○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた公安委員会委員長比嘉良雄君は、別用務のため本日、明日、7月4日及び6日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び7月4日の会議に公安委員会委員幸喜徳子君、明日及び7月6日の会議に同委員会委員安里昌利君の出席を求めました。
また、労働委員会会長垣花豊順君は、所用のため本日から7月1日まで及び4日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として労働委員会事務局長山田義人君の出席を求めました。
また、人事委員会委員長嘉手納成達君は、所用のため本日から7月1日まで及び4日から6日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長瀬良垣馨君の出席を求めました。
その他の諸報告につきましては、お手元に配付の文書により御了承願います。
――――――――――――――
〔諸般の報告 巻末に掲載〕
――――――――――――――
○議長(外間盛善) この際、念のため申し上げます。
本日から7月1日まで及び4日から6日までの6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
――――――――――――――
○議長(外間盛善) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
池間 淳君。
〔池間 淳君登壇〕
○池間 淳 おはようございます。
自由民主党を代表して質問を行います。
1、集中豪雨による被害状況と支援策について。
観測史上初めての豪雨によって被害に遭った県民の皆様に心からお見舞い申し上げます。
さて、この豪雨は観測記録を実に113年ぶりに更新するというすさまじい雨量であります。県内各地に大変な被害が出ているようでありますが、早速対策に取り組んでいかなければならないと思います。
当局におかれては被害状況は把握されていると思いますので、早急に復旧対策をお願いし、次の質問をいたします。
①、今回の集中豪雨による県内の被害状況について。
②、補正予算を組んで支援することについて。
2、知事の政治姿勢について。
(1)、憲法改正問題について。
憲法改正問題については、さきの衆参両院における憲法調査会の約5年間に及ぶ論議の末まとめた最終報告書が提出されたことで新たな段階に入ったと思います。
憲法改正を論じるとき、議論の焦点となるのは9条についてであります。衆参両院の憲法調査会の報告書でもこの問題について、衆議院は、自衛権及び自衛隊について何らかの憲法上の措置をとることを否定しない意見が多く述べられたとして、9条を含めた改正の必要性を打ち出しております。
我が自民党も憲法改正の議論を進めており、党新憲法起草委員会が取りまとめた要綱では、戦後、日本の平和国家の実績を高く評価し、平和主義の原則は不変としながら9条2項を改正し、自衛軍の保持を打ち出し、新しい権利・責務も設けることとしております。
憲法改正について国民の目線で見た場合、各種報道機関による何度かの世論調査結果を見ても国民の間に改正を容認する声が大きくなってきており、去る4月に行った県内マスコミによる憲法改正に関する世論調査の結果でも、憲法そのものを見直した方がいいとの回答が52%で過半数を上回っており、もはや憲法改正は時代の要請であると言ってもいいのではないでしょうか。
このことを踏まえ次の質問をいたします。
①、衆議院及び参議院の憲法調査会において、憲法調査報告が出されたことで憲法改正が現実的課題となってきたと思うが、知事の御所見を伺います。
②、憲法改正を行うべきとの意見の中でも、時代の変化に応じて改正すべきとの意見や新しい権利を加えるべきとの意見とさまざまな意見があるが、沖縄県の知事としてこのような意見についてどのような考えを持っておられるのか伺います。
(2)、教育基本法の改正について。
今、我が国では倫理観や社会的使命感の喪失を思わせるような出来事が多発し、社会的危機に直面しており、時代としての大きな転換期に差しかかっていると思います。教育現場で深刻な問題となっているいじめ、校内暴力、不登校、中途退学、学級崩壊等は社会的事象や経済の不況等に起因する問題ではなく、教育の危機的状況を物語っていると思います。
本来、教育は人格の完成を目指し、個人の能力を伸ばし、自立心を育て、社会的使命感をはぐくみ、国や社会の形成者としての国民を育てるという使命があるはずであります。このような基本的使命を時代に合った教育のもとに進めていくことが現在の我が国に求められており、創造性と活力に満ち世界に開かれた社会を目指すためにも教育の大胆な改革、教育基本法の改正が必要と考えます。
このような観点から次の質問をいたします。
①、教育基本法の改正が言われている今日、事教育の基本に関する重要なことであることから、県としても改正に備えた対策を講じておくべきと考えますが、どうですか。
②、教育基本法の改正について、各県における対応の状況はどうなっているか伺います。
3、在日米軍の再編問題について。
米軍再編協議が本格化し、日米両政府の間でさまざまな駆け引きが展開されている状況にあるが、日米関係者の間からは沖縄の期待とはほど遠い内容の話しか聞こえてこないのが現状であります。
9・11事件を受け、米国は大量破壊兵器とテロ組織との2つを最大の脅威と位置づけ、この2つの脅威に対応することが米国の安全保障を図る上での最優先課題とするようになってきました。いわゆるテロとの戦いと核の拡散防止を安全保障戦略として、日本を初めとする同盟国と調整を重ねてきたのであります。
日本との関係においては、米国の北東アジア政策が大きく左右していることは議論をまつまでもありません。米国にとって北東アジア地域における安全保障政策の短期的戦略は、北朝鮮の存在に対する備えであり、北朝鮮の核問題や弾道ミサイル拡散防止問題への対応と地域的安定を図ることであります。長期的戦略としては、中国の存在とその経済・軍事が北東アジア地域に及ぼす影響力への対応であります。
米国がこのような北東アジア地域の安全保障を重要視している以上、今回の米軍再編も北東アジア政策を抜きにしては語れないと思います。このことは、日本政府も今回の米軍再編協議において沖縄の負担軽減を図ることとあわせて、日米安保条約に基づく抑止力の維持を交渉の基本としていることからもうかがうことができると思います。
このような状況を考えれば、沖縄の負担軽減を県民の納得する形で実現することは容易ではないと思います。県がいかに日米両政府に沖縄の声を訴えることができるか、まさに正念場だと思います。
このことを踏まえ次の質問を行います。
(1)、在日米軍の再編問題と基地の整理縮小について。
①、米軍再編協議は現在どのような段階にあるか。また、県に対する国の情報提供の状況について伺います。
②、米軍再編に当たり、県の要請をどのように日米協議に反映させていくか、県の取り組みを伺います。
③、知事は、要請事項を4項目にまとめ訪米したが、米国政府の感触と要請の実現の可能性について伺います。
④、今回の米軍再編で県の負担軽減を図るため米軍基地の返還優先順位をつけたリストを提出し、国と協議すべきと思うが、知事の御見解をお伺いいたします。
⑤、我が自民党を中心とする県議会与党は、今回の米軍再編に伴い沖縄の戦後60年に及ぶ基地負担を軽減するため、また県民の期待の高まりを受けて普天間の県外または国外への移転を優先すべきとの方針を決定しました。それができなければSACO合意による辺野古沖への移設以外は認めないという方針も決定いたしました。これについて知事の御見解を伺います。
(2)、米軍兵力の削減について。
①、米連邦議会の海外基地見直し委員会が、米軍再編の中で沖縄の海兵隊の海外や県外への移転に否定的な見解を示したが、これについて知事の見解を伺います。
②、知事が日米両政府に要請した4項目の中の海兵隊の県外移転は、県内にある海兵隊施設すべてを指しているのか、普天間基地だけを県外に移転すべきと言っているのか伺います。
③、米軍再編協議の中で、沖縄の負担軽減策として検討されていた海兵隊の日本本土への移転を日米両政府は見送る方針を固めたとのマスコミ報道があるが、県は情報を把握しているか伺います。
④、米連邦議会の海外基地見直し委員会は報告書の中で、沖縄の海兵隊を最大8000人削減することも検討されているとしているが、この案について知事の考えを伺います。
⑤、県がこれまで求めた米軍兵力の削減について、この5年間の実績を示してください。
4、県経済の振興について。
(1)、復帰33年を迎えた本県経済の現況について。
本県は、昭和47年5月に本土復帰を果たしてからことしで33年目を迎えましたが、全国に所在する米軍専用施設の75%が依然として集中し、基地あるがゆえの事件・事故が後を絶たず、県民の負担はいまだ軽減されないまま放置された状態にあります。
しかしながら、米軍基地の存在は当然に本県経済にも大きな影響を与えており、このため政府は本土復帰後3次にわたる沖縄開発振興計画を適用し、本県の経済社会の向上のためもろもろの施策を展開してまいりました。3次にわたる振興計画の実施にもかかわらず県民所得は依然として全国平均より低く、失業率も高水準で推移しているのが現状であります。
その原因は何か。一言でいえば、核となる産業が育っていない、産業基盤が脆弱そのものであるということであります。新たな振興計画において観光を本県産業の中核に位置づけ、その振興を図るとしているが、自立経済を構築する上で観光だけに頼るのは将来展望において不安が残るのではないでしょうか。
そこで、次の質問をいたします。
①、復帰33年を迎えて、本県経済の発展経緯を復帰前と復帰後の今日と比較し、どのように分析しているか。また、復帰前の経済と復帰後の経済との特徴的な違いは何か伺います。
②、復帰後3次にわたる振興計画は本県の社会資本の整備に重点が置かれ、現振興計画は自立経済の構築を柱とするとしているが、本県の社会資本整備はその目標を達成したと考えていいか伺います。
③、基地関連収入は本県経済に大きく影響を与えており、復帰時に県民総所得の15%を占めていた。復帰後は比率は減り現在は5%程度となっているが、県経済に与える影響は無視できず、基地経済からの脱却がこれからの課題であると言えるが、知事の御所見を伺います。
(2)、第2次分野別振興計画の策定について。
平成14年度からスタートした沖縄振興計画に基づく諸施策が具体的成果を上げるため、各指標ごとの数値目標を設定した分野別個別計画の第1次計画がことし3月で終了し、第2次計画が新たに決定されました。
今回決定された第2次計画は、1次計画の実績を踏まえ期間中に実施する施策等の数値目標を設定していると聞いており、計画どおり着実に施策が実施されることが求められております。
これまで本県は3次にわたる振興開発計画により多くの施策が実施されたが、経済の基盤である産業構造の強化拡大にはつながっていないと言われており、その原因は次期振興計画策定の際の点検に甘さがあったと指摘されております。
そこで、次の質問をいたします。
①、第2次分野別振興計画が本年度4月からスタートしているが、第1次計画との違い、実効性を高めるための具体策等の概要について説明願いたい。
②、第1次振興計画の3年間の目標達成度をお願いいたします。
③、第1次振興計画で示した数値目標について、目標を達成できなかった要因についての分析は行っているか。分野ごとにその要因を説明していただきたい。
5、地方分権の推進について。
(1)、三位一体改革の本県への影響について。
国の進める三位一体改革は、ことしで2年目を迎えましたが、国と地方との思惑の違いを埋めるには至っておりません。
このような中、本県市町村においても2005年度予算が成立しておりますが、その内容は昨年度に続いての緊急避難的な予算編成となっており、ほとんどの市町村で財政調整基金や減債基金など積立金の取り崩しが続いているようであります。市町村にとって三位一体改革で地方交付税や国庫補助金が大幅に削減されたことが資金繰りを悪くし、財政逼迫につながったものと思います。
県の試算によると、三位一体改革による全市町村への影響額は約50億円に達するということであります。しかし、財源不足をすべて三位一体改革に転嫁しては本来、地方自治体が進めるべき改革が見逃されることにもなりかねません。
そこで、次のことを質問いたします。
①、三位一体改革は、平成17年度の国と地方との調整が決着したことでその全体像が見えてきたようだが、来年度以降、本県財政及び市町村財政へ及ぼす影響を伺います。
②、義務教育費国庫負担制度の見直しについては、地方六団体と文部科学省との考えは一致しないようである。文部科学省は、制度を廃止し、一般財源化したら義務教育費に使われる保証がなく、教育水準に地域格差が生ずるとしているようだが、これについて知事の御見解をお願いいたします。
③、三位一体改革は、地方への財源移譲も行われるが、本県市町村は税徴収について十分な体制が図られているかお伺いいたします。
(2)、道州制について。
道州制問題に対して県の姿勢は、地方制度調査会や国の動向を注意深く見ながら検討していくというものでありました。このたび、地方制度調査会は都道府県をブロック単位に再編成する区域案を5つのパターンに分けて提示しております。国がこのような案を提示したのは初めてのことであり、調査会はこの案をたたき台にして考え方をまとめてくるものと思われます。また、各県においても、今後、道州制のあり方、区域設定について議論が活発になると思います。
そこで、次の質問をいたします。
①、道州制については、国の権限のあり方、地方の役割分担等々いまだ明確には示されていないようだが、現在の進展状況はどの段階にあるか伺います。
②、国の地方制度調査会において、都道府県をブロック単位に再編成する区域案が提示されたようだが、県に対して何らかの調査等はあったか伺います。
③、今回の区域案は5案示されたが、いずれも沖縄は単独州となっている。これについて県はどのような見解を持っているのか伺います。
④、本県の地理的位置や歴史的経緯、文化等から道州制のあり方についても他県と異なる考えが出てくると思います。県の道州制に対する基本的考えを伺います。
6、市町村合併と離島振興について。
(1)、市町村合併の現状について。
報道によると、本県の合併による市町村の減少率は22.6%で、合併の進捗状況を全国で見ると41位の低水準にあるということであります。県は、この原因を他県に比べ離島町村が多いことが要因と言っているようでありますが、これからの地方分権が加速する時代の中で、しかも三位一体改革による地方財政への影響が言われる中でこのままの状態で推移していけば、離島の多い本県にとって離島町村の財政運営はさらなる厳しい状況に突入することになることは目に見えております。今後、県のより一層の努力と指導が求められるものと考えます。
このことを踏まえ、次の質問をいたします。
①、本県の市町村合併は合併特例法の期限であることし3月末までに5件の合併が成立し、53市町村から12市町村が減少、41市町村になりました。これについて県はどのような評価をしているか。また、合併形態に他県との違いや本県特有の事情も見られたか伺います。
②、合併により新しく誕生した5市について、今後10年間でどのような特例措置がなされるか、具体的に説明願います。
③、期限切れとなった旧特例法にかわり、新たにことし4月から新合併法が施行されたが、同法のねらいとこれにより知事はどのような対応を求められるか伺います。
④、県は、総務省が策定する新たな合併を目指すための基本指針に基づき、基本構想を策定するということであるが、何をどのようにまとめるのかお願いいたします。
7、環境問題対策について。
(1)、自動車リサイクル法対策について。
自動車の不法投棄、野積み等が社会問題化している状況や最終処分場が満杯に近いことなど、また環境を重視した環境型社会の構築に向け自動車のリサイクルはぜひ軌道に乗せなければならないと思います。
そこで、次の質問をいたします。
①、自動車リサイクル法が全面施行されて6カ月が経過したが、法施行により本県における放置自動車の状況にどのような効果があらわれたか伺います。
②、県内解体業者の許可申請や許可証の交付等の作業は完了したと思うが、その現状について説明願います。
③、リサイクル法に基づく適正なリサイクルがなされているかのチェック体制は万全か、業者に対する指導はどのように行われているのかお伺いいたします。
④、離島における廃車問題は深刻と言われるが、リサイクル法施行後、離島の廃車問題はどのように変わったのかお伺いいたします。
(2)、廃棄物処理及び廃棄自動車対策について。
①、廃自動車の不法投棄や野積み問題は、環境に与える影響が大きいことから社会問題化しているが、本県における実態を説明願います。
②、県は、県警、市町村、関係団体等と連携し、合同パトロールを実施しているようであるが、その実施方法と実績について伺います。
③、離島地域における廃車処理については、費用の問題から対策が進まない状況にあるが、県はどのような対策を講じているのか伺います。
④、廃棄物処理管理型最終処分場の建設に向けて、県は官民協調による第三セクター方式を検討しているようであるが、その概要について説明願います。
8、農林水産業振興策について。
(1)「美ぎ島宮古グリーンネット」について、県の支援と取り組みについて。
宮古地域で平成15年9月に襲来した台風14号は、電気や電話等の各種インフラに破滅的な打撃を与えたばかりでなく、農林水産物にも甚大な被害をもたらしました。「美ぎ島宮古グリーンネット」では、この災害を教訓に防災に強い島づくりを推進し、花と緑に包まれた美ぎ島宮古づくりを百年の計で持続的に行うことを目的として設立されておりますが、このすばらしい事業計画に対して県も予算面から全面的に支援する必要があると思いますが、県の取り組み体制や内容等について具体的に御説明をお願いいたします。
(2)、「野國總管甘藷伝来400年祭」の知事の名誉実行委員長就任について。
嘉手納町では「野國總管甘藷伝来400年祭」を企画しているようであります。苦しいときに救ってくれた大きな業績を踏まえての祭りでありますから、ぜひ知事に名誉実行委員長に就任していただきたいと宮城篤実嘉手納町長からお願いがあり、知事は快諾されたようでありますが、事務手続で前例がないということでストップしているようであります。400年たっても県民から敬愛されている野國總管甘藷伝来祭りであります。前例がないからといってちゅうちょすることはないと思います。県民のこれまでのカンショに対する取り組みや歴史等の経緯を踏まえても県知事が先頭に立って祭りを盛り上げるべきだと思います。
名誉実行委員長承諾について知事の御見解をお願いいたします。
(3)、さとうきびの生産振興策について。
平成16年度産さとうきび生産量が復帰後最低の67万トンまで落ち込んでおります。さとうきび生産の経済波及効果は4倍以上との試算もあり、離島地域では主要な産業となっております。年々減少傾向に歯どめをかけるには県は今後どのような体制で取り組むか伺います。
(4)、食料自給率向上対策について。
日本の食料自給率は主要先進国と比較した場合、最低水準にあると言われております。自給率は40%だそうです。そこで農水省では、食料自給率向上策として地方自治体ごとに目標値設定を促進する方針を固めたようであり、県としても今後は最重要課題として取り組む必要があると思います。
そこで、次の質問をいたします。
①、本県における食料の自給率は、他県と比べてどの位置にあるか伺います。
②、農水省は、食料自給率向上策として地方自治体ごとの目標値設定を促進する方針を固めたということであるが、本県における食料の自給率向上を図るためどのような対策が求められ、どのような課題があるか伺います。
③、地方自治体における食料自給率の向上を図るには地元の農産物を地元で消費する地産地消が効果的だと思われるが、本県における地産地消推進状況を伺います。
9、福祉関係について。
(1)、小児救急及び産婦人科医療体制の整備について。
本県の小児救急にかかわってきた民間の病院では、小児救急に携わる医師の確保ができないため小児救急受け入れを休止するところも出てきているようであります。もはや民間だけの努力では対応できないから県や自治体に対応してほしいとの声が高まっているようであります。また、産婦人科医師の確保についても県立北部病院や八重山病院において問題が生じております。
このように本県における小児救急及び産婦人科医療体制については転換期に差しかかっていると思います。
そこで、次の質問をいたします。
①、本県における小児救急及び産婦人科医療体制の現状と課題について伺います。
②、県立病院における小児救急医療の整備について伺います。
③、民間病院関係者は県や市に抜本的な対策を求めているが、県の考えを伺います。
④、県立病院における産婦人科医師の配置基準と現状について伺います。
⑤、県立病院や公立病院における産婦人科医師の配置は、地域の要望にこたえられているか伺います。
(2)、児童虐待問題について。
子供にとって最も信頼されるはずの親によって去る6月24日、県の児童相談所に相談があったにもかかわらず、虐待死という不幸な事件が起こってしまいました。大変残念でなりません。亡くなったゆいなちゃんの気持ちや母親の心情を思うとき、やりきれない思いが込み上げてまいります。知事、だれを信じればいいんですか、どこに相談に行けばいいんですか、本当に残念でなりません。ゆいなちゃんの御冥福を心からお祈りいたしまして、次の質問をいたします。
①、児童虐待が行われる原因はどこにあるか伺います。
②、本県における児童虐待防止のための対策はどのようになされているか伺います。
③、児童相談所への児童虐待の相談数と保護した件数について説明願います。
④、虐待による死亡件数と発生前に虐待の事実を把握していた件数について説明願います。
⑤、児童虐待防止のための警察の立ち入りの事例について伺います。
10、尖閣諸島問題について。
(1)、香港や中国の活動家がたびたび尖閣諸島へ上陸を強行するなど、我が国の領土に対する不法な行為が繰り返される傾向にあるが、知事は政府に対し、これまでどのような要請を行ってきたか伺います。
(2)、東シナ海の日本と中国との排他的経済水域の境界線付近での中国による天然ガス田開発を進めている問題について、知事の見解を伺います。
(3)、去る4月に日本政府も独自の対応として民間業者に試掘権を与える手続を開始し、夏にも試掘作業に着手する方針のようでありますが、これに対する知事の御所見を伺います。
11、少子・高齢化対策について。
少子・高齢化は、日本だけに限らず先進諸国に共通する現象だと言われております。それでもヨーロッパにおいては少子化に歯どめをかけた国も出てきているようであるが、我が国は一向にその歯どめがかからず、むしろ国際社会の中で急激な少子化傾向が進み、突出した状況にあると言われております。
そこで、次の質問をいたします。
(1)、我が国は少子・高齢化が早いスピードで進行しているが、2005年からの5年間は第二次ベビーブームの前後に生まれた女性の出産年齢期にあると言われております。この5年間が少子化に歯どめをかける好機と言われている。政府はこの時期にどのような少子化政策を計画しているか、また本県の状況はどうか伺います。
(2)、少子・高齢化が進むと60歳以上の世代の活用が重要となってくると思うが、政府や県においてこれら世代の豊富な知識と経験を生かすための施策はどのように実施されているか伺います。
よろしくお願いいたします。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
池間淳議員の御質問にお答えいたします。
最初は、憲法改正問題について一括してお答え申し上げます。
憲法改正については、主権者である国民がさまざまな議論を通してより理解を深めることが重要であると考えております。また、さまざまな団体等によるさまざまな意見や提言があり、国民の間で議論が高まりつつある状況を見ますと、私は時代の変化に応じて検討する必要があると思います。
次に、再編協議に対する県の取り組みと国との協議についての御質問に一括してお答えをいたします。
県は、米軍再編に対する県の基本的な考え方として、在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等を日米両政府に申し入れたところであります。
米軍再編に係る日米間の協議については、第1段階の「共通の戦略目標」の合意がなされたところであり、現在、第2段階の「日米の役割・任務・能力」について協議がなされていると理解しており、引き続き第3段階として「軍事態勢見直し」が協議され、その中で個別の議論が行われるとされております。今後、日本政府から再編協議の内容について提示されることとなっており、その際には県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう的確に対応したいと考えております。
次に、訪米要請における米国政府の感触等についての御質問にお答えをいたします。
私は、去る3月に、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減がなされるよう理解と協力を求めるため訪米し、米国連邦政府や連邦議会関係者、シンクタンク等に訴えてまいりました。お会いした方々からは、県の要請に対する個別・具体的な回答はありませんでしたが、グリーン国家安全保障会議アジア上級部長からは、「県内ではなく他のところにもと考えている。再編問題は、1年以内に何とかしなければならないと考えている。」旨の発言がありました。リビア国務次官補代行からは、「沖縄県民が特別な負担を負っていることは理解しており、沖縄の施設についての問題も認識している。再編協議は、昨年、日米両国首脳が合意した地元の負担軽減と抑止力の維持の2つの原則に基づき行われており、負担の軽減につながるものであると考えている。」旨の発言がありました。ローレス国防副次官からは、「知事が提起された問題はどれも重要であり、日本政府も県の立場をよく理解し、協議にあたっている。沖縄県の負担のことは必ず考慮する。要望書をできるだけ尊重する。」旨の発言がありました。
県としては、的確な時期に県の米軍再編に対する基本的な考え方である在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善、陸軍複合射撃訓練場の建設中止、日米地位協定の抜本的な見直しについて訴えることができたと考えております。今後とも日米両政府の協議の進捗状況に合わせ、基地負担の軽減の実現に向けより強く働きかけていきます。
次に、在日米軍再編と県議会与党の方針についての御質問にお答えいたします。
県議会与党の決定した方針は、基地負担の軽減に最も重要な要素である普天間飛行場の移設について、議会の立場で明確な方向性を示したものであると理解しております。在日米軍の抑止力維持と沖縄を含む地元の負担軽減を図ることが協議されているこの時期に、県議会与党としての立場を明らかにした今回の取り組みを大変心強く思っております。
次に、海外基地見直し委員会の中間報告についてお答えいたします。
米連邦議会の海外基地見直し委員会の中間報告では、日本における兵力見直しの要素の一つとして、沖縄の駐留体制の調整を挙げるとともに、在沖海兵隊の削減等についても言及しているものの、勧告の中では普天間飛行場の移設と残りの海兵隊維持を述べるにとどまっております。
同中間報告は、沖縄に関する記述部分も多く、関心の高さがうかがわれていますが、県民の負担軽減について十分配慮されているとは言えないと考えております。
次に、海兵隊の県外移転要請についての御質問にお答えいたします。
県の米軍再編において求める海兵隊の県外移転については、それを検討する際に兵力や訓練、施設も含め例外や前提を設けずすべてを議論の対象とするようにとの趣旨で求めたものであり、普天間飛行場に限定したものではありません。
次に、海外基地見直し委員会の中間報告における海兵隊の削減案についての御質問にお答えいたします。
米連邦議会の海外基地見直し委員会の中間報告書で言及されている海兵隊の削減については、日米両政府において協議されていることの一つを同委員会が指摘したものと理解しております。
県としては、今後、日本政府から再編協議の内容について提示されることとなっており、その際には県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう的確に対応したいと考えております。
次に、義務教育費国庫負担制度の見直しについての御質問にお答えいたします。
義務教育費国庫負担制度については、これまで教育の機会均等及び全国的な教育水準の維持向上に大きな役割を果たしてきたものと考えております。このため、同負担金の見直しに当たっては、教職員の配置に支障が生じないよう明確な財源措置を講ずる必要があるものと考えております。
義務教育制度については、政府・与党で合意した三位一体の改革の全体像において、「その根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持する。」こととされております。
教育水準の維持向上を含む義務教育のあり方については、本年秋までに中央教育審議会において結論を得ることとされており、その審議の推移を見守りつつ、今後とも地方六団体とともに、明確かつ確実な財源措置を国に強く求めていきたいと考えております。
次に、県の道州制に対する基本的な考え方についてお答えいたします。
県としては、道州のあり方については地域の特性・事情等を反映した多様なものとなるべきと考えており、道州制における本県のあり方についても、引き続き地方制度調査会や国等の動向を注視しつつ、さまざまな角度から総合的に検討していかなければならないと考えております。その際、道州の役割や権限、国や市町村との役割分担、税・財政制度、区域の設定に加え、本県の地理的・歴史的・文化的特性や県民意識等を考慮する必要があると考えております。
次に、市町村合併の県の評価と他県との違いや本県特有の事情についての御質問にお答えいたします。
県では、沖縄県市町村合併支援本部を設置し、これまで市町村合併について財政的・人的な支援を行う等積極的に推進してきたところであります。その結果、旧合併特例法下で久米島町及びうるま市が合併し、ことしの10月には宮古島市が、来年の1月には八重瀬町及び南城市が誕生する予定であり、一定の成果を得たところであります。
しかしながら、全国と比べ本県の合併による市町村の減少率は低くなっており、その主な要因は、合併形態として編入合併がなかったこと、また広大な海域に点在する多くの離島町村を有していること等であると考えております。
次に、野國總管の400年祭の名誉実行委員長就任についての御質問にお答えいたします。
「野國總管甘藷伝来400年祭」は、嘉手納町がカンショを我が国に導入した野國總管の遺徳をたたえ、その偉業の継承発展とカンショの振興を図るため本年9月に開催を計画しているものであります。
カンショは、野國總管が1605年に中国福建省から導入し、本県を発祥の地として全国へと広がり、飢餓や戦中・戦後の食糧難から人々の命を救うなど、歴史的に大きな貢献を果たしております。また、近年、機能性成分を含んだ健康食品として注目されており、その生産拡大が期待されております。
このようなことから、県としては同400年祭について、カンショの全国的な展開を図る観点から積極的に支援することとしており、県の後援、記念式典における知事あいさつを予定しております。また、要望のある名誉実行委員長の就任についても、県内外への情報発信を強力に推進するため引き受けたいと考えております。
次に、本県の食料自給率の向上について申し上げます。
本県の食料自給率の目標については、平成19年度にカロリーベースで40%を見込んでおります。県では、県民の食料の安定供給と自給率の向上を図るため、第2次農林水産業振興計画に基づき、1、おきなわブランドの確立と生産供給体制の強化として、野菜、果樹等の拠点産地の育成、2、流通・販売・加工対策の強化として輸送コスト低減対策の推進及び地産地消の推進、3、省力・低コスト化に向けた農林水産技術の開発・普及、4、天敵昆虫や性フェロモンを活用した害虫防除など環境と調和した農林水産業の推進、5、農業用水源の確保やかんがい施設等の基盤整備などの諸施策を総合的に推進してまいります。
次に、幼児虐待・死亡事件についての御質問にお答えします。
初めに、今回の事件で亡くなられた幼児の御冥福を心からお祈り申し上げます。
今回の事件は、児童相談所が相談を受けていながら、結果としてこのような事態が起こってしまったことは悔やまれてなりません。
県においては、児童虐待相談等の増加やケースの複雑化などから体制を強化したところでありますが、このような痛ましい事件が起こったことを真摯に受けとめております。今後、県を初め市町村、関係機関・団体等との連携を密にして、児童虐待の早期発見・早期対応に努めるとともに、育児支援等による児童虐待の未然防止になお一層努力する考えであります。
次に、尖閣諸島問題に係る政府に対するこれまでの要請についての御質問にお答えいたします。
尖閣諸島の領有権をめぐる問題については、国益、県益を守る観点から政府において適切に対応されるよう機会があるごとに要請しております。
最近の例としましては、尖閣諸島の領有権をめぐる諸問題及び領海侵犯への対応方について、本年1月に衆議院安全保障委員会、参議院沖縄北方特別委員会及び防衛庁長官に対し、「政府においては、尖閣諸島が歴史的にも国際法上も日本固有の領土であることを明確にし、継続的に中国、台湾関係当局に申し入れるとともに、我が国の実効支配が更に明確になるような措置を講ずること」、及び「領海侵犯は国家主権に関わる重要な問題であり、今後、県民に不安を与えないよう、安全確保に万全を期すための適切な対策を講ずること」の2点を内容とする要望書を提出したところであります。
続きまして、東シナ海における中国の天然ガス田開発についての御質問にお答えいたします。
中国が天然ガス田開発を進めている東シナ海の海域は、我が国と中国との間で排他的経済水域の境界についての主張が異なっている海域であります。県としては、東シナ海における天然ガス田等の資源開発は我が国にとって重要であると考えており、日中両国の平和的な協議のもとで当該海域の資源開発が進められるよう期待しております。
次に、政府の少子化政策及び本県の現状についての御質問にお答えいたします。
少子化の進行を踏まえ、国においては少子化対策を基本施策として位置づけ、「少子化社会対策大綱」を定め、同大綱に基づき昨年12月に「子ども・子育て応援プラン」を策定しております。
同プランは、これまでのエンゼルプランにおける保育事業を中心としたものから、若者の自立・教育、働き方の見直し等を含めた幅広い施策を盛り込んだ内容となっており、この5年間に総合的に推進することとしております。
一方、県においては、ことし3月に次世代育成支援対策推進法に基づく地域行動計画として「おきなわ子ども・子育て応援プラン」を策定したところです。この計画では、「親子が心身共に健やかに成長できる 子育ち 親育ち 地域育ち」を基本理念として、地域における子育て支援、母子保健の推進、仕事と家庭の両立の推進等8つの基本目標を柱としております。具体的には、待機児童解消のための保育所定員増等を初め各施策の数値目標を掲げ、その達成に向け重点的に取り組んでいくこととしております。
その他の御質問につきましては、関係部室長等より答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 4月1日付で知事公室長を拝命いたしました花城でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、集中豪雨による県内の被害状況についてお答えします。
平成17年6月15日から18日にかけての本島及び周辺離島での集中豪雨による被害状況は、6月27日現在、以下のとおりであります。
人的被害はなく、避難勧告に基づく住民避難が沖縄市安慶田地区で7世帯12名でございます。自主避難が、佐敷町の特別養護老人ホームの小谷園など5市町で7世帯80名。浸水被害は、床上浸水が6市町で25件、床下浸水が8市町村で19件。土砂崩れは、本島の17市町村で34カ所、久米島町で1カ所、渡嘉敷村で14カ所の計49カ所であります。道路損壊は、本島3町村で4件、渡嘉敷村で1件となっております。
被害額については、農林水産関係の被害総額が約5億4200万円で、その主なものは、作物被害が約1億9800万円、農業用施設被害が約2億4500万円、また土木関係の被害総額が5億4850万円で、その主なものは、河川決壊や護岸決壊が1億3700万円、道路損壊が2億5750万円となっております。
補正予算での支援についての御質問にお答えします。
今回の集中豪雨による農林水産部及び土木建築部関係の被害総額は、約10億9000万円と報告を受けております。当該災害の復旧について農林水産部と土木建築部に確認をしたところ、既決予算で対応可能と聞いております。
次に、在日米軍の再編問題について、再編協議の状況と政府からの情報提供についての御質問にお答えします。
米軍再編について、日米両政府においては共通の戦略目標について合意し、現在行われている日米の役割・任務・能力についての協議の段階を踏まえながら、今後、個別の議論が行われることとされております。
そのような中、県は政府に対し、去る2月1日に渉外知事会を通じて、米軍再編に係る情報の提供と地元の意向を尊重して協議することを要請しております。政府からは、3月28日の基地所在都道県との意見交換の際、今後も米側との協議の進捗を踏まえつつ、地元自治体に対しても適時適切に説明責任を果たしていきたいと考えている旨の説明がありました。
また、5月18日には町村外務大臣が衆議院外務委員会において、「ある種の中間報告といった性格のものをまとめ、その上で各自治体に提示をし、説明する」旨を述べております。
次に、海兵隊の日本本土への移転見送り報道についてお答えします。
そのような報道があることは承知しておりますが、外務省に確認したところ、在日米軍再編に係る日米間の協議で、「在日米軍の抑止力維持と地元の負担軽減の観点から種々の具体的なアイデアについて検討しているが、個別の施設・区域についていかなる決定も行われていない」とのことであります。
次に、米軍兵力削減の実績についてであります。
県は、在沖米軍の兵力の削減について、平成13年3月に福田官房長官及び関係大臣に要請を行ったのを初め、平成14年8月に小泉総理大臣及び関係大臣に、平成15年11月に来沖したラムズフェルド米国防長官にそれぞれ要請を行ってきております。
また、最近では、ことしの2月に来沖した米連邦議会の海外基地見直し委員会委員に対し、3月の訪米に際し、細田官房長官及び関係大臣に対し、さらに訪米時において国務省、国防総省、大統領府国家安全保障会議の米国政府関係者等に対し、沖縄の米軍基地問題の解決促進を要請する等、あらゆる機会をとらえて要請を行っております。
国防総省関連ホームページによりますと、在沖米軍人の数は、平成11年10月に2万4847人であったものが、平成16年9月には2万2339人になっております。平成15年9月には過去5年間で最多の2万6282人となり、平成16年9月には最少となってその差は3943人であります。ただし、この数字は毎年変動しているため、平成16年の数が兵力の削減によるものであるかどうかは確認できません。
以上であります。
○教育長(仲宗根用英) このたび教育長を拝命いたしました仲宗根でございます。微力ではございますが、本県教育の充実・振興に誠心誠意取り組んでいきたいと思いますので、御指導のほどよろしくお願いいたします。
それでは教育基本法の改正について一括してお答えします。
教育基本法の改正等については、同法の制定当時と社会状況は大きく変化し、教育のあり方も変容を遂げつつあることから、現在、教育基本法についていろいろな意見があり、各方面からの幅広い論議がなされております。教育行政を執行する者として、国民的な論議の推移を注意深く見守っていく必要があると考えております。
また、九州各県においても国での議論の推移を見守っている状況であります。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 4月1日付で企画部長を拝命いたしました上原でございます。県勢発展のため引き続き全力で取り組んでまいります。議員各位の御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。
それでは池間淳議員の御質問にお答えいたします。
まず、県経済の振興について、本県経済の復帰前と復帰後の比較及び特徴的な違いは何かという御質問にお答えいたします。
我が国は、国内産業保護と輸出拡大政策により、戦後復興から高度成長を経て経済大国となりましたが、沖縄はこうした本土の経済発展過程から取り残されました。こうして復帰前の沖縄は、労働力等を基地の建設・維持に動員し、その収入でもって大量の物資を輸入するという基地依存型輸入経済の形成を余儀なくされました。復帰後は、この間に生じた本土との格差の是正を目指し、3次にわたる沖縄振興開発計画のもと、社会資本及び産業基盤の整備を通じて本県経済は拡大を続けてきました。
現在、こうした財政による開発主導型経済からの脱却を目指し、県では新たな沖縄振興計画のもと、民間主導の自立型経済の構築に取り組んでいるところであります。
同じく県経済の振興でございます。
社会資本の整備目標達成についての御質問にお答えいたします。
本県では、3次にわたる沖縄振興開発計画の実施により社会資本の整備に積極的に取り組み、本土との格差は縮小してきております。
新しい振興計画においては、引き続きおくれている分野の整備を推進するとともに、自立型経済の構築に向け沖縄の特性を生かした産業振興や国際交流拠点の形成を図るために必要な空港や港湾などの整備を戦略的・重点的に推進してまいります。
次に、同じく県経済の振興、基地経済からの脱却についての御質問にお答えいたします。
米軍基地の整理縮小と基地関連収入や財政に依存する経済からの脱却は、本県が取り組むべき最重要課題であります。このため、民間主導の自立型経済の構築に向け、観光・リゾート産業、情報通信関連産業、農林水産業、健康・バイオ関連産業など、沖縄の特性を生かした発展可能性の高い産業分野について重点的・戦略的な振興に取り組んでいるところであります。
同じく県経済の振興で、第1次と第2次分野別計画との違い及び具体策についての御質問にお答えいたします。
第2次分野別計画は、第1次分野別計画の検証・評価を踏まえた上で指標の見直し及び関連施策を拡充しております。
第2次分野別計画の特徴として、観光振興計画については、コンベンションやリゾートウエディング等に関する新たな指標の設定、観光振興地域の拡充、離島観光の推進や自然観光資源の保全・活用に関する施策等を追加しております。
情報通信関連産業振興計画につきましては、より付加価値の高いコンテンツ産業等の集積・発展を目指し、新事業の展開に伴う通信コストの低減化支援などを追加しております。
農林水産業振興計画においては、島野菜の消費拡大のため「地産地消の推進」を新たに項立てしたことや、おきなわブランド豚「アグー」の作出等を追加しております。
職業安定計画については、フリーターや無業者等若年者対策を強化しております。
産業振興計画については、県内産業の高度化や新事業創出に向け生産システム効率化への支援などを追加しております。
同じく第1次分野別計画の達成度についてお答えいたします。
第1次分野別計画の目標については、現段階で実績や見込み値が確認できる171の指標のうち、90の指標が目標を達成しております。また、目標達成率が8割以上の指標は55となっており、全体の85%の指標が8割を超える達成率となっております。目標達成率が5割以上8割未満の指標は19、目標達成率が5割未満の指標は7となっております。
同じく第1次分野別計画の目標を達成できなかった要因についてお答えいたします。
第1次分野別計画において数値目標を達成できなかった要因については、各計画の指標ごとに分析を行っております。
観光振興計画では、観光客1人当たり県内消費額などが未達成で全国的な個人消費の減少や旅行商品の低価格化等が要因となっております。
農林水産業振興計画では、拠点産地数などが未達成で、計画生産・計画出荷や栽培技術の高位平準化等が進まなかったことが要因となっております。
職業安定計画では、ファミリー・サポート・センター会員数などが未達成で、事業内容等の広報不足が要因となっております。
産業振興計画では、特別自由貿易地域における立地企業数などが未達成で関連産業の集積度が低いこと、製造業の立地が全国的にも厳しいことなどが要因となっており、情報通信産業振興計画ではすべて目標を達成しております。
次に、地方分権の推進についてでございますけれども、三位一体改革の本県市町村への影響についての御質問にお答えいたします。
平成17年6月21日閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」では、3兆円の税源移譲に伴い財政力格差が拡大しないよう適切に対応すること、平成18年度においては、地方公共団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源の総額を確保することなどが盛り込まれております。
県としましては、今後とも三位一体の改革に係る県内市町村への影響についてその把握に努めていくとともに、財政事情に応じた適切な助言等を行ってまいりたいと考えております。
次に、同じく地方分権の推進でございます。市町村税の徴収体制についてお答えいたします。
県では、三位一体の改革において、国税である所得税から住民税へ税源移譲することが示されて以降、市町村の財源を確保するためには徴収率の向上が喫緊の課題であることを機会あるごとに市町村に対して周知しております。市町村においては、徴収対策に真摯に取り組み徐々に徴収率が向上している団体もございますが、いまだその取り組みが十分ではない団体も見受けられます。
県としましては、住民税の徴収対策について市町村との連携を強化するとともに、今後も徴収率の向上についてさまざまな形で助言してまいりたいと考えております。
地方分権の推進について、道州制の議論の状況についての御質問にお答えいたします。
道州制については、内閣総理大臣から諮問を受けた第28次地方制度調査会において議論されているところであります。同調査会では、昨年11月8日の第3回総会におきまして道州制の基本的な考え方と主要な論点が報告されております。
それによりますと、基本的な考え方として、道州は明確に地方公共団体と位置づけること、道州制の議論に当たっては連邦制を選択しないとの2点を確認した上で8つの主な論点が示されました。
その主なものは、憲法における道州の位置づけ、国と道州の役割分担、道州と基礎的自治体の事務配分、それに道州の区域等となっております。現在は、こうした論点をもとに制度設計に向けての議論が行われているところであります。
次に、総務省の区域例示に係る事前調査の有無及び沖縄が単独州と例示されたことに対する見解について一括してお答えいたします。
平成17年5月に開催されました第28次地方制度調査会の第22回専門小委員会で、総務省が区域例を示すに当たっては県に対し事前調査等は行われておりません。
今回の総務省の区域例は、現在設置されている国の地方支分部局の管轄区域に基本的に準拠して設定されており、すべての例で沖縄が単独区域とされたことはこうした設定理由によるものと県では理解しております。
しかしながら、本県を含む幾つかの県におきまして、その所属についてなお検討を要するものとされており、引き続き地方制度調査会における検討状況を注視していくとともに、庁内での検討を進めていきたいと思います。
次に、市町村合併と離島振興について、合併により誕生した5市町の今後10年間の特例措置についての御質問にお答えいたします。
平成17年3月末までに県に合併の申請を行い、平成18年3月末までに合併した市町村は、国と県からさまざまな財政支援を受けることができます。
国の支援策としては、合併市町村のまちづくりのための建設事業等に充てられる合併特例債や普通交付税額の算定の特例、合併後におけるネットワークの整備等、行政の一体化の経費に対する普通交付税及び合併を機に行われる新しいまちづくり等の経費に対する特別交付税等による財政措置が講じられることになります。
一方、県の支援策としては、市町村建設計画に基づく事業の経費に充てられる市町村合併支援交付金及び市町村振興資金貸付基金からの無利子貸付制度の支援策を講じることとしております。
同じく市町村合併と離島振興についてでございますけれども、合併新法のねらいと今後の対応についての御質問にお答えいたします。
合併新法においては、地方分権の進展、経済社会生活圏の広域化及び少子・高齢化等の社会経済情勢の変化に対応した市町村の行政体制の確立のため、引き続き自主的な合併を推進する必要があるとしております。
県は、国の基本指針に基づき自主的な市町村の合併の推進に関する構想を策定し、当構想に基づき知事が合併協議会設置に関する勧告、合併協議会に係るあっせん及び調停、合併協議の推進に関する勧告等の措置を講ずることができるなど、従来にも増して重要な役割を果たすことになっております。
同じく市町村合併と離島振興の中での、基本構想のまとめ方についてお答えいたします。
県では、総務大臣が定める基本指針に基づき、自主的な合併を推進する必要がある市町村を対象として合併に関する構想を策定することとしております。
構想には、合併の推進に関する基本的な事項として、市町村の望ましい姿、自主的な合併推進の必要性、県の役割等に関する基本的な考え方・方針等を示し、市町村の現況及び将来の見通し等を示した上で構想対象市町村の組み合わせを示すことになっております。
今後、沖縄県市町村合併促進審議会で十分審議・検討し、構想対象市町村の意向も尊重しながら策定していきたいと考えております。
以上であります。
○総務部長(上原 昭) 4月1日付で新たに総務部長を拝命いたしました上原昭でございます。よろしくお願いいたします。
三位一体改革による本県財政への影響についてお答えいたします。
三位一体の改革については、昨年11月の政府・与党合意において、平成18年度までに3兆円の税源移譲を目指すこととし、義務教育費国庫負担金の暫定措置分を含む約2兆4000億円の改革内容が示され閣議決定されました。しかしながら、先送りされた約6000億円の国庫補助負担金の改革や義務教育費国庫負担金の取り扱い、生活保護・児童扶養手当に関する負担金の改革などについては、平成17年中に検討を行い結論を得ることとなっております。
また、平成17年6月21日に閣議決定された基本方針2005においても、残された課題については平成17年秋までに結論を得ることとなっております。
このようなことから、平成18年度以降の本県財政への影響額を現時点で把握することは困難でありますが、今後の地方六団体の協議の状況や国の動向に留意しつつその把握に努めてまいりたいと思います。
以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 私、去る4月1日付で文化環境部長を拝命いたしました伊佐でございます。本県の文化環境行政に誠心誠意取り組んでいきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
それでは、御質問に答弁をしていきたいと思います。
まず、環境問題対策について、そのうち自動車リサイクル法施行後の効果について。
「使用済自動車の再資源化等に関する法律」、いわゆる自動車リサイクル法の施行状況につきましては、経済産業省や環境省の情報によると、リサイクルシステムはおおむね順調に稼働しているとのことであります。これまで同システムによる廃自動車の取扱台数は、4月現在、全国では74万2000台、そのうち沖縄県では1万1500台となっております。
県においても、自動車解体業、引き取り業などの許可取得状況も順調に推移していることや、一般ユーザーのリサイクル料金に対する理解が深まりつつあることなどから、リサイクルシステムは順調に稼働しているものと考えております。
県としては、今後とも同制度の普及啓発に力を入れるとともに、市町村と連携を図りながら放置自動車の適正処理を推進していきたいと考えております。
同じく環境問題対策についての、解体業者への許可証の交付状況についてでございます。
自動車リサイクル法の全面施行前に届け出のありました解体業につきましては、平成16年12月までにすべて許可証の交付を完了しております。また、同法が全面施行された平成17年1月1日以降の解体業の許可申請については、円滑に審査事務を進めているところであります。平成17年6月24日現在で189業者が許可を受けております。
同じく環境問題のうち、自動車リサイクル法に基づくチェック体制について。
自動車リサイクル法が全面施行されたことに伴い道路運送車両法も一部改正され、リサイクルシステムを適正に運用する制度の充実が図られております。自動車リサイクル法では、リサイクル料金の前納制度及び電子マニフェストによる移動報告制度を導入し、不法投棄の防止を図る仕組みになっております。
さらに、県においては電子マニフェストを管理する財団法人自動車リサイクル促進センターから常時提供される移動報告の情報をもとに、各保健所を通じて事業者への立入指導を行い、廃自動車の適正なリサイクルの確保を図っております。
一方、道路運送車両法においてもリサイクル料金について、自動車の登録時、検査時に預託状況を確認するほか、登録抹消時においては最終的な解体完了の確認をする仕組みとなっております。
同じく環境問題対策について、離島の廃車問題について。
離島の廃自動車については、自動車リサイクル法に基づく適正処理を行う上で沖縄本島までの海上輸送費がかさむことが大きな課題となっております。同法の全面施行が緒についたばかりで大きな変化はまだ見られておりませんが、今後、リサイクルシステムの運用による効果や離島対策支援事業の実施等でかなり改善するものと考えております。
同じく環境問題対策で、県内の廃自動車の実態についてお答えします。
本県の廃自動車は、従来、有用な金属・部品を含む資源として売買され、適正なリサイクル処理が行われてきました。しかしながら、平成10年ごろから廃自動車を取り巻く社会経済の環境が変化したことなどにより、原野等における廃自動車の不法投棄や野積みなどの大量保管が生じて社会問題となっております。
これらのうち、不適正な大量保管については平成13年8月には約4万台でありましたが、各保健所による指導や近年の金属スクラップ価格の上昇などが相まって、平成17年2月現在では約8000台に減少しております。
また、原野等における放置自動車については、平成13年及び平成14年に沖縄特別振興対策調整費を活用しまして、県全体で約1万6000台を撤去・処理しました。その後の調査では約2800台が確認されております。
同じく環境問題で、合同パトロールの実施方法と実績についてということでお答えします。
県では、産業廃棄物の不法投棄の未然防止を図るため、平成10年度以降、沖縄県警察本部、第11管区海上保安本部、社団法人沖縄県産業廃棄物協会等で構成する「沖縄県産業廃棄物不法処理防止連絡協議会」が中心になりまして、市町村と連携し、県下一斉合同パトロールを実施しております。
今年度は、6月中に14機関、108名が参加し、県内22カ所の不法投棄現場や不適正処理現場への立入調査を実施するとともに、沖縄県警察本部及び第11管区海上保安本部のヘリコプター2機による上空からのパトロールもあわせて行いました。
これまで立入調査等を行った現場においては、不法投棄禁止の立て看板の設置、関係者への指導強化によりかなり改善が進んでおります。
県としては、今後とも沖縄県警察本部等の関係機関と連携し、不法投棄パトロール等の実施により、不法投棄の早期発見及び不適正処理の未然防止を図っていきたいと考えております。
同じく環境問題で、離島地域における廃車処理対策について。
県においては、平成13年度に放置自動車の発生を防止する条例を制定した離島市町村を対象に放置自動車対策事業を実施し、離島23市町村において約1万1000台を撤去したところであります。
撤去後の放置自動車の再発防止については、市町村に対し当該条例の効果的な運用を図るよう指導助言してきたところであります。
自動車リサイクル法においては、離島地域の海上輸送費の軽減を図るため、自動車の最終所有者から預託されたリサイクル料金の剰余金の一部を離島市町村が行う離島対策支援事業に対して出捐できる制度が創設されております。
このようなことから、県においては離島市町村からの要望を踏まえて事業計画書の取りまとめ作業を今現在行っているところであり、本年度中に当該支援事業が実施できるよう取り組んでおります。
最後に、あと1つ環境問題対策で、官民協調による第三セクター方式の検討についてにお答えします。
県においては、昨年度、学識経験者や経済界等の関係団体から成る「基本構想検討委員会」を設置し、事業主体や施設規模等の具体的方策に関する最終報告を受けて「沖縄県公共関与産業廃棄物処理施設整備基本構想」を策定しました。同基本構想においては、事業主体として「官民協調による第三セクター」を設立し、その形態として株式会社方式が望ましいと示されたところであります。
県では、今年度、同基本構想を踏まえ、処分場の立地候補地の選定と事業主体の設立検討を進めるため、学識経験者や経済界等の関係団体、市町村及び県の関係者から成る「公共関与事業推進会議」を設置し、去る6月17日に第1回の会議を開催したところであります。
県としましては、同推進会議における検討の進捗を踏まえつつ、公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(国吉秀治) このたび4月1日付で農林水産部長を拝命いたしました国吉でございます。よろしく御指導をお願いいたします。
それでは「美ぎ島宮古グリーンネット」への支援についてお答えいたします。
「美ぎ島宮古グリーンネット」は、平成15年9月に来襲した台風14号等相次ぐ台風被害を教訓に、災害に強い島づくりと花と緑に包まれた美ぎ島宮古づくりを持続的に推進するための地域ボランティア組織として設立されております。
県においては、同ネットと連携を図りながら、災害に強い森林づくり、防災営農の推進、住みよい生活環境の確立に向けて、防風・防潮林、水源涵養林等の造成に積極的に取り組んでまいります。
続きまして、さとうきびの生産振興策についてお答えいたします。
県では、さとうきびの生産振興策として、1、地下ダム及びため池等の農業用水源の確保や、かんがい施設、圃場整備、防風・防潮林の整備等の生産基盤の整備、2、品質や生産性の向上に向けた早期高糖性及び耐風性にすぐれた新品種の育成・普及、3、ハーベスターの導入等による機械化の促進や生産法人等担い手の育成など、諸施策を総合的に推進しております。
また、市町村、JA、製糖工場等で構成する各地区のさとうきび生産振興対策協議会等を通して栽培講習会や実演会を実施するとともに、遊休地の解消、採苗圃の設置、新型植つけ機の導入等に取り組んでおります。今後とも生産農家の意欲の高揚を図るとともに、各種施策・事業を積極的に推進し、さとうきびの生産振興に努めてまいります。
続きまして、本県の食料自給率についてお答えいたします。
本県の食料自給率は、平成15年度のカロリーベースで35%となっており、47都道府県の中で32位であります。
続きまして、地産地消の取り組みについてお答えいたします。
本県の食料自給率の向上を図るためには、地域で生産された県産農水産物を地域で消費する地産地消の推進が重要であります。県では、平成16年に「沖縄県地産地消推進県民会議」を設立し、地産地消運動を全県的に展開しております。
具体的には、1、各種フェア開催による県産農水産物の試食・展示、2、学校給食や観光関連施設及び公共施設等における県産食材の利用促進、3、地域直売所等の直販機能の強化及びネットワーク化、4、食育推進ボランティアの活用等による食農教育の推進、5、量販店での県産食材の販売促進、6、沖縄健康料理メニューの普及などに取り組んでおります。
17年度においては、地産地消の一層の推進を図るため、地産地消ロゴマークやキャッチフレーズの作成、「うちなーむん応援団」の募集、県産食材を利用した料理フェア及び「おきなわの実り」フェスティバルの開催等に取り組んでまいります。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) このたび福祉保健部長を拝命いたしました喜友名朝春でございます。微力ではございますが、本県の福祉・保健・医療の充実に向けて誠心誠意取り組んでいきたいと思いますので、御指導、御助言をよろしくお願いいたします。
福祉関係についての、小児救急及び産婦人科の医療体制の現状、課題、対策についてに一括してお答えいたします。
本県においては、95カ所の病院のうち小児科を標榜する病院が47カ所、産婦人科を標榜する病院が22カ所設置されています。また、救急医療は各保健医療圏域で県立病院を中心に小児科について20カ所、産婦人科について15カ所の救急告示病院が対応しています。しかしながら、これらの医療を担う医師については、産婦人科医師数が全国的に減少傾向にあり、小児科医師数についても全医師数に占める割合がやや減少している状況となっており、これらなり手の少ない診療科の医師を安定的に確保していくことが重要な課題となっています。
県としては、救急医療の中で小児の患者数が多いことから、小児科医の確保を図るため公的病院や民間病院等8カ所の医療機関に対して小児救急医療支援事業を実施しています。また、県立病院の臨床研修事業の中で小児科や産婦人科の医師養成も拡充することとしており、今後とも安定的な医師確保に努めていきたいと考えています。
次に、公立久米島病院の産婦人科医師の確保についてにお答えします。
公立久米島病院は、平成12年度に内科、外科、小児科、産婦人科を常設診療科として開院しました。しかしながら、産婦人科の常勤医師については、全国的に同診療科の医師数が減少傾向にある影響等から確保が厳しい状況が続いており、平成16年度からは他の医療機関からの非常勤医師により対応してきました。
県としては、現在、応募のあった産婦人科医師と採用に向けた調整を行っており、今後とも地域の医療ニーズにこたえられるよう努めていきたいと考えています。
次に、児童虐待が行われる要因についてにお答えいたします。
児童虐待が行われる要因としては、一般的には育児に対する認識の低さ、親自身の生育歴、家庭の養育力の低下、地域社会の子育て機能の低下など、複合的な要因が重なっていると考えられます。
次に、児童虐待防止対策についてにお答えいたします。
県では、これまで年々増加する児童虐待への対応として、児童相談所の児童福祉司の増員や児童虐待防止支援チームを設置するなどの体制整備を行ってまいりました。また、児童虐待の予防、対応、支援にかかわるあらゆる機関・関係者が連携して効果的で適切な対応を行うための児童虐待防止市町村ネットワークの設置促進に努めてきたところであり、現在16市町村で当該ネットワークが設置されております。今後、当該ネットワークを児童福祉法改正により新たに位置づけられた要保護児童対策地域協議会への移行を進めるとともに、当該協議会の設置促進に努めてまいります。
さらに、児童虐待に迅速に対応するため、休日、夜間も含め24時間対応の「子ども虐待ホットライン」を4月末に中央児童相談所に開設したところであります。
このほか、児童虐待に関する研修会や講演会を開催し、児童虐待防止の周知に努めております。今後とも児童虐待の防止及び早期発見・早期対応に努めてまいります。
次に、児童虐待の相談件数と保護件数についてにお答えいたします。
児童相談所が受け付けた児童虐待の相談件数は年々増加しておりましたが、平成16年度は358件となり、前年度に比べ22件減少しております。また、当該358件のうち一時保護をした件数が109件、30.4%となっており、その後、児童養護施設や里親への措置となったのが41件、11.5%となっております。
次に、児童虐待死事例の件数と発生前の把握件数についてにお答えいたします。
平成12年11月から平成15年12月の間に厚生労働省に報告のあった全国の児童虐待死事件は149件となっており、そのうち児童相談所がかかわっていた事例は42事例、8.2%、関係機関がかかわっていた事例まで含めますと101件、67.8%となっております。
一方、本県における児童虐待による死亡事件は、昨年10月に沖縄市で発生した事件と、去る6月24日に那覇市で発生した事件の2件となっております。
沖縄市の事件については、近隣住民等から児童相談所や児童虐待防止市町村ネットワークへの通告がなかったため、児童相談所においては児童虐待事例としての把握はされておりませんでした。
今回の那覇市の事件については、死亡した幼児の母親から児童相談所へ相談があった事例で、相談を受けていながら結果としてこのような事態が防げなかったことが悔やまれてなりません。今後、外部の専門家を含めた検討委員会を設置し、今回の事件の対応について検証するとともに、児童虐待対応のあり方をいま一度点検してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○県立病院監(知念建次) 去る4月1日付で県立病院監を拝命いたしました知念建次でございます。県立病院事業に一生懸命取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは福祉関係で、県立病院における小児救急医療の整備についての御質問にお答えいたします。
先ほど福祉保健部長の答弁にもありましたように、本県においては小児科医の減少による医師確保の困難さや小児医療に対応する民間病院が減少する中で、県立病院が果たす役割はますます大きくなってきております。
県立病院における小児救急医療体制は、北部病院や中部病院においては小児科医を夜間当直として配置しております。宮古病院、八重山病院でも当直体制をとっておりますが、小児科医が当直できない場合はオンコール体制により対応しております。また、那覇病院、南部病院では、那覇市立病院や民間病院の救急医療体制も整備されていることから、これらの病院と連携を行い、輪番制による対応を行っております。
なお、平成18年4月に開院される高度・多機能病院――仮称ですけれども――は、子ども病院機能を有することから、より一層の小児救急医療の充実が図られるものと考えております。
次に、同じく福祉関係で、県立病院における産婦人科医師の配置基準と現状、配置は地域の要望にこたえられているかという2つの御質問に対して一括してお答えいたします。
県立病院における産婦人科医師の配置につきましては、全国的になり手が少ないことに加え、臨床研修の義務化の影響などにより医師の確保が困難な状況にある中で、地域の患者数やニーズ等を勘案して大学からの支援も受けながら配置しているところであります。
このような中で、北部病院においては、県立病院産婦人科医師の退職が重なったことから4月1日より休診せざるを得ない状況となっております。北部地域での産婦人科の救急患者につきましては、中部病院との連携により対応しているところであります。
県としては、できるだけ早い時期に産婦人科医師を確保して再開できるよう努力していきたいと考えております。
以上です。
○警察本部長(三浦正充) 児童虐待防止のための警察の立ち入りの事例についての御質問にお答えをします。
児童相談所等による立入調査、児童の一時保護等に際して児童相談所長から「児童虐待の防止等に関する法律」第9条に基づく援助要請を受けた場合は、警察は現場での立ち会いを行うなどの援助活動を行っております。
援助要請については、平成16年中3件、平成17年は5月末現在で2件受けておりますが、援助要請の事例としましては、例えば本年1月に児童相談所から、保育所で預かった3歳の女児が虐待を受けているらしいとの通報があり、女児の住居に対する立入調査を実施したいが、その際、保護者の抵抗が予想されるので職員の安全確保等のため警察官の同行を願いたいとの援助要請を受けて警察官を現場に派遣し、被害児童の一時保護の援助を行った例などがあります。
以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) このほど観光商工部長を拝命いたしました宜名真でございます。引き続き御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。
まず、東シナ海における試掘権設定に関する御質問にお答えをいたします。
去る4月13日、経済産業省は、鉱業権出願の最終処分を留保してきた東シナ海海域について、日中中間線の東側かつ北緯28度線以北の海域における試掘権設定の出願について、可及的速やかに処理を行う旨の発表を行っております。
試掘権の設定に当たっては、鉱業法第24条に基づき関係都道府県との協議を行うこととされており、去る6月9日付で九州経済産業局から本県と鹿児島県に対して協議が行われております。現在、試掘に伴う環境面及び漁業面の影響等について関係各部において検討しており、7月上旬を目途に県としての意見を取りまとめたいと考えております。
次に、少子・高齢化対策の中の、60歳以上の世代の知識や経験の活用についてお答えをいたします。
国においては、高年齢者の能力の有効な活用を図ることを趣旨として「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の改正を行い、定年の引き上げや継続雇用制度の導入、高年齢者等の再就職の促進や多様な形態による雇用・就業機会の確保などにより、知識・経験を有する高年齢者の雇用の促進を図ることとしております。
県におきましては、シルバー人材センターの設置促進を図り、仕事を通じて社会参加を求める高年齢者の就業機会の確保に努めているところであります。
以上でございます。
○國場 幸之助 沖縄観光の振興について。
ヤンバルの本部小学校の創立100周年記念式典に同窓生代表としてあいさつに立った、当時の稲嶺一郎参議院議員は、こんな言葉を残しております。
私は昨年、総理大臣と一緒に東南アジアを訪ねました。例えばマレーシアで、日本代表として私は、マレーシアの外務大臣と約2時間にわたり援助・協力問題などで大切な話をしました。このように日本を代表して国際外交を堂々と行えるのも、ふるさと本部で育ったおかげだと思っております。世界は今、大きく変わろうとしております。次の世代を担う諸君は、いかに平和で、より豊かな生活をしていくのかを考える大切な時期に入っていきます。この本部小学校からすぐれた人材が育ち、国際問題に対処できる後輩たちが国際舞台で活躍できることを信じます。
1981年、本部小学校で話されたこの内容はそのままこれからの沖縄が目指していく道であり、忘れてはならない郷土の先人からの委任状であると思います。
では、歴史から学ぶとか、先人の志を継承するというのはどういう意味でありましょうか。私たちの先輩たちがやってきたことをただ模倣するだけなら歴史を学んだことにはなりません。先人が目指していた理想を理解し、志のたいまつをしっかりと継承し実践していく。形にできなかった思いについては次の世代に託していく。100年かかろうとも目指すべき志を決して風化させずに幾代にもわたり引き継いでいく、このことが大切であると思います。
世界を舞台に活躍をされた稲嶺一郎先生の思いと志、その一つは、国際社会に通用する第一級の人物を沖縄から生み出していくこと、そして世界の平和と安寧に貢献できるアジアの中心・沖縄をつくることであります。そしてこの思いは、沖縄におけるすべての人材育成事業と社会政策の普遍的な基礎哲学であると言っても過言ではありません。特に観光はその典型でございます。
今回、上海に設置をされました県事務所。第一の目的は観光です。しかし、沖縄における観光産業は単なる経済や産業の話でとどまるものではなく、平和をつくる産業でなければいけないと思います。つまり、沖縄の観光は安全保障としての役割も担っていかなくてはなりません。人の往来を通しお互いを理解し、価値観を共有し、異なる歴史や文化を持つ人と国同士が共存共栄の道を模索し始める。
今、日本と中国の関係は最悪でございます。教科書問題、歴史認識問題、靖國参拝問題に排他的経済水域における海底資源の問題と数え上げれば切りがありません。だからこそ独自の歴史と平和に対する探究心を強く持つ沖縄が、日本と中国との関係改善のために貢献できることは必ずありますし、沖縄型の安全保障はこのような観光戦略を展開するところからも始まると考えます。
私は、今回、新垣哲司副議長、安里進経済労働委員長とともに県議会の代表として知事の上海訪問に同行しました。まずは質疑を通しまして報告にかえさせていただきます。
(1)、沖縄県上海事務所の開設について。
ア、今回の上海、北京訪問の成果と課題と今後の戦略をどのように総括しているのか。
イ、沖縄県上海事務所は都道府県としては20番目の事務所開設になるが、観光振興と物産の販売等同様な戦略を持つ19カ所の都道府県事務所の現状をどのように把握しておりますか。成功している事務所、軌道に乗らない事務所等具体例を挙げて説明してください。
ウ、上海事務所の開設に当たっては、シンガポール県事務所を閉鎖しております。どのように総括をしておりますか。また、福州事務所の活動状況はどうなのか。活動が停滞しているとすれば、その反省点を上海事務所に生かしておりますか。
エ、今後、県上海事務所に幾らの予算を投下し、2011年までに何人の観光客を誘客し、個人消費の目標を幾らに設定しておりますか。あわせて、昨年の上海からの観光客数、個人消費額も明らかにしてください。
オ、中国からの沖縄観光への苦情の一つに、料金の高さが挙げられておりました。しかし、上海人が頻繁に観光地として訪れる東南アジアとの価格競争に勝つ戦略ではなく、旅行商品のブランド化・高品質化によって沖縄観光の競争力を高めていくべきであると考えますが、どう思いますか。
カ、広大な上海市場において沖縄観光の知名度を上げていくためにどのような戦略を描き、今後、宣伝広告費を幾らかける考えか。
キ、国土交通省の調べでは、ことしの1月から5月までの5カ月間に来日した中国人団体旅行客の失踪者が44人に上ることがわかっております。沖縄県にも事例は過去ありますか。また、日本政府は来月、3市5省に限定している中国人団体旅行客のビザ発給対象地域を中国全土に拡大する方針であるが、不法滞在者の増加に伴う治安悪化の可能性等をどのように考えておりますか。
(2)、那覇―中国間の航空路線について。
ア、日中関係の緊迫したこの時期に李外相との会談が行われたのは意義のあることだと思います。どのような経緯で会談がセッティングされたのかを明らかにしてください。そしてまたその成果もお聞かせください。
イ、東方航空では、那覇―上海間の増便、北京との連結便など好意的な姿勢が見られましたが、どのように受けとめて今後どのような取り組みをしていく考えでありますか。また、北京直行便開設の可能性はどう思いますか。
今回の上海訪問を通じて感じたことは、まず沖縄という観光地が余りにも無名であり、かつ宣伝不足であったということです。このことは東方航空の搭乗率の70%が台湾人、25%が沖縄県民、上海からはたったの5%、数にして約2000人という数字からも明らかであります。この現状を謙虚に受けとめ、今後、上海県事務所を拠点にさまざまな観光機関やメディアとの連携を深めていきながら、継続的にアピールをする必要があります。
次に、上海Eテクノロジーの視察で感じたことは、本気でお金とエネルギーを投入し、外国語を駆使できる人材の育成に努めていくことの重要性かつ緊急性であります。上海の若者たちは中国語でビジネスレターを書きまくっておりました。英語と中国語の習得は、何十億という世界市場の中で仕事ができるフィールドを天文学的に拡大してくれます。
そして最後に痛感したこと。
沖縄の持つロケーションと歴史的独自性の持つ価値の高さ、そこから帰結する使命の重さであります。それは、アジア・太平洋の平和の実現、中国と台湾の中継地、和平交渉、平和サミットの地・沖縄の実現であります。
また、今後、中国などの国際観光を本気で担っていくには日本本土の主要都市と連携した観光商品がもっとあっていいのではないかとも考えました。例えば、上海市と横浜市は1973年以来の友好都市であり、神奈川県の浦賀に約150年前に訪れたアメリカ合衆国東インド艦隊司令長官のマシュー・カルブレイス・ペリーは、日本本土に入る前に沖縄の那覇の方に2週間寄港をしております。ここに絡めて神奈川観光と沖縄観光がセットになったツアー商品を上海人やアメリカ人に売り込む。または、沖縄の地で上海市長と台北市長と横浜市長と沖縄県知事の平和サミットを開催し、「ビジット・アジア宣言」を高らかに宣言をしまして、世界じゅうからアジアに観光客を誘客する。平和創造装置としての観光産業には、企画できること、やるべきことは無限にあると思います。
結びに、今回の上海訪問で印象に残った場面を紹介します。それは、知事の記者会見でありました。
在上海の日本のある記者から、観光振興の前に、日中紛争の火種である尖閣問題をどう考えるのかと聞かれた際に、知事は、かつて魚釣島を初めとした尖閣諸島には日本人が約250名住んでいましたという歴史的事実のみを述べるにとどめた記者会見での対応、切り返しは実に絶妙で見事であったと思います。沖縄の確たる主張と日本の国益、そして中国への配慮が凝縮されていたぎりぎりのコメントであると感じました。あのときの言葉の取捨選択を誤りますと、北京での外務大臣との会談もなかったことでしょう。
(3)、米州開発銀行沖縄総会について。
ア、どのように総括をしておりますか。成果と課題を明らかにしてください。
イ、参加者が予定よりかなり減少していましたが、この原因をどのように分析しておりますか。参加者確認等のプロセスにおいて問題は全くなかったのでしょうか。
ウ、コンベンションの誘致や運営等のノウハウをストックしていくシステムはどのように確立されておりますか。
(4)、観光と人材育成について。
ア、「トラベルコーディネーター養成講座」の合格者が、JTB、名鉄観光サービスに続き沖縄ツーリストが全国3位、合格率は全国一という成果は非常に誇らしいと思います。県内旅行業者の人材育成に際し県はどのような目標を持ち、取り組みを展開しておりますか。
イ、琉球大学に国立大学としては初めて観光科学科が新設されましたが、県はどのように連携を図っていくのか。特に、インターンシップの受け入れの申し出があれば、どのように対応していきますか。また、名桜大学の観光専攻の学生がどのような進路、就職率であるのかをデータとしてストックしておりますか。
ウ、義務教育課程において、最大の戦略産業と位置づけられている沖縄観光はどのように教えられておりますか。
エ、都道府県が実施する地域限定の通訳ガイドの創設を認める外客誘致法改正法案が成立する動きだが、県はどのような取り組みをしておりますか。また、通訳案内業の県内免許保持者を9カ国の語学別に分けて数字を明らかにし、今後の目標値を示してください。
(5)、お土産について。
ア、県観光お土産品公正取引協議会総会における試売検査報告で、お土産用食品50品目中78%に当たる39品目が不適切な表示で不合格という結果は極めてゆゆしき事態であり、沖縄観光の信頼性、ブランド力を根底から崩壊させる危険性を内包していると考えますが、今後どのように改善に取り組んでいきますか。
イ、泡盛生産量及び県外への出荷量の推移について明らかにし、県酒造組合連合会が設けた品質表示自主基準についての県の評価を聞かせてください。また、2007年度の酒税軽減措置の撤廃に向けた県の対策と本土しょうちゅう業界との競合激化などの泡盛業界の未来予測とそれに対する県の取り組みについて明らかにしてほしい。
(6)、フィルムオフィスの撮影実績と今後の展開について、組織のあり方にも言及しつつ明らかにしてください。
(7)、レンタカー観光客への対応について。
ア、レンタカー観光客の多くは道に迷った経験を持ち、要望施策の第1位でも案内標識等の充実が挙げられておりますが、県はどのように対応しておりますか。
イ、DFS等の最新観光スポットに対応できる沖縄限定版詳細カーナビの実現や中国語や英語対応カーナビの普及度の実態並びに目標値はありますか。
ウ、県内ピーク時のレンタカー数は何台でありましょうか。また、レンタカーの適正数等の調査はなされておりますか。環境保全、県内事業者育成等の観点を踏まえると、市場原理のみに任せると将来問題が生じてくるのではないでしょうか。
(8)、沖縄観光コンベンションビューローの組織のあり方について。
ア、県公社等経営委員会が実施をしました第三者評価によると、沖縄観光コンベンションビューローは、計画性、健全性、効率性の3項目で、「大いに改善を要する」Dランクと評されておりますが、今後どのように改善策に取り組んでいきますか。
(9)、本県観光の現状と課題について。
ア、観光客数が順調に伸びていることは評価に値しますが、沖縄を訪れる観光客の世代別の統計をとっておりますか。数年間の推移を含めて明らかにしてください。また、ここから読み取れる課題についても言及してください。
イ、観光客1人当たりの県内消費額が昨年7万490円と復帰後2番目の低さとなっております。その要因と改善策を示しつつ、過去4年間の県内消費額の推移も明らかにしてください。
(10)、沖縄観光ゲーミングについて。
今後、本格的に中国観光市場をねらう本県は、ゲーミングの導入を真剣に検討すべき時期が到来したと思われますが、県のスタンスは、県民世論の動向を見きわめ、情報収集に努めるとのことだが、その中で何が判明しましたか。また、ゲーミングに対する賛否・中立等を表明した沖縄県議会議員の最新のアンケート結果があれば明らかにしてください。
2、普天間飛行場の移設問題について。
4月26日、自民党県連として第1回目の普天間基地移設に関する独自案策定の勉強会が開催されました。その後、那覇防衛施設局や国会議員との意見交換、県議会与党会派代表による東京要請行動、県議会防衛議員連盟の部隊研修等さまざまな活動を通して県連独自案を策定し、そこから県議会与党案への集約と一連の作業に努めてまいりました。
この過程において、自民党会派内ではさまざまな動きが展開されました。自民党県連独自案策定の必要性をいち早く説き、党内の取りまとめに奮闘した安次富修政調会長、県議会与党会派間の意見集約の先頭に立ってきた具志孝助幹事長、公式・非公式を問わず自衛隊や米軍との交流と意見交換の指揮官役を果たしてきた小渡亨総務会長、県議会において超党派の決議を目指す動きを展開中であります外間盛善議長と新垣哲司副議長、基地は行政に定められた枠組みでしか動かないと結果責任を重んじる仲里利信県議、代替施設受け入れに苦慮した地元の議員として野中広務氏の書物にも登場する硬派な平和主義者安里進県議、防衛議連の副会長として国防の観点から普天間移設を語る池間淳県議、島にこだわり、島と生きることをモットーに、離島振興こそ安全保障のかなめだと訴える砂川佳一県議、米軍基地関係特別委員長としての采配が県民の注目を集める伊波常洋県議、北部の過疎化と辺野古新基地建設のはざまで苦悩する岸本恵光県議、そして県外移設を打ち出さないと県民の理解は得られないといち早く議員総会の場で発言をしました嶺井光県議と、本日代表質問を務める國場幸之助の以上13名
の発言、行動、その他もろもろの思いが混然一体となったものが、多種多彩な人材を抱える我が自由民主党の県連が中心にまとめた今回の県連案でございます、与党案でございます。
今、暗礁に乗り上げた感のある普天間移設問題は、だれかが泥をかぶらなければなりません。国や地域や選挙区や支持母体からあつれきを生もうが、決断しなければ問題解決が図れない状況下にあります。政府だけでも、県だけでも、地元だけの決断でもだめであり、相互の信頼関係と思いを一つにし、お互いがリスクを背負うという覚悟がなければ解決できない問題であります。
県が政府の対応を非難し、政府が県のあいまいさを攻撃するようでは、このような事態では普天間基地移設という大きな問題の解決は間違いなく不可能で、現状維持で終わりです。
では、具体的にだれの決断が必要なのでありましょうか。国においては、官邸、総理大臣であり、沖縄においては、行政の長たる稲嶺惠一ではなく、県民から直接選ばれた政治の長たる稲嶺惠一知事と沖縄県議会議員のリーダーシップ、つまり政治主導でないと打開できません。そういう与党県議団の思いの一つとして今回の政治行動・形態、今回の東京要請でありました。
今回、与党会派は4つの要請項目をまとめました。
まず1点目、在沖海兵隊の削減、演習及び訓練の県外分散・移転等を積極的に推進すること。
2点目、普天間基地の危険性の除去については、国の責任であらゆる手段を講ずるべきだが、やむを得ず県内移設ならば辺野古沖以外は認めない。この辺野古沖以外は認めないという主張は、時間をかけて議論した文言の一つであります。我々は決して辺野古移設に固執するものではありませんが、政治は常に最悪のシナリオを想定しつつ布石を打っておかなければならないとも考えております。最悪のシナリオ、それは普天間基地が宜野湾市に固定化されることであります。それ以外のいかなる案にせよ、今ある普天間の危険な状況に比べれば検討する価値があると私たちは考えております。
3点目、普天間飛行場の跡地利用は国の責任で行う。
4点目には、基地従業員の再雇用は国の責任であることを明確にすること。
以上の4点であります。
要請行動やさまざまな関係機関との意見交換の場では厳しいコメントも受けました。
例えば、官邸主導でないと基地問題の解決は困難であるが、今の小泉内閣の主要課題は、内政においては郵政関連法案、外政においては近隣諸国外交と国連常任理事国入りがメーンであり、党内、閣内の人事配置を見ても明らかなように、かつてほど沖縄問題の優先順位が高くはない。
例えば、当初は、日本国民の公平な基地負担と訴えた小泉総理も、最近では本土移転への動きがトーンダウンしてきた。日本を取り巻くアジア情勢も不安定さを増してきたので、急激な基地の縮小は危険ですらある。本土移設は現実的に不可能であるので、県民に過剰な期待を抱かせることは困る。
例えば、新聞情報では普天間解決にさまざまな案が飛び出してくるが、具体的に検討されているものは何もない。ただ移設作業が思うように進んでないのもみんな認識をしているし、アメリカからは常にせかされている。9月の国連改革会議前後の日米首脳会談あたりに形らしきものが見えてくるかどうかだが、定かではない。
例えば、SACOと今回の再編は全く別物であるが、接点が見出せればその時点で検討が必要であろう。頭を柔軟にして自衛隊との組み合わせ等いろいろな可能性を模索していかなくてはならない時期だが、県内移設は辺野古以外は認めないというのはどの程度の柔軟性を持つものなのか。与党の一致した見解であろうが、辺野古移設への固執とも受け取られて他の柔軟な解決策への足かせにならないか等の発言がありましたことも県民の皆様並びに県議会に報告申し上げます。
ベストなシナリオは県外移設、最悪のシナリオは現状維持であります。沖縄の負担軽減を可能にするこの数十年に一度の大チャンスに際し、それぞれの政治家、政党が何を考えてどう行動してきたのか。後世の人々による歴史的評価が絶えず下されているという自覚を持ち、今後もこの問題に取り組んでいきたいものであります。
質問します。
(1)、沖縄の基地問題は、総理大臣の強いリーダーシップなくしては動きません。政府との信頼関係の構築、官邸主導の基地問題の解決を図るため、県はどのような努力を払ってきたのか。
(2)、県議会与党会派による米軍再編に伴う沖縄の負担軽減について、東京要請行動の際、具体的な案はなかったが、辺野古移設作業の停滞、県外移設の困難さ等から米国海外基地見直し委員会のレポートにも提案された嘉手納統合案の検討をほのめかす場面も見られたが、県はこの案に対しどのような見解を持っているのか。
(3)、県の海兵隊の県外移転という文言は余りにも解釈が多様であり、中身があいまいであり、わかりにくさが指摘され、普天間との関連性が問われ続けております。改めて内容の説明を求めるとともに、県として海兵隊基地の返還要求の優先順位は明示すべきであると考えるが、どうでありましょうか。
例えば、普天間基地県外移設のかわりに目に見える負担軽減策として、キャンプ・キンザーや那覇軍港の返還が政府から提示されたら県は受け入れますか。
(4)、辺野古への移設作業が困難を極めた感があります。この事態を踏まえて県内各種団体から代替施設のスリム化、コンパクト化、建設のスピード化、位置変更案等のさまざまな案が提示されておりますが、県の見解はどうですか。あわせてボーリング調査も含めた今後の作業の見通しについて伺います。
(5)、米軍再編の柱の一つに、新たな危機に対応できる抑止力の維持があります。自衛隊との共同運用や、長期的には米軍基地の管理権を自衛隊に移すなどさまざまな論議が行われようとしておりますが、多くの米軍基地を抱える本県にはどのような影響があると考えられますか。
(6)、普天間飛行場跡地利用基本方針検討委員会の進捗状況について伺います。
3、都市型訓練施設建設問題について。
(1)、県は、現在建設中の都市型訓練施設にかえて同基地内のレンジ16に代替施設を建設することを承諾したということだが、政府との協議の経緯について御説明願います。
(2)、政府は、移設の条件として移設までの間、建設中の施設を完成後、米軍の暫定使用を容認したことを県に通知したとのことだが、県はこれに対しどのような対応をしていくのか伺います。
(3)、金武町は、移設建設については容認し、現施設の暫定使用については反対するとのことだが、知事は地元と政府とのはざまでどのような判断をするのか。
(4)、政府は、レンジ16の代替施設の完成後、既に完成されたレンジ4の施設は解体することなく米軍側の管理に移るとの認識を示しておりますが、県の見解を伺います。
4、国民保護法について。
(1)、地上戦という過酷な歴史を背負う沖縄にとって、国民保護法はデリケートな論議であります。県は、7月のフォーラムで必要性を訴えるとしておりますが、一過性の説得では意味をなしません。今後、どのような広報戦略をしていきますか。
(2)、国民保護法制は行政のストックがありません。今後、どのように具体的に取り組んでいきますか。
(3)、市町村を対象にした説明会で、米軍周辺施設住民の安全確保について議論がありますが、どのように取り組んでおりますか。
(4)、離島を抱える本県にとって、離島の住民の安全確保は重要な課題であります。どのように考えておりますか。
(5)、国の「国民の保護に関する基本指針」の中では、国の責務として沖縄県に対する配慮が見られますが、特殊事情を踏まえた国側の取り組みにはどのようなものがありますか。
(6)、指定地方公共機関への取り組み状況はどうか。中でもテレビ局やラジオ局に関しては報道の自由を含めてさまざまな論議がありますが、どのような話し合いがなされておりますか。ちなみに、新聞が指定公共機関に入っていないのはどうしてでありましょうか。
5、県財政について。
(1)、産業廃棄物税について。
ア、本県初の法定外目的税であるこの税の目的と特徴は何でありましょうか。
イ、管理型処分場の逼迫や離島県という本県の特殊事情に配慮した税の仕組みはどうなっておりますか。
ウ、新税導入に際しての周知徹底はどのように図っておりますか。また、意見聴取やアンケートから読み取れることは何でありましょうか。
エ、税収を幾らと見積もり、また使途をどのように考えておりますか。中でも新たな税負担が不法投棄、不適正処理を促さないような監督業務の強化は不可欠でありますが、どのように取り組んでいきますか。
オ、米軍基地から排出される産業廃棄物の実態をどのように把握しておりますか。
時間がありませんので、次に7番に移ります。
企業誘致の推進について。
(1)、稲嶺知事就任の平成10年12月から平成17年1月までに96社の企業誘致をしておりますが、最新の実績を明らかにしてください。
(2)、特別自由貿易地域への立地企業がまだ目標に達しておりませんが、今後の取り組みを明らかにしてください。実績も明らかにしてください。
8、沖縄科学技術大学院大学について。
(1)、先行的事業である4プロジェクト研究、周辺整備など現在の進捗状況について明らかにしてください。
(2)、県科学技術振興指針案と県科学推進財団案の内容と設立目的を示してください。
9、教育について。
(1)、平和教育について。
ア、青山学院高等部の「ひめゆり入試問題」事件に対し、県はどのような対応をしたのか。また、今後どのように対策をしていきますか。
10、北朝鮮拉致問題について。
ア、「特定失踪者問題調査会」の拉致の疑いが残る公開リストの中に、沖縄県民と思われる人物は何人おりますか。
イ、第15回日朝国交正常化交渉に関する関係部会の中におきまして、「特定失踪者問題調査会」からの情報を重要な参考情報として受けとめ、関係する機関に捜査の依頼が来ておりますが、県とのかかわりはありますか。
11の(1)、大那覇国際空港の進捗状況についてお聞かせください。
(2)、新石垣空港の進捗状況についてお聞かせください。
12、国頭村のヤンバルクイナの交通死亡事故が相次いでおりますが、絶滅への危機が深刻化しております。県としてどう取り組んでいきますか。
13、7月16日からの海フェスタについての目的と特色をアピールしてください。
以上であります。
○議長(外間盛善) ただいまの國場幸之助君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後0時9分休憩
午後1時46分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
午前の國場幸之助君の質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 國場幸之助議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、上海、北京訪問の成果及び課題等についての御質問に対するお答えでございます。
今回の訪中においては、政府要人及び関係機関との面談、観光関係のイベント等を通して、今後の課題や方向性について貴重な提言や示唆をいただいております。
観光面においては、「沖縄観光の夕べ」や観光セミナー等を実施し、上海市政府関係機関や観光関連企業との信頼・協力関係を構築できたことが大きな成果であると考えております。また、本県への観光誘客を図る上で、継続的な情報発信の重要性や東南アジアと比較した旅行費用の高さ、受け入れ体制の充実などの課題についても率直な指摘をいただいております。
今後、こうしたアドバイス等を踏まえて魅力ある旅行商品の開発に努めるとともに、観光沖縄の情報発信を強化してまいりたいと考えております。
次の御質問は、中国李外相との会談が行われた経緯と成果についての御質問にお答えいたします。
李肇星外交部長との会談は、上海事務所の開所を機に、沖縄―中国の航空路線の拡充要請を行うために実現したものであります。
李部長からは、那覇―上海路線の増便と那覇―北京路線の開設について、「いい考えであり、支援したい」との発言がありました。
今回の会談は、沖縄―中国の航空路線の拡充に向け大きな力となったばかりではなく、沖縄と中国との友好発展のためにも寄与するものがあったと考えております。
なお、私は2002年8月に航空路線の問題を初めとする観光プロモーションのために訪中した際、中国外交部を訪問し、現在駐日大使である大木次長ですね――日本で言うと次官ですけれども――お会いをいたしまして、訪中前にも2度お会いをいたしました。今回、外相が非常に沖縄に対して協力的な御発言をいただいたというのはその影響は大きいものと考えております。
次に、中国東方航空の那覇―上海路線の増便等への今後の対応及び北京直行便開設の可能性についてお答えいたします。
中国東方航空本社を訪問した際に、万明武副社長から、近いうちに那覇―上海路線を週4便に増便する計画があること、また同路線を上海から北京まで延長することを前提に週7便に戻す可能性が表明されました。県としましては、中国東方航空の那覇―上海路線の増便については、今後、同便の利用促進を図る等、その実現に向け積極的に支援していきたいと考えております。
また、那覇―北京路線につきましては、中国東方航空が提案しているような経由便による就航の可能性も視野に入れつつ、関係機関への要請を行う等、路線の開設に向け取り組んでいきたいと考えております。
次に、米州開発銀行沖縄総会の総括についての御質問にお答えいたします。
第46回米州開発銀行沖縄総会は、IDBイグレシアス総裁から、「沖縄総会は、IDBの歴史の中でも大いなる成功であり、すべての期待を上回っていた」との評価をいただくなど、成功裏に終えることができました。
同総会の開催は、経済効果のみならず本県における大規模国際会議の開催が可能であると世界に対して実証できたとともに、大規模国際会議に対応するノウハウの県内蓄積が図られるなど多くの成果があり、「コンベンションアイランド沖縄」の形成に大きな弾みがついたことと確信しております。
また、WUBインターナショナルと米州投資公社との間で、投融資に向けての覚書が調印されたことも大きな成果だと考えております。
今後の課題といたしましては、国際的な人材育成、外国語テレビ放送の受信、高速インターネットの充実など情報インフラの強化等が挙げられます。
なお、同総会に対しましては、県内外の皆様から多大な御支援、御協力をいただきましたことを改めて感謝申し上げます。
続きまして、政府との信頼関係の構築等についての御質問にお答えいたします。
私は、小泉総理大臣を初め関係大臣等にこれまであらゆる機会を通じてお会いしてきており、米軍基地から派生する諸問題の解決に向け臨機応変に対応してきたところであります。
続きまして、普天間飛行場の嘉手納統合についての御質問にお答えします。
県は、米軍再編における沖縄の基地負担軽減の4つの対処方針の一つとして、嘉手納飛行場の運用等を見直して早急に改善するよう日米両政府に求めております。
嘉手納飛行場への統合については、嘉手納飛行場周辺の市町村が現在でも騒音等過重な負担を負ってきており、さらに負担を増すようなことは到底容認できるものではありません。
次に、海兵隊の県外移転、返還の優先順位等についての御質問にお答えいたします。
本県の基地負担において、海兵隊は大きなウエートを占めており、県としては県民の過重な基地負担が目に見える形で軽減されるためには、海兵隊の県外移転が必要であると考えております。
県の米軍再編において求める海兵隊の県外移転については、それを検討する際に、兵力や訓練、施設も含め例外や前提を設けず、すべてを議論の対象とするようにとの趣旨で求めたものであり、普天間飛行場に限定したものではありません。
なお、今回の米軍再編については、日米両政府において協議の段階を踏まえながら個別の議論が行われることとされております。今後、日本政府から再編協議の内容について提示されることとなっており、その際には県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう的確に対応したいと考えております。
次に、抑止力の維持による本県への影響についての御質問にお答えいたします。
米軍再編に関し、日米両政府は、在日米軍の抑止力の維持と沖縄を含む地元の負担軽減を原則として協議していくとしております。また、自衛隊と米軍の役割・任務・能力に関しても協議しているものと承知しております。
県としては、抑止力の維持については、日本全体で負担すべきものであると考えており、県民に新たな基地負担をもたらすことがないよう、状況を見きわめながら適切に対応してまいります。
次に、代替施設に係る政府との協議の経緯についてお答えをいたします。
県は、陸軍複合射撃訓練場についてその建設場所が住宅地域や沖縄自動車道に近く非常に危険であり、また地域住民も大きな不安を抱き建設中止を求めてきたことから、その中止について日米両政府や県選出国会議員に対し、機会あるごとに申し入れてきたところであります。
このような状況の中、政府は地元の懸念を受け、移設する方針を示したものであり、県としては地元の危険性を回避する観点からやむを得ないものと考えております。県としては、今後も引き続き金武町と密接に連携して、日米両政府に対し、地域住民に危険が及ばないよう早期の移設と地元の懸念に対するさらなる配慮を求めてまいります。
次に、陸軍複合射撃訓練場の暫定使用についての御質問にお答えします。
県としては、現在建設されている施設の使用については、使用に反対する地元住民、金武町、県の意向に反するものであり、一時的にせよ、断じて容認できるものではないと考えております。
次に、陸軍複合射撃訓練場の移設等についての御質問にお答えをいたします。
去る5月30日の面談の際、金武町長より「移設は一歩前進であるが、暫定使用は絶対に許さない。」旨、伺っております。県としては、今後も引き続き金武町と密接に連携して、日米両政府に対し、地域住民に危険が及ばないよう早期の移設と地元の懸念に対するさらなる配慮を求めてまいります。
続いて、代替施設完成後のレンジ4の施設の管理についての御質問にお答えいたします。
代替施設完成後のレンジ4の施設については、在沖米海兵隊が管理すると聞いておりますが、県としては今後も引き続き地域住民に危険が及ばないよう地元金武町とも十分に連携しながら対応していきたいと考えております。
次に、国民保護法制の広報についての御質問にお答えをいたします。
国民保護法制は、武力攻撃事態等から国民の生命、身体及び財産を保護し、その影響を最小限に抑えるためのものであり、この制度が整備されなければ武力攻撃事態等が発生した場合の住民避難や救援等が円滑に進まず、被害が拡大するおそれがあります。
本県は、去る大戦で悲惨な地上戦を体験しており、有事の際の国民の保護がいかに困難なものであるか、県民は身をもって痛感しております。このため、国民保護制度を理解していただくことが重要なことから、市町村、関係機関等への説明会のほか、沖縄県のホームページに関連情報を随時掲載しており、その普及啓発に努めているところであります。また、来る7月27日には専門家を招いた国民保護フォーラムを開催し、広く県民の意見を聞く機会を設けることにしております。
県としては、今年度からスタートした県政出前講座にも登録し、随時県民に対する説明を行うこととしており、あわせて県広報誌などを利用し、引き続き国民保護制度の理解と普及促進に努める考えであります。
次に、産業廃棄物税の目的と特徴についての御質問にお答えいたします。
産業廃棄物税は、産業廃棄物の排出の抑制及び再使用、再生利用、その他適正な処理の促進に関する施策に要する費用に充てるため、産業廃棄物の最終処分場への搬入に対して課すものであります。
産業廃棄物税の特徴としては、排出事業者や中間処理業者に税を課すことにより産業廃棄物の排出抑制やリサイクル等へのインセンティブを図る政策税制としての性格を有しております。また、目的税としてその税収を産業廃棄物に関連する施策に充てることにより、二重の政策効果が期待されるものであります。
次に、知事就任後の企業誘致実績についての御質問にお答えします。
私は、就任以来、企業誘致や各種産業振興策を積極的に推進してまいりました。その中で、企業誘致については国と連携して賃貸工場やコールセンター等情報関連企業の受け入れ施設の整備を進めてまいりました。あわせて、沖縄県情報産業ハイウェイの無償提供を初め、コールセンター要員やIT高度人材の育成など、立地環境の整備を図ってきたところであります。さらに、私自身も企業誘致セミナーを初め、あらゆる機会を活用してトップセールスに努めてまいりました。
このような取り組みにより、私が知事に就任以来、平成17年6月現在で情報通信関連ではコールセンターが34社、ソフトウエア業等が58社、製造業等では19社の計111社が立地し、約8200人の雇用を創出しております。
次に、大学院大学の進捗状況について申し上げます。
沖縄科学技術大学院大学については、去る3月、開学の準備と研究基盤の整備を行う独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構法が成立し、9月には同機構が設立される予定となっております。また、先行的研究事業については、本年度、現行の4チームから8チーム程度に拡大される予定であり、それに向けた研究施設の確保に努めているところであります。
大学院大学の施設整備については、現在、環境アセスの手続を進めており、7月には基本設計に着手、その後、敷地造成の実施設計が行われる予定となっております。
また、機構事務局として利用する旧白雲荘については、10月ごろから改修工事に着手し、来年3月には供用開始される予定となっております。県としては、このような国の取り組みにあわせ、大学院大学の基本設計と整合性を図りつつ周辺整備の検討を進めていく考えであります。
次に、「海フェスタおきなわ」の特色と御質問にお答えいたします。
海フェスタは、国民の海に対する関心を喚起することを目的とし、全国の主要港湾都市において毎年開催され、本県での開催は20回目の節目の年となります。「海フェスタおきなわ」は、「美ら海 共生そして創造」をテーマとし、7月16日から24日までの9日間、沖縄の人と美ら海の魅力を最大限に生かし、県内30数カ所で48のイベントを行います。
具体的なイベントとしては、那覇港湾施設において「りっか・りっかマリンフェスタ」、帆船「あこがれ」などの船舶の一般公開、人気アーチストのライブコンサートなどを行います。また、沖縄の伝統的な海の行事であるハーリーをアピールするため各地域の代表チームが一堂に会し、海フェスタ杯全琉ハーリー大会を実施します。波之上ビーチにおいては、ビーチサッカー、ビーチバレーなど一般参加のビーチゲームを行います。そのほか、海にちなんだ楽しいイベントを数多く用意しており、多くの県民の皆様の御参加を期待しております。
その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、他の自治体が設置している上海事務所の現状等についての御質問にお答えをいたします。
上海においては、経済・貿易情報の収集、物産の販路拡大、観光誘客、進出企業への支援等を目的として自治体の事務所が設置されております。
個々の事務所の具体的な活動状況を評価することは困難でありますが、欧米やシンガポールの事務所を中心に海外事務所の見直しを行う自治体が多い中で、上海については事務所を設置する自治体が増加する傾向にあります。具体的には、平成15年に17事務所であったものが平成17年には20事務所とふえており、各自治体とも同地域との経済交流を重視しているものと考えております。
次に、シンガポール事務所の閉鎖と福州事務所の活動状況についてお答えいたします。
シンガポール事務所については、平成8年の事務所設置以来、県産品の販路拡大や観光誘客に取り組んできたところでありますが、市場規模が小さいことや直行便開設の可能性が低いことなど今後大きく展開することが困難であると判断し、平成16年3月に事務所を閉鎖したところであります。
福州事務所は、中国進出企業に対する支援や県内企業に対する貿易情報の提供等のほか、福建・沖縄友好会館の管理業務等を行っております。しかしながら、当該地域の経済規模や直行便が開設されていない現状等から本県企業の進出等経済交流の拡大が難しい状況にあります。このため、福州事務所の見直しについて検討を行い、今年度から県派遣の駐在職員を民間への委託駐在制度に切りかえ、費用負担の軽減を図ったところであります。
上海事務所については、このような海外事務所の見直しを踏まえて、経済規模や交通の利便性、観光を中心とした今後の展開可能性等総合的な観点から判断し設置したものであります。
次に、上海からの観光誘客目標等についてお答えをいたします。
平成16年に那覇―上海直行便で中国から訪れた観光客数はおおむね800名と推計しております。第2次沖縄県観光振興計画においては、平成19年度における中国からの観光客数を4000人と見込んでおります。県といたしましては、中国からの観光誘客に対し、今後、積極的に誘客宣伝費を投入するとともに、魅力的な付加価値の高い観光商品の開発を促進し、観光客の拡大、観光収入の増大につなげていきたいと考えております。
なお、外国人観光客の個人消費額につきましては、平成17年度、今年度に実態把握を目的としたアンケート調査を実施することとしております。
次に、上海からの観光客誘致に必要な戦略についてお答えをいたします。
中国の旅行関係者との意見交換で、世界有数の美しさを誇る沖縄の海、高級リゾート地としての沖縄のさらなる知名度の向上と、東南アジア等の競合地との差別化を図る必要があるとの指摘がありました。特に、上海から沖縄への旅行商品は東南アジアと比べると割高で、価格競争では不利な状況にあります。
一方、沖縄は、清潔な町並み、治安や交通マナーのよさ、食べ物・飲み物に対する厳しい衛生基準等、アジアと比較して安全・安心・快適なリゾート地としての魅力があります。
また、サミット首脳会合、IDB総会等、トップレベルの国際会議にも対応し得る高品質のリゾートホテルや会議場、年間を通して利用できるゴルフ場、ダイビング等の各種のマリンスポーツ、さらにショッピングなど多種多様なメニューを提供できることなど、総合的な魅力においてもまさると考えております。
今後とも、上海の富裕層に向けた高品質の魅力ある商品づくり、継続的な情報発信を推進していくべきと考えております。
次に、沖縄観光の知名度を上げるために必要な戦略についてお答えをいたします。
今後の戦略としては、中国の中でも所得水準の高い上海において、特に富裕層に向け重点的に沖縄観光をアピールしていく必要があると考えております。具体的には、海外誘客プロモーション事業及びビジット・ジャパン・キャンペーン事業の予算を活用して、上海航空国内線での機内映像、地元の雑誌やインターネット等を用いた情報発信、旅行社やマスコミ招聘事業、イベントへの出展などによりPRを実施してまいります。
次に、査証(ビザ)発給地域の中国全土への拡大についての御質問にお答えをいたします。
県内において、中国人団体旅行客が失踪した事例につきましては、平成14年に2件あります。国は、中国人団体観光客の失踪を防止するため、旅行者の身元確認の義務づけや失踪者が発生した旅行代理店に対しペナルティーを課す等の措置を講じております。
一部の報道によりますと、国は査証発給対象地域の中国全土への拡大に当たり、当該措置を強化するとしています。県といたしましては、中国人観光客の誘客に当たっては、旅行代理店等と連携を密にし、不法滞在者が発生しないよう努めていきたいと考えております。
次に、米州開発銀行沖縄総会の参加者数についてお答えをいたします。
米州開発銀行沖縄総会には48カ国から財務担当大臣や中央銀行総裁等約3100名、そのうち海外から約1300名が参加いたしました。スタッフ等を含めると約6800名の参加があり、域外国で行われたIDB総会では最大規模となりました。海外からの参加者数が見込みより少なかったのは、本県が遠隔地であることに大きな要因があると思われます。
ちなみに、平成3年の名古屋総会の参加者は約2100名で、そのうち海外からの参加者は約1100名となっており、今総会はこれを上回っております。
また、IDB本部は、今総会から事前登録をすべてインターネットで行うシステムに切りかえましたが、そのことにより運営上特に問題が生じたとは聞いておりません。
次に、コンベンション誘致や運営等のノウハウのストックについてお答えをいたします。
コンベンションの誘致は、沖縄観光コンベンションビューローや県が中心となって国等と連携をして行っております。
コンベンションの運営については、ビューローの各種支援のもと、通常の場合、会議主催者、会議運営専門会社、ホテル関係者等が中心になり実施されております。また、このたび開催された大型国際会議である米州開発銀行沖縄総会については、ビューローの中に官民一体となった実行委員会事務局を立ち上げて対応してまいりました。これらコンベンションの誘致・運営を通じて得た各種ノウハウは、ビューローや会議運営専門会社等に蓄積され、今後の国際会議等の誘致・運営に生かされていくこととなります。特に、今回の米州開発銀行沖縄総会の開催により、民間の会議運営専門会社等はその能力を高めたことと思われます。
次に、県の観光産業人材育成の目標と取り組みについてお答えをいたします。
県においては、旅行業者を含む県内観光産業従事者の人材育成に関し、観光客の多様なニーズに対応し、質の高いサービスを提供できる人材の育成を目標として平成15年度から3カ年計画で観光産業人材育成事業を実施しております。
具体的には、観光産業従事者の資質の向上を図るための各種研修、専門ガイド養成セミナー及び新たな人材育成システムの構築に向けた調査等を行っており、今後とも本事業の成果及び業界のニーズを踏まえ、より効果的な観光産業の人材育成に取り組んでいきたいと考えております。
次に、琉球大学観光科学科との連携、インターンシップの受け入れ及び名桜大学観光産業学科卒業生の進路についてお答えをいたします。
質の高い沖縄観光の実現には産学官が一体となった推進体制が必要であり、県内の大学には産学官連携の中核機関としての役割が期待されるところであります。県では、大学との連携方法として調査研究の委託、シンポジウムの共同開催及び人的交流等を行っていきたいと考えており、学生のインターンシップについては積極的に受け入れていきたいと考えております。
また、県では産学官の人的交流及び活用を推進する上で必要なデータとして、名桜大学を初め観光関連の学科を設置している高等学校及び専門学校の卒業生の進路に関する情報収集も随時行っております。
次に、地域限定通訳案内士制度の導入に係る取り組み及び通訳案内業の現状及び目標についてお答えをいたします。
地域限定通訳案内士制度の導入等が盛り込まれた外客誘致法等の一部改正案が今国会において成立し、平成18年4月から施行されることとなっております。地域限定通訳案内士制度の細目については、今後、国において政令を制定することとなっており、県としまして外国人観光客の受け入れ体制の充実を図るため同制度の導入等に取り組んでいきたいと考えております。
また、県内における通訳案内業の免許保持者は、現在、英語15名、英語との重複を含む朝鮮語2名、中国語3名の計19名となっております。
次に、観光お土産品の表示改善への取り組みについてお答えをいたします。
県では、県産土産品の品質向上と表示適正化に向けて、優良県産品推奨制度や産業まつりの優秀県産品制度において観光土産品などの表示審査を実施するとともに、業界に対し、表示の適正化に関する関連法規の周知を図っております。また、平成17年度には観光土産品として人気が高い健康食品等の品質表示適正化に関する事業を創設し、関連法規に関する窓口相談や講演会を実施することとしております。
県としては、今後とも沖縄県観光おみやげ品公正取引協議会や沖縄県工業連合会及び沖縄県物産公社、沖縄県商工会連合会など、関係団体と連携を図りながらこうした取り組みを強化し、観光お土産品等の表示の適正化に努めてまいりたいと考えております。
次に、泡盛の生産量等の推移、品質表示、自主基準の評価、酒税軽減措置撤廃の影響と県の取り組みについてお答えをいたします。
泡盛の生産量は、平成12年で1万5749キロリットル、平成16年で2万6118キロリットルとなっており、この5年間で1.7倍の増加となっております。また、県外への出荷量についても、平成12年で1804キロリットル、平成16年で6345キロリットルとなっており、この5年間で3.5倍の大幅な増加となっております。県酒造組合連合会の自主基準については、消費者の安心と信頼にこたえる上から極めて画期的であると考えております。
平成19年に酒税特別措置が撤廃された場合の影響については、酒税納付額の増大による経営の悪化や販売価格の上昇に伴う競争力の低下等が想定されます。
県としては、今後、泡盛事業所の経営状況や市場の動向等についての総点検を行うとともに、酒税軽減措置が撤廃された場合の業界への影響の度合いを十分に把握し、その対応策を検討してまいりたいと考えております。
次に、フィルムオフィスの撮影実績と今後の展開についてお答えをいたします。
沖縄フィルムオフィスにおける映画やテレビなどのロケ撮影の支援件数は、平成15年度に107件、16年度に145件となっております。沖縄観光コンベンションビューロー内に設置された沖縄フィルムオフィスでは、今後、大型プロジェクトの撮影支援や国内外の誘致活動の強化など、県全体を視野に入れた活動を展開いたします。また、市町村との連携も深め、地域の主体的な取り組みを促進してまいります。
なお、市町村においては、平成16年6月に石垣市にフィルムオフィスが設置されておりますが、他の市町村に対しても設置を促進しているところであります。
次に、案内標識等の充実についてお答えをいたします。
本県を訪れる観光客の多くが、県内を移動する交通手段としてレンタカーを利用していることから、県においては、通常の道路案内標識の整備に加え、観光振興地域等整備事業や世界遺産周辺整備事業により観光地への誘導を目的とした道路案内標識や観光案内標識等の整備を推進しております。
ちなみに、平成15年度から平成16年度にかけては75基設置しており、平成17年度には57基の設置を予定しております。今後とも、「沖縄県観光案内サインシステム整備ガイドライン」に基づき、わかりやすく、沖縄らしく、美しい観光案内システムの整備を推進し、レンタカーを利用する観光客の移動利便性の向上に努めてまいります。
次に、カーナビの整備についてお答えをいたします。
レンタカーのカーナビ整備につきましては、レンタカー利用者からカーナビの充実、最新情報に対応できる更新が求められている実態があります。そのため、沖縄総合事務局を中心とした関係機関等との意見交換会においても、沖縄版カーナビソフトの開発について検討がなされております。これらの実現に向けては、レンタカー事業者によりカーナビ機器が異なることへの対応や導入に対する費用負担など多くの課題があります。
県といたしましては、国と連携してレンタカー業界の一体となった対応を促していきたいと考えております。
なお、中国語や英語対応のカーナビにつきましては、今年度に実施する外国人観光客の実態調査におけるレンタカー利用状況等を踏まえて検討していきたいと考えております。
次に、ピーク時のレンタカー数と適正数についてお答えをいたします。
本県におけるレンタカーの登録台数は、月別変動が大きく、平成15年で見ますと、最も多いのが7月の1万2825台、最も少ない月は1月で9599台となっています。
レンタカー観光については近年急速に拡大していることから、自然環境保全や県内事業者育成の観点から今後の望ましいレンタカー観光のあり方について関係機関と連携し、検討していきたいと考えております。
次に、沖縄観光コンベンションビューローの経営改善についてお答えをいたします。
沖縄観光コンベンションビューローにおいては、戦略性のある中長期的な事業計画の策定、財政基盤の強化及び適正な組織体制の確立が急務となっており、現在、経営革新の骨格に基づき改革を進めているところであります。
具体的には、組織機構の改革として組織のフラット化、一部管理職の職制廃止等、また給与体系の見直しとして、満年齢55歳以上の職員の昇給・昇格停止、期末手当に係る加算の廃止、一部管理職手当の廃止等を本年4月までに施行済みであります。
今後予定している一般職の職制の見直しや人事考課制度の導入、県に準じた給与体系の廃止、55歳専門職制度の導入、事業評価システムの導入等の実施に向け作業を進めているところであります。県としましては、継続してこれらの改革をバックアップしていくとともに、「公社等の指導監督要領」や本年度中に策定予定の「新たな行革大綱」等に基づき適切な指導を行ってまいりたいと考えております。
次に、観光客の世代別の統計と課題についてお答えをいたします。
県におきましては、3年ごとに航空機内アンケート調査を実施し、年代別の統計をとっております。統計から推計した年代別観光客数の平成6年から15年までの9年間の推移で特徴的に挙げられることは、30代以下の若年層の客数は約152万人から290万人へと90%を超える高い伸びを示しております。これは修学旅行の増加と旅行商品の低価格化が若年層の観光客増加につながったことによるものと考えております。
これに比べて、40代以上の中高年層の客数は約166万人から218万人へと32%の伸びにとどまっております。
我が国の少子・高齢化が進む中で、若年層の旅行マーケットはいずれ頭打ちになると見込まれており、本県の観光を持続的に発展させるためには中高年層のマーケットの拡充が今後の大きな課題になるものと考えております。
次に、観光消費額の低下についてお答えをいたします。
観光客1人当たりの県内消費額は、全国的なデフレに伴う旅行商品の低価格化や個人消費支出の減少により、平成12年の9万1757円から平成14年の7万1704円まで低下が続きました。平成15年は、宿泊単価の回復や離島への観光客数の増加により7万3831円まで回復しましたが、平成16年には相次いだ台風の影響で夏場の観光客数の減少や離島観光客の減少等により、再び7万490円まで低下しております。
観光消費額を引き上げるためには、旅行商品の付加価値の向上、滞在日数の長期化等が必要であります。そのため、県におきましては、付加価値の高い体験・滞在型観光としてエコツーリズムや健康・保養型観光の推進、離島観光の魅力向上及び情報発信などに取り組んでおります。
また、関連産業への波及効果も大きいリゾートウエディングの拡大、免税店等を利用したショッピング観光の拡大、国際会議や企業の報奨旅行など、消費単価の高い各種コンベンションの誘致に取り組んでおります。
さらに、特産品のブランド化による県産土産品の魅力向上や、ホテル等における県産食材の利用促進など産業間の連携を強化し、経済波及効果の向上に努めているところであります。
次に、ゲーミングについてお答えをいたします。
カジノ導入に関する県民世論の動向は依然として賛否両論あり、慎重な対応が必要と考えております。また、自民党のカジノ議連が昨年ゲーミング法基本構想案を策定しておりますが、その後、カジノ法制定の動きは停滞している状況にあります。
県としましては、今後、国内のカジノ導入に関する論議がどういう方向に展開するのか、慎重に見守っていきたいと考えております。
なお、県議会議員に対するアンケート調査につきましては、昨年5月にマスコミが実施したアンケート調査結果以後の新たな情報は聞いておりません。
次に、賃貸工場使用料値下げによる効果と県外からの立地企業数についてお答えをいたします。
県では、特別自由貿易地域への企業立地を促進するため賃貸工場の整備を計画的に進めるとともに、企業訪問や企業誘致セミナーの開催など企業誘致活動を積極的に展開してきました。 その中で、賃貸工場については折衝中の多くの企業が使用料に割高感を示し立地が進展しなかったこと、また立地企業からも使用料の軽減要望があったことなどから、平成17年4月から30%余の使用料軽減を実施しているところであります。
このような使用料の軽減効果もあり、昨年度末及び本年度に入り賃貸工場に新たに4社が立地し、さらに2社の入居が内定しております。また、その他にも入居に向けて数社と具体的に調整を進めているところであります。
特別自由貿易地域における立地企業数は、平成17年6月現在、分譲用地に3社、賃貸工場に11社の合計14社で、このうち県外からの立地企業は8社となっております。
以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは、学校における取り組みについてお答えします。
観光立県である本県の学校教育においては、郷土の自然や歴史・文化などのよさを知り、郷土を愛し、郷土に誇りを持ち、もてなしの心をはぐくむなどの人材育成を図ることは大切なことであります。
小中学校では、社会科の授業や「総合的な学習の時間」において、市町村教育委員会作成の副読本等を活用し、特色ある自然や伝統芸能、各地の観光産業の取り組みについて学んでいるところであります。
また、観光週間などにおいては、沖縄県の未来の観光をテーマとした絵画や意見発表コンクールに応募するなど、県観光産業の重要性について学習しているところであります。
以上でございます。
○知事公室長(花城順孝) 普天間飛行場の移設問題についてでございますが、辺野古移設に関するさまざまな提案と今後の作業についての御質問にお答えします。
代替施設建設に関するさまざまな提案があることは承知しております。
普天間飛行場代替施設の具体的建設場所、規模、工法等については、県や名護市が求めている条件等を踏まえ、閣議決定された政府方針に基づき、代替施設協議会において国、県、地元名護市等が協議を重ね合意し、国において基本計画として決定をされております。県としては、この基本計画に基づいて進めることが適切であると考えております。
また、ボーリング調査については、これまでに単管足場5カ所が設置されたとのことであります。
今後の作業につきましては、環境影響評価等所要の手続が進められていくものと考えております。
次に、跡地利用基本方針検討委員会の進捗状況についてお答えします。
普天間飛行場の跡地利用については、平成11年12月、閣議決定における「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」に基づき、国、県、宜野湾市が密接に連携し、今年度中を目途に「跡地利用の基本方針」の策定に取り組んでいるところであります。
策定に当たっては、各界各層の意見を反映させるために「普天間飛行場跡地利用基本方針策定審議調査会」を宜野湾市と県が共同で設置をし、これまで2回開催されております。
また、実務的な検討を行う「普天間飛行場跡地利用基本方針検討委員会」が設置され、これまで6回開催をされております。5月26日に開催された第6回検討委員会においては、今年度の調査の進め方や基本方針策定に係る指針等を審議し、県民意向の調査を実施すること等が確認されたところであります。
次に、国民保護法制に関する県の取り組みについてお答えいたします。
国民保護法制に関する具体的な取り組みについては、情報収集として先進県である鳥取県の調査のほか、岐阜県等で開催された国民保護フォーラムへの参加、九州ブロック会議等における各県との意見交換、沖縄戦の住民避難の事例収集などを行っております。
また、普及啓発活動としては、担当する内閣官房と消防庁の職員を招いた説明会、指定地方公共機関の候補法人への説明会、圏域別の市町村説明会を開催したほか、沖縄県のホームページに国民保護に関するサイトを開設し、関連情報を発信しております。
自衛隊との連携については、相互に情報交換するとともに、国民保護計画を作成する中で専門的な助言を得ていく考えであります。
次に、国民保護に関する米軍との調整についてお答えいたします。
国民保護を円滑に進めるためには、国民保護計画の中で米軍との連携等についても位置づける必要があると考えております。しかしながら、米軍等の軍事行動と住民避難などの問題を自治体で解決することは困難であることから、地域における国民保護に関する米国側の窓口の一本化などを含め、国民保護に係る日米間の体制づくりについて具体的な考え方を整理していただくよう国に対して要望しているところであります。
現在、国において米軍との連携のあり方等についてその対応を協議しているところであり、その結果を待って具体的に対応していく考えであります。
次に、国民保護に関する他県との連携についてでございます。
市町村の国民保護計画については、県の国民保護計画に基づいて作成することになっていることから、県と市町村とで密接に連携し、作業を進め整合を図る必要があります。このため、県も参加した圏域別の市町村で構成するワーキンググループをつくり、そのグループで圏域別計画を作成し、その成果を市町村計画に反映させることにより県の計画とも整合性のとれた市町村計画の作成につなげていく考えであります。
なお、他県との連携については、6月3日に開催された九州地方知事会において、九州・山口各県国民保護担当課長会議が設置されたことから、この会議の中で具体的に整理していく考えであります。
同じく国民保護法について、本県の特殊事情を踏まえた国の取り組みについての御質問にお答えします。
本県は島嶼県であり、米軍基地が集中するという特殊性があります。このことを踏まえ、国に対し適切な対応を要望したところであります。
その結果、平成17年3月に消防庁より公表された「都道府県国民保護モデル計画」では、「米軍基地所在都道府県における米軍と調整する必要がある事項や米軍との連携のあり方については、関係省庁においてその対応を協議しており、一定の整理がついた段階において、今後、情報提供を行うこととしている。」ことが示されております。
同じく国民保護法について、指定地方公共機関への取り組み状況についてお答えします。
指定地方公共機関の指定については、これまで国民保護法制に関する説明会を圏域別と業種別に実施したところであります。現在、放送、運送、医療などの27法人に対して5月31日付で指定地方公共機関の指定受諾を要請しております。
放送事業者からは、報道の自律性等についての意見が出されているところですが、国民保護法では、放送事業者の言論、その他の表現の自由に特段の配慮をするよう規定をしております。武力攻撃事態等から国民を守るためには、警報等の迅速かつ的確な伝達が重要であり、放送事業者の果たす役割は大変大きなものがあります。このため、放送事業者の指定については、今後とも理解を得られるよう努めていく考えであります。
なお、新聞社については速報性の観点から指定地方公共機関の候補とはしておりません。
以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 県財政についてのうち、本県の実情に合った産廃税の仕組みについてお答えいたします。
産業廃棄物税の検討に当たっては、先行導入県の税制を調査分析し、公平、簡素で本県の実情を踏まえた税制の構築に努めてきたところであります。このため、本県の税制は税負担をできる限り広く求め、最終処分場の延命化に効果がある埋立段階に着目した最終処分業者による特別徴収方式を採用しております。
また、市町村が行う一般廃棄物とのあわせ処理を課税対象外とするとともに、処理業者が存在しない離島地域において市町村がみずから最終処分場を設置し、一定の産業廃棄物を処理する場合について課税を免除することとしております。
それから、周知の方法とアンケート等の結果についてお答えいたします。
排出事業者や処理業者等の関係者に対しては、県構想の説明や沖縄県産業廃棄物に関する税専門家懇話会等を通して意見を拝聴してまいりました。また、各商工会議所、商工会連合会及び工業連合会等の各経済団体の主催する説明会等で会員へ周知を図ってきたところであります。
昨年11月の県構想に係るアンケート調査では、排出事業者の73%、産業廃棄物処理業者の65%が賛成の意を示しており、その主な理由として、税収活用による産業廃棄物処理施設の充実が図られる、税の導入により再使用、再生利用への取り組みと排出抑制が図られる等の意見が挙げられております。
これらのことから、循環型社会の形成に向けた意識の高まりを背景に、排出事業者や処理業者等の多くは税の導入について御理解いただいているものと考えております。
次に、税収の見積もりについてでありますが、産業廃棄物税の税収は、平年ベースで約1億1000万円を見込んでおります。
以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 産業廃棄物税の使途及び不法投棄防止対策についてお答えいたします。
産業廃棄物税の使途については、公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備促進、2つ目に、産業廃棄物の排出抑制、再生利用等の促進、3つ目に、不法投棄等の防止対策、4つ目に、産業廃棄物処理業の優良化の促進などの施策を今考えております。
不法投棄等の防止については、これまで保健所による通常の監視指導に加え、県、警察本部、海上保安庁、産業廃棄物協会等で構成する連絡協議会と市町村が連携した合同パトロールの実施、「美ら島環境クリーン作戦本部」の設置による県と県警本部との連携による指導取り締まり、廃棄物監視指導員として警察官OB3名の福祉保健所への配置など積極的な対策を進めてきたところであります。
こうした従前の取り組みに加えて産業廃棄物税の税収を活用し、廃棄物監視指導員を増員するなど、監視指導体制を充実強化していきたいというふうに考えております。
同じく県財政の関係で、米軍基地から排出される産業廃棄物について。
米軍基地から排出される産業廃棄物については、米軍基地内への立ち入りや情報入手が容易でないことから、廃棄物処理の実態を詳細に把握できない状況にあります。このため、米軍より処理の委託を受けた民間業者への聞き取り調査により把握に努めているところであります。
その結果によりますと、米軍基地から排出された木くず、混合廃棄物、廃プラスチックなどの産業系廃棄物の量は約5000トンとなっており、そのうち大部分が焼却等により中間処理されるため、最終処分量は約800トンと見込んでおります。
次に、教育問題の関連で、青山学院高等部の入試問題の対応と取り組みについてお答えします。
青山学院高等部部長大村校長の謝罪表敬は、知事が出張中のため牧野副知事が対応しましたが、事の重大性にかんがみ、沖縄県民の平和を希求する心を理解し、二度とこのようなことがないようにと遺憾の意を述べ、謝罪を受け入れております。
この問題は、沖縄だけでなく、日本の平和教育のあり方が問われているものと認識しております。
県としましても、沖縄県平和祈念資料館における戦争体験者の証言記録の収集や平和学習支援のためのボランティア養成を引き続き実施し、教育委員会と連携を図りながら平和教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
最後に、ヤンバルクイナの交通死亡事故対策について。
ヤンバルクイナの車両による事故、いわゆるロードキルと言っておりますが、これについては平成15年及び16年に各6件、平成17年では既に11件発生しております。
昨年、山階鳥類研究所の調査によりますと、ヤンバルクイナの生息数は1000個体以下と言われております。危機的な状況にあると認識しております。
このようなことから、県としては、国、地元3村、獣医師会等で構成する「やんばる地域ロードキル発生防止に関する連絡会議」において、ロードキルの現状と対策について情報の共有化を図るとともに、普及啓発や広報活動、飛び出し警戒標識の設置、事故多発地帯の道路の除草等のほか、捨て犬、捨て猫防止キャンペーン、マングース捕獲事業を実施しているところであります。
県としましては、今後とも関係機関、NPO、地元等と連携を図りながら、ヤンバルクイナを初めとする野生生物ロードキル防止対策、生息地に脅威を与えているマングースの駆除対策等に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 科学技術振興指針と科学技術振興財団についての御質問にお答えいたします。
科学技術振興指針については、大学院大学設置への取り組みや産学官共同研究の拡大など、新たな動向を踏まえ、本県の科学技術振興の基本方針と戦略を明らかにすることを目的に策定に向け取り組んでいるところであります。
その基本的な考え方は、地域に根づき世界に開かれた研究開発・交流拠点の形成を目標に基盤づくり、仕組みづくり、人づくりの3つの柱を施策の方向として掲げ、生命科学、環境、情報通信、フロンティアの4分野を重点的に推進することとしております。
本指針案で示された研究開発・交流拠点の形成を図るためには、研究ネットワークの構築や産学官のコーディネート機能を担う財団の設立が必要と考えております。
なお、財団設立に向けては、既存研究機関等の機能・役割なども勘案しながら、その運営体制等について今後検討していきたいと考えております。
以上であります。
○警察本部長(三浦正充) 北朝鮮拉致問題についての御質問のうち、まず特定失踪者問題調査会の公開リストの中に県民と思われる人物が何名いるかについての御質問にお答えします。
北朝鮮による拉致容疑事案につきましては、沖縄県出身の行方不明者としてこれまで24件、31名の相談が県警に寄せられていますが、そのうち御質問の公開リストに掲載された方は10名であると把握をしております。
次に、関係閣僚会議専門幹事会後の捜査状況についての御質問にお答えをします。
警察では、北朝鮮による日本人拉致容疑事案については、その重大性から事案の全容解明のための必要な捜査を行ってきております。こうした中、第15回日朝国交正常化交渉に関する閣僚会議専門幹事会後の昨年10月には、警察庁において北朝鮮による日本人拉致容疑事案捜査担当課長会議が開催され、各都道府県警察に対し警察の総合力を発揮した捜査の推進等について改めて指示がなされたところであります。
本県警察においても特定失踪者問題調査会が発表した失踪者に限らず、届け出を受けたすべての方についてあらゆる可能性を想定してこれまで懸命の捜査を進めてきたところであります。具体的には、御家族その他の関係者からの事情聴取、鑑識、鑑定資料の収集、付近の聞き込み等の裏づけ捜査、関係各機関との情報公開など、鋭意関連情報の収集等に努めているところであります。
現時点では県警において北朝鮮による拉致事案であると判断するに至った事案はありませんが、警察といたしましては、今後とも関係機関等と十分に連携して事案の全容解明のため最大限努力をしてまいります。
以上でございます。
○狩俣 信子 護憲ネットワークの狩俣信子です。
所見を交えながら代表質問をさせていただきます。
ことしは戦後60年の節目の年です。年々高齢化していく遺族の皆さんにとっては、その悲しみは終生いえることがございません。
また、この沖縄は1945年の終戦以来、数々の差別、不公平を背負ってまいりました。27年間、米施政権下に置かれたことによる人権上、制度上、経済上等々の日本本土との差別、格差の問題や、0.6%の国土面積に米専用施設の75%が置かれるという問題、そしてそこから派生するさまざまな事件・事故、米軍優先措置の数々、口では沖縄の米軍基地の負担軽減を言いながら、各論になるとどこも受け入れないという本当に沖縄県民にとっては不幸な状態が続いています。
知事は、目に見える形での米軍基地の整理縮小とおっしゃいますが、米軍再編の中でそれがどのように実現できるのか県民も注目しています。県内移設なら辺野古以外は認められないという考え方は、辺野古で毎日座り込みをしている人々やオジー、オバー、そしてまた県内移設に反対している80%以上の県民からも到底受け入れられるものではありません。
そこで、知事の政治姿勢について伺います。
米軍基地問題についてです。
ア、3月訪米の結果について、知事の所見を伺います。
イ、3月訪米のとき、米海兵隊の県外移設を要請したと言いますが、実効性はどうなのか伺います。
ウ、基地の負担軽減と言いながら、県内移設ありきの米軍再編の動きにどう対応するのか伺います。
エ、普天間ヘリ基地の辺野古移設は、県民の80%以上が反対をしていますが、県民の意思をどこまで尊重するのか、知事の所見を伺います。
オ、米軍再編の中で沖縄の米軍基地の負担軽減をもっと積極的に日米両政府に働きかける必要があると思いますが、今後の取り組みについて伺います。
次、県庁や外郭組織を含めてのセクハラ防止について伺います。
2004年度沖縄労働局雇用均等室に寄せられましたセクハラ問題についての相談は、前年度より13件上回る34件でありました。被害者の多くは弱い立場の契約社員、派遣社員とのことです。これは均等室に寄せられた相談の第1位になっています。
また、2004年度には61事業所を対象に報告徴収を実施し、このうち何らかの均等法違反のあった事業場に対し33件の是正指導が行われていますが、その指導事項はすべてセクハラ防止対策に関するものでありました。
このように年々セクハラについての相談はふえており、女性の職場における労働環境はそれほど快適とは言えない、これが実情のようであります。残念なことに知事、知事のおひざ元におきましても、県庁や外郭組織でもセクハラの被害者が出ております。けさの新聞にもその一部が載っておりました。女性が生き生きと働くためにも知事として改正男女雇用機会均等法の趣旨にのっとり、しっかりセクハラ防止に取り組んでもらわないといけません。
そこで伺います。
ア、実際にセクハラがあったときの対応はどのようになっているのか伺います。
イ、一般的に弱い立場の人にセクハラが行われやすいと思いますが、非常勤、臨任の数はどのくらいですか。また、そのうちの女性の数はどのくらいですか伺います。
ウ、改正男女雇用機会均等法ができた後、どのくらいの相談があったのか伺います。
エ、職員にセクハラについての研修はどのくらい行われているのでしょうか。また、今後はどうなのか伺います。
オ、非常勤などを含む職員にアンケート調査が必要と思いますが、実施について伺います。
次、福祉行政について伺います。
まず、次世代育成と少子化対策について伺います。
少子・高齢化と言われて久しくなります。高齢化が進み、その上、少子化への対応がおくれましたら将来の社会保険制度を初め、労働力、経済力の衰退など大きな課題を抱えることになり、多くの国民が不安を持っています。
今、日本の高齢化率は19.9%となっており、5人に1人が65歳以上になっております。30年後は約3人に1人は65歳以上の高齢者であり、そのうち75歳以上の人口、要するに後期高齢者は18%、すなわち100人中18人は75歳以上の高齢者ということになります。ここ沖縄県におきましても25年後には4人に1人は高齢者となります。それに比べて合計特殊出生率は、今や全国平均で1.288、沖縄は1.72となっています。
日本世論調査会が行った人口減少の問題の調査によりますと、人口減少の影響について79%の人々が社会保障制度の破綻を挙げ、次いで57%の人が経済力の衰えを挙げているようです。
子供が減っている理由につきましては、第1位は、育児や教育にお金がかかる、これが64%で、次いで55%の人が晩婚、未婚の人がふえているとなっています。少子化に歯どめをかけるためには児童手当などの経済的支援を拡大する、これが60%を超えて第1位であり、第2位に、子育ての休暇を取りやすい環境づくり37%と続き、第3位に、出生・育児休暇を拡充し所得保障をふやす、これが35%となっています。
児童手当の支給年齢引き上げや乳幼児医療費の軽減措置が拡充されたとはいえ、子供を産み育てるためにも本格的な経済的支援がなければ子供を産める状況にない、これが現実だと思っております。
そこで、国、地方自治体、企業含めて次世代育成支援が実効性のある取り組みになるよう県の対応について伺います。
ア、沖縄県の平成15年の合計特殊出生率が1.72とはいえ、現状の人口を維持する数字ではありません。本気でその対策を考えるならば経済的支援が必要と考えますが、どこまで支援できるのでしょうか。対応策はあるのか伺います。
イ、平成15年の次世代育成対策推進法の制定により、県や教育委員会、市町村も特定事業主行動計画を策定することになっていますが、現状はどうなのか伺います。
ウ、一般事業主行動計画策定未実施の企業あるいは中小企業への対応について伺います。
次、地域の中での子育て支援についてでございます。
那覇市で起こった自衛官による1歳半の娘の幼児虐待死亡事件、余りにも痛々しくて、県の中央児童相談所がかかわっていながら命を救えなかったことに二重に衝撃を受けています。全国的にも児童虐待防止法が施行された2000年末からこの2年半で127人の子供が虐待死をしております。そのうち7割は児童相談所や保健所などが何らかの問題を察知していたと言われています。
一番大切なことは、通報や相談が寄せられたときに徹底して子供を守ることを第一に行動すること、大人の暴力に何ら対応できない子供の立場に立つことで、危険にさらされている大切な命を守ることができるのではないかと思っています。沖縄県でも2004年に寄せられた相談が358件に及んでいます。地域の中で子供の命を守る体制づくり、これが今求められていると思います。
そこで引き続きエについて伺います。
少子化の中で、幼児虐待があることはとても残念であり、悲しいことであります。親が育児に疲れたときに近くにいて手助けできるシステムが必要と思いますが、高齢社会であることとドッキングして空き店舗の活用もしながら行政として取り組む方策はないかと思い、伺います。
オ、子育て支援のモデル地区指定について伺います。
次、教育行政について伺います。
教育は百年の大計と言われます。未来の沖縄を背負っていく子供たちが個性豊かに心豊かに育ってほしい、これは親の願いであり、私たち県民の願いでもあると思っています。しかし、子供を取り巻く状況は大変厳しいものがありまして、いじめ、不登校、中退の問題、そして非行の低年齢化、課題は大きいものがあると思います。15歳の少年による相次ぐ殺人事件も起き、自制心の育成、人権教育など、いま一度家庭、地域、社会がともどもに再考するこの時期ではないかと思っております。
そこで、新教育長も就任いたしておりますので、新しい体制の中でこれからの教育の課題についてどう取り組まれていくのかお伺いしたいと思います。
1点目、不登校、中退者への対応について伺います。
2点目、本県の教育課題について新教育長の所見を伺います。
次、医療問題について伺います。
私は先日、県立病院の視察をし、病院関係者との意見交換をしてまいりました。お話によりますと、救急医療体制の必要から患者の命を守る、病気やけが等に即対応するため当直明けでもさらに勤務することになり、36時間ぶっ続けの勤務をせざるを得ない、そういう状況もあるとのことです。長時間労働は、医療事故のリスクをふやすことにつながると非常に懸念されておりました。
そこでお伺いいたします。
1点目、県立病院勤務職員の勤務状況等の改善について伺います。
ア、2001年県立中部病院の嘱託医師過労死の問題の後、職員の勤務状況は改善されているのか伺います。
イ、医療従事者の安全対策はどうなっているのか伺います。
ウ、離島等への緊急対応について、医師等の派遣の位置づけはどうなっているのか伺います。
エ、医療機器が古くなって、これ以上の使用はやめた方がよいと医師が判断したとき、財政難の折、リース方式で最新の機器の導入をした方がよいと思われますが、どうなのか伺います。
オ、病院管理課職員は3年ほどで転勤するといいますが、医療関係業務のプロの育成が必要と思いますが、改善策はないのか伺います。
カ、救急医療体制をとる病院の当直職員に対する手当はどうなっているのか伺います。これは子育て中の女医にとって厳しい労働環境であり、他の医師への負担も出ていると言われています。
キ、県立病院の医師の高齢化の中で、救命救急体制を維持するためにも病院内における若手後輩を育成する仕組みが必要と言われていますが、対応策を伺います。
ク、公営企業法の適用が2006年4月からと言われますが、現場の声をしっかり聞くことが大切だと思います。どう対応するのか伺います。
ケ、パソコンの導入が業務用にはありますが、ドクター分の導入はどうなっているのか伺います。電子メール、紹介状、高額医療についての説明など、個人のものを使っているというのが実情のようです。
コ、沖縄の米軍基地を抱える特殊な状況から、ヘリ墜落事故などで負傷者が出たとき、この対応を県立病院として準備しておく必要があるということでありますが、知事は国に対して要求すべきではないかということでお伺いいたします。
次、2番目に県立看護学校の存続について伺います。
6月27日、医師会ほか5つの団体が12万2287人の署名を持って要請に来ておられました。県民の命を守る立場から、800人余りの看護師不足を思えば存続させる必要があるというふうに考えておりますが、知事の所見を伺います。
残りはまた再質問をいたします。
○知事(稲嶺惠一) 狩俣信子議員の御質問にお答えいたします。
最初は、訪米要請と海兵隊の県外移設についての御質問に一括してお答えいたします。
私は、去る3月に、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減がなされるよう理解と協力を求めるため訪米し、米国連邦政府や連邦議会関係者、シンクタンク等に訴えてまいりました。その際、米国政府において米軍再編を直接担当する方々を初め多くの方と面談し、本県の基地問題の解決を訴えたところであり、的確な時期に在沖米海兵隊の県外移転等の県の米軍再編に対する基本的な考え方を訴えることができたと考えております。
県としては、今後とも日米両政府の協議の進捗状況に合わせ、基地負担の軽減の実現に向け、より強く働きかけてまいります。
次に、基地の県内移設と県の取り組みについて一括してお答えいたします。
在日米軍基地は、日米安全保障条約に基づき日本政府により提供されているものであります。県としては、政府が本県の基地問題を国民全体の問題として責任を持って取り組む必要があると考えております。
県は、米軍再編に対する県の基本的な考え方として、在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等を日米両政府に申し入れたところであります。今後、日本政府から、再編協議の内容について提示されることとなっており、その際には県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう的確に対応したいと考えております。
次に、普天間飛行場の辺野古移設についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場の返還については、県外移転や移設なしの返還が理想的であると考えております。しかしながら、県としては限られた条件の中で苦渋の選択をしたものであり、辺野古移設に固執しているのではありません。
今回の再編協議の中で日米両政府の合意による代替案が提示されるならば、県としては具体的に検討していきたいと考えています。
その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○総務部長(上原 昭) セクハラへの対応についてお答えいたします。
職場においてセクシュアルハラスメントが生じた場合は、その事実関係を迅速かつ正確に確認するとともに、事案に応じて適切に対処する必要があります。このため、相談・苦情窓口として各部等主管課、総務部人事課、職員厚生課等にそれぞれ男女複数の相談員を配置しております。
セクシュアルハラスメントがあったと認められた場合には、人事部門などの関係部局と連携をとりつつ、必要に応じて加害者への懲戒も含め、雇用管理上、必要な措置をとることになります。
なお、セクシュアルハラスメント防止対策は、雇用管理上、事業主が配慮すべきとされていることから、県の外郭団体については厚生労働省沖縄労働局雇用均等室と連携をとりながら意識の啓発に努めてまいりたいと考えております。
次に、非常勤職員、臨時的任用職員の数についてお答えいたします。
知事部局における非常勤職員及び臨時的任用職員の数は、平成17年4月1日時点で709人となっており、そのうち女性職員は545人となっております。
次に、相談の実績についてお答えいたします。
平成11年4月の男女雇用機会均等法の改正に伴い、沖縄県職員セクシュアルハラスメント防止規程を制定し、各部主管課等に相談員を配置しているところであります。平成16年度までに人事課に寄せられた相談や報告があった事案は4件あります。
なお、相談員の配置について周知されていないことも考えられますので、相談の窓口について広く周知を図るなど、相談しやすい職場の雰囲気づくりに努め、絶えず実効のある防止対策を講じていきたいと考えています。
それから、セクハラに関する研修についてでありますが、セクシュアルハラスメントに関する研修については、管理監督者の役割が特に重要であることから、自治研修所における監督者研修の科目として実施しているところであります。
セクシュアルハラスメントを未然に防止するためには職員一人一人の心がけが必要となっていることから、今後さらに研修のあり方等も含め、職員の意識改革・啓発を徹底していきたいと考えています。
次に、アンケート調査の実施についてでありますが、セクシュアルハラスメントについては未然に防止することが何よりも重要であると認識しております。このため、県では、セクシュアルハラスメント防止の方策を検討するため平成14年12月から平成15年1月にかけて職員及び非常勤職員を対象にサンプリングアンケート調査を実施しております。この調査結果を踏まえ、自治研修所の研修にセクシュアルハラスメントの科目を設け、周知・啓発の強化を図るなど具体的な施策を展開しております。
また、今後のアンケート調査については、必要性等を踏まえた上で検討していきたいと考えています。
次に、県の特定事業主行動計画の策定状況についてお答えいたします。
県では、職員を雇用する事業主の立場から、教育委員会等各任命権者と共同で「沖縄県特定事業主行動計画」を平成17年3月に策定いたしました。
この行動計画では、1、 妊娠中の職員等に対する勤務環境面での配慮、2、男性職員の育児参加の促進、3、育児休業等を取得しやすい職場の雰囲気づくり等に関する支援策を定めており、目標として、1、出産補助休暇の取得促進、2、男性職員の育児休業取得促進、3、年次休暇や夏季休暇の平均取得日数の増加を掲げています。
県では、行動計画を推進することにより職員の職業生活と家庭生活の両立を支援することとしています。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 少子化対策に係る経済的支援及び対応策についてにお答えいたします。
国の国民生活選好度調査や各種の世論調査等において、子育てに相当の費用がかかることが負担感を高める要因の一つとして挙げられており、子育ての環境整備のため経済的負担の軽減のための施策が重要であると認識しております。このため、九州地方知事会を通して児童手当制度の充実、税制度の見直し、育英奨学金制度の充実などの子育てに伴う経済的負担軽減の施策の充実強化を国へ要望しているところであります。
次に、育児疲れに対する支援についてにお答えいたします。
親の育児疲れ解消や急病等の際に保育所において子供を一時的に預かる一時保育事業を現在県内の21市町村で実施しております。このほか、乳幼児を持つ親が気軽に集い、子供同士を遊ばせながら親同士が打ち解けた雰囲気の中で自由に語り合うことができる「つどいの広場」事業があり、今年度から那覇市ほか6市町村において実施する予定となっております。
「つどいの広場」事業については、主に公共施設内のスペース、公民館、学校の余裕教室のほか、商店街の空き店舗においても実施できることとなっております。また、子育てアドバイザーを配置し、子育ての悩み相談に応じることとなっており、子育て経験のある高齢者をアドバイザー等として活用することは、世代間交流を図ることとあわせて有意義であると考えます。
これらのことから、商店街の空き店舗の活用や高齢者の活用なども含め、育児負担の軽減のための「つどいの広場」事業が多くの市町村で実施されるよう働きかけていきます。
次に、子育て支援のモデル地区指定についてにお答えいたします。
子育て支援事業のほとんどが市町村が実施主体となっていることから、子育て支援施策の展開や地域住民の具体的なニーズに適切に対応するためには、各市町村が子育て支援の重要性をしっかりと認識した取り組みを行うことが必要であると考えております。
御質問の子育て支援のモデル地区指定については、貴重な提言として承りたいと思います。
次に、離島等の急患搬送等緊急対応についてにお答えいたします。
沖縄本島周辺離島及び宮古・八重山から沖縄本島への急患搬送は、地元市町村長からの依頼により県が陸上自衛隊に要請し、本島内の公的病院や民間病院など10カ所の医師添乗当番病院へヘリコプター等で搬送しております。また、石垣・宮古島周辺離島から石垣島・宮古島の県立病院への搬送は海上保安本部が対応しています。
急患搬送の際は医師等を添乗させる状況もあることから、県においては平成元年12月から離島市町村と連携してヘリコプター等添乗医師等確保事業を実施しており、平成16年度は147件について医師等の添乗を行いました。
添乗する医師の手当については県と市町村が負担しており、災害時の保険に関しては国・県・市町村により負担しているところであります。県としては、今後とも離島市町村及び添乗当番病院と連携して、離島からの急患搬送の円滑実施に努めていきます。
次に、県立浦添看護学校の存続についてにお答えいたします。
県立浦添看護学校は、准看護師が看護師国家試験受験資格を得るための教育課程として1学年定員全日制40名、昼間定時制80名、学年総定員120名の看護師養成を行っています。平成15年度に看護職員需給見通しの見直しを行った結果、本県においては供給不足の拡大が見込まれています。
浦添看護学校の存続については、これらのことを踏まえ、県立の養成所としてのあり方を検討しているところです。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 市町村における特定事業主行動計画の策定状況についてお答えいたします。
本県市町村における策定状況は、平成17年4月1日現在において那覇市、石垣市、浦添市、名護市、豊見城市の5市で策定され、策定率は1割程度となっております。
県としては、早期策定に向けて各種会議等を通じ助言、資料提供等を行っているところであり、今後ともさまざまな機会を通じて働きかけてまいりたいと考えております。
以上であります。
○観光商工部長(宜名真盛男) 福祉行政についての中の、一般事業主行動計画策定未実施企業等への対応についての御質問にお答えをいたします。
次世代育成支援対策推進法では、常時雇用する労働者の数が301人以上の事業主に一般事業主行動計画の策定を義務づけるとともに、300人以下の事業主もその策定に努めることとなっております。平成17年6月現在、県内の常時雇用301人以上の事業主81社中37社が、また常時雇用300人以下の事業主で4社が一般事業主行動計画を策定しております。
県におきましては、沖縄県次世代支援育成行動計画において、一般事業主に対し制度の周知を図ることとしており、今後とも沖縄労働局と連携して講演会、セミナー及び県の広報媒体等を活用して、計画策定未実施の企業や中小企業に対する周知・啓発に努めてまいります。
以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは不登校、中途退学についてお答えします。
小中学校における不登校児童生徒数は、ピーク時であった平成11年度から4年間で626人減少し、平成15年度は1590人となっており、在籍比率は1.00%で、全国平均1.15%を下回っております。これは、指導・支援カルテの作成・活用、スクールカウンセラーの設置、巡回教育相談員の拡充などによる児童生徒一人一人へのきめ細かな対応の効果ととらえております。
また、県立高等学校における中途退学者数は、平成15年度では1090人となっており、前年度より550人減少し、中途退学率も2.0%と初めて全国を下回っております。このことは、生徒就学支援センターでの体系的な指導、各学校における数値目標の設定、生徒理解のための指導・支援カルテの作成、学業不振への個別支援など、生徒個々へのきめ細かな対応の効果ととらえております。
次に、教育課題についてお答えします。
本県においては、「人材をもって資源となす」と言われ、その背景にある教育の重要性を深く認識しております。特に学校教育においては、みずから学び考える教育を重視し、知・徳・体の調和のとれた自立した人間の育成が大事だと考えております。そのため、1つには、本県教育の最重要課題である学力向上対策についてさらなる展開を推進します。特に、本県における進路決定の遅さが課題となっており、小学校段階から勤労観・職業観を身につけさせるキャリア教育の充実を図ってまいります。
2つには、豊かな心の育成を図るため、道徳教育の充実や体験活動、読書活動を推進するなど、「子どもの居場所づくり」に取り組み、不登校や問題行動に適切に対応いたします。
3つ目に、健康・体力の保持増進については、体力・泳力向上事業や生き生き運動部活動事業等を推進し、生涯にわたって運動に親しみ、健康で安全な生活を送るための基盤づくりに努めます。これらのことを通して、沖縄に生まれ、育ち、現在及び将来において自己実現が図られ、ウチナンチューでよかったと言えるような教育を推進してまいります。
以上でございます。
○県立病院監(知念建次) 嘱託医師過労死後の勤務状況の改善についてお答えいたします。
県立中部病院において、嘱託医師が労働の過重性に起因して亡くなられたことはまことに残念なことだと思っております。
県立病院は、地域の中核病院として一般医療はもとより救急医療などにも対応しなければならず、医師の労働環境にも厳しいものがあると認識しております。
こうした状況の改善につきましては、医師の増員や適正な配置と確保に努めるとともに、医薬分業による外来業務の軽減や、地域医療連携の推進による業務量の適正化を図る等の対策を講じております。医師を初めとする病院職員の勤務状況の適正化に向けて引き続き改善に努めてまいりたいと考えております。
次に、医療従事者の安全対策についてお答えいたします。
病院現場においては、その業務内容の特殊性により感染や事故の起こりやすい環境にあることから、医療従事者の健康管理や安全管理対策は特に重要であると認識しております。
県立病院における医療従事者の安全対策につきましては、各県立病院に衛生委員会を設置し、定期健康診断の実施及び産業医による結果追跡と職場点検を実施しております。また、ツベルクリン反応、肝炎ウイルスの検査、インフルエンザワクチンの接種等も実施しております。
さらに、職員の健康に関する講演会等を行い、健康に対する意識を高めるとともに、医療安全管理委員会でも医療従事者の針刺し等の事故について、インシデントレポートの提出により原因や問題点の分析を行い、再発の予防策を講じております。
次に、医療機器のリース方式の導入についてお答えいたします。
病院事業においては、企業債を財源として医療機器を購入した場合、一般会計からの繰り入れがあること、リース料が購入価額に比べ結果的に割高になることなどから、原則として購入により導入することとしております。しかしながら、リースには医療機器の故障の際、機動的に対応できるなどのメリットがあるため、費用対効果が期待できる場合にはリースによる医療機器の導入を行っております。昨年度は、中部病院の内視鏡セット及びデジタル超音波診断装置、南部病院の生化学自動分析装置をリースにより導入した実績があります。
医療機器のリースによる導入は、病院現場の医療ニーズに即応する必要性があること、費用対効果が大きいことなどを勘案し、導入後の収支の検証を行うことなどを病院側と調整して行っており、今後ともリース導入のメリットやデメリットを確認・検証しながら適宜導入を図っていきたいと考えております。
次に、医療関係業務職員の育成策についてお答えいたします。
県立病院事業の運営については、地方公営企業法において常に企業の経済性を発揮するとともに、本来の目的である公共の福祉を増進するよう運営されなければならない旨の経営の基本原則が定められております。このことから、病院事業の職員は一般的な行政能力に加え経営的な能力や判断力を備えることが必要となっております。
職員の人事につきましては知事部局全体の中で実施されていることから、病院事業としては毎年の人事配置に際し、病院事業経験者や意欲のある職員の配置を人事当局へ強く要請し調整しているところであります。
また、県立病院事業は平成18年4月を目途に地方公営企業法の全部適用を目指しており、本年4月に福祉保健部内に「病院事業全適移行プロジェクト・チーム」を設置し、作業を進めているところであります。
地方公営企業法の全部適用により予算、人事等の面で権限を有する管理者を設置することでより企業性を発揮した事業運営が可能となり、医療に精通した職員の育成や優秀な職員の登用の面で改善が期待できると考えております。
次に、救急医療体制をとる病院の当直医師に対する手当についてお答えいたします。
県立病院は、地域の中核病院として一般医療はもとより救急医療などにも対応しているため、医師の労働環境には厳しいものがあると認識しております。
救急医療体制をとる病院の当直医師については、勤務の実態を踏まえて時間外勤務手当を支給しておりますが、労働環境の改善につきましても適正な医師の配置と確保や勤務時間の改善に努めていくとともに、全体の業務量の緩和のため民間医療機関との地域連携の推進による外来患者数の適正化や勤務シフトを工夫するなど、できる限り医師の業務軽減を図っていきたいと考えております。
次に、県立病院における若手後輩医師の育成についてお答えいたします。
県立病院では、ここ数年指導医の高齢化が進んでいる中、救命救急体制の維持や医療水準の維持向上のためには若手指導医の育成は必要なことであると認識しております。
救命救急体制や臨床研修制度を維持するため、後期研修医の定着を図り、若手指導医の育成につなげる仕組みの充実に引き続き努めてまいりたいと考えております。
次に、地方公営企業法の適用についてお答えいたします。
県としては、県立病院事業が今後とも県民の医療ニーズに適切にこたえていくためには、事業の運営形態を抜本的に見直し、経営体質の強化を図る必要性があるとの認識から、現在の地方公営企業法の一部適用を全部適用に移行することとしております。このため、平成17年4月に福祉保健部内にプロジェクトチームを設置し、平成18年4月の実施を目途に現在作業を進めているところであります。
全適の効果を発揮するためには、病院現場職員の理解と協力が必要不可欠であることから、プロジェクトチームの作業の進捗状況に合わせて各病院への説明及び意見交換を重ねていくこととしております。現在、全適の基本的な事柄に係る説明と意見交換を中部病院で行ったところでありまして、7月までには全病院へ説明会等を行うこととしております。
次に、ドクターへのパソコンの導入についてお答えいたします。
県立病院のパソコンについては、診療業務のための遠隔医療システム、検査システム、看護システムのために設置しているもののほかに、統計業務や資料作成のためのパソコンを事務部門等に配置しております。
ドクターへの配置につきましては、診療業務との関連や使用頻度など現場の状況を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
次に、ヘリ墜落事故などへの対応についてお答えいたします。
大規模な事故や台風などの災害発生時において、被災地の医療の確保、被災した地域への医療支援などを行うことを目的として県は一定の要件により災害拠点病院を指定しております。
県立病院のうち、精和病院を除く6つの病院は災害拠点病院として既に指定されており、緊急の事故などで必要となった場合には対応可能な体制を整えているものと認識しております。今後も災害発生時の医療を確保するため、必要な機能の充実を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
○狩俣 信子 まず、知事にお伺いします。
基地の整理縮小、さまざまについて沖縄の知事の要請したことについて、実現に向けてより強く働きかけるということでしたけれども、具体的にはどのようなことになるんでしょうか。1点ですね。
それから次はセクハラの問題に行きます。
このセクハラで4件しかなかったということです。しかし、これはもう目に見えた形の4件ですね。私のところにも相談が来ていることを思えば、これはもうちょっとふえていくというふうに思っておりますが、実効性のある対策をとるとおっしゃったんですが、実効性のある対策、具体的にはどういうことでしょうか。いつまでにとるんでしょうか、お答えください。
それで、人事部門で対応しているということでしたけれども、今回新聞に載っていたのは、あれは外郭団体でしたけれども、それ以外のところもあるものですから、このセクハラに対する対応というのはしっかりやっていかないと、本当に弱い立場の女性が被害に遭っているというのが実態です。人事部門は本当に実効性ある調査はやっていたんでしょうかね。そこらあたりをもうちょっとお聞かせください。
それから、自治研修所というところは意識の啓発についてもやるんだと。一人一人の心が大切という話もやっていたんですが、その自治研修所のあるところで起こったこの問題について、対応の仕方がちょっとまずかったんじゃないかと、そういうふうに思っています。これについてどうであったのかお伺いいたします。
それから次に、次世代育成についてなんですけれども、一般事業主につきましてはまだ4件しか出されてないということでございました。非常に少ないと思います。そういうことを思いますと、もうちょっと具体的に目標数値を設定して、じゃ、どのぐらいになるのかなと、県としてはどうなのかなということまでお聞かせいただければ助かります。
それから男性の育児休業についてですが、一応、次世代育成の形の中で進めていくということでございますが、県の中でその育児休業をとったのはどのぐらいあるんですか。そこをちょっとお知らせください。
それから、児童手当等の経済的支援につきましては国に要請しているということですが、これはもう引き続き子供を産みやすい環境にするためには経済的支援が大事ということはわかっているわけですから、それをもっと強力にやっていただきたいと思いますが、そのあたりどうでしょうか。
それから、子育て支援につきまして一時保育とか21市町村つどいの広場をやるというお話でございました。それはつどいの広場をやったってそこに行ける人、広報をもっときちっとやらないと県民に見えません。そこらあたりどう対応していくのかお聞かせください。
それから病院関係についてお尋ねします。
医療従業員の安全対策についてですが、これは私が聞いているのとはちょっと違ったかなというのがありますので、私に質問を取りにきたときのことでぜひお答えください。
それから、リース方式は入れられるということを聞いて、これはわかりました。
それから時間外手当についてですけれども、実際は20時間時間外をやっても12時間しか手当が出されてない。この問題についてどう解決していくのかお聞かせください。
それから公営企業の問題ですけれども、現場の声をしっかり聞くということですので、これは医者のグループ、看護師のグループいろいろあると思います。そういう部分でのお話も聞かせてください。
あとは時間がありません。
○議長(外間盛善) ただいまの狩俣信子君の再質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後3時36分休憩
午後4時5分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
休憩前の狩俣信子君の再質問に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 狩俣議員の再質問にお答えいたします。
米軍再編に係る日米間の協議については、第1段階の「共通の戦略目標」の合意がなされたところであり、現在、第2段階の「日米の役割・任務・能力」について協議がなされていると理解しており、引き続き第3段階として「軍事態勢見直し」が協議され、その中で個別の議論が行われるとされております。今後、日本政府から再編協議の内容について提示されることとなっており、その際には県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう的確に対応したいと考えております。
○総務部長(上原 昭) まず、セクシュアルハラスメント防止の具体的な対策についてでありますが、現在、研修の実施、それからアンケート調査の実施、それから相談員の窓口の配置というふうな形で具体的な対策を実施しているわけでございますが、人事課への把握が4件と相談が少ないというふうな状況につきましては、窓口について周知が必ずしも十分でないということも考えられますので、今後速やかに――現在相談員というのは各部に配置してその名簿も公表しているわけでございますが、特に庁内LAN等で掲示してその窓口の周知を徹底するなど、その辺の対策はまた強化していきたいと思います。
そのほか、研修やアンケート等についても今後必要に応じて見直すなど、具体的な対策の強化に努めてまいりたいと思っております。
次に、自治研修所での対応が不十分であるということでございますが、この件に関しましては具体的な事案の内容について関係者のプライバシーの問題もあり、詳細をお答えすることはできませんが、自治研修所の方では苦情を受けて関係者で協議を行い――要するに関係者というのは加害者の関係者、それから被害者の関係、自治研修所は施設全体の管理者でございますが――直接の関係者がございますので、関係者同士でまず協議を行ったらどうかと。自治研修所としても協力要請があれば対応するということを伝えております。その後、関係者の話し合いにより本件は処理されております。
本県の対応については、自治研修所としてももっと積極的に関与すべきであったというふうに考えております。その反省を踏まえ、今後は施設内の団体で話し合いの場を設け、再発防止に努めることとしております。
次に、男性職員の育児休業取得者ですけれども、知事部局において平成16年度2人となっております。
以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) お答えいたします。
300人以下の事業所について、一般事業主行動計画の策定目標を数値化することは沖縄労働局との調整も必要であり、すぐには難しいと考えておりますが、県内の仕事と子育ての両立を図る職場環境の整備に向けて関係機関と連携をしながら、未策定事業主への広報ダイレクトメールの発送、あるいは労働関係機関誌への掲載など、制度の広報啓発に努めてまいりたいと考えております。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 少子化対策に係る経済的支援についての再質問にお答えいたします。
経済的負担軽減の施策の充実強化について引き続き九州地方知事会などを通して国へ要望してまいりたいと考えております。
次に、つどいの広場等の事業周知についてお答えいたします。
事業の実施主体である市町村において、本事業について地域住民への広報周知を図っていくこととしておりまして、県としても市町村への働きかけを初め県のホームページへの掲載などにより広く周知を図っていく考えであります。
○県立病院監(知念建次) 医療従事者の安全対策についてですけれども、病院での挙動不審者等に対する安全対策ということで理解していますけれども、病院内部では患者に接する分につきましては医師や看護師等で相互の連絡をとり合うようにしております。
外部からの不審者等に対しましては、窓口等の事務を含めてそれぞれ医師や看護師等とも連絡をとり合うようにしておりまして、事前にそういう情報等があった場合には警備担当にも対応していただくことで対応しているところであります。ただ、そういうのがきちんとしたマニュアルづくりまでまだ至っていない現状がありますので、今後、各病院現場ともそういうマニュアルづくりがどうできるかということに対しましても調整・検討していきたいというふうに考えております。
それから時間外手当なんですけれども、医師の当直等に係る時間外勤務手当につきましては、勤務の実態に合わせて適正に支給されていると認識しておりますが、なお実情を調査しまして対応してまいりたいと考えております。
次に、全適の各セクトごとの意見交換についてでございますが、現在は基本的な事項につきまして各病院ごとに説明会を行っている状況でございます。今後の作業の進捗に合わせまして各セクトごとの説明会も考えていきたいというふうに考えています。
以上でございます。
○狩俣 信子 御答弁ありがとうございました。
セクハラについてだけ聞きます。
まず、セクハラを受けた人が相談やりやすい雰囲気、これをしっかりつくってください。
それから、実効性があるようにセクハラ担当者、オンブズマン、部長は当然のこと、研修をしっかりやってください。そして内部の人に対して追い詰めないようにお願いします。
相談やりにくいというのが現実ですから、やりやすい雰囲気をちゃんとつくっているのかどうかですね。そして実効性がある研修をやってほしいということです。これについてちゃんとやれるかどうかです。
以上です。
○総務部長(上原 昭) アンケート調査、それから相談員の窓口の雰囲気ですね、その辺についてもまたいろんな関係者の皆さんと相談しながら、できるだけ具体的な実効性が確保できるように努めてまいりたいと思います。
よろしくお願いします。
○兼城 賢次 護憲ネットワークを代表し、質問をいたします。
基地問題についてお伺いをいたします。
これまで米軍基地の小さな動きや声にも県民は反応してきました。ましてや表ざたになってからは大きな期待を持ちました。
四、五年前から海兵隊司令官トップのジョーンズ司令官らは、海兵隊の訓練をグアムや日本国内の他の基地に移動してもいいと発言し、政府系シンクタンクも同様の発言をいたしております。これらの発言の対応について、知事はこれまで基地問題にはいろいろな方がいろんな発言を主張をしている。今後の行動を見守るとし、普天間飛行場の代替にかかわるアメリカ側の報道にも政府に問い合わせたところ、アメリカ側から具体的な提案を受けているという事実はないと否定をしておりますと他人事のように議会で答弁してきました。そしてひたすらSACO合意の着実な実施こそが現実的で実現可能な方法としています。
この場にそぐわないことを承知で、この際、ある識者が現実の金縛りにあっている人に対して次のような指摘をしています。現実の厳しさを主張するだけでは現実に埋没する。理想をも含んで現実は動くのだというのであります。知事が理想を持たないというのではありませんが、知事は基地問題について現実の厳しさだけで行動するのではなく、現実を動かすための対応を期待したいのであります。
さて、今回の再編協議も沖縄も含めたのはアメリカ側だったとの報道があります。
そこでお聞きいたします。
米軍基地の再編が数年前からマスコミを通して関係者が基地のあり方にも発言してきました。そのことについて知事は外務省や政府に問い合わせたところ、そのような事実はないと否定しているとしてきました。県は、基地に関してこれまでどのような情報を収集されてきたのか、どのように活用されたのかお聞かせください。
次に、きょう、あすにも都市型戦闘訓練施設で訓練が開始されようとしています。これまでさまざまな被害があって、これ以上危険なものはつくらせないとの強い思いが長期の抗議行動にオジー、オバーを駆り立てていることと思います。
10月7日に知事は現場を視察しました。知事に必死で訴える姿をテレビで見た人は、鳥肌が立つような感動をしたとのことでした。都市型戦闘訓練施設の現場と区民の皆さん方についての視察の所感をお聞かせください。
次に、普天間飛行場の移設先として辺野古沖に新たな基地をつくる計画でありましたが、沖国大へのヘリ墜落や9・11テロ事件後の国際情勢の変化、それに米軍再編の流れの中で普天間飛行場の代替施設見直しが日米政府で検討されていることが報道されております。
国際自然保護連合は日本政府に対し、ジュゴン保護の措置をとるよう勧告をしました。アメリカでは米国歴史保存法に基づいて辺野古沖のジュゴン保存の裁判手続が始まりました。
さて、辺野古沖への基地建設見直しが取りざたされる中、小池沖縄担当大臣は辺野古沖を視察されました。県民党、県民の視点が知事の政治スタンスと聞きます。そういう視点であれば現場視察も選択肢の一つではないでしょうか。ぜひ現場を視察していただきたいと思います。
次に、5月27日の沖縄タイムスに、「県との間でボタンの掛け違いがあった」と。都市型戦闘訓練施設の記事があります。知事も読まれたことと思います。
その記事は、「建設前、ある官僚が県幹部と協議した。賛成はしなかったが積極的に反対の意思を示さなかった」、黙認したものと受け取ったとのことであります。
さて、沖縄の知事ははっきり物を言うと1年ももたないと発言されているようですが、知事は、解釈ではなく解決する政治家です。みずから問題解決のできる実行型県政の実現を目指すとも言っております。はっきり物を言わなければ問題は解決されないと思いますが、これからもあいまいな、何を求めているのかわからないと言われる状態で問題解決に取り組まれるつもりですか、お考えをお聞かせください。
次に、レンジ5で危険な実弾演習を実施していたことが報道されました。国は実弾使用はないとの見解ですが、県はどのように対応されますか。
次に、キャンプ・ハンセンで以前にも演習で大きな山火事が発生しましたが、4月4日の今回の山火事は不発弾とのことですが、原因は特定されているのか、演習による不発弾の状況はどうなっているのかお聞かせください。
次に、米軍による沖縄における陸・海・空の3点セットの事故が発生しました。久米島でのヘリ不時着についての対応はどうなっているのか。宜野座での民間地域への水陸両用車乗り入れで高架橋のフェンスやコンクリートが壊れモズクにも影響が懸念されるがどうなっているのか。辺野古沖での水陸両用車が水没したままにしているのはなぜなのか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、嘉手納ラプコンの故障で民間機の着陸ができず、1万人に影響が出た。2007年以前の返還を要求すべきではないかと思いますが、対応はどうなっているかお聞かせください。
次に、国民保護法についてお伺いをいたします。
中国やアジア・沖縄戦での日本軍の傍若無人、勝手気ままに振る舞っている時期にあっても、日本軍国主義は法律を守りつつ、自分たちに必要な法律を手続を守ってつくり出しながら、軍国主義政策を敗戦までやり切ったと言われております。
武力攻撃から住民を保護するためにつくられる国民保護法ですが、イデオロギー的には自衛隊の応援団とおぼしき戦史研究家もこう述べています。
住民保護の問題は、大島、三宅島と噴火による全島避難という事態はあったが、自然災害と戦争とは脅威の実態が本質的に異なる。一方で不安感をあおり、その一方で根拠なき安心感を与えること。交戦状態では住民保護はできない場合がほとんどですと正直に告白した方がいいというのであります。
武力攻撃事態を着上陸侵攻、ゲリラや特殊部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃の4つの類型を想定し、対処の方法として、弾道ミサイル攻撃の場合、屋内への避難や消火活動が中心になります。核兵器の場合には避難に当たっては、手袋、帽子、雨がっぱ等によって放射線の被曝を抑制する。かつての戦時下では竹やりを武器がわりに射撃訓練をし、バケツリレーで消火訓練をしました。戦争が始まってそんなことがどれほどの意味を持っていたのか。
私は、以前にも沖縄を代表する新聞人であり、知性を代表する豊平良顕のエピソードを紹介しましたが、あえて引用したい。戦争体験というよりも戦場体験という最も生々しい体験をされた。米ソ冷戦時に、「仮に今ソビエトが大挙上陸してきたらどうするか、私なら全く無抵抗、すぐ手を挙げてアッチャメーグヮーを踊って歓迎すると」、まさに今このとき、このことを考えてみたい。
知事は戦争体験者です。本当にこの法律は沖縄県民を保護するものと思われますか。
国民保護法は戦争をするための雰囲気づくりのためで、実際戦争になって役に立たない法律と言われています。軍事専門家と言われる人も沖縄戦のありさまからもそのことは語られてきました。知事の国民保護法に対する所感をお聞かせください。
次に、沖縄県国民保護協議会条例と沖縄県国民保護対策本部条例はどのような役割を果たすのか、お聞かせください。
次に、指定地方公共機関を県が指定しても断ることが可能か。断ることによって不利益が生じるかどうかお聞かせください。
次に、指定地方公共機関指定についてお伺いをいたします。
民放5社は、警報、避難の指示、緊急通報は放送本来の業務につき、あえて県の指定を受けなければならないようなことではないとのことであります。知事への報告が義務づけられ、必要な助言を受けることがかつての大本営発表を想起させると指摘していますが、無理に指定することはないのではないでしょうか。民放5社は指定日前に回答を保留されているが、対応はどうなっているのかお聞かせください。
次に、米軍の軍事行動と住民避難の関係についての意見を国に提出されたというが、その概要と対応についてお聞かせください。
次に、沖縄振興計画の部門別・分野別計画の総括と対応についてお伺いをいたします。
1点目に、第1次計画の達成率をどのように総括するのか。
2点目に、観光入客は順調に進んでいます。2005年度の修学旅行生も良好のようでありますが、収入と滞在日数が思うように延びません。これからの対応についてお聞かせください。
3点目に、農林水産業は厳しいものがありますが、1次計画の落ち込みは2次計画でどのように対応されますか。
4点目に、職業安定はこの分野だけでの対策ではどうにもならないわけですが、簡単にはいかないと思いますけれども、対応をお聞かせください。
次に、沖縄のタクシー事業等の「緊急調整地域」の継続指定についての県の対応はどのようになっているかお聞かせください。
次に、糖価政策見直しについてお伺いをいたします。
2007年度からさとうきびの最低生産者価格が廃止され、さとうきびの価格決定に市場原理が導入されることが決定されました。現在の糖価調整制度は維持されるとのことですが、原料生産・砂糖製造の各段階でコスト削減を進め、内外価格差を補てんする際に投入される国民負担などを軽減するとしています。
市場原理は弱肉強食の原理であります。沖縄の零細農家にとって市場原理が導入されますと、ここ二、三年はともかく、10年もすればさとうきび生産者がますます厳しい状況になりかねません。さとうきびの最低生産者価格が廃止されるというが、農民にどのような影響が予想されるのかお聞かせください。
次に、大雨被害についてお伺いいたします。
6月の雨量では113年ぶりと言われる大雨で各地で道路の冠水、床上浸水、土砂崩れの被害が出ました。2001年9月の大雨の場合は50年に一度という大雨と言われ、これも多くの被害が出ました。天願川でも4年前に天井近くまで浸水してその対策を約束されたが、今回も同じ場所で床上浸水したが、4年前の教訓は何だったのか。今後も同じような被害が予想されるが、どのように対応されるのかお聞かせいただきたいと思います。
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の御質問にお答えいたします。
最初は、レンジ4の現場視察の感想についての御質問にお答えいたします。
私は、昨年10月7日に現地を視察し、改めて陸軍複合射撃訓練場の危険性を認識するとともに、地元の方々から直接お話を伺い、建設中止への思いを強くしました。
次に、辺野古の現場視察についての御質問にお答えします。
辺野古沖への代替施設の建設については国が行う事業であり、国の立場から視察されたものと理解しております。私は、移設先である辺野古を視察しております。
次に、知事の発言についてでございます。
私は、明快に言うべきところは明快に言っております。
県は、米軍再編に対する県の基本的な考え方として、在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等を日米両政府に明確に申し入れたところであります。基地問題は多くの問題が複雑に絡み合っており、実現可能なものから着実に一つ一つ解決する方法が現実的な対応であると考えております。
次に、国民保護法に対する知事の所感についての御質問にお答えをいたします。
本県は、去る大戦で悲惨な地上戦を体験しており、有事の際の国民の保護がいかに困難なものであるか県民は身をもって痛感しております。県は、有事が発生しないよう、政府においてはこれまでにも増して不断の外交努力を行っていただくことが何よりも重要であると考えております。
国民保護法は、武力攻撃事態等において国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活等への影響が最小となるようにすることを目的に制定された法律であります。県にとって、武力攻撃事態等において最も大事なのは県民の保護であり、その根拠法である国民保護法は大変重要な法律であると考えております。
その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 基地に関する情報収集についての御質問にお答えします。
県は、米軍再編について政府や与党等多くの関係者と常に情報交換をしております。同時に、外務省沖縄事務所や米国総領事館等の関係機関との意見交換、国内外のマスコミ報道の収集を行うとともに、インターネットや刊行物などを通じて適宜その情報の収集に努めているところであります。
次に、レンジ5Fでの実弾使用についての御質問にお答えします。
県は、これまで日米両政府に対し、基地の運用に伴う事故の防止及び安全管理の徹底について、より一層の実効ある対策を講ずるよう求めてきたところであります。
レンジ5Fでの訓練について、1988年の衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会において、現在は小火器での射撃訓練は実施していない旨の答弁がなされておりますが、那覇防衛施設局によると、その時点での状況を示した答弁であり、現在は実弾を使っての訓練を行っているとのことであります。
県としては、今後も引き続き地域住民に危険が及ばないよう、地元金武町とも十分に連携をしながら対応していきたいと考えております。
次に、キャンプ・ハンセンにおける山火事の原因等についての御質問にお答えします。
在沖米海兵隊は、4月21日にキャンプ・ハンセン付近の中部訓練場内のレンジ2で4月4日に発生した山火事の原因についての調査が完了し、古い不発弾が自然発火したものであり、いかなる訓練や維持管理によるものではないと結論づけたと公表しております。
演習による不発弾の処理について、米軍は半年ごとに実弾演習場の清掃作業を実施し、その際、発見される不発弾については資格を有する不発弾処理要員が処理しているとしております。
次に、久米島でのヘリ不時着についての御質問にお答えいたします。
5月17日に発生した久米島でのHH-60ヘリの農道への着陸については、那覇防衛施設局や久米島町役場、久米島消防を通じ情報の収集に努めました。
県は、事故が発生した5月17日に第18航空団司令官に対し、このような事故が再び起こらぬよう、今回の事故原因の究明及び今後の安全管理の徹底等、実効性のある再発防止策を早急に講じるよう強く要請したところであります。
さらに、事故機が4日間という長い時間、離陸できない状態を招いたことや、事故発生日に同型機が嘉手納飛行場で同じく緊急着陸したことを受け、県は5月20日に米軍を初め関係機関に対し、同型機全機の改めての点検、事故原因の徹底究明・公表、なお一層の安全管理の徹底等、実効性のある再発防止策を早急に講ずるとともに、それまでの間の飛行中止や飛行制限を強く求めたところであります。
宜野座村での水陸両用車の事故についてお答えします。
6月6日に発生した宜野座村での水陸両用車の提供施設外への上陸に伴うモズク等漁業への影響については、6月23日に那覇防衛施設局が宜野座漁協と共同で調査を実施しており、現在、調査記録を整理中とのことであります。
沖縄自動車道の高架橋の損壊については、那覇防衛施設局が道路公団と調整するとのことであります。
辺野古沖での水陸両用車の水没についての御質問にお答えします。
6月9日に辺野古沖で水没した水陸両用車の引き揚げ時期について、那覇防衛施設局を通じ在沖米海兵隊に確認したところ、安全と環境への影響に配慮しつつ回収する方法を検討している、最適な方法が見つかり次第回収するとのことであります。
県は、6月10日に、水没した車両の早期回収等を在沖米海兵隊に求めたところであり、引き続き早急な水没車両の回収を求めてまいります。
次に、嘉手納ラプコンの返還についての御質問にお答えいたします。
嘉手納飛行場及び那覇空港等の進入管制業務、いわゆる嘉手納ラプコンの返還については、これまで日米両政府間で協議が行われてきたところであり、平成16年12月10日に開催された日米合同委員会において具体的計画が合意されました。日本政府は、合意に基づきおおむね3年後の進入管制業務及び業務に伴う空域の移管を目指し、施設整備及び管制官訓練に着手をしております。
県としては、具体的な移管計画が合意されたことは、返還に向けた作業が加速して進展するものと受けとめており、嘉手納ラプコンの返還が一日も早く実現するよう日米両政府の取り組みを注視しながら適切に対応してまいります。
次に、国民保護法についてであります。
国民保護関係の2つの条例の役割についての御質問にお答えいたします。
国民保護協議会は国民保護法に基づいて設置され、国民保護計画など国民の保護のための措置に関する重要事項を審議し、知事に意見を述べる諮問機関であります。
沖縄県国民保護協議会条例は、国民保護協議会の組織及び運営に関し必要な事項について定めるものであります。
一方、国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部は、武力攻撃事態や大規模テロなどの緊急対処事態が発生した場合、国の通知を受け、県が設置する組織で国民の保護のための措置を推進します。
同本部に係る条例は、本部長の役割、部の設置、現地対策本部の組織等の必要な事項について定めるものであります。
次に、指定地方公共機関の指定についてでございます。
指定地方公共機関の指定については、法律上、相手方の承諾は要件となっておりません。県としては、了解を得て指定をしたいと考えております。
放送、運送、医療など指定対象とした法人は、いずれも武力攻撃事態等における国民の保護のため大変重要な役割を果たすことから、指定に対する理解を求めていきたいと考えております。
なお、指定を断ることによる不利益はありません。
次に、放送事業者の指定についての御質問にお答えします。
指定地方公共機関の指定については、対象とした法人に対し承諾をお願いしているところです。
武力攻撃事態等から国民を守るためには、情報の迅速かつ的確な伝達が大変重要であることから、放送事業者に対し引き続き理解を得られるよう努めていく考えであります。
次に、米軍に関する国への意見についての御質問にお答えします。
県は、地域における国民保護に関する米国側の窓口を一本化するなどを含め、国民保護に係る日米間の体制づくりについて国において米国等と調整し、基本指針の中で考え方を具体的に整理していただきたい旨、平成17年1月に要望しました。
その結果、同年3月に公表された「都道府県国民保護モデル計画」では、「米軍基地所在都道府県における米軍と調整する必要がある事項や米軍との連携のあり方については、関係省庁においてその対応を協議しており、一定の整理がついた段階において、今後、情報提供を行うこととしている。」ことが示されております。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 第1次分野別計画の達成率をどう総括するかという御質問にお答えいたします。
第1次計画では、11の分野ごとに各種の指標と目標値が設定されております。このうち、情報通信産業振興計画ではすべての指標で目標を達成するなど、現時点で実績や見込み値が確認できる171の指標のうち、53%に当たる90の指標が目標を達成しております。また、目標を8割以上達成した指標は全体の85%となっており、総体として成果を上げたものと考えております。
次に、「緊急調整地域」の継続指定に向けた県の対応についての御質問にお答えいたします。
タクシーの新規参入や増車を規制する「緊急調整地域」の指定は、規制緩和の中、緊急かつ異例の措置でありますが、本県の本島区域は平成14年9月から3年連続で指定されております。
県としましても、本県のタクシー事業は車両数が過剰の中、これまで輸送人員や営業収入等が年々減少するなど厳しい経営環境にあることを認識しております。しかし、「緊急調整地域」の指定は、国においてタクシー事業者の経営改善に向けた取り組み状況等を勘案し、指定の要件である実車率1日1台当たりの営業収入、安全関係法令違反件数、苦情件数の改善状況を踏まえ判断されるものであり、県としては国の動向を注視していきたいと考えています。
以上です。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、観光収入等を増加させる対応策についての御質問にお答えをいたします。
観光収入や観光客の平均滞在日数を延ばすための対応といたしましては、付加価値の高い体験・滞在型観光としてエコツーリズムや健康・保養型観光の推進、離島観光の魅力向上及び情報発信などに取り組んでまいります。
また、関連産業への波及効果も大きいリゾートウエディングの拡大、免税店等を活用したショッピング観光の拡大、国際会議や企業の報奨旅行など、消費単価の高い各種コンベンションの誘致に取り組んでまいります。
さらに、特産品のブランド化による県産土産品の魅力向上や、ホテル等における県産食材の利用促進など、産業間の連携を強化し、経済波及効果の向上に努めてまいります。
次に、職業安定の対応策についてお答えをいたします。
本県の雇用情勢改善のためには戦略的な産業振興による雇用の場の創出とともに、これらの産業振興と一体となった雇用対策の推進が不可欠であります。このため、観光・リゾート産業や健康食品産業等本県の特性を生かした地域産業の振興を図るとともに、特別自由貿易地域制度等を活用した企業誘致や情報通信産業振興地域制度等を活用した情報通信関連産業分野の集積・振興に努めてまいります。
また、産業振興の施策に加え、企業が求める即戦力となる人材育成が重要であることから、公共職業能力開発施設における職業訓練とあわせて、民間教育訓練機関等を活用した委託訓練を実施するなど、企業ニーズに応じた多様な職業訓練を実施してまいります。
特に、厳しい雇用状況にある若年労働者の雇用促進につきましては、これまでの若年者対策に加え、国の「若者自立・挑戦プラン」に関連する事業として新規学卒者の就職促進等を図る若年者地域連携事業や、地域産業の活性化・高度化を担う若年人材を育成する地域産業活性化人材育成事業等を実施し、安定的な雇用の確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(国吉秀治) それではまず、第1次計画目標の未達成の対応についてお答えいたします。
第1次農林水産業振興計画の施策・事業の指標については、かんがい施設整備、農業用水源整備や造林面積はほぼ目標を達成しておりますが、拠点産地の育成や赤土流出防止対策施設については達成率が低い状況となっております。このため、第2次農林水産業振興計画においては、1、おきなわブランドの確立と生産供給体制の強化、2、環境と調和した農林水産業の推進、3、農林水産業の基盤整備など、第1次計画の施策を継続するとともに、新たな施策・事業として、島野菜等伝統的農産物の生産振興、食の安全性の確保、認定農業者等の地域の実情に即した担い手の育成確保、バイオマス資源の利活用の推進などの諸施策・事業を市町村、農業団体等と連携し総合的に推進しております。
続きまして、最低生産者価格の廃止に伴う農家への影響についての御質問にお答えいたします。
国では、WTO等国際規律の強化に対応するため新たな「食料・農業・農村基本計画」に基づき、野菜、果樹、畜産等の品目別経営安定対策の支援等を検討しているところであります。
さとうきびについても、平成17年3月の「砂糖及びでん粉に関する検討会」の中で、市場の需給状況を反映した原料取引価格が形成される制度への移行などの基本方向が示されております。
具体的な原料取引価格制度のあり方については、秋ごろをめどに今後検討されることになっております。
県としては、新たな制度見直しに当たって再生産が可能な価格の設定ができるよう、県議会、農業団体等の関係機関と連携しながら国に強く要望していく考えであります。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 天願川の浸水被害に対する今後の対応についてにお答えいたします。
天願川の整備は、これまで河口から具志川厚生園付近までの約3.4キロメートルについて順次整備を進めてきたところであります。今回の梅雨前線の影響による豪雨で上流側の未整備の区間において住宅等への浸水被害が発生しております。
県としましては、その対策として具志川厚生園付近から上流の御山ぬ川橋付近までの区間において地権者の協力を得ながら早期に用地買収を進め、暫定掘削により川幅を広げるなど早急に被害防止に努めていくことにしております。
天願川の整備は、今後とも浸水被害の解消などを図るため、地元の協力を得て早期整備に取り組んでいく考えであります。
以上でございます。
○兼城 賢次 県は、情報収集はたくさんやっていると、意見交換もやっているというんですが、ところが議会で答弁を求めるたびごとに、政府はこういう話はないと。ところが、実際には1年前と現在とはこの動きというのは明らかに違って、そういうのであればこういう情報をぜひこういう席で示していただきたいと。例えば、普天間飛行場代替施設の辺野古沖の動きについてはどのように皆さん方は意見交換されているか、ひとつお聞かせください。
次に、知事は伊芸区の方にも行ったと。辺野古にはなぜ行かないかと。行きましたというけれども、じゃ、向こうは国の仕事であるけれども、金武の方も同じ国の仕事でございますので、ぜひ地元の反対している方々の現場に行って視察をしていただきたいということを申し上げたいと思います。
それと、物をはっきりこれまで言ってきましたよとおっしゃっているけれども、知事は逆に、私はあちらこちらでそういうスタンスが自分の政治的な維持をしているんだというように私は受け取っているんですが、なぜはっきり言わないのかということも私はじかに聞いております。
先ほども指摘されたように、これは一つの例として「ボタンの掛け違い」という話をいたしました。じゃ、そういうようなことがあるから逆にはっきり物を言わなければ、こういう金武のレンジ4を県は最初からだめだよということを言っておけば国はそれなりに対応したのに、そのときは黙認したんじゃないかと、そういうことが報道されているものですから、ちゃんと言うべきときには言っているというのであれば、そういうことも含めてひとつ説明してください。
もう1点は、キャンプ・ハンセンの不発弾については、これまで定期的に対応しているということですが、県も立ち会いをして、本当にこの不発弾はないんだというような実態を把握すべきだと思うんですが、それについてお聞かせください。
それと、久米島へヘリコプターが不時着したときに、県は5月17日に抗議をしたとおっしゃっておりますけれども、知事は5月18日にトーマス・シーファーアメリカ大使を訪問しておりますね。もちろん前日、久米島に不時着しておりますけれども、このときに沖縄の立場を、総論を理解してもらうのが先のことで、前日起こったヘリ不時着については何も話さなかったと。今後も会う機会があるとのことでこういうことは話さなかったと言っておりますけれども、たとえ表敬訪問のたぐいだったとしても、沖縄の歴史を説明するのも大事なことでありますけれども、個人稲嶺惠一ならともかく、沖縄県知事の立場で訪問したとするならば、どのような機会であれ県民に不安と恐怖を与えたヘリ不時着の事故が起こっているわけですから、知事の立場で抗議するなり申し入れをすべきだと考えるのでありますけれども、知事はこのヘリの不時着にはどのような認識を持っていたのか、お聞かせいただきたいと思います。
もう一つは指定機関の件、国民保護法でございますけれども、私どもはこの沖縄戦を教訓とするというのであれば無理な押しつけはしていただきたくない。そして国民保護法が本当に県民を守るのかということで聞いているわけですから、ここももう一つ検討していただきたいということです。
もう一つ部門別のことですけれども、観光客が順調に進んでいるということですけれども、しかし沖縄外しの動きがあるという報道がありますので、それについて皆さん方はどういうぐあいに対応しているのか、お聞かせいただきたいと思います。
それから、農林水産業については整備のことを言っておりますけれども、ブランド化とかあるいは産地特産化のことを言っているけれども、しかし実際にゴーヤーなんかというのは鹿児島や宮崎県に追いつかれているわけですから、これをどうするかということもお聞かせください。
○議長(外間盛善)休憩いたします。
午後4時57分休憩
午後5時2分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の再質問にお答えをいたします。
最初は、辺野古への直接現場視察というお話でしたんですが、私は、辺野古についてはトータル的には何度も行っておりまして、全体的な把握をしております。そして名護市と密接な連携をしながら状況を把握しております。
次に、不明確さが原因で金武とのというお話がございましたけれども、私ははっきり言うべきことは全部言っております。金武の問題についても最初から明快にはっきりと私は言っております。
それから最後、久米島ヘリ不時着への抗議というお話だったんですが、私は大使にお会いしたのは初めてです。そこで一番重要なのは何かというのは、この基地問題の重要さということを相当、ラムズフェルドさんに私が言った以上にいろいろ申し上げました。そして、久米島の問題については既にきっちりと、もう県の方から正式な形で出ておりますので、それよりかもっとこの沖縄の基地の問題がどんなにせっぱ詰まって大事かということを強烈に申し上げました。
○知事公室長(花城順孝) 再質問にお答えします。
米軍再編等についての情報収集の結果を公表してもらいたいという御質問でございますが、当然、県としても確実な情報等については公表していきたいと、そのように考えております。
それから2番目の、辺野古移設についてどのような意見交換を行っているかということでございますが、県としては、現在進められている普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設作業は、日米間の新たな合意が出てこない限り引き続き推進されるとの認識でありまして、そこは粛々と進められていくものと考えております。
それから、キャンプ・ハンセン内の不発弾の処理作業の現場に県が立ち会うべきではないかという御質問でございますが、これは過去のキャンプ・ハンセン等での火災発生が頻発したことを受けて米軍が定期的に演習場内の不発弾の処理・清掃と、発見されれば処理をしていくという対応をとっているとのことでありますので、県としてはそれが確実に行われるよう米軍に対して求めていきたいと、そのように考えております。
それから指定機関、指定地方公共機関の指定について、無理に押しつけるべきではないという御意見でございますが、県としては、先ほども答弁いたしましたが、指定地方公共機関の指定については、法律上、相手方の承諾は要件となっておりませんが、県としては指定に対する理解を求めながら了解を得て指定をしていきたいと考えております。
以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) 沖縄外しとの御質問にお答えをいたします。
これは、修学旅行の費用の上限の引き下げのことだと理解をしてお答えをいたしますけれども、平成15年に東京都が修学旅行の上限を引き上げ、あるいは埼玉県が上限額の徹底を通達ということがございました。私どもは、これを受けてすぐに東京都教育委員会、それから埼玉県教育委員会、それから財団法人日本修学旅行協会に職員を派遣いたしまして、その実情の聞き取りを実施をいたしました。
これについては、先方の説明ですと、だんだんと修学旅行の費用が高くなってきて父母の経済的負担がきついということと、その他の旅行がこの費用の範囲内で可能なので、修学旅行もこの範囲内でできるんではないかというようなことの説明でございました。
私どもは、これに対しまして旅行社の協力を得まして、東京都や埼玉県の修学旅行費用の範囲内での可能な旅行についてシミュレーションを実施いたしました。これにつきましては、実施をする月をずらしたり、それから宿泊数の変更、ツアーの内容の見直し等でございます。
これによりまして、私どもは年間に何回か行っております修学旅行説明会の中で、ピークの10月、11月をずらして、9月とか12月にできれば実施をしてほしいという要望をしてまいりました。その結果、例えば平成15年9月に実施した学校が96校ありましたけれども、平成16年には111校になっております。それから12月については259校だった数が325校と、いわゆる10月、11月のピークをずらした両側にずれているという実績が出ております。その結果、全体として修学旅行の数は減らずに今ふえているということでございます。
それからまた平成16年になりまして、沖縄コンベンションビューロー会長名で内閣府の規制改革民間開放促進会議に、東京都、埼玉県の公立高校の上限額指導の撤廃を求める要望書を提出をいたしました。
ということで、修学旅行の、先生のおっしゃる沖縄外しへの対応をしてきているということでございます。
以上でございます。
○農林水産部長(国吉秀治) 再質問は、ゴーヤーを例にとられての産地間競争の厳しさにどう対応するかというふうな趣旨であったというふうに理解しております。
現在、産地間競争に対抗するためには拠点産地を育成するということが非常に重要なことでございまして、県においては拠点産地を漸次拡大しておりまして、ゴーヤーにつきましても拠点産地が拡大されている状況でございます。
ゴーヤーにつきましては、確かに産地間競争が厳しく、東京中央卸売市場におきましても沖縄と九州の各県から出荷が競合しているという状況でございます。ただ、沖縄県につきましても平成8年には6000トンであった生産量が平成15年には8000トンに拡大するなど、漸次生産量を拡大しておりますので、引き続き生産体制の拡大に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○兼城 賢次 知事は一般論しか言っていないんですね。というのは、基地の重要さをたくさんしゃべったかもしらぬけれども、今火がついているのを、その火をどうするかということを言っているんであって、ヘリコプターがおっこちたことについては避けて通るようなこれが1つ。
もう一つは、はっきり物を言わないということは、言うべきときは言っているかもしれないけれども、肝心なときに言ってないということですよ。言いやすいものにはちゃんと物を言っているかもしらぬけれども、例えば辺野古をどうするかと、海兵隊をどうするかというようなときにおいてちゃんとはっきり物を言ってないから、こういうことを言っているわけです。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後5時10分休憩
午後5時11分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) これからも従来どおり言うべきことはきちっと言います。
○議長(外間盛善) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程は、これで終了いたしました。
次会は、明30日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時11分散会