平成17年(2005年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 7号 7月 6日
 


○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた副知事嘉数昇明君は、別用務のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありました。
 その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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   〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(外間盛善) 日程第1 議席の変更を行います。
 議員の所属会派の異動に伴い、会議規則第4条第3項の規定により議席の一部を変更いたします。
 奥平一夫君を10番に、前田政明君を11番にそれぞれ変更いたします。
 休憩いたします。
   午前10時2分休憩
   午前10時3分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 日程第2 特別委員辞任の件を議題といたします。
 6月30日、喜納昌春君から、都合により少子・高齢対策特別委員を辞任したい旨の願い出がありました。
 お諮りいたします。
 喜納昌春君の少子・高齢対策特別委員の辞任を許可することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
 よって、喜納昌春君の少子・高齢対策特別委員の辞任を許可することに決定いたしました。
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○議長(外間盛善) 次に、お諮りいたします。
 ただいま喜納昌春君の少子・高齢対策特別委員の辞任が許可されたことに伴い、その補欠委員を選任する必要があります。
 この際、特別委員選任の件を日程に追加し、議題といたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
 よって、この際、特別委員選任の件を日程に追加し議題とすることに決定いたしました。
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○議長(外間盛善) 特別委員選任の件を議題といたします。
 お諮りいたします。
 少子・高齢対策特別委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により奥平一夫君を指名いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
 よって、少子・高齢対策特別委員に奥平一夫君を選任することに決定いたしました。
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○議長(外間盛善) 日程第3及び日程第4を一括し、これより直ちに一般質問を行い、乙第1号議案から乙第18号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 當山眞市君。
   〔當山眞市君登壇〕
○當山 眞市 おはようございます。
 さわやかな朝一番でありますので、さわやかに一般質問をやっていきたいと思います。
 公明県民会議の當山眞市でございます。
 通告に基づいて質問を行います。
 1、知事の政治姿勢について。
 (1)、尖閣諸島問題についてお聞きいたします。
 魚釣島など5つの島から成る日本の最南部にある尖閣諸島は、明治中期に日本領として宣言し、110年余にわたって我が国固有の領土として沖縄県八重山郡石垣市に所属することを広く諸外国からも認められているところであります。
 1920年(大正9年)に中国の漁民が遭難し、魚釣島に漂着した際、当時、尖閣諸島で生活していた八重山郡民が救助したことに対し贈呈された中国政府からの感謝状にも、日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島と明記されているとおり、中国も何ら疑問を抱くことなく尖閣諸島が日本の領土であることを認めていたことは明白であります。
 中国が領有権を主張し始めたのが1972年の日中国交回復から1978年の日中平和友好条約締結のころであり、日本の領有権宣言におくれること85年の差が生じ、歴史空白が生じることになります。
 ここで改めて沖縄県の知事として領有権に対する所見を伺います。
 (2)、東シナ海で日本が主張する中国との排他的経済水域の境界線付近で中国による天然ガス田開発についてでありますが、沖縄県としても海洋資源の開発については、沖縄振興計画においてその促進を図ることを明記し、尖閣諸島を含む本県周辺海域の海洋資源の開発及び利用を促進することが重要な課題だと位置づけ、2003年度に海洋資源開発に関する報告書がまとめられております。
 それによると、尖閣諸島を含む東シナ海の天然ガス採掘可能資源量は5億キロリットルと試算され、開発による本県経済への波及効果が期待されているさなかに、中国が昨年から開始した天然ガス田開発について知事の所見をお聞かせください。
 (3)、九州経済産業局から届いた帝国石油が提出した東シナ海での天然ガス試掘権設定願に対する協議書の県の対応についてであります。
 鉱業法第24条(都道府県知事との協議)に基づく協議でありますが、同法18条及び20条に示されている試掘権の存続期間及びその延長について協議がなされていると思います。同地域に対する本県の企業及び個人からの鉱業権の設定願は、過去において、あるいは現在行われてないかも検証の上、回答されると思いますが、県の対応をお聞かせください。
 竹島問題について。
 ア、竹島の領有権について知事の所見を伺います。
 日本は、領土問題について鈍感であると言われており、日本地図上、島根県竹島と明記されていることを知らない国民が多く、尖閣問題についても同様であります。
 島根県は、2月22日を「竹島の日」と制定し、県の一部であることを主張。また、韓国は1900年10月に竹島を管轄区域と規定したため、10月を「独島(ドクト)の月」と定め、双方譲らない状態が続いている。このときに至っても、政府は、日韓友好のため冷静な対応をとるという消極的な姿勢を示しているが、同じ領土問題を抱える知事としての所見を伺います。
 イ、1954年から韓国が竹島に基地を建設し、警備隊を常駐させていることについても所見を伺いたいと思います。
 2番、基地問題について。
 (1)、米軍再編について。
 ア、米軍普天間飛行場の嘉手納統合案に対する県の対応についてお聞きいたします。
 三連協や各市町村議会の決議要請を受けられたと思うが、それに対する県の対応をお聞かせください。
 イ、下地島への緊急時の物資集積地機能移設案に対する県の対応をお聞かせください。
 ウ、沖縄の基地負担軽減は、米側の問題ではなく日本政府による国内調整の問題だと言われているが、結論が出ると言われる9月までの県の対応をお聞かせください。
 (2)、米軍都市型戦闘訓練施設レンジ4の完成に伴う暫定使用について。
 昨年5月に都市型戦闘訓練施設建設工事が着工されて以来、金武町伊芸区の皆さんの強い建設反対運動は命を守る戦いであり、施設が完成し、暫定使用といえどもレンジ4における訓練は断じて容認できないとする町ぐるみの闘いが続いております。
 跳弾防止用高密度ゴムの取りつけ後、直ちにライフル実弾射撃訓練を開始すると言われており、レンジ4の建設費が米国予算でつくられたとかの問題ではなく、人命にかかわる危険除去という立場でレンジ16奥に変更されたことを思えば、外務省も県民の立場を理解すべきであるが、残念ながら政府の立場はレンジ16奥に移設までの間、暫定使用やむなしという姿勢であり、米軍再編の内容が果たして県民の希望に沿えるものになるか疑問視する声も聞こえるところであります。
 そこで、次の点についてお聞かせください。
 ア、知事の3月10日からの訪米要請事項4点の一つが都市型戦闘訓練施設の建設中止であったが、米国政府関係者の感触はどうだったかお聞かせください。
 イ、政府・外務省と県に認識のずれがあるというがどうか。
 ウ、27日からの訓練開始は恒常的使用につながる可能性はないか。
 エ、外務省の言うレンジ16奥への移設を認めたかわりに暫定使用はやむなしとする考えに、今後、県はどのように対応するか。
 オ、代替施設の建設に何年要するか。
 カ、県は、訓練施設11カ所の確認をされているか。施設の目的、訓練内容、使用状況等がわかればお聞かせください。レンジ1からレンジ16までのことであります。
 (3)、レンジ5Fでの実弾訓練について。
 レンジ5F訓練場は年間10回程度使用され、実弾による訓練も行われている。国、県、米軍が話し合う三者連絡協議での紳士協定で、この地域にある涵養林に射撃しないよう配慮するとなっていたというが、奥の山中で行われていた訓練が、最近集落に近い水源涵養林地域で行われていると言われ、レンジ4より近距離にあることで新たな不安を訴えており、伊芸区の生活用水源地での万一の火災についても不安だと言われております。
 そこで、次の点についてお聞きいたします。
 ア、レンジ4より住宅地域に近いレンジ5Fでの訓練に実弾を絶対使用しないよう求めるべきだと思うがどうか。
 イ、三者連絡協議で伊芸区の生活用水を受水する水源涵養林には射撃しないとなっているが、その確認方法はあるかどうか、お聞かせください。
 (4)、嘉手納ラプコンの早期返還について。
 去る6月25日の在日米軍再編協議で、米空軍横田基地が管轄する横田ラプコンの日本側への返還が最終調整に入ったと言われるが、横田ラプコンは、昨年12月に嘉手納ラプコンが2007年度末までに日本側に返還されるのが合意された時期より後に、政府内での横田ラプコン返還の動きが始まったものであり、優先順位にも問題があるのではないかと思うが、次の点についてお聞きします。
 ア、トラブルの相次ぐ米軍の進入管制レーダー(嘉手納ラプコン)を観光立県沖縄の空の安全を確保するためにも、2007年度末を待たず早期に日本側に返還を求めるべきだと思うがどうか。
 イ、日本側に移管するときには米軍優先ではなく、75%を占める民間機も公平に取り扱いができるよう管制業務を嘉手納基地外に移設すべきだと思うがどうか。
 3、観光振興について。
 第2次沖縄県観光振興計画で沖縄観光の課題について整理されているが、その中から次の点についてお伺いします。
 (1)、沖縄観光の課題であるスポーツコンベンションの誘致強化について。
 スポーツコンベンションの誘致は公式・非公式を問わず全国規模の大会は誘客効果が大であり、県としても積極的に奨励し支援していくべきだと思うが、次の点についてお聞きいたします。
 ア、2006年4月21日から24日までの4日間開催される第24回全国シニアソフトボール大会120チーム参加に対する県の対応はどうなっているかお聞かせください。
 イ、大会開催地となる読谷村では、実行委員会を組織して来県するチームにアンケート調査も実施し、大会後の観光の希望や観光地等も確認し、約1500人の受け入れ体制を整え、大会場21カ所、審判員180人の確保など、大会の成功に向けた取り組みが行われているが、県としての支援はどのようになっているかお聞かせください。ソフトボールでありますので、直球でお答えいただきたいと思います。
 (2)、国際映画祭の開催について。
 沖縄での国際映画祭の可能性について、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」のプロデュースを務めた映画ジャーナリストの小松沢陽一氏と、世界各地で国際映画祭のプロデュースを手がけるフランスのリオネル・シュシャン氏が沖縄の音楽や独特の文化を取り入れた、ほかとは違う映画祭を打ち出すことができれば十分可能性があると話している。県は、映画関係者や有識者へのヒアリング調査などを実施し、開催の可能性について引き続き検討し、観光振興の発展に結びつけていく旨の姿勢であったと思うが、その結果を踏まえて次の点についてお聞きします。
 ア、観光客の呼び込みや沖縄の知名度を高める上でも国際映画祭の開催は必要だと思うがどうか。
 イ、県は、映画関係者や有識者から実際に意見を聴取したことがあるか。
 (3)は省きます。
 (4)、観光客の誘客拡大策について。
 沖縄県の入域観光客数は、昨年515万人とハワイの650万人が射程距離内に迫ってまいりましたが、ことしの目標とする540万人に達するための施策は何かというと、従来型の自然増を頼みにしていては達成が厳しいものと思います。幸い、本県は気候条件にも恵まれ、地理的にもアジア近隣諸国や本土各県からも短時間で来県できる好条件にあり、宮古、八重山を含む本島全域に30余りのゴルフ場を有し、年間を通してプレーのできる環境にあり、ゴルフ場不足で海外にプレーの場を求める韓国の誘客を本土側が進めているとも言われているが、すべての条件で本県が有利だと思います。
 そこで、次の点についてお聞きします。教育長にも学校教育におけるゴルフの実施状況について御意見を賜りたいと思います。
 ア、プロゴルフ界で沖縄県出身者が大活躍しているときに、フルシーズンプレーのできる地域特性を生かして、もっとプロゴルフ大会の誘致や一般のゴルフツアーの拡大に力を入れるべきだと思うがどうか。
 イ、各市町村で開催している祭りをイベント情報誌にまとめ、県外からの誘客に結びつけたらどうか。那覇まつり、浦添てだこまつり、宜野湾はごろも祭りなど、各市町村の祭りは地域の歴史・文化を象徴する独特のイベントであり、幅広く外部にも披露してよいと思うが、地域と調整の上、検討してはいかがでしょうか。
 4、自然環境保全について。
 (1)、ヤンバルクイナの絶滅回避戦略について。
 1981年に山階鳥類研究所が新種ヤンバルクイナを発見して24年になるが、発見当初2000羽生息していると見られた数が半分を割り込み、分布域も40%狭まっている。専門家は、今、根本的な保護対策がなされなければ最後の1羽までみとることになると、5年以内で絶滅に追い込まれてしまうという警鐘を鳴らしている。5月6日には白保台一衆議院議員と前島県議とともに、地方自治体による保護活動が本格化する国頭村を訪ね、上原村長の案内でことし3月20日開所したNPO法人ヤンバルクイナ救命救急センターや、旧幼稚園施設をボランティアで改装した「どうぶつたちの病院」、ヤンバルクイナ保護プロジェクトの活動状況等について長嶺隆獣医師から説明を受けたが、昨年に比べ多発する輪禍による救急対応が増加傾向にあり、4月から6月までの繁殖期に集中する事故に備えて常駐態勢でいるが、事故を防ぐ対策が急務だというふうに言われております。
 そこで、次の点についてお聞きします。
 ア、ヤンバルクイナの生息現況はどうなっているか。
 イ、マングースの捕獲事業の効果はどうか。2000年から5年間で5000匹保護されたというが、完全駆除を目標にしているのか。
 ウ、4月から6月に頻発する輪禍対策はどうか。
 エ、県道の部分改修の必要性はどうか。このことについては一部改修されていることは承知しているが、事故の多発している県道70号線や県道2号線の一部にゼブラゾーンの設置やアンダーパスの設置はぜひとも必要だと思うがどうか。
 オ、4月から6月の繁殖期に合わせて県道の除草を実施し、事故防止に結びつけることはできないか。
 カ、環境省と連携して人工増殖施設の設置を急ぐべきだと思うがどうか。
 キ、マングースの北上を防止するS-Tラインのフェンスの早期設置について、いつごろ実施するか。
 ク、国頭村が単独事業で実施する保護シェルター事業並びに管理運営については、今後、国、県の支援が必要だと思うがどうか。100%国の起債事業で約6000万円必要だとするが、国、県の保護対策が待てないほど事態は深刻だということを上原村長は話しております。早急な国、県の対応が必要だと思うがどうか。
 ケ、国頭村安田区の旧幼稚園に3月20日開所した、長嶺隆獣医師が事務局長を務める「どうぶつたちの病院(ヤンバルクイナ救命救急センター)」に対する県の支援が必要だと思うがどうか。
 我が会派の代表質問との関連について、特定不妊治療助成についてお聞きします。
 昨年から県不妊治療相談センターで相談事業を始め、今年度から助成事業が開始されましたが、指定医療機関が県全域で6カ所と少なく、離島・僻地の利用者に不便を与えていると思われますが、県立病院を指定病院に含めることはできないのか。
 2、指定医療機関を知らずに指定外で治療を受け、助成を受けられない事例があると言われているが、医療機関との連携が必要だと思うが、いかがでしょうか。
 以上であります。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 當山眞市議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、尖閣諸島の領有権についてでございます。
 尖閣諸島は、1895年に閣議決定を行い、正式に我が国の領土に編入された石垣市に地番を有する本県の行政区域であり、以前は約250人の住民が生活し、かつおぶし製造等の生産活動を行ってきた歴史を有しております。
 また、国際法上もサンフランシスコ平和条約において、南西諸島の一部としてアメリカ合衆国の施政権下に置かれ、1971年に締結されたいわゆる沖縄返還協定により、我が国に施政権が返還された地域の中に含まれているなど、日本の領土であると認識をしております。
 次に、東シナ海における中国の天然ガス田開発についての御質問にお答えいたします。
 中国が天然ガス田開発を進めている東シナ海の海域は、我が国と中国との間で排他的経済水域の境界についての主張が異なっている海域であります。
 県としては、東シナ海における天然ガス田等の資源開発は我が国にとって重要であると考えており、日中両国の平和的な協議のもとで当該海域の資源開発が進められるよう期待しております。
 次に、竹島の領有権についての御質問にお答えします。
 外務省見解によれば、江戸時代に伯耆藩の領民が漁労地等として竹島を幕府から拝領していること、1905年の閣議決定と島根県告示により、竹島を島根県に編入していること等の歴史的な事実、また1951年のサンフランシスコ平和条約において、日本がその独立を承認した朝鮮に竹島が含まれていないこと、1954年に日本が竹島問題について国際司法裁判所に提訴することを韓国に提案したが、韓国は応じなかったこと等、歴史的事実や国際法上も我が国の領土であるとされております。
 竹島の領有権問題については、平和裏に解決されることを望みます。
 次に、竹島に韓国が基地を建設し、警備隊を常駐させていることについての御質問にお答えします。
 竹島が我が国の領土であるという立場から、政府がたびたび韓国に対して抗議していること、管轄している島根県においては、国に対し領土権の確立を要望していること等については承知をしております。
 次に、嘉手納統合についての御質問にお答えいたします。
 県は、米軍再編における沖縄の基地負担軽減の4つの対処方針の一つとして、嘉手納飛行場の運用等を見直し、早急に改善するよう日米両政府に求めております。
 嘉手納飛行場への統合については、嘉手納飛行場周辺の市町村が現在でも騒音等過重な負担を負っており、さらに負担を増すようなことは到底容認できるものではありません。
 次に、米軍再編に対する県の対応についての御質問にお答えいたします。
県は、米軍再編に対する県の基本的な考え方として、在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等を日米両政府に申し入れたところであります。米軍再編について、日米両政府においては共通の戦略目標について合意し、現在行われている日米の役割・任務・能力についての協議の段階を踏まえながら、今後、個別の議論が行われることとされております。
 再編に当たり、抑止力の維持については日本全体で負担すべきものであると考えており、県民に新たな基地負担をもたらすことがないよう状況を見きわめながら適切に対応してまいります。
 今後、日本政府から再編協議の内容について提示されることとなっており、その際には県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう的確に対応したいと考えております。
 次に、訪米要請における陸軍複合射撃訓練場の建設中止要請についての御質問にお答えいたします。
 私は、去る3月に、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減がなされるよう理解と協力を求めるため訪米いたしました。その際、米国政府において米軍再編を直接担当する方々を初め多くの方と面談し、本県の基地問題の解決を訴えたところであります。
 陸軍複合射撃訓練場については、航空写真や過去の流弾等事故の状況を示しながら、その建設場所が住宅地域や沖縄自動車道に近く非常に危険であり、また地域住民も大きな不安を抱き建設中止を求めていることを説明し、建設中止を強く訴えております。
 リビア国務次官補代行からは、沖縄県民が特別な負担を負っていることは理解しており、沖縄の施設についての問題も認識している旨の発言がありました。
 プロゴルフ大会の誘致や一般ゴルフツアーの拡大についての御質問にお答えいたします。 
近年、宮里藍選手を初め、県出身の多くのゴルフ選手が国内外の大会で活躍していることは、まことに喜ばしい限りであります。
 現在、県内でのプロゴルフ大会は、女子ツアーの「ダイキンオーキッドレディースゴルフトーナメント」と男子ツアーの「アジア・ジャパン沖縄オープンゴルフトーナメント」が開催されています。
 県としましては、冬場の観光誘客として国内外の観光展などにおいて積極的に本県のゴルフコースの紹介を行っております。その成果として、ことし2月に初めて800名余の韓国人ゴルフツアー観光団が本県を訪れました。今後は、平成19年に国内男子ゴルフツアーの三大メジャー大会である「日本プロゴルフ選手権」の開催が決定しています。
 さらに、国内で最も伝統と権威のある「日本オープンゴルフ選手権」の県内誘致に向けて、沖縄県ゴルフ協会等の取り組みを支援しているところであります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、試掘権設定に係る県の対応についての御質問にお答えをいたします。
 試掘権の設定に当たっては、鉱業法第24条に基づき関係都道府県との協議を行うこととされており、去る6月9日付で九州経済産業局から本県と鹿児島県に対して協議が行われております。現在、試掘に伴う環境面及び漁業面の影響等について検討しており、今月上旬を目途に県としての意見を取りまとめているところであります。
 次に、全国シニアソフトボール大会に対する県の対応について一括してお答えをいたします。
 全国シニアソフトボール大会について正式に県への支援要請は受けておりませんが、村の実行委員会に確認したところ、来年4月に約1500人規模で開催予定であると聞いております。
 県におきましては、観光振興施策としてスポーツコンベンションの振興を推進しており、同大会の開催は観光振興に寄与するものと考えております。
 また、県では、沖縄県、沖縄観光コンベンションビューロー、読谷村を含む市町村等で構成する「沖縄県スポーツコンベンション振興協議会」を設置し、スポーツコンベンションの誘致・支援や受け入れ推進体制の整備促進などを図っております。今後、具体的な支援要請がありましたら、同協議会とともに検討し、前向きに対応してまいりたいと考えております。
 次に、国際映画祭に関する御質問にお答えをいたします。
 国際映画祭につきましては、昨年度実施した沖縄国際映画祭調査事業において、映画関連の出版社、制作会社、配給会社、観光関連業界等、多くの有識者から意見を聴取いたしました。
 その主なものといたしましては、国際映画祭は、沖縄の魅力を海外へ発信する有効なイベントであるとする意見がある一方、沖縄で開催する意味を明確にする必要がある、世界的に見ても映画祭は予算的に苦しくなっている、どんなに行政が音頭をとっても、熱意を持って旗振りをする人がいない限り成功しないという意見もありました。
 今後は、このような意見を踏まえ、特に資金の確保について県内外の映画関係者等との議論を深めるなど、沖縄にふさわしい、継続可能な国際映画祭の開催可能性について引き続き検討してまいりたいと考えております。
 次に、各市町村のイベント情報の取りまとめについての御質問にお答えをいたします。
 各市町村や地域で実施されているイベントについては、その内容などを沖縄観光コンベンションビューローが発行している沖縄観光情報誌「マンスリーオキナワ」で紹介しております。また、ビューローのホームページ「真南風プラス」でもイベント情報のコーナーを設け、県外からでも情報が入手できるようになっております。今後とも地域イベント情報を積極的に提供し、県外からの誘客に結びつけていきたいと考えております。
 なお、県におきましては市町村主催のイベントを含め、地域イベントの振興を図るため積極的に支援をしているところであり、平成17年度においても24の地域イベントに助成をすることとしております。
 以上でございます。
○知事公室長(花城順孝) 下地島空港への機能の移設についての御質問にお答えします。
 下地島空港については、いわゆる「西銘確認書」等を踏まえた対応をしていくことが県の一貫した方針であります。
 陸軍複合射撃訓練場の認識についての御質問にお答えします。
 陸軍複合射撃訓練場については、その建設場所が住宅地域や沖縄自動車道に近く非常に危険であり、また地域住民も大きな不安を抱き建設中止を求めてきたことから、地元金武町と密接に連携し、その中止を日米両政府や県選出国会議員に対し機会あるごとに申し入れてきたところであります。かかる地元の懸念については、政府においても十分に理解されていると考えております。
 陸軍複合射撃訓練場の暫定使用等について一括してお答えします。
 県としては、現在建設されている施設の使用については、使用に反対する地元住民、金武町、県の意向に反するものであり、一時的にせよ、断じて容認できるものではないと考えております。今後も引き続き金武町と密接に連携して、日米両政府に対し、地元住民に危険が及ばないよう早期の移設と地元の懸念に対するさらなる配慮を求めてまいります。
 次に、代替施設の建設に何年要するかという御質問にお答えします。
政府は、代替施設の建設工期については、移設先における訓練施設の具体的な配置等につき今後米軍と検討・調整する必要があることから、現時点で申し上げることは困難であるとしております。
 県としては、今後も引き続き金武町と密接に連携して、日米両政府に対し、地元住民に危険が及ばないよう早期の移設と地元の懸念に対するさらなる配慮を求めてまいります。
 次に、訓練施設についての確認の御質問にお答えします。 
 キャンプ・ハンセンにおいて、実弾射撃が演習内容として記載されている施設は、那覇防衛施設局からの演習通報によれば、レンジ2、3、4、4R、5、5F、7、8、9、16、18それから22の12区域であります。
 レンジ5Fでの演習についての御質問にお答えします。
 キャンプ・ハンセンの使用条件は、実弾訓練は貯水池区域内では行わないとされております。
 1980年の三者協において、水源涵養林には射撃しないよう配慮することが確認されており、米軍は現在もこれに関し配慮しているとしております。
 県は、これまで日米両政府に対し、基地の運用に伴う事故の防止及び安全管理の徹底について、より一層の実効ある対策を講ずるよう求めてきたところであり、今後も引き続き地域住民に危険が及ばないよう地元金武町とも十分に連携しながら対応していきたいと考えております。
 次に、嘉手納ラプコンの返還と移設について一括してお答えいたします。
 嘉手納飛行場及び那覇空港等の進入管制業務、いわゆる嘉手納ラプコンの返還については、これまで日米両政府間で協議が行われてきたところであり、平成16年12月10日に開催された日米合同委員会において具体的計画が合意されました。
 日本政府は、合意に基づきおおむね3年後の進入管制業務及び業務に伴う空域の移管を目指し、施設整備及び管制官訓練に着手しており、那覇空港近くに那覇空港の進入管制業務を行う施設を整備中とのことであります。
 県としては、具体的な移管計画が合意されたことは、返還に向けた作業が加速して進展するものと受けとめており、嘉手納ラプコンの返還が一日も早く実現するよう日米両政府の取り組みを注視しながら適切に対応してまいります。
 以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) ヤンバルクイナの生息状況についてお答えいたします。
 1985年の環境庁の特殊鳥類調査によりますと、ヤンバルクイナの生息数は1800個体としています。その後、山階鳥類研究所の調査によりますと、1996年から1999年で生息地の南限が大宜味村謝名城周辺から東村福地ダム間となり、さらに2000年から2001年では南限が北へ押し上げられ、生息数は1220個体と推定しています。この15年間にヤンバルクイナの生息地の南限が10キロ北へ進んだことになります。その面積が約25%減少したとしています。また、2003年から2004年の調査では生息数は1000個体以下だと推定されております。
 次に、マングースの捕獲事業の効果はどうかについてお答えいたします。
 ヤンバルクイナ、キノボリトカゲなど希少種、固有種が生息するヤンバル地域は多種多様な生態系を有しております。近年、生息域を拡大してきたマングースによる野生生物の捕食等により、ヤンバル地域の生態系の崩壊が懸念されていることから、マングースの北上を防ぎ、ヤンバルの希少野生生物を保護するために平成12年度からマングース捕獲事業を実施しております。
 その結果、約6000頭を捕獲し、ヤンバル地域におけるヤンバルクイナ等への捕食圧の抑制が図られ、ヤンバルクイナ等の希少種の生息域の保全に一定の効果はあったものと考えております。
 次に、ヤンバルクイナの輪禍対策についてお答えいたします。
 ヤンバルクイナの輪禍、いわゆるロードキルについては、平成15年及び16年に各6件、平成17年では既に11件発生しております。危機的な状況にあると認識しております。
 このようなことから、県としては、国、地元3村、獣医師会等で構成する「やんばる地域ロードキル発生防止に関する連絡会議」において、ロードキルの現状と対策について情報の共有化を図るとともに、普及啓発や広報活動、飛び出しの警戒標識の設置、事故多発地帯の道路の除草等を実施しているところであります。
 県としては、今後とも関係機関、NPO、地元等と連携を図りながら、ヤンバルクイナを初めとする野生生物ロードキル防止対策、生息地に脅威を与えているマングースの捕獲対策等に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、ヤンバルクイナの人工増殖施設の設置についてお答えいたします。
 ヤンバルクイナは、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」、いわゆる種の保存法に基づく国内希少野生動植物種に指定されており、同法に基づく保護増殖事業計画が昨年11月に国において策定されたところでございます。
 同事業計画では、1つ目に、生息状況等の把握、2つ目に、生息地における生息環境の維持及び改善、3つ目に、飼育下における繁殖及びその個体の再導入、4つ目に、普及啓発の推進、5つ目に、効果的な事業の推進のための連携の確保などを行うこととしております。
 国においては、この計画に基づいて生息状況等の把握のための調査などを実施しているところであり、県としても同計画が円滑に推進できるよう協力し、ヤンバルクイナの保護・保全に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、フェンスの早期設置についてお答えいたします。
 マングースの捕獲事業については平成12年度から実施しており、平成17年、平成18年の2カ年でマングースの北上を防止するために、大宜味村塩屋と東村福地ダムを結ぶラインにマングースの北上防止さく、いわゆるフェンスを設置する予定でございます。設置につきましては、現在、地権者等と調整中であり、9月までには着工したいと考えております。
 次に、ヤンバルクイナの保護シェルターの設置・管理運営についてお答えいたします。
 国頭村が計画しているヤンバルクイナ保護シェルターの設置は、ヤンバルクイナの生息環境が危機的状況にあることから、ヤンバルクイナが生息する地域を一定規模の囲い込みを行い緊急避難的地域とするとしております。これまでに検討委員会は2回開催し、今年度中には設置すると聞いております。
 国においては、平成16年11月に策定した「ヤンバルクイナ保護増殖事業計画」の中で、ヤンバルクイナが自然状態で安定的に存続できる状態とすることを目標としており、保護についての各種施策等を実施しております。
 県としても、国頭村の同計画について国の施策等と整合が図られるとともに、どのような支援ができるか検討していきたいというふうに考えております。
 同じくヤンバルクイナ救命救急センターに対する県の支援についてお答えいたします。
 ヤンバルクイナ救命救急センターは、本県のヤンバル地域の希少野生生物の救急救命目的で設置され、傷病鳥獣救護に取り組んでいる施設と承知しております。
 県では、第9次鳥獣保護計画に基づき、傷病等により自力で生息できなくなった野生鳥獣を保護し、適切な治療等を行い、野生に復帰させることにより、野生鳥獣の保護並びに鳥獣保護思想の高揚・普及を図ることを目的として傷病野生鳥獣救護事業を実施しております。現在、5カ所の救護施設と沖縄県獣医師会の協力を得まして、野生動物ドクターを指定して事業を実施しております。
 なお、当該センターにつきましては、今後またどのような県の支援ができるか検討していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) ヤンバルクイナ対策としての県道の部分改修についてにお答えいたします。
 野生生物の輪禍が起こっている国頭東線や県道2号線においては、これまで見通しを改善するための除草や道路情報板を使っての運転者への注意喚起を行うとともに、一部において野生生物が側溝に落ちてもはい上がれるための階段や片側傾斜側溝等の設置を行っております。
 今後、道路環境の改善を図るため、引き続き片側傾斜側溝の整備を進めるとともに、新たにエコパネル、ゼブラゾーン、アンダーパス等の設置を計画しており、現在、平成18年度の国庫補助新規事業として国に要望しているところであります。
 次に、県道の草刈りによる事故防止についてにお答えいたします。
 県管理の道路においては、通常業務の一環として道路交通の安全を確保する観点から除草を実施しております。
 ヤンバルクイナ等の輪禍が発生している国頭東線や県道2号線における除草については、獣医等の専門家のアドバイスを受け、運転者が早期に道路上の野生生物を発見し、輪禍が起こらないようにとの目的で、ヤンバルクイナの繁殖期である4月から6月にかけて主に実施しております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 特定不妊治療費助成事業の指定医療機関についてお答えいたします。
 県では、特定不妊治療費助成事業に関するポスター、パンフレットを市町村及び関係機関に送付するとともに、同事業について県のホームページに掲載して周知を図っています。
 本事業は、不妊治療のうち、医療保険適用外の治療である体外受精及び顕微鏡下の授精に要する費用の一部を助成する事業となっておりますが、県立病院では当該事業の対象である体外受精及び顕微授精を行っていないため、指定医療機関とはなっておりません。
 県としては、国の実施要綱に基づいて日本産科婦人科学会の会告等に定める要件を満たした医療機関からの申請があれば指定していくこととしております。
 以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは観光振興との関連で、小・中・高等学校におけるゴルフの実施状況についてお答えします。
 ゴルフ競技における本県出身者の宮里兄弟や上原彩子選手、宮里美香選手、諸見里しのぶ選手の活躍は、青少年を初め多くの県民に夢と誇りを与えてくれます。
 1年を通じてプレーできる恵まれた環境の中にあって、生涯スポーツや競技スポーツとしてのゴルフに対する関心も高まり、中・高等学校における体育の授業や高等学校の運動部活動でも導入されております。
 平成17年3月現在、小学校においては、壺屋小学校が4年生から6年生のクラブ活動において県ゴルフ協会ジュニア育成委員会の協力を得て活動し、中学校においては、豊見城中学校を含めた約10校で選択教科の中で実施されています。また、高等学校でも、本部高校など14校が体育の授業で実施しており、本年度の県高校総体では男女で27校、50名の参加がありました。
 以上であります。
○當山 眞市 ちょっと、休憩してください。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前10時53分休憩
   午前10時56分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 観光商工部長。
   〔観光商工部長 宜名真盛男君登壇〕
○観光商工部長(宜名真盛男) お答えをいたします。
 尖閣諸島の周辺で鉱業権の申請、いわゆる鉱業権の設定の申請が県内から5社これまでにあるということであります。
 以上であります。
○観光商工部長(宜名真盛男) 再度お答えをいたします。
 この鉱業権には試掘権も含まれております。
 以上でございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後10時58分休憩
   午後10時59分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 観光商工部長。
   〔観光商工部長 宜名真盛男君登壇〕
○観光商工部長(宜名真盛男) 鉱業権の申請の順序から申し上げますと、帝国石油が今この5社の中で一番早いということで、それを順位とするんであれば優先されるだろうというふうに考えます。
 以上でございます。
○内間 清六 おはようございます。
 公明県民会議の内間清六です。
 離島が抱える切実な問題を中心に、離島で生活している私の所感を交えながら質問させていただきます。再質問しなくてもいいように誠意ある御答弁をお願いしたいと思います。
 1点目、知事の視察広聴についてでございます。
 離島県である沖縄県の発展は、離島の発展なくしてあり得ないとよく言われます。そのとおりだと思います。
 離島の発展を考えるには離島の実情を知ることが大切であります。知事の渡名喜村視察広聴は、離島の実情を知る上で大変意義のある企画だと思います。
 私は、去年の9月10日、渡名喜村で実施される知事視察広聴の状況を調査したいと思いまして、当日、渡名喜行きの高速船に乗るため泊港まで行きました。知事に随行される県の職員やマスコミの皆さんが高速船の出発を待っていました。ところが、天候不良のため高速船は欠航となり、知事の視察広聴は中止となりました。
 渡名喜村では、知事の視察広聴を通して知事に島の悩みや苦しみをつぶさに見てもらい、聞いてもらうことによって抱える諸問題の解決を図る絶好の機会と大きな期待をかけ、知事の来島を待っていました。ところが、天候不良のため中止、これも離島の宿命としてあきらめるしかなかったのだろうか。
 そこでお伺いをいたします。
 (1)、昨年9月10日、渡名喜村で知事の視察広聴が計画されましたが、天候不良のため中止になりました。離島の厳しさを知事はどのように受けとめられたでしょうか。
 (2)点目に、2度中止になりましたが、ことし計画されるのでしょうか。
 次に2点目、公立久米島病院の医師確保についてでございます。
 去年の7月12日の議会で、私はこの件について質問をいたしました。福祉保健部長から次のような答弁がありました。「医師の確保については、現在、常設科である外科、内科、小児科に常勤の医師各1名の確保がなされ、全県的にも確保が難しい産婦人科医師については県立病院からの応援や民間病院の支援協力を得て6月から週1回の診療が行われており、現在、常勤医師の確保に向けて関係機関と調整を行っているとことであります。県としても、離島医療組合と協力して引き続き医師の確保に努めるとともに、必要かつ適正な医療を提供するため離島医療組合、久米島町、県それぞれの適正な役割分担と責任のもと、離島医療の確保に取り組んでいきたいと考えております。」との答弁がありました。
 去る3月2日の琉球新報、沖縄タイムスに、「公立久米島病院 常勤医師確保できず 5月以降不在、閉鎖の恐れも」との見出しで次のような記事が掲載されました。
 人口1万人の久米島町の医療の中心機関公立久米島病院は、2日現在、4月以降の常勤医師確保のめどが立たず、閉鎖のおそれもある非常事態に陥っている。2000年の同病院の開院以来、常勤医師を派遣してきた県病院管理局は、県立病院の人員不足が深刻な中、別組織の病院への派遣を続けるのは困難との姿勢。組合事務局は、組合の管理者は知事で、負担金の約8割は県の支出。実質的に県立の役割を担っているとして、3日にも県へ派遣再考を要請する方針だ。県離島医療組合は、県と久米島町で構成する特別地方公共団体、同病院の建設費は約28億5700万円。管理者は稲嶺惠一知事、副管理者が高里久三久米島町長と嘉数昇明副知事。
 同組合事務局によると、久米島病院は開設当初から、県立病院から派遣される常勤の院長1人、スタッフ医師4人の計5人が中軸となり、住民に医療サービスを提供してきた。しかし、昨年5月から一、二週間のローテーション派遣になり、現在、常勤3人のうち院長と小児科医師が3月末、内科医師は4月末に任期を終えるが、後任は白紙の状態だ。5月以降、常勤医師が不在となる可能性がある。院長は、常勤医師には診療以外に書類作成など多くの仕事がある。それらはローテーションの医師に任せられる性質のものではない。県派遣がローテーションだけになると病院経営は不可能と説明した。
 これに対し、県福祉保健部病院管理課は、ことし1月現在、正職員、嘱託、臨時的任用の医師合わせて330人で7つの県立病院と18の診療所を運営している。1つの診療科に医師が1人だけの部署もある人員不足の中、別組織への常勤派遣は難しい。当直が多いなど医師の労働条件の面からも重大な問題であると説明をいたしております。厳しい状況はよく理解できますが、事人の命の問題であります。
 そこでお伺いをいたします。
 (1)、去年6月以降の県の対応について。
 (2)、今後の方針について聞かせてください。
 次3点目、虫歯予防についてでございます。
 昭和55年ごろの久米島の幼児・児童生徒の歯の状況は悲惨なほどでした。そのことを憂慮し、昭和57年、久米島で開業された歯科医師を中心に議会、役場、教育委員会、PTA、学校の養護教諭や保健婦が力を合わせて虫歯予防のための取り組みが始められました。
 平成3年より保育所園児、小中学生を対象に弗化物を応用した集団齲蝕歯予防事業としてのフッ化物洗口が導入されました。その結果、平成元年に9.1本だった12歳児のDMFTは、平成12年には2.0本に減少しました。
 ちなみに、県平均4.3本の半分以下、全国平均2.9本よりも少ない良好な状況になりました。
 沖縄県の中で地域歯科保健、学校歯科保健の中で無料フッ化物歯面湿布事業や弗化物洗口プログラムを取り入れたのは久米島町が初めてであり、手探りの中、紆余曲折の道のりでしたが、虫歯半減から虫歯ゼロを目指し、健全な口腔機能を獲得する歯科保健活動は、今も地道に行われているとのことであります。新聞紙上で沖縄の3歳児の歯の状況が全国ワーストであると載っておりました。
 そこでお伺いをいたします。
 (1)、全国、沖縄県、久米島町の虫歯の状況はどうなっているか。
 (2)、県の今後の対策はどうか。
 (3)、弗素が虫歯予防に効果的と言われているが、県の考え方を聞かせてください。
 次4点目、第2次沖縄県観光振興計画についてでございます。
 沖縄振興特別措置法に基づく次期の具体的な実施計画である第2次沖縄県観光振興計画、平成17年度から19年度までの3カ年計画が主務大臣の同意を得て策定され、4月から実施に移されました。今や沖縄経済において観光産業は重要な位置を占めており、本計画に大きな期待が寄せられます。
 そこでお伺いをいたします。
 (1)、策定までの経過について聞かせてください。
 (2)、実施に当たっての部長の抱負を聞かせてください。
 次5点目、離島航空路線の運航継続についてでございます。
 琉球エアーコミューター路線の不採算路線として、那覇―慶良間、石垣―波照間、石垣―多良間の各路線が2005年10月廃止予定とのことであるが、離島住民にとって欠かすことのできない交通機関、生活路線であり、今後の観光振興、離島の振興の上からも路線の運航を継続する必要があると思います。
 そこでお伺いいたします。
 (1)、県は、航空会社に対してどのような指導をされたか。
 6点目、沖縄本島―南北大東間のブロードバンド事業についてでございます。
 日本社会において、2005年には3人に2人がインターネットを利用するIT社会の到来が予測されています。
 国では、原則として2003年度までにすべての行政手続をオンライン化する「電子政府」の構築を目指して取り組んできたとのことであります。離島では地理的条件から高度情報化への対応が求められます。
 そこで伺います。
 (1)、県全体の計画はどうなっているか。
 (2)、南北大東島の計画はどうなっているか。
 7点目に、農業問題についてでございます。
 農業の基本は土づくりであり、地力増強対策事業や耕土流失防止事業は農業生産の向上と農業経営の安定を図り、また赤土汚染対策にも効果的な事業だと思います。
 一方で、最低生産者価格の廃止により、持続するためには単収と品質の向上が求められるさとうきびの振興にとっても力を注ぐべき事業だと思います。
 そこで伺います。
 (1)、耕土流失対策についてどのようなことをされているか。
 (2)、基幹作物であるさとうきびの振興についてどのようなことを考えておられるか、お聞きをいたします。
 8点目、警察行政についてでございます。
 以前は離島地域の交番や駐在が対応できないような事件や事故はめったにありませんでした。ところが、最近は物の豊かさ、心の貧しさが生んだ時代の変遷でしょうか、離島での事件や事故の発生が多くなっています。
 そこで伺います。
 (1)、離島の交番や駐在所で対応できない事件や事故に対する応援体制はどうなっているか。
 (2)、観光シーズンやイベント等で離島の人口のふえる時期の支援体制はどうなっているか。
 9点目に、教育問題についてでございます。
 伊良部高校、本部高校、久米島高校で実施されている中高一貫教育について、そのねらいと実施状況についてお伺いをいたします。
 以上でございます。
○知事(稲嶺惠一) 内間清六議員の御質問にお答えいたします。
 さとうきびの振興についての御質問のお答えでございます。
さとうきびは、沖縄振興計画の中で本県農業の基幹作物として位置づけ、生産振興を図ることとしております。このため、県としては、1、地下ダム及びため池等の農業用水源の確保や、かんがい施設、圃場整備、防風・防潮林の整備等の生産基盤の整備、2、品質や生産性の向上に向けた早期高糖性及び耐風性にすぐれた新品種の育成・普及、3、ハーベスターの導入等による機械化の促進や生産法人等担い手の育成などの諸施策を総合的に推進しております。また、さとうきび・糖業安定生産促進緊急対策事業により、遊休農地の解消による経営規模拡大、採苗圃設置等の対策を実施しているところであります。
 今後とも生産農家の意欲の高揚を図るとともに、各種の施策・事業を積極的に推進し、さとうきびの生産振興に努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 渡名喜村での知事視察広聴の中止と今後の計画についての御質問に一括してお答えします。
 昨年の渡名喜村での知事視察広聴は、当初6月に予定しておりましたが、天候不良のため9月に延期したところ、海上の波が高く船が欠航したため、再度中止になったものであります。
 このように、離島においては天候不良によりたびたび交通手段が遮断されることで、生活物資の不足など住民生活や産業面への影響が大きいことなど、離島の厳しさを改めて痛感しております。
 なお、同村での知事の視察広聴については、村の意向も踏まえながら今年度の開催に向けて検討していきたいと考えております。
 今後とも、知事の視察広聴のほか、知事への便りや県民御意見箱等広聴制度を一層充実させ、地域住民の声を県政に反映させていきたいと考えております。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 久米島病院の医師確保に係るこれまでの対応と今後の方針について一括してお答えいたします。
 公立久米島病院は、平成12年度に内科、外科、小児科、産婦人科を常設診療科として開院しました。しかしながら、これら診療科医療を担う医師については、内科医である院長を除き常勤医の確保が厳しい状況が続いております。
 県においては、これまで琉球大学を初め県内外の大学と派遣の調整やインターネット等を通じて募集に努めてきました。その結果、産婦人科医については、応募のあった医師と採用に向けた調整を行っているところであり、その他診療科の医師についても継続して調整を行っているところであります。
 県としては、沖縄県離島医療組合との連携のもとに、今後とも常勤医の確保に努めていきたいと考えています。
 次に、全国、沖縄県、久米島町の齲蝕予防対策、虫歯対策の現状についてお答えいたします。
 虫歯のことを歯科保健では齲蝕と言っておりますので、ここでは齲蝕と統一して答弁いたします。
 齲蝕予防対策には、弗化物の応用、甘い飲食物の摂取制限、歯みがきの励行があり、中でも弗素を利用したいわゆる弗化物応用が最も効果が高いとされています。
 齲蝕予防対策として、久米島町においては乳幼児歯科健診等での弗化物応用を平成元年より継続して実施しております。
 弗化物応用の実施状況は、平成15年には全国で約60%、県で約75%の市町村において実施されております。また、小中学校で弗素製剤を水に溶かしうがいをするいわゆる弗化物洗口の実施率は、平成16年度で全国では4.4%、沖縄県では3.3%、久米島町ではすべての小中学校で実施しています。
 その結果、12歳児1人平均齲歯数は――これは虫歯数ですが――平成15年度において全国平均2.1本、県平均4本、久米島町1.1本となっており、齲蝕予防対策の成果を挙げています。
 次に、県の今後の齲蝕予防対策についてお答えいたします。
 県では、齲蝕予防対策として、歯の衛生週間のイベント等を通した普及啓発活動や研修会等を実施してまいりました。平成14年度には、生涯にわたり健康な歯や口腔を保ち、質の高い豊かな生活を確保することを目指して「沖縄県歯科保健計画」を策定いたしました。
 同計画に基づき、平成15年度には「母子歯科保健マニュアル」及び「学校歯科保健マニュアル」を、平成16年度には「障害児(者)歯科保健マニュアル」を作成し、齲蝕予防対策を推進しております。今年度は乳幼児齲蝕有病者率の高い北部地区において、保育所入所児を対象に市町村や地区歯科医師会等関係機関と連携して齲蝕予防モデル事業を実施します。
 また、齲蝕予防対策を推進するため、保育関係者や歯科医師を対象とした研修会や地域連絡会議を引き続き実施してまいります。
 次に、弗素の齲蝕予防効果に関する県の考え方についてお答えいたします。
 齲蝕予防における弗化物応用の有効性と安全性は、既に国内外の多くの研究により確立されております。また、平成15年に国が作成した「フッ化物洗口ガイドライン」によると、4歳から14歳まで継続して弗化物洗口を実施することが推奨されています。これらのことから、県では国庫補助事業等を活用して今後も市町村等における弗化物応用による齲蝕予防対策の実施を促進していきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、第2次観光振興計画の策定経過についてお答えをいたします。
 第2次沖縄県観光振興計画につきましては、昨年5月以降、市町村、庁内関係部局、国の関係省庁との調整や民間団体との意見交換を実施してまいりました。また、県議会の観光振興・新石垣空港建設促進特別委員会でも複数回にわたり議論をしていただきました。
 これらの意見を踏まえ、本年3月2日に沖縄県振興推進委員会において計画を決定いたしました。その後、国の沖縄振興審議会の審議を経て、3月16日に主務大臣である内閣総理大臣、農林水産大臣、国土交通大臣及び環境大臣から同意を得たものであります。
 次に、第2次観光振興計画実施に係る抱負についてであります。 
 観光は、製造業や農林水産業を初め幅広い産業分野に波及効果が高く、自立に向けた県経済全体の力強い牽引役としてさらにダイナミックに発展させていかなければならないと考えております。
 第2次観光振興計画の推進に当たりましては、国際的な視野を持ち、多様なニーズに対応した通年・滞在型の質の高いリゾート地の形成に向け、国や、観光誘客を積極的に進める市町村、関係団体、観光業界を初め他産業との連携を強化し、諸施策を戦略的かつ重点的に推進していきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 離島航空路線の運航継続に関する指導についての御質問にお答えいたします。
 琉球エアーコミューター(RAC)は、平成17年度中に那覇―慶良間路線等3路線を廃止する意向を地元自治体を初め県や関係者に伝えてきました。
 県では、同社に対し、地元自治体や関係者の意向を十分に踏まえ、慎重に検討するように申し入れるとともに、県と地元自治体において協議した支援策を提示しました。しかし、RACとの協議が整わず、6月下旬のRACの取締役会において、那覇―慶良間及び石垣―多良間路線については廃止し、石垣―波照間路線については継続協議とされたところであります。
 次に、離島地区ブロードバンド事業の県全体の計画及び南北大東島の計画について一括してお答えいたします。
 県では、採算性の問題から民間通信事業者主導では整備が進まない離島地区において、情報格差を是正し、離島振興を図るため、平成17年度から3年計画で高速通信インフラを整備する離島地区ブロードバンド環境整備促進事業を実施しております。今年度は久米島を初め7離島で事業を実施し、平成18年度からは他の離島についても技術的な課題や運用面等を十分に検討しつつ、関係市町村の協力のもとに順次事業を実施してまいります。
 南北大東島については、沖縄本島から遠く離れ衛星回線しか活用できないことから、国や通信事業者と技術的な課題を十分に検討した上で事業実施に向けて取り組んでまいります。
 以上であります。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは、赤土等流出防止対策の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 農地からの赤土等の流出は、地力の低下や耕土の浸食等を来し、農業生産力の維持向上を図る上で大きな課題となっております。このため、県としては、これまで土木対策として水質保全対策事業等による圃場勾配の修正、沈砂池等の整備を行っております。
 また、営農対策として、緑肥作物栽培やグリーンベルトの一層の普及促進を図ってきております。平成16年度には各種対策を計画的・総合的に行うため「赤土等流出防止対策モデル方針」を策定しております。
 さらに、平成17年度からは久米島町ほか3市町村で赤土等流出総合対策開発事業を実施し、農家による持続的対策を可能とする施策を検討してまいります。
 今後とも、環境と調和した農林水産業の振興のため、地域が主体となった赤土等流出防止対策を支援してまいります。
 以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 離島の交番や駐在所で対応できない事件・事故に対する応援体制についてお答えをします。
 県内の離島には2つの交番と24の駐在所がありますが、勤務員は警部補以下の警察官がそれぞれ1名ないし2名で勤務しております。
 交番や駐在所の警察官のみで対応できない殺人、強盗、放火等の凶悪犯罪や、交通死亡事故などの重要・特異な事案が発生した場合には、直ちに警察本部や所轄警察署から所要の捜査員、警察官を県警のヘリコプターや警備艇等により応援派遣し、的確な対処に努めているところであります。
 ちなみに、去る4月、粟国島で発生した殺人事件の際には、直ちに警察本部や所轄警察署の捜査員11名を派遣して対処しております。
 また、5月に発生した久米島での米軍ヘリコプターの緊急着陸事案においても、同様に警察官7名を応援派遣して対処したところであります。
 次に、観光シーズン等における離島への支援体制についてお答えします。
 夏休み等で離島の観光客が増加する期間や、スポーツイベントなどにより入域者が増加する場合には警察事象の多発が懸念されることから、所轄警察署から必要な警察官を応援派遣して離島に滞在させ対応しているところであります。平成16年中、このような理由で離島へ延べ79名の警察官を応援派遣したところであります。
 ことしに入りましても、久米島での楽天のキャンプに合わせ延べ32名を送り込んだのを初め、4月末現在で延べ61名を各離島に応援派遣しております。
 今後とも、離島における観光客の入域状況や各種イベントの開催状況等を的確に把握し、適宜、交番、駐在所への支援を行い、事件・事故の未然防止に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは中高一貫教育の実施状況についてお答えします。
 中高一貫教育校は、ゆとりある学校生活の中で生徒の個性や能力を伸ばすための特色ある学校であります。現在、伊良部、本部、久米島の3地域で連携型中高一貫教育を実施しております。
 連携校においては、中学校と高校の教師間交流や、生徒間による部活動、中学校同士の統一テストの実施など、効果的な取り組みがなされております。
 なお、久米島地区において中高校とも活性化しているとの報告を受けております。
 以上でございます。
○内間 清六 誠意ある御答弁で納得をいたしましたので再質問はいたしませんが、2つだけお願いをしておきたいと思います。
 渡名喜村での知事視察広聴は、ぜひ実現させていただきたいと思います。
 それと、先ほど質問しました件につきましては、解決されたわけではございませんので、答弁を踏まえまして機会あるごとに問いかけてまいりたいと思いますので、解決するまでのおつき合いをお願いしたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。
○辻野 ヒロ子 こんにちは。
 ことしの夏は、クールビズを提唱された小池百合子環境大臣が沖縄担当大臣ということで、全国に沖縄のかりゆしウエアがPRされ、さらに「愛・地球博」で稲嶺知事がモデルとなったのが効を奏して広く普及したことは大変すばらしいことです。そして今月は県産品愛用奨励月間で、さらにかりゆしウエアが普及すること、そして県経済が潤うことを確信したいと思います。
 こだわり派の私は、きょうは、日本最西端の与那国島の伝統織物「どうだてぃ」であつらえたシャツブラウスです。いかがでしょうか。どうぞ、八重山にはすばらしいウエアがありますので、私がセールマンとして喜んでお引き受けいたし申し込みを受け付けますので、よろしくお願いします。
 また、今議会から本会議がインターネットでアクセスできるということで、離島の皆さんが大変喜んでおります。きょうも何名かから激励の電話をいただきました。この件については議長、事務局の皆さんに感謝申し上げたいと思います。
 それでは、所見の一端を述べながら一般質問を行います。
 1、新石垣空港の早期建設への取り組み強化について。
 新石垣空港は新規国庫補助事業として事業化が決定し、着実な進展と成果に感謝申し上げます。ぜひ引き続き稲嶺知事を初め当局の強力な取り組みをよろしくお願いいたします。
 平成17年度は、環境影響評価書及び飛行場設置許可を経て実施設計を進めるなど、工事着工に向けた重要な年になるものと考えております。その中で環境影響評価書について2月28日に提出されたが、5月27日に環境省と国交省から洞窟保全などを求めた意見が出ているようですが、今後どのような手続を踏む予定なのかお伺いいたします。
 また、飛行場設置許可申請書の提出はいつごろになるのかお伺いします。
 2、離島医療の充実強化について。
 県立八重山病院の現状と対策について。
 救急医療部の新設について見解をお伺いします。
 石垣市の救急診療所の業務が3月31日で31年余の診療を終え閉鎖され、4月1日から県立八重山病院の負担を軽減するため、当面の間、医師1人と看護師1人を同病院の救急部門に派遣し診療を行っています。
 救急室の患者数も昨年と比べて月約500人程度増加し、約2300人となっております。多くの離島を抱え、年々増加傾向にある観光客に対応するためにも、地域の強い要望があり、離島医療の中核を担う県立八重山病院の中に「救急医療部」を新設していただきたいが、見解をお聞かせください。
 産婦人科と脳神経外科の医師確保についてお伺いします。
 年間出生数約600名で、唯一出産ができる八重山病院で来年4月から産婦人科医が不在になるということは深刻な問題です。さらに脳神経外科も年間約60人が手術をしている状況の中、山口大の派遣中止が決まり、8月から不在になり、離島の公的医療の確保が厳しい状態となります。この件は2月議会でも取り上げ、医師人材確保協議機関の設置で強力に進めていくとのことでしたが、その後どうなっているのかお伺いします。
 自動体外式除細動器(AED)の使用及び設置について。
 我が国では突然死約5万人のうち3万人は心臓病に起因し、心室細動による心臓突然死であり、病院外でも毎日約100人以上が死亡していると言われています。
 AEDは、これまで医師、看護師並びに救急救命士以外の使用は認められていなかったが、除細動への迅速な対応が救命率の向上に効果的なこと、AEDが以前より安全かつ簡便になったことにより、厚生労働省より医師以外の者でも使用することができるようになりました。
 そこで、公共施設等、空港、スポーツ施設、ホテル、学校、大型スーパー、離島等にAEDが設置されれば、119番通報から救急車が現場に来るまで平均時間が約6分、患者が倒れてから3分以内にAEDを使用していれば7割以上の命が助かると言われています。アメリカではかなりの普及率で、ほとんどの娯楽施設やゴルフ場、自家用車にまで設置しているようです。ちなみに、「愛・地球博」でも100台設置されており、楽天の宮城球場でも12台設置されているようです。県内設置はわずかで、空港では初めて石垣空港に歯科医師会の寄附で設置されました。他府県では予算を計上し、積極的に普及広報活動をしております。県民が安心して暮らせるために、またイベントも多い観光立県として、ぜひAED設置について予算化、普及活動に力を注いでいただきたいと考えますが、見解をお伺いします。
 次に、離島地域医療費特別助成制度の創設について。与那国町における医療費の格差是正。
 与那国町立診療所は、専門科を有する総合病院とは違い、専門医療を必要とする場合、住民は島外の総合病院に頼らざるを得ません。その場合、住民には医療費以外に交通費や宿泊費その他費用等の負担がかかり、医療にかかわる総額において多額の医療費格差が生じます。町単独での助成は厳しく、国、県の離島地域医療費の格差是正にかかわる補助・助成制度の創設がぜひ必要だと考えますが、見解をお伺いします。
 3、離島地域振興策について。
 琉球エアーコミューター(RAC)石垣―波照間路線存続について。
 路線廃止の問題で、地域住民の強い声と観光振興の観点から、竹富町もRACの赤字に占める補助金の増額を検討する意向を持っており、並行して空港滑走路を拡張し、DHC8型機を誘致する計画など、機種の大型化が可能な空港を視野に存続路線の確保に積極的な姿勢を示しています。ぜひ県が支援していただき、石垣―波照間路線は唯一の航空路として存続は絶対に必要であると考えますが、見解をお伺いします。
 鳩間港の港湾及び待合施設整備について。
 「瑠璃の島」で一躍有名になった鳩間島は、竹富町の離島の中でも一番の過疎地域であり、島ぐるみで里親制度を取り入れ、地域が一丸となり学校存続のために頑張っています。また、島の祭りには訪れる方も多く、近年観光客が急増し、船舶の入出港も盛んになっております。しかし、当港湾でのお年寄りや子供たちの船の乗りおりが危険な状態で、また待合施設及びトイレ施設がなく、風雨及び夏の日差しもしのげず、大変不便を来しております。
 観光地としてもますます発展しつつある鳩間島の表玄関として、浮き桟橋とトイレを含む待合施設の整備は急務であります。大きな立派なものでなくても、急場をしのげるもので結構ですと島の人々は強く訴えています。見解をお伺いします。
 新城港(上地港湾)の南西側防波堤整備について。
 平成15年度の沖縄振興特別調整費でことしの2月に竣工している上地港湾の防波堤は、北風を遮り、冬場の船の入出港には大変助かっています。しかし、初夏の季節風(ボウシュウカーチ)どき、夏場は南東・南西の風で波が高く、接岸が困難で大変危険な状態です。島には現在5世帯で常時10数名の方が生活しており、島の大きな行事豊年祭には県内外から大勢の方が訪れ、観光客も年々増加し、年間2000人を超す状態です。先日も本土から来た30人ほどの観光客の船が接岸できず、やむなく引き返したようであります。
 小さな離島は費用対効果で片づけられることがないように、貴重な観光資源であり、島人も島おこしに必死に頑張っていますので、防波堤を早急に整備してもらいたいと考えますが、見解をお伺いします。
 ちなみに、鳩間港と新城港については、去る6月29日に内閣府の西銘政務官らの現地視察が行われ、整備の必要性を痛感されたこと、また来る7月9日には西銘衆議院議員が視察予定であることも申し添えます。
 西表島―波照間の海底送水について。
 竹富町は、国、県の援助で波照間島を除く各島に、西表島及び石垣島から海底送水が実現し、良質な水が安定供給されています。しかし、水資源開発の困難な波照間島では海水を水源とする海水淡水化施設を整備し、飲料水を供給していますが、施設等の耐用年数が短く、維持管理にも多額の経費を要しています。水量の豊富な西表島から波照間島への海底送水による安定的な水を供給してほしいと地元から強い要請があります。確かに海底送水管の新設事業は大がかりなものだと思いますが、国庫補助事業としての整備が可能だと考えますが、いかがでしょうか。見解をお伺いします。
 次に、義務教育施設敷地に係る国有地の無償払い下げについて。
 西表島内の上原小学校を含む5校の義務教育施設敷地の一部あるいは教員宿舎の敷地は、現在国有地を借地しております。
 借地面積が合わせて8万1068平米、借地料が合計約670万円となっており、その中でも上原小学校敷地及び附帯用地の2筆については無償貸し付けもしくは低額の貸し付けがされていたが、当初の年間24万円から現在では587万円と大幅に増額されております。このことは財政を圧迫し、義務教育予算の確保に当たって苦慮している最大の要因となっています。
 先日の教育長答弁で、沖振法第109条では、新設校のみ該当するとのことでしたが、上原小学校は生徒数も年々ふえ、体育館やプール、給食センターなど、また運動場は海抜も高く、津波の避難なども安全で、やまねこマラソンの大会場でもあり、西表西部地区の拠点となっています。
 このような中で、地域の皆さんの強い声もありますので、現在、町が貸し付けを受けている義務教育関連の国有地を無償で譲渡していただくよう強く国へ要望してもらいたいと考えますが、見解をお伺いします。
 次に、環境行政について。
 自動車リサイクル法施行後どのようになっているのかお伺いします。
 平成17年1月1日からの「使用済自動車の再資源化等に関する法律」(自動車リサイクル法)の施行から半年が経過しているが、廃棄自動車が後を絶たず、解体の段階で自動車リサイクルの流れが滞っていないのか懸念されます。
 例えば、八重山地区においてもことし5月末日の自動車登記抹消件数は611件で、そのうち6件が登記上だけでなく、実際に解体・リサイクルされた永久抹消であり、残りの605台は一時抹消となっています。ユーザーが引き取り業者や解体業者に廃車を依頼し、業者が車両の登記を一時抹消して解体作業を行うのが一般的ですが、一時抹消後に解体済みの報告があったのはわずか数十台で、残りの580台以上の車両が島内に取り残されているのが現状です。同法の施行で離島の大きな課題である登録抹消後の海上輸送費についてお伺いします。
 離島対策支援事業での海上輸送費支援はどうなっているのか。また、八重山地域は対象地域に該当するのかお伺いします。
 余剰金を活用するとあるが、いつごろから適用できるのか。また、施行後負担した分についてはどうなるのかお伺いします。
 5番目に、水難事故防止対策について。
 3月23日、西表島近海でシーカヤック観光ガイドの男性と観光客の親子の遭難事故が発生し、早速竹富町事故対策本部を立ち上げ、八重山署警備艇、海上保安庁の巡視船艇や航空機を初め、竹富町消防団、警察署駐在、カヌー組合、ダイビング協会、自衛隊など、夜を徹して懸命な捜索をしたにもかかわらず、残念ながら発見に至っていない状況です。
 本県は青い空、青い海をキャッチフレーズにマリンレジャーのメッカとして全国から注目されており、またリピーターとして来県する観光客も年々増加しております。マリンレジャーは安全で安心して楽しめることが前提であり、本県のリーディング産業である観光行政も海の安全が最も重要であります。ところが、水難事故は年々増加傾向にありますが、水難事故の防止は県民すべての願いであり、県民挙げて取り組む必要があると考えます。
 そこで、次の件についてお伺いします。
 県内の水難事故の発生状況と対策についてお伺いします。
 県警の水難事故防止の取り組みについてお伺いします。
 各地区水難事故防止推進協議会の結成状況と取り組み状況はどうなっていますか、お伺いします。
 水難事故防止運動の時期の見直しについてお伺いします。
 去る6月1日、宜野湾トロピカルビーチで行われた水難事故防止運動出発式及びマリンレジャー安全フェアは、県民、観光客など約1000人が参加して盛況に行われました。
 一方、八重山では毎年3月中旬に海開きが行われ、各地域でも次々と海水浴や海のレジャーができるシーズンを強くアピールしています。また、ゴールデンウイーク期間中には、多数の県民や観光客がビーチ等でマリンレジャーを楽しんでおり、それに伴い水難事故の発生状況もこの時期に多発していることから、水難事故防止運動の時期を見直す必要があると考えますが、見解をお伺いします。
 次に、県水難事故防止及び遊泳等の安全確保等に関する条例に定める事故防止対策について。
 条例第11条で、海域レジャー事業提供者に、水難事故防止措置を整備し県公安委員会に届け出が必要と定められています。無届けで事業した者は10万円以下の罰金――条例27条2項第1号――が科せられます。
 西表島のカヌーシーカヤック業者は、6割以上が無届けで店舗を持たずに電話やインターネットで予約を受け付けるため、営業実態がつかめない業者もいます。
 そこで、次の件についてお伺いします。
 無届け業者の現状と指導取り締まりはどのようになっているのかお伺いします。
 シーカヤック事故発生後、どのような対策をとったのかお伺いします。
 県広報番組「うまんちゅ広場」6月11日・12日放送の広報テープは、海水浴場や各マリンレジャー業界の事故防止等が紹介されており、ことしは特に子供の水難事故も多発傾向にあるので、ぜひ県民に広く有効活用してもらいたいが、見解をお伺いします。
 6つ目に、観光行政について。
 観光産業は、量的施策から質的施策への転換を図る時期と考えるが、所見をお伺いします。
 リーディング産業である観光について、観光客数はふえているものの、観光客1人当たりの消費額は減少傾向が続いています。そろそろ観光客数の増加振興策から観光客単価の上昇施策へと、量的施策から質的施策への転換を図る時期だと考えますが、所見をお伺いします。
 本県の観光産業の中で、世界じゅうを潜ってきたダイバーたちが沖縄の海は世界一だと訪れ、マリンレジャーは大きな役割を持ち、県経済の発展に大きく寄与しています。しかし、受け入れ側の施設環境がまだまだ不十分なところがあり、受け皿づくりの必要性が求められています。
 そこで、マリンレジャーを中心とした観光施設の整備についてお伺いします。
 荒天時にマリンレジャーができる施設の建設について。
 台風が多いため観光客の――修学旅行生を含む――皆さんが荒天時でもマリンレジャーが楽しめる施設が強く求められているが、見解をお伺いします。
 また、米須海岸、真栄田岬、瀬長島の施設整備について。
 サーフィンのメッカとして米須海岸で年間約6万人、瀬長島で約5万人の観光客や地元の皆さんがウインドサーフィンを楽しんでいます。いずれも駐車場、トイレ、更衣室、シャワー室等が整備されていないので、女性も車内で着がえなどをしているようです。リピーターとなってくれる大事なお客様であり、また観光立県として早急に施設整備が必要だと考えますが、見解をお伺いします。
 以上、答弁をよろしくお願いいたします。
 なお、今議会からデビューなさいました仲宗根教育長を初め部局長の皆様おめでとうございます。どうぞこれからも心を一つに、執行部一丸となって稲嶺知事をしっかりと支えていただき、県政の抱えるたくさんの問題解決のために頑張っていただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○議長(外間盛善) ただいまの辻野ヒロ子君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時51分休憩
   午後1時25分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 午前の辻野ヒロ子君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 辻野ヒロ子議員の御質問にお答えをいたします。
 新石垣空港整備事業に係る環境影響評価書についてのお答えでございます。
 環境影響評価書については、去る5月27日付で国土交通大臣から県に対し、環境保全上の見地からの意見が出されたところであります。
 国土交通大臣意見は、小型コウモリ類への影響や赤土等によるサンゴ礁生態系への影響について、可能な限り回避または低減することを求めていると理解しております。
 県としては、国土交通大臣意見に適切に対応すべく、鋭意、環境影響評価書の補正に取り組んでいるところであり、早期に手続を進めていきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○土木建築部長(末吉 哲) 新石垣空港の空港設置許可申請書の提出時期についてにお答えいたします。
 航空法に基づく飛行場設置許可申請については、環境影響評価書の補正後の申請に向け、現在、鋭意作業を進めているところであります。
 次に、鳩間港の施設整備についてにお答えいたします。
 鳩間港は、平成9年度までに防波堤や係留施設等基本施設の整備が完了し、現在、住民の生活交通を支える基盤として重要な役割を果たしております。
 旅客待合所等の整備については、八重山地域の観光客の増加等を踏まえた港湾利用の状況や費用対効果等の観点から検討する必要があると考えています。
 次に、上地港の防波堤西整備についてにお答えいたします。
 上地港については、防波堤北が平成16年度に整備完了し、港内静穏度の改善が図られております。今後は、防波堤北の整備効果や港湾利用の状況、費用対効果等を検証し、防波堤西の整備の必要性について検討していく考えであります。
 以上であります。
○県立病院監(知念建次) 八重山病院の救急医療部の新設についてお答えいたします。
 県立病院は、地域医療確保の観点から、基本的には2次救急医療を含む2次医療を中心に担うこととし、初期救急を含む1次医療の確保については、本来的には市町村の責務であることから、地元自治体の積極的な参画を促進する必要があると考えております。
 しかしながら、地元自治体の運営する救急診療所の閉鎖が複数の地域において見られ、県立病院が限られた医療スタッフで2次救急医療などの役割を担う上で医師などに過度の負担をかけている状況にあります。
 八重山救急医療圏においては、ことし3月末に石垣市救急診療所が閉鎖されたことに伴い、4月以降は石垣市から県立八重山病院の救急部門へ医師1名、看護師1名の派遣を受け入れて救急医療を実施しているところであります。他の地域と同様に県立病院の医師などの負担が増している中で、八重山地域の救急医療の確保の観点から、同市が医療スタッフの一部を派遣していることに対しまして一定の評価をするところであります。
 県立八重山病院の救急医療部の新設につきましては、現在の協力体制の動向も見ながら、今後、地元自治体とどのような協力体制がとれるのか協議をしながら検討していきたいと考えております。
 次に、産婦人科と脳外科の医師確保についてお答えいたします。
 産婦人科、脳神経外科の医師につきましては、他の診療科に比べ全国的にもなり手が少ないことに加え、医師の臨床研修の義務化に伴い、大学においても医師の派遣が困難な状況にあり、特に離島等の医師の確保は厳しい状況にあります。
 八重山病院の産婦人科につきましては、一時期不在となる懸念がありましたが、現時点では必要な医師は配置されており、引き続き診療体制が確保される見通しです。
 脳神経外科につきましては、7月末で大学から派遣されている医師が引き揚げるため8月からは医師が不在となりますが、8月には地元の開業医で手術ができるようになるため、同開業医とも協力体制をとりながら対応していくとともに、引き続き県外大学への派遣要請を行うなど、医師確保に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 自動体外式除細動器の使用及び設置についてお答えいたします。
 救急発生現場においては、心停止者への自動体外式除細動器の使用が救命率の向上に有効であることから、医師等医療従事者以外の者による同機器の使用が平成16年7月から一定の制限のもとに可能になったところであります。
 県においては、これまで市町村を初め関係機関への周知を図る等普及啓発に取り組んできたところであります。
 現在、県内においては空港、観光施設、ホテル等の一部に設置が行われてきています。これら施設の中で、特に観光客等が集中する空港や観光施設における同機器の使用についてはこれまでなかったと聞いております。
 県においては、設置促進や同機器の適切な使用方法を普及するため消防機関等と連携し、医療従事者以外の者に対する講習会を開催することとしており、病院前救護の充実と普及啓発に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、離島地域医療費特別助成制度についてお答えいたします。
 県独自の医療費助成制度については、特定の要件に基づき助成対象とされる乳幼児医療費助成事業等が実施されていますが、医療費以外の交通費や宿泊費、その他の費用等の負担軽減に係る助成制度はありません。
 離島地域における医療費以外の交通費等については、助成要件の適否の判断が困難であり、また行財政改革を進めている折、当該助成制度の創設は厳しいと考えております。
 次に、波照間島への海底送水についてお答えいたします。
 水資源開発の困難な波照間島では、平成6年度から平成16年度にかけて国庫補助事業として海水淡水化施設が整備されており、現在、1日当たり440トンの浄水能力を有する当該施設により島内の水道水が供給されております。
 海底送水管については、水道事業変更認可を経て国庫補助事業として整備することになりますが、西表島における水道水源の確保、当該事業に対する費用対効果分析、莫大な工事費に対する町財政負担の問題等、検討すべき課題が多いことから、県としましても地元から相談があれば十分な協議を行い、慎重に検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 石垣―波照間路線の存続についての御質問にお答えいたします。
琉球エアーコミューター(RAC)は、平成17年度中に石垣―波照間路線を廃止する意向を地元自治体を初め県や関係者に伝えてきました。
 県では、同社に対し、地元自治体や関係者の意向を十分に踏まえ、慎重に検討するように申し入れるとともに、県と地元自治体において協議した支援策を提示いたしました。しかし、RACとの協議が整わず、6月下旬のRACの取締役会において石垣―波照間路線については継続協議とされたところであります。
 県としましては、石垣―波照間路線の維持方策等について地元自治体やRACと引き続き協議してまいりたいと考えております。
 以上であります
○教育長(仲宗根用英) それでは国有地の譲渡についてお答えします。
 竹富町立上原小学校敷地は、昭和56年に現在地へ移転した当初は国有財産特別措置法により無償で借り受けておりました。その後、同法第3条により減額しての借り受けとなっていましたが、現在は時価による借り受けとなっております。
 県教育委員会としては、所管する沖縄森林管理署との借地契約の経緯等を調査しているところであります。今後、竹富町と連携しながら、現状を打開するための方策を検討していきたいと考えております。
 以上です。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 環境行政の中の、海上輸送費支援の内容及び八重山地域は対象になるかということについてお答えいたします。
 本年1月1日から全面施行されました「使用済自動車の再資源化等に関する法律」、いわゆる自動車リサイクル法においては、離島地域の海上輸送費の負担軽減を図るため、自動車の最終所有者から預託されたリサイクル料金の剰余金の一部を離島市町村が行う離島対策支援事業として出捐できる制度が創設されております。
 離島対策支援事業の対象となる地域は、本県では沖縄振興特別措置法第3条第3号に掲げる離島となっていることから、石垣島を含めた八重山地域も対象となっております。
 同じく環境行政の中で、余剰金の適用時期及び施行後の負担分についてにお答えいたします。
 県においては、離島市町村からの要望を踏まえて離島対策支援事業の事業計画書の取りまとめ作業を行っているところであります。本年度中に同支援事業が実施できるよう取り組んでおります。
 同支援事業においては、海上輸送する費用の80%を上限として出捐することとなっておりますので、残りの分が最終所有者の自己負担分になるものと考えております。
 県としましては、同事業が円滑に推進できるよう、市町村に対して適切な助言や指導を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 水難事故防止対策について、まず水難事故の状況と県警の水難事故防止の取り組みについてお答えをします。
 平成16年中の水難事故については、関係機関・団体の協力を得て各種取り組みを強化したものの歯どめがかからず、水難事故は65件発生し、50人がとうとい命を失っております。特に死者の数につきましては過去10年間で最も多い数となってしまい、交通事故死者数にも匹敵するほどで深刻な状況であります。
 本年は、6月末現在で17件発生し、死者数は10人で、3人が行方不明となっており、対前年比では発生でマイナス15件、死者数でマイナス18人、行方不明者数ではプラス3人であります。
 県警においては、水難事故を防止し、安全で快適なマリンレジャーの実現を図るため、海浜パトロールや海域レジャー業者の指導取り締まり等警察活動の強化、自治体を中核とした各地区水難事故防止推進協議会の結成と活性化、財団法人沖縄マリンレジャーセイフティービューローの活性化による海域レジャー提供業者の安全対策の向上の3本柱を中心とした総合的・効果的な水難事故防止対策「美ら海 セイフティー おきなわ」を推進中であります。
 次に、各地区水難事故防止推進協議会の結成状況と取り組み状況についてお答えをします。
 水難事故防止は、警察活動のみで達成することは困難であり、自治体、教育委員会、婦人会、老人クラブ、漁業組合、海域レジャー提供業者等関係機関・団体との連携による地域ぐるみの水難事故防止運動を推進することが重要であります。
 そこで、海域レジャーが盛んな離島を含めた各地区に自治体を中核とした水難事故防止推進協議会の結成をお願いしていたところ、これまでにすべての警察署の管内の19地区で推進協議会が結成されております。現在、各地区では水難事故防止推進協議会による児童生徒や父母を対象としたマリンセイフティースクールの開催、水難事故防止緊急大会の開催、水難危険箇所の点検や海浜パトロール、チラシ、広報誌による広報啓発活動等の水難事故防止活動が展開されているところであります。
 次に、水難事故防止運動の時期の見直しについてお答えをします。
 全国においては、例年6月から8月の夏の時期に本格的な水難事故多発時期を迎えることから、毎年この時期に全国一斉に水難事故防止運動等を実施しているところであり、これまで当県もその時期に合わせて防止運動を実施してきたものであります。
 一方、本県は一年じゅうマリンレジャーを楽しむことができるため、年間を通して県内各地で水難事故が発生している状況にあり、特にゴールデンウイーク期間中から多数の県民や観光客がビーチ等でマリンレジャーを楽しんでいること、この時期にも水難事故が多発していることなどから、例年この時期は県警独自の取り組みとして水難事故防止の特別警戒を実施しているところであります。
 これらの状況を踏まえ、県内における水難事故防止運動の期間については、その前倒し実施の可能性も含め、今後、各地区水難事故防止推進協議会等関係機関・団体と協議・検討してまいりたいと考えております。
 次に、県内における無届け業者の現状と指導取り締まり状況についてお答えをします。
 沖縄県水難事故の防止及び遊泳者等の安全の確保等に関する条例、いわゆる水上安全条例では、潜水業、プレジャーボート提供業、マリーナ業及び海水浴場開設者については、事業を営もうとする日の10日前までに沖縄県公安委員会に事業の届け出または通知を行うこととなっております。
 県警においては、条例の趣旨を徹底するため県下各地において指導取り締まりや立入指導のほか、マリンレジャースタッフに対する講習会等を実施しているところであります。
 これらの活動を通して把握した無届け業者については、その都度、警察署長名で指導を行い、事業の届け出を行わせています。
 例えば、本年、渡嘉敷島で潜水業者の無届け業者6件を覚知し、警察署長名で指導を行い届け出を行わせた例などがあります。
 また、再三にわたって事業届け出を指導してきたにもかかわらず、無届けで潜水業を行い死亡事故を起こした業者を業務上過失致死事件とあわせて、水上安全条例に基づく無届け違反で事件送致しております。
 今後とも、事業所への立入指導、取り締まり等を行い、無届け業者の絶無に取り組んでいく所存であります。
 次に、西表におけるシーカヤック事故後の対策について申し上げます。
 御指摘の事故は、本年3月23日、シーカヤック業者及びツアー客である母親と10歳の娘さんが竹富町下地島をシーカヤックで出航したものの行方不明となり、残念ながらいまだに発見に至っていないという事案であります。そして、当該業者は水上安全条例に基づく届け出がなされていない無届けの業者でありました。
 事故直後の4月2日、西表島において事故防止緊急会議を開催し検討した結果、その時点で届け出をしていなかった他の業者の無届けの要因が、いずれも事業の届け出に必要な水難救助員の資格者が確保されていないことと判明したことから、県警では事故防止対策の一環として、財団法人沖縄マリンレジャーセイフティービューローと連携をして、日本赤十字社沖縄県支部の協力を得て、水難救助員の資格が得られる講習を去る5月10日から13日までの間、西表島において実施いたしました。このことにより、西表の無届け業者はすべて事業の届け出をしております。
 また、県内のシーカヤック業者と事故防止対策会議を持ち、協会の設立を働きかけたところ、去る5月25日に全国に先駆けて「沖縄県カヤックガイド協会」が設立されたところであります。
 県警察においては、同協会の安全対策事業の支援と指導取り締まりを強力に推進していくこととしております。
 次に、県広報番組「うまんちゅ広場」広報テープの有効活用についてお答えをします。
 水難事故防止運動を県民や観光客に広くアピールするため、去る6月11日・12日に県広報番組「うまんちゅ広場」で「水難事故防止運動」が放映されたところであります。県民や観光客にさらに同運動を浸透させるべく、財団法人沖縄マリンレジャーセイフティービューローと連携し、各種協議会等の機会を利用して、同番組ビデオ等の効果的活用を図っているところであります。
 今後とも活用に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、観光の量から質への転換についての御質問にお答えをいたします。 
 県経済において重要な地位を占める観光産業を持続的に振興していくためには、観光客数650万人の達成を目指すと同時に、付加価値が高く、観光客の満足度も高い沖縄観光を実現する必要があると考えております。
 第2次観光振興計画におきましては、多様なニーズに対応した通年・滞在型の質の高い観光・リゾート地の形成を目指しており、引き続き官民一体となった誘客キャンペーンを推進することはもとより、離島観光の魅力向上や情報発信などに取り組むほか、エコツーリズムや健康・保養型観光など付加価値の高い体験・滞在型観光を推進してまいります。
 また、サービスの質的向上を図るため、人材育成やバリアフリーの優しい観光地の形成に取り組んでいくほか、観光客の満足度の向上と消費額の拡大につながるエステ等の多彩なオプションメニューの拡充や、ショッピング観光を推進していく考えであります。  
 次に、荒天時にマリンレジャーができる施設の建設についてお答えをいたします。
 ビーチリゾートが看板となっている本県の観光にとって、荒天時にマリンレジャーができる施設があるのは望ましいことですが、その実現に当たっては、施設内容、採算性、管理運営体制等さまざまな課題が存在することから、建設の可能性について今後十分に研究を重ねていく必要があると考えております。
 次に、米須海岸、真栄田岬、瀬長島の施設整備についてお答えをいたします。
 糸満市米須海岸については、マリンレジャーのための利便施設が整備されてなく、現在は付近の平和の森公園や米須霊園のトイレ、駐車場が利用されております。
 糸満市ではマリンレジャーのための利便施設の整備について検討しているとのことであり、県としても市と連携して利便施設の整備が推進されるよう努めてまいります。
 恩納村真栄田岬は、現在、トイレ、シャワー、あずまや等の利便施設がありますが、さらに平成17年度から村の真栄田岬周辺活性化施設整備事業により、駐車場、休憩所、ボンベ室、階段の改修など、ダイバーのための利便施設が整備されることになっております。
 豊見城市瀬長島については、同市の観光振興プログラム調査報告書において、都市型エコツーリズムをテーマとして観光の振興を図ることが位置づけられております。県としても、その中で市と連携してマリンレジャーに係る利便施設等の整備が推進されるよう努めてまいります。
 なお、県としましては、ダイビング、サーフィン等を初めとするマリンレジャーの盛んな地域において、平成15年度から観光振興地域等整備事業により観光利便施設の整備を進めてまいりました。平成17年度は、離島においてダイビングスポットのトイレ、休憩所、進入路灯を整備する計画であります。
 以上でございます。
○砂川 佳一 質問に入る前に、皆さん耳を澄まして二千円札のエレジー、つぶやきを聞いてください。
 まず一句。二千円札とかけて、7月1日から行われている県産品奨励月間と解く。その心は、私も沖縄県民にとってもっともっと愛され、ウチナーの平和の心を全国に発信したいのであります。もっともっと飛び回りたい、大好きな沖縄のために。
 本題に入ります。
 下地島土地利用基本計画について。
 下地島空港は、昭和54年7月、我が国唯一の大型訓練機能を具備した第3種空港として開港した、東洋一安全で美しいパイロット訓練飛行場であります。
 空港建設をめぐっては、誘致派と反対派との間で流血事件まで起こり、宮古を二分する深刻な事態にまで発展しました。
 日本政府と琉球政府が提示した下地島周辺開発の構想図によると、国民宿舎、ヨットハーバーや航空大学校舎、ゴルフ場や野球場、病院などを有した夢のような開発計画が説明され、当時20代の青年の私も、反対派に走った高校時代の友人といがみ合いながらも、夢と希望を抱いて誘致運動に情熱を傾けたことを今でも覚えています。
 しかし、今振り返って、当時の開発構想と伊良部町の現状を見るとき、開発計画は何一つ実現されておりません。地域住民からも、約束が果たされていないとの強い不満の声が聞こえます。賛成する住民に対しては、この幻の開発計画の構想図で説得し、反対する住民に対しては、民間空港が自衛隊や米軍基地に変わるのではとの懸念を払拭するために、当時の琉球政府内でもさまざまな論議を経て、下地島空港を軍事利用しない、させないとの趣旨で琉球政府と日本政府の間で「屋良確認書」が合意されたのであります。
 そして33年を経た今日、その両者の抱いた経済振興への期待や、同空港を軍事基地として利用させないとする決意などの当初の思いが、時代の波でしょうか、うめき始めております。
 日本政府も沖縄県も、当初の約束であった経済振興策も具体化せず、下地島パイロット訓練飛行場完成後も何人もの知事が誕生したが、伊良部町が財政危機に瀕する状態を放置してきたと言っても過言ではないと思います。
 その結果、八方ふさがりの伊良部町議会の一部議員が切り札として考えたのが自衛隊誘致、市町村合併反対の迷走でした。そしてその後、去る3月25日に行われた自衛隊駐留誘致決議に対する約3500人の住民の約半数参加の力でかち取った白紙撤回劇はまだ記憶に新しいものがありますが、いまだに解決策の結論が出たわけではありません。
 そのことを踏まえて質問いたします。
 ①、下地島訓練飛行場の管理及び運営に関しては、これまでの議会答弁のとおり、「屋良確認書」、「西銘照会書」を知事はこれからもかたくなに守っていく方針であることを再確認いたします。
 ②、これまでの下地島空港残地における事業等の概要と進捗状況を説明してください。
 ③、市町村合併、伊良部架橋実現に伴って、新宮古島市都市計画とともに下地島土地利用基本計画の改定も行う必要があると考えるが、その見通しについて伺います。
 ④、県管理空港である下地島空港及び下地島空港残地の相乗的有効活用について、県主導型の計画策定が求められますが、そのことについて見解を伺います。
 2、さとうきび最低生産者価格廃止に関して。
 砂糖は、国民の摂取力ロリーの約8%を占める食生活上不可欠な品目であります。
 その甘味資源作物であるさとうきびは、台風、干ばつ等の自然災害の常襲地帯である沖縄県、特に離島におけるかけがえのない作物としてそれぞれの地域を支える基幹作物であり、製糖事業者とともに地域経済上重要な役割を担っております。とりわけ離島においては、さとうきび畑の風景そのものが集落を形成する原風景であります。そして島ンチュの生活を支える生命産業とも称されるゆえんでもあります。
 これまで、長年、甘味資源供給基地として国民の食生活に貢献してきたさとうきび生産農家にとって、現行の最低生産者価格を廃止し、市場の需要を反映した取引価格が形成される制度へ移行されることは大きな不安材料であります。生産農家の生産意欲の減退、農業後継者の衰退につながらないような県の施策が求められるところであります。
 以下、質問いたします。
 ①、今進められている砂糖及び甘味資源作物政策の基本的な方向性、検討内容について説明してください。
 ②、現行制度を廃止し、市場原理導入移行による基幹作物に与える影響について県の見解を伺います。
 ③、市場原理が反映されたさとうきびの取引価格の仕組みはどのようにして形成されていくのですか。
 ④、さとうきび以外に他の作物への代替が困難な県内離島の栽培農家に対しての県の取り組み課題とその対応策について伺います。
 ⑤、生産農家並びに製糖事業の安定経営と甘味資源作物の再生産を確保することは、地域基幹産業上、重要なことである。ついては、その政策支援策を明示してください。
 3、県立宮古病院とその使命について。
 離島の振興発展こそ沖縄県の経済自立発展のもととなることを主張する者の一人ですが、いまだに離島苦、離島格差が歴然として残っているものの中に医療格差があります。
 沖縄本島では、民間総合病院、国立琉大附属病院や県立病院を初め専門医、高度医療、多機能病院など、患者自身の選択の幅が広がる病院が多数そろっていますが、離島においては限られた中での対応を強いられているのであります。
 一例として、重傷救急患者が出た場合は、沖縄本島の医療要員、設備等の整った医療施設に陸上自衛隊、海上保安庁のヘリコプターなどで搬送されますが、そのことに伴う家族の経済的・精神的負担という不幸な事態を招いているのが現実なのであります。
 また、県立宮古病院脳神経外科では、これまで1人の臨任医師が頑張ってこられたのですが、7月までの勤務につき、8月以降の後任の医師が決まっておらず、離島苦、医療格差の増幅が強く懸念されます。
 島嶼県である沖縄県は、離島医療の充実整備が緊急な重要課題であることを認識し、確固たる方針を示すことが求められています。その際、県内国立大学琉大医学部との医療行政の連携強化も図り、国立、県立、民間の役割分担、意義づけを明確にした仕組みづくりも必要かと考えます。
 以下、質問いたします。
 ①、国立病院、県立病院、民間病院の持つそれぞれの特長、役割、使命、存在意義について県の見解を伺います。
 ②、離島における県立病院の意義と沖縄本島における県立病院の役割の相違を伺います。産婦人科、脳神経外科などの専門医の配属について地域バランスは考慮されているのですか。
 ③、離島における県立病院の現状と課題、その対応策と今後の抜本的施策についてその具体策を伺います。
 ④、県立宮古病院の今後のあり方検討委員会の進捗状況と今後の取り組みについて伺います。
 ⑤、県立宮古病院脳神経外科の医師確保の見通しと今後の課題、そしてその対応策について伺います。
 4、上野村博愛漁港水難事故について。
 5月5日の「子供の日」の祝日を祝うはずだった1日前の5月4日、上野村博愛漁港区内、通称ワイワイビーチの海底で、小学校2年生の男の子が沈んでいるのが見つかりました。同君は、親戚らと一緒に午前中から同ビーチで釣りや海水浴を楽しんでいましたが、同君がいないことに気づいた家族、親戚らが海中を捜し発見して引き揚げ、病院に搬送されたが、幼い命を失うという心痛ましい、二度と起こしてはならない水難事故が起きてしまいました。
 このことに対し、これから本格的な海水浴シーズンを迎え、ビーチの利用客も多くなることから、今後の再発防止に向け、安全で安心して海水浴ができるよう同ビーチの恒久的な管理対策と安全の確保を図っていただきたいとする上野村当局と、海水浴場として使用されている認識はあるが、地域住民が多目的に水に親しんでもらうために整備したビーチであって海水浴場ではないとする県との間に、本質を見失いかねない見解の相違が露呈しております。
 葬儀の際に親戚代表のあいさつの中で話された、願わくは、二度とこのような悲しいことが絶対起こらないように、裕太君の冥福を祈る意味でも私たち大人は責任を持ってあらゆる方策を講じなければならないことを関係者の皆さんにお願いいたしますとの言葉が今も心に残ります。
 以下、質問いたします。
 ①、上野村「博愛ワイワイビーチ」で起きた、小学生の水難事故についての報告を県警と管理者からそれぞれ行ってください。
 ②、再発防止策はこれまでどのように取り組まれているか伺います。その中で緊急対策としての取り組み、根本的な取り組みについての具体的な考え方をお示しください。
 ③、上野村当局並びに村議会が県に対して要望・要請している事項について、どのように認識し討議されているのか、その方向性をお示しください。
 5、宮古3漁協(伊良部、池間、平良)の振興策について。
 宮古3漁協は、去る台風14号襲来で大きな打撃を受けながらも復興に向け鋭意努力中でありますが、その経営は依然として厳しい状況が続いています。その中で、市町村合併や伊良部架橋実現による流通経路の簡素化、市場拡大、スケールメリットなどに一縷の望みを託しているところであります。
 特に伊良部漁協は、伝統的に漁民従事者数、漁船の数、年間漁獲高も県内ではトップクラスを誇っておりますが、後継者育成問題を初め今後の課題も多く抱えており、適切な振興支援策が必要であります。
 今年度の各組合通常総会においても、3漁協から水産振興策についておのおの多くの事項が要請されております。県はどのように取り組んでいかれるのか、その決意のほどを伺います。
 6、我が党の代表質問と関連して。
 我が党の池間淳議員の代表質問の中から、市町村合併の現状について関連して行います。
 宮古の5市町村が合併して新市宮古島市が10月1日誕生に向けカウントダウンが始っています。しかし、先月28日に合併に関連した伊良部町長の解職要求に関して、最高裁判決で住民投票が60日以内に実施されることになりましたが、その判決による合併への影響について伺います。
 合併に関する今後の手続日程は、住民投票の結果によりどのような影響を与えますか。
 合併調印式は議会決議もなされ、総体的に宮古島市誕生は万全な体制で進めていると確信していますが、県としての見通しについて明確に説明してください。
 以上、とりあえず質問を終わりますが、当然ながら答弁によって再質問とやらをさせていただきます。
○知事(稲嶺惠一) 砂川佳一議員の御質問にお答えいたします。
 さとうきび政策支援の基本方向と影響及び取引価格の仕組みについてお答えをいたします。関連いたしますので一括してお答え申し上げます。
 国は、新たな「食料・農業・農村基本計画」に基づき、経営安定対策として品目横断的政策や品目別政策等を検討しているところであります。
 さとうきびについては、平成17年3月の「砂糖及びでん粉に関する検討会」において、零細な生産構造や台風、干ばつの自然災害等から他の作物への代替が困難なため、品目別政策等を引き続き講ずることなどの基本方向が示されております。
 その内容については、市場の需給状況を反映した原料取引価格への移行、2、糖価調整制度による政策支援などとなっております。
 具体的なさとうきびの原料取引価格などの政策支援のあり方については、秋ごろを目途に今後検討されることになっております。
 次に、さとうきび最低生産者価格廃止に関して、離島さとうきび農家への対応と政策支援についての御質問に一括してお答えを申し上げます。
 さとうきびは、本県農業の基幹作物として農家経済はもとより、地域経済を支える重要な作物であります。特に、離島のさとうきびは台風や干ばつ等の自然条件下にあって、他作物への代替が困難な地域で生産されていることや、製糖を通して雇用機会を確保するなど極めて重要な作物であります。
 このため、県としては、かんがい施設などの生産基盤の整備を初め、機械化の促進、優良種苗の増殖普及、生産法人等担い手の育成など、諸施策を積極的に推進しているところであります。
 また、国の新たな原料取引等の制度見直しに伴う政策支援については、再生産が可能な価格の設定ができるよう県議会、農業団体等の関係機関と連携しながら強く要望していく考えであります。
 次に、離島と本島の県立病院の役割についての御質問にお答えをいたします。
 県立病院は、民間医療機関では対応が困難な医療分野を中心に保健医療圏ごとの地域特性や医療機能に配慮しながら、公的医療機関の役割を担う必要があると考えております。
 宮古及び八重山地域については、本島に比較して民間の医療機能が十分でないことから、宮古病院及び八重山病院においては、当該地域における中核病院としての役割・機能を担い、急性期を中心とする2次医療や救急医療を提供するとともに、可能な限り地域で完結できる医療体制の確保に努めてまいりたいと考えております。
 また、高度・特殊医療など離島地域での対応が困難な医療については、広域基幹的病院である本島の高度・多機能病院(仮称)や中部病院が支援することにより対応することとしております。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○土木建築部長(末吉 哲) 下地島空港の利用についてにお答えいたします。
 下地島空港の利用に関して建設当時の琉球政府と国との間で交わされた確認文書、いわゆる「屋良確認書」や、同空港の管理運営方針に関して昭和54年に県と国とで交わした確認文書、いわゆる「西銘確認書」があります。同空港については、両確認書を踏まえた利用が行われるべきであると考えております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 下地島空港残地における事業の概要等についての御質問にお答えいたします。
 下地島空港周辺公有地の有効利用については、空港機能と連携し、地域の特性を生かしたリゾート型の観光振興等の土地利用を図ることとし、事業導入に当たっては民間活力を積極的に活用することを基本としております。
 これまで伊良部町と連携を図りながら、コミュニティーアイランド事業、体験滞在交流促進事業、都市農村交流施設整備事業を活用した宿泊施設等のほか、パブリックゴルフ場の整備を促進し、県立自然公園整備事業により通り池の歩道等の整備に取り組んできたところであります。 
 同じく、下地島土地利用基本計画の改定についての御質問にお答えいたします。
 下地島空港周辺公有地の有効利用は、宮古圏域の活性化に寄与するものであり、伊良部架橋の事業化及び宮古地域の市町村合併が進められていく中で、中長期的・広域的な視点から取り組む必要があると考えております。
 同じく、県主導型の計画策定についての御質問にお答えいたします。
 下地島空港周辺公有地の有効利用については、これまで伊良部町と調整しながら空港機能と連携した土地利用計画を策定し、各種事業を実施してきたところであります。
 県としては、今後の事業導入についても地元との連携が必要と考えており、宮古島市の発足後、その建設計画を踏まえた土地利用基本計画の見直し等について新市と協議していきたいと考えております。
 次に、我が党の代表質問との関連で、住民投票結果の合併手続への影響及び県としての見通しについての御質問に一括してお答えします。
 宮古地区の合併については、去る3月に、平良市、城辺町、下地町、上野村及び伊良部町において、議会の議決を経て県へ廃置分合の申請が提出され、5月には総務大臣との市制施行協議も終えております。
 この廃置分合の申請は、県が受理した段階においては合同行為としての効力を持つものであり、伊良部町単独では取り下げることができないことになっております。したがいまして、県としては、地方自治法の規定に基づき廃置分合の手続を進めているところであり、伊良部町長のリコール問題による市町村合併への支障はないものと考えております。
 以上であります。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 国立・県立・民間病院の役割等についてお答えいたします。
 我が国の医療制度は、医療法の基準の中で自由開業制度であり、各医療機関の役割についての法令上の規定はありませんが、各病院の開設者本来の責務等を踏まえ、一般的に国立や公的病院は政策医療等を担い、民間病院においては主に一般医療を担うものとなっております。
 県内では、現在、国立大学法人琉球大学医学部附属病院が医師の養成や特定機能病院として高度先進医療等の実施及び研究開発等を行っており、沖縄病院等の国立病院機構が全国の国立病院機構とのネットワークの中で結核医療等の政策医療を行っております。
 また、県立病院については、各圏域の中核として民間病院では対応困難な医療分野を中心に救急医療、周産期医療等高度・特殊医療、離島医療支援等の政策的医療を担っているところであります。
 なお、国の医療制度改革においては、医療資源の効率的活用を図る観点から、公的医療機関と民間医療機関の役割分担及び連携を推進する方向が示されております。このため、本県においても、国立病院との連携はもとより、県立病院と民間病院との適切な役割分担と連携を図る等、効率的な医療提供体制の確保に努めていきたいと考えています。
 以上でございます。
○県立病院監(知念建次) 専門医がバランスよく配置されているかなど離島の県立病院の現状と課題、その対応策についてお答えいたします。
 宮古及び八重山地域については、その地理的条件等を踏まえ、可能な限り地域内で完結できる医療提供体制の充実に努めていくこととしております。
 その中核となる県立病院の機能を維持するためには、専門医を含めた医師の安定的な確保と地域の医療機関との適切な役割分担と連携が重要な課題となっております。
 まず、医師の確保につきましては、今後とも引き続き関係機関への働きかけを行うとともに、県立中部病院で実施している卒後臨床研修事業においても必要な診療科医師の育成を優先的に進める等、あらゆる手段を講じていきたいと考えております。
 なお、医師の定着を図るため外来患者数の適正化や勤務シフトを工夫するなど、医師の労働環境の整備に努めていきたいと考えております。
 また、地域の医療機関との連携については、地域医療連携室を中心に地元医師会の協力を得ながら地域の医療機関との情報の共有化等による相互の連携の強化を図ることとしております。
 さらに、高度・特殊医療や救命救急医療については、中部病院や高度・多機能病院(仮称)がこれらをカバーするとともに、高度・多機能病院に設置する「離島医療支援センター」が総括的な支援を行うこととしております。
 次に、宮古病院に係るワーキングチームの進捗状況と今後の取り組みについてお答えいたします。
 平成16年9月に設置しましたワーキングチームは、昨年度3回の検討会議を開催し、宮古保健医療圏における県立宮古病院の役割・機能や地域医療連携などについて、地元から提案のあった「宮古病院将来構想」等を参考にするとともに、県立病院の今後のあり方との整合性を図りながら検討してまいりました。
 宮古病院の改築に向けての今後の検討に当たっては、昨年度までの検討経緯を踏まえて、次回会議に向けての準備を進めているところであります。今後は、診療体制や診療科目の内容、高度・多機能病院(仮称)との医療連携などといった基本構想の素案策定に必要な項目の検討を行い、改築に向けての作業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、宮古病院脳神経外科の医師確保の見通しについてお答えいたします。
 宮古病院では、脳神経外科の医師が7月末で退職し、10月から地元で開業する予定となっております。その間の8月、9月は不在となることから、本島の県立病院から医師を派遣して対応することとしております。
 脳神経外科の医師確保につきましては、宮古病院長ともども琉球大学や県外の大学に派遣要請を行ってきましたが、臨床研修の義務化に伴い大学においても医師の派遣が困難な状況であり、厳しい状況となっております。
 10月以降につきましては、地元の開業医とも連携しながら対応していくとともに、引き続き県内外大学への派遣要請を行い、医師確保に努めていく考えであります。
 以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 上野村博愛漁港水難事故の概要についてお答えをいたします。
 本件事故は、去る5月4日午後4時20分ごろ、上野村字宮国在の通称「博愛ワイワイビーチ」において、家族でビーチパーティーに来ていた罹災者の小学2年生の男の子が兄や親戚の子供たちとともに遊泳中に、波打ち際で監視をしていた大人が目を離したわずかのすきに、波打ち際から約10メートル地点の水深約2メートルの海中で溺死した事故であります。
 現在、同ビーチの管理者である県と地元の上野村とが連携して再発防止対策に取り組んでいると承知しており、警察といたしましても、こうした不幸な事故が再び起こらないよう関係者や利用者に対し注意喚起をしてまいりたいと考えております。
○農林水産部長(国吉秀治) 上野村博愛漁港における水難事故についての御質問にお答えいたします。
 このたびの事故で亡くなられた児童の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。 
 本水難事故については、去る5月4日に県管理の博愛漁港区域内にある人工海浜内で、家族や親戚とともにビーチパーテイーや遊泳をしている際に起きたものであります。
 続きまして、再発防止策についての御質問にお答えいたします。
 県としては、水難事故防止のため、緊急対策として上野村と連携し、事故の翌日、利用者への注意を呼びかける簡易な立て看板と水深を示すロープを設置しております。現在、海岸利用者への注意喚起の看板の設置、砂浜の敷きならし、水深を示す浮きの設置等を実施しているところであります。 
 県としては、同地区の利用上の安全を確保するため、役割分担を含め、上野村と連携して取り組んでまいります。
 続きまして、要望事項に対する対応についての御質問にお答えいたします。
 上野村からの要望については、安全対策に関する看板設置等4項目が挙げられております。 これらの要望については、上野村と調整しながら取り組んでおり、養浜内の砂の搬入については、海浜の敷きならし等の作業を6月に終えております。安全対策に関する看板設置及びビーチ内の海浜の先端付近の安全対策については、7月の上旬までに看板及び浮きを設置する予定であります。沖防波堤の設置については、今後の砂の移動状況等を見きわめながら、その必要性等も含めて検討していきたいと考えております。
 県としては、引き続き上野村と連携を図りながら安全対策に取り組んでまいります。
 続きまして、宮古3漁協の振興策についての御質問にお答えいたします。
 伊良部町漁協、池間漁協、平良市漁協の3漁協は、伊良部架橋に伴う宮古圏域の水産振興策として漁業生産基盤の整備等を要望しております。
 同要望につきましては、今後、その内容を十分に調査・把握した上で、関係機関と具体的な協議を進めたいと考えております。
 以上でございます。
○砂川 佳一 再質問いたします。
 質問1の④、下地島土地利用基本計画について、県主導型で計画策定してはどうかとの質問に、新市と連携してとの答弁でしたが、ここは県有地、県管理空港だからこそ県主導でやってはどうかと聞いているんです。事業主体の話をしているわけではない。
 いいですか、現在の基本計画は平成10年に策定されていますけれども、国際都市形成基本計画における一角として策定しているんですよ。あれから知事もかわりましたし、例えば下地島空港周辺の国際コンベンションリゾート地区として国際スポーツイベント等を通して国際的な島嶼型保養リゾート地を形成するという項目が明記されているんですが、一向に手をつけられていません。
 それから、あれから既に経済環境を初め社会情勢も変化しておりますし、上位計画である沖縄振興開発計画や離島振興計画なども位置づけも変わっていると思います。ついては、その整合性をもう少し説明していただけませんか。計画の改定を進める必要がないと、新市と一緒にと悠長なことを言っているようですけれども、もう少し前向きに積極的に、県有地ですし、下地島空港と連携して進めて、県主導型で計画策定を改正すべきだと主張しますけれども、そのことについてもう一度お答えください。
○企画部長(上原良幸) 下地島空港の残地の跡利用に関する再質問にお答えいたします。
 御質問にありましたとおり、かなりの県有地があるということで、その整備に当たっては県主導型でやったらどうかという御提案といいますか、御意見だと思いますけれども、これにつきましては、平成10年に改定いたしました土地利用計画に沿って事業を計画したんですけれども、御承知のとおりバブル崩壊後の日本経済等々で、あるいは経済社会環境の大きな変化等によって厳しい状況になり、現在、具体的な展望を見出しにくい状況にあるという中で、このたび新たに宮古島市が誕生、あるいは伊良部架橋の建設ということで、そういう背景を踏まえまして、10月に誕生する宮古島市の建設計画には地域住民の生活利便性の向上はもとより、新市全体の地域活性につながるようなゾーンづくりを進め、特に観光資源のネットワーク化や国際リゾート整備ゾーンと連携を図りながら、新市の未来を切り開く産業振興を展開していくゾーン等の整備を検討していくという極めて大胆なテーマが出ております。
 それで、そういう全体の振興開発の方向性に沿って県と新市がどういう役割を担っていくかということで、新市発足後、速やかにこの協議の場をつくって検討していきたいというふうに考えております。
 以上であります。
○具志 孝助 一般質問を行います。
 私は、今回、2点に絞りまして質問を通告いたしております。
 1点目は、旧軍飛行場用地問題であります。
 旧軍飛行場用地問題は、平成14年に10年間の時限立法として制定された沖縄振興新法に基づいて、沖縄振興計画の中で戦後処理問題として解決すると、こういうように位置づけられております。
 この沖縄振興新法に基づく計画は、申し上げましたように10年間という期限つきであります。平成14年から4年目、来年は5年目でありまして、いよいよこの振興計画も後半に入る状況でありますが、昨日、當間盛夫議員からもありましたように、まだ見通しが立たないと、こういうような状況下にあるわけでありますが、改めて現状について説明をまず求めたいと思います。
 (2)点目は、県は昨年11月、政策会議で解決方法を団体補償方式にすることを確認した。そこで、個人補償を要望する地主会に対する今後の対応を問います。
 (3)点目は、旧小禄飛行場地主会には、解決方法に対する考え方の相違から2つの地主会がある。現状の2つの地主会を相手に解決策、すなわち旧軍事業を実施することができるのかどうか、お考えを尋ねます。
 (4)点目は、県は解決策すなわち旧軍事業を検討するために、次年度予算に調査費等を計上して事業の芽出しをすべきではないかと考えるが、いかがでしょうか。
 昨日、當間議員からの質問もあったことでありますので、進展した御回答を賜りたい、このようにお願いをいたします。
 質問の2点目は、米軍再編問題についてであります。
 米軍再編問題の現状をどのように見ているかと、これが最初の質問であります。
 稲嶺知事は、米軍再編はSACO合意を超えて沖縄の基地負担が大きく軽減されると、このように期待を示しました。
 再編協議は年内決着に向け本格的な協議に入っているようだが、当初、6月中に最終案が日米両政府から提示される予定であったと言われますが、ここに来ておくれていると言われております。
 最近、米国側は、北朝鮮問題あるいは中台問題等の懸念から兵力削減に慎重な発言が目立ってきている。知事が去年暮れからことし初めに、米軍再編で米軍基地はドラスチックに変わると言われたあのころと今日では微妙に変化しているように私は思います。
 再編協議の現状をどのように見ているかお伺いをいたします。
 (2)、改めて日米両政府に率直に県民の心情を直訴する必要があると考えます。
 去る5月30日・31日、自民党、公明党、県民の会、県政会の与党代表は、米軍再編問題で政府要請を行った。普天間飛行場の県外または国外への移転を優先的に進めることを柱に4項目について要望をしました。
 細田官房長官、町村外務大臣、大野防衛庁長官、小池沖縄担当大臣、額賀日米安保・基地再編合同調査会座長等政府要人と自由民主党、公明党の与党2つの政党の三役に強力に要請を行ったところであります。
 政府の反応は、終始慎重な対応であったことが大変印象に残っているわけでありますが、町村外務大臣は我々の要請に対して、普天間飛行場に関してマスコミでいろいろ報道されているが、何も言ったことはない。稲嶺知事も言っているように、SACOは堅持している。一度たりとも変更した覚えはない。現在進められている米軍再編との接点が出てくれば、米国側の方で実態に即した検討がされる。9月に国連で世界の首脳が集まる。その前後に日米首脳会談がある。そこで中間的な取りまとめができると思うと。
 そして、大野防衛庁長官はこのように言いました。
 米軍再編の話は大変厳しい話し合いになる。それは不安定の孤とか中国、北朝鮮等も見詰めないといけない。辺野古という苦渋の選択をしていただきながら反対運動に危惧の念を持っている。せっかく同意を得ているのに進められないことに戸惑いを覚えている。しかし、皆様の要請を重く受けとめている。2月19日の2プラス2で共通戦略目標をつくり、その後の話し合いを進めている。やがて合意に達する。個別の議論はまとめてやるが、そのときには地元の皆さんに御相談申し上げたいし、ことしじゅうには全部決めたいと。
 そして、合同調査会の額賀座長はこのように言いました。
 SACO、辺野古移設が原則。辺野古移設が計画的に進んでいない現状を踏まえ、頭を柔軟にさまざまな可能性を考えなければいけない。その際には在日米軍の機能をしっかり把握することが大切である。沖縄の基地負担軽減は日米両国共通の認識だが、米国は在日米軍の能力を減らすことはできない。ラムズフェルドも、日米は歴史的な決断が必要と話していた。案は、最終的に秋ごろに県民に提示があるであろう。話が詰まってくるのは夏ごろか。訪米は早い時期にした方がよいと。
 こういうようなコメントをいただきました。
 再編協議は、第1段階の共通戦略目標、すなわち抑止力の維持と負担軽減という段階から第2段階の米軍と自衛隊の役割分担に移り、いよいよ米軍再編の核心部分の協議が行われている状況にあると考えます。
 知事の3月訪米では、在日米海兵隊の県外移設を初め4項目の要望であったが、この際、普天間飛行場の返還を前面に立てた解決策を求めるべきではないか。また、基地負担軽減を目的とした米軍と自衛隊の役割分担であるとすれば、事前の情報を得ることが大変重要であると考えます。再編協議の中間取りまとめの前に知事は再訪米されることを望みます。
 質問(3)点目は、米軍基地の日米共同使用案に対する見解を伺います。
 米軍再編協議は、最初に共通戦略として抑止力の維持と基地の負担軽減が確認された。日米共同使用案は、基地の抑止力を維持しながら基地負担の軽減を図るという戦略である。すなわち、簡単にいえば米軍基地は素人の民間ができる業務以外はすべて米軍人が担っているが、これらの業務や役割の中で、自衛隊が担える部分があれば自衛隊に任せることにより基地負担の軽減を図るという発想であると私は考えます。知事の見解を尋ねます。
 (4)、普天間飛行場の分散移転案に対する見解を問う。
 SACO合意による代替施設建設をやめて嘉手納基地への統合や、その他機能を分散して普天間飛行場の閉鎖を図るという考え方である。果たして名護市にかわって普天間飛行場の機能を受け入れるところがあるのか、私は問題であると思っております。知事はどのように考えますか、お尋ねをいたします。
 (5)、代替施設建設は現在の計画案にこだわらず柔軟に対処すべきだと思慮するがどうか。
 代替施設建設はSACO合意から9年目になるが、着工のめどすら立っていない。理由はいろいろあると思うが、現状は地元住民はもとより沖縄県、日米両政府、すべての関係者が困惑している。この現実の前に何が何でも既定どおりに進めるということは決して賢明ではないと考えます。知事の所見を伺いたい。
 (6)、関係団体からSACO合意事案のほかに要望等があれば説明願いたい。
 この再編の機会に他にそういうようなSACO合意以外にあれば説明願いたいということであります。
 質問の最後は、米軍基地あるいは施設で遊休化しているものがあれば明示されたいと。
 以上、お尋ねをいたします。
○知事(稲嶺惠一) 具志孝助議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、日米両政府に対する県民心情の直訴についてでございます。
 県は、これまでも県民が求める過重な基地負担の軽減を求めてきたところであり、今回の米軍再編協議の中で日米両政府に対し、海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等により、本県の過重な基地負担の軽減がなされるよう県の基本的考え方を提示したところであります。
 私は、県の提示した基本的な考え方は県民の望んでいる基地負担軽減の方向に合致していると確信しており、目に見える形で負担軽減が実現するよう引き続き取り組んでまいります。
 次に、米軍基地の日米共同使用案についての御質問にお答えいたします。
 米軍再編の中で日米両政府は、自衛隊と米軍の役割・任務・能力に関して協議しております。
 県としては、抑止力の維持については日本全体で負担すべきものであると考えており、米軍再編に当たっては、県民に新たな基地負担をもたらすことがないよう、状況を見きわめながら適切に対応してまいります。
 次に、普天間飛行場の分散移転案と代替施設建設について一括してお答えを申し上げます。
 米軍再編に係る日米間の協議については、第1段階の「共通の戦略目標」の合意がなされたところであり、現在、第2段階の「日米の役割・任務・能力」について協議がなされていると理解しており、引き続き第3段階として「軍事態勢見直し」が協議され、その中で個別の議論が行われるとされております。
 今後、日本政府から再編協議の内容について提示されることとなっており、その際には県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう的確に対応していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 旧軍飛行場用地問題の現状についての御質問にお答えします。
 県は、旧軍飛行場用地問題について、昨年11月の政策会議で沖縄振興計画に位置づけられた背景や、「旧軍飛行場用地問題調査・検討報告書」も参考にしながら総合的に判断した結果、団体補償を解決策として推進することを基本方向として確認したところであります。
 この考え方については、各地主会や関係市町村にも説明を行ったところであります。
 県の説明に対し、旧軍飛行場用地問題解決促進協議会に加盟する地主会は、基本的に県の考え方に同調するとしております。一方、旧軍飛行場地主会連合会に加盟する地主会は、今後とも個人補償を求めていくとしております。
 県は、今後、関係市町村との意見を集約する中で、県・市町村連絡調整会議幹事会としての考え方を取りまとめ、同連絡調整会議で解決策の方向性を検討し、確認していきたいと考えております。
 県としては、団体方式によって問題解決を図っていきたいと考えておりますが、問題解決に当たっては、地主会の合意が前提となることから、今後とも理解が得られるよう関係市町村とも協力をして取り組んでいきたいと考えております。
 次に、個人補償を求める地主会への対応についての御質問にお答えします。
 個人補償についての問題点を申し上げますと、個人補償では、1つには、法的根拠がなく、また個人個人の補償額の算定が困難であり、解決には長期間を要すること。2つ目に、問題を解決済みとする国の理解を得ることが困難であること。3つ目に、解決の方法としては裁判か政策的配慮を求めるしかないと考えられるが、政策的配慮を求めたとしても、相手、つまり国側ですね、国側の裁量にゆだねられるものであること。4つ目に、県民の総意として、国に沖縄振興計画に位置づけるよう要望したこと等から考えると、本問題の基本的対応方針そのものが変わることになること。5つ目に、現時点において嘉手納裁判を覆す新たな資料や国に土地代金の債務不履行を主張できる新たな資料が発見されていないこと。
 以上のことから、国に対して個人補償を求めることは困難であると考えておりますが、県としては、各種資料の提供など、県ができることについては協力をしていきたいと考えております。
 次に、旧小禄飛行場用地問題の解決策についての御質問にお答えします。
 旧小禄飛行場については、団体方式による解決を求める地主会と個人補償による解決を求める地主会の2つの地主会があることは承知をしております。
 「旧軍飛行場用地問題調査・検討報告書」では、旧軍事業での解決を求める場合、地主会の合意や将来へ旧軍飛行場用地問題を持ち越さないことが前提となっていることから、問題解決に当たっては2つの地主会の合意が必要であると考えております。
 このため、県としては、地元那覇市と地主会との意見調整や相互の関係強化を促すとともに、地主会の理解が得られるよう働きかけていきたいと考えております。
 次に、予算についての御質問にお答えします。
 県が国に対して予算要求を行うに際しては、地主会、市町村、県の三者による解決方針の確認、関係地主会の同意、具体的な要望案の作成等一連の作業が必要であります。また、国との事前調整や了解の取りつけなども必要であると考えております。
 現在、各市町村がおのおのの地主会と意見交換を行い、地域としての解決に向けた取り組み方針を検討しているところであります。
 県としては、条件の整った市町村と地主会が連携しながら順次事業化に向けた調査等を実施することを促進し、同問題の早期解決を図ってまいりたいと考えております。
 次に、米軍再編問題について、抑止力と負担軽減、日米協議の現状についての御質問にお答えいたします。
 米軍再編に係る日米間の協議については、第1段階の「共通の戦略目標」の合意がなされたところであり、現在、第2段階の「日米の役割・任務・能力」について協議がなされていると理解しており、引き続き第3段階として「軍事態勢見直し」が協議され、その中で個別の議論が行われるとされております。
 以上でございます。
○議長(外間盛善) 答弁漏れがあるようです。
 知事公室長。
   〔知事公室長 花城順孝君登壇〕
○知事公室長(花城順孝) 大変失礼しました。答弁漏れがございました。
 まず、米軍再編問題についての、関係団体からの要望についての御質問にお答えします。
県は、米軍基地の再編に当たって、米軍施設の所在市町村長や地主会連合会及び全駐労の意向も伺った上で、県としての基本的考え方をまとめたところであります。その他の団体からは特に要望は受けてはおりません。
 次に、遊休化している米軍施設等についての御質問にお答えします。
 米軍施設等が遊休化しているかどうかについては、管理者である米軍の判断によるものと考えております。
 本県の基地の負担軽減を図るためには海兵隊の県外移転が必要であると考えており、兵力や訓練、施設も含め例外や前提を設けず、すべてを議論の対象にするよう日米両政府に対し求めております。
 以上でございます。
○具志 孝助 再質問を行います。
 旧軍飛行場問題からですね。
 私は、この問題は課題が2つあると思っております。
 1つは、地主会、市町村含めた形でしょうか、事業の受け皿。旧軍事業をどういうぐあいにやっていくか、だれがどんな形でやっていくかという組織の問題ですね。事業主体の問題が1つ。
 そしてもう1点目は、どんな事業をやるか、この2つの問題があると考えます。
 まず1点目の事業主体。
 地域振興に資すると、これが振興新法に基づく事業と、こういうような理解なわけですが、この事業主体が個人補償と団体補償がある。これはもちろん一本化しなくちゃいかぬし、補償は団体補償でなければならないと、こういうことですから、個人補償を求めている皆さんに対してどのように納得させるかということが大きな課題でありますけれども、これはこれとしてやってもらうとして、これは国が認めない限りはどうにもならないことですから、県の理解だけでは進まないという部分があると思っていますから、これは置いておきます。
 そこで、地主会が今2つある。2つある地主会を一本化しないと前に進まないという考えなのか。あるいは地主会が2つあって、事業が2つの事業を考えている、それぞれに考えている。例えば、一方の方は人材育成事業をやっていきたい。それで地域貢献を図りたいと、こういう地主会がある。もう一方の方は、福祉問題をやりたい、あるいは観光関連事業をやりたい。旧軍飛行場用地のあの地理的な場所を生かして観光関連の事業をやりたい。それぞれが違う事業を考えたときには、それぞれ別個の形で受け皿としてなり得るかどうか、これが1点です。
 それと、当該市町村と連携をしながらと言っているわけですが、那覇市をパートナーとして、小禄飛行場用地は那覇市ですから、那覇市をパートナーとした法人組織をこれはもう必定条件であるのかどうか。地主ができるというんであれば地主単独でできるのか、あるいは自治体と地主会が一体となった法人組織をしないとできないというのか、法人組織の問題ですね。これについてはどのように考えるかと、この点について伺います。いいですか。一本化しないとできないのかという話。事業は複数の事業を別々でやることが可能か、2点目ね。法人組織、これをどうしてもつくらなくちゃいけないのかという3点目の事業主体の問題ですね。
 それともう1点、旧軍事業をどういう事業をやるか。事業が出てこないと国の方に持っていけませんよと。あくまでも地主の意思を尊重した事業をやりたいと、慰藉事業をやりたいと、こう言っている。あなたたちから出てこないと動きようがないじゃないですかと言っている。
 ところが、この事業が地域振興に役立ちながら地主にも還元されるようなということはなかなか難しい話。公益性を持った、そういう条件を帯びた法人をつくる、そして事業形態を組織していくというのは、素人目ではできる話じゃないですよ。こういうことをやりたいなというイメージとしてはわいても、具体的に予算要求するほどのものにはならない。私はそういった意味合いでは、専門知識を持ったコンサルタントのアドバイスが必要だと思っているんですよ。これについて、コンサルタント費用を私は予算で計上すべきだと言っているんです。
 大事な再編問題。
 再編問題のまず1点目、知事の訪米です。
 知事は、相手から、国から出されてきたら的確に対応したいと、こう言っているわけですが、額賀さんが言うように、夏ごろには大体話は詰まると言っているんですよ。そして米軍再編をドラスチックに進めるためには、米軍と自衛隊の任務の共同負担なくして私はこれは実現しないと思っている。大変重たい仕事なんです。これを事前にどういう代物であるかということは、やはり情報をしっかりキャッチしないと対応ができないと思っている。そのことの話が詰まるのが夏ごろと言っているわけですから、それが出る前に知事は訪米をされて、みずから普天間の移設、普天間の返還についてこうあるべきだと。前回は、いわゆる米軍の海兵隊の海外移設というようなオブラートに包んだような話だったんですが、ずばり、普天間飛行場が今一番の目玉ですよということをしっかりと伝えることが大事だと思っております。
 もう1点、現行計画を見直すということについては、これも大変重たい話でありますけれども、現実に地元の方からも2期分割案だとかリーフ内浅瀬にやってみたらどうかだとか、あるいはシュワブの陸上案だとか言っておりますけれども、私は、この期に及んで極めて重要ないわゆる示唆だと思っているんですよ。だれがどう言ったという話じゃなくて、時間的な、あるいは経費的な、あるいは環境問題、その他いろいろ考えると、そういうような計画案をしっかり検討すると、こういうようなことも一方においては大事ではないだろうかと思っております。この2点。
 知事訪米について、米軍と自衛隊の任務分担についてしっかりした情報を得るという意味合いにおいても訪米の必要があるんじゃないかと考えますので、お答えをいただきたいと思っております。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後3時0分休憩
   午後3時3分再開
○知事(稲嶺惠一) 具志議員の再質問にお答えいたします。
 再訪米の考えはあるかとの問いに対しましては、今後の状況の推移を見ながら検討していきたいと考えております。
 次の御質問は、態勢の見直しのお話でしたですね。
 これについては、再編協議の内容が日本政府から提示される際には、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう柔軟に対応していきたいと思います。
○知事公室長(花城順孝) 再質問の1つ目ですが、具体的な事業を推進する場合に地主会を一本化しないとだめなのか、二本立てではだめなのか、あるいは法人組織とする必要があるのかと、そういう御質問であったと思いますが、県としては団体方式によって問題解決を図っていくというのが基本的な方針であります。その場合に、団体方式の方向で地主会の合意が前提となるとこういうことでありまして、団体方式に向けて一本化する必要は当然あるわけです。
 事業主体として法人組織が必要になるかどうか、これについては、いわゆる団体方式でどういう事業内容のものを実施するかによって当然違ってくるわけでございまして、これについて現時点で法人組織でなければならないとか、そうでなくてもいいとか、そういうことはちょっと申し上げられないと思っております。
 それから2番目の、事業の内容を検討する際に、いろいろ問題が確かにございます。公益性と個人個人の地主に還元される、これが両立する方法というのは我々でもなかなか議論をしていても難しいですね。そういう意味で、そういう専門家のアドバイスというか、そういったものは当然必要となってくると思います。
 御質問の趣旨は、アドバイスを依頼するための予算について検討できないかということでありますが、この事業についての個々の調査費等、このことも含めた個々の調査費等の予算措置については、まず一義的にはそれぞれの市町村で検討していただくと、そういう必要があると考えております。それが具体的に事業の内容が固まっていく中で国に対する支援を要請していくという、いわば国庫予算を要求していくという段階はその次の段階であろうと、そのように考えております。
 以上でございます。
○具志 孝助 議長、1点。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後3時8分休憩
   午後3時9分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 花城順孝君登壇〕
○知事公室長(花城順孝) 受け皿が2つあってもいいかと、こういう御質問であるかと思います。
 先ほども申しましたように、共同方式による事業というのはいろいろ考えられます、人材育成とかいろんなイメージというものはあります。これが一地域で一つの事業でなくてはいけないかどうか、これも今後の検討課題でありますし、複数の事業が出てきて、それで可ということであればそれは当然事業ごとの内容に適当な受け皿というものがあってもいいと、そういうことは言えると思います。
 以上でございます。
○仲里 利信 皆さん、こんにちは。さわやかにまいりましょう。
 きょうは、私の地元南風原町の特産品でありますかすりウエアを着用してまいりました。このかすりウエアは、県の伝統的工芸品に指定をされておるものでございまして、着心地といい、あるいはセンスといい、大変気に入っておりまして、どうか議員の皆さん、そして県民の皆さんにぜひ愛用していただきたいなと、こう思います。
 きょうは、そういう意味で私の出身地であります南風原町を中心に質問をさせていただきたいと思います。
 まず1点目に、南風原町道3号線の県道格上げと県道240号線(南風原町大名地内)の交差点改良について。
 南風原町道3号線は、南は国道329号より県道240号南風原与那原線を横断し、西原町池田までの2536メートルで、特に県道240号線から字池田間が歩道もなく、未整備の状況となっています。
 当該町道は、西原町池田地内の県道155号を経由し、首里地域や琉球大学や琉大病院に通ずる利便性の高い道路として近年交通量が急増いたしております。
 町道3号線は、国道329号、那覇空港自動車道、県道240号線の迂回路として利用されるようになり、混雑を避けるために一般道より住宅地に流入する状況となり、周辺住民の生活に悪影響を及ぼしております。
 また、昨年は近くに大型店舗も建ち、さらにことしの12月には大規模な映画館が開館する予定となっており、さらに県道240号線に通ずる南風原町字新川地内には平成18年4月開院を目指して県立の高度・多機能病院も建設が急ピッチで進められております。
 このような状況下で、毎年増大する交通量に対処し、沿線住民の安全確保を図るためにぜひ当局の善処方をお願いしたいと思います。
 なお、南風原町6月定例会において同趣旨の意見書を全会一致で可決をし、知事へ要請する運びとなっていることを申し添えておきます。
 そこで伺います。
 (1)点目、南風原町道3号線と交差する国道329号より県道240号線を経て、西原町字池田間の全長2536メートルを県道に格上げし整備を図ること。
 (2)点目、県道240号線と南風原町道3号線が交差する大名給油所一帯を早急に交差点改良を実施すること。
 2点目に、不発弾処理事業に対する支援策について。
 ことしは国内で唯一地上戦が展開されたあの忌まわしい戦争から60年の節目の年であります。県内には今なお戦後処理事業が数多く残されております。その事業の一つである不発弾処理事業について触れてみたい。
 本土復帰から2005年までの34年間に県内で約1500トンの不発弾が最終処理されたことがわかりました。けれども、今なお2500トンの不発弾が地中に埋もれていると言われております。これまで年間25トンが処理されている現状から推察すると、すべて処理するのに今後100年を要すると言われております。
 不発弾の存在は、国が地上戦を引き起こしたことにより発生したものであり、当然、処理にかかる費用はすべて国によって負担すべきであると思います。ところが処理費用を県や市町村に一部負担を強いております。
 一例を挙げると、南風原町の場合、平成15年から平成17年6月まで10件発生し、重機リース料金、砂代、職員の休日出勤などの人件費を含めると2カ年半で339万3245円を町で負担をしております。
 不発弾の処理には、最近では周辺住民の避難距離を短縮するためライナープレートを使用した処理方法や現地爆破する方法で費用がかさむ結果となっております。処理作業は自衛隊によってなされ、これまで約2万7000件が無事故で処理をされております。現在でも知事から自衛隊への要請が年間1000件程度あり、そのうち出動し処理したのが300回とのことであります。
 以上のことを踏まえて県当局の対応を伺います。
 (1)点目、不発弾の処理は戦後処理の一環として国の責任において全額費用を負担するのが筋であり、磁気探査費用を含めて国に要請すべきであると思うが、決意を伺う。
 (2)点目、不発弾の探査を民間工事にも義務づけさせ、費用は全額国庫負担とすること。
 (3)点目、不発弾の処理量は平成17年度末で1500トンに達すると言われる。1500トンもの不発弾処理に携わった自衛隊に対し、県民の感謝の意を込めて表彰すべきと思うが、いかがでしょうか。
 3点目、国場川上流の長堂川河川改修工事に寄せて。
 本題に入ります前に、6月の集中豪雨は113年ぶりと言われ、各地で河川のはんらんにより多大な被害が発生いたしました。被害に遭われた皆さんにお見舞い申し上げます。
 さて、本員は、大雨の最中に本島各地を見て回りました。赤土汚染が最もひどかった地域は大宜味村塩屋湾内、名護市北部農林高校周辺、知念村吉富から具志頭村港川まででありました。その中で大雨のたびに恒常的に赤土流出が認められる地域が北部農林高校周辺であります。発生源の特定と抜本的な対策が求められます。
 本題の長堂川につきましては、去る6月の大雨の中を本員が調査しましたところ、満水時の最大水位は約75%から80%程度で、河川のはんらんや浸水の心配はなかったことを御報告申し上げ、本題に入ります。
 長堂川上流の南風原町津嘉山地域を中心とする一帯は、従来から大雨のたびに浸水による被害が続発し、住宅の床上浸水や企業や畜産被害が発生し、企業の撤退、畜産業の廃業等を余儀なくされた。
 本員は、平成4年、県議当選と同時に南風原町当局と連携をとりながら県当局に早期改修を訴えてまいりました。おかげさまで県当局も要請に理解を示され、平成4年以前は年間100メートル程度の改修工事であったが、以降は急ピッチで工事が進められ、未改修区間の約2300メートルを10年間で工事を完了させていただきました。
 当該河川は、戦前は天馬船により那覇から物資を運搬する生活河川であったと言われております。地域の住民は、工事の完了を祝して津嘉山通り会が中心となって去る4月23日「津嘉山・山下舟入まつり」と銘打って地域の住民を初め関係する豊見城市や東風平町、南風原町山川地域の有志の皆さん500人余りが大雨の中を参加いただき、特に嘉数副知事には御多忙の中を御臨席の上、激励賜り、祝賀に花を添えていただきましたことを御報告いたします。
 当日は、大潮の満潮に合わせて、漫湖のオキチャン公園横からカヌー7艇をこいで津嘉山の川下原まで無事到着いたしました。地域の住民は、長堂川河川改修工事完了を契機に河川に清流を取り戻し、安心して暮らせる地域づくりに取り組んでいく決意を語り合っておりました。席上、次の点に対する指摘がありましたので、当局の所見を賜ります。
 長堂川の河川管理道路は完備をされているけれども、雑草が生い茂り、その用途を果たしていない。地域住民は、その管理道路を水辺に親しむ遊歩道として活用させていただきたい、そのためには早急な整備を切望しているが、対応をお聞かせ願います。
 次に、農業問題について。
 環境と健康が重要視される21世紀の中で、沖縄農業の安全・安心に対する考え方について。
 沖縄は気象的に前線や台風の通り道であり、特に春から初秋にかけ高温多湿で湿潤な亜熱帯モンスーン気候であり、病害虫も発生しやすい。狭い農地で生産性を上げるために連作を余儀なくされる農業では、多くの作物が多少なりとも農薬や化学肥料を使用せざるを得ない状況です。しかし、今までのように品質と収量を確保するための農薬、化学肥料の使用は許されない時代になってまいりました。元気で健康な細胞を持つ農産物はおいしくて、食べた我々を健康にしてくれる。
 健康な農産物は病気にも強く害虫も寄せつけない。いかに健康な農産物をつくるかにかかっております。健康な農産物は、その土地の気候風土の中で旬の時期に健全な土壌から生まれるものであります。健康な土壌は土づくりが大切で、単に畜産廃棄物を堆積して堆肥をつくり使用するだけではできません。消費者が安心できる農産物を提供するのは生産者の責務であり、それが収益にもつながるものであります。そのためには元気で健康な農産物をつくることである。有機農産物をつくれる生産者はそれに挑戦をいたしております。
 有機JAS認定農家はもちろん、エコファーマーや特別栽培農産物は自分たちの農法、いわゆる土づくりの方法、病害虫防除の方法などを確立し、このようにしてできた安全な農産物ですと消費者に安全性や個性を訴えることが大切であり、そうした考え方にならないと沖縄農業の発展は難しいと思います。
 有機栽培は無理だ、農薬や化学肥料がなければ農業はできないと決めてかからずに、消費者が安心できる農産物を栽培する手段はいろいろあり、それを実践することであります。沖縄の気候風土に根差した農産物・風土作物をつくることであります。こうした沖縄農業をよりよく変えるために、今こそ県の積極的な対応が求められていると思っております。
 昨今、BSE問題を初め食品に関する事件は、O-157問題、中国野菜の過剰農薬検出、遺伝子組みかえ食品の是非、大量食中毒事件等が頻発し、これらの事件をきっかけに消費者の食に対する鮮度や味、健康、安全性に対する関心は急速に高まっております。問題になった食品の消費は当然激減しますが、裏を返せば、安全を保証する食品は販路拡大の可能性が高いということになります。最近では生産者の名前や顔写真に加え、農産物へ農薬や化学肥料の使用状況を表示して販売する量販店がふえる傾向にあります。
 本土の大手スーパーやコンビニ等においては、自社ブランド有機農産物を積極的に販売しているようであります。
 生産者サイドにもこうした動きに対応し、有機農産物等の生産に取り組む農家や加工業者が徐々に増加しております。
 農林水産省も新しい農業基本法の制定やグローバルスタンダード(国際基準)の波を受けて、環境、持続性、自然環境をキーワードとして16本の農業関連法案を上程し、制定や改正が行われました――法案に関しては削除いたします――改定することにより、環境に調和した農業生産方式の導入を図り、消費者の要望にこたえられるようになりました。
 これから生産者は、農産物をどのように生産し消費者に提供していくか、国内外の産地と競争していかに収益を得るのかが問われております。今までは高品質、グルメで、珍しい農産物をつくることが高収益につながりました。無農薬では見ばえが悪く収量も少なく、そんな農業では食っていけないと敬遠されがちでした。
 消費者が安全・安心の根拠とするための指標として、有機JAS法のJASマークがありますが、最近、スーパーでは、この有機JAS認証のほかにも減農薬、減化学肥料、エコファーマーシール等と表示され、使った農薬の種類や散布回数など詳しいデータ、生産者の住所、氏名、電話番号なども記された特別栽培野菜、エコファーマー農産物の販売コーナーも見受けられます。
 減農薬、減化学肥料による特別栽培野菜やエコファーマーは、JAS法に基づく有機農産物に比べて条件が緩やかで、商品が確保しやすいことや消費者にも一定の安心感を与えていること等のメリットがあります。
 そこで伺います。
 1番、減農薬、減化学肥料による特別栽培野菜やエコファーマーについて、県の特別栽培農産物認証制度やエコファーマー認証制度に対する取り組み、普及啓発、奨励促進支援等についての現状と考え方をお聞かせください。
 2点目、他県では農薬や化学肥料の使用量を減らして栽培された農産物であることを認証する「特別栽培農産物認証制度」が創設をされ、認証マークをつけた農産物の生産・販売が行われております。
 本制度は、安全な食品を求める消費者ニーズに呼応したものであることに加え、農業生産における環境への負荷の軽減や循環型農業の推進といった面からも非常に期待される制度でありますので、今後、県では本制度の広範な普及に向けどのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。
 3点目に、無農薬、無化学肥料栽培のオーガニックと呼ばれている有機農産物及び有機農産物加工食品に関するJAS法の検査認証制度がスタートし、県内でも有機農産物の生産に取り組む農家が出始めましたが、まだまだ他府県に比べると少数のようであります。県では、今後これらの有機農産物の生産振興についてどのように取り組まれるのか、そして生産者等に対する支援策についてお伺いをし、質問を終わります。
 以上です。
○知事(稲嶺惠一) 仲里利信議員の御質問にお答えいたします。
 不発弾処理に関する自衛隊の表彰についてお答えいたします。 
 さきの大戦で激しい戦闘が行われた本県には、戦後60年を経て今なお多量の不発弾が残されています。
 陸上自衛隊は、陸上における不発弾の除去及び処理という重要な任務に当たり、これまで無事故でその任務を遂行し、県民の生命財産の安全確保に大きく寄与しているところであります。
 陸上自衛隊による不発弾処理は、平成17年3月現在、約1482トンになっております。
 これまでも節目節目で感謝してきたとろですが、1500トン処理の節目には改めて感謝の意を表したいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。
○土木建築部長(末吉 哲) 南風原町道3号線の県道格上げ整備についてにお答えいたします。
 南風原町道3号線の県道格上げについては、地方部における幹線道路網を構成する道路として位置づけられるか、さらに地方の開発のため特に必要な道路であるのかなど、諸要件を慎重に確認する必要があります。
 また、県道としての整備についても、将来交通量、費用対効果、事業費の確保などを十分見きわめる必要があります。このようなことから、当該町道の県道格上げ整備については、今後の検討課題と考えております。
 次に、交差点改良についてお答えいたします。
 県道南風原与那原線――これは県道240号線です――と町道3号線が交差する交差点については、周辺地域の市街化の進展や大規模店舗の進出等で朝夕は交通渋滞が恒常化しております。
 当該交差点の改良については、南風原町と連携し、町道区間を含めた一連の改良がより効果的であると考えており、現在、事業化に向けて南風原町と調整を進めているところであります。
 次に、長堂川の河川管理道路の活用についてにお答えいたします。
 長堂川については、国場川合流点からウフィ橋――これは旧山川橋です――までの整備延長2450メートルについて、昭和52年度から整備に着手し、平成16年度に完了したところであります。両岸には河川巡視や水防活動等のための管理用通路を設置しております。同通路を水辺に親しむ場として活用することは意義のあることと考えております。
 県としては、管理用通路を遊歩道として活用する場合の管理方法について、地元や南風原町とともに検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(花城順孝) 不発弾処理費用の全額国庫負担についての御質問にお答えします。
 不発弾対策事業の探査発掘費用は、国10分の9、県10分の1の負担で行っております。また、市町村支援事業は、国10分の9、県10分の0.5、市町村10分の0.5の負担で行っておりますが、これらの事業の県及び市町村の負担分は特別交付税でおおむね措置されております。
 発見後の不発弾の処理費用でありますが、不発弾の処理費用はその2分の1が特別交付税で措置され、残りについては当該市町村の負担となっております。
 県としては、不発弾の処理費用については戦後処理の一環として全額国庫負担とすべきものであると考えておりまして、今後とも国に要請をしてまいりたいと考えております。
 それから、民間工事における不発弾探査についての御質問でございますが、民間工事に不発弾探査を義務づけることについては法律上の問題があると考えております。
 埋没不発弾の処理については、住民からの情報に基づいて計画的に探査発掘を実施しているところであり、民間工事においても事前に埋没情報の提供があれば交付金事業による探査発掘を行うこととしております。
 以上でございます。
○農林水産部長(国吉秀治) 農産物認証制度等への取り組みについてに関する2つの御質問は、関連しますので一括してお答えいたします。
 農産物の栽培方法に関する認証制度等への取り組みは、安全・安心を求める消費者ニーズにこたえるものであり、県産農産物のイメージアップと環境保全型農業の推進等を図る観点からも重要であると考えております。
 「特別栽培農産物認証制度」については、平成16年度に野菜及び果樹等39品目について、「沖縄県の対象農産物及び農薬並びに化学肥料の使用基準」を制定し、当該認証制度の導入に向け関係機関と検討を進めているところであります。
 また、エコファーマーについては、これまで地区説明会の開催、地区エコファーマー運営会議の設置、県のホームページ等によるPR活動を行っております。現在、北大東村ほか5市町村において9品目、72名の農家が認定されております。
 今後とも、安全・安心な県産農産物の利用促進と環境に優しい農業の振興を図るため、当該認証制度等の推進に取り組んでまいります。
 続きまして、有機農産物の生産振興についての御質問にお答えいたします。
 農薬や化学肥料に依存しない有機農業の推進は、環境保全型農業の確立や安全・安心な農産物の生産を図る上で極めて重要であります。そのため、県では、1、農家に対する堆肥や緑肥等による土づくり支援、2、耕畜連携による堆肥センターの整備、3、天敵や性フェロモンを利用した病害虫防除技術の確立、4、「沖縄県有機野菜栽培指針」による農家の普及指導などに取り組んでおります。
 以上でございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後3時35分休憩
   午後4時2分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 伊波常洋君。
   〔伊波常洋君登壇〕
○伊波 常洋 こんにちは。
 極めてシンプルに質問して、あっさりと終わります。
 地元の伊芸区、そして金武町、そして我々の沖縄県知事、我々沖縄県議会の建設反対の意思にもかかわらず、結局は米国はレンジ4に都市型戦闘訓練施設を建設いたしました。日本政府も当然容認の上で建設がなされました。しかし、結局は、日本政府がその代替をつくる羽目になりました。米国政府は、そのためにあの建物を今むだにしようとしているし、かけた金もむだになろうとしています。逆に、日本政府も最初から我々沖縄県民の声を聞いておれば、わざわざこれから日本の税金を使って代替施設をつくる必要もなかったんです。
 ということは、私が5年前に県議会に登場いたしましてから、日本政府や米国政府の沖縄に対する基地行政を見ますと、いつもそれ以来私が持っている持論があります。日本政府も米国政府も沖縄県民の声を無視すると、結局、基地の運営コストは高くつくぞということです。これから日米両政府とも今回のレンジ4、結局、県民の意思を無視したやり方は日米両政府にはね返ってきて、基地運営が難しくなりますよということを肝に銘じて、今後、日米両政府とも沖縄の基地行政に生かしてほしいものです。
 それでは質問に入ります。
 防衛施設庁が公表した米軍人等による事件・事故件数及び賠償金等支払い実績によると――2003年度の統計です――米軍人等による事件・事故が沖縄県内で公務上168件、公務外で991件起こっております。そのうち損害賠償金が支払われた件数は、公務上で166件、ほぼ全件支払いされております。公務外では何とわずか、たった12件しか賠償がなされておりません。公務外の発生件数と支払い件数が大きく相違しているのは、公務外の事件・事故は原則として当事者間、つまり加害者と被害者の示談により解決するものであり、これが支払い件数に含まれてないことによります。しかし、公務外の事件・事故とはいえ、米軍基地あるがゆえに生じたものであり、また加害者が日本に資産を有しないこと、軍人・軍属の給料の差し押さえが行えないことなどから被害者の救済が極めて不十分であり、実態は、多くの被害者が泣き寝入りの状態に置かれていると見るのが妥当であります。
 このように、米軍駐留のために発生する事件・事故から被害者を救済するためには、日米地位協定第18条の改定が必要です。第18条は、損害補償をうたっております。しかし、改定が実現するまでにはまだまだ時間を要します。
 毎年、多数の被害者が発生している現状からして、改定までの間に被害者救済のための特別立法を法制化することが必要であると私は思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 さらに、県は、県内における公務外被害者への損害賠償金の支払い実態を今まで調査したことがあるかどうか伺います。
 そして、被害者救済のため県がこれまでとってきた施策と、今後この泣き寝入り状態にある被害者救済に対して、対応策があればあわせてお伺いいたします。
 2点目に、合併いたしましてうるま市石川東恩納に中部種畜育成センターというのがありました。御承知のとおり、このセンターは老朽化をいたしまして、今、北部の方へ移転しております。移転後、その用地が地権者へ返還されることになっております。ところが、返還条件や跡利用をめぐって地主の皆様に不安が地元で出てきております。
 そこでお伺いいたします。
 (1)、返還される面積、そして地権者の数。
 (2)、そのうち、企業局のタンク設置用地の買い上げ面積、買い上げ価格。
 (3)、返還するときに返還の説明、それから買い上げの説明を当然地権者になされたと思うんですが、その説明はいつ、そして説明の内容はどのようなものであったかお聞かせください。
 大変肝心なことですが、返還される地主の皆様には引き続きすべて企業局有地あるいは沖縄県有地として買い上げされると誤解している地主も多々おります。今でもそういう勘違いをしている方もいますので、説明の際、全面的に返還する土地もあれば、返還した後買い上げする土地もありますよということを厳格にきちっと説明したかもあわせてお伺いいたします。
 それから、返還地に関しては、今、地主の方から2件ほど県に要請があったはずです。1つは、返還される土地の利用のめどがつくまで暫定期間でもいいから補償してくれ、もしくは法的に補償ができなければ――ここは農地でもできます、宅地もできますので――農地や宅地として使用できるような土地の回復をということで地権者から要請されています。県はどう回答したでしょうか。
 もう1点が、長年県が借り上げしていたものですから、返還された後、個々の地主の境界がもうわからないわけです。ですから地権者の方から地籍の、これは境界というんですか、地籍の境界の確定も早目にしてくれと要望されていますが、どう対応したでしょうか。
 次に教育、その中で県立高校のことについてお伺いいたします。
 県立高校においては、進級規定の見直しがされました。きのう吉田県議の質問に対して、今、沖縄の県立高校の中途退学者の推移はどうなっていますかということがありまして、仲宗根教育長は、平成16年度初めて沖縄は県立高校の中途退学率が全国平均を下回ったと。いい意味での数字が向上したと言っておりましたが、私はこれはそのまま素直に受け取っていいのかなと疑問に思っています。いわゆる進級規定が見直しされて、結果が出たのがつい最近なんですね。16年度からこの見直しの結果が今出てきているわけです。
 この進級見直し規定は、沖縄は余りにも退学者が多いので、ある程度学業は不振でもまじめに学校にさえ来ておれば2年次、3年次で一気に清算しよう、それまではどうにか進級させようという規定だったと思うんですが、その見直しの目的と、見直し前と見直し直後の結果を特に数字で、退学者数で示してください。
 それから、結局この制度は、各学年学年で修得すべき単位を保留したまま3年次まで上げてきます。結局は、修得すべき単位を本来、今までは各学年で処理すべきものを、これを保留のまま2年・3年次まで――多分累積したまま3年次まで行くと思うんですが、そのときに重荷となって一気に退学者数にあらわれてこないか、これはまだ3年目を迎えていませんので。その予測もなされているかお伺いいたします。
 最後に、我が党の池間淳議員の代表質問に関連して、児童虐待について質問いたします。
 昨年1年間に18歳未満の子供が虐待を受けて死亡し、警察が事件処理した49件、51人のうち、12件、14人は、事件発生前に児童相談所や警察など関係機関が虐待を把握していたということがあります。物も言えない、抵抗もできない乳幼児への虐待は、本当にいたたまれないものがあります。そして今回の沖縄の事件がそうであるように、わかっていながら防げないというのはもっとやるせなくなります。
 そこで伺います。福祉の方も、それから県警の方もお願いします。 
 1、虐待の情報をキャッチしたらどう対応を始めるのかお伺いします。
 2、保護するまでの手続、これは事務的な手続もあわせて法的な手続もお願いします。そして保護をだれが決定するのかもあわせてお願いします。
 3、保護するに当たり、関係機関はどこまでの権限があるのか。保護者が拒否すればもうどうにも手が打てないのか。
 昨年秋施行された改正児童虐待防止法、改正児童福祉法を駆使しても去る6月24日の事件は防げなかったのかお伺いします。
 4、現在の沖縄の児童相談所の職員体制、保護施設は十分かどうかお伺いいたします。
○知事(稲嶺惠一) 伊波常洋議員の御質問にお答えをいたします。
 公務外の被害者救済について一括してお答えいたします。
 公務外の事件・事故等の補償については、平成8年のSACO最終報告によって慰謝料や見舞金の支払い手続、前払いの請求、無利子融資制度等に関する日米地位協定の運用の見直しが示され、一定の前進が図られております。しかし、この支払いは法的義務として認めたものではなく、支払いを行うよう努力するにとどまっております。
 また、前払いの請求手続や無利子融資制度についても、法的制度として確立したものではありません。
 県としては、被害者の迅速かつ十分な補償を図るためには、国内法の整備を含め、日米両政府の法的責任で損害を補てんする制度を設け、被害者の補償を受ける権利を法律上明確に規定する必要があると考えております。そのため、日米地位協定第18条の見直しでは、「被害者に支払われる損害賠償額等が裁判所の確定判決に満たないときは、日米両政府の責任で、その差額を補填するものとし、補填に要した費用負担については、両政府間で協議する旨を明記すること。」を要請しております。
 交通事故を初め米軍との事件・事故により被害を受けた場合は、那覇防衛施設局が被害者にかわり損害賠償の手続を行うなど、できる限り被害者に負担をかけないよう努めているとしております。
 公務外被害者への損害賠償金の支払いについては、米軍関係の事件・事故のほとんどが交通事故であり、SACO合意後は米軍人等に対し任意自動車保険への加入が義務づけられ、大部分が保険や示談で処理されているとのことですが、その実態は明らかとはなっておりません。
 県としては、そのような状況も踏まえ、軍転協や渉外知事会を通じて日米両政府や政党に対し、引き続き日米地位協定の見直しを求める考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは、中部種畜育成センターの跡地についての御質問につきましては、関連しますので一括してお答えいたします。
 中部種畜育成センタ-の移転に係る返還面積は2万4128平米、地権者数は31名となっております。 
 移転に係る地権者への説明会については、平成14年度に1回、15年度に1回、16年度に2回の計4回開催しております。
 説明会においては、返還スケジュール、土地の原状回復等について説明し、地主の理解を得るよう調整を進めてまいりました。その結果、平成16年度には事務所や豚舎等の解体、跡地の整地及び畑地への原状回復、地籍境界の確定等を行い、地主への返還を完了しております。
 以上でございます。
○企業局長(仲田輝享) このたび企業局長を拝命しました仲田輝享でございます。安心・安全・安定した水の供給のためしっかり取り組んでいきたいと思いますので、御指導方よろしくお願いいたします。
 それでは、企業局と地権者との用地買収交渉の状況についての御質問にお答えします。
 企業局は、平成22年度、供用開始予定の新石川浄水場建設に伴い、沖縄市以南の9市町村に水道水を供給するための石川低区浄水調整池建設用地として農林水産部の中部種畜育成センター跡地の一部を利用する計画であります。
 同跡地の用地取得の規模は、地権者が11名、筆数が17筆、用地面積6836平方メートルであります。これは中部種畜育成センター跡地約2万4000平方メートルの28%に相当します。
 平成16年7月から地権者と用地交渉を進めております。用地説明会では地権者に対し、調整池建設事業の内容や農林水産部返還跡地の一部買収であることのほか、買収想定単価、土地売却にかかる税等について説明を行ってきております。
 用地取得単価の設定に当たっては、沖縄県の公共事業の施行に伴う損失補償基準により、近隣地域等における取引事例や地価公示をもとに試算をするとともに、不動産鑑定士の行った土地評価を参酌して定めております。ことし5月には用地の再鑑定を行い、用地取得単価は、宅地1平方メートル当たり4万4500円、宅地見込み地1平方メートル当たり3万2800円の2種類の標準単価に区分した上で、実情に応じ各筆ごとに6種類の単価に設定し、用地交渉を進めてまいりました。その結果、大方の地権者につきましてはほぼ同意が得られております。一部地権者については、用地価格においてなお折り合いがつかず難航しておりますが、引き続き粘り強く交渉をし、同意が得られるよう努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) それでは進級規定についてお答えします。
 平成15年度に進級規定の見直しを行いました。
 見直しのねらいは、生徒の学習権を保障し、一人一人の個性や能力を伸ばすことにあります。見直した結果、平成14年度と15年度を比較したところ、中途退学者は平成14年度は1640人で中退率3.0%、15年度は1090人で中退率2.0%となっており、1.0ポイント改善されております。
 各学校においては、単位保留者に対し、可能な限りその学年で単位を修得させるよう指導しております。
 未修得の生徒に対しては、進級後においても追試等を行い、3年次まで累積しないようきめ細かな指導を行っております。
○警察本部長(三浦正充) 児童虐待事案を認知した場合の警察の対応と権限について一括してお答えします。
 警察は、児童虐待に関する情報を相談業務等の各種警察活動はもとより、虐待児童の近親者、近隣住民、保育園、幼稚園、学校、病院等からの通報によって入手するわけでありますが、そうした場合に警察がとり得る措置としては、現に傷を負っている児童の病院への搬送等の初動対応以外に大きく分けて捜査活動と保護活動があります。
 捜査活動については、関係者の事情聴取や被害状況の確認等の所要の作業を行い、必要性に応じ被疑者の逮捕、逮捕のための住居への立ち入り、捜索・差し押さえ等を実施することとなります。
 逮捕の形態としては、事前に逮捕状を請求しての通常逮捕のほか、現に犯罪が行われている場合の現行犯逮捕や、急を要する場合の緊急逮捕があります。
 現在、警察においては、家庭内の問題といえども、事件化すべきものについては積極的に事件化を行い、違法状態の早期除去に努めているところであります。
 本年1月にも110番通報を受け、3歳と9カ月の子供2名に傷害を加えていた両親を緊急逮捕した事例などがあります。
 他方、児童の保護活動については、基本的には児童相談所等が中心となって行っているところであり、警察が事案を認知して現場に臨場した場合でも児童相談所長等に通告して被害児童を引き継ぐことが通例でありますが、夜間・休日等で急を要する場合などにおいては、児童福祉法第33条に基づき、児童相談所長等からの委託を受けて被害児童の一時保護の措置をとることがあり得ます。
 また、警察独自の権限として、児童の生命、身体に危害が切迫し、あるいは現に危害が加えられている場合などにおいては、警察官職務執行法第5条に基づいて警告を発し、または当該行為を制止し、あるいは同法第6条に基づいて住居等に立ち入りをして被害児童の保護を行うことができます。
 このほか、「児童虐待の防止等に関する法律」第10条に基づく援助措置として、警察署長は児童相談所長等から児童の安全の確認または一時保護や立入調査等を行う際の援助要請を受けた場合には警察官を現場に派遣し、児童相談所の活動の援助を行っているところであります。
 こうした警察による捜査活動と保護活動は、もちろん択一的なものではなく、両者が並行して行われることがむしろ通例であります。そしていずれの場合においても、警察が児童虐待事案を認知した場合には児童相談所等へ通告し、連携して事案の処理に当たっているところであります。
 警察には以上申し上げたような権限がございますが、今回の6月24日の事案については、警察においては事前に虐待事案としての把握がなかったため、そうした権限の発動もなし得なかったわけであります。
 警察といたしましては、少しでも早く事案を認知すべく、今後とも児童相談所等関係機関との連携を密にし、地域住民の声に注意深く耳を傾け、児童虐待の早期発見や被害の拡大防止に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 児童相談所の一時保護の権限及び手順についてお答えいたします。一括してお答えします。
 虐待、放任等の理由により当該児童を家庭から一時引き離す必要がある場合など、児童相談所長が必要があると認めたときは、児童福祉法第33条の規定に基づき、児童の一時保護をすることができることとされております。
 保護をする場合には、児童相談所内の緊急受理会議等において児童の現況を協議・検討の上、児童相談所長が決定し、文書により親権者等へ通知することになります。
 なお、一時保護は、児童、保護者の同意を得て行うことが望ましいとされておりますが、児童をそのまま放置することが児童の福祉を害すると認められる場合には、同意を得ることなく行うことも可能であります。
 次に、児童虐待の対応、職員体制及び保護施設についてお答えいたします。
 児童相談所の児童虐待対応は、通告等があった際には児童虐待の初期対応専任の児童福祉司と嘱託員の児童虐待対応協力員が複数で速やかに状況の確認等を行っております。さらに、必要に応じ児童虐待防止支援チームや地区担当の児童福祉司の応援や、警察へ援助要請を行うなどにより、児童虐待の迅速な対応に努めているところであります。
 また、中央児童相談所の一時保護所の定員については、ことしの4月に20名から24名に増員を図ったところであり、このほか、緊急に一時保護を要する場合には児童養護施設や里親等への一時保護委託を行っているところであります。
 以上でございます。
○伊波 常洋 公務外の補償のことについてですけれども、1995年に儀保マリ子さんという方が米軍人の車両によって死亡をしております。
 先ほど知事答弁にもありましたように、SACO合意の第18条によって、これは1996年からそのような公務外の補償の合意ができました。ですから、それ以前は死亡事故でも救済措置が受けられなかったという大変な実態があります。結局、この儀保マリ子さんという方の――死亡事故は1995年でしたけれども――遺族の方は、このSACO合意の1996年の後、1998年に訴訟を起こしまして、1999年に裁判の結果、補償を得ています。そのときは米国側が18%、日本側が82%負担をしております。
 ですから、今回、私が提起をしているのは、これはあくまで沖縄の県民が軍人の公務外だということでこれまでは泣き寝入りが多過ぎると。ですから、たとえ公務外といえども、一義的には、法的には加害者の責任です。しかし、米軍人という特殊事情ゆえに何はともあれ日本政府が補償すると。そしてその後、一義的な責任者である加害者あるいは米国が、日本が肩がわりした分を後で日本政府の求めによって補てんするというのが趣旨ですので、基地行政の責任者である稲嶺知事、どうぞこの件、今後力を入れて進めてください。要望だけです。
 それから種畜場の跡地利用問題ですけれども、企業局の買い上げ用地に関しては2回目の鑑定を入れております。1度目の鑑定からこれが実際の価格提示には再鑑定をやったと、その再鑑定をなぜせざるを得なかったか、その理由をお聞かせください。
 それから、返還される返還地については農水部の方は原状回復は済んだということですが、地主の方は原状回復とは思っておりません。そういう地主の方の原状回復については、地主側が原状回復はされてないんだということについて話し合いされたか、今後も話し合いをしていく気持ちはあるのかお伺いをいたします。
 それから最後に児童虐待の件ですけれども、結局は今回の6月24日の死亡事件もわかりながら防ぎ切れなかったんです。私は、これは法的な問題が非常にあると思います。
 そこで最後に伺います。
 この児童虐待を防ぐために県警として、警察行政として、あるいは福祉の方としてさらなる法整備が必要と思っているのかどうか伺います。
 終わります。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後4時35分休憩
   午後4時36分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 国吉秀治君登壇〕
○農林水産部長(国吉秀治) 中部種畜育成センターの跡地に関しましては、私どもといたしましては、豚舎等の解体、跡地の整地ということで、16年12月中にすべてを完了し地主にお返ししたというふうに理解しておりますが、今、御指摘のように、原状回復が十分ではないというふうな意向は私ども確認はしておりません。したがいまして、どういうことで原状回復がされてないのかということの状況といいますか、そういったことはまた地主の方に確認したいと思っております。
 以上でございます。
○企業局長(仲田輝享) 再鑑定を行いましたのは、いわゆる農林水産部が中部種畜育成センター用地から原状回復をして返還するということで、いわゆる用地を造成をいたしましたので、土地の形状が大分変わってきたということで再鑑定を入れたということでございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後4時38分休憩
   午後4時38分再開
○警察本部長(三浦正充) お答えを申し上げます。
 児童福祉法もしくは児童虐待防止法は、これはいずれも厚生労働省所管の法令でございますので、私の立場でその法改正の必要性等について申し上げるのはいかがかと思いますけれども、いずれにしても、今回の事案につきましては法律上の権限の問題云々というよりはむしろ事実認定の問題と申しますか、運用の問題であろうというふうに認識をいたしております。
 先ほども御答弁申し上げましたけれども、やはりそういった兆候というものをいかに早く的確にキャッをして、それに伴って迅速に対応していくかということが今回の事案の反省点といいますか、その要諦であろうというふうに考えております。
 直接今回の事案をもって法改正の必要があるかどうかということについては、特にそういった点についての問題性は今のところは私個人としては感じてはおりません。
 以上でございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後4時39分休憩
   午後4時40分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 福祉保健部長。
   〔福祉保健部長 喜友名朝春君登壇〕
○福祉保健部長(喜友名朝春) 法整備の問題ということに対する件についてお答えをしたいと思います。
 昨年の10月に虐待防止法が改正されたことによりまして、「虐待を受けた者」から「児童が虐待を受けたと思われる者」に広がったということと、それから通告の義務の範囲が広がったということで、十分に虐待に対応していくためには今後は制度の周知を十分に図っていく必要があるというふうに思っております。
 なお、今回の虐待死事件につきましては、児童相談所がかかわっていたということもありまして、今後、児童相談所としてのかかわり方が十分だったかどうかも含め、外部の専門家も含めた検討委員会を設置し検証するとともに、いま一度、児童虐待のあり方を点検してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○新垣 哲司 最後になりました。粛々と質問をしたいと思います。
 去る6月12日から17日までの6日間、上海事務所の設置に当たり開所式や記念レセプションを行い、内外の関係機関に事務所のオープンを周知させるとともに、知事を先頭に約70名、関係部長、職員の皆さん、そして議会からは安里進議員、代表質問なさった國場幸之助議員を初め県内の経済団体と上海政府関係者や現地企業との交流の機会を設けることとしながら、沖縄・中国間の経済交流、観光誘致などの幅広い交流を推進し、あわせて減便となった沖縄―上海間の航空路線の増便や北京路線の新規開設について、中国政府の民用空港総局長や関係航空会社に対し上海、北京での要請活動を行ってまいりました。
 その要請の中で、今、中国と日本が冷え切っております。その沖縄の現状を稲嶺知事が中国の李外務大臣を初め多くの大臣にわかりやすく沖縄の現状の説明をいたしました。
 福建省とは630年余の沖縄との交流があり、その文化も取り入れている。中国の官僚というのは大臣クラスでも40代の若い方が多い。そして沖縄を知らない方もいらっしゃる。またよく知っている方もいらっしゃる。そこを稲嶺知事がしっかりと説明をし、みんな理解した、立派だった、知事に改めて感謝を申し上げる次第でございます。
 しかし、病院問題はちょっとね。全力投球で知事頑張っていただきたいということを申し上げます。
 それでは質問に入ります。
 1、沖縄県西海岸道路の国道331号豊見城・糸満道路の完成の見通しについて。
 糸満市西崎埋立事業の推進により住宅団地、工業団地、水産加工団地、商業加工団地、商業地域、学校の公共施設の整備が進められており、そのため人口増加に伴い日増しに交通量が増大し、糸満―那覇間の交通事情は極めて深刻な状態である。
 この事業については、平成18年度に小禄バイパスから豊崎を経由し西崎まで、昭和22年度に西崎から豊崎まで暫定使用し、開始予定とのことであるが、現国道331号の慢性的な交通渋滞による経済的損失、また潮崎の活性化や分譲地の処分等にも影響を及ぼしています。早急な開通が求められているが、現状はどうなっていますか伺います。
 次に、「平和の道」構想についてでございます。
 国道331号糸満バイパス―全国植樹祭跡地―平和祈念公園を結ぶ「平和の道」は、糸満市の南部沿岸域は沖縄戦終えんの激戦地であり、多くの戦跡等がある。そのため、平和祈念公園を中心に整備がなされているが、慰霊の念を遵守する余り保全が主体となり、利便性の問題が指摘されている。
 年間を通して多くの観光客、修学旅行者がこの地を訪れるが、沖縄戦跡国定公園地域の広さに対し、道路網の整備が不十分なため利用者が戸惑っているのが実情である。那覇空港から平和創造の森公園(全国植樹祭跡地)・戦跡史跡の散在する南部沿岸を経て平和祈念公園までの統一的なアクセス幹線「平和の道」の整備が急務であるが、進捗状況はどうなっておりますか、伺います。
 次に、県水産試験場の早期移転についてでございます。
 平成14年3月に策定の沖縄県水産試験場研究体制整備構想の中で、現水産試験場においては施設の老朽化が進行し、生活排水等の海域への流入や埋め立てなどによる海水の水質汚染のため、試験研究環境が著しく悪化しているそういう状況にあり、生産現場の技術ニーズや水産業振興に対応した調査研究に取り組むため移転整備を急務に推進する必要があり、沖縄県試験場整備基本計画策定に検討委員会における答申はされたのかどうか、その事業内容について伺いたい。
 次に、海洋深層水利用施設の建設について伺います。
 糸満市は、国のマリノベーション構想地域指定を受けるなど、これまで水産業の振興に力を注いできたところである。また、海洋深層水を活用した地域振興のための基本構想を策定したところであり、これからは県の水産試験場や農業研究センターとも連携を図りながら、水産業、農業の両分野を初め、海洋深層水を活用した諸事業の展開を図っていただきたい。
 海洋深層水利用施設は、水産都市糸満市にふさわしい施設であり、深層水利用に関する事業を推進するための研究拠点として同施設を糸満市に建設が必要と思うが、どのようになっておりますか、県当局に伺います。
 次に、南部病院の今後の対応について伺います。
 県は、南部病院の移譲条件等検討委員会は8月に公募し、10月ごろまでに内定し、来年の4月までの移譲を目指していると、そういうふうに言っております。南部の市町村長や市議会議長会、県議会南部振興議員連盟、市、地元の経営移譲等反対協議会は、南部病院の移譲・移転はまだこれは認めておりません。
 昨今の新聞紙上やマスコミ等によると、選択肢の一つとして赤十字病院の名が挙がっていますが、しかしこれについてもまだはっきりはしておりません。だが、赤十字病院であれば、いわゆる公共性が高いということで南部の各種団体から一定の評価を得ているわけであります。どうぞ県当局におかれましては、その評価に対してどのようなお考えを持っているか示していただきたい。
 そしてまた、現那覇病院――旧琉大病院でございますが――この件については30有余年の年月がたち、老朽化が激しく、そこの建物を使用するということは非常に困難だというふうに聞いております。応募して売却をしたいというようなことがありますか。応募するんであればどういう形の応募をするのか。病院を優先するのか、そして時期はいつなのか、踏み込んで御答弁を賜りたい。
 質問は以上ですが、1点だけは再質問させてください。
 よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 新垣哲司議員の御質問にお答えいたします。
 国道331号豊見城・糸満道路の完成見通しについてお答えいたします。
 沖縄西海岸道路を構成する国道331号豊見城道路及び糸満道路については、国において重点的に整備が進められております。
 国は、今後とも豊見城市、糸満市の協力を得ながら全線の早期完成に向けて取り組んでいくとのことであり、県としても当該道路の全線供用に向け引き続き国へ働きかけていきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。
○土木建築部長(末吉 哲) 「平和の道」の建設についてお答えいたします。
 糸満市南部海岸一帯は、沖縄戦跡国定公園に指定され、多くの観光客、慰霊団、修学旅行生が訪れることから、県としては、この一帯へアクセスする道路整備は必要であると認識しております。このため、県では、国道331号真栄里入口交差点から平和創造の森公園までの海岸線沿いに県道「平和の道線」――仮称ですが――の整備を計画しております。
 現在、糸満市とのルート調整が順調に進展していることから、今後は事業化に向けて環境影響評価、道路区域変更、国庫補助事業採択要件確認など、関係機関と協議を進めていきたいと考えております。
 以上です。
○企画部長(上原良幸) 水産試験場の早期移転についての御質問にお答えいたします。
水産試験場は、移転整備以来30年が経過し、施設の老朽化が進んでいることから、新たな研究ニーズや先進的な研究開発に対応する研究施設の整備が必要であると考えております。このため、沖縄県水産試験場整備検討委員会を設置し、移転場所等研究内容について検討を行ったところでありますが、厳しい県財政の状況等もあり、最終的な結論には至らなかった経緯があります。
 今後の移転整備に当たっては、試験研究に必要な海水の確保、調査船の係留及び用地取得の容易さ等を総合的に勘案し検討していきたいと考えております。
 同じく、海洋深層水利用施設の糸満市への建設についての御質問にお答えいたします。
 県は、平成12年度、久米島に海洋深層水研究所を設置し、水産及び農業分野等において海洋深層水の利用に向けた研究開発に取り組むとともに、企業への分水等を行っております。
 県としては、今後とも同研究所の充実を図り、深層水の新たな利用に向けた研究開発を強化し、産業の創出を図っていきたいと考えております。
 新たな深層水利用施設の建設については、深層水利用に関する市場性及び事業採算性等を総合的に検討した上で判断されるものと考えております。
 以上であります。
○県立病院監(知念建次) 南部病院の経営移譲に係る赤十字病院への評価及び県立那覇病院跡地についてお答えいたします。
 南部病院の経営移譲につきましては、県立南部病院の移譲条件等検討委員会の意見を受け、公募要領を作成中であり、8月までには公募を実施したいと考えております。
 今後は、議員御指摘の赤十字病院が応募してきた場合を含め、応募してきた団体に対し移譲条件等検討委員会からの移譲先団体の選定に当たっての基本的な考え方や条件等についての意見、糸満市を初め地域住民との意見交換を踏まえ、ヒアリングや審査などの手続を進め、県立南部病院の移譲を適正かつ円滑に進めたいと考えております。
 次に、県立那覇病院跡地についてでございますが、病院事業においては、現在のところ跡利用計画はございません。
 当該地につきましては、県立病院事業の厳しい経営状況を踏まえ、公共目的での優先利用に配慮しながら適正価格により処分を行う方針であります。
 以上でございます。
○新垣 哲司 1点が2点になりました。
 土建部長、国道については非常に国も厳しい予算の状況で、年間に3億ぐらいから4億ぐらいの程度ですよね。これは県の事業じゃないです。どしどし陳情してくださいね。要望いたします。皆さんの御苦労はわかります。
 それから企画部長、水産試験場は、これは現在糸満にあるのは移転なんですよ、移転のため。私は、だから踏み込んで、場所であれば糸満であればどこかと。あれはもう糸満、移転なんですから。同じところに移すだけなんですから。他のところへ行くわけじゃないんだから。もう皆さんは大体検討委員会でも検討されていることも聞いていますよ。予算の都合というんですが、これはもう何年になりますか。水産業に悪影響を与える。これでは将来の沖縄の水産業が困る。一日でも早く場所を選定して、しっかりやっていただきたい。ちょっとその件について、今言った、どこに移すかということを伺います。
 知事、中国で6日間御苦労した仲ではございませんか。知事が沖縄県を思う気持ち、これは李外相、みんな知っているんだ、評価したんだ、私もそばで聞いていて。
 だから、私も知事を見習いまして、今、南部病院問題、非常に困っている。23団体ありまして、これから応募をするというんですが、しかし南部の各種団体はぜひとも赤十字に来ていただきたいと、こういう意見があるんですよね。もう今、検討委員会は進んでいるが、あるんですよ。だから、私は、ここまで来た以上は、選択肢の一つではあるんですが、知事。知事にしっかり頑張っていただきたい。これは相手が来なければどうしようもありませんが、しかし努力は必要なんですよ。なぜなら、廃止して、移譲して民間にさせたいということですから、その辺の知事の努力、考え方を示してください。お願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後5時3分休憩
   午後5時4分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 新垣哲司議員の再質問にお答えいたします。
 新垣哲司議員の南部地域及び南部病院に対する深い思いを感じております。その意味で私どもとしては、大変重要なことは、いかに糸満及び南部の皆様方が望む方向に近い形でどうとれるかということに対して、今後とも全力を尽くしていきたいというふうに思っています。
 いろいろ今お話がある中からも十分にその辺を勘案しまして、その中で最もベターな方法について進むように努力をしたいと思います。
○企画部長(上原良幸) 行政改革が進められている中で箱物整備抑制がついておりますけれども、御発言の趣旨を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(外間盛善) 以上をもって通告による一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております乙第1号議案から乙第18号議案までについては、お手元に配付してあります議案付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
   ――――――――――――――
   〔議案付託表 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
○議長(外間盛善) この際、報告いたします。
 先ほど、伊波常洋君外13人から、議員提出議案第1号在沖米空軍隊員による少女強制わいせつ事件に関する意見書及び議員提出議案第2号在沖米空軍隊員による少女強制わいせつ事件に関する抗議決議の提出がありました。
 よって、この際、両案を日程に追加し、一括議題といたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第1号及び第2号を日程に追加し、一括議題とすることに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(外間盛善) 議員提出議案第1号 在沖米空軍隊員による少女強制わいせつ事件に関する意見書及び議員提出議案第2号 在沖米空軍隊員による少女強制わいせつ事件に関する抗議決議を一括議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 伊波常洋君。
   ――――――――――――――
   〔議員提出議案第1号 巻末に掲載〕
   ――――――――――――――
   〔伊波常洋君登壇〕
○伊波 常洋 ただいま議題となりました議員提出議案第1号及び第2号について、提出者を代表いたしまして提案理由を御説明申し上げます。
 去る7月3日午前8時24分ごろ、在沖米空軍嘉手納基地所属の隊員による小学生に対する強制わいせつ事件が発生し、被疑者は緊急逮捕されております。
 本県議会は、これまで米軍人・軍属等の事件・事故が発生するたびに綱紀粛正、再発防止等を米軍等に強く申し入れてきたところでありますが、今回このような無抵抗な小学生に対し人権をじゅうりんする重大な犯罪が発生したことは断じて許すことができません。
 よって、県民の生命財産の安全を守る立場から、今回の少女強制わいせつ事件に対し厳重に抗議するとともに、被害者及び家族への謝罪、補償、実行ある再発防止策等について関係要路に要請する必要があるということで本議案を提出した次第であります。
 意見書を朗読いたします。
   〔在沖米空軍隊員による少女強制わいせつ事件に関する意見書朗読〕
 以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 なお、両議案につきましては、その趣旨を関係要路に要請するため議会代表を派遣する必要があるとの意見の一致を見ております。そのうち、在日米軍沖縄地域調整官及び在沖米国総領事及び第18航空団司令官につきましては、その趣旨を要請するために米軍基地関係特別委員会委員を派遣する必要があるとの意見の一致を見ておりますので、議長におかれましてはしかるべく取り計らっていただきますようお願い申し上げます。
○議長(外間盛善) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
 質疑はありませんか。
   〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第1号及び第2号については、会議規則第37条第2項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
 よって、両案については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(外間盛善) これより議員提出議案第1号在沖米空軍隊員による少女強制わいせつ事件に関する意見書及び議員提出議案第2号在沖米空軍隊員による少女強制わいせつ事件に関する抗議決議の2件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
 よって、議員提出議案第1号及び第2号については、原案のとおり可決されました。
   ――――――――――――――
○議長(外間盛善) ただいま可決されました議員提出議案第1号及び第2号については、提案理由説明の際提出者から、その趣旨を関係要路に要請するため議員を派遣することとし、そのうち、在日米軍沖縄地域調整官、在沖米国総領事及び第18航空団司令官については米軍基地関係特別委員会委員を派遣してもらいたいとの要望がありました。
 よって、お諮りいたします。
 議員提出議案第1号及び第2号の趣旨を関係要路に要請するため議員5人を派遣するとともに、議員提出議案第2号のあて先のうち、在日米軍沖縄地域調整官、在沖米国総領事及び第18航空団司令官への要請については米軍基地特別委員会委員を派遣することとし、その期間及び人選については議長に一任することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 休憩いたします。
   午後5時14分休憩
   午後5時15分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 日程第5 陳情第85号、第89号、第94号及び第97号の付託の件を議題といたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの陳情4件のうち、陳情第85号及び第89号の2件については米軍基地関係特別委員会に、陳情第94号及び第97号の2件については観光振興・新石垣空港建設促進特別委員会にそれぞれ付託の上、審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(外間盛善)  この際、お諮りいたします。
 委員会審査及び議案整理のため、明7月7日から13日までの7日間休会とすることにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(外間盛善) 御異議なしと認めます。
 よって、明7月7日から13日までの7日間休会とすることに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(外間盛善) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 次会は、7月14日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時17分散会

 
20050307000000