平成16年(2004年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 12月10日
 


○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 11月25日から12月7日までに受理いたしました陳情7件は、お手元に配付の陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
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○議長(外間盛善) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、甲第2号議案及び乙第1号議案から乙第25号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 嘉陽宗儀君。
   〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽 宗儀 おはようございます。
 通告に基づき質問を行います。
 初めは、辺野古の新基地建設問題についてです。
 SACO合意から8年が経過しました。だれが見てもその破綻は明らかです。普天間基地を閉鎖せよという声が高まる中で、知事はあくまで移設にこだわり続けています。今、知事が勇気を持って普天間基地の閉鎖を求めれば、それが実現できる可能性を大きく切り開くことができます。ところが、知事は県民の期待を裏切ってあくまで日米両政府の立場を県民に押しつけてきています。まさに普天間基地閉鎖の妨害者の役割を果たしています。全く許されるものではありません。その知事の後押しで防衛施設局は、多くの県民や世界的な自然保護団体からの反対の声を押し切ってボーリング調査を強行しています。
 そこで質問します。
 ボーリング調査に対する対応について。
 (1)、ボーリング調査による環境への影響はどうなっていますか。ボーリング調査の現場を確認しましたか。その実態を掌握していますか。
 (2)、ボーリング調査によるサンゴなどへの被害は深刻になっています。直ちにボーリング調査の中止を求めるべきではありませんか。
 知事は9月議会で、ボーリング調査の箇所をサンゴなどの生息していないところで行うと説明していました。ところが事実はサンゴを破壊していますが、なぜそうなっていますか。議会に虚偽の答弁をしたことになります。どう思いますか。
 環境影響評価方法書についての知事意見書について。
 (1)、我が党は、欠陥だらけの方法書についてそのやり直しを政府に求め、審査会の答申について尊重し知事意見書に反映させるよう申し入れをしましたが、どのような取り扱いをしましたか、明らかにしてください。
 不備だらけの方法書について、知事がその抜本的な見直しを求めるべきであるにもかかわらず、なぜやらなかったのですか。
 (3)、審査会の答申より後退した意見書になったのは、工事ありきの施設局に迎合したものではありませんか。なぜ後退した意見書になったのか説明してください。
 (4)、サンゴを破壊しているボーリング調査についてその中止を意見書でも求めるべきではなかったか、見解を伺います。
 3、辺野古のオジー、オバーたちの子や孫を戦争に行かさないという必死の座り込み闘争について立場を超えて激励すべきだと考えますが、知事の所見を伺います。知事の辺野古受け入れによってオジー、オバーたちは命をかけた座り込みを余儀なくされています。知事はその姿に心を痛めないのですか。
 4、15年問題について伺います。
 (1)、ヘリコプターの墜落事件で普天間基地の即時閉鎖が県民世論になっています。知事はそれでも辺野古にこだわり、15年問題で危険な基地を県民に押しつけるのですか。知事としては全く無責任で米軍のために基地を建設することしか頭にないのか疑わざるを得ません。所見を伺います。
 (2)、15年問題は完全に破綻しているにもかかわらず、なぜこだわり続けるのですか。辺野古移設の受け入れを決定したメンツのためか、真意を伺います。
 (3)、15年問題はどこにも支持されない知事の独断でしかない状況になっております。知事の立場は孤立しています。この際、勇気を持って15年問題は断念し、県民世論である辺野古移設を断念したらどうですか。
 次に、都市型戦闘訓練施設について質問します。
 米軍のファルージャでの住民虐殺は、いかにイラク戦争が何の大義もなく、ただ殺し尽くすための戦争でしかなかったことが明らかにされました。特に、その侵略戦争に沖縄の米軍基地が出撃基地にされていることは多くの県民の心を痛めています。まさに反対しないで黙っていたら加害者になります。米軍は、この都市型戦闘訓練施設をイラクでの戦闘をも想定に入れて訓練すると説明しています。
 そこで伺います。
 (1)、知事は米軍のイラクでの掃討作戦という住民虐殺についてどう思いますか。
 (2)、沖縄の米軍基地がその出撃基地にされています。そのことに対して知事は明確に反対の意思表明をすべきだと思いますが、どうですか、知事の見解を伺います。
 (3)、訓練施設はイラク戦争をも想定して訓練をすることになっています。ますますその危険性は明確になってきました。改めて建設工事を直ちに中止させるために全力を挙げて取り組むべきではありませんか、その決意を伺います。
 第3の質問は、泡瀬干潟の問題についてであります。
 泡瀬干潟は世界の宝であります。環境省は重要湿地に指定しその保全を求めています。ラムサール条約事務局も干潟の保全を訴えています。日弁連も埋め立て中止を要請しています。この干潟を子々孫々まで残すよう努力することが私どもの責務だと考えます。
 そこで質問します。
 (1)、泡瀬干潟の埋立海上工事の石材投入が11月30日早朝から強行されています。その事実を調査し確認していますか。
 (2)、事業者は工事着工前にニライカナイゴウナを工事区域外に移動したとしていますが、移動した海域で生存・繁殖できる保証はあるのですか。あれば根拠を示してください。
 泡瀬干潟を守る連絡会が去る11月19日に新種の可能性のあるユンタクシジミ、希少種フィリピンハナビラガイの保全を県に要請しています。その保全に必要な措置を講じないまま工事は強行されています。これはアセス書違反ではありませんか。
 (4)、埋め立ての90ヘクタールを沖縄市が一括購入することになっていますが、沖縄市は必要な土地を必要なときに購入すると言っています。そうなると沖縄県が負債を肩がわりすることになりますが、事実はどうですか。
 (5)、軍泡瀬通信施設の保安水域に重なる31ヘクタールが沖縄市と米軍が共同使用条件について締結していたことが明らかになっています。県は共同使用の条件の締結にどのようにかかわってきたのか、その内容を公表してください。なぜ県民に秘密にしてきたのか、その真意を説明してください。
 (6)、貴重な干潟を埋め立てて、莫大な税金を投入して米軍に基地を提供することは絶対に許されない反県民的行為であります。米軍への提供を正しいと考えるのですか。
 (7)、宮古のトゥリバーリゾート計画を調査してきましたか。事業により市の財政が破綻寸前になっていると思いますが、泡瀬干潟の教訓にすべきことは何か、明確にしてください。
 (8)、辺野古新基地建設の環境影響評価準備書で泡瀬新港地区を作業ヤードとして使用するとなっていますが、県にその要請は来ていますか、どう対応しているか明らかにしてください。
 (9)、三位一体の改革はむだな公共工事等によって膨れ上がった借金のツケを国民に押しつけ、福祉、教育などを切り捨てるという暴挙でしかありません。むだな公共工事を進めることは許されません。泡瀬干潟の埋め立てもまさにこのむだな公共工事であり、即刻中止すべきだと思いますが、所見を伺います。
 4、次は警察の犯罪防止活動についての質問でありましたが、事件の捜査のめどがつきましたので取り下げします。
 私は、子供が拉致されて警察に訴えたが助けてもらえないという相談を受けて、私なりの努力もしてきました。決算特別委員会でも取り上げましたが、なかなか解決しませんでした。今回、県警も正面から事件解決のために取り組んでいただいたためにめどが立ったと思います。今後、今回のような事態がないよう犯罪の防止、被害者の救済のために努力をしていただくことを要望しておきます。
 6、教育問題について質問します。
 教職員の病気について。
 教職員の病気休職の実態はどうなっていますか。その中で精神性疾患の占める割合はどうなっていますか。その全国的な比較ではどうなっていますか。特に、沖縄で教職員の精神性疾患の多くなっている原因は何か、明確にしてください。
 教職員の過労問題について。
 (1)、学校現場の過労問題は深刻です。その実態を掌握していますか。
 教職は聖職ともいえますが、そのためには教師個々人が生徒の教育に打ち込める条件が求められます。現実には雑務が多過ぎて、自己研さんに励み、生徒と接触するための時間がありません。現場の実態を掌握して改善すべきところは改善すべきだと思いますが、どうですか。
 教員の大きな精神的な負担になっているのが生徒を通じての保護者による教員の評価があります。なぜそのようなことをやるのか真意を伺います。
 (4)、教育にとって最も重要なことは、教師が誇りを持って教育に専念することです。そのためにはその専門性を高めるための研修の保障が重要であります。それは自主的・自発的なものであることが求められています。現実は管理統制が厳しく、自主性が奪われています。もっと教師が押しつけでない自主研修ができるような体制をつくるべきではありませんか。
 (5)、教師の精神性疾患がふえている中で実施される教職員評価システムは、ますます教師の自主性を奪い、教師を鋳型にはめ込み、個性が剥奪されたロボット型教師をつくり出し、体制従順の教師をふやすことになります。これではますます教師の精神性疾患がふえることになります。ぜひ実施について見直すべきだと考えますが、どうですか。
 教育基本法問題について。
 (1)、現在の教育基本法を教育長はどのように評価していますか。
 (2)、現在、教育基本法の改正問題が浮上していますが、所見を伺います。
 (3)、教育基本法は世界的に見てもすぐれた内容になっています。戦後教育は、歴代の政権党による教育基本法への攻撃によってその崇高な内容がかなり踏みにじられてきました。改めてその内容を広め、教育基本法を守るために努力すべきだと考えますが、所見を伺います。
 最後に、知事の政治姿勢について質問します。
 自民党憲法調査会の改憲草案が陸上自衛隊幹部の改憲案をほとんど生かされた内容だったことは、改めて改憲の動きがいかに危険なものであるか明らかになりました。その内容は、国民主権を否定し、天皇を国家元首にし、軍隊を持ち、集団的自衛権の行使で戦争ができる国づくりの方向を明確にしています。これは文字どおり戦前の軍国主義への回帰であり、絶対に容認できません。
 そこでお聞きします。
 現在、現憲法を変える動きが急速に強まっています。その内容は、第9条を変えて戦争ができる国にすることが中心になっています。知事としてこれらの改憲の動きをどう見ていますか、所見を伺います。
 (2)、あくまで現憲法を守るのが知事としての大きな責務だと考えますが、改憲の動きに反対の意思を表明すべきではありませんか、見解を伺います。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 それでは嘉陽宗儀議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、辺野古での座り込みについてのお答えでございます。
 ボーリング調査について現地で座り込みが行われていることについては憂慮しております。もちろん大変に心を痛めております。しかし、基地問題については多くの問題が複雑に絡み合っており、実現可能なものから着実に一つ一つ解決する手法が現実的な対応であると考えております。
 続きまして、普天間飛行場の移設についてのお答えでございます。
 普天間飛行場は、市街地の中心部に位置し、市民生活に深刻な影響を与えていることから早期返還を実現するため、県としては限られた選択肢の中から県内移設という苦渋の選択をしたものであります。県としては、県民の目に見える形で基地負担の軽減が図られるよう日米両政府に対し要望してきたところであり、普天間飛行場の一日も早い返還に向け今後とも努力していきたいと考えております。
 続いて、15年使用期限問題の真意と辺野古移設についての御質問がございましたが、一括してお答えをいたしたいと思います。
 15年使用期限は、破綻したものとは考えておりません。これは戦後59年間にわたり過重な基地負担をしてきている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、沖縄県が移設に当たって整備すべき条件の一つとしたものであり、これを受け政府は平成11年12月、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定しております。この問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、着工までに政府の責任で解決すべきであります。
 続きまして、米軍のイラクでの作戦と沖縄の米軍基地についての御質問を一括してお答えをいたします。
 沖縄戦の体験や長年にわたる米軍統治、今なお残る広大な米軍基地などから沖縄県民は命のとうとさと平和の大切さを肌身で感じ、恒久平和を強く望んでおります。在沖米軍基地の運用は日米安保条約に基づき行われていると理解しておりますが、過酷な沖縄戦を体験した県民としてイラクはもちろんのこと、武力紛争の生じない国際社会が実現することを念じております。
 次に、陸軍複合射撃訓練場の建設中止についての御質問にお答えいたします。
 県は、これまで米軍を初め日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて陸軍複合射撃訓練場の建設中止を求めてきており、去る10月16日に町村外務大臣が来県した際にも改めて建設中止を強く求めております。先日も県選出国会議員や与党関係者等にお会いし、工事の中止を強く求めたところであります。県としては、今後、金武町や県選出国会議員と密接に連携し、日米両政府に対し、あらゆる機会を通じてさらに強く工事の中止を求めてまいります。
 次に、改憲の動きと意思表明についての御質問のお答えを一括していたします。
 日本国憲法は、第96条において改正の手続を定めております。
 憲法については、現在、平成12年1月に衆参両院に設置された憲法調査会において広範かつ総合的に調査されているところであり、今後の見通しとしては平成17年5月ごろに衆参両院憲法調査会が両院の議長に最終報告書を提出するとのことであります。憲法第9条を初めとする憲法論議については、変化に応じて改正すべきとの意見、現行規定を擁護すべきとの意見等さまざまな意見があります。いずれにしましても、憲法については、主権者である国民がさまざまな議論を通してより理解を深めることが重要であると考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) ボーリング調査による環境影響と調査の中止を求めることについて一括してお答えをいたします。
 県としては、現在行われている地質調査及び海象調査の実施により、少なからず環境への影響が生ずるものと考えております。そのため、当該地質調査及び海象調査に係る公共用財産使用協議の際に、これらの調査による環境への影響をより低減するための観点から意見を述べたところであります。また、ボーリング調査等に係る公共用財産使用協議の際の環境配慮事項においては、地質調査及び海象調査の実施に係る環境監視の結果、サンゴ類等の海生生物へ著しい影響が生ずるおそれがあると確認された場合には関係機関へ報告することとされております。
 今回のスパット台船設置による環境への影響については事業者に確認したところ、早急に調査を行い報告する旨の回答を受けておりますが、現在のところ報告はありません。県としては、報告を受けて内容を検討し、必要に応じ作業の実施に当たっての十分な環境への配慮を求めていきたいと考えております。
 次に、ボーリング調査でサンゴが破壊されていること及び議会での答弁についてお答えをいたします。
 ボーリングの足場の設置によるサンゴ礁への影響については、当初からある程度想定されていたことであります。そのため、事業者は、公共用財産使用協議の際の「地質調査・海象調査の作業計画について」におきまして海底との接地面積が比較的小さい3種類の足場を使用するとし、また事前に潜水調査を実施してサンゴの分布状況等に配慮し、調査地点及び足場等の向きを決定するとしてサンゴへの影響はおおむねなしと見積もっております。
 以上のことから、今後、当部へ環境監視の結果が報告される際に、その破壊の状況を十分に確認し必要な調整を行っていく考えであります。
 なお、議会においては、公共用財産使用協議の際の同意書における留意事項及び調査実施の際の環境配慮事項に十分配慮していただければ、ボーリング等の調査の実施による環境への影響は著しいものにはならないものと考えていると答弁しておりますが、これは環境への影響が全く生じないということではありません。
 次に、方法書のやり直しや答申の反映等についてお答えをいたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る方法書については、事業の内容の記載が十分ではないと考えておりますが、環境影響評価法で定める事項は記載されており、法的要件は満たしております。また、同法においては、方法書に示された事業内容が十分ではないことをもって、方法書の見直しを行うことや手続をやり直すことは規定されておりません。沖縄県環境影響評価審査会からの答申については、その内容を精査し、また法的権限をも考慮して当該事業に係る方法書への知事意見に反映しております。
 なお、現行の環境影響評価法で定める環境影響評価は、事業の実施に当たりあらかじめ行われるものであり、環境影響評価の結果から事業を行うかどうかの判断については事業者みずからの判断にゆだねられております。
 次に、知事意見におけるボーリング調査の取り扱いについてお答えをいたします。
 現在行われているボーリング調査等は環境影響評価法の対象となるものではなく、代替施設建設事業の実施による環境影響を予測・評価するために実施されているものでもないことから方法書に記載されておりません。そのため、答申においても前文で述べられているところですが、その趣旨を踏まえ、法的権限をも考慮して知事意見の前文に反映しております。
 なお、前文においては、代替施設建設事業に係る環境影響評価においては、現在実施されている護岸構造の詳細な検討のための地質調査及び海象調査によりもたらされる環境への影響について十分に考慮する必要があると述べたところであります。
 以上です。
○土木建築部長(末吉 哲) 泡瀬干潟の問題について、石材投入の事実の確認についてお答えいたします。
 海上工事については、去る7月22日に開催された環境監視委員会において工事に伴う環境監視項目に関する指導・助言を得たところであります。事業者は、台風の影響が少なくなったことから去る10月22日に石材投入に向けた汚濁防止膜の設置に着手し、11月30日からは石材の投入を開始しており、県も確認しております。
 次に、移動したニライカナイゴウナの生存・繁殖の保証についてお答えいたします。
 昨年夏、泡瀬事業周辺海域において確認されたニライカナイゴウナの保全については、工事区域内に生息する個体を可能な限り採取し、生息可能な区域に移動することのほか、生育環境に対する工事中の水質汚濁監視や事業区域外の主要分布域の保全計画の策定などから成る具体的な対応策を専門家の指導・助言を得て策定し、環境部局へ報告しております。これに対し、環境部局から昨年12月に、事業の実施に当たっては報告書の内容に従って十分かつ慎重に実施することとの知事意見を受けております。このように今回実施された移動措置は、環境部局との調整を経て事業者として保全策に位置づけたものであり、埋め立てによる直接的な影響で個体が消滅することを避け、生息していく可能性が少しでも上昇するよう実施されたものであります。
 次に、ユンタクシジミ等の保全措置を講じないことはアセス書違反ではないかについてお答えいたします。
 フィリピンハナビラガイについては、既に文献で確認が報告されている種であり、貴重種として位置づけられておらず、既知の分布域を広げるものでもないことから、特段の対応の必要はないものと判断されております。また、ユンタクシジミ(仮称)については、発見されたとされる箇所が現在の工事区域と離れていること、また現時点で事業者において確認されていないことから、その取り扱いについては工事を実施しながら確認調査を実施していくことにしております。今後、事業者による調査において同種が確認され、貴重種・重要種に相当すると判断された場合は、アセス書に従って必要に応じ適切な措置を講じてまいります。
 次に、沖縄市の負債を県が肩がわりするのではないかについてお答えいたします。
 埋立工事は、Ⅰ工区、Ⅱ工区に分けて段階的に施工することとしており、各工区内では埋立竣功後に地盤改良や臨港道路等のインフラ整備を行う予定であります。沖縄市はこれら工事が完了した区域から順次速やかに土地を取得することとしております。よって、県が負債を肩がわりするものではありません。
 次に、県が共同使用の条件の締結にどのようにかかわってきたか、またその内容の公表についてお答えいたします。
 沖縄市と米軍との間で泡瀬通信施設に対する電波障害を防止する目的を内容とし締結された通信施設の一部水域の共同使用に係る協定については、県も承知しております。県は、協定締結の当事者ではないため協定書を公表する立場にはなく、またその存在について特段秘密にしてきたものではありません。
 次に、埋立地を米軍へ提供するのかについてお答えいたします。
 協定書は、泡瀬通信施設に対する電波障害を防止する目的で締結されたものであり、埋め立てた土地を米軍が直接使用することや米軍に基地として提供することを定めたものではありません。
 当該区域においては、電波障害を防止する上から建造物または工作物に一定の高さ制限等が生じますが、土地利用計画ではこれを踏まえて県民及び沖縄市民のレクリエーションの場等として活用することとしており、利用上の支障が生ずることはありません。
 次に、トゥリバーリゾートを調査したか、教訓にすべきことについてお答えいたします。
 トゥリバー地区埋立事業は、平良市が事業主体となって宮古島における本格的な海洋性リゾート拠点のためマリーナ、人工海浜、緑地、ホテル等のレクリエーション施設用地の造成を行うものであり、現在、市において積極的な企業誘致活動を実施するとともに、人工海浜や海浜緑地等を整備中であることを確認しております。
 泡瀬埋立事業については、現在、地元沖縄市が「みなとまちづくり懇談会」において導入施設などの検討を進めており、トゥリバー地区も含めた他事業の事例も踏まえつつ、県としても市と連携して企業誘致に向け魅力ある環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
 次に、作業ヤードとしての使用の要請があるかについてお答えいたします。
 防衛施設庁は、環境影響評価方法書の中で作業ヤードの候補地として中城湾港新港地区ほか2カ所を記載しておりますが、県に対する要請はありません。作業ヤードとして新港地区を使用することについては、港湾管理者へ手続がなされた段階で適切に対応していきたいと考えております。
 次に、泡瀬埋立工事の中止についてお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業は、本島中部東海岸地域の活性化を図るための経済振興策として地元からの強い要請に基づき埠頭や交流施設、展示施設、ホテル等の誘客施設を一体的に整備し、地域特性を生かした国際交流拠点等の形成を図るものであります。
 さらに、本事業は県の主要施策でもある特別自由貿易地域を支援する新港地区の港湾整備とも密接な関係があり、新港地区への企業誘致を促進し本県経済の振興を図る上でも早急な整備が必要であります。県としては、今後とも環境保全に配慮しつつ事業を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 病気休職についてお答えいたします。
 本県の教職員の病気休職者数は、平成15年度においては300人で、そのうち精神性疾患の人数は99人、その割合は33.0%であります。
 平成14年度で比較すると、全国の平均が50.7%で本県は31.5%になっております。精神性疾患の原因については特定しかねますが、生活習慣病との併発、職場環境への不適応、病気の繰り返し等さまざまで複合的な要因が考えられます。
 次に、学校現場の実態について一括してお答えいたします。
 学校における教職員の業務は、日々の授業、職員会議を初めとする各種の会議、部活動指導、PTA・地域とのかかわり等多岐にわたっていると理解しております。
 教職員の勤務における疲労については相対的な面もあり一概には言えません。そのような状況の中で職務の効率化・合理化を図り、教職員相互の協力体制づくりをすることが大切であると考えております。
 保護者による評価についてお答えいたします。
 保護者による評価は、現在、学校で行われている学校評価の中の一部であります。学校評価は、校内における教職員による内部の評価と、客観性を高めるため保護者の意見を求める外部評価があります。外部評価は、学校運営や教科指導、進路指導、生徒指導に関する項目であります。その中に先生とのかかわりがありますが、これは児童生徒の学習状況や成長の過程を見るためのものであります。保護者による評価は先生個人を評価しているものではなく、生徒の学習活動の効果を高め、その成長を客観的・総合的に判断し支援していこうとするものであります。
 次に、自主研修についてお答えいたします。
 自主的・主体的に行う研修は、他の研修と同様に教職員研修の基礎をなすものであると理解しております。その実施に際しては、教師みずからの計画を立て、校長と連携を図り自己研さんに励み、みずからの資質向上に努めることが望ましいと考えております。
 教育内容の精選、職務の効率化による研修時間の確保、長期休業中の社会奉仕体験活動、教科研究会への参加ができるよう条件整備をすることが大切であると思います。今後とも、教職員のライフステージに基づく研修を行うとともに、教職員のニーズに基づく自主的・主体的な研修を奨励してまいりたいと考えています。
 次に、教職員評価システムについてお答えします。
 教職員評価システムは、個々の教職員の自主性を尊重し、自己申告と面談により教職員と管理職の双方向で進めていくものであります。このことを通して教職員相互のサポート体制の充実を図ることが大切であると考えております。
 次に、教育基本法について一括してお答えします。
 教育基本法は、我が国の教育及び教育制度全体の基本理念と基本原理を宣明することを目的として制定されたもので、すべての教育法令の根本法であると認識しております。戦後、同法のもとで教育の機会均等や量的拡大及び教育水準の向上が図られ、我が国の経済社会の発展に大きく寄与してきたものと考えております。しかしながら、同法の制定当時と社会状況は大きく変化し教育のあり方も変容を遂げつつあることから、現在、教育基本法についていろいろな意見があり、各方面からの幅広い論議が不可欠であります。教育行政を執行する者として、その国民的な論議の推移を注意深く見守っていく必要があると考えております。
 以上でございます。
○嘉陽 宗儀 休憩。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前10時40分休憩
   午前10時58分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 嘉陽宗儀君。(発言する者多し)
 静粛に願います。
 嘉陽宗儀君。(発言する者多し)
   〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽 宗儀 ボーリング調査について再質問します。
 少なくともボーリング調査の足場については、サンゴのないところに足場を設置すると言っていました。
 ちょっと休憩してください。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前11時  休憩
   午前11時1分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。(発言する者多し)
○嘉陽 宗儀 これは与党、野党の問題ではないですよ。少なくとも議会に答弁した。私に対する答弁は、事業者はサンゴの生育部分を避けた足場等の設置位置を決めておりますがと言っていますけれども、今、現場からの報告の足場を見ると、(資料を掲示) これを今聞いたら、サンゴかサンゴ礁かよくわかりませんがと今言っていますけれども、これは明確にサンゴであり、下の方で死んだ部分はサンゴ礁になっていますよ。これは、事業者はサンゴ礁のないところに、サンゴのないところに足場を設置するということを言っているというけれども、それじゃ聞きますけれども、改めて事業者はだれがサンゴ類の足場を決めるときにサンゴのないところに決めているということをやったかな。これははっきりさせてください。
 それから、サンゴへの著しい影響が出た場合には作業の一時中断を含めた措置をとるというが、この場合、皆さん方は事業者に確認をするというけれども、いつまでに確認するのか、そして工事中断はいつまでにそれを求めるのか、それをはっきりさせてください。
 それから、サンゴの破壊について極めて深刻な状況になっているにもかかわらず、皆さん方はまだ事業者について問い合わせもしない。皆さん方自身として現場を確認して、(資料を掲示) これ見てくださいよ。このスパットが置かれているところはほとんどサンゴが破壊されている。こういうサンゴが破壊されていることについて今まで影響がないようにということをひたすら言ってきた。ところが先ほど部長は、こういう影響について当初から予定されていたということを今答弁していますけれども、これは絶対許されない答弁ですね。サンゴに影響がないように足場もつくる、ボーリング調査も自然環境に影響がないようにやりますと言いながら、先ほどの答弁は、これは当初からそういう破壊は予定されていたという答弁をさっきやっています。これについて整合性がない。いずれが本音ですか。これは明確にしてください。
 知事としてこのサンゴの破壊状況を県としていつまでに調べるのか、日にちもはっきりさせてください。今、作業は進んでいますよ。
 そしてそれを確認し次第、実態を調べたらサンゴの破壊の状況がはっきりしているのであれば工事中止を直ちに求めるようにすべきだと思いますけれども、見解を伺います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前11時5分休憩
   午前11時6分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 文化環境部長。
   〔文化環境部長 屋嘉部長市君登壇〕
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 9月に議会で答弁しました、先ほど読み上げました文章ですが、事前の潜水調査結果をもとにサンゴ類の生育部分を避けた足場等の設置域を決めておりますというのは、事業者の方からの作業計画の中に示されておりまして、サンゴが生育している被度5%未満のところで足場を設置するという作業計画になっておりまして、9月で議会答弁をした生育部分を避けたというのは、被度の高いところを避けたという趣旨でございます。
 それから、先ほども御答弁申し上げましたが、県としては、ボーリング調査について環境上の影響が全く出ないということはなくて、ある程度の環境影響は生ずるものと考えておりまして、そのために事業実施に当たっては環境配慮事項、留意事項を申し上げたところであります。
 今回のスパット台船設置等によりまして、環境への影響につきましては業者の方に報告を現在求めているところでございまして、事業者は早急に調査を行って報告する旨の回答を受けております。その報告を詳細に検討した上でこの環境影響についての調整を進めてまいりたいと、このように考えております。
○嘉陽 宗儀 休憩。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前11時9分休憩
   午前11時10分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 文化環境部長。
   〔文化環境部長 屋嘉部長市君登壇〕
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えをいたします。
 事業者に対しましてスパット台船による影響について御報告をするようにということで求めております。業者については早急に調査をして御報告をいただくという返事をいただいております。
 そういうことで事業者から早急に報告を受けて、そして報告書の内容を詳細に検討し、必要な調整と必要な措置をしたいと考えております。
○嘉陽 宗儀 県としての独自調査。
○文化環境部長(屋嘉部長市) それも含めて対処を考えます。
○嘉陽 宗儀 スパット台船の足場がサンゴ礁を破壊しているということについてはテレビでも細かく放映されております。今、あの写真を見せても部長の方はサンゴなのかサンゴ礁なのかわからぬと適当にごまかしていますけれども、そういう県政の場でいいかげんな態度をとるというのは許されないですよ。
 それから、影響がないと言っていましたけれども、多少の影響は生ずると言っていますけれども、それじゃ聞きますけれども、部長が言うある程度の影響というその程度はどのぐらいの話をしているんですか。
 それから、5%未満と言っていますけれども、あれは5%未満のところではない。現場の調査の方々から言わせるとそうじゃない。心臓部分、ここを打ち砕いているという報告ですから、これについては5%未満という事業者の言い分だけうのみにするんじゃなくて、県政ですから県独自に調べて早急に県独自の見解で防衛施設局、事業者にも物を言うべきだと思います。改めてもう一回聞きます。
 県として独自に今の事態を早急に調査すべき、これも緊急。終わってからじゃしようがないですよ。
 それから、事業者に報告を求めると言っていますけれども、事業者についてはいつまでに報告しなさいと期限をつけて、事業者に対して報告義務をつけてほしいと思いますけれども、見解を聞きます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前11時14分休憩
   午前11時15分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 文化環境部長。
   〔文化環境部長 屋嘉部長市君登壇〕
○文化環境部長(屋嘉部長市) お答えいたします。
 環境影響については、このボーリング調査によって少なからず環境への影響が出るということは、事業実施に当たって環境への配慮事項を意見として申し上げたところでもありますし、前提として環境への影響というのは審査会の先生方からも意見がありましたように、少なからず環境上の影響は出ると県も考えているところです。
 そして、この少なからずとか、著しい影響は出ないと考えているという県の見解の答弁を申し上げます。
 人間のこのあらゆる活動、これは直接的・間接的に環境に影響を与えるものでありますが、近年、人類の経済社会活動が自然の持つ復元力、再生能力、浄化能力を超えるような規模にまで至り、人間の活動によって限りある環境は損なわれるおそれが生じてきております。そのために環境基本法においては第3条において、環境の保全は、「現在及び将来の世代の人間が健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに人類の存続の基盤である環境が将来にわたって維持されるように適切に行われなければならない。」と規定しているところであります。同条の趣旨から、著しい影響とは環境が将来にわたって維持されることがない自然の回復力を超えた影響であると理解をしております。具体的には、おおむね人の活動に伴って大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が劣化することによって公害その他の人の健康または生活環境に係る被害が生ずること、開発行為等によって自然環境が劣化すること、または一定の緑地の確保が必要な場合等において必要な自然環境の整備がなされないことにより、広く公共のために確保されることが不可欠な自然の恵沢が確保されないこと等であると理解をしております。
 次に、御質問の報告書の件でございますが、事業者の方へ報告を求めましたところ、早急に調査をしてということでございますが、気象状況等もあり、そういったもろもろの状況があって、できるだけ早急な調査報告をいたしますという報告を受けております。
 したがいまして、県としましては事業者から報告書が出た段階でその報告書の内容を詳細に検討し、今後必要な調整、そして県がとるべき必要な事項等がありましたら早急な対応に努めたいと思います。(発言する者多し)
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前11時20分休憩
   午前11時20分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 嘉陽宗儀君。
   〔嘉陽宗儀君登壇〕
○嘉陽 宗儀 ボーリング調査について事業者に報告書を期限を決めて求めるべきだという質問をしました。ところが事業者は、今、執行部の皆さん方は調査したかどうかということについて確認しましたか。
 これは既に明らかになっていますけれども、11月26日に事業者は調査を終わっているんです、11月26日に。ところが県に来ないというのは、この県議会の論戦を終わらせてから県に報告するたくらみじゃないかということを考えています。そういうぐあいに考えています。だからそれについては明確に事業者の方が調査を終わっているというんだから、終わったものであれば直ちに報告を出せということを強く迫ってください。
 そして事業者は今言ったようになかなか信用できないわけだから、県が自然環境を守る最大の責任者ですから、県として独自に調査をする、これはどうしても必要です。だからもろもろ検討してやりますじゃなくて、きょう議会の場で明確に県として独自の調査を行いますということを答弁してもらわないとあの辺野古の自然は守れませんよ。少なくとも県議会で暴走を食いとめるために必要な対策をとらなきゃならない。そのためにも県として独自に調査をしてください。
 答弁を求めます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 県としましては、ボーリング調査等に係る公共用財産使用協議の際の環境配慮事項において地質調査及び海象調査の実施に係る環境監視の結果、サンゴ類等の海生生物へ著しい影響が生じるおそれがあると確認された場合には関係機関へ報告することということで配慮事項で示しております。
 そういうことから、環境への影響、事業実施に伴う環境への影響等については、事業者みずから調査をし、影響について県に報告がなされるものだと考えております。早急に事業者から報告書を提出いただきまして、中身を詳細に検討し、環境保全上の、それから事業実施上の必要な調整を進めてまいります。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前11時24分休憩
   午前11時24分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 呉屋 宏君。
   〔呉屋 宏君登壇〕
○呉屋  宏 おはようございます。
 嘉陽さんの後はとてもやりづらいです。覚えていたことが頭から全部なくなりましたので、通告書を読み上げていきたいと思います。
 一般質問を行います。
 1番、基地問題についてお伺いをいたします。
 基地内の環境問題について。
 ア、キャンプ・コートニー内のクレー射撃場跡地並びに周辺海岸域における環境影響評価調査の実施はどうなっているか。
 イ、平成16年2月の沖縄県環境審議会が出した4提言についての進捗状況についてお伺いいたします。
 ウ、クレー射撃場の鉛弾の問題は、他県では問題になり対策を行っているが、我が沖縄県ではなぜ積極的に対策を行わないかお伺いいたします。
 2番、行財政改革についてお伺いをいたします。
 市町村行革の進捗状況について。
 ア、定員適正化計画で人口に対する職員数は何名が理想かお伺いいたします。
 次に、市町村に対し、行財政改革大綱の策定を行わせることと取り組みを促進させると前回答弁をいたしておりますが、市町村は進んでいるのかお伺いをいたします。
 ウ、市町村の行革への取り組みを促進していきたいという前回の9月の答弁がございました。どのように促進をなさるのかお伺いをいたします。
 エ、合併についてはほとんどの市町村が一度は検討した理由はどこにあったのか、行革でその方法は応用できないのかお伺いをいたします。
 次に、合併については県が枠組みを発表いたしました。行革においてその理想をリードしないのはなぜなのかをお伺いをいたします。
 広域行政についてお伺いいたします。広域行政(事務組合方式)を進めるつもりはないのか、お考えをお聞きいたします。
 3番、産業振興と雇用拡大についてお伺いをいたします。
 まず、沖縄県産業振興計画の検証について。
 ア、平成15年度までの成果は10月末までにまとめると言っておられましたけれども、その後どうなっているのかお伺いをいたします。
 イ、職業訓練・能力開発と雇用拡大はマッチをするのかお伺いをいたします。
 沖縄県振興推進計画についてお伺いいたします。
 沖縄県振興推進計画にある平成23年の66万7000人の雇用について、達成できる見込みで今推移をしているのかお伺いをいたします。
 大きな4番、環境問題について。
 建設資材の再利用についてお伺いをいたします。
 木材の再利用については、県内はどのような状況になっているのかをお伺いいたします。
 大きな5番、観光行政についてお伺いをいたします。
 観光施設について。
 久米島に「はての浜」があります。年間何名の観光客が行っているのか、それをお伺いをいたします。
 イ、その「はての浜」のトイレが今どうなっているのかをお伺いをいたします。
 ウ、観光施設についての中で、スポーツ施設は観光施設と言えるのか。これは観光振興計画の中にスポーツ合宿がありますので、そのことについてお伺いをいたします。
 観光振興計画について。
 観光振興計画における雇用の目標値が出てないのはなぜなのかお伺いをいたします。
 6番、教育行政について、幼稚園教育について再度お伺いをいたします。
 これは9月の議会でもお伺いをいたしましたけれども、ア、幼稚園教育は県の事業なのか市町村の事業なのかをまずお伺いをいたします。
 イ、幼稚園教育と保育行政の違いはどこにあるのかお伺いをいたします。
 ウ、小学校附属幼稚園はどのようにして生まれてきたのかをお伺いをいたします。
 エ、他県にない公立幼稚園は、市町村の経常経費を圧迫をしていないのかをお伺いをして、再度答弁を聞いて再質問をしたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 呉屋宏議員の御質問のうち、キャンプ・コートニー内の環境調査の実施等の御質問につきまして一括してお答えをしたいと思います。
 キャンプ・コートニーにおける環境汚染問題については、国に対し平成13年9月にヒジキの鉛含有量の安全確認や国による環境影響の補足調査の実施、周辺海域に残存する鉛弾の除去などについて要請を行っております。その後、国は、米側が実施した調査の結果を踏まえた補完的調査として同水域のヒジキの鉛含有量の調査を実施した結果、食品衛生上の観点では人の健康に影響はないとしています。しかし、県は、県域の環境保全を図る観点からキャンプ・コートニー水域における海生生物の鉛調査を独自に実施する必要があると考え、平成15年9月に立入調査を求めております。
 これに対し、国は現在、日米合同委員会の枠組みを利用し日米間の調整を行っているところですが、調整状況については公表できる段階ではないとしております。県としては、日米合同委員会での協議を注視しながら立入調査が実施できるよう引き続き国に働きかけるとともに、県の調査結果を踏まえ適切に対応していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) キャンプ・コートニー周辺海岸域の環境調査についてお答えをいたします。
 キャンプ・コートニー周辺の金武湾については、水質測定計画に基づき金武湾中央部、石川ビーチ沖及び天願川河口の3地点で水質は昭和49年から、底質は昭和53年から毎年1回の調査を実施しております。調査項目はカドミニウム、鉛などの有害物質について、水質は24項目、底質は7項目を実施しております。これまでの調査結果は、水質についてはすべて環境基準以下であります。底質については環境基準は定められておりませんが、中城湾、与勝海域と比較しても同程度の状況となっております。また、現在、当海域の補足調査として新たに4地点を選定し、水質、底質等における鉛調査を進めているところであります。
 次に、環境審議会からの4提言の進捗状況についてお答えをいたします。
 沖縄県環境審議会は、本県の環境の保全に関して基本的事項を調査・審議等を行うものとして環境基本法に基づき設置されております。去る2月に基地環境問題について貴重な御提言をいただいたところであります。県では、米軍基地から派生するさまざまな事件・事故や環境問題などの米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るため、環境保全に関する新たな条項を設けることや関連する条項の改定も含め日米地位協定の抜本的見直しを要請したところです。今後ともあらゆる機会をとらえて日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的な見直しと基地環境に関する情報の提供を強く求めるとともに、関係機関と連携して環境保全施策を推進してまいりたいと考えております。
 以上です。
○知事公室長(府本禮司) 環境審議会の提言の進捗状況についてお答えいたします。
 1973年の日米合同委員会合意文書について外務省に照会したところ、これまで同文書を公表しなかった理由については、30年以上も前の文書であり、その理由は明らかでないとのことであります。県は、これまでにも日米地位協定の見直し要請の中で日米合同委員会合意事項の公表を求めてきたところでありますが、合意文書が公表されなかったことは極めて遺憾であります。
 また、基地内への立ち入りについては、平成8年12月の日米合同委員会において米軍基地内への立入許可の手続が合意されており、現在、同合意に基づいて立入手続が行われることになっています。しかしながら、県や市町村が求めているような速やかな立ち入りが実現されているとは言いがたい状況にあることから、さらなる改善の検討が必要であると考えております。このため、県としては、日米地位協定の見直し要請の中で、地位協定に環境保全に関する条項を新設することとあわせて、基地内への立ち入りが円滑に実施されるよう同協定の改定を求めているところであります。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 行財政改革について、人口に対する理想の職員数についてお答えいたします。
 定員適正化計画を策定するに当たっては、総務省が示している類似団体別職員数や定員モデルにおける指標を参考にして各団体の職員数を比較する必要があります。ちなみに類似団体別職員数は、人口と産業構造を基準にして各団体を類型化して平均の職員数を示すものであります。定員適正化計画における職員数は、これらの指標を活用することとあわせて、当該団体におけるこれまでの定員管理の実績や今後の行政需要の動向など、それぞれの市町村の実情を十分に考慮して決定する必要があり、理想の職員数を一律に決められるものではないと思います。
 次に、行政改革大綱の進捗状況についてお答えいたします。
 平成16年12月1日現在、県内の市町村で行政改革大綱を策定している団体は33団体、策定率は63.5%で、平成16年2月1日現在の32団体、61.5%に比べ1団体増加しており、今年度中にさらに8団体が策定する予定となっております。また、ほとんどの市町村が平成17年度中に行革大綱を策定することになっており、着実に行革に取り組んでいるものと認識しております。
 次に、市町村の行革の促進についてお答えします。
 県では、市町村の行政改革が円滑に進展するよう助役を対象とした行財政説明会や総務担当課長との個別の意見交換を実施するなど、行革に対する情報の提供や助言等に努めているところであります。県としては、今後ともこのような働きかけを継続していきたいと考えております。
 次に、市町村合併を行革に応用することについてお答えします。
 地方分権の推進や市町村行財政を取り巻く環境が厳しさを増す中で、市町村合併は避けて通れない重要な課題であるという認識のもとで、各市町村では市町村合併に関する検討を行ったものと承知しております。その結果、合併をする、しないという結論に至ったものであります。
 一方、行政改革についても、合併と共通の考えに立ち、各市町村において事務・事業や組織・定数の見直し、給与の適正化、民間委託などそれぞれの団体の実情に応じさまざまな検討を行い、みずからの責任においてその推進に努めているものと認識しております。
 次に、行革に対する県のリードについてお答えいたします。
 合併は、複数の市町村にわたる事業であり、市町村間のつながりや一体性、広域的な地域振興策との関連性等を十分に踏まえる必要があることから、自主的・主体的な市町村合併を促進するための議論の材料となるよう県が「沖縄県市町村合併推進要綱」の中で合併パターンを示したものであります。行政改革についてはそれぞれの市町村の事業であり、その団体が抱える多様な行政課題に対応するため、その団体みずからの判断と責任において主体的に取り組むべきものであると考えております。県では、行革に対する情報の提供や助言等に努めているところであり、今後ともその働きかけを継続していきたいと考えております。
 次に、広域行政の推進についてお答えします。
 現在、県内には上水道事業、衛生・清掃、消防、介護保険等の事務を共同処理している一部事務組合などが34団体あります。一部事務組合等による事務処理方式は、単独の市町村では処理が困難な事業を共同で行うことにより能率的な事務処理が可能となるなどのメリットがありますが、関係市町村間の調整に時間がかかり、迅速な意思決定を行うことが困難であるなどの問題もあります。
 一方、市町村合併は、単一の団体による迅速な意思決定を図ることが可能となります。今後、現行合併特例法に基づく市町村合併や平成17年度から施行される新しい合併特例法のもとで推進される合併の動向を見きわめながら、一部事務組合のあり方などについても検討する必要があると考えております。県としては、市町村が自主的・主体的に行政体制に取り組むことを全面的に支援してまいります。
 以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 沖縄県産業振興計画の検証についてお答えをいたします。
 沖縄県産業振興計画の平成15年度実績に基づく施策評価につきましては、去る11月13日より県のホームページにおいて公表しているところであります。主な施策の実施状況については、製品の品質向上対策や県外への販路開拓支援を実施したことなどにより、健康食品関連産業や泡盛産業等において売り上げが大きく伸びております。また、新事業の創出についても、産業振興公社等関係機関の連携による総合的な支援や産学官共同研究推進事業の実施などにより、医療・創薬などの先端的な産業分野において有望なベンチャー企業が出てきております。
 一方、特別自由貿易地域及び金融業務特別地区における企業誘致等については、目標の達成状況が低くなっております。県としては、引き続き計画達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、職業能力開発と雇用拡大についてお答えをいたします。
 県においては、雇用機会の拡大を図るため観光・リゾート産業や健康食品産業等本県の特性を生かした地域産業の振興を図るとともに、特別自由貿易地域制度等を活用した企業誘致等に努めております。また、産業振興の施策に加え、企業が求める即戦力となる人材育成が重要であります。このため、国内外の先進企業等への従業員の長期派遣研修事業やIT高度人材育成事業及び金融人材育成モデル事業等を実施しております。特に、職業能力開発校においては、施設内における職業訓練とあわせて民間の教育訓練機関等を活用した委託訓練を実施するなど、企業ニーズに応じた多様な職業訓練を実施しております。こうした産業振興と一体となった人材育成の推進等により、本県の平成15年の就業者数は過去最高となる58万2000人となっております。
 続きまして、沖縄振興計画における就業者数についてお答えをいたします。
 県においては、沖縄振興計画の目標を達成するため11の分野におけるアクションプランとして分野別計画を策定しております。雇用の促進と人材育成等の分野については、沖縄県職業安定計画を策定し計画的な施策推進に取り組んでいるところであります。同計画においては、雇用機会の創出・拡大、若年者の雇用促進及び職業能力の開発等を主要な施策と位置づけ、沖縄特別雇用開発推進事業や雇用支援制度の活用促進を図る事業等を実施しております。特に、若年者の雇用促進については、沖縄県キャリアセンターにおいて職業観の形成から就職までを一貫して支援する事業を実施しております。
 こうした施策に加え、沖縄振興計画に基づく各種施策を積極的に推進し、平成23年度の見通しである66万7000人の就業者数の達成に向け取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 環境問題についての、県内における木材の再利用の状況についてお答えいたします。
 建設廃棄物については、平成12年度制定の「建設リサイクル法」及び平成14年度に国土交通省から通知された「建設副産物適正処理推進要綱」に基づき再資源化等の適正処理に努めているところであります。特に、建設リサイクル法により一定規模以上の工事については、コンクリート塊、木材などの特定建設資材について分別解体及び再資源化等が義務化されております。これらの法律等の制定を受け、建設発生木材については、チップ化などによりマルチング材などの原材料として再利用の促進を図っているところであります。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、久米島「はての浜」の観光客数及びトイレの現状について一括してお答えをいたします。
 久米島「はての浜」の年間観光客数は、久米島町観光協会の調査によりますと平成15年で約4万人となっております。トイレにつきましては、民間事業者が簡易なトイレを夏場に4基、冬場に2基設置している状況にあると聞いております。
 次に、スポーツ施設は観光施設と言えるかとの御質問にお答えをいたします。
 県や市町村等地方自治体が設置する各種スポーツ施設は、住民の福祉や健康を増進する目的で整備され、また年間を通じてその利用の形態を見るならば観光施設としてとらえることは不適切であると考えます。ただ、県内市町村の一部においては、これらのスポーツ施設の本来の目的を損なうことのない範囲でプロ野球のキャンプやスポーツコンベンションを受け入れております。このことは当該地域の活性化はもとより、県全体の観光振興にも大きな貢献をしており、高く評価をしております。
 次に、観光振興計画における雇用の目標値についてお答えをいたします。
 観光産業は、農林水産業や製造業、情報通信産業など他の産業と異なり統計上の分類はなく、旅館業や娯楽業等のサービス業、航空運輸業や旅行業等の運輸・通信業、卸売・小売業や飲食業など幅広い業種から構成されております。そのため、観光産業の雇用者数を把握するためには個々の分野における観光関連の雇用者数を把握する必要がありますが、例えば小売業や飲食業における観光の割合などを正確に把握することは困難であります。したがいまして、観光振興計画において雇用者数の目標値を設定することは適切ではないと考えております。
 なお、観光に関連する雇用効果については、産業連関分析等を用い、3年に1度実施している旅行・観光の経済波及効果調査により推計をしており、平成12年においては約8万2000人で県内雇用者の14.7%となっております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 県教育委員会と市町村の役割についてお答えいたします。
 幼稚園教育における県教育委員会の役割として、公立幼稚園の設置等の承認、研修会の実施及び幼稚園教育全般にわたる指導・助言等があります。市町村の役割としては、公立幼稚園の設置並びにその管理運営であります。県と市町村がそれぞれの役割を果たしながら連携し、幼稚園教育の充実を図っていくことが大切であると考えております。
 次に、幼稚園教育と保育行政についてお答えいたします。
 幼稚園は、学校教育法に基づき満3歳から小学校就学の始期に至るまでの幼児を対象に教育を行い、その心身の発達を助長することを目的としております。保育所は、児童福祉法に基づく日々保護者の委託を受けて保育に欠ける乳児または幼児、いわゆるゼロ歳から5歳児を保育することを目的としています。したがいまして、原則として幼稚園は学校機能を、保育所は福祉機能を有するものと理解しております。
 小学校附属幼稚園についてお答えいたします。
 記録によりますと、戦後の公立幼稚園は、収容所に小学校が開かれると同時に幼稚園が併設されたということになっております。その後1946年(昭和21年)、沖縄民政府文教部から各市町村長及び初等学校長あて「幼稚園設置変更に関する件」について通知があり、各初等学校に併設されていた幼稚園は「初等学校附属幼稚園」と変更された経緯があります。
 公立幼稚園に係る経常経費の状況についてお答えいたします。
 公立幼稚園における管理運営は、設置主体である市町村が行い、幼稚園費についても市町村で対応するものと理解しております。幼稚園費が経常経費を圧迫しているかどうかは、各市町村の財政状況が異なることなどから明言はしかねます。
 以上でございます。
○呉屋  宏 午後かなと思っていたら、議長の命令ですからやっていきたいと思います。
 まず、「はての浜」の件についてお伺いをいたします。
 実は、実態を御存じない方もいらっしゃると思いますので、少しだけ久米島町の議事録を読まさせてください。
 この中で、これはことしの2月の議事録なんですが、「美ら島物語」のホームページに載っていて、JTAの空港によく飾られている白い浜の中にぽつんと建ったトイレがある。非常に有名な写真であると。トイレの下は何があると思いますか。汚物の入ったドラム缶であります。このトイレは当初、業者の皆さんが苦肉の策で観光客から要望があってトイレを設置したとのことであった。ドラム缶を埋めてやっているんだけれども、運ぶわけにもいかないし、いっぱいになったら埋めて、その次の場所を掘り返してドラム缶を埋めている。いっぱいになったら埋めてと30年間続いているんだそうであります。
 これが我が沖縄県の観光の実態なんだろうかということを考えたときに、実は久米島の4万人の「はての浜」に行っている観光客、二度と来ないというのが実態というよりも、もうリピーターがつかないというのが実態ではないかというのが島の人たちの強い要望でありました。ですから何とか改善をしていただきたい。
 ただ、この問題は、実はそこは米軍の射爆場になっております。いわゆる黙認耕作地と同じような扱いで実は黙認をして観光客を4万人おろしている。これが実態なんです。
 私は、確かに知事のこの間の新報の評価は低かったです。ただ、こういうことを一つずつ確実に30年掘られた問題を私は稲嶺知事に期待をしたいと思っているんです。ですから、少なくとも久米島の問題については今後も確実に観光客が来年も四、五万人行くわけですから、この辺のところをしっかり行政の中に生かしていただきたい。
 こういうのは、なぜ射爆場が日米合同委員会の中で取り上げられてこなかったのか。もし取り上げられているんであれば、その実態、もう一度そのことについて射爆場を県がいつごろから認識をしていたのか。そして観光企画の部分でこの射爆場がどういう状況になっていたのかを、そして日米合同委員会に上げた経験があるのか、あるいは過去があるのか、そのあたりのことも聞いていきたいと思いますので、再度質問をさせていただきます。
 そして、この問題についてもう少しだけ言わせていただきますと、県がやった観光振興アクションプランの策定関連調査の中で、実はその12ページに施設のいわゆる県外観光客の対応観光資源ということでの位置づけがされて、A、B、Cでランクづけをされているんですね。その上に国際的な部分をSAと呼ぶんだそうですが、首里城公園がAランクに位置づけられているんですね。そして「那覇まつり」はBランクなんです。
 Aランクを数えると10あるかなというぐらいのところに、実は「はての浜」はAランクに一応位置づけられているんですね。この「はての浜」がAランクに資源として十分に活用できるという位置づけにありながら、なぜこれまでこういう問題をそこにほっておいたのか、気になってしようがありません。
 「沖縄観光客満足度調査報告書」を見ても、13ページにありますとおりビーチや海浜リゾートがトップで沖縄県の観光は成り立っているということで報告を受けております。それからしますと早急にこの久米島の「はての浜」については対策が必要なんじゃないかと。
 そして知事には、ぜひ知事の言葉で今後どうするのかということをお答えをいただきたいなと思っております。まず、それを質問をしたいと思います。
 それと、さきの行財政改革についてなんですが、実は9月に上原局長は私にこういうことを答弁しているんです。「行政改革の推進については市町村が独自に進めるべきものであり、県が制度を創設することにより市町村に働きかけを行うものではないと思います。」と。私もそのとおりだとは思うんです。
 ただ、その4行後に、「県では、行政改革大綱等をまだ策定しない団体に対し早急に策定するよう助言を行っているところであり、今後とも市町村の行政改革への取り組みを促進してまいりたいと」。
 一方では、市町村独自でやることだって言いながら、なぜじゃ県はその行財政改革大綱を出せというようなことを言っているのかが私には理解できないんです。そこのところをもう一度やって、ちゃんとお答えをいただきたいと思いますし、先ほどの答弁を聞いていますと、局長の答弁に17年までにほとんどの市町村が策定をするということで答弁をしていただきました。
 ただ、17年までに大綱がすべて提出されるということは、その行財政改革が進んだということになるんだろうか。私は、その大綱をつくることは、その法的な拘束力、これに対して法的な拘束力はないんですね、実は。
 ただ、これをやらなかったからどうなるということではなくて、ただその策定をしたから行財政改革が進んでいるというふうに見るのは乱暴なことではないだろうか。
 そして一方、市町村の行財政改革の取り組みについてことしの8月の31日に知事あてで、各市町村に市町村の行財政改革の取り組みについての助言という形で出されております。特に財政状況の厳しい選定団体については、平成16年度決算で赤字にならないよう、また平成17年度当初予算が円滑に編成できるよう意見交換を4月下旬に実施したところであります。つきましては、その課題等について地方自治法の252条の17の5第1項に基づいて別紙のとおり助言いたしますという、こういうような強い部分でまた助言もされていることも確かであります。
 ですから、そのところをどう整理をするのか。定数の適正化計画を出せ、行財政改革大綱を出せ。だけれども、私たちがやっていることではなくて、市町村がこれはやるものですよということを言っている。この整合性があるかないかについてもう一度お答えをいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それとキャンプ・コートニーの問題です。
 9月の定例会の軍特委で議論をいたしました。しかしながらそのときの議論は議事録に残っておりません。委員会でのやりとりは議事録にはならないんだそうであります。しっかりとして一般質問の中で通告をいたしましたのもそのところでありますので、再度はっきりお答えをいただきたいと思います。
 この問題は、実は具志川市のキャンプ・コートニーの射撃場は1999年で37年間使われて、実は閉めたということになっているんですね。それは米側がそのビーチを使おうとしたときに、環境調査をして49トンの鉛弾が出てきた。そしてそのレンジの跡地の土壌を調査したら、基準値を超える数値が出てきたんです。
 それで実は、ビーチを米軍は使用をやめたわけであります。そして着弾地付近にはヒジキを収穫する地域があって、そのヒジキに鉛弾が含まれているとされているんですが、先ほどの答弁でも県はその基準値を超えるものではないということを言っているんです。そして県は、2003年6月と2004年の9月の議会に出ている陳情で出されているこの案件について、その内容が周辺海域で環境調査を県で独自で行ってくださいとあります。しかしまだ行われてない。なぜか。日米合同委員会にその水域へ入れてくれという申請をしたんだけれども、まだ合同委員会からの許可がおりないんだと。もうそれは1年を余っているんですね。15カ月たっている。督促を何回やったのか、もう一度御質問させていただきたいと思います。
 環境審議会からの4項目の指摘を受けたということがありましたが、4番目が私の記憶では明確に答えられてないと思います。その4項目目についてもう一度お答えいただきたいと思います。
 それは情報公開等に関する調査・研究、基地環境問題に関する情報開示、意思決定への県、市町村、住民参加の仕組みづくりの調査・研究事業を沖縄県は関係機関との連携のもとに実施することが求められるとされているんですね。これは沖縄県が権威ある環境審議会の会長名で知事に出された文書4番目、これがどうなったのかをお伺いをしたいと思います。
 それと、先ほどの行財政改革についてもう少し追加で質問いたしますが、私は今回の沖縄県の合併は平成14年、15年が急に行われてきたことだと思うんですね、議論をされてきたことなんです。しかし、私たちは実は独自調査をさせていただいたときに、果たして合併が最後の行財政改革だと言われている中で、すぐ合併から入っていいんだろうかと。大綱がどれだけ実施されて、どれだけ約束をしてそして実際に市町村でどれだけの行革が進んでいるのかというのは県がしっかりとしたデータを僕は持つべきだと思っているんです。まずは市町村ごとの行財政改革を行う、そしてその次に一部事務組合、広域行政をどうしても推進をさせていく、そしてその最後が私は市町村合併ではないのかというふうに思っているんです。
 ですから、私たち沖縄県は、今まで独自の行財政大綱を立ててそれに対して推移をするチェック機関が実は議会だと言われているんですけれども、議会もなかなか市町村の議会ではそれをチェックはしているものの、今の地方自治法ではなかなか推移をさせることができなかった。しかし、県が上位団体としてその辺の指導をしっかり押さえていくことは大事なことではないだろうか。
 そして福岡県大野城市だとかあるいは春日市だとか、そういう福岡県の宜野湾市程度の同等の市町村を見てみますと、人口に対応する職員の数というのは0.5%程度なんですね。宜野湾市は今0.8%です。一番中部ではいいと言われている嘉手納でも1.34、1%を超えているんですね。読谷はかなり優秀で、あの34平方キロメートルある中で実に0.7%の人口対比の職員でやっている。これは私はかなり優秀ではないのかなと思います。
 今、沖縄県の市町村はほとんどが1%の人口対比で推移をしている行政をできるだけ――他の都道府県では0.5%程度でやっているわけですから――その辺のところをきっちり整理をして私はやるべきだと思います。この点についてもう一度上原局長の答弁をお伺いをしたいと思います。
 産業振興については次回に回していきたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(外間盛善) ただいまの呉屋宏君の再質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後0時3分休憩
   午後1時41分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 午前の呉屋宏君の再質問に対する答弁を願います。
 観光リゾート局長。
   〔観光リゾート局長 宜名真盛男君登壇〕
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 「はての浜」に関する再質問にお答えをいたします。
 「はての浜」は貴重な観光ポイントでありますので、御指摘のありましたトイレの問題につきましては詳細な実態を把握し、久米島町及び久米島観光協会と連携し、観光客に不快感や不便さを与えることのないよう対策してまいります。また、「はての浜」が射爆場区域であることの問題につきましては、町からの要望もないためこれまで日米合同委員会に上げたことはありません。
 観光振興の面からの影響について早急に調査をし、その対応について必要に応じ関係部局と調整をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) キャンプ・コートニーの鉛弾汚染についてお答えいたします。
 これまで何回督促したかということについてお答えいたします。
 県は、平成15年9月1日に外務省沖縄事務所に対し、日米合同委員会においてキャンプ・コートニーへの立入調査の実施ができるよう求めたところであり、これまで機会あるごとに知事公室及び文化環境部から口頭で進捗の状況の確認や督促を行っているところであり、その回数についてはカウントしておりません。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 県環境審議会提言についての再質問にお答えをいたします。
 今回の環境審議会からの提言は、基地環境問題が沖縄県の環境保全の上で特に重要なことから提言がなされたものであると考えております。
 4番目に掲げられました基地環境問題に関する情報開示などについての住民参加の仕組みづくりにつきましては、これまで県、市町村、米軍環境担当者が参加する沖縄県在日米軍環境担当者意見交換会などを通して情報の収集を図っているところであります。今後は沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会などとも連携を図り、調査を進めてまいりたいと考えております。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 行財政改革に関する再質問にお答えいたします。
 まず、市町村の行革はあくまでもそれぞれの団体において自主的・主体的に市町村みずからの判断と責任で行うことは先ほど述べたとおりであります。
 一方、県としても市町村の行革がより円滑に進むよう支援・協力する立場にあり、具体的な資料、情報等の提供を行っているところであります。市町村の自主的な取り組みを阻害するものではないと考えております。
 それから、行革大綱や定員適正化計画は策定そのものが目的ではなく、それぞれ盛り込まれた目標数値等を着実に実行することが大切であります。最近の新聞報道にもありますように、与那国町や渡嘉敷村等で思い切った行革が進められておりますけれども、今後市町村の積極的な取り組みを期待するものであります。
 それから人口の問題ですが、市町村において適正な職員数を算定するに当たっては人口も重要な判断材料になると考えております。しかしながら、市町村の面積の大小あるいは小規模離島が多いことなど、本県においてはそれぞれの市町村によってさまざまな行政需要があり、適正な職員数を算定するに当たってはそのような実情も十分に考慮して決定する必要があると考えております。県としては、類似団体別職員数等の指標も十分活用しながら、定員の適正化に努めるよう市町村に対して助言を行っております。
 それから広域行政についての質問でございますが、広域行政は、市町村が効率的な行政運営を進めていく上で重要な課題であり、県としても積極的に推進していく必要があると考えております。
 合併と一部事務組合等の広域行政は二者択一するものではなく、それぞれの地域の実情に応じ、あるいはまた市町村の規模等に応じて選択するものであります。あるいはまたそれぞれ合併と広域行政、それぞれが必要な地域もあると考えております。
 以上でございます。
○赤嶺  昇 通告に従いまして一般質問をいたします。
 1、児童福祉について。
 (1)、児童虐待について。
 ア、10月17日に生後10カ月の男の子が虐待により亡くなりました。大変残念でなりません。心から御冥福をお祈りいたします。とうとう最も恐れていたことが発生してしまったという気持ちです。児童虐待による死亡事例は県内では初めてだそうですが、稲嶺知事の御見解をお聞かせください。
 イ、この事件の経緯と県の取り組みをお聞かせください。
 ウ、子育てメイトを創設するべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
 エ、児童相談所の組織強化及び施設充実への取り組みについてお聞かせください。
 オ、24時間虐待ホットライン設置の取り組み状況をお聞かせください。
 (2)、子育て支援について。
 ア、福祉保健部長は、法人保育所の予算の一般財源化に反対の答弁をしてきましたが、一方で稲嶺知事は地方六団体の案に賛成しております。県の動向の整合性をお聞かせください。
 イ、沖縄県の特殊事情を踏まえて稲嶺知事はもっと強力に政府に対して認可外保育園に対する抜本的支援策を求めるべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
 ウ、沖縄の特殊事情にかんがみ認定保育園制度を特区として国に提案するべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
 エ、新すこやか保育サービス事業のミルク代の支給を月10日分ではなくて1カ月分にし、また支給対象年齢をゼロ歳から3歳までではなくて、1歳から5歳まで支給するべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
 オ、障害児を抱えた――これはひとり親世帯に訂正いたします――ひとり親世帯への医療費助成制度は子供が18歳になると適用されなくなるが、18歳を超えても適用できるようにするべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
 カ、全国学童保育連絡協議会が提言している学童保育の設置・運営基準をもとに沖縄県の実態に見合った学童保育の拡充を図るべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
 キ、学童保育への障害者加算を1人からでも補助できるようにするべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
 2番、教育行政について。
 (1)、通学路の安全対策の取り組みをお聞かせください。
 3、行財政改革について。
 (1)、本県の6528億円の借金の現状と返済の見通しを示してください。
 (2)、職員の給与等について。
 ア、総務省から不適切と指摘されているすべての項目を示してください。
 イ、知事は不適切な給与実態について知らなかったと新聞報道されているが、トップである稲嶺知事が知らなかったで済む問題なのか、御見解をお聞かせください。
 (3)、外郭団体への天下り先での給与や退職金を示してください。ちなみに、県職員の退職金と天下った先での退職金の合計をお聞かせください。さらに、1人で最高何カ所天下った実績があるのかもあわせてお聞かせください。
 4、政治倫理条例と職員倫理条例を早急に設置するべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
 5、沖縄県警察本部の取り組みについて。
 (1)、飲酒運転の状況と取り組みについてお聞かせください。
 (2)、通学路児童の安全確保についての取り組みをお聞かせください。
 6、IDB総会の取り組みの進捗状況をお聞かせください。
 7、基地問題について。
 (1)、普天間基地について。
 ア、稲嶺知事は普天間基地の即時閉鎖を求めるべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
 (2)、辺野古移設でのアセスでの課題をどのように克服するかをお聞かせください。
 (3)、都市型訓練施設建設について。
 ア、11月8日から県議会代表団で都市型訓練施設の中止を求め、政府、米軍に抗議要請をした際に防衛施設庁は、2002年2月時点で当時の川口外相から都市型訓練施設について稲嶺知事へ説明がなされたと説明をしておりましたが、その真相についてお聞かせください。
 イ、県は、都市型訓練施設の建設中止を具体的にどのように取り組むのかお聞かせください。
 8、稲嶺知事は郵政民営化に賛成ですか反対ですか、御見解をお聞かせください。
 御答弁をいただいた後に再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 赤嶺議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、給与実態の把握に係る知事の見解についてお答えをいたします。
 11月26日に行われた記者懇談会において私が知らなかったと発言したのは、複雑で技術的な部分が多い給与制度の詳細について、すべての項目を私は把握しているわけではないという意味で発言したものであります。
 給与制度の管理及び関係職員団体等との交渉については、行政改革及び県民の視点に立ち、適切な給与制度を構築するという観点から対応するよう総務部長に命じてきたところであります。その結果、私の就任以降、1、医師暫定手当の廃止、2、給料の調整額の見直し、3、特殊勤務手当の見直し、4、昇給停止年齢の引き下げ、5、退職手当の公民調整率の引き下げ、6、退職時特別昇給制度の廃止、7、初任給の昇給期間の短縮措置の廃止、8、最高号給を超える職員の昇給期間の短縮措置の廃止などの給与制度の適正化を図る観点から各種の見直しを行ってきたほか、9、職員の旅費制度についても見直しを行いました。
 私は、今後とも常に県民視点に立ち、給与制度の適正化を図る観点から所要の見直しを実施し、適切な給与制度を構築していきたいと考えております。
 次に、政治倫理条例と職員倫理条例の制定についての御質問にお答えします。
 県においては、「政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開に関する法律」に基づき、平成7年に「政治倫理の確立のための沖縄県知事の資産等の公開に関する条例」を制定しております。県政の運営に当たっては、これまでも公正公平に行ってきたところであり、今後とも県民の疑惑や不信を招くことのないよう行っていくことが重要であると認識しております。
 御提案の政治倫理条例の制定については、国や他都道府県の動向等を見きわめ、その対応について検討してまいりたいと考えております。また、職員の倫理規定については、平成9年に「沖縄県職員倫理規程」を制定したところであります。職員が職務の執行に当たって県民の疑惑や不信を招くことがないよう個々の職員の倫理の保持を図るためには、職員の職務に対する意欲や士気及び自覚を高めることが重要であります。そのため、県では職員に対する研修の充実を図るとともに、職員を管理監督する任にある者が部下職員に対して適切な指導及び監督を行うこととしております。
 次に、普天間飛行場の返還についての御質問にお答えします。
 県は、普天間飛行場の危険除去については当面の最大の課題と考えており、事故発生後、速やかに日米両政府に対し、危険除去のための対策を講じ、危険性を限りなくゼロにするなど再発防止に万全を尽くすよう強く求めているところであります。普天間飛行場の返還については、日米両政府に対し、これまで以上に作業を加速させることにより同飛行場の一日も早い返還を求めているところであります。
 次に、アセスの課題についての御質問にお答えいたします。
 県は、普天間飛行場代替施設の移設候補地を選定した際、地域住民の生活と自然環境への配慮を国に強く申し入れ、国は、平成11年の閣議決定において「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」との「安全・環境対策」の方針を示しております。県としては、環境影響評価の手続の中で国において適切な措置がなされるものと考えており、引き続き地域の住民生活や自然環境への影響を極力少なくするよう求めていきます。
 続きまして、陸軍複合射撃訓練場の建設中止についての御質問にお答えいたします。
 県は、これまで米軍を初め日米両政府に対しあらゆる機会を通じて陸軍複合射撃訓練場の建設中止を求めてきており、去る10月16日に町村外務大臣が来県した際にも改めて建設中止を強く求めております。先日も県選出国会議員や与党関係者等にお会いし、工事の中止を強く求めたところであります。県としては、今後、金武町や県選出国会議員と密接に連携し、日米両政府に対しあらゆる機会を通じてさらに強く工事の中止を求めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 児童虐待死亡事件の見解と経緯及び県の取り組みについて一括してお答えします。
 去る10月に沖縄市で発生した父親による乳児虐待死亡事件について、このようなことが起こってしまい、とても残念でなりません。今回の事件は、10月17日に沖縄市の団地内で生後10カ月の乳児が、なつかないなどの理由で父親が乳児の顔などを殴り死亡させたものであります。児童相談所や市町村への事前の通報はなかったということですが、県としてはこのような痛ましい事件が起こったことを真摯に受けとめ、児童虐待防止市町村ネットワークのさらなる設置促進と、既に設置済みの市町村におけるネットワークのあり方の再検証、児童相談所等の虐待の対応機関の体制整備等により児童虐待の早期発見・早期対応に努めるとともに、市町村における育児支援家庭訪問事業や育児等健康支援事業等の実施により児童虐待の未然防止に努めていきたいと考えております。
 続きまして、子育てメイトの創設についてお答えいたします。
 児童虐待の防止については、子育てに不安を抱える親を支援するつどいの広場事業や地域子育て支援センター事業、育児支援家庭訪問事業等を実施するほか、子育てに関する活動を行うNPO、子育てサークル、母親クラブ、子ども会、婦人会、自治会などの地域活動団体、児童委員・民生委員、母子保健推進員、ヘルスメイト等の地域のさまざまな社会資源を十分かつ有機的に活用していくことが肝要であると考えております。
 続きまして、24時間ホットライン設置の取り組み状況についてお答えいたします。
 24時間虐待ホットラインについては、国の補助制度の動向を見守りつつ、設置のあり方、既存の子ども家庭110番事業や教育庁所管の子育てダイヤル等の類似事業との関係の整理等の課題について現在検討しているところであります。
 続きまして、法人保育所の予算の一般財源化に関する県の考え方についてお答えいたします。
 地方六団体から国に提出された「国庫補助負担金等に関する改革案」においては、法人保育所の運営費及び施設整備費に係る国庫負担金が一般財源化の対象補助金の一つとなっておりますが、県としては、国庫補助負担金が廃止され一般財源化される場合であっても地方交付税等により必要な財源が明確かつ確実に確保され、保育施策の後退とならないよう求めてきており、県として一貫した考え方であります。
 続きまして、認可外保育施設に対する抜本的支援策及び認証保育所特区について一括してお答えします。
 県では、児童福祉法に基づく認可保育所での保育を基本と考えており、認可外保育施設については保育士派遣モデル事業等の活用により認可化を促進しております。
 認可外保育施設に対する抜本的支援策の国への要請及び認証保育所特区の提案については、貴重な御提言として承らせていただきますが、国に対しては本県の保育環境の特殊事情を踏まえ、今後とも保育所の整備等について働きかけてまいりたいと考えております。
 続きまして、新すこやか保育事業の拡充についてお答えいたします。
 認可外保育施設を利用している児童の処遇の向上を図るため、県単独事業として4歳未満児に対するミルク代などを助成する新すこやか保育事業を平成14年度から実施しております。平成17年度につきましては、全市町村への普及及び助成内容等の充実について市町村や関係部局と調整してまいりたいと考えております。
 続きまして、障害児を抱えたひとり親世帯の親への医療費助成期間の延長についてお答えいたします。
 母子及び父子家庭等医療費助成事業は、母子家庭や父子家庭に対し医療費の一部を助成することにより、生活の安定と自立を支援し福祉の増進を図ることを目的として実施しております。また、母子家庭の児童が一定程度の障害を有している場合は、児童が二十になるまで児童扶養手当の支給が延長されるほか、在宅で障害児を養育する世帯には、児童が二十になるまで特別児童扶養手当が支給されております。そのほか、沖縄県重度心身障害者医療費助成事業により障害者の医療費の自己負担分の助成を行っております。
 障害児を抱えるひとり親世帯の親への医療費助成期間を二十まで延長することにつきましては、これら既存の助成制度の活用状況を検証しつつ、実施主体である市町村の意向などを踏まえ検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、放課後児童クラブの拡充についてお答えいたします。
 放課後児童健全育成事業は、国が定めた実施要綱に基づき実施しており、開設日数、児童の数等の一定の基準を満たした放課後児童クラブに運営費を助成しております。
 昨年度、市町村が実施したニーズ調査に基づき、現在、市町村においては次世代育成支援の地域行動計画において掲げる目標事業量を定める作業を行っており、放課後児童クラブの設置箇所数においては――9月末現在の暫定数値でありますが――平成21年度までに約240カ所を見込んでいるところであります。県の地域行動計画においては、市町村が定める目標事業量等との整合性を図り、放課後児童クラブの設置目標を掲げるとともに、学校の余裕教室活用の促進等を盛り込み、市町村における放課後児童クラブの拡充を促進していきたいと考えております。
 続きまして、放課後児童クラブへの障害児加算についてお答えいたします。
 現在、県では、国の補助を得て放課後児童クラブに障害児を2名以上受け入れる場合に補助の加算を行っております。
 放課後児童クラブにおける障害児の受け入れは、障害児が異年齢の児童と交わることで積極性が身につくなど障害児の成長にとって有益であることなどの効果が指摘されております。このようなことも踏まえ、1名以上受け入れる場合も対象とすることについては県の単独事業となることから、財源の確保や市町村の意向を踏まえ今後検討していきたいと考えております。
 児童相談所の組織強化及び施設充実への取り組みについてお答えいたします。
 児童相談所の組織体制については、より効率的・効果的な体制にするための見直しを行いつつ、市町村、福祉保健所等との役割分担、両児童相談所の児童福祉司1人当たりの持ちケース等の状況を踏まえ、限られた人員の中、適切な対応ができるよう体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
 コザ児童相談所への一時保護所の設置につきましては、現在、一時保護所入所児童1人当たりの一時保護期間が九州各県平均に比べ2倍以上になっていることや、一時保護の動向等について調査・分析し今後の課題として検討していきます。
 なお、当面の対応としては、中央児童相談所の一時保護所の定員増の検討を行うとともに、児童養護施設及び里親への一時保護委託等によって適切に対応していきます。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 通学路の安全対策についてお答えいたします。
 現在、多くの地域において危機管理マニュアルに基づき学校職員、PTA、地域ボランティア及び警察などが連携した通学路の立ち番活動、巡視・巡回活動、市町村の広報車による啓発活動等が継続して実施されております。また、「ちゅらさんの日」には警察等と連携し、県下の小学校で一斉に「親子20万人ふれあい下校」なども実施してきております。
 さらに、児童生徒による集団登下校や地域安全マップの作成を推進し、みずからの危険回避能力の向上に努めているところでございます。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 県債の現状と返済見通しについてお答えいたします。
 平成15年度末の普通会計決算における本県の県債現在高は約6528億円となっております。類似県平均8524億円と比較しますと1996億円少なくなっております。また、その比率が20%を超えると起債許可が制限される起債制限比率で比較しますと、本県は10.6%、類似県平均が13.4%で類似県平均より2.8ポイント低くなっております。
 このように類似県と比較して本県が低くなっているのは、沖縄振興特別措置法等に基づく補助率の特例措置により事業費に対する県負担分が小さく、県債の発行額が少なくなっていること等によるものであります。しかしながら、県債は将来の財政負担につながることから、その発行に当たっては財政運営に及ぼす影響を考慮し、事業の必要性、効果等を勘案しながら慎重に対処する必要があると考えております。
 「新沖縄県行政システム改革大綱」においては、公債費の増大を抑制する観点から、一般会計の県債発行額を国の経済対策や地方財政対策等に係るものを除きおおむね250億円程度に抑制することとしています。また、将来の公債費に備えて減債基金の確保を図ってまいります。
 次に、総務省から不適切と指摘されている項目についてお答えします。
 県の給与制度については、総務省が実施する給与実態調査のヒアリングにおいて、国に相当する制度がなく、地域事情を踏まえても合理性や必要性がないと思われる部分について、その内容等に関する事情の聞き取りがあります。ことし7月の総務省ヒアリングの際に総務省から、1つ、初任給に係る昇給期間の短縮措置、2つ、最高号給を超える職員の昇給期間の短縮措置、3つ目、係長級の7級格付等職務の級の格付、4つ目が、調整手当の異動保障の4点について見直す方向で検討するよう口頭による指導があったところであります。
 次に、県退職者の公社等外郭団体への再就職等についてお答えします。
 県を退職して公社等外郭団体の常勤役員に就任している者は、平成16年9月1日現在で10団体に11人おります。これらの者の団体における報酬及び退職金は、それぞれの団体の規程に基づいて支給されております。
 県退職時の退職金も含めて具体的な金額については、情報公開条例第7条に規定する「不開示情報」である「個人に関する情報」に当たることから公表は差し控えさせていただきます。
 公社等外郭団体への再就職回数については、11人のうち1人が2回、その他の者については1回の再就職となっております。
 以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 初めに、飲酒運転の状況と取り組みについてお答えをいたします。
 まず、県内の交通事故の発生状況でありますが、本年12月8日現在、交通死亡事故は59件発生をし、前年同期と比べて15件の減少であります。ただし、交通人身事故全体で見ますと6089件でありまして、これは前年同期に比べますと316件の増加となっております。
 この中で飲酒絡みの事故は、死亡事故については20件でありまして全死亡事故の34%を占めておりまして、全国平均の3.2倍という憂慮すべき状況であります。また、全人身事故に占める飲酒絡み事故の割合は4.9%でありますが、これも全国平均の2.9倍で全国ワーストワンであります。
 次に、飲酒運転の取り締まり状況でございますが、本年12月8日現在8760件を検挙しておりますが、これは前年同期よりも1265件、17%増加をしております。これは全国的にも極めて高い水準でありまして、東京や大阪にほぼ匹敵する数であります。ですから、単位人口当たりで見れば沖縄は圧倒的に飲酒運転の検挙が多いということになります。平成14年6月に道交法が改正をされまして罰則が強化されたにもかかわらず、飲酒運転が減少しないという実態が続いております。そうしたことから、県警としましては、飲酒運転撲滅対策を活動重点に掲げ各種施策を推進しているところであります。
 その中で、飲酒運転で検挙された人に対する実態調査結果を行いましたが、それによりますと、年齢層は20代から30代の若者が約7割を占めておりまして、また約4割が居酒屋で飲んだと回答をしております。これが一番多い比率であります。
 したがいまして、その対策として、居酒屋連絡協議会の積極的開催等による居酒屋対策、飲酒運転撲滅市町村青年連絡協議会の結成による若者対策を新たに実施しているほか、飲酒運転疑似体験を通しての交通安全教室の開催――これは酒を飲んだときと同じ状態をつくってその怖さを知ってもらうというようなことでありますが――あるいは高校、大学、専門学校等に対する交通安全講話等の啓発活動を強力に推進しているところであります。
 また、飲酒の機会がふえる12月を飲酒運転取り締まり強化月間と指定しまして現在取り組みを強化しております。さらに、この12月21日から平成17年1月4日までの15日間実施をされます年末年始の交通安全県民運動では、関係機関・団体と連携を密にしまして、飲酒運転は犯罪であることを改めて広く県民に訴え、飲酒運転の撲滅のための各種施策を引き続き推進してまいりたいと考えております。
 次に、通学路の児童の安全確保の取り組みについてお答えをいたします。
 未成年者を被害者とする犯罪は全国的に増加傾向にあり、こうした中で先日、奈良県で小学校1年生の女児が下校中に誘拐・殺害されるという衝撃的な事件が発生をしたわけでありますが、沖縄県内でも昨年1年間で誘拐事件が17件、いわゆる声かけ事案が68件、強制わいせつ事件が73件発生しておりまして、いずれもその前の年と比べて急増をしております。ことしも10月末で誘拐事件が8件、声かけ事案が28件、強制わいせつ事件が41件発生しておりまして、子供をねらう犯罪や事案が依然として後を絶たない状況にあります。
 県警では、本年4月に施行された「ちゅらうちなー安全なまちづくり条例」第21条の「通学路等における児童等の安全確保」の規定に基づきまして行政、学校、保護者、地域との連携を強化してさまざまな対策を講じているところであります。特に、県警の取り組みとしましては、登下校時の通学路における警察官によるパトロールを強化するとともに、検挙活動を強化しております。
 ちなみに、本年10月末の未成年者を被害者とする事件の検挙状況は、誘拐事件の検挙件数は11件で、検挙率は138%であります。これは前年の未解決事件を検挙しておりますので、検挙率が100%を超えております。また、強制わいせつ事件の検挙件数は29件で、検挙率71%となっております。この種の犯罪には特に力を入れて検挙活動を行っております。
 他方、子供たちの安全を守るためには警察力だけではなく、関係者や地域と連携しての対策が不可欠であります。
 こうした観点からの取り組みとしては、1つには、学校周辺や通学路の危険箇所を点検するという地域安全マップの作成活動に取り組んでおりまして、この11月には緊急雇用創出事業として教員免許の保持者31名を採用しまして、各教育事務所や各小学校と連携をして来年2月までにはほぼ全小学校でこのマップの作成活動を実施することにしております。また、企業の協力を得て作成をしました防犯笛、これを新しい1年生等に配布をしたり、また緊急時に助けを求めることができる子ども110番、いわゆる太陽の家を現在では約3500カ所ほど委嘱をしておりまして、子供たちがみずから身を守る方法を指導しております。
 さらに、県警のホームページにおきまして、強制わいせつや声かけ事案等の発生箇所を表示した地図を掲載しておりまして、各市町村や自治会、地域住民等による子供の安全を守る活動の参考として情報提供などを行っております。また、地域の方々によるパトロールや登下校時の見守り活動の支援なども行っております。
 また、去る12月3日の「ちゅらさん運動の日」には、奈良県の事件の発生を受けまして、県庁内の県民ホールにおきまして県、教育庁、それから警察本部の合同による子供たちを守るための緊急アピールを実施しました。関係者多数の参加のもと、県民総ぐるみで子供たちの安全を守る取り組みを強化することを確認したところであります。
 県警では、今後とも関係者との連携を一層強化・推進をしまして、子供たちの安全を守る活動に力を入れてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) IDB沖縄総会に向けた取り組みの進捗状況についてお答えをいたします。
 IDB沖縄総会に関しては、宿泊・輸送の手配、知事主催レセプション等の歓迎行事、県内視察ツアー等の参加者向けプログラム等の実施に向け鋭意取り組んでいるところであります。
 同時に、事業資金確保に向け県内外での募金活動を積極的に推進しており、現時点の募金状況は、2億円の目標額に対し約1億2600万円の実績となっております。
 また、国及び県主催の公式行事等の運営をサポートするボランティアの募集も進めております。さらに、このたびの総会でIDB及び沖縄側共催の「グローバル化を背景とした送金及び移民」等のセミナーの開催に向けて関係機関と調整を進めております。
 余すところあと4カ月でIDB沖縄総会を迎えますが、引き続き国や関係団体と連携しながら鋭意諸準備に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) 基地問題のうち、川口前大臣からの説明についてお答えいたします。
 平成14年2月に知事が当時の川口外務大臣にお会いした際、知事の方から都市型戦闘訓練施設建設の報道があり米軍に照会しているところであるが、外務省においてもよく情報を収集してほしい旨申し上げております。それに対し、川口大臣からは、米側から既存施設の損耗により代替施設の建設計画を有していることは聞いているが、計画の内容等の詳細について確認中であるとの説明を受けております。
 以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 郵政民営化に対する見解についてお答えいたします。
 本県は多くの離島・過疎地域があり、これらの地域においては郵政事業と住民生活とは極めて密接な関係にあり、今後とも郵政事業の安く、あまねく公平なユニバーサルサービスの確保は欠かせないものと考えております。去る9月10日の閣議決定においては、郵政事業の窓口は住民のアクセスが確保されるように配置する旨の努力義務を課すことや、過疎地の拠点維持に配慮すること、引き続き郵便のユニバーサルサービスの提供義務を課すなどの内容が盛り込まれております。
 現在、政府において法案化に向けた制度設計等の準備を進めているところであり、県としては、これらの動きを注意深く見守りつつ、離島・過疎地域における郵政事業のサービス低下を来すことがないよう適宜国へ働きかけていきたいと考えております。
○赤嶺  昇 議長、休憩お願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後2時25分休憩
   午後2時27分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 地域・離島振興局長。
   〔地域・離島振興局長 上原 昭君登壇〕
○地域・離島振興局長(上原 昭) 郵政民営化に賛成なのか反対なのか明確にすべきだという御質問ですが、郵政民営化については、現在、政府において法案化に向けた準備を進めているところであり、国政の場においてさまざまな論議がなされているところであります。
 これは、政府の準備作業に対して与党の方からもいろいろと提案がなされていると、そういう状況でございますので、県としてはこれらの検討状況を注視するとともに、適宜国に働きかけていきたいと。
○赤嶺  昇 再質問いたします。
 平成15年11月2日、大阪府岸和田市で起きた児童虐待による死亡事例を受けて、大阪府では事件を重く受けとめて緊急提言をしました。また、青森県では知事のリーダーシップにより職員をふやし子育てメイト3000人を設置し、児童虐待の抑制、数字にあらわして成果を出しております。それに比較すると、今回の事件に対する沖縄県の対応は果たして十分なのでしょうか。私は、非常に不満を持っております。
 こうした事件の背景にはさまざまな要因があります。本県は、離婚率、失業率が高い等の要因によりハイリスク家庭が非常に多いというふうに言われております。最悪の事態が発生したにもかかわらず稲嶺知事の御見解もいただけない。さらに、こうした子供の命に対して県がなぜ一丸となってその部分に取り組んでいってくれないのか、非常に不思議でならないわけでございます。
 ちなみに、今回議会が決議した児童福祉司の増員や一時保護所の設置は当然として早急にやってもらわなければならないと思っていますが、それで児童虐待の抑制につながるとは思っておりません。あくまでも虐待が発生した後の対応策であって、児童虐待の抑制を図るには何といっても未然防止策が必要だと考えております。
 国が本年度より予算化した、先ほど部長も答えておりましたが、育児支援、家庭訪問事業、今年度1つの市町村もやっておりません。今、聞くところによりますと、沖縄市がようやく補正で組めるかどうかという話なんですけれども、積極的に動いているという答弁をする割にはこうした未然防止策にはなかなか動きが、そして実態としてあらわれてないというのが私の実感でございます。
 そこでもう一度お尋ねいたしますが、子育てメイトの創設をする気があるのか、もう一度このあたりをお聞かせください。
 それから児童虐待ホットライン、6月議会、9月議会、2回取り上げてまいりました。検討すると言っていました。検討ということはやらないということなのか、具体的にやるのか、そのスケジュールもお聞かせください。これは待ったなしです。相談をしたい皆さんというのは、夜から相談したいんですね。しかし、皆さんの相談窓口というのは日中であったり、時間が制限されてまいります。そのことも踏まえてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。御答弁お願いします。
 続きまして、部長の法人保育所の一般財源化についての答弁でございます。
 6月議会の答弁、「私立の認可保育所については、市町村が設置する公の施設とは異なり、引き続き国、県、市町村が責任を持つべきものと考えております。」、その割には意見は変わらないと言っているんですけれども、知事が地方六団体に賛成されてはいますけれども、このあたりしっかりと今後国にいろんな態度を表明するときに、各部局もそのあたりは動向もしっかりと整合を図っていただきたい。
 ちなみに、その認可保育所に対する補助、予算はしっかりと確保してもらいたいということを改めてお願いを申し上げたいと思っております。
 認可外保育園についてでございます。
 認可外保育園にかかる子供、年間約1万円と言われております。一方では認可に入っている子供たちが年間100万円くらい使われていると言われております。同じ子供なのに、同じ税金を納めている子供なのに、一方では100万、一方では1万円。確かに保育に欠けるという部分はあるかもしれません。しかし、保育に欠けていながら認可に入れない子供がいるということは、しっかりとその把握をしていただきたいと思っております。ですから、認可外の抜本策を何回も訴えるのは、やはり同じ子供であるんだったらもう少しそこに皆さんの光も当てていただけないかなということを切実に訴えたいと思っております。
 ちなみに先ほどお話したミルク代、今せめてミルク代、なぜ月10日分しか上げないのか。せめて30日分しっかりとミルク代ぐらい上げてもいいんじゃないかと。ちなみに今ゼロ歳から3歳までミルクを支給されています。ゼロ歳の子供はミルクを飲めないそうなんですよ。それは皆さんが一番わかると思うんですがね。
 ですから1歳から5歳まで上げたらいいじゃないですか。そのあたりも、その実情に合った形でしっかりと支給していただけないのかなということをお願いを申し上げたいと思っております。
 御答弁をお願いします。
 ひとり親世帯と障害児を抱えたひとり親世帯の違いをあえて説明をいたします。
 ひとり親世帯の場合は子供が二十になっていきますとその後自立していきます。ですから親の健康診断の助成については、その後子供が自立しますので、ある程度その助成もいいだろうと。しかし、障害児を抱えた場合は、むしろ二十を超えた後にお母さんも年をとっていきます、お父さんも年をとっていきます。障害児はなかなかいろんな合併症があったりしてむしろお金がかかってまいりますので、その実態があるということを一緒くたにして、ひとり親世帯の制度として、そして障害児を抱えたひとり親世帯、その部分をちゃんと大きい枠でとらえるんじゃなくて、そういった実態、大変厳しい状況があるということを御理解いただきたいなと思っております。そのあたりについても御答弁をお願いいたします。
 通学路の安全対策についてでございます。
 各市町村は一生懸命やっておりますが、なかなかその安全対策が講じられてないということはわかっております。ちなみに、他府県では例えば市町村ベースでまた県が取りまとめている事例を言いますと、皆さんはほとんど携帯を持っております。携帯電話のメールを例えば危険箇所があるなと思ったらメールをどこかに発信するところがあります。その発信の受け場所が例えば市役所であったり、そういった制度をつくって発信を受けて、その情報をまた父兄、住民の皆様に危険情報を発信するようなシステムがありますので、それをちょっと今調べておりますので、ぜひ通学路の安全対策について市町村と連携をして沖縄県も子供たちをしっかりと守っていただきたいと思っております。これは提言でございますので、特に答弁は結構でございます。
 行財政改革でございます。
 本県の6528億円の借金について、先ほど他府県の類似県に比べると1900億程度低いと。しかしこれは沖縄県の経済、そして沖縄県の収入に見合った部分なのか。やはり高率補助によってその数字に何とか抑えられているというわけでございます。
 いずれにしても、こうした借金を次の世代の子供たちが本当に背負っていかなければなりません。今こうした現状を我々議会も本当にチェック機関として役割を果たしてきたのか、いま一度原点に戻って、行革も含めて検証しなければならないのかなと思っております。知事を初め管理職の皆さんはあと何年かで退職する際にしっかり退職金をもらって去っていけるのかもしれません。しかし借金だけは若い世代にしっかりと残って、次の世代にのしかかってまいります。このままの現状だと若い世代が持ちこたえられません。世代間闘争になってもおかしくないと思っております。この問題を知事を初め管理職の皆さんは認識しているのでしょうか。今の現状ではとても子供たちに未来を託せるとは思えません。
 私が子供の施策を積極的に取り組む理由は、こうした今の現状を見て将来の子供たちがかわいそうでならないからでございます。
 確かに今の若い世代や子供たちは戦争も知らず物が豊かな時代に育ってきました。しかし一方では、保育園の待機児童、虐待問題、それから青少年に対する犯罪、社会環境の悪化など人間として成長していく上で必ずしも環境に恵まれているとは思いません。その子供たちがこうした環境で育ち大人になれば、今度は国・県の借金を背負わされるようでは余りにも気の毒ではないでしょうか。
 財政状況が厳しいことを理由にさまざまな福祉予算が削減されていく中で、今回マスコミで取り上げられた県職員の給与問題、天下り先での退職金問題、県民は理解してくれるのでしょうか。民間企業は、この厳しい経済状況でさまざまな工夫と努力で生き残りをかけて必死で頑張っている現状は、退職金どころか毎月の社員の給与を工面するのに必死になっている企業も少なくありません。
 ちなみに、県のこうした退職金の問題が出ている中で、8月10日に破産した那覇交通で長年働いてきた社員の退職金が93.5%カットされた新聞記事を見たときに、この違いは何だろうと素直に疑問がわいてきました。一概に比較していい問題ではないということはわかっておりますが、税金を納めている住民の側と税金で仕事をさせてもらっている側の現状を県を含め我々はいま一度認識するべきだと真剣に考えております。
 どうか稲嶺知事におきましては、残り2年、こうした県の借金、それから今回国から指摘されている4項目の給与の問題を精力的に改善策に、これまでも取り組まれてきたことは評価いたします。残り4項目ありますので、その項目の細かい実態を説明いただきたいと思っております。
 そしてその4項目について、今後どのような形で改善されていくのかもお聞かせください。
 政治倫理条例、職員倫理条例についてでございます。
 政治倫理条例、今ちょうど那覇市でいろんな問題が出ております。いま一度我々政治家が襟を正していかなければならない時期に来ております。資産公開だけで本当に市民・県民・国民の理解が得られるのでしょうか。私はやはり議員が、そして政治家が県民の皆様に正々堂々とそして仕事をしていく上で、それを堂々と皆さんにいろんなものを公開していくことが大事だと思っております。その上で今回あえて政治倫理条例、特に他府県で行われているものに関しては資産公開だけじゃなくて、刑法上、贈収賄に該当するか否かを問わず、その職務に公正を疑わせるような金品を授受しないこととか、あと、口ききを明確に防止するようなことも他府県ではうたわれておりますので、そのあたり知事の英断でまた検討していただいて、進めていただいたらありがたいと思っております。
 続きまして、基地問題でございます。
 稲嶺知事は普天間基地の閉鎖を求めないと言っております。この問題は保守も革新もイデオロギーも何もありません。沖縄県民の命の危険性を感じていくときには、私は稲嶺知事がとりあえずは当面の間、普天間基地を閉鎖してほしいということを求めて何が悪いのかということを真剣に考えております。ちなみに、私がいる浦添の儀間保守市長は基地の閉鎖を明確に訴えております。
 こうしたことを、やはり近隣に住んでいる人たちの立場にならないとなかなかわからないのかなということをつくづく感じているわけでございます。どうかそのことも御理解いただきまして、我々の視点に立って取り組んでいただきたいということをお願い申し上げます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後2時41分休憩
   午後2時43分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 赤嶺議員の再質問にお答えいたします。
 給与制度の問題ですが、給与制度の管理及びその見直しのための関係職員・団体等との交渉については総務部長に命じているところであります。
 私としては、県職員の給与制度については県民の理解と納得が得られなければならないと考えており、総務部長にはこのような視点に立ち、地方公務員法に定める給与決定上の諸原則を踏まえ、適切に対応するよう従前から指示しているところでございます。細かい内容につきましては総務部長の方から御報告いたします。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 子育てメイトの創設についてでございますけれども、児童虐待防止につきましては、議員御指摘のように地域のさまざまな社会資源をまだ十分に活用してない側面もあります。そういうことから母子保健推進員あるいはその他の者の研修会等のさまざまな機会を通して、この社会資源を十分かつ効果的に活用する取り組みを行った上でヘルスメイトの必要性についても検討していきたいと考えております。
 続きまして、24時間虐待ホットラインの設置の取り組みですけれども、先ほども答弁いたしましたが、設置のあり方、それから既存の子ども家庭110番事業等の類似事業との関係の整理等の課題について現在検討しているところであるということで、検討しながら考えていくということでございます。
 それから、新すこやか保育事業に関してですけれども、ミルク代の件ですけれども、1歳未満児へのミルク代助成につきましては、個々の乳児の成長過程において個人差があることから需要があるものと考えております。
 それから、助成内容の充実等につきましては、ただいま関係部局と調整を行っているというところでございます。
 それから、障害者を抱えるひとり親家庭への医療費助成の件ですけれども、先ほども申しましたけれども、20歳を超えた在宅障害者に対する経済的支援といたしましては、障害年金の支給や沖縄県重度心身障害者医療費助成事業、それから特別障害者手当等給付事業などを実施しております。
 居宅生活支援といたしましては、ホームヘルプサービス事業、それから短期入所事業、デイサービス事業などを実施しており、これらの障害者施策は、障害者の社会参加と自立促進を基本にしております。そして親自身の医療費の負担につきましては、個々人の生活実態に応じて生活福祉資金や母子寡婦福祉資金の貸付制度などの活用もできるものと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 県債の認識についてお答えいたします。
 先ほども御答弁申し上げましたけれども、県債の発行につきましては、やはり沖縄振興計画に定められた必要な事業を実施するために発行しなければいけないものについては発行しなければいけないわけでございますが、ただ先ほども議員からの御指摘にありますように将来の負担ということがございますので、県債の発行につきましては、行革大綱においては国のいわゆる財政対策のある起債以外のものについてはその発行額を250億円程度に抑えてやっていくという方針でやっております。
 それから次、天下り先での退職金の件についてございましたが、県を退職した者が公社等外郭団体の役職に就任するに当たっては、先月に改定をしました公社等指導監督要領によりまして当該団体における退職金を支給しないよう求めていくこととしております。
 それから、総務省から指導のある事項についてお答えをいたします。
 総務省から見直し指導がある4点についてでございますが、まず1点目の、初任給に係る昇給期間の短縮措置については平成17年4月1日から廃止することとしています。
 2点目の、最高号給を超える職員の昇給期間の短縮措置についても同様、平成17年4月1日から廃止ということでございます。係長級の7級格付等の職務の級の格付については、職務級の原則等に基づきその適正化を図る観点から、去る10月26日に関係職員団体等に見直し案を提示し、現在協議を行っているところでございます。
 最後の調整手当の異動保障については、国の人事院が検討を進めている転勤手当も――これは仮称でございますが――この転勤手当の創設の動きがありますので、これらの点も踏まえながらそのあり方を検討していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○赤嶺  昇 総務省から指摘されたこの4項目については、今取り組んでいるということですので、ただ国に準じるのではなくて、県民にしっかり示せるような形で改善していただきたいと思っています。
 よろしくお願いします。
○當間 盛夫 質問に入る前に所見を述べさせてもらいたいと思います。
 先輩の方から琉歌を1つ習いましたので、その琉歌をまず――余り方言が得意ではないんですが――琉歌の方で、「開静鐘や鳴てもおぞむ人やをらぬ 一期この世界や闇がやゆら」、「開静鐘や鳴てもおぞむ人やをらぬ 一期この世界や闇がやゆら」ということで、これは1800年代の第2尚氏17代の尚コウ王が読んだ歌であります。暁の鐘は鳴っても目を覚ます人はいない、いつまでもこの世は闇であろうかと歌った琉歌であります。
 この尚コウ王は、政治にも教育にも熱心であったということで、村学校が創設されたのもこの王のときであります。しかし、異国船の来航が頻繁になって事件・事故が多発した。しかも薩摩からは砂糖をただみたいに安く買い取られ、そのために税の負担が重くなり、人民は苦しんだが、政治家の中にはいつの時代にもあるように惰眠をむさぼり私服を肥やす者がいたので、王は立腹してこのような歌を詠んだのであったと解説されております。
 それから約200年、異国の来航者は米軍にかわり60年居続け、そして薩摩の支配からは日本政府にかわり振興開発、振興計画という公共工事等の7兆円から9兆円の大半は本土に還流するシステム、基地あるがゆえに植民地的政策を沖縄は特殊事情とみずからに言い聞かせ、地方分権の新しい時代が押し迫るというのに目を覚まそうとしないこの沖縄。そして那覇市の焼却炉問題での政治腐敗はまさに県民・市民を愚弄する行為であります。200年たっても同じことを繰り返す、我々政治家がいま一度襟を正し、県民の負託に真剣にこたえなければなりません。子供たちの将来を夢のあるものにするためにも我々琉球は目を覚まし、新しい自立した沖縄・琉球づくりを進めてまいりましょう。「開静鐘や鳴てもおぞむ人やをらぬ 一期この世界や闇がやゆら」ということでございます。
 それでは質問に移らせてもらいます。
 Jリーグの100年構想の中で、地域に根差したスポーツクラブの構築があります。身近なところにスポーツクラブというコミュニティーの核ができることにより、家族や近所同士のつき合いが深まり、子育てでの悩みや日々のストレスを地域で解消できる。
 近年の少子化、さらには運動不足による国民の体力の低下、生活習慣病の増加、社会秩序の崩壊や人間関係による犯罪の増加といった数々の社会問題が発生したことで今スポーツの価値が見直され、大きな役割を担って変わろうとしています。地域に根差したスポーツクラブを広げながら、子供からお年寄りまでスポーツを見る、スポーツをする、スポーツを通じて交流を深めるといったことが日常生活の中で気軽にできる環境ができれば、国民の健康で豊かな生活が実現でき、助け合いやいたわり合いのある明るい社会が実現できる。これはまさに年間を通して各種スポーツができるスポーツアイランド沖縄だからこそ構築できる事業ではありませんか。スポーツで地域の活性化を図ることが観光財源としてのスポーツコンベンションの振興ができるものではないでしょうか。
 ことし10月には本県の温暖な気候と地理的特性を生かし、国際的または全国的規模の各種スポーツイベント及び各種スポーツのキャンプ・合宿等の誘致・育成を推進、スポーツのメッカを形成、もって観光産業の振興を図るとともに、あわせてスポーツの振興、青少年の健全育成及び地域の活性化等に寄与することを目的に沖縄県スポーツコンベンション振興協議会が発足しました。前向きで大変すばらしいことでありますが、現状をお伺いいたします。
 (1)、スポーツコンベンションの振興について。
 ア、アマスポーツの合宿がうたわれております。野球、サッカー等のプロ・アマスポーツキャンプの誘致の現状とこれからの取り組みについて伺います。
 イ、スポーツコンベンションアイランド沖縄の積極的な広報活動が必要だと思っております。取り組みについてお伺いします。
 (2)、スポーツの振興と青少年の健全育成について。
 ア、プロスポーツ等のトップレベルのスポーツイベントの誘致には施設の整備充実とありますが、現状を伺います。
 イ、野球にしてもサッカーにおいても公式試合が沖縄ではできないのが現状でありますが、今後の取り組みを伺います。
 ウ、総合型地域スポーツクラブはスポーツを核に地域の活性化が図られ、青少年の健全育成に効果があると言われております。現状と今後の取り組みについて伺います。
 続きまして、旧軍飛行場用地問題についてであります。
 このほど県は、団体補償で問題解決を図っていく基本方針を決めました。本来は個人補償をすることが各地主会が望むベストなものであることは確かであります。しかし、嘉手納裁判や本土事例等を踏まえ、苦渋の選択で早期解決を図ることが必要との認識で協議会として団体補償で県益を図ることを掲げ、戦後処理の中で国に振興計画で認めさせたという経緯があります。高齢化する地主のためにも一日でも早く解決を願う中、しかしもう3年が過ぎているのであります。担当部署はこれから作業を加速化させ、問題解決にもっと真剣に取り組んでいってもらいたいと思います。
 そこで伺います。
 ア、基本方針を踏まえ、来年5月に返還され跡地利用等の方向性が見えてきた読谷村の進捗状況を伺います。
 イ、プロジェクトチームはこれから加速度をつけて問題解決に取り組む必要がありますが、タイムスケジュールを伺います。
 行財政計画についてであります。
 行政改革推進本部長である稲嶺知事は経済界の出身であります。そして2期6年、改革はどのように進んできたのでありましょうか。職員の意識改革に積極的に取り組み、基本理念である「県民本位の成果・効率重視のスマートな行政」の実現に向けて、これまで以上に県民の県政に参加する機会の拡充やNPO等との連携を深めるなど、県民視点に立った行政運営を推進してまいりますとありますので、お伺いいたします。
 ア、危機的財政状況の中で特別職や一般職員の給与が見直されます。行革は時代に即応した体制を築くことが大切であると思いますが、その中で知事の参謀である三役、政策調整監、そして各担当部長のほかに政策参与の必要性が今どこにあるのか見直す時期に来ているのではないかと思いますが、知事の見解を伺います。
 そして最後に、民間大手企業への天下り、そして外郭団体への天下り、そしてまた渡り鳥と批判されている県幹部の退職後のシステムは見直しする必要があると思いますが、知事の御見解をお伺いいたします。
 答弁によりまして再質問させてもらいます。
○知事(稲嶺惠一) 當間盛夫議員の御質問にお答えをいたします。
 スポーツキャンプ誘致の現状と広報活動の取り組みについて一括してお答えいたします。
 本県のスポーツキャンプは、昭和54年、当時の日本ハムファイターズの春期キャンプが実現して以来、野球、サッカー、陸上競技、格闘技等競技種目・件数ともに増加し、平成15年度には130団体、約6000人が本県でのキャンプを実施するまでに発展してまいりました。また、スポーツキャンプの誘致・受け入れを一元的に推進するため、ことし10月、新たに市町村、各種スポーツ団体及び観光事業者等で構成する「スポーツコンベンション振興協議会」を創設したところであります。今後は、当該組織を中心に官民一体となってスポーツキャンプの受け入れ体制を充実するとともに、各種観光パンフレットや観光プラットホーム等のインターネットを活用した広報活動を強化し、国内はもとより韓国等海外からのスポーツキャンプもあわせて誘致に努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、スポーツ施設整備の現状についてお答えをいたします。
 プロ野球については、明示の規定はないものの、公式戦開催には興業的に少なくとも2万5000人規模の球場であることが必要と言われております。
 一方、Jリーグについては、競技場規約において1万5000人以上の観客席及び所定の附帯施設等を有することが明記されております。残念ながら現在、県内には規模・内容においてプロ野球やJリーグの公式戦開催に適合する施設がないのが現状であります。今後、スポーツコンベンション振興協議会等の場を通じて市町村や関係団体と連携を図りながらスポーツ施設の改善・充実促進に努めてまいります。
 次に、プロスポーツ等イベントの誘致促進に対する今後の取り組みについてお答えをいたします。
 プロ野球やJリーグ等の公式試合の誘致については、スポーツ振興や青少年の健全育成はもとより、観光振興の観点からも大変有意義なことと考えております。これらの公式試合の誘致に当たっては適合する施設の整備が前提となることから、今後、関係部局と連携をとりながら観光サイドからも条件整備を促進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 野球場、サッカー場の整備についてお答えいたします。
 本県においてプロ、アマを含めトップレベルの公式試合を開催することは、県民に夢と感動を与え、スポーツの振興ととりわけ青少年の健全育成に寄与するものと考えております。プロの公式試合の開催には一定水準以上の施設及び設備が必要であります。野球場については、現在、那覇市から奥武山野球場をプロの公式戦が可能な施設として整備する計画の提示があり、同計画を支援していきたいと考えております。また、サッカー場については、同市が奥武山陸上競技場をサッカー併用の施設に整備したいとの意向を示しており、今後具体的計画の提示を受けて協議していきたいと考えております。
 次に、総合型地域スポーツクラブについてお答えいたします。
 本県においては、「奥武山相撲・スポーツクラブ」、「さしきスポーツクラブ」の2つのクラブが活動しております。また、平成17年度に「スポーツクラブなきじん」、「レッツ知念スポーツ少年団」、「城辺総合スポーツクラブ」、「下地総合スポーツクラブ」が設立される予定であります。さらに恩納村ほか10市町村が設立に向け取り組んでおります。
 総合型地域スポーツクラブは、青少年の健全育成や地域の活性化に貢献するとともに、県民がいつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しみ、健康で明るく豊かな人生を送れる生涯スポーツ社会の実現に寄与するものと考えております。今後、市町村や関係団体と連携し、総合型地域スポーツクラブの育成を促進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) 旧軍の問題に絡みまして読谷村の進捗状況についてお答えいたします。
 読谷村は去る11月1日、読谷補助飛行場用地の跡地利用骨子を発表し、同用地の取得方法については村有地との等価交換による方法で行いたい旨を表明しております。地主会も取得方法については読谷村の方法を支持しております。県としては、この飛行場用地問題を戦後処理事案として読谷村や地主会と協議を進めており、今後とも地元と連携して問題解決に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、今後のタイムスケジュールについてお答えいたします。
 県は、去る11月24日に開催された県政策会議で、沖縄振興計画に位置づけられた背景や委託調査報告書も参考にしながら総合的に検討した結果、団体補償を解決策として推進することを基本方向として確認しました。この考え方については、「旧軍飛行場用地問題県・市町村連絡調整会議」で説明し、また各地主会とも協議を行い、理解を得たいと考えております。今後、県としては県・市町村連絡調整会議を中心に要望案を取りまとめ、できるだけ早く戦後処理としての解決を国に求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 政策参与の必要性についてお答えいたします。
沖縄県政策参与は、県政における重要課題の解決を促進することを目的として非常勤の特別職として設置しております。本県の抱える基地問題等の重要かつ緊急な課題に対応するため資料の調査、情報の収集を行い、県政への助言や提言を行うことを職務としております。
 次に、県幹部の退職後のシステムの見直しについてお答えいたします。
 県を退職した者が民間企業や外郭団体の役員に就任することについては、それぞれ個々人の経験や力量等が評価されて各団体において役員として選任されているものであり、県において職員の再就職に関するシステムを設けているものではありません。公社等外郭団体においては、今回改定をしました「公社等の指導監督要領」によりまして、県退職者が公社等外郭団体の役員に就任するに当たっては透明性を確保する必要があることから、今後は氏名等を公表することとしております。
 以上でございます。
○當間 盛夫 御答弁ありがとうございました。
 まず、スポーツコンベンションの方からお伺いしたいと思います。
 知事の方もスポーツコンベンション、伸びていると。プロ野球も来た。確かに今回、久米島の方に楽天の方もキャンプを張るという大変すばらしいこともあるんですが、実態を見ると、年間別でキャンプと呼ばれ、そして合宿と呼ばれているものを見ると平成13年に190団体、190チーム来ております。先ほど知事の方は130チームということで言われておりました。そして平成14年には131チーム、減っているわけですよね。決してこの沖縄でキャンプを張るという部分がふえているわけではない、確実に減っているというのが現状であります。
 ことしの振興計画の中で16年度伸びたという要因にオリンピックがあったということで、確かにその部分で伸びたかもしれませんが、実態は減ってきているんだというのが実態でありますので、このことをやはり観光リゾート局の方はとらえていってもらえればと思います。
 これがまたどういう理由なのかもしっかり酌んでもらえればと思うんですが、その中でちょっとわからないのがキャンプと合宿の違いがよくわかりませんので、このキャンプと合宿、その違いを教えてください。
 そしてキャンプ、合宿の誘致でありますので、受け入れ体制の強化ということもうたっております。その受け入れ体制の強化という中には合宿所等の整備も入っているのか、そのことをぜひ教えてください。
 そしてこの沖縄にキャンプとか、また公式試合をするためにはどうしても施設の整備がこれから必要になってきて、先ほど局長の方からもあったように沖縄ではプロ野球の公式戦、そしてサッカーの天皇杯という形の試合はできないと、施設がないんだということもありますので、その整備の方もこれがFC琉球――今回天皇杯で1回戦、2回戦勝ったんですが――このFC琉球で県内でJ1戦が不可能ということで、天皇杯など県内のJリーグチームとの試合が競技場の広さや芝のコンディションなどの点で県内既存施設では不可能と指摘しております。
 県内の主なサッカー場の会場となっている陸上競技場の芝は縦101メートル、横67メートルであります。天皇杯の1回戦から3回戦の試合運行要綱に満たされる競技場は縦105メートル、横68メートルを満たしていなければならない。そしてピッチの状況も県内の施設は悪い。試合中にボールが安定しない状況ということでやっております。
 1万5000人の観客の収容、そしてシャワー等の既存施設を考慮して陸上競技場の改修を求めております。このことも踏まえながらしっかり整備をしていかなければ、沖縄に幾らキャンプが来ても沖縄に施設が整ってなければどうにもならないという現状もあります。
 先ほど教育長の方は、奥武山陸上競技場のことをおっしゃっていたんですが、県の方は県の総合運動場を持っているわけですから、この県の総合運動場で今のピッチの幅の長さ、そのことの改修とか、中の施設の部分を改修するようなことを早急にできるようなことからまず始めていかなければならないと思っておりますので、これは観光リゾート局なのか教育庁なのかわかりませんが、どちらか県の陸上競技場、運動公園の整備をこの規格に合ったものを進めていく考えはないのかをお尋ねします。土木建築部長なのかもしれませんね、県の運動公園ということですから。もし土木建築部長であれば土木建築部長の方でお答え願えればと思っております。
 総合型地域スポーツ、これは大変期待するものでありますので、今、各市町村が取り組んでいるということでありますので、ぜひ教育委員会もこの分は力を入れて青少年育成、そして地域の活性化等大変すばらしいことでもありますので、なかなかでも課題が多い、一朝一夕にはいかないという部分もありますので、慎重に、慎重にというか期待をして待っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
 それから旧軍飛行場用地問題、これは私も6月・9月議会、そして今回ということで質問させてもらっております。ことしの2月の予算特別委員会の中でも今回の答弁のように振興計画の中では団体補償でないといけないんだと。個人補償ではどうしても法的根拠がないんだということで、しかし今検討委員会の報告を待っているという認識でありました。そしてその中で4月にはもう報告書が出されております。そして私の9月の質問の中でも基本方針ということを答弁する中でそのことをまた削除した、9月の時点で。本来4月に出されてそのことは9月にはもう決定、今回の決定もなさるべきものがどうしてこの時期まで基本方針の決定がずれたのかをお教えください。
 そして行財政改革についてであります。
 行財政改革、成果主義、顧客志向の意識を持ってみずから考え、実行し解決していくことがより自分自身の意識改革に主体的に取り組む必要があると職員一人一人に知事は求めております。知事みずからこの改革の先頭に立っていると思います。
 そこで政策参与のことについてちょっとお聞きしたいんですが、今度の提出されている報酬給与の見直しの中にこの政策参与の報酬の削減の該当は入っておりません。この理由は何でしょうか。
 そして先ほど知事の調査・研究のため、政策参与は非常勤特別職ということで置かれているということがありますが、これまでの実績、そして成果をどのように評価し、報酬として支払っているのかをお伺いします。
 そして一番肝心な部分なんですが、この政策参与、平成11年8月に採用されております。その時点で月17日で41万7000円、そして平成14年4月にまた改正されております。このときには月16日の出勤で46万6000円、そしてことし4月には同じく月に16日ということで53万9000円となっております。
 この改定の根拠を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後3時17分休憩
   午後3時23分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 観光リゾート局長。
   〔観光リゾート局長 宜名真盛男君登壇〕
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず1点目の13年・14年度に比べてキャンプが減っているんではないかという御質問でございましたけれども、実はこれは私どもの統計の整理の仕方でございまして、15年以前は実はコンベンションということでスポーツイベントとキャンプ、合宿等を一緒に整理をしてございまして、今知事からお答えした分については、キャンプ、合宿の御質問でしたんで、その分だけを抜いて数を挙げたということでございまして、ふえていることはあっても、決して減っていることはございません。
 それから2つ目のキャンプと合宿の言葉の意味の違いということでございましたけれども、キャンプというのはプロ、それから合宿というのはアマで使うということが一般的な使い分けとしてあるようでございます。
 それから、コンベンション振興協議会の所掌業務に施設整備も入っているかということでございましたけれども、入っております。お答えをしましたようにスポーツ振興協議会には各市町村もすべて入っておりまして、いわゆる社会体育施設の整備は市町村の教育委員会の業務ということでございます。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 再質問の沖縄県総合運動公園の都市公園内のスポーツ施設の中にサッカー場はあるかということなんですが、現在あります陸上競技場は海邦国体に向けて整備済みとなっておりまして、サッカー場としての整備は行っておりません。
 それに関連しまして、運動公園内の施設にサッカー競技場が2面取られております。これは横68メートル、縦105メートルの基準を満たしておりますが、近くにスタンドが整備されておりません。そのスタンドは、公園整備事業としての補助事業としては採択基準に合わないということで制度としてなじんでおりませんで、整備されておりません。
 以上です。
○知事公室長(府本禮司) 旧軍飛行場問題につきましては、地主間でもさまざまな意見や要望がございまして、特に旧軍飛行場地主会連合会に加盟する地主会からは個人補償以外に解決方策はないとの強い要望がございました。
 それらの意見も踏まえましてこれまで地主会、それから市町村等と調整を重ねてきたところでございまして、そのような状況を踏まえた上で今回私どもとしては団体補償を解決策として推進することを基本方向として確認し、今後この方向で新たに地主会の皆さん方、それから市町村等と協議を進めていくということにしたものであります。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 政策参与の報酬についての御質問にお答えをいたします。 政策参与の報酬につきましては、沖縄県特別職に属する非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する規則において定められておりまして、今回の改正には入っていないということでございます。
 それで政策参与の報酬についての考え方でございますが、政策参与の報酬については他の特別職等との報酬月額等の均衡を考慮して定めることが必要であります。このようなことから、出納長の給料月額を基礎として報酬月額を設定をしております。政策参与の報酬につきましては、今議会に出納長の給料月額を改定する内容の議案が出ておりますので、この議案が可決されましたら条例の施行日に合わせて政策参与の報酬月額についても改定をする必要があると考えております。
 これまでの成果等についてでございますが、政策参与には本県の抱える基地問題、平和行政等県政が抱える重要かつ緊急な課題に対して研究者レベルの高い見識により幅広い角度から助言や提言をいただいているところでございます。
 それから、3回改定されておりますが、これまでの改定の根拠でございますが、先ほども申し上げましたように、政策参与は平成11年8月6日の時点はいわゆる行政委員会の常勤委員相当職という位置づけでございました。その15年の4月1日の改定のときには、嘱託員の報酬額を全体的に見直すという中で政策参与につきましては、当該職が特命事項を知事に進言し、政策判断の形成に寄与する非常に高度な職務を担当しているという考え方から、公営企業の管理者相当職として改定を行いました。
 16年4月1日の改定、いわゆる出納長相当職としての位置づけにつきましては、三役相当の均衡をとる必要があるという考え方から改定をしてきたものでございます。
 以上でございます。
○當間 盛夫 それでは再々質問をさせてもらいます。
 まず、競技場の整備なんですが、部長の答弁を聞くと県内では公式戦をしなくてもいいんだというようなことに聞こえてくるんですが、確かに2面あって、スタンドがないというのはわかっているんです。
 それで、その競技場のピッチを広げる。そして今ある既存の分を整備していくということをやれば、別にそれほど予算はかからないと思うんですよね。そのことをやはり真剣にやっていかないと公式試合等々は沖縄県ではやらないんだと。先ほどの観光リゾート局長のお話とも全く違う部署での話をしているのであります。
 まして、教育庁の方も教育委員会の方は社会的整備ですので、決してほかからのキャンプ、合宿等の整備をするわけではないというような形でスポーツイベントのためにやるということは言わないはずです。
 そして今ありましたように政策参与、これはなぜ出納長相当額の給与なのか。これはだれがそのことを3回も上げたのか、このことを明確にお聞かせください。
 与党からも県幹部の改革が必要だということで新聞報道がきょう、されております。現在、出納長相当額の報酬を支払うことはそれだけの働きがあってのことでしょう。県三役、そして県幹部、稲嶺知事を支え、政府と渡り合う参謀が県に全くいないと酷評されております。まさに知事みずから県民に見える形で意識改革が必要であると思いますので、この上がった部分、だれが上げたのか、そのことを明確にお答えください。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後3時33分休憩
   午後3時38分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 総務部長。
   〔総務部長 仲田輝享君登壇〕
○総務部長(仲田輝享) 政策参与の報酬につきましては、先ほども申し上げましたように県政における基地問題等重要かつ緊急な課題に対応するため知事が特に命ずる事項について調査・研究し知事に進言すること等を職務としており、政策判断の形成に寄与する高度な業務内容となっております。こういう考え方から出納長相当職として位置づけをしております。
 それでちょっと御説明をしたいのでありますが、出納長の報酬給与月額は88万円でございますが、これを16日相当に直しましていわゆる月額は53万9800円でございます。
 なお、政策参与につきましては期末手当その他の手当は一切ございません。
○土木建築部長(末吉 哲) 再々質問にお答えいたします。
 現在ある陸上競技場は、昭和62年の海邦国体に向けての整備済みとなっております。横67メートル、縦105メートルあります。横の方が1メートル足りない状況でありますが、これを改修するには現在多額の費用がかかります。再改築ということになりますので、国庫補助事業としての整備には慎重に検討する必要があると考えております。
 以上でございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後3時41分休憩
   午後3時41分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 総務部長。
   〔総務部長 仲田輝享君登壇〕
○総務部長(仲田輝享) 引き上げの決定につきましては、三役の調整もいたしまして、最終的には知事が決定をしたということでございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後3時42分休憩
   午後4時7分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 新垣哲司君。
   〔新垣哲司君登壇〕
○新垣 哲司 皆さん、こんにちは。
 南部病院の質問に入る前に一言、きのう、おとといの、北朝鮮により被害に遭った横田めぐみさん、DNA鑑定の結果、遺骨が別人ということで北朝鮮の思惑とやることが大変だなと怒りの声を上げるものであります。全身をもって抗議をしたいと思います。きょうの政府の話でも、これがはっきりしないと経済援助の制裁をするということでございます。あわせて横田めぐみさんが一日でも早く日本に戻ることを念願したいとこういうふうに思っております。
 知事は今から2年前、多くの県民の皆さんによって2期を当選いたしました。そのときの第1番目の公約と言っても不思議ではない、本県の発展は均衡ある発展だとこういう政策を掲げて圧勝いたしました。
 今、基地問題を初めあわせてまた北部振興、いわゆる普天間を移設する12市町村に10年間で1000億、あわせてまた25市町村の基地所在地に10年間で1000億ということで、北部は特に戦前戦後人口もふえないし、やはり整備がなされなかったということは私はそれは予算を投入してもいいものだと、こういうふうに思っております。
 その傍ら南部でございます。
 さきの大学院大学についても県内から非常に高く評価されていました。しかし、政府によって恩納村に決定し、同時にまた今問題になっている南部問題の件であります。ある病院を移譲と廃止するということでこういう結果が出ております。多くの議員からもしっかり南部病院を存続させなさいとただいまも激励があったし、そういう気持ちに立って質問したいとこういうふうに思っております。
 県立病院建設に係る県の基本姿勢について伺います。
 (1)、本県における県立南部病院建設の社会的背景と法的根拠について伺います。
 (2)、県立病院を南部、那覇、中部、北部、八重山、宮古の6地域に建設した経緯とその理由を説明願います。
 (3)、久米島病院を建設した背景とその理由について伺います。
 (4)、県立病院は、今日まで地域社会や県民に対しどのような貢献をしてきたのか伺います
 (5)、今後、久米島病院以外に離島地域等に県立や公立の病院を建設することもあり得るか伺います。
 2、高度・多機能病院(仮称)の建設について伺います。
 (1)、高度・多機能病院(仮称)の建設に当たっては、関係機関や団体等からどのような要望が寄せられたか。また、現在の段階で要望があって実施したものには何があるのか伺います。
 (2)、全国的に小児科、産婦人科等は医師が不足していると言われている。高度・多機能病院についてはこれらの分野の医師の確保は心配ないか。また、高度医療を担う専門医確保も課題と思われますが、県の医師確保についての対策を示していただきたい。
 (3)、高度・多機能病院の管轄区域を示していただきたい。
 (4)、高度・多機能病院が建設されることにより、現在の那覇病院の今後のあり方についても示していただきたい。
 大きい3、南部病院の存続問題について。
 (1)、南部病院が現在の場所に建設された経緯と背景を説明願います。
 (2)、県が南部病院存続問題について検討委員会に諮問するに至ったその理由を説明してください。
 (3)、検討委員会に諮問する前に南部地域関係市町村や関係団体等への説明や住民等の意向調査、事前の協議、調査を行ったか伺います。
 (4)、南部病院の存続問題を検討した背景には南部病院の場所も関係があったのか伺います。
 (5)、南部病院は、これまで南部地域住民全般に対する医療貢献を十分に果たしてきたと考えるか、一部の地域住民に利用されたにすぎないと考えているのか、説明を願います。
 (6)、糸満市民は南部病院に大きく依存しており、存続問題は市民生活自体に多大な影響を与えかねないと危惧している。県は、このような糸満市民の訴えに対しどのように対処すると考えておりますか、伺います。
 (7)、県は最終決定に至る場合、県民の意見の聴取を行うほか、関係市町村や関係団体等との意見交換の上で作業を進めるとしているが、具体的な意見聴取や意見交換はどのようになっているか、説明を願います。
 (8)、県議会は、去る9月定例会で「沖縄県立南部病院の存続を求める決議」を可決しているが、知事はこの決議を踏まえ南部病院存続問題に対しどのように対処する考えか、率直なお考えを伺います。
○知事(稲嶺惠一) 新垣哲司議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、県立病院の地域社会への貢献についてお答えをいたします。
 本県の県立病院事業は、昭和47年の日本復帰に伴い、琉球政府から5病院と19附属診療所を引き継いでスタートし、現在7病院、18附属診療所を運営いたしております。復帰当時の医療事情は、地理的条件や歴史的背景などにより全国水準に比べて非常に立ちおくれた状況にあったため、各保健医療圏に中核となる県立病院を急速に整備し、県立病院主導の医療提供体制で対応してまいりました。また、本県では県立以外の公的医療機関、特に市町村立の医療機関が全国に比べて少ないことや島嶼県であることなどから、救命救急医療や高度・特殊医療、離島・僻地医療、医療従事者の養成等において県立病院が大きな役割を担ってきております。
 次に、9月県議会の決議への対応についてお答えをいたします。
 去る9月定例県議会において「沖縄県立南部病院の存続を求める決議」がなされましたが、県としては「地域の医療ニーズにこたえられる体制」を実質的にどう確保していくかということが重要であると考えております。県としては、行財政改革を進め、より効率的な行財政運営を目指す立場から県立病院事業の抜本的な見直しはぜひ必要であるとの考えであります。本県の医療環境は、近年、民間医療機関の進展等により大きく変化しており、今後とも県民が必要とする医療を適切に確保していくためには、地域の医療事情に応じた県立病院の役割を明確にするとともに、他の医療機関や地元自治体との適切な役割分担と連携による効率的な医療提供体制を構築していくことが重要であります。
 県においては、このような観点から「県立病院のあり方検討委員会」へ依頼し、提言を受けたものであります。県は、同提言を踏まえて県立病院事業全体及び個々の県立病院の役割・機能のあり方等について検討をしており、その中で南部病院については、同病院が現在提供している医療の内容や経営の状況及び南部圏域の民間医療機関の進展状況などから、同病院を今後とも県立として継続することは困難であるとの考えに至ったものであります。しかし、救急医療等地域で必要とされている医療については、経営移譲の方法によってその確保を図ってまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○病院管理局長(平井哲夫) 県立病院建設の社会的背景と法的根拠についてお答えをいたします。
 本県における医療事情は、復帰時点において人口10万人当たりの医師の数が全国平均の46%、病床数が全国平均の32%で全国に比べてかなり立ちおくれた状況にあったことから、これまで県立病院主導の医療提供体制で対応してきました。法的根拠につきましては、医療法第1条の3第1項で、国及び地方公共団体は、国民に対し良質かつ適切な医療を提供する体制が確保されるよう努めなければならない旨定められております。また、地方自治法の第2条第5項で、都道府県は、市町村を包括する広域の地方公共団体として、広域にわたる事務や規模または性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められる事務等を担うこととしております。
 次に、県立病院を6地域に建設した経緯とその理由についてお答えをいたします。
 県立病院は、県の保健医療基本構想に基づき各地域の中核病院としての役割を担うため北部、中部、那覇、南部、宮古及び八重山地域に整備されております。
 北部、中部、那覇、宮古及び八重山の5病院については、日本復帰時に琉球政府から引き継いだものであります。南部病院については、結核療養所であった県立糸満療養所を昭和57年に廃止したことに伴い、民間企業から用地の提供を受けて同年に総合病院として開設したものであります。
 次に、高度・多機能病院(仮称)に対する要望とその対応についてお答えいたします。
 高度・多機能病院(仮称)建設に当たっては、母子総合医療センター設立推進協議会、それに沖縄県精神保健・医療・福祉連絡協議会、沖縄バリアフリー研究会ほか身障者関係4団体等から要望がありました。母子総合医療センター設立推進協議会からは、成人部門から独立した小児外来や小児病棟の設置、院内学級やプレイルーム等小児のためのアメニティーの確保などの要望があり、その要望に沿った形で設計に反映できたものと考えております。
 また、沖縄県精神保健・医療・福祉連絡協議会からは精神身体合併症患者への対応について要望があり、5床の精神病床を含む19床の混合病棟を整備し対応することとしております。沖縄バリアフリー研究会ほか身障者関係4団体からは、玄関やエレベーターなどへの点字表示に加え、音声による誘導を図るなどの要望があり、これらの要望も踏まえてバリアフリー化を推進しております。
 次に、高度・多機能病院の医師確保対策についてお答えいたします。
高度・多機能病院は、母子総合医療、高度・特殊医療、救命救急医療などの機能を担うための専門診療科目を設置することとしております。これらの科目に必要な専門医師の確保については、病院管理局と医療現場の医師で構成する医師確保チームにおいて取り組んでいるところであり、既に一部の専門医師については確保済みであります。
 しかし、小児科、産婦人科医については他の診療科に比べなり手が少なく、全国的にもその確保が非常に厳しい状況にあります。これらの医師については、県内外で活躍している専門医をリストアップし、その確保への取り組みを進めているところであります。
 次に、高度・多機能病院の管轄区域についてお答えいたします。
 高度・多機能病院は、急性期を主体とする一般医療のほか、24時間体制で2次救急から3次救急、いわゆる救命救急医療を担うとともに、母子総合医療センターを併設し、産科や小児科等の一般診療科目のほか、小児の心臓外科及び血液腫瘍科を含めた母子総合医療等の機能を担うこととしております。
 急性期を主体とする一般医療や救命救急医療については、糸満市を含む浦添市、西原町以南の南部保健医療圏を、母子総合医療は全県を、そのうち妊産婦や新生児を対象とした周産期医療については南部、宮古及び八重山保健医療圏を主な管轄区域としております。
 次に、高度・多機能病院の開院後の現那覇病院はどうなるかということですが、現那覇病院は施設が老朽化しているとともに、地域の民間医療機関の進展等により県立病院としての役割・機能が相対的に低下している状況にあります。したがいまして、平成18年4月に開院する高度・多機能病院が浦添市、西原町以南の南部保健医療圏における一般医療や救命救急医療等を担うことから、現那覇病院については廃止することとしております。
 それから、南部病院の建設の経緯と背景についてお答えいたします。
 県立南部病院を開設する以前の旧南部保健医療圏は、民間を含めた医療機関の整備がおくれている状況にありました。このため、南部病院は結核療養所であった県立糸満療養所を昭和57年に廃止したことに伴い、民間企業から用地の提供を受け、同年300床の総合病院として開設したものであります。
 次に、検討委員会へ諮問した理由についてお答えいたします。
 県としては、近年の医療環境の変化などを踏まえて今後も県立病院が必要な医療を提供していくためには、これまでの経営健全化の取り組みに加え、事業のあり方等を抜本的に見直す必要があると考えております。このため、平成15年1月に「県立病院の今後のあり方検討委員会」を設置し、県立病院事業全体及び各県立病院が抱えているさまざまな課題等について総合的な見地から検討していただいたものであります。
 次に、南部病院存続に係る市町村や住民への事前協議や調査についてお答えいたします。
 「県立病院の今後のあり方検討委員会」は、個々の県立病院の存続問題についての検討を目的としたものではなく、近年の医療環境の変化等を踏まえ県立病院事業全体及び各県立病院の役割・機能等について抜本的な見直しを行うことを目的に設置したものであります。
 同委員会においては、各委員に広範な課題を自由濶達に検討していただくため、あらかじめ作成した県の案を審議する方式ではなく、実質的な審議に入る前に各県立病院や各地区医師会等との意見交換を行い、それぞれの地域の実情等を把握していただく方法で進めてまいりました。
 また、南部病院に関する地域の意見や要望等につきましては、逐一同委員会に提出しており、さらに検討・審議の過程においては当時の糸満市長にも御出席をいただき意見をお伺いし、それに基づく意見交換も行っていることから、地域の実情等も踏まえた上での検討がなされたものと考えております。
 それから、南部病院の検討の背景には同病院の場所も関係があったのかにお答えいたします。
あり方検討委員会においては、まず県立病院の担うべき役割・機能についての整理がなされ、県立病院は広域基幹的病院または地域の中核病院として民間医療機関では対応が困難な高度・特殊医療や離島・僻地医療等を提供する役割・機能を担うべきであるとの方向性が示されました。
 これらの観点から、すべての県立病院について検討がなされ、それぞれの県立病院についてスリム化や地域連携の推進などの提言がなされたものであります。南部病院についてもその設置場所とは関係なく、その圏域の中でどのような役割を果たしているのかという観点から検討がなされました。
 その結果、南部病院の現状は、入院患者の82.6%、外来患者の82.2%が糸満市内からの受療であり、広域性が低下し地域性が強まっていること、平均在院日数は、精和病院を除いた平均が15.3日であるのに対し、南部病院は20.1日と最も長いなど慢性期の医療機能へシフトし、県立病院の役割、つまり急性期を主体とした医療と乖離しており、地域の民間医療機関で十分代替できるものであること。次に、入院・外来患者とも減少傾向が続き、病床利用率は県立病院平均が90.1%であるのに対し、南部病院は82.6%と最も低い状況にあること。また、平成15年度病院事業全体の赤字額が23億9000万円であるのに対し、南部病院は7億4000万円で病院事業全体の赤字額の31%を占めるなど慢性的な赤字体質にあること。現在整備中の新病院が浦添市、西原町以南の南部保健医療圏で必要とされる急性期を主体とする一般医療や救命救急医療の役割も担うことなどから、県立病院としての廃止または経営移譲の方向で見直す必要があるとの提言がなされたものであります。
 次に、南部病院のこれまでの医療貢献についてお答えいたします。
 南部病院は、昭和57年の開設当時からこれまで旧南部保健医療圏における中核病院として地域医療に貢献してまいりました。しかし近年、同圏域においては民間医療機関を中心とした医療機能の整備が大きく進展をしております。
 このような医療環境の変化に伴い、現在の南部病院の医療機能は中核病院としての広域性が低下し、地域性が強まっていることや慢性期医療へシフトしていることなど、県立病院の役割から乖離した状況にあります。
 次に、南部病院に関する糸満市民の訴えの対応についてお答えいたします。
平成15年沖縄県医療機能調査によりますと、糸満市在住者の入院患者の入院先は県立南部病院が37.3%であり、62.7%は他の医療機関となっております。県としては、今後の医療を確保するために地元市町村との連携のもとに、現在の施設の民間活用等を含め地域の医療ニーズにこたえる体制の整備を図ってまいりたいと考えております。その中で地元から要望のある南部病院周辺地域の救急医療確保等については、今後、糸満市や地域の医療機関とも意見交換をしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、市町村、団体等の意見交換等について。
 県においては、あり方検討委員会提言後の実施方策の検討に際し、糸満市、南部市町村会・議長会、南部地区医師会等への提言内容の説明や意見交換を重ねてまいりました。県としては、これらの意見交換も踏まえた県立病院事業全体及び個々の県立病院の役割・機能のあり方等について検討をし、その中で南部病院については、同病院が提供している医療の内容や経営の状況及び南部圏域の民間医療機関の進展状況などから、同病院を今後とも県立として継続することは困難であるとの考えに至ったわけであります。
 しかし、救急医療等地域で必要とされる医療については、経営移譲の方法によってその確保を図る必要があると考えており、今後はその医療内容等について糸満市等関係市町村や医師会等との意見交換を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 公立久米島病院を建設した背景と理由についてお答えいたします。
 公立久米島病院が設置される以前の久米島におきましては、医療機関が少なく救急医療の確保等に問題があったことから、当時の仲里村及び具志川村から県に対し県立病院を建設するよう要請がありました。県では、要請を受け病院の設置について検討を行った結果、久米島の人口規模と同様な全国の離島には病院が設置されていること、入院患者のうちほとんどが島外の医療機関へ入院しており、そのため経済的・精神的負担が大きいこと、また自衛隊による離島からの急患搬送件数のうち、久米島からの搬送が半数以上を占めていたこと等の理由により病院の設置を進めることになりました。
 病院の設置に当たっては、県立としての運営が困難であること、また地域住民の生命と健康を守ることは地元自治体としての責務であり、将来にわたって地域に必要な医療を提供するには地元の声を反映させた病院運営であることが重要であるとのことから、県と地元自治体で構成する一部事務組合を設立し、公立久米島病院の運営を行っております。
 続きまして、離島地域等への県立や公立の病院設置についてお答えいたします。
 本年8月に策定された沖縄県保健医療計画では、各保健医療圏において必要な病院病床が整備されている現状を踏まえ、今後、各医療機関における医療連携を推進し、高度化・多様化する県民医療ニーズにこたえていく体制づくりを図っていくこととしております。
 久米島以外の離島においても、町村立や県立の診療所が既に設置されているほか、ヘリコプター等添乗医師等確保事業を実施し、救急医療に対応するなど地域の県立病院等との連携による医療提供が確保されていることから、現在の医療を継続しつつ遠隔医療支援情報システムを充実し、医療の質の向上を図っていくこととしております。
 このような状況や人口規模等を勘案しますと、今後、これら離島における県立や公立の新たな病院設置は困難と考えております。
 以上でございます。
○新垣 哲司 休憩願います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後4時36分休憩
   午後4時48分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 病院管理局長。
   〔病院管理局長 平井哲夫君登壇〕
○病院管理局長(平井哲夫) 先ほどの具体的なだれだれとかという話なんですけれども、糸満市は糸満市長にもお会いしました。それから、南部地区医師会は南部地区医師会に集まってもらって、そのときに内容を説明して意見交換をしたということ。それと、南部市町村会・議長会も9月13日に集まっていただきまして、そこで意見交換をしたということでございます。
 以上です。
○新垣 哲司 休憩。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後4時49分休憩
   午後4時52分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 病院管理局長。
   〔病院管理局長 平井哲夫君登壇〕
○病院管理局長(平井哲夫) あり方検討委員会に諮問する前には意見聴取とかはやっておりません。というのは、このあり方検討委員会は、要するに県立病院全体のあり方をどうするかと、抜本的に見直そうということであったものですから、その前に事前の調査等はやっておりません。
 それと検討委員会からの提言後は、先ほど南部だけを申し上げましたけれども、那覇地区医師会、沖縄県医師会、南部地区医師会、中部地区医師会、浦添医師会、北部医師会、宮古医師会、八重山医師会、全部やっております。
 以上です。
○新垣 哲司 休憩してください。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後4時54分休憩
   午後4時55分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 新垣哲司君。
   〔新垣哲司君登壇〕
○新垣 哲司 人間の命にかかる大事な病院でございますので、質問者にしっかり答えてくださいね。はぐらかす答弁はやらないでくださいよ。
 皆さんは関係市町村の団体と十分話し合ったと、市長とも話し合ったと。廃止する話し合いをしたんですか。どういう話し合いをしたんですか。しっかり明確に答えてください。
 そしてこの件については知事も、私の、あるいは上原賢一議員、そして玉城ノブ子議員にも今日まで長い間しっかり地域の皆さんの意向を聞いてやっていくというこれは議会で答弁しておりますので、その辺もしっかりさせていきたいと、こういうふうに思っています。
 県立6病院の外部監査を今年の3月に実施したようであるが、その結果、県立病院の経営圧迫の要因の一つに未収金問題が大きいと指摘されている。未収金は累積額で74億6800万円に達するようである。しかし、病院によっては滞納者の管理名簿が作成されていないため催促の記録が全く残ってないとか、未収金防止対策委員会が設置されてないなど事務体制のずさんさがあると指摘されております。
 県立病院の赤字が大きく、その存続さえも危ぶまれているのに肝心の未収金の回収ができず、のうのうとして、赤字になったので病院を廃止しようというのでは県民や地域住民が納得するはずがない。全職員が一丸となって病院の経営に努力し赤字の解消を図るのが先決であり、このような努力もしないで廃止や経営移譲の話をするのは納得できません。
 そして知事は、現在計画されている南部病院の問題を棚上げし、再度県立病院の経営健全化を目指すべきと考えるがどうか、明確な答弁をお願いいたします。
 次に意見書です。陳情、意見書は長を拘束するかと。
 意見書は、議会の機関意思であるから長を法的に拘束はしません。しかし、当該団体を運営していく車の両輪の一つ、議会がこのような考えを持っていることを知り、それを尊重する必要があります。長が意見書の内容に反する施策を行うときは、議会と対立することを覚悟する必要があります。一機関の意思とはいえ、住民代表の意思決定の機関であること、長と議会は同じ地域を母体とするため両者の考え方に大差はないこと等から、長も意見書を政治的に無視はできない。
 もう一度この件についても伺いたい。
 9月定例会の南部病院の存続問題について県議会の全会一致は、どういうふうに知事は受けとめますか伺いたい。
 それから病院管理局長に伺います。
 病院管理局長がもうあっちこっちで南部病院は廃止になるんだということを吹聴しまして、この南部病院は非常に低下をしていました、この何年間。患者が減ったのもその理由です。責任ある局長があっちこっちでこの病院はもうつぶれるんだと、廃止するんだと、移譲するんだというようなことを正々堂々と言っていることは、これはちょっと過ぎますね。こういうことで医者も減るし患者も減りました。しかし最近、多くの南部の市町村を初め糸満市の皆さんからどうしても県立として存続させたいということから、今、患者も多くなりつつあるようでございます。事実でございます。3日前に私の後援会長が南部病院へ行ったようでございます。毎月行っているようでございまして、非常に最近はよくなっていると。しっかりしてくれよということも言われたところでございます。
 そしてこの南部病院についてでありますが、ちまたのうわさでは、本土の方々にこの病院を計画させるというある責任ある方から聞かされたことなんですが、事実ですか。事実であれば答えていただきたい。ただのうわさですか。なぜそういう話が出るんですか。皆さんはもう計画的な方針で経営移譲とかあるいは廃止するという、そういうことにつながりますので、しっかり答えていただきたい。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後5時1分休憩
   午後5時16分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 新垣哲司議員の再質問にお答えいたします。
 県議会の「沖縄県立南部病院の存続を求める決議」のまとめは、「本県議会は、沖縄県立南部病院の役割を再評価の上、引き続き地域の医療ニーズにこたえられる体制を確保するよう、強く要請する。」とあります。
 このような観点から、県は県立病院のあり方検討委員会の提言を踏まえ、県立病院事業全体及び個々の県立病院の役割・機能のあり方等について検討しており、その中で南部病院については、同病院が現在提供している医療の内容や経営の状況及び南部圏域の民間医療機関の進展状況などから、同病院を今後とも県立として継続することは困難であるとの考えに至ったものであります。
 救急医療等地域で必要とされている医療については、経営移譲の方法によってその確保を図ってまいりたいと考えております。
○病院管理局長(平井哲夫) まず、関係団体との話し合いなんですけれども、南部については南部地区医師会とか市町村議会議長会、市町村と話し合いをしておりますけれども、いずれにしても基本的にはみんな廃止、経営移譲反対ということでしたけれども、その意見の中では、赤字だから廃止するのかという話もありましたし、地域住民は不安がっているという話もありました。そういうのを総合的に判断した場合に、我々は赤字だから廃止するというわけじゃなくて、まず抜本的な見直しの中では基本的には役割分担の面から、もちろんその一つの要素でありますけれども、その辺から検討した結果でございます。
 そういうことで、地域住民の不安をぬぐい去るにもやはり地域の医療を確保する必要があるだろうということで、今、経営移譲等によりその医療は確保しましょうというような形にしております。
 それともう一つ、経営対策について、確かに毎年赤字が今多くなっているんですけれども、これについて経営健全化の中で我々も進めておりますし、経営対策について今経営対策班を設置して、その辺を経営についての今我々の方でも取り組んでいるところでございます。
 それからもう一つは、本土系の方に計画させているんじゃないかということなんですけれども、それについてはそういうことはありません。
○新垣 哲司 休憩してください。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後5時20分休憩
   午後5時20分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 新垣哲司君。
   〔新垣哲司君登壇〕
○新垣 哲司 今の知事を初め病院管理局長の答弁を聞いたら、まさにこの南部病院を当初から切り捨てようと、廃止しようと、そういう考えである。なぜなら、自分らがみずからの努力をしないで赤字団体を出しているのに、今は経営健全化に向けていると。指摘されて初めて最近のことじゃないですか。
 それはそれでいいでしょう。
 本当にこの南部病院を廃止する、移譲する中で南部の責任ある方々のだれ一人にも相談してない、正式には。ただ、個人的に嘉数副知事がこの間見えて、正副議長、糸満の議長、市長、これだけの話じゃないですか。
 こんな大事な問題を南部振興会を初め地域の団体が一緒になっているのに、地域の南部の医師会の皆さんにも相談がない。これで本当にいいのか。今日まで20数年間南部病院の役割、そして南部病院のできた背景、これは大変なものがあると思いますが、一存で簡単に赤字だから、あるいはこういう背景だからということで切り捨てるようなことがあってはならない。断固として、きょうも多くの糸満市を初め南部の皆さんが見えているんですが、17市町村を挙げてみんなが一致して存続するんだということを知事に一丸となって頑張る、こういう決意であります。
 今まで果たした役割、おじいちゃん、おばあちゃんが、今これがなくなったら我々の命は短くなるんだというぐらいの話も出るぐらいであります。政治をする者としてしっかり存続に向けて頑張りたい。
 知事を初め局長の答弁を願います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後5時25分休憩
   午後5時27分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 新垣議員の再質問にお答えいたします。
 県議会で決議されました、「本県議会は、沖縄県立南部病院の役割を再評価の上、引き続き地域の医療ニーズにこたえられる体制を確保されるよう、強く要請する。」という気持ちはしっかり受けとめまして、そしてまた、地域の皆様方がこの病院に対する深い思いを受けとめながら、救急医療等地域で必要とされている医療については、経営移譲の方法によってその確保を図ってまいりたいと考えております。
○新垣 哲司 病院は、地域が必要としているから残したいということなんですよ。地域が今必要なんですよ。
 皆さんは、県立の病院を全体を見直すということであるんですが、南部の13市町村には30万近くの人々がいらっしゃいます。救急の話をやっているんですが、皆さんが言う救急は15分から20分かかるんですよ。今は3分から5分。首里の多機能病院を想定するんであれば大変なことになります。
 先ほどから申し上げていますように、南部市町村会は役員会を開き、全面的にこの問題については知事にアタックしていくという役員会の決議もなされましたし、これからまた行動も展開していくというような決議もされております。
 どうぞ知事、南部の皆さんの今日までの南部病院の役割をもう一度しっかりお考えになって答弁をいただきたい。
 終わります。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後5時30分休憩
   午後5時31分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 新垣哲司議員の御質問にお答えいたします。
 本当に心からあふれる、心の中から出た声だと受けとめております。
 そしてまた、地域住民の皆様のいろいろな思い、その辺についても十分に訴えるものがあり、私自身も大変複雑な気持ちがございます。
 そして救急医療等というのは、先ほどからいろいろございましたけれども、救急医療についてはしっかりと今の場所で確保されるようなことはしっかりとしていきたいと思います。先ほど申しましたように、救急医療等地域で必要とされている医療については、経営移譲の方法によってその確保を図ってまいりたいと考えております。
○親川 盛一 一般質問を行う前に、さきに通告いたしました事項のうち、5番、市町村合併については時間の都合上、今回取り下げさせていただきます。
 それでは一般質問を行います。所見を申し上げながら行います。
 1、基地問題について。
 我が国における米軍基地の問題は、日米安全保障条約を抜きにしては考えられず、なかんずく我が国の外交・防衛・安全保障の問題は国の問題であり、国の責任において処理されるべきものであり、駐留米軍への基地提供責任は日米安全保障条約上日本政府にあり、沖縄に存する米軍基地から派生する諸問題についても日本政府が責任を持って対処すべきものであり、日米両政府が真摯に協議を行い、その解決を図ることが重要で、そのために日米安全保障協議委員会や日米合同委員会が設置されているものと理解しております。
 本県における米軍基地問題の解決を図るためには、何といっても日本全国の米軍専用施設面積の約75%が本県に存在していることや、米軍基地から派生する事件・事故の問題、軍用地主や駐留軍従業員の問題、米軍基地返還後の跡地利用の問題等が複雑に絡み合っていることから、総合的に検討していくことが重要であると考えます。
 また、戦後59年間にわたって過重な基地負担を強いられてきた沖縄県民は、米軍基地の整理縮小、米軍兵力の削減、在沖米軍の再編、日米地位協定の抜本的な見直しを日米両政府に対して強く求めているところであります。
 そこで日米両政府は、沖縄県民の基地負担の軽減を図るため平成2年6月の日米合同委員会において、さきに日米安全保障協議委員会で了承された23事案の返還に向けた確認を行うとともに、平成7年11月に日米両政府による沖縄に関する特別行動委員会、いわゆるSACOの設置を行い、在沖米軍基地の整理縮小等について協議が行われた結果、普天間飛行場の全面返還を含む11施設、5002ヘクタールの土地の返還及び騒音軽減イニシアチブが合意されたところであります。
 沖縄の米軍基地の返還を実現させていくためには、少なくともSACOで合意された事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると思料します。また、SACO合意事案以外についても引き続き整理縮小に向けて県民が一丸となって働きかけていく必要があると考えます。
 また、普天間飛行場の返還に当たっては、同飛行場が市街地の中心部にあり、振興開発の妨げになるばかりでなく、非常に危険な状況下にあること等から一日も早く返還させる必要があることから、SACOの合意に従ってその返還を図るために国、県、名護市が合意をし、移設に向けて作業が進められているところであります。
 もとより、普天間飛行場の返還に当たっては、国外や県外への移設にこしたことはないが、それが困難で、日米両政府において県内移設を条件に普天間飛行場の全面返還をするという合意がなされ、稲嶺知事におかれては苦渋の選択をして名護市辺野古地先の海上へ代替施設としての軍民共用空港をつくり、普天間飛行場の全面返還にこぎつけようとしたものである。
 かような状況の中、去る8月13日に沖縄国際大学構内に普天間飛行場所属の大型輸送ヘリコプターCH53Dが墜落炎上したことは返す返すも残念でありいかんともしがたく、強い憤りを感ずるものであります。日本国民、とりわけ沖縄県民の生命財産を守るべき責務を担う駐留米軍が事故を起こすなんてもってのほかであり、幾ら県民への人命被害がなかったとはいえ、一歩間違えば大惨事に瀕するものであり、断じて許せるものではありません。今回のヘリ墜落事故の処理に当たっても日米地位協定がネックとなっており、早急な抜本的見直しが必要であると考えます。
 そこで伺います。
 (1)、米軍基地の整理縮小に当たっての基本的な考え方について知事の所見をお聞かせください。
 (2)、米軍兵力の削減についての交渉経過及び今後の対応策についてはどうなっているか、お聞かせください。
 (3)、日米地位協定の見直しについて、県は、平成12年8月に日米両政府に対して11項目にわたる要請を行っておりますが、その実現に当たっては、事務的にも政治的にも国との間で論議していく中から解決を図っていく必要があると思いますが、その進捗状況等について伺いたい。
 (4)、旧軍飛行場用地問題についての現状、これまでの経過及び今後の対応策、解決のめどについてはどうなっているか、お伺いいたします。
 (5)、都市型訓練施設(陸軍複合射撃訓練施設)の建設の現状及び今後の対応策についてはどのように考えておられるか。また、本件については、現在3階ほどまで建造中とのことであり、もはや建設中止は困難ではないかと危惧しておりますが、情報収集と対応のおくれが今日まで進む結果となっているのではないかと思料しますが、いかがでしょうか。
 (6)、米軍ヘリ墜落事故について。
 ア、被害補償の状況はどうなっておりますか。
 イ、再発防止策についてはどのように考えておりますか。
 ウ、今回の米軍ヘリ墜落事故を受け、日米両政府は事故が発生した場合に協力して対応していくための指針(ガイドライン)を策定するとのことでありますが、その内容等について把握しておりますか。把握しておりましたら、その内容等についてお聞かせください。
 エ、政府は、今回の事故を受けて外務省沖縄事務所に去る10月27日付で危機管理官を配置したようでありますが、その具体的な職務内容及び権限等はどうなっておりますか、お伺いいたします。
 (7)、普天間飛行場の早期返還について。
 ア、代替施設の移設作業の進捗状況及び今後の見通しはどうなっておりますか。
 イ、工事期間の短縮については、国は努力すると言っておりますが、普天間飛行場の一日も早い返還という視点で考えた場合、どの程度の期間短縮が可能だと考えておりますか。
 ウ、代替施設の使用期限について。
 過重な基地負担の軽減を図るためには、基地の整理縮小、米軍兵力の削減、訓練の国外移転等を着実に進めていくことが最も重要であり、基地の固定化を避けるためにも普天間飛行場の移設に当たって使用期限を設けることは県民感情から当然のことであると考えます。
 ただ、使用期限については、県民としては短期間にすることにこしたことはないが、基地の提供責任は国にあることから、国においてしっかりと県民の意向に即して検討していただくことが重要であると考えます。いずれにいたしましても国の責任において対処すべきものであり、県としてはこれまでどおり主張し求めていくべきであると思いますが、いま一度知事の所見をお伺いいたします。
 2、嘉手納ラプコンについて。
 沖縄本島周辺の航空機進入管制システム、いわゆる嘉手納ラプコンについては、昭和47年5月の沖縄の本土復帰の際、日本側に返還されることなく現在まで米軍が暫定使用し、米軍機に加え那覇空港や久米島空港等に離着陸する民間機等の航空管制を担っているものでありますが、その返還については、平成4年3月に当時のコーエン米国防長官と河野外務大臣との会談において、米軍の運用上の所要が満たされることを前提に日本側に返還するとの表明を受け、日米間において返還方法や時期等について詰められていたものであります。
 これについて去る12月6日のマスコミ報道によりますと、日米両政府は、2007年度末をめどに日本側に返還することで大筋合意したとされておりますが、日本側に航空管制権が返還されることは、沖縄の基地負担の軽減を図るという観点からは一定の前進であると思料いたしますが、依然として米軍優位の管制であることに変わりはなく、沖縄の空は完全に日本復帰したとは言いがたい面があり、日本政府がもっと主体的に航空管制を実施すべきであると考えます。
 そこで伺います。
 (1)、航空管制の現状はどうなっておりますか。
 (2)、日本側への移管についての進捗状況と今後の見通しについてどのように考えておられますか、お伺いいたします。 
 3、八重山諸島、特に与那国町周辺の防空識別圏について。
 北朝鮮による日本人拉致事件や中国海軍の原子力潜水艦による領海侵犯事件、尖閣諸島への不法上陸事件、領空侵犯事件等我が国を取り巻く環境は厳しく憂慮にたえないところであり、国による国境警備はもとより、国土の保全、防衛、出入国管理の徹底強化等が叫ばれております。とりわけ我が国の最南端に位置する与那国島周辺においては、今なお台湾政府による防空識別圏が敷かれているため、与那国空港を離着陸する航空機については、我が国の国内空港でありながら台湾政府へ通報した後に利活用をするといういびつな使用形態となっております。このことは、国益や県益を確保する観点等からも早急に日本側に防空識別圏を移管すべきであると考えます。
 そこで伺います。
 (1)、与那国島周辺における防空識別圏の現状と課題についてお聞きいたします。
 (2)、今後の県としての対応策についてはどのように考えておられますか、お伺いいたします。
 4、地域振興開発計画等について。
 沖縄の均衡ある発展を図るためには、立ちおくれている南部地域の振興を図ることが最も重要であると考える。そのためには南部地域の人的・物的条件及び地理的・歴史的条件等を活用した農林水産業、製造業、観光産業等の育成及び振興を図る必要がある。そこで県都那覇市と南部地域とのネットワークを構築し、人的・物的交流を促進し経済交流を図り、南部地域の活性化を推進していくためにも道路網の整備が必要であると考えます。
 そこで伺います。
 (1)、南部地域の振興開発計画の策定についてはどのように考えておりますか。地域の市町村任せなのか、お聞かせください。
 (2)、南部地域の道路網の整備計画及び実施時期等についてはどのように考えておりますか、お伺いいたします。
 6、県立南部病院の存廃問題について。
 本県には精和病院のほか、各地域に6つの県立病院が設置され地域医療に貢献してきているが、ほとんどの病院で赤字経営を強いられている。また、南部病院はその設立の経緯等からやむを得ない面もあるが、南部地域の南端部に位置しており、南部地域全体の医療を担っているかどうか疑問もないではないが、南部地域の振興を図る上からは県立総合病院の存続は現段階では必要であると思料いたします。現段階において南部病院を廃止するとなると南部地域での県立の公共施設は乏しくなり、南部地域の振興・発展を図っていく上で大きな支障を来すものと思料いたします。なぜに南部病院だけの廃止なのか、赤字病院だからなのか、あるいは民間医療機関の設置が充実してきたからなのか。また、医療の空白、すなわち県民への医療サービスの低下を来さないように南部医師会等とも十分調整されたのかなどについて危惧しているところであります。
 そこで伺います。
 (1)、南部病院の現段階での廃止は、南部地域の振興・発展に支障を来すことにはならないか。
 (2)、南部地域住民等のコンセンサスは得られていると思いますか。
 (3)、廃止については、県立病院全体の中で検討すべきではないか。検討したのであれば、その結果はどうなっているかお聞かせください。
 7、高度・多機能病院について。
 私は、当該病院の役割については、県民の医療ニーズに対応して地域医療への貢献はもとより、民間医療機関との役割分担を行い、民間病院で対応できない部門について対応していくことが重要であると考えており、今回の南風原町字新川への高度・多機能病院(仮称)の設置は時宜を得たものであると思料いたしますが、今後、県民の目線に立った円滑な運営、利活用が図られることを望むものであります。
 そこで伺います。
 (1)、当該病院の完成及び供用開始の時期はいつごろか。
 (2)、診療科目は何々を考えているか。
 (3)、スタッフ等の確保状況についてはどうなっておりますか。
 (4)、南部地域の救命救急体制はどうなるのか。医師会や民間医療機関等との連携・調整はどうなっておりますか。
 (5)、南部地域との交通アクセス及び今後の計画、実施状況等はどうなっておりますか。
 8、県立知念高等学校の敷地買収について。
 現在、知念高等学校の学校用地として使用されている1万9834平方メートル(6000坪)については、復帰前から利活用がなされているものでありますが、昭和47年5月1日、復帰直前に当時の知念連合区教育委員会から与那原町へ所有権移転がなされた土地であります。
 そのうち、1875平方メートル(567坪)については、昭和58年10月24日付で与那原町と沖縄県との間に町有財産売渡契約を締結し完了しているわけでありますが、残りの1万7958平方メートル(5432坪)の用地につきましては、現在でも学校用地として無償で使用されている状況であります。計画的に処理し解決していく必要があると考えます。
 なお、本件については、昭和62年9月3日及び同月8日付でそれぞれ沖縄県知事及び沖縄県教育委員会教育長あてに与那原町長名で「県立知念高等学校敷地内町有財産の買上げについて(要請)」がなされているものであります。
 そこで伺います。
 (1)、これまでの経過及び現状等についてお聞きいたします。
 (2)、1万7958平方メートルについての与那原町との売買契約の状況についてはどうなっておりますか、お聞きいたします。
 (3)、今後の県の対応策について伺います。
 9、行政機構(組織)の改革等について。
 県においては、行政組織機構の改革を実施すべく今議会に沖縄県部設置条例の一部を改正する条例案を提出しておりますが、大切なことは、小さな組織・陣容で大きな仕事をするという行政改革の基本的な立場に立って検討されてきたかということであり、簡素で効率的な行政執行体制になっているか、時代に即した行政ニーズへの対応、県民の視点・目線に立った改革等となっているかが重要である。そのためには各部局間の十分な連絡調整、関係団体等との調整等が必要であると思料いたします。
 また、組織機構の改革に当たっては、組織、職制、権限及び責任の明確化を図り、県民にわかりやすく県民の行政ニーズに対応し、各部局間の均衡等について検討し実施していくことが必要であり、行政改革を推進しているさなかにあって、特命事項の名のもとに部に属しない一般職の職制を設け、行政事務執行に当たっての本来の指示命令系統の不文律を崩してはならず、権限のない、あるいは不明確な職制については即刻廃止すべきであり、それが行政改革の趣旨にかなうものであると思料いたします。
 そこで伺います。
 (1)、今回の組織改正の基本的な考え方についてお聞かせください。
 (2)、各部局間の調整、関係団体等との調整結果の状況についてお聞かせください。
 (3)、部に属しない部長相当の職制――政策調整監等の必要性についてお聞かせください。
 以上で終わります。
○知事(稲嶺惠一) 親川議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、基地の整理縮小についてでございます。
 本県の過重な米軍基地の整理縮小について、県はSACO合意事案の着実な実施に取り組んでいるところであります。しかしながら、SACO合意事案がすべて実施されたとしても、本県には依然として在日米軍専用施設面積の約70%の米軍基地が存在することから、SACOで合意された施設以外についてもさらなる米軍基地の段階的な整理縮小が必要であると考えております。県としては、米軍再編の中で、日米両政府において基地の整理縮小や海兵隊の訓練の国内外への移転も含め在沖米軍兵力の削減などが具体的に検討され、県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減がなされるべきであると考えております。
 続きまして、兵力削減についての御質問にお答えいたします。
 県は、これまで日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて在沖米軍兵力の削減等による本県の過重な基地負担の軽減を求めてきたところであり、去る10月16日に町村外務大臣が来県した際にも、米軍再編において県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減が図られるよう強く求めたところであります。小泉総理大臣は、沖縄の基地負担の軽減を図るためには、国内外への移転も含め日本全体の問題として責任を持って進めることを表明しております。県としては、小泉総理大臣のリーダーシップのもと、県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減がなされるよう引き続きあらゆる機会を通じて働きかけてまいります。
 次に、日米地位協定の見直しの進捗状況についてお答えをいたします。
 県が平成15年度に策定した全国行動プランに基づき働きかけた結果、29都道府県議会において日米地位協定の見直しの意見書が採択されたほか、日本青年会議所等主要な全国団体における見直し決議等の独自の取り組みが行われつつあります。また、自民党に対し、日米地位協定の問題を検討する正式機関を設置するよう要請を重ねた結果、本年10月に自民党政務調査会の中に「日米安保・基地再編合同調査会」が設置され、自民党はその中で日米地位協定についても検討したいとしております。このことは日米地位協定の問題が政府・与党においても正式な機関の中で幅広く議論されるということであり、日米地位協定の見直し問題に対する取り組みに一定の前進があったものと考えております。
 県としては、同合同調査会の中で日米地位協定がしっかり議論されるよう引き続き働きかけていく所存であり、今後ともあらゆる機会を通じて日米地位協定の抜本的見直しに向けて粘り強く取り組んでまいります。
 次に、陸軍複合射撃訓練場についての御質問にお答えをいたします。
 現在の状況については、伊芸区の監視塔から陸軍複合射撃訓練場の建設現場において造成工事が進み、工事のための足場が組まれていることが確認されております。米軍に対しては、工事の詳細な状況を照会しておりますが、回答は得ておりません。
 県はこれまで米軍を初め日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて同訓練場の建設中止を求めてきており、去る10月16日に町村外務大臣が来県した際にも改めて建設中止を強く求めております。先日も県選出国会議員や与党関係者等にお会いし、工事の中止を強く求めたところであります。県としては、今後、金武町や県選出国会議員と密接に連携し、日米両政府に対し、あらゆる機会を通じてさらに強く工事の中止を求めてまいります。
 次に、再発防止策についての御質問にお答えをいたします。
 米軍の事故報告書によると、今回の墜落事故は整備員が尾翼ローターの組み立て部品の小さな固定装置(コッターピン)の取りつけを忘れ、これに起因して飛行中に尾翼ローターが制御不能となって発生したとされております。また、再発防止策としては、整備員の勤務状況の把握に努めること、整備マニュアルを追加・修正すること、飛行前に部品取りつけの目視チェックを追加することを指示したとされております。
 普天間飛行場の現状を申し上げますと、同飛行場に配置されていた事故機と同型機は8月に6機がイラクに派遣され、10月に3機が岩国飛行場へ移動し現在では残り2機となっており、目視情報では全機種合わせても10機程度しか残っていないとのことであり、事故以降騒音が軽減されている状況にあります。
 県は、イラクに派遣された普天間飛行場の常駐機の帰還については反対を表明しており、また再発防止策についても事故分科委員会における日米双方の専門家等の協議結果を踏まえた勧告が日米合同委員会で合意され、その結果を公表して県民の不安を払拭すること等を求めてきたところであります。
 続きまして、15年使用期限についての御質問にお答えいたします。
 15年使用期限は、戦後59年間にわたり過重な基地負担をしてきている状況にかんがみ、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から沖縄県が移設に当たって整備すべき条件として提示しているものであり、これを受け政府は平成11年12月、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」を閣議決定しております。
 この問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断に係る問題であることから、着工までに政府の責任で解決すべきであります。
 続きまして、南部地域の救命救急体制及び医師会等との連携・調整についてお答えをいたします。
 南部保健医療圏における救急医療は、現在、公立病院や民間病院によって比較的軽症の患者を対象とする1次救急から入院治療を要する2次救急までを行う体制が敷かれております。現在整備中の高度・多機能病院(仮称)においては、24時間体制の救命救急センターを設置し、2次救急から生命の危機が切迫している重篤患者に対応する3次救急、いわゆる救命救急医療を担うこととしております。この機能は、南部保健医療圏においては県立病院として初めて提供する医療機能であり、南部地域全体に大きな利益となるものと期待されております。この救命救急センターの機能を十分に発揮するためには、1次救急から2次救急を担っている地域の医療機関との連携が重要であることから、各地区医師会及び民間医療機関との連携体制の構築を図り、救急医療体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、組織改正の基本的な考え方についてお答えを申し上げます。
 県の組織機構については、三位一体改革などの社会経済情勢の変化に対応しつつ、沖縄振興計画の着実な推進や県政の重要課題に効果的かつ柔軟に対応するとともに、行革大綱に基づき県民視点に立った簡素で効率的な組織機構を構築することを基本として改正を検討してきました。具体的には、危機管理及び基地対策など県政の重要課題に対応した施策を推進する体制を強化するため、総務部の知事公室を部と同等の内部組織として格上げし筆頭部とします。
 次に、本県の自立型経済の構築に向けた産業の一層の振興を図るため観光商工部を設置します。これは、他産業への波及効果が高く、本県のリーディング産業として位置づけられている観光・リゾート産業を核として産業の一層の振興を図ることによって、本県の重要課題である雇用機会の拡大につなげていくことをねらいとしています。
 また、簡素でわかりやすい組織体制を構築するため、現行の11部局体制の8部体制への再編整理と、室の全面廃止や小規模な課の見直しによる行政のスリム化も図ります。さらに、次長や課長補佐等の中間職制の廃止による意思決定の迅速化と県民への行政サービスの向上を目指すこととしております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 旧軍問題の現状、経過及び今後の対応策等についてお答えいたします。
 県は、旧軍飛行場用地問題の早期解決を図るため、「旧軍飛行場用地問題県・市町村連絡調整会議」を設置し、関係市町村や地主会と協議を行うとともに、平成15年度に実施した「旧軍飛行場用地問題調査・検討」委託事業の結果を含め、同問題の解決のあり方について各地主会と協議をしてきたところであります。同問題については地主会の間でもさまざまな意見や要望があり、特に旧軍飛行場地主会連合会に加盟する地主会からは個人補償以外に解決策はないとの強い要望があります。
 しかしながら、個人補償での解決を要求することは、県議会や全市町村議会を含め、県民の総意として国に沖縄振興計画に位置づけて解決を図るよう要望したことと矛盾することになるものと考えます。このようなことから、去る11月24日に開催された県政策会議で沖縄振興計画に位置づけられた背景や委託調査報告書も参考にしながら総合的に検討した結果、県は団体補償を解決策として推進することを基本方向として確認しました。この考え方については県・市町村連絡調整会議で説明し、また各地主会とも協議を行い理解を得たいと考えております。今後、県としては、県・市町村連絡調整会議を中心に要望案を取りまとめ、できるだけ早く戦後処理としての解決を国に求めていきたいと考えております。
 次に、ヘリ墜落事故に関する被害補償についてお答えいたします。
 沖縄国際大学でのヘリ墜落事故に係る被害補償状況について那覇防衛施設局へ確認したところ、11月30日現在、被害件数は68件で、そのうち補償支払い済み件数が58件、総支払い額は約1500万円であるとのことであります。68件の被害の内訳については、大学構内における建物等の被害6件、民間家屋等への被害28件、車両等への被害32件、その他2件となっております。
 なお、沖縄国際大学の1号館の建物の復旧に係る補償については、現在、当事者間で調整中であるとのことであります。また、心的外傷後ストレス障害、いわゆるPTSD等の精神的被害の補償については、11月30日現在補償された実績はないとのことであります。
 次に、事故対応方針の内容についてお答えいたします。
 今回のヘリ墜落事故を受け日米両政府は、日米合同委員会のもとに事故現場における協力に関する特別分科委員会を去る9月17日に新たに設置し、これまで3回開催しております。当該分科委員会において日本側から日米地位協定の運用改善に向けた提案を行ったところであり、まだ明らかにできる段階ではないとしております。政府としては、事故現場の統制に当たって日米両当局が共同で行うことを基本原則とすること、及び現場の立ち入り制限や情報提供、緊急連絡手続の実施方法につき確認するとともに、これらが円滑に行われるための措置についても今後取りまとめていきたいとしております。
 次に、危機管理官の職務内容等につきましてお答えいたします。
 危機管理官は、今回のヘリ墜落事故を受け、米軍事故が発生した場合の米軍との交渉、マスコミ向けの広報官の役割などを担い、政府の初動体制を確立する対応などを主な目的に内閣官房のもとに新たに設置されたものと聞いております。具体的な職務内容は、米軍事故が発生した場合、関係機関などと連携を図りながら政府としての初動体制の確立を図ること、県警や外務省沖縄事務所、那覇防衛施設局などの関係機関が事案発生時に情報を共有できるようにすること、政府の取り組みを県民にわかりやすく説明すること等となっているとのことであります。
 危機管理官の権限については内閣官房のもとにあり、現地の沖縄においては外務省沖縄担当大使、那覇防衛施設局長、沖縄県警察本部長との連絡・協議が円滑に行えるよう、職務内容の目的達成のために必要な範囲内で与えられているものと聞いております。
 次に、移設作業の進捗状況と今後の見通しについてお答えいたします。
 普天間飛行場の移設については国、県、地元名護市等が協議を行い、平成14年に代替施設の具体的建設場所、規模、工法等を内容とする基本計画が決定され、平成15年には代替施設建設協議会が設置されております。国においては、平成15年から現地技術調査のうち地形調査等を実施しており、平成16年は去る9月9日から地質調査等を開始しております。また、去る11月29日には、環境影響評価法に基づき方法書について環境の保全の見地からの知事の意見が述べられたところであり、移設作業は着実に進展しているものと考えております。今後は、引き続き環境影響評価等所要の手続が進められ、さらに県や名護市が求めている諸条件が満たされた後に着工されるものと考えております。
 次に、工期の短縮についてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設の建設について事業者である国は、技術的に早くする努力は可能と考えている、なし得る限り努力をすべきだと考えているとしております。現在、工期短縮に向けて検討を行っているところとのことであり、短縮期間については明らかにされておりません。県としては、普天間飛行場の一日も早い返還を求めているところであり、可能な限り工期短縮の努力をしていただきたいと考えております。
 次に、嘉手納ラプコンの現状等についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
 嘉手納飛行場及び那覇空港等の進入管制業務、いわゆる嘉手納ラプコンの返還については、平成12年に運輸省(現国土交通省)の航空管制官が嘉手納ラプコンでの研修を終え、これまで日米両政府間で必要な協議が行われてきたところであり、本日開催された日米合同委員会において具体的計画が合意されております。
 それによりますと、日本政府はおおむね3年後の進入管制業務及び業務に伴う空域の移管を目指し、施設整備及び管制官訓練に着手するとのことであります。今回、具体的な移管計画が合意されたことは、今後、3年後の返還に向けた作業が加速して進展するものと受けとめております。県としては、嘉手納ラプコンの返還が一日も早く実現するよう日米両政府の取り組みを注視しながら適切に対応してまいります。
 次に、八重山諸島の防空識別圏の現状と課題とその対応策について一括してお答えいたします。
 我が国の防空識別圏が与那国島上空で区切られ、空域の一部が防空識別圏外にあり、与那国空域の安全性を確保する上で支障があるものと考えております。県としては、防空識別圏の問題は政府レベルで解決を図る必要があると考えており、去る10月に町村外務大臣及び小池沖縄及び北方問題対策担当大臣に問題解決に取り組んでいただくよう要請したところであります。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 南部地域の振興開発の考え方についての御質問にお答えします。
 南部圏域は都市地域、都市近郊地域、農村地域、離島地域と多様な地域性を有しており、その特性を生かした活力ある地域づくりを推進する必要があります。那覇市及び浦添市の都市地域においては都市機能の再編・再整備や空港、港湾等を整備するとともに、その後背地と一体となった都市の整備を図ります。豊見城市から糸満市にかけては臨空港型産業や製造業、情報通信関連産業等の誘致・集積を図るとともに、園芸農作物の拠点産地の形成や水産業の振興を図ります。与那原町から知念半島に至る東海岸地域においては農林水産業の振興を図るとともに、マリンタウンプロジェクトの推進、健康・保養や歴史散策等を中心とした観光を推進します。南風原町など都市近郊地域においては、都市近郊型農業等を振興するとともに、良好な住宅市街地の形成に向けた整備を進めます。離島地域においては健康・保養や歴史・文化等をテーマとした体験・滞在型観光を推進するとともに、農林水産業の拠点産地化を促進します。
 県としては、地元市町村等との調整・合意を図りながらこれら振興施策の実現に努めてまいります。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 南部地域の道路網の整備と実施時期についてお答えいたします。
 南部地域の基幹となる道路網としては那覇空港自動車道、国道329号、国道331号、国道507号などがあり、国と県でそれぞれ所管する道路の改良やバイパス事業などを現在実施しているところであります。県としては、さらに南部地域へのアクセスを改善するため地域高規格道路として南部東道路の調査を継続するとともに、国道507号の整備区間の延伸を検討していく考えであります。今後とも南部地域の基幹となる道路網の整備について、地元の協力を得ながら鋭意取り組んでいく所存であります。
 以上であります。
○病院管理局長(平井哲夫) 県立南部病院に関連いたしまして、南部地域の振興・発展の阻害要因にならないかについてお答えいたします。
 医療の確保は県民生活に欠くことのできないものであり、その地域の定住条件を満たす大きな要素の一つであると考えております。したがって、県民が必要とする医療を確保することは重要でありますが、その確保については、地域における医療機関相互の役割分担や連携によりなされるものと考えております。南部病院については、このような観点から総合的に検討した結果、同病院が提供している医療は民間医療機関において代替可能であることなどから、県立として継続することは困難であると考えております。しかし、地域で必要とされる医療については、経営移譲による現施設の活用等によって引き続き確保していきたいと考えております。
 同じく南部病院に関連して、南部地域のコンセンサスは得られているのかという質問にお答えいたします。
 県においては、あり方検討委員会提言後の実施方策の検討に際し、糸満市、南部市町村会・議長会、南部地区医師会等への提言内容の説明や意見交換を重ねてまいりました。県としては、これらの意見交換も踏まえ、南部病院については、同病院が提供している医療の内容や経営の状況及び南部圏域の民間医療機関の進展などから、同病院を今後とも県立として継続することは困難であるとの考えに至ったものであります。しかし、救急医療等地域で必要とされる医療については、経営移譲の方法によってその確保を図る必要があると考えており、今後はその医療内容等について糸満市等関係市町村や医師会等との意見交換を行ってまいりたいと考えております。
 それから同じく南部病院に関連して、県立病院全体の中で検討すべきではないかという御質問にお答えいたします。
 県においては、医療環境の変化などを踏まえ、今後も県立病院が必要な医療を提供していくためには、これまでの経営健全化の取り組みに加え、事業のあり方を抜本的に見直す必要があると考えております。このため、「県立病院の今後のあり方検討委員会」を設置し、県立病院事業全体及び各県立病院が抱えるさまざまな課題等について総合的な見地から検討していただいたものであります。
 次に、高度・多機能病院(仮称)の完成時期と診療科目について一括してお答えをいたします。
 高度・多機能病院(仮称)については、平成18年1月の竣工、同年4月開院を目指して順調に工事を進めております。同病院は、急性期医療を主体とした一般医療、救命救急医療、母子総合医療、高度・特殊医療などの機能を担うため43の診療科目を設置することとしております。その内訳は、成人部門が内科、外科等の一般診療科目のほか、専門診療科目として感染症科、血液腫瘍科等の計25科目を設置することとしております。また、母子総合医療センター部門においては、産科、小児科及び小児外科の一般診療科目のほか、専門診療科目として小児心臓外科、小児脳外科、新生児科、小児精神科等の18科目を設置することとしております。
 それから高度・多機能病院のスタッフの確保についてお答えいたします。
 高度・多機能病院は、母子総合医療、高度・特殊医療、救命救急医療などの機能を担うため専門診療科目を設置することから、それに必要な専門の医師等スタッフを確保する必要があります。特に、医師については病院管理局と医療現場の医師で構成する「医師確保チーム」において県内外で活躍している専門医をリストアップし、その確保への取り組みを進めているところであり、既に一部の専門医師については確保済みであります。
 南部地域から高度・多機能病院への交通アクセスについてお答えいたします。
 高度・多機能病院周辺の交通アクセスについては、同病院建設と並行して現在県道宜野湾南風原線の拡幅事業、那覇市上間から西原町のマリンタウンを結ぶ国道329号バイパスの整備事業が進められているところであります。南部地域から同病院への主なアクセスについては糸満方面からは国道331号、県道奥武山米須線及び那覇糸満線、それに具志頭村方面からは南部地域の中央部を縦貫する国道507号及び県道那覇糸満線、それから知念方面からは国道331号、県道南風原知念線及び県道那覇糸満線等の利用が可能であります。さらに、これらの主要道路に加え、現在、那覇空港自動車道の整備が進められており、また南部東道路の整備に向けた調査も実施されていることから今後道路網の整備が促進され、同病院への交通アクセスの向上も図られるものと考えております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 県立学校敷地の買い上げについて一括してお答えします。
 知念高等学校敷地については、これまでに個人有地を668平方メートル、与那原町有地を1875平方メートル買い上げております。現在の知念高等学校敷地の内訳としては県有地が1万4591平方メートル、与那原町有地が1万8236平方メートル、無償借用であります。個人名義の土地が1508平方メートル、有償借用であります。
 今後の借用地の買い上げについては、県立学校借用地買い上げ基本方針に基づき個人有地、市町村有地を優先にし、さらに市町村からの移行、市町村の教育施設整備計画等を勘案し、年次的・計画的に買い上げを進めていく予定であります。したがいまして、与那原町からの移行については、これらの方針を踏まえて考えていきたいと思っております。
 以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 行政組織機構の改革についてのうち、各部局や関係団体との調整等についてお答えします。
 今回の組織改正案につきましては、平成15年度から検討作業に着手をしております。今年度に作成しました組織改正の総務部案について2度にわたって全部局長との意見交換会や、それから7月末の政策会議における庁内調整等を経て県案として取りまとめたところであります。また、関係団体等に対しては、県案となった平成17年度県組織改正案について離島振興協議会を初め経済団体等へ説明し意見交換を行いました。
 これらの関係団体等からは、離島振興の後退があってはならないという要望や、産業振興に当たって新産業のみならず既存産業の振興についても十分対応できるような組織体制の強化が必要であるという御意見などをいただいており、組織改正案についてはこれらの点も踏まえまして取りまとめをしているところであります。
 次に、政策調整監等の必要性についてお答えします。
 政策調整監は、基地問題や環境問題における対外的な連絡調整、SARS等に対する全庁的な対策等直接部局で対応できない重要な行政課題等について知事の特命を受け、政策会議の主宰など柔軟に部局横断的に対応することで行政の事務権限上の縦割りを補完し、知事の政策遂行を補佐する職として位置づけられております。
 また、技監につきましては、新石垣空港建設や伊良部架橋等の公共事業を中心とした大型プロジェクトの推進に当たって主に技術的視点から部局間の調整を行い、国との密接な連携を図るための連絡調整を行うなど、知事を補佐する職として位置づけられているところであります。
 以上でございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後6時27分休憩
   午後6時52分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 辻野ヒロ子君。
   〔辻野ヒロ子君登壇〕
○辻野 ヒロ子 こんばんは。
 皆さん大変お疲れでしょうけれども、ソフトに参りますので。私の後にまた仲田議員も控えておりますので、最後までおつき合いのほどよろしくお願いいたします。
 それでは、ただいまより所見の一端を述べ一般質問を行います。
 嘉数昇明副知事、新垣幸子出納長、御就任おめでとうございます。
 それから、長年にわたり県政に尽力いただきました比嘉前副知事にも感謝を申し上げたいと思います。
 稲嶺県政の公約でもあり、また待望の三役に女性を登用したということは、女性の皆様はもちろん、また、この県議会の男性が多い中で全会一致で認めていただいたということは、男女共同参画社会構築に向けて一つの弾みになったんじゃないかと思います。そういう意味でも先日、本会議でお2人の決意のほどをお聞きし本当に心強く思い、これから牧野副知事ともども稲嶺知事をしっかりと支えていただき、そしてますますの御活躍をお祈りしたいと思います。
 ことしのえとはさる年です。私も年女でございまして――年がばれましたけれども――猿といえば「西遊記」の孫悟空を思い浮かべます。孫悟空は玄奘三蔵のお供をし、遭遇するたくさんの難問、81の難問を乗り切って本当に知恵を振るい、そして痛快なまでに大活躍する孫悟空にあやかりまして難を乗り切る知恵と力、それでもって本県の抱える難問題を、知事を先頭に三役、当局の皆さんはしっかりとお供をして乗り切っていただきたいと思います。そして迎える新しい年はとり年で飛躍の年にしていただきたい。
 また、ちなみにとり年、飛ぶ鳥として、飛べる新石垣空港に向けてなお一層、あと一押し国の方へ知事の方からもしっかりとお願いしたいと思います。
 それでは質問に移ります。
 1、離島・過疎地域における救急医療の充実と強化について。
 「空飛ぶ救急車」で活躍する第11管区海上保安本部石垣航空基地は、八重山と宮古の各離島からの復帰後の急患輸送人数が11月16日に2000人に達しました。同基地の輸送業務は、1972年に琉球政府厚生局石垣医療航空事務所として発足し、同年5月に引き継がれた後、73年には県との協定が正式に結ばれ、郡内各離島と宮古・多良間島の急患輸送を担ってきました。
 総輸送時間は約2000時間、輸送距離は地球の7.5周分に及ぶ。島別の輸送人数を見ると西表島522人、与那国島447人、多良間島409人、波照間島291人と続き、患者の疾患別では外傷482人、腹部367人、脳卒中269人など、平均年齢も上昇しており、95年に50歳代がことしは60歳を超え高齢化しているのが現状です。妊婦が輸送中に出産したり、台風のため停電した伊良部町から人工透析患者8人を輸送したり、観光客の急患もふえ、輸送急患数も年々増加傾向にあります。また、急患輸送業務は夜間や強風時の緊急出動が多く、パイロットやクルーへの負担が大きいのも否めません。
 このような離島住民の命綱としての活躍に敬意を表し、できれば県民を代表して知事から感謝状の贈呈でもしていただければ幸いに存じます。よろしくお取り計らいください。
 急患輸送業務の重要性と課題について。
 急患輸送業務は離島医療に不可欠な手段であり、要請があれば昼夜問わず出動体制で常に機材や職員の健康状態も万全でなければなりません。離島への着陸は目視で行われるため、強風や大雨、また雲が広がる夜間などは緊張が高まり、患者を乗せているときも揺れないように操縦にも心がけていると機長のコメントもありました。
 そこで、次の点についてお伺いいたします。
 竹富町ヘリポートの夜間照明施設の増強及びヘリポート周辺の整備について現状を把握しておられるのか。また、どのように対処されるのかお伺いいたします。
 波照間空港と新多良間空港の夜間照明施設の設置、大原・新城ヘリポート等の障害物―――雑木、雑草など――の整備。新城ヘリポートの吹き流しも台風被害で破損しております。離着陸の目安となる風向きの確認のためにも早急に整備する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 また、患者の自宅からの輸送は、島の消防団員の方たちに応援してもらっていますが、担架に乗せ貨物車で運び、ヘリが着くまで悪天候の中、待機している状況は大変厳しいものがあります。
 そこで、患者の待機場所の必要性についてどのように認識しておられるのかお伺いいたします。
 離島診療所の無医地区の現状と対策について。
 県内離島診療所の無医地区の現状はどのようになっているのかお伺いいたします。
 竹富町黒島診療所の医師確保(常駐)について。
 島の人たちからの声も多く、公民館長の方からも強い要請を受けていますので、ぜひ配置していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 2、観光振興について。
 川平湾の美しさは、全国の自然を愛する人々の投票により「21世紀に残したい日本の自然百選」に選定され、平成9年11月には沖縄県では自然名勝として初めて沖縄県随一を誇る風光明媚な於茂登岳を望む川平湾一帯が国指定の「名勝地」に指定されました。「いかなる画人のいかなる詩情をもってしても、その表現が困難である」と、岡本太郎氏に言わしめるほど名実ともに沖縄及び日本の名勝地としての環境や景観の保全が最も重要な課題であります。
 しかし、復帰後の土地改良事業や公共土木事業により大量の赤土が川平湾につながる大小12の河川からの流入と、地域の生活雑排水の流入による汚染で生態系や水質の悪化が懸念されています。
 その上、観光客の増大に伴い川平湾内を離発着する約20隻のグラスボートやレジャーボートのスクリューによる海浜の変化やオイル等による汚染が加わり、湾の奥や底はヘドロ状態で深刻です。また、大雨の際には七色に輝くエメラルドの海が赤土で真っ赤に染まり、貴重なサンゴや黒真珠の生育が危険な状態です。海岸では、ごみの散乱や仮小屋をつくりレジャーボートの切符売り場や客引き行為なども行っており、景観を損ねている部分もあります。
 先日、観光振興・新石垣空港建設促進特別委員会の視察で石垣市長、八重山支庁長も同行し現場説明を受けていますので、当局を初め議会の協力も得ながら県や国の支援をお願いしたいと思います。
 石垣市川平湾の現状と対策について。
 川平湾内の船舶の実態と改善策についてお伺いします。
 川平地区の赤土等流出状況と対策について県や国の抜本的な支援が必要不可欠だと思いますが、見解をお聞かせください。
 3、福祉行政について。
 本県の社会福祉施設の果たす役割は大きく、施設の充実は大変重要であります。しかし、建物が老朽化し施設整備が早急に必要な施設も数多くありますが、現状をどのように受けとめているのかお伺いいたします。
 その中でも、今回は八重山地区にある社会福祉法人若夏会(八重山育成園・おもと学園)の改築についてお伺いいたします。
 知的障害者施設おもと学園は定員30名、知的障害者通所授産施設八重山育成園定員40名の施設利用者にとっては、家庭にかわる生活の場であり訓練の場であり働くところでもあります。
 先日訪問したときは、全員で年末にかけて5000個を目標としてしめ縄づくりに頑張っていました。しかし、施設が昭和42年に沖縄中央育成会の児童施設として建てられ37年経過し、かなり老朽化して危険園舎になっています。6畳間の4人部屋、窓も木製で開閉ができず、天井もはがれ落ち防火施設もなく、トイレのタイルやドアもはがれ腐食しカーテンを使用しており、ふろ場も別棟で、雨降りや悪天候の日には支障を来している状態です。施設利用者が知的障害という障害のために差別されることなく、一人の人間として充実した人生を過ごせるためにも優先的に一日も早い施設の改築をお願いしたいと思います。進捗状況とめどはいつごろになるのかお伺いいたします。
 児童虐待について。
 児童虐待の実態と離島における一時保護所の緊急性についてどのように認識しておられるのかお伺いいたします。
 八重山地区に中央児童相談所の分室(駐在所)を設置し、専門の心理士を常駐させる必要性については去る6月議会の質問で訴え、答弁も関係部局と調整し前向きに検討していくとのことでしたが、その後どのように進んでいるのかお伺いいたします。
 女性の保護事業について。
 DV等女性に対する暴力の実態と相談、処理件数、婦人保護施設の現状はどうなっているのかお伺いいたします。
 DV防止法改正(12月2日施行)に伴い、広報・啓発や防止教育プログラムの作成はどのようになっているのかお伺いいたします。
 4、男女共同参画社会実現の諸施策推進について。
 沖縄県女性海外セミナー「女性の翼」事業は、ことしで21回目を迎え268人が研修へ参加し、県内各分野で女性の地位向上、社会参画の促進を図り、社会でリーダーとして活躍しております。
 各種審議会委員や議員等も開始前の役職の重複も含め延べ199人から現在では320人となりかなりの成果を上げており、男女共同参画社会の実現に向けた活動として大きな役割を担っています。
 県の審議会等における女性の登用率は、平成16年4月1日現在で26.3%、市町村は24.8%で目標の30%にはまだ届きません。
 また、日本は政治及び経済への女性の参画の程度を示すGEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)は世界で44位と低位です。そこで、先進国を訪問し女性問題を調査・研究する諸機関、女性団体・施設などの視察研修を通し女性指導者の育成を図ることは大変重要だと考えます。しかし、行革懇話会の中で廃止の声があるようですが、継続は力なりで、このようなすばらしい実績のある事業は何らかの形で継続していただきたいと思います。
 海外「女性の翼」事業の現状と継続についてどのように考えておられるのかお伺いいたします。
 女性総合センター「てぃるる」が指定管理者制度の対象施設33施設の中に入っていますが、どのような考え方を持っておられるのか、御所見を賜りたいと思います。
 5、交通安全対策について。
 平成15年中の県内の交通事故は6127件で過去最高を記録し、平成6年の3096件の約2倍と推移しており、死亡事故も昨年は79人のとうとい命を失っており、まことに憂慮すべき事態です。
 交通安全は私たち県民の願いであり、一人一人が真剣に考え解決すべき最も重要な課題でもあります。交通安全対策についてこれからの情報化社会に対応したシステムの整備が必要不可欠だと考えますが、そこで次の2点についてお伺いいたします。
 県内の地図上に事故情報を書き入れ、交通事故の発生多発地点を明記したマップを作成し、インターネットを通して公開する方法についていかがでしょうか。
 交通安全ニュースのメールを発信し、情報ツールを活用していち早く情報を伝達する方法についていかがでしょうか、御所見を賜りたいと思います。
 「交通安全条例」の制定について。
 交通安全は、本県でも重要施策として取り上げており、沖縄県交通安全対策会議の中で第7次交通安全計画を策定し推進しております。石垣市においては、2003年4月1日に石垣市交通安全条例が施行され、県内で初めて県警から警察官の出向で実効性のある条例にと、年間30回以上の安全講習や実技指導で交通安全に対する市民の意識啓発や啓蒙活動に日夜奮闘しております。
 県民総ぐるみで交通事故を撲滅し、安全で住みよい交通安全の沖縄県を確立する元締めとなる条例の制定について見解をお伺いいたします。
 6、現石垣空港の駐車場整備について。
 念願の新石垣空港もいよいよ大詰めです。ぜひ最後までよろしくお願いいたします。予算化され供用開始まであと9年はかかるとのことですが、現空港の乗降客数も順調に伸び約150万人を突破し利用率が高まる中、現空港の整備も必要不可欠であります。現状を踏まえて安全性と利便性の向上を図るために次の改善措置が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 空港線(定期バス)の停留所と貸し切り(観光バス)の乗降所が同一場所で混雑し危険な状態にあるので、定期バスの停留所をターミナル寄りに設置し、雨降りでも年寄りや子供が安全に乗りおりできるように改善の必要性が高いが、いかがでしょうか。
 また、現在の駐車場は平成7年3月に改修工事が行われ、総面積1万4560平米、収容可能台数393台、その他二輪車40台のスペースが確保されており、最近は空港利用者の増加に伴い駐車場及び周辺の交通量でピーク時には大混雑です。
 そこで、空港駐車場を有料化することについて、夜間駐車の実態、利用者、特に遠距離の方、タクシー関係者からの要望もあり――石垣市からも県の方へ再三要請しているようですが――県としても施設の有効活用や適正な管理運営を図る上からも効果的だと思います。
 一般車両を有料駐車場としての考え方についての見解をお伺いいたします。
 7、南米等県人会とのつながりと国際交流の推進について。
 8月11日から8月28日までの18日間、ボリビア国コロニア・オキナワ移住地50周年記念事業を中心にメキシコ、ペルー、ロサンゼルス、ハワイと外間団長を初め9人の県議団で南米等視察研修へ参加の機会を得ました。今回の研修を終えて、海外で輝いて活躍しておられるウチナーンチュとの出会いの中から、次のことについてお伺いいたします。
 移住者の支援について。
 各国県人会との継続的な交流を推進していくためにどのような施策を展開しているのでしょうか。
 留学生の受け入れ状況はどのようになっているのでしょうか。また、帰国後の留学生の活動状況は把握していますか。
 県の派遣教師の現状と継続についてどのような見解でしょうか。
 国際交流の拠点としての考え方について。
 大使館、領事館と連携し、調査・研究しながら各種分野において交流を深めることが大事だと考えますが、どうでしょうか。
 南米等の県人会を拠点としての国際交流の推進についてどのような考え方を持っておられるのかお伺いいたします。
 以上、よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 辻野ヒロ子議員の御質問にお答えします。
 各国県人会との交流推進についてお答えいたします。
 本県は、各国県人会との継続的な交流を推進するための施策として海外県人会において移住記念周年行事が開催される際に県三役等が参加し、感謝状を贈呈するなど県系人を激励しております。また、県人会活動費の助成や県人会館等の建設に対する補助事業を初めウチナー民間大使に対する支援事業、県系人子弟の人材育成を目的とした県費留学生・技術研修員受け入れ事業、ウチナーネットワークの次世代の担い手を育成するジュニアスタディーツアー等数多くの事業を展開しております。特に、これまで3度開催され延べ約1万人の県系人が参加し熱い交流が展開されてきました「世界のウチナーンチュ大会」については、海外県系人社会との交流推進のための重要な催しとして今後も継続的に行うものとし、第4回大会を平成18年度に実施することとしております。
 県としましては、今後ともこれらの施策を継続しながら海外県人会との交流を推進していく考えであります。
 次に、大使館等と連携し、各種分野で交流を深めることについてのお答えでございます。
 南米等海外移住先国における県系人は、日系人に占める割合が高く、また各国の社会経済分野において模範的で重要な役割を果たしてきており、同じウチナーンチュとして誇りに思うところであります。
 このような県系人の活動については、各国の大使館、領事館も協力的であり、特にボリビアにおいてはODAを活用した幹線道路の舗装計画について共同して現況調査をしており、またJICAの研究施設を活用し農業分野において成果を上げております。今後一層大使館、領事館、JICA等現地機関との連携を深め、さまざまな分野で交流していくことが大事であると考えます。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○土木建築部長(末吉 哲) 波照間空港と多良間空港の夜間照明施設の設置についてお答えいたします。
 両空港における夜間の急患搬送時には進入角指示灯、滑走路末端識別灯を点灯し、ヘリが着陸するエプロンについては、ターミナルビルに投光器を設置して対応しているところであります。今後とも、急患搬送の受け入れ体制については配慮していきたいと考えております。
 次に、現石垣空港駐車場の改善についてお答えいたします。
 石垣空港においては、近年の観光客の増大に伴い観光バス等がふえてきたことにより、空港駐車場では定期路線バスと観光バス等による混雑が発生している状況であります。県では、現在、タクシー乗り場を含めた交通配置計画等の見直し調査を実施しているところであり、その結果を踏まえて対応策を検討していきたいと考えております。
 次に、有料駐車場としての考え方についてお答えいたします。
 駐車場の有料化については、空港利用者の新たな負担増になることから、今後、他県の第3種空港の有料化の状況や社会情勢の動向を見ながら検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 大原・新城ヘリポート等の障害物についての御質問にお答えをいたします。
 地域住民の生命、身体及び財産を保護するための消防業務、救急業務、それに必要な施設・設備の整備は、一義的には地域を預かる市町村が行うものであり、県としては、市町村の消防が十分に行われるよう市町村との連絡及び市町村相互の連絡協調を図りながら充実・強化に努めているところであります。
 現在、竹富町には7カ所――竹富島、黒島、小浜島、西表島東部(大原地区)、西表島西部(住吉地区)、新城島(上地)、鳩間島の急患輸送用場外離着陸施設があります。
 大原・新城ヘリポート等の障害物の除去につきましては竹富町に確認したところ、必要に応じて消防分団や公民館に委託して行っているとのことであります。県としては、急患ヘリコプターが安全に離発着できるよう周辺環境整備について今後とも竹富町を指導してまいりたいと考えております。
 次に、新城ヘリポートの吹き流し破損の修理についてお答えをいたします。
 竹富町に確認したところ、台風対策として公民館長が吹き流し等の取り外しを行っております。今回は、館長が不在のために取り外しをせず被害が発生しております。竹富町は、館長から台風被害報告を受け、早急に吹き流しを購入し取りかえを行っております。今後は予備を備える等対処していきたいとのことであります。
 次に、患者の待機場所の必要性についてお答えをいたします。
 竹富町に確認したところ、診療所のある離島においては、現在、患者の搬送は診療所においてヘリ到着時間まで患者の処置をしながら僻地患者輸送車により搬送を行っているとのことです。また、診療所のない離島においては待機所の設置については設備等を備える必要があり、今後の検討課題としたいとのことであります。県としては、待機所の設置については地元竹富町と相談をしてまいりたいと考えております。
 次に、川平地区の赤土流出の状況と対策についてお答えをいたします。
 石垣市川平湾においては、川平地区、大嵩地区の地先海域に赤土等の流出があり、散在する農地が主な発生源となっております。
 流出防止対策としては、発生源農地へのグリーンベルトの設置や緑肥栽培、沈砂池の整備などが考えられます。同対策については、地元からの要望があれば国及び県の支援について今後検討していきたいと考えております。
 次に、「交通安全のまち沖縄県」を確立するための条例の制定についてお答えをいたします。
 近年における本県の交通事故による死者の数は、平成5年の115人をピークに増減を繰り返しながら漸減傾向にあり、ことしは12月5日現在58人と前年同期に比べて14人少なくなっております。しかしながら、交通事故発生件数は依然として増加傾向にあり、厳しい状況が続いております。県におきましては、増加する交通事故を防止するため市町村を初め関係機関・団体と連携して各季の交通安全運動、高齢者交通安全実践促進事業の実施及び交通安全フェアの開催など交通安全施策を推進しているところであります。
 条例の制定につきましては、貴重な御提言として承りたいと思います。
 留学生の受け入れ状況、それから帰国後の活動状況についてお答えをいたします。
 海外移住者子弟の受け入れにつきましては昭和44年度から実施され、平成15年度までにブラジル、ペルー、ボリビア、アルゼンチン等南米を中心に7カ国から延べ303名を受け入れております。
 帰国後の留学生の活動については、現地の日系企業等に就職したり、大学で勉強を継続したりしているとのことであります。また、沖縄での留学を契機に三線や踊り等の伝統芸能に触れ、帰国後はOB会に加入し文化活動や県人会活動にも積極的に参加しているとの報告があります。県としましては、今後、帰国留学生を人的交流拠点として位置づけ、ウチナーネットワークを拡充・強化していきたいと考えております。
 次に、南米等の県人会を拠点とした国際交流の推進についてお答えをいたします。
 本県は我が国有数の移民県であり、現在、海外に在住する県系人は約32万人に達しております。特に、ブラジル、アルゼンチン、ペルー、ボリビアの南米4カ国だけでも約23万人となりますが、これにハワイを含むアメリカ合衆国約8万人を加えますと県系人全体の約97%を占めることになります。これら南米・北米を中心とする海外県人会は組織・活動内容とも充実しており、ウチナーネットワークの維持拡大及び移住先国との友好親善を図る上で中心的な役割を担うものであると認識しております。
 県としましては、南米等の県人会組織は国際交流の推進を図る上で重要な交流拠点であり、今後とも連携して各種施策を展開していきたいと考えております。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 県内離島診療所の現状についてお答えいたします。
 県内の離島診療所については、県立が17施設、町村立が5施設設置されており、人口規模に応じて1人ないし2人の医師が勤務しております。また、ヘリコプター等添乗医師等確保事業を実施し、救急医療に対応する等地域の県立病院などとの連携による医療が確保されております。
 また、本県における無医地区は、本島北部地域に3地区、八重山地域に4地区の計7地区となっています。これら無医地区においては必要に応じて県立病院等による巡回診療を実施しているほか、周辺に設置されている県立や町村立の診療所が医療提供を行っております。
 続きまして、竹富町立黒島診療所の医師確保についてお答えいたします。
 竹富町立黒島診療所においては、町の委託による医師が週1回の診療を実施していると聞いております。また、県においては、住民の要望に沿って皮膚科や整形外科の専門医による巡回診療を実施しております。
 離島診療所に勤務する医師の確保については、県立診療所においても他県から希望する医師5名を配置する等、県内ですべての医師を確保することが困難な状況にありますが、県としては、今後とも離島に勤務を希望する医師の情報を幅広く収集し、竹富町立黒島診療所の医師等確保について必要な情報を提供するなど、竹富町と連携して対応していきたいと考えております。
 続きまして、八重山育成園及びおもと学園の改築についてお答えいたします。
 社会福祉法人若夏会が設置運営しております知的障害者通所授産施設八重山育成園及び知的障害者更生施設おもと学園については、築後30年以上が経過し、コンクリートの剥離や雨漏りなど老朽化が著しく早期の整備が必要であると考えております。
 なお、障害者施設の改築整備については、県の社会福祉審議会での審議を終え、予算措置について関係部局等と調整をしているところです。
 続きまして、児童虐待の実態と離島における一時保護所の緊急性についてお答えいたします。
 児童相談所が受け付けた県内の児童虐待の相談件数は年々増加しており、平成15年度の相談件数は380件で、そのうち宮古地区が4件、八重山地区が10件となっております。現在、離島における一時保護については、中央児童相談所の一時保護所での保護や、漲水学園等の児童養護施設及び里親への一時保護委託により対応しておりますが、平成17年8月に石垣市に児童養護施設「ならさ」が完成すると当該施設も一時保護委託先として活用することが可能となります。今後とも、離島における一時保護については、里親、児童養護施設の活用により適切に行っていきたいと考えております。
 続きまして、八重山地区への児童相談所の分室等の設置及び心理職の配置についてお答えいたします。
 八重山地区への児童相談所の分室等の設置につきましては、市町村合併の動きも見据え、福祉保健所のあり方の検討を行っているところであり、市町村と福祉保健所、児童相談所が果たすべき役割を踏まえ、八重山福祉保健所に心理職の配置も含めて児童相談所機能が位置づけられないか、引き続き関係部局と調整し検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、DV相談の実態及び婦人保護施設の現状等についてお答えいたします。
女性相談所に機能が付与されている「配偶者暴力相談支援センター」における平成15年度の相談件数は678件で、うち一時保護された被害女性は100人、同伴児童は105人となっております。婦人保護施設は、一時保護期間では問題解決できない場合や、相当長期間にわたり援助が必要な場合に入所させ各種援助を行っており、本年11月末現在、同伴児童と合わせて23人が入所しております。
 同施設では、DV防止法の施行に伴い、これまでの要保護女子への対応に加え、新たにDV被害者の緊急一時保護や自立支援を行うなどニーズが多様化しております。県としましては、今後ともDV被害女性を初め要保護女子の支援に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 川平湾内の船舶の実態と改善策についてお答えをいたします。
 川平湾において、観光客を対象としたグラスボート等遊覧船が常時15隻ほど係留されており、船の乗降及び乗船券の販売が砂浜で行われております。これまで県におきましては、海岸を不法占用し乗船券売り場等を設置している業者に対して指導を行い撤去させるとともに、現在は警告看板を設置して不法占用の防止を図っております。
 今後とも、県関係部局及び石垣市等と連携を図り、それぞれの立場から施策を積極的に展開するよう協力を求めながら、川平湾における環境問題について取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) DV防止の取り組みについてお答えいたします。
 県では、改正「配偶者暴力防止法」の周知を図るため広報誌、新聞、テレビ等により広報を行ったところであります。今後は関係機関と連携し関係者への研修、リーフレット等の作成などの広報・啓発を行っていきたいと考えております。
 DV防止のための教育プログラムについては、効果的なプログラムのあり方を検討するために「DV加害者対策研究会」及び「DV加害者ワーキングチーム」を設置しました。同研究会では、去る11月16日に検討の基礎資料を得るため県内5000人の男女を対象にアンケート調査票を発送したところです。今後、聞き取り調査も行い、アンケート調査の結果とあわせて分析し、平成17年度にプログラムを作成する予定であります。
 次に、「女性の翼」事業についてお答えいたします。
 「女性の翼」事業は、女性リーダーの育成及び女性の資質向上を図り、男女共同参画社会の実現に寄与することを目的として財団法人おきなわ女性財団が実施しており、県は同財団に対して経費の一部を補助しています。
 平成16年度の予算総額706万1000円のうち、県の補助額は129万6000円で、補助率は約18%であります。これまでに268名の方が派遣され、県や市町村議会の議員、審議会や各種委員会の委員、女性団体や地域社会のリーダー等として幅広く活躍しております。派遣された方々の活動そのものが男女共同参画社会の形成に寄与するものであり、また、その皆さんが活動している地域では住民の参画が活発に行われ、男女共同参画社会の形成に向けて大きな効果を上げております。
 当該事業は、「新沖縄県行政システム改革大綱」において平成17年度までとされておりますので、県としては、おきなわ女性財団や関係団体等と連携してリーダー育成の新しい方法や研修体系等を検討し、男女共同参画社会の形成に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 次に、女性総合センターの指定管理者制への移行についてお答えいたします。
 県は、公社等に管理委託している公の施設を中心に平成18年4月からの指定管理者制度への移行を目指し、指定の手続等を盛り込んだ条例の整備に向けた作業に取り組んでいるところであります。女性総合センタ-も県の基本的な考え方を踏まえて指定管理者制への移行を図りたいと考えています。
 以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 交通安全対策システムの整備について一括してお答えをいたします。
 県民に対する交通安全情報の提供に関しましては、平成11年から県警のホームページを開設し県警察の紹介や警察各部門の情報を提供しております。
 交通部門については、交通事故の発生状況や交通事故の特徴、道路交通法の改正状況、免許更新手続等の情報を掲載するとともに、これを随時更新して最新の情報が県民に提供できるようにしているところであります。
 御質問の交通事故多発地点マップについては、本年8月まで県警察のホームページに交通死亡事故発生地点マップを掲載しておりましたが、技術的な問題から一部閲覧できないとの苦情がありまして、現在掲載を停止しているという状況でございます。今後、技術的な問題を解決した上で再度掲載することといたします。また、その内容についても充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、交通安全情報メールの活用については、県内の携帯電話会社と提携し、それぞれの携帯電話会社の開設するホームページの情報サイトや登録会員に対して一斉に送信できる携帯電話メール送信システム等の情報ツールを利用して、「飲酒運転は犯罪です」など交通事故防止のためメッセージを発信できるよう準備を進めているところであります。
 ちなみに、年末年始の交通事故防止対策の一環として「交通安全で楽しい年末年始を」などのメッセージを12月中に発信する準備をしております。今後においては、重大事故発生時や緊急かつ大規模交通規制実施時等にタイムリーな情報発信ができるメールシステムの構築を検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(山内 彰) 県の派遣教師についてお答えいたします。
 ボリビア国教員派遣制度は、計画移民として移住した本県出身者の子弟の教育向上を図るために昭和61年度から実施しております。これまでに17名の教員を派遣し、現在2名の教員が勤めております。
 派遣教員は、現地の要望に応じて音楽、体育及び日本語等の指導を行っております。とりわけ、エイサーや三線の指導については地域社会の活性化と文化の向上に大きな役割を果たしております。今後とも制度の継続に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○辻野 ヒロ子 御答弁どうもありがとうございました。
 2点に絞って再質問したいと思います。
 社会福祉施設の件ですが、来月、文教厚生委員会で視察も予定しておりますが、先ほど審査会も通ったということで、あと財政の問題でぜひ新年度をめどにお願いしたいんですが、もう一歩踏み込んだ答弁をお願いしたいと思います。
 それから、交通安全対策のシステムについては本部長からいろいろいただきました。条例につきまして本県で治安面ではちゅらうちなー条例が制定されて全国で6番目ですが、交通安全条例も全国で実はもう8県行われております。そういう意味でも、県民の人命尊重の基本理念としてぜひ条例の制定をお願いしたいんですが、最後に知事の答弁を求めて私の質問を閉めたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 再質問にお答えをいたします。
 交通安全条例の制定につきましては、同条例を制定している他府県の効果等を見ながら今後対応を検討してまいりたいと思います。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 再質問にお答えいたします。
 先ほども答弁いたしましたが、障害者施設の改築整備につきましては県の社会福祉審議会の審議を終え、予算措置について関係部局と調整しているところであります。
 以上でございます。
○仲田 弘毅 お疲れさまでございます。
 いよいよ本日一番最後の一般質問であります。
 県民の会の仲田でございます。
 稲嶺知事を初め担当部局の皆様方には、長時間にわたり大変御苦労さまでございます。
 私は、さきの9月県議会において諸般の事情をもちまして一般質問を取り下げました。家路についたときの気持ちは本当に複雑でありました。今回、この機会を与えていただきました浦崎唯昭県民の会の代表に感謝をし、所見を述べながら通告に従い一般質問を行います。
 今、国・県・地方を挙げて新たな国づくりへ向けた行財政改革への取り組みがなされております。
 去る8月24日、全国知事会や全国都道府県議会議長会など地方六団体は、取りまとめた国と地方の税財源を見直す「三位一体の改革」、3兆円の税源移譲と総額3兆2000億円の「国庫補助負担金等に関する改革案」を国へ提出いたしました。
 これを受けて、先月11月26日に削減案も盛り込まれ三位一体の改革の全体像が政府・与党で合意されました。三位一体の改革の全体像が義務教育費国庫負担金のうち、公立中学校教職員の給与は、平成17年秋までに中央教育審議会で結論を出すことになっており、中央教育審議会の結論が出るまでの平成17年度予算については暫定措置を講ずるとされております。
 義務教育費国庫負担金制度は、教育の機会均等とその教育水準の維持・向上を図る手だてとして完全に定着し、現行教育制度の重要な役割を果たしてきております。私は、この観点から義務教育費国庫負担金制度は継続すべきだと考えております。
 さきの9月議会の代表質問の中で稲嶺知事が答弁しております。たとえ義務教育費国庫負担金が一般財源化される場合においても、教育水準の維持・発展のためには教職員の人事配置等に支障がないよう明確な財源措置がきっちりとなされる必要があるとの考えであります。
 このような国庫補助負担金の削減による厳しい財政状況においても、重要視すべきは教育と人材育成であります。教育は国家百年の大計、教育は本県の将来を担う最大の根幹であります。教育と人材育成は、現在及び将来においても最大の問題・課題であり、一刻たりとも立ちどまることはできません。
 三位一体の改革が進む中においても、県は学校教育水準の維持・確保のために大きな御努力をされると確信をしております。国際化や社会の価値観の多様化が急速に進む中、これまでの学校教育の取り組みに加え、学校間の整理統合、中高一貫教育、地域の特色ある教育や学校づくりなど、さまざまな創意工夫によりまさに三位一体の改革が目指す地方分権の社会、地方自治体独自の取り組みが今後ますます重要になってくると考えております。
 1番目に、教育問題について質問いたします。 
 子を持つ親は、我が子の成長を見守りながらスポーツ、勉学に一生懸命な子供たちに自分の夢を託し、しっかりと頑張っております。
 小学校、中学校の子供たちがあらゆる原因で学校に行けなくなった不登校問題で苦悩する親、また高等学校への進学率が9割をはるかに超え準義務教育化する中で、我が子にはせめて高校は卒業してもらいたいと願うのも偽らざる親の気持ちであります。特に中退問題は、本県教育にとって10年余の大きな課題であると言われてまいりました。平成14年、15年は1600名、1700名余りの退学者が出ており、その数は実に高等学校2校分の生徒がやめたことになります。進路変更や学校生活不適応、学業不振などいろいろな理由が指摘されております。
 そこでお伺いします。
 (1)、不登校、中退問題の現状はどうなっておりますか。
 また、不登校問題の対策に係る総合施策の中に子どもの居場所づくり推進事業があります。
 (2)として、この居場所づくりのその後の取り組みをお伺いします。
 (3)、県高等学校編成整備計画(平成14年3月発表)において、生徒や保護者の価値観の多様化と選択肢の幅を広げるために新しいタイプの学校がいろいろと注目されております。その一つである中高一貫教育の連携型と併設型について御説明をしてください。
 (4)、その進捗状況をお聞かせください。
 (5)番、数年前から地域に開かれた学校、地域の子供は地域で育て、地域の学校は地域でサポートする。また、県立高等学校では、平成17年度から学区制の拡大により各学校とも特色ある魅力のある学校づくりが今後の大きな課題だと言われております。この学校づくりの中で、今まさにPTA保護者会員はもとより地域社会から信頼される学校づくりが強く望まれていると思いますが、考え方をお聞かせください。
 (6)、21世紀を担う児童生徒の教育と人材育成に大きな使命感を持って、日夜一生懸命御努力をなされております教職の各先生方に平素から感謝を申し上げているところでございます。
 教師は、子供たちに学問や人としての生き方を教える職業であることは言うまでもありません。指導の仕方で子供たちの潜在能力を高め、将来に向けての人格形成に大きな影響を及ぼし、時には人生を左右する重要な役割を担っております。
 しかしながら、昨今の教職員の中にはごく一部ではありますが、職の重みを自覚できない職員がいることもまた事実であります。昨年、文部科学省の発表によりますと、教職員としてあるまじき行為等で処分された教職員が全国で過去最悪の数字である旨の記事がありました。このような不祥事で県民の信頼を著しく失墜させていることはまことに残念でなりません。今こそ親と教師が率先して範を垂れることを真剣に取り組まなければならないと考えております。
 そこでお伺いします。
 県民に信頼される学校教育や学校運営を目指している中で、教職員評価システムの意義について所見をお伺いします。
 (7)、3年前の9・11米本国同時多発テロ事件の結果として、観光産業を中心に関連企業が多大な被害をこうむり、夢と希望に燃える新規高卒者の内定が取り消されるという悲しい2次被害がありました。高等学校は自分探しの3カ年と言われ、特に厳しい就職状況が続く中、県高等学校PTA連合会、県高等学校校長協会の連名で雇用拡大に関する知事要請を昨年4月に行った経緯があります。県のリーディング産業としての観光関連産業が好調に推移する中、経済に大きく左右される就職問題で若年層、特に新規高卒者の就職率はどうなっておりますか。また、取り組みと効果についてお伺いをします。
 (8)、特殊教育諸学校についてであります。
 鏡が丘養護学校において、平成10年から14年の5カ年間実践研究モデル校として県教育委員会から指定を受け、医療的ケアとしての看護師配置が平成13年度からなされました。保護者や医療機関の理解と学校への積極的な協力・連携があったとの報告があります。今後の医療的バックアップ体制について考え方をお聞かせください。
(9)、全国の高校生のスポーツの祭典全国高等学校総合体育大会、知事の悲願でもありましたインターハイ沖縄大会を正式に誘致を表明してからはや2カ年余りが経過いたしました。本県の児童生徒の活躍は目をみはるものがあります。現在の小学校3年・4年・5年生が大会の主役になりますが、その指導者の養成も含めて進捗状況をお聞かせください。
 (10)番、登下校の安全性についてお伺いします。
 全国の都道府県教育委員会の大半が下校時の安全確保が厳しい状況であるとの報告があり、通学路対策で苦慮している旨の報道がありました。それは奈良県の小学女子1年生の下校時における誘拐・殺害された事件を受けての意識調査データであり、児童生徒や親・保護者は大変危惧しております。新聞報道で本県は危機管理マニュアルはないとの指摘がありました。
 お聞きします。
 ア、危機管理マニュアルは存在しますか。またそれは活用されておりますか。
 イ、学校が遠い、通学路の安全性に問題がある、このような学校の対策についてお伺いします。
 2番目に、津堅島定期航路についてであります。
 平成12年の国の規制緩和などによる問題で県への陳情に関してであります。
 与勝半島においては5つの離島がありましたが、現在、勝連町津堅島は地元で唯一の離島であります。離島地域の振興及び地域住民の福祉・生活向上のため平敷屋港と津堅港間に定期船が運航しております。この航路は、636名の津堅区住民の利便性を図りながら、必要不可欠な交通手段として生活物資の輸送や本島への通勤・通学を含め公的役割を十分果たしてきており、離島振興策にも大きく寄与しているものと考えております。
 そこで次について伺います。
 (1)、津堅島の離島航路及び指定航路の現状の説明をお願いします。
 (2)、県内で経済基盤の弱い離島を抱える各自治体も同様だと思われますが、国庫補助対象航路になっているかどうかお伺いします。
 (3)、民間海運産業の育成指導の立場からこの航路が健全な経営がなされているかどうか、県の見解をお伺いします。
 3番目に、基地への入域タクシーについてであります。
 私は、去る6月県議会において日米地位協定についての所見を述べさせていただきました。米軍優位の差別的扱いであることが各方面から指摘を受けていることは言うまでもありません。1960年(昭和35年)1月に締結され、ことしで既に44年にもなる同協定は、日米安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに我が国における合衆国軍隊の地位に関する協定であります。
 本県においては、半世紀有余にわたり今もって全国の米軍基地の75%が集中する中、基地の運営から派生する事件・事故や環境問題、軍人・軍属等による犯罪などから県民の生活と人権を守り、県民の福祉向上を図るためにはいま一度同協定を見直す必要があり、抜本的な改革をより多くの県民が希望しております。
 このような状況下で米軍基地への入域タクシーに対する入域料問題があり、業界からの報告によりますと、不況の中、レンタカー業界の大幅な進出もあり、経営の圧迫を強いられているとのことであります。米軍基地は我が国からの提供施設であり、土地や水道・光熱・人件費等は思いやり予算でもって賄われております。米軍人・軍属の交通利便を図る目的で基地内に出入りする県内法人・個人タクシーがなぜ入域料を払っているかについては具体的な法的根拠が不明確であります。
 そこでお伺いします。
 (1)、米軍基地入域タクシーの有料制導入の経緯を説明してください。
 (2)、基地へ出入りして稼働しているタクシーの台数は現在どの程度ですか。
 (3)、1台当たりの入域料金はどの程度ですか。
 (4)、その料金の総額はどの程度になりますか。
 (5)、徴収料金の使途はどのようになっておりますか、お聞かせください。米軍関係機関で入域料を徴収している問題で、県外の所在地では入域料を支払っていないとのことであり、資料では本県のみと言われております。
 (6)、本土における米軍基地も同等であるかどうかお伺いします。
 (7)、3年前の9・11テロ事件以降、基地内への出入りが大変厳しい状況にあるとのことですが、従来、信頼関係で運営されていたと聞いております。
 伺います。
 平成16年9月、契約更新で入札制を一方的に提案され、料金が高額になっておりますが、県はそのことに関してどう思いますか。
 (8)、また、県は平成14年に、米軍関係機関の料金徴収は管理権の行き過ぎた運用ではないかとのコメントを出した経緯があります。日米地位協定との関連について県の見解をお聞かせください。
 以上で質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 仲田弘毅議員の御質問にお答えいたします。
 全国高校総体についてでございます。
 平成22年度開催予定の全国高等学校総合体育大会は、観客数が延べ60万人規模の国内最大のスポーツイベントであります。本大会はスポーツの振興はもとより、青少年の健全育成並びに本県の観光振興にも大きく寄与するものと考えております。現在、会場地選定委員会を設置し、主会場及び競技種目別会場地について市町村や競技団体等と調整を進めており、本年度中に会場地を内定することにしています。
 また、競技力向上対策としてスポーツ教室やコーチ招聘事業等に取り組んでおり、広く県民の理解のもと、沖縄の特性を生かした大会の開催に万全を期してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○教育長(山内 彰) 最初に、教育への熱き思い、ありがとうございます。
 お答えをします。不登校、中途退学についてお答えします。
 昨年度の不登校児童生徒数は1590人で、これはピークであった平成11年度の2216人から626人減少してきており、比率も全国の比率を下回っております。このことは指導・支援カルテの作成・活用、スクールカウンセラー、巡回教育相談員などによる児童生徒一人一人へのきめ細かな対応の効果ととらえております。
 また、昨年度の中途退学者数は1090人で前年度より550人減少し、初めて全国の中退率を下回っております。このことは、各学校で中退率の目標値を設定した具体的な指導、そして指導・支援カルテの作成・活用、校内進級規程の見直し、生徒就学支援センターの設置による個別的・体系的な支援などきめ細かな対応の効果ととらえております。
 次に、「子どもの居場所づくり」についてお答えいたします。
 大人と子供が触れ合い、かかわりを持つことは教育的に大きな意義があります。現在、子どもの居場所づくり事業として県内208カ所で延べ約63万人の子供と大人がつながりを持ち、活動が展開されております。その内容として、郷土の偉人を題材にした演劇や海辺の生き物観察、花づくりやクリーン活動などがあります。参加している子供や大人の声として、学年の違う友達ができ、大人と知り合いになれた、子供と活動して張り合いが出てきたなどがあり、当初のねらい達成への機運が醸成されつつあります。
 中高一貫教育とその進捗状況について一括してお答えします。
 中高一貫教育の特色としては、6年間の計画的・継続的な教育指導、異学年による活動を通した社会性の育成、高校入試の影響を受けないゆとりある学校生活などであります。実施形態としては連携型、併設型及び中等教育学校の3つがあります。連携型は、既存の中学校と高等学校が教育内容等で交流を深めるもので、併設型は同一の設置者により中学校と高等学校を接続するものです。現在、与勝地区における併設型の中高一貫教育校について学校や地域の意見等を踏まえながら、学校設置準備委員会等の中で検討を進めております。
 次に、信頼される学校についてお答えいたします。
 学校は地域の中にあり、地域とともに歩むものであります。学校と保護者・地域が相互に信頼し合い、生徒個々人の多様な興味・関心や能力・適性、進路希望等に対応する魅力ある学校が信頼される学校であると思っております。信頼される学校は情報の提供、授業の公開、学校評価、地域住民等の学校運営参画などが取り入れられ、十分機能している学校であると認識しております。
 次に、教職員評価システムの意義についてお答えいたします。
 教職員評価システムの意義は、幼児・児童生徒を伸び伸びと健やかに成長させることにあります。そのために教職員個々の職能成長を促し、学校を活性化させ、その総合的な教育力を高めることにあります。
 次に、就職率についてお答えいたします。
 今年3月の県立高等学校卒業者の就職決定率は70.8%で、これは前年度より10ポイント改善しております。このことは、就職相談補助員の配置やインターンシップの推進等による進路ガイダンスの充実、各学校の求人開拓、沖縄労働局や県商工労働部による合同面接会、県外企業職場体験実習の開催等により大きな効果があったものと考えております。今後とも地域や父母及び国や県の関係機関と連携し、高校生の求人開拓を強力に推進していきたいと考えております。
 看護師の配置についてお答えいたします。
 特殊教育諸学校における医療的ケアについては、校内体制整備のあり方に関し研究を進めてきました。成果としては学校への信頼感が高まったこと、医療的バックアップ体制の整備の必要性が確認されたこと等であります。県教育委員会としましては、関係機関と連携し、看護師の配置を継続して体制の充実に努めていきたいと考えております。
 次に、危機管理マニュアルの活用、通学路の安全対策について一括してお答えいたします。
 現在、すべての学校で危機管理マニュアルが作成されております。地域の実情に応じて作成された危機管理マニュアルを活用して、登下校の児童生徒の安全対策が実施されております。具体的な取り組みとしましては、学校職員、PTA、地域ボランティア及び警察などが連携した通学路の立ち番活動、巡視・巡回活動、広報車等による啓発活動が継続して実施されています。
 また、遠距離通学の安全確保については児童生徒による集団登下校、保護者同伴による登下校や車による送迎が行われております。さらに児童生徒による地域安全マップ作成を推進し、危険回避能力の向上に努めております。
 以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 津堅航路の現状と航路補助についての御質問に一括してお答えします。
 津堅航路には平成14年に新たな航路事業者が国の許可を受け就航し、現在、勝連海運を含め2社が運航しております。国・県の補助対象航路は、「他に交通機関がない地点間を連絡する航路」、すなわち「1事業者のみの運航」であることが要件となっておりますが、津堅航路は平成14年7月に2社が運航することとなり、それ以降補助対象外の航路となっております。
 次に、航路事業者の経営状況についてお答えします。
 津堅航路を運航している2社の経営状況については詳細には把握しておりませんが、勝連海運合名会社からは、同航路に平成14年7月以降新たな航路事業者が参入し、国・県の補助が受けられなくなったことから経営状況が厳しいとする嘆願書が届いております。県としましては、住民の生活の足や物資の輸送手段を確保する観点から、国及び地元自治体と連携を図り、航路事業者の今後の動向を見ながら適切に対応していきたいと考えております。
○知事公室長(府本禮司) ベースタクシーの有料制導入の経緯と台数について一括してお答えいたします。
 基地内へ入域しているいわゆるベースタクシーは、平成元年以前は米軍側が発行する身分証明書を所持していれば自由に基地内に出入りできましたが、平成2年ごろから米軍関係者の福利厚生を図るため、独立採算制で運営される歳出外資金諸機関の一つであるAAFESとの契約制に移行したことにより有料になっております。現在のベースタクシー台数は、AAFESによりますと265台とのことであります。
 次に、無料制への移行についてお答えいたします。
 先ほども御説明したとおり、米軍基地内でクリーニング業や理髪店等の業者が各種の営業活動を行うに当たっては、入札によりAAFESと契約し一定割合の営業権料を毎月支払っているとのことであります。ベースタクシーの入域料は、この営業権料に当たるものであるとのことであり、県としてはその契約は双方の合意に基づいて行われていると考えております。
 また、入札による料金は、入札希望者が採算性を考慮して行った申し込みに基づき決定されるものと考えております。したがって、県としては当事者の対応を見守っているところであります。
 次に、ベースタクシーの料金、料金総額及び使途について一括してお答えいたします。
 AAFESによりますと、現在の1台当たりの料金は、入札の結果、基地ごとに異なっており、その最高額は月額8万200円で、最低額は月額3500円であり、1カ月の全台数の料金総額は約690万円とのことであります。その使途につきましては、施設の維持管理等の運営費や米軍人等の福利厚生費などに充てられているとのことであります。
 次に、県外の状況についてお答えいたします。
 AAFESによりますと、AAFESが活動している横田基地、キャンプ座間及び三沢基地のうち、横田基地とキャンプ座間ではベースタクシーの入域が認められておらず、三沢基地では本県と同じように入札制が導入されており、現在の料金は1台当たり月額4500円とのことであります。また、その他の基地については、渉外知事会加盟都道県へ問い合わせたところ、無料でできる基地、入域自体が認められていない基地などがあり、状況は地域によって異なっております。
 次に、入札制の導入等につきましてお答えいたします。
 AAFESによりますと、入札制導入以前は競争を排除しており不適切であったため、基地内で営業を希望するすべてのタクシー業者に対する公平・平等の観点から入札制を導入したとのことであります。入札による料金は、入札希望者が採算性を考慮して行った申し込みに基づき決定されるものと考えております。
 次に、日米地位協定との関連についてお答えいたします。
 外務省によりますと、ベースタクシーから料金を徴収することについては、日米地位協定第15条に基づく歳出外資金諸機関は、米軍関係者の福利厚生を図るため独立採算制で運営されることが前提とされており、同機関が契約者等からの料金の徴収等で運営され得ることは、独立採算制を前提としている以上、当然認められるものと解されているとのことであります。AAFESによりますと、米軍基地内でクリーニング業や理髪店等の業者が各種の営業活動を行うに当たっては、入札によりAAFESと契約し一定割合の営業権料を毎月支払っているとのことであります。ベースタクシーの入域料は、この営業権料に当たるものとのことであり、県としてはその契約は双方の合意に基づいて行われていると考えております。
 以上でございます。
○議長(外間盛善) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程は、これで全部終了いたしました。
 次会は、13日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後8時15分散会

 
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