平成19年(2007年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 8号 12月11日
 


○議長(仲里利信) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 労働委員会会長の代理として本日の会議に出席を求めた労働委員会事務局長山田義人君は、体調不良のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、会長の代理として労働委員会事務局調整審査課長金城昌治君の出席を求めました。
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○議長(仲里利信) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、乙第1号議案、乙第2号議案、乙第4号議案、乙第5号議案及び乙第7号議案から乙第15号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 辻野ヒロ子君。
   〔辻野ヒロ子君登壇〕
○辻野 ヒロ子 おはようございます。
 一般質問も最終日となりました。皆様、お疲れはいかがでしょうか。きょう一日頑張ってまいりましょう。
 仲井眞知事におかれましては、昨日の12月10日で御就任1周年おめでとうございます。この1年間、精力的に本県の最重要課題である基地問題を初め、県政の抱える諸問題解決のために県民のトップリーダーとして全力投球で取り組んでこられたことに心から感謝申し上げます。
 知事のお仕事は大変ハードと見え、6月には体調を崩され大変心配しておりましたが、今ではすっかり回復なさって、日夜頑張っておられるお姿を見てうれしく思います。
 どうぞ今後とも御自愛くださいまして、本当に心強い仲里、安里両副知事、そして部局長の皆さんと心を一つに、公約実現のために頑張っていただきますようよろしくお願いいたします。
 それでは所感を申し述べながら一般質問を行います。
 1、宮古・八重山支庁組織改編について。
 今議会へ条例案提出を断念していただいた仲井眞知事の英断に心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。どうぞ、引き続き地元の意見にも耳を傾け議論を深めていただき、問題解決に御尽力いただきたいと思います。
 八重山支庁は、昭和20年代、アメリカ占領及び施政権下で初代の宮良長詳支庁長を初め、吉野高善支庁長に続き、昭和25年には八重山群島政府安里積千代群島知事が就任し、戦後の混沌とした中を力強く乗り越え、しっかり島を守ってこられた長い歴史があります。その後、歴代支庁長に引き継がれ、現在の兼島支庁長が29代目でそこに至るまですばらしいリーダーシップのもと、今日の発展につながっていることを忘れてはならないと思います。
 昔から、おいしい水を飲むときは、井戸を掘った人の気持ちを忘れてはいけないという言葉があります。私たちは先人たちの功績をたたえ、それをしっかりと後世へつないでいく責任があります。
 県においては、厳しい財政状況の中、行財政改革プランを推進することも大事であることはよく承知しております。しかし、地元では、県は財政難に陥ると効率化を大義名分に離島・僻地の切り捨て、軽視だとか、地元の反対を押し切ってまで廃止する県政の重要課題なのか疑問だとか、行革するにしても他に取り組むべきことはないのかなどとかなり厳しい意見があります。むしろ、支庁長の決裁権の拡大、組織機能の強化を求めており、特に新石垣空港、伊良部架橋の大型プロジェクトを抱える建設業界では工事発注の面で、現在の支庁長の1億5000万円までの工事発注権限が3分の1の5000万円に減らされることなど不安が大きく、さらに災害の危機管理面でも緊急事態に対して迅速な判断や処置が求められるなど問題点が指摘されています。
 ぜひ、仲井眞知事におかれましては、離島振興に特別な思いを寄せておられますので、歴史と伝統のある総合調整機能が持続できる宮古・八重山支庁の存続を強く要望し、質問いたします。
 (1)、総合出先機関としての全庁的な取り組みをしている役割と重要性についてどのように認識しているのか伺います。
 (2)、支庁廃止になると地域住民に与える県行政の存在感が喪失することになるが、見解を伺います。
 (3)、地元や各種団体の多くの要請の中で、次の件についてどのように受けとめているのか伺います。
 支庁存続で組織機能拡充の必要性について。
 支庁長を部長級維持で権限強化を図ることについて。
 以上、2件について見解を求めます。
 (4)、地元の強い反発で理解が得られない状況で、今後の対応についてどのように考えているのか伺います。
 2、新石垣空港建設について。
 去る11月2日に工事の起工式もとり行われ、本格的に工事着工となり、重機などの音が響く中、11月24日には岸田沖縄担当大臣が現場視察においでになり、熱心に説明を聞いておられ、環境に配慮した空港に認識を新たになさったことと思います。
 それでは次の4点についてお伺いします。
 (1)、工事の進捗状況と未契約用地の年度内取得は可能なのか伺います。
 (2)、今回新たに約70匹の小型コウモリが生息する洞窟が確認されたようだが、今後の工事に影響はないのか伺います。
 (3)、地元業者への分離・分割での工事発注に配慮してもらいたいのですが、見解を伺います。
 (4)、国の財政状況が厳しい中で、今後の予算確保について伺います。
 3、竹富町の台風12号による災害支援について。
 去る9月18日の台風12号による災害を「被災者生活再建支援法の一部を改正する法律」が11月9日施行で適用されることになったのは、知事を初め、当局、議員の皆さんの現場視察などで国へ強く働きかけたおかげだと思います。心から感謝申し上げます。
 なお、引き続き毎年のように大型台風が幾つも来襲する本県の状況を訴えながら、被災者拡充のために御支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 それでは(1)、被災者生活再建支援法の対象についてお伺いします。
 11月9日改正施行の同法が適用されるが、改正内容について伺います。
 竹富町の被災者支援の状況、内容について伺います。
 支援金の支給限度額や被災区域や家屋10軒以上全壊しないと適用除外など、今後も制度の見直しを国へ働きかける必要があると考えるが、見解を伺います。
 (2)、電線類地下埋設の西表島について、台風で2度も倒壊しており、モデル地区として取り組めないのか伺います。
 (3)、西表島の一般廃棄物最終処分場復旧の進捗状況について伺います。
 4、福祉行政について。 
 (1)、DV対策の現状と課題について。
 DV(ドメスティック・バイオレンス)については、家庭内や密室という閉鎖的な環境の中で身近な人から暴行を受けることから、外部から見えにくく、被害の状況が明らかになりにくいというのが実態であります。
 近年、特にDVによる被害が拡大し、中には殺人事件にまで発展するものもあり、大きな社会問題となっております。本県においても年々件数はふえる傾向にあり、被害者の保護や支援対策は喫緊の課題であると思います。
 全国的なDV被害が問題となり、迅速な対応を図るため改正DV防止法が来年から施行されます。適切な法執行により、加害者への対応や被害者の保護を図ることは当然でありますが、何よりも家族や地域に住む一人一人がDVに関心を持つことが被害の防止につながる最大の方策だと思うのです。そのためにも県や市町村、県警が一体となり、地域を巻き込んだDV防止対策に取り組むことが重要であると考えます。
 そこで伺います。
 DV防止法が改正され、平成20年1月11日施行だが、改正法の特徴と現行法との違いを伺います。
 本県のDV相談件数は人口比で全国で3番目に高くなっているが、被害防止や被害者支援等の対策はどのようにとられているのか伺います。
 市町村におけるDV相談支援センター設置の状況と取り組みの状況について伺います。
 DV加害者への対応や被害者保護について県警の権限の範囲について伺います。
 (2)、「沖縄県医療費適正化計画」について伺います。
 平成18年度に健康保険法等の一部改正する法律や良質な医療を提供する体制の確立を図るための、医療法等の一部を改正する法律などにより制度改正が実施されています。その中に医療費適正化の総合的推進とあり、医療費適正化計画の策定、保険者に対する一定の予防健診の義務づけ、保険給付の内容、範囲の見直しなど、介護療養型医療施設の廃止などがあります。
 そのことを踏まえて、本県において、早速、医療適正化計画が進められているようですが、次の件についてお伺いします。
 計画のねらいと進捗状況はどうなっているのか伺います。
 医療を取り巻く問題を調査する中で、本県の特徴や課題を県はどのように対応していくのか伺います。
 医師会との調整はどうなっているのか伺います。
 本計画のスケジュールはどのようになっているのか伺います。
 5、飲酒運転防止対策について。
 飲酒運転の問題は、昨年来、全国各地で飲酒運転による悲惨な事故が続発したことから、県内でも飲酒運転根絶の機運が高まり、各界、各地域でさまざまな取り組みが行われております。
 県内各地域では「飲酒運転根絶連絡協議会」が設立され、居酒屋で客に飲酒運転をさせないための車の鍵預かり措置や、前もって飲まない方を運転手に指定する「ハンドルキーパー運動」、運転代行の待ち時間をなくすため「運転代行モータープール」などがあります。
 このような飲酒運転根絶運動を一過性のものとして終わらせないために、現在取り組んでいる県民総ぐるみ運動を持続・浸透させることが必要であります。
 弁護士、大学の先生、酒類提供事業者等から構成した「飲酒運転に関する有識者懇談会」においても本県の現状を踏まえて飲酒運転根絶の条例はつくるべきだとの総意であると聞いております。ぜひ飲酒運転根絶条例を早目に制定し、県民の飲酒運転の規範意識を浸透させ、全国ワーストワンの汚名返上のためにも強く必要性を訴え、知事の所見をお伺いします。
 (1)、飲酒運転根絶条例の必要性と制定について伺います。
 条例制定に向けて「飲酒運転根絶に関する有識者懇談会」でも必要性が強く求められているようですが、その後の進捗状況はどうなっているのか伺います。
 制定のめどについて、次の議会までに上程できないのか伺います。
 6、サッカー専用スタジアム建設の進捗状況について。
 サッカーは世界スポーツと言われ、世界で愛され支持されているスポーツであり、国際サッカー連盟(FIFA)の加盟協会数は国連の加盟国よりも多いと言われています。
 本県でもJリーグ入りを目指すFC琉球チームを初め、多くの子供たちが日本代表候補として選ばれ、すばらしい活躍ぶりです。
 県サッカー協会では、競技人口が年々増加する中で、施設が不足し練習や大会に支障を来しているため、数年前からサッカー専用スタジアムの建設に向けて署名活動など活発に行ってきました。
 スタジアムは選手のためだけではなく、沖縄県民や観光客と観客が喜んでもらえる施設になるという観点から、幸いに仲井眞知事の基本政策「スポーツの振興」の項目で、「本格的な専用サッカー競技揚と練習場の整備につとめ、Jリーグの誘致をめざします。」とあることで、去る4月17日に県教育長、5月21日に仲井眞知事へ要請を行っております。
 県サッカー協会でもワーキンググループを立ち上げ、独自で150万円の活動費を計上し、「おうのやまの杜 サッカー専用スタジアム整備計画」を策定し、2万人以上の観客を目指し、提案しております。要請の際、知事、教育長とも大変前向きなお話であったと聞いておりますが、その後の進捗状況についてお伺いします。
 (1)、県サッカー協会より「おうのやまの杜 サッカー専用スタジアム整備計画」構想を提案しているが、見解を伺います。
 (2)、検討委員会の立ち上げや時期的なめどについて伺います。
 以上、よろしくお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 辻野議員の御質問にお答えいたします。
 まず第1に、新石垣空港建設についての中で、地元企業への分離・分割発注等々の御質問にお答えいたします。
 工事の発注につきましては、これまで工事施工の経済性・効率性・安全性の確保等を総合的に勘案するとともに、地域の要請を踏まえ、可能な限り地元企業の活用を考慮した分離・分割発注を行ってまいりました。
 今後とも工事の発注につきましては、できるだけ地元業者が参画できるよう分離・分割発注に努めていきたいと考えております。
 また、用地造成工事等の大規模な工事につきましては、適切なロット数で工区を設定し、地元企業が参画できる一般競争入札の特定建設工事共同企業体方式を採用しているところでございます。
 次に、同じく新石垣空港関連ですが、空港整備事業の今後の予算の確保についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 新石垣空港につきましては、平成19年度から本格的な用地造成工事に着工したところであります。平成24年度末供用開始に向けて鋭意建設を進めているところでございます。
 平成20年度におきましても引き続き大規模な用地造成工事等を予定いたしており、国の財政状況が厳しい中、所要予算の確保が必要であります。
 このため、去る11月15日には「一般空港を考える懇談会」総会に出席をし、関係国会議員に支援要請を行いますとともに、引き続き財務大臣等に要請を行ったところでございます。
 県といたしましては、今後とも引き続き所要額確保に向け、あらゆる機会をとらえて関係機関等へ要請するなど、鋭意取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 竹富町の台風12号による災害支援に係る御質問の中で、西表島における電線類地中化事業についての御質問にお答えいたします。
 電線類地中化は、平成16年度を初年度とする無電柱化推進計画により、平成20年度までに約37キロメートルの整備に向け取り組んでいるところでございます。
 西表島の高那地区につきましては、電線類地中化事業が都市部を中心に整備を進めている中で無電柱化推進計画に組み入れられてはおりません。しかしながら、当該地区におきましては台風時に電柱倒壊が多く発生していることから、被害軽減に向けての対応が急がれているところでございます。
 県といたしましては、当該地区の電線類地中化が早期に実現できるよう、電線管理者であります沖縄電力株式会社、NTT等と調整を進めてきたところ理解が得られたことから、次年度から事業化を図りたいと考えているところでございます。
 次に、本県のDV関係の御質問で、DV被害防止や被害者支援等の対策についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 県では、平成18年3月に策定いたしました「配偶者等からの暴力の防止及び被害者支援基本計画」に基づき、DV被害防止、被害者の保護及び自立支援等に取り組んでおります。
 これらの支援は、配偶者暴力相談支援センターが中心的な役割を担っておりますが、平成18年4月からは女性相談所に加えて北部、宮古及び八重山の3福祉保健所に同センターを設置し、市町村、警察などの関係機関と連携し、DV相談、被害者保護、自立支援等を行っているところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させます。
○総務部長(宮城嗣三) 宮古・八重山支庁組織改編についての中で、支庁の役割及び重要性、支庁廃止による県行政の喪失感及び今後の対応について、1の(1)、(2)、(4)は関連しますので一括してお答えをいたします。
 宮古・八重山支庁は、戦後昭和21年に宮古民政府・八重山民政府として設置され、復帰後は知事の権限に属する事務を地域的に分掌する総合出先機関として管内の出先機関等の相互の連携を図り、一体として県行政を推進する役割を果たしてきており、宮古・八重山地域の方々にとっても身近な存在であったと認識をしております。
 支庁廃止による県行政の存在感が喪失することについては、支庁がこのような長い歴史を有することによるものと理解をしております。
 しかしながら、地方分権型社会の今日にあっては、住民に最も近い基礎的自治体である市町村が地域における総合的行政を担い、県は市町村を包含する補完的・広域的な行政を担うことが求められております。
 また、県行政の組織内部においても、重要施策の推進や予算調整、企画立案等に係る総合調整機能が本庁に付与されていることから、離島振興についての重要施策を着実に推進するためには、重層的な意思決定過程を可能な限り省き、本庁と出先機関との指揮命令系統を一元化し、迅速な意思決定過程を構築するとともに、出先機関における迅速な事業執行や専門性の向上を図る必要があります。
 このようなことから、県は、宮古・八重山支庁の組織改編を行財政改革プランに位置づけたものであります。
 行財政改革プランの策定に当たりましては、地元説明会や地域意見交換会を通じて県民意見の反映に努め、その後も地元市町村を対象とする事務説明会で県民サービスの低下はないことを説明してまいりました。
 しかしながら、支庁組織の改編について地元の市町村長など関係団体から支庁存続等の要請が寄せられたところであります。
 県としましては、これらの要請を踏まえ、現時点においては地元の理解がまだ十分に得られていないと判断したところであり、今後とも地元の理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、支庁の組織機能拡充及び支庁長の権限強化等について、(3)のアとイ、関連しますので一括してお答えをいたします。
 平成8年度の宮古・八重山支庁の組織改編は、管内の出先機関を支庁の内部組織として統合し、支庁長の職位を部長級とするとともに、工事請負費の予算執行権限等を大幅に移譲し、支庁長の総合調整機能を強化することを目的に行ったものであります。
 しかしながら、県行政における重要施策の推進や予算調整、企画立案等に係る総合調整機能は、全県的な地域バランスを考慮して行う必要があることから本庁部長に付与され、結果として、支庁長は管内の県関係機関における調整機能にとどまったものであります。
 このような状況等も踏まえ、総合的な観点から検討した結果、宮古・八重山支庁については、その内部組織を本庁各関係部と直結させ、事業の迅速かつ的確な執行を確保する効率重視のスマートな組織体制を整備するため組織の改編を行うこととしたものであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(首里勇治) 新石垣空港建設関連の御質問で、工事の進捗状況と用地取得についてお答えいたします。
 工事につきましては、平成19年度から本格的に用地造成工事等を実施しており、今年度の工事費約50億円について、11月末現在で80%の約40億円を執行しており、残りの工事についても発注準備を行っているところであります。したがって、現時点での全体工事費に対する進捗率は発注ベースで約16%となっております。
 用地取得については、空港予定地に土地を所有する地権者の方々と鋭意交渉を重ねてきたところであり、現時点の取得状況としましては、事業全体面積約195ヘクタールに対し、取得面積で約165ヘクタール、取得率で約85%となっております。
 共有地権者が保有する用地や一般地権者が保有する未契約用地につきましては、年度内の取得に向けて引き続き地権者の方々と誠意を持って交渉を重ねていく考えであります。
 次に、新たな洞窟の発見による工事への影響についてお答えいたします。
 新たな洞窟につきましては、去る8月23日に浸透ゾーン掘削工事中に発見されたもので、内部測量調査や小型コウモリ類調査の結果、洞窟延長は約300メートルで、ヤエヤマコキクガシラコウモリ約70頭の生息を確認したところであります。
 本洞窟につきましては、環境影響評価書に基づき、小型コウモリ類が継続して利用できるよう可能な限り保全を図ることとしており、専門家の指導助言を得ながら洞窟保全対策を検討していく考えであります。
 現在、浸透ゾーン掘削工事につきましては、洞窟に影響のない範囲で進めており、事業全体の工程には影響はないと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 竹富町の災害支援についての御質問にお答えいたします。
 まず、被災者生活再建支援法の改正内容についてお答えいたします。
 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案は11月9日に衆参両院で可決・成立し、11月16日に公布されております。
 改正法では、住宅の建設や購入費用などが対象となることや、必要額積み上げ方式から住宅の再建方法に応じた定額方式への変更、年齢・年収要件の撤廃等、被災者に対しては被害の程度などに応じて一定額が支給されることになります。
 なお、台風第11号及び12号災害についても遡及して適用されることになり、同法の適用を決定した久米島町及び竹富町の被災者も改正後の支援法に基づき支給を受けることが可能となっております。
 次に、竹富町の被災者支援の状況、内容についてお答えいたします。
 台風第12号災害により、竹富町において全壊11世帯、半壊8世帯の被害が出ております。 
 沖縄県災害見舞金については、12月10日現在、申請のあった全壊8世帯及び半壊8世帯に対して41万円を支給決定しております。
 また、県では、11月6日に被災者生活再建支援法の適用を決定いたしております。
 現在、支給事務を行う都道府県会館においては、改正法に基づく新しい申請書等を作成中とのことであり、県としましては、申請書等が届き次第、速やかに申請手続が行えるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
 次に、支援法見直しへの取り組みについてお答えいたします。
 被災者生活再建支援法は、都道府県から拠出した基金と、国庫支出金で2分の1ずつ負担して被災者の支援を行っています。
 支援金の支給限度額や適用条件となっている住家の全壊10世帯以上の見直しについては、国全体での財政負担、各都道府県の財政負担等の課題があると考えております。
 今回の改正に際しましては、前回と同様に本法施行後4年をめどとして適切な措置を講ずべき旨の附帯決議がなされ、支援金の支給限度額、国の補助割合を含め、制度の見直し等の総合的な検討を加えることとされております。
 県としましては、今後、改正法に基づく支給事務を進め、実績等を踏まえた上で課題等を整理・検討していきたいと考えております。
 次に、西表島の一般廃棄物最終処分場復旧の進捗状況についてお答えいたします。
 竹富町においては、台風12号及び15号により、一般廃棄物最終処分場及びリサイクルセンターに大きな被害を受けたところであります。
 町は、被害状況及び復旧計画を国へ報告し、去る12月7日、廃棄物処理施設災害復旧費補助金に係る国の現地査定を受けたところであり、現地査定においてはほぼ要求どおりの復旧費が認められております。
 今後、竹富町においては、入札等の実施後、速やかに工事に着手し、平成20年3月までの復旧を目指したいとのことであります。
 県としましては、補助金交付に係る事務手続等、速やかに復旧が図られるよう国や町と調整していきたいと考えております。
 次に、DV防止法の改正内容についてお答えいたします。
 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」、いわゆるDV防止法の改正の特徴は、保護命令制度の拡充や市町村に対する基本計画の策定、配偶者暴力相談支援センターの設置が努力義務となったことです。
 改正の概要は、1点目に、これまで地方裁判所は、身体に対する暴力を受けた被害者だけを保護命令の対象としていましたが、生命または身体に対する脅迫も保護命令の対象となりました。
 また、裁判所は、従来の接近禁止命令とあわせて、被害者への電話、電子メール等を禁止する命令や被害者の親族等への接近禁止命令も発することができるようになりました。
 2点目に、これまで都道府県のみに義務づけられていたDV防止基本計画の策定が市町村の努力義務となっております。
 3点目に、市町村が設置する適切な施設において、配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにすることが市町村の努力義務となりました。また、支援センターの業務として、被害者の緊急時における安全の確保が明記されました。
 県としましては、今回のDV防止法の改正について、講演会や市町村研修会を開催するなど、周知に努めているところであります。
 次に、飲酒運転根絶に関する条例の進捗状況及び制定の目途について一括してお答えいたします。
飲酒運転の根絶を図るためには、県民一人一人が飲酒運転をしない、させない、許さないとの意識を醸成することが大変重要であります。
 そのため、県では、のぼりやステッカー等の配布を通じ、飲酒運転の根絶宣言を促進するキャンペーンや講演会、飲酒運転根絶県民大会等、各種の根絶対策事業に企業や団体、市町村等と連携して取り組んでいるところであります。
 また、飲酒運転の罰則の強化等が新たに規定された改正道路交通法が去る9月19日から施行され、本県の飲酒運転による死亡事故及び検挙数も昨年より大きく減少しております。
 飲酒運転根絶に関する条例の制定につきましては、これらを踏まえ、その必要性及び実効性等についてさらに検討を深めていく必要があると考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(伊波輝美) おはようございます。
 福祉行政についての、市町村におけるDV相談支援センターの状況についてにお答えいたします。
 現在、県内においてDV相談支援センターを設置している市町村はありません。
 全国的に見てもDV相談支援センターを設置している市町村は、札幌市を初め5カ所の政令市や中核市のみとなっております。
 しかし、改正DV防止法で、市町村においてもDV相談支援センターを設置するよう努めるものとされていることから、県としては、県内の市町村に対しDV相談支援センターの設置を働きかけるとともに、その設置を検討する市町村に対しては、職員の研修や設置に関する助言等の支援を行いたいと考えております。
 続きまして、医療費適正化計画のねらいと進捗状況についてにお答えいたします。
 医療費適正化計画につきましては、超高齢社会の到来に対応し、県民の生活の質の維持及び向上を図ることを基本理念に、疾病の予防や医療資源の効率的な活用を推進することで医療費の適正化を図っていくことをねらいとしております。
 計画は今年度中に策定することとしており、医師会、市長会、町村会、労働団体等で構成する沖縄県医療費適正化計画検討委員会で検討を進めているところであります。
 続きまして、本県の医療費の特徴や課題への対応についてにお答えいたします。
 本県の医療費は毎年増加しており、特に老人医療費の伸びは毎年全国の上位にあるなど大きな課題となっております。
 また、平成19年度厚生労働白書においては、本県の特徴について、入院医療費が高く、入院外医療費は低い。メタボリックシンドローム保有者割合が非常に高いと指摘されております。
 さらに、国民生活基礎調査で、本県は全国に比べて健診受診率が低く、また医療機関で要受診とされながら未受診となっている者の割合が高い状況となっております。
 県としては、これら本県の保健医療の特徴や課題を踏まえて、平成20年度から始まる特定健診・特定保健指導を充実し、生活習慣病等の予防対策を推進するほか、地域医療連携や療養病床の再編など医療資源の効率的な活用を推進する等、適切な対応に努めていきたいと考えております。
 続きまして、関連の医師会との調整についてにお答えいたします。
 医療費適正化計画の策定に係る検討に当たっては、医師会との連携が必要であることから、沖縄県医療費適正化計画検討委員会に構成員として参加していただいております。
 また、同計画の具体的な施策である特定健診等の実施体制づくりにつきましては、国保連合会と連携して医師会と調整しており、さらに療養病床の再編については、医師会を通じて療養病床を有する医療機関に対し情報提供を行っているところでございます。
 続きまして、医療費適正化計画のスケジュールについてにお答えいたします。
 今回の医療費適正化計画は、平成24年度までの5カ年計画として策定するものであります。
 その期間中における主な施策としては、特定健康診査等、疾病の予防対策の充実や療養病床再編の円滑実施等、医療資源の効率的な活用の推進を図ることであります。
 県としては、これら施策に対して目標値を設定し、その実績評価を行うとともに、平成25年度をめどにその結果を公表していきたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(得津八郎) DV加害者への対応や被害者保護についての県警の権限の範囲、すなわち警察が担っている役割についてお答えいたします。
 配偶者暴力事案については、加害者による傷害や暴行が明らかであれば、加害者を刑法犯で検挙いたします。
 傷害や暴行が明らかでない場合でも、被害者からの申し出により裁判所から保護命令が加害者に対して発令されたときには、保護命令制度による接近禁止命令や退去命令について、その内容を加害者に理解させるとともに法令遵守を指導しております。指導にもかかわらず命令違反があれば、配偶者暴力防止法違反で検挙いたします。
 一方、被害者の保護につきましては、各警察署のDV、ストーカー事案対策官等が被害者からの相談に対応しております。
 また、広く警察本部や各警察署の警察安全相談係においても被害者からの相談に対応しております。相談の際に傷害や暴行等の被害があれば、被害届けの提出を促す、配偶者暴力防止法に基づく保護命令制度を教示する、緊急避難施設等の関係機関を教示するなどをしております。
 また、相談者から配偶者暴力防止法に基づく援助を受けたい旨の申し出があった場合には、避難先の秘匿、資料の保管等被害を防止するための措置の教示、住民基本台帳閲覧制限の教示、それに伴う市町村への対応、被害防止交渉を行う場所としての警察施設の利用、110番通報の際に事案が特定できる犯罪被害者通報登録システムの活用など、必要な援助を行っております。
 以上です。
○教育長(仲村守和) それではサッカー専用スタジアム建設の進捗状況についての御質問で、サッカー専用スタジアム整備計画案についてお答えいたします。
 本年4月に県サッカー協会より提案のありました「サッカー専用スタジアム整備計画(案)」は、奥武山運動公園内に計画され、交通アクセス、宿泊施設の確保等について検討された内容となっております。
 この提案につきましては、今後、関係部局等を横断して設置を予定しております検討委員会において、一つの案として参考にさせていただきたいと考えております。
 次に、検討委員会の立ち上げについてお答えいたします。
 サッカー専用スタジアムの整備に関する検討委員会につきましては、関係機関・団体等と連携した委員会として本年度じゅうに設置する予定であります。
 同委員会におきましては、施設の規模、建設費の確保、事業主体、管理運営等、整備のあり方について検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○辻野 ヒロ子 御答弁ありがとうございました。
 再質問を2点について行いたいと思います。
 まず、電線類地下埋設についてですけれども、先ほど知事が次年度から事業化を図るとの答弁をいただいて大変喜んでおります。ことしの台風で西表島の電柱が2度も倒壊し、その状況を知事御本人みずから現場視察をしていただいて、御理解いただいたおかげだと思って本当に感謝しております。
 特に、西表島は山が多く、山おろしの風がとても強く厳しい状況にあります。ライフラインであり、住民生活に大きな支障を来しますので、ぜひ早急に西表島からモデル地区として取り組んでいただきたいと思いますので、知事の決意のほどをもう一度お聞きしたいと思います。お願いいたします。
 次に、飲酒運転防止対策についてですけれども、年末年始にかけて忘年会、新年会等が多く飲酒の機会がふえてまいります。飲酒運転根絶の条例制定についての再質問ですが、私事ですが、悲惨な交通事故を1件でも減らしたいという思いで始めた朝の通学路の交通安全のボランティアもかれこれ20年余になります。それで人一倍、交通安全対策とか飲酒運転の根絶に対しても思いが強いのです。
 当局は、前回の議会から同じような答弁ですので、これまで当局は関係課との会議を10数回も持っていると聞いております。県警がつくった条例案も見ましたが、この条例案は、文化環境部長も委員の一人として有識者懇談会において、県民総ぐるみ運動を展開するためには非常にいい内容であるとの総意と聞いております。しかし、当局側の動きを見ると、飲酒運転根絶の啓発活動には今の体制で十分で、条例の必要性はないというように感じられます。
 道路交通法では、違反をした人を対象に規制をしているもので、交通安全対策基本法は行政に求めているものです。この条例は罰則もなく、県民総ぐるみで飲酒運転させないことを遵守させようとするものであり、持続・展開するためには非常にすばらしい条例案であると思います。
 実は、先日、泉信也国務大臣(国家公安委員長)の講演を拝聴する機会があり、幸い知事も一緒でしたので、同じ認識だと思いますので、知事にお尋ねします。
 講演の最後に、沖縄県はすばらしい。しかし、1つだけ皆さんに強く訴えたいことがあるとの前置きで、沖縄県は飲酒運転が多く、昨年の検挙件数が大阪に次いで2番目に多い8994件で、飲酒絡みの交通事故の比率では全国平均と比較すると、人身事故が17年連続、死亡事故が12年連続ワーストワンと、他府県と比較にならないほど悪い状況が続いているので、その取り組みに頑張ってほしい旨の指摘がありました。
 条例は町の顔と言われます。「ちゅらさん運動」も「ちゅらうちなー安全なまちづくり条例」の制定と同時に、知事を先頭に県民総ぐるみで展開し効果を上げております。ぜひ飲酒運転根絶についても、飲酒運転根絶条例を年度内、2月議会には制定し、知事を先頭に県民総ぐるみ運動で飲酒運転全国ワーストワンの汚名を返上し、取り組むべきだと考えます。知事の所見と決意のほどをお伺いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 辻野議員の再質問にお答えしたいと思いますが、まず電線地中化の件ですが、先ほども申し上げましたように、通常の国と一緒になって進める地中化、これは何十キロメートルと大体決めて、普通、人口密度の高いところをやっていくんだそうですが、辻野議員がおっしゃったように、台風の通り道みたいなところについては、特に八重山地域に結構多くて、少しそういう通常のルールとは別にきちっと地中化を進めていったらどうかということを、先ほど申し上げたNTTさんとか沖縄電力さんと詰めてまいりまして、ぜひ取りかかろうということになっています。
 ただし、次年度から早目に取りかかれるように、台風が来る前に我々も彼らと一緒になって取り組んでみたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それからもう一点は、今の飲酒運転防止についてですが、これは無論最大限取り組みたいとは思うんですが、この条例の制定についてどうするか、もう少し議論を深めてみたいと思います。ただ、辻野議員のおっしゃった御趣旨も非常によくわかりますので、何とかそういう方向でまとめられるよう議論を深めてまいりたいと思っております。
○辻野 ヒロ子 飲酒運転根絶条例について再々質問ですけれども、もう10数回も有識者懇談会、すばらしいメンバーたちが集まって議論して、その必要性も訴えられているんですね。そういうあれで基本法とか道交法とは違うものですから、法律じゃないんですよ。条例というのはその町の顔、県の顔と言われますので、そういう意味でも条例を制定して、本当にワーストワンの汚名を返上していくような県民総ぐるみ運動をやっていただきたいので、ぜひ2月議会には上程していただきたいと思いますが、再度知事に決意のほどをお伺いします。お願いします。
○知事(仲井眞弘多) 辻野議員の再々質問にお答えしたいと思うんですが、辻野議員の今おっしゃった、次回提案できるかどうか、何とか間に合えばいいんですが、そういうことも含めてもうちょっとだけ時間をください。そういう方向に行けるように深めたいということです。
○國場 幸之助 ただいまから通告に従いまして一般質問をします。
 1、学力テストの結果について。
 改正教育基本法にも明記されているように、子供の教育の第一義的責任は親です。当然私も家庭教育こそ重要であると考えていますが、おのれを顧みるに、どれほど父親の役割を果たしているのか、反省せざるを得ません。
 家訓と呼べる大げさなものではありませんが、娘たちに常々話していることがあります。それは、玄関の靴をきちんと並べなさいということです。子供に話すからには本人が実践しなければならないということで、どんなに泥酔しても履物だけは並べようと強く意識しております。娘たちも私や妻が見ているとせっせと並べますが、だれも見ていないところでは何もしないことがあります。だから、私が子供のころ母親からよく言われていたこんなことも同時に話しております。人が見ていなくても神様はいつも見ているよと。
 今回の全国学力・学習状況調査、その結果をどのように分析し解釈し今後に生かしていくのか、これからの課題だと思いますが、学力テストの結果と基本的な生活習慣に深い関係があることも判明しつつあります。
 そして、教育の基礎となる基本的な生活態度を確立する上で不可欠なのは、知育・体育・徳育・食育、そして目に見えない世界や自然に対し畏敬の念を抱く霊育だと思います。特に霊育に関しては忘れがちでありますが、神仏や先祖、ウヤファーフジに対する感謝と恐れがあって初めて押しつけではないしつけができるのではありませんか。
 人間社会は、すべて言葉で説明できる合理的なものだけで構成されているわけではありません。給食費を払っているから「いただきます」を言わなくてもいいと考える親世代が出てきたという世相を憂えています。そして私は、日本の行政で成果を検証する仕組みを最も欠いてきたのが教育行政であると考えています。
 確かに学力テストは、過度な競争をあおったり、学校の序列化につながったり、学習障害のある子供たちを排除したりするなどの弊害を生む危険性があります。これらの弊害には、最大限の配慮が求められるのは当然であります。しかし、教育行政も税金を投入した公の行政である以上は、実態を正確に把握し成果を厳しく検証し、県民・国民に説明をする責任は当然伴います。その意味で、今回の学力テストは教育行政の成果を一側面ではありますが、自己点検する意味で大きな意義があります。
 そもそもこのテストは、将来、沖縄科学技術大学院大学に入学し、ノーベル賞を受賞することを目指すといった特別な子供の学力レベルをはかるものではありません。子供たちの個性や価値観の多様性は当然尊重されるべきだとしても、すべての子供たちに共通して身につけておくことが望ましい知識や技能が中心と文科省から通知があったように、必要最低限の不可欠な学習の理解度・到達度をはかる内容です。そして、必要最低限の学習の内容は、私たちが生きている現代社会がどのような社会であるのかということも深く関係しています。
 我々は今、国際化・情報化・少子・高齢化・成熟化、そして高度な知識基盤社会に生活しています。そのような時代状況では、未来への先行投資である教育が社会全体の活性化や個人の幸せにも深く関係します。教育とは、可能性と幸せの拡大再生産をもたらす投資であります。
 知事は、今議会で、文化、芸能、空手などは全国でも高い評価だが、学力が最下位なのは残念な結果だと何度も答弁しておりました。スポーツや芸能に励む子供たち同様に、学歴ではなく、学業・学問に励む子供たちを激励し、賞賛できるような大人社会が実現できればこの問題は解決するのではないのか。
 (1)、今回の結果を踏まえ、昭和63年から「夢・にぬふぁぶしプランⅡ」に至るまでの学力向上対策をどのように総括しているのか。
 (2)、学力テストの結果は、過度な競争が生まれるような絶対視をすることなく、そして学力だけが教育のすべてではないと相対化することもなく、今後の教育行政に生かしていかなくてはなりません。高度情報化社会の中、知識集約型産業によって自立経済を目指していく本県にとり、確かな学力を身につけ、知識を知恵に転換できる人材こそが最大の経済価値であり社会的資産であります。このことを踏まえた上で検証改善委員会をどのように生かし、次年度4月の学力テストにどう生かしていくのかを明らかにしてほしい。
 (3)、文科省の新規事業である「学力改善推進モデル事業」は、県内6地区から12校を選択する検討をしていると聞くが、どのようなプロセスで選ぶのか。
 (4)、学校現場だけではなく、家庭や地域での取り組みも求められるが、その前提として学力テスト結果の情報公開が必要であります。文科省の方針という制約もありますが、結果の公表と情報の共有から可能となる取り組みの有機的連携をどのように図っていくのか。
 (5)、ベネッセコーポレーションの調査によると、平成19年のセンター試験の結果は、学力テスト全国1位の秋田県が40位、沖縄県は43位であります。学力テストはすべての小中学生、センター試験は希望者のみ、今回学力テストを受けた秋田県の生徒がセンター試験を受けるとセンター試験の結果は可変である等々、単純比較はできませんが、示唆に富んだ結果だと思いますが、県はどのように解釈しますか。
 2、普天間飛行場代替施設建設について。
 (1)、知事として、1年間この問題に携わっての感想をお聞かせください。
 (2)、防衛相、沖縄担当相共同主宰から内閣官房長官主宰となって、政治主導でこの問題を解決しようとする政府の意気込みを感じます。それに伴い、県側も政治判断、政治決断を求められる場面が今後予測されるが、それはいつ、どのような状況だと考えておりますか。
 (3)、第4回普天間飛行場移設に係る協議会で、防衛大臣による危険性除去のための諸施策が説明されました。県は、これらの説明をどのように受けとめ検討したのか。また、危険性の除去と3年をめどにした閉鎖状態という概念で重なる部分はありますか。
 (4)、第5回の協議会で何を協議しますか。
 3、観光振興について。
 観光振興・新石垣空港建設促進特別委員会で軽井沢市、京都市を視察しました。国際観光振興機構では、欧米の旅行業界は今や崩壊しつつある沖縄の健康・長寿に強い関心を持ちつつあるということを知りました。
 「星のやリゾート」で学んだことは、リゾートとは大規模な開発ではなく、足元にある持続可能な観光資源を掘り起こし、世界水準の上質なサービスでもって提供することであるということであります。そして、リゾートウエディングはリピーターがいないという特徴があるので、参列者の評価を最大限重んじるという視点にはなるほどと感じました。
 軽井沢で刺激を受けたことは、100年にわたる軽井沢の別荘環境を次なる200年へ引き継ぐため、軽井沢の良質な別荘環境は日本の貴重な財産であるとの宣言をもとにした長期的な戦略に取り組んでいたことです。
 京都の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の案内所ではフランスを誘客の重点地区と定めておりました。観光地とは、観光客そのものが観光商品にもなり得るという視点を学びました。
 以下、質問します。
 (1)、観光の担い手について。
 ア、長野県の観光の牽引役は県ではなく軽井沢市であります。同様に、京都観光を引っ張っているのは府ではなく京都市であります。沖縄県内41市町村が観光の担い手として奮闘していくためには、県は市町村への支援をどのように行っていくのか。
 イ、琉中議員連盟で、高雄市の国立高雄ホスピタリティーカレッジを視察しました。そこではおいしいコーヒー1杯を入れることにすら、中華民国台湾政府とアカデミズムと国際観光の最前線にいる多国籍民間企業が三位一体となって人材育成に取り組んでおりました。
 県内の観光専科の大学、専修学校、各種学校、そしてコンベンションビューローの人材育成プログラムは、KHCのように観光労働市場にマッチするような競争力のある人材を育てておりますか。そしてその実態を把握しておりますか。
 (2)、観光資源の発掘と観光ブランドの確立について。
 ア、軽井沢市の「星のやリゾート」は、1987年のリゾート法に見られる持続可能性を度外視した大規模な観光開発や不動産の所有ではなく、顧客満足、収益、環境という3つの指標をベースにしたリゾート運営の達人を目指しておりました。特に、アンケートを駆使した顧客満足度の向上についてはかなりの気迫を感じましたが、県も同様な取り組みをしておりますか。
 イ、「星のやリゾート」では、エナジー・イン・マイ・ヤードの理念で、化石燃料を極力使わずに地下熱の活用、水力発電等でエネルギー自給率は75%を超えます。おいしい水、せせらぎの音、きれいな空気こそリゾートのベースだと「星のや」は考えておりましたが、沖縄県内に環境・資源エネルギー政策に先駆的な取り組みをしている観光施設は存在しておりますか。
 ウ、自然環境と開発を対立構図ではなく、自然の生態系と環境、風土、文化を保全することこそが経済的価値を生むというコンセプトで、エコツーリズム事業を展開する「ピッキオ」は、専門性、ホスピタリティー、そしてエンターテインメント性を兼ね備えた11人のエコツアーガイドが業界最高額の給与を受給されておりました。彼らから最もうらやましがられたのが沖縄の環境であり、生態系であります。何気ない自然であってもガイドが解説を加えることにより全く違った風景に見え、付加価値も高まります。エコツアーガイドこそ知識集約型産業の新たな人材開拓分野だと考えるが、県内の実態はどうですか。
 エ、京都には約400の観光客を対象にした体験教室があるが、「京都ハンディクラフトセンター」は、スタッフ全員が英語を使え18カ国の通貨に対応可能であり、10種類の京都の伝統工芸品の制作が体験できるということで差別化を図っておりました。
 県内にも多種多様な体験教室がありますが、海外の観光客に言葉や通貨で対応できるのはどれぐらい存在しておりますか。
 オ、地域の観光資源をブランド力に高めていくフィルムオフィス事業は、ロケ隊の誘致数だけではなく、ロケ地にどれだけの観光誘客数を達成したのかという視点から評価する時期に来ていると思います。
 今帰仁村等取り組みを活発に展開している地域の観光客数は増加しておりますか。また、誘客を促すような支援策を県は行っているのか。
 4、小児医療、児童福祉、少子化対策について。
 (1)、先天性魚鱗癬について。
 ア、皮膚の表面がかたくなりはがれ落ちる魚鱗癬は、決して人にうつる病気ではないが、見た目の症状が強いため、常に差別や偏見の問題にさらされております。県内にも複数の患者さんがいますが、学校や就職等、社会での差別をなくすため県としてできることは何か。
 イ、魚鱗癬は平成17年に小児慢性特定疾患に認定を受けたが、治療法が確立されていない難病であります。県内でも患者の家族等が特定疾患治療研究事業認定に向けて懸命に署名活動等に取り組んでおりますが、県も全国衛生部長会を通して厚生労働省へ要請するなどできることがあるはずであります。今後どのように取り組んでいきますか。
 (2)、認可外保育園への給食費助成について、今できること、そして次年度できる最大の支援策は何でありますか。
 (3)、不満はエネルギーになりますが、不安はエネルギーになりません。少子化社会の最大の危機は未来への不安ではないでしょうか。NHKの調査では、出生率の高い県というものは祖先への心のつながりが深いことが明らかになっております。少子化対策の究極の支援策は、家族のきずなを取り戻すことであると考えておりますが、県はどう考え、その理念に即した施策をどのように展開していきますか。
 5、元県立博物館前の石垣の移動について。
 中城御殿跡の県道沿い石垣の位置変更は首里地区住民が長年待ち望んでおります。
 現行の計画では石垣が文化財ではないものの、文化財的価値を持つものとして石垣は現状のまま県道内に残し、歩道は石垣の裏側に設けられ、通りを歩く人は石垣の裏側を通行するという設計になっております。私も何度か現場を視察し、首里の自治会や通り会やまちづくり協議会の方々から切実な訴えを聞きました。
 車道から遮断され死角ができることから、児童生徒の安全面で問題が想定され、観光や各種の祭り、障害を持つ方々への配慮等、問題・課題が山積しており、何と言っても地元地域の方々から障害物として扱われている現実を目の当たりにし、セットバックの必要性を痛感しました。
 質問します。
 (1)、文化財を支えるのは地元の理解と誇りであり、元県立博物館前の石垣が地域から児童や交通安全等の障害となっている今の状態は極めて不健全であります。
 地域住民の長年の悲願である石垣の移動を決断すべき時期だと考えますが、土建部長と教育長の見解を伺いたい。
 6、旧軍飛行場用地問題について。
 (1)、今後の取り組み方針を国と確認したのか。その見通しはどうか。
 (2)、沖縄振興計画に盛り込まれた旧軍飛行場問題も残りの期間が迫っております。国の担当窓口すら決まらないのが現実であります。県はどう考え、窓口をいつ決定させますか。
 (3)、旧軍事業を実施するに当たり、国に新たな制度創出を求めなければならないが、取り組みは始まっておりますか。また、平成21年度以降は条件の整った市町村から事業実施をするスケジュールを考えておりますが、そのためには今現在、そして次年度にどのような取り組みが必要か。
 7、2015年供用開始の那覇空港の第2滑走路建設事業について。
 (1)、ステップ3では、過去10倍以上の1万2527のアンケートが集まった。今月にはPI評価委員会や連絡調整会議が開催されると思うが、次年度の事業は何をするのか。構想段階のPIがスタートするとすれば、事業実施に当たってどのような位置づけになると考えればよいのか。
 8、我が党の代表質問に関連して、外間盛善議員の雇用失業対策に関連して。
 完全失業率を4%台にすることを目指すグッジョブ運動は、県民意識の喚起と、各主体の具体的な行動の二本柱で約4万人の雇用拡大を目指す運動であります。県民意識の喚起に関しては活発な取り組みが目に見えて行われております。
 一方、企業や教育機関などの各主体の具体的な行動は、実行計画の作成や産業別の数値目標を掲げることが大切であると考えております。もちろん、我が国は資本主義社会、自由主義経済でありますので、経済活動や労働市場のすべてを数値化することは不可能であることは理解しておりますが、企業誘致の目標値や求人と求職のミスマッチの解消、就職内定率の向上など、具体的な目標値を数字で掲げることが可能な領域もあります。その部分を明らかにしてください。
○知事(仲井眞弘多) 國場議員の御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設建設についての御質問の中で、普天間飛行場移設問題に携わっての感想についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 私は、昨年の12月に知事に就任して以来、公約として掲げました普天間飛行場移設問題の解決に向けて全力を尽くしてまいりました。
 同飛行場につきましては県外移設がベストだとは思いますが、この問題の原点であります危険性を一刻も早く除去するため、県内移設を認めたものであります。
 代替施設の建設は、住民生活に大きな影響を与えかねない事柄であります。地元の理解と納得、協力が不可欠であることから、政府において地元の意向に対する十分な配慮が必要であります。
 このため、私は、移設までの間であれ、同飛行場の危険性の除去と騒音の軽減などを求め、さらに代替施設は可能な限り沖合に寄せてほしいという地元の意向への配慮をこれまで機会あるごとに政府に対して求めてきたところでございます。
 このような中、去る11月7日の第4回協議会におきまして私の考えを率直に述べることができ、また政府からは、誠意を持って協議していきたいとの姿勢も示されたところでございます。
 私は、今後とも地元を初め県民の声を政府に粘り強く伝え、協議を重ねることが、この問題を早期に解決することにつながるものと考えております。
 次に、同じく普天間関連ですが、政治判断が求められると予想される状況についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 私としましても、11月7日の第4回協議会から主宰者が官房長官にかわり、率直な意見交換ができ、設置当初の目的に沿った運営になってきていると感じております。
 今後は、協議会におきまして活発な議論が重ねられることにより、県、名護市が求めている普天間飛行場の3年をめどとした危険性の除去、騒音の軽減や代替施設を可能な限り沖合へ寄せてもらいたいとの要求についても政府から誠意ある回答が示されるものと考えております。その際には、私としましても県民の意向を踏まえ、検討し、適切に判断していきたいと考えております。
 同じく普天間関連の御質問の中で、第5回協議会の内容はどうかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 去る11月7日に開催されました協議会の終わりに、町村官房長官から、みんな同じ方向を向いて、これから真剣かつ誠意を持って協議ができると考えており、北部振興策なども含めて年内にもう一回協議会を開催したいという意向が示されました。
 第5回協議会におきましては、私からは環境影響評価の審査状況や問題点を説明しようと考えております。
 また、前回の協議会におきまして県や名護市等から求めた建設計画に関する情報の公開に対し、政府から説明がなされるものと考えているところでございます。
 次に、観光振興関連の御質問で、フィルムオフィス事業の誘客効果と誘客支援策に関する御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、自然、文化、歴史的魅力に加え、ロケ誘致や各種撮影支援を行う「沖縄フィルムオフィス」の活動の効果もあり、数多くの映画やテレビ番組が撮影されております。   
 「沖縄フィルムオフィス」が平成17年度行ったロケ支援件数は135件で、撮影隊による宿泊や飲食等の経済効果は約3億2000万円となっております。
 ロケ誘致による効果は撮影隊による直接効果にとどまらず、作品公開後のロケ地観光にもつながっております。例えば、平成13年に放映されましたNHKドラマ「ちゅらさん」の場合、ロケ地となりました小浜島の入域観光客数は、放送開始前の平成12年約5万3000人に対し、平成18年は17万2000人と3倍以上にふえております。
 沖縄県では、地域のロケ地マップの作成やインターネット、関連雑誌等メディアを活用したロケ地PRなどに努めております。
 今後とも引き続きロケ地観光を推進してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○教育長(仲村守和) それでは学力テストの結果についての御質問で、本県の学力向上対策についてお答えいたします。
 これまでの本県の学力向上対策の成果としましては、小中学校における達成度テストの平均得点の上昇、全県的な読書量の増加が見られます。
 また、高等学校においては、国公立大学への現役合格者の増加、さらに文化面、スポーツ面での全国レベルでの活躍が見られます。
 しかしながら、今回の全国学力・学習状況調査の結果は、実施した全教科において最下位であったことから、取り組みには十分でない点があったものととらえております。
 県教育委員会といたしましては、現在、検証改善委員会を立ち上げ、今回の結果についての分析・考察を行っているところであります。
 次に、次年度の全国学力テストにどう臨むかについてお答えいたします。
 県教育委員会といたしましては、11月30日に検証改善委員会を設置し、今後の学力向上対策のあり方について協議を始めております。 
 検証改善委員に有識者の方々を選任し、児童生徒の基礎的な知識とその活用、学習意欲、学習方法、指導方法などについて分析・考察を行い、より具体的で効果的な取り組みを提言いただくことにしております。来年1月までには「学校改善支援プラン」を策定し、市町村及び学校へ周知していく予定であります。
 なお、今年度の取り組みとして課題を明らかにし、現時点ですぐにでも改善できることについての考察も進めており、早急に改善策を各学校に示していきたいと考えております。
 次に、学力改善推進モデル事業についてお答えいたします。
 県教育委員会におきましては、全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、各学校の実情に応じた推進・改善計画を市町村教育委員会を通じて公募することとしております。その公募を受けて、各学校において策定した推進・改善計画の内容を審査し、各地区ごとに小学校1校、中学校1校を学力改善推進モデル校として選定していきたいと考えております。
 次に、全国学力テストの公表についてお答えいたします。
「平成19年度全国学力・学習状況調査に関する実施要領」においては、市町村教育委員会は個々の学校名を明らかにした公表は行わないこと、市町村全体の結果を公表することについてはそれぞれの判断にゆだねることとされております。
 県教育委員会としましては、市町村教育委員会に対して、学校の序列化や過度な競争をあおるような公表にならないよう指導を徹底しているところであります。
 なお、市町村や学校においては、他市町村との競争ではなく、全国や県全体との比較により課題を把握し、「学校改善支援プラン」を公表することで保護者や地域住民への理解と協力を求めることは必要なことと考えております。
 次に、秋田県と沖縄県の比較についてお答えいたします。
 大学入試センター試験と全国学力・学習状況調査との結果の関係につきましては、今後、検証していく必要があると考えております。
 今年度の全国学力・学習状況調査において、秋田県はほとんどの教科で高い正答率を上げております。本県においては、すべての教科において全国平均を下回っており、その対策が求められているところであります。
 県教育委員会といたしましては、検証改善委員会において、秋田県を初め上位県の取り組みについて調査・分析等を行っているところであり、今後はその分析結果を生かして確かな学力の定着のための取り組みを強力に推進してまいりたいと考えております。
 次に、元県立博物館前の石垣の移動の件についての御質問で、石垣の移動を決断すべきという見解についてお答えいたします。
 貴重な文化財を後世に継承していくことは大事なことだと考えておりますが、地域に暮らす児童や住民の生命の安全を守るということが最も重要であることは言うまでもありません。 
 県教育委員会としましては、地域の文化財は地域住民で保護・活用するという文化財保護の基本的な考えから、地域住民の要望と相反するような保存は困難であると判断しております。
 そのため、地域住民の要望に沿って道路の整備が進められても苦渋の判断としてやむを得ないものと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(上原 昭) 普天間飛行場関連で、危険性除去の方策についてお答えします。
 去る11月7日に開催された第4回協議会において、石破防衛大臣からは、8月に発表された取り組みが現時点での最大限の措置である旨の発言がありました。
 これに対し、知事から、政府が発表した取り組みは危険性の除去につながる一つの方策であるが、さらなる抜本的な改善措置が必要であると申し上げたところであります。
 県としては、ヘリ等の運用が極力低減され、危険性の除去、騒音の軽減などについて、地域住民も実感できるような状態になることが閉鎖状態を実現することになるものと考えております。
 次に、旧軍飛行場用地問題で、取り組み方針の国との確認及び見通しについてお答えいたします。
 県は、県・市町村連絡調整会議で確認した取り組み方針及び今後の進め方について国等へ説明を行っているところであります。
 この取り組み方針については、今後、県議会や県選出国会議員等の支援・協力を得ながら、国の理解が得られるよう取り組んでいきたいと考えております。
 次に、国の担当窓口についてお答えします。
 財務省は国有財産管理者の立場から、また内閣府は財務省と協力しながら支援したいとのことであります。
 県としては、各方面からの支援・協力を得ながら、国における早期の窓口の決定を要望していきたいと考えております。
 次に、県の取り組みについてお答えいたします。
 県としては、県・市町村連絡調整会議で確認した取り組み方針及び今後の進め方を踏まえ、国等へ説明を行っているところであります。
 今後は各地主会及び関係市町村による事業案の精査、絞り込み等を促進し、県・市町村連絡調整会議を中心に検討を進め、事業計画案の取りまとめを行い、条件が整った市町村から先行して国と調整し、平成21年度予算要求に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(仲田秀光) 観光振興についての御質問の中で、市町村が沖縄観光を引っ張っていくために県が行う支援についてお答えします。
 多様なニーズに対応した質の高い沖縄観光の実現を図るためには、地域が主体となって魅力ある観光地づくりを進めていく必要があると認識しております。
 そのため、県においては、現在「観光まちづくり指針」の策定作業を進めており、11月までに41市町村及び民間団体等との意見交換会を2回実施し、現状と課題や観光振興の方向性等に関する議論を行ったところであります。
 今後、県内部の検討・協議等を経て今年度中に取りまとめる予定であり、来年度以降も継続的に市町村等との意見交換を重ねながら地域の主体的な取り組みを促進するとともに、広域的な観点から県が支援を行うべき内容等についても検討してまいりたいと考えております。
 次に、観光労働市場にマッチした人材の育成及びその実態把握についてお答えします。
 現在、県内では名桜大学及び琉球大学を初め、沖縄職業能力開発大学校、専修学校、県立高校において、観光科学科、ホテルビジネス科、国際観光科など、さまざまな学科が設置されており、実践的な知識や技能を有する人材等の育成に取り組んでおります。
 なお、各団体から就職率等の具体的な数値は公表されておりませんが、卒業生は主にホテル、旅行社等を初めとする県内企業に就職しております。
 また、沖縄観光コンベンションビューロー内に設置されている「観光人材育成センター」では、沖縄観光の次世代を担うリーダーの育成を目的とした観光マネジメントセミナー等、実践的な研修の実施により、質の高い沖縄らしいサービスを提供できる人材の育成が行われております。
 県としては、今後とも同センターの活用により、大学等の人材育成機関と観光業界との情報交換の場を設けるなど十分な連携を図り、観光関連業界のニーズに対応した人材の育成に取り組んでまいります。
 次に、顧客満足度の向上に向けた県の取り組みについてお答えします。
 現在、県では、3年ごとに「沖縄観光客満足度調査」を実施し、観光客の満足度や自由意見を把握・分析することにより、沖縄観光の課題と対応方策の検討を行っております。
 平成18年度に実施した満足度調査では、「沖縄らしい風景」、「海の美しさ」など、観光資源に対しては高い満足度が得られている一方で、「交通機関や道路状況」、「観光施設入場や文化体験」、「土産品」、「食事」などについては、相対的に満足度が低い結果となっております。
 質の高い沖縄観光を実現し、観光収入の増大を図っていくためには、これらの満足度を高めることが重要であると考えております。
 県といたしましては、観光業界や関係機関にその対応を促すため、調査報告書やパンフレットの配布、県ホームページでの広報などを行っておりますが、今後、業界への説明会を開催するなど、さらに取り組み促進に努めていきたいと考えております。
 次に、環境・資源エネルギー政策に先駆的な取り組みをしている観光施設についてお答えします。
県内のホテル等観光施設における先駆的な取り組み事例について調査はしておりませんが、現在7ホテルがエコチャレンジホテルとして、民間企業や行政機関等約3000団体で構成するグリーン購入ネットワーク登録し、事業活動による環境影響を考慮して省エネ設備の導入、環境負荷の少ない製品やサービスの提供、生ごみのリサイクル等に努めていると聞いております。このうち、那覇市内のしにせ大手ホテルの取り組みは全国でもモデル的な事例としてことし10月に「グリーン購入大賞」優秀賞を受賞しております。
 また、糸満市の観光農園においては、環境に配慮した自然エネルギー利用の観点から風力発電機を設置し、必要エネルギーの約75%を補っております。
 国と県による環境と自然エネルギーに配慮した取り組みとしては、本部町水納島と竹富島において太陽光発電を利用したエコトイレを設置しております。
 次に、エコツアーガイドの人材育成実態についてお答えします。
 観光客の旅行形態が周遊型から体験型へと変化し、自然・文化・歴史など、本県の地域特性を最大限に生かせる観光メニューとしてエコツーリズムへの需要が高まる中、県では平成11年から6年間にわたりエコツアーガイド育成を目的とした自然体験活動指導者養成講習会を実施し、合計で162名が修了したところです。その後、市町村、民間団体レベルでもエコツアーガイド育成が行われており、今年度におきましても南城市、うるま市等において実施されております。
 このようなガイド育成のほか、県においては、ガイド実施におけるトラブルへの対処法、コミュニケーション能力向上など、エコツアーガイドの専門性・技能を高めることを目的としたセミナー等を開催し、レベルの向上を図ってまいりました。
 県では、今後とも、沖縄エコツーリズム推進協議会や市町村、民間事業者と連携し、質の高いエコツアーガイドの育成に努めてまいります。
 次に、体験教室での外国人観光客への対応状況についてお答えします。
 沖縄観光の情報を提供するホームーページサイト「真南風プラス」では、琉球ガラス、ヤチムン、織物など、沖縄の伝統工芸を体験できる教室として91カ所が紹介されております。
 外国人観光客への対応状況としましては、18カ所で英語などによる体験が可能であり、料金支払いにつきましても、5カ所においてアメリカドルでの対応が可能となっております。
 県としては、外国人誘客に取り組んでいることから、旅行者の利便性向上を図るため、沖縄観光コンベンションビューロー、民間事業者等と連携しながら、外国語での情報提供の充実を図るとともに、外国人への対応可能な人材育成等に取り組んでまいります。
 次に、我が党の代表質問と関連した質問の中で、「みんなでグッジョブ運動」の目標値についてお答えします。 
 「みんなでグッジョブ運動」は、4年間で約4万人の雇用を拡大し、完全失業率を4%台に改善することを目標としております。この4万人のうち、企業誘致やミスマッチ対策関連についてはおおむねの目標値を設定しております。
 企業誘致及び既存誘致企業等については1万7000人の就業者増を想定しており、このうちIT津梁パーク構想、沖縄GIX構築事業及びきんゆうIT国際みらい都市構想等の推進により、情報通信関連産業で1万3000人程度、金融・保険業務で2000人程度を見込んでおります。
 また、特別自由貿易地域等については、土地使用料の引き下げなど、魅力ある投資環境の整備などにより約2000人程度を見込んでおります。
 ミスマッチ対策については、コールセンター、ホテル、看護師等のミスマッチ対策事業を推進し、求職者の就職率を現行より高めることにより、1万5000人程度の就業者増を想定しております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(伊波輝美) 小児医療、児童福祉、少子化対策についての中の、先天性魚鱗癬患者の差別や偏見をなくす取り組みについてにお答えいたします。
 先天性魚鱗癬の疾患は、平成17年度から国の小児慢性特定疾患研究事業に認定されており、医療費助成の対象疾患となっております。遺伝性の皮膚疾患で、皮膚が極度に乾燥してかさかさとしており、決して人にうつるものではありませんが、見た目が強い症状であるため、差別や偏見の問題があると言われております。
 差別や偏見をなくすためには、その病気の知識はもちろんですが、その患者を理解し支援していくことが必要であります。保健所では、小児慢性特定疾患や難病に対する相談窓口を設置し、相談者に対して支援をしております。
 今後は、先天性魚鱗癬疾患の病気の正しい知識と理解について普及啓発していきたいと考えております。
 続きまして、先天性魚鱗癬の特定疾患認定への取り組みについてにお答えいたします。
 小児慢性特定疾患治療研究事業の対象年齢は20歳未満となっております。20歳を超えたときは、疾患によっては特定疾患治療研究事業に移行し、公費で医療費助成を受けることができますが、現在のところ先天性魚鱗癬は特定疾患治療研究事業の対象とはなっておりません。
 特定疾患治療研究事業の対象疾患は、厚生労働省において学識者から成る特定疾患対策懇談会の意見を聞いて選定されておりますので、県といたしましては特定疾患治療研究事業の対象疾患の拡大について全国衛生部長会等を通して要望していきたいと考えております。
 続きまして、認可外保育施設への給食費助成についてにお答えいたします。
 認可外保育施設入所児童の処遇向上に向けた給食費助成につきましては、厳しい財政状況にあることから国の支援も求めているところでありますが、認可保育所を基本とする国の施策や現行の助成制度の趣旨にそぐわないなどの指摘を受けている状況にあります。
 このような中、県議会少子・高齢対策特別委員会の委員の皆様や沖縄関係国会議員の皆様による国への要請活動があり、感謝申し上げます。
 県といたしましても、引き続き給食費助成の実現に向けて努力してまいりたいと考えております。
 続きまして、少子化対策としての家族のきずなについてにお答えいたします。
 少子化対策を考える上で家族のきずなは重要な視点の一つであると考えております。
 本県では、昭和43年から「家庭の日」運動に取り組んでおり、毎月第3日曜日を「家庭の日」として、子供を産み育てる場として家庭を大切にしようという運動を展開しております。
 具体的には、「家庭の日」のスローガンを県のパンフレット等へ掲載することや、「家庭の日」の絵画・ポスターの募集、優秀作品の表彰等を行い、その普及啓発に努めております。
 一方、国におきましては、昨年6月に決定した「新しい少子化対策」において、「家族・地域のきずなを再生する国民運動」を展開することとし、11月の第3日曜日を「家族の日」、その前後2週間を「家族の週間」と定め、今年度から各種行事の開催、広報啓発などの取り組みを推進しております。
 今後、「家庭の日」運動について、国が進める「家族・地域のきずなを再生する国民運動」と連携し、一層効果的な運動を展開してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(首里勇治) それでは元県立博物館前の石垣の移動関連の御質問で、元県立博物館前の石垣の移動についてお答えいたします。
 元県立博物館前の石垣につきましては、所管部署である県教育庁等と調整し、現位置保存を基本として計画しているところでありますが、地域住民や通り会等より、児童生徒の通学時の安全面の問題等から歩道後方へ移動してもらいたい旨の要望があります。
 現在、県教育庁が当該石垣の取り扱いについて関係機関や地域住民等と意見交換を行い、移動についての方向性を取りまとめております。
 土木建築部としましては、その結果を尊重して、交通安全等の確保に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 那覇空港の第2滑走路建設事業についての御質問で、空港整備に係る次年度の事業についてお答えいたします。
 那覇空港のPIステップ3については、御指摘のとおり県民等から数多くのアンケートが寄せられております。このことは、那覇空港の重要性が県民等に認識され、那覇空港整備に対する関心が高まったことのあらわれと考えております。
 今後、今回のPIステップ3を含めた総合的な調査の結果を踏まえ、国において整備の必要があると判断されれば、次年度は整備を前提とした構想段階に移行することになり、複数の将来対応方策を1つに絞り込むこととなっております。
 以上であります。
○國場 幸之助 再質問を行います。
 中城御殿跡の石垣の件は、地元の意向を尊重して移動することもあり得ると、そういうふうに解釈してよろしいのか、確認でございます。
 続きまして、学力テストに関してなんですけれども、学力の一番の基本は、やはり日本語力、読書量だと考えております。その際に、学校教育の現場では多くの生徒が読書をしているんですが、家庭とか地域での読書の取り組みはどうなっているのか。
 さらには、中学校、高校と進学するにつれて本を読まない人がふえてきているんですが、その対策はどのようにしているのか、この2点について再答弁をお願いします。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午前11時46分休憩
   午前11時49分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 仲村守和君登壇〕
○教育長(仲村守和) それでは國場幸之助議員の再質問にお答えいたします。
 まず1点目が、元県立博物館前の石垣の移動の件についてでございますが、児童生徒の安全を確保するということで移動もやむなしという判断をいたしましたので、これにつきましては、先ほどの土建部長からもございましたように、そういう形で進められていくものと理解をしております。
 次2点目でございますが、全国学力調査に関しまして、読書量についての御質問でございましたけれども、県での読書活動に関する取り組みについてということでございますけれども、沖縄県は平成16年3月に「沖縄県子どもの読書活動推進計画」を策定をしてございます。各市町村教育委員会、そして関係機関等にその旨配付をいたしまして、読書活動の指針の活用を推進してございます。その計画に基づきまして、家庭、学校、地域社会において読書の輪を広げ、習慣化していくように広報啓発等を行っているところでございます。
 しかしながら、本県の学校におきましては読書量は全国平均を上回っておりますが、しかし家庭、地域におきましては読書量あるいは読書時間も短く、大きな課題として受けとめております。
 中・高校生につきましても、今後、読書活動を推進してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○池間  淳 おはようございます。
 浦添市選出の池間淳でございます。
 所見を交えながら一般質問をさせていただきたいと思います。
 仲井眞知事、知事就任1周年、まことにおめでとうございます。そして御苦労さんでした。
 この1年間、厳しい基地問題を初め公約実現のために猪突猛進頑張ってこられた知事に県民も感謝していることだと思います。どうかこれからも健康に留意されまして、公約実現に向けて頑張ってください。
 さて、沖縄県の経済を支えている大きな柱、御承知のとおり3つのKであります。しかし、2つのKでは非常に厳しい状況になっております。基地従業員の給料は引き下げられようとしておりますし、建設業においては公共工事を設計金額の70%から80%前半という低額で受注しているようであります。何が原因でこのようなことが起きているのかわかりませんが、正常ではないと思います。
 執行部の皆さん、皆さんがいろいろ御苦労なさって育てた建設業は、県外業者にも引けをとらないくらい発展してきているものと思います。しかし、現状のあり方では多くの建設業が倒産に追いやられることは間違いないというふうな思いをしております。一日も早く正常な姿に戻さないと、県経済に大変な打撃を与えることは火を見るよりも明らかであります。
 談合問題から惹起していることとはいえ、建設業に従事している県内就業者数の12%に当たる7万余りの皆さん方を路頭に迷わさないように何らかの対策をしなければならないと思っております。
 県内総生産額の8%を占める建設業においては、社員を長期間休ませるわけにはいかない。また、下請業者等にも仕事を与えなければいけないということで、赤字を覚悟で最低制限価格での受注をしているようでありますが、これに追い打ちをかけるように損害賠償金を容赦なく請求されると、近い将来、建設産業の大量倒産や大量解雇が続出することは間違いないと思いますし、これでは知事の公約である失業率の本土並みの実現は到底不可能であると思います。
 県経済を支えてきた、大きな柱になってきた建設産業の皆さんは、おぼれる者わらをもつかむ心境で一生懸命頑張っていることだと思います。このような状況から脱却するカンフル剤でもあればよろしいかと思いますが、そのようなものが見つからなく、執行部の皆さんも苦労しているようでありますが、建設産業が一日も早く正常な姿に戻るように、知事を先頭にいたしまして執行部の皆さんがいい知恵を出し合って解決していただくようお願いいたします。
 ところで、きょうは首里部長に質問が集中いたしますが、首里部長は、約1時間ほどかけてうるま市からバス通勤をしているようであります。この前、コラムに出ておりました。バス通勤じゃなくて、このモノレールをうるま市まで引っ張っていければ、1時間といわずに30分、40分に通勤時間が短縮されるんじゃないかというふうな思いがいたしました。ぜひモノレールを中北部まで引っ張っていただきたいなというふうに思っております。
 ところが、今はこのモノレールは那覇市民だけの足になっているような気がいたします。これは県民の足だというふうに県民全員が認識できるためにも、ぜひ那覇の市域からちょっとでも出して、やはりこれは県民の足だと言われるためにも、3月に決定される案はぜひ浦添案で決定をしていただきたいというふうにお願いをいたしまして次の質問をいたします。
 イ、違約金が発生する工事の種類について。
 公共工事には国の補助、県の負担、市町村の負担、個人の負担があると思いますが、各工事ごとに補助金や負担分が詳しく県民にわかりやすいように説明していただきたいと思います。
 ロ、違約金の分配、これは違約金が徴収されたら返還をしなければならないと思いますが、これに係る職員数と費用について詳しく説明をしていただきたいと思います。
 ハ、違約金を請求される会社のこの3年間に納めた税金――法人税、事業税、県民税、法人市町村民税等――について御説明をよろしくお願いいたします。
 ニ、違約金10%は法に定められた率であるのかどうか、根拠を示して詳しく説明していただきたい。
 ホ、実際に県民に損害を与えたかどうかは私にはわかりません。契約に違反したことは間違いないんですが、10%の損害賠償金が請求されようとしております。この10%が請求されるとき、県民に与えると思われる金額はどのぐらいになりますか。
 へ、損害賠償金の支払いに耐えられる会社と耐えられそうにない会社についてシミュレーションしたことはありますか。各社の経常利益から納めた税金、請求される損害賠償金を引くとその会社の大体の姿が見えてくると思います。県はどのように認識されているのかお伺いいたします。
 ト、損害賠償金の支払いができなくなり、倒産したときの社員や専属下請等の職員について県の対応はどうなりますか。
 2番、建設産業の育成について。
 県経済を支えてきたのは、先ほども話しましたようにこの建設産業であります。大きな県経済を支えている柱となってきた建設産業の育成のためにも、この最低制限価格の設定は会社経営に支障がないように設定するのが妥当だと思いますが、県の御見解をお伺いいたします。
 (2)、最低設計価格の設定は、現場経費、それから一般管理費があるようですが、どの部分が削減されますか、御説明をよろしくお願いいたします。
 後は答弁によって再質問をさせていただきます。
○議長(仲里利信) ただいまの池間淳君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後0時0分休憩
   午後1時22分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 午前の池間淳君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 池間議員の御質問にお答えいたします。
 建設業に係る御質問で、損害賠償金、違約金についてという御趣旨ですが、倒産したときの社員等への県の対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県内の建設産業は、沖縄県経済において総生産額及び就業者数で1割前後を占め、沖縄県の経済・雇用に大きな影響力を持っております。
 県といたしましては、このような県内建設業界が置かれた厳しい経営環境にかんがみ、建設産業の振興を図り、活性化を支援するための諸施策を強力に推進していくことといたしております。
 具体的には、今年度中に建設産業ビジョンの策定及びその具体的なアクションプログラムの作成を行い、次年度から実施に移すことにより建設産業の底上げを図ってまいりたいと思います。
 また、去る7月には沖縄県産業振興公社に委託をしまして「ちゅらしま建設業相談窓口」を開設、そして専門相談員を配置をいたし、経営基盤の強化や新分野への進出、企業合併・連携、各種公的支援などにつきまして対応しますとともに、先島を含む各地域に出向して相談を受けているところであります。
 なお、失業者等への対応は官民連携し、県を挙げて可能な限りの支援策を講じてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○土木建築部長(首里勇治) それでは損害賠償金関連の御質問で、違約金が発生する工事の種類についてお答えいたします。
 今回の談合により、該当企業に違約金約84億円の支払いが発生しますが、その国、県、市町村、個人負担等の内訳については、国庫補助金が全体の63.5%で約53億9100万円、県負担分が35.3%で約29億900万円、市町村等負担金が1.2%で約9900万円となっております。
 次に、違約金請求に係る職員数と費用についてお答えいたします。
 違約金、損害賠償金請求に関する事務を担当する職員につきましては、土木建築部において平成19年度現在、専任の課長クラスの職員が1名、その他の職員約0.45名で、合計約1.45名であります。また、これに要する諸費用は職員給与や弁護士委託費等で平成19年度年間約1244万円となっております。
 今後、請求方針決定後の事務としましては、企業説明会開催や企業ヒアリング、損害賠償金納付書の作成送付等の事務があります。その後、企業からの違約金の納付が始まると、該当企業約125社を対象としまして、1点目に、違約金等の収納受け入れ事務、2点目に、納付があった分について国への過大交付分に係る完了実績報告書の作成提出、3点目に、収納金の国や市町村等への負担割合に応じた返納手続、4点目に、違約金等の納付状況の管理や納付遅滞企業への督促、5点目に、倒産企業への債権保全事務などの膨大な事務が生ずることから、関係部局において同事務対応に必要な人員の確保、配置が必要になるものと思料されます。
 次に、違約金を請求される企業の納めた税金についてお答えいたします。
 違約金請求対象となる企業125社が納めた法人税、住民税及び事業税等について、経営審査事項申請書から見てみますと、直近3年間の納税総額は約55億800万円となっております。そのうち、個々の企業が納めた税額の最高額は単年度で約2億600万円、その単純平均は約1200万円となっております。
 次に、違約金を10%にした根拠についてお答えいたします。
 不正行為に伴う損害賠償の規定につきましては、建設工事請負契約約款へ明記されたのは平成15年1月以降で、平成14年12月以前は同約款への明文の規定はありませんでした。
 このため、談合等の不正行為が発生した場合、損害賠償金額を適正に算定するのは、個々の工事の種類や規模、時期等、内容が工事ごとにそれぞれ異なることから困難なものとなっております。そのため、損害賠償額の多くは訴訟において裁判所により決定されてきた経緯があり、その額は、契約金額の5ないし10%とする判例が比較的多く見られるようです。このため、国を初めほとんどの都道府県において過去の損害賠償事件の判例などを参考に10%を採用したものと考えられております。
 各都道府県の違約金率は、日刊建設通信新聞社編「入札談合と改正独禁法Q&A」によりますと、平成16年4月1日現在で宮城県、長野県、鳥取の3県で20%、その他の都道府県においては10%としており、本県においても10%と定めたものであります。
 次に、県民に与える損害額についてお答えいたします。
 今回の談合に係る違約金は総額約84億円で、国庫補助金等負担分が約53億9100万円で63.5%ですので、残る36.5%、約30億800万円が県及び市町村等の負担分であり、今回の談合が県民等に与える損害額ということになるかと考えられます。なお、そのうち県負担分は35.3%で約29億900万円、市町村等負担金は1.2%で約9900万円となっております。
 次に、損害賠償金に係る会社のシミュレーションについてお答えいたします。
 違約金請求の対象となる企業の単年度の経常利益について、直近の経営審査事項申請書から見てみますと、企業別の最高額が24億500万円、最低額がマイナス1億2500万円、平均額が6300万円となっており、総額が合計約85億3000万円となっております。
 この経常利益の総額から当該企業が納めた税金、法人税、事業税、県民税及び法人市町村民税の総額約18億3600万円と違約金額約84億円を合わせた合計約102億3600万円を差し引きますと、マイナス17億600万円となっております。
 県としましては、損害賠償金の請求に当たっては、各企業からの納付計画書の提出を受けた後、ヒアリングを実施する中で経営状況等把握の上、分割を含めて納付方法を検討することを考えております。
 次に、建設産業の育成関連の御質問で、最低制限価格の設定についてお答えいたします。
 最低制限価格は、疎漏工事の防止等公共工事の適正な施工の確保及び建設業の経営基盤の確保のため、原価割れ受注の防止を図ることを目的として設定されております。
 県におきましては、最低制限価格は財務規則第129条に基づき、契約の種類及び金額に応じ予定価格の100分の65から100分の85の範囲内で設定しており、入札参加業者は予定価格と最低制限価格の範囲内で企業の経営等を考慮し入札に参加しているところであります。
 次に、最低制限価格の設定方法についてお答えいたします。
 県におきましては、最低制限価格は財務規則第129条に基づき、契約の種類及び金額に応じ取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、契約の数量の多少、履行期間の長短等を考慮して設定しております。
 最低制限価格は、「中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデル」を基本に、直接工事費、共通仮設費及び現場管理費を予定価格の100分の65から100分の85の範囲内で設定しております。
 以上でございます。
○池間  淳 ただいまの部長の答弁で違約金は125社で84億円発生するとのことです。この内訳は、国に返還するのが約54億円、県に残るのが約29億円、市町村に残るのが1億円というふうな試算になっているようであります。
 私は、この工事金の分類・分別は大変多くの事務量が発生するのではないかなというふうな思いを最初からやっておりました。個人への返還分を含め、各部局の発注の工事別を詳しく説明してもらいたいというふうに思っておったんですが、やはり膨大な事務量が発生して時間もかかるというふうなことであります。
 このただいまの額は概算としての計算だということを聞いておきますが、まず違約金を請求するまでにはぜひこれが詳しくわかるように、説明できるようにしていただきたいと思いますが、首里部長、この計算が詳しく出るのにどのぐらいの期間が必要ですか、いま一度御説明ください。
 単年度の経常利益、これは当該企業125社なんですが、ここが利益を得た経常利益から税金と違約金を引くと、単年度で17億6000万円の赤字になるそうです。知事、これを単純計算いたしますと、3年間で52億の赤字になるというふうなことで、これは会社経営はもう大変なことになってしまうんじゃないかなと心配をしております。この会社経営が困難になり、大量の倒産企業が出るようなことがないようにぜひ知事は頑張っていただきたいなというふうに思うんですが、このような状態に追いやってはいけないというふうに私は思います。知事の新たなる御見解をお聞かせください。
 部長の答弁でありますが、この答弁から見てみますと、建設業が大変な危機にさらされてしまうというふうに思っております。県経済を支えている建設業に大量の倒産が出たら、県経済に大変大きな打撃を与えることはおろか、大量の失業者も出てくると思います。これは知事が公約した本土並みの失業率には到底及ばなく、公約が吹っ飛んでしまうんじゃないかなというふうな気がいたします。損害賠償の請求については慎重に慎重を重ねた上で請求をしていただきたいなというふうに思うんですが、知事の御決意のほどをお聞かせください。
 建設業の育成についてであります。
 今、部長の説明では、中央公契連のモデルに基づいて契約書も作成され、最低制限価格も設定されているということであります。これは各県の事情もあると思うんですが、最低制限価格は各県の事情によって設定されてもいいのではないかというふうに私は思っております。
 沖縄県の経済を支えている大きな柱となっているのがこの建設産業であります。県の事情からしてももう少し配慮されてもいいのではないかというふうに私は思うのでありますが、従来、最低制限価格は大体60%から80%までの範囲があったようなんですが、最近改正されまして65から85までというふうな範囲で設定しなさいというふうなことになっているらしいんですが、60から80までのときはずっと80%を設定してこられたんじゃないかなというふうな思いをしております。しかし、なぜ85%になっても80以下であるのか、これが私には理解できません。85%まではぜひ持っていってもらいたいというふうに思うんです。
 知事、分け合えば余る、奪い合えば足りないんだそうです。今、建設業、公共工事はどんどんどんどん少なくなっているんですが、これを分け合ってやればきちっと沖縄県の経済を支えていける建設産業が育っていく。しかし、これを奪い合えばどんどん滅びて県経済も大きな打撃を受けてしまうというふうなことになってしまいます。
 私は思うんですが、もしここに1丁の豆腐があったとします。腹をすかせた食い盛りの中学生5人にこの豆腐を分けることにしましょう。きちっと5等分してあげればこの豆腐はきれいに消化されます。ありがたく消化されて、この豆腐をつくった方はありがたいという感謝をするはずなんです。しかし、どうぞ奪い合って食べなさいと言ったら、これは1人分もなくなってしまうんじゃないかなというふうな思いを私はします。
 この建設業の皆さん方は、執行部が適正な価格でつくった予算を消化し切れない。もうこれをきちっと消化していくためにも建設業の皆さん方も執行部の皆さんもぜひ消化していただきたいと、消化不良にさせないように消化していただきたいという気持ちはやまやまあるはずなんです。しかし、今の建設業の皆さん方は、先ほど話しましたこの腹をすかせた中学生、この方々の気持ちになっているんじゃないかというふうに思っております。これを長続きさせてはいけないと私は思っております。
 この適正な価格で予算を組んで、これをきちっと消化していただければ首里部長を初め、この予算を組んだ皆さん方もうれしく思うだろうが、今のような消化不良では大変不満を持っているはずであります。
 私は、談合をやれというふうなことは言いませんが、分け合って、どういうふうにすれば建設業が育ち、そして沖縄県経済に打撃を与えないような建設業の仕組みにできるかというふうなことを考えなければいけないんじゃないかなというふうな思いをしております。ぜひ知事、いま一度新しいお考えが、あるいはまた御決意があるのであればお聞かせ願いたいというふうに思います。
 よろしくお願いします。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後1時41分休憩
   午後1時43分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 池間議員の御質問が1つだったのか4つあるのかで今あれしていまして、そのうちの2つを申し上げたいと思います。
 今、数字で示しましたように、やはりこの違約金にしてもかなりの打撃を建設業に与えることは確かだということで、私どもは建設業の大きさ、そして県経済に占める影響度ということを考えて、いずれにしましてもこのままただ単純に実行すると社会問題にもなりかねないというような心配は当初から持っておりまして、実は非常に慎重に慎重に、さはさりながら、やっちゃいかぬことをやるということはこれは当然いけませんので、ここを専門家とか弁護士さんとか、いろんな方と御相談しながら、今の建設業に与える打撃をぎりぎり抑えながら、我々はやるべきことをどうやっていくか。実は1年かけてやってきまして、できればこの年度内にはもう結論を出して実行したいと思っておりますが、無論これは建設業界にもよって来るゆえんと、あるいはよく説明をし、やるべきことはやりながらも、この建設業界の苦境に対して何とか手を差し伸べられないかということも踏まえ、もうすぐ結論を出したいと思っております。
 池間議員の情熱もよくきょう理解できましたし、そういうことも踏まえて結論を出していきたいと考えております。
○土木建築部長(首里勇治) 再質問にお答えいたします。
 まず1点目の、84億円の詳しい計算結果が出るのはいつごろかというような質問にお答えいたします。
 私どもとしては、今、いろんな絞り込みをやっている状況にございまして、今年度内にはできるだけ早目に出したいというふうに考えております。
 4点目の、公契モデルに基づく最低制限価格については各県の事情を考慮してもいいんじゃないかというような趣旨の御質問にお答えいたします。
 私どもは適正な価格で計上し、適正な発注を行っているところでございます。
 以上でございます。
○池間  淳 部長、ありがとうございます。
 適正な価格というのは、やはりこれを消化してもらいたいというふうな気持ちもあるはずですから、これは消化できるようにぜひいい知恵を出し合って頑張っていただきたいというふうに思います。
 もう一度言います。分け合えば余る、しかし奪い合えば足りないです。ひとつよろしくお願いいたします。
○金城  勉 こんにちは。
 では通告に従って一般質問をさせていただきます。
 まず、福祉保健部関連について伺います。
 (1)、まず待機児童問題、認可外保育施設の支援策について質問いたします。
 この問題は、今議会も多くの議員が取り上げました。それほど重要な問題として位置づけられているわけであります。同じように税金を払っている県民の子供たちが、預け先によって保育環境が大きく違うということは、視点を変えれば人権問題としてのとらえ方もできるわけであります。
 沖縄県の出生率が全国一という裏では、認可外保育施設の長時間保育、深夜保育など、多様な保育サービスが大きく貢献していることは間違いありません。その認可外保育施設による貢献は、金額に換算すると125億円にも上るということは、以前の私の質問に対する答弁でも明らかになっております。それだけ巨額の負担を認可外保育施設に担ってもらっているわけであります。
 沖縄の子供たちが一日も早く保育格差を解消して平等に健やかな保育サービスが受けられるよう、担当部署や仲井眞知事の御尽力をお願い申し上げます。
 以下、質問します。
 ア、認可化促進事業について、過去の実績と進捗状況、今後の展開について御説明をお願いいたします。
 イ、給食費助成について、次年度の予算計画はどうでしょうか。
 ウ、給食費の助成を初めとする待機児童問題の抜本的解決のために沖縄振興特別調整費の活用など、政府との交渉はどうでしょうか。
 エ、幼保一元化への取り組みについて、認定こども園の制度ができましたけれども、現状はいかがでしょうか。保育と幼児教育を組み合わせることによって健やかにはぐくみ、また人間としての能力開発も早い時期から進めていくためには、保育園と幼稚園の機能・役割を組み合わせ、積極的に活用すべきではないでしょうか。
 (2)、国保特別調整交付金の不足分の補てん問題について伺います。
 ことし発覚した国民健康保険の特別調整交付金問題は、その後どうなったのか。1993年から13年間にも及ぶ厚生労働省の算定ミスによる影響額はどの程度か。時効規定はどうなったのか。
 ことしの7月5日に私ども公明党として柳澤厚生労働大臣に時効規定を適用しないよう、不足分の全額を追加交付するよう要請した際、そのとおりにしますとの答弁がありました。その後の状況を御説明ください。
 (3)、後期高齢者医療制度について伺います。
 明年4月からスタートすることになっておりますが、ア、制度導入の理由は何でしょうか。
 イ、高齢者いじめではないかとの指摘がありますが、どうでしょうか。
 ウ、低所得者層への軽減措置はどうか。
 エ、平成20年度の保険料凍結など軽減措置の内容と平成21年度以降の方針はどうか。
 (4)、療養病床削減の影響について伺います。
 医療制度改革による療養病床の削減が注目されております。
 ア、療養病床削減の具体的内容は何か。
 イ、医療難民、介護難民が懸念されているが、どう対応するか。
 ウ、病院や施設など病床削減に伴う費用負担はどうなるか。
 エ、沖縄に重度患者が多い理由は何か。他県と比べてどうか。
 オ、医療費抑制に向けての全県民的取り組みをどうするか。
 (5)、少子化対策の一環として実施されております妊婦健診について伺います。
 ア、公費負担による妊婦健診の実施状況などはどうでしょうか。
 イ、県の今年度の状況と次年度への取り組みについて御説明ください。
 ウ、市町村の実施状況はどうでしょうか。
 エ、実家のある地域へ里帰りした場合などの里帰り健診への適用はどうでしょうか。
 (6)、障害者就労支援について。
 障害者福祉施策については、措置制度から支援費制度、そして障害者自立支援法の導入へと移ってきました。障害者自立支援法は、障害者が地域で暮らせる社会にし、自立と共生を目指す目的で導入されましたが、費用負担の問題やサービス提供のあり方など検討課題も指摘されております。
 きょうは就労支援の問題に絞って質問をいたします。
 これまで障害者の就労について、授産施設などから出て就職した人の割合が極めて低い。施設での工賃が月数千円から1万円台と低い。職業訓練が不十分である。離職した場合の再チャレンジの受け皿がなく、就職をちゅうちょする傾向があるなど課題が多々ありました。そこで、厚生労働省は障害者が能力や適性に応じて、より力を発揮できる社会へと目標を立てております。
 以下、質問します。
 ア、工賃倍増計画支援事業の取り組みについて御説明ください。
 イ、授産施設の工賃収入の現実をどのようにとらえ、認識しておりますか。
 ウ、工賃収入増加のため具体的にどのような取り組みをしておりますか。
 エ、地域産業界や市町村での障害者雇用促進の取り組みについて御説明ください。
 オ、小規模作業所の現状と課題について御説明ください。
 カ、養護学校の卒業生の進路について概況を御説明ください。
 (7)、がん対策推進計画の策定について。 
 がん対策基本法が4月から施行されました。基本法は、まず国に基本計画の策定を義務づけ、それを受けて都道府県もそれぞれの地域の実情に応じた推進計画策定を義務づけております。県の取り組みを御説明ください。
 (8)、エイズ感染者の実態と対策について。
 国内のエイズ拡大に歯どめがかからないとの報道がなされております。HIV感染者やエイズ患者は20代から30代の若者が70%近くを占めているようですが、40代、50代もふえていると報告されております。沖縄における実態と対策について御説明をお願いします。
 2、観光商工部関連。
 (1)は取り下げます。
 (2)、G8科学技術大臣会議の開催について伺います。
 明年7月の北海道洞爺湖サミットに先立ち、日本政府が主催して地球規模での科学技術政策の課題などについて意見交換するG8による初の科学技術大臣会合を来年春に沖縄で開催する方向で各国と調整に入ったことが報道されておりますが、国との連携はどうでしょうか。
 (3)、ニート対策について伺います。
 ニートとは、15歳から34歳までの学校にも行かない、就職もしない、職業訓練も受けない若者というように定義されております。しかし、その内容は一律ではないようです。単なる怠け者なのか、さまざまな障害のゆえなのか、適切な教育がなされてないせいなのか、家庭に原因があるのか、社会的就職環境の厳しさなのか、一概に決めつけることは難しいようです。しかし、現実は年々その数字が増加し、社会問題化しております。
 私は、先日、北中城村にある厚生労働省委託のニート対策の施設・サポートステーション沖縄に行ってまいりました。厚労省の委託事業とはいえ、家賃補助もなく、少ないスタッフでほとんどがボランティアに近い状態で頑張っております。ことしの6月からスタートしておりますが、今日まで約100人の方が相談に来ております。高校中退者や不登校経験者、また養護学校を卒業した人など多様な皆さんが訪れているようです。丁寧に話を聞いてあげてさまざまな角度からアドバイスをして、何とか就職に結びつけようとスタッフは一生懸命です。今後、一定の効果を上げるためには家庭、学校、行政、地域、企業など、ネットワークを生かした連携が重要だとのことでした。
 他方、サポートステーション沖縄の責任者の話によりますと、高校中退者が毎年一千五、六百人もいる中で、彼らへのフォローがどうなっているのか心配をしておりました。ニート予備軍が次々と生まれているということも指摘しておりました。もし、彼らがニートのままで年月を過ごしていくとしたら、納税や社会保障の観点から大きな問題になります。そのためにも地道な取り組みが大事になってきます。
 そこで以下質問をいたします。
 ア、県内のニートの実態はどうか。
 イ、サポートステーション沖縄との連携はどうか。
 ウ、ニート対策として、県と市町村との連携はどうか、実績はどうか。
 3、文化環境部関連。
 (1)、多重債務者の実態と対策について。
 複数の消費者金融会社から借り入れして、過酷な取り立てに苦しんでいる多重債務者の問題は、経済環境の厳しい昨今、まだまだ多くいると言われております。最悪の場合は自殺にまで追い込まれるケースもあると聞きます。貸金業規制法が改正され、多重債務者を出させない仕組みができたとはいえ、現存の多重債務者が直ちに救われるわけではありません。生活が困窮し、就業環境もまだまだ厳しい状況の中で、相談体制など県内の実態と対策について御説明ください。
 4、土建部関連について。
 (1)、道路特定財源について伺います。
 政府・与党は、道路特定財源の取り扱いについて種々協議を続けてまいりましたが、暫定税率を維持しながら、道路整備の中期計画については国交省の素案を圧縮して進め、高速料金の引き下げも行うなど、見直し案をまとめたと報道されております。全国知事会は、道路特定財源だけでは財源が不足し、一般財源を投入して道路整備を行っているとして、現行制度を維持しながら地方への配分割合を高めるよう要望しております。
 一方、原油価格の高騰から消費者の間では暫定税率の見直しを求める声も強くあります。 
 そこで伺います。
 ア、ガソリンや灯油などの価格高騰により、消費者から暫定税率見直しの声が強いが、県の考え方はどうでしょうか。
 イ、県内における道路関連の税収は幾らか。また、県道及び市町村道の整備に充てられている予算は幾らか。
 ウ、来年3月で暫定税率が期限切れを迎えた場合、今後、県内の道路整備にどのような影響を与えるでしょうか。
 エ、道路特定財源の税収の余剰分を一般財源化しようという議論があるが、県の立場としてどのように考えるか。
 (2)、中部合同庁舎建築について。
 着工から供用開始までのスケジュール、予算規模や建築面積などについて御説明ください。
 (3)、県営泡瀬団地の改築計画について明年予定されておりますけれども、事業スケジュール、予算、建設規模などについて御説明をお願いします。
 5、観光商工部関連。
 (1)、IT津梁パーク構想の内容と今後の取り組みについて御説明をお願いします。
 6、教育委員会関連。
 (1)、アメラジアンスクール支援について伺います。
 在日米軍基地の集中する沖縄で、アメラジアンの教育権保障問題が社会問題として注目を集めるようになったのは10年ほど前のことでありました。
さまざまな議論、変遷を経て、国、県、市町村の支援のもと、今日のアメラジアンスクールが宜野湾市の人材育成交流センターの1階に入居できたのは平成15年4月でありました。その間に、アメラジアンスクールヘの通学が学籍のある公立校で出席扱いとして認定され、中学卒業資格も認められるというところまで前進しました。
 学歴保障については何とか解決できたものの、公的財政支援についてはハードルが高く、厳しい現実がありました。それでも県に要請したり小渕総理大臣に直接窮状を訴えたりしたおかげで、島田懇談会事業を活用した施設を無償提供してもらい、県からは日本語教師派遣事業で支援をしていただいております。
 今日までの経過を振り返ったとき、国、県、市町村などの行政支援やボランティアなど多くの皆さんの善意に支えられてきたのは間違いありません。生徒数もスタート時点の20人から今日では60人余にふえております。開校から9年間で延べ200人近い生徒を受け入れ、卒業生のほとんどが県内の公立高校へ進学しているとのことであります。アメラジアンスクールが一過性のものでないことがわかります。
 しかし、今日のアメラジアンスクールが問題なく順調に運営されているかというと、まだ課題は多く残されております。開校当初、20人の生徒が60人にふえたことで施設が手狭になってきたこと、県の日本語教師派遣事業が教育庁の事業ではなく文化環境部の平和・男女共同参画課の事業として実施されているため、予算削減の対象として何度か事業継続が危ぶまれたこと、派遣されている日本語教師に研修機会がないことなど、課題は多く残されております。アメラジアンスクールの生徒たちが今後も安心して教育を受けていくためには、そうした課題を解決していかなくてはなりません。
 そこで質問します。
 ア、アメラジアンの生徒たちが今後も安心して教育を受けていくためには権利を保障すべきだと思います。そのためには、文化環境部の事業ではなく、教育庁の事業としての位置づけが必要と考えますが、県の方針をお聞かせください。
 イ、県から派遣している日本語教師の研修や学習指導書の提供など、不備な点について改善すべきではないでしょうか。
 ウ、百聞は一見にしかずといいます。アメラジアンスクールの現状を把握するためにも、教育長みずから直接現場を視察する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 (2)、いじめ対策について。
 平成18年度のいじめの件数は12万5000件と前年度の6倍に上ったと報道されております。県内の公立学校も2.1倍にふえております。いじめの定義をより被害者に配慮した形にしたことによる増加とされておりますけれども、いずれにせよ、他人の人権を脅かす権利は何人にもありません。いじめは、いじめる人が無条件で悪い、人間として卑劣な行為であるという考え方を浸透させることが大切であります。県として、市町村教育委員会との連携など、いじめに対する取り組みについて御説明ください。
 (3)、特別支援学校整備について。
 特別支援学校の整備状況はどうか。
 小中学校における特別支援教育の支援員の配置についての実態はどうか。
 (4)、小中学校における副教材の費用負担について。
 義務教育においては教科書は無償で生徒に提供されておりますが、副教材は有償で各人が購入しております。その副教材の費用がかなりの額に達し、父母の大きな負担になっているとの指摘がありますが、実情を把握しているでしょうか。
 最後に県警に伺います。
 沖縄署の移転問題について。
 県道20号線の拡幅工事による沖縄警察署の移転が取りざたされております。今後の改築計画はどのように行われるか、方針をお示しください。
○知事(仲井眞弘多) 金城議員の御質問にお答えいたします。
 まず、福祉保健関係でございますが、認可外保育施設の認可化の促進状況についてという御質問にお答えいたします。
 認可外保育施設につきましては、平成19年度におきまして12カ所を認可化いたしております。それ以前の5カ年間では合計で33カ所を認可化いたしております。また、来年度は7カ所の認可化を予定しているところでございます。
 県としましては、引き続き保育の実施主体であります市町村と連携し、認可外保育施設認可化促進事業における施設整備や保育士派遣等に係る経費の助成等により、認可外保育施設の認可化に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、同じく福祉保健関係ですが、給食費助成について次年度実施はどうかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 この御質問につきましては、吉田議員を初め大勢の議員から御質問いただき、そして県議会の少子・高齢対策特別委員会の委員の先生方、そして沖縄関係の国会議員の先生方によく要請活動をやっていただき、大変感謝いたしております。なかなか行財政改革厳しい折という回答をさせていただきましたが、この認可外保育園の件につきましては、今度の予算編成を含め、何らかの形でまとめることができるよう努力してまいりたいと考えております。
 そして次に、がん対策推進計画についてお答えいたします。
 都道府県がん対策推進計画は、がん対策基本法に基づき、ことし6月に国が策定しました「がん対策推進基本計画」を基本に、都道府県におきまして総合的・計画的にがん対策を推進するために策定が義務づけられております。
 県では、現在、沖縄県がん対策推進計画の策定について県保健医療協議会等で検討を行っており、今月じゅうに計画の案を作成し、来年1月のパブリックコメントを経て今年度中に同計画を策定することといたしております。
 県としましては、今後、同計画に基づき、がんの予防やがんの医療提供、医療連携体制の構築、緩和ケアの充実等を図り、がん患者の生存率や生活の質の向上などの対策を推進していきたいと考えているところでございます。
 次に、観光関係の御質問にお答えいたします。
 IT津梁パーク構想の内容と今後の取り組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄IT津梁パーク構想につきましては、11月に場所を中城湾港新港地区都市機能用地に決定したところであります。10ヘクタール程度の用地に約8000人収容可能な施設を整備したいと考えているところでございます。来年度からはオフショア開発や人材育成など、中核的な機能を集約する中核機能支援施設の整備に着手いたしたいと考えております。
 あわせて、民間を活用したオフィス機能の整備により、今後、市場の拡大が見込まれておりますBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)など、より高度で多様なIT分野の集積を促進したいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○福祉保健部長(伊波輝美) 福祉保健部関連の、沖縄特別振興対策調整費を活用した待機児童解消についてにお答えいたします。
 県では、現在、沖縄特別振興対策調整費を活用した事業所内保育施設等の設置促進を図る子育て家庭の就労支援モデル事業を実施しております。この事業では、沖縄特別振興対策調整費の目的である雇用の安定確保等とともに、待機児童の解消も図られております。
 県では、今後ともさまざまな工夫で当該調整費の趣旨を踏まえた事業を展開していくことができないか検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、幼保一元化の取り組みについてにお答えいたします。
 就学前の児童に対する教育と保育の総合的な提供に関する取り組みとして認定こども園制度がありますが、本県においては今のところ認定した件数はありません。
 本県では、市部を中心に待機児童が多いことや、私立幼稚園において深刻な定員割れの状態にないことなど、現時点では同制度が積極的に活用される状況にないと考えております。
 また、認定に伴う助成措置がないことから、特に認可外保育施設については、同制度が支援策となりにくいものと考えております。
 こうした状況ではありますが、同制度が地域の実情に合わせて有効に活用できる可能性がある場合、積極的に助言・指導してまいりたいと考えております。
 続きまして、国保特別調整交付金の厚労省の対応についてにお答えいたします。
 厚生労働省においては、時効問題を関係方面と協議しているところであり、その後、本来の算定システムで再計算し、それを各市町村に確認してもらった上で今後調整していきたいと考えているとのことでございます。
 続きまして、後期高齢者医療制度導入の理由についてにお答えいたします。
 後期高齢者医療制度は、少子・高齢化が加速し、保険料を納める現役世代が減り、高齢者の医療費がふえる中で国民皆保険制度を堅持していくため、世代間の負担の明確化と公平化を図る観点から独立した制度として創設されたものであります。
 同じく後期高齢者医療制度は高齢者いじめとの指摘についてにお答えいたします。
 後期高齢者医療制度の趣旨は、後期高齢者の心身の特性に応じた医療サービスを提供するとともに、高齢者に応分の負担を求めるものであります。
 高齢者の負担を軽減するための措置として、低所得世帯に対する保険料の軽減と、新たに保険料を負担することとなる被保険者の被扶養者に対する激変緩和措置が設けられております。
 また、医療保険と介護保険の両方のサービスを受ける世帯の負担を軽減するため、高額医療・高額介護合算制度が新たな制度として設けられております。
 続きまして、低所得者層への軽減措置についてにお答えいたします。
 後期高齢者医療保険料は、所得に応じて負担する所得割と被保険者がひとしく負担する応益割で構成されております。
 低所得世帯に属する被保険者については、所得に応じ応益割部分の保険料が7割、5割、2割と軽減されます。
 保険料の減額分については、その4分の3を県が、残りの4分の1を市町村が負担することになっております。
 続きまして、平成20年度の保険料凍結の内容と平成21年度以降の方針についてにお答えいたします。
 国から示された平成20年度の保険料凍結の内容は、後期高齢者医療制度において、被用者保険の被扶養者であった者の新たな保険料負担について、平成20年4月から6カ月間は徴収せず、平成20年10月から6カ月間は9割軽減することであります。
 21年度以降の方針については現在のところ示されておりません。
 続きまして、療養病床再編の具体的内容及び懸念への対応についてにお答えいたします。一括してお答えいたします。
 療養病床再編については、平成24年度を目標に療養病床に入院する患者の状態等を踏まえ、医療の必要度の高い者が活用する病床を医療療養病床として残し、医療の必要度が低い者が活用する病床については、介護保険施設等への転換を図っていくものであります。
 県としては、医療費適正化計画で示す療養病床の目標数をもとに、地域ケア体制整備構想において介護保険施設等への転換計画を圏域ごとに示すこととしており、介護が必要な者については引き続きケアが受けられるような体制づくりに努めていきたいと考えております。
 続きまして、病床再編に伴う病院等の費用負担についてにお答えいたします。
 療養病床から介護保険施設に転換する場合においては、施設基準や設備基準に違いがあることから、施設改修等の費用負担が生じることが考えられます。
 このため、国においては、施設改修等への国庫補助制度の創設や借入金の融資率の低減を図る措置等、転換後の安定的な経営を実現させるための支援策を講じることとしております。
 県としても、国庫補助制度を活用した支援を行うこととしており、療養病床再編が円滑に実施できるよう努めていきたいと考えております。
 続きまして、療養病床の重度患者の状況についてにお答えいたします。
 平成18年10月や去る8月に実施しました「療養病床アンケート調査」等においては、医療療養病床に入院する患者の中で、医療の必要度が高い患者の割合が全国に比べて高い状況にあります。
 同病床の入院患者の主な疾病は、脳血管障害や心疾患等の生活習慣病であります。
 本県においては、若年期からの肥満が多いことに加え、健診の未受診率が高いことや治療の放置等により生活習慣病が重症化していることが考えられます。
 医療療養病床の入院患者の重度化については、これら健康上の問題からの影響に加え、全国に比べ介護保険施設が多いことや、重度な入院患者の治療の診療報酬が高いこと等さまざまな要因が影響していることと考えられます。
 続きまして、医療費抑制に向けた取り組みについてにお答えいたします。
 本県の医療費は毎年増加しており、特に老人医療費の伸びは毎年全国の上位にあるなど大きな課題となっております。
 また、平成19年度厚生労働白書においては、本県の特徴について、「入院医療費が高く、入院外医療費は低い。メタボリックシンドロームリスク保有者割合が非常に高い。」と指摘されております。
 さらに、国民生活基礎調査で、本県は全国に比べて健診受診率が低く、また医療機関で要受診とされながら未受診となっている者の割合が高い状況となっております。
 県としては、これら本県の保健医療の特徴や課題を踏まえて、平成20年度から始まる特定健診・特定保健指導を充実し、生活習慣病等の予防対策を推進するほか、地域医療連携や療養病床の再編など医療資源の効率的な活用を推進するなど、適切な対応に努めていきたいと考えております。
 続きまして、妊婦健診の市町村の状況と県の対応について一括してお答えいたします。
 現在、市町村では、母子保健法に基づく妊婦健康診査事業を2回公費で実施しております。
 国は、平成19年、市町村に対し、妊婦健康診査公費負担の回数を拡充するよう通知し、拡充に伴う費用については地方交付税措置を講じております。
 ことし9月に各市町村へ拡充についての意向調査をした結果、今年度からの市町村は1カ所で、次年度から検討している市町村は40カ所で、全市町村が拡充に向けて取り組んでいるところでございます。
 なお、里帰り健診につきましては、実施主体の市町村が公費負担の適用を検討することになります。
 県では、妊婦健康診査公費負担の拡充に向けて実施主体の市町村、産婦人科医会、関係機関と話し合いの場を設定し、全市町村が最低限5回、充実した妊婦健康診査が実施できることを最優先課題として取り組んできました。
 今後も市町村を通して妊婦健康診査の重要性を周知するとともに、産婦人科医会、関係機関と連携して妊婦の健康管理の充実強化を図っていきたいと考えております。
 続きまして、障害者自立支援法に関する工賃倍増計画の策定と工賃収入増加のための取り組みについてに一括してお答えいたします。
 授産施設等において生産活動をしている障害者が地域で自立した生活を送るためには、工賃を引き上げることが必要であると考えております。
 また、障害者の工賃の引き上げに向けては、産業界等の協力を得ながら官民一体となった取り組みが必要であると考えております。
 このようなことから、県においては、商工会議所や工業連合会等の委員で構成する「沖縄県工賃アップ推進委員会」を設置いたしました。
 本委員会における意見を踏まえ、今年度中に平成23年度までの目標工賃や各年度において取り組む具体的な方策などを定めた沖縄県工賃倍増5カ年計画(仮称)を策定し、工賃収入の向上に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。
 同じく授産施設の工賃収入についてにお答えいたします。
 工賃倍増計画の対象となる施設の平成18年度における平均工賃は、全国平均は1万2222円で、本県は1万3552円となっており、全国平均より高くなっております。
 しかしながら、障害者が地域で自立して生活を実現するためには、工賃を引き上げる取り組みが必要であると考えております。
 続きまして、小規模作業所の現状と課題についてにお答えいたします。
 小規模作業所は、障害者自立支援法に基づき、創作活動や生産活動の機会の提供などを行う地域活動支援センター等の法定事業へ移行することにより、地域の社会資源として公的に位置づけられます。
 県においては、小規模作業所が地域の障害者の働く場、創作活動の場、社会参加の場として重要な役割を果たしてきたことを踏まえ、地域活動支援センターを初め、就労移行支援や就労継続支援事業等の法定事業への移行を積極的に進めているところであります。
 平成19年4月1日現在、地域活動支援センター及び就労継続支援等新体系への移行は88カ所のうち54カ所であり、平成20年度中にほとんどの小規模作業所が地域活動支援センターなど新体系へ移行する予定となっております。
 続きまして、エイズ感染者の実態と対策についてにお答えいたします。
 本県は、最近3カ年の感染者の報告数が増加しているということで、平成18年度より16の対策強化自治体に指定されました。
 ことし1月から9月末までに報告されたHIV感染者・エイズ患者数は23例で過去最多となっており、人口当たりでは東京都に次いで全国で2番目に多い状況にあります。年代別では20から30代が83%を占め、全員男性で、感染経路別では同性間の性的接触が多くなっております。
 県としましては、12月1日の世界エイズデー等を利用して広く県民にエイズに関する普及啓発を行っております。また、若い世代等、対象者に応じた啓発活動にも取り組んでいるところでございます。
 感染者を早期に発見することが重要であることから、すべての保健所で即日検査を実施できる体制を整備し、さらに今年度からは夜間検査や街頭検査を導入して検査を受けやすい体制整備を進めております。
 医療体制については、3カ所のエイズ治療拠点病院を中心に、連絡会議や研修会等を開催して体制の整備を図っています。また、時間外電話相談事業の実施、カウンセラーの派遣事業等、相談療養体制の充実にも努めております。
 今後も国の特定感染症予防指針に基づき、感染予防や感染者の早期発見、医療の提供、人権の尊重など、引き続きエイズ対策を強化していきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(仲田秀光) それでは福祉保健部関連の質問の中で、産業界や市町村での障害者雇用促進の取り組みについてお答えいたします。
 民間企業における障害者雇用状況については、平成19年6月現在、障害者法定雇用率1.8%を達成している県内民間企業の割合は46.4%であり、全国平均の43.8%を2.6ポイント上回っております。
 障害者雇用の促進を図るため、県内経済団体においては、障害者雇用・就労支援フォーラムの開催等により障害者雇用を呼びかけております。
 また、那覇市や沖縄市においては、障害者雇用事業主に対する助成金制度の創設、障害者就職相談窓口や就労支援センターの設置等を行っております。
 県としましても、市町村及び経済団体等との連携を強化し、事業主に対する雇用の要請、障害者に対する職業訓練の実施、障害者雇用支援月間における啓発活動等、引き続き障害者の雇用拡大に努めてまいります。
 観光商工部関連の御質問の中で、G8科学技術大臣会議の開催についてお答えします。
 来年7月のG8洞爺湖サミットに合わせて、政府は主要8カ国による初の科学技術関連閣僚級会議を検討しており、開催地として本県が有力視されているとの一部マスコミ報道がありました。現在、政府内で開催に向け調整しているとのことですが、正式な発表はまだされておりません。
 県としましては、同大臣会合の開催について関係省庁からの情報収集に努めているところであります。
 次に、本県のニートの実態についてお答えします。
 厚生労働省では、労働力調査において、15歳から34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない人を若年無業者として、いわゆるニートに近い概念として定義しております。
 平成18年のいわゆるニートの数は全国が62万人、本県は1万2000人となっております。また、15歳から34歳人口に占める割合は、全国が1.9%、本県は3.2%となっており、全国平均と比較して高い割合であります。
 次に、サポートステーション沖縄や市町村との連携についてお答えします。一括してお答えいたします。
 厚生労働省は、ニート対策として平成18年度から「地域における若者自立支援ネットワーク整備モデル事業(地域若者サポートステーション事業)」を進めています。
 当該事業は、民間団体やNPO法人等が持っている専門性と自治体が持っているネットワーク機能を活用し、ニートや引きこもり等、要支援者の掘り起こしや心理カウンセリング等を行うものです。
 本県においては、社団法人日本青少年育成協会沖縄センターが北中城村と県の推薦を受けて、平成19年6月にサポートステーション沖縄を北中城村にオープンしております。
 サポートステーション沖縄では定期的に朝食クラブを開催したり、地域で活躍する大人たちが職業への思いをスピーチする「カッコイイ大人コンテスト」等のイベント開催によってニートの若者たちの社会参加を促しています。これら事業の効果的な展開を図るためには、市町村を初め学校、福祉団体、企業団体等との連携が重要であります。
 県としましては、同センターの広報・周知に努めるほか、沖縄県キャリアセンターで就職相談に応じセミナーに参加させるなど、積極的に協力しております。また、関係機関のネットワーク機能の強化を図るため、ニート対策協議会の立ち上げについて準備を進めているところであります。
 以上でございます。
○教育長(仲村守和) それでは福祉保健部関連の御質問で、養護学校の卒業生の進路についてお答えいたします。
 特別支援学校高等部卒業者数は、平成16年度は205名で、進路決定者は172名、進路決定率83.9%、平成17年度の卒業者数は233名で、進路決定者は207名、進路決定率88.8%、平成18年度の卒業者数は246名で、進路決定者は222名、進路決定率90.2%となっております。
 卒業生の進路は、一般企業や福祉作業所等への就労、職業能力開発校等への進学、福祉施設への入所などとなっております。
 県教育委員会としましては、今後とも関係機関との連携を図り、特別支援学校生徒の自立と社会参加を目指した進路指導の充実に努めてまいります。
 次に、教育委員会関連の御質問で、アメラジアンスクールの位置づけについてお答えいたします。
 アメラジアンスクール・イン・オキナワは、関係市町村教育委員会の判断により、不登校児童生徒が学籍のある学校に復帰することを目指した民間の相談・指導施設であり、平成16年にはNPO法人認定もされております。
 県教育委員会は、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に基づき公立の学校を所管することとなっており、学校法人やNPO法人等については所管できないため、直接かかわることは難しいと考えております。
 次に、研修や指導書の提供などの支援策についてお答えいたします。
 日本語等指導者の研修に関しましては、学力向上に係る研修や教育課程研究集会等への参加は可能であります。
 また、児童生徒の学籍校での授業参観や校内研修等への参加につきましては、校長の判断によることとしております。
 指導書の提供につきましては、「公の支配に属しない教育の事業に対する公金の支出」に当たるため困難であると考えております。
 次に、現場視察についてお答えいたします。
 アメラジアンスクール・イン・オキナワにおいては、二重国籍等を有した子供たちに学びの場を提供するとともに、日米両方のアイデンティティーを確立するための教育が行われております。
 県教育委員会としましては、今後とも児童生徒の適切な就学のために、関係市町村教育委員会と連携した取り組みを推進してまいりたいと考えております。
 現場視察につきましては、他の不登校に係る民間の相談・指導施設を含め、今後検討していきたいと考えております。
 次に、いじめ対策についてお答えいたします。
 本県のいじめについては、小・中・高等学校で740件、前年度に比べ396件の増となっております。
 県教育委員会としましては、早期発見を第一に、スクールカウンセラーや巡回教育相談員の配置、「指導・支援カルテ」の活用などによる児童生徒理解の充実と教育相談体制の確立に努めるとともに、心の居場所づくりなどに取り組んでいるところであります。
 今後とも、教師と児童生徒の日ごろの人間的な触れ合いを通して信頼関係を深め、広い視野からの児童生徒理解に努めるとともに、家庭や地域、関係機関・団体等とも連携し、いじめの未然防止や早期発見・早期対応に努めてまいります。
 次に、特別支援学校の整備状況と父母との話し合いについてお答えいたします。
 特別支援学校の整備につきましては、去る11月27日に学識経験者及び保護者代表等で構成される「県立特別支援学校編成整備に関する懇話会」から提言を受け、現在、整備計画案を検討しているところであります。
 今後、同案に基づいて、保護者、学校関係者及び関係団体に対し説明会を開催し、理解を得ながら整備計画を策定していく予定であります。
 県教育委員会としましては、保護者や地域のニーズを踏まえ、より適切な特別支援学校の整備充実を図っていきたいと考えております。
 次に、特別支援教育支援員の実態についてお答えいたします。
 平成19年度より小学校及び中学校において、さまざまな障害を持つ児童生徒に対する学校生活上の介助や学習活動上の支援などを行う特別支援教育支援員の計画的な配置を実施するよう、国から各市町村へ地方財政措置が行われております。
 本県における特別支援教育支援員配置の予算化について平成19年11月末の調査によりますと、41市町村中30市町村において予算化され、小学校203名、中学校43名、計246名の支援員が配置されております。
 次に、支援員の配置についてお答えいたします。
 特別支援教育支援員は、市町村教育委員会が特別な支援を必要とする児童生徒の有無を把握し、適切に配置することとなっております。
 県教育委員会としましては、特別な支援を必要とする児童生徒がいるにもかかわらず、支援員の配置がなされていない市町村については、適切な配置がなされるよう指導助言を行ってまいりたいと考えております。
 次に、副教材の費用負担についてお答えいたします。
 副教材の使用に関しましては、各学校において計画決定されており、経費については学校の教育活動上必要とする費用の中で、受益者負担の考えに基づいて保護者から徴収されております。
 平成17年度に実施した調査によると、年間小学校で約1万1000円、中学校で約1万5000円の負担となっております。
 なお、市町村においては、就学に係る支援として要保護及び準要保護就学支援事業が実施されております。
 県教育委員会としましては、今後とも教材の採用に当たっては、児童生徒の発達段階等に応じた有益適切なものを選択するとともに、保護者の経済的な負担も考慮するよう各学校に周知していきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 多重債務者の実態と対策についてお答えいたします。
 県内には多重債務者が相当数いるものと推測しておりますが、県としてその実数は把握できておりません。
 県では、多重債務に関する相談については県民生活センターと貸金業苦情相談室で対応しており、平成18年度の相談件数は合計で2555件となっております。
 多重債務対策につきましては、本年4月に政府の多重債務者対策本部において「多重債務問題改善プログラム」が決定されており、同プログラムでは、相談窓口の整備・強化、金融経済教育の強化等の施策を国、県、市町村、関係団体が一体となって取り組むことが示されております。
 その中でも特に住民に最も身近な市町村における相談窓口の整備が重視されており、県としても各市町村に対し、相談窓口の設置についてあらゆる機会を通して要請しており、去る5日には、市町村窓口担当職員を対象とした多重債務に関する研修会を開催したところであります。
 県は、11月に弁護士会、司法書士会及び県警察その他関係団体で構成する沖縄県多重債務対策協議会を設置し、相談体制の充実強化や消費者啓発に取り組んでいるところであります。 
 また、同協議会では「全国一斉多重債務者相談ウィーク」無料相談会を今月中旬に開催することとしており、今後とも関係団体と連携を図りながら積極的に取り組んでいく考えであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(首里勇治) それでは土木部関連の御質問で、暫定税率見直しに対する県の考え方についてお答えいたします。 
 県におきましては、道路特定財源の維持及び暫定税率の延長に関する具体的取り組みとして、去る11月16日に知事、県議会議長、市町村長会会長、及び市町村議会議長会会長の六者で構成する沖縄県自治体代表者会議を開催しております。
 同会議において、道路特定財源の現行の暫定税率の延長、道路整備財源の充実及び道路整備の中期計画の策定について緊急アピールを決議・採択したところであり、沖縄県として全県的に確認がなされていると考えております。
 次に、道路関連の税収及び県道、市町村道の予算についてお答えいたします。
 平成17年度の決算統計等の資料によりますと、本県の道路特定財源関連の税収は、国税として揮発油税が約283億円、自動車重量税が約47億円、石油ガス税が約4億円で、合計約334億円となっており、また県税として軽油引取税が約83億円、自動車取得税が約21億円、地方道路譲与税等が約65億円で、合計約169億円となっており、国税と地方税の合計額は約503億円となっております。
 平成17年度における国、県、市町村の道路事業費は、国が約391億円、県が約466億円、市町村が約360億円、合計で約1217億円となっており、県内の徴収税額約503億円の約2.4倍となっております。
 次に、暫定税率の期限切れに伴う道路整備への影響についてお答えいたします。
 新聞報道等によりますと、現在の暫定税率が本則税率に戻った場合、総額約2兆7000億円の税収減が国と地方自治体に生じるとのことであり、多くの自治体において道路整備に支障が生じることはもとより、財政破綻の危機に直面するとのことであります。
 本県においては、道路整備のほとんどを高率の国庫補助事業により整備を行っており、国庫すなわち道路特定財源の投入額は年間約1000億円以上に上ります。
 暫定税率が本則に戻った場合、1000億円以上に上る道路特定財源の投入額が半分程度になるものと思われ、県、市町村の財政運営のみならず、建設業界を初めすべての産業・経済活動に甚大な影響を及ぼすものと思われます。
 県としましては、かかる事態に陥ることがないよう現行の暫定税率を維持し、道路整備費の安定的確保による道路交通サービスの向上に向けて全力を傾注して取り組む必要があると考えております。
 次に、道路特定財源の余剰分の一般財源化に対する県の考え方についてお答えいたします。
 道路特定財源制度は、戦後の我が国の急速な道路交通の発達に伴い、立ちおくれた道路を計画的に整備するため、受益者負担に基づき、自動車利用者に課税する理にかなった税制度であります。
 同制度につきましては、昨年12月に道路特定財源の見直しに関する具体策として、道路歳出を上回る税収の一般財源化について閣議決定されたところであります。
 本県においては、那覇空港自動車道や沖縄西海岸道路及び南部東道路などの骨格道路の整備を初め、都市部の渋滞対策や島チャビを解消する離島架橋などの地域に密着した生活幹線道路に至るまで、多くの道路がいまだ整備の途上にあります。
 さらに、普天間飛行場やキャンプ・キンザーなど、今後、返還が予定される基地跡地の利活用につきましても、第一に道路整備から進めることが基本であると思います。
 本県の道路整備の現状や今後の道路整備のあり方を踏まえ、引き続き道路特定財源制度の維持はぜひとも必要であり、一般財源化することなく道路整備に充当し、真に必要とする道路整備を着実・迅速に進めていくことが極めて重要であると考えております。
 次に、土木建築部関連の御質問で、県営泡瀬団地の改築計画についてお答えいたします。
 県営泡瀬団地は、昭和50年の建設から30年が経過し、老朽化が著しいことから建てかえが必要な団地として位置づけており、現在、平成20年度の建てかえ事業に向け基本設計を進めております。
 本事業は、既存住宅数160戸の建てかえを2期に分けて実施し、平成24年度に完了の予定であります。改築後の住宅数は168戸とし、総事業費は28億円を見込んでおります。
 第1期につきましては次年度から平成22年度までの3年間とし、住宅数84戸、事業費は14億円を予定しております。
 なお、事業の実施に当たりましては、入居者の理解と協力が不可欠であることから、今後とも説明会等を通じて事業内容の周知を図りながら進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(宮城嗣三) 土木建築部関連で、中部合同庁舎建設事業の進捗状況についてお答えをいたします。
 中部地域の県の出先機関は広範囲に分散して所在し、また建物は老朽化が著しく建てかえの時期に来ております。このような現状を改善し、効率的な行政機能の充実と地域住民への行政サービスの向上を図るため、各出先機関を集約する中部合同庁舎を建設する予定でございます。
 主な入居機関は、コザ県税事務所ほか6機関を予定しております。
 事業の概要につきましては、総事業費は約16億円、建設場所が沖縄市字美里、構造は鉄筋コンクリートづくり4階建てで、延べ面積約6000平方メートルを想定しております。
 今年度実施設計を行っておりまして、工事につきましては20年度に着工、21年度に完成する予定となっております。
○警察本部長(得津八郎) 沖縄警察署の移転問題についてお答えいたします。
 県道20号線の道路拡幅工事計画によりますと、沖縄警察署の敷地及び庁舎の一部が道路予定地となっております。その場合、沖縄警察署庁舎の建てかえが必要となります。
 県警察におきましては、同署管内の治安維持のため、警察署の機能を十分に発揮できることを前提に住民の利便や他の官公署との連絡、交通等も考慮の上、現地建てかえ及び移転建てかえ案双方について検討しているところでありますが、現時点、具体的な候補地の選定には至っておりません。
○金城  勉 教育長に再度お尋ねをいたします。
 アメラジアンスクールの施策についてぜひ実施をしていただきたい。そういうじかにごらんになるところからいろんな課題、あるいはまた教育庁でできることなど見えてくると思いますので、ぜひもう一度前向きな答弁をお願いします。
○教育長(仲村守和) それでは金城勉議員の再質問にお答えをいたします。
 アメラジアンスクールの現場視察につきまして、民間の相談指導施設があと4カ所ございますので、その施設の視察も含めて今後積極的に現場を見てまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○伊波 常洋 こんにちは。
 質問に入る前に、せんだって私の兄の葬儀の際には仲井眞知事、仲里議長を初め同僚県議の皆さん、県職員の皆様から丁重な御焼香、御香典、御弔電をいただき、お礼を申し上げます。ありがとうございました。
 それでは質問に入ります。  
 小渡亨県議の自民党代表質問と関連し、本日の新聞報道とも照らし合わせながら質問をします。
 米軍普天間飛行場代替施設建設に関するアセスメント方法書について、県環境影響評価審査会は昨日10日、方法書の不備を指摘し、方法書と認めるのは難しいと判断しました。
 1、指摘されている不備の主な点を挙げてください。
 2、準備書までの再審査の可能性はありますか。
 3、防衛局は、知事意見で指摘があれば検討すると回答しているが、知事の御見解を伺います。
 同じく小渡亨県議の質問と関連いたしまして、政府はあす12日に開かれる米軍普天間飛行場の移設に関する協議会で、本年度分の北部振興事業費100億円の執行と次年度分同じく100億円の計上を決めるようであります。本年度事業費が凍結され、地元がV字型滑走路案の建設に協力しない限り次年度予算にも計上しない考えを示していた政府方針が急遽変わった背景と、それに対する知事の御見解をお聞かせください。
 続きまして、沖縄科学技術大学院大学建設について質問します。
 1、大学建設に伴う周辺整備基本計画の概要と関係市町村の役割は何か。
 2、周辺整備基本計画に掲げられた事業を実施するには財政の裏づけが必要となるが、民間資金導入についての具体的な考え方は何ですか。
 3、メーンキャンパスに隣接する恩納村、うるま市等近隣市町村の周辺地域の整備も計画されているが、具体的な役割分担は何ですか。
 4、構想の中に世界トップクラスの大学との共同研究が掲げられているが、本県の研究機関や琉球大学と共同した海洋資源開発などの研究も対象となりますか。
 5、施設建設や周辺整備事業等に県内優良企業の積極的活用と分離発注の配慮はいかがですか。
 次に、市町村合併について。
 1、旧合併特例法では、沖縄県内では5地域の合併実現にとどまりました。その結果をどのように分析・総括し、新たなる市町村合併に生かす方策がありますか。
 2、県は、27市町村を対象に9つの構想対象市町村の組み合わせを示している。組み合わせと関係市町村の協議の進捗状況をお聞かせください。
 次に、県道の電柱広告禁止について。
 1、屋外広告物条例第4条5号の告示の改廃による改正の経緯とその目的をお聞かせください。
 2、全国において広告を全面禁止している例と緩和措置、つまり適用除外されているものの例があればお示しください。
 3、本県では3年間の経過措置後、来年2008年4月から完全実施されるが、関係団体や企業等への事前通知あるいは調整はなされているのか。経過措置期間の延長の要望もあるが、審議会の意見はどのようになっていますか。
 4、広告を道案内に利用している観光客に対する対策はどうなっていますか。関係機関との話し合いを実施したことはありますか。その結果はどうでしたか。
 5、全面禁止の前に違法広告の撤去を徹底するのが先決と思うが、県の基本姿勢を伺います。
 次に、障害者自立支援対策について伺います。
 1、障害者に利用料の1割自己負担を求める障害者自立支援法の施行に伴い、施設利用に影響が出てきています。県の対応策はどんなものがありますか。
 2、地域に密着したサービスが提供できる市町村のサービス窓口の充実と支援策の強化が必要だが、市町村の現状と県の指導はどうなっていますか。
 3、障害者が自立した社会生活をするための受け皿づくりはどうなっていますか。
 4、障害福祉計画の市町村における策定状況はどうなっていますか。
 次に、公的年金制度改革について。
 1、納付率向上に向けてのPR活動、これは県あるいは市町村の広報活動はどうなっていますか。
 2、5000万件の記録不備が明らかになっているが、本県の件数はどうなっていますか。
 3、本県における地方第三者委員会の現在の審査状況はどうなっていますか。
 次に、地域振興についてお伺いします。
 道路行政を問うわけですけれども、その質問の前にちょっと関連して所見を述べます。
 死亡事故発生もしたことがある石川地区内の交差点に信号設置のめどがついてきました。重要な通学道路、通勤道路であるだけに、住民の声にきちっとこたえる当局の対応を評価いたします。
 1、沖縄石川線の改良整備について。
 沖縄石川線の安慶名―美原間は、合併後のうるま市の東西を結ぶ主要な道路となっております。本市は、美原から石川市街地まで市道34号線を整備中であり、これと連続する石川庁舎に結ぶ道路整備計画も計画しているところであります。将来的には美原地区の交差点を改良し、沖縄石川線の終点を石川市街地の国道への路線変更と天願桟橋入り口付近の曲線部の改良が必要となるが、県やあるいは国の見解もわかればお願いいたします。
 2、与勝半島一周線の整備について。
 与勝半島及びその周辺離島は、世界遺産、国指定史跡でもある勝連城址を初め海中道路、あやはしパーク、与勝の内海等、うるま市の観光に資する地域として位置づけられております。そのために与勝半島一周道路を整備中であるが、与那城具志川線を延伸した南岸線――米軍基地ホワイト・ビーチ入り口から中城湾港新港地区側までです――が未整備であります。また、県道37号線と天願川沿いの沖縄石川線との接続も必要であるが、県の方針を伺います。
 3、中城湾港新港地区のインフラ整備について。
 中城湾港新港地区開発事業は、本県における物流の円滑な流通を確保するための拠点とし、流通機能と生産機能をあわせ持った流通加工港湾の整備を図ることを目的に事業が推進されております。しかし、インフラ整備が大幅におくれており、企業誘致、進出の妨げになっています。事業推進のため、新港地区東埠頭バースの早期整備と定期貨物船の就航が必要と思われるが、県の方針はどうなっていますでしょうか。
 次に、最後に住宅防音工事について伺います。
 1、厚木基地飛行場における住宅防音工事の助成対象区域において、助成対象区域の拡大と新たなる施策として、区域見直し後の85ホン以上の区域内で、工事後、住宅に対する防音工事の助成が現在実施をされております。嘉手納飛行場においてはどんな現状になっていますか。
 2、住宅防音工事太陽光発電システムのモニタリング事業が今年度から中止になっています。その理由と再開のめどはどうなっているのか、お聞きいたします。
○知事(仲井眞弘多) 伊波議員の御質問にお答えいたします。
 第1に、我が党の代表質問との関連の御質問からお答えしたいと思いますが、その中で普天間代替施設に関係する御質問で、防衛局は知事意見で指摘があれば検討すると回答しているがどうかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価方法書につきましては、審査会の各委員から、方法書の内容について不明瞭な点が多く指摘されるなど、厳しい意見があることは承知いたしております。
 県としましては、この方法書の記載事項は法定要件を満たしていると考えておりますが、対象事業の内容や調査、予測及び評価の手法等に不明瞭な点があると認識いたしており、審査会からの答申を踏まえ、知事意見でその旨述べていきたいと考えております。
 なお、環境影響評価手続における知事意見につきましては、法及び条例におきまして、事業者は知事意見を勘案しなければならないと規定されていることから、事業者である沖縄防衛局におきまして適切に対処されるものと理解をいたしております。
 次に、北部振興策等に係る御質問にお答えしますが、新聞報道のありましたことは承知いたしております。そして、県としましては、北部振興事業は基本的に普天間飛行場の移設とは関係がなく進められるべきものと考えております。政府において北部振興事業の着実な推進に努めていただきたいものだと考えております。
 なお、急遽変わった背景は何かというような御趣旨の御質問にもお答えしたいと思うんですが、基本的には新聞報道の中身につきましては、我々正式にまだ聞いてはおりません。もし、その報道のとおりとすれば、協議会が何カ月ぶりかで先日開催されたことが背景ではないかというふうに推測はしているところですが、まだこれは中身については聞いておりません。
 次に、沖縄科学技術大学院大学建設についての御質問にお答えいたします。周辺整備基本計画の概要についての御質問にお答えしたいと思います。
 大学院大学の周辺整備基本計画は、世界じゅうから集まる研究者やその家族などが快適に暮らせる環境を整備するためのガイドラインとして策定したものであります。
 同計画におきましては、日常生活を送る上での基本的な利便性を提供できるキャンパス・タウン・エリア、その機能を当面補完する中心エリア、県域レベルでの交通ネットワーク等を整備する広域エリア等に区分をし、住宅、教育、医療や商業地域など、8分野につきましての整備方針を示してあります。
 特に、大学院大学のメーンゲート周辺を整備する門前町地区や石川インター周辺の交通結節機能を整備する交通センター地区につきましては、早急に整備すべき先導プロジェクトとして位置づけてございます。
 今後は、国、県、市町村、民間などを含めたメンバーで組織する専門部会などを設置し、それぞれが役割を分担しつつ一体的に整備を進めていく必要がございます。
 次に、障害者自立支援対策についてお答えいたします。
 県では、障害者自立支援法に基づき、障害者が地域で安心して暮らせる社会の実現を目指して、障害福祉サービス及び地域生活支援事業の確保に関する沖縄県障害者福祉計画を平成19年3月に策定いたしました。
 現在、市町村と連携をしながら地域の実情に応じた適切な相談支援体制の確保及び福祉サービスの提供体制の確保、住まい、グループホーム等や就労の場の確保など、地域での社会生活の場となる受け皿づくりを進めているところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(上原良幸) 沖縄科学技術大学院大学建設についての御質問で、民間資金導入の具体的考え方についてお答えいたします。
 沖縄科学技術大院院大学の周辺整備に当たっては、官民が密接な連携を図り、適切な役割分担のもと事業を推進していくことが重要であります。
 民間事業の展開には地権者自己建設方式、PFI方式、ディベロッパー開発方式など、各種の方法が考えられますが、最も適した事業展開の手法につきましては、今後設置される専門部会等で費用対効果や採算性、経済波及効果等を考慮し、提案されていくものと考えております。
 同じく近隣市町村の周辺整備における具体的な役割分担についてお答えいたします。
 大学院大学の周辺整備については、国や県、恩納村やうるま市などの近隣市町村を含めた周辺地域で役割を分担しつつ一体的に整備することが重要であることから、これらの関係機関との調整のもとに周辺整備基本計画を作成いたしました。
 大学院大学周辺整備基本計画において、恩納村では地域コミュニティーの核となるタウンセンター地区とメーンゲート周辺である門前町地区、うるま市においては、石川インター周辺の交通結節機能を整備する交通センター地区などの整備を計画しております。
 事業の実施に当たっては、国、県、関係市町村、民間との連携を図りながら、それぞれの役割に応じて整備・負担していくこととなります。
 同じく大学院大学との共同研究についてお答えいたします。
 大学院大学との連携を促進し、さまざまな研究成果を本県の振興やアジア・太平洋地域への貢献につなげるには、県内大学や研究機関と強固な研究ネットワークを構築するとともに、これらの研究機関と産業界・地域社会をつなぐコーディネート機能の強化が重要であります。
 このため、科学技術の振興を担う中核機関を設置することとしており、これを核として、海洋資源を含め本県の持つ地域資源を対象とした共同研究や産業化が促進されるものと期待しております。
 同じく大学院大学建設との関連で、県内企業の積極的活用と分離発注の配慮についてお答えいたします。
 県内における建設工事については、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき、県内企業への優先発注に努めることが重要であると考えております。
 大学院大学関連工事についても、沖縄科学技術研究基盤整備機構に対し、県内業者の優先発注についてかねてから要望してきたところであります。
 県としては、今後とも工事の内容や条件等を勘案し、可能な限り分離発注を行うなど、県内業者の積極的な活用について国及び整備機構等へ要望してまいりたいと考えております。
 次に、市町村合併についての御質問で、新たな市町村合併の推進についてお答えいたします。
 県では、人的・財政的支援を行うなど、自主的な市町村合併に取り組んできたところ、県内5地域において合併が実現し、一定の成果を上げることができましたが、全国と比べ余り進んでいない状況となっています。これは本県が離島町村を多く抱えていることや財政事情等他府県にない特殊性が主な要因であると考えております。
 また、市町村長、議会や住民が合併の意義や必要性について十分論議がなされていないこともその要因であったと考えております。
 そのため、新たな市町村合併に向け、市町村長、職員、議会議員や地域住民に対する情報提供、啓発等、合併に向けた機運の醸成を図りながら市町村等の取り組みを支援することにより、自主的な市町村合併を推進しているところであります。
 同じく市町村合併についての御質問で、組み合わせと協議の進捗についてお答えいたします。
 県では、平成18年3月に沖縄県市町村合併推進構想を策定し、その中で、1つ目に、国頭村、大宜味村、東村、2つ目に、名護市、本部町、今帰仁村、3つ目に、伊平屋村、伊是名村、4つ目に、金武町、宜野座村、5つ目に、北谷町、嘉手納町、読谷村、6つ目に、宜野湾市、中城村、北中城村、7つ目に、浦添市、西原町、8つ目に、那覇市、南風原町、与那原町、渡嘉敷村、座間味村、粟国村、渡名喜村、9つ目に、石垣市、竹富町の9つの組み合わせを示しております。
 県では、当構想に係る市町村長会議、議会議長会議や市町村合併フォーラムを開催するなど、市町村合併の機運の醸成に努めております。
 また、組み合わせごとに構想市町村行政体制整備研究会を設置し、今後の行財政運営等について調査研究を行い、望ましい行財政基盤の整備・拡充のあり方を検討しております。その結果、一部地域において合併協議に向けた機運が盛り上がっているところであります。
 以上であります。
○土木建築部長(首里勇治) それでは県道の電柱広告禁止関連の御質問で、屋外広告物条例改正の経緯と目的についてお答えいたします。
 県は、屋外広告物を取り巻く社会状況の変化に対応するため、平成17年沖縄県告示第148号により「沖縄県屋外広告物条例の規定による禁止地域等の指定」を改正し、平成17年4月に施行しました。
 改正の内容は、一般県道の禁止区間を従来の一部区間から全区間としたことであり、その目的は、平成16年の景観法制定を背景として、観光立県にふさわしい良好な景観を形成するためであります。
 次に、全国において広告を全面禁止している例と経過措置の延長についてお答えいたします。
 全国すべての都道府県において、都道府県道の指定区間を広告物の禁止地域としておりますが、全面禁止と指定しているのは本県と東京都のみであります。
 新たに禁止地域と指定された場合における既設広告物に対する経過措置期間は、全国的には大半の都道府県が3年間と規定をしております。
 本県における経過措置も3年間と規定しておりますが、電柱広告に関しましては、県議会への陳情の経緯等を踏まえ、平成19年11月30日付で告示第48号を改正し、実質5年間の猶予期間を確保できるよう対応策を講じております。
 次に、関係団体や企業等への事前周知についてお答えいたします。
 改正後告示による規制は2005年4月から適用しております。
 告示の改正に当たっては、2005年2月に沖縄県選挙管理委員会委員長、沖縄県議会議員、観光及び商工業関係者、沖縄県広告美術協同組合理事長などで構成される沖縄県屋外広告物審議会へ諮問し、全会一致で承認を得ております。
 関係団体や企業等への事前周知につきましては、審議会開催に先立ち、沖縄県広告美術協同組合に諮問内容を説明しており、これにより傘下の企業等には周知されているものと考えております。
 次に、電柱広告を利用する観光客への対策及び関係機関との話し合いについてお答えいたします。
 観光客に対する誘導案内としましては、「沖縄ブロック道路標識適正化委員会」において、著名地点として選定された名勝観光施設等について、道路案内標識として適正に整備を進めております。
 なお、電柱広告につきましては、沖縄県広告美術協同組合とも協議し、禁止地域においても一部入り口案内については設置を認めることとして、観光客の誘導案内に役立つよう配慮しております。
 次に、違法広告の撤去に係る県の基本姿勢についてお答えいたします。
 許可なく掲出される広告物のうち、簡易な広告物は屋外広告物法第7条第4項に基づき、極力除却するよう努めております。
 平成18年度の県の出先機関における実績としては、張り紙・張り札1万9693枚、立て看板1196件の違法な簡易広告物を除却しておりますが、除却作業が追いつかないのが実情であります。そのため、除却作業を市町村や一般ボランティアなどにも行えるような制度の導入等を現在検討しているところであります。 
 次に、地域振興関連の御質問で、石川34号線及び与勝半島一周線南岸部道路の早期整備についてお答えいたします。
 うるま市道石川34号線は、うるま市石川曙の国道329号から石川東恩納の主要地方道沖縄石川線に結ぶ路線であります。
 当該地域は、国道329号及び石川バイパスが南北方向の主要幹線として機能しており、道路ネットワークの観点から、県道としての整備につきましては、その必要性について将来交通量の動向や土地利用等を勘案しながら検討していきたいと考えております。
 次に、与勝半島一周道路につきましては、与勝半島を一周する県道網として北側を県道37号線、与那城具志川線で構成し、これまでに県道37号線バイパスが供用し、年内に与那城具志川線の全線供用を予定しております。残る半島南側部分の整備につきましては、当該地域の将来交通量の動向や土地利用等を勘案しながら検討していきたいと考えております。
 次に、中城湾港新港地区東埠頭の早期整備と定期船の就航実現についてお答えいたします。
 中城湾港新港地区は、立地した企業の企業活動並びに今後の企業誘致を促進するためにはその基盤となる港湾の整備が必要不可欠であります。
 しかしながら、東埠頭につきましては岸壁整備が進む中、前面泊地のしゅんせつがなされていないことから、その機能を利活用できない状況にあり、本県経済の振興を図る上でも早急な整備が必要であると考えております。
 新港地区のしゅんせつ土砂は、泡瀬地区の埋立土砂として有効利用することとしており、平成20年度からしゅんせつ工事を開始し、平成24年度までに終了すると聞いております。したがいまして、国のしゅんせつ工事の進捗に合わせて平成22年度にはマイナス7.5メートル岸壁6バースを、平成25年度にはマイナス11.0メートル岸壁1バースを供用する予定であります。
 また、定期船の就航につきましては、リサイクルポート指定港を生かした循環資源の貨物の拠点化、貨物集荷の促進や港湾利用の促進などの課題に取り組み、実現させたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(伊波輝美) 障害者自立支援法施行に伴う施設利用についてにお答えいたします。
 障害福祉サービスの利用状況について、本年9月に実施しました調査では、施設利用者は平成18年11月の3263人から平成19年6月3312人となっており、利用者は増加してきております。
 また、一部の利用者の利用中止や利用控えが報告されておりますが、市町村を通して適切な相談支援を行うよう依頼してきました。その後、ほとんどの方が他のサービス等を利用していることを確認しております。
 県においては、施設を退所した者や通所施設の利用を抑制した者等の現状の把握や負担軽減措置の周知等が円滑に実施されるよう、引き続き市町村と連携を図りながら取り組んでいきたいと考えております。
 続きまして、市町村のサービス窓口の現状と県の方針についてにお答えいたします。
 市町村においては、適切な障害福祉サービスが提供できるよう障害者等からの相談に応じる窓口として相談支援事業を実施しており、障害者等に対し必要な情報等の提供や援助を行っております。
 また、相談支援事業を初めとする地域の障害福祉に関する体制づくりに関し、中核的な役割を果たす協議の場として地域自立支援協議会を設置することになっておりますが、その設置につきましては平成19年11月現在で6市町村となっております。
 県においては、県全体の障害福祉に関する体制づくりを協議していく沖縄県自立支援協議会を平成19年7月に設置したところであり、市町村の地域自立支援協議会の設置について引き続き支援をしていくこととしております。 
 続きまして、障害者福祉計画の市町村における策定状況についてお答えいたします。
 平成19年3月末でほとんどの市町村において障害福祉計画が策定されたところでありますが、5町村において策定がおくれております。3町村においては今年度中の策定予定であり、2町村については引き続き策定に向け助言しているところであります。 
 公的年金制度改革につきましての、公的年金の納付率向上に向けての取り組みについてにお答えいたします。
 年金に関する事務を所管している国においては、各社会保険事務局・事務所ごとに策定いたしました行動計画に基づき、国民年金保険料の未納者に対して、電話、督促状の送付、戸別訪問、集合徴収等による納付督励を行っているとのことでございます。その際、負担能力があるにもかかわらず、たび重なる納付督励によっても年金制度に対する理解が得られない者に対しては、公平な負担の観点から強制徴収を実施するなどの収納対策に取り組んでいると聞いております。
 県としても、公的年金制度の周知、納付率向上について県の機関における各種窓口へのパンフレットの配布や県の広報媒体の活用など、制度の実施主体である国の沖縄社会保険事務局の取り組みに対する協力を適宜行っていきたいと考えております。  
 続きまして、同じく年金関係の未統合の5000万件の県内の件数及び地方第三者委員会の審査状況についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
 沖縄社会保険事務局に確認しましたところ、基礎年金番号に結びついていない約5000万件の記録につきましては、全国的に年齢別には明らかになっているが、各都道府県ごとの内訳は把握していないとのことです。
 また、同事務局では、本人の申し出に基づき調査を行って確認をし、順次、基礎年金番号に統合しているとのことでございます。
 その確認作業において、社会保険庁側に年金記録がなく、本人も領収書等の物的な証拠を持っていないなどの事例について、県内では、年金記録確認沖縄地方第三者委員会に対し、12月2日現在で154件の申し立てがあり、現在、同委員会で審査中であるとのことです。
 なお、154件のうちの3件について、同委員会から社会保険庁に記録の訂正を求めるあっせん案が出され、また5件については訂正が認められないとの決定が出されております。
 以上でございます。
○知事公室長(上原 昭) 嘉手納飛行場における住宅防音工事についての御質問にお答えします。
 沖縄防衛局では、嘉手納飛行場における第一種区域を見直すため、平成17年1月から同飛行場周辺の騒音度調査を行っております。
 当該調査は、平成18年度末には終了する予定でありましたが、平成19年1月から北側滑走路が改修のため使用されていなかったことや、同年3月から一部訓練移転が実施されたことから、その進捗状況を勘案し、引き続き調査を行うとのことであります。
 県としては、渉外知事会を通じて政府に対し、防音工事対象区域等の拡大を要請するとともに、軍転協を通じて住宅防音工事助成制度の拡充及び区域の拡大等を要請しているところであります。 
 次に、太陽光発電システムのモニタリング事業についてお答えします。
 国においては、平成15年度から18年度まで太陽光発電システム助成に係るモニタリング事業を実施しており、平成19年度からは設置世帯のデータの整理・分析等を行い、設置助成の可否について判断するとしております。
 県としては、今後とも空調機器の維持管理費補助の拡大などについて、渉外知事会や軍転協での要請等、あらゆる機会を通して国に強く求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 我が党の代表質問との関連で、審査会の主な指摘事項と準備書までの再審査の可能性について一括して答弁いたします。
 沖縄県環境影響審査会から十分に記載をされていないとして指摘されている主な点としましては、飛行ルートなどを含む運用形態や作業ヤード等の面積、調査、予測及び評価の手法等が指摘されております。
 審査会においては、このような指摘に対して十分な情報が得られるよう事業者に対し質問書を提出し、回答を求めたところでありますが、昨日の審査会においても事業者から十分な回答が得られていない状況であります。
 また、審査会の中で、準備書までの早い時期に具体的な情報を出してもらい、改めて意見を述べる機会をつくってもらいたい旨の発言があったことも承知しております。
 県としましては、審査会の意向等も踏まえ、今後の対応を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○伊波 常洋 議長。
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後3時35分休憩
   午後3時36分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 伊波常洋君。
   〔伊波常洋君登壇〕
○伊波 常洋 まず、大学院大学の発注についてお聞きいたします。
 私たちは、大学院大学の建設だけではなく、あらゆる場でできる限り県内建設業の優先あるいは県産品の優先を訴えてまいりました。その都度、県は、国に要望すると。今回の答弁も要望いたしますと。しかし、これまで同様、要望はするが効果がわからない。もう一度、今回の大学院大学建設に関して膨大な事業費、財政が投入されるんですから、これによって今後の沖縄、これに続く大型工事、新石垣空港あるいはIT津梁パークセンターと伊良部架橋、大きなプロジェクト、私は、今後要望だけでなく実質的な効果を引き出す具体的な回答をいま一度求めます。
 その例として、今、大学院大学は用地の造成工事がもう既に行われております。ちなみにその造成工事、そこの発注状況はどうなっているのか。県内、県外の率をお願いいたします。
 それから市町村合併。
 先ほど組み合わせを言ってもらいましたけれども、これは県の要望なんですか、それとも関係市町村のこういう組み合わせでいきたいという意見も踏まえての組み合わせなんでしょうか。
 それから電柱における広告禁止なんですけれども、電柱の全面広告禁止は東京都と沖縄です。その東京都の条例の中でさえもこうあります。例外として、公衆の利便に供するのであれば、知事の許可があればできると。つまり、今回沖縄県の広告条例では病院あるいは観光立県である観光施設の案内、ホテルも含めてですけれども、それも全部排除しようとしている。しかし、先ほど言いましたように、東京都の条例の中にも公衆の利便に供するものであればという例外規定があるんです。それを特に観光立県である沖縄にもこれが適用できないものなのかお聞きいたします。
 それから年金ですけれども、これは部長、ほとんどの方が自分の年金の仕組みもわからないし、抗議の仕方もわからないはずですよ。本人からの申し出がない限り不備というものは調べてもらえないんですか、お聞きいたします。
 以上です。
○議長(仲里利信) ただいまの伊波常洋君の再質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後3時40分休憩
   午後4時8分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。
 休憩前の伊波常洋君の再質問に対する答弁を願います。
 企画部長。
   〔企画部長 上原良幸君登壇〕
○企画部長(上原良幸) 沖縄科学技術大学院大学の関連工事の県内企業への発注状況についての再質問にお答えいたします。
 発注元であります沖縄科学技術研究整備機構に確認いたしました。12月3日付でございますけれども、17・18・19年度、17年度が3件、18年度が5件、19年度が9件発注してございます。トータル17件のうち県内業者が受注した工事は15件、件数にしますと17のうち15ですから88%、金額にしますと82%の地元企業の発注状況でございます。
 次に、合併に関しまして、5つの組み合わせについて県はどのように行ったかということの再質問にお答えいたします。
 組み合わせにつきましては、国から示された基本指針及び市町村の意向も踏まえながら、市町村合併促進審議会で幅広い観点からの審議・検討の結果に基づき、5つの組み合わせを設定したものであります。
 以上であります。
○土木建築部長(首里勇治) 再質問の、東京において公衆の利便があれば知事が許可できるようになっている、沖縄でも適用できないかという趣旨の再質問にお答えいたします。
 広告物業者の団体であります沖縄県広告美術協同組合とも協議の上、認める措置を講じております。
 その内容は、1点目に、営利を目的としない公共的内容の広告物はすべて認める。2点目に、その他の広告物については公衆の利便上、必要な入り口案内に限り認めることとしております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(伊波輝美) 本人の申し出がないと年金記録はわからないかという質問にお答えいたします。
 国の社会保険庁では名寄せにより記録が結びつくと思われる方に対し、その旨と加入履歴を平成20年3月までをめどとしてお知らせすることとしているようです。
 また、すべての年金受給者及び現役加入者の方々に改めて御自身の年金記録が適正に管理されているかを確認していただくため、平成20年4月から10月までの間に順次年金の加入履歴の送付を行うとのことであります。
 いずれにいたしましても、年金記録について疑義がある場合には社会保険事務所や年金安心ダイヤルなどを通してお気軽に御相談してほしいとのことであります。
 以上でございます。
○佐喜真 淳 皆さん、こんにちは。
 自民党の佐喜真淳でございます。
 まず、順番を少し変えまして質問をさせていただきたいと思います。
 昨年11月19日に私も知事と同様、この県議会へと送っていただきました。その思いも含めて、知事の1年を振り返っての総括の御感想は後ほど最後にお聞きしたいと思います。 
 2番目の道路行政についてお伺いをいたします。
 我が県の陸上交通のほとんどを道路に依存しながら、人口、レンタカーなどの自動車台数の急激な増加の影響もあり、今日まで慢性的な交通渋滞の解決には至っておりません。
 平成17年の統計によりますと、渋滞から起こる渋滞損失時間は全国平均の2倍以上となり、全国ワースト6位という不名誉な結果となっております。3大都市圏以外の都道府県では最も低い水準になっているにもかかわらず、人口、自動車台数当たりの道路延長は全国平均の6割程度と低いのが現状でございます。特に人口の集中する那覇市を中心とする中南部圏の渋滞損失時間は沖縄県の6割を占めている状況であり、今後、道路行政の抜本的な対策が必要であると感じます。
 そのような中、現在、国と県が戦略的に進めているはしご状道路の整備計画で、読谷から糸満までの約50キロを結ぶ沖縄西海岸道路の早期の全面供用開始に向けて既に豊見城道路が本年3月に、糸満道路が平成23年度、沈埋トンネルを含む那覇西道路が平成22年度に供用開始予定となっております。
 そこでお伺いいたします。
 (1)、この西海岸道路の浦添市から宜野湾市、そして読谷村に向けて工事の着工予定はいつごろになっているのか。
 (2)、その区間の関係市町村との調整はどのようになっているのか。 
 (3)、そして現在この区間はどのようなルートで計画されているのか御説明ください。
 次に、県道34号宜野湾西原線と国道330号の安全対策と渋滞緩和策について一括してお伺いいたします。
 県道34号線は宜野湾市の大謝名から我如古交差点を通り、西原地域までの国道58号から国道329号を結ぶ道路でございます。今回、大謝名地域から我如古地域までの区間に絞って質問いたします。
 現在、宜野湾市が進める区画整理内に宜野湾バイパスと国道58号大謝名三差路を結ぶ道路が平成22年に開通予定であります。また、パイプライン那覇宜野湾線が県道格上げとなり、改良工事が進んでおります。道路が整備され、きれいになることは地域住民や道路利用者にとっても大変ありがたいことではございますが、現在でも県道34号線は変則的な車線形態となっており、渋滞するのが常でございます。工事終了後にはますます交通量の増加が予測され、渋滞悪化につながりかねません。何らかの対策をする必要があると考えます。
 同様に、国道330号についてもバス停車帯や右折帯が少なく、国道との協議の中から何らかの解決策を見出してほしいと考えますが、県道34号線と国道330号の安全対策と交通渋滞の緩和策はどのように検討されているのか、その改善策としての計画はあるのかお伺いいたします。
 大きな3番。
 小学生児童が農山漁村に長期宿泊体験・滞在することにより、学ぶ意欲や自立心、思いやりの心、規範意識などをはぐくみ、力強い子供の成長を支える教育活動を目的とする「子ども農山漁村交流プロジェクト」事業が文部科学省、農林水産省、総務省の3省連携によって来年度より開始いたします。
 同事業は、また地域への経済効果や地域コミュニティーの活性化などのねらいもあり、平成20年度は都道府県ごとに10校、計470のモデル校を指定し、参加者約3万人を見込んでおります。このほか100人規模で児童の受け入れ可能なモデル地域を全国に40カ所設ける予定であります。
 さらに、事業実施から5年後には全国2万3000校に拡大し、年間約120万人の参加を目指している同計画に対して、1000万人観光客を目指す「ビジットおきなわ計画」を進める県としても、人材育成、地域間交流、経済的効果の可能性からも積極的に取り組むべきと考えます。
 質問いたします。
 (1)、同事業に対して沖縄県への受け入れ体制を推進する必要があると思うが、同事業に対する知事の御所見をお伺いいたします。
 (2)、この事業は農林水産省、文部科学省、総務省3省の連携となって進めていくとのことですが、県はどのような体制が望ましいと考えているのか、またいつごろ取りかかる予定なのかお伺いいたします。
 (3)、5年後には年間約120万人の参加を目指すとあるが、県は関係市町村とも連携し、計画策定に向けて取り組むべきと考えるが、県のお考えをお伺いします。
 大きな4、観光立県沖縄づくりと今後の展望についてお伺いいたします。
 2006年の沖縄の観光収入は4104億円と初めて4000億円を突破し、過去最高となっております。県民総所得3兆7928億円に対して約11%を占めるまでに成長いたしました。企業立地の面からも県内の宿泊関係事業所数は平成18年は1059社で、平成13年時と比べると約20%の増加となっております。さらに来年は新規開設ホテルの客室総数が4399室に上り、前年の3倍を超える伸びになっていると日銀那覇支店が発表いたしました。
 最近は外資系の企業の進出が相次いでおり、その背景には、割安な人件費や税制の優遇借置など、投資的な面からも進出しやすい環境が要因と言われております。
 一方、沖縄観光連盟の県内宿泊施設動向調査によると、入域観光客数の伸び率を2.45%に設定し、ホテル新設計画からホテルの収容人員を算出し、客室稼働率を割り出した結果、2006年まで6年連続で維持してきた稼働率60%台が2008年には57.7%と60%を割り込み、2010年には55.2%まで落ち込むと予想され、供給過剰な状況となるおそれがあると懸念されている。
 そのような状況を回避するためにも「ビジットおきなわ計画」の主要施策のコンベンションの誘致・促進、シニアマーケットの拡大や幅広いマーケットヘの取り組み強化やさまざまな角度からの新たな観光資源の発掘等の検討を早急に取り組む必要があると思います。
 そのような観点から、以下の点についてお伺いいたします。
 (1)、2008年に新規開設するホテルの客室総数が4399室と前年の3倍を超える伸び率と発表されたことに対して、県はどのようにとらえているのか、県の見解をお伺いいたします。
 (2)、企業ミーティング、報奨旅行、国内外等の会議、イベントなどを総称するMICEは滞在日数も長く、1人当たりの単価も高く、開催地にとって経済的効果や地域活性化、観光産業との相乗効果などの点からも本格的に誘致に向けて検討し、積極的に取り組むべきと考えるが、知事はこのようなお考えはなのかお伺いいたします。
 (3)、国内外の会議等を誘致するには、既存のコンベンションセンターのさらなる施設の充実や景観的観点からの付加価値づくりも視野に入れながらコンベンション周辺整備を行うことが大切であります。特に沖縄の美しい海岸線を形成するためにも、コンベンション周辺、大山地域の親水性護岸整備が必要と考えるが、県の取り組みはどのようになっているのか御説明ください。
 (4)、ことし8月から開始された産学官連携による健康ビジネス支援事業の取り組みと、事業プロセスとして何を期待し今後の展望につなげていくのか御説明ください。
 5、基地返還後の財政的課題と対策についてお伺いいたします。
 先般、県企画部の米軍基地関係収入の推計調査で、2004年度の基地収入額が約2006億円に上り、県民総所得に占める割合は5.3%になったとする試算が発表された。これまで米軍及び軍人・軍属の県内消費支出が不透明だったが、回帰式推計から県内市場との取引額の推計方法を見直したことにより、従来公表値の465億円に比べて15%増したことにより、729億円と依然として基地依存経済となっている。
 他方、日米両政府が進める在日米軍再編が1年で進んだ場合、生産額、付加価値額の合計でおおよそ1393億円が県経済に影響すると沖縄国際大学の富川教授は指摘しております。基地負担の軽減であり、米軍施設の返還・縮小や再編合意された嘉手納以南の1500ヘクタールの基地の早期の返還は沖縄県民の願いであり、一方で、仮に基地が返還された場合、地権者や基地従業員などの権利と補償問題を初め、県経済への影響や返還跡地開発にも支障が起こる可能性も懸念されます。
 そこでお伺いたします。
 (1)、米軍再編が進み、嘉手納以南の1500ヘクタールが返還された場合、県経済に及ぼす財政的損失はどの程度見積もっているのか。また、その対応策として県の取り組みはどのような検討をなされているのか御説明ください。
 (2)、米軍が発注した805億円のうち県内企業が受注した額は約155億円と全体の19.3%と低い状況であります。厳しい環境を取り巻く今日の県内建設業や県内企業の育成・発展のためにも、知事は政治的判断のもと、積極的に政府に対して行動を起こすべきと考えるが、知事の決意をお伺いいたします。
 6、沖縄型健康保養特区の可能性について。
 沖縄総合事務局の産業クラスター計画の一環として、琉球医療ルネッサンス研究会が、新エネルギー・産業技術総合開発機構シニアプログラムマネジャー宮田氏を招き、ことし3月15日に3回目のセミナーを開催し、医療特区の設置を核とした「沖縄ヌチアイランズ構想」を発表した。
 その内容は、世界の最先端医療を受けられる病院を設置し、県外、海外からの患者を受け入れれば沖縄で1年間に1兆円の経済効果が生まれる。さらに、医療特区を設置し、米食品医薬品局が認可した医薬品、医療機器を使用できる新しい病院を設置し、米軍の海軍病院や沖縄科学技術大学院大学などと連携して世界の最先端の医療施設群を構築する構想である。
 また、第1回目のセミナーでは、沖縄の気候、海、豊かな自然環境であり、地理的特性から中国、韓国、東南アジア及びオセアニア地域等を結ぶ統合医療のハブ基地として成長する可能性があると、県企画部がことし3月に出された自立型経済戦略関連事業基礎調査報告書に出ております。さまざまな観点と新たな発想から沖縄の持つ可能性を探求し、県益イコール国益につながるような沖縄独特な将来的方向性を見出していただきたいと思います。
 そこでお伺いいたします。
 質問のタイトルとは違いますが、今述べたことを踏まえて、観光関連、医療関連、福祉関連、健康食品関連等と連携し、沖縄滞在型健康増進のプロジェクトを推進し、未来型沖縄観光医療特別地域(医療特区)の実現を目指すことについての知事の御見解をお伺いいたします。
 (2)の質問は省きます。
 7、沖縄を発祥地とする空手は中国拳法の影響を受け、琉球古来の拳法「手(ティー)」が沖縄の風土、当時の社会的環境の中で沖縄独特の武道として形成・発展されたと言われております。
 本土においても、大正11年、当時の文部省主催による第1回体育博覧会で船越義珍氏が空手演武を行ったことが始まりと言われ、その後、宮城長順氏、摩文仁賢和氏等の沖縄出身の偉大なる空手指導家により広がりを見せ、現在では150カ国の国々で4000万人以上の空手人口を有するまでに発展してきた。
 世界的空手組織の世界空手連盟は、1999年IOCの公認団体となることでオリンピックの正式種目としての可能性も期待されたが、残念ながら韓国のテコンドーが2000年のシドニーオリンピックから正式種目になり、空手のオリンピック種目としての可能性は薄らいできた。
 一方、現在沖縄の空手を取り巻く環境は、平成9年に沖縄県の無形文化財として公式に認定され、平成9年、15年に県主催による「沖縄空手道・古武道世界大会」が開催されるなど、世界各国から多くの空手家が参加し、国際的交流事業が推進された。しかしながら沖縄の空手が、空手発祥の地と言われながら、他の格闘技と比べ組織の資金力、そして国際的スポーツビジネスとしての展開力などの面で劣っていることは否めない現実であります。
 そのような中、県は沖縄空手道・古武道を文化的遺産だけではなく、経済的にも価値のある文化資産として文化交流型観光促進の観点から沖縄空手道・古武道の発展、関連産業の振興とともに、沖縄観光の振興を図ることを目的として沖縄空手交流推進事業として調査され、県の委託を受けたNPO法人沖縄空手道・古武道支援センターより、平成17年に当時の会長でおられた仲井眞知事名で報告書が出されました。
 その報告書の中に、沖縄空手・古武道のモニュメント等の整備、人間国宝の実現、空手道大学の設立、空手会館(殿堂)の構築、沖縄伝統空手協会の創設、沖縄伝統空手栄誉賞の創設、学校教育等での正課としての採用など、8つの提言が出されましたが、その提言を受け、かつ新たな観光資源としての空手道の可能性から、今まで以上に空手道に対して各流派間の環境整備や国際規模のイベント開催、県外、海外から訪れる空手家の皆様の受け入れ体制等を含めた取り組みが必要と思いますが、県の対応をお伺いいたします。
 残念ながら1年の感想は聞けませんでした。
○知事(仲井眞弘多) 佐喜真議員の御質問にお答えいたします。
 まず第1に、農山漁村交流プロジェクトへの対応と方針について、これは3の(1)と(2)、(3)が関連しておりますので、一括してお答えさせていただきたいと思います。
 国におきましては、総務省、文部科学省、農林水産省の連携により、力強い子供の成長を支援する教育活動として、農山漁村での宿泊体験を行う「子ども農山漁村交流プロジェクト」を推進することといたしております。
 本プロジェクトにより、食への関心や理解の増進が図られると同時に、農山漁村地域の活性化が促進されるものと期待いたしております。
 平成20年度は全国40地域でモデル的に実施し、その成果を踏まえて平成25年度までに500地域に拡大していく方針としております。
 沖縄県としましては、国における具体的な施策の展開を踏まえ、関係機関で構成します県推進協議会の設置や、市町村における受け入れ体制の整備について取り組んでまいる所存でございます。
 次に、観光立県関係の御質問の中で、MICEの誘致についてどうかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 MICEとは、ミーティング、インセンティブ、コンベンション、イベントの頭文字を取ってコンベンション産業を総合的に表現する略称であるそうです。主にビジネス客を対象とし、経済効果が高く、通年型であるといった特徴を有しております。このため、質の高い観光・リゾート地の形成を目指す沖縄県としましては、MICE誘致を積極的に進めるべきであると考えております。
 MICE誘致に向けた取り組みといたしましては、G8沖縄サミットやトヨタ世界大会の開催実績を生かし、本年9月東京で企業向けインセンティブ・セミナーを開催したところであり、来年3月には名古屋におきまして同セミナーを開催する予定でおります。
 県といたしましては、今後とも沖縄県の優位性を発揮し、佐喜真先生からハッパをかけていただきましたが、積極的にMICEの誘致に向けて、ともども各種プロモーションを展開してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○土木建築部長(首里勇治) それでは道路行政関連の御質問で、沖縄西海岸道路の工事着工予定についてお答えいたします。
 沖縄西海岸道路は、読谷村から糸満市に至る延長約50キロメートルの地域高規格道路であり、那覇空港自動車道と那覇空港、那覇港等を相互に結ぶ骨格道路として国において整備が進められております。
 当該道路の整備は、全線を7地区に区分し、現在、糸満道路、豊見城道路、那覇西道路、浦添北道路及び読谷道路の5区間について事業化されております。
 整備の進捗状況は、豊見城道路が本年3月までに西崎から豊崎までの全区間が暫定供用され、糸満道路につきましては、平成23年度中の全線暫定供用を目指しているとのことであります。
 那覇西道路につきましては、沈埋トンネルを含む若狭―鏡水区間について平成22年度内の完成供用を目指しているとのことであります。
 浦添北道路につきましては、昨年度に新規事業化されておりますが、当該道路と国道58号の連絡を強化するため、県道浦添西原線・港川道路についても県事業として国と連携して整備を進めております。
 読谷道路につきましては、県道16号線と県道6号線間を接続する区間について平成15年度に2車線で暫定供用し、現在は県道6号線より以北の区間について整備を進めております。
 次に、関係市町村との調整についてお答えいたします。
 沖縄西海岸道路の未整備区間のうち、北谷地区につきましては、米軍再編に基づくキャンプ桑江の返還に伴い、国は国道58号の基地側を拡幅利用するルートとして北谷町と協議・調整しているとのことであります。
 また、隣接する嘉手納地区につきましては、早期事業化を図る観点から、ルートの見直しについて昨年度より嘉手納町と調整を進めているとのことであります。
 国においては、引き続き地元との連携・調整を密にし、ルートを確定していきたいとのことであり、県としましても早期事業化が図られるよう国や町と連携・協力してまりたいと考えております。
 次に、浦添地区及び宜野湾地区の計画ルートについてお答えいたします。
 浦添地区は、那覇港港湾区域内を通る浦添南道路と牧港海岸域を通る浦添北道路の2区間で構成しております。
 浦添南道路につきましては、那覇港・浦添埠頭地区の臨港道路浦添線を優先して整備することとし、昨年度に事業着手した浦添北道路に接続する計画とのことであります。
 浦添南道路につきましては、臨港道路整備後の交通状況や開発状況を踏まえ検討するとのことであります。
 次に、宜野湾地区につきましては、事業効果の早期発現を図る観点から、浦添北道路等、現在事業中の区間の整備を優先し、当面は現況の国道58号宜野湾バイパスを利用するとのことであり、計画道路のルート及び構造については、事業中区間の進捗状況を見ながら検討していくとのことであります。
 次に、宇地泊大謝名線の開通に伴う宜野湾西原線の交通対策についてお答えいたします。
 宇地泊大謝名線は、宜野湾市が進めている宇地泊第2地区土地区画整理事業の一環として国道58号大謝名交差点に接続する区画道路であります。
 区画道路の整備に伴い、大謝名交差点が十字路交差となることから、真栄原方面からコンベンションセンターやアメリカンビレッジ方面へのアクセスルートが国道58号宜野湾バイパスに直進するルートに移行することが予想され、現行の右折滞留車両の車線はみ出しによる直進阻害が改善されるなど、一定の整備効果が期待されます。
 一方、宜野湾西原線は国道58号、同330号などの南北軸の幹線を結ぶ横軸の幹線としての役割を担っており、特に大謝名交差点から真栄原交差点の区間においては、4車線並みの交通容量に匹敵する日当たり3万台以上の交通量があり、混雑が激しい状況にあります。
 今後、市の区画道路の供用に伴い交通量のさらなる増加が想定されますが、沿線に建物が密集していることから、道路の拡幅による容量拡大策については、地元の合意形成や膨大な事業費の確保等の課題が懸念されるところであります。
 県といたしましては、現道の路側帯を活用した3車線化によるリバーシブルレーンや信号現示の変更による交通流動のコントロール等の短期的取り組みの可能性について関係機関と連携しながら検討するとともに、長期的には普天間飛行場跡地を含む広域的な幹線道路網の再編等を勘案しながら、当該道路の交通対策について検討してまいりたいと考えております。
 次に、国道330号の我如古地域から普天間地域の安全対策と渋滞緩和についてお答えいたします。
 国道330号は、米軍統治時代に軍道第5号道路として60フィート(約18メートル)の2車線で整備され、その後、昭和47年の復帰に伴い、国が管理する国道330号として再整備されましたが、沿線の土地利用が進行していたため、18メートル幅員のまま4車線道路として整備運用されてきた経緯があります。
 このため、当該道路は歩道が狭く、右折車線がないなど不十分な道路環境にありますが、国におきましては、即応的対策として、歩道へのガードパイプ設置や右折を制限する車線分離標、いわゆるセンターポールの設置等を進めているとのことであります。
 今後の対策としましては、並走する沖縄自動車道への誘導分散方策や普天間飛行場跡地の道路網とのリンク等、広域的な道路ネットワーク形成の観点から検討していくとのことであります。
 次に、観光立県沖縄づくりと今後の展望関連の御質問で、護岸整備についてお答えいたします。
 コンベンションセンター側の海岸護岸は、昭和50年代に宜野湾市による埋立造成に伴い整備された直立消波護岸であり、昭和61年に海岸保全区域に指定され、現在、県の管理する護岸となっております。
 当該護岸の前面は消波ブロックが積まれ、海岸へのアクセスが困難であること、また背後地の海浜公園とは防風林で遮断され、公園から海岸へアクセスができないなど、日常的にほとんど利用しにくい状況となっております。
 一方、隣接するトロピカルビーチは、海水浴シーズンには中南部の行楽客や観光客で混雑する状況にあります。
 県としましては、このような状況を改善し、地域振興や観光振興を図るため海岸護岸を再整備し、既存のトロピカルビーチとあわせて海岸利用を促進する必要があると考えていることから、関係機関と調整を図りながら、今後、海岸事業として事業化の可能性について検討を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(仲田秀光) 観光立県沖縄づくりと今後の展望についての御質問の中で、2008年に新規開設されるホテル客室数の伸びについてお答えします。
 平成18年における県内の宿泊施設の客室数は3万2320室で、県においても、近年の全国的な景気の回復や沖縄観光の好調を受け、今後、平成23年の目標値である3万3500室を上回る勢いで立地が進むものと見込んでおります。
 しかしながら、新たな施設の整備に際しては、重要な観光資源である自然環境や景観の保全に対する配慮がなされること、雇用や地域経済の活性化につながることなどが重要であると認識しております。
 また、宿泊施設の増加が業界全体にどのような影響を与えるか、その動向について今後とも注意深く見守っていきたいと考えております。
 既存のコンベンションセンターのさらなる施設の充実についてお答えします。
 沖縄コンベンションセンターは、昭和62年に供用が開始され、平成2年に劇場棟、平成12年に会議棟を増築するなど施設の充実を図り、本県におけるコンベンション施設の中核を担ってまいりました。
 また、展示棟などについては、供用開始から20年となることから、平成19年度より5年計画の修繕事業を進めているところであります。さらに、劇場棟の舞台設備、音響設備などを整備し、施設の充実に努めております。
 今後も利用者ニーズに対応した施設の充実を図り、サービスの向上及び安全性の確保に努めてまいります。
 次に、健康ビジネス支援事業の取り組みと今後の展望についてお答えします。
 健康ビジネス支援事業では、本県で大きく成長が期待できる保養や県産食材料理などの健康関連商品に焦点を当て、モニター体験による健康効果データを収集分析し、これを活用した新たな商品開発を支援してまいります。
 また、同事業では、県外消費者を対象とした市場ニーズ調査を実施するとともに、健康関連事業者の異業種ネットワーク構築に向けたシンポジウムも開催していくこととしております。
 今後の展望についてでありますが、経済産業省の調査によると、我が国の健康関連市場は国民の健康意識の向上等により、平成14年の約56兆円から平成22年には約75兆円に拡大していくと見込まれております。
 そのような中、他県と大きく異なる資源や環境を有し、いやし・健康の島としてのイメージが定着し、多くの観光客が訪れる本県は、健康ビジネスが大きく発展していく可能性を有していると考えております。
 基地返還後の財政的課題と対策についての御質問の中で、米軍発注業務の受注拡大に向けた取り組みについてお答えします。
 米軍機関が発注する業務について、県内企業の受注の拡大を図ることは、本県の産業振興や雇用の創出につながることから大変重要であると考えております。
 このため、県では、平成15年度と16年度に米軍発注業務に関する調査を実施して発注機関や発注方法、契約手順等の実態を明らかにするとともに、課題の抽出を行ったところであります。
 一方、その調査結果を受け、那覇市と那覇商工会議所で組織された那覇市地域雇用促進協議会は、平成16年度から3カ年度にわたり米軍発注業務の受注に向けた研修事業などを実施しており、受講した企業の中から56社が受注するなど大きな成果を上げております。現在、米軍契約業務の獲得に向けた取り組みはNPO法人によって継承され、契約情報の発信などが行われております。
 県としましては、米軍等に対し、あらゆる機会をとらえて県内企業の優先発注についての要請を行ってきたところであり、今後とも関係団体と連携して、米軍発注業務の受注拡大に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 基地返還後の財政的課題と対策についての御質問で、米軍再編に伴う損失と対応策についてお答えいたします。
 基地関連収入が県経済に占める割合は、復帰直後の15.5%から平成17年度は5.2%となり、県経済の成長等を背景にその比重を徐々に低下させております。
 また、現在の米軍再編協議では、大幅な兵力削減や嘉手納飛行場より南の米軍基地の相当規模の返還が検討されており、基地関連収入が県経済に占める割合は大幅に低下していくことが予想されます。
 県としては、米軍再編に伴い返還される跡地を自立的発展に寄与する貴重な空間として活用し、県土構造の再編も視野に入れた計画的な都市づくりや新しい経済活動の拠点形成を目指す必要があると考えております。
 このため、自立型経済の構築に向けた県全体の振興方向等を踏まえつつ、大規模跡地を中心に、産業創出の方向性や主要プロジェクト等も含めた産業振興の展望と県土の有効利用という面での都市機能の展望について、平成19年度から20年度にかけて取りまとめていく予定であります。
 次に、沖縄型健康保養特区の可能性についての御質問で、沖縄観光医療特別地域の実現についてお答えいたします。 
 本県の自立的発展を図るためには、発展可能性の高い観光等の産業領域と健康関連産業等との連携を強化し、その波及効果を高めることが重要であると考えております。
 県におきましては、昨年度、健康医療分野として先進医療特区、リサーチ&ヘルスリゾートタウン、鍼灸や漢方などを含めた統合医療拠点などの形成に向けた新たな事業構築の可能性について調査を実施したところであります。
 この調査においては、これらの新たなプロジェクトについて、想定される波及効果等を評価した上で推進上の課題についても整理しております。
 県としては、今後、これらの評価や課題等を踏まえ、実現可能性のあるプロジェクトを中心にさらに検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上であります。
○教育長(仲村守和) それでは世界に誇る空手をさらに発展させるための取り組みについての御質問にお答えいたします。
 沖縄を発祥の地とする空手道は、本県の誇る伝統文化の一つであり、その継承・発展に努めることは重要なことであると考えております。
 現在、県と空手主要団体による「沖縄伝統空手道・古武道統一組織準備委員会」において組織統一に向けて協議しており、本年度じゅうに統一組織を設立する予定であります。
 今後、世界大会の開催など沖縄空手の振興については、統一組織による主体的な取り組みが必要であります。
 県としましては、統一組織からの具体的な計画や要請等を受けて、その支援のあり方について検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○照屋 守之 通告に従い一般質問をさせていただきます。
 まず1点目の、沖縄科学技術振興についてでございます。
 本県の科学技術の振興については、沖縄振興計画において大学院大学を獲得した教育研究機関の充実に努めるとともに、学術研究・交流拠点の形成を目指して亜熱帯特性を活用した研究開発を総合的に推進するとともに、アジア・太平洋地域の研究拠点の整備に向けて取り組むことが明記されております。
 この振興計画は、これまでの計画とは異なり、格差是正だけではなく沖縄の潜在力を引き出し、日本や国際社会の発展に寄与する決意が込められていると考えます。
 科学技術の振興は、21世紀の本県発展の基盤となるものであり、①、新産業を創出し地域を活性化、②、環境と共生し社会と調和、③、交流を先導し世界に貢献、このような視点で本県の自立につなげていきたいものであります。
 県においては、科学技術の振興の観点から、平成17年8月に「沖縄県科学技術振興指針」を策定し、ことし8月には沖縄科学技術大学院大学周辺整備計画を策定するなど着実に推進をいたしております。
 そこで伺います。
 (1)、「沖縄県科学技術振興指針」について。
 ①、科学技術の振興と沖縄の自立発展のテーマを論議し、施策を審議する沖縄県科学技術会議の設置状況、②、大学や公的研究機関とのネットワーク、研究機関と産業界や地域社会との連携、沖縄科学技術大学院大学との連携、さまざまな研究成果を本県の振興・発展に活用するための科学技術の振興を担う中核機関の設置検討について伺います。③、具体的な施策を展開するアクションプログラムの策定、④、科学技術の振興により沖縄を世界に開かれた研究開発・交流拠点にしていくために沖縄に国際学術会議等を積極的に誘致する必要があると考えます。
 我が国で「宇宙技術および科学の国際シンポジウム」という国際会議が開催をされ、宇宙工学、宇宙科学、宇宙医学、宇宙法など、広い分野で世界の研究者、技術者がそれぞれの研究成果を発表し、世界の宇宙技術の発展に大きく貢献をいたしております。その国際会議が2011年(平成23年)に開催される予定で、この年度は沖縄振興計画の最終年度であり、沖縄科学技術大学院大学の開学など、我が沖縄県の科学技術の振興と新たな展望が開けていく年度となります。
 このような記念すべき年に国際会議を誘致し、県民はもとより、世界に科学技術立県をアピールしたいものでございます。
 2011年の「宇宙技術および科学の国際シンポジウム」の誘致について、企画部及び観光商工部の見解を賜ります。
 (2)、沖縄科学技術大学院大学周辺整備事業計画について。
 リサーチパークの整備は、大学院大学と近接した場所にまとまった用地を確保する必要があり、中長期的な期間で検討が進められ、当面は中城湾港新港地区への研究所やラボ施設の立地の推進ということになっております。
 リサーチパーク(研究開発工業団地)整備事業の具体的な取り組みを伺います。
 次に、高速バスと地域内交通システムとの連携を強化するため、移動利便性を向上させる施設の整備や都市的基盤を活用した生活環境の充実を図るとされている先導プロジェクトの交通センター地区整備事業の取り組みを伺います。
 よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 照屋議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、沖縄の科学技術振興についての中で、科学技術会議及び科学技術の振興を担う中核機関についての御質問にお答えいたします。
 この御質問、1の(1)のアとイは関連しておりますので、御理解を得て一括して答弁させていただきます。
 県は、科学技術が沖縄の可能性を広げるフロンティアであるとの認識に立った取り組みと、民間企業を初め大学や研究機関、他の行政機関等と連携した一体的な施策を推進するため「沖縄県科学技術振興指針」を平成17年8月に策定をいたしております。
 同指針で設置がうたわれております沖縄県科学技術会議につきましては、去る10月18日に設置要綱を定め、現在、有識者への委員就任を依頼しているところであります。
 また、沖縄県の科学技術振興を産学官の中核となって推進する機関につきましては、財団法人亜熱帯総合研究所を段階的に再編・拡充をして活用することとし、来年夏ごろをめどに新たな組織でスタートできるよう関係者と調整等を進めているところでございます。
 次に、科学技術振興について、アクションプログラムの策定についての御質問にお答えいたします。
 県では、「沖縄県科学技術振興指針」に基づき、国、県を初め各種機関等を網羅し、総合的な科学技術に関する事業を推進する必要があると考えており、現在、平成20年度から23年度までの4年間を計画期間とする「沖縄県科学技術推進計画」を策定しているところでございます。
 科学技術大学院大学整備計画について、交通センター地区整備事業の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 周辺整備基本計画では、先導プロジェクトの一つである交通センター地区を石川インター周辺の交通結節点として早急に整備すべき地区に位置づけております。
 交通センター地区におきましては、バスプール、タクシー乗り場、レンタカーステーション、パーク・アンド・ライド駐車場などの交通拠点施設のほか、地域物産センターや観光案内所などの地域振興施設、レストランやコンビニなどの商業・サービス施設の整備を想定いたしております。現在、これら施設を整備するに当たっての基礎調査や課題の抽出等の委託調査を行っているところでございます。
 今後は、調査結果をもとに、国、県、市町村、民間等を含めたメンバーで組織する専門部会等を設置し、それぞれが役割を分担しつつ一体的に整備を進めていくことといたしております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させます。
○観光商工部長(仲田秀光) 沖縄の科学技術振興についての中で、「宇宙技術および科学の国際シンポジウム」の国際会議の誘致についてお答えします。
 「宇宙技術および科学の国際シンポジウム」は、国内外の宇宙工学、科学などの研究者、技術者などに発表の場を提供し、宇宙活動を一層活性化させることや次世代の人材育成に貢献することを目的に日本で開催される国際会議であります。
 昭和34年の第1回から2年に一度開催され、平成18年の金沢市でのシンポジウムには国内外から約800名の参加があったと聞いております。
 同シンポジウムの誘致については、関係部局での意思決定、受け入れ団体の選定、助成金の財源確保、沖縄開催イベントの企画など、整理すべき課題があります。
 観光商工部としては、関係部局及び地元関係団体と連携しながら、主催する組織委員会のキーパーソンを招聘するなど誘致支援を行うほか、各種支援策を実施していきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 沖縄の科学技術振興についての御質問で、「宇宙技術および科学の国際シンポジウム」の誘致についてお答えいたします。
 ただいま観光商工部長から答弁がありました「宇宙技術および科学の国際シンポジウム」の本県での開催が決定された場合には、科学技術を所管する企画部としましては、同シンポジウムの所期の目的が達成されるよう関係機関等と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、沖縄科学技術大学院大学周辺整備計画についての御質問で、リサーチパーク整備事業の具体的な取り組みについてお答えいたします。
 大学院大学の設置は、企業の研究施設等の集積や新たな産業の創出、世界的レベルの研究者による知的交流拠点の形成など、本県の振興発展に大きく貢献するチャンスであると認識しております。そのため、今般策定しました周辺整備基本計画ではインキュベーション施設やリサーチパークの整備など、産業基盤の整備方針についても盛り込んだところであります。
 現在、大学院大学の研究分野は、生命システムに焦点を当てた融合領域を中心に検討が進められており、健康・長寿、バイオなど本県の持つ地域資源の研究開発とも密接なかかわりを持っております。
 県としましては、これら地域資源を活用した共同研究の実施などを通して、他大学、公的研究機関、民間の研究所や企業などが集積する知的クラスターの形成に努めてまいります。
 以上であります。
○照屋 守之 再質問をさせていただきます。
 先ほど答弁がございました本県の科学技術の振興を担う中核機関の設置、大変重要であります。御答弁では、財団法人の亜熱帯総合研究所を夏ごろまでにというふうなことで、組織の改編ということでございましたけれども、ぜひとも早目に調整をしていただいて、この受け皿、科学技術の振興を担う機関の設置を早目にスタートできますようにお願いを申し上げます。
 アクションプログラムにつきましても、知事の御答弁のように、沖縄県科学技術推進計画を平成20年度から23年度までの4年間の計画を今策定するというふうなことでありますけれども、ぜひその策定も含めてよろしくお願いをいたします。
 「宇宙技術および科学の国際シンポジウム」の誘致につきましては、企画部と観光商工部の前向きな御答弁をいただいたわけでありますけれども、実はこのシンポジウムにつきましてはこれまでに25回目と26回目、既に観光商工部の方で、東京の方でその誘致を働きかけてきたというふうな経緯もございまして、タイミング的になかなか合わなかったというふうな面もあろうかと思いますけれども、先ほど申し上げました沖縄振興計画の最終年度が平成23年度に終了していくわけですね。同時に我が沖縄の科学技術大学院大学が開学をしていく。
 そういうふうなことも含めて、本県の科学技術の振興にとって平成23年度(2011年)は大きな節目になる年だと思うんですね。ですから、以前はタイミング的に合わなくて、結局25回目が石川県、26回目が来年開催されるわけでありますけれども、静岡県の浜松に決定をしてきたというふうな経緯がございまして、ぜひともこれから知事も含めてこの国際会議の誘致、非常に大きな節目ですから、意思を決定していただいて取り組みをお願いしたいわけであります。
 後ほど仲井眞知事から御見解を賜りたいわけでございますけれども、この「宇宙技術および科学の国際シンポジウム」、私もいろいろ勉強して、日本航空宇宙学会とシンポジウムの実行委員会を組織して開催をしていくわけでありますけれども、先ほど言いましたように、宇宙技術の開発、効率、いろんな問題も含めて全世界から科学者あるいは研究者が集まって議論をしているわけであります。もちろん文部科学省とか経済産業省、国土交通省、総務省が後押しをして、文字どおり国を挙げて我が国の宇宙技術あるいは世界の宇宙技術を発展させていこうというふうな会議であり、また世界の宇宙技術のために大きく貢献をしてき
たわけであります。
 来年で26回の開催ということでありますけれども、ほとんどこれまでは東京を中心にした都心部で開催をしてまいりました。ところが地方からの、各自治体からの要望があって、第22回目からは地方都市で開催をするというふうなことで、その国際シンポジウムとあわせてそれぞれの地域で実行委員会を組織して宇宙博覧会とか宇宙の展示会とか、あるいは宇宙飛行士の講演会、あるいは子供たちに対する宇宙の授業とか、そういうふうな授業を通してそれぞれの開催地の地域の子供たちの教育や、あるいは地域の活性化に大きく寄与しているわけであります。
 県内では学校の先生方を中心に沖縄仮設実験研究会、北部から南部までの理科の先生方を中心に、そういうふうに仮設実験研究会という勉強会をして、子供たちに対する理科の実験とか科学の実験を先生方が積極的に勉強しながら、そういうふうに今まで学校の授業に生かしてきたというふうな経緯がございます。
 同時に、アメリカのヒューストンで、NASAの公式センターというところで宇宙の探査教育者会議というのがございます。これは日本では宇宙航空研究開発機構(JAXA)という組織が窓口になって、日本全国から先生方を応募して、全国から4名の先生方を選び出してアメリカのヒューストンに、NASA公式センターに送ってその教育者会議というところに参加させるわけでありますけれども、何と2005年に沖縄県の喜友名先生という人が初めて選ばれました。その教育者会議に参加をするわけであります。
 その次の年の2006年も同じくこの喜友名先生が、今度は世界の先生方を相手に「長い吹き矢・短い吹き矢」というテーマで講義をするわけであります。日本で初めてです。それを受けて、今度は2007年にまた再度沖縄から伊良波先生という方がテーマを「真空」というテーマで全世界の先生方を相手に講義をするわけであります。日本で2番目であります。この小さい島から日本で最初にNASAで講義をする先生があらわれる、その次も沖縄からあらわれる。宇宙航空研究開発機構も非常に沖縄のそういうふうな先生方の取り組み、あるいは地域の取り組みに大きな関心を示しているわけでございます。
 さらに、平成19年度(今年度)、実は国際宇宙ステーションの宇宙飛行士と沖縄の子供たちとの交信事業が予定をされております。これは宇宙航空研究開発機構とアメリカのNASA(航空宇宙局)と相談をして、そのタイミングを今見計らっているわけでありますけれども、これも沖縄の子供たち、あるいは沖縄の教育を、あるいは地域をもっと明るくしようというふうな、そういうふうな動きをやっているわけであります。
 そういうふうなことも含めて、宇宙飛行士の古川聡の講演会をやるとか、そういうふうな土壌が今沖縄にできつつあるわけであります。同時に、青少年科学作品展、来年の2月で第30回を迎えるわけであります。30年にわたって沖縄電力を中心に沖縄の理科の教育とか、そういうふうなものも含めて、民間を主体にして先生方も中心になってそういうことがつくり上げられてまいりました。
 そういうふうな土壌があって、今、中央の方でも、沖縄でそういうふうな国際会議をというふうな動きも含めていろいろ出てきているわけでございます。
 ことしの11月には宇宙航空研究開発機構が主催をするコズミックカレッジというものが開かれて、中部で開催するわけでありますけれども、そこには人工衛星「はるか」のプロジェクトの代表である平林先生という方が講演をするとかというふうなことも含めて、非常に今注目を集めているわけでございます。
 ですからそのようなことも含めて、平成23年度(2011年)に我が沖縄県の科学振興の大きなステップとなる宇宙科学の国際会議をぜひとも誘致をして、そのような科学技術の振興に弾みをつけたいというそういう思いがございます。
 先ほど申し上げましたように、これまで観光商工部が頑張ってきました。ところが、やはりこういうふうなものは県の政策として知事がぜひこういうことを一緒にやってみよう、これからの科学技術振興のためにぜひともやってみようじゃないかというふうなことの意思が明確になれば、私は2011年に沖縄で科学技術の国際会議が開かれるものだと確信をするものでございます。来年の8月までに決定をするということでございます。ですから、年明けてそういう誘致に向けて取り組みをしていかないと、またほかの都道府県やほかの市町村にとられてしまうというふうなこともございますので、ぜひ仲井眞知事、御決断をいただきまして、2011年に沖縄県で国際会議が開かれますように御答弁をよろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 照屋議員の再質問にお答えしたいと思うんですが、科学技術という非常に地味な分野に御造詣深く、そして非常に大変な御見識を持っておられて感動いたしました。ぜひとも宇宙の技術、宇宙サイエンスの分野での国際会議の誘致に頑張ってみたいと思います。また、御支援をよろしくお願いいたします。
○議長(仲里利信) 以上をもって通告による一般質問及び議案に対する質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議案のうち、乙第10号議案土地の取得については観光振興・新石垣空港建設促進特別委員会に、乙第12号議案指定管理者の指定については少子・高齢対策特別委員会にそれぞれ付託の上、審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(仲里利信) 御異議なしと認めます。
 よって、乙第10号議案については観光振興・新石垣空港建設促進特別委員会に、乙第12号議案については少子・高齢対策特別委員会にそれぞれ付託の上、審査することに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(仲里利信) ただいま特別委員会に付託されました議案を除く甲第1号議案、乙第1号議案、乙第2号議案、乙第4号議案、乙第5号議案、乙第7号議案から乙第9号議案まで、乙第11号議案及び乙第13号議案から乙第15号議案までについては、お手元に配付してあります議案付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
   ――――――――――――――
   〔議案付託表 巻末に掲載〕
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(仲里利信) 休憩いたします。
   午後5時21分休憩
   午後5時22分再開
○議長(仲里利信) 再開いたします。 
  日程第3 陳情第162号の付託の件を議題といたします。
 お諮りいたします。
 本陳情は、米軍基地関係特別委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(仲里利信) 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
   ―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(仲里利信) この際、お諮りいたします。
 委員会審査及び議案整理のため、明12月12日から18日までの7日間休会とすることにいたしたいと思います。
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(仲里利信) 御異議なしと認めます。
 よって、明12月12日から18日までの7日間休会とすることに決定いたしました。
   ――――――――――――――
○議長(仲里利信) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 次会は、12月19日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時23分散会

 
20070408000000