平成23年(2011年) 第 2回 沖縄県議会(定例会)
第 5号 2月25日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第36号議案まで及び乙第1号議案から乙第36号議案までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 渡嘉敷喜代子さん。
   〔渡嘉敷喜代子さん登壇〕
○渡嘉敷喜代子 おはようございます。
 社民・護憲ネットの渡嘉敷喜代子です。
 2月23日に起こりました嘉手納飛行場でのF15のパンクのことについて、これは質問通告後に発生した重大な問題であることから、議事課に連絡済みでありますので、先例を踏まえて質問をさせていただきます。
 報道によりますと、F15がパンクをして、そしてなかなかとまらないのでチェーンでとめたと、滑走路の端でやっととめたという報道がありましたけれども、地元からの通報によりますと、チェーンに引っかけてとめる訓練をしていた。それがなかなかとまらなくて操縦士が後ろのタイヤをパンクさせたというような状況もあるわけですから、そのあたりどういう訓練をしていたのか、県にそれを問い合わせたいと思います。
 そして、普天間にダイバートをやった6機のF15が普天間でも同じような訓練をやろうとしたのか、あるいはやったのか、そのあたりの事実関係などについてもお尋ねしたいと思います。
 このダイバート訓練について、私ども県議会でも抗議決議をしているにもかかわらず、このような状況に対して私たちは本当に憤りを感じてこのことを抗議しなければいけないと思います。お尋ねいたします。
 それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 知事の政治姿勢についてでありますが、(1)、米国と対等の立場での外交交渉、脱官僚が民主党のマニフェストでした。多くの国民は民主党へ期待し、2009年政権交代が実現しました。「最低でも県外」と明言した鳩山前首相に県民は大きな期待をかけたものの、一方では、辺野古の沖合だ、陸上だと外務大臣、防衛大臣それぞれはばらばらの言動があり、結局辺野古へ戻ってきた。「抑止力は方便」で、辺野古海域の理屈づけで合意した日米共同発表を踏襲する菅首相は、1月24日、施政方針演説で、本土復帰から40年、沖縄だけ負担軽減がおくれていることはざんきにたえない。だが、普天間飛行場移設は辺野古で進めていくというようなことを言っております。「ざんきにたえない」ということは、消え入るほど本当に恥ずかしい思いをするけれども、それでもなお辺野古に基地を持っていく。このような言動に対して、県民として大変な憤りを感じるわけですけれども、そのことに対して知事はどのようなお考えなのか、所見をお尋ねしたいと思います。
 (2)、「海兵隊の抑止力は方便で辺野古回帰の理屈づけだった」との鳩山前首相の発言について知事の見解を伺います。
 (3)、「米軍の圧力よりも官僚の壁が厚く崩せなかった」という鳩山発言を裏づけるように、官僚主導に立つ位置を変えた菅首相に、知事は県内移設断念をどんな手法で交渉していくつもりなのかお尋ねいたします。
 (4)、国は、辺野古の現況調査を拒否した名護市長を告訴する報道がありました。知事の所見を伺います。
 (5)、防衛省は、キャンプ・シュワブに「名護防衛事務所」を設置する動きがあります。北部地域における基地行政業務の体制整備としているが、辺野古新基地建設が前提であることは明らかであります。知事の所見を伺います。
 (6)、さらに、辺野古の浜、キャンプ・シュワブ提供施設境界線に固定的フェンス建設についても、県外移設を主張する知事の立場から反対すべきではありませんか。また、海浜保全の観点からもどうなのかお伺いいたします。
 (7)は取り下げます。
 (8)、新年度予算で計上されている総合的安全保障研究推進事業費の具体的な内容を伺います。
 (9)、Jリーグサッカー場の建設が必要であるのかどうかについてお尋ねしたいと思います。
 (10)、空手道会館についても同様でありますが、財政が厳しい状況の中で、なぜ箱物なのかという思いがしてなりません。Jリーグについては、那覇の奥武山にもできるのに、なぜ県は、沖縄市の運動公園にまたそれをつくらなければいけないのか、そのあたりをお尋ねしたいと思います。
 そして、空手道会館の建設について、武道館との関連はどうなるのか。そして、今は本当に目いっぱい使われているのかどうか、その稼働状況などもお尋ねしたいと思います。
 (11)、知事選でカジノ導入断念の発言があったにもかかわらず、経済界からの要請でカジノ導入の意図の発言との整合性を伺います。一体、沖縄の将来像をどう考えているのか、総合的な展望を知事にお伺いいたします。
 2、教育行政について。
 (1)、知事は、今後の沖縄振興に向けた取り組みについて、各種施策を盛り込んだ基本計画の策定に取り組み、今後の振興の道筋を示したいと述べております。教育のありようについてはどのように考えているのか、知事と教育長にお伺いします。
 (2)、新学習指導要領で、すべての教科で言語活動を重視しております。その背景は何なのか、教育長の見解をお尋ねします。
 (3)、「学校の読書も、子供たちに差異があり、中には興味を持てずページをめくるだけの子もいる」、これは本土大手新聞社説の一節でありますが、読書指導法への工夫が必要と思われますが、教育長の見解をお伺いします。
 (4)、学校司書の定数粋が確保されたと聞きますが、これまでの経緯などについてお伺いいたします。専門職としての採用試験の実施時期についてもお伺いいたします。
 3、福祉行政について。
 (1)、沖振法の新法制定のこの時期に、公的学童保育所の設置が見られません。学童保育所に来られない低所得者の子供たちへの対応が今問われているわけであります。そして、このたび学童保育所に対しての家賃の補助とか予算は計上されているようでありますが、この時期だからこそ、本当に公的な学童保育所を設置するということまで踏み込んでやっていただきたいなという思いがします。そのことはどう考えていらっしゃるのかお尋ねいたします。
 (2)については取り下げます。
 (3)、県立病院全体の医師、看護師の体制はどうなっているのか。また、医師、看護師、その他職員との割合はどうなっているのか伺います。
 (4)、看護師離職者がふえる背景と今後の対策を伺います。
 (5)、県立病院経営再建計画の最終年度を迎え、今後どう進めていく予定なのか。知事の所信表明で「運営の抜本的な改善」とはどんな取り組みを視野に入れているのか伺います。
 (6)、待機児童ゼロにかける次年度の予算計上額と施設数、児童数を伺います。さらに、認可外保育所の児童1人当たりにかける見込み額を伺います。
 4、我が会派の代表質問と関連してお尋ねいたします。
 中部病院が7対1看護を今年度から行うことになっておりますが、その確保した増員の93名の看護職の内訳が事務職2名、そして現業が6名になっておりますが、その現業の内訳をお尋ねしたいと思います。実質的には看護師が85名の増になっているわけであります。そして、病院というのは看護師だけで行われているわけでなくて、いろいろな部署の人たちがいてこそ病院の運営がなされるわけでありますから、一方にしわ寄せがいくということはいかがなものかというふうに思われてなりません。
 そして、その93名の算出ですけれども、どこから出されたものなのか。これは最低基準でしかないという現場のほうからの声も聞こえてきます。最低130名から160名必要ではないのかということになるわけです。ということは、これまでの中部病院の超勤時間数とか年休取得、そういう状況がどうなっているのかもあわせてお尋ねしますが、超勤や休みがとれないということでの離職者がふえている傾向にあるという状況でもそのあたりのことをしっかりとお尋ねしたいと思います。
 そして、公務員の看護師をやめて民間病院に移った人に話を聞いたときに、せっかくの公務員をやめて民間で待遇はよかったんですかと聞きましたら、お金の問題ではありませんよと。県はもう超勤が多くて、県の看護師をしていたら子育てができませんというような状況にあるわけですから、本当に看護師を確保して、しっかりと休みもとれるような状況をつくっていかなければ、これからも看護師がどんどんやめていく傾向にあるのではないかと思います。
 そして3番目でありますが、南部医療センターの看護師の確保についてですが、7対1になったときの看護師の確保が、今の中部病院でやろうとしている現業のほうとか、あるいはほかの部署から減にして看護師をふやしていった状況がないのかどうか。そして、7対1看護になって以後の超勤時間数とか年休の取得状況などもお尋ねしたいと思います。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 渡嘉敷喜代子議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、鳩山前総理の発言についての御質問にお答えいたします。
 鳩山前総理の発言につきましては、直接お聞きしたわけではありませんが、報道のとおりとすれば、「方便」という言葉は理解しがたい表現と言わざるを得ません。
 県は、政府に対し、頭越しではなく、地元の理解・協力を得なければならないとか、県民の納得のいく説明や解決策を示すよう繰り返し申し上げてまいりましたが、今回の鳩山前総理の一連の発言は、県民の納得のいく説明とは言いがたく、まことに遺憾であると考えております。
 同じく知事の政治姿勢の中で、普天間飛行場の県外移設に向けた取り組みについての御質問にお答えいたします。
 県は、総理を初め各大臣との面談など、あらゆる機会を通じ普天間飛行場の県外移設の実現を強く求めてまいりたいと考えております。また、その実現を図るためには日本全体で米軍基地の負担を分かち合うべきであるということを広く国民に理解してもらう必要があると考えております。平成23年度には、世論を喚起するための広報活動など積極的に推し進めてまいる所存でございます。特に、県内移設は事実上不可能であるという沖縄の状況を日米両政府と国民に理解してもらうため、あらゆる方策を検討し実施していきたいと考えております。
 次に、教育行政に係る御質問の中で、沖縄振興のための基本計画における教育分野についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県のこれからの教育のあり方につきましては、「沖縄21世紀ビジョン」の中で「人権尊重と共生」、そして「グローバルな教育先進地域づくり」、さらには「「海邦養秀」の拠点形成」の3つの推進戦略を示しております。その推進戦略を実現するための基本計画策定におきましては、沖縄らしい個性を持った人づくりの推進、そして国際性と多様な能力を涵養する教育システムの構築などの基本政策を掲げ、多様な能力を発揮し、未来を開く島を目指して取り組んでいくことといたしております。
 資源が少ない島嶼圏沖縄におきましては、人材こそが最大の資源であります。「沖縄21世紀ビジョン」実現に向けて、沖縄の未来を担う心豊かで国際的な視野を持った多様な人材の育成に取り組んでまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての中の、菅総理の施政方針演説についてお答えいたします。
 菅総理は、去る1月24日の施政方針演説において、「普天間飛行場の移設問題については、昨年5月の日米合意を踏まえ、沖縄の皆様に誠心誠意説明し、理解を求めながら、危険性の一刻も早い除去に向け、最優先で取り組みます。」と発言されています。
 県としましては、普天間飛行場の一日も早い危険性除去に積極的に取り組むことは重要であると考えておりますが、県内移設は事実上不可能であり、政府においては日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設及び早期返還に取り組んでいただく必要があると考えております。
 次に、国が名護市長を告訴するとの報道についてお答えいたします。
 去る2月4日の衆議院予算委員会において片山総務大臣は、国は、一般私人としての立場もあり、行政不服審査法に基づいて、必要があれば不服申し立てをし、その後、訴訟をすることができるとの見解を示しておりますが、一般論として述べたものであり、直ちに国が名護市に対し訴訟を提起するとは理解しておりません。
 いずれにしましても、県としましては、今後とも重大な関心を持ってその推移を注視していきたいと考えておりますが、県内移設は事実上不可能であり、県外移設を求める県の考えに変わりはありません。
 次に、名護防衛事務所についての御質問にお答えいたします。
 沖縄防衛局によりますと、名護防衛事務所は、キャンプ・シュワブを含む北部地域における基地行政業務に適切に対応できる体制を整備するため設置を予定しているとのことであります。
 政府は、普天間飛行場移設問題を日米共同発表に沿って解決するとしておりますが、名護防衛事務所との関連について具体的な説明は受けておりません。
 次に、キャンプ・シュワブのフェンスについてお答えいたします。
 米軍によると、既存の有刺鉄線は悪天候の際は危険であり、固定されていないため境界線を特定することが困難としており、新しいフェンスは厳しい天候に耐え、境界線をよりよく示すものとなると説明しておりますが、普天間飛行場代替施設との関連については明らかにされておりません。また、フェンス設置による海岸など環境への影響について米軍に確認したところ、新設の金網フェンスは、これまでと同様に、海水、漁場及び海洋生物への影響は少ないと考えられるとの回答がありました。
 沖縄防衛局からは、米軍に対し、境界線上の工事であるが、施設区域外に影響を及ぼすことがないよう申し入れているとのことでありました。
 県としましては、フェンスの設置が住民生活や環境に影響を与えないよう求めているところであります。
 次に、総合的安全保障研究推進事業費の内容についてお答えいたします。
 総合的安全保障研究推進事業では、日米の国防・安全保障政策や今後の国際情勢等を踏まえ、沖縄の過重な基地負担の軽減に向けた方策について、県としての考え方を取りまとめる予定であります。
 具体的な研究内容等については、今後県庁内に立ち上げる予定のプロジェクトチームにおいて検討してまいりたいと考えております。
 次に、ダイバートに関する御質問ですけれども、通告では2問あったと承知しておりますので、2問を一括してお答えいたします。
 去る2月23日午後4時ごろ、沖縄防衛局から、F15戦闘機が嘉手納飛行場の滑走路上でパンクし、滑走路が使用できなくなったことに伴い、同飛行場所属のF15戦闘機6機が普天間飛行場へダイバートしたとの連絡を受けました。
 県は昨年9月、嘉手納飛行場から普天間飛行場及び那覇空港へダイバートすることがないよう安全管理の徹底と適切な運用を求めていたところであります。
 今回、普天間飛行場へ戦闘機のダイバートが発生し、周辺住民へ騒音等の負担を与えたことは極めて遺憾であり、県は、翌2月24日、嘉手納基地渉外部及び沖縄防衛局に対し改めて安全管理の徹底と適切な運用を求めたところであります。
 なお、F15がパンクした際の詳しい状況及び原因については、現在沖縄防衛局に照会しているところであります。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 知事の政治姿勢についての中の、Jリーグサッカー場建設の必要性についての御質問にお答えします。
 プロ野球キャンプやNAHAマラソンなどでも明らかなように、スポーツは県内各地域に相当の経済効果をもたらしております。サッカーについては、今年度、県のスポーツ・ツーリズム推進事業で支援している「美ら島サッカーキャンプ」に国内外から7チームが参加しております。
 県としましては、沖縄でJリーグチームが誕生することによりサッカーキャンプのさらなる拡大が図られるとともに、公式戦の開催を通じたスポーツ・ツーリズムの推進やメディアを通じた沖縄のPR機会の拡大、ひいてはスポーツの振興や地域の活性化に大きな効果をもたらすものと考えております。そのため、県内チームのJリーグ参入を支援するため、プロサッカーの公式戦が開催可能なサッカー場の整備に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 同じく知事の政治姿勢についての中の、空手道会館の建設と武道館との連携についての御質問にお答えします。
 沖縄が誇る文化の一つであり、世界じゅうに愛好家を有する空手については、県としては有効な観光資源としてさらなる活用を図っていきたいと考えております。そのため、平成23年度において空手道会館建設に向けた調査を実施することとしており、観光資源としての活用のみならず、空手の持続的な発展基盤の構築に必要な機能やそれを実現する空間のあり方等について、武道館との役割分担も含めて検討していきたいと考えております。
 同じく知事の政治姿勢についての中の、カジノ導入の考え方と沖縄観光の将来像についての御質問にお答えします。
 沖縄県では、国際観光客などの多様なニーズに対応し、夜間や雨天時及び季節を問わず楽しめるカジノ・エンターテインメントは、沖縄観光にとって国際観光地としての地位を確立するための有効な手段の一つであると考えており、調査研究を進めております。先日、沖縄県経済団体会議からカジノ誘致促進について要請を受けたところであり、現在、関係者との意見交換を行っております。
 しかし、カジノ導入については賛否両論あることから、国のカジノを合法化する法律案の動向等を踏まえつつ、カジノ導入に伴う効果や課題について慎重に検討を行い、県民のコンセンサスを前提として取り組みを進めていきたいと考えております。
 沖縄観光の将来像については、沖縄観光を自立経済の構築に向けた成長のエンジンとしてさらに発展させ、世界じゅうから観光客が集まる「国際観光都市おきなわ」の形成を実現してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは知事の政治姿勢についての御質問で、武道館の稼働状況についてお答えいたします。
 県立武道館は、本県における総合武道センターとして武道の普及・振興を図るとともに、青少年の健全育成と県民の健康・体力づくりの場として平成9年に建築されました。武道館は、空手道世界大会や全国高校総体の柔道、なぎなた、弓道の会場になるとともに、卓球やバドミントン等の競技大会や個人練習、さらに沖縄の産業まつりや沖縄県産業教育フェア、各種研修会等に活用されております。
 なお、平成21年度の武道館の使用状況は、休館日を除いて年間306日開館し、稼働率は100%となっております。また、利用者数は約26万6000人であります。
 次に、教育行政についての御質問で、沖縄振興のための基本計画における教育分野についてお答えいたします。
 沖縄県の教育については、21世紀ビジョンに示された3つの推進戦略や4つの基本施策を踏まえ、沖縄に生活する子供たちが島嶼圏である不利益性を払拭し、時代を切り開き、日本のみならず世界で活躍するグローバルな人材となるよう育成することが教育の目指すところであります。
 具体的な基本計画の策定においては、生命尊重の心、共生の心、地域を誇りに思う心等「沖縄らしい個性を持った人づくりの推進」、教育に係る負担の軽減等の「公平な教育機会の享受に向けた環境整備」、「生きる力」をはぐくみ社会の変化に柔軟に対応できるよう「自ら学ぶ意欲を育む教育の充実」、そして国際社会との交流と共生を図るため「国際性と多様な能力を涵養する教育システムの構築」等を掲げているところであります。
 未来を担う宝物である子供たちが沖縄の心を大切にしながら国際的な視野を持ち、主体的に行動ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、言語活動重視の背景についてお答えいたします。
 新学習指導要領で「言語活動の充実」が重視されている背景として3点あります。1つ目に、知識基盤社会の到来とグローバル化の進展で、子供たちには変化に対応する能力や幅広い知識と柔軟な思考に基づく判断力が求められていること、2つ目に、国際的な学力調査であるPISA調査や全国学力調査等の結果、我が国の子供たちの思考力・判断力・表現力等に課題があること、3つ目に、学校教育法の改正により、学力の要素が基礎的・基本的な知識及び技能の習得と、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことと規定されたことなどが挙げられます。言語に関する能力を高めることは、コミュニケーション能力や豊かな心をはぐくむ上で重要なことであります。
 県教育委員会としましては、国語の授業で培った論述や説明等の言語活動を行う能力を基本に、すべての教科等において「言語活動の充実」に努めてまいりたいと考えております。
 次に、読書指導の工夫についてお答えいたします。
 読書は、言葉を学び、表現力を高め、創造力を豊かにし、感性を磨くなど人生をより深く生きるために欠くことのできない活動であるととらえております。学校においては、ブックトークや読書郵便など児童生徒の発達の段階に応じて本を読む楽しさを味わわせるとともに、意欲的に本を読み、知識を広げたり自分の考えを深めたりするなどの読書の質を高める読書活動を推進しております。また、保護者等による読み聞かせなども多くの学校で展開されております。
 県教育委員会としましては、読書に親しむ環境の整備を促進するとともに、幼児・児童生徒一人一人が読書を生活の一部とし、本を通して生活を豊かにするよう指導の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、司書教諭の定数確保の経緯と採用試験の実施についてお答えいたします。
 児童生徒の豊かな感性や情操をはぐくむ学校図書館教育の充実において、これまで学校司書が果たしてきた役割は大きなものがあると考えております。
 県教育委員会としましては、学校図書館教育のさらなる充実に向けて学校司書の退職不補充を見直し、教職員定数の改善に努めました。平成23年度は定数を22名増員し、すべての高等学校60校と特別支援学校8校にそれぞれ1名、合計68名の常勤の学校司書を配置する予定であります。
 なお、学校司書の採用試験につきましては、平成23年度実施に向けて関係機関等と協議してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 福祉行政についての御質問の中の、公的放課後児童クラブの設置についてお答えします。
 放課後児童クラブの設置につきましては、公的施設を活用した場合、家賃の負担がなく、経営の安定が図られるなどのメリットがあることなどから、既存の国庫補助メニューを活用したクラブの設置や学校の余裕教室を活用したクラブの実施について市町村に働きかけているところであります。
 なお、沖縄県は、全国に比べて民立民営のクラブが多い状況にあることから、「新たな子育て支援制度」の提案の中で家賃補助などの民立民営クラブへの支援を国に求めているところであります。
 今後とも、「新たな子育て支援制度」の実現に向けて国と調整していくとともに、公的施設を活用したクラブの設置促進に努めてまいります。
 次に、看護師の離職防止対策についてお答えします。
 日本看護協会の調査によりますと、沖縄県の常勤看護職員の離職率は、平成17年度が14.2%、18年度が11.6%、19年度が15.3%、20年度が15.6%となっております。
 平成21年に県が調査した離職の主な理由は、健康問題、転居、家族の介護、出産・育児で、新人看護師においては基礎教育終了時点と現場とのギャップが多い状況となっております。
 離職防止対策としては、1年未満での離職者が多い新人看護師の臨床研修が効果的とされております。このことから、平成22年4月に改正された「看護師等の人材確保の促進に関する法律」で、各医療機関において新人看護師の研修が努力義務とされたところであります。
 県としては、今年度から医療機関が行う新人看護師研修事業に対して助成するとともに、潜在看護師の再就職支援事業にも助成するなど、医療機関の看護師確保の支援を行っているところであります。
 次に、待機児童解消に係る次年度の予算の内容等についてお答えします。
 待機児童の解消については、安心こども基金及び保育所入所待機児童対策特別事業基金を設置し、定員の増に努めております。
 平成23年度当初予算案として安心こども基金事業の保育所整備分で約48億円、待機児童対策特別事業として約4億6000万円を計上しております。平成23年度は2つの基金を活用し、25施設の保育所整備及び10施設の認可化で合わせて約1400人の定員増を図る計画となっております。
 認可外保育施設への給食費支援につきましては、入所児童の一層の処遇向上のために、平成23年度当初予算案において新すこやか保育事業を拡充しております。その拡充内容は、新たにおかず及びおやつ代も対象とすることなどにより、児童1日当たりの助成単価40円を77円に拡充する予定であり、前年度と比べ約5600万円の増となります。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) それでは福祉行政についての御質問の中で、医師、看護師の体制及びその他職員との割合についてお答えいたします。
 病院事業局の現在の定数は2411名で、そのうち医師は311名、看護師は1566名、その他職種は534名となっており、それぞれの割合は、医師12.9%、看護師65%、その他職種22.1%となっております。
 次に、経営再建計画最終年度の運営方針及び抜本的な改善への取り組みについてお答えいたします。
 病院事業局では、病院長への権限移譲、病院専門職員の採用、材料費縮減プロジェクトの推進、民間コンサルタントの活用等により安定的な経営基盤の構築を図るなど、運営の抜本的な改善を進めているところであります。
 平成23年度は、経営再建計画の最終年度として引き続きこれらの取り組みを強化するとともに、職員の意識改革を図り、地域に必要な医療提供体制の確保に努めていきたいと考えております。
 次に、我が会派の代表質問との関連についての中で、増員分93名の内訳と他部署への影響についてお答えいたします。4の(1)のアと4の(1)のイは関連しますので一括してお答えします。
 中部病院でICU等の特殊病棟を除く一般病棟において、7対1看護体制を導入するために看護師の必要数に基づき93名をふやすこととしております。減員分については、事務執行体制の見直し等により事務職と現業職で8名を削減するものです。差し引きにより85名の増員となっております。なお、減員になる職種については、必要に応じて嘱託、委託などで対応することとしております。
 次に、増員分93名は最低基準ではないかについてお答えいたします。
 増員分93名については、一般病棟の病床数に基づいて算出された7対1看護体制に必要な人数であります。
 次に、7対1看護体制時の超勤時間と有給休暇取得状況についてお答えいたします。4の(1)のカと4の(1)のキは関連しますので一括してお答えします。
 中部病院の看護師月1人当たりの超勤時間は、平成21年度6.3時間、有給休暇取得日数は7.7日であります。
 南部医療センター・こども医療センターの7対1看護体制を実施している病棟の月1人当たりの超勤時間については、平成20年度は3.1時間、21年度は1.3時間、7対1看護体制実施後の平成22年は0.8時間であります。また、1人当たりの有給休暇取得日数は、平成20年は7.2日、21年は11.8日、22年は10日であります。
 病院現場からは、超勤時間や夜勤回数が減った、有給休暇が取りやすくなったという評価をする声が上がっております。
 以上でございます。
○渡嘉敷喜代子 嘉手納での事故の件なんですけれども、通常、ワイヤーでそれをとめる訓練がやられているという状況もあるんですけれども、そのあたり県として掌握していらっしゃいますか。
○知事公室長(又吉 進) 私の承知しているところによりますと、F15戦闘機には拘束装置フックが装備されておりまして、着陸時にそのフックを利用してワイヤーに引っかけて制動するということがあるようでございます。ただ、その訓練がどの程度の頻度で行われているかについては今のところ把握しておりません。
○渡嘉敷喜代子 今回はパンクしてワイヤーでとめたという全く逆な報道になっているわけです。知事公室長もそういう答弁でしたけれども、ワイヤーに引っかけてとめるようなそういう訓練というのは、今回の事故で本当に危ないという状況ですよね。密集地でこういう訓練をすることに対して、やはりだめだということをしっかりと知事のほうから申し入れるなり、そういうことをやっていただきたいと思います。答弁は要りません。
 それから知事、これまでの鳩山さんからの話の中で、情報ルートとして米側から官僚、そして鳩山首相と、そういうルートでの情報があったということで、すべて官僚が主体になった運営になっていたという情報が出ています。知事も官僚であったわけですから、日本の官僚は、僕たちが背負っているんだというそういうおごりもあるかと思います。そういうことで、今、菅首相が官僚主体のそういう行政運営をやっているということも明らかなんですね。そういう中で、知事は、今回の県外移設はどういう糸口でやっていこうとするのか、戦略はあるのかお尋ねしたいと思います。
○知事(仲井眞弘多) 休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時47分休憩
   午前10時47分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の渡嘉敷議員の御質問ですが、今の日本のお役所といいますか、国の役所でお役人がどういうふうな仕事をしているかについてはいろんな見方があろうかと思いますし、私は別に、お役人はお役人のミッションをしっかり果たせばいいし、果たしていると思っております。それは無論いろんな見方があって、批判されるべきところもいろいろあるかもしれませんが、それなりにきちっとした仕事もしていると私は思っております。
 ですから、官僚といいますか、お役所におけるお役人が意味がないとか、かえっておかしいという見方を頭からすること自体には私は賛成はしませんが、ただ、それを乗り越えてしっかり政治主導でやっていこうという志を持った民主党政権でしたから、そういう方向の政治の仕方というのは当然のこととして私はあると思いますし、国民はそれを支持したと思いますから、菅首相にはその志をしっかり持ってめげずにやっていただきたいと思いますし、私は、県外にというのは、そのお役所の機能というのはお役人がいないと機能は果たせませんから――無論そういうものも通じてですが――最後はやっぱりこれは政治的な決断といいますか判断が要ると思いますから、菅総理、防衛大臣を含む今の内閣には県外というのをしっかり受けとめてやってもらうよう、私は仕事をしてまいりたいと考えております。
○渡嘉敷喜代子 どう見ても菅首相は、脱官僚と言いながら官僚主導でやっていっているというような状況が見えてならないわけですね。そして今回、その鳩山発言で「抑止力は方便」だということについて、知事は「方便」のことだけをおっしゃっていますけれども、「方便」自体が問題ではないんですよ。一国の首相だった人が、沖縄に海兵隊がいることの意味はないんだよと、抑止力はなくなりましたということを私たちはとらえなければならないんです。
 そして、今、菅さんが官僚主導でやっている中で、鳩山さんの抑止力がないということに対して一生懸命隠そうと躍起になっているわけですよね。そこから見ても、今、知事は沖縄に海兵隊の抑止力がないということを盾に菅首相に迫っていくと、県外移設だよということが戦略として大変大切なことではないかと思いますけれども、そのあたりはどうお考えですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時51分休憩
   午前10時51分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今のアメリカの海兵隊が抑止力はないかという点では、私は議員とちょっと考えが違って、当然のこととして軍隊は抑止力を最もはっきり示すパワーだと思います。ですから、どれぐらいの大きさかというのは、私は専門家ではありませんから言えませんが、海兵隊というのはそもそも抑止力があるもんだというふうに私は思っております。ですが、今、菅さんが抑止力があるという議論でもってやっているから、抑止力のない海兵隊じゃないかということで対抗せよとおっしゃられても、そこのところは議員とちょっと違います。ですが、いずれにしても一国の総理だった鳩山さんが「方便」という言葉でもってもとへ戻るといいますか、自公時代のものへ戻る理由に、今のその「方便」という言葉を使ったことにやっぱり理解できない部分があると私は思っているのですが。
○渡嘉敷喜代子 海兵隊については、沖縄返還の密約の中でも出てきています。沖縄の基地をすべてグアムに移すという状況の中で、6億5000万円の高額なお金を日本政府に要求しているわけですね。これは支払えないということで、どうぞ沖縄を自由に使ってくださいとやったのが日本政府ですよね。これが今までの流れになっているわけです。
 その後、海兵隊は過去の遺物であるとか無用論というのは米国内にも出てきているわけです。そして、この海兵隊の予算確保のために躍起となっているその海兵隊族というような状況もある中で、今、知事が、海兵隊は抑止力がないというスタンスに立って県外移設を求めていくということは、菅さんに対しての大変なインパクトにつながるんじゃないかと思うんですけれども、そのあたりどうなんですか。やはりそれでも海兵隊を認める立場ですか。
○知事(仲井眞弘多) 今、認めますかという最後の御質問の形になっておりましたが、海兵隊自身に抑止力がある、ないの議論というのは、常識で考えても軍隊の一部を構成していますから最も端的な抑止力だと私は理解をしております。ですから、確かに日本復帰の前後からのいろんな内幕といいますか、いろいろと報道されてきております。いろんなことがあったのだなということを私も読みながら思いますけれども、今現在の海兵隊、要するに普天間の飛行場が県外にということは、海兵隊の抑止力がないものを置く理由がないじゃないかという理由というのは、なかなかこれは説得力を持ち得ないんじゃないでしょうかね、と思います。
○渡嘉敷喜代子 知事、今、菅さんは官僚主導で動いていて、とにかく沖縄に辺野古を持ってくるんだと、それ以外のことは検証しようともしていませんよね。そういう中で、先ほどの答弁の中で、名護市の現況調査の拒否についても、それから名護防衛事務所についても、また辺野古とヘリパッドが一体化であるということも明らかであるにもかかわらず、その一つ一つをやはり県として反対していくこと、このことが県外移設を訴えるまた大きな力にもつながっていくんだと思うんですけれども、そのことを静観しています。だけど県外移設を求めますと、それはおかしいんじゃありませんか。
 社民党で辺野古に関連する予算すべてについて反対をしております。ですから、そういう立場に立って知事もしっかりと県外移設を求めるならば、辺野古に関連する予算、防衛局の事務所についても、それから名護の現況調査についてもしっかりと反対の表明をすべきだと思いますがいかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 恐縮ですが、社民党の皆さんは安保をたしか認めておられないんでしたかね。その立場に立った物の考えに近くて、私にはちょっと理解できないところがありますので、今、議員の言った考えでもって県外へというのを展開しろというのは一つのお考えとしていただきますけれども、ただ、私は議員と同じ考えでもってやっていこうとは必ずしも思っておりません。
○渡嘉敷喜代子 質問の方向を変えていきたいと思いますが、知事、今では日米両政府に対しても米国を訪問するとかと言っておりますけれども、今の日本政府に対してはもうどうやっても歯が立たない、どうしようもないという状況があるかと思います。そのために全国でシンポジウムを開くなど広報したいということなんですけれども、そのシンポジウムを開くという回数と予算というのをどれだけ組んでいらっしゃいますか。
○知事(仲井眞弘多) シンポジウムを開くというのは一つの例でありまして、開くかどうか、どういう内容で開くかはこれからです。シンポジウムというのは一つの形でして、効果的であれば何回でも開きますし、何もシンポジウムということだけでやっていこうとは思っておりません。
○渡嘉敷喜代子 私は、シンポジウムを開いて積極的な広報活動をするんだなと、もうやる気があるのかなと思いましたけれども、今、それを聞いて全く今までと変わらないような姿勢じゃありませんか。知事は県外移設を言ったときに、安保が大事であるならば全国民が等しくその負担を負いなさいということを言っていますよね。ですけれども、全国民というのは、これは沖縄に押し込んでいいというような考え方もあるわけですよね。ですから、その人たちにどう広報活動をしていかなければいけないのか、知らしめていかんといかぬのかということが大切なんですよ。だから、知事は本当にシンポジウムをやるつもりがあるんだというふうにして私は期待しましたけれども、そういうことはないということですか。
 それでは、私のほうから提案します。
 今回の知事選挙で仲井眞知事に投票した数が33万でしたかね。そして、伊波洋一さんには29万幾らでしたね。合計で県内移設に反対する64万の人たちが投票しているわけですね。私からの提案ですが、この64万人が1人1000円のカンパをしたら6億4000万円のお金が募れるわけですよ。それで、県外移設にお願いしますという形で全国民に、大手新聞に広報を載せるとか、あるいは米国に対して米国の皆さんに訴えていくとか、そういうこともあり得るわけですけれども、その件についてどうお考えですか。
○知事(仲井眞弘多) いいお考えですから、それはいただいて検討させてください。
○渡嘉敷喜代子 先ほどから知事の答弁は、これからも総理との面談をしていきながら県外移設を求めていくという言い方をしていますが、これまでのやり方と全く変わっていない、そして抑止力もあるというそういう状況の中で、私は本気さが見られないなという印象を受けました。そして、私と社民党との違いはあるでしょうと言いながらも、やっぱり本気で県外移設を訴えていく、あるいは国外移設を訴えていくならば、もう少し本気度があってもいいのかなという思いがしてなりません。
 教育長に質問いたします。
 先ほどの学校司書の定数枠を広げてくださったということに対して大変感謝いたします。そして、本当に安心して定年が迎えられるということを、学校司書の皆さんは涙を流して喜んでおりました。やはり先ほども教育長がおっしゃっていましたように、今回の新学習指導要領の中で言語活動を重視しているという、そういう姿勢が見られるということもやっぱり学校の司書教育、読書教育が大切だということがはっきりしているわけですよね。調べ学習というのは教育長御存じですか、調べ学習。
○教育長(金武正八郎) お答えいたします。
 調べ学習というのはいろいろ表現がございますけれども、児童生徒があるテーマに基づいて新聞とか図書などを通じていろんな情報を集めて自分の考えを発表することだと思っています。
○渡嘉敷喜代子 そうですね。そういう調べ学習を学校司書の皆さんが中心になって学級担任の皆さんと一緒にやっているわけなんですが、そこで、今回は県立学校についての司書の臨任という形ではあるけれども、定数が確保できたということはとても喜ばしいことで、この臨任を本務採用の形での試験採用をどんどん進めていってほしいと思います。
 そして、それでは義務教育はどうなっているのかなということが気になるわけですね。義務教育の場合はどうなっているのか、今、教育長のほうで掌握なさっていますか。
○教育長(金武正八郎) 手元に資料がございませんけれども、司書がどれだけ配置されているかということについては把握をしております。
○渡嘉敷喜代子 私のほうでは中頭地区だけの資料なんですが、かなり県よりはいいなという思いがします。といいますのは、県の予算で本務1人、臨任1人。市町村単位で本務が40名、そして臨時が27名、嘱託が24名ということで、合計93名が配置されているわけです。これは中部地区だけですよ。北部、南部についてはわかりませんので、そのあたり教育庁としてしっかりと調べていただきたいと思います。
 そして、このアンケート調査の中で、先ほどの調べ学習のことなんですが、読書指導、ページだけをめくっている、こういう指摘をしているんですよ。冊数をふやすために同じ本を何度も貸し出しをして返却をしていると、そして短時間で読めるような絵本やページ数の少ない本を読む傾向にある。そして、読書冊数の多さということで何の評価もできないというようなことが出ているわけですね。そのあたりで、調べ学習でこの子にどういう本が本当に必要なのかということを学校司書がしっかりと指導していくということがとても大切なことかと思います。そして学校の担任の先生とか、そういう皆さんとともにいろいろと打ち合わせをしながら教科書を選んでいっているという状況にあるわけです。
 フィンランドでは、PISA上位というものが、幼児のころからの読書力ということを挙げているわけですよ。そういうことで、しっかりとそのあたりも頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
○玉城 義和 一般質問を行います。
 当局の簡潔明瞭な御答弁をお願い申し上げます。
 知事の政治姿勢についてでございます。
 国民の期待を担って登場した民主党政権でございましたが、結果は大いなる失望へと変わっております。まさに内憂外患、満身創痍、五里霧中、何か日本語の憂いと困難を帯びた言葉は、今日の民主党のために準備をしたのかと思うような状況になっていると思います。
 私も個人的には、民主党の現閣僚の中にもあるいは国会議員の中にもたくさん旧知の友人がおりまして、できれば沖縄の基地問題も含めてこの政権でひとつの大きな方向のかじ取りをしてほしい、いつもそういうふうに思っておりますが、残念ながら現実的には非常に絶望的な状況にあるわけです。
 そういう中央の民主とか自民党のこの政党の非力さが地域においていわばそのポピュリズムの迎合主義に乗っかって、喝采を浴びている政治家が地方にたくさん出てきている。この存在が日本の政治の中でどういう役割を果たしているのか非常に私は憂うべき現状にあるのではないかというふうに思っております。このポピュリズムの持っている怖さというものは、これは過去の2次大戦の前にもあったわけで、この辺は私どもは本当に注意して見ていく必要があるんではないかと思っております。
 知事の現民主党政権への評価をお聞かせください。できれば政治家仲井眞弘多として、今申し上げたようなことも含めて少し御意見を伺えればと思います。
 2、基地問題についてでありますが、鳩山前首相の「抑止力は方便」という発言は、日米共同発表にどのような影響を与えていると考えるかということです。
 (2)番目、普天間の県外移設を決定した理由は何かということです。
 (3)番目、移設問題で県外移設に向けた行動計画の中身は何なのか。また、その安全保障を研究するということですが、どのような考えに基づくのかということであります。
 (4)番、県政運営方針の中で、普天間移設に関して日米共同発表を見直すとなっているが、どこをどのように見直すのか。
 (5)番、(4)との関係で、この共同発表とロードマップの関係はどういうものだととらえておられるか。
 (6)番、ロードマップは2014年までとなっております。既にこれは沖縄、グアムの事情で難しくなっておりますが、このロードマップの位置づけをどういうふうにお考えか。
 それから(7)番目、名護市に対して基地交付金の打ち切りや不服審査法に基づいて異議申し立てをしておりますが、これは沖縄県知事としてどのように考えるか。
 (8)番は、削除します。
 3番、対米国対応についてであります。
 (1)、鳩山前首相の発言にあるように、民主党政権は完全に基地問題で外務・防衛などの官僚群に包囲をされております。政府の思考がストップしている現状では、まさにアメリカヘ働きかけるということは重要だと思います。知事の現下の日米関係も含めてどのような御認識か伺います。
 (2)番目、知事訪米の時期と基本的な考え方はどうでしょうか。
 (3)番目、米国議会の知日派議員や大統領への県民・国民からの手紙郵送運動(在宅ロビー活動)の展開、また知日派議員やジャーナリストなどの招聘等多様な戦術を駆使すべきと思うがどうか。
 (4)番、ワシントンDCにまさに沖縄県知事の権限を代理するようなそういう方を置いて、議員、メディア、シンクタンク等との日常的な接触を図ることが重要ではないかと思いますが、どうでしょうか。
 4番目、米軍基地関連事業について。
 防衛省(庁)が行った物品調達はそれぞれ幾らか。内訳と県内業者分は幾らか、過去10年の平均でお答えください。
 5番目、ポスト振計について。
 (1)、(2)、(3)は削除します。
 (4)番目の、南北縦断鉄道の導入について今年度から具体的に着手すべきと思うがどうかと、どう対応するかと。
 (5)番目、沖縄愛楽園、宮古南静園の将来構想について、ポスト振計に入れるべきだと思うがどうかと。
 6番目、観光振興についてです。
 (1)番目、個人消費額が低迷しております。ずっと言われてきたことでありますが、なかなか有効な手だてが打てない。どのような政策で対応するのか、わかるように説明をしてください。
 (2)番目、観光関連産業はそれぞれ大変厳しい状態にあります。代表質問でも指摘をされました。実態を把握しているのか。売上高、雇用者数等々でお示しをいただきたい。
 (3)、コンベンションビューローの役割について、優秀な人もそろってきております。附帯決議でも出ました主体性、創造性を生かしてどういうふうに位置づけていくか、知事のお考えを聞かせてください。
 7番目、県立北部病院の産婦人科についてでありますが、これはもうこの数年来ずっと同じ問題を引きずっております。抜本的な対策を打ちませんと振興策などあったものではありません。安心して子供が産めないところに振興策云々なども全く通用しないわけでありまして、県の対応をお示しいただきたい。
 自動車道についてであります。
 無料化実験の中で、県は6月から有料化を政府に申し出たとこういうふうに報じられております。特に北部病院からは大変な苦情が寄せられております。相談もなく、だれが決めたかもわからない、どういう理念かもわからない、突然そういうのが出てきて大変我々も戸惑っております。経過とねらいは何かをお知らせください。
 それから料金のあり方について、県の基本的な考え方について明らかにしていただきたいと思います。
 以上であります。
○知事(仲井眞弘多) 玉城義和議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、民主党政権への評価についての御質問にお答えいたします。
 民主党政権は、「政権党が責任を持つ政治家主導の政治」などの理念を掲げ、政権運営に取り組まれておりますが、党内での政権運営をめぐる不一致など混迷を深めている感があります。
 平成23年度予算案及び予算関連法案は、「新成長戦略」の展開を図り、日本経済を本格的な回復軌道に乗せるとしております。とりわけ平成23年度内閣府沖縄関係予算案は、新たな沖縄の創造に向けた礎となる重要な年であることから、自立型経済の構築に向け、効果的な諸施策が盛り込まれております。本県の振興に特段の配慮がなされたものと理解いたしております。
 基地問題に係る御質問の中で、鳩山前総理の発言が日米共同発表に与える影響いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 去る2月16日の予算委員会において、菅総理大臣は、沖縄の海兵隊を含む在日米軍の存在は、日本の安全にとってもアジア太平洋の安定にとっても必要だ、そういう認識のもとで日米合意を踏まえて対応していくとの見解を示しております。
 鳩山前総理の発言が日米共同発表にどのような影響を与えるかは不明ですが、県としましては、これらの発言いかんにかかわらず日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設に取り組むよう政府に求める考えに変わりはありません。
 次に、基地問題に係る御質問の中で、普天間飛行場の県外移設を求めるに至った理由についての御質問にお答えいたします。
 名護市長選挙や県議会の意見書議決、県民大会など、県内の諸状況を踏まえると県内移設は事実上不可能と考え、政府に対し、日米共同発表を見直し、普天間飛行場を県外に移設することを求めることとしたものであります。
 同じく基地問題の中で、普天間飛行場の県外移設に向けた取り組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。 
 県は、総理を初め各大臣との面談など、あらゆる機会を通じて普天間飛行場の県外移設の実現を強く求めてまいりたいと考えております。また、その実現を図るためには、日本全体で米軍基地の負担を分かち合うべきであるということを広く国民に理解してもらう必要があると考えております。平成23年度には世論を喚起するための広報活動などを積極的に推し進めてまいります。特に、県内移設は事実上不可能であるという沖縄の状況を日米両政府と国民に理解してもらうためのあらゆる方策を検討し展開してまいりたいと考えております。
 次に、同じく基地問題の中で、日米共同発表の見直しについての御質問にお答えいたします。
 これまでの県の求めにもかかわらず、政府からは県民の納得のいく説明と解決策は依然として示されておりません。このため、県内移設は事実上不可能と考え日米共同発表の見直しを求めているものであり、その内容は県外移設を求めるということに尽きると考えております。
 次に、同じく基地問題での対米国対応についての御質問の中で、アメリカへの働きかけについての御質問にお答えいたします。
 議員御指摘のように、私が直接、米国政府や連邦議会等の関係機関に沖縄県の実情を伝え理解と協力を求めることは、沖縄の基地問題の解決を進める上で重要であると考えております。
 次に、同じく基地問題の対米国対応に係る御質問の中で、訪米の時期と考え方についての御質問にお答えいたします。
 私は、これまで2回の訪米を行い沖縄の実情を訴えてまいりましたが、平成21年9月以降の県内の諸状況、米軍基地負担軽減部会の開催、軍転協の要請等を踏まえ、改めて来年度、効果的な訪米が実施できるよう、時期及び活動内容等について検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、観光振興に係る御質問の中で、沖縄観光コンベンションビューローの位置づけの明確化に係る御質問にお答えいたします。
 沖縄観光コンベンションビューローにつきましては、観光業界の意向を集約しリードする組織として、また、観光振興施策の実施機関として、沖縄県の観光振興に重要な役割を担っているものと考えております。これまでこの観光コンベンションビューローは、観光客誘致活動や受け入れ対策の実施、そしてMICEの推進など観光行政の補完的役割・機能を果たしております。現在、沖縄県におきましては、「新沖縄県行財政改革プラン」に基づき、ビューローの役割の明確化及び効率的な法人形態等を検討いたしているところであり、ビューローが積極的に観光業界をリードする組織体制を確立できるよう今後とも支援してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 基地問題等についての御質問の中で、県独自の安全保障研究についての御質問にお答えいたします。
 米軍基地問題は、我が国の外交や安全保障にかかわる全国的な課題であり、日本全体で米軍基地の負担を分かち合うという原点に立ち返って解決する必要があります。県としましては、沖縄の過重な基地負担の軽減に向けた考え方や、効果的な方策等について取りまとめ問題提起をしていくことが重要だと認識しており、日米の国防・安全保障政策や国際情勢等を踏まえつつ、研究・検討してまいりたいと考えております。
 次に、日米共同発表とロードマップの関係とその位置づけについての御質問にお答えいたします。2の(5)と2の(6)は関連いたしますので、一括してお答えいたします。
 いわゆる「再編実施のための日米のロードマップ」におきましては、普天間飛行場代替施設、在沖海兵隊のグアム移転、嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還等が示されております。政府は、昨年5月の日米共同発表において、2006年の「再編実施のための日米のロードマップ」に一部追加・補完をし、再編案を着実に実施していくことを再確認したとしております。現時点における状況を外務省へ照会したところ、「普天間飛行場の移転については、昨年5月の日米合意を踏まえて取り組むと同時に、沖縄に集中している米軍施設・区域による負担の軽減にも全力を挙げて取り組む。在沖縄海兵隊のグアム移転については、2014年の移転完了の目標について、変更はないとの説明を受けている。」との回答でありました。
 いずれにしましても、県としては普天間飛行場の県内移設は事実上不可能であり、引き続き政府に対し、日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設及び早期返還に取り組むよう求めているところであります。
 次に、基地問題等についての御質問の中で、政府の名護市への対応についてお答えいたします。
 今回、名護市に再編交付金を交付しないことが決定されたことについて、北澤防衛大臣は、米軍再編特別措置法の趣旨に基づいた判断であると説明しております。県としましては、地域の振興は基地問題とリンクすべきでないと認識しております。政府においては、北部地域の振興について、地元の意向を踏まえ、引き続き積極的に取り組んでいただきたいと考えております。また、今回の現況調査に係る異議申し立てについては、沖縄防衛局と名護市の両当事者間で行われている行政不服申し立て手続であり、県としてその適法性について見解を述べる立場にはありませんが、今後とも重大な関心を持ってその推移を注視していきたいと考えております。
 県としましては、県内移設は事実上不可能であり、県外移設を求める考えに変わりはありません。
 次に、基地問題での対米国対応についての御質問の中で、対米国における戦術と沖縄県特命全権大使についての御質問にお答えいたします。3の(3)、3の(4)は関連しますので一括してお答えいたします。
 米国政府や連邦議会等の関係機関に沖縄の基地問題の解決に向けた理解と協力を求めていくためには、これまで行ってきた知事訪米も含めさまざまな手法があるものと考えております。
 御提案の件も含め、総合的安全保障研究推進事業の中で、沖縄県特命全権大使の件も含めまして検討を進めてまいりたいと考えております。 
 次に、米軍基地関連事業についての御質問の中で、防衛省及び米軍の物品調達額と内訳及び県内業者分についての御質問にお答えいたします。
 沖縄防衛局の物品調達総額について照会したところ、平成20年度は約4700万円、平成21年度は約8700万円とのことであります。なお、県内外の業者区分は行っていないとのことであり、平成19年度以前の物品調達額については、確認に時間を要するとのことで過去10年の平均は把握できませんでした。また、在沖米軍については、軍全体での集計はなされていないとのことであり、嘉手納基地に確認したところ、2010米会計年度の物品調達総額は約32億5000万円となっており、そのうち日本国内の業者から調達した額は約5億1000万円(15.7%)とのことですが、県内業者分については把握していないとのことであります。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) ポスト振興計画に関連をして、南北縦断鉄道についてお答えいたします。 
 鉄軌道を含む新たな公共交通システムの導入につきましては、沖縄県総合交通体系基本計画を策定する中で、その位置づけなどについて検討を進めているところであります。
 国は、鉄軌道を初めとする新たな公共交通システムの導入可能性について、今年度は需要予測モデルを構築し、平成23年度は交通システムの比較検討を行うこととしております。しかしながら、鉄軌道等の整備には膨大な費用が発生することから、県としては次期振興計画への位置づけについて特例的な制度の提言、要望を行っているところであります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) ポスト振興計画に関連しての御質問の中の、沖縄愛楽園、宮古南静園の将来構想の実現についてお答えします。
 両園の将来構想は、入所者の意向を反映することが前提となっており、入所者の良好な療養生活の維持向上を図ることなどを基本目標としているものと認識しております。
 土地や施設等の利用に関しては、園長が入所者の意向を十分に反映した指針を策定し、この指針に基づき、国の責任において推進していくことになります。
 将来構想の実現については、入所者の意向を最優先に考慮した上で、地域住民等の意向も反映されるよう、両園や名護市及び宮古島市等関係機関と連携し、具体的な取り組みを国に要請し推進していく必要があると考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 観光振興についての中で、観光客の個人消費額の低迷に対する政策についての御質問にお答えします。
 観光客1人当たり消費額は、長引く景気低迷による個人消費の停滞や旅行商品価格の低下により、平成21年度は対前年度比8.4%減の約6万6000円となっております。
 個人消費額を引き上げるためには、沖縄観光の付加価値の向上、サービスの質の向上や、消費単価の高い外国人観光客をターゲットとした誘客活動の強化等が重要であります。
 沖縄県としましては、平成23年度の「ビジットおきなわ計画」の目標値である観光消費額7万円に向けて、MICE誘致や医療・スポーツ・文化など付加価値の高い観光商品の開発を促進してまいります。また、これらを支える高度な観光人材の育成に取り組むとともに、アジアの富裕層や、欧米・ロシアなど新たな海外市場での誘客活動を強化し、個人消費額の増加に努めてまいりたいと考えております。
 次に、同じく観光振興について、観光関連産業の売上額や雇用者数についての御質問にお答えします。
 観光関連産業における売上額は、公表された資料がありませんが、沖縄県が平成21年度に実施した観光産業実態調査によると、回答事業者のうち、過去3年間の売上高について増加したと回答した事業者は約21%で、減少したとの回答が約68%となっております。雇用者数についても、観光関連産業全体としての数値は公表資料がありませんが、最新の平成22年11月の毎月勤労統計調査によると、宿泊業における一般労働者は約6700人となっており、パートタイム労働者は約4800人となっております。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 県立北部病院の産婦人科の医師の確保についてお答えいたします。
 北部病院産婦人科は、医師不足のため、ハイリスク妊婦の中部地区への搬送など診療制限を行っているところであります。現在の医師1名では、診療体制と勤務負担の面から大変厳しい状況にあると認識しております。そのため、病院事業局としては、大学や民間病院との協力・連携による医師派遣、人的ネットワークや地域・離島医療確保モデル事業による医師招聘など、あらゆる手段を講じて医師確保に全力を挙げて取り組んでいるところであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 沖縄自動車道の料金についての御質問で、無料化社会実験の見直しの経緯とねらいについてお答えいたします。
 沖縄自動車道における無料化社会実験の状況は、国の発表によれば、自動車道の交通量が約1.5倍にふえ、実験期間中の187日間のうち40%に当たる75日で渋滞が発生しております。このような状況を踏まえて、国土交通省から厳しい渋滞が発生している沖縄自動車道の来年度における無料化実験の可否について、環境への影響、利便性の観点から意見を求められておるものであります。
 沖縄県としては、沖縄自動車道が県内唯一の高速交通施設であることや、県民から、高速性・定時性を望む多くの意見があることを踏まえて、平日に、実験前の5割以下の課金を行い交通量を抑制すること、また、地域経済の活性化の観点から休日を無料とする社会実験を行うことが望ましいと回答したものであります。これを受けて、国においては、ことしの6月以降、休日は無料、平日は実験前の料金から5割引とする見直しを行うと発表しております。
 同じく沖縄自動車道の料金について、沖縄自動車道の料金のあり方についてお答えいたします。
 国においては、高速道路の原則無料化の方針のもと、社会実験を通じて影響を確認しながら、段階的に無料化を実施するものとしております。沖縄県としても、県民の負担軽減の観点から、段階的に無料化を実現したいと考えますが、一方、高速道路として高速性・定時性の機能を維持することは重要であると考えております。
 平成23年度の見直し後の社会実験に際しても、国において、実験データの収集・分析を行うとともに、広く県民意見の把握に努めるとのことであり、沖縄県としては、その結果を踏まえて今後の対応を総合的に検討してまいります。
 以上でございます。
○玉城 義和 知事、まず私の質問に対しては言及はなかったんですが、きのうの赤嶺議員への答弁の中で、名護市の基地交付金について、これはかなり法律に基づいて事務的な処理であるとこういう話がありましたので、一言申し述べておきますが、実は、私、12月11日に東京で防衛省の高橋審議官にお目にかかって、その名護市のことについてお願いをしたんですね。そうしたら、審議官は――課長も一緒にみんな事務局そろっておりましたが――交付をしますと。申請が出そろい次第、これは申請については出次第いつでもやりますという話で、要するに防衛省の事務局はこの12月11日段階では、事務次官含めて全部やるつもりだったんです。ところが、最後にひっくり返ったのは沖縄防衛局の局長と大臣のルートでひっくり返ったんですね。これは極めて政治的判断だと思います。だから、はっきり日にちを覚えていませんが、恐らく12月の20何日に発表されましたね、不交付というのが。この11日からその間に恐らく現地からどういう働きかけがあったかもわかりませんが、いろんなことを含めてこれは政治判断で大臣と沖縄防衛局がやったということをはっきりここでさせておきたいと思っております。知事に聞く話ではありませんので、答弁は求めませんが、念のために申し上げておきたいとこう思います。極めて稲嶺シフトで、名護市長の存在を意識をした政治決定であったであろうと私は考えております。申し上げておきます。
 それから民主党政権について、今度の予算で配慮してくれたということで、これは事務的な知事としての行政官としての感想であろうかと思いますが、恐らく非常に厳しい政権運営が行われているということで、巷間、恐らく総辞職とかあるいは選挙があるであろうという話もあるわけでありますが、知事の県外移設の関係で、今議会では政権交代という項目は抜けて、名護市長と県議会と県民大会とこの3点に絞られております。政権交代が抜けているのはどういう意図かわかりませんが、改めてちょっと確認をしておきたいんですが、例えば今度の選挙で新しい政権になったとしても、政権が変わったとしても知事の県外移設という公約は変わらないと、ここのところはひとつ確認できますでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 全く変わりません。政権というのは内閣のことですか。
○玉城 義和 そうです。
○玉城 義和 内閣というのは同一の党でかわることもありますから、私が今申し上げているのは、この内閣を構成する、要するに政権ということを申し上げているわけですね。
○知事(仲井眞弘多) 変わりません。
○玉城 義和 これははっきりと確認をしておきたいと思いますし、同時に4年間この路線は踏襲をするということでよろしいでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 公約ですから、しっかり実現に向かってやってまいります。
○玉城 義和 きょう2月25日、知事から4年間この政策は変えないと、政権がかわっても不変だと、こういうことをいただきました。このことをきちっと実現をしていただきたいと思っております。
 それから日米共同発表とロードマップの位置づけについてでありますが、私は鳩山前総理のこの抑止力発言は、一つ非常に重要な意味を持っていると思いますのは、つまりこの共同発表並びにロードマップのバックボーンというのは、海兵隊の一体的な運用のために沖縄の県内移設を必要とすると、こういう論理になっているわけですね。これが一つです。だから、そのことを時の総理がみずから否定をしたことによって、この論理が私は非常に壊れたというか流動化したんではないかというふうに思っているわけですね。2プラス2というのはもちろん総理のもとにあるわけですから、この日本の閣僚は。そういう意味でこの共同発表のバックボーンが時の総理の発言によって壊れたとこういうふうに見ています。
 もう一つは、沖縄やグアムの事情を沖縄で県知事が誕生されて、そういうことによって沖縄の事情も変更されたと。グアムに行きましたら、グアムの知事も議会も商工会議所も全部14年はだめなんですね。つまり14年ではとてもじゃないができないというのがグアムの統一した私は世論だと思います。そしてNPOももちろんそうですが、知事に至っては何年までに完成ができますかということについて返答さえなかったんですね。要するに、見通しが立たないということですね。そういう意味で2014年もここに来て流動的になっているということ。それから抑止力についても非常に時の総理がそれを否定するという事態になっているということ。そういうことから見ればこの共同発表もロードマップもこれは当然に全面的な見直しが必要ではないかとこう思うんですね。そういう意味でぜひ正式に沖縄県からこのロードマップ、共同発表はこれ補完的文書ですから、ロードマップがそのもとですから、そこに含めて沖縄県からひとつ正式にその見直しの申し入れをすべきだと思いますが、どうでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時45分休憩
   午前11時46分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の議員の御提案というか、御指示ですが、ロードマップまでさかのぼるのはちょっと無理があるかなという感じしますよ。これは岩国から始まっていろんなものが入っていますし、それともう一つは、去年の5月28日の鳩山前総理のときに決められたものの中で、あれはいわば普天間の米軍ヘリの飛行場の辺野古地域への移設、我々は少なくともその部分はそれは県外に持っていくべきだと。ですから、見直しについてはそれだけで十分ではないかと今思っています。そしてそれ以外のものについては、いわゆるグアム協定、8000人の海兵隊の移転であるとか嘉手納より南の基地の返還などなどなどについては、別に我々もそれは積極的にやるべきだとこれまでも言ってきていますから、これはそのまま続けてもらうことにはむしろしっかりやってもらいたいと思っていますから、このコンバインされているものを切ったらどうかとこういうことを言っていますから、ロードマップまでちょっとさかのぼるのはどうかなと思いますね。
○玉城 義和 共同発表はこれは補完的文書であるというふうに言っているわけですね。だから、ロードマップ自体が基本で、パッケージ論はそこから始まっているわけでありまして、当然そこまで私はいかないと事の解決に当たらんだろうと思っておりますが、これはひとつ県のほうでも研究をいただきたいというふうに思っております。
 それから行動計画の中身ですね、それから安全保障の研究に対する問題、これは私は今議会の一つの大きな論点だと思っております。先ほどの答弁だと、日本全体で米軍基地の負担を分かち合うべきであると、広く国民に理解をいただく必要があるというのと同じようなことですが、基地の負担を分かち合うという原点に立ち返って解決するとこういう答弁でしたね。私は、こういう考え方でこの2つのことを立ち上げていくと、全国に分散をするという分かち合うという場合は、既に現実が示しているようにどこの地域も県知事も我が県でいいというところはないわけですね。そうしますと、この論は申しわけないが我々のところはとれないんで沖縄で我慢してくれという、すぐそういう話になってくるわけなんですね。そういう意味で言って、本当に分かち合うべきということを目的化して論を組むなら、これはもうすぐ立ち往生するんじゃないかとこういうふうに思うんですが、その辺はいかがですか。
○知事(仲井眞弘多) 確かに意外なほど日本国民、特に県知事さんとか都道府県のトップが余り受け付けないというのにはびっくりするわけですが、ただしこれは受け取りますか、受け取りませんかなどと聞けば、それはなるべくなら遠慮したいという答弁になるに決まっていますよ。いろんなマスコミさんのアンケートみたいなものもどちらかというと、そういうノーに近い返事をもらうようなアンケートの感がなきにしもあらずです。ですが、これはきちっと政府が担当する防衛なり、外務なり、総理がきちっと受けとめてしっかりと都道府県知事に責任あるところへ申し入れすればこれはわかりませんよと、私は思っています。
○玉城 義和 そういう意味で言えば分かち合うというんではなくて政府の責任でと言ったほうがいいわけですね、ここはね。
○知事(仲井眞弘多) 無論です。
○玉城 義和 そういう意味で、私は例えばこういう論の危険性は安保条約を破棄して重武装しようとか、安保条約を破棄して核武装しようとか、安保条約を破棄して軽武装しようとか非武装しようとか、いろんな考え方あるわけですね、日本の中には。ところが、今のような論でいくと安保条約を前提にして全国で基地を分かち合うという一つの防衛論に踏み込んでしまうんですね、沖縄県が。そういう危険性が私はあると思うんです。だから、例えばこの中にもそういう論に対して半分ぐらい私は違和感があると思うんですね。
 そういう意味で全国的な賛同が得られるかどうかというのは、沖縄県が特定の防衛論にはまり込んでしまうような論の立て方は、私はいかがなものかというふうに考えております。そういう意味で、これは非常にこれから立てていくときに注意をしませんと、どこかで必ずぶつかってしまって広がりを持てないという危険性を持っていると、こういうことだけはちょっと指摘をしておきたいと思いますし、同時に例えばこの全国分散論が意味を持つのは、どうせ受け取らないだろうということを前提にして論を立てることですね。例えば安保条約が必要で米軍が必要というならばとって下さいと申し上げる。ところがどこの県もとらないと、そこから問題を始めるということだと思うんですよね。つまりそうであれば、じゃ日米同盟はどうするのかということをいかにして国民的な議論にのせるかという戦略を沖縄県が立ててやるんであれば、私は実効性があるだろうと思っているわけです。その辺はどうでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 議員の今のお話の御質問の前半の部分というのは、確かにいろんな意見が防衛論だって、安全保障体制をどうやって我々確立していくか日本じゅうにいろんな議論があるし、私もその内容は専門家でもありませんで普通の知恵しかありません。ですから、その立て方、論の展開の仕方、何をベースにしてやっていくかを気をつけなさいというのは非常によくわかります。ですから、その気をつけるに当たって議員のいろいろお知恵も体験もぜひ御指導いただきたいと思います。
 ですから、私はいずれにしてもそこからまず始めていったほうがよかろうと思っておりますので、作業中であれ、作業の前であれ、ぜひいろいろなサジェスチョンをいただければと思っておりますが。
○玉城 義和 21世紀ビジョンの中には、20年後には基地問題のない沖縄というのが明記されているわけですね。基地問題のない沖縄というのは、多分嘉手納の基地も含めて想定をされているんだと思いますが、そういう意味で言えば今度のアクションプログラムとか、あるいは研究課題に当然20年後の沖縄のことを入れる必要があるし、そういう意味で例えば10年後、15年後、20年後の基地返還アクションプログラムみたいなものをつくっていく必要は当然あると思うんですが、いかがでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時54分休憩
   午前11時54分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 今の御指摘はずばりとついておられます。ですから、沖縄の米軍基地を含むこの基地がこれから先5年、10年、15年、20年どういうふうになっていくかという見通しと、どういうふうにあってほしいかという我々の希望とそのビジョンを踏まえた返還アクションプログラムというんですか、我々自身のアクションで相手のある話ですから、あってほしいプランというのはぜひこれはつくってみたいと思っております。そして20年後に基地のない沖縄を目指すというのは、文字どおりいろんな微妙な各議員の皆さんのお考えもいろいろ入っていて、これは全く何もないというわけではない。そういう安全保障環境が創出されているであろう、ないしはそういうことにも沖縄県民がみずから貢献できる範囲で貢献するという環境情勢への貢献も含めての話でありまして、これから先20年、世の中の変化を我々も予測をしながら我々自身の防衛というか、安全を確保しながらやっていくというこの大きな空間がありますから、そういうものも入っております。ですから、これは恐らくいろんな方、いろんな政党によってお考えも少しずつ違うとは思いますが、あのときに議論した中身を踏まえて対応していきたいと思いますし、アクションプログラムといいますか、我々自身の行動計画、ないしはあってほしい形というのをできる限り計画化できればやってみたいとも思っております。
○玉城 義和 基地がないというか基地問題のないというのは、大枠基地が撤去されているだろうとこういうことが想定されているわけですね。北アフリカなどの動きを見ても、要するに主体的にその地域が動かないことには動かないんですよね。だから、相手のあることでも当然ありますが、沖縄としてどうするかという主体性をきちっと示すことですね。それをやることによってやはり全国民が緊張しますからね、そこのところが重要であって、まず我が決意をきちっと示すという意味で、これはこのプロジェクトでぜひとも入れていただいて、県民にひとつ行く方向を指し示すとこういう仲井眞県政であってほしいというふうに思っております。
 訪米問題でありますが、私はずっと見ていて知事訪米の一番の問題点は、つまり西銘知事からずっと訪米をしてきたわけですが、蓄積がないんですよね。つまり継がれているものがないということだと思うんですね。その都度その都度行って、いろんな方々に会っていて、いろんな方々に会いましたという報告はありますが、それがその蓄積として沖縄県庁に積み重ねがないということが一番私は問題だろうと思うんです。そういう意味では、1つは対米交渉の仕方とかそこの構え方みたいな一つの大きなものをつくっていくということが重要ですし、そのためにはどうするかということがありますが、ひとつ私はそういう意味ではアメリカの議会だとか、あるいはいろんなシンクタンクのパイプづくりをどうするかというそういうことが非常に大きな問題だろうと思っています。それは県政がかわっても引き続いていくというそういう蓄積をつくっていく必要があるだろうと思います。
 そういう意味で知事訪米の大きな意義の一つもそういう組織づくり、パイプづくりをどうするかということを――公室長が先に行くようですが、私結構なことだと思いますね――そういうふうに行って段取りをつけて、そしてそういう組織づくりにその一番いい時期を見計らって行くということも重要であろうと思いますが、いかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 200%賛成です。
○玉城 義和 余りあっさり言われるとちょっと拍子抜けするわけですが、結構なことです。アメリカともどのようなスタンスで対米交渉をするかということだと思いますが、1つはどうして我々日本政府とやっているのに沖縄がここに出てくるのかというのが私はアメリカの普通の常識だと思うんですね。そういうときに我がほうとしてどういうスタンスで臨むか、その辺はいかがでしょうか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時59分休憩
   午前11時59分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) この防衛すぐれて外交問題については、いつの間にか国が専管となっていますけれども、どこにもこんなものは書いてはいません。ですから、我々ローカルガバメントといいますか、地方自治体でもやるべきことはやらないといけないし、その活動の範囲とかあるいは物すごく広いわけでいろんな分野があるわけです。
 そういうことで、いわゆる公式の国対国のある決められた定義された範囲の中身については公式ルートたるべきだと私は思いますよ。しかしながら、そういう中で特にこの米軍基地の問題については、沖縄県の中に過重なだけあるという点から言って我々は当事者の一人であるということがまず第一ですね。これも本来なら、外務・防衛を通じてきちっとしたルートで行くべきもので、本来ならばと大部分はやっているわけですが、それで消化されてない分というのがたくさんあるわけですね。ですから、これにつきましては幾ら日本国に申し上げてもなかなか取り上げてくれない、ないしは改善が進まないという長い歴史がありますから、この欠点については逆に日本政府もアメリカの担当者も正確なデータが政策決定者に届けられていないんじゃないかという感じも実はあります。ですから、これは例えば事件・事故の数一つとってもアメリカに行って見せて、要するに違うデータをどうも持っている感じがあるわけですね。ですから、今さらと思われるかもしれませんが、そういうベーシックなところから突き合わせをしないと、違う理解でもって話をしていたら全部すれ違っている感じがあって、これはどうも東京も余り変わらない。意図的にデータが変わっているかどうかわかりませんが、どうもそういう感があります。ですから、ベーシックなポイントからまずきちっと当事者の一人である沖縄がリアルにそれを両政府に届ける、アメリカにも届けるということは私は極めて意味があると思いますし、議員も御存じのように、またアメリカは国防・防衛については物すごいシンクタンクというか実務家的研究者が山のようにおりますから、いろんな考えが彼らはあるし、そういう中でいろんな参考になる考えを持っている人たち、そういうのを歓迎する人たちのルートはやはり開拓すべきだろうと思います。
○玉城 義和 100%賛成でありますが、当事者であるということが重要だと思いますね。
 私は1つは、この普天間について言えば、まず沖縄県は基本的に合意してないということがまず一つだと思いますね。そして同時に、その合意していない沖縄に日米同盟の基軸をなす米軍基地が専用施設の75%もありますよということですね。そして75%のところが合意してないということは、当事者としてこれは非常に言うことがたくさんあるということであって、その辺のところをアメリカにいかにわからせるかと。その75%を負担している沖縄県が同意していなくて、そこの負担が軽減できなければ、皆さんが言っている金科玉条の日米同盟自体がおかしくなるということ。そしてそれを守ること自体がむしろアメリカの国益に合致するんだということをどのように展開できるかと。私は、必ずしも本意ではありませんが、知事の立場からすれば私はそれは言えると思うんですね。そういう意味でぜひ理屈もちゃんとつくっていただいて、きちっと意義ある訪米にしていただきたいと思います。
 それから先ほどちょっと申し上げましたが、どうしてもワシントンにそういう沖縄関係の方を置いて、日常的にいろんなところのセクションと接触をして、やはり沖縄ファンをつくるというか、よき理解者をつくることは非常に私は重要だと思いますが、いかがでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) 前に私が副知事を仰せつかっていたときの大田昌秀知事のもとでも似たような話があり、たしか似て似たる形の方がおられたと思います。
 ですから、今議員の御提案につきましては、そのときのあれが今はなくなってしまっていますから、意味は非常にあると思いますし、またいろんな沖縄のマスコミの駐在員の方もおられます。意味はあると思いますが、しりすぼみになる傾向もあるものですから、ちょっとここは一回チェックさせてください。そして可能性をもう一度見出し切れたら、御提言ちゃんと受けとめたいと思います。
○玉城 義和 自動車道の軽減問題ですが、これはもう北部の地域住民からすれば大変な苦情が出ていて、いつの間にかだれが決めたかもわからないようなことをやって、込むから500円取ればいいという話になると、それは一般道も込むんだから一般道からも金を取れば減りますよ、車は。何のための半額徴収なのか、そのことが全くわからないんですよ。だから、フレックスタイムでみんなそれぞれ工夫を凝らしてやってきたんですよね、少し早くするとか、遅く出るとか。あるいは一つ手前のところでおりて戻るとかいろんな工夫をしてきているのに、そこでそういう工夫も出尽くしてしまって、いきなり金を取ればいいという話になってしまう。金を取って何を調査するんですか、何を社会実験するんですか。多分減りますよ。減ったら何をあとそこで調査をしてやるんですか。なぜ50もある道路の中で沖縄県だけがわざわざ県民に負担をかけるようなことをみずから言い出すんですか、その辺をちょっと説明してください。
○土木建築部長(仲田文昭) これは先ほども答弁いたしましたとおり、無料化実験ということでまず無料化ということをやりました。その結果で非常にマイナス面も出ております。そしてそのマイナス面をいかにして減らすかということをやるために一応実験として金を取るということで、6月以降課金をしてその結果を見て最終的に無料化をやっていいのかどうか。それから、ある程度またほかの方策をやらなければいけないのかということを判断するためにやっているわけでございます。最終的にはまだ決まったわけではございません。
○玉城 義和 何を調査できるのかと聞いているんですよ。もう時間がありませんので終わります。ありがとうございました。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後0時6分休憩
   午後1時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 奥平一夫君。
   〔奥平一夫君登壇〕
○奥平 一夫 皆さん、こんにちは。
 お昼、1番目の質問になります。
 この二、三日非常に暖かくて、それで私、おとといからかりゆしウエアをつけております。当然、宮古のかりゆしウエアは宮古織、そして宮古上布です。実は、今つけているやつは新調したやつなので、実は宮古上布――本物であるんですけれども――古布で、多分数十年前につけていた方のお古を仕立てて、ちょうど絹タッチといいましてこう色つやがありますよね。このつやを出す技術が宮古上布にはあるんですね。そういうぐあいにして非常に貴重な織物として今、ブームを呼んではいるんですけれども、ただなかなか高価なものでして、なかなか売れないというようなことで、きょうは議会冒頭からこのようなことで、ぜひ宮古上布をかりゆしウエアに、議場の皆さんも、特に知事、三役にはぜひ宮古上布を宣伝してもらえればなということでお話をさせていただきました。よろしくお願いをいたします。
 それでは本題に入りたいと思います。
 知事の政治姿勢について。
 まず、復帰40年を経てなお低所得に高失業率、戦後補償や復帰処理もまだまだ道筋が見えません。そのような中で沖縄県では、沖縄県民が望む沖縄の未来像をしっかりと示した長期の基本構想として「沖縄21世紀ビジョン」が策定をされました。その「沖縄21世紀ビジョン」を実現するべく新しい沖縄振興計画を県民みずから描き、そしてオール沖縄でしっかりと国に強く主張していかなければならない非常に大事な時期だと思います。
 そこでお伺いをいたします。
 (1)、ポスト沖縄振興計画について伺います。
 ア、これまでの振興計画は中央主導で描かれ実施された振興策であると言われておりますが、新しい振興計画は沖縄みずから立案をし国へ要望することになります。そこで最も求められるのは沖縄の自治の主張であり、地方分権を盾にした強くて、そしてタフな交渉力であると思います。知事の決意を伺います。
 イ、これまでの振興計画は基地との永続的共存を前提にした振興策でありました。しかし、もはや基地が沖縄の自立的発展の大きな阻害要因であることは沖縄県民の共通認識としてあるだろうと思います。その共通認識を今回の新しい振興計画にどう落とし込んでいくのか、沖縄の魂を吹き込んだかどうかの試金石になると考えます。知事の所見を伺います。
 (2)、昨年、尖閣問題で反中国世論が沸き起こりました。沖縄においても石垣島で「尖閣の日」を制定するなど対中関係が危ぶまれる状況でもあります。さらに、昨年末「新防衛大綱」が閣議決定をされて、中国に対する脅威論が表面化し、宮古や八重山を含む南西諸島において米軍・自衛隊の防衛シフトが強化されることになりました。このことを踏まえて今後の中国との友好関係や東アジアにおける沖縄の立ち位置について知事の所見を伺いたいと思います。
 (3)、離島振興について伺います。
 ア、輸送・交通コストの低減化を図っていくと、新しい沖縄振興計画の中間報告では示しておりますけれども、どのようにこれを実現していくのか、その制度設計なりどういうことになるのか、その辺を詳しくお伺いをしたいと思います。
 イ、宮古・八重山支庁の廃止で両圏域や県政にとってどのような効果があったのか。課や職員数、そして予算を含めてお伺いをいたします。
 ウ、「新たな沖縄振興のための制度提言(中間報告)」で、「宮古島市にエコアイランド特区を創設し、世界初の再生可能エネルギー100%の島づくりを目指す」としております。制度や仕組み、島の暮らしや環境にどのような影響あるいは可能性をもたらすのか伺います。
 2、下地島空港と残地問題について伺いたい。
 (1)、昨年の12月議会で、新たな沖縄振興計画に盛り込む制度として、国際緊急援助隊や災害支援物資の備蓄基地を誘致し、災害援助の拠点形成の可能性を検討していると答弁をされております。どのような制度設計を検討しているか伺います。
 (2)、伊良部架橋完成まであと2年と迫っております。知事は、架橋と空港及び残地の利活用について強力に進めると答弁をされております。これまでの連絡会議における協議の進捗と今後の日程を含めた取り組みを伺います。
 (3)、下地島空港における日本航空の実機訓練の無期限停止によってどのような影響が出ているのか。今後どのような展開が予想されるのか、県の対応も含めてお伺いいたします。
 3番目、医療と福祉行政について。
 (1)、新宮古病院について。
 ア、離島におけるがん患者の支援に向けて「相談支援センター」と「患者図書館」設置について見解を伺います。
 イ、緩和チームや緩和ケア病棟設置についても見解を伺う。
 (2)、離島における医療従事者確保・定着に向けた抜本的施策を示してください。これまで確保・定着できない障壁は何であるのかお伺いをいたします。
 (3)、特別保育事業の充実を公約に挙げてあります。延長保育や休日保育、夜間保育、病児・病後児保育の実態調査及び需給調査に基づく改善策や対応策について伺います。目標数値があれば示してください。
 大きい4番目、教育行政について。
 (1)、沖縄県教員侯補者選考試験について伺います。
 ア、受験年齢制限35歳の引き上げ、もしくは年齢制限撤廃について教育長の見解を求めます。
 イ、公正・公平な視点から免除規定の改善や免除基準の公開をするべきではないのか、教育長の考え方をお聞きいたします。
 5、県内における飲酒運転防止と啓発について、県警本部長にお伺いいたします。
 (1)、飲酒運転防止に向けた啓発・運動への取り組みについて伺います。
 (2)、飲酒運転による事故の推移について伺います。これは対前年比で結構でございます。
 (3)、酒酔い及び酒気帯び運転での検挙者と罰金の総額について。また、この罰金はどこへ納入されるのか伺います。
 6番目、土木行政について。
 (1)、公共事業に伴う赤土流出防止及びサンゴ保全のためのガイドラインについて示してください。
 (2)、宮古島市における県立公園建設はどこまで県の内部で検討されているのか伺います。
 (3)、伊良部架橋建設に伴うと見られる砂浜の浸食の現状と復元への対応を伺います。
 7番目、我が会派の代表質問に関連して質問いたします。
 (1)番目、大城議員の質問に関連して4の(1)、訪米へ向けての知事の戦略を伺います。
 それから(2)番目に、比嘉議員の質問に関連して3の(5)、(1)番目の質問は、現場からの要望は何名であったか。
 (2)番目に、昨年の中部病院における中途退職、産休・育休等々の休職者は何名か。
 (3)番目、休職者の代替については嘱託や臨時的任用職員で対応するとしているが、実現は可能か。
 (4)番目に、7対1体制を実現するために別の機能をスクラップにすることで体裁を整えようとしているのではないのか。8人のカットで支障はないのかお伺いをいたします。
 以上質問して、再質問いたします。
○知事(仲井眞弘多) 奥平一夫議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、新しい振興計画を沖縄みずから立案する知事の決意についての御質問にお答えいたします。
 我が国は、人口減少と少子・高齢化に直面し、国と地方の役割の見直し、そして一括交付金化などの地域主権改革の流れの中、グローバル経済の進展や世界規模での環境問題など、大きな時代の節目に差しかかっております。このような時代の転換期にあって、地域の主体性を生かした計画を策定し、時代潮流に合わせた各種施策を展開していくことが求められております。沖縄県は、昨年3月に県民とともに20年後のあるべき沖縄の姿を描く初めての長期構想であります「沖縄21世紀ビジョン」を策定いたしました。
 今後、県民みずからが描いた21世紀ビジョンの将来像実現のため、県民と力を合わせ一体となって計画の策定に取り組みますとともに、国に対し新たな法律により支援する仕組みを求めてまいる所存でございます。
 同じく知事の政治姿勢の中で、中国と東アジアにおける沖縄の立ち位置についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 尖閣諸島は我が国固有の領土であり、沖縄県の行政区域でございます。これまでと同様に県民の生命財産や漁業を初め諸権利が侵害されることのないよう、政府に対し適切な対応を強く求めております。
 一方で、沖縄県と中国は長い交流の歴史があります。福建省との間には平成9年9月に姉妹提携が締結されており、友好関係が続いております。近年は東アジアから多くの観光客も訪れております。
 沖縄県といたしましては、中国を含めた東アジア地域との平和的な友好関係の構築は極めて重要であると考えております。
 今後とも、人、物、情報、文化、科学技術などなどの多元的な交流ネットワークをさらにつくり上げ、国際的な交流拠点の形成を図ってまいりたいと考えております。
 同じく知事の政治姿勢の中で、輸送・交通コストの低減に係る御質問にお答えいたします。
 広大な海域に散在する沖縄県の離島は、我が国の領海及び排他的経済水域の保全等に重要な役割を担っております。離島の定住条件を改善し振興を図るためには、離島住民の輸送、そして交通コストの軽減は極めて重要な課題であると認識いたしております。現在、国に対しこれらのコスト低減のための新たな制度の構築を要求しているところであります。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(川上好久) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、基地との共存を前提にしない新たな計画についてお答えします。
 新たな計画は、「沖縄21世紀ビジョン」に込められた県民の想いを実現していく計画とすることが重要であると考えています。
 県としては、力強い民間主導の自立型経済を構築するとともに、医療・福祉、文化、教育等の充実により県民福祉の向上を図っていく所存であります。このため、地域住民や企業、市町村等との協働のもと、県民一体となった計画の策定に取り組んでいるところです。また、国に対して新たな法律を制定し、県が策定した計画に基づく事業を支援する仕組みを求めているところです。
 次に、下地島空港と周辺残地問題についての御質問の中で、下地島空港残地有効利用連絡会議の進捗と今後の取り組みについてお答えします。
 下地島空港残地有効利用連絡会議につきましては、農業的利用等専門部会等の4つの専門部会を設置し、宮古島市から提案のあった「下地島空港等利活用計画書」の具体的な土地利用計画やゾーニング面積等について検討を重ねてまいりました。本年度は、この2月に農業的利用等専門部会と観光・リゾート等専門部会の合同会議を開催し、農業的利用ゾーンから先行して取り組むことや、県の「下地島土地利用基本計画」でゾーニングされている農業的利用ゾーンの面積を拡大することについて意見が出されたところであります。
 今後は、今回農業的利用等専門部会から提起された意見を他の専門部会でも協議し、下地島空港残地有効利用連絡会議としての検討意見を取りまとめ、早期に有効活用ができるよう努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 知事の政治姿勢に関する質問のうち、支庁の廃止による効果についてお答えいたします。
 宮古・八重山支庁の組織見直しは、住民に最も近い基礎自治体である市町村が主役となり、地域完結の行政を行い、県は補完的役割を担うという地方分権社会の進展が背景にありました。支庁組織の見直しに伴い、地元市町村が主体となり、各種関係団体等地域全体が一体となって観光振興などに一層取り組むようになってきたものと考えております。また、支庁の各課と本庁各部が直結されたことにより、意思決定の迅速化や業務執行の専門性の向上が図られたものと考えております。支庁組織の見直しにより組織の数に増減はありませんが、人事などの総括事務を本庁で処理するようになったことから、職員定数を両支庁で17名減とし、年間約1億円の人件費を節減したところであります。
 以上です。
○観光商工部長(勝目和夫) 知事の政治姿勢についての中の、「エコアイランド特区」制度の仕組み及び暮らしや環境にもたらす可能性についての御質問にお答えします。
 本県は、エネルギーのほとんどを化石燃料に依存していることから、再生可能エネルギーを積極的に導入し、化石燃料の依存度や環境への負荷を低減する必要があります。そのため、宮古島市など再生可能エネルギー導入に積極的な地域の取り組みを支援することを目的に、「エコアイランド特区」の創設を国に要望しているところでございます。
 制度には、再生可能エネルギーの導入や実証試験を実施する事業者等への支援、電気自動車などの導入支援、バイオ燃料を普及させるための規制緩和などを盛り込んでおります。特区制度により環境関連産業が育成され、島嶼地域の先進的なモデル地域となることで観光や国内外からの視察・研修が増大し、地域の活性化につながるものと考えております。また、県では、来年度から実施する「スマートエネルギーアイランド基盤構築事業」において、宮古島でのEVタクシーの導入、省エネシステムの実証、来間島での太陽光発電導入による再生可能エネルギー100%の島を目指す実証事業に取り組み、モデル離島の構築を促進してまいります。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 下地島空港と周辺残地問題についての御質問の中で、災害援助拠点形成の制度設計についてお答えいたします。
 県におきましては、新たな沖縄振興計画に盛り込む制度として、沖縄に国際的な災害援助拠点を形成できないか検討しているところであります。そのため、国際緊急援助隊や援助物資の備蓄基地等の誘致について、平成23年度には所要の調査を行い、制度のあり方も含めて基本的な考え方をまとめたいと考えております。
 次に、我が会派の代表質問との関連について、訪米に向けての戦略についてお答えいたします。
 知事は、これまで2度の訪米を行い沖縄の基地問題の実情を訴えてまいりました。平成21年9月以降の県内の諸状況、そして米軍基地負担軽減部会の開催、さらに軍転協の要請等を踏まえ改めて訪米の時期及び活動内容等について検討することとしております。米国政府や連邦議会等の関係機関に沖縄県の実情を伝え理解と協力を求めることは、沖縄の基地問題の解決を進める上で重要であり、来年度、効果的な訪米が実施できるよう検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(仲田文昭) 下地島空港と周辺残地問題についての御質問で、日本航空の実機訓練停止の影響についてお答えいたします。
 日本航空が実機訓練を中断したことにより、平成23年1月現在の訓練回数は9305回となっており、前年同時期に比較して4768回の減少となっております。
 実機訓練の中断に伴う空港の運用や地域雇用への影響は現時点では生じておりませんが、航空会社が負担している下地島空港の年間維持費の協議については、日本航空が会社更生法の適用を受けていることから、今後厳しくなることが予想されます。
 県としましては、下地島空港の建設の経緯や訓練飛行場としての重要性などを踏まえ、航空会社の理解を得ていきたいと考えております。
 土木行政についての御質問で、宮古島市の県立公園建設の検討状況についてお答えいたします。
 宮古圏域における広域公園の整備については、沖縄振興計画及び宮古都市計画区域マスタープラン等にも位置づけられており、県としましてもその必要性は認識しているところであります。現在、新たな県立公園の建設については、県の財政状況が厳しいこと、伊良部架橋実現後の宮古島市の一体的な土地利用のあり方など社会情勢の動向も踏まえ慎重に検討していく考えであります。
 同じく土木行政について、砂浜浸食の現状と復元についてお答えいたします。
 伊良部架橋の海中道路や仮桟橋の施工に伴い南西側の砂浜が侵食され、仮桟橋付近に砂が堆積している状況にあります。そのため、県では、波浪流況調査、砂移動の追跡調査等を実施するとともに、応急対策として砂浜前面に大型土のうを設置しております。砂浜の保全については、学識経験者や専門家の意見などを踏まえ対策を検討しているところであり、平成23年度から砂浜の復元を図るための工事を予定しております。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 医療と福祉行政についての質問の中で、新宮古病院における相談支援センターと患者図書館の設置についてお答えいたします。
 宮古病院は、現在、地域連携室においてがん患者会の運営や患者及び家族からの療養上の相談に応じているところであります。新病院においても、引き続き地域連携室に相談窓口を設置し支援していきたいと考えております。
 新病院において患者図書館の設置の予定はありませんが、がんに関する情報提供の方策について検討していきたいと考えております。
 次に、新宮古病院における緩和チームや緩和ケア病棟設置についてお答えいたします。
 宮古病院における緩和ケアチームについては、専任の職員等の配置が必要になることから、職員を専門研修に派遣し人材育成を図っていくことにしております。今後、その設置について検討していきたいと考えております。
 なお、新病院においては緩和ケア病棟の設置は予定しておりませんが、現病院よりも個室が増加することによりがん患者の療養環境は改善していくものと考えております。
 次に、我が会派の代表質問との関連についての質問の中で、現場からの要望数についてお答えいたします。
 中部病院の7対1看護体制実施のための看護師の増員数93名については、病院現場とも十分調整を行い一般病棟の病床数に基づいて算出された必要看護師数であります。
 次に、昨年の中部病院の普通退職者数、産休・育休についてお答えいたします。
 中部病院の平成21年度の普通退職者は18名であります。平成21年4月1日時点における産休者は4名、育休者は17名となっております。
 次に、休職者の代替についてお答えいたします。
 休職者の補充については、臨時的任用職員及び嘱託職員等で対応することとしております。
 病院事業局としては、県内外の就職説明会に積極的に参加するとともに、各病院では募集イベントを開催するなど看護師確保に努めているところであります。
 次に、7対1看護体制実現とスクラップについてお答えいたします。
 中部病院でICU等の特殊病棟を除く一般病棟において、7対1看護体制を導入するために看護師の必要数に基づき93名をふやすこととしております。減員分については、事務執行体制の見直し等により事務職と現業職で8名を削減するものであります。差し引きにより85名の増員となっております。
 なお、減員になる職種については、必要に応じて嘱託・委託などで対応することとしております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 医療と福祉行政についての御質問の中の、離島における医療従事者の確保・定着についてお答えします。
 離島の県立病院等においては、同地域で医療従事者を確保することが厳しいことから、本島内の県立病院等からローテーションにより対応しているところであります。これに加えて、医師については、琉球大学医局からの派遣や県立病院の後期臨床研修終了医を派遣しているところであります。これら派遣医においては、本島内の中核病院でキャリアアップを図りたいとする者が多く、長期間の定着が難しい状況となっております。
 県としては、平成19年度から開始した医師修学資金等貸与事業において、琉球大学との連携によりキャリアアップを図りながら長期間派遣する仕組みを検討していきたいと考えております。
 次に、特別保育事業の需給調査に基づく対応策や目標値等についてお答えします。
 平成22年3月に策定した「おきなわ子ども・子育て応援プラン」の後期計画では、市町村において子育て支援事業に係るニーズ調査を実施しており、その結果を踏まえ目標数値を設定しております。平成26年度の目標数値として、延長保育事業は平成21年度290カ所を329カ所、休日保育事業4カ所を11カ所、夜間保育事業3カ所を5カ所、病児・病後児保育事業12カ所を17カ所とすることとしております。
 特別保育事業につきましては、本県の増加する多様な保育需要に適切に対応するため、平成23年度当初予算案において、前年度に比べ約1億5700万円の大幅な増額を図っております。
 県としましては、今後とも市町村と連携し、地域に合った子育て支援を推進してまいります。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは教育行政についての御質問で、受験年齢制限の引き上げ及び免除規定の改善等についてお答えいたします。4の(1)のアと4の(1)のイは関連しますので一括してお答えいたします。
 教員候補者選考試験は、人間性豊かで教科等の専門的知識・技能を有し、実践的指導力のある教員を選考する視点で実施しております。今後、大幅な教員の採用が見込まれることから、教員候補者選考試験の受験年齢制限の撤廃に向けて取り組みます。
 平成23年度実施の教員候補者選考試験においては、応募者数の大幅な増が見込まれることから、受験年齢制限を45歳まで引き上げ、受験年齢の撤廃につきましては、平成23年度の実施状況を踏まえ早目に判断していきたいと思います。幅広い年齢の受験者を見込むことにより、量及び質の両面ですぐれた教員や多様な人材、他の職業等で豊富な経験と技量を持った優秀な社会人や職業人、これまで長期間臨任をしている指導力のある教員などの確保を目指していきたいと思います。それとともに、長期間にわたり臨任をしている指導力のある教員を確保するために設けられた「教職経験による選考」と、中学校の技術と高校の水産の科目に限定した「社会人を対象とした選考」についての一次試験免除は、平成23年度から廃止いたします。
 「教職経験による選考」による一次試験免除の廃止については、推薦、選考基準が明確に示されていないと受験者や学校現場から不満があること、大幅な採用の増加で小学校において申請者全員合格するなど、教員の質の確保に問題があること、小学校・中学校・高等学校の校種間によって一次免除合格者数の差が大きくなり、制度自体に不公平感が出ること、臨任経験者から免除よりも年齢撤廃の要望が多いことなどがあります。
 「社会人を対象とした選考」による一次試験免除の廃止については、中学校の技術と高校の水産の科目に限定した選考であるため、すべての校種や教科に拡大することが求められております。また、民間企業での豊富な経験等を有する幅広い人材の確保を目指すためであります。
 県教育委員会としましては、教員候補者選考試験の受験年齢制限の撤廃に向けて取り組み、豊富な経験と技量を持った優秀な社会人や職業人を初め、臨時的任用の受験者などが選考試験を受験できる機会を拡大し、本県の教育を担う専門的知識や技能、実践的指導力のある優秀な教員の確保に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○警察本部長(村田 隆) 県内における飲酒運転と啓発に関する御質問の中で、まず飲酒運転防止に向けた啓発・運動への取り組みについてお答えいたします。
 県警察では、自治体やボランティア等の関係機関・団体と連携し、毎月1日の「飲酒運転の根絶運動の日」の取り組みにより、条例の普及啓発を図るとともに、事業所等に対する飲酒運転根絶活動マニュアルを活用した飲酒運転根絶対策や県民一人一人が飲酒運転の問題をみずからの問題として考え行動するきっかけとなることを願って、被害者の悲しみと加害者の後悔のメッセージをつづった「一杯の代償」を発刊・配布しております。
 そのほか、県民に飲酒運転の危険性を周知するため、飲酒擬似体験ゴーグルを活用した交通安全教育の実施や、二日酔い運転防止キャンペーン等の広報啓発活動を実施するとともに、自治体、事業所、飲食店等と連携し、仲間同士で飲酒する場合、あらかじめ飲まない人を決め、その人が仲間を安全に自宅まで送る「ハンドルキーパー運動」や、各家庭での「飲んだらむカエル運動」等の取り組みを実施しております。また、飲酒運転による交通事故の加害者、被害者及びアルコールの専門的な知識を有する方を飲酒運転根絶アドバイザーに委嘱して、県内各地において講演会を開催し、飲酒運転根絶の普及啓発活動を推進しております。
 県警察では、これまでの取り組みをさらに強化するほか、本年は運転免許取得年齢に達する高校生を対象とした飲酒運転に特化した交通安全教育を実施するなど、あらゆる取り組みを推進していく所存であります。
 次に、飲酒絡みの交通事故の発生状況についてお答えいたします。
 平成22年中の飲酒絡みの人身事故の発生件数は154件で、前年に比べ29件、23.2%増加し、全人身事故に占める割合は2.37%で、平成2年から21年連続して全国ワーストワンとなっております。飲酒絡みの死亡事故の発生件数は8件で、前年に比べ5件、38.5%減少し、全死亡事故に占める割合は17.02%で、平成7年から15年続いていた全国ワーストワンを昨年は脱しております。
 次に、飲酒及び酒気帯びでの検挙者数及び罰金の額並びに罰金はどこに納入されるのかについてお答えをいたします。
 平成22年中、酒酔い運転で検挙された者は69名、酒気帯び運転で検挙された者は2200名で、合計2269名となっており、前年に比べ544名、31.5%の増加となっております。飲酒運転で検挙された者の罰金につきましては、道路交通法で酒酔い運転の最高額は100万円、酒気帯び運転の最高額は50万円と定められております。
 なお、飲酒運転で検挙された者が納める罰金につきましては、国庫に納入されることになっております。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 土木行政についての御質問の中で、公共事業における赤土等流出防止及びサンゴ保全のためのガイドライン等についてお答えいたします。
 赤土等の流出防止対策については、「沖縄県赤土等流出防止条例施行規則」で施設基準を規定しており、発生源対策、流出濁水対策、濁水最終処理対策装置の設置などを定めております。
 具体的な赤土等流出防止対策については、土木建築部においては、「赤土等流出防止対策技術指針」などを作成して対応しております。
 サンゴ礁保全については、平成21年3月に「沖縄県サンゴ移植マニュアル」を作成しておりますが、港湾など公共事業に特化したサンゴ礁保全の指針等については、各事業の事業特性や地域特性を勘案し、各事業者において独自に対応されているものと認識しております。
 なお、県としましては、「沖縄県環境基本計画」において、全体的なサンゴ保全の施策や各主体の役割等を示していることから、個々の事業に係る調整などがなされた際は適切な保全措置を講じるよう調整・指導しております。
 以上でございます。
○奥平 一夫 それでは再質問をさせていただきます。
 まず順序よくといいますか質問順に、通告順に再質問をしていきたいと思うんですが、今回の新しい振興計画というのは、いわゆる「沖縄21世紀ビジョン」の理念をどう実現するか。その中でもやはり基地のない沖縄というのを20年後につくり上げるという大きな目標もあるわけでありますけれども、いろいろこれまでの振興計画の成り立ちなどを見ましても、やはり相当手ごわい交渉が必要になるというふうに聞いております。そういう意味では本当に腹をくくって沖縄を主張していくということは非常に大事だと思うんですけれども、例えば今、この沖縄が抱える一番の懸案といえば戦後処理、そして戦後補償をどうするかというふうなことなどが大きな中心になってくると思います。当然、所得をどう上げていくか、失業率を大きく改善をしていくか、このことも含まれるわけですけれども、このようなことがしっかりと今回の制度に織り込んでいくということが大事だと思うんですけれども、この辺の考え方について知事の考え方を少しお聞かせください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時8分休憩
   午後2時9分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 企画部長。
○企画部長(川上好久) 新しい計画の中では、この間、「沖縄21世紀ビジョン」の中における議論、それからまた総点検におけるさまざまな課題の提起、そういうふうなものを踏まえて、おおむね今後の沖縄づくりというふうなものの課題としてまずどんなものがあるかというふうなことがございますけれども、今、議員が言われたような戦後処理もその一つでございます。戦後処理の中には、例えばなお存在している不発弾の処理を、これをやはり国の責務としてやるべきだという話だとか、あるいはまた、沖縄戦による所有者不明土地の解消の問題だとか、それから沖縄戦による遺骨収集の問題、それからまた、戦時において義務教育を修了できなかった方々への教育の保障とか、そういうふうなものを含めてその新しい制度の中では要求をしております。
 それからまた、その大きな枠組みで申し上げますと、その議論の中で出てきていましたのは、やはり今後の県民所得の問題なり、あるいはまた雇用の問題、そしてまた離島振興の問題、そして基地跡地、交通体系、そういうふうなものを改善をしていく、そういう制度と計画というふうなものをこれからつくっていきたいというふうに考えてございます。
○奥平 一夫 前の稲嶺知事が、私は魚は要らないと、釣り具が欲しいというふうな表現もされておりました。ただ、非常に使い勝手のいい釣り具であったならよかったんですけれども、それがうまく絡め取られてなかなか伸び縮みのできない釣りざおであったり、あるいは短いリールであったりというふうなことでなかなかもどかしい感じでこの何十年来て、制度をうまく生かせなかったというふうなことをよく聞きます。そういう意味ではその制度設計も非常に大事だと思うわけですね。そういう意味で本当にこの制度設計を十分に練りながら、やはり当局を説得をさせていくという、国を説得・納得させていくというのは非常に大事だと思いますので、この辺についてはしっかりやっていただきたいということと、それからやっぱり何といっても今回の新しい振計、これで最後という気持ちで知事は取り組んでいこうとしていらっしゃるのか。この今回の新しいいわゆる21世紀ビジョンをもとにした新しい振計で、もうこれで終わりだと、最後の振興計画にしたいという思いがあるのか。もしそうだとすれば、例えばその制度もしっかりしたものにし、法律も恒久的な法律あるいは時限的な法律、それぞれ分けて考えていかなきゃならないと思うんですけれども、この辺について知事のお考えを少しお聞かせいただけますか。
○知事(仲井眞弘多) 20年前の3次振計のときにも少しタッチしたことがございますが、特に今回の場合は日本に復帰して40年たち、いろんな見方はありますが、ほかの県に比べて恐ろしく立ちおくれているという部分というのを探し出すのは意外に難しくなっている面も多々あると実は思っております。ですから、これがむしろ国に対して何か特別な措置を要求する最後ぐらいの気持ちでやるべきだと思っております。ある意味でほかの県並みというような、せめてそれぐらいの扱いでみずからを律するところへ持っていって、ある意味で国と距離も置かないと、地域主権がなかなか発揮しにくいというのも逆にあります。ですからこれは当然のこととして要求すべきものとか国の責任においてやるべきだと思うものは、当然これはやってもらうにしても、ほかの県が少しジェラスするぐらいの感じのものを要求する時代は恐らく今回で終わりにしたほうが、そして恐らくこの10年、我々頑張れば、この今のアジアのほとんどいい位置を占め始めているということと、いろんな活動が展開されているということを踏まえると、実は、例えば1人当たりの県民所得であれ、かなりいいところまで行けるのではないかと私は思っております。
ですから、ある意味で国に本来、戦後処理であるとか当然やるべきものはやってもらうにしても、沖縄自身の飛躍のために特殊なものを要求する時代というのは恐らく今回で終わりにするぐらいの気持ちでやったほうが、ある種の自主性も持てるのではないかと思ったりもしておりますが、ただ、いずれにしても今の民主党政権を相手にやる場合は、どうしてもこの政治的な部分が沖縄県は、民主党の先生方もおられるのでかなりお強いと思いますが、ですからそういう政治的な力関係のところも議会と一緒になってこれはやらないと、なかなか論理の世界だけでもブレークするのが難しい感じがないわけではありません。ですが、一生懸命頑張ってまいりたいと思っております。
○奥平 一夫 ぜひ頑張っていただきたいと思っております。
 もう一つ課題は、その21世紀ビジョンに載せてあるように、やっぱり基地のない沖縄をつくっていくという大きな目標もございます。そういう意味ではこれまでの振興計画がどうも基地とのリンクがあったと。制度設計に動き出すと基地の問題でひっくり返ったりというようなことなど、最近県紙にいろいろその経緯が書かれております。相当厳しい交渉になるかと思いますけれども、ぜひしっかり頑張っていただきたいと思っております。
 それから、いわゆる対東アジアに向けて沖縄の立ち位置は非常に重要だと私は思っております。そういう意味でいろんな情勢があって非常に不安定な情勢もあるんですけれども、この中でしっかり沖縄がいわゆる地理的あるいは歴史的な優位性を生かして、文字どおり日本における、いわゆる東アジアに向けた窓口としてしっかりと私はさまざまな自治外交といいますか、それを展開すべきだというふうに思っているわけです。そういう意味で今、中間報告を見ましてもすべてが東アジアを向いている。つまり、東アジアや中国というものを向いている。いわゆる沖縄の成長を東アジア、中国に託していこうという、それを生かしていこうということであるわけですから、そういう意味では本当に中国との関係、あるいは東アジアとの関係を有効に、いわゆるうまくしなければならないと思いますね。そういう意味でぜひ知事もそのことを当然御存じだと思いますので、もう一度沖縄の立ち位置をこうしたい、こうありたい、こうすべきだと、こうしたいというふうな知事のもし御意見がありましたらお聞かせください。
○知事(仲井眞弘多) これは論理的に整理したものを今申し上げる準備はきちっとできておりませんけれども、ただ、文字どおり万国津梁の精神というのは我々も今持っていると思います。それでいきますと、例えば先日も中国のジャーナリストが十二、三人お見えになっておられましたが、彼らが、アメリカと中国とあなた方はどう考えるか。等距離だと申し上げましたが――これはちょっと思いつきに近いんですが――ただ、現実にはアメリカも中国も、そしてアジアも含めて私どもはすべてとある種の友好関係を結んでしか生きようがないという感じもありますし、私も外交の専門家ではありませんが、ぜひむしろ県議会の先生方の御指導を得て、この東シナ海、今のところいろんな意味で波高しと表現されている部分もありますから、この我々沖縄県の持つ東西1000キロ、南北400キロのこの空間のある種の安全――何も防衛上の安全のみならず、地震、大規模災害を含む、それから新型インフルエンザだとか口蹄疫とかインターネットの内乱であるとか、要するに安全・安心に我々が生きていくためにはいろんなことを考えなければいけないと思います。ですから何も軍事的な防衛論のみならず、それも含めて先ほど来、知事公室長が答弁しておりますようなことをよく我々なりに考え、予測をし、そしゃくして対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○奥平 一夫 次に質問いたします。
 離島振興のいわゆる輸送・交通コストについて、聞きましたら、離島の交通コストを低減するためのさまざまな検討をされているんですけれども、基本的には鉄道輸送というものを中心に据えて考えるというふうにお聞きしております。この前、離島振興の集まりの中でちょっとお聞きしたんですけれども、例えば22円という鉄道1キロ当たりの輸送費を、例えば離島の宮古―那覇、あるいは那覇―石垣、那覇―南北大東、そういうものに落とし込んだときに、皆さんどれぐらいの料金を試算していらっしゃるんでしょうか。
○企画部長(川上好久) 離島のみならず沖縄本島から本土、それからまたその周辺諸国を含めて離島県である沖縄における物流コスト、そのコストの低減というふうなものをいろんな形で実はどうすれば軽減できるのか、今検討しております。その中で、離島に関しては離島の定住条件の大きな手法の一つとしては、この物流コスト・交通コストをどうすれば下げられるのか。今、おおむね4つほどの切り口で検討しております。1つは、今、議員がおっしゃっていました「沖縄離島住民移動交付金」、これは鉄道運賃というふうなものをキロ当たりで計算して、それを県内の航路あるいはまた航空路線のキロ当たりの単価と比較したらどうなるのかというふうなところから、もし鉄道運賃並みまでにそれを補てんするような形とすればどうなるのかというふうな形で今検討を進めております。2つ目はまた、航空機燃料税、それから着陸料等々そういうものを総合的に組み合わせて離島の交通コストの低減を図っていこうと思っております。
 これから後、どれだけの利用人員というふうなものが見込まれるのか、その辺のシミュレーションをしっかりやりながら、全体の数字というふうなものは固めてまいりたいというふうに考えております。
○奥平 一夫 それでは、ちなみにいわゆる航空旅客運賃、宮古―那覇、那覇―石垣、試算をしてあると思うんですけれども、幾らですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時22分休憩
   午後2時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 企画部長。
○企画部長(川上好久) 現行の那覇―宮古ですけれども、片道、現在1万1950円の航空運賃となっております。これを新幹線並みのキロ当たりの単価で計算しますと、おおむね8200円ぐらいになるというふうな試算が出ております。
 それから那覇―石垣については、同様に1万5600円に対して1万1400円、そういうふうな試算結果が出ております。
○奥平 一夫 次に総務部長にお伺いいたします。
 宮古・八重山支庁が廃止をされました。メリットが相当あるというふうに、1億円ものメリットがあったということですが、これについてデメリットというのはないんですか。それから、各市町村からそれについての注文といいますかそういう問題はありませんか。
○総務部長(兼島  規) 特に再編されて注文といいますかデメリットという点については、私どもはお伺いしておりません。ただ、八重山地区のほうからは名称の問題で、「総務課」という名称になっていますけれども、やはりもとの「総務観光」という言葉を入れてほしいというような要望がございます。それについては少し私どものほうも検討させていただきたいと思っております。
○奥平 一夫 今、それぞれの庁舎はかなり空き室がありますね。今後どうなりますか。
○総務部長(兼島  規) これは庁舎の利用といいますか、利用の促進の関係で言いますと、宮古のほうは少し今検討に入っていますけれども、ほかの団体に貸すとかそういったことを今検討しているところでございます。
○奥平 一夫 次に、下地島空港について知事にちょっとお伺いをしたいんですけれども、知事はたしか4年前にもこの下地島空港のいわゆる残地の問題について、あそこは県経済のエンジンになるというふうな発言をされたのをずっと私は覚えております。そういう意味でこの4年間ずっと期待をしてまいりましたけれども、今、企画部長から報告がありましたように、なかなかこれが前に進んでいない。私、議員になって7年になりますけれども、なかなか前に進んでない。非常にやきもきしております。そういう意味で知事のエンジン発言については、私は相当期待もしておりましたし、そしてまた強力に進めたいという御意見も聞いたばかりでもありますから、知事、この下地島の問題、知事としてはどういうふうな根拠でエンジンになるというふうに発言をされたのか。また、何か構想があって、実はこの地域はこういうふうにしたいというふうなそういう思いがあって発言されたのか、その辺をお聞きしたいと思います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時27分休憩
   午後2時28分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 奥平議員に大変御期待していただいて、少しじくじたるものはあるんですが、基本的に今、宮古島市が計画をつくっていますよね。そして県も一緒になって次の展開を考えている状況にあります。それで、私自身、3000メートルになんなんとするあの空港と伊良部の架橋ができたときにはかなり使い勝手のいいすごい基盤になるだろうと今でも無論思っております。ですから、私自身の勉強が少し置いてけぼりになった点は謝りますが、私もこれから一緒になって、特にあの空港と橋をつないだ状態ではかなりあれは大きな航空機の出入りができますし、アジアとの関係が、アジアの発展が予想以上にこれだけ早くなってきますと、あれぐらいの空港があれば物すごくいい対応ができるだろうと思っております。ですから少し勉強がおくれていることは謝りますが、また改めてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○奥平 一夫 大変ありがとうございます。非常に力強い御答弁をいただきました。
 そういう意味で私は、いわゆるあと2年後に伊良部架橋がもう完成をします。ですからその間にきちんと基礎づくりをして、それに対応するようなことをしていかなければ、もうタイムリミットではないのかなというふうに、今度、思うんですね。そういう意味では知事のこういう御答弁をいただいて非常に力強く思っておりますので、以下、部長、ぜひスピードアップでこの問題、ぜひ仕上げていただければなと思っております。
 さて、今、協議会の段階ですね。これから次のステップに移らなければならないと思うんですけれども、この辺の日程的なものは何か考えていらっしゃるんでしょうか。
○企画部長(川上好久) 先ほど答弁でお答えしたとおり、この2月に農業的利用等専門部会と、それから観光・リゾート専門部会の合同会議を開催いたしました。その中で農業的利用ゾーンの面積を拡大をするというふうな意見が出されておりまして、実は農業的利用ゾーンと一緒に緑化関連ゾーンのゾーニングだとか、あるいはまた自然環境保全ゾーンも拡大するとか幾つかの考え方が示されております。それを受けて、次は関連する自然環境の専門部会等々を開催をして、それを少し議論をしながら全体の土地利用計画というふうなのを確定をさせていきたいというふうに考えております。
○奥平 一夫 次に、酒酔い運転についてちょっと再質問をさせていただきますけれども、実は今、県警本部長から御答弁ありました数値等々勘案をして、いろいろ本当に大変だなと思います。そこで、酒酔い運転による罰金の上限が100万円です。そして酒気帯びが50万円、上限です。それをこの上限という金額で計算し、この数を当てはめてみますと、実は69名の酒酔いで100万円です。これはあくまでも上限ですから6900万円。酒気帯びが2200名、これは50万円ですね。トータルしますと11億6900万円、すごい数ですよね。そういう意味で、本当にこれは沖縄の社会に与える影響というのは物すごく大きいと思うんですね。知事、それを例えば半分としても5億近い。そういう沖縄の経済的な損害が出ているわけですけれども、知事、そのことについてどう思われますか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後2時31分休憩
   午後2時33分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) ちょっと私も議員のこの御質問に答えるだけの頭の整理ができておりませんが、ただ、今の議員の計算で11億円というのは確かに大きな実は社会的な損失に近いようなものだという気もしますし、大変な経済的にもまたいろんな面で沖縄にとってマイナスの大きさを改めて御指摘で感じたところでございます。
○奥平 一夫 続きまして、このような損失が出ますこの酒酔い運転について、県警本部長のさらなる決意をちょっとお聞かせいただけますか。
○警察本部長(村田 隆) 飲酒運転の根絶につきましては、一朝一夕にはなし得ないものであると考えております。県民一人一人が飲酒運転の悲惨さや危険性を自分自身の問題として受けとめるということがまず必要でありますし、飲酒運転をしない、させない、許さない、そういった社会規範を確立すると、そういったことに向けまして粘り強く取り組んでいくことが大事かと思います。
 県警察といたしましては、飲酒運転の根絶と交通事故の抑止、これを活動重点として掲げて取り組んでおりますけれども、交通事故につきましては第一当事者、第二当事者という事故を起こされた御本人だけではなく、その御家族や御親族にも大変深いダメージを与えます。その結果、仕事をされている方が就業できないということになれば、大きな社会的損失、コストを伴うものであるというふうに認識をしております。
 とりわけ、飲酒をした状態で運転をするということは、正常な判断ができないばかりか、安全運転の措置がとれないということによりまして、いわば走る凶器と言える状態であります。そうしたことが結果的には悲惨な交通事故に結びついているということでございます。
 かかる認識に立ちまして県警察といたしましては、飲酒運転の徹底した取り締まりはもちろんのことでありますけれども、県や市町村といった自治体やボランティアの方々といった関係機関・団体とも連携をいたしまして、これまでの取り組みをさらに強化をしまして飲酒運転のない安全・安心な沖縄県の実現に向けまして、県民の皆様と全力を挙げて取り組んでまいりたいと、かように考えております。
○奥平 一夫 どうもありがとうございます。
 最後に、比嘉議員の代表質問に関連して3の(5)について再質問したいと思いますが、臨時的任用で採用は大変厳しいというふうに私は聞いております。本当にそれは確保できますか。
○病院事業局長(伊江朝次) 昨今の各医療機関の7対1看護実施によりましてかなり厳しい状況にはなっております。しかしながら、県立病院では人材の確保に民間の人材派遣も含めた利用をして、現場での看護師不足を補うように全力を尽くしている状況でございます。
○奥平 一夫 今回の7対1への移行というのは非常に評価はしているんですね。ただ、やっぱりきちきちで最低限の基準で採用しているものですから、遊びがないんです。車の運転でもハンドルに遊びがあるんですよ、緩やかにするように。ブレーキだってそうです。急にブレーキを踏んだら危険ですから。そういう意味で余裕を持った人材の配置、人材の確保というのが必要になるんです。ですからそういう意味で今回のきっちり93名というその採用については、私は非常に納得がいかない。もっと緩やかに確保して、本当に人材をしっかり回していく、環境改善をしていくということをぜひ強く訴えて、私の質問を終わらせていただきます。
○当銘 勝雄 こんにちは。
 社民・護憲会派の当銘勝雄でございます。
 所感を述べながら質問をいたします。
 知事の政治姿勢でありますが、昨年から政府による県民を愚弄する発言が続いております。普天間の移設問題に対し、総理大臣としての言動が余りにも軽々しく、また沖縄の基地問題をこの程度しか考えていないのか、実に残念のきわみであります。普天間の移設先は、国外、「最低でも県外」と言ったあの発言は、単なる思いつきで県民だましであった。移設先を探さず、辺野古へ回帰するための「方便」として、海兵隊の抑止力を言い出したのであります。抑止力が「方便」だとすれば、菅総理の日米合意を踏襲した辺野古移設は根拠を失うことになります。
 そこでお聞きします。
 1、普天間飛行場の移設問題について。
 ア、民主党政権の辺野古移設にどう対応するか。
 イ、鳩山前首相は海兵隊の抑止力論を否定した。普天間の移設問題をどう構築していくか問います。
 ウ、アメリカ政府への対応をどう変えていくか伺います。
 エ、普天間飛行場の3年以内閉鎖状態の公約実現をどうするのか問います。
 次に、ポスト沖縄振興計画についてであります。
 本県は、これまで異民族支配により生じた本土との格差を是正するため、復帰後4次にわたる沖縄振興計画等により総合的な施策が講じられてきたが、道路、港湾等社会資本の整備が進んだものの、本土との所得格差は依然として縮まらず県民所得は他県の7割程度、最下位を脱出できない。さらに、人口の伸びに比べ産業が進展せず、失業率は7%台と全国の約2倍近い状態が続いております。このため、昨年度は沖縄振興計画の総点検を行うとともに、「沖縄21世紀ビジョン」が策定されたところであります。今後は、この総点検結果や「沖縄21世紀ビジョン」のもとに基本計画を策定し、課題解決に取り組むことになります。そのためには、国における計画の実効性を確保するための法制度と支援策を明確にする必要があります。
 そこで聞きます。
 ア、「沖縄21世紀ビジョン」をどのように新振計につなぐか。
 イ、計画の主体的取り組みは可能か。
 ウ、財源確保をどうするか。これまでの高率補助の存続はどうなるか。
 エ、一括交付金制度の導入は計画推進のかなめと考えるが、その推進は可能か。
 オ、米軍基地返還後の跡地利用が大きな課題になるが、どう進めるか問います。
 大きな2番、平成23年度内閣府の沖縄関係予算についてであります。
 (1)、前年度とほぼ同額の2301億円は満足するものなのか問います。
 (2)、沖縄振興自主戦略交付金321億円の自由度はあるのか問います。
 大きな3番、豪州とのEPA連携協定締結についてであります。
 政府は、特定の国・地域との間で貿易、投資などを自由化する二国間経済連携協定(EPA)を加速する方針で進めております。日本とインドの協定では、主要農産物である米や牛肉、豚肉、砂糖などが除外されているが、さきに問題となった農業大国のオーストラリアとのEPA協定が報じられております。
 そこで聞きます。
 (1)、オ-ストラリアとのEPA協定による農業への影響について聞きます。
 (2)、どのような対策をとっていくのか問います。
 大きな4番、TPP問題についてであります。
 「平成の開国」と銘打って環太平洋諸国によるすべての関税を撤廃した貿易協定の締結に当たって、政府は特に影響の大きい農水産業との両立を図るとしているが、どのような対策・施策を講ずるのかが見えません。これが推進されると、離島の多い本県においては、地域社会の崩壊まで心配されるものであります。
 そこで問います。
 (1)、TPP(環太平洋経済連携協定)は、本県社会経済にどう影響をするのか問います。
 (2)、農水産業への影響と対策について。
 ア、農水産業への影響をどう考えるか。
 イ、政府の協定推進にどう対策を講じていくか問います。
 ウ、「平成の開国」は農業問題と両立できると考えるか問います。
 (3)、農地の流動化と規模拡大についてであります。
 政府はTPP参加への対策として、農家の規模拡大により輸入農産物との競争強化策を提案しているが、これこそ農村社会の多面的機能を評価しない、単に土地利用型農業への変化を目指しているにすぎない危険な方向と言わなければなりません。
 そこで問います。
 ア、農地法の改正による流動化の方向は何か。
 イ、1戸当たり40ヘクタールの農家づくりが一部提案されているが、本県農家は40分の1で済むということになるのか問います。
 ウ、離島地域は島の存続問題につながる。どう対応するか。
 次に、政府は我が国の食料自給率40%を50%に引き上げる目標を示しながら、一方においては、TPP締結を進めようとしております。逆に大幅な食料自給率の低下を招くものと危惧します。
 そこで問います。
 (4)、TPPの協定締結によって本県の食料自給率はどうなるのか問います。
 5番、黒砂糖販売対策について聞きます。
 経済労働委員会は、販売不振が続く黒砂糖の生産現場や工場などの視察調査を行いましたが、販売不振が続いており、窮地に立たされております。同じさとうきび原料を生産しながら、分みつ糖地域に比べ含みつ糖地域は助成制度の改善が必要であります。輸入加工糖との競合が問題ですが、どう対策を講じているか問います。
 (1)、原産地表示の進捗状況。
 (2)、表示確認及び指導体制の方法。
 (3)、消費拡大推進の進め方。
 (4)、糖価調整制度適用への取り組みはなされたのか、進捗状況について問います。
 次に、試験研究機関をもとの専門部へ戻すことについて聞きます。
 試験研究機関は、地域の産業や新たな物づくりの基礎研究や応用研究等、技術開発は大変重要なことであります。本県において限られた予算の中でそれぞれの分野で何が優先されるか。戦略的な視点で進めなければならないと考えます。研究機関は、専門の部署に置くべきと認識しております。
 そこで聞きます。
 (1)、試験研究機関を企画部に配置した理由は何か。経過後のメリット・デメリットの比較はどうか。
 (2)、試験研究機関をもとの専門部に配置する考えはないか問います。
 7番、我が会派代表質問関連であります。崎山嗣幸議員関連の質問であります。
 (1)、カジノ導入は犯罪の温床となり、青少年への影響も大きくやめるべきとの質問に対し、カジノは多くの国で導入され、多くのメリットがある。我が国においては、超党派による議員連盟で合法化に向けた検討がなされている。県内においては、賛否両論あるので、慎重に検討したい旨答弁しております。メリットだけを強調しておりますが、デメリットについては一切触れておりません。そのデメリットについては、ないのか問います。
 (2)、普天間の県外移設を求めるためのアクションプログラム策定についての質問に対し、日本全体で基地の負担を分かち合うためには広く国民に知らしめる必要があり、広報活動を展開する旨の答弁をしております。大いに賛成です。これまで沖縄の米軍基地問題は全国的なニュースに報道されていない思いがあります。基地問題は、沖縄が引き受ければよいとする考えがあるのではないかと危惧するものであります。そのような意味では、鳩山総理は、全国知事会に普天間問題を取り上げ、クローズアップさせたことは評価に値するのではないかと思うものであります。しかしながら、知事会では依然として沖縄の基地負担を分かち合う知事がいないことは現実です。どう全国に訴えるか聞かせてください。
 以上であります。
○知事(仲井眞弘多) 当銘勝雄議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、普天間飛行場移設問題に関する民主党政権への対応及び米政府への対応についてという趣旨の御質問にお答えいたしますが、この1の(1)のアと1の(1)のウが関連していると思われますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
 県は、総理を初め各大臣との面談など、あらゆる機会を通じて、普天間飛行場の県外移設の実現を強く求めてまいりたいと考えております。また、その実現を図るためには、日本全体で米軍基地の負担を分かち合うべきであるということを広く国民に理解してもらう必要があると考えております。平成23年度には、世論を喚起するための広報活動などを積極的に推し進めてまいります。また特に、県内移設は事実上不可能であるという沖縄の状況を日米両政府と国民に理解してもらうためのあらゆる方策を検討し、実施してまいりたいと考えております。
 次に、知事の政治姿勢の中で、鳩山前総理の発言を受け普天間移設をどう構想するかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 去る2月16日の予算委員会において、菅総理大臣は、沖縄の海兵隊を含む在日米軍の存在は、日本の安全にとってもアジア・太平洋の安定にとっても必要だ、そういう認識のもとで日米合意を踏まえて対応していくとの見解を示しております。県といたしましては、これらの発言いかんにかかわらず、日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設に取り組むよう政府に求める考えに変わりはございません。
 次に、知事の政治姿勢の中で、普天間飛行場の危険性の除去の公約に係る御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去につきましては、駐留部隊の移駐や訓練の縮小、そして分散移転など、普天間飛行場のヘリ等の運用を極力低減し、早期に危険性の除去及び騒音の軽減を図ることを政府に求めてまいりました。また、去る1月に開催されました米軍基地負担軽減部会におきましても、政府に対し、危険性除去の具体的な取り組みについて地元の要望を聞いていただきたい旨、強く求めたところであります。
 県としましては、引き続き軍転協とも連携をし、普天間飛行場の危険性の除去について、具体的な方策の提案、そして実施に向け、さらに検討を加速させるよう政府に求めていきたいと考えているところでございます。
 次に、知事の政策に係る御質問の中で、ポスト沖縄振計について、この計画の主体性そして財源の問題、一括交付金などなど1の(2)のア、イ、ウ、エが直接関連しておりますので、恐縮ですが一括してお答えいたします。
 新たな計画は、「沖縄21世紀ビジョン」において基本計画として位置づけ、県民が望んだ将来像の実現のための各種施策を盛り込んでまいりたいと考えております。また、この基本計画は、新たな時代にふさわしい、県民が主体性を発揮できる計画として策定する必要があることから、県計画と位置づけ、これに対し、国が支援する仕組みとする必要があると考えております。
 基本計画に盛り込まれた各種施策を実施するための財源といたしましては、沖縄振興一括交付金(仮称)を創設し、自由度の高い現行の沖縄振興計画で措置された額と同等以上を確保する必要があると考えております。今後も引き続き、ビジョン実現に必要な沖縄振興一括交付金の創設、そして沖縄の不利性の克服や優位性を発揮する制度について政府に要請してまいる所存でございます。
 次に、豪州とのEPAに係る御質問の中で、日豪EPAによる農業への影響と対策についての御質問にお答えいたしますが、3の(1)と(2)が関連いたしておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
 日豪EPA交渉の結果によっては、沖縄県の重要作物でありますさとうきび、肉用牛、酪農、パイナップルなど本県農業が壊滅的な打撃を受けることが懸念されております。このため、沖縄県といたしましては、日豪EPA交渉において、砂糖などの重要品目を関税撤廃の対象から除外するなどの例外措置の確保について、関係団体等と連携をし強く要請しているところであります。今後とも、日豪EPA交渉の動向や国の対応を踏まえつつ、関係機関と連携をし、適切に対応してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○総務部長(兼島  規) 平成23年度内閣府沖縄関係予算額は満足するものかという趣旨の質問にお答えいたします。
 平成23年度の内閣府沖縄関係予算案は、国の厳しい財政状況の中、前年度比で0.1%増の2301億円が確保されたところであります。沖縄県の自立型経済の構築に向けて、「万国津梁」人材育成事業や沖縄国際航空物流ハブ活用推進事業など、効果的な諸施策が盛り込まれたほか、内閣府沖縄関係予算の約8割を占める公共事業関係費等についても、本県の基盤整備の推進を図るための配慮がなされたものと考えております。
 次に、試験研究機関の専門部帰属に関する質問のうち、試験研究機関を企画部に配置した理由についてお答えいたします。
 地域特性を生かした産業の振興を図るためには、生産者や企業のニーズに合った研究を実施し技術移転を促進する必要があります。そのため、県では平成16年度から農業研究センターを初めとする試験研究機関の研究を専門家等が評価する「試験研究評価システム」を導入いたしました。その評価結果を優先的に研究予算等に反映させるとともに、分野の異なる研究機関相互の連携を図るため、平成17年度から工業分野や農林水産業分野の試験研究機関を企画部に一元化したものであります。
○企画部長(川上好久) 平成23年度内閣府の沖縄関係予算についての御質問の中で、沖縄振興自主戦略交付金の自由度についてお答えいたします。
 沖縄県では、昨年5月以降、高率補助制度にかわるより自由度の高い「沖縄振興一括交付金(仮称)」の創設を政府に要望してきたところ、平成23年度政府予算案において約321億円の「沖縄振興自主戦略交付金」が創設されました。
 同交付金の使途は、今回統合の対象となった5種類の補助金の範囲内で事業を選択することが可能となっております。このことは、これまでの補助金と比べ一定の前進をしたものと考えております。しかしながら、沖縄県としては、一層の使途の自由度の拡大が必要と考えており、引き続きこの点を政府に要望しているところであります。
 今後、さらに平成24年度以降の新たな沖縄振興に係る施策の円滑な実施に必要な財源が確保され、さらに自由度を高めた「沖縄振興一括交付金(仮称)」を実現すべく引き続き政府に求めてまいりたいと考えております。
 次に、TPP問題についての御質問の中で、TPPの本県社会経済への影響についてお答えします。
 現在、政府において交渉参加が検討されているTPPは、原則としてすべての品目について関税を撤廃することが前提となっております。そのため、TPP締結によって海外から安価な農林水産物が輸入されることが予想され、適切な対策が打ち出されないままでは県内の農林水産業に深刻な影響を及ぼし、離島における地域経済への重大な影響も懸念されます。また、製造業等については、プラス・マイナス両面の影響はありますが、輸出主要産業の割合が小さい本県では、現状においてはメリットは限定的と見られます。一方、輸入業者にとっては、輸入品の価格低下による販売額の増加など一定のメリットがあると考えられます。
 いずれにしてもTPP交渉においては農業や工業など24の作業部会が立ち上げられ議論が進められているところですが、詳細についてはいまだ明らかになっておらず、今後公表される情報を注視していく必要があると考えております。
 次に、試験研究機関の専門部帰属についての御質問の中で、試験研究機関を企画部に管理一元化したことのメリット・デメリット及び所属の見直しについて、6の(1)のイと6の(2)を一括してお答えいたします。
 試験研究機関を管理一元化したメリットは、分野横断的な課題における共同研究の実施、外部研究資金の獲得・増加、多様な研究人材の育成、研究施設の維持管理経費の効率的な執行など、試験研究が円滑に実施できるようになっております。また、試験研究評価システムの導入により、研究開発ニーズの把握、課題設定から成果の普及まで体系的な研究管理と重点的に取り組むべき研究課題については予算を重点的に配分をしております。しかしながら、産業界からは、産業政策を担う部局、特に普及部門との連携が不十分なのではないかとの意見もあります。
 県としましては、現在、「新沖縄県行財政改革プラン」に基づき、管理一元化の利点を生かしながらより効率的な試験研究の推進と普及部門との連携を軸とした試験研究機関のあり方を検討しているところであります。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) TPP問題の中で、TPPの農水産業への影響と対応、農業問題との両立、食料自給率への影響については、関連しますので一括してお答えいたします。
 政府は、去る1月14日に「本年を平成の開国元年ととらえ、明治維新や戦後に続き、貿易自由化や若者が参加する農業の再生などにより日本人全体が世界に向かって活躍することを目指す。」とする政権運営の基本方針を閣議決定し、TPPを初めとする経済連携協定への参加等を検討しているところでございます。しかしながら、TPPは、原則としてすべての品目で関税を撤廃することが前提となることから、国内の農林水産物に大きな影響が出ることが懸念されております。
 本県においても、さとうきび、パイナップル、肉用牛、水産物などで影響が出ることが懸念されており、農林水産省が示した考え方を踏まえて計算したところ、直接影響額が約580億円、関連産業等への波及も含めると約1420億円の影響が出るものと試算されます。また、食料自給率についても農林水産省が示した考え方を踏まえ計算したところ、カロリーベースで、平成20年度の約40%から約2.4%まで低下するものと試算されます。そのため、県では、国民の食料安全保障の確保と国内農業への影響などの観点からTPP交渉に参加しないよう適切に対応するとともに、農家が安心して生産に取り組めるよう、万全の対策について農業団体等と連携し、国に対して強く要請したところであります。また、県内では、去る1月29日に「TPP交渉への参加に反対する沖縄県民大会」が開催されたほか、JA沖縄中央会による「TPP交渉参加反対署名活動」などの取り組みも実施されているところであります。
 今後ともTPP交渉等の動向や、国の対応を踏まえつつ、関係機関等と連携し適切に対応してまいります。
 次に、農地法の改正による農地流動化の方向についてお答えします。
 改正農地法では、これまでの「農地は耕作者自らが所有することを最も適当とする」ことから、「農地の効率的な利用を促進する」ことに目的が見直されております。
 改正農地法の流動化に関する内容は、農地を取得する際の下限となる面積要件について、県知事から農業委員会に権限が移され、地域の実情に応じて面積要件を下げることが可能となったこと、一般企業でも農地が借りられるように、貸借に限り、農地を適正に利用していない場合は貸借を解除するなどの条件つきで、株式会社等の参入規制が緩和されたこと、食品関連企業などの関連事業者から農業生産法人への出資制限が緩和され、これまで出資率が25%以下となっていたものが最大50%未満まで可能となったことなどとなっております。このことから、個人や一般企業が農業に参入しやすくなり、農地流動化が促進されるものとしております。
 次に、40ヘクタールの農家づくり提案と離島地域の存続について、関連しますので一括してお答えします。
 1戸当たり40ヘクタールの農家づくりの提案については、国が主催する「食と農林漁業の再生実現会議」において一部の委員から同様な意見があったと聞いております。仮に1戸当たり40ヘクタールの農家づくりを沖縄本島を除く離島地域に当てはめた場合、農家戸数が約9400戸から650戸程度にまで減少することが試算されます。さとうきびや畜産などの農業が基幹産業である離島地域では、ほかに就業する機会に乏しいことから、過疎化して島の存続にかかわるものと考えております。
 県といたしましては、島の存続や国土保全の観点から、このようなことがないように関係機関・団体などと連携して、国に対し要望してまいります。
 次に、黒砂糖販売対策についての中で、黒糖の原産地表示、表示確認及び指導体制、消費拡大の推進、糖価調整制度への取り組み状況について一括してお答えします。
 国は、含みつ糖の品質表示について、県や町村、JA等の要請を受けて「黒糖」と「加工黒糖」を定義しております。また、加工黒糖の原料原産地表示については、義務化する方向で検討しているところと聞いております。
 黒糖表示の適正化に向けた県の指導体制については、JAS法食品講習会や食品表示110番を活用した相談等に取り組んでいるところであります。含みつ糖の消費拡大については、県や町村、JA等で構成する「沖縄県含みつ糖対策協議会」で、毎年5月10日を「黒糖の日」として制定し、シンポジウムの開催や黒糖PR促進員の配置、海外販売展開、トップセールスなどにより販売促進対策の強化を図っているところであります。
 県としては、含みつ糖の品質表示基準の明確化や分みつ糖地域と同等な制度が適用できるよう、町村、JA、黒砂糖工業会等の関係機関と連携し、国等に対し要請しているところであります。また、「新たな沖縄振興のための制度提言」の中で、含みつ糖支援制度の提案を行っているところでございます。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 我が会派の代表質問との関連の中で、カジノのデメリットについての御質問にお答えします。
 カジノ導入に伴い、ギャンブル依存症、犯罪の多発、青少年や地域に与える悪影響などの懸念事項などが指摘されております。こうした懸念事項については、アメリカやシンガポールなどに見られるように、公的機関等による厳格な管理体制を構築し十分な対策を講じれば、抑制が可能であると認識しております。現在、超党派の国会議員連盟における「カジノを合法化する法律案」では、国の規制機関の設置やギャンブル依存症に関する対応策などが検討されており、県においても対応策などを検討しているところであります。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 我が会派の代表質問との関連についての中で、普天間飛行場移設問題に関する広報活動の内容についてお答えいたします。
 普天間飛行場の県外移設を実現するための広報活動として、現在マスメディア等の活用を検討しておりますが、とりわけ今や国際情勢に影響を与えるメディアとなったインターネットに注目しております。これらを含め、さまざまな広報手段を用いて県の考えを内外に伝えていきたいと考えております。
 以上でございます。
○当銘 勝雄 公室長、私は質問の中でも代表質問関連で、全国民に知らせるための広報活動を展開したいと。きのうからずっと知事が答弁しているんですよね。非常に大きな仕掛けを持っているのかなと思いましたら、マスメディアを通じて、インターネットを中心に考えていくということですが、本当にインターネットで十分全国民に知らせることが可能というふうに思っているんですか。
○知事公室長(又吉 進) インターネットと申し上げたのは、その一つの手段ということで羅列をさせていただいたわけですけれども、もちろん昨日来知事が答弁しておりますように、その考え方、内容につきましては非常に詰めたものにしようと思っております。ただ、インターネットにつきましては昨今のエジプトの情勢でありますとかそういう形で大変影響があるということは言えると思います。
○当銘 勝雄 昨年の日米合意が出たときですか、私たちは、結局政府へあるいはまた海外記者クラブ、こういうところまで行きまして訴えをしたんですよね。ところが、全国紙はほとんど報じない。これが実態じゃないかと思うし、さっきまた紹介したように、鳩山前総理が全国知事会でどうぞ普天間問題をやろうじゃないかということでやっても、どの知事もノーでしょう。今、それが全国的な状況じゃないですか。そのためにはやはりもっと工夫を凝らした僕は全国的な訴えが必要じゃないかと思うんです。だからインターネットだけじゃなくて何か方法を考えていくことは、今じゃなくてもいいですよ、それを答弁してください。
○知事公室長(又吉 進) 御提案のとおり訪米等の成果も見据えながら、さまざまな手段を講じてまいりたいと考えております。
○当銘 勝雄 時間の配分があれですから先に試験研究機関ですね。最後の質問です。試験研究機関の件について、質問したいと思うんですが、皆さんが言っている例えば横断的なその仕組みをつくるとか、円滑な試験研究をやるとかそれはわかりますよ、言い分はね。わかりますが、しかしながら、本当に例えば今企画部長が所管しているわけですね。企画部長が所管しているわけですが、今農業問題あるいは商工業の問題で何が今重要なのか、あるいはどういう形で今この産業を伸ばさないといかんか。そこら辺まで企画部長は全部目を通していくことができるのかと。試験研究テーマをまず決めることさえも企画部内でやるのかどうか。やっぱり僕は専門の部で、これをいろいろ議論しながらも考えていくと、これが大事じゃないかと思うんです。
 今、試験研究テーマを決めるまでの過程、これはどういうふうになされているかちょっと説明してください。
○企画部長(川上好久) 企画部のほうに試験研究機関、今一元化しておりますけれども、一元化のメリットを生かすということで、県のほうでは沖縄県試験研究評価会議というふうなものを設置をしております。それぞれのこの試験研究機関のほうから、それぞれの現場の産業界からもさまざまなニーズを取り込んで、それをまず第1段階はそれぞれの機関での評価をしながら試験研究のテーマを絞り込んでいく。さらに、それを横断的な個別評価をする専門部会、そういうふうなものをつくってどんどんどんどん上のほうに持ち上がっていく。そして、県としてどういうふうなテーマが重要なのかというふうなものを総体として評価をしながら、そこに集中的に――集中的というよりは若干傾斜的にですね――試験研究の資源というふうなものを投下する。そういうふうな試みをやっております。
○当銘 勝雄 予算は非常に限られているわけでありますから、どこの部でもやはり予算の分捕り合いですよ。ですから、例えば農業問題であっても今その中で何が重要か、今どういうものを伸ばさないといかんのか。これはやはりそこの主管部長がこの問題はこれが大事だという最終的な決定権を持つぐらいにならないと、企画部長がそれを何が重要かというのが本当にわかるのかと僕は疑問を持つんです。
 例えば私が今、特に考えるのは薬草なんです、薬草。薬草というのは、沖縄、熱帯・亜熱帯の地域で、薬草というのはどっちかというと多年生植物が多いんですよ。ですから、北海道とかあるいは東北あたりでは雪で枯れてしまうからなかなかそういう薬草というのは広がらないんです。ただ沖縄みたいなところは、そういう意味で地の利を得て非常に薬草の宝庫と言われているんですね。その薬草類が当時沖縄には余りなかったんですよ、なかった。しかも、薬草についても環境保健部のほうで――今は環境保健部とは言わないですね――薬効を見るだけの課があったんです。しかし、これじゃ広がらないでしょうということで、私はやはりこれは生産する場へ移すべきだということで、この薬草についての所管課は農林水産部に移したんですよ、移した。そしてそこで生産もしましょう、試験研究もしましょうということになっていろんな項目が組み立てられました。その後、今、企画部にあるその試験場で薬草関係についてどんな研究がなされているのか、それをちょっと知らせてください。
○企画部長(川上好久) 専門的な知識というふうなものでは若干問題あるかもしれませんけれども、今議員が言われた薬草の薬用植物の研究、私も実はこれ覚えております。20年ほど前に財政課で予算担当におりまして、環境保健部それから農林水産部を見ましたけれども、その際たしか長崎大学と委託研究をしていたというふうな印象がございます。その時点では、農林水産部の中ではやはり食料生産に係るものを中心にしてやるというふうな考え方があって、なかなかそれがそこの中では実施されていなかったというふうなことが印象として残っているわけですけれども、今日、こういう薬用植物については最近の健康バイオの関連だとかさまざまなニーズが出てきております。現行この農業研究センターの中では、例えばミシマサイコだとか、それからウコンだとか長命草とかそういうふうなものの研究がされておりまして、それについての栽培指針が策定をされているというふうなことであります。また、農業研究センターの名護支所では、本土大手化粧品メーカーからの委託も受けて現在健康食品開発の共同研究をやっているというふうな状況であります。また、農業研究センター以外に工業技術センター、それから森林資源研究センターの中でもそれぞれ薬用作物の研究が行われているというふうな状況でございます。
○当銘 勝雄 沖縄の産業の中で、今までの農林水産物はこれからやはり土地利用型じゃないとなかなか難しい面があるわけですが、有機栽培という形でどんどんまたこれは安全・安心のものをつくっていくという方向があるわけですが、もう一つは、沖縄の持つ新たな産業、僕はこれは薬草だと思うんです。薬草は、基本的にこれからの長寿志向の社会に向けて絶対必要だし、それから加工によって製造加工業の進展、あるいは雇用も大きい。これはまさしく知事が提案している1000万人観光客、観光産業とも非常に提携できるようなものなんです。こういうことこそ僕は絶対に沖縄が、沖縄は土地も小さいわけでありますから、しかしながらその利点を生かしながら進めていくと、こういうことが大事じゃないかというふうに思うんです。それで、やはり今ある制度というのは、総務部長もなかなかそれは今あるわけだからすぐはどうしましょうということは言えないでしょう。言えないからまずこれは時間的経過を与えておきましょう。知事は来年度、組織編成とか何か言っておりますので、それに向けては絶対そこら辺を踏まえて、僕は6月にまたさらに構築して私もどんどん提言していきますので、これはひとつやってもらいたい、こういうふうに思います。
 ちょっと休憩してください。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後3時25分休憩
   午後3時26分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○当銘 勝雄 内閣府の沖縄関係予算ですが、総務部長は0.1%ふえたと。また、知事は沖縄の経済自立に向けていろんなものが仕組まれたということで評価するようなことがありました。しかしながら、私は沖縄関係予算を眺めてみますと、この10年間、実に半分以下に減っているんです。これは大変な問題です。ところが、今度国の予算はふえているんです。かつて70兆、80兆から今、92兆ですか93兆まで膨れ上がっているんです。そういうことで、沖縄関係予算が減ってきた理由というのはどういうふうに知事は認識しているんですか。
○総務部長(兼島  規) 沖縄関係予算に関しまして少し御説明いたします。
 例えばですけれども、国の一般会計予算、平成13年度当初が82兆円です。そのうちの公共事業費は9兆円ですね。平成23年次年度当初ですけれども、国の一般会計予算92兆円に確かに増額しています。そのうち公共事業予算が5兆円に減じているわけですね。そういう関係でいいますと、公共事業費は約41.9%の減です。平成13年度、10年前に比べまして。ところが国の一般会計予算は11.8%増なんです。これを沖縄関係予算に比較してみますと、平成13年度の内閣府沖縄担当予算は3490億円、そのうち公共事業費は2939億円、約8割が公共事業関係予算なんです。そして平成23年当初予算、内閣府の沖縄関係予算、おっしゃるとおり2301億円、約34.1%減です。公共事業費も35.1%の減で1906億円になります。
 私が申し上げたいのは、その予算の構成比が違うんです。国の公共事業は国の予算に占める割合は約10%です。沖縄関係予算の中に占める公共事業費は約8割なんです。公共事業費の落ち込みがあるものですから、国も沖縄県もあるもんですからこれだけ落ち込んでいますけれども、国全体の予算は確かに伸びていますけれども、それは比率が違うからだという形で御理解いただけると思います。
○当銘 勝雄 総務部長、確かにそれはそうかもしれません。国の予算としては、例えば社会保障費が伸びていきますよ。そういうことでバランスは違ってきますが、私は、今沖縄が社会資本は一応何とかなりましたとか言っているわけですが、沖縄全体の予算が、要するに私が持っている資料では、1998年というのは平成10年ですか、これでいうと4713億円。ところがことしの2011年、2301億円、実に半分以下なんですよね、それでいいのかと。さらにまたもう一つ見ると、実は農林水産予算もそうなんですよ。僕は、知事は農林水産業を大事にしていないんじゃないかと本当に言いたいところなんですけれども、これもまた現年度、平成22年度11.5%の削減でしたね。これは同意を求めませんから言いますけれども、ことしも若干、だから下がった。これも見ますと本当に沖縄というのは公共事業を含めて農林水産もどんどんどんどん減っている、これが事実じゃないかなというふうに思うんです。ですから、そこら辺に対してやはり全部今の国の予算編成に対して知事が評価するような言葉は僕はよくないんじゃないかということでこれを言ったわけです。
 ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後3時29分休憩
   午後3時30分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○当銘 勝雄 再びカジノ問題ですけれども、さっき観光商工部長はギャンブル依存症とかこういうのがあって、公的機関が管理すればさほど問題はないじゃないかというような答弁だったと思うんですが、部長の最初の答弁でカジノは国際観光地として非常に有効であるというような答弁をしたんですね。知事の答弁はそういう文言は一切ないんですよ。この国際観光地で有効というのはもう踏み込んだ発言じゃないかと思うんですが、そう思いませんか、どうですか。
○観光商工部長(勝目和夫) 世界の120カ国余りの国でやはりカジノに取り組んでおるということは、知事の発言と共通しているというふうに思っております。
○当銘 勝雄 120カ国で導入されているというのは知事も一緒ですよ。しかし、知事の答弁はそうじゃなく、120カ国に導入されている。そういうことで多くのメリットがあると知事は言ったんです。あなたはカジノは国際観光地としても有効であると、委託研究のあれをそのまま受けてあなたが判断したのかどうかわかりませんが、私はデメリットを余り言わないでメリットばかりやっている部長の姿勢というのは僕は認められないと、こういうことで答弁は要りませんから、そこは指摘しておきます。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) 20分間休憩いたします。
   午後3時33分休憩
   午後3時57分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 新垣清涼君。
   〔新垣清涼君登壇〕
○新垣 清涼 こんにちは。
 社大・結の会、議席番号21番、新垣清涼、一般質問を行います。
 まず、基地行政についてでありますが、先日の23日水曜日、この本会議が終わって家に帰ると、F15が普天間飛行場の上を飛んでいます。物すごい音です。嘉手納基地周辺の皆さんの被害、嫌な思いはよくわかります。普天間は、さらに住宅地域に近いものですから、とてもじゃないけれどもこういう音を聞かされてたまったもんじゃないなという思いがしています。直線距離にすると300メートルはないんじゃないかなという距離で、物すごい爆音を響かせて2機編隊で何度も繰り返し飛んできておりました。こういう沖縄の現状を一日も早く解消できればいいなという思いで一般質問に入っていきます。
 まず(1)番目に、普天間基地の危険性の除去についてどう取り組むか伺います。
 (2)、爆音被害を受けながらも防音工事の対象外になっている県民がいます。救済措置を講ずるべきと考えるがどうか伺います。
 (3)、沖縄県に配置されている米軍の定数というのは決められているのでしょうか。県外への移転訓練が行われても、そのあきをねらってよその地域から沖縄へ訓練に来るようでは沖縄の負担は軽減どころか増加するばかりです。増加を認めず、確実に負担軽減に向けた取り組みを両政府に約束させるべきです。沖縄県民の基地負担軽減をどう求め実効性のあるものにしていくか伺います。
 (4)、鳩山前総理の「抑止力は方便だった」との発言がありました。抑止力について知事の見解を伺います。
 (5)、普天間飛行場の県外移設について政府にどう求めるか伺います。
 2、観光行政について。
 (1)、観光立県を標榜する県としては県道沿い――国道も含めてでありますが――の雑草が非常に気になります。対策はどうなっているか伺います。
 (2)、沖縄観光はリピーターの割合が多いと聞いています。修学旅行生やリゾートウエディングを挙げられた皆さんに対する、またいらっしゃいというアプローチはどのように取り組まれているか伺います。
 (3)、地域資源活用観光人材育成事業とはどのような取り組みなのか伺います。
 3、環境行政について。
 生物多様性地域戦略の策定に向けた調査の進捗状況、それから、これからの行動計画について伺います。
 4番目に、雇用・労働行政について。
 (1)、失業率の改善が依然として進まない状況について知事の見解を伺います。
 (2)、新年度も新しく「みんなでグッジョブ運動」の予算が組み立てられておりますけれども、これまでの成果と、この新しくなったグッジョブ運動はどう違うのか、その取り組みやその課題について伺います。
 5番目に、農業政策についてであります。
 (1)、政府の環太平洋経済連携協定交渉への参加について。
 沖縄県農業についてどのような影響が予想されるか伺います。
 (2)、貿易自由化、こういう時代ですから、これからどんどんそういった貿易に対しては税金のかからない自由化時代に向かっていくと思うんですが、そういった時代に向けての取り組みが必要になってくると思いますが、その取り組みについてあれば伺います。
 (3)、地産地消の取り組みについて伺います。
 (4)、農林水産業振興計画についてお伺いします。
 6、世界のウチナーンチュ大会について。
 (1)、これまでの開催の趣旨とその成果について伺います。
 (2)、これまで築き上げたそのネットワークを、今回あるいは今後どのように生かそうとしているのか伺います。
 7、我が会派の代表質問に関連してお伺いします。
 大城一馬議員の質問に関連してですが、米海軍の訓練区域内、区域外で訓練が行われていることについて政府の監視体制はとられていないとしているが、県民の安全性の確保、危険性の除去からして、知事は政府に監視体制の確立を求めるべきではありませんか伺います。
 次に、昨年の12月23日に東村高江区において、ヘリパッド建設に反対している地域住民のテント小屋が米軍ヘリのホバリングによるものと思われる被害について、沖縄防衛局は、米軍は通常の訓練は行ったが、ホバリングはしていないとの返事があったとのことですが、通常の訓練であのような被害が繰り返されるのなら決して許されるものではありません。真相を究明すべきだと思います。知事の見解を伺います。被害届は出されていますか。その処置はどうなっていますか伺います。
 以上です。よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 新垣清涼議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、基地行政に係る御質問の中で、普天間飛行場の危険性除去の取り組みについてという御質問にお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去につきましては、駐留部隊の移駐や訓練の縮小、そして分散移転など普天間飛行場のヘリ等の運用を極力低減し、早期に危険性の除去及び騒音の軽減を図ることを政府に求めてまいりました。また、去る1月に開催されました米軍基地負担軽減部会におきましても、政府に対し危険性除去の具体的な取り組みについて地元の要望を聞いていただきたい旨求めたところであります。
 県といたしましては、引き続き軍転協とも連携をし、普天間飛行場の危険性の除去について具体的な方策の提案、そして実施に向けさらに検討を加速させるよう政府に求めていきたいと考えております。
 同じく基地行政に係る御質問の中で、普天間飛行場の県外移設に向けた取り組みについての御質問にお答えいたします。
 県は、総理を初め各大臣との面談などあらゆる機会を通じ普天間飛行場の県外移設の実現を強く求めてまいりたいと考えております。また、その実現を図るためには日本全体で米軍基地の負担を分かち合うべきであるということを広く国民に理解してもらう必要があると考えており、平成23年度には世論を喚起するため広報活動などを積極的に推し進めてまいる予定でございます。特に、県内移設は事実上不可能であるという沖縄の状況を日米両政府と国民に理解してもらうためのあらゆる対策を検討し実施してまいりたいと考えております。
 次に、観光行政に係る御質問の中で、道路沿いの雑草対策についての御質問にお答えいたします。
 県道の雑草につきましては、これまで道路構造の工夫や道路ボランティア団体の協力などのコスト縮減を図りつつ対策に努めてまいりましたが、管理が十分とは言えず、平成22年度は1億2000万円の補正を行い、雑草対策を実施いたしているところであります。
 今後もコスト縮減を図りつつ必要な予算を確保して雑草対策に取り組み、観光立県にふさわしい道路管理に努めてまいる所存でございます。
 次に、雇用・労働行政に係る御質問の中で、失業率の状況、そして「みんなでグッジョブ運動」の成果、今後の取り組み等の御質問にお答えいたします。ただ、この4の(1)と4の(2)が関連いたしておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
 「みんなでグッジョブ運動」を進めてきた結果、平成18年と平成22年の完全失業率を比較いたしますと、全国が4.1%から1.0ポイント悪化し5.1%となっている中、沖縄県は7.7%から7.6%と0.1ポイントではありますが改善をいたしております。また、就業者数は、同じく全国が126万人減少する中、沖縄県は2万5000人増加いたしております。
 「みんなでグッジョブ運動」の成果として、就業者数は着実に増加いたしていることから、今後ともグッジョブ運動を継続して推進し、本県の課題である雇用の場の創出、そしてミスマッチ対策並びに若年者の就業意識の向上を図り、完全失業率の全国並みに向けて取り組んでまいる所存でございます。
 次に、農業政策に係る御質問の中で、地産地消の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 沖縄県におきましては、地産地消を推進するため「沖縄県地産地消推進計画」に基づき、関係機関と連携をし取り組んでおります。
 具体的には、第1に、市町村における地産地消推進計画の策定支援、第2に、35店舗の「おきなわ食材の店」を100店舗へ登録拡大すること、第3に、「花と食のフェスティバル」の開催、第4に、新たに2カ所のファーマーズマーケットの設置、第5に、親子料理教室及び農業体験の開催、第6に、フードアドバイザーや地産地消コーディネーターの配置などなど、量販店や学校給食等における県産食材の利用を促進いたしております。また、平成23年度は若い主婦層をターゲットといたしました新レシピの提案や地域特産品を活用しました加工品を開発し、県産食材の新たな魅力を創出するなど、引き続き地産地消の推進に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、世界のウチナーンチュ大会に係る御質問の中で、ウチナーンチュ大会の開催の趣旨に係る御質問にお答えいたします。
 世界のウチナーンチュ大会は、世界各地に在住している県系人、県人会等とのネットワークを構築し、ネットワークのさらなる拡充と発展を目的として、これまで4回の大会を実施してまいりました。その成果として、第1回大会では、ウチナー民間大使制度が発足し、第2回大会では、ビジネスネットワークとしてWUBが設立されております。そして第3回大会、第4回大会では、ウチナーネットワークを担う次世代の育成を目的に「ジュニアスタディーツアー」、そして「ホストファミリーバンク事業」が創設されております。以後、継続事業として毎年実施されております。
 第5回大会は、新たに「沖縄21世紀ビジョン」にうたわれる「世界に開かれた交流と共生の島」の実現に資することなどを目的として、本年10月12日から16日までの5日間開催する予定でございます。今大会の開催により、ウチナーネットワークとウチナーアイデンティティーを次世代に継承し、世界に向けた新たなネットワークの展開を推進してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 基地行政についての御質問の中で、防音工事対象区域外における騒音調査と救済措置を講ずることについてお答えいたします。
 県としましては、住宅防音工事の対象区域に入っていない地域においても騒音被害の実態があることを踏まえ、去る2月8日、軍転協を通じ住宅防音工事対象区域の拡大を含む騒音対策の強化・拡充について政府に対し求めたところであります。平成23年度は、県としてうるま市から那覇市にかけて航空機騒音の調査対象地域を拡大し、航空機騒音の実態を把握していきたいと考えております。当該調査結果は、今後も国に対して住宅防音工事の対象区域拡大を求める際の客観的資料として活用することを考えております。
 これらも踏まえ、県としては、今後ともあらゆる機会を通じ航空機騒音の軽減を日米両政府に対して粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 次に、実効性のある基地負担軽減についてお答えいたします。
 県は、これまで軍転協や渉外知事会等とも連携し、訪米を含むあらゆる機会を通じて事件・事故を初めとする基地負担の軽減を求めてきました。昨年9月には、沖縄政策協議会のもとに米軍基地負担軽減部会が設置され、沖縄の基地負担の軽減に向けた議論が行われているところであります。また、今後取り組む総合的安全保障の研究の中で、基地負担軽減に向けた効果的な方策について検討してまいりたいと考えております。
 次に、抑止力についてお答えいたします。
 政府は、防衛白書において「わが国に対する武力攻撃に際しては、相手国が自衛隊に加えて米軍と直接対決する事態を覚悟する必要が生じることとなり、在日米軍がわが国への侵略に対する抑止力になる。」としております。
 県としましては、抑止力についてさまざまな意見があるものと承知しており、今後とも研究してまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、県としては、抑止力の議論にかかわらず、沖縄の過重な米軍基地負担の軽減が、日米両政府において着実に進められることが重要であると認識しております。
 次に、我が会派の代表質問との関連についての中で、訓練区域の監視体制についての御質問にお答えいたします。
 県は、従前より政府に対し日本の排他的経済水域における米軍の演習・訓練について、情報の入手及び速やかな情報提供を求めております。今般のような情報提供が訓練前日に行われたことや、訓練区域外に及ぶ爆撃訓練は漁業者を初め関係者の対応を困難なものとし、混乱と不安を与え、極めて遺憾であります。
 県としましては、二度とこのような事態が生じないよう、去る1月25日の米軍基地負担軽減部会及び2月7日から9日までの軍転協要請において、政府における連絡体制及び連携体制の見直しを求めたところであります。
 次に、ヘリのホバリングの真相究明についてお答えいたします。
 報道によりますと、昨年12月23日午後7時45分ごろ、東村高江区において米軍ヘリコプターのホバリングによる風圧で付近に設置されたテント等が損壊する被害が発生したとのことであります。翌24日、県は、職員を派遣して現場確認や東村及び高江区から事情を聴取するなど状況の把握に努めたところであります。また、沖縄防衛局を通じて米軍に対し照会したところ、当日の夕方、米海兵隊のヘリコプター1機が通常訓練を行っていたが、テント上空でホバリングはしていないとの回答がありました。県としては、改めて沖縄防衛局に照会を行っているところでございます。
 なお、本件について被害届が出されたことは承知しておりません。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 観光行政についての中の、修学旅行やリゾートウエディングの再来アプローチについての御質問にお答えします。
 沖縄の修学旅行については、独自の歴史・文化、平和学習、自然環境等の体験プログラムが高く評価されており、修学旅行生のリピーター化が図られるようさまざまな体験メニューの拡充に取り組んでおります。その中でも、一般民家に宿泊し、地元の人々とじかに触れ合い交流する民泊は、修学旅行後に家族で再度民泊先を訪れるなど新たな交流を生み出しております。
 リゾートウエディングにつきましては、夫婦や家族の記念日を祝う沖縄アニバーサリーウエディング等の誘致に取り組み、リピーター化の推進に取り組んでおります。
 県としては、今後とも沖縄を訪れた観光客が沖縄の魅力に触れることができ、再び沖縄を訪れていただけるよう多様なメニューづくりや受け入れ体制の強化に取り組んでいきたいと考えております。
 同じく観光行政について、地域資源活用観光人材育成事業についての御質問にお答えします。
 地域資源活用観光人材育成事業は、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用し、沖縄の観光資源についての知識の習得及び旅行の手配などの現場実習を通して新たに観光人材を育成し、就職支援を行うものであります。具体的には、沖縄の自然、歴史、伝統芸能等に関する知識の習得や旅行日程管理業務の実習などによりツアーコンダクター等の人材を育成し、観光関連業界への就職支援を行うものであります。
 今年度は大卒の未就職者6名を対象に事業を実施しておりますが、来年度は事業規模を拡大して12名を対象に事業を実施する予定であります。
 世界のウチナーンチュ大会についての中の、ウチナーネットワークの活用についての御質問にお答えします。
 現在、主なウチナーネットワークの拠点として、海外県人会や過去の大会を機に創設された新ウチナー民間大使、WUBなどがあります。
 海外県人会につきましては、現在24カ国、3地域に80団体が存在しており、海外留学生、技術研修員受け入れ、ジュニアスタディーツアーやホームステイ事業など県事業への協力、知事・議会等出張等の際の連携、文化・伝統芸能などの民間交流、ウチナーンチュ大会の参加呼びかけなどに協力しております。
 新ウチナー民間大使につきましては、現在28カ国、3地域に220名が任命され、海外における沖縄の魅力発信及び文化・伝統芸能、経済、観光、スポーツなど幅広い分野における交流の人的拠点として活躍しております。
 WUBにつきましては、現在世界各地に21の支部が設置され、地元企業の国外進出等の連携窓口としての機能を持ち、国際ビジネスの促進、情報の交換、会員の研さん・交流・親睦などが図られております。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 環境行政についての御質問の中で、地域戦略策定の調査の進捗状況と今後の計画について、3の(1)と3の(2)は関連しますので一括してお答えいたします。
 生物多様性地域戦略の策定に向けた調査については、今年度、本県の沿岸域から陸域に至る自然特性と社会特性の状況を把握するため、既存文献資料の収集などの基礎的調査と体系的な取りまとめを行っております。また、生物多様性の地域への浸透を図るため、県外から有識者を招聘して「生物多様性地域戦略に関する講演会」を那覇市、宮古島市、石垣市において開催したところであります。
 平成23年度からは、有識者、行政機関、事業者団体、NPOなどから成る検討委員会を設置し、生物多様性の保全と持続的な利用に係る方向性や目標、行動計画などについて本格的な検討を行うこととしております。また、地域の人々の意見を聞くワークショップや幅広い意見を交換するシンポジウムなどを開催するなどさまざまな主体の参画と協力を得ながら、沖縄の自然特性や社会特性を踏まえた地域戦略を策定していきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農業政策についての中で、TPP参加による本県農業への影響についてお答えします。
 TPPは、原則としてすべての品目で関税を撤廃することが前提となることから、国内の農林水産物に大きな影響が出ることが懸念されております。本県においても、さとうきび、パイナップル、肉用牛、水産物などで影響が出ることが懸念されており、農林水産省が示した考え方を踏まえて計算したところ、直接影響額が約580億円、関連産業等への波及も含めると約1420億円の影響が出るものと試算されます。
 そのため、県では、国民の食料安全保障の確保と国内農業への影響などの観点から、TPP交渉に参加しないよう適切に対応するとともに、農家が安心して生産に取り組めるよう万全の対策について、農業団体等と連携し国に対して強く要請したところであります。また、県内では、去る1月29日に「TPP交渉への参加に反対する沖縄県民大会」が開催されたほか、JA沖縄中央会による「TPP交渉参加反対署名活動」などの取り組みも実施されているところであります。
 今後とも、TPP交渉等の動向や国の対応を踏まえつつ、関係機関等と連携し、適切に対応してまいります。
 次に、貿易自由化時代に向けた農業の取り組みについてお答えします。
 本県の農業の振興につきましては、亜熱帯の気候特性を生かして、市場競争力のある付加価値の高いおきなわブランドを確立する必要があると考えております。
 そのため、県といたしましては、安全・安心な農産物の生産供給体制の強化を図るため、国際的に認められたHACCPに対応する食肉加工処理施設の整備や生産工程の正確な評価を行う農業の生産工程管理手法の導入などを推進しているところであります。また、機能性の高い県産農林水産物を利用した加工技術の開発や商品化などに取り組んでいるところであります。
 具体的には、カテキンを多く含むお茶や紅茶の栽培普及・商品化、ノビレチンを豊富に含むシークヮーサーの加工品開発など、時代のニーズに対応したブランド化に取り組んでいるところでございます。
 次に、農林水産業振興計画についてお答えいたします。
 農林水産業振興計画における主な指標の進捗状況は、平成23年度の目標値と比較しますと、ゴーヤー、菊、マンゴー等の戦略品目の拠点産地は、142地区に対して平成23年2月末現在で82地区を認定し、進捗率59%、農業産出額は、1300億円に対して平成21年は892億円で、進捗率69%、認定農業者数は、3000経営体に対して平成21年度2927経営体で、進捗率98%、圃場整備率は、72%に対して平成21年度までの整備率は53%で、進捗率74%、町と村の交流人口は、100万人に対して平成21年度の概算値で112万人で、進捗率112%などとなっております。
 また、耕作放棄地の再生利用につきましては、耕作放棄地対策事業により平成21年度までに73ヘクタールが再生されており、平成22年度は110ヘクタールの再生作業により営農定着等を支援することとしております。今後、平成23年度を目途に350ヘクタールの再生を行うこととしております。
 以上でございます。
○新垣 清涼 それでは、ちょっと順番を変えていきたいと思います。
 まず、世界のウチナーンチュ大会で、第1回にはウチナー民間大使、そして2回、3回といろいろ成果を上げておられるわけですけれども、今こういうふうにしてたくさんネットワークをつくられているわけですから、ここを沖縄でまとめている箇所はどこで扱っていらっしゃるのか、どこが担当していらっしゃるのか。そういった成果ですね、民間大使もいらっしゃるわけですから、これだけの皆さんをやはりもっと活用すべきだと思うんです。
 沖縄のよさの発信もそうですが、それぞれの国のよさ、あるいはもちろん文化だとかもそうなんですが、今沖縄が抱えている問題について、例えば基地問題にしても、知事は、23年度は日本全国に発信をするとおっしゃっているわけですから、そういう意味ではこの世界のウチナーンチュ、ウチナーンチュのアイデンティティーということもおっしゃっていますので、そういう意味では、私たちの母県としての非常に財産になると思うんです。だから、この人たちに、4年に1回とおっしゃらずに、できれば年に1回でも何人か沖縄に集まっていただいて、そこでテーマを決めたサミットみたいな形のものができないのかなと。
 それから、やはりこれからは武力でもって抑止力を持つのではなくて、そういう人的な交流が大切だと思います。そういう意味でも、それぞれの国の国民性だとか、物の考え方だとか、そういったことを情報を入手し、あるいは研究することによって、沖縄の基地問題を解決するためにアメリカ政府にはどう訴えたほうがいいのか、政府なのか、議会なのか、国民なのか、そういったこともやはり出てくるのではないかなという気がします。
 そして、世界に知らせることによって、私たち沖縄が抱えているこういった――私は差別的な扱いだと思っているんですが――扱いは解消されていくのではないかなと思います。
 私は、先月、グアムに玉城議員なんかと一緒に行ってきたんですが、向こうの皆さんは、やはりアメリカの準州という立場で、中央政府に対しては愛国心もあるわけですから基地の受け入れに対してノーとかという話は余りなさらないんです。ただ、やはり一時的に労働者が入ってきて人口が多くなると、いろいろインフラ整備の問題であるとか、そういう話があって、向こうの皆さんは、そういう意味ではなかなか言いにくいという話があったわけですね。
 ですから、向こうにも沖縄の方がいらっしゃるわけですけれども、そういった皆さんの考え方だとか、そういった情報をここでいつもまとめて、キーになる部署があればそこに情報を集めて、そこでいろんな政策に転換できるんじゃないかなと思うんですが、世界のウチナーンチュ大会が4年ごとに開催されていてこれだけのネットワークができているんですから、その窓口をしっかりとどこかに置かれて常にできるような体制づくりが必要ではないかなと思っているんですが、どうでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) 今現在、窓口は観光商工部の中の交流推進課が窓口となって、今回の10月に行われる世界のウチナーンチュ大会の準備とかいろんなことをやっております。
 議員御指摘のとおり、やはり4年に1回、5年に1回の大会だけじゃなくて、やはりこういうふうに世界に広がっているネットワークをうまく使うか、これはいろいろ議論されてきたところでございます。我々としては、これまでまず若い人、ジュニアスタディーツアーとかホストファミリーとかこういうのはもう毎年継続してやってきているところですけれども、その中でまた新たに動いたのがWUB(ワールド・ウチナーンチュ・ビジネスネットワーク)で、こういう動きはいろんなところで起こっておりまして、これをまとめて情報発信するところ、こういうものも新たに必要じゃないかという内部では議論をしているところでして、今回の大会で移民史みたいなものの常設的な展示の話などもございまして、それさえもまだないということも含めて、こういう今まで集まった成果をまとめて展示するところやこれから引き続き今後の情報を発信する、こういう拠点みたいなものも今議論しておりまして、少し研究させていただきたいなというふうに思っております。
○新垣 清涼 ぜひそういう取り組みをやっていただきたいなと思うんですね。
 ホストファミリーとかWUBにしても、例えば沖縄にいらして、たまたまここで商談が成立して結んで終わりということではなくて、やはりまた交流推進課のほうでしっかり把握されて、そしてこの仕事は別の民間あるいは外郭団体でもいいかと思うんですが、そこに移してもいいですから引き続きできるような形、そしてそのホストファミリーにしても、その方との関係だけではなくて、今度はそういった全体のネットワークづくりを広げることによって、さらに次世代の子供たちにもつながると思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、観光行政についてでありますが、やはり沖縄に一度いらして、そしてある意味で沖縄のよさを感じ取って帰られるわけですよね。例えば、修学旅行生にしてもそうですが、結婚式を挙げられる方にしても、その家族もいらっしゃるわけですから、先ほど部長がおっしゃっていたように、やはり記念日で訪れるような仕組みづくりが何かできないかなと思うんです。僕のこの貧弱な発想ではなかなかないんですが、例えば、記念木を県が提供してどこかに植えてもらうとか、あるいはこれは酒屋さんが取り組んでおられると思うんですが、酒屋さんで3本の一升瓶を買ってもらって、3年目になると連絡をして3年記念で1本送りましょうと、5年たったらまたもう1本送りますと、そのためにそのお酒代はいただきますけれども、預かり賃は県のほうで負担しますとか、あるいは割引券を発行するとか、そういった必ずまたいらっしゃる仕組み、そういう仕組みづくりもぜひ取り組んでいただきたいんですが、どうでしょうか。
○観光商工部長(勝目和夫) リゾートウエディングにつきましては、先ほどアニバーサリーということで、そういう誘致に取り組んでおりまして、今やはり記念日を沖縄にというキャンペーンを張っていまして、いろんな仕掛けをやっているところですけれども、今後これをてこ入れしてさらに大きく発展させていきたいなというふうに考えております。
○新垣 清涼 次に、環境行政についてですが、生物多様性地域戦略についてはもう策定をして次に取り組まれるということですけれども、たしか去年名古屋市で生物多様性の会議があったと思うんですね。やはりそういった会議が行われて、その後にそういう戦略をつくっていくというのは、何か非常におくれているような気がするんです。というのは、今ヤンバルのほうでも、これは農水省の支援事業ですかね、高率補助があるからということで皆伐をして、また、これまでの沖縄のヤンバルの森にふさわしい樹種が皆伐されて、新しく違う木を植えられているようですけれども、そういったことが毎年毎年行われていくわけですよ。そういうことに歯どめをかけるためにも、沖縄の自然をしっかり残すためにも早目の取り組みが必要じゃないかなと思っています。
 ぜひ今の計画を総力を挙げて取り組んでいただいて、沖縄のよさはやっぱり自然でもあります。沖縄観光の魅力というのは自然でもあります。だから、そういったのはぜひ大事にしていただきたいなということを、あと一度決意をお願いします。
○文化環境部長(下地 寛) おっしゃるとおりCOP10が開かれまして、全国的にも生物多様性に係る認識というのは強まっております。県でこの生物多様性の地域戦略をつくっているところはまだ7県ぐらいしかなくて、これから全国的に広まるという状況です。我々も先進県の調査などもしていますので、しっかり策定に向けて取り組んでいきたいと思っています。
○新垣 清涼 全国でも少ない取り組みだからということで決して安心なさらずに、やっぱり全国でもトップになるんだという思いでやっていただきたいなと思います。
 それから、先ほど失業率の件で、知事、全国が4.1%から5.1%に悪化していると、我が県は7.7%から7.6%で少しではあるけれども改善されている、これは非常に評価いたします。ところが、まだ絶対数として7.6%なんですね。そういう意味では、全国が今労働者の人口が少なくなっているわけです。沖縄のほうは少子化ではなくて、就労対象人口といいますか、こういうのがふえているわけですから、そういう意味ではやはりもっともっと工夫をしていろんな発想の転換というのもあると思います。ぜひ、若い皆さんが学校を卒業しても仕事がないというような状況をつくらないように、そういう状況のままでいると、やはり若者たちの夢がなくなってくると、いろんなことにマイナスになっていきます。ぜひそういう取り組みをしていただきたいと思います。決意をお願いします、どのぐらいまで落とされるか。
○観光商工部長(勝目和夫) 議員がおっしゃるとおり、やはり人口が伸びておりまして、正直言いまして、それになかなか雇用の機会が追いついていかないというような状況が続いておりまして、一応我々としては、やはり若い人がどんどんこれから県外だけじゃなくて海外にも目を向けていただくというような仕掛けも今準備しているところでして、やはりその若い人たちのこれからのキャリア教育というのは非常に大事だと思いますので、この件は先ほどちょっと議員からお話がありました「新みんなでグッジョブ運動」という話なんですけれども、「新」をつけたのは、やはり県民の一人一人、皆さんから提案を受けて、県が主導するんではなくて、地域も全部絡めてもう一度やろうという話などもありますので、やはり地域全体で取り組んでいきたいなというふうに思っておりまして、あわせてこれから沖縄を担う若い人の人材育成及び就業機会の拡大、これは努力して取り組んでいきたいというふうに思っております。
○新垣 清涼 ぜひそういう取り組みをお願いします。
 それから基地行政ですけれども、先ほど関連質問の中でお尋ねしました監視体制を政府に求めていくべきではありませんかということに対して、知事公室長は、連携体制を求めているということなんですが、海の上というのは陸上とは違って、やっぱり区域内なのか区域外なのかというのは非常にわかりにくいところもあると思うんですが、しかし、やはりそこは県ではなかなか厳しいかと思いますけれども、国のほうでもしっかりちゃんと安全にやられているかというような監視体制を求めるべきだと思うんですが、どうでしょうか。
○知事公室長(又吉 進) ことし2月1日に、参議院議員の糸数慶子議員の質問主意書に対する答弁が出ておりました。御承知かもしれませんが、いわゆる水域外の訓練というのは国際法上認められているといった見解を示した上で、糸数議員が「お尋ねのような「監視態勢」はとっていない。」と政府は答弁しておるわけです。しかしながら、県としましては、基本的にこれだけの訓練水域がある中で、訓練水域外の演習は行われるべきではないと、さらに先般の事例のようにそれが1日前に通報されるというようなことは、先ほど申し上げたように大変漁民、県民に不安を与えるということなので、監視態勢も含めてやはりしっかり危険を回避するような通報体制、連携体制をとってくれというのが県の主張でございます。
○新垣 清涼 おっしゃるとおりなんですね。だから、区域内であれば、ある意味でそれは国と国との約束ですから容認ということになるかもしれませんけれども、区域外についてもノーと言わないといけませんし、今おっしゃるように1日前ではとてもじゃないけれどもその周知も厳しいかなという思いがします。ですから県民の安全を守るためにも、ぜひそういったことは引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 仲井眞知事は2期目の選挙に向けて、普天間基地は県外移設による返還を求めるとおっしゃり、そして就任のあいさつでも、政府が進める「当該移設案を受け入れることは極めて厳しい」と、そして「地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難である」と。ことしの所信表明の中でも県内移設は事実上不可能ではないかとおっしゃって、さらにきょうの玉城議員の質問の中でも、その県外移設を求める姿勢は変わらないとおっしゃっているわけです。やはりそうであれば、私たちは、普天間基地についてはとにかくもう県内移設はだめですよと、そして県外を求めますということで一致できるわけですから、そういう意味では、ぜひ今度の訪米は知事も、議会も、そして軍転協、あるいは各市町村、あるいは民間も含めてもいいかと思います。大挙した要請団を送るか、あるいはまずは知事と議長が行くと、あるいは次に関係市町村の首長が行くと、あるいは次に県議会が行くと、とにかく波状攻撃にするのか大挙にするのかそういったことも含めて、次年度はそういった沖縄県民の願い、思いというのはこうなんだということをアメリカの議会に訴えることが必要じゃないかなと思っています。
 といいますのは、日本政府に幾ら言っても、日本政府は沖縄県民にある意味で隠したり、あるいは聞いても、決議文、あるいは意見書を持っていってもなかなかそれにも返事もしてくれないし、誠実な対応がちょっと見えないという部分を私は感じています。
 そういう意味では、世界で最も民主的な国家であると言われている、自負しているアメリカの皆さんに、あなた方は民主的な国家だと世界に言っていますねと、その民主的な国家に私たちは、沖縄県はこういう状況で非常に県民が被害を受けて困っていますと、ぜひ改善をしてほしいという訴え方をすることも必要ではないかなと思っています。ぜひその辺の取り組みも考えていただきたいんですが、どうでしょうか知事。
○知事(仲井眞弘多) 基本的には議員がおっしゃることとほとんど変わりはありません。アメリカの議会がどこまで民主的なルールを我々に対してアプライするかどうかちょっとわかりにくいところはありますけれども、ただ、おっしゃる方法はいずれ必要だなとは思っておりますが、どんなタイミングでどんなふうにというのは、もう少し研究させてください。
○新垣 清涼 あと1点だけ、知事公室長、爆音の被害なんですけれども、今、普天間基地や嘉手納基地の周辺には測定機がついていますね、騒音測定機。その測定機の数値を国道沿いでもいいですし、県道沿いでもいいんですが、そこで電照看板にして表示して、例えば嘉手納ですね、ただいまのF15のうるささ指数は幾らであると、98であるとか、102であるとか、そういう数字を出せる電照看板。音というのは人によってうるさいという度合いが違うと思うんですね、表現も違うと思うんです。ところが、今飛んでいった飛行機の音というのは、ああいうふうにして画面で数字であらわされるとみんなが共通できるわけですね。そういったことを今度何かの予算でつけられないものか、嘉手納のその地域にぜひその辺も検討していただきたいんですが、どうでしょうか。
○知事公室長(又吉 進) 御提案の件につきましては、いろいろ技術的なものとか課題があろうかと思いますけれども、議員の御発言はやはり騒音に苦しめられている住民の声だと受けとめまして、しっかり検討してまいりたいと思います。
○新垣 清涼 ありがとうございました。終わります。
○前田 政明 発言通告に基づいて、以下質問を行います。
 1、知事の基本姿勢について。
 (1)、鳩山前首相の「方便」発言について知事の見解を問うものです。
 (2)、海兵隊は海外侵略の部隊である。海兵隊は抑止力とする日米合意の撤回、辺野古新基地建設断念、普天間基地の撤去、海兵隊の撤去を日米両政府に求めるべきではないか。辺野古新基地建設反対、普天間基地の撤去に対するこの間の取り組みと今後の具体的な対応について知事の見解を問う。
 (3)、沖縄の現状は、米軍基地建設や演習の激化、自衛隊と米軍の統合訓練一体化と与那国島への配備、航空自衛隊那覇基地の戦闘機部隊の増強、海上自衛隊、潜水艦の増隻など、米軍と自衛隊で沖縄を軍事要塞化とする状況となっている。基地のない沖縄に向けて知事の見解を問う。
 (4)、高江ヘリパッド問題について。
 ア、ヘリパッド建設工事は辺野古の新基地建設計画と一体であるSACO合意に基づくもの。工事はあくまで辺野古の新基地建設計画を前提とする事業である。知事は、知事選挙の公約で辺野古新基地建設計画に反対を明言した。高江のヘリパッド建設は辺野古の新基地建設と一体である。したがって、高江のヘリパッド建設反対を明確に表明すべきではないか。
 イ、沖縄防衛局は工事強行理由として、県、東村、高江区の理解が得られていることを挙げているが、防衛局が言う理解は合理性がない。東村村長はヘリパッド反対を選挙の公約に掲げた。高江区の反対決議は現在も効力を持っている。防衛局に県も知事も理解をしていると口実を与えた知事の責任は重大である。
 ウ、工事の強行は住民に対する重大な挑戦であり、工事をめぐる裁判が係争中であるにもかかわらず工事を強行することは司法の尊厳を冒瀆する許しがたい行為である。工事を強行する防衛局職員や作業員に住民、支援者が抗議する中、女性がけがを負っている。知事は工事中止を求めるべきである。知事の見解を問う。
 2、琉球諸島の世界自然遺産登録推進について。
 (1)、世界自然遺産の登録基準に合致する可能性が高いと判断された点と、世界遺産に登録されるためにクリアすべき課題解決のための取り組み、事業計画と予算などについて、当局の対応と見解を問う。
 (2)、世界に誇る固有種の宝庫ヤンバルの森を世界自然遺産に実現させることが沖縄の未来を切り開く、地域振興の発展にもなる。世界自然遺産登録を実現する全県民的な本格的な運動と取り組みを県が行うべきではないか。そのためにも北部訓練場の全面返還を早期に実現すべきではないか。
 (3)、ヤンバルの森を破壊する林道建設や開発などを見直し、貴重なヤンバルの森を保全する事業計画を作成して推進すべきではないか。
 3、教育行政について。
 義務教育未修了者の学ぶ権利は保障されるべきです。
 (1)、夜間中学・珊瑚舎スコーレヘの支援についての当局の対応と見解を問う。
 (2)、公立の夜間中学校を中部、北部、宮古・八重山地区に設立すべきではないか。
 4、私学助成について。
 (1)、インターナショナルスクール校舎の整備費補助と同様に、私学の校舎改築整備のための補助助成制度を実現すべきではないか。
 (2)、私学高等学校での授業料の滞納等経済的理由での中途退学者の状況と公的な支援について、当局の見解と対応を問う。
 5、国保行政について。
 (1)、日本の皆保険制度のもとで国民は保険証があれば必要な医療を受けることができる。本来の社会保障制度の趣旨からして保険証をすべての家庭に届けるべきではないか。保険料の滞納世帯、短期証、資格証、未交付世帯、高校生や18歳未満の保険証の交付の状況と窓口とめ置きによる無保険状態について問う。
 (2)、差し押さえなどの行き過ぎた強制徴収はやめるべき。差し押さえの現状と当局の対応を問う。
 (3)、民医連「2010年国保など死亡事例調査」では、国保等の保険証がなくて、病院に行くのが手おくれになって死亡した事例が全国で45名、沖縄民医連の調査では県内で10名となっている。この件について当局の認識を聞く。そして県立病院での同様な事例について問う。
 (4)、沖縄県国民健康保険広域化等支援方針について当局の見解と対応を問う。
 6、高齢者福祉行政について。
 (1)、高齢者の孤独死の現状と対策について当局の見解と対応を問う。
 (2)、新100歳高齢者に対する祝い金(年度内100歳到達祝い金)を存続すべきではないか。
 7、遺骨収集について。
 (1)、与那原町町内壕戦没者遺骨収集の実施について、当局の対応と見解を問う。
 8、地デジ問題について。
 (1)、地上波放送、地上テレビ放送は、国民・県民にとって最も身近で必要不可欠な情報入手手段であり、災害時などにおけるライフライン・生命線としての性格を持っている。地デジ対応状況と今後の対応について問う。
 9、県有地について。
 那覇市民会館、那覇市教育委員会会館の県有地の跡地利用について、当局の見解と対応を問う。
 10、我が党の代表質問に関連して、知事の政治姿勢について。
 国の辺野古新基地建設のための強権的な手段を選ばぬやり方、名護市への再編交付金停止問題、辺野古新基地建設のための現況調査の拒否に対する不当な不服申し立て、知事の埋立許認可権、市長の特別採捕の許認可権を奪う自治法改定等について実質的に容認、傍観する立場に立っているのはなぜか。
 日米安保条約について。
 日米安保条約のもとで米国の行った国際紛争、海外侵略戦争の出撃・補給・訓練基地となっているのが米軍基地ではないか。日米軍事同盟の強化として米軍への思いやり予算や、巨額な軍事費予算で国民の医療福祉予算が削られて現在の国民生活破壊と格差・貧困の要因となっているのではないか。日本の平和と経済の発展は、憲法9条があったからではないか。
 以上です。
○知事(仲井眞弘多) 前田政明議員の御質問に答弁をさせていただきます。
 まず知事の基本姿勢についてという御質問の中で、鳩山前総理の発言についての御質問にお答えいたします。
 鳩山前総理の発言につきましては、直接お聞きしたわけではありませんが、報道のとおりとすれば「方便」という言葉は、理解しがたい表現と言わざるを得ません。
 県は、政府に対し、頭越しではなく、地元の理解、協力を得なければならないというようなこととか、県民の納得のいく説明や解決策を示すようにというようなことを繰り返し申し上げてきましたが、今回の鳩山前総理の一連の発言は、県民の納得のいく説明とは言いがたく、まことに遺憾であるとしか言いようがございません。
 次に、知事の基本姿勢の中で、普天間飛行場移設問題に対する取り組みについての御質問にお答えいたします。
 県は、総理を初め各大臣との面談など、あらゆる機会を通じて、普天間飛行場の県外移設の実現を強く求めてまいりたいと考えております。また、その実現を図るためには、日本全体で米軍基地の負担を分かち合うべきであるということを広く国民に理解してもらう必要があると考えており、平成23年度には世論を喚起するための広報活動などを積極的に推し進めてまいります。特に、県内移設は事実上不可能であるという沖縄の状況を日米両政府と国民に理解してもらうため、あらゆる方策を検討し実施してまいりたいと考えております。
 次に、知事の基本姿勢の中で、基地のない沖縄についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県におきましては、これまで政府への要請や全国知事会、そして訪米などあらゆる機会をとらえて沖縄の過重な基地負担の軽減やさまざまな事件・事故の防止など、米軍基地問題の解決促進を訴えてまいりました。
 沖縄県といたしましては、将来的に国際社会の相互依存関係が進展し、より安定した安全保障環境が構築されることを期待しつつ、過重な基地負担の軽減や米軍基地の整理縮小に向けた努力を積み重ねることで基地のない平和で豊かな沖縄を目指してまいりたいと考えております。
 次に、国保行政についての御質問の中で、沖縄県国民健康保険広域化等支援方針についての御質問にお答えいたします。
 県としましては、国が国保の広域化について方向性を示していること及び高齢化の進行等に伴いふえ続ける医療費について、市町村国保の安定的運営、特に小規模保険者の財政基盤の安定化を図る観点から、将来的な国保の広域化に対応する必要があると考え、市町村国保との意見調整を踏まえ、平成22年12月に「沖縄県国民健康保険広域化等支援方針」を策定したところであります。しかしながら、広域化により国保の問題が解決するわけではなく、全国知事会において指摘されているように、国の新たな高齢者医療制度に関する最終案では、財源を含めた国保の構造的問題の解決策が示されていないことから、国保の持続的運営を図っていくことは厳しいと考えております。
 県といたしましては、今後とも国に対し、全国知事会等を通して国保の構造的問題に関して抜本的な解決策を求めていきたいと考えております。
 次に、地デジ問題に係る御質問の中で、地デジ対応状況と今後の対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 テレビ放送は、生活に最も身近な情報基盤であります。必要不可欠な情報手段と認識いたしております。平成22年9月の沖縄県の地上デジタル放送受信機の世帯普及率は78.9%であり、前回3月調査時に比べ13ポイントの伸びを示しております。
 県といたしましては、住民税非課税世帯に対する受信機の購入支援を実施いたしており、地上デジタル放送移行までにテレビ放送が視聴可能となるよう、国、放送事業者とさらに連携し取り組んでまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の基本姿勢の質問の中で、高江ヘリパッド建設についての御質問にお答えいたします。1の(4)のア、1の(4)のイ、1の(4)のウは関連いたしますので一括してお答えいたします。
 北部訓練場のヘリパッドについては、SACO最終報告において、同訓練場の過半を返還することに伴い残余部分に移設されるものであり、県としましては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることがより現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 県としましては、随時現地に職員を派遣し状況の確認を行っておりますが、改めて去る2月14日、国は市町村の意向等も踏まえ、地域住民の生活や当該地域の自然環境に十分配慮し、安全に万全を期すよう申し入れを行ったところであり、政府に対し無条件に理解を示したことはありません。今後とも東村や高江区の意向を尊重し、適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、我が党の代表質問に関連してとの御質問の中の、国の強権的なやり方についてとの御質問にお答えいたします。
 今回、名護市に再編交付金を交付しないことが決定されたことについて、北澤防衛大臣は、米軍再編特別措置法の趣旨に基づいた判断であると説明しております。県としましては、地域の振興は基地問題とリンクすべきではないと認識しております。政府においては、北部地域の振興について、地元の意向を踏まえ、引き続き積極的に取り組んでいただきたいと考えております。また、今回の現況調査に係る異議申し立てについては、沖縄防衛局と名護市の両当事者間で行われている行政不服申し立て手続であり、県としてその適法性について見解を述べる立場にはありませんが、今後とも重大な関心を持ってその推移を注視していきたいと考えております。また、「地方自治法の一部を改正する法律案」については、国等による違法確認訴訟制度の創設を盛り込むことが検討されているとのことでありますが、具体的な内容については政府から示されておりません。
 県としましては、引き続き普天間飛行場移設問題への影響等を含め情報収集に努めるなど、適切に対応したいと考えております。いずれにしましても、県としましては普天間飛行場の県内移設は事実上不可能であり、県外移設を求める考えに変わりはありません。
 次に、米軍基地予算、憲法9条に関連する御質問にお答えいたします。
 日米安全保障条約は、我が国の安全保障上、重要な役割を担っていると認識しており、在沖米軍基地の運用は日米安保条約の枠内で行われていると理解しております。
 我が国の防衛予算のあり方については、国政の場で十分に議論されているものと考えております。戦後の日本の平和と経済の発展は、憲法9条を含む日本国憲法のもとで構築されてきたものだと理解しております。
 以上でございます。
○文化環境部長(下地 寛) 琉球諸島の世界自然遺産登録推進についての御質問の中で、自然遺産の登録基準と課題解決の取り組みなどについてお答えいたします。
 自然遺産の登録基準いわゆるクライテリアは、自然景観、地形地質、生態系、生物多様性などのすぐれていることなど4つがございます。
 琉球諸島が世界自然遺産の登録基準に合致する可能性が高いと判断された点は、「大陸との関係において独特の地史を有し、極めて多様で固有性の高い亜熱帯生態系やサンゴ礁生態系を有している」こと、「優れた陸上・海中景観や絶滅危惧種の生息地となっている」ことであります。一方、絶滅危惧種が生息・生育する重要地域の保護担保措置や外来種対策など、貴重な自然を守る対策が十分ではないとの課題があります。このため、今後の世界自然遺産登録に向けた計画的な取り組みとして、環境省においては、国立国定公園総点検として今後10年間をめどにヤンバル地域を含む全国の国立国定公園の新規指定や大幅拡張を進めることとしております。
 県においては、ヤンバル地域におけるマングース防除計画に基づく平成26年度までの根絶と琉球弧自然フォーラムの開催等を行っているところであり、これらに係る予算として、平成23年度は2億1527万8000円を計上しているところであります。これらの取り組みの進捗状況を踏まえつつ、できるだけ早く自然遺産に登録されるよう、今後とも環境省などと連携していきたいと考えております。
 同じく琉球諸島の世界自然遺産登録推進についての質問の中で、自然遺産実現のための全県的な運動と北部訓練場の早期返還についてお答えいたします。
 ヤンバルの森の世界自然遺産の登録に向けては、これまで有識者や地元自治体で構成される「やんばる地域の国立公園に関する検討会」や、地元の理解を得るための「やんばる地域の国立公園についての意見交換会」が開催されております。また、地元自治体やNPO、民間団体などから成る「やんばる国頭の森を守り活かす連絡協議会」では、ヤンバルの森の保全やエコツーリズムの推進などが行われております。県においては、環境省や鹿児島県と共同で琉球弧自然フォーラムを開催し、琉球弧の豊かな自然を引き継ぐことの重要性を広く県民に知らせているところであります。
 今後とも、このような取り組みを進めていく中で、全県的な世界自然遺産登録に対する機運醸成を図っていきたいと考えております。また、北部訓練場については、自然度が高い地域であることから、返還予定地については早期に返還されることが望ましいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 琉球諸島の世界自然遺産登録についての中で、林道建設や皆伐の見直しとヤンバルの森林保全についてお答えいたします。
 ヤンバルの森は、希少な動植物が生息・生育することから、重要であると認識しております。一方、林業は地域の主要な産業となっており、雇用や定住化に重要な役割を果たすとともに、木材やキノコ等の林産物の供給を通して他産業の振興や県民生活にも寄与しているところでございます。このことから、森林の保全につきましては、自然環境の保全と利活用との調和を図る必要があると考えております。そのため、森林の保全につきましては保全する区域と、林業生産や自然体験活動として利活用する区域等にゾーニングを行うとともに、林道建設についても作業道や環境保全対策の検討など地元住民や県民、関係者等との合意形成を進めていきたいと考えております。また、収穫伐採につきましては、さらなる環境保全対策の実施に向けて関係機関と連携して検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは教育行政についての御質問で、珊瑚舎スコーレへの支援についてお答えいたします。
 珊瑚舎スコーレは、戦中戦後の混乱期に義務教育を受けることができなかった方々に対し学びの場を提供しており、重要な役割を果たしていると考えております。
 県教育委員会としましては、そのような方々へ学ぶ機会を提供することは、「教育を受ける権利」、「学習権の保障」という観点からも大切なことと認識しております。現在、沖縄特別振興対策調整費を活用した「戦中戦後の混乱期における義務教育未修了者支援事業」として約1200万円を県の平成23年度当初予算に計上し、国への交付申請に向けて調整を行っているところであります。事業内容としましては、戦中戦後の混乱期における義務教育未修了者の実態を把握し、対象者となる方々へ学習支援希望者調査を行うことと、現在学んでいる方々へ学習の機会を提供するものであります。
 なお、学習機会の提供に係る支援につきましては、民間の関係機関を対象に公募し、委託する予定としております。
 次に、公立夜間中学の設立についてお答えいたします。
 県教育委員会では、平成18年度に義務教育未修了者の調査について各市町村教育委員会に実態調査を依頼しました。その結果、41市町村中、2村は確認できましたが、残りの市町村につきましては、当時の資料が残っていないことや個人情報の関係上、調査が難しいとの理由で実態把握は困難な状況でありました。公立夜間中学校の設立につきましては、対象者の把握ができなかったことと、各市町村教育委員会からの要望もなかったことから、現段階では設立の予定はないものと考えております。
 県教育委員会としましては、「戦中戦後の混乱期における義務教育未修了者支援事業」の中で実態調査を行い、今後、どのような学習支援や学習機会の提供ができるのか市町村教育委員会との連携を図りながら検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 私学助成に関する質問のうち、校舎改築整備のための補助助成制度の実現についてお答えいたします。
 インターナショナルスクールの建設費に対する補助は、沖縄科学技術大学院大学の周辺整備事業の一環として行われるものであり、私学振興の立場からの補助ではありません。
 私立学校は、私人の財産を投じ建学の精神に基づく特色ある教育を実践することを目的として設置されるものであることから、その施設及び設備に係る経費は、設置者である学校法人が負担することが基本であります。しかしながら、私立学校施設の老朽化や耐震化対策が進まない状況にあることから、児童生徒の安全な教育環境の確保が課題であります。
 県としましては、現在、校舎改築のための支援策について私学団体と意見交換をするなど取り組んでいるところであります。
 次に、私立高校での経済的理由による中途退学者の状況と授業料の公的な支援についてお答えいたします。
 平成21年度の私立高等学校における経済的理由による中途退学者は、2名となっております。
 授業料に対する公的な支援としては、今年度から1人当たり年額11万8800円の就学支援金を交付していますが、加えて保護者の所得の状況に応じて加算措置も講じており、最大23万7600円が交付されます。あわせて、私立高校を設置する学校法人が保護者の所得の状況により授業料を軽減した場合、当該学校法人に補助を行うなど、私立高校生の就学機会の確保に努めているところであります。
 次に、県有地についての質問で、那覇市民会館等県有地の跡利用についてお答えいたします。
 県においては、沖縄県公有財産管理運用方針に基づき、公有財産の適正な管理に努めているところであります。那覇市民会館用地は平成45年5月まで、那覇市教育委員会用地は平成25年3月までの貸し付けとなっており、現在、教育委員会建物については解体工事中であります。
 当該用地については県としての跡地利用の計画はありませんが、那覇市からの利用希望がありましたら、管理運用方針に基づき適切に対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(奥村啓子) 国保行政についての御質問の中の、保険税の滞納世帯等についてお答えします。
 国民健康保険は、制度の維持運営に必要な保険税の収納確保を図る観点から、納付相談等の機会をふやすことを目的として、短期被保険者証と被保険者資格証明書の交付制度を設けており、両証とも市町村は世帯の生活実態等を把握の上、交付することとなっております。平成22年6月1日現在における県内市町村国保の滞納世帯は4万9852世帯、短期被保険者証の交付世帯は2万6570世帯、被保険者資格証明書の交付世帯は96世帯となっております。また、被保険者証の未到達世帯につきましては、市町村より平成22年7月末現在で2万5556世帯、18歳以下の子供は6862人で、このうち4986人に短期被保険者証の郵送等を行っているとの報告を受けております。
 次に、差し押さえの現状と県の対応についてお答えします。
 平成21年度における差し押さえ件数は2578件、差し押さえ金額は約3億2800万円となっております。県としましては、滞納された保険税は、ひいては保険税を納める他の被保険者の負担ともなってしまうことから、保険制度を維持し運営していくためには、滞納者に国民健康保険制度の趣旨や納税義務の周知を図るとともに、保険税の負担能力がありながら納付しない滞納者については、公平の観点から法に則した適切な対応が必要であると考えております。
 次に、国保証がなく死亡した事例に係る県の見解についてお答えします。
 県では、国保証が交付されていないことにより死亡した事例について把握しておりません。なお、国においては、医療費の一時払いが困難な場合の短期被保険者証の交付について、世帯主が保険税を納付できない特別な事情に準ずる状況にあるのかを把握し判断するよう示しております。県では市町村にこの旨周知しており、市町村においては、この方針に基づき適切に対応しているものと考えております。
 次に、高齢者福祉行政についての御質問の中の、高齢者の孤独死の現状と対策についてお答えします。
 高齢者の孤独死については、調査が困難なことから、実態を把握することはできておりません。市町村においては、ひとり暮らしの要支援高齢者を対象に、「福祉電話」の設置や「配食サービス」並びに「緊急通報体制整備事業」等を行い、安否確認や孤独感の解消に努めております。また、地域包括支援センターにおいては、高齢者本人や家族等からの相談に応じるとともに、見守りネットワークの構築などにより、高齢者と介護者を総合的・包括的に支援しております。
 県としては、市町村と連携し、ひとり暮らし高齢者等への施策に対して必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、新100歳高齢者に対する祝い金についてお答えします。
 高齢者祝金等支給事業は、県民視点による事業棚卸しにおいて「本事業については不要とし、長寿を祝う方策は別途検討すべき」として事業棚卸し委員会から「廃止」の評価を受けたところであります。これについて検討した結果、市町村等においても同様に記念品等の支給を行っていることなどから廃止することにいたしました。
 県としては、社会の発展に長年尽力してこられた高齢者の長寿を祝うとともに、県民一人一人がこれからの高齢社会を身近なものとして考える機会とするため、市町村や関係機関と連携し、新たなキャンペーンを実施していくこととしております。
 次に、遺骨収集についての御質問の中の、与那原町町内壕の遺骨収集についてお答えします。
 戦没者の遺骨収集業務は、厚生労働省設置法に基づき国が行う業務となっておりますが、県はその一部について、国からの委託事業として実施しております。
 与那原町町内の壕については、地権者が把握できないことや、周辺地域一帯が地すべり危険地域であることから、壕の位置を特定するための調査が進んでいない状況にあります。県としましては、当該地区は地すべり地域であり、周辺の墳墓に被害を与える可能性があるため、掘削工法について検討を要する旨、国に対して報告しているところです。
 以上でございます。
○前田 政明 高齢者の新100歳の祝い金について、実は新聞に投書がありまして、やはり長寿県としてこれは残すべきじゃないのかと。そういう面で長寿県の沖縄において、ぜひ県議会議員の皆さんに一縷の望みを託すものでありますというようなそういうのがありまして、やはりこれは長寿県としてこの祝い金をほとんど廃止してきた中で、私は少なくとも新100歳についてはこれは残すべきじゃないのかなと、それが県政としての思いじゃないかなと思いますけれども、知事はここはどうでしょうかね。
○福祉保健部長(奥村啓子) 事業棚卸しのほうで廃止して別の形で事業を実施するということを言われまして、それについて検討を進めました。その検討の内容といたしましては、先ほど答弁で申し上げましたが、市町村ではすべて実施しているということと、また表敬の希望を毎年募っておりますがこれが年々希望も少なくなっておりまして、ここ数年はもう1けた台の状況でございました。そういう状況がありまして、また他県の状況も勘案しながらそういう高齢者への長寿を祝う機運を別の形での事業として実施していきたいというふうに思っております。
○前田 政明 悲しい限りですけれども、私はやはり新100歳を迎えるというのはなかなかできないことで、本当に宝だと思うんですね。知事、そこはぜひ今後もひとつ検討していただきたいということを申し述べておきます。
 あと地デジの問題で、これは沖縄の普及率が非常に低くて、特に皆さんから資料をいただきまして石垣・宮古それぞれ60%台、年収200万円未満がそれぞれ65歳以上の方も含めて60%というような状況になっていて、これは実質的には大変困難じゃないかなと。それから宜野湾の米軍基地により見られないところ、安波とかその他を含めて、この地デジが見られないところが現実にあるんですね、この調査でも。そういう面ではこれはライフラインで、やはり衛星で来るからといって衛星では中央の東京のものしかわからなくて、沖縄の情報が入らないと。そういう面で全国市長会もその辺よく考えて、やはりもしそういう状況だったら7月については延期することも含めて検討すべきじゃないのかということも出ておりますけれども、ここのところ本当に基本的人権の問題として大事なところなんで、今から間に合うのかなと。そういう面では新聞報道にもありますように、北部の近辺とか、基地あるがゆえにというふうになっておりますけれども、そういう面でやはりそこのところを私はしっかり見届けてちゃんとした対応をすると。最悪の場合はこれは延期も含めて国に申し入れることも検討すべきじゃないかと思いますけれども、知事の御答弁をお願いします。
○企画部長(川上好久) 今、議員のほうからございましたとおり、本県の地デジの普及率が低いというふうなことは承知をしております。国が実施をしている浸透度調査で、ただ世帯普及率は、前回のこの調査の中では全国に比べて沖縄県は非常に大きな伸びは示しております。そしてまた、昨年11月の家電エコポイントの駆け込み需要でさらに世帯普及率は改善されているというふうに考えております。そしてまた、沖縄県は独自の取り組みもやっておりまして、民放3局による地デジ放送特番の実施だとか、それから広報活動、そしてそういうふうな活動を通じまして、ことし7月までに地デジ放送を見ることができない世帯が生じないように、国とかあるいはまた放送事業者、関係機関と連携をして広報活動の強化をしてまいりたいというふうに考えております。
○前田 政明 国頭村を含めて見られないところがあるんで、私はぜひここは検討してちゃんと、いわゆる地デジ難民という、基本的なライフラインとして見ることができない世帯がないようにしていただきたいと思います。
 ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時38分休憩
   午後5時38分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○前田 政明 私学助成については、部長、今多くの都道府県でやはり独自に助成をしているところはかなりふえているんですね。年所得500万円以下とか、年所得300万円以下の家庭に対して随分全国的にはやはり私学の子供たちの家庭の状況を含めて今出ていると思うんですけれども、そこはどういうふうに認識されているか。大体全国でどのぐらいの県で独自の補助助成をしているのかということを含めて私は検討していくべきだと思いますけれども、お答えをお願いします。
○総務部長(兼島  規) ちょっと手元に全国の状況はございませんけれども、確かに全国的にもそういった困った私立高校の生徒の授業料の軽減の措置をいろいろされております。
 私どものほうも交付金事業として国のほうから得られたものについてはしっかりやっていますけれども、もう一点はやはり独自に助成した法人に対して私どものほうからそれなりにまた補助金を出すというような方法でしっかりやってまいっておりますけれども、今後ともしっかりやっていきたいと思っております。
○前田 政明 あと基地問題全般的に、世界自然遺産登録については、知事ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 高江の問題もそうなんですけれども、皆さんはSACO合意を実践すると。それで知事は高江もそれから全般、辺野古の問題もそうですけれども、知事、改めて知事が県内移設反対と言わない理由ですね、これを改めて聞きたいなと思いまして、ほかの議員に答えたかもしれませんけれども、簡単にお答えいただきたい。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時41分休憩
   午後5時41分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 県外移設を求めるという言葉にすべてもう包含されていると思っております。
○前田 政明 私は、知事は実質的に不可能であるというふうに言っておりますね。不可能というのは可能にできる。すなわち今知事が県内移設反対と言わないのを私ずっと考えているんですけれども、それは反対はオール・オア・ナッシング。しかし、不可能は可能にすると。そういう面で政府はこの辺野古の基地建設反対といういわゆる名護市長を徹底的にいじめると。そして高江はSACO合意なんだと。新聞によると北澤防衛大臣がSACOの実践なので辺野古をやりますよということを知事に言ったという記事がありますけれども、そういう面ではその象徴的なのが高江、このSACO合意で普天間の移設と、2番目にこの高江、ヤンバル北部訓練場ありますよね。そういう面で那覇軍港の推進、これについても移設推進だという、やりなさいと。そういう面で先ほどお手元にお配りいたしましたけれども、特にこの自治法改正において国等による違法確認制度、これを見るとその県の許認可ということで公有水面埋立許可とか、今の特別採捕、それから市町村の許認可の問題についてもいわゆる今の名護市がやっている公有財産の協議に関する現況調査の同意、こういう面でこれは自治法でいろいろ言われたけれども、結果的には特別措置法ではなくて、特別措置法でやるとこれは沖縄がねらい打ちだということがわかる。そういう面で、自治法改定の中に知事の権限、市長の権限を全部奪い取る、そういうことが出されているにもかかわらず、知事は傍観者的にまだ資料が入っていない、こう答えて、私はやはり知事は県内移設反対じゃないんだけれども、そういう形でどんどんSACO合意で県内移設をやっていくと、県内移設は県民同士対立させることなんですよ。それは私たちは1995年の県民大会を含めて、出てきて、県内たらい回しはだめだ、たらい回しは県民同士対決させるものだと、こういうことは許されないということでこの間ずっと言ってきて、それで今県内移設はやめるべきだという大きな運動になってきていると思うんですね。
 そういう面で知事は、私から見ていると県外不可能であるとは言いますけれども、その不可能のことを政府が徹底していわゆる北澤防衛大臣によれば県民がびっくりするような、いわゆる県民が目をみはるような振興策を提示し理解を深めたいという形で、知事も納得してそしてこの県外を言ったけれどもなかなか受け取るところがないというような形にならないかという危惧を、私はこの間の答弁を聞いていて、どうしてその県民の思いと知事の冷ややかな傍観者的な立場は何なのかと。だから県内移設反対と言ってしまったらオール・オア・ナッシングなんだけれども、要は不可能であるけれども不可能を可能にする。それは日米両政府があらゆる手段を通じてやるというのが今の現局面の政治の流れではないのか。そうでないとしたら知事は毅然とやはりこういう知事の権限を奪うような自治法改定をやめるべきだと。そしてまた、昨日の答弁では名護市長に対しては嫌がらせというほどではないんじゃないかと言っていましたけれども、これはとんでもない。他の議員も言いましたけれども、うちの赤嶺政賢議員も前の市長と約束したものはちゃんと払うべきじゃないかというような形で事務的にも話し合いが済んでいたんですよ。
 そういうことからすると、私はあめとむちのやり方をこれは許さないと。だから、当然名護市長を激励し、そしてこの県民とともに頑張ると。そうしたら辺野古の基地はつくらせない。そうすると、辺野古の基地につくる前提で普天間のヘリ部隊が行くわけで、その演習場が高江なんですよ。
 そういう面で私どもはそういう質問をしているんですけれども、知事はなぜこの傍観者的な立場に立っているんですか。私はそういう面で知事はその辺のことをわかりながら、ひょっとしたら日米両政府とあうんの呼吸になっていないかと心配するんですけれども、これは私の勘ぐりでしょうか。御答弁お願いします。
○知事(仲井眞弘多) 今の御質問が結局どこにあるかわからないんですが、あうんの呼吸にあるかと言われるとよくわかりません。ないと思いますけれどもね。
○前田 政明 知事は、前、米軍は瀬長さんが市長になったらみずから銀行も金を借りない、貸さないということやりましたね。私は、名護はちょうど同じようなやられ方になっているんじゃないかなと。そういう面で政府のやり方は余りにも自治体に対してひどいんじゃないかなと、私はこういうことをやめるべきだということを知事は沖縄県知事としてそういうことぐらいは言ってもいいと思うんですけれども、どうなんですか。
○知事(仲井眞弘多) ですから、私は北部振興策はしっかりやってもらいたいというのは政府に申し上げているわけです。
○前田 政明 また戻りますけれども、知事、そこはちゃんとやってほしいと。
 それから普天間の基地、なくせということですよね。そうしたらそのヘリ部隊はなくなりますよね。ヘリ部隊が今訓練しているところが北部訓練場ですよね。そこに新たなオスプレイも含めてという想定で高江の基地をつくろうとしていますよね。これ結局普天間の基地を撤去して、ヘリ部隊がなくなるということであるならば、当然この基地は要らないんですよ、要らないんです。ましてやさっき言った世界自然遺産登録の貴重種の世界の宝なんですよ、ここは。そしてまた知事も言ったように、N―4、住宅地からすぐそばですよ。そういう面では知事、この理屈から言って普天間基地はだめだと、このヘリ部隊は出ていけと。そうしたら辺野古もだめだということになると、このヘリ部隊はほかに行くんですよ。
 だから、今そういう面では、高江の皆さんが平和的生存権として静かに暮らしたいと。裁判もやっているんだけれども、防衛局は何の証明もしなくてずるずる延ばしているんですよ。とにかく反対すれば訴えられるよというふうな、米軍でもやらないようなやり方をやってきているんですけれども、知事、この辺は極めて単純なんですよ。普天間がだめなら辺野古もだめ、辺野古がだめなら高江もだめ。それはなぜかと言ったら海兵隊、海外侵略の海兵隊の基地はだめだという知事、そういう立場に立てませんか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時49分休憩
   午後5時51分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 辺野古代替施設の問題と高江ヘリパッドの問題を一体的にという御指摘だと思いますけれども、これはそれぞれ北部訓練場でいいますと過半を返還して、それが基地の整理縮小につながるものと県は認識しておりますし、辺野古の移設につきましては県外を求めるという立場に立っておりまして、これを一体的にという考えには直接は立っておりません。それぞれしっかりと取り組むべきだと考えております。
 また、北部訓練場につきましては、昨日知事が答弁申し上げたように、十分地元のお話も聞いておりまして、政府は地元の意向を踏まえしっかり対応すべきだと考えております。
○前田 政明 知事、SACO合意は県内移設なんですよ、県外じゃないんですよ。そういう面で高江はやはりこの辺野古ができなければだめだということで高江だけでも強行するというのが今の防衛局の立場ですよ。そういう面では住民の立場に立って、私はそういう兼ね合いの中で普天間がだめだったら、辺野古もだめ、高江も要らないんですよ。改めて知事どうですか。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時53分休憩
   午後5時54分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) どうも議員のは全部関連してお話しされているんで、少し考えがどうも一致しなくなるんですが、基本的にはまず北部訓練場の返還でしょう、約半分。その中でその中のヘリパッドをこっちに移しましょうと言っている案件であって、それをすべて連結してくるから話がよくわからなくなる。まずこれはこれで完結しているじゃないですか。東村も注文つけながら、区も注文つけながら防衛局と話をして物事を進めているんであって、我々はそれを見ながら地元の意向もちゃんと聞き、自然環境にも配慮して進めてもらいたいとずっと言ってきているわけです。
○前田 政明 知事、私が心配するのは、不可能を可能にするというような条件整備に手をかしてはいけないということを言っておきます。  
 ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時55分休憩
   午後5時55分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○前田 政明 あと国保について、新しい国の流れから含めて県の計画で、部長、赤字自治体がありますね。その赤字総額、それから今、一般会計から国保会計に繰り入れられている総額、これについてまずお答えをお願いします。
○福祉保健部長(奥村啓子) 平成21年度でいいますと、県全体で76億7700万円の赤字となっております。それから法定外繰入金が75億5200万円となっております。
○前田 政明 これがそのまま今の国保に上乗せされたらどのぐらいの値上げになりますか。
○福祉保健部長(奥村啓子) 平成21年度末現在における世帯数で算出いたしますと、1世帯当たり6万円、1人当たり2万9000円の引き上げとなります。
○議長(髙嶺善伸) 前田政明君。
○前田 政明 だから今度の新しい国の方針というのは、基本的に一般会計からの繰り入れは慎むべきだと。そういう面でそうなるとしたら、今言っている1世帯6万円、とんでもない。今でさえ払えない状況の中で国保手帳がなくて亡くなる状況がありますけれども、そういう面で代表質問で、この新たな通達は一般会計からの繰り入れをやるべきではないということではないというところは、もう一回確認したいんですけれども。
○福祉保健部長(奥村啓子) この通知の中では、読み上げますと、一般会計繰り入れによる赤字の補てん分については、保険料の値上げ、収納率の向上、医療費適正化策の推進によりその解消に努めるということですので、そういう総合的な取り組みの中で解消していくという趣旨の通知だと理解しております。
○前田 政明 そうすると、一般会計からの繰り入れは従来どおりやっていいということですね。
○福祉保健部長(奥村啓子) それを禁止する通知ではないというふうに理解はしております。
○前田 政明 一般会計から繰り入れたら県はペナルティーとかその他を自治体に科さないということでいいんですね。
○議長(髙嶺善伸) 福祉保健部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) 休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時58分休憩
   午後5時59分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 福祉保健部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) 繰り入れに対するペナルティーはございません。
○前田 政明 これは先ほど言った6万円の負担金の国保の値上げになると大変なことになりますけれども、この事態を打開するために県はどういう対応をするんですか。
○福祉保健部長(奥村啓子) 赤字の解消につきましては、国の通知のとおりでございますけれども、本県の所得水準を考慮してやはり国に対して財政支援機能の拡充強化につきましても現在でも求めておりますが、引き続き要望していきたいというふうに考えております。
○前田 政明 だから国から助成がなければさっき言ったようなことになるんですかと。要するに税金の繰り入れは原則だめだというのが今の政権でしょう。
○福祉保健部長(奥村啓子) これを禁止しているということではございません。
○前田 政明 だから県としてどうするのかと。具体的にそれにかわる、6万円になったら大変だからどうするかということでしょう。それを聞いているんだよ。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後6時0分休憩
   午後6時2分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 福祉保健部長。
○福祉保健部長(奥村啓子) その繰り入れをすぐにやめてそれを保険税で賄えという趣旨ではございません。将来的な広域化に向けての取り組みの中で、保険税率も適切な設定をしながら、それから収納率の向上、医療費適正化の推進等を図りながらその保険者の状況に応じた対応ということを今後議論していきたいと思っております。そしてまた、国に対しては財政支援機能の充実強化につきましても、引き続きその拡充について要望していきたいというふうに考えております。
○前田 政明 130億円足りない分をこれどうするかということじゃないですか、どうするんですか。
○福祉保健部長(奥村啓子) 今、広域化に向けての国の議論の中でも、今言ったそういう国保の構造的な問題というのが解決されないんじゃないかということで、全国知事会を通して引き続きその財政負担のあり方等議論するようにということで知事会のほうからも要望しておりまして、これは全国的な課題でございまして、それは引き続ききちんとこの広域化に向けても、ただ赤字団体が市町村から国に移るとかそういうふうな状況では困るんだということで、そういうのも含めてきちんと財政のあり方を議論しようということで全国知事会を通して国に要望しているところでございます。
○前田 政明 知事、今、民主党は9000億円を国保会計に繰り入れすると言ったんですよ。それ今はやらない。そのまますると、今、1世帯当たり6万円も国保が上がろうとする状況になるんですよ。これを何としてもやめさせないといけません。
 そういう意味では沖縄県民の命を守る知事として、ここのところは政府にもちゃんと対応していただきたいと思いますけれども、決意をお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 今、福祉保健部長が答弁していますように、知事会でも重大問題としてこれを受けとめて一緒になって国に当たっておりますから、議員の言う方向でいい結果が出るようにまた知事会でも頑張ってまいりたいと思います。
○議長(髙嶺善伸) 20分間休憩いたします。
   午後6時5分休憩
   午後6時27分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 新垣安弘君。
   〔新垣安弘君登壇〕
○新垣 安弘 皆さん、こんにちは。
 本日最後です。知事、執行部の皆さんを初め、また議員の皆さん本当にお疲れさまです。もうしばらくですので、よろしくお願いいたします。
 今回、本定例会、鳩山前総理の発言のおかげで集中砲火を浴びておりますし、四面楚歌状態ではありますが、負けずに頑張ってまいりたいと思いますので、お願いいたします。
 質問に入る前に少し所見を述べさせていただきます。
 今回、鳩山前総理の「抑止力は方便」だったという発言への批判が大分出されておりますが、もっともな御指摘だとも思いますし、同じ党の人間として胸の痛む思いでもあります。しかしながら、ここは同じ党の人間という党に属する者として免じていただいて、少し違う観点から所見を述べさせていただきたいと思います。
 我が国にとって抑止力とは、自衛隊もそうですが日米安全保障条約であり、それに基づいて置かれている米軍基地だと思います。そういう意味では日米同盟のあかしとしての海兵隊の存在も何らかの意味で抑止力の役割を果たしていると私は思います。ただ、問題は、海兵隊が我が国の中でどうして沖縄でなければならないのかということだと思います。そして、これだけ過重な基地負担にあえいでいる沖縄にこれからもずっとそれだけの負担を背負わせていく国民であり国家なのか。国家であっていいのかということこそが問われなければならないし、問題の本質ではないでしょうか。
 鳩山前総理は、純粋に普天間の県外移設に取り組もうとしたと私は思っております。しかし、その前に立ちはだかったのが外務・防衛の官僚組織であり、また、アメリカが怒っているといって鳩山批判を繰り返した本土のメディアであり、国の安全保障のために沖縄に無理な負担をかけている状態を黙認する大多数の国民の存在です。鳩山前総理は、それらの問題と壁を突破するだけの力を持ち得なかったといえば、まさにそのとおりであり、そのことは御本人も正直に認めておられるところだと思います。だとすれば、私ども沖縄県民にとっては鳩山総理の個人的な問題よりも、鳩山政権を追い詰めた背後の本質的な問題への取り組みこそが今後の最大の課題ではないでしょうか。鳩山政権誕生の前と後では沖縄の政治状況がどう変わっていったかというのを見たときに、日米合意を交わしたことには問題がありますが、しかしこれもまた鳩山前総理のもたらした結果の一つではないでしょうか。
 その一つ、それは鳩山前総理の「最低でも県外」という言葉が県民に大きな期待を抱かせました。その結果、盛り上がった県民世論を無視できずに自公の皆さんが方針を変えました。そして、知事も方針を変えざるを得なくなったわけです。今ではほぼオール沖縄で県外を求めることで一致して交渉に臨める体制が整ったわけです。これは沖縄にとって大きな前進です。県民の期待を裏切ったと言われればそうかもしれませんが、結果としてこのような状況をもたらしたと言ってもいいのではないでしょうか。今後、知事を先頭に超党派で歴史的な交渉を成功させていこうではありませんか。
 それでは通告に基づきまして質問に入らせていただきます。
 まず初めに知事の政治姿勢についてお伺いいたします。
 (1)、普天間基地の移設問題や地位協定の改定に向けて、県民の先頭に立ち県民世論を一つにまとめてどのように政府や米国へ働きかけていかれるのかお伺いいたします。
 (2)、基地問題や災害対策などを含む総合安全保障についての調査研究を実施する体制整備について、現時点での構想や目標などをどのように考えておられるのでしょうか。
 (3)、本県にとって、経済発展を遂げつつも軍事力を増強し続け、尖閣諸島の領有権をも主張する中国をどのようにとらえ、どのようにかかわっていくべきと考えるか、知事の認識を伺います。
 (4)、政府は出先機関改革に取り組んでおりますが、沖縄総合事務局もその歴史的役割を終えつつある中で、県はどのようなところから権限移譲に向けての県の体制の準備を進めていくのでしょうか。
 (5)、自立経済の確立に向けて一国二制度的な法整備の取り組みが重要ですが、今後どのような分野において政府への要望を挙げ実現に向けて取り組んでいくのか伺います。
 (6)、海洋立国を目指すべき我が国にとって本県の占める位置と価値ははかり知れないものがあります。そのような観点から交付税の算定における海洋面積の扱いや領土、領海保全のための定住政策等について知事の見解を伺います。
 (7)、交通・物流コストの支援に関して、これまでの振興計画の中で不十分な点と今後必要とされる課題は何か。そして県が求める制度が実現されれば県経済及び離島振興にとってどのような効果をもたらすのでしょうか。
 次に、農業の振興について伺います。
 (1)、県内の農業生産法人の現状はどのようになっているでしょうか。
 (2)、TPPへの参加問題を契機に強い農業、競争力のある本県の農業を確立するための真剣な取り組みが必要だと思いますが、どのような目標を定めているのか伺います。
 (3)、地産地消の観点から学校給食を十分に活用すべきと考えますが、その現状と今後の課題を伺います。
 3番目に、離島の振興について伺います。
 (1)、本島の児童生徒の修学旅行の行き先は何年前から変わっていないのか。また、宮古・八重山などの離島へ行く事業から修学旅行の費用に補てんすることはできないでしょうか。
 (2)、就学支援の一環として、本島の高校における寮の設置と自治体が共同で設置している共同の学生寮の現状はどうなっているでしょうか。
 4番目に、教育行政について伺います。
 (1)、本県の学生の海外留学はどのような状況にあるのか伺います。
 (2)、教育事務所の統廃合についての計画があるのか伺います。
 (3)、公立幼稚園への低年齢児受け入れについてはどのように働きかけているでしょうか。
 5番目に、海洋政策について伺います。
 (1)、我が国は、今後、海洋国家、海洋資源大国を目指して国策を推進していく方向にあります。そのことは本県にとっても大きな意味を持つと思われますが、本県の海洋資源とその価値についての認識を伺います。
 (2)、佐賀大学の海洋エネルギー研究施設を久米島へ移設するか、それに近い施設を建設させるような計画を国に働きかけてはどうでしょうか。
 (3)、海洋深層水施設の今後の運営方針と運営計画はどのようになっているでしょうか。
 最後に、鉄軌道の導入について伺います。
 (1)、鉄軌道導入の検討及びその推進のために地元で活動を展開するNPOなどとの連携や導入を希望する市町村との議論の場が必要なのではないでしょうか。
 (2)、また、そのための予算は計上しておられるのか伺います。
 以上、御答弁を求めます。
○知事(仲井眞弘多) 新垣安弘議員の御質問に答弁をさせていただきます。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、普天間飛行場移設問題に対する取り組みについてという御質問にお答えいたします。
 県は、総理を初め各大臣との面談など、あらゆる機会を通じて普天間飛行場の県外移設の実現を強く求めてまいりたいと考えております。また、その実現を図るためには、日本全体で米軍基地の負担を分かち合うべきであるということを広く国民に理解してもらう必要があると考えております。平成23年度には、世論を喚起するための広報活動などを積極的に推し進めてまいります。特に、県内移設は事実上不可能であるという沖縄の状況を日米両政府と国民に理解してもらうためのあらゆる方策を検討し実行してまいりたいと考えております。
 次に、知事の政治姿勢の中で、中国とのかかわりについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 まず、尖閣諸島は我が国固有の領土であり、同諸島は沖縄県の行政区域であります。沖縄県としましては、これまでと同様に県民の生命財産や、漁業を初め諸権利が侵害されることのないよう政府に対し適切な対応を強く求めてきているところでございます。一方、沖縄県と中国は長い交流の歴史があり、福建省との間には平成9年9月に姉妹提携が締結されており、友好関係が続いております。また、近年は中国から多くの観光客も訪れ交流が盛んになっております。
 沖縄県としましては、中国との平和的な友好関係の構築は極めて重要であると考えております。今後とも、人、物、情報、文化、科学技術などの多元的な交流ネットワークをさらにつくり上げてまいりたいと考えておりますし、国際的な交流拠点の形成を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、知事の政治姿勢の中で、総合事務局の権限移譲に向けての体制準備に係る御質問にお答えいたします。
 国の出先機関改革につきましては、昨年末に閣議決定されましたアクションプランに基づく推進委員会が去る2月17日に開催され、沖縄総合事務局の事務・権限の移譲に関する沖縄県の考えを述べたところでございます。
 今後は、この閣議決定されたアクションプランに基づき出先機関単位ですべての事務・権限を移譲することを基本として、平成23年夏ごろまでに基本的枠組みや移譲対象機関が決定され、平成24年通常国会への法案提出に向けて作業が進められていくこととされております。
 沖縄県としましても、市町村や関係団体の意見も踏まえながら、国の作業状況に的確に対応してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、知事の政治姿勢の中で、これは自立経済に係る御質問の中で、政府へ要望する分野と実現に向けた取り組みについての御質問にお答えいたします。
 これまでの沖縄振興の成果により社会資本の整備や産業振興の面で着実な進展が見られる一方で、沖縄は種々の特殊事情から、県民所得及び雇用の問題、そして離島振興、基地、交通体系などの重要課題を今なお抱えております。したがいまして、離島県ゆえの不利性を克服するとともに、魅力ある自然環境や独自の文化、豊富な若年労働力、そして東アジアの中心に位置する地理的優位性などを最大限発揮できる施策を展開するため、国の責務において全国一律とは異なる新たな法制度の構築が必要であります。
 要望する分野の例としましては、沖縄県の基幹産業と言われております観光や情報通信産業に加えて、さらに国際物流関連産業、科学技術関連産業、そして環境関連産業等において新たに競争力の高い税制優遇制度の創設を求めるとともに、既存の県内の中小企業や製造業、さらには農林水産業、建設業などを振興するための制度も求めてまいります。
 沖縄県としましては、今後とも県議会、市町村、そして関係団体等の御協力を得ながら、沖縄政策協議会等の場も活用し、21世紀ビジョンで描かれた将来像の実現に資する新たな法律の実現に取り組む考えでございます。
 なお、要望する分野につきましては産業を中心に申し上げましたけれども、教育分野、さらには子育てなどなど福祉分野、また離島特有の分野、交通体系などなどたくさんの分野がございますので、申し添えておきます。
 その他の御質問につきましては、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての中で、地位協定改定に向けた日米両政府への働きかけについての御質問にお答えいたします。
 日米地位協定は、一度も改正されないまま締結から50年以上が経過しており、人権や環境問題などに対する意識の高まり等の中で、時代の要求や県民の要望にそぐわなくなっていること等から、沖縄県においては11項目にわたる抜本的な見直しを要請してきたところであります。政府は、「日米地位協定の改定を提起する」としているものの、これまで改定の方針等が示されていないことから、去る2月8日、軍転協を通じ早急に見直し作業に着手し、実務的な対応を行うよう求めたところであります。
 県としましては、軍転協や渉外知事会等とも連携しながら、粘り強く地位協定の見直しを求めてまいりたいと考えております。
 次に、総合的安全保障の構想や目標についてお答えいたします。
 米軍基地問題は、我が国の外交や安全保障にかかわる全国的な課題であり、日本全体で米軍基地の負担を分かち合うという原点に立ち返って解決する必要があります。そのため、日米の国防・安全保障政策や今後の国際情勢等を踏まえ、沖縄の過重な基地負担の軽減に向けた県としての考え方を取りまとめる予定であります。あわせて、大規模災害への対処等島嶼部における危機管理のあり方についても研究をしてまいりたいと考えております。
 具体的な調査研究内容につきましては、今後県庁内に立ち上げる予定のプロジェクトチームにおいて検討してまいります。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 知事の政治姿勢に関する質問のうち、地方交付税の算定における海洋面積の扱いについてお答えいたします。
 本県を取り囲む海洋は、我が国の貴重な経済水域や海洋資源を確保する上で非常に重要な役割を果たしており、国において何らかの財政的な配慮が必要であると考えております。これらの海洋面積を新たに地方交付税の算定基準とするには、都道府県ごとの海洋面積の捕捉、当該面積を測定単位とするような財政需要があると認められること等の課題があります。
 県としましては、国に対して、どのような形で海洋面積に関連する財政的な配慮を要望できるのか研究してまいりたいと考えております。
○企画部長(川上好久) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、離島の定住政策等についてお答えいたします。
 沖縄県の離島地域は、我が国の領海及び排他的経済水域の確保や貴重な海洋資源の利用等に重要な役割を果たしている一方、地理的・自然的条件等の不利性を有し、若年者の流出や高齢化の進行等による地域活力の低下が懸念されております。このような離島地域の現状を踏まえ、本島と同じようなユニバーサルサービスとして、交通・生活コスト、生活環境基盤、教育・医療等の分野における定住条件整備や地域産業の振興等、総合的な振興策について現在国に対して新たな制度の構築を要望しているところです。
 同じく知事の政治姿勢に関連をして、交通・物流コストの支援に係る課題と効果についてお答えいたします。
 これまでの振興計画においては基盤整備に重点が置かれたこと、交通・物流におけるコスト構成が複雑で有効な対策が打ち出せなかったことなどから必ずしも十分ではなかったものと認識しております。島嶼県であるがゆえの条件不利性を克服し、産業振興並びに住民の交通・物流コストの軽減を図ることは重要な課題であると認識しており、国に対して新たな制度の構築を要望しているところであります。新たな制度が実現されれば、県民生活や産業振興の上で大きな負担となっている交通・物流コストが軽減され、産業の振興及び離島の活性化が図られるものと期待しております。
 次に、離島の振興についての御質問の中で、離島体験学習推進事業についてお答えいたします。
 沖縄県においては、離島地域の住民負担を県民全体で支え合う仕組みを構築していくため、将来を担う児童生徒が離島の重要性、特殊性及び魅力に対する認識を深めるとともに、本島と離島との交流促進により、離島地域の活性化を図るため、本年度「離島体験学習促進事業」を実施しました。本事業は修学旅行とは異なる目的と内容のもと、内閣府からの国庫補助を活用して実施するものであり、その財源を修学旅行の経費に補てんすることはできないものと考えております。
 次に、海洋政策についての御質問の中で、海洋深層水研究所の運営方針と計画についてお答えします。
 海洋深層水研究所は、海洋深層水の総合利用の推進を図り本県の産業振興に寄与することを目的に、水産及び農業分野での研究開発を行うとともに、工業利用を促進するため企業に海洋深層水を分水しております。
 県としましては、海洋深層水の水産及び農業分野における研究と技術開発、工業分野における利活用を積極的に推進するため、平成26年度を目標とした沖縄県海洋深層水研究所第3次中期事業計画を策定し、引き続き民間企業や研究機関と連携してまいりたいと考えております。
 次に、鉄軌道の導入についての御質問の中で、NPO等や市町村との意見交換及び予算の計上について、これは6の(1)、6の(2)は関連いたしますので一括してお答えをしたいと思います。
 鉄軌道を含む新たな公共交通システムにつきましては、沖縄県総合交通体系基本計画においてその位置づけなどを検討することとしております。同計画は、有識者、関係団体及び市町村代表で構成する委員会において審議することとしており、平成23年度はそのための予算を計上しております。なお、鉄軌道については、県民やNPOなども含め、幅広い意見交換の場を設けていきたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農業の振興についての中で、県内の農業生産法人の状況についてお答えします。
 県内の農業生産法人の状況は、平成20年が318法人、平成21年が371法人、平成22年が394法人となり増加しております。平成22年の地区別の状況は、北部が113法人、中部が39法人、南部が56法人、宮古が88法人、八重山が98法人となっております。また、品目別では、果樹が113法人、畜産が79法人、野菜・花卉が88法人、さとうきび等が132法人となっております。
 県といたしましては、農業経営の効率化や安定化を図る観点から、農業生産法人を育成するため関係機関と連携し、法人化説明会の開催、相談窓口の設置等を行い農業経営体の法人化を推進しているところであります。また、農業生産法人を育成するため、農業用機械の導入やハウス等の生産施設、畜舎等の整備などを行っているところであります。
 次に、農業の振興についてお答えします。
 県では、亜熱帯の地域特性を生かして、競争力のある農業を確立するため、農林水産業振興計画に基づき、定時・定量・定品質の出荷が可能な拠点産地の育成によるおきなわブランドの確立と生産供給体制の強化、輸送コストの低減や地産地消など、流通・販売・加工対策の強化、経営感覚にすぐれた担い手の育成や新規就農者の育成確保、省力化・低コスト化に向けた農林水産技術の開発・普及、農業用水源の確保やかんがい施設の整備など、亜熱帯・島嶼性に適合した農林水産業の基盤整備など、7つの柱を基本として各種施策・事業に取り組んでいるところであります。特に、他産業並みの農業所得の確保を目標とする認定農業者の育成や、亜熱帯地域の特性を生かしたオリジナル品種の育成、県産農林水産物の機能性を活用した付加価値の高い加工品開発など、競争力のある農業を推進しているところでございます。
 次に、学校給食における県産食材活用の現状と課題についてお答えします。
 平成20年度の学校給食における県産食材の利用状況は、重量ベースで約33%となっております。利用率の高い主な品目としては、ゴーヤー、トウガン、オクラ、モズクとなっており、90%以上が利用されております。
 利用状況の課題といたしましては、数量、品質の品ぞろえの確保、天候等により安定した入荷が困難なこと、生産者と調整・検討する場の確保、購入価格などがあります。このため、県では、拠点産地の育成による安定供給の強化、市町村学校給食担当者連絡会議における需要・供給情報の共有化、学校給食と生産者、流通・加工業者のマッチングを行う「地産地消コーディネーター」の配置など、県産食材の利用拡大に取り組んでおります。さらに、平成23年度は「県産農産物付加価値向上推進事業」において、学校栄養士会と連携して加工品開発を行うなど、県産農林水産物の利用促進に努めているところでございます。
 以上でございます。
○教育長(金武正八郎) それでは離島の振興についての御質問で、修学旅行の行き先についてお答えいたします。
 小中学校の修学旅行は、「公立小学校・中学校の修学旅行実施基準」によって実施されており、小学校が本県の範囲内で、中学校が九州の範囲内で実施されるようになってから30年余りが経過しております。なお、昭和61年の基準の一部改正により、旅行地については学校と所管の教育委員会の調整の上、変更も可能となっております。
 次に、県立高校の学生寮の現状についてお答えいたします。
 現在、沖縄本島には県立高等学校8校に寄宿舎が設置されており、定員648名に対して458名が入寮しております。また、名護市には北部12市町村で構成される北部合同寄宿舎運営協議会が運営する寄宿舎が設置されております。そこでは、定員60名に対して51名の名護市内3高校へ通う離島北部の生徒が入寮し生活をしております。
 県教育委員会としましては、今後とも離島出身の生徒の入寮を優先した配慮を行うとともに、生徒が安心して学習や生活ができるよう支援してまいりたいと考えております。
 次に、教育行政についての御質問で、本県学生の海外留学状況についてお答えいたします。
 国際性に富んだ創造性豊かな人材の育成を図るために、昭和57年より平成21年までの27年間に「国外留学生派遣事業」や「高校生の国外留学派遣事業」等を通して1500名余の高校生や大学生等をアジア、米国、欧州等の海外へ派遣してまいりました。平成22年度は、海外へ留学生を100名派遣したところであります。現在、新たな沖縄振興のための制度提言の中で、万国津梁の精神を持つ人材の育成を目指し、「国際性に富む人材育成留学制度」の創設に向けて取り組んでいるところであり、今後もアジアを初めとする諸外国への留学生派遣の拡充を図ってまいります。
 次に、教育事務所の見直しについてお答えいたします。
 教育事務所の見直しについては、地方分権の進展等に伴う市町村合併の流れの中、市町村において主体的に地域の実情に応じた教育行政を推進していくことが期待されていることを踏まえ、これまでの教育事務所のあり方を検討するものであります。教育事務所の見直し方針では、事務事業の見直しを進めながら各事務所の統廃合も含め検討することとしており、那覇教育事務所と島尻教育事務所については、管内市町村の数や推進体制の整備状況、地理的条件等を勘案し統合を検討することとしております。この見直し方針は、今後の方向性を示したものであり、具体的な見直しに当たっては、市町村教育委員会等との調整も図ってまいりたいと考えております。
 次に、公立幼稚園への低年齢児受け入れについてお答えいたします。
公立幼稚園は、入園を希望する満3歳から幼児を受け入れることが学校教育法に示されております。そのため、満3歳から5歳までの幼児一人一人に応じた質の高い幼児教育を推進するため、「沖縄県幼児教育振興アクションプログラム」の中に3年保育の促進を位置づけております。また、設置主体である市町村に対し「幼児教育政策プログラム」の策定を依頼し、3年保育の実施について働きかけているところであり、現在、公立において3年保育実施園が240園中9園、2年保育実施園が84園、私立幼稚園の3年保育実施状況は、私立の35園すべてで実施しております。
 県教育委員会としましては、今後とも市町村と連携し3年保育の実施を促進するなど、幼児教育の充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○観光商工部長(勝目和夫) 海洋政策についての中の、本県の海洋資源とその価値の認識についての御質問にお答えします。
 県では、平成15年から平成17年度まで学識経験者等で構成する検討委員会で海洋資源の開発及び利用等に関する基本調査を行いました。その結果、本県周辺海域には石油、天然ガス、熱水鉱床等の海洋資源賦存の可能性が大きいということが示されております。また、平成21年3月に国が策定した「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」では、海洋資源量の把握、海底熱水鉱床の発見調査、試掘調査や経済性評価等を平成30年度までに行うとする計画が示されております。
 現在、同計画に基づき、本県周辺海域においても独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及び独立行政法人海洋研究開発機構により詳細な調査が行われております。
 沖縄県は、海洋資源は有望な資源であると認識しており、「沖縄21世紀ビジョン」においても、海洋資源の開発・利用を促進し、関連する海洋産業を振興することとしており、今後関係機関と連携して対応してまいりたいと考えております。
 同じく海洋政策について、海洋エネルギー研究施設等の計画を国に働きかけることについての御質問にお答えします。
 県は、沖縄・ハワイクリーンエネルギー協力の一つとして、昨年11月17日に久米島町において海洋エネルギーに関するワークショップを開催いたしました。ワークショップでは、ハワイ州政府や日米の民間企業、大学等が参加し、海洋温度差発電に取り組む意義や課題等について活発な意見が交わされました。また、ことし3月下旬にはハワイ州において2回目のワークショップを開催し、関係機関と海洋温度差発電の実証事業の可能性について議論を交わす予定であります。
 県としましては、このワークショップを通して日米両政府やハワイ州と情報を共有するとともに、ハワイ州との共同研究の実現を働きかけていきたいと考えております。
 なお、具体的な施設の計画等については、ワークショップなどを通して検討してまいります。
 以上でございます。
○新垣 安弘 知事にお伺いします。
 本来なら知事にお答えいただきたかったのが1つあるんですが、総合安全保障にかかわる調査研究の立ち上げですね、これは去年、私、沖縄のいわゆる県民の安全保障に対していろんな情報収集、そして分析、それをやる部門が必要じゃないかということを申し上げたことがあったんですが、それとの関連ですごく期待をいたしております。それで、これは今まで何度か出たんですけれども、今、知事の中で、構想の中で、もう一度どの程度のものとして今考えておられるのかお聞かせください。
○知事(仲井眞弘多) 先ほど来、知事公室長が答弁いたしておりますが、沖縄をめぐる防衛問題に係る安全保障といいますか、これを県は県なりにいろんなデータを収集し予測をし、しっかり我々の安全保障に係る考えをもう一度取りまとめる必要があるというのが第一ですね。そしてそれをベースにしながら我々の21世紀ビジョンの方向、そしてまた、現実の基地問題がどちらかといえば基地の日々のオペレーションに伴う事件・事故もみずから言うのもなんですが、のれんに腕押し、馬耳東風のような世界がなかなか改善されない。そういうことも含めてもう一度きちっと我々が今抱えている基地問題を一歩でも二歩でも改善するために、やはりもう一度きちっとした体制、データを含めやって、日米両政府とある意味で意味のあるテーブルづくりに貢献したいという、これは防衛絡みのものが一つ、米軍基地に絡むものが一つ、さらにまた最近は、島嶼防衛とかといって防衛白書、それから民主党が初めて出した基本、防衛大綱などなどが出てきています。そういうものも踏まえるとダイナミックに動いていますから、それをちゃんとフォローできる知識と経験と内容の集積をできる組織もつくりたい。恐らくこれは人材のアウトソーシング的なオープンな組織になるだろうと思っています、これが一つ。
 あわせて、やっぱり最近、気候変動でしょうか、いろんな大型台風とか地震、津波、これは海の県としては東南アジアでこの何年か起こっている災害というのは他人事ではないと思います。ですから、あらゆる情報を集め、我々はそれを可能な限り予測し、被害を最小限にとどめる手は打てるだけ打つということをしっかりやる必要があるというこの大規模自然災害に対する対応、特に海洋的な観光県としてはこれはしっかりやっていかないとだめだと。さらに、まさしく世界をめぐるインターネット、金融危機、さらにはインフルエンザなどなど、いろんな面で我々を取り巻く情報というか、いろんな世界的な難しい部分のとらまえ方をしっかり我々は持ってないとだめだと。危機管理的な観点からも、そしてその対応の練習・訓練もしっかりやるためにもそういうものを集めておく必要がある。これは言い出せば切りがないほどいろんな側面が実はあります。食料の自給率、エネルギーの自給率も含めて総合安全保障といいますか、総合安全・安心システム、データ取り、そしてそれへの対応、いろんなことを考え実行していく組織をつくりたいということでございます。前に議員から伺ったものと相通ずる部分がかなりあるのではないかとも思っております。
 以上でございます。
○新垣 安弘 午前中、玉城議員からもそれに似たようなことがありましたが、アメリカに人材を送っていかないといけないんじゃないかと。それで、その安全保障にかかわる情報の収集、分析、判断、すごく重要だと思うんです。たまたまこれは21日にアメリカのワシントンで、太平洋軍司令官がアジア会議というところでスピーチをしているものをネットでちょっと私、拾ったんですけれども――地元の記事とか本土紙にも出てないんですが――これはどういうことを言っているかというと、中国の今回の尖閣諸島でのいろんな事件、あるいは南沙諸島での中国のさまざまな動き、それに対してアメリカは、海軍と空軍をしっかりと連携をさせて、そこに海兵隊も加えて体制を整えて、島嶼防衛に備えていくと。それを重大な一つの事項として発表しているんですね。ですから、海兵隊もそこに加えてやっていくと。特に西太平洋を中心にやっていくと。そういうことをたまたま拾ったわけなんです。
 片や地元紙の北米在住の記者からは、いわゆる海兵隊無用論、不要論、撤退論が新聞にいろいろ出たりしています。そういう意味ではこれも相反する情報なんですね。ですから、そこはやはりこの安全保障にかかわる情報というのは、しっかりと県みずからがそういう機関を持って収集、分析、判断をしていかないといけないと思うんです。ですからそういう意味でぜひとも今回の知事の構想、プロジェクトをしっかりとしたものにつくり上げていただきたいと思います。要望いたします。
 それともう1点、知事にお伺いいたします。
 総合事務局の問題で、アクションプランの政府の会議ですか、公聴会に行かれて沖縄の考えを先ほど述べてこられたとおっしゃっていました。沖縄として総合事務局に関する知事の考え方を述べられたと思うんですが、具体的に例えばどのようなことを政府に述べられたのか、そこを聞かせていただけますでしょうか。
○知事(仲井眞弘多) これは地域主権大臣、担当大臣としての今の総務大臣がまとめ役もやっておられた小さい会合です。ただ、それに至るまでのこの一、二年、知事会でも地域主権とか、それから道州制とかいろんな議論がこれまでなされてきた中で、やっぱり出先機関は無論役目が終わったものも、まだ続いているものもあり、終わったものもありいろいろあるでしょうと。しかし、やっぱり権限移譲というのはしっかりと国から県へ、県から市町村へといいますか、やるべきものはやって効率性、それから地域主権というものをしっかりと確立していく、とうとうたる流れが紆余曲折はあるんですがやっぱりあると思います。
 そういう中で私は、総務大臣といいますか地域主権大臣に個別にお目にかかるときも、たまにそういう意見交換をしたりしていまして、この間の会合そのものは、九州の皆さんの考え、それから大阪府を中心とする関西連合の考えが主でして、私のほうは沖縄県単独ですから特にその場では新しいことは申し上げておりませんが、沖縄の中でも総合事務局はかなりしっかりと仕事をしてきていただいたんですが、40年たつとやっぱり県と重なる部分がかなり出ている。ある意味で時間の問題かもしれないんですが、役目は終わりつつあるという見方もかなりあるというようなことは申し上げました。ただ、権限移譲というのはそればかり移譲されても、人、それから能力、それから組織、お金、いろいろありますので、ただ沖縄の場合はもう少しコンセンサスづくりが必要かもしれないということは加えました。ただ、この二、三年で法制化してきちっと前へ進めようという動きは特に九州地域が強く、先へ進んでいる印象を受けました。
 以上でございます。
○新垣 安弘 総合事務局の件なんですけれども、24年に法制化で26年から実施という方向が、総合事務局じゃなくて出先機関の問題であると思うんですが、例えばこれもアクションプランのほうで移行していくに当たって、例えば人材を地方に移管するとか、そのときの要員・規模の決め方とかいろんな処遇のあり方とか、そういうこともろもろ出てくると思うんですが、そこら辺の具体的な受ける側の、県側の準備というのはいつごろからそういう準備を始めることになるんでしょうか。
○総務部長(兼島  規) 確かにこのスケジュールでいきますとかなり急ピッチに我がほうの受け入れ体制、そのほうは少し検討しなければいけません。4月以降、企画部、総務部を中心にそのプロジェクトチームを立ち上げたいと思っています。
○新垣 安弘 企画部長にお伺いいたします。
 まず、鉄軌道の件なんですが、企画部長、何度か何人かの議員の皆さんへの答弁の中で少し思ったんですが、企画部長の中にはもう鉄軌道をもしやるとするんだったら、次世代の路面型のLRTじゃなくて、いわゆる鉄軌道のほうがいいんだというか、そういうふうな思いになっていらっしゃるんでしょうか。少しそれを感じましたので。
○企画部長(川上好久) 代表質問、一般質問の中で幾つか質問をいただきまして、その中でお答えした内容は、昨年県で実施をした中南部の基地跡地の利活用を踏まえた公共交通システム、その軌道系交通を含めた公共交通システムの調査結果について、那覇から沖縄市に至る路線についてはどれがいいかという比較の中で、長距離については鉄道だねという一つの見解が得られたというふうなことはお話し申し上げました。
 ただ、LRTとこの鉄軌道は、それぞれやはりその持ち味といいますか、それが異なるものだというふうに理解をしております。今、いろんなところでLRTの導入について検討がされているわけでございますけれども、まちづくりとか公共交通の利便性の向上の面で見た場合に、やっぱり表定速度が少し低いというようなところで、その抜本的な渋滞緩和というよりは、やはりまちづくりというようなところでの使い方はLRTが向いているのかなというふうな一つの評価がございました。
 ただ、その大量・定時・定速というふうな観点でいいますと、やはり鉄道にはなかなかかなわないと、そういうふうなのが一つの調査結果として出たということです。ただ、それでも莫大な投資額が必要になるというふうな課題もございます。そういうふうなものを列記をしてその調査結果をお示ししたというふうなことでございます。
○新垣 安弘 部長、LRTは、市街地はいわゆる路面電車で走って、郊外に出るといわゆる鉄軌道になることが可能だということは御存じですよね。それは大丈夫ですね。
 あと1点、政府も今年度も次年度も予算を4000万つけて調査をやると思うんですが、ある新聞の記事によると、内閣府は調査はあくまでも調査であって、実現に持っていくかどうかはわからないと。そういうことも書かれているわけです。そういう意味で、国は県よりも多額の予算をつけて調査をやるんですが、いわゆるこれを国の事情で、予算の事情で、いや、調査はしてみたけれどもこれはとても採算とれないと、沖縄には合わないよと、そういうことになりかねない部分もあるんじゃないかなと思うんですが、そこら辺は部長はどうお思いでしょうか。
○企画部長(川上好久) 現在、国のほうで鉄軌道に関する調査を実施しております。22年度、23年度2カ年の調査の予定で、今、議員が言われるようなことは全く耳にしたことはないわけでございますけれども、国のほうが今やっている調査は、まず1年目は、まず基本的な前提となる将来人口だとか、土地利用の主導権の設定、それから県民や観光客のニーズというふうな形で需要予測モデルをつくるというのが今年度調査の目標です。
 次年度は、これに基づいて交通システムの比較検討を行う予定というふうなことになっておりまして、その調査を粛々と国のほうでもやられているというふうに理解をしております。
○新垣 安弘 このLRTに関しては、民間のNPOの皆さんが長年かけてずっと情熱を持ってやってきているんですね。そこは彼らも蓄積がありますので、ぜひ県としても活用していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 あともう1点部長にお伺いしたいんですが、先ほど、離島への中学生の体験旅行ですか、あったと思うんですが、これの結果を感想を聞かせていただけますでしょうか。
○企画部長(川上好久) これは今年度補正予算で実施をした事業でございましたけれども、事業内容としては、本島の小学生、本年度は試験的に160名、これを5島に小規模離島を中心にして選定をしまして、民泊、それから体験滞在事業を実施をする地域に派遣をしております。その中で、各離島で子供たちは参加をして、その子供たち、それからまた引率者、先生、離島関係者からかなりいい評価をいただいております。
○新垣 安弘 教育長にお伺いします。
 修学旅行の件なんですが、今の部長の事業の結果、すごく子供たちは喜んでいるんですよ。それで、本島の子供がやはり沖縄の離島に行く方向に修学旅行も持っていくべきだと思うんですね。これはそれなりの価値があると思うんです。ただ、修学旅行の中身、内容というか計画が硬直化していて、なかなか末端の学校で動かせない。同じ状況でずっと来ていると。だから、そこは発想を柔軟にして、本島の子供たちが修学旅行で近隣の離島に行けるような方向に努力すべきだと思うんですが、それをやることによって離島がまた本土からの学生を呼び込めるような下地ができてくると思います。それに関して一言。
○教育長(金武正八郎) 修学旅行の行き先につきましては、小学校は沖縄本島内、それから中学校は九州の範囲で行うということですけれども、その目的地につきましては、学校とそれからその所管をしている教育委員会で変更することもできると。旅行は、基本的には学校がその目的、それから学習効果、子供たちの実態等を踏まえて目的地を自由に決めることができます。ですので、特に法令的に私たちがやらなくても大丈夫ですけれども、しかし、やはりおっしゃるように離島の豊かな自然やすばらしい文化に触れる機会を持つのは大事なことだと思いますので、そういうことは各校長会とかそういうところに呼びかけたり、そしてもう一つは、特にその縛りが大きいという点がございましたら、目的地については市町村教育委員会で決めると。県全体で決めないというそういう方向も検討してまいりたいと思っています。
○新垣 安弘 公立幼稚園の3年保育の件なんですが、先ほど秋田のお話であったんですが、秋田はほとんど幼稚園は3年保育になっているということがありました。それで、沖縄の公立の幼稚園もやはり前からいろんな皆さんが3年保育に持っていくべきだというふうに言っているんですが、そこら辺、これはずっと言われていますから、具体的にどういう働きかけを自治体に、あるいは国に県の教育庁がやったのか、そこをちょっと聞かせてもらえますでしょうか。
○教育長(金武正八郎) 3年保育につきまして、設置者である市町村がこれは行うことでございますので、私たちとしては市町村に3年保育をぜひ促進していただきたいということはいろんな形でお互いに連携をとりながら進めております。
 ただ、御承知のとおり本県の幼稚園教育は戦後の歴史的背景から1年保育が主流であります。特にまた公立です。他府県は御承知のとおり全部私立で3年保育をやっております。沖縄県も私立は35園ありますけれども、すべて3年保育をやっています。そういういろんな状況がありますけれども、やっぱり根本的な原因は、3年保育の実施については施設・設備や人的配置等財政面で、そしてもう一つは沖縄の保育園、5歳以上は幼稚園ですけれども、その前の2年間の幼稚園の競合等が考えられるものと思っています。
○新垣 安弘 もう1点、留学生についてなんですが、前、私、この問題を取り上げまして、中国への留学生が1人しかいないじゃないかとそれを申し上げました。今後の沖縄のことを考えたら、やはり沖縄の将来を背負って立つ青年、そこはどういうところに留学させていくことが沖縄のためになるんだというか、戦略的な発想が働いてもいいと思うんですね。そこの部分は教育長の中にそういう観点というのはあるのか。それともこういうのはなしでいいのか、留学に関しては。そこを教育長の考え方をお聞かせください。
○教育長(金武正八郎) これからやはり中国、そしてインドの目覚ましい経済的発展、それから東南アジア諸国のいろんな面での活躍等、やはりまた近隣でもありますし、沖縄県から東南アジアを初め中国の高校生が行って、そこで交流をしたり、そこの文化を学んだりすることは大変重要なことだと思っております。それで、国際性に富む人材育成留学制度というのを今回国の振計のほうにのせるように今取り組んでおりますけれども、その中でも特にアジアのほうに高校生が、また大学生・大学院生が行けるように重点的に取り組んでまいりたいと思っています。
 以上でございます。
○新垣 安弘 観光商工部長、海洋温度差発電の件でちょっとお伺いします。
 私も久米島のワークショップの翌日の全国大会に参加したんですが、そのときにハワイから来た方が一言話していたんですね。ロッキード社がすごくこれに関心を持っていると。ねらいは何かといったら、グアムとか米軍基地のあるところの電力の供給、そして水の供給、そういう意味でこの温度差発電がすごく適しているとそういうことを言っていました。ですから、そういう点で久米島も今度ハワイと姉妹交流もやりますし、この事業は動いていますから、ぜひ久米島の海洋深層水の施設、あるいは温度差発電に向けての意欲は持ち続けてもらいたいと思うんですよ。国のほうも温度差発電は、いわゆる沖縄以北のほうでは余り使いものにならないからということで消極的な部分もあるらしいんですが、ただこれは技術として日本が持つと、海外にも使えることですから、そういう意味でぜひ企画部長、そして観光商工部長、久米島にこの温度差発電の国の最初のプロジェクトを引っ張ってくるんだというか、それぐらいの情熱を、意欲を持ち続けてもらいたいし、それに関して一言決意をお願いいたします。
○観光商工部長(勝目和夫) 今、議員おっしゃっておられましたとおりハワイとのワークショップを今やっておりまして、久米島で一応開催しました。その中で、やはり久米島に設置されている海洋深層水の冷却施設などは施設内で賄っていたり、つまりそういう温度差発電、そういうものが非常に効果があるという意見交換等があり、これをやはり研究をどんどん協力してやっていこうという話などはやっております。
 具体的な施設につきましては、佐賀大につきましては30キロワットで非常に小さ過ぎて、やはり新たないろんな施設が今後必要だということなどは話し合っていますけれども、具体的な施設の計画についてはさらにワークショップ等で研究して対応していきたいというふうに思っています。
○新垣 安弘 関係あるんじゃないですか、一言。
○企画部長(川上好久) 御指名ですので、今、観光商工部長からもございましたけれども、企画部のほうでも協力をしてやっていきたいと思います。久米島町のほうでは海洋深層水複合利用推進協議会というふうなものを設置をして、これにまた県の職員も派遣をして、その辺の議論を進めておりますので、企画部としても協力できるところはまた協力したいと思います。
○新垣 安弘 どうもありがとうございました。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、28日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後7時37分散会

 
20110205000000