦人科への変更を呼びかけるなどその確保に努めているところであります。
○前田 政明 再質問を行います。
 イラク・ファルージャでの攻撃というのは、知事、一般的なことじゃなくて、国連人権高等弁務官もこれは国際法違反、すなわち国際人道法違反、一般市民が標的にされている、過剰武力行使に当たると。こういう面で、これはヘリ墜落事故を起こした8月に沖縄を立った米海兵隊が中心部隊なんです。だからそのことについて、ただ一般的にイラクの人々が平和でというものではなくて、出撃基地、すなわち具体的に沖縄県知事としてこの沖縄県から出撃をしたこのCH46、53を含めて攻撃になっている。そういう面では国際人道法違反、本当に許すことのできないこういう問題に対してどう知事が考えているかということでありますので、ここのところはお答えください。
 それから、普天間基地ですけれども、ヘリ訓練は中止させるべきだと思います。知事は現在の普天間での米軍ヘリ、これは墜落しない、安全なんだとこう言い切ることができるのでしょうか。やはり8月13日に見られるように米軍ヘリは危険です。そうであるならば当然この米軍ヘリ訓練をやめろと、そういう面で知事は日米両政府が合意した中身で米軍ヘリは安全と思っているのか、県民の命は守られると思っているのか、そこのところをまずお答えください。
 それから、地球的規模での再編につきましては、SACO県内移設、これがまさに21世紀の沖縄の米軍基地がアメリカの戦略的な基地に日本国民の税金を使ってつくりかえられている。
 私は、このSACOの基地のところを見てきました。びっくりいたしましたのは、読谷村のトリイステーションのあの「象のオリ」――喜瀬武原の近くからは見えませんけれども――もうあれは世界最大の通信基地というか、核攻撃を想定するすごい基地です。そういう面では辺野古もそうだし、浦添地先もそうだし、今の県内基地移設というのは本当はアメリカの21世紀を見たこの沖縄の本土化、これを進めながら進める。そういう沖縄が世界の戦争のさらに拠点になる。これがあなた方が言っているSACO移設、SACOの問題なんです、本質は。これをあたかも代替施設のことのごとく言うこと自体が私は事実をゆがめていると思いますが、そういう面で世界戦略のアメリカのかなめとして辺野古も、そして那覇軍港、都市型戦闘訓練基地も位置づけられている。これに対して断固反対をし、アメリカの野蛮な世界戦略に組み込めないという立場を知事はとるべきだと思いますが、お答えください。
 それから、環境行政の問題ですが、方法書というのは本来何のためにあるのか。環境アセス法にどうして方法書が取り入れられたのか、ここのところをまず御説明をお願いしたいと思います。
 それから、方法書について不備がある。これは愛知万博もそうだし、藤前干潟の問題でもゼロオプションに近い形でこれは環境影響としてだめだという形で工事が中止されたのがあります、また変更されたのがあります。そういう面で準備書に書けというのは、これはひきょうなやり方だと思いますね。非常に欠落をしている。この方法書に不備がある。これをそのままにしておいて次の段階に進めさせる。何のために方法書というのが、環境アセス法があるんですか。だからそこのところはもう一回明確な御答弁をお願いしたい。
 それから国際自然保護連合、これの勧告は極めて重大ですよ。すなわちボーリング調査を中止せよ、そしてゼロオプションを含めて見直しなさいと。これは今の日本の環境アセス法の理念からいってもできることなんですよ。この世界自然保護会議の事務レベルの打ち合わせの中で厚労省の担当は、いわゆるゼロオプションもあり得ると、今の制度でもあり得ると、こういう面で本当に環境をどう守るか。そういう面で私は基地ありき、そして世界で注目されているといいますけれども、今の稲嶺県政の環境アセスに対する態度は基地ありき、そしてそれをつくるために環境アセス法の理念を踏みにじる。日本政府と一緒になって、法を守るべき政府がいわゆる非常にひきょうなやり方でこれを破ろうとしている。これに対して世界の人々は、世界の遺産だ、宝だと。なぜ自然を守る理念に立ってこのアセスの自然を守る、回避する、そして被害を減らすという立場で対応しないのかと。それが知事にあるんじゃないかと、その権限は。それが意見書じゃないかと。それを準備書に記載せよということじゃなくて、方法書にちゃんとそれをやるべきだというのが本来のこの沖縄県民の先祖伝来の自然を守る県知事の役目じゃないか、こう思いますけれども、明確な御答弁をお願いします。
 それから三位一体ですけれども、那覇の議会を私も傍聴してきましたけれども、教育長は、国庫負担金の問題では約205億円、全体的に沖縄で影響が出る。そうなると那覇の場合でしたら107名の加配、すなわち少人数学級、こういうものができなくなる。そういう面ではぜひ守ってほしいと訴えていました。
 それから生活保護行政、仮に今の4分の3から3分の2になると、那覇では9億5000万円の負担増になる、こういうふうにありました。こういう面で今わかる範囲で国庫負担金の影響額はどうなるのか。高知県と並んで最悪の事態です。生活保護についてもどうなるのか、そこをお答え願いたいと思います。
 「新垣家」の問題につきましては、5%負担ということで3億、4億の中で重要文化財を抱えている本人が2000万円も負担をしなければいけないと。これは大変なことです。だから、そういう面では先ほどの教育長の答弁にありますように、前向きに対応していただきたいということをお願いします。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後2時16分休憩
   午後2時18分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 前田議員の再質問にお答えいたします。
 在沖米軍基地の実態と役割についての再質問でございますが、過去、過酷な沖縄戦を体験した県民としてイラクはもちろんのこと、武力紛争の生じない国際社会・秩序が実現することを念じております。
 続きまして、普天間の閉鎖の御質問でございますが、普天間につきましては、危険性が除去、危険性がゼロに近いということを強く私の方は求めております。それはあくまでも兵力の削減、限りなくゼロに近づくと。そして訓練、それの海外及び県外への移転ということを実質的に危険性がゼロに近づくように求めております。
 それと、米軍の再編の問題でございますけれども、この中で非常に重要なことは、小泉総理が言われたように、これは日米の両方で話し合いの中で出ているように沖縄の基地負担を軽減するという点は一致しております。その意味で今後とも沖縄の基地負担の軽減に向かって努力をしたいというふうに考えております。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
 まず、方法書についてでございます。
 現行の環境影響評価法が施行される前の閣議決定要項に基づく環境影響評価は、方法書の手続がなく、事業者が環境影響評価を完了した後、準備書で初めて情報が公開されておりました。その時点では実態として事業の内容がほぼ決定されており、環境影響評価の結果が適切に事業計画に反映されていないという批判がありました。また、事業者にとっては準備書段階で調査の不備等が指摘された場合、大幅な調査の手戻りが必要になるという問題もありました。
 こうした批判、問題に対応するため、同法では実際の調査・予測・評価を開始する前に、知事や住民等の外部の意見を聴取することによって環境影響評価の項目・手法を選定する方法書の手続が導入されております。そのため、方法書の手続は事業計画の変更が柔軟に行える事業計画の早期の段階で開始されることとされております。そのため、事業計画が具体的に決定された段階で方法書の手続を開始すると方法書手続の意義を損なうおそれもあります。
 以上のことから、事業者において方法書についての知事意見や住民等の意見を十分に勘案していただければ適切な環境影響評価が行われることになると考えております。
 次に、IUCNの勧告についてお答えいたします。
 ボーリング調査等に関する勧告の内容について、現行の環境影響評価法においては事業を建設工事や土木工事など具体的な工事としてとらえられる範囲に限定しており、計画策定のために行われるボーリング調査等の事前調査は同法の対象とはなっておりません。そのため同勧告は、法の改正等の法制度にかかわる要請であると考えております。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 再質問の生活保護費国庫負担金の負担率が4分の3から3分の2に変更になった場合、どのぐらい増になるかということですけれども、平成15年度をもとにしますと、平成15年度に沖縄県が支出した生活保護費の国庫負担基本額298億3531万円のうち、国庫負担金は223億7648万円となっております。国庫負担率が3分の2になった場合には198億9021万円となり24億8627万円が負担増となります。
 以上でございます。
○前田 政明 ちょっと休憩。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後2時25分休憩
   午後2時25分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 前田政明君。
   〔前田政明君登壇〕
○前田 政明 知事、改めて、普天間基地の米軍ヘリは飛んでおりますけれども、これは安全ですか。落ちないという保証をできますか、答えてください。
○知事(稲嶺惠一) 私どもは危険性を除去する、危険性をゼロにする、そのために兵力を削減、そして訓練の移転、それを限りなくゼロに近い方に持っていくということを強く主張しております。
○前田 政明 休憩をお願いします。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後2時27分休憩
   午後2時27分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 前田政明君。
   〔前田政明君登壇〕
○前田 政明 知事、再度お尋ねします。
 命を守る県知事として8月13日のような事故が起こらないとちゃんと断言できますか。県民に対して責任を持った対応ができますか。ここだけちゃんと答えてください。
○知事(稲嶺惠一) あのような事故が二度と起こってはならないように危険性ゼロに向かって全力を尽くしております。
○前田 政明 私は、この議会の論戦を通じて稲嶺県政がいかに世界から見ても道理の通らない、私たちの先祖伝来のこの自然の宝、辺野古を守らない、ジュゴンを守らない、そして何が何でもアメリカの世界戦略、ファルージャに見られるような国際人道法に違反するようなそういう残虐な出撃基地をさらにつくる。耐用年数200年ですよ、辺野古に求められているのは。そんな21世紀までもこの基地をつくるためにアセスの精神も投げ捨てる。本当に日米両政府の出先機関になっていると言われても仕方がないです。
 そういう面で県民の命と暮らし、基地をなくすることこそ県民の幸せになる道であるということを訴えて終わります。
○奥平 一夫 皆さん、こんにちは。
 大変迫力ある前田議員の後ですから、ちょっとやりにくい面もありますが、一般質問をさせていただきます。
 きょうもきのうと同様に、実は下地島空港に米軍ヘリが強制着陸をいたしました。去る11月、下地島空港の軍事利用に反対するという6市町村長、あるいは6議長ほか各議員の総意のもとで総決起大会が催され、多くの郡民が参加をいたしました。そういった住民の気持ちを逆なでする行為であると断ぜざるを得ません。満身の怒りをもって米軍に抗議をするとともに、沖縄県にとってもっとしかるべき実効ある抗議の仕方をしていただきたい。それをお願いして一般質問に入りたいと思います。
 今回の一般質問は、基地行政とそれに関連する環境及び観光行政を中心に行っていきたいと思います。
 県は、昨年4月に沖縄環境基本計画を策定しており、その中で県は、恵み豊かな環境を保全及び創造し、将来の世代に引き継ぐことは私たちの責務であると述べ、さらに、しかしながらこの沖縄は島嶼県であるため環境容量が小さく、環境負荷の増大に対して脆弱であるということからさまざまな問題が顕在化することが懸念されており、私たちにとっても深刻な問題として認識する必要があると述べております。
 将来の世代に豊かな社会を引き継ぐことの責務、つまり持続可能な社会をどうつくっていくのかということが述べられているわけであります。さらに、この基本計画の中では基地の存在が問題解決の大きな障害となって常に立ちはだかっていることがわかります。全くと言っていいほど基地から派生する環境被害に対する調査や対策は手のつけようがないことを残念ながら露呈しその限界を示しております。
 廃棄物処理が国内法の適用を受けない、ないしは基地内への立ち入りができないことがその大きな要因である。さらに、この環境基本計画を策定した沖縄県知事みずから新しい基地の建設で貴重な海域を埋め立て、自然破壊の先導的役割を担おうとしているさまは残念でもあるし矛盾のきわみであります。沖縄の環境と基地行政の状況は、例えればまるでみずからの足7本を食いちぎり、残った1本を食べようかどうしようか迷っているタコのようだと言っても過言ではありません。
 IUCNの勧告を受け入れて、知事、持続可能な社会をつくり、輝く未来を子供たちにつないでいくためにも沖縄の自然環境をこれ以上破壊すべきではないと思います。知事が先頭に立って県行政各部が連携をし、その防止と保持に努めていただくことを念頭に一般質問をしていきたいと思います。
 環境行政についてお伺いいたします。
 地球温暖化は確実に始まっております。地球上では温暖化によると見られるさまざまな異常現象、異常気象が起こっております。海面上昇による南洋諸島の海岸浸食、北極の氷の急激な縮小、私たちの周りでも温暖化の影響と思われるふだんとは違う異常気象現象が起こっております。
 地球規模の温暖化を阻止しようと京都において1997年12月、各国の温室ガス排出削減目標を定め合意が成立をしました。いわゆる京都議定書であります。日本国は2008年から2012年までに1990年比で6%の削減を国際的に約束しました。あれから7年が経過をしています。ちなみにこの12月、地球環境温暖化防止の月間だと聞いております。
 そこでお伺いいたします。
 地球温暖化の現状とその取り組みについてお伺いしたいと思います。
 ア、沖縄における温室効果ガス排出の現状と、そのことが今後の沖縄の環境にもたらす影響についてどのようなことが予想されるか。
 イ、沖縄県として排出ガス削減へ向けての具体的な対策、アクションプログラムを示してください。
 (2)、赤土流出の現状とその防止対策について。
 農地や森林伐採等による開発行為、開発地域あるいは米軍基地からの赤土流出等による環境被害の現状と防止のための具体的対策について伺いたい。
 慢性的な水不足が続く沖縄において水資源の確保は至上命題であるが、環境破壊が続く中、さらに森林を伐採しダム開発等で水資源の確保をするつもりなのか。あるいはどのようにして水の安定供給、良好な水環境を確保するつもりなのかお聞きいたします。
 (4)番目、県内における一般廃棄物あるいは産業廃棄物の減量化への取り組み、また不法投棄の現状と対策への取り組みについてお伺いしたい。
 (5)番目に、環境問題について県各部の横断的な連携による取り組みについて各部の認識をお聞きしたい。
 (6)番目に、大浦産廃火災事故について伺います。
 ア、火災事故からとうとう3年が経過をいたしました。住民の県への不信は3年前と変わらずむしろ増幅しているものと思われます。現場は依然としてそのまま放置された状態です。知事の見解をお聞かせください。
 イ、県はこの事故から何を学び産廃行政にどのように生かそうと考えているのか、それとも学ぶべきものはないと考えているのかお聞きをいたします。
 (7)番目に入りますが、このことについては、宮古島は地下水源以外にほかに代替水源がないということを念頭に置いて、しっかりと緊張感を持って県にはぜひ対処していただきたいというふうに考えます。
 お伺いします。
 宮古島地下水源における塩素イオン濃度上昇問題について伺います。
 宮古島の飲料水水源の4つの取水源付近の塩素イオン濃度の上昇が下げどまらず懸念をされております。サンプリング調査を続けている中の1つの井戸については通常の30倍から40倍近い濃度を示し、明らかに何らかの外部の影響を受けていることを裏づけています。そのため早期の原因究明と対策がとられるべきだと思うが、県の対応をお聞きしたい。
 大きい2番目、観光行政について伺います。
 県の策定した県観光振興基本計画の中で設定された平成23年最終年度における目標フレーム入域観光客650万人、観光客1人当たりの県内消費額10万9000円について伺います。
 (1)、その根拠について具体的に説明をしてください。
 (2)、650万人の誘客で水や交通、廃棄物、そして自然環境への負荷及び住民生活への影響をどのように認識しているか伺います。
 大きな3番目、基地行政についてお伺いいたします。
 これは知事にお伺いいたしますが、(1)、基地行政と環境行政及び観光行政について整合性のあるあなたなりの行政運営についての基本的考え方をお聞かせください。
 (2)、下地島空港の軍事利用について知事の見解を伺いたい。
 これは多くの議員が質問をされておりますが、改めてまた質問をさせていただきます。
 ア、6市町村長、議会議長を初め多くの郡民が一丸となった軍事利用反対総決起大会について知事の見解をお聞きしたい。
 軍事問題について6万郡民並びに6市町村長や議会議長が一緒になって総意でこの問題に立ち向かったのは初めてでありますので、県知事の見解をお聞きしたい。
 イ、照屋寛徳議員の質問主意書で明らかになったように、政府は「屋良確認書」の解釈で軍事利用に含みを残す発言が相次いでいます。これは一連の普天間代替基地が完成するまで下地島空港を一時使用したいとする米軍の意向や、防衛庁の秘密文書で明らかになったとする台湾・中国有事に備えて先島に陸上自衛隊を配備するいわゆる防衛力のあり方検討会議がまとめた最終報告に盛り込まれ、さらには戦闘機の配備も計画されているとの報道もある。こういった米軍や防衛庁の意向が背景にあるものと思われるが、これまで一貫して知事が答弁してきた「屋良確認書」や「西銘確認書」をしっかりと遵守するとした発言、再度強い反対の見解を伺いたい。
 教育行政についてお伺いしたい。
 (1)、県立高校における中途退学者数の過去10年間の推移について全国比でお伺いをしたいと思います。
 (2)、その主な理由について伺います。特に地域特有の理由があるのかどうかも含めて御答弁をお願いします。
 (3)、何らかの理由で中途退学が予想される生徒への対応を県は学校側をどのように指導しているのかお聞きします。
 (4)、中途退学者を出さないための抜本的な取り組みはどうあるべきか、県としての考え方をお聞かせください。
 5番目に、沖縄本島と宮古・八重山を結ぶ海底光ケーブルの敷設事業完成に伴うその有効利用についてお伺いいたします。
 事業完成に伴ってブロードバンドサービスなど事業への活用が考えられ、さらに企業誘致へ向けての環境づくりも整うことになります。情報化社会へ向けてさらなる県のバックアップを必要とするが、当局の見解をお聞きしたいと思います。
 6番目に、ハンセン病啓発のためのハンセン病証言集編集事業に係る予算措置について伺います。
 この事業は、稲嶺知事の歴史的な政治決断によって愛楽園や宮古南静園の入園者や退所者への支援を約束し、ハンセン病に対する差別・偏見の真相究明と後世に残る啓発事業として取り組むものであり、現在両園では県と事業への相談をしながら聞き取り作業が進められております。
 そこで伺いますが、予算措置についてどのように取り組んでいくか決意をお伺いします。
 また、知事や財政当局、総務部長には特段の配慮を求めたいと思います。そろそろヒアリングが始まる時期ではないかというふうに思いますので、よろしく御答弁をお願いいたします。
 答弁を聞いて再質問をさせていただきます。
○知事(稲嶺惠一) 奥平議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、整合性ある行政運営についての御質問にお答えしたいと思います。
 県の施策は、産業の振興を初め環境、福祉、教育、文化や基地問題に至るまで県民生活の全般にかかわっております。これらの施策・事業は他の分野と関係している部分もあり、事業実施に際しては相互に調整して行う必要があります。そのため、県は、総合計画として産業の振興から基地問題に至るまで6つの基本方向と9つの振興施策を体系的に取りまとめた沖縄振興計画に基づき本県の振興を図っているところであります。
 広大な基地の存在は、赤土、騒音等の環境問題、事件・事故による観光への影響や土地利用上の制約など県民生活にさまざまな影響を及ぼしております。沖縄振興計画にはこのような基地問題の現状と課題を踏まえ、基地の整理縮小への積極的な取り組みや跡地利用の促進などを位置づけております。県は、これら諸問題の解決に向け、基地の整理縮小及び国民の人権、環境保全を図る観点からの日米地位協定の改定、事件・事故の未然防止の徹底を日米両政府に強く求めるとともに、基地跡地の円滑な利用などに着実に取り組み、基地問題の解決を求めているところであります。
 次に、宮古郡民総決起大会についての御質問にお答えいたします。
 宮古郡民総決起大会については、下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民の心情のあらわれであると理解しております。県は、これまで日米両政府に対し、県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減が行われるようあらゆる機会を通じて強く求めてきたところであり、新たな基地負担につながるようなことに対しては反対であることをこれまでも明言しております。
 次に、下地島空港の使用についての御質問にお答えをいたします。
 下地島空港については、これまで米軍の使用を自粛するよう強く要請してきたところであり、いわゆる「屋良確認書」や昭和54年に県と国との間で確認した同空港の管理運営方針「西銘確認書」を踏まえた利用が行われるべきであると考えております。県としては、これまで日米両政府に対し、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減が行われるようあらゆる機会を通じて強く求めてきたところであり、新たな基地負担につながるようなことに対しては反対であることを明言しております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) まず、温室効果ガス排出の現状と沖縄の環境にもたらす影響についてお答えをいたします。
 本県における2000年度の温室効果ガス総排出量は二酸化炭素換算で1284万トンと推計されており、1990年度の排出量976万8000トンと比べて約31.4%の増加となっております。また、ガス種類別では二酸化炭素が94.6%と最も高く、次いで一酸化二窒素が2.9%、メタンが1.8%となっております。
 部門別の排出量割合は運輸部門で約30%、民生家庭系と民生業務系を合わせた民生部門で約47%、産業部門で約17%となっております。
 本県の温室効果ガスの増加は県内の電力消費量や自動車保有台数、人口・世帯数及び観光客の増加が大きな要因となっていると思われます。地球温暖化の進行は将来の沖縄県の自然環境、生態系、健康、経済などあらゆる分野において重大な影響を及ぼすものと予想されております。
 次に、排出ガス削減アクションプログラムについてお答えをいたします。
 県では、排出ガス削減のためのアクションプログラムとして平成15年8月に「沖縄県地球温暖化対策地域推進計画」を策定しております。地球温暖化防止施策を総合的・計画的に進めるため温室効果ガス削減目標を定め、県民、事業者、行政がそれぞれの役割に応じ、連携を図りながら取り組みを推進することにより削減目標の達成を図ることとしております。
 次に、赤土流出の現状と対策についてお答えをいたします。
 赤土等の流出は、平成7年10月に施行した赤土等流出防止条例による規制や対策等により条例施行前の約6割まで減少したと推算されております。流出が減少したことにより、毎年調査している海域での赤土堆積状況も改善の傾向にあります。しかし、現在も降雨時には赤土流出が発生している地域があり、その多くは農地が発生源となっていることから、農地からの流出防止が今後の課題となっております。
 農地からの流出防止対策としては圃場の勾配修正、沈殿池の整備等を行う水質保全対策事業や緑肥栽培等の普及などで営農面の取り組みを実施しております。また、国の委託による農地対策のモデル事業を実施しているところであり、今後、その成果を踏まえて計画的に対策を図ることとしております。さらに、地域住民や関係団体等が一体となった住民主導型の流域協議会の新たな設立と育成に努めているところであります。今後とも赤土等の流出については条例に基づく届け出等の審査や監視・指導を継続するとともに、関係機関、市町村、地域住民とも連携を図りながら農地対策に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、良好な水環境の確保についてお答えをいたします。
 近年、都市部への人口、産業の集中化や開発等に伴う緑の減少などを背景に河川水量の減少、湧水の枯渇、事業場排水、家庭排水等による河川水や地下水の汚濁、不浸透面積の拡大など水環境を取り巻く問題が顕著となっております。これらの問題は、雨水等の浸透機能の低下、地表水と地下水の連続性の阻害などといった水環境系の健全化が損なわれることが主な要因であります。このことから、国においては水環境系の実態を把握し、必要な施策の具体的行動に結びつけるために平成10年に環境省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、経済産業省で構成する「健全な水環境系構築に関する関係省庁連絡会議」を設置し、健全な水環境のあり方について検討を進め、平成15年10月には「健全な水環境系構築のための計画づくり」を策定しております。
 県としましては、国における水環境系の構築の動向を踏まえながら、これまで取り組んできた事業場排水や家庭排水などの発生源対策、公共用水域や地下水における水質の常時監視及び環境教育などの普及・啓発をさらに充実させ、本県の良好な水環境の確保に努めていきたいと考えております。
 次に、廃棄物の減量及び不法投棄の現状と対策についてお答えをいたします。
 本県の平成14年度一般廃棄物排出量は、排出量が最も多かった平成11年度と比較して4.2%減少しております。さらに、リサイクルの増加や焼却等による減量もあって最終埋立量は43%減少しております。産業廃棄物については、平成15年度総排出量は平成11年度とほぼ同水準で推移しているものの、一般廃棄物と同様にリサイクルの増加、焼却、脱水等による減量により最終埋立量は31%の減少となっております。
 県では、廃棄物の減量化を促進し不法投棄を防止するため、市町村に対して排出抑制、リサイクル、適正処理の推進について指導等を行うとともに、保健所、市町村、県警等関係機関の合同パトロール等による監視と早期発見に努めております。特に平成15年5月には県警本部と合同で「美ら島環境クリーン作戦対策本部」を設置し、悪質な事案に対して迅速な行政措置及び積極的な事件捜査を行い、告発等により厳しく対処しております。県としましては、今後とも関係者との適切な役割分担のもと、相互に連携を図り、廃棄物の減量化・リサイクルを推進するとともに、不法投棄の防止対策を総合的に進めてまいりたいと考えております。
 次に、環境問題について、各部の横断的連携とその取り組みについての質問にお答えをいたします。
 廃棄物処理法に基づく許可申請に係る関係法令の手続については、申請等があった段階において事業者に対し関係法令を遵守するよう口頭や資料提供により周知を図ってきたところであります。また、県においては、各部局間の連携を一層図るため去る9月7日には関係法令を所管する土木建築部、農林水産部及び企画開発部の担当課と調整会議を開催し、今後の連携のあり方について調整を行っているところであります。
 なお、産業廃棄物処理業者には9月15日に産業廃棄物の適正処理講習会を開催し、廃棄物処理法と関係法令との関係について説明をし、関係法令の周知を図っているところであります。県としては、今後事業者から廃棄物処理法に係る許可申請が提出された時点で関係機関への情報提供などを行い、関係部局との連携をより強化していきたいと考えております。
 次に、事故から満3年が経過したが、県の見解をお聞きしたいということで宮古の産廃の件についてお答えをいたします。
 県においては、これまで誠意を持って地域の意向も踏まえながら、地域住民の健康や地域の環境保全を図るため環境調査や健康調査等を実施し、その結果についてはその都度地元へ公表してまいりました。また、県が実施してきた環境、健康、地質、海生生物の各調査の結果については、学識経験者から成る専門委員会における解析・評価において、地下水に対する処分場からの影響はないこと、埋立廃棄物や火災残渣によるダイオキシン類が環境汚染の原因になる濃度ではないこと、周辺海域の汚染度は極めて低く魚介類は食用にしても安全であることと判断されており、特に生活環境への影響はないものとしております。今後、県としては処分場の設置者に対し、処分場内に残っている木くず等の混合廃棄物の適正処理や焼却炉を適正に撤去するよう指導を強化するとともに、平良市とも連携して処分場及びその周辺の環境モニタリングを実施し、地域の生活環境の保全に努めていく考えであります。
 次に、この事件から県の産廃行政にどう生かそうと考えているのかという御質問にお答えをいたします。
 県においては、同処分場に対する監視・指導の積み重ねが十分な維持管理の徹底までには至らなかったこと等を踏まえて、通常の監視・指導に加えて平成14年4月から毎年度県内の全最終処分場等に対して総点検を実施しているところであります。また、県では、広域的な産業廃棄物対策を推進するため平成14年4月に保健所へ9名の職員を増員するとともに、警察本部より当部へ警部1名を配置し組織体制の強化を図ったところであります。
 さらに、生活環境に影響を及ぼすおそれのある事故について的確な対応を行うため、平成15年2月に「産業廃棄物処理施設事故等対応指針」を策定し、対応してきているところであります。県としては、今後とも通常の監視・指導とあわせて最終処分場への総点検を定期的に実施し、産業廃棄物の処理業者等に対して監視・指導と改善指示の徹底を図り、厳正に対処していく考えであります。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 水資源の安定確保についてお答えいたします。
 水の需要は、今後とも人口の推移、経済の発展、観光客の増加などにより増大するものと見込まれており、水需要量に見合う水源開発が必要であります。沖縄本島にあっては大保ダムなどの多目的ダムの建設、工業用水の転用などを推進しているところであります。離島にあっては、これまで海水淡水化施設の整備、ダムや取水堰の建設、地下水の開発などにより一定の改善がなされてきております。水需給がなお不安定な一部離島については、将来の水需給の安定化に向け、さらなる水源の開発や水供給施設整備の推進を図り、必要とされる水源水量が確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 宮古島地下水源塩素イオン濃度上昇の原因究明と対策についてお答えいたします。
 宮古島は、地形的形状により飲料水の水源はすべて地下水に頼っており、9つある水源のうち4つの水源において塩素イオンの上昇傾向が見られます。宮古島上水道企業団においては、その原因について調査を実施し、水源地における塩素イオンの上昇は、水源地が海岸に近く台風などによる風送塩の影響が大きいと発表しております。しかし他の要因による影響も懸念されていることから、今後とも調査を継続していくと聞いております。
 水道法では、飲料水源汚染の原因究明及び対策は一義的には水道事業体が行うこととなっておりますが、平良市、宮古広域圏事務組合、宮古島上水道企業団、三者の要請を受けまして県としましても現地視察及び意見交換を実施しております。今後とも宮古島上水道企業団の実施する調査結果を踏まえ、対策が円滑に進められ、安心して飲める飲料水が安定的に供給できるよう関係機関と連携・協力していきたいと考えております。
 続きまして、ハンセン病証言集編集事業の予算措置についてお答えいたします。
 県では、愛楽園・南静園自治会から、平成15年12月に証言集編集事業についての財政支援の要望を受け、これまで両自治会及び編集事務局と7回にわたり連絡会議を行い、事業計画・編集事務局体制等についての助言を行ってまいりました。平成17年度予算措置については、現在各部局と調整を進めております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、観光振興基本計画の目標値の根拠についてお答えをいたします。
 観光振興基本計画の目標年次である平成23年の入域観光客数の目標値650万人につきましては、平成12年の実績452万人を基準に、過去の入域観光客数の増加率をベースとした成長見通しに加えて、航空機燃料税の低減措置や観光振興地域の拡充及び沖縄型特定免税店制度など、新たな沖縄振興計画や沖縄振興特別措置法に基づく積極的な施策展開により目標を達成するという考え方が根拠になっております。
 また、観光客1人当たりの県内消費額の目標値10万9000円につきましては、平成12年の実績約9万2000円を基準に、体験・滞在型観光など観光客の平均滞在日数を延ばす施策やコンベンションの推進、ショッピング観光、エンターテインメントの充実など、沖縄観光の付加価値を高める施策を積極的に展開することにより消費額を増加させるという考え方が根拠となっております。
 次に、650万人の誘客により発生する県内のストレスについてお答えをいたします。
 観光振興基本計画における入域観光客数650万人の目標を設定するに当たりましては、空港、港湾等のキャパシティー、電力供給能力、それから観光客の需要も見込んだ長期水需給計画及び廃棄物処理計画など、社会的容量について各方面との調整を踏まえております。したがいまして、各分野において特段の状況変化がない限り650万人の観光客の受け入れは円滑に行われるものと考えます。もとより本県観光は発展途上にあって、なお多くの課題を抱えており、県におきましては自然環境や住民生活への影響に十分配慮しつつ、目標達成に向けて諸課題の解決に取り組んでいく考えであります。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 中途退学の推移と理由について一括してお答えします。
県立高校の中途退学は、平成6年度から平成14年度までは年間約1500ないし1800人で、率にして3%台を推移し、全国平均2.5%に比べて悪い状況にありました。昨年度は1090人で前年度より550人減少し、率にして2.0%で全国平均を初めて下回り、全国で21番目という数値となっております。中途退学の主な理由は、進路変更、学校生活・学業不適応、経済的理由によるものの3つが多く、全体の約87%となっております。地域特有の理由はなく、どの地域においても進路変更によるものが最も多く、約60%となっております。
 次に、その対応と取り組みについて一括してお答えします。
中途退学者への対応としては、生徒一人一人の実態を的確に把握し、個に応じた指導により学校生活への適応を図ることが大切であると考え、昨年度からそのような具体的な対応に力を入れております。実際として1つには各学校における数値目標の設定、2つ目には生徒理解のための指導・支援カルテの作成と指導、3つ目には校内進級規程の見直しと個別的支援、4つ目に生徒就学支援センターでの体系的な指導などであります。県教育委員会としましてはこれらの指導内容の充実を図り、今後とも生徒のやる気支援事業、スクールカウンセラー配置事業等を積極的に活用し、中途退学への適切な対応を図っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 宮古・八重山地区への海底光ケーブル敷設に伴う情報化社会に向けての県のバックアップについてお答えをします。
 宮古・八重山地区においては、新たな海底光ケーブルの敷設により来年4月から産業、教育、医療などさまざまな分野で高速インターネットの利用が可能となります。今後は、観光や農林水産業等を振興し、地域の発展につなげるためにも地域の豊かな自然や独特の歴史・文化、特産品などの情報を県内外に積極的に発信していくことが重要であると考えております。
 県としましては、地元と連携をして教育や医療等の分野における利活用の拡充を図るとともに、行政事務の効率化や住民サービスの向上に資する市町村の電子自治体構築を支援してまいります。
○総務部長(仲田輝享) ハンセン病証言編集事業に係る予算措置についてお答えします。
 証言編集事業につきましては、11月の下旬に概算要求が提出されております。現在、事業内容等についてヒアリングを行っているところであります。予算措置につきましては、証言集編集の背景やこれまでの経緯等を踏まえ、財政状況も勘案しながら調整していきたいと考えております。
○奥平 一夫 御答弁ありがとうございました。
 時間が少ないので、はしょって再質問をさせていただきます。
 下地島空港への知事の答弁がございました。「屋良確認書」、「西銘確認書」、しっかりと踏まえて反対をしていくということですが、改めて確認をいたします。
 この知事の答弁は、自衛隊機や及び自衛隊を含むと理解してよろしいんでしょうか、再確認をしたいと思います。
 それから、知事の基地行政と環境あるいは観光行政についてのお話、非常に抽象的な話でわかりませんが、少しお聞きいたします。
 私は、さきにお話の中でしましたタコの話、8本足を持ったタコが既に7本を食べ尽くして、あと1本食べようかどうしようかという非常に悩ましいところまで沖縄の基地行政や環境行政は来ているんではないかというふうにやゆしましたが、知事はそのことについて、現在の環境の現状についてどのように認識していらっしゃるかお伺いをしたいと思います。
 もう一つは、それで米軍及び基地が関与したと思われる環境被害は復帰後30年間で、部長、御存じだと思いますので、どれぐらいあったのかお伺いいたします。
 もう一つ、大浦産廃についてお伺いいたします。
 これまで、この6月あるいは9月、10月にサンプリングを行っていると思います、東側の集水池から。この結果報告についてはできているのか、できてないのか。できているのであれば、平良市や住民への報告は既に終わったのか、どうなんでしょうか。
 それから二、三日前、そのサンプリングの際に市の職員が同行しましたけれども、その際にその集水池の汚水がpHが10まで上がっているというお話があったんだそうですが、そのことについては聞いているのかどうか。
 それで、そのpH10が何を意味するのか、その辺どういうふうに考えているのか、お伺いをしたいと思います。
 3つ目に、その問題の抜本的解決についての取り組みについて県の考え方を伺いたい。
 県は、この問題はもうおしまいだというふうに多分考えているかと思うんですが、実際現地の皆さんはこの問題に不安を持っているし、あるいはそれに対する県の対応に不信を持っているわけですよ。ですからそのことについて本当に行政としての務めは住民の不安を解消していく、あるいは危険性に対する不安を取り除いていくということが当面の課題になるかと思いますが、そのことについてもお伺いをしたいと思っています。
 それから、塩素イオン濃度の上昇問題について――これは特別何といいますか――これが原因でどうのこうのというのはまだわかりませんが、ただ数値が基準を超えましたら対策のとりようがないということをまず念頭に置いて質問をさせていただきます。
 断定はできないが、近くの温泉水をくみ上げ使用している病院の温泉排出水が何らかの影響を受けているとすれば、流達時間により遠からず影響が表面化するのは避けられない。そのため水源地上流域における温泉水の影響把握、温泉水対策は急務であると考えられる。これが実は宮古島上水道企業団から委託を受けた沖縄県環境科学センターの報告書のまとめであります。
 そこで伺います。
 そのために調査域と調査の精度を高めることはできないのか、福祉保健部長。つまりそれに対する調査域を広げて調査ができないかどうか。 
 それから、温泉水の垂れ流しを禁止すると同時に、浄水装置をつけるか、あるいは海域に排出してもその温泉成分の慎重な分析を考える。その分析内容が排出基準値内かどうかを見きわめること、これができないかどうか。
 それから、風送塩の影響が大きいと言われましたので、風送塩のメカニズムを企業団と同時に調査をしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 そして、これまで病院から排出されていた温泉水の水量、その場所の特定をして地表面に変化がないのかどうか調査をしてはどうかと思うんですが、これはなぜなら温泉水というのは鉱物を熱してほとんど金属系のカドミウムやあるいは砒素等が入っているもんですから、それが外へ排出されまして地上の細菌やあるいはそういうものと光によって化学変化を起こして、ついにはラテライト化というんだそうですが、これは生物が再生できないような状態になるという、そういう可能性もあるんではないかというのを学者の方が指摘をしておりましたので、この辺についても引き続き調査ができないかどうかをお伺いしたいと思います。
 観光行政についてお伺いします。
 その際、圏域別の誘客数は、650万人の内訳は、那覇都市圏、南部、中部、北部、宮古、八重山等々どれぐらい見込んでいるのか。
 それから、沖縄の島は観光客をどれほど受け入れられるキャパを持っているというふうに考えているか。
 それからもう一つ、海底光ケーブル敷設事業について、教育や病院、農業の問題等についてもお話があって非常にありがたかったんですが、例えばコールセンターなどの誘致について県の相応の支援はあるのかどうか、使用料の軽減等も含めて答えていただきたい。
 ハンセン病のことについては、総務部長あるいは知事の特段の配慮をお願いをして質問を終わらせていただきます。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後3時16分休憩
   午後3時17分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 ただいまの奥平一夫君の再質問に対する答弁は、時間の都合上、休憩後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後3時18分休憩
   午後4時16分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 休憩前の奥平一夫君の再質問に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 下地島の軍事利用についての御質問にお答えをいたします。
 「屋良確認書」、そして昭和54年に国と県との間で確認した同空港の管理運営方針、いわゆる「西銘確認書」、いずれも民間ということを明記しております。したがいまして、軍事利用には一切米軍その他の区別はございません。
 次に、環境行政についてタコの足の御質問がございましたけれども、環境行政については、環境を重視しつつ総合的整合性あるように判断して進めたいと考えております。
○知事公室長(府本禮司) 基地からの環境被害についてお答えいたします。
 米軍基地に起因する環境被害の件数については、復帰後から平成16年7月末現在まで廃油等の流出による水域等の汚染は110件を確認しております。また、航空機騒音による恒常的な被害や、主な事例として恩納通信所跡地におけるPCB含有汚泥物質、久米島町鳥島での劣化ウラン弾の誤射、キャンプ・コートニーでのクレー射撃による鉛弾の汚染等があります。
 以上であります。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
 まず、水質調査等の御質問でございますが、本年8月26日に処分場東側集水池の水をサンプリングをしております。その分析結果については現在取りまとめており、今月末までには明らかになる予定であります。その結果については平良市等へ報告していきたいと考えております。
 次に、水質のpH10以上の数値が出たという御質問にお答えをいたします。
 平成16年度の環境モニタリング第2回目のサンプリングにおいて、処分場東側集水池の水質よりpH10.2のデータが出たとのことでありますが、今後、その内容をよく精査していきたいと考えております。
 次に、宮古の産廃問題の今後の対応についてお答えをいたします。
 県としては、処分場の設置者に対し、処分場内に残っている木くず等の混合廃棄物の適正処理や焼却炉を適正に撤去するよう指導を強化するとともに、平良市とも連携して処分場及びその周辺の環境モニタリングを実施し、地域の生活環境の保全に努めていく考えであります。
 次に、温泉利用施設の温泉排水状況についてお答えをいたします。
 当該温泉利用施設は、平成15年11月15日より施設の利用が開始され、1日当たり約92トンの温泉排水が排水されております。温泉排水の処理方法としては、浄化槽処理を行った後、地下浸透されております。施設利用開始後1年を経過していることから、これまでに約3万4000トンの温泉排水が処理されたものと思われます。
 温泉法に基づき温泉利用事業者が提出した温泉分析書によれば、当該温泉は泉質がナトリウム塩化物温泉で、泉温は48度Cとなっており、含有成分等については温泉法上の基準を満たしております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 調査域の拡大や精度、風送塩のメカニズムについてお答えいたします。
 宮古島上水道企業団においては、塩素イオンの動向及び温泉施設からの影響の有無を調査するため月2回の水源地及び温泉施設周辺の8カ所の井戸の水質検査を継続すると聞いております。さらなる調査域の拡大、精度及び風送塩のメカニズムについては宮古島上水道企業団と調整して今後検討してまいります。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、観光入り込み客数650万人の圏域別の内訳についてでございますけれども、これについては観光客が県内を移動することなどもありましてその算出は困難であります。
 それから、島ごとのキャパシティーについてでありますが、今回の観光振興基本計画においては算出をしておりません。ただ、エコツーリズム推進事業におきましては、持続的な自然との共生を目指してフィールドごとに事業者保全利用協定の締結を促進するなど環境の保全に万全を期しております。
 県といたしましては、次の計画策定並びに目標設定に際して社会的容量とともに、自然環境容量について科学的に検討すべき重要な課題と認識をしております。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) コールセンターの誘致等についてお答えいたします。
 光ファイバーケーブルの敷設により情報通信関連企業が立地する環境の一つが改善され、コールセンター等の立地の可能性も広がってきたものと考えております。
 県としましては、今後、宮古、八重山も含め企業誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
○奥平 一夫 議長、休憩お願いします。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後4時28分休憩
   午後4時29分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 奥平一夫君。
   〔奥平一夫君登壇〕
○奥平 一夫 屋嘉部部長に確認します。
 地表に変化がないかどうか調査すべきと思うがということについてもお答えください。
 それから、自衛隊のことについて、自衛隊機も含まれるか、自衛隊も含めるのかということを私はお聞きしましたので、知事、明確に米軍とあるいは自衛隊機、自衛隊も含むというふうな発言ができるのかどうかお願いします。
 以上で終わります。
○知事(稲嶺惠一) 答弁したのは、軍事利用は一切いたしませんということですから、これは米軍、自衛隊の区別はございません。
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 先生の御提言の項目等につきましては、今後、地元宮古島上水道企業団、それから温泉事業者等々と御相談をして検討してまいります。
○外間 久子 一般質問を行います。
 最初に、教育問題です。
 同級生の命を奪ってしまった佐世保・小学校6年生の事件の問題で、家裁の決定と被害者の父親のコメントが9月15日発表されました。家裁の決定や父親のコメントを教育委員長、教育長はどのように受けとめましたか、所見を伺いたい。
 2つ目に、地域経済及び子育て支援に貢献する図書館の役割ですけれども、(3)つ目の質問は取り下げます。
 (1)、地方分権時代における自治体にとって、みずからの政策立案能力を高めることが必要です。図書館は自治体の政策決定にかかわる人々に対して資料や情報の提供を積極的に行い、産業の活性化を初め少子・高齢化、環境問題等地域の重要課題の解決に向けて情報の発信基地としての役割を担うべきだと思いますが、実態と今後の方針を伺いたい。
 (2)つ目に、子供の読書離れが言われるようになって久しい。こうした傾向を助長する子供の生活の変化、マスメディアの発達等の背景は、増しこそすれ減るような状況ではありません。
 一方、子供にとっての読書は感性や想像力をはぐくみ、みずから考える力を養う上で大切な機能です。また、親が子供に本を媒体として話しかけることも子供の成長にとって欠かすことができないとも言われています。
 このように子供にとっての読書の有用性とそれに相反する社会状況の中で、情報発信機能を有する図書館が今後どのように展開していくべきか検討されましたか。その結果はどうなっていますか。
 (3)つ目に、現在の図書館の整備状況の実態はどうなっていますか。図書館の機能に見合った設置は計画されておりますか。
 3つ目に、地産地消の県民運動について伺います。
 地産地消県民運動の推進方策9項目の到達点と推進するための各部の具体的な支援の状況を伺いたいと思います。
 4つ目に、カジノの問題をお伺いします。
 (1)、沖縄のエコツーリズム観光とカジノは両立しますか。
 (2)つ目に、沖縄の平和観光とカジノは両立しますか。
 5つ目に、新基地建設に伴う環境影響評価方法書やあるいは審査会答申に対する知事意見についてお伺いします。
 (1)つ、審査会の審査そのものも不十分で、審査会は責任を全うしたとは言えませんが、審査会の意見はやり直せということであり、現場の専門家の意見を白を黒というものではないですか。
 (2)つ目に、答申の総括的事項は計画内容の具体的記載への指摘であり、本来方法書に記載されるべき事項ではありませんか。
 (3)つ目、審査会はボーリングそのものは環境影響法の対象ではないが、地質構造を知るための環境調査の手段である点でアセスの内容の一部であり、ボーリングが起こす環境への影響があることを認めています。県の見解を伺いたい。
 (4)つ目に、審査会は方法書について的確な意見を述べることは困難との考えを述べています。方法書は環境アセスメントの設計図であると言われています。この方法書が欠陥設計図では的確な意見も述べられない、そしてこの問題で的確な環境アセスメントも実施できないのではないですか。
 (5)つ目に、アセス法の精神とは何ですか。アセスを実施するということはどういう意味を持つのですか。
 (6)つ目に、方法書の要件とは何ですか。法に照らして要件を満たしておりますか。
 (7)つ目に、飛行場建設や護岸の建設に埋立用の土砂の採取・搬入は当該事業を進める上からは必要なものであり、それなしには飛行場建設は困難と思いますが、そのことは認めますか。
 (8)つ目に、国際自然保護連合の2度にわたる勧告を知事はどう受けとめておりますか。今回の答申に対して県知事の意見や見解が述べられない理由は何ですか。
 以上です。答弁によって再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 外間久子議員の御質問にお答えいたします。
 IUCNの勧告についての御質問に対するお答えでございます。
 当該勧告の内容は、希少な動物であるジュゴンやノグチゲラ、ヤンバルクイナが生息するヤンバルの貴重な自然について世界が注目していることのあらわれと受けとめております。しかし、当該勧告は日本政府とアメリカ合衆国政府に対しての要請であると承知しており、県としてコメントする立場にはありません。県としては、今後の日本政府の具体的な方針に対応し、国と協力してこれらの動物の保護・保全に取り組んでいく考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育委員会委員長(徳山盛彦) 佐世保市の小学校での事件についてお答えいたします。
 命をはぐくむべき学校においてこのような痛ましい事件が起きたことはまことに遺憾に思っております。子供のすべては理解できないとわかった上で理解する努力を続けてください、それぞれの家がそれぞれのやり方でという父親のコメントは、私たちに今後二度とこのような事件を起こしてはならないというメッセージを送っているものと重く受けとめております。いま一度教育の原点に立ち返り、命を大切にする教育を粘り強く続けていく必要があると思います。
 日常の教育活動を通して子供一人一人の理解、教師との信頼関係、子供同士の好ましい人間関係など、心に響く教育を充実させることが大切であると考えております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 同じく佐世保市の小学校での事件について所見を述べたいと思います。
 父親のコメントの中に、審判は終わったけど、僕にとっても彼女にとっても事件は終わっていない。どうなってほしいという言葉も浮かばない。相手のことを受けとめる感情、考える力をつけていただいて、そこからじゃないでしょうかというのを読んで、父親の悲痛な思いがひしひしと伝わってまいります。また、教育、人を教え育てるということは何でしょうかと自省の念にも駆られました。
 常々、教育の基本は理解と対話であり、子供たちと直接向き合い、ともに行動できることが大切だと考えております。このことを踏まえ、子供の心のよりどころを築くための事業を展開しているところであります。父親のコメント等を通して、子供一人一人のシグナルを見落とさないよう教師や大人が子供と向き合い、触れ合い、ともに行動し、より深い人間の関係性の構築が図られるようにしていきたいという決意を新たにしております。
 次に、情報発信基地としての実態と今後の方針についてお答えいたします。
県立図書館においては、県民のライフステージに対応した学習機会や場の提供、情報システムの整備の充実化に向けて努めているところであります。近年、県立図書館では地域住民の代表から成る県立図書館協議会において協議をし、図書館リニューアルプロジェクトを作成し、産業、環境問題などの分野別蔵書の整備、ITコーナーや視聴覚障害者用ソフトの導入等を行っております。また、県民のニーズにこたえる文化講座、古文書、郷土史の資料展、読む喜びや楽しさを見つける県読書推進大会等の開催を通し、県民の読書環境づくりの充実に努めております。
 今後の方針として市町村とのネットワークの拡大、本県の観光産業や亜熱帯農業等の振興に資するいわゆるビジネス支援の充実を図るなど、県民が身近に利用できる図書館づくりを進めていきたいと考えております。
 次に、子供の読書と図書館についてお答えいたします。
 県立図書館では、新しい時代に対応する図書館機能を目指して、時代に開かれ県民の創造性を培う時と場の空間形成に努めております。国の「子どもの読書活動の推進に関する法律」に基づき、「沖縄県子どもの読書活動推進計画~五感に響かせるE・E・Tプラン~」を昨年策定しました。そしてそれに基づいてブックスタートや家庭での読書タイムの促進、「絵本ワールドinおきなわ」などの実施をし、子供の読書環境づくりに努めているところであります。今後、さらに市町村、学校などと連携を図り、機能の充実に努めていきたいと考えております。
 次に、県立図書館の整備状況等についてお答えいたします。
 県立図書館の蔵書冊数は約52万冊となっており、その中には東恩納寛惇が収集した1700年代の首里古地図、後に江戸時代の寺子屋教科書となった六諭衍義やペリー艦隊日本遠征記など、本県ならではの貴重な資料があり、中央図書館としての機能を有しております。
 また、琉球王国時代の貴重資料などのデジタル化やマイクロフィルム化を進めているところであります。今後とも、情報システムを拡充するなど現図書館の機能の充実・拡大に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 地産地消県民運動の取り組みについてお答えいたします。
 県では、消費者団体、学校給食会、ホテル関係者等を網羅した「沖縄県地産地消推進県民会議」を設置し、平成15年度から関係部局が連携して地産地消に取り組んでおります。具体的な取り組み状況としては、1、学校給食への県産食材の提供及び試食会の実施、2、県内ホテルにおける県産食材の提供とメニュー化の促進、3、県民への沖縄健康料理メニューの普及、4、県内15の地域直売所のネットワーク化と共同イベントの開催、5、親子農業体験及び農畜産物収穫ツアーの開催、6、県内量販店へのフードアドバイザーの派遣及び県産農産物の食材としての利用促進などを行っております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) エコツーリズム及び平和観光とカジノは両立するかとの御質問に一括してお答えいたします。
 エコツーリズムや平和観光は、本県の自然特性や歴史的体験を生かした重要な観光メニューであり、県におきましては積極的にその推進を図っているところであります。同様に、各種のエンターテインメントの充実が本県観光の魅力を高める上で重要であるとの認識に立ち、その拡充に努めているところでありますが、カジノについては県内にさまざまな意見があることから、県としては慎重に対応しているところであります。
 カジノがエコツーリズムや平和観光と両立するかどうかということについては、カジノを大人の健全な社交場として肯定的なとらえ方をするか、社会的にマイナスの影響があるとして否定的なとらえ方をするかがポイントであり、直接的なかかわりを持つものではないと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 環境影響評価方法書や審査会答申等に関連する御質問にお答えをいたします。
 まず、審査会からの答申及び知事意見への反映についてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る方法書は、環境影響評価法で定める事項は記載されており法的要件を満たしておりますが、事業内容の記載が十分ではないものがあります。また、同法においては方法書に示された事業内容が十分でない場合について、方法書の手続をやり直すことは規定しておりません。
 そうした状況において、沖縄県環境影響評価審査会からの答申は、方法書の手続のやり直しについては意見を述べておりませんが、準備書が作成されるまでの間に決定される具体的な事業内容を考慮して項目及び手法を改めて見直すとともに、当該見直しに係る環境影響評価を実施するよう意見を述べており、また個別項目について網羅的に41項目に及ぶ意見を述べております。
 また、方法書についての知事意見の形成に当たっては、審査会からの答申の内容を精査し、法的権限等も考慮した上で知事意見に反映しております。
 次に、答申での指摘事項は本来方法書に記載されるべきではないかということについてお答えいたします。
 環境影響評価法は、環境影響評価の結果を事業計画や環境保全措置に反映させること等による環境保全についての適正な配慮の確保を目的としているため、同法に基づく手続は事業者としてある程度具体的な事業計画を想定できる時期であって、その変更が可能な時期に開始されるものとしており、手続の開始時期を明文化しておりません。
 以上のことから、同法に基づいて定められている「技術指針等を定める主務省令」においては、その他の事業内容について既に決定されている内容に係るものに限ると規定されているところであります。しかしながら、当該事業に係る方法書においては、環境影響評価の項目及び手法が適切なものかどうかが判断できる程度に具体的な事業の内容が示される必要があったものと考えております。
 次に、ボーリング調査についての県の見解についてお答えをいたします。
 環境影響評価法においては、事業を建設工事や土木工事など具体的な工事としてとらえられる範囲に限定し対象となる事業種を定めており、現在実施されているボーリング調査等は法の対象となるものではありません。
 一方、代替施設建設事業に係る環境影響評価として方法書の手続後に実施される詳細な環境調査は、ボーリング調査等によって環境影響を受けるおそれのある範囲を含めて調査が実施されますので、ボーリング調査等による環境影響も含めた自然環境の現況が把握されることになります。そのため、代替施設本体の実施に伴う環境影響の予測・評価及び環境保全措置の検討はボーリング調査等に伴う環境影響も考慮されたものとなり、適切な環境保全措置が検討されることになると考えております。
 次に、当該方法書で的確な環境アセスが実施できるのかについてお答えをいたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る方法書については具体的な事業内容が示されていないことから、沖縄県環境影響評価審査会としては、答申において準備書が作成されるまでの間に決定される具体的な事業内容を考慮して項目及び手法を改めて見直すとともに、当該見直しに係る環境影響評価を実施するよう意見を述べたものと考えております。また、個別項目については41項目に及ぶ意見を網羅的に述べられたものと考えております。こうした答申における意見については、方法書についての知事意見においても反映しております。
 事業者は、当該知事意見の内容を適切に勘案しなければならないことから、今後、事業者において具体的に決定された事業内容を考慮して項目及び手法が改めて見直され、当該見直しに係る環境影響評価が実施されることになります。
 次に、アセス法の精神、アセスを実施する意味についてお答えいたします。
 環境影響評価法は、環境保全上環境影響評価が極めて重要であることから、環境影響評価が適切かつ円滑に行われるための手続を定めているものであり、その手続等によって行われた環境影響評価の結果を、事業に係る環境保全措置やその他の事業内容に関する決定に反映させるための措置をとること等により、事業に係る環境保全について適正な配慮がなされることを確保し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に資することを目的としております。
 次に、方法書の要件についてお答えをいたします。
 環境影響評価法で規定する方法書への記載事項は、まず事業者の氏名及び住所、対象事業の目的及び内容、対象事業実施区域及びその周囲の概況、環境影響評価の項目、調査・予測・評価の手法であります。
 また、対象事業の内容については、同法に基づいて定められた「技術指針等を定める主務省令」において具体的な記載事項が規定されております。当該主務省令は事業種ごとに定められておりますが、飛行場事業と埋立事業の2つの事業種である普天間飛行場代替施設建設事業については、事業の種類、事業実施区域及びその位置、事業の規模としての埋立面積、滑走路長、飛行場の使用を予定する航空機の種類、その他事業内容に関する事項であって、その変更により環境影響が変化することとなるものが事業内容に関する記載事項となります。当該事業に係る方法書においては、以上の方法書への記載事項はすべて示されております。
 なお、同法においては、記載事項である航空機の種類は具体的な機種とは区別されると解釈されており、また、その他事業内容に関する事項については、既に決定されている内容に係るものに限ると規定されております。
 以上のことから、当該方法書は法的要件を満たしていることになります。
 以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) 埋立用の土砂についてお答えいたします。
 環境影響評価方法書によれば、埋立用土砂は購入材を使用することとなっております。
 以上でございます。
○外間 久子 休憩。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後4時48分休憩
   午後4時49分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 外間久子君。
   〔外間久子君登壇〕
○外間 久子 教育問題ですけれども、全く教育長や教育委員長の今の所見、私も同感です。ただ一つ言えることは、加害者に対してお父さんからしたらもっと厳罰をということを叫んでもいいその立場であるのに、ああいう深い、悲しい、つらい思いの中から、同じような大人同士に子供を理解することをということを呼びかけているということに対しても、私は大変感動いたしましたし胸を打たれました。
 同時に、やはり今、私たちの周りで起こっている、子供に起きている問題で、今までは当事者である子供やその親を責めてきたというそういう傾向があったんじゃないでしょうか。その中で親や教師や大人が本当に腰を据えて子供と向き合う、子供を理解しようとすること、このことが大変難しくなってきたと思います。そういう中で今度のこのお父さんのメッセージというのは大変私、大切なものだというふうに思いました。
 同時に、今、家裁のコメントはなかったんですけれども、家裁の判決を読ませていただきますと、やはりこの少女というのは本当に怒りを発散するという、この怒りを適切に処理するということができないと。怒りを抑圧したり、あるいは回避するとか、あるいは相手を攻撃して怒りを発散するとかというこういう両極端の対処行動しか持ち得なかったと。こういうことを家裁は指摘をしています。
 やはり今、私たちの周りではこういう子供たちが多いのではないでしょうか。とりわけ今のこういうふうな負の情動、あるいは感情の表現を本当にどう対処したらいいのかというこういうことができないで悩んでいる子供たち、親たちもたくさんいらっしゃると思います。そういう中での子育ての問題では本当に今、私たちが避けて通れないこの問題だと思います。
 私は、こういう子供の問題を考えるときに、やはり今の子供たちが怒りの表現ができないそういう情動が起きてくる。感情の表現をどういうふうにコントロールするかわからないというこういう子供たちに対して、やはり今、私たち大人たちがそれなりのこういう子供に対してはきちっとした反応を示していくということが大切だと思います。そういうことの繰り返しの中で負の情動、感情を抑えること、こういう感情を人間的にコントロールするすべをこの積み上げの中でしか子供たちは体験できないんじゃないでしょうか。
 ところが、今、私たちの周りの教育状況を見てみますと、やはり強い指導とか、あるいは心の教育とか、あるいは感情表現のトレーニングなど形式的な対応が広がっております。この決定というのはこういう問題を考えるためにも、そして本当にどんな対応をしていけばいいのかというこういうことを見直すような一つのきっかけをつくってくれたのが私は今度のお父さんのこのコメントであり、同時に家裁の決定ではなかったかと思います。そういう点で、私はもう一度これに対する所見をお伺いしたいと思います。
 2つ目の問題ですが、図書館の問題です。
 (1)つは、やはり地方分権と情報社会の進展によって改めて県立図書館の役割が求められています。特に、県内の図書館の中での資料費やあるいは図書購入費が十分ではありません。私も今調べてもらいましたら、県立図書館で年間3000万円の図書の購入費です。私は、県立図書館が本当に県民から期待をされている、これに十分にこたえていくためにも、私はやはり県の図書館の購入費、資料費が現在の3000万円から新年度はさらに増額をするというこういう決意が今必要じゃないですか。そのことによってやはり市町村立の図書館の充実にもつながると思いますけれども、その決意のほどをお伺いしたいと思います。
 3つ目の地産地消の問題ですが、今、各地で、先ほど15カ所とおっしゃいましたが、30近くの直売所ができています。やはり地元では大変元気が出ております。それだけに私は現在のこの直売所を通して、やはり窓口になって地元の学校給食に野菜を提供したり、あるいはモズクを提供しているというこういう状況も生まれています。
 こんな中で私はいろいろ地域を回ってみまして現場の農民から言われたことは、自分たちもこんな直売所をつくりたいけれども、プレハブにしても何かほしいと。ところが今の農家のあれでは難しいと、こういうふうな声も聞かれました。それだけに今、本当にこの直売所の建設に対する助成、あるいは中古の資材などを提供するとか、これを農協を窓口にしたこういう援助をしてもらいたいなと。それについての農林水産部の所見をお伺いしたいと思います。
 カジノの問題ですけれども、1つは、やはりカジノと沖縄観光とのかかわりで、観光客の数、観光収入への貢献度、県民の支持の可否を含めて当局の考え方をお伺いしたいと思います。
 2つ目は、カジノは沖縄県の高失業率に本当に役立つと思いますか。雇用の観点からカジノの導入の考え方についての認識をお伺いしたいと思います。
 次に、環境影響評価の問題ですけれども、いろいろと文化環境部長は答弁なさいましたけれども、1つには、私は本当に方法書が法に照らして十分だというのが一連の質問の中で出てきましたけれども、その中で、私は今、法の解釈の中で十分だと言っています。ボーリング調査もアセス法違反ではないとおっしゃっているんですが、先ほどの答弁でも対象事業の中の部分だという形のこともおっしゃいました。
 ところが、アセス法の31条を見ますと、やはり評価書が公告を行うまでは対象事業を実施してはならないと、このように定められておりますけれども、この法に照らして今やっていることは実質的な事業の展開ではないでしょうか。
 もう一つの問題は、2つ目の質問として、やはり答申の総括の部分は41項入れるべきだということについて。例えば具体的な問題ですけれども、埋め立ての土砂の採取や購入場所がどこにあるのか、どこでやるのか。運用する機種の問題、飛行回数――民間も同じです――そこにはまた連絡橋もつくらなきゃならない、こういうことの位置、これもまだはっきりしてない。だから飛行場をつくるというけれども、全体像が見えない。やはり方法書というのは全体像を見せるのが方法書だと思います。ところが、今、皆さん方から出されている問題は、この事業の内容が明らかにされないままに先行しているということではないでしょうか。そういう点で、一つ方法書の問題で具体的に埋め立ての土砂の購入の場所、さらにはこういうことを入れるためにも新たな方法書をスタートさせるべきだと思いますけれども、見解を伺います。
 さらには、ボーリングそのものが環境影響の対象ではないがという3つ目の質問ですけれども、一つそれは法的な対象ではないとおっしゃっている。ところが、地質構造を知るための環境調査の手段であるということは認めていらっしゃる。であれば、私はアセス法の手続とは無関係にボーリングを始めるのは間違っているんじゃないかと。このことをやはり私は県知事として指摘をして一応中止をする、再度検討することを指摘すべきではなかったんでしょうか。
 さらに4つ目ですけれども、審査会の方法書についての的確な意見を述べる問題で、的確な方法書のあれができないということの質問に対して、やはり改めて私はお伺いしたいのは、ここでもやはり区域が決まっているわけで、区域が決まらない。区域の問題がうたわれておりますけれども、その区域の中には橋もかけなきゃならない、あるいはまたそのための土砂を購入すると今公室長はおっしゃったんですが、この購入する先がどこなのか、このこともひとつ明確にしていただきたい。
 そして同時に、そこで使われる問題で、本当に沖縄県で埋め立てをするために近海で取っている年間の砂はどれくらいなのか。あるいはそこで使われる、埋め立てのために使われる土砂というのはどれくらいの量になるのか。あるいは名護の市街地であればどれくらいの山を削らなきゃならないのか。あるいは土地を掘るんだったら、名護市だったらどの山からどの辺の地域まで土地を掘らなきゃならないのか、このこともひとつ明らかにしていただきたいと思います。
 さらに、やはり私は飛行場の建設のためで護岸の建設の部分でも購入するということですけれども、どこから購入するのか、このことも明らかにしていただきたいと思います。
 時間がありますから再度質問いたします。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後5時10分休憩
   午後5時15分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 山内 彰君登壇〕
○教育長(山内 彰) もう一度所見をということでございますが、先生御指摘のとおり、やはり子供たちがこの事件を通しても私も社会の負の副作用をもらったところがあるんじゃないかなというふうに感じるわけです。加害者も被害者も普通の子であったと。しかしながら、よくよく調べてみますとやはり心の空洞が見られた、あるいはバーチャルな世界で生きていた。もう一つは、やはり直接的な触れ合いが足りなかったと。そこから生まれる信頼関係というのが弱かったのかなというのも感じます。
 我々学校教育においてこういうことをよく使います。子供たちが一番寂しい思いをしているときはどういうときかと。それは、自分が社会で必要とされてないときと言われたときが最も子供にとっては寂しいものであると言われています。
 マザー・テレサが言っている言葉の中に病気と貧乏は薬とお金があれば治せる。ところが、あなたは必要でないと言われた者は永久に治せるものではないと。
 そういうことを考えますと、あなたが必要なんだというこの存在感というものをしっかりとつけさせるというのはとても大事じゃないかなと。そういう意味で相手を知る、知るだけじゃなくて相手と一緒に行動ができる。心の中をつないで行動ができる教育というのを私は理解ということで、そのためにはお話が必要である、対話であると。そういう理解と対話という形での教育、それが人と人とのつながり、これを私は人間の関係性の構築というふうに呼んでいきたいなと。父親の言葉もそういうことを言っております。やはりつながりを持つということに欠けていたようなということで娘に叫んでおります。お互いそういう命題が私たちに課せられたんじゃないかなとそう思っています。
 このようなスタンスに立ってこれからさらに本県の教育行政に務めることが必要かなと感じております。
 なお、県立図書館の予算については最大限努力をしていきたいと思っております。
 以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 地産地消の取り組みについての、特に直売所の整備についての再質問にお答えいたします。
 農林水産部におきましては、特に大宜味村の例えば農産物直売所あるいは今帰仁村の「今帰仁の駅そーれ」とか、こういう直売所の整備を今進めているところでございます。今後ともこういう直売所の整備に積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
 また、特に今年度からは県内のいわゆる直売所のネットワーク会議を設置しまして、特に12月11日、12日の2日間にわたりまして県内一斉に直売所の合同イベントを開催するということで今取り組みを準備しているところでございます。今後とも、こういうことで直売所の整備あるいはネットワーク化について積極的に支援しながら地産地消を進めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 再質問にお答えをいたします。
 カジノの国際的な状況でございますけれども、平成14年度私どもが調査をいたしました報告書から見ますと、国際的な傾向として世界各国のカジノは経営的には成功をおさめているカジノが多く、そして税収、雇用等の経済効果は高いというのが多いというふうに見えます。ただ、アメリカ、イギリス等における調査によりますと、ギャンブル依存症もそのギャンブラーの1%から2%の割合でこれは統計的に出るということがわかっておりまして、各国どこでもそのことについては強く意識をされておるということであります。
 ただ、国際的にはそういう経済的には成功をおさめている例が多いわけですが、日本におきましては、世界各国いろんなカジノの形態があるわけですけれども、日本において今カジノの議論がされておりますけれども、いわゆる日本のタイプとしてどういうカジノのタイプにするんだということがまだ具体的に見えてないわけですね。例えばカジノを開設した場合の税収の国の取り分、地方の取り分、その配分の考え方もありません。
 それからいろんな税収の方法があるんですが、そういったこともまだ具体的に見えていないということで、沖縄県における、日本におけるカジノが経済的にどうという評価はまだ今の時点ではできないというふうに考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
 まず最初に31条についての御質問で、実質的な着工ではないかという御質問にお答えをいたします。
 環境影響評価法における事業は、建設工事や土木工事など具体的な工事としてとらえられる範囲に限定をしており、計画策定のために行われるボーリング調査等の事前調査は同法の対象とはなっておりません。そのため、ボーリング調査等の実施は環境影響評価法上の事業の実施には該当しません。
 なお、同法においては評価書の公告がなされるまでは事業を実施してはならないとの事業の実施の制限についての条項が設けられておりますので、代替施設建設事業そのものについては同法に基づく手続での評価書の公告がなされるまではその実施が制限されます。当該事業については埋め立てに関する免許等がなされた後に工事が着工されることになります。
 次に、新たな方法書をつくり直すべきではないか、全体像を見せるものなので新たな方法書をつくり直すべきじゃないのか、それから的確な意見を述べることはできないのではないのか、こういう御質問にまとめて一括してお答えをいたします。
 現行の環境影響評価法が実施施行される前の閣議決定要綱に基づく環境影響評価は、方法書の手続がなく、事業者が環境影響評価を完了した後、準備書で初めて情報が公開されておりました。その時点では実態として事業の内容がほぼ決定されており、環境影響評価の結果が適切に事業計画に反映されていないという批判がありました。また、事業者にとっては準備書段階で調査の不備等が指摘された場合、大幅な調査の手戻りが必要になるという問題もありました。
 こういう批判、問題に対応するため、同法では実際の調査・予測・評価を開始する前に知事や住民等の外部の意見を聴取することによって環境影響評価の項目、手法を選定する方法書の手続が導入されております。そのため、方法書の手続は事業計画の変更が柔軟に行える事業計画の早期の段階で開始されることとされております。このため、事業計画が具体的に決定された段階で方法書の手続を開始すると方法書手続の意義を損なうおそれもあります。
 以上のことから、事業者において方法書についての知事意見や住民等の意見を十分に勘案していただければ適切な環境影響評価が行われることになると考えております。
 次に、ボーリング調査は中止を検討すべきだという御質問にお答えをいたします。
 現在行われているボーリングの調査等は環境影響評価法の対象となるものではありません。また、環境影響評価は調査そのものによる環境影響について調査・予測及び評価を行うものでもありません。そのため、ボーリング調査等の実施による環境への影響について環境影響評価を実施させる、あるいは検討させる法的根拠、法的権限はありません。こうしたことを考慮しながらも答申の趣旨を生かすよう答申の内容を修正して知事意見の前文に反映したものであります。
 以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) 埋立土砂についてお答えいたします。
 埋立土量は約1770万立米ということになってございます。それに購入材を使うということとされておりますけれども、購入材そのものは事業者が契約で行うものでありまして、購入材そのものの採取場所については購入先が決めるということになります。
 近海で採取されている土砂の量につきまして平成5年から平成14年の10年間の平均で見ますと、約300万立米ということになってございます。
 以上でございます。
○外間 久子 リゾート局長、カジノの問題ですけれども、まだ具体的に内容が見えないと、こういうふうな答弁があったんですが、見えない中で既に糸満ではやはり何とか産業の土地を買うという形の運動が起きているんですが、これについてはやはり問題じゃないかと思うんですが、県はどのような対応をなさいますか。
 あと一つ、今、ボーリング調査はアセスの対象じゃないとおっしゃったんですけれども、そうであれば31条の中でやはりボーリング調査を現在やっていて、既にもうきのうの写真見せたように全部サンゴが破壊されていると。こういう実態について既に私は事業が進んでのサンゴが破壊されているということで、これをどう見るかということをひとつ見解を伺いたいと思います。
 同時に、やはり既に皆さん方はもうこのボーリング調査というのはある面では試掘調査だと言ってみたり、事前調査だと言っているけれども、実際はもう97年にこの事前調査というのは終わっているはずなんですよ。それを試掘調査だとか事前調査というんであれば、本調査はいつから始まるのか。これは私は防衛施設局から資料をもらったんですけれども、本調査をやるという日程表が全然組まれていない。これについてどう考えるかということ、本調査をいつやるかということをひとつ答えてください。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後5時31分休憩
   午後5時39分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 観光リゾート局長。
   〔観光リゾート局長 宜名真盛男君登壇〕
○観光リゾート局長(宜名真盛男) お答えをいたします。
 私が見えないと申し上げたのは、日本におけるカジノのスタイルという形でございます。
 そして今現在、国内はもとより県内でカジノの議論が活発化をしているわけですけれども、そして自民党カジノ議連においてはカジノ法案の準備も進めているとこんな状況でございまして、当然推進派、反対派それぞれがそれぞれの立場に立って意見を主張し行動するのはやむを得ないわけでございまして、私どもはそういったことをコントロールする立場にはないということであります。そして特別委員会等で言われたことは、県としてはカジノについて議論する場を積極的につくってほしいとこういうことでございましたんで、そういう方向で努めてまいりますけれども、避けて通れない問題でございますので、推進、反対どちらの立場も、あるいは一緒になって一生懸命議論をしていただきたい、そういう方向に私どもも進めていって県民の意向の集約を図っていきたいと思っております。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 現在行われているボーリング調査等は環境影響評価法の対象となるものではなく、代替施設建設事業の実施による環境影響を予測・評価するために実施されているものでもないことから、方法書には記載されておりません。そのため、答申においても前文で述べられているところですが、その趣旨を考慮し、また法的権限をも考慮して答申の内容を修正して知事意見の前文に反映をいたしました。県としては、現在行われている地質調査及び海象調査の実施により少なからず環境への影響が生ずるものと考えております。そのため、当該地質調査及び海象調査に係る公共用財産使用協議の際に、これらの調査による環境への影響をより軽減するための観点から意見を述べたところであります。
 一方、環境の現況は一定ではなく、季節的変化や年ごとの変化があり、また自然的・人為的影響による変化もあります。そのため、環境影響評価における調査は当該調査を始めた時期、すなわちボーリング調査が実施された後の自然環境の状態を現況としてとらえることになります。そのため、当該事業に係る環境影響評価においては、ボーリング調査等によりもたらされる環境への影響も十分に考慮する必要があると考えております。
 また、スパット台船設置による環境への影響につきましては、事業者に確認したところ、早急に調査を行い報告する旨の回答を受けておりますが、まだ報告がありません。今後報告を受けて内容を検討し、必要に応じ作業の実施に当たっての十分な環境への配慮を求めていきたいと考えております。
 事業者においては、自然環境への影響を可能な限り回避・低減するためにボーリング等の調査の実施に当たり、公共用財産使用協議への同意の際に付した留意事項及び調査実施の際の環境配慮事項に十分配慮していただきたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) 今後の工事の進め方の問題につきましてお答えいたしますと、環境影響評価準備書を今後つくることになりますけれども、その進捗状況等々を踏まえまして次の段階に入っていくものだと考えております。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後5時45分休憩
   午後5時47分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 府本禮司君登壇〕
○知事公室長(府本禮司) お答えいたします。
 再調査の質問についてお答えいたします。
 今後は、方法書に基づきまして環境アセスの調査が行われ、その調査の状況によりまして次の段階に入ると申しました。
 この本調査というものがどういうものを指しているかということは私承知してございませんし、承知してないことから、これがいつ始まるかについては事業者の問題でございますので、私の方からお答え、承知しておりません。
 以上でございます。
○外間 久子 先ほどお見せしましたけれども、皆さん方はこれまでもずっと試掘調査、事前調査とおっしゃっている。そうであれば本調査はいつから始めるかと。
 同時に、その区域の中には作業小屋がある、連絡橋がある、仮設橋がある。さらには非公共飛行場だから飛行機も飛ぶ。どういう機種の飛行機か、こういうものが方法書に記されていますか。記されていないでしょう。それで要件を満たしていると言えるんですか。答えてください。(発言する者あり)
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後5時49分休憩
   午後5時50分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 文化環境部長。
   〔文化環境部長 屋嘉部長市君登壇〕
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 現行の環境影響評価法が施行される前の閣議決定要綱に基づく環境影響評価は方法書の手続がなくて、事業者が環境影響評価を完了した後、準備書で初めて情報が公開をされておりました。その時点では、実態として事業の内容がほぼ決定されており、環境影響評価の結果が適切に事業計画に反映されていないという批判がありました。そういう問題にこたえるために実際の調査・予測・評価を開始する前に方法書の手続が導入されたという経緯があります。
 そういうことで、方法書の手続は事業計画の変更が柔軟に行える事業計画の早期の段階で開始されることとされております。その際には、先ほども御答弁申し上げましたように記載要件として要件項目がございますが、その他事業内容に関する事項というものの中で事業内容に関する記載事項が規定されておりますが、その主務省令では事業内容が決定したものに限るということで、事業計画が決定されてない事項については記載しないでいいことになっております。
 ただ、県の審査会からの答申にもありましたように、今後具体的な事業計画が決定され次第、事業者におきましては県に報告をいただくことということで意見を申し上げておりますので、その報告を受けて適切な方法、項目等について調整をしてまいります。そういう中で適切な環境影響評価が進められるものだと理解をしております。
○外間 久子 1770万立方の土砂というけれども、これは沖縄県内の近海を掘るのか、どこから持ってくるのか、持ってくる場所もまたアセスの対象になると思いますが、これについて答えてください。
 同時に今言われたことは……
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後5時53分休憩
   午後5時54分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
○外間 久子 本調査がいつからかということで、この本調査の中でやはり皆さん方はいつからやるかということも明確にされないまま方法書にも全体像があらわれない。こんな形で県民をごまかしてやるようなやり方というのは、後世に悔いを残すんじゃないですか。
 知事は、やはり今度の問題では環境は要望ではないと、条件だとおっしゃった。条件であれば、きちっと沖縄の宝の自然を守るんであれば、知事意見書に言う、やはりストップしなさいと言うべきじゃないですか。決意のほどを伺います。
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業につきましては、方法書が提出されたことによりまして環境影響評価手続がスタートしたことになります。知事意見書を評価審査会、関係市町村、それから意見のある住民等の意見を聴取をして知事意見を形成をし、事業者に意見を申し述べたところでございます。
 その際、審査会からも意見がございましたが、今後具体的な事業が決定されるときに知事の方へ御報告いただいて調整をしていくという意見を申し上げてございますので、事業者におきましては答申、それから関係市町村の意見、住民等の意見、それから知事意見等を検討していただき、そして意見に沿った適切な環境影響評価手続が進められるものだと県の方では考えておりまして、今後とも事業者とこの環境影響評価手続について調整をし、適切な環境影響評価がなされるように努めてまいりたいと思います。
○兼城 賢次 所見を述べながら質問をいたします。
 マスコミは、環境影響審査会の答申で辺野古沖への着工手続が一つ先に進んだと指摘しています。
 米軍基地の再編問題がアメリカ側から伝わると、日本政府はそのような事実はないと否定してきました。ラムズフェルド米国防長官の代替施設建設を前提としないSACO見直しや、国防長官の意向を外務省や防衛庁に非公式に伝えられたという報道も、日本政府はそのような事実は一切ないと否定しましたが、にわかに信じることはできません。
 ロサンゼルス・タイムス紙の沖縄の海兵隊の兵力撤退計画も否定いたしましたが、その後の動きを見ると必ずしも否定されるものではありません。辺野古沖への新基地建設を苦渋の選択だというが、知事がそんな思いをすることはありますまい。
 知事、知事は厳しい選択をしなかっただけです。県民の大多数が辺野古沖への基地建設に反対であります。県民の声を聞くというのであれば、状況が変化してきたのは違いないのでありますから、辺野古沖移設の作業を加速的に進めることはすべきではないと考えます。
 そこでお聞きいたします。
 知事の建設前提条件の有無にかかわらず着工に向けて作業を進めることは、県民を欺くことではないですか。
 次に、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価方法書についてお伺いをいたします。
 政府は、環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限にとどめるための適切な対策を講じるとしています。知事は、普天間飛行場の移設に係る政府方針を金科玉条にして繰り返していますが、最小限とはだれが判断するのですか。政府方針の中には、代替施設については、安全性や自然環境に配慮した最小限の規模とするとあります。この最小限の規模も稲嶺知事の軍民共用で規模が大きくなったことで環境問題が起き、難しくなっていると久間自民党政調会長が沖縄タイムスの8月27日のインタビューで述べています。
 さて、自然環境の保全に関する指針で、自然環境の厳正な保護を図る区域であるランクⅠに評価されるこの地域を約207ヘクタールの大規模埋め立てを行うとのことであります。ここは準絶滅危惧種、絶滅危惧Ⅰ類のそれぞれの生物が生息し、それをはぐくむ海草藻場があり、天然記念物のジュゴンが生息するこの地域は方法書においても高い評価をしています。
 事業実施区域及びその周辺海域は豊かな自然環境を有し、それによる雄大な海岸景観及び山と海が連続した豊かな景観を形成し、観光、保養の場として活用することのできる資源としての価値も有しているが、事業の実施による影響が懸念されるところであると指摘いたしておりますが、207ヘクタールも埋め立てされれば懸念どころではありません。
 そこでお伺いいたします。
 事業に係る環境影響評価を適切に行わせるための方法書についての的確な意見を述べることは困難であると言っておりますが、知事の所見をお聞かせください。
 次に、海上での作業トラブルで海上保安庁の指導についてお伺いをいたします。
 10月30日、護憲ネットワーク県議団は、辺野古沖でのボーリング調査に反対している住民を激励に行きました。海上での反対派の人たちがカヌーや単管足場で阻止行動をしているので激励のつもりで出かけると、施設局の作業員と小競り合いがあったものの、多勢に無勢で反対派は羽交い締めや押さえ込まれて身動きができない状態が目の当たりで行われました。
 11月26日にもトラブルがあったが、施設局は作業員から羽交い締めや、けった事実はないと聞いていると言っておりますが、にもかかわらずその日に第11管区海上保安本部が双方の間に入り、危険な行為をやめるよう指導したことが報道されています。
 県民同士が海上で危険な衝突を繰り返す事態は何としても避けねばなりませんが、県は実態を承知しているのかどうか、海上保安庁の指導についての所見もお聞かせください。
 次に、特別調整費でジュゴンの保護対策調査事業についてお伺いをいたします。目的は何ですか、地域はどこを想定していますか、お聞かせください。
 次に、基地返還アクションプログラムについてお伺いをいたします。
 米軍再編が姿、形が見え、これまで米軍再編の動きが報じられると日本政府は、アメリカからそのような話はないと打ち消す発言を繰り返してきました。10月7日、日本政府は、沖縄の海兵隊約3000人の本土移転、海外移転を含めてアメリカ側に伝えたと地元紙は報道いたしております。
 我部政明琉大教授は、在沖海兵隊から約5000人が中東に派兵され、普天間飛行場に残るヘリは10機前後かそれ以下と見られ、余裕がなければ配備しなくても済む。在沖海兵隊の戦略的な優先度の低さの証明である。最近、小泉純一郎首相が在沖海兵隊の国外や海外への移転に取り組む姿勢を示した。米側から何らかのメッセージが伝わっているだろうが、普天間まで踏み込めるかどうかは日本政府の対応次第だ。米軍再編の中で日本政府が本気で動けば普天間閉鎖は十分に可能だ。沖縄から派遣された海兵隊5000人のうち3000人についてアメリカ側は、沖縄に帰還させず事実上の削減を検討していると述べています。
 知事は、基地問題は日本政府の責任であって政府に従うだけと言わんばかりですが、アメリカ側から伝わる再編報道には政府が否定すればそれを容認し、報道に一喜一憂することではないとの立場でありますが、今や県民世論を見きわめる必要があります。
 合衆国海外軍事施設の構成見直し委員会へ沖縄の軍事基地問題の解決促進について提出していますが、当面はともかく、沖縄県が望む解決策も具体的な提案をするべきであります。また、これまでの経過からして日本政府は沖縄の基地問題のネックでもあります。
 我が会派の平良長政議員が2月の代表質問で、すなわち、基地あるがゆえに基地に依存し、その見返りとして国の財政(振興策)に依存するという悪循環を指摘しましたが、これからもこの矛盾を背負っていくのか。基地からの脱却を考え、新しい基地建設に反対し基地の整理縮小を進めていくのか、県民にとっても正念場と考えます。
 動き出した基地再編に対応し、具体的に取り組むためにも基地返還アクションプログラムを検討すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、沖縄関係費についてお伺いをいたします。
 さきの9月定例会で、沖国大へのヘリ墜落事故に対する全国知事アンケートで橋本高知県知事の、基地負担もあるが、厳しい経済環境にある自治体から見ると、さまざまな優遇措置を受けていることをうらやましい、沖縄県は基地の受け入れも織り込み済みではないかとのことを、橋本知事のこの回答を前提に沖縄への優遇措置と言われることへの知事の所見を伺いました。
 改めて9月定例会の議事録を見ました。次のように答弁をしています。米軍基地は県が望んだものではありません。基地の問題は、国の外交・安全保障政策の根幹であることから、国全体で適切に対応していく必要があると、これが答弁でございます。私は、前提として優遇措置について聞いたわけですが、このような答弁であります。これが答弁というのであれば、質問の趣旨がどういうことであれ答弁すればいいというようなことになります。
 9月定例会と同じことを述べますが、これは復帰後約7兆円の公共事業費が沖縄に投下された。政府全体の沖縄関係費は11兆円に上る。1次から3次にかけての各振計年度の類似県平均との比較として公共投資をあらわす一般的な指標である県民1人当たり公的総固定資本形成は、復帰後の30年累計平均で島根県、高知県、佐賀県、宮崎県など7県の平均の97%、公共投資は類似県を下回っている公共事業のための財政支出では、1次から3次までの累計平均で類似県の91.1%と平均を下回っているとのことでありますが、このことと、高率補助で差し引きするがごときは相入れないことであります。それは、沖振法の立法趣旨として、沖縄の過去の歴史的事実に対する県民への償いの心をもって事に当たるべきことに基づくがゆえであります。
 県民所得はいまだ全国最下位であります。本土との格差が是正されない状況の中でこのことを無視するわけにはいきません。
 そこで質問をいたします。
 復帰後約7兆円の公共事業費、政府全体の沖縄関係費11兆円は、他県にはない優遇の金額なのか。地方交付税、国庫支出金は類似県を下回っているとの指摘はどうなのか、お聞かせください。
 次に、農業問題についてお伺いをいたします。
 家畜排せつ物法が施行されましたが、農家への影響についてお伺いをいたします。
 11月から法律が施行されましたが、私の周囲にも現在工事中というのがあります。5年間の執行猶予があったにもかかわらず、現在工事中というのもそれぞれ事情があります。とにかく金がかかること、その割には利益の面では厳しい。一体、養豚農家で黒字経営で維持する農家はどの程度でしょうか。自転車操業が大方の実態ではなかろうか。
 今回の整備には、ほとんどの農家が借り入れをしながらの工事だろうと思います。これまでの厳しい経営状況に、なお多額の借金を抱えながらの設備工事は荷が重いものです。廃業される農家の状況と経営面の実情を把握されているのか。当局は、机上の数字や指導ではなく、実態に即した対策を農家の立場になってきめ細かな対策を指導していただきたい。役所仕事と言われるようなことではなく、現場に足を運んで農家の声をじかに聞いて対応していただきたい。
 そこでお聞きいたします。
 この法律が施行されることで農家の廃業や、その家畜頭数などにどのように影響するのかお聞かせいただきたい。
 次に、これも9月定例会で質問をいたしましたが、沖縄の特性を生かした代表的なゴーヤーが本土市場で優位性が危ぶまれていますが、その対応についてお聞きいたしました。平成6年度が5104トン、平成15年度8200トンに生産拡大し、県外出荷も平成6年度の600トンから、平成15年度には4400トンと増加をいたしているとのことでありました。産地間競争も厳しくなっているとのことでありますが、生産量、県外出荷も大幅な増加が見られるのは当局や農家の努力のたまものであります。
 沖縄の農業が頑張れる分野は限られています。優位性が発揮できるものと取り組まれたゴーヤーが早くも産地間競争にさらされて厳しい状況にあると言われるが、これは何としても克服しなければなりません。しかし東京株式会社の社長は、せっかくマーケットがあり、本来は沖縄産で埋められるべきスーパーの売り場の指定席が他産地に取ってかわられた。過去一、二年で生産体制を増強し一気に供給していれば、沖縄産のゴーヤーは関東を制覇できたと知事の前で指摘をしております。
 大量生産方式にはなじまない沖縄の農業が生き残れるのは、ゴーヤーのような亜熱帯の優位性を生かしたものであるはずだが、早くも本土市場では供給体制が十分ではなかった。せっかくの本土市場でこの結果を見るというのは、執行部の取り組みに反省すべきことがあると思うがどうですか。
 そこでお聞きいたします。
 ゴーヤーの本土市場での占有率についてお聞かせください。
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の質問にお答えいたします。
 最初は、普天間飛行場代替施設の事業の進行についてのお答えでございます。
 県が移設に当たって整備すべき条件については、平成11年12月に閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に盛り込まれております。主な進捗状況を申し上げますと、軍民共用空港については、その趣旨に基づき基本計画が策定されております。移設先及び周辺地域の振興並びに跡地利用については、それぞれ具体的に取り組みが進められているところであります。また、15年使用期限問題の解決については、着工までに政府の責任で解決すべきであります。
 次に、基地返還アクションプログラムについての御質問にお答えいたします。
 本県の過重な米軍基地の整理縮小について、県はSACO合意事案の着実な実施に取り組んでいるところであります。しかしながら、SACO合意事案がすべて実施されたとしても、本県には依然として在日米軍専用施設面積の約70%の米軍基地が存在することから、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の段階的な整理縮小が必要であると考えております。個々の施設については、地元市町村の意向を初め国際情勢や県土の有効利用、基地の跡地利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、経済振興等を総合的に勘案しながら検討していきたいと考えております。
 次に、ゴーヤーなどの本土市場占有率についての御質問にお答えいたします。
 東京中央卸売市場における平成15年度の県産ゴーヤー、マンゴーの取扱量及び占有率は、ゴーヤーで 1150トン、30%、マンゴーで103トン、14%となっております。特に、冬春期のゴーヤーは占有率約70%と極めて高い状況にあります。県としては、今後とも拠点産地の形成に取り組み、農産物の生産振興を推進してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 答申において的確な意見を述べることは困難と言っているこの答申に対する知事の見解についてお答えをいたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る方法書において示された事業内容は、環境影響評価の項目及び手法が適切なものであるか否かを判断するには十分なものではないと考えておりますが、環境影響評価法で規定する記載事項は示されており法的要件は満たしております。そのため、県としては、事業内容の記載が十分ではない事項については、準備書を作成するまでの間に決定される事業の具体的な内容を考慮して環境影響評価を行うこととの意見を述べております。
○知事公室長(府本禮司) 海上での作業についての海上保安庁の指導に関してお答えいたします。
 海上保安庁の指導について那覇防衛施設局に確認したところ、調査現場において海上保安庁から、抗議船との衝突を避けるため慎重に船を操縦するなど、作業に当たっては安全には最大限に配慮するようにとの指導があり、那覇防衛施設局から調査会社に対し改めて安全についての指導を行ったとのことであります。県としては、調査が円滑に進められるよう、その実施に際しては混乱を回避し安全に留意しながら調査を実施するよう申し入れております。
 以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) ジュゴンの保護対策調査の目的及び場所についてお答えいたします。
 平成16年度のジュゴンの保護対策調査は、水産庁が事業主体となり、定置網等における偶発的捕獲防止技術の開発等に関する調査・研究を行う事業と聞いております。
 続きまして、家畜排せつ物法の施行と家畜頭数への影響についてお答えいたします。
 家畜排せつ物処理施設の整備状況については、10月末現在、法対象農家1598戸に対し1246戸が整備され、整備率は約8割となっております。養豚農家の整備については237戸に対し172戸が整備され、整備率は約7割となっており、簡易対応27戸の予定を含めると8割強となり、残りの農家は整備が未定で飼養頭数の減少が懸念されます。県としては、家畜排せつ物処理施設の整備については農家の経済的負担が極めて大きいこと等から、補助事業や2分の1補助つきリース事業及び防水シート等での簡易対応による整備を指導しております。指導に当たっては、市町村、農協等と連携を図りながら地域環境や農家の経営規模等に応じて推進してまいります。
 県では、今後とも畜産の振興を図るため琉球在来豚「アグー」を活用したブランド豚の作出、優良種豚の系統造成、肉豚価格の安定対策等を推進するとともに、農家の経営指導に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 県民1人当たりの公的総固定資本形成、地方交付税及び国庫支出金についての御質問にお答えします。
 平成13年度の県民総所得における公的総固定資本形成の県民1人当たりの額は、全国の都道府県中10番目となっております。平成14年度に本県に投入された国庫支出金及び地方交付税については、国庫支出金の県民1人当たりの額は全国1位でございますが、地方交付税の場合は全国で19番目で、これらを合わせた国庫支出金及び地方交付税の県民1人当たりの額は全国で6番目となっております。
○兼城 賢次 休憩。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後6時20分休憩
   午後6時21分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 諸見武三君登壇〕
○農林水産部長(諸見武三) 調査の地域ということでございますが、地域については生息密度の高いタイ国のリボン島南海付近というふうに聞いております。
○兼城 賢次 環境影響評価についてまず最初にお聞きしますが、県は方法書の内容が十分ではないと。その内容の不備を認めていますが、県の環境審査会の会長は法律的にはともかく、ボーリング調査はアセスメントの過程を経て実施した方がいいという見解でありますが、審査会の会長の見解について知事の考えをお聞かせいただきたいと思います。
 また、調査現場の調査足場の設置で海底のサンゴが破壊されているが、調査の中止を求める要請がありますが、それについて中止をするかどうか、それをひとつお聞かせください。
 次に、県民所得の件ですが、ここの資料では第1次振計年度、経済企画庁経済研究所編、昭和57年度県民と、こういうものから2001年のそういういろんな資料からして、ここに提示されております。(資料を掲示) しかし、この資料がじゃ間違いなのかどうか。私は、この資料からただいま交付金とかあるいは11兆円というのはそんなに多くはないだろうと。そういう平均からしてこれはおかしいんじゃないかということを聞いたわけですから、ひとつこれを参考にしていただいてやっていただきたい。
 もう一つはゴーヤーの件ですが、これは冬春期を含めて年間からすれば確かに66%ですが、もうゴーヤーは農林水産部の資料からしても15年度は占有率は沖縄が30%、鹿児島県が22%、宮崎県が20%。ところが12年度は47%沖縄なんです。その後は各県が振るっている。そういうことで決してゴーヤーも、先ほど何十%というけれども、実際、年間の統計をとった場合には30%しか沖縄のものはないものですから、こういう状態ではもう沖縄の特性というのはなくなってしまうんじゃないかと。そういうことで農林水産部の反省というのはないのかということを聞いているわけです。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後6時30分休憩
   午後6時31分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 文化環境部長。
   〔文化環境部長 屋嘉部長市君登壇〕
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 現在行われているボーリング調査等は、環境影響評価法の対象となるものではなく、代替施設建設事業の実施による環境影響を予測評価するために実施されているものでもないことから方法書に記載されておりません。そのため答申においても前文で述べられているところですが、その趣旨を考慮し、また法的権限をも考慮して答申の内容を修正して知事意見の前文に反映をいたしました。
 事業者においては、方法書についての知事意見とあわせ審査会からの答申の趣旨を十分に理解していただき、ボーリング調査等の実施においては適切な対応をしていただきたいと考えております。
 また、代替施設建設事業に係る環境影響評価についても今後適切に実施していただきたいと考えております。
○企画開発部長(花城順孝) 先ほど私が御説明したのは、単年度の資料をもとにして平成13年度で例えば公的総固定資本形成は10位と。その上位に類似県である島根県、高知県、鳥取県、秋田県等々入っております。
 それから、地方交付税と国庫支出金の合計については6位と。やはりその上位に島根、高知、鳥取、秋田と。いわゆる類似県より下位にあると。これはお示しになった資料のこれは1次振計から3次振計までの総計の順位づけの資料でございますが、その傾向と大体同じでございます。
○農林水産部長(諸見武三) 1点目は、ジュゴンの保護対策調査の場所について、先ほど調査場所についてはタイ国のリボン島南海付近というふうにお答えいたしましたんですが、16年度はという意味でございます。
 この事業については13年度から実施しておりまして、13年度においては沖縄近海ということで訂正させていただきたいと思います。
 それとゴーヤーについて、いわゆる占有率が他県に負けているのではないかという再質問にお答えいたしたいと思います。
 ゴーヤーにつきましては、特に「ちゅらさん」ブーム以降他府県でもかなりゴーヤーが定着をして、現在では、「ゴーヤー」でもブランド化されているというぐらいなじみ深い野菜になっているわけでございます。以前までは、5000トン前後が沖縄県の生産でございましたが、近年、8200トンぐらい生産拡大しております。
 いずれにしても他県が、かなり売れるということもありまして生産拡大してきております。
 県としましては、やはり拠点産地、これは名護市あるいは糸満市等で今拠点産地を育成しております。
 それから、沖縄独自の新品種としまして群星、汐風と、こういうふうな品種も今開発・育成しておりますし、こういう取り組みを強化しながらやはり産地間競争に負けないように頑張っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○兼城 賢次 休憩。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後6時31分休憩
   午後6時48分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 兼城賢次君。
   〔兼城賢次君登壇〕
○兼城 賢次 環境影響調査についてですが、これは今もう進行中でございますので緊急事態だということであえてお聞きしますけれども、先ほど、質問について一般論でこちらが質問するのと全然かみ合わないような形で答弁しておりますけれども、審査会に対して、皆さん方、2月のころに公共用財産使用協議のときに、そのときにも環境への配慮が十分でない部分があると。そのときでさえこういう環境への配慮が十分でないということで皆さん方は10数項目の改善事項を踏まえてそれを提出せよということがありますけれども、そういうような不備が認められて、現在、海底の方でサンゴが破壊されているにもかかわらず、この現時点で皆さん方が報告がないから対応ができないようなことを言っているんですが、既にそういう歯どめがかからないような現在の状況では、これは方法書を出そうが意見書を出そうが、準備書を準備しようが、一切歯どめにはならないというように理解していいのかどうか。
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 現在行われている地質調査及び海象調査の実施により、県としては少なからず環境への影響が生ずるものと考えておりますが、そのために当該地質調査及び海象調査に係る公共用財産使用協議の際に、これらの調査による環境への影響をより軽減するための観点から知事意見を述べたところであります。
 一方、環境の現況は一定ではなく季節的な変化、年ごとの変化があり、また自然的・人為的影響による変化もあります。そのため、環境影響評価における調査は、当該調査を始めた時期、すなわちボーリング調査が実施された後の自然環境の状態を現況としてとらえることになります。そのため、当該事業に係る環境影響評価においては、ボーリング調査等によりもたらされる環境への影響も十分に考慮する必要があると考えているところであります。
 スパット台船設置によります環境への影響につきましては、早急に調査を行い報告する旨の事業者からの回答を受けております。今後、その報告を受けて内容を検討し、必要に応じ作業の実施に当たっての十分な環境への配慮を求めていきたいと考えております。
 事業者におきましては、自然環境への影響を可能な限り回避・低減するためにボーリング等の調査の実施に当たり、公共用財産使用協議への同意の際に付した留意事項及び調査実施の際の環境配慮事項に十分配慮していただきたいと考えております。
○兼城 賢次 現在の環境影響評価法では完全に環境を守れませんので、県の環境影響条例を改めてつくる気はありませんか。つくるべきだと思いますが、どうですか。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
   午後6時55分休憩
   午後6時59分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
 文化環境部長。
   〔文化環境部長 屋嘉部長市君登壇〕
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 ただいまの先生の御意見等につきましては、貴重な御意見として受けとめさせていただきます。
○副議長(新垣哲司) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明10日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後7時散会

 
20040605000000