○議長(外間盛善) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた副知事嘉数昇明君は、別用務のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありました。
――――――――――――――
○議長(外間盛善) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第3号議案まで、乙第1号議案から乙第23号議案まで及び認定第1号から認定第24号までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
兼城賢次君。
〔兼城賢次君登壇〕
○兼城 賢次 おはようございます。
所見を述べながら質問をいたします。
知事の政治姿勢についてお伺いをいたします。
米陸軍都市型戦闘訓練施設での訓練強行に対する緊急抗議集会についてであります。
金武町や伊芸区は短期間での県民への周知、準備のことなどから、いびつな集会になるのではないかと心配されたようだが、会場を埋め尽くした参加者を見て、県民の大きな支持に支えられていることを実感し、集会成功に感謝されておりました。懸念は払拭されて参加者自身が感慨を深くしたのではないでしょうか。訓練を強行する米軍と容認する日本政府に県民の思いをあらわしたものと思います。知事も県民の支えを十分に感じとられたものと思います。一連の米軍のやりたい放題の訓練に対して示唆を与えるものではないでしょうか。県民集会に対する知事の所見をお伺いいたします。
普天間飛行場の代替施設としてキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沖沿岸域として現行案が決定されましたが、にわかにリーフ内への建設が取りざたされていますが、リーフ内も辺野古沖沿岸域とみなすのか、お聞かせください。
知事の普天間飛行場の代替施設受け入れの条件である軍民共用について地元名護市長は、「民間空港は現実的でない。名護市に造るよりも那覇空港を沖合展開した方が県益になる」と、軍民共用には明確に否定しました。
知事は、名護市長の発言はにわかに信じがたいことでしょうけれども、お互いこれからすり合わせするにしても当事者の発言は重い。15年使用問題も一向に進展せぬ中で、地元から軍民共用はノーということになれば苦渋の選択で苦しむこともありません。地元が望まぬ軍民共用にこれからも固執されるのか、知事の所見をお聞かせください。
次に、今回の衆議院選挙は、小選挙区制のもとで最もあしき結果が出ました。自民党は得票率47%で219人、占有率73%でございます。民主党は36.4%で占有率17.3%、得票率11%の敗北が、議席では216人の大きな差が出ています。小選挙区制は果たして民意を反映していると言えるのか疑問であります。
さて、自民党の幹部は、沖縄1区で白保氏を落選させると沖縄の経済振興にも影響を与え経済振興がとまると発言された。この発言について知事の所見をお聞かせください。
次に、基地問題についてお伺いをいたします。
地元マスコミは、連日、嘉手納飛行場、普天間飛行場で電車通過時の路線わきの音相当のすさまじい爆音を午前4時の早朝からまき散らしていると伝えております。住民の悲鳴に近い怒りはどうしようもありません。航空機騒音規制措置は一体何のために合意されたのか。
これら訓練機は、アメリカ本国からの移駐訓練が常在化しています。アメリカ国内では住民に危険が及ばない措置をとっていて、基地の周辺環境に細心の注意を払うことで基地を運用しているとのことであります。沖縄では早朝から爆音を響かせてやりたい放題の訓練であります。住民への配慮もしない訓練をする米軍と、それを容認する日本政府に強い憤りを覚えます。
アメリカ本国からの移駐による飛行訓練は、本国での厳しい規制や市民への配慮によるとの見方があるが、知事の対応をお聞かせください。
米軍は、高速道路で那覇と許田の往復訓練をこれまで繰り返し行ってきました。高速道路が米軍の自動車練習場として利用されているが、日本政府は施設間移動で地位協定上問題はないとのことであります。
地位協定で言う施設間移動には無理があるが、政府の地位協定の無理な解釈もさることながら、問題は高速道路の管理事務所が指摘するように、訓練は一般運行とは違うのであり、公道が訓練に使用されていることであります。高速道路での米軍の訓練は地位協定違反との指摘もあるが、知事の対応と所見をお聞かせください。
キャンプ・コートニーのクレー射撃による鉛汚染の県の立入調査についてお伺いいたします。
1998年に海兵隊はコートニーの砂浜と近くの昆布海岸との比較で25倍の測定値があることを明らかにしています。県独自の水質、底質、海生生物等の環境調査を申し入れましたが米軍に拒否され、改めて政府に立入調査の申請をいたしました。
日米合同委員会の立入許可についての協議はどうなっているのか、県の申し入れも雲散霧消させるつもりなのか、鉛汚染の県の立入調査はどのようになっているのか、お聞かせください。
キャンプ・ハンセン、ブート岳恩納山の不発弾処理についてお伺いいたします。
米軍は、半年ごとに実弾演習の清掃作業を実施し、その際、発見される不発弾については処理しているとのことだが、4月6日のキャンプ・ハンセンの山火事は不発弾の発火であった。以前から不発弾の不十分な処理が見込まれるところに植栽をすることは、これからの不発弾処理に困難と危険が増すので、植栽をやめて徹底した不発弾処理をすべきと指摘してきましたが、米軍の言う清掃作業を確認するためにも県立ち会いの不発弾の調査を行うべきであります。
ちなみに、ブート岳、恩納の山には1973年から1997年の25カ年間に撃ち込まれた実弾は、25年間のうち16年間は明らかになっていますが、9年間は幾ら撃ち込んだかも不明であります。明らかになっている16年間の実弾は3万2197、年間多いときは6468発撃ち込んでおります。不明となっていることと合わせるとかなりの数になります。米軍さえもわからないものを丁寧に処理したとは思えません。調査の実行を求めますが、知事の対応をお聞かせください。
那覇空港での自衛隊機のタイヤパンクによる混乱についてお伺いいたします。
那覇空港は過密な空港で、訓練を目的とする自衛隊と旅客機の共用は危険であると空港関係者は指摘いたしておりました。県も、一歩間違えば重大事故につながりかねない、民間機の運航にも大きな影響を与えたとして原因究明することを自衛隊に伝えたとのことだが、共用は今回の事故にとどまらず、以前から民間のパイロットは危険性を訴えています。安全を優先するというのであれば共用使用は避けるべきであります。民間と自衛隊の共用を見直していくべきであるが、知事の所見をお聞かせください。
次に、我が会派の新里米吉議員の代表質問との関連で質問いたします。
現在、日米政府の案では軍民共用空港はできないことが明らかになっています。米軍再編の中間報告の前に県の考えを明確にすることが緊要であります。知事は、政府から再編協議の具体的なものが示されてないので取りざたされている案に具体的に言及することはできないとしています。
しかし、再編協議の動きは政府から示されて内容が出てきております。日米政府が提案している代替案に当事者の対応としては腰が引けて人ごとみたいに構えています。辺野古沖の現行案は日米政府が厳しいと判断していることについて知事も認識されていますか、お聞かせください。
農林問題についてお伺いいたします。
松くい虫対策についてお伺いいたします。
「沖縄県松くい虫の防除に関する条例」が制定され、平成14年から5カ年計画で県民参加の「松くい虫ゼロ大作戦」を実施中でございます。県が発表している市町村別松くい虫被害の推移――民有林内でございますが――を見ますと、具志川市の平成12年の被害は2300立方メートル、4年後の平成16年はわずか70立方メートルです。これは、松林が絶滅したということであります。ここ10年間の防除事業に40億円費やしていますが、歯どめがききません。これまでの対応では同じことの繰り返しでしかないことを指摘してきました。
具志川市の例を見れば、市の対応も無力感と金のむだ遣いでしかありません。アリバイづくりの防除対策ではなく、市町村に松くい虫は現在のやり方では防除できないことを県が明確に示すことではないですか。県の5カ年計画ゼロ大作戦も見直しをしてこれまでの対策を改めるべきと思います。
県民にも説明すべき時期と思いますが、対応をお聞かせください。
イモゾウムシ、アリモドキゾウムシの根絶防除についてであります。
ウリミバエ防除に続く沖縄県の農産物振興に大きな影響を与えているイモゾウムシが防除されるならば、ゴーヤーが全国的に展開されたように大きな期待をいたしております。本島では読谷や宜野座が産地化を目指して増産が見込まれております。その他の地域でも工夫を凝らしてイモゾウムシと苦戦しながら生産をいたしております。
久米島で実施されている防除の進捗状況とこれからの取り組みについてお聞かせください。
次に、市町村合併における補助金についてお伺いいたします。
合併の合意事項でもあったうるま市の補助金が宙づりになっています。県はきちんと説明されたというが、平成16年8月31日付の「市町村合併支援プランの取扱いについて」の県の市町村合併支援本部決定は、平成18年3月末までに合併した市町村については現行合併特例法を適用する旨の経過措置が講じられたところであると明記しています。しかし、確かに合併特例法は適用されるが、補助金はその限りではないと財務相は言いたいようだが、市町村は上位団体である県のアドバイス・指導を受けながら合併を進めてきたのであり、補助金についても市町村は疑義をただしておりました。
県は、いつ合併するかはうるま市がメリット・デメリットを検討して決定したなどと人ごとみたいなことを言っていますが、市町村合併は財政問題が大きな課題であってみれば、市町村が戸惑うことのなきよう努めるのが国、県のやるべきことではないのか。今後の対応、見通しについてお聞かせください。
次に、河川やダム等におけるホテイアオイについてお伺いいたします。
きれいな花咲くホテイアオイは、河川では思わぬ被害を及ぼします。
うるま市の天願川は、6月15日の大雨に調整のためにラバー堰を倒したものの、一面に広がるホテイアオイが海に流れ出て漁民が設置した網に引っかかり、遠くは金武、宜野座の漁民からも被害の苦情が具志川漁協支所にあり、これまでも伊計島や宮城島のビーチに打ち上げられて悶着がありました。ダムもホテイアオイを小まめに処理すれば金もかけずに処理できます。今回のように各方面への被害も大きくならずにできると思うが、除去対策について工夫を凝らす必要があると思いますが、対応についてお聞かせください。
○知事(稲嶺惠一) おはようございます。
兼城賢次議員の御質問にお答えいたします。
最初は、軍民共用空港についての御質問にお答えします。
普天間飛行場代替施設を軍民共用空港とすることは移設に当たって整備すべき条件であり、また閣議決定や代替施設協議会における協議の中でも決定されております。
普天間飛行場の移設については、実効性ある代替案が提示されていない段階で、日米両政府で確約された返還方針を変更することはできないと考えております。
次に、自民党幹部の発言についての御質問にお答えをいたします。
選挙期間中の選挙応援での発言は、発言者みずからの責任で行ったものと考えております。
次に、イモゾウムシ等の根絶防除の取り組みについての御質問にお答えいたします。
カンショの重要害虫アリモドキゾウムシ等については、久米島において根絶防除を実施しております。
アリモドキゾウムシについては、平成6年度から性フェロモンを活用した誘殺防除を実施し、10年度からは不妊虫放飼による防除に取り組んでおります。その結果、県では現在、植物防疫法上の根絶確認に向け防除効果確認調査を行っております。
また、イモゾウムシについては、平成14年度から不妊虫放飼による根絶防除事業を実施しているところであります。
県としては、今後、久米島におけるゾウムシ類の根絶達成の成果を踏まえ、カンショの産地に防除地域を拡大してまいります。
次に、普天間飛行場の移設案に関する代表質問への答弁についてお答えいたします。
普天間飛行場の移設については、これまで国、県、名護市等の関係機関で協議を重ね基本計画が策定され、それに基づき移設作業が進められているところであります。
一方、今回の米軍再編においては、世界における米軍のプレゼンスや兵力構成、基地のあり方等全面的な見直しが行われ、SACOでは協議の対象とされなかった在日米軍基地全体のあり方そのものが検討されることから、SACO合意を超えた在沖米軍のあり方に大きな変動をもたらすものと考えております。
しかし、県としては、実効性のある代替案が提示されない段階で、日米両政府で確約された返還方針を変更することはできないと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部室長等から答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 実弾射撃訓練に抗議する県民集会についての御質問にお答えします。
実弾射撃訓練に抗議する県民集会が県議会、金武町、金武町議会、伊芸区の合同で開催されたことは、実弾射撃訓練に反対する県民の強い意思をあらわすものであり、その取り組みを大変心強く感じました。
県は、7月25日に関係大臣に対し、県民集会において示された地元住民を初めとする多くの県民の意思を強く訴えております。
また、8月5日には駐日米国大使に対し、陸軍複合射撃訓練場の一時使用を中止するとともに、代替施設を可能な限り早期に完成させ、周辺地域住民に危険が及ばないよう最大限の努力を払うなど、特段の配慮を強く求めたところであります。
次に、辺野古沿岸域についての御質問にお答えします。
名護市辺野古沿岸域にはリーフ内も含んでおります。しかし、具体的建設場所等を定めた基本計画を策定するまでに国、県、名護市等の関係機関での協議の中で3工法8案としてリーフ内、リーフ外も含めて検討され、その結果、リーフ上を基本とする現在の基本計画が決定された経緯があります。
次に、嘉手納飛行場における外来機の飛行訓練についての御質問にお答えします。
米軍の嘉手納飛行場渉外部によりますと、所属飛行場以外で行われる訓練は、パイロットが飛行技術と戦闘能力の練度を維持するため必要不可欠な訓練であり、嘉手納飛行場所属の航空機が米国本土における訓練に参加する事例もあるとしております。
県としては、訓練に伴う騒音が周辺住民に影響を及ぼすことは問題であると考えており、これまで関係市町村と連携しながら三者連絡協議会や沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会、いわゆる軍転協、渉外知事会等を通じ、米軍を初め日米両政府に対し航空機騒音規制措置の厳格な運用等、騒音軽減措置を求めてきたところであります。
次に、沖縄自動車道での訓練と地位協定についての御質問にお答えします。
外務省は、今回の米軍の活動について日米地位協定上問題となるものとは考えないとしておりますが、県としてはこれは公道における訓練であり、日米地位協定の問題があると考えております。
県はこれまでも日米地位協定の見直し要請において、演習及び訓練の実態を伴う施設からの出入り及び施設間の移動を行わない旨を明記するよう求めてきたところであり、引き続きこの点も含め日米地位協定の見直しを求めていきます。
次に、不発弾処理の立ち会い確認についての御質問にお答えします。
キャンプ・ハンセンの不発弾処理については、半年ごとに射場清掃作業を実施し、その際発見された不発弾については、資格を有する不発弾処理要員が処理をしているとのことでありますので、県としてはこれが確実に行われるようその結果の公表を求めているところであります。
また、不発弾の多くは地中に埋まっていると考えられることから、射場清掃作業の際、地表に露出してきた不発弾を処理する米軍の方法では抜本的な不発弾対策にはならないと考えており、より効果的な不発弾処理対策を講じるよう渉外知事会等を通じ日米両政府に求めているところであります。
次に、自衛隊機の事故と那覇空港の共用見直しについての御質問にお答えします。
去る9月16日に那覇空港において航空自衛隊機がパンクし、同空港が閉鎖されたことについて、県は同日、航空自衛隊那覇基地に対し遺憾の意を伝え、事故原因の究明及び今後の安全管理の徹底等、実効性のある再発防止策を早急に講ずるとともに情報提供するよう求めております。
県は、那覇空港の過密運航の解消やさらなる安全性の確保と観光を初めとする本県産業の発展を図るためには、那覇空港の拡充整備が必要と考えております。
このため、現在、那覇空港の拡充整備に向けて抜本的な空港能力等の総合的な調査を実施しており、空港能力を見きわめた上で沖合展開を含めた方策を検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(外間盛善) 答弁漏れがあるようでございます。
知事公室長。
〔知事公室長 花城順孝君登壇〕
○知事公室長(花城順孝) 失礼いたしました。
県の立入調査についての御質問でございます。
キャンプ・コートニーの鉛汚染に係る調査については、現在、環境調査のための立入申請を行っているところであり、日米合同委員会で調整が行われているところであります。
外務省によると、去る8月30日、さらなる検討を行う必要があることから、同委員会の環境分科委員会に付託することが決定されたとのことであります。
以上です。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは、松くい虫防除対策の見直しについての御質問にお答えいたします。
松くい虫防除対策については、平成13年度に「沖縄県松くい虫の防除に関する条例」を制定し、国、米軍、県及び市町村等の連携のもと積極的に防除を実施してきたところであります。しかしながら、防除については必ずしも計画どおりに進展していない状況にあります。
被害拡大の原因等については、1、松林の所有者・管理者が自主的に防除する「その他松林」の被害木駆除が不十分であったこと、2、被害の進行が広域化・奥地化し、駆除が困難になったこと、3、市町村の財政負担が大きく、十分な対応ができなかったこと、4、特に平成15年は高温・少雨等の異常気象により、松の樹勢の低下とあわせてカミキリムシの活動が活発化したことなどが考えられます。
このようなことから、県としては平成16年度において、これまでの全県的な防除から、より効果的な対策を図るため市町村や関係機関との協議・調整のもとに、公益性の高い松林を「保全松林」として選定し、重点的に防除を実施しております。今後は、「保全松林」の重点防除の実施とあわせて天敵昆虫を利用した防除技術及び抵抗性松の選抜育種の研究成果を取り入れた総合的な松くい虫の防除対策に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 合併市町村補助金の国、県対応についての御質問にお答えいたします。
平成17年3月31日までに県知事へ合併の申請を行い、平成18年3月31日までに合併する市町村に係る合併補助金については、平成16年8月に国の市町村合併支援本部において予算編成過程を通じて明らかにするとの決定がなされております。
総務省においては、このような経過措置団体分も含めて平成18年度概算要求を行ったところであり、平成17年度分については今後補正予算で要求すると聞いております。
県としましては、当該補助金が市町村建設計画を実施する上で重要な財源と認識しており、ことしの6月には九州地方知事会を通して、また8月には総務省に直接要請してきたところであります。今後とも関係団体と連携しながら、当該補助金の確保に向けて強力に取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
○土木建築部長(末吉 哲) ホテイアオイの除去対策についてにお答えいたします。
天願川は下流河口部に堰があることから一定水位のある池の形状をなし、夏場はホテイアオイ等の水草が繁茂し、大雨の際にはホテイアオイ等が堰を超えて海へ流出している状況にあります。
当該河川は、平成15年度に水草の除去を行ったところですが、今後は定期的に除去を行う考えであります。
なお、現在、国、県、企業局管理のダムにおいてはホテイアオイの大量発生はないと聞いております。
以上でございます。
○兼城 賢次 知事は、地元が望まぬ軍民共用、これからも固執するのかと言ったら、それはSACO合意だということで踏ん張るようですが、国、県、名護市が協議して策定されたこの軍民共用。しかし、国ももうこういう今の動きからすれば陸上案を主張するし、名護市の方はもうリーフ内の方が県益になるんだというようなことを言ってシュワブのリーフ内に要求すると。こういうような客観的な動きが、国、県、名護市が合意された時期とは全く変わってきているわけですから。
なおかつ、いろんなそういう動きがありながらそれについて目をつぶって、あくまでもSACO合意だ、SACO合意だと言うけれども、しかし皆さん方は政府・国やアメリカと合意になった時点からまた動き出すというようなことを言っているけれども、これまでは合意に従うというようなことを言っているけれども、しかし客観的にこういう動きを無視していつまでもSACO合意、SACO合意ということを言っておけばいいというのか。むしろSACO合意ということを現在のような状況の中でそれを主張することによって状況が激変したときにもう間に合わないです。しかも、エネルギーがこれからもずっと必要ですし、時間もかかる。
こういうようなことを、いつまでも現行案に固執するというようなことは本当に私は非常に痛ましく思います。こういうような状況では基地の軽減とかもできませんし、また情報をどうしているかとこの前聞いたときにも、いろいろ情報を集めていると。
しかし、情報というのは何のために集めているのか。こういうことを判断するための、これからの沖縄をどうするかという一つの方向性を見出すための情報収集じゃないですか。ただ情報を集めていますというんでは今の動きには全然ついていけない。
そういうことで、もうこれまでのSACO合意を見直すというのは国、県、名護市も含めて検討する時期だと思います。
そういうことで、軍民共用、15年使用問題も全然これはもう話にならぬわけですから、こういうSACO合意を見直す時期だと思いますが、どうですか。
それから、選挙のときに自民党の幹部が発言したのは、これは選挙期間中だから発言した人の責任だということをおっしゃいますが、私はその発言に対して知事はどういう所見を持っているのかということを聞いておりますので、あえて御答弁を願いたいと思います。
休憩お願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前10時33分休憩
午前10時33分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
○兼城 賢次 キャンプ・ハンセンの不発弾の処理でございますけれども、これは今のような答弁ではどうしようもないということは承知しているんじゃないかと、知事自身ですね。というのは、もう相当の実弾が撃ち込まれているわけです。しかも皆さん方は、17年に「基地から派生する諸問題の解決促進に関する要請」という中でもこれはちゃんとやっているわけです。矛盾するんですね。これはちゃんとやられているというんだったら、あえてこのような要請書を出すことはないと思うんだけれども、(資料を掲示) これはちゃんとやられてないからこういうような要請をするわけですね。だからこれをもっときちんとやらないと、本当に返還された後に大きな問題になるということで再三述べておりますので、対応していただきたい。
もう一つは、キャンプ・コートニーの鉛の件ですが、これは8月31日に皆さん方は合意やったということですが、15年の9月1日でもう既にこれは日米合同委員会の事務局に出している。しかも2カ年間がたっている。そういうようなことをこれからこういう汚染問題、例えば恩納の方でもそうですし、キャンプ桑江でもそうですが、こういうことが見込まれるので、こういうものをちゃんとやっていただかなきゃいかぬということでこれは再三申し上げておりますので、2年間も、合同委員会に出したものがいまだに調査ができないような状態ということはこれこそおかしな話でございますので、ちゃんとこれをやっていただきたいということを申し上げておきます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前10時35分休憩
午前10時36分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 兼城賢次議員の再質問にお答えいたします。
1つは、再編への動きの対応ですけれども、再編に対して私どもは4つの要求を明示しております。そしてその次には中間報告が示された時点で適切に対応します。
細かくもう一度申し上げます。
今回の米軍再編においては、世界における米軍のプレゼンスや兵力構成、基地のあり方等全面的な見直しが行われ、SACOでは協議の対象とされなかった在日米軍基地全体のあり方そのものが検討されることから、SACO合意を超えて在沖米軍のあり方に大きな変動をもたらすものと考えております。
しかし、県としては、実効性のある代替案が提示されない段階で、日米両政府で確約された返還方針を変更することはできないと考えております。
それから政治的発言についてでございますけれども、これは私の考えとしても、選挙中の選挙応援での発言は発言者みずからの責任で行ったものというふうに考えております。
○知事公室長(花城順孝) 再質問にお答えします。
まず、キャンプ・ハンセンの不発弾処理についてでございますが、先ほども答弁しましたように、米軍としては半年ごとに射場の清掃作業を実施すると。その際に発見された不発弾を処理するとこういうことでありますが、不発弾の多くは地中に埋まっているわけでありまして、そのような処理では極めて不十分であるということを県としては認識しておりまして、そういう意味で、さらに抜本的な不発弾対策というものをやってくれということを渉外知事会等を通じて粘り強く求めていると、こういう現状でございます。
次に2つ目の、キャンプ・コートニーの鉛弾の問題でありますが、現在どういう調整が行われているかということを申し上げますと、これは外務省によりますと、沖縄県がキャンプ・コートニー水域で実施を希望している調査の具体的な方法や調査結果の評価方法等について検討が必要であるということで日米間で調整を行っているということであります。
また、本件については平成13年に米軍による調査、平成14年には地元の要望も踏まえて日米両政府による調査を行って、人の健康に影響を与えるものではないとの調査結果が出た経緯もあることから、これらの経緯にかんがみて引き続き検討・調整すべき事項が多々あるとのことであります。これは外務省の見解であります。
以上でございます。
○兼城 賢次 休憩願います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前10時40分休憩
午前10時41分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 私自身、過去においてもそのような発言をしたことがございませんので、他人の真意はわかりません。
○兼城 賢次 知事、私は知事が発言したことがあるかないかどうかは聞いてない。それは沖縄全体の問題だから――先ほど申し上げましたように、こういう発言が21世紀のこの民主主義の世の中で恫喝みたいに、あるいは揺さぶりみたいな形で言われているんではよくないと。沖縄のこれからの自立の問題を考えたって当然これは問題にすべきですよ。それは知事の感想を聞いているわけです。知事の発言云々は聞いていませんので、再度答えてください。
それは、当然、今後の国庫補助金とか地方交付税の各県との比較も出てくるわけですから、こういうような発言は決してこれからの沖縄であってはならないと。どちらが政権をとろうが構いません。また、私は一個人の候補者のことを言っているわけじゃないんです。そういうことでひとつ答弁をしていただきたいと思います。
それと、実効性の代案がなければこういう動きについてコメントできないということは、これはもうギブアップだということですね、知事は。こういう変化が日本政府やあるいはアメリカ政府から出てきている状況の中で発言を控える、何もしないということは、自分はこの県政の中でこの基地問題はどうしようもないというようにあきらめているものとして受け取っていいですね。
○知事(稲嶺惠一) 兼城議員の御質問にお答えいたします。
最初の政治的発言につきましては、これは選挙とは関係なしに振興計画は行政として粛々と進めていきます。そして県としては、再編に対する県の考え方、これは非常に強く今でも言い続けているわけです。ずっと言い続けています、それは4本の柱というのを強烈に出したわけですから。
米軍再編の基本的な考え方としては、在沖米海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用改善等、これを現在でも強く求め続けております。
○瑞慶覧 朝義 ただいまから一般質問を行います。
まず、米軍基地問題について9項目の質問をいたします。
(1)、嘉手納基地使用協定についての質問であります。
①、相次ぐ爆音被害に耐えかねて、とうとう嘉手納町長は12月議会までに町民の意思を反映する形で基地使用協定の要求項目の内容をつくり上げて、担当部署だけでなく職労や議会、婦人会などの代表でワーキンググループ形式で議論をして作業を進めると言われております。
宮城町長は、外来機の恒常的な飛来や騒音防止協定が形骸化している運用実態を指摘し、地位協定の全面改定まではとても待てないとして爆音被害の実態を具体的な数値で示し、年明けにも政府に対して基地使用協定の締結をするよう要請すると言われております。それに対して県としても積極的にかかわって、嘉手納基地の使用協定締結に向けて取り組むべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、知事の御見解を伺います。
②、ドイツやイタリアの米軍基地で実施されている基地使用協定はどのようになっているか伺いたい。
(2)、普天間飛行場の移設問題についての質問であります。
①、連日の新聞報道によりますと、政府筋の発表として米軍再編中間報告の中に辺野古沖への移設見直しを明記するとされておりますが、海上基地建設は事実上白紙撤回と見てよいのかどうか、県はこの情報にどのような理解を示しておられるか、御答弁をいただきたいと思います。
②、普天間飛行場の新たな移設先としてキャンプ・シュワブ陸上案が浮上し、嘉手納基地への統合案も含めて検討しているとされておりますが、県に対して政府から何らかの打診があったのかどうか伺いたいと思います。
③、名護市の岸本市長は、稲嶺知事が基地受け入れの条件として選挙公約で打ち出した軍民共用空港、15年使用期限を受けて、本人も去る2002年の選挙において、軍民共用空港の民間部分での地域活性化を選挙公約として知事と文字どおり二人三脚で選挙戦に臨んできた経緯がありますが、昨今の報道によりますと、選挙民との公約をいとも簡単に覆し、稲嶺知事の政策をも否定する辺野古海上リーフ内縮小案を軍専用空港として逆提案するようなやり方に対して、知事としてはどのような御見解か御答弁を求めます。
④、キャンプ・シュワブ陸上案にしろ、海上縮小案にしろ、嘉手納基地統合案にしろ県内移設であり、到底許せるものではありません。県内移設では小泉総理の言う沖縄の基地負担の軽減にはならない。普天間飛行場を含めた海兵隊の県外移転を主張してきた稲嶺県政としては、今の情勢は逆行することになるが、政府に対して今後どう対応していかれるか、また新たな県内移設を容認する考えがあるのかどうかについて御答弁を求めます。
⑤、知事は、去る6月定例会において、普天間飛行場の嘉手納統合には明確に反対を表明されましたが、9月16日の新聞報道によりますと、嘉手納飛行場への暫定移駐を嘉手納町長に対して打診したとされておりますが、知事は政府からそのような要請を受けて嘉手納町長との会談を行ったのかどうかについてお伺いいたします。
⑥、普天間飛行場の移設先について、日々変化する情勢に対して県としてはどのように認識しておられるか、また日米両政府があくまでも県内移設に固執していることに対して、沖縄県の知事として断固反対を表明すべきであると考えますがどうか、御見解を伺いたい。
(3)、嘉手納基地の外来機による合同演習に抗議し、即時中止を求めることについての質問であります。
①、住民無視の未明の離陸訓練が去る9月3日に強行されましたが、特に8月から9月にかけての爆音被害については既に受忍限度は超えている。この期間の爆音被害の実態を数字でもって示していただきたい。また、基地集辺住民の健康被害の実態は把握しておられるかについても御答弁を求めます。
②、稲嶺知事は、今日まで嘉手納基地の運用改善を訴え続けてきましたが、日米両政府は全く聞く耳を持たない、むしろ運用の改悪を着実に実行しているとしか言いようがない。激化する一途の嘉手納基地の爆音被害に対してこれまで同様の要請ではどうしようもないということがはっきりしておりますが、そのことを踏まえて県は今後どう対処していかれるかお答えいただきたい。
(4)、騒音防止協定の「ただし書き」の削除を求めることについての質問であります。
①、騒音防止協定は、1996年に日米で合意された「午後10時から午前6時までの飛行を原則禁止し、運用上、必要なものに制限する」とされておりますが、米軍は、運用上の「ただし書き」を乱用して「原則禁止」を無視し続けている。これでは騒音防止協定そのもののなし崩しであり何の意味もなさない。県としては、運用改善を求める立場から早急に「ただし書き」の削除を求めるべきであると考えますがどうか、御見解を伺いたい。
(5)、嘉手納基地でのGBS即応訓練についての質問であります。
①、去る8月24日に実施された嘉手納基地でのGBS即応訓練で、第18航空団任務支援群司令官のマックス・カシュッバム大佐は、「本来GBSをフェンス側に設置することを禁じている、末端の兵員まで、危険性や訓練の詳しい手順が行き届いていなかった」と謝罪しましたが、軍隊という典型的な縦社会の中で、占領意識丸出しの緊張感のなさが露呈したものと言える。このような状態では基地から派生するさまざまな事件・事故のたびに県民がその都度綱紀粛正や再発防止を幾ら求めても一向に改善されないのは当然のことである。一体、いつになったらこの種の犯罪がなくなるのか。今のままでは米軍基地がある限りなくすことはできない。これでは基地の全面撤去を求めるしかない。
県としては、今後どのようにして実効性ある運用改善を日米両政府に対して求めていかれるのか、具体的に説明をしていただきたい。
(6)、都市型戦闘訓練施設レンジ4での実弾演習についての質問であります。
①、去る7月19日に知事が先頭に立って行われましたレンジ4での実弾演習に抗議する超党派の県民集会の決議文を携えて、金武町長を初め伊芸区長や県議会代表団による政府に対する直接要請に、残念ながら我が国の政府は米軍の意向を最重視し、県民の生命の安全性の確保すべきを完全に否定した言動は到底許しがたい。
去る9月12日から連日6日間実弾演習が行われ、前例のない異常事態が続いている。この状態を県はどのように認識され、今後どう対処していかれるか、御答弁を求めます。
(7)、辺野古海上における単管足場の再設置に反対すべきと考えるがどうか。
①、去る9月2日那覇防衛施設局は、台風対策を理由に辺野古海上に設置してあった単管足場のすべてを撤去したとの報道がなされました。そのことは、500日以上に及ぶ座り込みや海上における熾烈な反対闘争の成果だとうかがえますが、県としてはどのように認識しておられるか。また、これまでの反対闘争の経過から考えて絶対に再設置は認められない。
県もこの際、ボーリング調査のための単管足場の再設置に反対を表明すべきではないかと考えますがどうか、御見解を伺いたい。
(8)、沖縄自動車道での米軍車両のUターンに起因する民間車両との事故についての質問であります。
①、米軍は、同訓練を安全のためと主張して、政府も容認姿勢を崩さない。一体いつになったら県民の怒りが日米両政府に届くのか。政府がこのような訓練を容認するなら、首都高速道路でこのような訓練をしたらどうかと言いたい。
去る9月6日の米軍基地関係特別委員会から既に1カ月近くにもなりますが、この事故に対してその後の捜査の進捗状況を伺いたい。
②、今回事故を起こした米兵らは走行距離を重ね、安全に大型車両をUターンさせることを重点に置いた訓練の実施中であったとされております。訓練中の運転手は、日本流にいえば仮免許の状態であったと言わざるを得ません。県警の判断はどうか。仮免許状態であのような危険な訓練を公道で行ってよいかどうかについても見解を伺いたいと思います。
(9)、航空自衛隊の嘉手納基地への一時移駐問題についての質問であります。
去る9月20日に航空自衛隊那覇基地所属のF4戦闘機が嘉手納基地へ一時移駐のために飛来してきました。この日飛来してきた1機が油圧系統に異常を来し、嘉手納基地に緊急着陸する騒ぎがありました。
同型機は、今月16日には那覇空港で車輪のパンクにより滑走路を封鎖し、民間機に多大な影響を与えるトラブルを起こしたばかりである。今回の緊急着陸で嘉手納基地周辺住民に対して新たな不安と恐怖を与えた。たとえ一時移駐であっても、その間の機能強化につながることは到底許せるものではありません。県としては、この問題をどのように考え今後どう対処していかれるかお答えをいただきたい。
2点目に、環境問題についての質問であります。
県内における公共施設での石綿(アスべスト)の使用状況とこれからの対策、中皮腫の発生状況について伺います。
①、アスベスト問題に関して、1989年に我が党の喜納昌春県議から詳しく質問された経緯があります。そのことを踏まえて質問をいたします。
喜納県議の質問の中で、アスベスト問題に関する総合的な対策委員会の設置を訴えたことに対して、当時の環境保健部長は、学識経験者を含めた県内の委員会の設置について検討したいと答弁されておりますが、対策委員会は設置されたのかどうか、またこれまで同対策委員会がどのような機能を持ち、アスベスト問題にどう対処してこられたか伺いたい。
②、我が国において、拡大するアスベスト被害の裏にアスベストの全面禁止が世界的潮流の中、我が国は2008年に全面禁止に踏み切る予定とされておりますが、何と今から13年前の1992年に当時の社会党が議員立法で「アスベスト規制法案」を国会に提出されましたが、しかしその提出前に業界団体の日本石綿協会が、健康被害は起こり得ないと確信できるなどとした見解を文書で政府と省庁に配布し、自民党などの反対で一度も審議されないまま廃案になったと報じられております。
我が国でアスベストが原則禁止になったのは昨年ですから、せめて13年前に同法案が成立しておれば将来被害が拡大することを防ぐことができたと言えます。このような政府の人命軽視の対策に対して、我が沖縄県においては決して同様な対策のおくれを講じてはならないと考えますが、沖縄県のアスベスト対策は十分であるかどうか伺いたいと思います。
③、公共施設におけるアスベストの使用状況と今後の対策、中皮腫の発生状況についてお答えいただきたい。
④、米軍基地従業員に対する実態調査をどのように考えているか伺いたい。
⑤、1995年から2003年までに県内で中皮腫による死亡が52人いたことが全国労働安全衛生センター連絡会議の調査で明らかになりました。死亡者が52人も確認されている中で労災認定が一人もいないということが疑問視されている。そのことは行政相談窓口の認識不足などもアスベスト労災認定のおくれの要因にもなっているとの指摘もありますが、県としては今後労災認定の問題についてどのように取り組んでいかれるか、お答えをいただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 瑞慶覧朝義議員の御質問にお答えいたします。
最初は、普天間飛行場移設の政府からの打診について、米軍再編について政府から具体的な提示はありません。
次に、名護市長の辺野古海上内縮小案についての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場の移設については、これまで国、県、名護市等の関係機関で協議を重ね基本計画が策定され、それに基づき移設作業が進められているところであります。
続きまして、県内移設の動きと県の対応について申し上げます。
米軍再編について、県は既に在沖海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用改善等の基本的な考え方を示しており、この方向を踏まえて日米間で協議し、再編協議の内容を早急に示すべきであると考えております。近々、政府から再編協議の内容について提示されることから、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう的確に対応したいと考えております。
次に、嘉手納町長との面談についての御質問にお答えします。
政府から嘉手納基地への暫定移駐を打診するよう要請を受けたことはありません。嘉手納町長とは、衆議院選挙を前に一般論として意見交換を行ったものであります。
次に、普天間飛行場の移設先についての御質問にお答えします。
米軍再編について政府から具体的な提示はありません。
県としては、在沖海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等を強く求めており、近々、政府から再編協議の内容が提示されることから、県民の目に見える形で基地負担の軽減が図られるよう的確に対応したいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部室長等から答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 基地使用協定の締結についての御質問にお答えします。
米軍基地から派生する諸問題の解決を図るためには、米軍基地の周辺地域の住民や自治体の理解と協力を得ることが不可欠であります。
最近の嘉手納飛行場をめぐる状況から、嘉手納町長が使用協定締結へ向け要望案作成へ取り組むという姿勢は理解できるものであり、県としてもできるだけ支援をしたいと考えております。
県は、日米地位協定の見直しの中で、日米合同委員会による「個々の施設及び区域に関する協定」の締結等に際し、関係自治体の意向を尊重する旨規定するよう求めているところであります。
政府においては、地元の要望を受けて日米間で協議し、適切に対応すべきであると考えております。
次に、ドイツとイタリアの基地使用協定についての御質問にお答えします。
文献等によりますと、イタリアと米国との間では1954年に二国間基地施設協定が締結されておりますが、イタリア議会の決議により公表されていないとのことであります。
1995年には、「基地ないし基地施設の使用についての実施手続に関するモデル実務取極」が締結されております。この「取極」を基本として個々の米軍基地ごとに個別の協定が締結されることが予定されており、米軍の基地使用に対するイタリア側の許可権限が優位的に認められているとされております。
ドイツと米国との間では、NATO軍地位協定を補足する「ボン補足協定」が締結されており、施設及び区域の提供や返還などについて規定をされております。
訓練施設の使用に関しては、ドイツと米国との間で二国間協定が締結されており、駐留軍による訓練施設の使用条件はドイツ連邦軍の施設使用条件に準ずるものとされているとのことであります。
次に、辺野古沖への移設見直しについての御質問にお答えします。
米軍再編について政府から具体的な提示はありません。
県としては、政府から再編協議に係る具体的な案が示されていない段階で、個別・具体的な話に言及することはできないと考えております。
次に、嘉手納飛行場の爆音被害に対する今後の対応についての御質問にお答えします。
嘉手納飛行場周辺の航空機騒音の状況は非常に厳しく、地域住民は嘉手納飛行場の運用のあり方に大きな不満を抱いております。
このような中、米軍の空・海合同演習の実施や米軍機による早朝離陸が繰り返されるなど、航空機騒音は地域住民に大きな影響を及ぼしていることから、県は米軍を初め日米両政府に対し、合同演習及び早朝離陸の中止、航空機騒音規制措置の厳格な運用等を求めたところであります。
県としては、今後とも引き続き飛行場周辺市町村とも連携を図りながら、あらゆる機会を通じ米軍を初め日米両政府に対し航空機騒音の軽減を粘り強く働きかけていきたいと考えております。
次に、航空機騒音規制措置の改定についての御質問にお答えします。
県は、これまで嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺の航空機騒音の軽減を図るため、関係市町村と連携しながら飛行場周辺地域における騒音測定を継続して実施しております。その結果をもとに三者連絡協議会や沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会、いわゆる軍転協、渉外知事会等を通じて米軍を初め日米両政府に対し、航空機騒音規制措置の厳格な運用、夜間、早朝における飛行とエンジンテストの全面的禁止を日米間の合意事項として明記すること等、騒音軽減措置を求めてきたところであります。
しかしながら、両飛行場の周辺地域においては依然として環境基準を超える騒音が発生し、また早朝、夜間における航空機の離着陸は周辺住民へ影響を与えていることから、県としては、今後ともあらゆる機会を通じ日米両政府に対し騒音の軽減を粘り強く働きかけていきたいと考えております。
次に、米軍の即応訓練に対する県の対応についての御質問にお答えします。
県は、嘉手納飛行場における即応訓練について、訓練の発表があった日――8月18日でございますが――に、嘉手納基地渉外部に対し、周辺地域に影響を及ぼさないよう配慮を求め、事故のあった24日には嘉手納基地渉外部に対し、訓練に当たっては周辺住民に十分に配慮すること、今回の事件の原因、再発防止策を報告すること、今後の訓練について十分注意することを求めております。また、8月24日からの軍転協要請においても日米両政府に対し訴えております。
外務省は、米軍に対し、さらなる配慮が必要である旨を伝えたとしております。
米軍は8月24日、同装置類の使用を当面の間禁止するとともに、今後、訓練の実施に際して使用する器具類が地元へ影響を及ぼすことなく、また訓練の目的及び安全に沿うものとするため、より詳細な規定を設定するとし、そのための作業を開始したと発表しており、県としては、米軍の対応を注視しているところであります。
今後ともあらゆる機会を通じ、米軍を初め関係機関に対し、米軍基地の運用から派生する事件・事故の発生防止等を求めていきます。
次に、レンジ4の実弾射撃訓練の中止についての御質問にお答えします。
レンジ4の陸軍複合射撃訓練場における実弾射撃訓練は、地元住民、金武町、県の意向に反するものであり、県としては、一時的にせよ、断じて容認できるものではありません。
また、地域住民への危険性が排除できない現状で訓練を強行することは、そのことにより生じるあらゆる問題の責任は、米軍はもとより基地提供者である日本政府も負うべきであります。
県は、7月25日に関係大臣に対し、8月5日には駐日米国大使に対し、同訓練場の一時使用の中止について最大限の努力を払うなど特段の配慮を強く求めたところであります。今後も引き続き金武町と密接に連携して、日米両政府に対し、地域住民に危険が及ばないよう早期の移設と地元の懸念に対するさらなる配慮を求めてまいります。
次に、ボーリング調査についての御質問にお答えします。
単管足場の撤去については、台風14号の接近により足場の転倒等によって周辺のサンゴ等へ与える影響を回避するとの観点から、那覇防衛施設局が作業計画に基づき足場を一時的に撤去したとのことであります。
ボーリング調査の実施については、事業者である那覇防衛施設局が適切に判断すべきものと考えておりますが、県としては、引き続き地域住民の生活環境や自然環境等への配慮を求めてまいります。
次に、嘉手納飛行場への自衛隊機の一時移駐についての御質問にお答えします。
嘉手納飛行場への自衛隊機の移駐は、那覇空港滑走路の夜間改修工事に伴うものであり、工事が完了するまでの一時的なものと理解しております。
県としては、今回の措置に伴い、周辺地域における騒音被害が増大しないよう、政府においては騒音等の影響を最小限にする努力が必要であると考えており、今後とも注視してまいります。
以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 米軍基地問題について、その中の8月から9月の爆音被害について、基地周辺住民の健康被害実態の把握についてにお答えいたします。
嘉手納飛行場周辺における8月の航空機騒音測定結果速報値によりますと、月間のW値、いわゆるうるささ指数でございますが、W値については12測定局中7局で環境基準値を超過しており、その最大値は砂辺地域の90.1となっています。
騒音発生回数も5月以降増加傾向にあり、8月1日から9月14日にかけての騒音測定結果速報値によりますと、1日当たりの騒音発生回数は、最も多かった上勢頭地域で平均100回を記録し、また屋良地域では8月30日の午前0時から6時にかけて19回の航空機騒音を計測しております。
この期間の爆音による健康被害については把握しておりませんが、県では平成7年度から4年間にわたって専門家に調査依頼し、「航空機騒音による健康への影響に関する調査報告書」をまとめております。
報告書では、航空機騒音の暴露量と学童の長期記憶力の低下や低出生体重児の出生率との間に有意な関連があること、また嘉手納飛行場近傍の住民に航空機騒音の暴露が原因であると濃厚に疑われる聴力損失者が確認されるなどの影響が明らかにされております。
次に、環境問題について、アスベスト検討委員会についてお答えいたします。
県内でアスベスト対策委員会の設置の検討が行われた当時は、昭和63年環境庁通知による「建築物内に使用されているアスベストに係る当面の対策」に基づき、アスベストが使用されている建築物のアスベスト撤去に際しては、それぞれの施設において適切な措置が講じられるよう指導を行ってまいりました。その後、労働安全衛生法や大気汚染防止法、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」など関係法令の改正・整備が進展し、また国が実施した各種の調査によりアスベストに関する知見も集積したことなどから、県のアスベスト検討委員会の設置によらず、関係個別法及び関係通知によりアスベスト問題に対処してきたところであります。
同じく環境問題で、アスベスト対策は十分であるかについて。
アスベストは断熱・防音等の目的で自動車部品、機械設備等の産業用はもとより、建築物等においても昭和30年代から広範囲で大量に使用されてきました。
一方、アスベストの有害性については、昭和47年の国際労働機関(ILO)の専門家会合で発がん性についての指摘があり、これを多量に吸入すると15年ないし40年の長期間を経た後に中皮腫等を発症することが知られ、その使用がこれまで段階的に禁止されてきたところです。
こうした中、本年6月下旬、アスベスト製品製造工場周辺の住民の被害が公表されるなど、全国で社会問題化したことから、県民の間でも健康被害に対する不安・懸念が高まっています。そのため、県では、庁内外の関係機関が参加する沖縄県アスベスト対策連絡協議会を開催し、アスベスト使用実態調査を実施するとともに、県民に対する適切な情報の提供に努めているところであります。
今後とも、国の「アスベスト問題に関する関係閣僚による会合」の方針と呼応し、関係機関と密接に連携・協力して適切に対応してまいりたいと考えております。
同じく環境問題で、公共施設でのアスベスト使用状況と対策、中皮腫の発生状況について。
県では国と連携を図り、それぞれの関係部局において、公共住宅、学校施設等、病院、社会福祉施設、その他公共建築物、民間建築物における吹きつけアスベストの使用実態等についての調査を実施しているところであります。
本日開催予定の庁内関係者を初め関係機関が参加する県アスベスト対策連絡協議会におきまして、アスベスト使用実態調査の中間報告を取りまとめ、施設利用や解体作業等の検討資料として有効に活用するほか、県民に対する適切な情報の提供を行うこととしております。
また、中皮腫はアスベストによる健康被害との関係が深いとされております。
厚生労働省人口動態調査によれば、平成15年に中皮腫により死亡したのは全国で878人であり、そのうち沖縄県では9人となっております。この死亡者数はあくまでも中皮腫を原因とした死亡者数であり、アスベストが原因である中皮腫かどうかについては把握されておりません。
以上でございます。
○警察本部長(三浦正充) 沖縄自動車道における米軍車両事故の捜査の進捗状況についてお答えをします。
この事故は、平成17年8月23日午後3時50分ごろ、米海兵隊員が運転する米軍車両大型トラックが沖縄自動車道の那覇料金所を出た後、中央分離帯の切れている箇所から転回しようとした際、折から那覇料金所を出て県道向けに進行してきた普通乗用車の左後部側面に衝突した事故であります。
当初、物損事故として処理いたしましたが、後日、本件の被害者が頸椎捻挫等のけがをしたとして診断書を提出したことから人身事故、すなわち業務上過失致傷事件に切りかえて所要の事故捜査を進めているところであります。
現在、被害者の事情聴取、被害者立ち会いの現場見分等の捜査を終えたところであります。今後、米軍関係者の出頭を求めて立会見分や取り締まり等を行う必要があることから、現在、米軍関係者の出頭について検察庁とも連携しながら米軍側と調整をしているところであります。
次に、いわば仮免許の状態で危険な訓練を公道上で行うことの是非についての御質問にお答えをします。
県警では、本件交通事故の発生を覚知すると同時に、交通機動隊員が現場臨場して所要の調査を行ったところであります。
事故当時、米軍車両を運転していた者は二十歳の海兵隊員で、アメリカ合衆国軍隊発行の大型免許を取得していることを確認しておりますが、いずれにしても、交通量の多い沖縄自動車道の料金所付近で大型自動車を連ねてUターンする行為は交通事故につながりかねない危険な行為であり、現に事故も発生していることから、公道上で車両を運行させるに当たっては交通の危険を生ぜしめないよう安全に十分配慮した形態・方法で行われるべきと考えております。
また、別途、県警としましては、米軍車両が沖縄自動車道でUターンをする行為について道路使用許可申請の対象になるかどうかの判断を行うため、その目的や走行形態などに関する事実関係について米軍側に文書で照会をしているところであります。
以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) まず、基地従業員に対するアスベスト被害の実態調査についての御質問にお答えをいたします。
米軍基地従業員のアスベスト対策につきましては、雇用主である国が半年ごとの特殊健康診断を行っていることから、アスべスト被害があれば把握できる体制はとられていると思われ、また防衛庁からは米軍に対して健康障害防止措置の協力依頼もなされております。県におきましても、米軍基地従業員等の健康保護が適切になされるよう、雇用主である国に対して働きかけてまいります。
次に、アスベストに関する労災問題の認定についてお答えをいたします。
労災認定は国の所管でありますが、労働者及び事業者が労働災害補償保険制度について十分な認識を持つことは重要であることから、国と連携して必要な施策を講ずるとともに、今後とも県が発行する労働関係の季刊誌及び講習・講演会等を活用し、制度の周知に努めてまいります。
以上でございます。
○瑞慶覧 朝義 再質問を行います。
まず、普天間飛行場の移設問題につきまして、県は政府から具体的な提示がない限りただ黙っておく姿勢でありますが、沖縄県の知事としてはいささか問題があると言わざるを得ません。再編協議で具体的な提案があってから果たして県民の意思を本当に反映させて県外移設が実行できると思われますか、知事。それにお答えいただきたいと思います。
次に、名護市の岸本市長の発言は沖縄県民のためには決してなりません。自治体の長たる者が選挙民との約束事をいとも簡単にほごにし、新たに米軍基地を沖縄に固定化する考えは沖縄県民として到底許せるものではありません。普天間基地を辺野古へ移設することを支持する県民はわずか数%でしかない。辺野古への賛成派はいわば県民のわずか一握りの人たちであります。そのことから岸本市長の発言は、日米両政府に対して誤ったメッセージを発信することになります。
県民の大半が普天間基地は即時閉鎖をして県外、国外に移せと言っております。今こそ沖縄県民の総意として知事が自信を持って普天間基地の県外・国外移設を日米両政府に対して強く訴える絶好の機会ではありませんか。
名護市長の考え方は、おのれの選挙のための保身と一握りの人たちのための利益誘導策としか思えません。私たちの子や孫の時代まで苦しめることになる新たなる米軍基地の固定化に対して到底許せるものではありません。名護市長の今回の発言に対して改めて知事に見解を伺います。
嘉手納基地の外来機の合同演習について再度質問をいたします。
米本国のネブラスカ州オファット空軍基地所属の空軍大尉が飛行前に飲酒していたことが発覚して軍法会議にかけられたことが報道されております。飲酒運転の米軍機が住民地域上空を飛び交っていたことになります。相次ぐ米軍の不祥事に対して県としてはどう対応していかれるかお伺いします。
騒音防止協定「ただし書き」の削除を求めることについて再度質問をいたします。
知事は、嘉手納基地周辺の爆音を聞いたことがありますか。もしなかったら、ぜひ一度でもいいから知事御本人が実際に現場に出向いていかれて、100デシベル以上の騒音を体感していただきたいと思います。そうすれば知事のおっしゃる嘉手納基地の運用改善がもっと真実味を増して騒音防止協定の「ただし書き」の削除を求めることが現実のものになってくると考えますが、いかがでしょうか。知事の見解を伺います。
レンジ4での実弾演習問題について再度質問を行います。
去る22日に軍特委員会によるレンジ4の視察を行いましたが、米軍の説明は安全性の強調に終始しておりました。訓練塔からのライフルの射撃訓練について、訓練塔が建築構造上絶対安全とは言い切れない。物理的に住民地域には銃口を向けることができない構造になっていなければならないと考えるが、しかしあの建物は住民側にも窓があいております。まかり間違ってそこから撃つことがないとは限らない。改めてレンジ4は危険であり、暫定使用は許してはならないと考えますが、県の見解を再度伺います。
よろしくお願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午前11時27分休憩
午前11時28分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 瑞慶覧議員の再質問にお答えいたします。
再編について明確な意思を既に出しております。出し続けております。それは既に在沖海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用改善等の基本的な考え方を示しております。これからも引き続き強く訴え続けてまいります。
次に、岸本市長の発言に対してのお答えをいたしたいと思います。
普天間飛行場の移設については、これまで国、県、名護市等の関係機関で協議を重ね基本計画が策定され、それに基づき移設作業が進められているところであります。
一方、今回の米軍再編においては、世界における米軍のプレゼンスや兵力構成、基地のあり方等全面的な見直しが行われ、SACOでは協議の対象とされなかった在日米軍基地全体のあり方そのものが検討されることがSACO合意を超えた在沖米軍のあり方に大きな変動をもたらすものと考えております。
しかし、県としては、実効性ある代替案が提示されない段階で、日米両政府で確約された返還方針を変更することはできないと考えております。
次に、嘉手納の騒音を聞いたことがあるかということですが、私は数え切れないほど行っております。特に、知事になる前から島田懇の副座長をやっておりましたので、当然これは嘉手納の状況の問題というのは大変重要に考えておりますので、その辺は強く感じておりまして、したがって今回の再編においても、大きな柱の一つとして嘉手納の負担軽減ということを強く要望しました。
○知事公室長(花城順孝) 再質問にお答えします。
1番目に、嘉手納基地に関連して、飛行前の飲酒とかを含めて米軍の事件・事故が頻発しているということについてどう思うかという御質問でございます。
御指摘のように、最近の飛行前の飲酒ということはあってはならない話でありますし、騒音等の住民に対する被害というのも相当厳しいものになっていると。
そういったことで、県としては嘉手納飛行場の負担の軽減ということを県の考え方の4つの柱の一つとして強く日米両政府に求めているところでありますし、最近の事件・事故の多発についても、一体、米軍の綱紀はどうなっているのかということで綱紀粛正というものを厳しく対応すべきであるということを求めておりますし、今後とも強く対応していきたいと考えております。
次に、レンジ4の実弾射撃訓練の中止についての再質問でございますが、これについては繰り返し申し上げているように、県としては一時的ではあっても容認しないということを強く申しております。
それから、今後の訓練塔を使った実弾訓練ということもいろいろと言われておりますが、これについても地域住民への危険性が排除できないという段階で、その訓練を強行するということはその責任は日米両政府にあると、そのことを踏まえて実施すべきではないということを強く申し上げておりますし、今後ともそういう方向で取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○髙嶺 善伸 こんにちは。
通告書の訂正をさせてください。
新石垣空港建設の質問中、予算確保年度を18年度に訂正したいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは質問を行います。
まず、旧日本軍飛行場用地問題についてであります。
沖縄県の実施した昭和53年の「旧日本軍接収用地調査報告書」によると、土地取得は旧日本軍による威圧的、強制的命令により接収したものである。土地代金、補償金については強制的に貯金や国債を購入させられ、貯金通帳や債券の紛失、焼失、さらに米軍による払い戻しの凍結で、結局、地主に残ったものは何もないという惨めな状態であると述べております。
戦後60年、改めて稲嶺知事の旧地主の状況についての認識をお聞きしたいと思います。
さらに、平成15年事業の「旧軍飛行場用地問題調査・検討報告書」を踏まえて、旧地主への補償について、県は個人補償は法的根拠がない、個人補償では解決のめどが立たない、沖縄振興計画に位置づけを要望したことを根拠に、平成16年11月24日に開催された政策会議で団体補償を解決策として推進することを基本方針として確認したと答弁しています。
昭和53年には旧地主の惨めな状態と調査報告をしておいて、平成16年には個人補償には法的根拠がないと態度を翻すことは、国家の戦争責任に目をつぶることになると思料しますが、国の責任について稲嶺知事の認識を聞きたいと思います。
まず1点、旧日本軍飛行場用地の土地接収や代金受領状況について2度にわたる調査を通して、惨めな状態の旧地主の事実関係をどのように認識し、どのように対応するつもりなのかお聞かせください。
次に、個人補償では国の理解を得ることは困難との県の判断は、調査検討報告書で指摘された4つの根拠について県として当時の事実関係を確認した結果か、さらに国との話し合いに基づく判断なのか明らかにしてもらいたい。
次に、個人補償と団体補償の相違点は何なのか、どのような損害に対する補償を検討しておられるのか、その補償の対象や範囲、期間、金額等の概要についてお聞かせください。
次に、旧地主会との話し合い及び市町村連絡調整会議の進捗状況と国との協議のスケジュール、今後の見通しについてお聞かせください。
2、新行財政改革プラン(仮称)について。
外海離島で一定の行政圏域を有する八重山・宮古圏域に支庁を設置し、離島完結型の行政を行うため、支庁長が市町村と連携して総合調整機能を発揮し、離島振興のかなめとして果たしてきた役割は大きい。新行革プランでは縦割りにして支庁機能を廃止し、単なる合同庁舎にしようとするもくろみではないかと思われます。
これまでの改革大綱では縦割り的な組織機構から、施策の目的、内容に応じた横割り的な組織機構への転換を図っていくと、これまで持ってきた方針を180度方向転換するものであります。
以下質問します。
(1)、八重山支庁、宮古支庁、両圏域出先機関のあり方についてでありますが、まず支庁の機能・組織をどのように位置づけているのか、現状と新行革プランの目標年次の平成20年までの見通しについてお伺いします。
次に、支庁長が部長級として果たしている役割をどのように評価しているのか。今後どのように対応するか。また、他の部長級と比べて権限は縮小されているように思えるが、今後是正し、むしろ強化すべきではないかと思われますが、お答えいただきたい。
次に、次長が果たしている役割をどのように評価しているのか、今後どのように対応していくか、お聞かせください。
次に、課や出先機関の統廃合は支庁組織の実情、機能を配慮すべきだが、本庁直属の縦割り組織にするのは離島振興行政に逆行すると思いますが、対応をお聞かせください。
次に、職員の定数や配置について平成20年までの目標年次の計画を示していただきたい。
次に、地域意見交換会の機会を持つべきだと思いますが、作成作業のスケジュールの中でお聞かせください。
(2)、公社等外郭団体の見直しについても検討されているようでありますが、行政水準の低下が懸念されるが、対応をお聞きしたい。
(3)、行政改革懇話会等の宮古・八重山地区の意見交換会をすべきではないかと思いますが、今後の対応についてお聞かせください。
3、医療問題についてであります。
先般、長崎県の五島中央病院を視察してまいりましたが、離島の中核病院として近代的に改築されており、長崎大学医学部の学生が研修に来て、ほとんどが五島で働いてみたいと大好評のようであります。快適な医療アメニティー整備も医師確保に大きくプラスし、医師不足解消に役立つことを提言しておきます。
県立八重山病院は昭和55年に移転改築後、建物の狭隘化により幾度か増築したりして施設維持をしていますが、患者や現代医療のニーズに対応できず、さらに老朽化が進み、雨漏りや破損で維持管理が困難になっております。
八重山病院は地域災害拠点病院に指定されているが、耐震基準を満たしていないとのことであり、地震災害はいつ来るかわかりません。早急に改築計画に着手すべきです。
さらに、八重山病院は救急医療や高度医療を担っていますが、現在ICU、つまり集中治療室がありません。生死をさまよう重症患者や家族にとって命の安全を訴えており、早急なICU整備が必要であります。
また、脳神経外科が医師不在となっており、公立病院の存在意義が問われていますので、取り組みをお伺いいたします。
(1)、県立八重山病院を地域災害拠点病院として耐震基準を満たすように早急に改築すべきだと思いますが、どうでしょうか。
(2)、県立八重山病院のICUの整備は緊急を要すると考えますが、対応をお聞きしたい。
(3)、脳神経外科等医師の確保についてはどう取り組むのかお聞かせください。
4、川平湾環境保全対策について。
これまでの一般質問や委員会の質疑で問いただしてきましたが、答弁は、川平湾の漁場機能回復及び再生浄化の対策については水産振興や環境保全の視点から今後諸課題の所管する部局などと検討していきたいとか、関係部局及び関係団体と連携を図り、それぞれの立場からの施策を積極的に展開するよう協力を求めていきたいと答弁してまいりました。しかし、この観光振興地域に指定されていながら、その後、何ら具体的な取り組みが進展していないように思います。
そこで改めて伺います。
(1)、川平湾のしゅんせつ等水質浄化及び保全対策について。
まず、昭和45年9月の林道工事や以降の農地開発等で流入・沈殿した土砂等の現状をどのように認識しているのか、その影響をどのように評価しているのかお聞かせください。
次に、しゅんせつによる水質浄化対策について、その対応はどのように考えておられるのかお聞かせください。
次に、川平湾の保全対策については早急な本格的な調査をすべきだと思いますが、県の対応をお聞かせください。
次に、川平湾周辺環境整備についてでありますが、まず川平ベイオアシス構想に関連したグラスボートや遊漁船等係留・発着施設整備及び駐車場整備及び県道整備等の進捗状況はその後どうなっているのか、また今後の取り組みについてお聞かせください。
次に、川平湾周辺環境保全対策は現在どのように進んでいるのか、今後どのように取り組んでいくのかお聞かせください。
5、新石垣空港建設について。
去る9月20日、嘉数副知事に現地八重山に入っていただき、小型コウモリや環境保全について詳細にチェックしておられました。ぜひ後世に評価されるモデル的な空港建設をお願いしたいものであります。
ところが、空港設置許可申請が予定よりおくれているようであります。予算編成時期までに空港設置許可がおりない場合、果たして次年度の予算確保ができるのかどうか懸念されるところであります。
そこでお聞きしておきたいと思います。
まず、空港設置許可の見通し、それと平成18年度予算確保の取り組みや見通しはどのようになっているかお聞かせください。
次に、環境保護対策が注目されております。新空港建設工事に伴う赤土流出防止対策と隣接轟川流域の赤土流出防止対策を並行して対応していくべきだと思いますが、取り組みをお聞かせください。
次に、我が会派の新里米吉議員の代表質問との関連で、米軍再編の中間報告についてお伺いします。
稲嶺知事は相変わらず、協議された内容が提示された段階で適切に対応するという答弁で終わっております。きのうの県紙の寸評を見ていますと、携帯電話をもじってこのように評価しています。「さっぱり届かぬ知事の県外移転発信。日米政府”圏外”。着信なし」と。
このままだと結果は知事の公約と全く反した方向に出る可能性がある。我々はこの議会で軍民共用空港、15年使用期限、また日米両政府の申し入れ等々真剣に議論してきたんですよ。ところがこの状態でいくと、この中間報告の取りまとめが提示されたとき、知事がその時点で対応したってもう遅い。したがって、今、我々のこの議場での真剣な議論を強いメッセージとして、ベストな選択は普天間飛行場の県外移設だと、これ以外は受け付けられないということを示さないと、私はこの県民の議論が実らないと思います。改めて知事の決意をお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 髙嶺善伸議員の御質問にお答えいたします。
新石垣空港の飛行場設置許可の見通しと平成18年度予算の確保についてでございます。
新石垣空港については、去る9月12日に航空法に基づく飛行場設置許可を国土交通大臣へ申請したところであります。県としては、できるだけ早期に許可がいただけるよう万全の対応をしているところであります。
また、平成18年度予算については、主に用地買収を行うための費用として国へ所要額を要求しております。国の財政状況が厳しい中、大幅な予算枠の拡大が必要なことから、去る6月には「一般空港を考える懇談会」に出席し、関係国会議員に支援要請を行ったところであります。
さらに、担当部局において地元石垣市と連携し、財務省を初め内閣府、国土交通省などに要請を行ったところであります。今後とも引き続き所要額確保に向けて関係機関等へ要請する等鋭意取り組んでいきます。
次に、県外移設の質問についてお答えいたします。
米軍再編については既に在沖海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用改善等の基本的な考え方を日米両政府に示しており、この方向を踏まえて日米間で協議し、再編協議の内容を早急に示すべきであると考えております。
その他の御質問につきましては、関係部室長等から答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 旧日本軍飛行場用地問題についての事実関係の認識と対応についての御質問にお答えします。
県としては、旧軍飛行場用地問題について、旧軍による土地の接収方法や代金の支払い並びに終戦後の米国民政府による所有権認定作業などにさまざまな問題があったと認識しており、未解決の戦後処理問題として国が何らかの措置を講ずる必要があると考えております。
県は、団体方式によって問題解決を図っていきたいと考えておりますが、問題解決に当たっては地主会の合意が前提となることから、今後とも理解が得られるよう市町村と連携をとって働きかけるとともに、県・市町村連絡調整会議を中心に検討を進め、できるだけ早く要望案を取りまとめ、戦後処理としての解決を国に求めていきたいと考えております。
同じく旧軍飛行場用地問題で、県の判断の根拠についての御質問にお答えします。
「旧軍飛行場用地問題調査・検討報告書」で指摘されている4つの根拠は、県が昭和53年に旧地主等に対する聞き取り調査によって策定をした「旧日本軍接収用地調査報告書」に記載されている証言が基本となっております。
同調査・検討報告書では、県からの資料等をもとに歴史、法律、行政の専門知識を有する検討委員が真摯に議論や協議を重ねた結果、今回の報告に結びついたものと考えております。 県は、このような検討結果や県民の総意として国に沖縄振興計画に位置づけるよう要望したことを踏まえ、個人補償では国の理解を得ることが困難であるとの判断に至っております。
次に、補償の対象や範囲等についての御質問にお答えします。
個人補償は、土地の対価あるいは土地使用の対価に相当するものを金銭で旧地主に補償することを意味するものであります。
一方、団体方式は、旧地主に対する慰藉事業や福利厚生事業等による解決策を各市町村や旧軍飛行場ごとに求める考え方であります。
どのような事業内容及び規模等にするかということについては、各地主会の発意を前提に関係市町村とも協議の上で検討される必要があると考えております。
次に、進捗状況と今後の見通しについての御質問にお答えします。
昨年11月、旧軍飛行場用地問題の解決を図るため県政策会議において団体補償を推進することを基本方向として確認し、市町村、地主会にも個別に説明をしたところであります。
去る2月には「第6回旧軍飛行場用地問題県・市町村連絡調整会議幹事会」において県の基本方向を説明するとともに、各市町村と意見交換を行いました。
6月には各市町村からの意見等を受け、第7回幹事会を開催し、課題の整理を行うとともに参考資料の提供を行い、市町村での議論の促進を図ったところであります。その後、県の方針について理解を求めるため関係市町村を訪問し、地主会と話し合いを持っております。現在、関係市町村がおのおのの地主会と意見交換を行い、解決に向けた取り組みを検討しているところであります。
県としても、県・市町村連絡調整会議を中心に検討を進め、できるだけ早く要望案を取りまとめ、戦後処理としての解決を国に求めていきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(外間盛善) 髙嶺善伸君の質問及び質疑に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時52分休憩
午後1時23分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
午前の髙嶺善伸君の質問及び質疑に対する答弁を続行いたします。
総務部長。
〔総務部長 上原 昭君登壇〕
○総務部長(上原 昭) 支庁の組織・機能についての御質問にお答えします。
支庁は、県の行政事務を地域的に処理するために設けられた総合出先機関であります。
支庁管内に設置された出先機関及び支庁の内部組織は、支庁長のもとに相互の連絡を図り一体的に県行政を推進し、これまで一定の効果をおさめてきたものと考えております。しかしながら、地方分権の進展、住民ニーズの高度化・複雑化、即応性など、支庁を取り巻く行政環境は変化してきております。
今回、すべての出先機関を見直す中で、両支庁についても次長の廃止、農林水産関係機関の再編・統合等を行うこととしております。その後のあり方については、新たな行財政改革プラン(仮称)を策定する中で検討することとしています。
次に、支庁長の役割についてお答えします。
総合出先機関の長である支庁長の職務は、知事の定めるところにより、上司の指揮を受け、その主管の事務を掌理し、部下の吏員その他の職員を指揮監督するものであり、管内の出先機関等の相互の連携を図り、一体として県行政を推進する役割を果たしてきました。
県行政においては、基本的に企画立案等を担う本庁機関と現場において執行等を担う出先機関の機能や役割は異なるものであり、また知事のもとで事務を分掌する本庁の部長等と知事の定めるところにより上司の指揮を受ける支庁長の権限や責任は異なるものであります。
次に、次長の役割についてお答えします。
支庁の次長の職務は、支庁長の職務を補佐するものであります。
簡素で効率的な組織機構の確立などの観点から、すべての出先機関について組織のフラット化、中間職制の廃止等の見直しを行っているところであり、これにより平成18年度から支庁の次長は廃止することとしています。今後は、支庁長が直接に関係課長等と調整等を行うとともに、関係課長が支庁長を直接補佐することになります。
縦割り組織についてお答えします。
今後の支庁組織のあり方については、新たな行財政改革プランを策定する中においてどのような組織形態がよいのか、縦割り組織の是非も含めて総合的な観点から検討することとしております。今後、行政改革懇話会や県民意見を聞きながら見直しを進めていきたいと考えております。
職員の定数配置計画についてお答えします。
平成18年度から20年度までを計画期間とする第2期定員適正化実施計画を平成17年8月1日に定めたところであります。これを受け、現在、部等において第2期部定員管理計画の検討が行われているところであり、年度内に策定する予定であります。
次に、作業スケジュール等についてお答えいたします。
今後の支庁組織の見直しについては、行財政改革プランの策定の中で総合的に検討することとしており、その策定スケジュールの中で検討を進めてまいります。
両支庁のあり方に関する地元との意見交換会については、市町村長など地域からの要望があれば行いたいと考えております。
次に、公社等外郭団体の見直しについてお答えします。
公社等外郭団体については、県民サービスの維持向上等を目的に時代の要請を受け設立され、県行政の補完的な組織としての役割を担ってきたところであります。しかしながら、その後の社会経済情勢の変化や同種サービスに対する民間事業者等の参入に加え、経営上の問題点などが顕在化し、そのあり方が課題となっております。
このようなことから、県では「公社等外郭団体の見直し方針」を策定し、内外の社会経済情勢の変化を踏まえた抜本的見直しや県関与のあり方を見直すこととしております。
見直しに当たっては、行政改革懇話会における外部識者の意見等を踏まえ、公社等の健全な運営及び県民サービスの確保に配慮しながら、公社等外郭団体との連携を密にし取り組んでいくこととしております。
次に、宮古・八重山地区との意見交換会についてお答えします。
沖縄県行財政改革プランの策定については、沖縄県行政改革懇話会を10月中旬に開催し、12月にかけて調査検討をお願いすることとしております。あわせてパブリックコメントを実施し、広く県民の意見を伺うこととしております。
議員御提案の宮古・八重山地区を含む意見交換会については、貴重な御提案であり、前向きに対応したいと思っております。
以上でございます。
○県立病院監(知念建次) 八重山病院の改築についてお答えいたします。
県立八重山病院は昭和55年に建設され、平成8年には他の県立病院とともに地域災害医療センターとして指定されております。
同病院の改築については、災害拠点病院としての役割や急性期を中心とする2次医療、2次救急医療の提供といった地域の中核病院として必要な医療機能について整理した上で、整備の方向性を検討する必要があると考えております。
改築の時期につきましては、老朽化が進んでいる宮古病院の整備の方向も踏まえながら検討していくことになると考えております。
次に、八重山病院のICU整備についてお答えいたします。
八重山病院においては、現在、重症患者が各病棟に分散して治療を受けているため、ICUを設置し、重症患者の治療を集中して行えるよう病院機能の強化を図る必要があると認識しています。
ICUの整備には、病棟再編を含めた機能の統合と、医師、看護師の再配置による医療スタッフ等の体制の整備、施設の改修や高額の医療機器の整備等を行う必要があるため、今後、病院現場とも連携し、整備計画の詳細を詰めながら開設に向けて検討していきたいと考えています。
次に、脳神経外科医師の確保についてお答えいたします。
脳神経外科の医師につきましては、他の診療科に比べ全国的にもなり手が少ないことに加え、医師の臨床研修の義務化に伴い大学においても医師の派遣が困難な状況にあり、特に離島等の医師の確保は厳しい状況にあります。
八重山病院の脳神経外科につきましては、7月末で大学から派遣されている医師が引き揚げたため、8月からは医師が不在となっております。しかしながら、8月から地元で手術ができる民間の脳神経外科診療所が新たに開院しており、現在、同診療所と連携をとりながら対応しております。
県としては、引き続き関係機関への働きかけを行うなど、八重山病院の脳神経外科医師の確保に向けて努力していきたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 川平湾環境保全対策について、川平湾のしゅんせつ等水質浄化及び保全対策についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
川平湾における赤土堆積状況については、石垣市教育委員会の平成12年度調査によれば、調査地点9カ所中、湾中央部の深み4カ所で30から60センチメートルの堆積が確認されております。
川平湾の水質調査の結果では環境基準を達成しており、現時点では水質浄化目的のしゅんせつの必要はないものと考えておりますが、平成15年度の赤土等流出危険度調査によれば、主な流出源である農地からは年間約300トンの赤土が流入しており、関係部局と連携して農地対策を促進してまいりたいと考えております。
次に、川平湾周辺の環境保全対策についてお答えいたします。
県では、川平湾への赤土等の流入防止を図るため、赤土防止条例に基づく開発事業の事前審査、保健所職員による立入調査、監視パトロールを通じて開発事業からの赤土流出防止対策の徹底に努めているところであります。
また、農地ごとの傾斜度や赤土流出量等を示した地図の電子情報、監視パトロールで得られた赤土流出農地情報を関係部局で共有し、グリーンベルトの設置、緑肥作物の栽培など、営農的な赤土流出防止対策の普及促進に取り組んでおります。
川平湾の水質汚濁防止については、水質環境基準をA類型に指定し、水質の常時監視を行うとともに、特定事業場排水の監視測定・指導や、石垣市と連携した不法投棄パトロールなど、川平湾周辺の環境保全対策に取り組んでいるところであります。
以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) 川平ベイオアシス構想への取り組みについての御質問にお答えいたします。
川平地域における休憩施設を含む駐車場については、平成18年度に離島観光振興地域等整備事業を活用し整備するよう国と調整を行っているところであります。
また、グラスボート及び遊漁船等の係留・発着施設については、石垣市において整備箇所や手法等について検討がなされているところであります。
県道川平高屋線については、平成16年度から事業に着手しており、平成22年度に事業を完了する計画となっております。
県におきましては、川平湾周辺の課題に係る関係課長等会議を設置しており、今後とも石垣市と連携しながら川平湾周辺の景観及び環境保全等に関する課題の解決に向けて総合的に対応策を検討してまいります。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉 哲) 新石垣空港建設についての中で、工事に伴う赤土対策についてにお答えいたします。
新石垣空港整備事業の赤土等流出防止対策については、学識経験者等で構成する環境検討委員会及び建設工法検討委員会の指導助言をいただき、自然環境への負荷の少ない建設工法を計画しております。
具体的には、発生源対策、流出抑制対策を行うとともに、工事区域の地質等に考慮した濁水処理対策として、轟川流域に係る区域では機械処理方式、これ以外の浸透性の高い工事区域では浸透ゾーンによる浸透処理方式により万全な対策を講じることとしております。
また、工事の実施に当たっては、モニタリング等を実施するとともに石垣市など関係機関と連携し、轟川流域における赤土等流出防止対策に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは、轟川流域における赤土等流出防止対策についての御質問にお答えいたします。
環境と調和した持続的農業の振興を図っていくためには、赤土等流出防止対策は重要であると考えております。
このため、県においては、沖縄振興計画に基づき水質保全対策事業等による赤土等流出防止対策を実施しております。
同計画においては、要整備面積を1万7600ヘクタールと設定し、平成23年度までに70%の採択を目標としております。平成16年度までの採択状況は3592ヘクタールであり、20.4%の採択率となっています。
轟川流域で実施している水質保全対策事業は、盛山地区ほか3地区で364ヘクタールが採択されており、これは流域内農地面積の48%となっております。
県としては、今後とも市町村、関係団体と連携し、地域の合意形成を図りながら地域が主体となった赤土等流出防止対策を推進してまいります。
以上でございます。
○髙嶺 善伸 再質問のうち、最初の3点については稲嶺知事から直接お聞きしたいと思いますので、誠意ある答弁をお願いします。
まず第1に、米軍再編の中間報告に関する対応ですが、政府から示される案が県外移転を無視されたような形、あるいはまた知事のこれまでの公約が無視されたような形になってきたとき、知事は容認するのか拒否するのか、知事の明確な姿勢を示していただきたいと、こう思います。
それから旧軍飛行場用地問題ですが、白保飛行場などのように5分の1はもらってないということがはっきりしている。
嘉手納のように強制的にとられたというのもある。これについては民政府の土地諮問委員会もこの取引については適正な補償を受け取っていないんだということをはっきり認めているんです。
そういう意味では、あの無念な、悲惨な旧地主に対して思いをこの戦後60年で知事はまとめて、ぜひ知事の認識を知事の声でお聞かせいただきたいと思います。
それから3点目ですが、八重山支庁、宮古支庁の存続問題、これは大変な問題だと。我々はお昼時間に離島関係議員で外間議長にもこれは県議会として取り組むべきだと要請してまいりました。いろいろレクチャーをしながら、ぜひ県議会としては両組織の存続、むしろ機能強化を含めて強い意見を申し入れたいというふうな話をしておりますので、知事、これまでは総務部長が答弁してきました。自民党、公明党、それから社大・結の会各代表質問で大事な問題を質問しているんですけれども、知事からの答弁がないんです。これは総務部長一存のことではなくて、知事も認識した上でのことだと思いますが、この地域の総合出先機関というだけじゃなくて、知事の名代として離島行政の先頭に立って支庁長は頑張っているんですよ。
今、総務部長の答弁は、このような総合出先機関ではあるけれども、これを今後一体的に果たしてきた役割を見直して支庁廃止も含めて検討すると言っているんですよ。これは重大な発言なんですね。ぜひ知事には離島振興のかなめとなっている両支庁の組織存続、機能強化について知事の決意をぜひお聞かせいただきたいと思います。
次に、旧軍飛行場問題の解決についてでありますが、私は、個人補償、団体補償ということについてうやむやになっているのは、いずれにしても補償というのは接収された土地に関連する対価の犠牲分なのか、あるいはまたその団体や公益的な計画に対する単なる資金提供的なものなのか、この補償という意味が明らかではない。そういう意味では、この補償の対象が接収された土地に関連するものか。例えば、坪当たり1万とすれば県内では428億円になるんですよ。膨大な補償が対象になる。
こういうことを明確にしていかないと私はあいまいになってしまうんではないかなと思いますので、ぜひ補償の対象となるものはどうなのか、何を想定しているのかお聞かせください。
そして、もし団体補償にするという場合は、旧地主は役務等提供する義務が出るのか、あるいはまた旧地主の経済的な利益はどう守るのか、これらについてはどのように扱われるのかをはっきり説明してもらいたいと、こう思います。
それから、最初の質問でちょっと抜かしてしまったんですけれども、私は補償のあり方をめぐる膠着状態を打開するためには、旧軍飛行場の所在する市町村が主体的に旧軍飛行場問題の基金条例を設置してこの補償の受け皿となる、そしてそれを自主的に地主会や関係者と相談しながら運用していくと、こういうことによって補償問題を解決したらどうかと、これは提案したいと思いますので、ぜひ当局の見解をお聞かせください。
それから、私は支庁存続問題についての話の中で、まだきちんとしたプランはできてない、議会への説明も十分でない。しかし1次内示と称して8月25日には農林水産関係の振興課を統合するとか、あるいはそこに次長クラスの調整監を置くとか、これじゃ今の次長をなくして次長クラスの調整監を置いたら支庁長との関係はどうなるのか。まだ一体的に組織的な位置づけもされないうちに内示が走ってしまうというのは、議会の意見を求めるという意味では謙虚さが不足だと私は思っているんですよ。
そういうことで、まだ1次内示という意味がどういう意味かわかりませんが、今後議会との話し合い、宮古・八重山との話し合いも地元から要望があればやっていきたいということと、重要な提案として前向きに取り組んでいくということでありましたので、ぜひ現地の意見を聞いた上で八重山支庁の存続、機能強化について新行革プランでは取り組んでいただきたいと、こう思いますので、改めて御答弁をお願いしたいと思います。
それから川平湾のしゅんせつ問題なんですが、先ほど12年の調査では30センチないし60センチの堆積があるということでございました。以前に県が管理する二級河川については、流入した土砂については適宜管理者の県が堆積の除去をしているという話をしておりました。
そこで、川平湾に昭和45年に大量の土砂が流入したことは間違いありません。その土砂を撤去する責任はだれにあるのか、改めて御説明いただきたいと思います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後1時46分休憩
午後1時50分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 3点知事から表明しろということで、3点について髙嶺議員の御質問にお答えいたします。
最初の再編の問題ですけれども、米軍再編については県は既に在沖海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用改善等の基本的な考え方を示しており、この方向を踏まえて日米間で協議し、再編協議の内容を早急に示すべきであると考えております。近々、政府から再編協議の内容について提示されることから、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう的確に対応したいと考えております。
次に、旧軍飛行場の問題ですが、実は旧軍飛行場の問題については今まで歴代県政が強く要望して全く取り上げられなかったんです。それを初めて今般、その計画の中で織り込んでいただいたわけです。したがって、私どもとしてはそれだけの情熱をこれに持っておりますので、できる限り今後関係者とも話を進めながら前に進んでいきたいというふうに思っております。
次に、支庁長の問題ですけれども、これを検討したことはございますけれども、いろんな面で検討はしておりますが、支庁の存続廃止について表明したことは一遍もございません。支庁の今後のあり方については新たな行財政改革プラン(仮称)を策定する中で検討することとしており、行政改革懇話会や県民の意見をしっかり聞いていきたいというふうに考えております。
○知事公室長(花城順孝) 再質問にお答えします。
1点目は、旧軍飛行場用地問題で団体補償の規模の御質問だと思いますが、その土地に対応するものなのか、その際に旧地主の利益はどうなるのかという御質問であります。
これにつきましては先ほども答弁しましたように、団体方式の形としては旧地主に対する慰藉事業あるいは福利厚生事業、いろんなパターンがあると思います。これについては地域ごとの事情が違いますので、各市町村あるいは旧軍飛行場ごとに構想を策定するということになると思います。
どういう事業内容にするか、あるいは規模にするか、その規模の中に土地に対応するものになるのか、あるいは旧地主の利益がどうなるのかということも含めて私は申し上げているわけでございますが、そういうその事業内容とどういう規模にするかについては各地主会がまず発意をしていただくと。そして関係する市町村と協議をした上で出していただくと、それを踏まえて県として取り組んでいくと、検討していくと、こういうことでございます。
もう一点は、旧軍飛行場基金条例に基づく問題解決を図ってはどうかという御提案でございますが、これについては調査報告書の中では対米請求権事業の基金創設が例示はされておりますが、旧軍飛行場用地問題の解決においては旧軍飛行場の設置とその後の経過は飛行場ごとに異なっております。また、返還予定の有無等現在の状況も異なっていることから、統一的な処理は現実的ではなく、個々の飛行場に応じた団体補償がなされるべきであり、条件が整った市町村から順次事業化すべきである旨の提言がなされておりまして、このことから県としては各市町村、地主会と連携して早期解決が図られるよう対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○総務部長(上原 昭) 今後の支庁のあり方の見直しに向けては私自身もできるだけ地元にも出かけ、地域の皆様の意見をしっかりと聞いてきたいなと思っております。
また、県議会の方にもできる限り機会を見つけて意見交換ができるような場を設けていきたいと思いますので、議会の皆様の御支援、御協力もいただきたいなと思っております。
以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 川平湾のしゅんせつ関係、しゅんせつの責任はどこにあるのかという問題についてお答えいたします。
まず、川平湾については先ほども答弁いたしましたが、一応水質基準上はランクAに――Aといいますと、ABCありまして非常に水質基準上は上のランクでございますけれども、水質はAにランクされていてかなりいい状況に保たれております。
そして石垣市教育委員会の調査によりますと、現在、中央部の方には水深15メートルから16メートルぐらいの深い、先ほど答弁いたしましたように赤土が堆積しているわけですけれども、ちょうど深みの方は天然の沈殿池というんですか、そういう機能も果たしているようでして、閉じ込められた形になっておりまして、外には出ていかないと。
そういう面で、今、川平湾の自然環境からすると、まだしゅんせつはしなくても大丈夫のような感じですけれども、しゅんせつする場合にはたしか海岸保全上支障があるとか、あるいは水質浄化上支障があるとか、あるいは漁船等の航路上支障があるとか、こういう場合はしゅんせつしますけれども、現在の状況ではしゅんせつはまだしない方がむしろ水質上もいいんではなかろうかと。
赤土については、川平湾だけではなく沖縄全体が既に赤土で汚れたところはなかなか浄化するのは今のところ難しい状況でございまして、むしろ我々としては流入を徹底的に防ぐような方向で今考えているところです。
以上でございます。
○髙嶺 善伸 ちょっと休憩お願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後1時58分休憩
午後1時59分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
文化環境部長。
〔文化環境部長 伊佐嘉一郎君登壇〕
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) しゅんせつについての責任がどういうふうな形になるかということですけれども、しゅんせつについてはどのような目的があるか、まずしゅんせつの目的、これが海岸保全上しゅんせつする必要があれば海岸管理者である土木、あるいは河川であれば河川課ということになります。要するに、しゅんせつの目的をはっきりさせればそれなりの部署の管理ということになろうかというふうに考えております。
以上でございます。
○玉城 義和 一般質問を行います。
3日間の議論を聞いておりまして、知事は議員の質問にほとんど真っ正面から答えられない。私は大変残念なことだと思います。
この議会は非常に重要な時期に開かれている議会でありまして、県益をまさにどういうふうにすれば実現できるかと、こういうことでありますので、ひとつまともに堂々とお答えを願いたい。私が間違っているんであれば間違っているで結構でありますから、お願いを申し上げます。
1、基地問題について。
(1)、米軍再編の中間報告について。
ア、情報収集のためどのようなことを行っているか。
イ、シュワブ陸上案や嘉手納統合案などが取りざたされているが、辺野古沖以外の県内移設の案が出てきたらどのように対応するか。
ウ、中間報告で辺野古沖移設が見直された場合、これまでの代替協などの合意がどうなるか。
エ、訪米時に決定した在沖海兵隊の県外移設等の要求は現在でも生きているか。
オ、辺野古リーフ浅瀬埋め立てについて、名護市長が受け入れるとの報道があるが、名護市長の意見を確認しているか。
カ、この名護市長発言は、これまでの経過も県の立場も全く無視し県益を著しく損なうものである。これらに対し県はどのように対応するか。
キ、中間報告の評価基準は何か。
(2)、辺野古沖海上基地と15年使用期限及び軍民共用空港について。
ア、辺野古沖移設は見直しがほぼ確定的だと言われているが、そのときは15年使用期限も軍民共用もすべて白紙になるのか。
イ、県内移設の方針が出た場合、どの場所においても15年使用期限等は適用されると考えてよいか。
ウ、知事は、与党幹部から軍民共用や15年使用について公約の撤回を求められている。稲嶺県政の根幹にかかわる問題である。どのように対処するか。
(3)、安保条約、地位協定と基地の使用協定について。
ア、嘉手納町長は、嘉手納基地について使用協定の締結の意向を報じられているが、県の見解はどうか。
イ、現行の安保条約、地位協定のもとで米軍の軍事的運用を規制する協定の締結は可能と考えるか。
ウ、現行の嘉手納及び普天間の騒音規制措置は十分なものと考えるか。また、規制は遵守されていると考えるか。
(4)、嘉手納町長との会談について。
ア、報道されていることは事実か。
イ、嘉手納統合案が政府から打診されたことはあるか。
ウ、知事は、嘉手納統合そのものに反対か、それとも現行の負担が減らされるならば容認するか。
(5)、知事のイニシアチブについて。
9月11日に開催された「日本の政局と在日米軍再編の行方」というフォーラムで、川上拓大教授は、米側のキャッチャーに日本側は外務省、防衛庁、沖縄県とそれぞれ別のボールを投げ、受け手はどれが本物かわからないと述べている。同様な声はアメリカの国防担当高官からも指摘されている。これらはひとえに沖縄側の主張がわかりにくいことによるものではないか。ここで改めて沖縄側の明確なメッセージを内外に発信し、知事のイニシアチブを発揮すべしと思うがどうか。
2番、県民医療の向上について。
(1)、県立病院の今後のあり方についての知事の見解を示されたし。これは知事からお願いします。
(2)、平成16年度県立病院の累積欠損金は421億3552万円に上っている。これら赤字の主たる原因は何か。
(3)、これまで3次、4次にわたる経営健全化計画が進められてきたにもかかわらず成果を上げ得ないのはなぜか。
(4)、未収金は幾らか。どのような努力をしてきたか。
(5)、県立病院の今後のあり方に関する実施方策案について。
ア、方策案の機能再編の中で、北部病院について、広域基幹的病院との機能連携の状況等を踏まえながら適宜必要な見直しをしていくとなっている。どのような意味か。
イ、同時に、宮古・八重山の両病院を地域完結型としながら北部病院を抜いているのはどのような理由によるか。
(6)、北部病院産婦人科の再開について。
ア、北部病院の産婦人科が休止に至った責任の所在はどこにあるか。また、だれがどのように責任をとったか、明確にしてください。
イ、再開のめどは立ったのか。再開に向けて県はどのような努力を行っているのか。
ウ、多くの妊産婦が産婦人科休止により救急車による中部への搬送、また中南部での出産を余儀なくされている。これら精神的・経済的負担について県はどのように考えているか。
エ、これは産婦人科と直接関係ありませんが、県民医療の関係で、竹富町の黒島が医師不在5カ月と報道されている。県としても早急に対応すべきであるがどうか。また、このような状況の地域は幾つあり、どのような対応になっているか。
オ、看護師の増員と看護師受験資格のための2年課程養成所(通信制)の設置を望む声が医療関係団体や県民から上がっている。県の対応はどうか。
3番、自殺の予防について。
(1)、本県における自殺者は、平成10年を境に300人台で推移し――これは交通死亡事故の約3倍、4倍に当たります。平成12年には371人、人口10万人当たり29人――これは自殺率といいます――に達している。もはや個人だけの問題ではなく社会的なものとして考えるべきである。県の見解を問います。
(2)、自殺の原因の主たるものは何か。
(3)、平成10年を境にして急上昇し数として定着傾向にある。その理由はどのようなものが考えられるか。
(4)、自殺未遂者の数はどうか。
(5)、県として自殺予防のためにどのような取り組みをしているか。
(6)、「いのちの電話」等ボランティア活動との連携について。
ア、各種ボランティアをつなぐ線の役割を県が果たすべきだと思うがどうか。
イ、沖縄「いのちの電話」は、150人のボランティアで午前10時から午後11時まで毎日交代で「いのちの電話」を受け付け、年間1万人以上の県民の相談に乗っている。県として場所の提供や、あるいは助成策を行う必要があると思うがどうか。
4番、北部振興策について。
(1)、10年計画で前半の5年が経過したが、人口、所得等所期の目的とはほど遠いものがある。前半をどのように総括するか。
(2)、後期5年間の取り組みのほどを示していただきます。
明確な答弁をお願い申し上げます。
○知事(稲嶺惠一) 玉城義和議員の御質問にお答えいたします。
最初は、辺野古以外の県内施設案についてお答えいたします。
県は、在沖海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等を強く求めており、近々、政府から再編協議の内容が提示されることから、県民の目に見える形で基地負担の軽減が図られるよう的確に対応したいと考えております。
次に、名護市長の意見の確認と県の対応について一括してお答えをいたします。
普天間飛行場の移設については、これまで国、県、名護市等の関係機関で協議を重ね基本計画が策定され、それに基づき移設作業が進められているところであります。
岸本名護市長の発言については新聞報道により承知しております。今後、市長からお話があればお聞きしたいと思っております。
次に、移設見直しと15年使用期限及び軍民共用についての御質問に一括してお答えいたします。
15年使用期限や軍民共用空港につきましては、現在、基本計画に基づき進められている代替施設の整備すべき条件として日本政府に提示しているものであります。
県としては、政府から米軍再編に係る具体的な案が提示されていない段階で、個別・具体的な話に言及することはできないと考えております。
続いて、与党幹部の発言についてお答えいたします。
先ほども申し上げましたが、県としては、政府から米軍再編に係る具体的な案が示されていない段階で、個別・具体的な話に言及することはできないと考えております。
次に、嘉手納町長との面談と嘉手納統合案についての御質問に一括してお答えいたします。
宮城嘉手納町長とは8月末の8月29日に知事公舎でお会いし、衆議院選挙を前にして意見交換を行いました。その中で、嘉手納基地への移設の報道等について一般論として意見交換を行ったものであります。
また、政府から県に対して嘉手納基地への統合案の打診はありません。
次に、嘉手納統合案についての御質問にお答えいたします。
嘉手納基地への統合については、周辺市町村が現在でも騒音等過重な負担を負っており、さらに負担を増すようなことは到底容認できるものではありません。
先ほども申し上げましたが、近々、政府から再編協議の内容が提示されることから、県民の目に見える形で基地負担の軽減が図られるよう的確に対応したいと考えております。
次に、知事のイニシアチブについてのお答えでございます。
県は、今回の米軍再編協議の中で、日米両政府に対し、海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等の基本的な考え方を日米両政府に求めてきたところであります。
私は、県の提示した基本的な考え方は、県民の望んでいる基地負担軽減の方向に合致していると確信しており、このことは日米両政府に十分伝わっていると考えております。
次に、県立病院の今後のあり方についてお答えをいたします。
本県の県立病院事業は、多額の累積赤字など経営上の問題を抱えており、さらに近年の県立病院を取り巻く環境は、民間医療機関の整備の進展に加え、国や県の厳しい財政状況及び国の医療制度改革の推進等により一層厳しさを増していくことが想定されます。
このような中で、県立病院が引き続き県民の医療ニーズに適切にこたえていくためには、医療環境の変化を踏まえた役割・機能の見直しを行い、民間医療機関等との適切な連携を進める必要があると考えております。
県といたしましては、今後とも民間医療機関では対応の困難な高度・特殊医療や小児医療、僻地・離島医療等の政策的な医療分野を中心に保健医療圏の地域特性や医療機能に配慮しながら、公的医療機関としての役割を担う必要があると考えております。
また、経営面においては、これまでの経営健全化計画では取り組めなかった病院事業の構造的な部分を含め、事業そのものの抜本的な見直しを進めているところであります。
具体的には、職員の経営意識の向上を図るとともに、経営に係る諸課題に対し迅速かつ柔軟に対応できる体制を構築するなど、企業性の強化を図るため現在の地方公営企業法の一部適用から全部適用への移行や経営健全化計画の見直し等を実施していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部室長等から答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 米軍再編に係る情報収集についての御質問にお答えします。
県は、米軍再編について政府や与党等多くの関係者と常に情報交換をしております。同時に、外務省沖縄事務所や米国総領事館等の関係機関との意見交換、国内外のマスコミ報道の収集、NPOへの情報収集業務の委託を行うとともに、インターネットや刊行物などを通じて適宜その情報の収集に努めているところであります。
次に、代替施設協議会などの合意についての御質問にお答えします。
普天間飛行場の移設については、これまで国、県、名護市等の関係機関で協議を重ね基本計画が策定され、それに基づき移設作業が進められているところであります。
県としては、政府から米軍再編の具体的な案が示されていない段階で、個別・具体的な話に言及することはできないと考えております。
在沖海兵隊の県外移転等の要求についての御質問にお答えします。
県は、米軍再編に対する基本的な考え方として、在沖米海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等を日米両政府に申し入れており、現在もその要求に変わりはありません。
中間報告の評価基準についての御質問にお答えします。
県としては、基地負担の軽減について、県民が実感できる形で実現されるかどうか、早急な解決が図られるかどうか、訓練の移転や兵力の削減・移転、基地の運用改善等が一層の合理化に連動して図られるかどうかなどを評価の中心に据えていきたいと考えております。
次に、基地使用協定の締結についての御質問に一括してお答えをいたします。
米軍基地から派生する諸問題の解決を図るためには、米軍基地の周辺地域の住民や自治体の理解と協力を得ることが不可欠であります。
最近の嘉手納飛行場をめぐる状況から、嘉手納町長が使用協定締結へ向け要望案作成へ取り組むという姿勢は理解できるものであり、県としてもできるだけ支援したいと考えております。
県は、日米地位協定の見直しの中で、日米合同委員会による「個々の施設及び区域に関する協定」の締結等に際し、関係自治体の意向を尊重する旨規定するよう求めているところであります。政府においては、地元の要望を受けて日米間で協議し、適切に対応すべきであると考えております。
次に、航空機騒音規制措置についての御質問にお答えします。
平成8年3月、日米両政府で航空機騒音規制措置が合意された後も依然として周辺地域の住民生活に環境基準を超える騒音被害を及ぼしていることから、十分な効果を上げているとは言いがたいと考えております。
また、早朝、夜間における航空機の離着陸が繰り返されており、同時間帯の飛行禁止を求める周辺地域の要望が同規制措置の運用に十分反映されていないと考えております。
県としては、これまで三者連絡協議会や沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会、いわゆる軍転協、渉外知事会等を通じ、米軍を初め日米両政府に対し、航空機騒音規制措置の厳格な運用を求めているところであります。
以上でございます。
○県立病院監(知念建次) 県立病院の赤字の原因についてお答えいたします。
県立病院事業については毎年厳しい決算状況が続き、平成16年度末の累積欠損額は421億3552万円となっております。
その主な要因としては、国の総医療費抑制により給与改定率や消費者物価の伸び率に比べ診療報酬の改定率が低く推移してきていること、平成10年度以降患者数の減少傾向が続いていること、本県は多くの離島を抱えているため特地勤務手当等の支弁があり、費用が増加する要因になっていること、本土復帰後、県立病院主導で医療供給体制の整備を図る必要があったため、短期間に施設整備等を行ったことにより減価償却費が増嵩したことなどが挙げられますが、今後、経営の改善を図っていくためには企業性を発揮することが重要であると認識しており、一層経営力の強化に努めていきたいと考えています。
次に、経営健全化計画の成果が上がっていない理由についてお答えいたします。
県立病院事業の経営健全化については、昭和57年度から平成13年度にかけて3次にわたる経営健全化計画を策定し、患者確保の視点から病床利用率の向上による収益の確保や、業務委託の推進等による経営の効率化などに努めてまいりましたが、単年度赤字の解消という計画の目標を達成することはできませんでした。
平成15年度からスタートした第4次経営健全化計画においては、これまでの計画の反省を踏まえ、診療報酬制度上の各種の加算の取得、病床利用率や薬剤管理指導料のアップなど、収益確保に直接結びつくもので、かつ効果の高い方策を盛り込み、具体的な数値目標の設定と進行管理体制を強化して経営健全化に取り組んでいるところであります。
これまでのところ急性期病院への転換、平均在院日数の短縮、患者紹介率や医薬分業率の向上等、一定の成果は上げておりますが、予想を上回る患者の減少などにより、平成15年度に続き平成16年度も厳しい決算内容となっています。
このため、現計画についてはこれまで実施してきた中で明らかになった問題点や課題を踏まえ、さらに高度・多機能病院の開院や地方公営企業法の全部適用に向けた取り組みの状況等も視野に入れながら計画を見直していく必要があると考えています。
次に、未収金についてお答えいたします。
平成16年度末における個人負担分の未収金の総額は16億453万円となっております。平成15年度末と比較すると2693万円減少していますが、依然として多額に上っており、全病院挙げてその対策に取り組んでいるところであります。
未収金縮減の具体的な取り組みとしては、未収金台帳・整理簿の電子化による督促業務の効率化、法的措置による支払いの督促、未収金発生防止期間の設定による取り組みの強化など、未収金の発生防止・早期回収に努めているところであります。
未収金の縮減は、資金繰りや不能欠損の縮減などの経営改善に資するほか、医療費負担の公平の観点からしてもその対策は重要でありますので、引き続きその縮減に努めてまいります。
次に、北部病院と広域基幹的病院との機能連携についてお答えいたします。
県立病院が今後とも高度・多様化する県民の医療ニーズに適切にこたえていくためには、民間医療機関等との役割分担を進めるほか、県立病院間においても重複する機能については可能な限り整理・集約化を図り、効率的に医療を提供していくことが必要であると考えております。
このようなことから、現在策定中の実施方策では県立病院を「広域基幹的病院」、「地域病院」及び「センター的機能病院」の3つに分類し、それぞれの機能に応じて再編の方向を示しております。
北部病院については、2次医療圏を対象に主に2次医療を提供する地域病院として位置づけており、3次医療など高度な医療が必要な場合は広域基幹的病院との連携により対応していくこととしております。
地域病院として必要とされる医療機能及び広域基幹的病院との連携のあり方の具体的方策については、今後北部病院等とも調整を図りながら進めていきたいと考えております。
次に、地域完結型医療に関する北部病院と宮古・八重山病院の違いについてお答えいたします。
現在策定中の実施方策では、2次医療圏を対象に主に2次医療を提供する病院を地域病院として位置づけており、北部病院、宮古病院及び八重山病院をこれに分類しております。
地域病院は、地域の中核的な位置づけにあることから、圏域内の他の医療機関との連携を図りつつ、地域で支える医療提供体制の構築に努め、2次保健医療圏内で必要な医療を提供する地域完結型医療の実践を目指すこととしており、特に宮古病院及び八重山病院については、離島という地理的条件を勘案し強調した記述となっております。
続きまして、北部病院産婦人科の休止の責任、再開に向けての県の努力及び休止に伴う精神的・経済的負担について、以上3件について一括してお答えいたします。
北部病院の産婦人科の休診につきましては、北部地域の皆様に御心配をおかけして申しわけなく思っております。
県としては、産婦人科が継続できるよう努力してまいりましたが、想定外の医師の退職や医師確保の厳しさから休診せざるを得ない状況となったものであります。
県としては、地域住民の安全確保のために一日も早い再開を目指して、8月には全国の大学病院産婦人科の医局に産婦人科医師派遣を文書で依頼するとともに、引き続き沖縄県及び全国組織である全国自治体病院協議会のホームページで産婦人科医の募集を行っております。
また、9月には5月に引き続き県外に出向いて、ホームページにアクセスがあった産婦人科医候補者と面談を行っておりますが、いまだ厳しい状況にあります。
北部病院産婦人科の休診に伴い中部病院への搬送、中南部での出産、遠距離通院による負担など、北部地域の皆様の不安が極めて大きいものであることと重く受けとめております。
県としては、こうした状況が早期に解消されるよう、今後ともあらゆる手段を講じて産婦人科医師の確保に努め、北部病院の産婦人科をできるだけ早い時期に再開できるよう努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 竹富町立黒島診療所の医師確保及びその他の診療所についてお答えいたします。
県内の離島診療所としては、県立が16カ所、町村立が5カ所設置されていますが、その中で唯一竹富町立黒島診療所が医師不在の状況となっています。
同診療所の医師確保について、県においてはこれまでも竹富町と連携してきたところでありますが、引き続き竹富町と連携して県内外から勤務希望医の情報を幅広く収集する等、医師不在の解消に向けて必要な対応を行っていきたいと考えております。
また、本県の有人離島は39ありますが、人口が少ないことなどから診療所が設置されていない島が16あります。
無医地区については県内で7地区となっており、そのうち4地区が離島にあります。
県としては、これらの島や無医地区に対して周辺地域で利用可能な医療機関の設置状況や交通状況を勘案しながら、必要に応じて巡回診療等を実施し対応しているところであります。
次に、看護師の増員と2年課程通信制の設置についてお答えいたします。
県内での看護師の養成は、琉球大学と県立看護大学及び4カ所の看護師養成所で合わせて1学年定員620名の養成が行われております。しかしながら、平成15年に実施しました看護職員需給見通しでは看護職員の供給不足が見込まれております。
県としては、需給の均衡を図るため、民間養成所での養成を含め、潜在看護職員の再就職促進や看護職員の離職防止対策としての院内保育事業、看護師宿舎整備事業等を引き続き進め、看護職員の養成確保を図っていく必要があると考えております。
現在、中部地区医師会において平成19年度開設を目指して1学年定員80名の看護師養成所の設置が進められております。
また、看護師2年課程通信制の導入については、他県の動向や既に実施されている県の教育実績等を勘案し、さらに民間養成機関での実施意向等を踏まえながら検討していきたいと考えております。
次に、自殺の予防についてであります。
自殺が社会的問題であることへの見解についてお答えいたします。
本県の自殺者は、県警察本部の資料によりますと、平成10年には350人で平成9年の276人を74人上回り、その後300人台で推移しております。平成16年における人口動態統計での死因別順位は第5位となっております。
県では、自殺予防対策は重要な課題として認識しており、健康づくりの指針「健康おきなわ2010」の中で、「休養・こころの健康づくり」の分野において自殺予防についても取り組んでおります。
次に、自殺の主な原因についてお答えいたします。
本県における平成16年の自殺者は、県警察本部の資料によりますと341人となっています。
自殺の主な原因としては、病気苦が105人、30.8%で最も多く、次いで経済問題が89人、26.1%、家庭問題43人、12.6%等となっております。
自殺に至るにはさまざまな要因が考えられますが、その大きな要因として、うつ病や抑うつ状態が背景にあると言われています。
次に、平成10年を境にして上昇している理由についてお答えいたします。
平成9年から10年にかけては全国においても自殺者数が約35%増加しており、その要因について国立精神・神経センター精神保健研究所及び広島大学による共同研究が行われております。
この研究によると、自殺者数の増加を引き起こした社会的要因の特定は困難であり、自殺は複数の要因の複合的な結果であると考えられるものの、バブル崩壊後の景気後退局面の中で職業を持つ人々、とりわけ中高年男性の自殺者の増加が大きな割合を占めていることが報告されています。
本県における県警察本部の統計によると、平成10年以降、経済・生活問題を原因・動機とする自殺の割合が増加しており、全国と同様の背景があると推測されます。
次に、自殺未遂者の数についてお答えいたします。
県においては、自殺未遂者の数について公的な統計データがないことから把握することができません。
次に、自殺予防のための取り組みについてお答えいたします。
県では、自殺予防にはうつ対策が重要であるとの認識から、うつに対する普及啓発、相談体制の充実等を課題として取り組み、自殺防止のためのパンフレットや医師向けの活用マニュアルを作成し、医療機関等へ配布してまいりました。
また、各保健所や総合精神保健福祉センターにおいても自殺及びうつ病に関する講演会や研修会、相談事業等を実施しているところです。さらに、平成17年度からは総合精神保健福祉センターにおいてモデル事業としてのうつ病デイケアを実施しております。
次に、ボランティアをつなぐ県の役割と「いのちの電話」への支援について一括してお答えいたします。
自殺予防対策については、市町村、関係機関及び「いのちの電話」等のボランティア団体と連携して進めることが重要であると認識しております。
なお、当該団体への支援については、県財政の状況や他県の状況等を勘案しながら検討してまいります。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 北部振興策の前半をどのように総括するかという御質問にお答えいたします。
北部振興策は、雇用の拡大と生活環境の整備により定住人口の増加を目指すものであります。
産業振興による雇用の拡大については、宜野座村のサーバーファームや名護市のみらい1号館・2号館等の整備により、IT関連企業で約750名の新規雇用を生み出しました。また、本部町の海洋ウェルネス・リゾートセンター等の整備による観光の振興や、平張り施設等の整備による農林水産業の振興等も図られております。
生活環境の整備については、道路、港湾、上下水道等の整備に加え、国頭村のパークゴルフ場、恩納村の赤間運動場の整備等、定住条件の改善が図られております。
このような北部12市町村等の取り組みにより、平成12年に比較して3000人余の人口が増加しており、一定の成果が得られたものと考えております。
同じく北部振興策後期5年間の取り組みについてお答えいたします。
北部の振興については、引き続き雇用機会の創出に向けた産業の振興と魅力ある生活環境の整備は重要であると考えており、県としては今後とも北部12市町村等の取り組みを支援していきたいと考えております。
以上であります。
○玉城 義和 再質問を行います。
企画部長、10年間の人口増の目標は何名でしたか。3000人で一定の評価ということでありますから、あえて聞きます。
それから県立病院監、これだけ大騒ぎをして御心配をおかけして申しわけありませんと、この一言で済むような体制が私は問題だと思うんですね。
きょうは夕方から北部12市町村の決起大会がありますが、去年の末までは自信を持って県立病院で調整をして閉鎖をしないと、こう言い切ってきたわけでしょう。それをだれが責任をとるのかと聞いたことに対して、御心配をかけて申しわけないと、それで終わりですか。
それからもう一つ、この3日間あなたがお答えしているのは、沖縄県が各大学や大学病院に依頼文書を送ったと、こう言っていますね。これは県知事が送ったんですか。ここに皆さんからもらった文書がありますが、「産婦人科医師派遣の依頼について」、「北病第818号 沖縄県立北部病院院長 山城正登」ですよね。県立病院の院長がみずから送っているんですよ、病院に。これをあたかも県知事名で送ったような、県が取り組んだみたいなことはやめてくださいよ。そういうごまかしがあるからこういう事態になるんですよ。この文書の中にはこう書いてありますよ、山城院長がですね。人口わずか12万地域の沖縄の地方都市からの切実な依頼について、御一読をお願いしますと、こう書いてあるんですよ、山城院長が。沖縄県病院管理局ともども対応していく所存であると。こういうことで病院管理局長も一緒ですからと、こういうニュアンスの文書を送っているんですよ。
このことを言っているんでしょう、皆さんは、沖縄県が送ったというのは。何で県知事名で送らないんですか。あなた方がこういうことを本気でやっているとは思えないんですね。沖縄県知事名で来るのと北部病院の院長の名前で来るのとは全然違いますよ。それをあたかも沖縄県は8月に各施設に送ってきたと、こんなことを答弁しているのはおかしいじゃないですか。聞いている方は、わからない人は、ああ、沖縄県知事名で送ったんだなと、こうとりますよ。内実は院長でしょう。はっきり答弁してください。
それから知事、私の質問は、何も陸上案がいいとかリーフ埋め立てがいいとか悪いとか、そういう個別のことを聞いているわけじゃないんですね。これはいいですよ。具体的な評価を聞いているわけではありませんので、そこはひとつ前提にしてお聞きしますが、知事の基本的政治姿勢として県内移設を認めるのか、さにあらずというのか、そこのところを聞いているんです。これは今議会の最大のテーマですよ。具体案が出なきゃわかりませんなんていうことじゃないんです。知事の姿勢として県内移設を認めるのか認めないのか、この1点を聞いているわけですから、ここはひとつ県民に明らかにしていただきたいというふうに思います。
それから次に、個々には言及できないと、こうおっしゃいますが、嘉手納統合案には知事は明確にさっき反対と言っていますね。嘉手納統合案も個々の問題でしょう。嘉手納統合には反対でほかのものには個々だから言及できないというのは矛盾じゃないですか。これはひとつはっきりしてもらわないといけません。
それから嘉手納町長との会談ですが、一般論として話をしたと、こういうことですね。米軍再編の真っただ中で、協議の真っただ中で、衆議院選挙の前段でどういう一般論があるんですか。一般論であれば、恐らく私は御披露はできると思いますので、どうぞこの席でどういう中身だったか御披露ください。
それから(2)に関連してでありますが、15年使用期限や軍民共用空港というのは知事が選挙の公約として言い出したものですね。選挙の公約として言い出したもの。したがって、軍民共用にするために規模を2600メートルにして15年使用期限をつけたわけですね。そうしますと、これからこの辺野古沖の代替施設以外の代替であっても、既存の基地外の新規建設である限りにおいては、当然この15年問題と軍民共用は適用されなければなりませんね。ここのところはひとつはっきり見解をこの議会で示してほしいというふうに思います。
逆に、この2つの原則が外れるものは既存の基地への統合か、あるいは既存の基地の中に飛行場をつくる。この場合は15年問題とこの軍民共用は外れると考えて私はいいと思います。そこの違いをはっきりさせませんと、15年と軍民共用を堅持するなんてことを言っても全く意味がわかりません、どういう前提なのかですね。私が今言ったこの2点においてはっきりとしてもらいたいと思います。
それから基地の使用協定でありますが、これはもう長く議論してきたところでありますが、現行の安保条約は全土基地方式なんですよね。そしてその地位協定の3条の1項はこれは全面的な管理権のフリーハンドなんですね、アメリカ軍の。このもとで本当に実効性のある基地の使用協定が締結可能と考えるかを聞いているんです。やりたいと思うのとできることとは別なんですね。騒音防止規則を見てごらん、騒音でさえ規制できないんですよ。こっちは夜でも地球の反対は昼なんですよ。基地というのはそういうものなんです。夜だから飛ばなければ戦争はできないんですよ、裏側は昼ですから。こういうのが地位協定と安保条約なんです。このがっちりとした協定の中に挟まれているわけですね。したがって、その中で本当に有効な協定が結べるんですかと、そういう認識を私は聞いているんで、はっきりひとつお答えをいただきたいと思います。
名護市長が言うように、私はできると思ったけれども実際にやってみたら地位協定の壁があってできませんでしたと、こう言っているでしょう。こんなことはしかしばかげた話であって、この地位協定というのはきのう、きょうできた話じゃないんだ。何十年も前の話で今さら気がつくというのもこれも愚の骨頂ですが、要するに事ほどさようにそういうことなんですね。
そういう意味で、やりたいとかそういう問題じゃなくして、現実問題としてできるかどうかをひとつやっていただきたい、こういうふうに思っております。
それから病院管理局の話ですが、私は地域でいえば北部病院はやがては中部病院へ統合・廃止になるんじゃないかと、こういうふうに思っているわけですよ。だからこういういいかげんな態度で、まじめさが感じられないようなことをやっているんじゃないかと、これが北部住民の本音ですよ。したがって、そういう意味で今度の一連の方策案、これについて疑義があるというふうに考えているんで、そういうことがないんであればないということをはっきりとひとつお答えいただきたいと思います。
中部病院の平安山院長が8月9日の県議会の文教厚生委員会に出した文書でこう言っていますよ。医師の間から――中部病院ですよ――もう疲れたと。これ以上このまま仕事を続けていくことは限界だという声があることに自分は危機感を抱いていると。そして中堅の医師が過労に絶え切れなくなってことしに入ってからもう産婦人科医2名、耳鼻咽喉科部長、心臓・血管外科医、呼吸器内科部長、腎臓内科部長、糖尿病専門医、血液内科医師が既にやめて、そのほかにももう一人辞意を表明している、こう述べているんです。惨たんたる状況ですよ、県立病院の状況は。
いいですか、これが現状なんです。こういう現状を放置しておいて、中部病院の医師が二人やめたから北部病院の産婦人科は休止する、こんなことが理屈で通りますか。何ゆえに、中部病院がくしゃみをすれば我が北部病院が風邪を引かなきゃならぬのですか。おかしいじゃないですか、こういう因果関係のつくり方は。これは理由になりませんよ。ここをわかるように説明してください。
このような現状を改めるために私は思い切った医師の増強が必要だと思います。ちなみに、北部病院と同じベッド数の中頭病院は医師の数が2倍以上、3倍近くいますね。そして経営的にもまさにモデルでしょう。先ほどあなたがおっしゃった赤字の原因は、これは沖縄全部共通ですよ。
そういう意味で、やはり高医療・高福祉は高収入につながるということだと私は思います。そういう意味で、ぜひ医師の増員を考えていただきたいと思います。
それから自殺の問題でありますが、うつ病が非常に大変ですね。自殺者の70%がうつ病だと言われています。これをどうするか。
もう一つ、「沖縄いのちの電話」というのはこれは70年代にできて、東京とか横浜の次に古いんですよね、30年以上もやっている。10時から11時まで3時間交代でぎりぎりの相談を受けているんです。年間500万ぐらいかかっているんですよ。ところが、県に少しくどこか場所を貸してくれないかと言っても断られているんですね。私は、「選択と集中」というんであれば、これぐらいのことは考えたらどうかということを申し上げているんですよ。何千万も助成をやれとは言ってない。どこか空き部屋でもあれば貸してくれぬかと、そして少しくの費用は助成をしたらどうかというようなことを申し上げているんで、もうちょっと情けのある答弁をひとつお願いをしたいと思います。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
午後2時45分休憩
午後2時51分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 玉城義和議員の再質問にお答えいたします。
最初の問題で、県内移設の可否の問題でございます。
これは再編に期待をしているところです。具体的に提示されなければ現行どおりでございます。
4の、嘉手納統合に反対は個々の案じゃないかと。
これは既に再編の中で嘉手納の問題というのは、運用改善というのはきっちりと求めている段階です。
それから宮城町長とのお話ですけれども、これについては余り触れたくないんですけれども、ちょうど選挙の公示の前の日でございまして、選挙の中での嘉手納の問題というのが非常に議論になる可能性があるということで意見の交換をいたしました。
それから15年問題について、既存域内の建設ならいいんじゃないかというようなお話がございましたけれども、これは仮定の問題については回答できません。
○知事公室長(花城順孝) 再質問で、基地の使用協定が現実的に可能かという御質問でありますが、日米地位協定の実施に関して相互間の協議を必要とするすべての事項については、日米地位協定第25条に基づき設置される合同委員会で協議をされ合意されることが必要でありまして、それによって日米両政府が拘束されることになります。
県としては、政府において地元からの要望を尊重して日米間で協議をして要望を実現することが重要であると考えております。
一方、日米地位協定第2条の見直しについても大きな課題として取り組んでまいります。
以上です。
○県立病院監(知念建次) 再質問にお答えいたします。
北部地域の実情について、だれが責任をとるか、どう考えるかということについてお答えいたします。
北部病院の産婦人科の休止につきましては、地域の皆様の精神的・経済的負担が極めて大きいものであると認識しており、北部病院の再開・存続を求める総決起大会の開催や署名活動などからも状況が厳しいものであることは重く受けとめております。
県としては、こうした状況が早期に解消されるようあらゆる手段を講じて産婦人科医師の確保に努めていきたいと考えております。
次に、北部病院長からの文書の発送についてお答えいたします。
各大学の医局に北部病院長名で文書を送付しましたのは、北部病院とも調整を行った結果でありまして、全国自治体病院協議会のホームページに掲載する際に、病院名で掲載する方が効果が上がるということもありましたので、そういうことも踏まえました上で、北部病院長として地域の実情を訴えた方が効果が上がるのではないかということを調整しまして北部病院長名で文書を発送したものであります。
次に、北部病院の位置づけについてお答えいたします。
北部病院につきましては、北部地域の2次医療圏内での地域中核病院として位置づけておりまして、中部病院との統合は考えておりません。
次に、医師の増員についてお答えいたします。
現在、医師の診療科ごとの再配置も含めまして、医師の定数につきましては地方公営企業法の全部適用に向けて定数の見直しを行っているところでありまして、現在その作業を行っているところであります。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 北部振興策の目標人口は何名で、どれだけの増を目指すかという再質問にお答えいたします。
北部振興策の目標年次である平成21年には15万人の目標としております。そのため、平成12年、12万4000人に比べますと2万6000人の増加を目指しております。これの実現に向けまして、今後とも情報金融関連施設との拡充とあわせ、沖縄工業高等専門学校や大学院大学の設置に伴う学生や教師等相当数の人口増が見込まれます。
また、情報金融特区を活用した関連産業の集積、健康・保養型観光の推進など、積極的に北部振興事業策を実施することにより圏域人口15万人の達成につなげたいと考えております。
以上です。
○福祉保健部長(喜友名朝春) うつ病対策と「沖縄いのちの電話」に対する助成についてお答えいたします。
うつ病対策については、「沖縄いのちの電話」等のメンバーで構成する「健康おきなわ2010」心の健康づくり検討委員会で、うつや抑うつによる自殺防止についての検討を行い、講演会等の事業の実施をしてきました。今後はさらに医師会や警察、消費生活相談機関、ボランティア団体等を含めたネットワークの形成を図りつつ、自殺予防対策を進めていきたいと考えております。
なお、助成策については「沖縄いのちの電話」代表とも十分に話し合っていきたいと考えております。
以上でございます。
○玉城 義和 議長、ちょっと休憩してください。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
午後2時59分休憩
午後3時1分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) お話の中で常に一貫して申し上げているわけです。
今はSACOというものがあるわけですね。したがって、新しくそれが変わらない限りその案というものは残っているということです。
そこで、私どもは先ほど冒頭に再編に期待をしていると申し上げたのは、再編というものはこのSACOを大幅に上回るもので、私どもがその中で第1番目に挙げておりますのは、海兵隊の県外移転ということを強く主張しているわけです。
嘉手納の問題につきましては、明確に4本の柱として既に言っているわけですから、新たに出てきた案ととらえておりません。私どもは明快に嘉手納については最初からはっきり言っております。
○玉城 義和 再々質問。
嘉手納の負担軽減ということは言っておりますが、嘉手納の統合案ということについて最初から言っているわけじゃないんで、最初から言っているんであれば辺野古の陸上案もSACOの3案の一つでありますから、これについてもコメントをしなければなりませんね、そうおっしゃるんであれば。そこをひとつよろしくお願い申し上げます。
それから、15年問題は仮定の問題ではないんですよね。これは知事が出した問題です。知事が受け入れ条件に出したわけですから、仮に新たな県内移設が出てくるとすれば、基地の中であれば別ですが、基地の外であれば当然この原則は適用しますよねということを言っているわけで、基本原則の話をしているわけでありますから、そこのところはぜひひとつお願いしたいと思います。
それから知事、私はここに来て、これはもう7年間いろんな紆余曲折はあったけれども、やはり知事は最後はきちっと決めたと、こういうふうに言われるためには普天間の県外移設と、そして県内の受け入れはしないと、こういうことを明確に言うべきですよ。ひとつ御決意をお願いします。
○副議長(新垣哲司) 休憩いたします。
午後3時5分休憩
午後3時6分再開
○副議長(新垣哲司) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 最初の嘉手納の件ですけれども、嘉手納の運用改善というのはこれはもう当然負担をふやすということはできないわけですから、これは当然の話です。
それからもう一つの話ですけれども、これは私が先ほど申しましたように、現在の計画について明確にその2つを条件と出したわけで、新たなものについてはそれが案が出てくるまでは、私どもとしては仮定の話についてお答えするわけにはいきません。
○玉城 義和 お聞きのとおりで全く正面から議論になりません。嘉手納の統合がどうしてだめなんですかと。中には負担軽減もあるわけですね、そういう案も出ているわけですから。それが早晩だめでほかのものには言及できないというのはどういう意味かというふうに聞いているわけですね。15年問題は今後とも継続するんですか、しないんですか、これはどっちですか。
○知事(稲嶺惠一) 最初の嘉手納統合論ですけれども、嘉手納統合論というのはどう考えても基地負担の増加としか考えておりません。したがって、あくまでも前から言っていたことと全く変わりはありません。
それから15年の問題については、これは現行の方策について私どもは述べたわけでして、今後の問題の仮定の問題についてはお答えいたしません。
○当銘 勝雄 それでは質問いたしますが、護憲ネットワーク会派の当銘勝雄でございます。
知事と基地問題について禅問答しても始まりませんので、私は今回は農業問題を中心にして質問いたします。農業問題について所感を述べながら質問いたします。
本県農業は従事者の老齢化に加え後継者不足が続いており、農業生産は停滞しております。平成7年まで1000億円を超していた農業生産額は減少し、平成15年には930億円と100億円も減っております。パイナップルやさとうきびの激減に加え、亜熱帯の特色ある野菜や花卉、果樹も横ばいで推移しております。
一方、農業関係予算を見ると、県予算に占める割合が著しく低下し、昭和55年の17.7%から毎年シェアが縮小し、平成17年には11.7%まで低下しております。産業の振興は予算の配分によって大きく変わっていくものであり、大変憂慮しております。
我が国は、自動車産業や工業製品に力を入れてきた結果、経済全体は進展し、経済大国と言われるまで発展しましたが、一方において、農業は主食である米だけが100%確保され、残りの食料品は輸入に頼っているのが現状あります。
我が国の食料自給率は40%で先進国で最も低い国であります。先進国は最低でも70%以上の自給率を確保し、アメリカなどは100%の自給率を確保しております。
我が国は高度経済成長を図るために重工業地域や新産都市づくりを行い、経済効率や投資効果至上主義に走り、いびつなまでにも産業構造を変えてしまったわけであります。そのために中山間地域と都市部の格差を生み、1次産業は衰退し、農林水産業の有する多面的機能が失われ、今それを取り戻すため中山間地域対策を行っております。しかし、一たん失われたものは容易に取り戻すことはできません。
本県はこのような国の施策とあわせ、これまで基地経済に依存してきたことや本土市場から遠隔地のため、流通輸送コストの面や台風対策、基盤整備のおくれなどが重なって1次産業が進展しておりません。そのため、農家所得は一時期全国の70%台まで近づいたものの、平成15年現在、全国との所得格差が年々広がり、約半分の57%であります。農外所得の伸びでカバーしており、農業所得においてはなお格差があると考えます。
沖縄県は本来亜熱帯の気候に位置し、農業の阻害要因を克服し、生産条件を整備すれば自然条件を生かした周年栽培が可能な地域であり、我が国の食料供給基地としての可能性を有する地域であると確信しております。
本県農業については、さきの議会でも提案しましたが、台風、干ばつとの戦い、大消費地から遠隔地のため流通対策をどうするかであります。耕地面積の少ない本県は、集約農業として周年栽培が可能なハウス等の施設化の推進であります。
私は、かつてゴーヤーの全国販売を展開した際には、県単独事業でゴーヤーのハウス団地化や市町村、JAを網羅した農林水産物販売促進協議会を設置して取り組みました。市場との取引を進めるには安定生産と量的拡大による出荷体制の確立が必要であります。
また、本県のリーディング産業である観光産業がさらに飛躍発展するためには1次産業とのリンクが不可欠であります。観光の三要素であります見る、遊ぶに加え、地域の特産物、旬の食材としての農林水産物の供給が必要であります。
本県の観光産業は、県内に落ちるお金が少ないとの指摘があります。これは農林水産物の食材や観光土産品の原材料への供給など、1次産業との連携が十分ではないとの指摘であります。
本県の自立経済に向けた一つの方向策は、観光産業の振興とあわせ、いかに農林水産業の振興を図るかであると思います。
そこでお尋ねします。
農業問題について。
1、農家所得について。
農家所得の推移、これは農業所得、農外所得に分けて説明してもらいたい。
県民所得との比較においてどう推移したか。
専業農家の推移はどうなっているか。
専業農家の所得は県民所得に比較してどう推移したか。
農業生産についてお尋ねします。
野菜、果樹、花卉、さとうきび、畜産の生産高の推移はどうなっているか。
主要品目の生産額の推移はどうなっているか。
農業粗生産額はどう推移したか。
さとうきびの生産対策についてお尋ねします。
10アール当たりの収量の推移はどうなっているか。
10アール当たりの生産費の推移。
10アール当たりの粗生産額から生産費を引いた農家手取り額は幾らか。
さとうきび農家が県民所得並みの所得を得るには栽培面積は幾ら必要か。
生産基盤整備をどう進めるか。かんがい排水事業の整備状況はどうなっているか。
機械化一貫体系の進捗と普及状況はどうなっているか。
さとうきび副産物の堆肥化の実績は、また今後どう進めるか。
次に、含みつ糖の生産対策について質問いたします。
含みつ糖の原料生産量は幾らか、どう推移したか。
農林水産省の割り当て枠の生産量を確保できるか。
含みつ糖の需要は多いが、どう生産対策を講じているか。
次に、農業従事者が高齢化し、農業の近代化、生産性を向上させる上から大きな課題と考えます。
県は、農林水産業における高齢者対策として家庭や地域、生産活動において高齢者が持つ知識・技能を生かせる場づくりや、高齢者にとって生産しやすい・暮らしやすい環境づくり、生きがいづくりに努めていることは大変結構なことでありますが、なりわいとしての農業従事者の所得は農外所得によって補われているのが実態であります。
農業者が他産業従事者所得並みの生産所得が得られるよう農林水産業対策を講ずる必要があると考えます。このような状況が続きますと農業の先細りが心配されます。
そこでお尋ねします。
(5)番目に、農業後継者対策について。
農業従事者の65歳以上が約半数の48%を占めております。生産対策上の問題は何か。
新規就農者の補充率の推移はどうなっているか。補充率を上げるための対策はどうしているか。
農業大学校の卒業生の就農率はどうなっているか。また、就農対策をどう講じているか。
(6)番目に、農業への企業参入についてお尋ねします。
県内農業の生産法人はどのくらいあるか。
公共事業等の縮小に伴い企業の農業参入が進んでいるが、県内の実態はどうなっているか。
次に、水産業についてお聞きします。
本県の水産業は遠洋・沖合漁業にかわって海面養殖業が大きく進展してきましたが、生産量においては横ばいで、四面海に囲まれた立地が生かされてない。本県は亜熱帯のサンゴ礁沿岸海域を生かし、モズク養殖やクルマエビ養殖、魚介類の生産振興を図り、世界的な漁獲規制の強化に対処する必要があります。そのためには漁業生産基盤の整備を進めるとともに、稚苗の生産体制を確立し、放流事業やつくり育てる漁業、資源管理型漁業を推進する必要があります。
そこでお聞きします。
2、水産業について。
漁業補償について。
公有水面埋め立てや砂利採取等における漁業補償はどう補償されるか。
最近5年間の年次ごとの補償額は幾らか。
補償金はどのように配分されているか。
次に、生産対策についてお聞きします。
公有水面埋め立てや砂利採取による漁獲量の減少にどう再生策を講じているか。
漁業補償金の一部を漁場の再生産を図るために充てる必要があると考えるがどうか。
次に、栽培漁業の振興についてお尋ねします。
栽培漁業センターを拡充し、稚苗生産が取り組まれているが、主要な稚苗の生産量を示してもらいたい。
稚苗はどのように配布しているか。
漁業補償金の一部を放流事業に充てる考えはないか。
大きな3番、住民基本台帳制度についてお聞きします。
住民基本台帳は昭和42年に制定され、閲覧制度が設けられ原則公開にされた。このため、個人情報保護の観点から問題があり、改正により閲覧の対象を氏名、住所、性別、生年月日に限定された。しかしながら、大量閲覧制度になって最近では閲覧制度を悪用した不幸な犯罪事件が起こっており、この閲覧制度は個人情報保護法と相矛盾することが指摘されております。
自治体の個人情報保護条例を初めとした独自の取り組みでは補い切れない問題であり、住民を保護すべき現行法が事態への対処を困難にしております。このため、総務省においては検討会を設置して閲覧制度の見直しを始めたとしているが、法改正には時間を要し、日常的に行われているこの問題に市町村は対処しなければなりません。
市町村においては認識の違いもあり、また取り扱いにおいても大きな差異があることが言われております。県としてはどう認識し、市町村へのアドバイスを行っているか。
そこでお聞きします。
(1)、市町村における住民基本台帳運用上の問題はないか。
(2)、住民からの苦情等の問題はないか。
(3)、市町村並びに議会における条例改正等の動きはないか。
(4)、商業目的の閲覧制限に対する条例制定の動きはないか。
(5)、悪徳商法等目的外使用による処分を受けた業者、また利用制限を受けた業者はないか。
(6)、住民基本台帳を利用と結びついた事件等はないか。
(7)、DVストーカー被害者を支援するための住基台帳事務の取扱要綱などを設けている市町村があるか。
(8)、住基台帳の利用状況はどうなっているかお聞かせください。
4、個人情報保護法について。
(1)、住民基本台帳閲覧制度による多くの問題点が露呈し、2005年4月に個人情報保護法が施行されたが、どのような効果が期待できるか。
(2)は取り下げます。
次に、県は2006年4月に高度・多機能病院の開院に向けて準備が進められていると聞いております。その一環としての検体検査の外部委託、いわゆるブランチ・ラボが予定されているようですが、それには多くの問題点や懸念事項が出されております。
人命を扱うところであり、またチーム医療が要求される職場で全国的にも患者や検査資料の取り違えなどが起こっており、大変危惧されるものであります。経営的な面も含め人命の安全・安心に視点を置き、新設病院の開設に向けては新規定数増を図るなど、問題点の洗い出しや現場職員との十分な話し合いのもとに進めるべきと思料します。
そこでお聞きします。
5、県立高度・多機能病院(仮称)に法的制限のある献体検査の外部導入における県の考え方についてお聞かせください。
6、我が会派の代表質問との関連についてお聞きします。
(1)番目に、尖閣諸島のガス田開発について。
ア、ガス田開発によって本県にどのような経済メリットをもたらすか。
イ、我が国は、中国の共同開発提案を退けた。中国の提案が排他的経済水域の境界線付近ならともかく、沖縄トラフに近い大陸棚を主張しているからであります。政府は、対抗手段として国内企業の帝国石油に試掘権を許可した。そのために日中間において争いに発展しております。知事は、県益を守る立場から政府にどう働きかけるかお聞かせください。
(2)番目に、普天間基地についてお尋ねします。
ア、普天間基地の返還について、当事者だった橋本元総理も辺野古に固執しては解決できないと言っております。小泉総理も辺野古ではだめだとのニュアンスの発言をしております。県民の80%以上が反対をしております。地元名護市長も縮小案に賛意をあらわしているにもかかわらず、知事は辺野古に固執しております。苦し紛れに海兵隊の県外移転を言っているが、これでは県民もわからない、日米両政府もわからない。再編協議は大変重要な時期に明確なメッセージを出すべきと考えるがどうか。
イ、岸本名護市長がリーフ内縮小案を容認する意向を示したことに対し、県の幹部は、米軍再編で県が求める海兵隊の県外移転の最大の焦点は、普天間問題と認識で一致していると発言。普天間飛行場の県外移転の方向性が示されることを期待しているさなか、県内誘致ともとられかねないと岸本市長の言動には戸惑いがあるとしています。
そういうことで、県内移設に反対ならば辺野古見直しを明確にすべきではないでしょうか。お答えください。
○副議長(新垣哲司) ただいまの当銘勝雄君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上、休憩後に回したいと思います。
休憩いたします。
午後3時24分休憩
午後3時51分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
休憩前の当銘勝雄君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 当銘勝雄議員の御質問にお答えいたします。
含みつ糖の生産量と生産対策について、関連しますので一括してお答え申し上げます。
含みつ糖は、近年、消費者の健康志向の高まりから生産の拡大が求められております。しかしながら、含みつ糖の生産量は平成14年の約1万300トンを除けばここ数年7000トンないし8000トン台で推移し、平成16年にはたび重なる台風と干ばつ被害で約6200トンとなっております。
県としては、需要に見合った生産量の確保を図るため、1、ため池等の農業用水源の確保やかんがい施設、圃場整備、防風・防潮林の整備等の生産基盤の整備、2、品質や生産性の向上に向けた土づくり、早期高糖性及び耐風性にすぐれた新品種の育成・普及、3、機械化の促進や生産法人等担い手の育成など、諸施策を総合的に推進しているところであります。
続きまして、代表質問との関連で、再編協議へのメッセージと見直し表明についての御質問に一括してお答え申し上げます。
米軍再編について、県は既に在沖海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用改善等の基本的な考え方を示しており、この方向を踏まえて日米間で協議し、再編協議の内容を早急に示すべきであると考えております。近々、政府から再編協議の内容が提示されることから、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担の軽減が図られるよう的確に対応したいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部室長等より答弁させます。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは、農家所得の推移について、県民所得との比較においてどう推移したか、専業農家の農家所得は県民所得と比較してどう推移したかについて一括してお答えします。3番目の専業農家の農家所得につきましては、専業農家のみの農家所得が統計上把握されておりませんので、農家全体ということで答弁いたしたいと思いますので、御了解をお願いいたします。
それでは一括してお答えいたします。
農家所得は、農業所得と農外所得で構成されており、最近10年の傾向を見ますと、平成11年までは減少傾向で推移し、平成12年からは横ばいとなっております。そのうち、農業所得についてはおおむね横ばいで推移し、農外所得については平成11年までは減少し、その後は横ばいで推移しております。
農家所得と県民所得を比較しますと、農家所得は県民所得の約50%から60%の比率で推移しており、平成14年は47%となっております。
続きまして、専業農家の推移についてお答えします。
専業農家数については、最近10年の推移で見ますと、平成7年の8532戸から平成14年には7790戸と減少傾向にあります。しかしながら、平成15年には8360戸とやや増加しております。
続きまして、野菜、花卉、果樹等の生産量の推移についてお答えします。
農作物ごとの生産高の推移については、野菜は近年、ゴーヤーやカボチャなどが増加しておりますが、野菜全体としては減少傾向で推移し、平成15年には5万6600トンとなっております。
さとうきびについては、収穫量が80万トン台で推移しており、収穫面積は沖縄本島地域では減少から横ばい傾向に推移し、離島地域では横ばいとなっております。
花卉については、洋ラン等が減少していますが、全体としては横ばいで推移しております。
果樹については、マンゴー、タンカン、シークヮーサーなどが増加していますが、パイナップルの減少により全体としては減少傾向で推移しております。
畜産については、肉用牛は離島地域を中心に増加しておりますが、養豚は減少傾向にあります。
続きまして、主要品目の生産額の推移についてと、それから農業粗生産額の推移について一括してお答えいたします。
農業産出額については、昭和60年の1160億円をピークにその後減少し、平成8年からは900億円台で推移しており、平成15年は931億円となっております。
主要品目の産出額の推移は、ゴーヤー、マンゴー、肉用牛が増加傾向であります。菊、葉たばこ、乳牛は横ばいで推移し、さとうきび、養豚は減少傾向であります。
続きまして、10アール当たりの収量の推移、10アール当たりの生産費の推移、10アール当たりの所得、県民所得並みの所得を得るための栽培面積については、関連しますので一括してお答えいたします。
さとうきびの10アール当たり収量は、近年約6トン程度で推移し、平成16年産はたび重なる台風、干ばつ等により約5トンとなっております。
10アール当たり生産費については、家族労働費や地代等を除く生産費で見ると、近年6万円台で推移しています。
また、10アール当たり粗収益から生産費を除いた所得額は、近年約7万円から8万円で推移しておりますが、平成16年産は5万2000円となっております。
なお、さとうきび農家が県民所得並みの所得を得るための収穫面積は、平成14年県民1人当たりの平均所得が203万2000円であることから、単収約6トンとした場合に約3ヘクタールと試算されます。
続きまして、農業生産基盤の整備についてお答えします。
本県の農業を振興する上で、農業生産基盤の整備は重要であると考えております。そのため、県としては、第2次農林水産業振興計画に基づき水源施設、かんがい施設、圃場整備等を市町村、土地改良区等と連携を図りながら総合的かつ計画的に推進しているところであります。
平成16年度末における農業生産基盤の整備率は、水源整備が55%、かんがい施設整備が33%、圃場整備が51%となっております。
続きまして、機械化一貫作業体系の進捗と普及状況についてお答えします。
さとうきびの規模拡大や生産法人の育成を図るためには、機械化一貫作業体系の確立が重要であります。そのため、県としては、植えつけ機やハーベスター、株出し管理機等の農業機械の導入による機械化一貫作業体系を推進しているところであります。
さとうきびの機械収穫率は、平成6年度の約27%から平成16年度には約37%と増加しております。
続きまして、さとうきび副産物の堆肥化についてお答えします。
平成16年産におけるバガス等の副産物の産出量は約22万7000トンとなっており、そのうち堆肥に利用されたものが23%に当たる約5万2000トンとなっております。
県としては、ボイラー等の設備改善による余剰バガスの産出を促進するとともに、関係機関と連携しながらさとうきび副産物の堆肥化に取り組んでいるところであります。
具体的には、製糖工場から排出されるバガス等を堆肥化し農家へ還元するとともに、堆肥利用を促進するための単収向上実証展示圃を設置して普及啓発を行っております。
続きまして、農業従事者の高齢化についてお答えします。
農業従事者に占める65歳以上の割合は年々増加傾向にあり、平成15年には55%となっております。
高齢化の進行は、農業機械化の促進、制度資金活用による経営規模の拡大及び新規品目や先進的技術導入による経営改善等、農業の近代化を図る上で大きな課題となっております。
続きまして、新規就農者の対策についてお答えします。
新規就農者は近年減少傾向で推移しており、平成11年度の48%から平成15年度には32%となっております。
県としましては、新規就農者の育成確保を図るため、1、農業大学校における実践的な研修教育、2、新規就農相談センター等での就農相談、あっせん活動、3、就農サポート事業による就農希望者を対象とした基礎技術の取得支援、4、農業後継者育成基金事業による新規就農者の研修支援、5、就農支援資金の貸し付けなどを実施しているところであります。今後とも市町村、農業団体、学校関係機関との連携を強化し、新規就農者の育成確保に努めてまいります。
続きまして、農業大学校卒業生の就農対策についてお答えします。
農業大学校卒業生の就農率は、卒業後直ちに就農した者が34%となっており、農業研修生を含めた就農可能率では49%となっております。
学生の就農対策としては、実践的な研修教育とあわせて県外先進農家での実習や海外先進地における研修及び就農支援資金貸付等を実施しております。また、農家子弟の入学促進、市町村等関係機関との連携による農地あっせん等の就農支援対策などを行っております。
この結果、農業大学校卒業生の中から多くの先進的農業経営体を輩出しており、各地域でリーダー的存在として活躍し、農業振興に大きく貢献しております。今後とも、実践的農業技術の習得と国内外への派遣研修及び関係機関との連携強化等により就農率の向上対策を実施し、すぐれた農業後継者の育成確保に取り組んでまいります。
続きまして、県内農業の生産法人はどのぐらいあるかについてお答えします。
県内で設立されている農業生産法人数は、平成16年1月現在214法人となっております。その内訳としては、北部地区59法人、中部地区22法人、南部地区35法人、宮古地区36法人、八重山地区62法人となっております。
続きまして、企業の農業参入の実態についてお答えします。
農業への企業の参入については、構造改革特別区域法及び平成17年9月1日に施行された改正農業経営基盤強化促進法により可能となっております。本県においては、現在、株式会社等企業の農業への参入の事例はありません。
続きまして水産業の項目で、どのように漁業補償がなされているかについてお答えします。
漁業補償は、漁場が消滅したり漁業の操業が制限される場合、これにより損失をこうむる漁業者に対してなされるものであります。
公有水面埋立や砂利採取等における漁業補償は、事業主体と漁業権者である漁業協同組合との間で漁業補償交渉が行われ、補償がなされております。
続きまして、最近5年間の補償額についてお答えします。
県が把握している漁業協同組合へ支払われた漁業補償金等は、平成12年度38億9400万円、平成13年度17億2200万円、平成14年度12億6300万円、平成15年度12億2400万円、平成16年度10億5200万円となっております。
続きまして、補償金の配分についてお答えいたします。
漁業補償金は、補償の趣旨を踏まえ、漁業者に公平かつ適正に配分される必要があります。県においては、配分に当たって漁業協同組合に漁業補償金配分委員会を設置し、明確な基準に基づき個々の対象者の配分額を決定するよう指導しております。
続きまして、漁獲量の減少対策についてお答えします。
県においては、漁業生産の維持増大を図るため、つくり育てる漁業の振興、沿岸漁場の整備開発及び資源管理型漁業の推進などの施策を講じております。具体的には増殖場や養殖場の整備、浮き魚礁等の設置を実施するとともに、種苗の放流、保護区の設定など、水産資源の維持増大を図るための施策を推進しております。
続きまして、漁業補償金の一部を漁場再生に充てることについてお答えします。
漁業補償金は、埋め立てなどの工事に伴う漁場の消滅等に対する対価として、将来の損失をも考慮して漁業者に支払われるものであります。
漁業補償金の使途については、基本的には漁業者が決定するものでありますが、県としては、漁業が持続的に発展し得るよう漁場再生など漁場の整備に漁業補償金が充当されることは望ましいことと考えております。
続きまして、主要種苗の生産量についてお答えします。
栽培漁業センターにおける平成16年度の種苗生産状況は、マダイ118万尾、ハマフエフキ48万尾、スギ23万尾、タイワンガザミ132万尾、タカセガイ100万個、シラヒゲウニ18万個となっております。
続きまして、種苗の配布方法についてお答えします。
県が生産する種苗の配布は「沖縄県水産物の種苗取扱い要領」に基づき実施しております。 種苗配布に当たっては、同要領により、農林水産部内に設置した「水産生物の種苗取扱い作業部会」が種苗の需要調査を行い、生産・配布計画案を策定しております。この計画案をもとに県の関係機関で構成する「水産生物の種苗取扱い検討会」において配布先、配布数量等を具体的に決定しております。
続きまして、漁業補償金の一部を放流事業に充てることについてお答えします。
漁業補償金は、埋め立てなどの工事に伴う漁場の消滅等に対する対価として、将来の損失をも考慮して漁業者に支払われるものであります。
漁業補償金の使途については基本的には漁業者が決定するものでありますが、県としては水産資源の維持増大を図る観点から、漁業補償金が放流事業などに充当されることは望ましいことと考えております。
以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 住民基本台帳閲覧制度に関し、住民基本台帳運用上の問題についての御質問にお答えいたします。
住民基本台帳は、居住関係を公証する公簿として、昭和42年の住民基本台帳法制定時から広く一般に公開することが原則とされ、何人も、氏名、生年月日、性別及び住所の4情報が記載されたものの写しの閲覧を請求することができるとされております。
一方、ダイレクトメールなど営利活動のための大量閲覧や制度を悪用したと考えられる事件の発生などの問題点が指摘されており、個人情報保護の観点からこの公開原則を見直し、原則非公開とすべきとの意見があります。
こうしたことを踏まえ、市町村においては、全国統一的な運用を図るために定められた「住民基本台帳事務処理要領」に基づき、閲覧請求者に対し、請求書にその理由を具体的に記入させるとともに、口頭で質問し、あるいは不当な目的に使用しない旨の誓約書その他関係資料を提出させるなどして、請求事由が適当であるかどうかを審査しております。
また、一部の市町村では、大量閲覧の請求者に対し、一度に行える閲覧件数を制限したり、閲覧手数料を値上げするなど、独自の対策をとっている団体も見受けられます。
同じく、住民からの苦情等の問題についてお答えいたします。
一部の市町村においては、自宅に送られてくるダイレクトメールに不快感を覚える住民から、住民基本台帳閲覧制度のあり方について苦情が寄せられることもあり、原則公開とする現行制度との間でその対応に苦慮している状況も見受けられます。
同じく、市町村における条例改正等の動き及び商業目的の閲覧制限に対する条例制定の動きについて一括してお答えいたします。
市町村に対し、平成17年5月1日を基準日とした調査を行ったところ、閲覧制度に係る条例を制定している団体はないものの、規則または規程等で請求者に身分証明書の提示を求めるなど、閲覧請求に対する審査等の取り扱いを定めている団体が28団体ありました。
現在、総務省に設置された「住民基本台帳の閲覧制度等のあり方に関する検討会」において、住民基本台帳法の改正を視野に入れた検討を行っており、各市町村においてはその動向を注視しているところであります。
同じく、目的外使用による処分や利用制限を受けた業者についてお答えいたします。
県内において目的外使用による処分を受けた事例は見受けられませんが、県外において行政書士が職務上請求用紙を悪用して住民票の写しを不正に取得していたことが発覚し、廃業あるいは業務禁止処分を受けた事例があります。
また、利用制限については、市町村において請求事由を厳正に審査していることから、閲覧を拒否されるケースもあると考えております。
同じく、住民基本台帳の利用と結びついた事件等についてお答えいたします。
県内において住基台帳の利用と結びついた事件等は見受けられませんが、本年3月、名古屋市において閲覧制度を悪用して女子中学生に暴行を加えた男性が逮捕されたという事件が発生しております。
同じく、DVストーカー被害者支援に係る住民基本台帳事務取扱要綱等を定めている市町村についてお答えいたします。
県内の市町村においては、読谷村や北谷町、伊良部町などでDVストーカーの加害者が閲覧制度を不当に利用することを防止し、被害者を支援する取扱要綱等を定めております。
同じく、住民基本台帳の利用状況についてお答えいたします。
平成16年度の県内市町村における住民基本台帳の閲覧件数総数は18万9936件となっております。
個人情報保護法に関しまして、個人情報保護法の効果についてお答えいたします。
本年4月の個人情報保護法の全面施行に伴い、総務省から住民基本台帳事務の取り扱いに係る留意事項について通知があり、県としても適正な取り扱いについて市町村に対し周知を図ったところであります。
市町村においては、住民基本台帳閲覧請求に当たって請求事由の審査をより一層厳格に行うとともに、請求者の氏名及び住所の確認を徹底し、さらに請求者が閲覧により取得した情報の管理方法を確認するなど、より厳正な取り扱いがなされております。
以上であります。
○県立病院監(知念建次) 検体検査の外部委託導入についてお答えいたします。
病院業務の外部委託については、医療法の規定により、検体検査、患者に対する食事の提供、医療機器の保守点検、施設の清掃等の外部委託が可能となっており、検体検査業務については現在7府県で外部委託が導入されております。
高度・多機能病院は、救命救急医療、母子総合医療等の高度・特殊医療を担うことから、医師、看護師を初めとするスタッフの強化が必要であり、検査部門においても検体検査を民間へ委託することにより、生体検査部門等のより高度な検査への対応が可能となると考えております。
また、病院事業は、健全化計画に基づき経営の改善に取り組んでいるところであり、費用対効果を検証の上、民間へ委託可能な業務については業務委託を推進することとしております。
このようなことを踏まえて、高度・多機能病院の検体検査は関係者と調整の上、民間業者へ委託する方針としており、現在、病院現場も含めて導入に向けての調整を行っているところであります。
以上でございます。
○観光商工部長(宜名真盛男) 尖閣諸島及び東シナ海海域のガス田開発による本県経済へのメリット及び県の対応についてお答えをいたします。一括してお答えをいたします。
当該海域におけるガス田等の海洋資源開発は、新たな産業の創出や雇用の増大などの経済波及効果が期待されるところであります。このため、県におきましては、専門家による検討委員会を設置し、具体的な波及効果や県が取り組むべき事項等を整理することとしております。
東シナ海海域のガス田開発については、現在、日中両国の協議が行われており、平和的な解決のもとで資源開発が行われるよう今後の動向を注視してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○当銘 勝雄 再質問します。
知事、普天間基地の問題についてなんですが、SACO合意を超えて米軍の再編がなされると。こういうことであって、これに対して知事は日米政府に対していろいろと要望してきたと、こういうことなんですが、ところが昨今報道されるこの日米政府の動きというのは、知事が期待している方向では動いてないんです。そういう形での取りざたがされているわけなんですね。この際、やはりこの大事なときにきちっと辺野古を見直して普天間基地の県外移転を図ると、こういうことを出してほしいというのが各議員のこれまでのことなんですよ。ところが、門前払いしているわけなんですね。もう一度そこら辺を含めてお答えをしてください。
それから農林水産部長、今聞いておりますと軒並み生産量が落ちる、それから農業の生産所得も落ちる、生産額も落ちると、こういう状況が続いているわけなんで、さらに就業者についてもどんどん落ちてくる。ですから、きちっとそこはよく知事とも相談しながら、あるいは財政当局ともやって、予算も落とさない、生産量も落とさない、所得も落とさない、こういうひとつ決意をやってもらいたいと思います。
それから漁業補償金についてなんですが、部長は、漁業者が決めることなんで、これを放流事業に充てることが望ましいということで答弁しておりますが、望ましいならきちっとそこら辺は漁業団体ともよく話し合って進めてもらいたいと、こういうことで再度答弁をお願いします。
○知事(稲嶺惠一) 米軍再編につきましては、県は既に在沖海兵隊の県外移転、嘉手納飛行場の運用改善等の基本的な考えを示しており、今後この線に沿いまして、さらに日米両政府に対して強く求めていきたいと考えております。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは再質問のまず1番目、農業生産振興への今後の取り組みについての趣旨の御質問にお答えします。
今、県では第2次農林水産業振興計画を策定いたしまして、その中で7つの基本施策を決めて、生産対策、流通対策、販売対策、それらに基づきましてやるようになっております。それも第2次農林水産業振興計画の中にはそれぞれの役割分担と申しますか、県、市町村、農業団体、それから各種の団体ということで、それぞれ役割分担に基づいてそれぞれがそれぞれの責任を果たすということで農業振興を図るということになっておりますので、今後とも第2次農林水産業振興計画に基づきまして、7つの基本施策をしっかりと実施していきたいと考えております。
それから2番目の漁業補償金につきまして、漁業再生、そういったものに使えるように団体指導してはどうかという趣旨の御質問につきましては、まさにそのとおりでございまして、私どもは実は今口頭でと申しますか、その場では一応そういうふうに漁業再生、そういったものに使ってはどうかというふうなことを指導している状況でございますので、今後はそういったことについてかなりはっきりした形でやっていきたいと思っております。
以上でございます。
○前田 政明 私は、発言通告に基づいて一般質問を行います。
最初に、知事の基本姿勢について質問します。
米軍基地あるがゆえのさまざまな県民の苦しみをなくするために、米軍基地を撤去させるために全力を尽くすことこそ沖縄県に生まれ育った者として、県民の代表である県知事と県議会議員としての歴史的な責務であると考えています。県民に対する歴史的な責務を果たす立場から知事に質問を行います。
最初に、六カ国共同声明について質問します。
北京で開かれた北朝鮮の核問題をめぐる第4回六カ国協議は、9月19日、朝鮮半島非核化の基本方向を明記した共同声明を採択して閉幕しました。
共同声明で、北朝鮮が核兵器と既存の核計画を放棄すること、米国が朝鮮半島に核兵器を有せず、北朝鮮への攻撃・侵略の意思のないことが確認されたことは、朝鮮半島の非核化を初めとする諸問題の平和的解決への重要な前進となりました。日本共産党は、朝鮮半島の非核化の基本方向を明記した六カ国共同声明を心から歓迎するものです。知事の見解を問うものです。
次に、米軍の再編強化と米軍基地撤去について質問を行います。
(1)、米軍再編の動きは日米軍事同盟・抑止力の強化、米軍と自衛隊への一体化の推進を図ること、この立場から米軍基地の県内移設強化の動きを強めています。米軍再編と米軍基地撤去問題についての知事の見解と対応を問うものです。
(2)、嘉手納町長と会って嘉手納統合案について話し合ったとのことでありますが、その真意は何か、知事の見解を問うものです。
(3)、名護市長の辺野古海上縮小案についての知事の見解を問うものです。
3、破綻したSACO合意と15年問題について質問します。
辺野古地元の粘り強い活動と、県内外のジュゴンのすむ美しい海を守れ、新基地建設反対の闘いが日米両政府と稲嶺県政の米軍基地のたらい回しのSACO路線を破綻させる大きな力になりました。基地に苦しめられている県民の総意は米軍基地のたらい回しではなく、米軍基地の県内移設反対、国外移設・撤去であります。
最近の世論調査でも、政府や県が推進する普天間基地の名護市辺野古沖建設に82%が反対で、辺野古沖賛成が4%になっています。
このような県民世論からしても、知事の公約の15年問題、軍民共用空港は破綻しています。基地の県内移設反対、国外に撤去せよということで沖縄県民が団結し、基地のない沖縄への道を切り開く重要な局面になっています。知事は辺野古移設について反対し、県民の求める普天間基地の閉鎖・撤去を求めるべきではないか、知事の見解を問うものです。
次に、米軍の演習について質問します。
(1)、都市型戦闘訓練施設の撤去、実弾射撃演習の中止を求める県民集会について、知事の感想と見解を問うものです。
(2)、都市型戦闘訓練施設の危険な実弾射撃演習を初めとする戦場さながらの危険な一連の米軍演習の状況についてどのように認識されているか、知事の見解を問うものです。
(3)、日米軍事同盟の抑止力として米軍基地を容認している知事の政治的な立場が米軍演習野放しの状況の要因となっているのではないか、知事の見解を問うものです。
次に、米軍人・軍属の犯罪について質問します。
米兵から暴行を受けた女性の方が、少女へのわいせつ事件に怒り、勇気ある告発の訴えを県知事に行いました。それに対する町村外務大臣の発言は、「米軍と自衛隊があるからこそ日本の平和と安全が保たれている側面が、すっぽり抜け落ちている。バランスが取れた考えとは思えない」と指摘し、女性の訴えを批判しました。この発言は、人権と尊厳を守る立場ではなく、被害者の思いを踏みにじるものであります。本当に許せません。
私は、この問題との関連で、2001年6月29日に米兵による沖縄の女性に対する暴行事件が起こった翌日の日米首脳会談で、小泉首相がブッシュ大統領に一言も抗議せず、それどころか首相は、余りぎすぎすしないようにと言って沖縄県民の怒りを押さえつける発言をしたことを想起しました。国民の人権と尊厳を守るのが政府の責務ではありませんか。
(1)、米軍人・軍属の犯罪件数とその後の対応の実態について。
(2)、米兵から暴行を受けた女性の訴えと外務大臣発言について知事の見解を問うものです。
次に、米軍基地問題の解決の力は米軍基地撤去の県民の世論を総結集することです。今、県民の米軍基地撤去の思いを一つにして望むべきときではないでしょうか。知事の見解を問うものです。
7、自衛隊問題について質問します。
(1)、那覇空港での自衛隊機の事故により滑走路が長時間閉鎖されました。那覇空港は民間専用化すべきであります。知事の見解を問うものです。
(2)、糸満漁港での自衛隊の訓練について当局の対応と見解を問うものです。
(3)、自衛隊への児童生徒の体験学習について実態を掌握しているのか、当局の見解と対応を問うものです。
次に、児童虐待について、二度とこのような悲しい事件が起こらないことを願い質問を行います。
(1)、児童虐待死亡事件の対応について当局の見解と対応を問うものです。
(2)、児童相談所の体制強化について。
①、児童相談所の体制強化と改善について当局の見解と対応を問うものです。
②、ケースワーカーとベテラン職員との連携について、スーパーバイザーの役割について当局の見解を問うものです。
(3)、コザ児童相談所の一時保護所の整備が緊急に必要です。当局の見解と対応を問うものです。
(4)、もっとネットワークを広げて虐待を防止していくことが必要である。当局の対応を問うものです。
(5)、児童虐待問題緊急対策委員会の緊急提言について、当局の見解と対応を問うものです。
福祉行政について、介護保険行政について質問します。
自民党、公明党、民主党の賛成で改悪した介護保険法の実施で10月から特別養護老人ホームなどの施設の食費・居住費、短期入所の食費・滞在費、通所サービスの食費が保険給付から外れ全額自己負担になります。そのことによって施設から退去を余儀なくされたり、通所サービスの利用を減らすことを予定するなど、深刻な被害が生まれつつあります。こうした中で独自の負担軽減制度を創設する自治体も東京都千代田区を初め全国各地に生まれています。
以下、質問します。
①、介護保険法改定により特別養護老人ホームなどの施設入所者への具体的な影響と在宅介護通所者への影響について説明してください。低所得者への軽減措置を行うべきではありませんか。当局の見解と対応を問うものです。
②、入所者・利用者に対して制度の周知を図ること、特に申請主義となっております「特定入所者介護サービス費」(補足給付)について、対象となるすべての入所者に漏れなく実施されるよう万全の対策を講ずることが必要です。当局の対応を問うものです。
(2)、保育行政、認可外保育所について質問します。
①、認可外保育所の消費税非課税事業所の認定について、現状と申請書提出者への今後の指導・改善の対応について当局の見解と対応を問うものです。
(3)、乳幼児医療助成制度について質問します。
①、窓口無料化・現物給付制度の全国的な実施状況と全国の府県が現物給付制度の実施のために市町村に補助助成している状況と補助助成の理由について説明してください。
(4)、国民健康保険行政について質問します。
命のきずなの国民健康保険手帳・被保険者証をすべての加入世帯に交付すべきです。
①、被保険者証のない世帯が1万世帯と推定される。国保手帳がないために病気になっても病院に行けない、家族で病人が出たらどうしようという不安な状況に置かれている県民の家庭の状況、この状況をどのように認識しているか。再度、知事の認識と見解を問うものです。
②、全国の都道府県の市町村の国保会計への補助助成の状況はどうなっているか、説明してください。
次に、県立南部病院問題について質問します。
県立南部病院は存続すべきです。民間は採算性を中心とする運営にならざるを得ません。地方公営企業法第17条の2の定めにより財政的な補てんを行い、県立病院としての公的な役割を今後とも果たすべきであります。当局の見解と対応を問うものです。
次に4、教育行政、高校授業料について質問します。
授業料を滞納している生徒に対して出席停止処分を行っている高校も出ています。経済的理由で子供たちの学ぶ権利を奪ってはなりません。
授業料滞納による出校停止処分は学ぶ権利を奪うものであり、直ちにやめるべきであります。当局の見解と対応を問うものです。
休学者の現状と休学の理由は何か。休学者の中で経済的な理由による休学者は何名ですか。休学者の進路変更の実態はどうなっていますか、説明してください。
授業料の減免制度の改善を行い、免除基準についてもわかりやすい書式・文書への改善を行い、父母・生徒・県民への周知徹底を行うべきです。当局の見解と対応を問うものです。
最後に、環境行政について質問します。
崎山産業廃棄物処理場の火災から4年がたちました。さきの台風5号が去った後、当処理場にある2本の煙突のうち1本が倒れております。170ナノグラムの高濃度ダイオキシン類の排出で、2002年1月、業務停止に追い込まれた欠陥炉です。直ちに撤去すべきだと思いますが、宮古・崎山産廃の焼却炉の撤去について当局の対応を問うものです。
答弁によりましては、時間の許す範囲で再質問を行います。
○知事(稲嶺惠一) 前田政明議員の御質問にお答えをいたします。
最初は、六カ国共同声明についてでございます。
今回の六カ国協議において、北朝鮮がすべての核兵器及び既存の核計画の検証可能な放棄について初めて約束したことは、朝鮮半島の非核化を実現する上で重要な基礎となるものと思われます。今後、合意された事項が速やかに実施され、一日も早く朝鮮半島の非核化が実現することを強く期待します。
次に、米軍再編と米軍基地撤去問題についてお答えいたします。
日米両政府は、米軍再編に当たって在日米軍の抑止力の維持と、沖縄を含む地元の負担軽減を原則として協議していくとしております。
そのため、県としては、日米両政府に対し、海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等を強く求めております。近々、政府から再編協議の内容について提示されることから、県民の目に見える形で本県の過重な基地負担が軽減されるよう的確に対応したいと考えております。
嘉手納町長との面談についての御質問にお答えいたします。
宮城嘉手納町長とは8月末の8月29日に知事公舎でお会いし、衆議院選挙を前にして意見交換を行いました。その中で、嘉手納基地への移設の報道等について一般論として意見交換を行ったものであります。
次に、名護市長の辺野古海上縮小案についての御質問にお答えいたします。
名護市長の発言については新聞報道により承知しております。
普天間飛行場の移設については、これまで国、県、名護市等の関係機関で協議を重ね基本計画が策定され、それに基づき移設作業が進められているところであります。
続きまして、普天間飛行場の閉鎖についての御質問にお答えをいたします。
15年使用期限については、昨年の日米外相会談において、使用期限について引き続き話し合っていきたいと確認されていることから破綻したものとは考えておりません。
軍民共用空港についても、これまで国、県、名護市等の関係機関で協議を重ね基本計画が策定され、それに基づき移設作業が進められているところであります。
普天間飛行場の移設については、実効性ある代替案が提示されない段階で、日米両政府で確約された返還方針を変更することはできないと考えております。
被害者の訴えと外務大臣発言についての御質問にお答えをいたします。
被害に遭われた方からの訴えは、基地から派生する事件・事故の被害者を早くなくしてほしいという強い気持ちのあらわれと受けとめております。
私は、行政の長として、沖縄の過重な基地負担の軽減が実現し、米軍基地に起因するさまざまな事件・事故をよりなくす方向で全力を尽くすことに心を新たにしました。そのことは町村外務大臣も同様に感じているものと考えており、被害を受けた人たちの気持ちを大切にし、しっかりと受けとめて対応していただきたいと考えております。
次に、米軍基地問題の解決についての御質問にお答えします。
県は、今回の米軍再編協議の中で、日米両政府に対し、海兵隊の県外移転や嘉手納飛行場の運用改善等により、本県の過重な基地負担の軽減がなされるよう基本的考え方を提示したところであります。
私は、県の提示した基本的な考え方は、県民の望んでいる基地負担軽減の方向に合致していると確信しており、目に見える形で負担軽減が実現するよう引き続き取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、関係部室長等から答弁させます。
○知事公室長(花城順孝) 実弾射撃訓練に抗議する県民集会についての御質問にお答えします。
実弾射撃訓練に抗議する県民集会が県議会、金武町、金武町議会、伊芸区の合同で開催されたことは、実弾射撃訓練に反対する県民の強い意思をあらわすものであり、その取り組みを大変心強く感じました。
県は、7月25日に関係大臣に対し、県民集会において示された地元住民を初めとする多くの県民の意思を強く訴えております。
8月5日には駐日米国大使に対し、陸軍複合射撃訓練場の一時使用を中止するとともに、代替施設を可能な限り早期に完成させ、周辺地域住民に危険が及ばないよう最大限の努力を払うなど、特段の配慮を強く求めたところであります。
次に、米軍演習の状況の認識について一括してお答えいたします。
県としては、従来から米軍の訓練によって周辺住民に被害や不安を与えることがないよう求めてきたところであり、特に陸軍複合射撃訓練場における実弾射撃訓練については、一時的にせよ、断じて容認できるものではないと考えております。
県としては、日米安全保障体制は我が国及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与していると理解しており、我が国に所在する米軍基地が重要な役割を果たしていると認識しております。しかしながら、県民の生命財産、生活への十分な配慮が必要であると考えております。
このため、県としては、平成12年8月に日米両政府に対し、日米地位協定の第3条に関して、合衆国軍隊の演習、訓練、施設整備等の諸活動の実施に対して、航空法等の日本国内法を適用する旨を明記することを要望しており、さらには渉外知事会を通じて具体的な演習、訓練内容等の速やかな通報を日本政府に要望しております。
今後とも、あらゆる機会を通じて第3条の見直しを含めた日米地位協定の抜本的見直しの実現に向け努力をしていきたいと考えております。
次に、米軍人・軍属の犯罪件数と対応についての御質問にお答えします。
沖縄県警察本部の資料によりますと、復帰後の昭和47年から平成16年12月までの米軍構成員等による犯罪検挙件数は5328件となっています。そのうち、昨年の米軍構成員等による刑法犯罪の検挙件数は59件となっており、平成11年から平成15年まで5年連続で増加してきた中、減少に転じております。
また、本年上半期の検挙件数は26件となっており、減少に転じた平成16年の傾向を維持しているものと考えております。
県は、米軍基地に起因するさまざまな事件・事故等が1件たりともあってはならないものと考えており、事件・事故が発生するたびに米軍を初め関係機関に対し事故原因の徹底究明、再発防止及び安全管理の徹底等を強く申し入れてきたところであります。
去る8月31日に開催された第13回協力ワーキング・チーム会合においても、昨年から見え始めた犯罪減少傾向を継続していくこと及び凶悪犯罪を1件も発生させないことを目的として、米軍を初め各参加者が各自で、または互いに協力し、できることを実行することを確認したところであります。
県としては、今後とも県民の生命、生活及び財産を守る観点から、隊員の綱紀粛正及び教育の徹底等を強く求めるとともに、協力ワーキング・チーム等において協議や調整を行うなど、米軍人等による事件・事故の再発防止に向け努力をしていきたいと考えております。
次に、自衛隊機の事故と那覇空港の民間専用化についての御質問にお答えします。
去る9月16日に那覇空港において航空自衛隊機がパンクし、同空港が閉鎖されたことについて、県は同日、航空自衛隊那覇基地に対し遺憾の意を伝え、事故原因の究明及び今後の安全管理の徹底等、実効性のある再発防止策を早急に講ずるとともに、情報を提供するよう求めております。
県は、那覇空港の過密運航の解消やさらなる安全性の確保と、観光を初めとする本県産業の発展を図るためには那覇空港の拡充・整備が必要と考えております。
このため、現在、那覇空港の拡充・整備に向けて抜本的な空港能力等の総合的な調査を実施しており、空港能力を見きわめた上で沖合展開を含めた方策を検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは、糸満漁港での自衛隊の水難救助訓練についての御質問にお答えいたします。
今回の水難救助訓練は、糸満漁業協同組合の同意が得られており、漁業活動に特に支障はなかったものと考えております。しかしながら、漁港区域内の水域及び漁港施設を漁業活動以外の目的に占用または使用する場合は、漁港漁場整備法等関係法令に基づき、あらかじめ漁港管理者に対して所要の手続を行う必要があります。
県においては、陸上自衛隊が去る8月24日から26日に糸満漁港南地区で行った水難救助訓練について状況を確認したところ、ボートによる水難者の救助を目的とする訓練を実施したとのことであります。その際、訓練担当者が関係法令に基づき漁港管理者である県に対して所要の手続が必要であることを承知しておらず、糸満漁業協同組合の同意でもって手続は了としたものと理解していたとのことであります。
このことを踏まえ、県では陸上自衛隊に対し、漁港施設等の使用に当たってはあらかじめ漁港管理者と調整を行い、関係法令に基づく所要の手続を行うよう指導したところであります。
以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) 自衛隊での職場体験についてお答えします。
平成17年度自衛隊施設での職場体験は、小学校が6校、中学校6校で実施されております。
具体的には、人命救助などの救急法体験、音楽隊の見学、コンパスを使ったオリエンテーションであります。
実施計画の作成に当たっては、自衛隊施設内における職種、内容、安全面等を十分検討するとともに、武器等に直接触れたりしないように配慮するなど指導助言を行っております。
なお、実施する際には保護者の同意を得て市町村教育委員会の指導助言のもとに、学校長の判断で行われているものと考えております。
次に、出校停止処分についてお答えします。
県教育委員会においては、授業料を滞納している生徒を直ちに出席停止をするのではなく、保護者に電話連絡や文書による通知、家庭訪問の上、納入方法の相談、徴収猶予願等さまざまな手だてを行うよう指導しております。
学校においては、滞納者の中で支払い能力があると判断される保護者に対し再三にわたり納付依頼を行い、それに応じない場合はやむを得ず納付までの間、出席停止を行っております。ただし、授業料納入後は直ちに出席停止の解除を行い、学業が継続できるよう措置がなされております。
今後とも、授業料滞納が即出席停止とならないよう学校を指導していきたいと思います。
次に、休学者についてお答えします。
平成16年度の県立高等学校の休学者数は、全日制620人、定時制636人の計1256人であります。在籍者数に占める割合は全日制1.3%、定時制25.3%となっております。
休学の理由は、勤怠状況や怠学による者154人、仕事の都合141人、学業不振140人、病気89人、家庭的事情55人、経済的理由のみの者35人、その他となっております。
また、休学者のうち復学した者283人、退学した者325人で、退学者の多くは就職による進路変更であります。
次に、授業料減免制度の改善と周知徹底についてお答えします。
授業料の減免制度については、保護者への文書による通知やオリエンテーション等における説明、県のホームページへの掲載等を通じ周知を図っております。
申請書や提出書類については、これまで求めていた国民年金保険料の免除証明書及び就学援助の証明書を廃止し、また税務署長発行の納税証明書及び非課税証明書を市町村長発行の所得証明書に変えるなど、提出書類の数を減らし改善に努めているところであります。
県教育委員会としましては、今後とも授業料の減免制度がより効果的に活用されるよう、手続のあり方等について改善を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) 幼児虐待死事件の対応についてお答えいたします。
県では、去る6月に那覇市において起きた幼児虐待死事件を重く受けとめ、直ちに児童虐待防止の取り組みを強化する旨の文書を関係機関へ送付いたしました。特に保育所長に対しては、児童虐待の早期発見・早期対応、通報について適切に対応するよう通知したところであります。
また、児童相談所、福祉保健所、各市の福祉事務所の担当課長等を対象に児童虐待防止対策緊急会議を開催し、現在かかわっているケースについていま一度子供の状況及び安全確認等を優先するよう周知徹底を図ったところであります。
さらに、7月には児童虐待対応の問題点を初め児童虐待防止策の課題等について検討を行う「児童虐待問題緊急対策検討委員会」を設置し、9月26日に同検討委員会から緊急提言を受けたところであります。
次に、児童相談所の体制強化と改善についてお答えいたします。
児童相談所の虐待対応体制につきましては、今年度に9名の増員を行い体制を強化したところでありますが、引き続き適切に対応できる体制の整備を図ってまいりたいと考えております。
また、今回の事件については、子供の安全確認、虐待のリスク評価等について児童相談所の対応が結果として十分でなかったことから、子供の安全の確認に当たっては子供に直接会うことを基本とすることやリスク評価指標の活用など、児童虐待対応のあり方を見直し適切な対応に努めてまいります。
次に、ケースワーカーとベテラン職員との連携及びスーパーバイザーの役割についてお答えいたします。
児童相談所の相談援助活動において、相当程度の熟練者をスーパーバイザーとして配置し、教育・訓練・指導に当たらせることは、児童相談業務を円滑に遂行するために必要なことであると認識しております。
このため、今年度に両児童相談所に配置した児童虐待防止支援チームのうち、おのおの2名についてはベテランの職員を配置し、児童福祉司に対するスーパーバイザーとしての役割を担っているところであります。
児童相談所は、行政的権限を行使する場合もあるなど高い専門性が求められており、今後、職員の資質の向上のため研修の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、一時保護所の整備についてお答えいたします。
一時保護所につきましては、ことしの4月に入所定員を20名から24名に増員したところであります。このほか、一時保護の運用に当たっては、今年の8月、八重山に40名定員の児童養護施設が創設されたところであり、同施設を含む児童養護施設や里親等の一時保護委託により対応しているところであります。
また、一時保護所の入所児童1人当たりの一時保護期間が九州各県に比べ2倍以上になっていることから、子供の学習権の保障の観点からもその短縮を図ることを検討してまいりたいと考えております。
児童虐待防止ネットワークについてお答えいたします。
児童虐待の対応については、児童相談所だけでの対応には限界があることから、市町村を初め福祉保健所、学校、保育所、病院等の関係機関の連携により効果的に行う必要があります。 このため、県では、これまで児童虐待の予防、対応、支援にかかわるあらゆる機関・関係者が連携して効果的で適切な対応を行う市町村の児童虐待防止ネットワークの設置促進に努めてきました。現在、16市町村で当該ネットワークが設置されており、市については10市すべてで設置されておりますが、町村部においては39町村中6町村の設置にとどまっております。町村部の設置が低い状況にあることから、今後、両児童相談所に配置している児童虐待防止支援チームを中心に町村部における当該ネットワークの設置促進に努めるとともに、当該ネットワークを児童福祉法改正により新たに位置づけられた要保護児童対策地域協議会への移行を進めてまいります。
次に、「児童虐待問題緊急対策検討委員会」の緊急提言についての対応についてお答えいたします。
9月26日に同検討委員会の井村委員長から緊急提言を受けたところですが、県としましては、この提言を真摯に受けとめ、提言に盛り込まれた各項目を検討の上、児童虐待対応のあり方について、子供の安全を最優先とする視点でいま一度見直しを行ってまいります。
また、今後、市町村、関係機関等との連携を密にして、児童虐待の早期発見・早期対応に努めるとともに、育児支援等の充実による児童虐待の未然防止になお一層努力してまいります。
続きまして、介護保険法改定による施設利用者及び通所サービス利用者への影響と低所得者対策について。
今回の見直しは、在宅の方と施設利用者との給付のバランスをとることを目的の一つとしており、本年10月から施設給付が見直され、従来保険給付の対象となっていた食費・居住費が対象外とされました。
また、通所介護サービスについては、従来の調理設備等の食事の提供体制に対する介護報酬の加算がなくなっています。
一方、居住費や食費の負担について、所得の低い方には負担限度額を設け、国が定めた基準費用額と負担限度額との差額を保険給付で補う特定入所者介護サービス費が新たに導入されます。
特定入所者介護サービス費は、9月1日現在で特別養護老人ホームに入居されている方の95.5%が給付対象者となると見込まれています。また、社会福祉法人による利用者負担の軽減措置の対象範囲の拡大や、高額介護サービス費の上限額の引き下げなどの低所得者対策が実施されます。
次に、制度の周知状況と特定入所者介護サービス費の利用対策についてお答えいたします。
県においては、このたびの介護保険法等の改正内容について市町村と共同して周知を図っており、特に10月に施行される施設給付の見直しについては既に新聞やポスター、広報誌などにより周知を図ったところです。
所得の低い方を対象とする特定入所者介護サービス費等については申請を前提としていることから、市町村、施設代表者及び県の三者で周知の徹底を図るための方法や役割等について話し合いを行いました。その結果、市町村と施設が共同して利用者及びその家族に対して改正内容や必要な申請手続を説明することとなっており、8月下旬から順次説明会が持たれています。
また、各市町村においては、申請に必要な書類を利用者に送付し、施設の協力を受けて申請を受け付けているところです。
続きまして、認可外保育施設への証明書の交付件数と今後の対応についてお答えいたします。
今年1月に「認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書」の交付制度が導入されて以降、立入調査を実施した施設のうち証明書を交付した認可外保育施設は、平成17年9月1日現在92カ所となっております。
立入調査を実施した施設について、改善指摘の多かった項目は、消防計画の作成、避難訓練の実施、児童及び職員の健康診断、利用者に対する契約内容の書面交付等であります。
県としては、これらの指摘事項の改善に向けて去る6月4日には施設長研修会を開催し、消防計画の作成方法や証明書の交付を受けた場合の非課税措置の内容等について周知を図ったところであります。今後もより多くの施設が指導監督基準を満たすよう立入調査や研修会等を通して助言・指導を行ってまいります。
次に、乳幼児医療費助成の現物給付制度への補助助成の状況とその理由についてお答えいたします。
平成17年9月現在、乳幼児医療費助成事業において現物給付制度を実施している21都県のうち、9都県が市町村に補助助成を行っております。その中で助成理由を要綱に明記している5都県は市町村における国民健康保険財政の負担軽減をもって事業の円滑な実施を図ることとしております。
次に、被保険者証のない1万世帯の状況についてお答えいたします。
被保険者証が被保険者の手元に届いていない世帯数について、平成17年2月1日時点で調査したところ1万405世帯となっていますが、そのうち大部分は滞納があるため窓口交付の通知をしているが受け取りにこない世帯であります。
国民健康保険制度は、被保険者が保険税を負担して運営される相互扶助の制度ですので、滞納の増加は国保運営に重大な影響を及ぼします。
国保税を滞納している場合、市町村では被保険者証の窓口交付を行い、滞納者と話し合ってその事情を把握し、納付に向けた相談を実施しております。しかし、その呼びかけに応じず被保険者証の交付ができない場合があります。
このため、県としては、県民に対して国保制度の理解を深めてもらうため、国民健康保険団体連合会と協力して広報事業を実施しております。
また、国保料・国保税が払えなくて困っている被保険者については、その減免、一部負担金の減額等が制度としてありますので、まずは市町村の国保窓口まで相談に来ていただいた上で、国保料・国保税の滞納等の問題を解決していただきたいと思います。
次に、都道府県から市町村国保会計への補助の状況についてお答えいたします。
平成17年度当初予算における都道府県の助成状況については、27都道府県において予算計上されております。
その内容は、健康づくり事業、高齢者支援事業、福祉医療波及増に係る医療助成等への補助となっています。
以上でございます。
○県立病院監(知念建次) 県立南部病院の存続についてお答えいたします。
県立病院は、民間医療機関では対応が困難な医療分野を中心に、保健医療圏の地域特性や医療機能に配慮しながら公的医療機関としての役割を担う必要があると考えております。
県立南部病院については、民間医療機関等の進展により、同病院が提供している医療の内容が他の医療機関で十分対応できる状況になっていることなどから、今後とも県立病院として存続させることは困難との結論に至ったものであります。
県立南部病院を移譲するに当たり最も重要な点は、救急医療を初め地域の住民の医療ニーズに合った医療の提供と安定した経営が期待できる移譲先を選定することであると考えております。県は、「県立南部病院の移譲条件等検討委員会」からの意見を受け、移譲に関する条件等を決定し、現在、移譲先団体の選定の手続を進めているところであります。
以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 崎山産廃の焼却炉の撤去についてお答えいたします。
崎山環境整備開発における焼却炉の撤去について、県は当該事業者に対し、平成14年4月9日付の改善命令において適正に解体・処理するよう強く求めてきたところでありますが、本年7月に来襲した台風により、焼却炉2基のうち1基の煙突が中途から損壊したところでございます。そのため、本庁から担当職員を派遣し、保健所と合同で現場を確認するとともに、損壊した部分の開口部をふさぐよう指導したところであり、当該事業者は開口部をふさいでおります。その後も保健所が立入検査等の際に、常時、当該焼却炉の状況を確認しており、現在のところ生活環境保全上の支障が生じるおそれがある状況にはないものと認識しております。
しかしながら、施設本体の老朽化が進行していくことも考えられることから、これまで実施してきた環境モニタリング調査の内容を強化・継続していきたいと考えております。
以上でございます。
○前田 政明 再質問を行います。
米軍再編、米軍基地問題について。
知事は22日午後、大野防衛庁長官と防衛庁で会談し、在日米軍再編協議について安全保障、沖縄の基地負担の軽減を総合的・長期的に見て10年後に見たら非常によかったという形にしていきたいと、その会見の内容を知事が明らかにしたと報道されております。長期的視点でよい形にとはどういう趣旨なのか、御説明を願いたいと思います。
大野防衛庁長官との話し合いの中で、キャンプ・シュワブ内陸案で進めたいと伝えられたのですか、知事の明確な答弁を求めるものです。
レンジ4、米軍演習都市型戦闘訓練の問題で質問します。
知事は、レンジ4都市型訓練施設の暫定使用に断固反対し、中止させるべきだと思います。レンジ4の撤去、これは16に移設したら撤去されることになっているのですか、明確に答えてください。
自衛隊の糸満漁港についての問題(資料を掲示) ここに同意願い書、漁協に出されたのがありますけれども、これも2003年から続いている。先ほどの県の答弁は納得いきませんのでもう一回、何でこういう状況をそのままほったらかしてきたのか、明確に答えてください。
それから児童相談所の問題でお聞きしますけれども、最初の対応で母親は虐待されていた子供の写真を持ってきていますね。そのことは以前からも子供への虐待があったということを示していると思います。私は委員会でも聞きましたけれども、どうして児童虐待マニュアルどおり児童の安全確認を直接行わなかったのか、ここのところをぜひ御答弁お願いします。
それから認可外の問題、申請した関係者から非常に喜ばれております。しかし、まだ指導を受けたいということで十分に改善指導がなされてない体制にあって、県に問い合わせをしたら体制が非常に厳しいということだと思いますので、ここのところはぜひもっと努力していただきたいと思いますけれども、ここのお答えをお願いします。
乳幼児医療の問題については、21都県のうち5県が補助助成をしていると。それから国民健康保険については27都道府県が国保の負担を軽くするために補助助成をしている。これについて稲嶺県政はやっておりませんが、先ほどの福祉保健部長のお話を聞いて、県知事、やはり市町村に補助助成をして高過ぎる国保税を引き下げるために努力すべきじゃないかと思いますけれども、知事の御答弁をお願いします。
高校授業料の問題につきましては、免除基準についてもっと知らせる必要があるんじゃないかと。那覇市内の場合の全額免除と半額免除について具体的に説明をしてください。
崎山産廃ですけれども、これまで行政指導を何回やったのか、明確な御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後5時11分休憩
午後5時14分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 大野長官との会談では、具体的提示は全くありませんでした。ただ、こういう表現をしておりました。一時的に非難を浴びることがあっても、10年たったら評価される案にしたいということを言っておりました。
したがって、私が県民に理解が得られる案が国益にもプラスになるということで、沖縄側の主張をさらに強く主張いたしたところです。
○知事公室長(花城順孝) 代替施設完成後のレンジ4の施設の取り扱いがどうなるかという御質問の再質問にお答えします。
日本政府によりますと、米軍はレンジ4での陸軍の訓練については代替施設が完成するまでの一時的なものであるとしております。
また、代替施設完成後のレンジ4の施設については在沖米海兵隊が管理すると聞いておりますが、県としては、地域住民に危険が及ばないよう地元金武町とも十分に連携しながら対応していきたいと考えております。
○農林水産部長(国吉秀治) それでは、自衛隊の水難救助訓練の状況をなぜ県は把握できなかったのかという趣旨の再質問にお答えいたします。
県でこの状況を把握できなかったのは、関係法令に基づく申請がなかったということがまず挙げられます。それと漁協につきましては同意願書が漁協に出されておりますが、漁協自体がこの種の利用に対しまして、漁港管理者である県の許可が必要であるというふうなことを認識してなかったために県への連絡がなかったということで、県としてはこの状況を把握できなかったということでございます。
以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 崎山産廃について、行政指導等をどういうふうに何回ぐらいやったかという御質問にお答えいたします。
これまで――火事が起こってからのことですが――14年1月15日には使用停止命令を出しております。そして14年の1月30日には改善命令を出しております。それに伴い、更新申請を取り下げたり、あるいは焼却施設の廃止届けが出たりはやっております。そして14年4月9日には改善命令を出し、処分場内の廃プラスチック類、木くず等の適正処理をさせるように指導しております。
それと、今までもずっと保健所で月1回の当該処分場の立入検査を行って当該事業者には指導・注意というのをやっております。それを監視する意味からもまた年2回のサンプリング等この処分場周辺で行っております。今回も台風等でああいうふうに途中で折れたとかありますので、特にサンプリングについては強化をしてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○教育長(仲宗根用英) 授業料減免基準の再質問についてお答えします。
減免対象の所得の基準につきましては、県立高等学校の授業料減免取扱要領に基づき、学校を通して保護者への周知を図っております。那覇市の場合、全額免除――4人家族の場合なんですが――は249万4000円、半額免除については299万3000円となっております。ただし、所得基準のみで判断しているわけではございません。
以上でございます。
○福祉保健部長(喜友名朝春) マニュアルどおり実施しなかったことについてお答えいたします。
今回の事件につきましては、母親の通告に至った経緯や、DV被害者である母の心情が十分に酌み取れず、母の訴えを表面的に受け取ってしまい、事態の深刻さに気づかなかったものであります。
県としましては、検討委員会の提言を真摯に受けとめ、提言に盛り込まれた各項目を検討の上、児童虐待対応のあり方について子供の安全を最優先とする視点でいま一度見直しを行ってまいります。
次に、認可外施設への指導助言についてお答えいたします。
今後もより多くの施設が指導監督基準を満たすよう立入調査や研修会等を通して助言・指導を行ってまいります。
次に、乳幼児医療費について、市町村への補助をすることについてお答えいたします。
乳幼児医療費助成の窓口無料化・現物給付制度導入により、国の療養給付費等負担金及び調整交付金が減額交付される仕組みになっており、市町村国保の健全な財政運営に支障を与えることが予想されます。このことから償還払い方式を現物給付へ変更することについては、国保制度全体を将来にわたり持続可能な安定的な制度とすることを念頭に置く必要があると考えております。
以上でございます。
○前田 政明 議長、答弁漏れです。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後5時23分休憩
午後5時24分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
文化環境部長。
〔文化環境部長 伊佐嘉一郎君登壇〕
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 御質問にお答えいたします。
当崎山産廃については、基本的な指導は先ほど言ったものなんですが、今は日常的にほぼ毎月何回となく指導を行っております。回数何回というよりも日常的に指導を行っております。
以上でございます。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後5時25分休憩
午後5時30分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
福祉保健部長。
〔福祉保健部長 喜友名朝春君登壇〕
○福祉保健部長(喜友名朝春) 答弁漏れがございましたので答弁をいたします。
27都道府県が補助している、市町村に補助して軽くすべきではないかという御質問にお答えをいたします。
県といたしましては、国保の運営主体は市町村であり、国保財源は主として国保料・国保税と国庫負担金で賄われるものであると認識しておりますので、県からの補助については慎重でなければならないと考えております。
それから、先ほどのマニュアルどおり実施したかということについての再々質問にお答えいたします。
今回の事件については、母親の通告に至った経緯や、DV被害者である母の心情が十分に酌み取れず、母の訴えを表面的に受け取ってしまい、虐待のリスク評価を低くとらえたものであります。
今回の事件については、子供の安全確認、虐待のリスク評価等について児童相談所の対応が結果として十分でなかったことから、子供の安全の確認にあっては子供に直接会うことを基本とすることや、リスク評価指標の活用等児童虐待対応のあり方を見直し、適切な対応に努めてまいります。
以上でございます。
○前田 政明 児童虐待の件で少しもう一回。
私がこだわっているのは、スーパーバイザーもいると。そうしながら受理会議では初期調査の確認事項、調査方法及び留意事項云々で、必ずしも経験の浅い担当職員の受けとめが十分ではなかったというような形のものを私たちが訪ねたときに皆さんは説明した。これはやはりだめなんですよ、これでは。だからそこのところについてそうではないんじゃないかということを明確に答えてほしい。
それから崎山産廃ですけれども、これは2002年6月25日の議会でうちの新垣米子議員が、この5年間で74回の県は行政指導をやっているというふうに答えているんです。ですから、それから数えても今まで何回の行政指導をやったのか、ちゃんと答えてください。それは他の議員からありました、不作為の作為じゃないかと。すなわち、これをほったらかしておくこと自体が皆さんの責任なんですよ。だからそういう面では、行政指導の何たるかという面ではこの回数は非常に重要なんです。ちゃんと答えてください。
それから知事、知事は大野防衛庁長官と会って、県民の理解が得られるような案、これは望ましいことを訴えたと。これは今県内移設でしょう、出ているのは。要するにキャンプ・シュワブの中、または縮小、それ以外にも何か知事の見るべき成果のある県外移設、県民の言っている8割を超える皆さんの県内移設ではないんだと、辺野古ではないんだと、キャンプ・シュワブではないんだと、そういうような県民の理解が得られるような、そういう案というのはどんなふうなお話をしたんですか。それに対して防衛庁長官は何と言いましたか。答えてください。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後5時35分休憩
午後5時36分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 私の方から常に政府に強く申し入れておりますのは、今回の米軍の再編に対して4つの基本の案ということが大変重要だと思っております。したがって、常にそれを主張しております。そして県民の理解を得られる案が国益にもプラスになるということを強く主張しています。
大野長官からは具体的な提示はございませんでした。
ただ先ほど申しましたような、10年たったら評価される案にしたいということを述べたのみです。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 何回指導しているかということにお答えいたします。
先ほど前田議員のおっしゃった74回の数字というのは、火災発生前の平成9年3月から平成13年11月までの74回ですけれども、火災発生後は特に監視指導を強める必要があることから、保健所等でももうほぼ日常的に――74回以上になります。これは日常的に行政指導を行っております。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後5時39分休憩
午後5時43分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
福祉保健部長。
〔福祉保健部長 喜友名朝春君登壇〕
○福祉保健部長(喜友名朝春) 再質問にお答えいたします。
今回の事件については、母親の通告に至った経緯や、DV被害者である母の心情が十分に酌み取れず、母の訴えを表面的に受け取ってしまい、虐待のリスク評価を低くとらえたものであります。
これは組織的な判断をして決定ということでありまして、複数の職員が数回の会議を経て当該ケースの虐待対応について審議しているにもかかわらず、上記の諸問題は指摘・修正されなかったということで、緊急受理会議、初期調査結果報告会議等において会議の構成員すべてがこのケースを親権の争いととらえ、同じ方向に流れてしまったということでございます。
基本的に今回の提言を真摯に受けとめて、これからの児童虐待のあり方を見直していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(外間盛善) 前田政明君。
○前田 政明 議長、休憩。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後5時45分休憩
午後5時50分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
前田政明君。
〔前田政明君登壇〕
○前田 政明 崎山産廃のものは、文書指導で何回したかということは少なくとも答えていただきたい。そうしないと、これだけの事態でずっと決算特別委員会でも質問もし、私たちは現場へも行きました。文教厚生委員会全部行きました。そういう行政的課題として、今とっぴに質問したものではありません。それは皆さんの仕事の内容にかかわりますから、ここはぜひ議長をして文書指導を含めて何回かというのは答弁させてください。
それから、スーパーバイザーについてはいつごろからそういう体制になったのか、お答えください。
それから知事にもう一度質問します。
知事、私は、知事はあらゆることを知っていると思うんですよ。すなわち、今、日本政府がどういうことをしようとしているか、防衛庁長官が何を考えているか、外務大臣が何を考えているか、そして嘉手納町長やその他を含めて。私はこう思うんです。誤解があればあれですけれども、知事は、政府の全体的な考え方や今後の県内移設内容もおおむね承知をした上で、15年問題、軍民共用などの自分自身の公約が破綻していることを自覚しながら、県民への新基地建設を何が何でも押しつける、そういう立場であなたは仕事をしようとしているのか。そうなると、それはもう時はない。それをあたかも政府案が出てから対応しますということは不作為の作為、間に合わない。だから、それをあなたは知りながら時間を延ばして、実質的に県内移設、これを了とする立場に立っているんじゃないかというふうに思いますけれども、明確な御答弁をお願いします。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後5時52分休憩
午後5時53分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
稲嶺知事。
〔知事 稲嶺惠一君登壇〕
○知事(稲嶺惠一) 前田議員の再々質問にお答えをいたします。
私は、常に県民の立場に立っております。したがって、今回も明確に県民に理解を得られる案が国益にもプラスになる。これは、国益にプラスになるのは、県民のためにならないものは国益にもならないと。県民のためになるということが国益にもなると、そう私は信じています。(発言する者あり) 国策を言っているんじゃないんです。国益を言っているんです。
○議長(外間盛善) 休憩いたします。
午後5時54分休憩
午後5時56分再開
○議長(外間盛善) 再開いたします。
福祉保健部長。
〔福祉保健部長 喜友名朝春君登壇〕
○福祉保健部長(喜友名朝春) それでは再々質問にお答えいたします。
中央児童相談所に児童虐待防止支援チームを設置して、2人増員で設置したわけですが、スーパーバイザーの役割を担う職員として、処遇困難なケースに対応する職員として配置をしたのが平成14年度であります。
以上でございます。
○文化環境部長(伊佐嘉一郎) 文書はないかということの質問ですけれども、平成13年の11月28日に火災が起こりまして、その後、12月1日に搬入停止の文書通知、1月15日には焼却施設の使用停止命令ですね。そして翌年1月30日には改善命令の文書を出しております。その後、14年4月9日にはまたさらにそのほかの改善する部分もございましたので、また再度改善命令を出しております。
その後は処分場の状況を、この崎山処分場がほぼ廃止しておりますので、その後は監視等を強めるためにモニタリングを重点的にやっているという状況で、業者を呼び出したり、保健所ではそういうのはもう日常的にやっていましたということでございます。
○前田 政明 児童相談所の問題につきましては、ぜひこういう事件がないように頑張っていただきたいと思います。
崎山産廃については、行政の指導責任をしっかり果たしていただきたい。
最後に、知事に、国益の名のもとで沖縄県民はこれまでいかほどか苦しめられてきました。私は最初に言いました。沖縄に生まれた政治家として、基地をなくするこの歴史的な使命にこたえられるように知事も対応していただきたい。
以上です。
○議長(外間盛善) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程は、これで全部終了いたしました。
次会は、明30日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後6時0分散会