平成21年(2009年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 6月24日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた公安委員会委員長幸喜德子さんは、別用務のため本日及び29日から7月1日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び7月1日の会議に公安委員会委員翁長良盛君、29日及び30日の会議に同委員会委員安里昌利君の出席を求めました。
 また、人事委員会委員長仲吉朝信君は、所用のため本日から26日まで及び29日から7月1日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長伊礼幸進君の出席を求めました。
 また、労働委員会会長比嘉正幸君は、所用のため本日から26日まで及び29日から7月1日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日の会議に労働委員会会長代理大城光代さん、25日の会議に同委員会公益委員宮里節子さん、26日及び29日の会議に同委員会事務局長比嘉久晶君、30日の会議に同委員会公益委員矢野昌浩君、7月1日の会議に同委員会公益委員宮城和博君の出席を求めました。
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○議長(髙嶺善伸) この際、念のため申し上げます。
 本日から26日まで及び29日から7月1日までの6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(髙嶺善伸) 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 佐喜真 淳君。
   〔佐喜真 淳君登壇〕
○佐喜真 淳 皆さん、おはようございます。
 代表質問トップバッターでございます。
 自民党会派を代表して質問をする前に、所見を少しばかり述べさせていただきたいと思います。
 今定例会冒頭、県議会設置100周年記念行事が開催されました。明治42年7月の県会創設から今日まで、多くの先輩方が沖縄県の発展、県民福祉の向上のために御尽力くださいましたことに、改めまして敬意を表するものでございます。
 明治、大正、昭和、平成とまさに沖縄県にとって激動の一世紀を先輩方は、郷土沖縄を思う心を議会人としての高貴な使命感を持って幾多の苦難を乗り越えて、今日の沖縄の姿があると思います。現代に生きる者の一人として感謝をするとともに、議会人として責任の重さを痛感しております。
 また、昨日は麻生太郎内閣総理大臣を初め多くの来賓者が御臨席する中、平成21年沖縄全戦没者追悼式典が挙行されました。64年前の悲劇を二度と再び繰り返すことがないよう世界の恒久平和を願うものであり、また同時に不幸にも犠牲になられたすべての方々に対して、自民党会派を代表して心より御冥福をお祈りいたします。
 それでは質問を行います。
 普天間飛行場移設建設について。
 在沖米海兵隊のグアム移転協定が正式に発効いたしました。日米両政府の普天間飛行場の移設に向けた作業が本格化してまいりました。日米合意である2014年までに代替施設の建設が完了すれば、本県が求め続けた普天間飛行場の返還が現実のものとなり、さらに海兵隊員8000人、その家族9000人の移転や嘉手納飛行場以南5基地の全面返還などが実現すれば、本県の基地負担が大きく軽減することになるのであります。しかしながら、衆議院議員選挙を間近に控え普天間の移設問題は、各党の思惑も絡み、国内だけではなく対米交渉においても複雑な様相を呈してまいりました。次の政権をねらう民主党は、普天間飛行場の県内移設に反対し、県外移設を求めるとしておりますが、県外とはどこを示しているのか、国外か国内なのか、あるいは国内のどこを示しているのか言及は避けております。政権をとってから、在沖米軍再編について改めて米側と協議するということであれば、普天間飛行場の移設先や海兵隊のグアム移転、嘉手納以南の大規模基地の返還などについては、すべて白紙に戻ることになりかねないのであります。
 普天間飛行場の移設問題については、沖縄に関する特別行動委員会いわゆるSACOの平成8年12月の最終報告による日米合意から既に12年、平成18年5月の在日米軍再編に伴う日米合意から早くも3年が経過するなど長い年月を要しております。協議、交渉をやり直すということは、これまでの経緯が示すように、簡単ではなく相当の年月を要することは明らかであります。これは事実上、普天間飛行場の現状固定化につながってしまうのではないかということで我々は懸念するものであります。
 普天間飛行場の移設問題の原点は、市街地の中心部にあり、周辺住民の生活に日常的に支障を来していることから、同飛行場の危険性の除去が急がれていることにあります。このためには、2014年までの代替施設の建設を完成し、現普天間飛行場の返還を実現することが普天間の危険性の除去を図る最良の方策であると考えるのであります。県外に移設できればベストであります。しかし、復帰後歴代県政が県外移設を求め続けてきながら普天間問題は全く動かなかったのが現実であります。そこに沖縄の基地問題の難しさがあるのであります。
 今回の米軍再編に伴う県内移設は、普天間問題を解決する最後で最も可能性のある現実的な選択であると考えます。普天間飛行場の危険性をこれ以上放置してはならず、一刻も早い返還が必要であります。
 そこでお伺いいたします。
 ア、在沖米海兵隊のグアム移転協定が成立発効したが、海兵隊員8000人とその家族9000人の移転の具体化について日米の調整の現状についてお伺いいたします。
 イ、普天間飛行場の県内移設を白紙に戻し、県外移設を米側と協議するとの主張について、普天間飛行場の早期返還、危険性の除去を図る観点から知事の見解をお伺いいたします。
 ウ、県外移設という場合、国外・国内を含め受け入れ先や米側との再協議など、現実的に実現可能な方策となり得るか知事の見解をお伺いいたします。
 (2)、環境影響評価について。
 ア、環境影響評価準備書の送付を受け、県環境影響評価審査会の審査を含め県の対応をお伺いいたします。
 イ、方法書に対する知事意見の、可能な限り沖合への移動、名護市の求める沖合への移動・予測・評価などについて、準備書は十分こたえた内容となっているのかお伺いいたします。
 ウ、6つのケースについて、自然環境に及ぼす影響が相対的にかなり大きいとする3つのケースと事業計画案に対して検討項目ごとに影響の変化、程度及び優劣のばらつきが生じるとする3つのケースを示している。県が求める沖合への移動に合致するケースがあるか、お伺いいたします。
 エ、準備書で示された航空機の飛行経路と埋め立てに要する海砂の調達について、周辺への騒音と環境への影響を県はどのように考えているのかお伺いいたします。
 2、不発弾処理問題について。
 防衛省の発表によりますと、2008年度自衛隊による不発弾発見件数は、全国では1416件で、発見された不発弾の重量は42.1トンでいずれも前年度よりふえております。そのうち、本県における不発弾発見件数は、前年度に比べ53件増の825件、重量は0.5トン増の23.7トンとなっており、全国の半分以上を本県が占めております。
 戦後64年が経過していながら、いまだ不発弾の発見が続いている状況にあり、県内には2300トンの不発弾がまだ地中に埋まっていると言われ、すべて処理するには今後80年以上かかると推定されております。
 去る1月には、糸満市で不発弾爆発事故が発生し、工事作業中の男性が大けがを負うという痛ましい事故も起きております。国の責任による民間工事を含めた不発弾探査事業の拡大が求められております。政府の対応は、東京大空襲や原爆などを戦争被害補償していないということから、本県における不発弾事故補償についても否定的であり、現在のところ沖縄特別振興対策調整費を活用した県不発弾等対策安全基金での対応となっており、本県の要求にはほど遠い状況にあります。
 本県が求めているのは、戦後処理としての国の責任による被害補償制度の確立であり、公共、民間工事の区別なく全額国の負担による探査の実施であります。
 そこでお伺いいたします。
 (1)、政府が検討している不発弾爆発事故被害救済制度について、その内容と補償の基準についてお伺いいたします。
 (2)、議員立法を含めた国の不発弾処理、被害補償制度の確立について、県の要請行動と政府の対応についてお伺いいたします。
 3、土木建築関係について。
 本県は、県内企業の約90%以上を中小零細企業が占めるという脆弱な産業構造となっていることから、昨年来の経済の停滞や景気の悪化により企業経営は大きな影響を受けております。特に、県内建設業は、年々公共事業費の削減が続き、工事受注件数が減少する傾向にあり、さらに改正建築基準法の施行による住宅着工の減少など、経営環境は危機的状況にあります。また、業者間の過当競争が激しくなり、赤字覚悟で低入札をせざるを得ない状況に陥っているのであります。
 県内建設業は、現在約7万人を雇用していると言われ、本県雇用の重要な受け皿となっており、県内建設業の倒産や休業が相次げば、県内雇用環境に深刻な影響を与えかねないのであります。
 このような県内建設業を取り巻く環境が厳しい中で、我が会派や沖縄県建設業協会は、県発注の公共工事入札における最低制限価格の引き上げを求めてまいりました。県は、国の改定に準じ最低制限価格を70から90%に引き上げ、さらに実質90%の引き上げについても実施を明らかにしており、評価するものであります。
 県においては、全国一律の算定方式ではなく県独自の方式を採用し、県内建設業の経営安定に向け最大限の取り組みを願うものであります。
 そこでお尋ね申し上げます。
 ア、県内の公共事業はピーク時に比べ大幅な落ち込みで、企業の倒産・負債増についても建設業が最も多い状況に対する県の対策をお伺いいたします。
 イ、県は、最低制限価格を90%に引き上げるとしているが、県発注全事業で実質90%引き上げ時期を伺いたい。
 ウ、経済危機対策を有効に活用するため、入札期間の短縮などを含め、公共事業の大幅な前倒し執行が必要と考えるが、県の対応を伺いたい。
 (2)、国等発注公共工事について。
 国土交通省の調査によりますと、同省が2007年度発注した国直轄公共事業約2兆円のうち、地方の地元企業が発注できたのは51%、1兆円余りにとどまっているようであります。本県においては、県内の国直轄事業498億円のうち、県内企業の受注額は54.2%、270億円にとどまっており、この数字は、国の中小建設業者の受注機会が確保されるよう可能な限り分離発注を行うとの通達の趣旨からも問題であると考えます。
 我が会派は、従来から国の公共事業の受注機会の拡大や入札参加要件の緩和などを求めており、沖縄総合事務局や沖縄防衛局も昨年末から一般競争入札の参加資格条件を緩和するなど一定の前進はありましたが、決定的な地元企業の受注向上にはつながっていないのが現状であります。
 本県における建設業は、国直轄事業を初めとする公共事業に依存する割合が高く、近年の公共事業の減少傾向は、県内建設業にとって深刻であります。
 そこでお尋ね申し上げます。
 ア、国直轄事業の地元受注の過去3年間の割合と県の地元企業受注拡大に向けた取り組みについてお伺いいたします。
 イ、沖縄総合事務局と沖縄防衛局において、県内企業の入札参加要件が緩和され参加できる業者は増加したが、実際に入札に参加した業者は少ないようだが、その理由はなぜなのか御説明お願い申し上げます。
 ウ、米軍発注の建設工事について、県内建設業の優先受注や建設資材などの県産品使用を米軍に要請すべきと考えるが、県のこれまでの要請行動と実現に向けての課題や問題点をお伺いいたします。
 エ、国直轄公共事業に要する費用を地元自治体が一部負担する直轄事業負担金制度について、全国知事会としての対応と県の方針を伺いたい。
 4、観光振興について。
 昨年からの世界的同時不況に伴い、景気の悪化は国内旅行需要の冷え込みにつながり、その影響により本県観光は、観光客の大幅減少という厳しい状況に陥ったのであります。しかも、その改善が見られない中、ことしに入りメキシコで発生した新型インフルエンザの世界的な広がりや国内での感染者の拡大により、本県への修学旅行の取りやめが相次ぎました。観光は、本県産業の牽引役であるだけではなく経済の柱であり、観光の低迷が長期化すれば本県経済や雇用環境に与える影響は甚大であります。
 近年の本県観光が好調に推移している要因は、リピーターの大幅な増加がありますが、特に本県が修学旅行のメッカとして定着したことが大きく、このような修学旅行のキャンセルや中止は、本県観光にとって深刻な影響を及ぼしかねません。幸い、新型インフルエンザの影響もおさまり、修学旅行や観光客も回復傾向の兆しが見えてきたことは明るい材料であります。
 県においては、関係機関との連携や協力を緊密にし、安心して沖縄観光ができるような十分な体制づくりと県内外への観光発信を願うものであります。
 そこでお伺いいたします。
 ア、秋ごろから新型インフルエンザの再発が懸念されているが、今後の修学旅行など観光客秋季対策をどう構築していくかお伺いいたします。
 イ、本県観光がこれまで好調に推移してきたのは、リピーターや修学旅行、企業の報奨旅行などの増加があるが、今回の落ち込みを防ぐための県の対策はどのようになされたかお伺いいたします。
 ウ、本県観光の持続発展を図る上で、県が計画する新たな観光資源やメニューの開発についてお伺いいたします。
 エ、政府が展開している2010年までに訪日外国人旅行者1000万人を目標とするビジット・ジャパン・キャンペーンを本県の海外観光客誘致にどのように生かしていくのか御説明をお願いいたします。
 オ、中国や韓国などからの誘客を図る上での課題と航空路線の増開設、運賃の低減など対策の取り組み状況についてお伺いいたします。
 カ、本県へ海外からの観光客の誘致を図るには、観光・リゾート地沖縄の知名度アップが必要であります。フランス・ミシュランの観光地を格付して紹介するミシュラン・グリーンガイドの活用を考えるべきと思いますが、御見解をお伺いします。
 キ、本県における国際クルーズ船寄港の推移と受け入れ体制の取り組み状況、今後の計画についてお伺いいたします。
 5、離島・過疎地域の振興について。
 本県は、本土から遠く離れた島嶼県であり、さらに広大な海域に多くの離島が点在していることから、地域の活性化を図る上で多くの制約を抱えております。特に本県の離島は、四方を海に囲まれている上、個々の島の面積の狭小性、あるいは台風襲来の多さなど、生活環境においても厳しい状況に置かれております。このため、3次にわたる沖縄振興開発計画や沖縄県離島振興計画により、各種社会資本の整備が行われ、離島経済は着実に発展してきておりますが、若者の島外への流出に歯どめがきかず、それに伴い人口の高齢化が進むなどの構造的問題など、いまだ多くの問題点や課題が山積しているのが現状であります。一方で、本県の離島は、亜熱帯・海洋性気候で年間を通して温暖であり、サンゴ礁に囲まれた美しい海岸線を有しているほか、貴重な自然や動植物が生息し、独特の歴史・文化が受け継がれております。
 このため、今後の離島振興は、これまでの離島に対する画一的な施策の展開から、それぞれの離島の地域特性を生かし島の魅力を引き出す施策への転換が必要であると考えます。
 そこでお伺いいたします。
 (1)、離島における若者の定住促進や交流人口の増加対策はどうなっているのか。
 (2)、南北大東島の地上デジタル放送開始に向けた予算措置を含め、取り組み状況と放送開始時期、そして維持管理費、運営費はどのようになっているのか御説明お願い申し上げます。
 (3)、台風被害対策として、宮古・八重山地域への電線地中化について、取り組みの進捗状況についてお伺いいたします。
 (4)、平成22年で切れる過疎地域自立促進特別措置法への対応と過疎市町村との連携についてお伺いいたします。
 6、県内産業の振興について。
 沖縄県産業振興公社が発表した2009年1月から3月期の中小企業景況調査によりますと、県内中小企業の景況感は過去最悪の状態にあり、特に、景気の後退で製造業や小売業が大幅に悪化しているようであります。
 このような未曾有の経済危機、景気の停滞が県民生活に深刻な影響を与えていることから、県においては、「沖縄県緊急総合経済対策」を打ち出し、中小企業に対する金融支援、資金繰り対策など、経済活動の安心・安定を図るための施策を展開して進めております。このような施策の効果もあり、県経済は明るい兆しが見え出してきておりますが、本県においては、中小企業が99%余りを占めるなど、ほとんどが中小零細企業であることから、産業の振興や経済の回復を図るには中小企業に対する一層の支援策が必要不可欠であります。このため、現下の景気悪化に伴う対策も重要ではありますが、本県中小企業が抱える構造的問題や課題の解決も同時に進めることが必要であり、県や国による思い切った支援策が必要であります。
 そこでお伺いいたします。
 ア、中小企業の資金繰りで金融機関による貸し渋りや貸しはがしなどが問題となっているが、本県の状況はどうか。
 イ、県は、経済対策として中小企業に対する金融支援や雇用対策を実施しているが、その経済効果と雇用の創出をどのように見込んでいるのかお伺いいたします。
 ウ、IT津梁パーク中核機能支援施設の整備状況と入居企業誘致に向けた取り組みの進展状況はどうなっているのかお伺いいたします。
 7、福祉関係について。
 発達障害及び発達障害が疑われるいわゆる「気になる」子供の早期発見・早期支援について、その子供たちの保護者から県や県議会に対し強い要望が出されております。
 我が会派は、発達障害者の心理的機能の適正な発達及び円滑な社会生活の促進を図るため、発達障害の早期発見と早期の支援を行うことが特に重要であり、国を初め県や市町村の役割の認識と学校教育における発達障害教育の拡充が必要であると考えております。
 発達障害の子供を持つ保護者は、「気になる」子供の早期発見・早期支援体制の整備は、本県においてはおくれていることに危機感を持っており、また、早期発見・早期支援が行われなかった子供たちが二次障害・三次障害を引き起こすおそれがあることに苦悩しております。そのため、「気なる」段階からの早期発見の責務を県・市町村が協力して果たしてほしいと訴えております。
 発達障害にかかわらず、障害を持つ子供や家族の願いは、どの市町村においてもいつでも適切な支援や対応が行われるような環境づくりであります。
 障害者支援には行政のかかわりが不可欠であります。県の指導力のもと、市町村が実施主体となり、障害を持つ子供や家族が安心して暮らせるような支援体制の構築を強く望むものであります。
 そこでお伺いいたします。
 ア、障害児教育・特別支援教育に特化した専門職の採用について、今年度の状況と今後の計画についてお伺いいたします。
 イ、「こころの診療科」の適切な運営を図る上で、県立病院が抱える課題と関係機関などとの連携・協力体制の構築をどのように図っていくのかお伺いいたします。
 ウ、発達障害児(者)に対する支援の一環として、発達障害児と保護者や家族同士が交流できる活動拠点の整備などが必要であるが、県の計画をお伺いいたします。
 エ、県教育庁は、身体障害者または知的障害者に関し、法令に規定する雇用率2%を達成していないとして、厚生労働大臣から勧告を受けているが、勧告を受けるに至った理由と教職、一般職別の達成状況、今後の計画についてお伺いいたします。
 オ、身体障害者福祉法の規定に基づき、県や市町村の公共施設内に身体障害者から、新聞、書籍、たばこ、事務用品などの物品販売の売店設置申請に対する対応方針と現在の設置状況についてお伺いいたします。
 8、教育・文化の振興について。
 (1)、指導カルテ問題についてお伺いいたします。
 「子ども理解のための指導・支援カルテ」について、今、県内の学校関係者や保護者の間に思わぬ波紋を投げかけております。事の発端は、西原町において、指導カルテ記載事項の開示要求について、指導カルテの作成が同町の個人情報保護条例の手続に反すると判断されたことであります。以後、この問題は県内の小・中・高校に波紋が広がり、多くの市町村で見直しに向け検討する方針が示されております。
 指導カルテは、2003年7月、北谷町で起きた少年の集団暴行死亡事件を契機に、児童生徒への理解を深め、教育機関や地域社会が相互に連携して生徒指導に取り組むとして、県教育委員会が市町村教育委員会に指導を要する児童生徒のカルテ作成を依頼したことが端緒であります。当初はそれなりに理由はあったと思いますが、その後、教育環境、個人情報保護条例の制定など社会情勢も大きく変化しており、時代に合った対応が求められると考えます。
 県教育委員会も改善に向けた取り組みを進めているようでありますが、何よりも児童生徒の人権・人格に配慮することは無論、学校現場でのチェック機能の確立を忘れてはならないと考えます。
 そこでお伺いいたします。
 ア、「子ども理解のための指導・支援カルテ」導入の目的と教育上の効果、個人情報保護条例との関連についてお伺いいたします。
 イ、今回の指導カルテ問題は、カルテの存在自体が問われているのか、運用のあり方が問題になっているのか、お伺いいたします。
 ウ、指導カルテの今後のあり方について、県教育委員会の基本的な考え方を御説明お願い申し上げます。
 (2)、文化振興計画について。
 本県は、古くから中国や東南アジア諸国などとの交易を通じて多くの文化を吸収し、独自の文化を形成してまいりました。その中でも、染物や織物、陶器や漆器などは伝統美術工芸品として、国内外から高く評価され、多くの愛好者から支持を受けております。また、琉球舞踊や沖縄芝居は、沖縄の歴史的、気候的特性を生かした本県独自の伝統芸能であり、格調高くすぐれた芸術性は世界に誇れるものであります。
 県においては、沖縄文化振興計画に基づき、個々の施策を展開し伝統文化の振興に努めておりますが、県と国・市町村など行政と民間との役割分担、育てる分野と自立の分野の明確な線引きなど課題も多く見られます。
 文化の振興を図るには、県民がいつでも、どこでも鑑賞できる機会を提供し、さらに沖縄独自の伝統文化の保存・継承を図り、多くの県民が文化創造活動が行える基盤整備とこれらの文化活動が産業につながるような仕組みづくりが最も重要であると考えます。
 そこでお伺いいたします。
 ア、本県の伝統文化を国内外に発信するため、県立芸術大学はどのような役割を果たしているのか。具体的な事例を例示し説明願いたい。
 イ、県立郷土劇揚の閉鎖に伴い、舞踊や沖縄芝居など関係者からは、沖縄独特の文化・伝統芸能を発信する県立の拠点劇場の建設を望む声が多いが、県の考え方をお伺いいたします。
 ウ、那覇市壺屋の国指定重要文化財「東ヌ窯」の崩壊について、崩壊に至った経緯と国・県、そして那覇市の三者による保存・修理計画、さらに今後の管理体制についてお伺いいたします。
 最後に9番、カジノ・エンターテインメントについてお伺いいたします。
 去る3月12日、県のカジノ・エンターテイメント検討委員会は、本県におけるカジノ・エンターテインメントのあり方として、「沖縄統合リゾートモデル」調査結果をまとめたということであります。
 施設の開業時期は2015年と設定し、その内容は、ホテルやカジノ、コンベンション施設、ビーチ、リゾートウエディング施設などを併設するもので、敷地面積は60ヘクタールに及ぶ大規模なものとなっております。さらに、施設の導入による直接雇用や観光客の増加などによる経済波及効果ははかり知れないと推定しております。
 しかしながら、カジノ・エンターテインメント導入によるメリットとデメリットの両面を示していないとの指摘もあり、県は、検討委員会の検討結果を踏まえ、県の考え方などについて、県民に対する説明会等を県内各地で開くなど慎重な対応が必要であると考えます。
 そこでお伺いいたします。
 (1)、県におけるこれまでの検討委員会の検討内容と、今後検討結果をどのように生かしていくのかお伺いいたします。
 (2)、検討委員会の「沖縄統合リゾートモデル」の概要と経済効果の試算の内容について示してもらいたいと思います。
 (3)、カジノ・エンターテインメント導入に伴うギャンブル依存症や治安悪化による犯罪対策などに対する先進諸国の現状についてお伺いいたします。
 最後に、本県を訪れる観光客は、青い海、青い空、伝統文化などに魅力を感じているが、カジノ・エンターテインメント導入により本県観光に対するイメージへの影響などの懸念に対する県の考え方をお伺いいたします。
 以上、答弁によりまして再質問を行いたいと思いますが、新しい部長の皆様方の誠心誠意ある答弁をよろしくお願いいたします。
 以上です。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 佐喜真議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、普天間飛行場移設に係る御質問の中で、1の(1)のイと1の(1)のウ、すなわち県外移設について早期返還、危険性の除去を図る観点からの見解及びその実現可能性についてという御趣旨の御質問、2つ関連しておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
 市街地の中心部にあります普天間飛行場は、住民生活に深刻な影響を与えており、早期に危険性を除去し、騒音の軽減を図るなど、周辺住民の不安を解消することが緊急の課題であると考えております。
 普天間飛行場移設問題につきましては、県外移設がベストだとは思いますが、米軍再編協議の経緯などから一日も早い危険性の除去のためには、県内移設もやむを得ないものと考えております。
 次に、同じく普天間飛行場移設に係る御質問の中で、準備書での沖合移動への対応状況いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 事業者であります沖縄防衛局は、調査結果の概要や環境影響評価の結果、環境保全措置の内容等を記載しました準備書を作成し、平成21年4月1日に県へ送付いたしております。
 事業者は、方法書に対する知事意見を勘案して事業実施に伴う周辺環境への影響の変化及びその傾向を把握するため、事業計画案と異なる位置における6案を設定をし、調査の結果をもとに比較・検討を行った結果、施工性等の実行可能性を含め、総合的に勘案して事業計画案により準備書を作成しております。
 県としましては、事業計画案に係る環境影響評価の結果が示された準備書について、名護市長及び宜野座村長の意見を勘案し、住民等意見に配意するとともに、環境影響評価審査会からの答申を踏まえ、環境の保全の見地から意見を述べてまいりたいと考えております。
 次に、土木建築関係の御質問の中で、最低制限価格の引き上げ時期についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 最低制限価格の見直しにつきましては、国から平成21年5月15日に地域の実情に応じた最低制限価格の引き上げを適切に実施するよう要請がありました。
 沖縄県としましては、地域の基幹産業であります建設産業が非常に厳しい経営環境にあることから、緊急的経済対策の一環といたしまして、当分の間、最低制限価格を実質的に90%程度になるよう運用することといたしました。
 最低制限価格の引き上げの時期につきましては、6月22日の指名通知及び入札公告をいたしました工事から適用をしているところでございます。
 次に、離島・過疎に係る御質問の中で、南北大東島の地上デジタル放送に関する御質問にお答えいたします。
 県では、南北大東地区の地上デジタル放送につきまして、今回の経済危機対策等を活用し、平成21及び22年度事業として実施することといたしております。
 本年度は、海洋調査・設計、機器製作などを実施し、この結果を踏まえ、平成22年度は海底光ケーブル敷設等を実施し、デジタル放送に移行する平成23年7月には、現行の維持管理費、そして運営費約9000万円の範囲内でデジタルの県域放送が開始できるよう取り組んでいきたいと考えております。
 次に、同じく離島・過疎地域に係る御質問の中で、宮古・八重山地域の電線地中化の取り組みに関する御質問にお答えいたします。
 宮古・八重山地域におきましては、近年、大型台風の直撃により電柱の倒壊があり、緊急輸送道路の確保や電力の安定供給の観点から電線類地中化が強く求められております。これまで宮古地域では平良城辺線など3路線で約7.5キロメートル、八重山地域では国道390号など3路線で約2.8キロメートル、合計で約10.3キロメートルを実施いたしております。
 今回の緊急経済対策補正予算案におきましても12億円を計上し、約2.4キロメートルを整備する予定でございます。また、平成21年度からスタートいたします新たな無電柱化計画におきましても、宮古・八重山地域の電線類地中化を推進していきたいと考えているところでございます。
 同じく離島・過疎地域に係る御質問の中で、過疎法への対応と市町村との連携についての御質問にお答えさせていただきます。
 沖縄県の過疎地域におきましては、過疎地域自立促進特別措置法などに基づく各種事業の実施によりまして、道路やごみ処理施設などの生活基盤の整備につきまして一定の成果を上げてまいりました。
 しかしながら、沖縄県の過疎地域は、学校・教育施設の整備のおくれ、医師不足など、今後とも解決すべき多くの課題が残されております。このため、引き続き新たな法律に基づく国の支援が不可欠であります。県としましては新たな法制定に向けた取り組みを過疎地域市町村と連携を図りながら進めてまいります。
 昨年11月18日とことしの5月12日には、沖縄県過疎地域振興協議会と共同で新たな法律の制定につきまして総務省や内閣府に対し要請を行ったところであり、今後も引き続き過疎地域市町村と連携をして取り組んでまいる所存でございます。
 次に、県内産業の振興に係る御質問の中で、IT津梁パークの整備状況と企業誘致の進捗状況に係る御質問にお答えいたします。
 沖縄IT津梁パーク中核機能支援施設の整備状況につきましては、A棟2階建て、2800平方メートルが平成21年6月より供用を開始いたしております。B棟6階建て、5200平方メートルも今年度上半期には発注をし、平成22年8月ごろに完成の予定でございます。
 A棟につきましては、平成21年4月に入居企業の公募を行い、ソフトウエア開発の共同受注・開発を行う企業など4社の入居が決定し、公募したすべてのオフィススペースが活用されております。B棟につきましては、ことし9月ごろをめどに入居企業の公募を開始する予定であります。
 A棟及びB棟を合わせますと、中核機能支援施設で約500人の雇用が見込まれているところでございます。
 次に、カジノ・エンターテインメントに係る御質問の中で、検討委員会の検討結果と今後の生かし方についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 検討委員会におきましては、これまで海外事例の研究、自民党基本方針の提示、沖縄型カジノ・エンターテインメントモデル及びコンセプトの作成、経済効果の試算及び懸念事項などにつきまして調査検討を行ってまいりました。
 この調査検討結果につきましては、今年度県内各地区における地域報告会や県広報媒体などを通じまして広く県民に提供をし議論を促してまいりたいと考えております。また、法律の制定に向けましては、引き続き国等関係機関へ働きかけてまいりたいと考えているところでございます。
 同じくカジノ・エンターテインメントに係る御質問の中で、沖縄観光のイメージとの兼ね合いはどうかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 平成20年度の検討委員会で議論していただきました「沖縄統合リゾートモデル」のコンセプトには、第1に、沖縄の海を生かした「遊び」や「癒し」を提供する海洋性リゾートの形成、第2に、国際交流の場として多様なエンターテインメントなどを導入するビジネスからファミリーまでを顧客層とする複合型リゾートの形成、第3に、沖縄の気候、風土に根差し、自然環境や社会文化に調和したリゾート空間の形成の3つを挙げてございます。
 このようなコンセプトに基づき、「沖縄統合リゾートモデル」は、コンベンション、シアター、そしてアミューズメントなどのさまざまな機能を兼ね備えた複合型リゾートを考えております。国際観光地としての地位の確立に貢献するものと認識をいたしているところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(上原良幸) このたび知事公室長を拝命いたしました。
 基地問題を初め危機管理への対応など、課題は山積しておりますけれども、全力で取り組んでまいります。引き続き議員各位の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
 それでは、佐喜真議員の御質問で、普天間飛行場移設建設についての御質問で、グアム移転の具体的な調整状況についてお答えいたします。
 「再編実施のための日米のロードマップ」における2014年までの在沖米海兵隊のグアム移転完了を実現するため、防衛省においては、在沖米海兵隊のグアム関連経費として、平成21年度予算に総額約353億円を計上しております。
 また、移転の開始時期についてはまだ政府から明らかにされておりませんが、平成20年4月に示された米国国防総省の「グアム統合軍事マスタープラン素案の概要」によりますと、2010年初頭に環境影響評価決定書が署名され、その後、在沖海兵隊のグアム移転を含めたグアムの基地全体において今後必要となる施設やインフラの詳細な計画が確定する予定とのことであります。
 同じく普天間飛行場移設建設についての御質問で、県が求める沖合移動に合致するケースについてお答えいたします。
 県としては、日米両政府が合意した案を基本にしながらも、地元の意向や環境に十分配慮する観点から、可能な限り沖合などへ寄せてほしいということを政府に求めているところです。
 今後、環境影響評価手続が進められていく中で、専門家で構成される環境影響評価審査会等の意見を踏まえ、生活環境や自然環境に十分配慮する観点から知事意見を述べることになっており、代替施設の具体的な位置については、普天間飛行場移設措置協議会において協議されるものと考えております。
 次に、不発弾処理問題についての御質問で、不発弾爆発事故被害救済制度についてお答えいたします。
 今般制定されました不発弾爆発事故に関する被害救済の仕組みの内容としましては、1、被害者に対し、死亡時最高1000万円、負傷時最高750万円の見舞金、2に、福祉施設等の公共施設及び民間施設等で被害を受けた家財等生活支援金、3番目に、被害住宅の復旧支援金であります。
 その補償の基準といたしましては、自然災害による災害復旧制度・弔慰金制度を基本としつつ、沖縄県の特殊事情や見舞金の支給を行った唯一の事例であります昭和49年の那覇市小禄での事故の際の見舞金の金額が参考となっております。
 同じく不発弾処理問題に関しまして、不発弾処理・被害補償制度の確立についてお答えいたします。
 不発弾処理・被害補償制度について、平成21年1月、知事は麻生総理大臣や関係大臣に対して要請を行い、3月に国の支援を受けて「沖縄県不発弾等対策安全基金」を創設したところであります。
 その後、被害者への見舞金支給額や施設等への支援金の対象範囲について、国・県・糸満市の三者間で協議し決定したところであります。
 糸満市では、被害者への見舞金については平成21年5月に支給、施設等への支援金については6月に支給の予定としております。
 県としましては、今回の国の速やかな対応により、新たに不発弾爆発事故に関する被害救済の仕組みが創設され、被害者への見舞金や施設等への支援金の対象範囲について適切に措置されたことに対し高く評価したいと考えております。
 なお、今後とも不発弾等処理及び磁気探査の全額国庫負担等については、引き続き市町村等と連携を図りながら国に要請してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○文化環境部長(知念建次) 普天間飛行場移設建設についての御質問で、準備書についての県の対応についてお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価の手続は、平成21年4月1日に環境影響評価準備書が県へ送付され、公告・縦覧、説明会の開催、住民等の意見聴取といった手続を経て、去る6月15日に住民等の意見概要及び事業者見解が県へ送付されてきたことから、県は、本年10月13日までに準備書について知事意見を述べることになります。
 知事意見を述べるに当たっては、名護市長及び宜野座村長の意見を勘案し、住民等意見に配意するとともに、環境影響評価審査会からの答申を踏まえ、環境の保全の見地から意見を述べてまいりたいと考えております。
 次に、航空機騒音と海砂の採取による影響についてお答えいたします。
 事業者である沖縄防衛局は、住宅地上空の飛行を回避するため、滑走路をV字型にして海上に設定した飛行経路で、航空機騒音による影響について予測・評価しております。
 埋立土砂については、事業者は1700万立方メートルを購入するとしており、その際、土砂の採取による環境への影響に配慮されていることを確認するなど、埋立土砂の調達に伴う環境への著しい影響がないよう慎重に判断していくとしております。
 なお、辺野古ダム周辺の土砂発生区域において事業者みずからが行う土砂採取については、関連工事として環境影響評価が実施されております。
 次に、教育・文化の振興についての関連で、伝統文化の国内外発信への芸大の役割についてお答えいたします。
 県立芸術大学は、沖縄の豊かな伝統文化を継承し発展させるため、舞踊と組踊を専門的に学び、あわせて国内外の他の芸能との比較研究、太平洋文化圏との交流事業などを行っております。
 県立芸術大学は、本県の芸術文化の振興に大きく寄与しており、その果たす役割は極めて重要であると考えております。
 次に、同じく教育・文化の振興についての御質問で、県立の拠点劇場の建設についてお答えいたします。
沖縄の文化・伝統芸能の振興を図る上で劇場の重要性は認識しており、その整備は将来的な検討課題としてとらえております。
 県としましては、国立劇場おきなわと連携をして伝統芸能活動の支援等を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) おはようございます。
 去る4月1日に土木建築部長を拝命いたしました仲田文昭でございます。
 道路、港湾、河川、住宅等の社会資本の整備に取り組んでまいりたいと考えております。また、安全・安心な県土づくりと県民福祉の向上に努めてまいりたいとも考えておりますので、議員皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。
 それでは、土木建築関係について、建設業の倒産、負債増に対する県の対応についてお答えいたします。
 沖縄県においては、建設業資金調達の円滑化を図るため、既存の「下請セーフティネット債務保証事業」とあわせて、平成20年12月に「地域建設業経営強化融資制度」が活用できるよう関係要領を整備したところであります。
 本制度は、建設業者が有する公共事業請負代金債権を流動化し、未完成部分を含めた工事出来高を超えた部分に対しても融資が受けられるようにする制度であります。本年3月末までの本制度利用状況は7件で、約2億5000万円となっております。
 また、その他の対策としましては、最低制限価格の見直し、入札手続の改善、工事前払い金・中間払い金の迅速な支払い、公共事業の大幅な前倒し発注、「ちゅらしま建設業相談窓口」の設置等を行い、建設業の経営安定に資することとしております。
 次に、同じく土木建築関係についての、公共事業の大幅な前倒し執行についての御質問にお答えいたします。
 平成21年度の公共事業予算については、県内景気の後退を下支えするため、上半期の執行目標率を前年度より5.5ポイント高い80%とし、公共事業の大幅な前倒し執行に取り組んでいきたいと考えております。
 公共工事の発注に当たっては、平成21年度から特別簡易型総合評価方式の導入と土木事務所等の予算執行の権限を5000万円から1億5000万円に引き上げたことにより入札手続期間の短縮化が図られております。
 今後とも入札手続期間の短縮化や執行体制の強化に努め、上半期の目標達成に向けて鋭意取り組んでまいります。
 同じく土木建築関係につきまして、国直轄事業における地元企業の受注状況と県の取り組みについてお答えいたします。
 国直轄事業の地元企業への過去3年間の発注実績の割合は、沖縄総合事務局では、平成18年度は金額で48.8%、件数で81.0%、平成19年度は金額で54.6%、件数で80.1%、平成20年度は金額で48.6%、件数で80.9%となっております。また、沖縄防衛局では、平成18年度は金額で62.9%、件数で90.5%、平成19年度は金額で45.0%、件数で75.4%、平成20年度は金額で69.2%、件数で83.8%となっております。
 県の地元企業の受注拡大の取り組みにつきましては、昨年度は知事、副知事が国の関係機関等へ要請を行っており、今年度も引き続き分離・分割発注による地元企業への受注機会の拡大や県産資材の優先使用について要請を行っていきたいと考えております。
 次に、国への入札参加業者が少ない理由についてにお答えいたします。
 昨年度、知事が沖縄総合事務局と沖縄防衛局に対し県内建設業への優先発注等の要請を行ったところ、入札要件を緩和する等の措置が図られてきております。
 入札に参加した企業が少なかったことについて沖縄総合事務局に照会したところ、WTO案件で入札手続がふなれなこと、専任技術者等の確保ができなかったこと等の理由を挙げております。
 続きまして、米軍発注工事の課題と問題点についてにお答えいたします。
 米軍に対しては、ことしの2月13日に米軍が発注する建設工事の分離・分割発注による県内建設業者の受注拡大や建設資材等県産品の優先使用について要請を行ったところであります。
 米軍発注工事への県内企業の入札参加に当たっては、入札参加申請書類等がすべて英文のため翻訳の必要があることや、10万ドル以上の請負契約に100%の履行ボンドが義務づけられていること等の課題があると聞いております。
 続きまして、直轄事業負担金制度に係る県の方針についての御質問にお答えいたします。
 全国知事会は、直轄事業負担金について、負担金の算定基準や内訳明細の速やかな情報開示、現行制度の早急な改善、維持管理負担金の早急な廃止、国と地方の役割分担を明確化した上で、最終的には地方負担金の廃止を国に求めております。
 沖縄県としましても、全国知事会と連携して今後さらなる情報開示等を国に求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 皆様、こんにちは。
 観光商工部長の勝目といいます。
 我が部は、観光の振興を初めあらゆる産業の振興、それから労働雇用問題等課題が山積しておりますが、何とか頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。
 では、御質問にお答えしたいと思います。
 観光振興について、観光客秋季対策についてお答えします。
 沖縄県では、新型インフルエンザ対策として観光関連団体からの情報収集に努め、県のホームページで迅速な情報の提供等を行います。
 修学旅行については、県外での修学旅行説明会などで本県の危機管理の取り組み等を発信してまいります。
 また、団体旅行の誘致対策として、秋以降、新規に団体旅行を行う主催者に対し経費の一部を助成することとしております。
 次に、同じく観光振興の、観光客数の落ち込みを防ぐための県の対策についてお答えします。
 沖縄県では、昨今の不況に伴う観光客の減少を防ぐ対策として、沖縄観光特別対策事業を実施しております。
 主な内容としては、観光情報サイト「真南風プラス」を活用したキャンペーンや、首都圏を中心とする観光PRイベントの実施、新聞・ラジオ・テレビなどメディアを活用したPRを実施するとともに、新規団体旅行客への支援制度を発足させたところであります。
 また、海外においては、特に中国からの誘客を図るため、富裕層向け会員制クラブを活用した観光セミナーを実施したところであります。
 今後も引き続き航空会社、旅行社、市町村などと連携して、観光客の増加に向けた効果的な誘客プロモーションを実施してまいりたいと考えております。
 次に、同じく新たな観光資源やメニューの開発についてという御質問にお答えします。
 沖縄県では、観光客の滞在日数や観光消費額の増加を図るため、新たな観光資源や質の高い体験滞在型観光メニューの開発に取り組んでおります。
 平成21年度におきましてはエイサーやハーリー、沖縄音楽など地域の文化イベントを新たな観光資源として拡充していくため市町村などに助成するほか、旅行商品化やプロモーション活動を支援してまいります。また、ロケ地ガイドマップの作成配布や沖縄観光情報サイト「真南風プラス」による情報発信により、県内で撮影された映画やドラマなどのロケ地をめぐる「フィルムツーリズム」を推進してまいります。
 これらの取り組み強化により、新たな客層の誘致やシニア層を中心とするリピーターの長期滞在及び体験型観光を促進するなど、沖縄観光の持続的な発展を図ってまいりたいと考えております。
 同じく「ビジット・ジャパン・キャンペーン」をどのように生かしていくかということの御質問についてお答えします。
沖縄県では、外国人観光客の誘客を促進するため、国と連携して「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を推進しています。
 具体的には、中国や韓国など東アジア及び欧米諸国における国際旅行博への出展や海外メディア及び旅行社の招聘を行っております。
 今後とも、「ビジット・ジャパン・キャンペーン」との連携を図りながら、外国人観光客の誘客につなげていきたいと考えております。
 同じく中国や韓国などからの誘客を図る上での課題についてという御質問にお答えします。
 外国人観光客誘致の課題としては、海外における知名度の向上、魅力ある旅行商品の開発、航空路線の拡充、クルーズ船の誘致などが挙げられます。このため、メディアを活用した広報宣伝やウエブサイト「真南風プラス」による多言語での情報発信、商品造成を目的とした海外旅行社の招聘、航空チャーター便やクルーズ船の誘致促進などに取り組んでまいります。
 次に、ミシュラン・グリーンガイドの活用についての御質問にお答えします。
 日本に関する旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」フランス語版がことし3月に発行され、沖縄県からは石垣市の川平湾が三つ星に評価されております。また、二つ星には沖縄美ら海水族館ほか8カ所、一つ星には首里城ほか18カ所が選ばれています。
 これらの世界に誇れる観光資源については、海外での旅行博やホームページでの情報発信等を積極的に行い、外国人観光客の誘致などに活用してまいりたいと思っております。
 次に、国際クルーズ船寄港の推移、受け入れ体制の取り組み状況、今後の計画等についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県における国際クルーズ船の寄港回数は、平成17年89回、平成18年19回、平成19年61回となっております。
 受け入れ体制の取り組みとしては、旅客船バースを整備するとともに、港での歓迎式典や船内イベントを実施しています。また、出入国手続の簡素化及び迅速化等について、国関係機関への協力要請を行っております。
 今後は、大型船を有する欧米諸国のクルーズ会社に対しトップセールスを行うほか、商談会などへの参加を通じて誘致活動を展開してまいります。
 県内産業の振興についてという御質問の中で、貸し渋り、貸しはがしの状況についてという御質問についてお答えいたします。
 県内商工団体等の相談窓口等において貸し渋りなどの苦情相談も見受けられますが、沖縄県が貸し渋り、貸しはがしの実態を直接把握することは、金融機関の監督官庁が金融庁となっていることや金融機関と個々の企業との個別取引関係への介入になることから困難であります。
 貸し渋り、貸しはがし対策については、金融庁において、金融機関に対し「中小・零細企業に対する金融の円滑化の要請」や「金融円滑化のための集中検査」などを実施しており、沖縄県としても資金繰りの円滑化について県内金融機関に対し要請を行ったところであります。
 次に、経済対策について、金融支援の効果及び雇用創出についてとの御質問にお答えします。
 中小企業に対する金融支援については、県単融資制度「原油・原材料高騰対策支援資金」の平成20年度融資実績が件数で116件、融資額で約29億2200万円、「中小企業セーフティネット資金」が113件、約12億7300万円となっております。また、県信用保証協会の緊急保証制度については、制度がスタートした平成20年10月から平成21年3月末までの保証承諾件数は3140件、金額は663億3300万円となっております。
 その効果については、個々の企業ごとに資金使途等融資を受ける事情が異なることから、全体としての経済効果を定量的に把握することは困難でありますが、倒産企業が低水準で推移していること、また商工団体等から県融資制度による緊急支援により資金繰りがよくなったとの評価もあり、経済効果は大きなものがあると考えております。
 雇用対策については、今回の経済対策で緊急雇用創出事業臨時特例基金への40億円の積み増しなどによる基金事業の拡充で、新たに延べ3500名の雇用創出を見込んでおり、昨年度の経済対策分と合わせて21年度からの3年間で合計約7000名の雇用創出を見込んでおります。
 次に、カジノ・エンターテインメントについて、「沖縄統合リゾートモデル」の概要及び経済効果の試算についてという御質問にお答えします。
 「沖縄統合リゾートモデル」は、敷地面積約60ヘクタール、そこに5000室のホテル、1万7000人収容のイベントアリーナのほか、シアターやショッピングモール、マリン・ミュージアムなどで構成しており、その中でカジノ機能は、施設全体の延べ床面積の約3%程度となっております。
 統合リゾート全体の経済効果の試算においては、生産誘発効果が約8900億円、税収効果が約760億円余りとなっており、また、雇用効果については、統合リゾートにおける直接雇用が約1万3000人、雇用誘発効果が約7万7000人と試算しております。
 カジノ事業については、県と市町村が施行者である場合の収益が合わせて約270億円と試算しております。
 同じくカジノを導入している先進諸国の現状についてという御質問についてお答えします。
 アメリカ、カナダなどの先進諸国の事例によると、州政府などの公的機関による厳格な規制、監視及び管理下においてカジノが実施されれば、懸念事項と考えられている暴力団等組織悪の介入、青少年への影響、地域環境への影響などについては発生を抑制することが可能とされており、実際には大きな社会問題とはなっておりません。
 ギャンブル依存症については、プレーヤー人口の約1%から2%が陥るとの調査結果もあり、先進諸国においては、ATM設置数の縮減などの予防策やカジノからの収益を活用した依存症回復支援施設への支援などの対策がとられております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) おはようございます。
 去る4月1日に企画部長を拝命をいたしました川上でございます。
 沖縄振興のために一生懸命努める所存でありますので、議員各位の御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。
 それでは、答弁をさせていただきます。
 観光振興についての御質問の中の、国際航空路線の増開設、運賃低減等の取り組み状況についてお答えいたします。
 ことし7月、中国の北京、上海、広州3市における訪日個人観光ビザ創設により観光客の増加が期待されることから、県は、中国の航空会社に対し那覇―北京路線の開設や、広州市に近接する那覇―香港路線の増便を要請するとともに、国に対し着陸料等の軽減要請を知事が直接行うなど、外国人観光客の誘客に取り組んでいるところでございます。
 次に、離島・過疎地域の振興についての御質問の中の、離島における若者の定住促進や交流人口の増加対策についてお答えいたします。
 県は、離島振興を県政の重要課題と位置づけ、生活環境基盤の整備や医療サービスの向上などの諸施策を推進するとともに、地場産業の育成により魅力ある就業の場の確保を図るなど、若者の定住促進に努めているところであります。
 また、島々の歴史や特色など資源を生かしつつ、「体験滞在交流促進事業」や「自然・伝統文化を活かした交流促進事業」及び離島フェア等の地域間交流の促進を図る各種事業を推進することにより交流人口の増加を図り、離島地域の活性化に努めているところであります。
 県としては、引き続き離島地域の活性化を図るため、若者の定住促進や交流人口の増加のための諸施策を推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) おはようございます。
 教育長を拝命いたしました金武でございます。
 沖縄県の教育の充実・振興に全力で取り組んでまいりたいと思います。議員各位の御指導、そして御鞭撻をよろしくお願いいたします。
 それでは、福祉関係についての御質問で、特別支援教育等に特化した専門職の採用についてお答えをいたします。
 学校教育法においては、障害児教育・特別支援教育に特化した臨床心理士等の常勤専門職の設置に係る明確な規定はありませんが、特別支援学校において理学療法士等の外部専門家を活用した研修会を実施するなど、自立活動等の授業改善に取り組んでおります。
 また、各学校においては、医療、福祉、労働などの関連機関との連携を図る特別支援教育コーディネーターが指名されております。教育的支援の充実に取り組んでいるところでございます。
 県教育委員会としましては、今後とも特別な教育的支援を必要とする児童生徒一人一人のニーズに応じた特別支援教育の推進に努めてまいります。
 次に、障害者雇用についてお答えいたします。
 県教育委員会は、平成18年から平成20年を計画期間とする障害者採用計画が適正に実施されていないとして、厚生労働大臣から勧告を受けたところであります。
 県教育委員会における実雇用率は、平成20年6月1日現在で1.27%となっており、職種別では教育職員が1.18%、教育職員以外は2.01%で、職員構成の約9割を占める教員において雇用率が低い状況にあります。
 県教育委員会では、障害者雇用の改善に向けて、「沖縄県教育委員会障害者雇用推進委員会」を庁内に設置し、今後の取り組み方針を策定したところであります。
 具体的には、教員候補者選考試験における「特別選考試験」の実施、沖縄県職員採用選考試験における学校事務職員の障害者採用枠の拡大、教職課程を設置している県内大学との連携による障害者の教員免許状取得の促進などに加え、沖縄労働局と連携を密にし、障害者雇用の取り組みを一層強化してまいりたいと考えております。
 次に、教育・文化の振興についての御質問で、「子ども理解のための指導・支援カルテ」の導入等についてお答えいたします。
 「指導・支援カルテ」は、平成15年の北谷町での中学生傷害致死事件を教訓として、不登校児童生徒の実態把握と児童生徒理解を図る観点から作成を依頼したものであります。
 当カルテの作成活用によって児童生徒理解が深まり、個に応じたきめ細かな指導・支援がなされ、不登校やいじめ等の問題行動の未然防止や早期発見・早期対応に寄与してきたものと考えております。
 しかしながら、当カルテは児童生徒の個人情報を収集・作成することから、個人情報保護条例との整合性や保護者への周知と理解を得ることなどが課題になっているものと考えております。
 次に、「指導・支援カルテ」のあり方についてお答えをいたします。
 当カルテについて、今回、問題の発端となった西原町では、町長への届け出など個人情報保護条例に基づいた手続がなされていないという個人情報保護審査会の答申がありました。
 現在、多くの市町村で同様な手続上の問題が指摘されております。また、当カルテの作成や内容・活用等について、本人や保護者への説明や理解を得ることなどが十分でなかったことから、カルテのあり方についても問われているものと理解をしております。
 次に、「指導・支援カルテ」の今後のあり方についてお答えをいたします。
 「指導・支援カルテ」については、個人情報保護条例との整合性、保護者への周知方法等に課題があるとの指摘等を踏まえ、学校、家庭、地域を含む社会全体で児童生徒を育てるとの視点に立ち、もう一度原点に立ち戻り検討する必要があると考えております。
 県教育委員会としましては、外部有識者を交えた検討委員会を設置し、当カルテの意義や必要性、活用のあり方、条例との整合性等について総合的に検討していただき、その提言を受け対応してまいりたいと考えております。
 各市町村においては、それぞれの個人情報保護条例との整合性などについて慎重な判断や検討がなされているものと理解しておりますが、今後、市町村の求めに応じて県の検討委員会の提言を参考に適切に対応していきたいと考えております。
 次に、「東ヌ窯」の保存・修理等についてお答えいたします。
 新垣家住宅は、伝統的な壺屋陶工の住宅形式を知る上で貴重なものとして、平成14年に国の重要文化財に指定されました。当初から保存・修理の必要性が指摘されていましたが、修理にかかる負担額や所有者が多数いることなどから同意が得られない状況でありました。これまで所有者、那覇市、県が協議を続けていましたが、この3月の長雨と経年による腐食で倒壊しました。
 登り窯の解体格納調査事業は、9月から事業に着手できるよう文化庁及び那覇市と協議を進めております。全体の保存・修理については、母屋が老朽化で非常に危険な状況にあることからこれを先行し、作業場、離れ、登り窯、敷地内環境整備の順に行う計画で約5年間を見込んでおります。
 今後の管理については、文化庁の指導も仰ぎつつ所有者の意向を踏まえながら、那覇市及び県で調整をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
○病院事業局長(知念 清) 福祉関係についての御質問の中の「こころの診療科」の適切な運営についてにお答えします。
 南部医療センター・こども医療センターの「こころの診療科」については、担当医師の退職に伴い、去る4月から休診しております。
 現在、早期の診療再開に向けて、人的ネットワークやホームページ等を活用して後任の医師確保に努めているところであります。
 県立病院における「こころの診療科」の運営においては、保健・福祉行政や地域との幅広い連携の重要性が指摘されております。
 現在、福祉保健部が策定中の「沖縄県発達障害者支援体制整備計画」を踏まえ、県立病院としても適切に対応していく考えであります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) おはようございます。
 4月1日付で福祉保健部長を拝命いたしました奥村啓子でございます。
 微力ではございますが、本県の福祉・保健・医療の充実に向けて誠心誠意取り組んでまいりますので、御指導、御鞭撻よろしくお願いいたします。
 また、昨日の沖縄全戦没者追悼式におきましては、沖縄県議会議長を初め議員の皆様の御参列をいただき、深く感謝申し上げます。おかげをもちまして式典は滞りなく行われました。本当にありがとうございました。
 それでは、佐喜真議員の福祉関係についての、発達障害児や家族同士が交流できる活動拠点の整備についてお答えいたします。
 発達障害児の支援において、当事者及びその家族が社会的及び心理的に孤立しないように、身近な地域において支援体制を構築していくことは極めて重要であると考えております。特に、乳幼児健診後、就学前までの早期支援の必要性については関係者の認識が広がっており、市町村においては、その一環として親子教室や親子通園事業を実施しているところであります。
 県においては、これらの市町村事業も含め、総合的な支援体制を構築していく観点から、市町村及び当事者団体等からの意見聴取を踏まえ、おのおのの役割分担を明確にした「発達障害児(者)支援体制整備計画」県案を策定し、現在パブリックコメントを募集しているところであります。
 今後は、同計画に基づき、市町村や当事者等と連携し、支援体制を整備してまいります。
 続きまして、売店設置申請に対する対応方針と設置状況についてお答えいたします。
 身体障害者福祉法第22条には、公共的施設の管理者は、身体障害者から申請があれば売店を設置することを許すように努めなければならないと規定されております。この規定に基づき、県においては、平和祈念資料館内や八重山合同庁舎に売店等の設置を認めております。
 また、自動販売機については、県の庁舎等に予定も含め8台設置するとともに、県関係施設の施設管理者に対して障害者からの設置申請に対する対応について理解と協力を求めたところであります。
 市町村における身体障害者の売店設置状況は把握しておりませんが、市町村については、同法において売店設置の可能な場所等について身体障害者に知らせなければならないことから、適法に実施されているものと考えております。
 県としましては、引き続き県及び市町村の施設管理者等に対して理解と協力を求めてまいります。
 以上でございます。
○佐喜真 淳 休憩願います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時38分休憩
   午前11時39分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 佐喜真 淳君。
   〔佐喜真 淳君登壇〕
○佐喜真 淳 再質問を行いたいと思います。
 要望も含めてですが、不発弾処理問題について、昨日は麻生内閣総理大臣が引き続きこの問題については推進していきたいというお話もございましたし、当然救済制度については評価もしますが、引き続き知事を先頭に、そのあたりは今がチャンスといいますか、あのような発言の後ですからしっかりと具体的に県の方から、不発弾処理については明確な要請をしていただきたいと思いますので、この件につきましてもし知事が答弁をいただければお願いいたします。
 あと、教育委員会なんですが、指導カルテ検討委員会をつくったというお話ですが、結論から言うといつごろ市町村とかあるいは県の委員会として結論を出していくのか、そのあたりの具体的な期間、時期というのはいつごろを目安にしているのかわかりましたら答弁をお願いしたいと思います。
 あと、離島・過疎地域の振興についてですが、これは要望させていただきたいと思います。
 南北大東島の地上デジタル放送、現行の9000万円――管理運営費を含めてですね――これ以上島民に対して負担のないように継続的にぜひこれを維持していただきたいと思います。絶対に負担が増にならないようお願いいたしたいと思います。
 あと、国発注公共工事の件なんですが、引き続き見ていると金額のパーセンテージまだまだ低い感がいたします。県経済大変厳しい状況でございます。建設業界も厳しいですから、研究・分析しながら、いかに県内の業者が取れるように、受注ができるように研究していただきたいと思いますので、これは引き続きぜひ担当部局並びに知事が先頭を切ってやっていただきたいと思いますが、決意のほどをお伺いして私の代表質問を終わりたいと思います。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時41分休憩
   午前11時42分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 佐喜真議員の再質問に答弁させていただきます。
 まず第1の不発弾処理ですが、まさに議員おっしゃったような方向で、議員のお力も得てしっかりと政府に前へ進むように強く要請してまいりたいと思っております。
 それから離島振興の中で、地デジの関係で大東の住民の皆さんへ負担増にならんようにせよという点は、そのようにやってまいりたいと考えております。
 そして先ほどの、建設産業が大変苦しんでいるからもっともっと受注の増大、国の仕事についてもしっかりやれという点は重々承って、議員ともどもしっかり受注できるように頑張ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) 佐喜真議員のカルテについての再質問についてお答えをいたします。
 当カルテにつきましては、学校、家庭、地域社会全体で生徒を育てるとの視点から検討する必要があると考えております。
 現在、事務局では検討委員会の構成員としまして、弁護士、学識経験者、教職員、保護者代表等を検討しているところでございます。
 今後開催される外部有識者を交えた検討委員会において審議していただく予定でございますけれども、その提言を早目に受けまして、ことしじゅうまたはできるだけ早目に、10月をめどに今後の方向性を示したいと考えております。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時45分休憩
   午後1時12分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前に引き続き代表質問を行います。
 吉元義彦君。
   〔吉元義彦君登壇〕
○吉元 義彦 皆さん、こんにちは。
 県議会100年の節目を迎えた定例会において、代表質問の機会を得られ大変光栄に思います。
 それでは、自由民主党を代表しまして代表質問を行います。
 まず、県経済の活性化についてであります。
 (1)、経済危機対策について。
 100年に一度と言われる世界的経済危機の影響で日本経済はかつてない不況の波を受け、国内景気の悪化は予想を超えたものとなっております。
 本県においては、中小零細企業の占める割合が高く企業体力が脆弱なことから、企業の倒産、休業が増加している状況にあり、特に昨年末から続いている観光客数の減少傾向は本県経済に大きな影響を与えております。
 このような未曾有の経済危機に対処するため、我が党は、まず政局より景気対策を第一とし、景気後退と金融危機が実体経済に影響を及ぼしている中、国民生活と日本経済を守るため、当面は景気対策、中期的には財政再建、中長期的には改革による経済対策の3段階で経済財政政策を進め、3年以内の景気回復を目指し、さらに状況に応じて果断な対応を機動的かつ弾力的に取り組んでいるところであります。
 具体的には、総額約75兆円規模の最大規模の経済対策、さらに財政支出約15兆円、事業規模総額約57兆円規模の追加経済対策により、中小企業の資金繰りや雇用の維持、さらに生活者支援、地方への交付金の増額などにより景気の回復を図っているところであります。
 最近は、政府の中小企業資金繰り対策である緊急保証制度などにより企業に対する支援効果も出てきており、ここに来て政府の経済対策の効果が出てきたことは間違いないと考えます。
 県においても、県単独予算や国の緊急経済対策を受けた県内経済対策を積極的に進めており、さらに、今回国の経済危機対策に対応し雇用対策の拡充強化等を行うため、過去3番目に多い大型補正予算を措置するなど総合経済対策を進めており、評価するものであります。
 そこで伺います。
 ア、100年に一度と言われる危機的な世界的経済金融情勢の中、国民生活と日本経済を守るため実施している財政支出約15兆円、事業規模で総額約57兆円に達する追加対策について、本県に対する配分と県経済に与える効果を知事はどのように評価しているか伺います。
 イ、政府の雇用調整助成金の概要と本県における利用状況について、また、雇用維持にどのような効果を及ぼしているか伺います。
 ウ、政府の中小・小規模企業等の資金繰り対策に伴う県内における金融機関の融資や信用保証協会の緊急保証の実施状況とその効果について伺います。
 エ、政府は、生活者支援として、地域における医療体制への支援、安心して子供が産めるように支援を実施しているが、本県においてはどのような事業を実施しているか。
 オ、定額給付金交付の実施について、本県における交付総額と効果、県民の評価について伺います。
 カ、政府の経済対策として、地方に対し、地方の活力のための交付金や雇用創出のための地方交付税等を増額しているが、本県に対する支援はどのようになっているか伺います。
 キ、政府の経済危機対策を受け、今回実施する経済対策の主な事業と予算額及び県経済への波及効果等について伺います。
 ク、経済危機対策による地域活性化臨時交付金について、その概要と主な事業について伺います。
 ケ、地域活性化・公共投資臨時交付金について、その概要と主な事業について伺います。
 コ、子育て応援特別手当について、その概要と支給対象について伺いたい。
 2、農林水産業の振興について。
 本県農林水産業は、県民への安全かつ安定的な農林水産物の供給を通して、健康で豊かな長寿県沖縄の食生活の向上に大きく貢献するとともに、地域経済の発展にも大きな役割を果たしております。
 しかしながら、近年、従事者の高齢化や後継者不足が慢性化し、今後の経営維持に強い危機感を抱いております。
 我が国は、食料自給率の向上が大きな課題となっており、そのためには農業や漁業の後継者の育成確保は絶対条件であります。
 特に本県は、耕地面積の狭小性、農繁期における台風の襲来、小規模農家の圧倒的多さなど、多くの不利性を抱えております。
 また、本県は、農地を持ちながら農業に全く従事しない土地持ち非農家の所有する面積は、県内耕作放棄農地の61%に達し全国一高いと言われております。
 県においては、本県農業や漁業の活性化を図るため、おきなわブランドの確立に向けさまざまな施策を展開しておりますが、今後とも持続的に発展させるためには、農水産業で生活ができ、農業や漁業をやりたいという若者を育て、従事しやすい環境づくりが何よりも重要であると考えます。
 そこで伺います。
 (1)、おきなわブランドを確立し知名度アップと周知徹底を図るため、商標登録の重要性について県の基本認識と現状について伺います。
 (2)、さとうきびの新価格制度について、特例措置が切れる2010年度以降の本県農家に対する県の対策を伺いたい。
 (3)、本県農家の経営安定を図るためには、個人で1ヘクタール以上の経営規模要件を緩和し、小規模農家の実態を考慮した見直しが必要と考えるが、県の見解を伺いたい。
 (4)、耕作放棄地で原野化が進み、実質的に復元が困難で現状では耕作に使えない農地が拡大しているが、本県の状況を伺いたい。
 (5)、つくり育てる漁業を推進するため、漁港漁場や漁港関連道の整備をどのように図っていくか。
 (6)、県内水産物の産地流通拠点の整備と流通体制の整備を図る上での課題と問題点について伺いたい。
 3、米軍基地問題について。
 普天間飛行場や嘉手納飛行場における騒音被害は、近年ますますふえている傾向にあり、特に外来機の飛来がふえ、訓練の増加とともに夜間の騒音が激化し、周辺住民の我慢も限界に達していると言われております。本日も嘉手納町議会から要請・陳情が県知事に参っております。本当に大変だと思っております。
 このように、米軍基地問題は県政の最重要課題であり、これまで歴代県政は基地問題の解決を日米両政府に対し機会あるごとに求めてまいりましたが、本県単独での要請の限界を感じるのであります。
 本県における米軍基地問題の根本的解決を図るには、日米地位協定の抜本的見直しが不可欠であると思うのであります。そのためには、これまでの経緯から本県単独での行動では限界があり、米軍基地を抱える14都道府県で構成する渉外知事会が問題意識を共有することが必要であります。
 仲井眞知事も、再度の訪米要請は本県単独ではなく渉外知事会として行動することが重要であると述べており、現在、その方向で検討・調整が進んでいるようであります。
 そこで伺います。
 (1)、日米地位協定の見直しについて。
 ア、県がこれまで日米両政府に対し要請してきた日米地位協定の見直しの具体的項目のうち、改善された項目と今後改善が期待できる項目について伺いたい。
 イ、知事は、今後の訪米について渉外知事会と調整を進めているようだが、渉外知事会として訪米する場合、要請項目について具体的検討はなされているか伺いたい。
 (2)、基地から派生する問題について。
 ア、本県における米軍人による事件について、過去3年間の件数を伺いたい。
 イ、米軍嘉手納基地へのF22戦闘機の一時配備が繰り返され、地元は騒音被害や常駐化を懸念しているが、県の対応を伺いたい。
 ウ、宜野湾市のキャンプ瑞慶覧内から排出された廃棄物にアスベストが含まれていた問題について、県が実施した調査結果と今後の対応について伺いたい。
 4、北部振興策の推進について。
 北部振興事業は、普天間飛行場代替施設の移設受け入れに伴い、平成11年12月28日の閣議決定において、北部地域の振興に係る特別の予算として10年間で1000億円措置することが決定されたものであります。
 これにより平成12年度から事業が開始され、これまで年度ごとに100億円の予算措置がなされ、北部12市町村の計画する振興事業を実施してきております。
 もとよりこの事業は、米軍基地を受け入れた見返りに北部の振興策として実施されてきたものであり、本来の沖縄振興計画に基づく振興策の一環としてなされるものではありません。
 12市町村で構成される北部地域は、人口の減少と高齢化の進行が悩みとなっており、特に若者の雇用の受け皿となる企業立地のおくれから、若者の都市部への流出に歯どめがかからず危機感を持っております。普天間飛行場の代替施設の受け入れを決断したのも、まさに北部が抱えるこのような課題の解決を図るためであります。
 しかし、10年期限つきの北部振興事業は、ことし2009年度で期限切れとなるのであります。代替施設は現在建設に向け作業が進められ、2014年には完成する予定となっており、そうなると2010年度以降の北部振興事業はどうなるのか、北部12市町村にとって最も気になるところであります。
 そこで伺います。
 (1)、北部振興事業は2009年度で期限切れとなるが、北部に対する新たな振興策のあり方についてどのように考えているのか伺います。
 (2)、政府が設置する国・県・名護市、久辺3区で構成する四者協議会の位置づけと今後の振興策の形はどうなるのか伺います。
 (3)、名護市の金融特区における企業立地の現状と今後の課題について伺います。
 (4)、名護市の金融特区が今後国際的な金融市場を形成するためには何が必要であるか。また、金融人材の育成について、行政、企業、研究機関等との連携・協力体制はどのようになっているのか伺います。
 5、大学院大学施設整備について伺います。
 沖縄科学技術大学院大学学園法案が、一部修正により衆院で可決いたしました。
 大学院大学については、関係閣僚による申し合わせで、平成24年度までの開学を目指すとしており、そのためには今国会での法案成立が不可欠であります。ただいま参院で審議中でありますが、まだ予断を許せるような状況ではありません。
 大学院大学の設置位置づけは、国立大学ではなく特別な学校法人となっておりますが、大学経営で最も大切な国による財政支援については、法案の修正により10年後をめどに見直しを行うが、運営費の2分の1を超えて補助することが明記されました。
 このことは、開学11年以降も国の継続的な財政支援を受けながら、内外の競争的研究資金、企業からの研究受託収入等、自主的経営の努力を大学に求めたものと考えます。
 その上で、大学院大学の本来の目的・理念を維持し、自主性・柔軟性を確保した大学経営のため、さらに、本県の自立的発展の核として位置づけるためにも国の確固とした支援が必要であります。
 そこで伺います。
 (1)、沖縄科学技術大学院大学学園の設置主体は国立大学ではなく特別な学校法人としているが、法律により特別な補助金交付という国の財政支援との関連で学園の所管省庁について伺います。
 (2)、大学院大学に対する開学から10年以降の運営費の補助について、財政的に自立した大学経営の確立との関連で国の財政支援はどうなるか伺います。
 (3)、学園法案の目的に、世界の科学技術の発展に寄与すること、沖縄の自立的発展に寄与することがうたわれております。学園に対する財政的支援と沖縄振興予算との関連性について伺います。
 (4)、県が進める周辺整備事業で、門前町など地域のまちづくりについて、現在の進捗状況と今後の計画を伺います。
 6、地域医療のあり方について。
 (1)、県立病院のあり方について。
 全国的に自治体病院が経営危機に陥り経営形態や医療提供機能の見直しが進められておりますが、総務省の調査によれば、地方自治体の837公立病院において、経営改善に向け近隣病院との統廃合を含む「再編ネットワーク化」を計画しているのが全体の2割に当たる195病院に達しているようであります。
 このように、地方における公立病院の多くが赤字に苦しんでおり、中には規模縮小や民間譲渡、廃止を余儀なくされるケースもあり、経営状態の厳しさを物語っております。
 本県は島嶼県で、同時に多くの離島を抱えており、離島を含めた地域医療の維持・存続は本県における大きな課題であり、県立病院が戦後一貫して地域医療を担ってきております。
 しかしながら、県立6病院の経営は財政的に逼迫しており、毎年多額の赤字を出し、累積赤字は216億5500万円余に達するなど、県立6病院も存続の危機に直面しております。
 このように、県立病院経営の健全化は喫緊の課題であり、県においては県医療審議会の答申を尊重するとともに、県議会の決議、各県立病院長の意見等を踏まえ、「県立病院のあり方に関する基本構想」をまとめております。これにより、今後は病院事業局の経営再建計画に沿った改革の取り組みが重要となってまいりますが、県立病院の健全化を図るには所管部と病院事業局が問題意識を共有し、十分な連携のもと県立病院の経営安定・健全運営に向けた一体的取り組みが必要であると考えます。
 同時に、県立病院が危機的状況にある今日、市町村の役割を含めた本県における地域医療のあり方についての根本的な議論が必要ではないでしょうか。
 そこで伺います。
 ア、県立病院の経営形態のあり方について、独立法人への移行準備と病院事業局の経営健全化への取り組みが同時に進められている。県の基本方針ではどちらに比重が置かれているか伺いたい。
 イ、知事は、3年間の経営健全化の取り組みの結果、全適での健全な経営が見込める場合には現行経営形態での存続を検討するとしている。その経営健全化の取り組みの結果は、経営形態のあり方を判断する上ですべてに優先されるか伺います。
 ウ、地域住民がいつでも安心して医療が受けられる地域医療のあり方について、市町村との連携が必要と思われますが、県の基本的な考え方を伺います。
 エ、総務省の調査によれば、全国の自治体で公立病院の統廃合計画が進められているようだが、その状況と主な要因について伺います。
 オ、産婦人科等県内における医師不足は、県立病院だけでなく民間病院においても深刻であります。県や民間が個々ばらばらに行動するのではなく、県が主導し民間病院を含め県全体の医師確保計画のもとで具体的行動を展開するべきと考えますが、県の考えを伺います。
 カ、政府の追加経済対策で、地域における医療体制の強化として、医師確保への支援が追加されましたが、本県における活用計画について伺います。
 (2)、ドクターヘリ導入について。
 資金難のため昨年7月から運航を休止していたNPO法入「MESHサポート」が運営する救急ヘリが去る6月15日、運航が再開されました。
 6月13日の再開セレモニーにおいて、ヘリの運航費は会員の年会費や民間の寄附金、行政の助成金など8590万円がめどがついたとの報告がありました。しかしながら、ヘリの運航には安定的な資金が必要であり、今回の寄附による運航が一過性に終わるのではないかと懸念されるものであります。関係者もいつまで継続できるかと大変心配している状況であり、やはり国や県の支援が必要であると考えるのであります。
 そこで伺います。
 ア、県が導入したドクターヘリの現在までの運航状況と離島などからの要請・搬送の状況をお伺いします。
 イ、政府は、本県から2機目のドクターヘリ導入の要望があれば優先配慮の意向のようであるが、県の考えを伺います。
 ウ、北部の民間救急ヘリ再開との関連で、ドクターヘリ導入に向け北部における救命救急センターの指定と行政の支援について県の考えを伺います。
 7、陸上交通基盤の整備について。
 本県は、陸上交通を代表する電車がないことから、陸上交通のほとんどを道路に依存しており、県民の足である公共交通はバス、タクシーが主体であります。
 このため、道路交通の現状は自動車保有台数や観光客数増に伴うレンタカーの急激な増加、さらに中南部都市圏への人口集中による慢性的な交通渋滞で路線バスは定時運行ができず、県民のバス離れが広がり、これがさらに自動車への依存度を高めるという悪循環を招いております。
 平成15年には沖縄都市モノレールが開業し、那覇市内で新たな交通手段として順調に運行しておりますが、路線が1本という事情もあり、市内における渋滞解消には至っていないのが現状であります。
 このように、本県においては、ふえる自動車に道路事情が追いつかない状況にあり、交通渋滞による損失時間は、道路1キロ当たり年間約4万1000人時間と言われております。これは3大都市圏等に次いで全国6番目に大きく深刻であります。
 本来、公共交通の主軸は軌道系交通であります。都市モノレールの中南部圏域への延伸の必要性は論をまたないのでありますが、将来的、最終的には定時・定速性、輸送性にすぐれた公共交通の切り札と言える鉄道の導入が必要不可欠であると考えるのであります。
 そこで伺います。
 (1)、本県は、道路に依存した陸上交通となっており、都市部の交通渋滞緩和や中南部と北部を結ぶ交通アクセスの道路等、陸上交通体系の整備に向けた基本構想についてお伺いします。
 (2)、「第3次沖縄県社会資本整備計画」において、「陸上交通基盤の整備」として、「国際性・拠点性を育む交通体系、新たな活力と地域の魅力を支える交通体系、環境負荷が少なく快適で安全に暮らせる交通体系を確立する。」とあるが、その際の中軸となる交通手段は何を想定しているか。鉄軌道も含まれるか伺います。
 (3)、国際通り等都市部の交通渋滞の緩和を図るため、次世代路面電車(LRT)の導入について県の考えを伺いたい。
 (4)、本県において陸上交通システムの構築を図る上で自動車依存度の高さ、公共交通の定時・定速性と輸送性の確保等が課題であるが、鉄軌道導入について県の基本的考え方を伺いたい。
 (5)、陸上交通体系の整備の一環として、名護市許田が終点となっている高速道路をさらに北への延長が必要と考えるが、県の計画を伺います。
 8、商店街・中心市街地の活性化について。
 名護市や沖縄市においては大型商業施設が近隣市町村に次々と立地されたことに伴い、中心市街地は空洞化を呈し、小売業の売り上げの減少、売り場面積や従業員も大幅に減少し、商店街は空き店舗がふえ、いわゆるシャッター通りと化している状況にあります。
 これら市町村においては衰退の状況をただ静観しているわけではなく、地元行政や商店街組合等によるさまざまな努力が続けられているのではありますが、一度衰退した町を再び活気づけるのは容易ではありません。このことからも、県や国の積極的な支援がなければ活性化は難しいと考えます。そのため、市街地の活性化の促進を目的とする改正中心市街地活性化法の積極的な活用を図り、地域に根差した魅力あるまちづくりのため、地元、県、国が一体となった取り組みを進めるよう願うものであります。
 そこで伺います。
 (1)、本県における商店街や中心市街地の衰退の要因をどのように分析しているか。また、商店街や中心市街地の活性化に向けた地域の取り組みとその成果について伺います。
 以上、よろしくお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 吉元義彦議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、県経済の活性化に係る御質問の中で、国の経済対策の沖縄県への配分と経済効果についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 今回の6月補正予算案では、国からの配分等が明らかとなった内閣府一括計上事業などを中心に国庫ベースで総額約312億円を計上いたしております。さらに今後、県計上、市町村計上、そして国直轄事業等を含めて総額でおおむね1000億円程度配分されるものと推計をいたしているところでございます。
 沖縄県予算に限っても、平成20年度11月補正予算での約22億円、平成20年度2月補正予算での約206億円、平成21年度当初予算での約101億円に、今回講じる過去最大規模の経済危機対策を加えますと約700億円の財政出動が行われることになっております。この対策に官民が連携をし全力で取り組むことによりまして、現下の厳しい経済状況の改善はもとより、自立型経済の構築に向けた産業の振興と雇用の創出・確保など大きな成果が得られるものと考えているところでございます。
 次に、農林水産業に係る御質問の中で、耕作放棄地の現状等に係る御質問にお答えいたします。
 平成20年度の耕作放棄地全体調査の結果によりますと、沖縄県の耕作放棄地面積は2950ヘクタールで、全耕地面積の約7.5%となっております。
 沖縄県としましては、平成23年度をめどに350ヘクタール程度の耕作放棄地の再生利用を進めているところでございます。
 具体的には、市町村の地域耕作放棄地対策協議会を窓口としまして、耕作放棄地再生利用緊急対策交付金によりまして、第1に、雑木等の除去、土壌改良、生産資材の支援、第2に、農業用機械、ハウス等の農業用施設、用排水施設等の整備などを行うことといたしております。
 次に、米軍基地問題に係る御質問の中で、F22戦闘機の嘉手納基地への一時配備に係る御質問にお答えいたします。
 最近の嘉手納飛行場をめぐっては、大規模な合同即応訓練や外来機のたび重なる飛来に加え、F22戦闘機につきましては、前回の一時配備から1カ月余りで再度配備されたことなどから、依然として目に見える形での負担軽減があらわれているとは言えないと考えております。
 県といたしましては、外来機、常駐機にかかわらず米軍の訓練等により県民に被害や不安を与えることがあってはならず、あらゆる策を講じ、騒音を初めとした周辺住民の負担軽減が図られるよう、米軍及び日米両政府に対し強く要求したところでございます。
 次に、北部振興策に係る御質問の中で、北部振興策の考え方という御趣旨の御質問にお答えいたします。
 北部振興事業は、北部地域の活性化のみならず県土の均衡ある発展を図る観点から実施されてまいりました。北部地域の振興は、沖縄県の一体的な発展を図る上でその果たすべき役割は今後も重要であります。
 県といたしましては、今後とも北部振興策が継続されるよう、地元との連携のもと積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 同じく北部振興策に係る御質問の中で、金融特区の現状の御質問にお答えいたします。
 金融特区は、金融業務の集積を図るため平成14年に指定されております。平成21年1月1日現在、金融関連企業10社が進出をし、607名の雇用を創出いたしております。
 この内訳は、オンライントレード証券会社のほか、外国為替保証金取引事業者、金融系のコールセンターやデータセンターなどとなっております。
 今後さらに企業立地を促進し金融業務の集積を図るためには、レンタルオフィスや通信環境の整備、人材育成などが課題となっておりますが、地元名護市と連携をして解決に努めてまいる所存でございます。
 次に、大学院大学施設整備に係る御質問の中で、所管省庁はいかがかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄科学技術大学院大学につきましては、沖縄振興を担当する内閣府と、大学教育を担当する文部科学省が連携をして所管することとなっております。
 内閣府は、大学院大学が沖縄振興特別措置法や沖縄振興計画に基づく沖縄振興施策の柱の一つであるとして設置されるものであることから、事業計画の認可や財政支援などの業務を所管いたします。
 一方、文部科学省は、大学院大学が学校教育法上の「私立学校」であることから、学校設立の認可や寄附行為の変更など、教育面を含む大学運営に関する一般的な事項について所管することとなります。
 次に、地域医療のあり方に係る御質問の中で、6の(1)のアと、6の(1)のイについては一括して答弁させていただきます。
 病院事業の経営形態及び経営形態のあり方の判断についてという御趣旨の御質問に答弁させていただきます。
 基本構想において示しましたとおり、平成24年度以降の病院事業の経営形態につきましては、現時点では結論を保留いたしているところであります。
 経営形態については、1、医療提供体制の持続的な確保、2、県立病院の医療機能の水準向上、3、病院現場の勤務環境の改善という改革の目的を達成するためには、病院経営が健全であることが必要であります。このためには、どのような形態が望ましいのかという観点から検討を行う必要があると考えております。
 また、経営の健全化のための取り組みは、経営形態のいかんにかかわらず当然進めていくべきものであり、経営形態のあり方については、その成果も踏まえ検討することといたしておりますので、この成果は重要な判断材料になると考えているところでございます。
 次に、陸上交通基盤についての御質問の中で、基本構想についての御質問にお答えいたします。
 県は、総合交通体系のビジョンを示しました「沖縄県総合交通体系基本計画」を平成14年3月に策定いたしております。
 この計画において、陸上交通につきましては、交通の円滑化を促進する幹線道路網の整備や公共交通機関への転換を促進する取り組みなどを推進するとともに、中南部から北部へのアクセス性の向上を図る規格の高い幹線道路網を形成することとしております。
 この計画は、現在策定中の21世紀ビジョンを踏まえ見直すことといたしており、その中で次世代路面電車や鉄軌道の導入につきましても検討してまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○観光商工部長(勝目和夫) 県経済の活性化について、雇用調整助成金などの概要と利用状況等についての御質問にお答えいたします。
 雇用調整助成金などは、事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業事業主が、その雇用する労働者を一時的に休業、出向させた場合に賃金等の一部を助成するものであります。
 本県における利用状況につきましては、沖縄労働局によると平成21年5月末現在で88件の休業等の実施計画届け出が受理されており、うち23件について支給申請が行われたとのことであります。
 昨今の厳しい企業経営環境の中、利用企業においては、当該助成金の活用により人員削減の回避及び経営の安定が図られており、雇用の維持につながっております。
 次に、金融機関の融資や緊急保証の実施状況とその効果についての御質問にお答えいたします。
 沖縄振興開発金融公庫のセーフティネット貸付の平成20年度融資実績は、件数で271件、融資額で96億9670万円となっており、平成19年度に比べて175件、64億5000万円の増加となっております。
 県信用保証協会の緊急保証制度については、制度がスタートした平成20年10月から平成21年3月末までの保証承諾件数で3140件、金額は663億3300万円となっております。
 これらの資金繰り対策の効果については定量的に把握することは困難ですが、日銀那覇支店や民間信用調査機関などによると、倒産企業が低水準で推移するなどの効果があったとの分析がなされており、沖縄県としては県内中小企業の資金繰りに大きな効果があったものと考えております。
 北部振興策の推進について、金融特区に何が必要かについてとの御質問にお答えいたします。
 金融特区については、昨年実施した「沖縄金融センター可能性調査」によれば、外資系金融機関のバックオフィス、オペレーションセンターや国内外証券会社の誘致を進めるとともに、国際通信回線の整備拡充、優遇税制の拡充などが挙げられており、今後、引き続き金融特区の具体的な展開に向けて検討を進めてまいります。
 また、金融人材の育成については、これまでも学生や社会人向けに金融業界を取り巻く経済状況、業界の動向等をテーマに金融教養講座を実施してきましたが、今年度からは、金融特区進出企業と県内大学が連携し、金融の基礎知識を習得後、雇用に結びつける雇用直結型金融人材育成講座を開催しております。
 次に、商店街中心市街地の活性化について、中心市街地の衰退の要因と活性化に向けた取り組み、成果についてとの御質問にお答えいたします。
 中心市街地の衰退の要因としては、消費者ニーズが多様化する中で、商店街の魅力が低下する一方、郊外型の大規模集客施設の立地が進んだことなどが考えられます。
 このような状況を打開するために、各商店街や市町村では、商店主などを対象としたセミナーの開催、空き店舗を活用した創業支援や交流広場の設置、トランジットモールやイベントの開催などに取り組んでおります。その成果を空き店舗率で見た場合、改善している地域もありますが、沖縄県全体ではほぼ横ばいの状況で推移しております。
 以上であります。
○福祉保健部長(奥村啓子) 県経済の活性化についての質問の中で、経済危機対策としての地域における医療体制支援及び安心して子供が産める支援についてお答えいたします。
 経済危機対策における医療体制支援については、女性医師の就労支援として、女性医師バンク事業を実施することにしております。また、災害発生に即座に対応できるように災害現場への携帯医療機器の整備、久米島病院の電子カルテ等の整備事業を実施することにしております。
 安心して子供が産める支援として、県では平成21年3月に沖縄県妊婦健康診査支援基金を設置し、平成21年4月から全市町村において公費による妊婦健診を5回から14回に拡大し、健診内容を充実させて実施しております。
 続きまして、子育て応援特別手当についてお答えします。
 子育て応援特別手当は、厳しい社会経済情勢が続く中、幼児教育期の負担に配慮する観点から、平成21年3月末において3歳から5歳の子供を対象に1人当たり3万6000円を支給するものであります。県内における支給対象児童数は、推計でおよそ5万6000人、支給額は約20億円となる見込みであります。支給方法については、所在地の市町村長が申請に基づき支給することとなっております。
 地域医療のあり方の中で、市町村との連携についての質問にお答えします。
 医療法第1条の3の規定により、県及び市町村は地域医療の確保に関して同等の責任を有しているほか、住民に身近な行政は基本的に市町村の役割と位置づける地方自治法の趣旨を勘案するとプライマリーケアのような1次医療は基本的に市町村が担うべきではないかと考えます。このため、地域医療を安定的かつ効果的に提供していくには、県及び市町村がそれぞれの役割を果たしつつ、連携を図りながらその確保に努めるべきだと考えます。
 続きまして、公立病院の統廃合計画についてお答えします。
 平成19年12月に総務省が示した「公立病院改革ガイドライン」では、病床利用率がおおむね過去3年間連続して70%未満となっている病院は、病床数の削減や診療所化の抜本的な見直しを行うことが適当としております。
 本年4月に総務省が公表した公立病院改革プラン策定状況等によると、公立病院の統廃合となる民間譲渡予定病院数は12病院、診療所化予定病院数は18病院となっているほか、公的病院等の再編・ネットワーク化を通じて病院の統合や診療科目の再編成等の取り組みが行われております。見直しの要因には、医療スタッフの確保、病院の経営状況、病床利用率の状況など、各病院の置かれた状況や医療環境も異なることから、さまざまなものがあると思慮しております。
 続きまして、県全体として医師確保対策を展開することについてお答えします。
 沖縄県においては、平成18年度に「沖縄県医師確保対策検討委員会」を設置し、組織的・体系的な医師確保対策のあり方を検討いたしました。
 同検討委員会の提言を踏まえ、平成19年度から「医師修学資金等貸与事業」及び「離島・へき地ドクターバンク等支援事業」等を実施し、必要な専門医の確保に努めているところであります。また、県内の医学臨床研修事業は、県立病院群、琉球大学附属病院を中心とするRyuMICグループ、民間病院で構成する群星沖縄の3グループで実施されており、多くの研修医が集まってきております。
 今後は、3グループ間の連携を図り、引き続き魅力ある医学臨床研修事業を実施し、専門医等を養成することにより、医師の確保と県内定着に努めていきたいと考えております。
 続きまして、追加経済対策における医師確保についてお答えします。
 国は、経済危機対策において、地域の医療課題の解決に向けた都道府県の取り組みについて支援することとしております。
 その支援方法としましては、県において地域医療の課題解決のための施策を定める地域医療再生計画を策定し、国の承認を得た後、地域医療再生臨時特例交付金を受けて地域医療再生基金を造成することになります。
 沖縄県におきましては、基金を財源として、医療機能の強化、医師確保の取り組み等地域の医療課題の解決に向けた施策を実施していくこととしております。
 なお、地域医療再生計画の策定に当たっては、県医師会や臨床研修病院の代表者等関係団体の意見も踏まえながら策定することとしております。
 続きまして、ドクターヘリの運航状況についてお答えします。
 沖縄県のドクターヘリは、平成20年12月1日から沖縄本島中部の読谷村のヘリ基地を中心に、沖縄本島全域及び本島周辺離島を運航範囲としております。
 運航開始から平成21年6月16日までの運航実績は、要請件数176件、搬送件数153件(同時搬送1件あり)、未搬送22件となっております。未搬送22件の内訳はキャンセルが6件、日没間近が2件、要請の重複が6件、救急搬送変更等2件、天候不良1件、機体不良が5件となっております。また、離島からの要請は147件で、全体の83.5%となっています。その中には鹿児島県域からの搬送26件が含まれております。
 次に、ドクターヘリの2機目の導入についてお答えします。
 本県におけるドクターヘリは、沖縄本島全域と本島周辺離島を運航範囲としており、県内人口の92%をカバーしております。
 ドクターヘリの複数配置については、平成20年8月末に取りまとめられた厚生労働省「ドクターヘリ導入促進検討会」の報告書において、運航実績等を評価した上で、段階的に効率性等を十分に分析の上、中長期的な配備計画の中で検討を行うことが適当であるとされております。
 本県のドクターヘリも運航を開始したばかりであり、1機目の運航状況等を踏まえて今後研究させていただきたいと考えております。
 続きまして、北部圏域の救命救急センター指定についてお答えします。
 平成20年4月に改定しました沖縄県保健医療計画には北部圏域における救命救急センターは位置づけられておりません。
 救命救急センターの設置に当たっては、厚生労働省の承認が必要であり、専従の救急科専門医を5名配置するなど機能的にも高いレベルが求められることから、北部圏域の医療機関を救命救急センターに指定することは困難であります。
 なお、北部圏域の救急医療体制については、北部の救急告示病院間や他圏域の救命救急センターとの連携を図りながら、その体制整備に努めているところであります。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 県経済の活性化についてに関する御質問の中で、定額給付金の交付総額、効果等についてお答えいたします。
 県内における定額給付金の給付総額は、約214億円が見込まれております。
 定額給付金の給付は、住民への生活支援とともに、個人消費の増加等により景気浮揚に資するものと考えております。県内では、本年4月から本格的に給付が始まったところですが、6月18日現在で、給付対象世帯のうち約8割の世帯が給付金を受け取っており、定額給付金に対する県民の関心は高いものと考えております。
 次に、経済危機対策臨時交付金及び公共投資臨時交付金の概要と主な事業について一括してお答えいたします。
 地域活性化・経済危機対策臨時交付金は、地方公共団体において、将来に向け、地域の実情に応じたきめ細かな事業を積極的に実施できるよう創設されたものです。総額は約1兆円で、地方単独事業、国庫補助事業の地方負担分に充当することが可能となっております。
 今回の沖縄県への配分額は約73億円となっており、主な事業として沖縄県緊急ジョブトレーニング事業、観光客誘致緊急対策プロモーション事業などに充当しております。
 地域活性化・公共投資臨時交付金は、経済危機対策における公共事業等の追加に伴う地方負担の軽減を図り、地域における公共投資を円滑に実施することができるものとされております。総額は約1兆4000億円で、地方単独事業、国庫補助事業の建設地方債対象事業に充当できるものです。
 今回の沖縄県への最終的な配分額は今後決定される予定ですが、主な事業として電線類地中化事業、交通管制システム高度化事業などに充当する予定としております。
 次に、経済対策の主な事業との予算額及び波及効果等についてお答えいたします。
 今回の経済危機対策に係る6月補正予算案では、企業会計等を含めて総額約372億円を計上しております。
 主な事業として、地上デジタル放送推進事業費約30億円、製糖設備緊急整備対策事業約19億円、緊急雇用創出事業臨時特例基金の積み増し約40億円、観光客誘致緊急対策プロモーション事業約8億円を計上しております。
 経済波及効果を沖縄県産業連関表を用いて推計を行ったところ、執行が次回補正以降となる基金への積み増し分を除いた関連施策の支出総額約307億円に対し、経済波及効果は約484億円、経済成長率を約0.7ポイント引き上げる効果があると試算しております。また、雇用効果については1年で約3700人の創出があり、完全失業率を約0.6ポイント引き下げる効果をもつと試算しております。
 次に、大学院大学施設整備についてに関連する質問の中で、開学から10年以降の国の財政支援についてお答えいたします。
 沖縄科学技術大学院大学は、沖縄振興特別措置法や沖縄振興計画に基づき、沖縄振興策の柱の一つとして設置されるものであることから、国が十分な財政支援を行う必要があると考えております。こうしたことから、開学10年以降の運営費についても、大学院大学の経営状況等を勘案し、国の財政支援のあり方等を含め必要な措置が講じられるものと承知しております。
 次に、学園に対する財政的支援と沖縄振興予算との関連についてお答えいたします。
 沖縄科学技術大学院大学は、沖縄における人材育成、科学技術振興の基盤として、沖縄振興特別措置法や沖縄振興計画にも位置づけられた重要なプロジェクトで、産業振興や雇用の促進、社会資本整備等と相まって沖縄の自立型経済の構築と持続的発展に大きく寄与するものであります。
 今回提案されている学園法案は、沖縄の自立的発展及び世界の科学技術の発展に寄与することを法律の目的としたもので沖縄振興とも深いかかわりを持つことから、内閣府において沖縄振興費が活用されているものと理解しております。
 次に、周辺整備の進捗状況と今後の計画についてお答えします。
 沖縄県では、世界じゅうから集まる研究者やその家族が快適に暮らせる環境を整備するためのガイドラインとして平成19年度に周辺整備基本計画を策定しております。
 周辺整備の実施に当たっては、道路や海岸、下水道整備などの公共事業とあわせ、住宅、教育、医療や商業施設など民間の活力を活用しなければならない事業が多く含まれております。現在、11月に設置された周辺整備推進協議会の中に、民間メンバーを含めた専門部会を設置し、その実施に向けた方策について検討を行っております。
 沖縄県としては、今後、これら専門部会での検討結果をもとに、大学院大学メーンゲート周辺のまちづくり整備や石川インター周辺の交通結節機能の整備、周辺住宅の確保など、それぞれが役割を果たしつつ、一体的に整備が進められるよう支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、陸上交通基盤の整備についての質問の中の、次世代路面電車及び鉄軌道の導入についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
 県では、沖縄県の体系的な交通ネットワークの構築や、都市部の交通渋滞緩和を図る観点から、次世代路面電車や鉄軌道の導入についても検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島 規) 皆さん、こんにちは。
 4月1日付で総務部長を拝命しました兼島でございます。
 県の財政状況は依然として厳しいものがあります。財政の健全化に努めますとともに、厳しい中ですが県の施策・事業がスムーズに展開できるよう一生懸命頑張ってまいります。
 議員の皆様には御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
 それでは県経済の活性化についての質問の中で、雇用創出のための地方交付税の増額につきましてお答えいたします。
 平成21年度の地方交付税において、生活防衛のための緊急対策として、地方公共団体が雇用創出を図ることができるよう、総額5000億円の地域雇用創出推進費が加算されたところであります。
 地域雇用創出推進費は、人口を基礎として1人当たり県民所得や有効求人倍率等を加味して算定されることから、雇用情勢の厳しい本県に配慮された内容となっております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 皆さん、こんにちは。
 このたび、農林水産部長を拝命いたしました比嘉でございます。
 農林水産業の振興に一生懸命取り組んでいきたいと思いますので、議員各位の御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。
 それでは農林水産業の振興で、商標登録の必要性についてお答えいたします。
 県産農畜産物の商標登録については、品質を維持保証し、その信用力が増すとともに、他県産との差別化により、おきなわブランドを確立する上で重要であると考えております。現在、県産農畜産物においては、「長命草」、「あぐー」、「おきなわ和牛」、「石垣牛」、ドラゴンフルーツの「ちゅらみやらび」等が商標登録されております。
 県としましては、関係機関・団体等と連携し商標登録を促進してまいります。
 同じく農林水産業の振興で、さとうきび経営安定対策について一括してお答えいたします。
 さとうきび経営安定対策の支援対象は、認定農業者を初め、基幹作業を委託する者、共同利用組織に参加する者に加え、平成21年産までの特例として生産組織に参加する小規模農家などとなっております。基幹作業のうち、収穫については平成20年産より見直しが行われ、刈り倒し、または搬出のみを委託した場合も支援対象となったところであります。この見直しにより、本則要件を充足する生産農家割合は、現状の4割から5割程度に拡大することが見込まれております。
 県としましては、すべての生産農家が経営安定対策の支援対象となるよう、引き続き関係団体等と連携し、条件整備を進めるとともに、対象要件の緩和、見直し等について、国に対し強力に要請してまいります。
 同じく農林水産業の振興で、漁港漁場や漁港関連道の整備についてお答えいたします。
 県では、つくり育てる漁業及び資源管理型漁業を推進するため、漁港の整備として、防波堤、波除堤、浮き桟橋及び防暑施設等の整備を行っております。また、漁場整備としては、魚のすみかとなる沈設魚礁や中層型浮き魚礁等のパヤオの設置を行っております。
 漁港関連道については、地域の道路状況やニーズに応じて整備を進めてまいります。
 同じく農林水産業の振興で、水産物流通の課題についてお答えいたします。
 現在、県内の水産物流通の拠点になっている泊魚市場は、狭隘で老朽化しているため衛生面などの課題があり、取扱量の増大が見込まれない状況にあります。このため、県では、糸満漁港を水産物の流通加工拠点として位置づけており、泊魚市場の糸満漁港への移転促進を図っているところであります。また、各漁港における荷さばき施設、冷蔵施設などの流通関連施設についても、地元の要望を踏まえ、水産業構造改善事業により整備を進めてまいります。
 以上でございます。
○知事公室長(上原良幸) 米軍基地問題についての御質問で、日米地位協定の見直しについてお答えいたします。
 県におきましては、日米両政府に対し11項目にわたる日米地位協定の抜本的見直しを要請しているところであります。しかしながら、日米地位協定については、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの政府の姿勢を変えるには至っておりません。
 一方、周辺住民等の生命、健康に重大な影響を与える可能性のある環境問題や、駐留軍用地の跡地利用を円滑に進めるための返還前の文化財や自然環境等の基地立入調査は重要な課題であると考えており、今後、強く要請していきたいと考えております。
 県としましては、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、米側に裁量をゆだねる形となる日米地位協定の運用改善だけでは不十分であり、日米地位協定を抜本的に見直す必要があると考えており、引き続き渉外知事会等と連携しながら粘り強く取り組んでまいります。
 同じく米軍基地問題についての御質問で、渉外知事会訪米の要請項目についてお答えいたします。
 渉外知事会としての訪米は、現在、会長県であります神奈川県と日程等について調整を行っているところであります。
 訪米に際しては、沖縄県がこれまで要望してきた日米地位協定の見直しの中でも、特に環境問題等を中心に米国政府や連邦議会等の関係機関に対し、過大な基地負担を担っている地元の声を伝え、理解と協力を求めたいと考えております。
 次に、北部振興策の推進についての御質問で、四者協議会についてお答えいたします。
 沖縄防衛局、沖縄県、名護市及び地元区で構成するいわゆる四者協議会の設置については、現在関係者間で調整を行っているところであります。
 県としましては、米軍再編に伴い新たな負担を受け入れることとなる地域に対して、政府がその負担を緩和するために地域の振興などの措置を実施することは必要なことと考えており、今後とも関係者と意見交換をしていきたいと考えております。
 以上であります。
○警察本部長(黒木慶英) 皆さん、こんにちは。
 3月31日付で警察本部長を命ぜられました黒木慶英でございます。
 県民の皆様の平穏な日常生活を守るために、誠心誠意努力してまいる所存であります。議員の皆様には、御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 それでは過去3年間の米軍人による刑法犯の検挙件数についてお答えいたします。
 昨年、平成20年中は52件、平成19年中は48件、平成18年中は34件となっております。
 以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 米軍基地問題との関連で、キャンプ瑞慶覧のアスベスト問題についてお答えいたします。
 キャンプ瑞慶覧から排出されたアスベスト廃棄物については、キャンプ瑞慶覧内に戻し適正に保管させるとともに、4月24日及び5月15日に米軍基地内への立入調査を実施し、廃棄物が適正に保管されている状況を確認しております。また、請負業者に処理計画書の提出を求め、許可を取得した業者により運搬・処分を行うことを確認しております。
 なお、4月15日にキャンプ瑞慶覧周辺の県道81号線沿い3地点において、大気中のアスベスト濃度調査を実施したところ、一般環境大気の結果と同程度であり、特に問題となる数値ではありませんでした。
 県としましては、関係機関に対し、基地内で発生したアスベスト廃棄物を適正に処理するよう要請していきたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 陸上交通基盤の整備の第3次沖縄県社会資本整備計画の中軸となる交通手段についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県は鉄道網がなく、陸上交通のほとんどを道路に依存していることから、広域道路ネットワークの確立やはしご道路の構築など、道路整備を主体とした陸上交通基盤整備を推進しているところであります。しかしながら、道路整備だけでは都市部の交通渋滞緩和への対応が困難であることから、沖縄都市モノレールの延長やソフト施策などの連携など総合的な交通円滑化を推進していきたいと考えております。
 次に、高速道路の北への延長計画についてにお答えいたします。
 高速道路の名護市許田から北への延長につきましては、北部振興の観点から重要な課題であると認識しております。
 現在、国において沖縄自動車道許田インターチェンジ付近から名護市大北に至る延長約8キロメートルの地域高規格道路名護東道路の整備が進められているところであります。
 名護東道路以北の延長につきましては、今後の北部地域の交通動向や土地利用の状況等を踏まえ、国と連携し可能性を検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○吉元 義彦 時間がありませんから、ぜひ知事に御要望だけさせていただきたいなと思っております。
 知事、MESHサポートのドクターヘリの件ですね、ぜひ知事に要望させていただきたいなと思います。
 実は、6月13日に再開の運航式がありました。このときに、県の医師会の会長も激励に見えておりました。ぜひ再開に向けて頑張っていただきたいという激励もやっていたんですが、先ほど福祉保健部長の方から5名の医師の確保についてのハードルが高いという問題もありましたが、これについては後でまたクリアできるような御助言もお願いしたいなと思います。
 ぜひこの問題については、なぜ北部でやらなければいかんのかというのは重複事案があると、重なった場合の問題があるということと、それからあと1点は15分で初期治療が不可能であると、ヤンバルでやらなければいけないのは15分でやらなければいけないということがあって、この2点があるということを訴えておられます。
 それとあと1点はですね、知事、知事が1000万人の観光客の入域をやるために、ぜひこの問題はヤンバルに1000万人の観光客をやるためには、このドクターヘリをヤンバルでやらなければいけないということもあると思いますので、ぜひ御検討をお願いして私の代表質問を終わります。
○当銘 勝雄 昨日6月23日は、全島が祈りに包まれる日でありました。
 私も摩文仁の全戦没者追悼慰霊式に参加しました。
 昨日もみずからの思いを語られた河野洋平衆議院議長、ことしは議長として最後のそのあいさつの中で、率直に申し上げ、私自身沖縄の負担軽減のために胸を張れるような実績を残すことができなかった、このことを県民に謝罪をしております。沖縄の現状を憂う気持ちであり、このような政治家が今後多くなることを願うものであります。
 今度の本会議は、県立芸大の学生の皆さんによる格調高い沖縄の三線演奏で開会しました。くしくも100年の節目に県議会議員としてかかわれることは、私の人生にとりましても大変意義深いものでございます。
 沖縄県議会は100年を迎え、県民の負託にこたえて県勢の発展と県民福祉の向上に一層邁進しなければならないと気持ちを新たにした次第でございます。しかし、県議会は100年を迎え、なお続く侵略と抑圧の歴史に解決ができないふがいなさを感ずるものであります。
 我が琉球王国は、武器を持たない、礼節を重んじ、海外交易を大事にする国は1609年の薩摩の侵攻によって重圧に苦しみ、明治維新の廃藩置県による琉球処分は王府を決定的に崩壊させました。明治42年6月、他県より30年おくれて沖縄県会が設立された。さらに、去る大戦の後、サンフランシスコ平和条約で沖縄は切り離され、異民族支配という長い屈辱的な歴史を背負わされたのであります。米国民政府のキャラウェイ高等弁務官は、沖縄住民には自治政治は神話であると沖縄住民を抑圧したのであります。
 このような米国政府の抑圧的な政治や土地の買い上げ、軍用地料の一括払い、永久使用などのプライス勧告は島ぐるみ闘争となって祖国復帰運動につながったものであります。
 1971年6月、沖縄返還協定が調印され、同年11月に批准されます。日本国憲法下の法体系への移行準備が進められた。その根幹となったものが復帰対策要綱であります。沖縄住民の願いとはほど遠く、総点検の結果、作成されたのが沖縄の復帰に関する建議書であります。しかし、屋良主席が羽田空港に到着したときには既に復帰関連法案が可決されていた。県議会100年には、そのような抑圧と苦難の歴史がなお続いているのであります。
 そこで質問します。
 1、知事の政治姿勢について。
 (1)、グアム移転協定について。
 アは取り消します。
 イ、グアム移転経費について、アメリカの海兵隊総司令官は移転経費は足りないとして日本政府と話し合う必要があるとしております。国民の理解が得られると認識するのか。それに対しケビン・メア総領事は変更の必要はないとして関係者間で食い違いが出ていることについて、知事はどう思うか。
 ウ、米軍の海外経費負担は憲法違反との指摘もあります。政権交代によってグアム移転のパッケージが崩れることも予想されます。パッケージは普天間返還の最悪のシナリオにならないか問います。
 エ、民主党の岡田幹事長は普天間基地の代替地について、県外の具体的な候補地も視野に入れ、オバマ大統領と話し合う考えを示しました。知事の所見を問います。
 (2)、不発弾処理について伺います。
 不発弾対策について市町村負担の軽減は一歩前進でありますが、根本的な解決に至っていないのが残念であります。そもそも不発弾は、国が戦争を起こしたために存在するものであり、国の責任において一日も早く撤去されなければならないというふうに思います。それがなされていないために県民は不発弾による多くの被害をこうむっておるのであります。戦後、不発弾による負傷者は1281人、死亡者は710人に上ると報告されております。
 そこで質問します。
 ア、基金による不発弾対策は国の第一義的責任はないものとするのか。
 イ、被害を受けた方への見舞金支給額は余りにも少な過ぎます。何が算定根拠か、なぜ見舞金か、弔慰金なのか、問います。
 ウ、見舞金ではなく国の災害補償でなされるべきではないでしょうか。
 エ、さきの県議会で、民間工事の磁気探査を全額国庫負担で処理できるよう要望すると答弁したが、その後の経過はどうなっているか問います。
 (3)の15兆円の大型補正予算については取り消します。
 ア、イも取り消します。
 (4)、一連のケビン・メア在沖米総領事発言について問います。
 ア、普天間飛行場は危ないとは思わない、知事の3年以内閉鎖状態実現を全面否定、宜野湾市は米軍施設の近くに住宅建設を許可していると危険への接近は宜野湾市長が悪いと発言、4月の石垣民港への掃海艦を市民の反対を押し切って入港させ、入港反対の横断幕の取り外しで市民とトラブルを起こすなど、県民感情を逆なでするメア総領事の発言、態様に知事はどのような印象を持ち、どう対応したのか問います。
 大きな2、米軍基地問題。
 普天間飛行場は最も危険な基地であることから、その返還が約束された。しかしながら、それが実現しない。県民の70%が反対する県内移設に問題があります。さらに、何が何でも沖縄に普天間基地を押し込もうとすることが遅々として進まない状況をつくっていると思います。アセスで影響はないとすることが問題であります。
 (1)、普天間飛行場の代替施設のアセス問題について問います。
 ア、沖縄防衛局の環境影響評価準備書は膨大なページを割いたが、一方、必要なものが追加・後出しで、これでは十分な審査ができないとの指摘があります。なぜか。
 イ、これまでに追加された項目は何項目か問います。
 ウ、大量の埋立土砂をアセスの対象外とする論拠は何か。
 エ、具体的にそれぞれの採取現場でアセスは可能なのか。
 オ、1700万立方メートルの砂利は、年間採取量の12年分に相当すると言われております。浅海域の微生物や魚介類の産卵への影響はなしと言えるのか。
 カ、参議院外交防衛委員会で政務官及び水産庁の増殖推進部長は、大量採取は水産資源に影響する可能性があると答弁し、アセスは知事が判断すると述べております。どう認識するか。
 (2)、海兵隊のパラシュート訓練について。
 6月11日、津堅島訓練水域での訓練はなぜ通報しなかったか。また、6月18日に行うと通報した訓練の中止の理由は何か。パラシュート訓練及び通報体制のあり方についてどう対応したか問います。
 大きな3、雇用失業対策について伺います。
 (1)、失業率改善をどう図るかについてでありますが、全国並みの失業率に改善することは知事の選挙公約であります。公約実現ができなければ選挙に勝つためのうたい文句であったとのそしりは免れない。知事の任期はあと1年余りです。
 そこで伺います。
 ア、2008年度の完全失業率7.6%、有効求人倍率は0.3倍と改善の兆しが見えない。理由は何か、どう対策を講じたか。
 イ、知事は、失業率を全国並みの4%台に改善すると公約したが、7%台の失業率をどう改善するか明確に示されたい。
 ウ、これまでのアメリカなどへの外需依存の経済政策の破綻、内需拡大の必要性が指摘されております。失業率改善の内需拡大は何が有効と考えるかお示しください。
 エ、不発弾事業費の拡大は、不発弾の早期撤去と失業率改善に効果があると考えるが、大型補正予算でどう反映されるか。
 (2)、職業能力開発校における訓練機能の拡大について。
 雇用失業情勢が厳しい折、職能訓練を行う職業能力開発校の機能強化と拡大は重要であります。しかしながら、職員団体から出された陳情書について、陳情者の参考人招致と現場の学校視察をしましたが、幾つかの改善点があるというふうに思います。
 お聞きします。
 ア、浦添並びに具志川職業能力開発校における職業訓練は、応募者が多いにもかかわらず定員の拡大ができない理由は何か。
 イ、自動車整備科やOA事務科などは3倍ないし4倍の応募状況になっているが、その改善はなされたのか。
 (3)、職業能力開発校における指導体制強化について問います。
 ア、訓練指導員の数が両校とも非常勤が多く占めている理由は何か。正職員で充てるべきではないか。
 イ、訓練指導員を特別職非常勤に位置づけ、賃金職員のように1ないし3年で切りかえようとしているが、職能訓練の指導体制はとれると考えているのか問います。
 ウ、これまで採用した指導員も特別職非常勤職員として切りかえていく考えなのか問います。
 (4)、公契約条例について伺います。
 ILO94号条約は、公的機関による請負契約において労働者の健康、安全、福祉に関する公平でかつ合理的な条件を確保するために定められているが、残念ながら日本は批准されておりません。しかし、厳しい財政状況の中で、公共工事などにおいて低価格、低単価による契約、発注などにより受注企業の経営悪化や労働者の賃金や労働条件の低下を招く問題が生じております。そのため、自治体においては独自の条例の制定が進められております。
 そこでお聞きします。
 ア、公共事業などの執行に当たって人件費の圧縮につながる傾向にあることから、ILOにおいては公契約条例の制定が進められております。地方自治体における条例制定の動向はどうか。
 イ、本県の公契約条例制定をどう進めるか。
 大きな4、産業政策。
 (1)、産業構造の改善について問います。
 ア、景気は60%以上が内需によって支えられると言われます。外需頼みの経済、産業構造が指摘されております。内需拡大ができる産業構造をどう改善すべきだと考えるか。
 (2)、農業問題について。
 ア、WTO農業交渉における我が国は、各国の多様な農業の共存を堅持するとした基本方針で臨んでおりますが、ラミー事務局長のあっせん提案とはほど遠く、再任されたラミー提案で押し切られた場合、本県農業は崩壊することが指摘されております。どう対策を講じているか。
 イ、WTO閣僚会議は、世界的な景気回復を図るためには多角的な貿易の推進を図る必要があるとして、WTO交渉の加速化が予想されるが、砂糖は4%の重要品目に入れるか。
 ウ、本県の食料自給率はさとうきびを除けばたったの6%、これは極めて憂慮する問題である。年次的に食料自給率をどう改善していくか。
 (3)、さとうきびの新価格制度について問います。
 ア、現行の価格制度で実施されると6割の農家が――先ほど部長は5割と答弁していました――交付金支払いの対象外になる。これまでの対策がなぜ生かされないのか。
 イ、制度の見直しが必要と考えるが、どう進めるか。
 国道3事業については取り消しをいたします。
 それから、教育のところで、県立美術館の運営についても取り消しをいたします。
 (2)の沖縄科学技術大学院大学についても取り消しをいたします。
 (3)、児童生徒の薬物対策について。
 ア、公立中学校の大麻など薬物アンケートで、使用を誘った相手が友人・先輩が24%、家族が5.3%、近所の人が2.3%、合わせて30%以上が実に身近な人たちであります。この質問通告後に2人の英語教師が大麻取締法違反で逮捕されております。まさしく児童生徒の最も身近なところで起きているのであります。今後徹底した対策が必要であるが、どういう対策を講じていくか問います。
 イ、薬物使用について、他人に迷惑をかけていないので個人の自由だと肯定しているのが5%もいることは大変な問題であります。どう指導していくか。
 7、環境対策について。
 (1)、京都議定書後の県におけるCO2削減計画と実績について。
 ア、数値目標と実績を問います。
 イ、何を進めてきたか問います。
 以上であります。
○知事(仲井眞弘多) 当銘勝雄議員の御質問にお答えいたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、普天間飛行場の県外移設に係る御質問にお答えいたします。
 市街地の中心部にあります普天間飛行場は、住民生活に深刻な影響を与えており、早期に危険性を除去し騒音の軽減を図るなど、周辺住民の不安を解消することが緊急の課題であると考えております。
 普天間飛行場移設問題につきましては、県外移設がベストだとは思いますが、米軍再編協議の経緯等から県外移設は困難であり、一日も早い危険性の除去のためには県内移設もやむを得ないものと考えております。
 次に、同じく政治姿勢の中で不発弾に係る御質問で、基金による不発弾対策の国の第一義的責任についてどう考えるかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 不発弾等に関する対策につきましては、麻生総理大臣も国会答弁において、戦後処理の一環として国が責任を持つ旨の答弁をされております。
 今回の基金の設置に当たりましては、実質全額国の支援により措置されたものでございます。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中で、メア総領事の発言に係る知事の所感という御趣旨の御質問にお答えいたします。
 報道で伝えられる総領事の発言は、沖縄の基地形成の歴史的経緯や、今なお沖縄県に存在する広大な米軍基地に対する県民感情に配慮を欠いている面があるのではないかと考えております。
 次に、雇用失業対策の中で、御質問の3の(1)のアと3の(1)のイが関連しておりますので、恐縮ですが雇用情勢が改善されない理由と対策、7%台の失業率の改善についてという御趣旨の御質問に一括して答弁させていただきます。
 昨年度の県内の雇用情勢は、雇用の場の不足や求人と求職のミスマッチなどの要因のほか、国内経済及び世界経済の悪化を受けてこれまで以上に厳しい状況となりました。このため、「雇用再生特別事業基金」及び「緊急雇用創出事業臨時特例基金」を活用して、雇用創出効果の高い事業を県及び市町村で実施しますとともに、職業訓練や就職支援を拡充するなどさまざまな事業を実施し、沖縄県の厳しい雇用失業情勢の改善に努めているところでございます。
 また、失業率の改善に向けては引き続き全部局が連携をしました産業・雇用の拡大を図りつつ、「みんなでグッジョブ運動」のさらなる展開について、関係機関はもとより県民一人一人に呼びかけ、一丸となって取り組んでまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(上原良幸) 知事の政治姿勢の御質問で、グアム移転費の費用負担についてお答えいたします。
 「再編実施のための日米のロードマップ」では、第3海兵機動展開部隊のグアムへの移転のための施設及びインフラの整備費算定額102.7億ドルのうち、日本が60.9億ドルを提供することなどが示されております。
 また、日本側負担の具体的な額については個々の事業の進展とともに明確になり、国会において審議されるとのことであります。
 なお、中曽根外務大臣は去る6月9日の記者会見において、海兵隊司令官の発言の意図はよくわからないが、日米両国では、米軍再編についてはロードマップにのっとって実施していくということで合意しており、その方針に変わりはないと発言しております。
 同じくパッケージ論と普天間飛行場の返還についてお答えいたします。
 2005年に発表された米軍再編の中間報告の中では、「これらの具体案は、統一的なパッケージの要素となるものであり、パッケージ全体について合意され次第、実施が開始されるものである。」としております。
 これについて当時の額賀防衛庁長官は、一つでも欠けたらこの考え方が着手されないとの発想ではない。負担の軽減と同時に抑止力の維持というバランスを失することがないようにしておくということであるとの発言をしており、負担軽減と抑止力のバランスを図って米軍再編を進めることを示したものと理解しております。
 県としましては、合意された米軍再編のうち、実施可能なものから先に進展していくものであると考えております。
 次に、知事の政治姿勢で不発弾関係ですが、見舞金支給額の算定根拠についてお答えいたします。
 不発弾爆発事故により被害を受けた方への支援金については、自然災害に対する災害復旧制度・弔慰金制度を基本としつつ、沖縄県の特殊事情や見舞金の支給を行った唯一の事例である昭和49年の那覇市小禄での事故の際の見舞金の金額を参考に定めております。
 被害を受けた方への支援については、労災制度における一時金や年金の給付も見込まれることから、全体として考えていただく必要があると考えております。
 同じく見舞金ではなく国の災害補償でなされるべきではないかとの御質問にお答えいたします。
 県としては、不発弾処理は戦後処理の一環として国が責任を持って取り組むべきと考えております。
 国によると、不発弾爆発事故に対する国による補償については、他の戦争被害の補償問題との兼ね合い、均衡などから極めて難しい問題であり、かつその解決のためかなりの時間を要することなどから、今般、不発弾爆発事故に関する被害救済の仕組みの創設につながっております。
 同じく不発弾関係で、民間工事の磁気探査の全額国庫負担についてお答えいたします。
 国は、民間工事の磁気探査への直接補助について、その適正さの検証ができないことなどから困難と考えております。
 その代替策として、民間工事予定地を含めた開発地域の調査を行い、これらの地域においても国庫補助による磁気探査を実施していきたいと考えております。
 次に、米軍基地問題の御質問で、米軍のパラシュート降下訓練についてお答えいたします。
 米軍によると、6月11日の津堅島訓練場水域におけるパラシュート降下訓練において、提供水域外に降下した理由は、突風にあおられた結果とのことであります。
 米軍の演習については、昭和47年5月の日米合同委員会合意に基づき、米軍は7日前までに沖縄防衛局に通告することとされており、同局は県、関係市町村及び漁業権者等に通告内容を通知しております。
 同日の訓練については、6月2日に沖縄防衛局から一般演習を行う旨の通知がありました。また、米軍によりますと、6月18日に予定されていたパラシュート降下訓練の中止理由は、天候不良に加えキャンプ・シュワブ周辺の各地区で平和祈願祭が予定されていたことに配慮したとのことであります。
 雇用失業対策で、不発弾事業費の拡大と大型補正についてお答えいたします。
 不発弾等処理事業については、平成21年度当初予算で4億9659万円を措置しております。今回の補正におきまして1億952万円が計上されており、探査面積で当初計画より30%増となっております。これにより磁気探査の加速化が図られるものと考えております。
 以上であります。
○文化環境部長(知念建次) 米軍基地問題との関連で、事業内容が追加・後出しされたことについてお答えをいたします。
 環境影響評価制度は、環境影響評価の結果を事業計画や環境保全対策に反映させることにより、環境保全の観点からよりよい事業計画をつくり上げていくことをねらいとしており、手続の過程で事業内容が修正されることを前提とした制度であります。
 そのため、事業者においては方法書についての知事意見を勘案したり、みずからの必要性などにより事業計画を追加・修正したものと理解しております。
 なお、事業者は、方法書段階から追加・修正された事業内容をもとに環境影響評価を実施しており、その結果を準備書に記載しておりますので、県としましては、名護市長及び宜野座村長の意見を勘案し、住民等意見に配意するとともに、環境影響評価審査会からの答申を踏まえ、環境の保全の見地から意見を述べてまいりたいと考えております。
 次に、準備書で追加された事業内容についてお答えをいたします。
 方法書段階の事業内容から追加された主なものは、ヘリパッド4カ所、洗機場の排水処理施設、汚水処理浄化槽などであり、その他の変更として、作業ヤードの大浦湾西岸海域の取りやめや海上ヤードの位置の変更、大型護岸の係船機能つき護岸への変更などがあります。
 次に、埋立土砂の採取がアセス対象外となる論拠及び採取現場でのアセスについて一括してお答えをいたします。
 事業者は、埋立土砂約2100万立米のうち、約1700万立方メートルの土砂について購入するとしております。
 土砂等の販売業者が行う土砂の採取は、その目的と事業者が異なるため、環境影響評価法で定める事業の定義から判断して、本事業の環境影響評価に含まれるものではありません。
 土砂等の販売業者が行う土砂の採取による環境影響については、当該業者が各種関連法令に基づき必要に応じ適切に措置すべきものであります。
 なお、事業者は、辺野古ダム周辺区域において事業者みずからが行う土砂採取については、関連工事として環境影響評価を実施しております。
 次に、海砂の採取による環境影響と、参議院外交防衛委員会での答弁について一括してお答えいたします。
 沖縄県環境影響評価条例で対象事業としている「土石又は砂利の採取の事業」は、陸域部分で行われる採取に限定していることから、海砂の採取は同条例の対象とはなりません。
 しかし、海砂を大量に採取した場合には魚介類の産卵場や生息環境に影響が及ぶ可能性があると考えております。そのため、土砂等の販売業者が海砂を採取する場合には、当該業者が各種関連法令に基づき必要に応じ適切な措置を講じて環境の保全に配慮する必要があると考えております。
 次に、環境対策の御質問で、CO2削減計画の数値目標と実績についてお答えをいたします。
 沖縄県では、平成15年8月に「沖縄県地球温暖化対策地域推進計画」を策定し、県内の温室効果ガス排出量を2010年度までに2000年度レベルから8%削減することを目標に取り組みを進めてきたところであります。
 本県の2006年度の排出量は、基準年から14%増加しており、目標達成は厳しい状況にあります。
 なお、本県の排出量の経年変化については、計画策定前の2000年度から2003年度までの3年間では年間平均約4%ペースで増加しておりますが、県計画策定後の2004年度からは年間平均約0.4%の微増傾向となっております。
 次に、県のCO2削減計画についてお答えいたします。
 沖縄県では、「沖縄県地球温暖化対策地域推進計画」に基づき、県民、事業者団体、行政等129団体で構成する「おきなわアジェンダ21県民会議」等と連携し、エコライフ、エコオフィス活動の実践を促すため、「県民環境フェア」等の普及啓発を実施しております。
 また、県みずからが率先して対策を実施するため、「沖縄県環境保全率先実行計画」を策定し、環境マネジメントシステムや県有施設へのESCO事業の導入等に取り組んでおります。
 さらに、事業者に対しては、環境マネジメントシステム「エコアクション21」の導入促進事業を実施するなど、取り組みの強化を促しているところでございます。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 雇用失業対策について、失業率を改善するための内需拡大についての御質問にお答えしたいと思います。
 内需を拡大し失業率を改善していくためには、産業振興及び企業誘致などを一層拡充強化していく必要があります。そのため、観光・リゾート産業については、将来の観光客数1000万人を目指し、観光基盤の整備とあわせて戦略的な誘客活動を推進しております。
 製造業については、産学官連携による新商品開発や品質向上、おきなわブランドの確立、県産品の販路拡大等を支援しております。
 企業誘致については、沖縄IT津梁パークを引き続き整備促進するとともに、サポーティング産業誘致型賃貸工場を整備して誘致環境をさらに整えていきます。
 沖縄県としては、これらの施策を着実に実行していくとともに、6月補正予算案で計上している経済危機対策についても即効性があり、内需拡大につながるものと考えております。
 次に、県立職業能力開発校の訓練定員の拡大ができない理由とその改善について一括してお答えいたします。
 県立職業能力開発校においては、施設内での訓練のほか、民間教育訓練機関等を活用した委託訓練を実施しております。
 施設内訓練の拡充については、新たな設備の導入や人員の確保が必要となるため、今年度中に策定予定の職業能力開発校の再編整備計画の中で検討してまいります。
 一方、民間への委託訓練につきましては、厳しい雇用情勢の中、離職者の早期就職支援のため約1億3000万円の委託訓練経費を補正予算案に盛り込んだところであります。これにより、当初予算に比べ20コース、定員425名が増加し、OA事務科を含め職業訓練機会の提供の充実に努めているところであります。
 次に、県立職業能力開発校の職員体制についての御質問にお答えします。
 職業能力開発校の職員につきましては、訓練科目への社会ニーズや現在の職員体制等を総合的に勘案して、必要な人材を確保しております。
 職業訓練指導員を正職員のみの体制とすると、訓練科目の硬直化を招き時代のニーズに合った訓練が行えなくなることが危惧されることから、正規職員が全般的な責任を有する体制のもと、非正規職員と連携して指導を行っております。
 一方、状況に応じて正規の職業訓練指導員の採用を行っており、具体的な動向としましては、平成20年度に任期つき職員を5名、平成21年度には正職員を1名採用し、今後さらに正職員1名を追加して採用の予定であります。
 次に、県立職業能力開発校の指導体制の維持及び非常勤講師の採用についての御質問にお答えします。
 沖縄県の嘱託員の任用は、嘱託員の委嘱期間は1年以内とし、2回に限り更新することができるとする県の方針のもと、統一的に取り扱っており、他の嘱託員との公平性からも職業能力開発校の非常勤講師のみ異なる取り扱いをすることは困難であると考えております。
 しかしながら、職業能力開発校の訓練指導員については、職業訓練の質の向上と指導体制の維持を図るため、適切な人材の確保に努める必要があります。このため、非常勤講師の採用に際しては広く一般公募を行いますが、現在勤務している方も任期満了後、再度応募し、公平に選考の対象とすることとしたところであります。
 次に、地方自治体における公契約条例制定の動向についての御質問にお答えします。
 公契約条例の制定に関して、全国の都道府県や市町村議会で、国に対する公契約法の制定や自治体に対する公契約条例の制定を求める意見書の採択が行われております。
 全国建設労働組合総連合の調査集計によると、平成21年1月時点で722の地方議会で730件の意見書が採択されております。
 なお、公契約条例を制定した自治体の情報は現在得ておりません。
 次に、公契約条例制定をどう進めるかについてお答えします。
 本県における公契約条例の制定につきましては、国における公契約法の制定の動向を見守りつつ適切に対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 産業政策との関連で、内需拡大ができる産業構造についてお答えいたします。
 我が国の経済は、高い技術力を背景に自動車や電気・精密機械などの輸出型産業によって支えられてきたことは御案内のとおりでございます。
 しかしながら、昨年発生をした100年に一度と言われる未曾有の世界同時不況により、我が国経済は輸出型産業を中心に大きな打撃を受けるなど、景気の大幅な収縮と大量の派遣切りなどに見られるように失業率も大きく悪化してきております。本県においても、観光客の大幅な減少など観光産業を中心に大きな影響を受けております。
 我が国において、今後内需拡大に寄与することが期待される産業分野としては、農業、介護・医療分野、環境関連産業分野、情報通信関連分野などが考えられますが、これらの産業分野は島嶼県である本県の強みが生かされる分野でもあり、持続的発展を図る上でも重要な産業分野と考えております。
 我が国の産業経済のあり方としては、これらの内需型産業を振興するとともに、引き続き高い技術力を生かして世界をリードし、技術移転等の役割を担っていく必要があると考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 産業政策で、WTO農業交渉に関する県の対応について一括してお答えします。
 国は、WTO農業交渉に当たって多様な農業の共存を基本方針に、国内農業への影響を十分踏まえ適切に対処することとしております。
 県としても、国に対しWTO農業交渉においては、我が国の基本的立場を堅持して交渉に当たるとともに、本県の重要作物であるさとうきびの関税に係る現行制度が維持されるよう、農業団体等と連携し強く要請を行っているところであります。
 今後とも、WTOの動向や国の対応を踏まえつつ、関係団体等と連携し適切に対応してまいります。
 同じく産業政策で、食料自給率向上についてお答えします。
 本県の食料自給率は、平成19年度の概算値で33%となっており、平成23年度の食料自給率目標を40%に設定しております。
 県としては、食料自給率の向上を図るため、農林水産業振興計画に基づき拠点産地の形成による生産供給体制の強化や地産地消の推進、農林水産業の基盤整備など各種施策・事業を総合的に推進しております。また、平成20年9月に策定した「沖縄県地産地消推進計画」に基づき、1、市町村地産地消推進計画の策定支援、2、学校給食、観光関連施設等における県産食材の利用促進、3、直売所及び量販店等における販売促進、4、「おきなわ食材の店」登録の推進など、地産地消推進運動を計画的に展開しているところであります。
 同じく産業政策で、さとうきび経営安定対策について一括してお答えします。
 さとうきび経営安定対策の支援対象は、認定農業者を初め基幹作業を委託する者、共同利用組織に参加する者に加え、平成21年産までの特例として生産組織に参加する小規模農家などとなっております。
 基幹作業のうち、収穫については平成20年産より見直しが行われ、刈り倒し、または搬出のみを委託した場合も支援対象となったところであります。この見直しにより、本則要件を充足する生産農家割合は、現状の4割から5割程度に拡大することが見込まれております。
 県としては、すべての生産農家が経営安定対策の支援対象となるよう、引き続き関係機関・団体等と連携し、条件整備を進めるとともに、機械化のおくれなど地域の実態を踏まえた対象要件の緩和・見直し等について国に対し強力に要請してまいります。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは、教育の御質問で、児童生徒の薬物乱用防止策についてお答えをいたします。
 本県の中学生を対象にアンケート調査を実施したところ、薬物に対する認識の不足や規範意識の低さ、身近な人から誘われる等の実態が明らかとなり、憂慮すべき事態であると重く受けとめております。
 去る6月5日に生徒代表、PTA、県警等関係9団体が一堂に会し、薬物の乱用防止に向けて各関係機関・団体がそれぞれの役割と取り組み内容を明確にするとともに、「薬物乱用防止共同アピール」を宣言いたしました。
 その内容は、「健やかで夢に満ちた沖縄を築くために、」、「子供として」は「未来に誇れる自分」を、「保護者として」は「帰りたくなる家庭」を、「地域の大人として」は「住みたくなる街」を、「教育者として」は「行きたくなる学校」をつくっていくこととしております。
 県教育委員会としましては、県民総ぐるみで薬物乱用防止運動を展開し、青少年の健全育成を推進してまいります。
 次に、児童生徒の指導についてお答えいたします。
 他人に迷惑をかけなければ何をしてもいいという考え方は、薬物に対する認識以前の問題であり、規範意識の低さによるものと考えられます。「悪いことは悪い」ということを大人がしっかりと伝えていくことと、子供たち相互の人間関係づくりを通して互いに規範意識を高めていく必要があります。
 県教育委員会としましては、学校教育活動全体を通してみずからの健康を害する行為をしないという毅然とした態度と、薬物乱用は自分ばかりではなく社会にも悪影響を与え、所持するだけでも犯罪、一度でも乱用になるという規範意識、また自分の一生を大切にできる自己肯定感を高めるなど、指導の充実に努めてまいります。
 以上でございます。
○当銘 勝雄 再質問をしますが、農林水産部長、私の質問に答えてない。観光商工部長も答えてない、はぐらかし答弁。これは次にまた9月議会あたりで徹底してやりますので。
 それから知事、今上げたきょうの新聞ですね、読売新聞の6月24日付の新聞です。「普天間移設拒否の条項」ということで、大きな見出しが出ていまして、2010会計年度国防予算権限法案が可決されたと。これは、日米両政府が合意の実現を困難にする条項が含まれているということです。
 これはなぜかというと、やっぱりアメリカの国防省が滑走路が短いとか、近くに学校(国立沖縄高専)がある。それから飛行経路に電柱などの障害物があると。こういうことでこれではだめなんだと。これはアメリカの方で可決しているんですよ。したがって、新たに移設場所を探すべきだとの立場までアバクロンビー下院議員は表明したと、こういうことなんです。ぜひお答えください。
○知事(仲井眞弘多) 当銘勝雄議員の再質問にお答えいたします。
 確かに6月24日、きょうの読売新聞だと思います。
 今の御質問に対しては、国防予算権限法案の当該修正条項が現在の普天間飛行場代替施設建設計画及び県が求めております沖合移動などにどのような影響を与えるかにつきましては、現時点では明らかではありません。今後の推移を注視する必要があります。情報収集に努めたいと考えているところでございます。
○当銘 勝雄 これは知事、知事もそうですし、公室長もさっきから全くこういうことはありませんということで、中曽根外務大臣の対応を引き出したり、こうやっていますが、現実の問題を余りにも知らなさ過ぎるんですよ。私たちは、こういうことではだめでしょうと。今の普天間基地というのは、キャンプ・シュワブではだめでしょうということでずっと言い続けている。これが今、ようやくアメリカから明確に示されたということです。これをひとつそういうことで、今後十分な検討をしてください。
○議長(髙嶺善伸) 20分間休憩いたします。
   午後3時26分休憩
   午後3時47分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前に引き続き代表質問を行います。
 仲村未央さん。
   〔仲村未央さん登壇〕
○仲村 未央 それでは本日の最後ですので、よろしくお願いします。
 今月の初旬、文教厚生委員会で北部市町村を訪ね、所管の施設、県機関等の現状と課題を伺ってまいりました。広い地域ですので、今回は県立高校の視察が中心となりましたが、どこも定員割れが深刻で各校とも非常に頭を悩ませておりました。
 特進クラスを設ける、村営の学習塾を設けるなど進学を支援する取り組みや、ゴルフ部など特化した部活動でほかの地域からの生徒の獲得にも力を入れるなど、さまざまな形で学校、保護者、地域がまさに試行錯誤、必死の取り組みを展開しております。
 そんな中、ひときわ印象に残ったのが辺土名高校でした。ノグチゲラ、ヤンバルクイナもすむ貴重な森林を有する自然環境を生かした専門科・環境科のクラスです。この学科に魅力を感じて、県外6県から7名が在籍し、寮生活をしながら生き生きと学んでおります。寮が休みになる土・日には、地域の農家さんにホームステイの協力をお願いし、家庭的な環境を提供しながら安心した高校生活を送れるよう、地域と連携して支える体制をとっておられました。
 しかし一方で、辺土名高校では廃校になってしまうのではないかという危機感を非常に強く持っていました。3年続けて2クラスを割ると統廃合の対象になると、県教育委員会から一定の基準が示されているようであります。
 地域から人材が流出し若者がいなくなるというのは、何も学校のせいではないでしょう。むしろ社会構造、産業構造、医療や福祉などのセーフティネットの問題であり、採算に合わないから学校もなくなっていくというのでは地域の衰退をさらに加速させることになると思えてなりません。
 さて、昨日「骨太の方針2009」が決定したようであります。社会保障費の機械的な抑制による歳出削減を進めてきたいわゆる小泉路線からの転換ということで、与党内でもめにもめて決着したようであります。来る衆院選は、この間ずたずたになった雇用、社会保障、医療、地方の立て直しに向けたビジョンが大きな争点として問われることになるということになりましょうか。
 以上、所感といたしまして、社民・護憲ネットを代表し、引き続き質問に入ります。
 今回ちょうどこの6月定例会に間に合わせるかのごとく、県の「県立病院のあり方に関する基本構想」が6月16日に公表されました。
 3月の答申を受け、4月の段階で示された経営形態に関する基本方針案は、3年後の平成24年の独法化を目指し、本年度からその取り組みを開始する、現行形態ではもはや限界に達していると結論づけたものでしたが、その論拠が飛躍しており、現在病院事業局が進めている県営再建計画との整合性も問われ、結論先にありきだとの批判が、強く県民、関係者から上がりました。
 残念ながら、今日までの経過の中で仲井眞知事は独法化ありきだとの懸念が全県に広がっております。そして、ありきの議論では地域医療の崩壊にもつながりかねないとの危機感から、離島医療を守れという陳情が上がり、北部地域では北部病院を失ってはならないとする圏域住民のシンポジウムがあり、中部でも中部地区医師会が主催して1000人を超える人々が結集し、中部病院の存続を訴える集会などが開かれてきました。また、県議会も去る2月定例会で、今の全適の成果の検証結果を踏まえるものとし、拙速な判断を行わないこととの県民意思を示す決議を全会一致で可決したところです。
 このような各地、各方面での動きを踏まえるならば、知事は一たん独法化の方針を撤回した方がいいとさえ私は思っています。
 ただ、今回まとまった基本構想を見る限り、知事御自身もそういった県民の声、議会の声をもはや無視できないとの状況にあると判断したものと受けとめます。独法化するにせよ、全適で行くにせよ、いずれにしても現在の一時借入金の解消、不良債務の解消はやらなければならないから、順番がどうでも同じことだという姿勢が全面ににじみ出ていた4月の段階の方針案と、今回まとまった基本構想との違いは、これら県民の声、議会の決議の趣旨を踏まえて経営形態ありきではない、現行形態の存続も当然選択肢の第1番目にあるのだというところに落ちついたことだと思っています。ここにまとまるに至った経過は、単なる文章の入れかえではないと思っていますが、知事いかがでしょうか。
 そこでお尋ねをいたします。
 ア、今回まとまった基本構想の骨子を示してください。
 イ、今回の構想は、県議会の決議についても踏まえたものになっていますか。
 ウ、今申し上げましたように、経営改善、事業局と現場のみならず、知事の責任において進むものと考えています。経営再建計画の進捗と見通し、その達成に向けた仲井眞知事の決意を伺います。
 エ、構想に盛り込まれた「県が提供する政策医療の内容・範囲、それに係る財政負担の基本方針」の策定は、政策責任を明確にする上で必要不可欠です。いつまでに策定しますか。
 オ、議会決議の中でも求めましたが、7対1看護体制に向けた検討の進捗、導入の見通しはどうなっていますか伺います。
 (2)、新型インフルエンザ対策について、体制の現状と課題を伺います。
 次に、介護保険制度改定、その影響について伺います。
 介護保険制度は、2009年度改定で介護判定の新しい基準を導入しましたが、要介護度を低くすることで給付の抑制をもくろんでいるのではないかと疑われる変更となったため、新しい基準で介護度が下がった人はこれまでの介護度を選んでもいい、重いランクの方をとってもいいという展開に追い込まれました。
 例えば、従来はベッドから足をおろして10分間座っていられるかどうかを一つの介護判定基準にしていましたが、今回の改定では、それが1分に短縮され、1分間座っていればコンピューターによって自立と判定される。あるいは重度の寝たきりの方については、従来移動に要する介護の手間を全介助として、最も助けを必要とするケースと判定されていたものが、新しい基準では、寝たきりの人は移動の機会がないから介助なしで自立となり、同じく髪の毛がない方も切る必要がないから介助なしで自立となる。こんなことで、恐らく利用者の半分以上がこれまでの要介護ランクを下げられる。体の状態は変わらないのに2ランクも下がる、こういう不安の声が上がっています。
 一方、今回は介護報酬が制度始まって以来のプラス改定、3%アップとなりました。
 労働環境を少しでも改善しようと、報酬の引き上げに踏み切った動機はわかりますが、これはすべての事業者に無条件に適用されるものではなく、あくまで基準以上の体制の充実を図ったところに認められる加算が中心であり、その加算がとれる事業所は限られています。
 しかも、報酬改定はしたのに受けられるサービスの限度額は据え置きのままとなったのが一番おかしいところで、これまでと同じサービスを利用しても、それぞれの単価が上がったために限度額を超えてしまう。その超えた分は全額自己負担となるため、サービスを受ける方の負担が上がるという事態を招いています。もっと言えば、利用者負担の増加でサービス利用の抑制を招くおそれがあるため、あえて加算を取得しない、こういう事業者の声も聞かれるほどです。
 このように介護報酬にすべてを連動させていくと、従事者の給与を上げようとすれば、利用者の1割負担、限度額を超えた分の全額自己負担にどんどんのしかかってくるという仕組みにならざるを得ないわけで、これでは事業者、利用者、双方持ちこたえられないのではないかと思えてなりません。
 そこで伺います。
 ア、2009年度改定のポイント、施行後すぐに改定の改定をせざるを得なかった理由、内容についてお示しください。
 イ、認定の見直し、調査項目の変更・削減により、介護度(認定ランク)が軽くなる傾向があるとの懸念の声があるが、実態はいかがでしょうか。
 ウ、介護報酬は初のプラス改定となりました。事業所、利用者それぞれにどのような影響がありますか。利用限度額が据え置かれたままで、実際に加算がとれた事業所の割合はどれほどか。ねらいどおり労働環境の改善、従事者の収入増につながるのか伺います。
 (2)、本県の介護従事者の平均月収、継続年数、離職率を示されたい。
 (3)、介護療養型医療施設は平成23年度末で全廃となることが決まっていますが、受け皿の整備はどうなっていますか。行き場を失う「介護難民」の発生が危惧されますが、現在の病床数と需要、入所待機者の数、今後の転換の見通しをお示しください。
 次3番、嘉手納の騒音被害について伺います。
 嘉手納町が独自にこのような聞き取り調査を平成19年に行っています。これは、6つの行政区300世帯に直接伺って日常的に騒音をどう感じているか詳しく聞き取るという面接調査であります。
 その中で少しだけ紹介をいたしますと、心休まる自宅がどこよりも一番うるさい。子供たちはこんな環境で生活ができないと町から出て行ってしまった。安定剤を飲んでいるが一度起きると眠れなくなるので困る。せめて夜だけでも静かにして約束事は守ってほしい。そういった非常に生活破壊、健康がむしばまれている様子が手にとるように伝わってきます。
 こういったことの改善に向けて、米軍再編、負担軽減という名のもとにF15の訓練移転を行ったはずです。
 それについてお尋ねをいたします。
 ア、負担軽減の名目による平成19年からの訓練移転で嘉手納基地の騒音は減りましたか。外来機の飛来、常駐化、夜間・未明の離発着により被害はむしろ激化しているが、実態をどのように認識されていますか。
 イ、低空飛行、急上昇、急旋回、編隊飛行、駐機場からの断続的な低音響騒音で地域住民の生活、健康は日常的に侵されています。疲労、聴力異常、ストレス、慢性的な睡眠障害、排ガスの悪臭、鼻、のど、目、吐き気など健康被害の訴えがあります。関連を調査する必要があると考えるがいかがでしょうか。
 ウ、県立嘉手納高校の授業中断の実態について把握されていますか。空調が使用できないとされている季節の防音対策をどのように考えているか伺います。
 (2)、嘉手納基地を抱える自治体は再編交付金の対象外です。訓練移転による負担軽減が理由ですが、運用の実態に照らして交付金算定の配点は妥当と言えますか。
 (3)、改正県生活環境保全条例――これは10月1日施行でありますが――この中で、県は市町村と連携して米軍基地の管理責任者に対し、米軍基地に起因する航空機騒音等環境問題の軽減のための協定の締結を申し入れることができると規定をしました。この施行に向けた取り組みを伺います。既に独自の協定案を作成した自治体もありますが、連携、協議はどのように進められますか。
 4番、指導カルテについて。
 (1)、個人情報保護条例との関係について伺います。
 ア、カルテの個人情報は、条例により適正に管理されていると考えていますか。
 イ、現在運用されているカルテの管理者はだれになりますか。
 ウ、カルテの保存期間は何年ですか。定めがあるのか伺います。
 エ、指導上の必要によって、教員以外の者に情報が提供される場合の取り扱いの定めはありますか。
 (2)、課題と今後の方向について。
 ア、教育委員会における議題、カルテをめぐる現状と課題についてどのようにとらえているのか伺います。
 イ、「外部有識者を含む検討委員会」の設置、保護者や児童生徒、現場との認識の共有について伺います。
 5番、沖縄学生会館の再建について。
 千葉県習志野市在の学生会館は去る3月、老朽化により廃止をされましたが、その意義、必要性はなお高く、再建を求める声があります。建設すべきではないか伺います。
○知事(仲井眞弘多) 仲村議員の御質問にお答えいたします。
 まず第1に、県立病院のあり方、医療提供体制に係る御質問の中で、1の(1)のアと(1)のイが関連しておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。内容は、基本構想の骨子及び県議会決議との関連についてという御趣旨の御質問です。
 「県立病院のあり方に関する基本構想」は、県立病院の医療機能及び運営体制の見直し並びに公立病院等の再編・ネットワーク化に関する県の基本方針を定めてございます。
 この概要を申し上げますと、県立病院の改革は地域において必要とされる医療の持続的な提供、県立病院の医療水準の向上及び病院現場の勤務環境の改善を目的に行うことといたしております。
 医療機能の見直しでは、北部病院、宮古病院及び八重山病院は、所在する保健医療圏において極めて重要な役割を果たしていることから、これらの病院が提供している救急医療、小児医療、周産期医療など地域において必要とされる医療機能については、県が政策的に確保しなければならない医療として位置づけ、今後とも維持していくこと、また、南部医療センター・こども医療センターの母子総合医療機能以外の機能につきましては、所要の見直しを検討することといたしております。
 運営体制の見直しにおきましては、経営形態に関する基本方針を定めたほか、意思決定の仕組みの見直しなど、経営形態以外の運営体制の見直しについて取り組むべき課題を整理いたしております。
 県といたしましては、この基本構想で示しました改革に取り組み、県立病院の果たすべき役割であります離島医療、救急医療、小児・周産期医療など、地域において必要とされる医療を今後とも堅持していく考えであります。
 また、経営形態に関する基本方針については、持続的な経営の健全化が達成される見込みがある場合には、現行の経営形態での存続について検討することといたしておりますので、県議会決議の趣旨も踏まえたものであると考えているところでございます。
 次に、同じく県立病院のあり方に係る御質問の中で、新型インフルエンザ対策の体制の現状と課題についてという御質問にお答えいたします。
 新型インフルエンザの医療提供体制につきましては、発生早期には、発熱外来の設置や感染症指定医療機関であります県立病院への勧告入院を行い、感染拡大期には、協力医療機関や民間医療機関でも対応できるように調整してまいります。
 しかし、今般の新型インフルエンザにつきましては、病原性が想定したものより弱く、国内各地で既に感染が広がっていることから、原則としてすべての医療機関で外来患者に対応し、軽症者は自宅療養するなどの方針に変更されました。
 今後は、重症化しやすい妊婦やぜんそく等の基礎疾患を有する患者を治療する体制と、集団発生の抑制等の予防活動の強化が課題となりますので、県医師会等の関係機関と調整してまいりたいと考えております。
 次に、嘉手納基地の騒音被害に係る御質問の中で、嘉手納飛行場の騒音に係る御質問にお答えいたします。
 県が行っております嘉手納飛行場周辺の騒音測定では、砂辺地区と屋良地区におきまして平成20年度の訓練移転時とその前後の騒音の発生状況を見ますと、騒音回数の減少は見られません。
 最近の嘉手納飛行場をめぐっては、米軍再編に伴う一部訓練移転が実施されておりますが、大規模な合同即応訓練や外来機のたび重なる飛来に加え、F22戦闘機については前回の一時配備から1カ月余りで再度配備されたことなどから、依然として目に見える形での負担軽減があらわれているとは言えないと考えております。
 県としましては、外来機、常駐機にかかわらず、米軍の訓練等により県民に被害や不安を与えることがあってはならず、あらゆる策を講じ、騒音を初めとしました周辺住民の負担軽減が図られるよう、米軍及び日米両政府に対し強く要請したところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○病院事業局長(知念 清) 県立病院のあり方、医療提供体制についての御質問の中の、経営再建計画の進捗の見通しと決意についてにお答えします。
 経営再建計画は、平成23年度までを経営再建期間と位置づけ、不良債務及び資金不足の解消並びに経常収支の黒字化という3つの目標を掲げ、国の制度の活用や一般会計の支援を得ながら経営再建に取り組むものであります。
 不良債務の解消については、公立病院特例債の活用により、平成20年度において達成しております。
 約100億円の資金不足の解消及び経常収支の黒字化の達成に向けては、一般会計繰入金の増額が図られたほか、給料の調整数を廃止したところであり、現在、診療材料費、薬品費の経費縮減プログラム等の経営効率化に取り組んでいるところであります。
 また、病院長の執行権限の強化を図るなど、病院事業局と病院現場が一体となって不退転の決意で経営再建に取り組んでいるところであります。
 続きまして、7対1看護体制に向けた検討の進捗状況、導入の見通しについてお答えします。
7対1看護体制については、急性期病院としての医療機能の向上はもとより、看護職員の業務緩和の面からも早期に実施する必要があると考えております。このため、去る5月に看護体制検討チームを設置し、看護師確保の問題、病床規模の見直し、給与体系の検討、定数条例との関係など、経営再建と両立しながら7対1看護体制を実現するための諸課題の検討に着手したところであります。
 病院事業局としては、これらの課題の検討とあわせて、試験的に先行実施することも含めて早期の実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。
○福祉保健部長(奥村啓子) 県立病院のあり方、医療提供体制の中の、政策医療の内容・範囲及び財政負担の基本方針の策定時期についてお答えいたします。
 県が提供する政策医療の内容・範囲及びそれに係る財政負担の基本方針の策定については、今後、基本的な考え方を整理し、病院現場等関係機関との調整を行った上で、22年度末までには策定したいと考えております。
 続きまして、改定介護保険制度、介護報酬改定についての質問の中の、要介護認定の改定のポイント、経過措置についてお答えいたします。
 今回の介護認定の改定については、要介護認定により正確に介護の手間を反映し、認定結果のばらつきを減らすために、認定調査項目の変更など要介護認定方法の見直しが行われたものであります。
 また、これまでよりも軽度に判定されてしまうとの批判もあり、改正後に行われた経過措置として安定的な介護サービスの利用を確保する観点から、厚生労働省が今回の見直しに関する検証を行っている期間中に更新申請された方で、更新前の要介護度とする御希望があれば、更新の前後で要介護度が異なる場合、更新前の要介護度のままとすることを可能とする措置が行われております。
 要介護認定見直し後の実態についてお答えします。
 新しい要介護認定方法については、厚生労働省が行った市町村のモデル事業や研究などさまざまな検証の結果によると、一概に要介護度が低く判定されるものではないと聞いております。
 沖縄県としては、見直し後の実態についてはスタートしたばかりであり、まだ把握しておりません。
 厚生労働省では、4月以降の要介護認定の実施状況を把握し、結果を検証した上で、必要に応じて迅速に見直しを行うこととしていることから、その検証を見守っていきたいと考えております。
 続きまして、介護報酬改定の影響についてお答えいたします。
 今回の3%の介護報酬の引き上げは、介護サービスの利用者にとっては平均すると3%の自己負担額の増加となります。また、利用限度額が据え置かれておりますので、介護サービスを限度額まで利用されている方には何らかの影響があるものと認識しております。
 次に、事業者への影響については、現在、把握しておりませんが、国において平成21年10月に介護従事者処遇状況調査が行われる予定であります。また、今回、加算の申請を行った事業所は、平成21年4月現在で596事業所で事業所総数の38.7%となっております。
 なお、県内の介護老人福祉施設と介護老人保健施設を対象にアンケート調査を行ったところ、介護報酬改定を受けて、現在までに38%の施設が介護職員の処遇改善を行っております。
 続きまして、本県の介護従事者の雇用状況についてお答えいたします。
 介護労働安定センターの平成19年度調査によりますと、沖縄県の介護職員の毎月決まって支給される所定内賃金は、月額20万7337円であり、介護職員の離職率は28.9%であります。
 なお、勤続年数については都道府県別に公表されておりませんが、全国平均は3.1年であります。
 続きまして、介護療養型医療施設の受け皿についてお答えいたします。
 介護療養型医療施設は、介護報酬を適用し、長期療養患者であってカテーテルなど常時医学的管理が必要な要介護者のための医療施設であり、平成21年5月末現在、22施設719床で、利用率は94%になります。
 なお、入所待機者数については、把握しておりません。
 介護療養型医療施設については、医療資源の効率的な活用を推進するため、平成23年度末までには老人保健施設などへ転換するか医療型療養病床に変更することになっており、施設そのものがなくなるものではありません。
 沖縄県としては、利用者の状況に応じて適切な介護サービスが提供されるよう、基盤整備を図る考えであります。
 以上でございます。
○文化環境部長(知念建次) 嘉手納基地の騒音被害との関連で、航空機騒音による健康被害調査についてお答えいたします。
 県は、嘉手納・普天間飛行場周辺住民の健康に及ぼす影響を調査研究するため、平成7年度から4年間にわたり調査を実施し、「航空機騒音による健康への影響に関する調査報告書」として取りまとめております。
 県は、これまで県民の健康を保護し、生活環境の保全を図るため、嘉手納・普天間飛行場周辺における航空機騒音の測定を継続して実施し、米軍等に対して、県民生活に大きな影響を与えないよう航空機騒音軽減のための要請を行ってきたところであります。
 米軍航空機騒音による健康被害に関する調査につきましては、専門家の意見等も参考にしながら考えていきたいと思います。
 次に、生活環境保全条例の施行に向けた取り組みについてお答えいたします。
 県生活環境保全条例につきましては、平成20年12月26日に公布し、現在、10月1日の条例施行に向け、施行規則の制定及び環境負荷低減のための行動指針の策定に取り組んでいるところでございます。
 協定につきましては、条例施行後、日米合同委員会合意を踏まえ、関係部局とも調整の上、関係自治体の対応や要望にも配意しつつ検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは、嘉手納基地の騒音被害についての御質問で、嘉手納高校の防音対策等についてお答えいたします。
 学校の防音事業については、防衛省所管の防衛施設周辺防音事業補助金を活用して実施しており、同事業の補助対象となる期間が5月から11月までとなっております。
 嘉手納高校の現状について状況を確認したところ、航空機騒音等により授業が中断することもあると聞いております。
 このようなことから、補助対象期間外であっても騒音や室内気温等の学習環境によって授業に支障がある場合には、空調設備を稼働してもよいのではないかと考えます。
 今後、学校側とも調整しながら、授業に支障のないよう対応を検討していきたいと考えております。
 次に、指導カルテについての御質問で、カルテの管理についてお答えいたします。
 個人情報保護条例によると、保有個人情報は正確かつ最新の状態に保つよう努めるとともに、情報の漏えいの防止等適切な管理を行い、保有期間終了後は速やかに廃棄または消去しなければならないと規定されております。
 学校においては、指導要録等と同様に金庫に保管する等、情報の漏えいが起こらないよう厳重に取り扱っていると聞いております。
 次に、カルテの管理者及びカルテの保存期間等について一括してお答えいたします。
 「指導・支援カルテ」の管理者は、指導要録や出席簿などと同様、学校長であります。
 保存期間についての定めは特にありませんが、児童生徒の在学期間である小学校の6年間、中学校の3年間は保管し、卒業後は速やかに処分することとしております。
 次に、ケース会議等での取り扱いについてお答えいたします。
 「指導・支援カルテ」は、基本的には学校内での教育活動で活用されてきました。例外的に、保護者や民生委員等の複数がかかわり、教育的支援が必要な児童生徒に関しては、ケース会議等で共通理解を図るため、当カルテを活用しております。
 なお、その際に活用した資料は、個人情報保護条例に沿って情報漏えい防止を図るため、会議終了後に回収するなどその取り扱いに特段の注意を払っていると聞いております。
 次に、教育委員会におけるカルテをめぐる現状と課題についてお答えいたします。
 生徒理解・支援カルテについては、6月17日の県教育委員協議会において、事務局からその導入の経緯、意義や必要性、これまでの運用等について報告し、協議いたしました。
 同協議会においては、県立高等学校における当カルテの活用について、生徒指導上の有効性や教育的意義を評価する意見がある一方で、県個人情報保護条例等との整合性や保護者への説明責任、周知方法などについて課題があるとの指摘がありました。その上で、問題点を整理し、外部有識者を交えた検討委員会を設置して今後のあり方について検討することが確認されました。
 次に、検討委員会の設置等についてお答えをいたします。
 県立高等学校における生徒理解・支援カルテにつきましては、生徒のよさの伸長、生徒理解の一助として活用されてまいりましたが、個人情報保護条例との整合性、保護者への周知方法等に課題があるとの指摘があり、現在運用を見合わせているところであります。
 当カルテにつきましては、学校、家庭、地域を含む社会全体で生徒を育てるとの視点に立ち、もう一度原点に立ち戻り、検討する必要があると考えております。
 県教育委員会としましては、外部有識者を交えた検討委員会を設置し、生徒理解・支援カルテの意義や必要性、活用のあり方、条例との整合性等について総合的に検討していただき、その提言を受けて対応してまいりたいと考えております。
 次に、沖縄学生会館の再建についてお答えいたします。
 沖縄学生会館は、千葉県周辺の大学等で学ぶ本県出身の学生に住居を提供し、勉学に専念できる環境を整えることにより、これまで多くの有為な人材を育成してきました。しかしながら、老朽化により入寮生の安全が確保できなくなったため、やむなく閉寮したところであります。
 沖縄学生会館の今後のあり方につきましては、庁内に設置した「沖縄県県外学生寮検討委員会」において慎重に検討しているところであり、年内を目途に結論を出していきたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(上原良幸) 嘉手納基地の騒音被害についての御質問で、再編交付金の算定についてお答えをいたします。
 再編交付金は、米軍再編に伴う負担の増加と減少について、防衛施設の面積の変化、施設整備の内容、航空機等の数の変化、人員数の変化等の項目ごとに点数づけをし、加点と減点の合計で市町村ごとの負担の点数を計算するものとされております。
 国によりますと、嘉手納飛行場については、PAC3の配備及び航空自衛隊の共同使用のプラス分より訓練移転のマイナス分が大きいため、再編交付金の対象市町村とはなり得ないとのことであります。
 以上であります。
○仲村 未央 それでは、確認です。
 7対1看護体制に向けた先行的実施ということですが、これは条例改正も伴うはずですので、いつごろの先行実施で、いつごろの条例改正を目指しているのかお尋ねをいたします。
 それから、嘉手納基地の騒音被害。
 嘉手納高校、先日、我々伺ってまいりました。F22、1日に過去最多、5年間で最多272回の騒音発生回数を記録した。ああいう状況の中で、1時間の授業の中で7回も8回も中断があったと。にもかかわらず、クーラーの期間ではないということで認められない。こういうことをこれまで見逃してきたのかと思うと、本当に驚きでした。ぜひ早急な対応を、教育長、先ほどの答弁、ぜひ対応をお願いいたします。
 それから知事、先ほど再編交付金、負担の軽減の実態があって、マイナスで査定されないということであれば、これ当然ですよ。ただ、これは実際には負担軽減がないわけですね。それどころか、むしろ本当に通常、例年の3倍ほどの騒音発生回数を記録している状況がある。これは、――もう時間ですが――実際には54機あると言われる今の駐機、この状況の中から訓練移転期間中にはどんなに行っても12機しか行きません。けれども、残っているその54機、これがまた加わって同じように通常の訓練をしているというのがウオッチャーの目撃の把握です。ぜひ県としてもこの実態を早急に把握されて、負担軽減の実態がないのであれば、徹底的に抗議をするという踏み込んだ対応が必要だと思いますので、ぜひ知事の姿勢について御答弁お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時34分休憩
   午後4時35分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 今の仲村未央議員の再質問にお答えしたいと思うんですが、確かに嘉手納の基地に係る騒音などなどの被害というのは、先ほども町議会からのお話を中川県議の導きで伺ったりしまして、私の方でもおっしゃる感じを実は持っています。どうもこれは減ってないのではないかという実感がございます。ですから、実態の把握を今やっているところですが、もう少しきちっと把握をして、必要な調整を防衛省とちゃんとやっていきたいと考えております。また、議員のお力添えもよろしくお願いいたします。
○病院事業局長(知念 清) それでは、7対1看護体制の試験実施はいつから始めるのかという再質問についてお答えします。
 7対1看護体制を本格的に実施するには、定数条例についての検討や給与体系の見直しなどを検討する必要があります。これらの議論は経営への影響が大きく、また、早期に結論を出すことが難しいために、7対1看護体制実施の影響を具体的に検証するため、遅くとも22年の4月から――来年の4月からですね――できればもっと早く行いたいと考えております。
 以上です。
○教育長(金武正八郎) 仲村未央議員の再質問に答弁いたします。
 嘉手納高校の現状については、状況を確認したところ、やはり航空機騒音等により授業が中断するということも聞いております。
 今後、学校側と調整しながら、授業に支障のないよう対応を検討していきたいと考えております。よろしくお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで終了いたしました。
 次会は、明25日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後4時39分散会

 
20090402000000