平成20年(2008年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 9月26日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた公安委員会委員長幸喜徳子さんは、別用務のため本日及び29日から10月1日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び30日の会議に公安委員会委員翁長良盛君、29日及び10月1日の会議に同委員会委員安里昌利君の出席を求めました。
   ――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 前島明男君。
   〔前島明男君登壇〕
○前島 明男 おはようございます。
 浦添市区選出、公明党・県民会議の前島でございます。
 会派を代表して質問をさせていただきますが、まずは、台風13号で被害に遭われたすべての皆様方に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧を願うものであります。
 それでは質問に入ります。
 1番、台風13号の被害状況と今後の対策について伺います。
 与那国島を暴風域に巻き込んだ台風13号は、激しい風雨で45時間もの長時間、島民を恐怖にさらし、被害総額3億2800万円余の大きな傷跡を残しました。
 我が党は、台風通過後直ちに――17日――与那国島を訪問し被害状況を視察し、知事に対し緊急対策を申し入れたところであります。知事御一行も同じ日に同島を訪問されたとのことですので、素早い行動に敬意を表したいと思います。
 どうぞ当局におかれましては、台風被害に対する救援策を適切かつ早急に講じるとともに、被災者の方々が一日も早く生活再建に臨めるよう特段の御配慮を願うものであります。
 そこで、次の質問を行います。
 (1)、各地域の被害状況はどうなっていますか。
 (2)、被害を最小限に食いとめる抜本的な対策は何ですか。
 (3)、毎台風で同じようにやられている水道、電気などのライフラインの抜本的な保護対策はないのですか。
 (4)、台風被害者への支援はどうなっていますか。
 大きな2番、知事の政治姿勢について伺います。
 仲井眞知事は、2006年11月の就任以来、はや2年近くになろうとしておりますが、他府県にない過重な基地負担を強いられながら、諸課題の解決に全力で取り組んでこられました。このことに関しては高く評価をするものであります。しかしながら、必死の努力にもかかわらずなかなか進展しない課題も見受けられます。
 そこで、次のことについて伺います。
 (1)、基地問題について。
 2004年8月13日、この日は米軍海兵隊普天間基地所属のヘリコプターが沖縄国際大学に墜落した日であります。あの日の記憶はいまだに鮮明に残っております。
 あの日は、私ども公明党の県議を含め県内全市町村議員が中部の浜比嘉島で研修のさなかでありました。墜落の報を受けて、ちょうど沖縄入りしていた我が党の浜四津代表代行が他党に先駆けて現場へ急行いたしました。あれから早くも満4年が経過しております。
 しかしながら、騒音や危険性は一向に改善されておらず、不安は募るばかりです。いつになったら平穏な生活が取り戻せるのか。
 そこで、次のことを伺います。
 ア、普天間飛行場の危険性除去の取り組み状況と、3年間で閉鎖状態にすることについてはどうですか。
 イ、海兵隊員8000人、家族を含めると1万7000人余のグアム移転計画の実施はどうなっていますか。
 ウ、嘉手納以南の返還予定地の進捗状況はどうですか。
 エ、返還後の土壌汚染対策計画はどうなっていますか。
 オ、原子力潜水艦の寄港について、知事の考え方をお伺いいたします。
 (2)、知事の訪米について伺います。
 米軍基地問題の解決促進を図るには、日本政府ばかりでなく米国政府、連邦議会、米軍関係者並びに米国民に対し直接本県の現状を訴え、沖縄の基地問題への理解と協力を求めていくことが重要であります。これまで11回にわたり歴代の県知事による訪米要請活動が実施されておりますが、目に見える形での成果はなかなか上がっていないように思われます。しかし、今回の仲井眞知事には大きな成果を期待し、次のことを伺います。
 ア、訪米の趣旨、目的は何ですか。
 イ、いつの時期か、それはなぜですか。
 ウ、外交交渉として、外務省を通さずみずから訪米する意義をどう考えているか伺います。
 大きな3番、緊急経済対策について伺います。
 直近の消費者物価指数(6月)を見ますと、前年同月比1.9%上昇。このうち生活必需品に限れば5.5%も上がっています。7月には電気料金が0.9から2.4%値上げされるなど、公共料金を初め生活用品や食品の値上げが私たちの生活を圧迫しております。 
 今問題なのは、給与がふえずに可処分所得が減る一方で相次ぐ物価高が家計を直撃していることであります。このまま深刻な物価高が続けば景気後退を加速させかねません。まさに今、消費の下支えと生活防衛が極めて重要だと考えます。
 そこで、次のことを伺います。
 (1)、物価高対策についてであります。
 ア、生活者支援を最優先で考えるならば、家計を潤す定額減税は必要だと思うがどうですか。
 イ、低所得者対策として、老齢福祉年金の受給者や生活保護世帯などに対しては、臨時福祉特別給付金を支給し、年金額を上乗せすることも必要だと思うがどうですか。
 (2)、中小企業対策について。
 昨年顕在化した米国のサブプライムローン問題や米国の大手証券会社「リーマン・ブラザーズ」の破綻は、全世界に金融不安を広げております。その金融不安の影響を最も受けているのが中小企業であります。
 そのようなことから、私ども公明党は、中小零細企業の生の声を聞くために約2週間をかけて緊急アンケート調査を実施いたしました。551社の協力を得たアンケートの分析結果が出ましたので、早速、けさ一番で仲井眞知事に要請をいたしました。近々国へも沖縄の実情を訴える予定であります。
 アンケートの結果内容でありますが、原油、原材料価格の高騰により経営が苦しい上、貸し渋りや運転資金も貸さない貸しどめに遭い、まさにがけっ縁に立たされている状況であります。一刻も早く中小企業の命綱である融資を拡大し、資金繰りを支援していかなくてはなりません。
 そこで、次のことを伺います。
 ア、原油高に伴う燃料負担の大きい業種への支援はどうなっていますか。
 イ、貸し渋り、貸しはがしの現状と対策はどうなっていますか。
 ウ、県中小企業の振興に関する条例に基づく緊急対策はどうなっていますか。
 大きな4番、福祉医療行政について伺います。
 行政の根幹をなす福祉や医療が充実していれば、先進国や先進県と評価されます。
 我が国は北欧諸国と比べますとかなりの開きがあるように思います。一方、県内に目を向けますと、長い間の米国施政権下の影響がいまだにあらゆる面に残っており、ハード面は一応本土並みに整備されたものの、ソフト面においてはまだまだ追いついていないのが現状だと認識しております。特に医療、福祉、教育の面ではまだ差があるように思います。よって、さらなる支援を政府に求めていく必要があるものと考えます。
 そこで、次のことを伺います。
 (1)、認可外保育園対策についてであります。
 公明党は、待機児童の解消、認可外保育園児童の待遇改善など、これまでも強く訴え続けてまいりました。5月末の県議選のさなかに、太田代表と遠山清彦前参議院議員が当時の岸田沖縄担当大臣や舛添厚生労働大臣に、また浜四津代表代行は前福田総理大臣に直接沖縄の認可外保育園問題への支援を申し入れました。その結果、このたびの基金創設につながったことはまことに喜ばしい限りであります。
 そこで伺います。
 ア、今回10億円の基金を創設し3年間で事業を執行することになっているようですが、事業内容について御説明ください。
 イ、我が県における認可外保育園児の処遇向上は重要なテーマであります。基金運用についてさらなる国への要請を強める必要があると考えますが、県の対応を伺います。
 (2)、子宮頸がんの予防及び早期発見について県の考え方を伺います。
 女性特有のがんである子宮頸がんの死亡率は高く、毎年約8000人が子宮頸がんと診断され、約2500人が亡くなっております。とりわけ沖縄県内は罹患率が全国の1.5倍という極めて憂慮すべき事態にもかかわらず、受診率はこの20年間20%にも満たない状況が続いております。
 よって本県におかれては、子宮頸がんの予防、早期発見のための取り組みを推進されるよう強く要望し、次のことを伺います。
 ア、子宮頸がん予防ワクチンの早期承認を国に求めること。
 イ、予防ワクチンが承認された後は、その推進を図るため接種への助成を行うよう国に対し求めること。
 ウ、各市町村で実施している子宮頸がん検診においては、HPVウイルスの検診を併用して行うこと。
 エ、検査キットの費用についても助成を行い、普及促進に努めること。
 オ、子宮頸がんの原因を初め予防可能ながんであることを広く県民に周知し、受診に向けて啓発活動に努めること。
 (3)、白血病対策についてであります。
 白血病は血液のがんで不治の病だと恐れられておりましたが、現在では早期発見、早期治療さえすればほとんど治る病気だと言われております。しかしながら、我が沖縄県内ではいまだ十分な対応ができない状況にあります。
 そこで、次のことを伺います。
 ア、白血病治療について、沖縄の現状はどうなっていますか。
 イ、どんな治療法がありますか。また、生存率は幾らですか。
 ウ、臍帯血移植による治療法の実施件数と助かった命は何件ですか。
 エ、公明党は、臍帯血バンクの設立や医療保険適用などに取り組み実現してきました。今後、沖縄の患者を救うためには沖縄で治療をするのではなく、治療の難しさを理解した上で高度医療に対応できる病院に送ること、それを判断できる人材を育てることが重要であると考えるがどうですか。
 (4)、うつ病対策についてであります。
 「10年前のことである。 私は初めてうつの症状に襲われ、悶々とした日々を過ごしていた。 なにもする気にならない「億劫感」、それでいて、そんな自分に苛立ちを覚える「イライラ感」、そして、このまま社会からも家族からも葬り去られるのではないかという「漠然とした不安感」がないまぜとなったまま、蒲団の中でひたすら涙を流し続けていた。」。
 このくだりは、「日本人だからうつになる」という本のプロローグの一部であります。本人でなければその苦しみがわからないということが御理解いただけたかと思います。
 我が沖縄県内にもうつ病患者が5000人以上いると言われており、その対策は極めて重要であります。
 そこで、次のことについて伺います。
 ア、沖縄県立総合精神保健福祉センターでは、うつ病の治療方法として、認知行動療法という精神療法を導入して画期的な成果を上げていると報道されておりますが、知事はどのように評価しておられますか。
 イ、センターが行っている薬物療法と認知行動療法という精神療法の併用による治療体制が評価され、全国に広げなくてはならないという大きな使命を担っているときに、何ゆえ民間委託をする必要があるのか。また、今の体制の期限を切らずに継続すべきだと考えるがどうですか。
 (5)、産科医療補償制度について伺います。
 我が国の産科医療分野では、過酷な労働環境や医療事故紛争が多いことにより分娩の取り扱いをやめる施設が多く、さらには産科医になることを希望する若手医師が減少していることなどの問題点が指摘されております。
 このようなことから、産科医不足の改善や今後の産科医療提供体制の確保の観点から、無過失補償の考え方を取り入れた新たな補償制度の創設の必要性が唱えられてきました。
 そこで、次のことを伺います。
 ア、本制度の目的は何ですか。
 イ、補償の対象はどうなっていますか。
 ウ、我が県の加入状況はどうなっていますか。
 エ、この制度を普及させるための県の取り組みはどうなっていますか。
 大きな5番、農林水産行政について伺います。
 昨今の農林水産業を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。流通がグローバル化しているために、一たん何かが起こると全世界へ広がるおそれがあります。一方、国内へ目を向けると、ウナギや牛肉、果物などの産地偽装問題、あるいは中国から日本への冷凍ギョーザ問題に続き、メラミン混入事件など、数え上げれば切りがありません。
 何と業者のモラルが低下したことか。我々国民・県民は何を信用すればよいのか。安心・安全な食生活を一日も早く取り戻さなければなりません。
 そこで、次のことを伺います。
 (1)、生産地偽装問題について。
 ア、県のチェック体制はどうなっていますか。また、今後の対策はどうですか。
 (2)、食の安全について。
 ア、県のチェック体制と今後の取り組みはどうなっていますか。
 (3)、地産地消について。
 ア、県産品愛用運動が展開されて久しいが、なかなか実績が上がっていない根本原因は何ですか。また抜本的な対策は何ですか。
 イ、自給率向上のため農業法人の取得基準を緩和する考えはありませんか。
 (4)、南大東漁港に製氷施設を設置する計画はどうなっていますか。
 漁港は完成間近でありますが、製氷施設等の陸上の附帯施設がなく利用しにくいとの声があります。早期の整備が望まれますがどうですか。
 大きな6番、土木建築行政について伺います。
 本県のインフラ整備を担ってきた県内建設業は、県内総生産に占める割合が7.6%、全産業に占める就業者数の割合も11.5%の基幹産業として、地域経済、雇用を支える重要な役割を果たしてきました。しかしながら、現在の県内建設業は採算を度外視した熾烈な競争が行われ、受注しても赤字か利益のない経営を強いられております。既に倒産や廃業に追い込まれた企業も多く、この傾向が一層強まり、県経済や雇用状況に与える悪影響を危惧しております。
 行政もこれらのことを懸念され真剣に対策に取り組まれ、ことし3月に「優れた技術・経営力を持ち、美ら島おきなわの創造に貢献する建設産業」を目指してというサブタイトルをつけた、立派な「沖縄県建設産業ビジョン」をつくられました。
 そこで、ビジョンを実効あらしめるために何が大事かとの観点から次のことを伺います。
 (1)、沖縄県建設産業ビジョンについて。
 ア、ビジョン策定の目的は何ですか。
 イ、沖縄県の建設産業の現状と課題は何ですか。
 ウ、ビジョンを実効あらしめるための「沖縄建設業審議会」の設置がうたわれているが、進捗状況はどうなっていますか。早期の実現が求められているがどうですか。
 エ、実効性の確保という面では、もう片方の柱である「沖縄建設産業総合支援センター(仮称)」の設立はどうなっていますか。
 (2)、南大東村亀池港の拡張について伺います。
 南大東港亀池地区は、村民生活と産業を支える重要な港湾であります。同港の岸壁は過去に何度も災害を受け損傷が著しいことから、災害に強い岸壁の整備拡張が求められております
 そこで、次のことについて伺います。
 ア、拡張計画はどうなっていますか。また、完成年度はいつですか。
 イ、拡張規模はどうなっていますか。
 以上でございます。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 前島議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、台風13号関係の御質問の中で、台風被害の抜本的な対策についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 今回の台風は与那国島を中心に大きな被害を出しましたが、その理由としましては、中心の気圧が960ヘクトパスカル、瞬間最大風速が62.8メートルを記録した強い台風であったことと、与那国島は45時間の長い時間、暴風域にあったことが挙げられると思います。
 沖縄県は毎年のように台風が接近し多くの被害が発生していますが、特に先島地方の被害は甚大なものがあります。
 今後も、台風の接近は当然予想されることから、これまでの被害をよく検証し課題を明らかにする必要が無論ございます。
 今回の台風では電柱の倒壊などによる停電、断水、回線不通などライフラインの被害、そして道路や農道の崩壊、農作物の被害が主なものでございました。
 県としましては、ライフライン関係事業者と連携をした電線類地中化などのインフラ整備の推進による台風に強いまちづくりや防風林、そして平張り施設等の整備の推進による農業振興に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、知事の政治姿勢に係る御質問の中で、訪米の目的についてという御質問にお答えいたします。
 戦後63年の長きにわたって過重な基地負担を背負ってきました沖縄県にとって、米軍基地問題の解決は重要な課題であります。その解決促進のため、米国政府や米国連邦議会、米軍司令部等の関係機関に沖縄県の実情を直接伝えることは意義あることだと考えております。また、訪米では沖縄県の産業振興を図るため、アメリカ企業等への県内誘致に向けたいわばトップセールスを行ってまいりたいとも考えております。
 米軍基地問題に関しましては、まず米軍基地の運用に伴う事件・事故の防止を要請いたします。特に、米軍人等の綱紀粛正や教育の徹底などを強く求めてまいりたいと考えております。さらに、日米地位協定の抜本的見直し、嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺における航空機騒音の軽減、普天間飛行場の危険性の除去を求めますとともに、沖縄県の基地負担の軽減につながる海兵隊要員等の兵力削減、そしてグアムへの移転、普天間飛行場を含む嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還といった在日米軍再編合意の確実な実施を求めてまいりたいと考えております。
 次に、緊急経済対策に係る御質問の中で、原油高に伴う燃料負担の大きい業種への支援についてという御質問にお答えいたします。
 原油価格高騰の影響を受けている中小企業者に対する支援策は、影響を受けている業種が多岐にわたることから、特に業種を区別することなく負担の大きい中小企業者すべてを対象といたしております。
 支援策の内容は、資金繰りの円滑化を図り経営の安定に資するための「原油高騰対策支援資金」による支援や、機械類貸与制度を利用し、省エネ設備等を導入することで経営の効率化や改善を図る者に対し沖縄県がリース料等の補助によります支援、そして無料での省エネ診断による支援などを行っているところでございます。
 次に、福祉医療行政に係る御質問の中で、沖縄特別振興対策調整費を財源とした基金の活用方法についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 このたびの沖縄特別振興対策調整費を活用しました待機児童対策特別事業につきましては、国からおおむね9億円が拠出されることとなっております。
 県におきましては、これに対応しておおむね1億円を拠出をし、10億円規模の基金を設置することといたしております。
 当該基金を活用し、待機児童の実態調査や保育内容向上に向けた研修会を実施するとともに、市町村が認可化することとした認可外保育施設への運営費及び施設整備費の助成を行い、認可化を促進することといたしております。
 今回の事業実施は、沖縄県の認可外保育施設への支援を求めた公明党代表や県関係国会議員の皆様による沖縄担当大臣への要請及び県議会議員の皆様の国への働きかけによるものと認識をいたしており、感謝申し上げる次第でございます。
 県では、この事業を最大限に活用して待機児童の解消に向け全力で取り組んでまいる所存でございます。
 次に、農林水産行政に係る御質問の中で、南大東漁港の製氷施設の整備に係る御質問にお答えいたします。
 南大東周辺は、マグロ・ソデイカの好漁場となっており、これら漁獲物の鮮度を保持するためには氷の供給が重要でございます。現在、南大東村には村単独で整備をしました既設の製氷施設がありますが、老朽化により需要に対応できなくなっております。
 沖縄県では、南大東村が実施する新たな製氷施設の整備に対し、平成20年度水産業構造改善事業により助成することといたしております。
 次に、土木建築行政に係る御質問の中で、沖縄県建設産業ビジョン策定の目的いかんという御質問にお答えいたします。
 沖縄県内の建設業は、県内建設投資が長期低迷する中で、建設業者数は供給過剰傾向で推移いたしており、市場構造の大きな変化の中で厳しい経営環境に直面をいたしております。また、県内の公共工事につきましては、低価格による受注競争が激化しており、品質確保や下請事業者及び労働者へのしわ寄せの懸念のみならず、人材確保を初め中長期的に建設産業全体の疲弊につながりかねない状況となっております。
 このように、県内の建設業界はかつてない大きな変革期を迎えており、時代の環境変化への対応が求められているところでございます。このため、新たな時代に対応した沖縄県建設産業の将来像を示し、建設産業全体の構造改革を通じて県民への良質な社会資本の提供を実現していくため、沖縄県建設産業ビジョンを策定したところでございます。
 次に、同じく土木建築行政に係る御質問の中で、沖縄県の建設産業の現状と課題についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県における建設産業は、沖縄県の経済と雇用を支える重要な基幹産業でありますが、中小零細な事業者が多く、近年の公共投資の減少や建設業者の供給過剰等、市場構造の大きな変化の中で厳しい経営環境に直面し、倒産や廃業の増加、それに伴う失業率の増加など、今後の沖縄県経済・雇用への影響が懸念されているところでございます。
 建設産業は、今後、公共投資の回復が当面見込めない中にありまして、自助努力による経営の合理化、経営基盤の強化、そして新分野への事業転換などに取り組むことが求められていると考えております。
 同じく土木建築行政に係る御質問の中で、沖縄建設産業審議会の設置についての御質問にお答えします。
 沖縄県建設産業ビジョンで設置を検討するとされております沖縄県建設業審議会は、建設業の改善に関する重要事項につきまして調査・審議を行い、中立的な立場からの意見、そして提言を行う第三者機関でございます。
 県といたしましては、建設業に係る施策を実施するに当たり、有識者や関係団体、発注者等の意見を取り入れていくことは重要なことと考えており、昨今の建設業の直面する危機に対処するためにも有識者等から意見を聞く第三者機関を早期に設置いたしたいと考えているところでございます。
 同じく土木建築行政の中で、沖縄県建設産業総合支援センター(仮称)の設立についてに係る御質問についてお答えいたします。
 沖縄県建設産業総合支援センター(仮称)は、厳しい経営環境にある建設産業の活性化を総合的かつ一体的に推進していくことを目的とするもので、建設業界では以前から検討されておりましたが、建設産業ビジョンにおきまして、建設産業全体の活性化に向けた方策の一つとして取り上げられたものであります。
 支援センターの具体的な役割としましては、建設業団体におきまして、建設産業の人材育成や技術者派遣、産学官連携による共同研究、そして新技術開発の促進、地域社会への貢献などが想定されております。支援センターは、建設関係団体が主体となって設立し運営することとなっております。
 県としましては、支援センターの設立に向けてその運営財源となる公共工事建設発生土再利用システムの活用について調査検討を行っているところであり、早期に設立できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(上原 昭) 台風13号の被害状況と今後の対策についてのうち、各地域の被害状況についてお答えいたします。
 台風13号による9月24日現在の石垣市の被害状況は、人的被害が2名、3世帯3名が自主避難いたしました。
 被害見込み額は、土木関係が約800万円、農林水産関係が約1億3300万円となります。
 竹富町の被害状況は、住家の一部損壊が6棟、土砂災害は1カ所、2世帯2名が自主避難いたしました。
 被害総額は、土木関係が約1億9100万円、農林水産関係が約1億2300万円になります。
 与那国町の被害状況は、住家の全壊が2棟、半壊が6棟、一部損壊が56棟、9世帯10名が自主避難いたしました。
 また、ライフライン被害では、700世帯が停電し全世帯が断水しました。
 被害見込み額は、土木関係は約1億6500万円、農林水産関係は約1億9700万円になります。
 多良間村の被害状況は、農林水産関係の被害見込み額が約200万円になります。
 次に、知事の政治姿勢についてのうち、普天間飛行場の危険性除去の取り組み状況についてお答えします。
 普天間飛行場の危険性の除去の方策については、昨年8月、政府から「普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策についての検討に関する報告書」が発表されましたが、県としては場周経路の改善等では不十分であると考えております。
 また、見直された場周経路がきちんと守られていないとする宜野湾市の指摘があることから、防衛省は、去る8月末に普天間飛行場における飛行航跡調査を実施しております。
 県としては、防衛省が実施する飛行航跡調査の状況を注視しているところでありますが、移設するまでの間であれ普天間飛行場の危険性をそのまま放置することはできないことから、訓練の分散移転などさらなる抜本的な改善措置が必要であると考えております。
 県としては、去る7月末に設立した実務者間のワーキングチームにおける協議を通して具体的な危険性除去策の提案、実施につなげていきたいと考えております。
 次に、海兵隊のグアム移転についてお答えします。
 海兵隊司令部及び約8000人の将校・兵員のグアム移転の進捗状況について、米国国防総省の「グアム統合軍事マスタープラン素案の概要」によると、2010年初頭に環境影響評価決定書が署名され、その後、在沖海兵隊のグアム移転を含めたグアムの基地全体において、今後必要となる施設やインフラの詳細な計画が確定する予定であるとのことであります。
 次に、嘉手納飛行場より南の返還予定地についての御質問にお答えします。
 嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の返還については、日米両政府において平成19年3月までに統合のための詳細な計画を策定するとされておりましたが、これまでのところ同計画が策定されたとの説明は受けておりません。
 沖縄防衛局によると、現在、米側と調整中の段階であるとのことであります。
 次に、返還後の土壌汚染対策についてお答えします。
 駐留軍用地の返還に当たっては、「沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律」第6条、第7条及び同法施行令に基づき、国の責任において汚染物質の調査及び除去等の原状回復措置を講ずることになっております。
 具体的には、国は、日米合同委員会において返還が合意された駐留軍用地について調査を行う区域の範囲、調査の方法、調査に要すると見込まれる期間及び調査の結果に基づいて国が講ずる措置の方針等に関する返還実施計画を定めることとなっております。
 なお、平成18年に返還された読谷補助飛行場等においては、同法施行令に基づき返還実施計画が定められ、原状回復措置が行われたところであります。
 次に、原子力潜水艦の寄港についてお答えします。
 我が国への原子力潜水艦の寄港については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約及びその関連取り決めにより、米国は我が国の安全並びに極東における国際の平和及び安全のため、我が国の施設及び区域を使用することが認められています。
 県としては、日米安全保障体制を認める立場から、原子力潜水艦の寄港について、政府の方針に基づき基本的には寄港を容認するものではありますが、すべての原子力艦の安全対策及び再発防止策の徹底を図り、放射能漏えいが再び起こらないよう、安全性の確保にはこれまで以上に万全を期していただきたいと考えております。
 また、今回のヒューストンの事故に関し、原子力潜水艦は安全が確認されない限り本県に寄港させないことを日米両政府に求めていきたいと考えております。
 次に、訪米の時期についての質問にお答えします。
 訪米の時期につきましては、最終的には国内外の情勢を見ながら外務省等とも調整の上、決定していきたいと考えておりますが、現在のところ、米大統領選後の年明け早い時期に行いたいと考えております。
 次期政権のスタッフの人選や外交・防衛政策の調整が行われる時期に訪米し、政策形成に影響力を持つ米側の関係者等に対し沖縄県の米軍基地問題を直接訴え実情を理解してもらうとともに、次期政権の米軍再編等に関する考え方等について情報収集や意見交換を行うことは、米軍基地問題の解決促進にとって大変重要だと考えております。
 次に、外務省を通さずみずから訪米する意義についての質問にお答えします。
 米軍基地問題は国の外交・防衛にかかわる問題であり、その解決に向けては、まず政府間で話し合いがなされるべきであると考えております。
 しかしながら、戦後63年の長期にわたって過重な基地負担を背負ってきた沖縄県にとって米軍基地問題の解決は重要な課題であり、その解決促進のため、地元の声を基地を使用している側の米国政府や連邦議会、米軍司令部等の関係機関に直接伝え理解と協力を求めることは意義あることだと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(伊波輝美) 台風13号の被害状況と今後の対策についての中の、水道施設の台風対策についてお答えいたします。
 今回の台風時における断水の主な原因は、停電によるものでありました。
 県では、各水道事業体に対し水道施設設計指針に基づき、停電による断水を回避するため、自家発電設備の整備や配水池容量を勘案して、最低1日程度の停電に対応できるよう指導しております。
 与那国町の簡易水道では、設計上、自家発電と配水池容量による対応が1日半程度としておりましたが、今回、台風13号の影響が長時間に及び、自家発電施設の燃料切れや発電機の不調等により断水いたしました。
 このことから、台風被害のリスクが高い地域の水道事業体に対しましては、自家発電設備の拡充や機器の事前整備点検の徹底等、指導を行ってまいりたいと考えております。
 続きまして、緊急経済対策についての御質問の中の、臨時福祉特別給付金についてお答えいたします。
 臨時福祉特別給付金につきましては、平成9年の消費税率引き上げに際して、その影響を受けやすい各種年金受給者等の方々に対し国から支給されたことがございます。
 御質問の給付金につきましては、今後何らかの動きがあれば県としても的確に対応してまいりたいと考えております。
 続きまして、福祉医療行政の中の、沖縄特別振興対策調整費を財源とした基金の運用に関する国への要請についてお答えいたします。
 本県では、他県と比べて待機児童と認可外保育施設入所児童が多いという特殊事情があります。
 このため、県では、国に対して特に認可外保育施設入所児童の処遇向上に向けた支援が得られないか、県議会議員や国会議員の皆様の御協力も得ながら要望や調整を重ねてまいりました。
 こうしたさまざまな働きかけが、このたびの沖縄特別振興対策調整費を財源とした待機児童対策特別事業の実施につながったものと認識しております。
 県では、この事業を最大限に活用して、待機児童の解消に向け全力で取り組んでまいります。
 続きまして、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス予防ワクチンの早期承認及び接種助成を国に対し求めることについてにお答えいたします。一括でございます。
 子宮頸がんは、性交渉によって感染するHPVに長期間感染することによって引き起こされると言われております。しかしながら、このウイルスに感染した女性がすべて子宮頸がんになるわけではありません。HPVに感染しても多くの場合、免疫力によってHPVが体内から排除されると言われております。
 現在、2社が国に対してHPV予防ワクチンの承認申請をしていると聞いております。
 県としましては、HPV予防ワクチンの早期承認及び接種助成を国に求めることについては、国の動向も踏まえながら対応について検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、子宮頸がん検診においてHPV検査を実施すること及びその検査キットに対する助成についてにお答えいたします。一括でございます。
 国は、子宮頸がん検診でのHPV検査の導入については、まだ検診による子宮頸がんの死亡率減少効果が実証されていないことから、今後その有効性の検証が必要としております。
 県におきましては、HPV検査の採用及びその検査キットに対する助成については国の動向を見ながら検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、子宮がん検診の県民への周知についてにお答えいたします。
 県においては、平成20年度の新規事業として女性特有のがんである乳がん及び子宮がんについて、検診の受診率向上を図るため、専門医等による講演会を開催しております。
 去る9月20日には、沖縄市民会館において乳がんに関する講演会を行いました。子宮がんについては来年1月ごろ講演会を予定しております。
 また、マスコミ等への広告掲載や、ポスター・パンフレット等による広報等も行っております。
 さらに、市町村においては、受診率向上のため検診の休日実施、他の住民健診との同時実施、検診日程カレンダーの配布等の取り組みがなされております。
 沖縄県の子宮頸がん検診の受診率は、平成18年度24.8%と全国平均より高い状況ではありますが、市町村及び事業所との連携を強化しながらさらなる受診率向上に努めていきたいと考えております。
 続きまして、沖縄県の白血病の現状と治療方法及び生存率についてにお答えいたします。一括でございます。
 沖縄県の白血病の人口10万人当たりの罹患率は、男性が10.7、女性が7.1となっております。
 県内における白血病治療は、大学病院、県立病院及び主要な民間病院で行われております。
 白血病治療は、抗がん剤による化学療法が主体に行われており、通常治療で治癒困難な難治例や再発者に対して、造血幹細胞移植として骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植等が行われており、生存率につきましては残念ながら把握しておりません。
 なお、小児の造血幹細胞移植に関しましては琉球大学病院で行われており、移植後の生存率は約5割から6割と言われております。
 続きまして、臍帯血移植の実施件数と助かった命についてにお答えいたします。
 県内では平成18年4月以降、臍帯血移植が10例行われており、そのうち2例は残念ながら移植後お亡くなりになっております。5名の方が良好な状態と聞いております。
 続きまして、白血病患者を高度医療に対応できる病院に送ることについてにお答えいたします。
 県内の白血病患者の治療のため、大学病院、県立病院及び主要な民間病院においては医療設備等を充実させて対応してきているところであります。
 また、琉球大学病院における小児の造血幹細胞移植は平成19年で18例、平成20年で20例行われており、これは全国でも上位に入る症例数であります。
 県内の小児の白血病治療は、ほぼ日本標準レベルにあると考えられております。
 続きまして、認知行動療法を取り入れたうつ病の治療方法の評価についてにお答えいたします。
総合精神保健福祉センターでは、うつ病治療の一方法として認知行動療法を取り入れたうつ病デイケア事業を平成17年8月から実施しております。
 同事業の効果については、開始から平成20年6月までのうつ病デイケア通所者実人員140人のうち107人が修了し、修了者の面接による客観的評価では90人(84%)に改善が見られたとの報告があり、評価をするものであります。
 続きまして、うつ病デイケア事業の民間への技術移転についてにお答えいたします。
うつ病デイケアについては、先ほども申し上げましたように通所者の多くの方に改善が見られたとの報告があり、一定の評価をするものであります。
 一方で、同センターのみでの実施では利用者のニーズに十分に対応することが困難なことなどから、利用者の身近な地域で利用できるよう、現在、「うつ病デイケア技術移転実行計画」に沿って民間医療機関等への技術移転の取り組みを進めているところであります。
 同センターは、ここ数年取り組みの強化が求められている自殺対策、薬物依存者対策、高次脳機能障害支援、ひきこもり対策等地域における精神保健福祉施策を推進する中心的な役割を担っております。
 うつ病対策はこれらの施策と関連が深く、また、うつ病デイケアについては自殺対策を推進する上で極めて重要であると認識しております。
 今後は、センターでの実績が地域で生かせるよう民間への技術移転の取り組みを強化してまいります。
 続きまして、産科医療補償制度について、制度の目的及び補償の対象についてにお答えいたします。
 本制度は、国民が安心して産科医療を受けられるようにするため、民間の損害保険を活用して新たな無過失補償制度を創設しようとするものであります。
 制度の内容は、分娩機関が運営組織を介して民間の損害保険に加入し、医療事故等があった場合に補償金を支払うものであり、運営組織は原因の分析を行い、将来の同種事故の防止に資する情報の提供を行うものであります。
 対象は、通常の妊娠・分娩にかかわらず脳性麻痺となった場合であり、原則として出生体重2000グラム以上かつ在胎週数33週以上で、身体障害者等級1・2級相当の重症者となっております。
 産科医療補償制度の本県の加入状況及び取り組みについてにお答えいたします。一括でございます。
 本制度は、運営組織の役割を担う財団法人日本医療機能評価機構において、平成21年1月から実施するために準備を進めているところであります。
 本県の産科を標榜する病院・診療所・助産所における平成20年9月22日現在の保険加入状況は46カ所のうち30カ所で、加入率65.2%となっており、全国の80.0%と比較すると低い状況にあります。
 県としましては、県内の産科を標榜する医療機関に対し本制度の趣旨の周知を図り、本保険への加入を積極的に促進していきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(漢那政弘) 台風第13号の被害状況と今後の対策の御質問の中の、電気などのライフラインの抜本的な保護対策についてお答えをいたします。
 災害時における電力の安定供給対策としては、電柱の構造強化や電線類地中化等があります。
 電線類地中化については、電線管理者の費用負担が大きいことから、事業化に当たっては、電力供給ルートの状況や電柱の構造強化策などを含めて、沖縄電力等の電線管理者との調整が必要となります。
 平成21年度からスタートする新たな無電柱化計画については、沖縄ブロック電線類地中化協議会において、国や電線管理者等の関係機関と連携を図りながら今年度策定する予定であります。
 新たな電線類地中化については、その計画に基づき推進していく考えであります。
 続きまして、土木建築行政についての御質問の中の、南大東港亀池地区の拡張計画と拡張規模について一括してお答えいたします。
 南大東港亀池地区は、南大東村の住民生活と産業を支える重要な港湾であります。現在の施設は、昭和59年度の整備完了後、台風等によりたび重なる被害を受け老朽化しております。
 県としては、早急な再整備が必要であると考えており、平成21年度新規事業として国と調整を進めているところであります。
 事業内容としては、既設岸壁100メートルの改修や港湾施設用地の拡張、波浪等緊急時のコンテナ置き場の整備等であり、平成27年度完成の予定であります。
 以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 台風13号の被害状況との関連で、台風被害者への支援についてお答えいたします。
 今回の台風13号により、石垣市において重傷者1名、与那国町において住宅の全壊2世帯、半壊6世帯の被害が発生いたしました。
 これらの被災者に対しましては、沖縄県災害見舞金支給要領に基づき、重傷者に対して5万円、住宅の全壊及び半壊世帯に対して2万円から3万円の範囲で見舞金を支給する予定としております。
 県としましては、関係市町と連携し、沖縄県災害見舞金が速やかに支給されるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、緊急経済対策の中で、生活者支援のための定額減税についてお答えいたします。
 国は、8月29日に示した「安心実現のための緊急総合対策」において、第1の目標に、「生活者の不安の解消」を掲げており、その中で特別減税を実施することとしております。
 特別減税の実施については、物価高、原油高の経済環境の変化に対応するため、家計への緊急支援として、定額控除方式による所得税・個人住民税の特別減税を単年度の措置として平成20年度内に実施することとしております。
 また、規模・実施方法等は、財源を勘案しつつ、年末の税制抜本改革の議論に合わせて引き続き検討することになっております。
 定額減税は、家計の可処分所得に影響を与えるものであり、県としましては国の動向を注視していきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(仲田秀光) 緊急経済対策に関する質問の中で、貸し渋り、貸しはがしの現状と対策についてお答えします。
いわゆる貸し渋り、貸しはがしの実情を直接把握することは、金融機関と個々の企業との個別取引関係に介入することになり困難でありますが、商工団体のアンケート調査等を通じて全般的な状況の把握に努めてまいります。
 また、国、県、金融機関、商工団体等で構成される沖縄地域融資動向に関する情報交換会等を通じて情報を入手し、必要があれば金融機関に対し中小企業者の実情を踏まえた円滑な融資についての要望を検討してまいります。
 次に、沖縄県中小企業の振興に関する条例に基づく緊急対策についてお答えします。
 「沖縄県中小企業の振興に関する条例」では、第6条第5号で、県は、中小企業の振興について、「経済的社会的環境の著しい変化への中小企業者の適応の円滑化を図る」旨、基本方針を規定しております。
 このようなことから、平成20年度当初予算において、新たに県融資制度として原油高騰対策支援資金、新事業分野進出資金を措置したところであります。
 さらに、昨今の原油高騰の状況を踏まえ、原油高騰対策支援資金の融資枠の拡大及び保証料補てんの拡充などの追加支援を予定しております。
 以上でございます。
○農林水産部長(護得久友子) それでは農林水産行政についての御質問で、食品表示の監視体制についてにお答えいたします。
 産地偽装は、消費者の信頼を損なうばかりでなく、これまで築いてきた産地ブランドの信頼及びそれを築き上げてきた生産者など関係者の努力を踏みにじるものであり大変残念であります。
 県では、食品表示の適正化を図るため、食品表示110番の設置や食品表示ウォッチャーを配置するとともに、国等と連携した監視・指導を実施しております。
 また、食品関連事業者等を対象とした講習会を開催し、食品表示制度の普及啓発を図っております。
 今回の偽装問題を受け、事業者などに対し法令遵守の徹底を図るよう注意喚起文書を発出するとともに、食品表示に関する部局連絡会議を設置し、再発防止に向けた連携強化を図っているところであります。
 今後とも、関係機関と連携した監視を行い、食品表示の適正化を図ってまいります。
 同じく農林水産行政の御質問で、農産物の安全・安心の取り組みについてにお答えいたします。
 近年、食の安全・安心に対する消費者の関心が高まっており、食の安全・安心を確保するためには、食品表示の適正化及び農薬の適正使用等について周知徹底を図ることが重要と考えております。
 食品表示については、小売店等を対象とした巡回指導の実施、食品表示110番の設置及び食品表示ウォッチャーの配置など、監視体制の強化に取り組んでいるところであります。
 農薬の使用については、市町村及び出荷団体と連携し、生産者に対して適正な使用及び飛散防止対策、記帳の指導を行っております。また、農薬の販売についても、農薬取締法に基づき農薬販売者に対して立入検査・指導を実施しております。さらに、JAおきなわと連携し、農産物の出荷前自主検査及びトレーサビリティーの推進に取り組んでおります。
 BSE対策については、国産牛肉について全頭検査の実施、特定危険部位の除去やトレーサビリティーによる安全で安心な牛肉を提供するための対策を講じているところであります。
 今後とも、消費者に安全で安心な農産物を供給するため、各種対策を実施してまいります。
 同じく農林水産行政で、地産地消の実績が上がらない原因と対策についてにお答えいたします。
 県産農林水産物の利用促進を図るためには、学校給食やホテル等における利用拡大が重要であると考えております。しかしながら、県産食材の利用方法、生産供給情報の共有、価格、規格等の面で課題があり伸び悩んでいるのが実情であります。
 一方、ファーマーズマーケット等の直売所においては、取り扱い数量及び金額が大きく伸びております。
 県としては、より一層地産地消を推進するため、1、市町村学校給食担当者連絡会議における需要・供給情報の共有化による県産食材の利用の促進、2、市町村地産地消連絡会議等における食材コーディネーターの育成、3、観光関連施設における県産食材料理フェアの開催や島野菜レシピコンテストの実施、4、機能性成分等のデータベース化による島野菜の利用促進、5、カット野菜など加工施設の整備、6、「おきなわ食材の日」による普及啓発などを実施しているところであります。
 さらに、平成20年度から「おきなわ食材の店」認定制度の創設、農業体験などの教育ファームに取り組んでいるところであります。
 今後とも、市町村、関係団体等と連携し、農林水産業の振興を図り地産地消を総合的に推進してまいります。
 同じく農林水産行政で、農業生産法人の農地取得基準の緩和についてにお答えいたします。
 農業生産法人については、農業生産の協業化、規模拡大等を促進するため、農地法により組織形態、事業内容、出資者及び役員構成などの要件が定められております。
 これらの要件は、平成12年度以降、1、対象事業に農産物加工及び民宿を追加、2、農作業に従事すべき役員の割合を2分の1から4分の1に縮小、3、役員の農作業従事日数を150日から60日に短縮、4、出資者に市町村、小売業者等取引先の追加などの緩和が実施されております。
 また、農業生産法人以外の企業等についても、平成17年9月の農業経営基盤強化促進法の改正により、市町村が基本構想で定める参入区域において農地を借り入れることが可能となっております。
 県としては、今後とも農業経営の法人化及び一般企業の参入の促進等により農業生産の拡大に努めてまいります。
 以上でございます。
○前島 明男 うつ病対策についてでありますが、保健福祉センターのうつ病治療方法は全国的にも非常に脚光を浴びておりまして、民間主導あるいは移転も大事なことかもしれませんが、ぜひとも中核として現体制を強化し継続していただきたいことを強く要望して質問を終わります。
○玉城 ノブ子 おはようございます。
 日本共産党を代表いたしまして代表質問を行います。
 まず1点目に、知事の政治姿勢について。
 福田首相が突然の辞任表明を行い、自民党麻生体制が発足しました。
 今回の辞任の背景には、自公政治の外交・内政での深刻な行き詰まりにあります。しかし、新内閣にはそのことの反省もなければ打開策もありません。
 自公政治の構造改革は、雇用や社会保障、投機マネーの問題でも国民生活、家計を犠牲にし、大企業のもうけだけを応援する政治が国民生活と日本経済を深刻な危機に陥れています。同時に、アメリカ言いなりに憲法を踏みにじり自衛隊を海外に派兵し、米軍の再編強化で在日米軍基地の強化を推し進めてきた政治の行き詰まりにあることは明白であります。
 日本共産党は、財界、アメリカ中心の政治から国民中心の政治への転換をと訴えてきました。ところが、自公政治の仲井眞県政はアメリカ、財界言いなりに、米軍基地の再編強化で県民に耐えがたい負担を押しつけるとともに、構造改革路線を積極的に推進をしてきました。
 その結果、県民の平和と安全が脅かされ貧困と格差は深刻となり、県民生活、雇用、社会保障、産業経済は今危機的な状況に直面をしております。県民所得は全国平均の66.72%、失業率は約2倍、非正規雇用の割合は沖縄県は全国で最も高く40.7%で、働く人たちの年収は200万円未満が49.9%、国保滞納者は18.8%、国民年金の納付率は全国47.3%の半分以下の22.2%にすぎず、昨年度の自殺者は276人で、毎年200人前後を推移しています。中小企業倒産件数は、ことしの上半期だけで15件、負債総額は約500億となっています。
 米軍基地強化と構造改革路線を推進してきた県政として、この実態にどう責任を感じておられるのか答弁を求めます。
 2、台風災害について。
 台風13号で八重山地方、とりわけ与那国町は甚大な被害を受けました。被害を受けられた皆さんに心からのお見舞いを申し上げるものであります。
 日本共産党県議団は、早速嘉陽県議団長、渡久地修県会議員が2日間にわたって現地調査を行い、9項目の要求とその対応策を文書で県に申し入れを行っております。県の積極的な対策を求め、被害の実態とその対策について伺います。
 3、基地問題について。
 (1)、新基地建設に対する知事見解について。
 ア、沖縄県は、新基地建設について現計画では認められないとしてV字型の2本の滑走路を沖合にずらすことを日米両政府に提起しています。しかし、日米両政府は沖合移動拒否を繰り返し、これを変更することは困難という立場であります。知事の御所見をお伺いします。
 イ、政府は、2014年までに新基地建設を完了させるため環境アセスを強行してきました。しかし、環境影響評価と言いながら実際には環境を破壊する計画になっていませんか、知事の御所見をお伺いします。
 ウ、辺野古への新たな基地建設は、アメリカの先制攻撃戦略のもとに米軍と自衛隊が一体となって海外で戦争できる体制づくりではありませんか、知事の御所見をお伺いします。
 エ、6月の定例県議会においても辺野古への新基地建設反対の意見書が野党多数で可決されました。ところが、仲弁眞知事は、決議に真っ向から挑戦する立場を表明しました。県民の意思は明白です。それにこたえるのが県知事のとるべき態度ではありませんか、御所見をお伺いします。
 オ、知事の訪米目的は、新基地建設の推進要請と考えますがいかがですか。
 (2)、自衛隊与座岳分屯基地への新レーダー配備について。
 アメリカのミサイル防衛計画の一環として、米軍と自衛隊の一体化、自衛隊の機能の強化が進められております。
 以下、質問いたします。     
 ア、自衛隊与座分屯基地に高さ40メートルの最新鋭のミサイル防衛新システムの建設が計画をされております。事前の説明はありましたか。
 イ、この計画は2009年度中の運用開始を要望しているが、承知しておりますか。
 ウ、国内でこの新通信システムの建設が予定されているのは、青森県大湊、鹿児島県下甑島、新潟の佐渡市、沖縄県の糸満市与座岳とされているが、この計画について承知されておりますでしょうか。
 エ、知事は、ミサイル防衛新システムに反対の態度を表明すべきではありませんか、答弁を求めます。
 (3)、米軍訓練水域について。
 沖縄県の漁場が米軍の訓練水域として使用され、米軍の訓練との遭遇や水域への米軍機の墜落など、漁業者は大変危険な状況に置かれております。漁業従事者の生活と県民の暮らし、経済を自立させる立場から、米軍の訓練水域の廃止を要求すべきではありませんか、知事の御所見をお伺いいたします。
 4、原油高騰対策について。
 (1)、原油や穀物等の高騰の原因となっているヘッジファンドなどの投機資金の、原油や穀物などへの流入を防止するための規制及び監視措置等の国際的な取り決めの実現に早急に取り組むよう、政府に求めるべきではありませんか。
 (2)、原油高騰により県民生活と県経済は甚大な被害を受けております。国に対する抜本的な対策を講ずるよう要求するとともに、県としても具体的な支援策を実施すること。
 (3)、漁業、農業、畜産、酪農、養鶏業等、燃油だけでなく飼料と肥料の急騰により廃業が出るなど深刻な事態が広がっております。農業・漁業、運輸業などの原油、飼料、肥料等への直接支援を行うこと。
 (4)、政府による漁業支援策の「5人以上のグループ」には、漁協単位も含まれると回答しております。支援を受けられるように対策を講ずることについて答弁を求めます。
 消費税増税について。
 5、政府税調は、消費税の大幅引き上げを明記し政府に答申しました。
 県民の暮らしは、燃油高騰によるガソリン代の値上がり、農業・漁業への打撃、相次ぐ物価の値上げ、一方で所得の伸び悩みが続いています。消費税は低所得者ほど負担感が大きく、消費税の増税が実施されるならば、県民生活はより一層の負担増になることは明らかであります。沖縄県知事として、消費税は引き上げるべきではないとの立場を鮮明にすべきではありませんか、答弁を求めます。
6、医療・福祉行政について。
 (1)、後期高齢者医療制度について。
 政府は、構造改革で毎年2200億円の社会保障費を削り続けております。後期高齢者医療制度はその一環として進められてきました。命と健康にかかわる医療に、年齢での差別と高齢者への新たな負担増、長年社会に貢献してきた高齢者に対し新たな苦しみを強いる制度は廃止しかありません。県議会においても、後期高齢者医療制度廃止を求める意見書が野党多数で決議されました。参議院においても野党提出の廃止法案が可決されております。この制度は廃止しかない、これが県民の意思であります。知事はこの県民の声に耳を傾け、国に対して後期高齢者医療制度の撤回を求めるべきではありませんか、答弁を求めます。
 (2)、国保制度について。
 ア、加入者の過半数が年金生活者などの退職者で、加入者の平均所得が130万円にすぎない国保は、国、県の手厚い援助があって初めて成り立つ医療保険制度であります。
 ところが政府は、市町村国保への国庫負担金を49.8%から34.5%に減らし、国民に重い負担を押しつけ、高過ぎる国保税を支払うことができずに病院に行くことができない医療難民をつくり出しております。その実態をつかんでおりますか。
 イ、高過ぎる国保税を引き下げるために、国に対し国庫負担をもとに戻し法定減免の制度の改善・拡充を要求すべきではありませんか。
 ウ、沖縄県は、他の都道府県に比べ各市町村国保への独自の支援策が行われておりません。国保税の軽減などに向け積極的な財政支援を行うことについて知事の答弁を求めます。
 (3)、子供の医療費を中学校卒業まで無料化実施し、窓口払いをなくすことについて。
 少子・高齢化社会の中で女性が安心して子供を産み育てられる社会を実現することは、政治が果たすべき大きな役割です。子供の医療費無料化の拡充は多くの女性たちの切実な要求になっております。県内でも、入院は宜野湾市が15歳までの無料化を実施しております。
 ア、県内市町村とも対象年齢を拡大する流れになっております。実施状況についてお伺いいたします。
 イ、対象年齢を中学校卒業まで無料化するための財源は幾ら必要と見ているのかお伺いします。 
 ウ、対象年齢を中学校まで拡充し窓口払いをなくすことについて、知事の御所見をお伺いいたします。
 (4)、「公立病院改革ガイドライン」と県立病院問題について。
 ア、総務省は、各自治体に対して2008年度中に「公立病院改革ガイドライン」を活用した「公立病院改革プラン」の策定を求める通知を出しました。
 この「公立病院改革ガイドライン」は、自治体病院の再編・縮小・廃止を推進し、国と地方の財政支出を減らす改革を目指すものにほかなりません。「公立病院改革ガイドライン」と「公立病院改革プラン」について、具体的な内容の説明と県当局の対応と見解について答弁を求めます。
 イ、経営形態の見直しについて、県民の命を守る離島・僻地、不採算医療等の公的医療を行う県立病院を自治体から独立した独立行政法人化すべきでありません。見解と対応についてお伺いします。
 ウ、県民の命を守る県立病院を存続させるためには、一般会計からの繰り入れをふやすことが必要であります。知事の御所見をお伺いいたします。
 7、食料と農業対策について。
 (1)、農業は、国民の命を支える食料の安全供給の土台そのものであります。沖縄農業を振興させるため食料の外国依存をやめ、食料自給率の向上を目指すことが大切であります。
 農産物の輸入自由化に反対するとともに、WTO・EPA協定から沖縄の基幹作物であるさとうきび、パイン、肉用牛、乳製品を除外することに最大の努力を払うこと、知事の御所見をお伺いいたします。
 (2)、国・県内でも地産地消の取り組みに力を入れているが、さらに一層の推進を図り地元経済の振興に力を入れるべきではありませんか、答弁を求めます。
 (3)、沖縄の食料自給率は、カロリーベースで27%、さとうきびを除くと6%という。この現状について知事はどう認識されておりますか。
 (4)、食料自給率向上のための具体的な対策についてお伺いをいたします。
 (5)、食料自給率を高めるためには、地元農水産物を学校給食や観光ホテル、旅館など地元で消費拡大するための生産、流通、販売、消費の連携について図っていくことが重要です。県の対策についてお答えください。
 (6)、価格補償を農業予算の柱に据え、続けたい人や新たに始めたい人すべてを農業の大事な担い手として応援することが今大切であります。
 農水産物の補償基準価格の引き上げ、対象品目の拡大、台風など自然災害に対する減収補償など、価格補償制度の確立と所得補償制度の実施を進めるべきではありませんか。知事の御所見をお伺いいたします。
 (7)、さとうきびの新価格制度について。
 農作物輸入の一層の自由化を前提としたさとうきびの代金が、従来の最低生産者価格補償制度から市場原理を導入した工場からの原料代と国の交付金の2本立てになり、交付金支払いの支給は国が定める一定の条件を満たすことが前提になっています。約6割の農家の皆さんがその条件から除外されようとしています。さとうきび農家を窮地に追い込む新価格制度の中止、撤回を求めるべきではありませんか。さらに、国に特例措置の延長、交付金の10割支払いを求めることについて知事の御所見をお伺いいたします。
 8、教育行政について。
 (1)、歴史教科書の検定問題について。
 教科書検定意見の撤回と記述の回復を求める県民総決起大会から9月29日で1年を迎えます。沖縄戦の歴史の真実を正しく後世に伝えることが沖縄県民の歴史的責務であります。教科書検定意見を撤回させ記述の回復を実現すべきであります。知事の見解をお伺いします。
 (2)、30人学級について。
 30人学級は知事の公約であります。就任して2年が経過した現在の進捗状況と今後の計画についてお伺いをいたします。
○知事(仲井眞弘多) 玉城ノブ子議員の御質問にお答えいたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、自公政治の構造改革路線の結果に対する責任についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 構造改革は、グローバル化の加速による企業間競争の激化や発展途上国の台頭など、外的な構造変化、そして国内における右肩上がりの経済の終えんや人口構成の変化など、内外の大きな経済社会の変動に対応すべく進められてきたものと考えております。
 こうした構造改革により金融危機からの脱却、戦後最長の景気拡大の達成や失業率の低下等の効果もあったものの、陰の部分として全国的に格差の広がりが指摘されているところです。
 沖縄県におきましては、観光や情報関連産業が好調を持続し、全国の成長率を上回る水準で推移しているものの、生活保護受給者や非正規雇用者が増加いたしております。
 県としましては、これまで以上に産業の振興による雇用の創出・確保に努め、人材の育成や科学技術の振興を通して成長力の強化を図っていくことが重要であると考えております。
 次に、基地問題の御質問の中で、沖合移動に関する日米両政府の発言についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 県としましては、日米両政府が合意をした案を基本にしながらも、地元の意向や環境に十分配慮をし、可能な限り沖合などへ寄せてほしいということを日本政府に求めているところであります。
 このような私の主張に対しまして官房長官から、沖合移動も念頭に早目に決着をしたいとの発言や、防衛大臣から、地元の意見を真摯に受けとめ、誠意を持って協議をしていくとの発言がありました。
 去る8月5日には第1回のワーキングチーム会合が開催されたところであり、今後、実務者同士の具体的かつ率直な意見交換が行われることにより、普天間飛行場問題の解決が促進されることを期待をしているところであります。
 同じく基地問題の中で、新基地建設に反対する決議に係る御質問にお答えいたします。
 6月議会で採択された決議は、私とは普天間飛行場の問題に関する姿勢が異なっていると考えております。
 今後とも、県民や議員各位に私の考えを丁寧に説明をし、御理解と御賛同を得ながら政策を推し進めていきたいと考えております。
 同じく基地問題に係る御質問の中で、米軍訓練水域の解除等についての御質問にお答えいたします。
 去る9月22日に、沖縄県漁業協同組合連合会代表理事会長及び沖縄県漁業協同組合長会会長から、ホテル・ホテル訓練区域の一部解除、そして鳥島射爆撃場及び久米島射爆撃場の返還について要請がございました。
 今後、県といたしましては、関係する地元自治体等の意向も踏まえまして、今回要請のありました訓練区域の一部解除及び射爆撃場の返還について、日米両政府に対し強く求めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、原油高騰対策に関連いたしまして、国に対する要求と県の支援策についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 最近の原油等の価格高騰につきましては、県民生活及び中小企業への影響を初め、農林水産業、建設業、運送業等の各産業分野の多方面にわたり深刻な影響を及ぼしております。
 県といたしましては、原油価格高騰による影響を最小限に抑制するために、7月22日に沖縄県原油価格高騰対策連絡会議を設置し、7月25日と9月5日の2次にわたり原油価格高騰に関する具体的な対策を取りまとめ、ホームページ等により県民への周知を図っているところでございます。
 また、国に対する要望としましては、8月11日に林前沖縄担当大臣へ原油価格高騰に関する対策につきまして要請を行い、さらに8月25日から26日に経済産業大臣を初め各大臣に原油高騰対策を含む経済対策について要請を行ったところであります。
 今後、国における「安心実現のための緊急総合対策」の具体的な内容が明らかになった段階で適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、医療・福祉行政に係る御質問の中で、後期高齢者医療制度に対する県の見解についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 我が国の医療保険制度は、少子・高齢化が急速に進展し経済が低成長へ移行している中で、医療費の高騰、同制度を支える現役世代の負担の増大、医療に対する国民のニーズの多様化・高度化への対応など、皆保険制度を維持する上で大きな課題に直面をしているところです。
 このような中で後期高齢者医療制度につきましては、医療制度改革の一つとして、老人保健制度で課題となっていました市町村国保等保険者の負担の増大を解消しつつ、国民全体で高齢者の医療を支えていくため、長年の議論のもとに創設されてきたものであります。
 県としましては、後期高齢者医療制度につきまして皆保険制度を堅持していくために重要な制度であると認識をしておりますが、今後、国のさまざまな検討の推移を注視しつつ、県内の高齢者がさらに安心して医療が受けられるよう必要な改善を要望していくことといたしております。
 次に、食料と農業対策に係る御質問の中で、WTO等農業交渉における県の取り組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 県民への食料の安定供給と食料自給率の向上を図ることは、沖縄県の農林水産業の振興上極めて重要であると考えております。
 WTO等農業交渉におきまして、砂糖が重要品目に指定されず関税が撤廃された場合は、沖縄県の農業が壊滅的な打撃を受けることが懸念されております。
 このため、沖縄県といたしましては、WTO交渉中の平成20年7月29日に砂糖が重要品目に指定されるよう、農業団体とともに国に対し緊急要請を行ったところでございます。
 また、8月26日には、沖縄県の重要作物でありますさとうきび、パイナップル、肉用牛、乳製品など、関税に係る現行制度が維持されるよう強く要請を行っております。
 今後とも、WTO等農業交渉の動向や国の対応を踏まえつつ、関係機関と連携をして適切に対応してまいりたいと考えております。
 教育行政に係る御質問の中で、教科書検定意見の撤回と記述の回復に係る御質問にお答えいたします。
 教科書検定問題につきましては、昨年9月に開催されました平和を希求する11万人余の県民が結集した県民大会の趣旨を踏まえ、県や実行委員会が政府及び関係団体へ検定意見の撤回等を要請いたしました。
 その結果として、高校歴史教科書に広い意味での「日本軍の関与」の記述が回復されたものと理解をいたしております。
 検定意見の撤回につきましては長期的な取り組みになるものと考えており、今後とも国及び文部科学省の動向を注視してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(上原 昭) 台風13号による被害の実態と対策についてお答えいたします。
 台風13号による9月24日現在の与那国島地方を中心とした県内の主な被害状況は、人的被害は重傷者1人、軽傷者1人、住家の全壊2棟、半壊6棟、一部損壊62棟、ライフラインの被害では9300世帯が停電、水道も与那国島で全世帯の断水がありました。
 被害見込み額は、土木関係が約3億6500万円、農林水産関係が約4億5500万円になります。
 県においては、9月12日の暴風警報発表と同時に沖縄県災害対策本部を設置し、24時間体制で市町村や消防、警察、気象台等からの情報収集、そして被害情報の庁内電子掲示板への掲載による関係部局の情報共有等の対応に当たったところであります。
 また、被害状況等については定期的に県のホームページに掲載し、報道機関及び県民に情報提供をしております。
 次に、基地問題のうち、辺野古への基地建設と米軍の海外戦略についてお答えします。
 既存の提供施設であるキャンプ・シュワブに建設が計画されているのは、普天間飛行場の返還に伴うかわりの施設であります。
 普天間飛行場代替施設は、日米安保条約第6条に基づき、日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため使用されると理解しております。
 次に、訪米の目的についての御質問にお答えします。
 戦後63年の長期にわたって過重な基地負担を背負ってきた沖縄県にとって、米軍基地問題の解決は重要な課題であります。知事訪米の目的は、その解決促進のため米国政府や連邦議会、米軍司令部等の関係機関に沖縄県の実情を直接伝えること等であります。
 要請内容としては、まず米軍基地の運用に伴う事件・事故の防止を強く求めていくことであります。
 次に、日米地位協定の抜本的見直し、嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺における航空機騒音の軽減、普天間飛行場の危険性除去を求めることであります。さらに、沖縄県の基地負担の軽減につながる海兵隊要員等の兵力削減とグアムへの移転、普天間飛行場を含む嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還といった在日米軍再編合意の確実な実施を求めていくことであります。
 次に、自衛隊与座岳分屯基地の新レーダー配備についての御質問にお答えします。
 航空自衛隊与座岳分屯基地の老朽化しつつある現レーダーにかえて、弾道ミサイルの警戒監視も可能なレーダーを設置する計画があることについて、去る8月21日に沖縄防衛局から説明を受けたところであります。
 次に、新レーダー配備の運用開始時期についてお答えします。
 沖縄防衛局の説明によると、平成21年度から整備を開始し、平成23年度末に整備を完了する予定であるとのことであります。
 次に、国内の新レーダー配備計画についてお答えします。
 沖縄防衛局の説明によると、新レーダーの整備については、全国的な弾道ミサイル防衛システム整備計画に伴うものであり、鹿児島県下甑島、新潟県佐渡、青森県大湊及び沖縄県与座に整備するとのことであります。
 次に、新レーダー配備への対応についての御質問にお答えします。
 現在進められているミサイル防衛システムは、日本の防衛力の一環として整備されるものと理解しており、反対する理由はないものと考えております。
 県としては、地域住民に及ぼす影響などを総合的に判断し対応していきたいと考えています。
 以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 基地問題との関連で、代替施設の環境影響評価についての御質問にお答えいたします。
 環境影響評価とは、事業の実施が環境に及ぼす影響について調査、予測及び評価を行うとともに、事業に係る環境の保全のための措置を検討し、この措置が講じられた場合における環境影響を総合的に評価することをいいます。
 普天間飛行場代替施設建設事業の実施による環境への影響については、環境影響評価を実施することにより明らかにされることとなります。
 県としましては、当該事業実施区域及びその周辺が自然環境の豊かな地域であることから、事業実施により環境に著しい影響を及ぼさないよう十分な配慮が必要と考えており、今後の環境影響評価手続において必要な意見を述べていきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 原油高騰対策についての御質問で、投機資金の規制等の政府への要望についてお答えいたします。
 投機資金の規制等につきましては、G8北海道洞爺湖サミットや「安心実現のための緊急総合対策」においてうたわれており、9月19日には、政府におきましても専門部署が設置され体制が強化されたところであります。
 県といたしましても、国際的な協力体制が重要と考えており、政府において実効性のある取り組みがなされるよう注視してまいりたいと考えております。
 同じく原油高騰対策で、運輸業への直接支援についてお答えいたします。
運輸事業者への直接支援については、公共性・公益性、そして限られた行政資源の効果的・効率的な活用などの観点から困難であると考えております。
 県におきましては、原油高騰により資金繰りが厳しくなっている事業者に対する融資制度として原油高騰対策支援資金を創設し、運輸事業者についてもこの支援資金の活用を促しております。
 また、平成20年8月に公表された「安心実現のための緊急総合対策」では、運輸事業関連について、省エネ車両・機器等の導入促進等の各種施策が示されたところであり、県としては、今後、国の動向を見ながら対応を検討していきたいと考えております。
 以上であります。
○農林水産部長(護得久友子) それでは、原油高騰対策についての御質問で、農業、漁業等の燃油、飼料、肥料等への直接支援についてにお答えいたします。
 最近の原油価格高騰による燃油や生産資材の急激な価格上昇は、農林水産業の経営に深刻な影響を及ぼしております。
 このため、県では、全国知事会を通して国に対し、燃油価格の高騰に対する必要な補てん措置等を要請したところであります。
 また、県では、燃油等価格高騰対策に関する農林水産業関係の9月補正予算において、国の対策に連動し歳出予算及び債務負担行為合計で7412万3000円を計上しているところであります。
 具体的には、1、燃油費の上昇分の9割を国が負担する制度を活用するため、燃料使用料の削減を目的とした船底清掃に係る経費の支援、2、遊休地を活用した自給飼料作物の栽培・利用の実証及び優良乳用牛の導入、3、減肥料栽培の普及を目的とした土壌分析機器の整備、4、電照菊栽培において白熱電球を蛍光灯にかえる省エネ型栽培モデルの実証、5、家畜飼料特別支援資金や農林漁業セーフティネット資金の利子軽減のための支援などに取り組むこととしております。
 さらに、9月11日に沖縄県として国に対し、輸送コスト上昇分への補てん措置及び肥料・飼料等の農業用生産資材高騰に対する補てん措置について要請を行ったところであります。
 今後、緊急総合対策に関する国の動向を見ながら対応してまいります。
 同じく原油高騰対策で、漁業支援策についてにお答えいたします。
 国の省燃油操業実証事業は、平成19年12月の価格を基準にして、燃油費の増加分を国が助成する内容になっております。
 助成を受けるためには、5人以上のグループにより燃油消費量を1割以上削減する取り組みが必要となっております。このため、県では、9月補正予算で燃油削減効果のある船底清掃への助成事業を創設して、多くの漁業者が参加できるよう条件整備を行うこととしております。
 また、県漁連等と協力して各漁協に対する説明会等を行い、漁協で取りまとめて申請を行うよう指導しているところであります。
 次に、食料と農業対策についての御質問で、地産地消による地元経済の振興と生産、流通、販売、消費の連携による地産地消の推進については、関連しますので一括してお答えいたします。
 県産農林水産物の利用率の向上を図るためには、消費者と生産者の顔の見える関係を構築し、安全・安心な農林水産物の供給及び消費拡大を図ることが重要であります。このため、生産から消費までの一体となった取り組みとして、生産者、流通・加工業者、消費者、観光関連団体、市町村等で構成する沖縄県地産地消推進県民会議のもと、関係機関の連携を強化し地産地消を推進しているところであります。
 具体的には、ファーマーズマーケット等農産物直売所の機能強化、機能性成分等のデータベース化による島野菜の利用促進、うちなー島野菜振興対策事業等による産地形成、市町村における地産地消推進計画の策定促進、学校給食関係機関との連携による県産農林水産物の利用促進、観光関連施設等における県産農林水産物の利用促進、「ゴーヤーの日」等における消費拡大キャンペーン、「花と食のフェスティバル」開催による県産農林水産物のPRなどを実施しているところであります。
 さらに、平成20年度から「おきなわ食材の店」認定制度の創設、農業体験などの教育ファーム実施市町村の拡大に取り組んでいるところであります。
 今後とも、市町村、関係団体等と連携し、農林水産業の振興を図り地産地消を総合的に推進し、食料自給率の向上及び地元経済の振興に努めてまいります。
 同じく食料と農業対策についてで、本県の食料自給率の現状と向上対策については、関連しますので一括してお答えいたします。
 沖縄県の食料自給率は、平成17年度のカロリーベースで30%、さとうきびを除くと6%となっております。
 本県は、主食である米など穀物の生産量が少ないこと、また、花卉や果樹など収益性の高い農産物の生産へ特化していることなどから、食料自給率が低い状況となっております。
 そのため、県としては、農林水産業振興計画に基づき、おきなわブランドの確立と生産供給体制の強化、輸送コストの低減や地産地消など流通・販売・加工対策の強化、経営感覚にすぐれた担い手の育成や多様な新規就業者の育成確保、省力化に向けた農林水産技術の開発・普及、農業用水源の確保やかんがい施設等、生産基盤の整備などにより持続的農林水産業の振興と多面的機能を生かした農山漁村の振興を図ることとしております。
 今後とも、本県農林水産業の振興と食料自給率の向上を図るため、総合的に諸施策を推進してまいります。
 同じく食料と農業対策についてで、農水産物の価格補償制度と所得補償制度についてにお答えいたします。
 農水産物の価格対策は、生産出荷の安定と消費地域の価格安定を図ることを目的に実施しております。
野菜の価格安定対策としては、国庫補助事業として、指定野菜価格安定対策事業、特定野菜等価格安定対策事業があり、また、県単事業として重要野菜価格安定対策事業があります。
 現在、本県ではサヤインゲン、ゴーヤーなど20品目が対象となっております。
 家畜・畜産物の価格安定対策としては、肉用子牛生産者補給金制度、肉豚価格差補てん緊急支援特別対策事業、鶏卵価格安定対策事業などがあります。
 水産物では、国産水産物安定供給推進事業による調整保管の制度があり、本県ではモズクが対象となっております。
 県では、全国知事会や九州地方知事会を通して国に対し、野菜や畜産物等の価格安定制度の充実強化を要請しているところであります。
 また、台風など自然災害に対する補償としては、畑作物共済、園芸施設共済、家畜共済等の農業共済制度があり、加入農家に対し損害評価後に共済金が支払われることになっております。
 所得補償制度につきましては、EUの所得補償制度を参考に、国において平成12年度に農業生産の不利地域を対象とした中山間地域等直接支払い制度が創設されております。
 今後とも、価格安定制度及び所得補償制度の充実強化について、関係機関と連携しながら国に要請してまいります。
 同じく食料と農業対策で、さとうきび経営安定対策についてにお答えいたします。
 平成19年産さとうきびから新たな経営安定対策が実施されております。
 平成19年産の交付金申請状況によりますと、約6割の農家が特例要件での申請となっております。
 県としては、すべての農家が本則要件を満たすよう、支援対象要件の緩和・見直しを行うことや、交付金を全額概算払いにすることなどについて、農業団体等と連携しながら国に対し要請したところであります。
 国は、平成20年産さとうきび交付金の概算払いについては8割から9割に引き上げることとしております。また、JAは、平成20年産より国からの交付金の支払いを待たずに全額を立てかえて支払うこととしております。
 今後とも、さとうきび農家が安心して生産に取り組めるよう、支援対象要件の緩和・見直しや交付金の全額概算払い等について、農業団体等と連携しながら国に対して強力に要請していく考えであります。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 答弁の途中ではありますが、玉城ノブ子さんの質問に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後0時4分休憩
   午後1時21分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前の玉城ノブ子さんの質問に対する答弁を続行いたします。
 総務部長。
   〔総務部長 宮城嗣三君登壇〕
○総務部長(宮城嗣三) 消費税増税についての御質問にお答えいたします。
 消費税については、少子・高齢化が進展する中で、世代間の公平の確保や社会保障を初めとする公的サービスの費用を賄うための安定的な歳入構造の確保の観点から導入されたものであり、その役割は重要なものであると考えております。
 今後の消費税の税率の見直しについては、社会保障費を含めた受益と負担の関係などさまざまな観点から国において議論されているところであり、県といたしましては今後の動向を見守っていきたいと考えております。
○福祉保健部長(伊波輝美) 医療・福祉行政についての、国保税を支払うことができずに病院へ行くことができない方の実態の把握についてにお答えいたします。
 国保財政は、療養の給付等に要する費用につきましては50%を国庫及び都道府県が負担し、その内訳は定率国庫負担34%、国調整交付金9%、都道府県調整交付金7%となっており、残る50%を保険料で負担することとなっております。
 また、保険料につきましても、保険料軽減分、低所得者の多い保険者支援分及び高額療養費に対する支援分で国、県、市町村は負担をしております。
 国保税を支払うことができずに病院に行くことができない方につきましては、県では把握しておりません。
 生活に困窮している方につきましては、減免制度及び生活保護制度等もありますので、市町村の窓口で相談をしていただきたいと考えております。
 続きまして、国保税を引き下げるために国に対して国庫負担をもとに戻すこと及び法定減免の制度の改善、拡充を要求すべきとの点にお答えいたします。
 国保財政における国庫負担につきましては、三位一体改革の一環として、平成17年度に都道府県調整交付金が導入され負担率が減少しておりますが、公費負担の割合50%は変わっておりません。
 法定減免制度については、特別の理由により生活が著しく困難となった者、またはこれに準ずる者で、減免の必要があると認められる者に対して行うこととなっており、平成18年度の県内の実績は3305世帯で2億3302万7000円となっております。
 続きまして、県が国保税の軽減などに向け積極的な財政支援を行うことについてにお答えいたします。
 県では、市町村の国保財政を支援するため、平成20年度当初予算において136億4336万5000円を計上しております。このうち、低所得者に対する保険料軽減措置等に対する財政支援として53億4400万円を計上し、負担の軽減を図ることとしております。
 続きまして、乳幼児医療費助成制度の実施状況についてにお答えいたします。
 県では、平成19年10月より対象年齢を拡大し、入院は4歳児までから就学前までに、通院は2歳児までから3歳児までに引き上げたところであります。平成20年4月現在、12市町村において、県が基準とする対象年齢を上回っております。
 続きまして、乳幼児医療費を中学校卒業まで無料化した場合の試算と拡充についてに一括してお答えいたします。
 乳幼児医療費助成の対象年齢を入院・通院とも中学校卒業まで引き上げた場合、必要な予算額は、現行の償還払い方式では27億円になると試算されます。また、年齢引き上げとあわせて現物給付方式を導入した場合は、約48億円になると試算されます。
 乳幼児医療費助成制度については、子育て支援の観点からも必要であると認識しておりますが、拡充については財政負担を伴うことから、引き続き慎重に検討していきたいと考えております。
 続きまして、県立病院を独立行政法人とすることについての県の見解と対応についてにお答えいたします。
 本県の県立病院は、地域における中核的な医療機関として、救急医療、高度・特殊医療、離島・僻地医療等を担い、地域医療の確保に大きく貢献しております。
 しかしながら、その経営状況は、平成17年度以降、毎年度30億円以上の経常損失を計上するなど、極めて厳しいものがあります。
 このため、県においては、財政負担を抑制しつつ、病院事業経営の健全化を図ることにより、効率的かつ継続的な医療提供体制を確保することを目的として、県立病院の役割、機能並びに運営体制を抜本的に見直すこととしたものです。
 経営形態の見直しに関しましては、現在、沖縄県医療審議会に、医療を受ける立場を代表する者、医療を提供する立場を代表する者及び公立病院改革に専門的な知見を有する者等で構成される県立病院のあり方検討部会を設置し、独立行政法人化も含め検討する予定であります。
 県としましては、同検討部会の審議結果を踏まえ、適切に対処してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○病院事業局長(知念 清) 医療・福祉行政についての中の、公立病院改革ガイドライン等に対する県の対応についてお答えします。
 県は、総務省が示した公立病院改革ガイドラインを踏まえ、本年度中に県立病院改革プランを策定することとしております。
 改革プランは、ガイドラインにおいて示された県立病院が果たすべき役割及び一般会計負担の考え方、経営の効率化、再編・ネットワーク化及び経営形態の見直しの4項目について記載することになります。
 このうち、県立病院が果たすべき役割、再編・ネットワーク化及び経営形態の見直しについては、現在、沖縄県医療審議会県立病院のあり方検討部会において審議が行われております。
また、経営の効率化については、病院事業局において検討を行っているところであります。
 県立病院が各圏域において必要な医療提供体制を確保していくためにも、改革プランの策定を通して持続可能な県立病院を築き上げてまいりたいと考えております。
 続いて、一般会計からの繰り入れを県立病院事業に増額することについてお答えします。
繰入金については、総務省の繰出金通知に基づく対象経費に関しては、おおむね適正に繰り入れが行われております。しかし、総務省の繰出金通知に基づかない離島増嵩経費や本庁経費については予算措置されておりません。どちらも病院事業を運営していくためには必要な経費ではありますが、病院事業の自助努力のみで補てんすることは困難であります。一方、一般会計においても厳しい財政状況にあります。
 このような状況を踏まえながら、県民に対し必要な医療サービスを安定的かつ持続的に提供していくためには、一層の経営改善を図りつつ、今後、関係部局による県立病院の抜本的な見直しの中で、総務省の繰出金通知に基づかない基準外を含めた繰入金のあり方についても議論を深めていきたいと考えております。
 以上です。
○教育長(仲村守和) それでは教育行政についての御質問で、30人学級の進捗状況と今後の計画についてお答えいたします。
 30人学級につきましては、きめ細かな指導により、児童一人一人が基本的な生活習慣や社会的規範を身につけ、基礎・基本の学力の定着を図ること等から、義務教育のスタートに当たる小学校1年生で実施しております。
 実施に当たっては、加配定数の範囲内で、下限25人とし、施設条件面の対応が可能な学校を対象としております。今年度は、小学校1年生において約73%の学級が30人以下の学級となっております。
 今後の計画につきましては、30人学級制度設計検討委員会において検討しているところでございます。
 以上でございます。
○玉城 ノブ子 再質問を行います。
 まず、知事は自分の立場を県民や議会に説明をしていくということを繰り返しておられますが、そういうことであれば、県民の声や議会の立場は全く無視するということでしょうか。これはもう本当に民主主義の根幹にかかわる重大な問題であります。
 県民の代表として、知事がそういう態度、姿勢でいいのかどうかということが問われておりますので、知事の見解を伺います。
 自衛隊の与座分屯基地への新レーダー配備についてでございます。
 レーダー基地建設についての防衛局の説明は、該当する糸満市や隣接する八重瀬町、沖縄県に対して、いつ、どういう内容で行われたのか答弁を求めます。
 新たなレーダー基地が建設される与座岳は住宅密集地域にあり、地域住民の環境に与える影響は甚大であります。周辺住宅地域ではたびたび湛水被害が発生をしております。新たなレーダー基地の建設は、災害の一層の拡大が危惧されております。県はどのように対処されるおつもりでしょうか。
 このレーダー基地は強力な電磁波を発生することが明確であります。そのことは承知されておりますでしょうか。
 周辺には高嶺小中学校、大里保育所等が隣接しております。その影響をどう考えておられるでしょうか。その機能・役割、どれだけの電磁波が発生するかについて伺います。
 知事は、先ほどの答弁で反対する理由はないと答えているが、新たなレーダー基地建設は米軍と自衛隊の一体化であり、基地の再編強化ではありませんか。知事、明確な答弁を求めます。
 このレーダー基地は、有事における戦略基地としての役割を果たし、攻撃目標として戦争に巻き込まれる可能性が高くなるのは明白であります。県民の生命財産を守るべき知事として反対の意思を表明すべきではありませんか。知事の明確な答弁を求めます。
 原油高騰について。
 原油高騰は、今さらに一層県内の農業漁業に甚大な被害を与えています。政府の燃油高騰への直接補てん措置も行われておりますけれども、支援規模が決して十分ではありません。
 国へ支援策の拡充を求めるとともに、漁業・農業の燃料、飼料、肥料、運送費に対する県の直接補てん措置が必要であります。知事の答弁を求めます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時36分休憩
   午後1時40分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 玉城議員の再質問にお答えいたします。
 まず第1に、県民の声とか議会の立場を無視するのかというような御趣旨の再質問にお答えいたしますが、県民の声そして議会の立場を無視するなどとはとても考えておりません。しかし県の考えをきちっと表現をし、そして説明をし理解を求めるということは当然のことだと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(上原 昭) 与座岳のレーダーについて、まず糸満市、八重瀬町などへいつ、どのような内容の説明があったのかという御質問でございますが、県と同様に糸満市、八重瀬町にも8月21日に説明をしたとの航空自衛隊からの説明でございます。
 それから、電磁波の影響はどういうのがあるかということでございますが、それについて航空自衛隊の説明では、周辺への影響はないということでございます。
 県として反対をすべきじゃないかという御質問につきましては、先ほどお答えいたしましたように、現在進められているミサイル防衛システムは、日本の防衛力の一環として整備されるものと理解しており、反対する理由はないものと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(護得久友子) 原油高騰に対する国及び県の直接支援についてにお答えいたします。
 原油の高騰は、漁業関係者のみならず全産業、全国民の生活に大きな影響を与えております。そのため、漁業者のみへの直接的な補てん措置は厳しいものと考えております。
 また、漁業等を含め追加支援については、現在実施中の支援策の効果や今後の「安心実現のための緊急総合対策」に関する国の動向を見ながら対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○玉城 ノブ子 答弁漏れ。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時44分休憩
   午後1時45分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 上原 昭君登壇〕
○知事公室長(上原 昭) レーダー建設に伴って周辺地域で災害が発生するんじゃないかというような御質問の趣旨かと思いますが、自衛隊においてはそういうことのないよう進めていただきたいと思います。
○玉城 ノブ子 1点目に、電磁波はあるが周辺への影響はないということですか。もう一度確認します。
 電磁波については、社会的にも健康被害を及ぼすものとして大きな社会的問題になっています。その電磁波の有無について知事として明確にすべきではないでしょうか。健康被害をもたらすこの電磁波については、発生してからでは遅過ぎます。知事はこのことについて、もし発生したらどういう責任をとられるおつもりですか、答弁を求めます。
 先ほどの湛水被害の問題ですけれども、もう実際に湛水被害は起きているんです。この与座の通信基地が建設をされて周辺地域では湛水被害が起きて、大変な被害が発生して住民は大変な状況になっているんですよ。その新たな施設ができれば、さらにこの被害は拡大されるという可能性が出てくるわけなんですよ。この辺も想定して皆さん方はどうするかということについて考えないと、反対する理由はないとおっしゃっておられますけれども、それでは県民は納得しないんですよ。そのことについて答弁を求めます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時48分休憩
   午後1時52分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 玉城議員の再々質問に答弁させていただきます。
 電磁波の有無とか健康被害についての御心配の御質問ですが、これは私ども航空自衛隊から聞いている範囲ではそういう要素はないというふうに聞き及んでおりますが、ただこの点は我々も議員の御指摘のとおりもう少し詳しく聞いてみたいと思いますので、きょうのところはこういう答弁にさせていただきたいと思います。
○知事公室長(上原 昭) 先ほどの湛水被害との関連でございますが、昨年の大雨で糸満市の宮良地区において湛水被害が出たことについては承知いたしておりますが、そのこととレーダー施設との関連性については承知はいたしておりません。
○比嘉 京子 皆さん、こんにちは。
 社大・結を代表いたしまして、代表質問をいたします。
 まず9月3日、琉球新報の社説によりますと、「任期途中で政権を突然投げ出す無責任な首相を生み続ける自公政権は、すでに政権担当能力を喪失している。」と報じております。 
 知事はこのような政治のあり方をどうごらんになっておられるんでしょうか。率直な御意見が伺えればと思います。
 では、通告に従いまして質問をいたします。
 1番目に、知事の政治姿勢について。
 医療制度に年金問題、原油高に物価高騰と経済問題が逼迫する中、突然の首相辞任は無責任のそしりは免れません。
 (1)番目に、1年間に政権投げ出しが2度にわたり自公政権下で起こりました。沖縄県への影響と知事の所見を伺います。
 (2)番目に、知事はさきの知事選挙において普天間飛行場移設問題に関し、現行のV字案には賛成できないと訴えて当選されました。糸数氏の県内移設反対に対し争点を明確にしなかったわけでありますが、県民への説明責任を果たすために、いつ、どのような理由で県内移設受け入れへと変わっていったのか、丁寧な説明を賜りたいと思います。
 (3)番目に、普天間で危険なものは辺野古でも危険という単純な考え方をどう思われるんでしょうか。
 (4)番目に、知事は名護市や宜野座村を地元と称して、地元の意向を尊重するとしてみずからの責任を転嫁している。基地から派生する事件・事故や自然破壊は、知事のおっしゃるような地元のみの問題ではありません。知事の認識を伺います。
 (5)番目に、「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」について。
 新基地建設ではないとする根拠、それと環境と調和のとれた計画になっているとする根拠、その2つについて説明を求めたいと思います。
 (6)番目に、知事の訪米が提案されておりますが、私は沖縄ジュゴン訴訟についての県の認識を伺いたいと思います。
 (7)番目に、全国学力調査結果に対する知事の認識と、本県の学力問題に関する知事の所見を伺います。
 2番目に、基地問題について。
 (1)、米原子力潜水艦の放射能漏れに関して、日米両政府の報告をうのみにしては県民の安全は守れないと思います。県独自の調査を行い、海中における食物連鎖への影響も含めて検証を自分たちの手でやっていくそういうことを提案したいと思いますが、いかがでしょうか。そして安全性が確認されるまで寄港は絶対に認めないとすることは当然のことではないでしょうか。
 (2)番目に、普天間飛行場の飛行航跡観測調査について、いつごろを目安に、どのような軽減が期待できるとお考えなのか、県の見通しを伺います。
 3番目に、農林水産行政について伺います。
 (1)、汚染米が沖縄県内で流通しているのかどうか。これは加工品も含めて伺いたいと思います。
 (2)番目に、マンゴーと海ブドウの産地偽装問題から、県は再発防止としてどのようなチェック体制を構築しておられるのか。先ほどの答弁以外に踏み込んだ答弁があれば伺いたいと思います。
 4番目に、環境行政について。
 (1)、大浦湾のアオサンゴ群落は、世界的に見ても貴重であると。去年発見されたようでございますが、県の認識はどうですか。また、天然記念物指定や保護区指定の声も高まっておりますがどうでしょうか。
 (2)番目に、キャンプ・シュワブで実施されている工事で赤土が流出しています。私も海上から見ましたけれども、県の赤土流出防止条例はどのように適用されるんでしょうか、伺います。
 (3)番、県は「森林生態系保護地域設定委員会」で本島北部の自然林を保護することを検討しておりますが、山と川と海がつながっている貴重な宇嘉川流域にヘリパッドが集中しています。自然度の高さと希少さで専門家の評価は高いですが、県の認識と対応について伺います。
 5つ目に、離島行政について。
 台風13号による被害についての状況は多くの方々の質問で出ておりますので、それに対してどれだけの予算でどのような対策を講じていかれるのかをできるだけお願いしたいと思います。
 (2)番目に、離島航空運賃の低減につきまして、アは確認事項でございますが、離島の航空運賃を軽減しているのは、根拠としては公租公課でありますけれども、運賃の低減としている県の認識、それ以外にあるかどうか伺いたいと思います。
 イ、平成21年度の国土交通省航空局の概算要求を見てみますと、税制改正として離島の航空路に対する航空燃料税の減免を現在の25%軽減を2年延長すると表示しております。さらなる負担軽減のために所要の措置を講ずると書かれております。県は、この好機に県内離島の運賃の軽減のためにできる限り航空燃料税の引き下げを要請すべきだと考えますがいかがでしょうか。
 6番目に、教育行政について。
 (1)、児童生徒の学力について。
 ア、20年間取り組んできた本県の学力向上対策の総括がどうなっているのかお聞きしたいと思います。
 イ、全国学力調査にとらわれない沖縄県独自の取り組みを構築する考えはないか伺います。
 ウ 学力問題は就学前保育(特に幼稚園・保育園)から見直さないと解決できないと考えておりますが、認識と見解を伺います。
 (2)、教職員勤務実態調査の結果はどうなっておるでしょうか。
 (3)番目、「労働安全衛生委員会」の設置が遅々として進まない理由は何でしょうか。
 (4)、教職員の病休者は何名でしょうか。そのために病休者の補充教員に要する年間給与総額は幾らでしょうか。
 (5)番目に、30人以下学級について、次年度以降の計画と予算措置について伺います。
 (6)番目に、3年にわたる栄養教諭の任用がモデル的に行われてきました。その結果を踏まえて今後の活用の方向性と配置の計画について伺います。
 7番目に、福祉・医療行政について。
 (1)、沖縄県の保育所入所待機児童対策特別事業基金の意義と目的について伺います。それから懸念される点についても伺いたいと思います。
 それから(2)番目に、県立病院の現時点での医師及び看護師は何名不足しておりますでしょうか。またその結果、どのような影響が出ておりますでしょうか。これは多くの方々が質問をしておられますが、簡略してで結構でございます。
 (3)番目、医師や看護師の確保に向けてどのような施策を講じていく考えなのか。
 以上、お聞きをして再質問をしていきたいと考えます。お願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 比嘉議員の御質問にお答えいたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢に係る御質問の中で、1年間で2度の政権交代の影響等々に係る知事の所見の御質問にお答えいたします。
 安倍、福田両総理の突然の辞任は、私自身大変な驚きでありました。両総理には沖縄振興に御尽力いただいたところであり、任期途中での辞任はまことに残念なものでありました。
 沖縄振興などの政策実現につきましては、内閣府を初め関係省庁の御協力のもとで粛々と進められているところであり、大きな影響はないものと考えております。特に、福田内閣では普天間移設措置に関する協議会を再開していただくなど、沖縄の基地問題を初め経済振興等に御配慮を賜り、感謝申し上げます。
 しかしながら、私が知事に就任してからこれまでに防衛大臣が5名もかわっており、基地問題の解決を図る上では少なからず影響があったものと考えております。
 同じく知事の政治姿勢の中で、県内移設受け入れの考えについての御質問にお答えいたします。
 私は、知事選挙期間中からベストは県外だが、県外に見つけがたい中で県内移設もやむを得ない旨の発言をしてまいりました。その考えに変わりはございません。
 私としましては、県外移設がベストだとは思いますが、米軍再編協議の経緯等から県外移設は困難であり、一日も早い危険性の除去のためには県内移設を進める必要があると考えております。
 同じく政治姿勢の中で、環境への影響や事件・事故について、これは知事は名護市や宜野座村を地元と称して地元の意向を尊重することとし、みずからの責任を転嫁云々の御質問でございます。
 普天間飛行場代替施設をめぐる問題につきましては、私は県民の負託を受けた知事として責任を持って解決に向け全力を尽くしてまいりたいと考えております。また、代替施設の建設は、住民生活に大きな影響を与えかねない事柄であることから、地元の意向や環境などに十分配慮することは当然のことであると考えております。
 同じく政治姿勢の中で、全国学力調査の結果についての御質問にお答えいたします。
 去る8月29日に公表されました全国学力・学習状況調査の結果は、昨年度に引き続き全国最下位となっておりますが、全国平均との差は縮まっており、無解答率も改善が見られていることから、先生方や子供たちの努力がうかがえるところでございます。
 また、同時に実施されました生活や学習に関する意識調査によりますと、将来の夢や希望を持っている、いじめはどんなことがあってもいけないことだ、人の気持ちがわかる人間になりたいなどの質問では小中学校とも全国を上回っているとのことから、思いやりや学ぶ姿勢はこれからの沖縄を担う多様な人材の育成につながるものと思います。引き続き、県民を挙げての学力向上対策に取り組むことが大切であると考えているところでございます。 
 福祉・医療行政に係る御質問の中で、沖縄県保育所入所待機児童対策特別事業基金の意義と目的についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、他県と比べて待機児童と認可外保育施設入所児童が多いという特殊事情があります。このため、県では国に対しまして特に認可外保育施設入所児童の処遇向上に向けた支援が得られないか、県議会議員の先生方や国会議員の皆様の御協力を得ながら、要望や調整を重ねてまいったところでございます。こうしたさまざまな働きかけがこのたびの沖縄特別振興対策調整費を財源とした待機児童対策特別事業基金の設置につながったものと認識をいたしております。
 県では、当該基金を活用し、待機児童の実態調査や保育内容向上に向けた研修会を実施しますとともに、市町村が認可化することとした認可外保育施設への運営費及び施設整備費の助成を行い、認可化を促進することといたしております。
 県では、この事業を最大限に活用して待機児童の解消に向け、全力で取り組んでまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(上原 昭) 知事の政治姿勢の御質問のうち、普天間飛行場代替施設の危険性についてお答えいたします。
 現在の普天間飛行場は、市街地の中心部にあることにより、騒音など住民生活に深刻な影響を与えております。
 キャンプ・シュワブに建設される代替施設は、航空機が住宅地上空を飛ばないようにするため2本の滑走路がV字型に配置され、海側から着陸し、海側に離陸するなど、飛行経路がほぼ海上になるよう設定されています。
 県としては、飛行経路の大部分が海上であるか、住宅地を含む陸上であるかによって地元住民の生活に与える影響は大きく異なると考えております。
 次に、「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」についてお答えします。
 現在の普天間飛行場の機能のうち、空中給油機能と緊急時の受け入れ機能は、本土の自衛隊基地等へ移設され、残る陸上部隊の輸送機能のみが代替施設に移ることになっております。また、代替施設は既存のキャンプ・シュワブの陸上部分に加えて隣接する沿岸部分を埋め立てて設置されるものであります。
 このようなことから、県としては普天間飛行場代替施設は新しい基地の建設とは性格が異なるとしております。
 現在、進められている環境影響評価手続は、事業者が知事等の意見を踏まえて環境の保全の観点から、よりよい事業計画を作成していくことを目的とした制度であります。
 知事はこの手続の中で、住民や関係市町村長、環境影響評価審査会の意見を踏まえ、生活環境、自然環境に十分配慮する観点から意見を述べることになっており、この手続を経ることにより環境保全の観点からよりよい事業計画になっていくものと考えております。
 次に、沖縄ジュゴン訴訟の御質問にお答えします。
 いわゆるジュゴン訴訟については、去る4月23日に米国防総省が米連邦地裁に対し追加資料を提出し、現在も係争中であると認識しております。
 県としては、今後とも情報収集を行いながら注視していきたいと考えております。
 次に、基地問題のうち、県独自の調査及び原潜の寄港についての御質問にお答えします。
 県においては、国と協力して原子力艦の放射能調査を行っているところであります。
 放射能の蓄積状況については、四半期ごとに海産生物等の試料を採取、分析を行っております。また、放射線については、原子力潜水艦の寄港前、寄港時、出港後等にモニタリング調査を実施しております。
 放射能調査については、高度な専門性、専用の機器を必要とすることから、引き続き国と県が協力して行うべきと考えております。
 なお、いずれの調査においてもこれまで異常値が検出されたことはありません。
 県においては、去る9月4日及び9月8日から9日にかけて軍転協を通じ、原子力潜水艦は、安全が確認されない限り本県に寄港させないことを日米両政府に求めたところであります。
 次に、普天間飛行場の航跡調査の見通しについてお答えします。
 防衛省は、去る8月28日から9月3日までの7日間、航空機航跡観測装置を用い、普天間飛行場における飛行航跡調査を実施しました。
 今回の調査は1週間という短期間でありますが、防衛省において、来年度約2億800万円の航跡調査に要する経費を概算要求しており、相当期間の調査を予定しているとのことであります。
 県としては、普天間飛行場の場周経路等の客観的データを把握し評価することは重要なことであると考えております。
 危険性除去策の検討に当たっては、場周経路の調査にとどまらずさらなる抜本的な対策を検討していく必要があると考えております。
 次に、離島行政についてのうち、台風13号による被害状況と対策についてお答えします。
 台風第13号による9月24日現在の与那国島地方を中心とした県内の主な被害状況は、人的被害は重傷者1人、軽傷者1人、住家の全壊2棟、半壊6棟、一部損壊62棟、ライフラインの被害では9300世帯が停電、水道も与那国島で全世帯の断水がありました。被害見込み額は、土木関係が約3億6500万円、農林水産関係が約4億5500万円になります。
 県においては、9月12日の暴風警報発表と同時に沖縄県災害対策本部を設置し、24時間体制で市町村や消防、警察、気象台等からの情報収集、そして被害情報の庁内電子掲示板への掲載による関係部局の情報共有等の対応に当たったところであります。
 また、被害状況等については、定期的に県のホームページに掲載し、報道機関及び県民に情報提供をしております。
 以上であります。
○農林水産部長(護得久友子) それでは農林水産行政についての御質問で、汚染米の県内流通についてにお答えいたします。
 事故米、いわゆる汚染米の流通については、農林水産省により各地方農政事務所を通じて全国的な調査が行われております。その結果、現時点で事故米の不正転売にかかわった企業は26都府県、約390社が公表されておりますが、その中に沖縄県内の流通業者等は確認されておりません。
 同じく農林水産行政についてで、食品表示の監視体制についてにお答えいたします。
 産地偽装は、消費者の信頼を損なうばかりでなく、これまで築いてきた産地ブランドの信頼及びそれを築き上げてきた生産者など関係者の努力を踏みにじるものであります。
 県では、食品表示の適正化を図るため、食品表示110番の設置や食品表示ウォッチャーを配置するとともに、国等と連携した監視・指導を実施しております。また、食品関連事業者等を対象とした講習会を開催し、食品表示制度の普及啓発を図っております。
 今回の偽装問題を受け、事業者などに対し法令遵守の徹底を図るよう注意喚起文書を発出するとともに、「食品表示に関する部局連絡会議」を設置し、再発防止に向け連携強化を図っているところであります。
 今後とも関係機関と連携した監視を行い、食品表示の適正化を図ってまいります。
 次に、環境行政についての御質問で、森林生態系保護地域の設定についてにお答えいたします。
 国の九州森林管理局では、沖縄に関する特別行動委員会の最終報告の中で、沖縄北部国有林の一部が返還されることとなったことから、その取り扱いを検討するため、自然保護、生態学、林業等の有識者、関係地方公共団体の長等で構成する「沖縄北部国有林の取扱いに関する検討委員会」を平成9年9月に設置しております。
 同検討委員会では、沖縄北部国有林内の森林について、機能に応じた森林の区分とその区分ごとの管理経営の方向性を定めるとともに、生物多様性の観点から森林生態系保護地域の設定についても検討を行っている段階であります。
 以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 環境行政について、大浦湾のアオサンゴ群落の認識についてお答えいたします。
 大浦湾は、干潟・砂浜等の海岸地形や泥質・岩礁等の海底基質などがコンパクトにまとまった特徴的な湾であると同時に、ユビエダハマサンゴの群落やアオサンゴ群落が確認されております。
 アオサンゴ群落につきましては、NPO等の調査報告書がありますが、学術性、希少性等の評価には専門的知見の集積が必要と考えております。
 県としましては、今後実施される調査等によりさらなる情報収集に努めるとともに、保全のあり方について、関係機関や地元の意向及び専門家の意見も踏まえ適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、キャンプ・シュワブ内の工事に対する赤土等流出防止条例の適用等についてお答えいたします。
 キャンプ・シュワブで実施されている倉庫等新設造成工事3件につきましては、沖縄県赤土等流出防止条例第9条第1項が適用され、沖縄防衛局から平成20年3月12日に事業行為通知書が提出されております。
 県では、赤土等流出防止施設等に関する計画について審査を行ったところ、その計画が適切であると判断したことから、平成20年3月31日付で確認済み通知書を送付しております。また、県ではこれまでに赤土等流出防止施設の設置状況や管理状況が適切かどうか確認するため7月14日、9月4日、台風13号が接近した9月17日に現地調査を実施しております。
 9月17日に行った降雨時の立入調査の際には、工事区域内からの放流口2カ所で濁水濃度を測定し、条例に基づく排出基準以下であることを確認するとともに、沖縄防衛局に対し、発生源対策等について指導を行ったところであります。
 県としては、今後とも沖縄防衛局に対し、赤土流出防止対策等について立入調査による確認や報告を求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 離島行政についての御質問で、離島航空運賃の低減について一括してお答えいたします。
 国及び県では、離島航空運賃の低減を図るため、航空機燃料税及び空港使用料の軽減、県管理空港の着陸料の軽減を図るとともに、運航費及び航空機購入費を補助し、離島航空路線の維持確保に努めております。
 県としましては、今後ともこれらの軽減措置による離島航空運賃の低減に努めるとともに、より一層の運賃の低減に向け、離島航空路線の公租公課の軽減措置や運航費補助制度の維持・拡充を骨子とする「離島空路整備法(仮称)」の制定についても引き続き関係各県と連携しながら国に要請してまいります。
 以上であります。
○教育長(仲村守和) それでは教育行政についての御質問で、学力向上対策の総括についてお答えいたします。
 本県は、昭和63年から知・徳・体の調和のとれた人間の育成を目指して学力向上対策を推進してきました。この間、小中学校における達成度テストの平均点の向上や読書量の増加、高等学校においてはセンター試験の平均点の向上、進学率の向上など一定の成果があったものと考えております。
 また本県の児童生徒はスポーツ、文化面でも全国における各種大会での活躍が目覚ましく、世界レベルで活躍する人材もふえつつあります。
 その一方において、全国学力・学習状況調査の分析結果から本県の児童生徒は基本的な知識・技能やそれらを活用する力、基本的な生活習慣、学習意欲などに課題があると考えております。
 県教育委員会としましては、5月に教育庁内に学力向上施策検討委員会を設置し、これまでの学力向上対策の取り組みについて総括してまいりました。
 その中で、本県児童生徒の課題である知識・技能を活用する力の育成を図るため、これまでの達成度テストを改め、沖縄県学力到達度調査へと変更するとともに、活用型の授業を取り入れた授業改善を図り、児童生徒のわかる授業を構築し、確かな学力の向上のための取り組みを推進する必要性を確認したところであります。
 次に、沖縄県独自の取り組みについてお答えいたします。
 全国学力・学習状況調査は、全国的な状況において、教育委員会、学校がみずからの達成状況を把握・分析し、改善を図るために実施されており、本県の幼児・児童生徒に確かな学力を身につけさせる上で必要だと考えております。
 県教育委員会としましては、今後とも学力向上主要施策「夢・にぬふぁ星プランⅡ」の基本的な考えに基づき、わかる授業の構築を基軸にした取り組みを推進し、本県の子供たちが将来、県内外を問わず堂々と活躍するための確かな学力を身につけさせたいと考えております。
 次に、就学前保育の見直しについてお答えいたします。
 学力向上を図る上で、「早寝早起き朝ごはん」など基本的生活習慣を確立することは重要な要素であると考えております。
 幼児期は、基本的生活習慣や規範意識の芽生えを養う大事な時期であり、就学前の教育を充実させていくことは、極めて大切なことだと考えます。
 県教育委員会としましては、本県の幼児教育に関する課題を踏まえ、豊かな生活体験等の取り組みを推進するとともに、「幼児教育振興アクションプログラム」を策定し、市町村と連携を図り、今後とも幼児期における教育の充実に努めてまいります。
 次に、教職員勤務実態調査の結果についてお答えいたします。
 教職員の勤務実態につきましては、平成18年度に文部科学省が全国調査を実施し、結果が公表されました。
 その調査結果を受け、県教育委員会では、本県教職員の勤務の実態や意識を的確に把握し、学校組織の活性化や効率化に資する方策を検討するため、公立小・中・高・特別支援学校の全教職員を対象に「教職員の勤務の実態や意識に関する調査」を8月に実施したところであります。現在、その集計及び分析の作業を進めており、12月末には結果を公表する予定であります。
 次に、衛生委員会の設置等についてお答えいたします。
 平成20年5月1日現在における衛生委員会の設置状況につきましては、県立学校の対象校67校すべてに設置されております。また、市町村立学校につきましては、対象校11校のうち3校において設置されております。
 なお、現在未設置の学校につきましても、当該市町村教育委員会において、体制整備に向けて準備が進められております。
 また、衛生推進者につきましては、県立学校の選任率は100%であり、市町村立学校は昨年度の約35%から約65%に改善されております。
 さらに、7市村においては安全衛生管理規程等が新たに整備されるなど、市町村においても徐々に労働安全衛生管理体制が整備されつつあります。
 県教育委員会としましては、教職員の健康保持増進と職場環境を改善する観点から、今後とも労働安全管理体制の整備について、市町村教育委員会への指導助言を行ってまいりたいと考えております。
 次に、教職員の病気休職者数と補充教員の年間給与総額についてお答えいたします。
 平成19年度における病気休職者は、実人員総数377名で、これら休職者の代替補充教員の任用に係る給与費は約5億8800万円となっております。
 なお、休職者につきましては、1年間は給与の8割を支給し、2年目以降は無給となることから、休職者に係る給与費を相殺すると約2億1400万円となります。
 次に、30人学級の計画と予算措置についてお答えいたします。
 30人学級につきましては、きめ細かな指導により、児童一人一人が基本的な生活習慣や社会的規範を身につけ、基礎・基本の学力の定着を図ることなどから、義務教育のスタートに当たる小学校1年生で実施しております。
 今後の計画及び予算措置につきましては、30人学級制度設計検討委員会において検討しているところであります。
 次に、栄養教諭の配置計画等についてお答えいたします。
 栄養教諭につきましては、児童生徒の望ましい食習慣の形成を図るため、モデルケースとして平成19年度に4名、平成20年度には14名を公立小学校等に配置したところであります。
 栄養教諭の今後の活用や配置計画につきましては、平成21年度まで3カ年のモデル期間において、指導内容や指導時間、教育課程への位置づけ、学級担任との連携のあり方などについて検証し、市町村との十分な調整を図る必要があります。
 県教育委員会としましては、検証結果や全国の動向等を踏まえながら、今後とも配置拡大に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(伊波輝美) 福祉・医療行政についての御質問の中の、保育所入所待機児童対策特別事業の実施に当たって懸念される点についてお答えいたします。
 保育所の整備等待機児童の解消につきましては、一義的な責務は保育の実施主体である市町村にあります。
 このため、待機児童対策特別事業の実施に当たっては、市町村との調整が不可欠となることから、事業内容等について十分な説明を行うとともに、その意向やそれぞれの問題点について把握に努めるなど、連携を密にして取り組むことが重要だと考えております。
 以上でございます。
○病院事業局長(知念 清) 福祉・医療行政についての中の、医師及び看護師の欠員とその影響についてお答えします。
 医師の平成20年度の配置定数は364人、9月1日現在351人を配置しており、13人が欠員となっております。そのため、北部病院産婦人科は、他の医療機関からの紹介患者等に絞って診察を行っており、八重山病院耳鼻咽喉科はことしの2月から休止しております。
 看護師については、平成20年度の配置定数は1649人で、9月1日現在92人が欠員となっております。そのため、中部病院で33床、南部医療センター・こども医療センターで14床休床しております。
 続きまして、医師及び看護師の確保についてお答えします。
 医師の確保については、県立病院で実施している卒後臨床研修の充実強化による医師の定着、脳神経外科や産婦人科等の医師を確保するための専門医派遣事業の実施、ドクターバンク事業との連携など、あらゆる手段を活用して医師の確保に取り組んでいるところであります。 看護師の確保については、今年度の看護師採用試験から受験年齢制限を撤廃するなど、幅広い人材確保に向けて取り組んでおります。
 また、本土首都圏の看護学校への訪問や県内の看護学校等において開催される就職説明会への参加等により、看護師の募集を行っております。
 さらに、今年度から就職情報誌を活用した情報提供の強化、再就職希望者に対する相談会の開催、合同就職説明会への参加など、求人活動を積極的に展開しているところであります。特に、復職支援を図るため、嘱託看護師等の非常勤看護師については、夜勤免除や短時間の勤務、夜勤専従など、本人の希望に沿うよう柔軟に対応しているところであります。
 以上です。
○比嘉 京子 先ほど知事がおっしゃっていた、県知事選挙において御自分がおっしゃっておられたということでございますが、私の記録によりますと、知事は県議選挙でメディアから何度普天間問題を聞かれても、協議会に参加して政府とよく協議したいの一点張りではなかったでしょうか。
 さて、再質問をいたしたいと思います。
 まず1番目に、知事の政治姿勢についての普天間移設問題についてですが、知事は御自分が負託を受けたから御自分がそれを誠実に実行されるんだという今答弁がございました。
 私はここで、2年前の知事選挙における県民の負託はどこにあったのかということを少し明らかにしていきたいと思っております。
 まず2年前の11月19日の知事選挙において、朝日新聞と沖縄タイムスの当日の出口調査、県内60カ所、3332人についてやったものでございますが、新しい知事に最も力を入れてほしい点は何でしょうかと聞いたところ、経済活性化が58%で、基地問題が28%。その経済活性化と答えた58%のうち、仲井眞知事に投票した人は67%で糸数氏が32%。そして基地問題と答えた28%の人々の中には、84%糸数氏に、仲井眞知事に投票した人は15%。結論として新聞紙上が述べていることは、経済を優先した人が基地を優先した人を大きく上回って仲井眞弘多知事に追い風になったと報じています。
 その中にどういうことがあるかと言うと、県民の中には動かぬ基地に対して虚脱感が漂っていたんだというふうに書いてあります。
 もう一つの読売新聞の6000人の同じ出口調査。
 仲井眞知事に投票したとする有権者のうち、新基地建設に賛成するとした人は38%で、反対が49%。反対が11%知事に投票した人でも上回ったと書いています。
 さらに名護市民投票、その後の世論調査、今回の県議選挙と一度も県内移設賛成が反対を上回ったことはなかったわけでございます。知事はどの民意を代表して今のようなお考えに至っているのか再度見解を伺います。
 それから知事は、ベストは県外だけれども現実的ではないと。ですからこういうような選択をしているんであるとおっしゃっておられますが、私は、ベスト案について政府で訴えたことがあったんだろうか、議論したことがあったんだろうか、そういうことの経緯が全く見えませんので説明をいただきたいと思います。
 それから基地から派生する事件・事故につきましてお聞きいたします。
 米軍人は、自由に県内を闊歩しています。知事も訪米の理由にしておられるように、2月の暴力事件以降も再発を防ぐことはできません。そのために訴えに行かれるんだと今もおっしゃっているわけでございますけれども、事件・事故をゼロにする確信でもおありでしょうか。お聞きしたいと思います。
 それから、普天間飛行場の新基地ではないという根拠について質問いたします。
 では、この移設の予定の規模はどうなっているんでしょうか。縦、横、高さどれぐらいでしょうか。面積、滑走路の長さはどれぐらいなんでしょうか。配備される機種は何でしょうか。軍事機能は現行と同じなんでしょうか。運用年数、耐用年数もおわかりでしたらお示しください。
 「環境と調和のとれた計画になっていく」という根拠について再質問いたします。
 埋め立ての土砂はどれぐらい必要で、どこから持ってくる予定なのか。そのことが環境にどのような影響を与えると考えているのか、そのことについての認識を伺います。
 ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時42分休憩
   午後2時42分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○比嘉 京子 先ほどの離島航空運賃について上原部長の通り一遍の答弁を大変残念に思っております。もう少し本気で取り組んでいただけないでしょうか、再質問いたしたいと思います。
 東京―那覇間よりも石垣―那覇間は4万1000円と往復料金は高うございます。もちろん宮古もそうです、南北大東もこの間行きましたがそうです。それを離島苦と言って切っておくのか。沖縄の発展を阻むものだと私は思いますが、もう少し熱心に取り組んでいただきたい。
 今、再質問をいたしますが、その離島の住民の価格割引がありますが、それは何%なんですか。その根拠はどこから来ているんでしょうか。そして県が航空会社の保有株を持っておられます。その株を持っている言ってみれば理由はどこにあるんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
 それから、先生方の病休の補充について、私は経費の問題を言うために聞いているわけではありません。やっぱりこれだけの経費ということをもっと真剣に取り組んで、先生方の勤務実態調査をもっと早々に明らかにしてスピードを上げていただけないかというように思って質問をしています。決意があれば伺いたいと思います。
 では、30人以下学級と栄養教諭についてお伺いいたします。
 今、国の加配において30人以下学級がされていますが、これでは公約を実現するとは言いがたいと思います。ですから、県の財政にかかわる問題でありますけれども、栄養教諭も18年度の決算特別委員会では教育庁から上がってきたら考えるとおっしゃいましたので、私は優先順位は高いと思っておりますが、財政の宮城部長にお聞きしたいと思います。来年度はどうなさるおつもりでしょうか。
 最後に、医師、看護師の補充についてでありますけれども、私、あり方検討委員会の議事録を読んでおりまして、やはりこれは議論の前提が現在とは全然違っていると。
 知事、私は県立浦添看護学校をぜひ県立として残して、医師会からもそれから看護協会からも何度も要請が来ております。そこで、政策的に看護師を県立病院用に養成をしていく。そしてある意味で自治医科大学のようにノルマ化して、ここを卒業したら5年ないし何年か県立病院で働くというような、そういう政策的な養成が必要ではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時45分休憩
   午後2時54分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 比嘉議員の再質問にお答えいたしますが、たしか10ばかりいただきましたので、まず私の方でこの1、2、3お答えしたいと思いますが、1番目にどの民意の負託を受けたかというような御趣旨の御質問だったと思うんですが、経済であるとか、基地であるとか、当時の糸数さんに対する県民の調査などなどをお示しいただいたんですが、私は基本的にはあのとき13の公約を掲げて県民生活の向上・安定に邁進しますということを掲げて当選させていただいた。それが民意の負託であると考えております。その中には、無論普天間飛行場の問題の解決などなども申し上げてまいりました。
 そういうことですから、どの民意といいますか、30何万いただきましたあの投票の結果を私はきちっと受けとめ、負託の上で県知事としての仕事に励んでいると思っております。 
 それから2番目で、県外がベストだと知事は言うけれども、そのベストについて政府その他関係者とあなたは議論をしたことがおありかという御趣旨の御質問だと思いますが、私は米軍再編協議の経緯などから、普天間飛行場の県外移設の実現は困難であり、一刻も早い危険性の除去のためには県内移設を進める必要があると考えております。
 普天間飛行場の移設問題につきましては、代替施設受け入れを決断された名護市長を初めこれまで日米両政府、県、地元市町村の多くの関係者の皆様が検討と協議を積み重ねて今日に至っております。その結果、やむを得ない現実的な選択肢として、キャンプ・シュワブへの代替施設建設計画が進められているところであります。
 私は、このような多くの関係者の御努力と協議の経緯を踏まえ、責任を持って解決に向け全力を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。
 それとあと3番目ですが、訪米をして事件・事故をゼロにする自信があるかというような御趣旨の御質問だったと思うんですが、これは文字どおり沖縄で起きていることを国防総省であれ、国務省であれ、担当者さらにその上の人々がきちっと認識をしているであろうとは思いますが、どうもその割には何回も起きるということで、そういう資料を持って改めて担当の部局、そしてなるべく上の人々にこれを認識をさせ、綱紀の粛正、教育などをしっかりやってもらいたいという注文をつけに行こうと思っておりまして、これは文字どおり彼らがどれぐらい真剣に受けとめてしっかりやっていくかであって、私がこれを保証できるかどうかというお話にはならないと思います。ただ、可能な限りゼロに近づけていくようにしっかりと取り組んでもらいたいという注文を強くつけてきたいというふうに考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させます。
○知事公室長(上原 昭) 辺野古に建設予定の代替施設の概要についてでございますが、既存の基地であるキャンプ・シュワブの陸上部分を活用するとともに、その隣接する海上部分を埋め立ててつくるものでございまして、面積は約210ヘクタール、滑走路の延長が1800メートルの2本というふうに概要が示されております。
 御質問の具体的な詳細については、現在明らかにされておりませんが、県といたしましては建設計画については昨年11月の第4回協議会において必要な情報は可能な限り公開していただきたいと、その旨県から政府に申し上げておりまして、詳細につきましては今後明らかになってくるだろうと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(宮城嗣三) 30人学級、栄養教諭についての再質問にお答えをいたします。
 30人学級の今後の計画につきましては、教育委員会におきまして30人学級制度設計検討委員会において検討しているということでございます。
 また、栄養教諭の配置につきましても、これまでの配置した検証結果、それから全国の動向等を踏まえて教育委員会で検討しているということでございまして、その検討結果や財政状況等を踏まえて適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○企画部長(上原良幸) 離島航空運賃の低減に関する再質問にお答えいたします。
 2つあったと思いますけれども、1つは離島住民割引運賃制度の状況についてお答えいたします。
 県内離島航空路線の運賃低減を図るため、県の管理空港の着陸料を軽減しております。
 当該措置によりまして、航空各社は離島住民を対象とした割引運賃制度を創設したわけでございますけれども、割引率につきましては平成20年6月現在、約25%から35%となっております。この割引を利用された方、平成18年度実績で言いますと35万3000人の方が利用されておりますし、その割引総額は15億4400万となっております。ちなみに着陸料の軽減額が9億7600万でございますので、軽減額以上に割引の効果が出ているということであります。
 次に、もう一つ、航空会社への出資あるいは役員の派遣等を行っているが、その理由はということでございますけれども、JTA約13%、RAC5%、県が出資しております。
 これは県外、あるいは離島への移動が航空機に頼らざるを得ないということもある本県の現状にかんがみまして、住民の足を確保するという交通網の拡充とあるいは社会経済の発展に大きく寄与するという公共性、公益性にかんがみて出資しているわけであります。
 以上です。
○文化環境部長(知念建次) 再質問にお答えいたします。
 普天間代替施設との関連で、埋立土砂の量、どこから持ってくるか、環境への影響についてという御趣旨の再質問にお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る埋立用砂については、当初沖縄島周辺の海砂1700万立米を用いると沖縄防衛局から説明がなされたところであります。
 しかしながら、県内の年間海砂採取量からすると著しく大量であるため、県外も含めた調達先の複数案を検討するよう知事意見で述べたところであります。これに対し、沖縄防衛局から提出してきたアセスの追加修正資料においては、しゅんせつ土を含む建設残土の受け入れや県外からの調達等も含め具体的に検討を行うとの見解が示されているところでございます。
 県としましては、埋立用砂の確保に当たっては、当該事業実施区域及びその周辺の生態系に著しい影響を及ぼさないよう十分な配慮が必要であることから、今後、環境影響評価手続において必要な意見を述べていきたいと考えております。
 以上です。
○福祉保健部長(伊波輝美) 医師、看護師不足に関しまして浦添看護学校の件が出ましたので、看護職養成の見通しとその他についてお答えしたいと思います。
 まず看護師養成の見通しですけれども、那覇市の医師会が来年度4月には看護師3年課程の新設を那覇看護専門学校に予定しております。また、県におきましては浦看におきまして来年同じく4月に3年課程を設置する予定としております。これが予定どおり設置されますと、県内の看護養成学校の入学定員が平成18年470名から平成21年には720名になる見込みであります。
 県立病院の不足に関しましては、採用から病休、産休いろいろなケースがあるんですけれども、看護師は離職率が高いというふうな状況にあります。これに対応しましてナースセンター事業の充実強化、それから再就業の促進、定着強化の事業を実施しております。
 それから先ほど入学条件に県立病院への就業を付したらどうかという御質問でしたけれども、これに関しましては職業の自由ということで設置するときに入学条件に付すことはできない状況にあります。ですけれども、看護師の修学貸与事業がありますが、これは県内の200床未満の医療機関へ就業しますと、免除としております。
 それから浦看の県立でのというお話は、今現在18年の行革のプランの中で、民間移譲というふうなことを進めております。
 以上でございます。
○教育長(仲村守和) それでは比嘉京子議員の再質問にお答えをいたします。
 まず1点目が教職員勤務実態調査の結果をスピードアップできないかということでございます。
 勤務実態調査は、25項目の調査で約1万3000人の教職員を対象に行っておりまして、その結果の集計につきましては時間を要することから、現在12月を目途に、鋭意、集計作業に努めているところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
 次に、30人学級の予算措置はしないのかどうかということについてでございますが、予算措置につきましては本県の財政状況を勘案しながら、国庫加配定数の効果的な活用を含めて検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○比嘉 京子 答弁漏れ。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後3時9分休憩
   午後3時14分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 比嘉京子さん。
   〔比嘉京子さん登壇〕
○比嘉 京子 ちょっと信じられませんね。こんな単純なことをわからないで受け入れを表明されているんでしょうか。全く理解できません。
 知事は、このような点で現実的な選択をされたかもしれませんけれども、事件・事故は決してゼロにはならないわけです。
 知事がホームページで、私たち県民に御理解をお願いしたいと。事件・事故を私たちは覚悟してくれというんでしょうか。もう一度お願いします。
 それから、この基地は新しい場所につくるわけですから、新基地であり機能強化なんですね、オスプレイも含めてですね。ですから、そこの方の確認もせずに進んでいること自体に大きな問題があるということを指摘して終わりたいと思います。
 今の答弁をお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 比嘉議員の再々質問にお答えしたいと思いますが、事件・事故も持っていくわけではないでしょう。そもそも今の普天間基地があのままでは危険だと。あれは周りは小学校から住宅でしょう、よく御存じでしょう。それをもっと安全なところへ移そうと。海から入り海から出るという仕組みになっている。そういうところへ移そうということですから、危険度はむしろぐっと減るはずです。面積も今の480ヘクタールから210まで減りますから。今のような御質問にはいささか答えにくいんですが、―――――――――――――危険をそのまま持っていくんですかなどというのは。ぐんと減るはずです。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) 20分間休憩いたします。
   午後3時17分休憩
   午後4時13分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 この際、知事から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 先ほどの比嘉京子議員の再々質問に対する私の答弁の中で、――――――――――――――――――――の部分につきまして、撤回をしておわびいたします。
○山内 末子 いよいよ代表質問最後となりました。民主党会派の山内末子でございます。
 冒頭、台風13号の被害に遭われました皆様にお見舞いを申し上げます。
 我が民主党県連も政調会長が現地に赴き調査をしてまいりました。毎年台風が襲来するわけですから、被害を最小限に食いとめるその対策が必要です。早急にこの対策を講じていただけますよう要望をいたします。
 さて、けさの新聞報道によりますと、麻生内閣の支持率が48%、前内閣の発足時と比較するとマイナス9%となっております。国民の支持が一向に高まっていないことを物語っています。なぜその支持が広がらないのか、その理由を3点挙げます。
 まず1点目に、国民はどんなに苦しくとも生活を投げ出せないのに、事もあろうに我が国のトップが2代続けて首相の座を投げ出したことです。
 2点目に、世界的な金融不安、汚染問題、食の問題など、国民は不安の声、悲鳴を上げている中で、政治空白をつくり、茶番劇としか受けとめられないような総裁選を繰り広げたことです。
 3点目に、新内閣の顔ぶれは、総理を含む二世、三世が並び、その要職は自分の仲間を配し、「新お友達内閣」そういうふうに言われています。
 このような一連の動きから多くの国民は、現政権はその生活実態からかけ離れた政治を行うことを予想し、その期待にあきらめがあります。
 間もなく総選挙が行われると思います。今、国民は生活が第一という政治を望んでおります。真に国民生活を豊かにする政権選択を仰ぎたいと思います。
 我が民主党会派一同、歴史的改革の一端を担う議員として、全身全霊で県民の皆様と向き合っていきたいと思っております。
 それでは、通告に従いまして代表質問を行います。
 なお、重複している項目につきましては割愛をしていきますので、御了解を賜りたいと存じます。
 まず、知事の政治姿勢についてです。
 (1)点目に、これは先ほどありましたので削除をします。
 (2)点目に、新首相・麻生総理に対して求めることと期待することは何でしょうか。
 (3)点目に、政権がかわった場合の知事のスタンスをお聞かせください。
 (4)点目に、「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」についてです。
 県民の理解と協力を得るためにということですが、県民はますます理解に苦しみ、納得のいかない内容だと受けとめます。これまでの答弁で余計にずさんな県の姿勢が明らかになりました。その内容に沿って基本的な質問をいたします。
 アは削除をいたします。
 イ、県外移設が望ましいという観点から、これまでどういう努力をしたのか。これは先ほどありましたが、重要なポイントだと思います。これまでの経緯については把握をしております。知事が御自身で主体的に何をどう努力をしたのか、最大限の努力を県民に説明するべきだと考えますが、具体的にお聞かせください。                     
 ウ、危険性の解消について、シュワブ以外の選択肢を講じたことがあるのか。この件も先ほどと関連をいたしますが、建設の概要、具体的なことがわからないまま、どこと比べてシュワブに移すことが実現可能性の高い早道だとする根拠なのか、そこが理解ができません。この件について知事が主体的に行ったことをもう一度具体的にお聞かせください。
 エ、アメリカでは新飛行場をつくる際には大変厳しい地域の調査を行います。そこで建設位置のすべての角度からの飛行ルート、その影響、マスタープラン等、米国国内における土地利用の運用に適応した調査を求めているのかお聞かせください。
 (5)、知事訪米の中身について伺います。
 アメリカも新大統領が誕生し、日本においても新政権のもとで新総理が誕生しているかもしれません。米軍再編の問題、普天間移設の問題が方向転換をしていくこともあるわけです。そのような中で何をもって臨んでいくのか、これまでの説明では理解がしかねます。
 そこで伺います。
 ア、これまでの成果と課題について総括を伺います。
 イ、移設問題は取り上げないとおっしゃっておりますが、取り上げられるとどうするのか。きのうも議論がありました。県議会の反対決議は県民の意思であり、知事との認識の違いがあること、その正確な情報を伝えることが前提だと考えますが、いかがでしょうか。
 ウ、基地から派生する諸問題の解決に向け、人権上の観点から国連機関・人権委員会などへの要請も効果的ではないのか、見解を伺います。
 2、基地問題について。
 米原子力潜水艦ヒューストンの冷却水漏れ事故についてです。
 きのう、原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に配備されました。唯一の被爆国である我が国に安全性の懸念が消えないまま、問題が未解決のまま、原子力空母が配置されることに強い憤りを感じます。
 日本の海が米軍の軍事戦略の拠点として強化をされていく、ホワイト・ビーチヘのたび重なる異常な機会がさらに増加をしていく懸念がますます高くなっていきます。
 質問いたします。
 アについては削除いたします。
 イ、1964年の原潜寄港の条件として、1、冷却水放水は例外で通常は行わない、2、放射性廃棄物の厳重管理、3、責任ある環境調査とあるが、この事故で約束が履行されていないことが判明いたしました。政府の姿勢を正す考えはないのか伺います。
 今回の最終報告で安全性の確保を米軍は出しておりますが、事故の原因究明は不明瞭のままの安全宣言を了承している日本政府に対して、立入調査等の整備も含め、法整備も含め、もっと強い姿勢を求めるべきだと考えます。
 ウ、県の防災計画の中に原子力潜水艦防災訓練が組み込まれていませんが、危機管理上問題はないのか、今後の計画を伺います。
 (2)、米軍再編成に伴い、基地労働者への影響の具体的なシミュレーションは作成されているでしょうか。また、仮称駐留軍労働者雇用対策プログラムの策定について、沖縄振興計画にどう反映されているのか、具体的内容についてお聞かせください。
 3、教育行政についてです。
 (1)、教職員の休職者について。
 ア、過去5年間のメンタルヘルス的な問題での休職者数と推移をお答えください。
 イ、それに伴う財政措置に対する県の見解をお聞かせください。
 (2)については削除をいたします。
 (3)、インターナショナルスクールについてです。
 沖縄科学技術大学院大学周辺整備事業として位置づけられ、世界的人材育成の確保として知事も期待を高めています。
 そこで、ア、設置の経緯と今後のスケジュール、建設の課題を伺います。
 イ、県民子弟中心のイマージョンコースを設けるというが、かなり高額の授業料が推測されます。所得の低い県民が入学することは困難なのではないか。そういう性質の学校をつくることを公的機関が展開することへの県民の疑問にどう答えていくのか、見解を伺います。
 ウ、民設民営、国際教育校など同じ性質を持つアメラジアンスクール・イン・オキナワヘの支援策はどうなっているのか伺います。
 エ、不登校対応、中途退学者対応などのフリースクールの県内実態、高校の中途退学者数についてお答えください。
 4、福祉・医療行政について。
 (1)、子育て支援について伺います。
 ア、ひとり親世帯(母子・父子家庭)の実態と動向について、母子・父子家庭別の支援策と父子家庭への支援拡充計画を伺います。
 イ、緊急サポートネットワーク事業の平成21年度廃止についての経緯と、廃止された場合の影響、対応措置を伺います。
 ウ、沖縄県保育所入所待機児童対策特別事業基金条例についてです。
 認可外保育園にとりまして期待の高い事業です。皆さんの要望にどう沿うのか、その活用を要望いたします。
 (ア)、基金設立の経緯と条例との整合性について。
 (イ)、認可外保育施設入所者数1万7312人の待機児童と、認定しない根拠をお聞かせください。
 (2)、公立病院の現状と課題、医療政策の今後の方向性を伺います。
 (3)、特定不妊治療事業が平成16年より開始され、その間に多くの新しい命が誕生しました。まだまだ手厚い支援が求められています。そこで、不妊治療支援策の状況と今後の支援拡充計画をお聞かせください。
 (4)、DV被害状況と相談センター・女性シェルターの整備拡充計画を伺います。
 (5)、障害者自立支援法新法移行措置・緩和措置の事業年度は今年度で終了が大半ですが、今後の方向性が見えてきません。県独自の施策も含め改善策を伺います。
 (6)、年金問題についてです。
 ア、県の納入率悪化の検証と向上対策を伺います。
 イ、県の厚生年金保険料標準報酬月額改ざん問題の現状と対応を伺います。
 5、交通政策について。
 (1)、モノレールの延伸における延伸先の各自治体の負担額はどの程度かかるのか。年間の維持費はどのぐらい見込んでいるのか伺います。
 (2)、地域公共交通の活性化再生法の施行により、LRTの導入は市町村、利用者、交通事業者からも計画立案ができるようになりましたが、そのような動きに対して県はどのような対応を考えているのか伺います。
 6、雇用政策について。
 (1)、県外派遣労働者数の把握と悪質な求人方法の対策について。
 (2)、県、市町村の非正規雇用者数と割合について。
 (3)、県、市町村の委託先の最低賃金と改善策について。
 7、原油価格高騰に関する対策についてです。
 (1)、今回出された緊急対策以外の支援策について、追加支援を考えているか伺います。
 (2)、財政支援だけでなく、生活全般での支援を講じる考えはないか伺います。
 よろしくお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 山内議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、知事の政治姿勢に係る御質問の中で、新首相に求めること、期待することについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 原油高騰、そして景気の後退、食の安全性の問題、社会保障制度のあり方など、国民生活の中にはさまざまな解決すべき課題が山積いたしております。
 このような中で、日本国のかじ取りを行う総理大臣の責任は重大なものがあり、強いリーダーシップを発揮し、これらの諸課題を解決されるよう期待するものでございます。
 また、沖縄県の過重な基地負担の軽減や自立型経済の構築など、沖縄の抱える諸課題の解決に向けて引き続き取り組んでいただきたいと期待をいたしているところでございます。
 同じく政治姿勢の中で、政権がかわった場合のスタンスについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 衆議院の解散総選挙が近いと報道されておりますが、現時点で政権交代について言及することは控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、私の政治スタンスは沖縄の過重な基地負担の軽減、自立型経済の構築など、沖縄振興について政府と協力しながら一歩ずつ着実に実現していくということでございます。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中で、県外移設の具体的な努力についての御質問にお答えいたします。
 私は、米軍再編協議の経緯等から普天間飛行場の県外移設の実現は困難であり、一刻も早い危険性の除去のためには、県内移設を進める必要があると考えております。
 普天間飛行場の移設問題につきましては、代替施設受け入れを決断された名護市長を初め、これまで日米両政府、県、地元市町村の多くの関係者の皆様が検討し協議を積み重ね今日に至っております。その結果、やむを得ない現実的な選択肢としてキャンプ・シュワブへの代替施設建設計画が進められているところであります。
 私は、このような多くの関係者の努力と協議の経緯を踏まえ、責任を持って解決に向け全力を尽くしていく所存でございます。
 次に、知事の政治姿勢の中で、これまでの訪米の成果と課題についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 米軍基地問題の解決促進を図るため、昭和60年以降11回にわたり、県知事による訪米要請を実施してきたところでございます。
 これまでの訪米要請等の結果、泡瀬ゴルフ場の返還等のいわゆる「23事案の返還合意」、そして普天間飛行場の返還、読谷補助飛行場の返還及びパラシュート降下訓練の移転、県道104号線越え実弾射撃訓練の移転などのSACOの最終合意や、海兵隊要員等の兵力削減とグアムへの移転、普天間飛行場を含む嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還などの在日米軍再編の合意など、日米両政府の基地政策の形成に影響を与え、県民の過重な基地負担の軽減に一定の成果を上げているものと考えております。
 しかしながら、沖縄県には依然として広大な米軍基地が存在することから、県といたしましては、県民の過重な基地負担の軽減を図るため、今後とも日米両政府に対し、沖縄県の実情を理解してもらうため、粘り強く訴え続けていくことが重要であると考えております。
 次に、基地問題に係る御質問の中で、米軍再編に伴う基地労働者への影響のシミュレーション等々に係る御質問にお答えさせていただきます。
 在日米軍再編の最終報告では、2007年3月までに、統合のための詳細な計画を作成するとされておりますが、現時点では移転計画の詳細は明らかになっていないため、具体的な従業員の雇用への影響は把握できておりません。現在は、国、県及び関係機関等で在沖米軍再編に伴う駐留軍等従業員雇用問題連絡会議を設けております。県として、できる限り早目に情報を入手できるよう努めているところでございます。
 また、駐留軍労働者雇用対策プログラムにつきましては、庁内にプロジェクトチームを立ち上げて検討を行った結果、その内容を沖縄振興計画の中に位置づけることとし、具体的には職業訓練の充実、離職者への特別給付金、就職促進手当等の支給策を計画の中に反映しております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(上原 昭) 知事の政治姿勢のうち、シュワブ沖以外の選択肢についての御質問にお答えいたします。
 日米両政府は、SACO最終報告において、普天間飛行場の代替移設先として、1、嘉手納飛行場への集約、2、キャンプ・シュワブにおけるヘリポート建設、3、海上施設の建設について検討し、最終的に「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」に海上施設の建設が決定されました。
 次に、飛行ルートやその影響等に関する調査についてお答えします。
 代替施設については、近隣住宅への生活環境及び自然環境への影響が懸念されることから、県としては、「環境影響評価方法書に対する知事意見」の中で、航空機の機種別の運用の方法として飛行経路や進入・離陸角度等について明らかにするよう求めています。
 また、飛行ルートについては、地元名護市、宜野座村と政府が基本合意に至った経緯を考えれば、いかなる訓練においても住宅地区上空を飛行するようなことはあってはならないと考えております。
 なお、御質問にありますマスタープラン等、米国国内における土地利用に適応した調査については、特に求めておりません。
 次に、移設問題への言及についてお答えします。
 今回の訪米においては、普天間飛行場を含む嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還といった在日米軍再編合意の確実な実施を求めてまいりたいと考えており、普天間飛行場の返還も要請事項に含まれております。
 次に、国連機関への要請についてお答えします。
 訪米の要請先については、過去の実績を踏まえ、米国政府や連邦議会、米軍司令部等の関係機関を検討しておりますが、今後、外務省等とも調整の上、決定していきたいと考えております。
 国連機関への要請については、一つの御意見として承りたいと考えております。
 次に、基地問題のうち、1964年の原潜寄港の条件についてお答えします。
 政府によりますと、米原子力軍艦の寄港については、米国政府は累次にわたる政府声明及び覚書をもって原子力艦船の安全性を保証するとともに、その運航に関連して米国の港においてとられる安全上のすべての予防措置及び手続を我が国の港においても厳格に実施することを保証してきているとのことであります。
 また、ヒューストンが寄港した際のモニタリング調査の結果、異常値が検出されていないことから、人体及び環境に影響を与える量が漏れていたとは考えていないとのことであります。
 県としては、すべての原子力艦の安全対策及び再発防止策の徹底を図り、放射能漏えいが再び起こらないよう、安全性の確保にはこれまで以上に万全を期すよう求めていきたいと考えております。
 次に、原子力艦の防災訓練についての質問にお答えいたします。
 原子力艦の防災訓練の実施については、沖縄県地域防災計画の中に定められております。
 ことしの3月にはうるま市、うるま市消防本部及びうるま警察署が共同で原子力鑑の災害を想定した図上訓練を実施しております。
 今後は、国やうるま市などと連携して共同訓練の実施について検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(仲村守和) それでは、教育行政についての御質問で、精神性疾患による休職者数についてお答えいたします。
 本県の教職員の精神性疾患による病気休職者数は、平成15年度99人、16年度94人、17年度119人、18年度150人、19年度153人となっております。
 次に、精神性疾患による休職者の代替補充教員に要する経費についてお答えいたします。
 精神性疾患による休職者の代替補充教員の任用に係る給与費は、平成18年度は小中学校約1億5900万円、県立学校約5700万円で、合計約2億1600万円となっております。
 平成19年度は小中学校約1億8900万円、県立学校約5100万円で、合計約2億4000万円となっております。
 なお、休職者につきましては1年間は給与の8割を支給し、2年目以降は無給となることから、休職者に係る給与費を相殺すると、当該代替補充教員を任用するための経費は、平成18年度で約7300万円、平成19年度で約8600万円となっております。
 次に、フリースクールの実態及び中途退学者数についてお答えいたします。
 フリースクールにつきましては、その規模や活動内容が多様なため正確な実態把握は難しいところがありますが、現在、県内には不登校児童生徒の支援やさまざまな教育活動を目的とするフリースクールが14施設程度あります。
 県や市町村教育委員会においては、適応指導教室や自立支援教室などを設置し、不登校児童生徒への支援を行っております。
 また、本県の県立高等学校の平成18年度における中途退学者数は1042人、中途退学率は2.2%で全国平均と同率となっております。
 中途退学の主な理由は、進路変更、学校生活・学業不適応などであります。
 中途退学対策としましては、スクールカウンセラーの配置、高等学校生徒就学支援センターを設置するなど、中途退学者の減少に努めているところであります。
 以上でございます。
○企画部長(上原良幸) 教育行政についての御質問で、インターナショナルスクール設置の経緯と今後のスケジュール等についてお答えいたします。
 沖縄科学技術大学院大学の成功のかぎは、世界じゅうから優秀な研究者をいかに集められるかにかかっており、このために住居や病院などのクオリティーの高い生活インフラの整備とともに、国籍や宗教にとらわれないインターナショナルスクールの設置が求められております。
 このため、県におきましては、平成16年度から周辺整備に関する調査検討を行うとともに、平成19年度にはインターナショナルスクールのあり方検討会を設置し、スクール設置に当たっての望ましいあり方について取りまとめたところであります。
 それを踏まえ、県では、実現可能な方策や事業主体の検討を行ってまいりましたが、県、うるま市、株式会社旺文社の三者によるスクールの設置についての大枠の合意が得られたことから、7月25日に覚書を締結したところであります。
 今後は、覚書に基づき平成23年4月の開校を目途に準備を進めてまいりますが、校舎建設費等の財源の確保が課題となるものと考えております。
 同じくインターナショナルスクールの関連で、高額な授業料並びに県がかかわることへの見解についてお答えいたします。
 今回設置するインターナショナルスクールの授業料につきましては、類似のスクールや私立学校を参考に検討することとされております。
 なお、同スクールの設置はかねてから県に求められておりました大学院大学の研究者子弟への教育施設に加え、駐在員などの外国人及び県民子弟への国際的教育環境を提供するものであり、本県の未来を担う人材の育成につながるものと考え、県、うるま市、株式会社旺文社で合意に達したものであります。
 次に、交通政策についての御質問で、市町村がLRT導入を立案した場合の対応についてお答えいたします。
 昨年10月1日に施行された「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」では、市町村が主体となって地域公共交通総合連携計画を策定した場合、国は財政面も含め総合的な支援を行い、県は広域的な見地から助言その他の援助を行うよう努めることになっております。
 市町村が同法に基づくLRTの導入を立案した場合は、県としても国と連携しながら助言や支援に努めてまいりたいと考えております。
 次に、雇用政策についての御質問で、市町村職員の非正規雇用者数と割合についてお答えいたします。
 市町村の非正規職員数は、平成20年4月1日現在、約6000人となっており、市町村の常勤職員を含めた総職員数に占める割合は約31%となっております。
 以上であります。
○文化環境部長(知念建次) 教育行政についての御質問で、アメラジアンスクール・イン・オキナワへの支援策についてお答えいたします。
 アメラジアンスクール・イン・オキナワでは、米軍人・軍属等と沖縄の女性との間に生まれた重国籍児が学んでいます。
 スクールに通学している児童生徒に対して、不登校等の原因となっている日本語の読み書き等を指導することにより、原籍校への円滑な復帰を図る目的で、県では平成13年度から財団法人おきなわ女性財団に委託して、毎年度2名の日本語等指導者を派遣しております。
 子供たちの日本語力の向上及び学籍校との連携等においては、日本語等指導者が大きな役割を果たしていることから、引き続き支援してまいりたいと考えております。
 次に、原油価格高騰に関する対策についての御質問で、追加支援対策についてお答えいたします。
 県においては、原油価格高騰による影響を最小限に抑制するために、7月22日に沖縄県原油価格高騰対策連絡会議を設置し、7月25日と9月5日の2次にわたり原油価格高騰に関する緊急対策を取りまとめ、ホームページ等により県民への周知を図っているところであります。
 また、現在、国において「安心実現のための緊急総合対策」で、各分野における原油価格高騰対策を含む総合対策を示しているところでございます。
 追加の支援策につきましては、国の「安心実現のための緊急総合対策」の具体的な内容が明らかになった段階で適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、同じく原油価格高騰に対する対策についての御質問で、生活全般での支援策についてお答えいたします。
 国は、8月29日に示した「安心実現のための緊急総合対策」で、第1の目標として「生活者の不安の解消」を掲げており、その中で、特別減税の実施や老齢福祉年金受給者等に対する臨時福祉特別給付金の支給実施等を検討することとしております。
 県としましては、今後、国の「安心実現のための緊急総合対策」の動向を見ながら、具体的な内容が明らかになった段階で適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上です。
○福祉保健部長(伊波輝美) 福祉・医療行政についての御質問の中で、ひとり親世帯の動向と支援策についてにお答えいたします。
 「沖縄県ひとり親世帯等実態調査」は5年ごとに実施しており、平成15年度調査によると、母子世帯数は2万5604世帯で、父子世帯数は4265世帯となっております。
 母子世帯の不安・悩みとしましては、経済基盤の安定や子育て、教育等が挙げられており、父子世帯では子育て、教育や生活費等となっております。
 県では、母子及び父子家庭に支援員を派遣して子育てや生活支援を行う日常生活支援事業や医療費助成事業を実施しております。
 また、母子世帯の就労支援として、ホームヘルパー養成講習会等の開催や就業相談、自立支援給付金事業などを実施しております。
 なお、今年度実施予定の「沖縄県ひとり親世帯等実態調査」の結果も踏まえまして、今後とも母子及び父子家庭の自立支援や子育て支援策を推進してまいりたいと考えております。
 続きまして、沖縄県保育所入所待機児童対策特別事業基金設立の経緯と条例との整合性についてにお答えいたします。
 本県では、他県と比べて待機児童と認可外保育施設入所児童が多いという特殊事情があります。このため、県では、国に対して特に認可外保育施設入所児童の処遇向上に向けた支援が得られないか、県議会議員や国会議員の皆様の御協力も得ながら要望や調整を重ねてまいりました。
 こうしたさまざまな働きかけがこのたびの沖縄特別振興対策調整費を財源とした待機児童対策特別事業基金の設置につながったものと認識しております。
 県では、当該基金を活用し待機児童の実態調査や保育内容向上に向けた研修会を実施するとともに、市町村が認可化することとした認可外保育施設への運営費及び施設整備費の助成を行い認可化を促進することとしております。
 県では、この事業を最大限に活用して待機児童の解消に向け全力で取り組んでまいります。
 続きまして、認可外保育施設入所児童のすべてを待機児童と認定しない根拠についてにお答えいたします。
 待機児童の定義としましては、親の就労などの理由により、保育に欠ける児童の保護者が保育所に入所を希望しているにもかかわらず入所できない児童となっております。
 本県の認可外保育施設には、平成20年4月現在で1万7312人の入所児童がおりますが、この中には保育に欠ける児童と欠けない児童の両方がいるものと考えております。
 待機児童対策特別事業においては、保育需要を正確に把握するため認可外保育施設入所児童の保護者に対するアンケートを実施し、当該施設の保育に欠ける児童数の把握に努めたいと考えております。
 続きまして、公立病院の現状と課題、医療政策の今後の方向性についてにお答えいたします。
 公立病院は、救急医療や離島・僻地医療など地域医療の確保に大きな役割を果たしております。しかし、近年、全国の多くの公立病院において経営状況が悪化するとともに、医師不足等に伴い医療提供体制の維持が厳しい状況になっております。
 こうしたことから、総務省では昨年12月に「公立病院改革ガイドライン」を示し、病院事業を設置する地方公共団体に対して、平成20年度内に改革プランを策定するよう求めております。
 本県における公立病院としましては、県立病院、那覇市立病院及び公立久米島病院がありますが、とりわけ県立病院においては極めて厳しい経営状況にあります。このため、県においては、病院事業経営の健全化を図ることにより、効率的かつ継続的な医療提供体制を確保することを目的として、県立病院の役割・機能並びに運営体制を抜本的に見直すこととしております。
 現在、沖縄県医療審議会の県立病院あり方検討部会においてその検討が進められているところであり、その審議結果を踏まえて適切に対処してまいります。
 続きまして、不妊治療支援の現状と今後についてにお答えいたします。
 県では、不妊治療のうち健康保険適用外である特定不妊治療については、指定医療機関で治療に要した費用について、1回につき10万円を上限に年2回、通算5年間まで助成しております。また、不妊に悩む方々の相談に応じるため不妊専門相談センターを設置しております。
 特定不妊治療に要する費用は高額になることから、県では特定不妊治療の健康保険適用について九州地方知事会等を通して国へ要請しているところであります。
 続きまして、DV被害状況と相談センター及びシェルターについてにお答えいたします。
 平成19年度の配偶者暴力相談支援センターのDV被害者相談件数は796件となっており、前年度の884件に比べ88件、10%の減少となっております。
 また、裁判所から書面提出を求められた保護命令件数は44件で、前年度と同件数となっております。
 女性相談所が措置した平成19年度の一時保護者数は、DV被害者が72名で、前年度の65名より7名増となっております。
 なお、必要に応じ民間シェルターへも一時保護を委託しております。
 また、平成18年4月からは、女性相談所に加えて北部、宮古及び八重山の3福祉保健所に配偶者暴力相談支援センターを設置し、市町村、警察などの関係機関と連携し、DV相談、被害者保護、自立支援を行っております。
 続きまして、障害者自立支援法の今後の方向性についてにお答えいたします。
 障害者自立支援法については、平成18年度の施行後、定率負担導入による利用者の負担増や報酬の日割り化による事業者の収入減等の問題が指摘されました。それらを解決するために、平成18年度から平成20年度までの間、特別対策として、通所・在宅サービス利用者について、所得に応じた負担限度額を軽減する措置や、収入が減少する事業者については従前の収入額の9割を保障する措置等が実施されております。
 さらに、緊急的な改善措置として、平成20年4月から事業者の経営基盤を強化する観点から、通所サービスに係る報酬単価を引き上げております。また、本年7月からはさらなる利用者負担の軽減を図る観点から、低所得世帯を中心とした負担限度額を0.1割程度まで軽減する措置等が実施されたところであります。
 同法の抜本的な見直しに向けては、現在、国の社会保障審議会障害者部会において検討が進められているところであります。
 県としましては、全国知事会などを通して同法の見直しにつきましては、国会での附帯決議や障害者、地方の意見、現在実施されている特別対策及び緊急措置の実施状況を十分に踏まえ適切に対応することを要望しているところであります。
 続きまして、本県の年金納付率と向上対策についてにお答えいたします。
 社会保険庁が公表した「平成19年度国民年金の加入・納付状況」によりますと、全国平均63.9%に対し、沖縄県の納付率は42.8%で全国で最も低い状況にあります。
 年金事務を所管する国の沖縄社会保険事務局では、納付率の向上及び未納者数を減らすために電話督励及び国民年金推進員による戸別訪問等を実施し、納付向上に努めているとのことであります。
 続きまして、厚生年金保険料標準報酬月額改ざん問題についてにお答えいたします。
 厚生年金保険事業は、厚生年金法第2条により政府が管掌することとなっており、県では調査することができません。そのため、国の沖縄社会保険事務局へ確認したところ、沖縄県においては現時点でそのような事実は確認できていないとのことであります。
 今後、社会保険庁において厚生年金記録の改ざんが疑われるケースについて徹底して調査をするとのことでありますので、その調査結果を見守りたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(仲田秀光) 福祉・医療行政に関する御質問の中で、緊急サポートネットワーク事業廃止の経緯と影響及び対策についてお答えします。
 厚生労働省は、平成21年度から市町村のファミリー・サポート・センターの援助内容を拡充して、病児・病後児の預かり等の機能を付加する一方、緊急サポートネットワーク事業については廃止することとしております。
 本県の緊急サポートネットワーク事業においては、病児・病後児の預かり等のほか、ファミリー・サポート・センター未設置市町村での通常の子供の預かり支援も行っているため、同事業が廃止された場合、ファミリー・サポート・センター未設置市町村では病児・病後児の預かりに加えて通常の子供の預かり支援サービスも提供できなくなります。
 また、ファミリー・サポート・センター設置市町村においても、体制が整わない等の理由により、病児・病後児の預かり等の機能拡充ができない市町村もあるのではないかと考えております。
 県としましては、市町村へのファミリー・サポート・センターの設置促進を図るとともに、現在実施されている緊急サポートネットワーク事業に比較してサービス内容等が低下することのないよう、関係団体とも連携の上、対応策を検討していきたいと考えております。
 次に、雇用対策に関する質問の中で、県外派遣労働者数の把握と悪質な求人方法の対策の御質問についてお答えします。
 沖縄労働局の一般職業紹介状況によりますと、平成19年度にハローワークを通して県外へ就職した者は7931人おりますが、そのうちの派遣労働者数については把握は困難とのことであります。
 また、求人誌の活用や縁故採用などハローワークを通さない県外派遣労働者数についても把握は困難であります。
 沖縄労働局では、雇用契約等に係るトラブルの発生を未然に防止するため、求人企業や派遣事業者に対し、求職者に誤解を与えるような誇大広告の中止や労働条件について明確に説明するよう強く指導をしております。
 県としては、昨年7月に沖縄労働局長あてに労働者派遣事業者に対する指導強化を要請するとともに、昨年9月には沖縄労働局と連携し、県内求人誌との意見交換会を開催し、適正な求人広告を行うよう求めたところであります。
 今後とも、沖縄労働局と連携し雇用契約等に係るトラブル発生の未然防止に努めるなど、適切に対応していきたいと考えております。
 次に、県、市町村の委託先の最低賃金と改善策についての御質問にお答えします。
県内の最低賃金については、沖縄労働局の最低賃金審議会において調査・審議し、その結果を受けて沖縄労働局長が決定することとなっております。その後、沖縄労働局長から県、市町村を初めとする関係機関へ通知するなど周知広報を行っております。したがって、市町村の契約においても適切に対応しているものと考えております。
 県においては、観光商工部から各部局に対し、警備業務等の委託契約を締結する際は最低制限価格を設定することや、法令遵守及び契約の履行に関して不適切な取り扱いがないよう契約書に記載するなど、労働者の賃金が最低賃金を下回らないようにすることを通知しているところであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(漢那政弘) 交通政策の御質問の中の、モノレール延長に関する費用についてお答えいたします。
沖縄都市モノレールの首里駅から西原入り口までの延長につきましては、昨年度まで開催してきた「沖縄都市モノレール延長検討委員会」において、浦添ルート案が推奨されました。
 浦添ルート案における総事業費は約396億円程度であり、国庫補助事業を活用することにより各自治体の負担総額は約133億円程度と試算しています。
 その内訳は、県が約57億円、那覇市が約30億円、浦添市が約46億円と見込んでおります。
 また、モノレールの維持管理は沖縄都市モノレール株式会社で行うこととなっており、その維持管理費は現区間において年間約6億円であり、延長区間では約2億円程度と試算しております。
 以上でございます。
○総務部長(宮城嗣三) 雇用政策に関連しまして、県職員の非正規雇用者数と割合についてお答えいたします。
 平成20年6月1日現在の沖縄県庁におけるいわゆる非正規職員の嘱託職員、賃金職員等の職員数は4770人となっておりまして、全職員に占める割合は17%となっております。
○山内 末子 再質問いたします。
 先ほどシュワブ以外の選択肢をということでお尋ねをいたしました。その答弁の中で3つの回答がありましたけれども、これはこれまでの経緯でありまして、県が主体的にシュワブと決定するそのことについて、何か、どこか別の方策を探ったかということを聞いておりますので、もう一度お願いいたします。
 普天間移設問題に対しましては、アメリカの軍事専門家や政府官僚らは、在沖海兵隊を本国やグアムに撤退させても何ら問題はないとしており、元国務長官のキッシンジャー氏も、日本政府が正式に要請をすれば普天間の代替基地を県内につくらなくても移設は容易に可能だと述べておりますけれども、知事はそういう情報をどうとらえておりますでしょうか。よろしくお願いいたします。
 それから、県民の望む国外・県外への移設の作業、その足がかりがきちんと検証できるか、そういうことをもとに検証する必要があるかと思いますけれども、そのことをもう一度お願いいたします。
 それから、県議会で決議したこと、これは今、私が申し述べたことがあると。根拠もないと今おっしゃっていますけれども、根拠はあるんです。こういうことが根拠になっているんですよ。根拠のある決議を県議会はいたしました。
 そういった意味でも、今回交渉の余地があるということで、それであるんでしたら、今回の訪米に議長がこの決議を持ってアメリカに直訴もする。また、知事は米軍再編の問題、あるいは地位協定の問題、そういうことについて直訴をする。そして事件・事故の問題は、直接被害の多い関係市町村も一緒になって行動する。県民の意思を伝えるならば、三者連携での直訴、そういうことが県民に説明のできる訪米ではないかと。急いで沖縄県だけで行く問題ではないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 それから原潜の問題ですけれども、放射能という目に見えない脅威です。先ほど安全性の確認が確保されたということをおっしゃっていましたけれども、事故の原因の中で、バルブが漏れた、どこのバルブが漏れたとかそういう基本的なことも情報公開がされないまま、政府は安全性が確保されたという米側の言葉をうのみにしてそれを求めています。そういう安全性を確保させるということを、この件についてもっと沖縄県としては強く政府の姿勢を正すべきではないでしょうか。立入調査等法整備をしていく、そういうことも県の方から求めていくことも必要ではないでしょうか。よろしくお願いいたします。
 それから、日米安保のもとで原潜が寄港する、それが必要であるんでしたら、防災訓練も国の責任で防災対策、防災費用も確保すべきでありますけれども、そういうことについても県の方から国に求めていく、そういうことも必要かと思いますけれども、もう一度知事の見解をお聞かせください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時11分休憩
   午後5時17分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 山内議員の再質問にお答えいたします。
 御質問が5つばかりあったと思うんですが、そのうち2つについて私の方で答弁させていただきます。
 まず第1に、このキッシンジャーさんとかいろんな方の、日本政府が要求すれば普天間というのはグアム、その他へ戻るのではないかというような考えとか情報があるんだけれども、これをいろいろ参考にしたらどうかという御趣旨だと思います。
 こういうことについてはいろんな方が、いろんな研究者が、もういろんな形でいろんなことをおっしゃっておられると思います。ですから、こういうことにつきましてはいろんな方が御自分の考えを表明しておられることであって、現実の米軍基地の沖縄における配置、その他が本当に実現できるのかというところまではとてもとても考えられないと思います。ただ、こういう情報についてなるべく我々も収集したいと考えてはおります。
 それからもう一つ、議長さんも含め、いろんな市町村長さんも含めてそれぞれが一緒になってアメリカに行くのはどうかということ、これはいい形だとは思います。ですから、御提案として受けとめたいとは思います。
 そして、市町村長さんの訪米要請については、我々もこれまでもそうでありましたように、それぞれの市町村の抱える米軍基地の話とまた違う部分もございますので、一緒に行ければ、一緒に同行したらどうかなとも考えております。
 ただ、いずれにしても予算をきちっとつけていただかないことには話が始まりません。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(上原 昭) キャンプ・シュワブ沖への決定までに3つの候補地があった、それについて県としてはもっと主体的に取り組むべきじゃないかというふうな趣旨の御質問だったと思いますが、キャンプ・シュワブを決定するまでのこの間の取り組みの経緯を考えますと、現在のシュワブ案が現実的な選択肢だというふうに考えておりますので、県としてはその方向で地域の住民生活や環境への影響を最大限配慮するような方向で取り組む努力が必要じゃないかというふうに考えております。
 それから原潜の安全性の確保でございますが、米国政府はすべての原子力艦について具体的な措置及び厳格な基準により安全性を維持することを改めて確約しており、政府も8月29日の米側の最終通報により、原子力潜水艦の安全性は確保されたとの認識であります。
 県としては、日米政府があらゆる安全対策を講じ、原子力潜水艦の安全性の確保に最大限の努力を払うべきものと考えております。
 それから原子力艦の防災訓練についてでございますが、現在うるま市が図上訓練を実施しておりますが、県といたしましても国やうるま市などと連携して、今後の共同訓練の実施について努力してまいりたいというふうに考えております。
 以上であります。
○山内 末子 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時23分休憩
   午後5時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 上原 昭君登壇〕
○知事公室長(上原 昭) 先ほどの予算的な措置を国に求めるかどうかについてでございますが、訓練をする場合に国とどのような連携・調整が必要か、その辺も含めて検討してまいりたいと考えております。
○山内 末子 国策をとるのか県益をとるのか、沖縄の自立は国に追従することをやめることによって確立されます。社会も変わり、国民の意識も変化のときです。
 熊本県知事は、脱ダム宣言をし苦渋の選択をいたしました。代替問題、原点に返る、主体的に県が動く、決断の時期ではないでしょうか。そのことを私は強く申し上げます。その先に県民の理解が待っているのです。
 もう一度最後に、知事にそのことをお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時25分休憩
   午後5時26分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 議員の再々質問にお答えしたいと思うんですが、きちっと県益を優先してしっかり仕事をしなさいというお話だと思います。
 当然、私も県知事の選挙に出るときに独立独歩、独立自尊の精神を生かして沖縄の運営をやっていきたいということを申し上げたとおりでありまして、県益を最適化するのが最大の私の望みであり目的であります。
○議長(髙嶺善伸) 以上をもって代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで終了いたしました。
 休憩いたします。
   午後5時26分休憩
   午後5時27分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 次会は、29日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時27分散会

 
20080303000000