平成17年(2005年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 9月27日
 


○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた人事委員会委員長嘉手納成達君は、所用のため本日から30日まで、10月3日及び4日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長瀬良垣馨君の出席を求めました。
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○議長(外間盛善) この際、念のため申し上げます。
 本日から30日まで、10月3日及び4日の6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(外間盛善) 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 安里 進君。
   〔安里 進君登壇〕
○安里  進 おはようございます。
 自民党を代表いたしまして質問するわけでありますが、ちょっと31分ぎりぎりでありますので、早口になるおそれがあります。よろしくお願いします。
 第44回衆議院選は、11日に投票、即日開票されました。その結果、我が自民党は296議席を獲得し、歴史的な大勝利を果たしました。
 衆議院選での自民党単独の過半数獲得は、1990年2月選挙以来で、96年に小選挙区制が導入されてから初めてであり、いろいろな改革を国民が認知したものと思います。加えて我が会派に親川代表率いる県政会の3名が入会派し、しかも女性の辻野県議が入ってきて明るくなってきました。
 そのようなことで、我が自民党会派は一層頑張らねばならない決意をし、質問をいたします。
 1、知事の政治姿勢について。
 憲法改正について。
 我が自由民主党は、このような国際・国内の状況の変化を受け、結党50周年を迎える2005年11月をめどに憲法改正草案の大綱をまとめ幅広く議論をしてまいりました。このたび党新憲法指導委員会において第1次起草案を提示いたしました。憲法改正に関するさまざまな議論が起きている中、我が自民党も論議の中核を担う決意であります。
 現憲法は、制定されて以来たった一度も改正されたことがない、まさに不磨の大典と化している感がするのでありますが、私は現憲法の果たしてきた役割は極めて大きいものがあると思います。しかしながら、戦後に成立してから60年近くにもなった現在において、さまざまな問題が惹起されるようになったことで改正論議が出てきているのであります。
 例えば、安全保障問題が絡んだ9条の解釈の拡大、国際貢献への対応、89条の公の支配に属さない教育事業への公金支出問題、そして環境権、情報公開、人格権、プライバシーの保護などといった新しい問題への対応等、現憲法の解釈を超えた問題が続出しております。
 昨今の日本世論調査会や各種の憲法世論調査によれば、憲法改正容認が多数を占める結果となっており、国民の間にも改正論議を容認する空気が広がっていることがうかがわれます。しかし、本県においては、さきの大戦の影響、米軍基地の集中等の状況から複雑な思いがすることも否めないのであります。
 このような現状、本県の置かれた状況等から、今、論議されている憲法改正問題について知事の率直な御所見をお伺いします。
 ①、第1次案であるとはいえ、自民党が戦後60年を迎えた節目に新憲法改正草案を国民の前に示した意義は大きいと思うが、知事の御所見を伺いたい。
 ②、草案は、現憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義は継承し、その上で国民の間に定着した自衛隊を自衛軍として憲法上明確に位置づけ、国家及び国民の安全を確保するとしている。これについて知事の御所見を伺いたい。
 ③、現在の自衛隊が憲法上明確に位置づけられ、日米安全保障体制がさらなる強化をされることが、本県に駐留する海兵隊を中心とする米軍の整理縮小につながると思うがどうか。
 (2)、教育基本法の改正について。
 平成15年3月20日、中央教育審議会は昭和22年3月31日に施行されて以来、一度も改正されなかった教育基本法の改正を初めて答申、その内容は、現行法の基本的理念である「個人の尊厳」、「平和的な国家及び社会の形成者」などの理念は残すべきとして、その上で、制定から半世紀以上を経て教育全般に問題が生じており、教育理念や原則を明確にするため基本法の改正が必要となっております。
 教育基本法は、国を根底に置いて支える国民の形を精神的・内面的に方向づけるものであり、その意味で国の形を原理的・外形的に規定している憲法とは車の両輪をなしており、この2つが相まって国家体系を形づけているとも言えると思います。
 このような観点から教育基本法を見た場合、現在、学校現場で起こっている校内暴力、不登校問題、教育現場に対する不信等の問題は、教育の自主性、伝統の尊重、家庭・家族の尊重等といった人間社会に当然あるべき要素に教育基本法が対応できない時代になってきていると思うのであります。
 教育基本法の改正論議には強い反対意見もありますが、これからの我が国の新しい時代に沿った教育の理念と方向性を定めることが必要なことは国民の間にも異論はないと考えます。このような多くの議論がある中で、さきの大戦を経験した沖縄の場合、特殊な感情があると思いますが、率直な意見をお伺いしたいと思います。
 ①、昨今の国民の教育現場に対する批判や少年犯罪の深刻化など、青少年を取り巻く教育環境の悪化は、教育の根本をなす教育基本法が時代にそぐわなくなったことが原因と思うが、教育長の御所見をお伺いしたい。
 ②、教育基本法に基づく教育の基本理念と学校現場における現実の指導との間に乖離があるのではないかと懸念しているが、教育長の御所見をお伺いします。
 2、在日米軍の再編問題についてであります。
 米国の長期的世界戦略の中で、米軍の戦略の変化に伴う戦略拠点としての沖縄基地の位置づけや沖縄駐留のあり方を見直そうというものであり、日本側には日米安保体制の維持・継続の必要性と、戦後59年を経過し、県民の負担の状況に対する配慮の必要性を無視し得なくなったことが背景にあると思われます。
 (1)、在日米軍の再編問題と米軍兵力の削減について。
 ①、渉外知事会が日米両政府間で進められている米軍再編協議の情報提供を政府に求める緊急要請を決議した。町村外相は、関係自治体の幅広い意見を聞き、節目で日米協議の内容を報告するとしていたが、県は政府からどの程度の情報提供を受けたか伺いたい。
 ②、今までの米軍再編協議の状況から普天間の県外移転は望めず、嘉手納基地へ統合する案が浮上しているが、これに対する県の対応を伺いたい。
 ③、普天間の嘉手納統合案は、SACO合意に反するだけでなく、県の意向を無視し、三市町連絡協議会も反対決議を行ったが、本県の基地の整理縮小を図る観点から受け入れる環境にないが、知事はどのように対応するかお伺いします。
 ④、知事は、SACO合意から踏み込んだ形で普天間の県外移転を政府に求めたが、政府は、米軍再編協議に県の意向を反映させた形跡はない。県と政府との連絡体制は機能しているのか伺いたい。
 ⑤、稲嶺県政には、米軍基地整理縮小を進めると同時に、経済の振興を図ることも期待されて、県民から県政を任された原点を忘れてはならない。基地問題で政府との関係が冷え切った現在の状況は、本県の基地の負担を軽減する千載一遇のチャンスを逃がすことになると危惧するがどうか。
 ⑥、日米両政府は、普天間移設との関連で嘉手納の暫定使用を検討しているということだが、県はこれらの情報を把握しているか。また、この問題に対する知事の御所見を伺いたい。
 3番、普天間飛行場の移設建設問題について。
 (1)、普天間飛行場の移設問題について。
 米軍再編による沖縄の負担軽減は、これからどのような展開を見せるのか明確に見通すことはできませんが、はっきりしていることは、普天間の県外や海外移転は極めて難しい状況にあるということだけであります。
 このような状況を考えたとき、日米両政府による正式な合意は、SACO――普天間の辺野古沖への移設だけであるということを忘れてはならないと思います。米軍基地の負担を戦後60年間にわたって強いられてきた沖縄だからこそ、基地の負担軽減につながるものは何かを現実に見据えて着実に成果を得ることが重要であると考えます。
 そこで質問いたします。
 ①、普天間飛行場の辺野古沖への移設についてはSACO合意から9年を経過しており、また県が普天間の県外移設を求めたことなどから、もはや破綻したとの声も聞こえるが、知事はこのことをどう認識しているか。
 ②、県内報道機関が実施した世論調査で、普天間の辺野古移設に反対が82%を占めているとのことである。これに対する知事の御所見を伺いたい。また、県と国との間に普天間移設の手法をめぐり意見の相違、亀裂が見られるとの指摘もあるが、知事の認識を伺いたい。
 (2)、普天間代替施設建設に係る環境影響評価について。
 普天間飛行場の代替施設建設に伴う環境影響評価(アセスメント)ボーリング調査については、現在、事業者である那覇防衛施設局によって辺野古沖において作業が進められております。しかしながら、ボーリング調査は当初は2004年度中に終える予定であったのですが、もろもろの影響、とりわけ反対派による作業の妨害により作業が進まない状況に陥っているのであります。現在、日米両政府の間で進められている米軍再編についても何ら確約されたものは出てきていないのであります。ただ一つ確かなことといえば、平成12年12月2日のSACO
最終報告に基づく合意事項の普天間飛行場の県内移設だけであります。
 知事も常々、明確なものはSACO合意だけと述べられております。そうであれば、早期に移設建設作業が行われるよう県としても作業環境整備にかかわっていく必要があるのではないでしょうか。
 そこでお伺いします。
 ①、現在行われている環境影響評価(アセスメント)のボーリング調査の進捗状況と調査上の問題点は何か、伺いたい。
 ②、マスコミ報道によると、小泉首相の意向を受けて、辺野古沖ボーリング調査の夜間作業は中止されたが、これにより作業のおくれは確実と思われる。県はこの状況をどう判断しているか。
 (3)、普天間代替施設の使用協定について。
 普天間飛行場の移設候補地としてキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域に決定されたのを受けて、名護市は受け入れ条件の一つとして国に提示したのが基地使用協定の締結であります。
 国は、閣議決定で使用協定の政府方針を決定し、平成12年11月には実務者連絡調整会議を設置し、平成14年7月の第7回会議において、使用協定に係る基本的事項について合意しております。しかしながら、代替施設建設に向けての作業が進展していないこともあり、使用協定締結作業も進んでいないのが現状であります。
 そこでお伺いします。
 ①、普天間代替施設建設問題が進展しない状況の中で、名護市の受け入れ条件である使用協定の締結は今後どのように進められるか伺いたい。
 ②、使用協定を協議する実務者連絡調整会議の開催状況と今後の計画を伺いたい。
 (4)、普天間代替施設に係る軍民共用飛行場について。
 ①、代替施設を軍民共用飛行場として使用する問題については、民間部分に関しては県が管理運営を担うようになっているが、国との業務の線引き等具体的な協議は進んでいるのか伺いたい。
 ②、代替施設建設の環境影響評価で、民間部分についての環境影響評価の実施主体は国と思われるが、県はどのようなかかわりが求められているか伺いたい。
 ③、キャンプ・シュワブ陸上での建設や現辺野古沖での規模縮小建設が言われているが、これらの案では民空港部分が削られることとなるが、知事の御所見を伺いたい。
 (5)、普天間飛行場跡地利用計画について。
 ①、県と宜野湾市が設置した「普天間飛行場跡地利用基本方針策定審議調査会」において、協議される内容と現在までの進捗状況について伺いたい。
 ②、跡地利用については、地権者の合意形成や県民の意向の把握が重要であるが、県は地権者等の意向調査等をどのように進めているか伺いたい。
 4、基地問題について。
 (1)、戦後60年と沖縄の米軍基地について。
 ことしは戦後60年を迎える節目の年であります。沖縄はこの60年間、基地と隣り合わせに生活し、基地があるゆえの負担を強いられてきました。
 昭和31年6月に発表されたプライス勧告は、さらなる沖縄の土地闘争を全県的に拡大させ、いわゆる島ぐるみ闘争と呼ばれるようになったのであります。
 土地問題は、軍用地の収得、地代の評価、その支払い方法等についての制度的な確立が図られたことから一応終結することとなったのであります。
 一方で、基地あるがゆえの米軍優先策に起因した事件・事故も多発し、米兵による暴行・殺人事件、戦闘機等の墜落事故、公務・公務外の交通事故等、住民・県民に対し繰り返されるこのような事件・事故に対し、その怒りは自治権拡大・復帰運動へと結びついていったのであります。
 しかし、戦後60年を迎えた現在も普天間の大型ヘリ墜落事故、海兵隊の沖縄自動車道での大型トラックでの車両訓練、嘉手納飛行場での模擬爆発音発生装置(GBS)を使った即応訓練など、県や地元の要求を無視して行われており、地域住民や県民の生活を脅かす被害はいまだ改善されておりません。
 米軍の言うよき隣人であるためにも、政府の言う日米安全保障体制の重要性からも、沖縄の納得する基地の負担軽減を図ることが県民の理解を得、安定的な基地の使用につながるものであります。
 このような経緯を踏まえて、次の質問をいたします。
 ①、戦後60年を迎え、本県の米軍基地の変遷をどのように概観しているか。
 ②、米軍による事件・事故について、復帰後の事件・事故の件数、事件・事故の性質、米軍の意識等で復帰前とどのように変化してきたか。
 ③、県民の基地の負担軽減を図ることが県政の最大の課題であるが、稲嶺県政における実績を示していただきたい。
 ④、在日米軍専用施設の75%が集中する本県米軍基地は、復帰前と比較して在日米軍施設の中での削減率を示していただきたい。
 ⑤、海兵隊の沖縄自動車道での大型トラックでの車両訓練、嘉手納飛行場での模擬爆発音発生装置(GBS)を使った即応訓練など、県や地元の要求を無視して行われているが、県はどのような対応をとったか、また日本政府の反応はどうか。
 (2)、日米地位協定の見直しについて。
 ①、県は、米軍再編に伴う沖縄の負担軽減を図るため、日米地位協定の見直しを日米両政府へ求めているが、日米両政府の反応と今後の取り組みについて伺いたい。
 ②、本県においては、基地から派生するあらゆる問題について日米地位協定が関係していることから、米軍基地が所在する他県との共同した取り組みが必要と考えるが、県の取り組み状況を伺いたい。
 (3)、都市型訓練施設建設問題について。
 金武町キャンプ・ハンセンレンジ4内に建設された都市型訓練施設については、地元の強い反対により日米両政府の協議により同キャンプ内のレンジ16に移設建設することが決定されました。しかし、移設については新たな施設の建設が完了するまで既に建設した施設を暫定使用することが条件となっております。現に米軍は同施設での訓練を地元や知事の中止要請を無視して強行しております。
 県及び金武町は、移設は容認したが暫定使用には反対を表明しており、また地元住民も訓練中止の闘争姿勢をますます強く示しております。
 これに対し、日本政府は米軍の暫定使用を容認する姿勢を崩しておりません。さらに、既に完成したレンジ4の施設についても解体されることなく米軍側の管理に置かれているということであり、地元の不安は解消されるはずがありません。
 そこでお伺いします。
 ①、知事を先頭に危険な訓練の中止を求めたにもかかわらず、米軍はレンジ4の都市型訓練施設での訓練を再開した。政府も容認を明言している。このような状況に対し、県はどのような対応を考えているか伺いたい。
 ②、報道によれば、県は同基地内レンジ16に代替施設を建設することを承諾したということだが、政府との協議の経緯について説明願いたい。
 5番、県経済の振興について。
 (1)、県経済の将来展望について。
 平成14年にスタートした沖縄振興計画も3年目に入りましたが、この振興計画が目指す自立型経済の構築という沖縄経済像もいまだ高率補助、財政依存、公共事業依存を求める体質から脱却したとはいえず、民間企業主導による沖縄経済の自立の達成は実現するのか心配するものであります。
 現在の本県経済は、産業の主力をなす建設業は公共事業の減少で青息吐息の状況にあり、観光産業が県産業を引っ張っている状況であります。
 三位一体改革による影響は、本県の財政、経済に大きな打撃となり、今後の県経済の先行きに不透明感を与えております。そして、本県経済の将来を展望する上で避けて通れない問題として、約1900億円の経済規模を持っていると言われる基地関連収入(2001年度)の存在であります。
 この基地関連収入は、人口の推移や景気の影響を受けないという特性を持っており、現在の県経済は雇用も含めてこの基地関連収入を無視しては経済が成り立たないというのが実態ではないでしょうか。振興計画に基づく自立経済をいかに構築するかは、基地関連収入に頼らず公共事業からも脱却するという本県企業の決意と県の強い指導力にあるのではないでしょうか。
 ①、平成14年に策定された沖縄振興計画も今年度で4年目に入るが、目標である自立型経済構築のための基礎づくりはどのように進展したか、この4年間の実績を示していただきたい。
 ②、去る6月に県が発表した県民選好度調査によると、県民が県に求める重点施策で最も多いのは雇用の安定と職業能力の開発であり、また暮らし向きについては悪くなるとの答えが最多となっている。この結果を見ると、県の振興策と県民の要求とに乖離があるのではないか。
 ③、2007年に期限が切れる復帰特別措置について、県内業界から延長の声がある反面、国は否定的と言われる。自立経済を目指す県の施策との関係もある中で県はどのような対応を考えているかお伺いします。
 ④、振興計画の目標は自立経済であるが、県内市町村や経済団体の要求は高率補助、特例措置の維持という他力頼みであり、目標と現実とは大きな開きがある。県はこのような状況の中でどのように経済の自立を達成するか。
 (2)、北部の振興について。
 北部振興事業は、公共事業費50億円、非公共事業費50億円の年間100億円で10年間で1000億円を投入して北部地区の振興を図ろうとするものであります。
 北部市町村の要望する事業が事業費規模や費用対効果等で市町村間でばらつきが見られ、事業の執行率が低くなっているのでありますが、昨年、制度が見直され、地元としての裁量権が高まりました。この意味で、これからの残り5年間においてこれだけ大きな財政支援を制度の趣旨に沿った事業展開ができるか、北部市町村の成果が問われると思われるが、何らかの形での県の参加が必要ではないかと考えるがどうか、お伺いします。
 ①、北部振興事業の推進について。
 ア、2000年度からスタートした北部振興事業は、2005年度で5年目が経過しました。この間、同制度に基づき毎年度非公共事業50億円、公共事業50億円が措置されたが、北部市町村としてこの5年間で当初の目標は達成されたと考えているか。
 イ、北部振興制度については昨年見直され、地元としての裁量権が高まったが、反面、目標の達成、自己責任などが求められると考えられる。見直しにより地元に課せられた課題に何があるか伺いたい。
 ②、本県名護市における金融特区の拡充強化について。
 ア、金融特区拡充策の進捗状況について伺いたい。
 イ、金融特区制度の適用を受けるため、事業認定を申請した件数と認定を受けた件数及び企業の業種を伺いたい。
 ウ、金融特区制度を効果的に拡充するためには、行政だけでなく民間企業や研究機関等の協力が必要である。産学官の連携体制の状況を伺います。
 エ、金融特区拡充に向けて県の対応にはどのようなものがあるかお伺いします。
 オ、金融特区への企業の誘致を促進するためインフラの整備のほか、金融業務に精通した人材の育成確保が重要と思うが、進出する企業の要望にこたえられる体制がとられているか伺いたい。
 6番、企業誘致及び県内企業育成について。
 (1)、企業誘致の推進について。
 本県への企業誘致については、復帰後から歴代の県政が最重要課題として取り組んでまいりましたが、満足のいく成果を上げるには至っておりません。
 沖縄振興計画においても企業誘致の促進をうたっております。このような優遇措置がありながら実績が上がらないのはどうしてでしょうか。
 特別自由貿易地域への立地企業は目標の26件に対し12件、目標の半分にとどまっております。企業側からはさらなる優遇措置の拡大を求める声が出ているようであります。有効なる企業誘致を図るためにも、この際、思い切った企業誘致策を策定する必要があると思われます。
 このことを踏まえてお伺いします。
 ①、自立型経済の構造を図るには既存企業の基盤強化のほか、新規企業や新規事業の大胆な創出を図る必要があるが、県の具体的戦略についてお伺いします。
 ②、県は、沖縄振興計画において企業誘致の重要性をうたっており、実際、誘致活動も精力的に展開しているが実績が上がっていない。その主な原因はどこにあると考えているかお伺いします。
 ③、新規企業の進出を容易にするため、受け入れ環境の整備が重要である。特別自由貿易地域制度が活用しやすい制度の柔軟性を図るため対策が求められているが、県の具体的施策を伺いたい。
 ④、特別自由貿易地域(うるま市)へ立地した企業12件のうち県外からの立地企業は何件か。
 7番、農林業問題についてであります。
 (1)、松くい虫対策について。
 国道58号を南に向けて車を走らせながら山並みを眺めると、リュウキュウマツの赤みがかった色が相当数に広がっている状況が至るところで見られます。この情景はおさまるどころか、むしろ見るたびに拡大している感じがいたします。県も精力的に防除・駆除対策に取り組んでいるようでありますが、現状を見る限り成果が上がっているとは思えません。
 そこでお伺いします。
 ①、本県の松くい虫の被害状況は、平成5年・6年に大きな被害に遭い、その後小康状態であったが、平成13年から被害が拡大し始め、平成15年から爆発的な被害となってあらわれている。県はその原因は究明されているか伺いたい。
 ②、国庫補助の対象とならない指定松林以外の私有林については、自主防除が原則となっている。資金力、労働力の限界から防除が困難との声も聞かれる。これに対する県の対策はどうなっているか。
 ③、米軍基地周辺での被害が激しい状態にあるが、米軍側との連絡調整はどうなっているか。
 ④、去る1月24日「松くい虫防除県民連絡会議」において、2003年度の被害状況が報告されたようであるが、昨年度の1.6倍で過去最高の被害となったということであるが、その被害の状況、原因、問題点について御説明願いたい。
 (2)、パイン工場の保護対策について。
 本県のパイナップルについては、土地生産性が低い上に収穫作業が重労働であるという不利性から年々耕地面積は減少傾向にあります。さらに、機械化のおくれなどから生産量も減少しております。
 県は、第2次沖縄県農林水産業振興計画において安定品目の生産供給体制の強化を図っている。パイナップルも強化品目に挙げて振興策を打ち出しております。
 そこでお伺いします。
 ①、本県におけるパイナップルの生産・流通・販売の実績と本県農業に占める位置づけについて伺いたい。
 ②、パイナップル加工工場の推移と過去3年間の稼働実績を示していただきたい。
 ③、パイナップルは、厳しい自然条件下において生産が比較的可能であり、全国的に見ても本県が生産地として最適な条件にあるが、現状は機械化のおくれなどから生産量が減少し、産業として衰退の状況にある。その大きな原因は何にあると考えているか。
 ④、本県は島嶼県であり、大消費地からは遠隔の地にあるという不利性があります。このため、集出荷体制を整備し、効率的な流通路の確保と市場の開拓が必要であるが、現状はどうなっているか。
 ⑤、パイナップルは、今日まで本県における農業を牽引してきた実績があるが、第2次沖縄県農林水産業振興計画に掲げるおきなわブランド拠点産地形成の戦略品目の中に入っていないが、一体どうなのか。
 ⑥、本県のパイナップル加工工場の保護・育成を図るため、県の施策とその効果についてお伺いします。
 次に(3)番、シークヮーサーの生産振興について。
 ①、最近は、食品に対する安全性が強く求められており、シークヮーサーに対する品質管理も重要であるが、県産と輸入品との表示の区別はどのようになっているか。
 ②、本県のシークヮーサー生産農家に対する保護策、加工業者の育成、流通販売対策等についての県の対策はどうなっているか。
 8番、最後に県立北部病院産婦人科の存続についてであります。
 県は、北部では子供を産むなということなんですか。北部では9月29日、その問題について総決起大会を開催するため署名運動を展開中であります。
 そこでお伺いします。
 (1)、県立病院における産婦人科の設置と産婦人科医師の配置状況についてお伺いします。
 (2)、県立北部病院産婦人科休止の理由と地域住民の安全確保との比重をどのように考えているか。
 (3)、北部病院産婦人科の早期の再開を求める北部12市町村の要望に対し、県はどのように対応するか伺いたい。
 以上であります。
 25秒残して終わります。よろしく真剣に答えていただきたいと思います。
 終わります。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
 安里進議員の御質問にお答えをいたします。
 最初は、自由民主党の憲法改正草案1次案についての御質問に対するお答えでございます。
 憲法改正については、憲法第96条において国会が発議することになっており、国会は絶えず憲法と現実との乖離・妥当性を検証し、国民に提示しなければならない責務を負っていると思います。
 自由民主党においては、立党50年を迎えることし11月までに新しい憲法草案をつくることとし、先般、第1次案を公表しました。このことは、自由民主党の立党の精神である憲法改正に沿って行われたものと理解しておりますが、国民の間の憲法論議にも大いに資するものと評価しております。
 続きまして、自衛隊を自衛軍として憲法に位置づけ、国家及び国民の安全を確保している点についての御質問にお答えします。
 今回、自由民主党は憲法改正について第1次案を公表し,「自衛隊」を「自衛軍」としてより具体的に明確に位置づけています。この試みは、独立した主権国家としての我が国のあり方に極めて重要な一石を投じるものと考えます。
 こうした考え方も含め、憲法の問題が広く国民に理解されるよう国会等で十分な議論が尽くされることを願っております。
 次に、日米安全保障体制と米軍の整理縮小についての御質問にお答えいたします。
 御指摘のように、自衛隊が憲法上明確に位置づけられ、日米安全保障体制が強化されることが在沖米軍の整理縮小につながるかどうかはさまざまな条件整備が必要であると考えます。例えば、自衛権の行使については、過去の戦争体験を踏まえた国家として日本が平和主義の理念を永久に堅持することや、また日米安全保障体制のさらなる強化には独立した主権国家として日本が自主主体的な安全保障政策を選択する強固な意志を持つことが前提となります。そのような前提のもとに、平時の自主防衛と有事の際の駐留を含む同盟関係が拡充されることが必要であります。
 いずれにしましても、冷戦後の国際社会の現状からすれば、このたびの米軍再編で言われる負担の軽減と抑止力の維持は当然であり、在沖米海兵隊の県外移転を中心とする在沖米軍の整理縮小は十分可能であると考えております。
 次に、嘉手納基地への統合と県の対応についての御質問に一括してお答えいたします。
 嘉手納基地への統合については、周辺市町村が現在でも騒音等過重な負担を負っており、さらに負担を増すようなことは到底容認できるものではありません。
 県としては、海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等を強く求めており、近々、政府から再編協議の内容が提示されることから、県民の目に見える形で基地負担の軽減が図られるよう的確に対応したいと考えております。
 続きまして、県と政府との連絡体制についての御質問にお答えします。
 私は、小泉総理大臣を初め関係大臣等にこれまであらゆる機会を通じてお会いしてきており、県の考え方はしっかりと政府に伝わっていると考えております。
 続きまして、基地問題における政府との関係についての御質問にお答えいたします。
 私は、機会あるごとに小泉総理大臣に対し、本県の基地問題の解決を訴えてきており、小泉総理大臣はそれに対し、沖縄の基地問題は日本全体の問題であると述べ、沖縄の基地負担の軽減に取り組むとしております。今後の再編協議において小泉総理大臣のリーダーシップに強く期待しております。
 次に、嘉手納基地の暫定使用についての御質問にお答えします。
 米軍再編について政府から具体的な提示はありません。
 先ほども申し上げましたが、嘉手納基地への統合については、暫定使用も含め、さらに負担を増すようなことは到底容認できるものではありません。
 次に、SACO合意の認識についての御質問にお答えします。
 SACO最終報告では、「十分な代替施設が完成し運用可能になった後、普天間飛行場を返還する。」としており、代替施設の建設が返還の条件となっております。
 現在、日米両政府の間で米軍再編協議が行われているところであり、県としては、現在進められている移設作業は、再編協議の中で日米間の新たな合意が出てこない限り引き続き推進されるとの認識であります。
 次に、世論調査と普天間移設をめぐる知事の認識についての御質問にお答えいたします。
 望ましい選択を求めると、そういう結果が出るのは当然だと思います。私は辺野古移設に固執しているのではありません。
 日米両政府は、現在行われている米軍再編において、抑止力の維持と沖縄の過重な負担の軽減が重要であるとの認識を示しており、また小泉総理大臣は、沖縄の基地負担の軽減を図るためには、日本全体の問題として認識を持って進めると述べております。
 これまで国、県、名護市等の関係機関で協議を重ね基本計画が策定され、それに基づき移設作業が進められているところであり、御指摘のようなことはないとの認識であります。近々、再編協議の内容が提示されることとなっており、県としては小泉総理大臣のリーダーシップにより沖縄の過重な基地負担が県民の目に見える形で軽減されるよう期待しております。
 次に、普天間飛行場代替施設の縮小案についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場の移設については、これまで国、県、名護市等の関係機関で協議を重ね基本計画が策定され、それに基づき移設作業が進められているところであります。
 県としては、政府から再編協議に係る具体的な案が示されていない段階で、個別・具体的な話に言及することはできないと考えております。
 米軍再編については、既に在沖海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用改善等の基本的な考えを示しており、この方向を踏まえて日米間で協議し、再編協議の内容を早急に示すべきであると考えております。
 次に、本県の米軍基地の変遷についての御質問にお答えいたします。
 戦後27年間に及ぶ米国統治下において、米軍は、当時、住民から銃剣とブルドーザーによる接収と呼ばれた民有地の強制接収を行い、基地の建設を次々に行っております。本県の広大な米軍基地はこのような経緯をもって形成されたものであります。
 昭和47年5月の復帰に際し、速やかな基地の整理縮小を政府に求める国会決議がなされておりますが、基地の整理縮小は遅々として進んでおりません。戦後60年を経た今日においても、本県に所在する米軍基地は県土面積の約11%を占めております。また、日常的に発生する航空機騒音問題、米軍機の墜落事故、演習による原野火災など、今なお広大な米軍基地から派生する諸問題が多発している状況にあります。
 日米地位協定見直しの政府の反応と今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 平成17年8月の衆議院外務委員会において、町村外務大臣は、地位協定について直ちに作業に取りかかる段階にはないとしながらも、改めて米軍再編が終わった次の大きな課題として運用改善でいくのか、協定の改正でいくのか、その辺を含めて幅広く検討していかなければならないだろうとする旨発言しております。
 県としては、日米地位協定の見直しは、人権や環境問題など多岐にわたり、国内の法制度とも深くかかわることから、より広範かつ多面的な議論が必要であり、政府は積極的に取り組むべきものであると考えております。
 次に、日米地位協定の見直しに関する他県との共同した取り組みについての御質問にお答えいたします。
 県は、従来から米軍基地等を抱える主要な14都道県で構成する渉外知事会の要望の中で、日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的見直しを求めてきたところであります。
 平成15年に策定した全国行動プランにおいて、渉外知事会加盟の都道県の協力を得て日米地位協定の抜本的見直しを働きかけた結果、33都道府県の議会において日米地位協定見直しの意見書が採択されております。渉外知事会においては、本年度から日米地位協定の見直しを独立させ、7月29日に外務副大臣と防衛庁長官等に直接会い、地位協定を前面に出した要望を行いました。
 次に、陸軍複合射撃訓練場での訓練についての御質問にお答えをいたします。
 レンジ4の陸軍複合射撃訓練場における実弾射撃訓練は、地元住民、金武町、県の意向に反するものであり、県としては、一時的にせよ、断じて容認できるものではありません。
 また、地域住民への危険性が排除できない現状で訓練を強行することは、そのことにより生ずるあらゆる問題の責任は米軍はもとより、基地提供者である日本政府も負うべきであります。県は、7月25日に関係大臣に対し、8月5日には駐日米国大使に対し、同訓練場の一時使用の中止について最大限の努力を払うなど特段の配慮を強く求めたところであります。今後も引き続き金武町と密接に連携して、日米両政府に対し、地域住民に危険が及ばないよう、地元の懸念に対するさらなる配慮を求めていきます。
 次に、陸軍複合射撃訓練場の移設についての御質問にお答えいたします。
 陸軍複合射撃訓練場の移設については、さきにレンジ16奥に移設することが示されたところであり、県は機会あるごとに日米両政府や県選出国会議員に対し、一日も早い移設に向けたあらゆる方策を探るなど最大限の努力を求めてきたところであります。
 そのような中、去る9月15日に日米両政府がレンジ16に近接する既存レンジへの移設を合意されたことは、一日も早い移設を求める地元の要望にこたえることができるものであり、より望ましいものであると考えております。
 次に、経済の振興について、この4年間の実績についての御質問にお答えいたします。
 沖縄振興計画のこれまでの実績について、観光関連では美ら海水族館の整備、沖縄型特定免税店の空港外店の開設、IDB総会の開催等が実現するとともに、平成13年から平成16年までの3年間で観光客数が443万人から515万人へと16%増加するなど、好調に推移しております。
 情報通信関連産業では、通信コストの低減や10カ所に及ぶ支援施設の整備等により、3年間で48社の企業が立地し、3700人余の雇用が創出されるとともに、2200人余の高度なIT人材を育成いたしました。 
 食品関連では、健康食品産業の出荷高が126億円から213億円へと約70%増加し、泡盛の県外出荷も大幅に増加しております。
 科学技術の振興では、世界最高水準の沖縄科学技術大学院大学の設置・開学に向けた取り組みが順調に推移しております。
 社会資本の整備では、沖縄都市モノレールの開業、新石垣空港の事業採択など、本県の持続的発展を支える基盤づくりが進展しております。
 このような取り組みにより、3年間で本県の就業者数は約1万8000人、3.1%増加するとともに、失業率は8.4%から7.6%に、有効求人倍率は0.26から0.40に改善しており、自立型経済構築のための基礎づくりは総体として着実な進展を見せております。
 次に、自立型経済の構築に向けた新事業の創出についての御質問にお答えをいたします。
 県においては、既存企業の競争力の強化に加えて、新規企業の育成や新事業の創出を沖縄県産業振興計画の重点項目と位置づけております。このため、産業振興公社を中核とする新事業支援体制を構築し、インキュベート施設の提供や金融支援など企業の成長段階に応じた総合的支援を実施しているところであります。特に研究開発の支援については、産学官共同研究推進事業によってこれまでに75件の共同研究が採択され、事業化に向けた研究開発が進められております。
 こうした取り組みによってIT関連のベンチャー企業などが株式公開を実現しているほか、全国的にも高い評価を受けて経済産業大臣表彰を受賞したベンチャー企業も出てきており、新事業の創出に向けた取り組みが着実に進展しているものと考えております。今後とも、本県の地域特性を生かしたベンチャー企業を支援し、新事業の創出を図ってまいります。
 次に、シークヮーサーの生産・加工、流通販売対策についての御質問にお答えいたします。
 本県のシークヮーサーについては、国民の健康に対する関心が高まる中、その機能性成分が注目されたため急速に需要が拡大し、生産振興が求められております。
 このため、県としては、生産対策として種苗増殖及び栽培管理技術指導の強化を行うとともに、優良種苗育成施設の整備等を図ることとしております。
 加工・流通対策として、名護市に園芸作物ブランド産地育成事業等で加工施設及び集出荷施設を整備するとともに、大宜味村に北部振興事業で特産品加工施設を整備したところであります。
 さらに販売対策として、沖縄県農林水産物販売促進協議会等の関係機関と連携し、消費拡大キャンペーンを実施してきたところであります。また、10月には名護市と大宜味村をシークヮーサー拠点産地に認定し、ブランド化を推進してまいります。
 県としては、今後とも市町村やJA、加工・流通・販売団体等の関係機関と連携し、シークヮーサーの生産振興に努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午前10時58分休憩
   午前10時59分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 仲宗根用英君登壇〕
○教育長(仲宗根用英) おはようございます。
 それでは教育基本法について一括してお答えします。
 教育基本法は、教育法令の根本法であり、戦後、同法のもとで教育の機会均等や量的拡大及び教育水準の向上が図られ、我が国の経済社会の発展に大きく寄与してきたものと考えております。しかしながら、今日の社会状況は教育基本法の制定当時とは大きく変化し、いじめ、不登校、中途退学などのさまざまな問題が教育現場で指摘されております。その原因を教育基本法の理念に求めるのかどうかについてさまざまな議論があります。
 したがいまして、教育基本法については、各方面からの多様な意見を集約するなど、国民的な論議を深めていくことが重要であると考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(花城順孝) 米軍再編に関する政府からの情報提供についての御質問にお答えします。
 再編協議の内容については、現時点では政府から具体的な情報提供は受けておりませんが、近々、提示されることとなっております。
 県としては、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう的確に対応してまいります。
 次に、ボーリング調査の進捗状況と課題についての御質問にお答えします。
 那覇防衛施設局が実施している現地技術調査は、代替施設の護岸構造の検討に必要なデータを収集するものであります。
 ボーリング調査は、水深に応じて単管足場30カ所、スパット台船20カ所、固定ブイやぐら13カ所のボーリング用足場を設置してせん孔作業をするものと聞いております。
 これまでに単管足場が5カ所で設置されましたが、台風14号の接近により、足場の転倒等によって周辺のサンゴ等へ与える影響を回避するとの観点から、ボーリング足場を一時的に撤去したとのことであります。
 県としては、当該調査に当たって地域住民の生活環境や自然環境に十分配慮するとともに、安全に留意しながら円滑に調査を行うよう機会あるごとに事業者である那覇防衛施設局に申し入れております。
 今後のボーリング調査については、気象条件や安全確保などを考慮して適切に対応していきたいとのことであります。
 次に、ボーリング調査のおくれについての御質問にお答えします。
那覇防衛施設局は、ボーリング調査が当初の予定よりおくれておりますが、引き続き自然環境と安全対策に十分配慮しつつ円滑な実施が必要だとしております。
 先ほども申し上げましたように、台風14号の接近により単管足場が一時的に撤去されておりますが、今後については気象条件や安全確保などを考慮して適切に対応していきたいとのことであります。
 ボーリング調査の実施については、事業者である那覇防衛施設局が適切に判断すべきものと考えておりますが、県としては引き続き地域住民の生活環境や自然環境等への配慮を求めてまいります。
 次に、実務者連絡調整会議についての御質問にお答えします。
 実務者連絡調整会議は、使用協定等に関し、国、県、名護市の実務者レべルで協議するために設置をされております。
 開催状況については、平成12年11月21日の第1回から平成16年8月10日の第8回まで開催されており、基本合意書案の内容検討や既存の米軍基地の使用に関する調整が行われております。今後、実務者連絡調整会議については、代替施設の建設に係る事業等の進捗状況を勘案しつつ、随時開催されることになっております。
 次に、軍民共用飛行場の管理運営についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場代替施設の民間部門の管理運営主体については決定しておりませんが、どのような管理運営が県民にとって最も望ましいものであるかについて、県が中心となって検討することとしております。
 県としては、今後、事業の進捗状況を勘案しながら国及び関係自治体等と具体的に協議をしていきたいと考えております。
 次に、環境影響評価と県のかかわりについての御質問にお答えします。
 代替施設にかかわる環境影響評価については、現在、事業者である国において、民間部門も含め環境影響評価の手続が進められているところであります。県としては、環境影響評価に係る民間機能の諸元について協力をしていきたいと考えております。
 次に、跡地利用基本方針策定審議調査会の進捗状況についての御質問にお答えします。
普天間飛行場の跡地利用については、平成11年12月閣議決定における「駐留軍用地跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針」に基づき、国、県、宜野湾市が密接に連携し、今年度中を目途に「跡地利用の基本方針」の策定に取り組んでいるところであります。 
 策定に当たっては、各界各層の意見を反映させるために「普天間飛行場跡地利用基本方針策定審議調査会」を宜野湾市と県が共同で設置し、これまで昨年2月とことし2月の2回開催されております。
 審議調査会は、基本方針策定に関する重要事項を審議調査することとなっており、第1回は跡地利用に向けた取り組み、基本方針策定の進め方、取り組み状況等について、第2回は跡地利用の基本方向に係る論点や課題について審議がなされました。
 平成17年11月に第3回審議調査会の開催を予定しており、その中で基本方針原案を審議することとなっております。
 次に、地権者や県民の意向調査等についての御質問にお答えします。
 県及び宜野湾市は、基本方針策定に共同で取り組んでおり、宜野湾市においては地権者の意見集約及び宜野湾市民の意向醸成に向けて、関係地権者等の意向醸成・活動推進調査を実施しているところであります。
 県民意向の把握については、県と市が共同で普天間飛行場の跡地利用に係る情報をホームページ等により発信し、県民レポートやインターネットを利用した県民意向調査を実施しております。
 また、県民と一緒に考える場としての県民フォーラムを昨年11月とことし8月の2回開催し、さらに県民の意見を発表していただく地域フォーラムをことし8月に南部、中部及び北部地区で開催をしております。
 これらの地権者や県民の意見を集約し、「普天間飛行場跡地利用基本方針策定審議調査会」での審議等を経て、跡地利用の基本方針へ反映させていきたいと考えております。
 次に、米軍による事件・事故についての御質問にお答えします。
 復帰後の米軍による事件・事故については、沖縄県警察本部の資料によると、平成16年12月までの米軍構成員等による犯罪検挙件数は5328件、このうち殺人や強盗等の凶悪犯は541件となっています。
 一方、米軍基地の運用によってもたらされる事件・事故も数多く発生しており、県の把握では、航空機関連の事故については平成17年8月末までに376件発生し、そのうち固定翼機によるものが289件、ヘリコプターによるものが87件となっています。
 復帰前においても、米軍による数多くの事件・事故が発生しておりますが、その記録は十分には残されておりません。したがって、復帰前後での件数や性質等の変化について言及することは困難であります。
 復帰後の犯罪検挙状況においては、復帰直後の昭和47年は219件、昭和52年のピーク時で342件、平成16年は59件となっております。
 また、凶悪犯は昭和47年は24件、昭和52年のピーク時で69件、その後増減はあるものの平成16年は1件となっており、おおむね減少傾向にあるものと考えております。
 また、米軍は三者連絡協議会や協力ワーキング・チーム等の場において関係機関との協議や調整を行うなど、事件・事故の再発防止に向け取り組んでいるものと考えております。
 次に、稲嶺県政における負担軽減の実績についてお答えいたします。
 県は、基地の負担軽減について、平成13年3月に福田官房長官及び関係大臣に海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減等を要請したのを初め、平成14年8月に小泉総理大臣及び関係大臣に、平成15年11月に来沖したラムズフェルド米国防長官に、米軍基地の整理縮小及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減等を要請してきたところであります。
 米軍再編協議が行われている中、ことしの3月の訪米に際し、細田官房長官及び関係大臣に対し、さらに訪米時において国務省、国防総省、大統領府国家安全保障会議の米国政府関係者等に対し、在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等、沖縄の米軍基地問題の解決促進を要請するなど、あらゆる機会をとらえて要請をしております。
 また、平成15年6月に「日米地位協定の抜本的見直しに関する全国行動プラン」を策定し、関係方面への要請を重ねた結果、33都道府県議会で見直しの意見書が採択されており、国会や主要な全国の団体における見直し決議とあわせ、県内外の各界各層において地位協定の見直しを求める取り組みが行われております。
 そのほか、現地レベルで解決できる問題については三者連絡協議会や協力ワーキング・チームを通して事件・事故の再発防止を図るなど、基地負担の軽減に努めているところであります。
 次に、在沖米軍専用施設の削減率についての御質問にお答えします。
 復帰時点と平成16年3月31日現在を比較しますと、本土の米軍専用施設の面積は約1万1678ヘクタール、約59.6%減少しておりますが、本県では約4581ヘクタール、約16.4%の減少にとどまっております。その結果、全国の米軍専用施設の面積に対する本県の米軍専用施設の面積に占める割合は約15.9ポイント増加をしております。
 次に、米軍の訓練に対する県の対応等についての御質問にお答えします。
 県は、8月23日の沖縄自動車道における事故について、在沖海兵隊外交政策部長に対し、どのような名目であれ、沖縄自動車道を含む公道において実質上の訓練を行わないよう強く求めております。
 嘉手納飛行場における即応訓練については、訓練の発表があった日に嘉手納基地渉外部に対し、周辺地域に影響を及ぼさないよう配慮を求め、事件のあった24日には嘉手納基地渉外部に対し、訓練に当たっては周辺住民に十分配慮すること、今回の事件の原因、再発防止策を報告すること、今後の訓練について十分注意することを求めております。
 なお、8月24日からの沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会の要請においても、両事案について日米両政府に対し訴えております。
 一方、外務省は、沖縄自動車道における習熟運転については、安全運転を確保するためという目的にかんがみれば問題があるとは考えないが、事故が発生したことについては問題であるとし、米軍に対し、公共の安全に妥当な考慮を払うよう申し入れたとしております。
 また、即応訓練についてはさらなる配慮が必要である旨を伝えたとしております。
 以上でございます。
○議長(外間盛善) 知事公室長の答弁漏れがあるようでございますので、補足させたいと思います。
 知事公室長。
   〔知事公室長 花城順孝君登壇〕
○知事公室長(花城順孝) どうも失礼いたしました。
 使用協定の今後の進め方についての御質問にお答えします。
 普天間飛行場代替施設に関する使用協定については、平成14年7月、国、県、名護市の三者により基本的事項についての合意がなされたところであります。
 今後、使用協定については、基本合意書に基づき代替施設建設協議会や実務者連絡調整会議を通じて協議を進め、工事着工までには代替施設の使用に係る措置の内容を明らかにし、供用開始までに締結をすることになっております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 県経済の振興に関し、県の振興策と県民の要求等に乖離があるのではないかとの御質問にお答えいたします。
 県民選好度調査において、県に求める重点施策の第1位が「雇用の安定と職業能力の開発」となったことは、改善は見られるものの依然として高い県内の失業率が理由と考えております。
 また、今後の暮らし向きについて、「良くなる」より「悪くなる」との回答が多くなっておりますが、高齢者ほど「悪くなる」が多くなっており、年金受給や失業への不安なども背景にあると考えております。
 県におきましては、このような県民ニーズにこたえ、明るい県民生活の展望が開けるよう、これまで沖縄振興計画に基づき自立型経済の構築に向けた基礎づくりを積極的に推進し、就業者の増加、失業率の低下など、雇用情勢の改善にも一定の成果を上げております。
 今後とも、就職支援や人材育成を推進するとともに、観光・リゾート産業、情報通信関連産業、健康食品産業など、本県の特性を生かした産業の振興、特別自由貿易地域制度等を活用した企業誘致等により雇用機会の一層の拡大を図り、県民の期待にこたえてまいります。
 同じく県経済の振興で、復帰措置に対する対応についての御質問にお答えいたします。
復帰特別措置法に基づく税制上の特別措置については、現在、関係事業者や産業界からの聞き取り調査を実施しているところであり、またこれまでの実績や経済効果、特別措置が廃止された場合の県民生活や産業経済に及ぼす影響等について検討を行っているところであります。 県としては、これらの調査検討を十分に行い、復帰特別措置の取り扱いに関する県の考え方を今年度中に取りまとめ、国との協議を進めたいと考えております。
 同じく経済の振興に関し、どのように経済の自立を達成するかとの御質問にお答えいたします。
 県においては、民間主導の自立型経済の構築に向け、沖縄の特性を生かした発展可能性の高い産業分野の重点的・戦略的な振興に取り組んでいるところであります。
 現在、観光・リゾート産業が他の地域産業発展の牽引役としてその地位を確立しており、新たに情報通信産業も台頭しつつあります。また、これに続くものとして、沖縄の地域特性や資源を積極的に活用する健康・バイオ産業などが将来の基幹産業になるものと期待されております。
 このように、民間が十分に力を発揮していくことが経済自立への方向性だと考えております。今後は、高率補助等の特例措置により整備されてきた経済産業基盤を積極的に活用し、競争力と持続力ある民間主導型経済の構築を推進してまいります。
 同じく経済の振興で、北部振興事業の推進についての御質問にお答えいたします。
 北部振興事業は、平成12年度から17年度まで公共事業118件で125億3000万円、非公共事業109件で320億8000万円、合計227件で446億2000万円の事業を実施しております。その中で公共事業は執行率が33%と低くなっておりますが、今年度から繰り越しが可能となったことから、その執行状況は改善されるものと考えております。
 県としましては、今後とも北部12市町村等と連携して北部地域の産業の振興及び雇用の拡大、定住人口の増加に取り組んでまいります。
 以上です。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、名護市における金融特区の拡充強化についての御質問にお答えをいたします。
 金融業務特別地区に企業の立地を促進するためには、税制上の優遇措置を積極的に生かしつつ、情報通信基盤やレンタルオフィス等のインフラ整備、人材育成、雇用助成金制度などを有効に活用した戦略的な企業誘致活動の展開が重要と考えております。
 現在、名護市にはマルチメディア館、みらい1号館、みらい2号館が整備されるとともに、平成19年3月完成に向け新たな施設整備が行われているところであります。
 県といたしましても、このような名護市の取り組みを踏まえ、企業誘致に向けてフィナンシャルプランナーや証券外務員育成講座などの人材育成事業を初め、情報産業ハイウェイを活用した通信コストの低減化支援などを実施し、企業の立地インセンティブを高めていきたいと考えております。
 これまで金融業務特別地区における認定企業はありませんが、立地した金融関連企業は7社で、業種としては証券業、金融コンサルティング業、データセンターなどであります。
 また、金融特区への金融ビジネス集積を促進するため、産学官が連携した「プライベートバンキング研究会」等4つの研究会を設置し、ビジネスモデル創出に積極的に取り組んでいるところであります。
 次に、企業誘致の実績が上がっていない主な要因は何かとの御質問にお答えいたします。
県は、企業誘致を産業振興の重要施策の一つとして積極的に取り組んできました。その結果、稲嶺知事就任から平成17年9月までに情報通信関連で97社、製造業等で20社の合計117社が立地し、約8500人の雇用を創出しております。特に、情報通信関連ではコールセンター等の集積が進んでおり、全国でもモデルケースとして注目されております。
 製造業等の立地が目標どおり進んでいない主な要因としては、物流コストや工場用地の価格が割高であること、関連産業の集積度が低いこと、また全国への普及・広報が十分でない等が指摘されております。
 次に、新規企業の進出を容易にするための対策についてお答えをいたします。
特別自由貿易地域への企業誘致については、所得控除制度等沖縄振興特別措置法の優遇制度の活用に加えて、新規企業等がより立地しやすいように投資環境の改善に努めているところであります。
 新規企業等の進出を容易にする対策といたしましては、県は賃貸工場の整備や物流支援事業の実施、用地賃貸方式の導入のほか、ことし4月からは賃貸工場使用料の大幅引き下げも行っております。
 これらの取り組みにより、今年度は既に賃貸工場に5社が新たに立地し、分譲用地に賃貸方式で1社の立地が内定しております。さらに、年度内には賃貸工場に数社の立地が見込まれております。
 県としては、引き続き投資環境の改善に努めつつ、立地要件についても柔軟に対応することとし、また制度面については立地企業等の意見も踏まえ検討していく考えであります。
 次に、特別自由貿易地域への県外企業の立地件数についてお答えをいたします。
 特別自由貿易地域には、平成17年9月現在、分譲用地に3社、賃貸工場に13社の合計16社が立地しております。その中で県外資本が50%を超える県外企業数は9社となっております。
 県といたしましては、今後とも民間主導の自立型経済の構築に向け、県内外の企業立地を促進して産業の活性化と雇用の創出に努めてまいります。
 以上でございます。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは、平成15年の松くい虫の被害拡大の原因についてと、2003年度の被害状況及び原因等についての御質問については、関連いたしますので一括してお答えいたします。
 松くい虫防除については、平成14年から5カ年計画により国、米軍、県、市町村等と一体となって取り組んでおります。
 平成15年度における松くい虫被害は約4万4000立方メートルとなっております。被害は、名護市、大宜味村、恩納村など北部地域が県全体の約88%を占めております。また、中南部地域は読谷村及び旧石川市で被害が多く発生しております。
 被害拡大の原因等については、1、平成15年は高温・少雨等の異常気象により松の樹勢の低下とあわせてカミキリムシの活動が活発化したこと、2、松林の所有者・管理者が自主的に防除する「その他松林」の被害木駆除が不十分であったこと、3、被害の進行が広域化・奥地化し駆除が困難になったこと、4、市町村の財政負担が大きく十分な対応ができなかったことなどが考えられます。
 続きまして、指定松林以外の「その他松林」の防除対策の御質問にお答えいたします。
 松くい虫の防除を行うに当たって、水源涵養や国土保全などの公益性の高い「保全松林」等は、国庫補助により県及び市町村が防除を行っております。一方、「その他松林」については森林所有者等みずからが防除することになっております。
 県としましては、松くい虫被害の蔓延を防止するためには関係者が一体となって取り組むことが重要であることから、松くい虫防除県民大会及び松くい虫防除デモンストレーションの実施などにより、防除に対する県民の理解と協力をお願いしているところであります。
 今後とも関係機関との連携を密にし、県民一体となった松くい虫防除を実施していきたいと考えております。
 続きまして、米軍基地周辺の被害に対する連絡調整についての御質問にお答えします。
 米軍基地及びその周辺の被害対策については、国、米軍、県、市町村等で構成する「松くい虫防除県民連絡会議」において防除対策の実施方針及び計画等の協議を行っております。
 米軍基地内における被害木の駆除については、協議の結果に基づいて米軍、那覇防衛施設局及び沖縄森林管理署がそれぞれ行っております。
 続きまして、パイナップルの生産・流通・販売の実態と位置づけについての御質問にお答えいたします。
 パイナップルは、台風や酸性土壌等の厳しい条件下でも比較的安定した栽培が可能であり、また缶詰加工業による雇用の創出とともに、観光産業とも密接にかかわるなど地域経済に大きく貢献している重要な作物であります。
 県においては、第2次農林水産業振興計画の中で、今後とも安定的に振興を図る品目として位置づけ、北部圏域、八重山圏域において重点的に生産振興を図ることとしております。
 パイナップルの生産については、近年1万1000トン前後で推移しており、平成16年は生産量1万1500トン、出荷量は1万1100トンとなっております。その内訳は、加工用原料が5150トン、生食用は5910トンとなっております。
 缶詰加工されたパイナップルはJAを通じ販売され、また生食用のパイナップルはJAやゆうパックなどにより販売されております。
 続きまして、加工場の推移と稼働実績についての御質問にお答えいたします。
 パイナップル加工場については、昭和60年に沖縄本島4工場、石垣島3工場の合計7工場が稼働しておりました。その後、平成元年には沖縄本島及び石垣島にそれぞれ1工場の合計2工場となり、平成9年以降は沖縄本島北部の1工場のみの稼働となっております。
 また、加工場の過去3年間の原料処理量及び稼働日数は、平成14年が5865トンで95日、平成15年が4516トンで97日、平成16年が4578トンで97日となっております。
 続きまして、パイナップルの生産量減少の原因についての御質問にお答えいたします。
 パイナップルの生産量が減少したのは、平成2年のパイナップル缶詰の輸入自由化、栽培農家の減少及び高齢化、機械化のおくれなどが原因と考えております。
 続きまして、集出荷体制の整備と流通路の確保、市場の開拓についての御質問にお答えいたします。
 県では、パイナップルを含めた農産物の効率的な輸送体系の構築を促進するため、これまで1、船舶とJR貨物を活用した低コストで連日出荷可能な鹿児島ルートの開拓、2、戦略的県外輸送システム確立事業による低コスト船舶輸送システムの開発を行っております。 
 また、パイナップル缶詰及び生果の県内外における消費拡大を図るため、関係機関と一体となって新聞広告や量販店、ホテル等における宣伝活動、学校給食への消費拡大及び収穫体験等のキャンペーンなどの消費宣伝活動を実施しております。
 今後とも、効率的な流通経路の整備に取り組むとともに、沖縄県農林水産物販売促進協議会等関係機関と連携し、市場の開拓と消費拡大に取り組んでまいります。
 続きまして、パイナップルの農林水産業振興計画における位置づけについての御質問にお答えいたします。
 県では、第2次農林水産業振興計画において重点的に振興を図るべき品目として戦略品目と安定品目を位置づけております。
 戦略品目は、今後、市場競争力の強化による生産拡大及び付加価値を高めることが期待される品目として、安定品目については、現行制度を堅持しつつ安定的に生産振興を図る品目としてそれぞれ位置づけております。このため、パイナップルについては国のTQ制度、価格安定対策の制度を維持しつつ生産振興を図ることから安定品目として位置づけ、集中的な振興施策を実施することとしております。
 続きまして、パイナップル加工場対策についての御質問にお答えいたします。
 パイナップル加工場は、パイナップルの安定的な生産、地域における雇用の創出等地域経済に大きく貢献しております。このため、県としては、1、加工用果実と生食用果実のバランスのとれた生産拡大、2、国のTQ制度による県産パイン缶詰の保護、3、加工用原料価格安定対策の実施、4、缶詰の販売促進キャンペーンなどを実施し、加工場を支援しているところであります。
 続きまして、シークヮーサーの原材料、原産地の表示についての御質問にお答えいたします。
 加工食品の品質表示については、JAS法において、名称、原材料、内容量、賞味期限、製造業者の氏名などが義務づけられております。
 原材料の原産地表示については、漬物、野菜冷凍食品、緑茶などが表示義務の対象となっておりますが、シークヮーサーについては表示義務はありません。
 しかしながら、シークヮーサー果汁等加工飲料については、製造業者が自主的な判断で表示することができることとなっており、県においては、県産シークヮーサーの差別化や有利販売を図るため「沖縄産」を表示するよう推奨しております。
 以上でございます。
○県立病院監(知念建次) 県立病院の産婦人科の設置及び産婦人科医師の配置状況についてお答えいたします。
 県立病院における産婦人科につきましては、精和病院を除く6つの県立病院に設置しております。
 産婦人科医師の配置につきましては、北部病院は配置枠は3名ですが、本年4月1日から休診となり欠員となっています。
 中部病院は配置枠8名に対して8名を配置しておりますが、1名は宮古病院に応援派遣しており、7名の診療体制となっています。
 那覇病院は8名の配置枠に対し5名の配置で3名の欠員、宮古病院は2名の配置枠に対し1名の配置で1名の欠員となっています。
 南部病院と八重山病院はそれぞれ1名と4名の配置枠に対し同数の配置となっています。
 次に、県立北部病院産婦人科休止と地域住民の安全確保についてお答えいたします。
 県としては、北部病院の産婦人科が継続できるよう努力してまいりましたが、想定外の医師の退職や医師確保の厳しさから休診せざるを得ない状況となったものであります。そのため、北部地域の産婦人科の救急患者につきましては、北部地区の開業医や消防関係者との連携・協力を得ながら中部病院に搬送しております。
 そのほか、地元開業医とも連携を行い、リスクが高いと見られる妊産婦につきましては、事前に体制が整った中部病院等へ紹介するなどの対応をしております。
 県としては、地域住民の安全確保は極めて重要であると認識しており、一日も早い再開を目指して、8月には全国の大学病院産婦人科の医局に産婦人科医師派遣を文書で依頼するとともに、引き続き沖縄県及び全国組織である全国自治体病院協議会のホームページで産婦人科医の募集を行っております。
 また、9月には、5月に引き続き県外に出向いてホームページにアクセスがあった産婦人科医候補者と面談を行っておりますが、いまだ厳しい状況にあります。
 今後とも、あらゆる手段を講じて北部病院の産婦人科をできるだけ早い時期に再開できるよう、より一層医師の確保に努めていきたいと考えております。
 次に、北部病院産婦人科の早期の再開を求める北部12市町村の要望についてお答えいたします。
北部12市町村から提出されました県立北部病院における医療体制の強化に関する陳情や北部病院産婦人科の再開・存続を求める総決起大会の開催は、北部病院産婦人科の休診による北部地域の皆様の不安が極めて大きいものであることを訴えるものとして重く受けとめております。
県としては、これまでも県内外の大学への派遣依頼、人的ネットワーク及び関係機関を通じての情報収集と就任依頼、ホームページでの募集などを行ってきましたが、なお一層医師確保に努め、北部病院の産婦人科をできるだけ早期に再開していきたいと考えております。
 以上でございます。
○辻野 ヒロ子 こんにちは。
 去る9月19日、嘉数副知事を初め末吉土建部長、譜久島統括監御一行が新石垣空港予定地を視察なされ、そのときに石垣市長、八重山支庁の皆さん、そして髙嶺県議と私も同行させていただきました。
 今回の環境調査で感じたことは、長い間、環境問題でもめていた予定地周辺に生息する小型コウモリ類の保護対策として、移動経路となる緑地の創出、それから赤土流出対策として浸透池や調整池の設置などしっかりとした対策を講じ、環境に配慮したモデル的な空港になることを確信しております。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
 また、その日はヘルメットと作業着、そして長靴を着用し、洞窟の中の調査は険しく滑りやすく、そして私にとっては少々ハードでございましたが、そのときにそっと手を差し伸べて介助していただいた嘉数副知事、そして末吉部長の本当に優しい心に感謝しております。ありがとうございました。
 私は、そのときふと思いました。やはりお互いは当局の皆さんと仲よくし、足の引っ張り合いではなく、手を引いていくその思いやりの心が大事だということを痛感いたしました。
 そして、今議会から県政会を発展解消し、親川代表、そして照屋議員、私3人ともども自民党会派に入会いたしました。これからは与党最大会派としてみんなで心を一つにし、しっかりと稲嶺県政を支え、山積する県政の諸課題に対して誠心誠意頑張っていく決意を新たにしているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 温かく迎え入れてもらった自民党会派の皆さんには、今回、代表質問の場を与えていただいたことに心から感謝を申し上げ、ただいまより8項目にわたって代表質問を行います。よろしくお願いいたします。
 県財政の健全化について。
 県財政の現状について。
 本県における県、市町村の財源状況は、2年目を迎えた国の三位一体改革の影響をもろに受け財源不足に陥り、予算編成においても厳しく深刻な状況であります。その結果として、国庫支出金、地方交付税等国に依存する度合いが高くなり、自主財源が全国一低い本県の財政構造が県経済の停滞を招き、さらに税収に影響を及ぼし悪循環になっております。
 このような本県財政の悪化は、国による三位一体改革だけに原因があるのではなく、行財政改革、事務事業の見直し、定員削減等、自主改革を怠ってきた地方側にも責任の多くがあることを忘れてはならないと思います。
 これからの経済は右肩上がりの成長は到底期待できず、マイナス成長の中でいかに財政を維持し運営するかが県や市町村に求められていると考えます。
 そこで伺います。
 本県経済は、本土経済とのつながりが長い間途絶えていたこともあり、社会資本、企業体力等が弱く、自立傾向が脆弱と言われています。県の財政健全化を図るための中長期的な財政再建見通しをお伺いいたします。
 本県の財政は自主財源の割合が低く、国庫支出金等の財政依存型経済と言われるが、歳入歳出の特徴について説明願いたい。
 財政の健全化の目安として基金積み立てがあるが、県の基金の現状と今後の積み立て計画を伺います。
 財政健全化を図るため過去3年間に実施した県の取り組みと実績を示していただきたい。
 自主財源の確保について。
 自主財源となる税等の種類とその割合を示してください。
 三位一体改革は公共事業の削減につながったが、本県の県税収入にどのような影響を与えたか伺います。
 県税収入を増加させ、効率的徴収を図るため県の体制整備と徴収行動計画について伺います。
 行財政改革の推進について。
 本県財政は国に依存する度合いが大きく、三位一体改革による国からの補助金等の削減はもろに財政に影響してきます。県においては職員一人一人が危機感を持って行財政改革に取り組む必要があるが、具体的な取り組み状況を伺います。
 次の質問は、当局の説明で了解しましたので、取り下げます。
 独立行政法人への移行問題が地方においても検討されているが、行財政改革の観点からも移行を進め、独立採算制による運営を目指すべきと考えるが、県の御所見を伺います。
 沖縄県行財政改革プラン(仮称)が今年度じゅうに策定予定だが、具体的にどのような考え方で進めていくのか伺います。
 2006年度国庫補助事業について。
 2006年度沖縄関係予算の概算要求額が総額3269億円、15.4%増と内閣府から発表されているが、その概要と県の要請がどのように反映されたか伺います。
 2006年度の県の国庫補助事業要請の基本方針と内閣府などの各省庁に要請した各事業の選定基準を伺います。
 2006年度は沖縄振興計画の折り返しの年度となるが、計画の目標達成と自立に向けた県づくりの基盤となる予算・事業の要求となっているのか伺います。
 県の要請には従来のような大型プロジェクトは盛り込まれていないとのことですが、その理由を伺います。
 2、沖縄観光の振興について。
 本県観光の現状と課題について。
 本県を訪れる観光客は、平成16年実績で515万3000人と過去最高を記録しております。昨今の沖縄ブームもあり、沖縄観光は本土からの観光形態としてほぼ定着したと考えていいと思います。
 自立経済を目指す本県にとって観光の発展は経済の生命線であり、産業活性化の中核を担うまさに沖縄のリーディング産業として期待されているのであります。県も観光の進展に力を入れており、平成23年には観光客650万人をもくろみ、観光収入も平成15年の3754億円から7085億円と倍近くの伸びを想定しております。この目標に向かって県のさらなる努力を期待し、次の質問をいたします。
 平成17年度の沖縄への観光客数について、県は540万人を目標としています。その達成の可能性と、去る9月21日に8月の入域観光客数が同月過去最高の56万3600人、7.7%増と発表されるなど、最近の沖縄観光が好調に推移している要因について伺います。
 海外からの誘客のためにも世界に通用する観光沖縄のブランドづくりは重要であります。国際会議運営のノウハウを生かし、国際会議を初め海外からの誘客をいかに図るか、県の観光戦略を伺います。
 観光客1人当たりの平成12年の県内消費額は、去る7月の修正で8万3863円であったのが、平成16年は7万490円に激減しています。その要因はどこにあると考えられるのか。また、県内消費額向上の具体的施策についても伺います。
 障害者等に優しい観光施策の展開について。
 近年、観光旅行形態の変化や観光ニーズの多様化により障害者や高齢者の旅行参加が増大しております。障害者や高齢者が快適な旅行を実現するためには、さまざまな障害を乗り越えなければならないのが現実であります。このため、国内外の観光都市を標榜する地域においては、バリアフリー観光を推進しているところがふえているようであります。
 本県は、必ずしもこれらのハンディキャップに対応した対策は進んでいるとは言えない状況にあると言われておりますが、観光沖縄を世界に発信するためにもバリアフリー観光の推進を図ることが本県にとっても必要と考えます。
 そこで伺います。
 増大傾向にある観光客としての障害者や高齢者を積極的に受け入れるための県の対策と問題点、課題等について伺います。
 本県を観光で訪れる障害者や高齢者の推移を過去3年間の実績で示していただきたい。
 障害者や高齢者を受け入れるためには、県内観光施設やホテル等のバリアフリー対策が必要であり、これら施設等の受け入れ体制は整備されているのか伺います。
 空港客引き問題について。
 那覇空港内で観光客に対し、風俗店への客引き行為として県観光振興条例違反容疑で逮捕されるという憂慮すべき事態が起こったが、その経緯について伺います。
 客引き行為は、観光客に不快感を与えるだけでなく、本県のイメージダウンにつながり、観光沖縄の将来にも影響を及ぼすだけに万全な防止策を講じる必要があるが、県の対策を伺います。
 客引き行為を防止するためには、行政、県警、民間観光団体等の連携が重要であるが、これらの協力体制は万全になされているのか伺います。
 石垣―花蓮直行便の就航支援について。
 昨年8月に台湾花蓮との観光交流拡大を図ろうと「石垣・花蓮直行便就航実現対策委員会」が発足し、台湾政府や花蓮県に要請するなど精力的に取り組んでいます。
 石垣―台湾間チャーター便は平成7年から17年7月まで25回の実績があり、特にことしの5月から7月にかけて7往復で観光客が581人訪れています。しかし、定期直行便を実現するためには石垣空港にCIQ施設を設置する必要性が指摘されております。現在は空港ロビーをパーテーションで仕切った中で出入国の審査を受けている状態です。
 国際線出入国施設CIQ業務設置の必要性については、先日8月29日に石垣市長もプレハブの小さな施設でもよいと要請されています。CIQ施設充実により、台湾を初め海外からの誘客誘致につなげて観光産業の発展と経済効果が大いに期待できるので、ぜひ予算化していただきたいが、御所見を伺います。
 3、市町村合併と離島振興について。
 市町村合併の現状について。
 2005年3月末までの県内の合併状況は、平成の大合併が始まった1999年4月の53市町村から5件が合併したことにより12市町村が減少し、2006年1月1日からの県内市町村数は41になるとのことであります。
 本県の合併に伴う市町村の減少率は、全国と比較した場合41位の低水準にあります。国の進める三位一体改革により地方財政が逼迫している状況にあり、特に離島の多い本県にとって財政の効率的運営を図る観点から、今後とも市町村の合併を進めていく必要があると考えます。
 このことを踏まえ、質問いたします。
 新合併特例法に基づく市町村合併について、県の合併推進計画を伺います。
 旧合併特例法(2005年3月31日まで)により合併した市町村と特例法の改正(1年延長)により合併した市町村との間で法的位置づけ、財政支援等の違いについて伺います。
 経過措置により4月1日に合併した市町村について、補助金交付ができるかで総務省と財務省で見解に相違があるということだが、経緯について伺います。
 離島振興の現状について。
 本県離島は他県における離島と違い、いわば離島の中の離島であり、大きなハンディを抱えている厳しい状況にあります。すなわち、離島であるがゆえの立地条件の不利性から医療・福祉等の生活環境面でのおくれや、若年層の慢性的な流出、高齢化の進行等構造的な問題を抱えている現状にあります。
 そこで伺います。
 今回の合併においては離島町村の合併が不振であったが、その要因は何にあると考えているのか伺います。
 離島同士の合併が難しいのは、特に医療分野での未整備が大きく影響していると思われます。離島への医師派遣等広域的な人材確保が必要と考えるが、県の対策を伺います。
 県は、本年度以降、県内の離島医療の充実を図るため離島診療所勤務を医師の実績に組み入れる新評価制度に着手し、離島医療支援センター(仮称)の設置も計画しているようですが、これらの計画の概要を説明願います。
 八重山・宮古支庁組織変遷について。
 平成18年度の沖縄県出先機関の組織1次内示について。
 八重山・宮古支庁は離島で、地理的特性にある各市町村において、県の総合窓口機関としての機能を加えて地域の諸課題に迅速に対応し、解決を図る地域完結型行政を目指し、各種施策に取り組んでいます。
 今回の偏った支庁組織の変遷は全く逆行するものであり、むしろ両支庁の機能は権限の拡大を含め、組織を強化すべきだと地元の反発の声が多いが、次のことについて伺います。
 農林水産調整監(次長級)の配置について他の分野がおろそかになり、次長は支庁長を補佐し、各課間の連携・調整役とした場合、代理不可能な業務が出てきます。そこで、地域振興統括監の配置が必要だと考えるがどうでしょうか、所見を伺います。
 八重山支庁総務・観光振興課長の八重山平和祈念館(分館)長の兼任も物理的に厳しいと考えますが、解除できないのか伺います。
 農林水産振興課の解体、他部署への統合について農政の後退にならないのか、また許認可業務とのかかわりで行政の責任があいまいになり、混乱を招かないのか伺います。
 出先機関、特に八重山・宮古支庁の将来に向けての見直し、支庁長廃止を含む検討もされていることについて見解を伺います。
 4、雇用問題について。
 若年者の雇用対策について。
 この春、高校を卒業した若者の就職率が91.2%、7年ぶりに90%台に回復したが、本県は77.5%と全国最下位の就職率となっています。この数字について県の御所見を伺います。
 本県の若者を取り巻く就職環境が改善されていないように思えるが、県の若者を対象とした対策を伺います。
 昨年より好転した就職率について、県は雇用形態の分析は行っているのか。最近の雇用形態において、契約社員や派遣社員といった正社員以外の雇用が増加していると言われているが、本県における状況について伺います。
 5、環境問題対策について。
 自動車リサイクル法がことし1月から施行されたが、県内では施行後、適正な廃車手続をしないケースが見られ、先日のマスコミ報道でも9月19日に石垣市内で許可業者が違法行為をして問題になっています。県において自動車リサイクル法が完全に機能しているとは思えませんので、今回の問題を含め今後は県民の生活環境を守るために同法を遵守するように監視指導を徹底していただくことを強く要望し、質問に移ります。
 廃棄自動車対策について。
 自動車リサイクル法施行後の本県における廃車の不法投棄等の状況と改善策について伺います。
 本県は、廃車の不法投棄が全国的にも高い率を示しており、特に離島の状況は目に余るものがあります。離島における廃車の不法投棄等の実態を伺います。
 離島においては、廃車の処分が本島に比べ費用がかさむという不利性がありますが、自動車リサイクル法施行後における状況は施行前とどのように変わったのか伺います。
 アスベスト問題について。
 アスベストによる健康被害が全国的に問題となっております。
 去る8月26日、政府は関係閣僚会議を開き、労災補償制度や公害健康補償法の対象とならない工場周辺住民や従業員家族の被害補償を目的とする特別法を策定することを決定しております。
 アスベスト被害については、1970年代からの製品製造の建物解体の現場での健康被害が問題化し、政府は、英国での被害実例を挙げて、家族や周辺住民にも危険が及ぶおそれがあることを指摘する通達を全国の労働基準局が出していながら、その後、何らの有効な対策をとっていなかったことが明らかになっております。このことが被害を拡大したことは否めません。
 アスベスト粉じんを吸い込んでから発症するまで潜伏期間が30年から40年と言われることから、今後も労災認定者はふえ続けると見られております。
 このような状況にあって、政府は2008年までのアスベスト全面禁止措置の前倒しも検討しているようであるが、早急・適切な対策が望まれております。
 本県においても早速対策連絡協議会を立ち上げ取り組んでいるようですが、生命にかかわることであるだけに、また先日のマスコミ報道でも県内で52人の死亡者が確認されている中で万全な対策をとる必要があります。
 そこで伺います。
 全国的にアスベストによる健康被害が問題になっているが、アスベストはどのような形で健康に被害を及ぼすのか説明願いたい。
 アスベスト使用に対する規制、予防等の対処法令はどうなっているのか伺います。
 本県におけるアスベスト使用状況の実態は把握しているか。また、学校施設でのアスベスト使用調査を実施しているようだが、その概要と県の考え方を伺います。
 本県におけるアスベスト健康被害の実態は把握しているか、数字で示してほしい。
 本県におけるアスベスト使用に対する業界指導はどのように行っているのか伺います。
 6、土木建築関係について。
 新石垣空港建設について。
 国の2005年度予算で調査費が認められ、環境影響評価書の追加調査についても調査研究がなされ、環境保全に取り組むことで県は許可申請の条件を整え、9月12日に嘉数副知事がじきじきに新石垣空港整備事業に係る飛行場設置許可を航空法の規定に基づき国へ申請されました。本格的な建設に向けて動き出し、計画どおり工事着工となれば2013年度の供用開始となります。これまでの並々ならぬ知事を初め当局、議員の皆様の御努力、御支援に心から感謝申し上げ、なお引き続き新空港開港で一番機にみんなで乗れる日を楽しみに、お力添えをよろしくお願いいたします。
 そこで伺います。
 飛行場設置許可が申請されたが、許可がおり供用開始までの具体的なスケジュールについて伺います。
 空港建設に向けてのハードルは、用地取得が最重要要件となるが、共有地権者の約630人余の内訳(地元、県内、県外別)人数はどうなっているのか。今後どのような方法で理解を求めていくのか伺います。
 用地取得に向けて大変な作業となることが考えられるが、職員の配置や組織の体制はどうなっているのか伺います。
 本庁と八重山支庁、石垣市、沖縄県土地開発公社などとの連携はどうなっているのか伺います。
 7、福祉関係について。
 介護保険について。
 2000年度にスタートした介護保険制度が利用者増に伴う財政圧迫により、制度の存続さえも危ぶまれております。
 このような中、厚生労働省の社会保障審議会介護保険部は現在40歳以上からの保険料負担開始年齢を引き下げる一方、原則65歳以上となるサービス受給者の対象を拡大すること、さらに障害者の支援制度と統合するなど介護保険制度改革を審議し、2006年をめどに結論を出すとしております。
 確かに現在の介護保険制度は行き詰まりを見せており、将来に大きなしわ寄せがいく危険性は大であります。
 介護保険制度が行き詰まった直接的な要因は、介護利用について国は予測を誤り、国の予測を大きく上回る利用があったことにあると言われております。本県の場合は、高齢人口10万人当たりの介護保険施設が全国一高く、在宅サービスの利用もふえ、要介護認定者数も見込みを超えている状況にあるようです。このため、高齢者1人当たりの介護給付費は全国一となっております。本県の場合は、利用実態にも全国的に特異な状況にあることから、適正な給付を図るための取り組みが求められているようであります。
 そこで伺います。
 本県は長寿県であることから要介護の高齢者も多く、負担も大きいと思われるが、本県の介護保険事業の現状を伺います。
 介護保険会計が赤字となった市町村も多いと聞いていますが、介護保険財政安定化のための県の対策を伺います。
 介護保険の財源が問題となっており、厚生労働省は介護保険の見直しを進め、保険料を納める対象者の年齢を現行よりも引き下げる計画をしているようですが、20代の半数近くが国民年金保険料を納めていない状況の中で実効性が伴うのか疑問であるが、県の御所見を伺います。
 今後、高齢者が急速にふえ、2012年度には65歳以上の方が負担する保険料が現在の倍近くになると言われているが、県の見通しを伺います。
 次に、待機児童解消策について。
 平成17年4月1日現在の本県の保育所数は346カ所、入所定員2万6859人、入所児童数2万8835人となっております。これにより待機児童数は1884人と昨年より362人減少しておりますが、依然として待機率は6.5%で全国的にも高い状態となっております。
 このため、県は認可保育所として新たに認定するなどして待機児童の解消を図ってきたようでありますが、根本的な解決には至っていないのが現状であります。
 総務省も国の三位一体改革で地方に移された公立保育施設の運営に係る補助事業について、認可外の施設にも認可施設と同様に使えるよう弾力化を決めたということであります。今後は、県としても従来にも増して認可外施設への支援が容易になると思われます。
 そこで伺います。
 潜在的待機児童の解消のため県が講じた対策について伺います。
 県の保育所入所待機児童解消対策事業により認可外保育施設から認可保育施設への移行はどの程度想定しているか伺います。
 今年度、認可保育所として新たに認定した件数と解消された待機児童数を伺います。
 認証保育所制度の本県への導入について伺います。
 8、教育関係について。
 不登校対策について。
 県内における不登校児童生徒の実態はどうなっているのか伺います。
 中学校においては、不登校の理由が深夜徘回などの遊び・非行がトップで、これは全国平均より高くなっていると言われています。このことは何に起因すると思われるのか。また、根本的な対策はないのか伺います。
 県教育庁の不登校対策に係る取り組み状況について伺います。また、市町村や父母、特に地域コミュニティーとの連携は効果的に行われているのか伺います。
 児童生徒の安全対策について。
 学校帰りや住宅周辺での児童生徒の連れ去りや追いかけられるという事件が全国的に多発し、学校、家庭、地域における安全対策が急がれております。
 昨年11月には、奈良県で学校帰りの少女が誘拐され殺害されるという痛ましい事件が発生し、全国の学校関係者や子供を持つ親に衝撃を与えました。
 本県においても、児童生徒に対する連れ去り事件が発生しており、県警のまとめた平成16年中の未成年者等略取・未遂事案の被害発生状況を見ると、発生件数は10件10人で、児童生徒の被害は7人に及んでいるとのことであります。昨年に比べると減少傾向にあるようですが、対象が小学生及び高校の女子・児童生徒に集中していることから、親や関係者の不安は増すばかりであります。
 各学校においては、防犯対策の基本となる危機管理マニュアルを作成し、児童生徒の安全確保に努めていると思いますが、どのような安全対策をとっているか、対策は万全か等、児童生徒や親としては不安だと思います。
 そこで伺います。
 各学校や市町村における取り組みの状況について伺います。
 県教育庁においての指導体制と家庭、県警、関係機関等との連携はどのようにとられているか伺います。
 防止対策を進める上での問題点や課題となるものは何か伺います。
 以上です。
 御答弁よろしくお願いいたします。
○議長(外間盛善) ただいまの辻野ヒロ子君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後0時6分休憩
   午後1時23分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 午前の辻野ヒロ子君の質問に対する答弁を願います。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 辻野ヒロ子議員の御質問にお答えいたします。
 中長期的な財政の見通しと歳入歳出の特徴について一括してお答えいたします。
本県の財政状況は、歳入面では県税収入の歳入総額に占める割合が16.3%となっており、全国平均の25.8%、九州平均の19.9%に比べかなり低く、地方交付税や国庫支出金に大きく依存した構造となっております。
 今後の見通しとしては、平成18年度までの地方交付税や地方税などの一般財源総額については確保されるものの、平成19年度以降の地方交付税など取り扱いは現時点では国から示されておりません。
一方、歳出面では人件費や公債費などの義務的経費の割合が高く、今後は退職者が集中することにより多額の退職金が見込まれるほか、臨時財政対策債の影響による公債費の増が見込まれます。 
 このため、現在策定中の沖縄県行財政改革プラン(仮称)においても、財政健全化策を盛り込み、これまで以上に自主財源の確保を図るとともに、経費の徹底した見直しによる歳出の節減合理化に努めてまいります。
さらに、中長期的には本県経済の活性化を促進し、税源の涵養を図ってまいりたいと考えております。
 次に、沖縄県行財政改革プラン(仮称)についての御質問にお答えいたします。
 行政改革については、これまでの取り組みにより一定の成果を上げているところであります。しかしながら、急速に変化する社会経済情勢に適切に対応した行政サービスを確保するためには、行政改革について県民の理解を得ながらスピードアップや選択と集中を図るとともに、あらゆる行政分野において例外をつくることなく取り組む必要があります。
 そのため、今年度中に策定することとしている沖縄県行財政改革プラン(仮称)では、簡素で効率的な行政体制の構築を目指し、現行の159の推進項目を50項目程度に絞り込んで集中的に実施したいと考えております。
 推進項目の主なものとしては、出先機関の見直し、職員数の適正化、事務事業や県単補助金の整理合理化などの財政の健全化、さらに公社等外郭団体の見直しなどとなっております。これらの項目については、年度ごとに達成すべき数値目標や具体的方策をこれまで以上に明確に示すことで、より実効性のあるプランにしたいと考えております。
 続いて、内閣府概算要求の内容と県の要請の基本方針等について一括してお答えいたします。
 平成18年度は沖縄振興計画も半ばの5年目に当たり、これまでの成果を踏まえ、さらなる発展に向けた県づくりを進める重要な年度であります。
 このため、県においては、沖縄振興計画に基づく自立型経済の構築に向けた産業の振興、雇用の安定と職業能力の開発、科学技術の振興と国際交流・協力の推進、持続的発展を支える基盤づくりなど、諸施策の着実な推進のため所要の措置について要請いたしました。
 内閣府沖縄担当部局の平成18年度概算要求は、厳しい財政状況の中ではありますが、総額3269億5100万円で、前年度予算に比べ15.4%の増となっております。自立型経済の構築に向けて引き続き各施策を進めるほか、新規事業として県内産業におけるデザインの戦略的活用の促進策や特別自由貿易地域への立地促進を支援する経費が盛り込まれました。
 また、沖縄科学技術大学院大学(仮称)の設立に向けた取り組みや離島の活性化策を引き続き推進することとしております。
 さらに、事業が本格化する新石垣空港の整備など本県の振興を積極的に推進するための経費が盛り込まれるなど、県の要望に配慮した内容となっております。
 次に、入域観光客数についての御質問にお答えいたします。
 平成17年の入域観光客数は、8月末現在で前年同期比5.0%増の364万人に達し、過去最高を記録しております。目標としている540万人の達成に向け順調に推移しているものと考えております。
 その要因としましては、美しい自然や固有の芸能、食文化、ホスピタリティーにあふれた県民風土などの沖縄の魅力が各種メディアを通じ全国的に注目を集め、沖縄人気が継続していることがまず挙げられると思います。
 さらに、県内における宿泊施設数が増加していること、各航空会社の増便や機材の大型化により輸送能力が拡大したこと、旅行会社を初め官民が一体となって誘客キャンペーンを展開したことなどが相乗的に功を奏し、多くの観光客の来訪につながったものと考えております。
 次に、海外からの観光客の誘致の御質問にお答えします。
 本県観光は好調に推移し、県経済の牽引役を担っております。しかし、そのマーケットを見るとほとんどが国内市場に頼っている現状にあります。
 本県観光が将来に向けても安定的に成長し、国際的にも第一級の観光・リゾート地としての地位を確立していくためには海外からの誘客を図るとともに、レベルの高い受け入れ体制を整備していく必要があります。
 このため、本県の自然、歴史的遺産、文化等の地域資源を活用して国際的に通用する観光・リゾートづくりや、アジア・太平洋地域を中心とした国際観光の振興、コンベンションの推進を図ることとしております。
 具体的には、海外からの誘客については国際航空路線の拡充や海外事務所の活用を図るとともに、「ビジット・ジャパン・キャンペーン」等との連携による各種誘客プロモーションを積極的に展開してまいります。
 国際会議等の誘致については、国・関係機関と連携を深めるとともに、九州・沖縄サミットやIDB沖縄総会等で蓄積されたノウハウを活用し、積極的に展開してまいります。
 また、受け入れ体制については、国際的に通用する人材の育成、情報提供の充実等を図ってまいります。
 次に、若年者の雇用対策についてお答えいたします。
 若年者の雇用状況を改善していくためには、雇用吸収力のある産業振興とともに、若年者みずからが幅広い職業観を形成し、仕事に関する知識や技術・技能を習得することが重要であると考えております。
 このため、沖縄県キャリアセンターにおいてこれまで約3万9000人の若年者に対し就職に関する各種セミナーやキャリアカウンセリング等を行うとともに、県内外インターンシップ等を実施しております。
 また、平成16年度から新規学卒者の雇用促進を図る若年者地域連携事業や地域産業を担う若年人材を育成する地域産業活性化人材育成事業を実施しております。
 さらに、学生等の就職活動支援を強化するため、本年、名護市と琉球大学にキャリアセンター分室を開所いたしました。その他、専修学校等民間教育訓練機関を活用して、座学と企業実習を組み合わせたデュアルシステム事業等を実施するなど、若年者の雇用対策を積極的に展開しております。これらの取り組みなどにより、平成17年3月卒の大学生等の就職内定率は前年より5.1ポイント上昇して77.7%となっております。
 次に、アスベストによる健康被害についての御質問にお答えいたします。
 アスベストは、断熱・防音等の目的で自動車部品、機械設備等の産業用はもとより、建築物等においても昭和30年代から広範囲で大量に使用されてきました。
 一方、アスベストの有害性については、昭和47年の国際労働機関(ILO)の専門家会合で発がん性についての指摘があり、これを多量に吸入すると15ないし40年の長期間を経た後に中皮腫等を発症することが知られ、その使用がこれまで段階的に禁止されてきたところです。
 こうした中、本年6月下旬、アスベスト製品製造工場周辺の住民の健康被害が公表されるなど、全国で社会問題化したことから、県民の間でも健康被害に対する不安・懸念が高まっております。
 そのため、県では、庁内外の関係機関が参加する沖縄県アスベスト対策連絡協議会を開催し、アスベスト使用実態調査を実施するとともに、県民に対する適切な情報の提供に努めているところであります。
 今後とも、国の「アスベスト問題に関する関係閣僚による会合」の方針と呼応し、関係機関とさらに密接に連携・協力して適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、新石垣空港の供用開始までの整備スケジュールについてお答えいたします。
 新石垣空港については、去る9月12日に航空法に基づく飛行場設置許可を国土交通大臣へ申請したところであり、建設に向けて新たな一歩を踏み出したものと考えております。
 今後の整備スケジュールとしては、平成17年度に調査・測量や実施設計を行い、平成18年度から地元の協力を得て用地買収を開始し、用地の取得状況を踏まえながら平成19年度以降、土木工事、照明工事、建築工事等を行う計画であります。その後、国の完成検査を経て平成24年度末には供用開始の予定としております。
 次に、待機児童解消対策と今年度開所した保育所数等についての御質問にお答えいたします。一括してお答えいたします。
 県では、待機児童解消を県政の重要課題と位置づけ、これまで「新おきなわ子どもプラン」に基づき保育所の創設や増改築、分園の設置等を推進してまいりました。その結果、平成14年度から16年度までの3年間で3029人の定員増を図ってきております。
 また、今年度開所した保育所は13カ所であり、平成17年4月現在の待機児童は1884人で、前年同期に比べ362人減少しております。
 なお、ことし3月に策定した「おきなわ子ども・子育て応援プラン」においては、平成21年度までの5カ年間で潜在的待機児童も視野に入れ、約4100人の定員増を目標に掲げております。
 今後も保育の実施主体である市町村と連携し、待機児童の解消に取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させます。
○総務部長(上原 昭) 基金の現状と積立計画についてお答えいたします。
 財政調整基金、減債基金、退職手当基金、県有施設整備基金の主要4基金の平成16年度末現在高は約519億円となっております。
 平成17年度は、厳しい財政状況下においても沖縄振興計画に基づく諸施策に対応するため、主要4基金を約165億円取り崩すなど厳しい予算編成を行ったところであり、平成17年度末の基金残高は約360億円まで減少する見込みとなっております。国、地方を取り巻く厳しい財政状況の中、安定的な財政運営を行うためには主要4基金の維持確保に努める必要があります。
 今後、平成19年度から平成24年度までに約5400人の退職者が見込まれることから、多額の退職手当の支出に備え、特に退職手当基金の確保に努めてまいりたいと考えております。
 財政健全化の取り組みと実績についてお答えいたします。
 県では、これまで「行政システム改革大綱」に基づき、財政の健全化に取り組んできたところであります。
 平成14年度から16年度までの過去3年間の実績としては、県税徴収率の向上のため、市町村との共同催告や共同滞納整理の実施などを行った結果、徴収率が94.2%から94.7%へ向上しております。
 また、使用料及び手数料の定期的な見直しを行い、約3億円の増収を図ってきたほか、県有財産についても95件、約20億円の売り払いを行い、歳入の確保に努めてきたところです。さらに、県営住宅使用料などについて債権管理マニュアルを作成し、収入未済額の解消に努めてきたところであります。
 また、博物館・美術館建設事業や農業研究センター整備事業の施設計画の見直しにより約226億円を縮減したほか、県単補助金の廃止により48件、約5億円の縮減を行いました。さらに10億円以上の県単独事業による新たな箱物整備の抑制を行ってきたほか、県債についても国の経済対策や地方財政対策等に基づくものを除き発行額を250億円以下に抑制し、公債費負担の軽減に努めてきたところであります。
 次に、県税の種類とその割合についてお答えします。
 自主財源である県税の種類は、法定税9税目、目的税3税目、法定外普通税1税目の13税目となっております。うち普通税は、1、県民税、2、事業税、3、地方消費税、4、不動産取得税、5、県たばこ税、6、ゴルフ場利用税、7、自動車税、8、鉱区税、9,固定資産税、うち目的税は、10、自動車取得税、11、軽油引取税、12、狩猟税、また法定外普通税は、13、石油価格調整税があります。
 平成16年度県税決算額は868億9036万7000円となっており、税目別の割合は、法人2税――法人県民税、法人事業税――が26.9%、自動車税が18.2%、個人県民税が15.5%、地方消費税が14.5%、軽油引取税が10.1%、その他が14.8%となっております。
 次に、三位一体改革の県税収入への影響についてお答えします。
 三位一体の改革に伴う国庫補助負担金等の廃止または縮減に伴う影響額相当分については、所得譲与税及び税源移譲予定特例交付金として措置されているところであります。三位一体の改革が県税収入にどのような影響を与えたかを把握することは困難であります。
 なお、平成16年度の県税収入額は、対前年度比で1.5%の伸びを示しており、また好調な企業収益を背景として法人県民税は5.1%、法人事業税は6%伸びているところであります。
 次に、県の徴収対策についてお答えします。
 県税については、「新沖縄県行政システム改革大綱」において、平成17年度までに徴収率を96.2%とすることを目標に徴収体制の強化に努めているところであります。
 具体的には、県民への広報活動、市町村との連携強化、財産の差し押さえなど法的措置の強化、「自動車税滞納整理強化月間」の設定による現年度課税分対策などを進めてきたところであります。
 また、「特別滞納整理班」を平成11年度に設置し、高額滞納事案等を集中的に整理してまいりました。その結果、平成16年度の徴収率は前年度と比較して0.6ポイント増加の94.7%となっております。今後の税源移譲の動向を踏まえ、より一層の徴収強化に努めてまいりたいと考えております。
 次に、行財政改革の具体的取り組みについてお答えします。
 行政改革については、「新沖縄県行政システム改革大綱」に基づき行政改革推進本部を中心に全庁体制で取り組んでいるところであります。限られた行政資源の中で県民視点に立った成果や効率を重視した行政体制を確立するためには、職員一人一人が危機感を持って行財政改革に取り組むことが重要であると考えております。
 具体的には、組織・機構の見直し、職員数の適正化、事務事業や県単補助金の整理合理化などの財政の健全化、さらに公社等外郭団体の見直しなどに取り組んでおります。今年度は、現大綱の最終年度として目標達成に努めるとともに、平成18年度から21年度までを実施期間とする沖縄県行財政改革プラン(仮称)を策定することとしております。
 次に、独立行政法人への移行についてお答えします。
 本県を取り巻く厳しい財政状況の中、県民本位の成果・効率重視のスマートな行政を一層推進し、県民サービスの向上を図るため、地方独立行政法人制度の活用は重要であると考えております。
 県立大学については、平成16年度に包括外部監査人から大学経営の責任の明確化、高いコストの是正等が指摘され、地方独立行政法人へ移行すべきとの意見が報告されました。このような状況を踏まえて、県立芸術大学及び県立看護大学の地方独立行政法人化に関する取り組みを進めているところであります。
 県づくりの基盤となる予算要求についてお答えします。
 内閣府沖縄担当部局の平成18年度概算要求額は、総額3269億5100万円で、その内訳は、基本的政策企画立案等経費が319億2200万円、沖縄振興開発事業費等が2950億2900万円となっております。
 具体的には、自立型経済の構築に向けた産業の振興については、バリアフリー観光推進事業、IT新事業創出体制強化事業などを進めるとともに、特別自由貿易地域における創・操業支援施設の整備に要する経費が新規に盛り込まれました。
 雇用の安定と職業能力の開発については、雇用の創出と人材育成を一体として行う戦略産業人材育成支援事業を実施することとしております。
 科学技術の振興等については、沖縄科学技術大学院大学の関連経費が大幅に増額され、設立構想の実現に向けた取り組みが強化されております。
 さらに、本県離島の活性化に向けた諸施策を引き続き推進するほか、事業が本格化する新石垣空港の整備事業についても着実な推進が図られる内容となっており、沖縄振興計画の目標達成と本県の自立に向けた各施策の推進に必要な経費が盛り込まれていると認識しております。
 次に、大型プロジェクトの要請についてお答えいたします。
 平成18年度の国庫支出金要請においては、新たな大型プロジェクトはないものの、沖縄科学技術大学院大学の施設整備、新石垣空港整備事業、儀間川総合開発事業、伊良部架橋の整備など、大型プロジェクトについても引き続き要請したところです。厳しい財政状況の中ではありますが、今後は内閣府沖縄担当部局等との連携を密にし、概算要求の実現に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、農林水産調整監の配置及び農林水産振興課の解体等について一括してお答えします。
 簡素で効率的な組織・機構の確立、県行政の役割の重点化などの観点から、すべての出先機関について組織のフラット化、班制の導入、中間職制の廃止等の見直しを行っているところであります。これに伴い、宮古・八重山支庁においても平成18年度から次長職を廃止することとしております。
 また、宮古・八重山圏域においては、今後とも農林水産業の振興を強化する必要があることから、農政と普及事業及びハード事業とソフト事業の一体的推進を図ることとしております。このため、農林水産業関係4組織は3組織に再編統合するとともに、再編後の農林水産関係機関を統括する統括監級の農林水産調整監を配置することとしております。
 八重山平和祈念館の管理運営体制についてお答えします。
 八重山平和祈念館長は、支庁との連携や定員の抑制等の観点から総務・観光振興課長が兼任しています。
 八重山平和祈念館の管理運営体制については、行財政改革プラン(仮称)の期間中に指定管理者制度の活用などを含め検討することとしています。
 両支庁の今後の組織等の見直しについてお答えします。
 地域の振興は、住民に最も近い市町村が地域の実情や住民ニーズに即応し、歴史・文化など固有の資源を生かしながら主体的に取り組んでいくものであり、県はこれを支援する役割を担うものであります。
 一方において、地方分権の進展や県の厳しい財政状況を踏まえて、選択と集中の姿勢により限られた経営資源を有効かつ適正に配分することが求められております。このため、支庁の組織体制について、市町村との役割分担や県事業の円滑な推進を図る観点から、そのあり方について検討を進めているところであります。
 今後、行政改革懇話会や県民の意見を聞くなどして総合的な観点から検討し、新たな行財政改革プラン(仮称)に位置づけていきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、観光消費額についての御質問にお答えをいたします。
 平成16年の観光客1人当たりの県内消費額が減少したことについては、相次いだ台風の影響により、消費単価が高い夏場の観光客が減少したことが大きな要因であると考えております。
 観光消費額を引き上げるためには、旅行商品の付加価値の向上、滞在日数の長期化等を図る必要があります。そのため、県におきましては、付加価値の高い体験・滞在型観光としてエコツーリズムや健康・保養型観光の推進、離島観光の魅力向上などに取り組んでおります。
 また、リゾートウエディングやショッピング観光の拡大、国際会議やスポーツコンベンションなど、消費単価の高い各種コンベンションの誘致に取り組んでおります。
 このような施策展開もあって、平成17年上半期における観光客1人当たりの県内消費額は、速報値で対前年同期比4.5%増の7万2872円となりました。今後とも引き続き質の高い観光・リゾート地の形成に向け、付加価値の高い新たな観光メニューの創出に取り組んでいく考えです。
 次に、障害のある観光客等の受け入れについてお答えをいたします。
 県におきましては、「すべての人にやさしい観光地」の形成を目指し、昨年度から観光バリアフリー化推進事業に取り組んでおります。
 当該事業において昨年度実施した調査により、観光のバリアフリー化に向けた主な課題として、県内における意識がまだ低いこと、観光施設、宿泊施設などのバリアフリー対応が十分でないこと、障害者等への接客サービス体制がまだ整っていないこと、観光客に対するバリアフリー関連情報の提供が不足していることなどが挙げられます。
 その対策として、昨年度策定した「沖縄観光バリアフリー化を推進する上での基本的考え方」に基づき、観光業界の意識の高揚を図るためのシンポジウムの開催、バリアフリー整備技術や接遇に関するセミナーの実施、モニターツアーによる実証などに取り組んでおります。さらに、10月1日に沖縄県観光バリアフリー関連情報サイト「誰でも美ら島ネット」を一般公開するなど、優しい観光地づくりの認知度向上を図ってまいりたいと考えております。
 次に、障害者や高齢者の観光入域数についてお答えをいたします。
 障害者や高齢者の観光客数について、現状で詳細な統計をとっておりませんが、昨年度の観光バリアフリー化推進事業で関東圏の障害者団体を通じて行ったアンケートによると、沖縄に旅行した経験を持っている方が肢体不自由者で25.7%、視覚障害者で39.2%、聴覚障害者で58%となっております。
 また、3年ごとに実施している航空機内アンケート調査から推計した60代以上の高齢者の観光客数は、平成9年が52万人で全体の13.5%、平成12年が60万人で全体の13.3%、平成15年が56万5000人で全体の11.1%となっております。
 次に、観光施設等のバリアフリー対応についてお答えをいたします。
 昨年度実施した高齢者・障害者等の旅行受け入れに関するアンケート調査によりますと、観光施設では、障害者対応トイレやスロープの設置などについては比較的整備が進みつつありますが、点字案内板の設置が少ないなど、全体的に対応は不十分な状況であります。
 また、宿泊施設ではスロープの設置などについても十分に進んでおらず、特に障害者に対応した客室の整備についてはまだ数が少ない状況にあります。
 県といたしましては、観光関連事業者に対しバリアフリー対応への意識啓発を図り、整備を促進するとともに、ハードを補完する人的サービスの向上を図るなど、引き続き観光のバリアフリー化に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、那覇空港での不当な客引き防止対策と関係機関の協力体制について一括してお答えをいたします。
 観光沖縄の玄関口である那覇空港において、不当、違法な客引き行為が行われていたことは、質の高い沖縄観光に向けた各界各層の取り組みを無にしかねない、極めて憂慮すべきことであります。
 県では、豊見城警察署を初め那覇空港事務所、那覇空港ビルディング、沖縄観光コンベンションビューロー等の関係機関と協力し、警告文の掲示、空港内のパトロール等に取り組んでまいりました。
 また、去る8月3日には関係機関と連携し、観光客の安全・安心・快適を守る「ちゅらさん運動」を那覇空港で展開したところであります。
 さらに、「めんそーれ沖縄県民運動推進協議会」に加盟する約150の関係機関・団体等に対し、不当な客引き等の迷惑行為についての情報提供を依頼しております。県におきましては、引き続き関係機関・団体等と緊密な連携を図りながら、情報収集及び再発防止に努めてまいりたいと考えております。
 次に、雇用問題についての中の、本県の雇用形態の分析についてお答えをいたします。
 雇用形態別雇用者の推移を総務省が5年ごとに行う「就業構造基本調査」の平成9年と平成14年の比較で見てみると、本県においては契約社員・嘱託員が1万人から3万5800人に、派遣社員が1000人から3100人へと増加し、雇用者に占める非正規雇用者の割合も26.7%から34.4%へと増加しております。
 また、平成14年の調査結果について年齢階層別で比較してみると、若年者ほど非正規雇用者の割合が高い状況となっております。
 非正規雇用者が増加している原因として、依然として企業をめぐる経営環境が厳しい中で人件費削減や景気の変動に応じた雇用調整がしやすいことなどが挙げられると考えております。 派遣社員については、平成16年3月1日から改正労働派遣法の施行に伴い、派遣受入期間の延長、製造業等派遣対象業務の拡大等要件が緩和されたことにより増加傾向にあるものと考えられます。
 以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 空港での客引き行為に係る逮捕事件の経緯についてお答えをいたします。
 本件については、本年5月下旬、那覇空港事務所及び那覇空港ビルディング株式会社の職員が相次いで豊見城警察署那覇空港警備派出所へ来所し、那覇空港利用の観光客から到着ロビーで男性数名が近づき、夜の飲み屋、風俗のいいところを案内するよと客引きに遭った。空港ではこんな営業を許可しているのかとの苦情があった旨の相談を受けていたところであります。
 所轄豊見城警察署において所要の捜査を行った結果、那覇空港国内線到着ロビーにおいて、男性のみの団体客をターゲットに約100メートルもつきまとって那覇市内の風俗店等への勧誘を執拗に行い、迷惑を感じさせる方法で客引きした実態が判明したため、本年7月20日、那覇市内に居住する52歳の男性を県観光振興条例違反で逮捕したものであります。
 今後とも関係機関と連携しながら、観光客に迷惑をかける悪質な客引き行為の取り締まりを行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 石垣空港のCIQ施設整備についてお答えいたします。
 石垣空港におけるCIQ施設整備については、海外との航空路線の開設を促進し、もって八重山圏域の国際的な観光・リゾート地の形成及び観光産業の発展を図る観点から、その必要性は認識しております。
 これまでの台湾―石垣間のチャーター便の乗客に対するCIQ業務のための施設は、石垣市や民間航空会社の協力により、既存空港内施設を使用しているところであります。CIQ施設の整備については、今後のチャーター便の就航頻度を見きわめながら、施設規模、整備費用等を総合的に勘案し、石垣市や民間航空会社と協力の上、検討していきたいと考えております。
 次に、新石垣空港用地における共有地権者の内訳及び今後の対応についてにお答えいたします。
 新石垣空港整備事業に必要な用地については、平成15年度からこれまで地元石垣市とともに関係地権者に対し同意取得に取り組んでまいりました。その結果、平成17年9月現在で空港取得用地面積の99.9%を所有する一般地権者116名のうち、不在地主3名を除く113名全員から同意を得ております。また、残りの0.1%の土地を所有する共有地権者632名のうち9名からの同意も得ております。
 その共有地権者632名の地域別内訳は、県外580名、91.8%、石垣市以外の県内30名、4.7%、地元石垣市が22名、3.5%となっております。
 県としては、新石垣空港の早期供用に当たって円滑な用地取得が肝要であると考えており、今後とも地元と連携し、あらゆる機会を通じて粘り強く説得に当たり、事業への理解と協力を求めていく考えであります。
 次に、用地取得に向けての職員の配置や組織体制及び関係機関との連携についてに一括してお答えいたします。
 新石垣空港整備事業を推進するためには、円滑な用地取得が肝要であります。とりわけ、多数の共有地権者が全国各地に分散していることから、限られた期間内で用地を取得するためには十分な職員の配置と組織機能を拡充し、万全な執行体制の強化を図る必要があると考えております。
 また、本庁、八重山支庁、石垣市及び沖縄県土地開発公社がそれぞれのノウハウや情報を共有し連携を密にするため、本年6月に4者で構成する「新石垣空港整備事業に係る用地取得等調整会議」を設置し、今後の円滑な用地取得に向けて取り組んでいるところであります。
 以上であります。
○企画部長(上原良幸) 市町村合併と離島振興に関し、新合併特例法に基づく県の合併推進計画についての御質問にお答えいたします。
 県では、新たな市町村の合併の特例等に関する法律に基づき、平成17年度中に合併に関する基本構想を策定すべく鋭意取り組んでいるところであります。
 合併構想においては、市町村の望ましい姿、自主的な市町村合併推進の必要性、県の役割等に関する基本的な考え方、市町村の現況及び将来の見通し等を示した上で、構想対象市町村の組み合わせを行うことになっております。
 当該構想の策定に当たっては、沖縄県市町村合併促進審議会で十分審議・検討し、構想対象市町村の意向を踏まえながら進めていきたいと考えております。
 次に、同じく旧合併特例法と改正特例法との違い及び補助金交付の経緯について一括してお答えいたします。
 旧合併特例法は、平成17年3月31日までの期限となっておりましたが、平成16年5月に一部改正が行われ、1年間の経過措置が設けられております。この改正により、平成17年3月31日までに県知事へ合併の申請を行い、平成18年3月31日までに合併する市町村についても従前と同様な市の要件の特例、議員在任特例等の法的効果及び合併特例債、合併算定がえ等の財政支援措置が受けられることになったものであります。
 また、合併市町村補助金の適用については、平成16年8月に国の市町村合併支援本部において予算上の協議を要するものとして、予算編成過程を通じて明らかにするとの決定がなされております。しかしながら、現時点において予算確保がなされておらず、今後の予算協議の中で示されることになります。
 当該補助金については、市町村建設計画を実施する上で重要な財源と認識しており、県としてはこれまで国に対し要請を行ってきたところであります。
 同じく離島市町村の合併が不振であった要因についての御質問にお答えいたします。
 離島町村の合併が不振であった要因は、外海離島の地理的条件から合併後の一体性の確保が図りにくいこと、また役場職員の減少に伴う地域活力の低下及び若年層の流出による過疎化への懸念等さまざまな理由があると考えております。しかしながら、本県の離島町村は脆弱な財政基盤などにより、将来にわたって行政サービスを維持し続けることは一層厳しくなることが予想されます。
 県としては、合併新法下においても、各市町村の意向を踏まえながら、可能な限り小規模町村を再編する方向で検討していきたいと考えております。
 以上であります。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 離島医療の確保と離島医療支援センター(仮称)について一括してお答えします。
 本県の離島地域を含めた各圏域の医療提供体制については、沖縄県保健医療計画に基づき整備することとしております。宮古や八重山等離島地域の圏域においては、病院の整備が進展し、病床数も同計画の目標を満たしているほか、診療所についても県立や町村立で必要な施設整備が図られております。
 一方、離島医療を担う医師については、県立病院における脳外科等の専門医や診療所の医師確保に課題が残っております。
 県としては、今後とも琉球大学を初め県内外の大学と医師派遣の調整を進めるほか、県立病院の医師臨床研修事業の中で専門医やプライマリーケア医の養成拡充を検討する等、医師確保対策を充実していきたいと考えております。
 また、平成18年度には、高度・多機能病院の施設内に離島医療支援センター(仮称)を設置する予定であり、同センターを拠点に離島診療所への代診医派遣や診療所医師に対する技術支援等を行うほか、ドクターバンク事業を実施し、広域的な医師募集にも取り組んでいきたいと考えております。
 次に、本県の介護保険事業の現状についてお答えいたします。
 本県の介護保険の利用は、平成12年4月の制度開始以来年々伸びており、平成16年度は約613億7400万円の保険給付がありました。
 平成17年2月分の介護保険事業報告によると、本県の第1号被保険者は21万2402人で、その17.2%に当たる3万6500人が要支援や要介護の認定を受けています。
 要介護認定者のうち83.4%の3万437人が介護サービスを利用しており、内訳は、在宅サービスの利用者が2万1597人、71.0%、施設サービスの利用者が8840人、29.0%となっています。
 サービスの利用内容では、施設サービスの利用者が他県に比べて多いことと、通所介護や通所リハビリテーションなどの通所系サービスの利用の伸びが高いのが本県の特徴となっています。本県の第1号保険料の平均は4957円で、全国平均の3293円よりも1664円高く、全国で最も高くなっています。
 次に、介護保険財政の安定化のための対策についてお答えいたします。
 県では、介護保険財政安定化基金を設置しており、赤字になった保険者への貸し付けや財政安定化基金交付金の交付を行っております。平成12年度から14年度までの第1期介護保険事業期間中はすべての保険者で赤字が生じたため、基金から平成13年度と14年度の2年度で総額53億8489万円を貸し付けました。
 また、平成14年度においては、財政安定のため21保険者に約1億7000万円の交付金を交付しました。第2期は、平成15年度に4保険者に対して3306万3000円、平成16年度に3保険者に対して6105万円それぞれ貸し付けています。
 貸付金は原則として次期の介護保険事業期間の3年度で償還することとなっており、県では保険料の急激な上昇を防ぐため貸付金の償還期間を延長するよう厚生労働省に要望し、認められています。
 次に、介護保険の被保険者の年齢の見直しについてお答えいたします。
 介護保険の被保険者の年齢の見直しについては、受給者の範囲の拡大とともに、今回成立した介護保険法等の一部を改正する法律の附則第2条において、「社会保障に関する制度全般についての一体的な見直しと併せて検討を行い、その結果に基づいて、平成21年度を目途として所要の措置を講ずる」こととされています。
 また、厚生労働省はこれらの問題について平成18年度末までに結論が得られるよう、できるだけ早期に新たな場を設けて議論するとしています。新たに被保険者となる年齢層からの保険料の徴収方法についても、これらの議論の中で検討されるものと考えられます。県としては、これからの議論の内容を見守っていきたいと考えています。
 次に、2012年の介護保険料の見通しについてお答えいたします。
 昨年10月、厚生労働省は第1号保険料の見通しとして、現在3300円の全国平均の保険料が平成24年度から始まる第5期事業期間には6000円程度になるという試算を発表しています。この試算は、制度見直しの議論のための当時の制度を前提としたごく粗い試算とされています。
 今回の介護保険法改正により10月から施設給付が見直され、また来年度、介護給付費単価が見直されることから、現時点で将来の保険料を見通すことは困難です。
 現在、各市町村では第3期介護保険事業計画策定を進めており、その結果によって試算が可能になると考えています。
 次に、認可外保育施設の認可化についてお答えいたします。
 県では、「新おきなわ子どもプラン」に基づき、平成14年度から16年度までの3年間で29カ所の保育所を設置・認可しておりますが、そのうち25カ所は認可外保育施設から認可化したものであります。
 認可外保育施設の認可化については、数値目標は掲げておりませんが、保育の実施主体である市町村の意向を踏まえ、引き続き認可化を促進してまいりたいと考えております。
 次に、認証保育制度の導入についてお答えいたします。
 県では、児童福祉法に基づく認可保育所での保育を基本と考えており、認可外保育施設に対しては認可化移行促進事業等の活用により認可化を促進してまいりたいと考えております。
 今後も待機児童の解消に向けて保育の実施主体である市町村と連携し、保育所の創設や増改築、分園の設置、余裕教室等を活用した保育施設の設置等あらゆる施策を実施してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) 高校生の就職率についてお答えします。
 平成17年3月末の公立・私立を含めた高等学校卒業者の就職決定率は77.5%で、全国平均の91.2%と比較すると13.7ポイントの開きがあります。
 就職決定率の低い要因は、沖縄県の高校生の県内志向や進路決定の遅さ、高卒から大卒への社会的需要の変化等が考えられます。しかしながら、ことし3月末における県立高等学校卒業者の就職決定率は77.8%で、前年度を7ポイント上回り改善の傾向にあります。
 このことは、各学校の求人開拓やインターンシップの推進、就職相談補助員の配置等によるものであります。また、県観光商工部との合同面接会、県外企業職場体験実習等による成果であると考えております。
 今後は、児童生徒が働くことの意義や自己の個性について理解し、主体的に進路を選択する能力や態度を育成するため、小・中・高校の発達段階に応じた系統的なキャリア教育を推進してまいりたいと思います。
 次に、アスベスト使用調査の概要等についてお答えします。
 県教育委員会では、文部科学省の依頼に基づき、「学校施設等における吹き付けアスベスト等使用実態調査」を実施しているところであります。
 この調査は、アスベストを含有している可能性のある吹きつけ材を特定し、専門機関に分析調査を依頼することとしており、11月中旬までには終了する予定であります。
 8月末現在の中間報告では、調査対象762校のうち81校で調査が終了しており、幼稚園1園、小学校2校で吹きつけアスベスト等の使用が報告されております。
 なお、報告のあった幼稚園については改築の予定があり、安全を期するため使用禁止の措置がとられております。
 小学校の2校につきましては、飛散のおそれがないとの報告を受けております。 
 県教育委員会としましては、確認された吹きつけアスベスト等については関係法令等に基づき適切な措置を講じて子供たちの安全に万全を期していきたいと考えております。
 次に、不登校の実態、遊び・非行の要因と対策について一括してお答えします。
 平成16年度の不登校児童生徒数は、小学校で304人、中学校で1139人、合計1443人で、在籍比率は全国平均の1.14%に対し0.92%となっており、5年連続減少しております。
 また、中学校における遊び・非行の不登校は395人で、ピーク時の平成12年度の696人から301人減少しております。しかし、不登校に占める割合は全国より高く、本県の重要課題となっております。
 遊び・非行の不登校の背景としましては、本県の夜型社会の弊害、児童生徒の基本的生活習慣の未確立、規範意識の低下等が考えられます。学校、家庭、地域社会、関係機関等が緊密な連携を図り、県民総ぐるみの取り組みが必要であると考えております。
 次に、不登校対策と地域連携等についてお答えします。
 本県の不登校対策は、各学校において児童生徒一人一人にきめ細かに対応するための指導・支援カルテの作成と活用、スクールカウンセラー、巡回教育相談員の拡充などの取り組みをしております。
 地域との連携では、子供の心のよりどころとなる「地域子ども教室」を市町村や父母、関係団体等との連携・協力のもと208カ所で行い、63万人の大人と子供の交流が図られております。
 また、不登校中学生に対しては、居場所づくりを目指した生徒のやる気支援事業を行い、ゴルフ体験、福祉ボランティア、地域行事への参加等により学校に復帰したとの報告がなされております。
 さらに、地域の子供は地域で育てる「クリーン・グリーン・グレイシャス運動」や、関係機関・団体等と連携した県民総ぐるみの「ちゅらさん運動」を展開しております。今後とも、学校、家庭、地域社会が連携して児童生徒の健全育成のための取り組みをより一層推進してまいりたいと思います。
 次に、安全対策の取り組み状況についてお答えします。
 各学校においては、危機管理マニュアルに基づき案内板の設置、教職員による校内巡視活動、緊急時の連絡体制の整備等の安全対策が行われております。
 また、警察及び関係団体等と連携した防犯教室、安全講話、地域安全マップの作成等を実施しております。さらに、各市町村においては登下校時の立ち番活動、巡回パトロール、公用車のステッカー掲示等が常時実施されております。
 なお、地域の特徴的な事例としては、石垣市のシルバーモーニングサービスによる登校時のあいさつ運動、宜野湾市の退職教員による学校支援ボランティア活動等があります。
 次に、指導体制と家庭、県警、関係機関等との連携についてお答えします。
 県教育委員会では、保健体育課に2名の学校安全担当者を配置し、各教育事務所及び市町村教育委員会の学校安全担当者と連携して安全教育の推進に努めております。
 関係機関等との連携については定期的に連絡協議会を開催し、学校安全情報の共有を図るとともに、青少年健全育成のための「少年育成ネットワーク活動」、県警と関係団体等による「交通安全推進運動」及び「ちゅらさん運動」を推進しております。
 また、県警察本部と県教育庁との連携事業として、警察官による安全等に関する授業や防犯訓練等を実施しております。今後とも、家庭、地域社会、関係機関等と連携を図り、安全対策の充実強化に努めてまいりたいと思います。
 次に、防止対策上の問題点と課題についてお答えします。
 平成17年2月に実施した不審者侵入に対応した取り組み状況の調査結果によると、スクールガードの配置7.2%、来校者証の着用27.8%、校門等の施錠が42.1%となっており、低い実施状況にあります。そのため、各学校においては危機管理マニュアルに基づき、児童生徒を対象とした防犯教室や地域安全マップの作成・活用、防犯避難訓練等を実施しております。
 県教育委員会としましては、地域社会とのより緊密な連携が課題となっていることから、地域の子は地域で守るという観点に立ち、学校、家庭、関係機関・団体等が一体となって地域ぐるみの運動を展開する必要があると考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 環境問題対策について、自動車リサイクル法施行後の不法投棄の状況と改善策についてお答えいたします。
本年1月1日から施行された「使用済自動車の再資源化等に関する法律」、いわゆる自動車リサイクル法においては、リサイクル料金の前納方式となっており、道路運送車両法上の自動車登録時、検査時、抹消時にリサイクル料金の預託状況を確認する仕組みになっており、使用済み自動車の不法投棄は少なくなるものと考えております。
 一方、自動車リサイクル法施行前に車検を受けて法施行後に廃車するまでのおよそ2年間は、心ない者のリサイクル料金の出し惜しみにより、使用済み自動車の不法投棄がふえるのではないかと懸念されます。
 このようなことから、県としては自動車リサイクル法施行後の放置自動車について市町村と連携して実態把握に努めるとともに、不法投棄の再発防止を図るため市町村の放置自動車に関する条例の効果的な運用を促進し、市町村、保健所及び警察等との関係機関が連携した合同パトロールを実施するなど、不法投棄の未然防止の徹底を図ってまいりたいと考えております。
 同じく環境問題対策で、離島における廃車の不法投棄の実態及び自動車リサイクル法施行後どのように変わったか、一括して答弁いたします。
 放置自動車について、平成16年2月に県が離島市町村へ確認したところ、その台数は1472台であり、そのうち510台が所有者や市町村の行政代執行等により撤去され、放置自動車の台数は962台となっております。
 自動車リサイクル法においては、離島地域の海上輸送費の負担軽減を図るため、リサイクル料金の剰余金の一部を離島市町村が行う離島対策支援事業に対して出捐できる制度が創設されております。
 このようなことから、県においては離島市町村の要望を踏まえて事業計画書を取りまとめ、去る8月に財団法人自動車リサイクル促進センターへ提出したところであり、本年10月1日から当該支援事業が実施されることになっております。
 同支援事業においては、海上輸送する費用の8割を出捐することとなっており、残りの2割が最終所有者の自己負担分となります。
 県としましては、今後とも市町村と連携し、同事業が円滑に推進できるよう取り組んでいきたいと考えております。
 同じく環境問題で、アスベスト関連のアスベストの規制法令について。
 厚生労働省では、労働者の健康を保全する観点から労働安全衛生法に基づきアスベスト被害対策を図ってきました。昭和50年にはアスベストの吹きつけ作業を原則禁止し、平成7年にはアモサイトなどの製造・使用を禁止するとともに、平成17年には「石綿障害予防規則」を定め、特別教育の実施や作業主任者の選任を義務づけるなど、アスベスト対策を強化したところであります。
 また、環境省では、環境中への飛散防止を図る観点から、大気汚染防止法により吹きつけアスベストが使用されている建築物を解体・改造する作業を特定粉じん排出等作業として規制しております。
 さらに、廃棄物処理法では廃アスベストを特別管理産業廃棄物として指定し、処理基準を通常の産業廃棄物に比べ厳しく設定し規制を行っております。
 同じく環境問題対策で、アスベスト使用状況についてお答えいたします。
 県では国と連携を図り、それぞれの関係部局において、公共住宅、学校施設等、病院、社会福祉施設、その他公共建築物、民間建築物における吹きつけアスベストの使用実態等についての調査を実施しているところであります。調査結果については、今月末をめどに中間報告として公表することとしております。
 今後は、施設利用や解体作業等の検討資料として有効に活用するほか、県民との情報の共有化を推進することとしております。
 同じく環境問題で、アスベストの健康被害について数字で示してほしいということにお答えします。
 本県においては、厚生労働省、環境省と連携を図り、労働者、退職者、家族、周辺住民を対象とした健康相談窓口が開設され、健康被害の情報把握に努めております。
 国の機関では、沖縄労働局及び各労働基準監督署、沖縄産業保健推進センターにおいて、主として労働者の相談を受け付けており、9月20日現在で163件の相談があり、うち17件が労災請求に係る相談となっておりますが、認定手続に入ったものはないとのことでありました。
 また、県では各保健所において一般の方々の相談を受け付けており、7月中旬から9月22日までの相談件数は41件で、相談内容の多くは健康不安についてのものであります。
 同じく環境問題について、アスベスト使用の業界指導についてお答えいたします。
 本県にはアスベスト製品を製造・加工する事業場はありませんが、今後、建築物の老朽化による解体工事の増加に伴い解体工事従事労働者のアスベストによる健康障害の発生が懸念されます。そのため、沖縄労働局では関係労働者の健康障害防止対策の充実を図るため「石綿障害予防規則」に基づき作業主任者の育成など、関係業界に対する指導が行われているところであります。
 県においても、環境中への飛散防止を図る観点から大気汚染防止法、廃棄物処理法及び関係通知に基づき業者指導等の指導・監視を行ってきたところであります。今後とも指導・監視を継続していくとともに、アスベストに関する情報提供に努め、アスベストの適正な取り扱いについて周知するなど、関係業界を指導していきたいと考えております。
 以上でございます。
○平良 長政 護憲ネットワーク県議団を代表して代表質問を行います。
 質問に入ります前に、2点について申し上げたいと思います。
 第1点は、小泉首相の所信表明についてであります。
 この点は、昨日のことであり質問通告はしてありませんが、沖縄にとって極めて重要なことであり、昨日執行部にも連絡してありますので御答弁をいただければ幸いであります。
 さて、質問です。
 小泉首相は、昨日の特別国会の所信表明演説の中で沖縄問題には一切言及されませんでした。世界的規模で実施されている米軍再編、とりわけ在日・在沖米軍再編協議が山場を迎えて小泉首相のリーダーシップが期待されている中、首相が約束している沖縄の基地負担軽減について一切言及がないことについて憤りを覚えるものです。勝ち過ぎたおごりなのでしょうか。あるいは小泉首相の頭には郵政民営化だけで、沖縄問題はきれいさっぱり忘れ去られているのでしょうか。知事の御感想を求めたいと思います。
 もう一点は質問ではなく、後藤田正晴氏の死去に伴う所感を述べたいと思います。
 自民党だけでなく政界の御意見番であり、「護憲・平和主義」のメッセージを発し続けていた後藤田正晴元副総理が9月19日急逝されました。91歳でした。
 後藤田氏を官房長官に起用した中曽根康弘元首相は、87年のペルシャ湾への掃海艇派遣問題については、後藤田さんの信念的な反対により取りやめた。今日まで海外で武力行使をしないという政策として一貫していた。心の支えであった畏友を失い寂寞たる気持ちにたえないとのコメントを発表しています。
 ことし5月14日、ハーバービューホテルでゴルバチョフ氏と後藤田氏2人の講演があり聞きに行きました。後藤田氏は、自衛隊を海外に派遣して戦争をしてはならないと強調され、自民党内の良識、高い見識をじかに聞いて深い感銘を覚えました。
 また、ことし8月21日早朝、日曜政治番組「時事放談」で後藤田氏と塩川正十郎前財務相が対談されているのをたまたま見る機会がありました。後日、岩見隆夫氏が毎日新聞の「近聞遠見」で報告しております。
 刺客選挙批判。「強引すぎる。極悪非道なやり方ではないか。国民というのは感情で動くから、あんまり強引にやると、しっぺ返しを受ける。もう少し情味のあるやり方をしないといかんなあ」、「自民党というのは奥行きのある、入口の広い政党なんだよ。まるっきり党の中に怨念の塊を作るようなやり方、私は賛成できない。」。
 そして各党への注文。今となっては遺言となりましたが、自民党には、余り非常な政治をやってもらいたくない、民主党には、自民党とどこが違うのか、はっきりしてもらいたい、共産党には、マルクス主義をやめて党名を改め、社民党と一緒になって社会主義的な政党としての柱を一本立ててもらいたいと述べられました。私の意見ではありませんから。
 先行きを憂えて先立たれた後藤田正晴氏に合掌し、改めて護憲、平和のため全力を尽くすことを決意したいと思います。
 それでは質問に入りますが、1、知事の政治姿勢について。
 (1)、解散総選挙に関連して。
 ア、郵政民営化法案が衆院で可決されたにもかかわらず、参院で否決されるや、小泉首相は衆院を解散させるという前代未聞の暴挙を行った。これは二院制の否定ではないか。
 イ、さらに小泉首相は、反対票を投じた自民党議員に刺客を放ち、自分の意見と違う人を抹殺する非情・恐怖政治を行った。知事の所見を問いたいと思います。
 ウ、稲嶺知事は9月13日、自民党武部幹事長らを訪ね、沖縄第1選挙区で自公候補が敗北したことをわびたと報じられました。自公支持者だけではなく全県民から信託を受けた県知事の行動とは考えられない。陳謝行脚は知事の仕事なのか。県民の税金で行ったのか、金の出所問題も含めてその真意をお伺いします。
 (2)、小林よしのりの「沖縄論」を読まれましたか。読まれていたら御感想を伺いたい。
 2、沖縄の経済的自立について。
 (1)、知事の考えている経済的自立とは何ですか。
 (2)、県経済は財政移転、基地収入への依存度が高く、経済的自立のためには観光収入を含め県内産業の県外受取額をふやすことが必須条件だと思いますが、どうですか。また、稲嶺県政誕生時と現在との実績を観光、石油製品、泡盛、ビール、牛、マグロ、菊の花、健康食品、サヤインゲンの各品目ごとの比較で示してください。
 (3)、財政移転、基地収入、観光収入のGDP効果(誘発係数)を推定値で示してください。
 3、尖閣諸島油田開発問題について。
 (1)、領土問題の解決方法として、尖閣、竹島、北方4島の3つの未解決問題を国際司法裁判所に一括して提訴するよう国に働きかけたらどうか。
 (2)、県経済自立に向けて尖閣油田の存在は大きいと思われるが、実際に尖閣周辺にどれだけ油田が存在するか、県単独で調査をすべきと思うがどうか。
 (3)、尖閣諸島の領有権問題と油田開発問題について、戦争の手段ではなく平和的解決を目指すべきと思うが、その見解を問う。
 4、IT政策について。
 (1)、現在の地域IXは東京に一極集中しており、県として災害対策やIT産業の発展という点から地域IX整備にどう取り組んでいきますか。
 (2)、県内30%近くがブロードバンドサービス未提供の自治体です。情報格差を縮めるためにも「沖縄県総合行政情報通信ネットワーク」を利用したブロードバンド環境を自治体に提供できないか。
 (3)の国際海底ケーブルの件ですが、US-ChinaとSMW3の2つのラインは沖縄に一応陸揚げされているということなので、この項の質問は取り下げますが、まだ細いラインということなので、ぜひ太いラインにして、民間でも十分使用できるようにしてもらいたいこと。また、ことし3月、石垣市まで延びた光ファイバーを安全保障や災害対策等もあり、国の責任で与那国まで延ばすこと。そして台湾まで延長してもらうこともあわせて要望をしておきたいと思います。
 (4)、インターネットや地上デジタル放送の開始など、メディア関連産業はさまざまな転機を迎えております。沖縄は独特の文化があり、芸能分野においては組踊など国内でも重要なコンテンツを抱えております。今後のコンテンツ産業育成について県の考え方を伺います。
 (5)、時代の流れは文字や写真を伝達することから映像を伝達する方向に向かっております。回線を太くして素早く情報が流れるような対策を県はどのように考えておりますか。
 5、ダイエー那覇・浦添店11月閉店について。
 (1)、雇用対策を含め県の対応を問いたいと思います。
 6、空港ターミナルビルについて。
 (1)、国際ターミナルビルについて。
 ア、国の進めている「ビジット・ジャパン」、海外からの多くの訪日促進の中で余りにも貧弱な同ビルの改築計画はありますか。
 イ、同ビル内に国際通貨両替所も必要と思いますが、どうですか。
 (2)、旧国内線ターミナルの再活用について。
 ア、同ビルが放置されているが、その再活用方法は検討されておりますか。
 イ、駐車場周辺を各社の一大レンタカーステーションとして再利用したらどうか。具体的にはレンタカー利用の到着客を専用バスにて空港内を通して利便性を高める方法や、空港ターミナルビルは県産品を中心としたショッピングを楽しめる場とする方法もあるのではありませんか。
 7、モノレール延伸について。
 沖縄都市モノレールの延伸計画検討調査費が国の概算要求に盛り込まれたことは喜ばしいことであります。私は、一昨年9月議会でモノレールを延伸して西原インターチェンジの自動車道と結ぶべきと提案しましたが、それが3案あるとはいえ盛り込まれたことは、その実現に向けての第一歩であり評価したいと思います。
 そこで質問いたします。
 (1)、調査費の概算要求後の手順・スケジュールを示してください。
 (2)、モノレール首里駅から小規模に延長して西原インターチェンジ等で自動車道と結ぶことは、当面大事なことで喜ばしいことでありますが、基本的には北は宜野湾市、沖縄市まで延伸し、南は豊見城市、糸満市まで延伸して南北の背骨をしっかりとつくり、最終的には那覇市の都市圏をめぐらす那覇環状線をつくることが必要と思うが、どうですか。
 (3)、モノレール開通により国際通りの渋滞損失時間及びCO2排出量はどう変化しましたか。
 (4)、モノレール事業の現在の路線のままの収支バランスと延長・延伸した場合の収支バランスを示してください。
 8、新石垣空港問題について。
 県は9月12日、新石垣空港の設置許可申請書を国土交通省に提出いたしました。設置許可されればいよいよ着工、八重山郡民が約30年間待ち望んだ悲願の実現であり、うれしい限りであります。
 そこで質問ですが、(1)、05年、06年の国の予算はどうなっていますか。
 (2)、環境アセス手続はどうなっていますか。
 (3)、空港建設用地の関係地主の動向はどうなっていますか。
 9、道州制における単独州の選択について。
 (1)、九州知事会、九州・山口経済連合会、九州経済同友会の道州制における沖縄の位置づけについて、それぞれの見解を問います。
 (2)、いつ、どのような形で単独州選択を県は表明する予定ですか。作業内容、スケジュール含めてお示しください。
 (3)、沖縄単独州になった場合、どのようにして産業を振興し経済的に自立するか。国からの権限や税源移譲で何を求めるか等を広く各界各層の県民から意見を求める審議会を設けるべきと思いますが、どうですか。
 (4)、道州制に関するシンポジウムを県主催で開催すべきと思いますが、どうですか。
 10、福祉行政について。
 (1)、児童虐待防止に向けた具体的方策などを審議する「児童虐待問題緊急対策検討委員会」(委員長井村弘子沖大助教授)は、9月17日、第6回会合で、児童相談所の虐待対応体制の見直しなど7項目を盛り込んだ緊急提案を26日に知事に提出することを決めました。私は、何としても第一に増員、体制強化が必要と思いますが、委員会の7項目提言についての県の見解を求めます。
 (2)、県立社会福祉施設について。
 ことしの6月県議会定例会で「12県立社会福祉施設を沖縄県社会福祉事業団へ無償譲渡することを求める陳情」が全会一致採択されました。来年4月実施となれば9月じゅうには結論を出さなければならないと思いますが、その後の県の取り組み状況と県の考え方を示してください。
 11、沖縄県立総合大学の設立について。
 (1)、現在、沖縄県立芸術大学と県立看護大学がありますが、空手道、外国語、観光等の大学設立の要望が数多く出されています。単科大学設立は困難と思われるので、芸術学部、看護学部、空手道学部、外国語学部、観光学部の5学部から成る沖縄県立総合大学を設立したらどうでしょうか。
 答弁を求めます。
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の御質問に答える前に、長政議員の方から後藤田さんについての感想を述べられましたので、私も一言述べたいと思っております。
 実は、表には出ない話ですけれども、沖縄サミットの誘致について、この状況というのは非常に警察あるいは消防、その他の部門で沖縄で開催するのは大変難しいという時期がございました。そのとき、私も後藤田さんのところに参りまして、陰の方で積極的に大変御努力をしていただきまして、心から感謝を申したわけです。
 この5月に御夫妻で来られましたときにも、私も一緒にお食事をさせていただきながら、後藤田さんの大変すぐれた国家観、抱負、識見、この辺をお伺いいたしまして、改めて残念な思いがいたします。
 私の感想を述べまして、続きまして長政議員の御質問にお答えいたします。
 最初は、小泉首相の所信表明演説についてお答えいたします。
 昨日の第163回国会の所信表明において、小泉総理大臣は沖縄問題には触れておりませんが、総理はかねてから沖縄の基地問題は日本全体の問題であると述べ、沖縄の基地負担の軽減に取り組むとしております。
 県は、米軍再編については、今後、日本政府から地元への説明が予定されるなど重要な時期を迎えていると認識しており、中間報告及び最終報告に向け日米間でしっかり協議されているものと理解しております。
 私としては、この再編協議において沖縄の過重な基地負担が県民の目に見える形で軽減されるよう、小泉総理大臣のリーダーシップに強く期待しております。
 続きまして、今回の衆議院の解散についての御質問にお答えします。
 衆議院の解散については、内閣の解散権がいかなる場面で行使されるべきかどうか議論がありますが、総選挙を通して民意を問う制度であり、内閣の政治的責任において決められたものであると認識しております。
 続いて、今回の総選挙に係る所見についてお答えいたします。
 今回の衆議院選挙は、郵政民営化の是非が最大の争点として位置づけられ、その是非を国民に改めて問いかけた選挙であると理解をしております。
 続きまして、9月12日の自民党及び公明党訪問についての御質問にお答えいたします。
 選挙終了後の9月13日に上京したのは、自民党県連から要請を受け経済界の代表とともに、武部自民党幹事長や神崎公明党代表などに沖縄における総選挙全般の報告を行ったものであります。
 なお、今回の旅費は公費からの支出はありません。
 続きまして、小林よしのりさんの「沖縄論」についての御質問にお答えします。
 小林よしのりさんの「沖縄論」が評判になっているのは承知しておりますが、読んでおりません。
 続きまして、経済的自立とは何かの御質問にお答えいたします。
 経済的自立とは、経済発展の動力、いわゆる成長のエンジンをみずからの経済構造の中に組み込み、それを絶えず再生産することで持続可能な発展を実現することと考えております。具体的には、民間主導型経済の構築により、財政依存度の低減及び移輸入超過割合の縮小を図ることだと考えます。
 そのため、沖縄振興計画では従来の格差是正から民間主導の自立型経済の構築に重点を置いて取り組んでいるところであります。
 続いて、九州各団体の道州制報告における沖縄の位置づけ及び今後の県方針についてお答えいたします。一括してお答え申し上げます。
 九州における道州制の区域について、九州知事会の報告は「沖縄県については、適用される法律や国の出先機関の管轄が異なる場合が多いこと、海を隔てて地理的に離れていること等から、他の7県とは異なる区域とする考え方もある」とされております。
 また、九州・山口経済連合会では「九州は7県で1区域、沖縄は単独で1区域として検討する」、九州経済同友会では「九州8県で一つという前提の下、沖縄を特別自治区として検討する」とされております。
 私は本年6月の九州知事会の席で、「本県は沖縄振興特別措置法に見られるように法律や国の機関等も異なり、歴史的、地理的、社会的な事情から、九州と一体になるには多くの微妙な問題がある」と表明いたしました。九州各団体の報告においても本県の特殊性、独自性について一定の共通した認識が示されたことは、重要な意味を持つと考えております。
 これらのことも踏まえ、今後、地方制度調査会の議論や国の動向等を注視しつつ、県としての考え方を整理した上で、しかるべき時期に検討結果を出す予定であります。
 次に、児童虐待問題緊急対策検討委員会の提言についての御質問にお答えをいたします。
 昨日、同検討委員会の井村委員長から、「子どもの安全確保の最優先」、「児童相談所の虐待対応体制の見直し」、「関係機関の連携強化」、「地域の児童虐待防止対策の強化」等について具体的方策を盛り込んだ緊急提言を受けたところであります。
 先日、私は、中央児童相談所と若夏学院を視察したところであり、児童虐待等多くの課題を抱えていることを改めて認識したところであります。
 県としましては、この検討委員会の提言を真摯に受けとめ、提言に盛り込まれた各項目を検討の上、子供の安全を最優先とする視点で児童虐待対応のあり方等についていま一度見直しを行い、児童虐待の未然防止になお一層努力してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○企画部長(上原良幸) 沖縄の経済的自立について、経済的自立のために県内産業の県外受取額をふやすことが必須条件ではないか、稲嶺県政誕生時と現在との比較はどうなっているかという質問にお答えいたします。
 本県産業の持続可能な発展のためには、競争力を強化し、県外市場や海外市場に展開していく必要があります。そのため、観光・リゾート産業、情報通信関連産業、農林水産業、健康・バイオ関連産業など、沖縄の特性を生かした発展可能性の高い産業分野の重点的・戦略的な振興に取り組んでいるところであります。
 これまでの実績について、平成10年と平成16年との比較で、観光関連では観光客数が413万人から515万人へと102万人増加、観光収入が3500億円から3600億円へ100億円増加しております。
 食品関連では、ビール売上高は245億円から214億円へ12%程度減少しておりますが、健康食品出荷額が70億円から213億円へと3倍に増加しております。
 平成10年と平成15年との比較では、農林水産業の品目別生産額において、サヤインゲンは24億円から12億円へ減少しておりますが、肉用牛が120億円から145億円、菊が100億円から105億円へ、マグロが56億円から57億円へそれぞれ増加しております。
 製造業においては、石油製品の出荷額が1360億円から1780億円へ増加しており、泡盛の県外出荷額も9億円から38億円へ4倍以上の伸びを見せております。
 同じく経済的自立についてで、財政移転、基地収入及び観光収入の生産誘発係数についての御質問にお答えいたします。
 公的支出の経済波及効果は、「平成12年沖縄県産業連関表」によると、公的消費の生産誘発係数が1.24、公的投資の生産誘発係数が1.25となっております。
 基地関連収入については、軍人・軍属の消費支出の構成、米軍の県内産業への発注額の構成等を把握できないため、経済波及効果を算出することは困難であります。
 観光収入については、「平成16年度観光統計実態調査」で推計すると生産誘発係数は1.27となります。
 次、IT政策に関しまして、沖縄県行政情報通信ネットワークの利用と映像を送信できるブロードバンド環境の整備について一括してお答えいたします。
 沖縄県行政情報通信ネットワークは、行政機関及び防災機関を結ぶネットワークであるため、地域住民にブロードバンドサービスを提供できる環境にありません。しかしながら、ブロードバンドサービスが未提供な自治体において、映像も伝送できるブロードバンド環境の整備を図ることは、地域の振興・発展に寄与するものであると認識しています。
 このため、県では、これまで宮古島、石垣島への新たな海底光ケーブルの敷設を図るとともに、平成17年度から3年計画で離島において高速通信インフラを整備する離島地区ブロードバンド環境整備促進事業を実施しています。今年度は久米島を初め7離島で事業を実施し、平成18年度からは他の離島についても技術的な課題や運用面等を十分に検討し、関係市町村の協力のもとに順次事業を実施してまいります。
 次に、空港ターミナルビルについて、国際線ターミナルビルの改築についての御質問にお答えいたします。
国際線ターミナルビルについては、利用客の利便性向上のため、これまでに4カ国語による案内標識の設置、トイレの改修、外壁の塗装、情報発信室の整備を行っています。しかし、同施設の抜本的な整備の必要性が指摘されていることから、現在国と県が連携し実施している「那覇空港の総合的な調査」の中で検討を進めているところであり、今後、その調査結果を踏まえ、国及び那覇空港ビルディング株式会社と連携を図りながら整備に取り組んでまいります。
 同じく空港ターミナルビルに関しまして、国際線ビルへの両替所の設置についての御質問にお答えいたします。
 通貨両替について、国際線ビル内への両替所設置を希望する金融機関等がないため、ビルの管理主体である那覇空港ビルディング株式会社が案内カウンターにおいて米ドルの両替を行っております。今後は、利用客の利便性向上を図るため、那覇空港ビルディング株式会社と連携し、金融機関へ両替所の設置を働きかけていきたいと考えています。
 同じく空港ターミナルビルに関し、旧国内線ターミナルビル及び駐車場周辺の再活用について一括してお答えいたします。
 旧国内線ターミナルビル等用地は国有地となっており、その跡利用については「那覇空港の総合的な調査」の中で検討を進めているところであり、狭隘化の著しい貨物ターミナルビルの移設等が検討されています。
 なお、同用地については、管理者の大阪航空局よりビル所有者の那覇空港ターミナル株式会社に対し、施設を撤去した上で返還するよう文書による通知がなされています。
 続きまして、モノレールの延伸に関しまして、都市モノレールの延伸についての御質問にお答えいたします。
 都市モノレールの延伸及び那覇環状線については、モノレールの今後の利用状況、延伸が想定される地域の開発計画、骨格的な公共交通軸のあり方やバス等他の交通機関との連携など、多様な視点から総合的・段階的に検討してまいりたいと考えております。
 次に、道州制における単独州の選択に関しまして、県民意見を求める審議会の設置及び県主催のシンポジウムの開催について一括してお答えします。
 国の地方制度調査会における議論においては、道州間における財政力格差の調整方法や、小規模町村と道州との事務配分の問題など、重要な論点がまだ明確となっていないものと考えております。
 県としては、現在、地方制度調査会における議論を注視しつつ検討を進めておりますが、県民の意見を広く聞くことは重要であると考えており、御提案の審議会の設置及びシンポジウムの開催を含め今後検討していきたいと考えております。
 次に、沖縄県立総合大学の設立について、芸術学部と語学部から成る県立総合大学の設立についての御質問にお答えいたします。
 県においては、芸術大学、看護大学の2つの県立大学の将来像や独立行政法人化などそのあり方について検討を行っているところであります。県立総合大学の設立についても、県立大学の将来像に関する一つの御提言として承っておきます。
 以上であります。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、尖閣、竹島、北方4島の領土問題について、国際司法裁判所への一括提訴を国に働きかけたらどうかとの御質問にお答えをいたします。
 国は、尖閣諸島について、我が国固有の領土であることについては歴史的にも国際法上も疑いがないところであり、また現に実効支配も及んでいることから、解決すべき領有権の問題はそもそも存在していないと表明しております。
 県といたしましても、本件については国と同様の認識であり、国益、県益を守る観点から国において適切に対応されるよう機会あるごとに要請してきております。
 一方、竹島及び北方4島につきましては、国は我が国固有の領土と表明しておりますが、現状としては韓国やロシアに不法占拠されているところであります。
 竹島及び北方4島については、本県の管轄行政区域外であり、県としてはコメントする立場にありませんが、両問題が平和裏に解決されることを望みます。
 次に、尖閣周辺の油田に関する県単独の調査についてお答えをいたします。
 尖閣諸島を含む本島周辺海域の海洋資源の開発は、新たな産業の創出など経済的波及効果が期待されるところであります。このため、県においては、専門家による検討委員会を設置し、平成15年度から平成17年度までの3カ年間を調査期間として海洋資源開発に関する基本調査を行っているところであり、今年度は本県経済への波及効果や県が取り組むべき事項等を整理することとしております。
 県といたしましては、当該調査の結果等を踏まえ、今後、油田に関する調査など県が取り組むべき方策について検討してまいりたいと考えております。
 次に、尖閣諸島の領有権問題と油田開発問題の平和的解決についてお答えをいたします。
 国は、尖閣諸島について解決すべき領有権の問題はそもそも存在しないと表明しており、県といたしましても国と同様の認識であります。
 また、当該地域における資源開発は本県にとって重要であると考えており、関係諸国の平和的な協議のもとで資源開発が進められることを期待しております。
 次に、地域IX整備の取り組みについてお答えをいたします。
 地域IXは、災害対策や情報通信産業集積等情報通信環境の向上に寄与するものと認識しております。
 県では、情報中枢機能を有する地域IXがデータセンター、インターネット・サービス・プロバイダーとともに情報産業振興特別地区の対象業種でもあることから、IX事業者に対して情報産業ハイウェイの提供等県内のIT事業環境について説明を行うなど、その誘致を積極的に推進しているところであります。
 次に、今後のコンテンツ産業育成についてお答えをいたします。
 県では、コンテンツ制作を情報サービス、ソフトウエア開発とともに情報通信関連産業集積の重点分野の一つとして位置づけ、その振興に取り組んでおります。これまで情報通信関連産業の振興につなげるため、歴史や自然、芸能など沖縄の幅広い分野にわたる文化資産をデジタルコンテンツとして整備するとともに、インターネット等を通して国内外に情報発信しております。
 県では、沖縄発のデジタルコンテンツの制作を促進するため、ウェブ制作等高度なIT人材育成策によりコンテンツ関連企業を支援するとともに、各種の支援策を活用、立地が進みつつあるモバイルコンテンツ分野等のコンテンツ産業振興を図ってまいります。
 次に、ダイエー閉鎖に関する対応についてお答えをいたします。
 ダイエー那覇店・浦添店の県内2店舗は、これまで本県の商業の振興に寄与するとともに、多くの雇用を創出してきたところであり、今回閉鎖を余儀なくされたことは極めて残念であります。
 県としましては、事業主及び沖縄労働局、那覇・浦添両市と緊密に連携して対策に取り組んでおります。
 具体的には、事業主及び関係行政機関による連絡会議を開催して対応を協議するとともに、ダイエーの再就職援助計画を踏まえ、合同就職面接会、離職者支援資金説明会、求職活動支援相談会の開催、職業能力開発校における職業訓練の実施、関連企業への雇用要請等を必要に応じて行ってまいります。
 また、店舗の跡利用については、現在、それぞれの建物設置者が主体的に取り組んでいるところでありますが、県としても建物設置者との連携を図りながら、新たなテナント誘致に向けた情報提供やテナント事業者に対する融資制度など、可能な限りの支援を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) モノレールの延伸についての中で、調査費要求後の手順・スケジュールについてにお答えいたします。
 県では、沖縄本島の定時・定速の公共交通基幹軸を形成するため、首里駅から沖縄自動車道までのモノレール延長を検討する調査費を平成18年度予算として国へ概算要求しております。 調査に当たっては、諸課題を踏まえ整備方策や整備効果等を総合的に検証するとともに、その中で事業化の時期や整備スケジュール等を検討する考えであります。
 次に、モノレール開通後の国際通りの渋滞損失時間と二酸化炭素排出量の変化についてにお答えいたします。
 沖縄総合事務局がモノレール開通後の整備効果を把握するため、平成15年と16年の6月に那覇市内の交通流動の変化を調査しております。
 その調査によると、国際通りの交通量はモノレール利用への転換やバス路線の再編等により減少し、それに伴い走行速度も向上しております。その結果、渋滞損失時間は年間124万人時間から72万人時間となり、約40%の短縮になっております。また、二酸化炭素排出量も年間6762ton-CO2から5192ton-CO2になり、約20%の削減効果が出ております。 
 次に、現在の路線の収支バランスと延長した場合の収支バランスについてにお答えいたします。
 モノレールの開業からこれまでの1日平均乗客数は約3万1000人で、ほぼ需要予測に近い順調な利用状況であります。
 収支面では、これまでの決算において減価償却前損益は黒字を計上しております。しかしながら、減価償却後損益では初期投資の関係から損失額を計上しております。
 また、収支バランスとしては、単年度黒字は開業後11年目、累積黒字を27年目と見込んでおり、モノレール株式会社においてはなお一層の利用推進とコスト縮減に努め、収支改善を図っていくものとしております。
 なお、延長した場合は、沿線住宅地域の需要や高速道路を利用した中北部地域からの乗りかえ需要等が見込まれることから有利な要素があり、収支バランスについては次年度の延長検討調査の中で検討する考えであります。
 次に、新石垣空港整備事業の2005年度、2006年度の国の予算についてにお答えいたします。
 新石垣空港整備事業の平成17年度国庫補助予算としては3億2050万円が計上されており、飛行場設置許可を得た後、調査・測量及び実施設計を行う予定としております。
 平成18年度予算については、主に用地買収を行うための費用として国へ所要額を要求したところであります。
 次に、環境アセス手続についてにお答えいたします。
 新石垣空港整備事業に係る環境影響評価手続については、去る9月8日に補正評価書を国土交通大臣に提出し、翌9月9日から八重山支庁等県内5カ所で公告・縦覧を行っており、10月11日までの一月間の縦覧を経て終了することとなります。今後は、飛行場設置許可を得て事業を推進していくこととなります。
 次に、関係地主の動向についてにお答えいたします。
 新空港予定地内の関係地権者については、平成17年9月現在で空港取得用地面積の99.9%を所有する一般地権者116名のうち、不在地主3名を除く113名全員から同意を得ております。また、残りの0.1%の土地を所有する共有地権者632名のうち9名からの同意も得ております。
 県としては、新石垣空港の早期供用開始に当たっては円滑な用地取得が肝要であると考えており、今後とも地元と連携し、あらゆる機会を通じて粘り強く説得に当たり、事業への理解と協力を求めていく考えであります。
 以上であります。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 12県立社会福祉施設の民営化に向けた県の対応についてお答えいたします。
 沖縄県社会福祉事業団へ管理を委託している沖縄療育園等の12の県立社会福祉施設については、平成18年度からの民営化を目指して県有財産の譲渡の条件等も含め多角的に検討しているところであります。 
 以上でございます。
○平良 長政 まず、県立福祉施設についてですが、今、部長の答弁は、「多角的に検討している」ということですが、いずれにしても4月からスタートになると、12月で条例もつくらないといけないし、こういうことではだめで、はっきりやはり公募をせずに事業団と随契をする、1点。
 それから2番目は、当然のこととして無償譲渡をするという2つを再度明確な答弁をお願いをしたいと思います。
 それから知事、解散総選挙に関して、イで私は、刺客を送って非情・恐怖政治を行ったことについてはどうかと、こう聞いているわけで、郵政民営化について聞いているわけではありません。先ほども後藤田さんの話で、こういう刺客選挙は極悪非道なやり方ではないかと紹介したのもそういうことを聞くために言ったわけですので、もう一度はっきりさせてほしいと思います。
 それからウの方で、知事は、陳謝行脚についてはいわゆる私費でただ選挙結果報告をしただけと言っていますが、新聞報道によると、陳謝した後、はっきりこう書いているわけで、知事は確かに自公候補として当選されましたが、当選した後はその自公候補のために政治をやるのではなくて、全県民のためにやるべきのがやはり知事の役目だというふうに思いますし、なぜ1区で自公候補が敗れたかというのはしっかりしないと、謝る話ではなくて、ごめんなさいと謝る話ではなくて、そういう今の自公政治の行き詰まり、基地や雇用や経済など、そこから不満が出てそうなったということを考えるなら、そういう県民の声をバックに今の自公の政権にしっかり物を言っていく、そういうのに使うべきじゃないか。
 県内でもいわゆる反自公候補が明らかに自公候補を上回っているわけです。また、全国的にも自民党が圧勝したといいますが、小選挙区で当選者が自民219、民主52で、率にすると47.8と36.4ですが、その差は11.4ですが、5%移れば互角になり、11%移ればまた民主が圧勝するというそういう微妙なところでありますし、その辺はしっかり押さえてこれから県政をきちっとしてほしいというふうに思っています。
 それから単独州については、もう一昨年、都道府県合併することもできましたし、2007年には東北3県が合併するという方向です。2010年にはもうほとんど沖縄県を含めて道州制が実施するということになりますので、時間もありませんので審議会等を早急につくってほしいということを要望いたしたいと思います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後3時21分休憩
   午後3時22分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 平良長政議員の再質問にお答えします。
 今回の衆議院選挙は、郵政民営化の是非が最大の争点として位置づけられ、郵政民営化に反対する候補のみの選挙区には有権者に選択肢を与えるため郵政民営化に賛成する候補を擁立し、その是非を国民に改めて問いかけた選挙であったと理解しております。そのことから今回の選挙は各党が政権公約であるマニフェストを掲げた政策本位の選挙であったと考えております。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 12県立社会福祉施設に関しての再質問にお答えいたします。
 12県立社会福祉施設の民営化に当たっては、県有財産の譲渡等の条件も含め多角的に検討しているところであります。
 なお、沖縄県社会福祉事業団から提出されました陳情の趣旨も踏まえて検討しております。
 以上でございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後3時25分休憩
   午後3時54分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 休憩前に引き続き代表質問を行います。
 新里米吉君。
   〔新里米吉君登壇〕
○新里 米吉 護憲ネットワークを代表して質問を行います。
 教育行政について所見を述べつつ質問します。
 小中学校の第8次定数改善計画が策定される時期です。教育を取り巻く環境が厳しい中で、文部科学省がどのような定数改善計画案を考えているのか注目されます。
 (1)、文部科学省は7月30日、公立小中学校がみずからの裁量で学級編制を行えるように制度を改正する方針を固め、義務教育標準法の改正案を次期通常国会に提出すると報道された。県教育委員会は、文部科学省から説明を受けているか。また、第8次定数改善計画を含め具体的な内容についても伺いたい。
 沖縄県の9月補正予算で奥武山水泳プール基本設計経費が提案され、正直なところほっとしています。2010年に全国高校総体が沖縄県で開催されますが、その前年の2009年に各種目ともリハーサル大会を持ち、役員の育成や競技運営等の点検等を行います。そのためには、リハーサル大会の前に施設は完成していなければなりません。
 (2)、9月補正予算で体育施設整備事業費・奥武山水泳プール改築工事の基本設計に要する経費2000万円が提案された。2010年の全国高校総体開催に向けて必要な施設であり、改築が急がれる。プール完成までのスケジュールを伺いたい。
 与勝高校は、併設型の中高一貫校を進めております。高校と中学校が同じ敷地内にできますので、現在の敷地では体育の授業や部活動等の教育活動が困難になります。私の調査では、高校に隣接する平安名区敷地を借用した場合に、年間の借用料は県議会議員の一月分の報酬額程度であることがわかりました。生徒の教育活動に効果を上げ、併設型の中高一貫校を成功させるために、県教育委員会と総務部及び財政課の勇気と情熱と決断が強く求められます。
 (3)、与勝高校の中高一貫校(併設型)が進められている。現在の面積では併設校となったときに体育の授業や部活動等の教育活動に支障を来すことが懸念される。与勝高校に隣接する土地が平安名区敷地であり、併設校の校地として購入または借用することが求められる。県教委の所見を伺いたい。
 4年に一度開催される「音楽のオリンピック」と言われる大会で、西原高校マーチングバンド部が2部門でベストインターナショナル賞を受賞しました。元県議会議員の平良哲さんは、宮里藍さんと西原高校マーチングバンド部に「県民栄誉賞」を授与されることを切望しております。西原高校マーチングバンド部の快挙に感動されている方々がたくさんおられることを知りました。
 また、海外で開催される大会等の引率旅費が現在支給されておりませんが、前向きに検討されているか、私を含め関係者が関心を持っています。
 (4)、西原高校マーチングバンド部は、オランダで開かれた「第15回世界音楽コンクール」でマーチングバンドのマーチングとショーの2部門でベストインターナショナル賞を受賞した。2部門世界一の活躍について教育長の感想を伺いたい。
 また、海外で開催される大会等の引率旅費について調査検討したいとの答弁でしたが、その後の検討状況を伺いたい。
 次に、基地問題について質問します。
 米軍再編に向けて県民の関心が高まる中で、先月下旬、知事と嘉手納町長が面談したと報道されています。そのときに嘉手納暫定移駐案についても話題になったようですが、そもそも嘉手納については大田県政時代に沖縄市、嘉手納町、北谷町等から強い反対があって、当時の新川秀清市長等が中心になって三連協を立ち上げた経緯もあります。知事や嘉手納町長も嘉手納統合案に反対してきたにもかかわらず、嘉手納暫定移駐が話題になったことに日本政府から打診があったのではないかと疑問を抱かざるを得ません。
 今月16日の会見で大野防衛庁長官は、問題点を具体的に指摘し、辺野古沖への移設見直しを示唆する発言をされています。そして、その後キャンプ・シュワブ陸上案を日本政府が検討していると報道されています。
 また、北部経済界が提案した辺野古リーフ内縮小案について米国防総省が関心を示し、北原防衛施設庁長官も北部首長らとの懇親会会場で、「縮小してリーフ内に造る話になれば、北部市町村は了承するだろうか」と問いかけたと言われています。しかし、いずれの案も知事公約の軍民共用空港が実現できないことは明白であります。
 県政を支える与党第一党の幹事長は、マスコミに対し「稲嶺知事の公約ではあるが、軍民共用化はかなり遠のき、実現不可能になりつつある」との認識を示したと言われています。
 ところで、今取りざたされている案は、残念ながらすべて県内移設であります。全国の米軍専用施設の75%を占める沖縄県において、世界一危険な普天間基地閉鎖に伴い、なぜ県内移設でなければならないのか、根本的理念が欠如していると考えます。しかも、米軍再編の協議の中で、既に在韓米軍が2008年までに1万2500人削減されることになっております。また、欧州でも5年ないし10年で6万2000人を2万4000人まで削減する計画ですし、アメリカ国内も40カ所以上の閉鎖・統合が計画されています。
 このようにアメリカ国内を初め世界各地で大幅な削減計画が発表される中で、沖縄県内で事実上、基地のたらい回し案が政府サイドから流されていることに私たちは激しい怒りを持つべきだと思います。
 県外移設がベストと言いながら県内移設案に優劣をつけ、現実的という言葉を使って県内移設を認める発言をすることによって、政府に対し県内移設容認のメッセージを送る役割を演じる人々がおります。その背後に大規模な埋め立てで自然破壊をすることに利益を見出す人々の姿が見え隠れします。今、沖縄県民がとるべき姿勢は、県民総団結で県内移設ノーのメッセージを送ることではありませんか。
 SACO最終報告をまとめた橋本元総理は、「本当に県内の問題にとどめていいのだろうか。県内の問題にとどめている間は、本質的に解決しないと思う」と述べています。そして、「大田知事と首相官邸で会った時、知事から普天間を言い出した。」、「私も真剣にうかがったつもりだ。当時、助けられたのは副知事(吉元政矩)と古川官房副長官の間に信頼関係があったことだ」とも述べています。
 そこで質問します。
 (1)、知事は、先月下旬、嘉手納町長と面談し、普天間飛行場の嘉手納暫定移駐について話をしたと報道されているが事実ですか。いつ、どこで面談されたか伺いたい。
 (2)、日本政府から知事に嘉手納への暫定移駐の打診があったのか。また、嘉手納町長との面談内容について伺いたい。
 (3)、普天間飛行場の嘉手納への暫定移駐案について、知事の所見を伺いたい。
 (4)、大野防衛庁長官は、16日午前の会見で、米軍普天間飛行場の辺野古沖への移設見直しを示唆する発言をされたと報道されている。辺野古沖移設は事実上なくなったと考えるが、知事の認識を伺いたい。
 (5)、北部経済界や米国防総省は、名護市辺野古で現行計画より陸地に近い浅瀬を埋め立てるリーフ内縮小案を検討。岸本名護市長や辺野古区長が容認姿勢であると報道されている。辺野古縮小案について知事の所見を伺いたい。
 (6)、政府は、キャンプ・シュワブ陸上案も検討されているとのことだが、シュワブ陸上案について知事の所見を伺いたい。
 (7)、現在検討されていると言われる案は、いずれも知事公約の軍民共用空港が実現できないことになる。そのことについて知事の所見を伺いたい。
 (8)、米軍再編について、10月に中間報告が予定されていると言われる。知事は、今定例会で県の考えを明確にする必要があると思う。とりわけ普天間基地の県内移設反対を表明すべきと考える。知事の所見を伺いたい。
 次に、騒音防止協定やレンジ4の陸軍複合射撃訓練場建設問題等について質問します。
 嘉手納基地では、騒音防止協定があるにもかかわらず米軍の都合で午前4時でも戦闘爆撃機が爆音をとどろかせる状況です。根本的には地位協定の改定が必要と思いますが、騒音防止協定の運用上の「ただし書き」を削除させる取り組みも必要ではないかと思います。
 また、7月19日の陸軍複合射撃訓練場建設反対の県民集会では知事が出席されてあいさつし、赤鉢巻きを締めてデモの先頭に立たれたことを評価するものです。しかし、米軍再編で政府は県や地域の意見を聞くと説明していることを考えると、訓練場建設で政府から県や金武町に何らかの打診や相談があったと思われます。知事から事実を明らかにしていただきたいと思います。
 (9)、騒音防止協定は、午後10時から午前6時までの「飛行及び地上での活動は、米国の運用上の所用のために必要と考えられるものに制限される。」としている。しかし、9月3日午前4時から5時にかけて戦闘爆撃機等16機が激しい爆音を響かせて離陸した。そのことに嘉手納基地報道部は、協定に従っていると説明している。協定を改定し、運用上の「ただし書き」を削除させることを日米両政府に求める必要があると思う。知事の所見を伺いたい。
 (10)、県警は、米海兵隊の大型トラックが沖縄自動車道でUターンを繰り返す車両訓練をしていたことについて、道路使用許可申請の対象に該当するかどうか検討しているとのことだが、検討の結果を伺いたい。
 (11)、キャンプ・ハンセンレンジ4での複合射撃訓練場建設反対県民集会に知事が出席し、デモの先頭に立たれたことを評価したい。しかし、訓練施設の建設について政府から県へ何らかの打診または相談があったのではないかと疑問を持たざるを得ません。そのことを明らかにしていただきたい。また、県は打診・相談についてどう対応されたか伺いたい。
 (12)、9月13日夜、米軍の水陸両用車が無灯火で海上移動訓練を実施した。しかも、通知内容もずさんなものである。夜間訓練の禁止と通知内容の見直し(訓練時間帯の明記)を求めるべきと思う。県の所見を伺いたい。
 (13)、嘉手納町議会の反対を無視し、9月20日に自衛隊機が嘉手納基地に着陸した。しかも、そのうちの1機はトラブルを起こし緊急着陸した。自衛隊機の嘉手納一時移駐と緊急着陸について県の所見を伺いたい。
 次に、環境行政について質問します。
 環境庁研究班は1980年に、工場などの近隣地区で直ちに対策に向けた具体的行動をとるべきだとの報告書を作成していたにもかかわらず、まともな調査をせずに規制を見送ったことが今日の状況を招いた大きな要因と考えられます。
 県内においては、原因の七、八割がアスベストとされる中皮腫による死亡者が2003年までの9年間で52人いたことがわかったとのことです。特に、米軍基地内では1950年から80年代にアスベストが大量に使われ、取扱作業をした従業員に肺疾患が多発していることが証言等で明らかになっています。
 そこで質問します。
 (1)、アスベスト問題について。
 ア、県内では米軍基地のボイラー等にかかわる職場がアスベストまみれの職場だったことが明らかになっている。実態調査の現状を伺いたい。
 イ、県内の学校等におけるアスベスト暴露防止対策について伺いたい。
 ウ、健康相談窓口の開設状況について伺いたい。
 エ、労災補償制度等の周知徹底について、どのような取り組みをしているか伺いたい。
 (2)、太陽光発電、風力発電等の設備導入に対する補助制度の現状について伺いたい。
 答弁の後、再質問します。
○知事(稲嶺惠一) 新里米吉議員の御質問にお答えいたします。
 嘉手納基地への暫定移駐と嘉手納町長との面談について一括してお答えいたします。
 宮城嘉手納町長とは8月末、これは8月29日に知事公舎でお会いし、衆議院選挙を前にして意見交換を行いました。その中で、嘉手納基地への移設の報道等について一般論としての意見交換を行ったものであります。また、政府から県に対して嘉手納基地への暫定移駐の打診はありません。
 続きまして、嘉手納基地への暫定移駐についての御質問についてお答えいたします。
 嘉手納基地への統合については、暫定使用も含めて周辺市町村が現在でも騒音等過重な負担を負っており、さらに負担を増すようなことは到底容認できるものではありません。
 次に、辺野古沖への移設見直しについての御質問にお答えします。
 米軍再編について政府から具体的な提示はありません。
 県としては、実効性のある代替案が提示されない段階で、日米両政府で確約された返還方針を変更することはできないと考えております。
 次に、報道されている辺野古縮小案とシュワブ陸上案について一括してお答えいたします。
 普天間飛行場の移設については、これまで国、県、名護市等の関係機関で協議を重ね基本計画が策定され、それに基づき移設作業が進められているところであります。
 県としては、政府から再編協議に係る具体的な案が示されていない段階で、個別・具体的な話に言及することはできないと考えております。
 現在検討されている移設案と知事公約についてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設を軍民共用とすることは、移設に当たって整備すべき条件であり、また閣議決定や代替施設協議会における協議の中でも軍民共用とすることが決定されております。
 先ほども申し上げましたが、県としては、政府から再編協議に係る具体的な案が示されていない段階で、個別・具体的な話に言及することはできないと考えております。
 次に、米軍再編に対する県の考え方について申し上げます。
 県は、米軍再編に対する基本的な考え方として、在沖米海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用改善等を日米両政府に強く申し入れております。再編協議の内容については、近々、政府から提示されることとなっております。
 県としては、日米両政府で進められている協議内容が示された段階で地元市町村と協議して、県民の目に見える形で基地負担が軽減されるよう対応していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部長等より答弁させます。
○教育長(仲宗根用英) それでは、学級編制及び第8次定数改善計画についてお答えします。
 現在、公立の小中学校の学級編制については、都道府県教育委員会の同意のもと、市町村教育委員会が行うこととなっています。
 ことし7月の中央教育審議会の「審議経過報告」によると、学級編制については学校現場の裁量を拡大すべきとの意見が出され、新聞報道がなされましたが、その後、文部科学省から「新聞報道のような方針を決定した事実はない」との説明がありました。
 また、第8次定数改善計画については、第7次計画に引き続き基礎学力の向上ときめ細かな指導を基本としながらも、今日的課題である少人数教育や特別支援教育等に対応できる計画にする予定であるとの説明を受けております。
 次に、奥武山水泳プールについてお答えします。
 奥武山水泳プールは、県内唯一の本格的な競技用プールであり、多くの利用者に親しまれてまいりました。しかし、建築後22年が経過し、老朽化が著しいことから再整備を行うこととしております。
 スケジュールとしましては、平成20年度末の完成を目指して本年度に基本設計を実施し、平成18年度に国庫要請を行い、平成19年度から実施設計と建築に着手する予定であります。
 再整備に当たっては、平成22年の全国高校総体の円滑な運営に万全を期すとともに、県民の健康・体力づくりに貢献できる施設となるよう努めてまいります。
 次に、与勝中高一貫校の校地についてお答えします。
 平成19年度の開校を目指して与勝高校に県立中学校併設の中高一貫教育校を予定しております。現在、特色を生かした教育課程の編成、校舎の配置、施設設備等について検討しているところであります。また、敷地についても中高一貫校としての教育効果が発揮できるよう調査していきたいと考えております。
 次に、西原高校マーチングバンド部についてお答えします。
 ことし7月にオランダで開催された「世界音楽コンクール」において、西原高校マーチングバンド部がパレード部門とマーチングショー部門でベストインターナショナル賞を受賞するという世界的快挙に心から喜んでおります。このことは本県教育の芸術性の高さが世界に認められたことであり、児童生徒に大きな夢と希望、世界にチャレンジする勇気を与えてくれたものと確信しております。
 また、海外大会の引率旅費等については、大会の趣旨や参加方法、引率旅費規定等について検討しており、現在、関係機関等と調整しているところであります。
 次に、アスベストの暴露対策についてお答えします。
 県教育委員会では、文部科学省の依頼に基づき「学校施設等における吹き付けアスベスト等使用実態調査」を実施しているところであり、11月中旬までには終了する予定であります。この調査により、吹きつけアスベスト等の使用が確認された場合は、関係法令等に基づき、除去、封じ込め、囲い込み等適切な措置を講じて子供たちの安全に万全を期していきたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(花城順孝) 騒音防止協定の改定についての御質問にお答えします。
 県は、これまで嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺の航空機騒音の軽減を図るため、関係市町村と連携しながら、飛行場周辺地域における騒音測定を継続して実施しております。その結果をもとに三者連絡協議会や沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会、いわゆる軍転協、それから渉外知事会等を通じて日米両政府に対し、航空機騒音規制措置の厳格な運用、夜間、早朝における飛行とエンジンテストの全面的禁止を日米間の合意事項として明記すること等、騒音軽減措置を求めてきたところであります。
 しかしながら、両飛行場の周辺地域においては、依然として環境基準を超える騒音が発生し、また早朝、夜間における航空機の離着陸は周辺住民へ影響を与えていることから、県としては今後ともあらゆる機会を通じ、日米両政府に対し、騒音の軽減を粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 次に、陸軍複合射撃訓練場の建設についての御質問にお答えします。
 レンジ4における陸軍複合射撃訓練場の建設について政府から打診または相談を受けた事実はありません。
 日本政府は、平成15年11月19日に同訓練場の建設について公表しております。県は、同日、那覇防衛施設局からの説明を受け、その後、詳細な情報の収集に努め、同月26日に建設に反対である旨の知事コメントを発表しております。
 県は、同訓練場の建設場所は、住宅地域や沖縄自動車道に近く非常に危険であると認識しており、また地域住民も大きな不安を抱き建設中止を強く求めていることから、政府に対し一貫してその中止を求めてまいりました。
 次に、水陸両用車の夜間訓練の禁止と事前通知内容の見直しについての御質問にお答えします。
 キャンプ・シュワブにおける水陸両用車の夜間演習について、米軍は演習の期間及び時間を関係者へ通知しております。県としては、県民の生命財産に危険が及ばないよう配慮して演習を実施すべきであると考えており、渉外知事会を通じて、具体的な演習、訓練内容等の速やかな通報を日本政府に要請しております。
 次に、嘉手納飛行場への自衛隊機の一時移駐と緊急着陸についての御質問にお答えします。
 那覇空港滑走路改修工事に伴う自衛隊機の嘉手納飛行場の一時使用については、工事が完了するまでの一時的なものと理解をしております。
 県としては、今回の措置に伴い、周辺地域における騒音被害が増大しないよう、政府においては騒音等の影響を最小限にする努力が必要であると考えております。
 また、緊急着陸については、自衛隊において航空機の点検整備及び安全管理等の措置を徹底する必要があると考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 沖縄自動車道でのUターンを繰り返す行為は道路使用許可申請の対象かという御質問にお答えをします。
 道路交通法第77条第1項第4号及び沖縄県道路交通法施行細則第18条第1項第6号の規定によれば、道路において消防、避難、救護その他の訓練で一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態もしくは方法により道路を使用する行為については、警察署長の許可を受けなければならないことになっております。
 県警としましては、沖縄自動車道でUターンを繰り返す行為が、ただいま申し上げた道路使用許可申請の対象になるのかどうかの判断を行うためには、公道における走行の目的や走行の形態などについての事実関係を正確に把握する必要があると考え、米軍側に対し説明を求め、あるいは文書による照会を行っているところでありますが、現時点、いまだ回答は得られておりません。
 県警としましては、米軍側からの回答を受け、その内容の検討も踏まえて道路使用許可申請の対象になる行為かどうかについて最終的に判断をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 環境行政について、米軍基地アスベストの実態調査の現状についての御質問にお答えいたします。
 県では、県民の生命、生活を守り、住民のアスベストについての不安を解消するため、県内でのアスベストの使用状況等について把握する必要があると考えております。そのため、県では、庁内外の関係機関が参加する沖縄県アスベスト対策連絡協議会を開催し、アスベスト使用実態調査を実施するとともに、県民に対する適切な情報の提供に努めているところであります。 米軍基地内におけるアスベスト使用の実態等についてはその実情が明らかにされていないため、米軍に対し、実態の調査やその公表を要請するとともに、那覇防衛施設局や沖縄労働局など関係機関とも連携を図り、その実態把握に努めていきたいと考えております。
 同じく環境行政について、健康相談窓口の開設状況についての御質問にお答えいたします。
 本県においては厚生労働省、環境省と連携を図り、労働者、退職者、家族、住民を対象とした健康相談窓口が開設され、健康被害の情報把握に努めております。
 国の機関では、沖縄労働局及び沖縄労働基準監督署、沖縄産業保健推進センターにおいて、主として労働者の相談を受け付けており、9月20日現在、163件の相談があり、うち17件が労災請求に係る相談となっておりますが、認定手続に入ったものはないとのことであります。
 また、県では、各保健所において一般の方々の相談を受け付けており、7月中旬から9月22日までの相談件数が41件で、相談内容の多くは健康の不安についてのものであります。
 以上です。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、アスベスト関連の労災補償制度等の周知徹底についての御質問にお答えをいたします。
 労災補償制度等は国の所管でありますが、労働者及び事業者が労働災害補償保険制度について十分な認識を持つことは重要であり、国と連携して労働行政を進めるため、県においても労働安全衛生関係文書等を各部局を通じて関係団体等に送付しております。
 また、県が発行する「労働おきなわ」において、アスベスト対策関連の記事を掲載し、県内労働者への周知を図ってまいります。
 なお、国では、労働局や県内5カ所の労働基準監督署等から各業界団体や医療機関及び企業等にリーフレットを送付するなど、制度の周知を図っているとのことであります。
 次に、太陽光発電等の補助制度についての御質問にお答えをいたします。
 太陽光発電の導入に対する主な補助制度としては、一般住宅用として1キロワット当たり2万円を助成するものや、民間企業等が国との共同研究として10キロワット以上の設備を整備する場合に2分の1を助成する国の補助制度があります。
 また、風力発電については、民間企業等が国との共同研究として出力500キロワット以上の設備を整備する場合に2分の1を助成する国の補助制度があります。
 こうした補助制度を活用して、平成16年度までに県内に設置された太陽光発電は住宅用が709件、住宅以外の公共施設等が37件、風力発電は28件となっております。
 以上でございます。
○新里 米吉 基地問題について再質問をします。
 基地問題の(5)、辺野古縮小案についてでありますが、政府から方針が示されない段階で県として個別・具体的案に言及できないとのことですが、この新聞にあるように(資料を掲示) 辺野古縮小案が大きく報じられた後、所管の副知事及び公室長、統括監はマスコミに対して縮小案を明確に否定する発言をしております。
 先ほどの答弁では、縮小案についての見解が出されないと、今出す段階じゃないと言っているわけですが、知事と副知事、公室長、統括監の間で考えや方針に違いがあるのかどうか伺いたいと思います。
 それから(8)についてですが、県内移設は知事が強調してきた目に見える形での負担軽減にならないと思いますが、知事の所見を伺いたいと思います。
 また、海兵隊の県外移転には普天間飛行場も含まれていると発言してまいりました。日米両政府はどうもこのことについてよく理解されてないと思います。県の考えをわかりやすく理解してもらうためにも県内移設反対を表明すべきではありませんか、再度お伺いします。
 それから(11)についてですが、陸軍複合射撃訓練場建設について、外務大臣に要請と厳しい質問を私がやりました。大臣はこんなことをおっしゃっていたんですよ。しばらく考えてから、これまで話し合ってきたことですからとぽつりと言ったんです。意味深長ですね。これまで話し合ってきたことですからと。大変意味深長な発言をされまして、それで政府と県の間でどのような話があったんだろうかと疑問を持たざるを得ないわけです。先ほどの答弁では、なかなか大臣答弁との間でよく理解できないところがあります。再度伺います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
   午後4時31分休憩
   午後4時34分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
 稲嶺知事。
   〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 新里議員の再質問にお答えいたします。
 知事と副知事以下の意見が違っているんじゃないかと言っておられますけれども、全く一緒でございます。
 これはどういうことかといいますと、私は、先ほどの答弁の中にもありましたように、県は、米軍再編に対する基本的な考え方として在沖米海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用改善等を日本政府に強く申し入れておりましたということを言っております。したがって、全く同じでございます。
 それから県内移設反対のお話ですけれども、私どもとしては、先ほど申しましたように、基本的な考え方としては在沖米海兵隊の県外移転を強く申し入れております。ただ、現在、日米両政府で進められている協議内容が示された段階で地元市町村と協議して、県民の目に見える形で基地負担が軽減されるよう対応していきたいと考えております。
○知事公室長(花城順孝) 陸軍複合射撃訓練場の建設についての経緯と申しますか、政府の方からどのような打診があったのかという再質問であったと思いますが、これは先ほどお答えしたことと全く同じでございまして、政府から同訓練場の建設について公表があったのが平成15年の11月19日でありまして、その日に那覇防衛施設局からの説明があったと、こういうことでございます。
 その後、県としていろいろ情報を集めて、同じ月の11月26日に建設に反対であるという知事コメントを発表したと、これが経緯でございます。
 以上でございます。
○議長(外間盛善) 以上で本日の代表質問は終わりました。
 本日の日程は、これで終了いたしました。
 次会は、明28日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後4時37分散会

 
20050402000000