平成22年(2010年) 第 4回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 10月 1日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、甲第2号議案、乙第1号議案から乙第8号議案まで、乙第10号議案及び認定第1号から認定第23号までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 上里直司君。
   〔上里直司君登壇〕
○上里 直司 おはようございます。
 民主党の上里です。
 早速ですが、一般質問に入ります。
 まず、現行の沖縄振興特別措置法にかわる新たな法制度についてお伺いいたします。
 (1)番目、現行の法制度と何が違うのか。
 (2)番目、特別な自治制度を盛り込む意向があるのかどうか。
 (3)番目、県が求めた沖縄振興一括交付金への政府の対応についてお伺いいたします。
 続いて、新たな航空路線の開拓についてお伺いをいたします。
 まず初めに、新規開設が見込まれる海外路線、とりわけ仲井眞知事がことし8月に要請を行った中国路線についてお聞かせください。また、開設後の経済効果もお伺いいたします。
 次に、国内線において全日空が始める格安航空事業(ローコストキャリア)を沖縄路線へ導入しようとする考えがあるのかどうかお伺いいたします。
 続いて、離島路線について、石垣―波照間路線の復活及び県が建設を計画している伊平屋空港発着路線の検討状況についてお伺いをいたします。
 さらに続きまして、国外観光客誘客のための石垣空港発着の海外路線の開設の見込みについてお伺いをいたします。
 続いて、図書館行政について。
 来月11月1日に、沖縄県立図書館100周年事業が行われますが、この事業と山之口貘文庫開設についての課題についてお伺いいたします。
 次に、現在、県立図書館及び教育委員会では、今後の沖縄県立図書館のあり方の検証作業に着手しておりますが、その作業を進める上でも図書館先進地事例調査を実施すべきだと考えますがいかがでしょうか。
 続いて、雇用問題についてお伺いいたします。
 本定例会の補正予算案に計上されている生活に困窮する求職者を支援する「パーソナル・サポート・サービス」事業の内容についてお伺いいたします。
 同じく本定例会の補正予算案で計上されている安心こども基金事業との違いは何かお答えください。また、これまで県が実施した自立及び生活支援事業の実績もお答えください。
 続きまして、「小児在宅医療基金てぃんさぐの会」が医療的ケアに関するアンケートを取りまとめましたが、その内容の把握とその結果を見て最優先で取り組むことを知事、病院事業局長及び教育長とそれぞれお答えください。
 住宅行政についてお伺いいたします。
 昨年12月、政府は、「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を閣議決定し、地球温暖化対策と景気回復の両立を目指すことを背景に住宅エコポイント制度を創設いたしました。さらに先月10日、政府が閣議決定した「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」において住宅エコポイント制度延長を盛り込み、景気回復につなげようとしております。
 そこで、お伺いいたします。
 ことし3月8日から住宅エコポイント制度の申請が始まりましたが、県内における新築及び改築での申請件数と、他の都道府県との比較した状況についてお答えください。
 次に、沖縄の気候風土に適した環境共生住宅についての考え方もお伺いをいたします。
 続きまして、文化と観光政策についてお伺いいたします。
 まず、文化資源活用型観光戦略モデル構築事業の進捗と委員からの提言内容についてお伺いいたします。
 次に、私は、野外で伝統芸能が常時楽しめる空間が県内に必要だと考えています。そのような場所が県内にあるのかどうかお聞かせください。
 続いて、アート特区についてお伺いいたします。
 沖縄県は、文化・芸術など能力を秘めた人材が多数おります。また、それをはぐくむよい環境がありながらも、その可能性を生かし切れてはおりません。新たな産業創出の視野も入れながら制度面、資金面、そして人材育成面等の今後の特区化を含めての検討が必要でありますが、見解をお伺いいたします。
 続きまして、「スポーツ合宿」等の推進について伺います。
 まず、県内での「スポーツ合宿」誘致件数と経済波及効果をお答えください。
 また、陸上競技場を有し、陸上競技での人材育成に取り組む国頭村での「スポーツ合宿」誘致への県の支援についてお伺いいたします。
 また、村内施設と合宿誘致等も生かして、村内小中学校及び近隣の高校への競技者育成に向けた指導者配置の取り組みについて、県はどのような支援を考えているのか見解を聞かせてください。
 最後に、おもろまち1丁目の再開発によって首里城が世界遺産登録リストから抹消される可能性があるのかどうかお聞かせください。
 以上です。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 上里議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、新たな沖縄法についての中で、新たな法律と現在の沖縄振興特別措置法との違いについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、「沖縄21世紀ビジョン」そして総点検、地域主権改革の進展を踏まえまして、現在の沖縄振興特別措置法とは異なる「沖縄振興特別措置法に代わる新たな法律の制定」を含む新しい沖縄振興の枠組みが必要との考えを政府に伝えたところでございます。
 新たな沖縄振興の枠組みといたしまして、「沖縄21世紀ビジョン」で示されております県民が望む将来像の実現に向け、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」への支援、そして第2に、「沖縄振興一括交付金(仮称)」の創設によります自由度の高い財源措置や、国と沖縄県の協議の場の法制化、そして一国二制度の地域振興策、そして離島定住支援、交通・物流コストの抜本的軽減、沖縄振興開発金融公庫の存続の必要な措置などを求めているところでございます。
 次に、新たな沖縄法についての御質問の中で、一括交付金制度などへの政府の対応いかんという御質問にお答えいたします。
 政府は、平成22年6月22日閣議決定の「地域主権戦略大綱」におきまして、平成23年度から一括交付金を導入するといたしており、その配分については、現行の条件不利地域等に配慮した仕組みを踏まえるとしております。一括交付金の制度設計は、国の予算編成作業を通じまして決まるとされております。
 これまで沖縄県は、8月6日に沖縄及び北方担当大臣を初め政府関係要路へ、また、9月10日に開催されました沖縄政策協議会におきましても「沖縄振興一括交付金(仮称)」の創設による自由度の高い財源措置を要請したところでございます。
 県の要望に対しましては、前原前沖縄担当大臣からは、政府がやる場合は沖縄を先行して、原口前総務大臣からは、しっかり検討させていただくという趣旨の前向きな回答を得ております。
 今後とも、沖縄県が行う施策に必要な財源が確保できるようあらゆる機会をとらえ、同交付金の実現に向け取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、新たな航空路線の開設に関する御質問の中で、石垣空港の海外路線開設の見込みについてという御質問にお答えいたします。
 現在、石垣空港には、台北から華信航空、そして台北・花蓮経由で復興航空のチャーター便が就航いたしております。年間194便、約1万5000人の乗客を見込んでいるところでございます。
 定期路線化に向けまして、県といたしましては、今後とも石垣市や産業振興公社台北事務所などと連携をしながら、台湾政府、航空会社及び国土交通省への要請活動の支援を行っていきたいと考えておりますし、さらにまた、花蓮経由ではなく台北松山空港との直行便の定期化についてもこれから要請活動が必要ではないかと考えております。
 次に、住宅行政に係る沖縄の気候風土に適した環境配慮型の住宅についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、沖縄の気候風土に配慮した住宅の普及を図っているところでありますが、現在、沖縄の伝統的住宅に特徴的な赤がわらやアマハジ、自然風利用等がどの程度の省エネルギー効果をもたらすかにつきまして調査を行っているところでございます。
 今後、この調査結果に基づきまして、環境共生住宅を一層普及促進し県民の快適な住環境の確保に努めてまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(川上好久) 新たな沖縄法に関連をして、特別な自治制度の要求を盛り込む考えについての御質問にお答えいたします。
 新たな法律の制定に当たっては、地域主権改革の確立を目指す視点から、県が作成する「沖縄21世紀ビジョン基本計画」への支援の仕組み、自由度の高い財源措置としての「沖縄振興一括交付金(仮称)」の創設、国と沖縄県の協議の場の法制化など、地方の時代にふさわしい新たな措置を求めてまいりたいと考えております。
 次に、新たな航空路線の開拓についての御質問の中で、海外の新規路線開設によって見込まれる経済効果についてお答えいたします。
 現在、那覇空港に定期就航している海外路線は、台湾、ソウル、上海、香港の4路線であります。今年度は、特に北京や成都などの中国方面を初め近隣アジア地域からのチャーター便の就航も急増しており、全体で221便、約4万1000人の乗客を見込んでおります。
 今後は、知事のトップセールスの際に就航表明のありました海南航空の北京路線の開設が予定されており、その経済効果は、仮に週3便の前提で試算しますと年間約20億円が見込まれます。なお、上海路線の週5便への増便も含めた中国路線全体の経済効果は、年間約46億円と見込んでおります。
 次に、新たな航空路線の開拓についての御質問の中で、全日空の格安航空事業についての御質問にお答えいたします。
 全日空は、関西国際空港を拠点に国内線と国際線を運航する格安航空会社を今年度末に設立し、2011年度下期に運航を開始することとしております。
 県としましては、国内及び国際観光客の増加につながり、観光産業の振興に資することから、他の航空会社と同様、全日空に対し誘致活動を行ってまいりたいと考えております。
 次に、波照間及び伊平屋の航空路線についてお答えいたします。
 那覇―波照間路線は、琉球エアーコミューターが運航していましたが、平成8年に高速船が就航したことに伴い利用客数が減少したことなどにより、平成19年12月から廃止となっております。
 波照間路線の再開及び伊平屋路線については、今後の航空需要や航空会社の意向等を勘案しながら検討する必要があると考えております。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは図書館行政についての御質問で、県立図書館100周年事業についてお答えいたします。
 沖縄県立図書館は、明治43年に創立され、ことし8月1日には100周年を迎えました。
 沖縄県立図書館では、100周年事業として平成22年11月1日に記念式典や山之口貘の長女山口泉氏による記念講演、「山之口貘文庫開設展」、「県立図書館所蔵資料にみる100年の歩み展」、記念誌発行などを予定しております。
 山之口貘文庫は、沖縄出身の偉大な詩人である山之口貘の詩集「鮪に鰯」の草稿、未収録の詩や散文など自筆の原稿約7500枚の貴重な資料を寄贈していただき、これらの貴重な資料を推敲や改稿の過程が確認できるよう詳細な分類、整理を行いまとめております。今後、多くの県民に公開するとともに、県民の財産として大切に整理・保存し、後世に継承していくことが県立図書館に課せられた課題だと考えております。
 次に、先進地事例調査の実施についてお答えいたします。
 全国には、さまざまなすぐれた住民サービスを展開している図書館があります。よりきめ細やかな図書館サービスを実現するためには、先進的な事例を調査することは大切なことであると考えております。
 今後とも、必要に応じ先進的事例を調査し、本県図書館行政の充実を図ってまいりたいと思います。
 次に、「小児在宅医療基金 てぃんさぐの会」のアンケートについての御質問で、障害ケアに関するアンケートについてお答えいたします。
 てぃんさぐの会が行った障害ケア(医療的ケア)に関するアンケート結果については、学習する権利や関係機関との連携のあり方など学校教育の充実を求める内容となっております。
 県教育委員会としましては、保護者等と理解を深めながら、児童生徒の健やかな成長とともに安心・安全な学習環境を整備するため、関係機関と連携し、学習する権利が保障されるよう取り組んでまいります。
 次に、スポーツ合宿等の推進についての御質問で、小中学校及び高校への指導者配置についてお答えいたします。
 県教育委員会におきましては、国民体育大会等に向けた競技力向上のため、高校に強化推進運動部を指定して指導者を派遣しております。また、中学校では、運動部活動の活性化・適正化を目指した外部指導者の派遣を行っております。
 小中学校及び高校への指導者配置については、地域のニーズや市町村の取り組みを把握するとともに、スポーツの果たす役割と重要性を踏まえ、競技者育成における指導者の配置等を研究してまいりたいと思います。
 次に、首里城の世界遺産登録についての御質問で、首里城跡の世界遺産登録の抹消の可能性についてお答えいたします。
 世界遺産リストへの記載に際しては、推薦区域と呼ばれる遺跡や建造物自体が文化財保護法で守られていることと、その周辺に推薦区域を保全するための緩衝地帯(バッファーゾーン)を確保することが必須の条件となっております。緩衝地帯については、建築基準法等の法律や条令により建築物の高さなどが制限されています。おもろまち1丁目は、首里城跡を保全するために確保された緩衝地帯の外側にあり、首里城跡から2.1キロメートル離れた距離に位置しております。
 世界遺産委員会では、遺産の保護・保全が十分でなく、遺産の価値を著しく損なうような行為や価値が損なわれたと判断された場合は世界遺産リストからの削除も検討されることになります。これまでに世界遺産リストに記載された遺産の登録区域及び緩衝地帯からの眺望景観の影響から削除された前例はないと聞いております。
 また、本件に関して、国、文化庁からも調査官が現地視察を行っております。また、あわせて県としても現況報告をしたところであり、今後、国からの指導助言をまちたいと思います。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 雇用問題についての中で、パーソナル・サポート・サービスの内容と安心こども基金事業との違いについての御質問にお答えします。
 パーソナル・サポート・サービスは、非正規就業や長期失業等によりさまざまな生活上の困難に直面している人を対象にしております。当該事業では、パーソナル・サポーターと呼ばれる専門の相談員が、支援対象者の安定的な自立を目指して日常生活から就労までを一貫して支援していく事業であります。
 なお、当該事業は緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用し、沖縄県を含めて全国5カ所でモデルプロジェクトとして実施されるものであります。
 また、安心こども基金を活用した「ひとり親家庭等在宅就業支援事業」は、ひとり親家庭の親、障害者及び高齢者を対象に、ITを用いた在宅就業を目標に必要な訓練等を行う事業であります。
 次に、文化と観光政策についての中で、文化資源活用型観光戦略モデル構築事業についての御質問にお答えします。
 沖縄県では、平成21年度より地域の文化資源を活用した新たな誘客イベントの創出を公募により支援する「文化資源活用型観光戦略モデル構築事業」を実施しております。
 平成21年度は、南城市で開催されたストリートダンスを活用したイベント「ハイ祭」など5件のイベントについて旅行商品化の支援を行いました。今年度は、現代版組踊「肝高の阿麻和利」のバックステージツアーや「首里城祭」とあわせて実施される世界遺産関連イベント等新たに6件の支援を行っております。
 さらに、これらイベントへの支援に加え、沖縄の特色ある文化・芸能を観光資源として活用するための戦略について検討を始めたところであります。検討委員からは、ナイトカルチャーの開発や舞台芸術の創造、発信、交流の拠点となる文化施設の必要性などさまざまな御意見をいただいているところであります。
 今後、さらに検討を深め、次年度に戦略として取りまとめることとしております。
 同じく文化と観光政策の中で、野外で伝統芸能を常時楽しめる空間についての御質問にお答えします。
 県内における野外で伝統芸能を常時楽しめる空間については、詳細には把握しておりませんが、首里城公園では琉球舞踊が通年で鑑賞できるほか、玉泉洞のある「おきなわワールド」や恩納村の「琉球村」などの観光施設において創作エイサーなどが毎日行われていると承知しております。
 そのほか、常時ではありませんが、世界遺産の勝連城跡や座喜味城跡などを利用して伝統芸能等のイベントなどが開催されております。
 同じく文化と観光政策について、アート特区などの推進についてお答えします。
 沖縄県の多彩で豊かな芸能や工芸などの文化資源は、新たな産業を興す高い可能性を有するものと認識しております。そのため、これらを活用した文化産業の創出に向けて、コンテンツ制作への投資とプロデューサーの育成を図る「沖縄文化等コンテンツ産業創出支援事業」及び文化を活用した新たなビジネスプランの掘り起こしを目的とした「文化産業ビジネスモデル支援事業」を実施しているところであります。
 なお、アート特区の推進につきましては、これら事業を推進する上で参考にさせていただきたいと思います。
 次に、スポーツ合宿等の推進について、スポーツ合宿誘致件数と経済波及効果についての御質問にお答えします。
 プロ野球キャンプを初め各種スポーツに関する合宿等のスポーツコンベンションの開催件数は、平成20年度実績で327件、参加者数は5302人となっております。これらスポーツコンベンションの全体の経済効果は把握しておりませんが、民間調査機関によると、2010年のプロ野球春季キャンプは54億9400万円、2009年のNAHAマラソンは16億8300万円、2008年から2009年シーズンのバスケットbjリーグは16億2500万円と試算されております。
 その他県内では、全日本クラスから社会人、大学など多数のスポーツ合宿も行われており、沖縄県に相当の経済的効果をもたらしております。
 同じくスポーツ合宿等の推進について、国頭村でのスポーツ合宿誘致への県の支援についての御質問にお答えします。
 国頭村では、村内でのスポーツ合宿に対し補助金を交付する積極的かつ先駆的な取り組みを行っていると承知しております。
 沖縄県は、国頭村のスポーツ合宿誘致に特化した支援は行っておりませんが、国頭村を含む官民105団体で構成される「沖縄県スポーツコンベンション振興協議会」を通じて、全県的にプロ野球や合宿などスポーツコンベンションの誘致や支援に積極的に取り組んでいるところであります。
 県としては、同協議会の活動を通じて、役割を分担しながら各市町村の取り組みを支援していきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 雇用問題についての御質問の中の、生活困窮の求職者に対する自立及び生活支援事業の実績についてお答えします。
 生活困窮の求職者については、住宅の確保や就労までの生活の支援が求められていることから、沖縄県では「住宅手当緊急特別措置事業」及び「生活福祉資金貸付事業」を実施してきたところであります。
 住宅確保の支援策としては、平成21年10月から県内14の福祉事務所に住宅確保・就労支援員を配置し住宅手当の支給を行うとともに、ハローワークと連携して就労支援を行っているところであります。平成22年8月末現在の住宅手当実績は745件、8295万3000円で、就労実績は172名となっております。
 「生活福祉資金貸付事業」については、住宅手当の支給とあわせて貸し付けることにより生活の安定と求職活動を支援しております。平成21年度の貸付実績は1232件、5億547万8000円となっております。また、相談業務として、求職者の再就職の促進を目的として平成22年1月に沖縄県求職者総合支援センターを開所し、生活・就労相談業務を行っております。
 次に、「小児在宅医療基金てぃんさぐの会」のアンケートについてお答えします。
 てぃんさぐの会が行った障害ケアに関するアンケート結果については、医療的ケアを必要とする障害児と家族が地域において安全な生活が営めるよう、訪問介護や短期入所など福祉サービスの充実等を求める内容となっております。
 県としては、重症心身障害児等の支援について、子供の発達支援はもとより、家族を含めたトータルな支援を行っていくことが重要であると考えております。
 このため、通園事業に加え巡回等による療育支援を含め相談体制の整備促進や家族の負担感軽減のためのショートステイの充実、専門的人材の育成など福祉サービスの向上に向け、今後とも関係機関との連携を強化し、取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 「小児在宅医療基金てぃんさぐの会」のアンケートについての質問の中で、障害ケアに関するアンケートについてお答えいたします。
 てぃんさぐの会が行った障害ケアに関するアンケート結果については、入院患者の家族のケアや院内及び関係機関との連携強化等を求める内容と理解しております。
 県立病院においては、地域の保健、医療・福祉機関との連携及び患者と家族の相談等に対応するための窓口である地域連携室を中心に、今後とも関係機関との連携の強化を図りたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 住宅行政についての御質問で、県内の住宅エコポイントについてお答えいたします。
 国土交通省が所管する住宅エコポイント事務局のデータによれば、平成22年8月末現在の全国における住宅エコポイント発行戸数は、新築4万843戸、リフォーム10万10戸となっており、本県では新築で36戸、リフォームの実績はありません。
 全国の新築に係るエコポイント発行戸数が10万人当たり32戸であるのに対しまして、本県では2.6戸となっております。
 以上でございます。
○上里 直司 それでは「小児在宅医療基金てぃんさぐの会」の医療的ケアに関するアンケートについての関係から再質問させていただきます。
 このアンケートを取りまとめた後に、このアンケートを取りまとめるに携わった皆さん方が県議会と県知事に対して要請をされていますけれども、その内容について把握されているかどうかということについて確認させていただけませんか。
○福祉保健部長(奥村啓子) はい、把握しております。
○上里 直司 それでは全体的にお話を聞きますが、現在、国の医療的ケアに対する取り組みがどうなっているのかということについて御説明ください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時38分休憩
   午前10時39分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 福祉保健部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) 今、自立支援法を廃止して新たな制度をつくるという制度改革の中で、その医療ケアも含めて、障害児も含めての検討を行っているという状況でございます。
○上里 直司 もう検討を進めているというか、次の通常国会に法制度を含めて進めるというような法案が出されようとしているし、今年度中にも介護職員に医療的ケアが行えるような実習をするための整備をしようとしているというぐらい国の取り組みは進んでいるんですよ。それからすると、県内における状態はどうだろうかと見てみますと、今回のアンケートを通じて見ても、まだまだなんだろうなと思うんですね。
 それで基本的なことをお伺いしますが、病院事業局長と教育長は、関係機関との連携を深めた取り組みをしたいとおっしゃっておりました。このアンケートを受けた後の要請においても、まずは関係者との連携を深めるような委員会、またはその調査をする、実態を把握をする、そういうことにぜひ努めていただきたいという要請があるんですけれども、福祉保健部長、どうでしょうか。
○福祉保健部長(奥村啓子) アンケートの中には、その実態を把握して、それを委員会を設けて検討してほしいというのも要望の一つに挙げられておりまして、その医療的ケアが必要な障害児等の生活実態の把握について、今後どういうような形で進めていくかという実施方向も含めて検討していきたいというふうに考えております。
○上里 直司 取り組まれるということで理解しておきたいと思っています。
 ただ、その調査をしたり、実態把握をしたり、分析をしたりする、これは非常に必要なんですが、実際にはその医療的ケアを行う当事者も含めて保護者の皆さん方も非常に負担に感じている。何とかしてくれというのが実情だと思うんですね。
 それで個別にお聞きしたいんですが、今、福祉保健部長が専門的人材の育成に取り組むとおっしゃっておりました。介護職員が医療的ケアを行うための専門的人材の育成を行うという云々の話をされていましたが、現在、県でそれを実施しているのか。もし実施をしていなければ、今後実施しようとするお考えはありますか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時42分休憩
   午前10時43分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 福祉保健部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) 現在、看護ステーション等の中で研修等を行っているということで、国がそれをどんなふうな形で深めていくかということも今後出てくるということですので、そういうのを踏まえながら、今後そういう研修を充実していきたいというふうに考えております。
○上里 直司 教育長にお尋ねしますが、特別支援学校において、教員もたん吸引等における医療的ケアについては実施をするようにということで、文部科学省から教育委員会に通達が来ているはずであります。教員がそれをすべきかどうかということについてはまだ意見があるでしょうし、いろんな考え方もあると思います。ただ、教員に対しての研修というものはぜひ実施すべきだろうというふうに思っていますけれども、教育長、見解をお聞かせください。
○教育長(金武正八郎) 学校では既に教員の医療的ケアはやっておりまして、研修もやっております。
○上里 直司 それでは、今、特別支援学校に看護師の派遣事業も実施をされております。もう資料もいただいておりますけれども、その看護師の数というのは、現場の声からすると十分足りているのかどうか、どうでしょうか。
○教育長(金武正八郎) 生徒の数、それから生徒のニーズ、その生徒の実態に応じて看護師を配置していますので、現在のところは、そのニーズに応じて配置をしていると認識をしております。
○上里 直司 私が聞いているのは、もう少し必要じゃないかというような声がありますので、ニーズどういう形で把握しているかどうかは別としても、その声はやっぱりきちっと聞いていただきたいというふうに思っています。
 病院事業局長にお尋ねいたしますけれども、今確かに地域連携室のほうで相談も含めて対応されているとおっしゃっておりますが、現在、訪問看護によって小児対応の形でケアをするということで民間の皆さん方に頼っている現状であります。
 そういう意味で、県立病院の中で訪問看護ステーションのようなものが設置ができないのかどうか。県内において民間に頼るといっても非常に不安定だと思いますので、ぜひやっぱり公で責任を持つべきだろうと思いますけれども、病院事業局長、見解をお聞かせください。
○病院事業局長(伊江朝次) 県立病院においてのいわゆる訪問看護、訪問診療というのは、一部の病院ではやっております。しかしながら、やはり人材が十分じゃないというところがありますので、本当に入院した後の医療が必要な方々を中心にやっているという状況でございます。
 それから私、小児のことはちょっと今把握しておりませんけれども、大人のそういった人工呼吸器を使っている方々の、例えば台風のときに一時的に病院に避難するという形で入院をしてケアしているという状況はございました。
 以上です。
○上里 直司 いずれにいたしましても、きょうお尋ねした三者の皆さん方で連携して、必要な医療的ケアに関する委員会なのか、連携機関をぜひ早急に設置を進めていただきたいと思っています。
 続きまして、一番最後の世界遺産登録についてお聞きいたします。
 世界遺産登録リストから首里城が外れた場合の影響というものは、観光にとってどうなんでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) 今、世界遺産についてはグスク群が指定されていますので、その大元締めといいますか、そういう拠点となる首里城が外れるということは非常に大きな影響があると思います。
○上里 直司 教育長が先ほど御答弁した中で、外れる心配はないんだというふうにおっしゃっていましたけれども、私は、外れる心配もあるんだろうと、お話しなきゃいけないんだろうなというふうに思っているんですね。
 それで基本的なことをお聞きしますけれども、この「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の登録の基準になった最も顕著な基準というものを御説明いただけますか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時46分休憩
   午前10時50分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 教育長。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
 世界遺産に登録される価値があるかどうかについては幾つかの基準がありまして、6点ほどありますけれども、その中で、人間の天才的創造力が生み出したすぐれた作品とか、芸術・技術の発展をもたらした重要な文化交流を示すものとかありますけれども、その世界遺産機構が評価したものについては2点ほどございます。文化が持つ地域的固有性への配慮、2番目は、記念工作物以外の遺産への配慮という形で、そういうことが評価されて世界遺産に登録されたと報告書に載っております。
 以上です。
○上里 直司 教育長、だからその中身を聞いているわけであって、私が言いたかったのは、その2番目の記念工作物以外の遺産への配慮なんですよ。
 登録をする前に視察をされた方がおっしゃっているのも、近代においてもなお損なわれずに残っている自然と、祖先崇拝の固有な形態をあらわす例外的な事例だと位置づけているんですね。つまりこれは自然だとか祖先崇拝とか形に見えないわけなんですよ。形に見えないものを保存・継承するということの難しさというのがあるんですね。だから私は問うているわけであって、今教育長がおっしゃっているバッファーゾーン云々というのは、バッファーゾーンは目に見えるわけなんですよ。目に見えない形の祖先崇拝だとか自然というものをどう形成していくかというところの難しさがあるから、これは注意しないといけないですよということを私は主張したいんですね。
 それで、これは世界遺産登録センターから、皆さん、照会が来ているでしょう。これは重大な影響を及ぼすような事由が出ているんじゃないですかとあるんですけれども、それはいつ照会が来て、どういう形でお答えをしているのかお聞かせください。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
 日付はちょっと確認できませんけれども、ユネスコの世界遺産委員会から外務省経由で文化庁に情報照会がございます。文書の内容につきましては、バッファーゾーン内か資産近辺であるかといった具体的な場所は不明であるも、高層建築物の建築により資産の視覚的完全性に影響がある旨の報告を受けているため、調査を行って回答するようにとのことであります。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時53分休憩
   午前10時54分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
 まず、照会に関する件ですけれども、バッファーゾーン内か資産近辺であるかといった具体的な場所は不明であるもということについて、これについては、史跡首里城跡とそのバッファーゾーンの外の西のほうにある計画施工中の3棟の高層建築物が該当するであろうということを、まず1点回答しています。そして、それについてもう一つは、バッファーゾーン外であり、コアの史跡首里城跡の西端から直線距離にして2.1キロメートル離れた位置に位置していますと、これが1点の報告です。
 ほかの1点は、資産の視覚的完全性への影響に関してですけれども、これは視点場を4点設けまして、ちょっと長くなりますけれども、まず1点目は正殿から、そしてもう一つは御庭から、そして3つ目は西のアザナから――アザナというのは高台で見張り台のことですけれども――それから4点目は東のアザナとその4点から確認をして、2点は視野に入らないと。あとの2点については、景観の阻害要件とはならないということで報告をしております。
 以上でございます。
○上里 直司 知事に最後にお尋ねしますけれども、確かにいろんな問題ではクリアしているわけなんですね。しかし、首里城からさっきありました西のアザナ、島添アザナというところ、一番高いところなんですけれども、そこから眺めてこれが建つと水平線を隠してしまうんですよ。琉球王国当時の今その風景が残っているかというと、それはもう残ってはいないんですが、幸いにも那覇市内には数棟の高層建築物があるにせよ、島添アザナから眺める水平線、慶良間諸島という、その創建当時の――創建からまた若干改築もしましたけれども――風水の思想を取り入れた建築物、またそこから見た眺望というものが今なお残っているわけなんですよ。
 そういう意味においては、やっぱりこれは基準内だから大丈夫だというわけじゃなくて、そういうこともやっぱり視野に入れるべきだろうと思っているんです。だからそれが世界遺産登録の強調している理由なんですね。その古くから残された自然だとか、その価値だとか。
 ですから、ここは景観構想という話も、21世紀ビジョンの中でも景観についても今回の議会で触れていましたので、法律ではオーケーだけれども、しかし、琉球の歴史を残すような風景、眺望というものの保存についてぜひ取り組まれていただきたいと思いますけれども、知事、見解をお聞かせください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時57分休憩
   午前10時58分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 御指摘の点、大変勉強にもなりましたが、今ビジョンの中では、文字どおり沖縄の文化・芸能から始まる沖縄の伝統的な考え方も含めて、そういうものを大切にしながら次の20年の絵を描こうということになっています。
 今のお話は、非常に御指摘は当然の感じもありますので、私どももそういう方向でよく勉強もしながら、次のビジョンの実現に向かってやってまいりたいと思います。
○上里 直司 それでは別の質問をさせていただきます。
 新たな航空路線の開拓についてお伺いいたします。
 知事もこの8月に要請に行っておりますし、中国のほうですね、海外からの観光客誘客に向けてこの航空路線の確保というのは必須の条件であります。しかし、この尖閣沖の事件によってチャーター便がキャンセルされるなど経済的な影響も発生をしております。長期化するのか、すぐに解決するのかちょっとわからない中で、やっぱり旅行業界の皆さん方が非常に不安に思っていらっしゃいますね。チャーター便のキャンセルだとか旅行の取りやめだとか、そういうものがあった場合の旅行業界に対する支援というのはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) 今、具体的な支援策については、はっきり言ってありませんけれども、関係業界ときのう、おとといからいろいろ議論しておりまして、その中で何が県が支援できるかということも含めて相談しております。今後、さらに事例等をもとに対応していきたいと考えてはおります。
○上里 直司 御検討されているということなので、これはぜひやっていただきたいと思っています。
 あわせて、先ほど知事に答弁をいただいた石垣空港発着の海外路線について、台湾との交流、また海外路線ではありますが、当然中国人観光客の誘客も減少されるだろうと、この八重山地域にもですね。現在、チャーター便を誘客しても、県がこの6月の補正予算で計上した海外客のキャンペーンというか、チャーター便の乗客1人当たりの助成事業というものに、どうも那覇空港を離発着しているその旅客便との差があるんですね。私は、1人を誘客するという意味においては、別に差を設ける必要はないだろうと。さらに観光業界の支援を考えると、この今の差をつけているものを同等にすべきだろうなというふうに思っています。ぜひそうしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) 差をつけるということではなくて、基準を設ける上で、県の予算の範疇の中で、具体的には100名以上の飛行機に対して1人当たり6000円、それ以下については経済効果も含めてその半額としたところであります。もちろんその制度を運営する上でいろんな意見を参考にしておりますので、議員の意見はちょっと参考にさせていただきたいと思います。
○上里 直司 ぜひやってください。1機で100名以下のところは1人3000円、100名を超える旅客機は、チャーター便だと6000円という形で、当然、今空港の容量というのがありますから、誘客する便にも限度があるわけであって、何もたくさん呼びたいという気持ちはあるのであって、まずはこういう形でチャーター便でも飛ばして来てもらって、そういうところから路線開設につなげるというところだと思うので、ぜひ検討してください。そのことは要請をしておきます。
 それで、時間も短いんですけれども、住宅エコポイントについて土木建築部長、少し御答弁していただきたいんですけれども、これは政府は力を入れているのに、沖縄のリフォームはゼロ件なんですね。何でゼロ件なのかということについて、知っていれば教えてください。
 もう一つ、これは沖縄に制度が合っていないんですよ。合っていないか、またはその住宅を施工する場合に、リフォームする場合にお金がかかってしまうわけなんですよ。それだけかけて環境共生型の住宅にするかどうかというのは、利用者からしたら、これはやっぱり割に合わないというか、住宅エコポイントが幾らあっても申請する気にならないんですよ。そういう制度のはざまにあるということをぜひ理解していただいて、これを沖縄型の住宅エコポイントの制度を枠にはまるようにぜひ検討していただけませんでしょうか。
○土木建築部長(仲田文昭) 県内に住宅エコポイントが進まないということでございますが、これはまだ分析はしておりません、理由につきましてはですね。ただ、リフォームについてがゼロだということは、今後また事務局と、それから制度についても沖縄型、沖縄はちょっとほかの都道府県と違うところがございますので、その辺の地域特性の面もあるかどうか勉強させていただきたいと思います。
○上里 直司 住宅に関する事業が経済に与える影響というのは大きいわけなんですよ。それが恩恵を受けていないという事実は大きいわけなんですよ。やっぱりこれはおかしいと。それは私のほうからも言うべきだろうと思うんですけれども、もっとやっぱり当事者意識を持って住宅政策に取り組んでいただきたいというふうに思っています。
 最後に1点だけ、知事、沖縄振興特別措置法にかわる新たな法制度、私は1つだけ提言して知事からの答弁をいただきたいんですけれども、恒久法にできないのかどうか、これは意見が分かれるんですけれども、その辺の議論を多分県庁内でも相当されていると思います。そういう意味で、軍転法については恒久法は望ましいとおっしゃっていましたけれども、知事自身、新たな法制度を恒久法でやることについて、現時点のお考えをお聞かせいただけませんでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時5分休憩
   午前11時6分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 法律をつくる上でのテクニカルな議論も無論あります。ちょっとこれがまだ私たちの中でもおさめ切れていないんですが、そのプラス、マイナスがそれぞれありまして、恒久法の形をとった場合と今までの時限のほうがいいか、これは中の制度的なのがむしろ長いと薄くなりはしないかとか、それはその都度変えればいいじゃないかと。内容によって恒久法的な性格があったほうがいいじゃないか、内容によってはむしろ絶えず見直していくと、2つ入りまじっている感じがあります。そういうわけで我々も、実は長短いろんな面があって、まだ議論の結論を出しておりません。まだ今そういう状況ですので、ぜひまたいろんなお知恵と御意見を下さい。そういう状況です。
○山内 末子 おはようございます。
 民主党の山内です。
 さて、きょうは10月1日、飲酒運転根絶条例の制定から丸1年がたちました。残念ながら、この間飲酒運転は増加傾向であり、20年連続ワーストワンからの脱却は達成できておりません。とりわけ、公務員の事件も多く、公僕として県民の見本となるようあらゆる機会での研修、教育を徹底していただきたいと思います。根絶に向け、県民総ぐるみでの運動の展開を再確認する日としたいと思います。
 さて、運転といえば沖縄県民を乗せて走っております仲井眞号、4年間の実績、また2期目への思いをこれまでの質疑の中で聞いておりますと、進んだりとまったり、はたまたUターンをしたり、ふらふらと、まるで飲酒運転をしているような様子でございます。私たち民主党政府にも一因はあるのではないかと強く強くそれもありますので、強くは言えませんが、残り任期どうぞ県民の安心・安全を運んで安全運転を願っております。我々も居眠り運転から目覚めて、知事選に向けて態度を決める時期が来ました。何よりも県民の思いを優先に決断をしたいと思っております。
 それでは一般質問を行います。
 1点目の基地労働者の処遇問題について。
 今般、在日米軍の基地労働者は2つの重大な課題に直面しております。1つ目は、日米間の2国間のはざまという中で変転してきたあいまいな立場、その地位による賃金問題。また、2つ目は、近未来に必ず訪れるであろう米軍再編による雇用不安というすぐれて政治的課題が横たわっています。県の取り組みについて、以下質問いたします。
 (1)、特別協定が2011年に改定期を迎えます。基地従業員の労働と生活の根幹にかかわるものでありますので、公正公平な従業員の処遇を確立するための県の姿勢を伺います。
 (2)、2点目に、米軍再編に伴い約4500人の基地従業員の大量解雇が予測されます。大量解雇対策について、後追い対策にならないためにも、総合的な施策、プログラムが必要だが、その取り組み状況を伺います。
 次に、大学院大学周辺整備事業について伺います。
 平成24年の開学が近づいてまいりました。環境整備について伺います。
 (1)、沖縄高速自動車道石川インターチェンジに結節する交通センター整備の進捗と課題について伺います。
 (2)点目に、恩納村での門前町構想の進捗と課題について伺います。
 (3)点目に、研究者等の居住は当初の想定どおりになっているのか伺います。
 (4)点目に、沖縄アミークスの建設、開学に向けての進捗状況を伺います。
 次に、スポーツ振興について伺います。
 興南高校の春夏連覇の感激。県民一体となって喜びを感じ、今まだ興奮冷めきらぬという感じです。今、千葉県で行われております国体での県代表の選手たちにも大きな拍手を送りたいと思います。再三質問していますが、スポーツが沖縄を救うという私の信念のもと、以下お尋ねいたします。
 (1)、あらゆるスポーツでの競技レベルの向上のためには大会出場及び用具購入など、金銭的な負担がかかっております。これらの負担を軽減するための対策はとられているのか。また、スポーツ奨学金などの制度創設は検討できないのかお伺いします。
(2)点目に、高校時代の競技レベルを向上させるためには、中学時代に適切な助言と指導を行うべきでありますが、これらのために指導者はどうなっているのか、配置されているのか。公立中学校におけるボランティア的な指導者は何名いるのか。それらの指導者の待遇、管理体制について伺います。
 (3)点目に、高校総体で使用したうるま市のサッカー場をJリーグ対応として整備できないのか。また、県サッカー協会から要請のある県総合公園の陸上競技場改修についてはどのような対応をとるのかを伺います。サッカー場整備は知事の公約でもありますので、何らかの芽出しをするべきだと考えております。
 4点目に、カジノ・エンターテインメント構想について伺います。
 法整備がなされていない中、沖縄観光の起爆剤としてカジノ・エンターテインメント構想を推進してきたこの事業は、まさしく行政のギャンブルだと思っております。今後の姿勢を伺います。
 (1)、カジノ反対の声に対して知事はどのように考えているのか。
 (2)、うるま市内での設置を求める要請をどのように受けとめているのか。
 (3)、調査検討を踏まえて次年度以降の展開を伺います。
 5については、取り下げします。
 次に、6点目、平成23年度、新石川浄水場供用開始が迫っています。建設工事も順調に進んでおり、地域への開放施設も含め、うるま市にとりまして、その完成に期待をしているところです。残る現石川浄水場跡地利用計画の現状と課題について伺います。
 7点目に、DV・幼児・児童虐待問題についてです。悲惨なDV・虐待の事件が連日報道されます。予防と再発防止策をさらに強化しなければならないと考えます。
 (1)、過去5年間のDV・児童虐待ごとの被害件数と、通報件数について伺います。
 (2)、通報後の警察の対応(教育)プログラムは策定されているのか伺います。
 よろしくお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 山内末子議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、基地労働者の処遇問題についての御質問にお答えいたします。
 特別協定の改定と基地従業員の処遇についての御質問でございます。
 日本政府が負担する思いやり予算のうち、基地従業員の労務費等の支出根拠となります在日米軍駐留経費負担に関する特別協定の改定に向けた協議が現在、日米両政府間で行われております。
 駐留軍従業員の給与及び諸手当につきましては、労使間の交渉により決定すべきものではありますが、沖縄県としましては、改定協議により駐留軍労働者の処遇等へ影響することのないよう、予算の確保等について必要に応じて国へ要請を行ってまいる所存でございます。
 次に、大学院大学周辺整備事業に係る御質問の中で、交通センター地区整備の進捗と課題についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 交通センター地区につきましては、大学院大学に一番近い石川インターチェンジに交通拠点機能、そして地域振興機能などを整備し、大学院大学関係者、地域住民、観光客などの移動利便性の向上を図る計画といたしております。そのうち、交通拠点機能につきましては、インターチェンジ料金所近くに、高速バスから路線バスやタクシーに乗り継ぐための結節施設を整備することを目的として、県と道路管理者で平成21年12月に協議をし、平成22年2月の周辺整備推進協議会専門部会におきまして、整備計画案を提出いたしたところでございます。地域振興機能につきましては、うるま市において、「道の駅」整備構想があり、県といたしましては、その環境づくりに協力していきたいと考えております。
 今後は、県と道路管理者の間で、整備や管理の主体の確認、公安委員会を交えました乗り継ぎ施設の安全性の検証などを行っていく予定でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○観光商工部長(勝目和夫) 基地労働者の処遇問題についての中の、米軍再編に伴う基地従業員の大量解雇への対策についての御質問にお答えします。
 駐留軍従業員の雇用対策は、直接の雇用主である国が責任を持って取り組むこととなっており、米軍再編に当たっては、駐留軍従業員の雇用の継続を図るなど雇用の安定の確保に努力することが法律や閣議決定等で示されております。また、やむなく離職を余儀なくされた方々の再就職対策として、「駐留軍関係離職者等臨時措置法」では離職前職業訓練のほか、最長で3年間にわたる就職指導、特別給付金や就職促進手当の支給等の措置が規定されております。
 沖縄県としましては、国及び関係市町村と連携を密にし、駐留軍関係離職者等対策協議会の活用を図りつつ、駐留軍従業員の雇用対策に万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、カジノ・エンターテインメント構想についての中の、カジノの反対の意見についての御質問にお答えします。
 カジノ導入に反対の意見については、ギャンブル依存症、犯罪の多発、青少年や地域に与える悪影響や沖縄観光に対するイメージの影響などを懸念されるものと理解しております。アメリカ、カナダやシンガポールなどの先進国に見られるような公的機関等による厳格な管理体制を構築し十分な対策を講じれば、懸念事項と想定されている事項については抑制が可能であると認識しております。
 沖縄県としては、カジノ導入について慎重にするべきだとの意見や反対する意見もあることから、先進国の事例や国のカジノを合法化する法律案の動向等も踏まえ、カジノ・エンターテインメントについて、県民のコンセンサスを得ながら推進していきたいと考えております。
 同じくカジノ・エンターテインメント構想について、うるま市へのカジノ導入についての御質問にお答えします。
 去る9月13日、「うるま市にカジノエンターティメントを誘致する市民の会」から、うるま市へのカジノ・エンターテインメント導入の実現について要請があったところであります。カジノ導入については、カジノを合法化する法律の制定が必要であることや地域の合意が得られることなどが必要であると考えております。今回の要請については、中北部地域の経済振興策の一つとして提案されたものと認識しております。
 同じくカジノ・エンターテインメント構想について、次年度以降の展開についての御質問にお答えします。 
 現在、沖縄県では、平成20年度に構築した沖縄統合リゾートモデルの再構築やシンガポールのカジノの研究を行うほか、神奈川県、和歌山県との共同研究会についても取り組んでいるところであります。次年度以降については、今年度の検討成果や国のカジノを合法化する法律案の動向等を踏まえながら、沖縄県にとって望ましいカジノ・エンターテインメントのあり方についてさらに検討を進め、県民のコンセンサスを得ながら、カジノ・エンターテインメントについて推進していきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 大学院大学周辺整備事業についての御質問の中で、門前町地区整備の進捗と課題についてお答えいたします。
 門前町地区については、恩納村の谷茶区に道路機能、商業・サービス機能等を整備することを計画としております。そのうち、道路については、国道58号南恩納バイパスの一部と大学院大学のゲート空間となる村道大袋原線が平成21年11月に供用開始されており、村道沿いの村営団地の外壁についても改修を完了しております。また、商業・サービス機能や居住機能の整備については、地元住民や地権者が参加した勉強会を開催し、アドバイザーを派遣するなど、事業パートナーの確保、事業計画の作成に向けた取り組みを支援しており、大型商業施設の誘致に向けて取り組んでおります。今後は、事業を実施していく地権者会の設立に向けた対応を図る予定であります。
 公共・公益機能については、国庫補助で実施する河川改修や下水道整備の事業スケジュールが示され、海岸事業についても関係機関との協議を進めているところであります。
 県では、今後とも同地域の事業を関係機関と連携をして加速させていきたいと考えております。
 次に、研究者等の住居についてお答えいたします。
 研究者等の住居について、当初500戸程度を想定し、研究者等の多様なニーズに対応するため、集合住宅を含め戸建て住宅の建設も計画されておりました。現状では、戸建て住宅より民間集合住宅の整備がふえているなど、現時点において研究者などから特段の要望事項は聞こえておりませんけれども、今後住居の提供については、沖縄科学技術研究基盤整備機構とも連携を図りながら、そのニーズを把握をし、住宅情報を提供する民間事業者との情報共有を図っていきたいと考えております。
 次に、沖縄アミークスの進捗状況についてお答えいたします。
 沖縄アミークスインターナショナルについては、沖縄国際学園設立準備財団が平成23年4月の開校に向けて準備を進めております。校舎建設については、すべての工事が着工され、来年3月までには竣工する見込みであります。なお、工事の発注に際しては、地元業者へ十分に配慮したところであります。また、学校の設置などについては、カリキュラムや教育プログラムの作成、教職員の採用、生徒募集の準備などが進められているところでございます。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それではスポーツ振興についての御質問で、競技レベル向上のための負担軽減等についてお答えいたします。
 県教育委員会としましては、現在、中学校体育連盟、高等学校体育連盟主催の九州大会や全国大会については、各体育連盟を通して旅費の補助を行うなど、児童生徒のスポーツ活動への支援を行っております。また、公共スポーツ施設につきましても、整備・充実に向けて取り組んでいるところでありますが、各チームや個人が使用する用具購入等については、受益者負担で対応しております。
 なお、スポーツ奨学金などの制度創設については、貴重な御意見として承りたいと思います。
 次に、中学校への指導者の配置等についてお答えいたします。
 現在、高等学校の競技力向上のための中学校への指導者配置は行っておりませんが、運動部活動の活性化、適正化に向けた取り組みとして中学校へ10名、高等学校へ10名のスポーツ指導者を派遣しております。また、公立中学校におけるボランティアについては、936名が外部指導者として登録し活動しております。その待遇や管理体制については、各学校の校長の責任において対応しているところであります。
 次に、サッカー場の整備等についてお答えいたします。
 全国高校総体で使用したうるま市のサッカー競技場につきましては、市の施設であることや、多種目球技場として国の予算で整備されていることから、県としての整備は困難であります。また、県総合運動公園陸上競技場につきましては、Jリーグ規格への改修等を含め、所管部局及び関係団体等と話し合ってまいりたいと思います。
 以上でございます。
○企業局長(宮城嗣三) 現石川浄水場跡地利用計画の現状と課題についてお答えいたします。
 新石川浄水場につきましては、平成23年4月から現在の石川浄水場との併用運転を行い、平成23年7月には供用開始する予定であり、それに伴いまして現在の石川浄水場は廃止する予定であります。
 現石川浄水場の跡地につきましては、企業局内に「石川浄水場跡地利用検討委員会」を設置し検討しました結果、平成21年3月に有償で譲渡する方針を決定したところです。譲渡について、知事部局及び県関係機関に照会したところ、平成22年2月に県警察本部から警察学校移転用地として使用したい旨申し入れがありました。これらのことを含め、現在、検討を進めているところであります。
 今後のスケジュールとしましては、平成25年度までに既存施設の撤去工事を行い、その後譲渡する予定でございます。現在のところ、特に大きな課題はございません。
 以上です。
○福祉保健部長(奥村啓子) DV・児童虐待の相談件数についてお答えいたします。
 県の配偶者暴力相談支援センターにおけるDV相談件数は、平成17年度827件、18年度884件、19年度796件、20年度1023件、21年度1320件と増加傾向にあります。また、県の児童相談所が対応した児童虐待相談処理件数は、平成17年度451件、18年度364件、19年度440件、20年度408件、21年度435件となっており、高どまりの状況にあると考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(黒木慶英) まず初めに、DV事案通報後の対応についてお答えいたします。
 DV事案の110番通報を受けた場合、通報内容により、事案の軽重を判断し、時には重大事件に発展するおそれがあるとして、サイレンを吹鳴し、緊急走行で現揚臨場することもあります。現場臨場した警察官は、当事者や通報者のプライバシーに配慮しつつも、事案に応じ、直ちに逮捕する等捜査へ移行し、または指導・警告等の措置を講ずることになります。また、県警察といたしましては、現場臨場する警察官のために、「配偶者からの暴力事案への対応プログラム」を作成し、措置要領の周知を図り、この種事案に的確に対応するようにしているところであります。
 次に、児童虐待事案通報後の警察の対応についてお答えいたします。
 児童虐待の通報に対する対応要領につきましても、マニュアルとして「児童虐待認知時の判断フローチャート」を作成し、例えば通報者からの事情聴取は、当事者、近隣者等から特定されないように配意すること。または、児童と保護者を別にして事情聴取を行い、子供から得た情報をそのまま保護者に確認しないことなど、具体的な対応要領について現場で活動する警察官に対し周知を図っているところであります。
 また、早急に児童の保護が必要な場合には、積極的な事件化や警察官職務執行法に基づく立ち入り、犯罪の予防及び制止等の措置を講ずるとともに、児童相談所に迅速に通告するなど、児童の安全確認と安全確保を最優先とした対応を行っているところであります。
 以上でございます。
○山内 末子 再質問させていただきます。
 まず、基地従業員の大量解雇についてちょっとお伺いいたします。
 せんだって報道の中で、基地従業員のほうから、これからの再就職に向けまして職種別人数の開示を請求してありますが、これが公開請求に対して沖縄防衛局のほうはこれを不開示という報道がありましたけれども、この件に対しまして、まず知事公室長の見解をお聞かせください。
○観光商工部長(勝目和夫) 県としては、在日米軍再編の最終報告では、2007年3月までに統合のために詳細な計画を作成するとされていましたが、現時点までは移転計画の詳細は明らかになっていないため、具体的な従業員の雇用の影響は把握できておりません。
 県としましては、防衛施設局と情報交換会を行っているところでありますが、なかなかその情報を入手できない状況の中、御質問の公開請求についてこういう新聞報告を受けており、県としても詳細な情報は入手できていないというような状況にあります。
○山内 末子 そもそもこの問題に対して、こういう問題を防衛局に対しまして状況がわからないからと言って個人で請求をすること自体、県として皆さんどうお考えになりますか。もう今基地従業員にしましたら、確かに今その再編のめどが立っていないということもありますけれども、近未来に必ず訪れるであろう、その先について本当に皆さんからすると戦々恐々としているのが現実なんです。ですから、その個人で請求する前にしっかりと県のほうがそこはもう防衛局あるいは米軍・政府に対してしっかりとした資料を請求いたしまして、現時点ではこの資料に対して皆さんに公表できるだけのこの時点だと思いますけれども、そういう状況について大変これは甚だしく仕事が遅いと思っておりますけれども、どうでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) 沖縄県として一応対応しておりまして、海兵隊の米軍移転となればいろんな問題、雇用関係発生する可能性がありますので、防衛局に申し入れて、在沖米軍再編に伴う駐留軍等従業員雇用問題連絡会議というのを設けております。その中で情報交換を申し入れたり行っておりますけれども、平成18年にその1回会合が開かれて、その後の移転計画自体の詳細が決まっていないということで、残念ながら会議というものは開かれていない。状況が動いていないということもあって、我々としてはそういう場を設けて情報収集に努めているところですけれども、現時点では正確な詳細計画がまだということで情報を得ていないというような状況にございます。
○山内 末子 本当にこれ努力をしていただいて、基地再編についてはこれまで跡地利用の中で、その跡地利用の実績から見ても地域の皆さんたち新たな機会、活力が伴っていくのは現実にもう見えていますよね。そういった観点からしますと、日米安保のもとで本当にこの沖縄県が日本政府に対しましても、アメリカに対しましても、米軍駐留のための施設の提供と、それから労務の提供、労務の調達はしっかりとこれまで提供してきたわけですから、その任務を負ってきたわけなんですから。必要がなくなったら、もう、はいそれまでよ、ではなくて、そこのところをしっかりとした対策を持って、公正公平な基地従業員の皆さんに対しましての、身分と生活権の獲得に向けまして最善の努力をしていただきたいと思います。これは、あらゆる機会でぜひ知事もこれからいろいろと政府の方とも新しく政策が始まってくると思いますので、ぜひそういう中でも行っていただきたいと思います。
 先ほどの思いやり予算の件もそうですけれども、その中で確かに今政府と米国との中できょうの報道にもありました。中国の問題も含めて思いやり予算についてしっかりまた増額を求められてくるような状況もあります。その予算については確かに光熱費の問題ですとか、本当に出すべきなのかということをしっかりとこれは議論をしなければならないところもあると思いますけれども、そこは置いといてもしっかりとその従業員の給料については確保していく。これは本当に先ほどの件と一緒です。あらゆる機会を講じて知事のおっしゃっていました必要に応じてではなくて、これは積極的な対応をぜひお願いしたいと思いますが、知事のお考えをもう一回お願いいたします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時41分休憩
   午前11時42分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 御承知のとおり、再編そのものが今は進んでいるのか進んでいないのかわからない部分が現にあるわけですが、そういう中でおっしゃったように、基地の跡利用とそれから今の従業員の不安の解消、そして基地従業員が基地が返ってきた後もちゃんと安心して生活していけるようにというのは、当然我々も強い関心を持ってやるべきものです。今県庁の中で、対応の部が分かれておりますが、これもなるべく一本に連絡取り合うようにして対応してまいりたいと考えております。
○山内 末子 今、後ろの方から思いやり予算について民主党政権になってからだというふうなちょっとやじがありましたけれども、これは小泉政権のころから、この件についてはしっかりと継続の中で改定期になっていくとどんどんこれが進められた状況があるんです。そのことを確認の上でちょっとお話させていただきました。
 次に移ります。
 大学院大学について、この件につきまして先ほど来、石川インターの交通センターの件と、それから門前町の件、それから居住地の問題がありました。(1)、(2)、(3)と一括して伺いますが、皆さんは今大変順調に進んでいるというような御答弁がありますけれども、地元の皆さんからするとまだ様相が見えないと。交通センターにおきましても、今、A案、B案、C案と3つの案がありまして、それを24年の開学に向けてあと1年しか実際ないんですよね。そういう中で、何をどう対処していっていいのかわからない、事業主体がどこなのか。その予算はどこから持ってくるのか。また事業者ですとかそれから民間レベルだとおっしゃっていますけれども、そことの事業の作業が全然実態が見えないというそういう皆さん方の不満の声、不安の声があるんですね。その件に対しまして、企画部長、どういうお考えを持っていますでしょうか。
○企画部長(川上好久) 大学院大学周辺の整備については、さまざまな事業がございまして、そのまた分野も多岐にわたるわけでございます。そういうふうな意味合いにおきまして、公共で推進すべきものとか、あるいはまた公民連携でやるべきものとか、それから民間主体で推進すべきものとかいろいろございますけれども、いずれにしても公民が密接な連携を図りながら、これはやはり段階的に進めていかなきゃいけないものだと思います。先ほどいろいろ答弁させていただきましたけれども、着実にやはり進んでいるというふうに思います。また、大学院大学もいよいよ24年に開学というふうなことで、これに対してその成果に期待が非常に高まっているのが現実です。うるま市のこの周辺では既にバイオ関連産業、企業が約30社集結をしておりまして、これに対してまた国・県はこの間特別調整費等で知的クラスター形成の事業も行っております。当初の環境整備だけではなくてさまざまなものが今この大学院大学の開学に向けて作業が進められているというふうな状況でございます。ただその形が一気呵成にできるというふうなものではなくて、そういうものを関係市町村それから関係機関と十分に連携をしながら、これから後、作業
を加速をさせていきたいというふうに考えているところでございます。
○山内 末子 それぞれの個々の作業としては進んでいるかもしれませんが、それをやはりそれぞれの恩納村、うるま市、あるいは金武町、宜野座村そこらあたりともしっかりと連携をとっていく、そして専門部会をしっかりと開いていくということ、これが大変必要だと思います。共通認識を持っていかなければ、その地域の皆さんたちは、一体自分たちの大学院大学だけではなくて自分たちの村づくり、まちづくりに対してそれを絡めた総合的なプログラム、それもつくっていく作業がありますので、その作業に大変支障を来しているのが今の現実だと思います。
 そういう意味で、ぜひともしっかりとこれは共通認識を図るための専門部会、ちなみにこの専門部会これまで何回開いて、それで直近ではいつ開いたんでしょうか。
○企画部長(川上好久) 今ちょっとすべてのものは手にしていないんですけれども、例えば、谷茶地区あたりの勉強会等につきましては、これについては、ことしに入っても7回程度、既にそういう勉強会なりあるいはまた区の要職にある方々との意見交換、そういうふうなものを進めております。
 県としてあるいはまた地域としてやるべきものの役割分担をしながら、また県の制度・事業で取り組むべきものについては着実に今進めているというふうに考えております。
○山内 末子 ぜひ財源の大変大きな問題があるかと思います。それはもう大学院大学の予算だけでは、絶対これ今国のほうも大変厳しい状況がありますので、いろんなプロジェクトをかみ合わせながら、そういった計画というものをやはりこれは組み立てていかなければ、この大学院大学の周辺整備は絶対これは間に合わないと思っております。そういう意味でぜひその辺のところをしっかりと検討していただきながら、しっかりと密に地元と連携をしていく、これがまず一番大きな成功への秘訣だと思っておりますので、ぜひそこを先にやっていただきたいと思います。
 私もこの大学院大学については、実はもう有馬先生と本当にもう最初のころからしっかりやっていこうということで進めてきた経緯がありますので、今、目の前に来て大変本当にこの大学院大学については、今、日本全体が科学技術に対して厳しい目がある、今の政権もそうですけれども。実は、この間素粒子物理学でノーベル賞をいただいた益川敏英先生のお話の中で、やっぱり科学政策が国家百年の計だと。この日本の基礎科学をしっかりやっていくことがこの国をもう一度再生していくための大きな原動力になるんだと。そういうことを考えますと、この沖縄からこういった科学技術をしっかり推進をしていくとなりますと、沖縄が日本を救っていくと。それぐらいの大きな夢を持ってぜひ取り組んでいただきたいと思います。カジノとは違ってこういう夢はぜひ一緒になって取り組んで頑張っていただきたいと思います。
 次に、スポーツ振興につきまして、私は科学技術が沖縄を救うと言いましたけれども、もう一つスポーツが沖縄を救うという、自分の公約の中にもスポーツ王国沖縄ということでありますので、先ほどちょっと何度も私この中でやりたい人ができる環境、させたい環境をぜひ沖縄でつくっていくこと、とても大事だと思っております。幸い今国でもスポーツ政策、これが新しい芽出しを、スポーツ法もつくりながら予算もたっぷりと立てながら、「スポーツ立国戦略」ということでことしの8月に文科省が出しております。そういう意味では、今私たちが言っているスポーツがとにかく子供たちを救っていくという意味で、この沖縄に対する期待も大変高いものがあると思います。特にこの沖縄県のスポーツの子供たちの身体能力にかけては、全国から注目されているところですので、先ほどスポーツ奨学金のこと、前回も言いましたけれども、ただ研究にとめておくと言っていましたけれども、実はたくさん要素はあるんですよね。基金をつくればいいじゃないですか、たくさんキャンプも来ているわけですから。今、プロ野球でも19団、韓国からでもサムスンとかそういったところが来ているわけですから、そういう
ところに営業してください。営業してそういう皆さんたちからぜひ基金をつくって、それからまた個人名を言ってあれですけれども、宮里藍ちゃんですとか、プロ野球の選手ですとかたくさん世界で活躍している皆さんたちにお願いをして、沖縄の子供たちのスポーツのための基金をつくっていきましょうとそういう皆さんたちにも声をかけていって、これからは行政だけで予算はもうないですから。そういう営業をしっかりとやっていただきたいと思いますけれども、その決意のほどをお願いいたします。
○教育長(金武正八郎) 山内末子議員のおっしゃる気持ちぜひ理解をしてみます。やはり今回、全国高等学校総合体育大会でも高校生の活躍が大分ありました。それから、興南の野球、春夏の連覇、沖縄県の子供たちの夢、本当に大きく弾けるぐらいですね。県民もそれに連動して大いに沸きました。やはりスポーツというのは青少年の健全育成、そして子供たちに夢や希望を与えるというのは大きな意義があると思います。山内先生が今おっしゃっている件につきましては私たちも大事だと思っていますので、いろんな形で検討して、そして国が動いていることについてもぜひ取り入れて何らかの形をつくっていきたいと考えております。努力をしていきたいと思います。
○山内 末子 私も一緒になって頑張りますので、よろしくお願いします。
 それと知事、サッカー場、たしか知事の公約ですよね。次の知事選には、これはどうなりますか。
○知事(仲井眞弘多) 頑張ります。
○山内 末子 ぜひこの知事の「頑張ります。」が4年後にしっかりと、だれが知事になっているかわかりませんが、もし知事がだめであれば次の知事に申し送りをするぐらいのそういう気概で、ぜひ子供たちの夢を育てられるサッカー場、それをぜひ建設に向けて頑張っていただきたいと思います。
 以上です。終わります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時54分休憩
   午後1時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 渡久地 修君。
   〔渡久地 修君登壇〕
○渡久地 修 こんにちは。
 日本共産党の渡久地修です。
 通告に従い、知事の政治姿勢について質問します。
 基地問題について。
 米軍艦船の民間港への強行入港、嘉手納基地の米軍機が普天間基地を使用するなど米軍の横暴は目に余るものがあります。知事は断固抗議してやめさせるべきです。
 米軍は、米軍機の那覇空港の使用もあり得るとしています。絶対に容認できません。知事は抗議し認めるべきではありません。那覇空港の滑走路増設は、自衛隊との軍民共用空港の固定化と米軍使用につながるものであるとこれまでも指摘してきましたが、現実味を帯びてきています。復帰時の約束である民間専用化を実現すれば、需要は満たされるのではないか。知事は民間専用化を求めるべきであります。
 県民の民意は一貫して辺野古新基地建設反対であったことは各種の世論調査などでも明らかでした。しかし、仲井眞県政は民意に逆行し、普天間基地の辺野古移設を容認、推進し、県民の間に対立と混乱をもたらしてきました。このような県政運営を行ってきたことを厳しく反省すべきではないでしょうか。知事の真摯な反省を求めます。
 アメリカ議会の重鎮などの間からも海兵隊不要論が出ていますが、知事は今でも沖縄に海兵隊は必要という認識に立っているのですか。
 普天間第二小学校など県内の小中学校で米軍機墜落を想定した避難訓練が行われていることについて、少なくとも学校上空、その周辺の飛行禁止を米軍に通告ないしは申し入れを行うよう2月議会、6月議会で繰り返し質問してきました。知事はその後、米軍に飛行禁止の通告、申し入れを行ったか伺います。
 沖縄の米軍基地は沖縄経済発展の阻害要因であるとの6月議会での質問に対して、知事は、いろんな考えがあると答えましたが、そういう認識こそもはや沖縄発展の桎梏だと思うが、知事の認識を問います。
 尖閣諸島問題について。
 尖閣諸島の日本の領有は歴史・国際法上も明確で正当なものです。政府はこのことの大義を国際的に明らかにして再発防止の交渉を進めるべきであります。中国側も事実に基づき緊張を高めない冷静な対応が必要だと思いますが、知事の見解を伺います。
 第1次産業の振興・育成について。
 第1次産業の比率は現在1.9%と激減、復帰時から農家数で3万6332戸、農業従事者数で11万5672人も激減しています。県内食料自給率はさとうきびを除くと6%という状況です。広大な面積を米軍基地にとられていることと、長年の自民党農政の農産物輸入自由化などの影響と、加えて県の本土からの企業誘致にだけ目を向け、沖縄の第1次産業を基幹産業として位置づけて振興・育成することを後回しにしてきた結果ではないか。
 県内食料自給率を仮に100%にすると、農業従事者は幾ら増加するとの試算になるか。また、耕作放棄地をすべて活用すると幾らの農業従事者がふえることになるか。
 県は地産地消運動を展開しているはずですが、学校給食においての県産品利用が平成15年と比較して大幅に落ち込んでいるのはなぜか。
 学校給食で100%県産品を活用するとどれぐらいの経済効果になるか。
 林道問題について。
 知事は、去年の3月に現場を視察して、議会では、やっぱりどうしても必要だと思います。ぜひ今度の林道については御支援をと答弁して林道建設を推進してきました。しかし、その後、ずさんな対費用効果の計算などが発覚して休止に追い込まれました。そして、県議会は前回の6月議会で林道建設の中止を求める陳情を全会一致で可決しました。推進してきた知事の責任は重く、反省が求められていると思いますが見解を伺います。
 子供の福祉について。
 病児・病後児保育事業では、県は国の補助基準額の38%しか設定していません。このように国の補助単価・基準より県が低く補助単価・基準を設定している事業について、具体的な事業名と国基準額に対する県基準額の割合、それによって削った額とその合計額について。また、今年度から市町村に移管された事業、さらに他府県の状況などについて伺います。
 子供の福祉に冷たいやり方です。直ちに改め、国基準並みに補助・基準を設定すべきであります。
 ウィルソン病とメニエール病の難病患者から高額な医療費負担を軽減してほしいとの強い要望が寄せられています。県の対応について伺います。
○知事(仲井眞弘多) 渡久地修議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、普天間飛行場移設問題をめぐる県政運営についての御質問にお答えいたします。
 県としましては、去る5月の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと繰り返し申し上げてきたところであります。そして名護市長選挙や県議会の意見書議決、そして県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難であると考え、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を示すよう求めてまいりました。しかしながら、政府からは、この間の県民の怒りと失望にこたえ得る説明と方策は依然として示されておりません。
 県としましては、このような状況にかんがみ、政府に対し、日米共同発表を見直し普天間飛行場を県外に移設することを求めてまいりたいと考えております。
 同じく知事の政治姿勢の中で、沖縄の海兵隊に係る御質問にお答えいたします。
 県は、これまで日米両政府に対しあらゆる機会を通じて海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減等による沖縄県の過重な基地負担の軽減を求めております。とりわけ海兵隊につきましては構成員が最も多いことから、その削減に最優先に取り組む必要があると考えております。このため、米軍再編で示されました海兵隊司令部及び約8000名の海兵隊将校、そして兵員のグアム移転とそれに伴う嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の整理・統合・縮小等は、県民の要望している在沖米軍兵力の削減及び米軍基地の整理縮小につながるものであり、確実な実施がなされる必要があると考えております。
 同じく知事の政治姿勢の中で、米軍基地と経済振興についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 軍用地料などで構成されます軍関係受取が県経済に占める割合は、復帰直後の15.5%から平成19年度は5.3%と大幅に低下いたしております。また、米軍は経済活動を主として行っていないので、沖縄県の経済的な生産能力を抑制している可能性があります。さらに、基地専用施設等として広大な土地などを排他的に占有しており、特に都市部であります中南部圏域において土地利用上大きな制約となっている面もあると考えております。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中で、これは尖閣に係る御質問の中で、再発防止と中国側の冷静な対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 尖閣諸島は歴史的にも国際法上も我が国の領土であり、同諸島の領有権問題は存在しないというのが政府の基本的見解であります。
 沖縄県といたしましても、領土問題は存在しないと考えており、国際的に尖閣諸島の領有権に関する我が国の毅然とした立場を示し、今後、このようなことが起こらないように日本政府に対して外交上の適切な対応を要望していきたいと考えております。また、中国側に対しても冷静な対応をとられることを要望するものでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢の中で、米軍艦船の民間港入港等に断固抗議することについての御質問にお答えいたします。
 民間空港・港湾は、民間航空機・船舶の運航施設として設置されたものであり、緊急時以外は、米軍は使用すべきでないというのが県の一貫した方針であります。県は当該方針を踏まえ、日米両政府に対し寄港の自粛を要請したところであります。また、嘉手納基地所属のF15戦闘機がダイバート訓練で普天間飛行場を使用した件については、普天間飛行場周辺住民の過重な負担を踏まえ、県としては、米軍に対し安全管理を徹底しダイバートが発生することがないよう適切な運用を要請したところであります。
 次に、学校上空の米軍機飛行についての御質問にお答えいたします。
 県としましては、住宅地上空の飛行訓練等により県民に被害や不安を与えることがあってはならないと考えております。このような観点から、県は、去る9月14日、米軍に対し、米軍機による航空機騒音の軽減措置等について要請を行い、その際、学校を含む住宅地上空の飛行を回避するよう強く申し入れたところであります。
 今後とも、軍転協などを通じ住宅地上空の旋回訓練の中止や航空機騒音の軽減等について、米軍及び日米両政府に対し粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、那覇空港の民間専用化についてお答えいたします。
 那覇空港の滑走路増設は、民間航空の将来需要に対応するとともに、航空機事故等による滑走路閉鎖により空港機能が停止することを回避するために行われるものであり、国は、同空港を自衛隊が将来も現状のとおり利用することを前提に検討しております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 知事の政治姿勢の中で、第1次産業の振興・育成についてお答えいたします。
 農林水産業の振興については、3次にわたる沖縄振興開発計画や、沖縄振興計画に基づき各種事業を実施してきております。平成14年からは、沖縄振興計画の分野別計画である沖縄県農林水産業振興計画を策定し、各種施策に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、消費者・市場等のニーズに対応したおきなわブランドの確立と生産供給体制の強化、農林水産業・農山漁村を支える担い手の育成確保、亜熱帯・島嶼性に適合した農林水産業の基盤整備など、7つの柱を基本として取り組んでおります。
 その結果、農業産出額、農業所得、農家所得などについて復帰時と平成20年を比較すると、農業産出額は451億円から920億円で469億円の増、農業所得は38万6000円から134万9000円で96万3000円の増、農家所得は123万2000円から224万2000円で101万円の増、農家総所得は148万2000円から372万4000円で224万2000円の増となっております。
 特に、地下ダムなど生産基盤の整備の進展やミバエ根絶、オオシマダニ撲滅等の生産条件の整備により農業振興が図られ、農家においては販売額が1億円を超える菊生産農家やマンゴー生産法人のほか、40ヘクタールの大規模さとうきび生産法人、飼養頭数500頭以上の肉用牛繁殖経営等も育成されております。
 県としては、今後とも本県農林水産業の振興を図るため、市町村など関係機関と連携し、各種施策・事業に取り組んでまいります。 
 次に、食料自給率の向上に伴う農業従事者数の試算についてお答えします。
 平成20年の食料自給率40%から100%に上昇させた場合の農業就業者数は、約6万6000人の増加と試算されます。この試算は、仮に米を増産したとして必要な生産量、作付面積を算出した上で米農家1戸当たりの平均規模が現状のまま変わらないと仮定して単純に試算したものであります。また、耕作放棄地を活用した場合の農業就業者数についても、米を増産したとして同様に試算すると、平成21年の耕作放棄地面積2693ヘクタールに対して約3000人の増加となります。
 これら農業就業者数の試算は、あくまでもカロリーベースでの食料自給率の向上による単純試算であり、米の作付に必要な水田面積の確保や農業所得の確保には極めて厳しい状況にあります。
 次に、林道建設休止の見解についてお答えします。
 林道につきましては、森林の適切な管理や造林・保育・収穫等の森林施業の効率化、木材搬出等のために必要であると考えており、地元の要望等を踏まえて整備をしてきたところであります。平成21年度着工を予定していた伊江Ⅰ号支線、伊江原支線については、国との調整を行いながら費用対効果の検証を行い、その結果について、沖縄県公共事業評価監視委員会へ諮問し、その答申を得て工事を休止したところでございます。
 今後の林道建設については、自然環境との調和を図る必要があると考えており、作業道の検討を含め施業方法、環境保全対策の検討やゾーニングの実施など、地元住民や県民、関係者等との合意形成を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは知事の政治姿勢についての御質問で、学校給食における県産食材の使用についてお答えいたします。
 本県の学校給食における県産農水産物の利用状況調査によると、県産食材の利用率は、平成15年度は39.0%、平成20年度は33.4%と5.6ポイントの減少となっております。畜産物と水産物の利用率は増加しておりますが、野菜類の減少が大きく影響しており、特にニンジンが18.1ポイント、キャベツが10.2ポイント減少しております。
 なお、野菜類の利用率が減少した具体的な理由についてはさまざまな要因があることから、把握が困難であります。
 次に、100%県産品を活用した場合の経済効果についてお答えいたします。
 学校給食で100%県産品を活用した場合の経済効果については、価格変動等を含めたさまざまな要因がありまして算出することが困難であります。
 ちなみに、平成20年度の県の児童生徒の学校給食費の総額は約63億円となっております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 知事の政治姿勢についての御質問の中の、病児・病後児保育事業など国の補助基準額以下で実施している事業の状況及び国基準並みに設定することについて一括してお答えします。
 平成22年度当初予算で国の基準以下で実施している補助事業につきましては、特別保育事業と放課後児童健全育成事業の2事業となっております。
 国基準額に対する県基準額の割合については、特別保育事業における特定保育はおおむね90%、休日保育はおおむね49%、夜間保育はおおむね55%、病児・病後児保育はおおむね50%で、放課後児童健全育成事業における長時間開設加算分についてはおおむね60%となっております。その差額については、特別保育事業は3666万1000円、放課後児童健全育成事業は2647万6000円となっており、合わせて6313万7000円となっております。
 県としましては、事業の運営状況等を見ながら必要な予算額の確保に努めてまいりたいと考えております。
 なお、九州各県の状況については、特別保育事業は本県を含めて3県、放課後児童健全育成事業は本県を含めて4県が国基準額より低い単価設定がなされております。また、平成22年度から一時預かり事業、地域子育て支援拠点事業については、次世代育成支援対策交付金の対象事業となり、延べ利用児童数等に応じた基準点数制に基づき、国から直接市町村に交付することになっております。
 次に、難病患者の医療費負担の軽減についてお答えします。
 難病のうち、特定疾患治療研究事業の対象疾患とならない疾患については、現在のところ高額療養費制度以外の医療費軽減の仕組みはありません。
 県としては、対象疾患の拡大、事業の法制化及び十分な予算の確保等を全国衛生部長会議を通して国に要望しているところであります。
 以上でございます。
○渡久地 修 休憩、答弁漏れ。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時48分休憩
   午後1時49分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 金武正八郎君登壇〕
○教育長(金武正八郎) 再度答弁いたします。
 最初から読み上げいたします。
 100%県産品を活用した場合の経済効果についてお答えいたします。
 学校給食で100%県産品を活用した場合の経済効果については、価格変動等を含めたさまざまな要因があり、算出することが困難であります。
 ちなみに、平成20年度の県の学校給食に係る総額ですけれども、約63億3000万円ですね。それから教職員の学校給食費の総額が4億6600万円となっております。
 以上でございます。
○渡久地 修 知事、私が県議になって2年3カ月余りになります。この2年余、基地のない沖縄ということを目指して知事と論戦を交わしてきました。きょう、一応任期の最後ですので、知事の認識について再質問させていただきたいと思います。
 まず、戦後65年、復帰して38年であります。その中で大きな歴史の節目というのは何度もあったと思うんですけれども、この4カ年間というのはそういう中でも非常に私は大きく動いた4カ年じゃなかったかな。そしてこの2カ年間、特に県議選挙、衆議院選挙、名護市長選挙、県民大会、それから名護の市会議員選挙と、私はもう激動といっていいぐらいの動きだと思うんですよね。沖縄を今このように大きく動かしているもの、それは知事は何だと認識しているんでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時53分休憩
   午後1時53分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 極めて答弁が難しい御質問で、答えるのをお断りしようかと思ったぐらいですが、こういう個々の事象を取り上げて、この事象が衆議院選挙があった、名護市長選挙があった、県民大会があった、何がと……、これはもともと決まっているものなんですね。そしてその結果のことをおっしゃっておられるのか、これの動きをどういうふうにして見るかはその人の価値観によるわけです。それと一般論としてインターネットを初めITを中心とした世界化の話だとか、これを総称して時代の流れとか変化と言ってみたり、人それぞれです。ですから、これを私に今質問されて答えろと言われても、極めてお答えしにくい。これは個々の事象の羅列を議員はおっしゃった中に、何か意味を受け取ろうかという点は残念ながら私にその能力はありません。
○渡久地 修 質問のやり方がちょっとうまくなかったかなと思いますけれども、私は今の沖縄の政治、沖縄の歴史を動かしているのは県民の民意だと思うんですよ。民意がやはりこういう政治にも大きく反映していると思います。その民意というのは、戦後65年の苦難の歴史、そしてそういう状況を変えたいというのが1つ、そしてもう一つは、もう戦争で紛争を解決するんじゃなくて平和で解決するんだという世界的な平和の流れと、そして沖縄の米軍基地、海兵隊というのがもう抑止力ではないんだという県民の認識の広がりもあると思います。そして3つ目には、基地がないほうが沖縄は発展するんだということでの基地依存からの脱却、こういう認識の高まりがあると私は思っています。
 そこで知事にお尋ねしますけれども、基地をなくしてこそ沖縄の経済も発展するんだということを、きょうお聞きしたいんですけれども、先ほども聞きました。この38年間、振興予算、今年度までで9兆81億円投入されています。しかし、今のような状況ですね。その状況を述べたらたくさんあります。
 なぜ9兆81億円投入したけれども、この目指した方向にまだ行き切れていないかというのは、1つには、この膨大な米軍基地をそのまま置いてきたと、これを大前提にやってきたということ。2つ目には、これは学者が指摘していますけれども、その予算の大半が本土に還流する仕組み、ざる経済という仕組みがつくられているんじゃないかと言う人もいます。そして、3つ目が先ほど言った第1次産業など地場産業、地元産業育成、これを後回しにしてきたんじゃないかというふうに私は思っています。
 そこで、きょうの質問でやったのは、この基地がもはや沖縄経済発展の阻害要因だと、こういう認識に立ちきれるかどうかというのを私は知事にきょう聞きたかったわけです。知事は、この前の議会ではいろんな考えがあるということで、これを認めようとはしませんでしたが、きょうはちょっと変わって生産性を抑制している面もあるとか、そういったことを言っていましたね。この基地が阻害要因になっているというのは新都心、それからハンビーなどを見ても明らかですね。新都心では当時最高で196名だった従業員が現在ではもう1万3000人、2万人近くになっているわけですよ。普天間基地が返されたらどうなるかというのは皆さん方、沖縄県が試算したものでは、従業員現在207名が3万2000人雇用がふえるという試算まで出されて、そして県議会が出したこの資料では、基地がないほうが現在より4950億円、基地があるためにこれだけ毎年損害を受けているという試算も出ているわけですよね。そういう意味では基地というのは経済的な生産能力を抑制して、県土の利用をゆがませて、県経済の成長力を押し下げていると、まさにこれこそもう沖縄経済発展の阻害要因だと。この認識に立っ
て県政運営をやるかどうかというのが問われていると思いますけれども、知事、いかがでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時58分休憩
   午後1時59分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 何回かこの議会でも答弁させていただいていますが、今の少なくとも思いやり予算というような米軍基地を支える国からの支出というか移転が約二千二、三百億円とこう言われておりますが、こういうものが持つ県民所得なり県民総所得に占める割合というのは、復帰時点の47年度でしたか15%ぐらいから、19年度が最新でしたかね、5.3とか5.4、こういうぐらいやはり米軍基地に係る政府支出の経済効果を見ると明らかに5%台ですから、これは小さくはありませんが5%ぐらいだと思います。ですから、使っている従業員、使っている土地の広さ、そういうものからいえば明らかに経済活動としては十分ではないといえるだろうと思いますし、物理的な基地の置かれているこの空間もかなり公共交通システムとか、土地利用の合理性からはちょっとやはりいかがなものかという面もあるというふうに思います。
 ただし、議員が今言われたようにハンビーといいますか北谷の話、それから天久、すべてがこのように発展し得るかというのは、これはやってみないとわからぬところがありますが、はっきり都市部である、それから計画のよさ、やはり返ってくる基地の立地にもかなり影響してくると思いますが、ただ基地の持つ経済的な効果というのは今や県民所得計算上から言えば5%台だということは確かですよ。
○渡久地 修 私は阻害要因だと思うんですよ。企画部長、皆さんが出した21世紀ビジョンの87ページの7行目から18行目、今のもの、私が言ったのはこれで言ったんですよ。これに何と書いてあるか、正確に示してもらえませんか。7行目から18行目まで。
○企画部長(川上好久) このビジョンの第Ⅲ部の部分ですね、「沖縄経済の現状と可能性」というふうなものを分析をしてございます。この中で、地域特性を生かす経済活動の話、それからまた産業構造、基地経済、財政、社会資本、労働、県民所得等々さまざまな角度から沖縄経済の状況を分析をしています。
 この中で、その基地経済の部分は「低下している基地経済の比重」というふうな項目で整理をさせていただいています。ここでの議員のおっしゃる部分の分析は、土地面積当たりの、平米当たりの生産性を算定をしたときに、この基地が占める部分というのは小さいというふうな整理をしていると、そういうふうなことでございます。
○渡久地 修 休憩。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時2分休憩
   午後2時3分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 企画部長。
○企画部長(川上好久) 「このように、基地は経済活動を主として行っていないので、本県の経済的な生産能力を抑制しており、土地利用に歪みをもたらすなど経済的に不効率な土地利用となっている。復帰から38年を経た現在においては、県経済の潜在成長力を押し下げていると考えられる。」。
○渡久地 修 ここで生産能力を抑制している、土地利用にゆがみをもたらす経済的に不効率な土地利用、それから県経済の潜在成長力を押し下げていると考えられるということで、そして返還後の那覇新都心なども県経済を牽引する活発な経済活動が展開されていると。そして、先ほどあったように、もはやもう軍関係受取の比重の低下により、その動向が県経済を大きく左右することはなくなったということで、皆さん方書いているんですよね。そういう意味ではこれはもう明らかに経営者協会の会長さんもこう言っているんですよ。沖縄の経済にとって基地依存は総体的に低く、むしろ阻害要因になっているということを経営者協会の会長も言っているわけですよ。そういう立場に立って県政運営を本当に今後やっていくおつもりですかと。こういう立場に立たないと、沖縄の経済問題を語ることはできないんじゃないですかということを言いたいんですよ。知事、どうですか。
○知事(仲井眞弘多) まさにそういうことで審議会を通じそのレポートができているわけです。
○渡久地 修 繰り返しますけれども、知事、この米軍基地は沖縄発展の重要な阻害要因であるということを直視すべきじゃないですか、どうでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 十把一からげの基地の対応について、阻害要因であるということを断定的に言えるかどうかは、ちょっとこれは単純化し過ぎだと思います。しかし、総体として空間の大きさに比べて今のビジョンの結論というのは、これは私もちゃんと参加して書いておりますから、そのとおりのものです。ですが、すべての基地、すべてがそういう状態であるかどうかは断定はしにくい面はありますよ。ただ、総体としてこの大きさに比べて5%強の経済効果しか生んでないというのは事実だよと言っているわけです。
○渡久地 修 これは私が断定しているんじゃないんですよ。この「沖縄振興計画等総点検報告書」の5ページに、「沖縄の新たな発展にとって重大な阻害要因になっているという現実は直視されなければならない。」と書いてあるんですよ。だから私、聞いているんで、そういう立場に立たないと、21世紀ビジョンも今後の沖縄振興計画もできないんじゃないですかと。ここに書いてあるんです、直視しなさいと。どうですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時6分休憩
   午後2時6分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 立つも立たないも、それは責任を持ってその答申を受け、私が出した形のものですから、私の考えでもあるんですよ。
○渡久地 修 そういう立場に立てば、本当に基地の県内移設反対とかそういう立場で基地をなくす先頭に立ってやるべきじゃないですか。それなのに知事のこの4カ年間は何ですか、この基地の県内容認をずっとこれまでやってきたんでしょう、この4カ年間の大半は。そういう立場に立っているんだったら、これは通用しないですよ。どうでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 基地の整理縮小という大きなテーマは、きちっとそれを掲げて私はやってきているつもりですよ。
○渡久地 修 今、知事も米軍基地は沖縄経済発展、沖縄発展の阻害要因ということは認めた。ですから、そういう立場に立ってこれからは県政運営をやっていかないと、沖縄のこれからの次期振興計画も、次どなたが知事になろうとも、やはりこの沖縄から基地をなくしていくということを正面に据えてこそ沖縄の経済は発展するんです。知事はこの4カ年間、ここに政府に対する要望書がありますけれども、(資料を掲示) これでは県内移設やむなし、あるいは一日も早くあれするためにキャンプ・シュワブに移設することが現実的な選択であるということ、一方では基地は経済発展の阻害要因と言いながら、基地を移してくれということでやってきたわけですよ。そういう意味ではこの基地をなくすという立場に立ち切れてないということを私は指摘したいと思います。
○知事(仲井眞弘多) 基地がその空間の割に経済効果を持ってないどころか阻害要因の面があるということであって、あらゆる基地、米軍基地そのものというのはあなたはどう思っておられるかわかりませんが、日米同盟のやはり防衛上の価値というのは持っているわけです。だからこれを抜きにしてすべて経済的な活動でしか最もいい経済活動を参考にしてのみで判断するわけにいかないでしょう。ですが、いずれにしてもいい場所に、嘉手納基地にしても普天間基地にしてもある、これがこの空間の割に経済活動上は余り大きなものを持ってない。しかも空間的な公共交通システムを考えるとむしろ阻害もしている。だから基地の整理縮小として県内でも当時は名護市は受け入れていたんですから、条件つきで受け入れて縮小し危険をまずぐっと小さくしてしまうというのは当然のこれは過程じゃありませんか。
○渡久地 修 私は、知事が今言った基地の防衛上の問題、いろんな問題があると言いました。これまでも私たちは基地の危険性の問題、この問題をやってきました。きょうは経済的な側面から議論したつもりです。ですから私たちは、安全保障といっても、米軍は日本を守るとか何とかと違うと、海兵隊も。海兵隊は、沖縄を守るために配備しているのではないということをアメリカの議会で証言されていることを僕は6月議会でも2月議会でも何度もやってきたんですよ。そしていかに危険な基地かということもやってきた。きょうは経済的なものでやってきたつもり。そういう意味では米軍基地というのは私は、日本を守る軍隊でもない、沖縄を守る軍隊でもない。県民にとっては危険なもの、そして経済的に見てもこれは阻害要因だというそういう立場に立たないといけないということを私は言いたかったわけであります。
 もう時間がなくなりました。知事が県内移設反対ということを言わないということを私はなぜだろうかということをずっと考えてきました。知事は、これまで県外がベストだが県内移設もやむを得ないと、一日も早い危険性除去にはということを言ってきました。きのうの質問のやりとりで、私は前から言っていたでしょうと、県外だと。今回、県外を求めると言ってきたけれども、例えばそれが県外移設を求めていくが、一日も早い危険性除去のためには県内移設もやむを得ないということにまたなりかねませんかという危惧を私はしているんですよ。いわゆるこの後段の部分を封印している。だから今までの県外移設がベストだが県内移設もやむを得ないというのと、今回のものはどこが違うんですかということを聞きたいんですよ。私たちから見たら、表現が違うだけじゃないのと。どうでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時13分休憩
   午後2時14分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 前提の条件がまるで違っておりまして、前は1月24日の名護市長選挙までは、長年かけてみんな条件つきで、しかし一日も早い普天間の危険性の除去のためには県内もやむなしということで名護が受け入れてくれていたわけです。そしてその後、市長さんがかわって、それに反対の市長さんになって、さらに県民大会があり、そして少なくとも、悪くとも県外にと言った民主党といいますか3党連立政権ができて、そしてこれが別の結論を出していって、社民党さんが連立から外れたという情勢と前提が全然違っている中で、しかも悪くとも県外というようなことを言っておられた方が突然総理をおやめになって、そしてしかしもとへ戻した理由もなく戻っていったという前提条件がまるで違うから、私はまずその説明をきちっとやってくれということをずっと言い続けてきていたわけですよ。ところが、この説明が十分に納得いく、これは私も含め県民に対してもそれはない。したがってこれは今の日米共同発表を見直すしかないじゃありませんか。だからこれを見直せと、見直す中身は県外だと言っているわけですよ。
○渡久地 修 今知事が言ったように、知事の考え、今まで言ったのが前提条件によって動いているわけですよ、前提条件によって。そこに知事の主体的な考えというのが本当にあるのかと。名護市長さんが受け入れているから容認する、名護市長さんが反対するから反対する。そして今度は政府からの説明がないから県外を求めると。どこに知事のあれがあるんですか。知事は県内移設絶対反対なんですか、それとも容認、どっちなんですか。
○知事(仲井眞弘多) 反対か何かというそういう白か黒かという性質のものじゃないと私は前から言っているでしょう。ですから、名護市長が受け入れる、受け入れないというのはやはりそれは移設先として当然その現実性がある、ないの判断じゃありませんか。そういうのを抜きに、ただこれは白だ黒だ、イエスかノーかという性格のものじゃないでしょう。だからそういうあなたの価値でもって切ることは現実の行政の中身ではまずあり得ないということです。だからそういうような問いにはお答えがし切れないということですよ。
○渡久地 修 今、県民が求めているのは、もうこの長年の基地を押しつけるものに終止符を打ってほしい、明確に反対できるような知事が表明してほしいというのが県民の今、民意だと私は思うんですよ。だから、名護市長が以前受け入れていようが、私はもう反対ですと。あるいはそれがまた反対の人にかわろうが、私は反対ですと。政府が説明しようがしまいが沖縄に押しつけるのは反対だと、主体的なものを持って言い続ける知事を私たちは求めていると思うんですよ。ですから今、私は知事のものを聞いて、知事のこれまでの答弁から、知事は日米安保条約が必要、沖縄も基地の応分の負担は必要と言ってきましたね。そして、前の稲嶺知事のときに政府と対決すべきではないということもおっしゃったということが新聞記事にも載っていましたけれども、まさにそういうのが根底にあると。日米両政府の立場に立っているのではないかなということを指摘して終わります。
○知事(仲井眞弘多) いろんなことをおっしゃるから、ちょっと今のは御質問なのかわかりませんが、政府に対しての態度について、私は意見は仮に違っても、考え方が違っても、みずからの国のみずからの政府に対しては妥協できるところは妥協し、反対すべきは反対し、議論すべきは議論するという自由度をきちっと持ってやるべきだと言っているわけですよ。これはもう当然のことじゃありませんか。
○前田 政明 発言通告に基づいて質問します。
 知事の基本姿勢について、以下質問します。
 (1)、普天間基地、辺野古基地、米軍再編問題について。
 ア、辺野古基地建設反対の稲嶺市長の勝利に続いて、名護市議会議員選挙で基地の建設反対議員が多数となり、日米合意の辺野古移設は不可能ではないか。
 イ、きょうの新聞報道によると、米海兵隊は次期主力機となる垂直離着陸機MVオスプレイを普天間飛行場などへの配備計画を公表しました。政府は、飛行経路も陸上部や住宅地域にはかからないと県民をだまし、大型の高速強襲輸送機のMV22オスプレイの配備を故意に隠してきた。このような政府の辺野古基地推進のための悪質なだましの対応について知事の見解を問う。
 ウ、知事は、政府から話を聞いてどうしてその基本が変わったのかも含め、その背景を聞いた上で判断する、私の方針を決めるとのことであった。仲井眞知事は、県民の総意である「県内移設反対」する方針になったのか。
 エ、「辺野古への移設は極めて厳しい」と言いながら、沖縄県の公共用財産使用協議書作成準備手続に関する特別採捕許可書を6月3日付で沖縄防衛局に知事が許可を出している。辺野古基地推進のための調査の許可を与えたのはなぜか。
 オ、2010年度防衛白書について、「代替施設を決めない限り、普天間飛行場が返還されることはない」といった記述が行われております。これについて知事の見解を問うものです。
 カ、普天間飛行場の辺野古移設が「大変厳しい」、「不可能に近い」との見解は、公有水面理め立ての許可は出さない、出せないと理解してよいか。
 キ、米軍基地は沖縄の発展の大きな障害である。海兵隊は抑止力ではなく、海外侵略部隊である。海兵隊は沖縄から撤退すべきではないか。
 ク、普天間基地の危険性の除去どころか、嘉手納基地の滑走路改修工事のためとしてF15戦闘機の離発着訓練が強行されている。一層危険や爆音被害が拡大されている。知事は、普天間基地の危険性の除去のために何をしてきたのか。
 ケ、沖縄政策協議会に「協議会で日米合意に理解いただき将来普天間の跡地や移設に関する負担軽減の議論も行い得る」(前原前沖縄担当相)との見解であるが、基地とリンクした振興策を容認するのか。知事の見解を問う。
 コ、高江ヘリパッド問題について質問します。
 (ア)、北部訓練場とキャンプ・ハンセンへのヘリパッドは何カ所か。北部訓練場及びその周辺におけるこれまでの米軍関係のヘリコプター事件・事故の状況について伺う。
 (イ)、高江地区を6カ所のヘリパッドで取り巻く状況は極めて危険で、墜落事故などの人命にかかわる問題で、県民の命を守る立場から人道上も中止を求めるべきではないか。
 2、福祉切り捨ての「行財政改革」について質問します。
 国民生活を破壊し、貧困と格差を広げた新自由主義の構造改革路線の名による沖縄県の「行財政改革」は、県民の暮らしを守る沖縄県の医療・福祉の諸制度を切り捨ててきた。多くの社会福祉施設の民営化、民間譲渡などで県の公的な責任を放棄してきた。現在も県立看護学校の民間譲渡、県立病院の独立行政法人化が検討され実施されようとしている。このような県民生活を脅かす医療・福祉制度の基盤を弱める「行財政改革」は見直すべきである。この間の廃止した医療・福祉等の事業・施策について問う。
 3、環境保護行政について質問します。
 (1)、生物多様性締結国の国際会議について。
 ア、10月に名古屋市で第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)が行われる。国際的にも沖縄県のジュゴンやヤンバルの森を守る対応が注目されている中で、沖縄県では世界的にも貴重な生物多様性の豊かな貴重種の生存するヤンバルの森や海を破壊する高江ヘリパッド建設や林道建設、泡瀬干潟理め立て、ジュゴンのすむ辺野古沿岸域の米軍新基地建設、那覇空港拡張等による大嶺海岸の理立計画など、貴重な生物多様性の豊かな宝庫である自然破壊や計画が行われている。このような沖縄県の環境破壊行政は、生物多様性の保護や生物多様性締結国会議の趣旨からも逸脱しているのではないか。
○知事(仲井眞弘多) 前田政明議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、知事の基本姿勢についてという御質問の中で、普天間飛行場の辺野古への移設及びこの問題に対する方針についてという御趣旨の御質問ですが、1の(1)のアと1の(1)のウが関連いたしておりますので、一括して答弁させていただきます。
 県といたしましては、去る5月の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと繰り返し申し上げてきたところであります。そして名護市長選挙や県議会の意見書議決、県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難であると考え、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を示すよう求めてきました。しかしながら、政府からこの間の県民の怒りと失望にこたえ得る説明と方策は依然として示されておりません。
 県としましては、このような状況にかんがみて、政府に対し日米共同発表を見直し、普天間飛行場を県外に移設することを求めてまいりたいと考えております。
 次に、同じく知事の基本姿勢の中で、海兵隊の撤退についての御質問にお答えいたします。
 県は、これまで日米両政府に対し、あらゆる機会を通じて海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減等による沖縄県の過重な基地負担の軽減を求めてきております。とりわけ海兵隊につきましては、構成員が最も多いことから、その削減に最優先に取り組む必要があると考えております。このため、米軍再編で示されました海兵隊司令部及び約8000名の海兵隊将校・兵員のグアム移転と、それに伴う嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域の整理・統合・縮小等は、県民の要望している在沖米軍兵力の削減及び米軍基地の整理縮小につながるものであり、確実な実施がなされる必要があると考えております。
 次に、同じく知事の基本姿勢の中で、沖縄政策協議会に係る御質問にお答えいたします。
 沖縄政策協議会は、これまで沖縄振興計画や沖縄振興特別措置法等、沖縄の極めて重要な課題を協議する場合に開催されております。今般、沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画の終期が平成24年3月に迫ったため、協議の再開を求めたところであります。今回、協議会の中に新たに2つの部会を設置することが確認されており、これは国家戦略を見据えた沖縄振興策の検討と、米軍基地負担軽減及び地位協定をめぐる課題への対応に関して協議することとなっております。
 県民の求める「沖縄21世紀ビジョン」の将来像を実現するためには、さらなる県民福祉の向上に向け、産業雇用の確保や教育、そして福祉の充実を図りますとともに、県民の日常生活に影響を及ぼしている基地負担の軽減を図ることがともに重要であります。このことを踏まえまして、国と協議をしてまいりたいと考えているところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の基本姿勢の中で、オスプレイ配備についてお答えいたします。
 県は、オスプレイが過去の開発段階において死亡事故を起こしていること、及び現在米本国などにおいて配備されていることについては承知しております。また、2010会計年度海兵隊航空計画においては、普天間飛行場のCH46と代替更新することが記述されております。これらのことを踏まえ、県は政府に対し再三照会しており、去る9月9日及び14日に外務省沖縄事務所に対し問い合わせをしたところ、現時点で具体的に決まっているわけではないと米側から回答を得ているとのことであります。
 県としましては、配備の有無を含め、政府から県民に十分な説明をすべきであると考えており、引き続き具体的な説明を求めてまいります。
 なお、本日の新聞報道で、2011年海兵隊航空計画においても先ほど申し上げたものと同様な計画が示されているとのことであり、再度政府に照会をしてまいりたいと考えております。
 次に、2010年度防衛白書についてお答えいたします。
 今年度の防衛白書には、日米共同発表に至った経緯として「普天間飛行場の代替の施設を決めない限り、普天間飛行場が返還されることはないといった現実のもと、沖縄県民の負担軽減と危険性の除去を優先したものである。」と記述されております。
 県としましては、日米共同発表における名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと考えており、政府に対して県民の納得のいく解決策を示すよう求めているところであります。
 次に、公有水面埋立承認についてお答えいたします。
 普天間飛行場移設問題に関する今後の政府の対応としては、去る8月31日に公表された日米専門家検討会合報告書の検証及び確認、日米安全保障協議委員会での合意、環境影響評価手続等が行われるものと考えております。政府から知事に対して埋立承認願書が提出されるのは、これらの手続を経た後となっており、現時点では移設案を受け入れることは極めて厳しいというのが県の考えであります。
 次に、普天間飛行場の危険性除去についてお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去については、あらゆる方策を検討し、具体的な方法を示すよう政府に求めてきました。このような県の主張に対し、政府は、平成19年8月に「普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策についての検討に関する報告書」を発表し、昨年5月21日までに報告書に記載された諸施策をすべて実施したとのことであります。また、平成20年7月末には、さらなる危険性除去策を検討する実務者レベルのワーキングチームが設置され、政府と率直な意見交換を重ねてまいりました。さらに、今年度は、普天間飛行場の場周経路等の客観的データを把握・評価するため、普天間飛行場の継続的な飛行航跡調査が開始されております。また、県は、総理を初め各大臣との面談など機会あるごとに普天間飛行場の一日も早い危険性の除去を求めており、政府においては積極的にこの問題の解決に取り組んでいただけるものと期待しております。
 次に、北部訓練場及びキャンプ・ハンセンのヘリパッド箇所数と北部訓練場周辺でのヘリコプター事故についてお答えいたします。
 現在、北部訓練場には22カ所のヘリパッドがあると承知しております。キャンプ・ハンセンにあるヘリパッド数については、沖縄防衛局に照会したところ、運用上の理由により米軍から回答を得ることができないとのことであります。
 復帰後の県が把握している北部訓練場及びその周辺における米軍関係のヘリコプターによる事故は14件となっており、このうち墜落事故が6件となっております。
 次に、高江ヘリパッドについてお答えいたします。
 県は、平成19年3月28日、沖縄防衛局に対し、住宅地上空や生活道路上空を除外して飛行ルートを設定する措置を講じることなどを要請したところ、同年4月20日に要請に対する回答を受けております。また、東村及び高江区は去る7月20日、進入回避標識灯の設置などを沖縄防衛局に要請したところ、沖縄防衛局は8月30日に標識灯については設置箇所等を検討する、米海兵隊は住宅地等の上空はできるだけ回避するとしている等の内容について回答を行ったとのことであります。
 ヘリパッドの移設については、国による環境調査の結果や高江区及び東村の意向等も踏まえながら、当該地域の自然環境や地域住民の生活に十分配慮すべきであると考えております。
 県としましては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 知事の基本姿勢の中で、特別採捕を許可した理由についてお答えします。
 県では、水産資源の保護培養及び漁業調整を図るため、沖縄県漁業調整規則に基づき、造礁サンゴ類や海ガメ類の卵の採捕禁止などの措置を講じております。このような採捕の制限または禁止に関する規定は、試験研究等の目的のための採捕に限って、県は適用除外を許可することができます。
 今回の特別採捕許可申請については、提出された実施計画書の内容を審査し、採捕の目的が漁業調整規則に定める試験研究等に該当するため許可したものであります。なお、当該調査は、平成19年から1年更新で継続して行われているものであり、試験研究等の終了後はその経過を県に報告することが義務づけられています。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 「行財政改革」により廃止した医療・福祉等の事業・施策についてお答えします。
 沖縄県では、平成18年度から平成21年度までに実施した「沖縄県行財政改革プラン」において、県と市町村や民間との役割分担、民間能力の活用等により、公の施設や事務事業の見直しなどに取り組んだところです。
 医療・福祉等の分野においては、民間においても施設運営のノウハウが蓄積され、充実してきていることから、12県立社会福祉施設の沖縄県社会福祉事業団への経営移譲、首里厚生園の民間移譲、石嶺児童園の指定管理者制度の導入などを実施したところです。また、制度改正や事業目的を達成したこと等に伴い、支援費制度推進事業など11の事務事業を廃止したところです。
 県としましては、今後とも、医療・福祉など必要不可欠な行政サービスの維持向上に努めてまいります。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 環境保護行政に関連して、県の環境行政と生物多様性保全についてお答えいたします。
 ことしの生物多様性第10回締約国会議では、2002年に採択された現在の生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させるという目標を検証することになりますが、目標の達成は困難であるとされており、それを踏まえて新たな目標について論議されるものと考えております。
 沖縄県においても社会資本の整備に伴う開発、人間活動の拡大、マングース等外来種の侵入により、希少野生生物種の減少や生態系の攪乱が懸念されており、生物多様性の保全は本県を含めた国際的な課題であると認識しております。
 このようなことから、県では、「自然環境の保全に関する指針」などを定め、事業者みずからが自然環境に配慮するよう指導助言を行うとともに、各種開発事業に対して環境影響評価法等関係法令に基づき適切な対応を行ってきているところであります。また、生物多様性の保全と持続的な利用に係る方向性や目標を示す「生物多様性地域戦略」を平成24年度までに策定し、生物多様性の恵みを持続的に享受できる社会の実現を目指していきたいと考えております。
 以上であります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時40分休憩
   午後2時45分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
前田政明君。
○前田 政明 名古屋での生物多様性締結国際会議では、本当に自然保護という面では大事なところになっていますが、豊かな海を壊すなということで日本自然保護協会も警告をしているんですよ。そういう面で環境破壊だらけの県政ということを指摘しておきます。
 それから高江のことで、まず北部訓練場での事故ですね、詳細に答えてください。軍特委員会でも答えてもらいましたけれども、よろしくお願いします。
○知事公室長(又吉 進) それでは北部訓練場での事故の内訳ですけれども、復帰後の北部訓練場及びその周辺での6件の米軍ヘリコプター墜落事故で乗員合わせて19名が死亡、1名が行方不明、2名が負傷しております。
○前田 政明 具体的に、日付とヘリコプターの種類とかそういうのをちゃんと答えてください。
○知事公室長(又吉 進) ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時48分休憩
   午後2時48分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) まず昭和48年8月2日、普天間飛行場第36海兵航空群のCH46ヘリコプターが国頭村伊湯岳頂上付近で墜落し、乗員3名、1人が死亡、1人が行方不明。それから2点目は、昭和50年6月24日、CH46ヘリコプターが安波ダム建設現場に墜落し、乗員3名が死亡。それから昭和55年12月19日、同じくCH46が墜落し、乗員3人のうち1人が死亡、2人が重傷。昭和60年7月12日、CH53D大型ヘリコプターが国頭村辺野喜大川の辺野喜ダム上流に墜落し、乗員4人全員が死亡。昭和63年10月31日、CH46ヘリコプター2機が空中衝突、そのうち1機が伊湯岳東側の山林に墜落、乗員4人が死亡、他の1機は普天間飛行場に帰還。平成11年4月19日、CH53Eヘリコプターが北部訓練場の沖合に墜落し乗員4名が死亡、以上6件でございます。
○前田 政明 知事、こういうふうに大変な死亡事故が北部訓練場で、この普天間の所属のヘリが起こしているんですよ。これが高江の部落を囲んで6カ所できる。それで公室長は軍特委では答えていましたけれども、大体キャンプ・ハンセンその他で32カ所ぐらいヘリパッドがあると。そして今北部訓練場にはこれを除いても16あると。そうすると50カ所ですね、この北部訓練場、キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブのあのところに50カ所ヘリパッドがあるんですよ。だから、幾ら海兵隊でもこの地上部隊とヘリ部隊が一緒になるとこれは十分なんですよ。それをさらに住民密着のところでやるとなると、本当に宮森小学校の事件じゃないんだけれども、いつこの事件が起こっても不思議ではない。そういう面ではやはり知事、この自然環境を守ると同時に、このような墜落事故が相次いでいる。それも普天間所属のヘリ。そういう意味では、私はこれは少なくとも人道上そこに6カ所は除くべきじゃないのかと、まだ15カ所もあるじゃないですかというふうな形で、政府やアメリカに迫るべきじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時51分休憩
   午後2時51分再開
○知事公室長(又吉 進) まさに今議員がおっしゃったような危険性がなきにしもあらずということがございまして、県は平成19年3月に沖縄防衛局に対し、住宅地上空や生活道路上空を除外して飛行ルートを設定する等の安全対策を求めたわけでございます。
○前田 政明 知事、こういう状況ですから、SACO合意に伴って云々という形で、私はこれを容認することは万が一そういう墜落事故などが起こった場合、私はそれを是とする県知事の責任も問われるんじゃないかと思いますけれども、どうですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時52分休憩
   午後2時52分再開
○知事公室長(又吉 進) 繰り返しになりますが、高江ヘリパッドにつきましては去る7月20日、地元東村は条件つきで容認してきた経緯を示した上で、自然環境の保全と住宅地及び学校上空を飛行しないこと等を求めております。また、高江区は8項目の要請事項と10項目の事業要望を提出しております。
 このような状況を踏まえ、県としては高江のヘリパッド移設は北部訓練場の一部返還に伴うものであり、基地の整理縮小を求める立場としましては着実に進める必要があると考えているものであります。
○前田 政明 では、今の万が一の場合は、私はあなた方の責任だと思います。
 次に、基地問題の普天間・辺野古・その他ですけれども、知事、軍特委員会で公室長に質問したんですけれども、この大変厳しいと。これは受け入れるという前提で厳しいということになるんですよね。
○知事(仲井眞弘多) ちょっとレトリック的な議論になってあれですが、厳しいというのは反対をしている市長さんがいますから、大変厳しいということを申し上げているわけです。
○前田 政明 私は、こう聞いたんですね。受け入れることが厳しいと、それはこの受け入れることが厳しいということは受け入れるという前提に立った発言ですねと。これに対して、政府においてこの案を実施するのは極めて厳しいと。そういう面ではそこでなぜ県内移設反対と言わないのかというふうに聞いたんですけれども、そうしたら反対と言わないのは政府の説明を聞いた上で、あらゆる選択肢について検討すべきであると、これは公室長答えましたけれども、本会議では知事は弾力性と言いましたね。行政は一つのことに固まってはいかんと。そういう面で弾力性だというふうに言っておりますけれども、これはやはり前回私が知事に質問をしました。7月18日の県議会決議に対するあなたの県知事意見、それは理想論だと。そしてその後、経過を踏まえて昨年の10月に前原前大臣には県内移設推進ということを申し入れてきたと。そうしたら、知事は厳しくなったという情勢の話をしましたけれども、それで私はそういう面で軍特委員会では公室長は、非常に素直に、基本的には県の対応は変わらないんだとこういうふうに言いましたけれども、要するに知事としてはできればこの辺野古に県内移設ということで進めて
きた、これが現実的な解決策だと思うと。しかしいろんな情勢の変化で難しくなってきたと。だけど、この基本的なスタンスは変わらないというようなことで御答弁いただいたんですけれども、そういうふうに理解をしていいんでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時56分休憩
   午後2時56分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 普天間基地の移設に係る県の考え方の原点は、一日も早い普天間の危険性の除去ですよ。いいですか、それがまず基本です。そして私は、ことしの1月24日の名護市長選挙まで確かにおっしゃるように、条件つきで受け入れに賛成をしておりました。しかし、市長がかわり、みんなかわってきたんです。そして4月25日のあの県民大会もありました。その一方で、社民党さんと民主党さんと国民新党が一緒になった新しい政権ができて、3党合意ができて、当時の総理大臣は悪くても県外と言って当選したはずなのに、5月18日の日米共同発表では県内へまた戻ってきているわけです。ですから、私はこれをまず説明しなさいと言っているんです、政府に。だから、私の考えがどうのというより政府が何で戻ってきたかがないと答えがなかなか出てこないものですから、私も日米共同発表は見直すべきだと。そして見直して県外移設を求めるとこういうことを私は言っているわけです。それ以上でもそれ以下でもありません。
○前田 政明 それでいろんな意味で日米共同発表があると、そういう面で従来の立場を特に変えるというわけではなくて、県としての立場というものは変わっておりません。ただ、名護市長選挙、先ほどの繰り返しになりますけれどもと、そういう変化の中で県は極めて厳しいという姿勢を表明しているわけでございますということを軍特委員会で公室長は答えていましたけれども、これは知事と同じというふうに理解していいですね。
○知事公室長(又吉 進) 私のお答えしたのは、知事と同じ趣旨でございます。
○前田 政明 知事はどうですか、直接答えてください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時59分休憩
   午後2時59分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 一日も早い普天間飛行場の危険性の除去という原点は全く変わっておりません。同じです。
○前田 政明 あのですね、私は知事が移設を進めてきたと、そしてこの状況が大変厳しくなってきたと。それは大変厳しくなったと。県民の世論もさらに高まる中で、日米共同発表を見直して県外と、県外と言っても探すところはないわけですからね。そういう面では日米表明の中でも県外いっぱい入っていますけれども、私はそういう面では余り意味がないなと。ただ県民の世論に押されて知事がそういうことには一つの意味があると思いますけれども、ただ私は極めて厳しい、極めて厳しいと言いますね。この前も、ではその納得のいく説明というのは何だというふうに、知事に何度も言っていますよ、納得のいく説明。それはオバマ大統領と菅総理は、もう鳩山氏がやめて決着が着いたと。もうこの問題はけりがついていると。だから、沖縄県が納得しようがどうしようが、いずれにしろこの日米声明を忠実に実行するというのが彼らの立場であるということはもうはっきりしているんですよ。それであなたは何度も大臣やその他に会っていますよね。だから、そういう面では当然そういうような説明があったと。それでも納得いかないというならどういうところが納得いかないのか。これはそういう意味でそこのところをもう少し
丁寧にわかるようにお答え願えませんか。
○知事(仲井眞弘多) どうもどなたかの議員もおられましたが、納得いく説明という言葉がわからないという意味が私には実は非常にわかりかねるんですが、1つは、明らかに当時の1月24日の名護市長選挙で県内移設反対というグループを応援したのが今の国の政権与党の人々が結構いたわけです。そして悪くても県外と言った総理大臣もいたわけです。その人たちがもとの自公のときに決めたあそこへ何で戻ったかというのを説明抜きでわかりましたと言えますか。納得いく説明を求めるのは当然じゃないですか。さらに、この議会でも、6月議会でしたか、この議員の中で、いやそれは今の政権が未熟であるからとか、たくさんの考える人が中にいるからとかいろんなことをおっしゃいました。だから、そういうふうならそういうふうでいいんです。納得、説明がないままさらにおっしゃるように、政府のほうではいやもうこれはけりをつけましたと思っている人も中にはいるかもしれません。全くついてないじゃありませんか。我々も当事者の一人ですよ。我々が納得いかない結論を出して、そしてそのまま放っておいてけじめがついたなどということはあり得ないじゃないですか。けじめもつけなさいと言っているわけです。当然の要
求でしょう。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後3時3分休憩
   午後3時3分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 前田政明君。
○前田 政明 いろいろ今本が出ていまして、「普天間の謎」と、森本さんという人が書いてありますけれども、非常に細かい。私はこれを読んで非常に印象深かったのは、今知事に渡しましたけれども、415ページで北澤防衛大臣のことを書いているんですけれども、なかなかリベラルな方だったと。その人が賛成に回るんですけれども、「だが、閣僚の中で最も早く普天間基地移設問題における現実路線を認識したのは北澤防衛相だった。そのきっかけは、9月25日から行った大臣としての最初の沖縄訪問だった。 25日には、仲井眞知事と会談し、知事から従来どおりの辺野古沖への移設を容認する姿勢を伝えられた。その後の記者会見で北澤防衛相は、「県外・国外が望ましいが、いま現実に日米合意を受け入れるのは県民にプラスだとの認識だと受け取った」」ということで、知事の発言が非常に印象に残ったというようなことが、これはよその人が書いていることですから。そういうふうに書かれておりますけれども、ちょっと感想を聞きましょうか。
○知事(仲井眞弘多) 私は、実は週刊誌チックな本が最近どうも出過ぎている印象を受けて一切読まぬことにしています、この内容は。ノーコメントというより、コメントができないです、信憑性も、証拠もなく。
○前田 政明 極めて厳しい厳しいということで、今政府の説明は知事は了解していないんですよね。
○知事(仲井眞弘多) 納得していないんです、全く。
○前田 政明 不思議なことに先ほどの日米声明では、2014年に間に合わせるために何が書いてあるかというと、アセスの問題についてはこれを速やかにやるようにこれまでの手続を継続するというふうに書かれているんですよ。
 それで、厳しい、厳しい、わからないと言いながら、知事の名前で先ほどの特別採捕の許可を知事は6月3日付で出しているんですよ。きょうも私、電話して聞きましたけれども、名護市は3カ月になりますけれども、これ慎重に審議しているんですよ。私はこれも軍特委でも言いましたけれども、これはいつまでに出さなければいけないという記述はない。これはアセスの手続でもない。そういう面では、何でこれを厳しい、厳しい、わからない、わからないと言いながら、この日米表明に書いてあるアセスの手続を速やかに進める。これに仲井眞弘多の名前で出している。一方、基地建設につながることに関しては、これは慎重に対応するということで、出されて3カ月後まだ名護市は頑張っておりますけれども、知事、あなたは実際上は環境アセスの手続はどんどん進める。そういうことに手をかしているんじゃないですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後3時7分休憩
   午後3時7分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 今おっしゃるように、日米共同発表にはそのような記述があるわけですが、そもそもアセスそのものは政府において中止をしていないわけでございます。したがいまして、その政府が法令上、合法的な必要な調査を求めてきたということに関しましては、行政手続上、判断をして進めたということでございます。
○前田 政明 これはアセスの手続はないでしょう。
○知事公室長(又吉 進) ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後3時8分休憩
   午後3時8分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 現在行われています現況調査につきましては、防衛省によりますと普天間飛行場代替施設建設事業に関連し、周辺環境全般の把握のため当該海域におけるデータを蓄積する目的で行うものであると。評価書等の作成のための環境調査等の目的や根拠法令とは異にするものであるとのことであります。
 なお、当該調査は平成19年から1年更新で継続して行われているものであり、県としては関係法令にのっとりこれを許可したものでありますが、辺野古への移設は極めて厳しいという考え方は変わらないわけでございます。
○前田 政明 これ工程表を含めて、ちゃんと7月含めて皆さんはこの防衛局が出されたものについては、詳細に書いてありますよ。少なくとも厳しいというならば、不可能というならば、なぜちゃんとした態度をとらないんですか。アセスの手続はどんどん進める、こんなばかげたことがありますか。そしてそれはアセス法みたいに提出されたら、知事は何カ月以内に出さなければいけないという強制規定はない。あくまでも皆さんが判断できるものだよ。そうしたら、それはこういう状況で厳しい、厳しい、国の説明もない。辺野古に厳しいというならば、不可能というならば、どうしてこういうような知事の権限をしっかり使って、いやこれはできないんだよと、慎重に考えさせてくれということをやらないんですか。
 そういう面では、まさに日米表明の見直しと言いながら、一番肝心の2014年までにどうして早目に基地をつくるかというのが日米両政府のやり方でしょう。それに仲井眞弘多知事、あなたの名前で出て名護市は基地建設につながるものについては認めたくないと、慎重に検討するということで3カ月今頑張っているんですよ。私は、副市長に電話しましたよ。そうしたら、防衛局は何を言っているか。防衛局は前の年度で確定している予算、学校の統廃合に伴うグラウンド拡張の予算を凍結している、いじめている。そういう面でこの基地建設に反対した稲嶺市政にとんでもないようなことをやっている。だから、そういうような形は許されないでしょう。しかし、あなた方は、6月9日に、知事、これは弁解はできませんよ。期日も決まっていない、そして状況を見て判断する。なぜこんな8月の末に専門家が協議するという重要な段階でこういう工程表も含めて、速やかに基地を推進する。だから、最初に言った基本的には変わらないと。ただ基地をつくりたいけれども、いろんな県民やその他の状況で厳しくなっている、厳しくなっている。これどうなんですか、知事。はっきりしてください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後3時12分休憩
   午後3時14分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の前田議員の御意見は、確かにそういうふうに思われる面というのは否定できませんが、ただし普天間の辺野古への移設が極めて厳しい、今や不可能に近い様相、状況に近いというのも事実で、私どもが強引に辺野古への移設を進めようなどとは考えていないことも確かです。
 そして一方で、今、御指摘のように環境上の調査を個別の法律に基づくもので6月の何日かに確かに私の名前でこれ許認可ものにはなっておるわけですが、これは例年の調査の延長ということで、むしろ資料採取、その他データどり、継続性ということでとっているということであって、原則はこれは申請というのがあればこれは手続的なものであって、なかなか本来はとめにくいという一連のものです。そしてこれの用途が確かに防衛局ではおっしゃるような用途を仮に考えていたとしても、そもそも普天間の飛行場を辺野古へ移設することは極めて厳しいという点は全く変わりません。
○前田 政明 知事、時間稼ぎしたらだめですよ。厳しい、厳しいと言いながら、もう政府も明確な態度を出している、アメリカも出している。その中で手続はどんどん進める。私の言葉で言えば、県民を欺くようなやり方はやめてほしい。だから、政府は知事は反対していない、こういうふうな認識になるのは当たり前なんですよ。
 もう一つは、埋め立てをやらないと、埋め立てはできないと言いなさいよ。
○知事(仲井眞弘多) あなたにどなられてやりなさいよと言って、はい、やりますという人がどこにいますか。何ですか、今のは。
○前田 政明 埋め立てやるんですか、埋め立て進めるんですか。
○議長(髙嶺善伸) 仲井眞知事。
○前田 政明 はい、質問ですよ。
○知事(仲井眞弘多) これはまだ先の話です。まず極めて厳しいというのが私の結論です、それだけですよ。それ以上、うがった質問をしないでもらいたいですね。
○前田 政明 今は、知事選挙では埋め立てに賛成する知事か反対する知事ですよ。県内移設反対かどうか、あなたの態度は本当に県民だましと言ってもいいような……。


○知事(仲井眞弘多) 失礼ですよ。
○前田 政明 いや失礼じゃない、事実に基づいて言っているんだよ。そういう面ではちゃんと明確に県内移設反対、埋め立てはやらないというような態度をとるべきですよ。
○新垣 清涼 一般質問、社大・結の会、新垣清涼、行います。
 9月29日21時30分、米軍のジェット機が物すごい爆音をまき散らし普天間飛行場の上空を通過、4機から5機。こんなことがこれから18カ月間も続くのだろうか。いや、宜野湾市のど真ん中に基地がある限り爆音は続き、私たち宜野湾市民を苦しめ続けるのです。
 米軍嘉手納基地報道部は、9月22日から同基地所属のF15戦闘機が普天間基地で目的地変更訓練を行うと発表した。その日から、いや、その前からたびたびこんなことが繰り返されています。一体いつまでこんな爆音に悩まされる生活を続ければよいのか。一日も早くこんな生活にはさようならをして、次の世代には爆音被害のない住みよい沖縄県を引き継ぎ、基地に振り回されることのない沖縄にしたいものです。
 そこで、基地問題についてお伺いします。
 (1)、普天間爆音訴訟控訴審判決について知事の所見を伺います。
 米軍普天間飛行場の周辺住民396人が、国を相手に米軍機の夜間・早朝の飛行差しとめや騒音被害による損害賠償などを求めた普天間爆音訴訟の控訴審判決が去る7月29日、福岡高裁那覇支部で言い渡されました。飛行の差しとめは認められませんでしたが、ヘリコプター特有の低周波音の健康被害については認められました。このようにして裁判に訴えなければ市民の健康も守れない。このような状況について知事の所見を伺います。
 (2)、普天間基地の現状について知事の認識を伺います。
 河辺裁判長は、騒音の違法性を認め、国に損害賠償の支払いを命じています。また、国は、騒音防止協定を実効的にする処置をとっていないとして、協定が形骸化していると批判をしました。
 普天間基地の被害は、軽減どころか、今度は嘉手納基地からF15戦闘機も飛来し、危険度も騒音も増加するばかりです。普天間基地は、依然として危険な状態が続き、周辺住民に深刻な影響を与えています。
 知事は、普天間飛行場の危険性の除去、騒音の軽減を政府に強く求めるとしていますが、このような状況をどのように訴え改善されたのか、その成果について説明をお願いします。
 (3)、辺野古への新基地建設について、このことについては、先ほどまで議論が激しくされておりました。その中で、辺野古への移設案を受け入れることは「極めて厳しい」から「県外移設を求める」という答弁になりましたけれども、県内移設は言わないということはわかりましたので、これについてはもう答弁はよろしいです。ここで、次の知事選に向けての立場が明確になったかと思いますので、もうそのことについては議論をしないでおきます。
 次に(4)番目、知事は、昨年の訪米の成果として、「米政府機関から環境問題について前向きに検討したい旨の発言があった」との答弁がありました。その後、政府や米軍と何らかの協議がなされたのか進捗を伺います。
 先日の新聞報道によりますと、米空軍嘉手納基地の燃料移送タンクからジェット燃料が流出した問題で、県は29日、沖縄防衛局とともに基地内に立ち入り現場を確認した。県は、流出現場の土壌採取と写真撮影を求めたが、米軍に拒否されたとの報道がありました。どのようにして安全確認をされたのか伺います。
 2番目に、農林水産業の振興について。
 (1)、さとうきびは、本県の基幹作物として位置づけられていると思います。近年の生産量の推移はどうなっているのか。生産総合対策事業はどのような目的を持って取り組まれ、その成果と今後の計画について伺います。
 (2)、「おきなわブランド豚」とはどんな豚ですか。その供給体制整備事業について取り組みと現状、今後の計画について伺います。
 (3)、「農でグッジョブ運動」について、成果と今後の目標について伺います。
 新規農業従事者の人数や面積、あるいは作物なども具体的にあれば示してください。
 (4)、有機農業支援事業について、取り組みと今後の計画について伺います。
 協議会設置件数と目標はどうなっていますか。そこに参加する農家の割合はどうなっているのか、推進計画の成果と普及指導体制について伺います。
 3、商工業の振興について。
 (1)、沖縄には多くの可能性を秘めた植物、作物があると思いますが、それが生かされていないのではないかという思いから、この事業について説明を求めております。この中小企業支援・農商工連携プロデューサー育成事業は大切な事業だと思います。これまでの取り組み、成功事例やこれからの計画について伺います。
 (2)、企業訪問等特別誘致活動事業について伺います。
 企業の誘致活動により雇用の場の創出・確保を図ることにより、県経済の自立的発展と活力ある地域社会の実現に資するとあります。その説明を求めます。
 特別自由貿易地域への企業誘致の実績と現状について示し、今後の課題は何か、その対策はどうなっているのか伺います。
 4番目に、雇用と労働行政について。
 (1)、県内の失業率は、全国の悪化によって県内のそれとの差は縮まってはいます。でも、知事が求めた目標には届いていません。
 そこで、伺います。
 若年者総合雇用支援事業について御説明をお願いします。その取り組みについて伺います。成果についても示していただきたい。
 (2)、子育てママの就職技術力向上支援事業について伺います。
 新規の事業ですが、その実施状況と成果を示してください。また、この事業は、母子家庭の母親の皆さんから何かそういう要望があったのか、事業を取り上げたきっかけの趣旨を説明いただきたいと思います。
 5番目に、環境行政についてですが、今年度は、生物多様性条約締約国会議が今月名古屋市であります。そういう意味で、(1)、地球温暖化等対策事業について県の取り組みを伺います。
 (2)、サンゴ礁保全情報整備事業について説明をお願いします。
 (3)の環境生態系保全対策支援事業については取り下げます。
 (4)の「生物多様性地域戦略」の策定について、先ほどの説明で平成24年までにということでありますが、大変残念です。沖縄は、こういう生物多様性の地域として大変世界からも注目されている地域なのに、その多様性の地域をしっかりと守っていこうという、そういう取り組みが何か弱いのかなということで残念であります。
 6、「県民視点による事業棚卸し」について。
 この事業の目的について示していただきたいと思います。対象事業の選定方法とその効果をどのように期待しているのか説明をお願いします。
 7については省きます。
 以上、よろしくお願いします。
○議長(髙嶺善伸) ただいまの新垣清涼君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後3時27分休憩
   午後3時52分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前の新垣清涼君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 新垣清涼議員の御質問に答弁をいたします。
 第1に、基地問題についての中で、普天間飛行場爆音訴訟控訴審判決についての御質問にお答えいたします。
 今回の控訴審判決は、新たに低周波音によります被害との因果関係を認めるなど、一審判決と同様に騒音被害に苦しむ原告の主張の一部を認めるものとなっております。このことは、普天間飛行場が市街地の中心部にあり、米軍機の日常的な飛行訓練による危険性とともに、周辺地域住民の生活環境に大きな影響を与えていることを示しております。
 日米両政府は、今回の判決を踏まえ、普天間飛行場の騒音の軽減等に努めるべきであると考えております。
 県としましては、今後とも日米両政府に対し地域住民の生命、生活及び財産を守る観点から、同飛行場の早期返還の実現と一日も早い危険性の除去及び航空機騒音の軽減を粘り強く求めていきたいと考えております。
 次に、同じく基地問題に係る御質問の中で、日米地位協定における環境問題の進捗についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 私は、過去2回の訪米におきまして、環境特別協定を含む日米地位協定の見直しを強く求めてきたところであり、その結果として、去る5月の日米両政府の共同発表や軍転協要請に対する政府の回答では、環境に関する合意について速やかかつ真剣に検討するといたしております。
 県は、去る7月に渉外知事会と、去る8月に軍転協と連携をし、日米地位協定の見直しにつきまして日米両政府に対し要請を行ったところであります。また、去る9月に開催されました沖縄政策協議会におきまして、菅首相は、日米地位協定をめぐる諸課題の対応につきましても、政府と沖縄が手を携えて真摯な検討をしていきたいと発言しております。
 県としては、引き続き渉外知事会等と連携をしながら、日米地位協定の見直しを求めてまいる所存でございます。
 次に、農林水産業の振興に係る御質問の中で、おきなわブランド豚供給体制整備事業の取り組み状況と今後の計画についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県としましては、養豚経営の安定と体質強化を図るため、平成21年度からおきなわブランド豚供給体制整備事業によりまして高品質な「おきなわブランド豚」の確立と安定的な生産供給体制の整備を進めているところでございます。具体的には、第1に、ランドレース種の系統造成豚の作出、そして第2には、県外から40頭の優良種豚の導入、第3に、系統造成豚と優良種豚の交配による産肉等の検定、これらを実施し、産子数が多く肉質等にすぐれた系統造成豚の選抜に取り組んでいるところであります。
 平成24年度から選抜されました系統造成豚を養豚農家に供給をし、高品質な「おきなわブランド豚」の安定的な供給体制の確立を図ってまいる考えでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 基地問題につきまして、普天間飛行場の危険性除去の成果についてお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去については、あらゆる方策を検討し、具体的な方法を示すよう政府に求めてまいりました。このような県の主張に対し、政府は、平成19年8月に「普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策についての検討に関する報告書」を発表し、昨年5月21日までに報告書に記載された諸施策をすべて実施したとのことであります。また、平成20年7月末には、さらなる危険性除去策を検討する実務者レベルのワーキングチームが設置され、政府と率直な意見交換を重ねてまいりました。さらに、今年度は、普天間飛行場の場周経路等の客観的データを把握・評価するため、普天間飛行場の継続的な飛行航跡調査が開始されております。
 また、県は、総理を初め各大臣との面談など、機会あるごとに普天間飛行場の一日も早い危険性の除去を求めており、政府におきましても積極的にこの問題の解決に取り組んでいただけることを期待しております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農林水産業の振興の中で、さとうきび生産総合対策事業の成果と計画についてお答えします。
 さとうきび生産総合対策事業は、さとうきびの生産性、品質の向上を図るため、高性能農業機械や農業用施設の導入・整備を支援する事業であります。平成14年度から平成21年度までの事業としては、さとうきび収穫用機械のハーベスター59台の導入、地力増強のための堆肥施設3カ所の整備、点滴かんがい施設6地区の整備、土壌害虫アオドウガネ防除のための誘殺灯3地区への導入などを実施しております。その結果、平成14年度と平成21年度を比較して、機械収穫率は38%から44%に向上、生産量は81万トンから88万トンに増産するなど、労力軽減や生産性の向上などの事業効果を上げております。
 県といたしましては、引き続きさとうきびの増産と農家の経営安定を図るため、市町村、JA等関係機関と連携し、ハーベスターの導入や堆肥施設などの整備に取り組んでまいります。
 次に、「農でグッジョブ運動」の成果と今後の目標についてお答えいたします。
 県では、農林水産業振興計画に基づき、経営感覚にすぐれた農業後継者の育成確保を図るため、市町村、農業団体、農家代表等で構成する「農でグッジョブ推進会議」を平成22年6月に設立し、担い手の総合的な対策を講じているところであります。
 具体的な取り組みとしては、農業大学校における実践的な研修教育、新規就農へ誘導するためのサポート講座や夜間講座の実施、農地を持たない新規就農者に農地を提供した「チャレンジ農場」での農業実践、耕作放棄地の再生利用による農地の確保やハウスの整備などを実施しているところであります。
 また、新規就農者の育成目標については、平成22年に270人、平成23年度以降は毎年300人を育成する計画であります。
 今後とも、新規就農を促進するため関係機関と連携し、研修から就農定着までの支援を強化してまいります。
 次に、有機農業支援に対する取り組み状況と今後の計画についてお答えいたします。
 県では、有機農業推進法に基づき、平成20年度から有機農業支援事業を実施し、平成23年度までに推進計画の策定や推進体制の整備を図ることとしています。これまでの取り組みとしては、推進計画策定に向けた協議会の設置、有機農業実態調査、有機農業栽培技術の開発、有機農業に関する研修会等の開催などを行っているところであります。
 また、環境保全型農業の取り組みの一環として、化学農薬と化学肥料を3割以上減らすエコファーマーの認定で459件、5割以上減らす特別栽培農産物で159件認定をしております。
 さらに、平成22年度からは有機農産物流通調査、消費者や有機農業者との意見交換会の開催、沖縄県有機農業推進計画の策定などに取り組むこととしております。
 今後とも、市町村や農協等の関係団体と連携し、エコファーマーや特別栽培農産物への支援に努め、有機農業を推進してまいります。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 商工業の振興についての中の、中小企業支援・農商工連携プロデューサー育成事業についての御質問にお答えします。
 県では、平成20年度から関係市町村、商工会等と連携して、生産者と加工業者等とのマッチング支援や商品開発などの指導助言を行ってきたところです。
 平成21年度にはこの取り組みをさらに強化するため、中小企業支援・農商工連携プロデューサー育成事業を創設し、商品開発はもとより、地域活性化や農商工連携をコーディネートできる人材育成を行っているところでございます。
 その具体的な内容としましては、応募のあった農業者、食品加工業者及び県漁連職員などの10名で、座学や先進事例の研修及びおのおのが課題を設定した上で商品開発実地研修等を行っております。実地研修での具体的な成果としましては、伊江村での「イカスミぎょうざ」、本部町での「炊き込みご飯の素「かつおめし」」、読谷村での「トウガンカレー」や名護市のハンノキと久米島町の海洋深層水を使用した石けんなどの製品が開発されております。
 商工業の振興の中で、企業訪問等特別誘致活動事業についての御質問にお答えします。
 企業訪問等特別誘致活動事業は、東京や大阪などで知事のトップセールスによる企業誘致セミナーを開催し、投資環境のPRに努めることや県外事務所などによる個別企業訪問を行うなどの内容となっております。
 事業を実施した結果、製造業関係では、特別自由貿易地域において平成22年9月1日現在で分譲地に7社、賃貸工場に17社の計24社が立地し、約450名の雇用が創出されております。
 沖縄県としては、分譲価格が高いこと、本土市場から遠隔で物流コストの負担が大きいことなどの課題を踏まえ、分譲価格の減額制度や物流支援事業などさまざまな取り組みを行ってまいりました。
 今後は、ANA国際貨物ハブ事業と連動するほか、カボタージュ規制の一部緩和による物流コストの軽減を進めるなど、企業ニーズに沿った投資環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
 次に、雇用と労働行政についての御質問で、若年者総合雇用支援事業についての御質問にお答えします。
 沖縄県においては、若年者の雇用状況の改善を図るため、職業観の形成から就職までを一貫して支援する沖縄県キャリアセンターを設置し、現在29名体制で対応しております。
 若年者総合雇用支援事業は、同センターの中心的な役割を果たしており、求職者に対するキャリアカウンセリングや就職活動に関するセミナーの開催、企業に対する人材確保支援セミナーの開催などを行っております。
 同じく雇用と労働行政についての、子育てママの就職技術力向上支援事業についての御質問にお答えします。
 当該事業は、子育て等の理由でスキルアップの機会の少ない母子家庭の母などを対象に、県内5圏域で託児所を併設した会場において各20名を定員とした30日間のパソコン研修等を実施し、その研修終了後は、職場環境への適応を容易にするため1カ月間の職場訓練を行うものであります。
 沖縄県としては、子育て中の女性を初め雇用環境の厳しい失業者の就職支援についても積極的に取り組んでいるところであります。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 環境行政についての御質問の中で、地球温暖化等対策事業についてお答え申し上げます。
 地球温暖化対策については、原因となる温室効果ガスの排出が広範な社会経済活動に起因することから、行政だけでなく県民や事業者等がそれぞれの役割において取り組むことが重要であります。そのため、住宅や事務所等における温暖化対策として、県・市町村の公共施設及び住宅の遮熱化促進事業を行っております。
 また、「おきなわアジェンダ21県民会議」などと連携し、「県民環境フェア」等を通じ、環境教育や環境保全活動の実践を促すとともに、環境経営システム「エコアクション21」の導入促進セミナー、エコドライブ講習会等を実施しております。
 県としましては、今年度中に現行の地球温暖化対策地域推進計画を見直し、沖縄県地球温暖化対策実行計画を策定し、地球温暖化防止へのさらなる対応の強化を図っていきたいと考えております。
 同じく環境行政に関連して、サンゴ礁保全情報整備事業についてお答え申し上げます。
 サンゴ礁は、豊かな自然環境の基盤として生物多様性の保全、観光・漁業資源として重要な価値を有しております。このようなことから、県においては、平成21年度から平成23年度にかけてサンゴ礁の全県調査を実施しており、サンゴの分布状況やオニヒトデなどの撹乱要因を把握することにしております。平成21年度は、沖縄本島周辺海域を調査しております。今年度は八重山海域、慶良間海域、久米島海域で調査を行い、平成23年度は宮古海域及びその他離島の海域で調査を実施する計画であります。
 県としては、これらの調査結果を踏まえ、サンゴ礁の保全・再生方策に生かしていく考えであります。
 次に、同じく環境行政に関連して、地域戦略策定の取り組み状況についてお答え申し上げます。
 生物多様性地域戦略の策定については今年度より取り組んでいるところであり、現在、本県の自然環境の全体像を把握するため基礎調査を行っております。
 平成23年度からは検討委員会などを設置して、生物多様性の保全と持続的な利用に係る方向性や目標について本格的な検討を開始し、平成24年度を目途に策定したいと考えております。
 なお、策定までに2年余を要することについては、タウンミーティング、専門委員会、シンポジウム、環境審議会での審議など多様な主体の参画のもとで議論を重ねて策定するものであることから、ある程度の期間は必要であると考えております。
 以上であります。
○総務部長(兼島  規) 「県民視点による事業棚卸し」の質問にお答えいたします。
 「県民視点による事業棚卸し」は、県民とともに事業の必要性や実施主体のあり方等を検証するために行うものであります。
 今年度の対象事業は、人件費など棚卸しになじまない事業を除き、長期間実施している事業や予算額が一定の規模以上の事業を優先して選定して実施したところであります。その結果、対象100事業のうち、7事業が「不要」、82事業が「要改善」と評価されたところであります。
 以上でございます。
○新垣 清涼 知事、普天間の基地は、現在、防音工事をするためにコンター図が引かれているわけですけれども、このコンター図は昭和52年に作成されたもので、現実の爆音被害は近隣の浦添であったり、北中城であったりかなり広がっているわけです。
 そういう意味では、そういう実態を私たちは国に測定を求めているわけですけれども、国はどういうふうに判断されたのかわかりませんが、その周囲についてはもう必要ないということで棄却されているわけですね。でも、現実はこれだけ多くの県民が、市民だけじゃなくて、隣の市町村まで広がっているわけです。
 そういう意味では、先日の質問の中で公室長は、爆音の裁判に参加していない皆さんも同じように被害を受けているのだから、その被害については求めていきたいという答弁をされておりました。ということであれば、やはりここは、しっかりと県のほうで騒音測定をして、その事実を示して国に求めていくべきだと思いますがどうでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時16分休憩
   午後4時16分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 文化環境部長。
○文化環境部長(下地 寛) 航空機騒音については、嘉手納飛行場、それから普天間飛行場、両飛行場周辺において実施しております。環境基準も設定しておりまして、嘉手納飛行場の周辺で15の測定局がありますけれども、そのうち9局、それから普天間飛行場で9局の測定局がありますけれども、3局は環境基準をオーバーしているという状況は続いております。
○新垣 清涼 ですから、そういうふうにしてその環境基準を満たされない地域が、現在防音工事指定地域にも入っていないわけですよ、被害を受けているのに。そこをきちっとやはり政府に求めるべきではありませんかという質問です。
○知事公室長(又吉 進) 答弁させていただいたように、普天間飛行場周辺におきましても、やはり環境基準を超える騒音が発生しているという実態は確かでございまして、先ほど申し上げましたように、爆音訴訟に参加している、参加していないにかかわらず、これは受忍しがたい負担を負っているということでございますので、これは政府に対して適切な対応を求めていくということでございます。
○新垣 清涼 今おっしゃるのは漠然としているわけですよ。ですから、私が申し上げているのは、私たちが国に求めているのは、ちゃんと測定をしろと、私たちもその被害を受けているんだということで訴えているわけです。そういう意味で、このコンター内にいない、外れている方でも実際には被害を受けているわけですから、そこに県がそういう測定機を設置をして、その数値をもとにして国に、あなた方も調査をして、こういう被害があるんだから、そこの住民に対してもちゃんとやりなさいよということを求めるべきじゃないですかということなんです。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時20分休憩
   午後4時21分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 騒音測定は、先ほど文化環境部長からお話があったようにやっておるわけでございます。問題は、その基準というものがあって、それはコンターの形状によって定められているわけですが、県としましては、これは軍転協とも連携をしておりますが、防音工事等の対象になる基準の見直しといったことも含めて要望をしてまいりたいと考えております。
○新垣 清涼 このコンター図は、普天間飛行場の滑走路に平行して引かれているわけですよ。これは昭和52年に調査をしてつくられたものであって、そのときは固定翼機しか飛んでいなかったわけですね。ところが、現在はいろんな資料が出ていると、皆さんも調査されているからおわかりだと思うんですが、ましてや国は危険性を除去するためにいろんな場周経路の調査とかされていますよね。そうすると、そのデータは持っていらっしゃると思うんです。宜野湾市の滑走路に沿ってヘリが飛ぶんではなくて、周辺に飛んでいるわけですよ、周辺に。その周辺に飛んでいるから、みんながうるさいという訴えがあるわけです。
 ところが、残念なことに国はそのコンターを滑走路に平行に細長く引いているもんですから、その周りの人たちが、要するに横にいる人たちがそういう対象になっていないわけです。防音工事もされない。でもその被害は受けている。こういう現実が続いているわけです。いつになったらうちは防音工事してくれるのかという市民からの訴えがあるわけなんですが、残念ながら国はそういうことを示していないので、対象外ですということでけってしまうわけです。
 そういうことであれば、やはりそこは、国に求めてもなかなかやらなければ、県が、やっぱりそういう県民が被害を受けているわけですから、そういうことを皆さんも場周経路の測定などでその資料は求めればあるはずなんです、持っていらっしゃると思うんです。測定もされていて、その環境基準を超えているところもちゃんと把握されているわけですから、そういう意味では、そこについてはやはり国にもっと強くこういう数値になっていますということを示して、そこは防音工事をすべきじゃないのかということを強く求めるべきだと思うんですがどうでしょうか、もう一回。
○知事公室長(又吉 進) 騒音コンターを引くということは、当然県が行っている騒音測定をもとにということになりますと、そこにはいろいろ技術的な問題はあると思います。しかし、今議員がおっしゃるように、やはりそういったデータも加味して正確なコンターを引いた上で住民の被害を確認して、それを国に求めていくというのは、これは県としても取り組んでまいりたいと考えております。
○新垣 清涼 私が住んでいる喜友名という地域は、滑走路に平行ではない道路があります。喜友名の中道というところがあるんですが、この道路が境目になっていて、道路から基地側については防音工事対象地域になっているんですが、道路からわずか4メートル離れた、要するに基地の反対側についてはその区域に入っていないわけです。ところが、ヘリはこの地域の上空をどんどん毎日というぐらい飛んでいるんですよ。ですから、私は喜友名に住んでいて、喜友名のことをよくわかるわけですけれども、そのほかの地域についてもそういう訴えがあるもんですから、そこはやはりしっかりと、ただ漠然と、広がっているからそこもちゃんと環境基準に満たしなさいという話ではなくて、県がやっぱりこれだけ測定機を持っていらっしゃるわけだから、そういう声を聞いて、やはりそのところに設置をしていただいて、そういうデータに基づいて示すことがより実現性が高くなるわけですよ。そういう意味で申し上げているわけです。
 もう一度、決意をお願いします。
○知事公室長(又吉 進) 繰り返しになりますけれども、騒音測定は県としてやっておるわけですけれども、それをコンターに引くというのは、これは測定結果がそのままコンターに反映されるかどうかというのは、いろいろ技術的な検討も必要でございます。したがって、その辺の調整をいたしますが、やはり防音工事等につきましては、防衛省がきちっと測定をして、その上でコンターをきちんと引いて対応すると。ただその場合、その基準によってカバーをされていないと――住民がですね――いうことがあれば、これは軍転協とも連携をしながら求めていきたいということでございます。
○新垣 清涼 コンター図を県が引き直してほしいということではないんですよ。騒音のそういううるささ指数の数値をもとにしていかないと求められないんじゃないですか。ただうるさいうるさいということだけでは、どのぐらいうるさいかわからないわけですよ。そういう意味で、県は今、実際宜野湾市だと9カ所でしたか調査されていますよね。その数字をもとにして、それをもし今現在、普天間の飛行場の滑走路に平行であれば、ちょっと広げていただいて、本当にうるさいという、あるいはその場周経路で宜野湾市が調査した結果があります。そこの部分に測定機を移動して、ここの部分の数字はこうなっているというデータを示すことによって、防衛省もあなた方も調査をしてコンターの引き直しをすべきじゃないですかということを求めてほしいということなんですよ。
○知事公室長(又吉 進) 県は県としまして測定をやっておるわけですけれども、また、政府は政府の責任でその測定をやる部分があります。したがいまして、政府と県が連携して、やはりその騒音被害というものを把握に努めるべきだと考えておりまして、今後、そういう形で国ともしっかりと調整をしていきたいと考えております。
○新垣 清涼 何をするんですか、聞こえない。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時30分休憩
   午後4時31分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 新垣清涼君。
○新垣 清涼 国は、宜野湾市の普天間飛行場周辺ではそういう測定はしていないんですよ。していないでしょう、今現在やっていますか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時32分休憩
   午後4時33分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 国は、普天間飛行場周辺では常時4カ所で測定をしているという実態があるようでございます。
○新垣 清涼 何でそんなに逃げるんですか。言ってないわけさ、国はちゃんとやっていないんだから。要するに国が必要なのは、自分たちが都合のいいときにしかやらないわけですよ。そうじゃなくて、私が言っているのは、県が調査して、今本当に場周経路で飛んでいる航路というのはわかるわけでしょう。そこに設置をして、あなた方も調査をして、これだけ県民が被害をこうむっているんだから、このコンター図の引き直しを見直しをしてくださいよということをそういうデータをもとに国にも求めてほしいんです。なぜできないの。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時34分休憩
   午後4時38分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 御質問の、県が必要なデータをそろえてこれを国にしっかり求めると、そのための必要な機器の整備を行うということに関しましては、これはしっかり検討して取り組んでまいります。
○新垣 清涼 地域住民が困っているわけですから、そこは県民の健康を守るという意味でもしっかりとぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
○仲宗根 悟 県民の皆さん、こんにちは。
 社民・護憲ネット、議席18番、仲宗根悟であります。
 9月定例会において、行政一般について質問を行います。
 さて、ことしの夏は非常に暑い暑い夏を過ごしました。もちろん心の中も非常にホットな夏でありました。興南高校の春夏連覇、そして美ら島総体での県勢の活躍、あるいはゴルフでは宮里藍ちゃんが世界一のランクに出ると。そして県出身者のアスリートも頑張っています。きのうの成績ではありますが、日本女子オープンでも宮里美香選手、そして上原彩子選手、県出身のお二人が今トップを走っていると。そしてゆっくりゆっくりではありますが、また藍選手が追い上げていると、非常に楽しみなこの日本女子オープンであります。
 教育長、質問ではございませんが、全国学力テスト、沖縄県はまさに最下位を更新中でありますけれども、この科目にスポーツと文化を一緒にすると私たち沖縄県は、もう少し全国でも上位にランクするんではないのかなというふうな思いがいたします。非常に希望が持てる子供たちでありますので、私は何も最下位は悲観しておりませんで、どんどん頑張れば絶対上位に行ける素質を持っている、私たち沖縄の子供たちだというふうに思って、私たちも、ウリ、ウミハマランネーナランサという気持ちで一般質問を行いたいと思います。
 それでは、まず最初に、知事の政治姿勢に関してであります。
 統一地方選挙も終えて、結果に対してはそれぞれの思いでとらえていることだと思いますけれども、中でも全国からその行方に注目が集まりました名護市議会議員選挙は、与党が圧勝いたしました。そのことを受けてお聞きをいたします。
 まず最初に、(1)、名護市議選挙の結果、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する稲嶺市長を支える与党が過半数を占め、「県外・国外移設」を求める民意がさらに強く示されました。これまで知事は、辺野古移設について反対の姿勢を明確にしておりません。普天間移設に対する姿勢をお伺いをしたいと思います。
 (2)、首相そして関係閣僚は、名護市議選の結果について、一つの民意のあらわれ、謙虚に受けとめて既定の方針を変えることはない。丁寧に説明し理解を求めたいとしています。どのように対応するのか伺いたいと思います。
 次に、農林水産業の振興に関してであります。
 亜熱帯性気候の特性を生かした産地形成や健康・長寿や、観光・リゾート地にふさわしい安心・安全な農林水産物の供給が望まれるところであります。また、今後の雇用の場の創設にも大きく期待を持つことも可能であります。その施策についての取り組み状況をお聞きいたします。
 (1)、農林水産業の経営強化策、そして経営安定策等どのような取り組みがなされているか。そしてまた、今後の展望についても含めてお聞きをしたいと思います。
 (2)、黒砂糖工場の支援についてでありますが、黒糖は不景気による消費低迷等で販売不振が続き、大量の在庫を抱えているとして大変苦しい経営状況を訴えています。その取り組みや支援策についてお聞きをいたします。
 (3)番、地産地消の推進、水産加工の推進状況と今後の取り組みについてお聞きをしたいと思います。
 3番目に、環境行政に関してでございます。
 (1)、読谷村内における安定型産業廃棄物最終処分場跡のガス発生に関して、県の検査の結果を踏まえた今後の対応についてお聞きをいたします。
 (2)、久米島沖で国内最大級のサンゴ群集が確認をされました。専門家は、同様な群集が県内にまだまだあることを示唆しています。調査研究について県の対応と、そしてまた漁場や観光活用の環境づくりも必要となると考えられます。県の見解をお聞きをいたします。
 4番目に、医療・福祉行政に関してであります。
 (1)、健康福祉社会の実現に向けての取り組みを展開しておりますが、その施策についてお聞きをしたいと思います。
 (2)、認可外保育園の支援強化を経営者や父母の皆さんから要望が強いです。県の考え方をお聞きしたいと思います。
 (3)、地域密着型介護老人福祉施設整備について、その進捗状況について伺います。
 (4)、介護従事者の育成支援について伺いたいと思います。
 (5)、ドクターヘリの出動状況と課題について伺います。
 最後に、警察行政に関してであります。
 (1)、「ちゅらさん運動」、平成16年から始まりましたけれども、6年目を迎えました。その進捗状況を伺いたいと思います。
 (2)、そしてその犯罪状況はどうなっているのか。「ちゅらさん運動」と連動した形でのその犯罪状況はどうなっているのか伺いたいというふうに思っています。
 (3)、交通安全対策について伺いたいと思います。
○知事(仲井眞弘多) 仲宗根悟議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、普天間飛行場移設問題に対する姿勢及び県の対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたしますが、1の(1)と(2)が関連いたしていますので、一括して答弁させていただきます。 県といたしましては、去る5月の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと繰り返し申し上げてきたところであります。そして名護市長選挙や県議会の意見書議決、県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難であると考え、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を示すよう求めてきたところであります。この間の県民の怒りと失望にこたえ得る説明と方策は依然として示されておりません。したがいまして県としましては、このような状況にかんがみて政府に対し、日米共同発表を見直し、普天間飛行場を県外に移設することを求めてまいりたいと考えております。
 一日も早い普天間飛行場の危険性の除去で今申し上げましたように、日米共同声明の辺野古への移設という考えが事実上不可能に近いとすれば、県外に求めるということは当然であると考えております。
 そして農林水産業の振興に係る御質問の中で、地産地消及び水産加工の推進状況と今後の取り組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県におきましては、地産地消を推進するため、「沖縄県地産地消推進計画」等に基づきまして、関係機関と連携をし、地産地消推進強化事業や県産農産物販売促進事業等を実施いたしております。
 具体的には、第1に、市町村における地産地消推進計画の策定、第2に、35店舗の「おきなわ食材の店」を100店舗へ登録拡大すること、そして第3に、新しく2カ所にファーマーズマーケットを設置することなど地産地消を推進しております。
 水産物の加工対策といたしましては、モズクなど水産物加工施設の整備、第2に、モズクの品質向上モデル事業の実施、第3に、農商工連携事業等によりますモズクのギョーザや、味つけティラジャーの開発などを実施いたしております。さらに、農水産物の付加価値を高めるため、シークヮーサーなど地域の特色ある農産加工品の掘り起こしを行う食品加工モデルを構築するとともに、雇用創出事業を活用した洗いモズクやミーバイの新商品開発などに取り組んでまいる所存でございます。
 次に、医療・福祉行政に係る御質問の中で、「健康福祉社会」実現に向けての施策についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、だれもが地域において生き生きと安心して暮らせる社会の実現を目指しまして、保健、医療及び福祉の充実に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、保育所整備による入所待機児童の解消、そして障害者の就労支援、高齢者の権利擁護、福祉人材の養成・定着の促進などを図っております。また、健康・長寿沖縄の維持継続のための健康づくり運動、そして地域医療体制の充実を図るための医師、看護師の養成・確保などに取り組んでいるところでございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農林水産業の振興の中で、農林水産業の経営強化についてお答えします。
 農林水産業を振興する上で、担い手の育成確保は重要であります。このため、県では、補助事業による機械や施設等の整備、低利な制度資金の融資、農用地の利用集積などを行い、担い手の経営強化を図っております。また、農業大学校における就農サポート講座や、農業及び水産業改良普及センターでは技術や経営指導などを行い、地域農業の中核となる認定農業者や新規就農者の育成、漁業振興に指導的な役割を担う漁業士の育成などに取り組んでおります。特に農業分野においては、販売額が1億円を超えるマンゴーの生産法人や、小菊の大規模農家などが育成されております。 今後とも、経営感覚にすぐれた担い手を育成するため、平成23年度までに認定農業者を3000経営体育成するとともに、毎年、新規就農者を300人程度育成することとしております。
 次に、黒糖工場の支援及び取り組みについてお答えいたします。
 黒糖を取り巻く環境は、近年の経済不況のもとで、輸入糖や再製糖との競合により厳しい販売状況となっております。このため、県といたしましては、町村やJA、黒砂糖工業会等で構成する「沖縄県含みつ糖対策協議会」で、毎年5月10日を「黒糖の日」として制定し、販売促進対策の強化を図っているところであります。
 具体的な取り組みとしては、「機能性豊かな黒糖の可能性について」などの講演会やシンポジウムの開催、黒糖PR促進員を活用した沖縄黒糖の販売促進の実施、県外大手黒糖ユーザーとの情報交換・講演会の実施、美ら島沖縄総体への黒糖贈呈によるPR、ファーマーズマーケット及び黒糖生産町村での販売促進などに取り組んでいるところであります。また、JAや企業とも連携して黒糖を使用した新製品開発を検討しているところであります。さらに、分みつ糖と同等な含みつ糖支援を図るとともに、黒糖と輸入含みつ糖及び再製糖との表示区分を明確にするよう、町村、JA、黒砂糖工業会等の関係機関と連携し、国に要請しているところであります。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 環境行政に関連して、読谷村内の最終処分場の調査結果を踏まえた今後の対応についてお答えいたします。
 県では、今年6月17日に処分場跡地のボーリング孔内にて、メタン、悪臭物質及び水質の調査を実施しております。その結果、6カ所のボーリング孔のうち2カ所で高濃度のメタンを、1カ所で硫化水素を確認しておりますが、ボーリング孔外では――これはボーリング孔から2メートル離れた地点で測定した結果ですけれども――一般大気中の濃度と同レベルまで拡散していることを確認しております。水質については、2カ所のボーリング孔のうち1カ所で砒素及び総水銀が基準値を超過しておりましたが、処分場の下流側と考えられる井戸水では環境基準内となっておりました。
 県としましては、専門家の意見を踏まえて継続的なモニタリングを実施していく中で、メタン濃度や水質の推移を把握し、地権者と調整しながら、必要な対策を講じていきたいと考えております。
 同じく環境行政に関連して、久米島沖のサンゴ群集の調査及び活用方策についてお答えいたします。
 世界自然保護基金ジャパンでは、平成22年5月に久米島海域でサンゴ礁調査などを実施したところ、枝状のミドリイシ属から成る大規模なサンゴ群集を発見しており、専門家からも学術的に価値が高いと評価されております。
 県においては、平成21年度から平成23年度にかけて離島を含めた県全域のサンゴ礁調査を実施しており、久米島海域においても、本年度中にサンゴの分布状況やオニヒトデなどの攪乱要因を把握することにしております。
 サンゴ礁は、生物多様性の保全、観光・漁業資源として重要な価値を有していることから、久米島町などとも連携しながらサンゴ礁の活用方策等を検討していきたいと考えております。
 以上であります。
○福祉保健部長(奥村啓子) 医療・福祉行政についての御質問の中の、認可外保育施設への支援策についてお答えします。
 認可外保育施設入所児童の処遇向上については、「新すこやか保育事業」を実施し、平成19年度から牛乳代を月20日分に拡充し、平成20年度から新たに米代の助成を行うなど、これまで段階的に支援の拡充を行ってまいりました。また、待機児童対策特別事業基金については、認可化支援事業や施設改善費及び保育材料費の助成など拡充を図りながら実施しているところであります。
 県としましては、今後とも市町村と連携し認可化の促進に努めてまいります。
 次に、地域密着型介護老人福祉施設整備の進捗状況についてお答えします。
 施設の整備については、「第4期沖縄県介護保険事業支援計画」において、6施設170床を整備することとしております。現在1施設29床が整備されており、残り5施設141床について平成23年度末までに整備されることとなっており、計画どおり進捗しております。
 次に、介護従事者の育成支援についてお答えします。
 介護福祉士や社会福祉士の育成については、県内介護福祉士等養成校において実施されております。平成22年度における入学者数は、定員280名に対して190名となっており、平成21年度末現在、沖縄県内の介護福祉士登録者数は8521名、社会福祉士登録者数は1211名となっております。また、ホームヘルパーの養成研修については、県が指定した民間機関や職業訓練校等において実施しており、平成21年度末までに累計で2万7195人が受講修了しております。
 県においては、福祉・介護分野への就労を促進する観点から、介護福祉士等養成校の在学生に対して修学資金の貸付事業を実施するとともに、県内高校等の生徒、教師、父母に対して福祉の仕事の理解を促すための相談・セミナーを実施しているところであります。
 県としましては、これら施策を通じて福祉・介護人材の育成支援を行ってまいります。
 次に、ドクターヘリの出動状況と課題についてお答えします。
 ドクターヘリは、平成20年12月に運航を開始し、平成22年8月までの搬送件数は475件となっております。1日当たりの搬送件数は0.75件となっております。
 ヘリコプターによる急患搬送は、患者発生場所からランデブーポイントまでは救急車によるリレー搬送が必要となります。ドクターヘリのランデブーポイントは、現在、211カ所確保していますが、搬送時間を短縮するためには、さらにランデブーポイントをふやす必要があり、ドクターヘリ運航調整委員会でその確保のための調整を行っているところであります。
 以上でございます。
○警察本部長(黒木慶英) 「ちゅらさん運動」の推進状況についてお答えいたします。
 「ちゅさらん運動」につきましては、平成16年4月に施行されました「ちゅらうちなー安全なまちづくり条例」に基づき、犯罪を減少させ、安全・安心で住みよい沖縄県を実現するため、県民を挙げて推進している運動であります。
 その内容としましては、次代を担う子供たちの健全育成を図る「ちゅらひとづくり」、犯罪の起こりにくい環境の確保・整備を図る「ちゅらまちづくり」、地域の連帯感を強化する「ちゅらゆいづくり」の3つの取り組みを中心としたものであります。
 県警察の具体的な取り組みとしましては、3つの取り組みのうちの主として3番目の地域の連帯感を強化する「ちゅらゆいづくり」ですが、平成16年度から防犯ボランティア団体に対する活動用装備品の支給や、防犯情報の提供及び合同パトロールなどを行っております。また、平成17年度からは、防犯リーダー育成のため「ちゅらうちなー安全・安心アカデミー」を開催しております。このような取り組みによりまして、防犯ボランティア団体は、平成22年8月末で645団体(構成員2万6055人)が結成され、平成15年と比べ団体数、構成人員ともに約6.5倍に増加し、青色回転灯装着自動車も503台を数えるなど、地域において自主的な防犯活動が活発化しております。その結果、平成15年から7年連続して犯罪が減少し、最悪であった平成14年と比べて大幅な減少を見ております。あと一歩で最悪期の数字の半分を達成することも可能であるような状況に今至っております。
 県警察としましては、今後とも知事部局、教育庁を初め関係機関・団体と連携を密にし、県民が「ちゅらさん運動」に積極的に参加できる機運の醸成に努めるとともに、引き続き自主防犯ボランティア団体の拡充と活動の活性化に向けた支援を強化していくこととしております。
 次に、犯罪状況についてお答えいたします。初めに、刑法犯の認知状況について説明いたします。
 県内の刑法犯の認知件数は、平成14年に2万5641件と過去最高を記録しておりましたが、平成15年から年々減少し、昨年は1万3738件と平成14年のピークに比べ46.4%減少しております。このように7年運続で犯罪が減少した主な原因は、県民総ぐるみの「ちゅらさん運動」の浸透が大きいものと思われますが、加えて手前みそではありますけども、県警が総力を挙げて推進した犯罪総量抑止対策が功を奏したものと認識しているところであります。さらに、本年8月末現在の認知件数についても8410件と、前年同期に比べて926件、9.9%減少しており、8年連続減少に向けて各種取り組みを強化しているところであります。
 次に、検挙状況について説明いたします。
 本年8月末現在の刑法犯の検挙件数は3175件で、前年同期比で289件、8.3%減少しております。検挙人員は2674人で、前年同期に比べ295人、これは逆に増加しております。検挙人員のうち少年は740人で、前年同期に比べまして1人増加しておりますのでほぼ同数であります。同じく65歳以上の高齢者は266人で、前年同期比では45名、20.3%の増加となっております。全刑法犯の検挙率は37.8%で、前年同期に比べまして0.7ポイント上昇しております。また刑法犯のうち県民に大きな不安を与える殺人、強盗等の重要犯罪に絞っていってみますと、検挙率は76.3%と比較的高く、前年同期比で7.5ポイントの上昇となっております。
 県警察といたしましては、県民の不安を解消するために、引き続き重要犯罪の検挙活動を強化してまいります。
 次に、交通安全対策についてお答えいたします。
 県警察では、広く県民に交通安全意識の普及・浸透を図るため、年4回実施される交通安全運動のほか、地域交通安全活動推進委員等の交通ボランティアと連携して、例えば横断歩道や学校付近での交通安全指導、保育所、幼稚園、小・中・高校生に対する交通安全教育、加齢に伴う身体機能の変化を理解していただくために、老人会、デイケア等を活用した参加・体験・実践型の高齢者交通安全教育、交通事故を起こした高齢ドライバー等に対する――これは自動車教習所と連携して行っておりますけれども――交通安全実技指導、さらに、飲酒運転擬似体験ゴーグル等を活用した自治会、事業所に対する交通安全講話など、地域の皆さんと一緒になって交通ルールの遵守と交通マナーの実践を習慣づける取り組みを推進しているところであります。
 以上でございます。
○仲宗根 悟 それでは、順を追いまして再質問をさせていただきたいと思います。
 まず知事の政治姿勢に関してでありますけれども、代表質問から先ほどまで知事の態度といいましょうか、反対を明確にするべきじゃないかというのがその大方の皆さん、そして県民の思っていることだろうということで、質問がそちらの方に集中をされてきていると思うんですが、これまで知事は県議会決議や県民大会、そしてもろもろの市長選挙、そして地元の市議選挙の結果を踏まえて極めて厳しい状況になったと、それで県外へを主張をいたしますというような内容になっているわけですけれども、この状況でこうなったと。では、知事自身のお考え、そして知事自身の言葉がどうも述べられていないんじゃないかというのが大方の皆さん思っていることだろうと思うんですね。そして、それは白黒やはりつけるべきだと、あるいは反対か賛成かを述べるべきだということに対しては、行政責任者であるので、まずはこれは白黒はっきりすべき事項と、そして白黒はっきりすべきではない事項とそれを分けながら行政責任者として使うと。今回のその件に関しては、そう白黒つけるべきではないだろうというのがこれまでの知事の答弁でございましたけれども、私はむしろあえて行政責任者であるわけですから、沖
縄県の長としてやはりここは白黒はっきりすべき事項の方に置いてしっかりと反対の発信をしていくべきではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 今の御質問ですが、基本的にこの普天間問題のまず原点というのは、やっぱり一日も早い普天間飛行場の危険性の除去であるということですよね。そして、現在この辺野古への移設というのがやっぱり非常に困難であるということも確かですよ。したがって、この際、日米共同声明を見直してベストと私が言ってきました、県外移設を求めていくというこういう流れを私は申し上げているわけでして、やっぱり基本的には無論百歩譲ってといいますか、反対、賛成という言い方がなれておられる方たちもたくさんいるとは思いますが、これはやっぱり実現可能性の問題だと思うんですよね。現実に、今普天間飛行場は普天間の中にあるわけでしょう。そしてこれがなくなれと言ってなくなるわけでも何でもないわけでして、もともと私は去年の9月までは、先ほどどなたかが北澤さんのコメントもやっておられましたが、基本的にはことしの1月24日の名護市長選挙までは条件つきであれ、私は一日も早い危険性の除去のためには辺野古への移設というのはやむを得ないということを言ってきたわけです。しかしながら、それから状況が変わってきて、そして現実に三党連立政権ができてその人たちの公約というのは、悪
くても県外とかいろんなことを言われてきた人々が政権をとっていながら、何のことはないもとの反対とか何とか言っておられた方が最も嫌がったところへ行っているわけです。ですから、私の方ではこの流れを見ながら要するにこの普天間の一日も早い危険性の除去のためには、もはや県外へ持っていくしかなかろうと、実現可能性の問題の性格のほうが非常に強いと私は考えております。ですが、基本的には反対とおっしゃっている方々と認識がほとんど似てきています。なぜなら、現実的にはこの実現可能性というのが非常に困難だということになっている状況を踏まえてはおるわけです。そしてまた、方針を180度転換した今の政府が納得いく説明と解決策を示さない以上は、日米共同声明をやっぱり見直して、県内は非常に厳しいですから、県外というのは筋通っているんじゃありませんか。だから、私は県外と言っているわけです。
 以上です。
○仲宗根 悟 反対とおっしゃる皆さんと認識は似ているというようなお言葉なんですけれども、知事自身の中でやはり非常に極めて厳しい、困難ということは、県民の求めるその反対ということにイコールあるいは等しいというようなことでよろしいんでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時14分休憩
   午後5時14分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 共同声明を見直して県外にと言っている意味は、今るる申し上げてきたことですから、状況認識という点ではかなり似ていると思いますが。
○仲宗根 悟 それでは質問を変えます。
 環境行政に関してお聞きをしたいと思います。
 先日の検査結果、私も現場のほうへ少しですけれども立ち会わせていただきました。今、部長のほうは、ボーリング孔6孔と言いましたけれども、取水したのがたしか2カ所でしか取水ができなかったということがまずありましたですね。私たちがやはり最も懸念するのが地下水の汚染なんですね。どういうふうな状況で汚染状況が進んでいるのか、あるいはどうなっているのかというのを非常に危惧していますね。やはり近くに海があると、そしてまた住宅地に近いというようなこともございまして、しかもこのボーリング孔は、村が道路を予定していたその予定の分、道路幅の検査孔、ボーリング孔でしかないんですね。残りの大きな敷地があるわけですけれども、もちろんくまなく道路幅以外に敷地を改めて検査を私たちはすべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○文化環境部長(下地 寛) メタンとか、地下水、浸透水については、現在のボーリング孔を利用して調査地点を追加できないかということを今検討しておりますけれども、お話の地下水についても処分場の下流部のほうで調査範囲を広げられないかということで地権者の方と調整をしておりますので、それが整えば範囲を広げて調査をしていきたいと考えております。
○仲宗根 悟 そしてもう一つ、あと一点は、場外での取水を民家の井戸をお借りしてそこから取水しながら検査をしているんですが、こちらのほうもまだ見てみますと1カ所でしたか、やはり広範囲に井戸はいっぱいあるわけですから、こちらのほうも広範囲に広げて複数の井戸を検査すべきだと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○文化環境部長(下地 寛) 処分場の周辺でやっぱり一番影響を受けるだろうというふうに思われている地点が現在あの井戸水を採取して調査しているところなんですね。ただ、その処分場の中で実態としてどういう形で地下水が集水していって下流のほうに流れていっているかというのはまだわからない状況ですので、そういった調査も踏まえながらその敷地外の井戸水の調査については今後検討していきたいと考えております。
○仲宗根 悟 部長、わからないとおっしゃるんですけれども、地下水の等高線というのがこれは村からでしょうか皆さんがつくられたんでしょうか、そういうのもあるわけですから、これに従っていろいろ広範囲に広がった取水の仕方、検査の仕方を求めるべきだろうなと思うんですが、どうなんです。これ入手されていないでしょうか。
○文化環境部長(下地 寛) その既存の資料も見ながら専門家の意見も聞いていますので、専門家のアドバイスとしてももう少し地下水の流れ方というのは補足して調べる必要があるんじゃないかというふうなアドバイスもありましたので、当然その既存の資料も見ながら、今後、検討するということになると思います。
○仲宗根 悟 専門家のお話がありましたけれども、今その対策検討委員会というものを立ち上げているんでしょうか。どうなんでしょう。
○文化環境部長(下地 寛) 今のところ、特に検討委員会というのを立ち上げるということではないんですけれども、専門家の意見がたくさんありますので、それを実際に先ほど答弁したようにモニタリングを継続していく中で新たな事実がわかってくると思いますので、それを踏まえて新たな対応をするというふうなことであります。
○仲宗根 悟 こちら産廃場跡は産廃場のころ、野焼きをしたり、あるいは悪臭が発生したりということで地域住民の方が何度か保健所のほうにお願いをしたらしいんですが、住民の方々から言わせますと対策をしていただけなかったと。見て見ぬふりをしているところが多かったんだということで、非常に保健所に連絡をしたんだけど、取り合ってくれなかったというのが住民の皆さんの訴えなんですね。ですから、ここは監視・監督を怠った結果でありますので、ここはひとつ調査委員会を立ち上げて専門家も交えてどういったものが中に埋まっているのか、どういったことで危険をさらすのかということをやるべきだと思うんですが、その辺いかがでしょうか。
○文化環境部長(下地 寛) 先ほどお答えしたんですけれども、今継続しているモニタリングの結果を踏まえて、新たに沖縄県の中で専門家を集めて検討委員会を開くということについては、今後の検討課題としたいと考えております。
○仲宗根 悟 これまで安定型の不的確・不適正処理について、県の皆さんは監視の目が行き届かなかったと、そして追いつかなかったんだということで非常に反省を口にしていますよね。この際ですが、産廃場のある当該市町村の職員にある一定程度のその権限を持たせるようなそういう処理場の立ち入りですとか、行政指導ができるような仕組みづくりというのができないものかなと思ったりもするんですが、その辺いかがでしょうか。
○文化環境部長(下地 寛) これは議員のおっしゃるとおり、現在も市町村職員、地域で直接、しかも迅速に監視ができるという視点では非常にいいことですので、市町村職員を県の職員、監視ができる身分のある職員として併任発令して対応してきていますので、なるべくそういった職員をふやしていく方向でこれは今後検討したいと思っております。
○仲宗根 悟 よろしくお願いします。一番やはり迷惑をこうむるのが地域住民、付近に住んでいる方々であるわけですが、実効性あるような仕組みづくりというんでしょうか、そういうのもぜひお願いをしたいなと思います。
 それでは、農林水産部にお願いをいたします。
 黒糖の件なんですけれども、毎月10日の黒糖の日を定めながら、いろんな施策を通じて販路拡大につなげるような方策をとっているというようなことなんですけれども、実態としてその10日の日にどんどん売れているんでしょうか。あるいはこの方策の中にファーマーズですとか、置いているところでどんどん消費がされているんでしょうか、どうなんでしょうか。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 当初、黒糖は6月ごろでしたか、6000トンほど在庫を抱えていましたけれども、現在のところ4000トン台で推移していまして、ちょうど8月以降、9月以降ですか、需要がふえるということもありまして、県としては積極的に販売促進をやっていきたいと思います。
○仲宗根 悟 JAの皆さんにもお話を伺うんですけれども、まさに大手の本土の製菓メーカーですか、そういったところが大口で引き取ってくれて使ってくれたら非常にいいがなと思っているんですが、なかなか在庫が減らないという部分はやはり安い原料ですとか、輸入品に押されつつあるのかなと思ったりもしています。
 部長、一つ提案、提案というのはおかしいんですが、この窮地にある黒糖産業販路確保はもちろん施策を展開しているのは重々承知はしているんですが、私たち沖縄は、古い昔からユイマール精神に非常にいい言葉があってコウイダシキというのがありますよね。ここはひとつ、パインもそうだったと思うんですが、その昔、以前パイン工場が非常に窮地にあったころに県民一缶運動をやりましょうよというあの運動があったと思うんですが、あれを思い出してやはり離島のその黒糖ですよ。ぜひ140万と言わないにしても半分の70万の県民の皆さんが1カ月1袋買ってもらったらどんなに助かるかなという思いがするんですが、10日の黒糖の日以外にですよ、県民運動で一人一袋運動を立ち上げてみたらどうでしょうかね、どうですか。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 貴重な御提案ありがとうございます。
 そういう意味で、県内問わず、県外問わず、今、国とも相談しながら外国でも販売、販路を広げる必要があるんじゃないかなということで今考えていまして、今その事業も含めて検討していますので、今御提案の件についても関係者と連携して検討して対応したいと思います。
○仲宗根 悟 もうスローガンも決まっていますよ、コウイダシキ黒糖というやつですね、ぜひ売り出していただきたいなと、呼びかけていただきたいなというふうな思いがいたします。頑張ってください。
 次に、認可外保育園の支援についてです。
 認可外保育園の経営実態というのは、今、経営者の方からもよく耳にするんですが、父母やそれから隣近所の皆さんがジャガイモができるシーズンになるとジャガイモを持ってこられると、そしてニンジンも持ってこられるということで給食に使ってくださいということで、野菜がどんどん来るらしいですよ、頑張ってちょうだいということで。スーパーで卵の安売りがありますと、父母やあるいは保育士を並べて1人何パックと制限のあるところは並ばせして、そういった経営努力もしているようなんですね。非常に痛々しいといいましょうか、非常に涙ぐましい努力をしてきているなというふうに思っているんですが、そういう状況もわかっていただき、ぜひその認可外の保育園の皆さんにも手厚く目を向けていただきたいなという思いでこれは要望にとどめさせていただきたいと思います。
 最後に、「ちゅらさん運動」ですね。
 県警本部長からお話がありましたとおり、平成16年4月1日に「三づくり」ですか、こちらの方言で「ちゅらさん」に引っかけて、「ゆい」、「ひと」、それからその「ちゅらさん」でやったと。やはり民警一致のもとに、これは地域のボランティアというのが非常に大きなウエートを占めていると思うんですね。この方々がパトロールを組む、それから「ちゅらまちづくり」に関しては、一戸一灯運動の推進をどんどんしていくということで、どんどん犯罪が減っているという意味では、もちろん警察官の捜査も功を奏していると思う、地道な捜査活動もあるとは思うんですが、要はこのボランティアの皆さんが相当な活動でウエートを占めているということだろうと思うんですが、いかがでしょうか。
○警察本部長(黒木慶英) ただいまのお話にありましたように、この7年、ことし入れれば8年ですけれども、これほど刑法犯の認知件数が減るというのは、これは警察だけじゃなくてむしろ地域の力といいますか、ボランティアの力が大変大きなものがあったと思いますし、これからも我々としましてもやはりボランティアの皆様、地域の皆様と一緒に汗をかいていく所存であります。
 以上であります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時29分休憩
   午後5時30分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 新里米吉君。
   〔新里米吉君登壇〕
○新里 米吉 一般質問を行います。
 1、知事の政治姿勢について。
 (1)は取り下げます。
 (2)、知事公約について。
 ア、完全失業率全国平均にはほど遠い状況である。現状について知事の所見を伺いたい。
 イ、農業の後継者問題や遊休農地問題の解決、促進について4年間の成果を伺いたい。
 ウ、松くい虫駆除は具体的にどのような対策を実施したか。成果はあったか。
 エ、県産品愛用による県内市場占有率の向上(地産地消の促進)について4年間の成果を伺いたい。
 オ、2016年までに年間観光客数1000万人達成の見通しを伺いたい。また、1000万人達成に向けて2010年の観光客数目標と実現の見通しを伺いたい。
 カ、観光客1人当たりの消費額は低迷しているが、原因と改善策を伺いたい。
 キ、ノービザ特区の導入は現在どうなっているのか伺いたい。
 ク、国際的コンベンションアイランド形成について、2010年1月から9月までの開催件数と参加人数を伺いたい。また、2008年、2009年と比較してふえているのか伺いたい。
 ケ、国際線ターミナルの整備拡充について、具体的計画や見通しを伺いたい。
 コ、普天間飛行場の危険性を一日でも早く除去するために、キャンプ・シュワブ内に暫定ヘリポート機能を緊急に整備するとの公約について、どのように対応したか(行動したか)。また、危険性除去について4年間の取り組みを伺いたい。
 サ、シングルマザーの働く場の確保、就労支援について、4年間の実践事例を伺いたい。
 シ、チャレンジド(障害を持つ人)の就業機会の拡大に積極的に取り組むとのことだが、4年間に就業者はどれぐらいふえたか伺いたい。
 ス、毎年100人の学術及び語学留学生派遣について、2006年と2010年の派遣者数を伺いたい。
 セ、小学校において1クラス30人学級の導入とは、1年生から6年生までの6学年と理解するが、知事の見解を伺いたい。
 2、基地問題について。
 (1)、2月24日の県議会全会一致の意見書について知事の所見を伺いたい。とりわけ県内移設反対について知事の姿勢を伺いたい。
 (2)、9月19日の沖縄タイムスによると、守屋武昌元防衛事務次官は、「尖閣で海兵隊の投入は一番考えにくい。最初に海軍と空軍が攻撃し、最後に地上に残っている敵を排除するために海兵隊が上陸する可能性はあるが、そのために沖縄に駐留しているのではない。」と述べているが、守屋発言について知事の所見を伺いたい。
 (3)、守屋氏は、「仲井眞弘多知事、島袋吉和前市長は名護市辺野古で「沖合へ動かせ」というが、美しい海をつぶしてもいいという合理的な理由を示さず、いたずらに解決を遅らせた。」と述べている。知事の所見を伺いたい。
 (4)、ロバート・ゲーツ米国防長官が講演で、「高性能ミサイルで陸から100キロ沖まで狙えるハイテク戦の中で、艦船で砂浜に上がり、攻めていく海兵隊の役割そのものが問い直される」と語り、民主党重鎮で下院金融委員長のバーニー・フランク氏は「中国を野放しにはしたくないが、空軍も海軍もいる」、「過去の遺産で21世紀には無意味だ」と海兵隊不要論を展開していると沖縄タイムスで報じられている。アメリカで起きている海兵隊見直しや不要論について知事の所見を伺いたい。
 (5)、在沖海兵隊の抑止力について知事の所見を伺いたい。
 (6)、泡瀬ゴルフ場跡地で米国製と見られる不発弾(未使用弾)5590発が地中から発見され、糸満で2113発が発見された。県の所見を伺いたい。
 3、カジノについて。
 (1)、ハワイがカジノを導入しない理由について伺いたい。
 (2)、韓国・済州島のカジノは成功していると思いますか。経営状況はどうなっていますか。
 (3)、大陸等から交通手段として航空機を利用する島嶼地域において、カジノで成功している例がありますか。具体的に地名を挙げて説明してください。
○知事(仲井眞弘多) 新里米吉議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、完全失業率の全国並みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 知事就任当時の平成18年と平成21年の完全失業率を比較してみますと、全国との差は3.6ポイント差から2.4ポイント差に縮まっております。また、ことしの完全失業率につきましても、数値に変動はありますものの全国との差は、6月は1.4ポイント差、7月は1.3ポイント差になって徐々に近づいております。また、就業者数は、この間全国が100万人減少する中で沖縄県は着実に増加をし、去る7月は63万4000人となり、平成18年平均の59万7000人に比べ3万7000人の増となっております。このことは、県民が一体となって取り組んできた「みんなでグッジョブ運動」の相当な成果であります。公約の4万人の雇用拡大と完全失業率全国並みの達成はもう少しのところに来ていると考えております。
 同じく知事の政治姿勢の中で、農業後継者や遊休農地問題の解決促進の4年間の成果についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、経営感覚にすぐれた農業後継者の育成確保を図るため、「農でグッジョブ推進事業」などを活用して、担い手の総合的な対策を講じているところであります。
 具体的には、第1に、農業大学校における実践的な研修教育、第2に、新規就農相談センター等での就農相談、第3に、新規就農へ誘導するためのサポート講座や夜間講座などを実施いたしております。その成果としましては、新規就農者数が平成17年の101名から平成21年には274名と増加をいたしております。また、耕作放棄地面積は、平成20年度が2950ヘクタールで、平成21年度は2693ヘクタールとなっており減少いたしております。
 沖縄県としましては、耕作放棄地の再生利用を図るため、「沖縄県耕作放棄地対策協議会」や27市町村に地域協議会を設置いたしております。さらに、平成20年度から耕作放棄地対策事業によりまして再生作業、そして土壌改良、営農定着等を支援しております。平成21年度までに約73ヘクタールが再生利用されております。平成22年度は約150ヘクタールを予定いたしており、今後とも関係機関と連携をして農業後継者や遊休農地問題の解消、そして利用促進に取り組んでまいる所存でございます。
 知事の政治姿勢の中で、年間の観光客数1000万人達成の見通し及び2010年の観光客数目標と実現の見通しの御質問にお答えいたします。
 私は、2016年、つまり10年間で観光客数1000万人の達成を目標として掲げてまいりましたが、昨年度の実績値は569万人で、目標に対し約60%の達成状況となっております。国際的な観光・リゾート地として沖縄の持つポテンシャルは非常に高いものがあると考えております。さらに誘客活動を強化し、引き続き全力を投ずれば達成は可能であると考えております。
 また、今年度は目標600万人に対し8月までの実績は昨年度同期比で約5%増加いたしており、特に外国人観光客が約25%の大幅な増加を記録していることから、目標の達成は十分に可能であると考えているところでございます。
 次に、知事の政治姿勢の中で、平成18年度と平成22年度の海外留学生派遣者数についての御質問にお答えいたします。
 平成18年度の海外留学生派遣者数は78人、平成22年度の予算におきましては海外留学生派遣事業を拡充をし、9月現在での派遣人数は98人になっております。
 なお、公約であります100人は年度内に達成できるものと考えております。
 次に、基地問題に係る御質問の中で、2月24日の県議会意見書と知事の姿勢についてという御趣旨の御質問にお答えいたします、
 県としましては、去る5月の日米共同発表はまことに遺憾であり、名護市辺野古への移設案を受け入れることは極めて厳しいと繰り返し申し上げてきたところでございます。そして名護市長選挙や県議会の意見書議決、県民大会など、昨年9月以降の県内の諸状況を踏まえますと、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難であると考えております。政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を示すよう求めてきました。しかしながら、政府から、この間の県民の怒りと失望にこたえ得る説明と方策は依然として示されておりません。
 県としましては、このような状況にかんがみ、政府に対し、日米共同発表を見直しをして、普天間飛行場を県外に移設することを求めてまいりたいと考えております。
 次に、同じく基地問題の中で、守屋元防衛事務次官の発言についての御質問なんですが、これは沖縄タイムスによると、守屋元防衛事務次官は、尖閣云々というこの部分の御質問ですが、私はこの守屋氏の発言というものの報道は一切読んでもいませんし、やるべきでもないとも思っていますし、この人の意見というのには一切意味があるとは思っておりません。これを答弁にさせてください。
 以上でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 知事の政治姿勢の中で、松くい虫防除対策と成果についてお答えします。
 松くい虫の防除対策については、森林病害虫等防除法に基づき保安林等の公益的機能の高い松林を「保全松林」に指定し、薬剤散布や伐倒駆除及び薬剤樹幹注入を実施しております。また、保全松林以外の「その他松林」については景観保全対策として、幹線道周辺などにおいて伐倒駆除及び薬剤樹幹注入を実施しております。
 これらの取り組みの結果、平成21年度の被害量は1万5887立方メートルとなっており、平成18年度の被害量2万9718立方メートルと比較すると53.5%に減少しております。
 今後とも、松くい虫の防除対策については、国・市町村及び関係機関と連携して防除に取り組むとともに、天敵昆虫による防除技術や抵抗性松の研究などにより、総合的な対策を実施していきたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 知事の政治姿勢についての中で、県産品愛用による過去4年間の県内市場占有率の向上と成果についての御質問にお答えします。
 県産品の県内市場占有率を示す製造業の県内自給率は、平成17年産業連関表によると32.7%が最新値となっており、過去4年間の比較ではありませんが、前回値となる平成12年は32.5%となっております。
 県では、県産品の愛用による地場産業の振興を図っていくため、関係団体と連携して県産品奨励運動を展開しているところであります。
 具体的には、県産品展示会の開催や県産品奨励月間街頭パレード、大型小売店への県産品販売促進の要請活動などを実施しております。また、県産品の魅力を広く知ってもらうため、沖縄本島・宮古・八重山で開催される産業まつりを支援しております。
 このような関係団体との連携した活動により、消費者ニーズに対応した製品づくりが促進され、県産品の品質、製造技術、デザイン等は近年大きく向上するなど、県産品奨励運動の効果は着実に発揮されてきていると考えております。
 同じく知事の政治姿勢についての、観光客1人当たりの消費額が低迷している原因と改善策についての御質問にお答えします。
 観光客1人当たり消費額の伸び悩みは、景気低迷による全国的な個人消費の停滞や旅行商品の低価格化が原因と考えられます。観光消費額を引き上げるためには、消費額の高い観光客の誘致強化や旅行商品の付加価値の向上、滞在日数の長期化及びサービスの質の向上等が必要であります。
 沖縄県としましては、富裕層などの外国人観光客の誘致を強化するとともに、関連産業への波及効果が大きいMICEの誘致や、音楽・映画などをテーマとした国際的なイベントを開催しております。
 今後は、医療・スポーツ・文化などを活用した新たな付加価値の高い観光メニューの開発に取り組むとともに、これらを支える高度な観光人材の育成を図り、観光収入の増加に努めてまいります。
 同じく知事の政治姿勢について、ノービザ特区の導入についての御質問にお答えします。
 県は、過去に台湾、香港、韓国からの観光客に対するビザの免除を求めてきましたが、いずれも現在は全国的措置としてビザの免除が認められています。また、中国からの観光客についてもビザの発給要件が緩和されているところであります。
 中国人観光客に対するノービザについては、観光客の大幅な増加が見込める一方で、現時点では受け入れ体制が十分でないことから、効果と課題について関係省庁や県内事業者等の意見を踏まえて対応してまいります。
 同じく知事の政治姿勢について、コンベンション開催件数と参加人数についての御質問にお答えします。
 2010年1月から8月までのコンベンション開催件数365件のうち、国際会議は18件です。また、コンベンション県外・海外参加者数約4万人のうち、国際会議への参加者は約9400人となっております。これは、2008年の同時期と比べると、国際会議件数では3件減っているものの、参加人数では約6500人増加しております。また、同様に、2009年の同時期に比べると、国際会議件数では4件減っているものの、参加人数では約6100人増加しております。
 同じく知事の政治姿勢の中で、障害者の就労者数の状況についての御質問にお答えします。
 沖縄労働局によりますと、ハローワークに登録している就業中の障害者数は、知事就任時の平成18年度末に3251人であったのが、平成21年度末には3814人と563人、17.3%増加しております。また、この間、従業員56名以上の民間企業における障害者雇用率は、平成18年6月現在の1.61%から、平成21年6月の1.82%と0.21ポイント上昇し、障害者雇用促進法で定める1.8%を初めて上回っております。
 次に、カジノについての、ハワイがカジノを導入しない理由についての御質問にお答えします。
 ハワイでは、1990年代以降、カジノ構想が議会で持ち上がり、カジノ合法化の議論が行われてきておりますが、現時点ではカジノは導入されておりません。
 カジノ合法化について賛成派の意見としては、近年の観光産業不振に対する対策、州財政の確保などが挙げられております。一方、反対派の意見としては、健全なファミリーリゾートとしてのハワイのイメージダウンや犯罪流入などの観光地としての悪影響、居住環境の悪化やギャンブル依存症による家庭崩壊などの生活環境への悪影響などが挙げられております。
 同じくカジノについて、済州島のカジノの経営状況についての御質問にお答えします。
 済州島では、外国人専用カジノが8施設設置されております。ここ数年の済州島のカジノにおける入場客数、売上額を見ると、2004年には13万4000人、1150億ウォンでしたが、2007年には10万8000人、630億ウォンと落ち込んでおります。しかし、2008年に中国からの観光客がノービザとなったことから、2009年には入場客数が12万2000人、売上額が890億ウォンと上昇しております。
 同じくカジノについて、島嶼地域におけるカジノ成功事例についての御質問にお答えします。
 現在、カジノは世界120カ国以上で合法化されており、特にアジア諸国においては、シンガポールが観光振興のために政策を転換し、カジノを合法化し導入を図るなど、国際観光振興策として注目されているところであります。
 関係者によれば、島嶼地域におけるカジノの中では6つのカジノを有するカリブ海のバハマ諸島が最も成功事例だと聞いております。人口34万人のバハマには、アメリカやカナダの主要都市から多くの航空路線やクルーズ船が就航しており、2009年にバハマを訪れた観光客数は152万8000人となっております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、国際線ターミナルの整備拡充についてお答えいたします。
 国際線旅客ターミナルについては、那覇空港ビルディング株式会社が国の「那覇空港ターミナル地域整備基本計画」に基づき、旧貨物ターミナル敷地に新施設を整備する予定であります。同社の計画によりますと、今年度中に基本設計を実施し、次年度以降の3年間で実施設計及び建設工事を行った後、供用を開始する予定となっております。施設規模等の具体的な計画内容については、同基本設計において検討されると聞いております。
 県としましては、同社及び国等の関係機関と緊密に連携して施設整備の早期化を図るとともに、国際線ターミナルビルの利便性及び国際交流拠点としての機能の向上、アジアゲートウェイとしてふさわしい国際競争力のある施設の整備に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢の中で、暫定ヘリポート機能の整備及び危険性除去の取り組みについてお答えいたします。
 暫定ヘリポートにつきましては、普天間飛行場の危険性を一日でも早く除去するために、あらゆる方策を検討し問題解決に取り組むという知事公約を実現するための一つの事例として示したものであります。普天間飛行場の危険性の除去につきましては、あらゆる方策を検討し、具体的な方法を示すよう政府に求めてきました。
 このような県の主張に対し、政府は、平成19年8月に「普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策についての検討に関する報告書」を発表し、昨年5月21日までに報告書に記載された諸施策をすべて実施したとのことであります。また、平成20年7月末にはさらなる危険性除去策を検討する実務者レベルのワーキングチームが設置され、政府と率直な意見交換を重ねてまいりました。さらに、今年度は、普天間飛行場の場周経路等の客観的データを把握・評価するため、普天間飛行場の継続的な飛行航跡調査が開始されております。また、県は、総理を初め各大臣との面談など機会あるごとに普天間飛行場の一日も早い危険性の除去を求めており、政府におきましても、積極的にこの問題の解決に取り組むことを期待しております。
 次に、沖合移動に対する守屋氏の発言についてお答えいたします。
 県は、地元の意向や環境に十分配慮する観点から、可能な限り沖合などに寄せてほしいということを政府に対し求めていたものであり、いたずらに解決をおくらせたとの指摘は当たらないと考えております。
 次に、海兵隊見直しや不要論についてお答えいたします。
 世界の安全保障環境は、国際テロ、地域紛争などの新たな脅威が拡大する一方、米国と中国を初めとしたかつての東西諸国が経済的・社会的連携を深めるなど、構造的に変化しております。このような安全保障環境の変化に加え、軍事技術の革新等もあり、アメリカにおいて海兵隊の役割や必要性が議論されることはあり得るものと認識しております。
 次に、在沖海兵隊の抑止力についてお答えいたします。
 防衛白書によりますと、「わが国に対する武力攻撃に際しては、相手国が自衛隊に加えて米軍と直接対決する事態を覚悟する必要が生じることとなり、在日米軍がわが国への侵略に対する抑止力になる。」、また「米軍が機能する際には、日本に駐留する米海軍、米空軍、米海兵隊などが一体となって十分な機能を発揮するものと考えられる。」とされております。
 沖縄県としては、在日米軍基地の大部分を占める沖縄の米軍基地について、これまで国民全体でその果たしている役割や必要性について十分な議論がなされてきたとは言えないと考えております。いずれにしましても、在沖海兵隊の削減は重要であり、それに向けた具体的な議論が必要であると思います。
 次に、泡瀬ゴルフ場跡地及び糸満での大量の不発弾発見に対する県の所見についてお答えいたします。
 今般の泡瀬ゴルフ場跡地や糸満市で大量の不発弾が発見されたことにつきましては、県内において今なお多くの不発弾が埋没し、不発弾の早期の処理が県の喫緊の課題であると認識しております。
 県内の不発弾の処理をできるだけ早期に行っていくために、不発弾探査の加速化・効率化を図るなど、不発弾対策の抜本的拡充が必要であるため、不発弾探査要望地域の調査を行うとともに、今年度中に不発弾探査の重点地区や加速化の方策等を内容とする沖縄不発弾等対策中期プログラムを策定する等、広域探査発掘加速化事業の拡充を図っております。
 また、泡瀬ゴルフ場における不発弾の探査及び処理につきましては、現在、軍転特措法に基づいて沖縄防衛局が実施しておりますが、県としましては、将来において広大な基地の返還が想定される中、引き続き政府の責任において不発弾を含む環境浄化が行われるよう、新法の制定を求めているところであります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 知事の政治姿勢についての御質問の中の、母子家庭の母親の就労支援についてお答えします。
 沖縄県では、母子家庭の福祉の増進及び自立の支援を図るため、各種の就労支援事業を実施しております。母子家庭等就業・自立支援センター事業では、過去4年間で843件の就業相談を受け、390名が就職に結びついています。また、調理資格取得準備講習会や2級ホームヘルパー養成講習会等4講座に688名が受講しております。母子自立支援プログラム策定事業は、ハローワークとの連携のもと、母子家庭の母の求職活動を支援するもので、毎年30名程度が利用しております。母子家庭高等技能訓練促進事業は、母子家庭の母の看護師や介護福祉士等の資格取得を支援する事業となっており、今年度は市部も含めますと約70名に支給する予定となっております。
 今後も、引き続き沖縄県母子寡婦福祉連合会や関係機関と連携し、母子家庭の自立支援を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは知事の政治姿勢についての御質問で、30人学級についてお答えいたします。
 30人学級につきましては、小学校1、2年生で施設条件面等の対応が可能な学校において実施しており、当面、小学校低学年で実施することとしております。
 今後の計画については、現在、文部科学省において策定されている「新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(案)」の動向や全国の実施状況等を踏まえ研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○新里 米吉 休憩。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時7分休憩
   午後6時10分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 金武正八郎君登壇〕
○教育長(金武正八郎) 失礼しました。
 30人学級につきましては、小学校1、2年生で施設条件面の対応が可能な学校において実施しておりまして、当面小学校で実施することとしております。3年以降については、今後、国の動向や全国の実施状況、それから本県の取り組み等を踏まえ研究してまいりたいと思っています。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時10分休憩
   午後6時14分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 教育長。
   〔教育長 金武正八郎君登壇〕
○教育長(金武正八郎) 答弁いたします。
 知事の公約は、「教育力おきなわ」において「小学校において1クラス30人学級の導入をめざします。」ということになっております。それを受けて、30人学級につきましては小学校1、2年生で施設条件面等の対応が可能な学校において実施しており、当面は小学校低学年で実施することとしております。ですから、3学年以上については国の動向や全国の実施状況等を踏まえ研究してまいります。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時16分休憩
   午後6時17分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 新里米吉君。
○新里 米吉 まず、知事の政治姿勢の完全失業率についてですが、就業者数がふえている、そのとおりなんですね。ただ、この就業者数は私も県の統計を調べてみたんですが、ずっと以前から年によって、それから月によっても凹凸はあるわけです。ですから平均的に見ていかんといかぬわけで、今回、知事の答弁などは一番都合のいい、一番よかった月だけを取り上げたりしているものですから、これは科学的な説明とは言えないんじゃないかと。比較するのはまた別の年の平均と合わすわけですよ。ことしの一番いいのとほかの年の平均と合わすというのは、これは科学的な根拠にはならんなと、今そう思ったところです。
 実は、大田県政、稲嶺県政、仲井眞県政、いずれもそれは凹凸はありながらも総体としては就業者数はふえた。ただし、沖縄は労働力人口もふえているものですから、なかなか改善できないというのが実態じゃないかと思うんですがいかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 大筋はそのとおりです。
○新里 米吉 完全失業率も、これもまた同じで月によって差があるし、年によっても違いがあります。県内ではよくよく見てみると、どういうわけか去年もことしも7月は完全失業率が低くなっているんですよ、6.6、6.5と。ですから知事がこの7月のものばかりしょっちゅう言うんですね。もっと全体的に見ると違ってきていまして、8月、きょう発表があったんですが、6.5から7.8になっちゃっているんですよ。残念でしたね、知事。だから、この比較する場合もよくよく考えないといけない。
 私もよくよく調べてみて、去年の1年間の平均7.54です、細かくやると。ことし1月から8月までのを比較すると7.51、0.03しかよくなってないんですよ、知事。ここら辺をしっかり押さえないと、何かことしの6月のものばかり言って非常によくなったよくなったと。もうやがて全国平均並みだなんていうのは、ちょっと甘過ぎるんじゃないかと思うんですがいかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 甘いか辛いかという評点は別にしまして、数字上の問題です。ですからこれは別に私もうそをつこうとはゆめ思っておりません。ただ、やはり絶対数が現実にふえているという、就業者数が日本全体では機械工業では本当にばーんと20%ぐらい落ちたというのに比べて、我々はやはりジョブの開拓をずっとやり続けていて、いずれこれは早い時期に私の目指した完全失業率、日本の平均よりもむしろ上にいく可能性すらあるという傾向は読み取れるでしょう。ですからこれは一番近い、これはやはりフローのところも見ないとだめですよ。ウンジュナーみたいに平均だけ出していいですかというわけにはいかない。これは現実に手前の最も近いフローの状態もどうかというのを見ないと、私はまた片手落ちだと思いますね。
○新里 米吉 知事のほうが平均の出し方や比較の仕方が余りにも御都合主義なんですよ。私は比較する場合は年平均対年平均、月対月を比較するんであって、知事は月と年平均を比較したりするものだから、沖縄の一番都合のいいときと全国の悪いところを比較したりするから、それはおかしいんじゃないですかと言ったわけです。これはもういいです。次のほうに進みます、時間がありません。
 海外留学生ですが、平成19年、20年、21年の留学生派遣数を伺いたいと思います。
○教育長(金武正八郎) 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時22分休憩
   午後6時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 教育長。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
 平成19年度が66名、平成20年度が59名、そして平成21年度が65名となっております。それから22年度、今現在98名となっております。
 以上でございます。
○新里 米吉 海外留学生事業は大田県政時代に100人を超えていたんですよ。いろいろ国からの事業もありました。その後、稲嶺県政時代になって大体80人程度になりました。仲井眞県政になって60人台になったんですね。ことしは98人になったということで、先ほどから言っているのは66、59、65ですから、ことしが98ということでかなり落ち込んできたということが言えます。
 ところで、平成21年度と22年度の事業名、それぞれの派遣者数を伺いたいと思います。
○教育長(金武正八郎) それでは平成21年度と22年度の事業名と、その平成21年、22年度の派遣者数を申し上げます。
 事業は7つありまして、まず1つ目は、国外留学生派遣事業というのがございまして、平成21年度は11名、平成22年度は18名、6名増です。2番目に、高校生の国外留学生派遣事業、これは県費ですけれども、平成21年度が35名、平成22年度が68名と倍増しております。3番目が、沖縄県同時通訳者養成事業が平成21年度4名でしたけれども、これが終わりましてことしはゼロとなっております。4番目が、沖縄県高校生米国派遣事業、これは国費ですけれども、平成21年度が11名で、平成22年度が8名。それから5番目に、小渕沖縄教育研究プログラムで、平成21年度が4名に対して平成22年度が3名となっております。6番目に、県立芸大姉妹校留学生事業がことしから入りまして、平成21年度はゼロですけれども、平成22年度は1名。7番目の事業として、沖縄観光コンベンションビューロー派遣留学というのがありまして、これはこれから選考で始まる予定であります。
 以上でございます。
○新里 米吉 コンベンションは幾らになっていますか、予定は。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
 コンベンションはこれから11月以降になる予定になっています。
○新里 米吉 予定は幾らですかと聞いているんです。
○教育長(金武正八郎) 2人の予定です。
○新里 米吉 著しくふえているのが高校生留学事業ですが、35から68、この事業内容、それから派遣した場合の1年間なのか半年なのか、これも教えてください。あるいは3カ月なのか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時27分休憩
   午後6時28分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 教育長。
○教育長(金武正八郎) 高校生の国外留学生派遣事業、これの目的は、異文化体験を通して視野を広めることにより、21世紀の振興開発、学術・文化及び国際交流の推進を担う国際性豊かな人材を育成することを目的としております。これは平成2年から平成20年までは毎年10人を欧州・アジア等へ派遣をしておりました。それが平成21年度は新たに予算を増額し、派遣先にアメリカ合衆国を加えた上、派遣者の増員を行い35名派遣いたしました。ことし22年度は68名を派遣しております。これは期間は1年となっております。
○新里 米吉 21年度、22年度の今の海外留学生の予算額を伺います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時29分休憩
   午後6時30分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 教育長。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
 平成21年度の留学支援事業の予算は7636万円でございます。それから平成22年度の留学支援事業の予算は9990万1000円でございます。
 以上でございます。
○新里 米吉 基地問題についてお伺いいたします。
 きのうの仲村未央議員に対し、県外移設と県内移設反対はほとんど同じという答弁がありました。ほとんど同じと言いながら県内移設反対を明確にできない理由をお伺いいたします。
○知事(仲井眞弘多) この件も何度ももうお答えしたと思いますが、県内がやはり辺野古が非常に厳しい、事実上非常に難しいということになれば、残っているのは県外しかないじゃありませんか。そういう単純な理屈に加えて、なお県内を反対となぜ言わないかと言われても、何でみんな反対という言葉で統一されるんですか。私は先ほども申し上げましたように、こういう基地の話というのは、移設についてというものは、フィージビリティー、現実の実現可能性を見たほうがという見方もあるじゃありませんか。これが高いか、小さいか、大きいか、そういう面もあります。ですから何も皆さんと一緒になって反対とか賛成というような性質のものでもないと私は理解しています。ですが、内容的には認識においてもほぼ同じようなものだと申し上げているわけです。
○新里 米吉 我々と同じにしなさいとは質問してないんです。ほとんど同じと言ったから、ほとんど同じなら反対とはっきり言ったほうがいいんじゃないですかと言っただけです。防衛省の天皇と言われた守屋さん、もうあの人の話はしたくないと言っていましたが、随分みそくそ批判されているんですが、知事、それでも知事が辺野古を進めた大きな理由は、地元が受け入れているからということだったんじゃないかと思いますがいかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 無論それは大きな要素ですよ。
○新里 米吉 そうすると、受け入れる場合も地元、そうすると今の地元は名護市長も市議会も受け入れないというのがもう明らかになってきているわけですね。だったら、先ほどから言っているように、整合性から言っても辺野古反対、県内移設反対と言っていいんじゃないかということですよ。
○知事(仲井眞弘多) ですから辺野古は厳しいと言っているわけで、県内へと言っているんじゃありません。同じことに近いでしょう。
○新里 米吉 ですから、近いと言うんだったら、県民も知事に明確にしてほしいわけですから、先ほど言っているように、地元の声を大事にすると言って前は推進をし、今度はだったら地元と同じように反対と言うべきなのに困難と言う。この辺の違いは、やはり県民からするとまだ知事の対応に対しては少し不可思議なところがあるなと、まだあいまいだなと、こう思っているわけですから。だって、自民党も明確に反対と言ってきたわけですよ。県外だけじゃないですよ、反対も言ってきたんですから。これはどうですか。
○知事(仲井眞弘多) 議員は私のがあいまいだとおっしゃっていますが、極めて明快なつもりでいるんですが。いいですか、ことしの1月24日の名護市長選挙まで私も約4年近く知事をやってきて、ずっと条件つき辺野古移設賛成でした。なぜなら、それは一日も早い普天間の危険性の除去のためにはそれが最も現実的だということだからですよ。それで私はやってきたわけです。これは明快でしょう。それから後は、ウンジュナーターが一緒になっておつくりになった政権が県外、悪くとも県外と言ってきたでしょう。そういうことになっていって、そして社民党さんは最後のところでは離れられた。ところが、今の政権は何と御自分たちが言っていたのと180度変えたものにしてまたもとへ戻ってきているわけで、だけれども、私はああそうですかと、またもとへ戻ったりなんかしていませんよ。説明をしなさいと言っているんですよ。だって、説明もなくもとへ戻って180度変えて、恐らく私は県内やむなしと言ったときに反対した人々、つまり県外だとか、悪くても県外といったのに賛同して選挙もやってきた人々にとっても、何だこれはと、こういう話になっているはずじゃありませんか。裏切りでしょう。ところが、今度、私の
ように県内、それは一日も早い危険性の除去のためにやむなしと言ってきた者にとっても、ある日突然またもとへ戻ってこられたんじゃ、これは一体何ですかと。だから納得のいく説明と解決策を示しなさいとずっと言ってきた。こんな論理的で明快なものはないじゃありませんか。ところが、あれから約4カ月たってそれがない。したがって私のほうとしては、日米共同発表を見直してくれと、見直しなさいと言っているわけです。見直す方向とは何か、県外だと。なぜなら、もう辺野古は皆さんは反対と言っておられる。私は現実的において非常に厳しいと、前から言っている。さすれば県外に探すしかないじゃありませんか、それだけです。こんな明快な話はどこにもないですよ。
○新里 米吉 知事は自分で納得しているけれども、県民や私なんか納得できない話なんですよ、こんなあいまいなことを言われたら。それで知事、県議会の全会一致の意見書は、「普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める」となっているんですよ。だから国外・県外、知事は県外移設と言うんであれば、その前提条件で「県内移設に反対し、」というのがあるわけですよ。これは県議会の全会一致の意見書でもあるし、4・25県民大会のタイトルでもあるんです。そうすると、この前提条件の県内移設反対があることについて、知事はどのように認識していますか。
○知事(仲井眞弘多) それが「県内移設に反対し、」というのは、皆様の県議会の今の決議案そのものだというふうに理解しておりますが。
○新里 米吉 だからそれは「県内移設に反対し、」というのが県議会の意思だし、それに伴って移設反対で国外とか県外を求めているわけですよ。県外が最初からあるんじゃなくて、県内移設反対だからどうするかということで国外とか県外というのが続いているんですよ。それをどう認識していますかということです。
○知事(仲井眞弘多) それはそういう御認識の仕方もあるでしょう。皆さんのないしは理解、私は県内が、もともと辺野古が非常に苦渋の選択を名護市がやはり長年にわたってやってきたことですよ。だからそれは非常によくやっていただいた。しかし、一日も早い危険性除去のためにやむなしということでやってきて、ところがこれが非常に厳しくなった。「県内移設に反対し、」は皆さん、私は厳しくなった。だから県外と、こう言っているんですよ。
○新里 米吉 ハワイのカジノですが、州議会で否決をされたんですよね。そのことはわかっていますか。
○観光商工部長(勝目和夫) 詳しい状況は存じていません。
○新里 米吉 その上、一昨年だったですかね、ハワイ州の知事が沖縄に見えたときに、そのときにも記者会見で、ハワイは導入しませんと言ったことを覚えていますか。
○観光商工部長(勝目和夫) 済みません、ちょっとよく承知していません。
○新里 米吉 これじゃ大変だね、担当者が。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、4日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後6時40分散会

 
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