○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
昨日、當間盛夫君外13人から、議員提出議案第1号「尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関する抗議決議」及び議員提出議案第2号「尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関する抗議決議」の提出がありました。
次に、説明員として出席を求めた人事委員会委員長仲吉朝信君は、所用のため本日から10月1日まで、10月4日及び5日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長岩井健一君の出席を求めました。
また、労働委員会会長比嘉正行君は、所用のため本日から10月1日まで、10月4日及び5日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として労働委員会事務局長平良宗秀君の出席を求めました。
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○議長(髙嶺善伸) 日程第1 乙第9号議案を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
総務企画委員長當間盛夫君。
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〔委員会審査報告書(議決事件) 巻末に掲載〕
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〔総務企画委員長 當間盛夫君登壇〕
○総務企画委員長(當間盛夫) おはようございます。
ただいま議題となりました乙第9号議案の同意議案1件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、総務部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
乙第9号議案「沖縄県人事委員会委員の選任について」は、人事委員会委員3人のうち1人が平成22年7月で任期満了したことに伴い、その後任を選任するため、地方公務員法第9条の2第2項の規定により議会の同意を求めるものであるとの説明がありました。
本案に関し、人事委員会委員3人の選任に当たり、それぞれ専門分野別に人選するという基準があるのかとの質疑がありました。
これに対し、人事委員会委員の選任に当たり、特に分野別に選任するという基準はないが、職員の措置要求に対する審査や不利益処分に係る不服申し立ての審理等を行うため、3人のうち1人は法律の専門家である弁護士から選任するという基本的な考え方は持っているとの答弁がありました。
次に、今回、税理士から選任する理由は何かとの質疑がありました。
これに対し、今回税理士から選任する理由は、人事委員会の重要な役割の中に職員の給与に関する勧告があり、給与勧告は民間企業の給与の実態等と比較しながら行われることから、民間の経営及び給与に明るい者という視点から選任したためであるとの答弁がありました。
そのほか、今回と前定例会とで提案する専門分野が異なった理由、人事委員の不在による影響、今回提案した者の税理士開業状況などについて質疑がありました。
なお、執行部から行われた今回の議案の重要性及び先議案件としての緊急性に関する説明に対し、委員から、臨時議会での対応や先議案件としての適否に関する問題提起がありました。
以上が委員会における説明及び質疑の概要でありますが、採決の結果、乙第9号議案は、全会一致をもってこれに同意すべきものと決定いたしました。
以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
これより乙第9号議案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、これに同意することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
よって、乙第9号議案は、これに同意することに決定いたしました。
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○議長(髙嶺善伸) 日程第2 特別委員会の付議事件の変更の件を議題といたします。
本件につきましては、米軍基地関係特別委員長から、付議事件の変更の申し出を受け、9月24日の議会運営委員会において同特別委員会の審査範囲中、「駐留軍用地跡地利用計画等にかかわる諸問題に関すること」については、沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員会において審査するため、米軍基地関係特別委員会の付議事件を「軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立」に変更することに意見の一致を見ております。
よって、お諮りいたします。
米軍基地関係特別委員会の付議事件を「軍使用土地、基地公害、演習等米軍基地関係諸問題の調査及び対策の樹立」に変更することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) この際、申し上げます。
ただいま米軍基地関係特別委員会の付議事件変更が決定されたことに伴い、現在、米軍基地関係特別委員会に付託されている陳情平成20年第167号については、沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員会に付託がえする必要があります。
よって、お諮りいたします。
陳情平成20年第167号の付託の件を日程に追加し議題といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
よって、この際、陳情平成20年第167号の付託の件を日程に追加し議題とすることに決定いたしました。
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○議長(髙嶺善伸) 陳情平成20年第167号の付託の件を議題といたします。
お諮りいたします。
ただいまの陳情1件につきましては、沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
よって、ただいまの陳情1件につきましては、沖縄振興・那覇空港整備促進特別委員会に付託の上、審査することに決定いたしました。
―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) 日程第3 議員派遣の件を議題といたします。
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〔議員派遣の件 巻末に掲載〕
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○議長(髙嶺善伸) お諮りいたします。
本件は、お手元に配付の「議員派遣の件」のとおり議員を第10回都道府県議会議員研究交流大会へ派遣することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 次に、お諮りいたします。
ただいま可決されました議員派遣の内容に今後変更を要するときは、その取り扱いを議長に一任することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) この際、お諮りいたします。
昨日、當間盛夫君外13人から提出されました議員提出議案第1号「尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関する抗議決議」及び議員提出議案第2号「尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関する抗議決議」を日程に追加し、一括議題といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
よって、議員提出議案第1号及び第2号を日程に追加し、一括議題とすることに決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 議員提出議案第1号 尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関する抗議決議及び議員提出議案第2号 尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関する抗議決議を一括議題といたします。
提出者から提案理由の説明を求めます。
當間盛夫君。
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〔議員提出議案第1号及び第2号 巻末に掲載〕
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〔當間盛夫君登壇〕
○當間 盛夫 ただいま議題となりました議員提出議案第1号及び第2号につきましては、9月27日に開催した総務企画委員会の委員等により協議した結果、議員提出議案として提出することに意見の一致を見ましたので、提出者を代表して提案理由を御説明申し上げます。
提案理由は、尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関して関係要路に要請するためであります。
次に、議員提出議案第1号を朗読いたします。
〔尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関する抗議決議朗読〕
次に、議員提出議案第2号を朗読いたします。
〔尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関する抗議決議朗読〕
以上で提案理由の説明は終わりますが、慎重に御審議の上、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
この際、お諮りいたします。
ただいま議題となっております議員提出議案第1号及び第2号については、会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
よって、両案については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
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○議長(髙嶺善伸) これより議員提出議案第1号「尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関する抗議決議」及び議員提出議案第2号「尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関する抗議決議」の2件を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
ただいまの議案2件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
よって、議員提出議案第1号及び第2号は、原案のとおり可決されました。
―――――◆ ・ ・ ◆―――――
○議長(髙嶺善伸) この際、念のため申し上げます。
本日から10月1日まで、10月4日及び5日の6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(髙嶺善伸) 日程第4 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
辻野ヒロ子さん。
〔辻野ヒロ子さん登壇〕
○辻野 ヒロ子 おはようございます。
自民党を代表いたしまして質問を行います。
去る9月18日、19日に八重山諸島を襲った台風11号は、被害額約2億円余という大きな損害を与えました。仲井眞知事が早速現地に駆けつけていただき、農家の皆さんを初め関係者を激励していただいたことに心から感謝を申し上げます。後継者がいなく高齢で農業をしておられる方が、この年になって初めて知事に励まされてとてもうれしいと、涙ぐんでおられたのがとても印象的でした。どうぞ一日も早い復旧と県の力強い御支援をよろしくお願い申し上げまして質問に移ります。
まず最初に、知事の政治姿勢についてであります。
11月県知事選について。
去る9月14日に行われた民主党代表選挙は、菅直人総理が小沢一郎前幹事長に勝利し、17日には菅改造内閣が発足しました。わずか3カ月前に政治と金の問題で国民の批判を受け、その責任をとって辞任した本人みずからが代表選に出ること自体、常識では考えられず、また、政策をめぐる非難合戦は党内での議論がいかに不在だったかを物語っており、小沢派対反小沢の対立の深さを国民の前にさらけ出した代表選でもありました。
このような民主党政権と対応する沖縄県知事の果たす役割は大きく、その責任も重大であります。
来る11月に行われる県知事選は、普天間飛行場移設問題に対する対応だけでなく、県民の政治に対する信頼の回復、「沖縄21世紀ビジョン」の実現など、将来の沖縄のあるべき姿を決定する重要な選挙であり、民主党政権への対応が問われる選挙でもあります。
今後とも、我々は民主党の本県への対応を注視しなければなりませんが、県知事選は政党選挙である国政選挙とは違い、県経済や県民生活に直結する選挙であることを忘れてはなりません。
本県は、本土から遠隔地ゆえの地理的不利性や財政依存経済からの脱却を図り、自立への展望を開くという県政の重要課題が残されております。仲井眞知事は、この4年間で公約に掲げた14の政策目標と170の施策については、強いリーダーシップのもと、そのすべてにおいて着手なされております。知事の政治手法は現場主義をモットーに、前例主義にとらわれず、愚直と言われるほどみずからの信念と誇りのもとに県民視点で取り組んでおられる姿勢は、広く県民の支持を得ているあかしだと思います。これまで一生懸命取り組んでこられましたが、失業率の全国平均化や基地に依存しない経済の自立を目指すための県の長期計画である「沖縄21世紀ビジョン」や平成23年で切れる沖縄振興計画にかわる新たな振興計画の策定など、県政の抱える重要課題の解決を仲井眞知事みずからの手で実現してほしいと強く願うものであります。
仲井眞知事は、去る15日の後援会主催の激励会で、来る11月の県知事選に出馬することを表明されております。今、多くの県民や団体などから、他県に類がない沖縄の特殊事情の解決を図るには仲井眞知事の経験と実績が必要との声が高まっております。どうぞ県民に向けた仲井眞知事の力強い決意をお聞かせ願いたいと思います。来る11月の県知事選に向けた仲井眞知事の決意をお伺いします。
次に、尖閣諸島沖での中国漁船の違法操業について。
去る9月7日、尖閣諸島久場島沖の東シナ海、日本領海内で中国船が海上保安庁の巡視船に衝突し、船長が逮捕されるという事件が発生、9月25日に処分保留で釈放されております。尖閣諸島は、明治政府が尖閣諸島が他国の支配が及んでいないことを確認して、1895年に日本領土に編入したものであります。現に石垣市には1919年、中国福建省の漁民31人が遭難し、尖閣諸島魚釣島に漂着し、当時の石垣村の住民に救助されたことで、中国からの感謝状に、「日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島」と明記された感謝状が残されております。当時の中国政府は、尖閣諸島を日本の領土と認めていたことは明白であります。中国漁船や台湾の船による違法操業問題はたびたび繰り返されておりますが、尖閣諸島は我が国の固有の領土であり、尖閣諸島には領土問題は存在しないというのが我が国の一貫した姿勢であります。沖縄にとって中国は、琉球王朝時代からの歴史的な結びつきが深いところであります。また、近年は本県の海外観光客誘致の最重点地域として、中国は知事を先頭にトップセールスを行うなど、友好関係を深めているところであり、本県としては対応に難しい面があることも確かです。
そこで伺います。
尖閣諸島周辺の日本領海内で中国漁船が違法操業し、海上保安庁の巡視船に衝突事故を起こしたことで船長が逮捕されたことについて、県の見解を伺います。
2、普天間飛行場移設問題について。
米軍普天間飛行場の移設については、移設先をキャンプ・シュワブの名護市辺野古崎の水域とし、そこに滑走路の2本のV字案と1本のI字案の2案を併記することで日米合意がなされました。しかしながら、地元名護市が受け入れ反対を明確にしていたところに、去る12日に行われた名護市議選挙で受け入れ反対の議員が多数を上回ったことで、今や県内移設は不可能に近いと言わざるを得ないと考えます。また、移設問題とパッケージとされる在沖海兵隊8000人のグアム移転についても、グアムにおける移設・移転に向けたインフラの整備が追いつかず、移転計画そのものがおくれることも明らかとなっております。
このように民主党政権は、自公政権との違いを殊さら強調し、県民の期待を高めるだけ高めながら、結局は何も決められず、すべてが先送りされるだけであります。このような状況が続けば日米の溝は拡大し、いずれ日米の協議や移設計画そのものが破綻することは目に見えております。仲井眞知事も辺野古への移設は極めて厳しい、不可能に近いと何回も言っておられますが、政府はわかっていない。当事者である県の了解もなく進めても意味がないと述べておられます。
また、民主党代表選を争った小沢一郎前幹事長は、日米合意は尊重するとは言いながら、沖縄の海兵隊は必要ないと明言しており、党内実力者の発言だけに菅政権としても無視できるはずもなく、辺野古移設での挙党一致は難しいと考えます。21世紀の現在、政府が強権を行使してまで米軍基地を建設できるような時代になく、もはや辺野古移設の実現性はゼロに近いと言わざるを得ないと考えます。
そこで伺います。
日米両政府は、普天間飛行場移設工法や位置に関し、滑走路2本のV字案と1本のI字案の両案併記で合意した。県に対する説明は納得できるものであったか伺います。
政府は、当初8月末決着としていたが、具体的な位置決定は11月の県知事選後まで先送りが決定的となった。沖縄の頭越しに事が決められていく状況に対し知事の見解を伺います。
日米間の協議で飛行経路のあり方に大きな違いが表面化したが、検討結果、報告書には明記されず、逆にI字案での陸地上空飛行が想定されている。米側は、MV22オスプレイの米軍基地への配備を認め、前岡田外務大臣もオスプレイ配備による飛行経路見直しを発言した。環境影響評価手続との関連を含め県の見解を伺います。
在沖海兵隊のグアム移転について、グアムの受け入れ体制の問題で2014年からおくれるとの見通しが示されたが、グアム移転そのものが難しい状況になっているのではないか。県はどのように考えているのか伺います。
政府は、移設問題を協議する沖縄県との協議機関の設置を先送りするようだが、これまで県は政府と協議を進めてきた経緯があるか伺います。
北澤防衛相は、代替施設の自衛隊との日米共同使用に言及しているが、県に対する説明はなされているのか伺います。
民主党政権は、具体的な位置決定は11月の県知事選後まで先送りしたが、沖縄は県内移設に反対であり、計画を推進する状況になく、普天間の現状固定化が懸念されるが、知事の見解を伺います。
3、基地返還跡地の利活用について。
本県は、県土面積の約10.2%を米軍基地が占めており、計画的な都市づくりや体系的な陸上交通網の整備、産業用地の確保などで大きな制約となっております。しかも、本県には全国の米軍基地の約75%が集中しているだけでなく、実に県内の21市町村にまたがって存在していることから、地域経済や住民生活にも大きな影響を与えております。このため、SACO合意による11施設の返還予定基地や在沖米軍再編に伴う嘉手納飛行場以南の大規模基地返還に対応した対策が急がれております。これだけの大規模な基地返還は、今後の中南部都市圏における都市構造を一大変革するだけでなく、復帰後最大の跡地利用となることから、県としても周到な準備と綿密で大胆な計画が必要であると考えます。
また、本県独自の長期構想である「沖縄21世紀ビジョン」に基づく2030年後の本県のあるべき将来像を実現する観点からも、返還跡地の有効利用を円滑に進めることが必要であります。本県の駐留軍用地跡利用に係る法制度は、軍転特措法と沖振法及び沖振計に代表されますが、それぞれ2012年3月末には期限切れとなるのであります。これからの基地跡地利用の取り組みは長期にわたることが予想されることから、これまでのような時限立法でなく基地のある限り続く恒久法とすべきであると考えます。また、返還から跡地利用が完了するまでは長期間を要していることから、返還から跡地の整備が完了するまでの間、補償できるような地権者の土地使用収益保護を図ることも必要であると考えます。
そこで伺います。
軍転特措法及び沖振法跡地利用促進特例措置が2012年3月で失効するが、同法について指摘されている問題点、課題と県が考えている改善策を伺います。
県は、嘉手納飛行場以南の大規模な基地が返還されると、その跡地利用は県土の再編につながると位置づけているが、現在の軍転特措法で十分に対応できると考えているか伺います。
米軍基地の地権者は、これまでの一定期間支給される給付金制度から、返還から跡地の整備が完了するまでの間の補償を求めているが、県の考えを伺います。
本来、米軍基地の跡地利用は基地を米軍に提供する国の責任で行うべきと考えるが、現行軍転特措法の期限切れ後については、時限立法ではなくすべての基地跡地の整備が完了するまでの恒久法とすべきだと考えるが、県の考えを伺います。
4、観光振興対策について。
県の発表によれば、2009年、県内への修学旅行状況は、学校数、生徒数とも3年連続減少したということであります。この結果について、県は、新型インフルエンザの影響や少子化による観光マーケットの縮小、他観光地との競合も考えられると分析しております。しかし、都道府県別に減少傾向を見ますと、観光人口が最も多く将来の観光客として期待できる東京、大阪の学校、生徒が最も減少していることは、今後に向けた懸念材料であると考えます。
民間の国内旅行人気調査によれば、観光の魅力7項目の都道府県別調査で、本県は特産品や土産品、地元の人のホスピタリティー、宿泊施設の3項目で1位になっています。しかしながら、本県は観光案内が少ない、車が多く排気ガスが多い、観光地やショッピングのための交通アクセスが不便など、苦情が多いのも確かであります。
一方、本県は夏場観光だけでなく、観光立県として通年を通しての観光に力を入れており、そのための新たな観光資源の開発が求められております。県も本県の伝統文化を生かした観光づくりを目指しておりますが、今、政府が観光立国を打ち出し観光庁を設置したことを受けて、世界的に多様性と水準の高さを誇る我が国の古典芸能を観光資源として活用しようとの動きがあり、その中で沖縄の伝統芸能が注目されております。
横浜能楽堂副館長・中村雅之氏は、琉球王朝時代に日本や中国、東南アジア各地からさまざまな文化を取り込んで文化の華を咲かせたとして、沖縄を丸ごと「芸能と工芸の島」に仕立て、観光立国・日本の牽引車とする「アートアイランド構想」を提唱しており、県としても大いに参考になると考えます。
そこで伺います。
誘客対策について。
本県観光客数が減少傾向にあり、特に修学旅行は3年連続減少している。その要因と県の対応策について伺います。
企業ミーティング、国内・国際会議、イベントなどを目的とするMICEの県内受け入れ状況と現在進めている誘致対策、今後の効果について伺います。
政府は、中国人への個人観光ビザの発給条件を緩和した。外国人観光客誘致にどう生かしていくか。また、中国からの観光客誘致について、知事のトップセールスの成果と今後に向けた課題等について伺います。
横浜能楽堂副館長・中村雅之氏は、沖縄を丸ごと「芸能と工芸の島」に仕立て、観光立国・日本の牽引車とする「アートアイランド構想」を提唱しているが、県はどのように考えているのか伺います。
海外からの観光客誘致を図るため、航空路線の拡充・増便や那覇空港での受け入れ地上支援業務(ハンドリング)への対応について、県の基本的考え方を伺います。
次に、離島観光の推進について。
石垣―台北路線の開設に向けた地元の取り組みに対する支援について、知事の考え方を伺います。
日本航空の路線廃止などによる本県離島観光への影響について、県はどのように考えているか伺います。
離島振興を図るには離島観光の柱を構築する必要があり、宮古・石垣などの県内離島を周遊するクルーズ船導入は波及効果が大きいと考えるが、県の認識について伺います。
現在、石垣島ではゴルフ場が新石垣空港用地にとられ一つもありません。観光振興と経済活性化のためにはぜひゴルフ場が必要です。地元でもプロジェクトチームを立ち上げ動き出しております。石垣島ゴルフ場建設推進の支援について、地元の要請に対し知事の見解を伺います。
ことしは特に水難事故が去年を上回る非常事態となっております。マリンレジャーの安全確保と品質保持のため県条例で営業を許可制にできないか、県の見解を伺います。
県内小学校修学旅行の離島地域への誘致について、旅行日数を特例で原則2泊3日とすること、旅費の父兄負担軽減について伺います。
5、離島・過疎地域振興について。
本県の離島・過疎地域振興について、沖縄県離島振興計画や過疎地域自立促進特別措置法に基づき各種施策を実施しており、上下水道や道路、ごみ処理施設などの生活基盤の整備に一定の効果を果たしております。しかしながら、本県の離島・過疎地域は慢性的な人口減少や高齢化の進展、若者の流出に歯どめがかからず、生活環境の低下、医師不足など依然としてさまざまな問題点や課題が残されております。
県においては、振興計画に基づく施策の展開とあわせ、過疎市町村の制度の有効活用と地域の特性を生かした計画づくりを積極的に支援していくことが必要であります。
そこで伺います。
離島航空路線補助の対象路線選定について、国庫補助選定と県・市町村単独補助選定の判断基準と市町村負担割合の減額について県の考えを伺います。
石垣島周辺の離島を結ぶ船舶の安全確保のため、周辺海域のサンゴ移設や水深の浅い場所のしゅんせつの要請があるが、国・県の対応状況を伺います。
地上デジタル放送への完全移行まで1年を切ったが、本県は全国最下位の普及率である。特に、離島の普及率は大きく下回っているが、県や市町村の相談窓口での対応状況を伺います。
漂着ごみは、中国、韓国など東南アジア全域にわたっており、これ以上の増加を防ぐには各国の協力が必要である。政府に対し対策を強く求めるべきではないか伺います。
県が実施する海岸漂着物対策事業について、その概要と実施期間について伺います。また、抜本的な対策として県として基本方針の策定が必要ではないか伺います。
今議会9月補正で特別調整事業「島しょ地域循環資源活用促進事業」の予算を計上しているが、その内容と効果について伺います。
6、土木建築関係について。
県内土木建築業の活性化について。
本県は、戦後の米軍統治下にあって本土における戦後復興の波から取り残され、大きく発展がおくれ、本土復帰後も広大な米軍基地はほとんどそのまま残され、県土の主要部分が使えないといういびつな都市計画や地域開発を余儀なくされてきたのであります。また、本県は鉄軌道の恩恵を受けることもなく自動車中心の交通体系がしかれ、ようやく一部区間でモノレールが動いたとはいえ、全国と比べ依然特殊な交通事情にあります。
このような状況から、本県においては道路を初めとする社会資本の整備はいまだ道半ばであり、民主党政権の公共事業関連費の大幅削減は県経済への影響のほか、土木建築業に対する死活問題でもあります。
確かに4次にわたる本県への国による振興策により県民の生活基盤など社会資本の整備は大きく進展しましたが、道路、港湾、空港などの交通基盤の整備を初め、なお多く課題が山積しており、産業の振興や県民の新たなニーズへの対応を含めなお一層の施策展開が必要であります。しかしながら、民主党政権においては、今後も公共事業費のさらなる削減が予想されることから、県においては、県経済の振興と県内建設業の活性化を図るため、国に対する積極的な働きかけが必要であります。
そこで伺います。
県内建設業は国発注工事の受注機会の拡大を求めているが、民主党政権の公共事業費の削減により公共事業は激減している。県内建設業支援のため、県としてどのような対応が可能か伺います。
国土交通省は、凍結していた道路の新規事業を次年度から再開する方針のようだが、県関係の対象事業と採択に向けての条件整備について伺います。
県が進めている米軍発注工事に係るボンド支援対策としてのワーキンググループにおける検討状況と、今後の見通しについて伺います。
重点港湾に那覇港と中城湾港が選定されたが、運天港や金武湾港、平良港、石垣港は漏れている。継続事業及び新規整備への対応はどうなるのか伺います。
県発注工事に係る賠償金支払い問題について、和解が成立した業者以外の残る業者等に対する対応はどうなるのか伺います。
老朽化の激しい県営新川団地、県営真喜良団地の建設について伺います。
新石垣空港建設整備事業について。
暫定供用とはどういうことなのか。計画どおり全面供用開始すべきと考えるがどうか伺います。
2011年度の概算要求枠が1割減となる見通しだが、事業推進には影響は出ないのか伺います。
CIQ施設整備がターミナル基本設計になく、地元の強い要請もあり必要不可欠だと考えるがどうなっているのか伺います。
7、地域福祉・医療の充実について。
2009年度の県立6病院の決算見込みで31年ぶりに経営収益の黒字化を達成しております。恒常的な赤字体質からの脱却を目指し、経営再建計画に基づく再建に取り組んでいる中、各病院間での改善状況に濃淡があるとはいえ、5つの病院で黒字となったことは評価できるものであります。しかしながら、恒常的な産婦人科医師不足による妊婦の不安増大や小児科医師不足から来る小児救急医療の危機など、不安要因は依然解消されてなく、医師や看護師等の過重勤務に対する懸念も指摘されております。経営再建計画の各病院の取り組みには、経営参画の意識や改善の進捗に濃淡があるようでありますが、本県における地域医療を担っている県立病院の果たす役割は依然大きく、医療サービスの低下は避けなければなりません。特に、産婦人科や小児科医師不足の解消がなく、看護師等の過重な負担の上に経営再建だけが目的化されてはならないと考えます。医師や看護師等の適正配置を確保し、その上で本来あるべき病院経営の再建に努めていただきたいと願うものであります。
そこで伺います。
県立病院における産科・小児科医師の配置状況と不足数、また、医師確保に向けた取り組み状況を伺います。
県立病院で助産師外来の開設がふえているが、その背景と今後の産婦人科医師確保との関連について伺います。
小規模離島における助産師外来の開設や巡回妊婦健診の現状はどうなのか。また、県の助産師の確保計画について伺います。
小児科医師不足の影響で県内の小児救急は危機的状況にあると言われ、小児科医師も過重勤務の負担を強いられている。県はどのような対策を講じているか伺います。
全国的に住民登録上は生存しながら実際は所在不明の100歳以上の高齢者が問題となっているが、本県における状況はどうなのか。また、生存確認ができず、戸籍上生き続ける超高齢者が本県は異常に多いようですが、特殊事情があるのか伺います。
以上、よろしくお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
辻野ヒロ子議員の御質問に答弁させていただきます。
まず第1に、知事の政治姿勢についてという御質問の中で、県知事選挙の決意についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
私は、知事就任以来、雇用の創出・拡大や企業誘致など産業振興に取り組みますとともに、医療・福祉、教育など、県民福祉の向上や過重な基地負担の軽減など、沖縄が抱える諸問題の解決に全力で取り組み、あらゆる面で施策を展開してまいりました。県民とお約束をしました公約に係る14の政策目標と、そして170の施策につきましては、そのすべてに無論着手をし、全力で推進してまいりました。
これまでに沖縄IT津梁パークの整備、沖縄県中小企業振興条例の制定、ドクターヘリの導入、沖縄国際アジア音楽祭の開催などにつきまして実現をしてまいりました。また、沖縄県産業・雇用拡大県民運動(みんなでグッジョブ運動)の展開、そしていわばトップセールスによります観光客の誘致、県産品の県外・海外への販路拡大、情報通信関連産業の集積、畜産、園芸などのおきなわブランド産地の育成によります農林水産業の振興、製造業や建設業の振興、雇用拡大と産業振興に取り組んでまいりました。さらに、大学院大学の設置推進、那覇空港拡張整備の促進、国際物流拠点の形成に向けました国際航空物流ハブ事業の実施など、沖縄県の持続的発展を支える基盤の整備を進めているところでございます。加えまして、保育所入所待機児童の解消対策や妊婦健診の拡充、離島・僻地の医師確保対策、県立病院の経営健全化に向けました取り組み、伝統芸能公演の開催を初め、新石垣空港の建設や伊良部架橋の整備によります離島地域の活性化、環境共生型社会の構築に向けました全島緑化の推進及びサンゴ礁の保全・再生など、多くの施策について事業化いたしております。これら施策の実施によりまして、就
業者数の増加や失業率の改善、そして入域観光客数や国際貨物取扱量の増加など、県民福祉の向上につきまして着実に成果を上げてきたものと考えているところでございます。
今後ともこれまでの公約に係る取り組みを踏まえ、さらなる施策の展開を図りますとともに、産業振興と雇用創出、そして自然・社会・人文などの科学技術の振興、世界に誇る沖縄の伝統芸能・文化の継承及び発展、沖縄空手の普及、スポーツの振興、医療・介護・福祉の充実、子育て支援の強化、並びにあらゆる分野において、沖縄の活力を生み、未来を開く人材の育成を積極的に進めてまいります。また、過重な基地負担の軽減、普天間飛行場問題の解決に全力で取り組むなど、県民が望む沖縄の将来像であります「沖縄21世紀ビジョン」の実現に向けあらゆる施策を展開してまいる所存でございます。
復帰38年、そして本土に比べ立ちおくれた社会資本の整備や産業の振興に邁進してまいりました。琉球舞踊の国の重要無形文化財指定、そして宮里藍選手の全米ゴルフツアーでの優勝、そして先ほどの興南高校の春夏甲子園連覇などに象徴されますように、そしてまた幾つかの社会指標、経済指標に示されますように、これまで沖縄県が目指してきました指標が幾つか現実のものとなっております。
今や我々はさらなる新しい方向に向けて、そして新しいベクトルを見据えて子供たちや孫たちが「独立独歩の精神」と「独立自尊の精神」を持って時代を切り開いていくべく方向を示し、堂々と踏み出していくのを見届けることが私の責務と考えております。そのような思いから、私は来る11月の知事選挙への出馬を決意した次第でございます。
次に、同じく知事の政治姿勢の中で、中国漁船の違法操業と船長逮捕についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
報道等によりますと、今月7日に尖閣諸島周辺の日本領海内において、中国漁船が立入検査のため停船を命じ追跡中の巡視船「みずき」に衝突し、海上保安官の職務の執行を妨害したとして、翌8日に当該漁船船長が逮捕され、25日に釈放されております。
沖縄県といたしましては、報道等により承知している限りであり、日本政府に事件の経緯や日本政府の措置について説明を求めていきたいと考えております。また、今後どのように事態が進展するか不明でありますが、今後とも沖縄県の領域において県民の生命財産や漁業を初めとする諸権利が侵害されることがないよう、日本政府に対し外交上の適切な対応を要望していきたいと考えております。
次に、普天間飛行場移設問題に係る御質問の中で、沖縄の頭越しに決定されることについてという御趣旨の御質問に答弁いたします。
県といたしましては、去る5月の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと繰り返し申し上げてきたところであります。そして、名護市長選挙や県議会の意見書議決、そして県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難であると考え、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を示すよう強く求めてまいりました。しかしながら政府からは、この間の県民の怒りと失望にこたえ得る説明と方策は依然として示されておりません。したがって、県といたしましてはこのような状況にかんがみ、政府に対し日米共同発表を見直し、普天間飛行場を県外に移設することを求めてまいりたいと考えております。
次に、同じく普天間飛行場問題に係る御質問の中で、在沖米海兵隊のグアム移転についての御質問にお答えいたします。
現時点における在沖米海兵隊のグアム移転につきまして外務省へ照会いたしましたところ、米側からは、環境影響評価決定書が公表された現時点において、2014年の移転完了についていかなる変更もないとの説明を受けているとの回答でございました。
県といたしましては、在沖海兵隊のグアム移転は沖縄県の過重な基地負担を軽減するため、確実に実施される必要があると考えており、日米両政府において計画どおり取り組まれていくものと認識しているところでございます。
同じく普天間飛行場移設問題に係る御質問の中で、政府との移設問題に関する協議についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
普天間飛行場移設問題につきましては、これまで移設措置協議会やワーキングチーム会合などにおいて、政府と協議を重ねてきたところでありますが、昨年9月の新政権発足後はこれらの協議会等は開催されておりません。県は、政府に対し、県民の納得のいく説明と解決策を示すよう求めているところであります。現時点で辺野古移設を前提とした協議に応じることは考えておりません。
同じく普天間飛行場移設問題に係る御質問の中で、普天間飛行場の現状固定化についての御質問にお答えいたします。
これまでも申し上げてきましたとおり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいというのが県の考えでございます。一方、この問題の原点は、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去であります。同飛行場が現状のまま固定化されることは決してあってはならないと考えており、政府に対し、 県民の納得のいく解決策を示すよう求めているところでございます。
基地返還跡地の利用に係る御質問の中で、大規模基地返還跡地利用における現行軍転特措法での対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
嘉手納飛行場より南の大規模な基地返還跡地は、沖縄の新たな発展のための貴重な空間であり、中南部都市圏の都市構造のゆがみを是正し、県土構造の再編にもつながる大きなインパクトを持つものであると考えております。
跡地利用に関する現行の軍転特措法及び沖振法においては、基地返還に伴う環境浄化、地権者の負担軽減策、財源の確保、事業実施主体の確立などの課題がございます。県といたしましては、今後の大規模な跡地利用を円滑かつ最適に進めるため、特別立法を含む新たな法制度が必要であると考えているところでございます。
基地返還跡地の利活用についての中で、跡地利用における国の責任と恒久法の制定についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
県といたしましては、軍用地として長期間提供されてきました基地跡地の迅速な整備は、日米安全保障条約に基づく基地提供義務と対をなす国の責任であり、財源の確保、事業実施主体の確立及び行財政上の措置など適切な国の関与が不可欠であると考えております。
軍転特措法及び沖振法の期限切れ後の法制度につきましては、すべての基地跡地の整備が終了するまでの恒久法とすべきであると考えているところでございます。
次に、観光振興に係る御質問の中で、MICEの受け入れ状況、誘致対策、効果についての御質問にお答えいたします。
平成21年度の県内でのコンベンション開催件数は637件、うち国際会議は29件であります。県外・海外から約7万6000人が参加いたしております。
沖縄県では、MICEを通年型で付加価値の高い旅行と位置づけ、セミナーや商談会の開催、そしてキーパーソンの招聘、各種メディアを活用したプロモーションなどの誘致活動を実施いたしております。今後の大規模MICEとしましては、10月に開催されるAPEC電気通信・情報産業大臣会合のほか、来年6月には宇宙技術及び科学の国際シンポジウムなどが予定されております。地域への経済波及効果が期待されるところでございます。
同じく観光振興に係る御質問の中で、中国人へのビザ緩和の活用とトップセールスの効果と課題についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県では、中国における個人観光ビザの発給要件緩和を受けまして、8月には各主要都市でセールス活動を展開しました。北京定期便就航や上海定期便拡充の意向が表明されるなど、一定の成果があったと考えております。課題といたしましては、那覇空港のハンドリング体制強化や国際線ターミナル整備のほか、訪日観光ビザの一層の緩和が必要との意見がございました。今後は、路線拡充や課題解決に向けて、航空会社や県内事業者との連携を図りますとともに、関係省庁への働きかけを行ってまいりたいと考えております。
同じく観光振興に係る御質問の中で、石垣―台北路線の開設についての御質問にお答えいたします。
石垣―台北路線の開設は、外国人観光客を誘致し、八重山地域の振興を図る上で非常に重要なことであると考えております。
県といたしましては、石垣市や産業振興公社台北事務所と連携をし、台湾政府、航空会社及び国土交通省への要請活動の支援を行っているところでございます。
同じく観光振興に係る御質問の中で、石垣島のゴルフ場建設推進の支援についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
八重山地域につきましては、平成24年度末の新石垣空港の供用開始を間近に控えまして、魅力ある観光地づくりを一層推進していく必要があるものと考えております。石垣市におけるゴルフ場など観光資源の充実を図ることは、八重山観光のみならず沖縄観光全体の発展に資するものと認識いたしております。
県としましては、地元の意向を踏まえながら、積極的に支援をしてまいりたいと考えております。
次に、離島・過疎地域振興に係る御質問の中で、国外からの漂着物への対応策いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
国外由来の漂着物対策につきましては、九州地方知事会におきまして海岸域の良好な生活環境や自然環境、そして漁場環境の確保が図られるよう国に対し要望書を提出いたしております。国においては、韓国、中国及びロシアと「北西太平洋地域海行動計画」を推進いたしますとともに、オーストラリア、中国等の加盟する「東アジア海域調整機関」との情報交換等の取り組みを進めているところであります。
県といたしましては、今後とも国内外からの漂着物の状況を把握するとともに、その対策につきまして知事会等を通じ国に求めていきたいと考えているところでございます。
同じく離島・過疎地域に係る御質問の中で、「島しょ地域循環資源活用促進事業」の内容と効果についてという御質問にお答えいたします。
「島しょ地域循環資源活用促進事業」は、離島における資源循環コストの構造的な不利性を解消する新たな資源循環システムの構築を目指し、海上輸送費の低減化及びリサイクル企業の集約化によります効率的な利用を目的に実証事業を行うものでございます。本年度は、リサイクル企業の共同化を図りますとともに、石垣島及び宮古島から発生する建設廃棄物に係る輸送費の低減化を行う循環資源回収船社会実験を実施する予定であります。この事業の実施によりまして、離島地域におけるリサイクル資源の効率的な利用が図られますとともに、県域におけるリサイクル市場の拡大や雇用の促進につながるものと考えているところでございます。
次に、土木建築関係に係る御質問の中で、県内建設業支援のための県の対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県におきましては、国等が発注する公共工事の県内建設業への優先発注を促進するため、平成20年度から毎年要請を行っているところでございます。その結果、入札参加資格要件の緩和、総合評価方式の見直し等が行われ、県内の建設業への発注金額の割合は、平成19年度と平成21年度を比較いたしますと、沖縄総合事務局におきましては54.6%から59.4%へ、沖縄防衛局におきましては45.0%から72.4%へ上昇いたしております。また、県におきましては、県内建設業者の経営改善や新分野進出等を支援するため、「ちゅらしま建設業相談窓口」を開設をしております。相談対応や専門家派遣、そして新分野進出セミナー等を実施いたしております。さらに、県単融資制度や経営革新支援事業費補助等も行っております。今後とも、建設業者の経営支援に引き続き強力に取り組んでまいる所存でございます。
土木建築関連に係る御質問の中で、道路の次年度新規事業と採択に向けた条件整備についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
道路事業の平成23年度新規事業につきましては、国直轄事業として那覇空港自動車道小禄道路を要望しております。去る8月の国土交通省社会資本整備審議会道路分科会におきまして、新規事業化は妥当であるとの審議結果を得ております。また、県事業につきましては、浦添西原線前田工区や宜野湾南風原線喜屋武工区を要望いたしております。
沖縄県といたしましては、引き続き、平成23年度の新規事業採択に向けまして積極的に取り組んでまいる所存でございます。
同じく土木建築業に係る御質問の中で、新石垣空港の暫定供用に係る御質問にお答えいたします。
暫定供用につきましては、去る8月25日に国土交通大臣が、「平成23年度の航空機燃料税の引き下げを求めることに関連をし、整備は抑制的になる。例えば、新石垣空港は予定どおり供用はするが、一部施設の整備は少し先送りする暫定供用というやり方もある。」と発言したとの報道があったことは承知いたしております。
航空機燃料税の軽減は、観光立県の沖縄県にとりまして歓迎すべきものであります。しかしながら、新石垣空港の整備は、これまで平成25年3月の供用に向けて着実に推進しており、平成23年度予算につきましても全面供用に必要な予算を国へ要求しているところであります。
県といたしましては、今後とも地元市町村、そして郡民の会等と連携をし、所要の予算の確保に向けまして積極的に取り組んでまいる所存でございます。
同じく土木建築関係の御質問の中で、国際線ターミナルビルの建設に係る御質問にお答えいたします。
国際線ターミナルビルの建設につきましては、平成24年度末の国内線ターミナルビルとの同時供用に向け、現在、石垣空港ターミナル株式会社、県、石垣市など関係機関から成ります調整会議を設置し、施設規模、整備資金等に関し協議を進めているところでございます。
なお、石垣空港ターミナル株式会社においては、今後の建設スケジュールを勘案して、ことし10月から国際線ターミナルビルの基本設計に着手することといたしております。
次に、地域福祉・医療の充実に係る御質問の中で、小児科医師不足及び小児救急対策についての御質問にお答えいたします。
県内の小児科医師数は、小児人口当たりで全国平均より少ないものの、各関係機関の努力により年々増加いたしております。
県におきましては、琉球大学医学部等との連携によりまして、離島などに派遣する小児科医師の確保を図りますとともに、県立病院の臨床研修事業を活用して小児科医の養成を行っております。また、夜間救急の多くを小児患者が占め、小児科医の加重負担が課題となっており、本年7月から「小児救急電話相談事業♯8000」を実施し、医師の夜間の負担を軽減するとともに、保護者の育児不安軽減にも努めているところでございます。
県といたしましては、引き続き、小児科医師の適切な確保を行い、小児救急医療体制の充実強化を図ってまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 普天間飛行場移設問題につきまして、日米専門家検討会合の報告に関する政府の説明についてお答えいたします。
県は、去る8月31日に「普天間飛行場の代替の施設に係る二国間専門家検討会合の報告」につきまして、政府から説明を受けましたが、名護市辺野古への移設を受け入れることは極めて厳しいという県の考えに変わりはなく、説明内容にかかわらず、現時点で辺野古移設を前提とした代替施設の位置、配置、工法等について議論する状況にはないと考えております。
次に、オスプレイ配備及び飛行経路見直しについてとの御質問にお答えいたします。
去る9月9日の参議院外交防衛委員会において、岡田前外務大臣は、オスプレイに関して申し上げると、配備されるかどうか現時点でははっきりしていない。しかし、可能性はある。2プラス2(日米安全保障協議委員会)の折には、飛行経路について示さなければならなくなる可能性が高い。それまでにオスプレイについてきちんと方針を決め、そのことを前提に飛行経路を描き、説明しなければならないと答弁しております。また、オスプレイの配備計画につきまして、外務省沖縄事務所に照会しましたところ、オスプレイの沖縄配備については、現時点で具体的に決まっているわけではないと米側から回答を得ているとのことであります。
いずれにしましても、環境影響評価手続については、環境影響評価法及び沖縄県環境影響評価条例の規定に基づき適切に対応することになります。
次に、代替施設の自衛隊との共同使用についての御質問にお答えいたします。
県は、普天間飛行場代替施設における米軍と自衛隊との共同使用について政府から具体的な説明は受けておりません。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 基地返還跡地の利活用についての御質問の中で、軍転特措法及び沖振法跡地利用促進特例措置の問題点、課題と改善策についてお答えいたします。
駐留軍用地跡地利用に関する現行法制度の問題点、課題については、基地内立ち入りの制限による埋蔵文化財調査等のおくれ、土地引き渡し後の不発弾や土壌汚染の発見、給付金支給における地権者の不利益及び跡地整備のための財源不足や事業実施主体の不確定などが挙げられます。
改善策としましては、返還前の埋蔵文化財、環境調査及び汚染等に関する原状回復措置徹底の制度化、返還から使用収益開始までの期間について給付金を支給する制度への見直し、財源の確保、国の責務としての事業実施主体の確立や行財政上の措置、及び跡地利用を促進するための大規模公園等の国家プロジェクトの導入などが必要であると考えております。
次に、駐留軍用地跡地に係る給付金制度の見直しについてお答えいたします。
駐留軍用地跡地に係る給付金については、軍転特措法による3年間の給付金と、沖振法による大規模跡地及び特定跡地の給付金制度が定められております。しかしながら、特定跡地での給付金支給実績が最大4年半なのに対し、跡地整備期間はおおむね10年以上を要しており、地権者の負担が大きくなっております。
県としましては、跡地整備事業の実施により土地が使用できるようになるまでの間は、土地利用制限に対する補償的な意味合いで返還前の賃借料に見合う給付金の支給が必要であると考えております。
次に、観光振興対策についての御質問の中で、那覇空港におけるハンドリングについてお答えいたします。
那覇空港の国際線においては、主に日本航空や全日本空輸などがハンドリング業務を行っております。当該業務は、基本的に民間企業が中心となり取り組むべきことと考えておりますが、新規路線開設やチャーター便の就航は、観光客誘致の上で非常に重要なことであることから、県は、関係企業間の連携を促したところであります。その結果、航空会社からは、受託体制の強化に向けて関係企業間で検討を進めているとの報告を受けております。
次に、離島・過疎地域振興についての御質問の中で、離島航空路補助についてお答えいたします。
国庫補助及び単独補助とも補助金交付決定前年度において、経常損失を計上している離島路線が対象となっております。国庫補助対象路線は、最も日常拠点性を有する地点を結ぶ路線であること、船舶等の代替交通機関による所要時間がおおむね2時間以上であること、2社以上による競合路線でないことが要件となっております。単独補助対象路線は、日常拠点性や代替交通による所要時間を1時間以上とするなど、国庫補助の要件を一部緩和しております。航空路線を維持確保するためには、国・県・市町村がそれぞれの役割に応じて対応していくことが必要であると考えております。なお、市町村負担分につきましては、その6割が特別交付税で措置されているところであります。
次に、地上デジタル放送移行に向けての県や市町村の対応状況についてお答えいたします。
平成22年3月に実施された地上デジタル放送に関する浸透度調査において、地デジ対応受信機の世帯普及率は県全体で65.9%であり、離島についてはそれを下回る数字であったと聞いております。
県としては、ことし7月より13市町村役場に相談窓口を設置するとともに、広報キャラバン隊による公営住宅での個別相談を実施しているところであります。さらに電器店のない離島において、市町村及び総務省等と地デジ準備支援デーを開催し、受信機の展示販売会、県支援事業の申請相談を行うなど、地上デジタル放送への移行促進に取り組んでいるところであります。
次に、地域福祉・医療の充実についての御質問の中で、高齢者所在不明問題の本県の状況についてお答えいたします。
県内市町村に住民登録がされている100歳以上の高齢者について、県内全市町村で調査を行った結果、所在不明者はいないとの報告を受けております。また、戸籍上は生存しているが所在が不明な者は、那覇地方法務局の発表によると、平成22年3月31日時点で1万718人となっております。
沖縄県においては、去る大戦で戸籍簿等が焼失し、その後、琉球政府の戸籍整備法に基づき戸籍が再製されましたが、戦時の生き別れ等で死亡が確認されない者について死亡届等がなされていないものが多数あると思われます。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 観光振興対策についての中で、修学旅行の減少要因と対応策についての御質問にお答えします。
沖縄県としては、本県への修学旅行が減少した要因について、少子化の進展によるマーケットの縮小、各自治体の修学旅行費用上限額の設定、修学旅行向け航空運賃の値上げ及び海外修学旅行の増加等があると考えております。
このような状況を踏まえ、県としては、修学旅行運賃について去る7月に航空会社や旅行社と意見交換を行ったところであり、今後、航空会社に対して修学旅行運賃の引き下げを要請していきたいと考えております。
また、県は、沖縄への修学旅行を促進するため毎年県外における説明会及び教員招聘事業を実施しており、特に今年度は旅行代理店の担当者を沖縄に招聘する予定であり、今後とも誘致に努めてまいりたいと考えております。
同じく観光振興についての中で、「アートアイランド構想」についての御質問にお答えします。
沖縄県では、平成21年度より地域の文化資源を活用した新たな誘客イベントの創出を公募により支援する「文化資源活用型観光戦略モデル構築事業」を実施しております。本年度は、現代版組踊「肝高の阿麻和利」のバックステージツアーや「首里城祭」とあわせて実施される世界遺産関連イベント等について旅行商品化の支援を行っております。
さらに、これらのイベントの支援に加え、沖縄の特色ある文化・芸能を観光資源として活用するための戦略について検討を始めたところであり、「アートアイランド構想」についてもその中で研究してまいりたいと思います。
同じく観光振興についての中の、日本航空の路線廃止などによる本県離島観光への影響についての御質問にお答えします。
県内離島と本土を結ぶ航空路線のうち、神戸―石垣線の廃止や福岡―石垣線の年間運航期間の短縮により八重山地域の観光客数の減少が懸念されております。また、本土―那覇間の航空路線も一部廃止・減便されており、今後の離島観光に影響を及ぼすものと考えております。県内離島の豊かな自然や独特の伝統文化等は、沖縄観光における貴重な観光資源となっており、離島観光の振興は重要であると認識しております。
沖縄県としましては、国内外での観光展などにおける離島地域の魅力発信や修学旅行の誘致強化に努めるとともに、今年度においては、定期路線のない地域からのチャーター便に対する支援を行うなど離島観光の需要を喚起してまいりたいと考えております。
同じく観光振興対策についての中で、離島へのクルーズ船導入効果についての御質問にお答えします。
県では、クルーズ船寄港可能な港湾を有する石垣市、宮古島市など離島地域を含めた行政関係者、国の関係機関、旅行事業者等で構成される「沖縄県クルーズ促進連絡協議会」を設置し、官民一体となった誘致活動に取り組んでおります。
クルーズ船の寄港は、オプショナルツアー、買い物、飲食費用などさまざまな経済波及効果をもたらすことから、離島観光の振興に大きく貢献するものと考えております。
今後とも手つかずの自然など離島ならではの観光資源をPRし、離島周遊クルーズを含む沖縄県へのクルーズ船誘致を進めてまいります。
以上でございます。
○警察本部長(黒木慶英) マリンレジャー事業に対する許可制の導入についての御質問にお答えいたします。
まず、許可制とは、一般的に禁止されている行為ないし活動を、一定の条件を満たした場合に行政庁の許可をもってそれを行うことを認めることを言います。したがいまして、マリンレジャーに関する営業を許可制にするということは、通常県内全域または一部の地域においてマリンレジャーに関する営業を罰則をもって禁止することが前提になります。
他方、憲法におきましては、公共の福祉に反しない限り職業選択、営業の自由を保障していることから、その営業を禁止することは行政目的を推進するために、より制約的じゃない他の手段がないかといった点の検討を含め、慎重に判断すべきものと考えます。したがいまして、許可制の導入の必要性ないし相当性を説明することは、現時点では難しいものと考えております。
県警察におきましては、平成5年に制定されました「沖縄県水難事故防止及び遊泳者等の安全の確保等に関する条例」による安全対策を引き続き強化するとともに、条例のあり方についても改善すべきところはないのか、今後研究していくこととしております。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは観光振興対策についての御質問で、修学旅行の離島への誘致等についてお答えをいたします。
小学校における修学旅行の旅行地と日程につきましては、県の「公立小学校・中学校の修学旅行実施基準」に基づき、「本県の範囲内において、1泊2日以内の日程により実施すること」となっております。
修学旅行の実施に当たっては、学習指導要領に示されたねらいを達成するため、児童の心身の発達に応じた日程や健康、安全を確保するとともに、保護者の経済的な負担等を考慮することとしております。
僻地から本島への修学旅行の旅費については、「へき地児童生徒援助費等補助金」が支給されていますが、本島から離島への修学旅行については適用されません。また、要保護、準要保護の世帯の児童を除いては、全額保護者の負担となっております。
なお、旅行地と日程につきましては、学校と所管の教育委員会の相談の上、変更も可能となっております。
本県の離島地域には、世界に誇れる恵まれた自然やすばらしい文化があります。本島内の児童が離島の豊かな自然や文化に触れる機会が持てるよう奨励してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 離島・過疎地域振興についての御質問で、石垣島周辺の離島を結ぶ航路の安全確保のためのしゅんせつについてお答えいたします。
石垣島周辺の離島を結ぶ竹富南航路整備事業については、国が平成23年度の事業化に向けた調査を実施しているところであります。本事業を円滑に進めるため、国がことし5月に「竹富南航路拡張関係者連絡調整会」を設置し、沖縄県、石垣市、竹富町と連携し調整をしております。
県としましては、竹富南航路から県管理港湾への航路について、今後国と連携して対応していきたいと考えております。
次に、土木建築関係についての御質問で、「米軍発注工事に係るワーキンググループ」における検討状況と今後の見通しについてお答えいたします。
県では、関係部局で構成する「米軍発注工事に係るワーキンググループ」において、米軍発注機関や保険会社、金融機関、建設業界等に対するヒアリングを実施するなど、現状把握や課題整理を行っているところであります。これらを踏まえ、今後、制度創設の可能性も含め、新たな仕組みや支援策について検討していきたいと考えております。
同じく土木建築関係の御質問で、運天港、金武湾港、平良港、石垣港の継続事業及び新規事業への対応についてお答えいたします。
国は、直轄港湾整備事業の選択と集中を図るため、重要港湾103港のうち、新規事業の着手対象とする港湾として43港を去る8月に選定しました。運天港、金武湾港、平良港、石垣港については、重点港湾とは別に、離島に対する特別な配慮として選定された12港湾に含まれており、施設の損傷や劣化の程度などに応じ最小限の新規事業を行うことができると聞いております。また、継続事業については、引き続き国の直轄事業として行うこととなっております。
同じく土木建築関係の御質問で、談合事案に係る和解成立業者以外への対応についてお答えいたします。
県発注工事に係る談合事案の調停については、賠償請求対象業者のうち、今議会で提案している案件も含めた145社について裁判所の調停案が提示されております。また、新たに2社が8月10日付で那覇簡易裁判所に調停を申し立てております。
県としましては、残っている業者についても調停申し立てがあれば、これまでの枠組みで合意する考えであります。なお、調停申し立ても行わず、賠償金納付にも応じない業者については、提訴を含めた対応を検討し、早期解決を図りたいと考えております。
同じく土木建築関係の御質問で、県営新川団地、真喜良団地の建設についてお答えいたします。
県営団地の整備については、平成13年度から22年度までを期間とする「沖縄県公共賃貸住宅ストック総合活用計画」に基づき、効率的な建てかえ事業等を行ってきたところであります。
今後は、平成23年度を初年度とする新たな10カ年計画を策定し、老朽化や耐震性等の観点から、建てかえや改善が必要な団地について整備に係る手法や事業時期を定める予定であります。新川団地や真喜良団地についても、同計画において建てかえや改善を検討していきたいと考えております。
同じく土木建築関係についての御質問で、概算要求の1割減による新石垣空港への影響についてお答えいたします。
先般公表された平成23年度航空局概算要求概要によれば、航空機燃料税の大幅軽減に伴い、一般空港の整備予算は対前年度比で約11%減となっております。このことによる事業進捗への影響については現時点では明らかではありませんが、県としましては、新石垣空港整備の必要性、緊急性にかんがみ、平成25年3月の供用に支障がないよう所要予算の確保に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 離島・過疎地域振興についての関連で、海岸漂着物対策事業と県の基本方針についてお答えいたします。
沖縄県の海岸漂着物対策事業については、国の地域グリーンニューディール基金を活用し、平成21年度から23年度までの計画で実施しております。
平成21年度には、行政や地域関係者などから成る「沖縄県海岸漂着物対策推進協議会」を設置し、海岸漂着物対策を重点的に推進する区域を定めております。平成22、23年度は、これらの重点対策区域において回収処理作業を実施するとともに、漂着実態の詳細調査や漂着物等の発生の抑制に係る普及啓発事業を推進していくこととしております。また、海岸漂着物処理推進法に基づき、本県の基本方針として「沖縄県海岸漂着物対策地域計画」を平成22年3月に作成し、これに基づいて平成24年度以降も海岸漂着物対策を着実に進めることとしております。
以上であります。
○病院事業局長(伊江朝次) 地域福祉・医療の充実について、県立病院における産科・小児科医師の配置状況と不足数、また、医師確保に向けた取り組み状況についてお答えいたします。
産婦人科医師については、北部病院2名、中部病院10名、南部医療センター・こども医療センター6名、宮古病院3名、八重山病院4名を配置しておりますが、北部病院において2名の医師が不足しております。
小児科医師については、北部病院4名、中部病院4名、南部医療センター・こども医療センター15名、宮古病院5名、八重山病院4名を配置しておりますが、中部病院において1名の医師が不足しております。
病院事業局では、臨床研修による医師養成、大学医局との協力・連携による医師派遣、人的ネットワークやホームページによる医師募集など、あらゆる手段を講じて医師の確保に努めているところであります。
次に、同じく地域福祉・医療の充実について、県立病院での助産師外来の開設とその背景、今後の産婦人科医師確保との関連についてお答えいたします。
助産師外来は、助産師と医師が役割分担を行うことで、助産師が自律して健診や保健指導を行うことができるようにすること等を目的に開設しております。助産師外来の開設が促進されることで産科医師の負担軽減につながり、産科医師の確保に好影響が出ることを期待しております。なお、現在県立病院で助産師外来を開設している病院は、中部病院、宮古病院及び八重山病院となっております。
以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 地域福祉・医療の充実についての御質問の中の、助産師外来、巡回妊婦健診及び助産師確保の計画についてお答えします。
県立や町村立の診療所を設置している小規模離島における医療は、医師による総合診療を基本としており、助産師外来を開設する計画はありません。
また、巡回妊婦健診については、多良間村が宮古病院と契約を結んで実施しております。
助産師の養成確保については、琉球大学等の選択コースに加えて、平成20年度から県立看護大学で定員20人の別科助産専攻を開設したことから、毎年ほぼ30名の助産師が確保されるようになり、助産師の供給体制は改善されていくものと考えております。
以上でございます。
○辻野 ヒロ子 仲井眞知事、誠意ある数多くの御答弁まことにありがとうございました。
1期4年間、本当に県民や県勢発展のために県政運営に御尽力を賜り、心から感謝と敬意を表します。
これまでのすばらしい実績を踏まえて、普天間飛行場の移設返還を初め県経済の活性化、そして何よりも新たな法整備による沖縄県の振興策に引き続き2期目も頑張っていただきたいと思います。私たち自民党も全面的に支援いたします。決意を申し上げまして、代表質問を終わります。
ありがとうございました。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前11時53分休憩
午後1時22分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
午前に引き続き代表質問を行います。
仲田弘毅君。
〔仲田弘毅君登壇〕
○仲田 弘毅 こんにちは。
自由民主党、仲田弘毅でございます。
党を代表して通告に従い、代表質問を行います。
まずは、県経済の振興についてであります。
(1)、新たな振興計画の策定について。
本県は、復帰して38年が経過しております。その間、3次の振興開発計画と現振興計画を通して本県に投入された振興予算は9兆円に上ると言われ、これにより自立的発展のための基礎条件の整備が進められてきました。しかしながら、沖縄振興予算は年々減少を続け、2010年度は約2000億円となり、2002年度の予算3508億円の半分近くまで激減をしております。今や県債残高は6000億円台に達し、さらなる財政需要の増大で今後1000億円余の収支不足が見込まれるなど、県財政は一層厳しさを増していくものと思われます。現在、県においては新たな振興計画の策定に向け作業が進められており、4次にわたる振興計画の検証、総括の中で自立的発展の基礎条件の整備が限られた効果になったのは国主導の計画であったからだと結論づけられております。政策を提示し実施する県と、予算を握る国との調整がうまくいかなかったということであれば、今後の沖縄の振興策は県が計画する沖縄振興一括交付金と同様、新たな振興計画も県の自由裁量が働く法制度への転換が必要と考えます。
そこで伺います。
ア、県と政府で沖縄振興について話し合う沖縄政策協議会が5年ぶりに再開され、2011年度以降の新たな振興を議論する部会と基地負担軽減を議論する部会が設置されました。県の評価と協議に臨む基本姿勢をまずはお伺いしたいと思います。
イ、「沖縄21世紀ビジョン」の理念を実現するための実施計画策定について、その基本的考え方と検討を進めている新たな振興計画との整合性をどのように図るのか伺いたい。
ウ、沖縄振興一括交付金制度の考え方として、沖縄振興に資する各種施策を実施するための予算を国が継続的に確保するということを法律に明記することも挙げておりますが、地方の負担を伴わない内閣府沖縄担当部直轄事業も一括交付金に係る法律に明記されると考えておりますか、お伺いします。
エ、政府は、経済成長の拠点となる都市への投資を支援する特定地域の創設を決定したようでありますが、本県の那覇旭橋駅開発地域の指定の可能性について伺いたい。
(2)、酒税の軽減措置延長について。
本県において製造業は、雇用の確保に大きな効果が期待されることから、育成・拡充は必要不可欠であります。しかしながら、県内市場を取り巻く環境は厳しさを増しており、もともと市場規模の小さい本県企業は本土企業との対等な競争には、資本力、物流面などで到底太刀打ちできません。このため、2012年5月に切れる沖縄県産の酒類に対する酒税の減税について、県内酒造業界は今回の売上高の減少や市場における価格競争の激化などで経営状況が悪化している状況から、制度のさらなる延長を求めております。本県の置かれた経済状況や産業の振興の観点から、県においては復帰特別措置法に基づく酒税減税措置の再延長に向けた取り組みを強化する必要があると考えます。
そこで伺います。
ア、復帰特別措置法に基づく酒税減税措置が2012年5月末で期限切れとなりますが、酒造業界は景気低迷による出荷数量の減少や県外メーカーとの競争激化など経営環境が厳しい状況にあり、制度の延長を求めております。特別措置が終了した後の県民生活や県経済への影響を考え延長要請を決断すべきだと考えておりますが、知事の決意をお伺いします。
イ、県は2011年度末に切れる沖縄振興特別措置法にかわって新たな「沖縄振興法」の制定を国に求めるとしております。酒税減税措置についても同法の中で独自の施策として位置づけできないかお伺いしたい。
2、平成23年度国庫支出金について。
仲井眞知事は就任後、県民の参画と協働のもと経済の自立を目指し、さまざまな政策を展開してこられました。本県の経済社会環境は、若年者を中心とした構造的な高失業状況や財政依存の経済構造など解決すべき課題が山積しております。このため、県は、平成23年度国庫支出金要請で沖縄振興計画に基づく諸施策を具体的に提示し、継続プロジェクトや新たなプロジェクトの芽出し、国直轄事業の推進を求めております。これらの諸施策を実現する上からも、また本県の置かれた特殊事情からも、沖縄振興特別措置法等に基づく補助率等の特別措置が今後とも講じられる必要があります。
そこで伺います。
(1)、平成23年度内閣府沖縄関連予算要求額が示されましたが、振興計画最終年度として特徴は何か。また、新たなプロジェクトなど主な施策について県の要望が満たされた予算になっているかお伺いします。
(2)、政府の概算要求基準では、前年度予算額から10%削減した額を要求額とし、削減された10%分の1兆円超を要望額として要求が可能とされました。内閣府の沖縄担当部局の概算要求もこの基準に基づいたものとなっているが、どう受けとめるかお伺いします。
3、雇用失業問題について。
本県の雇用状況は、新規学卒者内定状況の下落により、依然、失業率の高どまりが慢性化しており、全国的な景気悪化の改善がおくれる中で企業は人員抑制を続け厳しい状況が予想されます。にもかかわらず、県内新規大卒者は、就職しても早期の離職傾向が高く全国よりも10から15ポイント高いと指摘されております。県は国と協力し、2010年度の新規学卒者の内定率を6月末には82%以上にするという数値目標を設定しております。慢性的な高い失業率や雇用主の都合により解雇する割合が自己都合で離職する割合よりも上回っている現状の中、効果的な対策を打ち出すのは容易ではないと思われますが、県には不退転の覚悟で取り組んでほしいと願うものであります。
そこで伺います。
(1)、求職者が希望する職種や雇用条件と、企業が求める人材とのずれによる雇用ミスマッチの解消に向けた県の取り組みを伺いたい。
(2)、県内新規大卒者の就職状況調査によると、新規就職者で3年目までに約5割前後が離職していると言われ、早期離職者の高さが指摘されておりますが、その要因はどこにあるのか伺いたい。
(3)、改正障害者雇用促進法が施行されたことに伴い、障害者の社会進出を支援するため、企業の意識改革と職場の受け入れ体制の整備が求められておりますが、本県の状況についてお伺いします。
(4)、地域主権改革の観点から、ハローワークの地方への移管が議論されておりますが、県の考えと本県に移管された場合のメリット・デメリットをお伺いします。
4、中小企業育成対策について。
離島県である本県の企業は、そのほとんどが中小企業で占められており、経済のグローバル化による競争の激化や昨今の景気悪化による経済の低迷など、県内中小企業を取り巻く環境は一段と厳しさを増しております。このため、国や県においては、厳しい経済環境の中、県内中小企業に対する緊急保証制度や金融円滑化法に基づく沖縄公庫によるセーフティネット貸付、県の中小企業セーフティネット資金融資などを実施し、企業支援に大きな効果を上げてまいりました。本県は経済の自立を目指しており、そのためには、県内企業の育成対策の拡充は必要不可欠であります。戦略的視点からの施策展開と本県に特化した比較優位性にある産業、いわゆる県の進める「オキナワ型産業」の育成をしっかりと推進することが必要と思われます。
そこで伺います。
(1)、県経済の自立的発展を図るには、県内中小企業の持続的育成・振興が必要であります。現下の中小企業を取り巻く環境が厳しさを増す中で県の総合支援対策を伺います。
(2)、県は産業振興の一環として、ものづくり基盤の強化と新製品の開発を進めておりますが、そのねらいと産学官協働体制はどのように進められているのか伺います。
(3)、沖縄IT津梁パークの情報通信関連産業の新たな拠点施設が完成いたしましたが、入居企業の状況と雇用への波及効果についてお伺いをします。
(4)、企業に活力と雇用意欲を高めるには、県民的支援も必要としますが、そのためには県産品に対する県民の意識啓発と消費意欲の促進が必要であります。県の県産品消費拡大運動は効果を発揮しているのかどうか伺います。
5、基地経済について。
米軍人による事件・事故は、復帰38年を経過して今なお一向に改善はされておりません。知事を会長とする軍転協は、米軍基地から派生するさまざまな問題を解決するよう、政府や民主党に対し7項目の要請を緊急に行っておりますが、その要請をしり目に米兵による事件・事故等が多発しております。これまでの運用改善は法的拘束力がなく、その犯罪が凶悪であるかどうかの解釈もあいまいで、常に米軍優先で解釈されております。政府においては、本県における基地負担の現実を真摯に受けとめ、普天間問題と絡ませることなく米軍と交渉を開始してほしいと願うものであります。
そこで伺います。
(1)、嘉手納飛行場は、相次ぐ外来機の飛来で騒音や悪臭による被害が増大しております。政府は具体的な改善策を検討するのか。また、県はどのような要請行動を行ってきたのかお伺いします。
(2)、米軍人による事件・事故が後を絶たないのは、米軍優先の日米地位協定の存在があると言われております。民主党政権は「日米地位協定の改定を提起する」と公約しておりますが、民主政権になって何が変わったかお伺いします。
(3)、前岡田外務大臣は、普天間飛行場移設問題のめどがつかない間は、地位協定の改定交渉には入らないとの考え方を示しました。本県の米軍基地問題に対する認識不足で配慮に欠けた発言であると言わざるを得ません。県の見解をお伺いします。
(4)、軍転協は、政府や民主党に対し、米軍基地から派生する諸問題の解決を求める7項目の緊急要請を行いましたが、政府の反応と今後の見通しについてお伺いします。
(5)、報道によりますと、米軍は、嘉手納基地のF15戦闘機が普天間飛行場を使用して訓練を行うと発表しておりますが、戦闘機が普天間飛行場を使用することはこれ以上危険を伴うことであり、到底容認できるものではありません。県の見解を伺います。
6、農林水産業の振興について。
民主党政権は、国民生活に不可欠な食料を確保し、農業の競争力を高めながら成長産業として育成していくという本来国に求められる農業政策ではなく、ばらまき政策と言われる農家戸別所得補償制度の導入を優先させております。この制度に要する財源は、今年度は国の農業予算の4分の1に当たる5600億円が計上されておりますが、次年度で米以外に拡大されれば、予算額は1兆円以上に膨れ上がると言われ、米以外の農業品目に対する予算措置がどうなるか懸念されるところであります。特に本県は、小規模零細農家が多くを占め、農業経営も厳しく、全国一律の基準から常に不利益をこうむってきております。地域に合わせた農業政策が必要とされており、民主党政権には地域農業の実態に即した政策を打ち出してほしいものであります。
そこで伺います。
(1)、本県における耕作放棄地は増加傾向にあると言われておりますが、現状と農地の流動化を含めた県の対策について伺います。
(2)、地域振興のためには、農林水産業における特産物の開発や地域ブランドの確立等を推進し、産業を育成することによる雇用の創設もまた重要であると思われます。県の対策をお伺いしたい。
(3)、産業振興のためには、その基盤整備は基本中の基本であります。農業農村整備事業予算の確保の取り組みはどうなっているのかお伺いします。
(4)、県の畜産業、特に肉用牛は、戸数、頭数ともに専業的に顕著な推移を見せておりますが、飼料の主原料を海外に依存している状況にあり、価格や為替の動向が経営に与える影響も大きいものがあります。県の安定的で安価な飼料供給体制の確立について伺いたい。
(5)、県内の食料自給率が40%に上昇しておりますが、その要因とこのことによる県内農水産業全般に与える影響や効果についてお伺いをします。
7、陸上交通網の整備について。
本県は、全国唯一鉄道がなく自動車中心の交通体系になっておりますが、国道58号周辺道路や那覇市を初めとする都市部の交通渋滞は慢性化し、車依存社会は限界に達していると言われております。県は、沖縄本島への鉄道導入の可能性調査を実施しておりますが、本県は戦後鉄道の恩恵を受けておらず、逆に米軍基地の過重負担を強いられてきております。この実情を踏まえ、国に対し強く主張すべきだと考えております。この上で、新たな法制度の創設による導入をしっかりと訴えていただきたいものであります。
そこで伺います。
(1)、中南部都市圏の渋滞解消と体系的な交通ネットワークの構築を図るため県の基本方針とクリアすべき課題、鉄道導入の位置づけについて伺いたい。
(2)、県は、沖縄本島への鉄道導入の可能性調査を行っておりますが、膨大な建設コストが試算されております。導入に向けての前提条件について伺いたい。
(3)、調査は、今後の返還跡地を含む中南部都市圏における公共交通システムの導入可能性を検討するということになっておりますが、これは普天間飛行場の移設返還が前提にあるのか伺う。
(4)、膨大な建設費用は事業化に向けて足かせになると言われておりますが、現行の法制度のもとで県は負担に耐え得るか。また、運行会社の運営費を含めた負担軽減が図られるか、新たな法制度の創設が必要ではないか、お聞きします。
8、子育て支援について。
(1)、待機児童の解消について。
本県は、全国と比べて待機児童が多く、その解消をいかに図るかが重要な課題となっております。そのためには、安心こども基金や保育所入所待機児童対策特別事業基金の2つの基金を活用して、保育所の整備や無認可保育所の認可化を進めており、大きな効果を上げてまいりました。一方、国は待機児童の解消を図るため、働き方の見直しによる仕事と生活の調和、親の就労と子供の育成、家庭における子育て支援のための新たな次世代育成支援のための枠組み構築が必要であると提言しております。その目標を実現するためには何よりも都市と地方・地域に区別なく、希望するすべての人が子供を預けて働くことができるような社会の仕組みづくりが重要であります。
そこで伺います。
ア、県は、平成23年度までに20施設を認可化し、1200人の定員増を図るとしております。市町村の主体的取り組みが重要であり、財政負担を含め市町村との協議をどのように進めていくのか、お聞かせください。
イ、認可外保育施設を活用した家庭的保育・保育ママについて、本県の待機児童解消策となり得るか。また、認可外保育所の多い本県の特性から実現の可能性はどうか。
ウ、政府が幼稚園・保育所・認定こども園を統一した幼保一体化を進めるとしておりますが、その概要と本県における導入について伺いたい。
エ、保育所整備と認可化の促進、認可外保育所の施設・設備の改善費への補助、無利子融資制度の創設について伺いたい。
オ、認可外保育所の給食費の認可保育所並みの支援についてお伺いをします。
(2)、児童虐待について。
全国的な児童虐待が社会問題化する中で、児童虐待で全国の警察がことし上半期に摘発した件数は、前年同時期比で24件増の181件と過去最多であり、このうち県内は5件となっております。改正児童虐待防止法は、虐待のおそれのある家庭に対し強制的に立ち入ることを認めておりますが、2009年度は全国でわずか1件しか立入事例はなかったとのことであります。しかし昨今、虐待の事態を見れば、積極的に立ち入りを行使すべきだと考えております。一方で、虐待に対応する児童福祉司が増加する虐待通告への対応で手いっぱいになり、ケアにまで行き届かないという状況が指摘されております。虐待された児童にとって最も大切なことは、心に傷を残さないためのケアをいかに行うかであると考えております。
そこで伺います。
ア、児童虐待は、全国的に増加しており、警察における摘発も過去最多となっております。本県における摘発件数の推移と特徴について伺います。
イ、虐待を受けた場合のケアについてはどのようになされておりますか。また、児童福祉司が虐待通告に対する対応に追われケアに支障が出ておりますが、本県の状況はどうかお伺いします。
ウ、政府は、虐待の疑いがあるとの通報を受けてから48時間以内に児童相談所の職員が実際に目で見て確実に把握するよう通知したようでありますが、県はどのような対応のあり方を指導しておりますか。
9番、教育の振興について。
国の中央教育審議会初等中等教育分科会の提言を受け、文部科学省は現在1学級40人から35人に引き下げ、小学校低学年は30人学級を検討するとの考えを示しております。本県は、小学校1、2年で30人学級を導入しておりますが、それでも全国平均より低いのが現状であります。少人数学級の本格導入には教員の大幅増が不可欠であり、他県と同様人件費等の財政問題が大きな壁になっております。しかしながら、少人数学級にすることで教員の増加は避けられないにしても、担当する教員の児童生徒に接する度合いは格段と広がり、きめ細かい教育・指導が容易になると考えております。
そこで伺います。
(1)、中央教育審議会は、少人数学級や教職員の定数増を求める提言を行いました。ゆとり教育からの転換で、学習時間や指導内容がふえることとあわせ、教育庁においてはどのようなとらえ方をしておりますか。
(2)、少人数学級について、本県は全国平均と比べ低い状況にありますが、その要因と解消策について伺います。
(3)、昨今、企業においても社内で英語を公用語とする動きがふえており、今後、学校における英語教育がますます重要となってくると考えられますが、本県における英語教育の取り組み状況を伺います。
(4)、2010年度全国学力・学習状況調査を受け、教育庁としてどのように評価し、今後生かしていくのかお伺いします。
(5)、本県で初めて開催されました全国高等学校総合体育大会「美ら島総体」は、本県で各県持ち回りは一巡し、来年度からはブロック開催になるということでありますが、本県開催の評価と総括をお願いいたします。
(6)、珊瑚舎スコーレ夜間中学に対する財政支援を含めた支援策について、現在の状況と今後の見通しについてお伺いをします。
(7)、海外における県人会からの「海外留学生受入事業」が事業仕分けで「不要」とされましたけれども、母県である沖縄県の果たす役割は大きいものがあります。県の考え方はどうかお伺いします。
○知事(仲井眞弘多) 仲田議員の御質問に答弁させていただきます。
まず第1に、県経済の振興についてという御質問の中で、沖縄政策協議会に関する御質問がございます。お答えいたします。
沖縄政策協議会は、総理を除く全閣僚と沖縄県知事が沖縄に関する基本政策に関し協議する最も大きな枠組みの協議会となっております。今回は、菅総理も出席して9月10日に開催され、総理が冒頭のあいさつで、沖縄の振興のためには、成長が著しいアジアの活力をとらまえて、沖縄の独特の文化や自然に代表されるソフトパワー等を活用した振興策を進める必要があり、政府においては、沖縄県と連携し、沖縄の自立的かつ持続的な発展のための取り組みを強力に進めていきたい。そのため、沖縄県の意見を十分に伺いながら平成24年度以降の沖縄振興についてしっかりと検討していきたいと述べられたことは、大変意義深いものと考えております。また、協議会の中に、新たに2つの部会を設置することが確認されております。これは国家戦略を見据えた沖縄振興策の検討と、そして米軍基地負担軽減及び地位協定をめぐる課題への対応に関して協議することとなっておるものでございます。
沖縄県といたしましては、「沖縄21世紀ビジョン」を実現するため、沖縄政策協議会において、沖縄振興特別措置法にかわる新たな法律の制定や沖縄振興一括交付金(仮称)の創設、駐留軍用地跡地利用促進法(仮称)の制定、過重な基地負担軽減に関する抜本的な取り組みに向けての対応等につきまして政府と協議をしていきたいと考えているところでございます。
次に、同じく県経済の振興に係る御質問の中で、「沖縄21世紀ビジョン」の理念の実現と新たな振興計画との整合についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県では、「沖縄21世紀ビジョン」の目指すべき将来像を県民一体となって実現していくため、期間10年の基本計画を策定することといたしております。これまで沖縄の振興につきましては、国計画によりまして総合的な施策の展開が図られ、立ちおくれておりました社会基盤の整備、そして沖縄県の経済社会の発展のため大きな役割を果たしてきたと考えております。しかしながら、復帰後38年が経過し、地域主権改革が展開される中、地域の主体性を生かした計画を策定し、地域のニーズに的確に対応した各種施策の展開を図っていくことが求められております。
県といたしましては、国に対して、県が策定した計画について沖縄の特殊事情を踏まえ、現行の沖縄振興特別措置法後の新たな法律を制定し、計画に基づく施策に対して支援することを求めていきたいと考えているところでございます。
次に、同じく県経済の振興に係る御質問ですが、酒税軽減措置延長要請についての決意及び新たな沖縄振興法への酒税軽減措置の位置づけについてという御趣旨の御質問にお答えいたしますが、この1の(2)のアと1の(2)のイは関連いたしておりますので、お許しを得て一括して答弁させていただきます。
県内酒造業は、離島も含めてそれぞれの地域の重要な地場産業であります。そして大きな雇用を提供いたしております。加えて沖縄の歴史・文化に根差した魅力ある、いわば文化財とも言える性格も持っており、観光資源でもございます。酒造業界及び国等と無論意見交換をしっかり行い、酒税軽減措置の延長を確実に実現できるように、議会の先生方、仲田議員ともどもぜひともお力を得て頑張ってまいりたいと考えているところでございます。
次に、平成22年度国庫支出に係る御質問の中で、平成23年度内閣府沖縄関連予算についての御質問にお答えいたします。
内閣府沖縄担当部局の平成23年度概算要求は、総額2304億500万円で、前年度予算と比べまして0.3%の増となっております。平成23年度は沖縄振興計画の最終年度であります。今後の沖縄振興のあり方を見据えた極めて重要な年度でもございます。このため、内閣府としては、現行の沖縄振興計画の総仕上げを行うとともに、沖縄県が策定いたしました沖縄21世紀ビジョンの実現を後押しすべく、効果的な対策を盛り込んでおります。沖縄県の要望に配慮した内容となっているものと考えております。具体的には、新規事業といたしまして、「「万国津梁」人材育成事業」や「沖縄国際航空物流ハブ活用推進事業」などが盛り込まれております。継続事業といたしましては、新石垣空港や伊良部架橋など社会資本の整備につきましても引き続き盛り込まれているところでございます。
沖縄県といたしましては、今後とも内閣府沖縄担当部局等との連携を密にし、必要な額の確保に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
加えて、農業農村整備事業関連予算につきましては、農林水産省の事業を活用するなど、引き続き所要額の確保に努めますとともに、一括交付金についても沖縄県の要望に沿った形で実現されるよう、求めてまいりたいと考えております。
次に、中小企業育成に係る御質問の中で、IT津梁パーク事業の入居状況及び雇用についての御質問にお答えいたします。
沖縄IT津梁パークにつきましては、昨年6月に完成いたしました中核機能支援施設A棟に続きまして、6階建て、延べ床面積約5200平米の「中核機能支援施設B棟」及びIT関連企業の円滑な進出を支援いたします2階建て、延べ床面積約2800平米の「企業立地促進センター」がことし9月に供用開始されております。現在、中核機能支援施設に9社、そして企業立地促進センターに2社の入居が決定いたしております。これら施設での就業者数は約800人まで拡大する見込みでございます。
次に、基地問題に係る御質問の中で、日米地位協定の改定についての御質問にお答えいたします。5の(2)と5の(3)は関連いたしておりますので、お許しを得て一括して答弁させていただきます。
日米地位協定は一度も改正されないまま締結から50年が経過しております。人権や環境問題などに対する意識の高まり等の中で、時代の要求や県民の要望にそぐわなくなっていること等から、沖縄県におきましては、11項目にわたる抜本的な見直しを要請してきたところでございます。
政府は、「日米地位協定の改定を提起する」としているもののこれまで改定の方針等が示されておりませんことから、去る8月6日、県は軍転協と連携をして政府に対し緊急要請を行い、早急に方針等を明示し、見直し作業に着手するよう求めたところでございます。
岡田前外務大臣の発言につきましては承知しておりますが、ことしは日米地位協定制定50年の節目の年であり、県といたしましては、軍転協や渉外知事会等とも連携しながら、粘り強く地位協定の見直しを求めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、同じく基地問題の中で、軍転協緊急要請についての御質問にお答えいたします。
私は、鳩山前総理が来県された際に、負担軽減につきまして強く申し入れを行い、その結果、去る5月31日に政府から回答をいただいたところでございます。これを受けて、具体的に行動を起こす必要があると考え、去る8月6日に軍転協として緊急要請を行い、県民の目に見える形で基地負担の軽減を図るため、具体的かつ実効性のある対応策を講じるよう、政府に対し強く申し入れたところでございます。これに対し、仙谷官房長官や北澤防衛大臣、岡田前外務大臣から、要請について真摯に受けとめ、解決に取り組みたい旨の発言がございました。
県としましては、引き続き、軍転協とも連携をし、あらゆる機会を通じて、日米両政府に対して負担軽減を求めていきますとともに、沖縄政策協議会のもとに設置されました米軍基地負担軽減部会におきましても検討がなされるよう、求めていきたいと考えているところでございます。
次に、子育て支援に係る御質問の中で、認可化促進の取り組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
認可外保育施設の認可化につきましては、待機児童対策特別事業基金により進めており、今年度、本基金の施設整備の補助限度額を700万円から3000万円に引き上げたところでございます。平成22年度は、市町村からの要望を受けまして、当初予定いたしておりました10施設の認可化に向け手続を進めているところでございます。
県といたしましては、今後とも同基金のさらなる充実を図りますとともに、市町村と連携をし、認可化の促進に努めてまいりたいと考えております。
同じく子育て支援に係る御質問の中で、認可外保育施設の給食費の支援についての御質問にお答えいたします。
認可外保育施設への給食費助成につきましては、平成20年度から牛乳代に加えまして新たに米代の助成を行うなど、これまで段階的に支援の拡充を図ってまいりました。当該事業が入所児童の処遇向上に資するものであることを踏まえ、今後とも持続して抜本的な充実に取り組んでまいる所存でございます。
次に、教育の振興についての中で、「美ら島沖縄総体2010」の評価と総括についての御質問にお答えいたします。
「美ら島沖縄総体2010」は、去る7月28日から8月20日までの24日間、県内27市町村及び県外1市で選手・監督・観客等、延べ約53万人の参加のもと開催され、成功裏に終えることができました。県民、市町村並びに関係者の皆様方に心から感謝申し上げる次第でございます。
今大会で沖縄県選手は、団体・個人合わせて優勝11種目、準優勝12種目、3位12種目など入賞が56種目と目覚ましい活躍を見せ、過去最高の成績を上げることができました。選手以外の県内すべての高校生も「一人一人が主役」をモットーに「イチャリバチョーデー」の精神で大会を支えるとともに、県外の選手・役員・応援団と交流を深め大会の成功へ導きました。
単独県開催の最後となった今大会は、沖縄県高校生のスポーツ振興と競技力向上に大きく寄与したとともに、大会に参加した高校生の達成感、そして成就感は多大な教育的効果があったものと考えております。経済面におきましても、大会参加者の約25万泊に上る宿泊や大会期間の7月、8月の入域観光客数が過去最高を記録するなど、県経済にも寄与していると考えられます。
今後とも、将来の沖縄を担う子供たちの人材育成に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(川上好久) 県経済の振興についての御質問の中で、内閣府沖縄担当部局直轄事業の一括交付金化についてお答えいたします。
地域主権改革において一括交付金化は国のひもつき補助金を対象にしており、国の直轄事業に係る予算は対象となっておりません。一方で、地域主権改革においては単一の都道府県の地域内で完結する業務については原則地方へ移管することとされており、沖縄における国の直轄事業に係る予算については、その役割分担に基づき検討されるものと考えております。
次に、特定都市再生緊急整備地域(仮称)の創設による那覇旭橋駅東地域の指定の可能性についてお答えいたします。
国は、成長著しい中国、シンガポール等に比べ、アジアの中核拠点としての競争力が急激に低下しつつある我が国の大都市の国際競争力を強化するため、都市再生特別措置法を改正し、「特定都市再生緊急整備地域(仮称)」を創設することとしております。特定地域の指定については、今後、都市再生特別措置法の改正や都市再生基本方針の改定等を踏まえ国により決定されることとなります。
沖縄県としましては、これらの内容等を確認するとともに、那覇市と連携しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、陸上交通網の整備についての御質問の中で、鉄道導入の位置づけ等についてお答えいたします。
中南部都市圏における渋滞緩和及び体系的な交通ネットワークを構築するためには、都市の一体的発展を支える骨格性、速達性及び定時性等の機能を備えた新たな公共交通システムの導入が必要であると考えております。
昨年度の調査において、鉄道、LRT及びモノレールなどの公共交通システムを比較した結果、鉄道が最適なシステムであると評価する一方で、膨大な建設コストや維持コスト等の課題があると整理しております。
次に、鉄道導入の前提条件と新たな法制度について一括してお答えします。
鉄道導入に要する負担額は、現行制度では建設コストや維持コストなど膨大な額が見込まれ、経営及び財政上の大きな課題があると考えております。したがって、鉄道の導入については、その整備及び運営に要する費用を軽減することが前提であり、そのための新たな仕組みについて検討し、必要に応じて国に求めてまいりたいと考えております。
次に、鉄道導入の前提についてお答えいたします。
昨年度、県が実施した調査は、嘉手納以南の返還跡地の活用を前提にした新たな公共交通システムの導入可能性について検討したものであります。鉄道を含めた新たな公共交通システムは、体系的な陸上交通ネットワークの構築、都市圏における渋滞緩和、効率的な土地利用などを考える観点から、着実に検討を進めていくべきものと考えております。
以上でございます。
○総務部長(兼島 規) 平成23年度国庫支出金に関する質問のうち、内閣府沖縄担当部局の概算要求についてお答えいたします。
国の概算要求基準は、前年度予算額の90%以内の額を概算要求枠とし、前年度予算と概算要求枠との差額を特別枠として要望できるとしております。そのため、内閣府沖縄担当部局は、概算要求額2304億500万円のうち特別枠として、「「万国津梁」人材育成事業」や「若年者ジョブトレーニング事業」など、216億2100万円を要求しております。
概算要求は、現行の沖縄振興計画の総仕上げを行うとともに、県が策定した「沖縄21世紀ビジョン」の実現を後押しすべく、観光振興、雇用対策、新産業育成、社会資本の整備などが盛り込まれており、県の要望に配慮した内容となっていると考えております。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 雇用失業問題について、雇用のミスマッチの解消に向けた県の取り組みについての御質問にお答えします。
雇用のミスマッチ解消に向けた県の取り組みとして、求職者に対しては、求人の多い業界の理解促進を図るため、情報通信関連産業や観光・リゾート産業などのフォーラム及び企業合同説明会を開催しております。また、求められる技術と技能の不一致を解消するため、公共職業訓練施設等における職業訓練に取り組んでいるところであります。さらに、若年者の職業観の形成のため、沖縄県キャリアセンターにおいて就職支援セミナーやインターンシップなど各種施策に取り組んでおります。求人企業に対しては、雇用条件や職場環境の改善を図るため、各種フォーラムの開催や企業の取り組みを支援するコンサルタントの派遣などを実施しております。
同じく雇用失業問題について、新規大卒者の離職率が高い要因についての御質問にお答えします。
沖縄総合事務局の調査によりますと、初めて就職した者の離職の理由としては、仕事内容が合わなかった、給料に不満があった、会社の将来性に期待が持てなかった、職場の人間関係がつらかったなどが挙げられております。
その要因としては、学生の就業に対する知識や理解が不十分であること、また、企業側において勤務条件の明示が十分でないことやキャリア形成プランが整備されていないことなどが挙げられます。このため、離職防止にはキャリア教育の充実や魅力ある職場づくりが重要であると考えております。
同じく雇用失業問題について、改正障害者雇用促進法に伴う企業の意識改革と職場受け入れ体制の整備状況についての御質問にお答えします。
今回の改正は、障害者雇用納付金制度の対象となる事業主の範囲を従業員301名以上から201名以上までに拡大するとともに、短時間労働者を障害者雇用率制度の対象に加えるなど、障害者の雇用機会の拡大を図ったものであります。
沖縄県では、毎年9月の障害者雇用支援月間に合わせ、県内の経営者団体に障害者の雇用を促進する要請を行っているほか、障害者の雇用に理解のある企業や障害を持つ優秀勤労者の表彰を行っております。また、雇用を前提として企業で職業訓練を行う職場適応訓練事業や、障害者を生活から就業まで一貫して支援する障害者就業・生活支援センターの設置等を行っております。
沖縄県としては、今回の法改正も踏まえつつ、引き続き障害者の雇用の促進に向けて取り組みを強化してまいります。
同じく雇用失業問題について、ハローワークの地方への移管についての御質問にお答えします。
ハローワークの地方への移管については、去る7月の全国知事会議において、今後最優先で国に移管を求めていくことを全会一致で確認したところであります。
その理由として、1、就職だけでなく必要な支援を身近な場所で受けられること、2、企業支援と雇用政策の一体化が可能であること、3、学校教育との連携を強化できること、4、行政改革を強力に推進できることなどを挙げております。
これに対し厚生労働省からは、移管後も全国規模の職業紹介機能が確保されるのか、雇用保険の適切な運用が確保されるか、全国一斉の機動的な対応が可能かなどの意見が出されております。
沖縄県としては、地方の実情に即した雇用対策が主体的に実施できるよう、全国知事会と厚生労働省において議論を深める必要があると考えております。
中小企業育成対策についての御質問の中の、沖縄県の中小企業総合支援対策についての御質問にお答えします。
沖縄県では、経済界からの要望を踏まえ、中小企業の振興に関する施策を総合的に推進するため、平成20年3月に「沖縄県中小企業の振興に関する条例」を策定しました。本条例に基づき、これまで沖縄県中小企業振興会議を5回開催し、中小企業団体等との意見交換を行うとともに、その意見などを参考にして「沖縄県中小企業支援計画」を作成し、経営革新の促進や経営基盤の強化、資金調達の円滑化を図るなど、県内中小企業者のための総合的な支援策を推進しております。ここ数年では、原油・原材料高騰対策支援資金や中小企業セーフティネット資金の融資枠を拡充してきたほか、今年度は求人企業や求職者等へ雇用相談窓口を提供するワンストップ型雇用相談窓口設置事業や県の海外事務所にスタッフを増員するなど、県内中小企業の海外への販路開拓などの支援を行うグローバル市場展開強化事業を実施しております。
今後とも「沖縄21世紀ビジョン」に掲げる「持続的発展の基礎となる地域産業の振興」を図るため、引き続き中小企業の総合的支援に取り組んでまいりたいと考えております。
同じく中小企業育成対策の中の、「ものづくり基盤」強化等のねらいと産・学・官共同体制についての御質問にお答えします。
「ものづくり基盤」の強化と新製品の開発については、製造業等地域産業の振興のための重要な施策として位置づけ、製品の高品質化、生産性の向上及び市場競争力の強化等に取り組んでいるところであります。
このため、県では、企業間の連携促進と技術導入支援を図るための「ものづくり基盤高度化支援事業」や企業の新製品開発を支援する「沖縄イノベーション創出事業」などを実施しております。そのほか、金型産業振興のために金型技術研究センターを設置し、技術人材育成等に取り組んでおります。
これらの事業の実施に当たっては、工業技術センター等の県公設試験研究機関や琉球大学、国立高等専門学校、産業界へ大学の研究成果の移転を進める株式会社沖縄TLOなどの産・学・官が連携し、技術協力や共同開発等の技術支援を行っております。
同じく中小企業育成対策について、県産品消費拡大運動の効果についての御質問にお答えします。
県では、本県製造業の振興を目的に、関係団体と連携して県産品奨励運動を展開しているところであります。
具体的には、県産品展示会の開催や県産品奨励月間街頭パレード、大型小売店への県産品販売促進の要請活動などを実施しております。また、県産品の魅力を広く知ってもらうために、沖縄本島・宮古・八重山で開催される産業まつりを支援しております。
このような関係団体と連携した活動により、産業連関表によると平成17年の製造業自給率は32.7%と、平成12年の32.5%と比較して0.2ポイントでありますが増加となっています。さらに、消費者ニーズに対応した製品づくりが促進され、県産品の品質、製造技術、デザイン等は近年大きく向上するなど、県産品奨励運動の効果は着実に発揮されていると考えております。
教育の振興についての中で、事業棚卸しで「不要」とされた「海外留学生受入事業」についての御質問にお答えします。
平成22年度「県民視点による事業棚卸し」における「海外留学生受入事業」については、40年間事業を続けてきたこと、その間、移住先国の経済状況の向上等により県費での移住者子弟の教育支援といった所期目的が達成されたこと、市町村による子弟受け入れ事業が実施されていること、そのほか財政難等を理由として「不要」との意見が出されました。
沖縄県としては、棚卸し委員の意見を踏まえ、現在、現行事業の廃止や新たな施策の実施も含め全体的に事業の見直しを行っているところでございます。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 基地問題につきまして、嘉手納飛行場での騒音と悪臭についての御質問にお答えいたします。
最近の嘉手納飛行場をめぐっては、米軍再編に伴う一部訓練移転が実施されておりますが、大規模な合同即応訓練や外来機のたび重なる飛来に加え、F22戦闘機の一時配備などにより依然として目に見える形での負担軽減が行われているとは言えないと考えております。
こうした状況を踏まえ、去る8月6日、県は軍転協と連携して政府に対して緊急要請を行い、嘉手納飛行場における航空機騒音の軽減等について具体的かつ実効性のある対応策を講じるよう求めたところであります。また、去る9月14日には、県は米軍及び日米両政府機関に対し同様の要請を行ったところであります。
これに対し、沖縄防衛局から、海軍駐機場の移転等の改善策について、今後取り組みを進めていく旨の説明がありました。
県としましては、引き続き軍転協や渉外知事会等とも連携しながら、騒音や悪臭を初めとした周辺住民の負担軽減が図られるよう、粘り強く取り組んでまいります。
次に、嘉手納基地所属機の普天間飛行場の利用についての御質問にお答えいたします。
米軍によれば、嘉手納飛行場の滑走路改修工事に伴い、滑走路1本で運用が行われる18カ月の間、嘉手納飛行場に着陸できない事態が発生した際に、航空機が普天間飛行場を含む他の飛行場へ着陸地を変更するいわゆるダイバートの可能性が高くなるとのことであります。
普天間飛行場周辺住民の過重な負担を踏まえ、県としては、米軍に対し安全管理を徹底し、ダイバートが発生することがないよう、適切な運用を要請したところであります。
以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農林水産業の振興の中で、耕作放棄地の現状と対策についてお答えします。
沖縄県における耕作放棄地面積は、平成20年度が2950ヘクタールで、平成21年度は2693ヘクタールとなっており減少しております。
県といたしましては、耕作放棄地の再生利用を図るため、沖縄県耕作放棄地対策協議会や27市町村に地域協議会を設置しております。
平成20年度から耕作放棄地対策事業により再生作業、土壌改良、営農対策等を支援し、平成21年度までに約73ヘクタールが再生されております。平成22年度は地域協議会において耕作放棄地の出し手、受け手間の調整を図り、約150ヘクタールの再生作業のほか、土壌改良、営農定着等を支援する計画となっております。
今後、平成23年度を目途に、農業上重要な地域を中心に、約350ヘクタールの耕作放棄地の再生利用を行い、担い手への農地利用集積を進めていくこととしております。
次に、特産物の開発やブランドの確立等産業育成による雇用の創設についてお答えいたします。
県では、農林水産業振興計画に基づき、おきなわブランドの確立や拠点産地の形成による生産供給体制の強化、流通・販売・加工対策の強化や地産地消の推進、農林水産業の基盤整備など、各種施策・事業を総合的に推進しているところであります。
具体的な取り組みとしては、パイナップル、ゴーヤー等、オリジナル品種の育成・普及、琉球在来豚「アグー」を活用したアグーブランド豚や、沖縄独自で改良したおきなわブランド豚の安定供給体制の整備、モズクやシークヮーサー等を活用した加工品開発、ファーマーズマーケット等、農産物直売所の整備、JAおきなわのハーブセンターの整備、恩納村の水産物加工流通施設の整備などにより、特産物の開発や雇用機会の創出に取り組んでいるところであります。
今後とも、特産物の開発や地域ブランドの確立等を推進し、地域経済の発展と雇用促進に努めてまいります。
次に、農業農村整備事業予算の確保の取り組みについてお答えいたします。
本県農業の振興を図るためには、農業生産基盤の整備を計画的に進めることは重要であると考えております。
このため、県としては、平成23年度農業農村整備事業関係予算を確保するため、市長会、町村会等と連携して国に要請したところであります。
平成23年度の内閣府概算要求における農業農村整備事業関係予算は、国庫ベースで前年度に対し4%増の約193億円となっております。また、農林水産省においては、新たに220億円の戦略作物生産拡大関連基盤緊急整備事業を概算要求しており、その事業の中で沖縄枠が確保できるよう、国に対して要請しているところであります。
次に、飼料供給体制の確立についてお答えいたします。
飼料の自給率については、沖縄県酪農・肉用牛生産近代化計画の平成27年度目標60%に対して、平成21年度の飼料自給率は59%に達しております。
県といたしましては、飼料自給率の向上を図り安定的な飼料供給体制の確立のため、草地基盤の整備による草地面積の拡大、優良牧草の育成・普及による粗飼料の増産、耕作放棄地の解消やさとうきびとの輪作による飼料作物作付の推進、ビールかすや食品残渣等の低利用資源のエコフィードの推進などの取り組みを行っております。
また、JAにおいては、飼料を均一に混合し、栄養バランスのとれたTMR飼料を製造する施設を県内の4地域において設置し、飼料自給率の向上を図っております。
今後とも、JA、市町村等関係機関と連携して飼料供給体制の確立に努めてまいります。
次に、食料自給率上昇の要因と農水産業への影響についてお答えいたします。
沖縄県における平成20年度の食料自給率は、カロリーベースで40%となっており、平成19年度の食料自給率33%から7%上昇しております。
その要因といたしましては、平成20年産のさとうきび生産量が約3万3000トン増産し88万2000トンとなったことなどが挙げられます。これは、比較的気象条件に恵まれたことに加え、かんがい施設や圃場整備などの生産基盤の整備、耕作放棄地の解消、ハリガネムシ等の土壌害虫の防除、堆肥投入、点滴かんがい施設導入などの取り組みによるものと考えております。
また、食料自給率の上昇に伴う主な効果といたしましては、さとうきび増産に伴い生産額が約7億4000万円増加し、さらに関連産業への経済波及効果は約30億円と試算されます。
県といたしましては、今後とも食料自給率の向上を図るため、生産供給体制の強化や農林水産業の基盤整備など、各種施策・事業を総合的に推進してまいります。
以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 子育て支援についての御質問の中の、認可外保育施設を活用した保育ママについてお答えいたします。
「沖縄待機児童対策スタディ・グループ」の提言書において、今後の具体的施策の例として、「認可外保育施設の一部を「家庭的保育(保育ママ)の共同実施施設」として位置付け、保育ママが複数人集まる形式で家庭的保育を実施することを検討する。」となっております。
県としましては、保育ママの共同実施が多様な利用者ニーズへの対応や待機児童解消策の一つとして考えられることから、先進的な取り組みを実施している他県の状況を視察・調査したところであります。
今後、実現可能性について課題等を整理し、国及び市町村や関係団体と協議を重ねてまいります。
次に、幼保一体化についてお答えいたします。
国においては、本年6月29日に少子化社会対策会議において「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」を決定しております。同制度案では、「幼稚園・保育所・認定こども園の垣根を取り払い、新たな指針に基づき、幼児教育と保育をともに提供するこども園(仮称)に一体化する。」こととしております。また、平成23年度に法案を提出し、国及び地方の財源を確保しながら平成25年度の施行を目指すとしており、県としましては、今後とも国の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、保育所整備と認可化促進、認可外保育施設の施設改善費の補助等についてお答えいたします。
平成22年度の安心こども基金を活用した保育所整備については、創設や増改築等による29施設の整備を予定しております。そのうち、認可化によるものは3施設となっております。
待機児童対策特別事業基金における施設改善費については、市町村から要望のある施設について、必要な予算を確保の上、対応することとしております。
なお、無利子融資制度の創設についてはさまざまな課題があることから、県としては、当面、基金事業の活用を図ることで認可外保育施設の支援に努めてまいりたいと考えております。
次に、虐待を受けた児童へのケアの対応状況等についてお答えします。
虐待を受けた児童に対しては、児童相談所に配置している児童心理司及び嘱託の児童虐待専門カウンセラーを中心に心理療法やカウンセリング等を実施し、心理的ケアを行っております。また、虐待通告に対しては、主として児童虐待初期対応専任の児童福祉司と嘱託の児童虐待対応協力員が担当しており、児童のケアを行う職員との役割分担により対応しているところであります。しかしながら、心理ケアには一定の時間を必要とするため、今後、虐待のケースが増加した場合でも適切なケアを実施できるよう、児童相談所の体制整備に努めてまいります。
次に、48時間以内の安全確認における県の対応についてお答えします。
児童の安全確認については、国が平成19年4月に「児童相談所運営指針」を一部改正した際に、虐待等の通告受理から48時間以内に行うことが望ましい旨を明記しております。
今般の国からの通知は、大阪市での虐待死亡事件を受けて改めて安全確認の徹底を求めたものでありますが、県の児童相談所においては、従来から48時間内での安全確認を行っているところであり、引き続き適切に対応してまいります。
以上でございます。
○警察本部長(黒木慶英) 本県における児童虐待の摘発件数の推移と特徴についてお答えいたします。
本県における過去5年間の児童虐待事案の検挙件数、検挙人員は、平成17年が8件10人であります。被害児童が9人、うち1人が死亡しております。平成18年は4件4人、被害児童は4人、平成19年は7件7人、被害児童は7人、うち1人が死亡しております。平成20年5件5人、被害児童は5人、平成21年は8件8人で、被害児童は8人、うち1人が死亡しております。
また、本県上半期の検挙件数は5件5人――これは被害児童は5人のうち1人が死亡されております――でありまして、昨年同期と比較しますと1件1名、被害児童1人減少しております。
本年上半期事件化した児童虐待事案5件の原因、動機について、被疑者を取り調べた結果、いわゆるしつけと称して暴力を繰り返していた事案が3件、生活苦のストレスによる事案が1件、性的虐待が1件となっております。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは教育の振興についての御質問で、中央教育審議会からの提言についてお答えいたします。
平成22年7月26日、中央教育審議会初等中等教育分科会において「今後の学級編制及び教職員定数の改善について」、30年ぶりに40人学級の見直しや教職員定数の改善などが提言されました。新学習指導要領や複雑・多様化する生徒指導への対応、教員が子供と向き合う時間の確保など、教育環境の改善を図ることは重要なことであると考えております。
県教育委員会としましては、中央教育審議会初等中等教育分科会から提言されました内容の実現に向けて、財源の確保とあわせて全国都道府県教育長協議会等を通じて国へ要望を行ってまいりたいと思います。
次に、少人数学級の状況についてお答えいたします。
平成22年5月17日に文部科学省が公表した35人以下学級の児童生徒数の集計結果によりますと、鳥取県や秋田県、岩手県など児童生徒数の減少が大きな県においては、自然減によって標準学級編制でも35人以下学級の割合が高い状況にあります。
一方、沖縄県や千葉県、埼玉県など児童生徒数の減少が比較的緩やかな県においては、35人以下学級となる割合が低い傾向にあります。少人数学級を実施するためには、児童生徒数の減少が大きな県に比べ沖縄県など減少が比較的緩やかな県は、より多くの教職員の配置を講ずる必要があります。
県教育委員会としましては、現在、文部科学省において策定されている「新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(案)」の動向を注視していくとともに、 他府県の状況等を踏まえながら今後とも少人数学級について研究してまいりたいと思います。
次に、英語教育の取り組み状況についてお答えいたします。
時代の進展に適切に対応できる能力を備えた国際性豊かな視野の広い人材の育成を図っていくために英語教育の充実が求められております。本県では全国に先駆けて教育課程に位置づけ、すべての小学校で5、6年生を対象に外国語教育を実施しております。特に浦添市、宜野湾市、那覇市、嘉手納町は教育課程特例校を、南城市においては英語教育研究開発校の指定を文部科学省より受け、小学校低学年から外国語活動を推進しております。
県教育委員会としましては、小中高マスターイングリッシュ推進事業を主要事業に位置づけ、小学校では英語に親しむ、中学校では英語を聞き・話すことができる、高校では英語で発信することを目指し、児童生徒の発達段階に応じた英語力の向上に取り組んでおります。
今後とも、小学校から高等学校まで継続した指導を行うことによって、コミュニケーション能力の育成と発信型英語力の育成に努めてまいります。
次に、全国学力・学習状況調査の結果についてお答えいたします。
本年度の本県の結果は、小学校、中学校ともに昨年度とほぼ同様の状況でありますが、小学校においては、正答率、無解答率ともに全国平均との差が着実に縮まっており、これまで推進してきた取り組みが功を奏しているものと考えております。中学校においては、特に数学に関して基礎的・基本的な知識・技能の定着などに課題があり、今後とも取り組みの強化を図る必要があると考えております。
県教育委員会としましては、年度ごとの結果をこれまでも真摯に受けとめ、それを検証・分析し、対応策を立てて学力向上を図る取り組みを推進してきたところであります。
今後とも、学力向上に関する事業及び各学校における校内研究等を充実させるなど、わかる授業の構築を基軸に、幼児・児童生徒一人一人に確かな学力などをはぐくむ取り組みを推進してまいりたいと考えております。
次に、珊瑚舎スコーレの支援策等についてお答えいたします。
珊瑚舎スコーレ夜間中学は、戦中戦後の混乱期に義務教育を受けることができなかった方々に対し学びの場を提供しており、重要な役割を果たしていると考えております。
財政面の具体的な支援につきましては、現行の制度上、厳しいものがありますが、戦中戦後の義務教育未修了者の方々へ学ぶ機会を提供することは大切なことだと認識をしております。現在、これらの方々への支援事業という視点で、未修了者の実態把握や学習支援に係る予算措置について国に要望しているところであります。
以上でございます。
○当銘 勝雄 こんにちは。
社民・護憲会派の代表質問を行います。
普天間飛行場の返還問題は、1996年に合意されてから14年が経過しております。米軍人による少女暴行事件に端を発し、県民の基地返還要求の運動の高まりと危険な普天間飛行場を放置することは許されない状況から起こったものであります。依然として進まない背景には、全国の米軍基地の75%を一つの県に過重負担させていること、2つ目には、米軍基地から派生する人権を無視する事件・事故が多発していること、3つ目には、米軍基地があるため産業経済が伸展しないこと、4つ目には、自然や青い海を売りにする観光立県の産業政策と共存できないことなどから、県民の75%が反対をしております。また、貴重なサンゴやジュゴンの生息する海を埋め立てることは、世界的な環境保護団体などからの反対等もあって進展していないのであります。
鳩山前総理は、このような状況を認識して、衆議院選前には普天間は国外、最低でも県外移設と約束したが、せっぱ詰まって抑止力の面から辺野古移設を日米合意してしまい、社民党の政権離脱などで総理の座からおりてしまった。菅総理も日米合意を踏まえると発言し、参議院選挙では民主党県連は党本部とねじれ現象を起こした。
さて、県内政局においては、県内移設を容認していた自民党や公明党の県議の皆さんも稲嶺名護市長の当選後は、国外・県外移設に方針転換をしてきた。県議会でも国外・県外移設を決議し、オール沖縄の県民総意を伝える体制ができた。残念ながら、これまで県民を差別してきた日本政府の立場は変わっていない。安保条約は必要とするが基地の受け入れはできないと立場を明確にする都道府県知事たちもおります。もっと理解できないのは、75%の県民が反対をし、支える与党議員の皆さん方も反対している辺野古移設へ明確に反対せず、辺野古は厳しい、あるいは不可能に近いというこういうことで固執する本県知事の態度であります。そのために日米政府に辺野古移設を推進する条件を与えていると私は思います。
そういうことで質問をいたします。
1、知事の政治姿勢。
(1)、米軍基地問題。
ア、名護市議選挙は辺野古移設反対の市議が多数を占めた。知事の認識を問います。
イ、5月28日の日米合意の辺野古移設反対を求める考えはないか。
ウ、8月末の日米専門家による報告について伺います。
(ア)、V字型案とI字型案の併記をどう考えるか。
(イ)、オスプレイの配備の隠ぺいについてどう認識するか。
(ウ)、飛行経路が集落上空になるが、知事の認識を問います。
(2)、沖縄政策協議会の再開について聞きます。
沖縄は、戦後この方、米軍基地を県民の意思とは別に背負わされ、あらゆる面で本土各県とのおくれや格差が生じさせられた。それを是正するための振興策であるべきと認識します。そのために復帰以来、特別措置法等によって本県の振興策がとられてきた。4次にわたる振興計画を実施しても本土各県との格差は縮まっていない。本来の沖縄施策はこれまでのおくれをどう取り戻すかでなければならない。しかしながら、政府の沖縄政策は、米軍基地を引き続き受けさせるための手法がとられているのであります。北部振興策などあめとむちの沖縄振興策の延長であってはならないと思います。
問います。
ア、協議会は知事が就任して一度も開かれてなかったのはなぜなのか。
イ、なぜ今開かれるか。辺野古移設推進ではないか問います。
大きな2、次に知事の選挙公約について問います。
政治家にとって公約は大切なものと認識しております。「最低でも県外」を守れず、県内移設に転換したために総理の職を辞した方もおりました。知事の公約は140万県民の生活に直結し、多くの県民がその実現を期待しているものであります。これまで知事は、けさの答弁ではほとんどの公約――14の柱、170項目にわたるもの――に着手したと言っておりますが、着手だけでは成果にならない。成就して初めて公約を果たしたことになるのではないか。特に、失業率など4%台にすると取り組んだかもしれないが、何ら改善がなされておりません。
そこで問います。
(1)、待機児童ゼロは達成できたか。
(2)、毎年100人の海外留学生派遣の実績はどうなったか問います。
(3)、小学校30人学級の達成状況と実践外国語教育の導入の実績と成果について問います。知事は、多くの父母や学校関係者の期待にこたえていないというふうに思います。
(4)番、観光客1000万人の誘致の達成状況と観光収入の伸びについてであります。
ア、1000万人達成は可能か、その手だてを示してください。
イ、観光の経済効果が伸び悩んでおります。人数だけではなく、観光消費額を含めてふやす必要があるがどう改善されるか問います。
大きな3、沖縄振興特別措置法の今後の方向について問います。
4次にわたる振興計画もあと2年で終了することになりますが、当初の目標であった本土との格差是正は依然として縮まっておりません。我が国の南の表玄関としての位置づけも遅々として進んでおりません。ようやくアジア・ゲートウェイ構想で手をつけたばかりであります。
そこで問います。
(1)、特別措置法をどう継続させていくか。
(2)、21世紀ビジョンやそれを受けた振興計画策定にどう結びつけていくか問います。
(3)、一括交付金制度の導入を要請しておりますが、これまでの特別措置の確保は可能なのか伺います。
大きな4、農林水産業についてであります。
アリモドキゾウムシの根絶事業について伺います。
中国から伝来した芋は、琉球を経て鹿児島県などに普及をし、菓子やしょうちゅうの原料として重用されております。本県は、アリモドキゾウムシやイモゾウムシの害虫があるため、利用価値を低くし生産が伸びず、焼き芋などは県外から移入をしている状況です。本県は芋の栽培に適し、生産を伸ばして県外出荷を奨励すべきであるというふうに考えます。
そこで問います。
ア、久米島における根絶の進捗状況。
イ、根絶後のカンショの生産、加工、出荷計画について。
ウ、久米島のゾウムシ根絶後の新たな展開方法について問います。
(2)、22年度予算で県全体では前年並みに確保されたが、農林水産予算が11%も削減されました。どう政府要請をしたか問います。
5、酒税軽減措置の延長についてであります。
泡盛は、沖縄県の人から人へ長年にわたって蓄積された酒文化であり、本県の誇る産業であります。海外や県外でも評価を得ており、今後、移・輸出産業として振興すべきであるというふうに考えます。県は、さきの議会で再延長は厳しいが努力すると答弁しているが、厳しいと前置きせずに取り組むべきではないか問います。
そこで、軽減措置による効果について伺います。
2つ目には、業界からの要請はあるか、県の対処方針について問います。
大きな6、県の生活保護速報によりますと、平成5年から平成22年の17年間で保護世帯は2倍になっております。
そこで問いますが、加速度的にふえた理由は何なのか。
(2)、保護率は市部が高く、市町村間においても3倍以上、3.96の開きは何なのか問います。
(3)、保護率の増加に対応したケースワーカーの配置はなされているのか問います。
7、教育関係についてであります。
(1)、ゆとり教育の推進について。
ア、教職員の労働実態は把握されているか。
イ、勤務実態調査における教職員の労働条件の改善は何なのか。
ウ、職員が50人に満たない学校は、市町村教育委員会単位に労働安全衛生委員会を設置する考えはないのか。
(2)、幼保一元化についてであります。
ア、国の幼保一元化推進の現状と方向について問います。
イ、県の対応方針について問います。
○知事(仲井眞弘多) 当銘勝雄議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、名護市議会議員選挙の結果についての御質問にお答えいたします。
今回の名護市議会議員選挙の結果につきましては、各候補者の市政全般にわたるさまざまな政策に対し、名護市民が下した民意のあらわれとして真摯に受けとめる必要があると考えております。一方、普天間飛行場移設問題につきましては、今回の選挙結果によって、名護市辺野古への移設案は一層困難になったと考えております。
次に、同じく政治姿勢の中で、日米共同発表の辺野古移設に反対することについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
県といたしましては、去る5月の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと繰り返し申し上げてきたところであります。そして、名護市長選挙や県議会の意見書議決、県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難であると考え、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を示すよう求めてきましたが、政府からこの間の県民の怒りと失望にこたえ得る説明と解決策は依然として示されておりません。
県といたしましては、このような状況にかんがみ、政府に対し日米共同発表を見直し、普天間飛行場を県外に移設することを求めてまいりたいと考えております。
次に、同じく政治姿勢の中で、沖縄政策協議会が知事就任後開かれなかった理由、そして今回開催された理由及び辺野古移設についての御質問にお答えいたしますが、1の(2)のアと1の(2)のイは関連しておりますので、お許しを得て一括して答弁させていただきます。
沖縄政策協議会は、これまで「沖縄振興計画」や「沖縄振興特別措置法」など、沖縄の極めて重要な課題を協議する場合に開催されております。今般、沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画の終期が平成24年3月に迫ったため、協議の再開を求めたところであります。
沖縄県としましては、「沖縄21世紀ビジョン」を実現するため、沖縄政策協議会において、沖縄振興特別措置法にかわる新たな法律や駐留軍用地跡地利用推進法(仮称)の制定、沖縄振興一括交付金(仮称)等の創設、そして過重な基地負担軽減に関する抜本的な取り組みに向けての対応について政府と協議してまいりたいと考えております。
本協議会は、あくまで今後の沖縄振興と基地負担の軽減について話し合うためのものであり、辺野古移設に関することは協議の対象としないこととされております。
次に、選挙公約についての御質問の中で、待機児童の解消に係る御質問にお答えいたします。
待機児童の解消につきましては、保育所整備や認可化の促進等により、平成19年度から平成22年度までに2022人の定員増を図ってまいりました。これらの取り組みの結果、平成22年4月1日現在の待機児童数は1680人で、前年度に比べて208人減少いたしております。
県としましては、今後とも国及び市町村や関係団体と連携をして、待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。
次に、同じく選挙公約に係る御質問の中で、海外留学100人派遣の実績いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
国際性に富んだ創造性豊かな人材の育成を図るため、平成22年度の予算におきましては、海外留学生派遣事業を拡充し、9月現在での派遣人数は98名に上っております。なお、公約であります100人は年度内に達成できるものと考えております。
次に、同じく選挙公約に係る御質問の中で、観光客1000万人達成の可能性とその手だてについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
私は、2016年までに観光客数1000万人の達成を目標として掲げております。昨年度の実績は569万人で、目標に対し約60%の達成状況となっております。国際的な観光・リゾート地として沖縄の持つポテンシャルは、世界的にも非常に高いものがあると考えております。さらに国内外の誘客活動を強化し、引き続き目標の達成に向け全力で取り組んでまいる所存でございます。
次に、沖縄振興特別措置法の今後の方向についてという中で、沖縄振興特別措置法をどう継続させていくかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県では、県民が望む将来像を描く「沖縄21世紀ビジョン」を実現し、日本とアジア諸国の交流に貢献し、我が国の発展に寄与する地域として貢献していくため、沖縄振興特別措置法にかわる新たな法律の制定を含む新たな沖縄振興の枠組みが必要であると考えております。このため、8月30日に前原前沖縄担当大臣、9月9日に政府の沖縄振興審議会、そして9月10日に沖縄政策協議会で全閣僚へ、「新たな沖縄振興の必要性」につきまして説明をしたところであります。今後、沖縄政策協議会等を通じまして新たな法律の制定を目指して政府と協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、酒税軽減措置の延長に係る御質問にお答えいたします。
復帰特別措置によりまして酒税が軽減されてきたことによる最大の効果は、酒造業界が近代化設備投資を進め、品質の向上や省力化に取り組み、企業体質の強化が図られ、昭和47年の復帰時の事業規模から大きく拡大したところでございます。また、県内市場におきましては、他の酒類と比較しまして低価格の商品を県民に提供しており、酒税軽減措置は県民生活や県内酒造業の経営基盤強化に大きく貢献しているものと考えております。
次に、同じく酒税軽減措置に係る御質問の中で、業界からの要請状況と県の対処方針いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
復帰特別措置法に基づく酒税軽減措置につきましては、去る8月18日に沖縄県酒類製造業連絡協議会から、業界の現状は売上高の減少傾向など極めて厳しい経営環境にあり、真に自立した企業を確立するためには、復帰特別措置の継続が不可欠であるとの要請を受けたところでございます。
県といたしましては、長期化する景気低迷の影響など、県内酒造業を取り巻く経営環境は厳しさを増していると認識いたしております。
県内酒造業は、離島も含めてそれぞれの地域の重要な地場産業であり、さらには、沖縄の歴史・文化に根差した魅力ある観光資源でもございます。このようなことから、県といたしましては、酒税軽減措置延長の実現に向けて強力に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢につきまして、V字とI字の両案の併記及び集落上空の飛行経路についての御質問にお答えいたします。1の(1)のウの(ア)と、1の(1)のウの(ウ)は関連しますので、一括してお答えさせていただきます。
県は、去る8月31日に「普天間飛行場の代替の施設に係る二国間専門家検討会合の報告」について、政府から説明を受けましたが、名護市辺野古への移設を受け入れることは極めて厳しいという県の考えに変わりはなく、説明内容にかかわらず、現時点で辺野古移設を前提とした代替施設の位置、配置、工法、飛行経路等について議論する状況にはないと考えております。
次に、オスプレイ配備についての御質問にお答えいたします。
去る9月9日の参議院外交防衛委員会において、岡田前外務大臣は、オスプレイに関して申し上げると、配備されるかどうか現時点でははっきりしていない。しかし、可能性はある。2プラス2(日米安全保障協議委員会)の折には、飛行経路について示さなければならなくなる可能性が高い。それまでにオスプレイについてきちんと方針を決め、そのことを前提に飛行経路を描き、説明しなければならないと答弁しております。また、オスプレイの配備計画について、外務省沖縄事務所に照会したところ、オスプレイの沖縄配備については、現時点で具体的に決まっているわけではないと米側から回答を得ているとのことであります。
県としましては、オスプレイの沖縄への配備計画及びその安全性や騒音等については、政府から事前に十分な説明が必要であると考えております。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは選挙公約についての御質問で、30人学級と外国語教育についてお答えいたします。
30人学級につきましては、きめ細かな指導により、児童一人一人が基本的な生活習慣や社会的規範を身につけ、基礎・基本の学力の定着を図ること等から、小学校1、2年生で実施しております。本年度の実施状況は、小学校1年生で86.6%、2年生で85.0%が30人以下の学級となっております。
外国語教育につきましては、国際性豊かな視野の広い人材の育成を目的に小学校から外国語教育を積極的に推進しております。本県では平成21年度から全国に先駆け、すべての小学校で5、6年生を対象に教育課程に外国語活動を位置づけて実施しております。とりわけ、南城市の研究開発学校や那覇市、浦添市、宜野湾市、嘉手納町の教育課程特例校においては、低学年から外国語教育を実施し、外国語学習に関する興味・関心、意欲やリスニング力の向上などの成果が報告されております。
県教育委員会としましては、小中高マスターイングリッシュ推進事業を主要事業と位置づけ、小学校では英語に親しむ、中学校では英語を聞き・話すことができる、高校では英語で発信することを目指し、児童生徒の発達の段階に応じた英語力の育成に取り組んでまいります。
次に、教育関係についての御質問で、教職員の労働実態把握についてお答えいたします。
県教育委員会では、教職員の労働実態を把握するために、平成20年7月に「教職員の勤務の実態や意識に関する調査」を実施いたしました。その結果によりますと、ほとんどの教員が時間外業務を行っており、過半数の教員が1時間以上の持ち帰り業務を行うなど、教員の時間外勤務が常態化している状況があります。また、勤務時間外に業務を行った理由としましては、9割近くの教員が「勤務時間内には時間がとれなかった」、「勤務時間内に処理できる業務量ではない」と回答しており、業務に関して負担感を持っております。
次に、教職員の労働条件改善についてお答えいたします。
県教育委員会としましては、教職員の労働条件改善に向けて、定時退校日やノー部活動日等の設定、会議の精選、報告書の簡素化等を推進しているところです。また、働きやすい職場づくりを目指して全県立学校に負担軽減検討委員会等を設置し、業務の簡素化に向けて各学校の実情に応じた取り組みを行っているところであります。さらに、今年度から2年間で全県立学校に負担軽減推進員を配置し、負担軽減検討委員会等の活性化を図っております。
具体的な改善としましては、平成22年2月現在、定時退校日を設定したのが県立学校61校、小中学校53校、ノー部活動日を設定したのが県立学校57校、中学校40校となっております。また、年休等の奨励、職員朝会の回数の縮減、勤務終了後の早期帰宅の奨励、時間外超勤の回復措置の推進、教職員の悩み相談、休憩時間の確保などが挙げられます。今後とも多忙化解消に向けて取り組んでまいります。
次に、衛生委員会の市町村教育委員会単位での設置についてお答えをいたします。
労働安全衛生法では、50人以上の学校には衛生委員会を設置し、50人未満10人以上の学校には衛生推進者の選任が義務づけられております。市町村教育委員会においては、衛生委員会の設置率が72.7%、衛生推進者の選任率が83.5%となっており、教職員の健康保持・増進と職場環境の改善に取り組んでいるところであります。なお、各学校の衛生委員会及び衛生推進者をサポートするため、市町村教育委員会単位で任意の総括的組織を設置することは、有効な手だての一つと考えられます。
県教育委員会としましては、今後とも労働安全管理体制の整備・充実について、市町村教育委員会への指導助言を行ってまいりたいと考えております。
次に、幼保一元化の現状と今後の対応について一括してお答えいたします。
近年、少子化や核家族化、働く女性の増加等、社会の変化に伴うさまざまな要因から、幼稚園と保育所の連携が一層促進され、幼稚園と保育所とで区別なく、小学校就学前の子供の育ちを支える体制を整備するために「認定こども園」の制度がスタートいたしました。そのような中、新たに本年6月、国では少子化社会対策会議において「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」を決定し、幼稚園と保育所、「認定こども園」の垣根を取り払い、幼児教育と保育をともに提供する「こども園(仮称)」に一体化することとしております。平成23年に法案を提出し、国及び地方の財源を確保しながら平成25年度の施行を目指すとしております。
県教育委員会としましては、国の動向を注視しながら、本県幼児教育の基本方向を示した「沖縄県幼児教育振興アクションプログラム」に基づき、市町村や関係部局と連携し、幼児の健やかな成長と幼児教育の一層の充実を目指してまいりたいと思います。
以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 選挙公約についての中の、観光消費額をふやすためにどう改善するかについての御質問にお答えします。
沖縄県の観光消費額は、長引く景気低迷による個人消費の停滞や旅行商品価格の低下により、平成21年度は対前年度比8.4%減の約6万6000円となっております。観光消費額を引き上げるためには、消費額の高い観光客の誘致強化や旅行商品の付加価値の向上、滞在日数の長期化及びサービスの質の向上等が必要であります。
沖縄県としましては、富裕層などの外国人観光客の誘致を強化するとともに、関連産業への波及効果が大きいMICEの誘致や音楽・映画などをテーマとした国際的なイベントを開催しております。今後は、医療・スポーツ・文化などを活用した新たな付加価値の高い観光メニューの開発に取り組むとともに、これらを支える高度な観光人材の育成を図り、観光収入の増加に努めてまいります。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 沖縄振興特別措置法の今後の方向についての御質問の中で、21世紀ビジョンやそれを受けた振興計画策定についてお答えいたします。
沖縄県では、「沖縄21世紀ビジョン」の目指すべき将来像を県民一体となって実現していくため、期間10年の基本計画を策定することとしております。この計画により、なお一層の県民福祉の向上や豊かな住民生活を図るため、県民の思いを酌み取り、地域のニーズに的確に対応した各種施策の展開を図っていく必要があると考えております。このため、県としては、国に対して県が策定した計画について沖縄の特殊事情を踏まえ、現行の沖縄振興特別措置法後の新たな法律を制定し、計画に基づく施策に対して支援することを求めていきたいと考えております。
次に、一括交付金制度の導入でこれまでの特別措置の確保が可能かについてお答えいたします。
政府が一括交付金を導入するとしたことを踏まえ、沖縄県は「予算の一括計上方式」の継続及び「高率補助により措置されている予算の総額確保」を目的として、より自由度の高い「沖縄振興一括交付金(仮称)」の創設を要請しております。
一括交付金の制度設計は予算編成作業を通して決まるとされており、現時点では明らかになっておりませんが、沖縄県が行う施策に必要な財源の確保が図られるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農林水産業の中で、久米島におけるアリモドキゾウムシの根絶の状況と新たな展開については、関連しますので一括してお答えいたします。
久米島におけるアリモドキゾウムシの根絶防除事業は、平成6年度から性フェロモンによる密度抑圧防除、平成10年度から不妊虫放飼法による本格的な根絶防除事業を実施しているところであります。久米島のアリモドキゾウムシについては、県による防除効果確認調査を終了し、現在、国による駆除確認調査を実施しており、発生がなければ来年度には根絶宣言を予定をしております。
県といたしましては、今後、久米島におけるアリモドキゾウムシ根絶防除事業の成果を踏まえ、事業規模拡大に向けた大量増殖技術の確立や低コスト人工飼料を開発するなどにより、宮古、八重山、沖縄本島に防除地域を拡大する考えであります。
次に、アリモドキゾウムシの根絶後のカンショの生産、加工、出荷についてお答えいたします。
平成21年度における久米島町のカンショの生産は、栽培面積11ヘクタール、生産量111トンで、青果用、加工用それぞれ50%となっております。加工用は、主に菓子用やしょうちゅうの原料として出荷され、今後の食品業界への原料供給等で生産拡大が期待されております。
久米島町においては、アリモドキゾウムシ等の根絶を見込み、去る8月10日に町、JA、生産者等で構成する「久米島町かんしょ生産協議会」を設立し、拠点産地の認定に向け、現在、生産出荷計画の策定や出荷体制の確立に取り組んでいるところであります。
県においては、拠点産地市町村、JA、生産者、流通業者、製造メーカー等を構成員とする「沖縄県かんしょ生産振興協議会」を平成22年2月に立ち上げております。この協議会において、本県カンショの生産振興、消費拡大、新製品開発等について検討しているところであります。
次に、平成22年度農林水産業予算の削減に係る政府への要請についてお答えいたします。
平成22年度農林水産一般会計当初予算は、505億5856万円で、平成21年度に比較して約67億円、11.8%の減となっております。国は、平成22年度の予算の概算決定において「コンクリートから人へ」の予算編成の基本理念のもと、農業農村整備関係予算を、国庫ベースで前年度に対し全国で約37%、沖縄で39%と大幅に削減しております。そのため、平成22年度の農業農村整備予算の確保について、昨年の12月に国に対し要請しております。このような中、国は新たに農山漁村地域整備交付金を創設し、農業農村整備事業関連予算を、前年度に対し全国で約63%、沖縄で約75%を確保しております。農林水産業振興計画の着実な実施と本県農業の振興を図るためには、今後とも農業生産基盤の整備を計画的に進める必要があると認識しております。
県としては、平成23年度農林水産業関係予算を確保するため、市長会、町村会等と連携し、国に要請したところであります。平成23年度内閣府概算要求における農林水産業関係予算は、国庫ベースで対前年度比102%、金額にして約277億円となっております。そのうち、農業農村整備事業関係予算は、対前年度比104%、金額にして193億円となっています。また、農林水産省においては、新たに220億円の戦略作物生産拡大関連基盤緊急整備事業を概算要求しており、その事業の中で沖縄枠が確保できるよう、国に対して強く要請しているところでございます。
以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 生活保護についての御質問の中の、生活保護世帯が増加した理由についてお答えします。
沖縄県における生活保護の動向を見ると、平成9年度以降増加傾向で推移しており、特に平成20年度のリーマンショック後の経済状況の悪化の影響を受け、平成21年度は対前年度で9.5%、1569世帯の増となっております。
保護の主な開始理由を見ますと、傷病によるもの、失業、高齢等による収入減、働いていた者との離別等となっており、所得状況の不安定さが増加の背景にあるものと考えられます。
次に、保護率に市町村間で開きがあることについてお答えします。
平成21年度の沖縄県における保護率は、町村を管轄する県福祉事務所平均が13.41パーミルに対し、市福祉事務所平均は20.50パーミルで、市部が町村部を約7ポイント上回っております。また、福祉事務所間で比較しますと、南城市が7.32パーミルで最も低く、那覇市が30.17パーミルで最も高くなっており、約3倍強の開きが生じている状況にあります。突出している那覇市の状況を見ますと、保護開始の主な理由としては、他の地域と同様に傷病によるものや失業、高齢等による収入減などとなっておりますが、ここ数年の傾向として転入者やホームレス等からの相談がふえており、生活不安から社会資源の充実した都市部において生活保護を受給する者がふえているものと考えられます。
次に、ケースワーカーの配置状況についてお答えします。
ケースワーカーの配置については、社会福祉法において標準数が定められております。この間、ほとんどの福祉事務所において標準数は充足されておりましたが、最近の被保護世帯の急激な増加に伴い、平成22年4月1日現在で16事務所中7カ所の福祉事務所において合計で33名の不足が生じております。
沖縄県としましては、県機関における標準数の確保に努めるとともに、福祉事務所を設置している市に対しては引き続き生活保護法施行事務指導監査等により、ケースワーカーの標準数の確保について指導を行ってまいります。
以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 質問の途中でありますが、当銘勝雄君の再質問は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
20分間休憩いたします。
午後3時41分休憩
午後4時3分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
休憩前に引き続き当銘勝雄君の再質問を行います。
当銘勝雄君。
〔当銘勝雄君登壇〕
○当銘 勝雄 再質問を行います。
知事の政治姿勢の中の米軍基地問題なんですが、普天間の移設先は「厳しい」から、名護市の市議選後の状況等から見て「極めて困難」になったと、こういうことで県外移設を求めていくと、きょう初めて知事は言っておりますが、そういうことならば辺野古容認ということで見ていいのか。県外へということを言っているんだが、しかし、内実は辺野古容認だと、こういうふうに受けとめていいのかということを問います。
それから「極めて困難」と言うならば、辺野古に絶対反対とこう言ってください。そうしないと県民もわかりません。これは、地元紙の社説でも両紙とも知事の態度がよくわからない、あいまいであるとこういうことまで書かれております。そういうふうに明確に答えてください。
それからオスプレイの問題ですね、岡田前外務大臣は、これについてまだ配置するとも配置しないともわからないとこういうことを言っているというが、政府がまだわからないというんだったら、もう隠しているんですよ。そういうことで公室長、もう一度そこら辺は、僕はだまされているというふうに見るんですが、それについてお答えしてください。
それから政策協議会の再開の問題なんですが、これまでの一連の答弁の中でも沖縄振興特別措置法も切れるわけですよね。そうするとそこら辺は振興計画をつくります、あるいは特別措置法を延長しますよという形での取引材料になるだろうと。だから、辺野古を認めなければこれもだめですよという形に私はなりかねないというふうに懸念します。これについてもう一度お答えください。
それから知事の選挙公約の問題ですが、待機児童ゼロということはできたのかということに対して、当初は2208人あったのが1680人になりましたということなんですが、これはゼロではない。要するにわずかしか達成していないとこういうことです。
それから海外留学について、毎年100人とうたっているわけですね。ところが、それはことしは98人、あるいは年度末までには100名に達すると言っているんですが、じゃ4年間では幾らだったのかということを問います。
それから30人学級についてなんですが、教育長は、1、2年生については基本的生活習慣を勉強するために30人学級を入れるというふうなことを言っておりますが、じゃこの公約には2年生までと書いてあったのか。要するに3年、4年、5年、6年については別の目的での30人学級があるんじゃないのか、そこら辺でなぜできないのかお答えください。
それから生活保護率の格差の問題ですが、これについて一つにはケースワーカーが全体として33人不足しておりますと、標準からすると33人。ということで、今、地域間格差がありますよというのは質問の中でも言いましたが、例えば南城市が保護世帯が7.9パーミル、それから豊見城市が10.83、低いほうがですね。今度は高いほうとしては那覇市が31.8、沖縄市が27.05、これは実に3倍ないし4倍の差があるわけですよ。これはケースワーカーが足りないためにその保護率が低いのか、それとも市町村が怠けているのか、そこら辺を明確に答えてください。
それからゆとり教育の問題、教育長、これは定時退校日設定とかノー部活動日を設定したということなんですが、定時退校日を設定したらその後が問題で、じゃ自宅に持ち帰って仕事をしているのかどうなのか、そこら辺がわかりません。そこら辺もやってください。
それからノー部活動日だったら、これは確かに部活動しないわけだから、これについてはある程度効果があるだろうと思うんですが、そこら辺についてお答えください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後4時8分休憩
午後4時14分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 当銘議員の再質問に答弁いたします。
まず第1に、辺野古容認かという御質問ですが、ちょっと御趣旨が正確につかめてないのでお答えいたしますけれども、ことしの1月24日の名護市長選挙のときまでは、条件つき辺野古容認ということで島袋市長を当時私、前面に出て応援いたしました。容認だったんですが、それから後は民主党さん、御存じのように3党でいろんなまた場所を、ゼロベースとかいうようなことであっちこっちあっちこっち検討されてわけがわからなくなり、共同声明の結果、辺野古へ戻ってきているわけですね。それについては容認も何も受け入れもしていません。説明を受けてないんです。だから、私その中に入っていないというのは前から申し上げてきたとおりです。だから容認以前の問題で、説明を受けていない、ただ共同声明が出ましたというだけなんですよ。ですから、私は中に入って協議を実はしていないんです。それをだからちゃんと説明を県民にも私にもしてもらいたい。なぜなら、内容ががらっと変わり過ぎているから。ですから容認以前の問題で、説明を受けていません。
そして次に、ここもまた恐縮ですが御質問の趣旨がいま一つ正確にわかりにくいんですが、「極めて困難」というのは、日米共同声明の内容というのは新聞その他で報道されておりますから、マスコミで。ですから、その内容については、辺野古に戻るという話は非常に困難だと私は言って「極めて困難」、「不可能に近い」という表現も使っております。ですから、基本的にもう事実上不可能ということでもあろうかと思っております。ですから、いよいよこれは納得いく説明もないままであるとすれば、県内はもうほとんどないんですから、ですから県外ということを申し上げると言って、県外を要求すると申し上げた次第でございます。
それから4番目なんですが、政策協議会を今の段階で開くと、つまり沖振法とかそれにかわる法律等々の協議会を政府とつくるということは、辺野古へ政府が戻していくときの取引材料になるんじゃないかという御趣旨の質問じゃないかと思いますが、これはわかりません。ですから、今度の政策協議会では辺野古の話はやらないでおこうということで決めているわけで、これは官房長官がその前日の記者会見でもたしか発言しております。ですから、それは触れないで、沖縄振興についてと一般的な基地負担の軽減について部会を持って取り組もうとこういうことでございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 待機児童のゼロとはなっていないという趣旨の再質問についてお答えいたします。
保育所の待機児童につきましては、親の就労開始、働く女性の増加と、それから認可外入所児童の新たな入所希望者の増等により常に待機児童というのは変動するという状況がございます。これまでも保育所の整備等につきましては、着実に定員増を図ってきたところであります。今後とも市町村等と連携の上、待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。
次に、保護率が福祉事務所間で開きがあることについての再質問にお答えいたします。
福祉事務所間の保護率の格差は、人口、失業率、高齢化、離婚率、病院や施設等の設置状況、所得状況や資産保有状況等の諸要因が複雑に関連して生ずるものと考えられます。
現在、格差要因については把握しておりませんが、今後、動向分析等により要因把握に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(金武正八郎) 当銘議員の再質問にお答えいたします。
まず1点目ですけれども、留学生の4年間の推移ですけれども、平成19年度が66名、それから平成20年度が59名、平成21年度が65名、そして現在平成22年9月現在が98名になっております。毎年100名ということにつきましては、これからも予算の確保等に努めまして、100名の継続に努力してまいりたいと思っております。
それから30人学級についての再質問でしたけれども、30人学級につきましては、きめ細かな指導により児童一人一人が基本的な生活習慣や社会的規範を身につけ、基礎・基本の学力の定着を図ることから、小学校1、2年で実施をしております。そして、小学校3年生以上につきましては、少人数指導のための指導方法工夫・改善による加配教員を配置して、習熟の程度に応じた指導、それからチームティーチングの授業を行う等指導の充実を図っているところでございます。
また、市町村の教育委員会に行いましたアンケートによりますと、小学校低学年については少人数学級の要望が高く、そして小学校4年以上については少人数指導の要望が高くなっております。小学校3年生以上につきましては、全国の状況や教育効果等を検証しつつ研究してまいりたいと思っています。
それから職員の多忙化で持ち帰りの件についてでございますけれども、実態調査から、ほとんどの教員が時間外業務を行っており、また、過半数の教員が1時間以上持ち帰りの業務を行うなど教員の時間外勤務が常態化しております。
それを受けまして、私たちは、各学校に負担軽減推進検討委員会を設けまして、さらにことしから2年間、その推進委員という加配をいたしまして、その中で業務の簡素化、それから会議の精選、報告書の簡素化等を推進しております。
定時退校に係るその持ち帰りにつきましては、現在その委員会の中で業務の改善等に取り組んでいるところでありまして、今後とも職員の多忙化解消に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) オスプレイに関しましての御質問にお答えいたします。
オスプレイにつきましては、過去に開発段階で死亡事故を起こしていること、現在米本国において実戦配備されていることは承知しております。また、2010年海兵航空計画においては、普天間飛行場のCH46型ヘリとの代替が計画されているとされております。
以上を踏まえ、県は、政府に対し再三照会し、去る9月9日にも外務省沖縄事務所に対し問い合わせをしているところですが、政府は、依然として具体的な配備計画は決まっていないと米国から聞いているとの回答であります。
県としましては、政府において配備の有無を含め県民に説明をすべきだと考えており、引き続き具体的な説明を求めてまいります。
以上でございます。
○当銘 勝雄 代表質問ですから余りくどくどとやりたくないんですが、知事の公約について、要するに普天間飛行場についても3年以内とか、それから今の小学校1、2年までの30人学級とか、あるいは失業率についても全国並みに4%以内とか、ことごとく今求めた資料というのは全然達成されていない。ほんの一部しか達成されていないという状況で全部着手したと言うものだから、つい言いたくなるんですよ。
そういうことで、やはり約束したのは明確にしてほしいということは要望を申し上げて終わります。
以上です。
○崎山 嗣幸 社民・護憲ネットを代表しまして代表質問を行います。
今度の議会は、知事任期の最後の議会でありますので、多岐にわたって質問を出しております。答弁は簡潔に、具体的にお願いをしたいというふうに思います。
では1番目、沖縄への自衛隊配備増強についてでありますけれども、防衛省は、沖縄への陸上自衛隊の配備、現在約2000人を、2020年までに宮古島等南西諸島を含め10倍の2万人規模とする構想を新防衛大綱の中で検討することを明らかにしております。そして、宮古島や石垣島に陸上自衛隊の国境警備隊約数百人、与那国には沿岸監視部隊約100人を5年から8年後をめどに配備する計画であります。このことは、日米同盟を深化させ、南西諸島の警戒監視活動の連携強化を図るものであります。南西諸島の海域で軍拡競争を繰り広げる危険があり、近隣の中国、台湾との緊張関係をつくり出し、紛争を引き起こす要因をつくることになります。日本最南端の自然・文化の薫る平和な島を軍事の島にさせてはならないと思います。知事の見解を伺います。
2番目、在日米海軍・空軍の軍事強化についてであります。
(1)番、在日米海軍が台湾海峡有事を想定をし、米海軍掃海艦が平良港に入港しました。さらに、宮古空港には輸送機をおろし、宮古島市で米海軍第7艦隊音楽隊の演奏会も計画をしております。民間空港を軍事利用し住民の宣撫工作を行うものであり、看過することはできません。県は、空港管理者として明確に反対し中止を求めるべきではないか、知事の所見を伺います。
(2)番目、嘉手納基地所属のF15戦闘機が米軍普天間飛行場で訓練を行うと発表されました。普天間飛行場の危険性が大きな問題となっているさなか、新たなる訓練は到底容認することはできません。断固反対の姿勢を貫き、普天間飛行場の即時閉鎖・返還を求めるべきではないか、知事の所見を伺います。
3番、不発弾対策について。
那覇市首里で米軍製の8インチ艦砲弾が見つかり、腐食で起爆の可能性があるので、住宅街で爆破処理をするとしております。また、糸満市でも2000発の不発弾が見つかり、北中城村では、泡瀬ゴルフ場跡で大量の火薬や銃弾、砲弾が発見をされました。相次ぐ大量の不発弾の発見に、県民は危険とまさに隣り合わせに住んでいることを物語っていると思います。早急に残された不発弾の処理を急ぐべきではありませんか。
(1)番、県内の不発弾は残り幾らぐらい埋没しているのか。また、完全処理までの計画はどうなっているか伺います。
(2)番、民間工事での不発弾探査や処理の課題はどうなっているか。
(3)番、那覇市首里の現地処理の安全対策は万全か伺います。
それから、4点目の消防広域化推進計画についてであります。
県は、全体の消防力と防災体制の合理的な強化のため、県全体の広域化と消防本部の一体化を必要として県消防広域化推進計画を策定し進めております。この問題点を伺います。
(1)番、広域化の目的と意義を伺います。
(2)番、進捗状況を伺います。
(3)番、消防体制の現状と広域化後の比較を伺います。
ア、各地域の消防署の数について。
イ、消防職員の充足率について。
ウ、高額資機材の整備についてであります。
大きな5番、那覇市の新都心地区のまちづくりについて。
那覇新都心地区は、総面積214ヘクタールで市の6%を占め、返還前は牧港住宅地区でした。現在は新都心地区の顔である中心地に官公庁、放送局、金融機関、美術館・博物館、公園、大型スーパー、高層マンション、大型カラオケ店、パチンコ店、遊技場等が混在する町となっております。果たして当初の構想はどうなっていたのか問われております。
では、次のことを伺います。
(1)番、開発の構想は「住商混在」まちづくりだったのか。
(2)番、現状と課題は何か。
(3)番、総投資額は幾らだったのか。
(4)番、人口変動の実数は幾らか。
(5)番、経済効果は幾らか。
大きな6番、地籍調査の実施について。
国土調査法に基づく地籍調査は、正確な土地の境界線や面積を確定し、地籍簿や地籍図を作成をして登記簿を改める事業であります。戦後65年を経ているにもかかわらずいまだに地籍が確定していない状態は行政の怠慢だと言えます。早急に未調査の地域を実施すべきであります。
(1)番、県内の未調査市町村の実態を伺います。
(2)番、特に那覇市は65%の進捗率で極端に未調査地域が存在をしております。この地域はどこか伺います。
(3)番、古波蔵4丁目の一部は住居表示が変更となり、取り残されております。行政手続が原因であり、早急に地籍調査を実施すべきではないか伺います。
大きな7番、古島団地の建てかえ問題について。
元郵住協から建てかえを前提に譲渡を受けたバークレー社は、約束を履行しようとはせずに入居者住民に明け渡し訴訟を起こしております。建物の老朽化を理由にしておりますが、老朽化しているから建てかえの譲渡をしたのであって、問題をねじ曲げ協定書をほごにしようとするねらいがあるとしか思えません。県は、譲渡した責任者として住民の安心した暮らしを保障するためにも、協定書の履行と明け渡し訴訟の取り下げを求めるべきではないか、知事の見解を伺います。
8番、福祉・医療行政について。
(1)番、県は、平成24年に浦添看護学校を民間に移譲する条例案を提案しています。県内の看護師不足は依然として深刻であり、公的な看護師養成施策を放棄するものであり、この条例案を撤回する考えはないか伺います。
(2)番、国は、平成18年に「がん対策基本法」を策定し、「がん対策推進基本計画」を策定をしています。県は、県民の健康と命を守る観点から、がん対策基本条例を制定する考えはないか伺います。
(3)番、介護保険制度がスタートしてから10年、日本の高齢化率は世界最速であります。高齢化社会のピークを迎える2015年に向けての介護基盤の体制整備が求められております。
ア、県内の特別養護老人ホーム入所者の実数と待機者の実数を伺います。
イ、特別養護老人ホーム、介護保険施設、介護療養型医療施設の整備計画はどうなっているか伺います。
ウ、住みなれた暮らしが続けられる小規模多機能施設、グループホーム、ケアハウス、有料老人ホームなど多様な施設の整備状況を伺います。
大きな9番、国際生物多様性年について。
今、世界じゅうで数多くの野生生物が絶滅の危機に瀕しております。この根絶の原因のほとんどが開発や乱獲、外来種の持ち込みなど人間の活動にあると言われております。ことしの10月には名古屋で第10回の締結国会議が開かれます。県としても生物多様性の保全と対策が求められております。
(1)番、この締結国会議の意義と目的は何か。
(2)番、沖縄の野生生物の現状はどうなっているか。
(3)番、県として、自然環境の保全の対策はあるか伺います。
10番、泡瀬埋立事業について。
この事業は、経済的合理性を欠き、公金支出は違法とした一審判決が下され、控訴審でも県・市の主張は退けられました。その後、県と市は、経済的合理性を根拠づけるために土地利用計画の見直しを進め、このほど明らかにしております。この内容は、需要、採算性、環境への影響等合理的根拠を持ち、県民が納得できる内容と言えるか伺います。
11番、県の水産業振興について。
県内の水産業は、諸外国の漁業規制、水産資源の減少、後継者不足、輸入水産物の増大等厳しい局面に置かれております。この中で、水産業振興と地域活性化の目的を持つ「全国豊かな海づくり大会」の誘致は大きな希望と展望を持ちます。県は、積極的に開催の取り組みをすべきではないか伺います。また、漁業従事者の推移と漁業種別生産量の推移を伺います。
以上、答弁をよろしくお願いしたいと思います。
○知事(仲井眞弘多) 崎山議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、消防広域化推進計画に係る御質問の中で、消防広域化の目的と意義についてお答えいたします。
消防を取り巻く環境は、災害や事故の大規模化、住民ニーズの多様化など大きく変化しており、住民の生命、身体及び財産を守る消防の責務はますます大きなものとなっております。しかしながら、県内の消防は総じて小規模であり、このような変化に的確に対応していくためには、県内の消防体制の基盤を強化する必要があります。消防の広域化を図ることにより現場対応職員の増加、専門的な人材の育成、はしご車等の高度な資機材の整備など県内の消防力が強化され、住民サービスの向上につながるものと考えております。
次に、国際生物多様性年についての御質問で、締約国会議の意義と目的についての御質問にお答えいたします。
ことしは、国連が定めた「国際生物多様性年」であると同時に、2002年に採択されました締約国は「現在の生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させる」という目標年に当たることから、今回のCOP10は、生物多様性条約締約国にとって節目となる重要な会議であります。
その目的は、2010年目標の達成状況の検証や新たな目標の設定、そして遺伝資源の利益配分に関する国際的な枠組みの策定などであります。
次に、県の水産業に係る御質問の中で、「全国豊かな海づくり大会」の誘致に関する御質問にお答えいたします。
沖縄県の漁業就業者数は、平成14年の4940人に対し、平成20年には3929人に減少いたしております。漁業種類別生産量につきましても同様に平成14年と平成20年を比較いたしますと、マグロはえ縄漁業が8095トンから7965トン、そしてモズク等の養殖漁業は1万8506トンから1万7044トンとなっております。
県といたしましては、水産業の振興策としまして、第1に、漁港整備や浮き魚礁の設置、第2に、モズクやミーバイの養殖等によるつくり育てる漁業の推進、第3に、漁業就業者フェアの開催や漁業研修などによる後継者育成などに取り組んでいるところであります。
また、「全国豊かな海づくり大会」は、水産資源の維持培養と海の環境保全に対する意識の高揚を図ることを目的として開催される国民的行事でございます。「全国豊かな海づくり大会」の沖縄県開催につきましては、南部市町村会、糸満市、水産関係団体から要請などもあり、大会の誘致を進めていきたいと考えているところでございます。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 沖縄における自衛隊の増強についての御質問にお答えいたします。
北澤防衛大臣は、9月21日の記者会見において、先島諸島への自衛隊の部隊配備について調査をスタートさせていきたい旨の発言をしております。自衛隊の配備につきましては、政府において我が国の防衛やさまざまな緊急事態対応などの観点から検討されるべきものでありますが、県民の理解なしに進めることは困難であると考えております。
次に、在日米海軍・空軍の軍事強化についての御質問の中の、米軍の民間空港、港湾利用についての御質問にお答えいたします。
民間空港、港湾は、民間航空機、船舶の運航施設として設置されたものであり、緊急時以外は米軍は使用すべきでないというのが県の一貫した方針であります。県は、当該方針を踏まえ、日米両政府に対し寄港の自粛を要請したところであります。
次に、嘉手納基地所属機の普天間飛行場の利用についての御質問にお答えいたします。
米軍によれば、嘉手納飛行場の滑走路改修工事に伴い、滑走路1本で運用が行われる18カ月の間、嘉手納飛行場に着陸できない事態が発生した際に航空機が普天間飛行場を含む他の飛行場へ着陸地を変更する、いわゆるダイバートの可能性が高くなるとのことであります。普天間飛行場周辺住民の過重な負担を踏まえ、県としては、米軍に対し安全管理を徹底し、ダイバートが発生することがないよう適切な運用を要請したところであります。
次に、不発弾対策につきまして、不発弾は幾ら埋没しているか、また、完全処理までの計画についてお答えいたします。
沖縄戦における不発弾は約1万トンと推定されており、これまでの処理実績約7800トンを差し引いた約2200トンが現在も埋没していることになります。直近5年間の平均処理量は約30トンとなっており、推定残量約2200トンを処理するためには約70年から80年かかる見込みであります。
県としては、不発弾の早期処理は喫緊の課題であると認識しており、不発弾探査の加速化・効率化を図るため、今年度中に不発弾探査の重点地区や加速化の方策等を内容とする「沖縄不発弾等対策中期プログラム」を策定し、県内不発弾の早期処理に努めていきたいと考えております。
次に、民間工事での不発弾探査や処理の課題につきましてお答えいたします。
県としましては、不発弾対策は戦後処理の一環として国が責任を持って取り組むべきと考えております。住宅等の民間工事で発見された不発弾等の処理費用については、国庫負担により措置されております。一方、民間工事での不発弾等探査については、事業者負担となっております。
県としては、民間工事においても公共工事と同様に政府の負担で探査すべきと要請してきたところであります。
今後とも、引き続き不発弾等探査の全額国庫負担について、市町村等と連携を図りながら国に要請していきたいと考えております。
次に、那覇市首里の現地処理の安全対策についてお答えいたします。
去る7月26日に那覇市首里で発見された不発弾の現地処理については、10月17日に現地にて爆破処理されることになっております。同処理は、住宅密集地での爆破処理となるため、県は、住民の安全対策を最優先に考え、那覇市、内閣府、陸上自衛隊等の関係機関と十分な調整を行ってきたところであります。
陸上自衛隊や那覇市によりますと、同不発弾の現地処理につきましては、処理のための穴の掘削、爆発の際の衝撃を緩和するための処理壕の構築、処理現場敷地の磁気探査、爆破処理の際に事前・事後の影響度調査を行う等の十分な安全対策をとっていると説明されております。
次に、消防広域化推進計画の御質問の中で、消防広域化の進捗状況の御質問にお答えいたします。
県は、平成20年3月に「沖縄県消防広域化推進計画」を策定し、41市町村による県内消防組織の一本化案を打ち出しております。
市町村においては、平成22年4月1日に全市町村長を委員とする「沖縄県消防広域化等研究協議会」を設置しました。同協議会では、ことし7月に消防の広域化に関する具体的な協議を行うための基本方針を定め、現在同方針に基づき組織体制のあり方等について研究・協議が行われているところであり、今年度中に消防広域化の枠組み等の方向性が得られる予定と聞いております。
次に、広域化前後の消防署の数、消防職員の充足率及び高額資機材の整備について一括してお答えいたします。
消防署の数につきましては、現状では出張所も含めますと沖縄本島に40カ所配置され、離島地域では石垣市に4カ所、宮古島市に4カ所、久米島町に2カ所が配置されており、合計50カ所となっております。
消防職員の充足率につきましては、平成21年度消防施設整備計画実態調査によりますと、沖縄県では国の基準に対する充足率は53.1%で、全国の75.9%に比較して22.8ポイント下回っております。
高額資機材につきましては、国の基準に対し消防ポンプ車が18台、はしご車が6台、化学消防車が7台不足している状況となっております。
消防広域化後の状況につきましては、沖縄県消防広域化等研究協議会において定められた基本方針では、施設、人員、車両等については、広域化後5年間は現状を維持することとなっております。
以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 那覇新都心地区のまちづくりについての御質問で、那覇新都心地区の開発構想、現状と課題、人口変動について、5の(1)、5の(2)、5の(4)については、関連しておりますので一括でお答えいたします。
那覇新都心地区は、返還軍用跡地利用のモデル地区として、地域整備公団、沖縄県、那覇市、地主協議会で組織する「街づくり推進協議会」において、行政、商業業務の各種中枢機能、総合公園と一体となった文化機能及び住宅地等、複合機能を持つ魅力ある新しい拠点として計画され、地域振興整備公団が大臣認可を受け整備を行ったものであります。当地区の中心部は現在、行政施設、商業業務施設、文化施設、住宅等の立地が進んでおりますが、それに伴い交通量が増加しており、その対策などが課題となっております。また、当地区の人口変動については、整備前は約1000人でありましたが、整備後のことしの6月末現在では約1万9000人にふえております。
次に、古島団地の建てかえ問題についての御質問で、協定書の履行と明け渡し訴訟についてお答えいたします。
郵住協の事業と資産の譲渡に関する協定書は、郵住協とバークレー社との間で締結したものであります。したがいまして、その履行については、協定締結当事者の責務であることから、県としては当該協定の履行を求める立場にはないものと考えております。しかしながら、県としましては、事業者が行う再開発事業を円滑に推進するため、推進協議会の中で、事業者と入居者の相互理解が図られるよう努めているところであります。また、バークレー社が建物の老朽化などを理由に、居住者に対して建物の明け渡しを求めている訴訟の取り下げについては、民事に係る事案でありますので、県としては関与できないものと考えております。
次に、泡瀬埋立事業についての御質問で、土地利用計画見直し案の内容についてお答えいたします。
沖縄市が作成した土地利用計画の見直し案は、環境への配慮等から第Ⅱ区域は中止し、第Ⅰ区域のみを対象としております。同計画は、入域観光客数や各種施設の需要予測、施設規模、経済波及効果等について、各種統計データや調査報告書及び類似施設の事例等をもとに作成され、算出方法が根拠を持って整理されていることから、県としましては、経済的合理性を有するものと考えております。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 那覇新都心地区のまちづくりについての御質問の中で、那覇新都心地区の総投資額及び経済効果について一括してお答えいたします。
平成18年度に県が実施した「駐留軍用地跡地利用に伴う経済波及効果等検討調査」によりますと、平成元年から平成17年の那覇新都心地区における土地区画整理事業、その他基盤整備事業費等の総投資額は2164億円となっております。また、新都心地区の商業活動に伴う1年当たりの直接経済効果は608億円、生産誘発額は660億円となっております。
次に、地籍調査の実施についての御質問の中で、県内の未調査市町村の実態についてお答えいたします。
沖縄県の地籍調査については、昭和35年に調査を開始し、調査対象面積に対し、現在まで約97%が調査済みで、全国の平均進捗率が49%となっている中、全国一の進捗率となっております。県内で一部未調査となっている市町村は、那覇市、石垣市、沖縄市、うるま市、南城市、国頭村、久米島町、竹富町の8市町村であります。なお、一部未調査市町村の平均進捗率は、約92%となっております。
次に、那覇市の未調査地域についてお答えいたします。
那覇市の地籍調査は、昭和35年度に着手しましたが、土地の権利移動が激しいことや人口密集地等が原因で、昭和53年度から平成10年度までの21年間は休止状態となっておりました。平成11年度から調査事業を再開し、平成22年4月1日現在、62.6%の進捗率となっています。未調査地域は、本庁地区の古波蔵、泉崎、松尾等21地域、首里地区2地域、真和志地区4地域、小禄地区4地域の合計31地域であります。
次に、地籍調査の実施地域についてお答えいたします。
沖縄県の地籍調査は、昭和35年の開始以来、市町村の技術力、財政力等を勘案し、県が事業主体となって実施してきたところであります。しかし、他府県同様に県と市町村との役割分担を整理すべきとして、平成22年3月に策定した「新沖縄県行財政改革プラン」により、県事業を終了することとなっております。今後、地籍調査事業については、各市町村で実施することとなりますが、県としては、市町村が行う事業の指導・支援に努め、地籍調査事業を促進していきたいと考えております。なお、那覇市古波蔵4丁目の一部についても、今後、那覇市において計画、実施されるものと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 福祉・医療行政についての御質問の中の、浦添看護学校に関する条例案についてお答えいたします。
県内の看護師養成機関における卒業者数は、ここ数年毎年470人程度で推移してきましたが、養成機関等の増により平成23年度末には720人が見込まれ、供給体制は大幅に改善される予定であります。県は、看護師養成の重要性にかんがみ、県立浦添看護学校について平成24年4月に学校法人湘央学園へ設置者を変更し、引き続き看護師の養成数を維持することとしております。
県としましては、今後とも、県立看護大学による看護師養成や民間養成所への運営補助など県の役割を充実強化してまいります。
今回の条例案の趣旨は、県内の看護師養成数の維持を図りつつ設置者を変更するものであり、条例案への御理解と御協力をお願いいたします。
次に、がん条例の制定についてお答えします。
県におきましては、がん対策基本法に沿って制定した「沖縄県がん対策推進計画」及び「アクションプラン」を着実に実施し、予防から医療提供に係る適切ながん対策の充実強化を図っていくこととしております。このような中で、がん条例の制定については、その必要性を含め総合的に検討することとしております。
次に、特別養護老人ホーム入所者の実数と待機者の実数についてお答えします。
特別養護老人ホームの入所者は、平成22年3月末時点で4068人となっております。また、待機者については、平成21年11月末時点で1901人、そのうち、要介護3から5の高齢者は865人となっております。
次に、特別養護老人ホームなどの整備計画についてお答えします。
県では、平成23年度末までの第4期沖縄県介護保険事業支援計画において、広域型特別養護老人ホーム160床、小規模特別養護老人ホーム170床、合計330床を整備することとしております。介護老人保健施設については、増床計画はありません。また、介護療養型医療施設については、国のこれまでの方針に基づき、介護老人保健施設等に病床を転換していく計画でありますが、国は方針の見直しを示す予定としており、今後はそれを踏まえる必要があります。
なお、平成24年度以降の整備については、次年度に策定予定の第5期沖縄県介護保険事業支援計画で見込んでまいります。
次に、小規模多機能施設等の整備状況についてお答えします。
県内の小規模多機能施設等の整備状況は、平成22年3月末現在、小規模多機能型居宅介護事業所が53施設、定員1248名、認知症対応型共同生活介護事業所が60施設、定員546名、ケアハウスが7施設、定員350名、有料老人ホームが平成22年9月現在211施設、定員3204名となっております。
以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 国際生物多様性年についての御質問の中で、沖縄の野生生物の現状と自然環境保全対策について、関連しますので一括してお答えいたします。
本県には、ヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなどの数多くの固有種を含む野生生物が生息・生育し、種の保存法で指定されている82種のうち、約25%に当たる20種が確認され、また県のレッドデータブックに記載されている絶滅危惧種などは動物が837種、植物が846種、菌類が100種、合計で1783種類に上っており、全国的にも極めて重要な地域であります。
一方で、社会資本の整備に伴う開発、人間活動の拡大、マングース等外来種の侵入により、希少野生生物の種の減少や生態系の攪乱が懸念されております。このような状況を踏まえ、県では「自然環境の保全に関する指針」などを定め、事業者みずからが自然環境に配慮するよう、誘導を図るとともに、指導助言を行っております。また、希少種が生息するヤンバルの生態系を保全するため、マングース等外来種の捕獲事業を行うとともに、海域においては、サンゴ礁の現況調査やオニヒトデの駆除事業の実施をしているところであります。
県としましては、今年度から平成24年度にかけて、生物多様性の保全と持続的な利用に係る方向性や目標を示す「生物多様性地域戦略」を策定し、生物多様性の恵みを持続的に享受できる自然と共生する社会の実現を目指していきたいと考えております。
以上であります。
○崎山 嗣幸 では再質問をします。
沖縄への自衛隊の2万人配備についてでありますけれども、先ほど又吉公室長は、県民の理解が得られなければ困難であるということで話をしておりましたが、まさにそのことは反対だということで受けとめていいのか、再度答弁お願いします。
去る沖縄戦で軍隊が県民を守らなかったということは、歴史が証明をしていると思います。2万人来ようが3万人来ようが、まさにこのことの軍備増強には私は当たらないと思います。また、この2万人の自衛隊配備構想は防衛省だけではなくて、菅首相の諮問機関である新安保墾の報告書に書かれているんですね。これを知事、わかっているのかどうかの確認をしたいと思いますが、このことからすると、これは単なる防衛省の構想ではなくて、国の安全保障政策を根本から大転換をする重要な問題が含まれているんですね。これはこの中には、実は南西諸島への自衛隊の増強だけではないんですよね。専守防衛の見直し、それから集団的自衛権の行使、非核三原則を見直して核搭載艦の入港を承認するということの中身も入っているんですね。これから自衛隊の沖縄の配備ですよ。これはもう憲法を変えて軍事国家へ走ろうとする内容ですよね。だから今、公室長が言った県民の理解を得なければ困難であるということは、知事はこのことも含めて反対であるということで明確なのかどうか、知事から答弁を私はお願いをしたいと思います。
それから2番目の在日米軍の軍事強化の中の、宮古島と民間港空港の利用でありますが、緊急時以外は自粛すべきだと述べておりましたけれども、民間港と民間空港は御承知のように軍艦が入ったり、軍艦は核兵器搭載するかもしれん、毒ガスを積んでいるかもしれん、弾薬を積んでいるかもしれん、危険きわまりないものが県民の物流の拠点であるところの民間港に入港を許すことは私はならないと思うんですよね。だから今回は、この総領事も友好親善と米軍の存在を示す目的を達成したということで、これは知事が交渉した緊急時の問題と別次元の問題であるし、まさにこれは入港を入れてはいけないと私は思うんですね。
それで具体的に聞きますが、知事は安保条約、地位協定容認の立場だと私は思いますけれども、でも独立権国家の日本の中において、住民・県民を危険にさらしてはいけないということでは、民間港、民間空港、民間地域の無法地帯に僕はここを使用させることは許されないと思います。知事はそして地位協定第5条関連、民間港、民間空港の米軍の利用制限に改定する気はあるのか、それを知事から答弁をお願いしたいと思います。
それから、F15戦闘機の普天間基地への配備についてでありますが、先ほどの答弁も普天間基地への、嘉手納が工事しているからダイバートが発生しないことを求めると言っておりましたけれども、これはF15もこの前のF18ホーネットももう既に普天間に飛んできて、この騒音も102デシベル、電車通過時の騒音で県民生活が破壊されるということになって、1年半もそれが続けば、もうこれ恒常からの地ならしという意味で、知事がおっしゃる一日も早い普天間基地の危険除去の公約とは相反するんですよ、これ。強い姿勢で私は示すべきだと思いますが、これも知事から答弁をお願いしたいというふうに思います。
それから先ほど地籍調査の件でありますが、これは92%きているからもうやらないということを言っていますが、那覇市はいまだに62%の達成率で40%まだ残っているんですが、これはやらないということになるとどういうことが起こるのか。地籍調査しないでほったらかして那覇市がやりなさいということを言っているようでありますが、23年度から那覇市は予算を組んでいるんですか。県は調整をやったのか、その答弁をまずお願いをしたいというふうに思います。
それから古島団地の建てかえ問題でありますが、これは先ほど県はもう関係ないかのような答弁をしておりましたけれども、でも再開発のときに県や市町村がつくらないからということで民間が資金面があるからということで売却してありますよね。これは再開発を前提に売却しているのであってこれは当時の売却したときの理事は、県は県から出向している理事、それから那覇市、沖縄市、公開質問状が弁護士を通じて出ておりますけれども、この責任はこの本人の理事にあるのか、県や市町村はないのかどうか答弁を私はお願いしたいというふうに思います。
以上、答弁よろしくお願いします。
○議長(髙嶺善伸)休憩いたします。
午後5時7分休憩
午後5時13分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 再質問にお答えいたします。
初めに、この2万人の自衛隊の配備に関連して幾つか御質問がございましたが、その中で自衛隊の配備について軍隊は県民を守らないとかいろいろなお話をされました。私は議員のおっしゃるようなことは、沖縄ではもともとそういう考えとかお話があることはわかっておりますが、しかし、現在この自衛隊の配備については、先ほど知事公室長からも答弁いたしましたが、やっぱり政府において我が国の防衛やさまざまな緊急事態、対応などの観点から、やっぱり検討されるべきものでもあると私は考えておりまして、議員のおっしゃるようにこれたしかおっしゃったと思いますが、これに反対すべきであるとかいうような考えは持っておりません。無論、県民の理解を得ないことにはなかなか配備そのものも難しい面がありますよという点は議員と同じ考えです。
その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 県内空港・港湾等の使用についての再質問にお答えいたします。
県におきましては、かねてから11項目の日米地位協定の見直しを求めているところでございまして、その中で第5条関係といたしまして、民間航空機及び民間船舶の円滑な定期運航及び安全性を確保するため合衆国軍隊による民間の空港及び港湾の使用は緊急時以外は禁止する旨を明記することを要望しているわけでございます。
日米地位協定の見直しにつきましては、あらゆる機会を通じて日米両政府に申し入れているところでございますが、民主党政権は政権交代に当たりまして、「日米地位協定の改定を提起する」という姿勢でございます。しかしながら、まだ具体的にその動きが見えてこない中で、引き続き県といたしましてはこの第5条関係も含めて政府に要望していきたいと考えております。
次に、嘉手納基地所属機の普天間飛行場の利用についての再質問にお答えをいたします。
先ほど御答弁申し上げたように、今回の米軍の措置は滑走路1本で運用が行われる18カ月の間、ダイバートの可能性が高くなるので普天間を含むその他の飛行場を使用すると、可能性があるというような説明でございますが、普天間飛行場周辺住民の過重な負担を踏まえますと、これは短期であれ、あるいは長期であれ、そのような事態が生じることはあってはならないと考えておりまして、そのような事態が生じないように米軍は安全管理を徹底するべきであるということでございます。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 地籍調査に関する再質問で、那覇市など未調査市町村への対応についてはどうするかという御質問にお答えいたします。
県は、「新沖縄県行財政改革プラン」に基づき、平成20年7月1日付で関係する8市町村長あて県事業廃止の周知文の発送をしております。関係市町村とのこの事前調整は9月までに既に終了をしております。
今後、地籍調査事業の意義、重要性を理解をしていただきながら、かつ当該事業の市町村実施に向けての指導・支援のための説明会を行うこととしております。
以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 古島団地の再開発についての再質問にお答えいたします。
再開発については責務はどこにあるのか、理事にあるのか、あるいは県・市なのかという趣旨の御質問にお答えをいたします。
協定書につきましては、旧郵住協と事業者が締結されたものでありまして、郵住協の締結をしたときには理事会の総意でもって決定しておりますので、理事会で理事の方が決めていることでありますので、理事のほうに責務があると考えております。また、県・市につきましては、法的責務はないものと考えております。
以上でございます。
○崎山 嗣幸 では、再々質問をしたいと思います。
自衛隊の2万人増強の件でありますが、知事は、検討されるべきものだと思って反対すべきではないという話をしています。私はるる説明をしましたが、これは防衛省だけではなくて、菅首相のもとにおける新安保墾の中から出てきている重大な問題と言いましたけれども、知事のその安全保障政策そのものが悲惨な沖縄戦を再現するものと私は受けとめましたけれども、やっぱりここを含めて専守防衛を見直しするということは、これは憲法見直しと一緒ですよね、自衛隊そのものも。集団的自衛権も、米軍が戦争すれば日本軍も戦争に参加する。また、国是である非核三原則も見直しをしてホワイト・ビーチやその他に核搭載艦が入るかもしれないということぐらい、この新安保墾の報告書の中にあるという前提で私は言ったんですね。だから、知事の安全保障政策はどうなのかということを私は聞いたつもりでありますが、時間がありませんので、そういった沖縄戦が再び繰り返されないために、沖縄を自衛隊の増強にはしっかり反対してもらいたいということを要望して再々質問を終わります。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで全部終了いたしました。
次会は、明29日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時22分散会