○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
諸般の報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(外間盛善) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第31号議案まで及び乙第1号議案から乙第40号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
安里 進君。
〔安里 進君登壇〕
○安里 進 おはようございます。
一般質問に入るわけですが、私の1番目の質問は、これは防災対策なんですが、この件については代表質問で3名の方がやっております。そして一般質問で4名もう終わりました。私までで5名になるわけです。大体は済んでいるわけですね。だけれども、私の名前が安全・安心な里づくりを進めると、こういう名前なんです。それでどうしても今までやったものを確認しないといけません、本当にやれるかどうか。そういうことでやりますし、またきょうは最後の一般質問で、これまで7時、8時まで皆さん難儀させました。きょうは、進がこの質問をどんどんどんどん進めていきますので、きょうは一般質問も早く終わるんじゃないかと、そういうふうに思って、私の名前のとおりきょうは行きたいと思います。
まず1番目に、台風、地震、津波等に対する防災対策とその計画についてお伺いします。
1995年1月17日の阪神大震災から10年を経過いたしました。大災害は5年、10年というスパンで被災者をむしばんでいくことを忘れてはならないと専門家は言っております。案の定、10年後の2004年10月23日、新潟県中越地方を震源とする震度6強の地震が発生、小千谷市、十日町市で乳児ら6人死亡、8人不明、500人を超す負傷、28万戸が停電するという事態が起こりました。
阪神大震災では、地震発生から4時間以上もたってようやく非常災害対策本部を設置したという当時の首相官邸の無能ぶりが露呈されたと新聞は報じております。そのことが新潟中越地震での迅速な初期活動に生かされたことは間違いないと言われております。
また、去年の12月26日にはインドネシアのスマトラ島沖ではマグニチュード8.9の巨大地震が発生、最大で10メートル級の津波がスリランカなどインド洋沿岸の少なくとも7カ国を襲い、死者2万3700人を超え、1896年(明治29年)の明治三陸地震の約2万2000人死亡を上回り、地震による津波として史上最悪の惨事となりました。
沖縄県でも1960年(昭和35年)5月23日午前4時11分ごろ、南米チリ中部の近海でマグニチュード8.5の地震が起き大津波が発生した。津波は時速720キロ(秒速約200メートル)の速さで太平洋を横断、翌24日未明には日本沿岸を襲い、死者139人を出しました。
沖縄では同日5時39分ごろから主に名護市の久志、羽地地域、あるいはまた石川市等で数回にわたって来襲し、甚大な被害をこうむりました。名護市では真喜屋小学校が津波によって全校舎、校地が破壊されました。
また、去る8日に古宇利架橋の竣工式があり、離島が解消して島の人たちだけでなく今帰仁村民全員が喜んでいました。それでもやはり名護市の屋我地を通って今帰仁村に行くわけです。私も1960メートルの沖縄一長い橋を歩いてその喜びをかみしめました。
しかし、今から45年前、1960年のチリ津波によって屋我地大橋(146メートル)と奥武橋が当時全壊し、大変不便をかこったこと、また真喜屋小学校の校舎が破壊され、机、腰かけが5メートル上のモクマオウの木にぶら下がっていた光景は今でも私の脳裏から消えません。
そこでお伺いします。
各種災害に対する県の防災計画とその対策はどうなっているかお伺いします。
2番目に、ワルミ架橋建設事業並びに屋我地中央線道路整備促進についてであります。
今帰仁村古宇利島と屋我地島を結ぶ古宇利大橋が2月8日開通いたしました。架橋要請を初めて決議した1979年の古宇利区民大会から25年余を経て実現いたしました。沖縄で最も長い1960メートルで、古宇利島から今帰仁村役場まで34分で移動することが可能になったわけであります。
この大橋は、稲嶺知事のあいさつの中でも述べられていたように北部地域の振興に大きく寄与するものと思います。人口350人の古宇利島の人々は、大橋開通を大変喜んでいますけれども、一方で古宇利小学校6年生の平田千尋さんはあいさつの中で、「橋が架かって嬉しい気持ちもあるが不安な気持ちも少しある。島の人も外から来る人もルールを守って、きれいな島がきれいなままでいてほしい。私たちも一生懸命頑張ります」と切々と訴えていました。県民皆がその声に耳を傾ける必要があると思います。私は、1960メートルの橋を歩いて渡りましたが、あの海の透き通る青さと周囲の景観は実に絵を見る思いで感動を覚えました。今後は、屋我地と今帰仁村を結ぶワルミ架橋の早期実現を目指すことが急がれます。
古宇利架橋及びワルミ架橋建設については、平成4年2月及び平成4年11月に2回、名護市の屋我地振興会長から当時の大田沖縄県知事に陳情されております。また、平成6年には名護市長や北部市町村会からも大田県知事へ陳情されております。
そこでお伺いします。
(1)、ワルミ架橋建設事業のその後の経過と進捗状況についてであります。
橋の種類が上路式RC固定アーチ型とされ、今帰仁村天底側では既に道路がほぼ完成していると聞いているが、屋我地の前垣側用地においては地権者に対する説明会はあったものの、用地買収の成果が十分得られていないという状況にあるようだが、その後の経過と工事着工のめどについてお伺いします。
(2)番目、屋我地中央線道路建設事業(県道110号バイパス基幹施設改良事業)についてお伺いします。
この事業は、法線については地元との調整がほぼ完了しているようだが、道路の幅員において歩道を両側に設置してほしいとの地元の意見と、片方でもよいのではないかという国の意向とに相違があって、県は再度国との調整に入ることになったと聞くが、その後、平成12年12月21日付の新聞で本事業名を県道110号バイパス基幹施設改良事業として平成13年度予算のめどがつくようになったと当時の新聞は報じているが、その後の経過と今後の見通しについてお伺いします。
3番目に、名護市羽地地区(仲尾次・真喜屋・稲嶺区)の保安林の一部解除についてであります。
このことについては、同地域の3自治体から保安林の一部解除の申請がなされていると思うがどうなっているか。私は、解除申請が出ている一部地域を現場視察調査をいたしました。その地域は、国道58号の改良によって旧国道と新国道の中にあって随分地形が変わってきております。
例えば、部落の中を通っていた河川がカルバートになっていたり、また運動公園として7年も経過しているところもあります。地元の区としては、その場所を農産物及び特産品の販売施設として利用したいと計画しているようです。また、真喜屋ダム本体工事に関する覚書を平成10年3月に締結しているが、その中でもダム河口周辺の美化事業を実施し、埋立造成事業とマングローブ樹林地造成事業を実施することなどがうたわれ、国も河口周辺の盛り土造成などは国が実施すると回答しております。
また、平成15年7月には北部土木事務所も土地の形質変更許可がなされております。その後、北部林業事務所の主幹も現地の視察調査をしているようだが、そこで国道58号の改良が済んだら保安林を解除してもよいとの返事をもらったと区長さんたちは言っておりますが、その後どうなっているか進捗状況についてお伺いします。
4番、沖縄県のパイナップル産業についてお伺いします。
本県のパイナップルは、明治21年、朝武士干城が小笠原から導入し、昭和2年に沖縄県農務課が台湾より改良種のスムースカイエン種300本を導入し、本部町で委託栽培。しかし、大東亜戦争で食糧増産が緊急事態となったため中絶のやむなきに至っております。その後、昭和10年、台湾における缶詰経営を断たれた台湾人が石垣島に集団移住し、土地を借り受けパイン栽培を始めたのが沖縄におけるパイナップルの由来であります。
パイナップルは北部地域特有の強酸性土壌に適し、台風、干ばつなどの自然災害に強い作物として地域農業を支えてきました。その中にあってパイン缶詰の自由化以降関係機関による諸施策を展開してきたが、減産傾向に歯どめがかからない状況にあります。その結果、缶詰原料の不足から現在の経済連農産加工場は赤字経営を余儀なくされ、今後の継続運営が困難な状況にあります。
しかしながら、北部地域におけるパイナップル産業は、地域農業はもとより加工場における雇用効果や観光関連産業への波及効果など、地域経済に与える影響は大きなものがあります。また、北部地域のパイナップルは酸味が強い秋実主体であることから、全量生果販売仕向けが困難であり、加工場はなくてはならない施設であります。
去る1月12日、13日に私ども経済労働委員会は視察日程の中に名護市にある沖縄県で唯一のパイン加工場、経済連農産加工場を視察してまいりました。
そこで、工場の説明によると、北部地域におけるパイナップルの生産は、長期にわたる原料価格の低迷、高齢化の進展と後継者の減少、機械化のおくれや貿易交渉の先行き不安等により減産傾向で推移しているといいます。
北部地域におけるパイナップル加工用原料の推移を見ると、平成7年の約1万3500トンから平成15年には約4500トンと大幅な減少を示し、農家戸数も715戸から418戸に減少しております。
今後の生産量の見通しについては、生産農家の高齢化への進展と後継者が減少している現状では、パイナップル農家を取り巻く環境の不透明感や不安感を払拭し得ない中では減少傾向は続くものと予測されます。
その中にあって、産地市町村が実施する新植奨励特別支援対策事業の効果により平成15年度の新植・更新の植えつけ面積が増加していると聞きます。今後の新たな振興対策によっては減少傾向に歯どめをかけることが可能なのかどうかお伺いします。
現在の経済連農産加工場は、1万5000トンの処理も可能な工場でありながら、近年は5000トン前後の原料しかなく赤字経営が続いており、現工場体制での継続操業は困難な状況であります。しかし、平成15年から開始している3年間の産地市町村の新植奨励特別対策事業もスタートしたばかり。JAおきなわでは、経済連との統合後も平成19年度の操業までは継続するものの、それ以降については新たな加工場の整備が必要であり、加工場の再編整備については将来のパイナップルの生産量に見合う規模と生果出荷も可能な体制としてさらに多様化する農産加工に対応する総合農産加工施設として整備する必要があると思うが、県の計画と取り組みについてお伺いします。
以上であります。よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
安里進議員の御質問にお答えいたします。
台風、地震、津波等に対する防災対策とその計画についてお答えいたします。
県では、災害から県民の生命・身体及び財産を保護するため、災害対策基本法に基づき沖縄県地域防災計画を策定しております。同計画は基本編と地震編から成り、災害予防、応急対策、復旧・復興計画を定め、災害の規模に応じて県災害対策本部や県災害警戒本部等を設置し、災害対策に万全を期すこととしております。
災害時における情報収集・伝達については、各種警報・注意報等の情報を県防災情報システム等を活用して直ちに市町村、消防本部等に伝達しております。また、平時から嘱託員を配置するなどして24時間体制で気象・防災情報の収集を行っております。
防災対策に関する主な事業としては、総合防災訓練、市町村防災担当者会議、防災気象講演会等を行っており、県民及び市町村等防災機関への防災知識の普及啓発に努めております。
なお、平成17年度から18年度にかけて「琉球諸島沿岸津波・高潮ハザードマップ」を作成し、市町村へも情報提供する予定であります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○土木建築部長(末吉 哲) ワルミ架橋建設事業の経過と進捗状況についてにお答えいたします。
ワルミ大橋の位置する県道屋我地仲宗根線は、平成9年度に国庫補助事業としてスタートしております。当該道路の進捗状況は、平成16年度末の事業費ベースで今帰仁村側の延長1540メートルの区間においておよそ90%、屋我地島側の延長330メートルの区間においておよそ60%の見込みとなっております。
ワルミ大橋については、昨年、今帰仁村側の仮設道路工事に着手するとともに、用地買収が難航した箇所について土地収用を前提とした国の事業認定を取りつけたところであります。県としましては、土地収用法に基づく裁決申請等の手続を開始し、平成16年度中には橋梁本体工事に着手できるよう取り組んでいきたいと考えております。
次に、県道110号線道路改良事業の経過と見通しについてにお答えいたします。
県道110号線道路改良は、今帰仁村と国頭地域とを結ぶ新たな交通ネットワークの一部区間として計画したバイパス事業であります。
当該道路については、平成13年度に片側歩道の2車線道路として新規採択を受けこれまで調査を進めてきました。事業実施に当たっては、国のコスト構造改革に基づき事業費の縮減を図る必要があることから、現在、歩道などの道路幅員の見直しを行っているところであります。このため、見直し作業が完了する平成17年度から用地取得を行う予定であり、地元の協力を得て円滑な事業執行を図り早期整備に努めていく考えであります。
110号線の見直し作業が完了する平成17年度から用地取得を行う予定であります。
ワルミ大橋の土地収用法に基づく裁決申請の手続を開始し、先ほどは平成16年と申し上げたんですが、平成17年度中には橋梁本体工事に着手できるよう取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
○農林水産部長(諸見武三) 保安林の解除についてお答えいたします。
名護市羽地地区の保安林については、約1.4ヘクタールが琉球政府時代に指定されております。
当該保安林については、国道58号のバイパス工事等により分断されその機能が低下しております。県としては、既存保安林の詳細な状況調査を行い、保安林として必要か否かについて名護市及び地元の意向等を踏まえ検討してまいります。
続きまして、パイナップルの生産振興について一括してお答えいたします。
パイナップルは、台風や酸性土壌等の厳しい条件下でも比較的安定した栽培が可能であることから、北部の農業振興を図る上で重要な作物であります。しかしながら、パイナップルの生産については輸入自由化、機械化等のおくれ等により平成2年の約3万2000トンから平成15年には1万800トンまで減少しております。県では、パイナップルの生産振興を図るため品質向上施設の整備、優良種苗の増殖・普及、加工用原料の価格安定対策等生産対策を強化しております。
続きまして、加工場の整備についてお答えいたします。
北部地区のパイナップ加工場については、平成元年に経済連が事業主体となり、処理能力1万5000トンの加工場を整備しております。
近年、北部地区におけるパイナップル加工用原料は5000トン前後と大幅に減少し、適正操業に見合う原料の確保が難しい状況にあります。このため、北部地区の関係市町村、JA等で構成するパイナップル検討委員会においてパイナップル振興のあり方等について検討が進められております。県としては、北部地域の農業振興上パイナップルは重要な作物と認識しており、その検討結果を踏まえ適切に対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○安次富 修 おはようございます。
ただいまより一般質問を行います。
1番、知事の政治姿勢について。
(1)、基地関係予算と経済の自立について。
防衛施設庁の平成17年度沖縄関係予算は、前年度より14億円ふえて0.8%増の1710億円となった。主なものは、駐留軍等労働者の給与465億円、米軍の家族住宅の建設工事費など177億円、公園や道路などの整備費及び学校や住宅などの防音工事の補助金146億円、漁業者への補償金や返還補償金など34億円、軍用地料など889億円と発表されたが、それ以外にも基地関係収入と思われるものや県や市町村に直接交付される基地交付金、民生安定事業助成費、島田懇談会事業等々すべての年間総額はおおよそどのぐらいの額になるのか説明してください。5000億円以上になると思いますがどうでしょうか、お教えください。
さらに、稲嶺県政は基地経済からの脱却を目指し自立経済の確立をうたっておりますが、年々基地関係収入を減らし、それにかわる経済の自立の方策とは何かを示してください。そしてそれはいつ達成されるのか聞かせてください。
今議会における知事の所信表明演説の中に「平成17年度は、沖縄振興計画に基づく県づくりが4年目を迎え、第2次の分野別計画がスタートする年であり、第1次の成果を踏まえ、経済自立の芽を大きく成長させる年であります。」と言っておりますが、まさにそのことを言っていると理解してよろしいでしょうか、説明してください。
沖縄振興計画の達成年度である2011年にはどの程度の基地関係収入が減り、その裏づけとなる自立経済の達成がなされているのか整合性を示してください。さらに、自衛隊を含むすべての基地の存在は経済自立の阻害要因と考えますか、見解を賜りたいと思います。
私は、沖縄の置かれた地政学的重要性を考えると、基地のプレゼンスそのものが重要であり、そこから派生する基地経済もまたしたたかに利用してしかるべきだと考えますが、知事の御見解を聞かせてください。
次に(2)、大規模駐留軍用地跡地利用促進についてですが、県の基本的取り組みを聞かせてください。特に、新たな沖縄振興計画の中での位置づけや新法での位置づけ、詳細については別途政令で定めるとなっていたが、この政令の制定状況について御説明ください。
さらに、平成17年度の当初予算の中の大規模駐留軍用地跡地利用の促進と円滑化のために要する経費の中身について詳しく説明してください。
ア、普天間飛行場返還に備えてはまさに何を準備しなければならないのか、そのすべてを御説明ください。急転直下、即時閉鎖、即時撤去、無条件返還が実現した場合に本当に返還されてよかったと手放しで喜んでいられるのかどうか不安でたまりません。国と県と宜野湾市による普天間返還跡地協議会は、最近ではいつ開催されたのか御説明ください。
イ、キャンプ瑞慶覧返還予定地区についてですが、平成19年度末を目途に返還が予定されているキャンプ瑞慶覧の米軍住宅地区は、現在、宜野湾市においてその跡利用を地権者と協議し基本計画を策定したところでありますが、しかし返還予定地区は急傾斜が多く、跡地利用が困難な地域が含まれており、事業化に向け解決すべき幾つかの課題があります。ぜひ県も積極的に課題解決に向けての取り組みをお願いいたします。
そこで、以下の質問をいたします。
まず、特定跡地の指定についてどうなっているのか。
次に、返還前の地区への立ち入りについて、58号へのアクセス道路についての検討はどうなっているのか。開発手法について一番肝心な財政支援についてなど、諸課題についての取り組みを説明してください。
(3)、海軍病院の移設について県はどういう見解を持っているのかお聞かせください。
(4)、不発弾等処理事業について。
戦後処理事業の一環としての不発弾処理事業は、今なお数多くの不発弾が発見される中でなかなか作業ははかどらず、戦争の傷跡がいかに大きいかを物語り、県民に不安を与えている状況でありますが、県のこの事業に対する取り組みについて御説明ください。
また、市町村の公共工事における磁気探査事業の周知徹底や推進、民間開発行為における事前の磁気探査事業の普及啓蒙等をどう図っていくのかお聞かせください。
ウ、西原町幸地の建築工事現場で見つかった大砲や不発弾70発余りや人骨等は、戦後60年目にして沖縄戦の悲惨な状況を目の当たりにし、国家レベルの戦争被害地としての沖縄の置かれた状況を再認識させられた思いであります。国の責任を明確にし、一日も早い解決をしていただきますよう強く要望いたします。
(5)番、平和創造・発信事業についてですが、稲嶺知事みずからが強い意思を持って沖縄平和賞の創設に取り組んできたと聞いておりますが、知事の平和行政の取り組みについてお聞かせください。
次に(6)番、講和条約発効以前の米国軍人・軍属要員等による事件・事故に関してはまだまだ未解決、未補償の方々がおり、その方々から陳情も受けている状況ですが、防衛庁や防衛施設庁もまだ創設されていない時代であり、那覇防衛施設局へ行きましても全くなすすべもない状況でありました。戦後60年目の節目に新たな戦後処理事業を立ち上げて、一挙にこういう相談の窓口を設けて解決促進に向けて事業化と予算の芽出しをしたらどうかと思いますが、御見解を聞かせてください。
次に大きな2番、医療・福祉・環境行政について。
(1)、助産師の養成についてですが、私は自分が生まれた日、自分の誕生日は、自分が祝ってもらう日ではなく、自分を生んでくれた母親に感謝する日、今日まで生きてこられたことを周りのすべての人に感謝する日であるということを、仏教徒であり知識人として有名な高田光胤先生の講演を聞きに行ったときにそのことを知り、大変感銘を受けました。我が誕生の日は母苦難の日、我が誕生の日は母苦難の日、我が誕生の日は母苦難の日と3回唱えて素直に母親への感謝の気持ちをあらわしなさいと高田光胤先生はおっしゃいました。
当時、学生でありました私はやがて自分の誕生日になりました。そこで東京から母親に電話をいたしました。お母さん、きょうは僕の誕生日です、どうもありがとうございましたと話しましたら、母親は余計にびっくりして、何で何かあったのと聞くものですから、私が誕生日は感謝の日ですということを言いますと、あんたはそれだけでも東京に行かせたかいがあったさーと喜んでくれまして、翌月からの仕送りが倍になった次第であります。母親の出産に立ち会ってくれた産婆さん、今で言う助産師さんにも感謝の気持ちでいっぱいであります。
稲嶺知事も所信表明で述べているように、健やかで生き生きと暮らせる社会をつくるための基本理念は、安心して子供を産み育てることができる社会づくりであります。そしてその役割を担うのが助産師であり、養成が急務とされているところであります。しかし一方で、助産師という仕事は24時間の対応が求められ、症例によっては母親や胎児の生命が危険にさらされることも少なくありません。絶えず事故と隣り合わせの気の抜けない厳しい仕事であり、精神的負担も大きく、肉体的にも過酷な職業であり、主婦業との両立も大変苦労をしている状況であります。このような状況を打破するためにも助産師養成の充実が必要不可欠であります。
知事の公約である「健康福祉社会の実現と安全・安心な生活の確保」という観点から、助産師養成充実への知事の積極的取り組みをお聞かせください。
特に、診療所における助産師不足は深刻であり、新しい生命の誕生が危機にさらされているせっぱ詰まった状況を御理解の上、このこともあわせてお答えください。また、助産師の養成について厚生労働省からの通達も県に届いているはずですが、この通達を受けての県の取り組みについてお聞かせください。
次に(2)、浦添看護学校存続についてですが、民間でできることは民間でという発想に異を唱えるものではありません。税収の落ち込み、国の三位一体改革による県の厳しい財政状況も十分理解しているつもりです。しかし、今どういう状況にあるのか、今何をしなければならないのかよく考えていただきたい。今こうしている間にも新しい生命が誕生しようとしています。沖縄の将来を担う息吹が芽生えようとしています。そのような中で、まさに平成17年には看護師の大幅な供給不足が見込まれております。これで安全で安心な医療体制が確立できるでしょうか。
今手当てをしなければならないこと、当面の策として浦添看護学校の中に助産学科をすぐにでも新設すること、看護師2年課程通信制を早期に実施していただきたい、さらに看護師養成3年課程を実施していただきたいと思いますが、このことについての見解をお聞かせください。
特に平成17年は県内において看護師が800人、助産師が90人不足するということですから、医療現場においてはまさに待ったなしの状況であります。この状況を踏まえて今何をしなければならないかをお聞かせください。あわせて若い共稼ぎの夫婦の皆さんが安心して子供を産み、子育ての喜びと幸せを感じることができる環境をどうつくっていくのか、その支援策をお聞かせください。
(4)番、障害児への支援について。
平成17年度に実現される障害児への支援について、放課後児童クラブにおける障害児受け入れのための補助、障害児タイムケア事業など、新年度の事業について説明してください。
(5)番、特別保育事業等助成事業について説明してください。
(6)番の母子家庭等自立促進事業について、自立促進事業費の中身について御説明ください。
(7)番、サンゴ礁保全について。
沖縄県の自立経済に向けて観光産業の発展・充実の意味からも自然環境を見直す必要があります。しかし、赤土流出やオニヒトデの異常発生などによりとても美しい状態とは言えません。そこで、10年先、20年先を見据えたサンゴ再生プロジェクト計画を策定し、サンゴ自然公園、サンゴ花のカーニバル等を企画してみてはどうでしょうか。国際的にも通用するサンゴ研究所の建設も必要ではないかと思われますが、サンゴ礁保全対策とあわせて観光資源としての活用方法を聞かせてください。
(8)番、歯科衛生士の養成については、現在平成19年の校舎改築に伴い、3年制移行について福祉保健部との協議中であると思いますが、財政支援も含めて今後の取り組みについて御説明ください。
次に大きな3番、観光振興について。
(1)は取り下げ、(2)、コンベンション振興推進については、大型国際会議等の受け入れ体制を強化するため沖縄コンベンションセンターの整備をするということですが、具体的にどういうことなのか説明してください。
次に、アフターコンベンションについて。
宜野湾市の西海岸一帯は、コンベンションセンターを中心とするメーンコアとして振興計画の中で位置づけられ、コンベンション関連の中核施設が誘致されるものと大きな期待が寄せられているところでもあります。国際ショッピングモール構想もその一つであり、普天間飛行場の痛み、負担に少しでもこたえていこうということで橋本元総理が打ち出した構想であったと記憶しております。確かにキーテナントでありましたDFS沖縄型空港外特定免税売店は那覇市の新都心へ設立されましたが、宜野湾市での国際ショッピングモール構想そのものは生きていると思いますし、DFSにかわる新たなキーテナントを誘致し、その実現方を図るべきだと考えますが、そのことについて宜野湾市側から何らかの話があったかどうかお聞かせください。また、同構想に対する県の取り組みについてお聞かせください。
さらに、県として同地域をコンベンションエリアとして今後どう充実・発展させていくのか将来の展望を含めて御見解をお聞かせください。
次に大きな4番の(1)、マリンタウン事業の進捗状況、特に西原町寄りの今後の展開、国道、県道のアクセス道路の整備もあわせて説明してください。さらに、西原町内の町道兼久・小那覇線の整備はマリンタウン事業の充実とあわせて急務となっている町道事業ですが、その見通し等について御説明願います。
4番の(2)、都市モノレールについてはその延伸、延長計画を示してください。さらに現在の駅周辺の土地利用については、駐車場の確保という観点から説明してください。特に儀保駅周辺において通勤者のための駐車場の必要性について説明してください。
それから、将来計画としてぜひ浦添市、宜野湾市への導入も具体的に検討していただきたいと思います。国土交通省あたりも検討を始めているということも聞いております。御見解を賜りたいと思います。
次に大きな5番目の(1)、養護学校への助成・支援についてですが、特に医療的ケアの充実が叫ばれてきたところですが、新年度の施策の展開を説明してください。
次に、大きな6番、道州制について。
道州制とはどういう構想なのかをお聞かせください。
(1)番、国の権限のあり方、道州の区域設定等についてどの程度進んでいるのか。
(2)番、他県における道州制の議論の状況について。
(3)番、本県における道州制に対する基本的考え方についてそれぞれ説明してください。
次に大きな7番、我が党の代表質問との関連についてであります。
知事の今回の訪米はくしくも戦後60年の節目という歴史的にも大変意義のある米国行きであり、基地問題の解決に当たっては普天間を含むすべての在沖海兵隊の県外移転というある意味においては極めて画期的な要求をしたのであります。しかし、私は当初大きな驚きと戸惑いを覚えました。それは普天間が置き去りにされる、普天間の担保がなくなるという不安に駆られたからであります。
私が県議会に出てきたのがちょうど1996年、普天間返還が県内移設条件つきながら発表され、その年の12月にはSACOの最終報告がなされました。それ以来、名護市の住民投票、その後の岸本名護市長の誕生、この9年間にも及ぶ県議会の議論、特にあの徹夜議会となった県内移設決議、宜野湾市議会での決議、名護市議会での受け入れ決議、名護市長の受け入れ表明など、民意の了解を得て今日まで移設作業は進められ、膨大なエネルギーと労力を費やし、現在に至っているのであります。
県政与党と稲嶺県政は一体であり、この基本スタンスはいささかも揺らぐことはありませんが、基地問題の認識と理解を深めるため知事の真意を伺います。
そこで質問いたします。
今回稲嶺知事が打ち出したすべての在沖海兵隊の県外移設ということがSACOにどう影響を与えるのか御説明ください。
さらに、SACOの最終報告においては、普天間飛行場を返還するためには県内に代替施設があることが条件となっており、これが大前提でありました。だからこそ苦しい思いをしながらも名護への移設をお願いしてきたわけです。
私が不安に駆られているのは、SACOも否定され、海兵隊の県外移転も実現できなかった場合、普天間飛行場の返還の見通しが立たなくなることを恐れているのですが、そのことについての見通しや御見解をお聞かせください。
さらに、県みずからがすべての在沖海兵隊の県外移設を米国に要求するということは、政府との信頼関係という点で不安を覚えるわけですが、これまで政府との間で積み上げてきた信頼関係を失い、各方面に大きな影響が生じることにならないかどうか御説明ください。
次にお聞きいたしますが、基地政策の基本は基地の計画的・段階的整理縮小であると思いますが、その場合に今回在沖米軍の70%を占める海兵隊のすべてを県外移転要求するということは即時撤退なのか、それとも計画的・段階的な海兵隊の県外移転なのかを説明してください。そしてその場合のスケジュール、プログラムを示してください。
在沖海兵隊のうち、どこの基地の移転要求をするのか、年次ごとに部隊名と兵員数を示してください。少なくとも訪米前までには案ができ上がっていないと交渉のテーブルにはつけないと思いますが、いかがでしょうか。
さらに、すべての海兵隊の撤退ということは、海兵隊で働く基地従業員おおよそ5000人が解雇されるということになりますが、その離職者対策も考えた上ですべての在沖海兵隊の県外移設を打ち出したのか、相当なパニックが予想される中であえてなぜそういう決断をしたのか、離職者対策をはっきりと示してください。
さらに、今回訪米要請の県案の取りまとめは事前に名護市の岸本市長にも了解を得ているのかどうか、協議したのかどうかお聞かせください。
今回の日米再編協議で、結果的に結局は辺野古移設しかないとの結論が出たとき、そうなった場合に名護市長は受け入れを表明してきました。今後とも政府と県と名護市で移設建設協議会は進められると理解していいかどうかお聞かせください。
それから、このすべての在沖海兵隊の県外移転の要求を決断するに当たり、その不足分を自衛隊の受け入れをするということもやむを得ないということが視野の中に入っているのかどうか御説明ください。
次に、今回の訪米による普天間基地を含むすべての在沖海兵隊の県外移転を要求するということが現計画より早まる保証があるのか。これまで国、県、名護市などで積み重ねてきた経緯から考えて早期にという意味でどうなのか、時間的見通しを説明してください。
さらに、名護市辺野古への移設は将来北部に民間空港をつくるということが前提であったはずです。北部振興の航空アクセスの拠点を失うことにならないかどうか御説明ください。
どうも現実とそぐわないことがいっぱいあると思いますが、海軍病院は建設されます。海兵隊の家族住宅も次々と建設中であります。米軍の泡瀬ゴルフ場もより立派なゴルフ場をつくります。米軍の倉庫、洗車場、屋内運動場等々米軍の施設は次々と新しく強化されているのが現実なんです。そういうことを毎日目の当たりにしていると、どうも知事は現実を知らないのではないか、現実離れしているのではないかと思うわけです。毎日毎日基地の中は次々と新しい建築物ができているという現実と、すべての海兵隊の県外移転ということとの整合性を説明してください。機能は維持すると米国ははっきり言っているんです。どうなんでしょうか。
今後の沖縄の振興・発展、新しい政治体制の確立、県政の安定など大きな荷物を背負ってのアメリカへの旅立ちとなりますが、人の一生は重き荷物を背負い山道を登るがごとしと言われるように、基地問題の解決も辛抱強く、粘り強くであります。
稲嶺知事におかれましては、お体を御自愛の上、訪米の成功を祈念申し上げます。どうぞ行ってらっしゃいませ。
終わります。
○知事(稲嶺惠一) 安次富修議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、平和創造・発信事業についての御質問にお答えいたします。
過酷な沖縄戦の体験や長年にわたる米国統治と過重な米軍基地の負担などから、私たち沖縄県民は命のとうとさと平和の大切さを肌身で感じており、沖縄から世界の恒久平和への願いを発信し続けることは大変重要であります。
平成17年度においては、主な平和創造・発信事業として引き続き沖縄平和賞事業に取り組むとともに、ことしは戦後60年目に当たることから疎開関係者交流事業を実施することとしております。沖縄平和賞については、過去2回の贈賞を通して県民の御理解も深まり、受賞者の平和構築維持活動を具体的に支援することができたと考えております。平成17年度においては、第3回の贈賞に向け国内外に受賞候補者の推薦依頼等を行うこととしております。
疎開関係者交流事業については、当時、県民がお世話になった主な疎開先の方々を招待し感謝の意を表すとともに、疎開の途中に亡くなられた方々の追悼、疎開関係者間の交流、疎開体験の継承のための平和祈念資料館特別企画展の開催等を予定しております。
私は、これらの事業の実施により平和を希求する沖縄の心を世界に発信し、世界の平和創造に貢献できるよう取り組んでまいります。
続いて、在沖海兵隊の県外移転とSACOについての御質問に一括してお答えをいたします。
県としては、SACO合意を受けて現在進められている普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設作業は、日米間の新たな合意が出てこない限り引き続き推進されるものとの認識であることから、影響を与えるものではないと考えております。今回の米軍再編においては、SACO合意を否定するものではなく、世界における米軍のプレゼンスや兵力構成、基地のあり方の全面的な見直しが行われ、在沖米軍基地に限らずSACOでは協議の対象とされなかった在日米軍基地のあり方そのものが検討されることとなり、SACO合意を超えて在沖米軍のあり方に大きな変動をもたらすものと考えております。
次に、海兵隊の県外移転要求と政府との信頼関係についての御質問にお答えをいたします。
日米両政府は、米軍再編に当たって、在日米軍の抑止力の維持と沖縄を含む地元の負担軽減を原則として取り組むことを確認しております。県はそのような流れを踏まえ、より効果的に県民の目に見える形で本県の基地負担の軽減が図られるよう、米軍基地を抱える地元の立場から、米軍再編に対する基本的な考え方として在沖米海兵隊の県外移転等を日米両政府に提示し求めたものであります。町村外務大臣も国会において、知事の考えは素直に受けとめなければならない、今後の議論の中で取り上げられることは排除しないと答弁しております。このようなことから、政府との信頼関係を失うことはないと考えております。
続きまして、海兵隊の県外移転要求についての御質問に一括してお答えを申し上げます。
先般の日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2において、沖縄の負担軽減に関する分科会の設置も見込まれることから、その中で個別・具体的な基地が協議されるに際しては地元の意見を聞く場が設定されているとのことであり、その際には地元の意見はしっかりと示していきたいと考えております。したがって、訪米前に具体的なものをまとめる必要はないと考えております。県としては協議の状況も見ながら、個々の施設について地元市町村の意向を初め国際情勢や県土の有効利用、基地の跡地利用、軍用地主や駐留軍従業員の生活、経済振興等を総合的に勘案しながら検討し、より具体的なものを打ち出していきたいと考えております。
次に、県の基本的な考え方の取りまとめについての御質問にお答えをいたします。
米軍再編に対する県の基本的な考え方は、本県の米軍基地の状況、地域における基地負担の現状を踏まえ、県として取りまとめたものであります。在日米軍の再編については、今後、個別の議論が行われることとされており、県としては協議の状況も見ながら関係市町村等の意向も踏まえ検討し、より具体的なものを打ち出していきたいと考えております。
次に、米軍再編と代替施設建設協議会についての御質問にお答えをいたします。
普天間飛行場の返還は、SACOにおいて既に決定しております。今回の米軍再編の中で、日米間の協議で実効性のある代替案が提示されない場合、現在の取り組みは引き続き行われるものとの認識であり、政府、県、名護市等による代替施設建設協議会はこれまで同様進められるものと考えております。
次に、米軍再編と自衛隊についての御質問にお答えいたします。
日米両政府は、2月19日の日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2において、多様な課題に実効的に対応するための自衛隊と米軍の役割・任務・能力の検討を継続する必要性を確認しており、自衛隊の役割については今後の協議によって検討されるものと思っております。
続きまして、普天間飛行場返還の時間的見通しについての御質問にお答えいたします。
今回の米軍再編においては、世界における米軍のプレゼンスや兵力構成、基地のあり方の全面的な見直しが行われ、在沖米軍基地に限らずSACOでは協議の対象とされなかった在日米軍基地のあり方そのものが検討されることになり、SACO合意を超えて在沖米軍のあり方に大きな変動をもたらすものと考えております。今後、具体的な内容が示されるものと考えておりますが、現段階では対比して見通しを示すことは困難であります。
代替施設の軍民共用についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場の代替施設については、新たな基地負担を担う移設先及びその周辺地域の振興を図る施策として、代替施設を軍民共用とすること等を整備すべき条件として日本政府に提示しているものであります。
次に、海兵隊の県外移転要求の整合性についてお答えいたします。
現在、基地内においては、建物の建築及び工作物の設置等さまざまな作業が行われていることは承知しております。県としては、本県における基地負担に海兵隊の占める割合が高いことから、米軍再編において県民の目に見える形で基地負担の軽減を図るべくベストの成果が得られるよう海兵隊の県外移転を求めているところであります。
日米両政府も米軍再編に当たって、在日米軍の抑止力の維持と沖縄を含む地元の負担軽減を原則として取り組むことを確認しており、沖縄の負担軽減を明言しております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 基地関連収入についてお答えいたします。
平成17年度の防衛施設庁沖縄関係予算案は、軍雇用員の労務費、民生安定助成事業費、学校・住宅等の防音工事費、漁業補償費、軍用地料等で約1710億円とされております。それ以外の基地関連収入の沖縄関係分の平成17年度予算等については把握できておりませんが、過去の実績等で御説明しますと、平成16年度における沖縄関係のSACO関係経費は208億円、米軍基地所在市町村活性化特別事業、いわゆる島田懇談会事業は80億7300万円が計上されております。また、基地交付金は平成14年度において調整交付金と助成交付金を合わせ約65億円となっております。軍人・軍属の消費支出等は、平成13年度において推計で約542億円となっております。
それぞれの額については時点が異なるものでありますが、これらを合計しますと約896億円となります。先ほどの沖縄関係予算1710億円と合わせますとおおむね2600億円程度になると考えております。
次に、海軍病院移設についてお答えいたします。
キャンプ桑江の海軍病院の移設については、平成12年7月に移設先の宜野湾市がキャンプ瑞慶覧内の普天間地区への受け入れを表明しております。去る1月13日には日米合同委員会において海軍病院及び関連施設の移設・整備について合意され、今後、移設に向け作業が進められることになっております。
次に、西原町の工事現場で発見されたことにつきましてお答えいたします。
西原町幸地での旧日本軍の陣地壕跡の埋め戻し工事について、県として現在どのような対応が可能であるか、適用可能な措置などについて関係機関への照会や情報収集をしながら検討しているところであります。
次に、講和条約発効以前の事件・事故に係る損失補償についてお答えいたします。
講和条約発効以前の米国軍人・軍属要員等の不法行為による損失補償は、高等弁務官布令第60号「琉球人の講和前補償請求の支払について」に基づき、昭和42年に552件分の70万4000ドル余りの賠償がなされております。また、米国の支払い措置から漏れた者に対しては、防衛施設庁が「沖縄の復帰に伴う防衛庁関係法律の適用の特別措置等に関する法律」に基づき、復帰の日から1年間で590件の申請に対して569件分の2億1000万円余りの見舞金を支給したことにより解決されております。
さらに、講和発効後から復帰前の人身関係事案については、対米請求権放棄のため日本政府特別支出金で解決が図られることになり、当時の沖縄開発庁が「人身被害補償請求事案に対する処理方針」を定め、昭和55年に558件の申請に対し514件分の2億7000万円余りを支給しております。国は当該補償についてはこれらの措置でもってすべて解決したとしており、現在、人身補償について残されているものはないとの認識を示しております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 経済の自立についてお答えします。
米軍基地の整理縮小と基地や財政に依存する経済からの脱却は、本県が取り組むべき重要な課題であります。このため、民間主導の自立型経済の構築に向け観光・リゾート産業、情報通信関連産業、農林水産業、健康・バイオ関連産業など、沖縄の特性を生かした発展可能性の高い産業分野の重点的・戦略的な振興に取り組んでいるところであります。
次に、普天間飛行場の跡地利用についてお答えします。
県は、国や宜野湾市と連携して平成11年12月に閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」における駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化や、これに基づく跡地対策協議会、跡地関係市町村連絡・調整会議の枠組みにより跡地利用に関する取り組みを一歩一歩進めております。沖縄振興特別措置法においては、「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化のための特別措置」が盛り込まれ、国、県、市町村の責務が明記をされております。
また、同法の施行令には大規模跡地としての面積等の指定要件や給付金延長の手続等について定められており、その期間については、市街地の計画的な開発整備等を勘案して返還日の翌日から3年以内に政令で定めることになっております。
沖縄振興計画においては、跡地利用促進に関する基本的な取り組みとして跡地利用計画の策定、速やかな計画関連手続の着手、返還後の速やかな事業着手、迅速な原状回復措置、公共公益施設の整備のための用地取得などに取り組むこととしております。
次に、平成17年度予算における大規模駐留軍用地跡地利用の促進に要する経費として6326万2000円を計上しております。その内訳は、普天間飛行場跡地利用基本方針策定調査等の委託料として6136万円、その他旅費等の関連経費が190万円余りとなっております。
国、県、跡地関係市町村の代表で構成する跡地対策協議会については平成14年9月に第1回、平成15年12月に第2回を開催し、第2回では普天間飛行場跡地利用基本方針を平成17年度を目途に策定すること、そのための審議調査会等の設置等、さらに各跡地の今後の取り組み方針等についての協議をしております。これを受けまして普天間飛行場跡地利用基本方針策定審議調査会が平成16年2月に設置をされ、これまで2回開催されており、また関連して実務的な検討を行う検討委員会が設置され、これまで5回開催されており、基本方針の内容を鋭意検討しているところであります。
次に、キャンプ瑞慶覧宜野湾市地区の跡地利用についてお答えします。
特定跡地の指定要件については、原状回復に係る期間、面積等の一定の要件を勘案して、かつ跡地の計画的な開発整備が沖縄の振興に資すると判断された場合に、返還日より3年を経過した日までに国が指定することになっております。また、平成19年度末に返還が予定されているキャンプ瑞慶覧宜野湾市地区については、市が基地内の測量調査や国道58号へのアクセス道路等について関係機関との調整をしつつ取り組んでいると聞いております。同地区における開発手法や財政支援等については、跡地利用計画の進捗状況に応じて取り組んでまいります。
次に、都市モノレールの延伸についてお答えします。
都市モノレールの延伸については、開業後の利用状況、延伸が想定される地域の開発計画、骨格的な公共交通軸のあり方やバス等他の交通機関との連携など多様な視点から総合的・段階的に検討してまいります。
次に、道州制における国の権限と区域設定についてお答えします。
第28次地方制度調査会の専門小委員会は、第27次地方制度調査会の答申を踏まえ、平成16年11月に道州制に関する論点を整理しております。その中で道州制の制度設計に関し、道州制の導入に伴う国の役割の重点化に関する基本的な考え方は何か、分権型社会における道州と基礎自治体の事務配分はどのようなものであるべきか、区域について地域の地理的、歴史的、文化的な結びつきを重視して定めるのか、経済的・財政的な見地から機能的に定めるべきか、道州の設置は関係都道府県の申請によることとするのか、法律により区域を定めて設置するのか、道州への移行については全国一斉に移行するのか、条件を満たしたところから順次移行するのか等々の主要な論点を掲げており、今後これらの論点に基づき議論を深めることとしております。
次に、他県における道州制の議論の状況についてお答えします。
青森、岩手、秋田の北東北3県では、県の合併や道州制の導入も視野に入れて観光や環境など、連携可能な分野について共同で事業を先行的に実施するなど具体的な取り組みを進めております。
また、九州地方知事会においては、知事会のもとに設置された「道州制等都道府県のあり方を考える研究会」の論点整理を踏まえ、本年6月に開催する九州知事会議の場で議論をすることになっております。関西では、経済6団体と関西2府7県3政令市による「関西分権改革研究会」を立ち上げ、分権時代における関西の目指すべき姿としての「関西モデル」を策定しており、行政レベルだけではなく経済界を中心とした民間レベル、行政と民間が一緒になって取り組むなどさまざまな形で道州制の議論が行われております。
県単独の取り組みとしては、本県を含む約半数の都道府県において各種の研究会を設置して道州制の議論を行っております。既に神奈川県や岡山県では県独自の考え方を取りまとめ公表しているほか、北海道が構造改革特区による道州制の先行実施に向けて取り組んでいるところであります。
全体的には道州制の議論を始めたばかりの県が多く、地方制度調査会での議論の進展に合わせて今後各県レベルでの議論が本格化するものと考えております。
道州制に対する本県の基本的な考え方についてお答えします。
県としては、道州のあり方については地域の特性・事情等を反映した多様なものとなるべきと考えており、今後とも地方制度調査会や国等の動向を見守りながらさまざまな角度から総合的に検討していかなければならないと考えております。その際、道州の役割や権限、国や市町村との役割分担、税・財政制度、区域の設定などの検討に加え、本県の地理的・歴史的・文化的な事情、県民意識などを考慮する必要があると考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 公共工事での推進についてということで、本県には去る大戦により発生した不発弾等が今なお大量に埋没しているものと推定されております。県の不発弾等に対する取り組みとしては、各種公共工事等における探査事業を初め、文化環境部所管の事業として地域住民から寄せられる埋没情報等に基づき実施される不発弾等処理事業のほか、市町村磁気探査支援事業を実施しております。
当該支援事業は、市町村が公共工事を行う際に負担する探査費用を支援することを目的として平成14年度から開始されたもので、経費の負担率は国10分の9、県10分の0.5、市町村10分の0.5となっております。当該支援事業の各市町村への周知・啓発につきましては、文書による通知のほか、公共工事等の事業計画調査を行い、担当部署への電話連絡や直接訪問するなどして周知を図っているところであります。
県としましては、不発弾等による事故から県民の生命財産の安全を図るため、今後とも各市町村に対し当該支援事業の活用について周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、民間工事での普及啓発についてお答えをいたします。
文化環境部所管の不発弾等処理事業の実施に当たっては、事業を計画的かつ効果的に実施するため県民から寄せられる埋没情報等に基づき、年度ごとの事業計画を立て円滑な実施を図っているところです。当該事業の民間工事等への活用につきましては、不発弾等に関する埋没情報をもとに事業計画等の調整を行った上で実施をしているところであります。しかしながら、事業計画策定後の探査・発掘等の要望につきましては、事業計画の変更や予算措置等の問題があることから、今後の課題として検討しているところであります。
また、同事業につきましては新聞や広報誌等への登載、リーフレット、ビデオテープなどを作成し周知を図っております。県としましては、不発弾等の早期処理のため今後とも当該事業の周知及び啓発に努めてまいりたいと考えております。
次に、サンゴ礁保全対策事業についてお答えをいたします。
本県のサンゴ礁は、豊かな自然環境の基盤をなす生態系として魚介類の産卵、生育の場の漁業資源として、また海洋レジャーの場の観光資源として重要な役割を有しております。しかしながら、サンゴ礁海域は赤土等の流出、海水温の上昇による白化現象、オニヒトデの食害等によりサンゴの被害は深刻な状況となっております。県では、平成14年7月に関係行政機関、関係団体、学識経験者から成る「オニヒトデ対策会議」を設置し、サンゴ分布調査、オニヒトデ駆除、最重要保全区域の選定を行うとともに、国際サンゴ礁シンポジウムの開催等の事業を実施しております。
また、国においては平成12年に石垣市に国際サンゴ礁研究モニタリングセンターを設置し、サンゴ礁の保全に関する研究を進めております。県としては、今後とも関係機関と連携を図りながらサンゴ礁の保全対策に取り組んでいきたいと考えております。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 助産師の養成についてお答えいたします。
少子・高齢化が進行する中、本県の出生率は全国第1位で、安心で安全に子を産み、すべての子供が健やかに産まれ育つ環境づくりは県の重要な課題であり、助産師の果たす役割は多大であると認識しております。本県での助産師養成は、現在、県立看護大学と琉球大学の2カ所で行われておりますが、大学においては助産コースを選択する学生が少なく、安定的な助産師の養成はできない状況にあります。
また、平成14年沖縄県衛生統計年報によりますと、年間分娩件数の48.1%を占める産科診療所に勤務する助産師は全就業助産師の12.1%となっており、診療所における助産師の確保が課題となっております。
診療所の助産師確保に関しては全国的にも同様の状況があり、国においては周産期医療分野における医療安全の確保及び質の高い助産師の確保の観点から、助産師養成の定員数の増等について都道府県に配慮を求めているところです。県としましては早急な対応が必要と考えており、現在、助産師養成の方策について検討しているところであります。
続きまして、県立浦添看護学校の存続についてお答えいたします。
県立浦添看護学校は、准看護師が看護師国家試験受験資格を得るための教育課程として1学年定員120人の看護師養成を行っております。学校の管理運営については、財団法人沖縄県医療福祉センターに委託されております。本県では、看護職員の需給見通しにおいて大幅な供給不足が見込まれること、助産師の安定的確保が困難なこと、質の高い看護職養成のための看護師2年課程通信制の実施が求められていること等の課題があります。県立浦添看護学校の存続については、これらのことを踏まえて関係部局と鋭意検討しているところであります。
続きまして、子供を産み育てるための支援策についてお答えいたします。
県では、安心して子供を産み育てやすい環境づくりを行うことが重要であると考えており、このため今月中に策定する「次世代育成支援行動計画」において「親子が心身共に健やかに成長できる 子育ち 親育ち 地域育ち」を基本理念として、地域における子育て支援、母子保健の増進、教育環境の整備、仕事と家庭の両立の推進、子供の安全の確保等8つの基本目標を柱として総合的に施策を推進することにしております。具体的には、待機児童の解消に向けた保育所の定員の増、放課後児童クラブの設置、つどいの広場の設置、ファミリーサポートセンターの設置等について数値目標を掲げ、子供を産み育てやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
続きまして、障害児への支援についてお答えいたします。
障害児支援については、施設福祉サービス、在宅福祉サービスが主要な施策となっております。施設福祉サービスについては肢体不自由児施設、重症心身障害児施設及び知的障害児施設において治療や日常生活の指導等を実施しております。また、在宅福祉サービスとして相談支援を行う障害(児)者地域療育等支援事業や居宅生活支援を行うホームヘルプサービス、ショートステイ、デイサービス、重症心身障害児通園事業等のほか、平成17年度新規事業として養護学校等に通う中学・高校生を対象とした障害児タイムケア事業を予定しております。
さらに、放課後児童クラブでの障害児受け入れ事業の内容を拡充し、障害の程度が一定度以上の障害児を、国庫補助対象の放課後児童クラブが1名受け入れた場合に県単独事業として補助の対象とすることとしております。
続きまして、特別保育事業についてお答えいたします。
特別保育事業は、核家族化や就労形態の変化に伴い多様化する保育需要への対応、また在宅乳幼児を含めた子育て支援の充実等、安心して子育てができる環境の整備を図ることを目的とした事業であります。
主な事業内容としては、県単独事業の障害児保育事業や国庫補助事業の休日保育事業を初め地域の子育て家庭に対する相談等を行う地域子育て支援センター事業等があります。
なお、平成17年度は3億4846万円を計上しております。今後とも市町村と連携を図りながら同事業を推進してまいりたいと考えております。
続きまして、母子家庭等自立促進事業についてお答えいたします。
県は、母子家庭等自立促進事業として母子家庭の母や寡婦への就業相談や就業支援を実施する母子家庭等就業・自立支援センター事業や、自立に向けての資格取得を促進する自立支援給付金事業などを実施しております。また、母子家庭や父子家庭の緊急時や疾病の場合等には家庭生活支援員を派遣して子育てや生活支援を行う母子家庭等日常生活支援事業を実施しております。
なお、平成17年度予算としては総額2902万7000円を計上しております。
続きまして、歯科衛生士養成に関する取り組みについてお答えいたします。
県内には現在1校の歯科衛生士養成所があり、他に1校が本年4月の開校予定で準備を進めており、あわせて2校となる予定であります。両校とも2年の修業年限となっておりますが、平成16年の法改正により修業年限が3年に延長されたことに伴い、経過措置期間である平成22年3月末までの5年以内に3年制に移行することが義務づけられております。県におきましては、3年制移行に伴う養成所の施設整備については国庫補助制度を活用した財政支援について検討しているところであります。
以上でございます。
○観光リゾート局長(宜名真盛男) まず、サンゴ礁の観光資源としての保全及び活用についての御質問にお答えをいたします。
本県観光のリピーター率は約62%に達しておりますが、その代表的なものが約40万人のダイビング客であります。県におきましては、サンゴ礁の観光面での活用につながるダイビング環境の整備を図るため、観光振興地域等整備事業の一環としてこれまで伊江村及び城辺町のダイビングスポットにおいてトイレ、シャワー、休憩施設等の観光利便施設を整備したところであります。
また、観光事業者によるサンゴ礁の保全及び活用の取り組みとして航空会社や地元企業、自治体等が連携した「サンゴ再生プログラム」の実施、旅行代理店グループによる沖縄の海とサンゴ礁を守るための「オニヒトデ対策募金」などが実施されております。観光リゾート局としては引き続き観光業界、関係機関、関係部局等と連携し、サンゴ礁の保全及び活用に努めてまいりたいと考えております。
次に、コンベンション振興対策事業費の内容についてお答えをいたします。
コンベンション振興対策事業費は、国際会議等の各種コンベンション及びスポーツコンベンションの誘致・支援並びにソフト面の受け入れ体制整備に要する経費であります。具体的には、国内外の会議主催者キーパーソンの招聘等誘致活動に要する経費、歓迎事業、空港歓迎看板の提供等大規模コンベンション等に対する会議開催支援に要する経費、パンフレット等印刷物の製作、専門誌への広告掲載、インターネットによる情報発信等広告宣伝に要する経費及びキャンプ・合宿の歓迎事業等受け入れ支援、統計調査等スポーツコンベンション推進に要する経費等であります。
以上でございます。
○商工労働部長(伊川征一) 国際ショッピングモール構想についてお答えいたします。
宜野湾市においては、アフターコンベンション機能を持つ地域にふさわしい観光・商業集積施設の立地を図るため開発事業者の公募を行い、リゾートホテルを核としたテナント複合施設事業と大手家電店を核としたショッピングセンター事業について市企業立地検討委員会において検討していると聞いております。このことから、新たなキーテナントを誘致しての特定免税店を核とした国際ショッピングモール構想に関する市からのお話は伺っておりません。県としましては、宜野湾市の推進する開発事業に対し支援をしていくとともに、市と連携を図りつつ西海岸地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) マリンタウン事業と西原町内の国道、県道、町道等の整備状況についてにお答えいたします。
中城湾港マリンタウンプロジェクト事業の西原与那原地区については、平成8年4月に面積142ヘクタールの埋立工事に着手し、16年度末における事業の進捗状況は事業費ベースで約81.2%であり、20年度に完成する予定であります。国直轄事業の国道329号与那原バイパスについては、平成14年度からマリンタウン地域内の用地取得を重点的に進めており、延長500メートルについては17年度に暫定供用する予定と聞いております。
県道浦添西原線については、マリンタウン地域へアクセスする幹線道路であることから、マリンタウンプロジェクト事業が完了する平成20年度を目途に鋭意整備を進めているところであります。
また、西原町道については、マリンタウン事業を支援するため現在町において5路線を重点的に整備を進めているところであります。町から新規要望のある兼久小那覇線については、現在整備中の町道の進捗状況や要望路線の事業着手に向けての熟度等を踏まえ検討していきたいと考えております。
次に、モノレール延長計画についてにお答えいたします。
都市モノレールの延長については、首里駅から沖縄自動車道へ結節し、高速道路とモノレールによる沖縄本島の定時・定速の公共交通基幹軸を形成することが重要であると認識しております。そのため、今後延長可能性調査を実施し、その中で需要動向や沿線開発の状況及びバスとの乗り継ぎによる利便性等を総合的に検討する考えであります。
次に、駅周辺の駐車場の確保についてにお答えいたします。
駅周辺の土地利用の一環として、乗用車からモノレールへの乗り継ぎを促進するパーク・アンド・ライド駐車場の確保は重要な施策と考えております。現在、沖縄都市モノレール株式会社では小禄駅、おもろまち駅及び首里駅でパーク・アンド・ライド駐車場を確保しており、新たに古島駅での確保を進めております。今後とも、沖縄都市モノレール株式会社においては儀保駅を含めてパーク・アンド・ライド駐車場の拡充に努めていくと聞いております。
以上であります。
○教育長(山内 彰) 養護学校への助成・支援についてお答えいたします。
県教育委員会では、医療行為であるたんの吸引や経管栄養などを必要とする児童生徒への医療的ケアとして、これまで1校に看護師1名を配置しておりましたが、平成17年度からは3校に拡大し、5名の看護師を配置する予定であります。看護師配置により主治医の指示のもと健康管理が図られ、きめ細かな指導ができるようになります。
また、養護教諭、担任教諭、保護者との連携により緊急時の迅速な対応も可能となり、児童生徒個々の安全な学習環境が整備され、教育活動の充実が図られると考えております。
以上でございます。
○池間 淳 おはようございます。
一般質問を行います。
1、浦添市西海岸開発について。
浦添市は、21世紀の新しい時代のまちづくりの中心に那覇港湾の浦添市側への整備と浦添市西海岸開発を大きく位置づけております。県の21世紀プランにおいても浦添市の西海岸開発は県経済活性化に大きく寄与するということで整備していくことが示されております。
去る2月6日に行われた浦添市長選挙にもこの那覇港湾の整備と西海岸開発が大きな焦点となりました。儀間光男市長は、毎年一千五、六百名生まれてくるこの浦添市においては子育て支援が必要であり、年をとっても安心して暮らせる安心支援をやりたい、そのためには浦添の西海岸を早急に開発し、生産能力のある方々に多くの就労の場を与えていきたいという就労支援を市民に強く訴え選挙を戦いました。市民の御理解と稲嶺知事を初め両副知事、出納長、そして与党議員団の皆さん、維新の会の皆様の絶大なる御協力のもとで見事再選を果たすことができました。まことにありがとうございます。
選挙期間中、特に西海岸の開発については稲嶺知事と翁長那覇市長とトライアングルを組んでこの事業をスムーズに展開してまいりたいと市民に強く訴えているさなかに、稲嶺知事の3選出馬なしと新聞に報道されたときは大変びっくりをいたしました。しかし、すぐに発言取り消しの報道がされてほっとしたところであります。
知事、二度とこのようなことがないように頑張っていただきたいと思います。
私たち浦添市民は、稲嶺知事とトライアングルを組んで西海岸開発を早急に進めていきたいというすばらしい儀間光男市長の再選を果たすことができました。どうぞ、浦添市の西海岸開発を初め市が計画する多くの事業がスムーズに展開されますよう知事の特段の御配慮と御協力をお願いいたしまして、次の質問をいたします。
(1)、那覇港湾の管理運営と今後の方針について。
(2)、那覇港湾の管理状況と今後の企業の取り組みについて。
(3)、浦添市西海岸道路の進捗状況と今後この事業についての取り組みについての御見解をよろしくお願いします。開通までの努力目標があればよろしくお願いいたします。
2、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)について。
平成22年度に高校生のスポーツの祭典であるインターハイが我が沖縄県で開催されることになりました。大変喜ばしい限りであります。この大会を成功させるためにもこれからいろいろな準備に取りかからなければいけないと思います。知事も17年度の所信表明で、全国高等学校総合体育大会の開催に向けて力強く取り組んでいきたいと表明されております。ぜひこの大会を県民の総力を挙げて成功させたいと願うものであります。
施設の建設や整備、選手の強化等についても早い時期に取り組まなければならないと思いますが、県の計画もあろうかと思います。競技会場は県の施設だけでは足りないと思いますし、早目に各市町村にお願いしなければならない競技もありましょうし、競技によって誘致合戦するのもあろうかと思いますが、市町村の状況等も考慮しながら会場の決定はしていただきたいと思います。
例えば、浦添市はハンドボール王国を宣言しておりますので、浦添市においてはハンドボールの大会を行うとか、また御承知のとおり小さい島の少ない人口でありながら沖縄県のバレーボールを引っ張っている伊良部高校のある伊良部町ではバレーボールの大会を行うとか、各市町村の特色を生かされるように頑張っていただきたいと思います。
そこで次の質問をいたします。
(1)、各競技会場はいつごろまでに決定されますか、県の御見解をよろしくお願いいたします。
私は、沖縄県の水泳大会を観戦する機会がありました。沖縄県の水泳界に対する関心度の低さが手にとるようにわかります。県営のプールは私の知っている限りでは2カ所の施設があると思います。泡瀬の運動公園内に25メートルの屋内プールと奥武山の50メートル屋外プールがあります。
御承知のとおり、泡瀬運動公園内の25メートルプールは屋内の温水プールで夏でも冬でも利用できます。ところが、観戦するスタンドがないばかりか、選手が待機するスペースもないため、選手は自分の出番が来るまで外でテントを張って待機している状態であります。また、奥武山の50メートルプールは屋外にあるため冬は寒くて使用できませんし、夏は灼熱の太陽のもと、猛暑の中で大会が行われている状態であります。このような施設からはよい選手は育たないと思います。
知事、あしたからダイキンオーキッドゴルフ大会が行われますが、宮里藍ちゃんは沖縄が誇るすばらしいゴルファーでございます。すばらしい指導者にも恵まれ、本人の努力も並大抵のものではなかったと思いますが、もう一つどうしても欠かせないのは、1年じゅう利用できるゴルフ場という施設があったからこそこのような世界的に有名なゴルファーが誕生したと思います。
水泳の好きな子供さんたちは、25メートルの短水路、50メートルの長水路競技の練習が1年じゅう利用できる施設を待ち望んでいるんです。どうぞ、このインターハイが沖縄県で開催されるこの機会において、この施設を子供さんたちにプレゼントしていただきたいと思います。そうすれば沖縄の水泳界から第二の宮里藍ちゃんが誕生するかもしれませんよ。
それを期待して次の質問をいたします。
沖縄県においては、水泳競技場の整備が他の施設よりおくれているように思われますが、水泳競技場の屋内競技場の建設についての知事の御見解をお伺いいたします。これまで教育施設として使用されてこられたと思いますが、教育長の御見解も賜りたいと思います。
3、少子・高齢化対策について。
厚生労働省が発表した2004年の人口動態統計によると、出生数は110万7000人で、統計をとり始めてから最低の水準と発表されております。このように少子化が急速に進行することは高齢化が早く進むことであり、少子化の進行は国の生産力を支えている生産年齢の減少で生産活動の停滞を招き、国の活力が低下すると言われております。このような事態が起こらないためにも早急に少子化対策に取り組まなければならないと思います。幸いに2005年度から5年間は第2次ベビーブームの前後に生まれた女性の出産年齢期にあると言われておりますので、この時期に何らかの対策をすることによって少子化に歯どめをかける絶好のチャンスだと期待をしているところであります。子供を産み、安心して育てられるような社会をつくらなければなりません。
県の子育て支援と少子・高齢化対策について質問を行います。
(1)、少子・高齢化が速いスピードで進行しておりますが、県の対策についてお伺いいたします。
(2)、少子・高齢化がこのまま進んでいきますと若者にいろいろな負担が増大することが心配されますが、県は社会保障等の負担の推移についてシミュレーションを実施したことはありますか。
4、郵政民営化問題について。
政府は、郵政民営化に向けて大きく動き出しております。離島を多く抱える我が沖縄県にとっては悪影響が多く出るのではないかと心配をしております。政府は、ユニバーサルサービスを義務化させると言っておりますが、郵政三事業が民営化され、株式会社に移行した場合はこのようなことは無理があると思います。
金融業や物流輸送の分野では民間企業との競争が激化することは間違いないと思います。また、50円のはがきを今までのようにヤンバルの奥や与那国町まで配達してくれるかどうかも疑問に思います。株式会社ともなれば利益を追求して会社運営をするのはごく当たり前のことであり、利益の出ない赤字の部署を閉鎖するのは常識でだれにもとめることはできないと思います。
スタート時にはユニバーサルサービスを約束しても、後々になってこのような難題が惹起することは間違いないと思います。そのとき一番大きなダメージを受けるのは島嶼県である我が沖縄県であります。
そこで、次のことをお伺いいたします。
(1)、郵政民営化については、離島を多く抱える沖縄県にとって民営化にするのは時期尚早であり、民営化にするべきではないと思いますが、県の見解をお伺いいたします。
5、自然再生推進法について。
公共工事等によって損なわれた生態系やその他の自然環境を取り戻すための自然再生推進法が平成15年1月1日に施行されております。この法律がどの範囲にまで及ぶのかわかりませんが、過去に損なわれた生態系や自然を再生するためこの法律を活用することができれば県にも該当する場所はたくさんあると思います。県経済を支えている観光事業の大きな目玉といえば、白い砂浜、青い海、そして青い空と言っても過言ではありません。しかし、沖縄のきれいな海岸が国土保全のためとか、防災の目的でどんどんどんどんコンクリートの護岸ができ上がっております。そのためにきれいな砂浜を失った場所もたくさん出てきております。また、河川等にもこのようなコンクリートの壁の弊害が出て生態系が変わった場所も出ているようです。早急に改築・改良する必要があろうかと思います。
県は、この自然再生推進法をどのように活用されていかれるのか、今後の取り組みについて県の御見解をお伺いいたします。
6、指定管理者制度について。
公の施設の管理に関するこれまでの管理委託制度が改正され、指定管理者制度が新たに創設され、平成15年9月2日に施行されました。これまでの管理委託制度では、施設の管理委託ができるのは公共団体、公共的団体、そして自治体が出資する第三セクターにしか委託することはできませんでしたが、今度制定された指定管理者制度では、民間の企業やNPOなどを含む法人等にも議会の議決を経て管理委託ができるようになりました。施設の管理について、これまでの管理委託制度では使用許可など処分に該当する業務の委託はできませんでしたが、新設された指定管理者制度ではこのようなことが管理委託できるようになりました。
この制度の大きな目的は、施設管理の効率化、経費の削減、住民へのサービス向上であります。県もこの法律に従って取り組まれていると思いますが、次の3点について御見解をお聞かせください。
(1)、管理させる施設(県営住宅や公園等)をどのような方法でいつごろまでに指定管理者に委託していかれるのか、具体的に説明してください
(2)、市町村に対して指導はどのようにされていかれるのか説明してください。
(3)、指定管理者の選定から決定までどのような方法でなされるのか、県の考えをお聞かせください。
7、伊良部架橋について。
稲嶺知事の並々ならぬ御努力によって宮古郡民の願いでありました伊良部架橋が17年度から着工することになりました。知事、御苦労さまでございました。離島としての悩みが一日も早く解消できますよう、宮古郡からかけてよかった架橋と喜ばれるような立派な橋を建設していただきたいと思います。
ところで仄聞するところではありますが、橋の幅員が当初の県の計画したものとは大分違って狭くなるという話がちらほら聞こえてきますが、そのようなことがないように願いたいと思います。
あの国道58号が60年前に建設されたころは、この道路は将来飛行場として利用されることになるので建設に反対するという動きもあったように聞いております。ところが、あの国道58号も当時はそんなに必要性を感じなかったかもしれませんが、今日では狭く感じられ、交通渋滞が慢性化している状態であります。やはりあのときもっと広くとっておけばよかったと思ってももう遅いんです。伊良部架橋にはこのようなことがないように50年先、宮古郡民の子々孫々の皆様から喜ばれるよう、そして歴史に残るすばらしい橋を建設するようお願い申し上げまして次の質問を行います。
(1)、伊良部架橋の形状(幅員・歩道等)について詳しく説明してください。県の計画と変わったのかどうかについても御説明してください。やはり政治は百年の大計でとよく言われますので、そのような架橋にしていただきたいと思います。
8、県道38号線(屋富祖通り)の整備について。
浦添市の急激な都市化の最も大きな要因としては、本県の経済産業基盤の根幹をなす国道58号と国道330号が本市を南北に縦断し、東西軸の根幹をなす県道38号線が市の中央部を横断し、県道82号線の那覇環状線が浦添市の外縁部を通り、国道329号と効果的に結節するなど、道路網整備の相乗効果による地理的利便性の効果が上げられるものと考えられます。
都市の土地利用に大きく影響するこれらの幹線道路整備は、新市街地を中心に整備が促進されてきているものの、旧市街地内についてはいまだ未整備区間が残るなど、今後の都市再生の大きな課題になってくるものと考えております。とりわけ県道38号線の通称屋富祖通りは、戦後の浦添市の発展の拠点として繁栄してきたものの、復帰後の周辺地域での区画整理事業等の面的な整備により、時代の趨勢とともに商店街の空洞化が進展してまいりました。このような状況は、復帰後30年余を経て新たに顕在化してきた旧市街地における本県の都市計画事業の大きな課題を示す結果にもなっていると思っております。
このような旧市街地の整備、とりわけ道路整備は今後新たな社会秩序を整備していく上からも、そして都市再生事業を実施していく上からも早急に取り組まなければならない課題であると考えます。また、地域からの強い整備要請については、道路管理者である以上、地元と密接に連携し、早期に整備手法を検討していただきたいと思います。
そこで、県道38号線の道路管理者として当該路線の整備に関する基本的な方針と考え方についてお願いいたします。
9、国道330号と市道神森線との交差について。
国道330号バイパスについては、浦添市から周辺の都市計画事業や土地利用の関係から都市計画街路との交差を求める要望が出されていると思います。現在、都市計画街路事業及び区画整理事業と並行して交差点計画が進められてきてはいるものの、その将来のあり方と利用のあり方については浦添市の本意とは大きくかけ離れているものと感じております。浦添市は約4キロメートルもバイパスに面しているものの、当該路線と乗り入れ環境が悪く、十分な沿道利用がなされているとは言いがたく、浦添市民のバイパスに対する利用上の閉塞感は一層顕著なものとなっております。
浦添市は、21世紀の新しい時代のまちづくりの中心に西海岸開発を位置づけており、現在策定している浦添市都市内道路整備プログラムにおいても、西海岸開発地区からの発生交通量を考慮した道路網整備計画を策定しております。現在、国道330号は国の直轄管理となっているものの、県土の均衡ある発展を進めていく上からも、そして本県の21世紀プランにおいても浦添地先の西海岸開発は本県経済の中心として整備していくことが示されていることから効果的・効率的な道路整備が望まれております。
県の策定した「総合交通体系基本計画」は、「沖縄の未来を育む交通体系の確立を目指して」をキャッチフレーズに掲げております。西海岸開発は、本県の21世紀の自立経済をはぐくむものであり、東西軸の骨格を形成する国道330号バイパスの一日も早い、浦添市の土地利用計画との整合性のとれた効果的な整備のあり方について、沖縄県としても道路管理者に対して浦添市の本意を酌み取りながら積極的に要請をしていく必要があるものと考えております。
この問題に関する県の基本的な方針と考え方をお尋ねいたします。
国道330号と市道神森線との平面交差について、県の御見解をお願いいたしまして質問を終わります。
○議長(外間盛善) ただいまの池間淳君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時55分休憩
午後1時23分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
午前の池間淳君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) それでは池間淳議員の御質問にお答えいたします。
郵政民営化に対する見解についてのお答えでございます。
本県には多くの離島・過疎地域があり、これらの地域においては郵政事業と住民生活とは極めて密接な関係にあり、民営化により郵政事業のサービス低下を来すことがあってはならないと考えております。現在、政府において法案化に向けた準備を進めているところですが、離島・過疎地域における郵政事業のサービス確保に関し、配慮がなされる方向で調整されていることについては一定の評価をいたしております。
一方で、郵政民営化の全体像については、その具体的内容について調整されているところですので賛否を明確にすることは差し控えたいと考えております。県としては、政府における調整を注意深く見守りつつ、離島・過疎地域における郵政事業のサービス低下を来すことがないよう、適宜国へ働きかけていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○企画開発部長(花城順孝) 那覇港の管理運営と今後の方針についてお答えします。
那覇港管理組合は、国際コンテナターミナルの運営事業者として、昨年12月に国際公募によりフィリピンのオペレーター企業を中核とする那覇国際コンテナターミナル株式会社を選定しました。本年1月には、この両者間でターミナル運営の基本協定が締結されるとともに、管理組合は国に対し「那覇港国際物流特区」の認定申請を行っております。今後、国の認定を受けて同社とコンテナターミナル賃貸借契約を締結し、平成18年1月からトランシップ事業を開始する予定になっております。今後は、管理組合とターミナル運営事業者は中国を初め国内外に対する貨物の誘致や航路開設などのポートセールスを共同で実施することとしております。県としましても、那覇港の効率的な運営が図られるよう積極的に支援をしてまいります。
那覇港の貸付施設の整備と今後の取り組みについてお答えいたします。
那覇港新港埠頭のコンテナターミナル地区については、年内に2番目のバースの整備を完了し、平成18年1月から10年間ターミナル運営事業者に賃貸され、トランシップ事業が実施される予定となっております。ターミナル運営事業者は、管理事務所やゲートなどを独自で整備するとともに、地元港運事業社との荷役作業の協力体制を整え、国際トランシップ貨物等の集荷・増大に取り組むことになっております。
次に、浦添西海岸道路の進捗状況と今後の取り組み等についてお答えします。
浦添埠頭地区と浦添市空寿崎を結ぶ臨港道路浦添線は、港湾貨物の円滑な輸送を確保するとともに、西海岸道路と一体となって広域幹線ネットワークを形成する主要な道路として位置づけられております。
当該道路の整備に向けては、平成15・16年度に線形と構造、交通需要の予測及び費用対効果などの事業化検証調査が実施されております。平成17年度は、当該道路等に係る環境アセスや漁業補償に係る調査などが計画されております。また、当該道路予定地は米軍制限水域となっていることから、返還に向けた諸手続が必要であります。
県としましては、当該道路の早期整備に向け、国や那覇港管理組合及び浦添市の取り組みを支援してまいります。
○土木建築部長(末吉 哲) 浦添北道路等の取り組みについてにお答えいたします。
西海岸道路の一部を構成する国直轄事業の浦添北道路は、延長約2キロメートルの地域高規格道路として平成10年に調査区間指定を受けております。現在、県が実施予定の港川道路と一体的に都市計画決定を行うため関係機関との協議を進めており、都市計画決定後整備を進めていく予定であると聞いております。
なお、浦添南道路及び那覇北道路については、浦添北道路の進捗状況を踏まえ検討していくとのことであります。
次に、伊良部架橋の幅員・歩道等の形状についてにお答えいたします。
伊良部架橋につきましては、現在、速やかに着工準備調査から本格着工に移行する作業を進めております。
工事着手に当たっては、国のコスト構造改革に基づいた事業費縮減の取り組みが必要であることから、国と調整を図りながら道路構造令の範囲内で車線幅員、歩道形状、縦断勾配などの道路計画の修正を初め設計や施工方法に至るまで多角的にコスト縮減策を検討しているところであります。県としましては、安全で円滑な道路交通の確保を前提にコスト縮減を行い、地元の協力を得て早期整備を図っていく考えであります。
次に、屋富祖大通りの整備計画についてにお答えいたします。
県道38号線の屋冨祖大通りは、昭和43年2月に国道58号交差点からサンパーク通り交差点間を延長880メートル、幅員12メートルで都市計画決定しております。
同通りは、昭和62年に商店街の活性化に資するコミュニティー道路として整備することで県、浦添市、地元関係者の三者間で協議をしておりましたが、付近の一部住民より周辺道路環境に影響があり反対であるとの意見があったことから現在に至っております。
県としては、地域高規格道路である沖縄西海岸道路を含めた浦添市内の道路網全体の見直しの中で、浦添市や地元住民の意見及び関係機関等との協議を踏まえ、屋冨祖大通りの整備についても検討していきたいと考えております。
次に、国道330号と神森線との平面交差についてにお答えいたします。
浦添市道神森線は、国道58号を起点とし国道330号を終点とする延長約1470メートル、幅員16メートルの都市計画道路で、このうち国道58号側の約1170メートルは整備済みであります。
市では、神森線と国道330号との交差構造については、当初、大平交差点に類似する立体構造を計画しておりましたが、住民の要望と効率的な土地利用の観点から高架と連結側道を組み合わせた構造への変更を検討しているところであると聞いております。市と国との協議によると、変更後の構造では国道330号が広域道路であることから中央分離帯は現状のまま設置することになりますが、左折については側道を利用して国道に直接出入りすることが可能となるため、沿道の効率的な土地利用が期待されます。
以上であります。
○教育長(山内 彰) 会場地についてお答えいたします。
全国高校総体の会場地については、関係競技団体、県関係部局の代表で構成される会場地選定委員会を設置し、市町村、県高等学校体育連盟、関係競技団体の意向を踏まえながら調整を進めてまいりました。現在、関係市町村に会場候補地案を提示し、開催意向の最終確認を行っているところであり、3月下旬を目途に会場地を内定する予定であります。
次に、水泳プールについてお答えいたします。
老朽化の著しい奥武山水泳プールの改築については、現在、関係部局との調整を進めているところであります。平成17年度には外部有識者を交えて構成する奥武山水泳プール検討委員会――仮称でございますが――を設置し、その規模、内容等について検討を行う予定であります。
なお、同プールは平成22年度の高校総体の円滑な運営並びに県民の健康の保持増進とスポーツの振興が図られるよう整備していきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 本県の少子化対策と社会保障等の負担の見通しについて一括してお答えいたします。
社会保障費の負担について県として推計したものはありませんが、厚生労働省の「社会保障の給付と負担の見通し」の平成16年5月推計によりますと、国民所得に占める社会保障給付費の割合は平成16年度が23.5%であるのに対し、このまま少子化が進行すると平成37年度には29%にまで上昇するものと見込まれております。
県では、少子化対策として社会全体で子供を産み育てやすい環境づくりを行うことが重要であると考えており、今月じゅうに策定する「次世代育成支援行動計画」において、地域における子育て支援、母子保健の増進、教育環境の整備、仕事と家庭の両立の推進等8つの基本目標を柱として総合的に施策を推進することとしております。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 自然再生推進の活用と展開についてお答えいたします。
本県の海岸整備については、平成15年4月に策定した琉球諸島沿岸海岸保全基本計画に基づき実施しております。
整備に当たっては、本県のすぐれた海浜の景観等に配慮して行うことが重要であると考えております。現在、大宜味村の根路銘海岸、国頭村の浜海岸、竹富町の西表漁港海岸等において、地域のニーズを踏まえ親水性や自然景観に配慮した護岸、人工リーフ及び養浜等を積極的に取り入れ整備を行っております。
海岸保全施設整備事業においては、自然再生推進法に基づく事業メニューはありませんが、今後、海岸等の整備に当たっては、景観等にも配慮しつつ自然再生推進法の理念をも取り入れ事業の推進に努めてまいります。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 指定管理者制度を導入する施設についてお答えいたします。
改正地方自治法の施行の際、管理委託を行っている施設については、経過措置として従前のとおり管理委託をすることができるとされていますが、平成18年9月までの3年間と限られていることから、現在、管理委託を行っている33施設を中心に指定管理者制度へ移行する作業を進めております。
33施設のうち、海浜公園については今議会において指定管理者の指定について提案しており、議決を経た上で平成17年4月から指定管理者制度に移行することとしております。
また、今議会においては都市公園など5施設について指定管理者制度に係る条例改正を提案しております。これらの施設は、条例改正後平成17年度中に指定管理者を選定し、議決を経た上で平成18年4月から指定管理者制度に移行する予定としております。
その他、県営住宅等の施設については、指定管理者制度へ移行するもののほか、民間への移管等を検討している施設もあります。いずれにおいても平成17年度の早い時期に条例改正を行う方向で現在調整を進めております。
次に、指定管理者の選定の考え方についてお答えいたします。
指定管理者の選定は、公平性や透明性に十分配意した選定手続をとる必要があり、募集に当たっては原則として公募により行うこととしております。また、選定に当たっては外部の有識者を含めた選定委員会を設置することとしております。
評価の方法については、コスト面による評価だけではなく、集客のための取り組みや利用者の要望の把握等、提案される事業計画の項目のすべてを総合的に評価することとしております。そうすることにより、より効率的で効果的な施設の管理を行う者が選定され、施設のサービスの維持向上が図られるものと考えております。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 市町村に対する指定管理者制度の指導についてお答えいたします。
指定管理者制度は、多様化する住民ニーズに的確に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的とするものであります。
県では、指定管理者制度が平成18年9月より全面適用されることを踏まえ、各種会議を通じてその趣旨等について説明し周知を図っているところであります。県内では既に那覇市、浦添市、名護市など一部の市町村で指定管理者制度を導入しておりますが、県としては、それぞれの団体の実情に応じて当該制度を積極的に活用するよう今後とも助言を続けてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○照屋 守之 一般質問、25番、県政会照屋守之です。どうぞよろしくお願いします。
通告に従い、平成17年度の稲嶺知事の所信表明の中から取り上げて質問を行います。
まず1点目の市町村合併と道州制についてでございます。
本県においては、4月1日の「うるま市」誕生を初め特例が適用される合併に向けて各地で取り組みがなされているところでございます。特例が適用される期限がことしの3月31日で間近に迫ってきました。県内の合併の推進状況と全国の状況について御説明を願います。
さらに、市町村合併は今後、国、県、どのような取り組み、対応をしていかれるか御案内をお願いします。
次に、道州制についてでございます。
私ども県政会は、これからの都道府県のあり方を勉強するために去る2月3日に北海道議会を訪ねました。北海道庁の道州制の取り組みは、道州制の目指す姿を地域主権の確立と個性豊かな地域づくりと位置づけて道州制プログラムを策定し、道州制をめぐる背景、北海道が目指す道州制、道州制導入に向けたプロセス、道州制の先行実施の考え方、道州制先行実施の取り組み内容を勉強させていただきました。道州制特区の提案も国に対してなされており、この北海道の取り組みは全国に先駆けるものであると感じました。
道州制の議論がこれから展開されていくことになるわけでありますけれども、北海道の提案というのは恐らく道州制の大きな指針になっていくような、そういうふうな思いをいたしております。
地域主権の確立と個性豊かな地域づくりに国がどこまで理解を示し受け入れてくれるのか、このことが道州制の大きなポイントになりそうであります。道州制につきましては、第28次地方制度調査会で議論が進められ、平成18年の3月に総理大臣に対して答申がなされる予定であります。
私自身の考え方といたしましては、北海道の提案のように地域主権の確立と個性豊かな地域づくりを目指すべきであると考えております。本県は、離島県であると同時に、歴史・文化の違い、さらには基地の所在等々を含めて単独州を主張すべきということで私は考えておりますけれども、道州制についての本県の対応についてお伺いいたします。
次に2点目の、建設業の構造改善についてでございます。
稲嶺知事は、所信表明の中の第2、「自立型経済の構築に向けた産業の振興と雇用の創出・確保」の「製造業等地域産業の振興」の中で、「建設業の新分野・新事業への進出等を支援するとともに、構造改善の促進など建設業の健全な発展に努めます。」と、厳しい建設業の現状を改善すべく新分野・新事業への支援や構造改善の必要性を訴えております。
私は、稲嶺県政が推進する自立経済を確立していくためにも、財政難による公共事業費削減等によってますます厳しくなることが予想される建設業への対応は、県政の大きな課題と思われます。沖縄振興計画が推進される平成23年度までに県がリーダーシップを発揮して建設業の統廃合や新分野・新事業、あるいは構造改革を進めていただくことを強くお願いしたいのであります。
建設業が全産業に占める割合が高いこと、地域経済は建設業が大きなウエートを占めること、他産業に及ぼす影響が大きく社会的な役割が大きいことなどを考え合わせると新たな取り組みが必要であります。
県建設業協会の資料によると、国、公団、事業団、県、市町村の請負金額は、2003年度が約3000億円で、ピーク時の1998年度は4600億円、この5カ年間で約33%も落ち込んでいるのが現状であります。自由競争における通常の企業存続は企業の経営努力がすべてであり、人材の育成、市場の確保、資金面等々同業他社との差別化等によってお客様に選ばれる商品、サービスを通して社会に存在することになるわけでありますけれども、建設業は公共事業の占める割合が高く、発注側の予算の削減が続く中で受注産業、同業他社が余りにも多過ぎることなど、企業や業界の努力だけでは改善は難しいものと考えるものであります。
今、県も一体となって建設業を取り巻く環境、建設業界の意識の変革、将来の見通しと対策、行政の対応等を真剣に考えていく必要性を感じるものであります。
これまで土木建築部を中心に本県の建設業者に対する優先発注等によって業者の育成や経済の活性化に貢献されたことにつきましては、大変ありがたく感謝をしているものでありますけれども、しかしこれからの建設業を考えていく上でこれまでのように発注及び指導監督等を担ってきた土木建築部ではなくて沖縄県全体の産業構造の問題としてとらえ、業界の意識改革や新分野・新事業を進め、そして新たな産業構造をつくっていくということからすると、商工労働部に構造改善プロジェクトの担当職員を配置して、大胆な取り組みが問題解決につながっていくものと考えるものであります。
本県の建設業の数や具体的な取り組みについて御説明をお願いします。
3点目の、認可外保育園への支援策及び認可化について行います。
本県の保育行政、特に待機児童の解消の取り組みや認可保育園や認可外保育園に対する支援等については、本会議でも幾度となく議論が交わされてきたところでございますけれども、私もこの問題は保育サービスにおける県民の格差を是正していくという大きな課題を抱えていると考えております。少子・高齢化を迎え、次世代を創造していく乳幼児や子供たちの育成にはより力を注いでいくことが今求められております。同じ県民でありながら、一方では国、県、市町村の大きな財政支援を受けながらの保育所、一方では保育料のみの措置による保育、特に沖縄県は無認可保育園が果たしてきた役割は大きなものがあると考えております。
そこで質問をさせていただきます。
(1)、公立保育所及び認可保育園の数と児童数、(2)、認可外保育園の数と児童数、(3)、認可外保育園への支援策、(4)、認可化に向けた取り組み、平成16年度の実績及び平成17年度の取り組み、市町村との連携についてお伺いをいたします。
4点目の国民保護と防災についてであります。
平成16年、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」の制定により、本県においても沖縄県国民保護協議会条例、沖縄県国民保護対策本部及び沖縄県緊急対処事態対策本部条例が制定されることになりました。条例の提案に当たっては当然提案理由にもございますけれども、それぞれの条例の持つ意味、役割等を県民にわかりやすく御説明をお願いいたします。
また、沖縄県国民保護計画の策定につきましてもその内容やどのような形で策定をされていくのか御説明をお願いいたします。
5点目の多様な人材の育成についてでございます。
学校教育における学力の現状、どのようになっているのか御説明をお願いいたします。
次に、ゆとり教育を進めるために学校現場やPTA、地域も含めてどのような対応がなされ、現状はどのようになっているんでしょうか、御説明をお願いいたします。
さらに今、文部科学省は、学力低下が大きな問題であると中央教育審議会に学力向上の検討を要請しているようでございますけれども、沖縄県における学力とゆとり教育の関係について御案内をお願いいたします。どのようになっているか、学力とゆとり教育の影響があるのか、よろしくお願いいたします。
最近、文部科学大臣は、ゆとり教育を掲げた学習指導要領の全面的な見直しを中央教育審議会に要請をして学力向上を遵守するよう求めるという動きがありますけれども、わずか3年での見直しに学校現場や県民から疑問が寄せられているところであります。
私自身も同様に大きな疑問を抱いております。私は今小学校のPTA会長をやっております。4年前に具志川市のPTA連合会の副会長をやっているときに、ちょうどこの新たな学習指導要領が導入されるはざまで我々親も一緒になって新たな国の教育、日本の進むべき方向を勉強しようというふうなことで、具志川市PTA連合会、そしてまた与那城、勝連の連合会で親の意識も含めてこれから日本の新たな教育を勉強しようということで、文部科学省の審議官をお招きをして、このゆとり教育が出てきた背景あるいは「生きる力」の背景、そしてまた学校の週5日制の背景、日本の教育のあり方、過去の歴史も含めてこれからの教育の大転換についていろいろ勉強させていただきました。
その当時までは「生きる力」というふうなものが我々は余り理解はできませんでしたけれども、その学力プラス新たにみずから学んで、みずから考えていくというふうな能力を、力を学校教育の中でつけていくというふうな説明で、なるほどこれからの教育はそうあるべきだというふうなことで、PTAを通して学対の中でも「生きる力」というふうなことで地域の方々との触れ合いとか、あるいはそういうふうな自然の体験等々を通して地域と一緒になって子供たちを育てていこうというふうな実践を今日まで続けてまいりました。ところが、そのようなことがまだ国民にどういう形で変えていくというふうなことの説明がないままに今国の方で新たな動きが出てきているようなそういうふうな懸念を感じております。
そこで2002年に小中学校で、「生きる力」、みずから学び、みずから考える力を養うことを目指した新学習指導要領によって進められてきた教育を、この間、国は都道府県の実態を調査し、検証を行い、評価し、国民に説明してきたんでしょうか、その御案内をお願いいたします。
2002年の新学習指導要領は、詰め込み教育の反省から「生きる力」を養う教育への転換であったと理解をしております。これまで県・市町村行政を初め教師、学校現場やPTA、地域社会を巻き込んで努力されてきた新たな動きは、我が国の教育行政に対する不信感を招くおそれがあると考えるものであります。その点についての御見解をお願いします。
6点目の行政改革の推進についてでございます。
(1)、病院事業の改革、(2)、公社等外郭団体の整理・統合、(3)、指定管理者制度への移行について具体的に御説明をお願いをいたします。
よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 照屋守之議員の御質問にお答えをいたします。
国民保護計画の内容と策定方法について一括してお答えを申し上げます。
国民保護計画については、国民保護法により国の定める基本指針に基づき作成することになっており、この基本指針は3月末に閣議決定されるほか、モデル計画が提示される予定になっております。本県は、さきの大戦において悲惨な地上戦を経験していること、島嶼県であること、米軍基地が集中していること等の特性があることから、計画の作成に当たってはこれらの特性を踏まえ、国のモデル計画も参考に本県にふさわしいものにしたいと考えております。
なお、避難や救援措置の検討など具体的な作業は平成17年度から本格的に取り組むこととしております。県としては、国民保護フォーラムの開催やホームページの積極的な活用などにより、県民の意見を広く聞くとともに、制度の周知にも努めていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 県内及び全国の合併予測についてお答えいたします。
現在、県内では法定または任意協議会が6地域で設置されており、県内市町村の3割を超える19市町村が参加しております。具志川市・石川市・勝連町・与那城町では、去る1月26日に4市町の廃置分合の総務大臣告示がなされており、本年4月1日に「うるま市」が誕生することになります。本島南部東地域、東風平・具志頭地域、宮古地域でも合併特例法の適用期限内の合併実現を目指し順調に協議が進められており、また任意協議会で協議を進めていた八重山地域では、竹富町議会の議決により、あさって3月4日に法定協議会の設置が予定されております。しかし、伊平屋・伊是名地域では合併が極めて厳しい状況になっております。このため、現時点で合併実現が見込まれる地域は5地域、17市町村となっております。
なお、全国では総務省によると、2月21日現在544地域、1524市町村で法定協議会が設置されており、そのすべてで合併が実現した場合、平成18年3月末時点で全国の市町村数は約1800となります。
次に、今後の国及び県の対応についてお答えいたします。
現行合併特例法にかわり、5年間の限時法として本年4月から施行される合併新法では、総務大臣が定める基本指針に基づき、県が自主的な合併を推進する必要がある市町村を対象として合併に関する構想を策定することとしております。同指針において合併推進に関する基本的な事項や構想を定める基準が示されることになりますが、総務省によると、合併を求める要件として人口1万人未満の小規模町村を明記する予定と聞いております。
今後の構想策定に当たって各市町村の意向を十分に尊重する必要がありますが、県としては、可能な限り小規模町村を再編する方向で取り組んでいきたいと考えております。
○企画開発部長(花城順孝) 第28次地方制度調査会の答申に向けた県の対応についてお答えします。
現在、本県は、道州制の基本的考え方について課題の整理を行っているところであり、九州地方知事会の「道州制等都道府県のあり方を考える研究会」の報告が行われる本年6月ごろをめどに中間報告を取りまとめたいと考えております。県としては、道州のあり方については地域の特性、事情等を反映した多様なものとなるべきと考えており、今後とも地方制度調査会や国等の動向を見守りながら、さまざまな角度から総合的に検討していかなければならないと考えております。
その際、道州の役割や権限、国や市町村との役割分担、税・財政制度、区域の設定などの検討に加え、本県の地理的・歴史的・文化的な事情、県民意識などを考慮する必要があると考えております。
○土木建築部長(末吉 哲) 県内建設業者数についてお答えいたします。
平成15年3月末現在の建設業許可業者数は、大臣許可、知事許可を合わせて5416社となっております。
次に、構造改善の取り組みについてにお答えいたします。
建設業の健全な発展のためには、経営の合理化に加え施工体制の強化、生産性の向上、技術者の育成などの建設生産システムの合理化を進めていくことが不可欠であり、行政としても建設産業全体の構造改善を促進させる必要があると考えております。県においては今後とも関係部局が連携し、資金融資、助成金事業等の各種支援策を講じるとともに、入札契約における公平性や透明性を確保しつつ、技術と経営にすぐれた企業が伸びることのできる環境づくりに取り組み、引き続き地元建設業者の受注機会の確保に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 公立保育所及び私立保育所の数と児童数及び認可外保育施設の数と児童数について一括してお答えいたします。
平成16年4月1日現在、公立保育所数は148カ所、入所児童数は1万1012人、私立保育所は190カ所、入所児童数は1万6898人となっており、認可保育所全体では338カ所、2万7910人の児童が入所しております。
一方、認可外保育施設の数は521カ所で、入所児童数は2万797人となっております。
続きまして、認可外保育施設への支援策についてお答えいたします。
県では、認可外保育施設への支援といたしまして入所児童の処遇向上及び認可化を促進するため、県単独事業の保育士派遣モデル事業や国庫補助事業の認可化移行促進事業を実施しております。このほか、県単独事業で新すこやか保育事業を実施し、入所児童に対するミルク、健康診断、歯科健診、調理員の検便代等の助成を行い、入所児童の処遇向上を図っております。
さらに、職員の資質の向上を図ることを目的に施設長研修や保育従事職員、調理員に対する研修会も実施しております。県といたしましては、今後とも市町村等と連携しながらこれらの事業の充実に努めてまいりたいと考えております。
続きまして、認可化に向けた取り組み等と市町村との連携について一括してお答えいたします。
県においては、待機児童解消のため保育所の創設、増改築や分園の設置等あらゆる施策を展開しており、認可外保育施設の認可化についても積極的に促進しております。国庫補助事業として認可外保育施設認可化促進事業を実施し、平成16年度は7カ所の認可化を予定しております。平成17年度は5カ所分、1666万円の予算を計上しております。また、県単独事業として平成16年度から実施している保育士派遣モデル事業については22カ所の施設へ23人の保育士を派遣しており、平成17年度につきましては24人分の予算を計上しております。
さらに、保育所創設専任チームを設置し、保育所の創設や認可外保育施設の認可化等を市町村と連携しながら推進しております。県といたしましては、これらの事業の活用により保育所の認可化を促進し、待機児童の解消が図られるよう市町村へ積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 沖縄県国民保護協議会条例、沖縄県国民保護対策本部及び沖縄県緊急対処事態対策本部条例の概要についてお答えをいたします。
国民保護協議会については、国民保護法第37条により、知事の諮問に応じて国民保護計画の作成など国民の保護のための措置に関する重要事項を審議し、意見を述べる機関として都道府県に置くこととされております。
沖縄県国民保護協議会条例は、同法第38条第8項の規定に基づき、同法に定めるもののほか、国民保護協議会の組織及び運営に関し必要な事項について定めるもので、具体的には委員の定数、会長の職務代理、会議の招集、議決に関する取り扱い、幹事の設置及びその役割、部会の設置などについて規定をしております。
国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部については、国民保護法第27条により、武力攻撃事態や大規模テロなどの緊急対処事態が発生した場合、閣議の決定を受け都道府県に設置されるもので、避難・救援などの国民の保護のための措置の総合的な推進に関する事務をつかさどります。
沖縄県国民保護対策本部及び沖縄県緊急対処事態対策本部条例は、同法第31条に基づき同法に定めるもののほか、必要な事項について定めるもので、具体的には対策本部の本部長の役割及び組織、会議の招集、本部員以外の会議出席者からの意見聴取等に関する取り扱い、対策本部内における部の設置、現地対策本部の組織などについて規定をしております。
○教育長(山内 彰) 学力、ゆとり教育の対応、本県の現状について一括してお答えします。
我が国の児童生徒の学力は、OECDの学習到達度調査(PISA)の結果によりますと、数学的活用能力、科学的活用能力、問題解決能力は上位にあります。しかし、総合的な読解力においては低下傾向が見られるということになっております。
本県におけるゆとり教育は、ゆとりと充実の中で「生きる力」を培うことをねらいとしており、基礎・基本の定着を踏まえ、特色ある教育活動が行われております。学校においては、一人一人に確かな学力をはぐくむため、少人数授業や補習指導などを通して個に応じたきめ細かな指導が行われております。
なお、地域においても伝統文化や自然環境のよさを最大限に生かし、PTAや地域の協力のもと、大人と子供のかかわりを深める活動を通して「生きる力」の育成が図られるよう支援しているところであります。今後ともその充実を図ることが大切であると考えます。
次に、国の実態調査等についてお答えいたします。
国においては、平成16年2月に教育課程実施状況調査を実施しておりますが、その結果についてはまだ報告がなされておりません。この調査は、学習指導要領で身につけることが求められているみずから学び、みずから考える力などの「生きる力」が児童生徒にどの程度身についているかを検証する目的で実施しております。結果が報告された後は、教育課程の編成や指導方法の工夫改善等適切に対応していきたいと考えております。
教育行政の新たな動きについてお答えいたします。
新学習指導要領は、児童生徒一人一人の個性を生かし、みずから学び、みずから考える力などの「生きる力」を培うことをねらいとしております。各学校においては、伝統文化や豊かな自然を生かし、地域社会と密着した「総合的な学習の時間」や体験活動等の特色ある教育活動が展開されております。現在、教育行政においては、新学習指導要領のねらいや基本的教科の授業時間、わかる授業の取り組み等について中央教育審議会に諮問しており、その答申によってこれからの方向性が明確になるものと思っております。
以上でございます。
○病院管理局長(平井哲夫) 病院事業改革の具体的な内容についてお答えをいたします。
県においては、「新沖縄県行政システム改革大綱」の中で県立病院のあり方を検討することを位置づけ、県立病院の役割・機能及び経営・運営の面から見直すこととしております。
役割・機能の面については、県立病院は、民間では実施困難な高度・特殊医療や離島・僻地医療などを担い、民間で実施可能な医療は民間にゆだねることを基本として民間病院等との役割分担や連携を進め、効率的な医療提供体制を整備して県民の医療ニーズにこたえていくこととしております。
この中で南部病院については、同病院が提供している医療の状況や経営状況、地域の民間医療機関の充実状況などから県立病院として継続することは困難でありますが、救急医療など地域の医療ニーズに対応した医療を確保するため経営移譲を行うこととしております。また、その他の県立病院については、地域の医療環境等に応じて民間医療機関との役割分担や連携を進め、可能な限りスリム化を図ることとしております。
経営・運営面については、政策的に実施すべき医療分野と独立採算を基本とする一般医療分野との区分を明確にし、一般医療分野の採算性の確保に努めることとしております。また、経営体質の強化を図るための抜本的な方策として、地方公営企業法の全部適用に向けた取り組みを進めることとしております。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 公社等外郭団体の整理・統合についてお答えします。
公社等外郭団体については、「新沖縄県行改システム改革大綱」の中で重点項目として位置づけ、平成15年度から17年度までの3年間の個別団体ごとの見直し計画を立てて、現在それぞれの項目に取り組んでいるところであります。
実施項目のうち主なものは、沖縄県肉用牛生産供給公社の解散による廃止、沖縄国際マングローブ生態系協会のNPO法人への組織変更による廃止、沖縄県町村土地開発公社からの出資金の引き揚げ、琉球エアーコミューター株式会社ほか3法人からの役員の引き揚げ等があります。
平成17年度は新大綱の最終年度に当たりますので、行政改革懇話会からの提言や指定管理者制度の導入等その後の状況変化を勘案しながら、農林水産部が所管する団体の統合の検討など引き続き見直しを進めてまいります。また、今年度から実施しております公社等経営評価の結果を踏まえて、公社等外郭団体の果たしている社会的役割や事業内容、事業効果等を検証してより一層の経営改善や統廃合を進めてまいりたいと考えております。
続きまして、指定管理者制度への移行についてお答えします。
現在、管理委託を行っている33施設を中心に指定管理者制度へ移行する予定としております。33施設のうち、海浜公園については、今議会において指定管理者の指定について提案をしており、議決を経た上で平成17年4月から指定管理者制度に移行することとしております。また、今議会においては、都市公園など5施設について指定管理者制度に係る条例改正を提案しており、これらの施設は、条例改正後、平成17年度中に指定管理者を選定し、議決を経た上で平成18年4月から指定管理者制度に移行する予定としております。
その他の県営住宅等の施設については、指定管理者制度へ移行するもののほか、民間へ移管等を検討している施設もあり、いずれにおいても平成17年度の早い時期に条例改正を行うことで現在調整を進めております。
なお、県が直接管理を行っている施設については、住民サービスの点、コストの面等を十分検討した上で個々の導入について取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
○照屋 守之 再質問をさせていただきます。
2点目の建設業の構造改善についてであります。
先ほど土建部長の説明で建設業が5416社、関係部局が連携をして地元建設業者の受注機会をふやすという答弁でありましたけれども、これだけ予算が厳しくて財政が厳しくなっていく中で業者は多い、予算は厳しい、受注の機会をふやすという、これはもう対処的な対応ではこの建設業界というのは非常に厳しいと思うんですね。
やはりこれはもう建設業の一つの産業としての構造を変えていくというふうな手段に打って出ないとこれから将来にわたっても国の財政難、あるいはそれに伴っての県、市町村も含めて投資的経費の削減というのは恐らく避けられない事実だと思うんですね。
そういう中でやはりこれは単なる指名受注機会をふやす云々ではなくて、沖縄の稲嶺知事が進めております自立型経済をつくっていくというそういう観点から沖縄全体の産業構造を見直していく、建設業の産業構造を変えていくというふうなことにならぬと難しいと思うんですね。ですからこれは恐らく土建部長の答弁では難しいと思うんですよ。
稲嶺知事が自立型経済をつくっていくためにこれだけ御苦労されて、企業も立地をして新たな雇用もふやしてきた。一方ではそういう厳しい実態があるというふうなことですから、自立型経済を確立していくという観点でぜひ知事の御見解を賜りたいと思います。
保育行政でございますけれども、昨年が7カ所、17年度が5カ所ということですけれども、少ないんじゃないですか、部長。全県で7カ所、全県で5カ所。これは恐らく私どもの今度合併をする「うるま市」が平成18年度に2カ所新たな認可保育所をつくるというふうなことを聞いておりますけれども、そうするとそのほかの51市町村で3カ所ということになるんですかね。
この認可保育所が進まないという根本的な要因というのはどういうところにあるんでしょうか、再度御説明をお願いをいたします。
沖縄県国民保護協議会条例、さらには新たな事態対処対策本部条例についての説明ですけれども、この条例が具体的にスタートしていきます。そうするとこれはこれまでにない有事に対する対応ですから、県民の意識をどうつくっていくかというふうなことが新たな取り組みとして考えられると思います。その県民に対する意識の喚起、さらには有事ですから有事に対する訓練、これをどのような形で取り組んでいくのか、その辺の御案内もお願いをいたします。
教育の問題であります。
先ほど、平成16年に国の方から調査があったというふうなことでありますけれども、本来であればこういうふうな調査も県民・国民に明らかにした上で現在の教育に問題がある、だから改正をしないといかぬというふうなことが手順だろうと思うんですね。今、恐らく学校現場も非常に戸惑っていると思います。ですからこの実態をもっと国のそういう動きであれば、県の教育委員会として国に対する対応を求めるとか、あるいは県内の教育委員会あるいは学校現場も含めて協議をしていくというふうなそういう場を設置していくというのがどうしても必要だと思うんですね。そうならぬと私は教育に対する信頼というのは非常に損なわれていくようなそういう懸念がするわけです。
同時に、沖縄県の教育委員会委員の先生方6名で構成をされているということでありますけれども、その教育委員の先生方の中でこういうふうな新たな改革に対する対応についてどういう協議がなされているのか、その辺もあわせてお願いをします。
国に対する説明を求めるお考えはないのか、県全体のそういうふうな関係者とその情報交換をするあれはないのか。それから教育委員会の協議がどういうふうになっているか、その御案内をお願いをいたします。
市町村合併、これから特例法が期限が切れて合併するにも非常に厳しい状況があろうかと思います。かといって単独の市町村で存続をしていく、これも非常に厳しい現状があります。今回の新年度予算の52市町村のトップのアンケートを見てもやはり先行き厳しいというふうな現状であります。そういうふうな厳しい現状の中で、いかに県が指導力を発揮して合併する市町村、しない市町村、真剣になって対応をしていくかというのが問われていると思います。
よろしくお願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後2時27分休憩
午後2時30分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 照屋議員の御指摘の建設業の構造改革の問題ですけれども、大変重大な重要な問題だというふうに考えております。
従来は、自立の基礎条件、あるいは格差是正、あるいは財政改革の推進という大きな面で一つの題目のもとに社会資本の充実、あるいは成長、あるいは雇用の拡大ということで建設業の果たしてきた役割は大変に大きかったと思っております。
ただ、議員も御指摘のように、県内では1つは、今後ある意味では社会資本というのがあるレベルまで行き渡りましたので、それほどの増加は期待できないと思いますし、それから政府においては財政改革という大きな問題があります。その意味では今後の問題としては、1つはやはり合理化の問題と、もう一つはやはり新たなる分野の拡大ということが大変重要だと思っています。
その中で、沖縄振興計画というものを十分に生かしながら、そういう方向に進んでいくべきだというふうに考えております。そのため、県としても今後とも新分野への進出などに積極的に取り組む企業が現実にあると聞いておりますし、現実にもございますし、私は現実に離島なんかを回ったときも、その機会を生かしながら農業分野で大変すばらしい展開を遂げておられるところもありますけれども、今後とも関係部局が連携しまして各種の支援策というものをぜひこの辺を検討いたしまして、健全な建設業の構造改善が図られるように努めてまいりたいと考えております。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 国民保護計画の再質問にお答えをいたします。
先ほども知事から答弁がございましたが、国民保護計画につきましては、国の定める基本指針に基づいて作成をすることになっておりまして、その基本指針は3月末に閣議決定をされ、それからモデル計画が提示されます。本県特有の歴史的な事情、それから地理的な事情、そういった特性がございます。そして米軍基地が集中しているというこういう特性に即応した、適応した保護計画を作成していくこととしております。
その作業は、具体的には17年から本格的に取り組むこととしておりまして、県民への意識、それから広報啓発、こういったものにつきましては国民保護フォーラムの開催、ホームページの積極的な活用ということで県民の意見を広く聞くとともに、制度の周知にも努めていきたいと考えておりますが、有事に対する県民、それから各市町村、こういったものの訓練等につきましては、国民保護計画作成後の検討課題として今後取り組んでまいります。
○教育長(山内 彰) 国に対する要求、あるいは市町村教育委員会等への説明、沖縄県教育委員会としての論議等についてお答えいたします。
御承知のとおり、学習指導要領というのは、本来10年スパンでの改訂をもってなしているところであります。したがいまして、今回の改訂においても10年先を見通しての審議会というのが持たれているわけでございまして、その中で突然の大臣発言がございまして見直し論が出たというのが1点と、それと教育改革の必要性から学力論が出されたと。たまたまその2つが一緒になりまして論議になっていると思います。したがいまして、そのことについては、学習指導要領の10年スパンのものについては、教育課程を1ないし2年で十分検証されたものを論議し、それを踏まえて次に乗っけるわけでございまして、このことについては全国都道府県教育長協議会、教育委員協議会等でいろいろと話をされ、そして国に対してもいきなりこのような形でマスコミに出ると困るんじゃないかという話し合いもされているところでございます。
したがいまして、中央教育審議会の審議の答申を待ってこれはやっていこうということになっております。
また、市町村教育委員会への研修でございますけれども、県教育委員会としては定例の市町村教育委員研修会というのを持っております。先月2月にも市町村教育委員研修会、全市町村の教育委員300名余が集まりまして今のような問題、あるいは本県のゆとりの教育の展開について、施策等について説明をし、及び研修会を一日じっくりやっているところでございます。
それから県教委でございますけれども、毎月定例会と勉強会を持ち、公開をしながら論議をし、本県の教育に御意見をいただいているところであります。今後より一層連携を深めていきたいと思っております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 認可外保育施設の認可化が進まない理由ということでお答えいたします。
県におきましては、待機児童解消のため保育所の創設及び増改築等のほか、認可外保育施設の認可化を促進しておりますが、大きな理由として三位一体の改革等により保育行政の主体である市町村の対応がおくれております。先ほどの17年度の5カ所についても市町村から上がってきたものすべてであります。県といたしましては、待機児童の解消というものは少子化対策の重要な課題であるというふうに認識しておりまして、先ほど申しましたように、保育所創設専任チームを設置しまして、待機児童の多い市町村に直接出向いて待機児童対策について助言・指導を行っているところであります。
以上であります。
○金城 勉 こんにちは。
一般質問をさせていただきます。
最終日のこの順番になりますと、ほとんどの質問が重複をしておりまして大変厳しいものがあるんですけれども、答弁は丁寧にお願いを申し上げたいと思います。
まず、福祉保健部関連についてお伺いします。
(1)、子育て支援策について伺います。
ア、少子化対策について。
「国立社会保障・人口問題研究所」の調査によりますと、明治以降、第2次世界大戦の一時期を除いて一貫して増加してきた日本の人口が、2006年をピークに2007年から減少に転じると予測されております。100年前の1905年の人口は約4613万人と言われており、以来、人口は拡大を続け、この100年で約3倍にふえております。その意味で総人口が減少する人口減少社会への突入は、明治以降初めてのことであり、日本社会は大きな歴史的転換点に立ったと言われております。
終戦直後の合計特殊出生率は4.5を数えたが、1974年に人口を維持するのに必要な2.08を割り、2003年には1.29と過去最低を記録し、主要先進国の中で最低の水準にまで落ち込んでいるとのことであります。国内で最も高いと言われる我が沖縄県も1.72であります。今後の人口動向は、現在の1億2700万人の人口が、2100年には6414万人に半減してしまうと予測されております。
もしこの予測のとおりになるとした場合、少子化問題は極めて重要な国家的政策課題になることは間違いないと思います。その意味で少子化問題については県を挙げ、国を挙げての取り組みが必要な重要事項であろうと考えます。
そこで伺います。
①、県として少子化の原因をどのように分析していますか。
②、少子化により人口減少社会になると社会的・経済的・教育的影響などあらゆる方面で影響が出てくると思うのですが、県の考え方をお聞かせください。
③、少子社会への対策は大変重要な政策課題になると思うのですが、県としての考え方をお聞かせください。
④、少子化問題は国家的なテーマであり、国との連携をどのように図っていくかお聞かせください。
イ、次世代育成支援対策について。
平成15年に「次世代育成支援対策法」が成立いたしました。同法律は、平成16年度中に国、県、市町村が行動計画をつくり、具体的に対応することを義務づけております。
そこで伺います。
①、県、市町村、企業等の行動計画の策定の進捗状況はどうか。
②、県民への周知、広告をどうするか。
③、県として全庁的連携をどうするか。
④、目標数値に対する進捗状況のチェックを今後どうするか。
ウ、県内の認可外保育施設の認可化促進について伺います。
認可外保育施設には2万人余の乳幼児童が預けられております。そのうち潜在的待機児童は1万2000人とも言われております。県は、待機児童解消のため認可化促進事業や新すこやか保育サービス事業などを積極的に推進しておりますが、待機児童の問題はなかなか改善されておりません。その原因は財政的な壁あるいはまた法律の壁があります。
そこで提案したいことは、内閣府の沖縄振興予算を待機児童解消のために、また認可外保育施設の認可化促進のために活用すべきだと思うのですが、そのことについて伺います。
①、認可外保育施設の認可化促進のために内閣府や厚生労働省と協議したことがあるか。
②、人材育成は最大の沖縄振興策だと思うがどうか。
③、内閣府の沖縄振興予算を沖縄の特殊事情である認可外保育施設の認可化促進に活用すべきだと思うがどうか。
④、沖縄振興予算の活用を前提として県独自の準認可制度を導入し、認可化促進をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
エ、認可外保育施設の消費税対策について。
①、新年度からの消費税法見直しにかかわる問題として認可外保育施設に対する課税の問題があります。認可外保育施設の多い沖縄県の場合、どのように適用されるのか御説明ください。
②、認可外保育施設をどのように分類するのか。
③、米軍施政権下27年、日本国憲法のもとに復帰して30余年、これまでの歴史の中で保育行政が立ちおくれてきた沖縄ですが、消費税法が改正されたことによって大きな影響を受けることが懸念されます。そのことについて沖縄県の特殊事情は勘案されるでしょうか。
オ、保育士派遣事業について伺います。
①、16年度認可促進のために6800万円の予算を組み、新規事業として多くの関係者の期待を受けてスタートしたはずなんですが、執行状況が思わしくないと聞いております。実にもったいない話であります。実施した市町村など、その新規事業についての詳しい内容を御説明ください。
②、このことは、事業の実施主体である市町村の意識啓発を促すことも大変重要だと思うのですが、いかがでしょうか。
③、17年度は、保育士派遣事業をどのように取り組むか御説明をお願いします。
次(2)、放課後児童クラブへの障害児受け入れ事業について伺います。
従来、放課後児童クラブへの障害児の受け入れに対し、指導員の加配条件は2人以上の受け入れが条件であった。17年度からは県の単独予算で1人から加配する事業をスタートさせることになったようです。まことにすばらしいことであり、関係者の皆さんから大きな喜びの声が寄せられております。御尽力いただいた関係職員の皆さん方に深く感謝を申し上げたいと思います。この事業内容について実施のあり方、スケジュールなど具体的に御説明をお願いいたします。
(3)、障害児タイムケア事業について伺います。
厚生労働省は、17年度から障害のある中高校生を放課後に預かるタイムケア事業を始めると報道されております。これまで小学生以下の障害児を預かる福祉サービスはありましたが、中高校生対象の事業はありませんでした。去年の2月議会でこの問題を取り上げたんですけれども、新年度から実施されることになり、関係父母の皆さん、あるいはまた関係者の皆さんが大変喜んでおります。このタイムケア事業について実施の仕方など具体的内容を御説明ください。
(4)、発達障害者支援について伺います。
本年4月1日から発達障害者支援法が施行されます。発達障害は、脳機能の障害を原因として主に幼児期や学齢期にあらわれる言語、行動、認知などの発達のおくれや障害の総称とされております。この中には、読み書きや計算に困難を示す学習障害、落ちつきがないなどの多動や衝動性を特徴とする注意欠陥・多動性障害、言葉のおくれやコミュニケーションなどに困難を示す自閉症などが含まれております。
発達障害は珍しい障害ではなく、少なくとも児童20人に1人の割合と推定されております。しかし、発達障害者は障害者基本法の定める「障害者」には定義されておりませんでした。知的障害を伴う発達障害であれば知的障害者として福祉施策の対象となるが、知的障害を伴わない発達障害に関しては今まで法的な位置づけがなく支援策が行き届いてなかったわけであります。
さらに、知的障害を伴わない発達障害は、通常の子供との区別が難しく、問題行動が本人や親のしつけによるものとされてしまい、いじめや引きこもりなどの2次障害を引き起こす要因ともなってきたと指摘されております。この発達障害者支援法は、「発達障害」の定義を明確にするとともに、目的として、発達障害者の心理機能の適正な発達及び円滑な社会生活の促進のため国や地方公共団体の責務を明らかにし、学校教育における発達障害者への支援や就労支援等を進めることによって発達障害者の自立及び社会参加に寄与することを目的に定めた法律であります。この法律ができたことに対し、発達障害者を持つ親や関係者の皆さんが大変喜んでおります。
以下、質問します。
ア、自閉症・発達障害支援センター設置に関して質問します。
①、県は、発達障害者の実態調査を実施したことがありますか。
②、発達障害支援センターの設置についてどのように取り組みますか。
③、発達障害を正しく理解するため市町村や児童相談所などで相談に当たる職員、学校の教員や保育所の保育士などに対する研修の実施が必要だと思うのですが、どのように対応しますか。
④、発達障害の早期発見のため、児童検診について今後どのように取り組みますか。
⑤、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができる病院や診療所をどう確保しますか。
⑥、発達障害者の就労支援についてどのように取り組みますか。
(5)、特定不妊治療費助成事業について伺います。
保険が適用されない不妊治療に対して、国は平成16年度から助成制度を設けました。10組に1組の割合とも言われる不妊の悩みを抱える夫婦に対し、治療費が高額になる人工授精、体外受精、顕微授精などに国・県が補助をするという制度であります。県も17年度から特定不妊治療費助成事業を実施することになり大変喜んでおります。
そこで伺います。
17年度から予定している特定不妊治療費助成事業の概要を御説明ください。
(6)、離島医療対策について伺います。
1月19日から21日までの2泊3日の日程で文教厚生委員会として宮古、石垣、与那国の視察を行ってまいりました。また、2月3日には久米島も視察をしてまいりました。その中で八重山病院と久米島病院ともに多くの課題を抱えておりました。特に、医師不足は離島住民にとって深刻な事態となっていることを実感いたしました。現在、医師の確保は病院長の個人的人脈でスカウトをし、何とか急場をしのいでいるとの印象を受けました。それでも医師を確保できず担当医師のいない診療科もあります。
そこで伺います。
ア、当面の医師の確保についての見通しはどうか。
イ、今後の安定的医師の確保について、行政組織として協議機関を設けしっかり取り組む必要があると思うのですが、その対応策について伺います。
2、文化環境部関連について。
(1)、与那国島のごみ処理について伺います。
自然豊かで風光明媚な与那国島、テレビドラマの撮影も行われ一躍有名になりました。観光客も年々ふえ、多くの注目を集めております。しかし、一足ごみ処分場に足を運びますと惨たんたる状況でありました。ダイオキシン対策のために従来の焼却炉が閉鎖されてから一般ごみも産廃ごみも分別されることなく、すべて乱雑に捨てられているのが実態であります。財政難の町は手をつけることもできず放置している状況にあります。もし、そのままの状態で放置すれば、せっかく盛り上がった観光産業にも悪影響を及ぼすことは間違いありません。
県としてどのような対応策を考えるか御説明をお願いします。
(2)は取り下げます。
3、教育委員会について伺います。
(1)、与那国海底遺跡について。
1986年に地元ダイバーが発見して以来、県内外の注目を集めてまいりました。92年からは琉球大学海底調査団も調査を開始しており、99年には東京大学海洋研究所と琉大海底調査団との共同シンポジウムも開催されております。この10数年の間にテレビの特集番組や新聞の特集記事、専門雑誌の特集などでもたびたび紹介され、多くのダイバーや観光客が押し寄せております。訪問者の中には、世界的に著名な潜水士のジャック・マイヨール氏や世界の遺跡専門家のグラハム・ハンコック氏、また宇宙飛行士の毛利衛氏なども訪れております。
こうした与那国を訪れる多くの皆さんは、海底の構造物がもしかしたら人工物ではないか、もしそうだとしたら世界的大発見であり、大変な人類の財産になるのではないかと一様に大きな期待を寄せております。
私たち文教厚生委員会も現場を実地に視察してまいりました。ダイビングはできなかったものの、半潜水のグラスボートでの観察でも十分興味ある構造物でありました。当然、素人の目から人工物であるか自然のものであるかは判別できませんでしたけれども、大変興味深い印象を感じてまいりました。しかしながら、内外のこうした動きがある反面、肝心の沖縄県は発見から20年近くにもなろうとする今日に至るまで専門的調査はしておりません。コンベンションビューローに委託してわずかに海上から観光資源の可能性を調査したにすぎません。大変残念であります。
そこで伺います。
ア、早速、県内外の専門家を募って調査検討委員会を設置してスタートすべきではありませんか。
イ、その上で専門家による学術的調査を実施すべきではないか。
ウ、海底構造物のある一帯を条例で保護すべきではないか。
エ、今後、遺産認定への取り組みについて県の考え方をお聞かせください。
(2)、学校の防犯対策について伺います。
ア、大阪・寝屋川小学校で17歳の少年による殺傷事件により優秀なお一人の教師が亡くなりました。またも起こってしまった学校現場での悲惨な事件について教育長の御所見をお聞かせください。
イ、学校現場の安全や防犯対策のため総点検の実施が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
ウ、安全対策について学校現場だけに任せるのではなく、行政が体制を強化しなければなりません。門扉やフェンス、防犯カメラなどの施設整備から来訪者への対応など人的体制強化も必須事項だと考えますが、県教育委員会の考え方をお聞かせください。
○知事(稲嶺惠一) 金城勉議員の御質問にお答えいたします。
放課後児童クラブへの障害児受け入れ事業についての御質問にお答えいたします。
放課後児童クラブへの障害児の受け入れについては、障害児が年齢の異なる児童と一緒に活動することで積極性が身につくなど、障害児の成長にとって有益であります。現在、県では国庫補助事業として障害児を2名以上受け入れる放課後児童クラブへ補助の加算を行っております。さらに、平成17年度から県単独事業として障害児を1名受け入れる放課後児童クラブへも補助の加算を行うこととしております。
具体的には、障害の程度が一定程度以上の障害児を国庫補助対象の放課後児童クラブが受け入れた場合に1クラブ当たり年額46万円を加算するもので、県と市町村が2分の1ずつ負担することとしております。今後、実施主体である市町村へ放課後児童クラブへの障害児の受け入れ事業の実施を働きかけていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 少子化の要因についてお答えいたします。
少子化の要因としては、結婚観や家族観の大きな変化に伴う晩婚化・未婚化の進行や、夫婦の出生力の低下等が考えられます。また、家庭や職場における男女の固定的な役割分担意識がまだ根強く残っているため、子育てと仕事を両立することが女性にとって大きな負担となっていることも要因であると考えております。
続きまして、少子化の影響についてお答えいたします。
少子化の進行は、年金、医療、福祉等の社会保障制度において人口に占める高齢者の割合が高くなることによる社会保障費用や、人的資源を支えている現役世代の負担の増大や、労働力人口の減少等により経済活動の停滞を招き、社会全般の活力が低下するなど大きな影響を及ぼすことを懸念しております。
続きまして、少子化対策の県の考え方と国との連携について一括してお答えします。
国においては、少子化対策を国の基本施策として位置づけ、「少子化社会対策大綱」を定め、同大綱に基づき昨年12月に「子ども・子育て応援プラン」を策定しております。同プランにおいては、これまでのエンゼルプランにおける保育事業中心から、若者の自立・教育、働き方の見直し等を含めた幅広いプランとなっております。
なお、同プランは、市町村が策定中の次世代育成支援に関する行動計画を勘案し、数値目標を設定しております。
少子化対策につきましては本県にとっても重要な課題であると認識しており、このため、県では、今月中に策定する「次世代育成支援行動計画」において「子ども・子育て応援プラン」を踏まえつつ、国との連携を図りながら総合的に施策を推進していきたいと考えております。
続きまして、次世代育成支援行動計画策定の進捗状況についてお答えいたします。
次世代育成支援行動計画の策定に当たっては、部局を横断した庁内委員会を開催し、全庁的な体制で取り組んでおります。県行動計画素案については、県民からの意見公募を実施したところであり、県民の意見を計画に反映させ、今月中に行動計画を策定することとしております。
また、市町村の行動計画策定については、これまで地区別調整会議等の開催により計画策定の支援を行ってきたところでありますが、県内のすべての市町村が今年度中に行動計画を策定し、公表する予定であると報告を受けております。
さらに、一般事業主行動計画については平成17年4月1日以降に沖縄労働局へ届け出ることになっていることから、現在、各企業において策定に向け取り組んでいるところであります。
次に、行動計画の県民への周知についてお答えいたします。
県が策定する次世代育成支援行動計画については、市町村を初め関係機関へ配布するとともに、県のホームページへ掲載するなど県民への周知に努めていきたいと考えております。
続きまして、次世代育成支援対策の全庁的連携及び目標数値の進捗管理について一括してお答えします。
次世代育成支援対策の推進に当たって、福祉を初め保健、教育、労働、住宅、生活環境など全庁的な連携体制のもとに、各年度において行動計画で定めた目標数値の達成状況を含め、その実施状況を把握・点検し、総合的・効果的な施策の推進を図ってまいります。さらに、行動計画策定にかかわった外部の有識者等から成る沖縄県児童環境づくり推進協議会を活用し、計画の実施状況の点検を継続的に行っていきます。
次に、認可化促進のための沖縄振興予算の活用について一括してお答えします。
県では、人材育成のため沖縄振興計画において21世紀を担う子供たちが健やかに生まれ、たくましく育ち、豊かな可能性が発揮できる環境を整備するための各種施策を展開しております。県では、待機児童の解消に向けて保育所の整備はもとより、分園設置、増改築による定員増、認可外保育施設の認可化の促進等あらゆる施策を市町村と協力しながら実施しております。これまでも国に対しては沖縄県の保育環境の特殊事情を御理解いただきますようお願いしているところでありますが、御提言の沖縄振興予算の活用につきましては貴重な御意見として賜りたいと考えております。
続きまして、認可外保育施設の課税のあり方及び分類について一括してお答えします。
認可外保育施設は、社会福祉法第2条に規定する社会福祉事業に該当しないことから、消費税法上の課税対象施設となっております。先般、閣議決定された「平成17年度税制改正の要綱」で、社会福祉事業のほかに認可外保育施設のうち一定の基準を満たすもので都道府県知事等から基準を満たす旨の証明書を交付された認可外保育施設については、その利用料の消費税が非課税とされます。そのため、県においては認可外保育施設への立入調査を実施しているところであります。
続きまして、沖縄県の特殊事情の勘案についてお答えいたします。
現在実施している認可外保育施設への立入調査につきましては、全都道府県を通じた統一的な取り扱いとなっております。しかしながら、本県においては、同基準を満たすことができない認可外保育施設があると予想されることから、認可外保育施設への立入調査の結果を踏まえつつ、基準を満たすための支援策として現在実施している県単独事業の保育士派遣モデル事業、新すこやか保育事業及び認可外保育施設職員を対象とした研修事業等の事業内容の充実等について、保育の実施主体である市町村や県の関係機関等と調整をしてまいりたいと考えております。
続きまして、保育士派遣モデル事業の執行状況の思わしくない理由、それから市町村への意識啓発及び17年度の取り組みについて一括してお答えします。
認可外保育施設に入所している児童の処遇向上と、認可外保育施設の認可化を目的として市町村から要望があった保育士派遣モデル事業を平成16年度から実施しておりますが、国の三位一体改革の影響から一部の市町村において予算措置ができず事業への取り組みが困難となったものです。県では、平成16年度に創設した「保育所創設専任チーム」により、待機児童の多い市町村に対しては待機児童解消のための助言等を行うとともに、平成17年度についても引き続き同事業の普及及び活用をさらに強く働きかけてまいりたいと考えております。
続きまして、障害児タイムケア事業についてお答えいたします。
障害児タイムケア事業の実施により、これまでの放課後児童健全育成事業や障害児デイサービス事業で対象とならない養護学校等に通う中学・高校生の放課後活動の場が確保されることになります。本事業の実施により、障害児を日常的に介護している家族の一時的な休息や保護者の就労支援等が促進されるものと考えます。今後、国から示される事業実施要綱等を踏まえながら市町村と調整し対応してまいります。
続きまして、発達障害者の実態調査についてお答えいたします。
自閉症、学習障害などの発達障害者支援のため平成16年12月に発達障害者支援法が公布されました。県では、発達障害者の実態調査は実施しておりませんが、類似調査としては平成14年に県教育庁が小学校2年生から6年生9898人を対象に行った県内の学習障害児等の実態調査があり、その中で注意欠陥・多動性障害、学習障害児等の割合は0.81%となっております。
また、県内8校の養護学校の平成16年度の入学時の診断書によりますと、自閉症ないし自閉的傾向にある児童生徒が5校で170人、約15%となっております。さらに、知的障害者更生相談所の昭和56年度から平成15年度までの療育手帳交付関係資料によりますと、自閉的傾向にあると思われる者が354人で、平成16年3月末の療育手帳交付件数に占める割合は4%となっております。
続きまして、発達障害支援センターの設置、関係機関職員等への研修及び就労支援について一括してお答えいたします。
平成15年度末で全国に19カ所の自閉症・発達障害支援センターが設置されており、発達障害者及びその家族に対し相談支援、療育支援、就労支援を行うとともに、関係施設、関係機関等への普及啓発や研修等を行っております。
本県における発達障害支援センターの設置につきましては、今後、国及び関係部局と調整しながら検討していきたいと考えております。
なお、関係機関職員等の研修については厚生労働省が行う発達障害関係職員研修等へ派遣し、指導者等の育成に努めてまいります。
また、発達障害者の就労については必要な体制の整備を図るとともに、公共職業安定所、地域障害者職業センター及び障害者就業・生活支援センター等の関係機関や関係部局と連携して支援してまいります。
続きまして、発達障害の早期発見のための児童健診の取り組みについてお答えいたします。
市町村では、母子保健法に基づき、発育、精神・運動機能の発達の評価、疾病または異常の早期発見を目的に乳児、1歳6カ月児、3歳児に対し健康診査が実施されております。
発達障害の早期発見については、1歳6カ月児、3歳児の健康診査において医師の診察に加え、38市町村では心理相談員による個別の相談が行われております。また、保健所では障害児・者地域療育等支援事業の委託機関等と連携し、適切な療育が行われるよう支援しているところです。県では、担当職員に対し、発達障害に関する研修を実施する等発達障害の早期発見のため市町村の乳幼児健診の充実強化に努めてまいります。
続きまして、病院や診療所の確保についてお答えいたします。
発達障害者支援法においては、第19条で県が専門的に発達障害者の診断及び発達支援を行うことができると認められる病院または診療所を確保しなければならないとされていますが、今後、公布が予定されている政令により具体的な確保を図っていきたいと考えております。
続きまして、特定不妊治療費助成事業の概要についてお答えいたします。
平成17年度の新規事業として実施予定の特定不妊治療費助成事業は、不妊治療のうち医療保険適用外である体外受精及び顕微鏡下の授精について、治療に要する費用の一部を助成することにより経済的負担の軽減を図ることを目的としております。補助対象者は、県内に住所を有する夫婦で、夫婦の合計所得額が650万円未満の者で、指定医療機関において特定不妊治療を受けている者で、助成額は年間10万円を限度に通算2年間助成することとしております。
続きまして、公立久米島病院の医師確保についてお答えいたします。
公立久米島病院の医師については、県立病院からの派遣に加え、琉球大学等の協力や厚生労働省の医療技術援助医師等派遣事業を活用して確保に努めてきております。しかしながら、今年度から実施されている新医師卒後臨床研修制度の影響もあり全国的に医師の確保が厳しく、県立病院においても離島等の病院や診療所を抱えていることから、公立久米島病院への医師の配置が難しくなってきております。このような厳しい状況ではありますが、次年度の医師の確保は県立病院からのローテーションによる応援も考慮に入れ調整しているところであります。
医師確保に関する今後の安定化についてお答えいたします。
多くの離島を有する本県にとって、離島完結型医療を担う質の高い医師の安定的な確保は重要な課題であります。そのため、県においては県立中部病院の臨床研修事業の中で離島勤務医師の養成を行っているところであり、平成18年度に開院予定の県立高度・多機能病院(仮称)においても、離島勤務医師の養成を行うなど医師確保対策を拡充していきたいと考えております。
また、琉球大学や医師会等と医師確保等に向けた協議会設置についても必要であると考えており、現在その設置に向けてこれら機関等と意見交換を行っているところであります。
以上でございます。
○病院管理局長(平井哲夫) 八重山病院の医師確保についてお答えをいたします。
八重山病院の医師については、中部病院の臨床研修修了医師の配置のほか、県内外の大学からの派遣等により確保しておりますが、大学からの派遣については、臨床研修の義務化に伴い大学においても医師不足していることから厳しい状況になっております。中でも脳神経外科や産婦人科については全国的にもなり手が少ないことから、その確保は特に難しい状況にあります。
八重山病院においては、脳神経外科医師は平成17年度の中途まで、それから産婦人科医師については17年度中、それぞれ県外の大学から派遣が継続できる見通しとなっております。
医師の安定確保に向けては中部病院や平成18年4月開院の高度・多機能病院を中心とした研修制度の充実による医師養成に努めるとともに、引き続き県内外の大学等からの派遣を働きかけていきたいと考えております。
また、福祉保健部においては琉球大学や県医師会等との医師確保に向けた協議会設置について調整を行っているところであり、医師の継続確保ができるよう努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 与那国町のごみ処理の状況についてお答えをいたします。
与那国町では週3回ごみを収集し焼却処理を行っておりましたが、ダイオキシン類の排出基準が強化されたため平成14年12月に焼却施設の稼働を停止し、収集したごみを島内2カ所の埋立地で処分しております。このような不適正な処理状況を改善するため、現在、町において平成16年から17年度の2年事業で最終処分場とリサイクルセンターを整備中であり、平成18年度以降ごみ焼却施設を整備する予定となっております。県としては、施設整備に必要な交付金の確保に努め施設整備の着実な進捗を促すとともに、施設が供用されるまでの間の適切なごみ処理の方法について指導を行っていきたいと考えております。
○教育長(山内 彰) 調査検討委員会の設置と学術的調査について一括してお答えいたします。
遺跡について県教育委員会の立場として、遺跡認定後の範囲確定及び開発からの保護等を目的として調査や検討委員会の設置を行うことになっております。また、当該場所が遺跡であるか、どのような価値を持つ遺跡なのかどうかの研究を目的とする学術調査については、大学等の専門的研究機関で行うことが基本となっております。
したがいまして、県教育委員会では現在まだ遺跡認定されてないいわゆる与那国海底遺跡については、琉球大学を中心とした学術調査団が精力的に調査を実施していることから、同調査団の調査研究を見守っていきたいと思います。
次に、保護策についてお答えいたします。
埋蔵文化財として遺跡認定された場所については、文化財保護法や文化財保護条例に基づいて保護されることになります。しかしながら、まだ遺跡認定されてないいわゆる与那国海底遺跡の現状保護については、関係機関との連携を図っていきたいと考えております。
次に、遺産認定への取り組みについてお答えいたします。
現時点では、提出された調査資料がいわゆる与那国海底遺跡と同時期のものであるか確定できかねるため、埋蔵文化財で扱う遺跡として認定するのは難しいと考えています。今後、県教育委員会といたしましては新たな資料の追加を踏まえて検討をしていきたいと考えております。
次に、学校の安全対策についてお答えいたします。
池田小の事件以来、全国の学校において危機意識を持って不審者侵入対策に取り組んでまいりましたが、今回、大阪において教職員3名が死傷するという事件が発生したことはまことに遺憾に思っております。
今回の事件を受け、各学校に対し不審者侵入に備えた防犯対策について再点検を行うとともに、警察等関係機関・団体との連携を一層深め、安全対策の強化に努めるよう依頼したところであります。現在、各学校では校門の施錠や来校者受け付け対策や校内巡視の強化、警察等と連携した防犯訓練の実施などに取り組んでいるところであります。しかしながら、防犯カメラやインターホン等の整備が課題となっていることから、学校設置者である市町村教育委員会と連携を図りながら促進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○金城 勉 再質問をさせていただきます。
まず、認可外保育施設の件でございます。
福祉保健部長から答弁がありました。特に県内においては認可外保育施設が多い。そしてまたそこで預かっている子供たちも2万人を超える。待機児童の解消の事業をさまざまな形で推進をしているんですけれども、潜在的な待機児童の数というのはなかなか改善されない、そういう状況がずっと続いてきているわけであります。県としては、一生懸命その改善に向けて取り組みをしているんですけれども、効果として結果を出し切れないという状況があります。調査によってはさらに待機児童がふえるかもしれません。
そういう現状を何とか打破するためには、やはり皆さん御存じのように壁になっているのは財政的な問題であり、あるいはまた法律の壁であります。ですから特に財政的な問題はこの保育士派遣事業にも見られるように、そういう施策をつくり予算をつけても、実施主体の市町村がその財政的な負担分が厳しいという状況がある中でなかなかそれを実行できない。そういう現実があるわけで、そこに待機児童の解消がなかなか改善されないという大きな理由があるわけです。
ですから私も提言を申し上げました、また代表質問でも糸洲議員の方からも提案を申し上げているんですけれども、沖縄振興計画があり、その中にもこの待機児童の問題の解消というものもうたっているわけですから、ぜひその沖縄振興策の調整費・予算というものを活用して、この沖縄の全国的にも類のない認可外の保育施設のあり方についてぜひ改善をしていただきたい。
私、先日、内閣府のある方と懇談する機会があったんですけれども、金城議員、これはできますよと。問題は、県の政策のプライオリティーの問題だと。そういう話も伺ったことがあります。ですから、その可能性をぜひ探っていただきたい。これは要望としておきます。
そして与那国の海底構造物の件でございますけれども、教育長の今の御答弁では、結局結論的には何にもしませんという答弁になるんですね。それでは余りにも寂しい。やはり周囲がいろいろ調査をして証拠を持ってきて、これだけのことがありますよ、だから作業してくださいと言われるまでは何にもしないというそういうふうに私は聞こえたんですね。そうであっては、やはりこれだけの可能性のある遺跡というものをそのまま放置していると、いろんな人が入り込んできて――今何の規制もないわけですから――どんどんどんどん持ち出していく。いざ必要になったときには何の調査もできない。証拠も見つからないということになってしまう。
琉大の調査団のその結果においては、人工物としての石盤、プレートも発見されているし、あるいはまた動物模様のレリーフも発見されているわけですね。ですから人工物であろうという可能性のある芽出しはできてきているわけですよ。ですからそういう意味でも専門家を構成して調査をして、そして可能性を探っていく。ぜひ教育長、もう一度決意のほどをお聞かせください。
○教育長(山内 彰) 御指摘のとおり、可能性はあろうという芽出しのことでございますけれども、専門家を入れてその可能性を探るということはとても大事なことだと思います。しかし逆もございまして、もしなかったら夢がつぶれるということも御想定いただきたいと。
それから、これは一般的見解としてしかりでございますけれども、ただ遺跡認定というのは、あろうだけではどうしても難しいところがあります。学術的な裏づけというのは専門家と、それから現在やっているところの調査団というのを尊重するということはとても行政としては大事なことで、これから新しい形で生み出そうとすると、個々に競争等々が入っていきますので、これは行政としては差し控えなければいけないと。そういう遺跡認定の難しさ、それから数が多い、与那国だけじゃなくてほかにも遺跡というのはありまして、いろいろとなされているわけですから、すべてに行政がかかわるというのは厳しい状況がございまして、遺跡という言葉で管理していくにはきついのかなと思います。
したがいまして、そこを所有している市町村等と、当該市町村等との連携を図ってそれを大事にしていくということが大切かなと思っております。そういう意味では推進役としては行政としてかかわりを持っていきたいと思っております。
以上でございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後3時27分休憩
午後3時53分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
親川盛一君。
〔親川盛一君登壇〕
○親川 盛一 皆さん、こんにちは。
本日は一般質問の最終日で、ちょうど今ごろの時間帯は眠気が災いし頭が下へ向く傾向にあるころかと思われますが、最後までおつき合いのほどよろしくお願いいたします。
これまで議員各位から県政の課題等についていろいろな角度から質問が行われ、重複する部分もあろうかと思いますが、角度を変えながらできるだけ重複しないように所見を申し上げながら、通告に従って一般質問を行います。
1、基地問題等について。
本県における基地問題を考える場合、日本全国の国土面積の0.6%の狭隘な県土に在日米軍専用施設面積の約75%が存在していることや、米軍基地から派生するさまざまな事件・事故の問題、軍用地主や駐留軍従業員の問題、米軍基地返還後の跡地利用の問題、基地経済にかわる産業育成の問題等が複雑に絡み合っており、これらを総合的に検討していくことが最も肝要であると思料いたします。
本県にとって基地問題の解決は、地位協定の見直しがなされず困難な面もあるが、これまでの県政にとって最重要課題として論議されてきたところである。なかんずく過重な基地負担を強いられている沖縄県民は、米軍基地の段階的な整理縮小、米軍兵力の削減、在沖米軍の再編、日米地位協定の抜本的な見直しを日米両政府に強く求めており、中でも海兵隊の県外移転を強く望んでいるところである。
そこで、日米両政府は沖縄県民の基地負担の軽減を図るため沖縄に関する特別行動委員会、いわゆるSACOの設置を行い、在沖米軍基地の整理縮小等について協議が行われ、11施設の返還等が合意されたところである。
基地の負担軽減を図るためには、少なくともSACOで合意された事案を着実に実施していくことが重要であり、現実的で実現可能な方法であると思料いたします。昨今の米軍基地を取り巻く状況は目まぐるしく変化し、特に在日米軍再編問題の行方は目を離せない状況であります。
そもそも米軍再編問題は、昨年8月、ブッシュ米大統領がアジアと欧州に駐留する約20万人の米軍人のうち約7万人を10年間で撤退させる構想を発表して以来生じたものであり、冷戦時代の大規模駐留を見直し機動的でかつ迅速性のある部隊を再配置し、テロや大量破壊兵器等に対処できるようにするためであるとされております。
その一環として、在韓米軍の兵力削減について米韓で合意し、ソウルの米軍基地移転等も決まり、韓国においては再編問題は一段落した模様であります。在日米軍再編問題については、さきに日米両政府間の審議官級の協議が行われ、去る2月19日に日米安全保障協議委員会(2プラス2)において協議が行われ、再編に当たって日米共通の戦略目標を確認し、沖縄の基地負担軽減等について具体的に協議が行われる運びとなり、今後半年ないし1年間が山場となります。この機会に本県の過重な基地負担の軽減を図り、基地の整理縮小につなげる千載一遇の絶好の機会であると思料いたします。
また、これに先立ち知事は去る2月15日、米合衆国海外軍事施設の構成見直しに関する委員会との面談において、米軍再編における沖縄の基地負担軽減について、海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用改善、陸軍複合射撃訓練場の建設中止及び日米地位協定の抜本的見直しについての対処方針を掲げ、その緊急的な対応策として、1つ、普天間飛行場の航空部隊や海兵隊等イラクに派遣されている部隊を県内に戻さず移転させること、2つ、嘉手納飛行場の危険性の除去及び騒音の軽減、3つ、演習、訓練の県外・国外移転等を行い、地域の安全確保や周辺地域の生活環境の改善を図ること、4つ、演習、訓練施設等の統合、共用化等基地の運用の一層の合理化の促進について要請をし、来る3月12日から20日までの9日間の訪米要請に当たっての基本とするとのことであり、基地問題の解決を図るための知事の強い決意のほどがうかがわれ、県民の一人として高く評価するものであり、県民のためになお一層頑張ってくださらんことを切望するものであります。
一方、普天間飛行場の返還問題等については、最近のマスコミ報道等によると、米国政府は日本政府から新たな移設先についての提言があれば辺野古移設に固執せず柔軟に対処するとのことであるが、県としてはSACOで合意された事項を粛々と進めていくことが重要であり、在日米軍再編の中で県外移設ということが決まればその時点で方針変更をし、辺野古移設に固執する必要はないと考えます。
そこで伺います。
(1)、在日米軍再編問題について。
ア、在日米軍再編問題に対する県の対応に当たっての基本的な考え方についてお聞かせください。
イ、在日米軍再編問題をめぐる日米両政府の審議官級の協議が行われたようでありますが、協議内容等について把握しておればお聞かせください。
ウ、日米両政府は、沖縄の基地負担軽減を図るため分科会を設置し、本格的に協議していくとのことでありますが、負担軽減についてどう具体化していくと考えておられるかお聞かせください。
エ、日米安全保障協議委員会(2プラス2)に県としていかようなことを要望し、県民の意思を伝えていく考えかお聞かせください。
(2)、普天間飛行場問題について。
ア、代替施設建設の現状及び課題等についてお聞かせください。
イ、普天間飛行場の跡地利用計画の策定についてはどうなっておりますか。
(3)、都市型訓練施設建設問題について。
この問題については、建設中止の要求もさることながら県外・国外移設、あるいは仮に県内移設であれば他の地域への移設について提言してはどうかと思われます。
そこで、ア、工事の進捗状況はどうなっておりますか。
イ、県は、これまで当該施設の建設中止を訴えてきたが、現在地から住宅地や沖縄自動車道から離れた他の場所への移転を条件に建設を認める方針を固めたようでありますが、方針変更を余儀なくされた経緯、背景等についてお聞かせください。
2、沖縄県域内の安全保障問題等について。
本来、外交・防衛に関する事項は国の専管事項であるが、最近の沖縄近海における領海侵犯等は目に余るものがある。なかんずく中国海軍の原子力潜水艦による我が国の領海内での航行や尖閣諸島周辺海域での海洋資源調査名目の活動、あるいは尖閣諸島は中国の領土であると主張するがごときは国際法上全く根拠のないものである。特に、尖閣諸島や与那国島周辺海域においては我が国(県)の漁船が毎日のように操業している地域であり、漁船の安全操業の確保や海上交通の安全確保を図り、県民の生命財産を守る観点から尖閣諸島や台湾海峡、先島周辺海域での保安警備は殊のほか重要であるし、これら地域の安全保障については手薄にしてはならないと考えます。
そこで、知事として次の事項についてどのように考えておられるか伺います。
(1)、台湾海峡、尖閣諸島周辺海域の安全保障についていかように考えておられるか。
(2)、中国海軍の原子力潜水艦による領海侵犯は、漁民の安全操業等に支障を来すものであり、厳重に抗議すべきものであると考えますがいかがでしょうか。
(3)、防衛庁は、東シナ海の離島防衛を強化するため米軍との共同対処を強化する方針を固めたとのことでありますが、把握しておりますか、知事の所見をお聞きいたします。
3、指定管理者制度の導入と民間委託について。
指定管理者制度については、御案内のとおり平成15年9月2日、地方自治法の一部改正により公の施設の管理に関するこれまでの管理委託制度が改正され、新たに創設された制度であります。これまでの管理委託制度のもとでは、地方自治体が公の施設の管理を委託できるのは公共団体、公共的団体または自治体が出資して創設する法人等に限定され、管理受託者は委託契約に基づき管理業務を執行することができ、施設管理の権限と責任は設置者である地方公共団体が有し、施設の使用許可の処分等は委託できないこととされておりました。
これが改正後の指定管理者制度のもとでは、地方自治体が指定した指定管理者に使用許可を含む施設の管理を行わせることができ、地方公共団体は管理権限の行使自体は行わないが、指定管理者の管理権限の行使について設置者として必要な指示を行い、それに従わない場合には指定の取り消し等を行うことができる制度で、指定管理者の範囲については民間企業、非営利法人等が議会の議決を経て指定管理者として公の施設の管理を行うことができるようになったものであります。
そこで、公の施設の適正な管理を確保するため、平等利用の確保、条例の制定、指定の議決、事業報告書の提出、指定の取り消し等条例の範囲内での権限の行使等が制度上整備され、従来の管理委託制度は地方公共団体が直営する場合を除くほか指定管理者制度に一本化され、法施行後3年以内の経過期間を経て新しい制度への移行が義務づけられたものであります。
これらは公共サービスに対する住民ニーズが多様化する中で、より効果的・効率的に対応していくために指定管理者を公募し、民間事業者の有するノウハウを公の施設の管理に活用し、住民サービスの向上に寄与していこうとするものであり、極めて大切なことであります。しかしながら、施設等によっては設立の趣旨、目的、経緯等から指定管理者の公募になじまないもの等が出てくること等が懸念されるところである。
そこで伺います。
(1)、指定管理者制度の導入に当たっての基本的な考え方について。
(2)、指定期間、どれぐらいの期間指定するかについての考え方についてお聞かせください。
(3)、指定管理者が決まったら指定管理料はいかような方法で考えているか。県が全額支出して賄うのか、県の支出金と指定管理者が収受する利用料金で賄うのか、あるいは指定管理者が収受する利用料金で賄うのか。
(4)、公営住宅や県立県営、県立民営の社会福祉施設(老人福祉施設、障害者福祉施設)等についてはいかように考えておられるか。
(5)、公の施設によっては、その設立の趣旨、目的、経緯等から指定管理者制度の公募になじまないもの、例えば慰霊奉賛会などもあると思いますが、従来の管理委託制度のもとでの管理受託者に引き続き指定管理者として指定し運用を図った方がよい施設等もあると思われますが、いかがでしょうか。
4、水産業の振興について。
本県は、東西南北四面を海に囲まれ、昔から海洋民族として栄えてきた。我々の先人たちは、南洋群島はもとより、遠くはボルネオ、スマトラ、インド洋あたりまで遠征して漁業を行い、島(郷土)の活性化と経済発展に貢献してきたところでありますが、最近では漁船の大型化、資金不足、資源の減少等により沿岸漁業を中心にパヤオ漁等近海漁業に終始していると言っても過言ではありません。今後は豊かな漁場の構築を図り、養殖漁業を中心につくり育てる漁業に力を入れていく必要があります。そのためには、海を大事にするためには陸地を大事にするという格言にもありますとおり、陸上部分での植林を奨励し、腐葉土をつくり栄養価の高い農用地をつくり環境をつくっていくことが大切であり、畜舎等から排出される汚水対策、農地等からもたらす農薬の使用抑制策、モズク養殖等からもたらされる残留施設物等の除去、使用済みの網等の除去による漁巣等の浄化、サンゴ礁等の保護・保全対策が必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、沿岸漁業の振興策等についてはどのように考えておられますか。
(2)、沿岸海域の汚染の除去及び浄化対策についてどのように考えておりますか。
(3)、オニヒトデ駆除対策の現状と課題について伺います。
5、本島南部地域における土地改良及びかんがい排水事業の進捗状況について。
申すまでもなく、沖縄本島南部地域は県民の台所になくてはならない生鮮野菜類等の生産振興地域として産地形成が進められている地域である。しかしながら、土地改良事業等生産基盤整備については大分進んでいるとはいえ、まだまだのところが見受けられ、事かんがい排水事業に至っては皆無と言っても過言ではない。農業振興を促進し発展させていくためには、生産基盤の整備等環境整備を早急に図っていく必要がありますが、これら事業の進捗状況はどうなっておりますか伺います。
6、畜産振興と環境浄化対策等について。
本県は日本で唯一の亜熱帯地域で、気候的に温暖で畜産振興を図る上で最も適した環境にあると思われます。一昔前までは各家庭において家畜を養い畜産振興を図ってまいりましたが、その後の社会の進展と経済発展等により家畜の多頭飼育化が進み、大規模経営をするようになってまいりました。それに呼応し、ふん尿の処理や悪臭対策等環境浄化対策が問題となっております。大規模な畜産経営を継続して実施していくためには、地域住民の理解と協力のもとに進めていく必要があると考えます。
そこで、具志頭村内に所在する具志頭畜産の敷地内には村有地と4本の里道があったと聞いております。里道については、国有財産特別措置法の改正により国から村へ無償譲与されていると思われます。村有地については、村当局と具志頭畜産との間で契約を行い使用していると思われますが、従来の里道にかわる海岸に通ずる歩道等の確保等が必要であります。
そこで伺います。
(1)、具志頭村内の畜舎(具志頭畜産)から排出されるふん尿処理と悪臭対策はどうなっておりますか。
(2)、具志頭畜産が使用している村有地の活用及び代替歩道等についていかようになっておりますか、お聞かせください。
7、食の安全対策について。
輸入農作物の残留農薬問題、健康食品等の産地偽装問題、狂牛病(BSE)問題等により消費者の食の安全性に対する関心が高まり、安心できる食品を求める声が強くなってきております。
そこで、食の安全対策を図ろうとする場合、その範囲は多岐にわたることから、関係機関との連携・協力が必要であり、農薬の適正使用の指導徹底を図り、本県の主要な県外出荷品目であるゴーヤー、サヤインゲン、マンゴー等についての食の安全の観点からその対策を図ることは重要であると考えます。
また、家畜の排せつ物を堆肥にかえ、循環型農業を推進するために家畜排せつ物法が昨年11月1日から施行されておりますが、小規模零細農家の場合、コストがかかり過ぎて施設の整備が困難であるとの声も聞かれます。農家が処理する堆肥の利用促進策や流通販売ルートの確保が必要であると思料いたします。
そこで伺います。
(1)、食の安全対策の現状はどうなっておりますか。
(2)、農水産物の安全対策の現状と課題についてどのようになっておりますでしょうか。
(3)、家畜排せつ物の活用の現状と今後の対策についてお聞きいたしたいと思います。
以上で一般質問を終わります。
○知事(稲嶺惠一) 親川盛一議員の御質問にお答えいたします。
米軍再編への県の対応についての質問にお答えいたします。
県は、米軍再編に対する基本的な考え方として在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善、陸軍複合射撃訓練場の建設中止、日米地位協定の抜本的な見直しを日米両政府に求めております。
特に緊急的対応策として、普天間飛行場の航空部隊や海兵隊の歩兵部隊等イラクに派遣されている部隊を戻さず県外移転することや、嘉手納飛行場の危険性の除去や騒音の軽減のための実効ある対策等を行うよう強く求めております。
次に、分科会の設置と県民の意思の伝達についての御質問に一括してお答えを申し上げます。
2月19日の日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2において、在日米軍の再編については、沖縄を含む地元の負担を軽減しつつ在日米軍の抑止力を維持するとの基本的な理念の合意がなされております。今回の共同発表において特に沖縄に言及した上で地元負担の軽減が明確に示されたことは、多くの米軍基地を抱える本県の負担軽減が今後の協議により大きく進展することを期待させるものであります。
在日米軍の再編については、今後、個別の議論が行われることとされており、県としては在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等の基本的な考え方を示し、適宜より具体的なものを打ち出し、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう、日米両政府に対し引き続き強く働きかけてまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○知事公室長(府本禮司) 審議官級の協議についてお答えいたします。
外務省は、2月9日から10日にかけて開催された日米審議官級協議において国際的な安全保障環境を踏まえた戦略目標、日米双方で進められている安全保障政策の見直し作業を踏まえた日米の役割・任務、米軍の軍事態勢の見直しについての基本的な考え方を初めとする論点についてさらなる論議を行ったとしております。
次に、代替施設建設の現状及び課題等についてお答えいたします。
普天間飛行場の代替施設について、国は、平成16年9月から地質調査等を開始しております。また、同年11月29日には環境影響評価法に基づき方法書について環境の保全の見地からの県知事意見が述べられたところであり、移設作業は着実に進展しているものと考えております。今後は、環境影響評価等所要の手続が進められ、さらに県や名護市が求めている諸条件が満たされることが必要であると考えております。
次に、陸軍複合射撃訓練場建設問題について一括してお答えいたします。
米陸軍複合射撃訓練場については、射撃用建物、訓練塔、突破訓練施設、管理事務所、屋外射場等が計画されていますが、伊芸区の監視塔から、射撃用建物、訓練塔、管理事務所の附帯施設の建設が進められていることが確認されております。県は、同訓練場の建設場所は住宅地域や沖縄自動車道に近く非常に危険であると認識しており、また地域住民も大きな不安を抱き建設中止を強く求めていることから、金武町と密接に連携し一貫してその中止を求めてきているところであり、方針変更はしておりません。県としては、今後とも金武町と密接に連携し、日米両政府に対しあらゆる機会を通じてさらに強く工事の中止を求めてまいります。
次に、南西諸島有事への対応についてお答えいたします。
御指摘の米軍との共同対処や対処方針について、防衛庁長官官房広報課に確認したところ、防衛庁としてそのような方針を定めたという事実はないとのことであります。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 普天間飛行場の跡地利用計画についてお答えします。
普天間飛行場の跡地利用については、平成11年12月の閣議決定における「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」に基づき、国、県、宜野湾市が密接に連携し、平成17年度を目途に跡地利用基本方針の策定に取り組んでいるところであります。
具体的な跡地利用計画については、跡地利用基本方針が策定された後に宜野湾市が中心になって検討することとなっております。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 台湾海峡、尖閣諸島周辺海域の安全保障についてお答えをいたします。
昨今、中国潜水艦による領海侵犯や尖閣諸島への不法上陸など、県民に不安を与える非常に憂慮すべき事件が起こっております。領有権をめぐる諸問題や領海侵犯等は国家主権にかかわる重要な問題であります。県としましては、国において尖閣諸島の領有権に関する我が国の毅然とした立場を示すとともに、安全確保に万全の対策を講じるよう要請しているところであります。
次に、オニヒトデ対策の現状と課題についてお答えをいたします。
本県のサンゴ礁は、豊かな自然環境の基盤をなす生態系として、魚介類の産卵・生育の場の漁業資源として、また海洋レジャーの場の観光資源等として重要な役割を有しております。県では、平成13年末から沖縄島周辺や慶良間海域においてオニヒトデが大量発生したため、平成14年7月に関係行政機関、関係団体、学識経験者から成る「オニヒトデ対策会議」を設置し、分布調査に基づき駆除を行うとともに、サンゴ礁最重要保全区域を定めてモニタリング調査等を実施しております。平成16年度においては、宮古・八重山海域がオニヒトデ大量発生の初期段階であったため、同海域における発生状況調査及び駆除、重要サンゴ礁海域の選定等を行っております。
オニヒトデについては、大量発生の原因がまだ解明されておらず、また駆除には危険が伴うとともに莫大な経費と労力を要すること等が課題となっております。県としては、今後とも関係機関と連携を図り、サンゴ礁保全対策に取り組んでいきたいと考えております。
○農林水産部長(諸見武三) 領海侵犯についてお答えいたします。
当該事件については、領海侵犯として日本政府が平成16年11月12日に中国政府に抗議するとともに謝罪を求め、中国政府も遺憾の意を表明しております。
続きまして、漁業の振興についてお答えをいたします。
本県の水産業については、モズク、スギ、ヤイトハタ等熱帯海域特有の魚介類などのつくり育てる漁業を推進しております。このため、県では、水産試験場において魚介類の種苗生産技術及び養殖技術等の試験研究を推進するとともに、栽培漁業センターにおいてはスギ、ヤイトハタ、ハマフエフキ等の養殖用種苗の大量生産に取り組んでおります。また、漁船漁業についてはカツオ、マグロ等回遊性魚類やソデイカ、マチ類を対象とする漁業を振興しております。県としては、今後とも漁港・漁場及び養殖場等の整備を推進し、水産業の振興を図ってまいります。
続きまして、沿岸海域の汚染の除去及び浄化についてお答えいたします。
本県の沿岸海域における漁場については、近年、モズク養殖等の進展に伴い一部においてモズク網固定用鉄筋及びモズク網等が放置されている状況が見られます。モズク養殖場においては5カ年間の特定区画漁業権が認可されていること等もあって、モズク網固定用鉄筋は漁業権の認可期間の範囲内に限り撤去しなくてもよいこととしております。また、モズク網については養殖終了後は回収を行い、次の養殖に備え洗浄及び乾燥を行うことになっております。
県としては、モズク養殖漁業者に対し、水産業改良普及センターが主体となって養殖業の適正な栽培管理及び漁具の使用等について指導を行ってまいります。
なお、海に放置されている養殖網については、不法投棄として海上保安庁が取り締まることとなっております。
続きまして、南部地域の土地改良事業等の進捗状況についてお答えいたします。
本島南部地域においては、地形・地質等の条件から、農業用水の確保が農業振興上大きな課題となっております。本島南部地域における平成15年度末現在の土地改良事業の進捗状況は、水源整備が約40%、かんがい施設整備が約13%、圃場整備が約57%となっております。県としては、南部地域における農業用水の確保を図るため県営及び団体営の事業を推進するとともに、国営地下ダム及び都市再生処理等多様な水源整備を促進してまいります。
続きまして、具志頭村の家畜ふん尿処理と対策についてお答えいたします。
具志頭村の家畜排せつ物法の対象農家は、平成17年1月末現在、肉用牛11戸、乳用牛15戸、豚7戸の合計33戸となっております。村内の家畜排せつ物処理施設の整備状況は、補助事業及び2分の1リース事業等により29戸が整備されております。残りの農家については、今年度から資源リサイクル畜産環境補助事業及び簡易対応等により処理施設の整備を促進しております。これらの事業等により、具志頭村地域の畜産環境はかなり改善されるものと考えております。
続きまして、具志頭村の養豚経営者が使用している里道についてお答えをいたします。
里道については、地方分権推進の一環として平成12年から国有財産特別措置法に基づき国から市町村へ譲与され、現在市町村有地として管理されております。村としては現在民間の養豚経営者が使用している里道の利活用等について、関係者と調整中であると聞いております。
続きまして、農水産物の安全対策の現状と課題についてお答えをいたします。
近年、食の安全・安心に対する消費者の関心の高まり等を背景に、農薬の適正使用及び農畜産物の生産履歴等の確立を図ることは重要であると認識しております。そのため、県では、市町村、JA、生産者等に対して農薬の適正使用についての講習会及び記帳指導を行うなど指導を強化しております。また、農薬の検査については、農薬取締法に基づき本庁及び病害虫防除所に17名の農薬取り締まり職員を配置し、農薬販売者や使用者等に対し農薬の適正販売や使用についての立入検査・指導を実施しております。
トレーサビリティーについては、野菜、果実及び牛の生産履歴の管理システム化に取り組んでおります。さらに、食品の表示については量販店等を対象とした巡回指導の実施、食品表示110番の設置及び食品表示監視員の配置など、監視体制の強化に取り組んでおります。
続きまして、家畜排せつ物法と家畜排せつ物の活用の現状についてお答えいたします。
家畜排せつ物法は、平成11年11月から施行され、平成16年11月から本格適用されております。家畜排せつ物法における対象農家は、肉用牛及び乳用牛は10頭以上、豚は100頭以上、鶏は2000羽以上となっております。同法では家畜排せつ物の野積み・素堀りが禁止され、適正な管理が求められております。平成17年1月末現在、県内の整備状況は、法対象農家1585戸に対し整備率は8割となっております。本県における家畜排せつ物等から生産される堆厩肥は年間約41万トンで、堆厩肥の需要量は約54万トンと推計しており、不足している状況にあります。
県としては、今後、堆厩肥の利活用を図るため市町村・農協等と連携を図りながら、堆厩肥等による土づくりなど耕畜連携による資源循環型農業の推進に取り組んでまいります。
以上でございます。
○総務部長(仲田輝享) 指定管理者制度導入に当たっての基本的な考え方についてお答えいたします。
指定管理者制度に移行するに当たっては、庁内において統一的な考え方のもとに行う必要があることから、基本的な考え方を示しております。その内容は、1つ、選定手続における公平性・公正性・透明性の確保、2つ、最適な指定管理者の選定、3つ、適正な管理運営経費の負担、4つ、良質な施設サービスの確保、5つ、個人情報保護対策の徹底となっております。
現在、改正前の地方自治法の規定に基づき管理委託を行っている33施設を中心に指定管理者制度移行の手続を進めております。また、県が直接管理を行っている施設については住民サービスの点、コストの面等を十分検討した上でそれぞれ導入について取り組んでいきたいと考えております。
次に、指定期間の考え方についてお答えいたします。
地方自治法の規定に基づき、指定管理者の指定は期間を定めて行うこととなっておりますが、具体的な期間は特に示されておりません。指定の期間については、施設の目的や実情等を勘案して適切に設定する必要がありますが、例えば指定期間を1年間とすると事業者にとっては事業の継続性、経営の安定性の観点から参入が困難になるものと考えられます。
一方、長期間の指定を行うことは指定に係る競争を阻害し、他に参入を希望する事業者との公平性を欠くことが想定されます。したがいまして、基本的には3年間から5年間の期間を設定することが適当であると考えております。
続きまして、指定管理者に支払う県費の考え方についてお答えします。
指定管理者制度の導入に当たっては、施設利用者からの収入を指定管理者の収入として扱う利用料金制を原則として採用することとしております。
指定管理者に支払う県費の考え方については、施設の採算性等に応じて3つの形態を考えております。
まず1つ目は、利用料金だけでは施設の管理に係る経費を賄えないと考えられる施設については、指定管理者が事業計画において提案した収支の差額を県が支払うこととなります。
2つ目は、収支が均衡するものと見込まれる施設については、管理に係る経費を県は支払うことなく指定管理者が利用料金をもって管理経費を賄うこととなります。
そして3つ目ですが、管理経費を大幅に上回る収入がある施設については利用料金制を採用せず、施設利用者からの収入は県の歳入とし、指定管理者が事業計画において提案した経費を県が支払うこととなります。
最後に、指定管理者制度になじまない施設の有無等についてお答えします。
公の施設の管理は、県の直営または指定管理者による管理のいずれかを選択することとなっております。指定管理者制度を導入するに当たっては公平性や透明性に十分配意し、募集に当たっては原則として公募によることとしております。
また、応募者の評価については、コスト面による評価だけではなく、サービス面も含めて総合的に評価することとしております。その結果、より効率的で効果的な施設の管理を行う者が選定され、施設サービスの維持向上が図られるものと考えております。
ただし、施設の管理行為に専門性、特殊性が認められる場合は公募によらないことも考えられますが、限定的な事例であると考えています。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 公営住宅の指定管理者制度導入についてにお答えいたします。
県営住宅への指定管理者制度導入については、現在、沖縄県営住宅の設置及び管理に関する条例の改正作業を進めており、指定管理者に係る業務の範囲、管理の基準、指定手続方法等の条例化を行うこととしております。平成17年度中に条例改正、指定管理者の公募・選定、議会の議決を経て指定を行い、18年4月から指定管理者に県営住宅の管理を行わせる予定になっております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 県立社会福祉施設の指定管理者制度導入等についてお答えいたします。
県においては16の県立社会福祉施設を設置しており、現在4施設は直営し、12施設は沖縄県社会福祉事業団へ管理を委託しております。社会福祉事業団へ管理を委託している施設については、「新沖縄県行政システム改革大綱」に基づき、平成18年度からの民営化を目指して関係部局間で検討しているところであります。
民営化の方法としては、公募により社会福祉事業団を含めた民間社会福祉法人へ一括して有償譲渡する方向で検討を進めております。また、直営している4施設のうち、児童福祉法施行令第36条により都道府県の設置運営が義務づけられている児童自立支援施設「若夏学院」は直営を継続しますが、他の3施設については、今後、民営化または指定管理者制度への移行を含め検討していきたいと考えております。
続きまして、食の安全対策の進捗状況についてお答えいたします。
県としましては、生産から流通・加工、消費に至るまでの食品の安全を確保し、施策の総合的かつ効果的な推進を図るため昨年1月に知事を本部長とした「沖縄県食の安全・安心推進本部」を設置し、「沖縄県食の安全・安心確保基本方針」の策定作業をこれまで関係部局が連携をとりながら行ってきており、3月中に策定される予定であります。
以上でございます。
○新垣 良俊 一般質問通告表に従いまして質問を行います。
1、南部地域の振興開発計画について。
(1)、地域高規格道路・南部東道路の早期整備について。
本島南部の東部地域は、那覇空港や那覇市内まではおよそ25キロ余りもあり、距離的あるいは時間的にも遠距離にあり、通勤・通学や経済活動等に不利・不便を余儀なくされている地域であります。これら地域の知念村、佐敷町一帯から那覇市内や那覇空港への道路網は国道329号や国道331号が主要幹線道路となっておりますが、当該路線が与那原町及び南風原町を経由する迂回性を伴っており、時間距離が長く経済活動にも不利益をこうむっているところであります。
そこで質問をいたします。
ア、南部東道路の早期整備は、現在進められております4町村合併においてそれぞれの町村間の円滑な交流が図られ、一体化を形成することが最も重要であり、南部東道路はその役割を果たす道路であると確信するが、考えを伺いたい。
イ、南部東道路の進捗状況はどうなっているか。また、平成16年度でどこまで進んでいるのか伺いたい。
ウ、沖縄振興計画では県土の均衡ある発展を図るとありますが、南部地域は他の地域と比較して事業量、事業費にしても少ないと思うがどうか。
エ、南部地域に新規のプロジェクト計画の予定はないか伺いたい。
(2)、国営土地改良事業の実施について。
島尻地域は、県都那覇市近郊に位置していることから、都市近郊農業生産地域として生産活動が盛んな地域であります。特に、土地改良事業等により農業基盤整備が進められたことや、本土出荷体制の確立により野菜を初め花卉・果樹栽培など生産農家においても意欲的に経営規模の拡大が図られております。しかしながら、農作物の安定生産に最も必要な農業用水につきましては、島尻地域は水資源が乏しい極めて厳しい状況にあります。農家は、農業用水を確保するため河川や地下水からの取水、圃場内に井戸を掘るなど水の確保に努めておりますが、水量に恵まれない状況であり、今後の農業振興を図る見地から安定的な農業用水の確保が大きな課題となっております。
そこで伺いたいと思います。
ア、本事業計画の概要を伺いたい。
イ、本事業の進捗状況について伺いたい。
ウ、県の下水道浄化処理センターで放流された平成16年の再生処理水量は幾らか。この再生処理水量で南部地域の農業用水として利用するのに十分か。
エ、再生処理水を農業用水として利用することは非常に画期的なことでありますが、再生処理水の水質がどうなっているか伺いたい。
オ、再生処理水の利用についていろいろな調査研究を実施していると思いますが、問題になるのが生産者と消費者の再生処理水に対するイメージがどうかということではないでしょうか。生産者と消費者に対する調査結果はどうなっているか伺いたい。
カ、南部地域の10市町村が対象になると思いますが、国営かんがい排水事業区域の糸満市、具志頭村の一部を除いた区域が国営土地改良事業の対象区域となるのか伺いたい。
2、離島・過疎地域の振興について。
(1)、北大東漁港の整備について。
ア、北大東村の漁港整備は「一島一物語」との考え方のもと、島の魅力が最大限生きるような施策・事業等として推進すべきだと思うが、考えを伺いたい。
イ、南大東漁港が第4種漁港として整備が進められておりますが、南北大東島の近海には本島や県外から多くの漁船がやってきます。しかし季節風の強い時期になりますと、季節風で避難港の南大東漁港に入港できず、島の反対側の沖で待機をしなければならないそうです。沖での待機をなくすためにも、現在整備を進めている南大東漁港の向かい側の北大東島南側に漁港を整備すれば、沖で待機するような危険はないと思うがどうか。
ウ、南・北大東島近海は、マグロ、カジキ、サワラ、ソデイカ等の豊富な漁場であるにもかかわらず、北大東村での漁港整備計画が進んでないため北大東村の漁業は細々としか営めず、県の言う「離島・過疎地域の活性化など均衡のとれた活力ある地域づくり」は、地域からの要望等をどう反映させるかではないかと思うが、考えを伺いたい。
(2)、離島の海水淡水化施設について。
ア、施設の運営費の補助について県の考えをお聞かせ願いたい。
イ、海水淡水化施設を設置している自治体の運営費をお示し願いたい。
ウ、地下水がなく、降雨に左右され、天水に頼らざるを得ない状況の座間味村、粟国村、渡名喜村に海底送水管を敷設する計画はないか伺いたい。
エ、去年、水質に関する国際基準が変わり、硼素を1ミリ以下にするために除去施設を改造しないといけないそうです。南大東村では、3億円のうち1億円が自己負担になり、三位一体改革の中、財政逼迫の要因となっております。施設の改造等の費用負担について伺いたい。
3、市町村合併について。
(1)から(3)は取り下げます。
(4)、破綻した法定協の中で、もともと感情的な対立のある市町村があったと思います。そういう市町村間の調整に県が積極的に関与する姿勢が足りなかったと思うがどうか。
(5)、現在、合併を進めている佐敷町・玉城村・知念村・大里村、そして東風平町・具志頭村の都市計画区域の問題であります。
佐敷町・大里村、そして東風平町が那覇広域都市計画区域に指定され、玉城村・知念村、そして具志頭村が都市計画区域外であります。合併したら都市計画区域外の玉城村・知念村、具志頭村は那覇広域都市計画区域に指定されるのか。
また、都市計画区域外の3つの村が都市計画区域への指定を望まない場合は、現在のまま都市計画区域外で残すことができるのか伺いたい。
(6)、合併を進めている各地域の現状と今後の対応について伺いたい。
(7)、沖縄県は、全国でも市町村の減少率が7.6%と低いが、要因は何か。
4、農業行政について。
(1)、農地利用の規制緩和について。
ア、都市近郊地域で市街化区域に隣接している土地改良区が基盤整備完了後23年を経過しました。その地区で次・三男の住宅用地として農用地の利用計画変更申し入れをしたが、町で却下されたそうです。農用地からの除外の基準がどうなっているか伺いたい。
イ、市街化区域に隣接する土地改良区の農用地については、農振法第1条の目的にある自然的・経済的・社会的諸条件から見て農業振興を図ることが必要でないと認められる地域であり、農振農用地から除外すべきだと思うが、見解を伺いたい。
ウ、土地改良法第8条7項と換地通達に、採択面積の3割を超えない程度で非農用地設定ができるとあります。市街化区域に隣接しているこの土地改良区は非農用地がありません。採択時の説明会で、8年後に次・三男の住宅用地を認めるとのことがあったので同意をしたということであります。そういう非農用地区域がない地区については、再整備を進めながら次・三男の住宅用地も整備できる事業の導入の考えはないか伺いたい。
エ、農林水産省は、耕作放棄などがふえている農山村地域の農地保全や秩序ある開発を進めるため市町村が条例を制定し、地域の特性に応じた土地利用ができるよう法整備する方針を固めたとありました。条例で定める区域が法整備後の要件を満たせば、農地法や農業振興地域の整備に関する法律の規制を緩和、適用を除外するということでありますが、農水省の進めている法の名称と、条例を制定した市町村がどれだけあるか伺いたい。
オ、農振法施行規則第4条の4第27号の規定に基づき、市町村が「地域の農業の振興に関する地方公共団体の計画」を策定し、例えば農家の分家住宅の立地が地域の農業の振興を図る観点から定められたこの計画に位置づけられた場合には、当該区域が土地改良事業等完了後8年を経過していない土地であっても農用地区域から除外することはできると考えるが、見解を伺いたい。
(2)、家畜排せつ物法の施行について。
ア、県で同法の対象農家を畜種ごとにお示し願いたい。
イ、この法律の対応に負担することは無理ということで離農した畜産農家の数をお示し願いたい。
ウ、県の畜産農家全体では、この法律に対応するためにどのぐらいの費用がかかったのかお示し願いたい。
エ、豚、牛、鶏と畜種ごとに処理施設の整備費用は違うと思いますが、畜種ごとに平均整備費用をお示し願いたい。
オ、畜産関係者によると、ふん尿を処理・保管する施設の整備費用は1000万円から5000万円が大半、中には7000万円かかったという農家もいるそうです。補助事業の要件が3戸以上の共同利用が基本で、事業費の5割から8割は補助金でありますが、それでも1人当たり数百万円以上の借金を抱えることは必至で、さらに処理施設の運営費が余分にかかることで借金が返せなくなるのではないかと心配しているそうです。共同利用施設に対して運営補助金を出す考えはないか伺います。
カ、生産された堆肥の流通問題でありますが、堆肥がだぶつき、堆肥が滞留することが考えられます。その結果、堆肥が売れなく運営費も捻出できなく、借金も返せないという状態が予想されますが、県はどのような対策をお考えか伺いたい。
5、医療廃棄物処理施設について。
(1)、東風平町字世名城の波武多毛原に事前着工された施設はどういう施設か、説明願いたい。
(2)、特別管理型産業廃棄物処理業について説明願いたい。
(3)、特別管理型産業廃棄物処理業の許可は、処理業者から申請があった場合、県はどういう流れで許可を与えているのか伺いたい。
(4)、業者が廃棄物を取り扱う許可を県に申請する前に、事業地が農振法、農地法、都市計画法、建築基準法など他法令で規制されていないか確認することを業者に求めることは当然でありますが、関連する課と協議はされているか伺いたい。
(5)、畑に住宅を建設する場合、農地法では周辺地主の同意が必要であります。そして建築基準法第6条第1項の規定による確認を申請し、道路、排水、敷地面積、建築面積などいろいろな条件をクリアして許可されます。しかしその施設は事前着工で、使用する道路は農道であるが、都市計画法、建築基準法等に違反はないか伺いたい。
(6)、県が第三セクター方式で建設を検討している産廃処分場は、医療ごみなど感染性廃棄物も含まれるのか伺いたい。
6、教育行政について。
(1)、少年の非行防止対策について。
ア、少年非行の事件ごとに件数をお示し願いたい。また、高校生、中学生、男女別に件数をお示し願いたい。
イは取り下げます。
ウ、既に非行化した子供の対策についてでありますが、できたらかかわりたくないとか、早く卒業させてしまえばいいとか、警察に任せばいいという問題ではないのであります。早いうちに立ち直らせてよき社会人として成長させるのが家庭と学校と地域の責任でありますが、現在どのような対策を講じているのか。また、より有効な対策として考えているものがあればお示し願いたい。
エ、非行化の防止に果たすべき家庭の責任も重くかつ大きいと考えますが、いわゆる非行少年の家庭には共通的な要因があるのかどうか。また、あるとすれば県としてその対策をどのように考えているのか伺いたい。
(2)、学習指導要領の全面的な見直しについて。
ア、文部科学相がゆとり教育を掲げた学習指導要領の全面的な見直しを中央教育審議会に要請したとありましたが、ゆとり教育が誤っているから全面的な見直しになるのか伺いたい。
イ、学習指導要領の見直しについては、平成15年12月に発展的な学習内容を指導できるよう明確化、教科などと結びついた総合的な学習の充実など一部を改正、平成16年4月から施行している。施行後1年で全面的な見直しをするということは、学校現場の混乱を招くと思うがどうか。
ウ、日本の学力が低下傾向にあることから、学習指導要領を見直して学力の向上を図るべきだと言われておりますが、学力の低下傾向にある要因は何か。
(3)、学校の安全対策について。
ア、平成13年6月の大阪教育大学附属池田小学校事件が契機となって学校の安全神話が崩れ、学校における児童及び教職員の生命、身体、健康の安全をどう確保するか議論されているやさき、去る2月14日に大阪府・寝屋川市立中央小学校で17歳の卒業生による教員刺殺事件が発生、社会に衝撃を与えました。学校の安全対策について県はどういう対策をとっているのか伺いたい。
イ、学校には教師と事務職員がおりますが、防犯義務、危機管理のすべてを校長に任せているのか伺いたい。
ウ、授業中、職員室が完全に無人化することもあると思います。教師が教室に張りついて無人となった学校内にもし不審者が侵入し事件が起きたら、歯どめがきかず大きな被害を出すことにもなりかねない。そういうことから、学校に安全専門知識を持った学校安全管理者を置き、安全の確保を図るべきだと思うが、県の考えを伺いたい。
以上です。
○知事(稲嶺惠一) 新垣良俊議員の御質問にお答えいたします。
市町村合併の各地域の現状と今後の対応についてでございます。
現在、県内では4地域の法定協議会で合併実現に向けて順調に協議が進められております。具志川市・石川市・勝連町・与那城町では、去る1月26日に4市町の廃置分合の総務大臣告示がなされており、本年4月1日に「うるま市」が誕生することになります。本島南部東地域、東風平・具志頭地域、宮古地域でも今月には各議会での議決を経て県への合併申請を行うこととしており、本年10月または来年1月には新市町の誕生が予定されております。今後、県としては、県への合併申請が円滑に行われるよう支援を行うとともに、合併後は魅力あるまちづくりが推進されるよう積極的に支援を行っていきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部局長より答弁させます。
○土木建築部長(末吉 哲) 町村合併における南部東道路の役割についてにお答えいたします。
南部東道路は、知念村、佐敷町、玉城村、大里村を経由して南風原町内の那覇空港自動車道に連結する延長約12キロメートルの地域高規格道路として平成9年に調査区間の指定を受けております。本道路は、現在合併に向けた準備が進められている4町村を結び、那覇都心部や中北部地域及び空港へのアクセス性の向上を目的とすることから合併に大きく貢献する重要な幹線道路と認識しております。
次に、南部東道路の進捗状況についてお答えいたします。
南部東道路は、現在、概略ルートを選定した南風原町の那覇空港自動車道から佐敷町の「つきしろの街」までの約7.5キロメートルの区間について既存道路との取りつけにおける技術的な検討を行い、予備設計に向けた地形測量などを実施しております。今後は、ルートや道路構造等について住民参画による合意形成が図られた後、国へ着工準備調査を要望し、予備設計や環境影響評価、都市計画決定の手続などを経て事業化していきたいと考えております。
なお、残りの「つきしろの街」から知念村までの約4.5キロメートルの区間については、引き続きルート選定のための技術的な検討を行っていく予定であります。
次に、市町村合併後の都市計画区域の再編についてにお答えいたします。
本県の都市計画区域は、都市計画法第5条の規定に基づき行政区域単位で定められております。都市計画区域が指定された市町村と、区域外の市町村が合併した場合においても、変更の手続を行わない限り区域外の市町村が直ちに区域に編入されるということはありません。
なお、今後都市計画区域の変更については、都市計画基礎調査や自然的・社会的条件を踏まえ、一体の都市として整備・開発及び保全を図る必要があると判断された場合、合併後の新しい自治体と協議の上、検討していきたいと考えております。
次に、医療廃棄物焼却施設についての中で、都市計画法、建築基準法の違反はないかについてお答えいたします。
県は、当該敷地について現地調査を行うとともに、事業主から事情を聞いたところ、敷地内に建築物や都市計画法に基づく特定工作物を設置する計画はないとの説明でありました。したがって、現時点においては都市計画法や建築基準法に係る違反の事実は確認されておりませんが、今後、当該敷地において廃棄物処理法の許可を必要とする施設が設置される場合には建築基準法の適用を受けますので、適切に対応したいと考えております。
以上でございます。
○企画開発部長(花城順孝) 南部地域の事業費及び新規のプロジェクト計画について一括してお答えします。
平成10年度から16年度までの南部地域における道路、港湾などの公共事業に係る県の当初予算額は約3953億円で、北部地域の約2402億円、中部地域の約2697億円を上回っております。
県では現在、南部地域において中城港湾マリンプロジェクト、豊見城団地住宅改良事業などの新しいまちづくりや国道507号津嘉山バイパス、東風平豊見城線などの道路整備を推進しております。また、農道、用排水施設などの農業生産基盤や漁港、魚礁などの水産業生産基盤の整備を進めております。
南部地域の振興を図る新規プロジェクトとして、平成17年度は座間味島など南部離島地域におけるインターネット回線の高速・大容量・低コスト化を図るためADSL設備や伝送路設備の整備を行います。そのほか、事業化に向けて検討されているものとして知念村と南風原町を結ぶ南部東道路、糸満市の戦跡・史跡を結ぶ平和の道線――仮称でございますが、津嘉山バイパスの具志頭村までの延長などがあります。
以上でございます。
○農林水産部長(諸見武三) 島尻地区国営土地改良事業の計画概要、それから事業の進捗、対象区域については一括してお答えいたします。
島尻地区国営土地改良事業は、那覇浄化センターの再生処理水を活用して与那原町を除く南部9市町村を受益とする2400ヘクタールの農業用水を確保する計画であります。これまで国において平成10年度から再生処理水を水源とする事業化に向けた基礎調査が実施され、引き続き平成17年度から事業化の可能性を検討するための地区調査を行う計画であると聞いております。
続きまして、農業用水としての水量についてお答えいたします。
平成16年における那覇浄化センターの1日当たり平均放流量は約12万6000トンとなっております。現在、国において調査が進められている受益面積2400ヘクタールの農地に必要な農業用水は1日当たり約10万トンとなっていることから、水量としては特に問題はないものと考えております。
続きまして、再生処理水の水質、それから消費者のイメージ等については一括してお答えいたします。
国においては、平成10年度から再生処理水の水質調査を行うとともに、平成14年度からは実証プラントを設置し、野菜類の生育調査及び水質調査等を行っていると聞いております。今後とも引き続き国において地区調査を行うなど、各種の調査等が行われるものと考えております。
続きまして、北大東の漁港整備は「一島一物語」を推進すべきではないかと、それから北大東の南側に漁港を整備する必要があるのではないかについては一括してお答えいたします。
北大東島での漁港の整備は、平成14年度に策定された漁港漁場整備長期計画に盛り込まれておりません。したがいまして、漁港整備に当たっては漁港指定を受ける必要があります。漁港の指定に当たっては、利用漁船の状況及び費用対効果等の課題があります。
地域からの要望をどう考えるかについてお答えいたします。
南・北大東島周辺はマグロ、ソデイカ等の恵まれた漁場を有しております。県としては、北大東島における漁港の整備は水産業の振興及び島の活性化に寄与するものと考えております。このため、地元と連携を図りながら課題解決に取り組んでいく考えであります。
続きまして、農用地区域からの除外基準についてお答えいたします。
農地の農用地区域からの除外については、農振法第13条第2項の規定に基づき、1、農用地区域以外に代替すべき土地がないこと、2、農用地区域内の農地の集団化、農作業の効率化、その他農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないこと、3、土地改良施設等の有する機能に支障を及ぼすおそれのないこと、4、土地改良事業等完了後8年を経過していること、以上の4つの要件がすべて満たされていることが必要となります。手続については、市町村が農業委員会等の意見を踏まえ計画を作成し、県の同意を求めることになっております。
続きまして、市街化区域に隣接する農用地の除外についてお答えいたします。
農用地については、国が農振法に基づき定めた「農用地等の確保等に関する基本指針」において、農業生産にとって最も基礎的な資源であることから、良好な状態で維持・保全し、その有効利用を図ることとされております。
また、県においては国の指針を踏まえ「沖縄県農業振興地域整備基本方針」を策定しており、市町村においては「市町村農業振興地域整備計画」を策定しております。市街化区域に隣接する農用地の農用地区域からの除外については、先ほど答弁しました農振法第13条第2項の規定に基づく4つの要件をすべて満たす場合に限りできることとされております。
続きまして、非農用地の創設についてお答えいたします。
土地改良法に基づく非農用地の創設については、1、非農用地の権利者全員の同意が得られていること、2、土地の区画形質の変更を伴うこと、3、非農用地の面積が地区の3割以内であることのすべての要件が満たされておれば可能であります。したがいまして、非農用地の創設に当たっては、事業主体となる市町村等において事業導入に向けた要件整備を図る必要があります。
続きまして、農振法等の規制を緩和する条例の制定についてお答えいたします。
農振法等の規制を緩和する条例の制定については、平成15年6月に改正された「農業振興地域の整備に関する法律施行規則」で規定されております。この規則では、市町村が非農用地予定区域を含む地域の農業の振興に関する地方公共団体の計画を条例に基づき定めた場合には、非農用地予定区域において農振法及び農地法の規制が緩和されることになっております。この規則改正に基づく全国における市町村条例の制定事例としては現在のところありません。
続きまして、土地改良地区の農用地区域からの除外についてお答えいたします。
農振法施行規則では、市町村が公益性の特に高いと認められる施設用地を含む計画を定めた場合には、土地改良事業等完了後8年を経過していない優良農地であっても農用地区域から除外できることになっております。しかしながら、この場合には公益性とあわせて農振法施行規則第4条の4第1項第27号の規定に基づく、1、施設の規模が妥当であること、2、農用地区域以外には代替すべき土地がないこと、3、農業上の効率的な利用に支障を及ぼすおそれがないこと、4、土地改良施設等の有する機能に支障を及ぼすおそれがないこと、5、5年以内に施設整備に着手される見込みがあることの5つの要件を満たすことが条件となります。
続きまして、家畜排せつ関係の法対象農家について一括してお答えいたします。
家畜排せつ物法における法対象農家は、肉用牛及び乳用牛は10頭以上、豚は100頭以上、鶏は2000羽以上となっております。平成17年1月末現在の法対象農家数は、肉用牛1142戸、乳用牛126戸、豚227戸、採卵鶏70戸、ブロイラー20戸、合計で1585戸となっております。
家畜排せつ物処理施設の整備状況については、平成17年1月末現在で要整備農家1585戸に対し整備率は8割となっております。残りの農家は合計で312戸となっており、簡易対応等による整備の促進を図っております。
なお、現在整備を計画していない養豚農家数については約20戸となっております。
続きまして、処理施設の整備費についてと畜産農家全体での法対象費用について一括してお答えいたします。
家畜排せつ物法施行に伴う処理施設については、平成11年度から平成16年度まで補助事業や2分の1補助付きリース事業等により、総事業費約81億円で345戸が整備されております。1施設当たりの施設整備費用は、肉用牛は約800万円、乳用牛は約4200万円、豚は約2300万円となっております。採卵鶏については、ふん尿等処理施設及び鶏舎整備費も含め約1億8900万円となっております。
農家1戸当たりの負担額については、肉用牛は約280万円、乳用牛は約1000万円、豚は約960万円、採卵鶏は約4000万円となっております。
続きまして、運営費補助についてお答えいたします。
施設等の運営費補助については、受益者負担の原則から難しいものと考えております。
続きまして、堆肥の利用促進についてお答えいたします。
県内における家畜排せつ物等から生産される堆厩肥は年間約41万トンで、堆厩肥の需要量は約54万トンと推計されております。県としては、今後、堆厩肥の利活用を図るため市町村、農協等と連携を図りながら、堆厩肥等による土づくりなど耕畜連携による資源循環型農業の推進に取り組んでまいります。
以上でございます。
○地域・離島振興局長(上原 昭) 海水淡水化施設の運営費に関する財政支援についてお答えいたします。
海水淡水化事業を含む簡易水道事業に係る運営経費については、特別交付税により措置されております。具体的には、自然条件等により建設改良費が割高となり、高料金を設定せざるを得ない場合の高料金対策に要する経費が措置されております。県としては、今後とも海水淡水化事業等に要した経費について特別交付税配分の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、海水淡水化施設を設置している自治体の運営費についてお答えいたします。
現在、本県において海水淡水化施設により簡易水道事業を経営している市町村は、北大東村、南大東村、渡名喜村、粟国村、竹富町の5町村であります。平成15年度の決算状況は、南大東村、渡名喜村、粟国村、竹富町の4町村が黒字、一方、北大東村は料金収入の減少などにより86万2000円の赤字となっております。
次に、市町村合併の合併協議難航に関する県の関与についてお答えします。
県内の法定協議会では、昨年の9月から本年2月にかけて本島南部中央地域を初め4地域の法定協議会が解散となっております。また、伊平屋・伊是名地域でも合併が厳しい状況になっております。これら合併協議会に対し、県としては、協議会を構成する市町村長や議会議員との意見交換を行い、地方分権の推進や市町村財政を取り巻く厳しい状況及び各地域における合併の必要性を強調してきたところであります。
特に、当面の利害関係ばかりではなく、地域の将来の発展のために住民にとって最善の選択をすべく市町村長や議会議員は大局的な視野を持って判断を行うよう積極的に働きかけを行ってまいりました。このような県の取り組みにもかかわらず協議会の解散等の事態に至ったことは残念に思っております。
次に、本県の市町村減少率が低い要因についてお答えいたします。
現在、県内では法定または任意協議会が6地域で設置されており、県内市町村の3割を超える19市町村が参加しております。各協議会では鋭意合併実現に向けて協議が進められておりますが、本県では広大な海域に点在する多くの離島町村を有しているという他府県にはない地域特性が合併を難しくしている要因と考えております。また、地域の経営責任者である市町村長や議会が合併の意義や必要性について、住民に対し十分な説明を行っていないことも要因の一つではないかと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 座間味村、粟国村、渡名喜村における海底送水管敷設についてお答えいたします。
本県では、水源確保の困難な離島地域において海水淡水化施設が整備され、現在、粟国村、渡名喜村を含めて5町村で施設が稼働しております。粟国村及び渡名喜村については、昭和61年度に整備した施設の老朽化に伴い、平成13年度から平成16年度の期間で施設の更新を行っている状況であり、海水淡水化施設の耐用年数が10年から15年と言われていることから、海底送水管の敷設については両村の将来計画の中で検討されるものと考えております。
一方、座間味村については、現在、水道水源として地下水及びダム水を取水しておりますが、渇水時には安定的な水の供給が困難な状況にあるため、県としても多様な水資源を確保する立場から取水堰の拡張や海水淡水化施設の導入等指導助言を行ってきたところであります。引き続き同村における渇水に強い水道施設の整備を図るために、海底送水管の敷設も含めて水道事業者からの要請があればその実現に向けて支援してまいりたいと考えております。
続きまして、硼素除去施設の整備にかかる費用負担についてお答えいたします。
水道の水質基準では、水道水に含まれる硼素の量は1リットル中1ミリグラム以下が基準値となっていますが、硼素は海水中に硼酸として1リットル中4ないし5ミリグラム含まれており、現在の海水淡水化施設の能力では水質基準を満足する値まで除去することが困難なことから、硼素除去施設を整備する必要があります。
硼素除去施設は、浄水に必要な施設として国庫補助事業で整備することが可能であり、施設整備にかかる費用の負担割合は国が3分の2、村が3分の1の割合となり、さらに起債を除く村負担額の3分の1については県による補助金も交付しております。
なお、本県の海水淡水化施設が稼働している5町村においては、老朽化した施設の更新にあわせて硼素除去施設の整備が行われており、北大東村及び粟国村では施設整備が完了し、渡名喜村は平成16年度末に施設が完成します。
また、平成17年度に竹富町波照間島、平成18年度には南大東村が施設整備を行う予定となっております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 東風平町に設置された処理施設についてお答えをいたします。
去る1月に東風平町字世名城に着工された施設については、廃タイヤを中心としたプラスチック類を熱分解し、油を回収する廃棄物の処理施設であると設置計画者から話を聞いております。
なお、当該処理施設が廃棄物処理法に基づく許可の対象となる施設に該当する場合には施設の着工前に設置許可を受ける必要があり、当該施設が許可の対象施設に該当するか否かについて資料の提出を設置計画者へ求めておりますが、現在のところ提出されておりません。
次に、特別管理産業廃棄物処分業の内容と許可申請の手続について一括して答弁いたします。
特別管理産業廃棄物は、産業廃棄物のうち爆発性や毒性などを有することにより生活環境への影響が強いものとして廃棄物処理法により指定されているものであります。特別管理産業廃棄物を処分するためにはより安全・安定なものに処理する必要があり、この処理を事業として行おうとする場合には県知事の許可を受ける必要があります。この特別管理産業廃棄物処分業の許可申請がされた場合、県においては申請者の能力や処理施設が特別管理産業廃棄物の処分を適正に行えるものであることを確認することとなっており、このような許可基準に適合する場合にのみ許可をいたしております。
次に、廃棄物処理法における関連法令所管課との協議についてお答えをいたします。
廃棄物処理法における許可は、同法に基づく許可基準を満たした場合には許可しなければならないこととなっております。県では、事業者から廃棄物処理法に基づく相談や申請があった場合には、口頭や資料提供により関係法令も遵守し手続を行うよう周知を図ってきております。
また、事業者から廃棄物処理法に係る許可申請があった時点で関係機関への情報提供を行っているところであり、引き続き横断的な連携をより強化していきたいと考えております。
次に、公共関与による産業廃棄物最終処分場への感染性廃棄物の受け入れについてお答えをいたします。
県においては、産業廃棄物管理型最終処分場の逼迫した状況を踏まえて、昨年5月に学識経験者、経済界等の関係団体、市町村及び県の関係者から成る「公共関与による産業廃棄物処理施設の整備促進基本構想検討委員会」を設置し、具体的な方策について検討を進め、去る2月9日には同委員会から知事へ最終報告が行われたところであります。最終報告では、最も重要かつ緊急性の高い管理型最終処分場を整備することとしております。
医療関係機関から排出される感染性廃棄物については、処理業者における焼却等の中間処理を経て同最終処分場で受け入れることになります。
○警察本部長(三浦正充) 非行少年の検挙・補導人員についてお答えをいたします。
平成16年中、県警が検挙・補導した刑法犯少年は1662人、うち犯罪少年が1286人、触法少年が376人で、対前年比57人、3.3%の減少となっております。
学職別では、中学生839人、50.5%、高校生369人、22.2%、無職少年226人、13.6%の順となっております。
また、深夜徘回、飲酒等で補導した不良行為少年は3万6586人で、対前年比190人、0.5%増加しております。学職別では高校生が1万5073人、41.2%、無職少年9252人、25.3%、中学生7553人、20.6%の順となっております。
検挙・補導人員の男女別では、男子が3万746人、80.2%、女子が7568人、19.8%となっております。
○教育長(山内 彰) 青少年の問題行動への対策についてお答えいたします。
青少年の問題行動は増加傾向にあり、憂慮しております。その中で平成16年の少年窃盗犯の約40%が14歳、15歳で占めております。この年代は、自己確立への葛藤、大人へのはざま、仲間意識の強さなど多感期の中で社会悪への誘因性が生じやすい時期にあります。このことを踏まえて、学校では昨年度から児童生徒一人一人の真の理解を図ることを目的として指導支援カルテを作成・活用する青少年の支援を図るとともに、スクールカウンセラーや、やる気支援コーディネーターを配置し、自己存在感を高めるよう努めているところであります。
また、家庭、地域においては、大人と子供の触れ合い、かかわりを深くするため子どもの居場所づくり推進事業を推進しているところであります。
次に、家庭の共通点とその対策についてお答えいたします。
問題を起こした子供たちに見られる傾向として、親の放任や親子のコミュニケーション不足及び過保護などが指摘されております。県教育委員会においては、親の子育ての悩みや不安に対処するため親子電話相談、家庭教育支援会議などを実施するとともに、子育てサポーターの養成や子育て支援ネットワークづくりなどを促進しているところであります。
また、社会環境づくりの視点から県警と連携し、スクールサポーターや安全学習支援授業などを導入し、子供の立ち直りの支援に努めているところであります。今後とも、関係機関・団体と連携し、青少年の健全育成に努めてまいります。
次に、ゆとり教育の見直しと学力低下等について一括してお答えいたします。
今、問われているゆとり教育の見直し論は、そのねらいや手だてのあり方の視点から論議がされているものであると理解しております。学習指導要領の改訂は10年に1度が通例であり、今回の見直しについては平成19年に答申が予定されております。その間、各学校においては現行の学習指導要領の内容の充実を図っていくことが大切であると考えております。
なお、学力低下の傾向については明確な分析はされていませんが、確定はされておりませんが、学ぶ意欲、学習習慣などに課題があると言われております。
次に、不審者侵入対策についてお答えいたします。
各学校においては、危機管理マニュアルに基づき不審者侵入対策が講じられております。具体的には、校門の施錠や来校者の受け付け、ネームプレート等の着用、教職員による校内巡視活動、緊急時の連絡体制の整備等がなされております。これらの取り組みの一層の充実に向けて県教育委員会では学校設置市町村や警察等と連携を深めているところであります。
次に、学校の危機管理体制についてお答えいたします。
学校においては、校長を中心として全職員による危機管理体制が講じられております。今回の大阪の事件を受け、各学校に対し不審者侵入等に備えた防犯体制の再点検を行うよう促したところであります。また、このような事件への有効な対応は学校内の取り組みだけでは厳しい状況にあり、公共の場は公共の目で守るという視点で地域の警察や関係団体と連携し、学校周辺のパトロールや防犯訓練の実施など安全対策の強化に努めるよう依頼したところであります。
次に、警備員等の配置についてお答えいたします。
学校の安全確保のための警備員、いわゆるスクールガードについては現在8市町村、小学校27校、中学校13校、計40校で配置されています。特に、浦添市を初め3市町村においてはすべての小中学校に配置され、来校者の確認、巡視活動など、児童生徒の安全確保に大きな役割を果たしております。
今後の配置については、学校の設置者であります市町村教育委員会と連携を図りながら促進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○上原 章 こんばんは。
一般質問最後となります。お疲れのことと思いますが、もうしばらくおつき合いをお願いいたします。
私の質問が最後の答弁になるという方もいらっしゃると聞いております。敬意を表して元気いっぱい質問をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
初めに、経済・雇用政策についてお尋ねします。
知事は所信表明で、「平成17年度は、沖縄振興計画に基づく県づくりが4年目を迎え、第2次分野別計画がスタートする年であり、第1次の成果を踏まえ、経済自立の芽を大きく成長させる年」と明言しました。そして民間主導の自立型経済に向けて産業界の主体的な取り組みを後押しし、観光・リゾート産業や情報通信関連産業、農林水産業、商工業等の振興と雇用の創出・確保に取り組むと決意を述べられました。ぜひその決意どおりの成果が達成できるよう期待します。
さて、振興計画では沖縄の地域特性や優位性を生かした新技術・新商品の開発や新たな分野への進出など、新規事業の創出やベンチャー企業の創出を促進し、地域産業の活性化を図るとしています。
言うまでもなく、地域を支える企業を育成し、すぐれた新事業を多数生み出すことは本県が自立型経済を構築する上で大変重要な取り組みになります。しかしながら、新事業に取り組む企業の関係者から事業化への動きが思うように進まないとの声も寄せられています。沖縄県は、ベンチャー企業への取り組みにおいて経済産業省や県の商工労働部、そして産業振興公社等の頑張りと産学官の連帯で企業の立ち上げ、芽出しは全国でもトップクラスと言われています。そのことは多くの関係者から高く評価されています。しかし、目標となる出口部分、事業化までには時間がかかり過ぎる、流れはできたが事業としては成就していないとの厳しい指摘もあります。
また、新規事業は3年から5年が勝負とも言われており、関係者からは県内で新規事業に取り組んでいるのは大半が中小企業で、事業化が長引けば長引くほど体力が続かず道半ばで淘汰してしまう。また、これまでに沖縄で立ち上げた商品が他府県で応用化され、知的所有権を行使された事例もあるそうです。沖縄が経済の自立化を目指すには行政と企業がそれぞれ知恵を出し合い、これまで以上にベンチャー企業の事業化へ強力に取り組む必要があると思います。
そこでお尋ねします。
自立経済を目指す沖縄県にとってベンチャー企業の発掘・育成は大変重要であり、地域経済の活性化に大きく寄与するものと思います。県の取り組み状況を伺います。
平成17年度新規事業のベンチャービジネスサポート事業の内容について伺います。
次に、雇用政策についてお尋ねします。
本県は依然として失業率が全国一高く、特に若年者は15%前後と大変厳しい状況が続いております。また、最近ではフリーターや働く意欲に欠ける無業者、いわゆるニートと呼ばれる若者が大きな社会問題となっています。失業率が高く、無業者が多いということは、労働人口が少なく経済は確実に縮小するということであり、ひいては社会全体が沈滞するということです。
また、我が国は平成19年から21年の間にいわゆる団塊の世代が定年を迎え、100万人以上の雇用者が減少するとも言われています。到来する労働力不足時代を見据え、雇用政策に取り組むのは行政の重要課題です。また、県内では若年者の雇用を含め母子世帯や高齢者、障害者といった最も支援が必要な方々への取り組みは喫緊の課題です。だれもが生きる力を見出し心豊かに暮らせる社会をつくることは行政の責務です。
そこでお尋ねします。
定職につかない、つけないフリーターや、働く意欲に欠ける若年無業者(ニート)の増加は大きな社会問題になっており、若者の就業促進対策は大変重要です。本県の若年者雇用支援事業の取り組み状況を伺います。
県内の母子世帯は全世帯に占める割合が全国の2倍を超えています。そこで、那覇市は新規事業として母子職業自立支援事業をスタートするそうです。この事業は1カ月から3カ月間試験的に働いてもらい、その後採用するかを決めるトライアル雇用的事業になっています。期間中は那覇市が給与の一部を助成するシステムです。県におきましても、母子家庭に対する就業支援事業を拡充する必要があると思うが、見解を伺います。
高齢者や障害者の皆様が希望を持って元気に暮らせる社会を実現するために高齢者・障害者等雇用対策事業は大変重要です。県の取り組み状況を伺います。
次に、少子・高齢化社会についてお尋ねします。
2月8日、介護保険法等の一部を改正する法律案が閣議決定されました。改正案では、将来の超高齢化社会を展望し、軽度者、いわゆる要支援、要介護1等の方々を対象に適切な予防サービスを提供し、要介護状態の改善や重度化防止を推進、また要支援、要介護になるおそれのある高齢者に対しては効果的な介護予防事業を提供し、高齢者の自立した生活の継続性を高め、要介護状態になることを防ぐ等が盛り込まれています。いわゆる介護保険の基本理念である高齢者の自立支援をより具体化させる方針です。
今、全国の自治体でもさまざまな介護予防事業が積極的に取り組まれ、多くの成功例が生まれています。各地の取り組みを幾つか紹介しますと、筋力向上トレーニング、転倒予防教室、介護予防用具を配備したシルバートレーニングスタジオや介護予防公園の開設、温水プールでの水中運動プログラム、健康づくり推進員の養成等がございます。県内にも多くの高齢者の方々がいらっしゃるわけですが、だれもが健康で心豊かに暮らせることを願っています。
そこでお尋ねします。
県は、高齢者を要介護状態に陥らないようにするため介護予防、健康づくり事業等の取り組みを強化するとしていますが、推進状況をお聞かせください。
次に、児童相談所についてお尋ねします。
県は、児童虐待防止等の強化のため新年度から児童相談所に9名の職員を増員するとしています。大変高く評価するものです。しかしながら、昨年、県内の児童相談所に寄せられた虐待相談は過去最高の380件、10月には乳児が虐待死するという痛ましい事件も起きています。そのような状況で子供たちを緊急に保護する一時保護所は県内で那覇市内に1カ所、定員20名、しかも常に満員状態。この体制でいざというとき子供たちを守ることができるのか懸念されます。県内の一時保護所の体制は不十分と思うが、見解を伺います。
次に、悪質商法等の対策についてお尋ねします。
昨年6月、消費者保護基本法が36年ぶりに改正され、消費者基本法と改められました。この改定の特徴は、消費者を保護の対象から権利の主体として位置づけたところにあります。そのほか、苦情処理体制についてより詳細に地方公共団体の責務を明示しています。
去る2月23日、札幌高裁は利息制限法を上回る年利1200%で強引な取り立てをした貸金業者に対し、違法融資として元本を含めた全額を借り手に返還することを命じました。貸金業者に元本までの賠償を命じた判決は最高裁で初めてです。司法が業者を不当と認定し、債務者保護の姿勢を明確にしたわけです。
昨年、このような出資法の上限金利をはるかに上回る超高金利、いわゆるやみ金融の被害は、確認しただけでも過去最悪の348億円、被害者数は約28万人近くに上ると言われています。
今、全国ではオレオレ詐欺や架空請求等の詐欺行為が多発し、その手口も巧妙化しています。県内でも悪質商法ややみ金融等の被害で自殺や自己破産に追い込まれ家族が崩壊した事例も少なくないと言われています。
また、苦情相談も年々増加しており、地域住民がやみ金融等のトラブルに巻き込まれたとき、最初に助けを求めるのが警察や行政です。しかしながら、地域の方から、相談に行ったが窓口がよくわからない、対応が不親切だったとの声も寄せられています。県民を守る観点から相談窓口を強化し、それが事件を未然に防ぐことにもつながると思います。
そこでお尋ねします。
オレオレ詐欺、架空請求、やみ金融被害等県内の被害及び苦情相談の状況はどうなっているのか。また、県及び県警の取り組み体制はどうなっているのか。
地域の方々から県や県警の相談窓口がよくわからない、対応が不十分との声も寄せられています。また、苦情相談には法律等の専門的知見に基づいて対応する窓口体制が必要と思うが、見解を伺います。
次に、都市モノレールの利用促進について伺います。
モノレールが開業して1年7カ月が経過し、県民の足として定着したように思うが、路線バスとの乗り継ぎや安定した利用客の確保等幾つかの課題も指摘されています。
一方、首里地域で行われたコミュニティーバスの実証実験がバス会社の本格運行に結びついたことは、地域住民の生活向上はもちろん、モノレールの利用促進からも高く評価できるものと思います。
そこでお尋ねします。
モノレールの利用状況と課題並びに今後の利用促進はどうなっているのか伺います。
モノレールとの乗り継ぎを図るため、首里地域で行われたコミュニティーバスの実証実験は住民に大変喜ばれ、バス会社も本格運行を開始しました。那覇市では、その他の地域での導入も検討するそうです。モノレール利用促進の観点から、県としても実証実験について積極的に取り組む必要があると思うが、当局の見解を伺います。
最後に、急傾斜地崩壊危険区域の安全について伺います。
首里石嶺町4丁目の石嶺ハイツ内にある急傾斜地崩壊危険区域は、29年経過し老朽化に伴い地すべり防止の擁壁が一部崩壊し地盤沈下が発生しています。住民の方々から再三危険性が指摘されています。早急な整備が必要と思うが、対策について伺います。
以上、質問を終わりますが、答弁によりましては再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 上原章議員の御質問にお答えいたします。
ベンチャー企業支援についてでございます。
県においては、新事業の創出や新規企業の育成を沖縄県産業振興計画の重点項目と位置づけております。このため、産業振興公社を中核とする新事業創出支援体制を構築し、インキュベート施設の提供や金融支援など、企業の成長段階に応じた総合的な支援を実施しているところであります。特に研究開発の支援については、産学官共同研究推進事業によってこれまでに60件の共同研究が採択され、事業化に向けた研究開発が進められております。
こうした取り組みによってIT関連のベンチャー企業などが株式公開を実現しているほか、全国的にも高い評価を受けて経済産業大臣表彰を受賞したベンチャー企業も出てきており、ベンチャー企業への支援が着実に進展しているものと考えております。今後ともベンチャー企業への支援を強化し、本県産業の振興を図ってまいります。
次に、若年者の雇用対策についてお答えいたします。
若年者の雇用状況を改善していくためには、雇用吸収力のある産業の振興とともに若年者みずからが幅広い職業観を形成し、仕事に関する知識や技術・技能を習得することが重要であると考えております。
このため、沖縄県キャリアセンターにおいて職業観の形成から就職までを一貫して支援する事業を展開しており、これまで約2万2000人の若年者に対し就職支援セミナーやキャリアカウンセリング等を行うとともに、県外インターンシップ促進事業等を実施しております。また、平成16年度から新規学卒者等の採用・就職促進等を図る若年者地域連携事業や、地域産業の活性化・高度化を担う若年人材を育成する地域産業活性化人材育成事業を実施しております。
平成17年度においては、座学と企業実習を組み合わせたデュアルシステムの拡充や就職基礎能力速成講座を実施するなど、若年者の雇用対策を積極的に展開してまいります。
その他の御質問につきましては、関係部局長等から答弁させます。
○商工労働部長(伊川征一) ベンチャービジネスサポート事業についてお答えいたします。
ベンチャービジネスサポート事業は、本県における新事業の創出を一層促進するため平成17年度の新規事業として実施する事業であります。
事業内容は、本県において成功が見込まれるすぐれたビジネスプランを発掘し、その事業化に向けた支援を行うものであります。具体的には、ビジネスプランを全国公募し、インキュベーション・マネージャーによる継続的な指導助言を行うとともに、市場調査や試作品製作など事業化に向けた支援を行うこととしております。
続きまして、高齢者・障害者等雇用対策事業についてお答えをいたします。
高年齢者の雇用対策としましては、臨時・短期的な就業機会の確保を目的としたシルバー人材センターの設置を推進するとともに、沖縄県シルバー人材センター連合が実施する介護講習を初めとした各種事業の支援に努めております。また、再就職のための職業訓練、高齢者無料職業紹介事業を実施しております。
障害者の雇用対策としましては、職場適応訓練事業や県立職業能力開発校における設計製図、OA事務、販売実務などの職業訓練を実施しております。また、北部・中部地区の障害者就業・生活支援センターにおいて地域の関係機関が連携した就業・生活支援を行っており、平成17年度は南部地区で同センターを指定し、3地区センターの連携強化を図るため障害者就業支援ネットワークの構築に向け取り組んでまいります。さらに、職業訓練の委託先を社会福祉法人にも拡大して障害の態様に応じた訓練を実施してまいります。
以上でございます。
○福祉保健部長(稲福恭雄) 母子家庭に対する就業支援事業の拡充についてお答えいたします。
県におきましては、本年2月から県母子寡婦福祉連合会に母子家庭等就業・自立支援センター事業を委託し、ハローワーク勤務経験者を就業相談員として新たに配置して就業支援活動を行っております。当該事業は就業相談や特別相談、就業支援講習会等の実施とともに、ハローワークと連携して雇用の場を確保する等自立に向けての一貫した支援を行うこととしております。
なお、平成17年度の当該予算は2920万7000円で、平成16年度予算の2463万3000円と比較して18.6%の増となっております。また、母子福祉団体に対しましては、養成したヘルパーを活用しての居宅介護等事業の起業化や新たな雇用の場の創出についても検討を促しているところであります。
続きまして、介護予防事業等の取り組み状況についてお答えいたします。
高齢者の方々が要介護状態になったり要介護状態が悪化することを予防するための介護予防施策は、高齢者の方々が住みなれた地域で在宅生活を続けるためにも、また介護保険の安定した運営を確保する観点からも重要なことです。
平成16年度における主な介護予防事業等については、転倒骨折予防教室が34市町村、アクティビティー痴呆介護教室が11市町村、筋力向上トレーニング事業が4市町で行われています。県としましては、今後とも市町村が介護予防事業を効果的に実施していくために、介護予防指導者養成研修会の実施や情報提供等を積極的に行っていきたいと考えています。
続きまして、一時保護所の新たな設置についてお答えいたします。
一時保護所の新たな設置につきましては、現在、一時保護所入所児童1人当たりの一時保護期間が九州各県平均に比べ2倍以上になっていることや、一時保護の動向等について調査・分析し、今後の課題として検討していきます。
なお、当面の対応として、中央児童相談所の一時保護所についてことしの4月から20名の定員を24名に定員増するとともに、児童養護施設及び里親への一時保護委託等により適切に対応していきます。
ちなみに、中央児童相談所の一時保護所の入所状況は、2月28日では定員20名に対し18名の入所となっております。また、石嶺児童園については定員90名に対し83名、若夏学院については定員38名に対し20名の入所となっております。
以上でございます。
○文化環境部長(屋嘉部長市) 悪質商法に係る苦情相談の状況と取り組み体制についてお答えをいたします。
県においては、本庁に貸金業苦情相談室、三重城合同庁舎に県民生活センター、宮古・八重山両支庁に県民生活センターの分室を設置して、県民からの悪質商法を初め消費生活相談に応じております。また、平成15年12月に行政機関と民間団体で構成する「沖縄県ヤミ金融被害防止対策会議」を設置し、情報の共有化と被害防止等に努めているところであります。
県民から寄せられたオレオレ詐欺、架空請求、やみ金融に係る苦情相談件数は、平成14年度が1464件、平成15年度が2885件となっており、年々増加している状況にあります。県としては、このような状況を踏まえ、平成17年度から県民生活センターの消費生活相談員を1名増員し、取り組み体制を強化して相談業務に対応していく考えであります。
次に、消費相談窓口の周知及び専門的知見に基づく対応についてお答えいたします。
県が設置している貸金業苦情相談室及び県民生活センターについては、県のホームページ、隔月発行のくらしの情報紙「がじまる」、消費者学習講座、移動講座等で県民に周知しております。
県民からの消費生活相談に対しては、消費生活専門相談員や消費生活アドバイザーの有資格者等を配置して専門性や広域性の見地から助言等を行っております。県といたしましては、今後とも県の相談窓口の周知を図るとともに、県民からの消費生活相談に適切に対応してまいりたいと考えております。
○警察本部長(三浦正充) オレオレ詐欺等に関する被害及び相談状況についてお答えをいたします。
昨年中の県内におけるオレオレ詐欺の認知件数は34件で、被害総額は約2400万円、架空請求詐欺は81件で、被害総額は約3200万円となっております。
ちなみに、これに融資保証金詐欺をあわせたものを振り込め詐欺と総称しておりますが、この振り込め詐欺全体では県内において昨年1年間に発生件数383件、被害総額約1億9000万円を把握しております。
一方、やみ金融事犯については強引な取り立て行為等に対する相談事案がほとんどでありますが、その中で昨年中は出資法や貸金業規制法違反で13件12名を検挙しております。
次に、相談の受理状況でありますが、昨年中、架空請求に関する相談が2237件、やみ金融相談が523件、オレオレ詐欺は102件となっております。架空請求に関する相談件数は昨年大幅にふえたものと考えておりますが、逆にやみ金融に関する相談件数は対前年比414件の減少となっておりまして、大幅に減少しております。
その要因としては、いわゆるやみ金融対策法が昨年1月に全面施行され、厳格な登録審査制度の導入ややみ金融業者の違法な取り立て行為に対する罰則の引き上げなど規制が強化されるとともに、取り締まりを強化してきたことなどが考えられます。
一方、この取り締まりの強化によりやみ金融業者が架空請求等へ手口を変えたものではないかとの見方もありまして、引き続き警戒をしているところであります。
県警におきましては、この種相談事案に関しては誠実に対応し、相談者の意向を踏まえて悪質な業者に対しては積極的に所要の警告を発する等の措置を講じているところであります。
次に、相談窓口の体制についての御質問にお答えします。
県警におきましては、県民から寄せられた相談に的確に対応するため、平成14年4月に警察本部に広報相談課を新設し、警察安全相談室を設置して各種相談に対応しているほか、各部門に少年問題、性犯罪相談、悪質商法相談、暴力団相談、交通事故相談の専門の相談窓口を整備して相談専用電話などにより対応しているところであります。
また、各警察署においても総合的な受付窓口として警察安全相談所を設置し、それぞれ24時間体制で県民から寄せられる各種相談への取り組みを強化してきたところであります。
相談業務の体制は、警察本部及び各警察署の警察官のほか、警察安全相談員として警察OBの非常勤職員11名を配置しております。本部及び警察署とも相談窓口で受け付けした相談のうち、専門的知識が必要な振り込め詐欺ややみ金融事案などに係る相談は、速やかに主管課に引き継いで必要な措置を講じることとしております。
相談窓口につきましては、県警のホームページやポスター、リーフレット、カード、それから県広報誌等で広く県民に対して広報するとともに、毎年9月11日を「警察相談の日」と定め、相談窓口の周知と利用促進を図っているところであります。
ちなみに、平成16年中に警察に寄せられた相談は1万3148件でありまして、前年より1505件、12.9%増加し、その内容も多様化しております。
今後とも、関係機関・団体と緊密な連携を図り、相談者にとってより適切な対応が図られるよう、現場の警察官や警察安全相談員に対する指導・教養を強化しながら県民の要望にこたえてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) モノレールの利用状況と課題及び今後の利用促進についてにお答えいたします。
モノレールの開業からことし2月までの利用客の総数は約1733万人で、1日当たりの平均利用客数では3万560人であります。特に、昨年8月からことし2月まで連続して1日当たり3万人を上回る順調な利用状況でありますが、しかし引き続き通勤・通学等の安定的な利用客の確保が必要であります。
県においては、今後の利用促進に向けて沖縄都市モノレール株式会社など関係機関とともにパーク・アンド・ライドシステムの促進や観光関連施設とのタイアップ企画の拡大、及びバスとの乗り継ぎ割引など効果的な施策の実施に引き続き努めていく考えであります。
次に、コミュニティーバスの他の地域での実証実験についてにお答えいたします。
那覇市が国の補助を受けて昨年8月10日から首里地域で実施したコミュニティーバス実証実験の結果は、おおむね順調な利用状況であったと聞いております。その結果を踏まえて、去る2月6日からバス事業者が本格運行を実施しており、モノレールの利用促進に寄与するものと考えております。
地域に密着した生活路線については、地元市町村が主体となって実施することが基本であることから、那覇市内の他の地域におけるコミュニティーバスについては、市において首里地域実証実験の結果を分析し検討していくと聞いております。県としても、モノレールの利用促進の観点から積極的に支援していく考えであります。
次に、首里石嶺町急傾斜地崩壊危険区域の対策についてにお答えいたします。
当区域は、昭和55年度に対策工事を実施したところであります。近年、一部区域において不安定なところが発生しております。県としては、これまでも部分的に調査を実施し対策を行ってきたところでありますが、平成17年度からより詳細な調査を実施し、その結果を踏まえて工法を検討し、対策工事に着手する予定であります。
以上であります。
○上原 章 御答弁ありがとうございました。
幾つかの要望と質問をさせていただきます。
先ほど、一時保護所の件ですが、今後前向きに検討していくという答弁だと思います。ただ、他の施設等の強化で補うようなこともおっしゃっていましたけれども、一時保護所というものは、私、前回も取り上げましたけれども、ベテランの児童指導員や保育士等が子供の様子を観察しながら24時間寝食をともにして、その指導のもとで次のステップにつながる、一時保護所の意味するものというのが非常に大変子供たちを育てる意味で重要でございます。ぜひコザ相談所、また八重山等にも一時保護所が必要だという声がございますので、実現を目指して当局には頑張っていただきたい。要望いたします。
次に、やみ金融・悪徳等の相談についてですが、多くの方々がこういった悪徳業者や、本当につらい思いをしながら悩んでいらっしゃいます。その中で、例えば利息制限法という仕組みがわかっていたら倒産も防げた、また破産手続をすることもなかった、そういう声もございます。
県内には法律等の専門的アドバイスを弁護士や司法書士に受けたくても経済的理由で行けないような方もいらっしゃいます。また、執拗な取り立てを受けて身の危険を感じて行政や警察に助けを求めるわけでございます。
先ほど誠実に、また的確に窓口業務を強化していくという県警本部長のお話もありました。私のところにもこういったことで悩んで来られる方もいらっしゃいますが、所轄によってはそういった方が相談に行くと、借りたものは返すべきじゃないかとか、借りたあなたが悪いとか、そういう不用意なことを言う方もいらっしゃると聞いています。そういう意味では、本当にさまざまな思いをしてやむにやまれぬ思いで助けを求めに来る方々に対して、行政とまた県警も本当に丁寧に一人一人の声にしっかり耳を傾ける体制を末端の職員にまで徹底をお願いをしたいなと。これも要望したいと思います。
次に、キャリアセンターについてですが、私も先月キャリアセンターを視察してまいりました。私が思っていた以上にすばらしい成果を出していたというのが実感でございます。先ほど2万人余りの方が利用していると答弁にありましたが、このキャリアセンター、就職相談・カウンセリング・コーチング・就職活動のための知識スキルを提供するセミナー等を実施する、そういうワンストップサービス機能を擁した施設でございます。去年4月から9カ月間、12月末まで約1万人の若者が利用したそうです。うち7割が学生、大学生だったそうでございます。
センター長さんのお話をお聞きしました。キャリアセンターはハローワークの中にございます。ハローワークは朝9時から午後5時までしかあきません。しかしながら、特に現役学生等はこの時間は学校にいるわけです、勉強しているわけです。ハローワーク・キャリアセンターに行きたくても行けるタイミングは少ないわけです。そのときにセンター長さんが考えたことが、いらっしゃることがなかなか難しいんであれば、じゃ自分たちで出かけようということで出前を組みまして、県内の大学に自分たちで出かけていってその支援体制を組んだそうです。約2名から4名、週2回サイクルで行ったそうですけれども、最初は大学関係者も余り中身がわからなくてけげんな顔もされていたそうですけれども、このキャリアセンターの意味するものがわかるようになりまして利用者がふえまして、実は次年度、平成17年度より、ある大学からは出前じゃなくて常駐していただきたい、そのバックアップは大学側がさせてもらいますということで、またその大学では6学科の学生に対してキャリア教育という、講義という形でこのセンターの方々に依頼があり、またそれは単位認定もしっかりするということで
来年からスタートするそうです。また、キャリアセンターのスタッフは、今後高校教育の現場にまで自分たちはしっかり支援を広げていきたい、そういうことを言っていました。
このキャリアセンター等は本当にすばらしい成果を出しつつあると思うんで、このセンターの質が落ちたりトーンが落ちることがないように財政的に厳しい中で次年度の増員の願いは却下されたと聞きましたけれども、どうか担当所管の方でぜひ次の世代を担う若者が自分の目標どおりの就職戦線をかち取れるような支援体制をお願いしたいと思います。これも要望いたします。
1点だけ質問をいたします。
先ほどのベンチャー企業の支援についてですが、民間主導の自立経済を目指すためには民間企業が何を求めているのか、企業がどういう目線に今あるのかを常に考えなくてはならないと思います。先ほど言いました企業は事業化の促進を今求めております。スピードの競い合いが自立経済の発展につながると思います。
そこで再質問です。
もう一度、ベンチャー企業が今一体幾つ立ち上がり、そのうち幾つの企業が事業化したのか、県は事業化するまで何年を目安に取り組んでいるのか、期限の目標値はあるのか。
また、なかなか事業化できないことについて県は検証したことはあるのか、また原因はどこにあるとお考えなのかお聞かせください。
以上です。
○商工労働部長(伊川征一) ベンチャー企業の支援について3項目の再質問がございましたが、お答えをいたします。
県といたしましては、ベンチャー企業の発掘・育成を図るため中小企業創造促進法、いわゆる創造法に基づく事業計画の認定や各種の研究開発の支援、事業展開に向けた経営支援などの施策を実施しているところでございます。これまで創造法に基づく新事業計画の採択件数は72件となっておりまして、創薬、バイオ、ITなどの分野で事業化に向けた取り組みが進められております。その中には先ほど知事からも御答弁申し上げましたが、株式公開を実現した企業やあるいは経済産業大臣表彰を受賞したベンチャー企業等も含まれております。また、ベンチャー企業の事業化までの期間はそのビジネスプランによっても異なりますが、おおむね3年から5年を目途としております。
ベンチャー企業が成長発展していくためには、研究開発のための資金調達、それと販売力、経営、人材などさまざまな課題がございます。県といたしましては、今後ともこうした課題に的確に対応する施策を実施し、ベンチャー企業の成長段階に応じた総合的な支援を推進してまいります。
以上でございます。
○議長(外間盛善) 以上をもって通告による一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
これをもって質疑を終結いたします。
この際、お諮りいたします。
予算については、2月15日の議会運営委員会において20人から成る予算特別委員会を設置して審議することに意見の一致を見ております。
よって、ただいま議題となっております議案のうち、甲第1号議案から甲第31号議案までについては、20人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上審査することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(外間盛善) 次に、お諮りいたします。
ただいま設置されました予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定によりお手元に配付の名簿のとおり指名いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
よって、予算特別委員会の委員は、お手元に配付の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
――――――――――――――
〔予算特別委員名簿 巻末に掲載〕
――――――――――――――
○議長(外間盛善) 次に、お諮りいたします。
乙第39号議案「新石垣空港の設置及び管理について」は、観光振興・新石垣空港建設促進特別委員会に付託の上審査することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
よって、乙第39号議案については、観光振興・新石垣空港建設促進特別委員会に付託の上審査することに決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(外間盛善) ただいま予算特別委員会に付託されました予算及び観光振興・新石垣空港建設促進特別委員会に付託されました乙第39号議案を除く乙第1号議案から乙第38号議案まで及び乙第40号議案については、お手元に配付してあります議案付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
――――――――――――――
〔議案付託表 巻末に掲載〕
――――――――――――――
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後6時21分休憩
午後6時23分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
この際、お諮りいたします。
委員会審査及び議案整理のため、明3月3日から7日までの5日間休会といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
よって、明3月3日から7日までの5日間休会とすることに決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(外間盛善) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
次会は、3月8日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後6時24分散会