○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第31号議案まで及び乙第1号議案から乙第40号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
當間盛夫君。
〔當間盛夫君登壇〕
○當間 盛夫 皆さん、おはようございます。
まず質問に入る前に、ことしは戦後60年目の年であります。復帰33年、中央政権で沖縄問題に深くかかわり、尽力を傾けた政治家と言えば山中貞則先生であります。山中先生の書の中で、政治家山中貞則は、何をなしたかと問われるならば、私は迷うことなく真っ先に沖縄問題を挙げるだろうと言われるように、沖縄に深くかかわりがあったことは私があえて言うまでもありませんが、沖縄県民の多くがその功績に感謝していることであります。また、その中でも沖縄にかかわる心構えとして、沖縄担当の閣僚になった議員がどういう心構えで臨んだらいいか聞きに来ることがある。それに対して私は次のように答えることとしている。沖縄の人の心になって、沖縄の人の目で東京を見なさい、決して東京から沖縄を見てはいけない。残念なことに1年もするとかわってしまうのでなかなか実行されない。私は沖縄の全島をくまなく歩き、みずからの目で沖縄を見てきたつもりである。解決されていない沖縄問題は数限りなくある。沖縄問題は政治家としてのこれからも続く終生のテーマであると言われ、昨年の2月20日に亡くなられ1年が過ぎました。
果たして今沖縄の心で、沖縄の人の目で東京から見る閣僚がいるでしょうか。東京から双眼鏡を反対にして沖縄を語る政治家はいても、沖縄に思いを寄せる政治家や官僚が減ったと言われております。沖縄の発信力と気迫が問われていると指摘があるように、山中先生も天国から沖縄を見ていることでしょう。知事にもっと気迫を持って主体的にみずからの言葉で沖縄問題を発信するよう、残り1年半頑張ってと言われていることでしょう。そして主体的に沖縄の政策の提案を行うことによってそのことで課題が動き、結論が導き出されるという主体的な役割を沖縄側が担うことによって結果の重みが違ってくることであります。しかし、今のままでは米軍再編という他力の中で結果的に基地の整理縮小が実現したということにしかならないのではないでしょうか。行政や政治家が主体的というリスクを背負うことで立ち向かい、そして創造力のある社会をつくることが先決であります。
それでは質問に移らせていただきます。
基地の整理縮小についてであります。
「米軍再編に対する県の対応」の中で、対処方針で「海兵隊の県外移転」とありますが、現在本島内にある海兵隊はすべて県外に移転させてもらいたいという要望であるとこれまでの答弁で理解しているのであります。しかし、すべての海兵隊基地を県外移転させるべきとの要望は、東アジアの安全保障上の観点からも県内経済からも大きな問題があると思います。それでも県の要求として米国政府に要請されるのか。ならば、辺野古移設は不要とも受けとっていいのか。
きのうの夕刊で伊良部町商工会は、「議会が下地島空港に自衛隊を誘致決議するよう要請文を提出した。」とあります。米軍再編の代替施設の候補地選定作業では自衛隊との共同使用案も浮上し、町長はメリットがないから反対とありますが、町へのメリットがあれば賛成ともとれます。議会は2001年に自衛隊訓練を全会一致で採択した経緯があります。戦後60年、復帰33年、いまだに沖縄は北は辺野古から南は伊良部まで基地問題に振り回されているのであります。
そこで伺います。
基地の整理縮小について。
ア、米軍再編の中で、効果的に県民の目に見える形で基地負担の軽減が図られるよう日米両政府に考えを示すとあります。新たなSACOの見直しと考えていいのか伺います。
イ、米軍再編の対処方針の一つに「海兵隊の県外移転」がありますが、内容をお聞かせください。
ウ、海兵隊施設及び訓練場は、沖縄の基地面積の約75%に当たると思います。市町村とその対応はどのように進めていくのか考え方を伺い、そしてそれが返還されたとしたらどのような状況になるのかお聞かせください。
エ、代替施設の整備すべき条件で、自然環境への配慮、15年使用問題、名護市の条件等の取り組み状況をお聞かせください。そしてそれはいつ整うのかも伺います。
四軍間の基地運用の合理化の促進とはどのようなことを想定しているのか伺います。
知事の考える日本の安全保障体制をお聞かせください。その中で下地島空港の自衛隊使用についてどのように考えるのかお聞かせください。
旧軍問題であります。
再三質問する中で、早期解決のめどをつけなければならない時期に来ていると思います。県のタイムスケジュールを示さなければならない時期ではないでしょうか。内閣府の沖縄担当は、個人補償は裁判で判決が出ている以上、政治家がごまかしてくっつけることはできない。そして迷惑料金という話ならあると。また、振興策は時限立法である、今後存続するか不明である。そして振興策予算とは別枠であり、財務省予算を獲得すべきで理財局も了解をしている。県知事が各人をまとめて一括最終解決をしなければならないと言われております。このことは県当局にも前から伝えてある。そしてその中で県が調査報告に時間を費やしたことが時間のロスであり、理解に苦しむとも言っていました。県に本当にやる気があるのか見えてこないという嘆きも聞こえてきました。
そこで伺います。
各地主会、各市町村への取り組み状況をお聞かせください。
県として個人補償の対応はこれ以上できることはないと思うが、知事の決断が求められている。考えをお聞かせください。
あと何年で解決できると考えて取り組んでいるのかを伺います。
国との取り組みはどのように進んでいるのかを伺います。
続きまして、観光行政であります。
民間主導の自立型経済の構築に向けては産業界の主体的な取り組みを後押しし、観光・リゾート産業、情報通信産業、農林水産業、商工業の振興と雇用の創出確保に取り組むと言われております。県内観光も消費単価の落ち込み、海外観光客の伸び悩みなど決して楽観できる状況ではなく、そして何よりもこれまでの大手航空会社と大手旅行会社に頼る他力本願の体質改善が必要とされ、みずから沖縄をどのように売り込むかがまさに正念場であります。
そこで伺います。
魅力ある観光・リゾート地の形成について。
第1次観光振興計画の成果と第2次計画の取り組み状況を伺う。
国際的な質の高い観光地の形成には表玄関の整備は必要不可欠であり、空港、港湾等のインフラ整備の取り組み状況を伺う。
1人当たりの観光消費額と観光収入は減少傾向にあるが、対応はどのように取り組んでいるのか。
外国人観光客の誘致活動の取り組みについて、そして海外事務所の活用とあるが、海外事務所の取り組み方針を伺う。
スポーツコンベンションの取り組み状況と受け入れ体制の施設の整備状況を伺う。
次に、安全・安心な地域づくりについてであります。
今の日本は安全・安心な国かという問いに、7割がそうは思わないと回答され、安全・安心でない理由として、少年非行、引きこもり、自殺などの社会問題が多発している。凶悪犯罪が多いことなど治安が悪い。雇用や年金など経済的見通しが立てにくいなど多くの不安が私たちの周りにあります。
知事は所信表明の中で、県民の安全・安心の確保について「ちゅらさん運動」の浸透を図り、県、警察、県民等が一体となって犯罪のない安心で安全に暮らせる社会の実現を目指すと表明しております。社会の連帯感が弱いと言われる中で、安心して暮らせる社会というのは社会整備の最も基本的な部分であり、多くの観光客を受け入れる観光立県沖縄としても安全・安心は必要不可欠な要素であります。しかし、毎日のように凶悪犯罪が全国で多発しているのが実態ではないでしょうか。
県当局は、県民の安全・安心を確保するため全力で対策を講じる必要があると考えます。
そこで伺います。
「ちゅらさん運動」の取り組み状況とことしの取り組み方針について、知事部局、教育委員会、警察本部のそれぞれの取り組みについて伺う。
県内の治安情勢がどのように推移しているのか、「ちゅらさん運動」の効果とあわせて警察本部長の考えを伺う。
全国的に問題になっている少年非行問題、県内の少年非行の現状と対策について伺う。
振り込め詐欺について、県内の被害状況と被害に遭わないための対策について伺う。
全国的に自殺の増加、うつ病や引きこもりの広まりなど、安心な社会づくりを実現するために対策が必要であるが、県内の自殺者の現状と対策を伺う。
最後に、行財政改革であります。
県民満足度の高いサービスを効率的に提供するため「選択と集中」のもと、県民の視点に立って改革を一層推進していくとの表明でありますが、三位一体での交付金の削減、自主財源の確保、民間企業と公務員の給与の問題など前途多難であります。
改革を進める中で大切なことは、情報開示、情報公開であります。県民にオープンにすることで国から地方への考えのもと、地域がその自主的な取り組み、知恵と工夫を生かして競争が活発化し、地域のコミュニティーを活性化させることができると思われます。そして何よりも職員が本気で改革に取り組む姿勢が必要であります。
そこで伺います。
新行政システム改革の取り組み状況とこれまでの成果について伺います。
自主財源の柱である県税収入の大幅な増加が見込めない厳しい状況という中で、財政健全化に向けた自主財源増加はどのような対策をとるのか伺います。
県民満足度の高いサービスを効率的に提供するための取り組み状況を伺います。
県のこれからの市町村合併の取り組み状況をお聞かせください。
答弁によりまして再質問させてもらいます。
○知事(稲嶺惠一) それでは當間盛夫議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、米軍再編に対する県の考え方とSACOについてのお答えでございます。
現在、米国は世界における米軍のプレゼンスや兵力構成、基地のあり方等全面的な見直しを行っており、在沖米軍基地に限らずSACOでは協議の対象とされなかった在日米軍基地のあり方そのものが検討されることとなり、SACO合意を超えて在沖米軍のあり方に大きな変動をもたらすものと考えております。
続きまして、海兵隊の県外移転についてお答えいたします。
本県の基地負担において海兵隊は大きなウエートを占めており、県としては、県民の過重な基地負担が目に見える形で軽減されるためには海兵隊の県外移転が必要であると考えております。2月19日の日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2において、在日米軍の再編については、沖縄を含む地元の負担を軽減すること等が合意されております。今後、個別の議論が行われることとされており、県としては協議の状況も見ながら適宜より具体的なものを打ち出していきたいと考えております。
続きまして、各市町村との対応等についての御質問にお答えいたします。
県は、米軍施設の所在市町村長から実際の負担の状況や地域の意向を伺ってきたところであります。基地が返還された場合には、基地所在市町村や軍用地主を初めとする多くの関係者に影響を与えることから、県としては地元市町村の意向も踏まえ、軍用地主や駐留軍従業員の生活、返還跡地の有効利用等さまざまな問題について一つ一つその解決への道筋をつけながら対応してまいります。県としては、返還後の跡地利用に万全を期し、本県の振興開発に資するものとなるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、条件等の取り組み状況についての御質問にお答えいたします。
県や名護市の条件については、閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に基づきそれぞれ取り組まれているところであります。主な進捗状況を申し上げますと、自然環境への配慮については、環境影響評価の手続の中で国において適切な措置がなされるものと考えておりますが、引き続き地域の住民生活や自然環境への影響を極力少なくするよう求めていきます。
15年使用期限問題は、基地の提供責任者である日本政府の高度な政治判断で責任を持って着工までに解決すべきであると考えております。名護市の求めている受け入れ条件については、使用協定や自然環境への配慮等現在取り組みが進められているところでありますが、県としてはこれらの条件については代替施設の着工までに実現されるものと考えております。
次に、四軍間の基地運用の合理化についての御質問にお答えをいたします。
四軍間の基地運用の合理化については、住宅統合による集約化や通信施設や福利厚生施設等の施設の共用化を想定をしております。
次に、安全保障体制と下地島空港の使用についてお答えいたします。
日米安全保障体制は、我が国及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与していると理解しており、我が国に所在する米軍基地が重要な役割を果たしていると認識しております。下地島空港については、いわゆる「屋良確認書」や「西銘確認書」を踏まえた利用が行われるべきであると考えております。
次に、今後の市町村合併の取り組み状況についてお答えいたします。
地方分権の流れが加速する中で、行政の広域化・高度化を図ることが求められており、このため、県としても市町村合併を積極的に推進しているところであります。本年4月から施行される合併新法では、総務大臣が定める基本指針に基づき、自主的な合併を推進する必要がある市町村を対象として県が合併に関する構想を策定することとしております。今後の構想策定に当たっては、各市町村の意向を十分に尊重する必要がありますが、可能な限り小規模町村を再編する方向で取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 旧軍飛行場用地問題への取り組みで3点ございましたけれども、市町村の取り組み状況、個人補償の対応、それからあと何年で解決できるかについて一括してお答えいたします。
県は、県政策会議で団体補償を解決策として推進することを基本方向として確認したところであります。この県の考え方については各地主会に説明するとともに、去る2月15日に開催した第6回県・市町村連絡調整会議幹事会において関係市町村にも説明を行ったところであります。県の説明に対し、旧軍飛行場地主会連合会に加盟する地主会は、今後とも個人補償を求めていくこととしており、一方、那覇大嶺の地主会や読谷の地主会は、基本的に県の考え方に同調する旨表明しております。
また、宮古の地主会の一部及び伊江島の地主会は、地主会内部で検討したいとのことであります。県としては、団体方式によって問題解決を図っていきたいと考えておりますが、問題解決に当たっては、地主会の合意が前提となることから、今後とも理解が得られるよう働きかけるとともに、関係市町村長の意見を聞きながら県・市町村連絡調整会議を中心に検討を進め、できるだけ早く要望案を取りまとめ戦後処理としての解決を国に求めていきたいと考えております。
次に、国との取り組み状況についてお答えいたします。
県は、委託調査報告書の成果をもとに財務省及び内閣府に説明を行うとともに、同問題の解決に向けて協力を要請しているところであります。また、平成15年10月に来県した茂木沖縄担当大臣(当時)及び平成16年10月に来県した小池沖縄担当大臣に対し、同問題の解決促進について要請を行うとともに、平成17年1月には木俣参議院沖特委委員長にも同様の要請を行ったところであります。県としては、今後、地主会から具体的な解決策の提案があれば、当該市町村とも十分に調整を図った上で国との事前協議に当たりたいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、観光振興計画の成果と第2次計画の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
県におきましては、観光振興計画に基づき各種の施策を展開をしてまいりました。その結果、昨年の入域観光客数は基準年である平成13年の443万人から16%増加し515万人の過去最高となりました。個別施策では沖縄型特定免税店の空港外展開、IDB総会等のコンベンションや映画等ロケの誘致、エコツーリズムガイドラインの策定や全国初の保全利用協定の締結等の実績を上げております。
また、観光利便施設や世界遺産周辺の整備、沖縄観光共通プラットホームの構築、台風時対策等を強化するとともに、観光のバリアフリー化や離島観光の活性化及び空手交流推進等の施策に着手するなど、質の高い観光地の形成に向けた取り組みが着実に進展しております。第2次計画におきましては、このような実績及び沖縄観光の現状、課題を踏まえた各種施策を推進していくこととしております。
具体的には、エコツーリズム等の体験・滞在型観光の推進、観光人材の育成、観光のバリアフリー化、コンベンションの推進など質の高い沖縄観光の実現を図るための施策を継続いたします。
また、観光の国際化を進めるため受け入れ体制の強化を図るとともに、国の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」と連携し、県の上海事務所等も活用した誘客対策を拡充いたします。さらに、沖縄観光の新たな魅力であるリゾートウエディングやショッピング観光の展開、離島観光の推進に関する施策を新たに計画に盛り込み、積極的に推進することといたしております。
次に、観光消費額と観光収入減少への対応策についてお答えいたします。
観光消費額を引き上げるためには旅行商品の付加価値の向上、滞在日数の長期化及びサービスの質の向上等が必要であります。そのため、県におきましては付加価値の高い体験・滞在型観光としてエコツーリズムや健康・保養型観光の推進、離島観光の魅力向上及び情報発信などに取り組んでおります。また、関連産業への波及効果も大きいリゾートウエディングの拡大、免税店等を活用したショッピング観光の拡大、国際会議や企業の報奨旅行など、消費単価の高い各種コンベンションの誘致に取り組んでおります。さらに、特産品のブランド化による県産土産品の魅力向上やホテル等における県産食材の利用促進など、産業間の連携を強化し、経済波及効果の向上に努めているところであります。
サービスの質の向上については、ホテル等のグレードアップに寄与する人材の育成に取り組んでいるほか、観光客の満足度の向上や消費額の拡大につながるエステやスパ等の多彩なオプションメニューの拡充を促進する考えであります。このほか、国内外における誘客プロモーションを実施し、入域観光客数と観光収入の増加に取り組んでまいります。
次に、外国人観光客の誘致活動及び海外事務所の取り組み方針についてお答えをいたします。
現在、県では、本県との直行便を有する台湾、韓国、中国等を中心に誘客活動を展開しております。海外からの観光客誘致については、海外事務所における市場動向調査を踏まえ、韓国からは新婚旅行とゴルフツアー、台湾からは若年層ツアーやクルーズなど当面国別にターゲットを定め、より戦略的に取り組んでおります。特に、新たに設置する上海事務所については、上海における活動拠点として富裕層をターゲットとしたツアー開発を行う考えであります。
海外事務所につきましては、引き続き県内の旅行会社やホテル関係者等にも誘客宣伝活動の拠点として十分に活用していただくとともに、現地におけるマーケティング、マスコミ等の招聘事業、観光展への出展、商談会開催など効果的な誘客活動に向けて十分活用してまいります。
次に、スポーツコンベンションの取り組みと受け入れ施設の整備状況についてお答えいたします。
スポーツコンベンションの振興につきましては、昨年10月、県レベルの統括団体として「沖縄県スポーツコンベンション振興協議会」を設立したところであります。今後は、各地域または市町村を単位にスポーツコンベンションの振興のための組織の設立を促進してまいりたいと考えております。
これまでの取り組みとしては、日本サッカー協会や日本セーリング協会等各種競技団体に対する誘致活動を展開するとともに、今年度は楽天ゴールデンイーグルスの久米島キャンプや韓国の三星ライオンズの誘致受け入れ支援を行ったところであります。
また、県におきましては、全日本トライアスロン宮古島大会を初め市町村等が中心となって実施する地域のスポーツイベントに対して助成を行っております。
一方、スポーツ施設等の受け入れ施設については、各県におけるスポーツ施設の設置及び運営に関する情報の収集に努めるとともに、競技種目、ランクごとの施設データ、今後のキャンプ・合宿等の動向を勘案しながらスポーツコンベンション振興協議会等の場を通じて整備充実を促進していく考えであります。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 観光行政について、空港、港湾等のインフラ整備についてお答えします。
空港、港湾の整備は、国際交流・協力拠点形成や観光産業を初めとする産業の振興を図る上で重要であると考えております。そのため、那覇空港については国と県で構成する那覇空港調査連絡調整会議を設置し、国と連携して那覇空港の総合的な調査を実施しているところであります。今後は、空港能力向上の可能性を見きわめた上で滑走路増設の検討を行うとともに、県民に対し積極的に情報を提供し意見収集に努め、滑走路増設に向けた住民の合意形成を図ることとしております。
那覇港については、コンテナターミナル、臨港道路、旅客船バースなどの整備を港湾計画に位置づけております。波之上地区と那覇空港方面を沈埋トンネルで結ぶ臨港道路空港線は、平成20年度の供用開始を目途に整備を進めております。国際クルーズに対応した旅客船バースについては、早期整備に向けて取り組んでまいります。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 知事部局で取り組んでいる「ちゅらさん運動」の状況についてお答えいたします。
県では、昨年4月に施行したちゅらうちなー安全なまちづくり条例の具体的取り組みとして、教育庁では、青少年の健全育成や地域防犯リーダーの養成等を推進する「ちゅらひとづくり」、知事部局では、犯罪の起こりにくい生活環境を推進する「ちゅらまちづくり」、警察本部では、自主防犯活動の促進とネットワークの構築、観光客の安全対策、被害者支援等を推進する「ちゅらゆいづくり」をそれぞれ事務局を担当し、連携して一体となって推進しております。また、毎月3日を「ちゅらさん運動の日」として定め、県民総ぐるみ運動として取り組んでおります。
知事部局においては、昨年4月からこれまで「ちゅらさんラジオ体操」、「県下一斉暗がり診断」等を企画し実施するとともに、「地域安全マップ作製」、「安全・安心パトロール隊の出発式」、「親子20万人ふれあい下校」、「ちゅらさん運動の日シンポジウム」、「子供の安全を守る緊急アピール」、「安全なまちづくり新春対談」などを警察や教育委員会と連携して推進してまいりました。
今後の取り組みとしては、犯罪を減らしてすべての人々が安全・安心して暮らせる沖縄県を目指して今月3日の「ちゅらうちなー安全なまちづくり講演会」の開催、「沖縄県防犯モデル共同住宅登録制度」の4月からの運用開始、「県下一斉暗がり診断と対策」事業などを推進するとともに、なお一層広報・啓発を強化してまいりたいと考えております。
県としましては、今後とも関係機関・団体等と連携しながら「ちゅらさん運動」を推進してまいります。
○教育長(山内 彰) 「ちゅらさん運動」についてお答えいたします。
「ちゅらさん運動」は、青少年の健全育成や通学路等における安全確保など、学校や地域における安全教育と深くかかわっております。
実際の取り組みとして、昨年6月から警察との連携のもと、200余りの小学校において「地域安全マップづくり」を進め、子供たち自身の危険回避意識の高揚に努めてきました。9月には全県下の小学校において「ちゅらさんで親子20万人ふれあい下校」を実施しました。児童が父母と一緒に下校しながら通学路や遊び場の安全を確認し、親子の触れ合いを深めております。
また、12月には警察、PTAや子供会等の社会教育団体と連携し緊急集会を開催しました。子供たちの命を守る「緊急アピール」を宣言し、子供たちの命を守ることへの県民の注意喚起を促したところであります。
なお、平成17年度は、地域防犯リーダーの養成という統一テーマのもと、関係機関・団体とさらなる連携を深め、ユイマール精神を生かして地域の子は地域で守り育てるという姿勢に立ち、「ちゅらさん運動」を推進していきたいと考えております。
以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 初めに、「ちゅらさん運動」の取り組みについてお答えをいたします。
これまでの答弁との重複を避けまして、「ちゅらさん運動」の3つの柱のうち警察本部が事務局を担当している「ちゅらゆいづくり」について説明をいたします。
「ちゅらゆいづくり」の年間の事業計画については、昨年5月に設置しました会長以下20名の会員で構成された専門部会において対策や取り組み方法を検討することとしております。
警察本部では、本部長が直轄する安全なまちづくり推進課の総合調整のもとに関係課がそれぞれの業務に関する対策を関係機関・団体等と連携して推進しているところであります。
具体的な対策の取り組み状況としましては、犯罪の発生状況や防犯対策等の情報の提供、自治体、事業者、地域住民の自主防犯活動の促進のためパトロール活動要領の指導やパトロール用の装備品の配布、観光客の安全確保を目的とした緊急雇用創出事業による安全・安心パトロール活動の実施、児童等の安全確保を目的とした緊急雇用創出事業による「地域安全マップ作製」事業の実施、被害者支援のための社団法人沖縄被害者支援ゆいセンターの設立等を推進してまいりました。
本年予定しております取り組みにつきましては、自主防犯活動の促進と支援を目的として地域のボランティア活動の中心となる防犯リーダーを養成するためのアカデミーの開校、継続的な自主防犯活動を実践するための法人団体等の設立支援、ひったくりや性犯罪等が多く発生する暗がりをなくすための防犯保安灯の設置促進、住宅侵入窃盗の被害防止を目的とした参加・体験実践型の防犯教室開催等の情報発信などを推進することとしております。
県警察としましては、「ちゅらさん運動」の一層の普及・拡大を図りつつ、知事部局、教育委員会と協働した総合的な対策に取り組んでいく所存であります。
次に、県内の治安情勢の推移と「ちゅらさん運動」の効果についてお答えをいたします。
治安情勢の指標となる刑法犯の発生状況は、過去最悪を記録した平成14年の2万5000件台をピークに平成15年が約2万3000件、昨年が約2万2000件と2年連続での減少となり、治安の悪化に一定の歯どめがかかった状況にあります。しかしながら、依然として刑法犯は2万件台とかつてに比べれば高水準で推移し、減少状況も平成15年が前年対比で10.6%減少であったものが、昨年は4.5%と減少率が若干鈍化しており、特に振り込め詐欺等の県民の日常生活を脅かす新しい手口の犯罪が急増するなど、いまだ県内の治安情勢は厳しいと認識をしております。
県警察では、犯罪の総量を抑止するための身近な犯罪抑止対策、子供や女性を対象とする犯罪防止のための子供・女性保護対策、歓楽街の適正な風俗環境を確保するための歓楽街浄化対策、振り込め詐欺被害を防止するための広報・啓発、自然環境の保護を目的とした「美ら島環境クリーン作戦」等の諸対策を安全なまちづくり総合対策として県警の総力を挙げて取り組んでいるところであります。
安全なまちづくりを実現するためには、警察のみの活動にはおのずと限界があり、自治体、事業者及び県民の協力が不可欠であります。この点からすれば、昨年から取り組んでいる「ちゅらさん運動」は、県、事業者及び県民がそれぞれの立場でそれぞれができる防犯対策を講じ、県民総ぐるみ運動として展開しているものであり、極めて有効な運動であると認識しております。
「ちゅらさん運動」の効果としましては、自治体の公用車を活用したパトロールや住民に対する注意喚起活動等の実施、事業者の営業車両によるパトロール、自治体、住民による公園や駐車場等の安全点検や美化環境活動の実施、学校・保護者・地域による子供を守る活動の実施等、みずからの地域はみずから守るという意識が高揚し、安全なまちづくり活動が各地で活発に行われるようになり、ひいては犯罪の減少にも寄与していると評価しております。
県警としては、今後とも検挙活動や地域警察活動を初めとする治安対策の強化と、「ちゅらさん運動」と連動した県民の自主防犯活動の促進及び支援を強化し、安全で安心して暮らせる沖縄県の実現に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
次に、少年非行の現状と対策についてお答えをいたします。
平成16年中、県警が窃盗、傷害等で検挙・補導したいわゆる刑法犯少年は1662人、うち犯罪少年が1286人、触法少年が376人で、対前年と比べますと57人、3.3%の減少となっております。また、飲酒・喫煙等で補導したいわゆる不良行為少年は3万6586人で、対前年比で190人、0.5%増加をしております。
県内の少年非行の特徴について申し上げますと、第1点目は、低年齢化ということであります。刑法犯少年に占める中学生の比率は50.5%で、これは全国平均の約1.5倍、また触法少年――14歳未満の少年でありますが――これは全刑法犯少年の22.6%を占めておりまして、全国平均の約1.7倍となっております。
第2点目は、少年の深夜徘回や飲酒等が多いということであります。深夜徘回で補導された少年は、全国平均の約1.7倍、飲酒は約8.8倍、家出・無断外泊が約3.1倍となっております。
県警では、検挙・補導した少年の再非行防止を図るため学校との相互連絡の実施、警察官が学校へ出向いて防犯指導を行う安全学習支援授業による児童生徒の規範意識の高揚、学校、地域、関係機関・団体と連携したサポートチームによる立ち直り支援活動及びスポーツ、ストリートダンス、伝統芸能等の指導による居場所づくり、大学生ボランティアによる不登校生徒の学習支援や悩み事相談、警察・教員OBのペアによるスクールサポーターを学校へ派遣し、非行集団の解体及び少年の立ち直り支援など各種対策を講じているところであります。今後も関係機関・団体等と連携し、継続して少年の非行防止対策を実施していく所存であります。
次に、振り込め詐欺の被害状況と対策についてお答えをします。
警察では、いわゆるオレオレ詐欺、架空請求詐欺及び融資保証金詐欺を総称して振り込め詐欺と呼んでおります。県内では、昨年1年間の発生件数383件、被害総額約1億9000万円を把握しており、中には1件で約3000万円の被害が出ている事案もあります。
これらの事案は、警察官や弁護士を語り、交通事故示談金を要求したり、さも存在しそうな○○債権管理機構であるとか、○○総合債権回収センターなどと偽ったりするため、被害者は信用して請求に応じ被害に遭っているというのが現状であります。
県警といたしましては、この種犯罪が全国にまたがって発生をしていることから、警察庁に新設された合同捜査及び事件検挙に向けた諸対策を推進するための振り込め詐欺首都圏派遣捜査専従班に県警職員1人を派遣し、関係都道府県警察との連携強化を図ることとしております。
また、県警では、被害を防止するため「振り込みはその日にしない」、「振り込みは一人でしない」をキャッチフレーズに、発生状況や防止対策についての新聞投稿、県広報誌、ラジオ番組、電光広告塔等多様な媒体を使った広報、民放3局での被害防止用テレビコマーシャルの放映、各家庭に対する被害防止シールの配布などを実施するとともに、金融機関、老人会、婦人会及び自治会等に対する未然防止対策を推進しているところであります。さらに、県内の金融機関等の責任者を招致して架空請求詐欺等未然防止対策会議を開催しております。
今後とも、関係機関・団体と連携を密にしてこの種犯罪の防止に努めてまいる所存であります。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 自殺者の現状と対策についてお答えいたします。
県内の自殺者数は、平成15年の県警察本部の資料によりますと371人で、うち男性292人、女性79人となっております。
また、自殺の主な原因としては、病気苦が27.2%で最も多く、次いで経済問題が25.3%、精神障害19.1%、家庭問題10.8%となっております。
県では、自殺の予防にはうつ対策が重要であるとの認識から、うつ病等に関する講演会の実施やパンフレットを配布するなど、県民への普及啓発に努めるとともに、県立総合精神保健福祉センターや各福祉保健所での相談事業及び市町村等の関係機関の担当者に対する研修会等を実施しております。
また、今後の取り組みとしては、「沖縄いのちの電話」や県医師会、沖縄県臨床心理士会などの関係団体との連携を強化し、相談体制の充実やうつ病等と自殺に関する知識の普及啓発に努め、自殺予防対策を強化していきたいと考えております。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 行財政改革の御質問で、新大綱の取り組みと成果についてお答えします。
「新沖縄県行政システム改革大綱」の主な推進項目の取り組みを申し上げますと、財政の健全化については、平成15年度は154件の事務事業の見直し、20件の県単補助金の廃止等により約15億円の経費を削減しております。
行政評価システムについては、平成16年度から施策評価及び事務事業評価を本格的に実施し、予算や定数編成に活用する取り組みを行っております。また、公社等外郭団体の見直しについては、廃止が2団体、出資引き揚げが1団体、役員引き揚げが4団体となっております。昨年11月には「公社等指導監督要領」の改定を行い、公社等に対する県の関与のあり方の見直しを進めているところであります。
なお、平成16年度の実績につきましては3月末までに取りまとめ、外部有識者で構成する行政改革懇話会へ報告するとともに県民に公表する予定であります。
次に、自主財源の増加策についてお答えします。
地方公共団体における自主・自立的な行財政運営を推進する観点から、自主財源の確保は重要な課題であります。このため、県としましては法人県民税における超過課税の実施、産業廃棄物に関する税の導入に向けた取り組みなど、自主財源の確保に努めているところであります。
また、県税の徴収対策として国及び市町村と連携した滞納整理の促進、財産の差し押さえや公売等の適切な法的措置の強化、「自動車税滞納整理強化月間」の設定による滞納整理の促進などにより徴収率の向上、県税収入の確保に努めているところであります。
また、受益者負担の原則及び負担の公平性を確保する観点から、使用料及び手数料の定期的な見直しを行っているほか、未利用及び貸し付け県有地の売り払いなど県有財産の有効活用を図っているところであります。さらに、中長期的には本県経済の活性化に結びつく産業振興施策の推進により税源の涵養を図ってまいりたいと考えております。
続きまして、県民満足度の高いサービスの提供についてお答えします。
県では、「新沖縄県行政システム改革大綱」の基本方針として「県民が実感できる高品質のサービス提供」に取り組んでおります。
具体的には、県民ニーズが直接施策に反映されるシステムの構築を目指し、行政評価システムを活用した施策や事務事業の見直し、パブリックコメントの制度化、県民意識調査等に取り組んでおります。また、いわゆるお役所仕事と言われるような仕事の進め方を解消し、県民サービス向上を目指す「かりゆし行政サービス運動」の一環として「一職場一改善運動」を全庁挙げて取り組んでおります。また、県民参加・協働をさらに推進するため、ホームページ等各種広報媒体を活用し、県民への積極的な情報提供に努めているところであります。
以上でございます。
○當間 盛夫 御答弁ありがとうございました。
再質問をさせてもらいます。
まず、基地の整理縮小からでありますが、知事はこれまで日米両政府で確約された返還方針を変更することはできない。今後、米軍再編に関連して日米両政府の合意による実効性のあるベターな代替案が提示されるならば具体的に検討していきたいということをおっしゃっております。
今回、もし辺野古見直しという中で県外ではなく県内移設のベターな代替案、例えば嘉手納移設、下地島空港使用等の提示があった場合に小泉総理は国としてのリーダーシップ、そして知事は県としてのリーダーシップが求められる重要な提示になると思いますが、そのときにはどのように対応されるかお伺いいたします。
それとまた、同じ基地問題2番目に、海兵隊の全部移転ということになると、県外移転ということになりますと県全体の75%が削減されます。軍用地料として337億円、地主は約1万5300名。そこで海兵隊の基地従業員は約4800名、市町村の基地交付税、周辺整備税、周辺整備費は約130億となり、これが全部なくなり沖縄経済に深刻な影響があると考えますが、そこで昨年10月1日に國場県議の質問で、普天間飛行場の返還をSACOで見直しすると仮定した場合、跡地利用の促進や振興にどのような影響が及ぶかという質問に牧野副知事は、「そのようなことが起こった場合は、先ほどの跡地返還の問題、一連の振興策、両者とも凍結され、沖縄振興の前途に極めて深刻なインパクトを及ぼすことが推測されます。」と答弁されました。それは当局は否定しましたが、削除はありません。
牧野副知事は、今回のこの米軍再編に対する沖縄県の対応について仮定で4項目合意がなされた場合、跡地利用問題、振興策、沖縄経済にどのような影響が及ぶと懸念されますか。歴史的経緯は省いてお答えください。
そして3点目に、下地島空港についてでありますが、自衛隊使用問題と離島振興策がリンクされた場合はどのような対応をされますか。そしてまた知事、今回の伊良部商工会の行動をどのように考えますか、お聞かせください。
それと、旧軍飛行場用地問題でありますが、私、再三質問する中でいまだにタイムスケジュールが出てこないという問題、そして個人補償はどのように対応していくのかという問題、そして知事は所信表明で必ずこの旧軍飛行場用地問題の解決ということを所信表明でうたわれる。しかし、解決が一向に進まないという現実、このことをどうとらえていくのかということをもう一度タイムスケジュールも含めて公室長にお伺いし、そして知事には、やはり今度の予算でその解決を図るんだという決意をぜひお願いしたい。旧軍飛行場問題はこのことでぜひ答弁の方よろしくお願いしたいと思います。
そして観光行政でありますが、空港のインフラ整備、これは沖縄の自立型経済にとって必要不可欠なものだということはもうこれは重々知っている部分であり、しかしいまだに調査という中で住民の合意形成を図るということを言われています。那覇空港はもう限界に近い状態ではないでしょうか。単なる機種を変更すればいいんだとか、時間帯を変更すればいいんだとかという話ではないはずです。これが何を物語るかといえば、今度愛知万博があります中部国際空港は5年でできております。そして関西空港、需要がないと言いながら将来的需要を見込んだということで2期の工事が予算がおりているのも現実であります。
平行滑走路の早期の着工は、沖縄自立経済にとって最も重要であると県民だれしもが認識を持つのでありますが、花城部長、あと何年で完成できるということを考えられて進めているのかお答えください。
そして安全・安心な地域づくり、きょうの新聞でもあったんですが、三浦本部長、大変好評であります、このバッジも。(資料を掲示) 三浦さんもウチナーヂラーというんですが、ウチナーヂラーというのはハンサムだということでありますので、そのことはぜひ認識してもらって、ぜひ頑張ってもらいたいと思います。
知事部局は、やはり安全・安心づくりは地域のコミュニティーづくりの推進が必要だと思っています。このことをどうこれから進めていくのか、ぜひそのことをお答え願いたいと思っております。
それではよろしくお願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時3分休憩
午前11時15分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 當間議員の再質問にお答えします。
最初のお答えは――これは仮の話ですが――今後、米軍の再編に関連して日米両政府の合意による実効性のある代替案が提示されるならば具体的に検討していきたいと考えております。
次に、下地島空港についてはこれまで米軍の使用を自粛するよう強く要請してきたところであり、いわゆる「屋良確認書」や昭和54年に県と国との間で確認した同空港の管理運営方針「西銘確認書」を踏まえた利用が行われるべきであると考えております。県としてはこれまで日米両政府に対し、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるようあらゆる機会を通じて強く求めてきたところであり、新たな基地負担につながるようなことに対しては反対であることを明言しております。
それから次の4番目の御質問なんですが、解決に当たる知事の強い決意を示されたいということです。
県が国に予算要求を行うに際しては、市町村、県の三者による解決方針の確認、関係地主会の同意、具体的な要望案の作成や事業主体の確認等一連の作業が必要であり、また国との事前調整や了解の取りつけ等も必要であると考えておりますが、早期に解決が図られるよう協議してまいります。
○副知事(牧野浩隆) お答えいたします。
まず1つ、せんだっての國場議員のSACOの中の普天間返還を拒否した場合にどうなるのかということでしたので、それにつきましては過去の両政府のいきさつ、実績を踏まえて大きく関係しているのがありますので、凍結されることも予想されるということをお話いたしました。しかしながら、現在SACOは我々は受けておりますし、生きておりますので、SACOに伴う経済的なインパクトは想定しておりません。
なお、再編によって沖縄の米軍基地が縮小された場合は当然経済的なものがありますので、地代、雇用、軍関係あるいは財政など、そういった収入に関しましては私どもの沖縄振興開発計画の目的がいわゆる依存経済から脱却して自立経済を図るということでございますので、沖縄振興開発に盛られたもろもろの産業振興策、経済政策を遂行することによって自立的なものにやっていこうというのが今の県の立場であります。
○知事公室長(府本禮司) 旧軍問題の具体的なスケジュールについてお答えいたします。
県は、当面の対策として次のように考えてございます。
まず、県・市町村連絡調整会議幹事会において県と市町村の考え方を調整をいたします。その後、副知事、市町村長で構成する調整会議を中心に検討を進め、解決策の方向性を確認いたします。解決策の方向性が確認できれば、それに沿って地主会と協議を行います。
団体方式による解決策で協議が整う地主会については、市町村とも調整の上、事業計画案の作成を進めたいと考えてございます。
次に、その後の対策といたしまして、団体方式による解決策を求めたいとする地主会とは県、市町村、地主会の三者で合意できる事業計画案の作成を進める一方、国に対しては事前に実現可能な事業になり得るかどうか相談をいたします。その後、国の了解が得られることを前提に事業計画を作成し、県・市町村連絡調整会議に諮り、国に対する要望案を取りまとめていきたいと。このような一連の作業が進められることにより国に対する戦後処理としての解決を求めることにつながるというふうに考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 那覇空港沖合展開のタイムスケジュールについての再質問にお答えします。
那覇空港の沖合展開については、先ほども答弁をいたしましたが、当面の取り組みとして空港能力向上の可能性を見きわめた上で滑走路増設の検討を行うこと、それから積極的な情報提供や意見収集によって住民の合意形成を図るということが当面の取り組みでありまして、これについて県として全力で取り組んでまいりたいと思っております。
このようなことから、現時点ではタイムスケジュールを明らかにすることはできません。県としては、今後とも総合的な調査を着実に実施をして早期の滑走路増設に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 「ちゅらさん運動」についての再質問にお答えをいたします。
「ちゅらさん運動」の一つの柱であります「ちゅらゆいづくり」におきまして地域の自主防犯活動の促進とネットワークの構築を推進するということになっております。知事部局としましては県警と連携するとともに、地区安全なまちづくり推進協議会と連携・協働いたしまして地域のコミュニティーづくりを推進してまいります。
○當間 盛夫 私たちは、持ち時間20分でいろいろと質問をさせてもらっているんですが、皆さんが答弁でこれだけ調整されるというのはもう本当に不愉快でならないんですが、もっとしっかり答弁は控えて、これだけの答弁であればすぐできるはずです。皆さん、その部分を持ってこれからアメリカ再編で訪米されるということでありますので、しっかりやってもらいたいと思っております。
牧野副知事もその分ではリンクしないというようなお話でもありますので、本当に残りこれから6年で沖縄は自立型経済になっていくのかなという大変疑問を感じる答弁でもありました。自主財源が3割もない中で、本当にこれからじゃこれだけの海兵隊の基地が返される、そして地理的に沖縄が置かれている日米安全保障の中で本当にそういうことが可能なのかということも踏まえていくと、どうしても疑問が残る点であります。
そして空港問題、これはもう野中さんがいらしたときからずっと調査ばかりであって、いまだに住民の合意形成とか調査という形で進めております。一本の滑走路しかない。そして自衛隊との共同使用という部分もあります。どうして沖縄の自立経済を担う空港がこれだけのことを負担しないといけないのか、これをどうしてもっと知事が先頭に立ってやっていかないのか。県民は、そのことで空港は進んでいるということを思っている県民の皆さんはたくさんいると思っております。ところがまだこういう段階ということで、本当に自立型経済ということをまさに今の県の首脳が考えているのかということを疑問を呈して終わりたいと思います。
○呉屋 宏 維新の会の呉屋宏であります。
私たち維新の会は常に順番が変わっていまして、次のトップバッターは私かなと思ったりもするんですが、それでは質問に入らせていただきます。
入ります前に、初めにこれから4つの大きな項目を質問いたします。基地問題、観光問題、沖縄固有の伝統産業について、そして松くい虫問題であります。限られた時間20分の中で4つの項目を議論するのは不可能ではないだろうかと思いながら、事前の質問内容の聴取で趣旨は十分に伝えており、知事におかれましては誠意ある答弁を期待したいと思います。つまり、答弁書を一字一句機械のように読むのではなく、稲嶺惠一としての答弁をいただきたい。どこの市町村長も答弁書を書いてそれを読み上げる議会は本会議の中ではほとんどないんではないでしょうか。ほとんど頭の中で整理をされ、先ほども同じように一問一答で議場でやっているわけですから、そういうようなことを市町村長はこなしているわけであります。もちろん130万余りの県民の代表でありますから、知事の頭の中では十分整理がされていると思いますので、誠意ある、個性ある答弁をいただきたいなと思います。
それでは1番、沖縄と米軍基地についてお伺いいたします。
SACO最終報告と現状についてであります。
昨今の新聞報道は、中身を理解するのに大変難しい、そういう思いがします。それ以上に知事の答弁はわかりにくいと思ったのが皆さんではないでしょうか、そして県民ではないでしょうか。県は、現時点でSACOを推進するというし、米軍側への要望は海兵隊全体の県外移設を要望したというし、それで本音はどこにあるかと聞くと、それは米国と日本政府が決めることだという。それを総合すると、責任をとらされる決断はしたくないということに聞こえてなりません。
21世紀は地方の時代だといい、地方づくりは地方の責任で行うのが今の時代ではないでしょうか。沖縄の基地問題は振興計画を引き出す手段でそれをやっていただけることであれば、沖縄の基地問題は政府と米国で決めていいですよと言っているようにしか私には聞こえません。知事は、海兵隊基地を県外へ移設してくれと主張したとか、嘉手納のことも地位協定も訴えたといいますが、知事には本当は8年前のSACOではなく現時点では新たな整理縮小が望まれる。できるだけ現実的かつ段階的な整理縮小を検討してくれと、そういうふうに言うべきではなかったのではないでしょうか。
そのことを踏まえ質問いたしますが、質問内容がこれまでの議員の皆さんと重複をしますが、通告制度の関係で御理解をいただきたいと思います。
ア、知事のSACO最終報告について現時点の評価をお聞かせください。
SACO最終報告のメーンとも言える米軍普天間飛行場について、これまでの考え方と海外基地見直し委員会に要請した事項は矛盾をしているとは思わないか、お伺いをいたします。
米軍普天間飛行場の移設はどこがベストかをお伺いいたします。
(2)番ア、沖縄経済と米軍基地はどのような関係にあると思われますか、お伺いをいたします。
イ、沖縄の海兵隊基地は県内基地の何%に当たるのかお伺いをいたします。
ウ、米軍普天間飛行場とその他の海兵隊基地の関係についてお答えをいただきたいと思います。
エ、米軍普天間基地が県外に移設したときの県内経済に与える影響についてお答えをいただきたいと思います。
2番、観光振興についてであります。
観光振興の現状と今後について、先ほど基地問題の質問をいたしましたが、このことは60年前から背負わされた沖縄県民の負の遺産であります。今から33年前に日本本土への復帰を実現してきましたが、そこから沖縄県民の本当の闘いが始まってきたような気がいたします。昭和47年、時の振興開発計画も本土との格差是正が目の前の目標でありました。当時の計画を読み返しました。生活全般を本土の水準まで引き上げ、安定した雇用機会を確保し、自立的発展の基礎固めをするとありました。そしてまた基地依存経済から脱却をして自立経済を目標とすると第1次振興開発計画の中にありました。
33年がたった今、雇用機会の確保と自立経済が現在確立できたでしょうか。また、そのめどがついたでしょうか。3年前につくられた振興開発計画の冒頭に出てくる「自立型経済の構築に向けた産業の振興」とあります。33年がたった今なお同じ道を追っかけております。その最初に出てくる目標は観光関連であります、そのインフラ整備であります。そのことは否定はいたしません。しかし、沖縄に来る観光客のイメージは青い空、青い海、そして真っ白な砂浜、沖縄の人との出会いであり、亜熱帯特有のスローライフではないでしょうか。
そこで質問いたします。
ア、理想とする沖縄観光入客数は幾らでしょうか。
イ、沖縄観光のメーンは何であるとお考えになっておられるのかお伺いします。
ウ、沖縄の観光客が海に接する確率はどれくらいなのか、お答えをいただきたいと思います。
エ、沖縄の観光資源を守り、アピールできているのかお伺いをいたします。
オ、沖縄県観光振興計画の3年間の施策の評価をお聞かせください。
3番、沖縄の伝統文化についてお伺いいたします。
(1)番、伝統文化の継承についてであります。
沖縄は、ほかの都道府県とは違い文化を継承してきました。それは亜熱帯気候同士の他国とのまざり合った特有なものだったり、中国文化の影響を受けたりして現在の衣食住の文化をとどめてまいりました。このことを私たちの時代に絶ってしまっていいのだろうか。特に衣食住の「住」の部分を中心に質問をいたします。
これまで赤がわら建築には多くの施策があるように思われます。ところが、赤がわらであればいい、そういう感じがしてなりません。
そこで質問いたします。
ア、沖縄特有の赤がわらを載せた建築をどのように継承しているか御説明ください。
イ、昔ながらの赤がわら建築はどのように残しているかお伺いをいたします。
赤がわらを使えば昔ながらの赤がわら建築なんでしょうか。そこにはかわらを張る技術の問題があります。そしてかわら技能士は、だれが本物の技術を継承しているかわからない状態であります。
そこで質問をいたします。
ウ、赤がわら建築を継承できる技能士の育成はどのようにしているのかお伺いをいたします。
二、三年前でしたか、よく記憶をしておりませんけれども、資料が不足をしておりました。団地の屋根にあった赤がわらが飛んでしまったことがありました。台風の影響であります。なぜこのようなことが起こったのでしょうか。どこに問題があったのか気になるところであります。
そこで質問いたします。
エ、公共工事における赤がわら建築の導入はどのようになっているかお伺いをいたします。
オ、赤がわら建築の発注方法についてお伺いをいたします。
4番、リュウキュウマツの保全についてお伺いをいたします。
リュウキュウマツと松くい虫の現状についてでありますが、沖縄の県民ならひとしく胸の痛むところであり、リュウキュウマツが枯れていくところは、県民はみんな気にしているところであるんです。ですからなかなか進まない対策は、県の施策が怠慢であるような印象を与えているのです。
計画がスタートをして既に5カ年計画の3年が終わろうとしているはずです。この事業に関係している方々から意見を聴取をしてみても、このペースでは対策ができないと、そういうように聞こえてならないんです。
私は、このリュウキュウマツは、ほとんど全滅に近くなったときに初めてリュウキュウマツの希少価値が高くなるのかなと、そういう施策なのかなと皮肉を言いたくもなります。
ア、平成14年にスタートした松くい虫撲滅5カ年計画の現状について質問をいたします。そのことについてお伺いをいたします。
イ、現在進めている撲滅施策の効果についてお伺いをいたします。
ウ、松くい虫撲滅の予算について、これまでの状況をお伺いをいたします。
エ、費用対効果についてお伺いをいたします。
オ、今後の対策についてどのような見解を持っているかお伺いをいたします。
一通り質問を読み上げました。こうすれば絶対に対策できると。しかし、いろいろな予算の関係でできないのかなということを思ったりします。しかしながら、そのことについて真摯にお答えをいただきたいと思いますし、全体で項目は4つしかありません。4名の答弁者しかおりませんから、議会をスムーズに運んでいただければなと思います。
終わります。
○知事(稲嶺惠一) 呉屋宏議員の御質問にお答えいたします。
移設の考え方と見直し委員会への要請についてのお答えでございます。
「合衆国海外軍事施設の構成見直し委員会」の委員と面談した際には、米軍再編の経緯や本県の米軍基地の状況、地域における基地負担の現状を踏まえ、在沖米海兵隊の県外移転などを要請したものであります。今回の米軍再編においては、世界における米軍のプレゼンスや兵力構成、基地のあり方の全面的な見直しが行われ、在沖米軍基地に限らずSACOでは協議の対象とされなかった在日米軍基地のあり方そのものが検討されることとなり、SACO合意を超えて在沖米軍のあり方に大きな変動をもたらすものと考えております。県は、米軍再編に対する基本的な考え方として在沖米海兵隊の県外移転等を日米両政府に求めております。このことはSACO合意と矛盾することではなく、従来の枠を超えた取り組みがなされるものとの認識をしております。
次に、普天間飛行場の移設はどこがベストかということですが、普天間飛行場の移設先でどこがベストかと言われれば、県外が望ましいと考えております。
この問題で辺野古にこだわっているわけではありません。ただし、政府による明確な代替案が示されない限りこれを変更することはできないと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) SACO最終報告の評価についてお答えいたします。
SACO合意事案には、土地の返還に関し移設条件の整備等により予定より進捗がおくれているものもありますが、総体としては着実に実施されているものと考えており、現実的な方策として本県の過重な基地負担が軽減されつつあると考えております。
次に、沖縄における海兵隊の基地面積の割合についてお答えいたします。
平成15年3月末現在、海兵隊管理の基地面積は約1万7867ヘクタールで、在沖米軍基地面積の約2万3687ヘクタールの約75.4%を占めております。
次に、普天間基地と他の海兵隊基地との関係についてお答えいたします。
県内には、海兵隊が管理する基地は普天間飛行場のほかに15施設と、海兵隊と空軍が共同で管理している嘉手納弾薬庫地区1施設があります。普天間飛行場は、他の海兵隊基地と一体となって運用されているものと考えております。
次に、普天間基地が移設した場合の経済への影響についてお答えいたします。
普天間基地の年間賃借料は、平成14年度実績で63億1900万円となっております。軍雇用者の所得については基地ごとの把握はできませんが、平成15年3月末現在、普天間基地で雇用されている201名を含め県全体で軍従業員として8678名が雇用されており、平成13年度の統計で軍雇用者の所得は約510億円となっております。
また、宜野湾市において平成14年度分の国有提供施設等所在市町村助成交付金が1億1998万円、施設等所在市町村調整交付金が3億8693万円が措置されております。普天間基地が移設された場合、これらの影響があると考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 本県経済と米軍基地の関係についての御質問にお答えします。
本県経済に占める基地関連収入は、復帰直後の昭和47年度には780億円と県民総所得の15.6%を占めておりました。平成14年度は1931億円となり約2.5倍となりましたが、県民総所得が約7.4倍に規模を拡大したことなどから、これに占める割合は5.2%となり、その比重を相対的に低下させており、今後もその傾向は続くものと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、理想とする入域観光客数についての御質問にお答えをいたします。
県は、平成14年度に策定した「観光振興基本計画」において、平成23年の入域観光客数の目標を650万人に設定をしております。沖縄県の望ましい観光客数につきましては、空港、港湾等のキャパシティー、電力、水及び廃棄物処理等の社会的容量、本島及び離島の自然環境容量、県民の精神的受容等の文化的容量、観光に求められる経済的役割等あらゆる側面における容量等を科学的に検証する必要があり、沖縄観光の現状を踏まえながら次の目標設定に向けて議論を深めていく考えであります。
次に、沖縄観光のメーンについての御質問にお答えをいたします。
本県観光の基本をなすものは、亜熱帯海洋性気候のもとにある美しい白砂の海岸線やサンゴ礁、世界でも屈指の透明度を持つ水中景観、貴重な希少種や固有の動植物が多数生息する恵まれた自然環境であると考えております。また、近隣諸国との交流にはぐくまれた芸能や音楽、食など独特の伝統文化、それぞれの離島が個性的な魅力にあふれる多様性も本県観光の魅力であると考えております。
次に、観光客が海に接する確率はどれぐらいかとの御質問にお答えをいたします。
平成15年度の航空乗客アンケート調査によりますと、本県を訪れる観光客の海を利用した活動は、海水浴・マリンレジャーが34.1%、ダイビングが8.7%、釣りが1.7%となっております。これらの数値は複数回答の結果でありますが、合計しますと44.5%となり、約半数の観光客が直接海でのレジャーを体験しているものと推計をしています。
また、本県は四方を海に囲まれており、観光客にとって季節と場所を問わず景観として海を楽しみ、海にいやされるなど、観光客のほとんどが直接・間接を問わず海に接しているものと考えております。
次に、観光資源の保全とアピールについてお答えをいたします。
県におきましては、本県の豊かな自然環境や独特な文化資産の保全を図りながら観光資源として活用しているところであります。具体的には、地域の自然・文化・歴史の適切な保全と持続的な活用を図るためエコツーリズムを推進しており、その成果の一つとして全国初の事業者間の保全利用協定の締結にこぎつけております。また、国や市町村と連携し、世界遺産の保全及び復元とともに、その周辺地域において観光案内所等の観光利便施設の整備を進めるなど本県の文化遺産の活用に取り組んでおります。
さらに、本県観光・リゾートの魅力の基盤である海域の保全に関し関係部局に働きかけるとともに、「めんそーれ沖縄県民運動推進協議会」を組織し、官民一体となった美化活動を推進しているところであります。
また、沖縄の自然・文化等の観光資源については、観光情報発信システム「真南風プラス」や沖縄デジタルアーカイブ「ワンダー沖縄」などを活用して広く国内外に情報発信しているほか、レンタカー利用者向けエコマップの作成などを行っております。
次に、観光振興計画の評価についてお答えをいたします。
観光振興計画の実績を各指標で見ますと、入域観光客数、平均滞在日数及び宿泊施設客室数等は平成16年の目標値を達成または達成する見込みであります。また、外国人観光客数、観光客1人当たり県内消費額、観光収入及びコンベンション開催件数等については目標値を下回る見込みであります。このうち、入域観光客数については、国内外との競争が厳しい中において沖縄人気の高まりや官民一体となった誘客キャンペーンの展開、美ら海水族館等の魅力的な観光施設の開設等により昨年過去最高となり、順調に推移をしております。
一方、外国人観光客数は目標を下回っており、ピーク時における受け入れ体制の拡充や海外における誘客プロモーションの強化等が課題となっております。また、観光客1人当たり県内消費額は全国的な個人消費の減少やデフレによる旅行商品の低価格化等を背景に伸び悩んでおり、付加価値の高い旅行商品の開発や地域総体としての魅力の向上など、沖縄観光の質の向上を推進していくことが大きな課題となっております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 赤がわら建築の継承について一括してお答えいたします。
伝統的な赤がわら建築の継承として、個別に文化財として指定する方法と集落全体として選定する方法があります。個別の文化財としては、中村家住宅や上江洲家住宅のように特に重要な建造物として文化財に指定しております。集落全体としては、赤がわらのたたずまいと石垣・屋敷林などの環境が地域的特色を顕著に示しているとして竹富島や渡名喜島が国の重要伝統的建造物群の選定を受けております。いずれの赤がわら建築も国や県などの継続的な補助事業により家屋等の保存・修復に取り組み、その継承に努めております。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 赤がわら建築の技能士の育成についてお答えをいたします。
赤がわら施工技能者の育成については、沖縄県赤瓦事業協同組合等の要請もあって、平成8年度から県立浦添職業能力開発校の建築左官科に赤がわらコースを設け訓練を実施してきたところでございますが、同コースへの応募者が少なくなったこと、また講師の確保が困難になったことなどから現在訓練は実施しておりません。赤がわらコースを再開することにつきましては、業界等の意向も確認しつつ検討してまいりたいと考えております。
○土木建築部長(末吉 哲) 公共工事における赤がわら建築の導入と発注方法について一括してお答えいたします。
公共建築物における赤がわら建築の導入については、「沖縄県公共建築物景観形成マニュアル」により、地域性や風格を感じさせる必要がある建築物に適用することを基本としております。また、赤がわらについては沖縄県内で生産、製造され、かつ規格、品質、価格等が適正である場合はこれを優先して使用しております。赤がわら建築工事の発注方法については、新築工事の場合は建築一式工事に含め発注し、改修工事の場合は赤がわら専門業者に発注しております。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 松くい虫撲滅5カ年計画の現状と現在進めている施策の効果について一括してお答えいたします。
松くい虫防除については、平成14年度から18年度までの5カ年計画により国、米軍、市町村等の関係者が一体となって全県を対象に被害木の伐倒焼却等を行っております。しかしながら、松くい虫防除については「その他松林」における市町村の防除費の財政負担が大きいこと、森林所有者・管理者の協力が得にくいこと等もあって、必ずしも計画どおりには進捗していない状況にあります。これまでの防除対策により、公益性の高い保安林などの松林については被害発生の防止及び被害の抑制が図られ、松林が保全され一定の効果が得られております。また、国頭村や今帰仁村、本部町などの一部の市町村においては被害の減少及び被害の抑制が図られております。
これまでの松くい虫撲滅の予算についてお答えいたします。
松くい虫の防除費用については、平成14年度から16年度までの3カ年間で予算額約19億7000万円となっております。
続きまして、費用対効果及び今後の対策についてお答えいたします。一括してお答えします。
松くい虫防除については、平成14年度からの3カ年計画で約14万本の被害木の伐倒焼却等を行っております。松くい虫被害量については、平成14年度の約2万8000立方メートルから、平成15年度は約4万4000立方メートルに被害発生が増加しており、必ずしも十分な事業効果は得られておりません。
一方、防除対策の実施により国頭村や今帰仁村、本部町等の一部の市町村においては被害の減少及び被害の抑制が図られております。今後の松くい虫対策については、松くい虫防除の効率的・効果的な対策を図るため、水源涵養や防風、防潮等の保安林など公益性の高い松林を対象に絞り込みを行い、防除を行うこととしております。また、抵抗性松の選抜・育種及び天敵昆虫の探索や実用化試験など総合的な松くい虫防除対策に取り組んでまいります。
以上でございます。
○呉屋 宏 再質問をいたします。
今のことを聞いていても、これは再質問しないといけないなという思いがしました。まず、記憶に新しい松くい虫から行きたいと思います。
松くい虫については、非常に疑問を感じたところが1点あるんです。
これはこんなもんなのかなと思ったのは、松くい虫の当初予算は本年度16年度は1億ちょっとなんですね。しかしこれを最終的に5億5000万まで上がるわけですけれども、約4億5000万ですか、4億少しの予算は12月補正でやっているんですね。当初予算が1億で、なぜ12月に4億5000万もの予算を投入するのか僕には理解できない。であれば、これは初めからそれだけの予算を投入すべきですよ。やる気がないとしか思えない。
予算が余ったら投入をする、しかし予算がなかったからやらないんだと。この予算のやり方ってそういうことじゃないですか。私は、それが真剣にやれるのかどうかも本当に今の予算のつけ方では理解ができません。ですから私は説明も事前に受けましたけれども、1年間、何か4月から8月の間は虫が飛ぶんだから虫の駆除をするんだと。しかし、虫が飛んでいても松の伐倒はできるんですよ。ですから何も遅くなって9月、10月から伐倒する必要はないと思うんです。
今の予算のつけ方だったら、その1億の中から伐倒といったら幾らでしょうか、8000万でしょうか、9000万でしょうか。12月から予算を投入して、スタートするのは1月から。3カ月しかない中で4億も使えるのだろうかと、そのことに疑問があります。1年間の害虫・伐倒、そういうものも含めて今後のスケジュールを改めるつもりはないのか。
そしてこれは、総務部を中心として知事が一声で松くい虫を確実に撲滅するんだという気があれば、当初からの予算でガーンといくはずなんです。ですからそういう思いでこの松くい虫対策をしていただきたいと思いますし、今後のスケジュール、そして予算を12月ではなくて、これから本当にやるというんだったら6月予算で補正で上げていくぐらいの力、あるいは気力、気持ちが乗っかっていけるようにするのかどうか。そこのところ、スケジュールの変更と予算、もう一度お伺いをしたいと思います。今のままではまた12月に補正されたら困るんです。そういうことでお伺いをしておきたいと思います。
次に、普天間基地問題に行きたいと思います。
大田知事が海に落として沈めた普天間飛行場、稲嶺知事はそれを拾って15年の使用と軍民共用、そして基地の使用協定、つまり名護市の7つの条件、7つのおもりを普天間基地にくっつけてまた海に沈めてしまった。私はそんな思いで宜野湾で見ております。
最初は、この条件で動くんだなと思いました。一つ一つを見たら、まず日米地位協定の改定もこの中に入っています。そして基地使用協定も入っています。15年しか使わさない、軍民が条件だと。こういうおもりの一つ一つが重たい、そういう思いでもう一度投げてしまったんではないのかと、そういう感じがします。
それが物語るように先々週、北部の皆さんはそのことを感じて、先週からマスコミの報道にもありますように県に要請したり、防衛施設局に要請したり、そして先週は北部移設のための決起大会もやっています。だんだん危ういんだと、そういう思いがしているはずなんです。ですからそれは北部の皆さんも宜野湾もそういうことを感じているんです。
そこでお伺いをしたいんですが、知事は、それでもこのSACOは着々と進んでいると言われるのでしょうか、このことをお伺いをしておきたいと思います。
このことは新聞にも出ています。なかなか動かない基地促進協というんでしょうか、辺野古に持っていく皆さんの団体が決起大会の中でも、要請の中でも、なかなか動かなくて心配をしているんだと、だから要請に来たんだとはっきり言っておりますから、北部の皆さんも着々と進んではいないという感じをしているんです。
知事は、そのことを進んでいると思っておられるのか、そのことについてお聞きをします。
そして海兵隊移転について、市町村長の意見を聞いたとさっき當間盛夫議員に話をしておりました。ということは、これは所在市町村、16ないしは17ですか、先ほど言ったら共用がありますから17と言っているんですが、その17の施設所在市町村長はみんなひとしくそういうような思いをしているのか、そのことについてどこまで話を聞いたかお伺いをしたいと思います。
そして平成8年、大田知事は基地返還アクションプログラムの素案を策定をいたしました。2015年までに3段階において具体的に提示をして、経済に打撃を与えないような国際都市形成構想の中で返還プログラムをやってきたわけであります。16施設の移転をしてくれと言っている以上、知事はそのアクションプログラムにかわる、そして国際都市形成にかわる当然のことながら代案があると思うんですね。まさか思いだけで16施設を返還してくれと言ってはないと思うんです。そこにはやはり経済に与える影響、そしてそれを確実に払いのけられる施策をお持ちのことだと思います。そのことをお聞きをしたいと思います。どういうプログラムがあるのか、具体的にお示しをいただきたいなと思います。
そして観光関係ですが、沖縄の白い砂浜は私は守られてないと思うんですね。いろいろアピールをして沖縄に来てくれ、観光客来てくれということも言ってはいますけれども、それでインフラ整備をやっているはずなんです。しかし、我々が本当に観光客が青い海、白い砂を考えたときに、本当の意味でそこが白い砂浜で青い海ですばらしいという形になっているだろうか。台風は去年何回来ましたか。終わった後に打ち上げられたあのごみはだれが拾うんでしょうか。確実に観光客の目にあの打ち上げられた台風のごみが目についているはずなんです。これに制度をつけようともしない。
宜野湾市もその砂浜を一生懸命掃除をしています。150万とか120万ぐらいでこれが企業でできるんです、産業振興でできるんです。話を聞きますと、20センチ下のつまようじまで取れるような機械が沖縄に1台あるんだそうです。しかし、それは好意によって20万、30万でさせているんです。そういうようなことをどう思われるのか、真剣に砂浜を観光客にアピールをしていくのか、そういうことをもう一度お答えをいただきたいと思います。
赤がわらの問題、いろいろ皆さん言っておられます。関係する部署は教育委員会、そして商工労働部、そして土建部3つにかかわってまいります。
赤がわら、今、皆さんは一体この赤がわらの技能士1人でもいらっしゃると思っておられるんでしょうか、知事。1人もいないんです、技能士は。なぜか。国家試験だから。技能者はいます。しかし技能士はいないんです、免許はないんだから。
じゃ、だれに発注をするんでしょう。さっき何と言われましたか。土建部長が先ほど私に答えたのは、関係業者というような形で発注をしているとおっしゃっておりました。関係業者じゃないんです、かわら製造業なんですよ。おうちをつくるのに、木材屋さんにおうちをつくってくれと発注する人がいますか。かわら技能士がいる会社に発注をして、そこからかわらを取るんでしょう、普通は。資材でしょう、それは。資材屋さんに建築一式で発注する建築は実際そうなっているんですよ。ですからスムーズなかわら工事ができないんです、飛ばされるようなかわら工事になっていくんです。ですから、県は一生懸命やろうとしている、県教育委員会も赤がわらつくってくれ、つくってくれといったってつくる本物がいないんですから。ただ載せれば赤がわらですか。そうじゃないでしょう。しっくいをやらなければいけない、これが本当の沖縄の伝統文化の赤がわら建築ですよ。ただ載せれば赤がわら建築なんだろうか。これについてこれからどうしていきたいのか。そのような決意を商工労働部とかどこだとかではなくて、知事がまとめて3名を代表するようにして決意表明をお願いをして、かわら建築
はそれで終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○議長(外間盛善) ただいまの呉屋宏君の再質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後0時6分休憩
午後1時26分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
午前の呉屋宏君の再質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 呉屋宏議員の再質問にお答えをいたします。
市町村長からの意見聴取とアクションプログラムにかわる代案についての御質問にお答えいたします。
県は、米軍再編に対する基本的な考え方として在沖米海兵隊の県外移転等を日米両政府に求めております。
米軍再編における本県の基地負担軽減の考え方をまとめるに当たっては、本県の米軍基地の状況や地域における基地負担の現状を踏まえることが肝要であると考えております。そのため、事件・事故の発生状況や航空機騒音、環境汚染等基地負担の状況や基地所在市町村における財政的な影響、振興開発への影響などについて情報の収集と整理を行ってきたところであります。また、当該作業に当たっては県が把握している情報のほか、米軍施設の所在市町村長から実際の基地の負担の状況等を伺い、さらに地主や駐留軍従業員の生活にも影響することから、地主会連合会や全駐労の意向も伺い、幅広い情報の収集に努めております。
県としては、それらも踏まえた上、県の考え方を取りまとめているところであり、米軍再編の状況の状況を見ながら適宜より具体的なものを打ち出していきたいと考えております。
次に、SACOは着実に進んでいるかとの御質問にお答えいたします。
普天間飛行場の移設問題については、現状においては個々の作業で実施がおくれているところが見受けられますが、全体としては基本計画が策定され、環境影響評価の手続が開始されるなど、移設に向けた作業は着実に進んでいるものと考えております。
次に、赤がわら建築物の継承・発展についてお答えいたします。
沖縄の伝統的な赤がわら建築の継承・発展につきましては、技能者の養成確保が重要だと考えております。職業能力開発校においては、平成8年度から平成12年度にかけて赤がわら施工技能者の養成をしておりましたが、応募者が少なく講座維持が困難になったため中断しております。今後、赤がわらコースを再開することにつきましては、業界等の意向も確認しつつ検討してまいりたいと考えております。
○農林水産部長(諸見武三) 松くい虫防除費について、補正予算ではなく当初予算で措置すべきではないかという趣旨の御質問の再質問にお答えいたします。
松くい虫防除対策については、リュウキュウマツの枯死の原因であるマツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリの生態に即して防除を行う必要があります。具体的には、マツノマダラカミキリの産卵周期となる10月ごろを見計らって被害量を把握し、防除費を計上すること等から補正予算での計上となっております。
なお、県としては今後松くい虫防除の効果的な防除を図るために公益性の高い松林を対象に絞り込みを行って、松くい虫防除の効率的な効果を図ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 海浜の清掃についての御質問にお答えをいたします。
観光リゾート局におきましては、観光資源の保全及びアピールの観点から関係部局や民間ボランティアに働きかけるとともに、「めんそーれ沖縄県民運動推進協議会」を組織し、官民一体となった海浜のクリーンアップ活動などを推進しており、今後とも関係機関との連携を密にして活動の一層の拡充に努めたいと考えております。
御提案の海浜の清掃を制度化し民間事業者を導入することにつきましては、費用の確保、事業主体などについて検討する必要があり、今後、課題解決に向けて海浜管理を所管する関係部局や市町村と協議をしてまいります。また、ビーチクリーナーにつきましては、当面「めんそーれ沖縄県民運動推進協議会」の活動としてビーチのクリーンアップを実施するときなどにデモンストレーションとして活用できないか検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
○赤嶺 昇 一般質問を行います。
1、基地問題について。
(1)、稲嶺知事は、海兵隊の県外移設を要請しましたが、SACO合意に基づく普天間基地の辺野古移設との整合性を示してください。
(2)、海兵隊が移設した場合の県経済への影響を示してください。軍用地料、基地従業員の数と費用、所在市町村への財源への影響など。
(3)、基地の整理縮小を求めるに当たって、約8700名の基地従業員の雇用に対する稲嶺知事の基本姿勢を示してください。
(4)、基地の整理縮小を求めるに当たって、跡地利用計画や雇用問題等大きな課題がありますが、その具体的な施策を示してください。
(5)、沖縄米軍基地問題協議会の設置が平成7年11月17日に閣議決定しましたが、これまでの取り組み状況と成果を示してください。
(6)、都市型訓練施設建設についての状況をお聞かせください。
2番、児童福祉について。
(1)、児童相談所の充実策について。
ア、嘉数副知事は、早速児童相談所を視察されたようでございます。ありがとうございます。コザ児童相談所の実態を見ての感想をお聞かせください。
イ、コザ児童相談所の一時保護施設に対する取り組みを示してください。答弁の中で入所期間が長いという課題もありましたが、コザ児相の場合は北部からの子供たちが受け入れられているという現状もあって、その場所も課題もいろいろありますので、そのことも含めてぜひ検討していただきたいということで本議会でも決議をしているところでございますので、それについてどの程度まで取り組みがなされているのかお聞かせください。
ウ、児童相談所におけるケースワーカーの増員についての進捗状況をお聞かせください。今年度より中央児童相談所、またコザ児相においても増員をされているんですけれども、それが十分に配置
されているのかということもお聞かせください。
エ、24時間虐待ホットラインの設置の取り組み状況についてですが、早速今年度から設置される方向になっているというふうなことですので、大変ありがたく思っております。その体制と取り組み状況をぜひお聞かせください。
(2)、子育て支援について。
ア、県は、待機児童の解消策を具体的にいつまでやるのかを示していただきたいと思っております。保育所を何園つくるとかという答弁じゃなくて、いついつまでには待機児童の解消を目指しているんだということを具体的に示していただきたいと思っております。
イ、認可外保育園の認可化促進だけで認可外保育園の課題の解決ができるのでしょうか、当局の御見解をお聞かせください。
ウ、浦添市が実施している指定保育施設制度が成果を出しております。その実績を踏まえて県は認可外保育園の抜本的解決策のため国に対して――これは認可じゃなくて認定保育園制度を認めるよう要望するべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
エ、新すこやか保育サービス事業のミルク代の支給を月1カ月分にし、現物支給するべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。このたび1歳から5歳までの支給枠が広がりました。御努力と本当に誠意ある対応に心から感謝申し上げます。
3、山内教育長のこれまでの2年間の主な取り組み実績と本県における教育の課題についてお聞かせください。
4、行財政改革について。
(1)、本県職員の構成割合を示してください。ちなみに係長以上の職員は全職員の何割を占めていますか。
(2)、国は、地方公務員制度の改革と人材育成の充実強化を平成17年度の地方行財政重点施策に位置づけていますが、本県は、職員の能力・実績を重視した人事制度の確立とそれを支える公正かつ客観的な評価制度の導入及び分権型社会にふさわしい新たな任用・勤務形態を実施するべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
(3)、国は、電子自治体の推進を重点施策に位置づけていますが、本県の取り組みをお聞かせください。
5、本県は、沖縄県県民意見公募手続実施要領(パブリックコメント手続制度)を昨年12月から開始いたしました。職員の本当に努力で何とかそれがスタートいたしました。その取り組み内容と同時に早速今回次世代育成支援計画の素案もパブリックコメントで募集をしておりますが、現時点でどれぐらいの応募が何カ所からパブリックコメントで募っているのかも含めてお聞かせください。
6、電子入札制度の取り組み状況についてお聞かせください。
7、正規職員約318名、嘱託職員約127名の職員を抱える沖縄県社会福祉事業団ですが、指定管理者制度に伴い本県はどう対応するのかをお聞かせください。
8、沖縄県警察本部の取り組みについて。
(1)、警察署管轄別の犯罪状況の特徴をお聞かせください。そしてその対策を示してください。
9、稲嶺知事は郵政民営化に賛成ですか、反対ですか。今度こそ明確な御答弁をお聞かせください。
○知事(稲嶺惠一) 赤嶺昇議員の御質問にお答えをいたします。
海兵隊の県外移設と普天間飛行場代替施設についての御質問についてお答えいたします。
今回の米軍再編においては、世界における米軍のプレゼンスや兵力構成、基地のあり方の全面的な見直しが行われ、在沖米軍基地に限らずSACOでは協議の対象とされなかった在日米軍基地のあり方そのものが検討されることとなり、SACO合意を超えて在沖米軍のあり方に大きな変動をもたらすものと考えております。県は、米軍再編に対する基本的な考え方として在沖米海兵隊の県外移転等を日米両政府に求めております。このことはSACO合意と矛盾することではなく、従来の枠を超えた取り組みがなされるものとの認識であります。
次に、郵政民営化に対する見解についてお答えいたします。
本県には多くの離島・過疎地域があり、これらの地域においては郵政事業と住民生活とは極めて密接な関係にあり、民営化により郵政事業のサービス低下を来すことがあってはならないと考えております。現在、政府において法案化に向けた準備を進めているところですが、離島・過疎地域における郵政事業のサービス確保に関し、配慮がなされる方向で調整されていることについては一定の評価をしております。
一方で、郵政民営化の全体像については、その具体的内容について調整されているところですので、賛否を明確にすることは差し控えたいと考えております。県としては、政府における調整を注意深く見守りつつ、離島・過疎地域における郵政事業のサービス低下を来すことがないよう、適宜国へ働きかけていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長より答弁させます。
○副知事(嘉数昇明) 赤嶺昇議員の児童相談所視察の感想についての御質問にお答えをいたします。
私は、1月14日に若夏学院、中央児童相談所、石嶺児童園を視察しました。中央児童相談所では、本県における児童虐待の現状についてスライドによる説明と児童相談所の体制の現状について所長や職員から話を聞かせていただきました。また、一時保護所も見せてもらい、一時保護所の現状についての説明も受けたところであります。このほか、若夏学院、石嶺児童園の視察も行いましたが、本県の児童虐待、非行の現状を知り、児童の保護等に係る現場の体制の整備の必要性を改めて感じたところであり、このため平成17年度の児童相談所の組織体制を重点的に強化したところであります。
なお、コザ児童相談所への視察については日程を調整し、可能な限り早い時期に視察したいと思います。
以上であります。
○知事公室長(府本禮司) 海兵隊移設の県経済への影響についてお答えいたします。
平成15年3月末現在、海兵隊管理の基地面積は1万7867ヘクタールで、在沖米軍基地面積2万3687ヘクタールの約75.4%を占めています。平成14年度において海兵隊管理の基地の軍用地料が約337億4900万円となっており、全体の軍用地料の約44%を占めております。雇用の面では平成15年3月末現在、海兵隊管理の米軍基地の雇用者数は4839人となっております。県全体の雇用者数は8687人となっており、平成13年度の統計で軍雇用者所得の総額は約510億円となっております。
軍人・軍属の消費支出等についても軍別の把握はできておりませんが、平成15年3月末時点で軍人・軍属等の人数が海兵隊所属の2万5557人を含め沖縄県全体で5万826人おります。平成13年度の統計における軍人・軍属の消費支出等は、推計で542億円となっております。
市町村の財政への影響について軍別の把握はできておりませんけれども、施設等所在市町村調整交付金、国有提供施設等所在市町村助成交付金、その他に周辺整備事業等を含め平成14年度で総額274億円となっております。在沖海兵隊が移設された場合、これらの影響があると考えております。
次に、沖縄米軍基地問題協議会についてお答えいたします。
沖縄米軍基地問題協議会は、平成7年11月25日から平成8年12月17日までの間に5回開催されておりますが、平成9年以降は開催されておりません。同協議会は、本県の抱える米軍基地問題について県と関係省庁が一堂に会して協議する場となり、同時期に設置されていた沖縄に関する特別行動委員会の最終報告に一定の影響を与えたものと考えております。
次に、陸軍複合射撃訓練場の建設についてお答えいたします。
米陸軍複合射撃訓練場については、射撃用建物、訓練塔、突破訓練施設、管理事務所、屋外射場等が計画されていますが、伊芸区の監視塔から射撃用建物、訓練塔、管理事務所の附帯施設の建設が進められていることが確認されております。
次に、県民意見公募手続の内容と取り組みの状況についてお答えいたします。
県民意見公募手続は、県民参加による開かれた県政の推進と政策形成過程の公正の確保と透明性の向上を図るために実施するものであります。
その対象となるものは、県の長期計画または県行政の各分野における施策の基本方針もしくは基本的な事項を定める計画の策定または変更、県民に義務を課し、または権利を制限することを内容とする条例の制定または改廃、広く県民の公共の用に供される施設の建設に係る基本計画等の策定または変更となっております。
これまでに、「沖縄県食の安全・安心確保基本方針(案)」など5件について意見募集を行いました。意見を募集している案件については、県のホームページや本庁行政情報センター、同北部閲覧室、宮古・八重山の各情報コーナーで閲覧することができます。
県民意見公募手続制度については、県広報誌「美ら島沖縄」や県ホームページで広報しており、引き続き新聞の「県民サロン」や県政テレビ番組「うまんちゅひろば」なども活用し、広報に努めていきたいと考えてございます。現在5件の案件について意見を募集しております。
沖縄県次世代育成支援行動計画素案について、これは3件ほど意見が出ております。平成17年度沖縄県食品衛生監視指導計画案については1件、沖縄県食の安全・安心確保基本方針案については意見が出ておりません。沖縄県民の消費生活の安定及び向上に関する条例の見直しについては1件ほど意見が出ております。公共関与による産業廃棄物処理施設の設備促進基本構想検討に係る中間取りまとめについては4件の御意見が出ております。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 基地従業員の雇用に関する基本姿勢と施策について一括してお答えをいたします。
SACO関連の米軍基地の整理縮小に伴う基地従業員の雇用の安定確保については、国において「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」に基づき「移設先又は既存施設への配置転換により雇用の機会を図る」ことを基本としております。
今後、米軍基地の整理縮小等によって基地従業員が離職を余儀なくされる事態が生じた場合においても、国において駐留軍関係離職者等臨時措置法に基づき、離職前職業訓練、就職促進手当の支給、特別給付金の支給等の措置が講じられることとなっております。
県としましても、離職者に対する再就職相談、無料職業紹介を実施するとともに、再就職に必要な職業訓練を実施してまいります。また、沖縄県駐留軍関係離職者等対策協議会を活用するとともに、国及び関係市町村と連携を密にし、基地従業員の雇用対策に万全を期してまいりたいと考えております。
○企画開発部長(花城順孝) 跡地利用の具体的な施策についてお答えします。
駐留軍用地跡地利用については、平成11年12月の閣議決定における「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」及び平成14年7月の沖縄振興計画に基づいて跡地対策協議会、跡地関係市町村連絡調整会議が設置されております。
国、県、跡地関係市町村の代表で構成する跡地対策協議会は平成14年9月に設置をされ、跡地利用計画の策定やその具体化の促進に向けた取り組みを協議しております。
跡地関係市町村連絡・調整会議は平成14年8月に設置され、県と跡地関係市町村の連携を図るとともに跡地対策協議会へ県と市町村の意見を反映させる仕組みとなっております。
一方、沖縄振興特別措置法においては「駐留軍用地跡地の利用の促進及び円滑化のための特別措置」が創設され、国、県、市町村の責務が明記されております。地主に対しては、同法により大規模跡地や原状回復に相当の期間を要する駐留軍用地跡地について、駐留軍用地返還特別措置法の3年の給付期間を超えて給付金を支給する特例措置を講ずることとしております。
また、平成13年12月の第6回跡地対策準備協議会において、普天間飛行場の跡地利用に関する課題と対応方針を取りまとめており、その中で国による原状回復措置のあり方、文化財の事前調査の方向、駐留軍従業員雇用の継続・安定的確保の方向等が確認されております。これらの仕組みについては、他の跡地のケースについても参考とされるものであります。
次に、県の電子自治体の取り組み状況についてお答えします。
県は、電子自治体の推進について国の電子政府関連施策と連携して取り組んでおります。
具体的には、平成13年3月に策定した「沖縄県行政情報化推進計画」に基づき基盤づくりとシステムづくりを進めております。電子自治体の基盤づくりについては、国や全国の地方公共団体を結ぶ総合行政ネットワークの整備、公的個人認証サービスの実施など着実に整えてきております。システムづくりについては、財務会計システムの再構築や文書管理システム等の新規導入など、行政事務の簡素効率化・高度化を図ってきております。
また、県民の利便性の向上を図るため電子申請の拡充、入札の電子化等も着実に取り組んでおり、引き続き国や市町村と連携して電子自治体を推進してまいります。
以上です。
○福祉保健部長(稲福恭雄) コザ児童相談所の一時保護施設に対する取り組み状況についてお答えいたします。
コザ児童相談所への一時保護所の設置につきましては、現在、一時保護所入所児童1人当たりの一時保護期間が九州各県平均に比べ2倍以上になっていることや、北部地区などからの保護を含め一時保護の動向等について調査・分析し、今後の課題として検討していきます。
なお、当面の対応として、中央児童相談所の一時保護所についてことしの4月から20名の定員を24名に定員増するとともに、児童養護施設及び里親への一時保護委託等により適切に対応していきます。
続きまして、児童相談所における児童福祉司増員の進捗状況についてお答えいたします。
児童相談所の組織体制の強化につきましては、平成17年度に児童福祉司4名、心理判定員1名の増員を含む9名の増員を行うこととしております。また、9名の増員のうち6名については、現在中央児童相談所に設置している児童虐待防止支援チームを両児童相談所に配置するためのもので、当該児童虐待防止支援チームを中心に児童福祉法改正に伴い、市町村の業務として位置づけられた児童相談業務への援助、助言、児童虐待防止市町村ネットワークの設置促進や市町村職員の研修等を集中的に取り組んでいきます。今後とも福祉保健所、学校、警察、民生委員・児童委員等の関係機関との連携を図り、児童虐待の未然防止に努めていきたいと考えております。
続きまして、24時間虐待ホットライン設置の取り組み状況についてお答えいたします。
24時間虐待ホットラインについては、平成17年度から中央児童相談所に嘱託員を配置し、夜間・休日における児童虐待等に係る電話相談を受けることとしております。
なお、現在、4月下旬の相談業務の開始に向け準備を進めているところであります。
続きまして、県は待機児童解消の施策をいつまで行うかについてお答えいたします。
県においては、「新おきなわ子どもプラン」に基づき待機児童解消のための諸施策を推進しておりますが、新たに「沖縄県次世代育成支援地域行動計画」を今月じゅうまでに策定する予定であります。県では、同計画の目標年度である平成21年度までに保育の実施主体である市町村と連携をとりながら待機児童解消のための諸施策を推進してまいりたいと考えております。
続きまして、認可外保育施設の課題解決及び国への要請について一括してお答えいたします。
本県では、待機児童が認可外保育施設を利用していると思われることから早急な対策が必要であると考えております。県といたしましては、児童福祉法に基づく認可保育所での保育の実施を基本と考えており、認可外保育施設の認可化促進を目的とする保育士派遣モデル事業及び国庫補助事業の認可化移行促進事業により認可化を促進するとともに、保育所の整備を初め分園設置、余裕教室の活用等あらゆる施策を活用し、待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。
御提言の件につきましては、貴重な御意見として承りたいと考えております。
続きまして、新すこやか保育事業のミルク代についてお答えいたします。
県では、認可外保育施設に入所している乳幼児の処遇向上等を目的として新すこやか保育事業を実施し、ミルク代等の助成を行っております。平成17年度は、これまでの助成対象児童年齢を4歳未満児から6歳未満児までに拡充することとしております。また、事業の実施につきましては、認可外保育施設の負担軽減が図られるよう、事業主体である市町村へ助言等を行い本事業の推進を図ってまいりたいと考えております。
続きまして、指定管理者制度に伴う沖縄県社会福祉事業団への対応についてお答えいたします。
沖縄県社会福祉事業団へ管理を委託している沖縄療育園等の12の県立社会福祉施設は、指定管理者制度への移行の対象になっている公の施設であります。当該施設については、「新沖縄県行政システム改革大綱」に基づき、平成18年度からの民営化を目指して関係部局間で検討しているところであります。
民営化の方法としては、公募により社会福祉事業団を含めた民間社会福祉法人への譲渡という方向で検討を進めております。当該社会福祉施設は、高齢者や障害者の生活の場であることから、利用者への適正なサービスの提供、安定した施設経営及び職員の継続雇用などが確保されることが重要であると考えております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 2年間の取り組みと教育の課題についてお答えいたします。
長年取り組まれてきた本県教育行政において2年間の務めをさせてもらいましたが、まだ振り返る余裕もありませんので、本県教育の特色ということで紹介させてもらいます。
本県教育には多くの特色がありますが、子供たちの活動の視点から御紹介いたします。
その1つは、長年取り組まれてきた学力向上対策であります。教育の重要課題として取り組まれ、現在ではそれが確かなものになっていると思います。
2つ目は、創造性・国際性の発揮がされつつあるということです。特に本年度は、高校生の「水のノーベル賞」受賞に象徴されるように、学びの国際性、郷土の研究、よさや課題の研究等がなされてきたことは注目すべき点であると思っておりです。
3つ目に、県のバックアップ体制「e-island」構想によりITセンターが設置され、IT教育の充実が図られたことです。
さらに4つ目は、文化・スポーツ等での個のよさの発揮があります。スポーツや文化、科学面で日本代表が数多く育ちました。昨日も冬のスペシャルオリンピック長野大会で、沖縄高等養護学校が――これはフロアホッケーでございますが――アメリカ代表に勝利したという事例もその一つかと思います。
これらの背景には、家庭、地域、行政の連携・融合による支援体制があると言えます。今、本県の青少年が全国や世界の舞台で力を発揮しておりますが、それは単なるエリート的な力とは違い、沖縄独特の集団の中から生まれた力、集団からの卓越性であり、沖縄の仲間や家族、地域社会集団の人情味が醸し出した潤いの力、精神力であると考えております。ですから、今後はこれらの沖縄のよさ、沖縄のらしさが生きる教育を一層充実拡大させることが大切であると思っております。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 行財政改革の職員の構成割合についてお答えいたします。
知事部局における平成17年2月1日現在の病院事業会計、大学教員及び現業職員を除く総職員数は4370名となっております。そのうち、係長級以上の職員数は2575名で、総職員数に占める割合は59%となっております。
次に、新たな人事制度の導入についてお答えします。
公務員制度改革について県では国の動向も踏まえながら進めているところであります。
平成16年度においては、能力評価と業績評価から成る新たな人事評価の実施に向け、問題点や留意すべき事項、その他必要な資料を得ること、職員の評価制度に係る理解を深めるため、知事部局本庁の課室長を被評価者として新たな評価制度の導入に向けて試行を行っているところであります。
また、新たな任用・勤務形態としては、平成16年8月1日付で農業試験場においてハダニ類の天敵研究のため任期付研究員を採用したところであります。さらに、今議会において現行の専門的な知識経験やすぐれた識見を有する者を任期付で採用するものに加えて、一定期間内に終了または増加する業務に従事するための任期付職員や、窓口業務の延長などに伴って対住民サービスの向上のために短時間勤務の任期付職員の採用を可能とする条例改正を提案したところであります。
今後とも、地方分権の進展に対応し、公務の能率的かつ適正な運営を図りながら公務員制度改革に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 電子入札制度の取り組み状況についてにお答えいたします。
電子入札の実施に向けては、平成15年度に基本計画を策定し、それに基づき16年度は基本設計、詳細設計等を行っております。引き続き17年度はシステム機器整備、実証実験等を実施し、試行運用の開始を計画しております。18年度は一定規模以上の工事について実施し、順次対象を拡大していき、19年度から全面運用を計画しております。
以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 警察署別の犯罪発生状況と特徴、対策についての御質問にお答えします。
警察署管轄別の犯罪発生件数そのものは、いずれの罪種につきましても管内人口を多く抱える那覇署、沖縄署、浦添署などが多く、管内人口の比較的少ない本部署、嘉手納署、石川署などが少なくなっております。
そこで、こうした規模の要素を排除するため、平成16年中の犯罪について人口1万人当たりの認知件数、すなわち犯罪率で見てみますと、犯罪率の高い署は強盗、強姦、放火などの凶悪犯につきましては八重山署、浦添署、具志川署など、また暴行、傷害、器物損壊などの粗暴犯につきましては那覇署、八重山署、宮古署、窃盗犯については那覇署、沖縄署、浦添署、詐欺・横領などの知能犯につきましては沖縄署、石川署、那覇署といった順番、これが上位3つということになっております。
ただ、県下14警察署ございますけれども、それぞれ数市町村を管轄に持っており、都市部から農村部までを広く管轄するケースが多いため、警察署という単位で見た特徴を一概に申し上げるのはなかなか難しいところがございます。ただ、地域的な傾向ということで申し上げれば、おおむねの特徴として歓楽街周辺では飲酒絡みの粗暴犯が多い、リゾート地域や観光地では流入人口が多いために犯罪率は一般的に高く、特に駐車車両をねらった犯罪が多い、住宅密集地では侵入窃盗が多いなどの傾向が見受けられます。
また、かぎをかけていないいわゆる無施錠による窃盗被害は県全体で多発しておりますが、特に空き巣の無施錠被害の比率を見ますと、嘉手納、石川、本部、宮古、八重山警察署管内でいずれも4割を超えておりまして、いわゆる農村地域、離島地域で無施錠被害の比率が高いというデータが出ております。
こうした分析を受けましてそれぞれの対策としては、歓楽街対策として那覇市松山地区での歓楽街浄化対策の実施、観光地対策として非常勤職員を任用して観光地における安全・安心パトロールの実施、侵入窃盗対策として県警内での組織改編に伴う盗犯専従捜査員の大幅増員等による窃盗犯対策の強化、無施錠被害防止対策としてかぎかけ、不審者への声かけを初めとする「5つのかける運動」などによる県民の防犯意識の向上に向けた広報・啓発などの諸対策を鋭意推進しているところであります。
県警では、警察本来の検挙活動を強化する一方で、「ちゅらさん運動」を通じた自主防犯活動の促進及び支援にも力を入れて、その結果、住民によるパトロール活動、公園や駐車場等の安全点検活動など、現在、安全なまちづくり活動が各地で活発に行われているところであります。
また、県民へ具体的な犯罪実態や防犯対策を知らせる情報の提供にも力を入れておりまして、市町村別の身近な犯罪や児童を対象とした声かけ事案の発生状況を県警のホームページ上に掲載をする、交番管内の犯罪発生状況を交番速報で各家庭に配布する、警察署レベル、交番レベルで管内住民に対する防犯講話、あるいは企業や団体等に対する出前講話を実施するなど、きめ細かな広報活動に心がけているところであります。
県警では、今後とも犯罪発生実態に即した取り組みを強化し、安全で安心して暮らせる地域社会の実現を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○赤嶺 昇 再質問を行います。
この2月定例会代表質問、また一般質問がずっと繰り広げられてきたんですけれども、今回の海兵隊の県外移設を求めたという部分で非常にいろんな議論がありました。その中で普天間基地の移設に関して、普天間基地も海兵隊基地ですので、稲嶺知事の今の主張は普天間基地の県内移設と県外移設を同時に求めているという非常にわかりづらい手法だと私は考えております。
午前中の我が会派の呉屋議員に対する答弁にも、関係する市町村には説明をしてきたという答弁をしてきたんですけれども、いま一度確認します。
SACO合意の枠を超える海兵隊の県外移設要請に伴う基地所在市町村への事前説明はしたのか。いわゆるSACOの部分じゃなくて、海兵隊の県外移設を求めるんだということを事前に関係市町村の皆さんに説明をしたのかということをまずお聞かせください。
なぜなら、それに伴って先ほどもあったんですけれども、辺野古における移設推進であったり、いろんな課題が出てまいりますので、そこはしっかりと御答弁をいただきたいと思っております、今回のこの件についてですね。
それから、稲嶺知事は常々、基地問題は非常に複雑に絡み合っているため理想論だけではなく現実的な対応が大事だと主張してまいりました。私もそのとおりだと思っております。そのことを踏まえてお聞きいたします。
跡地利用と基地従業員の雇用問題は現実的な課題ではないでしょうか。先ほど議会の中でもいろんな施策を打ち出しているとはいうんですけれども、本当にそれだけで雇用対策、跡地利用が図られるんでしょうか。そのことをいま一度お聞かせいただきたいと思っております。
それから基地問題協議会、せっかくある機関なんですね。それは稲嶺知事になってから1回も開催されていない。同協議会は、外務大臣、内閣官房長官、防衛庁長官と知事で構成されており、また幹事会も設置されています。幹事会があるということは、これは事務方で事務調整レベルでいろいろ話ができるんですね。なぜそういう既存の機関が活用されないのか。私は、それは例えば去年のヘリ墜落事故に関してもその基地問題協議会は有効に活用される機関だと思っております。そのあたり開催を求めた経緯があったのか。
私はこの間――稲嶺知事が誕生してから6年半になりますが――国との太いパイプを訴えております。確かにそれは太いのかもしれません。ところが大田県政ではこれは5回、少なからずいろんな課題について議論をしてきたんですね。ですから、今どうも知事は個別で総理に会ったりそれぞれの担当大臣に要請はすることはあっても、事務方レベルでそこまで積み上げてそういう議論をしてきているのか私は疑問に思っております。
なぜなら、本議会の中において知事が訴えることと、また国のそれぞれの大臣がマスコミ等を通じて訴えることにどうも乖離があるように私は考えております。ですから事務方レベルでそういう調整が本当にされているのか、そのことを私は非常に疑問に思っておりますので、この基地問題協議会についてなぜ開かれてなかったのか、明確に御答弁をいただきたいと思っております。
それから、金武の皆さんとしっかりと連携をとっているということで御答弁を先日いただきました。果たしてそうでしょうか。私は、着々と進んでいるこの戦闘訓練施設のあり方、やはり県の皆さんも密接に連携をとっているんでしたら、地元の皆さんと体を張って1日、2日ぐらい一緒にやるということも今までやってきたことがあるのか。そのことも含めて、皆さんが本当に金武の都市型訓練施設建設について皆さんと連携をとられているのか、もう一度お聞かせください。
2番、児童福祉についてでございます。
先ほど嘉数副知事から御答弁いただきました。コザ児相にはまた時間を見つけて行くということでしたので再質問いたしません。ありがとうございました。ぜひ早目に――むしろ課題は中央児童相談所よりもコザ児童相談所の方が課題が多いわけですので、行って、そして職員の皆さんの勤務状況、抱えているケースの件数、具体的にそのあたりもヒアリングしていただけたらありがたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
さらに、認可外の抜本的解決策については限られた財源でなかなか厳しい点はあろうかと思いますが、これは部長のレベルじゃないと私は思っております。認可外の特殊事情というのは、沖縄は本当に特殊事情だと思っておりますので、ぜひ知事も認可外の施策、これだけの待機児童も抱えている、たくさんいる中で、認可外の果たしてきた役割はそれは無視できないと思っております。少なからず同じ沖縄県の子供たちでございますので、知事も今回認可外に対する取り組みを政治的に取り組む決意があるのかお聞かせください。
山内教育長、本当にいろいろ沖縄県の教育行政について、さまざまな視点に立っていただいて本当にありがとうございました。
それから行財政改革についてでございます。
係長、いわゆる4級以上の職員が2575名、これは全体の59%。これは民間で言うと10人中6名が係長と同じ給料をもらうと。これは民間だったら一発でつぶれます。これは公務員給与制度だから仕方がないという答弁をされるかもしれませんけれども、行革をずっと進めてきていろんな議論をされてきた中において、私はもうそろそろ職員の能力制度を本気でこれを図っていかなければならない時代に入ってきているのではないかと思っております。確かに一生懸命頑張っている職員もおります。私は、むしろその職員たちのために、皆さんが頑張っている、そしてしっかりやっている職員をしっかりと評価するというシステムを確立していかなければ職員の士気が下がってくるのではないかと非常に懸念をしておりますので、そのあたりをぜひ――民間とは一概に比較できない点はあるかもしれませんけれども、行政は最大のサービス機関だということですので、しかも最小限の経費で最大の効果と言われている割には、私はそれが今の現状だと逆にしか映ってないように思えますので、行革は本気でやっていただきたいと思っております。
勤務形態等についても、一定任用の勤務をとったりとかという話をしているんですけれども、今いる職員を例えばフレックスタイム制度を導入するとか、そういう職員の勤務時間をうまく活用するということもまた大事な施策じゃないかなと思っておりますので、これは提言しておく程度にしておきます。
それから、パブリックコメント手続制度についてでございます。
本県は、横文字じゃなくて「沖縄県県民意見公募手続実施要綱」ということで出しております。大変いい施策だと思っておりますが、この募集期間が要綱を見ると1カ月となっているんですけれども、次世代に関しては1カ月なかったんですね、その公募の募集期間が。ですからあと一点、そういう1カ月と原則で設けられているわけですから、そのあたりもしっかりと守っていただきたいということは指摘しておきます。
ちなみに、こういった制度ができたということは、これからの行政の仕事を進めていく上で、この手続制度で公募期間を設けるということがあるということを念頭に入れて職員は仕事をしていかなければならないということは指摘をしておきたいと思っております。
さらに、今回せっかくそういうすばらしい制度ができている中で、まだ県民には周知されてない。ですからちょっと予算はかかるんですけれども、当面、しばらくの間は新聞広告もやって、県民がそれがわかってきた段階でまた既存の広報主導で使うということもいいと思っておりますので、しばらくまた新聞紙上も活用することも大事じゃないかなということを提言しておきたいと思っております。
それから電子入札制度につきましては、実は各市町村もこの制度を取り入れたいと思っております。ところが各市町村がそれぞれの予算でそれを組んでいこうとすると非常に予算がかかってまいります。ですからこの制度が確立した場合に市町村に対しても提供する気持ちがあるのかをお聞かせください。
それから7番、社会福祉事業団についてでございます。
30年の歴史があって、確かに今、行革を進めていく中で避けて通れない部分だという認識は持っております。ところが、社会福祉事業団の役割は人間を扱う仕事だけにその扱いに慎重にならなければならないと思っております。約1000名の入所者がいるということです。
これまで沖縄県は、社会福祉事業団に理事長や理事に自治体職員の派遣や財政補助など、指導監督要領により運営に積極的にかかわってきた経緯があります。社会福祉事業団がこういった12施設をばらばらで皆さんが公募してまいりますと採算施設と不採算施設が出てまいります。採算施設は皆さん公募してきます。不採算施設はどうするんでしょう。これは県が引き取ると行革に反します。ですから、今ある12施設を社会福祉事業団が県の持ち出しなしでできるんであれば、それを譲渡する気持ちがあるのかをお聞かせください。
そして稲嶺知事の郵政民営化についてこれだけしつこく賛成か反対かということを聞いてきた理由は、やはりどうしても離島を抱える我が県としては非常に大きな課題だと思っております。その中において知事がどう公務員を守るというレベルじゃなくて、もっともっと積極的に郵政民営化に懸念される数々の課題を政治家として明確にそれを訴えてもらわなければ、それが進んでいって結果的に離島に影響していった場合に一体だれが責任をとるんでしょうか。とりあえず国にお願いをしたんだけれども、それができなかったんでは通る話じゃないと思っておりますので、そのあたりはしっかりと認識していただきたいと思っております。
○知事(稲嶺惠一) 米軍の再編の問題と市町村に知らせてあるかということですが、その問題については知らしてございません。その前に各所在市町村長から意見を伺っております。
○知事公室長(府本禮司) 沖縄米軍基地問題協議会についてお答えいたしたいと思います。
県としては、関係大臣にこれまであらゆる機会を通じまして必要なときにお会いしてきておりまして、米軍基地から派生する諸問題の解決に向けて臨機応変に対応していきたいと考えております。
次に、陸軍複合射撃訓練場につきましてお答えいたします。
沖縄県としては、これまで金武町と密接に連携して一貫した方針で取り組んできておりまして、機会あるたびに金武町の現地へ参りましてお話をし共同歩調をとってやってきております。県としては、今後とも金武町と密接に連携して日米両政府に対してあらゆる機会を通じてさらに強く工事の中止を求めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 跡利用の施策は現実的に機能するかという再質問にお答えをします。
先ほども答弁をいたしましたが、平成13年の12月に第6回跡地対策準備協議会というものが開かれまして、その際に「普天間飛行場の跡地利用の促進及び円滑化等に係る取組分野ごとの課題と対応の方針について」というものが取りまとめをされております。その中で9分野106項目について跡利用に係る課題とそれについての対応策が明示をされているということでありまして、現実にいろんな形で跡利用の中にそれが機能をしております。
例えば、文化財調査等についても普天間飛行場あるいはキャンプ桑江北側地区、キャンプ瑞慶覧において返還前からの文化財調査が行われておりますし、国有財産の問題についても読谷補助飛行場についてその方向で廉価で譲渡するという取り組みが行われております。また、給付金支給に係る特例措置等についてもキャンプ桑江北側地区において現在政令の検討が進められております。あるいは跡地利用計画策定についても大規模駐留軍用地跡地等利用推進費――国庫補助金ですが――毎年2億2000万円程度の予算措置がされて、それについての各種の調査が行われております。あるいは原状回復措置についてもキャンプ桑江北側地区がそのよい事例でありますが、返還後の土壌汚染あるいは不発弾の調査・除去作業が行われておりますし、引き渡した後も発見された油汚染等については国の責任において除去されているということで、跡地利用に係る諸課題については具体的に機能をしていると、こういうことでございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 電子入札の市町村との共同利用についてにお答えいたします。
市町村に対しては沖縄県公共工事契約業務連絡協議会総会の場において平成15年度、16年度の両年度、電子入札の概要や共同利用について講演を実施してきております。また、先行している国においては県と市町村に対して共同利用を進めております。さらに、県で開発する電子入札については県内市町村との共同利用を検討しております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 社会福祉事業団への再質問についてお答えいたします。
社会福祉事業団へ管理を委託している12の施設につきましては、公募によりまして社会福祉事業団を含めた県内社会福祉法人へ一括して譲渡する方法で平成18年度からの民営化を目指して今現在作業を進めております。
事業団につきましては、これまで30年余り県立の社会福祉施設を運営し、県民の福祉の向上及び増進に大きな貢献をしてきておりまして、事業団におきましては現在沖縄県社会福祉事業団経営改革基本計画を策定して経営体質を改め応募法人として対応できるよう改革を進めていると聞いております。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 基地従業員の雇用対策についての再質問にお答えをいたします。
米軍基地の整理縮小に伴う基地従業員の雇用対策につきましては、駐留軍関係離職者等臨時措置法や沖縄振興計画等において国の対策が明記されており、関係法令等に基づくこうした対策が着実に実施されるものと考えております。
県といたしましても、国及び関係市町村と連携を密にしつつ、基地従業員の雇用対策に万全を期してまいりたいと考えております。
○赤嶺 昇 それでは本題に入ります。
今回、SACO合意を超えるということで説明をしてないという話をしていましたけれども、それではお聞きします。
キャンプ・キンザーも海兵隊基地でございます。海兵隊基地の県外移設を求めたということは那覇軍港の浦添移設もなくなると想定していいのか。そしてそのことに伴う浦添西海岸開発に与える影響をお聞かせください。
もう一点、北部における15年使用期限とさらに軍民共用空港とすることを知事は辺野古の受け入れ条件として設けてまいりました。今回、県外移設を求めるということは、北部の民間空港にそれほどこだわってないというふうに理解してよろしいでしょうか。それだけ今回知事の県外移設ということを出したという裏づけ、これは各市町村がそこまで考えているかということは非常に課題になると思っておりますので、そのことを明確にお答えください。
そして、普天間基地の跡地利用計画はスムーズに進んでいるという答えでしたが、予算の裏づけや担保がありますか、お聞かせください。
先ほど跡地利用対策協議会、跡地関係市町村連絡・調整会議があるということでしたが、開催状況と成果をお聞かせください。
○知事(稲嶺惠一) 私が知事になったときは既にSACOというものがあったわけです。これは前県政が強い要望をいたしましてそれに応じた形でSACOというものがあったわけです。
そこで、私の選択肢としてはSACOを進める以外選択肢がなかったんです。(発言する者あり) よく聞いてください。それしかなかったんです。そこに米軍の再編という問題が出たんです。これはSACOを超える――SACOというのは、SACOを超える単に沖縄だけじゃなくて日本全土あるいは世界を含めた米軍の再編の中から新たな動きが出てきたわけです。
そこで、今、私の方で出しているのは、その再編を機会に沖縄側の考えている基本的な要望をそれをきっちりと打ち出しているわけです。今後の具体的な問題については、これは今後個別の問題として、日米両政府の中で話し合われる中でいろいろ出てまいります。その出てまいりますその都度、より具体的なものを打ち出して進んでいきたいと思っております。(発言する者あり)
○議長(外間盛善) 静粛に願います。
休憩いたします。
午後2時41分休憩
午後2時41分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
企画開発部長。
〔企画開発部長 花城順孝君登壇〕
○企画開発部長(花城順孝) 跡地対策協議会の開催の状況ですが、平成14年9月に第1回の会合が開催をされまして、第2回が平成15年12月に開催をされております。
それから跡地利用に係る財政的な担保といいますか、そういう御質問でございますが、先ほども申しましたように、大規模駐留軍用地跡地等利用推進費については国庫補助金として毎年度2億2000万円程度が措置されておりますし、また原状回復等に係る予算については防衛庁の方で予算措置をして国の責任において対応していると、こういうことでございます。
○赤嶺 昇 今回、知事が各関係市町村に事前に連絡してない、これは個別でやると今度は言う。私は非常に各市町村が混乱すると思います。キャンプ・キンザー、西海岸開発、もう一度しっかりお答えください。
それを想定されていたのか、北部の振興についてもそれはどうなのか。その部分は私は少なからず各市町村は非常に関心を持っていると思っていますので、御回答ください。
○知事(稲嶺惠一) 今、私どもが沖縄県として提起した問題というのはこれは全体の問題でございます。したがって、個々の問題というのはこれから個別に数多くの問題がございます。それはきっちりと個々に対応してまいります。
○赤嶺 昇 知事、あと1年半の任期ですけれども、ぜひあと1期4年間やっていただきたいと思っております。これだけ大きな課題をせっかくつくっているわけですから、私もエールを送って――個別でやるということですので、個別に投げてそのままやめられたら困るので、ぜひそのあたりも私の方からもお願いを申し上げたいと思っております。よろしくお願いします。
○辻野 ヒロ子 こんにちは。
きょうから3月です。県立高等学校の卒業式で県内62校、1万6000人余の若い人たちが大きな夢と希望を抱いて巣立つ日です。私たちも応援団としてエールを送って祝福してあげたいと思います。
きょうはまた、私は日ごろから沖縄の地場産業育成、そしてこの沖縄の伝統織物をこよなく愛している中で、南風原の琉球がすりの着物と八重山のミンサー帯を締めて質問に立っております。気持ちも新たに新年度に向けて、自分の気持ちも引き締めながら頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
今定例会の冒頭に稲嶺知事は2005年度の県政運営方針を発表されました。施策の概要は、県政の抱える諸課題について9項目にわたり細かく説明がなされました。基地問題では在日米軍再編が本格化する中で、知事みずから訪米を含め日米両政府及び関係者に本県の基地問題を強く訴え、解決への大きな一歩となるよう努力する決意のほどを伺い心強く思っております。
また、とりわけ県民の長年の念願でありました新石垣空港の事業採択につきましては、稲嶺知事を初め執行部、県議会、関係機関の皆様の大きなお力添えにより本当に実現いたしました。心から感謝申し上げます。どうぞ、今後とも引き続き御支援、御協力のほどをよろしくお願いしたいと思います。
このように新年度は新石垣空港整備事業の実施設計調査費や美ら島活性化特別事業の情報基盤整備費などが認められたことも地元を初め本県の振興に大きな弾みがつき、県民が期待を寄せております。新年度も知事におかれましては御自愛の上、三役の皆さん、部局長、職員の皆さんと心を一つにして、県民の先頭に立って諸施策の推進に御尽力いただきたいと思います。
また、今年度で勇退なさる山内教育長を初め部局長の皆さん、職員の皆さん、長年にわたり県勢発展のために精いっぱい頑張っていただき、心から感謝を申し上げます。どうぞこれからもお元気で側面的に県政への御協力、お力添えをお願いしたいと思います。
それでは先日通告いたしました質問に移りますので、知事を初め関係部局長の皆様の御答弁をよろしくお願いいたします。
1つ目に、新石垣空港建設について。
(1)、新空港建設事業は2005年度の国庫補助事業として採択され、実施設計調査費が認められ、いよいよ設置許可申請へと進められていきますが、今後のスケジュールについてお伺いいたします。
(2)、空港建設に向けてのハードルは空港用地の確保が最重要課題となりますが、いつごろまでに完了する予定なのか。また、用地取得が困難な状況になった場合、土地収用法の適用も考えるのか、知事の見解をお伺いいたします。
(3)、環境影響評価手続の進捗状況をお伺いいたします。
(4)、県として新石垣空港が供用開始された場合を想定し、経済波及効果をどのように試算しているのか、具体的にお示しください。
2つ目に、漂着流木及び漂着ごみの現状と対策について。
1月中旬ごろから大量の流木が石垣市の吉原海岸を初め伊良部町佐良浜漁港、平良市池間島海岸、多良間島、西表島、小浜島などの海岸に広範囲にわたり漂流・漂着しているのが確認されております。(資料を掲示) 写真を持ってまいりましたので皆さんにも見ていただきます。大木もあります。このような状況です。
そのまま放置すると海上の大しけや台風が来襲した場合に、沿岸海岸に再び流出する可能性があり、また先日、海難事故も発生し大変憂慮すべき事態です。
そこで次のことについてお伺いいたします。
(1)、大量の流木が再度干満や風の影響で沖合へ流出し、船舶航行の安全を脅かし、景観、環境も損なうので早急に撤去する必要があると考えますが、現状はどうでしょうか、お伺いいたします。
(2)、昨今の異常気象の中で今後も十分予想されることから、例えば自然災害としての取り扱いや災害対策費で処理できないものかお伺いいたします。
(3)、環境保全面での処理義務者または海岸管理者として県は市町村と連携して処理に係るスキームを策定し、予算化も含めて検討する必要があると考えますが、今後の対策をお伺いいたします。
3つ目に、県立八重山病院の現状と改善について。
離島医療の中核を担う県立の八重山病院と宮古病院で、大学病院からの脳外科医派遣が3月で打ち切られることが決まり、4月からの後任のめども立っていない状況でしたが、昨日の答弁で4月以降も年度途中までは確保されたとのことでした。
さらに、八重山病院では産婦人科医も今年度で派遣打ち切りも打診されていましたが、院長の強い要請の結果、来年3月まで延長することができました。しかしそれ以降は未定です。
また、医療機器についても20年前に設置され、たびたび故障し、冷や冷やしながら現在まで使用している実情を1月21日の常任委員会の視察で確認いたしました。
このような現状を踏まえ、次の改善策について県の考え方をお伺いいたします。
(1)、医療専門職(医師・パラメディカルスタッフ・事務職)の確保について。
医師の安定確保が難しく脳神経外科で新年度途中、産婦人科で来年度で派遣医師が打ち切られることについて、県として安定的な医師確保について抜本的なシステムを構築すべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
離島診療所応援等もある中で、臨床研修の必修化や医師を派遣している国立大学の財政状況が独立法人化によって厳しくなりつつあることなどのあおりで、医師の確保は今後ももっと厳しい状況になります。そこで、県が主体となった医師人材確保協議機関の設置について見解をお伺いいたします。
(2)、病院機能・医療機器の整備について。
血管撮影装置の新規更新及び遠隔病理診断システムの導入について今年度内に導入予定であったが、どのようになっているかお伺いいたします。
次に、ICU・NICUの基準整備や施設基準をクリアしていない病棟等の改善について現状をどのように把握しているのか、見解をお伺いいたします。
4つ目に、離島振興について。
内閣府に設置された「離島活性化調査検討会議」、通称美ら島会議と連携し、離島地域の活性化を担う人材の育成や各離島の地域資源やアイデアを生かした産業育成に取り組むとの離島振興に力強い思いを感じます。
そこで次のことについてお伺いいたします。
(1)、離島活性化策について。
美ら島会議事業と連携した本県の離島活性化について何に主眼を置いて推進しているのか。また、沖縄離島活性化特別事業の内容について、新たに盛り込まれた事業についても具体的にお示しください。
次に、ワーキングチームの今後の取り組みについて、また大半が単年度事業となっていますが、平成18年度も継続して国庫概算要求に向けた事業を提案していくことができるのかお伺いいたします。
(2)、与那国島海底遺跡認定について。
昨年8月にグラスボートで視察し、去る1月20日には常任委員会による現地視察を行いました。半潜水型の船は立体感があり、ダイナミックな海底の様子を目の当たりにし感動的でした。1986年に「遺跡ポイント」というダイビングスポットを開発し、1992年以来、琉球大学海底調査団の調査が進み、1998年には人工物であるとの報告がなされています。それ以来、ダイバーのみならず、国内外から研究者や観光客が大勢来島するようになり、離島の活性化を初め大きな経済効果をもたらしています。また、常任委員会に地元や研究者から調査資料をまとめて陳情も出されており、継続審議となっています。
そこで次のことについてお伺いいたします。
県として、現地視察で徹底調査し研究の必要性を感じましたが、いかがでしょうか、見解をお伺いいたします。
次に、調査資料に基づき検討委員会を設置し、遺跡認定の可否について、また、「水中文化遺産保護条例」の制定などについて議論を深める必要があると考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
(3)、光ファイバー供用開始に向けて通信コスト低減化支援事業について。
高速・大容量のインターネットサービスを可能にする沖縄本島―宮古島―石垣島間の光ファイバーケーブル敷設事業は、4月の供用開始に向け急ピッチで進められています。これからは住民福祉の向上にどのように生かしていくか、各市町村でも具体的な議論が必要となります。通信コスト低減化支援事業については、その実施に際しての条件緩和及び宮古・八重山地域の本島並みの環境整備も重要だと考えます。
本県は、「沖縄県情報産業ハイウェイ」を利用し低価格回線を提供することで、事業の誘致などによる県内産業の振興・集積・活性化、ひいては県内雇用の拡大を進めております。県が都市圏への通信回線を確保し、無料で企業へ提供することにより県内の企業誘致が図られるのです。
また現在、東京アクセスポイントから沖縄本島の那覇、中部、北部地区の3カ所に設置されており、沖縄本島―宮古―石垣間の県専用回線を確保することにより先島地区における通信環境(通信コスト面で)は沖縄本島と対等になり、離島振興のためにも大いに役に立つものと考えます。
そこで次のことについてお伺いいたします。
公募概要における選定条件の緩和(1)の方の「3年で20名以上(パートを含まず)」を、20名以上のハードルを下げていただき入り口を広げてもらいたいが、見解をお伺いいたします。
次に、「沖縄県情報産業ハイウェイ」アクセスポイントの宮古・八重山地域の設置を強くお願いしたいと思いますが、見解をお伺いいたします。
次、利用期間の延長について、当初事業計画では平成13年度から平成16年度までを、次期計画で平成17年度から19年度までの3カ年となっていますが、先島地区において光ファイバー供用開始に伴い、これから取り組んでいく上で企業誘致に向けてインセンティブを高めるために期間の延長が必要だと考えますが、見解をお伺いいたします。
5つ目に、旧軍飛行場用地問題について。
太平洋戦争中、旧日本軍に飛行場用地として土地を接収された旧地主の大多数が国に個人補償を求めている中で、調査検討委員会が団体補償での解決を提案し、県もその方向で国に求めていく方針を示していることに対し反発の声が相次いでおります。特に、新石垣空港の予定地内に土地を持つ地権者がおり、新空港用地提供の条件に旧軍飛行場問題の解決も挙げています。このような状況を踏まえ、旧軍飛行場用地問題は、各地主会や関係首長の意見も十分聞き、解決促進に取り組んでいただきたいと思います。
そこで、次のことについてお伺いいたします。
(1)、県は、団体補償による解決を国に求める方針を固めているようですが、その結論に至った経緯と理由、団体補償の内容は具体的に何を指しているのかお伺いいたします。 (2)、問題解決には県と各地主会、市町村との連携・協議が必要だとのことですが、具体的にどのような協議を行うのかお伺いいたします。
(3)、石垣市議会では、個人補償を求める地主会の意向を受けて特別委員会の設置で審議が進められており、また決議も行うなど実現に向けて取り組んでいます。このような状況に対して県はどのように受けとめ、対処していくのかお伺いいたします。
6つ目に、安全で安心なまちづくり体制強化について。
三浦県警本部長を初め署員の皆様におかれましては、今年4月に開催される「IDB沖縄年次総会」を控え、いち早く人事異動を行い、強力な体制のもとで大会の成功に向けて取り組んでおられることに敬意を表します。
去る1月21日、県警本部の警察署長会議で、県内14警察署の中から2004年の年間成績優秀な警察署に贈られる賞で八重山署が「生活安全」、「刑事」、「地域」の3部門を制し、総合1位の「県警本部長賞」を受賞いたしました。国境の島や多くの離島を抱え、広範囲にわたり治安維持のためにいろいろな知恵を出し合い、行政、地域と一緒になって頑張っている姿に本当に頭が下がります。今後とも安全で安心なまちづくりのために御尽力いただきたいと思います。
またこのたび、念願の八重山警察署の新築移転が決まり、喜びに沸いております。
八重山圏域は多くの離島を抱えており、2004年1月末現在で人口推移が年間約300人増の5万2000人余で、住民登録をしていない方もかなりの数がいると言われております。また、観光客入域数も年間約4万5000人増の71万人を突破しました。これからも新石垣空港建設に向けてかなりの増加が見込まれ、このような状況の中で事件・事故の増加も懸念されます。
そこで、安全で安心なまちづくりの確立のために次のことについてお伺いいたします。 (1)、八重山警察署の新築移転に向けて。
八重山圏域は離島が多く、人口や観光客の増加に伴って事件・事故もふえている状況にあります。警察官の増員についての見解をお伺いいたします。
現在の八重山署が市内の美崎町で夜になるとにぎやかな飲食店街にあり、事件・事故が最も発生している地域で、警察署の存在は大きなものがあります。移転後の不安が地域住民の声として挙がっております。
移転後の美崎町(飲食店街)の警戒強化がぜひ必要だと考えますが、所見をお伺いいたします。
以上で質問要旨を終わります。
答弁によりましてはまた再質問をさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 辻野ヒロ子議員の御質問にお答えいたします。
新石垣空港の今後のスケジュールについてお答えいたします。
新石垣空港の整備スケジュールは、平成17年度は飛行場設置許可を得て実施設計、用地測量等を実施することとしております。18年度以降は用地取得、土木工事、照明工事、建築工事等を順次行い、地域住民の協力を得て早期供用に向け鋭意事業を進める予定であります。
続きまして、新石垣空港の用地取得についてお答えいたします。
新石垣空港の事業が計画どおりに進むためには、用地取得が重要であると考えております。用地取得の状況については、空港予定地約142ヘクタールのうち、99.9%に相当する地権者の方からは全員の同意を得ておりますが、残る0.1%、約0.15ヘクタールに係る共有地権者のほとんどの方からはいまだ同意が得られておりません。したがいまして、今後も引き続き話し合い等による用地取得の努力を続けることにしておりますが、それによる解決がなし得なかった場合には、設置管理予定者の沖縄県として他の空港の事例も参考にしながら全用地の取得に向けて、最終的には土地収用も含めて毅然とした対応をとっていくこととしております。
なお、用地取得は平成18年度から開始し、地域住民の協力を得て早期取得に努めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○土木建築部長(末吉 哲) 新石垣空港の環境影響評価の進捗状況についてにお答えいたします。
県は、環境影響評価法に基づき方法書、準備書の手続を終え、また評価書については昨日2月28日に国土交通大臣へ提出したところであります。今後は国土交通大臣の意見を踏まえて評価書を補正し、その後、公告・縦覧を行う予定であります。
次に、経済波及効果についてお答えいたします。
新石垣空港の整備着手から供用開始後10年までの経済波及効果は、生産誘発効果が約2370億円、雇用創出効果が約2万1100人と推計しております。その主な内訳として、空港建設投資の生産誘発効果が約605億円で、その雇用創出効果は約4500人。空港関連事業投資の生産誘発効果が約564億円で、その雇用創出効果は約4300人。八重山圏域外からの入域客消費の生産誘発効果が約1190億円で、その雇用創出効果は約1万2300人。輸送力向上による農業効果が約6億円となっております。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 漂着流木等の現状と対策についてお答えいたします。
海岸漂着ごみの処理については、海岸を所管する部局が対応することとなっており、その実態については市町村や地域住民からの通報等により適宜パトロールを実施し、状況把握に努めております。
今回、大量に漂着があった流木については、環境保全、事故防止の観点から地元市町村、地域住民及びボランティアの協力を得ながら除去、焼却等の処理を進めております。
続きまして、漂着流木等の現状と対策についてお答えいたします。
海岸漂着ごみ等を自然災害として取り扱うこと、及び災害対策費で処理する制度は現在のところありません。近年、本県の海岸は漂着ごみ等が増加しており、海岸管理者のみでは十分な管理が確保できない状況にあります。このため、県では、地元市町村、地域住民及びボランティア等との連携・協力のもと、漂着ごみ等の収集、処分等の対策に取り組んでまいります。
続きまして、漂着流木等の現状と対策についてお答えいたします。予算化も含めて検討する必要があるのではないかという趣旨の御質問についてお答えいたします。
漂着ごみ等の対策予算については、海岸浄化対策費、海岸管理費として予算措置を行っております。しかし本県は多くの離島を抱え、また長い海岸線を有すること等もあって海岸管理者による処理等には限界があり、これまでも漂着ごみの処分については市町村等関係機関が連携・協力し処理しております。今後の対応としては、これまで以上に市町村及びボランティア等との連携を図りつつ、漂着ごみへの取り組みを行ってまいります。
以上でございます。
○病院管理局長(平井哲夫) 県立八重山病院の現状と改善についての安定的な医師の確保についてお答えをいたします。
八重山病院における脳神経外科及び産婦人科医師については、県外の大学に派遣をお願いしており、脳神経外科医師については平成17年度途中まで、産婦人科医師については17年度中は継続できる見通しであります。脳神経外科及び産婦人科医師は、他の診療科に比べ全国的にもなり手が少ないことに加え、医師の臨床研修の義務化に伴い大学においても医師の派遣が厳しい状況にあります。県においては、中部病院や平成18年4月開院の高度・多機能病院を中心とした研修制度の充実による医師の養成に努めるとともに、引き続き県内外の大学等からの派遣を働きかけていきたいと考えております。
また、福祉保健部においては琉球大学や県医師会等との医師確保に向けた協議会設置について調整を行っているところであり、医師の継続確保ができるよう努めてまいりたいと考えております。
続きまして、同じく八重山病院関係ですけれども、血管撮影装置の新規更新及び遠隔病理診断システムの導入についてお答えをいたします。
血管造影X線撮影装置、いわゆるアンギオは、身体各部の血管の異状の診断や治療を行う装置で、八重山病院が地域の中核病院としての使命を果たすためには必要な医療機器であります。現在、当機器は老朽化が進んでいることから、八重山病院と調整した結果、本年3月に設置することとしております。
また、遠隔病理診断システムは、手術中にがんなどを診断するために病理標本の顕微鏡拡大画像を通信回路により伝送し、伝送された画像を遠隔地で病理医が診断を行うものであり、離島医療支援には必要なシステムであります。同システムについては八重山病院とその支援を行う中部病院との間で調整を行い、本年3月に整備し、4月から稼働することとしております。
それから、同じく八重山病院関係ですけれども、ICU、NICU施設の改善等についてお答えをいたします。
八重山病院のICUについては、患者の集中治療に必要な機器等が整備されており、一般病床より手厚い診療体制をとっております。診療報酬の加算が受けられる施設基準については、その要件となる医師、看護師の要員確保や施設の整備等クリアすべき課題がありますが、現在、施設基準の取得に向けて検討を進めているところであります。また、NICUについても新生児の集中治療に必要な医療機器等は整備され、一般病床より手厚い診療体制をとっておりますが、施設基準の取得については今後の課題であると考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 医師確保に係る協議会の設置についてお答えいたします。
本県の離島においては、離島完結型医療を支える質の高い医師の安定的な確保が課題となっていることから、県としては臨床研修事業を活用して離島勤務医師の養成を拡充していくこととしております。琉球大学や医師会等との医師確保に係る協議会設置につきましては必要であると考えておりまして、現在その設置に向けてこれら機関等と意見交換を行っているところであります。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 離島活性化の主眼及び沖縄離島活性化特別事業の内容についてお答えいたします。
県の離島活性化施策は、県土の均衡ある発展を図る観点から、まず第1に、自立的発展のための基礎条件の整備、第2に、離島以外の地域との格差の是正、第3に、地域の優位性を生かした産業の振興を主眼において実施しており、具体的には農林水産業や観光・リゾート産業の振興、交通通信体系の整備などに取り組んでおります。
次に、沖縄離島活性化特別事業は平成17年度に新たに創設された事業で、その内容は、1、離島の活性化を担う人材の育成や専門家の派遣、2、安心して離島に住むための課題等の調査、3、各島の具体的なアイデアや主体的な取り組みに対する支援、4、観光客の利便性・快適性の向上を図る観光案内標識等の整備となっております。また、あわせて離島における通信の高速化・大容量化を図る離島ブロードバンド環境整備事業が新たに創設されております。
次に、離島活性化に向けた継続的な取り組みについてお答えいたします。
離島地域は、三位一体の改革の影響などもあって厳しい状況にあり、離島地域の活性化を図るためには継続的な取り組みが重要であると認識しております。このため、県は離島市町村と連携を図りつつ、引き続き離島活性化ワーキングチームにおいて離島活性化策の検討に取り組んでまいります。また、平成18年度国庫概算要求に向けた内閣府に対する提案についても積極的に検討していく考えであります。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) 与那国海底遺跡の調査研究が必要との御質問にお答えをいたします。
観光リゾート局におきましては、平成12年度と13年度に与那国海底観光資源調査を実施し、その利活用方法、広報宣伝等に関する検討を行いました。その後、沖縄観光の情報発信システムである「真南風プラス」で海底観光資源に関する情報を広く発信しているほか、沖縄デジタルアーカイブ「Wonder沖縄」で30分の映像コンテンツを制作し、与那国の観光資源というにとどまらず、本県の重要な観光資源として情報発信に努めております。最近の与那国町への観光客数は増加傾向にありますので、海底観光資源は与那国観光の貴重な財産として活用されているものと考えております。今後のさらなる活用につきましては、与那国町や地元観光関連業界の活用計画や主体的な取り組みを踏まえ、県としても協力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 遺跡認定の可否と現状保護についてお答えいたします。
県教育委員会が遺跡として認定するためには、明確にその当時の人たちがかかわった痕跡を示す資料が提出される必要があります。いわゆる与那国島海底遺跡につきましては、提出された資料が十分とはいえず現時点では認定は難しいものがありますが、今後、新たな資料の追加を踏まえて認定の可否について検討していきたいと考えております。
また、現状保護については、遺跡として認定された場所の保護については文化財保護法や文化財保護条例により対応していくことになりますが、まだ認定されていないいわゆる与那国島海底遺跡の現状保護については、関係機関との調整を図りながら考えていきたいと思います。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 通信コスト低減化支援事業の選定条件の緩和についてお答えをいたします。
通信コスト低減化支援事業は、県内に立地する情報通信関連企業に対して、低価格の通信回線を提供することにより県内産業の振興・集積及び県内雇用の拡大を図ることを目的としております。したがいまして、雇用拡大という観点から原則として20名以上の条件を付しておりますが、20名を下回る雇用であっても、専門的知識を有する人材を雇用する場合や県内の情報通信産業の振興・集積に寄与すると判断される場合は支援の対象となります。
続きまして、情報産業ハイウェイのアクセスポイントの設置についてお答えをいたします。
宮古・八重山地域におけるアクセスポイントの設置につきましては、同地域における利用企業の立地見込みや雇用効果などを勘案しながら検討してまいります。
続きまして、事業期間の延長についてお答えを申し上げます。
情報通信分野における技術の進歩は著しいものがあり、通信機器の高度化や通信システムの技術革新に対応するためには、3年をめどに事業の見直しを図る必要があると考えております。したがいまして、事業期間を平成19年度までとしていますが、それ以降の延長については、その時点での状況を踏まえながら対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) 旧軍飛行場用地問題につきまして、団体補償の具体的内容等につきましてお答えいたします。
団体補償は、各市町村や旧軍飛行場ごとに解決策を求めたいとする考え方であります。県は、個人補償は法的に根拠がないこと、個人補償では解決のめどが立たないこと、沖縄振興計画への位置づけを要望したこと等を根拠に、県政策会議において団体補償を解決策として推進することを基本方向として確認したところであります。
また、事業内容について、旧軍飛行場用地関係者に対する老人福祉事業等の福利厚生事業、人材育成や沖縄の特性を生かした観光関連事業等幅広い事業が考えられると調査検討委員会から一定の方向性が示されましたが、どのような事業を行うか、旧地主がどのような恩恵を受けられるか等については、各地主会の発意を前提に関係市町村とも協議の上で県に提出していただきたいと考えております。
地主会等との協議内容についてお答えいたします。
この問題については、地主会の間でもさまざまな意見や要望があり、特に「旧軍飛行場地主会連合会」に加盟する地主会からは、個人補償以外に解決策はないとの強い要望があります。しかしながら、個人補償での解決を要求することは、県議会や市町村議会を含め県民の総意として国に沖縄振興計画に位置づけて解決を図るよう要望したことと矛盾することになるものと考えます。
このようなことから、県政策会議において沖縄振興計画に位置づけられた背景や委託調査報告書を参考にしながら総合的に検討した結果、県は、団体補償を解決策として推進することを基本方向として確認しました。この考え方については、関係市町村や各地主会へ説明したところであり、今後とも各地主会とも協議を行い理解を得たいと考えております。
次に、石垣市議会の取り組みについてお答えいたします。
石垣市議会において旧軍飛行場用地問題に関する意見書を採択したことや、特別委員会が設置されたことは承知しております。当該特別委員会は、石垣市における旧軍飛行場用地問題等について調査研究し、その結果を議会に報告することとなっていると聞いておりますので、今後、県に資料提供等の依頼があればできる限り対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) まずもって、八重山署に過分のお褒めをいただきましてありがとうございます。署にとりましても大変励みになると思います。
それでは御質問の八重山警察署の警察官の増員についてお答えをいたします。
県下14警察署のそれぞれの定員につきましては、人口、世帯数、面積、行政区画、事件・事故の発生状況等の治安情勢に応じた配置を行っております。
県警では、毎年新たな治安課題への対応のほか、業務負担状況等を勘案し定員の見直しを行っているところであります。特に警察署については、住民に身近な警察事象への対応の重要性が高まっていることなどを踏まえ、全警察署の定員を増員してきており、平成17年度も八重山署を含め増強することとしております。
これまで増員された要員につきましては、交番、パトカー等に配置してのパトロール強化、少年犯罪等への対応、安全・安心なまちづくりの推進を担当する係など県民の身近で発生する犯罪の抑止と検挙によりその不安を解消し、治安の回復を図るための部署に配置をしております。
次に、署移転後の美崎町の警戒強化についてお答えをいたします。
八重山警察署所在地やその周辺にある美崎町の飲食店街につきましては、現在大川交番が管轄をしております。
大川交番管轄地域における事件・事故の発生状況やその負担状況、交番からの距離等の観点から、八重山警察署の新築・移転後におきましても現在の体制で十分対応できるものと認識しておりますが、美崎町の飲食店街は石垣市の歓楽街の中心であることから、今後ともパトカーの駐留警戒や徒歩によるきめ細かなパトロール等により安全確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○辻野 ヒロ子 ただいま御答弁いただきました。ありがとうございました。
再質問を2点ほどさせていただきます。
旧軍飛行場用地問題についてですけれども、個人補償を強く求める地主会の皆さんの声がある中で、県はやはり国への解決策を団体補償で求めていかれるようですが、大変厳しいものがあるような気がいたします。
そこで合意が前提でありますので、もっともっと地主会や市町村との連携・協議が必要じゃないかなということを考えますが、沖縄振興計画の中にも戦後処理の課題として位置づけられていることもあり、この問題解決にぜひ知事の見解をお伺いしたいと思います。
それから県立八重山病院の安定的医師の確保についてですが、脳神経外科が新年度途中までの確保、そして特に私も女性の立場から、来年度から産婦人科医のめどがついていない状況の中で、産婦人科医の稲福福祉保健部長にもラブコールしたいぐらい本当に厳しい状況にあります。八重山は多くの離島を抱えており、産婦人科は県立八重山病院のみなんですね。人口動態も年間出生数が約600人です、赤ちゃんが生まれるのが。そういう中で県は少子化対策を推進しているわけですから、安心して子供を産み育てる環境ができるようにやっていただくのが大事だと思います。妊婦はただでさえ不安な気持ちでいっぱいですので、そういう思いはさせたくありません。宮古・八重山から出かけて沖縄本島でお産をするにも経済的に大きな負担がかかります。ちなみに、昨年病気治療のために沖縄本島の病院で通院・入院をしていた八重山の小児患者が74人で、その保護者の経済的負担も大変なものです。
平井局長におかれましては、県立病院のこと、特に南部病院を含めて大変御苦労していらっしゃることは承知しておりますが、行政は継続です。ぜひ局長に任期中に一歩踏み込んで稲福部長と連携をとりながら、年度内または新年度早々にその医師の確保協議機関の設置を強くお願いしたいと思います。その決意のほどの答弁を求めます。
最後に、宮古・八重山圏域の医療行政についての切実な訴えにどのように対処していただけるのか、知事の見解を求めて私の質問を終わります。
よろしくお願いいたします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後3時33分休憩
午後3時35分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 辻野ヒロ子議員の再質問にお答えいたします。
旧軍飛行場の問題につきましては、早期に解決が図られるよう協議してまいります。
次に、宮古と八重山の離島の医療につきましても、これも私としても精いっぱい頑張っていきたいと考えております。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 離島医療におきます医師の確保というものは非常に大事なものでありまして、先ほども申しましたように琉球大学や医師会等関係機関と協議会の設置に向けて鋭意意見交換を行い、頑張っていきたいと思います。
以上でございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後3時37分休憩
午後4時3分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
前島明男君。
〔前島明男君登壇〕
○前島 明男 それでは通告に従い所見を述べながら一般質問を行います。
1、国連アジア本部の誘致について伺います。
かつてアメリカのケネディ大統領は国連総会の場で、「この地球にともに住む諸君よ。この各国の集会場を、われわれの足場としようではないか。そしてわれわれの時代に、この世界を正しい永続的な平和に向かって動かせるかどうかやってみようではないか」と呼びかけました。
国連創設60周年を迎えた今こそ、われら人民はで始まる国連憲章の精神を深くかみしめ、地球益と人類益に立脚した国連強化の道を開くべきときだと考えます。この絶好の機会を逃すことなく、世界の首脳が英知と信念を持って国連改革に取り組むことを強く願うものであります。
現在、国連にはニューヨークの国連本部のほかにジュネーブとウィーンに事務局が、ナイロビに事務所が置かれています。しかしながら、世界の人口の約6割を抱えるアジア地域に本部がないというのは、全くアジア軽視ととられても仕方がないのであります。そこで私は、戦争と暴力の20世紀において筆舌に尽くせぬ悲劇を味わったがゆえに、時代の転換を強く要求してきた沖縄こそが平和の島の候補地として最適であると考えます。
そこで、次の質問を行います。
(1)、国連機関の誘致のための行動計画はどうなっているか。
(2)、沖縄にはどのような機関がふさわしいと考えるか。例えば特殊病害虫関連や健康・長寿関連等はどうか。
(3)は、代表質問との関連で割愛いたします。
(4)、国連本部に沖縄出身者が何名働いているか。また、経験者は何名いるか。
琉球新報の2月19日の朝刊に、「中学生は全国で1人」、「国連英検A級に合格」との記事が出ております。大学卒業か社会人レベルで国際公務員になるための目安でもある国際連合公用語英語検定試験A級に合格したということは、非常に珍しくかなりの英語力だと関係者は驚きと同時に喜びを隠し切れません。合格された沖縄尚学高校附属中学2年生の知念藍さん(14歳)に心からおめでとうと申し上げたい。そして、所期の目的でもある国連の通訳官になって沖縄のためにも、さらに世界のために頑張ってもらいたいと期待をするものであります。また、多くの中・高校生が知念藍さんに続くことを願ってやみません。
(5)、沖縄に国連機関を誘致するための決定打は何だと考えるか。
大きな2番、税収増の計画について伺います。
国の政策による三位一体改革の実施によって各自治体はそれぞれ補助金、交付金がカットされ苦しい財政運営を強いられており、市町村によっては新年度予算を組むのに四苦八苦しているのが現状のようであります。今後、いかに自主財源をふやしていくかが大きな課題となっております。ここでは違法トラックを取り締まることによってかなりの税収アップにつながると同時に、排気ガスの抑制にもなることから、次のことについて伺います。
(1)、自己財源をどう伸ばしていく考えか、年次計画や数値目標があればお願いいたします。
(2)、各現場で白ナンバートラックが横行しているため営業用トラックが窮地に追い込まれていると聞くが、取り締まりはどうなっているか。
(3)、白ナンバートラックが使っている燃料は主に何か。実態を把握しているか。
(4)、全トラックが軽油を使うとすれば、燃油税の総額は幾らと予想されるか。
(5)、違法車両を徹底的に取り締まることによってかなりの税収増が見込まれると考えるがどうか。
大きな3番、第46回米州開発銀行年次総会について伺います。
世界47カ国から5000名余の要人が来沖されるこの機会を絶好のアピールの機会ととらえ、全県民挙げて最高の歓迎をして、何が何でも絶対に成功させるんだという意気込みが必要だと考えます。沖縄のよさを売り込むためには、まずは安全で安心できる島だということを知ってもらうこと、そのためには警備に万全を期すことであります。
さらに、衛生的で緑と花いっぱいの快適な生活環境であること、そのためには各市町村が環境美化に全力を注ぐことであります。そして「イチャリバチョーデー」のホスピタリティーをいかんなく発揮して大いに国際交流を深めていくことだと考えます。
先般、準備委員会のメンバーと意見交換会を持ちましたので、ある程度内容は把握できましたが、一、二点確認のために次のことを伺います。
なお、(1)、(2)、(4)、(5)は代表質問の中で説明がありましたので割愛いたします。
(3)、各市町村の取り組みはどうなっているか。
(6)、自衛隊基地斜面の美化計画はどうなっているか。また、軍港側の美化計画はどうなっているか。
大きな4番、国境問題について伺います。
尖閣諸島の領有権をめぐる問題につきましては、国益、県益を守る観点からも非常に重要であると考えております。国際法上もサンフランシスコ平和条約において、南西諸島の一部として日本の領土であることが明白になっております。しかしながら、中華人民共和国政府と台湾当局は、東シナ海大陸棚の石油開発の動きが表面化するに及び初めて尖閣諸島の領有権を主張しております。このことは我が県にとってもゆゆしき問題であり、看過できるものではないことから、次のことを伺います。
(1)、日中間で国境問題がごたごたしているが、根本原因は何か。また、解決方法は何か。
(2)、日本が主張する排他的経済水域近辺に中国企業がガス田鉱区を設定したとの情報があるが、詳しいことがわかっていれば教えてください。
(3)、国境警備について具体的な説明をしてください。
(4)、国土面積について伺います。
ここで私が主張したいのは、国家に貢献しているのは何も米軍基地の75%を提供しているだけではありません。国土防衛や水産資源、さらには鉱物資源の確保という面からも沖縄県が持つ排他的経済水域の役割は非常に大きいものがあります。よって、特別調整交付金やあるいは国連アジア太平洋本部の誘致、那覇空港の平行滑走路、浦添西海岸の開発等にしても堂々と要求すべきだとの考えからであります。
ア、復帰前と復帰後ではどう違うか。これは排他的経済水域の比較でございます。
イ、復帰による国域の拡大に伴う貢献度ははかり知れないものがあると思うがどうか、知事の御所見を伺います。
大きな5番、教育問題について伺います。
絶対に起きてはならない殺人事件がまた学校現場で起きてしまい、何ともやりきれない気持ちでいっぱいです。
2001年6月の大阪教育大附属池田小学校の児童殺傷事件はいまだ記憶に新しいことと思います。傷のいえないうちにまた同じことが――今回は先生が亡くなったわけですが、警察庁の調べでは、2003年に学校で発生した刑法犯件数は約4万6700件、そのうち殺人事件は6件、小学校に侵入して児童の生命、身体に危険を及ぼす可能性があった事案は22件も発生。重大事件に結びつきかねない住居侵入も2660件と1999年の2倍以上に達しているとのこと。どうして何の罪もない無邪気なかわいい子供たちがなぜ危険な目に遭わなければならないのか、全く腑に落ちません。我々大人はこれまで何をしてきたのだろうか、自問自答せざるを得ません。皆が英知を絞り協力し合えば絶対に防げるはずです。行政、学校、PTA、自治会、警察など、皆で地域の子供たちは地域で守り育てるとの意識を醸成することが最も重要であると考えます。そうすれば事件・事故は必ず防げるものと確信いたします。
そこで次のことについて伺います。
(1)、学校内における安全の確保についての対策はどうなっているか。
(2)、学校外(登下校時)における安全の確保についての対策はどうなっているか。
(3)、国連の役割について義務教育の中でどのように教えているのか。
(4)、教育長として国連アジア本部の沖縄誘致と平和構築をどのように見ているのかを伺います。
大きな6番、我が会派の代表質問に関連して伺います。
糸洲朝則議員の代表質問に関連して質問いたします。
国連アジア太平洋本部を誘致するに当たって、まずJPO経験者を採用して国連機関誘致へ向けた特命を与えてはどうかとの質問に対し、誘致の可能性調査もやったし、国際会議等の環境づくりが先で国の理解と協力がなければ難しいとの答弁だったと思いますが、それでは余り意欲が感じられません。何といっても県自体がやる気を見せない限り国はちょっとやそっとのことでは動かないと思います。
そこで、国連勤務経験者を正職員としてでなくてもよいですから、嘱託職員として数年間採用してアジアの国々との交流を積極的に進めることや、県内の小・中・高校生への国連の重要性を体験談を通して教えるなど、いろいろな雇用効果が期待できるものと考えます。
私ども公明党は、国連アジア太平洋本部を沖縄へ誘致することが、沖縄から平和を世界へ発信できることによって沖縄の米軍基地も整理縮小され、平和で安全な島が構築できるものだと確信しております。今こそ日本が、そして沖縄がアジアに対して大きく貢献すべきときだと考えるからであります。
そこで、知事の意欲のある、やる気のある御答弁を期待しております。
御答弁の内容によっては再質問をさせていただきます。
○知事(稲嶺惠一) 前島明男議員の御質問にお答えします。
まず、自己財源をどう伸ばしていく考えかについてお答えします。
県では、「新沖縄県行政システム改革大綱」において、平成17年度までに県税徴収率を96%台に引き上げることを目標に掲げております。
自主財源の柱である県税収入の確保としましては、税への理解と自主納税の推進を図るとともに、課税の適正を期し滞納処分など適切な法的措置の強化等を行い、厳正公平な税務行政の執行になお一層努めてまいりたいと考えております。さらに、自主財源の拡大を図っていくため、中長期的には本県経済の活性化に結びつく産業振興施策の推進により税源の涵養を図っていく必要があると考えております。
次に、復帰による国土の拡大についてお答えいたします。
東西1000キロ、南北400キロの広大な海域に大小160の島々から成る本県は、経済水域や海洋資源の確保等国の国土保全に大きな役割を果たし、国益の増進に寄与していると考えております。
このような広大な海域を有する本県の地理的特性は、沖縄振興特別措置法における特別措置の根拠の一つとされており、その重要性は国においても認識されております。県としても、今後とも本県の地理的特性の重要性を踏まえながら、海洋資源の利活用、離島の振興等県勢の発展に努めてまいります。
次に、国連本部への人材派遣と国連経験者の県への採用についての御質問に一括してお答えいたします。
国連機関等の誘致に向けては、国の理解を求めるとともに国際会議等の開催・誘致を図り、国際交流拠点としての環境整備を図ることが重要であると考えております。環境整備を図る中で必要な人材育成の取り組みについても検討してまいりたいと思います。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(花城順孝) それでは、国連機関誘致のための行動計画についてお答えいたします。
県は、国連機関を誘致するための行動計画については特に策定をしておりませんが、平成13年度から誘致可能性等の調査検討を行っております。
この中で、国連機関等の誘致については国の政策的位置づけが必要であることや受け入れ側の地元負担、国際航空路線等の交通ネットワーク拡充、機関受け入れに向けた環境整備などの課題が上がっております。今後、これらの課題を一つ一つ解決していくことが国連機関等の誘致につながるものと考えております。
次に、沖縄にどのような機関を誘致することがふさわしいと考えるかにお答えします。
県は、地域特性を生かしたアジア・太平洋地域の平和と繁栄に寄与する交流拠点の形成を基本方針として国際平和や国際貢献、地球環境保全等に関連した国連機関を含む国際機関等の誘致を目指しております。
御提言の特殊病害虫や健康・長寿関連については、本県の地域特性を生かした交流拠点の形成に資することができることから、県としても今後調査検討してまいります。
次に、本県出身者で国連本部に勤務あるいは勤務経験者がいるかという御質問にお答えします。
県は、国連本部に勤務している本県出身者等の実数については把握しておりませんが、現在、国連本部に本県出身者がお1人在職していることは確認をしております。また、過去において同本部に勤務していた方がお1人いたと聞いております。
次に、国連機関誘致を実現するための決定打についてお答えします。
国連機関の設置は一義的には国連側の意向に基づいて日本政府が受け入れるものであり、国の政策的な位置づけが必要となります。県としては、引き続き環境整備のあり方を検討するとともに、国の理解が得られるよう働きかけてまいります。
次に、排他的経済水域についてお答えします。
我が国の排他的経済水域は、平成8年に「海洋法に関する国際連合条約」が批准されたことに伴い、同年制定された「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律」により定められております。その水域は礼文島、南北大東島、沖ノ鳥島などの周辺海域を含む国土面積の約10.7倍に当たる約405万平方キロメートルの広大な水域となっております。本県水域を所管する第11管区海上保安本部が担任する水域は、北限の硫黄鳥島から南・北大東島、与那国島に至る約36万平方キロメートルとなっております。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 税収増の計画の白ナンバートラックの取り締まりについてお答えいたします。
軽油引取税は、道路財源に充てるために軽油の消費量に応じた負担をその消費者に求める目的税であります。しかし、軽油は混和・製造が容易であることなどから、不正に軽油を製造し軽油引取税を脱税する事案が多くあります。そのため、県では関係機関との協力のもと、全国一斉路上抜き取り調査のほか、給油所や工事現場、トラック保有事業者等において燃料抜き取り調査を実施し、不正軽油の製造・販売、使用の防止に努めているところであります。
平成16年度の調査実績では、抜き取り検査回数86回、監視・尾行等の内定調査224回を実施、265本の検査サンプルを採取し、更正決定などにより約200万円を課税徴収しております。
次に、白ナンバートラックの燃料について。
トラックなどのいわゆるディーゼル車の燃料は、自家用・営業用を問わず一般的に軽油となっておりますが、軽油に灯油やA重油を混和しても運行できることから、このような不正軽油を使用し運行している実態があります。
なお、このような軽油を使用する場合は、地方税法上は県税事務所の承認をあらかじめ受けて軽油引取税を納付することにより使用が可能であります。
県は、不正軽油を防止するため調査を実施しておりますが、特に白ナンバートラック、営業用トラックを区別しての調査は実施しておりませんので、白ナンバートラックの燃料の実態を把握するのは困難であります。
次に、全トラックが軽油を使用した場合の税収についてお答えいたします。
平成17年度の軽油引取税の税収額は約85億円を見込んでおり、大きなウエートを占める税目となっております。軽油は、トラックのみならずバスやその他のディーゼルエンジン車両全般に使用されていることから、全トラックが適正軽油を使用した場合の税収総額がどの程度になるかについては算定することは困難であります。
続きまして、違法車両に係る軽油引取税の税収についてお答えいたします。
不正軽油の製造・販売による脱税事案は全国的な問題となっていることから、平成16年度税制改正において罰則規定が大幅に強化されたところであります。
本県では、悪質事案や広域事案に対処するため平成10年度から「軽油引取税特別調査チーム」を設置し、調査体制の強化を図っております。また、平成16年4月には不正軽油の排除を目的として県警、行政、トラック協会及び石油商業組合、建設業協会などの民間団体で構成する「不正軽油防止対策連絡協議会」を設置したところであります。
今後とも、軽油引取税の脱税防止のため引き続き燃料抜き取り調査や関係機関等との連携を図りながら不正軽油の防止に努め、税収の確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、IDB沖縄総会に向けた各市町村の取り組み状況はどうかとの御質問にお答えいたします。
主な取り組みとして、読谷村では、IDB沖縄総会読谷村推進会議主催による座喜味城址交流行事が計画されており、浦添市では、IDB沖縄総会開催記念事業として浦添市や民間団体等で構成する実行委員会主催の海のシルクロード展が開催されます。また、 沖縄市では、協賛事業として琉球交響楽団のコンサートが開催され、那覇市では「てんぶす那覇」前にラウンジを設置し、IDB総会参加者と県民との交流が図られることとなっております。
さらに、美ら島環境美化推進県民連絡会議からは、全市町村に対しクリーンアップ事業への協力依頼をしたところであり、多くの市町村で取り組みが行われております。
次に、自衛隊基地斜面及び軍港の美化についてお答えいたします。
自衛隊基地斜面の美化計画について、陸上自衛隊第一混成団において総会直前に自衛隊基地内の除草や清掃、高低木の剪定等を行うとのことであります。
また、那覇軍港側については軍の規定等もあり頻繁に行われており、今後とも清掃活動は継続して行い、総会前の美化に関しては特段の注意を払うとのことであります。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 日中間の国境問題についてお答えいたします。
本県の行政区域であり我が国の領土である尖閣諸島について、中国、台湾当局が領有権を主張している事実があります。
御承知のとおり、尖閣諸島は本県石垣市の行政区域として明治42年には約250名の住民がおり、かつおぶし等の生産活動を行ってきた歴史を有する我が国の領土であります。
中華人民共和国政府の場合も台湾当局の場合も1970年後半、東シナ海大陸棚の石油開発の動きが表面化するに及び初めて尖閣諸島の領有権を問題とするに至ったものであります。
領土問題は、国家主権にかかわる重要な問題であることから、今後とも引き続き国に対して尖閣諸島の領有権に関する我が国の毅然とした立場を示すとともに、実効支配を強化するよう申し入れていきます。
次に、国境警備についてお答えいたします。
国境警備とは、国と国との境目である国境における警備のことであり、陸上にある場合と海上にある場合とがあります。陸上にある場合は、ゲートのある地点でのみしか往来ができないようにし、パスポートのチェックが行われております。海上にある場合には、沿岸警備隊等が領海内で密輸船・密漁船等の不審船の取り締まり等を行っております。
本県に係る国境警備については、第11管区海上保安庁が巡視船15艇、監視取締艇2艇、航空機11機等でその任に当たっております。
○商工労働部長(伊川征一) 中国企業のガス田鉱区設定についてお答えいたします。
日本が主張する日中中間線付近の中国側で中国が天然ガス田を開発していることは承知しておりますが、日本の排他的経済水域内において中国企業が鉱区を設定したとの情報については確認できておりません。県としては、引き続き情報の収集に努めてまいりたいと考えております。
○教育長(山内 彰) 学校内の安全確保についてお答えいたします。
各学校においては、危機管理マニュアルに基づき不審者侵入対策がなされております。具体的には校門の施錠、来校者の受け付け及びネームプレート等の着用、教職員による校内巡視活動、緊急時の連絡体制の整備などが講じられております。しかしながら、学校の安全確保は学校内の取り組みだけでは厳しい状況にあることから、公共の場は公共の目で守るという視点で警察及び関係機関との緊急安全会議を持ち取り組みを確認するとともに、地域の警察や関係団体に要請して学校周辺のパトロールや防犯訓練など、安全対策の強化に努めるよう依頼したところであります。
次に、登下校時の安全対策についてお答えいたします。
登下校時の安全確保については、現在、多くの地域において学校職員、PTA、地域ボランティア及び警察などが連携した通学路の立ち番活動、巡視・巡回活動、市町村の広報車等による啓発活動等が継続して実施されております。
特徴的な事例として、石垣市の地域老人クラブによるシルバーモーニングサービスや那覇市のPTA園芸ボランティアによる見守り活動、コンビニエンスストアと連携した「太陽の家」の活用など、地域の実情に応じた取り組みがなされております。
また、児童生徒による集団登下校や地域安全マップを作成する活動を推進し、防犯意識の高揚に努めております。引き続き関係機関・団体と連携し、児童生徒の安全確保に努めてまいります。
次に、国連の役割と沖縄誘致についてお答えいたします。一括してお答えします。
国連の役割については、小学校6年生の社会科と中学校3年生の社会科の公民的分野で指導がされております。小学校では、ユネスコやユニセフの活動として発展途上国へ学校を建てるなどの教育を広める役割や、世界各地で起こっている紛争に巻き込まれ、病気やけがをした子供たちを守る活動などが指導されております。中学校では、世界の平和と安全を守る活動として安全保障理事会の役割や平和維持活動について理解させ、協力しようとする態度の育成を図っております。
また、国連機関の誘致などについては、国際性に富む人材の育成や平和教育の視点から意義があるものと考えております。
以上でございます。
○前島 明男 それでは一、二点だけ再質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず、国連のアジア本部誘致についてなんですが、先ほど企画開発部長の答弁では、国の政策、位置づけが必要だと。それは当然のことであります。そして環境整備が重要になってくるということなんですが、その環境整備というのはやはり沖縄県が本当にやる気があるというところを見せない限り国は動かないと思うんですよ。ですから先ほど申し上げましたように、JPOの経験者を配置して積極的に県としてもアジアとのいろんな交流を盛んにやっていくということで、ああ、県が本当にやる気があるんだなというところを見せる必要があると思うんですよ。
環境整備には空港の整備だとかいろんなこともあると思いますけれども、やはり何といっても県が本当に真剣になってこの問題に取り組めば国も動かざるを得ないというふうに思うんです。
ちなみに、国がアジアにODAとして資金援助あるいは技術協力・援助をやっておりますけれども、何と2002年には1183億円、これは無償資金協力と技術協力ですね。両方合わせて1183億円、2002年ですね。そして2003年には両方で資金援助と技術協力で約1212億円も援助したわけですね。ですからその辺から考えても、アジア本部を設置させたとしてもその中のわずか0.何%かで資金は足りるはずなんですよね。ですから私は何といっても県の姿勢が大事だということを申し上げたいというふうに思います。
それと、先ほど排他的経済水域の件をちょっとお話しましたけれども、(資料を掲示) これは国土交通省の海上保安庁から得た資料なんですが、この紫色で彩られたところが排他的経済水域なんですが、大まかに計算しましても約3分の1弱ぐらいは沖縄が復帰してそのおかげでこの排他的経済水域がふえたということになるわけなんですね。そういう面からしても貢献度もかなり大きいわけですから、国の方に当然要求すべきは要求してもいいんではないかというふうなことを申し上げたいというふうに思います。
2点目に、教育長、子供たちの安全の件で御答弁いただきましたけれども、危機管理マニュアルをつくっていろいろやっておられるわけなんですが、それでは私は不十分じゃないかと、必ずしも十分じゃないと私は思っております。
と申しますのは、特に小中学校では校長、教頭先生は授業は持ってないわけですけれども、ずっと学校の見回りをするというわけにはいかないと思うんですよね、それぞれの職務があるわけですから。となると、その辺で手落ちが出てくるんじゃないかと。石川県の金沢市のある小学校で、学校に常駐の警備員を配置して出入りをチェックしているというところがテレビで映し出されておりましたし、その他の他府県でもそういうこともやっておりますので、中学校、高校にしてもそうだと思うんですが、やはり先生方では十分監視できない面が出てくるんですよね。ですからその辺は私はやはり子供たちの命を守るという面では、これはお金をかけてもいいんではないかというふうに思います。
命というのは地球よりも重いとよく言われますけれども、本当に失ってしまえば取り返しがつかないことになるわけですから、ぜひともその辺はまた知事部局とも十分相談をしていただいて、学校にそういう警備員が配置できるような体制をとっていただきたいというふうに思います。
それを要望して私の一般質問を終わります。
○企画開発部長(花城順孝) 国連機関等誘致について、県の取り組みについての再質問にお答えします。
国連機関の誘致に向けては、国の理解というのがまず一つ大事であります。国がそういう国連機関誘致に向けた取り組みが行われるような客観的な状況の変化というものを県としても待たなくてはいけないし、そういう状況に的確に対応できるような環境整備に日ごろから取り組んでいくと、こういうことが非常に基本的に大事だと思っています。
県としても国際交流拠点として沖縄を位置づけていこう、形成していこうと、こういう大きな取り組みをしておりますので、当然その中で国際機関等の誘致というのは非常に大きなファクターになると思います。そういった意味で人材の育成等も含めて一つ一つ課題解決のために一生懸命取り組んでいきたいと思っております。
○嶺井 光 春3月、きょうは高等学校の卒業式がありました。若者たちがしっかりと巣立って、また後々沖縄を背負ってほしいなとエールを送りたいと思っております。
今週の金曜日から女子プロゴルフの開幕戦が行われます。ダイキン・オーキッド・レディースゴルフトーナメント、場所は琉球泡盛「多良川」の瓶詰工場がある玉城の琉球ゴルフクラブであります。
今、宮里藍選手が世界の舞台で大活躍であります。どうか今週末は皆さん、琉球ゴルフクラブに出向いてみんなでしっかり応援をしたいものであります。
最近、地産地消が随分話題、そして普及もしつつあります。玉城・奥武島には新鮮な魚がいっぱいあります。いまいゆ市場、そしてモズクてんぷら、モズクそば。この奥武島から那覇に向かっていく県道48号線沿いに3つの農産物直売所があります。奥武島入り口に「花野果村」――お花の「花」、野菜の「野」、果物の「果」――「花野果村」であります。少しまた那覇方向に行きますと、冨名腰地域に「むちゆし市」とあります。農家の皆さんが持ち寄って集まる市場と。さらにもう少し那覇方向に行きますと大里の稲嶺――昔、軽便鉄道があったようであります――「軽便市」があります。そういうふうに随分農産物、農業者も頑張っております。皆さんでぜひ御支援をお願いしたいなと思っております。
それでは通告に従い一般質問をいたします。
1、防災対策について。
地震等の自然災害の対策についてであります。
災害は忘れたころにやってくると言われるように、平穏な生活をしているところに突然に猛威を巻き起こし被害が甚大なものとなります。特に地震等は予測もできないものであり、万一遭遇した場合の迅速な対応が求められます。全国的には、被災に遭った地域を中心に住民の危機意識も高いようであります。ところが、本県にあっては対岸の火事として見ているように思えてなりません。地震発生の可能性は本県も有数の危険地域と言われております。
そこで4点伺います。
ア、本県における自然災害に対する危機管理について、阪神大震災や新潟中越地震の教訓をどのように生かすのか伺います。
イ、住民の安全を守るためには市町村の役割も重要となってまいります。県・市町村の連携、防災業務の指導・支援はどうなっているか伺います。
ウ、住民に対し、昨今の災害に対する危機意識があるうちに防災意識の高揚を図ることが必要であると考えます。その対策はどのようにしますか。
エ、被災者の住宅再建への公的支援あるいは自助努力には限界があります。そこで兵庫県では震災で培った助け合いの精神を住宅再建共済制度として震災の教訓を生かすそうです。本県のユイマール文化に似た共助の仕組みであり、すばらしい制度だと思います。県の考えを伺います。
次に、福祉問題について。
(1)、母子家庭等の支援の充実について。
厚生労働省の調査によると、2003年、母子家庭の数が122万世帯、過去最多となっております。
近年、離婚の急増など母子家庭等をめぐる状況が変化する中で、母子家庭の自立支援を図りながらその児童の健全な成長を確保することが重要な課題となっております。母子家庭における働いている母親の雇用形態は臨時・パートが5割を占め、平均年収も一般世帯の約589万円に対し3分の1しかないと言われております。こうした状況を受けて母子家庭等に対する生活支援策の充実、就業支援策の強化等総合的な自立支援を推進するため関係法令が改正されました。
昨今の厳しい経済情勢の中で生計を1人で担わなければならない母子家庭の母にとっては就業面で一層不利な状況に置かれており、その生活も厳しいものとなっております。
現在の暮らしについても、国民生活基礎調査によると81.7%の母子世帯が非常に苦しい、あるいは苦しいと感じております。
母子家庭等の母の就業の支援に関する特別措置法等による施策、母子家庭等の支援について伺います。
ア、安心して子育てと仕事を両立できるよう保育所の優先入所、公営住宅への優先入居等、母子家庭等日常生活支援策はどうなっているか伺います。
イ、公共的施設における雇用促進等、母子家庭の経済的な自立を図る就業支援策について伺います。
ウ、母子家庭の母の就業を促進するため、国、県、公共的機関の物品及び役務の調達の場合、母子福祉団体等への受注機会の配慮をすべきと思うが、県の考えについて伺います。
エ、母子家庭等に対し、医療費の一部を助成している母子家庭等医療費助成事業の給付方法を償還払いから現物給付制度に変更できないか伺います。
オ、母子福祉資金貸付制度の利用状況について伺います。
3、農林水産業の振興について。
県は、平成17年度重点施策の中で、地域特性を生かした農林水産業の振興により「おきなわブランド」の確立と生産供給体制の強化を図ることとしております。
まず、琉球在来豚「アグー」のブランド確立についてであります。
近年、食肉に対するニーズも多様化し、安全でおいしい豚肉を求める消費者指向にこたえるため、肉質に特徴のある品種を利用して銘柄豚として差別化を図る傾向にあります。本県には「アグー」の特性を生かし、銘柄豚として高品質の食肉を供給できる可能性があります。産地間競争で優位に立ち、養豚農家の経営安定化を図るためには早急な取り組みが必要であります。
ア、琉球在来豚「アグー」の純粋種を保存するためには、効率的な繁殖技術や試験研究が必要と思うが、どのように取り組んでいくか伺います。
イ、おきなわブランド豚として確立するには育種研究・保存、生産体制、流通販売等取り組むべき課題が考えられます。これらの課題にかかわる機関が連携する活動組織の立ち上げが必要と思うがどうか。
ウ、高品質で安定した経済性の高いブランド豚を生産するには、拠点産地化し、生産者育成や指導体制を構築する必要があると思うが、県の考えを伺います。
エ、おいしい在来豚「アグー」の肉質等の特性について消費者へのアピールをどのように広めるか。
次に、生産基盤の整備について。
本県は、復帰後3次にわたる振興策によって農地の圃場整備は進んでおります。しかしながら、畑地かんがい等農業用水の確保が課題として残っております。南部地域は農産物の供給地として重要な役割を担っており、生産基盤の整備等により安定的な生産供給体制を確立する必要があります。県土の均衡ある発展の観点からも、南部地域の振興策の一つとして農業用水確保を県の重要施策として取り組んでいただきたい。
ちなみに、大里村にある大城ダムは昭和33年ごろに貯水能力30万トンの水田用として建設されました。ところがサトウキビへの転作により余り使用されておりません。でも最近は野菜や観葉植物等の栽培が盛んになり、大城ダムの役割が見直されております。既存の施設を十分に活用したかんがい施設の整備に取り組むべきだと思います。
県の農業政策について伺います。
ア、南部地域における農業用水の現状と県計画について伺います。
イ、都市再生処理水による農業用水源確保の事業見通しについて伺います。
ウ、大城ダムの活用について伺います。
4、多様な人材育成と文化の振興について。
(1)、学校教育の充実について。
ア、児童生徒の発達段階を踏まえ、学習・生活習慣が十分に身についていない小学校低学年の少人数学級を単学級の学校まで拡大できないか、県の考えを伺います。
次に、本県の不登校児童生徒は、関係者の努力によって4年連続減少となっております。しかしながらその数はまだ1500人を超えており、憂慮される状況にあります。このような中、平成17年度予算を見ると、スクールカウンセラー配置事業、生徒のやる気支援事業、スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業、巡回教育相談配置事業等の予算が軒並み減額されております。
不登校は数の上では改善されておりますが、予備軍とも言うべき子供たちもいると聞きます。したがって、学校現場の職員体制や支援の強化は重要であります。
イ、不登校や生徒指導上の諸問題への対応は十分にできるのか伺います。
ウ、本県は不登校の態様として中学校の遊び・非行型の割合が高いのが特徴だと言われております。それに対する取り組みを伺います。
次に、ゆとり教育の見直しについてであります。
学力低下の問題で学習指導要領の見直しが浮上しております。「総合的な学習の時間」を生み出すために授業時数が削減されたのが原因としておりますが、学力低下は学力をどうとらえるかによると思います。単に知的能力だけではなく、知・徳・体の調和のとれた総合された力としてとらえるべきだと思います。
学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身につけさせることはもちろん大切ですが、それは授業時数だけで解決できるものではなく、授業内容の工夫改善等によって成果が得られるものだと思います。むしろ「総合的な学習の時間」は、ゆとりの中で豊かな体験をさせるための教育、これは推進すべきだと考えます。
このような中で「総合的な学習の時間」は、教科書もなく、学校現場において教員が手探りで全体計画から実施までの準備に時間をかけて、ある意味オリジナルの教育をしているわけであります。子供たちが将来自己実現を図るための能力を高めるためにはさらに「総合的な学習の時間」を支援し、現場の体制を充実させるべきだと思います。
エ、「総合的な学習の時間」を効果的に実施するための職員体制の強化と地域等との連携構築をどのようにするのか、県の考えを伺います。
(2)、史跡整備保存事業の充実について。
玉城村では、国指定史跡・糸数城跡、玉城城跡の適切な保存と一層の活用を目指して史跡整備保存事業に取り組んでいるところであります。昭和61年度から実施している糸数城跡保存修理事業は、毎年の事業費が少なく遅々として進まない状況であります。
また、玉城城跡については、終戦後、米軍施設の建設資材として城壁の石積みが取り壊された戦争被害の1件であり、戦後処理問題としてとらえる必要があります。琉球開闢神アマミキヨによって築城されたと言われ、琉球王国時代には東御廻いの巡礼聖地とされております。昭和62年に国指定史跡となり、指定面積2万3030平米すべてを国庫補助事業で公有化し、保存修理事業の採択を待ち続けてきました。そして平成15年・16年度に「玉城城跡整備実施計画」を策定し、万全な体制でおります。グスク群が世界遺産となり、観光の対象としても関心が高まっております。沖縄独特の観光資源としての価値や期待も高く、観光をリーディング産業とする本県の自立型経済に貢献する環境整備の面からも急ぐべきだと思います。
ア、国指定玉城城跡の保存修理事業の事業化について伺います。
イ、糸数城跡保存修理事業の事業費の増額について伺います。
5、観光振興について。
国においては「観光立国行動計画」を策定し、観光振興に向けたさまざまな取り組みを官民一体となって推進しております。本県においても沖縄振興計画のもと、多様なニーズに対応した通年・滞在型の質の高い観光・リゾート地形成の実現に向け、「第2次沖縄県観光振興計画」の作成に取りかかっております。1次計画の実績や進捗状況、情勢等を踏まえどのように諸施策を推進していくか。
(1)、文化交流型観光等について。
ア、佐敷町のシュガーホールは、全国的にも誇れる立派な音楽ホールです。第2次観光振興計画の中でどのように生かすのか県の考えを伺います。
イ、健康・保養型観光については、第1次計画で取り組んだモデル事業をどのように具体化していくのか伺います。
ウ、沖縄振興計画は「平和で安らぎと活力のある沖縄県の実現」を目標としております。平和について観光施策でどのような展開をするか伺います。
6、郵政民営化について。
本県は多くの離島を抱えており、これらの地域においては郵政事業と住民生活は極めて密接な関係にあります。県内には201の郵便局があり、そのうち約3割に当たる57が離島・過疎地域であります。
ア、民営化になると離島・過疎地域で郵政事業のサービス低下が懸念されます。県はどのような対応をしているか伺います。
よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 嶺井光議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、「アグー」への取り組みについてのお答えでございます。
琉球在来豚「アグー」については、脂肪に風味があり、肉質がすぐれているなど消費者の評価が高く、生産拡大が期待されております。しかしながら、「アグー」については近親交配による繁殖性の低下、産子数の減少等経済的生産の面で課題があります。このため、県においては平成17年度新規事業としておきなわブランド豚作出事業により効率的な交配技術、受精卵移植技術の確立及び繁殖能力の向上を図るなど、ブランド豚の作出に努めてまいります。
次は、郵政民営化に対する対応についての御質問にお答えをいたします。
本県には多くの離島・過疎地域があり、これらの地域においては郵政事業と住民生活とは極めて密接な関係にあり、民営化により郵政事業のサービス低下を来すことがあってはならないと考えております。現在、政府において法案化に向けた準備を進めているところですが、離島・過疎地域における郵政事業のサービス確保に関し配慮がなされる方向で調整されていることについては一定の評価をいたしております。県としては、政府における調整を注意深く見守りつつ、離島・過疎地域における郵政事業のサービス低下を来すことがないよう適宜国へ働きかけていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 阪神大震災及び新潟県中越地震を踏まえた本県の防災体制についてお答えをいたします。
県では、平成7年の阪神・淡路大震災の教訓を受け、県地域防災計画に地震編を新設しました。また、情報の収集・伝達が重要であるとの教訓から、大規模地震にも耐え得る県総合行政情報通信ネットワークや県防災情報システムを構築し、各市町村及び消防本部等への地震・津波警報等の情報伝達体制を強化しました。新潟県中越地震の教訓としては、1つ目に離島・僻地などにおける情報途絶の防止対策及び被災住民の救助体制の整備、2つ目に災害対策本部の的確かつ迅速な運営、3つ目に防災拠点となる公共施設の耐震化の推進、4つ目に市町村間の災害時応援協定の締結促進、5つ目に災害時における備蓄の確保及び救援物資等の受け入れ体制の整備等があります。県としては、市町村防災担当部局及び防災関係機関との連携をより一層密にし、これらの課題等について取り組んでいきたいと考えております。
県、市町村の連携及び防災業務の指導・支援についてお答えをします。
災害対策基本法によれば、一義的には市町村が主体となり、災害予防、災害応急対策、復旧・復興対策を行うことになります。県は、市町村の防災業務の実施を助けるとともに、総合調整を行う責務があります。災害時には情報の収集伝達が重要であることから、平成15年度に沖縄県防災情報システムを構築し、県と市町村間の防災体制を強化しました。また、市町村地域防災計画の見直しの指導等を行うとともに、市町村と共催で総合防災訓練の実施を通して防災意識の高揚、防災体制の点検、防災関係機関の協力体制の充実・強化を図っております。
次に、防災意識の高揚を図るための対策についてお答えをいたします。
県では、住民の防災意識の高揚を図るため市町村と共催で総合防災訓練を実施するとともに、沖縄気象台と共催で防災気象講演会を実施、また今年の1月には地震・防災セミナーを開催し啓発を図ってきたところであります。平成17年度の総合防災訓練においては、スマトラ沖地震の教訓を踏まえ、観光客や海水浴客等の津波避難訓練の実施を検討しております。
次に、被災者の住宅再建への共済制度についてお答えをいたします。
兵庫県の被災者住宅共済制度は、未曾有の大災害となった阪神・淡路大震災の教訓を生かして創設された制度であり、意義のある制度であると考えています。国においては昨年の4月に被災者生活支援法を改正し、現行の生活再建支援金の100万円に加え、建てかえ、補修にかかる解体・撤去費などの周辺事業の経費等について最高200万円の支援を行う居住安定支援制度を創設しております。県としては、自然災害被災者への住宅再建等の支援に際して当面、同制度等を活用して被災者の安定した居住の確保に努めていく考えであります。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 母子家庭等への日常生活支援策についてお答えいたします。
母子及び寡婦福祉法には、保育所への入所に関する特別の配慮や公営住宅の供給についての特別の配慮が規定されております。現在、市町村においては母子家庭等の保育所入所申請に際して優遇措置をとっております。また、県営住宅の入居に際しては優遇措置を講じており、8市町村においては公営住宅の入居時に優先的な選考等が行われておりますが、未実施の市町村に対しては母子家庭等への特別な配慮について周知徹底を図ってまいりたいと考えております。さらに、母子家庭等が一時的に家事援助や保育サービスが必要となった場合には、家庭生活支援員を派遣するなどの母子家庭等日常生活支援事業を実施しております。
続きまして、公共的施設における雇用促進等の就業支援策についてお答えいたします。
母子及び寡婦福祉法においては、母子家庭の母の雇用の促進を図るため職業訓練の実施、就職のあっせん、公共的施設における雇い入れの促進等の措置を講ずるよう努めることとしております。県としましては、2月1日付で県母子寡婦福祉連合会に母子家庭等就業・自立支援センター事業を委託し、就業相談員としてハローワーク勤務経験者を配置しております。これにより母子家庭の母等への就業相談活動や市町村への就業に係る巡回相談、公共的施設での雇用の確保等を行い就業支援策を推進してまいります。
また、母子福祉団体に対しましては、養成しましたヘルパーを活用しての居宅介護等事業の起業化や新たな雇用の場の創出についても検討を促しているところであります。
次に、国、地方公共団体等における母子福祉団体等への受注機会の配慮についてお答えいたします。
平成16年11月に施行された地方自治法施行令の一部改正により、地方公共団体における随意契約の適用範囲に母子福祉団体等が行う事業や役務の提供が規定されております。県としましても、母子福祉団体等が提供できる事業等の積極的な活用について市町村及び関係団体等に周知を図っていきたいと考えております。
次に、母子家庭等医療費助成事業の現物給付への変更についてお答えいたします。
母子家庭等医療費助成事業を償還払いから現物給付制度に移行した場合は、現物給付の対象者の割合が国民健康保険全加入者の1%を超えると療養給付費等負担金及び財政調整交付金が減額される仕組みとなっております。平成14年度の実績から試算しますと、52市町村中48市町村が減額対象になるものと推察されます。現物給付制度への移行につきましては、実施主体の市町村の意向を踏まえ検討する必要があると考えております。
続きまして、母子寡婦福祉資金貸付金の利用状況についてお答えいたします。
母子寡婦福祉資金貸付制度は、母子家庭や寡婦等の経済的自立と生活意欲の助長を図り、あわせて児童の福祉の増進に資することを目的として無利子または低利で13種類の資金を貸し付けております。平成15年度の貸付実績は328件で、貸付額は1億6700万円となっており、最も利用件数が多いのは修学資金で243件、約1億2800万円、次いで就学支度資金が54件、1773万円で、この2種類で全体の約87%となっております。
なお、現在、当該貸付金に係る貸付審査基準の見直しを行っており、保証人の所得要件や償還期間の緩和等を予定しております。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) おきなわブランド豚として確立するための組織活動の立ち上げについてお答えいたします。
県では、平成17年度新規事業として琉球在来豚「アグー」を活用したおきなわブランド豚の作出に取り組むこととしております。このため、畜産試験場においては来年度から研究体制の強化とあわせて所要の調査研究費を計上しております。また、平成17年度からは3カ年を目途に琉球大学、国の畜産草地研究所及び県が一体となって「アグー」の近交退化の緩和及び増殖手法の確立等に関する共同研究に取り組んでまいります。
さらに、「アグー」の生産及び流通販売等を推進するためJA、生産者等で構成する「おきなわブランド豚推進協議会」(仮称)を立ち上げ、取り組みを行ってまいります。
続きまして、拠点産地化に向けての生産者育成や指導対策についてお答えいたします。
琉球在来豚「アグー」については、長い間の近親交配により繁殖性の低下、産子数の減少等の課題があります。このため、県では平成17年度からおきなわブランド豚作出事業を取り組むことにしており、今後は「アグー」の純粋化を図り、ブランド豚の作出研究を優先して推進することとしております。したがいまして、ブランド豚の拠点産地の育成については、「アグー」研究の進捗状況を踏まえながら適宜対応してまいります。
続きまして、消費者へのアピールについてお答えいたします。
琉球在来豚「アグー」の消費者等へのアピールについては、沖縄県農水産物販売促進協議会及び「まーさん祭」等各種のフェア等を通じて推進していく考えであります。
続きまして、本島南部地域の農業用水についてお答えいたします。
本島南部地域の農業用水については、要整備量4750ヘクタールに対し国営の地下ダム、県営及び団体営の事業により2350ヘクタールの農業用水を確保することとしております。残りの2400ヘクタールの農業用水については、国において平成10年度から再生処理水を水源とする事業化の検討が行われております。
続きまして、事業の見通しについてお答えいたします。
再生処理水による事業の見通しについては、国において平成17年度から事業化の可能性を検討するための地区調査を実施すると聞いております。
続きまして、大城ダムの活用についてお答えいたします。
大城ダムについては昭和39年に整備され、築40年が経過し老朽化しております。県としては、南部地域の農業用水の確保は地域農業を振興する上で重要であると考えていることから、今後大城ダムの改修を計画しており、受益地域である大里村、玉城村において事業導入に向けた条件整備が整い次第、事業化に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 少人数学級についてお答えいたします。
小学校の学級編成については、平成14年度以降、小学校低学年で少人数学級を段階的に拡充してまいりました。今年度は小学校1・2年生で3学級以上で平均児童数が36人以上の学校において少人数学級を実施し、教育条件の改善を図っております。次年度は県単定数及び国の定数を活用し、すべての小学校1・2年生の36人以上の学級を緩和し、少人数学級を実施する予定であります。
次に、生徒指導上の諸問題への対応等について一括してお答えします。
生徒指導は、児童生徒理解と信頼関係の構築が最も重要であると考えております。そのため、本年度は子供一人一人が生きる児童生徒理解体制の確立を図るとともに、体験活動や心の教育などを通して教師と子供の信頼関係の構築を図っております。また、遊び・非行型不登校への対応については好ましい社会環境づくりを推進するとともに、子供と大人のかかわりの構築が肝心であると考えております。
実際として「ちゅらさん運動」や警察のサポート制度など、関係機関と連携した社会環境づくりを推進するとともに、学校内では指導・支援カルテを活用した児童生徒個々の居場所づくりを推進しております。特に、本年度は学校にやる気支援コーディネーターを配置して地域社会、関係機関・団体の密接な連携が図られるような施策展開をしているところであります。今後ともその充実に努めたいと考えております。
次に、「総合的な学習の時間」についてお答えいたします。
「総合的な学習の時間」においては、一人一人の児童生徒が自分自身の地域からテーマを見出し、調査し問題を解決していく力を育てることが大切であると考えております。その推進においては、職員の協力体制と家庭や地域等との連携を図ることが最も重要となります。そのため、学校ではその地域のよさを理解し、そのよさをどのように教育活動として具現化するかについて全職員で共通理解を図り取り組んでいるところであります。
また、県教育委員会では研究校を指定し、研究成果としての地域理解に基づく指導計画や学習マップ、人材リストなどの研究成果の共有化を図り利活用させているところであります。さらに地域を指定し、NPOや民間企業、地域の方々と連携した学校教育のあり方についても実践研究を進めているところであります。今後はこのような取り組みの充実を持って学習活動の充実に努めていきたいと考えております。
次に、玉城城跡についてお答えいたします。
玉城城跡の保存整備につきましては、玉城村教育委員会において本年度中に整備計画を策定することになっております。玉城城跡は、グスク時代の祭祀やグスクの変遷を知る上からも重要な遺跡で、最近の調査では南部地域で例を見ないような大きな石垣の使用が確認されており、同史跡の保存整備の必要性が高まってきていると考えております。このため、村教育委員会の整備計画を踏まえ、早期に事業化できるよう文化庁と調整していきたいと考えております。
次に、糸数城跡についてお答えいたします。
糸数城跡の保存修理事業費は、昭和61年度から事業を開始し、当初の500万円から今年度は1500万円と増額に努めてまいりました。平成17年度は1600万円の事業費で城壁の修復を行うとともに、城外に展開する旧集落跡の調査を予定しています。グスクと旧集落跡の整備を一体的に行うことは、本史跡の活用を図っていく上からも重要であると考えています。今後の事業費については事業内容や規模、村の対応等も勘案しながら文化庁と調整していきたいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、シュガーホールの活用についてお答えをいたします。
観光客が十分楽しめる沖縄観光を演出するためには、時間や天候、季節を問わず楽しめる多様なエンターテインメントの創出が重要であります。県としましては、音楽や芸能等多彩な地域資源を活用したエンターテインメントの導入を促進する考えであり、第2次観光振興計画においては、音楽、芸能と観光との連携促進を新たに盛り込み、各地域における文化・芸能施設やライブハウス等のネットワーク化及び適切な情報発信等に取り組むこととしております。
シュガーホールにつきましては、このような観点から引き続き沖縄観光情報発信システム「真南風プラス」において施設概要や交通アクセス等を紹介するとともに、地元の観光活用への取り組みと連携してまいりたいと考えております。
次に、健康・保養型観光についての御質問にお答えをいたします。
健康・保養型観光については、体によい観光としてプログラム開発を目的にこれまでアレルギー型、生活習慣病型、人間ドック型のモデルツアーを地域との連携のもとに実施し、保養効果について医科学的に実証したところであります。現在は旅行会社や健康サービス産業等関係企業への情報提供や広報宣伝を行い、旅行商品の造成に努めているところであります。
次に、平和を観光施策でどう展開するかとの御質問にお答えをいたします。
県の平成15年航空乗客アンケート調査によりますと、修学旅行生も含めた観光客全体の16%、約80万人がひめゆりの塔や平和祈念公園等の戦跡地を訪れております。このように平和は本県観光の重要な側面でもありますので、県におきましては平和に関する情報発信の観点から特色ある体験学習のメニューとして活用し、修学旅行の誘致に取り組むとともに、体験学習等に関連する都市公園の整備促進等を図ってまいります。
以上でございます。
○嶺井 光 時間がありませんので、2点に絞って再度お聞きします。
医療費助成制度についてであります。この目的は、母子家庭の健康維持あるいは生活の安定を図るということになっております。現物給付にした場合に、国民健康保険制度において一定の割合を超えると療養給付費など国庫負担金が減額になると。これが仕組みとして理解できないんですけれども、この仕組みを改善する要するに弱い方法をいかにしっかり支援していくかという観点に立った場合に、この給付の方法が違うんであって、財政負担が多くなるとかそういう問題ではないわけですから、何か解決策があるんじゃないのかなという気がします。ぜひ解決策を見出していただきたいなというふうに思っております。
それから大城ダムの件ですが、条件整備が整えばという、この条件整備がどういうものであるか今わかる範囲でよろしければお願いします。
あるいは受益面積が35ヘクタールという農業・農村整備事業管理計画で示されております。この35ヘクタールの範囲はどこなのか、大城だけなのか、玉城に及ぶのか、そういうところ、わかるんでしたらお願いします。
以上です。
○農林水産部長(諸見武三) 大城ダムのいわゆる条件整備が整えばということはどういうことかということについての再質問にお答えいたします。
大城ダムについては、先ほど申し上げましたように大里村、それから玉城村、この両村に受益がまたがっているわけでございます。ですから両村にまたがる約30万トンの受益地域を対象とした地域の同意取りつけとか、そういう条件がとれれば県としてはそれは前向きに事業着手していきたいと、こういうことでございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 先ほどのなぜ減額されるかということなんですけれども、これは国保の仕組みの中で国民健康保険全加入者の1%を超えると、療養給付費等負担金とそれから財政調整交付金、これが入ってくることになるんですけれども、これが減額されると。ちなみに那覇市の場合にこれは14年度のことでやりますと6161万円余が減額されることになります。県内トータルとしては2億5900万円余ということでかなり無視できない額となりまして、そのために市町村の意向も踏まえながら検討していくというふうなことでございます。
以上でございます。
○國場 幸之助 本日最後の一般質問でございます。よろしくお願いします。
1、新潟中越震災について。
ことしは北方4島の日本帰属を定めた日露通好条約から150年、日露戦争の勝利から100年、太平洋戦争の敗戦、そして北方領土の不法占拠からも60年、自由民主党の結党から50年、佐藤栄作元総理の「沖縄の祖国復帰なくして日本の戦後は終わらない」と決意したあの演説から40年、沖縄観光の分岐点となった沖縄国際海洋博覧会から30年、冷戦終結のきっかけをつくったゴルバチョフ書記長の就任から20年、そして県民総決起大会とあの阪神大震災から10年の歳月がたった年であります。
歴史の節目となる2005年最初の一般質問の冒頭で、県の防災行政を何点かお尋ねします。
それは、危機に際して組織はその真価が初めて問われますし、思いも寄らない事態に直面し、指導者はその真価が問われるからであります。
私は、1月18日と19日、新潟県庁と被災地を訪れました。インターネットを利用すればどんな情報も入手できる時代ではありますが、現場の持つ力、現地でしか感じ取れない空気を感じ取りたく自由民主党青年部――本日傍聴席に座っておりますが――の島袋議員とともに一緒になりまして現地に足を運びました。
私が訪れた川口町は町の42%が全壊し、被災時には町民5700人、約1600世帯がすべて避難した町で最も被災の激しかった場所の一つであります。42億の通常予算の川口町は、46億の補正予算を組んで復興支援に取り組んでいる最中でありました。
町役場の総務課長の話で印象深かったことが何点かあります。これだけの規模の震災に襲われるとは全く予想していなかった、自分の町だけは関係ないと思わない方がいいですよという話と、通常の危機管理マニュアルは全く役に立たない。なぜならば、余震が激しく、役所にも入れず停電していたので通信手段も使えない、庁議は青空庁議だった。今後は最悪の状況を想定し、新たな危機管理マニュアルをつくる考えでありますという話でありました。
また、被災時には1日に800人近いボランティアが来ていただいたにもかかわらず、余震も危なく多くのボランティアをさばくことができなかったという話もありました。
京都大学の林教授の話によりますと、実際に震災に遭ったときに行政などの公助、ボランティアなどの共助、そしてみずからの命を守る自助の割合は、1割、2割、7割であると断言しております。つまり、実際に被害に遭った直後に行政の支援できるのは1割、地域での協力ボランティアは2割でしかなく、自助努力は7割もあるということであります。
阪神大震災を機に重要性が認識されました地域住民による自主防災組織、全国の平均組織率は62.5%でありますが、沖縄県は4%で断トツの最下位であります。ちなみに地震保険の加入率も全国ワーストスリーで、市町村の備蓄体制も不完全であります。台風もそうですが、大規模な自然災害の際に生き残れるような啓蒙活動も行政の大きな役割であります。
要望し、以下質問します。
(1)、私は、知事や議長、そして仲里県議も参加をされておりましたが、今回の沖縄県の応援ツアーはとてもすばらしいことであると思います。沖縄は、地位協定の改定でも観光産業の振興でも常に全国の支援と理解、そして共感がなければ問題解決を図ることができないという使命を負っております。だからこそ、新潟でスマトラ沖で何か困ったことがあれば、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」のようにできる限りの支援をしていく、それが沖縄の使命であると考えております。
沖縄は復帰後一貫して自立という理念を掲げてまいりました。しかし、本当の自立というものは沖縄が全国や周辺地域に対し何ができるのかという貢献という理念を貫徹していくところに本当の自立が獲得できるのではないかと考えます。どうぞ今回の新潟支援ツアーの成果をアピールしてください。
(2)、1995年の阪神・淡路大震災、復興中の新潟中越地震等から学び、県の防災行政に盛り込んだものにどのようなものがありますか。
(3)、2004年12月議会の答弁によると、県内には1032カ所の土砂災害危険箇所があります。急傾斜地危険区域の人家戸数も5445戸も含めて非常に多くの危険箇所が存在しておりますが、そもそもこの地域に住む住民は指定されていることを知っておりますか。また、それぞれの地域における災害対策計画及び避難誘導マニュアル、警戒情報の発動基準等の整備率はどうなっておりますか。
(4)、県庁の危機管理体制について問います。
24時間体制でしょうか。危機管理とは初動体制であり、初動体制とは迅速な連絡体制であります。災害等の発生は勤務時間外における可能性が高いと考えられますので、その際の対策マニュアルを、県庁そのものが破壊されて機能不全に陥った場合も含めて明らかにしてください。また、県庁職員の家族の安否体制をどのように確認していくんでしょうか。
(5)、県庁の機構改革で新たに出てきた防災危機管理課は、従来の消防防災課と比べて何がどう変わりますか。
(6)、外国人を含む旅行者への安全確保、観光施設の避難誘導体制、外国語通訳ボランティアの整備状況はどうなっておりますか。
(7)、新潟中越地震ではドクターヘリの活用が反省点として挙げられております。離島や過疎地域を多く抱える本県にとりましてはどのような状況になっておりますでしょうか。
2、スマトラ沖地震大津波被害について。
多くの犠牲者を生み、だれも恨むことのできない残された家族や被災生活を送る多くの方々に心からお悔やみを申し上げます。お見舞いを申し上げます。
(1)、下地島の利用について。
私は、下地島の軍事化を進め、理不尽になし崩し的に基地の負担を課す動きに関しては明確に反対を表明します。しかし、今回の米軍機自粛要請には納得いきません。一刻でも早い復旧支援を待ちわびる現地の状況を察する想像力と通常の人類愛があれば、人道復興支援にできる限りの協力を沖縄はするべきではなかったんでしょうか。
ア、県が自粛を要請した根拠は緊急性がないという判断だったと報道されておりますが、多くの被害者を出した人類史上未曾有の災害への救援派遣に緊急性が見られなかった根拠を示してください。
イ、今後、同様な災害支援派遣が行われようとしても同様の措置をとる考えか。沖縄が平和を希求し、平和の発信を理念とするならば、葛藤がありながらも大災害下での人道復興支援を待つ住民に対しまして、国民に対しまして緊急措置をとるべきではなかったのか。この判断は行政ではなく政治の判断であり、政治の決断であると考えます。インドネシアを初めASEAN諸国は稲嶺一郎先生とも大変にゆかりの深い国々であります。知事の肉声で答弁をお願いします。
(2)、高潮・津波の危険が予想される県内区域は幾つあり、それらの防護等の対策状況はどの程度整備されておりますか。
3、基地問題について。
米軍のトランスフォーメーションは、沖縄のトランスフォーメーションを求めております。沖縄のトランスフォーメーションとは何でありましょうか。それは米軍基地の大部分を占める海兵隊基地のなき後、基地が大幅に削減された後の沖縄の経済、社会、雇用振興策、そして行政機構、政党、また質問の23.3%を基地問題が占める県議会のあり方そのものも変わっていかなければならない状況をつくっていくわけでございます。
(1)、トランスフォーメーションでどの程度の縮小案が出されてくると想定し、見直し委員会に海兵隊の県外移設を主張したのか。また、そもそも県側の受け入れ体制、つまり広大な跡利用の熟度は大丈夫なのか。跡利用のない海兵隊の県外移設を声高に叫ぶだけでは、県民や日米両国に対しまして裏づけのない空虚な主張をしているのではないかと聞こえるのではないでしょうか。また、返還後自衛隊が力の空白を埋めるとなったときに県はどう対応するんでしょうか。
(2)、基地の整理縮小の県案等基地問題を効果的に政府と協議するスキームについて問います。かつて沖縄基地問題協議会なるものが存在しておりましたが、今はどうなっておりますか。SACOをつくる背景となった国際情勢、政治環境が変容している以上、県も構成メンバーである本協議会の開催を求めてもいいのではないでしょうか。また、既存の協議会でも十分に県の主張を展開できるのか。新たな協議会の設置を求める考えはないんでしょうか。
3月12日から行われます知事の訪米について2点お尋ねします。
(1)、ラムズフェルド国防長官とライス国務長官の会見予定、アポはどうなっておりますか。
昨年訪米した際に、ラムズフェルド国防長官は稲嶺知事が苦手であるとの風評を聞きましたので、アポイントの状況が大変気になります。
(2)、米国側から県内世論の動向を沖縄県知事としてどのように把握しておりますかと尋ねられたら、知事はどう答えますか。2月23日の移設促進大会もありましたが。
4、産業廃棄物処理の公共関与について。
(1)、2003年2月議会で当時の永山文化環境部長から、県内の産業廃棄物管理型最終処分場の残余年数は約3年という答弁がありました。
ア、産廃処理施設建設の公共関与はどうなっておりますか。
イ、産業廃棄物の現在の状況はどうなっておりますか。また、施設はいつ完成するのか。また、完成までの間どうするのか。
ウ、県の担当部署はどこか。緊急性にかんがみ特命チームをつくる必要性はないのか。
5、食の安全について。
県民の健康を守るということは行政の使命であります。豊かな食生活の反面、食品を摂取することによる健康への悪影響について県民・国民の意識は高まっております。
(1)、県は、「沖縄県食の安全・安心確保基本方針」を策定中でありますが、その進捗状況はどうなっておりますか。
(2)、IDB総会で各国政府要人、マスコミ等が食するホテル、レストラン、弁当、水などの安全衛生検査での取り組みを2000年サミット時の状況も言及しつつ比べて説明してください。
(3)、農薬の残留基準、使用適正基準、検査体制は万全の整備がなされておりますか。整備途中なら進捗状況と整備率、課題を挙げてください。
(4)、無農薬作物に対し県はどのようにとらえ、施策の中に盛り込んでいるのか。
(5)、学校教育、無認可を含む保育園への衛生検査体制についてどうでありましょうか。
(6)、トレーサビリティーの情報収集や県内におけるトレーサビリティーの普及啓蒙活動の取り組みはどうなっておりますか。
6、観光について。
上海事務所の開設を控え、いよいよ本格的に中国観光市場に取り組みつつある沖縄にとって、上海便の減便はショッキングでありました。東方航空へのさまざまな働きかけがあると聞いておりますが、この進捗状況をお尋ねします。
(2)、3年前の予算特別委員会議事録を読み返してみました。当時の糸数リゾート局長は、今までの沖縄観光の発展のためにキャリアエージェントが果たしてきた役割は極めて大きいものの、そこに過度に依存するのではなく、もっと県が主体となって誘客に努めていかなくてはならない。そして団体旅行から個人旅行にシフトをしていかなければならないという趣旨の発言をしております。
私は、2001年の9・11テロは沖縄観光を考える決して忘れてはならない教訓であると考えております。当時、沖縄観光の課題として挙げられた点は今現在どの程度克服されておりますか。観光誘客数は順調である今だからこそ考えなければならない課題であります。
IDB総会は、事務局の方は一生懸命に努力をされておりますが、県民への周知は徹底されてないと感じます。取り組みについてお尋ねします。
7、大那覇国際空港建設事業について。
(1)、那覇空港は県民のライフラインであります。大規模な自然災害である地震が発生した場合、耐震性はどの程度ありますか。
(2)、那覇空港拡張の平成16年度事業は利用者から見たサービス水準の向上にかかわる検討、那覇空港の社会経済的役割と効果及び将来像の検討、そしてPI計画の策定でありますが、それらの進捗状況と今後のスケジュールを過去の需要予測調査を利用しつつ答弁してください。
8、ヤンバルクイナの保護について。
今、ヤンバルクイナは大変危機的状況にあります。既に絶滅したトキの次に絶滅するのはヤンバルクイナであるという専門家の認識が深まりつつあります。ヤンバルクイナを守る最も確実な方法を模索してきた国頭村は、県家畜改良センター内にヤンバルクイナ保護シェルターを設置するという結論に達しておりますが、県はどう考えますか。どうか全面的にバックアップをしていただきたいと思います。
9、空き建築物の再利用とIT産業の振興による雇用創出を目指す一石二鳥の効果を持つIT新事業創出体制強化事業の事業内容と効果についてお伺いします。
10、教育について。
年間35時間ある義務教育課程の道徳教育について問います。県内のすべての小中学校に配布されている「心のノート」は活用されておりますか。成果をどのように評価をされておりますか。
(2)、中山文部科学大臣のゆとり教育発言について。
本来、ゆとりと確かなる基礎学力は全く矛盾するものではないと考えます。大臣の発言が物議を醸しておりますが、教育長の教育理念と照らし合わせて見解を述べてください。
11、警察行政について。
奈良市で起きた女子誘拐事件は大きな怒りと犯罪者の人権確保という論議を巻き起こしました。性犯罪者の再犯が起きないような予防対策、現状についてお尋ねします。
(2)、新都心ナハテラス裏の横断歩道につきまして地元民からの要望がありますが、進捗状況はどうなっておりますか。
12、土木行政について。
平成17年4月に銘苅小学校が開校します。周辺は4車線の県道を挟んでおりますが、現状の車道、横断歩道では児童の安全性が守れないということで地域の自治体が立ち上がりまして横断歩道橋の設置を求めております。子供の安全確保には最優先に取り組んでいただきたいと要望し、答弁を求めます。
13、我が党の代表質問について、小渡亨議員の代表質問の中の県財政の健全化について質問します。
県有財産の有効活用の中身について、県有地の有効活用についてどのような考えを持っておりますか。例えばリース方式で県有地の活用はできないのか。そして広大な県有地である下地島残地の利用計画は存在しておりますか。計画があるのなら進捗状況について答えてください。
下地島軍事化反対を標榜するのなら、伊良部架橋も着々と進んでおりますので、今度は残地の利用、空港利用の再生を図らなくてはならないと考えます。
以上です。
○議長(外間盛善) ただいまの國場幸之助君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後5時54分休憩
午後6時14分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
休憩前の國場幸之助君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 國場幸之助議員の御質問にお答えいたします。
最初は、新潟応援ツアーの成果についてです。
新潟県中越地震に際し、県では、米国同時多発テロ事件の際に全国から受けた温かい御支援に対する御恩をお返しする意味も含め、全国に先駆けて250名余の新潟応援ツアーを実施したところであります。また、このツアーは新潟県の観光産業への直接的な支援になるばかりではなく、各メディアによってこのツアーが全国に紹介され、新潟県観光地の安全性がアピールされたことも有意義であったと考えております。
今回の企画については、当初の計画を上回る県民の参加があり、また参加者による現地での琉球舞踊の披露もありました。これは温かい県民ホスピタリティーのあらわれであり、心から感謝申し上げる次第であります。
また、県においては、この応援ツアーのほかに地震直後から土木技術者、看護師等の派遣や、新潟県から本県を訪れた19校の修学旅行生徒に対する那覇空港での出迎え激励をいたしました。
さらに、2月24日から3月中旬にかけて被災された新潟県のお年寄りの方々125名を暖かい沖縄にお迎えする「被災者リフレッシュツアー」を実施しているところであります。
次に、海兵隊の県外移転要請についての御質問に一括してお答えいたします。
私は、2月15日に「合衆国海外軍事施設の構成見直し委員会」の委員と面談した際、米軍再編に対する沖縄の考えを明確に申し上げることが重要であると考え、在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善、陸軍複合射撃訓練場の建設中止、日米地位協定の抜本的な見直しについて申し入れております。今後、個別の議論が行われることとされており、県としては、協議の状況も見ながら適宜より具体的なものを打ち出していきたいと考えております。県は、どのような形であれ基地の過重負担には反対であり、県民に新たな基地負担をもたらすことがないよう状況を見きわめながら適切に対応してまいります。
次に、訪米要請における面談者の確定状況等についてお答えいたします。
県は、訪米に際し米国務省や国防総省等の関係者に面談できるよう鋭意調整しているところでありますが、現段階においてはまだ確定しておりません。
県としては、普天間飛行場の問題については日米両政府が合意したSACO最終報告の実現に努めていることを申し上げますが、戦後60年、過大な基地負担を負い続けてきた沖縄の思いを正しく伝えます。そして、今回の米軍再編が在沖米軍について従来のSACO合意を超えて大きな変動をもたらすものであることから、県民の目に見える形で基地負担が軽減されるよう求めてまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 阪神・淡路大震災及び新潟県中越地震を踏まえた県の防災体制についてお答えいたします。
県では、平成7年の阪神・淡路大震災の教訓を受け、県地域防災計画に地震編を新設しました。また、情報の収集・伝達が重要であるとの教訓から、大規模地震にも耐え得る県総合行政情報通信ネットワークや県防災情報システムを構築し、各市町村及び消防本部等への地震・津波警報等の情報伝達体制を強化しました。県としては、市町村防災担当部局及び防災関係機関との連携をより一層密にし、これらの課題等について取り組んでいきたいと考えております。
災害対策計画及び避難誘導マニュアルの整備率についてお答えいたします。
市町村地域防災計画では、避難計画の中で避難勧告・指示、避難方法や避難誘導、避難所等について規定されております。県内の市町村地域防災計画の策定率は98.1%となっており、ハザードマップ等を作成しているのは44.2%となっております。ほとんどの市町村で避難誘導マニュアルが作成されていないことから、県としては市町村防災担当者会議等においてその改善を指導しているところです。
次に、県庁舎が破壊された場合の対策及び災害時における職員の行動についてお答えいたします。
地震等による災害の発生またはおそれのある場合には、県地域防災計画に基づき準備体制、警戒体制、救助体制、非常体制の4つの段階で対策を講じることになっております。また、平時から嘱託員を配置するなどして24時間体制で気象・防災情報の収集・伝達を行っております。
県庁舎は大規模災害にも耐えられるように設計されておりますが、万が一にも県庁舎そのものが破壊された場合は、県地域防災計画に基づき、1番目に南部土木事務所、2番目に中部土木事務所または消防学校、3番目に北部土木事務所の順に使用可能性を調査いたしまして、使用可能な場所に災害対策本部等を設置し対応することになります。
災害時における職員の行動については、「地震災害等緊急時における職員行動マニュアル」を作成しております。その中で、すべての職員は災害対策に従事する責務があり、発災に際しては県民の人命確保を最優先に初期活動を遂行することになっております。大規模災害時には、まず自分と家族の安全を確保するとともに、テレビ・ラジオ等で情報を収集し、自主的に登庁することになります。
次に、防災危機管理課についてお答えいたします。
平成17年度の組織改正については、従来の防災対策に加え近年のSARS、鳥インフルエンザ等の人命に重大な影響を及ぼす疾病、9・11テロの風評被害による観光、県経済への影響、国民保護法制への対応等さまざまな緊急事態、いわゆる「危機」への対応力を強化するため、危機管理体制を整備することを主要な目的の一つとして検討を行ってきております。
新年度からスタートする防災危機管理課は、総合的な危機管理を所管する組織として文化環境部の消防防災課を再編し、防災危機管理班を設置することとしているところであります。
防災危機管理課の事務分掌は、消防や防災、国民保護及び県民の身体、生命財産等を脅かす危機等を担当することになります。組織は、消防班、防災危機管理班、不発弾対策班の3班から成り、21人体制を予定しております。県としては、今後とも危機管理体制については体制強化を図ってまいりたいと考えております。
災害時における離島や過疎地の救援及び救急救助についてお答えいたします。
県においては、平成15年度に大規模災害にも耐えられる県防災情報システムを整備し、被災地の災害情報等が速やかに収集・伝達できる体制を構築しております。
県地域防災計画においては、離島や過疎地等において大規模災害が発生し、救援及び救急救助が必要な場合は、医療機関と連携して自衛隊の航空機等を活用して医師等を現地に派遣し対応することとしております。
次に、公共関与による産業廃棄物処理施設整備の取り組み状況についてお答えいたします。
県においては、昨年5月に学識経験者、経済界等の関係団体、市町村及び県の関係者から成る「公共関与による産業廃棄物処理施設の整備促進基本構想検討委員会」を設置し、具体的な方策について検討を進め、去る2月9日には同委員会から知事へ最終報告が行われたところであります。
最終報告では、民間の排出事業者責任と公共が政策的に関与するという基本姿勢を明らかにした上で、事業主体としては官民協調による第三セクターとし、処理施設の機能としては最も重要かつ緊急性の高い管理型最終処分場を整備し、その規模としては中長期的な減量化・リサイクルの進展を勘案した上で埋立容量をおおむね36万立方メートルとしております。
また、用地確保の方向については、経済団体と一体となった推進体制のもと、県が主導的にかかわる中で幅広い関係者の参画による透明性の高い検討が必要であるとしております。県としましては、同報告書を踏まえ年度内には基本構想を策定することとしており、今後、公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備に積極的に取り組むこととしております。
産業廃棄物の現状と公共関与による施設の完成時期、完成までの対策についてお答えいたします。
本県においては、処理業者が有する産業廃棄物最終処分場については、安定型処分場は比較的余裕があるものの、管理型処分場はここ10数年来新たな施設の立地がなく、現在、搬入受け入れ可能な施設は2カ所のみであり逼迫した状況にあります。
公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備に関しては、次年度には用地の確保のための調査等に着手するとともに、事業主体としての第三セクターに関する具体的な検討を行うこととしております。最終処分場の完成に至るまでには用地の確保を初めさまざまな課題がありますが、現時点では平成23年の供用開始を目指しているところであります。県としましては、できる限り早期に完成できるよう取り組んでいきたいと考えております。
県の担当部署と特命チームの設置についてお答えいたします。
県においては、これまで文化環境部環境整備課において公共関与事業について取り組んでいるところであります。その推進体制の充実強化については、事業の進捗状況に対応しつつ検討していきたいと考えております。
次に、ヤンバルクイナ保護シェルターについてお答えいたします。
国頭村のヤンバルクイナ保護シェルター設置計画は、ヤンバルクイナの生息環境が危機的状況にあることから、ヤンバルクイナが生息する地域を一定規模の囲い込みを行い緊急避難的地域とするとしております。県では、ヤンバル地域の固有・希少な野生生物を保護し、自然生態系を保全するとの考えからマングース捕獲事業に取り組んでおり、また国においては平成16年11月に策定した「ヤンバルクイナ保護増殖事業計画」の中で、ヤンバルクイナが自然状態で安定的に存続できる状態とすることを目標として保護についての各種施策等を実施しております。
県としては、ヤンバルクイナができるだけ自然状態で存続できるよう、ヤンバルクイナの生息を圧迫する要因の除去や軽減を目標としており、国頭村の計画については、今後、詳細な事業内容を検討するに当たり、国、県との事業等と整合が図られるべきものと考えております。
○土木建築部長(末吉 哲) 土砂災害危険箇所についてにお答えいたします。
土砂災害危険箇所の周知については、危険区域として指定する際に関係住民に説明するほか、指定告示の県公報への登載及び現地に標識を設置すること等により行っております。さらに、今後は危険箇所について広く住民に周知するため県のホームページを活用していきたいと考えております。
同危険箇所の災害対策として、これまで106カ所が概成しております。残りの対策が必要で未整備の箇所については、今後とも地域住民の協力を得て整備を推進していきたいと考えております。
警戒情報については、台風時の豪雨等による土砂災害から住民の生命及び身体の被害を防止するため気象庁と連携して土砂災害警戒避難基準雨量を設定し、平成18年度から市町村を通じて地域住民へ配信するシステムを構築する予定であります。
土砂災害危険箇所の避難誘導については、避難路及び避難場所等が表示された県内における全箇所を包含したハザードマップを作成し、関係市町村に配布しており、市町村を通して地域住民へ周知を図っているところであります。県においては、県民の防災意識の高揚を図るとともに、住民参画のもと、さらなる県民の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、歩道橋設置についてにお答えいたします。
銘苅小学校は、新都心地区内において来る4月に開校予定であり、当該小学校の多くの生徒が県道那覇宜野湾線を横断して通学するものと考えられます。歩道橋設置の要望があります交差点につきましては、現在、歩行者用の信号機が設置されておりますが、今後、学校開校後の横断者の状況や現地調査等を行い、関係機関等とも協議しながら検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、外国人を含む旅行者の安全確保等観光施設の避難誘導体制の整備状況についてお答えをいたします。
快適で安全な観光地づくりは、観光振興を図る上において重要な要素であります。災害時においては、各観光施設が沖縄県地域防災計画に基づき市町村及び各消防本部との適切な連携を構築することが重要であり、観光施設においては管轄市町村の指導のもと、各施設管理者の定めたマニュアルに沿った安全対策がとられております。
また、観光リゾート局では、宿泊施設については年末年始の安全総点検について通知をし注意喚起を促すとともに、一部施設については立入検査を行い、外国人にもわかる避難誘導表示などの整備状況等について設置基準の観点から点検指導をしております。さらに、今後は災害時に備えて観光施設等での外国語表記の充実、外国語のできる人材の育成・活用などの対策を拡充強化してまいりたいと考えております。
次に、9・11観光危機に関連しての御質問にお答えいたします。
米国における同時多発テロ事件の影響により、本県観光は修学旅行など団体旅行を中心にキャンセルが相次ぐなど大きな打撃を受けました。その一方で、ダイビング等の目的型観光につきましてはほとんど影響を受けなかったと聞いております。
こうしたことから、県においては、沖縄の特性に立脚した目的型観光の商品開発等が足腰の強い本県観光の発展につながるとの観点から、本県の観光資源の特性を活用した付加価値の高い体験・滞在型観光等の推進に努めているところであります。具体的には、ダイビング等のマリンスポーツのプログラム開発、地域や離島を中心としたエコツーリズムや健康・保養型観光の推進、音楽・芸能、空手等を活用した文化交流型観光の推進などであります。
次に、IDB総会の概要及び広報の取り組みについてお答えいたします。
IDB沖縄総会は、来る4月6日から公式セミナーが始まり、10日に開会式、その後、本会議が3日間にわたって行われ、12日に閉会式を迎えます。
セミナーは、IDB本部主催及び沖縄開催実行委員会主催合わせて10本開催されます。また、4月9日にウエルカムイベントを開催するなど、総会参加者を温かくお迎えすることとしております。
沖縄開催実行委員会としての広報活動は、ホームページでの発信、メールマガジンの発行、ニュースレターの発行、各地における「IDB紹介展」、事前セミナーの開催、100日前のイベント開催、ポスターの作成・配布等を行っております。
また、各種団体、民間企業等においては機関紙への掲載のほか、自社ビル等への歓迎懸垂幕の掲示等に御協力をいただいているところであります。また、那覇空港ビルにおける歓迎看板の掲示、加盟国国旗の掲揚、空港から交差点、県庁周辺、沖縄コンベンションセンター周辺への歓迎バナーの掲示、地元新聞各紙による特別企画記事の掲載、テレビ各社による特別番組の放送等の広報活動を行っております。
以上でございます。
○知事公室長(府本禮司) 下地島空港の使用について一括してお答えいたします。
米軍機による民間空港の使用については、天候不良、機体の異常、乗務員の発病等に起因する当該米軍機に係る緊急時以外は使用を自粛してもらいたいというのが県の一貫した考えであります。このことから、下地島空港の使用の自粛を申し入れたところであります。県としては、今後とも緊急時以外は米軍機による民間空港の使用は自粛してもらいたいという姿勢で対応してまいります。
次に、国との基地問題の協議についてお答えいたします。
沖縄米軍基地問題協議会は、平成7年11月25日から平成8年12月17日までの間に5回開催されておりますが、平成9年以降は開催されておりません。
同協議会は、本県の抱える米軍基地問題について県と関係省庁が一堂に会して協議する場となり、同時期に設置されていた沖縄に関する特別行動委員会の最終報告に一定の影響を与えたものと考えております。県としては、関係大臣等にこれまであらゆる機会を通じて必要なときにお会いしてきており、米軍基地から派生する諸問題の解決に向け臨機応変に対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 高潮・津波の危険区域とその対策状況についてお答えいたします。
本県の海岸については、平成15年4月に策定した琉球諸島沿岸海岸保全基本計画に基づき高潮対策等の整備を行っております。津波による危険が予想される地域は、昨年、県が実施した海岸堤防調査によると、保全を要する海岸延長530キロメートルのうち堤防高が想定津波高より高い延長は267キロメートルで、約50%となっております。今後対策を必要とする延長は137キロメートルで約26%、調査が未実施の延長は125キロメートルで約24%となっております。
本県においては、平成17年度から「琉球諸島沿岸津波・高潮ハザードマップ」を作成することとしており、その調査結果を踏まえ市町村と連携して津波等災害に備えた施設等の整備を行ってまいります。
続きまして、農薬使用基準の設定と検査体制についてお答えいたします。
農薬の残留基準及び農薬の使用基準は、関係法令に基づき国が設定しております。
検査体制については、農薬取締法に基づき本庁及び病害虫防除所に17名の農薬取締職員を配置しております。現在、農薬取締職員が主体となって農薬販売者や使用者等に対し、農薬の適正販売や使用についての立入検査・指導を実施しております。また、市町村、JA、生産者等に対しては、農薬の適正使用についての講習会及び記帳指導を行うなど指導を強化しております。
続きまして、無農薬栽培についてお答えいたします。
近年、食の安全・安心に対する消費者の関心の高まり等を背景に、農薬及び化学肥料等に依存しない農産物を生産供給することは本県農業の振興上重要な課題であると認識しております。このため、県では、性フェロモンを利用した交信攪乱法によるハリガネムシの防除、土着天敵を活用したミナミキイロアザミウマ等の害虫防除、不妊虫放飼法によるイモゾウムシ等の防除等に取り組んでおります。
また、北大東村等においては平成15年10月に減農薬・減化学肥料栽培農家をエコファーマーとして育成及び認定するとともに、粟国村における有機の島づくりの取り組みを支援しております。今後ともこれらの取り組みを強化し、エコファーマー及び有機農作物の栽培農家を育成してまいります。
続きまして、トレーサビリティーの取り組みについてお答えをいたします。
近年、消費者の食の安全・安心に対する意識の高まり等に伴い、農産物の生産履歴を明らかにすることが重要となっております。このため、県では、牛の生産履歴については平成14年からすべての牛の個体識別を行うため耳標の装着に取り組み、平成16年現在、県内で飼養されている繁殖牛等への装着は終了しております。また、JAにおいては野菜、果実等の生産履歴の管理についてシステム化に取り組んでおります。
続きまして、ヤンバルクイナのシェルター候補地としての改良センターについての御質問にお答えをします。
国頭村が計画しているヤンバルクイナの保護対策については、保護施設の設置場所として県家畜改良センタ-内の用地を希望しております。県としては、家畜改良センタ-の運営に支障を来さない範囲で協力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 跡利用についての県の体制についてお答えします。
駐留軍用地跡地利用については、平成11年12月の閣議決定における「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」及び平成14年7月の沖縄振興計画に基づき、跡地対策協議会、跡地関係市町村連絡・調整会議が設置をされております。国、県、跡地関係市町村の代表で構成する跡地対策協議会は平成14年9月に設置をされ、跡地利用計画の策定やその具体化の促進に向けた取り組みを協議しています。
跡地関係市町村連絡・調整会議は平成14年8月に設置され、県と跡地関係市町村との連携を図るとともに、跡地対策協議会へ県と市町村の意見を反映させる仕組みとなっています。
一方、沖縄振興特別措置法においては、「駐留軍用地跡地の利用の促進及び円滑化のための特別措置」が創設をされ、国、県、市町村の責務が明記されております。地主に対しては同法により大規模跡地や原状回復に相当の期間を要する駐留軍用地跡地について、駐留軍用地返還特別措置法の3年の給付期間を超えて給付金を支給する特例措置を講ずることとしております。
また、平成13年12月の第6回跡地対策準備協議会において、普天間飛行場等の跡地利用に関する課題と対応方針を取りまとめており、その中で国による原状回復措置のあり方、文化財の事前調査の方向、駐留軍従業員雇用の継続・安定的確保の方向等が確認されております。今後、返還合意がされる駐留軍用地跡地に関しても基本的には市町村が中心となって跡地利用計画策定に取り組み、各跡地の熟度に応じてこれらの枠組みや制度を活用し、跡地利用を促進することになると考えております。
次に、上海路線の維持についてお答えします。
県では、観光・リゾート産業の振興及び国際交流・協力拠点形成を図るため、上海路線を初め外国航空路線の維持・拡大に努めているところであります。このような中、中国東方航空が上海路線の減便を検討していることを受け、文書で要請するとともに、副知事が上海の同航空本社に赴き、週7便を維持するよう強く要請をしてまいりました。今後は、日中航空交渉の推移を見守りながら同路線の週7便の維持に向けて関係機関に強く働きかけてまいります。
次に、那覇空港の耐震性についてお答えします。
那覇空港は県民生活や産業を支える基盤であり、地震発生時においても利用者の安全性の確保と空港機能を維持することは極めて重要であります。那覇空港の滑走路の耐震性については、平成14年度に国が行った那覇空港耐震検討調査では、沖縄本島南西沖にマグニチュード8クラスの地震が発生した場合、地盤の液状化が発生するものの滑走路等への被害は小さいであろうと想定をされております。現時点では、地震による液状化対策は必要ないものとされておりますが、耐震対策の充実を国に働きかける等那覇空港の安全性の確保に努めていきたいと考えております。
次に、那覇空港の平成16年度調査の進捗状況と沖合展開に向けた今後のスケジュールについてお答えします。
県では、国と連携して総合的な調査を進めているところであります。平成16年度は那覇空港の役割と効果、航空サービスの水準、現空港を最大限に活用するための有効活用方策等を調査するとともに、住民参加の指針を作成し、その啓蒙普及を図るための説明会やパネル展示を実施したところであります。
また、総合的な調査に係る県民への円滑な情報提供やこれに対する意見を収集するための具体的方法や手順等を定めた実施計画を検討しているところであり、6月を目途に策定する予定となっております。今後は、従来の需要予測調査も参考に空港能力向上の可能性を見きわめた上で滑走路増設の検討を行うこととしております。
このようなことから、現時点では今後のスケジュールを明らかにすることはできませんが、県としては今後とも総合的な調査を着実に実施し、早期の滑走路増設に向け積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 食の安全・安心確保基本方針策定の進捗状況についてお答えいたします。
生産から流通・加工、消費に至るまでの食品の安全を確保し、施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、昨年1月に知事を本部長とした「沖縄県食の安全・安心推進本部」を設置し、「沖縄県食の安全・安心確保基本方針」の策定作業を関係部局が連携をとりながら行ってきており、3月中に策定される予定です。
続きまして、ホテル、レストラン等の衛生対策の取り組みについてお答えいたします。
2000年サミット時における食品衛生対策としては、サミット衛生対策班を編成し、宿泊施設、飲食店、弁当業者等に対する衛生指導及び食品検査等を実施しました。また、警備及び行政ボランティアへの弁当供給の安全対策として、社団法人沖縄県食品衛生協会と連携して業者の選定、メニュー選定、メニューの全食材検査等を実施しました。
今回のIDB総会における食品衛生対策としては、前回のサミットの経験を生かし、保健所の食品衛生監視員等が公式ホテル等に対して食品衛生講習会を実施するとともに、「IDB総会食品衛生対策要綱」等に基づき監視・指導を実施しています。また、弁当業者、会場内出店業者、会場周辺飲食店等については、社団法人沖縄県食品衛生協会の協力を得ながら講習会の開催、衛生指導を強化しております。
水道衛生対策については、水道事業者に対し調整会議を通して水質の安全管理及び保安対策の強化を指導しております。IDB総会に向け関係機関と連携を密にし、食の安全対策については万全を期したいと考えております。
次に、学校、保育園の衛生検査についてお答えいたします。
学校や保育園等の給食施設については、食品衛生法に基づく報告施設となっていることから、県としては食品の安全性確保と食中毒防止対策を図るため、適宜保健所の食品衛生監視員による立入調査を行うとともに、必要に応じて講習会等を実施しております。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) IT新事業創出体制強化事業の概要等についてお答えいたします。
IT新事業創出体制強化事業は、今年度から新たに市町村が実施する国庫補助事業として創設されました。空きビル等の既存の建物をIT環境を備えた情報通信関連企業向けのインキュベーション施設に改修する事業であります。同事業は、短期間で効率的に大規模施設の整備が可能な極めて効果的な事業であることから、県としましてはこの事業を活用して企業のニーズに対応した施設整備を促進し、情報通信関連産業の集積を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(山内 彰) 「心のノート」についてお答えいたします。
「心のノート」は、道徳教育の補助資料として各学校の主体性により活用されております。平成15年度の道徳教育推進状況調査によりますと、本県の小中学校のほとんどの学校97%で活用されております。その活用状況は、道徳の時間を中心に各教科、特別活動、「総合的な学習の時間」など多岐にわたっております。また、家庭においても親子で思いやりの心や命のとうとさなどについて語り考え合う資料として活用されているとの報告があります。
「心のノート」は、子供一人一人がみずから学習できる、子供の心の記録となる、学校と家庭の心のかけ橋となる資料であると評価しています。
次に、ゆとり教育見直し発言についてお答えいたします。
大臣の発言は、学校現場を訪問した際、学習指導要領の目指す理念や目標を達成するための手だて、例えば基礎的教科の時間の確保や「総合的な学習の時間」のねらいなどと現地の実態に隔たりがあったことからの発言と理解しております。現在、中央教育審議会において国語力の育成やわかる授業の取り組みなどについて検討がなされており、その審議の動向を見守る必要があると考えております。
各学校においては、引き続き現行の学習指導要領の目指すみずから学び、みずから考える力など、ゆとりの中で「生きる力」をはぐくむための教育活動を積極的に推進することが大切であると考えております。
以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 子供をねらった性犯罪再犯防止策についてお答えをします。
県内における青少年を被害者とする性犯罪は、平成16年中、強制わいせつ事件など66件発生し、対前年比22件の減少となっております。件数的に減少したとはいえ、このような社会的弱者をねらった犯行は極めて卑劣であり、絶対に許されるものではありません。県警ではこの種事案の徹底検挙を図っているほか、性犯罪被害防止のため地域住民、学校関係者等と連携して学校周辺、通学路、公園等におけるパトロールを実施するとともに、子供に対する犯罪の発生が懸念される危険箇所などの安全点検や安全マップを児童生徒に作成してもらい、防犯意識の高揚を図っております。
また、性犯罪の被害者を支援するために性犯罪被害者支援現場ネットワーク及び少年被害者支援現場ネットワークを構築して効果的な支援活動を推進しているところであります。
なお、奈良市の小学1年生女児誘拐殺人事件を契機に性犯罪の再犯防止対策として、性犯罪者に関する出所後の情報提供等について現在警察庁と法務省で協議をしていると承知をしており、関心を持って見守ってまいりたいと考えております。
次に、新都心ナハテラス裏の横断歩道設置についてお答えします。
横断歩道の設置につきましては、交通量及び横断者等が多い場所において歩行者の安全を確保する目的で設置しているところであります。
御質問のナハテラス裏交差点については、現在新設道路として整備中であることから、同交差点での横断歩道の設置については、新設道路が供用開始して交差点の形状が明らかになった時点で現場の交通量や歩行者の実態等を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
なお、当面の対策として、ナハテラス北側の那覇公共職業安定所付近に横断歩道を設置し、歩行者の安全を確保する必要があると考えておりますので、道路管理者である南部土木事務所と調整してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 県有地のリース方式による有効活用についてお答えいたします。
県の普通財産の未利用地面積は、平成16年3月31日現在で約439ヘクタールあります。その主な内訳は、下地島空港残地が約363ヘクタール、約83%、それから中城湾港新港地区が約61ヘクタール、約14%ぐらいでありますが、そのうち特別自由貿易地域用地の約51ヘクタールについては立地企業の初期投資負担を軽減し、企業誘致の促進を図る観点から買取条件付事業用借地制度を導入しております。残り15ヘクタール、約3%でございますが、これは旧軽便鉄道跡地等であり、規模的にまとまった一団の土地ではないことから隣接地主への売り払いを促進するとともに、行政上、保有する必要がないと判断される県有地については一般競争入札による売り払いによる処分を行っているところであります。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 下地島土地利用基本計画についてお答えいたします。
下地島空港周辺公有地については、下地島土地利用基本計画に基づきその有効利用に努めております。同計画では、空港機能と連携し、地域の特性を生かしたリゾート型の観光振興等の土地利用を図ることとし、事業導入に当たっては民間活力を積極的に活用することを基本としております。これまで伊良部町と連携を図りながらコミュニティ・アイランド事業、体験滞在交流促進事業、都市農村交流施設整備事業を活用した宿泊施設等のほか、パブリックゴルフ場、通り池の歩道等の整備に取り組んできたところであります。
下地島空港周辺公有地の有効利用は宮古圏域の活性化に寄与するものであり、今後、伊良部架橋の事業化、及び宮古地域の市町村合併が進められていく中で町及び関係機関等々と連携を図りつつ、中長期的・広域的な視点で取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○國場 幸之助 下地島の利用について再質問です。
今の時代に適用できる下地島の利用計画と稲嶺覚書を策定すべき時期ではないでしょうか。私は、災害復旧支援、人道支援そのものには県は反対でないと信じたいです。しかし、緊急時に真っ先に被災地に派遣されるのは、今回もそして将来も同様でありましょうが、特殊な訓練を受けた自衛隊であり米軍です。軍用機の使用を全面的に認めないということであれば、周辺国の災害復旧に今後県は関与しないということになりますか。
これは知事の答弁をお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 「屋良確認書」、そして「西銘確認書」、これは政府との間に交わされたものでございます。そしてまた沖縄の基本的な立場というのは、新たなる基地の負担を負わないということです。それを基本線で進めていきたいと思っております。
○議長(外間盛善) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程はこれで全部終了いたしました。
次会は、明2日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後7時9分散会