平成22年(2010年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 6月29日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、乙第1号議案及び乙第4号議案から乙第16号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 比嘉京子さん。
   〔比嘉京子さん登壇〕
○比嘉 京子 おはようございます。
 トップバッターの質問をさせていただきます。
 昨年の政権交代により沖縄の米軍基地、とりわけ普天間問題が毎日のように報じられました。このことは、沖縄の基地負担を全国がどう考えるか、知事会、議長会でも議題となりました。その際、明らかになったことは、沖縄と全国の基地に関する認識のギャップであります。沖縄以外の都道府県は、あからさまに迷惑施設は要らないと声高に発信し、一方で、沖縄経済は米軍基地なくして成り立たないのではないか、経済のためにいずれ受け入れざるを得ないだろうという考えをちらつかせております。沖縄県の経済は米軍基地に依存しているという誤った認識がある一方で、基地による弊害はほとんど論じられておりません。このような誤った認識を払拭するため、全国や政府に対し正確な情報を沖縄県として発信しなければならないと考えます。
 そこで以下の質問をいたします。
 1番目に、沖縄の経済と米軍基地との関係について。
 (1)、知事は、政府や他の都道府県に沖縄の経済と米軍基地の関係に関し誤った考えや先入観があることを認識されておられますか。
 (2)、米軍基地関連の収入として挙げられるものにはどのような種類のものがありますか。
 (3)、戦後の米軍統治下から今日に至るまでの期間における米軍基地関連の収入と県民総所得との関係は、どんな割合で推移をしていますか。
 (4)、米軍基地として提供されている施設面積と県土面積の割合はどうか。全国の米軍基地所在都道府県別及び我が国全体の割合はどうか。
 (5)、米軍基地の存在は基地収入を生み出し、沖縄経済にプラスの影響を与えていると考えておられるのか。
 大きな2番、米軍基地が沖縄経済に与える弊害について。
 (1)、那覇新都心、小禄金城地域、それから泉崎(ハーバービュークラブ跡)、北谷町美浜、ハンビー、うるま市みどり町、宜野湾市真志喜、宇地泊などこれまでの基地返還跡地について、下記の項目ごとの具体的な数値を伺います。
 アにつきましては、資料をいただいておりますが、改めて次回質問いたしますので、今回は取り下げます。
 イ、返還前と返還後の生産誘発額、誘発雇用人数、それから所得誘発額について伺います。
 ウ、基地返還跡地での企業活動による販売・飲食・サービス等の直接経済効果についても伺います。
 (2)、那覇軍港、キャンプ・キンザー、普天間基地及び嘉手納基地の基地関連収入の合計は年間幾らですか。一方、県が作成した平成18年度の「駐留軍用地跡地利用に伴う経済波及効果等検討調査」での上記の基地が返還された場合の経済効果及び雇用効果はどうでしょうか。
 (3)、(2)と同様に沖縄に所在する米軍基地すべてが返還された場合、どのような値となるのか伺います。この数値は、基地があるがゆえに失われた生産額ではないか。機会の損失ではないかという認識を伺います。
 (4)、米軍基地を撤去してその跡地を市場メカニズムと県の独自な経済政策に任せた場合、少なくともGDPへの寄与は現行の基地収入を数倍も上回るとの学説を唱えております。知事の認識を伺います。
 (5)、4次にわたる沖縄振興計画の実績額、実際に落とされたであろう額、上記の(3)の損失額等を比較するとどうなるのか伺います。
 (6)、沖縄県のホームページ、私は昨年も第4回議会で質問いたしておりますが、昨日見ましても基地対策課は、依然として依存を唱えておりますが、私は、基地があるがゆえに沖縄は基地収入の何倍もの分量のGDPを失っているというふうに書きかえるべきではないかと考えますが、どうでしょうか。
 (7)、知事は、日米両政府や他の都道府県に対し、県民の声として、沖縄県は、基地があるがゆえに人権侵害、環境破壊、経済的損失と自立を阻まれているということを発信すべきではないかと考えますが、お伺いいたします。
 最後に、我が会派の代表質問に関連して、きのうにおける知事の答弁についてもそうですが、知事は、やはり皆さんの質問に対して、大城一馬議員の質問に対しましても、合理的な説明を求めないことには何とも言いようがないとお話をされておりますが、合理的な説明とは何でしょうか。
 移設案に至った経緯が真摯に取り組まれているかどうかを聞いて、どうされようと考えておいででしょうか。
 2番目に、政府は、きょうの新聞にありますように、オバマ大統領と辺野古移設を約束したと、そして政府は8月をめどに工法を決定するとしておる中で、知事は、県内移設反対の民意をいまだに明確に発信していない。後手後手になっているのではないか、その認識について伺います。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 比嘉京子議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、沖縄の経済と米軍基地との関係についてという御質問の中で、沖縄の経済と米軍基地との関連という御質問に答弁いたします。
 軍関係受取が県経済に占める割合は、復帰直後の15.5%から平成19年度は5.3%となり、県経済の成長等を背景にその比重を大幅に低下させております。また、基地返還跡地の状況を見ますと、那覇新都心地区などにおきまして県経済を牽引する活発な経済活動が展開されております。
 こうしたことについて、必ずしも政府や他の都道府県関係者などに認識されず、いまだに沖縄県が基地に大きく依存した経済との理解のままでいる方も少なからずおられるものと考えております。
 同じく米軍基地と沖縄経済との関係の中で、日米両政府や他の都道府県に対し、基地問題を発信することについての御質問にお答えいたします。
 私は、去る5月27日の全国知事会におきまして、全国の知事に対し沖縄の過重な基地負担の現状を訴え、理解を求めたところでございます。また、これまで政府への要請や訪米などあらゆる機会をとらえて、米軍基地問題の解決促進を訴えてまいりました。
 今後、シンポジウムの開催や県の広報媒体の活用等によります情報発信を強化いたしますとともに、県民の目に見える形で基地問題の解決が図られるよう、日米両政府などに対し強力に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、代表質問との関連についての中で、合理的な説明についての御質問にお答えいたします。
 鳩山前総理は、普天間飛行場移設問題について、当初「最低でも県外」と発言されたにもかかわらず、日米共同発表において名護市辺野古への移設案を決定いたしました。
 県は、このような日米合意に至った経緯などについて、県民の納得の得られるような説明を行うよう政府に対し申し入れているところであり、その説明を受けた上で判断したいと考えております。
 次に、代表質問との関連ですが、県内移設反対の明確な発言についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 県といたしましては、地元の了解を経ずに移設案が決定されたことにつきましてまことに遺憾であると考えており、菅総理との面談におきましてもこのような県の考えを申し上げますとともに、日米合意に至った経緯等の説明を行うよう申し入れたところでございます。
 いずれにいたしましても、この問題の解決に当たっては、政府は、頭越しではなく地元の理解・協力を得なければならないことは当然のことであり、丁寧かつ十分な説明を行うよう強く申し入れてきたところでございます。
 その他の御質問については、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(川上好久) 沖縄の経済と米軍基地との関係についての御質問の中で、米軍基地関連収入の内訳についてお答えいたします。
 米軍基地関連の収入としては、県民経済計算において「軍関係受取」として把握しており、その内訳としては、軍雇用者所得、軍用地料、米軍等への財・サービスの提供等となっております。
 次に、米軍基地関連収入の県民総所得に対する割合の推移についてお答えいたします。
 県民総所得に対する「軍関係受取」の割合については、現在残っている統計データによると、昭和40年度は30.4%、昭和47年度で15.5%、平成19年度には5.3%となっており、その比重は徐々に低下しております。
 次に、米軍基地の沖縄経済への影響についてお答えいたします。
 平成19年度の「軍関係受取」は、軍雇用者所得524億円、軍用地料777億円、米軍等への財・サービスの提供等787億円の合計2088億円となっております。復帰当初に比べると金額自体はふえているものの、県経済に占める割合は、最近では5.3%と大幅に低下しており、「軍関係受取」の動向が県経済全体を大きく左右することはなくなっております。
 また、基地はこのように経済取引主体としての役割を担っているものの、資本の増殖を図る通常の企業行動を主として行っていないもので、本県の経済的な生産規模を拡大させる潜在力に乏しく、都市部などでは土地利用にひずみをもたらす要因にもなっていると考えております。
 次に、基地返還前と返還後の生産誘発額等及び返還跡地での直接経済効果の数値について一括してお答えいたします。
 平成18年度の調査により、生産誘発額については、那覇新都心地区で返還前55億円、返還後660億円、小禄金城地区は返還前29億円、返還後891億円、桑江・北前地区は返還前3億円、返還後597億円となっております。
 所得誘発額については、那覇新都心地区で返還前17億円、返還後182億円、小禄金城地区は返還前9億円、返還後245億円、桑江・北前地区は返還前1億円、返還後160億円となっております。
 誘発雇用効果については、那覇新都心地区で返還前390人、返還後5702人、小禄金城地区は返還前206人、返還後7663人、桑江・北前地区は返還前20人、返還後5029人となっております。
 返還跡地での商業活動等に伴う直接経済効果については、那覇新都心地区で年間608億円、小禄金城地区で829億円、桑江・北前地区で557億円となっております。
 次に、那覇軍港等の基地関連収入と返還後の経済効果及び雇用効果についてお答えいたします。
 各施設の基地関連収入について直近のデータをもとに推計いたしますと、那覇軍港が約60億円、キャンプ・キンザーが約209億円、普天間飛行場が約102億円、嘉手納飛行場が約666億円となっております。
 次に、返還後の経済効果については、平成18年度調査において産業連関分析により各返還跡地が那覇新都心並みに整備・発展したと仮定して経済効果を推計しております。推計値は一定の条件のもとで試算されているため、単純に比較することは必ずしも適切ではありませんが、那覇軍港は、商業活動等に伴う直接経済効果が661億円、誘発雇用人数が1万2267人、キャンプ・キンザーは、商業活動等に伴う直接経済効果が1976億円、誘発雇用人数が1万5921人、普天間飛行場は、商業活動等に伴う直接経済効果が4522億円、誘発雇用人数が3万2090人となっております。
 嘉手納飛行場については、返還後の経済効果については数値を把握しておりません。
 次に、米軍基地すべてが返還された場合の経済効果及び沖縄振興計画との実績額の比較について一括してお答えいたします。
 県では、すべての基地が返還された場合の経済効果については把握しておりませんが、平成18年度の調査において、嘉手納飛行場より南の普天間飛行場など5つの基地の返還後の経済波及効果について調査しております。
 調査結果によりますと、一定の前提のもとにおける推計でありますが、例えば商業活動等に伴う直接経済効果が8700億円、誘発雇用人数が約7万8000人となっております。なお、この経済効果については、跡地整備のための莫大な資金を要すること、収益発現までに時間を要すること、周辺市街地への経済的影響があることを除外して推計していることに留意する必要があります。
 一方、平成21年度までの沖縄振興開発事業費の総額は、約8兆8000億円となっております。
 次に、返還跡地利用とGDPへの寄与についてお答えいたします。
 基地関連収入が県民総所得に占める割合は、復帰直後の15.5%から平成19年度には5.3%となり、その比重は徐々に低下しております。
 基地返還後の跡地利用においては、地形や自然環境、都市との近接性等、跡地の特性から都市的利用、農業的利用、保全的利用等多様な活用がなされており、跡地利用の経済的なポテンシャルは、その置かれた条件、利活用の方向等に大きく依存するものと考えております。
 跡地利用については、21世紀ビジョンにおいても県土構造の再編、自立経済の構築の柱として位置づけられており、跡地利用の効果的な推進を図ることにより経済の活性化、雇用の拡大、県民福祉の向上等につなげていきたいと考えております。
 以上であります。
○知事公室長(又吉 進) 沖縄の経済と米軍基地との関係との質問の中で、在日米軍施設の面積及び割合についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県の米軍施設面積は2万3293ヘクタールで、県土面積の10.2%を占めております。
 全国の米軍基地所在都道府県は30あり、都道府県面積に占める割合を高い順に申し上げますと、沖縄県10.2%、静岡県1.22%、大分県1.11%、山梨県1.09%、神奈川県0.86%などとなっております。なお、最も少ない県は、兵庫県と佐賀県でありまして、いずれも0.01%未満となっております。
 また、我が国全体に占める面積の割合につきましては、0.27%となっております。
 次に、ホームページの情報発信についてお答えいたします。
 御指摘の点につきましては、本県の経済に占める「軍関係受取」の比重が低下している状況を踏まえ、適切な表現に改めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○比嘉 京子 では、再質問をさせていただきます。
 まず初めに、このような質問をいたしましたということは、私は、本当に情報として正確に、また、沖縄の現状が率直に全国に伝わっていない、そういう現状を非常に感じています。
 そして、それは議長会においても、知事会においても本心のところでそういうことがやはり背景にある。そういうようなことを考えますと、やはり明らかにしていくことを今後ともやっていきたいと考えています。
 では、再質問に入ります。
 これまでに返還された那覇新都心を含めた美浜、それから金城、そういうところの今膨大な数字をお聞きしたんですけれども、わかりやすい直接経済効果なり、雇用の人数なり、軍雇用人から雇用の人数がどれぐらいそこで吸収されていったのか、それは皆さんの出されている――誘発も含めてならそれでも構いませんが――雇用効果について倍率でお伺いしたいと思います。
○企画部長(川上好久) 誘発雇用効果についての倍率をお答えいたします。
 那覇新都心地区で約15倍、小禄金城地区で37倍、桑江・北前地区で251倍という数字となっております。
○比嘉 京子 軍関係の収入と、それから雇用人数だけではなくて、軍関連収入と現在の収入を比較するとどれぐらいになるんでしょうか。
○企画部長(川上好久) ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時27分休憩
   午前10時27分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 企画部長。
○企画部長(川上好久) 今の数字は、先ほどお答えいたしましたけれども計算をしてございませんので、倍率ですぐすべて出すということはちょっとできません。
○比嘉 京子 今ざっと見ましても、新都心で15倍以上、それから美浜で200倍以上、そういうような金額が見込まれるんではないかと思うわけですけれども、これから返還される那覇軍港、キャンプ・キンザー、それから普天間、そういうことを試算するとすると、今基地関連収入とこれから見込まれる収入を比較すると、どれぐらいの割合で上がっていくことが予想されるでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時29分休憩
   午前10時29分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 企画部長。
○企画部長(川上好久) これは、あくまでも平成18年度の産業連関分析の数字でございますけれども、普天間飛行場で直接経済効果が約4522億円というふうな数字になってございます。
○比嘉 京子 大きな数字なので、今現在が幾らという数字は先ほど羅列していただいたので、それが返還されたらどれぐらいの倍率になるのかというような数字は、急に求めたのが失礼だったかもわかりませんが、いろんなところで皆さん個々に発信はしておられます。例えば渡久地議員の代表質問において、軍用地料が今66億円であると、それに対して税収だけで見ても8倍になると、520億円になるというふうな答弁をされているわけなんです。それを税だけではなく、直接雇用効果を足した場合にそれがどれぐらいになるのか。今、それを考えますと、とても簡単なといいますか、非常にわかりやすい出し方が新報の社説において、ことしの5月に出されておりました。5月25日にありますけれども、大体新都心の誘発効果を見ると16倍になっている。これをいわゆる普天間に当てはめていくと、1ヘクタール当たりにすると、例えば今1ヘクタール当たり軍関係収入が全体で幾ら、それを軍のヘクタールで割って1ヘクタール当たりを出し、それから軍用地を除いた市街地の生産額を1ヘクタール当たり出すと、それぞれをやると倍率的に2.5倍とかそういうふうに出ているわけなんです。
 ですから、県民的にも、それから世論的にもわかりやすい沖縄の立場をはっきりと数字を皆さんが個々の部署で出しておられます。これも皆さんが本当に18年にしっかり――もちろん委託をされてですけれども――出されているけれども、数字の羅列なのでなかなかわかりづらいです。それを定義づけることはきっと厳しいものがあると思いますが、非常にわかりいい形で沖縄の不利益をしっかりと発信するということをもっともっと強く、各部署が出しているものを整理をして、知事がどこに行ってもコメントできるように、それからホームページ等で詳しいホームページを出していただけるようにお願いをしたいと思います。
 それから、嘉手納について先ほど660億円という試算がありましたけれども、その18年度の跡地利用の調査においては、嘉手納以北は出されていません。その出されていないことに対して非常に疑問を持つものですが、今後出していくということをぜひ私としてはやるべきであろう、やっていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○企画部長(川上好久) 県では、18年度に調査をいたしました。これは、返還が具体的に議論の俎上にのったというふうなところを対象にして調査をしたところでございます。今後とも南のこの大規模跡地については、調査をまた継続して行っていく必要があろうかと思います。
 ただ、全体の他の基地については、これは現在やる予定は持ってございません。他の基地については、今後返還が具体化する段階などに、その時々の経済状況を反映して、しっかりした形でまた検討してまいりたいと思います。
○比嘉 京子 後段にちょっと述べたいと思っていたんですが、返還予定が見込まれているからやって、返還予定がないからやらなかったということは、実に私としては残念だと思います。
 といいますは、沖縄が、基地がなければどれぐらいの可能性があったのか、どれぐらいの負担をしょってきたのかということをやはり国と対峙していくときに、知事はやっぱりデータとして持っていてほしいし、しかもそれが振興費に対して本当に見合う対価だったのかということを考えるときに、何にも数字がないということは非常に問題があると思うんですが、その考えに対してはいかがでしょうか。
○企画部長(川上好久) ただいま申し上げましたとおり、必要に応じてそういうふうな係数的な調査をやっていきたいというふうに思います。
 基地、それについても非常に立地条件とかそういうふうな制限がございますし、また、その活用の方法もそれぞれの地域の意向に沿った形でやっていかなきゃいけない。そういう意味では、確実的にまたその効果が出せるようなものでもないといったことでございます。
 今回の課題の南の大規模基地については、米軍再編というふうな大きな動きを受けて、関係市町村等からの聞き取りもしながら整備をしたというふうなことであります。
○比嘉 京子 沖縄振興事業費、これまでによく8兆円強の予算が言われておりますが、実績として沖縄県としてはどれぐらい県内に落とされたという認識をお持ちでしょうか。
○企画部長(川上好久) この議論については、これが落とされたというのは、実際に投下されて社会資本の整備がされたと、それをすることが目的であるわけでございまして、それが県内の業者に発注されたかどうかという話はまた別の話で、これはちょっと細かいところまでは掌握をしてございません。
○比嘉 京子 こんなではいけないんではないかなと思います。いわゆるこの沖縄振興費なるものが、ODAの沖縄版ではないかという批判も浴びながら、実績としてどれぐらいの数値が落ち、どれぐらいざるになっていったかということを本県が把握していないということは、実に問題ではないかなと思います。これを押さえた上で、これまでの機会の損失の総額を出して、そして本当にその金額が対価として見合っているのか――別に対価ではありませんけれども――果たして沖縄は基地があることによって潤っているんだろうかということの一つの因子にはなると思うんです。
 そういうことを考えましたときに、そういう数字を把握しながら、しっかりと国と対峙していくというためにも数字をしっかり持っていくということは大事だと思うんですけれども、そういうことに対して今後しっかり詰めていく、御検討していく、そういう気構えはあるんでしょうか。
○企画部長(川上好久) ただいまの御質問、以前の御質問と同じでございますけれども、これは必要に応じて適切に対応してまいりたいというふうに思います。
○比嘉 京子 沖縄の中南部の基地というのは平たん地で優良地、農業にしても工業立地にしてもさまざまな点で優良的なところを没収されている。そのことによってどれだけの経済的な発展を阻まれてきたのかということを私たちが数字を挙げて、定量できるものできないものあると思いますが、それをどういう枠でやるかどうかも含めてですが、しっかりと皆さんに私はこれを早急に出していくことが、4次振計を終わった後での次に向かっての大きな基盤になるんではないか、そういうふうに思っていますが、それを生かしていくためにも早急に出す必要があると思いますが、いかがですか。
○企画部長(川上好久) こういう数字を試算をする一つの今後の開発の参考資料にするということも重要であるわけでございますけれども、普天間飛行場返還後の跡地整備と一連の中南部にある基地跡地につきましては、これはまさに大都市圏における巨大空間ということで、これについては、その経済的なポテンシャルは高いというふうなことは衆目の一致するところであるというふうに考えております。
 問題は、今後の跡地開発をいかに効果的に推進を図り、その経済効果をいかに早く発現をさせていくのか、その手法を一生懸命考えていく必要が重要であるというふうに思います。
○比嘉 京子 私たちは、このように県議会でも基地問題を取り上げざるを得ないわけです。教育や福祉そういう問題、医療関係、みんな議論したいんですね。それについても阻まれています。そして、そういう分野、削ってはならない分野にまでシーリングをかけています。
 そういう中において、私は、しっかりと沖縄県が本当に振興費が我々の機会喪失に値する対価であったかどうか、十分なあめだっただろうか、微々たるあめだっただろうか、そういうことを沖縄県民が検証しないということは実に残念でなりません。ぜひ、もっともっと積極的な検討をよろしくお願いします。
 次に、再質問についての基地問題を知事にお伺いしたいと思います。
 知事、今沖縄県民の、鳩山前総理のあのような沖縄辺野古に回帰したことに対する怒り、これを十分に知事は感じておられると思います。ですから、沖縄は厳しいと、極めて厳しいという発言をされておられるだろうと思います。しかし、一方で、知事が明確な反対の意をしっかりとあらわさない、そういう態度に対してもいら立ちを覚えています。私たちの代表である知事が、なぜそれをしっかりほかの県の知事や首長のようにノーと言えないのか。困りますと、ここではありませんとなぜ言えないのか、そういういら立ちを持っています。そういうことについての県民のそういう感覚を、またはいら立ちを知事は認識しておられますか。
○知事(仲井眞弘多) ほとんど議員と同じぐらい認識しているつもりでおりますが。
○比嘉 京子 私、きのうの発言を聞きまして、知事が1月の名護市長選挙まではスタンスを変えなかったけれども、その後に変えていったというお話がありました。名護市長選挙の直後に、知事が、こういう結果に民意はなったと、だから沖縄県はできませんよということを今よりももっと、だれが聞いてもはっきりわかる明確な意思表明をしたら、今日のような状況になっていただろうかとさえ思うんです。
 そういうことを考えますと、知事は、今こそ悠長なことをおっしゃらずに、第三者的な、客観的な立場に立ったスタンスではなくてしっかりと、私は、後手後手にならないためにも知事が明確にノーという表現を使うべきだと思うんですが、いかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 鳩山さんが180度違う方向に内閣でお決めになったというのはまことに遺憾であるし、実際その内容は極めて厳しいですよというのは、議員のおっしゃることと私ほとんど同じだと思っておりますが。
○比嘉 京子 鳩山前総理もそうでしたが、思いは一つ。思いはあっても、それが伝わらない、または実行できないとなると、思いだけではできないことになるんですよね。そういうことを考えますと、知事、最終的には知事がこのように、きのう、少数派の意見のこともおっしゃっておられましたけれども、もちろん大事でしょう、多数の世論だけが問題ではないかもわかりませんが、今、沖縄県においてこういうような近々の状況において工法の問題が出ている中で、知事のこのような対応ということは、非常に手おくれの感が否めません。
 私は、最終的には県民投票も辞さないぐらいの沖縄県の姿勢を明確に、48名の各地域から選出されてきた県議の合意があっても民意が通らないということは、やはり県民投票も視野に入れるべきだと思いますが、いかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 議員の御提案として伺っておきます。
○議長(髙嶺善伸) 玉城義和君。
   〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 質問に入ります前に、一言申し上げたいと思いますが、今回の政権交代で私どもは、これで辺野古は多分一件落着をするであろうとこういうふうに思ったわけでありますが、しかしながらこの抱いた一縷の望みもまさに千や万の落胆と失望に変わったわけであります。
 民主党政権のこの間の決定プロセスを見ていますと、私はどうもウチナーンチュが何十年もあるいは何百年も胸の中に抱いてきた思い、たまには顕在化したり、たまには潜在化したりした思いですね。すなわち我が沖縄にとってヤマト政府というのは一体何なのかと、東京政府とは一体何なのかと、日本国民とは何なのかということ。また逆に言えば、日本国民、日本にとって我が沖縄県というのはどういう存在だったのかと、どういう存在であり続けるのかということを改めて考えざるを得ないそういう局面だと思います。知事のおっしゃる差別に近いということもそういう心情を述べていらっしゃるんだろうと思いますけれども、そういう意味でこの局面は私は県民としてやはり誇りを持って対処すべきですし、特に県民を代表する知事におかれては、私はここは歴史の審判に耐え得る、後世の批判に耐え得るように毅然としてここは対応していただきたいとこういうふうに思っています。それを前提に質問を申し上げますので、明快な御答弁をお願い申し上げたいと思います。
 まず安保条約についてでありますが、(1)、普天間問題で基本的に問われているのは、私はこの日米安保を基軸とする日米同盟のあり方ではないかとこういうふうに思います。沖縄県の知事として現行の安保条約について、日米同盟についてどういうふうにお考えか、認識をお伺いしたいと思います。
 (2)、日本における米軍駐留は60年から65年間続いております。主権国家としてまさに私は外国の軍隊が人間の一生分に値するようなそういう期間をずっと居続けることが果たして国家・国民にとってこれはいいことなのかどうか、やはりここは私は右・左とか、政治的立場を超えて議論をする段階に来ているのではないかとこういうふうに思いますが、知事の心象はいかがかということでございます。
 2、普天間の移設についてですが、(1)、知事は普天間の移設については基本的には容認をすると、こういう立場だと思うんですね。これが民主党政権になってどう変わったのか。
 それと(2)、知事は、県内移設は極めて厳しいということを言っておりますが、その厳しいという理由は一体どこから来ているのかお教えをいただきたい。
 (3)、ロードマップが2006年に決まりましたが、今度の5月28日のSCC文書(日米合意文書)の関係はどうなっているのか。どこが削られて、どこがつけ加えられたのか。
 (4)、それから8月31日までに決定されるという代替施設の位置、工法、配置についてどのように対応するか。
 (5)、それから少なくとも環境影響評価に影響がないということであれば、当然これは県の条例からすれば位置は決まってくるわけですよね。この前提はV字案が前提になっているわけですね。そういう意味で言えば県のその条例から言ってこれはどういう場所になるのか、今考えられる見解をひとつ示していただきたいと思います。
 それから鉄道の導入についてであります。
 先ほど知事に渡しました文書は、私がかつて総評の沖縄対策委員会で作成をしました沖縄本島の鉄道導入計画であります。1978年に作成をしました文書ですが、32年前につくった鉄道導入計画で、これはその当時沖縄県平良知事に提出をいたしましたが、幸いなことに沖縄県の倉庫の中にこの文書がまだ残っておりました。それをコピーして知事にお渡しをしているわけであります。私は30年間このことを思い焦がれているわけでありまして、それで鉄道について少し申し上げたいわけでありますが、今度の調査が出たわけですが結果はどうなのかということです。
 それから導入に向けて取り組みはどうするのかということが2点目。
 国がことしの夏にも調査をするということですが、県としては積極的に関与すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 それから後は知事の選挙公約、これはもうたくさんありまして時間があればすべて一つ一つ数字を挙げてやりたいんですが、そうもいきません。9月に分けてやりますが、ア、完全失業率は7.5%で推移して非常に全国平均化とはほど遠いと、どういうお考えを持っておりますか、所見を伺います。
 イ、「みんなでグッジョブ運動」の成果はどうかということであります。
 ウ、それから主な産業、主としてやるべき話でしてありますが、製造業の振興についてはどのような成果があったかと。
 エについては削除いたします。
 (2)、観光についてでございます。
 ア、知事の選挙公約である観光客1000万人、外国人100万人についての現状と展望はどうか。
 イ、ウ、エは削除いたします。
 オ、沖縄コンベンションビューローについては、県とそれからこのビューローについてはやはりその機能をきちっと分けて、ビューローに権限を大幅に移譲をして、財政も政策・立案とかマーケティングとかプロモーション等々一貫した体制を私はコンベンションビューローにさせるべきであると。というのは県の職員というのはやはり二、三年でかわっていきますので、これではやはりなかなか専門家集団が育ちませんし、一貫した政策がとれないということであります。
 それから「解決力おきなわ」、これはもう3年めどの普天間基地の閉鎖状態で、危険性の除去についての公約は非常に破綻状態になっております。公約の実現はどうなっているのか、知事のお考えを改めてお聞きをしたいと。
 地位協定の抜本的な見直しのためにはどのような仕掛けをつくって、どういう成果が上がったかそれをお述べください。
○知事(仲井眞弘多) 玉城義和議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、日米安全保障条約に対する考え方に係る御質問の中で、安全保障条約及び日米同盟の認識についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 県といたしましては、日米安全保障体制を含む日米同盟関係は、我が国及び東アジアにおける国際の平和と安定の維持に寄与していると理解をいたしております。また、日米安全保障体制が安定的に維持されるためには、何より沖縄の社会的安定が不可欠であり、そのためには沖縄県の過重な基地負担の軽減が必要であると考えております。
 次に、同じく65年間にわたり米軍駐留が続いていることについての御質問にお答えいたします。
 県としましては、日米安全保障体制を含む日米同盟関係は、我が国及び東アジアにおける国際の平和と安定の維持に寄与していると理解をいたしております。しかしながら、広大な米軍基地の存在は、沖縄県の振興開発を進める上で大きな制約となっており、基地に起因するさまざまな事件・事故や環境問題等が県民生活に多大な影響を与えております。県民は、戦後65年間にわたってこのような過重な基地負担を背負ってきており、基地問題の解決を強く望んでおります。
 県としましては、日米両政府において、県民の目に見える形で基地問題の解決が図られるよう、強力に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、普天間移設に係る御質問の中で、普天間飛行場移設に関する基本的な立場についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 今回の日米共同発表は、県外移設の実現に期待する県民の声がますます高まっている中で唐突に行われたものであり、県民の間に大きな失望を招いております。県といたしましても、地元の了解を経ずにこのような移設案が決定されたことはまことに遺憾であり、受け入れることは極めて厳しいと言わざるを得ません。
 県といたしましては、政府が県外移設をどこまで真剣に検討したのか、そして、どのような経緯で移設先を辺野古とする日米合意に至ったのか、合理的な説明を行うべきであると考えております。
 次に、同じく普天間移設に係る御質問の中で、極めて厳しいという認識の理由は何かという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 名護市長選挙の結果やそして県議会の意見書議決そして県民大会など、昨年9月以降の県内の状況を踏まえますと、現時点においては、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいというのが私の考えであります。
 次に、同じく普天間移設に係る御質問の中で、代替施設の検討に関する対応についてお答えいたします。
 県といたしましては、地元の了解を経ずに移設案が決定されたことについてまことに遺憾であると考えており、菅総理との面談においても、このような県の考えを申し上げるとともに、日米合意に至った経緯等の説明を行うよう申し入れたところでございます。いずれにいたしましても、この問題の解決に当たっては、政府は頭越しではなく、地元の理解、協力を得なければならないことは当然のことであり、丁寧かつ十分な説明を行うよう強く要求しているところでございます。
 次に、知事の選挙公約との関係での中で、完全失業率の全国並みと「みんなでグッジョブ運動」の成果いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。なお、この4の(1)のアと(1)のイは関連いたしておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
 平成19年秋以降の世界的不況のもと、雇用情勢を取り巻く状況が厳しく、平成21年の全国の就業者数は平成18年に比較して約100万人減少し、同様に完全失業率も4.1%から5.1%と1ポイント悪化いたしております。このような中で沖縄県の就業者数は、平成18年と比較いたしますと平成21年は2万人増加いたしております。また、完全失業率は、平成18年以降7.5%前後で推移しているものの、全国との差は平成18年時の3.6ポイント差から平成21年は2.4ポイント差に縮まっております。このことは、「みんなでグッジョブ運動」を取り組んできた成果の一つであると考えております。
 完全失業率の全国並みの達成は容易ではありませんが、就業者数は増加いたしていることから、さらなる取り組みをすることにより、全国並みに近づいていくことは確実であると確信しております。今後とも「みんなでグッジョブ運動」をエンジンとして、雇用情勢の改善及び公約の実現に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。
 次に、同じく選挙公約との関連の中で、観光客1000万人と外国人観光客100万人誘致計画の現状と展望についてという御質問にお答えいたします。
 私は、沖縄県のリーディング産業であります観光産業をさらに発展させ、県経済の自立を目指したいとの考えから、2016年をめどに観光客数1000万人、うち外国人100万人を目標として掲げているところでございます。
 沖縄への観光客数は、昨年は景気低迷や新型インフルエンザなどの影響によりまして伸び悩みましたけれども、ことし2月からは増加に転じております。特に外国人観光客は、定期便開設やチャーター便就航などによりまして大幅に増加いたしております。今後も順調に増加するものと期待しているところでございます。
 今後とも国や観光関連業界との連携を強化し、付加価値の高い観光の推進に取り組みますとともに、中国を中心とするアジア諸国や欧米、そしてロシアなど新規市場からの誘客活動に積極的に取り組み、目標の実現を図ってまいりたいと考えております。
 同じく知事の公約との関係ですが、3年めどの閉鎖状態の公約実現いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去につきましては、移設協議会やワーキングチーム会合などにおいて、政府と意見交換を重ねてきたところでありますが、昨年9月の新政権発足後はこれらの協議会等は開催されておりません。
 県は、総理を初め各大臣との面談など機会あるごとに普天間飛行場の一日も早い危険性の除去を求めており、去る5月23日の鳩山前総理との面談におきましても前総理から「普天間飛行場の危険性の除去については、返還までの間、できる限りの措置を講じていきたいと思っており、今後ともしっかり取り組んでまいりたい」との発言がありました。
 県といたしましては、新内閣におきましても、引き続き、積極的にこの問題の解決に取り組んでいただけるものと期待いたしているところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 普天間移設につきまして、日米ロードマップと日米共同発表の関係についてとの御質問にお答えいたします。
 今回の日米共同発表におきましては、2006年の「再編実施のための日米のロードマップ」に一部追加・補完をし、再編案を着実に実施していくことを再確認したとされております。今回、新たに記載されたものとしては、環境として日本国内及びグアムの米軍基地に在日米軍駐留経費で再生可能エネルギー技術の導入を検討、環境関連事故の際及び返還前の環境調査のための米軍施設・区域への立ち入りを真剣に検討すること、ホテル・ホテル訓練区域の使用制限を一部解除すること、また嘉手納の騒音軽減についてさらに検討を行っていく、訓練移転として、徳之島、日本本土の自衛隊の施設・区域及びグアムなどを検討すること、土地の返還として、キャンプ瑞慶覧のインダストリアル・コリドー及び牧港補給地区の一部を優先返還の地域とすること等が示されております。なお、削除された項目はございません。
 次に、環境影響評価手続と関連条例との関係についてとの御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場代替施設の位置、配置及び工法につきましては、まだ政府から示されていないため、今後の環境影響評価手続につきまして言及することは困難であります。
 いずれにしましても、環境影響評価手続につきましては、環境影響評価法及び沖縄県環境影響評価条例の規定に基づき適切に対応することになります。
 次に、日米地位協定の抜本的見直しの仕掛けと成果につきましてとの御質問にお答えいたします。
 日米地位協定は、一度も改正されないまま締結から50年が経過しており、人権や環境問題などに対する意識の高まり等の中で、時代の要求や県民の要望にそぐわなくなっていること等から、沖縄県におきましては11項目にわたる抜本的な見直しを要請しているところでございます。昨年は2度にわたり訪米し、日米地位協定の見直しを訴えてきた結果、米政府機関等から環境問題について前向きに検討したい旨の発言があり、一定の前進があったと考えております。また、菅内閣においても「日米地位協定の改定を提起する」としております。
 ことしは日米地位協定制定50年の節目の年であり、県としましては、シンポジウムの開催を初めとする情報発信を行うとともに、渉外知事会等とも連携しながら地位協定の見直しに向けた取り組みを強化してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 鉄軌道の導入についての御質問の中で、鉄軌道導入調査の結果についてお答えいたします。
 平成21年度に実施した調査では、鉄道について糸満市から名護市に至るルート約82キロメートルとその全体区間から那覇空港から沖縄市区間を抽出した沖縄市ルート約26キロメートルを設定し、事業採算性、事業の効率性を示す費用便益比等の検討を行っております。事業採算性の面では、現在の整備スキームでは両ルートとも事業化は困難との結果となりますが、費用便益比の面では、糸満・名護ルート0.6に対し、沖縄市ルートでは1.25の結果が得られております。
 次に、今後の取り組み、対応についてお答えします。
 鉄軌道導入については、県民の利便性が向上する反面、建設コストや維持コスト等の問題もあることから、県では今年度から行う「沖縄県総合交通体系基本計画」の見直しの中で検討を進めてまいります。
 次に、国の鉄軌道調査スケジュール及び県の関与についてお答えいたします。
 国が実施する鉄軌道調査は、沖縄県の県土構造と新たな公共交通システム導入の意義を整理した上で、住民、観光客等のニーズの把握を行い、交通システムの比較を踏まえた事業採算性、大規模な返還跡地の有効利用との関係などについて2年間の予定で行われますが、県としても積極的に協力していきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 知事の選挙公約の達成の中で、製造業の振興の成果についての御質問にお答えします。
 製造業の振興については、県産品奨励運動や産業まつりなどを通して県産品使用の推進に努めるとともに、新製品の開発支援や県外への販路拡大支援、企業誘致促進などに取り組んでまいりましたが、製造品出荷額は景気低迷などの影響等により伸び悩んでいる状況にあります。他方、食料品製造業においては、数億円規模の売り上げに成長したお土産商品などが生まれ、またモズクを活用した多様な商品が展開されるなど着実に成長し、県内外での市場評価も高まっております。また、産学官連携による沖縄の地域資源を活用した健康食品やコスメ関連商品の開発が進展しているほか、運動用具製造業など魅力ある企業の特別自由貿易地域への立地が進んでおります。
 県としては、引き続き製造業の振興を図っていくため、製品・技術の研究開発力を支援するとともに、経営革新、金融支援、販路拡大の促進など総合的な支援を実施してまいります。
 同じく知事の選挙公約の関係で、沖縄観光コンベンションビューローの体制と県の任務分担についての御質問にお答えします。
 沖縄観光コンベンションビューローについては、観光業界の意向を集約しリードする組織として、また、観光振興施策の実施機関として本県の観光振興に重要な役割を担っているものと考えております。一方、沖縄県では、本県観光の振興に係る基本的な政策及びその具体的な計画・立案、観光統計に関する調査・分析並びに市町村や観光関連団体育成などの行政施策を担っております。現在、沖縄県においては、「新沖縄県行財政改革プラン」に基づき、ビューローの役割の明確化及び効率的な法人形態等を検討しているところであり、ビューローが観光業界を積極的にリードする組織体制を確立できるよう支援してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○玉城 義和 それでは再質問をいたします。
 日米同盟のあり方についてでありますけれども、知事、県議会でこういう議論をするというのも沖縄県ぐらいだろうと思いますが、知事会もそうですし、各国会議員の方々見ても、我が県に米軍基地を持っていこうというのは皆無に近いわけですよね。安保条約というのは、第6条において、要するに日本は基地を提供する義務を負っているわけですね。したがって、今のような状況で安保条約は賛成だけれども基地は嫌だというのは、本来安保条約からすれば通らないわけですね。そういう意味で言えば、既に現行の安保条約はその前提条件を失っているとこう言わざるを得ないわけですね。そういう意味で言えば、まさに沖縄にマンガタミーさせて沖縄だけに負担をさせて安保条約は成り立っているという非常に変則的な状況にあるわけですよ。だから、私は沖縄県の知事としてはその安保条約賛成、反対という立場を超えてこういうあり方はおかしいんじゃないかと、今の安保条約のあり方はおかしいと、日米同盟はおかしいということを、やはりこれは沖縄県知事でなければ言えない立場なんですよ。だから、このことをぜひ大きな声で全国に発信をする中から沖縄基地問題というのは私は解決されるとこういうふ
うに思っているものですから、お聞きをしているんですね。いかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 今の議論というのは、非常に歴史的な流れも含めて少し厳密な詰めが必要な部分があろうかと思いますので、きょうのところは議員の御提案としてぜひ伺わせていただくというふうにとどめたいと思うんですが。
○玉城 義和 私は最近考えるのは、安保条約のこの議論はもはや左派とか右派という話じゃないと思うんですね。これは左派の専売特許ではないんですよ、もはや安保条約の議論というのは。むしろどっちかというと、保守派が危機感を持って議論をすべき局面なんですよ、これはある面で言えば。沖縄がじゃだめになると日米同盟がもうだめになるということになりかねないわけでしょう。私はもちろんもともと安保条約には反対の立場ですが、私はむしろどうして右のほうからそういう議論が起こってこないのか不思議でしようがないんですよ。そういう意味でどうでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時18分休憩
   午前11時19分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 基本的なことになるんですが、国民的な議論というのをもっともっと起こし、国会を中心にもっともっと議論もしてもらいたいと思いますし、その左・右を超えてという表現でしたが、議論すべきだというお考えには賛成ですよ。
○玉城 義和 したがって、その端緒を沖縄県知事が開いてほしいとこういうことなんですね。だから、今や大阪にしても各県の知事は大いに語っているんです。大いに国家に物を言っているんですね。知事は、お上と事を構えるのは得策ではないというのがどうも信条らしいんですが、そうじゃなくして、沖縄の県知事だからこそ言えることはたくさんあるんですよ。今こそそれを言わないと、沖縄は何で黙っているかというのが国民のあれであって、沖縄が何を発信しているかよくわからないと。そこのところはぜひ腹をくくって、この際、私はあり方についてやはり発言すべきだとこういうことを申し上げているんです。だから端緒を開いてほしい。いかがでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 私にそのおっしゃる能力が十分あるかどうかは別にしまして、今のような議論を展開をすべきだとは思うんですが、ただ基本的に今沖縄の中では明らかに過重な基地負担というのははっきりありますから、私のほうではそういう目に見えるものを手がかりにこれは全国につながっている話であるから、全国民の議論もお願いしながら、この沖縄の基地負担そして同盟のありよう、安保条約のありようまで議論をしてもらいたいという趣旨のことはいろいろな方にお目にかかるたびに申し上げているつもりでありますが、ただ玉城議員のきょうのお話は、よく勉強し研究されている議員からのお話ですから、重々受けとめてそういう方向もよく勉強していい機会を見つけてやってみたいとも思っております。
○玉城 義和 議論をしてほしいということではなくして、知事からインパクトのある提案を全国に向けて沖縄県知事ここにありということをやはりこの際やってほしいというのが県民の気持ちなんですよ。その期待にこたえなきゃだめですよ、これ。今しかないんですよ、この時期しか。今黙っていたんじゃ沖縄県は何を考えているかよくわからぬとこういうふうに思われてしまっているわけですから、申し上げているんで、ひとつぜひそこはお願いをしたいと思います。
 それからこの議会の焦点の一つでありますが、この辺野古移設について、知事は賛成をしているのか反対をしているのかわからぬとこういうことなんですね。知事がおっしゃっているのは、この1月までは県内移設やむなしと思っていたと、ところが状況が変わったということですね。
 そこでお伺いをしますが、状況が変わったということはわかりますよね。これは認識私どももわかります。その中で状況が変わったという認識と、知事の考え方が変わったかというのは別問題なんですね。そこはどうなんですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時23分休憩
   午前11時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 状況だけが変わったのではなくて、私の考えも厳しくなったと申し上げているとおりでございます。
○玉城 義和 県内移設は極めて厳しいと、あるいは不可能に近いということですよね。これはいずれも状況認識ですよね。極めて厳しい、だからどうしたいんですかということですね。次の文句が聞きたいわけ、我々は。だから、極めて厳しいから知事としてはどうしたいんですかと。不可能に近いということであれば、だけど頑張るんですか、それとも断念を迫るんですかということなんですよ。次のフレーズが聞きたいわけ、みんな。ところが、それをおっしゃらないからわけのわからん議論になって、ちっとも県民にわかる議論にならないということですね。その後の言葉はどうなんですか。
○知事(仲井眞弘多) ですから、後については何度も申し上げていますが、今度の期待した政権が政策を180度変えたということの理由をきちっと聞いた上でと申し上げているわけです。
○玉城 義和 ちょっと休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時25分休憩
   午前11時25分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 玉城義和君。
○玉城 義和 要するに、主体的に極めて厳しいからどうするのかと、不可能に近いからどうするのかというそこのところを聞きたいわけですが、それをずっとおっしゃらないということでは議論が深まらない。
 それでは聞いた上でということであれば、先ほど答弁があったように、この2005年の安保再定義の問題、2006年のロードマップ、そして今回の5月28日のSCCの文書、これはみんな一連の文書ですね。そういう意味でいえば、例えばこの2005年のこの「日米同盟:未来のための変革と再編」の中にはちゃんと県内移設をする理由が書かれているわけですよね、書かれている、これは。諸部隊の組織の一体化と機能の一体化のためには県内でなきゃならないというのが大前提になっているわけですよ。これはもう既に説明されているわけですね。だから辺野古なんだということなんです。それを受けて2006年があり、5月28日があるわけです。だから追加だと、さっき公室長が答弁したとおりですよ、一連の文書なんですよ。だから、あえて県内移設というのは政府にすれば既にもう説明済みだということなんですよね。
 もう一つ加えて言えば、総理は既に2回沖縄に来ているわけですね。その間に抑止力云々ということも含めて知事には説明している立場ですよ、これは既に。だから今の段階は、8月の下旬をもって工法とか位置を決めるという段階に移りましたということなんですよ。それにもかかわらず知事は説明を受けてないと、説明を聞かなきゃわからんと言うのでは全くこれはピントが外れていて状況に合わないんじゃないでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時26分休憩
   午前11時27分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 再編の目的、軍事上の目的というのは、おっしゃったように2005年だったか2006年だったかに書かれていますよ、いろんなことが。ですから、再編そのものの軍事的な意味はそこに書かれている。ですから、それに乗っかって、しかし今度はさらに追加されましたというのは何も軍事上のことだけではありません。さらに、私がわからんわからんと言っているのは、民主党政権、三党連立政権がスタートした、ないしは民主党の公約の中にそういうものを踏まえながらも県外だと言った公約があったわけでしょう。それに対していろんな人が投票して民主党政権つくるのに貢献したんですから、そういうこれを何で180度変えたんですかと。これは彼らも百も承知の上の話でしょう。そこに何で変えましたかを私は聞いているんであって、この目的が違いますかなんていうのは聞いていませんよ。ですから、それはやはり政府から確認をとらないと私のほうじゃ答えができないと言っているんです。
○玉城 義和 何で変えたかというのを聞かれても民主党の内部事情でしょう、それは。民主党の政治的な失敗だとか、あるいは力量だとか、政治的な熟度の問題とか、そういう意味で民主党の政権の持っている弱さ、そういうものに起因するものですよ。そうではなくして問われているのは、2005年があって2006年があって、今回の5月28日があるわけです。一連なんですよ、これは。だから、これはずっと体系的になっているわけですね。一連のものなんで、その中に追加はありますよ、それは。追加はもちろんありますが、今私が問題にしているのは辺野古の話を聞いているわけですね。だから、辺野古の話はこれはもう決定をされているわけですね。だから民主党がどうのこうのというのは、これは民主党の内部の話であって、向こうの政治の熟度の低さとか、そういうものが問題なんです。もちろんそれはそれで批判されるべきでしょう。そのこととこの決定した問題を知事がどう評価するか、どう考えるか、これとは別問題なんですね。
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 県民の納得のいく解決策をきちっと政府が責任を持って示すべきだと、私は最終的にはそういう考えを持っているわけですが、まさに辺野古の部分ですよ、議員がおっしゃっている、私も申し上げているのは。この辺野古の部分について政権で公約した政党、そこが総理もつくり、内閣をつくっているところが変えた理由を県民に説明する必要があるでしょう。それは民主党の弱さだ何だと言ってもそれは先生の推測でしょう。それを責任者たる総理からきちっと説明してもらわないことには意味がわからんじゃありませんか。
○玉城 義和 私は別に政府の肩を持つわけではありませんが、政府としては総理が2回も来て、抑止力云々ということを申し上げて、大変申しわけないけれどもまた引き受けてくれと、知事には仁義を切ったと。恐らくそういう立場でありましょう。既に8月の下旬に向けて、去る21日にも課長クラスのワーキングチームが作業を始めているわけですね。既にもうこれは工法とか、場所に向けてもう作業が始まっているわけですね。そういう意味で言えば、今の知事の御認識は私は方便としてもなかなかこれは通用しないし、非常に政治的なタイミングを失ってしまうということを申し上げておきます。もうこれは水かけ論になって前に進みませんので、もう少し知事も頭を整理されて今議会中にもう少しクリアな答弁をお願い申し上げたいと思っています。
 それから鉄軌道についてでありますが、私がずっと考えておりますのは、この鉄軌道問題はやはり必要性から入るべきであって、採算性とかコストの話をすると途端にこれはもうそこでとまっちゃうんですよね。北海道も九州も四国もずっと赤字なんですよ、JRになってから。ところが北海道なんかも6000億円ぐらいの基金があって、それを今ごろ3.5%ぐらいの利率で運用しているわけだ。最近はちょっと厳しくなりましたが、赤字をずっとこれでカバーして黒字に転化してやっているわけで、だからそれはなぜかというと必要だからですよね。
 そういう意味でちょっとお聞きをしますが、例えばこの間、復帰後でいいんですが、沖縄県が鉄道がないためにどれぐらいの損失をこうむったのか、あるいはあればどれぐらいの利益があったのかという計算をしたことありますか。
○企画部長(川上好久) このような調査は今までやったことございません。そういう調査はやったことはございません。
○玉城 義和 私は、やはりこういう調査を事務的には積み重ねていくべきだと思うんですね。いざという場合に使えるわけですから、だから平成12年でしたか、運政審の答申もあって上と下を別々にして、下は公の機関が機構が整備すると、整備新幹線ですね。そういう制度もあるわけですね。だから、幾らでも制度は使えるわけで、余りコストとか運行会社のことを最初から持ち出すとこれは全部詰まっちゃってどうにもならないわけですね。21世紀プランにも入っているわけだから、ここは思い切ってもっと前に進めるべきだと思います。知事のひとつ御決意を聞きます。
○知事(仲井眞弘多) これは前から玉城議員からの意見に私も実は賛成ではあります。そして21世紀プランにも書かせていただいていますし、いろんな形で今鉄道の議論が起こっていますから、何とか必要性から入っていける方向で取りかかれればとは思っていますが、それでもなおコストの問題というのは頭にありまして、ここのところはしかしぜひ日本国も財政がこういう多端な折ですから、この赤字の仕組みをつくってしまった瞬間、そのためだけに陳情を繰り返さざるを得ないというようなことにならんように、我々も公共交通システムが沖縄にはほとんどないという点からいうとむしろ主張すべきではあるんですが、我々がかなり保守的にならざるを得ない面もぜひひとつそれをどうやってぶち破っていくかはいろいろ御指導いただきたいと思っております。
○玉城 義和 雇用問題も観光問題も全部数字を挙げてやりたかったんですが、時間がありません。
 その鉄軌道については、やはりたばこ1本につき1円とかこれはもう負担しているわけですよね。やはりそういう意味でいえば、本州の鉄道会社はみんな黒字ですよ、大黒字で2000億円近い黒字を出しているんで、そのもうかっているところの小会社にしてもいいし、いろいろ方法はあるんです。だから、もうちょっとその一歩前に出てその後にいろいろ考えると。整備新幹線なんかもう全国に張りめぐらされていますから、沖縄だけですよね、ないのは。だから、そういう意味でやはりここはぜひ国のほうとも相提携しながら進めていただきたいと思います。
 以上です。知事の最後の御決意をどうぞ。
○知事(仲井眞弘多) 昨年、先ほど御紹介しました鉄道についての調査の中で、明らかにおっしゃるように各県いろんな法律をそれぞれつくってもらって、いろんな形で鉄道がやっていけるような仕組みというのはどうもつくっているらしいというのは我々わかってまいりまして、県議のほうがよく研究されておられるんで、ひとつぜひいろいろサジェスチョンいただきながら、これは企画の関係でも若手が非常に張り切っていますから、ひとつまた御指導賜りたいと思います。
○西銘 純恵 こんにちは。
 日本共産党の西銘純恵です。
 一般質問を行います。
 後期高齢者医療制度について。
 民主党政権は、後期高齢者医療制度の速やかな廃止を公約にしながら4年先まで先送りし、しかも廃止後につくる新しい制度は、65歳以上の高齢者は都道府県ごとの国保に加入させた上で、64歳以下とは別勘定にするというものを検討しています。これではうば捨て山をもっと広げることになってしまい、医療費の抑制か保険料のアップかの二者択一に追い込むものです。お年寄りを差別する後期高齢者医療制度は、すぐに廃止してほしいという切実な声は広がるばかりです。
 質問します。
 後期高齢者医療に加入されている人数と、昨年とことしの1人当たり平均保険料は幾らですか。
 制度の即時廃止の国民の声に押されて臨時的に保険料の軽減措置がされたが、保険料軽減を受けたそれぞれの人数と割合について。
 滞納者数と滞納理由、短期証発行数について。
 保険手帳のない無保険者数と治療中断者の人数。
 保険料の支払いに関する相談者数と、すべての市町村で掌握されているかどうか。
 減額免除の申請数と申請理由及び結果について。
 即時廃止を公約して政権についた民主党が廃止を先送りするだけではなく、新制度案は負担や差別の対象を65歳以上に広げるというものです。即時廃止して、もとの老人保健制度に戻すよう求めるべきではないかお尋ねします。
 がん対策について。
 子宮頸がんワクチンの公費助成を行うこと。また、早期発見のためがん検診を無料化することについて。
 がん治療費を無料にして患者、家族、遺族の精神的・経済的な支援体制を確立することについて。
 県立宮古病院、八重山病院、北部病院を地域がん診療拠点病院に位置づけて放射線治療機の設備や専門の医師、看護師体制を整備して、緩和ケアを含めて地元で治療できるようにして患者の負担を軽くすることについて。
 患者同士が相談し支え合うための患者サロンを設置すること。また、がん情報の普及・周知を図ることについて。
 本県はがんが死因のトップとなっています。県が率先してがん条例を制定すべきですが、知事の見解を伺います。
 「子どもの貧困」対策について。
 昨年、厚労省が公表した「子どもの貧困」率は14.2%、ひとり親家庭では54.3%になります。沖縄県での「子どもの貧困」は特に深刻だと危惧しています。知事を先頭にプロジェクトチームをつくって、「子どもの貧困」克服を図ることを提言して質問します。
 「子どもの貧困」の実態の調査方法を検討すると回答したが、教育、福祉分野のいずれでも調査は可能なものです。早急な実態調査を求めます。
 児童相談所に措置される子供のうち、生活保護と住民税非課税世帯の割合はどうなっていますか。
 制服が買えないからと欠席をする中学生、食事は学校の給食だけの子供、虫歯で歯がないのに医者に行けないなど、4000人の無保険の子供、通学費がかさみ高校に通えない子など、「子どもの貧困」は深刻です。教育、医療費など制度として子供を直接支援して発達を保障する仕組みの確立が必要と考えるがどうですか。
 児童虐待の対策について。
 児童虐待の推移、増加数、虐待の主な原因は何ですか。
 子育て家庭に不安定雇用と生活不安が広がっているが、貧困と児童虐待との関係及び対策はどうなっていますか。
 介護や福祉の職場での低賃金やストレスの多いきつい労働が原因となって児童虐特につながっていくとされているが、その関連と対策はどうなっていますか。
 子育て家庭の孤立化は虐待の大きな要因と指摘されています。児童委員は知事の指揮監督を受けて職務を行う法の定めがあるが、体制と取り組みはどうなっていますか。市町村の子育て支援事業の体制と取り組みはどうなっていますか。また、県と市町村の要保護児童対策地域協議会の設置状況と強化策を伺います。
 児童相談所には心と体に深い傷を負った子供へのケアのため、社会福祉主事、児童福祉司などの専門職員を手厚く配置をすべきと思うが、増加している児童虐待に対応できる職員体制になっているか伺います。
 児童相談所一時保護所に教育相談員が配置されているが、教育職務にふさわしい賃金が保障されていないと県に訴えています。改善について伺います。
 英語指導助手の問題について。
 県内の小学校、中学校、県立学校には英語助手は何人いるか。そのうち、米軍人の家族がいるかどうか。
 外人助手の覚せい剤所持による逮捕など、これまでに不祥事を起こしたのは何人いるか。学校教育を担うにふさわしい厳格で適正な資格条件への改善が必要だと思うが、県の考えを伺います。
 過大な需要予測による4500億円の那覇港国際港湾開発計画は事業の折り返し点に立っているが、米軍物資を除いた貨物量とトランシップ貨物量は幾らか。税金の無駄遣いの事業を中止し、計画を抜本的に見直しすべきではないか伺います。
 公設学童は、全国86%に比べ沖縄県は4%。保育料は全国の2割が無料で、有料でも5000円、沖縄は1万円以上。保育料の負担ができずに学童クラブに入れない子がいます。補助を増額して低所得者の保育料を軽減すること及び希望するすべての子供が入れるように拡充することについて。
 特別支援教育について。
 特別支援員、特別支援学級、特別支援学校は希望者に対応できていますか。専門教師の配置率はどうなっていますか。一般教師が配置されて教育に困難を来していると現場からの声があるが、専門教師の早急な配置が必要ではありませんか。
 幼稚部対象の児童数の把握はなされていますか。幼稚部が周知されずに家庭保育で困難を抱えている家族がいるのではありませんか。希望する子供が入学できるように周知の徹底はどのようにされていますか。
 我が党は豊田市の発達支援センターを視察してきました。医療と療育が結合され早期発見と早期支援に取り組まれていました。本県の早期発見と早期支援の体制はどうなっているか。先進地に学んで改善すべきです。
 介護施設の羽地苑で虐待の事実があったことを県は認めたが、虐待防止法に基づく施設への指導はどのようになされましたか。虐待の根絶のために施設の特別監査及び虐待マニュアルの作成と普及について伺います。
 辺野古新基地建設の日米合意について。
 民主党連立政権の普天間基地にかかわる日米合意は、自公政権の辺野古移設へと逆戻りしただけでなく、全国に米軍基地の被害を拡散する最悪の合意です。普天間基地の即時無条件撤去と県内移設反対の県民の総意をアメリカ政府に正面から交渉すべきですが、知事の見解を伺います。
 辺野古移設は厳しいと何度も発言されているが、知事は辺野古移設に反対なのか賛成なのかはっきりお答えください。
 普天間の移設条件つき返還は実現不可能で既に破綻しています。普天間基地は即時無条件撤去しか解決の道はありません。移設先探しで解決できるというなら知事の考えをお示しください。
○知事(仲井眞弘多) 西銘議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、児童虐待に関する御質問の中で、児童相談所の職員体制についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 児童相談所につきましては、平成17年度から22年度までの6年間で児童福祉司13名、児童心理司6名を増員し、増加する児童虐待等に適切に対応するため体制強化を進めてきているところでございます。
 今後も、児童相談所の専門性の強化を図るため、スーパーバイザーの養成や職員研修の充実など、引き続き体制強化の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、辺野古新基地に係る御質問の中で、普天間飛行場の即時無条件撤去を米政府に求めること及び辺野古への移設についてという御趣旨の御質問ですが、恐縮ですが11の(1)と11の(2)が関連しておりますので一括して答弁させていただきます。
 今回の日米共同発表は、県外移設の実現に期待する県民の声がますます高くなっている中で唐突に行われたものであり、県民の間に大きな失望を招いております。県といたしましても、地元の了解を経ずにこのような移設案が決定されたことはまことに遺憾であり、受け入れることは極めて厳しいと言わざるを得ません。
 県といたしましては、政府が県外移設をどこまで真剣に検討したのか、そして、どのような経緯で移設先を辺野古とする日米合意に至ったのか、合理的な説明を行うべきであると考え要求しているところでございます。
 次に、普天間飛行場移設問題に関する知事の考えいかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の移設先につきましては、米軍基地の提供責任者であります政府において示す必要があると考えております。いずれにいたしましても、名護市長選挙や県議会の意見書議決、そして県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、現時点におきましては名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいというのが私の考えでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 後期高齢者医療制度についての御質問の中の、後期高齢者医療の被保険者数と、昨年とことしの1人当たり平均保険料額についてお答えします。
沖縄県後期高齢者医療広域連合によると、後期高齢者医療の被保険者数は、平成22年4月30日現在で11万5605人であります。1人当たり保険料額は、平成21年度5万2510円で、平成22年度の見込み額は5万2964円となっております。
 次に、保険料軽減を受けた人数と割合についてお答えします。
 後期高齢者医療保険料のうち均等割保険料の軽減人数及びその割合は、平成21年6月末現在、9割軽減人数5万3196人、46.9%、 8.5割軽減人数1万6958人、14.9%、5割軽減人数3560人、3.1%、2割軽減人数7173人、6.3%で、均等割保険料の軽減を受けた合計人数は8万887人、71.3%になっております。また、所得割保険料の軽減を受けた者は8992人で7.9%になっております。
 次に、滞納者数と滞納理由、短期証発行件数についてお答えします。
平成20年度の保険料の滞納者数は1701人で、納付相談のあった方の主な滞納理由としては、収入が少ない、一時所得により保険料が高額となって支払いが困難等となっております。
 短期被保険者証の発行件数は、平成22年3月2日時点で856件となっております。
 次に、保険手帳のない無保険者数と治療中断者数についてお答えします。
 短期被保険者証の交付を受けた方のうち、平成22年3月2日時点で有効期限が切れている方は585人で、治療中断者については把握が困難であります。
 なお、短期被保険者証が未更新となっている方については、市町村において窓口相談や電話・訪問等により被保険者証の更新に努めております。
 次に、保険料の納付相談者数と市町村の掌握の状況についてお答えします。
 平成22年6月市町村に調査したところ、平成20年度及び21年度に被保険者から保険料の納付相談があった市町村は29カ所で、相談がなかった市町村は12カ所となっております。相談を受けた市町村のうち、相談件数の報告があった17市町村の相談件数の合計は1403件となっております。
 次に、減額免除の申請数と申請理由及び結果についてお答えします。
 広域連合によると、減免申請受け付け件数は、平成21年度においては37件で、その申請理由は、失業や事業の休廃止による収入減等となっております。申請のあった37件のうち20件が減免決定されております。
 次に、後期高齢者医療制度の廃止を求めることについてお答えします。
 現在、国では、後期高齢者医療制度を廃止して、高齢者のための新たな制度を構築するという基本的な考えのもとで、有識者や関係団体の代表等で構成する「高齢者医療制度改革会議」において検討中であります。
 県としましては、国の検討状況を注視してまいりたいと考えております。
 次に、がん対策についての御質問の中の、子宮頸がんワクチンの公費助成についてお答えします。
 感染症の予防接種は市町村の業務となっており、公費負担の対象となる疾病については、予防接種法で定期接種となっております。現在、子宮頸がん予防ワクチンは同法の定期接種となっていないことから、県としては、全国衛生部長会を通じて同ワクチンの有効性等の評価を早急に行い、必要な公的支援や多くの国民が接種できるよう、国に要望しているところであります。
 次に、がん検診を無料にすることについてお答えします。
 乳がん、子宮頸がん検診については、特定の年齢を対象に無料クーポン券を配布する国庫負担事業が昨年度と今年度に県内の全市町村で行われております。国は、来年度の国庫負担による事業継続について明言しておりませんが、県としては、全国衛生部長会を通して国庫負担による事業継続を要望しているところであります。
 次に、がん治療費の無料化についてお答えします。
 県においては、「沖縄県がん対策推進計画」及び「アクションプラン」を策定し、がん対策を総合的に推進しているところであります。がんに関する療養上の相談については、がん診療連携拠点病院の相談支援センターにおいて対応しております。がん治療については、そのほとんどが他の疾病同様に公的保険の範囲内で行われていますが、先進的な医療の一部は公的保険の対象外となっており、その場合に患者の負担増があると考えております。がん治療費の無料化などの経済的支援については、公的保険の対応を含め社会保障制度全体の中で国の責任で対応すべきものと考えております。
 次に、県立宮古病院、八重山病院及び北部病院の地域がん診療連携拠点病院の指定及び地元での治療体制についてお答えします。
 本県では、琉大病院を県がん診療連携拠点病院に、県立中部病院や那覇市立病院を地域がん診療連携拠点病院に指定し、他のがん治療可能な医療機関との医療連携体制を構築しているところであります。北部、宮古及び八重山圏域では専門医が少なく、さらに症例数も少ないことから、放射線治療等の高度な医療機能の維持が困難であり、現在、これらの圏域の県立病院を地域がん診療連携拠点病院に指定しておりません。
 県としては、琉大病院等の高度医療提供施設と県立北部、宮古及び八重山病院との役割分担及び連携を図るとともに、手術や化学療法等、当該圏域で必要ながん医療の充実を図っていきたいと考えております。
 次に、患者サロンの設置及びがん情報の周知についてお答えします。
県におきましては、患者サロンの設置について、がん治療を行っている医療機関に対し、院内に設置するよう呼びかけていくこととしております。また、がん患者の皆様への情報提供として「患者必携」を作成することとしており、今後は一般県民を含めて広く情報提供を行っていく予定であります。
 次に、がん条例の制定についてお答えします。
 県としましては、がん対策基本法に沿って策定した「沖縄県がん対策推進計画」及び「アクションプラン」を着実に実施し、予防から医療提供に係る適切ながん対策の充実強化を図っていくこととしております。このような中で、がん条例の制定については、その必要性を含め総合的に検討することとしております。
 次に、「子どもの貧困」対策についての御質問の中の、「子どもの貧困」の実態調査についてお答えします。
 県では、生活保護世帯や支援が必要な児童等に対して、市町村、福祉保健所、児童相談所等関係機関の連携や民生委員・児童委員の活用等により対応しているところであります。しかしながら、近年の生活保護世帯の増加や、ひとり親家庭の生活状況等から見て、本県の「子どもの貧困」については厳しい状況にあるものと考えております。
 今後も、教育庁等関係機関と協力しながら、支援を必要とする世帯や子供の把握に努めるとともに、各種施策による支援を行ってまいります。
 次に、児童相談所が措置した子供に係る生活保護世帯等の割合についてお答えします。
 児童相談所が児童養護施設等に措置した子供の世帯について、徴収基準に係る階層区分の状況は公表しておりませんが、本県において措置されている子供の家庭の多くは経済的な問題を有している状況にあるものと認識しております。
 次に、子供を直接支援して発達を保障する制度の確立についてお答えします。
 「子どもの貧困」につきましては、格差が固定化し次の世代に連鎖していくことを防止することが重要な課題であると考えております。このため、県では、生活困窮世帯に対する経済的支援とあわせ、医療費助成など子供のいる家庭への各種支援を行っているところであり、これらの施策の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、児童虐待の対策についての御質問の中の、児童虐待の推移、主な原因についてお答えします。
 県の児童相談所が処理した虐待相談処理件数は、平成17年度が451件、18年度364件、19年度440件、20年度408件、21年度が435件となっており、年度による増減はありますが、高どまりの状況となっております。また、児童虐待につきましては、育児に対する認識の低さ、家庭の養育力の低下、地域社会の子育て機能の低下など、複合的な要因が重なって発生しているものと考えております。
 次に、貧困と児童虐待との関係及び対策並びに労働条件と児童虐待との関連及び対策について一括してお答えします。
 低賃金などの貧困問題等と児童虐待は必ずしも直結するものではないと考えますが、家庭における経済的な問題が深刻な場合には、子育てに対する負担感が増すことにより、家庭の養育力の低下につながるおそれもあるものと考えられます。また、虐待を受けた児童の家庭については、経済的な問題を抱えている事例も存在するものと認識しております。
 児童虐待の防止のためには早期発見と迅速な対応が必要であり、引き続き児童相談所の体制強化を進めるとともに、警察、教育庁等の関係機関との連携強化を進めてまいります。あわせて、子育てに係る負担の軽減を図るため、子ども手当、児童扶養手当の支給や医療費の助成等の経済的支援を行うとともに、地域子育て支援拠点事業の実施など、各種の子育て支援に取り組んでまいります。
 次に、児童委員及び市町村子育て支援事業の体制と取り組み並びに要保護児童対策地域協議会についてお答えします。
 児童委員の体制につきましては、平成22年4月現在、児童委員が2102人、そのうち主任児童委員が171人委嘱されており、児童及び妊産婦の生活状況把握や保健・福祉に関する情報提供及び指導等を行っております。
 平成21年度の活動状況につきましては、子供に関する相談・支援件数が2万8811件となっております。
 次に、市町村の子育て支援事業につきましては、児童虐待防止の観点から、乳児のいる家庭を保健師等が訪問するこんにちは赤ちゃん事業、養育支援訪問事業を実施しております。
 平成21年度の実施状況につきましては、こんにちは赤ちゃん事業が40市町村で実施され、訪問件数が1万3631件、養育支援訪問事業が15市町村で2615件となっております。
 次に、「要保護児童対策地域協議会」につきましては、現在、31市町村で設置されており、未設置市町村に対しても設置の働きかけを行っているところであります。また、同協議会では保健部門や児童委員も含む関係機関が連携して児童虐待防止に取り組んでおりますが、連携をさらに強化するために県レベルでの協議会設置に向けた作業を行っているところであります。
 次に、児童相談所一時保護所の教育相談員についてお答えします。
 一時保護所に入所している児童につきましては、所内において、主に一時保護所の職員が学習指導を行っておりますが、今回、経済対策として実施された緊急雇用に係る予算を活用し、平成21年度と22年度について職員の学習指導を補助するための賃金職員を採用したところであります。また、当該職員の募集の際には、学習効果を上げるために教員免許保持者を採用の条件としましたが、時給等の労働条件につきましては、一般の賃金職員と同等の内容としております。
 今回の件につきましては、当該職員の業務は教育職務ではなく職員の補助としての位置づけであることから、中央児童相談所に対しては改めて賃金職員としての身分に応じた業務配分の徹底を指示したところであります。
 次に、公設学童について、保育料の負担軽減と放課後児童クラブの拡充についてお答えします。
 沖縄県の放課後児童クラブは民立民営のクラブが多く、家賃等の負担により経営が厳しいことや、保育料が高いことなどが課題であると認識しております。このため、県としては、学校の余裕教室や児童館等の活用を図ることで保育料の負担軽減が図られるよう、市町村と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
 また、平成22年3月に策定した「おきなわ子ども・子育て応援プラン」の後期計画においては、平成21年度の放課後児童クラブ194カ所を平成26年度までに238カ所にまでふやす目標を掲げているところであり、県としましては、希望する子供すべてがクラブを利用できるように市町村と連携し、放課後児童クラブの設置を促進してまいります。
 次に、障害児の早期発見及び早期支援体制についてお答えします。
 沖縄県では、障害児の早期発見及び早期支援について沖縄県小児保健協会と連携し、乳幼児健診における発達に係る問診項目の追加、修正等、健診受診票の見直しを行ったところであります。また、在宅の障害児の地域における生活を支え、身近な地域で療育指導が受けられるよう、先島を含め県内の9カ所において障害児等療育支援事業を行い療育機能の充実を図るとともに、県内5カ所の圏域にアドバイザーを配置し、関係機関のネットワーク構築等障害者支援体制整備の促進に向け取り組んでいるところであります。
 次に、介護施設における虐待について、羽地苑での虐待への対応についてお答えします。
 いわゆる高齢者虐待防止法に基づく対応は、通報を受けた名護市が事実確認及び指導を行っているところであります。
 県においては、利用者への影響の観点から、社会福祉法及び老人福祉法に基づき関係者から事情聴取を行っております。
 特別監査については、その結果等を踏まえ検討する考えであります。
 なお、今後、高齢者虐待防止マニュアルを作成し、介護保険法に基づく集団指導等において周知してまいります。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 答弁の途中でありますが、時間の都合もありますので、西銘純恵さんの質問及び質疑に対する残りの答弁は午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午後0時8分休憩
   午後1時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前の西銘純恵さんの質問及び質疑に対する答弁を続行いたします。
 教育長。
   〔教育長 金武正八郎君登壇〕
○教育長(金武正八郎) それでは英語指導助手の問題についての御質問で、外国語指導助手の人数等についてお答えいたします。
 本県の外国語指導助手につきましては、小中学校において国採用が40名、市町村採用が163名、県立学校において国採用が55名、県採用が3名配置されております。
 米軍人の家族につきましては、市町村採用の外国語指導助手が1名おります。
 次に、外国語指導助手の資格要件等についてお答えいたします。
 今回、市教育委員会の外国語指導助手が覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕され、教育への信頼を損ねたことはまことに遺憾であり、極めて残念なことであります。
 外国語指導助手のこれまでの不祥事につきましては、昨年度の3名と今年度の1名となっております。
 国採用の外国語指導助手の募集・選考は外務省が行っており、日本国法令を遵守することなど16項目の資格要件をすべて満たした者が採用されております。また、県及び市町村の外国語指導助手につきましては、国に準じて厳正に行っているところであります。
 県教育委員会としましては、今後とも関係機関等と連携し、綱紀粛正及び服務の確保についてさらなる徹底を図ってまいりたいと考えております。
 次に、特別支援教育についての御質問で、特別支援学校等への希望者への対応、専門教師の配置等についてお答えいたします。
 特別支援学校においては、入学要件を満たし保護者が希望した場合はすべて受け入れております。
 特別支援学級の設置については、平成22年度、小中学校合わせて491学級の申請に対して444学級を設置しております。当該校で受け入れることができなかった児童生徒については、市町村教育委員会と連携し、その学校に既に設置されている特別支援学級の活用及び近隣校との連携、拠点校への通学、特別支援教育支援員の活用等、当該児童生徒へ適切に指導がなされるように努めております。
 特別支援教育支援員の配置については、平成22年1月31日現在、小中学校合わせて659人の配置希望に対し446人が配置されております。
 特別支援学校等における特別支援学校教諭免許状所持率は約6割になっております。教諭の配置につきましては、免許所持者及び経験者を積極的に配置するとともに、免許法認定講習や各種研修会を実施し、資質の向上を図っております。
 県教育委員会としましては、特別支援教育を推進するため、支援体制の整備及び担当教諭の専門性の向上に今後とも努めてまいります。
 次に、幼稚部対象児の把握と幼稚部の周知についてお答えいたします。
 特別支援学校の幼稚部においては、入学要件を満たし地域での支援が困難な幼児を対象に募集を行っております。幼稚部教育につきましては、沖縄県広報や県教育委員会ホームページへの掲載、「相談窓口ポスター」を関係機関等に配布するとともに、市町村教育委員会を通して各幼稚園や乳幼児健診を担当する福祉関係部署に対し周知に努めているところであります。
 各特別支援学校を希望する幼児の把握につきましては、保護者への周知徹底を図り、特別支援学校の教育相談等を通し幼稚部教育の理解啓発を進めながら7月と9月に調査を行い、漏れのないよう対応してまいります。
 県教育委員会としましては、「障害のある幼児の就園指導のあり方連絡協議会」の開催を通して、市町村教育委員会や福祉関係部署等との連携を強化するとともに、今後とも幼稚部関係者への周知徹底と希望する対象幼児の把握に努めてまいります。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 那覇港国際港湾開発計画についての御質問で、那覇港の貨物量と計画の見直しについてお答えいたします。
 那覇港の平成20年の取扱貨物量は約1040万トンで、平成15年に改定した港湾計画における平成20年代後半の目標貨物量1950万トンに対して約53%となっております。また、国際トランシップ貨物の実績は、現在のところありません。
 那覇港は、アジア・太平洋地域の結節点に位置する地理的優位性を生かして国際物流・交流拠点等を目指しており、今後とも国及び那覇港管理組合と連携し、計画目標に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○西銘 純恵 答弁漏れがあります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時30分休憩
   午後1時31分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 西銘純恵さん。
○西銘 純恵 再質問を行います。
 後期高齢者医療の問題ですけれども、保険料の支払いに関する相談がもう既に1403件あったと。この件は、審査請求や減免申請等、結構な数があります。私の手元に審査請求の方が相談に来まして、今、審査請求をやっていますけれども、この方はうるま市の畑を譲り受けていて、持っているお墓が老朽化していて、そのお墓の改築のために畑を処分したら50万円という後期高齢保険料が翌年に来たと。本人は、月3万円足らずの年金なんですよね。こういう事例があって、本当に審査請求している間にもこの督促状が来ましてさらにびっくりしているんですよ。(資料を掲示) 1期について5万6000円の徴収に対して5200円の延滞金がついた督促が9枚来たんですけれども、このようにこの後期高齢者医療制度というのは、75歳以上を子供の扶養から外して、年金がわずか3万円しかない方からも保険料を取り立てると。そしてこのような土地を処分しなければいけなかったと。実際は収入という形にはならないけれども保険料がかかるという、このような問題が沖縄県内でもこの方以外にほかにもあるわけですね。ですから、この後期高齢者の医療制度というのは時間がたてばたつほど負担する人が
ふえるし、さらに2年ごとに保険料が上がる仕組みになっていると。廃止以外にないと思いますが、もう一度答弁をお願いします。
○福祉保健部長(奥村啓子) 後期高齢者制度につきましては、人口の高齢化等によって医療費が増大する中、将来にわたり皆保険制度を堅持するために、長年の議論を経て開始されたものでございます。老人保健制度がそういういろんな支障があるということで議論されて開始されてきております。制度開始においては、いろんな年齢の部分もございまして、また今まで保険料がなかった人にも課せられるといういろんな制度の議論が行われて、先ほど答弁でも申し上げましたが、かなりの方の保険料の軽減もされております。そういう中で新たな高齢者制度については、すぐそれを廃止して新たな制度をつくっていくということについては、いろんな事務処理の観点から課題があるということで、老人と高齢者の費用負担が不明確とかいう、そういう老人保健制度の課題もありますので、それに戻すことなく新たな高齢者医療制度に移行させるということで、現在、国のほうで検討を進めておりますので、県としましては、その推移を見守っていきたいというふうに考えております。
○西銘 純恵 後期高齢者医療制度は、民主党が政権公約ですぐに廃止しますと言いながらそのまま継続しているというのが大もとにあるということ、これが問題かなと思います。
 次に移ります。
 がん医療について、これは要望ということでやりたいと思います。
 がん対策について、宮古島の方からこのような手紙を受けました。たくさんの要望、気持ちが入っているんですけれども、1点だけ紹介をしたいと思います。
 放射線の機械が島にない。治療が必要なときは沖縄本島に行き、1カ月、それ以上の必要な期間を本島で過ごすが、精神的にも経済的にも負担が大きい。家族や友人と離れての孤独な闘いはかなりのストレスを抱える。自分の病気への不安があるし、残してきた家族のことも気にかかる。治療で気分が悪いとき、しんどいときも一人で頑張らないといけないのでとても心細い。家族や友人など会話ができない日が長く続くとかなり参ってしまう。交通費、飛行機代など生活費などもともかく本島に住む人より確実に金がかかる。何らかの支援が必要です。
 このように、これは1点ですけれども、ですからがん医療については、がんにかかってもどこでも安心して治療が受けられるように、政治の光を当てなければならないと思っているんです。県政の重要な課題だと思いますので、ぜひこれは取り上げて前進をさせていただきたいと要望をしたいと思います。
 次、「子どもの貧困」なんですけれども、保育園の行事でカップラーメンを食べる子というのがきょう報道されました。認可園の園長が私に、朝御飯抜きの子供がいるので、毎朝おにぎりを準備しているんですよと。また、学校給食費の未納者というのが毎年1万人いますよね、これは教育ですけれども。虫歯の治療がなされているのかとか、視力検査で眼鏡が購入されているか、学校で朝から歯磨きからさせている学校もあるわけですよ。ですから、さまざまな場面で「子どもの貧困」というのはあらわれています。ですから、福祉においても教育においても、私は知事が先頭に立って、この子供たちがどのような貧困の状況にあるのかというのをプロジェクトチームをつくって対策も立てるべきだと、調査をして思いますけれども、これについて知事の答弁をいただきたいと思います。
○福祉保健部長(奥村啓子) 「子どもの貧困」問題に対応するためには、児童福祉や障害児福祉、母子福祉、また母子保健、生活保護など幅広い分野からの支援を検討する必要があると考えております。そのために関係課でその施策等の実施状況、課題を整理して連携して取り組む対策を検討していきたいと思います。
 あわせて、教育庁との連携も図りながら、子供のそういう実態把握と対策の検討に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○西銘 純恵 特別支援教育について指摘をしたいと思います。
 先ほど専門の教師、支援員についても6割しか専門の先生はいないとおっしゃいました。30数年間教師を続けている方が、ことしの4月から特別支援学級の担任になりました。もう既に6月。4月、5月、クラスを持って、家族の話によると、うつ状態になっていると、こんな状況なんですよね。ですから本当に情緒障害、今、発達障害についてもさまざまな心理や医療の面も含めて専門的な知識が必要だけれども、そういう研修や専門性を身につけてない方が担任にさせられている、支援員にさせられている。特別支援学校でもいるというところは、これは全国的な問題とも思いますけれども、やはり県として特別に専任の教師を手厚く丁寧にやっていくという拡充が求められていると思います。
 答弁お願いします。
○教育長(金武正八郎) 小中学校における特別支援学級における教師は、特に特別支援教育に関する免許を持たない方でもできると。別に指定はございません。しかし、やはり対象の子供たちがそれぞれの課題を抱えていますので、教師としても大変負担がございます。
 それで、学校としてはコーディネーターとか基本的には校長先生、教頭先生、そして校内委員会があって、そういうところで支えながらやっていくという体制をとっております。ですから、そこのところを重視させて、やはりだれでも持てる、そしてだれでもできるような特別支援学級のそういう体制にしていきたいなと思っています。
 以上でございます。
○西銘 純恵 特別支援教育というのは、すべての教師がそのような子供たちに対応できるようにするというのは大事だと思います。でも、実際に今、動き出した学級で教師がもう病気になりそうになっているという現実があります。ですから、そこを急速に拡充といいますか、体制を強化すべきだと思います。
 次、最後ですが、米軍基地問題について知事にお尋ねをいたします。
 知事は、県外移設の実現を期待する県民の高まりがあると言われました。県外移設の県民の期待というのは、私は事実誤認だと指摘をしたいんです。それは辺野古移設の日米合意がなされた5月28日から行われた琉球新報と毎日新聞緊急県民世論調査の結果で明らかなんですよね。普天間基地の辺野古移設に反対が84%、移設反対の理由の第1位は無条件撤去が38%、国外移設が36.4%、合わせて75%です。比べて県外移設は16.4%しかありません。宜野湾市は無条件撤去が75.6%です。宜野湾市民は、基地の苦しみを毎日身をもって体験しているがゆえに、同じ苦しみをどこにも移すことができない。撤去しかない。これが無条件撤去という宜野湾市民の民意になっているのではありませんか。無条件撤去が県民の期待というものではありませんか。これについてお答えください。
 もう1点、知事は、無条件撤去は一つの考えとしてはあり得ないことではないと言ったり、無条件撤去は共産党の考えだと、きのう言いました。無条件撤去が県民の多数であるのに、知事と立場が違うからといって客観的事実を事実として認められないのかどうか、お答えください。
 沖縄県民の立場ははっきりしています。65年前に県民の土地を奪い取ってベトナム戦争、アフガニスタン、イラク戦争へと海兵隊の攻撃・出撃、殴り込み部隊の基地として、罪もない子供や民間人を殺りくしてきた世界で一番危険な普天間基地は、無条件撤去しかありません。負担軽減のためというのがだましの手口であって、訓練移転して本土にも被害を拡大して米軍犯罪、爆音被害がひどくなっているではありませんか。お答えください。
 休憩願います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時44分休憩
   午後1時46分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の西銘議員の再質問にお答えしたいんですが、まず第1に、普天間基地についても無条件撤去というのが民意ではないかという御趣旨の御質問ですよね。
 ですから、これは確かに世論調査で県内反対というのが8割を超えているという。さらにその中を細分化していった調査だったやに思いますが、そういう中で幾つかの条件を挙げて内容を挙げていけば、可能であれば無条件閉鎖とか無条件撤去というのはかなりの意見を集めるだろうというのは想像できますよ。ですから、そういう意味で県内は反対。そうすると県外かというと、おっしゃるように、いやいや県外より前に県内の即クローズとか撤去というものも、もし挙げてあれば、どちらがいいでしょうかという聞き方をすれば、今おっしゃるようなことはあり得ないことではないと思います。
 そして2番目の共産党さんがどうのというような言い方を、私、したかどうかはっきりと実は覚えてはおりませんけれども、先ほども申し上げましたように、論理的には県内とか県外とか国外とか、それをさらに分類していく中では固定化そのままとか、またこれを即クローズとか撤去というこの分類上のこれは当然あり得ると私は思ってはおりますけれども、ただフィージビリティーといいますか、実現可能性という点からはかなり疑義があると答弁をいたしたことがございます。
○西銘 純恵 県民は、抑止力というごまかしで侵略の軍隊を置き続けてきた日米軍事同盟というのから転換をして、新しい日米友好条約に変えて憲法9条で平和を守っていくという、このような立場で基地のない平和な沖縄をという、ここまで県民のもう願いは高まってきているんですよ。知事がそういうのを理解できていないというのが大きい問題だと思いますが、昨年の総選挙で自公政権を退場させたのは、辺野古新基地建設反対の県民の力です。移設探しの末に辺野古基地を押しつけて公約破りをした民主党政権に県民の怒りはおさまりません。移設先探しでは普天間基地は解決しません。無条件撤去の県民の団結でアメリカに堂々と主張し、日米合意を白紙撤回させる。普天間基地をアメリカに持って帰ってもらう。これが解決への確実な道ではありませんか。知事には、県民のアンケートでも答えた一番声の多い無条件撤去の県民の先頭に立ってもらいたいんですが、いかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 議員からのお申し入れとして受けとめたいと思います。
○当銘 勝雄 こんにちは。
 社民・護憲会派の当銘勝雄でございます。
 一般質問を行います。
 1番目、知事の政治姿勢について。
 (1)、普天間飛行場移設問題であります。
 普天間飛行場の移設問題は、最も危険な飛行場を早急に移設する必要性から端を発した。しかし、再び危険な移設を強行しようとしております。県内のあらゆる選挙や、県内移設反対集会、県民大会など県民の意思は明確にあらわされているにもかかわらず、県民の頭越しに辺野古移設を決めてしまった。辺野古に移設ができなければ、普天間飛行場はそのまま残ってしまいますよと脅かしまで出ております。危険性除去の出発点をそっちのけの論議があります。県民無視の最たるものであります。
 そもそもの問題は、政府は沖縄の米軍基地の過重負担を先刻承知でありながら、地政学上の点や抑止力の面からの必要性を理由に本県に基地を押し込もうとしているところに問題があります。我が国は日米安保条約を了としながら、基地の受け入れはどこの県も認めない。沖縄県で背負っておればよいとする利己主義的なあり方は到底許されるものではありません。
 鳩山前総理が県内移設を日米合意した背景には、1つは抑止力であります。
 総理の政策部会外交委員長であった元防衛大学教授の孫崎氏は、海兵隊は世界のどこにもない日本だけ、また在日米軍基地の思いやり予算は74%も日本が負担している。あるいは軍事評論家の田岡俊次氏は、在日米軍は日本を守っているのかというとゼロである。さらには米軍の海兵隊1万2000人のうち戦闘部隊は1000人以下、自衛隊14万人に対して圧倒的に弱い存在で抑止力にならないとしております。さらには、政府の安全保障と防衛力に関する懇談会メンバーの京都大学の中西先生は、海兵隊は要らない、抑止力にならないとこう言っております。さらには、アメリカの元国防長官アーミテージ氏は、普天間の合意実施は困難である。あるいはアメリカ政府の外交問題評議会のシーラ・スミス氏も、海兵隊のヘリコプターがどのぐらい遠くまで飛べるかは問題ではない。沖縄の基地はやはり全国にもっていくべきだとこういうことをまことに明確に言っているわけでありまして、抑止力にはならないとこういうことを各人が言っているわけであります。
 2つ目には、琉球処分の延長線上で鳩山内閣の沖縄政策がなされてきたことに問題があります。沖縄はこれまで多くの苦難を背負わされてきました。特に米軍基地については、戦後の日本の国際社会への復帰と引きかえに、1951年のサンフランシスコ会議で本土から分離され、多くの米軍基地を沖縄に押しつけてきたのが今に至っております。
 総理大臣がかわるたびに沖縄県民の基地の負担軽減が言われるが、軽減につながっていない。基地とリンクする振興予算で県民を分断し、懐柔策がとられてきたのであります。去る6月23日の全戦没者追悼慰霊祭の菅総理のあいさつも、これまでの沖縄県民の負担軽減と全く同じで何ら変わりはありません。しかも、沖縄の米軍基地の存在がアジア・太平洋地域の平和と安定につながったことに感謝するとの言葉は、県民感情を逆なでするものであります。
 私は、沖縄の米軍基地問題は、党派や主義主張を超えてオール沖縄で日米政府に当たらなければならないと主張してきました。今こそ県民の80%以上が普天間の国外・県外移設を求め政府に怒りをあらわにしていることを受けとめ、基地問題を進めるべきだというふうに思うわけであります。
 そこで質問します。
 ア、知事のこの問題に対する一連の姿勢は、県外・国外がベストであるが、普天間の危険性の除去には県内移設もやむを得ないとした発言から、辺野古は厳しいの態度に変わった。みずから普天間をどうするかを言わず傍観的な立場をとっているのは何か。
 イ、4・25県民大会への超党派による参加要請、知事を支える与党議員からの要請にも即刻返事がなく、主催者をやきもきさせたのはなぜか問います。
 ウ、4・25県民大会での知事の発言は一般論に終始し、普天間をどうせよとの積極的な発言が感じられない。どう認識するか。
 エ、6月14日の菅総理大臣との会談は、知事は県内移設を容認すると受けとめられたのではないかと考えます。総理は参議院の代表質問に対する答弁で、知事と会談したことを随所に述べ、話し合いの糸口をつかんだような答弁をしております。県内移設を推し進めようとする政府の姿勢は知事が明確に反対しないことにあると思うが、どう認識するか。
 (2)、政府の辺野古移設に向けた進め方についてであります。
 ア、政府は辺野古への新基地建設を進めるため協議会を設置するとしている。名護市長はいかなる話し合いにも応じないとしているが、知事は要請があった場合、どのような立場をとるか伺います。
 イ、日米合意された辺野古への移設は、公有水面埋め立てに知事が印鑑を押さなければ事実上はできないとの見方があります。知事は辺野古移設反対を貫けるのか、問います。
 大きな2、21世紀ビジョンとポスト沖縄振興計画についてであります。
 (1)、21世紀ビジョンについて。
 ア、ビジョンで特筆されたものは何か。また、これまでの県政運営と変わるものは何か問います。
 イ、ビジョンを政府にどう認知させていくか。
 ウ、ビジョンを進めるための財政の裏づけはどう図っていくか。
 (2)、ポスト沖縄振興計画についてであります。
 ア、4次にわたる沖縄振興計画をどう評価するか。
 イ、これまでの振興計画の延長線上では本県の発展はないと思うがどう認識するか。
 ウ、21世紀ビジョンを受けてどう連携させていくか。
 エ、ビジョンに盛られたものを実現するため、基地返還アクションプログラムなどの実施計画が必要と考えるがどう進めるか問います。
 オ、縦貫鉄道やLRTなどの導入は、本県の土地利用上大きな変革になると考えるが、どう認識をするか問います。
 (3)、本県の産業構造についてであります。
 ア、本県は大都市と同様な第3次産業偏重が指摘されておりますが、今後もその延長でよいと考えるのか伺います。
 イ、製造加工業は雇用創出効果が高い業種であり、失業率の高い本県では見直しが必要と考えるがどう認識するかを問います。
 ウ、食料自給率が全国一低い、1次産業のシェアをどう改善し、振興策を進めるかを問います。
 大きな3、産業の振興について。
 (1)、黒糖表示問題について問います。
 ア、県黒砂糖工業会は、輸入糖や加工黒糖に押されて販売不振で多くの在庫調整が余儀なくされておりますが、県の支援策を問います。
 イ、県加工黒糖事業協同組合は、消費者庁の黒糖表示見直しに対し、県産黒糖を使用した加工黒糖へ表示ができなくなるとしているが、どう協議を進めているか問います。
 ウ、沖縄本来の黒糖が加工黒糖と勝負するには、糖価調整制度の適用が必要と考えるが、県は政府に対し要請する考えがあるか聞きます。
 (2)、ヤギ屠畜施設整備についてであります。
 ア、南部食肉センターの改築が行われるが、その概要について問います。
 イ、ヤギ屠畜施設も整備されるか。施設の規模、処理能力について問います。
 ウ、北部食肉センターにおける処理状況について聞きます。
 (3)、豊かな海づくり全国大会の誘致について問います。
 水産業を取り巻く環境は、漁場や漁獲量規制など年々厳しくなっております。水産資源の維持拡大は、環境の保全とつくり育てる漁業を推進することが求められております。四方を海に囲まれた沖縄県は、つくり育てる漁業や栽培漁業に適する地域であります。毎年持ち回りで開催されております「全国豊かな海づくり大会」を本県の復帰40周年の節目に開催することは有意義だと思います。既に糸満市、豊見城市及び漁業協同組合などが中心に誘致促進協議会が設置され、大会誘致の機運が高まっております。県の対応を問います。
 4、福祉について。
 (1)、保育所の認可化推進についてであります。
 2万6000円の子ども手当(ことしは1万3000円)は昨年の衆議院選挙の大きな目玉の一つであったが、国民の反応は、保育所施設の整備や待機児童の解消を求める声が多くなっております。
 そこで問います。
 ア、認可化の進捗状況を伺います。
 イ、待機児童対策特別基金の執行状況を伺います。
 ウ、これまでの課題と対策について伺います。
 5、南部地域のごみ焼却残渣の最終処分場建設について問います。
 南部3清掃組合の家庭ごみの焼却残渣を処理するため、南部の市町村で構成するサザンクリーンセンター推進協議会が設置され、検討されてきたが、建設場所が確保できず宙に浮いております。また、残渣処理を一時委託していた沖縄市の倉浜衛生施設組合から、約束が違うとして受託打ち切りにされたことから、残渣処分問題は市民生活への影響が心配されます。
 そこで問います。
 ア、サザン協の最終処分場建設の進捗状況を伺います。
 イ、処分場建設のおくれによる市民生活への影響は何か問います。
 ウ、県はどうかかわり指導してきたか。また、サザン協の廃止問題が言われているが、県はどう対応するか。
 大きな6、行財政改革と職場環境についてであります。
 ア、これまでの行財政改革の効果的な主なものは何か。
 イ、平成32年までの財政見通しにおいて、年次的に収支不足が拡大し、平成32年には551億円の単年度収支不足が生じ、県債残高は8700億円に達すると見込まれております。現在の予算規模で推移すると公債費支出は約20%を超え、いびつな歳出予算が予想されます。行財政改革の主要な対策について伺います。
 ウ、安易な職員定数の削減は行政サービスの質的低下を招くおそれがあります。これまでの行革による定数の増減はどう推移したかを問います。
 エ、分限休職者が増加しているが、定数削減による過重労働との因果関係を認識しているか問います。
 オ、どのような対策を講じているかも問います。
 大きな7番、豊見城団地の整備計画についてであります。
 ア、県と豊見城市の整備計画と進捗状況について伺います。
 イ、住宅供給公社が所有していた土地は、県及び市に引き継がれたか問います。
 ウ、A棟の跡地は豊見城団地の公共的利用に供すべきではないか伺います。
 大きな8、饒波川の親水公園計画の進捗状況について問います。
 大きな9番、我が会派の代表質問との関連であります。
 (1)、普天間飛行場の辺野古移設、日米合意の撤回及び県内移設拒否についてであります。
 普天間の移設問題について、これまで日米政府が合意形成を図る前に知事は県民の総意を日米政府に示すよう私たちは求めてきました。知事は頑固一徹、県外・国外がベストだが、危険性除去のためには県内移設もやむを得ないとして、政府が示すまでみずからの考え方を示さず、日米による辺野古回帰をさせてしまった。今度は8月までに移設の位置や工法を決めるという日米政府の方針が出ている段階に来て、菅総理から公約と違った辺野古移設を決めたいきさつを聞いてから判断するとしているが、知事がこれほどに県民意思が明確になっていることをただ単に「極めて厳しい」に固執した理由を明確にしない理由は何かを問います。
 後は再質問いたします。
○知事(仲井眞弘多) 当銘勝雄議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、普天間飛行場移設問題に関する知事の立場についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 今回の日米共同発表は、県外移設の実現に期待する県民の声がますます高まっている中で唐突に行われたものであり、県民の間に大きな失望を招いております。県といたしましても、地元の了解を経ずにこのような移設案が決定されたことはまことに遺憾であり、受け入れることは極めて厳しいと言わざるを得ません。
 県といたしましては、政府が県外移設をどこまで真剣に検討したのか、そしてどのような経緯で移設先を辺野古とする日米合意に至ったのか合理的な説明を行うべきであると考えております。
 同じく政治姿勢の中で、県民大会の参加要請への回答についての御質問にお答えいたします。
 県民大会への参加につきましては、大会の趣旨やスローガンなどをお聞きした上で、県政与党の議員の皆様や各方面の方々から御意見を伺い慎重に検討した結果、出席することにいたしたわけでございます。
 同じく政治姿勢の中で、県民大会での発言に関する御質問にお答えいたします。
 県民大会において、私は、普天間飛行場の危険性の除去及び沖縄県民の過重な基地負担の大幅な軽減の2つに絞って申し上げ、その実現を政府に強く求めたわけでございます。また、危険性の除去に関しては、普天間飛行場の固定化は絶対に容認できないことや、鳩山政権に対して公約に沿って解決策を示すよう求めたわけでございます。さらに、行政の責任者として危険や脅威に対し全力を尽くしてその防止に取り組むことを申し上げたところでございます。
 次に、同じく政治姿勢の中で、県内移設を推し進める政府の姿勢についてという御趣旨の御質問に答弁いたします。
 去る6月15日及び23日の菅総理との面談においては、菅総理から、日米共同発表を踏まえつつ沖縄の基地負担の軽減に取り組みたいとの趣旨の発言がありました。私からは、今回の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設は極めて厳しい旨申し上げました。あわせて事件・事故の発生状況など基地負担の現状を御説明し、大幅な軽減が必要であることを申し上げたところであり、このような県の考えは総理に十分伝わったものと考えております。
 次に、同じく政治姿勢の中で、協議会の設置に係る御質問にお答えいたします。
 県としましては、地元の了解を経ずに移設案が決定されたことにつきましてまことに遺憾であると考えており、菅総理との面談におきましても、このような県の考えを申し上げますとともに、日米合意に至った経緯等の説明を行うよう申し入れたところであります。いずれにいたしましても、この問題の解決に当たっては、政府は頭越しではなく、地元の理解・協力を得なければならないことは当然のことであり、丁寧かつ十分な説明を行うよう申し入れているところでございます。
 次に、21世紀ビジョンとポスト沖縄振興計画に係る御質問の中で、21世紀ビジョンの特筆と県政運営についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 「沖縄21世紀ビジョン」は、策定に当たり何よりもまず県民の思いをどう酌み取るかということに重点を置きました。このため、各地域・各層から数多くの意見を集め、これらの県民意見を集約して5つの目指すべき将来像を描いたところでございます。
 ビジョンでは、沖縄の優位性を発揮するため、「21世紀の「万国津梁」形成」などさまざまな施策の展開を示しております。さらに、克服すべき沖縄の固有課題として、基地返還、離島、交通ネットワークなどを示し、対応方向を明らかにいたしております。また、これまで将来ビジョンを持っていなかった沖縄県にとりまして「沖縄21世紀ビジョン」は、第1に将来の指針となり、第2にあるべき姿に向けての政策を立ち上げるものとし、今後の県政運営の大きな柱となるものと考えております。
 同じく21世紀ビジョンに係る御質問の中で、4次にわたる振興計画の評価いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 3次にわたる沖縄振興開発計画、そして現沖縄振興計画に基づく諸施策により社会資本の整備が着実に進み、県民の利便性は向上し、さらに観光産業の伸びや情報通信関連産業の集積など一定の成果があらわれているものと評価いたしております。しかしながら、県民所得や失業率に示されるように、自立的発展に向けての取り組みは道半ばであります。さらに、米軍用地の返還促進と跡地開発、離島振興など、なお解決すべき多くの課題を抱えていると考えております。県では、沖縄振興計画等総点検の結果や県民ニーズを踏まえ、「沖縄21世紀ビジョン」実現のための新たな計画策定などに取り組んでまいりたいと考えております。
 同じく21世紀ビジョンの中で、食料の自給率向上に向けた農林水産業振興についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県といたしましては、食料自給率の向上を図るため、農林水産業振興計画に基づき、おきなわブランドの確立や生産供給体制の強化、流通・販売・加工対策の強化や地産地消の推進、農林水産業の基盤整備など、各種施策・事業を総合的に推進しているところであります。特に第1に、耕作放棄地の再生利用によります生産の拡大、第2に、学校給食や観光関連施設における県産食材の利用促進、第3に、「沖縄食材の店」登録の推進、第4に、ファーマーズマーケット等農産物直売所の整備による販売促進、第5に、島野菜、カンショなどの地域特産物の振興、第6に、量販店等におけるフードアドバイザーやコーディネーターの配置によります地産地消の推進など、農業生産の拡大と地産地消の推進に取り組んでいるところでございます。
 次に、我が会派の代表質問との関連で、県内移設は厳しいとする理由及び県内移設反対と言わないことについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。 
 名護市長選挙や県議会の意見書議決、そして県民大会、さらには民主党の選挙公約の方向転換による県民の失望、そして怒りなど昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、県内移設は事実上不可能に近い状況になりつつあると考えております。県内移設反対の選択肢もあり得ると考えております。現在、県は日米合意に至った経緯等の説明を行うよう政府に対し申し入れているところであり、その説明を受けた上で判断したいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢につきまして、公有水面埋め立てについてとの御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場移設問題につきまして、今後の政府の対応といたしましては、8月末までの専門家による代替施設の位置、配置、工法に関する検討、日米安全保障協議委員会での合意等が行われるとされております。政府から知事に対して埋立承認願書が提出されるのは、これらの手続を経た後となっており、現時点では移設案を受け入れることは極めて厳しいというのが県の考えでございます。
 次に、基地返還アクションプログラムの策定についてとの御質問にお答えいたします。
 沖縄県は、21世紀ビジョンにおきまして、「基地のない平和で豊かな沖縄をあるべき県土の姿としながら、引き続き基地の整理・縮小を進める。」としており、その実現に向けては、県の基本的な方針を示す必要があると考えております。
 御質問にあります基地返還アクションプログラムの策定につきましては、御提言として承りたいと思います。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 21世紀ビジョンとポスト沖縄振興計画についての御質問の中で、21世紀ビジョンを政府にどう認知させるかについてお答えいたします。
 本県の自立的発展に資するとともに豊かな住民生活を図るため実施されてきた3次の沖縄振興開発計画と沖縄振興計画により、社会資本の整備を初め県民の利便性を大きく向上させてきました。しかしながら、民間主導の自立型経済の構築はなお道半ばであり、島嶼経済の不利性が払拭されたとは言えず、基地跡地や離島の振興など国の責務により支援、解決されなければならない課題も残っています。
 「沖縄21世紀ビジョン」は、県民の思いが込められた県民みずからがつくる初めての長期構想であり、その実現のための施策制度に関し、県民、市町村、県が一体となった取り組みを進めるとともに、国に対しても国としての責務や必要とされる役割、支援等を求めてまいりたいと考えております。
 次に、21世紀ビジョンの財政の裏づけについてお答えいたします。
 「沖縄21世紀ビジョン」に基づく基本計画の策定の中で、制度や施策を検討しつつ、あわせてそれらを実現するために必要な財源の確保のための仕組みについて検討してまいります。
 次に、新たな視点での計画策定についてお答えいたします。
 これまでの沖縄振興計画等による諸施策の実施により、社会資本の整備が着実に進み県民の利便性が向上するとともに、観光産業の伸びや情報通信関連産業の集積など一定の成果もあらわれております。一方で、高コスト構造や市場規模の狭隘性など島嶼県の不利益性を克服するには至っておらず、県民所得や失業率の面ではなお課題が残されております。また、公共事業費の大幅な削減、人口減少と急激な高齢化、経済成長力の鈍化、国の地域主権改革、一括交付金制度導入など、これまでにない大きな時代の転換期に直面しています。このようなさまざまな状況を踏まえ、「沖縄21世紀ビジョン」や総点検で示された新たな視点に立ち、本県の抱える諸課題の解決を図るとともに、沖縄の潜在力を引き出す諸施策を展開し得る計画を策定していきたいと考えております。
 次に、「沖縄21世紀ビジョン」と新たな計画の連携についてお答えいたします。
 現在、策定を進めている新たな計画は、「沖縄21世紀ビジョン」における目指すべき将来像実現のため、期間10年程度の基本計画としての性格を有するものと考えております。また、基本計画のもとにその具体的な施策・事業を整理した期間3年から5年のアクションプランとして実施計画を策定し、県民が求める20年後の将来像実現に向け、施策の展開を図ってまいりたいと考えております。
 次に、鉄軌道の導入による土地利用の変革についてお答えいたします。
 鉄軌道の導入は、中南部都市圏の都市構造のゆがみを是正するとともに、県土構造再編にもつながる大きな役割が期待されております。建設コストや維持コスト等の課題はありますが、一体的発展を支える「骨格性」、「速達性」及び「定時性」等の機能を備え、時間短縮効果による交流人口や通勤圏域の拡大、居住環境の向上、産業立地の可能性が増大するなど、駅を核とした環境に優しい機能的な土地利用につながる効果があるものと考えております。
 次に、第3次産業の構成比が高い県経済についてお答えいたします。
 本県の県内総生産に占める第3次産業の割合は、平成19年度において90.1%と全国平均の73.7%を16.4%上回っております。これは、主として国の公共事業費の削減等による2次産業である建設業の縮小と、リーディング産業である観光関連産業や情報通信関連産業などの伸びにより第3次産業が拡大傾向で推移したことによるものと考えております。 
 県としては、産業の振興に当たっては、民間の経済活動が活性化する環境条件や沖縄の特性を発揮する条件整備等を通じて産業全体を拡大していくことが重要であると考えております。このため、発展可能性の高い観光、情報等の産業領域を戦略的に振興することはもとより、農林水産業や製造業などの地域に根差した産業の振興を強化し、それらの連携による波及効果の拡大を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 21世紀ビジョンとポスト沖縄振興計画についての中で、製造加工業は雇用創出効果が高い業種であり、その見直しの認識についての御質問にお答えします。
 労働力調査によりますと、平成21年の製造業就業者数は3万2000人で、全産業の就業者数61万7000人に占める割合は5.2%となっております。この割合は全国の17.1%に比べ約12ポイント低い状況にあり、本県製造業の県内雇用への貢献度は全国に比べ低くなっております。このような状況において、製造業の振興を促進し、雇用の場の拡大を図っていくことは、本県の雇用情勢を改善していくため、極めて重要であると認識しております。そのため、県としては、観光お土産品のヒット商品やモズクを活用した加工食品など、着実に成長している食料品製造業の振興を促進していくとともに、県産品奨励運動や産業まつりを通して県産品使用の推進に努めてまいります。また、物づくりの基盤となる製品・技術の研究開発力の強化や経営革新の促進、金融支援など総合的な支援を実施し、雇用創出を図ってまいります。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 産業の振興についての中で、黒糖の販売対策についてお答えします。
 黒糖を取り巻く環境は、近年の経済不況のもとで、輸入糖や再製糖との競合により厳しい販売状況となっています。このため、県としては、JAや黒砂糖工業会、町村等で構成する「沖縄県含みつ糖対策協議会」で毎年5月10日を「黒糖の日」として制定し、販売促進対策の強化を図っているところであります。
 具体的な取り組みとしては、「黒糖の日」の関連行事として、「機能性豊かな黒糖の可能性について」などの講演会やシンポジウムの開催、沖縄黒糖の効能紹介、新製品開発等の沖縄黒糖PRのプロモーション活動、県外大手黒糖ユーザーとの情報交換、講演会の実施、ファーマーズマーケット及び黒糖生産町村での販売促進、美ら島沖縄総体への黒糖贈呈によるPRなどに取り組んでいるところであります。さらに、沖縄産含みつ糖の抜本的な経営安定対策や、黒糖と輸入含みつ糖及び再製糖との表示区分の明確化を図るよう、町村、JA、黒砂糖工業会等の関係機関と連携し、国に要請しているところであります。
 次に、加工黒糖協同組合との黒糖表示の協議についてお答えいたします。
 国は、黒糖について、さとうきびの搾り汁をそのまま煮詰めて製造された砂糖で、固形または粉末状のものと定義しております。加工黒糖については、定義が明確化されていないことから、黒糖や粗糖、糖みつなどで加工した砂糖を加工黒糖とする意見がある一方、一部の加工黒糖業者からは、粗糖、糖みつなどで加工した砂糖についても加工黒糖として表現できないかとの意見があります。
 県としては、黒糖ブランド化や消費者への正しい情報提供の観点から、黒糖や粗糖、糖みつなどを加えて加工した砂糖を加工黒糖として定義することが望ましいと考えております。そのため、現在、加工黒糖協同組合、JA、黒砂糖工業会等の関係機関と意見交換をしており、合意形成後、国に対して地元の意見を提案していく考えであります。
 次に、糖価調整制度の適用についてお答えいたします。
 沖縄産含みつ糖の生産は、分みつ化の困難な離島地域において行われており、これらの離島経済において重要な地位を占めております。国は、含みつ糖に対する支援として毎年予算を計上し、補助金により生産農家及び含みつ糖製造事業者への経営安定化を図っており、厳しい状況にあります。
 一方、分みつ糖に対する支援は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づいて、生産農家及び分みつ糖製造事業者への支援がなされております。このため、県としては、含みつ糖対策についても同じ甘味資源作物としてさとうきびを生産振興していることや厳しい生産条件、国土保全等の観点から、分みつ糖地域と同等な制度が適用できるよう、黒砂糖工業会、JA、町村等の関係機関と連携し、国へ要請しているところであります。
 次に、沖縄県食肉センターの改築及びヤギ屠畜施設の内容についてお答えいたします。一括してお答えいたします。
 南部にある沖縄県食肉センターの整備事業は、安全で衛生的な食肉供給体制を確立するため、沖縄県食肉センターが事業主体となり、豚及びヤギの屠畜処理施設の整備を行うものであります。施設整備の内容といたしましては、豚屠畜処理棟で1万433平米、ヤギ屠畜処理棟で136平米となっております。両方合わせた総事業費は60億1800万円となっております。屠畜処理能力は、豚で1日当たり1200頭、年間30万頭、ヤギで1日当たり10頭、年間2500頭となっております。
 次に、北部食肉センターのヤギ屠畜処理状況についてお答えします。
 北部にある名護市食肉センターの平成21年度の屠畜処理実績は、牛が141頭、豚が12万7674頭、ヤギが677頭となっております。当該センターのヤギの年間屠畜処理能力は2000頭となっており、平成21年度のヤギ屠畜施設の稼働率は、約33%となっております。
 次に、全国豊かな海づくり大会の誘致についてお答えいたします。
 全国豊かな海づくり大会は、水産資源の維持培養と海の環境保全に対する意識の高揚を図るとともに、水産業に対する認識を深めることを目的として開催される国民的行事であります。
 大会は、大会推進委員会及び開催県の共催で行うことになりますが、式典及び警備費などで多くの費用が想定されます。また、開催に当たっては、関係市町村及び関係団体との費用負担割合、開催準備、実施体制など多方面からの検討が必要であります。
 県といたしましては、これらの課題の検討を踏まえ、関係市町村、関係団体と連携し、全国豊かな海づくり大会の開催について検討する必要があると考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 福祉についての御質問の中の、認可化の進捗状況及び待機児童対策特別基金の執行状況について一括してお答えします。
 認可外保育施設の認可化につきましては、過去3年間で13カ所を認可化しており、790人の定員増が図られております。また、待機児童対策特別事業基金については、平成20年10月に約10億円を積み立て、研修及び保育材料助成や施設改善費及び運営費の助成等を行ってきました。これまでに1億2700万円を執行しております。同基金については、認可外保育施設が利用しやすいように、施設整備費の引き上げや、要件を緩和したところであります。
 県としましては、今後とも市町村と連携し、同基金の活用を図り、認可化の促進に努めてまいります。
 次に、これまでの課題と対策についてお答えします。
 保育所の認可における課題としましては、実施主体である市町村において後年度の運営費の負担増が懸念されること等から、慎重になっていることが考えられます。しかしながら、保育所運営費については入所児童数及び保育単価に見合う地方交付税が措置されていることから、負担増についても対応できるものと考えております。
 県としましては、市町村に対し、待機児童解消に向けた積極的な対応を働きかけていきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 南部地域のごみ焼却残渣の最終処分場建設に関連し、最終処分場建設の進捗状況についてお答えいたします。
 サザンクリーンセンター推進協議会においては、去る6月3日に関係市町長で構成する理事会が開催され、本年10月までに最終処分場建設の是非も含めたごみ処理方式などの事業方針を決定するとした事業計画案が承認されております。今後は、副市町長で構成する幹事会において、ごみ処理方針に関して審議を行った上で、10月には理事会に対して整備計画が提案される予定となっております。
 県としましては、引き続き同協議会における審議を注視し、速やかな合意形成が図られるよう指導助言をしていきたいと考えております。
 同じく処分場建設のおくれによる市民生活への影響についてお答えいたします。 
 廃棄物処理法では、市町村は一般廃棄物の適切な処理について必要な措置を構ずる責務があると規定されております。そのため、最終処分がおくれることで市民への行政サービスの低下が懸念されます。特に、処分場が建設されるまでの間、焼却残渣の処分についてはほかの施設に委託をせざるを得ないことから、各市町においてはその分の費用負担が生じることとなります。
 県としましては、域内のごみの適正処理を図るために最終処分場の整備は不可欠であり、サザンクリーンセンター推進協議会において早期整備に向けた取り組みを行っていただきたいと考えております。
 同じくこれまでの県の対応についてお答えします。
 県としましては、域内のごみの適正処理を図るため、最終処分場の整備は不可欠であると考えております。
 同施設の整備については、地域住民の理解及び協力を得ることが重要であることから、県はサザンクリーンセンター推進協議会に対して、地域住民に対する十分な説明及び情報の公開等について指導してきたところであります。
 今後とも、関係機関と連携を密にし安全・安心な施設整備が図られるよう、引き続き指導助言を行っていきたいと考えております。
 以上であります。
○総務部長(兼島  規) 行財政改革と職場環境に関する質問のうち、行財政改革の主な効果についてお答えいたします。
県では、昭和60年から行財政改革に取り組み、簡素で効率的な行政運営に努めてまいりました。平成18年度から21年度までの間、実施しました前プランにおいては、当初の目標額約318億円を約134億円上回り、約452億円の財政効果を上げております。その主なものは、定員管理の適正化で約207億円、事務事業の見直しで約71億円、県有財産の有効活用で約31億円となっております。
 次に、行財政改革の主要な施策についてお答えいたします。
 本県では、依然として厳しい財政状況や地域主権改革の進展、沖縄振興計画の終了等の環境の変化に対応するため、去る3月に平成22年度から25年度を期間とする「新沖縄県行財政改革プラン」を策定したところです。
 新プランの主な取り組みとしましては、県民とともに事業の必要性や実施主体のあり方等を検証するための「県民視点による事業棚卸し」の導入や新税の創設に取り組むほか、引き続き「市町村への権限移譲」などに取り組んでまいります。これらの取り組みを着実に実施することにより、約155億円の財政効果を見込んでおります。
 次に、行革による職員定数の推移についてお答えいたします。
 定員管理につきましては、これまで簡素で効率的な行政運営を目指し、適正化に取り組んできたところであります。前行財政改革プランにおいては、5年間で定員を1155人純減し、平成22年4月1日時点の定員は1万9955名となっております。
 次に、分限休職者が増加している原因とその対策について一括してお答えいたします。
 知事部局における病気休職者は、平成17年度44人から平成21年度52人と増加しており、特に、精神性疾患による休職者は、平成17年度の30人から平成21年度43人と増加傾向にあります。
 精神性疾患による休職等に至った原因につきましては、仕事上、人間関係、家庭内の悩みや健康上の問題などさまざまな要因が複合的に影響を及ぼしているものと考えております。その対策としましては、「沖縄県職員の心の健康づくり計画」を平成16年度に策定し、職員教育、職場環境の改善、相談体制の充実、復職支援制度の活用促進などに取り組んでいるところであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 豊見城団地の整備計画について、豊見城団地の整備計画と進捗状況についてお答えいたします。
 豊見城団地の住宅地区改良事業は、平成16年度から24年度を事業期間として、県と豊見城市との共同施行により、不良住宅など1153戸の除却、改良住宅828戸の建設を行うほか、道路、緑地、児童遊園、集会所等の整備を行う計画となっております。
 平成21年度末の進捗状況は、945戸の除却、改良住宅766戸の建設、集会所等の整備を完了し、現在、残りの市の改良住宅62戸を建設しているところです。今後、市において緑地や児童遊園、道路等の地区整備を行っていく予定であります。
 同じく豊見城団地の整備計画についての御質問で、住宅供給公社所有の土地の引き継ぎについてお答えいたします。
 豊見城団地の住宅地区改良事業において必要な住宅や道路・緑地の用地などは、事業計画に沿って県及び市が住宅供給公社から買収しているところであります。なお、A棟の跡地については公社の事業用地となっていることから、土地の所有者は引き続き住宅供給公社となります。
 同じく、A棟の跡地の公共的利用についてお答えいたします。
 A棟の跡地は、住宅地区改良事業において住宅供給公社の事業用地に位置づけられております。公社が平成21年度に策定した中期経営計画において、当該跡地の利用について、「行政や地域のニーズに対応した福祉関連施設等を中心とした民間事業者の誘致や当該用地の一部を処分するなど、地域の住宅施策に貢献する事業等も導入し、借入金の償還原資を確保する。」となっております。
 続きまして、饒波川の親水公園計画の進捗状況についての御質問で、親水公園計画の進捗状況についてお答えいたします。
 県は、平成19年3月に「国場川水系水に親しむ川づくり整備構想」を策定し、その中で饒波川については、河川公園ゾーンと川まちづくりゾーンとして位置づけております。これまで地域住民や関係機関との協議を図りながら同構想に基づく親水護岸等の整備を実施してきており、今後とも水に親しむ川づくりを推進していきたいと考えております。
 以上でございます。
○当銘 勝雄 豊かな海づくり大会についてなんですが、いろんな団体との分担とか、あるいは経費の問題とか調整する必要があるというんですが、これはやはりこれだけ大事な事業を知事も真剣になって検討していただきたいと、こういうことでこれは要望しておきます。
 それから、我が会派の代表質問関連で、知事はやはり説明を受けて判断するということでこれを繰り返されているわけですけれども、ずっときょうはそういう形での知事の答弁ですが、8月にはもう位置や工法が決まってしまう。そうすると、ますますこれが固まってきたら、知事がどんなにお願いしても叫んでも、これはもうだめになっちゃうんですよ。ですから、それについてきちっと今のうちに反対ですと明確に申し上げていただきたいと、こういうことを我々は質問しているんですよ。どうぞひとつお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時49分休憩
   午後2時50分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の当銘議員の御質問ですが、何度も繰り返しておりますが、やはり基本的に一体なぜ180度もこの政策を変更したのかその理由を聞きませんと、それから今ある合意の文書についても私どもは中へ入れませんよとこう言っているわけで、確かにあの中では、政府は政府で8月までにどうのこうのとこう書いてありますけれども、それは私ども、政府がこちらの意見や了解を経ずにやったことによる一応の予定であって、私どもは中を聞いてそれから判断したいと言っているわけで、何でこの説明を得ることを疑問に思っておられるのか、私の方が理解に苦しんでいるんですが。
○当銘 勝雄 知事、同じ言葉を繰り返しておりますけれども、沖縄のことわざに、「ハイヌフニヌル トゥミラリーヌ ハランフニヌン トゥミララン」というのがありますよ。要するにもう8月というのは決まっている。これに間に合わなければ乗れないんですよ、知事は、どう反対しようにも。だから、ハイヌフニはとめられない、乗りおくれたら大変ですよということなんですよ、どうですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時50分休憩
   午後2時51分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) どうもちょっとすれ違っていますが、その彼らが決めた日米合意というものの中に確かにおっしゃるように8月までにスペックを決めたいようなことが出ているんですが、その以前の問題で説明も聞かないのに入れないし、いわんや8月に決めますよというのは我々は全く同意できないといいますか、そういう内容だと思う。ただこの内容に今ちょっと入っていってない。我々はこの入り口のところでいかがかとこう言っているわけですから。せかしていただいてもそのものに我々入らないし、それそのものに同意しているわけじゃありませんから。これはほとんどノーに近いという意味でもあるんですけれどもね。
○嘉陽 宗儀 通告に基づき一般質問をします。
 初めに、知事の政治姿勢についてお聞きします。
 (1)点目、4・25県民大会について。
 ア、知事の参加で文字どおり県民ぐるみの大会となり、普天間基地問題で県民の総意を国内外に発信できたことは多くの県民を勇気づけ、歴史に残る出来事となりました。知事の所感を伺います。
 イ、この県民の総意を踏みにじる新たな日米合意は絶対に認められません。けさのニュースを見ますと、菅首相とオバマ大統領が昨日会談を行い、改めて辺野古への新基地建設を進める確認を行っています。絶対に認められません。その撤回を求めて新たな県民運動をさらに強化すべきだと考えますが、知事の決意を伺います。
 (2)点目、米軍基地問題について。
 ア、民主党政権は、米軍は抑止力であると強調していますが、米軍基地が沖縄を守ってきたという事実はないと思いますが、知事の所見を伺います。
 イ、9・11テロの際、沖縄の米軍基地が標的にされテロ攻撃に遭い、戦争に巻き込まれる危険性が高いということで、最高の警戒体制がとられました。沖縄の米軍基地を守るために全国から大量の警察官が動員され、基地警備が強化されました。そのために県民生活に大きな影響を与えました。それでも米軍が県民を守る、抑止力と言えますか。
 ウ、移設条件つきの返還論は、海兵隊は抑止力という立場であります。しかし、海兵隊はこれまでベトナム、イラク、アフガンヘの侵略戦争で大量の住民虐殺を行い、米軍の中で最もどうもうで危険な軍隊であることは明白であります。沖縄県民への加害行為、犯罪もほとんどが海兵隊員によるものです。まさに抑止力移設論は、海兵隊を美化するものです。知事も海兵隊は抑止力という立場ですか、見解を伺います。
 エ、人殺し軍団である海兵隊をよりよき隣人と知事は考えますか。それとも招かざる客と考えますか。
 オ、世界一危険な米軍普天間基地の問題は、移設先探しでは解決しないことは明確になっています。SACO合意以来の基地の県内たらい回しは完全に破綻しています。この際、無条件撤去を日米両政府に求めるべきです。決意を伺います。
 カ、戦後及び復帰後の米軍関係の事件・事故、犯罪の実態はどうなっていますか。
 (3)、米軍関係者の基地外居住について。
 4・25県民大会での「あれ、ここって日本だよね、いったいフェンスで囲まれているのは、基地なの、私たちなの」という高校生の問いかけは、改めて沖縄の米軍基地の抱えている矛盾を痛感させられるものでした。日本の固有の領土でありながら憲法や国内法が及ばない米軍基地、これで一体独立国と言えるのか。主権国家として米軍基地に関する法的問題を明らかにすべきです。
 そこで質問です。
 ア、沖縄で米軍基地に領土主権があるのか、基地外にあるのか。
 イ、米軍基地はアメリカの法の支配のもとにあるのか。日本国の法律の支配のもとにあるのか。
 ウ、米兵が日本の主権の及ばない基地から住民地域に出かける場合は、明らかに出国になると考えます。出入国の手続はどうなっていますか。
 エ、日本国への入国をアメリカ兵が業務を行っていますが、法的根拠はあるのか。
 オ、米軍関係者の基地外居住の法的根拠は何ですか。
 カ、住民基本台帳法との関係はどうなっていますか。住民税は支払いせず、行政サービスは受けているのですか。
 キ、県民に対する人権侵害・犯罪を繰り返し、強引に基地を押しつける米軍の態度は許されない。この際、米軍への非協力運動を県民に呼びかけて、県民の協力なくして基地の維持は不可能だということを示すべきだと考えますが、所見を伺います。
 次、泡瀬干潟の埋立問題について。
 (1)、泡瀬干潟の埋め立ては、新たな事業計画を沖縄市が策定中ですが、その内容は経済的合理性が証明できない内容になっています。その内容を説明してください。
 (2)、県として、経済的合理性がある計画だと考えますか。それであれば根拠を示してください。
 (3)、県財政が逼迫している中で、この事業に執念を持って進める理由は何ですか。
 3番目に、沖縄市の産業廃棄物処理施設問題について。
 (1)、沖縄市の北部地域に産業廃棄物処理施設が集中している問題で、地域の自治会などから要請が出されていますが、どのような内容ですか。それに対してどのような対応をしていますか。
 (2)、農振法違反の実態はどうなり、解決のための努力をしてきたか明確にしてください。
 (3)、ごみ山問題の解決策は進展がありましたか。
 4、教育問題について。
 (1)、教師がいじめ、不登校、いわゆる学級崩壊など解決すべき課題に取り組む際に最も障害になっていることは何だと認識していますか。
 (2)、教師がもっと生徒と向き合い話し合いを深め充実した指導を貫徹するためには、どうしても多忙化問題を解決すべきですが、どのような取り組みをしてきたか、具体的に改善された実績があれば説明してください。
 (3)、学校評価システムの導入で教育的効果は上がったか。教師の多忙化の大きな要因になっています。廃止すべきだと考えますが、所見を伺います。
 (4)、学力向上推進運動が差別と選別、競争主義教育を激しくしていると考えます。これまでの取り組みの結果について総括をすべきだと思いますが、どうですか。
 5、古島団地の建てかえ問題について。
 (1)、老朽化が深刻で倒壊しそうな状況にありますが、現場の調査はやっていますか。
 (2)、今のまま放置し、団地が倒壊した場合には、県の責任はありますか。
 (3)、これまでバークレー社に対してどのような取り組みをしてきたか、議会に報告してください。
 (4)、今後の解決の見通しはありますか。
 最後に、ひめゆり同窓会の運営について。
 支部活動費の打ち切りについて相談が寄せられています。実情を調査して、改善のための指導をすべきではありませんか。
○知事(仲井眞弘多) 嘉陽宗儀議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、県民大会についての御質問にお答えいたします。
 去る4月25日に開催されました県民大会において、9万人という多くの方々が集まったことは、沖縄の過重な基地負担を軽減したいという共通の思いのあらわれであり、政府に対して大きなメッセージになったものと考えております。
 同じく知事の政治姿勢の中で、日米合意の撤回についての御質問にお答えいたします。
 今回の日米共同発表は、県外移設の実現に期待する県民の声がますます高まっている中で唐突に行われたものであり、県民の間に大きな失望を招いております。県といたしましても、地元の了解を経ずにこのような移設案が決定されたことはまことに遺憾であり、受け入れることは極めて厳しいと言わざるを得ません。
 県といたしましては、政府が県外移設をどこまで真摯に検討したのか、そして、どのような経緯で移設先を辺野古とする日米合意に至ったのか、合理的な説明を行うべきであると考えております。
 次に、同じく政治姿勢の中で、海兵隊への認識についての御質問にお答えいたします。
 海兵隊を含む米軍は、日米安全保障条約に基づき駐留するものであり、よき隣人、あるいは招かざる客という観点で論ずるものではないと考えております。
 次に、政治姿勢の中で、普天間飛行場の無条件撤去を求めることについての御質問にお答えいたします。
 県としましては、先ほども申し上げましたとおり、地元の了解を経ずに辺野古への移設案が決定されたことはまことに遺憾であり、受け入れることは極めて厳しいと言わざるを得ません。
 また、この問題の原点は、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去であります。政府に対し、同飛行場が現状のまま固定化されることは断じて容認できないことを強く訴えてまいります。
 同じく知事の政治姿勢の中で、県民の協力なくして基地の維持は不可能と示すべきとの御提案に関して答弁いたします。
 在日米軍基地は、日米安全保障条約に基づき日本政府が提供しているものであります。その運用においては、沖縄県民の理解と協力が不可欠であると考えております。しかしながら、その協力のあり方についてはさまざまなお考えがあることから、御提案として承らせていただきたいと思います。
 その他の御質問については、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢につきまして、米軍は沖縄を守ってきたかとの趣旨の御質問にお答えいたします。
 県としましては、戦後の日本が国際紛争に巻き込まれることもなく、経済発展を遂げたことや平和な国民生活を享受してこられたのは、日米安全保障体制を含む日米同盟関係が我が国及び東アジアにおける国際の平和と安定の維持に寄与していることによるものと理解しております。
 次に、米軍及び海兵隊の抑止力への見解につきまして、1の(2)のイ及び1の(2)のウにつきまして一括してお答えをいたします。
 政府は、国会答弁において、「抑止力とは、侵略を行えば耐え難い損害を被ることを明白に認識させることにより、侵略を思いとどまらせるという機能を果たすものである」、また、「沖縄に駐留するアメリカ合衆国の海兵隊は、抑止力の重要な要素の一つとして機能していると認識している。」との見解を示しております。
 抑止力につきましてはさまざまな御意見があり、沖縄県として現在研究を行っているところでございますが、県としましては、抑止力の議論にかかわらず、過重な基地負担の軽減やさまざまな事件・事故の防止など米軍基地問題の解決促進が日米両政府において着実に進められることが重要であると考えております。
 次に、知事の政治姿勢につきまして、戦後、復帰後の事件・事故につきましての御質問にお答えいたします。
 復帰後の米軍による事件・事故につきましては、沖縄県警察本部の資料によりますと、平成21年12月までに、米軍構成員等による犯罪検挙件数は5634件、このうち殺人や強盗等の凶悪犯は562件となっております。一方、県の把握しているところによりますと、航空機関連の事故につきましては、平成21年12月までに497件発生しております。
 復帰前における事件・事故の発生数につきましては、復帰前におきましても、米軍による数多くの事件・事故が発生したとされておりますが、正確な記録が残されておりません。
 次に、米軍基地の領土主権についてとの御質問にお答えいたします。
 外務省によりますと、米軍の施設・区域は日本の領域であり、日本政府が米国に対しその使用を許しているものであるので、アメリカの領域ではないとしております。
 次に、米軍基地の法の支配についての御質問にお答えいたします。
 御質問の法の支配のもとという意味がはっきりしませんが、条約を含む法的根拠という意味であれば、在日米軍基地は、日米安全保障条約に基づきまして、我が国が米国に施設を提供しているものであります。また、日本国の法令の適用という意味では、外務省によれば、一般国際法上、米軍の行為や、米軍人及び軍属の公務執行中の行為には、原則として日本の法律は適用されませんが、日本の法令を尊重しなければならない義務を負っているとされております。さらに、公務執行中でない米軍人等については、日米地位協定上の規定がある場合を除き、日本の法令が適用されるとされております。
 次に、基地から住民地域への外出についての御質問にお答えいたします。
 米軍人は、米国あるいは海外から我が国の領域に入る際に入国手続は終了しており、基地から住民地域への移動は出国には当たりません。
 なお、日米地位協定第5条第2項におきまして、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族は、合衆国軍隊が使用している施設及び区域に出入りできることが規定されております。
 次に、入国業務を行う法的根拠についての御質問にお答えいたします。
 米軍関係者の我が国への入国につきましては、日米地位協定第9条第1項におきまして、「合衆国は、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族である者を日本国に入れることができる。」と規定しております。
 次に、基地外居住の法的根拠についてお答えいたします。
 米軍関係者の基地外居住の法的根拠について外務省は、日米地位協定には、米軍人等の基地外居住を禁止する規定はないと説明しております。
 次に、住民基本台帳法との関係及び行政サービスにつきましてお答えいたします。
 日本国籍を有しない者につきましては、住民基本台帳法第39条により同法に規定する住民基本台帳への記録等、同法を適用しないこととなっております。
 また、行政サービスにつきまして、基地外に居住する軍人・軍属・家族については、一般住民と同様に道路、水道、ごみ処理、し尿処理、消防等の公共的サービスを受けておりますが、住民税につきましては、日米地位協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律により非課税となっております。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 泡瀬干潟の埋立問題についての御質問で、沖縄市の作成する土地利用計画の内容についてお答えいたします。
 現在、沖縄市においては、「東部海浜開発土地利用計画検討調査委員会」の審議結果等を踏まえ、土地利用計画の精査を行っているところであります。当該計画の概要は、スポーツ、健康・医療、交流・展示をメーンテーマとし、出島方式の海に囲まれた緑豊かな環境の中で、スポーツや医療・保養などを通じて県民や市民、観光客が交流し、健康づくりを行える空間を創出するものであります。
 同じく経済的合理性についてお答えいたします。
 経済的合理性の有無については、控訴審判決を踏まえ、収支の見通しが統計データや調査報告書等根拠を有する資料を基礎としたものになっているかどうかで判断されるものと考えております。
 土地利用計画見直し作業については、現在沖縄市において入域観光客数や宿泊日数等の実績に係る各種統計データ及び類似施設の事例等をもとに、需要や施設規模に係る検証が行われているところであります。
 県としましては、国と連携しながら、当該土地利用計画が経済的合理性を有する計画となるよう市に協力していきたいと考えております。
 同じく事業を進める理由についてお答えいたします。
 泡瀬地区埋立事業は、本島中部東海岸地域の経済活性化を図るための経済振興策として、地元からの強い要請に基づき進めてきたものであります。また、本事業は新港地区における港湾整備と密接に関係しており、新港地区東埠頭背後地における企業誘致にも寄与することから、本県の経済活性化を図る上でも重要な事業であり、早期に再開できるよう努めていきたいと考えております。
 続きまして、古島団地の建てかえ問題についての御質問で、古島団地の調査についてお答えいたします。
 古島団地の管理者であるバークレー社は、平成21年1月に1号棟の劣化調査を行ったとのことであります。
 同じく団地が倒壊した場合の県の責任についてお答えいたします。
 入居者の安全確保のために必要な建物の維持・修繕は賃貸人の義務であることから、その責任は賃貸人である当該事業者にあるものと考えております。
 県としましては、当該事業者が居住者の安全確保に留意した団地経営に努めるよう、旧郵住協に係る推進協議会の中で話し合いを進めているところであります。
 同じくバークレー社に対する取り組みについてお答えいたします。
 県としましては、事業者が行う再開発事業を円滑に推進するため、事業者に対し推進協議会への参加を呼びかけるとともに、これまでに推進協議会を4回開催してきたところであります。その中で、事業者の再開発の見通しや建物の補修実績等の入居者からの質問事項等について回答を求めるとともに、建物の劣化調査結果の情報開示について、事業者と入居者間で積極的に行うよう働きかけてきたところであります。
 同じく今後の解決の見通しについてお答えいたします。
 当該事業者は、推進協議会の場において、現在、再開発に向けて邁進いたしておりますが、百年に一度と言われる不況の影響もあり、いまだ具体的な構想を開示できる段階に至っておりませんと答えており、現在のところ、事業者の行う再開発の見通しは明らかではありません。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 沖縄市の産業廃棄物処理施設問題に関連して、地域自治会などからの要望とその対応についてお答えいたします。
 沖縄市北部地域に焼却施設が計画されていることに関連して、沖縄市長、池原、登川、知花自治会、倉敷ダム流域振興促進協議会から県に対し要請がございました。その内容は、株式会社倉敷環境及び株式会社環境ソリューションの新炉の建設に反対であること、産業廃棄物処理施設の沖縄市北部地域への過度の集中を避け、県内に分散・平準化すること、違法状態にある貯留産業廃棄物を是正するよう指導することでありました。
 株式会社環境ソリューションの焼却施設については、平成20年10月に産業廃棄物処理施設設置許可申請がなされたことから、廃棄物処理法に基づき告示・縦覧を行うとともに、沖縄市長、住民及び専門家の意見を聞いた上で審査を行い、平成21年10月に許可処分を行ったところであります。
 また、株式会社倉敷環境の焼却施設については、現在沖縄県環境影響評価条例に基づく手続を行っているところであり、条例に基づく手続終了後、同社から産業廃棄物処理施設設置許可申請が提出された際は、廃棄物処理法に基づき審査をしていきたいと考えております。
 同じくごみ山問題の対応についてお答えいたします。
 県では、当該事業者に対し平成16年12月に警告書を発出するとともに、平成19年7月より同社、沖縄市及び県による改善に向けた進行管理会議を定期的に開催し、改善作業の進捗管理を行っているところであります。その結果、本年4月末現在、安定型区域約8万4000立方メートルのうち約6万3000立方メートル――75%ですけれども――の改善が図られているところであります。
 今後とも改善作業の進捗管理を行い、平成23年中に安定型区域を終了させ、あわせて管理型区域についても早期に改善作業に着手させたいと考えております。
 以上であります。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 沖縄市の産業廃棄物処理施設問題の中で、農振法違反に対する取り組みについてお答えします。
 沖縄市にある産業廃棄物処理場全体の面積は約6ヘクタールで、そのうち沖縄市所有地の約3ヘクタールが農用地区域に指定されております。この農用地区域においては、農振法第15条の2の規定による開発行為を行う際の都道府県知事許可を受けずに産業廃棄物の集積を行っていたことから、農振法違反となっております。
 県では、農業振興地域整備計画の管理主体である沖縄市に対して原状回復等の改善の指導を行うとともに、関係機関と連携して定期的に廃棄物の撤去作業の管理を行っております。その結果、当該農用地区域内にある廃棄物8万4000立方メートルのうち、約75%に当たる6万3000立方メートルが撤去されており、平成23年中には撤去終了することとなっております。
 今後とも関係機関と連携して、廃棄物を撤去するよう指導してまいります。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは教育問題についての御質問で、いじめ等の課題への取り組みについてお答えいたします。
 いじめに関しては、「しない、させない、見逃さない」という毅然とした姿勢で、学校、家庭、地域、関係機関等がそれぞれの役割を果たしつつ防止に取り組んでおります。
 不登校への対応としては、一人一人を十分理解し、個に応じたきめ細やかな指導・支援が大切であると考え、スクールカウンセラーや「子どもと親の相談員」等を活用することにより、学校における教育相談体制の充実に努めております。
 課題については、さまざまな要因が関係しており一概には言えませんが、夜型社会や他人の子供に無関心であるなどの地域社会の課題、規範意識の低さや基本的な生活習慣の未確立などの児童生徒の課題、親と子の触れ合いの少なさなどの家庭の課題、子供への指導・支援などの学校の課題などが挙げられます。
 県教育委員会としましては、今後とも児童生徒の健やかな成長をはぐくむため、学校、家庭、地域、関係機関・団体と緊密な連携を図ってまいります。
 次に、教職員の多忙化解消についてお答えいたします。
 教職員の多忙化解消につきましては、定時退校日やノー部活動日等の設定、会議の精選、報告書の簡素化等を推進するとともに、働きやすい職場づくりを目指して全県立学校に負担軽減検討委員会等を設置し、業務の簡素化に向けて各学校の実情に応じた取り組みを行っているところであります。さらに、今年度から2年間で全県立学校に負担軽減推進員を配置し、負担軽減検討委員会等の活性化を図っているところであります。
 具体的な改善策としましては、平成22年2月現在、定時退校日を設定したのが県立学校61校、小中学校53校、ノー部活動日を設定したのが県立学校57校、中学校40校となっております。また、教育委員会では、報告事項等の見直しや精選を行い、文書の簡素化や電子メールによる発送、指定研修の期間縮減等を行っております。今後とも多忙化の解消に向けて取り組んでまいります。
 次に、学校評価についてお答えいたします。
 学校評価の目的は、学校運営の組織的・継続的な改善を行うことにより、保護者や地域住民等との連携・協力による開かれた学校づくりを推進するとともに、子供たちに一定水準の教育の質を保障し、その向上を図ることにあります。
 学校においては、学校評価の実施により、学校運営や教育活動の課題の明確化、生徒、保護者の意見の把握、次年度諸計画の充実と改善が図られているものと認識をしております。
 県教育委員会としましては、学校評価の取り組みが一層効果的・効率的に行われるよう努めるとともに、今後とも事務量の軽減を図るなど、信頼関係に満ちた働きやすい職場づくりを支援してまいります。
 次に、学力向上対策についてお答えいたします。
 本県の子供たちに一人の人間として自己実現を図り、未来を切り開き世界に羽ばたくなど、県内外を問わず堂々と振る舞うことができる確かな学力を身につけさせることは、全県民の願いであり責務だと考えております。
 県教育委員会としましては、今後とも幼児・児童生徒一人一人が学びを楽しみ、高める「わかる授業」の構築を基軸に、「生きる力」の要素である確かな学力や豊かな心、健やかな体などをバランスよくはぐくむため、学校、家庭、地域、行政が一体となった県民総ぐるみによる学力向上の取り組みを推進してまいりたいと考えております。
 次に、ひめゆり同窓会の運営についての御質問で、支部活動費の打ち切りについてお答えいたします。
 「財団法人沖縄県女師・一高女ひめゆり同窓会」は、これまで任意団体であるひめゆり同窓会に対して支部活動費の一部について補助を行ってきました。本年度、当財団が新公益法人への移行準備を進める中で、当該補助金が「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」の特別な利益の提供に抵触することから、平成23年度以降の補助金を廃止することになったと聞いております。
 当財団に確認したところ、来る7月6日の同窓会幹事会において説明を行い、理解を得ていきたいとのことであります。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 質問の途中でありますが、時間の都合もありますので、嘉陽宗儀君の再質問は休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後3時27分休憩
   午後3時50分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 休憩前に引き続き嘉陽宗儀君の再質問を行います。
 嘉陽宗儀君。
○嘉陽 宗儀 副議長、2点ほどきちっと答弁してほしいのがあります。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後3時51分休憩
   午後3時54分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 又吉 進君登壇〕
○知事公室長(又吉 進) それでは復帰前の米軍関係の事件・事故につきまして、現在把握している数字、資料について御説明申し上げます。
 復帰前の米軍関係の事件・事故につきましては、これは県の資料ではございませんけれども、1945年から1972年までの間の米軍関係の事故の件数が1986件となっているという資料はございます。ただ、十分な記録が残されていないことから、これを正確な件数と把握できるかどうかということについては、ちょっとまだはっきりしていない状況でございます。
 以上でございます。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後3時54分休憩
   午後3時54分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 金武正八郎君登壇〕
○教育長(金武正八郎) では、嘉陽宗儀議員の質問についてちょっとすれ違いだということで、再度答弁いたします。
 教師がいじめ等の解決すべき課題に取り組む際に障害になっていることについては、さまざまな要因が関係していることが考えられます。一概には言えませんけれども、まず1つは、やはり規範意識の低さや基本的な生活習慣の未確立などの児童生徒の課題があると思います。また、しつけ、養育能力など保護者などの家庭の課題がございます。そして、教師自身が抱え込みなど学級経営上、それから多忙化などの課題があると思います。
 それから学校においては、情報連携、それから行動連携等が不十分など生徒指導体制等の学校の課題などが挙げられると考えております。
 以上でございます。
○嘉陽 宗儀 再質問します。
 まず、ひめゆり同窓会の問題です。
 私のほうにひめゆり同窓会のほうから支部活動費の補助金がカットされて、同窓会も持てない、それから同窓会の活動そのものができなくなるという訴えがありまして、総会資料を手に入れましたら、ひめゆり同窓会の活動は、すべてこの財団から出している100万円で賄われていて、会則を見ますと、この会則の会計は財団からの助成金、その他寄附金で充てるということになっています。
 先ほどの説明で、特別の利害を与えないものであるということの規定に照らしてみても、こういうぐあいに打ち切るというのは全く不当だし、しかもひめゆりの悲劇を6月の時点でもっともっと戦争体験を引き継がなければならないという状況の中で、ひめゆり同窓会の活動を解体するような措置をやっぱり許しちゃだめですよ。
 だから、あれはひめゆり同窓会をつくった財団ですから、母屋を取られるようなものじゃだめですから、県教育庁がしっかり指導をして、少なくともお年寄りといったらちょっと……、昔の娘たちですね、みんな集まって楽しみにしているのを、わざわざこれは破壊されたといって悲痛な叫びで訴えに来ていますから、ぜひしっかりこれは指導して、復活させてください。どうですか。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
 当財団の理事の中には、任意団体であるひめゆり同窓会の会員を兼ねている方がおられまして、その他の職員についてもひめゆり同窓会の会員である者がほとんどでありまして、その補助金につきましては、その利益を受ける団体の構成員に財団の理事や職員が含まれていることから、特別の利益に当たると判断し廃止に至ったということでございます。
 しかしながら、ひめゆり同窓会につきましては、私たち沖縄県の過去の悲惨な歴史、沖縄戦を県民に語り継ぎ、平和教育の充実を図る上で大変重要な役割を果たしてきたと私は認識しておりますので、県教育委員会としましては、ひめゆり同窓会の運営につきましてどのようなことができるか、その財団法人、ひめゆり同窓会等と情報交換を行うなど努力していきたいと考えております。
○嘉陽 宗儀 皆さん方からもらった文書で法的に解釈するにしても、特別の利益を与えないものであることと。これは、特別の利益を与えるものではなくて、ひめゆり同窓会の活動はお互い同士の問題じゃなくて、やっぱり県民の戦争体験の継承でしょう。そういうものについて、これは特に利益を与えるからカットというのは、これはちょっと乱暴過ぎる。だから、改めてちゃんと復活できるようにしてほしい。
 知事も政治姿勢として、ひめゆり同窓会の皆さん方が引き続きこれまでのように継続できるようにちょっと御尽力してほしいと思うんですが、どうですか。
○知事(仲井眞弘多) 教育長とも相談はさせてください。なるべく前向きに対応できるようにやってまいります。
○嘉陽 宗儀 では、質問、前に進めます。
 米軍関係者の基地外居住の法的根拠は何ですかと聞きましたところ、外務省も同じ答弁ですね。特別に基地外に居住を禁ずるということがないからという答弁でした。
 そうすると、日本の法治国家というのは、あくまで許可が基本的なものですよ。居住していいかどうかという許可を当然与えないといけない。アメリカ合衆国の人が日本に入る場合に、ちゃんとパスポートを持って入国許可をもらってから入国すると。
 ところが、基地外居住については全く規定がないから自由というのは、ちょっとおかしい。そうすると、全部規定主義の中で規定がないからといったら、強盗しても、強盗してはよくないという規定はないですよ。殺人をやっちゃいけないという規定もない。規定がないから何でもやっていいというこんな解釈が成り立つんですか。
○知事公室長(又吉 進) 沖縄県として、外務省にこの件につきましては累次照会をしております。
 繰り返しになりますけれども、日米地位協定には、米軍人等の基地外居住を禁止する規定はないと。さらに、米軍が基地外に居住できる基準を米軍が独自に作成し、米軍人等を基地外に住まわせているものと理解しているということでありまして、日米地位協定の対象になる軍人・軍属等につきましては、米軍の管理下にあるということでございます。
○嘉陽 宗儀 この地位協定が問題ですけれども、地位協定の細部にわたるものをいろいろ調べてみても全くないですよ、穴があいている。それについて、やはり独立国家なら米国の軍隊であろうが軍人であろうが、あくまでアメリカ兵に対する地位の協定について定めるべきですよ。なければ何でもやっていいというものではない。それについては改めて精査させて、たくさん基地外に居住しているでしょう、法的根拠は何もない。これについては、県知事としてもやっぱりただしていくと、どうするんだと。そのまま認めるのか、あるいは規定をつくるのか整理すべきだと思うんですけれども、どうですか。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後4時3分休憩
   午後4時3分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) まさしく外国軍隊の駐留を我が国に認めるに当たりまして、軍人・軍属の行動をしっかり規定するという意味で日米地位協定はあるものだと理解しております。
○嘉陽 宗儀 答えてないよ。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後4時4分休憩
   午後4時5分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) ちょっと休憩お願いします。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後4時5分休憩
   午後4時5分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) お答えいたします。
 御質問の趣旨は、要は基地外居住を認めるという規定がないということは確かでございます。しかしながら、地位協定上は我が国の法令を尊重する義務があると言っているわけでございまして、一定の管理、あるいは制限は加えられていると考えられますが、今議員の御指摘のように、この有権解釈というんですか、その部分につきましては政府にあるということで、しっかりその辺は政府に確認をしてまいりたいと思います。
○嘉陽 宗儀 地位協定についてたくさん問題がありますけれども、例えば基地外に外出する場合でも法的根拠がないですよね。米軍の行動を認める場合には、施設間移動は認められているけれども、個人で遊びに行く、飲みに行くというのは、あれは認められていないんですよ。そういう面ではもっと、基地の重圧で苦しんでいる沖縄ですから、そういう地位協定を含めて、私は米軍に対する非協力運動を今呼びかけて質問しましたので、これはきちっと調べてください。
 それから、住民登録しないで沖縄県民の出したお金で住民サービスを受けると、日本の法律からいえば背任行為じゃないですか。どう思いますか、米軍のこういうサービスを受けるというのは。横領なのか、背任なのかですね。
○知事公室長(又吉 進) 住民サービスを無負担で受けているということにつきましては、これをかんがみまして、基地外に居住する米軍人等に伴う市町村の財政負担の問題につきましては、昭和45年から「施設等所在市町村調整交付金交付要綱」というのがございまして、調整交付金が交付されており、財政的な補てんがなされているということでございます。
○嘉陽 宗儀 この問題については、引き続き次回の議会でやっていきます。
 質問を前に進めます。
 普天間基地移設の問題ですけれども、知事の答弁の極めて厳しいという態度は、あいまいもことしてよくわかりません。知事、普天間基地の問題は県内移設を認めるのか、それとも拒否するのか、二者択一しか選択肢はないと思います。知事の態度はどちらですか、明らかにしてほしいと思いますけれども。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後4時8分休憩
   午後4時9分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の点ですが、普天間基地の移設を認めるか、認めないかという御質問ですか。
○嘉陽 宗儀 二者択一しかないでしょう。
○知事(仲井眞弘多) 県内移設を認めるか、認めないかという御質問に対しては、1月ごろまではやむなしということで、私いろんな諸条件を考えてやっておりましたけれども、それから後はいろんな状況の変化がありましたから、今は厳しいという考えでございます。
○嘉陽 宗儀 だから、厳しいという意味がわからんから聞いているんだよ。
○知事(仲井眞弘多) 厳しいは、厳しいですよ、そのもの。
○嘉陽 宗儀 この厳しいという意味がわからんから私は質問したんですけれども、また厳しいと言うんで……。
 先ほどの答弁では、地元の了解を経ずにこのような移設案が決定されたことはまことに遺憾でありますという移設案の話がありましたけれども、それでは知事は、政府へはっきり知事の態度を移設問題では表明したことがありますか。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後4時10分休憩
   午後4時11分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の話は、鳩山前総理に対しても、先日お会いした菅総理に対しても申し上げてきたところでございます。
○嘉陽 宗儀 6月27日、カナダでの日米首脳会談で改めて日米合意を確認し、辺野古崎と隣接水域に移設を目指すと約束しました。県議会決議や4・25県民大会で県民の意思は明確であるにもかかわらず、この仕打ちは全く許されません。県民を侮辱するのもほどほどにすべきです。米軍基地を押しつけておきながら民主党政権が感謝の意を表明したり、アメリカ議会が感謝決議をするなど、全く県民を侮辱し愚弄しています。まさに屈辱的です。知事、県民がこんな仕打ちを受け、尊厳を踏みにじられていることに対して抗議し、怒りを表明すべきではありませんか。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと待ってください。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後4時12分休憩
   午後4時12分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 私も今の議員の思いといいますか、その感じはほとんど同じでございますし、私も申し上げるべきことは先ほどのような表現で両総理にも申し上げておりますし、確かにアメリカ議会の下院での感謝決議というのは、ちょっと人様の国の議会の話ですから、私がどうこうコメントする立場にむしろありませんし、やらないほうがいいと思うんですが、ただ、日本のたしか総理ですか、感謝すると言われても、これは全くすとんと落ちません。そして、むしろどういう意味だろうかというぐらい奇妙な感じを持っておりますし、おっしゃるように4・25の後のとんとんとんと180度変わった決定をするというのは、少し県民をないがしろというか軽く扱い過ぎではないかという感じは私も持っております。
○嘉陽 宗儀 政府が180度姿勢を転換したということは、政府が沖縄県民を裏切ったと、こういうぐあいに考えますけれども、知事はどう考えますか。
○知事(仲井眞弘多) 非常に強烈な表現を議員はお使いになりましたが、それに近い感じだと思います。
○嘉陽 宗儀 この問題でやっぱり大切なのは、知事が県政を担う最高の責任者として県民の願いにこたえて、県内移設はだめだということをはっきり示さなきゃならないんですよ。そのために、政府も今迷走している。迷走をとめるためには、知事が即時無条件全面返還、沖縄県民の気持ちを明確に述べるべきだと思うんですけれどもどうですか。
○知事(仲井眞弘多) 議員のおっしゃっている全面返還というのは、県外も含めてでございますか。
 県外も含めて全面返還という意味は、ちょっと先ほどから全面返還とか、即時撤去とかという意味であるとすれば、考え方としてはありますが、なかなかこれは実現可能性においていかがかなというのが私の考えでございます。
○嘉陽 宗儀 ちょっと休憩してください。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後4時15分休憩
   午後4時15分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 嘉陽宗儀君。
○嘉陽 宗儀 知事がなかなか県民の期待するようなものに答えられないと、その原因は何かということを疑問を持たざるを得ないわけです。
 ちょっと休憩してください。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後4時15分休憩
   午後4時18分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 嘉陽宗儀君。
○嘉陽 宗儀 今、私は知事のほうに沖縄県の公共用財産使用協議書作成準備手続に関する特別採捕許可申請に対しての許可書を6月3日付で那覇防衛施設局に、知事が自然環境アセスを調べるときにさまざまなものを採取してもいいという許可書をお見せしました。
 つまりは辺野古崎のほうに基地を建設する、それからこの図面を見ると、特別採捕許可書で全部黒塗りになっていますけれども、表立っては厳しい厳しいと言いながら、裏のほうでは基地建設推進の立場での手続はちゃんと防衛局に許可書を出すと、粛々と進めるという二枚舌のような態度になっていると思うんですよ、知事。こんなことを県民が知ったら、みんな怒りますよ、一体何だと。
 だから、知事が県民の要求に基づいて4・25県民大会にも参加して、県内移設反対を明確に言い切れないのは、本音ではこれはやむを得ぬと思って、こういう基地建設のための環境アセス含めて必要な許可書を出している。ここが本音じゃないですか。だから、改めて本音かどうかをはっきりさせて、本音じゃないというのであれば、この許可書は撤回すべしと思いますけれども、いかがですか。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後4時20分休憩
   午後4時21分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) ただいまの文書につきましては、まず大事な点は、政府によるアセスにつきましては、現在準備書の手続まで進んでいて、政府はアセスそのものを中止していないと。その準備書に対する県の対応としまして、必要な調査を求めたところでございます、県側がですね。それに対して、採捕許可という形で出してきたものでありまして、これはいわゆる行政手続上進められているものでありまして、文書の撤回ということは考えられないということでございます。
○嘉陽 宗儀 知事が県内移設反対を明確にできない大きな要因だと私は指摘したんですけれども、知事はいかがですか、これについては。ありませんか、根っこには。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後4時22分休憩
   午後4時22分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 補足させていただきますと、この手続につきましては、県のいわゆる準備書に対する意見に基づきまして採捕許可を1年ごとに更新しているものでございまして、今回それを更新したということでございます。
 政府は、まだアセス手続については中止していないというのがその理由でございます。
○嘉陽 宗儀 この許可書を見ると、使用目的は非常に明確ですね。新たな基地建設のためのデータ収集のためにいろんな資料を採取するということになっていますよ。だから、こういうものを一方で知事は防衛局との間で許可を出していながら、県議会では厳しい厳しいという答弁だけで終わっているというのは、やっぱり甚だ遺憾ですね。
 やはり沖縄県民、心を一つにして4・25の大会もやって、これから8月に向けてその具体化が迫る中で、改めて知事も含めて議会、県民が一致団結して基地建設の攻撃についてはね返さなきゃならない。こういう御時世に継続しましたとか、更新しましたとかという問題じゃなくて、明らかに基地建設のための許可書ですから、それについては知事が明確に責任を持って、あるいは基地建設に協力するわけにはいかないから、あの許可書を取り消しますということを迫るべきだと思うんですよ。それができなかったら、知事の議会での答弁はみんなが疑問を持ちますよ。最後に決意を聞いて終わります。どうですか。
○知事(仲井眞弘多) 今の点は、ちょっとエクスキューズを言うわけじゃありませんが、今現在私も確認をしたところです。ただし、手続的にはこれはとめる理由がないというか、これはとめられませんから、アセスそのものはまだ防衛省は終わってないということですから、これはこれでとめる理由は特にありません。ただし、今度の辺野古に舞い戻ってきたということについては、厳しいというのはもう当然でございます。変わりません。
○上里 直司 民主党の上里でございます。
 通告に従いまして質問をいたします。
 基地問題は取り上げておりません。ただ一言だけ申し上げますけれども、5月28日の日米共同声明、私たちもこの内容については全く納得はしておりませんし、地元の名護市長や県知事、そして県議会が納得をしていないというものを頭越しに進めるというのは、到底この移設というものは無理だろうということも申し上げております。その意味では私たちの姿勢は変わることはありません。
 ただ、この問題で県議会の皆さんが一致をしてこの問題に取り組むという姿勢ができた。この取り組みを貫くことがこも問題解決につながっていくだろうというふうに思っています。基地問題が一朝一夕に解決できるというふうに私は思ってはおりませんでした。ただ、これほど早く日米同盟に屈服をするとも思っておりませんでした。ですから、この問題は当分続くだろうと。ですから腹をくくって、覚悟をして県民とともにやっていくということでございます。
 この基地問題を含めて沖縄の自己決定権がこれほどにもないんだということを改めて知らされました。実はこの問題は基地問題だけではありません。基地問題だけでなく、経済問題やこれまでの振興策についても沖縄が主張している問題に一向に政府が真剣に取り組まなかった。そういうところに起因をして所得の格差や教育の格差やそういうものが発生していったものだというふうに思っています。ですから、基地問題だけではなく、経済問題やその他の問題についても県議会は一致して取り組んでいくべきだろうと思っていますので、県知事もどうかその意思を貫いていただきますようお願いを申し上げます。
 それでは、その経済問題の物流コストの軽減と企業立地について質問をいたします。
 (1)、県は、沖縄振興計画総点検の中で物流課題をどのようにまとめたのでしょうか。また、沖縄振興審議会等について物流コスト軽減を図る指摘はあったのかどうか、その内容についてお聞かせをください。
 (2)、船舶法第3条の特区提案への政府回答とそれに対する企業誘致の効果及び今後の対応についてお伺いをいたします。
 (3)、自由貿易地域と特別自由貿易地域の課題解決に向けて沖縄振興特別措置法の改正が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 10月27日、ANAの国際物流ハブがスタートをいたしましたが、この業績と航空物流の今後の展望についてお伺いいたします。また、この全日空がローコストキャリアを導入しようということが新聞で報じられておりましたが、県内路線の導入について把握をしているかどうかお聞かせください。
 2、那覇港の管理運営についてお尋ねをいたします。
 (1)、那覇港は物流拠点として県経済に占める割合、大変大きいものがあります。その割合と位置についてお伺いをいたします。また那覇港港湾計画の達成と国際トランシップの実績と県のかかわりについてお聞かせをいただきます。
 (2)、那覇港管理組合における人員配置についての課題とその解決に向けた取り組みについて知事の姿勢をお伺いいたします。
 3、図書館行政についてお尋ねをいたします。
 私は、もう随分この図書館行政と図書館サービスについて質問をさせていただいています。どうも教育長やまた知事部局の皆さん方にその図書館行政というものがいかに重要なのかということについてまだまだ理解がされていないのだと思っています。ただ徐々にではありますが、この図書館行政についての進捗もされてきているのかというふうに考えています。
 そこでお尋ねをいたしますが、図書サービスによって経済活動、または市民生活にどのような効果をもたらすのか県教育長の見解をお伺いいたします。
 また、前定例会で提案をいたしました「県立図書館及び県内公共図書館における就労支援等の事業展開」の進捗についてお伺いをいたします。また、5月に始まりました「グッジョブ相談ステーション」を県内の公共図書館で開催できないか提案をいたしますが、見解をお伺いいたします。
 続いて、八重山分館は条例の中で位置づけるべきであると考えていますが、いかがでしょうか。
 4、環境政策について。
 (1)、日米両政府は6月17日、沖縄県とハワイ州において離島における最適なエネルギーシステムについて共同実証事業を行うことで合意いたしました。情報技術を駆使した次世代送電網(スマートグリッド)分野での現状をお伺いいたします。また、今後取り組みを加速させるべきだと考えますがいかがでしょうか。
 続いて、環境政策が成長戦略や地域経済に与える影響は大きいのでありますが、県庁内でもそれに対応する体制を整えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 続いて5、沖縄振興一括交付金(仮称)の創設に向けて、準備をされ政府にも提案をされたと聞いております。政府との協議を加速させるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 続いて6、「沖縄待機児童対策スタディ・グループ」の提言内容についてお聞かせください。
 (1)、提言を実現するためにまず何に取り組もうとするのか。
 (2)、「保育ママ」家庭的保育事業の導入の展開についてお聞かせをいただけますか。
 最後に、口蹄疫対策について、政府の対応と県の防疫対策及び畜産農家への支援についてお伺いをいたします。
○知事(仲井眞弘多) 上里議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、沖縄の物流コストに係る御質問の中で、全日空国際物流ハブの業績と航空物流の今後の展望についてという御質問にお答えいたします。
 那覇空港を拠点としました全日空による国際航空貨物ハブ事業は、平成21年10月に開始され、海外は香港等5都市、国内は羽田等3都市をハブ・アンド・スポーク方式で結んで運航いたしております。
 那覇空港の国際貨物取扱量は、当該事業が開始される前は月間約160トン――平成20年平均でございますが――でありましたが、事業開始後の平成22年4月には約1万3700トンと約80倍に増加いたしております。これは、成田、関空に次ぐ国内第3位の取扱量となっております。将来的には、年間約40万トンの国際航空貨物を取り扱う計画となっております。
 県としましては、全日空の国際航空貨物ハブ事業による物流ネットワークを最大限活用し、物流産業や臨空型産業の集積等により国際物流拠点の形成を図るとともに、県産品の販路拡大を推進し、自立型経済の構築を目指してまいりたいと考えております。
 なお、県では今年度約7億円の特別調整費を用いて県産品の販路拡大、臨空型企業の誘致及び新たな航空路線の誘致に向けた事業を行う予定となっております。
 次に、那覇港の管理運営についての御質問の中で、那覇港の県経済に占める割合及びその位置についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県における平成20年の港湾取り扱い貨物量は、約2800万トンであります。そのうち那覇港は約1040万トンで約37%を占めております。那覇港は、沖縄県の拠点港湾として県の経済社会活動を支えるとともに、アジア・太平洋地域の結節点に位置する地理的特性を有しており、我が国の南の玄関口、国際物流・交流拠点として重要な港湾でございます。
 次に、環境政策に係る御質問の中で、スマートグリッドの現状と今後の取り組みについてという御質問にお答えいたします。
 日米両政府、沖縄県、ハワイ州の4者は、6月17日に自然エネルギーやスマートグリッド等の分野において情報交換や実証プロジェクトの検討に関する覚書に署名をいたしました。
 スマートグリッドは、太陽光や風力発電等の自然エネルギーを効率的に活用するために欠かせない技術であります。世界各地で研究開発に取り組んでおります。沖縄県においては、沖縄電力株式会社が事業主体となり、4月から宮古島で自然エネルギーを従来の電力系統に導入するスマートグリッドの実証事業が開始されております。現在、ハワイ州におきましても同様な実証事業が進められております。沖縄とハワイが協力することで双方の技術開発の促進が図られるものと期待いたしております。
 今回の「沖縄・ハワイクリーンエネルギー協力」によりまして、自然エネルギーの活用モデルの構築に向けました取り組みを加速させてまいりたいと考えております。
 次に、沖縄振興一括交付金に係る御質問の中で、沖縄振興一括交付金の創設に向けた政府との協議についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県としましては、政府が次年度から導入を予定いたしております一括交付金につきましては、地方みずからが創意工夫を発揮でき、地域の活性化につながるものと大いに期待いたしております。
 沖縄振興一括交付金は、「沖縄21世紀ビジョン」で示されました沖縄が目指すべき将来像の実現を支える財源としてぜひとも創設すべきものと考えております。政府に対しましては、沖縄振興予算の総額を確保し、全国よりもさらに使途の自由度が高い制度とするよう強く働きかけてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(川上好久) 沖縄の物流コスト軽減と企業立地についての御質問の中で、総点検における物流の課題及び県振興審議会等からの意見についてお答えいたします。
 沖縄振興計画等総点検では、物流に関する課題として、本県は広大な海域に散在する島々を結ぶ交通手段が海路・空路に限られそのコストが人的・物的な移動の大きな障害となっており、運賃の低減化を図る新たな仕組みの構築等が必要である、大消費地から遠隔にある島嶼県であるため、鮮度保持技術の向上、共同配送などの流通効率化、輸送コスト低減策に取り組むことが求められるなどとされております。
 一方、県振興審議会からは、島嶼県沖縄における交通・物流面の条件不利性は、農林水産業や製造業など移出産業の振興や離島の振興・発展を著しく阻害している、自立した農林水産業を確立するため、輸送コスト低減を制度化し、流通条件の不利性を解消することが必要であるとの意見が出されております。
 次に、全日空のローコストキャリアの県内路線就航についてお答えいたします。
 全日空は、ローコストキャリアについての検討を進めているとのことですが、具体的な路線等詳細につきましては、今後検討されるものと承知しております。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 沖縄の物流コスト軽減と企業立地についての中で、船舶法第3条関係、特区提案の政府回答とそれに対する企業誘致の効果及び今後の対応についての御質問にお答えします。
 カボタージュ規制の一部緩和に係る構造改革特区申請につきましては、3月25日「特区としての対応は困難」と、構造改革特別区域推進本部が政府の対応方針として発表したところであります。しかし、3月26日国土交通省より、沖縄の特別自由貿易地域及び自由貿易地域制度の趣旨等を踏まえ、両地域に立地する企業が扱う貨物については、両地域と本土間の外国籍船による輸送を特別に認めることとする。本措置は、構造改革特区としてではなく、船舶法第3条に基づく国土交通大臣の特許として実施するとの発表があったところであります。
 県としては、国土交通省が改正する特許基準により、物流コストの低減化が図られ、国際加工貿易等を行う企業の誘致が進むものと期待しております。今後、同特許については、企業誘致活動において広く周知してまいりたいと考えております。
 同じく物流コスト軽減と企業立地の関係の中で、自由貿易地域と特別自由貿易地域の課題解決に向けた沖縄振興特別措置法の改正の必要性についての御質問にお答えします。
 自由貿易地域と特別自由貿易地域については、割高な物流コスト、関連企業の集積がないこと及び高い分譲価格などの課題があります。このため、自由貿易地域制度及び特別自由貿易地域制度の一本化を初め、租税特別措置の見直しなど抜本的な拡充強化策を検討しているところであります。今後、検討結果を取りまとめ、その内容を実現できるよう国と協議してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 那覇港の管理運営についての御質問で、那覇港港湾計画の達成と国際トランシップの実績及び県のかかわりについてお答えいたします。
 那覇港は、沖縄県の物流・人流の拠点港湾として県の経済社会活動を支えるとともに、国際物流産業の展開や国際観光・リゾート産業の振興等を目指した重要港湾であります。
 港湾計画における目標貨物量は、平成20年代後半で1950万トンであり、平成20年の貨物量の実績は約1040万トンで達成率は約53%となっております。また、国際トランシップ貨物の実績については、現在のところありません。
 県としては、那覇港のアジア・太平洋地域の結節点に位置する地理的優位性を生かして、今後とも国及び那覇港管理組合と連携し、港湾計画の目標に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 同じく那覇港の管理運営についての御質問で、那覇港管理組合における人員配置の課題とその取り組みについてお答えいたします。
 那覇港管理組合の常勤職員は、常勤副管理者と沖縄県、那覇市及び浦添市からの派遣職員で構成されております。
 職員の異動については、これまで年度によっては偏りがあったことから、今後は業務への影響を少なくするため、原則として3分の1程度の職員異動になるよう各母体間で調整していきたいと考えております。また、常勤副管理者については、これまで母体の要請により国からの職員が就任しておりますが、今後は県内の人材育成に取り組んでいきたいと考えております。
 なお、那覇港管理組合の課題等に関して協議・調整する場として、6月4日に「那覇港管理組合構成団体調整会議」を立ち上げ、取り組みを始めたところであります。
 以上でございます。
○教育委員会委員長(比嘉梨香) それでは上里議員の図書館行政についての御質問で、市民生活等への効果についてお答えいたします。
 図書館にある書籍や資料、情報等は、県民の知的好奇心を満たしてくれるだけでなく、想像力・思考力をはぐくみ、人生を豊かにし、県民一人一人の潜在的能力を引き出す力を持っていると考えております。また、子育てや学習支援、障害者・高齢者のためのサービスや地域情報の発信は、県民生活を向上させることにつながり、資格や技術取得のための専門書を初め多様なビジネス関連図書や情報は、県民の仕事力向上や就労を支援し、県経済の活性化を促すものだと考えております。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは図書館行政についての御質問で、就労支援等についてお答えいたします。
  県内の公立図書館では、「お仕事・就職に役立つ本コーナー」、「職業紹介書籍コーナー」、「資格取得に関するコーナー」等を設置し、就労支援を進めております。また、ハローワークと提携した「就職情報コーナー」や「就職・お仕事に役立つリンク集」等を通して14機関、232団体へリンクさせ業務を紹介しております。さらに、「産業支援センターの事業及び講座の紹介」、「就職相談窓口の紹介」、「市町村役場の求人情報の提供」等を行っております。
 なお、「グッジョブ相談ステーション」については、産業支援センター内に事務所を設置するとともに、県内9市町村役場内で巡回相談を実施し、求職者や求人企業に対し、国や県、市町村等が行っている最適な雇用支援施策の情報提供、関係機関の案内等を行っております。
 県立図書館では、引き続き資料の収集及び情報提供の充実に努めるとともに、今後とも関係機関と連携し、グッジョブ・ステーションを紹介することも含め、就労支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、八重山分館の位置づけについてお答えいたします。
 図書館法第3条で、図書館は、図書館奉仕のため次に掲げる事項の実施に努めなればならないとされており、同条第5号で「分館、閲覧所、配本所等を設置し、及び自動車文庫、貸出文庫の巡回を行うこと。」とされております。
 「沖縄県立図書館」は、同法第3条の規定に基づき、県立図書館の事務の一部を分掌させるために「沖縄県立図書館八重山分館」を設置しており、県立図書館と分館が一体となって、同法第2条に定められている図書館サービスを実施しております。
 県立図書館の事務の一部を分掌している八重山分館につきましては、教育委員会規則で定めることが妥当であると理解しております。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 環境政策に関連して、県庁内での取り組み体制についてお答えいたします。
 沖縄県は、生物多様性やサンゴ礁の保全、赤土などの流出対策、地球温暖化防止など本県特有の環境問題を有しており、独自の環境対策を推進することで本県の豊かな自然を守り、はぐくみながら、次世代へ引き継いでいくことが重要であります。また、県内の厳しい雇用情勢が続く中、経済対策の強化が求められており、環境をキーワードとして持続的な地域経済の振興と雇用の創出に取り組む必要があると考えております。このため、県としましては、本年度、地球環境対策チームを設置し、環境施策を戦略的に推進することで、雇用の創出と産業振興、経済成長を目指す「沖縄県版グリーン・ニューディール」の策定に取り組んでいるところであります。
 今後とも、環境保全と経済発展が両立した環境共生型社会の形成が図られるよう、必要な取り組み体制の整備に努めていきたいと考えております。
 以上であります。
○福祉保健部長(奥村啓子) 「沖縄待機児童対策スタディ・グループ」の提言を実現するための取り組みについてお答えします。
 提言書においては、沖縄の現状を踏まえた待機児童の解消に向けて、今後考えられる対応の方向性と具体的施策の例が示されております。その内容は、制度改正が必要なものから運用改善で対応できるものまで多岐にわたっております。
 県としましては、市町村と連携し、安心こども基金や待機児童対策特別事業基金などの積極的活用を図り、待機児童の解消に努めてまいります。さらに、待機児童解消の具体的施策を「新たな沖縄の振興に向けた基本的な考え方(案)」へ位置づけることなどについても取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、保育ママの導入の検討についてお答えします。
 提言書においては、保育需要の増加に対応するため、認可外保育施設の一部を「保育ママの共同実施施設」として位置づけ、家庭的保育を実施することを検討するとしております。
 県としましては、保育ママの共同実施が待機児童解消策の一つとして考えられることから、実現可能性について国及び市町村や関係団体と協議を重ねてまいります。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 口蹄疫対策の中で、口蹄疫に対する政府の対応と県の防疫対策及び畜産農家への支援についてお答えします。
 国においては、宮崎県での口蹄疫の発生を受け、発生地域及び移動・搬出制限区域を対象とした「口蹄疫対策特別措置法」を制定し、口蹄疫の蔓延防止対策や農家支援等を行っております。また、関係都道府県に対し、家畜の健康観察や消毒の徹底、早期の診断や殺処分、発生に備えた体制整備、車両及び家畜用コンテナ等の消毒等に関する通知をしております。
 県としては、県内の口蹄疫侵入防止対策として、県外からの家畜導入の自粛、農場への立入制限、消毒の徹底、空港、港湾での靴底消毒や車両タイヤの消毒などを実施しております。また、沖縄県口蹄疫防疫対策本部や現地対策本部を設置し、関係機関や団体等と連携し口蹄疫侵入防止に係る危機管理体制を強化しております。
 口蹄疫に係る農家などに対する支援としては、家畜の飼料代の補助、生活資金または運転資金の利子助成などに対し、約1億1000万円を予備費で対応しております。また、6月補正予算としては、家畜の飼料代の補助、生活資金または運転資金の利子助成、出荷遅延による肉用牛の価格差補てん、新たな輸送ルート確保のための貨物船コンテナ輸送料の補助などで約8億3600万円を計上し、予備費、補正を合わせて総額約9億4600万円の支援を考えております。さらに、万全な防疫対策や農家支援等について、去る6月17日に市町村、JAと連携し、国へ強く要請しているところであります。
 以上でございます。
○上里 直司 それでは再質問させていただきます。
 政権がかわりましてその直後の県議会で、知事に一括交付金の導入の覚悟はあるかというふうな質問をさせていただきました。そのときに知事から、随分乱暴な議論なのでなかなか答えづらいという答弁をいただきましたけれども、その後、企画部を中心としてここの提案にまでこぎつけたというのは本当に高い評価を受けるべきだと思っております。全国的にもまだこの地域主権の中での一括交付金の中身というのがまだわからない中で、実はその担当する首相補佐官の逢坂誠二衆議院議員にもお会いしましたけれども、ここまで制度について積極的に取り組むということは非常に驚いているという話をしておりましたので、これが今後どういくのかなということも含めて沖縄の自己主張をぜひ展開していただきたいと思っています。あわせて、政権交代して政府にどう県が向き合うのかということの中で、やはり船舶法第3条の特区申請いわゆるカボタージュ規制の一部緩和の特区申請をめぐっての取り組みは、まさに沖縄が抱えるこの物流コストの事、政権交代を機にこの問題に取り組むという姿勢もこれは高く評価されるべきだろうというふうに思っています。
 その2つの課題についてきょうは質問をさせていただきますけれども、まず先ほどの答弁の中で、物流コストの課題が意見を出されているという話は出ていました。
 そこで質問をいたします。
 物流コストの軽減には、単純に言って2つぐらいなんだろうとその手法というのは。1つは、今県が申請しているような規制緩和、または規制緩和に伴う新たな制度の創設でしょう。もう一つは補助金の投入、これは今県もやられておりますけれども、県としてはこれは国との関係もありますけれども、今後この物流コストの軽減ということを図る上で、どちらに軸足を置いてこの物流コストの軽減を図っていくのか考え方をお聞かせください。
○企画部長(川上好久) 今回、ビジョンそれから総点検の議論の中で、非常に物流コストの議論がたくさん出てまいりました。復帰後37年間のこの沖縄振興の中の大きな課題というのが1つ、産業振興というのがいまだ道半ばだと。その産業振興の足かせになっているのが実は物流コストだったり、あるいは交通コストだったり、そういうふうなものを受けてビジョン、それから総点検にもさまざまなことが書いてあるわけですけれども、具体的な施策というのは実はこれから展開していくことになります。
 今、議員が言われたように、補助金投入というのも一つのやり方としてはあるんだろうと思うんです。ただそれは永遠に続くかというふうな問題が一つあろうかと思います。既に県として行われているものが航援税の引き下げとか着陸料の引き下げ等による航空運賃の引き下げというふうなものは既に行われておりまして、今回このANAの国際貨物便についてもそれが適用されるというふうな動きになっております。そういう意味ではまず公租公課というふうなものの提言というのは、一つの方向かなと思っております。
 それからまた観光商工部でやっております港湾の関係で、新たな特区制度に向けた取り組み、そういうふうなものを模索をしていく必要があろうかと思います。今、全体的にこれは民間企業がやはり提供するサービス、それをどう落とし込むかというのはさまざまな研究が必要かというふうに思っております。非常に現状においてはJALの運営も厳しい中で、そういう民間企業の協力も得ながら航空運賃なり、あるいはまたその物流コストをどう低減をしていくのかこれから研究をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○上里 直司 続きまして、先ほど船舶法第3条の特区提案の政府回答についてお答えをいただきましたが、大臣特許によってこの規制の一部緩和を実現をするという方向性だとお答えをいただきましたが、この大臣特許によって実際に船舶事業者が何社参入するということになるんでしょうか。それの効果というのはどうなっているんでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) 企業誘致をこれを機会に大いに我々としては広げていきたいということですけれども、今のところ御相談しているのは1社相談しているところです。
 成果につきましては、今までの内航といいますかその一部が緩和されたことにより、例えば東京―沖縄間のコストがヒアリングでは5割ぐらい減になるというようなお話は伺っているところでございます。
○上里 直司 今、たった1社というお答えでしたけれども、この1社で十分なんでしょうか。満足しているんでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) 特許が認められたところであり、まだちょっと日にちが少ないところですけれども、1社についてもかなり大きな企業でございまして、その件は十分我々としては勢いがついていくものだというふうに認識しております。
○上里 直司 企業誘致の効果じゃなくて特許基準というのは、極めて限定的なものになっているはずです。それだと本当に特別自由貿易地域及び自由貿易地域の企業が恩恵にあずかるのかというところが課題なんだろうと。続いて私が質問したかったのは、やはりここは最初の原点にまた戻って引き続き政府と交渉すべきなんではないかと。その特区の提案も含めてこれではまだまだ足りないということの提案をし続けるべきだろうと考えているので、その辺についてのお考えを聞かせてください。
○観光商工部長(勝目和夫) 我々としてもその一部特許ということで承りましたけれども、当初の申請どおり特区申請、さらには物流の総合的なシステムですね。いろんな形で支援していけるような仕掛けを今後とも検討していきたいというふうに思っています。
○上里 直司 前議会でも知事に質問と提案をいたしましたけれども、どうもこのカボタージュ規制の一部緩和というのは、このカボタージュという言葉が与えるイメージというのは日本全体のカボタージュを変えるようなイメージがつく上に、そもそもその意味がよくわからないと。さらに知事がどのように取り組もうとしているのかというのは見えづらいと。ですから、沖縄物流特区及び沖縄物流コスト軽減特区などもっとわかりやすい事業またはその取り組みにして、県は今こういうことに取り組んでいるんだということのもう少し県民にわかりやすい名前で取り組むべきだろうというふうな指摘をいたしましたが、改めて提案しますけれども、知事いかがでしょうか。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後5時10分休憩
   午後5時11分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 議員がよく知っておられて御質問されているものと思いますが、確かにこのカボタージュ規制一つ前に進めるのに随分苦労して、今の新政権になってようやく穴があいたといいますか前へ進んだと。こういう中でちょっと慎重に進めなければいかんという環境もあります。ですが、基本的には自由貿易地域であるとか、沖縄の産業振興とか物流コストの大幅な低減とかそういうことをやっぱり目的にしていますから、当然これから可能な限り拡大していく方向で取り組んでいきますし、わかりやすい内容・名称で県民に知っていただく、力をかしていただくというのは必要だと考えております。
○上里 直司 それでは少し先を飛ばしまして、那覇港の管理運営についてお尋ねいたします。
 私は、これは続いて質問をする沖縄振興一括交付金の問題も絡みますけれども、実は常勤副管理者としての能力を有した人材が県内にはいないということで県外からお招きをして座ってもらったと。確かに、この意見も納得する部分もありますけれども、これから一括交付金であるとか物流の問題だとかそういう問題に県が取り組む、または沖縄県内で取り組むんだという覚悟や姿勢を見せないといけないときに、もうお願いをして連れてくるというそういう時代はそろそろ終えなければならないし、やはりそれを県内の人材を育成しながら座ってもらう、または担ってもらうという体制が必要だろうかと思っているんですね。その意味では、知事も那覇港管理組合の議会でもそのことを述べられましたが、改めて次、またはその次も含めて常勤副管理者及びその管理組合内の人員配置について、県内でできるだけ調達、または育成をするということをぜひ御検討していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後5時13分休憩
   午後5時14分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 議員が今おっしゃったような方向で、特に次の約4年後を目指してまず県内から副管理者たり得る人を選び、または4年しかありませんが養成してやっていけるようにしていきたいというふうに考えております。
○上里 直司 それでは続いて質問をいたしますが、この沖縄振興一括交付金、随分思い切った提案だなというふうに――私も提案をしましたけれども――よくそこまで覚悟をお決めになって提案されたなというふうに考えています。といいますのも、私が最初にその話をしたときに、直轄事業も含めてどうなんだという話をしたら、直轄事業までというのはどうなんだろうという知事からの御答弁があったわけなんですね。ただ、今回提案されたのは直轄事業も含めての一括交付金という形であります。となると、当然その直轄事業を担っている国の総合事務局及び総合事務局の出先機関の仕事というものが当然減ってくるんだろうなと。これは強いて一括交付金と国の出先機関のあり方というのは必ずしもリンクするものではありません。ただ、その流れからいくと県の国から寄せられる振興予算の部分は県が責任を持つと。または県がある程度予算の配分も含めてやっていくということになっていけば、私は総合事務局の役割というものはかなり縮小されたものになるだろうと思っているんです。
 そこで、知事に今すぐに総合事務局はもう要らないんじゃないですかということをお尋ねするつもりはありません。ただ、この国の出先機関の見直しというのは今どんどんどんどん進んでいます。中にいる方に聞いてみますと、県がどういう考え方を持っているのかというところから、その出先機関の見直しを進めるという話もされております。ここは内輪の話だと思いますので。という意味においてはこの出先機関、もちろんすべてなくして人だけ来て、それにかかわる予算またはその権限というものがどうなるのかということを全く無視して進めるということはこれは乱暴な話ですので、人の予算または権限の移譲、そういうものがある程度環境を整えられるというような見解を皆さんぜひ検討していただいて、このことを検討するという国から照会を受けたとか、国から打診を受けたときに答えられる準備をぜひつくっていただきたいということをお願いしたいんですけれども、県知事どうでしょうか。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後5時17分休憩
   午後5時17分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 確かにお国の組織について県が実は直接あれやこれや言うというのはなかなか難しい面もありますし、ちょっと表現はあれですが、現実に人が働いていますから国家公務員として。いろいろ経過的な措置とかいろんな配慮が十分なされることを前提に、確かにもう40年たちますと時代が大分たってきて、それぞれの出先機関の使命――いろいろよくやってくれたんですが――とか役割がおおよそ終わりに近づきつつあるのも結構あると思います。ですから、そういう意味では今の政権に期待している地域主権であるとか一括交付金とか、そういう意味で沖縄県が一皮も二皮も脱皮して、自立度を強烈に高めていく時代に差しかかりつつあるなという気もします。ただ、これは無論広い範囲に関係しますので、県議会の議員のいろんな御指導等御意見もいただきながら進めるべきことだと思いますが、ただそういう時期に来つつあるという感じは強く持っております。
○上里 直司 もちろん他の行政機関ですから、なかなかそれについて県知事が明快に答えるというのは難しい話だとは思っているんですけれども、いずれにいたしましても恐らくその機関を整理縮小、または廃止をということになれば当然知事のお考えをお聞きになると思うんですね、政府は。ですから、それは全くないという話じゃなくてかなり実現というか、かなりそういう方向にいくだろうということでありますので、ぜひそのことは念頭に入れていていただきたいと思っております。
 それでは図書館について再質問させていただきます。
 比嘉教育委員長にお話を聞いたのは、企業経営の中で随分私は情報というものに触れていらっしゃる方だと評価をしてお聞きをいたしました。
 なぜこの図書館というものが幅広く根づかないんだろうというふうに今私自身も思っているんですけれども、1つは情報という考え方、個々の図書館というものが情報を整理する機関なんだということをとらえれば、ただ本を貸し借りする場所ではなくて情報を入手し整理をして、本当に必要な情報を手に入れる場所なんだというふうにとらえるべきなんだろうと思っているんですね。
 そこでお伺いいたしますけれども、企業にとっての情報入手のあり方、そのためにどれだけお金を使うのか、どれだけ苦労するのか、そのことについてお聞かせいただけますか。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後5時20分休憩
   午後5時21分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 教育委員会委員長。
○教育委員会委員長(比嘉梨香) 上里議員おっしゃいますように、企業にとっても情報の入手というのは大変重要なことでありますし、その方法はインターネットの時代になってもなかなか難しいものがあると思います。それは1つには、やはりインターネットは最新の情報はすぐ手に入りますけれども、例えば過去にさかのぼっていったものの情報がとりにくかったりとか、あるいは表面的なことではなくて報告的なものであったり、技術的なものであったりというものの内容を入手しようとしますと、これはやはりお金がかかるものでございます。ですから、そのデータベースにアクセスし、それからそれを入手するということは確かにビジネスの世界においては大変ではございます。よろしいでしょうか。
○上里 直司 企業社会が情報を入手するときはこれだけお金がかかる。しかし市民がその情報を入手しようとすればそれは企業と同じようにかけられないわけなんですよ。だから図書館があって、情報を提供する。そういう施設が市民社会にとって必要な施設なんですね。それは教育施設においても例えば学校の図書館においても同じようなことなんです。だから学校図書館の司書というものは重要なんです。そういう意味で企業経営も経験されている比嘉委員長のような方がもう少し情報入手、または市民社会における生涯学習における情報入手のあり方についてもっともっと発言をしていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
○新垣 清涼 こんにちは。
 社大・結の会、新垣清涼、一般質問を行います。
 あと少しですので、おつき合いよろしくお願いします。
 まず最初に、知事の政治姿勢についてお伺いします。
 鳩山前総理は、普天間基地の移設は国外、「最低でも県外」と県民に約束をしながら、アメリカの圧力と官僚たちの反撃に負け辺野古への移設に戻ってしまいました。なぜ国外・県外移設がだめで、だれとどのような交渉をしたのかなど、県民に対し説明もないまま無責任にも総理大臣をやめてしまいました。総理大臣をやめればその責任が問われないのでしょうか。許されないことです。「最低でも県外」と言ったのだから、最後まで問題解決に取り組むべきであり、そうでなければ移設先を決め切れないから総理をやめますと言ってやめるべきだったんだと思います。今回の場合、総理をやめるだけではなく衆議院議員もやめるべきだと私は思います。その責任はやめたからといって決して消えるわけではありません。
 元名護市長の比嘉市長もそうでした。名護市民や県民の願いを裏切る名護市への移設受け入れを表明し市長をやめました。市民に対する裏切り行為をしたのです。このようなやり方を私たちは決して許すことなく、いつまでも忘れないし、また消えることもないでしょう。
 そこで伺います。
 鳩山前政権は、普天間基地の移設は「最低でも県外」の公約が守れず、県民の期待を裏切る県内移設に戻りました。知事の見解を伺います。
 菅新総理は、鳩山前政権が決めたことを踏襲するのだから、自分には責任がないかのごとく県民への基地負担を押しつけ続けようとしています。御自身が副総理を務めていたときに内閣の一員として署名もしたはずです。同罪だと思います。
 そこで伺います。
 菅政権は、県民の願いを裏切った鳩山前政権の施策を踏襲するとのことです。知事は、菅総理と2度お会いになっていると思いますが、会見で何を求められ、そしてどのような約束が交わされたのか伺います。
 9万人余の県民が集まり、大会が終わってもなお会場に向かう車で58号は渋滞をしていた県民大会。大会に参加できない人は黄色のカラーでその意思を示す、そんな取り組みがありました。
 4・25県民大会の県民の願いを実現するために、知事として今後どのような取り組みをなさるのか伺います。
 次に、基地問題についてです。
 米軍基地普天間飛行場について。
 知事は、3年をめどに普天間基地の危険性除去に取り組むと約束されました。普天間基地の危険性は取り除かれることなくさらに高まるばかりです。一体いつになったら私たち宜野湾市民は静かな日々、安全で安心した生活ができるのでしょうか。昨夜も10時20分ごろヘリが飛び、そして11時近くまでそのヘリの音が鳴り響いておりました。
 そこで伺います。
 知事公約である3年めどの危険性の除去について、具体的にどのような取り組みをされたか伺います。
 イ、普天間基地の現状について知事の認識を伺います。
 ウ、自公政権から民主党連立政権にかわった今日までの政府方針について、知事の御見解を伺います。
 去る4月7日に米軍基地関係特別委員会で、「米軍車両によるひき逃げ事件に関する意見書」及び「抗議決議」の要請行動の日でありますが、在日米軍沖縄調整事務所長のケビン・R・ビショップ大佐は、県民人口に対する軍人・軍属の割合から事件・事故の割合などを示し、大したことではないと言っているのではないと断りながら、ゼロにすることは難しいとか、抗議決議に書いてある要請事項は既に行われているものであると発言して、皆さんがやっているのは無駄なことではないかというような態度に私は受け取りました。
 そこで伺います。
 軍人・軍属の事件・事故の発生状況について、この状況についてはビショップ大佐も、最近ふえているという発言をされておりましたので、また資料もいただきましたからよろしいんですが、その在日米軍沖縄調整事務所長ケビン・R・ビショップ大佐の発言について伺います。どういうふうにお感じになっているのか。
 次に、平成21年10月に沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会から、「基地から派生する諸問題の解決促進に関する要請」がなされ、政府から回答が来ていると思います。そのことについて知事の御見解と今後の取り組みを伺います。
 3番目に、観光行政についてであります。
 今年度の観光入域客数の目標は何人でしょうか。その経済効果の予測はどうなっていますか。目標達成のためにどのような取り組みがなされていますか。国内向けあるいは外国向けの取り組みがありましたら示してください。
 次に、沖縄観光の魅力を高める取り組みについて伺います。
 県が取り組んでいらっしゃること、そしてまた県民が努力をすることなど、そういう分けての項目がありましたらお示しいただきたいと思います。
 次に、国際線ターミナル施設及び観光案内などの施設の充実整備について伺います。
 観光案内や宿泊施設、飲食店における多国言語による食文化の紹介などソフト面の充実が求められていると思いますが、そういった取り組みはどうなっていますか。
 亜熱帯地域の沖縄はよく草木が伸びます。観光立県として道路沿いの雑草はとても気になります。去る20日の日曜日には、私たち地域で草刈り作業をしたのですが、両側のバス停を中心として前後100メートルぐらいしかできませんでした。
 そこで、県として、道路沿いの清掃(雑草の処理)についてどのような方針で取り組まれているのか、お示しいただきたいと思います。
 次に、4番目に、環境行政について伺います。
 生物多様性条約締約国会議について伺います。
 本年10月、名古屋市で同条約第10回締約国会議が開催されるようですが、どのような会議なのでしょうか。
 そして、その会議の趣旨に沿った県の取り組みについて伺います。
 次に、泡瀬沖合埋立事業を現行計画で実施した場合、県内の貴重度別による何種類の生物に影響が出てくるのかお示しいただきたいと思います。
 (3)番目、東村の「ノグチゲラ保護条例」についてでありますが、村は条例制定をされたようです。県はどのようなかかわりをされたのか。これからまたどういう支援をされるのかお伺いします。
 (4)番目に、サンゴの保護育成についてでありますが、「海―その望ましい未来」は沖縄海洋博のテーマでした。国内では沖縄県周辺海域がサンゴ礁の宝庫だと思います。近年、異常気象などの影響でサンゴの白化現象が起こり、それについても研究がなされているようですが、サンゴ礁を守り育てるために国あるいは県はどのような取り組みをしていますか。
 イ、宜野湾市の西海岸地区にサンゴ礁園の研究計画(案)が民間団体から何度か出されていると思いますが、その概要と県の対応を伺います。
 ウ、サンゴ礁を守るための今後の課題と取り組みを伺います。
 次に、労働行政についてでありますが、知事公約である失業率の改善が目標になかなか達しておりません。原因は何でしょうか。「みんなでグッジョブ運動」という取り組みをされているようですが、そのイベントだけで終わってしまっているのではないか気になっております。
 次に、県と沖縄県信用保証協会との関係についてでありますが、今回、副知事をおやめになった方が理事長になられるとのことです。人事権は県にあるんでしょうか、お尋ねをいたします。
 あとの項目については取り下げます。
 答弁によってまた再質問をさせていただきます。
○知事(仲井眞弘多) 新垣清涼議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、鳩山政権が公約を守らなかったこと及び今後の取り組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。これは1の(1)と(3)が極めて関連いたしておりますので一括して答弁させていただきます。
 今回の日米共同発表は、県外移設の実現に期待する県民の声がますます高まっている中で唐突に行われたものであり、県民の間に大きな失望を招いております。県といたしましても、地元の了解を経ずにこのような移設案が決定されたことはまことに遺憾であり、受け入れることは極めて厳しいと言わざるを得ません。
 県といたしましては、政府が県外移設をどこまで真剣に検討したのか、そして、どのような経緯で移設先を辺野古とする日米合意に至ったのか、合理的な説明を行うべきであると考えております。
 同じく政治姿勢の中で、菅総理との面談に関する御質問にお答えいたします。
 去る6月15日及び23日の菅総理との面談におきましては、菅総理から、日米共同発表を踏まえつつ、沖縄の基地負担の軽減に取り組みたいとの趣旨の発言がございました。私からは、今回の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設は極めて厳しい旨申し上げたところでございます。あわせて、事件・事故の発生状況など基地負担の現状を御説明し、大幅な軽減が必要であることを申し上げたところであります。このような県の考えは総理に十分に伝わったものと考えております。
 次に、基地問題に係る御質問の中で、自公政権から民主党連立政権までの政府方針についてという御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場移設問題につきまして、政府は、地元名護市や宜野座村との基本合意を経て、平成18年5月の米軍再編最終報告に基づき環境影響評価手続を進めてきたことから、県といたしましては、県内移設もやむを得ないものと考え、これまで対応してきたところでございます。
 こうした中、昨年9月の政権交代を機に、県内では県外移設の実現を期待する県民の声が非常に高まりました。加えて、名護市長選挙の結果、県議会の意見書の議決、そして県民大会の開催などの諸状況を踏まえますと、現時点においては名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいというのが私の考えでございます。
 次に、観光行政についての御質問で、沖縄観光の魅力を高める取り組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄の美しいサンゴ礁の海や貴重な動植物、そして琉球舞踊などの伝統芸能や食文化、首里城を初めとする世界遺産などは世界的にも高く評価されております。ホスピタリティーあふれる県民性とあわせて沖縄観光の大きな魅力となっております。
 沖縄県では、こうした沖縄の魅力をさらに高めるため、ことし新たに「全国エイサー大会」を開催するほか、新たなスポーツイベントの発掘や世界遺産を生かした文化イベントなどの創出に取り組んでまいりたいと考えております。また、観光情報サイト「おきなわ物語」を活用した多言語による情報発信や、国内外のマスメディアを活用し沖縄の魅力発信に努めてまいります。さらに、空港、港湾、道路などの観光基盤インフラの整備や多言語案内標識の整備に取り組みますとともに、多様なニーズに対応する観光人材の育成など、受け入れ体制の強化を図っているところでございます。
 次に、環境行政に係る御質問で、生物多様性条約締約国会議及び県の取り組みについてという御質問にお答えいたしますが、4の(1)のアと4の(1)のイは関連いたしておりますので一括して答弁させていただきます。
 今回の生物多様性条約締約国会議は、2002年のCOP6で採択された、締約国は現在の生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させるという「2010年目標」の達成状況の検証や、新たな目標設定に関する会合が予定されております。
 沖縄県におきましては、こうした生物多様性に関する内外の動向を踏まえ、今年度より沖縄県の生物多様性を保全し利活用を図るための行動計画等を定める「生物多様性地域戦略」の策定に取り組みを開始したところでございます。地域戦略の策定に当たりましては、多様な主体の参画や連携を通して生物多様性の恵みを持続的に享受できる自然と共生する社会の実現を目指していきたいと考えているところでございます。
 次に、労働行政に係る御質問の中で、完全失業率の改善が目標に達していない原因いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県の雇用の課題は、雇用の場の不足、そして求人と求職のミスマッチ、若年者の就業意識の低さなどが挙げられております。これまでその解決に向け企業誘致や産業振興による雇用の場の創出などさまざまな雇用対策に取り組んでまいりました。その結果、就業者はここ3年で2万人増加し、相当の効果は出ていると思いますが、世界的不況の影響を受け、企業の求人意欲の回復がおくれていることもありまして、完全失業率の大幅な改善に至ってはおりません。また、これまで家事に従事していた非労働力人口の人たちが職を求めたことから、労働力人口が大幅に増加したことなど、これらも要因となっております。
 完全失業率の全国並みの達成は無論簡単ではありませんが、今後とも雇用再生特別基金を活用するなど全県的に雇用の場の創出を図り、雇用情勢の改善及び公約の実現に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 基地問題につきまして、危険性除去の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去につきましては、あらゆる方策を検討し具体的な方法を示すよう政府に求めてまいりました。このような県の主張に対し政府は、平成19年8月に「普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策についての検討に関する報告書」を発表し、昨年5月21日までに報告書に記載された諸施策をすべて実施したとのことであります。また、平成20年7月末には、さらなる危険性除去策を検討する実務者レベルのワーキングチームが設置され、政府と率直な意見交換を重ねてまいりました。さらに、今年度は普天間飛行場の場周経路等の客観的データを把握・評価するため、普天間飛行場の継続的な飛行航跡調査が開始されております。
 また、県は、総理を初め各大臣との面談など機会あるごとに普天間飛行場の一日も早い危険性の除去を求めており、去る5月23日の鳩山前総理との面談においては、前総理から「普天間飛行場の危険性の除去については、返還までの間、できる限りの措置を講じていきたいと思っており、今後ともしっかり取り組んで参りたい」との発言がありました。
 県としましては、新内閣におきましても引き続き積極的にこの問題の解決に取り組んでいただけるものと考えております。
 次に、普天間基地の現状認識についてとの御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場では、ヘリコプターによる住宅地上空における低空飛行や固定翼機の飛行訓練などにより周辺地域に騒音が激しい状況が続いております。県が行っております航空機騒音測定結果によりますと、平成20年度におきまして9測定局中3局で環境基準値を超える騒音が発生しております。
 また、普天間飛行場の騒音につきましては、周辺住民から提訴された一審判決におきまして騒音被害を認定する司法の判断が示されるなど、周辺住民に深刻な影響を与えております。さらに、平成16年の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故は、県民に大きな不安を与えたものであります。
 県としましては、普天間飛行場につきましては依然として危険な状況が続いているものと認識しております。
 次に、事件・事故発生状況と在日米軍沖縄調整事務所長の発言につきましてお答えをいたします。
 平成22年1月から5月末までの米軍構成員等による犯罪検挙状況は、沖縄県警察本部の資料によりますと27件、31人となっており、昨年の同時期と比較しますと件数で10件、人数で16人増加しております。
 在日米軍沖縄調整事務所長の事件・事故をゼロにすることは難しいとの趣旨の発言につきましては、報道等で承知しておりますが、もしそのような趣旨であれば、沖縄の基地問題の現状や県民感情に対する配慮を欠くものと考えております。
 次に、軍転協要請に対する政府の回答につきましてお答えいたします。
 県は、これまで軍転協とともに米軍基地等に起因する諸問題を解決するため、日米両政府及び米軍等に対し累次にわたる要請を行ってまいりました。これに対し政府から、去る5月31日付文書で、平成21年10月に軍転協として要請した事項に対する回答が示されたところであります。現在、軍転協会員市町村と連携し、回答内容等について精査をしているところであり、県としましては、その結果を踏まえ適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 観光行政についての中で、今年度の観光入域客の目標と取り組みについての御質問にお答えします。
 沖縄県では、本年度の「ビジットおきなわ計画」において、入域観光客数の目標値を600万人、そのうち外国人観光客数を30万人、観光客1人当たりの県内消費額を7万3000円、観光収入を4380億円と設定しました。目標達成に向けては、外国人観光客の誘致、付加価値の高い旅行の促進、新規市場の開拓、受け入れ体制強化による満足度の向上を誘客戦略として位置づけています。
 具体的には、中国を初めとするアジア各国や欧米・ロシアなど新規市場の開拓を強化し、外国人観光客の大幅な増加を図っていきたいと考えております。また、国内においては、修学旅行やリゾートウエディング、MICEなどの付加価値の高い旅行の促進に加え、「全国エイサー大会」など魅力ある新規イベントの開催などを通じてプロモーション活動を積極的に展開し、目標の実現を図ってまいりたいと考えております。
 同じく観光行政について、観光施設等におけるソフト面の充実についての御質問にお答えします。
 沖縄県では、外国人観光客の受け入れ体制の整備のため、那覇空港観光案内所での外国語対応や観光施設の従業員等を対象としたセミナーの開催、各観光関連施設への外客受け入れアドバイザーの派遣などを行っております。また、市街地などにおける多言語の観光案内板の設置や観光案内パンフレットの作成などを行っております。さらに、今年度はITを活用した外国人観光客への情報提供やコールセンターによるサポート等を行うモデル事業などを実施するなど、外国人観光客の利便性向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、県と沖縄県信用保証協会との関係についての御質問にお答えしたいと思います。
 沖縄県信用保証協会は、信用力の低い中小企業者に対し適切な信用を与えることによって金融機関からの資金調達の円滑化を図ることを目的として、信用保証協会法に基づき設立された特殊法人であり、中小企業が金融機関から融資を受ける際の債務保証を主たる業務としております。
 沖縄県は、この目的に沿い、中小企業者への信用の付与が積極的に推進されるよう、信用保証協会の財政基盤強化のため出捐を行うとともに、運営面での指導等を行っております。
 沖縄県信用保証協会の役員については、協会の経営基盤が県に大きく依存しており、また、協会の業務が県の中小企業施策に密接な関係があることから、知事が信用保証協会の定款に基づき任命することとなっております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 観光行政についての御質問の中で、国際線ターミナル施設の充実整備についてお答えいたします。
 現状の国際線旅客ターミナルビルは、施設が狭隘で老朽化が進み、またボーディングブリッジが設置されていないなど、利便性の低さが指摘されております。このため、現在、那覇空港ビルディング株式会社において、国の「那覇空港ターミナル地域整備基本計画」に基づき、新施設の整備に向けた作業が進められております。
 同社の計画によりますと、今年度中に基本設計を実施し、次年度以降の3年間で実施設計及び建設工事を行った後に供用を開始する予定となっております。
 県としましては、同社及び国等の関係機関と緊密に連携して、施設整備の早期化を図るとともに、国際線ターミナルビルの利便性及び国際交流拠点としての機能の向上、アジアゲートウエイとしてふさわしい国際競争力のある施設の整備に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 観光行政についての御質問で、道路沿いの雑草の処理についてお答えいたします。
 道路管理の目的は、道路を常に良好な状態に維持することにより、安全、円滑で快適な交通を確保することであります。しかしながら、現状は厳しい財政事情のため維持管理に要する予算が少なく、十分な管理が行き届かない状況にあります。
 今後は、維持管理負担の少ない道路構造の工夫、道路利用状況に応じた効果的な管理、さらに道路ボランティア団体の協力も得ながら適正な道路管理に努めていきたいと考えております。
 次に、環境行政についての御質問で、泡瀬地区埋立事業を現行計画で実施した場合の生物への影響についてお答えいたします。
 平成11年度から平成17年度までの泡瀬地区埋立事業実施区域における調査において、「レッドデータおきなわ」のカテゴリー区分による絶滅危惧Ⅰ類が2種、絶滅危惧ⅠB類が8種、絶滅危惧Ⅱ類が15種、準絶滅危惧が32種などが確認されております。これらの種は埋立予定地外においても確認され、その生育・生息環境が広く分布しており、また、必要に応じて適切な保全措置を講じることから、これらの種への影響は少ないものと考えられます。
 なお、本事業の実施に当たっては、環境監視委員会及び環境保全・創造検討委員会の指導助言を受けながら、植物・動物等の環境監視調査を実施し、必要な保全措置を講じております。
 環境行政についての御質問で、宜野湾市西海岸地区のサンゴ礁園計画についてお答えいたします。
 平成20年4月に民間団体から、海洋生物の飼育実証実験のためサンゴ礁を掘削した人工池とそれを囲むさくの設置のための水域専用許可申請書が提出されました。当該水域は宜野湾トロピカルビーチに隣接しており、水上バイク等がさくに衝突する危険性があること、また、設置する人工池掘削のために使用する重機で踏みつぶされるサンゴ礁の原状回復は困難と考えられることから、平成20年5月に当該申請を不許可としたものであります。同年5月、当該不許可処分についての苦情申立書が行政オンブズマンに提出されましたが、調査の結果、「当該申請が不許可となったことはやむを得ないものと判断する」旨の意見が、同年8月に当該民間団体あてに通知されております。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 環境行政についての御質問で、東村のノグチゲラ保護条例制定と県の支援についてお答えいたします。
 東村においては、ノグチゲラの保護地区を指定し立ち入りを禁止するなどの条文を盛り込んだ「東村ノグチゲラ保護条例」を去る6月18日から施行しております。ノグチゲラは沖縄島北部の固有種であり、個体数が少ないことから、国においては「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づき、国内希少野生動植物種に指定し、保護増殖事業を進めております。
 県としては、東村の取り組みに対し、ノグチゲラの生息状況に関する情報の提供及び沖縄県鳥獣保護員による現場での監視パトロールや指導助言など、技術的な支援を行っていきたいと考えております。
 同じく環境行政に関連して、サンゴの保護育成に対する国・県の取り組みについてお答えいたします。
 沖縄県の豊かな自然環境の基盤となるサンゴ礁は、近年、高水温による白化現象、オニヒトデによるサンゴの食害、赤土など陸域からの環境負荷によりサンゴの被度が減少している状況にあります。
 このようなことから、国においては、西表石垣国立公園内の石西礁湖を対象に、自然再生推進法に基づき「自然再生マスタープラン」を策定し、サンゴ礁の修復事業などを実施しております。
 沖縄県におきましては、平成21年度から平成23年度にかけて離島を含めたサンゴ礁の全県調査を実施しており、その中でオニヒトデ駆除事業やサンゴ礁の保全・再生等の方策を検討しているところであります。
 次に、サンゴ礁を守るための今後の課題と取り組みについてお答えいたします。
 サンゴ礁の保全と持続的な利活用を図るためには、地域の多様な主体の参加・連携のもとで一体的な取り組みを行っていくことが課題となっております。そのため、官民協働の「沖縄県サンゴ礁保全推進協議会」を中心とする取り組み体制の強化を図るとともに、NPOや地域団体によるサンゴ礁保全活動への支援策の充実強化に努めることとしております。また、陸域を含めた沿岸域の総合的な管理の観点から、「沖縄県サンゴ礁保全・再生・活用計画(仮称)」を策定し、効果的なサンゴ礁の保全・再生に取り組んでいく考えであります。
 以上であります。
○新垣 清涼 公室長、普天間の危険性の除去のためにいろいろ政府は取り組みをしているということでありますけれども、一向によくなってないわけですよね。そういう意味で、返還されるまで、あるいは閉鎖――私たちは即時の閉鎖・返還を求めているわけですけれども――されるまでにこの危険性の除去というのを、政府は本当に何をすれば危険性が取り除かれるというふうに考えていらっしゃるのか。そういう答弁はあったのかどうか、お伺いします。
○知事公室長(又吉 進) 休憩してください。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後6時5分休憩
   午後6時6分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) お答えいたします。
 先ほど答弁申し上げましたけれども、政府は平成19年8月に「普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策についての検討に関する報告書」というのを出しておりまして、場周経路の見直しでありますとか、あるいは航空保安灯の設置でありますとか、幾つかの対策をそこで示しまして、昨年5月21日までに報告書に記載された施策につきましては、既に実施したというふうに言っておるわけでございます。
○新垣 清涼 御承知だと思うんですが、現場は宜野湾市のど真ん中にあって、場周経路をどんなに変えても危険性は変わらないんですよ。だから、先ほどの軍転協ですか、回答に対して宜野湾市からさらに追加で政府に回答を求めるということで届いていると思うんですが、3ページの1の(2)の1に、同飛行場の返還までの間においても早急に同飛行場の危険性除去を進めていかなければならないと認識していますという回答があるわけですが、本当に現場は、周りはみんな住宅地なものですから、どこから飛んでいっても、本当にそこに網をかけない限り危険性は取り除くことができないんですよ。そういう意味で、この基地はやはり閉鎖を早目にすることが求められていると思うんですが、知事、御見解をお願いします。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後6時8分休憩
   午後6時9分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) まさにおっしゃるように、いろんな手段を講じたとしても、周辺がみんな民家であったり、学校もたくさんありますし、ですから早期の一日も早い危険性の除去、そして早期返還というのに尽きると思います。
○新垣 清涼 それで知事、先ほど県民は政府のこの方針転換といいますか、そのことについて失望しているという知事からの答弁がありました。この失望をやはりまた希望に変えていくために、知事は先頭に立って何らかの行動を起こさないといけないと思うんですが、何を次になさるんでしょうか。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後6時10分休憩
   午後6時11分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 上原副知事。
○副知事(上原良幸) 普天間飛行場につきましては、危険性の除去というのが最も重要な課題、喫緊の課題ということで、先ほど申し上げましたように、実は私もそのワーキンググループのメンバーでやってきました。おっしゃるようななかなか効果は出なかったということもあったかもしれませんけれども、最終的には訓練の移転をどうするかというところまで実は議論は及ぼうとしていたんですけれども、政権がかわりまして、その後、開かれなくなったということもあります。
 ただ、これから菅政権のもとで、先ほど知事から話がありましたけれども、とにかく危険性除去に向けてあらゆる取り組みをやるということを言われていますし、これから官邸へのそういう普天間の危険性除去のための検討チームもつくりまして、これから各関係省庁入ったいろんな検討が始まってくるのではないかというふうに思っております。
○新垣 清涼 普天間の海兵隊は年間のうち大体半年ぐらいは外国で訓練をしていますよね。ですから、その訓練でずっと外国に行っておけばいいんですよ。そういうことをぜひ求めてください。そうすれば普天間の基地は音もなく、ある意味で機能停止といいますか、閉鎖状態が続くだろうと予想されます。ぜひそういった取り組みをしていただきたいなと思います。どうでしょう。
○副知事(上原良幸) 普天間のオペレーションというのが、当然いろんな情勢、国際情勢によっても変わってきますけれども、これからどういう形で日米の同盟のあり方を含めて大きなそういう枠組みの中で当然、沖縄の普天間を含めた基地負担の軽減に向けた具体的プロセスを始動させるよう、我々は国に働きかけていきたいというふうに考えております。
○新垣 清涼 米軍のそういう戦略だとか、日本政府との関係だとか、それは向こう側の話であって、私たちは毎日この飛行場からの爆音に悩まされながら宜野湾市民は生活しているわけです。恐怖におびえながら生活しているわけです。そういう意味では毎日毎日私たちはそれを訴え続けなければならないんです。
 今、先ほども司法の、周辺住民が裁判を起こして、差しとめはできなかったけれども違法状態であるということは示しているわけですよ。そして、現在でも私たちは爆音訴訟団を中心に、火曜日と水曜日の朝、米軍に対して抗議を英文字を書きながら、そういった行動をとっているわけです。ですから、県もやはり知事、この間からずっと政府の説明をしかと聞かなければ次の行動がとれないようなことをおっしゃっていますけれども、そうじゃなくて、普天間はずっと危険な状態が毎日毎日続いているわけです。そういう意味ではやはりその危険性を取り除くための訴えを、もう移すとか移さないとかそれはアメリカと日本の政府の問題ですから、私たち県民の代表として知事は、市民を守るために、県民を守るために、この危険性を取り除くために何とかしてくれよということをやはり最大限、声を出していただきたいと思うんです。よろしくお願いします。どうでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと休憩してください。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後6時16分休憩
   午後6時16分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 議員からの御下命もありますけれども、日々の危険性の除去に早急に政府もいろんな知恵を出し、そして我々もいろんな要求をして危険性の除去に努めてまいりたいと考えております。
○新垣 清涼 ぜひ日々そういう取り組みをしていただくように要望いたします。
 次に、COP10の会議についてですけれども、先ほど地域戦略を策定されるということですけれども、これについて、やはり地域戦略というのは地元の野生動植物の保全や外来種対策、そういった中長期的な計画が必要だと言われています。私は、沖縄観光の魅力づくりは、やはり私たちそこに住んでいる人、あるいは動植物を初め自然を大事にすることだと思っているんです。そういう意味ではやはりこの沖縄周辺にしかないサンゴ礁も大事にしていかなければならないだろうと。そういう取り組みをぜひしていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
○文化環境部長(下地 寛) お答えします。
 提案のとおり、まさに生物多様性年でありますことし、そういったこともありまして、先ほども少し触れましたけれども、特にサンゴ礁については平成21年から3年間かけて、まさに全県調査をしております。そういったものも踏まえまして、今後どのような形でこれを再生・保全していくかというのを今後、計画の中でしっかり位置づけていきたいと考えております。
○新垣 清涼 前々回でしたか、ダイビング大会も、ダイビングに向けても沖縄の海がこれだけすばらしいというアピールをしているわけですから、ですからそういった意味でもしっかりと取り組みをしていただきたいと思います。
 それから雑草の処理の件なんですが、県はいろいろ地域ボランティアに対する補助金を出されたりされていますね。その要件が地域にとっては非常に窮屈な要件になっていはしないかなと。もっと本当に少人数の人たちでも、あるいは距離が短くても取り組めるように、少しやわらかくしていただいて、そして多くの県民がそういったものに取り組めるようにしたらどうかなと思うんですが、どうでしょうか。
○土木建築部長(仲田文昭) 道路関係のボランティア団体につきましては、おかげさまで県内で225団体が参加しておりまして、そして人数にしますと約5000名が参加しております。これの団体になる要件につきましては、特段明記はされておりませんので、ぜひ近くの土木事務所なりに相談をしていただければ、参加していただく方については大歓迎でございますので、その方向でまた皆さんの御協力をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○新垣 清涼 ちょっと休憩してください。
○副議長(玉城義和) 休憩いたします。
   午後6時20分休憩
   午後6時20分再開
○副議長(玉城義和) 再開いたします。
 新垣清涼君。
○新垣 清涼 それでは、今、清掃すると、要するに不要木だとか草をいろいろ加工というのか、処理するために肥料に変えたり、そういった取り組みをしている会社もありますよね。そういったものともいろいろ組み合わせるとか、あるいは年にこの道路は2回だとか、皆さん業者に委託してされていると思うんですが、そこを年2回の予算でもう年間契約して委託してしまうと。そうすると草は1メートルも伸びてからだと非常に刈りにくいんです、機械を使っても。ところが、30センチぐらいだとやりやすいんですよ。そうすると、この会社に1年間の契約をしてしまえば、会社は伸びないうちにさっささっさと刈って仕事もしやすいし片づけもしやすいので、そういう取り組みができると思うんです。今、1メートルぐらい伸びてからやると、非常に手間暇かかるものだから、ある意味で高額になっているんじゃないかなと思うんですね。その辺の取り組みをぜひ考えて、いろいろ相談をして、観光立県としていつもきれいな道路の状態が保てるように取り組んでいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○副議長(玉城義和) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明30日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後6時22分散会

 
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