○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた公安委員会委員長比嘉良雄君は、別用務のため本日、25日、28日及び3月1日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び3月1日の会議に公安委員会委員安里昌利君、2月25日及び28日の会議に同委員会委員幸喜徳子君の出席を求めました。
また、労働委員会会長垣花豊順君及び人事委員会委員長嘉手納成達君は、所用のため本日から2月25日まで及び28日から3月2日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として労働委員会事務局長佐久間盛喜君及び人事委員会事務局長宮城嗣三君の出席を求めました。
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○議長(外間盛善) この際、念のため申し上げます。
本日から25日まで及び28日から3月2日までの7日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(外間盛善) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
小渡 亨君。
〔小渡 亨君登壇〕
○小渡 亨 おはようございます。
会議規則にのっとりまして自民党を代表して質問を行います。
1番目、知事の3選不出馬発言について。
稲嶺知事の3選不出馬発言が今大きな波紋を引き起こしております。知事がどのような意図を持って発言されたかは知る由がございません。しかし、県政の最高責任者である知事の今後を決める重大な発言であるだけにさまざまな憶測を呼んでおります。私が心配するのは、このことにより知事の求心力が低下し、政府の沖縄に対する関与が減少し、県政に活力がなくなるということであります。このような発言は関係者と十分に協議をし、政治の情勢を判断し、発言の時期等タイミングが最も大切であると考えます。知事の発言は、一言一言が県政に影響を与えることを考えていただきたいと思います。
質問です。
知事は、1月21日、管理者特別研修の講話で、2年後はまるっきり違う人間になるとの趣旨の発言をし、これが3選不出馬発言とされ報道されておりますが、知事はみずからの発言の真意を説明する必要があると思いますが、知事の所見を説明してください。
2番目、戦後60年を迎えた国内情勢について。
(1)、憲法改正について。
ことしは日本国憲法がマッカーサーの占領下で施行されてから58年になります。制定過程もさることながら、国家の基本法としてていをなさない内容に国民と国会議員の8割近くが憲法改正の必要性を認めるようになりました。社民党や共産党を除く各政党はおのおの憲法改正についての論点を整理しつつあり、政治日程に上がってきました。
自由民主党は、1955年の結党以来50年目の節目をことしの11月15日に迎えます。昨年の総選挙で、この日までに憲法草案をつくることを国民の皆様に約束しております。やっと待ち望んだものが見えてきた感じがいたします。
振り返ってみると、現憲法は「主権在民」、「戦争放棄」、「基本的人権の尊重」を基本理念だと教わってまいりました。そして声高に憲法を守れ、それ人権、やれ人権、自衛隊は憲法違反だ、米軍は出て行けなどと叫ぶ人が政治的にも社会的にも大きな影響力を持つようになりました。
その中で崇高な使命である国家防衛の志に燃えて私が防衛大学校の門をくぐったのが昭和47年4月1日です。その一月半後の5月15日に沖縄は祖国日本に復帰をしました。そして自衛隊が米軍にかわって配備され、家族とともに沖縄に転勤した自衛隊員もたくさんいました。ところが、沖縄の市町村役場で転入届を受け付けず、そのため子供たちの転校の手続さえもできないという事態が起こりました。自衛隊は憲法違反であるからそこで勤務する自衛官も憲法違反、したがって一般行政サービスの外に置かれても仕方がないという、憲法22条の居住、移転及び職業選択の自由を完全に無視したひとりよがりの理屈のようでありました。幾ら自分たちの思想信条に相入れないからといって、自衛官でもないいたいけな子供たちにまでこのような仕打ちをしている、現地の状況を防衛大で聞いて私は激しい憤りを覚えたものです。護憲を叫ぶ人々の憲法を無視した基本的人権侵害そのものでありました。
住民基本台帳法では、転入、転居、世帯変更は14日以内に届け出なければなりません。これに違反すると過料とあります。しかし、届け出ても役所の職員が受け付けてくれません。明らかに地方公務員法違反であります。しかし、これにより役所職員が処分されたという話は聞いたことがありません。護憲・平和・人権を至上とする社民党、―――の左翼政党、その傘下の組合員によって自衛官やその家族に対する憲法に名をかりた無法な暴挙を私は決して忘れることはありません。これも時の政治家が憲法を改正しようとはせず、憲法9条を都合よく解釈してきたひずみだと私は思います。
国際的には、国家による国防政策は国民に対する最大の福祉政策と言われており、そのような意味でも現憲法には欠陥が多過ぎます。
私は、科学技術の進歩や少子・高齢化の進展、環境問題、国際情勢の変化など新たな課題に的確に対応できるようにするとともに、歴史・伝統・文化に根差した我が国固有の価値や日本人が元来有してきた道徳心など健全な常識を大切にし、憲法を通して国民の中に自然に国を思う心、つまり愛国心が芽生えてくるような憲法にしなければならないと考えております。
幸い、国民の間にも憲法改正に賛成する声が高まってきており、今の時期が我が国がみずからの手で自主憲法をつくり上げる好機であると考えます。
このことを踏まえて質問します。
ア、第2次世界大戦後、日本と同じ敗戦国のドイツ、イタリアでの憲法制定状況と、それぞれの国で今までに何度憲法が改正されておりますか。
イ、昨年12月に日本世論調査会が行った「憲法に関する世論調査」によりますと、憲法改正容認が79%に上り、改正時期について44%が3年未満と答えております。また、県内の新聞社が行った調査においても、改正すべきと答えたのが52%と過半数を超えております。この調査結果について知事の見解を示してください。
ウ、日本経団連は、憲法改正に必要な国民投票法の早期制定や、集団的自衛権の行使を明示することなどを求めた改憲提言を発表しておりますが、これについて知事の見解は。
エ、私学助成と憲法89条の関係について知事はどう考えておりますか。
(2)、教育基本法の改正について。
平成12年12月に教育改革国民会議が出した最終報告において、新しい時代にふさわしい教育基本法をと提言したのに端を発し、平成15年3月20日、中央教育審議会は答申の中で、昭和22年に施行されて以来、一度も改正されなかった教育基本法の改正に初めて言及しました。
我が国は、戦後占領下で成立した教育基本法により戦後教育改革がなされてきました。その特徴は、余りにも個人の「個」を強調し、限りなく権利と自由を追求していくことであります。本来、権利の裏には義務があり、自由の裏には責任があるはずです。権利・自由と義務・責任は表裏一体でなければなりません。さらに公を大切する、あるいは国を守ること等はすべてマイナスとして教えてきております。その結果、すべての価値判断が自分にとって損になるか得になるかという利己的な日本人が多くなってしまいました。
このような観点でとらえた場合、現在学校現場で起こっているさまざまな問題、校内暴力やいじめ問題、不登校問題、教師の自信喪失問題等は、伝統の尊重、道徳教育の充実、家庭・家族の尊重等の人間社会に当然あるべき要素が欠落していることから来ていると思います。国家百年の大計は教育にあります。21世紀を切り開く心豊かでたくましい日本人の育成を目指す観点から質問します。
ア、戦後60年を迎え、我が国の教育環境、社会情勢、国際交流等大きく変化をしてきております。現在の教育基本法では、このような社会変動にもはや的確な対応ができないというふうに思いますが、知事はどう思いますか。
イ、中央教育審議会は、新しい教育基本法と教育振興基本計画のあり方について答申しているが、教育基本法のあるべき姿としてどのような提言をしているのか。
ウ、中央教育審議会は、その答申で、21世紀の教育が目指すものとして心豊かでたくましい日本人の育成を目指しております。これは社会の現状、教育現場に対する社会の批判等の反省から出たものと思いますが、知事はどのように考えておりますか。
エ、東京都は、公立の小・中・高校の卒業式と入学式で国歌斉唱の際に校長の職務命令に反して起立しなかった教師約200名余りを処分しました。法で定められたものを「信条の自由」で拒否する者に公立の教師たる資格はないと私は考えますが、県内における現状と県教育庁の対応はどうなっておりますか。
(3)、有事関連法(国民保護法)について。
戦後、我が国では戦争とか有事とか基地とかいうものは悪なんだという国際感覚からかけ離れた特異な考え方があります。それに加えて防衛問題を避けたがる風潮がありました。大学においても国際政治学という分野はあっても軍事学とか軍事戦略、安全保障についての講座はありません。私は、今一番大学の学問の中で欠落している分野だと思います。そのような我が国の状況を大きく変化させたのは小泉総理による日朝首脳会談でありました。
社民党を中心とする左翼政党、朝鮮総連、マスコミ等は、北朝鮮による拉致は自民党によるでっち上げであると直前まで言い続けておりました。NHKを中心とするマスコミも以前は北朝鮮の次に必ず朝鮮民主主義人民共和国と言っていたのが、今では北朝鮮と呼び捨てです。
国民が隣国北朝鮮の実態を知るに及んで、有事関連法案は野党の抵抗もほとんどなくスムーズに成立しました。私にとっては大変な驚きでありました。有事すなわち戦争に際して国民の生命財産の保護を目的とした国民保護法制が施行されたのを受け、政府は国民の保護に関する基本指針の要旨を公表しております。これにより、地方自治体においても地域の実態に即した住民避難の手順など国民保護計画の策定が本格化しております。
本県においても、有事に備え協力を義務づける指定地方公共機関の候補法人として47機関を決め、本年度中に県の国民保護計画案をまとめる方針だということであります。
国民保護法は、国や自治体等に対し通常の災害と同様、住民を守るために自衛隊の派遣要請、被災住民を救護するための民有地の使用、それに物資保管についての知事の強制権、違反者に対する罰則等を定めたものであります。その他自衛隊の行動に関しても明確に定めております。この法制に対しては自治体や指定機関等に新たな財政負担を強いることや住民の私権の制限につながるとして相も変わらず懸念を示す声があります。
このことを踏まえて質問します。
ア、有事に際して国民を保護する観点から、国民保護法に基づき国民保護計画の策定が必要となるが、県の計画の概要を説明してください。
イ、国民保護法に基づく、有事に際しての協力を義務づける指定地方公共機関として民間の47法人を候補として挙げたようでありますが、その選定方針や基準等は何でありますか。
ウ、本県は中小企業が多く、他県に比べ負担が重くなることが予想されます。さらに離島の業者は事業規模が小さいのが現状であります。負担軽減に向けどのような支援がなされるのか説明してください。
エ、国が指定する公共機関と県知事が指定する地方公共機関の選定基準の違いは何なのか説明してください。
オ、我が国においては、有事に際しての国民保護の問題は戦後60年余り全く論議されなかった分野であり、自治体においては具体的な業務の蓄積や先例がありません。今後、市町村においても国民保護計画がまとめられるようでありますが、県はどのような指導をしていくつもりなのか説明してください。
カ、県は、国民保護計画の基本指針について国に対し意見を送付したということでありますが、その内容を説明してください。
キ、本県には、他県と違い有事の際に我が国のために活躍してもらう在沖米軍が駐留しております。有事の際に県レベルでの県と現地米軍との国民保護に関する対処要領等を策定する必要があると私は思いますが、知事はどう思いますか。
3、地方分権の推進について。
我が国の政府行政形態は、明治以来、中央集権型行政システムが維持されてきております。これは国家統一のために地方の自治をある程度制限し、また経済発展のために権限あるいは財源、そして情報を中央に集中させ、全国を統一性と公平性を重視するためにとられた措置であります。これにより限られた資源を中央に集中し、これを地域間に配分し効率的に活用した結果、我が国経済の発展に大きく貢献し、国民の大多数が中流意識を持つようになり、経済大国に押し上げる言動力になったことも疑いない事実であります。
同時に、すべての権限や情報を中央に集中する余り地方における個性の衰退を招き、官僚による通達行政、裁量行政、補助金行政依存の体質を助長する結果となったこともまた事実であります。
我が国を取り巻く国際・国内環境が大きく変化をし、特に停滞の10年と言われた経済不況に見舞われるに及んで国と地方のあり方を見直す機運が出てきました。地方分権発想はこのような状況の中から出てきたものであり、今まさに国と地方との間で真剣な論議が続いているところであります。
現在、議論の中心となっているのが三位一体改革であります。三位一体改革は、地方が決定すべきことは地方みずからが決定するとの地方自治本来の姿を実現するため、国庫補助金制度、地方交付税制度を見直し、財源の地方への移譲を三位一体で行うというものであります。
このように地方への権限・財源移譲は、反面、自己責任も伴います。本県は、自主財源が少ない上に市町村の税の徴収実績は全国最下位にあると言われております。地方分権への体制をどのように確立するのか問題は少なくありません。
(1)、三位一体改革の本県への影響について。
ア、平成16年度から18年度にかけて国の進める三位一体改革は、平成17年度の国と地方との調整が決着したことでその全体像が決まっておりますが、県は今回の決着に対しどのような評価をしているのか見解を示してください。
イ、従来の高率補助をさらに沖縄振興特別交付金ということで本県の高率補助は維持されておりますが、三位一体改革と高率補助の維持とは相反するものであると私は思います。将来、地方分権を見据えての知事の見解を求めます。
ウ、沖縄振興特別交付金とは、その名称からしても使い方については県の自由度が認められたものであると思いますが、従来の高率補助との違いは何か説明してください。
(2)、税源移譲に伴う県内市町村の対応について。
ア、三位一体改革により地方に財源移譲が行われておりますが、本県への移譲分はどの程度か説明してください。
イ、市町村の税の徴収実績は全国的にも最低レベルであると言われておりますが、その原因はどこにあると考えているのか、またそれに対する対応はどうなのか説明してください。
4、県財政の健全化について。
我が国は、長い経済の低迷により国民生活に多大な影響を与えてきました。現在はわずかに持ち直し、経済活動にも活力が戻ってきているようであります。しかしながら、少子・高齢化の進行、それに伴う労働力の減少等により不安も消えないのが国民の実感であります。
一方、本県においては国による三位一体改革による財源の減少、慢性的な自主財源不足、加えて厳しい雇用情勢等、県財政は沖縄振興計画が3年を経過しても厳しい状況は何ら変わっておりません。地方分権、自立型経済を目指すと言いながら、米軍基地関連収入が県経済の下支えをしている現状においては、米軍基地を抜きにしては県経済及び県の財源は成り立たないのが実態であると私は思います。
さらに本県は離島県であり、特に数多くある離島町村における財政は破綻の危機にさらされていると言われております。国においても地方の窮状を救える力が現在失われていることもあり、地方独自の自助努力による財政の健全化が求められているところであります。財政の健全化に向け、県や市町村はどのような対策を講じるのか、県はどのように市町村を指導していくのか、これらを念頭に次の質問をします。
(1)、県財政の現状について。
ア、県の発表した平成15年度のバランスシートによると、県の借金に当たる県債残高は過去最高の6528億円にも達し、県民1人当たり約48万円にもなっております。そこまで押し上げた原因は何か説明してください。
イ、県債の推移を見ると、平成13年度までは下降線であったものが、平成14年度からは上昇しております。その要因は何なのか説明を求めます。
ウ、財政の健全化を図るためには公債費や義務的経費の軽減を図るほか、収入未済額の解消を図る等内部改革が求められます。過去3年間の改革の実績を説明してください。
エ、三位一体改革が進行している中、県は財政の健全化を図るためどのような改革を断行しているのか、また将来どのような改革を計画しているのか説明してください。
オ、米軍基地が本県経済振興の阻害要因となっており、基地経済から脱却しなければ本県の自立はないと知事はよく述べておりますが、基地関連収入が県経済の大きなウエートを占める現状において、基地の存在を無視して県の自主財源の確保は可能であると考えているのか、知事の考えを説明してください。
(2)、自主財源の確保について。
ア、全国一自主財源が低いと言われている本県の財源の内訳と自主財源の割合はどうなっておりますか。
イ、全国的に地方自治体独自の財源確保策が打ち出されておりますが、本県においても産業廃棄物税の導入を進めるなど努力もしております。県の自主財源確保の中長期的計画を説明してください。
ウ、市町村においても独自の財源確保を計画しているところも出ているようでありますが、現在の取り組み状況を説明してください。
(3)、行財政改革の推進について。
ア、事務事業の効率的運用や見直しは、財政運営と並んで県財政の健全化を図る上で重要でありますが、事務事業費見直しはどの程度の成果を上げておりますか、具体的な数字を示してください。
イ、県は、4月から新しい組織体制に移行しますが、これにより事務費、人件費にどの程度の改革が見込めるのか説明を求めます。
ウ、出先機関及び外郭団体等の存廃を含めた見直しについての進捗状況と今後の計画を説明してください。
エ、商工部門や農林部門にある研究機関についての一元化や統合計画をしているようでありますが、それについての現状を伺います。
オ、知事部局、教育委員会、公安委員会のそれぞれの出先機関、外郭団体への本年度のいわゆる天下りの実数と次年度見直しの計画をそれぞれ機関・団体名等を、そして影響力を及ぼす組織等に対しての名称等も挙げて詳しく説明を求めます。
(4)、次年度の予算編成について。
ア、平成17年度予算の国庫補助事業については大方確定しておりますが、沖縄振興計画に基づく各種事業を推進するための予算は確実に確保できておりますか説明してください。
イ、今回創設された沖縄振興特別交付金は、知事と小池百合子沖縄担当相が国と地方との協議の場で了解を取りつけたことが創設につながったということでありますが、知事はこのことをどのように評価をしておりますか。また、沖縄振興特措法の存続中は毎年この特例交付金は続けられるのか説明してください。
ウ、平成17年度予算の重点事業について、その選定の基本姿勢と県経済に及ぼす効果をどのように図っておりますか。
5、雇用失業問題について。
本県における雇用状況は依然として好転の兆しになく、失業率も7%から8%台を推移しており、特に若年者の失業率は深刻であります。県は、これまで沖縄振興計画に基づく各種施策を活用し産業の振興と雇用の創出に努め、職業能力の開発と人材の育成に傾注してきたところであります。しかしながら、この5年間における県内の雇用状況、失業率の状況を見ると、県の雇用対策や特に若者を対象とした施策に疑問を禁じ得ません。
質問します。
(1)、若年者の雇用対策について。
ア、年間800名程度の採用枠の中で県内の若者1万人以上が毎年願書を提出し就職を希望している米軍基地は、現在8000名もの雇用を抱えている県内で最大かつ準国家公務員として安定した就職先であります。1万人以上が待機している中で県は雇用の拡大を米軍に要請したことはありますか。
イ、ことし卒業する高校生の就職内定率は、全国平均で67.7%と前年度を上回っておりますが、本県は32.3%と全国で最も低い結果となっております。県は、この結果についてどのように分析しておりますか。
ウ、本県の若者の雇用情勢は依然として改善されておりません。県は、これまでどのような施策を実施してきたか。また、今後展開する施策を説明してください。
エ、他県におけるフリーターは、定職につくことなく自由な気軽さを求めている者が多いが、本県は就職難から仕方なくフリーターをしている者が多い。年齢が高くなることは本人だけでなく本県経済社会にとっても深刻な問題となりますが、その実態と県の対策を説明してください。
(2)、失業率の改善について。
ア、沖縄県職業安定計画で雇用を促進し失業率の改善を図るため具体的な数値目標を設定し、産業振興と一体となった施策を展開するとしておりますが、計画期間3年間の実績と今後の課題について説明を求めます。
イ、三位一体改革による公共事業関連費の削減の影響は、県内の公共事業従事者の短期的失業者の増大につながると考えられますが、県はどのような対策をとるのか説明してください。
ウ、失業率の推移は平成10年度から大きく上昇しております。完全失業率は7%を超え、若年者失業率も14%を超えるようになりました。現在までこの状態が続いておりますが、この原因・背景に何があるのか。また、その原因等の克服はできないのか伺います。
6番目、中城湾港地区の事業について。
(1)、新港地区について。
ア、東埠頭へ入港する船舶の航路や泊地のしゅんせつはいつから始める予定なのか。また、土砂の余った分はどう処分するつもりなのか説明してください。
イ、供用開始されている西埠頭は、安謝新港に比べ港湾作業において使い勝手が悪く効率的ではないとよく言われておりますが、具体的に何が効率が悪いのか説明してください。また、改善策はどうなっておりますか。さらに、東埠頭はその反省が生かされて整備されているのか説明をしてください。
ウ、西から東へ移動する臨港道路1号線は、3.8ヘクタールの広大な公園のすぐ前を通っており、一見しただけで危険であります。なぜ公園の前にあのような4車線道路を通したのか説明してください。
(2)、泡瀬地区について。
ア、中城湾港泡瀬地区の埋立事業については、昨年中断していたのがやっと海上工事が再開され本格埋立工事へと動き出した感がしますが、今後、作業はどのように進められるのか説明してください。
イ、本格工事着工に向け新種・希少種の調査、海草の移植等の課題解決のための詳細調査、技術の確立は進んでいるのか説明を求めます。
1回目終わります。
○前田 政明 議長、先ほど小渡議員の発言の中に共産党云々という主張がありましたが、これは事実に反するものと思われます。したがって、直ちに議事録を起こしていただきたい。その後、議事録を見て対応したいと思います。(発言する者あり)
議長、ちゃんと共産党云々の発言があるんだよ。議事録を起こしていただきたい。
○議長(外間盛善) 進行させていただきます。本会議中です。このことは、また後で取り扱いたいと思います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
小渡亨議員の御質問にお答えいたします。
最初は、私の3選不出馬報道についてお答えいたします。
私の発言については、その反響の大きさに驚いているところであります。報道後、私を支持する団体や多くの方々から、前回の選挙で全市町村で勝利をおさめ20万の差を超える歴史的圧勝をしたのは、それだけの県民の支持があったからである。とするならば、その県民の負託にこたえるためこの4年間を全力疾走し、次の選挙に出馬するかどうかもその時点で県民の意思に任せるべきであるという意見が多く寄せられております。
私としましては、米軍再編協議を初めとした基地問題や産業の振興、大学院大学の設置に向けた環境整備、環境・医療福祉、人材育成及び教育と文化の振興など県政の課題が山積しており、それに対して全力で取り組んでまいります。その後については、私の実績についての県民の評価と判断を仰いでいきたいと思います。
次に、憲法に関する世論調査の結果についての御質問にお答えいたします。
憲法に関する世論調査の結果については、時代の変化に応じて国民の認識も変化してきたことのあらわれであると理解をしております。
次に、日本経団連の改憲提言についての御質問にお答えいたします。
日本国憲法第96条においては、「憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。」と定められております。憲法については、現在、衆参両院に設置された憲法調査会において広範かつ総合的に調査されているところであります。
憲法問題については、日本経団連を初めさまざまな団体等によるさまざまな意見や提言があり、国民の間で議論が高まりつつある状況を見ますと、私は、時代の変化に応じて検討する必要があると思いますが、時代の変化をどう認識し対応していくかについて十分に議論すべきだと考えております。
次に、教育基本法と社会変動への的確な対応、答申内容、社会の批判等についてお答えいたします。
初めに、社会変動への的確な対応についてお答えをいたします。
教育基本法は、教育法令の根本法であります。しかしながら、現在の社会状況は同法の制定当時と大きく変化し、青少年問題や家庭・地域の教育力の問題など教育のあり方も変容を遂げつつあり、このようなことから同法についての検討がされているものと理解しております。
次に、答申内容についてお答えいたします。
中央教育審議会は、「21世紀を切り拓く心豊かでたくましい日本人の育成」を目指し、「自己実現を目指す自立した人間の育成」など5つの目標を掲げ、「個人の尊厳」や「人格の完成」等の理念を継承するとともに、新たに「公共の精神」や「伝統文化の尊重と郷土と国を愛する心」、「家庭の教育力の回復」等を示しております。
次に、社会の批判等についてお答えいたします。
教育基本法の改正等については、社会の現状や教育現場に対する批判等も含め多様な意見を集約するなど幅広い論議が不可欠であり、今後ともその推移を注意深く見守っていきたいと考えております。
続きまして、三位一体改革の全体像に対する評価についてお答えいたします。
三位一体改革の全体像については、国と地方の協議の場における7回に及ぶ協議を経て取りまとめられたものであり、国と地方が対等の立場で真剣に協議を重ねたことは、地方分権の実現、地方自治の確立の観点から画期的なことと考えております。
また、本県の特殊事情に対する政府の強い配慮により、沖縄振興特別交付金が創設されることについては、沖縄振興計画の着実な推進を図る観点から高く評価するものであります。
しかしながら、地方の改革案にはない国民健康保険への都道府県負担が盛り込まれたほか、義務教育費国庫負担金等について結論が先送りされるなど不明確な点も多くあるため、県としては今後とも沖縄振興計画の着実な推進に支障が生じないよう、また地方分権の趣旨に沿った改革となるよう地方六団体とともに適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、沖縄振興計画の推進のための予算の確保についてお答えいたします。
平成17年度内閣府沖縄担当部局予算は、国の厳しい財政状況の中、県が要望した多くの新規事業や主要継続事業が認められるなど、本県の振興に配慮されたものとなっております。
具体的には、沖縄科学技術大学院大学の関連経費が大幅に増額されたほか、沖縄産学官共同研究事業、IT新事業創出体制強化事業、ベンチャービジネスサポート事業などの予算が措置されたところであります。また、長年の懸案でありました新石垣空港整備事業や平良城辺線の電線共同溝整備事業、胡屋泡瀬線街路事業などが新たに認められたほか、沖縄特別振興対策調整費、沖縄北部特別振興対策事業費、米軍基地所在市町村活性化特別事業費などに所要の額が措置されました。
厳しい環境下にある離島地域の活性化を支援するため、沖縄離島(美ら島)活性化特別事業費や離島ブロードバンド環境整備事業も新たに認められたところであります。さらに、沖縄振興特別交付金(仮称)が創設されるとともに、内閣府沖縄担当部局への一括計上方式が継続されることとなっております。
このように、平成17年度内閣府沖縄担当部局予算は自立型経済の構築に向けた効果的な取り組みを一層強化し、沖縄振興計画を着実に推進していく上で必要な予算が確保されたものと認識しております。
続きまして、沖縄振興特別交付金の創設に対する評価とその措置期間についてお答えいたします。
三位一体の改革に伴う国庫補助負担金の廃止は、本県の振興に重大な支障を来すおそれがあったことから、小池沖縄担当大臣を初め内閣官房長官、財務大臣などの政府関係者及び国会議員など関係各方面に対し、沖縄振興特別措置法の趣旨が損なわれることなく、また沖縄振興計画の推進に支障が生じないよう必要な措置が講じられるよう強く訴えてまいりました。
昨年10月に開催された関係大臣と地方六団体代表者の協議の場にも特別に出席し、本県の特殊事情を踏まえた新たな措置の創設などを強く求めました。その結果、国の補助金等の整理合理化が行われた中で、沖縄だけの特別措置として沖縄振興特別交付金制度が創設されることになりました。当該交付金制度は、沖縄振興特別措置法に位置づけるため改正法案が今国会に提出されており、同法の施行期間中は継続されるものと認識しております。自由度が高く、本県の裁量を大幅に認めるこの制度は、今後の沖縄振興施策の推進に大きく寄与するものと評価しております。
続きまして、重点事業選定の基本姿勢と県経済に及ぼす効果等についてお答えいたします。
平成17年度は、沖縄振興計画に基づく県づくりが4年目を迎え、第2次の分野別計画がスタートする年であり、第1次の成果を踏まえ経済自立の芽を大きく成長させる年であります。このため、平成17年度予算の編成に当たっては、事業の優先度に十分配慮しつつ、簡素で効率的な行財政運営を行い、限られた財源を緊急かつ重要な施策に的確に配分することを基本に編成したところであります。
産業の振興と雇用の創出・確保に向けては、観光誘致対策事業や通信コスト低減化支援事業に引き続き取り組むほか、新たに金融特区新ビジネス創出支援事業やおきなわブランド豚作出事業などを実施いたします。
科学技術の振興については、沖縄科学技術大学院大学の設置に向けた先行的事業の支援や、県内健康食品の付加価値向上のため機能性機構解明の研究を実施いたします。
環境共生型社会の形成を図るため、産業廃棄物管理型最終処分場の整備に向けた調査検討を実施いたします。
健康福祉社会の実現と安全・安心な生活を確保するため、地域における子育てを支援するとともに、難病患者の支援等を実施する難病相談・支援センターを設置いたします。
多様な人材の育成と文化の振興を図るため、教育サポーターを小中学校に配置するほか、博物館新館の開館に向け展示資料を充実いたします。
持続的発展を支える基盤を整備するため、新石垣空港の設計等を実施いたします。
さらに、離島・過疎地域等の振興を図るため、地域の活性化を担う人材の育成や介護サービスを活用した地域ケアシステムの構築に取り組んでまいります。
平成17年度は、国・地方を取り巻く厳しい財政環境の中ではありますが、民間主導の自立型経済の構築に向け、沖縄振興計画に基づく産業の振興と雇用の創出・確保などの諸課題の解決に効果が上がる予算が編成できたものと考えております。
次に、若年者の雇用対策についての御質問にお答えいたします。
若年者の雇用状況を改善していくためには、雇用吸収力のある産業の振興とともに若年者みずからが幅広い職業観を形成し、仕事に関する知識や技術・技能を習得することが重要であると考えております。
このため、沖縄県キャリアセンターにおいて職業観の形成から就職までを一貫して支援する事業を展開しており、これまで約2万2000人の若年者に対し就職支援セミナーやキャリアカウンセリング等を行うとともに、県外インターンシップ促進事業等を実施しております。
また、平成16年度から新規学卒者等の採用・就職促進等を図る若年者地域連携事業や地域産業の活性化・高度化を担う若年人材を育成する地域産業活性化人材育成事業を実施しております。
平成17年度においては、座学と企業実習を組み合わせたデュアルシステムの拡充や就職基礎能力速成講座を実施するなど、若年者の雇用対策を積極的に展開してまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) ドイツ、イタリアの憲法制定及び改正状況についてお答えいたします。
イタリア共和国憲法は1947年に制定され、2003年までの間に14回改正されております。また、ドイツ連邦共和国基本法は1949年に制定され、2003年までに51回改正されております。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 私学助成と憲法89条の関係についてお答えいたします。
私学助成と憲法の関係については、憲法第89条が公の支配に属しない教育の事業に支出することを禁止していることとの関係で、その合憲性についての議論があるところです。私立学校については、学校教育法、私立学校法及び私学助成法により私立学校の設置と廃止の認可等の規定が設けられていることから、憲法第89条に言う「公の支配」に属しているものと理解しております。県としては、私立学校が果たす役割の重要性にかんがみ、私学助成などの支援を行っているところであります。
次に、県債残高を押し上げた要因についてお答えいたします。
県債残高が増加した要因は、平成4年度以降において工業技術センターや平和祈念資料館、那覇国際高校等の大規模な箱物を集中的に整備したこと、それから国の経済対策に呼応して公共事業を実施したこと、さらに平成13年度から地方の財源不足に対処するため臨時財政対策債が導入されたこと、平成13年度の国の補正予算において措置されたNTT債を発行したこと等によるものであります。
県債残高の推移についてお答えいたします。
県は、沖縄県行政システム改革大綱に基づき平成12年度から県単箱物整備の抑制に努めてきたところであります。この結果、平成12年度及び13年度においては県債残高は減少しております。しかしながら、地方の財源不足に対処するため、平成13年度から導入されました臨時財政対策債及び平成13年度の国の補正予算において措置されたNTT債の発行等により県債残高は平成14年度から再び増加に転じております。
なお、臨時財政対策債については地方交付税により、またNTT債については全額国庫補助金により償還時の財源措置がなされるものであります。県債は将来の財政負担につながることから引き続きその抑制に努めるとともに、発行に当たっては財政運営に及ぼす影響を考慮し、事業の必要性、効果等を勘案しながら慎重に対処する必要があると考えております。
続きまして、財政の健全化の実績についてお答えいたします。
県では、これまで行政システム改革大綱に基づき財政の健全化に取り組んでいるところであります。
平成13年度から15年度までの過去3年間の実績としましては、県税徴収率の向上のため市町村との共同催告や共同滞納整理の実施などを行った結果、徴収率が92.4%から94.1%へ向上しております。また、県営住宅使用料などについて債権管理マニュアルを作成し収入未済額の解消に努めてきたところであります。さらには、使用料及び手数料の定期的な見直しを行い約5億円の増収を図ってきたほか、県有財産についても93件、約21億円の売り払いを行い歳入の確保に努めてきております。
また、公社等外郭団体に対する債務保証を含む財政支援の見直しにより約117億円、また県単補助金の廃止により55件、約7億円の縮減を行っております。さらに、県債についても国の経済対策や地方財政対策等に基づくものを除き発行額を250億円以下に抑制し、公債費負担の軽減に努めてきているところであります。
続きまして、財政健全化の取り組みと将来の計画についてお答えいたします。
県では、沖縄振興計画を着実に実施する簡素で効率的な行政体制を構築するため、「新沖縄県行政システム改革大綱」に基づき行政経営への評価の反映、組織・機構の改革、財政の健全化等に取り組んでおります。
財政健全化に向けては392件の事務事業の見直し、23件の県単補助金の廃止、県単独事業で整備する箱物整備、それから県債発行の抑制、県税収入の確保、新定員適正化計画に基づく職員数の削減等について目標を達成できるよう取り組んでいるところであります。また、新たな行政改革大綱を策定し、定員管理及び給与の適正化、民間委託の推進など、行政改革を一層推進していきたいと考えております。
財源の内訳と税収等自主財源の割合についてお答えいたします。
平成15年度の普通会計決算で主な財源内訳を申し上げますと、歳入決算額約6453億円のうち依存財源は74.9%となっており、このうち国庫支出金が2025億円、31.4%、地方交付税が1944億円、30.1%、それから地方債が834億円、12.9%などとなっております。
一方、県税等自主財源の割合は25.1%となっており、このうち県税が923億円で14.3%、それから諸収入が297億円で4.6%、それから使用料及び手数料が158億円で2.5%などとなっております。
続きまして、自主財源の確保についてお答えいたします。
地方公共団体における自主・自立的な行財政運営を推進する観点から、自主財源の確保は重要な課題であります。このため、県としましては法人県民税における超過課税の実施、それから産業廃棄物に関する税の導入に向けた取り組みなど自主財源の確保に努めているところであります。また、県税の徴収対策としましては国及び市町村と連携した滞納整理の促進、財産の差し押さえや公売等の適切な法的措置の強化、「自動車税滞納整理強化月間」の設定による滞納整理の促進などにより、徴収率の向上、県税収入の確保に努めているところであります。
また、受益者負担の原則及び負担の公平性を確保する観点から、使用料及び手数料の定期的な見直しを行っているほか、未利用及び貸付県有地の売り払いなど県有財産の有効活用を図っているところであります。さらに、中長期的には本県経済の活性化に結びつく産業振興施策の推進により税源の涵養を図っていきたいと考えています。
続きまして、事務事業見直しの成果についてお答えいたします。
行政改革の主な推進項目の実績を申し上げますと、財政の健全化については平成15年度は154件の事務事業の見直し、20件の県単補助金の廃止等により約15億円の経費を削減しております。行政評価システムについては、平成16年度から施策評価及び事務事業評価を本格的に実施をし、予算や定数の編成に活用する取り組みを行っております。職員数の適正化については、10年間で知事部局の職員数を10%、470人の削減を目標とする「新定員適正化計画」を推進しております。
なお、16年度の実績につきましては来月末に取りまとめ、外部有識者で構成する行革懇話会へ報告するとともに、県民に公表していきたいと考えております。
続きまして、組織改正の人件費等への節減効果についてお答えします。
新年度からスタートする県の組織機構については、三位一体改革などの社会経済情勢の変化に対応しつつ、沖縄振興計画の着実な推進や県政の重要課題に効果的かつ柔軟に対応することを目指して見直しを行うものであります。あわせて行革大綱に基づき、県民視点に立った簡素で効率的な組織機構を構築することとしております。
具体的には、現行の11部局体制の8部体制への再編整備、室の全面廃止や小規模な課の見直しを行うこととしております。さらに課長補佐の廃止と組織のフラット化を進めるほか、定員適正化計画に基づき50人の職員を削減することとしております。
なお、この結果、単年度で約1億7000万円の人件費の節減が見込まれております。
続きまして、出先機関、外郭団体等の見直しについてお答えいたします。
公社等外郭団体の見直しについては、行革大綱において廃止・統合を初め人的関与や財政支援の見直しなど、46団体について101項目の見直し計画を立てております。実施項目の主なものは、廃止になった団体が2、出資金を引き揚げた団体が1、役員を引き揚げた団体が4となっております。引き続き公社等外郭団体の経営評価等を踏まえて課題を整理し、経営改善や統廃合等見直しを進めていきたいと考えております。
また、出先機関については、県の行財政環境が一段と厳しさを増していることや行政に対する県民ニーズが高度化・多様化していることを踏まえ、柔軟で簡素・効率的な業務執行体制の整備や見直しが必要であると考えております。このため、平成18年度の組織改正に向けて既存組織の役割、業務執行体制を検証し見直していきたいと考えております。
続きまして、試験研究機関の一元化についてお答えいたします。
本県の地域特性を生かした農林水産業や豊かな地域資源を活用した健康バイオ産業などの振興を図るには、生産者や企業のニーズに合った研究開発や技術の産業への移転が重要であると考えております。このことから、県は試験研究機関の活性化を図るため、「試験研究評価システム」を今年度から本格的に導入いたしました。また、評価結果を研究予算や研究員の配置等に反映させるため、平成17年度から商工労働部や農林水産部が所管してきた工業技術センターや農業試験場など7つの試験研究機関を企画部科学技術振興課で一元的に管理することとしております。県は、試験研究機関の体制の整備や研究開発力を向上させ、産業の振興につなげていきたいと考えております。
次に、外郭団体等へのいわゆる天下りの実数と次年度の見直し計画についてお答えいたします。
県を退職していわゆる県の外郭団体の役員に就任している者は、平成16年6月末日現在で、知事部局、教育委員会及び公安委員会の所管する外郭団体のうち沖縄都市モノレール株式会社ほか9団体に11人となっております。県を退職した者が外郭団体の役員に就任することについては、それぞれ個々人の行政経験や力量等が評価されて各団体において役員として選任され、団体等の運営にかかわっているものと理解しております。県を退職した者が外郭団体の役員に就任するに当たっては、透明性を確保する必要があるものと考えており、これらの者の再就職情報については「公社等指導監督要領」に基づき公表していきたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 国歌斉唱についてお答えいたします。
本県では、公立のすべての小・中・高校において入学式や卒業式で国歌斉唱が実施されているとの報告を受けております。県教育委員会としては、学校においては学習指導要領に基づき入学式や卒業式などにおいてその意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに国歌を斉唱するよう指導しているところであります。
次に、就職内定率についてお答えいたします。
本県高校生の就職内定率は全国平均を下回っております。その要因として言えることは、高校卒から大学卒への社会的需要の変化、本採用や臨時・パートなど雇用形態の多様化、企業求人数の減少等があります。さらに、高校生の県内志向、進路決定の遅さ、職業に対する目的意識の乏しさ等も影響しております。しかしながら、高校生の就職内定率は昨年11月で32.3%でありましたが、ことし1月には53.4%で4.9ポイント前年度を上回り向上しつつあります。
このことは、各学校における求人開拓、就職相談補助員の配置、沖縄労働局や県商工労働部との連携による県内・県外企業の合同求人説明会や面接会等の実施取り組みによる効果であるととらえております。今後とも雇用の場の拡大、キャリアガイダンスの充実、さらに父母や地域及び関係機関と連携し、連携を一層深め、高校生の就職内定率の向上に努めていくことが大切であると考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 県の国民保護計画の概要についてお答えをいたします。
国民保護計画につきましては、国民保護法により国の定める基本指針に基づき作成することになっており、その基本指針は3月末に閣議決定されるほか、モデル計画が提示される予定になっております。このため、県の国民保護計画についてはモデル計画も参考に避難や救援措置の検討など、具体的な作業は平成17年度から本格的に取り組むことになります。
本県は、さきの大戦において悲惨な地上戦を経験していること、島嶼県であること、米軍基地が集中していること等の特性があることから、計画の作成に当たってはこれらの特性を踏まえ、本県にふさわしいものにしたいと考えております。
次に、指定地方公共機関の選定方針や基準についてお答えをいたします。
知事が指定する指定地方公共機関は、県内で営業する法人のうち、国の指定を受けていない法人から広域性や事業規模のほか地域の実情を踏まえて指定します。
島々で構成される本県では、広域性に乏しく事業規模が小さな事業者であっても、交通機関の代替がきかない離島など協力を得なければならない場合も想定されます。このため、指定地方公共機関の候補法人については、広域性や事業規模だけでなく、地域性も考慮の上選定しております。
なお、今後の指定に当たっては、各法人の意見も聞きつつ、総合的に判断していきたいと考えております。
次に、事業規模の小さい指定地方公共機関の負担軽減についてお答えします。
有事の際、指定地方公共機関にお願いするのは、平素から実施している物資や人の搬送等であり、特別な業務を要請するものではありません。しかしながら、指定地方公共機関に指定された場合、業務計画を作成する義務が生ずるほか、有事の際の具体的な対応などもあり、小さな事業所については関係機関との連携などによりその負担軽減が図られるよう検討していきたいと考えております。
次に、国が指定する公共機関と知事が指定する指定地方公共機関の違いについてお答えいたします。
国は業務の広域性や事業規模等を踏まえ、原則として都道府県を越えるような大規模な法人を指定公共機関として指定しています。
一方、知事が指定する指定地方公共機関は、県内で営業する法人のうち国の指定を受けていない法人から、広域性や事業規模のほか、地域の実情を踏まえて指定することになっております。
次に、市町村の国民保護計画に対する県の指導についてお答えいたします。
市町村の国民保護計画については、県の国民保護計画に基づいて作成することになっており、整合性を図るためにも県と市町村とで密接に連携しながら作業を進める必要があります。このため、県も参加した圏域別の市町村で構成するワーキンググループをつくり、そのグループで圏域別計画を作成し、その成果を市町村計画に反映させることにより県の計画とも整合性のとれた市町村計画の作成につなげていきたいと考えております。
次に、基本指針の要旨に対する県の意見についてお答えいたします。
昨年12月に示された国の基本指針の要旨では、離島県という特性については沖縄県の避難に際し配慮する規定が盛り込まれておりますが、米軍基地については具体的な記述がありません。このため、基本指針の中で、米軍等の軍事行動と住民避難などの問題を自治体で解決することは困難であり、地域における国民保護に関する米国側の窓口を一本化するなど、国民保護に係る日米間の体制づくりも含め、国において米国等と調整し、基本指針の中で考え方を具体的に整理していただきたいと要望いたしました。また、米軍再編が検討されているこの機会をとらえ、沖縄の基地負担の軽減等に取り組むことによって、有事の際に予想されるさまざまな制限等が本県に集中することがないように努めていただきたいといった意見を提出しております。
次に、県と米軍との国民保護に関する対処要領等の策定についてお答えをいたします。
有事における国民保護については日本国全体の問題であり、米軍との協力等については日本国と米国とで調整し整理すべきものであると考えております。このため、県は国に対し、米軍との協力等に関しては、国民保護に係る日米間の体制づくりも含めた考え方を整理していただきたいとこれまで要望してきたところであります。県レベルの対処要領等の策定については、日米間の調整結果等を踏まえた上で検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 三位一体の改革と高率補助の維持についてお答えします。
三位一体の改革は、国庫補助負担金を廃止し、地方の財源を確保することを主な内容としております。この改革により本県に講じられている高率補助制度が維持できなくなり、沖縄振興計画の推進に重大な支障を来すおそれが生じました。このことから県としては沖縄振興特別措置法の趣旨が損なわれないよう、その代替措置としての沖縄振興特別交付金の創設を強く要望し、実現される運びとなりました。
当該交付金制度は、実施計画の作成や事業執行についての自由度が高く、本県の裁量を幅広く認める方向で検討されており、地方分権推進の趣旨に沿うものと認識をしております。
次に、沖縄振興特別交付金と従来の高率補助との違いについてお答えします。
沖縄振興特別交付金は、従来の補助金と異なり交付率の定めがなく、執行上の制約が大幅に緩和されるなど、本県の自主性が尊重される方向で検討されております。
次に、基地経済からの脱却と自主財源の確保についてお答えします。
米軍基地の整理縮小と基地や財政に依存する経済からの脱却は、本県が取り組むべき重要課題であります。このため、民間主導の自立型経済の構築に向け、観光・リゾート産業、情報通信関連産業、農林水産業、健康・バイオ関連産業など、沖縄の特性を生かした発展可能性の高い産業分野の重点的・戦略的な振興に取り組んでいるところであります。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 本県市町村への税源移譲分はどの程度かという質問についてお答えいたします。
地方への税源移譲は、地方税である住民税所得割の10%比例税率化により、国税である所得税から住民税へ移譲することとされています。これは平成18年度税制改正に盛り込まれ、適用は平成19年以降とされております。それまでの間は三位一体の改革による国庫補助負担金の廃止影響額は所得譲与税により措置することとなっております。平成17年度については、平成12年国勢調査人口を配分基準として、県内市町村へは約46億3500万円が所得譲与税で移譲される見込みとなっております。
次に、本県市町村の税の徴収率が低い原因と県の対応についてお答えします。
県内市町村の税の徴収率の低い要因としては、営業不振による大型施設に係る固定資産税の滞納や差し押さえ等の滞納処分の執行率が低いこと等が挙げられます。県としては、徴収体制の強化や滞納処分の適正な実施に関する技術的助言を行うとともに、税務職員研修を実施して職員の資質の向上を図るなど徴収率の向上を促進しているところであります。
次に、県内市町村における独自の財源確保策への取り組み状況についてお答えします。
伊是名村においては、独自の財源確保策として一昨年から観光施設の維持管理及び島の環境の美化、保全の費用の一部に充てる目的で、島への入域行為に課税する法定外目的税の創設について検討を続け、去る12月議会で条例を制定しました。新税の施行については、1月11日付で総務大臣に対し法定外税新設の同意に係る協議申請書を提出しておりますので、総務大臣の同意後に施行されることになります。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 米軍基地における雇用拡大についてお答えをいたします。 基地従業員は、地位協定及びその関連取り決めに基づき、日本政府が雇用し米軍が使用する間接雇用制度がとられており、基地従業員の総数は2万3055人と決められております。施設別の基地従業員数は、施設規模及び機能等に基づき日本各地の米軍の需要に応じて決定されることとなっており、沖縄の米軍基地には在沖米軍の需要に基づき平成17年1月末現在、8792人の間接雇用従業員が配置されております。このようなことから、米軍に対し要請をしたことはございません。
続きまして、フリーターの実態と対策についてお答えをいたします。
近年の経済の低迷による労働需要の減少や企業の採用行動の変化等を背景に全国的にフリーターが増加しており、本県においても新規学卒者の就職内定率が全国に比べ低い状況から、フリーターが増加傾向にあるものと考えられます。
フリーターの増加は、中長期的には経済の生産性や競争力を低下させ、本人にとっても若年期に習得すべき職業に関する知識や技能を習得できず、将来にわたっても不安定就労を招き、失業率を高めるおそれがあると考えています。このため、沖縄県キャリアセンターにおいては、フリーター等を対象に企業等の現場で実務研修を行う若年者実践研修事業や、製造から販売までの実体験を通して会社を起こす意識を醸成する事業等を実施するなど、若年対策に積極的に取り組んでいるところであります。
続きまして、職業安定計画の実績と課題についてお答えをいたします。
沖縄県職業安定計画における雇用機会の創出・拡大による新規雇用者数については、平成16年度までの2万人の目標に対し110%の達成率となる見込みであります。また、就職率については、高校新規学卒者が75%の目標に対し78%台、大学生等が75%の目標に対して72%台となる見込みであります。また、公共職業訓練施設等における職業訓練受講者数については、4万1000人の目標に対し達成率は97%を見込んでいます。計画全体としてはおおむね達成されておりますが、大学生等を含む若年者の雇用状況が依然として厳しく、失業率は改善傾向にあるものの全国比では高い水準で推移をしております。
県としては、引き続き産業振興と一体となった雇用機会の創出・拡大を図るとともに、産業振興に必要な専門的な人材の育成に努めてまいります。
続きまして、高い失業率の原因等についてお答えをいたします。
本県の完全失業率は平成13年の8.4%をピークに改善傾向にあり、平成16年は7.6%となっておりますが、全国に比べると依然として厳しい雇用状況にあります。
本県の失業率が高い主な理由は、就業者数の増加を上回る労働力人口の増加等による県内の雇用の場の不足や県外就職の減少、過度の県内志向等があります。このため、県においては、企業ニーズに応じた多様な職業訓練を実施するとともに、情報通信関連企業等の誘致促進、新規産業の創出や既存産業の活性化を図るなど雇用の場の拡大に努めてまいります。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 公共事業従事者の雇用問題に対する県の対策についてお答えいたします。
昨今の公共事業を取り巻く情勢から、とりわけ建設業が厳しい経営環境に置かれている状況は認識しているところであります。こうした情勢を受け、既に一部には新たな発展基盤を構築するため、企業再編や新分野への進出なども選択肢の一つとして積極的に取り組んでいる企業もあると伺っております。このように企業としての自助努力も必要ではないかと考えております。
県としては、今後建設業の再生支援について雇用対策や産業振興を所管する関係機関と連携しながら検討していく必要があると思っております。今後とも施工体制の適正化や建設業の構造改善を推進し、技術と経営にすぐれた企業が伸びることのできる環境づくりに取り組み、引き続き地元建設業者の受注機会の確保に努めてまいりたいと考えております。
続きまして、中城湾港新港地区東埠頭の航路や泊地しゅんせつの時期、土砂処分についてお答えいたします。
国の事業である東埠頭の航路や泊地しゅんせつ工事により発生するすべてのしゅんせつ土砂は、泡瀬埋立事業に有効活用される計画であります。このため、しゅんせつ時期及び土砂の受け入れについては、現在泡瀬地区で進めている仮護岸工事の進捗状況を踏まえてできる限り早く工事に着手したいとのことであります。
次に、新港地区西埠頭の利用における課題と改善策及び東埠頭の整備についてお答えいたします。
新港地区西埠頭は、平成6年度までに水深13メートル岸壁等計7バースが供用開始され、鉄鋼、飼肥料、砂・砂利等のバラ貨物を中心に取り扱われております。このような状況において上屋機能の整備が求められてきたところであります。このことから、県は平成17年度に上屋整備を行うこととしております。
一方、東埠頭においては埠頭用地と港湾関連用地を一体化し、コンテナ貨物の取り扱いの円滑化、自動車輸送の拠点としての機能整備にも対応できるよう臨港道路5号線の配置変更を昨年12月に行ったところであります。県としては、今後とも中城湾港の流通加工港湾としての機能及び施設整備を積極的に進めてまいりたいと考えております。
次に、臨港道路1号線の配置についてお答えいたします。
臨港道路1号線は、西埠頭と東埠頭及び特別自由貿易地域との有機的な連結を行い、物流の円滑化を図るための基幹軸として設置したものであり、港内物流交通及びトラック等大型車の混在が相当見込まれるため4車線の機能としております。当該臨港道路の配置につきましては、物流に伴う大型車交通と企業関連及び緑地利用者等の一般交通とのふくそうを避けるため海側に配置したものであります。これにより港内交通の安全性の向上が図られるものと考えております。
次に、泡瀬地区の今後の作業計画についてお答えいたします。
平成14年度から着手した泡瀬地区埋立事業の16年度の工事の概要については、仮設橋梁約490メートル、仮設道路約160メートル、仮設桟橋約130メートル、護岸約360メートル、余水吐き護岸約200メートルとなっております。17年度以降の工事については、16年度工事に引き続き現在進めている埋立工事を実施することとしております。県としては、今後とも環境保全に十分配慮し工事の早期完成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、新種・希少種の調査、海草の移植等の技術の確立についてお答えいたします。
工事区域内及びその周辺海域において確認された貴重種・重要種等については、環境影響評価書の手続に従い県知事意見を受け専門家の指導助言を得て対応策を策定し、昨年10月より海上工事に着手しております。事業者は、これら貴重種・重要種等の対応策の一環として実施しているモニタリングを通じて貴重種・重要種等に関する生態等のデータを蓄積してきております。
海草移植技術については、平成14年度の環境監視・検討委員会において手植えによる移植工法の適用性が高いことが確認されております。また、海草の生育環境の向上や生育領域の拡大・創造を図るための場の創造について専門家の指導助言をいただきながら検討しており、移植と合わせて海草藻場生態系の保全のため努力しております。
以上でございます。
○小渡 亨 それでは再質問をします。
2の(2)、教育基本法の改正について質問した件なんですが、エで教育長答弁では、県内の小・中・高校で国歌斉唱は行われていると。というと座っている先生はいないというふうに判断していいわけですか。
確かに君が代は鳴っているんですが、全員立っているというふうに理解していいかどうか答えてください。
次に、県の財政健全化の問題の(1)のオで、米軍基地の存在を無視して県の自主財源の確保は可能と考えているのかというふうに聞いたんですが、バイオとかIT産業とか新たな産業でそれをカバーしたいと言っているんですが、これはじゃ米軍基地は完全になくしても大丈夫と、ゼロでいいという考えなのか。あるいは米軍基地も整理縮小ですからある程度残していくという考えなのか、答えてください。
(3)のオで、いわゆる天下りの関係なんですが、9団体に11名ということなんですが、それぞれの部局、教育委員会、公安委員会、それぞれ何名なのか詳しく教えてください。
そして天下りとは何か。公安委員長、教育長、教育委員長、天下りとは何か、天下りの定義をどう考えているのか説明してください。
次に、5の雇用関係、在日米軍に働いているのは2万3000名いると。となると県内に75%の米軍基地があると。といえば2万3000名の75%で1万7000名でもいいんではないかと思うんですが、それはどうなんですか。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時38分休憩
午前11時40分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
教育長。
〔教育長 山内 彰君登壇〕
○教育長(山内 彰) 再質問にお答えいたします。
県教育委員会としては、式典においてその意義を踏まえ国歌を斉唱するよう指導しているところであり、その趣旨が理解されているものととらえております。したがって、起立の有無については県教育委員会としては掌握しておりません。そのことについては学校長の校務責任にゆだねております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 米軍基地の整理縮小はSACOの推進等によって進めてまいります。
一方、返還された基地の跡地については有効な利活用によって産業の振興を図っていくと、そういうバランスある振興に取り組んでいくと、こういうことでございます。
○商工労働部長(伊川征一) 基地従業員の総数の枠組みにつきましては、施設の規模と用途、機能によって各施設の基地従業員数が決定されるシステムとなっておりまして、本県の基地従業員の数につきましても同様に規模、用途、機能によって適正に決められているものだと考えております。
○総務部長(仲田輝享) 天下りの具体的な説明ということでございましたが、10団体でございますが、那覇空港ビルディング株式会社が2人でございます。あとの団体は1人ずつでございますが、団体名を申し上げますと、沖縄県いきいきふれあい財団、沖縄県青少年育成県民会議、沖縄県物産公社、沖縄県信用保証協会、沖縄都市モノレール株式会社、那覇空港ターミナル株式会社、沖縄県国際交流・人材育成財団、沖縄県マリンレジャーセーフティービューロー、暴力団追放県民会議、以上が1人ずつということになっております。
それから天下りの定義でございますが、一応県の方で整理している考え方は、県が財政的に、あるいはまた人的に支援をしている団体に県を退職した者が再就職をしていると、こういったことでございます。
以上でございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時46分休憩
午後1時23分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
この際、申し上げます。
午前の小渡亨君の発言のうち、前田政明君から指摘のありました部分につきましては、後刻速記を調査の上、適切な措置を講ずることにいたします。
―――――――――――――――――
○議長(外間盛善) 午前に引き続き代表質問を行います。
新垣哲司君。
〔新垣哲司君登壇〕
○新垣 哲司 今回、定例会最後に部局長が何名か退職されるようでございます。長い間、県勢発展のための御尽力、大変御苦労さまでございました。これからも県民のためにまた御尽力くだされば大変ありがたいなと思っております。御苦労さんです。
では自由民主党を代表いたしまして質問をいたします。
普天間飛行場の代替施設建設問題について。
(1)、SACO合意に基づく辺野古沖移設について。
平成8年12月2日、SACOの最終報告により普天間飛行場が今後5年ないし7年以内に代替施設完成後返還することが合意されてから、代替施設の建設工事の着工時期及び完成時期がいつになるかはっきりしないまま9年目に入ろうとしております。このような現状の中で普天間飛行場名護市辺野古沖移設見直し報道が大きく取り上げられました。その背景には移設問題が進展しない日米両政府の焦りがあると思われます。
これまでの経緯を振り返ってみると、専ら協議・調整を繰り返しているだけで具体的な建設作業は進んでなく、8年目にようやく環境ボーリング調査にこぎつけたというのが実態であります。これでは普天間の危険性の除去という県民の願いにはほど遠く、この8年間は何だったのかと思うのであります。その上、今度は普天間の辺野古沖移設見直し報道であります。今回出てきた辺野古沖移設見直し報道は、移設先が県外を想定したものであれば歓迎するものであります。しかし報道を見る限り、あくまで県内移設の方針は変わらないようであります。
知事は、従来から普天間の返還については、政府が実効性のある代替案を示していない以上、日米両政府が合意した辺野古沖への移設を進めるのが現実的と述べており、この方針に沿って県としての作業を進めているとしております。
このような現状の中で移設見直し報道がなされること自体、政府の沖縄の基地問題に対する不誠実さが感じられ、怒りが込み上げます。今回の辺野古沖移設見直しについては、政府はこのような検討をしていないと明確に否定しておりますが、仮に辺野古沖移設を見直すというなら、移設場所はどこになるでしょうか。うわさされる嘉手納飛行場や下地島飛行場というのであれば、ますます代替施設移設問題が混乱するばかりであります。
普天間移設は、普天間が危険と同居しているからこそ移設条件つきとはいえ返還が合意されたのであり、この基本的原則を忘れた国の姿勢にはただただ残念であります。
そこで、これまでの経緯を踏まえて質問をいたします。
ア、代替施設建設作業がおくれた最大の要因は何にあるか、知事の御所見を伺いたい。
イ、普天間飛行場代替施設移設建設については日米合意事項であるが、新聞報道によると県が今回、普天間を事実上閉鎖状態に持っていく案を提示するということでありますが、SACO合意を白紙に戻すことにならないか伺いたい。
ウ、普天間辺野古沖移設見直し報道について県は正確な情報を把握しているか。また、政府の対応はどうなっていますか。
エ、さまざまな経緯を経て決定された普天間の辺野古沖移設を今になって見直すということは、現在進めている移設作業をおくらせ、普天間問題を混乱させることになると思うが、知事の御所見を伺いたい。
オ、知事は、普天間の返還について、政府が実効性のある代替案を示していない以上、日米両政府が合意した辺野古沖への移設を進めるのが現実的と言ってきたが、今回の辺野古沖見直し報道は実効性のある代替案と言えるものか伺いたい。
カ、今回の辺野古沖見直し報道があっても、名護市辺野古沖移設を進める知事の従来の考えが変わることはないか伺いたい。
(2)、普天間代替施設に係る環境影響評価について。
平成14年7月、第9回代替施設協議会において普天間飛行場代替施設の基本計画が決定され、代替施設の規模、工法、建設場所及び環境対策が示されました。返還合意から6年目にしてようやく基本計画にたどり着いたのであります。そして平成16年4月に環境影響評価方法書の公告・縦覧が開始され、建設に向けての具体的動きが出てきたのでありますが、ここまで来るのに実に8年を要したのであります。
今後の手続は、環境影響評価の方法が決定されれば準備書の作成手続、環境影響評価書の作成手続等、さらに四季にわたる環境調査等が必要となり、本格工事に入る前段だけでこれだけの作業を要するのであります。その上、代替施設建設工事への反対運動はおさまるどころか、ますます過激になっており、ボーリング調査のおくれも懸念されております。
そこで伺います。
ア、国によるボーリング地質調査は、天候の影響や反対住民による阻止行動もあり、おくれているようだが、現在の進捗状況を伺いたい。
イ、県は、国のボーリング調査を受けて、今後環境影響調査に入ると考えられるが、県に求められる対応はどのようなものがあるか伺いたい。
ウ、ボーリング調査に反対する住民側は、調査により水質が悪化し、騒音などで環境を破壊するとして調査差しどめを求め提訴した。このように反対運動は、鎮静化する様相を見せていない。今後、国が調査を進めていく上でどのような影響が出るか伺いたい。
エ、普天間辺野古沖移設見直しが今後の環境調査に与える影響を伺いたい。
2、沖縄観光の振興について。
(1)、本県観光の現状と課題について。
本県の観光は、復帰前の慰霊訪問中心から、復帰後は我が国唯一の亜熱帯海洋性風土、独特の文化遺産等を生かした観光に転換し、今では美しい青い海を求めて500万人を超える観光客が訪れるまでに発展しております。
しかしながら、本県を訪れる観光客は年々リピーターが増加しており、また旅行形態はパッケージツアーを中心とした個人旅行に変化しているようであります。加えて観光客の沖縄に対する意識や観光ニーズも年々多様化しており、本県の観光の目玉である青い海だけでは今後の観光客の要望、満足度を満たすことは難しくなっていると思われます。
本県同様、夏場の海で客を呼ぶリゾート地は本県に近い海外に多く、しかも格安で行けるなど本県にとって脅威であります。将来的沖縄観光の姿は、海中心から沖縄の文化、すなわち琉球王国時代、中国、東南アジア等との交易時代等さまざまな変遷を経た特異な歴史、類を見ない伝統芸能及び工芸品等をいかに観光資源として活用するか、いかに時代に合った付加価値の高い観光メニューを資源として開発していけるかがこれからの沖縄観光の課題と思われます。
このような観点から質問をいたします。
ア、本県の場合、観光シーズンである夏場に向けての台風対策が課題であるが、県の具体的な対策を伺いたい。
イ、沖縄観光コンベンションビューローも県の行財政見直しの対象となっているようだが、ビューローに対し県は何を求めているか。また、今後どのように見直し、どのような組織体制にしようとしているのか伺いたい。
ウ、ビューローに対しては、観光関連業者からも沖縄観光の活性化に向け公務員感覚を捨て独自性を発揮してほしいとの声も多く聞かれるが、県はどのような指導を行ってきたか伺いたい。
エ、本来の行政と民間との関係においては、行政は企画立案を担当し、現場及び実際の事業執行は民間が行うのが一般的であります。観光リゾート局とビューローとの関係もそうあるべきと考えるが、実態はどうか伺いたい。
(2)、米州開発銀行年次総会の沖縄開催について。
世界46カ国の財務大臣や中央銀行総裁が参加して開かれる米州開発銀行年次総会がことしの4月10日から12日にかけて宜野湾市において開催されます。総会には46カ国から財務大臣等要人を含む約5000人が参加すると見込まれており、本県にとっては2000年のG8サミット以来の最大の国際会議であります。また、46カ国から1000人近い記者やカメラマンが取材のため訪れることから、沖縄を世界に紹介する上で相当な効果があり、観光宣伝効果もけた外れに大きいと言われております。
県においては、現在開催に向けて準備を進めているところでありますが、次のことについて伺います。
ア、4月に本県で開催される第46回米州開発銀行年次総会の準備状況について伺います。
イ、米州開発銀行年次総会が本県経済に与える波及効果の程度について説明を伺いたい。
ウ、総会の会議の運営等に関し、かりゆしウエアの着用等県産品の使用が可能か伺いたい。
3、地震等自然災害対策について。
インドネシア・スマトラ島沖を震源地として発生した巨大地震によりインド洋沖の群島や海岸が大津波に襲われ、甚大な被害を及ぼしました。このインドネシア・スマトラ沖地震による津波被害については大きな教訓を残しました。地震・津波に対する予報・警報システムが全く設置されてなかったのであります。
我が国も地震多発地域に位置し、阪神・淡路大震災や新潟中越地震による甚大な災害に見舞われるなど自然災害多発国であります。
このほど、政府の中央防災会議首都直下地震対策専門調査会は、今後首都圏の直下で阪神・淡路大震災や新潟中越地震並みのマグニチュード7級の地震が起きた場合、最悪で死者は2万人、建物の全壊・焼失は85万棟に上るとの被害想定の中間報告をまとめたということであります。
我が国は、地震に対する警報・情報システムやネットワークは世界においても先進国であると言われており、その日本でさえ一たん大きな地震が起こった場合、これだけの被害が出るのを防ぐことができないのであります。
本県における地震等自然災害対策はどうなっているでしょうか。
専門家によれば、本県は国内においても有数の地震多発県であるということであります。体に感じることが少ないことから意識していないだけのようであります。
そして聞くところによれば、本県においても本島南西部沖と多良間島南方沖での地震が想定されているようであり、特に本島南西部沖地震は最大震度6弱、建物の倒壊や火災、津波などで約5000人の死傷者が出ると予想されているとのことであります。本県における危機管理体制の整備が急がれます。
幸い、本県も来る4月から新たな組織改革により防災対策部署を統括した危機管理部門が設置されるようであります。これにより本県の地震等自然災害に対する備え、対策が組織横断的に行われると期待するものであります。
そこで伺います。
(1)、厚生労働省は、災害拠点病院として本県においては県立病院を中心に指定されているようであるが、中北部及び離島等、地域に配慮した配置がなされているか。
(2)、厚生労働省は、災害拠点病院の耐震性、ライフラインの維持機能、医薬品の備蓄状況等の総点検を実施するようであるが、本県の整備状況は万全か。
(3)、県立病院の中には老朽化し耐震性が危惧されている病院もあるようだが、県独自の耐震構造調査等を実施するなど、災害拠点病院としての機能強化を図るなど、災害防止対策を早急に図る必要があると考えるがどうか。
(4)、本県は地震多発地域と言われており、特に離島地域は中央から孤立した状態にあることから、地震等自然災害への対策は急がれている。県の対策を伺います。
(5)、本県における地震等自然災害に対する危機管理体制の整備は急務と考えるが、県組織における危機管理体制を伺いたい。
4、南部病院の存続問題について。
沖縄県病院事業経営健全化計画において、県立病院経営健全化の基本方針についてうたっておりますが、その主な内容について述べてみたいと思います。
「県内における医療環境を踏まえ、県立病院事業の役割を熟考すると、現在の医療資源・機能から、県立病院は急性期医療を主体とした病院として進むべき必要があり、さらに、経営健全化のためには、国の医療制度改革の方向性に沿った経営が必要である。」、「県立病院事業に対しては、民間では実施困難な高度・特殊医療や救命救急医療、離島医療支援などの医療ニーズも引き続き存在しており、高度・多機能病院(仮称)の建設等新たな投資の必要も生じている。」、県立病院本来の目的を達成するためには安定した経営基盤の確立が必要である。
「これまでの経営健全化計画が抜本的な経営改善につながらなかった主な要因は、国の医療制度改革の方向性が計画策定時の予想と大きく異なったこと、また、経営努力や進行管理体制が不十分であったこと、さらに、運営形態など構造的な問題を抱えていることなどによるものが大きい。」、「そのことから、県立病院事業が抱える構造的な問題である運営形態、機能及び役割等については、「県立病院の今後のあり方検討委員会」の提言を踏まえ検討していくものとする。」。
以上、これが平成15年度から平成19年度までの5カ年計画である沖縄県病院事業経営健全化計画における主な県立病院経営健全化の基本方針であります。そして県は、「県立病院の今後のあり方検討委員会」に県立病院の役割・機能、運営のあり方等について検討を依頼し、南部病院の廃止という提言を受けたことは既に御承知のとおりであります。
先ほど述べました県の病院経営健全化計画の基本方針を見れば、県が基本方針の趣旨に沿った検討や経営健全化を図るというのであれば、南部病院だけがターゲットになるはずがありません。なぜなら、現在の県立6病院の経営状態はほとんど変わりなく、経営的には同じ条件にあるはずであり、廃止の対象になるならばすべての県立病院が対象になるはずであります。南部病院だけが廃止の対象になるはずがありません。
誤解を招かないために申し上げますが、私はすべての県立病院が廃止されるべきと言っているのではありません。経済状況が違わない条件の中でなぜ南部病院だけが対象となるのかと言っているのであります。結果だけを見ると、最初から南部病院廃止ありきが県の方針であったのではないか、南部にはこの疑問がいまだに残っているのであります。
さきの12月定例会において、県は再考を求める南部に対し存続は難しいとの方針を明確に示しました。同時に南部市町村や関係団体等との話し合いも行う姿勢も示しております。南部はまだ南部病院が廃止になるとは思っておりません。今後の県の動向を注視していきたいと思います。
そのことを踏まえて質問いたします。
(1)、「県立病院の今後のあり方検討委員会」に県立病院の役割・機能、運営のあり方等について検討を依頼したのは県立病院経営健全化の基本方針に沿って行ったか、説明を願いたい。
(2)、県立病院経営健全化の基本方針に沿ったものであれば、すべての県立病院は経営状態は変わらないと考えるが、県の見解を伺いたい。
(3)、県は、県立南部病院の存続は困難として廃止の方針を固めたようであるが、存続を求める南部地域の住民の要望にどのようにこたえていくか。
(4)、去る12月25日に県は南部市町村等との意見交換会を開催したようであるが、その会での話し合いの概要について説明を願いたい。
(5)、県は、南部市町村の首長等から南部地域の住民への説明を求める要望があったと聞いているが、住民等への説明会を開く考えはあるか伺いたい。
(6)、県は今後、最終決定に当たっては、南部地域の住民等の意見の聴取を行うとしているが、今後の説明会等の開催日程について伺います。
5、県警関係について伺います。
(1)、那覇市松山地区の風俗環境浄化対策について。
本県は観光立県であり、県民は「守礼の邦」としての礼節と清潔を誇りにしております。また、観光立県である以上、観光客に対してあらゆる場所で親切で気持ちのいい対応が必要であります。
ところで、県内最大の歓楽街である松山地区においては、性風俗営業と思われる店舗の存在や飲食店従業員等による執拗な客引き行為により不愉快な思いをしたとか、また客待ちタクシーなどの違法駐車等が頻繁に見られ、車での移動が危険である等の苦情も多く聞かれます。
松山地区の現状を見ると、近年地域環境が従来と大きく変わってきているように思われます。さらに暴力団の介在も言われており、また組織的な犯罪等の温床にもなりかねません。この状況に対し県警はどのように対処しているか伺いたい。
ア、松山地区においては、観光客に対する客引き、タクシーの路上駐車など交通混雑、迷惑行為等が目に余るとの声があるが、現状について伺いたい。
イ、県警は、松山地区における悪質な客引き行為等の集中的な取り締まりを実施しているようであるが、その背景と結果について伺いたい。
ウ、風俗環境の取り締まりについては、警察だけでは限界があると考える。通り会、地域自治会、観光協会等の関係機関・団体との連携が必要と思うが、どのような連携・協力体制がとられているのか伺いたい。
エ、東京都では歌舞伎町という日本一の繁華街の風俗環境が悪化し、犯罪が多発するなど社会問題化したことから、悪質な客引き行為等を厳しく取り締まるとともに、東京都の迷惑防止条例を改正し、本年4月から施行するとのことであるが、本県における迷惑防止条例の内容について東京都の条例も踏まえて説明を願いたい。
オ、今後、継続して悪質な業者などの取り締まりを徹底し、健全な風俗環境を確保するためには本県においても条例改正等の対策が必要と考えるが、警察本部長の御所見を伺いたい。
6、尖閣諸島等監視警備問題について。
昨年11月に起きた中国の漢級原子力潜水艦の石垣島近辺海域への領海潜入は、改めて中国の日本に対する強圧姿勢を日本国民に知らしめた事件でありました。尖閣諸島が我が国の領土であることは歴史的に見ても国際条約においても明らかであるにもかかわらず、中国が尖閣諸島を自国の領土と主張し、たびたび領海潜入を繰り返す裏に何があるかを見きわめる必要があると思います。
そもそも中国が尖閣諸島の領有権を問題にするようになったのは1971年12月ごろからであり、これは1969年に国連・アジア極東経済委員会が東シナ海海底を調査し、尖閣諸島周辺海域の油田はイラク油田に匹敵するとの報告書を出したことにより、尖閣諸島周辺の海底資源の存在が表面化したことにあると言われております。
学者や専門家によれば、中国が尖閣諸島を中国の領土としている理由は、尖閣諸島はその周辺の大陸棚とともに長江の堆積物によってできたものだから中国のものと言っているようであります。これは論理的にも根拠になり得ないことは明白であります。
中国は、1970年代に当時の南ベトナム等と領有権を争った西沙諸島は中国がほぼ実効支配しており、南沙諸島にも海洋基地を築いて実効支配をねらっているようであります。このような中国の海洋戦略を見れば、尖閣諸島についても万全な注意を払う必要があり、日本政府の毅然とした対応が求められているのであります。
日本政府もやっと重い腰を上げ、このほど尖閣諸島魚釣島に設置された灯台を国が管理することを決定し、その旨、中国や台湾に通知し、改めて尖閣諸島が我が国の領土であることを明確に形で示したようであります。尖閣諸島の領有権を有する我が国として当然のことであり、むしろ遅過ぎたぐらいであります。
中国はさらに沖ノ鳥島周辺でも海洋調査活動を活発化させており、この沖ノ鳥島について中国は、岩礁であって島ではない、よって日本の排他的経済水域は設定できないと主張しているのであります。これは何を意味するのか。今まで日本が国連海洋法条約を批准し、沖ノ鳥島を軸にEEZを設定しても中国は異議を唱えなかったものが、ここに来てこのような主張をしてきた背景には、近年の中国の軍事を目的とした海洋調査との関係が言われております。中国の海洋調査船の活動が軍事目的を兼ねている可能性があるというのは軍事専門家の大方の見方のようであります。
我が国は、尖閣諸島を含めた東アジア海域での中国の動きを注意深く見守り、監視体制を強化していく必要があると考えます。これらの問題は、尖閣諸島の行政区域を有する本県としても無関心ではいられません。
そこで伺います。
ア、尖閣諸島について、沖縄県の知事として監視警備体制を強化するよう海上保安庁に対し強く要請すべきと考えるが、知事の御所見を伺いたい。
イ、中国政府が、日本の排他的経済水域で海洋調査を実施するとして日本政府に同意を求めていることについて総務省から知事に対し意見照会があり、沖縄県としての回答がなされたようであるが、照会の内容と回答の要旨を伺いたい。
ウ、マスコミ報道によると、総務省からの意見照会は東京都の石原知事に対してもあり、石原知事は、同意を与えることには反対、日本の主権に深くかかわる問題であり、政府の責任で毅然と対応するよう求めると回答したとあるが、沖縄県知事としても態度を明確にする必要があるのではないか。
(2)、沖ノ鳥島の領有権について。
東京都石原知事は、日本の排他的経済水域への中国の調査船の不法潜入を防ぐため沖ノ鳥島周辺に発電所を建設するとの計画を打ち出したが、尖閣諸島を持つ沖縄県の知事としてどのように評価するか伺いたい。
(3)、南西諸島有事への対応について。
ア、たび重なる中国原子力潜水艦による領海侵犯を受け、防衛庁は東シナ海の離島防衛を強化するため、離島への共同輸送拠点や共同訓練実施など陸上自衛隊と米軍との共同対処を強化する方針を固めたということであるが、知事はこの情報を把握しているか伺いたい。
イ、防衛庁が南西諸島での有事を想定し、外国からの侵略があった場合に海上で阻止するなどの対処方針をまとめたとの報道があるが、県は情報を把握しているか。
ウ、南西諸島有事は、尖閣諸島への侵攻を想定していることと思われる。尖閣諸島は本県の行政区域であり、その周辺海域での出来事となれば県民への影響も当然懸念されるが、知事としてどのように対処するか伺いたい。
次に、本自民党は、きのう尖閣諸島を視察してまいりました。どなたが見てもやはり尖閣はこれまでの歴史から日本の領土、沖縄県の行政区域であります。しかし、国においては、現在も他国の顔色をうかがいながら我が国の領土である尖閣諸島に上陸できないのが今日の状況であります。私も3度行きました。上空から1回、船で2回、そういうことで多くの今市町村議員も尖閣諸島には興味があり、日本の領土である以上、やはり国民として尖閣諸島に市町村議員も一緒になって、あるいはまた関係機関とも相談をしながら一刻も早いうちに上陸したいと、こういうふうに考えております。
7、北朝鮮問題について。
(1)、北朝鮮による日本人拉致問題については、政府が公表した10人以外に多くの安否不明者が北朝鮮に拉致された可能性があるとして、政府に対し調査要求が出されている。本県の拉致被害者の実数と調査依頼があった件数を伺いたい。
(2)、安否不明の拉致被害者に対する北朝鮮の不誠実な対応に対し、関係者や国民の間に北朝鮮に対する経済制裁を求める声が強くなってきているが、経済制裁について自治体の長としての知事の御見解を伺いたい。
○知事(稲嶺惠一) 新垣哲司議員の御質問にお答えいたします。
最初は、普天間飛行場の代替施設建設作業についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場の移設問題は、前県政が最終段階において県内移設を拒否したため返還に向けた動きが全くめどのつかない状況からスタートしたこともあり、時間を要しております。現状においては、個々の作業で実施がおくれているところが見受けられますが、全体としては基本計画が策定され、環境影響評価の手続が開始されるなど移設に向けた作業は着実に進んでいるものと考えております。
続きまして、普天間飛行場とSACO合意についての御質問にお答えします。
今回の米軍再編においては、世界における米軍のプレゼンスや兵力構成、基地のあり方の全面的な見直しが行われ、在沖米軍基地に限らずSACOでは協議の対象とされなかった在日米軍基地のあり方そのものが検討されることになり、SACO合意を超えて在沖米軍のあり方に大きな変動をもたらすものと考えております。
県としては、米軍再編の中で本県の米軍基地の状況、地域における基地負担の現状を踏まえ、在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善、陸軍複合射撃訓練場の建設中止、日米地位協定の抜本的な見直しを基本的な考え方として日米両政府に求めていく考えであります。このことはSACO合意と矛盾することではなく、従来の枠を超えた取り組みがなされるものとの認識であります。
続きまして、辺野古沖への移設見直し報道と実効性ある代替案についての御質問に一括してお答えいたします。
新聞報道について外務省に問い合わせたところ、報道されているような事実はないと否定しております。県としては、実効性のある代替案が提示されていない段階で日米両政府で確約された返還方針を変更する取り組みを行うことはできないと考えております。
次に、普天間飛行場の移設作業についての御質問にお答えいたします。
先ほども申し上げましたように、辺野古沖移設見直しの新聞報道について外務省に問い合わせたところ、報道されているような事実はないと否定しております。県としては、これまで積み上げてきた基本的な流れは着実に進めながらも、状況の変化に応じて実現可能な方策を選択する姿勢に変わりはありません。
続きまして、普天間飛行場の移設についての御質問にお答えいたします。
先ほども申し上げましたが、県としては、実効性のある代替案が提示されていない段階で日米両政府で確約された返還方針を変更する取り組みを行うことはできないものと考えております。
続きまして、南部病院の存続問題、南部地域住民の要望への対応についてお答えいたします。
県においては、「県立病院の今後のあり方検討委員会」提言後の実施方策の策定作業に際して、県立病院事業全体及び個々の県立病院の役割・機能のあり方等について検討してまいりました。その中で、南部病院については南部市町村会・議長会、南部地区医師会等とも意見交換を重ねてまいりましたが、同病院の提供している医療の内容や経営の状況及び南部圏域の民間医療機関の充実状況、さらには現在整備中の高度・多機能病院が南部圏域をカバーすることなどを総合的に勘案した結果、同病院を今後とも県立として存続することは困難であるとの考えに至ったものであります。しかし、救急医療等地域から要望のある医療は確保する必要があると考えており、経営移譲の方法によって地域の医療ニーズに対応してまいりたいと考えております。
続きまして、尖閣諸島の監視警備体制強化の要請についてお答えいたします。
尖閣諸島は、サンフランシスコ平和条約等国際法上日本固有の領土であります。また、明治28年の閣議で沖縄県への所轄が決定して以降、我が国が実効支配し、本県石垣市の行政区域として明治42年には約250名の住民がおり、かつおぶし等の生産活動を行ってきた歴史を有し、紛れもなく我が国の領土であります。
国においては、去る2月9日から魚釣島の灯台の管理が行われ、我が国の実効支配が明確になるような措置がとられたところであります。また、海上保安庁においても、昨年3月以降、尖閣諸島周辺海域の警備体制を巡視船1隻配備から2隻配備に体制を強化していると伺っております。領土問題は国家主権にかかわる重要な問題であることから、県においても国に対して尖閣諸島の実効支配が明確になるような措置を講じるよう引き続き申し入れていきます。
次に尖閣諸島関連で、石原東京都知事が計画している沖ノ鳥島周辺での発電所建設の評価についての御質問にお答えいたします。
石原東京都知事が計画している沖ノ鳥島周辺での発電所建設については、実効支配が明確になるような措置を講じたものと理解をしております。
次に、北朝鮮に対する経済制裁についての御質問にお答えいたします。
日本政府においては、昨年2月に「外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律」、6月には「特定船舶入港禁止特別措置法」を制定し、拉致問題に関し経済制裁を可能とする仕組みがなされております。しかしながら、政府として経済制裁を実施するとの結論には至っていないと認識しております。拉致問題の早期解決に向けて何が有効なのか、慎重に判断すべきものと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○副知事(嘉数昇明) 南部病院に関する昨年12月25日の意見交換会の概要についてお答えいたします。
昨年12月25日に南部出身国会議員の呼びかけにより、糸満市を含めた南部を代表する市町村長及び県議会正副議長と県との意見交換会が開催されました。
この中においては、地域医療の確保を目的とする県の経営移譲の方針に対し、県立としての存続を求める意見や医療の空白ができるのではないかとの意見がある一方、民間医療機関への移譲により医療サービス向上の可能性もあるなどの意見もありました。
さまざまな角度から忌憚のない御意見を拝聴できたことは有意義であったと考えており、今後とも関係者の皆様の御理解と御協力を得ながら、地域の医療ニーズに対応した医療の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) ボーリング調査の進捗状況についてお答えいたします。
那覇防衛施設局によりますと、ボーリング地質調査は水深に応じて単管足場30カ所、スパット台船20カ所、固定ブイやぐら13カ所のボーリング用足場を設置してせん孔作業をすることにしており、これまでに単管足場5カ所が設置されたとのことであります。
次に、ボーリング調査と今後の対応についてにお答えいたします。
県は、普天間飛行場代替施設の移設候補地を選定した際、地域住民の生活と自然環境への配慮を国に強く申し入れ、国は閣議決定において「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」としております。県としては、今後とも代替施設の建設に当たっては、地域の住民生活や自然環境への影響を極力少なくするよう求めていきます。
次に、ボーリング調査への影響についてお答えいたします。
ボーリング調査については、那覇防衛施設局から提出された公共用財産使用協議に対し、県は留意事項や環境配慮事項を付して同意したところであります。反対運動による今後の調査への影響については、県が予測することは困難であります。
次に、南西諸島有事への対応につきまして一括してお答えいたします。
御指摘の米軍との共同対処や対処方針について防衛庁長官官房広報課に確認したところ、防衛庁としてそのような方針を定めたという事実はないとのことであります。万が一有事が発生した場合、県民生活などにさまざまな影響が出ることが考えられることから、県としては、県民の生命財産を守る観点から適切に対応したいと考えております。
県としては、有事が万が一にも発生しないよう、政府においては不断の外交努力を行うことが重要であると考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 辺野古沖移設見直しが今後の環境調査に与える影響についてお答えいたします。
環境影響評価は、事業の実施に当たり、あらかじめ事業者みずからの責任と負担で実施するものでありますので、今後の環境影響評価の継続の要否については事業者が判断していくものと理解をしております。
次に、地震等自然災害対策について、離島地域における地震等自然災害への対策についてお答えいたします。
県では、地域防災計画の地震編において地震及び津波を想定し、災害予防、応急対策、復旧・復興計画を定めております。
離島において災害が発生した際には、基本的に各市町村の地域防災計画に基づき応急対策を行うことになりますが、大規模災害で地元では対応できない場合には自衛隊等の派遣を要請し対応することになります。
県では、離島地域を含む災害対策の一環として平成15年度に沖縄県防災情報システムを構築し、情報収集、伝達体制の強化を図っております。また、住民及び防災担当者等の防災意識の高揚を図ること等を目的に県内を5つのブロックに分け、離島を含めた総合防災訓練を実施し、さらに防災気象講演会や地震・防災セミナーを開催しております。平成16年3月には八重山地域の津波防災マニュアルが作成されており、本島及び周辺離島地域並びに宮古地域においても現在作成中であります。
次に、地震等自然災害に対する危機管理体制の整備についてお答えいたします。
県では、災害から県民の生命・身体及び財産を保護するため、災害対策基本法に基づき沖縄県地域防災計画を作成しております。平成9年に行った同計画の修正では、平成7年に起こった阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地震に強いまちづくり、人づくりを目指して地震編を新設しました。
地域防災計画においては、震度5弱の地震の発生、津波警報の「津波」の発表、暴風警報等の発表がなされ、災害発生のおそれがあり警戒を要するときは県災害警戒本部を、震度5以上の地震の発生、津波警報の「大津波」の発表、重大災害の発生またはそのおそれがある場合には県災害対策本部を設置し、県民の安全を守り被災者の救助や支援等について万全を期すことにしております。
災害時においては情報伝達が重要であることから、沖縄気象台との間で緊急防災情報ネットワークを構築し、各種警報・注意報の情報を得た場合、県防災情報システム等を活用して直ちに各市町村役場、各消防本部等に伝達しております。また、平常時から嘱託員を配置するなどをして24時間体制で気象・防災情報の収集を行っており、初動体制に万全を期しております。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、台風対策についてお答えをいたします。
県におきましては、台風時における観光客の負担軽減を図ることは重要な課題と認識をしており、これまで台風時観光客対策協議会の取り組みとしてホテル空き室情報の提供やタオル、ビニールシートの提供、テナント営業時間の延長、携帯電話充電サービスの実施、医師の配置等を実施しております。
一方、民間ボランティアによりホームステイや空港におけるライブコンサートが実施されました。このことは、観光客を温かく迎える県民ホスピタリティーのあらわれとして重要な活動であると認識をしております。
さらに、現在は新たな取り組みとして、観光客の空港内滞留の抜本的解消を図ることを目的に「台風襲来時における観光客の航空輸送対策調査検討委員会」を設置し、台風情報、航空機運航情報、交通情報等の総合的な情報提供システムの構築を初め諸方策を検討しております。
次に、沖縄観光コンベンションビューローの組織体制の見直しについてお答えいたします。
沖縄観光コンベンションビューローにつきましては、観光業界の意向を集約しリードする組織として、また観光施策の実施機関として本県の観光振興に重要な存在であると考えております。県は、ビューローに対し、観光業界の多様なニーズに対応し得る機能的な組織への変革や財政基盤の強化を求めているところであります。
県としましては、ビューローを沖縄観光の総合窓口として位置づけ、観光情報ポータルサイト機能や観光人材育成センター機能、沖縄観光に関する総合コーディネート機能など、今後の観光業界の発展に必要な総括的機能をビューローに構築し、観光のプロ集団としての存在意義が高まるよう支援してまいります。
次に、ビューロー職員の意識改革でございます。
ビューローは、観光施策を実施する組織であると同時に業界を統括する組織でもあることから、県におきましては業界の意向を十分集約して事業展開を図るよう指導してまいりました。現在、ビューローでは業界関係者へのヒアリング結果や県のこれまでの指導を踏まえ積極的に経営改革に取り組んでおります。その中で、職員の意識改革を重要な課題として掲げ、研修制度の確立、能力主義人事制度の導入等の検討が行われております。県は、こうしたビューローの改革への取り組みについて引き続き指導・支援していく考えであります。
次に、県とビューローの役割分担についてでございます。
県におきましては、観光振興方策の策定、事業の企画・立案、各種観光統計の収集・分析、観光利便施設の整備、関係機関の調整等を主な役割としております。
一方、ビューローでは観光情報の一元的な受発信、国内外からの誘客活動、観光分野の人材育成、各種スポーツコンベンションの推進、テレビ・映画等のロケ誘致などを主な役割としております。今後とも、それぞれの役割を果たしながら連携を密にして本県の観光振興に努めてまいります。
次に、IDB年次総会の準備状況についてお答えいたします。
IDB沖縄総会に向けては沖縄開催実行委員会が中心となり、宿泊・輸送の確保、知事主催招宴等の歓迎行事、県内視察ツアーや同伴者プログラム等の実施に向け取り組んでいるところであります。
宿泊につきましては30ホテル、約4000室を確保し、宿泊・輸送センターで予約受け付けを行っております。また、輸送についてはVIP対応車両等を約90台、ホテル・会議場間のシャトルバスを1日約80台運行することとしております。さらに、県内視察ツアーについては離島を含めた10コースを計画するとともに、同伴者プログラムを計画しております。
IDB沖縄総会では9つのセミナーが計画されておりますが、その中には「金融特区セミナー」など沖縄開催実行委員会主催のセミナーも入っております。また、ボランティアを約600名確保するとともに、「美ら島環境美化推進県民連絡会議」及び各市町村と連携して美化清掃に努めているところであります。
事業資金確保に向けましては、県内外への募金活動を積極的に推進しており、現時点での募金状況は2億円の目標額に対し約1億6500万円の実績となっております。
次に、IDB年次総会の経済効果についてでございます。
IDB沖縄総会開催による経済効果につきましては、沖縄開催実行委員会の試算によりますと約35億円になるものと見込まれております。また、こうした直接的な経済効果もさることながら、IDB総会の沖縄開催が国際的な沖縄の観光・リゾート地としての知名度を高めるとともに、コンベンション・アイランド形成に向けた重要なステップになるところに大きな意義があるものと考えております。
次に、かりゆしウエアの着用等についてでございます。
IDB沖縄総会では、開会式等一部の行事を除きかりゆしウエアの着用が認められております。そのことから、沖縄開催実行委員会においては各国政府代表等へかりゆしウエアを贈呈するとともに、一般参加者向けには総会会場内にかりゆしウエア販売所を設けることとしております。また、沖縄らしさを演出するため参加者に配布するコングレスバッグは紅型をあしらったデザインとし、記念品は琉球漆器の手鏡を予定しております。
なお、会場内には沖縄県物産販売所を設置し、県の特産品・工芸品等の販売及び紹介を行うこととしております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 地域に配慮した災害拠点病院の配置についてお答えいたします。
災害拠点病院については、原則として各保健医療圏ごとに1カ所を指定することになっており、本県では北部保健医療圏に県立北部病院、中部保健医療圏に県立中部病院、南部保健医療圏には県立那覇病院と県立南部病院の2病院、宮古保健医療圏には県立宮古病院、八重山保健医療圏には県立八重山病院を地域災害医療センターとして指定しており、災害時の医療の確保及び被災地への医療支援を行うこととしております。
その中でも、センター機能を強化し要員の訓練・研修機能を有する病院として県立中部病院を基幹災害医療センターに指定しております。
続きまして、災害拠点病院における耐震化等の整備状況についてお答えいたします。
本県の災害拠点病院の耐震化構造については、昭和56年の建築基準法の改正以後に建築された県立中部病院、県立北部病院、県立南部病院が耐震構造となっております。それ以外の災害拠点病院については昭和56年以前に建築されているため耐震構造となっておりませんが、今後の改築時期を勘案しながら耐震性を確保する必要があると考えております。
また、各病院におけるライフラインである自家発電装置や受水槽については、災害時の対応に備えて整備されております。医薬品及び衛生材料については、県立中部病院、県立宮古病院、県立八重山病院の3カ所に合わせて3000人分を備蓄し、定期的に点検しながら保管・管理をしております。さらに、大規模災害発生時には九州・山口9県災害時相互応援協定により各県で支援の協力体制をとることとしております。
以上でございます。
○病院管理局長(平井哲夫) 地震等自然災害対策についての県立病院の耐震性の強化についてお答えをいたします。
本県においては、精和病院を除く6つの県立病院が災害拠点病院として指定されており、その機能を維持するため建物の耐震性を確保することは重要であります。
このため、現在建設中の高度・多機能病院については、建物自体の揺れを軽減する免震構造を採用し、先進的な地震対策を講じているところであります。他の県立病院については、昭和56年に施行された現行の基準による耐震性を有する建物と、それ以前の旧基準により建築され十分な耐震性を有しない建物がありますが、旧基準により建築された建物については、今後の改築時期等も勘案しながら耐震性を確保する方策を検討してまいりたいと考えております。
次に、南部病院の存続問題についての、あり方検討委員会への依頼は経営健全化の基本方針に沿って行ったのか、そうであれば経営状態は変わらないのではないかということについて一括してお答えいたします。
経営健全化計画は、現行の病院事業の仕組みの中において中期的スパンで経営改善に迅速かつ効果のある取り組みを進め、減価償却前における収支均衡を図ることを目的としたものであります。
一方、「県立病院の今後のあり方検討委員会」における検討は、昨今の民間医療機関の進展状況等を踏まえて県立病院の役割・機能を見直すとともに、運営形態等を抜本的に見直すことを目的として行ったものであります。したがって、あり方検討委員会における検討は、経営健全化計画を根拠としてこれに沿って行ったものではなく、従来の経営健全化計画では取り組めなかった県立病院事業の構造的な部分を含めて検討を行ったものであります。
次に、住民等への説明会を開く考えはあるか、また説明会等の開催計画はどうかについて一括してお答えいたします。
県としては、経営移譲に際して移譲条件の設定を行うことなどにより地域の医療ニーズに対応した実質的な医療の確保を図っていきたいと考えております。このことについて、住民の皆様の御理解をいただくため説明の機会を設けたいと思っておりますが、その前に地元糸満市との意見交換がぜひ必要であると考えております。このため、かねてより糸満市に対し、医療の確保に関する具体的な話し合いを申し入れているところでありますが、残念ながら現在に至るまで応じていただけず、医療の確保に関する糸満市の基本的考えが把握できない状況にあり、地域住民の皆様への説明を行う段階に至っていないものであります。しかし、経営移譲に際しては地域の医療ニーズに関する地元の意見を反映させる必要があると考えており、糸満市に対し引き続き意見交換を求め、これを行った上で住民の皆様への説明等を行い、円滑な経営移譲を進めてまいりたいと考えております。
説明会の持ち方等につきましては、糸満市と調整しながら検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 那覇市松山地区の現状、取り締まり、関係機関・団体との連携について一括してお答えします。
県下最大の歓楽街である那覇市松山地区においては、県内全域で禁止されている店舗型性風俗特殊営業、いわゆるファッションヘルスの存在やキャッチと呼ばれる飲食店従業員等による執拗な客引き行為、客待ちタクシー、キャッチ等による違法駐車などが常態化するとともに、暴力団が資金源獲得を目指し風俗営業者に対し違法な金員要求を行うなど、このまま放置すれば近隣地域の治安の悪化や沖縄観光のイメージダウンのみならず、今後、組織的な犯罪グループの温床にもなりかねない状況が認められたところであります。
そのため、県警では正常な風俗環境の保持及び県民の平穏な生活を確保するため、松山地区における風俗環境浄化を目指す総合犯罪対策を昨年12月から推進しており、大量の警察官を投入し集中的な取り締まりを実施しております。
その結果、これまでに風俗適正化法違反10店舗22名、電波法違反5店舗10名、道路交通法違反717名等を検挙し、また暴力団員に対し暴力団対策法に基づき4件の中止命令を発出しております。
この中で電波法違反といいますのは、キャッチと店、あるいはキャッチ同士の連絡に違法な電波を発する無線機が使われていたというものであります。
また、松山地区の環境浄化を推進するため地域住民が関係機関・団体と連携して立ち上がり、去る1月31日には松山歓楽街浄化住民総決起大会が開催されております。警察では、自治会、観光協会、社交業組合及びタクシー協会等と連携して環境浄化の諸対策を推進していくほか、今後もあらゆる法令を適用し悪質なキャッチ及び違法営業所の取り締まりや暴力団排除を徹底し、松山地区の正常な風俗環境の保持に努めてまいる所存であります。
次に、迷惑防止条例の関係につきまして一括してお答えをします。
我が国有数の歓楽街である東京歌舞伎町の環境浄化は、東京の治安回復の一つの象徴的な意義を持つとの考えから、東京都は迷惑防止条例を改正し本年4月1日から施行されると承知しております。同条例は、特に客引き行為に関してキャバクラ等への客引きの禁止、ビラ、その他文書図画の配布の禁止、警察官による中止命令など具体的規制を盛り込んだ内容となっていると聞いております。
本県の迷惑防止条例は、昭和50年1月に施行されておりますが、キャッチによるつきまとい行為、あるいは売春類似行為を目的とする客待ち規制などが未整備であるほか、罰則も最高5万円以下の罰金と極めて低く、取り締まりの武器として必ずしも有効に機能していない状況にあります。
ただ、現在、警察庁におきましていわゆる風俗営業適正化法の一部改正作業が進められており、客引き行為や客引きに至らない立ちふさがり及びつきまとい行為の禁止のほか、罰則強化などを盛り込むことが予定されていると承知しております。したがいまして、今後、この法律の改正内容を踏まえながら本県の迷惑防止条例見直しの必要性等について検討してまいりたいと考えております。
次に、北朝鮮による拉致被害者の実数と調査依頼件数についてお答えいたします。
北朝鮮による日本人拉致容疑事案につきましては、国民の生命・身体に重大な危険を及ぼす極めて重大な事案であると認識をしております。
警察といたしましては、これまでの一連の捜査の結果、北朝鮮による日本人拉致容疑事案は現時点で10件15名と判断しておりますが、それ以外にも拉致の可能性を排除できない事案があると見て、現在、各都道府県警察においてその全容解明のため必要な捜査や調査を進めているところであります。
また、県内の実態についてでありますが、現在までのところ家出人捜索願として24件31人の相談事案が寄せられておりますが、北朝鮮による拉致事案であるとの判断に至った事案はございません。引き続き関連情報の収集等に努め、関係機関とも連携して事案の解明に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 中国の海洋調査船についての総務省からの意見照会の内容と回答の要旨についてお答えいたします。
中華人民共和国政府が平成17年4月から我が国の排他的経済水域において実施する海洋の科学的調査については、平成16年10月28日付で中華人民共和国外交部から日本政府に対し同意を求める旨申請がありました。政府は回答するに当たり、当該海域が南北大東島及び小笠原諸島の周辺海域を含んでいることから、12月16日付総務省自治行政局国際室長名で沖縄県総務部長及び東京都知事本局長あて意見照会を行ったものです。
沖縄県としては、各部局の意見を取りまとめた上、平成17年1月11日付で総務部長名で回答しております。
その要旨は、今般の海洋調査については、地方公共団体として海上交通への安全確保、漁業への影響、関係法令への抵触等が懸念されることから、国において外交及び国防上の観点から、これまでの経緯を踏まえ、中国政府に対し適切な対応をとっていただきたい旨意見を述べたものであります。
次に、沖縄県知事としても態度を明確にすべきではないかにお答えいたします。
国の意見照会について東京都は、我が国の主権に深くかかわる問題であり、政府の責任において毅然として対応するよう申し入れたと伺っております。県としましては、外交は国の専管事項であることを踏まえ、県民の生命と財産を守る立場から国の責任において適切な対応をとるよう求めたものであります。
以上でございます。
○伊波 常洋 こんにちは。
本日最後の質問に立ちます。
きょう2月22日は私の誕生日です。54歳になりました。渡嘉敷さん以上に今が私のしゅんであります。
それでは自民党を代表して質問をいたします。
基地問題について。
(1)、今回の在日米軍の再編問題についてまずお聞きをいたします。
在日米軍の再編問題に関し、政府は日米の協議について日米安保条約における抑止力をどのように維持し、同時に米軍基地によって沖縄を初め多くの住民が負担を余儀なくされていることから、その負担をいかに軽減させていくかという観点から再編の話し合いを進めているとしております。また同時に、安全保障全体の変化をどう見ていくか、日本と米国の任務、役割分担をどう考えているか、これを同時にやっていかないといけないと述べている方もおります。
このような中、日本政府は米国との米軍再編問題協議に向け、普天間飛行場名護市辺野古沖移設の見直しを米側に提案する方針を固めたとの報道もありますが、そのことは県内に大きな波紋を呼びました。この案が普天間の県外移設であればもろ手を挙げて賛成でありますが、県内の別の場所に移転ということであれば問題は複雑であります。候補とうわさをされております嘉手納飛行場や下地島飛行場の地元では既に反対の声が出ており、県内の状況を考えれば辺野古沖への移設より早くなるとの保証はないと思わなければなりません。
このように見てくると、米軍再編の中で沖縄の米軍基地がどうなるかはやはり東アジアの安全保障や米国の戦略展開との兼ね合い次第というのが現実の姿ではないかと考えます。しかしながら、たとえ日米両政府の思惑がどこにあるにせよ、米軍再編成問題は本県の基地問題を現実的に負担軽減を図る絶好の機会であることは間違いありません。要は、県がどのような戦略を持って日米両政府に対処しようとしているのかにかかっているのではないでしょうか。
来沖した米連邦議会の海外基地見直し委員会のメンバーと知事との会談が全く時間が予定されていなかったにもかかわらず、知事の強い要請で会談が開かれました。今回の再編における沖縄の基地負担の軽減を求める知事のかたい決意がうかがわれます。本日の新聞によりますと、来月12日から訪米要請するとのことです。大いに成果を期待をしております。
そこで伺います。
県は、米軍再編に伴う在沖米軍の負担軽減を求める沖縄県の考えをまとめた「在日米軍再編における沖縄の基地負担軽減のあり方について」の策定を進めてきています。この時期に県案をまとめる必要性、そしてその県案の中身、実現に向けての行動策を訪米を含め伺います。
知事は、本県の基地問題の解決に当たっては、ベストの選択がない以上、ベターな選択を求めると言明しており、普天間飛行場条件つき県内移設についても知事の言うベターな選択となるが、今回の普天間を含め負担軽減を求める県案は、知事の今後基地問題解決を図るベストな選択となるものであるかを伺います。
県案策定に向けては地元市町村との協議・調整が欠かせないと思われますが、作業を進めてきた中で地元市町村の合意形成はできたと考えていますか、伺います。
新聞報道によると、県案では普天間については部隊の移駐と訓練の移転を求め、事実上閉鎖状態に置くとしている。そうなると名護市辺野古沖への移設問題はどうなるのか伺います。
今回の普天間辺野古沖移設見直しは、県案にどのような影響を与えるのかあわせて伺います。
産経新聞が沖縄県の米軍基地について全国の知事にアンケートを実施したところ、沖縄県の基地負担は過重と回答した知事が大半を示しながらも、米軍基地の受け入れ打診があった場合に門前払いせず説明を受けるとした県はわずか1県のみであります。この件について知事の御所見を伺います。
次に、米軍基地の整理縮小について伺います。
平成8年12月の日米両政府によるSACO最終合意で11施設、約5100ヘクタールの返還が決定されてから9年目に入ろうとしています。現状は、SACOの確実な実施というにはほど遠いというのが実態であります。
そもそもSACOを受け入れた背景には、県民が戦後から一貫して過重な米軍基地を負担しており、米軍基地から派生する事件・事故による被害や環境問題などによる県民感情を考えた場合、SACOの合意事案の着実な実施により段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的な方法と考えたことにあります。また、本県にはSACOのすべてが実施されたとしても、依然として在日米軍専用施設面積の約70%が残ることから、SACO以外の施設についてもさらなる整理縮小を求める必要があります。
従来、米国は、沖縄に海兵隊などが駐留する理由について、駐留することが抑止力になる、北東アジアの危険に迅速に対応できると説明してきましたが、今回の米軍再編で韓国から約1万3000人の米軍兵士が削減されることが確定的なことから、駐留することが抑止力という説明は成り立たなくなっています。
そこで伺います。
SACOの現在までの実施状況について説明してください。
県は、SACO以外の施設についても返還を求めるとしているが、具体的な基地名は確定しているのか伺います。
次に、米軍兵力の削減について伺います。
本県に駐留する米軍人は、平成15年9月現在の県の資料によると陸軍が917人、海軍が2259人、空軍が7100人、海兵隊が1万6015人、合計で2万6282人となっております。このように本県の米軍駐留実態は海兵隊が全体の約65%を占めており、さらにこの本県の海兵隊については、日本に駐留する全海兵隊1万7967人の実に90%近くを占めているのであります。
本県における米軍人の事件・事故など基地から派生する諸問題の多くは海兵隊が絡んだものであり、海兵隊の削減が本県における基地から派生する多くの問題の解決につながるものであります。
そこで伺います。
沖縄に駐留する海兵隊の相当部分が現在イラクに派遣されていますが、実数は把握していますか。また、このイラク派遣部隊は実質的に削減と考えてよいか伺います
現在進められている米軍再編協議に対し、本県における米軍兵力の削減につながるものとして県が実際に期待するものは何か伺います。
次に、日米地位協定の見直しについてお聞きいたします。
1972年5月の本土復帰から平成15年、昨年末までの間において本県における米軍人等が犯した刑法犯罪件数は5269件に上ります。そのうち凶悪事件が540件、粗暴犯が977件も発生しており、この数字を見ただけでも基地あるゆえに県民生活の安全がいかに脅かされているかがわかります。特に、米軍人等の公務外の事件・事故による被害賠償はほとんどなされていないのが現状です。
かつてSACOの最終合意などによって日米地位協定の運用改善が示された際に、これにより沖縄における米軍人による事件・事故の解消、事件に対する日本側の対応に進展が見られると日米両政府は胸を張ったものでありますが、本県の状況は依然として基地に起因する事件・事故、環境問題が現実問題として存在しており、事件のたびに日本側の捜査権が地位協定の壁の前に悩まされております。
本県は、このような沖縄の置かれた状況を政府に訴え、そして国民に対しては沖縄の問題を全国民が共通の問題として共有してほしいとの当然で最小限のことを要望してまいりました。米軍人といえども、基地を離れ市民の生活圏の中において行動する限りは我々県民と同様に国内法の適用を受けて、ひとしく我が国の法のもとで裁かれるのが、あるいは規律のもとに生活するのが当然であります。
このような本県の訴えに対し、政府は改定でなく運用改善で臨むとの同じような答えしか返ってきません。なぜ改定は難しいのか、運用改善でなければならないのかといった、そして県民や国民に対する説明責任を果たしてほしいと政府に訴えたい。
政府は、県民の声に真剣にこたえようとの気持ちがあるのか。とりわけ外務省は、沖縄県民や国民の利益を守るという国民擁護の姿勢で外交の基本方針を持っているだろうかと疑わざるを得ません。
そこで伺います。
米軍再編問題がクローズアップされてから地位協定の見直し問題が置き去りにされているような感じがあるが、国の対応及び県の取り組みの進捗状況についてどの段階にあるか伺います。
日米両政府は、米軍の再編問題が協議のテーブルにのったことにより日米地位協定の見直しについては棚上げされたと考えているのではないか。県はどのような状況を把握しているか伺います。
次に、都市型訓練施設建設問題についてお聞きします。
都市型訓練施設建設については、平成14年1月、キャンプ・ハンセン内のレンジ16に設置している既存の訓練施設が老朽化したことから、これをレンジ4に建てかえるというものであります。射撃場建設地に隣接する金武町伊芸区はこれまでにも演習場からの流弾事故が多発しており、また新たに建設される訓練施設は既存の施設に加え新たに追加される施設も予定されており、さらにレンジ4は住民地域や沖縄自動車道に近接しており、地域住民への危険は明確であるとし建設反対を訴えてきました。
住民や県の建設中止の要請に対し、政府は従来から米軍による基地の運用に対しては日本側は関与できないとし、安全確保の徹底を前提に建設を容認する姿勢を示してきました。この間、訓練施設の建設は着々と進んでおり、このままでは近いうちに施設が完成してしまいます。その上、住民の疲労も今限界に達しているようであります。住民地域に近いこの場所にこのまま施設を完成させるわけにはいきません。当然のことです。地元伊芸区はここにつくるなの方針であり、移転案に一定の理解を示しています。私もそれが今の事態を解決するベターな方法ではないかと思います。
そこで伺います。
県は、地元の意向を踏まえた上で現在地での建設にかえ、住宅地や沖縄自動車道から離れた場所に移転することを条件に建設を認める方針を固めたという報道がありましたが、従来の建設中止の方針を変更したのか伺います。
県の方針変更について地元金武町との意向調整はどうなっているのか。
県の条件つき建設容認に対し、国の反応はどうか。また、基地内の管理権を持つ米軍はどうか。
さきに知事と会談した大野防衛庁長官や外務省北米局長が知事の移転建設要請に対し検討する考えを示したとされるが、その後、国においての対応はどのように変化したか伺います。
県は、今回の方針の実現のため今後具体的な行動をどのようにとられるか伺います。
次に、PCB処理問題についてお聞きします。
PCB処理施設の建設について、現在の進捗状況についてお聞かせください。
恩納村内へのPCB処理施設の建設について、国と恩納村との調整はどのように今進んでいるかお聞かせください。
返還軍用地であるキャンプ桑江北側返還跡地の土壌の一部で土壌汚染除去などの原状回復作業を行ったにもかかわらず、油汚染が見つかったということだが、汚染の状況と範囲、今後の除去作業についてお聞かせください。
次に、県経済の振興についてお聞きします。
沖縄振興計画と本県経済の発展についてお伺いします。
本県経済は、3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく総合的な施策の展開により社会資本整備等における本土との格差は縮小し、道路、港湾、空港等の交通基盤や産業の振興等に大きく貢献しております。そして平成14年に策定された沖縄振興計画は、過去3次の計画とはその理念、目的、施策構成等を一変させ、与えられる施策からつくっていく施策に方向を転回し、自立型経済を構築し、21世紀への飛躍を目指しております。しかしながら、本県は本土から隔絶した離島であるがゆえの不利性は克服されてなく、また依然として米軍基地が集中するという特殊性も解消されていない状況にあり、一県としての経済力の構成から見るといまだ多くの課題が山積しています。
現在推進している振興計画10年で本県経済を自立型に持っていく構想も、計画期間が3年を経過したにもかかわらずいまだ国の高率補助、公共事業依存の体質からの脱皮の兆しさえ見えない状況にあり、残り7年での自立経済の構築は本当に望めるのでしょうか。
本県経済は戦後米軍の統治下にあり、ドル経済、米施政権下での経済という他県とは異なる発展、変遷を経てきた経緯があります。米軍施政権下での27年で経済はたっぷりドル経済につかり、復帰後は米軍基地の見返りに国の最大限の支援を受け、財政依存、公共事業依存と言われる経済体質をつくってきた本県経済を自立可能な状態に持っていくことは現実問題として容易なことではありません。
これからの沖縄はどこに行くのか。本県経済の発展経緯、県内企業の実態、本県の離島性の得失、米軍基地の存在の影響等根本的な検証が必要であり、これからの道州制への移行や地方分権の時代への生き残りを図る上でも県経済の体質改善、自立志向が求められます。
さきに述べた3次にわたる振興開発計画や現在進めている振興計画によって本県の産業基盤の拡大や経済の柱となる大企業が育たない社会的背景に何があるのか。県として今後どのようにこれらの課題に対処するか問われます。
戦後60年を迎えた今日、本県の道のりを振り返りながら、本県経済がどのような変遷をたどってきたか念頭に置きながら質問いたします。
戦後60年を迎えて県は本県経済の発展の道のりをどのように概観しているか、どのように総括しているか伺います。
本県経済の発展の阻害要因として基地の存在を挙げる声もあるが、今まで基地は本県経済にどのようなかかわりを持ってきたか、影響を及ぼしてきたか伺います。
復帰後、本県経済は国の沖縄に対する振興計画が大きく貢献したと考えるが、反面、現在の県経済社会の状況から見て課題として残ったところは何か伺います。
県は、沖縄振興計画期間10年の間に自立型経済を構築するとしているが、その柱となる産業は観光・リゾート産業以外にはまだ見当たらないのが現状です。この理由について財政依存・公共事業依存型経済が産業育成を阻んできたと言われているが、それだけが理由とは思われません。根本の理由は何か、どこにあるかお聞きをいたします。
企業誘致の推進について。
本県は、復帰後から保守・革新県政を問わず県外からの企業誘致を県政の重要課題として位置づけ、特別自由貿易地域や中城湾港新港地区等を整備し企業誘致を進めてきました。その実績は期待どおりとは言えないのが実態です。
空港、港湾に近く、交通アクセスに恵まれ、立地場所としては本県においてはこれ以上望めない地域にあり、税制等の支援措置、立地上の条件がそろっていながら県外の大手や中堅の企業が進出していません。
自立型経済を目指す本県経済にとって既存企業の育成や経営の高度化のみではますます経済が国内だけにとどまらず、グローバル化する現状の中にあっては到底振興計画の目標を達成することができないのは明らかです。そのために国内の成長企業だけでなく、世界を視野に入れた企業の立地促進を図ることが必要になってきます。
そこで伺います。
自立型経済の構築を目指すためには県内企業の育成と体力強化が必要不可欠であります。このため、県内企業に刺激を与える競争原理を植えつけるためにも国内外の企業の誘致は重要であると考えるが、県の企業誘致基本政策をお聞かせください。
本県が整備した特別自由貿易地域や中城湾港新港地区等は、立地場所、支援措置等条件がそろっていながら県外の企業が来ない最大の理由はどこにあるかお聞かせください。
県は、沖縄振興計画においても企業誘致を重要課題として位置づけ、誘致活動を展開していますが、これまでの活動をどのように総括し、どのように発展させていこうとしているかお聞きいたします。
自立型経済の構築を目指す本県にとって企業誘致を進める上で、どのような企業にターゲットを絞っているか、またどの業種が本県経済社会に活力を与えると考えているかお聞きをいたします。
次に、科学技術研究の振興についてお聞きします。
沖縄新大学院大学の建設についてであります。
日本の科学技術の振興、大学教育の改革を掲げて世界最高水準の研究レベルを目指す沖縄科学技術大学院大学は、構想当初は2005年9月研究機関としてスタート、2007年9月開校という青写真が描かれています。懸案であった学長も決まり、意思決定機関(ボード・オブ・ガバナーズ)の会議も進んでおり、また次年度の予算も確保され、沖縄科学技術大学院大学を整備する独立行政法人「沖縄科学技術研究基盤整備機構」の設立法案も今国会に提出され、可決されるということであります。
ところで、基盤整備機構の権限のあり方で政府と意思決定機関との間に考え方の相違が出ているようであります。政府は政府としての立場があるし、学者は政府の干渉を避けたいとの思いがあるのでしょうが、いずれにしろ設立趣旨が十分生かされるような大学が建設されることを願いながら、次の質問をいたします。
2005年度の大学整備に要する予算の確保も実現し、今後は具体的な大学整備が課題となるが、大学設立に向けた整備法人の設立についての作業は今どの段階にあるのか伺います。
大学院大学の建設に向け、県が行う周辺整備等開学に向けての受け入れ体制についてはどの程度進んでいますか。
大学院大学は開学に向けて先行的研究事業を進めていますが、その研究拠点となる施設等の確保は進んでいますか。
第3回大学院大学意思決定機関で沖縄県関係者にも委員就任の要請をするとの方針が出されておりますが、県としてはこれをどう受けとめますか。
次に、知事の2期目の公約でもあります国連機関誘致についてお聞きいたします。
本県は、国際社会に貢献する特色ある地域として国際交流・協力拠点としての形成を目指しており、このため国際化に対応し得る人材の育成と確保を図り、地域における国際化に向けた取り組みや世界各地とのネットワークの確立に努めているところです。
沖縄振興計画にも国際会議開催の誘致や国連機関を含む国際機関の誘致の可能性を検討するとうたわれており、県においても振興計画の趣旨に沿った国連機関の誘致作業を進めているところと聞いております。
そこでお聞きします。
国連機関の本県への誘致に向けた作業の現状をお聞かせください。
県の国際機関等の誘致政策は、沖縄振興計画に「国連機関を含む国際機関等の誘致の可能性も検討」するとの文言が盛り込まれていることが基本となっていると思われますが、県の国際機関誘致の基本方針をお聞かせください。
県は誘致に関し、誘致可能性調査等を実施するなど事前の準備作業も進めているが、県はどのような機関の誘致を目指していますか。
国連機関等の誘致となれば国の協力が欠かせません。国の協力体制は期待できるのか。また、地元の協力体制、交通アクセス等の改善、生活環境等周辺環境等の整備、受け入れ側の費用負担等に問題はないのかお聞きをいたします。
海洋資源の開発利用について。
我が国は、世界第2位の経済大国として国際社会において揺るぎない地位を確立しているが、食料及び石油等を初めとする天然資源はそのほとんどを海外に依存しています。このため、資源に乏しい我が国にとって海洋資源開発は日本の将来を左右する大きな緊急な課題となっています。
このような中にあって、本県の周辺海域は豊富で多様な海洋資源を有すると言われております。その開発利用を促進することは本県経済の振興につながるだけでなく、我が国経済にも多大な影響を与えるものと考えます。県においても昨年度に調査研究を行い、石油・天然ガス等の埋蔵状況、東シナ海における周辺諸国の調査・開発動向の把握、法政問題の整理等の資料や情報を得たと思われますが、そこで伺います。
県が実施している本県周辺海域での海洋資源の開発利用計画について、基本方針と実施体制をお聞かせください。
平成15年度及び今年度における県の海洋資源の開発利用調査の結果についてお聞かせください。
県は、これまでの調査の結果を踏まえ、今後どのように作業を進展させるか。また、沖縄振興計画の施策とどのように連結させていくかお聞かせください。
次に、市町村合併についてお聞きをいたします。
市町村合併を進める背景には、日常生活圏の拡大や少子・高齢化の進行により地域住民のニーズが高度・多様化してきており、これに的確に対応するためには地方の自主性、効率的行政運営を図ることが必要となってきていることは確実であります。このため、地方行政が広域化・専門化する中で市町村の自立を高めるとともに、行財政基盤の充実強化を図るため国は地方分権の推進と並行して市町村合併を進めてきております。
本県においても、市町村の自主性・自立性を尊重し、本県の特殊性を勘案しながら市町村合併を進めているところでありますが、ここに来て合併作業にブレーキがかかり作業が停滞を来しているような状況にあります。特に、離島市町村における作業の停滞が合併の難しさを物語っております。
そこで伺います。
本県における市町村合併については、一部において法定協議会が解散するなど作業が進展していない状況にあるが、現在の合併の進捗状況をお聞かせください。
市町村合併協議が難航している根本的な原因はどこにあるのか、お聞かせください。
市町村合併で必要不可欠なものは、合併が将来的に避けては通れない絶対必要条件であるという的確な情報の提供である。県は、これまで合併に向け関係市町村や住民に対し、どのような情報を提供し、また行政・住民間の情報の共有を図ってきたか伺います。
4月1日に「うるま市」がスタートします。合併前も法定協議会に対して国・県の支援がありましたけれども、合併後の国や県の支援策にはどのようなものがあるかお聞かせください。
1月に九州各県議会議員研究交流大会で1分科、2分科に分かれて研究会がありました。2分科の方で合併についてのシンポジウムがありまして、沖縄県議会からは照屋県議が見事な理論の意見発表をいたしました。その中で熊本県の意見発表の中で、熊本県の場合、合併が成立した場合には上限を20億円としての支援策、補助金があるという報告もありました。国や県の合併が成功した市への支援策をお伺いいたします。
次に、離島振興の現状について。
離島・過疎地域は、その地理的条件などから本島に比べ生活面や医療福祉面での格差があり、それが人口流出、高齢化の原因となっています。新沖縄県離島振興計画や沖縄県過疎地域自立促進方針等による対策は、現段階ではどの程度効果を上げてきたか御説明してください。
沖縄県過疎地域自立促進方針及び沖縄県過疎地域自立促進計画については、本年度で計画が満了します。計画5年間で目標はどの程度達成されたかお答えください。
新たに策定する沖縄県過疎地域自立促進方針及び沖縄県過疎地域自立促進計画について、1次計画との違いを述べてください。
さらに、現在県が計画している県離島・過疎地域対策は、主に何に主眼を置いているのか。また、今後策定する沖縄県離島活性化特別事業の内容をお聞かせください。
環境問題について。
廃自動車について。
本県における放置自動車は、2000年時点で1万台以上ありました。県の指導による撤去作業により数千台にまで減少したと言われていますが、現在の状況はどのようになっていますか。
1月から、廃棄される自動車を資源として循環させるための自動車リサイクル法が施行されました。これにより自動車の所有者にはリサイクル料が課されることになるが、法制度の周知やリサイクル料がかかることの説明責任はどこにあるのか。
リサイクル料を払ってない車の不法投棄がふえることも懸念されるが、県はどのように対処するつもりかお聞かせください。
次に、ごみ処理施設についてお聞きします。
一般廃棄物、産業廃棄物に分けてお聞かせください。一般廃棄物の施設の現状と課題、あるいはごみのゼロエミッションとか、県の掲げた目標と現状ではどうなっているかお聞かせください。
それから、産業廃棄物施設については、平成22年には公共も関与した施設をつくるべきだという検討委員会がありますが、この公共関与施設検討委員会の基本構想の内容、今後産廃施設に対して県はどうかかわっていくか。その目標を平成22年の公共関与型の産廃施設の完成までに現在の需要から産廃処理の需要に22年まで待てるのか、追いつけるのかをお聞かせください。
産廃処理ができないとなると県経済の産業発展にも大変な問題を生じますので、明確にお答えをお願いします。
県は、ごみ処理の広域化を進めているが、遊休化している施設の跡利用はどう考えているのかお聞かせください。
米軍基地内から発生するごみ処理は、今どのように扱っているかお聞かせください。
教育関係について。
ゆとり教育の見直しが言われております。ゆとり教育の見直しが出てきている背景には何があるかお答えください。
本県において、ゆとり教育に対する学校現場の対応はどうなっているかお聞かせください。
政府が進めようとしている新学習指導要領の全体的な見直しについて、本県はどのように対処するかお聞かせください。
学校給食の食材については、県内給食対象児童の数、県内、県外の食材費の割合等をお聞かせください。
済みません。農業問題については時間がなくなってまいりました。次回あたりで質問をいたしたいと思います。
ありがとうございました。
○議長(外間盛善) ただいまの伊波常洋君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後3時15分休憩
午後3時42分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
休憩前の伊波常洋君の質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 伊波議員、誕生日おめでとうございます。
それでは答弁に入ります。
最初は基地問題で、県案をまとめる必要性についてお答えいたします。
現在、米国は世界における米軍のプレゼンスや兵力構成、基地のあり方等全面的な見直しを行っており、これは在沖米軍基地のあり方にも大きな動きをもたらすものと考えております。政府は、平成11年の「普天間飛行場の移設に係る政府方針」の閣議決定において、国際情勢の変化に対応して米国政府と協議していくこととしており、今まさにその時期が到来したと考えております。県としては、米軍再編が協議されているこの時期に、より効果的に県民の目に見える形で本県の基地負担の軽減が図られるよう日米両政府に対し、米軍基地を抱える地元の立場から県としての基本的な考えを打ち出すことが肝要であると考えております。
続きまして、県案の中身についての御質問にお答えいたします。
県としては、米軍再編の中で本県の米軍基地の状況、地域における基地負担の現状を踏まえ、基本的な考え方として在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善、陸軍複合射撃訓練場の建設中止、日米地位協定の抜本的な見直しを求めてまいります。そのため、緊急的対応策として普天間飛行場の航空部隊や海兵隊の歩兵部隊等イラクに派遣されている部隊を戻さず県外移転することや、嘉手納飛行場の危険性の除去や騒音の軽減のための実効ある対策等を行うよう強く求めてまいります。
続きまして、在日米軍再編に対する行動策についてお答えいたします。
2月19日の日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2において、在日米軍の再編については、沖縄を含む地元の負担を軽減しつつ在日米軍の抑止力を維持するとの基本的な理念の合意がなされております。今後、個別の議論が行われることとされており、県としては協議の状況も見ながら適宜より具体的なものを打ち出していきたいと考えております。
また、3月12日から20日までの予定で訪米し、米国務省や国防総省等の関係機関に対し、県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減がなされるよう、さきに申し上げた米軍再編に対する県の考え方を示すとともに、米軍人等による事件・事故の防止など本県が抱えている基地問題の解決を強く訴えたいと考えております。
次に、基地問題解決を図るベストの選択についての御質問にお答えします。
日米両政府は、米軍再編に当たって在日米軍の抑止力維持と沖縄を含む地元の負担軽減を原則として協議していくとしていることから、本県の過重な基地負担を軽減する千載一遇の機会であると考えております。県としては、米軍再編において日米両政府の協議に的確に対応できるよう県の考え方を提示し、結果として県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減され、ベストな成果が得られるよう全力で取り組んでまいります。
次に、市町村との合意形成についてお答えいたします。
県は、米軍施設の所在市町村長から実際の負担の状況や地域の意向を伺ってきたところであります。また、米軍基地の再編は地主や駐留軍従業員の生活にも影響することから、地主会連合会や全駐労の意向も伺っており、県としてはそれらを踏まえた上で県の考え方を取りまとめているところであります。
次に、県の基本的な考え方と辺野古移設についてお答えをいたします。
先ほども申し上げましたが、県としては米軍再編の中で本県の米軍基地の状況、地域における基地負担の現状を踏まえ、在沖米海兵隊の県外移転等を基本的な考え方として日米両政府に求めていく考えであります。県としては、実効性のある代替案が提示されていない段階で日米両政府で確約された返還方針を変更する取り組みを行うことはできないと考えております。今後、日米両政府の合意による実効性のある代替案が提示されるならば具体的に検討していきたいと考えております。
次に、移設見直し報道の県案への影響についての御質問にお答えいたします。
新聞報道について外務省に問い合わせたところ、報道されているような事実はないと否定しております。先ほども申し上げましたが、県としては、米軍再編の中でより効果的に県民の目に見える形で本県の基地負担の軽減が図られるよう日米両政府に対し基本的な考え方を提示していくこととしております。
次に、全国知事へのアンケート結果についてお答えいたします。
沖縄の過重な基地負担の問題は、単に沖縄という一地域だけの問題ではなく、我が国の外交・安全保障をどう考えるかという極めて国民的な問題であり、政府及び各地方公共団体、そして国民一人一人がみずからの問題として考える必要があることをあらゆる機会を通じて訴えてきたところであります。
小泉総理大臣は、沖縄の基地負担の軽減を図るためには国内外への移転も含め日本全体の問題として責任を持って進めることを表明しており、今後国民の認識が変わってくることを期待しております。県としては、小泉総理大臣のリーダーシップのもと、政府の責任において県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減を実現していただきたいと考えております。
次に、SACOの実施状況及びその他の施設の返還についての御質問に一括してお答えいたします。
SACOで合意された施設の返還については、これまでに安波訓練場やキャンプ桑江の北側部分が返還され、楚辺通信所、読谷補助飛行場及び瀬名波通信施設については返還が間近に迫っており、その他の施設についても返還に向けた作業が着実に進められております。しかしながら、SACOの合意事案がすべて実施されたとしても、本県には依然として在日米軍専用施設面積の約70%の米軍基地が存在することから、SACOで合意された施設以外についてもさらなる整理縮小が必要であると考えております。
具体的な施設については、地元市町村の意向を初め県土の有効利用、基地の跡地利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、経済振興等を総合的に勘案する必要があります。また、米軍再編においてもかかる点を踏まえ、日米両政府の協議状況を見守りながら提示していきたいと考えております。
次に、米軍再編協議に対する県の期待についてお答えいたします。
県としては、米軍再編において本県の基地負担に大きなウエートを占めている海兵隊の県外移転を含め県民の過重な基地負担が目に見える形で軽減されることを期待しております。
続いて、日米地位協定の見直しについての御質問に一括してお答えいたします。
県は、2月1日に渉外知事会として関係大臣等に直接お会いし、日米地位協定の見直し作業に入るよう要請いたしました。それに対し、町村外務大臣は、日米地位協定の諸問題に対しては従来どおり運用改善で対応したいとしつつも、日米地位協定の問題についてふだんの検証は怠らずにやっていきたいとのことでありました。同時に多くの国会議員に働きかける観点から自民党、公明党、民主党に対しても協力を要請いたしました。また、米軍再編に関する県の基本的な考え方においても対処方針の一つに日米地位協定の抜本的見直しを掲げており、2月15日に合衆国海外軍事施設の構成見直しに関する委員会の委員に対し抜本的見直しを求めていることを申し入れております。
日米地位協定の問題については、2月19日に開催された日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2において環境への適切な配慮を含む取り組みの重要性が確認されております。県としては、政府が日米地位協定の問題を検証し、それが日米地位協定の抜本的な見直しに結びつくよう引き続き求めてまいります。
続きまして、陸軍複合射撃訓練場建設に対する県方針についての御質問に一括してお答えいたします。
県は、陸軍複合射撃訓練場の建設場所は、住宅地域や沖縄自動車道に近く非常に危険であると認識しており、また地域住民も大きな不安を抱き建設中止を求めていることから、金武町と密接に連携し一貫してその中止を求めているところであり、方針変更はしておりません。県としては、今後とも金武町と密接に連携し、日米両政府に対しあらゆる機会を通じてさらに強く工事の中止を求めてまいります。
続きまして、陸軍複合射撃訓練場建設に関する政府の対応等についての御質問に一括してお答えいたします。
先ほども申し上げましたが、県は地元と一体となって一貫して陸軍複合射撃訓練場の建設中止を求めているところであります。政府は、県や地元の同訓練場の建設中止要請を受け、米側に対しては引き続き安全等への配慮を求めていくとともに、地元の懸念に対し何ができるのか検討しているとしております。また、建設地の変更も選択肢の一つではあるが、本件についてはさまざまな難しい点があり現時点で何ら結論を予断することはできず、引き続き検討していきたいとしており、詳細については申し上げる段階ではないとしております。政府においては、今後ともあらゆる方策を検討し、地元の懸念を払拭するよう最大限の努力をしていただきたいと思います。
続きまして、県の企業誘致基本政策についての御質問にお答えいたします。
経済がグローバル化する中にあって、自立型経済の構築や抜本的な雇用情勢の改善を図るためには、県内企業の育成を図りつつ国内外からの企業誘致が必要であります。このため、特別自由貿易地域等の優遇制度を活用して高い技術力や世界市場を視野に入れた経営ノウハウを持つ国内外の企業の立地を促進することにより、新たな雇用の場の創出と本県産業の振興を図ってまいります。
次に、これまでの企業誘致活動等についての御質問にお答えいたします。
県では、企業誘致体制の整備や賃貸工場などの受け皿施設の計画的な整備を進めるとともに、私自身も企業誘致セミナーを初めいろいろな機会を活用してトップセールスに努めてまいりました。このような取り組みにより、コールセンターなどの情報通信関連企業を初め特別自由貿易地域へのオンリーワン企業など、私が知事に就任してこの6年間で96社が立地し、約8000人の雇用を創出しております。また、金融特区においても全国版中小企業ローン担保証券化構想が提案されるなど新たな動きも見え始めております。今後とも、賃貸工場使用料の大幅な軽減や企業立地促進条例の拡充など、投資環境の改善を図りつつ企業誘致を進めてまいります。
次に、大学院大学の整備法人設立についてお答えいたします。
大学院大学の設置準備を主な目的とする整備法人の設立については、独立行政法人「沖縄科学技術研究基盤整備機構法案」が去る2月8日に閣議決定され、現在開会中の通常国会で審議が行われております。内閣府においては、同法案の成立を踏まえ、ことし9月の整備法人設立に向け諸準備を進めることとしております。県としては、内閣府を初め関係機関との連携を図りながら法案の早期成立が図られるよう取り組んでいるところであります。
次に、開学に向けた受け入れ体制の進捗についてお答えをいたします。
大学院大学の周辺整備については、世界じゅうから集まる研究者やその家族が安心して快適に暮らせる環境づくりが重要であり、教育や医療施設、交通や情報基盤など社会・生活インフラの整備が必要だと考えております。また、その整備については国や県及び関係市町村などとともに民間部門の参入も期待されるところであります。県としては、昨年度から調査を実施している周辺整備のあり方について、今後策定される大学院大学の基本設計と整合性を図りつつ検討を進め、受け入れ体制の整備に取り組んでいきたいと考えております。
続きまして、先行的研究事業に係る施設等の確保についてお答えいたします。
先行的研究事業は、世界トップクラスの研究者を確保し、大学院大学の開学へとつなげる重要な事業であると考えております。このため、県は平成15年度から開始された研究事業について沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センターの一部を確保するとともに、沖縄科学技術研究・交流センターを整備し、研究環境の整備を図ったところであります。
なお、平成17年度予算では研究事業が大幅に拡充される見込みであることから、県の試験研究施設の活用など研究拠点の確保に努めていきたいと考えております。
次に、意思決定機関への沖縄側委員の就任についてお答えをいたします。
意思決定機関(ボード・オブ・ガバナーズ)への沖縄側委員の就任については、1月に開催された第3回会合でその方針が了承されております。人選については、世界の科学技術の発展と沖縄の振興に寄与するとの大学院大学の設置目的に照らし、豊かな経験と高い見識を有する方に就任していただく必要があり、今後、ボードメンバーを初め関係者の皆様と御相談したいと考えております。
次に、本県周辺海域における海洋資源開発利用調査の基本方針と実施体制についての御質問にお答えいたします。
県は、平成15年度から海洋資源開発利用の促進に向けた基本調査を実施しているところであり、今後これらの調査結果を踏まえ、県として取り組むべき方向や方策などを検討していきたいと考えております。調査の実施体制については、海洋資源開発に知見を有する学識経験者や専門家で構成される検討委員会を設置し検討を行っております。
次に、離島振興について、過疎地域自立促進方針等の目標達成についての御質問にお答えをいたします。
過疎地域の自立促進を図るために平成12年度に策定いたしました県過疎地域自立促進方針等は、若者が定着する魅力に満ち、活力に富んだ個性豊かな地域社会の形成を通じた過疎地域の自立促進を目標としております。これまで同方針等に基づき農業基盤や漁港などの産業基盤整備を初め、県道、港湾、空港などの交通体系の整備、下水道やごみ処理施設などの生活環境の整備、地域資源を生かした観光等各種産業の振興を進めてきました。その結果、離島地域の人口は過去5年間で約1000人ふえており、個別の島により違いはあるものの、全体としては過疎化に一定の歯どめがかかるなど相当程度の成果を上げております。
平成17年度を初年度とする後期過疎地域自立促進方針等におきましても、引き続き各種施策の実施により過疎地域の自立促進に積極的に取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○議長(外間盛善) 知事から追加説明があるようでございます。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 答弁漏れがございましたのでお答えをいたしたいと思います。
基地問題について、県案をまとめる必要性について伺いたいということの途中からですが、「政府は、平成11年の「普天間飛行場の移設に係る政府方針」の閣議決定において、国際情勢の変化に対応して」の後に、米軍の兵力構成を含む軍事態勢について米国政府と協議していくこととしておりということで、「米軍の兵力構成を含む軍事態勢について」というのを抜かしましたので、謹んでおわびいたして訂正いたします。
○知事公室長(府本禮司) 海兵隊のイラク派遣についてお答えいたします。
昨年10月の照会によりますと、在沖米海兵隊からは昨年2月に約3000人、8月に約2200人が派遣されているとのことであり、この間、イラクからの帰還や新たに配置されたとの情報が特にないことから、現時点では実質的に削減された状態にあると理解しております。
次に、PCB処理施設の建設の進捗状況について一括してお答えいたします。
那覇防衛施設局によりますと、平成16年9月17日、恩納村長から、処理施設の設置については、処理水を恩納村内の河川等に放流・排出しないこと、また環境保全に関する協定書を締結することを条件にやむを得ないものと考える旨の回答を得ているとのことであります。那覇防衛施設局は、恩納村長からの回答を踏まえ、現在、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき処理施設の設置場所周辺の生活環境に及ぼす影響についての調査を行うとともに、恩納村長の条件である処理水の処理方法の検討を実施しているとのことであります。
次に、キャンプ桑江北側の返還跡地における油汚染についてお答えいたします。
那覇防衛施設局によりますと、油臭が確認されたのが6カ所、油分が確認されたのが1カ所となっており、その範囲は約550平方メートルとのことであります。那覇防衛施設局は、北谷町の行う土地区画整理事業に影響を及ぼすことがないよう、また土地所有者が不安を持つことのないよう現在土壌処理工事の発注に向け所要の作業を進めているところであり、本年3月末までには土壌処理工事を完了したいとのことであります。
なお、2月16日には同返還跡地において不発弾調査により米軍のものと見られる小銃弾等約1万発が発見されましたが、18日に陸上自衛隊によって撤去されたとのことであります。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 戦後の本県経済の道のりについてお答えをいたします。
本県は、さきの大戦で社会基盤が壊滅し、戦後復興は大規模な米軍基地の建設に依存する形でスタートいたしました。生活環境の整備は、基地建設に伴う土地の収用があり、住宅地、市街地は基地周辺に張りつくような形で自然発生的に形成をされました。
産業構造については、高い為替レートや大量の基地雇用等から基地依存の消費型経済を余儀なくされるとともに、我が国の経済発展過程から取り残され、本土との間に著しい格差を抱えた状態で復帰を迎えました。
復帰後の本県は、空港、港湾、道路等の社会基盤整備による産業の振興や、福祉・教育施設の充実に取り組んでまいりました。また、復帰時の10倍以上に増加した入域観光客数にも支えられ、県内総生産は昭和47年度の4600億円から平成14年度は約7.6倍に当たる3兆5000億円となりました。人口は、昭和47年の96万人から平成16年は約1.4倍の136万人、1人当たり県民所得は、復帰時の44万円から平成14年度は約4.6倍の203万円となるなど、本県経済はおおむね順調に拡大を続けていると考えております。
これまで基地は本県経済にどのような影響を及ぼしたかにお答えをいたします。
軍人・軍属消費支出、軍雇用者所得、軍用地料の基地関連収入の合計である軍関係受け取りは、復帰直後の昭和47年度には780億円と県民総所得の15.6%を占めておりました。これが平成14年度には1931億円となり約2.5倍となりましたが、県民総所得が約7.4倍に規模を拡大したことなどからこれに占める割合は5.2%となり、その比重を総体的に低下させてきております。
次に、本県経済社会の課題についてお答えします。
3次にわたる振興開発計画は、社会資本の整備を初め各面にわたり本土との格差を是正するなど着実な成果を上げてまいりました。こうした中、本県経済も公共投資や入域観光客の大幅な伸びなどに支えられ、おおむね順調に拡大を続けてまいりました。しかしながら、本県は中小零細企業が多く、市場規模の狭隘性、本土市場との遠隔性に加え、技術・資本の蓄積が小さく、市場拡大の取り組みが弱いなどの課題を抱えており、いまだ財政に依存した経済構造が続いております。
このようなことから、沖縄振興計画では自立型経済の構築に向け沖縄の地域特性や資源を活用した観光・リゾート産業を初め情報通信関連産業、健康・バイオ産業など発展可能性の高い産業分野を重点的・戦略的に振興することとしております。
次に、本県の産業振興の阻害要因についてお答えします。
本県経済は本土市場からの遠隔性や市場規模の狭隘性に加え、技術・資本の蓄積が小さく、市場拡大の取り組みが弱いなどの課題を抱えております。歴史的にも2度にわたるオイルショックや円高不況、バブル崩壊後の長期にわたる景気低迷等、内外の経済情勢の変化により企業誘致や県内産業の振興が期待どおりに進展しなかったことなどが影響し、いまだ財政支出に依存した経済構造となっております。しかしながら近年、観光・リゾート産業が着実に発展していることに加え、地理的不利性を克服する情報通信関連産業や地域資源を生かした健康・バイオ関連産業などが大きく成長を見せております。今後、県としては、沖縄の特性を生かした発展可能性の高い産業分野の振興に積極的に取り組み、民間主導の自立型経済の構築に努めてまいります。
次に、国連機関の誘致に向けた作業の状況についてお答えをします。
県は、平成13年度から誘致可能な国連機関等の調査検討を行ってまいりました。昨年度、コスタリカの平和大学や国連難民高等弁務官eセンター等を対象に調査検討し、その結果、施設整備や運営費等に係る受け入れ側の費用負担、具体的な誘致に向けた環境整備のあり方が課題として得られました。今年度は、国内の国際機関誘致の成功事例における国との連携方法、誘致に向けた環境整備のあり方等について調査検討を行っているところであります。
次に、国際機関誘致の基本方針と、どのような機関の誘致を目指しているかに一括してお答えをいたします。
本県は、アジア・太平洋地域に近接した地理的特性、亜熱帯・海洋性などの自然特性、国際性豊かな歴史特性と平和への強い思い入れやホスピタリティーに富む県民性を有しております。このような地域特性を生かしたアジア・太平洋地域の平和と繁栄に寄与する交流拠点の形成を基本方針とし、国際会議等の開催・誘致を図るなど環境整備に努めているところであります。これらを踏まえ、国際平和や国際貢献、地球環境保全等に関連した国連機関を含む国際機関等の誘致を目指しております。
次に、国連機関等の誘致に国の協力体制が期待できるか、受け入れに当たっての問題はないかという御質問にお答えいたします。
国連機関等の設置は一義的には機関側の意向に基づいて日本政府が受け入れるものであり、国の政策的な位置づけが必要となります。現在、国においては国連機関の具体的な誘致計画がないことや国連への財政負担等の見直しが進められていることから、誘致に向けた環境は厳しいものがあると認識をしております。
また、これまでの調査検討の中で国連機関等を受け入れる場合の課題については、受け入れ側の地元負担や国際航空路線等の交通ネットワークの拡充などが挙がっております。県としては、誘致に向けた環境整備のあり方を検討するとともに、引き続き国の理解が得られるよう働きかけてまいります。
次に、平成15年度及び16年度における県の海洋資源開発利用調査結果の概要についてお答えいたします。
平成15年度の調査は、本県周辺海域における海洋資源の賦存状況、東シナ海における中国による資源開発の状況、法制問題等について検討を行いました。平成16年度の調査については、前年度に引き続き海洋資源関連の情報収集に努めるとともに、他地域の振興事例、県内関連施設等の現状把握、地域への波及効果や県が取り組むべき事項等の検討を行っているところであります。
次に、海洋資源の開発利用に関する基本調査の進展及び沖縄振興計画との関連についてお答えをいたします。
沖縄振興計画には海洋資源の開発利用を促進することが明記されております。このため平成15年度から基本調査を進めており、平成17年度についてはこれまでの調査結果や国の海洋権益保全の動向を踏まえ、引き続き県の取り組むべき事項など海洋資源の開発利用促進に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 県外企業が立地しない理由についてお答えをいたします。
特別自由貿易地域へ県外企業の立地が進まない主な理由としましては、東京、大阪等の大市場から遠隔で物流コストが割高であること、関連産業の集積度が低いこと、本県の税制優遇制度を初めとする投資環境の認知度が低いことなどが指摘されております。県では、これらを踏まえ特別自由貿易地域物流支援事業を実施するとともに、テレビ、新聞等のメディアを活用した経済特区戦略広報事業を実施するなど認知度向上に努めているところであります。
続きまして、ターゲットを絞った企業誘致についてお答えをいたします。
県では、加工交易型産業や情報通信関連産業、金融業等を県経済を牽引する重点産業と位置づけ、各種優遇制度などを活用して本県経済への波及効果、活性化等が期待できる企業の誘致に取り組んでいるところであります。特に、雇用吸収力の高いコールセンターや市場拡大が見込まれるコンテンツ・ソフトウエア開発関連企業、及びオンリーワン企業や本県の特性を生かしたバイオ関連企業など高付加価値型企業の誘致に努め、本県経済の振興を図ってまいります。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 県内市町村合併の進捗状況についてお答えいたします。
現在、県内では法定または任意協議会が7地域で設置されており、県内市町村の4割に当たる21市町村が参加しております。具志川市・石川市・勝連町・与那城町では去る1月26日に4市町の廃置分合の総務大臣告示がなされており、本年4月1日に「うるま市」が誕生することになります。
本島南部東地域、東風平・具志頭地域、宮古地域でも来月3月までの県への合併申請を目途に順調に協議が進められており、本年10月または来年1月には新市町の誕生が予定されております。しかし、伊平屋・伊是名地域、中城・北中城地域では住民投票結果や住民の合意形成が不十分として協議の継続が厳しい状況になっております。また、八重山地域では法定協議会への移行が難航しております。
合併協議難航の根本原因についてお答えします。
県内の法定協議会では、昨年の9月から12月にかけて本島南部中央地域を初め3地域の法定協議会が解散となっております。また、その他の法定協議会でも一部に解散の動きがあり、合併が厳しい状況になっております。
その要因としては、事務所の位置や合併特例債の活用をめぐる協議難航及び外海離島の地理的条件から合併後の一体性の確保が図りにくいなど、地域によってさまざまな要因があると考えております。また、地域の経営責任者であり合併をリードすべき市町村長や議会が合併の意義や必要性について住民に対し十分な説明を行っていないことも大きな要因の一つではないかと考えております。
合併に向けての情報提供と行政・住民間の情報共有化についてお答えいたします。
県では、市町村合併は避けて通れない課題としてこれまで合併講演会の開催や関係市町村長、議会議員との意見交換及び住民説明会等において、市町村合併が必要とされる背景や効果及び当該市町村の財政状況等の情報提供を行ってきたところであります。また、市町村や合併協議会に対し、国の動向等に関する資料を随時提供するとともに、インターネットを活用した合併に関する情報提供を行っております。あわせて、住民に対しては広報誌や広報番組による啓発を行うとともに、県のホームページを活用した県内各地の取り組み状況等の情報を発信するなど情報の共有化に努めてきたところであります。
「うるま市」への国・県の支援策についてお答えします。
国の支援策としては、市町村建設計画に基づく事業に充てられる合併特例債や普通交付税の算定の特例、合併直後の臨時的経費等に対する普通交付税及び特別交付税による財政措置が講じられることになります。また、市町村合併支援プランには関係省庁の連携による支援策として道路等の社会基盤整備を初め生活環境、保健・医療・福祉等の各分野における事業の優先採択・重点投資等が盛り込まれております。
一方、県においては、新市建設計画に掲げられた県関係事業の重点的な実施と、同計画に基づく事業の経費を支援する市町村合併支援交付金及び市町村振興資金貸付基金からの無利子貸付制度の支援策を講じることとしております。
なお、市町村合併支援交付金について本県では特に上限を設けておりません。また、離島については一島一村につき1億円を加算する措置を講じております。
次に、離島振興についてでございますが、離島振興計画等による対策の効果についてです。
本県の離島・過疎地域の振興については、これまで新沖縄県離島振興計画及び沖縄県過疎地域自立促進方針等に基づき諸施策を講じてまいりました。
その結果、社会資本の整備等が進んでおり、具体的に主な社会資本の整備率について平成9年度と平成14年度を比較しますと、まず道路改良率が50.5%から53.7%に、下水道普及率が1.0%から11.0%に、ごみ衛生処理率が47.3%から68.8%に、住民1000人当たりの病床数が11.1床から11.9床に、プールを設置している小学校の割合が32.9%から40.8%にそれぞれ向上するなど多くの分野で成果を上げております。
次に、新たな過疎地域自立促進方針の目標等についてお答えいたします。
平成17年度を初年度とする後期過疎地域自立促進方針等は、前期方針等に引き続き若者が定着する魅力に満ち、活力に富んだ個性豊かな地域社会の形成を通じた過疎地域の自立促進を目標としております。
また、前期方針との違いについては、社会経済情勢の変化等を踏まえた見直しを行うとともに、豊かな自然環境等の過疎地域の優位性を積極的に評価し、それを伸ばしていく取り組みに重点を置くこととしております。具体的には、平成17年度に創設される離島活性化特別事業等を活用したソフト面の対策を充実しております。
次に、離島・過疎地域対策の主眼及び離島活性化特別事業についてお答えいたします。
県の離島・過疎地域対策は、県土の均衡ある発展を図る観点から、自立的発展のための基礎条件の整備、離島・過疎地域以外の地域との格差の是正、地域の優位性を生かした産業の振興を主眼に置いて実施しており、具体的には農林水産業や観光・リゾート産業の振興、交通通信体系の整備などに取り組んでおります。
次に、沖縄離島活性化特別事業は、平成17年度に新たに創設された事業で、その内容は、1、離島の活性化を担う人材の育成や専門家の派遣、2、安心して離島に住むための課題等の調査、3、各島の具体的なアイデアや主体的な取り組みに対する支援、4、観光客の利便性・快適性の向上を図る観光案内標識等の整備となっております。また、あわせて離島における通信の高速化・大容量化を図る離島ブロードバンド環境整備事業が新たに創設されております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 放置自動車の現状についてお答えをいたします。
本県では、平成10年末ごろから廃棄自動車の処理費用を所有者が負担する逆有償化に伴い、原野や道路沿いに放置自動車が増加し、地域の生活環境や自然景観を損ねる状況にありましたが、平成16年2月に各市町村へ確認した結果、放置自動車の台数は2837台であり、そのうち1169台が所有者や行政代執行により撤去され、放置自動車の台数は1668台になっております。県としては、今後も放置自動車の発生防止を図るため市町村、保健所、警察等の関係機関が連携した合同パトロールを実施するとともに、市町村に対し放置自動車の所有者に対する撤去指導の実施など、発生防止に関する条例の効果的な運用を図るよう指導していきたいと考えております。
次に、自動車リサイクル法の周知等の説明責任についてお答えをいたします。
自動車リサイクル法においては、国の責務として自動車の所有者に対し使用済み自動車の引き渡し及び関連事業者による再資源化等の適正かつ円滑な実施を促進するため、使用済み自動車の再資源化等に要した費用やその他必要な情報を適切に提供するように努めなければならないとされております。
また、地方公共団体は、国の施策と相まって当該地域の実情に応じて使用済み自動車の再資源化等を促進するよう必要な措置を講ずることとされております。リサイクル料金については、各自動車製造業者が車種ごとにリサイクル料金を定め、新聞やインターネット等の情報媒体を利用して公表するとともに、自動車販売業者等へリサイクル料金の情報を提供しているところであります。
自動車の所有者においては、自動車購入時や継続検査時などの際に自動車販売業者や整備業者等から、車の購入料金や検査手数料などのほかに当該リサイクル料金の情報を得ることができることになっております。
次に、自動車リサイクル法が施行され不法投棄がふえると懸念されるがどうかという御質問にお答えします。
平成17年1月から自動車リサイクル法が全面施行されるとともに、道路運送車両法も一部改正されております。
自動車リサイクル法においてはリサイクル料金の前納方式となっており、道路運送車両法上の自動車登録時、検査時、抹消時に国土交通大臣等がそのリサイクル料金の預託状況を確認する仕組みとなっていることから、使用済み自動車の不法投棄は少なくなるものと考えております。県としては、今後とも保健所等による監視・指導を強化するとともに、指導に従わない悪質な事案については、廃棄物処理法や自動車リサイクル法に照らして厳正な行政措置を講じていきたいと考えております。
次に、一般廃棄物処理の現状と課題についてお答えします。
一般廃棄物の総排出量については、平成14年度において48万7600トンとなっており、前年度の排出量48万8000トンに比べ0.1%減少しております。
ごみの総排出量は昭和60年以降一貫して増加してきましたが、平成11年度の50万7000トンをピークに漸減傾向にあります。さらにリサイクル率も年々向上しており、平成4年の1.8%から平成14年度では11.3%と10年間で6倍以上に達するなど、ごみ減量・リサイクルが着実に進展しているものと考えております。
また、一般廃棄物処理施設の整備状況については、52市町村のうち48市町村で26のごみ焼却施設が整備されており、残る離島町村においても施設整備へ向けた取り組みが進められております。
一方、最終処分場においては24市町村で13施設が整備されておりますが、28市町村が未整備の状況にあります。これら未整備の市町村のうち、8市町村が平成19年度までに広域処理体制などにより5施設を整備する計画となっております。残る市町村については施設整備計画の検討を進めております。県としては、引き続き市町村におけるごみ減量・リサイクルに向けた取り組みと計画的な廃棄物処理施設の整備を促進してまいりたいと考えております。
次に、公共関与基本構想検討委員会最終報告の内容と県のかかわり、今後の対策についてお答えをいたします。
県内の処理業者が有する産業廃棄物管理型最終処分場は、ここ10数年来新たな施設の立地がないことから逼迫しております。県においては、昨年5月に学識経験者、経済界等の関係団体、市町村及び県の関係者から成る「公共関与による産業廃棄物処理施設の整備促進基本構想検討委員会」を設置し、具体的な方策について検討を進め、去る2月9日には同委員会から知事へ最終報告が行われたところであります。
最終報告では、民間の排出事業者責任と公共が政策的に関与するという基本姿勢を明らかにした上で、事業主体としては官民協調による第三セクターが必要であるとし、処理施設の機能としては最も重要かつ緊急性の高い管理型最終処分場を整備し、その規模については中長期的な減量化・リサイクルの進展を勘案した上で、埋立容量をおおむね36万立方メートルとしております。
また、用地確保の方向については、経済団体と一体となった推進体制のもと、県が主導的にかかわる中で幅広い関係者の参画による透明性の高い検討が必要であるとしております。県としましては、同報告書を踏まえ、年度内には基本構想を策定し、次年度は事業主体に関する具体的な検討や用地の選定作業に着手することとしており、今後、事業者における排出抑制やリサイクルを促進しつつ、公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備に取り組んでいきたいと考えております。
次に、使用停止後の焼却施設の有効利用についてお答えいたします。
本県では、平成10年度に「沖縄県ごみ処理広域化計画」を策定し、平成20年度までに一般廃棄物焼却施設を19施設から13施設に集約することを目標に市町村の協力のもと、広域化を促進しているところであります。平成16年12月末現在、一般廃棄物焼却施設が19施設から15施設に集約されており、広域化に伴い5施設が停止をしております。このような施設の有効利用につきましては、長期間使用による施設の老朽化、排ガス高度処理対策、地域住民との公害防止協定、国庫補助に係る国との調整等の課題があります。
このようなことから、施設の有効利用に当たっては施設利用の必要性、施設の老朽化等の状況、市町村の意向等を踏まえて検討していく必要があると考えております。
次に、米軍基地のごみ処理についてお答えいたします。
米軍基地内から排出される廃棄物については、県内の廃棄物処理業者によって委託処理されております。処理業者からの報告等によると、平成14年4月から平成15年3月までの1年間の処理量は、生活系廃棄物が約3万4000トン、産業系廃棄物が約5000トンとなっております。
県においては、県土の生活環境の保全と循環型社会を実現するため、米軍関係者に対し、三者協議会や在沖米軍環境担当者会議等を通して基地内における廃棄物の発生抑制やリサイクルの推進を要請してきたところであり、今後とも基地内における廃棄物処理体制の整備を強く求めていきたいと考えております。
○教育長(山内 彰) ゆとり教育の見直しについてお答えいたします。
いわゆるゆとり教育は、受験教育偏重の学校教育から人間中心の教育に改善するため「ゆとりと充実の教育」として始まりました。その具体として現行の学習指導要領では、時間的なゆとりとして学校週5日制、教育活動のゆとりとして「総合的な学習の時間」を導入するなど、児童生徒一人一人の個性を生かし、みずから学び、みずから考える力などを培うことをねらいとしております。
今問われているゆとり教育の見直し問題については、学習指導要領のねらいの達成やその手だてのあり方等の視点から論議がされているものと理解しております。
次に、学校現場の取り組みについてお答えいたします。
本県におけるゆとり教育の実践としては、本県の優位性を生かしたすべての小学校での「総合的な学習の時間」におけるネーティブスピーカーを活用した英会話活動や、郷土文化を取り入れた特色ある教育活動等が実施されております。また、中学校においては地域との連携のもと、職場体験やボランティア活動など体験活動を通した豊かな人間性の育成にも努めております。さらに、各学校においては少人数授業や補習指導などを通してきめ細かな指導を行い、一人一人に確かな学力をはぐくむよう努めております。
次に、学習指導要領の見直しについてお答えいたします。
学習指導要領の改訂は、これまで国においてはおおむね10年単位で行われてきました。近年、社会の大きな変化や教育の必要性に対応するため短期間での検討が必要とされてきております。現行の学習指導要領については、児童生徒の学力や国語力の育成、教育活動における「総合的な学習の時間」の授業時数のあり方やわかる授業の取り組みなど諸課題が指摘されております。それらの点を踏まえて、現在、中央教育審議会で全体的な見直しについて検討されております。県としても審議の動向を見守り適切に対応していきたいと考えております。
次に、給食対象児童生徒数についてお答えいたします。
県教育委員会では、毎年学校給食実施状況等調査を実施しております。平成16年度の学校給食実施児童生徒数は小学校10万2066人、中学校が5万502人、合計で15万2568人となっております。
次に、県産品活用状況等についてお答えいたします。
平成15年度学校給食における県産農水産物使用状況は、総額で27億6854万3000円となっております。そのうち県産食材の占める額は17億8514万4000円、割合としては64.5%で、県外産食材は9億8339万9000円、35.5%の割合であります。残念ですが、以上でございます。
○議長(外間盛善) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明23日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後4時46分散会