○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
諸般の報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(外間盛善) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
當山眞市君。
〔當山眞市君登壇〕
○當山 眞市 おはようございます。
公明県民会議を代表し質問を行います。
通告に基づいて質問を始めていきます。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、郵政民営化についてお聞きいたします。
昨年9月に発足した第2次小泉改造内閣について、総理は郵政民営化実現内閣と名づけて郵政民営化担当大臣を新設し、2007年4月の民営化に向けたシフトが敷かれた。全国の郵便局2万4715の存続、27万人の職員はどうなるのか、小泉総理が新しい日本の扉を開くと言われる民営化で現状をどのように変えるのか、離島・過疎地において採算性の問題で廃止または三事業の分社化で不安を訴える国民が多く、本県においても各離島において不安の声が多いところである。
そこで、次の点について知事の御見解をお聞かせください。
ア、1月21日開会された第162通常国会で最大の焦点と言われる郵政民営化関連法案が4月中に提出され、6月までの会期内に成立を期す考えのようであるが、離島県沖縄として特に有人離島40余りを有する本県として郵政事業の三事業一体ユニバーサルサービスの継続は絶対必要だと思うが、県の考えを伺いたい。
イ、三事業分社化が行われた場合、離島各地から金融機関がなくなり郵便窓口だけが存続することになると思われますが、採算性追求で都市地区中心の民営化にならないように三事業一体の全国一律サービスが現201郵便局で継続されるよう政府に強く訴えていくべきだと思うが、県の対応を聞かせてください。
2、基地問題について。
(1)、楚辺通信施設と読谷補助飛行場の分離返還についてお聞きします。
ア、平成8年12月のSACO合意による移設条件つき返還が決まっていた楚辺通信所は、日米合意によってことし5月末の返還が約束されていたが、移設作業のおくれから来年4月末まで遅延されることになっているが、楚辺通信施設の移設後返還が条件になっている読谷補助飛行場の返還については跡地利用計画のおくれが懸念され、読谷村長、村議会とも那覇防衛施設局に対し分離返還の要請を行っているが、県としてもSACO合意の速やかな実行という立場から国と協議して地元の要望にこたえるべきだと思うがどうかお伺いします。
イ、読谷補助飛行場は、楚辺通信所の電波緩衝地帯としての機能を有するということで分離返還に米軍が難色を示してきたが、既にその機能はないとも言われている。県はその実態を把握されているかお聞かせください。
(2)、嘉手納弾薬庫地区内における煙幕訓練の中止についてであります。
ア、昨年12月10日に起こった嘉手納弾薬庫地区内における飛行場損壊修復訓練で、嘉手納高校の授業中の教室内に発煙筒の赤煙が流れ込み、生徒が目の痛みを訴えパニックを起こした事故が発生してから2カ月余が経過したが、その間、嘉手納町議会や三連協などから米軍や防衛施設局に訓練の中止を申し入れたにもかかわらず、全く聞き入れる様子はなく訓練が継続されているが、県はどのように対応してきたかお伺いします。
イ、訓練の開始時間が午前7時であり、爆発音やサイレンで地域住民に被害を与え、また風向きによって同じ煙幕事故が起こる可能性もあります。さらに、訓練場横から読谷村の村道牧原線の工事が進められており、18年度供用開始の予定であります。6メートルの防護壁が立てられているが、煙幕防止にはならないものと思います。交通安全上もこの訓練は移設あるいは中止させるべきだと思うが、県は現場の調査を行った上で早急に対策を行うべきだと思うがどうかお伺いします。
(3)、都市型戦闘訓練施設の建設中止についてであります。
ア、施設建設が昨年5月25日に着工されて9カ月が経過し、来月末には完成の予定だと言われております。地元伊芸区の強い中止要望や県の要請にもかかわらずいまだに中止に至っていない。県は、大野功統防衛庁長官来県のとき、打開策として言及された跳弾防止壁の設置案についてどのように対処されるかお伺いします。
(4)、米軍普天間飛行場の滑走路工事に伴う空中給油機など17機の嘉手納基地への一時移駐についてであります。
嘉手納基地には10月4日にアラスカ州エレメンドルフ空軍基地所属のF15が接触事故を起こし緊急着陸したり、那覇空港の自衛隊機F4戦闘機など6機が那覇空港の改修工事のために昨年10月20日からことしの3月末までと、ことし9月20日から来年3月末まで移駐することが決まっており、それに加えて普天間飛行場の改修工事により空中給油機等17機が移駐することは、過密過ぎる状況で安全性に重大な問題が生じるものと思います。
そこで、次の点についてお伺いします。
ア、那覇空港の夜間滑走路改修工事に伴う海上自衛隊のF4戦闘機の一時移駐や普天間飛行場の改修工事に伴う空中給油機等17機の一時移駐と嘉手納基地の過密な状況はますます危険度を増していると思うが、県は騒音被害など住民に新たな犠牲を強いることのないよう移駐中止を申し入れるべきだと思うがどうか。
イ、普天間飛行場の嘉手納基地統合案が浮上するなど地域の不安や反発は日々増しているが、今回の一時移駐と統合との関係について県はどのように考えているか。
(5)、米軍再編問題について。
ア、在日米軍再編協議が日米両政府において具体的な動きを見せてきたが、県においては平成8年12月のSACOに続くSACO2という考え方で米軍再編に伴う基地の整理縮小を要求されると思うが、県案作成に当たって在日米軍基地の何%まで縮小していかれるか伺います。
イ、15日に来県した米連邦議会の海外基地見直し検討委員会は、在外米軍基地閉鎖リストを8月15日までにつくってブッシュ大統領に提言すると信憑性の高い発言をされております。また、日本政府の外務・防衛担当閣僚の日米安全保障協議委員会をワシントンで3月に開催して秋までには決着したいと今年度内の再編計画決着を目指しているが、県は基地所在市町村との協議や地主の意向をどのように取りつけていかれるか伺います。
3、平成17年度沖縄県重点施策について。
(1)、製造業等地域産業の振興について、泡盛、健康食品など県産品の販路拡大策についてお聞きします。
近年、泡盛産業の急速な成長ぶりは県産品の中でも群を抜くものであり、沖縄の島酒から世界の名酒へ変わりつつあると言っても過言ではありません。世界のウチナーンチュ大会や沖縄サミット、そして今年開催されるIDB総会等国際社会に泡盛をアピールする機会にも恵まれ、ますますの隆盛が期待されるものと思います。既に北米市場にも進出し、昨年夏には3500万人の観光客が訪れるラスベガスにも進出したということであります。
本県の泡盛には久米島の「久米仙」があり、宮古には「多良川」があり、八重山には「おもと」があります。読谷村には名酒泡盛「残波」があるのであります。その他各酒造所において自慢の銘柄を持っており、品質、数量ともに全国はもちろん世界を市場にする数量があるというふうに言われております。しかし、まだしょうちゅうに比較してシェアは狭いと言われております。
そこで、次の点についてお伺いします。
ア、県酒造組合連合会が中心に産学官による泡盛の品質研究の成果があり、今、泡盛の品質は洋酒、しょうちゅうをはるかにしのぐレベルだと世界的にも評価されているが、販路開拓が課題だと言われている。県はどのような販路拡大策を検討されているか伺います。
イ、外国在住の県人会から泡盛製造工場の進出を望む声が多いが、県にそのような話はあるか。また、県として海外進出についてはどのように考えているか、意見を聞かせてください。
(2)、建設業の育成策と新事業・新分野への進出支援と構造改善の促進など健全な発展に努めることについてお聞きします。
建設業淘汰の時代、いわゆる環境や条件に適応するものが残り、できないものは滅びる時代だと言われております。2001年の構造改革スタート以来、公共工事の見直し抑制が明確に打ち出され、本土におけるむだな公共工事、30分に1台しか車の通らない高速道路や、飛行機の着陸したことのない農業用滑走路などと、沖縄県のおくれたインフラ整備を同一扱いにした事業費削減は間違いだと言わざるを得ません。
過去4年間、平均6%の減少額は建設業で働く7万4000人の雇用に深刻な影響を与え、今後早急な対応が求められる中で県が建設業の新分野・新事業への進出等を支援するとともに、構造改革の促進など建設業の健全な発展に努めることについては期待できるものであります。
そこで、次の点についてお伺いします。
ア、15年度建設業指名願い提出業者数と県発注工事数はどのようになっているか。
イ、各ランク別の状況はどうか。
ウ、建設業登録業者数平成15年3月末で5416社を国の公共工事削減策等を踏まえ、また県の事業量も勘案しどのように再編を指導していかれるか伺います。
エ、当面の育成策として現在のランク指数の全面改正による受注均等方策を検討してはどうかお聞きします。
オ、県内に営業所を有する県外業者平成15年3月末448社の受注高と県内業者3339社の割合は、国、県、公社、公団等含めてどのようになっているか。
カ、受注拡大のため分割または共同企業体発注を多くする考えはないかお伺いします。
(3)、那覇空港の沖合への展開等に向けた総合的な調査の実施など、条件整備の取り組みについてお聞きします。
ア、土木委員会による県外視察調査で愛知県の中部国際空港を訪問し、建設の背景、経緯等について研修してまいりましたが、今後増大が予想される国際航空需要に対応するため中部地方にも国際ハブ空港の整備が必要との目的で国、県、市、民間企業、団体等1095名の出資する株式会社で事業が営まれるようになっている。本県の那覇空港沖合展開についても、アジアの玄関として航空路線ネットワークを拡大し、本県の物流発信の拠点を築き、さらなる経済自立を成長させていくためにも早期完成に努めなければなりません。そこで、本県は沖合展開のタイムスケジュールをどのように考えているかお聞かせください。
4、教育行政について。
(1)、「総合的な学習の時間」の見直しについてお聞きします。
ア、経済協力開発機構が2003年40カ国で15歳を対象にした学習到達度調査で、日本の学力が急落しているという結果が出たことについて、文部科学省は2002年ゆとり教育として始めた総合学習を見直すことを中教審に要請したが、教育長は学力低下の原因を2002年に導入した新学習指導要領の誤りにあると思うか、見解をお伺いいたします。
イ、県では、学習到達度調査の結果はどのようになっているかお聞きします。
ウ、授業時間確保のため週5日制の変更も考えるのか。
(2)、児童生徒の学力二極化についてお聞きします。
ア、児童生徒の学力二極化が懸念されているという実態があると言われています。しかし、その原因が教員が多忙で授業についていけない子を指導する余裕がなくなったことと、親の経済力の二極化にあるというが、学校教育方針の立場からこのことについてどのように思われるかお伺いします。
(3)、体罰、わいせつ教員の処分について。
文部科学省集計による公立小中高の体罰やわいせつ行為による処分教員の数が2003年度で過去最多だったとのことだが、県内の実態はどうか。また、どのような処分が行われたかお伺いします。
(4)、学校現場のセキュリティーについて。
2001年の池田小学校内児童殺傷事件の起こった大阪で、また寝屋川小学校に17歳の少年が侵入し教員を刺殺する事件が発生し、改めて学校現場のセキュリティー対策の不備が問われている。本県の小中高における危機管理マニュアルは徹底されているかお伺いします。
(5)、日本の中高生の両親に対する親近感、信頼感に対する調査結果で、諸外国に比べ低いことについてお聞きします。
ア、親子の関係に疑問を抱く事件が日常的に起こり、特に大変な問題だという意識が薄れてきていることを憂い、東洋大学の仲里教授が日本、韓国、中国、米国など7カ国で中高生6000人を対象に親子の心の絆について調査した結果、親に対する親近感、信頼感について、米国が母親について80%、父親が78%、中国では母親が77%、父親が70%、韓国では母親が55%、父親が47%が親近感があり信頼しているという結果が出ているのに対して、日本の子供たちは母親に対し21%、父親では何と10%と低いことがわかりましたが、この数値は一体何を物語っているのか教育長の御所見を伺います。
5、環境行政について。
(1)、県が第三セクターで設置する産業廃棄物管理型最終処分場の整備について。
ア、施設整備促進基本構想検討委員会で検討された施設の規模について使用期間15年とし、容量30万トンの基準は第三セクターとしては小規模の感がするが、その根拠は何か伺います。
イ、逼迫する処分場と言われるが、現在の産業廃棄物処分場の数と受け入れ可能残容量はどのようになっているかお聞きします。
ウ、地域ごとに必要だと思うが、何カ所に設置する考えか伺います。
エ、米軍基地からの廃棄物を受け入れた場合、県の見込みでは年間5800トンだが、現在年間3万5000トン以上搬入されており、米軍だけで15年で52万5000トンになるが、処分量に応じた費用負担は可能かどうか伺います。
オ、南部地区廃棄物処理施設整備推進協議会の施設建設部会が南部市町村で組織され、既に処分場候補地の踏査を始められているが、県は状況を把握されているか。また、第三セクターの中に加入できないかお伺いします。
(2)、産業廃棄物に関する税導入について。
県は、税を課すことにより産業廃棄物の排出抑制やリサイクルへの誘導や適正処理により一層の推進を図るとともに、その税収を産業廃棄物処理施設の安定的な確保やリサイクルに関する技術開発の支援等、今後の多様な産業廃棄物政策の財政需要に充てることを目的に税の導入を考えているが、次の点について伺います。
ア、産廃税の導入状況は全国ではどのようになっているかお聞きします。
イ、税導入の時期、導入後の結果がどのように改善されたか、全国の導入地を調査されたのかお聞きします。
ウ、県の試算で税率が全国一律で1トン1000円とし2億4000万円見込んでいるが、公共事業等積算単位に税負担分を加算するかお伺いいたします。
エ、税導入によって不法投棄が懸念されるが、県はどのように対処されるかお伺いをいたします。
オ、県の実施した関係業界に対するアンケートで、税の導入について賛成、反対の結果がどのようになっているか。その結果をどのように構想の中で反映をさせていくかお伺いをいたします。
以上、執行部の誠意ある答弁を求め、再質問はいたしません。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
當山眞市議員の御質問にお答えいたします。
最初は、郵政事業のユニバーサルサービスに対する見解についてお答えいたします。
本県には多くの離島・過疎地域があり、これらの地域においては郵政事業と住民生活とは極めて密接な関係にあります。県としては、今後とも郵政事業の安く、あまねく公平なユニバーサルサービスの確保は欠かせないものと考えており、郵政事業の民営化に際し、離島・過疎地域における郵政事業のサービス低下を来すことがあってはならないと考えております。
次に、郵政民営化に対する対応についての御質問にお答えいたします。
現在、政府において法案化に向けた準備を進めているところですが、離島・過疎地域における郵政事業のサービス確保については、第1に、過疎地については現在の郵便局ネットワークの水準を維持すること、第2には、郵便に加え、貯金・保険の金融サービスについても実質的にユニバーサルサービスを担保することを盛り込む方向で調整がなされていると承知しており、一定の評価をしております。県としては、政府における調整を注意深く見守りつつ、離島・過疎地域における郵政事業のサービス低下を来すことがないよう適宜国へ働きかけていきたいと考えております。
次に、陸軍複合射撃訓練場についての御質問にお答えいたします。
陸軍複合射撃訓練場の建設中止について、私は、大野防衛庁長官や政府関係者等に対し機会あるごとに申し入れており、また県選出国会議員へも協力をお願いしているところであります。政府においては、米側とさまざまな検討を行っているとしており、跳弾防止壁の設置案はその一環であると認識しておりますが、県としては一貫して工事の中止を求めているところであります。
次に、県案における基地の整理縮小についての御質問にお答えいたします。
基地の整理縮小については、米軍再編の中で訓練の移転や兵力の削減・移転、基地の運用改善等一層の合理化に連動して図られるべきであると考えておりますが、いわゆる数値目標は設定しておりません。
次に、基地所在市町村との協議や地主の意向についての御質問にお答えいたします。
県は、米軍施設の所在市町村長から実際の基地負担の状況や地域の意向を伺ってきたところであります。また、米軍基地の再編は地主や駐留軍従業員の生活にも影響することから、地主会連合会や全駐労の意向も伺っており、県としてはそれらを踏まえた上で県の考え方を取りまとめているところであります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 読谷補助飛行場の返還についてお答えいたします。
楚辺通信所の返還遅延について、県としては平成17年1月に大野防衛庁長官が来県した際、政府において地主や読谷村の理解を得るよう努めるとともに、読谷補助飛行場の返還も含め跡地利用への影響がないようあらゆる方策を検討し、一日も早い返還の実現に努めるよう申し入れたところであります。また、跡地利用への影響がないよう読谷村と連携し、政府に対し働きかけていきたいと考えております。
次に、読谷補助飛行場の電波緩衝地帯としての機能についてお答えいたします。
那覇防衛施設局に照会したところ、現時点においても読谷補助飛行場は楚辺通信所の電波緩衝地帯としての機能を有しているとのことであります。
次に、嘉手納弾薬庫地区内における飛行場修復訓練の中止について一括してお答えいたします。
県は、当該事故発生の連絡を受け、嘉手納基地渉外部及び那覇防衛施設局に対し、当日午後に予定されていた訓練の中止を申し入れました。また、12月13日には地元嘉手納町の意向を踏まえ、第18航空団司令官を初め那覇防衛施設局長、外務省特命全権大使に対し、当該訓練施設の移設を含め今回のような事故の再発防止に万全を期し地域住民に影響がないよう強く要請したところであります。
嘉手納飛行場周辺地域においては日常的にさまざまな基地被害に悩まされていることから、県としては周辺住民に被害や不安を与えることがないよう当該訓練施設の移設を含め、今後とも適切に対処してまいりたいと考えております。
次に、嘉手納基地への移駐中止と普天間飛行場の嘉手納基地への統合について一括してお答えいたします。
那覇空港滑走路工事に伴う自衛隊機の一時移駐については、工事が完了するまでの一時的なものと理解しており、政府においては、周辺地域における騒音被害が増大しないよう騒音等の影響を最小限にする努力が必要であると考えております。
また、去る2月10日、普天間飛行場滑走路修復工事に伴い、同飛行場所属の空中給油機など17機が嘉手納基地へ一時移駐するとの連絡を受け、県は嘉手納基地及び外務省沖縄事務所に対し申し入れを行ったところであります。
具体的には、嘉手納基地周辺は現在でも騒音がひどく住民生活に大きな影響を及ぼしており、今回の措置でさらなる悪影響が出ないよう配慮を求めるとともに、嘉手納基地の代替使用については地元の嘉手納町などが大きな不満を持っていることから、国や米軍は地元に対し十分な説明をするよう申し入れを行ったところであります。
今回の一時移駐は、工事が完了するまでの一時的なものであると考えております。県としては、新たな基地負担の増加につながることについては反対であります。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 泡盛の販路拡大についてお答えいたします。
本県の泡盛産業は、品質向上に向けた研究開発や業界の積極的な事業展開等により大幅に出荷量を増大させております。
県では、これまで県外における物産展の開催や泡盛同好会の活動に対する支援等により泡盛の販路拡大を図ってきたところであります。特に、平成16年度からは若年層や女性層を対象にした全国版の専門誌や首都圏で購読されている新聞等を通して泡盛の魅力を広く周知しているところであります。県としては、今後とも泡盛業界との連携を図りながら、県外出荷の拡大に向けた取り組みを促進していきたいと考えております。
続きまして、泡盛の海外進出についてお答えいたします。
本県の泡盛は、沖縄のブランドとしての地位を確立していくことが重要であることから、現在、県外、国外への出荷拡大を促進しているところであります。
泡盛の海外展開については、泡盛業界が中心になって米国や欧州等で幅広い取り組みを進めており、着実にその足場が固まりつつあります。このような業界の取り組みは、本県の泡盛産業の振興を図る上から大きな意義を持つものであり、今後の泡盛産業を飛躍的に発展させる可能性を有しているものと期待をしております。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 入札参加登録業者数と県発注の工事件数についてお答えいたします。
平成15年度における沖縄県入札参加資格登録業者数は3787業者で、県発注の工事件数は2095件となっております。
続きまして、各ランク別の発注状況についてお答えいたします。
平成15年度の土木建築部における各ランク別の発注状況は、土木一式工事を例にとると発注件数は684件であります。そのうち特Aランクへの発注は79件、Aランクが175件、Bランクが138件、Cランクが190件、Dランクが102件となっております。
続きまして、建設業の淘汰、再編に関する指導についてお答えいたします。
建設業においては、昨今の建設投資の縮減の影響を受け厳しい経営環境にあることは承知しているところであります。
県としては、建設業の過剰供給構造の是正に向けての取り組みを促し、一方で経営基盤の強化と経営の効率化を図ろうとする企業の努力を評価することによって足腰の強い建設業の育成を図っていくことが必要であると考えております。そのため、入札契約適正化法に基づく施工体制の適正化等を図るとともに、不正行為の防止措置を徹底するなど建設業法に基づく不良・不適格業者の排除対策を積極的に講じてまいります。今後とも、入札契約における公平性や透明性を確保しつつ、技術と経営にすぐれた企業が伸びることのできる環境整備を図っていくことにしております。
続きまして、現在のランク指数の全面的改正についてお答えいたします。
県の等級格付における評価基準のあり方に関しては、業界団体を初め各方面からさまざまな意見、要望等があります。県としては、格付の評価指標を固定化することなく、その時々の社会情勢の変化に対応していくことが必要だと考えております。
等級格付の決定に当たってはそのような御意見等も十分検討しながら、本県の地域経済や雇用問題への影響等も勘案した上で、総合的な見地から慎重に判断をしていくこととしております。
続きまして、県外業者と県内業者の受注割合についてお答えいたします。
平成15年度の県発注工事における県内業者と県外業者の受注割合については、県内業者が1020億8200万円で92.7%となって、県外業者が79億8800万円で7.3%となっております。また、国、公団等の発注した工事については県内業者が388億3700万円で51.2%、県外業者が370億7800万円で48.8%となっていると聞いております。
続きまして、発注拡大のための分割や共同企業体発注についてお答えいたします。
県においては、公共工事の発注に当たって工事の内容や現場条件等を勘案して可能な限り分離・分割発注を行っております。また、大規模工事や技術的難易度の高い工事においては、共同企業体方式により受注機会の拡大に努めております。今後とも、可能な限り分離・分割発注を行うなど地元企業への受注機会の拡大を図ってまいります。
続きまして、公共事業等積算に税負担分を加算するかについてお答えいたします。
公共事業の積算に当たっては、国土交通省等国の定めた標準的な積算基準を参考に、県で作成した「土木工事標準積算基準書」等に基づき実施しているところであります。
公共事業の積算に税負担分を加算するかについては、本県に先行して税導入を予定している九州各県の状況や税導入済み他県の状況等を踏まえ検討し適切に対処したいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 那覇空港沖合展開のタイムスケジュールについてお答えします。
那覇空港の沖合への展開等に向けては、平成15年度に国と県で構成する那覇空港調査連絡調整会議を設置し、現在、国と連携をして那覇空港の総合的な調査を実施しているところであります。今後は、空港能力向上の可能性を見きわめた上で滑走路増設の検討を行うとともに、積極的な情報提供や意見収集に努め、住民の合意形成を図ることとしております。
このようなことから、現時点ではタイムスケジュールを明らかにすることはできませんが、県としては今後とも総合的な調査を着実に実施し、早期の滑走路増設に向け積極的に取り組んでまいります。
○教育長(山内 彰) 学力低下と本県児童生徒の実態について一括してお答えします。
学力低下の議論は、経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)の結果によるものと思われます。読解力、学ぶ意欲、基本的な学習習慣に課題があると指摘されておりますが、その要因を学習指導要領との関連のみでとらえることは課題があると考えます。
現行の学習指導要領は、児童生徒一人一人の個性を生かし、みずから学び、みずから考える力などを培うことをねらいとしており、そのねらいのもと、各学校においては少人数授業や補習指導などを通してきめ細かな指導を行い、一人一人に確かな学力をはぐくむよう努めているところであります。
なお、本県生徒の学習到達度調査結果については、調査そのものが文部科学省の内部調査として行われており、調査対象校及び調査の結果については公表がされておりませんので御紹介できません。
学校週5日制についてお答えいたします。
学校週5日制の導入は、子供の時間的ゆとりと教育内容の充実を図り、みずから学び、みずから考えるなどの生きる力をはぐくむことであり、そのねらいに沿って推進することが重要であります。今後は、その内容の充実を図ることが大切であると考えております。そのため、本県においては、自然体験や社会体験などでの活動の場所の提供や内容の充実を図り、子供が地域で生き地域で育つ施策を推進しているところであります。
なお、本県における授業時数の確保状況については適正に確保がされております。
学力の二極化についてお答えいたします。
学力の二極化とは、上位層と下位層の2つの山ができた状態と考えております。昨年12月に公表された経済協力開発機構(OECD)によるPISA調査においては、全体的に上位層と下位層との得点のばらつきがありますが、広がりを示しており二極分化とは言えない状況と考えております。したがって、その要因についても二極化現象とは考えておりません。
なお、本県の達成度テストの結果を見ても小学校は右肩上がり、中学校も教科によってばらつきはありますが二極分化とは言えない状況となっております。
次に、懲戒処分についてお答えいたします。
本県の児童生徒の文化やスポーツ、学業面における活躍は近年目覚ましいものがあります。そのことは児童生徒の努力、教職員の深い教育愛、地域の協力によるものであります。しかしながら、ごく一部の教職員において教育に対する信頼を損なう行為があり遺憾に思っております。
平成15年度本県教職員の懲戒処分の状況は、体罰で戒告1件、わいせつ行為等で停職2件及び戒告1件になっております。この件数は、前年度と比較しますといずれも減少しております。引き続き教職員の適正な服務規律の確保に努めていきたいと考えております。
次に、危機管理マニュアルの徹底についてお答えいたします。
現在、各学校においては、危機管理マニュアルに基づき不審者侵入対策が講じられております。
対策の内容としては、教職員による声かけ、校内巡視、緊急時の連絡体制、警察等への学校周辺の巡回依頼等は徹底されております。しかしながら、校門の施錠、来校者のネームプレート、防犯カメラの設置等は課題も見られます。課題性については、その対応を促していきたいと考えております。今後、引き続き市町村及び関係機関と連携し、安全対策の充実に努めてまいります。
次に、家族についてお答えいたします。
家族における人間関係は、子供の心の成長に大きな影響を与える大切なものであると考えております。
ベネッセ未来教育センターが昨年行った調査では、約9割の日本の中学生が親子の会話がとれており、親は一生懸命働いていると思っているという肯定的な結果も出ております。
なお、家族のあり方については御指摘のように個々の生活時間がまちまちで、互いが何をしているのかわかりにくいといういわゆるホテル家族がふえているという報告があります。そのあしき条件が親への親近感、信頼感の薄さとなってあらわれているととらえております。
今後は、家族一人一人の人格が大切にされ、互いに意識的にコミュニケーションを図り、心を伝え合うネットワーク家族を目指すことが大切であると考えております。現在、本県が推進している子どもの居場所づくり推進事業は、ネットワーク家族を目指した取り組みの一つであると考えています。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 公共関与基本構想検討委員会最終報告での施設規模の根拠と地域ごとの設置について一括して答弁いたします。
県においては、昨年5月に学識経験者、経済界等の関係団体、市町村及び県の関係者から成る「公共関与による産業廃棄物処理施設の整備促進基本構想検討委員会」を設置し、具体的な方策について検討を進め、去る2月9日には同委員会から知事へ最終報告が行われたところであります。
最終報告では、民間の排出事業者責任と公共が政策的に関与するという基本姿勢を明らかにした上で、処理施設の機能としては最も重要かつ緊急性の高い最終処分場を整備することとし、その規模については産業廃棄物の中長期的な減量化・リサイクルの進展を勘案した上で、埋立容量をおおむね36万立方メートルとしております。
また、事業主体としては官民協調による第三セクターとし、国から廃棄物処理センターとして指定を受けることによって国庫補助制度を活用し、県全域を対象としたモデル的な施設整備を行う必要があるとしております。
次に、産業廃棄物処分場の現状についてお答えいたします。
本県の処理業者が有する産業廃棄物最終処分場につきましては、平成17年1月末現在19施設が設置されており、その内訳は、管理型最終処分場が2施設、安定型最終処分場が17施設となっております。
設置者からの報告によりますと、平成16年3月末における残余容量は管理型最終処分場では約9500立方メートル、安定型最終処分場では約380万立方メートルとなっております。
次に、米軍基地からの廃棄物の受け入れと処分量に応じた費用負担についてお答えいたします。
米軍基地から排出される廃棄物については、県内の廃棄物処理業者によって委託処理されており、平成14年度の1年間における処理量は、処理業者からの報告等によると生活系廃棄物が約3万4000トン、産業系廃棄物が約5000トンとなっているところであります。
このような現状を踏まえ、公共関与基本構想検討委員会の最終報告においては、米軍基地から排出される廃棄物の受け入れについては、廃棄物の適正処理を確保し県土の環境保全を図る観点から、米軍及び関係機関の動向を見きわめつつ対応していく必要があるとしております。
次に、南部市町村における一般廃棄物最終処分場の取り組み状況と公共関与による第三セクターへの編入についてお答えいたします。
本県においては、処理業者が有する産業廃棄物管理型最終処分場がここ10数年来新たな立地がなく逼迫していることから、民間の排出事業者責任と公共が政策的に関与するという基本方針のもとで公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備に取り組んでいるところであります。
南部地域の10市町村から成る「南部地区廃棄物処理施設整備推進協議会」においては、南部地域に一般廃棄物最終処分場を建設するため用地選定を進めているところであり、平成17年1月31日には各市町村から1カ所ずつ計10カ所の候補地を選定し、その後、2月上旬には現地調査を行ったところであると聞いております。当該協議会では、南部地域における一般廃棄物の最終処分場の整備に向けて取り組んでいるところと理解をしております。
次に、産廃税に関しまして、他県における産廃税導入後の効果とその調査についてお答えいたします。
産業廃棄物に関する税については、循環型社会の形成に向けて産業廃棄物の排出抑制、再生利用及び適正処理を一層推進するため検討を進めているところであります。
県においては、産業廃棄物税に関する先行県の取り組み状況についてアンケート調査や情報媒体を通じて把握するとともに、山口県や秋田県などに出向き税制度の仕組みや施行後の状況等について調査してきております。
先行県における税導入後の効果等については、導入後の経過期間が短いため現時点で明確な把握までには至っていないとのことでありますが、全国で初めて平成14年4月に導入した三重県においては、生産工程の改善による排出削減やリサイクルの取り組みにより最終処分量の減少につながっているとのことであります。
次に、産廃税導入による不法投棄対策についてお答えいたします。
県においては、これまで不法投棄等の発生防止を図るため保健所による通常の監視・指導に加え、市町村、保健所、警察等の関係機関が連携した合同パトロールの実施などによりその未然防止に努めてきております。平成15年度には、より一層の対策強化を図るため警察本部生活安全部と文化環境部が「美ら島環境クリーン作戦本部」を設置し、悪質な不法投棄事案の措置や捜査について連携を密にしながら取り組んでおり、さらに今年度からは福祉保健所へ廃棄物監視指導員として警察OB3名を配置し、地域における監視・指導体制を強化するなど、積極的な不法投棄防止対策を進めているところであります。
今後、さらに不法投棄対策等の充実強化を図っていきたいと考えております。
○総務部長(仲田輝享) 全国の産廃税の導入状況と導入時期についてお答えいたします。一括して答弁いたします。
平成12年の地方分権一括法による課税自主権の拡大を契機に、産業廃棄物に関する税については全国40余りの道府県において検討が進められております。
導入年度別に見ますと、平成14年度に三重県の1県、平成15年度に青森県ほか6県、平成16年度には新潟県ほか2県となっており、合わせて11県において導入されております。さらに、平成17年度には宮城県、京都府、島根県、それから九州7県の合わせて10府県が導入する予定となっておりまして、この分を含めまして合わせて21府県で導入されることになります。
それから、アンケート結果と今後の取り組みについてお答えします。
県においては、昨年9月に「沖縄県産業廃棄物に関する税構想」を公表し、この構想をもとに専門家懇話会を開催する一方、昨年11月には税導入の必要性等について排出事業者と産業廃棄物処理業者に対してそれぞれアンケート調査を行いました。
その結果、排出事業者では税導入について賛成が73%、反対が20%、それから産業廃棄物処理業者では賛成が65%、反対が30%との回答になっており、循環型社会の形成に向けた意識の高まりを背景に産業廃棄物に関する税の導入の趣旨について関係者の多くは賛成の意を示しております。
賛成の理由としましては、税収活用による産業廃棄物処理施設の充実が図られる、それから税の導入により再使用・再生利用への取り組みと排出抑制が図られる等の意見が多くありました。また、反対理由としましては、経済負担の増、不法投棄の増加の懸念等が挙げられております。これらの意見を十分に考慮いたしまして、産業廃棄物対策に対する有効な施策を検討してまいりたいと考えております。
また、あらゆる機会をとらえまして周知活動を行い、産業廃棄物に関する税について県民の皆さんの御理解と御協力が得られるよう努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○當山 眞市 議長、休憩願います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時 休憩
午前11時2分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
吉田勝廣君。
〔吉田勝廣君登壇〕
○吉田 勝廣 おはようございます。
県民の会を代表して質問をいたします。
私は、自分の生まれた日も定かではありません。まさに戦争っ子で、壕の中で生まれたといいますか、そしてその戦後60年とともに私の年も変わっていきます。ことし還暦を迎える一人ですけれども、議員になりまして、議員って一体何なのということを自問自答を繰り返しながら悩める若い一人でもあります。
そこで質問いたします。
アウシュビッツでは、忘れない、それから広島は、二度と過ちを繰り返さない。私たち沖縄県は、戦争を起こすのも人間です、またそれ以上に戦争を起こさない努力ができるのも人間ですということで、沖縄の心を表現しているんじゃないかと思います。
そういうことから、ドイツの大統領のヴァイツゼッカーが1985年にドイツの敗戦40周年で、ドイツの連邦議会でこういう演説を行いました。「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです。」と。そして「若い人たちは、たがいに敵対するのではなく、たがいに手をとり合って生きていくことを学んでいただきたい。」。そして私たち議員には、「民主的に選ばれたわれわれ政治家にもこのことを肝に銘じさせてくれる諸君であってほしい。そして範を示してほしい。」ということで、「自由を尊重しよう。平和のために尽力しよう。公正をよりどころにしよう。正義については内面の規範に従おう。今日5月8日にさいし、能うかぎり真実を直視しようではありませんか。」と結んでいます。
このことは今後の国のあり方論で非常に示唆に富んでいるのではないでしょうか。
今、私たちの国は、学校を卒業したけれども、職があって職がなく、フリーターやニートになる若者もふえております。そして会社をリストラされた40代、50代の半ばの人々は職探しに翻弄され、いわゆる世帯主としての威厳も失っています。政府も県も私たちも少子化傾向を心配しているが、今日、勤労者世帯3.6人の収入は250万から400万の間に集中し、若い人の収入に至っては200万円にも足りません。その上、パート、アルバイト、派遣・契約社員など非正規社員雇用、不安定労働者が約2500万人、景気次第によってはいつでもリストラ、首が切られる、そういう状況の中で生活設計ができるわけがありません。ですから、産み育てるという環境になっていないのが現状ではないでしょうか。
かつて、働く者は劣悪な労働条件を改善をするために労働組合を結成をし、そして諸権利確立、生活権確立のために闘いました。憲法にもそのことが明示をされ、保障されました。しかし、現状はみずからの主張もできず、そして闘うこともありません。組織もその機能はしていないのではないかと、そういうことを非常に憂慮するものであります。
歴史には、首切りや権利闘争に立ち上がった多くの先輩たちがおります。そしてみずからの生きざまをかけて闘い、無権利状態の中で団結権や争議権、そして自治権をかち取った沖縄の歴史もあり、私たちはそれに学び、そして仲間を大事にするということをこのことが教えているんではないでしょうか。自己を主張し表現をすることは自分を大事にすることだし、そして自分を大切にすることは他人を大切にすることであります。自己主張し、表現し、それができない社会には民主主義は育ちません。その意味でフランスの高校生が団結をし、デモ行進など行動を起こし、政府の施策を変えたこと、これに大きな拍手を送りたいし、また変更した政府の勇気にも拍手を送りたいと思います。
しかし、残念ながら今の日本の現状は――命はとうといものと言われ、だれもがそれを信じて生きてきました――今日の状態は、児童虐待、みずからの命を絶つ自殺者が3万人を超えて、そして人の命を簡単に奪う児童生徒、そして若い人がふえました。
私たちが怖いのは、このような事件がマンネリ化をして一つの社会現象として消え去ることに恐れを感じます。しかし、かつてはこうした児童生徒に対して地域には雷おやじや優しいおばあちゃんがいて助言をし、大人が注意したりしたものだと思います。核家族とともに地域コミュニティーが崩壊したのでありましょうか。今、こうした児童生徒、若者に手を差し伸べている人が、相談相手になってくれる人がいるのだろうか、組織があるのだろうか、各公共機関は機能を果たしているのか、みずからの立場で考える必要があります。
その意味で、琉球新報の活動賞で表彰を受けた方々のあのさわやかな弁舌に感動し、そしてまた子供たちのために40年も信号灯の前で立って子供たちを守っている人々も知っています。こうして各地域で多くの方々がそれぞれのできる範囲で一生懸命に頑張っていること、こうした人々の広がりがこうした子供たちを救えるのではないかと私は思います。
若い人があすの沖縄やあすの日本をつくり出します。若い人に夢があり、自己表現ができる環境をつくりたいものであります。
以下、質問いたします。
2005年度予算案について。
今年度の予算の特徴は、厳しい三位一体改革の中で沖振法に基づく高率補助を特別交付金として創設し3000万円が計上されました。そして当初予算が6000億円を割ったことであります。特に、沖縄振興特別交付金の創設については知事の気迫で分厚い岩をも通した感があります。
そこで伺います。
沖縄振興特別措置法の改正案が国会に提出されておりますが、その内容と今後の展開について伺います。
(2)、県予算が6000億円を割ったが、小泉内閣の公共工事の縮減及び三位一体の改革は、県経済や雇用に大きな影響を与えていると思うが、県はどのように分析しているのか。
2、戦後60年の節目に。
1945年沖縄の悲惨な地上戦で県民及び日米両軍人、そして強制連行された朝鮮の人々も亡くなりました。一般住民がこれほど軍人よりも上回って亡くなった戦争は世界に類がありません。
そこで伺います。
戦後60年に当たって、悲惨な戦争体験をした沖縄県民の知事として平和を創造する決意を伺います。
また、戦争体験した県民が少なくなるにつれてこうした悲惨な地上戦も風化しつつあり、危機感を持っております。そこで、二度とこうした悲惨な体験をさせないために、風化させないためにも積極的に平和教育が必要だと考えます。教育長の所信を伺います。
政府・各政党及び知識人間等で改憲論議がなされているが、私は歴史的背景と国際情勢を冷静に分析し、かつ沖縄を視点に置いた論議が必要だと思慮しますが、知事の改憲論議に対する見解を伺います。
海外においても、第2次世界大戦において財産を没収・略奪され、あげくの果てに強制移住させられた県系人も多数おり、こうした体験や内実を調査することは県の重要な役割と判断するが、知事の決意を伺います。
3、基地問題について。
在日米軍の再編問題について。
知事のこの問題に対する強い決意は所信表明からもひしひしと感じております。
私は、在沖米軍の再編問題について軍事力の分析、演習の頻度、騒音被害、振興開発にとっての必要な土地、関係市町村に及ぼす危険度、現在までの事件・事故等を分析・勘案して、演習の分散、基地の撤去・縮小・移転を要請する必要があると考えるが、知事の決意を伺いたい。
また、基地は好むと好まざるとにかかわらず基地労働者、軍用地主会、関係市町村、議会、関連業者と深い関係にあり、これらの関係者とも協議し進めなければならないと思うが、見解を伺います。
政府は、残念なことに再編問題に関して日米間で協議していることを関係知事会にも明らかにせず、いわんや75%の米軍基地が存在している県の知事にも何ら報告がないとは情けなく思います。軽視されております。一方的に日米間で共同戦略目標を設定して強引に進めようとしていることに知事も怒り心頭と推察するが、今後の知事の対応について伺いたい。
日米両政府に再編に関して具体的にかつ根拠を提示し、沖縄県の意思を明確に力強く訴えなければなりません。
そこで県の具体的な要請事項を明らかにされたい。
(2)、都市型訓練施設建設問題について。
オジーやオバーが必死になって今伊芸区民を中心にゲート前で寒風、雨の中、午前4時過ぎから抗議・反対、説得行動を展開をしております。来る3月21日で300日を迎えようとしている。多くの方々は、知事、移設でもいいではありませんか、何とかなりませんか、私たちは毎日頑張っていますとオジー、オバーの声が聞こえてきます。知事の決意を伺います。
270日余の抗議行動で米軍や業者等と多少のトラブルが発生したが、県警の掌握している件数を明らかにし、内容の説明を伺いたい。
地位協定3条に都市型訓練施設は違反するのか、県の見解を伺います。
地位協定について。
県の努力は評価するが、抽象的ではなく、具体的に法律、条文を作成し、日米交渉に臨む方が効果的と考えるがどうか。
基地内で発生する赤土、騒音、汚水等で立入調査を実施したことがあるのか。
基地内で発生した事件等で軍人間、軍人・軍属間、軍人・日本人間で地位協定上の処理方法に違いがあるかないか、条文を明示して明らかにされたい。また、キャンプ・ハンセンで発生した殺人事件について県警及び県に報告があったか伺いたい。
軍事車両のナンバープレートがないのをよく見かけるが、これは地位協定に違反しているか伺いたい。
沖縄振興推進計画及び経済振興について。
国は3次にわたる沖縄振興開発計画の成果と反省を踏まえ、新たな沖縄の発展に向けて沖縄振興計画を策定、平成14年7月からスタートした。それに伴い沖縄県は、沖縄振興計画を着実に実施するために沖縄振興推進計画を作成し、あえて期間と目標値を設定し、みずから施策の効果を検証し、次の振興推進計画へ発展させるものであるとし、そのことを私は高く評価をしております。いわゆる準マニフェストに等しいものであります。
(1)、そこで私はまず、国の同意を得た沖縄県観光推進計画、沖縄県情報通信産業振興計画、沖縄県農林水産振興計画、沖縄県職業安定計画等の計画の進捗状況及び県独自で計画した7つの分野別計画の進捗状況はどうなっているか、成果と課題について伺います。
17年から19年に向けての計画の作成は、中間的総括も含むものであり、平成24年度の計画の終了に向けての重要な期間であると認識いたします。自立経済の確立のために県民の英知を結集する必要があります。そのために選択と集中を徹底し、展望を開くことが大事であります。知事と企画開発部長の決意を伺いたい。
経済は生き物であり刻々と変化するが、平成18年度までの三位一体の改革、そして19年度からの本格的な改革が断行されるが、今後の5年間の経済の見通しと県財政の見通しを明示されたい。
沖縄県の姿から見た疑問点について。
(1)、昭和47年度から平成15年度まで沖縄振興開発事業費7兆3389億円を投入したが、なぜ県民所得は200万円前後を推移しているのか。
(2)、沖縄県は住みやすい、暮らしやすいと人口の増加が著しい。人口がふえれば元気のある証拠だが、人口が増加すればするほど就職口が狭くなり、失業率は改善されないのか。若年労働者の失業率の全国一は別に理由があるのか、改善策はあるのか伺います。
(3)、年間530万人余の観光客が来沖する中、農業の生産額は1000億円を投資して、生産高は1000億円を割っている。もちろん農業は費用対効果で判断できないが、知恵はないのか。地産地消とは何を意味するのか。
(4)、(1)と(3)と同じように、第2次産業の生産額が低いのはなぜか。特に製造業が育たないのはなぜか。
環境問題について。
PCBの処理について。
平成13年に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」が制定され、保管業者は平成28年までに処理が義務づけられている。県内の保管状況と処理の見通しを伺いたい。
県は、PCBの処理基金、現在は独立行政法人環境再生保全機構へ移管されているが、これまでの拠出額は幾らか。拠出の目的は何か。
現在、PCBの処理は北九州市で日本環境安全事業株式会社で処理されているが、汚泥処理はいつごろから始まるのか。
恩納村に那覇防衛施設局が保管している汚泥も処理は可能か。
家畜ふん尿について。
家畜排せつ物法を執行していない農家をどのように指導していくのか伺いたい。
悪臭を防止し、地球環境に優しいバイオマスが注目されているが、現在バイオマスを導入している都道府県はあるのか。県も導入する考えはないか。現地を視察されたことがあるのか。
豚の生産数が減少しているが、その原因と今後の増産計画と対策について伺いたい。
外来種について。
大田県政時代、1996年に「沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物―レッドデータおきなわ―」を発行し警鐘を発したが、当の県の対策は非常におくれた感がある。これを取り戻すためには財政も人材も必要である。対策を伺いたい。
赤松(松くい虫)対策について。
これも上記と同様、対策が遅過ぎた。現在、莫大な予算を投入しているが、根絶するための事業計画はあるのか伺いたい。
赤松を除去した後に植栽し、森林を保全し再生することは重要だ。部長の見解を伺いたい。
赤松の処理方法について、有効利用、焼却、その他を明らかにされたい。
リサイクルについて。
県民の性格としてアメリカナイズされたのか、リサイクルに対する認識が薄い。リサイクルをライフスタイルの中に組み入れるためにどうすればよいか、決意を伺いたい。
福岡県は、北九州市の工業団地にエコリサイクルセンター、産業廃棄物センター等の施設を誘致ないし第三セクターで建設しているが、県もこれらの「ゼロエミッション・アイランド沖縄構想」の実現に向けて先進県に学び、取り組むことは重要だ。見解を伺いたい。
津波・地震対策について。
インド洋大津波は、島嶼における津波被害の深刻さを改めて浮き彫りにした。また、海洋性レジャーを中心とした観光地への被害も甚大であった。県の立地条件や産業構成を考えると他人事ではなく、まさに沖縄県の津波危険性に対する警鐘と考えるべきだ。
そこで伺います。
県は、平成8年度沖縄県地震被害想定調査報告書を策定して以降、津波対策への取り組みは進んでいるのか。同時に津波被害の防止計画も策定されたが、現状はどうなっているか明らかにされたい。
平成16年5月、国土交通省で海岸堤防等の調査が実施されたが、その結果を明らかにされたい。
津波・高潮ハザードマップ作成のための予算が計上されているが十分か。市町村との連携はどうなっているか。
平成17年度から津波危機管理対策事業が創設されたが、東海地震、九州、北海道等の地震対策が中心であり、南西諸島は後回しになるおそれがあり、早急な対策が必要だ。今後の対策を伺いたい。
地震調査研究推進部では、与那国島周辺ではM7.8程度の地震が今後30年以内に発生する確率が30%程度と推定されているが、県の対策を伺いたい。
教育問題について。
中学2年生の数学の達成度テストで50点満点中15点以下が22%を占めている。その原因と早急な対策が必要である。
小学校、中学校の達成度テストの結果について伺いたい。
県立高等学校入学者選抜学力検査の結果について伺いたい。
平成17年度センター試験で全国順位総合で43位、文系42位、理系45位である。この結果についても伺いたい。
学力向上に対する教育長の決意を伺いたい。
高校生のミニスカートについて。
小さい規則でも守らせる指導をすることが重要だ。今年度の新入生から具体的対策が必要だと考えるがどうか。
有害図書等の販売等について。
有害図書等の販売に関する調査についての報告を伺いたい。
コンビニ等における成人コーナーの陳列に問題はないかどうか。
フリーターとニートの問題について。
フリーターは全国で209万人と推計されている。全国的にもフリーター、ニート対策が取り組まれているが、その中、沖縄開発青年隊が話題になったが、県内のフリーター、ニートの実態と対策について伺いたい。
財政の確保について。
三位一体改革の中で、公共工事の縮減で財政は厳しい状況だ。そこで私は、財政の確保のために行政改革の徹底と選択の集中の強化、新たな税の創設が必要と考えております。新たな税の創設としてレンタカー使用に関する美ら島税――これは仮称でありますが――の導入を提言をしたい。
現在、レンタカーは1万2000台が運行し、貸し出し回数が115万2238回であり、貸し出し日数で254万4779日であり、この回数に200円の税を課すことによって2億3000万円、日数に掛けると5億895万円となるが、県の見解を伺いたい。
地位協定で免税措置されているとの矛盾を指摘し、代償措置をすべきだと考えるが、見解を伺います。
県産品の優先使用について。
県産品を優先使用することは県経済の振興や雇用に大きな寄与になります。
そこで伺います。
県立中部病院の建設、沖縄県総合福祉センターの建設及び古宇利大橋の建設で何%の県産品が使用されているのか。
また、県産品であるが、材料等については輸入に依存しているものもある。依存度は何%か。
県産品以外で最も県で消費されている建設材料及び食料品類等は何か。
県産品優先使用の戦略をどう考えているか。
北部振興について。
平成12年度からスタートした北部振興事業は6年目を迎えるが、公共の事業費は95億4600万円しか活用されていない。この件に関しては当初から繰り越しができないので配慮すべきだと主張していたが、17年度から改善されたようである。しかし、北部振興は平成22年度で終了する予定であり、現状では残された期間で400億円の予算を執行することは厳しい状況であると判断する。
そこで伺います。
北部振興策定時、5年目で見直しを行うとの協議があり、成果と課題をまとめ、北部振興協議会に提起することが重要だ。現在の進捗状況と課題について説明をされたい。
その結果を踏まえ、公共から非公共へ事業費の移管を大胆に求めるべきだと判断するがどうか。
地方財政と市町村合併について。
沖縄県と北海道の市町村合併率が低いようであるが、その原因は何か。
市町村合併には市町村長の決意が決定的な力を持つと考える。また、財政力指数、公債費比率、経常収支比率、税収等の財政力と地域間の文化交流も左右するが、現在の市町村の財政をどのように評価し分析しているか伺いたい。
県の市町村合併に対する今後の方針と決意を伺う。
少子化・虐待・長寿について。
命はとうとい、だれもがそう信じておりました。しかし、生まれた子供を虐待、少年による殺人、守るべきはずの施設での虐待、みずから命を絶つ若い人、自殺者も3万人を超えた。そして一方では、少子化傾向で子育て支援の施策を進めている。なぜこんな世の中にと絶句をしている。そして沖縄県の男子の長寿社会も陰りを見せている。
命のとうとさを学校でどのように指導しているか。最近の学力低下問題でゆとりの時間が軽視されがちだが、生きる力とともに生きることをはぐくむ、仲間意識を醸成する教育が学校、家庭、地域で求められている。教育長の見解を伺う。
虐待を防止するためには家庭での安定が重要と考えるが、今後の対策を伺う。
世界的に有名な週刊誌「タイム誌」に沖縄県の長寿社会が紹介されているが、男子の長寿に警告も発している。長寿社会の維持のためにどのような計画があるか伺います。
以上、また答弁によっては再質問いたします。
○知事(稲嶺惠一) 吉田勝廣議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、平和創造への決意についての御質問にお答えします。
私たち沖縄県民は、過去の体験等を通じて命のとうとさを肌身で感じ、何よりも平和の大切さを知っております。世界の人々が平和を脅かすさまざまな問題を解決し、平和共存の社会を実現していくためには民族や宗教などの違いを乗り越え、寛容の心を持ってお互いの立場を尊重し合い、相互理解に努めることが重要であります。この寛容の心をあらわし、世界の恒久平和を祈念するものとして平和の礎を建設し、国籍を問わず沖縄戦におけるすべての戦没者の刻銘に努めているところであります。
アジア・太平洋地域を中心とする平和の構築、維持に沖縄が主体的にかかわっていくものとして創設された沖縄平和賞については、過去2回の贈賞を通して県民の御理解が深まったものと考えております。また、中村哲を支援するペシャワール会によるオキナワピースクリニックの建設やAMDAのスマトラ沖地震被災地での医療救援活動など、受賞者の平和構築維持活動を具体的に支援することができたと考えております。今後ともこのような事業の継続実施により、平和を希求する沖縄の心を世界に発信し、世界の平和創造に貢献できるよう取り組んでまいります。
続きまして、改憲論議についての御質問にお答えします。
憲法論議については、さまざまな団体等においてさまざまな意見や提言があり、国民の間で論議が高まりつつある状況を見ますと、時代の変化に応じて検討する必要があると思いますが、時代の変化をどう認識し、対応していくのかについて十分に議論すべきだと考えております。いずれにしましても、憲法については主権者である国民がさまざまな議論を通してより理解を深めることが重要であると考えております。
次に、米軍再編における県の要請についての御質問にお答えをいたします。
米軍再編における本県の基地負担軽減の考え方をまとめるに当たっては、本県の米軍基地の状況や地域における基地負担の現状を踏まえることが肝要であると考えております。そのため、事件・事故の発生状況や航空機騒音、環境汚染等基地負担の状況や基地所在市町村における財政的な影響、振興開発への影響などについて情報の収集と整理を行ってきたところであります。
また、当該作業に当たっては県が把握している情報のほか、米軍施設の所在市町村から実際の基地負担の状況等を伺い、幅広い情報の収集に努めております。県としては、それらも踏まえた上で県の考え方を取りまとめているところであり、米軍再編の協議の状況も見ながら適宜より具体的なものを打ち出していきたいと考えております。
次に、基地問題で関係者との合意形成についての御質問にお答えいたします。
県は、米軍施設の所在市町村から実際の基地負担の状況や地域の意向を伺ってきたところであります。また、米軍基地の再編は地主や駐留軍従業員の生活にも影響することから地主会連合会や全駐労の意向も伺っており、県としてはそれらを踏まえた上で県の考え方を取りまとめているところであります。
続きまして、米軍再編への県の対応についてお答えいたします。
2月19日の日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2において、在日米軍の再編については、沖縄を含む地元の負担を軽減しつつ在日米軍の抑止力を維持するとの基本的な理念の合意がなされており、今後個別の議論が行われることとされております。県は、2月1日に政府に対し、渉外知事会を通じて在日米軍の再編に係る情報提供と地元の意向の尊重を要請したところであり、その際、町村外務大臣は、一定の案ができた段階でそれを示し、それぞれの自治体の理解を得るとしております。県は、米軍再編における本県の基地負担軽減の基本的な考え方を示したところであり、あらゆる機会を通じて日米両政府に強く訴えるとともに、協議の状況も見ながら適宜より具体的なものを提示し、米軍再編に的確に対応していきたいと考えております。
次に、米軍再編に対する県の考え方についての御質問にお答えいたします。
県としては、米軍再編の中で本県の米軍基地の状況、地域における基地負担の現状を踏まえ、基本的な考え方として在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善、陸軍複合射撃訓練場の建設中止、日米地位協定の抜本的な見直しを求めております。そのため、緊急的対応策として普天間飛行場の航空部隊や海兵隊の歩兵部隊等イラクに派遣されている部隊を戻さず県外移転することや、嘉手納飛行場の危険性の除去や騒音の軽減のための実効ある対策等を行うよう強く求めております。
次に、陸軍複合射撃訓練場建設中止の決意及び日米地位協定に係る見解について一括してお答えを申し上げます。
陸軍複合射撃訓練場の建設中止について、私は、大野防衛庁長官や政府関係者等に対し機会あるごとに申し入れており、また県選出国会議員へも協力をお願いしているところであります。同訓練場の建設について外務省は、日米地位協定第3条に規定する公共の安全への配慮がされているとしておりますが、県は、同訓練場の建設場所は住宅地域や沖縄自動車道に近く非常に危険であると認識しており、公共の安全への配慮が十分なされていないと考えております。
次に、沖縄振興推進計画の中で分野別計画策定に当たっての知事の決意についての御質問にお答えいたします。
本県を取り巻く行財政環境は、公共投資の縮減等国の行財政改革や国と地方の税財源の見直しなどが進められるなど、今後ますます厳しくなるものと考えております。このような中、第2次分野別計画については、沖縄振興計画の目標を着実に達成するため施策評価の計画への反映、行財政改革の一層の推進、徹底した「選択と集中」の姿勢で策定いたします。
続きまして、市町村合併に対する今後の方針と決意についてお答えいたします。
地方分権の流れが加速する中で、行政の広域化・高度化を図ることが求められており、このため、県としては市町村合併を積極的に推進しているところであります。本年4月から施行される合併新法では、総務大臣が定める基本指針に基づき、自主的な合併を推進する必要がある市町村を対象として県が合併に関する構想を策定することとしております。今後の構想策定に当たっては、各市町村の意向を十分に尊重する必要がありますが、可能な限り小規模町村を再編する方向で取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(花城順孝) 沖縄振興特別措置法の改正案の内容と今後の展開についてお答えします。
沖縄振興特別措置法の改正案の内容は、1つは、各省庁の補助金の交付金化に対応し従来のかさ上げ率を維持するものであります。2つ目は、特例措置等が講じられている補助金の廃止に対応し、廃止対象事業に対する特別交付金の創設であります。今後とも国と地方の税財政改革が進められていくものと考えられますが、沖縄振興のための特例措置についてはその趣旨が損なわれることのないよう国、地方六団体と連携し適切に対処してまいります。
次に、公共工事の削減及び三位一体の改革による県経済や雇用への影響についてお答えします。
政府の予算編成は、骨太の方針を踏まえ公共事業の大幅削減を含む厳しい内容となっており、今後とも公共投資は3%程度の削減が続くものと思われます。本県において公共投資の縮減は直接的には建設業に影響が生じますが、その影響は産業各分野に広く及ぶことから具体的に把握することは困難であります。
一方、三位一体の改革に伴う平成17年度からの国庫補助負担金の廃止は、本県の振興に重大な支障を来すおそれがあることから、本県の特殊事情を踏まえた新たな措置の創設を強く求めてまいりました。その結果、沖縄振興特別交付金制度が創設されることになり、引き続き本県の振興施策は着実に推進できるものと考えております。
次に、分野別計画の成果と課題についてお答えします。
法定の4分野別計画については、観光振興計画、情報通信産業振興計画が順調に成果を上げております。
職業安定計画では、高校新規学卒者の就職率が目標を達成する見込みとなっておりますが、労働力人口の伸びが大きいことから依然として厳しい雇用情勢となっており、引き続きその緩和が課題となっております。
農林水産業振興計画では、台風などによる農林水産業生産額の減少など厳しい状況となっており、拠点産地形成など戦略品目の供給体制整備が課題となっております。
法定外の分野別計画については、産業振興計画では「オキナワ型産業」の戦略的展開等により健康食品や泡盛の県外出荷が伸びておりますが、特別自由貿易地域における企業誘致などが課題となっております。
国際交流・協力推進計画では、外国青年招致、語学研修などを実施し、国際化の進展に対応した人材育成を図りましたが、世界各地とのネットワークの構築などが課題であります。
環境保全実施計画では、産業廃棄物の最終処分量が大きく減少するなど循環型社会の構築に寄与しておりますが、廃棄物排出量は依然として高水準で推移しており、さらに排出抑制・リサイクルなどに取り組むことが課題となっております。
福祉保健計画では、高齢者の介護サービスの充実を図ってまいりましたが、今後は安心して子供を産み育てる環境づくりがより一層重要となってまいります。
教育推進計画では、高校進学率は向上しておりますが、大学等進学率の向上などが課題となっております。
文化振興計画では、歴史資料の編集刊行により沖縄文化の源を確認できる環境づくりを進めておりますが、文化芸術を鑑賞できる機会のさらなる拡充などが課題であります。
社会資本整備計画では、県民が快適で潤いのある生活を享受できるよう多目的ダムの開発などを進めてきましたが、さらに質の高い観光・リゾート地の形成に資する社会資本の整備が必要であります。
以上、11の分野別計画について申し上げましたが、観光振興計画や情報通信産業振興計画の特筆すべき分野を初め環境保全実施計画、教育推進計画など総体としてはほぼ順調に成果が上がっております。来年度は第2次分野別計画の初年度であり、重要な節目になります。今後とも国や関係部局と連携し、沖縄振興計画の目標達成に向けて全力で取り組んでまいります。
次に、分野別計画策定に当たっての企画開発部長の決意についてにお答えいたします。
第2次分野別計画については、知事の答弁にもありましたように、施策評価の計画への反映、行財政改革の一層の推進、徹底した「選択と集中」を基本姿勢として関係部局と連携して策定を進めております。策定に当たっては、施策実施により得られる効果を成果指標として適切に設定しているかどうか、また第1次計画の成果や課題を踏まえつつ、沖縄振興計画の目標値をも見据えた目標値を設定しているかなど施策評価の仕組みの精度を高め、「選択と集中」が徹底できるよう各部局と調整をしてまいります。
次に、今後5年間の経済の見通しについてお答えします。
県経済を予測する場合は、財政支出を初め民間設備投資計画、金利、為替レート、原油価格、消費者物価、また我が国経済の全般的な動向など幅広い分野を考慮する必要があります。
加えて、これらの分野は変動要因が多いため5年先の経済を予測することは極めて困難であります。
次に、国費7兆円余を投入しながら県民所得が200万円前後を推移しているのはなぜかという御質問にお答えします。
本県においては、3次にわたる沖縄振興開発計画及び沖縄振興計画による総合的な施策が推進された結果、産業及び社会資本の整備を中心に相当の成果を上げてまいりました。復帰後の経済状況を主な指標で見ますと、県内総生産は昭和47年度の4600億円から平成14年度は3兆5000億円となり、約7.6倍となりました。人口は昭和47年の96万人から平成16年は40万人増の136万人で約1.4倍となり、就業者数も昭和47年の36万人から平成16年は23万人増の59万人となり、約1.6倍になっております。
1人当たり県民所得については、昭和47年度の44万円から平成14年度は203万円で約4.6倍となり、所得格差は復帰時の60%程度から70%程度に縮小をしております。人口は計画を上回る伸びを示し、潜在的活力は高いものがあります。
一方、産業振興については、島嶼性による狭隘な市場規模や本土市場からの遠隔性等の経済的不利性に加え、オイルショックや円高不況、バブル崩壊後の景気低迷等内外の経済情勢の悪化等もあり、必ずしも計画どおりに進展しておりません。このようなことが1人当たり県民所得の数値にあらわれているものと考えております。
次に、「ゼロエミッション・アイランド沖縄構想」の実現に向けた取り組みについてお答えします。
県は、環境保全と産業振興が共生する地域の形成を目指した「ゼロエミッション・アイランド沖縄構想」に基づいて、自然環境を生かした観光産業の高度な展開、自然エネルギー等の導入の促進、環境関連ビジネスの企業化の促進と資源の地域内循環の推進等に取り組んでおります。これまでに廃棄自動車の適正処理を推進するシュレッダーダスト減量化事業や最終処分場の延命化を図る島しょ型ゼロエミッション実証事業、リサイクル資材の公共事業における利用促進に向けた資材認定制度等を実施をしております。
次に、北部振興事業の現状と課題についてお答えをいたします。
北部振興事業の平成16年度までの採択額は、事業費ベースで公共事業95億5000万円、非公共事業274億9000万円、合計370億4000万円となっており、公共事業の執行は低い状況にあります。
北部振興事業の公共事業については、去る11月30日の北部振興協議会において予算を効率的に活用するために必要な措置を講ずることが申し合わされました。これによって事業採択の幅や地元の裁量度も広がるとともに、翌年度繰り越しも可能となり予算執行がスムーズになるものと考えております。現在、北部12市町村では、本年夏に予定されている北部振興協議会を目途に成果目標を設定した複数年度の事業計画を策定しているところであります。県としても国と連携して同計画の策定を支援をしているところであります。
次に、公共・非公共の事業費の移管についてお答えします。
現在、北部12市町村では公共予算の円滑かつ効率的な活用を図るための事業計画を策定中であります。道路、港湾、住宅、下水道等の公共事業は、産業振興基盤や定住条件の整備に重要な役割を果たしており、予算の枠内で公共及び非公共事業を着実に実施していくことが北部地域の振興に寄与するものと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) 海外県系人の戦時における強制移住等の調査についてお答えいたします。
第2次世界大戦において満州や南洋、ハワイ、北米などに移住した県系人においても悲惨な戦争体験をしており、この歴史的事実を正しく次代に伝えていくことは意義あることだと思います。県においては、旧南洋群島における沖縄県人の状況等を調査しておりますが、戦後60年が経過していること等もあって、海外県系人の戦争体験に係る全般的な調査は困難であると考えております。
次に、日米地位協定の改定案についてお答えいたします。
県が平成12年8月に作成した11項目の要請内容は、県議会、全市町村、庁内各部局の意見を聴取しながら各条文ごとに十分に検討を重ねた上で見直しの具体的内容を取りまとめたものであり、改定に必要な要点は提示してあると考えております。
次に、キャンプ・ハンセン内での殺人事件についてお答えいたします。
当該事件については米軍人同士による事件であり、日米合同委員会で合意された事件・事故の発生情報の通報基準に該当しておりません。したがって、県への通報はなされておりません。
次に、軍事車両のナンバープレートについてお答えいたします。
合衆国軍隊及び軍属用の公用車両に関する日米地位協定第10条2に関して平成8年3月の日米合同委員会において、米軍の公用車両は、日本の公道または私道において運用される際には番号標をつけることが合意されております。外務省に確認したところ、米軍の公用車両が合衆国軍隊の施設及び区域外で番号標をつけずに運用されている場合にはこれに違反していることになるとのことであります。県としては、そのような実態が確認できましたら日米合同委員会の合意に基づき是正するよう関係機関へ申し入れたいと考えております。
以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 都市型訓練施設建設に対する抗議行動におけるトラブルの発生状況等についての御質問にお答えをします。
米軍キャンプ・ハンセン基地ゲート前においては、地元住民の方々が昨年の5月末以来、連日抗議行動等に取り組んでいることを承知しておりますが、現在のところこうした行動に関し刑事事件として取り扱っているものはありません。
なお、その周辺に目を広げますと、昨年7月9日に伊芸区内の農道わきに設置してあった区公民館のスピーカーケーブルが切断される事案がありました。県警では被害届けを受理して所要の捜査を実施しておりますが、現時点、被疑者等は判明しておらず、訓練施設への反対運動との関連性も不明であります。
また、昨年7月22日には、米軍基地内で稼働する米国籍の男性による伊芸区内のガードレール等に掲げられていた「都市型訓練施設建設反対」ののぼり旗8本を持ち去る事案が発生しております。これについては米軍当局の協力のもと、被疑者を任意で取り調べ、昨年の8月13日、那覇地方検察庁に窃盗罪で事件送致したところであります。
これ以外に刑事事件として認知しているものはありません。警察といたしましては、事件・事故防止の観点から関係者に対して引き続き冷静な対応をお願いしたいと考えております。
次に、米軍基地内で発生した事件の処理方法の違いとその根拠及びキャンプ・ハンセン内の殺人事件に関する警察への報告についてお答えをします。
まず、日米地位協定上、被疑者及び被害者の属性の違い、また公務中、公務外の発生の違いによって日米の刑事裁判権の帰属が異なりますので、そのことから説明をいたします。
日米両国において裁判権を行使する権利が競合する場合については、日米地位協定第17条第3項に調整の規定があります。この第3項(a)により、2つの類型についてはアメリカ側が第一次裁判権を有することと規定されております。すなわち1つには、被疑者が軍の構成員または軍属であり、かつ被害者がもっぱら軍の構成員や軍属またはその家族である場合などの場合で、もっぱら事件と呼ばれる類型であります。
それからもう一つは、軍の構成員または軍属による「公務執行中の作為又は不作為から生ずる罪」、この2つの類型につきましてはアメリカ側が第一次裁判権を有しております。
また、次の第17条第3項(b)で、その他の罪については日本国の当局が第一次裁判権を有すると規定されております。
つまり、軍人間で生じた事件及び軍人・軍属間で生じた事件は米軍側に第一次裁判権があり、軍人・日本人間で生じた事件は、軍人が被疑者の場合は公務中に発生した犯罪を除き日本側に第一次裁判権があることになります。
また、日本人が被疑者の場合には日本側に専属的裁判権があることになり、米軍側にはそもそも刑事裁判権はありません。
次に、米軍基地内で発生した事案への対応につきましてお答えをいたします。
県警察では、米軍基地内で発生した事案でありましても、我が国に専属的裁判権がある事案、我が国に第一次裁判権がある事案はもちろん、米国に第一次裁判権がある公務執行中に発生した犯罪であっても、日本国または日本国民が被害者となっている事案につきましては、米軍側の協力を得ながら捜査を行っているものであります。
他方、基地内で発生した米国側が第一次裁判権を有している事件の中で、いわゆるもっぱら事件及び日本側に被害のない公務中の事案につきましては、米軍側が主体的に捜査を行い、県警察につきましては米軍側からの捜査協力要請に基づき、その捜査協力を行っているところであります。
なお、基地内における警察権に関しましては、地位協定第17条第10項の(a)の規定により米軍側が警察権を行使できることとなっていることから、県警察が基地内において逮捕、捜索、差し押さえ及び検証等の警察権の行使をする際には、いわゆる刑事特別法の第10条及び第13条等の規定に基づき、合衆国軍隊の権限のある者の同意を得るか、もしくはその権限を有する者に嘱託して行うこととなります。
次に、キャンプ・ハンセン内で発生した殺人事件につきましては、本年2月4日午前0時過ぎ、在沖米海兵隊キャンプ・ハンセン基地内において米軍人の死体が発見され、米軍捜査機関が捜査した結果、米軍人被疑者4名を逮捕した事案であると承知しております。
本件につきましては、事件発生当日、米軍側からの捜査協力要請がございまして、これによりまして県警察といたしましても本事案の発生について認知をしたところであります。本件は、先ほど申し上げた分類では軍人間で生じた事件、いわゆるもっぱら事件ということで米軍側に第一次裁判権がございまして、実際にも米軍側が主体的に捜査を行っておりますが、県警といたしましては、殺人事件という事案の凶悪性にかんがみ、引き続き同事案の情報収集に努めているところであります。
以上でございます。
○議長(外間盛善) 答弁の途中でありますが、ただいまの吉田勝廣君の質問に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後0時 休憩
午後1時22分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
午前の吉田勝廣君の質問に対する答弁を続行いたします。
文化環境部長。
〔文化環境部長 屋嘉部長市君登壇〕
○文化環境部長(屋嘉部長市) 基地内への立入調査の実施についてお答えをいたします。
米軍基地内への環境調査のための立ち入りについては、平成8年12月に日米合同委員会で合意された「合衆国の施設及び区域への立入許可手続きについて」に基づき申請をしております。平成8年12月から現在までに計23件の立入申請をし、そのうち水質関連10件、赤土関連2件、自然保護関連2件、計14件の立入調査を実施しております。
次に、PCB廃棄物の県内の保管状況と処理の見通しについてお答えをいたします。
県内のPCB廃棄物は、平成16年3月末現在において137事業所において適正に保管されています。その内訳は、高圧コンデンサー795台、高圧トランス94台、低圧コンデンサー354台、低圧トランス1040台、柱上トランス7166台、蛍光灯安定器3868台、汚泥がドラム缶1806本、廃塗料約1万3046キロリットルとなっております。
PCB廃棄物保管事業者は、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」第10条に基づき、平成28年度までにみずから直接処理するか、処理業者に適正に委託して処理することが義務づけられております。このことから県としては、国、日本環境安全事業株式会社、PCB廃棄物保管事業者との連携のもとで、PCB廃棄物の処理が確実かつ適正に行われるよう取り組んでいきたいと考えております。
次に、PCB廃棄物処理基金の拠出額と目的についてお答えをいたします。
PCB廃棄物の処理費用は、通常の廃棄物と比べ相当高額になることから、処理負担能力の小さい中小企業者のPCB廃棄物、例えば高圧トランス、高圧コンデンサー等でございますが、その処理費用の助成を行うため独立行政法人環境再生保全機構にPCB廃棄物処理基金を設置しております。国、都道府県はその基金に協調して出資しており、本県では同基金に平成13年度から平成15年度までに毎年度2100万円、合計6300万円の拠出を行っており、今年度も同額を補助することとしております。
次に、北九州PCB廃棄物処理施設での汚泥処理の時期及び同施設での那覇防衛施設局が保管している汚泥の処理について一括してお答えをいたします。
国においては、PCB廃棄物拠点的広域処理施設について、PCB廃棄物の大部分を占め迅速に処理体制を確保することが必要になっている高圧トランス等を処理の対象物の中心として整備を進めることにしており、それ以外のPCB廃棄物については今後の技術開発の状況を踏まえつつ、より効率的な処理ができるよう処理体制の整備を検討することとしております。
北九州PCB廃棄物処理施設は、国の方針に基づき第1期工事、第2期工事に分けて施設の整備を進めることとしております。
第1期の施設は、高圧コンデンサー、高圧トランス、廃PCBを処理する施設で平成16年12月から処理を開始しております。第2期工事は、第1期施設で処理される高圧トランス等に加えて、それ以外のPCB廃棄物処理を検討することとしておりますが、国においては汚泥等PCB廃棄物については今後の処理体制の整備について検討を進めていくとのことであり、処理施設の場所、処理開始時期等については現段階においてまだ決まっておりません。
次に、外来種対策についてお答えをいたします。
本県に持ち込まれ繁殖が確認されている外来種は、哺乳類、鳥類、魚類など約130種を超えていると言われております。外来生物の中には捕食や生息環境の競合による在来生物の駆逐、交雑による遺伝的な攪乱などにより生態系に大きな影響を及ぼすおそれのあるものがあります。このため、県では、希少な野生生物を保護して生態系を保全するため外来生物のマングース駆除事業を実施しております。平成17年度には捕獲事業の強化やマングース北上防止さくの設置を図るなど、外来生物対策に積極的に取り組んでいく考えであります。
また、国においては「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」に基づく特定外来生物の指定、防除計画の策定を進めており、今後、外来生物対策が推進されることになります。県としては、今後とも生態系に影響を及ぼす外来生物について国や関係機関と連携を図りながら取り組んでいきたいと考えております。
次に、リサイクルをライフスタイルの中に組み入れることについてお答えをいたします。
従来の社会経済活動による大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会は、最終処分場の残余容量の逼迫や不法投棄など多くの課題が生じていることから、ごみの発生抑制や循環的な利用を促進する循環型社会への転換が求められており、廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用のいわゆる3Rの取り組みが重要となっております。
このようなことから、県では廃棄物処理計画等に基づき市町村、地域、事業者等と連携した普及啓発活動の推進、リサイクルの促進、環境産業の育成等循環型社会の構築に向けた各種施策を展開しているところであります。
次に、津波対策の取り組みについてお答えをいたします。
県では、平成9年3月に「沖縄県地震被害想定調査報告書」を作成し、同報告書をもとに県地域防災計画において地震編を策定したところです。津波等の防災対策としては、平成15年度に県防災情報システムを構築し、津波警報等の情報を瞬時に各市町村及び消防本部等へ伝達することが可能となりました。
また、地震・津波を想定した総合防災訓練を県内各地区で実施しており、市町村防災担当者会議などにおける市町村への指導・啓発及び防災気象講演会や地震・防災セミナーなどによる県民への防災知識の普及啓発活動を行っております。今後は市町村との連携を密にし、津波防災対策の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、与那国島周辺における地震の発生確率と対策についてお答えをいたします。
文部科学省の地震調査委員会は、昨年2月に「日向灘および南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価」に係る調査結果を発表しました。この評価は、現在までの研究成果及び関連資料を用いて調査研究の立場から長期的な確率を評価したものだと聞いております。
同評価の信頼度は、評価に用いたデータの量的・質的な充足性などから評価の確からしさを相対的にランクづけしたもので、AからDの4段階であらわします。与那国島周辺はDランクに位置づけられております。
Dランクについては、想定地震と同様な過去の地震データがほとんどなく、地震学的知見等から発生確率の値を推定したため信頼性は低く、今後の新しい知見により値が大きく変わり得る場合があると聞いております。県としては、沖縄気象台に依頼して与那国町に対し調査結果の説明を行うとともに、避難訓練等の実施を指導したところであります。
○総務部長(仲田輝享) 5年間の県財政の見通しについてお答えします。
今後の財政状況の見通しについては、歳入面では平成17年度及び18年度は地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源総額は確保されることとなっております。しかしながら、19年度以降の地方交付税や臨時財政対策債の取り扱いが示されていないことなどから、現時点で今後5年間の財政見通しをお示しすることは困難であります。
一方、歳出面では、復帰前後に多く採用された職員の退職が19年度から24年度の間に集中し、それに伴う退職金が多額に上ることが見込まれております。また、公債費も公共施設の整備に伴って発行されました県債や臨時財政対策債の影響により今後も増加することが見込まれます。さらには、三位一体の改革により国民健康保険に係る県財政調整交付金が創設され、今後の医療費の伸びを勘案すると県負担の増大が懸念されます。
このようなことから、県財政は今後ますます厳しい状況になることが見込まれます。このため、県では「新沖縄県行政システム改革大綱」に基づき財政健全化に向けて全庁的に取り組んでいるところであり、今後とも県税徴収率の向上、使用料及び手数料の見直しなどによる自主財源の確保や経費の徹底した見直しによる歳出の節減合理化を図り、財政健全化に努めてまいります。
次に、日米地位協定の免税措置についてお答えします。
日米地位協定に基づく合衆国軍隊などに対する免税措置は、地方税関係では日米地位協定に基づく地方税の臨時特例法で住民税、事業税、不動産取得税など19税目を課してはならないとなっております。これらの税を県民並みに課税した場合の税額については、算定の基礎となる課税標準額の把握ができませんので算定することはできません。
また、国税関係では日米地位協定に基づく所得税法等の臨時特例法及び日米地位協定に基づく関税法等の臨時特例法により所得税、法人税など15税目が課税できないことになっております。
なお、合衆国軍隊の構成員等が所有する自動車に対する自動車税については課税することができることになっており、日米合同委員会で特例税率が合意されております。しかし、県民に比較して低い税率であることから渉外関係主要都道県知事連絡協議会を通して県民並みの課税ができるよう毎年要請をしているところであります。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 若年失業率が高い理由と対策についてお答えいたします。
本県の失業率が高い主な理由として、就業者数を上回る労働力人口の増加のほかに、とりわけ若年者については企業側の即戦力志向の高まり等による技術・技能のミスマッチ、県内志向、公務員志向による地域・職種等のミスマッチに加え、就職活動の取り組みの遅さや早期離職など、職業意識の低さ等にも問題があると認識をしております。このため、県においては観光・リゾート産業や健康食品産業等の地域産業の振興を図るとともに、企業誘致等雇用機会の創出・拡大に努めております。
また、沖縄県キャリアセンターにおいては、職業観の形成から就職までを一貫して支援する事業を展開しております。平成17年度においては座学と企業実習を組み合わせたデュアルシステムの拡充や就職基礎能力速成講座を実施するなど、若年者の雇用対策を積極的に展開してまいります。
続きまして、製造業が育たない理由についてお答えをいたします。
本県の製造業は、物流面からのコスト高や市場規模の狭隘さなどの不利性とともに、企業の経営基盤の脆弱さ、研究開発や技術集積の不足などの課題を抱えております。このことが本県製造業が立ちおくれている主な要因になっているものと考えております。このため、県は、沖縄の持つ優位性を生かした健康・バイオ産業や環境関連産業等の振興に向けて企業経営基盤の強化を初め物づくりの根幹である技術開発力、市場競争力の強化に取り組んでおります。今後とも、本県製造業の活性化に向けてこれらの施策を推進してまいります。
続きまして、フリーター等の実態と対策についてお答えをいたします。
近年の経済の低迷による労働需要の減少や企業の採用行動の変化等を背景に全国的にフリーターやニートが増加しており、本県においても新規学卒者の就職内定率が全国に比べ低い状況からフリーターやニートが増加傾向にあるものと考えられます。このため、沖縄県キャリアセンターにおいてはフリーター等を対象に企業等の現場で実務研修を行う若年者実践研修事業や、製造から販売までの実体験を通して会社を起こす意識を醸成する事業等を実施するなど、若年対策に積極的に取り組んでいるところです。
続きまして、県産品の材料等の輸入依存度と県産品の優先使用について一括してお答えをいたします。
県産品の優先使用は、県内生産額の増大と雇用の拡大につながるものであり、本県経済の自立化を図る観点から積極的に展開していくことが極めて重要であると認識しております。このため、沖縄県工業連合会等との連携を図りながら県産品奨励運動や産業まつりなどを通して県産品の愛用に関する意識の啓発と消費の拡大に努めております。平成17年度においては、新たに県産品に占める県産材料の使用実態や県内市場における県産原材料の移輸入の実態を把握するための調査を実施することとしております。
県としては、こうした調査の結果を踏まえ、県産品材料の輸入依存度などの実態を把握するとともに、移輸入品を県産品で代替していくための効果的なあり方などを検討し、今後の施策展開につなげていきたいと考えております。
続きまして、県産品以外で使用される建設材、食品類等についてお答えをいたします。
本県においては、県産品以外の建設材として多く消費されているものにはH形鋼、鋼矢板等の金属製品、合板、内装材等の建設用木製品などがあります。社団法人日本鉄鋼連盟の受注統計表によると、本県における平成15年度の消費量はH形鋼で4252トン、鋼矢板で3246トンとなっております。また、食品類では米、冷凍魚介類、野菜、菓子類などがあります。福岡食糧事務所那覇事務所の業務概要によると、平成14年度の米の移入量は約6万5000トンとなっています。その他の品目につきましては現在のところ具体的な数値の把握が困難でありますが、先ほど申し上げました平成17年度に実施する県産品原材料供給実態調査の中で実態の把握に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 農業生産額の低迷の要因分析と対策及び地産地消の実績についてお答えいたします。
本県の農業産出額は、平成7年の1022億円から平成15年には931億円と減少しております。その主な要因としては、さとうきび、野菜、養豚等の主要品目の生産額が平成7年の約582億円から平成15年の約413億円に減少したこと等によるものであります。
一方、ゴーヤー、マンゴー、肉用牛等の品目については、拠点産地の育成等を推進した結果、平成7年の約118億円から平成15年の約187億円と産出額が伸びております。しかしながら、本県の農林水産業については輸入農産物の増加に伴う価格の低迷、産地間競争の激化等依然として厳しい状況にあります。このため、県では、農林水産業振興計画に基づき消費者ニーズに対応したおきなわブランドの確立や生産供給体制の強化、流通・販売・加工対策の強化、農林水産業の基盤整備など各種施策・事業を総合的に推進しております。
また、地産地消の推進については、昨年2月に「沖縄県地産地消推進県民会議」を設立し全県的に取り組んでおります。
具体的な取り組み内容としては、1、学校給食における地域食材を使用した郷土料理の提供、2、県内観光ホテル等15カ所における県産食材を活用した地域料理メニューの普及・促進、3、県内農産物の直売所の設置及びネットワーク化、4、農林水産フェアにおけるキッチンスタジアムの開催など総合的に推進しております。
続きまして、家畜排せつ物法を執行していない農家の指導についてお答えいたします。
家畜排せつ物処理施設の整備状況については、平成17年1月末現在で要整備農家1585戸に対し整備率は8割となっております。未整備農家に対しては、家畜保健衛生所及び農業改良普及センターが中心となって家畜排せつ物の適正な管理及び処理等を行うよう巡回指導に取り組んでおります。
また、処理施設の整備については、引き続き2分の1補助付きリース事業の活用及び防水シート等による簡易対応での整備を指導しております。今後とも市町村、農協等関係者と連携を図りながら家畜排せつ物の適正な管理及び処理に努めてまいります。
続きまして、バイオマスの導入についてお答えいたします。
家畜排せつ物のバイオマス資源としての利活用については、北海道、岩手県、京都府、鹿児島県など10数県において取り組まれております。家畜排せつ物をバイオマスとして利活用するに当たっては、施設整備費や維持管理費、処理水の放流等に多額の経費が必要である等の課題があります。県では、平成14年度からJA及び関係団体が一体となって先進県の現地調査を行っており、今後とも事例調査及び情報収集に努めてまいります。
続きまして、養豚の減少と今後の計画、対策についてお答えいたします。
本県の養豚については、これまで30万頭で推移していたが、平成15年には約26万頭に減少しております。その要因としては、豚価の長期低迷、都市化による立地条件の制約などがあります。県としては、養豚の振興を図るため家畜改良センターの整備、ふん尿処理施設の整備等の諸施策を総合的に推進しております。また、外国豚の導入、肉豚価格安定対策及び琉球在来豚「アグー」を活用したブランド豚の作出に取り組み、養豚の安定的な生産供給体制の確立及び農家所得の確保に努めてまいります。
続きまして、今後の松くい虫防除対策についてお答えいたします。
松くい虫防除については、平成14年度から18年度までの5カ年計画により国、米軍、市町村等の関係者が一体となって全県を対象に被害木の伐倒焼却等を行っております。しかしながら、松くい虫防除については、「その他松林」における市町村の防除費の財政負担が大きいこと、森林所有者・管理者の協力が得にくいこと等もあって必ずしも計画どおりには進捗していない状況にあります。このため、県としては今後松くい虫防除の効率的・効果的な対策を図るため、水源涵養林や防風、防潮等の保安林など公益性の高い松林を対象に絞り込みを行い、防除を行うこととしております。
また、林業試験場においては抵抗性松の選抜・育種、天敵昆虫の探索及び実用化試験の実施などに取り組んでおります。
続きまして、被害木除去後の森林の保全についてお答えいたします。
松くい虫の被害木については、平成11年度から平成15年度までの5カ年間で約17万2000本の伐倒駆除を行っております。被害木の伐倒駆除の跡地については、イジュ、イタジイなどの広葉樹に植生が移行しつつあります。県としては、公益的機能の高い森林における伐倒駆除の跡地については造林事業等により適宜イスノキなどの植栽を行うこととしております。
続きまして、松くい虫被害木の処理方法についてお答えいたします。
松くい虫被害木の処理方法としては、現在、伐倒焼却、薫蒸及び破砕等を行っております。平成15年度の被害木の処理実績については、伐倒焼却約2万5000本、伐倒薫蒸約1万3600本、伐倒破砕約1万5800本となっております。伐倒した被害木の一部利用については現在マルチング資材としてチップ化し、公園等で利用しております。また、平成16年度からは松くい虫被害木の有効活用を図るため、被害木品質試験及び製品の開発化に取り組んでおります。
続きまして、津波危機管理対策事業についてお答えいたします。
平成17年度から国において新たに創設された津波危機管理対策事業は、津波発生時に備えて既存の海岸保全施設の機能確保、安全情報伝達施設及び避難通路の整備等を実施するものであります。本県では、平成17年度から「琉球諸島沿岸津波・高潮ハザードマップ」を作成することとしており、その調査結果を踏まえ市町村と連携して津波等災害に備えた施設等の整備を行ってまいります。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 海岸堤防の調査結果についてにお答えいたします。
本調査は、海岸事業を所管する国土交通省と農林水産省が共同で津波に対する海岸防御レベルを全国的に調査したものであります。
全国では、保全を要する海岸線延長1万5065キロメートルのうち、堤防高が想定津波高より高い延長は7919キロメートルで約53%、対策を必要とする延長は2650キロメートルで約18%、調査が未実施の延長は4496キロメートルで約29%となっております。
沖縄県は、保全を要する海岸線延長530キロメートルのうち、堤防高が想定津波高より高い延長は267キロメートルで約50%、対策を必要とする延長は137キロメートルで約26%、調査が未実施の延長は125キロメートルで約24%となっております。
次に、ハザードマップ作成と市町村との連携についてにお答えいたします。
「琉球諸島沿岸津波・高潮ハザードマップ」の作成は、沖縄県地域防災計画を受け、港湾・漁港等各海岸管理者が連携し、津波や高潮に対する予防対策や応急対策が検討できるよう被害範囲を予測・設定するものであります。調査は、土木建築部と農林水産部が所要の予算を確保し共同で行うものであります。平成17年度は沖縄本島沿岸地域を、18年度は沖縄本島周辺離島及び宮古・八重山沿岸地域を調査し、2カ年で全県にわたって作成することとしております。
また、各市町村においては本ハザードマップを活用し、住民が避難するための経路や場所を指定した「住民避難用津波・高潮ハザードマップ」を作成することとなります。
県においては、県民の津波や高潮に対する防災意識の高揚を図るとともに、住民参画のもと、さらなる県民の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、古宇利大橋の県産品使用状況についてにお答えいたします。
古宇利大橋の建設に当たっては、セメントを600トン、塩ビパイプを2000メートル、ワイヤメッシュを2500平方メートル使用しており、これらはすべて県産品となっております。
鉄筋につきましては、本橋が海上橋でありさらに長寿命化を図る上から、主要な部分には高品質で塩害対策用の県外産塗装鉄筋を使用する必要があったことから、県産品の使用状況はおよそ40%の2400トンとなっております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 有害図書等の販売と陳列について一括してお答えします。
平成15年度の調査結果によりますと、沖縄県における有害図書等販売店は、調査件数611店舗中500店舗となっております。有害図書等販売店のうち67.6%の338店舗が成人コーナーを設置しており、前年の58.1%と比較して9.5%の改善がなされました。
陳列に関しましては、県青少年保護育成条例に基づいて成人コーナーを設け、一般の図書等と区分して陳列がなされている状況にあります。しかし、レジから遠かったり一般の図書等と混在しているなど好ましくない状況の店舗もあります。これらの店舗に対し、立入調査員等により条例に基づいた指導を行うとともに、市町村等関係機関・団体、関係業者と連携し改善を図り環境浄化に努めてまいります。
続きまして、沖縄県総合福祉センター建設に係る県産品の使用率についてお答えいたします。
沖縄県総合福祉センターは、平成13年1月から平成15年1月までの2年間で建設工事が行われ、平成15年2月から供用開始しております。
建設工事で使用した主要建設資材の県産品使用率は、鉄筋99.2%、セメント100%、アルミサッシ100%となっております。
続きまして、児童虐待防止の今後の対策についてお答えいたします。
児童虐待防止については、児童虐待の予防、対応、支援にかかわるあらゆる機関・関係者が密接な連携を図るためのネットワークの構築が重要であることから、県では児童虐待防止市町村ネットワークの設置を促進しております。また、虐待に至る大きな要素の一つに養育力の不足があり、家庭における養育力を補うことによる虐待の未然の防止や、養育力不足の家庭の早期把握による対応が重要であると考えております。このため、このような養育支援が必要な家庭に対し訪問支援を実施する育児支援家庭訪問事業や、子育て中の親の負担感の緩和を図るつどいの広場事業、地域子育て支援センター事業が多くの市町村で実施されるよう今後とも市町村へ働きかけていきたいと考えております。
長寿社会を維持するための計画についてお答えいたします。
週刊誌「タイム」の記事にも報道されているように、沖縄県民は米国式の食文化の影響を受けて沖縄の伝統的な食生活が大きく変化し、その結果、肥満者の割合がふえ糖尿病や心臓病の増加の要因となっています。
県では、これまで「健康おきなわ2010」の8の分野のうち食生活、たばこ、心の健康づくりを重点分野として推進を図っているところであります。
食生活については、平成15年度県民健康栄養調査等の結果によりますと、男性では朝食を食べないことや外食の利用が多いことなど食習慣の課題が明らかになっています。
その対策として、食生活改善推進員が身近な地域において児童生徒や住民を対象に調理実習等を行うヘルスサポーター養成事業を実施し、食生活推進員連絡協議会等の活動や市町村における推進員の養成等を推進してまいります。
今後は、食生活教育を推進するため食生活指針の普及を図るとともに、カロリー表示等を行う「健康づくり協力店」の普及を進めることとしております。また、平成17年度は肥満対策を重点課題として掲げ、関係団体と連携して啓発活動を強化していく予定としております。さらに、市町村や職場における健診事業や健康づくり事業が基盤となることから、県では市町村健康増進計画の策定及び実施について支援するとともに、職域の保健事業との連携を図ってまいります。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) レンタカーに関する税の導入についての御質問にお答えいたします。
本県観光は順調に推移しておりますが、観光市場においては国内外の観光地と厳しい価格競争にさらされているのが実情であります。また、県外から本県へのアクセス条件改善対策として航空運賃の低減に係る航空機燃料税等の軽減措置がなされております。
こうした中、観光客に新たな負担を求める税の導入については慎重な検討を要するものであり、特にレンタカーにつきましては観光客の約6割が使用していることから、沖縄観光の競争力への影響及び観光客の理解等多角的な観点から業界団体や旅行社など、観光関連事業者との十分な意見交換を行う必要があると考えております。
以上でございます。
○病院管理局長(平井哲夫) 県立中部病院建設工事における県産品使用状況についてお答えいたします。
平成15年3月に完成した中部病院建設工事については、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき、鉄筋、セメント、アルミサッシ等主要な建設資材についておおむね100%の県産品を使用しております。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 市町村合併率が低い原因についてお答えいたします。
現在、県内では法定または任意協議会が7地域で設置されており、県内市町村の4割に当たる21市町村が参加しております。各協議会では、鋭意合併実現に向けて協議が進められておりますが、本県では広大な海域に点在する多くの離島町村を有しているという他府県にはない地域特性が合併を難しくしている主な要因と考えております。
なお、北海道では少ない人口で広大な面積を有する市町村が多いという地域特性があるものと考えております。
市町村財政の評価及び分析についてお答えいたします。
平成15年度市町村決算における地方税等の自主財源が歳入総額に占める割合――いわゆる自主財源比率でありますが――は31.2%であります。これは、平成14年度の全国平均47.0%の約7割弱程度しかなく、財源の大半を地方交付税や国庫支出金等に依存した脆弱な財政構造となっております。また、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は89.6%で、全国平均の86.2%に比較し3.4ポイント高くなっております。公債費負担比率は16.5%で、警戒ラインとされている15%を超えており、厳しい財政状況にあります。
県内市町村の財政状況については、三位一体の改革の影響等で財政調整基金や減債基金の残高がほとんどない団体もあり、ますます厳しい財政運営や予算編成が続くものと見込まれます。
このような状況のもと、市町村がその役割を適切に果たしていくためには徹底した行財政改革の実施や合併等の広域行政の展開等を積極的かつ計画的に推進するとともに、財源の確保や組織・定員管理及び給与の適正化など、行財政運営全般にわたるなお一層の改革に努めていく必要があります。
以上でございます。
○教育委員会委員長(玉城昭子) このたび、県教育委員長に就任しました玉城でございます。よろしくお願いいたします。
それでは答弁に移らせていただきます。
命の教育についての御質問にお答えいたします。
人間社会において、人間同士がかかわり合いを持ちながら自他の生命を尊重し合う心や態度を身につけ、なお生きていることを実感することが大切と考えます。
人間の命、それは始まりも終わりもない悠久の時の流れの中で、今、自分がここに息づいているということ、一度しか抱きしめることができないということ、先祖から受け継ぎ子孫へ受け渡していくということであります。命のとうとさを理解させるには、家庭における親子の触れ合い、ユイマール精神による地域社会でのかかわり、学校での体系的な指導などが重要となります。
今後とも、最も大切である命の教育を充実させていきたいと考えております。
○教育長(山内 彰) 平和教育についてお答えいたします。
本県は、去る大戦において住民を巻き込んだ悲惨な地上戦の場となり、多くのとうとい生命やかけがえのない文化遺産を失いました。沖縄における平和教育は、歴史的事実を正しく理解させ次世代に継承するとともに、平和を創造・発信する心と態度を育成することが大切であると考えております。
学校においては、平和週間の実施、ガマなどの戦跡めぐり、平和祈念資料館を活用した平和学習、絵本や紙芝居の読み聞かせ、戦争体験者による講話、平和コンサートなど多くの平和学習が実施されております。今後とも、平和を何よりも大切にする沖縄の心を継承していくことが大切であると考えております。
次に、達成度テストの結果についてお答えいたします。
達成度テストは、児童生徒一人一人の基礎的・基本的事項の定着状況を診断し、きめ細かな指導の展開に生かすため平成元年から実施している学力向上対策事業の一つであります。
今学年度の結果は、小学校は約7割の児童が目標とする40点を超えており、基礎的・基本的事項が身についてきたと考えております。中学校は、教科の得点分布状況を見ますと国語は昨年度と同じ状況にあり、数学は全体的に上がって上位層もふえているものの、まだ下位層の割合も高い状況にあります。英語は得点のばらつきが広がっている状況にありますが、出題の傾向や内容を変えたことが原因だと考えております。
今後においては、各学校で達成度テスト結果の分析・考察のまとめやマスターシートの活用を図り、生徒一人一人の実態に応じたきめ細かな指導を徹底するとともに、わかる授業、参加する授業のなお一層の充実を図っていきたいと考えております。
続いて、高校入試についてお答えします。
今年度の県立高等学校に合格した生徒の得点は、300点満点で平均は183.7点、得点分布は最高が287点から最低29点の広範囲にあります。学校では入試結果を踏まえ、生徒一人一人の実態に応じた指導を行っております。
具体的な取り組みとして、補習授業を実施し学習のおくれがちな生徒に対して支援を図っております。また、生徒一人一人の達成度をはかり指導に生かすためのモーニングテストや漢字力テスト、数学基礎力テスト等を実施し、個々の生徒の学力の向上に努めております。また、日ごろの授業においても習熟度に応じた学習形態、グループ別の指導、チーム・ティーチングなど指導方法や指導体制の工夫改善を図り、個に応じた指導を行っております。さらに各種検定・資格の取得を奨励し、生徒たちの学習意欲の向上を図っております。
次に、大学入試センター試験についてお答えいたします。
本県の大学入試センター試験受験者の総合順位は、平成9年度までは全国最下位でありましたが、徐々に順位を上げ昨年度は33位となっております。今年度は不本意な順位となっておりますが、その要因は、ことしから科目がふえたことなど受験システムが大幅に変わり対応がおくれたものと分析しております。しかしながら、その中においても数学Ⅱ、生物A、地学A、日本史Aなど4教科が全国1位となっています。
また、国公立大学への現役合格者数の伸びも顕著で、平成2年度の434名が平成16年度においては1070名となっております。学力向上の成果は確実にあらわれているものととらえております。
学力向上の決意についてお答えします。
学力向上は、本県教育の最重要課題としてこれまで17年間にわたり県民一体となって継続して取り組んできたものであります。その間、達成度テストにおいては目標値である8割をクリアした児童生徒がふえてきております。
1人当たりの年間読書冊数においても、小学校は114.8冊、中学校は34.6冊と目標値の80冊と20冊を大きく上回り、平成2年度の約3倍に伸びております。これからも不退転の決意を持って児童生徒の学力の向上に努めていきたいと考えております。
女子高校生の制服についてお答えいたします。
女子高校生の制服の問題は、生徒指導上の課題となっております。
この問題について高校生と語ってみると、学校によって違いがあります。日ごろから地域の大人とのかかわりの強い高校においては、制服に関しては問題となっておりません。また、生徒みずからが服装検査を行ったりキャンペーンを実施するなど改善しつつある学校もあります。
このようなことから、制服の問題は、第1に、生徒みずからの問題としてとらえ考えさせること、第2に、個々の生徒理解を深めること、第3に、社会における生徒の自己存在感を持たせることなどが課題解決への道だと考えております。
以上のことを踏まえ、新年度は新入生や保護者に対しまして制服を含めみずから規則を守ることの大切さを周知徹底してまいりたいと考えております。
命の教育についてお答えいたします。
人間の生命の誕生、死との直面を経験したことのない子供たちに命とは何かの定義や命のとうとさを理解させることは極めて難しいことであります。
命の教育は、人間が人間とのかかわりの中で理解が図られると考えております。学校においては、自分の誕生などを通してみずからが生きているあかしを実感させる、あるいは胎児の動きを体感させる授業等を通して自他の生命を理解させる、さらに仲間・集団の中で生命あるものは互いに支え合って生き、生かされていることを体感させることなどに努めております。今後とも、学校における道徳や教科、体験的な活動、家庭における家族の成り立ち、社会における人とのかかわり等を通して命の教育を意図的に実践することが大切であると考えております。
以上でございます。
○吉田 勝廣 再質問いたします。
まず、米軍の再編をめぐって知事の対処方針の中の海兵隊の県外移転について、これは全体の海兵隊を指すのか、一部の海兵隊を指すのか明確にしていただきたいと思います。
それから、なぜ陸軍のグリーンベレーがそこに入ってないのか、その辺はどうなっているか具体的にお聞きしたいなと思います。
それから、金武町の陸軍複合射撃訓練等の施設については、もう90%以上がつくられていて、地元は移設かそれともこのまま本当につくられるのか、また知事の手腕に期待をしたいということもあります。そういうことで何とかこの問題をどうけりをつけるかということで改めて知事の決意を伺いたいなと思います。結局は移設か、それともそのままか、そしてまたどこかへ持っていくのか、そういうことじゃないのかなと思ったりしますけれども、その辺をお聞きしたいなと思います。
それから嘉手納の問題なんですが、嘉手納では議会はF15の撤去を要求をしております。そしてまた騒音の軽減という場合に、もちろん時間的な部分と地域部分の飛行等についてもかなり調査をする必要があると思います。また、一番騒音をまき散らす飛行機はKC135という空中給油機ですから、この辺をどう対処していくのかなと。やはり具体的に明示する方がなおかついいんじゃないかなと、そういう思いであります。
それから、今度は沖縄の経済振興なんですが、いわゆる沖振法も24年で切れる、北部振興も22年、島懇も19年でいわゆるその制度がなくなっちゃうわけですけれども、そうすると今までの話は、所得が大体200万ずっとこれを推移しているわけですね。そうすると、これからこの7年間で本土並みに持っていくというのは到底今の財政状況から難しい。だとするならば、これをどうしていくのかと。もう一度また5次にわたる沖振法を作成しなくちゃいかぬのかということになるのかどうかとかいろいろ出てくると思うんですね。恐らく答弁は、この7年間において粛々と振興策のために頑張ろうと。そして何とか近づけようという答弁かもしれませんが、しかしもう見通しは皆さんもいろいろ考えて非常に厳しい。だから私は、やはり今の農業の自給率が53.4%、製造業で32.6%、それから商業で57.9%の自給率、ここを何とかしないと、沖縄はいつも政府に物頼みをすると、そういうことになっちゃうんじゃないのかなということであります。
だから、そういう意味で自立するために財源確保のためにはどうあるべきかということを常に考えながらやるべきではないのかなということで、いわゆる地位協定にある免除措置であるとか、それから新しい税の確保とか、そういうことをやるべきじゃないかということを言っているわけであります。
それからPCB問題についてですけれども、私もPCB問題については北九州市へ行きましたので、平成20年までには新たな施設を建設をしていくと。そしてそこで汚泥措置等を含めて処理をするということで、私の調査によるとそういう話がありました。そういう意味で、沖縄県は今後、汚泥処理を含めてPCBについて要請していくのかどうかということもお聞きをしたいなと思います。
それから、この地方交付税、これが現に例えば沖縄県で言うと456億ですね。11年から16年でこれが削減されている。市町村では340億をこの11年から15年で削減されているわけです。そうしますと地方自治の根幹にかかわるわけですね。いわゆる地方交付税がなくなっちゃうと、削減されると。ここはぜひ知事にきちっとして新しい知事のもとでこの地方交付税の堅持、現行どおりの堅持をぜひ強力に訴えていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
午後2時24分休憩
午後2時26分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 吉田勝廣議員の御質問にお答えいたします。
海兵隊についてでございますが、これは海兵隊全体についてということでございます。
その理由は、ちょっとこの米軍再編に対する沖縄県の対応というものの考え方、基地負担軽減の視点で海兵隊を米軍に絞ったわけです。それは在沖米軍において海兵隊は施設面積の約75%、軍人数の約60%を占めるとともに、事件・事故の発生件数も多く、県民の米軍基地に係る負担において大きなウエートを占めている。
米海兵隊の沖縄駐留については、駐留による抑止性や出撃、訓練地域の一体化、地上輸送支援体制の結合による即応性等がこれまで強調されてきた。しかしながら、現状を見ると在沖海兵隊からイラクに部隊が派遣されており、主力部隊の不在状態が続いている。また、砲兵部隊の訓練が本土に移転されるなど出撃訓練地域は事実上一体化しておらず、事前集積艦や高速輸送船の導入等軍需革命による即応性の確保など海兵隊をめぐる環境は大きく変化しており、在沖海兵隊の規模や役割を現状のまま維持する必然性はなくなっている。
このようなことから、県としては米軍再編における本県の基地負担軽減については在沖米海兵隊の分散・移転を軸として、地域における基地負担の現状を踏まえ、その早急な解決を求めることとするというのが基本的な考え方であります。
それともう一つは都市型戦闘訓練の問題ですが、これについては私の方も地元住民の皆様方の強い考えを入れて大変厳しく、特に県選出の国会議員を初めとする多くの方々のバックアップを得ながら進めております。これは報道にあるように、既に委員会等で町村外務大臣あるいは大野防衛庁長官、いろいろお話されているようにかなり難しい問題はあるけれども、これだけの皆様の熱意を入れながら何かいい方法はあるんであろうかということで今いろんな方面から検討を加えていただいております。私もこれに関しましては全力を尽くして努力をしていきたいと思っております。
○知事公室長(府本禮司) 嘉手納飛行場の騒音の軽減につきましてお答えいたします。
県の基本的考え方の中に嘉手納飛行場の運用の改善という項目を挙げてございますけれども、これは御指摘のような飛行機の運用等々含めて我々としては抜本的な改善を図っていく必要があるんだろうというふうに考えてございますし、そのようなことでなければ現実的にはなかなか騒音が軽減されていかないということも含めて今後市町村と密接に連携しながら、市町村と具体的にどのような形で軽減を求めていくかについて検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) PCB廃棄物の処理施設についてお答えをいたします。
PCB廃棄物の処理施設の整備につきましては、国が日本環境安全事業株式会社を活用して拠点的広域処理施設の整備を行っており、同施設整備にかかる費用は国から施設整備費補助を行い、施設整備を進めているところであります。
PCB特措法により国は同法の確実かつ適正な処理を確保するための体制の整備を講ずる責務があり、そのため高圧トランス等の拠点的広域処理施設整備を推進するとともに、汚泥を含むそれ以外のPCB廃棄物についても処理体制の整備を検討しているところであることから、県といたしましては国の動きを注視していきたいというふうに考えております。
○吉田 勝廣 ちょっと休憩。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
午後2時33分休憩
午後2時34分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
総務部長。
〔総務部長 仲田輝享君登壇〕
○総務部長(仲田輝享) 地方交付税についてお答えをいたします。
平成17年度の地方財政計画においては、地方交付税、地方税などの一般財源総額を前年度並みに確保するとともに、税源移譲等に伴い団体間の収入格差が拡大しないよう地方交付税により確実に調整することとしております。
なお、地方交付税は財政力の脆弱な本県にとって重要な財源でありますので、今後とも地方交付税の所要額が確保され、財源保障機能及び財源調整機能が堅持されるよう地方六団体とともに国に求めてまいりたいと思います。
以上です。
○瑞慶覧 朝義 こんにちは。
いよいよ今定例会の最後の代表質問であります。
それではこれから沖縄社会大衆党を代表して質問を行います。
まず、知事の政治姿勢についての質問でございます。
ア、知事訪米の時期はいつか明らかにしてもらいたい。
イ、知事訪米の目的と訪米内容を明らかにしてもらいたい。この機会に普天間基地の即時閉鎖を訴えるべきであると考えますが、知事の見解はどうか御答弁をいただきたい。
ウ、辺野古への基地建設に対しては県民の80%以上がノーだとの世論調査の結果が出ています。知事訪米の際、それを県民の総意として辺野古への基地建設を断念するよう米政府に対して訴えるべきと考えますが、知事の見解はどうか、御答弁をいただきたい。
ここに来て日本政府側から辺野古への基地建設の見直しの提起がなされると報道がされる中、知事がこれまで同様、SACO合意の着実な実施を呪文のように唱えることは全く理解しがたく、県民に対する無責任きわまりない言動であるとしか言いようがありません。辺野古への移設計画が破綻している以上、今こそ知事は意を決して普天間基地の辺野古への移設断念ということを日米両政府に対して強く訴えるべきであります。昨今の情勢において今なお辺野古への移設を容認することは県民に対する背信行為と言わざるを得ません。県民の立場に立っての訪米こそ知事がとるべき道だと考えます。
去る1月31日から東門・糸数両国会議員と県議団で構成して訪米要請をして得てきた私たちの現地の情報が今一番ホットな情報であると思います。知事は、訪米前に我々と情報交換する考えがあるかどうかについて伺いたい。
エ、米軍基地再編に関する沖縄県案を明確に示していただきたい。
オ、この項目は削除します。
2番目に、米軍基地再編に関する議員要請行動についての質問でございます。
ア、去る1月31日から2月5日までの間、東門・糸数両国会議員を先頭に社大党・社民党の県議団及び名護市議も交えて次のことを要請するためにワシントンに出向きました。
まず1つ目に、米軍海兵隊普天間飛行場の即時閉鎖と返還、2点目に、辺野古海上基地建設の即時中止、3点目に、在沖海兵隊の撤退、この3点を米軍基地再編を機に組み込んでもらいたいことを要請するために私たちは国防総省、国務省の日本部長や次長に会い、また上院・下院議員の先生方に会い、4カ所のシンクタンクの所長及び副所長とも会談をし、沖縄の実情を訴えてきたわけであります。その状況は逐一県内の新聞で報道されており、既に御承知のことだと思いますが、まずそのことに対する知事の御見解を伺いたい。
イ、元国防副次官補・米戦略国際問題研究所上席副代表のカート・キャンベル氏との会談で、キャンベル氏は、沖縄の基地問題について数カ月以内に大きな進展があるとの発言がありました。SACO最終報告の実務責任者を務めたキャンベル氏は、現在の日米交渉の進展について当局の説明を受けているとおっしゃっておりました。
沖縄問題は、数年間関心が払われずに落胆することが多かったが、現在の進展は期待が持てる。今はとてもデリケートな時期だが、沖縄の負担を軽減するという大きな方向性は日米が合意していると思うとの発言もありました。まさに今こそ知事が訪米して誤ったメッセージを送ることなく、沖縄県民の大多数の意見である普天間基地の即時閉鎖及び辺野古への基地建設を断念するよう勇気を持って沖縄の痛みを直接米政府に訴える最良の時期であると我が党は考えますが、いかがでしょうか、知事の見解を伺いたい。
ウ、辺野古への海上基地建設についてキャンベル氏は、ハードルが高過ぎると言いました。それはまず1点目に、建設費用が高過ぎる、2点目に、地元の反対が根強くさらに強化される、3点目に、環境問題が深刻であるなどの理由から見直しの必要性を強調しておりました。また、SACOは既に破綻しているのでないかという我々の問いに対して、SACOの原則は県内移設だったが、この原則は普天間基地に関しては機能しておらず見直す時期にある、普天間基地を閉鎖し在沖海兵隊を沖縄以外に分散させるべきだと明言しております。また、ラムズフェルド氏は歓迎されるところに米軍を置きたい、長期的に滞在できるという確信が持てることが大切であると言われたそうであります。
キャンベル氏の以上のような発言に対して、知事はどのように解釈なさるかお答えいただきたい。
また、知事の訪米の際、ぜひキャンベル氏にお会いしてこれらの内容を確認してみてはいかがでしょうか、知事の御答弁をいただきたい。
エ、知事の提唱する15年問題についてアメリカ側の評価は、ケント・カルダー(ライシャワー東アジア研究所)シンクタンクの所長がおっしゃるには、辺野古の15年問題が条件つきであれば国防総省としては受け入れられないだろうとのことでありました。そのことはラムズフェルド氏の発言と符合する内容であります。米政府は、知事のおっしゃる15年問題は話にならないということでございますが、知事が15年問題を基地受け入れの条件にしたことは今も変わりはないかどうか、明確にお答えをいただきたい。
また、このことについて知事訪米の際、みずから米政府に対してきちっと確認すべきだと考えるがどうか、知事の明確な御答弁をいただきたい。
3点目に、基地問題についての質問でございます。
まず普天間基地問題についてであります。
ア、イラクへ行っていた米海兵遠征隊2200人と沖国大に墜落したヘリと同型機など、20機が今月下旬に普天間基地に帰還すると報道がなされております。そのことは普天間基地周辺住民をまたもや恐怖のどん底に突き落とすようなものであり、何としても阻止しなければならないと考えます。幸いなことに、知事も普天間基地へのヘリの帰還については反対を表明しておられますので、住民とともに行動して日米両政府に対して強力に反対運動を展開していただきたいと思うわけでありますが、いかがでしょうか、知事の見解を伺います。
イ、普天間飛行場の滑走路の修復工事をするという理由でKC130空中給油機など17機が嘉手納基地へ一時移駐すると報道がなされております。知事は、普天間飛行場についてはあの8月13日のヘリ墜落事故以来、危険性を限りなくゼロに近づけると言い続けております。知事は今さら滑走路の修復工事を認めるべきではありません。一日も早く普天間基地を返せと言うべきではないでしょうか、知事の御見解を求めたい。
嘉手納基地問題について。
ア、普天間飛行場の滑走路修復工事に伴う嘉手納基地への一時移駐についての質問であります。
去る2月10日の新聞各社の夕刊に、普天間基地所属のKC130空中給油機など17機が滑走路修復工事のために嘉手納基地へ一時移駐すると報道がなされております。米軍報道部によりますと、騒音防止協定を遵守するとされておりますが、これまで日米合同委員会での合意事項である騒音防止協定は実質守られておりません。
新嘉手納爆音訴訟の判決が2月17日に下されました。その内容たるは、うるささ指数の数値が以前の基準値75から85まで引き上げられ、大きく後退した内容でありました。また、県が実施した健康被害調査に対する結果について国は完全に無視した内容になっております。原告団は、静かな夜を返せ、騒音防止協定を守れと人間としての当然の権利を主張した訴えでありましたが、裁判の結果は余りにも沖縄県民をばかにした内容ではありませんか。原告団は直ちに控訴することを決議しましたが、県が時間も費用もかけて実施した健康被害調査が完全に無視されたことに対しては、当然県は反論してしかるべきではないか。この裁判の結果について知事の見解をいただけますならばお答えをいただきたい。
このような状況下で、嘉手納基地に新たな航空機の移駐をするということはますます過密になる一方で、航空機の爆音被害のみならずさらなる航空機事故をも誘発しかねない。たとえ一時的ではあっても航空機の移駐は基地機能の強化につながるものであり、嘉手納基地周辺住民としては到底容認できるものではありません。
さらにこの報道のさなかに移駐しようとする同型機のKC130空中給油機が給油ホースを垂れ流しながら緊急着陸するありさまは、危険と隣り合わせの嘉手納基地の実態を浮き彫りにしたものであります。嘉手納基地を取り巻く3自治体で構成する三連協も、また関係するそれぞれの議会においてもこの問題を重視しており、普天間基地の嘉手納統合の足がかりになるのではないかと大変危惧しております。この問題に対する県の対応と見解を伺いたい。
辺野古海上基地建設についての質問であります。
ア、去る2月7日の琉球新報、沖縄タイムス各社は、辺野古移設見直し検討の記事が1面トップを飾った。米軍再編協議で日本政府から提起するという内容であります。この記事を読んで去る1月31日から2月5日にかけて、米軍再編に関する議員要請団がワシントンのシンクタンクなどから仕入れた情報が真実味のある情報であったということが明らかになったと思われますが、知事は辺野古移設見直しの新聞報道をどのように受けとめておられるか、御見解を伺いたい。
イ、去る2月14日の新聞報道にもあるように、那覇防衛施設局が進める海上ボーリング調査で調査用ブイにつけられた大型のいかりがリーフ外の海底でサンゴ礁を傷つけているのがはっきり写っております。そのことがヘリ基地反対協の調査でわかっておりますが、県はその問題をどのように把握して今後どう対処するつもりか、御答弁を求めます。
ウ、昨年11月、ボーリング用足場の足によるサンゴ礁の被害があった。そのときの状況について那覇防衛施設局から報告があったはずだが、どうなっているか。県はその報告書をごらんになって施設局に対してどう対処したかについて伺いたい。
また、相次ぐサンゴ礁の被害に対して環境行政として責任ある県としては工事の中止を求めるべきではないか、知事の答弁を求めます。
米軍基地の環境問題についての質問であります。
ア、平成19年度にキャンプ桑江南側部分の返還が合意されましたが、この地域はさきに返還された北側地域の教訓からどうしても返還前に環境調査を実施する必要があります。先日も北側の返還地からロケット弾4発と銃弾1万300発が見つかっている。返還跡地からは実際何が出てくるのかわからないというのが実態であります。県としても返還前に環境調査の実施に向けて真剣に取り組んでほしいと考えますが、どうか、御答弁をいただきたい。
イ、キャンプ桑江南側地域の土壌汚染等を危惧するのは、特に病院跡にはどのような汚染源があるかわからないということと、さきに返還された北側地域で見られたような土壌汚染や銃弾の発見同様、大いに疑わしい。琉球新報社地位協定取材班が書き記した「日米不平等の源流」によりますと、1973年の時点で日米合同委員会は、現地司令官の判断で環境汚染時の自治体の立入調査を認めたり、土壌サンプル入手も認める形で合意されている。その合意文書「環境に関する協力」が存在するとされています。その合意文書を県がぜひ入手に努めていただきたいと思います。県は、日本政府に対してそれを請求する考えがあるかどうか伺いたい。
また、その合意文書をもとに返還前の環境調査の実施に向けて現地司令官に対し強力に要請していただきたいと考えますが、どうか、御答弁をいただきたいと思います。
次に、都市型戦闘訓練施設についての質問であります。
ア、キャンプ・ハンセン内に建設中の都市型戦闘訓練施設について、ほかの地域に移設する話が出ておりますが、県から移設要請をしたのか。県は移設に対してどのような見解か、御答弁を求めます。
イ、キャンプ・ハンセン内の他の地域に移設するまでの間、現在建設中の訓練施設を暫定的に使用すると報道されております。4月には完成すると言われているレンジ4の施設の使用を絶対に認めるべきではないと考えますが、どうか、知事の答弁を求めます。
また、米軍が暫定的であってもレンジ4を使用するとなった場合、知事はこれまで同様、地元とともに反対するかどうかについてお答えいただきたい。
4、平成17年度予算についての質問でございます。
ア、海フェスタおきなわ開催事業として5200万円の予算が計上されておりますが、この事業の目的と事業内容について伺いたい。
イ、ジュゴンのすむ大事な辺野古の海は、辺野古のオジー、オバーたちや多くの県民・市民が海を壊してはならないと、それこそ命がけで300日以上も海を壊そうとする者と闘っております。しかし、知事はその大事な海のサンゴを壊してまでも米軍のために危険なヘリ基地建設を推進している。この海フェスタおきなわの事業とサンゴを破壊してまで辺野古の海に基地をつくろうとすることに大きな矛盾を感ずるのは私ばかりでしょうか。この矛盾に対して県民がわかりやすいように明確に知事の御答弁をいただきたいと思います。
ウ、当初予算が10年ぶりに6000億円台を割り込む事態になった。対前年比で2.6%減の緊縮予算となった背景はどこにあるか、御説明を求めます。
エ、国の三位一体改革の影響はどうなっているか。また、今後、地方自治を確立する上で税源移譲のバランスを失った改革の実態の矛盾をどのようにして国に是正を求めていく考えか、御説明を求めます。
オ、国の三位一体改革は、地方の権限と責任を大幅に拡大し、真に住民に必要な行政サービスの実現にあるとされておりますが、現実はさらに地方財政を悪化させ、サービスの切り捨てを余儀なくされかねない状況になると我が党は考えておりますが、改革の実態はどのように推移していると県は考えるか、御見解を伺いたい。
カ、この項目は削除します。
キ、国庫負担金で三位一体改革による義務教育費、国庫負担金の暫定的減額などで10.1%の減となっておりますが、義務教育費の国庫負担金削減は教育の公平な機会均等の確保の上から我が党は問題であると考えます。知事は、この問題をどのように考え、今後どう対応していかれるか、御見解を伺いたい。
あわせて教育長の御見解も伺いたい。
ク、本県の財政状況は、歳入面で自主財源の柱である県税収入は、全国平均の3.1%増に比べ1.2%増にとどまっております。経済に強いと自負し力を入れてきたはずの稲嶺県政としては不本意な状況と言わざるを得ませんが、この原因は何か、御答弁を求めます。
また、今後、県税収入の伸びに向けて知事の施策と決意について明確に御答弁をいただきたい。
ケ、この項目は削除します。
5番目に、教育行政についての質問でございます。
ア、経済面や学力の面から教育の二極化が今問題となっておりますが、県内の実態はどうなっているか伺いたい。
イ、総合学習を削減しようという話が出ておりますが、県としてはどのように考えておられるか。また、心の優しい人づくりが教育の基本であると思うわけでありますが、県の見解はどうかについて御答弁をいただきたい。
ウ、県立高校で授業料の未払いのために停学あるいは退学処分になった生徒がいるかどうかについて伺いたい。もしいたら、何人の生徒が処分されているかについてお答えいただきたい。
エ、本年度から県立高校の授業料値上げが実施される予定でありますが、授業料の減免申請の状況はどうなっているか伺いたい。
オ、県立高校の入学金について減免措置制度があるかどうかについて伺いたい。もしなければ検討してはどうか、教育長の見解を伺いたい。
カ、学校の安全管理についての質問であります。
大阪・池田小学校における事件の後、日本全国で学校における安全管理を徹底して指導され気を配ってきたにもかかわらず、去る2月14日にまたもや大阪の寝屋川で授業時間中に学校内で不審者による殺人事件が起きてしまった。この種の事件は、安全管理を幾ら徹底しても防ぐことができないのか。あるいは防ぐことができるとしたら、どのようにすれば未然に防ぐことができるかについて警察本部長の見解を伺いたい。
また、教育委員会としては、本県の学校における安全対策についてどのような指導がなされてきたか。また、今回の事件の後、改めて安全確認をしたかどうかについて教育長の御答弁を伺いたい。
6点目に、水道事業会計についての質問であります。
ア、県内浄水場の硬度の平準化はどのようになっているか伺いたい。
イ、北谷浄水場系と他の浄水場系の給水料金の料金体系はどのようになっているか伺いたい。
ウ、北谷浄水場系の水道利用者は、硬度が高いために家庭用の浄水器や軟水器等を設置し、あるいはスーパーなどから軟水を購入するなど明らかに水代を多く支払っております。他の浄水場系同様に硬度の低減化が図れないのであれば、その分考慮して水道料金に還元すべきだと思うがどうか、当局の見解を伺いたい。
7、福祉行政についての質問でございます。
ア、県は、迎える長寿社会に対してどのように対応していくか、その考え方を伺いたい。
イ、今から六、七年ほど前に本土大手マスコミの関連会社が県内マスコミ関連会社の協力を得て3組のモニターを活用し、約2週間程度の体験調査を行った経緯があります。その企画理由は、冬でも暖かい沖縄の地でともに第二の夫婦生活や老後を考えるきっかけづくりにとして、「長寿王国・沖縄で過ごす長期滞在」をテーマにした熟年向けの内容でありました。
滞在期間中に沖縄の人たちとの交流や文化活動への参加などをメニューに入れて、さらにその間のケアとして相談窓口(人間ドック)などが容易に受診できるようにし、安心して一月間を生活できるようにするのがねらいであります。
主催者から見た沖縄の位置づけは、まず1つには、環境・食生活がよく長寿日本一である、2点目に、異文化があり非日常生活観がある、3点目に、日本語が話せて生活が安心してできる、以上のような見方があるようでございます。
この企画に加えて、地域の老人クラブなどとの交流する機会をつくることによってそれぞれが生きがいづくりにもつながるのではないでしょうか。
このようにして、民間の調査結果に基づいて特に本土の寒冷地の皆様方を対象に暖かい沖縄の地で一定期間リフレッシュしませんかという内容であります。
県が長寿村構想を打ち上げて市町村に呼びかけ、あるいは民間にも声をかけて返還軍用地の跡地利用や遊休地の活用をするなど、その実現に向けて検討してみてはいかがでしょうか、担当部署の御見解を伺いたい。
また、この質問は福祉行政に対する質問でありますが、観光リゾート局にも大いに関連する内容になっていると思いますので、それぞれの御答弁がいただければ幸いであります。
よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 瑞慶覧議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、訪米についての御質問に一括してお答えいたします。
私は、3月12日から20日までの予定で訪米し、米国務省や国防総省等の関係機関に対し、県民の目に見える形で過重な基地負担の軽減がなされるよう、米軍再編に対する県の考え方である在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等を示すとととに、米軍人等による事件・事故の防止など本県が抱えている基地問題の解決を強く訴えたいと考えております。
また、緊急的対応策として、普天間飛行場の航空部隊や海兵隊の歩兵部隊等イラクに派遣されている部隊を戻さず県外移転すること等を強く求めてまいります。
続きまして、辺野古の移設についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場の返還について最も望ましい選択を求めるとそういう結果が出ることは当然だと思います。県としては辺野古移設に固執しているのではありません。しかしながら、実効性のある代替案が提示されていない段階で日米両政府で確約された返還方針を変更する取り組みを行うことはできないと考えております。
訪米前の情報交換についてお答えいたします。
県としては、訪米に向けては県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減がなされるよういろいろな情報を収集しながら取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、米軍再編に関する沖縄県案についての御質問にお答えをいたします。
県としては、米軍再編の中で本県の米軍基地の状況、地域における基地負担の現状を踏まえ、基本的な考え方として在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善、陸軍複合射撃訓練場の建設中止、日米地位協定の抜本的な見直しを求めております。
続きまして、国会議員等による要請行動についての御質問にお答えします。
国会議員や県議会議員等が沖縄の過重な基地負担の現状を直接伝えたことについては、意義があることと考えます。
次に、辺野古移設への対応についての御質問にお答えいたします。
県としては、普天間飛行場の危険除去が当面の最大の課題と考えており、日米両政府に対し、危険除去のための対策を講じ、危険性を限りなくゼロにするなど、再発防止に万全を尽くすよう強く求めているところであります。特に緊急的対応策として、イラクに派遣されている普天間飛行場の航空部隊等を県内に戻さず移転することなどを日米両政府に求めております。県としては、実効性のある代替案が提示されていない段階で日米両政府で確約された返還方針を変更する取り組みを行うことはできないと考えております。今後、日米両政府の合意による実効性のある代替案が提示されるならば具体的に検討していきたいと考えております。
続きまして、カート・キャンベル氏の発言についてお答えをいたします。
カート・キャンベル氏は、研究機関の副所長という自由な立場で発言されたものであると理解をしております。
続きまして、15年使用期限について申し上げます。
15年使用期限問題の解決についてこれまでの方針はいささかも変わりありません。また、同問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断で責任を持って着工までに解決すべきであると考えております。
続きまして、イラクからの帰還に反対することについての御質問にお答えします。
イラクに派遣されている海兵隊及びヘリ部隊が帰還することについては、基地負担の軽減や危険性の除去を求めている県の意向に沿うものではないことから反対であります。
続きまして、普天間基地の早期返還についての御質問にお答えします。
県は、普天間飛行場の危険除去については当面の最大の課題と考えており、事故発生後、速やかに日米両政府に対し危険除去のための対策を講じ、危険性を限りなくゼロにするなど再発防止に万全を尽くすよう強く求めているところであります。
次に、普天間飛行場の辺野古沖への移設見直し報道について申し上げます。
新聞報道について外務省に問い合わせたところ、報道されているような事実はないと否定をしております。
続きまして、陸軍複合射撃訓練場の御質問につきまして一括してお答えをいたします。
県は、陸軍複合射撃訓練場の建設場所は、住宅地域や沖縄自動車道に近く非常に危険であると認識しております。同訓練場の建設中止について私は、大野防衛庁長官や政府関係者等に対し機会あるごとに強く申し入れており、これまで金武町とも密接に連携し一貫した方針で取り組んできたところであります。政府においては、米側とさまざまな検討を行っているとしており、建設地の変更も選択肢の一つではあるが、現時点で何ら結論を予断することはできず引き続き検討していきたいとし、詳細については申し上げる段階ではないとしています。県としては、今後とも金武町と密接に連携し、日米両政府に対しあらゆる機会を通じてさらに強く工事の中止を求めてまいります。
続きまして、義務教育費国庫負担金の御質問についてお答えいたします。
義務教育費国庫負担制度については、これまで教育の機会均等及び全国的な教育水準の維持向上に大きな役割を果たしてきたものと考えております。このため、同負担金の見直しに当たっては、教職員の配置に支障が生じないよう明確な財源措置を講じる必要があるものと考えております。
義務教育制度については、政府・与党で合意した三位一体の改革の全体像において、「その根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持すること」とされております。県としては、中央教育審議会における審議の推移を見守りつつ、今後とも地方六団体とともに明確かつ確実な財源措置を国に強く求めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 嘉手納基地への一時移駐についてお答えいたします。
県は、去る2月10日、普天間飛行場滑走路修復工事に伴い、同飛行場所属の空中給油機など17機が嘉手納基地へ一時移駐するとの連絡を受け、嘉手納基地及び外務省沖縄事務所に対し申し入れを行ったところであります。具体的には、嘉手納基地周辺は現在でも騒音がひどく住民生活に大きな影響を及ぼしており、今回の措置でさらなる悪影響が出ないよう配慮を求めるとともに、嘉手納基地の代替使用については地元の嘉手納町などが大きな不満を持っていることから、国や米軍は地元に対し十分な説明をするよう申し入れを行ったところであります。今回の一時移駐は、工事が完了するまでの一時的なものであると考えております。
第2次嘉手納爆音訴訟の判決につきましては、損害賠償の範囲がいわゆる旧嘉手納爆音訴訟の判決においてW値75以上の地域の適用であったのに対し、W値80以上の地域への適用となっていることから、地域住民にとって大変厳しい判決になったものであり、残念に思っております。
いわゆる統合案につきましては、県としては新たな基地負担の増加につながることについては反対であります。
次に、キャンプ桑江南側部分における返還前環境調査についてお答えいたします。
日米合同委員会で返還合意された施設については、平成13年12月27日に跡地対策準備協議会において取りまとめられた方針の中で、返還前に立ち入って原状回復措置に係る立入調査が円滑に進められるよう国は米側の理解と協力を求めるとされております。キャンプ桑江の南側部分について具体的な返還時期等が合意された後は、返還前の立入調査を求めることができますので、関係市町村とも連携しながら跡地利用に支障を来さないよう取り組んでまいります。
次に、環境に関する合意文書についてお答えいたします。
1973年の日米合同委員会合意文書「環境に関する協力」については、平成15年1月24日に外務省より入手しております。環境調査等のための基地内への立ち入りについては、現在、平成8年12月の日米合同委員会において米軍基地内への立入許可手続が合意されており、同合意に基づいて立入申請が行われることになっています。しかしながら、県や市町村が求めているような立ち入りが実現されているとは言いがたい状況にあることから、さらなる改善の検討が必要であると考えております。このため、県としては、日米地位協定の見直しの要請の中で環境保全に関する条項を新設することとあわせて、基地内への立ち入りが円滑に実施されるよう同協定の改定を求めているところであります。
次に、海フェスタと辺野古移設についてお答えいたします。
海フェスタは、四方を海に囲まれた我が国にとって人・物の輸送、産業や生活などの分野における海の役割が極めて重要であることから、国民の海に対する関心をより一層高めるため「海の日」を中心に開催されているものであります。
一方、普天間飛行場の辺野古移設は、普天間飛行場が市街地の中心部に位置し、市民生活に深刻な影響を与えていることから、その早期返還を実現するため県としては限られた選択肢の中から苦渋の選択をしたものであります。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 大型いかりがサンゴ礁を傷つけていることについての御質問にお答えをいたします。
マスコミで報道のありました今回のいかりによる環境への影響については、2月21日に事業者から報告があり、潜水調査の結果、起重機船を係留するために設置したアンカーにつないでいる2本のワイヤーロープによるすり跡がアンカー付近の岩礁等で確認されたものの、サンゴへの影響は確認されていないとの説明を受けたところであります。県としては、自然環境への影響が可能な限り少ない方法で調査が実施される必要があり、公共用財産使用協議の際に「基盤の破壊や踏みつけなどの環境攪乱をできるだけ避けること」等の環境配慮事項を付したところであります。そのため、事業者に対し自然環境への配慮に最大限努めるよう厳重に申し入れをしました。今後ともボーリング調査の実施による環境への影響について注視し、必要に応じ対処していきたいと考えております。
次に、昨年11月のサンゴ礁破壊の報告と工事の中止についてお答えをいたします。
昨年11月のスパット台船設置によるサンゴの破損等につきましては、同年12月27日に報告を受けております。報告書では、足場設置中と足場撤去時において足場周辺で33カ所のサンゴ破損等があったとのことであり、今後の対応としては原則として底板を取り外して設置する等の対策を講じ、サンゴ等への影響を回避・低減するよう努めるとしております。県としては、報告書の内容を検討し、不明な点について事業者に確認等を行って、本年1月28日に今後の対応について作業方法をより慎重に検討し、自然環境への配慮に最大限努めるとともに、環境監視結果の報告は速やかに対応すること等を文書で申し入れたところであります。
ボーリング調査については、環境保全に十分配慮して可能な限り環境への影響の少ない調査方法で実施されることが重要であると考えております。公共用財産使用協議への同意に当たり、「調査実施の際の環境配慮事項」を付したところであり、事業者において当該環境配慮事項に沿って調査を実施していただきたいと考えております。
○企画開発部長(花城順孝) 海フェスタおきなわ開催推進事業の目的と内容についてお答えします。
海フェスタは、四方を海に囲まれた我が国にとって人・物の輸送、産業や生活などの分野における海の役割が極めて重要であることから、国民の海に対する関心を喚起する目的で「海の日」を中心に昭和61年から毎年開催され、今年の本県での開催が20回目の節目の年となります。去る1月12日に「海フェスタおきなわ実行委員会」第1回総会を開催し、名称を「海フェスタおきなわ~海の祭典2005~」、テーマを「美ら海 共生そして創造」、会期を平成17年7月16日から24日までの9日間、会場を那覇港などとすることで決定されました。
本県で開催するに当たっては、沖縄の青い海や港湾の重要性を全国にアピールするため皇族の御臨席をいただく記念式典・祝賀会、各地域代表による全琉ハーリー大会、ポートフェスタ、帆船・汽船等の一般公開及び体験乗船など、沖縄の「人と美ら海」の魅力を最大限に生かした多くのイベントを実施してまいります。
○総務部長(仲田輝享) 対前年度2.6%減の背景についてお答えします。
平成17年度当初予算は対前年度2.6%、約154億円の減となっております。その主な要因は、退職者数の減等により人件費で約36億円の減、2点目に、いわゆるNTT債を平成16年度に繰り上げ償還することから公債費で約45億円の減、3つ目には、公共投資の縮減に対する国の方針に基づき普通建設の補助事業で約66億円の減、4つ目には、緊急雇用地域創出特別事業が平成16年度で完了することから、物件費等で約22億円の減等によるものであります。
次に、三位一体改革の影響についてお答えします。
平成17年度の三位一体改革による本県予算に及ぼす影響は、税源移譲に結びつく国庫補助負担金の改革として公営住宅家賃収入補助や国民健康保険国庫負担の一般財源化などで約96億円、義務教育費国庫負担金の暫定的減額として約55億円、合計で約151億円となっております。これに対し、税源移譲額は所得譲与税が約43億円、税源移譲予定特例交付金が約55億円、合計で約98億円見込んでおります。
なお、税源移譲の不足分約53億円については、地方交付税により補てんされることが見込まれております。県としては、財政力の弱い団体については、地方交付税による確実な財源措置が講じられるよう今後とも地方六団体とともに国へ強く働きかけていきたいと考えております。
続きまして、三位一体改革の実態についてお答えいたします。
三位一体の改革を進める中で、国は「基本方針2004」及び「三位一体改革の全体像」において、地方団体の安定的な財政運営に必要な一般財源の総額を確保すること、また財政力の弱い団体においては税源移譲が財源措置すべき額に満たない場合があることから、地方交付税の算定等を通じて適切に対応することとしております。これを受けて平成17年度地方財政計画においては、地方交付税、地方税などの一般財源総額を前年度並みに確保するとともに、税源移譲等に伴い団体間の収入の格差が拡大しないよう地方交付税により確実に調整することとしております。
また、本県においても税源移譲の不足分については地方交付税により補てんされることが見込まれます。
最後に、県税収入の伸びについてお答えいたします。
平成17年度地方財政計画における地方税収見込みは、好調な企業収益を受けた法人関係二税の底がたい伸びを見込んで対前年度比3.1%増となっております。本県においても企業収益の改善が堅調に推移していることから、法人事業税で約14億2000万円、率にして8.4%の増収が見込まれます。しかしながら、自動車税が軽自動車へシフト化することに伴い約4億5000万円、率にして2.8%の減収が見込まれること等により全体としては約9億9000万円、率にして1.2%の増となっているものであります。
自主財源の柱である県税収入の確保としましては、税への理解と自主納税の推進を図るとともに、課税の適正を期し、滞納処分など適切な法的措置の強化等の厳正公平な税務行政の執行により、なお一層努めてまいりたいと考えております。
さらに、自主財源の拡大を図るため中長期的には本県経済の活性化に結びつく産業振興施策の推進により税源の涵養を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 義務教育費国庫負担金についてお答えいたします。
義務教育制度については、政府・与党で合意した三位一体の改革の全体像において、「その根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持すること」とされております。同負担金については、平成17年度は暫定的に4250億円減額され、減額相当分については税源移譲予定特例交付金で措置されることになっております。
教育水準の維持向上を含む義務教育のあり方については、本年秋までに中央教育審議会において結論を得ることとされておりますが、県教育委員会としては、審議の推移を見守りつつ教職員の配置に支障がないよう国に働きかけていきたいと考えております。
次に、教育の二極化についてお答えいたします。
学力の二極化とは、上位層と下位層の2つの山ができた状態と考えております。昨年12月に公表された経済協力開発機構(OECD)によるPISA調査においては、全体的に上位層と下位層との得点のばらつきはありますが、二極分化とは言いがたい状況と考えております。したがいまして、その要因についても二極化しているとは考えておりません。
なお、本県の達成度テストを見ても小学校は右肩上がり、中学校は教科によってばらつきはありますが、二極分化とは言えない状況にあります。
次に、心の教育についてお答えいたします。
「総合的な学習の時間」は、みずから学び、みずから考える力など「生きる力」を培うことをねらいとしており、本県としてはその趣旨を徹底し内容の充実を図ることが重要であると考えております。美しいものに感動する心や優しい心など、豊かな人間性は自然体験やボランティア活動など体験活動を通してはぐくまれるものであり、教育の原点であると認識しております。
次に、授業料未納についてお答えいたします。
授業料の未納は現在課題になっております。各学校においては、授業料減免申請や徴収猶予願いの申請をするよう助言を行ったり、支払いができると判断される保護者に対し理解や協力をお願いしているところであります。現在、授業料未納により出席停止になった生徒は、1校当たり月平均2人程度となっております。また、授業料未納のみで退学になった生徒が昨年度1人生じております。これはいろいろと指導・連携したんですが、保護者の理解や協力が得られず、やむなく措置をしたものであります。
授業料減免の条件と実態についてお答えいたします。
教育委員会では、将来にわたり人材の育成を図るため、親の病気・失業等の経済的理由により授業料の納付が困難な生徒に対して免除または減額を行っております。減免においては、収入状況、両親の有無や家族の健康状況、就業状況や資産状況、就学者の数等の生計状況や学業成績等を総合的に勘案しております。本年1月末現在、減免の申請者は5751名で在籍者の11.22%、承認者は3693名で在籍者の7.20%となっており、前年度末に比べて0.1ポイント上昇となっております。
入学料の減免措置についてお答えいたします。
入学料は、生徒が学校に入学する地位を取得するための一種の権利金的なものと言われております。本県においては、入学料の性格上、減免措置を講じておりませんが、御提言については今後課題の整理をしていきたいと考えております。
学校の安全対策についてお答えいたします。
県教育委員会では、大阪・池田小学校の児童殺傷事件後、各学校に対し安全対策の基本となる危機管理マニュアルの作成を徹底し、安全対策の強化に努めるよう指導してまいりました。今回の大阪の事件を受け、学校の安全確保は学校内の取り組みだけでは厳しい状況にあり、公共の場は公共の目で守るという視点から警察本部等関係機関と緊急連絡会議を開催し、学校、警察、地域が一体となった安全確保の取り組みの強化を確認いたしました。
また、県立学校及び市町村教育委員会等に対し、不審者侵入等に備えた防犯体制の再点検を行うとともに、地域の警察や関係団体に要請して学校周辺のパトロールや防犯訓練など、安全対策の強化に努めるよう依頼したところであります。
以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 学校施設内における事件・事故等の未然防止についての御質問にお答えをします。
大阪府寝屋川市内の小学校における事件は、校内での殺傷事件が再び発生したということで国民に大きな不安と衝撃を与えていると認識をしております。
同種事案の防止対策につきましては、ただいま教育長の御答弁にもありましたように、施設を管理している学校側がこれまでも不審者侵入に備えて安全対策に取り組み、また現在、再点検をされていると承知をいたしておりますけれども、今回の事案を受けまして県警においても直ちに各警察署に対して学校関係者との連携の強化及び学校周辺におけるパトロールの強化を指示したところであります。
警察といたしましては、これまで制服警察官による学校への立ち寄りや学校周辺のパトロール、学校・警察連絡協議会、不審者侵入避難訓練、子供にとってわかりやすい寸劇等の手法を用いた講習会、また「太陽の家」の緊急避難場所の利用法についての啓発活動など、子供や学校を犯罪から守るための諸施策を実施しております。
その他、地域住民や学校関係者と協働・連携して学校周辺、通学路、公園等におけるパトロールや、子供に対する犯罪の発生が懸念される危険箇所の安全点検や安全マップを児童生徒に作成してもらい、防犯意識の高揚を図っております。
警察としましては、学校における同種事案の防止に向けて今後とも関係機関・団体と連携を密にしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企業局長(當銘直通) 硬度の平準化についてお答えいたします。
平成15年度における各浄水場の平均浄水硬度は、リットル当たり北谷浄水場が116ミリグラム、名護浄水場が57ミリグラム、石川浄水場が37ミリグラム、西原浄水場が35ミリグラムとなっております。企業局の4浄水場とも水道法の定める硬度の水質基準値リットル当たり300ミリグラム以下をクリアしております。
なお、北谷浄水場につきましては他の浄水場に比べて硬度が高いことから、硬度平準化を図る目的で平成15年3月に硬度低減化施設を建設し、同年5月より稼働しております。その結果、北谷浄水場の平均硬度は、平成14年度のリットル当たり155ミリグラムから平成15年度における稼働日以降は116ミリグラムとなっており、約39ミリグラムの硬度低減化を図ることができました。
料金体系について申し上げます。
水道用水供給の料金は、沖縄県水道料金徴収条例によって定められているところであり、浄水場系の給水対象地域にかかわらずすべての給水対象水道事業者に対して使用水量1立方メートル当たり102円24銭に消費税を加えた額を徴収しております。
次に、硬度低減化と水道料金の還元についてお答えいたします。
北谷浄水場系の硬度につきましては、水道法の定める水質基準を満たしているところでありますが、硬度低減化を図るために平成15年度から硬度低減化施設の供用を開始しています。この施設の運転管理には約12億円の建設費に係る資本費や約1億円の薬品費などの経費を必要としますが、安全でおいしい水を供給するために現在は努めているところであります。
水道料金につきましては、水道法によって能率的な経営のもとにおける適正な原価に照らし公正妥当なものであることが規定され、本県においても同規定に沿って沖縄県水道料金徴収条例で定め、同一の水道料金として給水対象水道事業者への水道料金は一律の取り扱いが必要であると考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 長寿社会に対応する県の方策についてお答えいたします。
本県の65歳以上の高齢者人口は、平成16年10月1日現在21万人で、総人口138万人に対し高齢化率は15.2%となっており、平成42年には25.2%になると見込まれています。高齢社会の進展に伴い、多様化するニーズに的確にこたえていくためには、行政のさまざまな分野が連携し、総合的に対応していくことが重要と考えております。
県においては、平成15年3月に沖縄県高齢者保健福祉計画を策定し、健康増進・疾病予防対策、介護予防・生活支援対策、介護保険事業の推進、認知症高齢者の対策、生きがい対策、高齢者に優しいまちづくり、住まいの確保対策等各種施策を推進しており、今後ともこれらの施策等を着実に進めてまいりたいと考えております。
続きまして、沖縄長寿村構想及び長期滞在型施設整備の方向性についてお答えいたします。
沖縄県の長寿の要因については、温暖な気候、独特な食文化、精神的風土などさまざまな要因が考えられ、また県外の方でも沖縄にある期間滞在することによって免疫力が高まるなどの変化が報告されております。今後とも希望する民間事業者等へこれらの情報提供をしてまいりたいと考えております。
御提案のありました構想及び長期滞在型施設整備については、貴重な御意見として承らせていただきます。
以上です。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 沖縄長寿村構想及び長期滞在型施設整備の方向性についての御質問にお答えをいたします。
本県沖縄の観光の目指す一つの方向として長期滞在型の観光があります。そのことから私どもは体験・滞在型観光を進めているわけでございます。そしてまた近年の状況としましては、沖縄での長期滞在を希望する方々は高齢者を中心に増加傾向にあるわけでございます。ただ、これにこたえていくときの一つの課題として長期滞在用の施設の整備拡充がございます。
最近、ウイクリーマンションあるいはマンスリーマンション等が非常に予約が多くて活況を呈しているわけでございますけれども、ただこれはほとんどが都市部にございまして、リゾート地や地方では意外とこうした長期滞在者に対応する施設が少ないというのが実情でございまして、ややニーズと供給のギャップがあるわけでございます。
御質問の沖縄長寿村構想につきましては十分内容をお聞きしてないんで、シルバータウン的なものであるのか、どのような構想であるのかちょっとよくわからないんで詳しく言及することはできませんけれども、いずれにしましても観光リゾート局といたしましては長期滞在型施設、特に地方における長期滞在の受け皿づくりを促進をしてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○瑞慶覧 朝義 一通り答弁をいただきましたけれども、知事の政治姿勢あるいは基地問題について再質問をしたいと思います。
まず1点目に、知事の姿勢について伺いますけれども、知事訪米の際の要請内容の開示を求めましたが、多くの県民が期待している内容の答弁になっていないことはまことに残念でございます。知事が具体的に普天間基地や辺野古への基地建設断念に踏み込んで言及しないのは、日米両政府の動向を見計らってのことなのか、あるいは北部振興との関連を心配してのことなのかお答えをいただきたい。
実際に基地被害を受けているのは沖縄県民であります。沖縄県の知事が受け身の姿勢でどうするんですか。この時期だからこそ知事は県民の先頭に立って、要請内容に普天間基地の閉鎖及び辺野古への基地建設断念、県内移設を認めないことを具体的に明記すべきであります。
また、真新しいニュースによりますと、米政府は日本政府側から辺野古移設の見直し案が提起されたら応ずると発言しているようであります。知事はそのことも踏まえて訪米要請をしていただきたい。米政府は、知事の勇気ある発言をきっと待っていると思います。改めて知事の決意を求めたい。
2、昨日の渡嘉敷議員の質問に対して知事は、海兵隊の県外移転が実現された場合、普天間飛行場の返還もなされるものと考えると答弁されましたが、そのことは普天間飛行場が返還されると当然辺野古への基地建設はないと解釈していいか、明確に御答弁を求めます。
基地問題についてでありますけれども、米軍基地の環境問題について再度質問を行います。
返還地跡から発がん性物質を含んだ土壌汚染があったり、大量の実弾が見つかるなど、米軍は我々の生活環境から考えると到底理解しがたい土地の利用をしている実態が明らかになった。地位協定の傘に隠れてやりたい放題のことをすることはもうこれ以上許してはならない。これから返還される予定の地域について特に蓋然性が高い地域においては、すべての地域において返還前に磁気探査及び環境調査の申し入れを行い、返還前の環境調査を知事が先頭になって強力に取り組んでいただきたい。改めて知事の見解を伺いたい。
都市型戦闘訓練施設について再度質問を行います。
屋外射撃訓練は、山に向かって撃つので危険性はないと県議会軍特委員会の現地視察のときにターンボウ大佐の説明がありましたが、実際は自動車道と平行に屋外射撃訓練をすることが明らかになったわけであります。その角度から少しでもずれた場合、沖縄自動車道や住民地域に流弾することが明白であります。このような県民だましの米軍の対応に対して改めて知事の見解を伺いたい。
辺野古への海上基地建設について、辺野古移設見直し検討の新聞報道をどう受けとめるかという質問に対して、外務省に事実確認を行ったが、報道されたような事実はなかったと答弁されましたが、しからば、あれだけ大きな記事を書いた琉球新報や沖縄タイムスはうその報道をしたということなのか、新聞記事の内容の信憑性について県はどのように受けとめているか、改めて知事の見解を伺いたい。
嘉手納基地問題で、普天間飛行場の滑走路修復工事に伴う嘉手納基地への一時移駐について再度質問を行います。
たとえ一時的であっても基地機能の強化につながることは明白であります。たび重なる航空機の事故や爆音被害、緊急着陸の繰り返しなど、地域住民の受忍限度をはるかに超えているのが今の嘉手納基地の実態であります。地域住民としては普天間飛行場の嘉手納基地への統合につながるのではないかと大変危惧しております。騒音防止協定も守られていない中、さらなる航空機の移駐は到底容認できない。
知事は、施政方針の中で、米軍基地に派生する問題を初めとする諸課題の解決のため県民の先頭に立って取り組むと言われました。その約束をしっかり厳守していただき、知事が先頭になって一時移駐を阻止していただきたい。その意気込みと決意を改めて伺いたい。
それと、知事は先ほどの答弁で、普天間基地問題につきましてイラクへ行っていた海兵隊の帰還あるいはヘリの帰還について反対を表明されました。しからば、来る28日に普天間基地への帰還を許さない住民集会がありますが、要請があればその集会へも参加なさいますかどうか、明確に御答弁いただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○副議長(新垣哲司) ただいまの瑞慶覧朝義君の再質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後3時46分休憩
午後4時31分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
休憩前の瑞慶覧朝義君の再質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 瑞慶覧朝義議員の再質問にお答えいたします。
訪米で何を訴えるのかということと、それと普天間基地の返還についての1、2の質問に一括してお答えをいたします。
訪米に当たっては、基地負担の軽減を図る観点から在沖米海兵隊の県外移転などを求めることとしております。普天間飛行場の返還は、SACOにおいて既に決定しております。県としては、実効性ある代替案が提示されていない状況で日米両政府で確約された返還方針を変更する取り組みを行うことはできないと考えております。
今回の米軍再編においては、世界における米軍のプレゼンスや兵力構成、基地のあり方等全面的な見直しが行われ、在沖米軍基地についてもSACO合意を超えて在沖米軍のあり方に大きな変動をもたらすものと考えております。したがって、日米間の協議で海兵隊の県外移転に普天間飛行場が含まれることが合意されれば、その返還がなされるものと考えております。
辺野古移設については、今後の日米間での協議がされるものと思います。
続きまして、複合射撃訓練場建設中止についての再質問がございましたが、この複合射撃訓練場はどんな形であろうとも絶対に反対でございます。
続きまして、新聞記事をどのように受けとめているかということでございますが、先ほども申し上げましたとおり、新聞報道について外務省に問い合わせたところ、報道されているような事実はないと否定しております。
次に、県民大会の話がございました。
与野党が一致、各界各層を網羅した全県的集会が計画され要請があれば出席いたします。
○知事公室長(府本禮司) 返還前の環境調査等についてにお答えいたします。
日米合同委員会で具体的な返還時期等が合意された後には返還の立入調査を求めることができますので、関係市町村とも連携しながら跡地利用に支障のないよう必要な調査ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
それから、嘉手納基地への一時移駐についてでございますけれども、今回の移駐に当たりまして、これ以上悪影響が出ないよう再度求めたわけでございますけれども、嘉手納基地の代替使用については地元の嘉手納町などが大きな不満、不安を持っていることから、国や米軍は地元に対し十分な説明をするよう申し入れを行っております。
この移駐につきましては一時的なもので、工事が完了するまでのものであると考えてございます、このことがですね。というふうに考えております。
以上でございます。
○瑞慶覧 朝義 まず、知事、再質問に対して答弁いただきましたけれども、1つ目には、イラクからの帰還に対して、その集会について案内があれば参加するということだったかと思うんですが、再度確認します。そうすれば招待状を案内させたいと思います。
ちょっとすみません。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
午後4時37分休憩
午後4時37分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
○瑞慶覧 朝義 先ほど私が真新しいニュースの話を申し上げましたけれども、きょうの夕刊を見れば御承知のことであります。(資料を掲示)
この内容であります。既に当局は御承知と思いますけれども、この内容ですね。今回は米側から代替案があれば見直しをすると、それに応ずるという内容であります。
この記事は、これは2月7日の情報とは別ですよね。2月7日の新聞じゃありません。きょうの新聞なんですよ、これは。米政府は、普天間飛行場の辺野古移設について日本側から代替案の提案があれば見直し協議に応ずるという内容でございます。踏み込んで知事が訪米の際に普天間、辺野古について痛みを受けている沖縄県の立場から、知事として踏み込んで言及しないのは到底理解しがたいことであります。無責任きわまりないというしかありません。そのことを米政府に、あるいは外務省にもう一度再度確認をしていただきたいと思います。それでしかるべき対応をしてもらいたいと思います。
以上です。答弁を求めます。
○知事(稲嶺惠一) 再々質問で要請があれば出席するということなんですが、その前に、先ほど申し上げましたことを再度申し上げます。
与野党が一致、各界各層を網羅した全県的集会が計画され要請があればもちろん喜んで出席いたします。
それから、先ほどの訪米に関してですけれども、今回の一番大きなのは、私どもとしては沖縄側として画期的に在沖米海兵隊の県外移転を求めるということを強く言っております。これを今後とも強く主張してまいりたいと思います。
○副議長(新垣哲司) 以上をもって代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明25日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後4時40分散会