平成23年(2011年) 第 5回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 6月30日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた公安委員会委員長翁長良盛君は、別用務のため本日、7月1日、4日及び5日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び7月4日の会議に公安委員会委員安里昌利君、7月1日及び5日の会議に同委員会委員幸喜德子さんの出席を求めました。
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○議長(髙嶺善伸) 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 新垣清涼君。
   〔新垣清涼君登壇〕
○新垣 清涼 おはようございます。
 社大・結の会、新垣清涼、代表質問を行います。
 知事の政治姿勢について。
 (1)、基地行政について。
 普天間基地の危険性除去について県の取り組みを伺います。
 米軍は、嘉手納基地滑走路の改修工事を理由に、昨年9月22日から普天間基地でダイバートを実施しています。ジェット戦闘機が飛来するたびに、体に突き刺さるようなあの爆音は、私たち市民に恐怖と不安を与えています。爆音裁判でも世界一危険な基地と認定された普天間基地の危険性の除去について、県の取り組みとその進捗状況を伺います。
 次に、知事は、普天間基地の県外移設を日米両政府に求めるその姿勢に変わりはないと思いますが、最近お見えになったアメリカの上院軍事委員会のレビン委員長や北澤防衛大臣から、普天間基地の嘉手納統合案を示し提案されたことがありますか。提案では、嘉手納の負担軽減も示されたのでしょうか。嘉手納統合案についての知事の反対の決意を伺います。
 次に、MV22オスプレイ配備について。
 開発当初から墜落事故を多く起こし犠牲者を出しているオスプレイ配備については、欠陥や爆音のひどさが指摘をされています。普天間基地は市街地のど真ん中にあり、どんなに飛行経路を研究しても市民の上空を飛ばずには普天間基地から出ることはできません。危険と言われているオスプレイの普天間基地配備、そして普天間基地の固定化は絶対に認めることはできません。知事の御見解と決意を伺います。
 米軍訓練水域、米軍射爆撃場問題について伺います。
 鳥島射爆撃場を初め県内には多くの米軍射爆撃場があります。その返還が求められているわけですが、鳥島については、島の形状が大きく変わり、また、良好な漁場ということもあって多くの漁民の皆さんから強くその返還が求められています。政府との交渉はどうなっていますか。また、鳥島のかわりに硫黄鳥島に訓練を移すという話もあるようですが、ここでも負担軽減ではなくて、県内への押しつけを政府はやろうとしています。断じて許せるものではありませんし、受け入れることはできません。知事の御見解を伺います。
 自衛隊の先島配備について伺います。
 マスコミ報道によると、政府は、国境警備を理由に県内に自衛隊を増強しようとしています。また、町の活性化を目指し、自衛隊の常駐を検討している離島の自治体もあるようですが、政府から具体的な計画の提示があったのでしょうか伺います。国境の町は、自衛隊の配備ではなく文化交流や物流など人的交流を活発にして、お互いの発展を目指すべきだと思います。知事の御見解を伺います。
 次に、地位協定について伺います。
 米軍人・軍属による事件・事故の発生が後を絶たず、私たち県民の人権が不平等な扱いを受ける状況が続いています。去る6月26日、北中城村で開かれた「不平等な日米地位協定を許さない抗議集会」には、多くの国会議員を初め県議会議員、そして各自治体の関係者が参加されていました。知事のメッセージもありました。この地位協定の改定協議は、一体どこまで進められているのか、どこでとまっているのか、政府から米国との協議の進捗状況について県に説明はあったのでしょうか。
 4月20日に社大・結の会派で地位協定の改定要請に外務省沖縄事務所を訪ねたとき、樽井大使は、私としては完全とは言えない部分もあるし、見直すべき部分もあるとコメントをされています。
 日米地位協定の抜本的な改定、その実現を目指した全県的な取り組みが今求められていると思います。知事の御見解を伺います。
 次に、基地交付金について伺います。
 「基地交付金 固定資産税の半分以下」という見出しで4月25日の新聞は報じています。この国有提供施設等所在市町村助成交付金、この制度はどのような趣旨でいつできたのか。そして、その差額が出始めたのはいつからで、これまでにどのぐらいの金額になっているのか。県民に基地負担を押しつけ、それを補うはずの制度がいいかげんでは困ります。政府に対して強くその改正を求めるべきと思いますが、見解を伺います。
 次に、防災計画・災害対策について伺います。
 東日本大震災による県経済や県民生活に対する影響について。
 3月11日に起こった東日本大震災は、被災した東日本の県ばかりではなく、日本全国にその影響を及ぼしました。亡くなられた方々の御冥福を祈り、被災された皆様には心からお見舞いを申し上げます。
 大震災の発生で県内の菊農家の皆さんが菊の出荷ができなく、訴えがあり、県はその支援策を講じました。そのほかにも県民生活や経済活動に対する影響はどのようなことが起こっていますか。その対策はどのように取り組まれているか伺います。
 次に、県の取り組みと今後の計画ですが、これまで東日本大震災被災地域への支援と県内へ避難してこられた皆さんへの支援に取り組まれておりますが、今後の取り組みについて伺います。途切れのない支援活動が求められていると思います。
 次に、避難者支援としてのキャンプ瑞慶覧返還予定地について提案をしたいと思います。
 宜野湾市のキャンプ瑞慶覧地区には、返還予定の家族住宅地域があります。あの住宅に被災者の皆さんを受け入れることはできないでしょうか。福島原発の事故で、家があるのに放射能の影響で帰れなく、避難生活を余儀なくされている皆さんがいます。政府は、被災者の生活を支援する責任があると思います。
 キャンプ瑞慶覧の住宅を被災者支援に活用できないかという宜野湾市の提案に対し、アスベストの問題があるようですが、アスベストはいずれ撤去しなければならないものです。政府には先にアスベストを撤去してもらい、電気や水道などを点検・確認すればすぐに住めると思います。遠く離れることによって放射能のストレスからも解放されます。沖縄で一定の期間過ごしてもらい、再出発の計画をじっくりと立てることができればと思います。軍用地のままであれば地権者の負担にもならず、アスベスト撤去やその他整備が必要なことは地元企業に仕事が発生します。政府に提案する価値はあると思いますが、知事の見解を伺います。
 次に、県の防災計画と災害対策について。
 今回の東日本大震災は、私たちに多くの教訓を与えたと思います。宮城県東松山市、石巻市を視察して自然の力のすごさをまざまざと見せつけられました。1000年に一度とか想定外だったとかの表現は、あの津波のすごさを表現したものだと思います。県もいち早く被災地域への支援活動に取り組まれていますが、今回の東日本大震災を経験して、県の防災計画は大丈夫なのか気になります。台風、集中豪雨、津波、液状化現象などの防災計画、また、被害を受けたときの対策などについて県の取り組みを伺います。
 (3)、新沖縄振興計画について。
 県が求める新しい政策は何か伺います。
 新たな沖縄振興の必要性について、日本全体を対象とする各種法律の適用や全国一律の対応では不十分として、沖縄の地域特性に対応した効果が期待できる独自の対策を展開することが必要とあります。県の取り組みについて伺います。
 持続可能な新エネルギー政策の県の取り組みについて伺います。
 東日本大震災による福島原発の事故は、まだ収拾のめどが立ちません。その被害はどこまで広がるのか、あるいは広がっているのかわかりません。
 県は、新たな沖縄振興のための制度提言として、再生可能エネルギー等導入促進支援制度を提案されています。その概要について伺います。また、それらの企業誘致として期間を定めた県所有地の無償貸し出しなどは検討されているのでしょうか伺います。
 県案の「災害援助拠点の形成」について伺います。
 県が提案しているアジア・太平洋地域の「災害援助拠点の形成による国際貢献」について、その目的と概要について説明を求めます。また、マスコミ報道によると、北澤防衛大臣は、下地島空港を災害援助の拠点基地として自衛隊の配備をもくろんでいるようですが、政府から県に対してそのような提案はありましたか。県の計画とつながるようなことはないですよね、確認のために伺います。
 県民の交通権確保について伺います。
 沖縄県は、離島県として本土から遠く離れている上に、さらに多くの離島を抱えています。資源豊かな日本の領海を守る意味でも、離島住民の定住を守る意味からも離島に住んでいる皆さんの生活コストの削減、支援が求められています。県の取り組みを伺います。
 また、沖縄県は、戦前には軽便鉄道が走っていました。本土各県は戦後、国鉄などの恩恵を受けていますが、沖縄は受けていません。国鉄の恩恵が受けられなかった分の補償として、戦後処理の面からも国の責任で鉄軌道等の整備・導入を求めるのは当然と考えます。県の見解、取り組みを伺います。
 (4)、観光行政について。
 成長するアジア地域への誘客戦略について伺います。
 3月末に社大・結の会派で中国を視察に行きました。沖縄から台湾経由で香港に入りましたが、空港では放射能チェックがありました。外国は敏感です。外国からすると沖縄も日本ですから同じ扱いになるかなと思いました。もしかすると、沖縄も放射能で汚染されていると思われているのかもしれません。平田新部長の誘客戦略を伺います。
 宜野湾市西海岸地域・コンベンションエリアの位置づけについて伺います。
 沖縄の観光振興地域として宜野湾市の西海岸コンベンションエリアには仮設避難港があります。あの地域の活性化のためには、仮設避難港の活用が求められています。今後の活用計画については宜野湾市からも提案があるとは思いますが、県の方針を伺います。
 中国福建省沖縄友好会館の現状について伺います。
 3月に福建省に視察に行き、琉球墓群、琉球館、福建・沖縄友好会館などを訪ねました。福建・沖縄友好会館は、その建設に関する協定書の精神として、お互いの友好・協力の永遠なる象徴として、また沖縄県民と福建省人民との間で文化、経済、その他の分野でも交流を行う拠点として福建省福州市内に友好会館を建設するとあるようです。その精神からしても、私たちは先人たちが残した友好のきずなを大切にする人的交流や経済成長著しい中国市場への参入の拠点として活用すべきだと思います。
 4月からは管理形態が変わり、公的な人材配置がなされていないと思います。福建省と沖縄県の文化交流や技術交流などの取り組みには、どうしても公的な人材配置が必要ではないでしょうか。そして、友好会館の現在の活用状況について伺います。
 文化遺産・世界遺産の保護策について。
 県内には多くの文化遺産・世界遺産があり、その指定を受けたおかげで多くの観光客が訪れていると思います。観光客がふえるのは大変いいことですが、過剰利用は困ります。以前にも質問しましたが、斎場御嶽の参道の劣化や自然環境に変化が出て、その保護策が求められています。県は、観光地の環境保全管理体制の構築に向けた取り組みを進めると答弁がありました。その後の取り組みと進捗状況について伺います。
 (5)番目に、農業行政です。
 TPP参加への影響とその対策について伺います。
 TPP加盟による県内農業、県民生活への影響について伺います。また、それ以外に県民生活に大きな影響を与えるおそれがあるものとしてはどんなことが考えられるのか伺います。
 次に、食料自給率向上対策について伺います。
 県の食料自給率はどうなっていますか、その取り組みについて伺います。
 おきなわブランド確立・支援事業について伺います。
 長寿県沖縄、薬草の宝庫沖縄、沖縄県産品、おきなわブランドづくりに頑張っている若い方々を支援するために県の取り組みについて伺います。その制度は使いやすく、利用しやすい制度になっていますか、説明をお願いします。
 (6)、台風被害について。
 ア、さきの台風2号による被害の実態を伺います。
 さきの台風2号は、県内に多くの被害をもたらしたようですが、農作物や水産業、道路や家屋などその被害の実態について伺います。農作物など品目ごとに、あるいは農家戸数、被害金額などもおわかりでしたらお示し願いたいと思います。
 イ、その対策や取り組みについてお伺いします。
 以上、答弁によって再質問させていただきます。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 新垣清涼議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、基地行政に係る御質問の中で、県内移設や統合案についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県といたしましては、地元の理解を得られない移設案を実現することは事実上不可能と考えております。
 嘉手納統合案については、嘉手納飛行場周辺市町村は現在でも過重な基地負担を強いられており、さらに負担が増加するような統合案は断じて受け入れることはできないと考えております。
 いずれにいたしましても、県としましては、日米両政府において普天間飛行場の県外移設の実現に向けて真摯に取り組むべきであると考え要求をしているところでございます。
 次に、同じく基地行政に係る御質問の中で、自衛隊の先島配備計画についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 防衛省は、今年度から先島諸島への部隊配備について調査を進めております。自衛隊の配備につきましては、我が国の防衛やさまざまな緊急事態対応などの観点から、政府において適切に検討されるべきものであると認識いたしております。無論、その配備に当たっては地元の理解と協力を得るよう、最大限の努力をするべきであると考えております。
 次に、新沖縄振興計画に係る御質問の中で、県が求める沖縄らしい政策についての御質問にお答えいたします。
 「沖縄21世紀ビジョン基本計画」では、「強くしなやかな経済の構築」と、第2は、「沖縄らしい優しい社会の構築」を施策展開の基軸として「沖縄21世紀ビジョン」で示された県民が描く将来像の実現に向け取り組むことといたしております。
 「強くしなやかな経済の構築」では、観光・リゾート産業や情報通信関連産業に加え、沖縄の地域特性に合致した臨空・臨港型産業の集積や知的・産業クラスターの形成などにより第3、第4のリーディング産業を育てることといたしております。同時に域内産業を活性化させ、経済社会の変動にも柔軟に対応できる経済、そしてその基盤の再構築・強化に取り組んでまいります。
 「沖縄らしい優しい社会の構築」という点では、子供が健やかに生まれ育つ環境づくり、第2に、豊かな自然環境のもと医療や福祉、そして保健、教育などが充実をし、安全で安心できる社会の構築、そして離島の定住条件の向上などに取り組んでまいります。
 また、ビジョンで示されました将来像実現のためには、沖縄の特殊事情から派生する固有課題であります、第1に、「基地問題の解決と駐留軍用地跡地利用」の拡大、そして「離島の条件不利性克服と国益貢献」、そして第3に、「海洋島しょ圏 沖縄を結ぶ交通ネットワークの構築」、第4に、「地方自治拡大への対応」などに取り組むことが必要であると考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 基地行政についての御質問の中で、普天間飛行場の危険性除去についてお答えいたします。
 普天間飛行場の危険性の除去については、駐留部隊の移駐や訓練の縮小、分散移転など普天間飛行場のヘリ等の運用を極力低減し、早期に危険性の除去及び騒音の軽減を図ることをワーキングチーム会合等を通じ政府に求めてまいりました。
 去る5月の米軍基地負担軽減部会における軍転協要請に対する回答の中で、政府は、昨年1月から本年3月までに実施した飛行状況調査データの解析・整理等を行っているところであり、運用状況を評価の上、公表したいとしておりますが、まだ内容は公表されておりません。
 県としましては、引き続き軍転協とも連携し、普天間飛行場の危険性の除去について具体的な方策の提案、実施に向け、さらに検討を加速させるよう政府に強く求めていくことにしております。
 次に、MV22オスプレイの配備計画についてお答えいたします。
 MV22オスプレイの配備について、去る6月6日、沖縄防衛局より口頭にて「地元へのお知らせ」がありました。
 県としましては、当該機種が過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では当該配備については反対であります。
 去る6月24日、沖縄県は、オスプレイの具体的な運用上の問題等についての質問文書を防衛省へ提出し、速やかな回答と説明を求めたところであります。
 次に、米軍射爆撃場についての御質問にお答えいたします。
 鳥島射爆撃場及び久米島射爆撃場の返還については、これまで累次にわたり日米両政府に対し要請してきたところであります。
 去る5月に開催された沖縄政策協議会のもとに設置された米軍基地負担軽減部会で、北澤防衛大臣から、鳥島射爆撃場を硫黄鳥島へ移転することを検討しているとの発言がありましたが、沖縄防衛局に確認したところ、具体的な内容は決まっていないとのことであります。
 県としましては、さらに情報収集を進めているところでございます。
 次に、日米地位協定の抜本的改定についてお答えいたします。
 日米地位協定について、県は、平成12年から11項目にわたる抜本的な見直し要請を行っているところであります。現在、民主党政権では「日米地位協定の改定を提起する」としておりますが、政府からはいまだ協定改定の方針等が示されていないことから、本年2月8日には軍転協を通じ、5月7日には防衛大臣、5月28日には外務大臣に対し知事が直接、早急に見直し作業に着手するよう強く求めたところであります。
 県としましては、引き続き軍転協や渉外知事会等とも連携しながら、沖縄政策協議会のもとに設置された米軍基地負担軽減部会等を通して粘り強く日米地位協定の見直しを求めていくこととしております。
 次に、大震災の被災地支援と県内の避難者支援についてお答えいたします。
 沖縄県におきましては、東日本大震災発生後、直ちに東日本大震災沖縄県支援対策本部を設置し、被災地への人的・物的支援と被災者受け入れ支援を実施してきたところであります。
 被災地への人的支援といたしましては、県職員を中心に市町村や民間医療機関等の協力を得て派遣チームを構成し、6月24日現在で緊急消防援助隊、県警広域緊急援助隊、保健師チーム、医療チーム、心のケアチーム及び建築・漁港・港湾技師等を494人、うち県職員165人を派遣したところです。また、被災地への物的支援といたしましては、毛布、おむつなどの生活物資を計6回送付したところです。
 県内への被災者支援といたしましては、県内への一時的緊急避難に係る旅費・宿泊費の支援として、4月から6月までの3カ月間、往復の航空運賃及び3食つきの宿泊費用を260世帯、計576名に対し支援を行いました。また、6月以降は、中長期的な避難をされる方への支援策に移行しており、住宅・宿泊支援として民間賃貸住宅と付随する旅費・宿泊費の支援を実施するとともに、東日本大震災支援協力会議において「ニライ・カナイカード」を計480枚発行し、県内流通業界や交通機関等において割引等を実施しております。そのほか、避難者の生活費の支援として、受け入れ被災者支援見舞金1世帯20万円(単身者は10万円)を計155世帯に対し給付しております。
 次に、同じく防災計画・災害対策についての御質問の中で、避難者支援としての返還予定地活用についての御質問にお答えいたします。
 東日本大震災における県内避難者への住宅の提供について、宜野湾市からキャンプ瑞慶覧の空き住宅を活用できないかという申し出があり、国・県、宜野湾市及び米軍の間で検討を進めてまいりました。
 しかしながら、当該住宅は築後60年近くが経過し、電気や水道など大幅な改修に膨大な費用と時間を要すること等から避難者の住居としては適さないことが判明し、活用を断念いたしました。
 なお、先ほど答弁いたしましたように、避難者への住宅支援として、県は、6月から民間賃貸住宅等の県費による借り上げを行っているところです。
 次に、沖縄県防災計画と災害対策についてお答えいたします。
 県におきましては、東日本大震災を踏まえ、6月16日に琉球大学教授等の専門家で構成される「沖縄県地震・津波想定検討委員会」を設置するとともに、6月21日には市町村防災担当課長会議を開催し、県及び市町村の地域防災計画の見直し作業等を進めているところであります。
 今後、国の防災基本計画の見直し状況等も勘案しつつ、市町村等関係機関と連携の上、県内の災害対策の強化を図るべく検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、新沖縄振興計画についての御質問の中の、県案の災害援助拠点形成についてお答えいたします。
 県におきましては、新たな沖縄振興策として県内に国際的な災害援助拠点を形成できないか国に対し要望しているところでございます。具体的には、国内の防災・医療分野の人材・施設等を沖縄に一体的に集積し、アジア・太平洋地域の災害援助拠点を形成することを目的に、国際緊急援助隊の本部や防災教育・訓練施設等の誘致を図ることを内容とするものであります。
 次に、台風2号による県内の被害状況についてお答えいたします。
 台風2号による県内の主な被害状況は、人的被害が68名、住家被害のうち全壊が4棟、半壊が6棟、一部破損が27棟、床上浸水が3件、床下浸水が5件、船舶被害が4隻、車両被害が74台、停電が最大で27万8400戸となっております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 基地行政についての御質問の中で、基地交付金の制度内容と運用についてお答えします。
 基地交付金は、米軍や自衛隊の施設が所在する市町村への財政上の影響等を考慮して、総務大臣が所在市町村に対して、毎年度の予算の範囲内において使途の制限のない一般財源として交付するもので、昭和32年に創設されております。
 交付額の配分方法は、予算総額の10分の7を対象資産の国有財産台帳価格で案分し、10分の3を対象資産の種類、用途及び財政状況等を考慮して配分することとなっております。
 次に、防災計画・災害対策についての御質問の中で、東日本大震災による県経済への影響についてお答えします。
 東日本大震災の発生により、沖縄県においても旅行マインドの低下等による入域観光客の減少や県外出荷花卉の需要減少など、観光関連産業や農林水産業等への影響が生じております。また、サプライチェーン寸断に伴う減産が影響し、自動車など一部製品の納品に遅延が見られるなど、県内消費者の需要を十分に満たせない状況も発生しております。
 一方で、東京電力、関西電力による節電要請を受け、企業による夏休み取得の推奨が予想されることから、沖縄への送客数増加が見込まれております。
 県としましては、このような状況を踏まえ、菊農家の再生産に向けた取り組み支援などを実施するとともに、今議会の補正予算案において観光振興強化に関する経費約18億7000万円を計上しているところです。
 次に、新沖縄振興計画についての御質問の中で、鉄軌道の整備及び離島住民の移動負担の軽減に係る取り組みについてお答えします。
 鉄軌道の整備につきましては、「沖縄県総合交通体系基本計画」を策定する中でその位置づけなどについて検討を進めておりますが、その整備には膨大な費用を要することから、県としては、新たな振興計画への位置づけについて特例的な制度の創設を国に求めているところであります。
 また、離島住民の移動に係る負担軽減につきましては、船舶及び航空運賃の軽減が重要な課題であると認識しており、現在、国に対して運賃低減のための新たな制度創設を求めているところであります。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 防災計画・災害対策についての御質問の中で、東日本大震災による県民生活への影響についてお答えいたします。
 東日本大震災による県民生活の影響については、一時的にミネラルウオーターや乾電池などの一部商品が店頭から少なくなるという現象が見られましたが、県民の冷静な行動などもあり、便乗値上げ、売り惜しみ、買い占めなどによる消費生活への影響は、現時点では特に生じていないものと考えております。
 県といたしましては、今後とも県民から寄せられる相談などの状況把握や生活関連物資の価格や需給動向などの情報収集に努めながら、消費生活への影響を注視していきたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 新沖縄振興計画についての中で、新エネルギーに関連する県の取り組みについてお答えいたします。
 沖縄県は、「新たな計画の基本的考え方(案)」において、エネルギー使用に伴う環境負荷の低減等を図る観点から、クリーンエネルギーの導入・普及に強力に取り組むとともに、省エネルギーとエネルギーの地産地消を推進することとしております。
 現在は、沖縄電力と連携し大規模な風力及び太陽光発電の効率的な電力系統接続の実証事業や導入コストの低減化等に取り組んでいるところであります。また、現在国と調整を進めています沖縄振興のための制度提言においては、民間事業者や一般消費者を対象とするグリーン税額投資控除――これは民間事業者、あるいは個人の皆さんが住宅に太陽光発電を導入したり、あるいは風力発電等を事業者が導入した場合に税額から控除するという制度でございますが――こういう新エネルギーの導入に対する支援の制度を要望しているところでございます。
 続きまして、観光行政の中の、福建・沖縄友好会館の現状についてお答えいたします。
 福建・沖縄友好会館は、平成10年のオープン以降、沖縄県産業振興公社福州事務所が同会館の沖縄県使用部分の管理運営を行ってまいりました。現在は、3社の日本企業の駐在事務所が入居しております。
 平成22年3月に決定した「新沖縄県行財政改革プラン」において会館管理委託料の廃止が決定され、管理方法に関する見直しを行ってまいりました。その結果、同会館の利活用を促進するためには、民間のノウハウとネットワークを活用することが有効と考え、今年度から民間企業へ管理を委託しているところであります。また、今年度、同会館には委託駐在員を配置する予定で今作業を進めております。
 今後は、同会館を拠点として管理委託企業や関係機関とも連携し、福建省と沖縄県の経済文化交流を促進してまいります。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) アジア地域からの誘客戦略についてとの御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、成長著しいアジア地域からの観光誘客に戦略的に取り組むこととしており、台湾、韓国、中国、香港を重点地域として積極的な誘致活動を展開しているところであります。
 特に、中国につきましては、来る7月1日より県内での宿泊を条件とする個人観光数次ビザが創設されることから、沿岸部の大都市にとどまらず、周辺都市や内陸部を対象としたキャンペーンを強力に展開していきたいと考えております。
 このほか、幅広く新規市場の開拓も行っており、シンガポールやタイなどの東南アジアについても旅行博覧会への出展やメディア招聘などの取り組みを進め、観光客の大幅な増加を図っていきたいと考えております。国際競争力のある文化力の育成と情報発信力の強化を進めつつ、沖縄の魅力がきちんと伝わるようなイメージアップ戦略にも努めていきたいと考えております。
 次に、宜野湾市西海岸地域・コンベンションエリアの位置づけについてとの問いにお答えいたします。
 沖縄県は、第3次沖縄県観光振興計画の中で、宜野湾市の西海岸地域をにぎわいのある都市型リゾート・コンベンション拠点に位置づけ、税制上の優遇措置などが受けられる観光振興地域に指定しております。同地域は、これまでにコンベンションセンター、マリーナ、ホテルなどの施設が整備され、リゾートコンベンションエリアとして成長しております。
 昨年度、宜野湾コンベンションエリア内の主要施設の連携強化を目的とした「宜野湾コンベンションエリア連携体制整備連絡会」が発足しており、県としましては、今後とも当連絡会と連携を図ってまいります。 
 以上です。
○教育長(大城 浩) 観光行政についての御質問で、文化遺産・世界遺産の保護策についてお答えいたします。
 文化遺産・世界遺産につきましては、国や県及び市町村が連携して維持管理を行い、適切な保護に努めているところでございます。
 世界遺産の保護策につきましては、登録翌年の平成13年度に「世界遺産の保存・整備・活用に関する基本指針」を策定いたしまして、各資産の保護や活用に取り組んできたところでございます。また、世界遺産登録から10年が経過し、利用者の増加や資産の一部損傷も見られることから、県教育委員会では、資産の保存管理、地域住民の生活や観光との調和等について統一的な方向性を示す「包括的保存管理計画」を平成24年度までに策定し、各資産の保護や活用に今後とも努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農業行政の中で、TPPの影響と対策についてお答えします。
 TPPは、原則としてすべての品目で関税を撤廃することが前提となることから、国内の農林水産物に大きな影響が出ることが懸念されております。本県においても、さとうきび、パイナップル、肉用牛、水産物などで影響が出ることが懸念されており、農林水産省が示した考え方を踏まえて計算したところ、直接影響額が約580億円、関連産業等への波及も含めると約1420億円の影響が出るものと試算されます。そのため、県では、国民の食料安全保障の確保と国内農業への影響などの観点から、TPP交渉に参加しないよう適切に対応するとともに、農家が安心して生産に取り組めるよう万全の対策について農業団体等と連携し、国に対し強く要請したところであります。
 国においては、東日本大震災の発生を受け、ことし5月に閣議決定された「政策推進指針」において、TPPへの交渉参加の判断時期が当初の6月から先送りしている状況にあります。
 県としましては、今後ともTPP交渉等の動向や国の対応を踏まえつつ、関係機関等と連携し適切に対応してまいります。
 次に、食料自給率向上対策についてお答えします。
 沖縄県としましては、食料自給率の向上を図るため、農林水産業振興計画に基づき、おきなわブランドの確立や生産供給体制の強化、流通・販売・加工対策の強化や地産地消の推進、農林水産業の基盤整備など各種施策・事業を総合的に推進しているところであります。特に、耕作放棄地の再生利用による生産の拡大、学校給食や観光関連施設における県産食材の利用促進、「おきなわ食材の店」登録の推進、ファーマーズマーケット等農産物直売所の整備による販売促進、島野菜、カンショなど地域特産物の振興、量販店等におけるフードアドバイザーやコーディネーターの配置による地産地消の推進、新しい沖縄料理のメニュー約1400レシピのネット公開による県産食材の活用促進など、農業生産の拡大と地産地消の推進に取り組んでいるところでございます。
 次に、おきなわブランド確立支援事業についてお答えいたします。
 県では、市場競争力の強化により生産拡大及び付加価値を高めることが期待される園芸品目、薬用作物、養殖魚介類などを戦略品目として位置づけ、定時・定量・定品質の出荷が可能な拠点産地の形成などによりおきなわブランドの確立に努めているところでございます。具体的には、ゴーヤー5地区、菊14地区、マンゴー7地区、肉用牛5地区、養殖魚介類5地区などの拠点産地88地区の認定、パイナップル、ゴーヤー等沖縄のオリジナル品種の育成・普及及び新技術の開発、農業用水源の確保やかんがい施設の整備などに取り組んでおります。
 平成23年度は、さらに安定生産、販売対策として「園芸モデル産地育成緊急対策事業」により安定生産のための低コスト耐候性ハウス等の導入、「おきなわ型つくり育てる漁業推進事業」による海ブドウ等のブランド指針に基づく高度品質管理の実施、「県産農産物販売プロモーション対策事業」により、東京・大阪等の大都市におけるトップセールス及び量販店への販路拡大を実施するなど、おきなわブランドの確立に向けて各種施策を展開しているところでございます。
 台風被害の中で、農作物等の台風被害対策についてお答えします。
 農作物等の被害対策としては、農業改良普及センターに営農相談窓口を設置するとともに、被災農家に対し、病害防除の徹底や樹勢等の回復のための肥培管理などの指導を行っております。
 台風等の被害に対する補償としては、さとうきびについては畑作物共済、水稲については農作物共済、野菜等については園芸施設共済等があり、加入農家に対して、損害評価後に農業共済金が支払われることになっております。たばこについては、JTから災害援助金が支払われると聞いております。船舶については、漁船保険制度により保険金が支払われることとなっております。
 国の災害復旧事業の対象となる農業用施設や林道・漁港施設等については、国への災害復旧申請を早期に行うための準備を進めているところでございます。また、農家の経営安定を図るため、農業制度資金等の償還猶予を行うとともに、6月補正予算において農林漁業セーフティネット資金借り入れに係る利子助成を計上しているところでございます。 
 今後とも台風2号の影響による農家支援については、農家の要望等を踏まえ、関係機関等と連携し対応を検討したいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 台風被害についての御質問で、台風2号の被害の対策、取り組みについてお答えいたします。
 土木建築部が管理する施設においては、保良西里線の冠水、石垣港伊原間線ほか2路線ののり面崩壊、伊平屋村前泊港ほか3港湾における防波堤の損壊、公園や県営住宅の倒木等の被害が発生しました。これらの被害対策については、速やかに応急措置を行うとともに、現在、災害復旧に向けて取り組んでいるところであります。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時51分休憩
   午前10時51分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 農林水産部長。
   〔農林水産部長 比嘉俊昭君登壇〕
○農林水産部長(比嘉俊昭) 台風2号による被害状況の中で、農林水産業の被害についてお答えいたします。
 台風2号による農林水産業関係の被害総額は、6月10日現在で約70億6000万円と見込んでおります。
 今回の被害は、特に農作物の収穫時期に当たる5月に台風が発生したため、葉たばこ、さとうきび、ゴーヤー、マンゴーなどの農作物が被害全体の約8割を占めております。被害の内訳は、葉たばこ等農作物が58億3000万円、ハウス等農業用施設関係が4億7900万円、家畜等畜産関係が3200万円、林道等林業関係が4000万円、水産業関係が6億7900万円となっております。
 以上でございます。
○新垣 清涼 それでは再質問させていただきます。
 まず基地行政についてでありますが、知事は、去る6月1日付で防衛大臣に対し、「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」についてという質問書を提出されています。回答はまだということでありますが、防衛省が出したあのパンフレット、私も見たんですけれども、全く納得できるようなものではありません。
 このような状況の中で、日米両政府に対して強く県民の願いを訴えることが必要ではないかと思うんです。基地も押しつける、そしてさらに普天間には危険きわまりないオスプレイを配備しようとしている。射爆撃場の訓練地域についても返還するから、そのかわりをまた移したいという、本当に県内だけに、私たち沖縄県民だけに負担を押しつけている今の政府の流れについて、私たちはやはり知事を先頭に県議会そして基地のある市町村の首長初め議員団、あるいはこういったことに不条理を強く感じている県民からも公募をして、やはり国会に沖縄県の代表団が来たと。そしてアメリカにも大統領に訴えるために来ているというような、ここでこういうインパクトのあるアピールをして何としてもアメリカ国民にもわかってもらわないといけないと思うんです。アメリカ国民はなかなか自分たちが豊かである、あるいは大国であるということで外国には余り興味を示さない国民性のようです。そういう意味ではいろんな情報でも、ああ、何だ遠い沖縄か、日本かというぐらいのことしか思わないところもあるようですので、やはりそこはしっかりと訴えていくということが大事だと思いますので、先に公室長もアメリカに調査に行かれたと思うんですが、ぜひこういうオール沖縄で、今、沖縄県民は諸悪の根源である地位協定は変えてほしいと、改定してほしいということを訴えているんだということで、もちろん日本国民にもそうです。政府だけではなくて日本国民にも含めて取り組むことが必要だと思いますが、知事の決意を伺います。
 それから大震災で千葉県浦安市に行きました、あの液状化現象。今、泡瀬についても県は推進の立場のようですけれども、あそこも僕は津波が来たら大変心配だなと思っています。そういう意味ではあそこはもう少し自然を大事にした、そしてもっと違う開発を考えたほうがいいのではないでしょうか、御見解を伺います。
 それから今回、風台風ということで、台風が過ぎて二、三日すると街路樹が真っ赤にというか、何か秋でも思わせるような形で木の葉が枯れています。作物も大変だろうと思います。そういう意味では葉たばこはちょうど収穫前ということなんですが、たばこは健康にもよくないということでありますので、風に強い農作物への転換などをも県のほうから提案したらどうかなと思います。
 それからあと1点、福建省の沖縄事務所ですが、管理体制が変わって民間の活用ということでありますが、この民間の活用に異議を唱えるものではありません。やはり企業は企業として自分たちの利益の追求をどうしても優先をします。そういう意味では公的なこれまで配置されていた県あるいは観光公社の方でしたか、公的な方がそこにいてこれまで福建省と沖縄は非常に結びつきがあったわけです。琉球墓群を見ても大事にちゃんと現地の方が守ってくださっている。このことに対して私たちはやはり感謝すると同時に、この長い結びつきを大事にするためには、あそこを中国の拠点として、向こうから北京や上海やいろんなところに波及していく、ここをやらなければいけないんじゃないかと思います。そういう意味ではぜひ人的配置をしっかりと県のほうから派遣をしていただいてその取り組みをしていただきたいと思います。
 以上で終わります。よろしくお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前10時58分休憩
   午前11時1分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 新垣清涼議員の御提案ですが、特に1番目のオール沖縄で沖縄の米軍基地問題については日本政府――東京へは無論だけど、アメリカ国民に対してもきちっと対応し訴えていったらどうかという御趣旨の御提案については、ぜひこれはきちっと受けとめさせていただきたいと思います。
 私も知事になって4年半、いろんな米軍基地に係る課題の解決に少しでも前へ進め改善したいという強い意思を持って取り組んでいるつもりですが、なかなか解決といいますか、改善といいますか、自分の思いどおりには1ミリも前に進みにくいというような感なきにしもあらずで、むしろ今度の2プラス2の結論にしてもいろんなことが書いてありますが、沖縄の部分を見るともとへ戻ってしまったということで、まことに残念かつ遺憾であり、基地負担の軽減については政策協議会というところで各関係大臣が入った部会までつくってはいるんですが、なかなかお話だけで結果が出ないという感はなきにしもあらずです。ただ、前よりは基地負担の軽減、そして宜野湾の普天間の危険性の除去とかいろんな考え、こういうふうに取り組みたいという大臣の気持ちは出てはくるんですが、なかなか現実の結果が出ないという感を深く感じております。今度の2プラス2の共同発表の中の沖縄部分を見てみますと、妙な部分だけがえらい具体的なことが書いてありますが、これも我々の思い、要求と結局違う方向に日米両政府で今のところ決めているということで、我々の思いがなかなか伝わらないという隔靴掻痒の感どころか、いら立ちすら覚える部分がありますが、しかしこれはきちっとしっかりと議員の御提案も含めて県民の力、県民のパワーもいただきながら、むしろ少しでも解決、改善に向かって取り組んでいこうという決意を新たにしているところでございます。
○土木建築部長(当間清勝) 東日本大震災を踏まえた泡瀬の計画についての考え方の再質問にお答えします。
 まず津波につきましては、平成18年度に県がまとめました沖縄県津波・高潮被害想定調査において、津波浸水予測シミュレーションを行っております。その結果、泡瀬地区で最も影響が大きいと想定される沖縄本島南東沖マグニチュード7.8の地震が発生した場合を想定した津波最大遡上高さは、標高2.5メートルとなっております。その結果、当該埋立地の計画地盤高さは標高2.8メートル以上となっており、現予測のシミュレーションでは津波による浸水は起こらないこととなっております。しかしながら、今回の震災を受け、多くの知見をもとに今後県もそうですけれども、国において設計基準や防災計画の見直しが行われることから、液状化も含めまして県においては適切に対応していきたいと考えております。
 当該泡瀬地区の埋立事業につきましては、本県の経済活性化を図る上でも重要な事業であることから、県としましては早期の工事再開に向けて環境保全にも配慮しつつ取り組んでいきたいと考えております。 
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 台風に強い作物への転換の提案に対する再質問についてお答えします。
 今回の台風では、農作物に大変被害を及ぼしている状況でございます。
 県といたしましては、防風林の設置や台風に強いハウス等の整備に努めているところでございます。葉たばこにつきましては、地域の重要な作物であることから、さとうきびとの輪作体系、また防風林の設置などにより台風の被害軽減を図っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 福州事務所の民間活用だけではなく、公的な職員を配置すべきではないかという再質問にお答えいたします。
 先生御指摘のとおり、福建省との人的交流あるいは経済交流は非常に重要であると、これは私ども県としても全く同じ認識でございます。
 そういうことで、先日、那覇市それから浦添市、宜野湾市、一応福建省と交流のある関係市町村を集めまして今後の経済交流、人的交流等について一層促進しようということで話し合いも行ってございます。
 そういうことで今年度から民間事業者に委託するということでございます。そして当面交流の状況を見ながら、今年度は公的な職員ではなく嘱託職員を配置するということにしておりますが、今後は先ほど申し上げました人的交流、経済交流等を踏まえて公的職員の配置、その状況に応じて検討してまいりたいとこのように考えております。
 以上でございます。
○前田 政明 私は、日本共産党県議団を代表して代表質問を行います。
 東日本大震災で亡くなられた人は1万5000人を超え、いまだに7000人以上の方が行方不明となっています。大震災で亡くなられた方々に哀悼の意を表し、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 1、東日本大震災の被災者支援と沖縄県の防災対策について質問します。
 日本共産党の立党の精神は、その時々の国民の苦難を軽減し、国民の命と暮らしを守ることです。日本共産党は、戦後未曾有の国難である大震災の支援と復興に全力を尽くすことを決定し、現地に対策本部を設置して全党を挙げて取り組んできました。全国で支援募金は6億7000万円が集まり、被災地にお届けをしています。支援ボランティアは6000名を超えています。
 日本共産党県議団は、3月16日に沖縄県上原副知事に対して、1、最高レベルの支援体制を緊急に構築すること、2、県・市町村・自治会・企業・県民などの協力体制を構築すること、3、市町村とも協力し希望する被災者を可能な限り多く受け入れること、4、現地への人的支援、義援金、物的支援をさらに強化すること、5、未曾有の災害にかんがみ対策を県議会及び各党・各会派とも連携し、あらゆる知恵と力を結集することを申し入れました。
 日本共産党は、全国の党組織を県別に支援地域を決めて被災者支援、復興の取り組みを行っています。沖縄県議会の支援地域は、宮城県石巻市地域となっています。党県議団は、5月30日から6月2日まで東日本大震災の被災現場の宮城県石巻市と千葉県浦安市でボランティア活動と被害調査を行ってまいりました。6月3日には赤嶺政賢衆議院議員とともに、泡瀬干潟埋め立て中止と沖縄の菊栽培農家への支援などを求める政府要請行動を行ってきました。
 被災地の石巻市では、3カ月がたつというのにいまだに瓦れきの山と倒壊した家屋が累々としたさまに私たちは言葉を失い、茫然とするばかりでした。被災地は何とも言えない悪臭が漂っていました。
 私たちは党の地域支援センターで全国から寄せられた支援物資を袋に入れる仕分けの作業をして、避難所から自宅に帰り始めた地域、住宅街3カ所で野菜、米などの食料、衣服、生活用品などの救援物資を届ける活動に参加しました。道端にブルーシートを敷いて支援物資を並べ、地元の女性の市会議員の方がハンドマイクで、日本共産党の支援物資のお届け隊です、支援物資をお届けに参りましたと呼びかけると、すぐに人々が集まりました。私たちは、トイレットペーパーは1人1個ですよ、ティッシュペーパーは1個ですよ、バスタオルは1人1枚ですと声をかけながら、支援物資をお渡ししました。支援物資は瞬く間に品切れになりました。津波でお店もなくなり、店も流されたりで買い物難民になっている住民が多数いるのに、被災地には住民生活に必要な具体的支援が行われていませんでした。このようなきめ細かな支援活動をしてくれているのは共産党さんだけだ、ありがとうねとの年配の女性のお話に感動しました。翌日は住宅の瓦れき撤去、泥出し、家の修復などの支援活動に地域支援センターの皆さんと午前9時から夕方まで参加しました。作業する家の近くでも平屋の家の人は津波にのまれて6名亡くなったとのことでした。支援先の家主さんは、最初は下を向いてあいさつもなく黙って車いすに座っていました。私たちの瓦れき撤去作業が進み、家の1階や庭が片づけられていく中で表情が和らいでやっと会話ができるようになりました。沖縄県から来ましたと名刺を出してあいさつしますと、皆さんは沖縄の県議さんでしたか、本当にありがとうございますと明るい笑顔で話されました。しかし、周りのいまだ手つかずの住宅の余りの多さに圧倒されるばかりでした。家主さんの弟さんは失業中でした。
 被災地は今なお救援・支援を求めている多くの被災者が残されています。瓦れきの中で苦悩している方々にあすへの展望を切り開いていくには、被災地の瓦れき撤去を一気にやり遂げる作業員を万人規模で確保して対応することが緊急に求められています。現地でのボランティア活動の最中に、菅首相の内閣不信任をめぐる民主・自民・公明などの国会をめぐる動きは、被災者や被災地の支援・救援・復興を求める人々の思い、苦悩が全く理解できていない空虚な出来事だと実感しました。被災者の支援、被災地の復興は地元住民の切実な願いにこたえるものでなくてはなりません。被災者の住民の立場と願いにこたえる政府の緊急対策の強化とともに、沖縄県としても物資支援を初めボランティアの派遣、被災者の受け入れなどさらに強化していくことが求められています。沖縄戦の戦場跡のさまのような被災地で生きる被災者の苦難の思いを沖縄戦で多くの犠牲を体験した沖縄県民は、心から共通の思いとして受けとめることができることを痛感しました。沖縄県からのボランティア支援活動と支援物資に多くの方々が涙を流していました。沖縄県はこれまでも避難者の引き受けなどで県民的な支援活動に取り組んでまいりました。今回の現地での支援活動や調査活動などを通じてさらに強化するべき点と、沖縄県での防災体制の強化について市町村とも協力して進めるよう以下の質問を行います。
 (1)、東日本大震災に対する知事の見解と対応を問うものです。
 (2)、被災地への食料、衣服、生活用品などの支援を現地とよく相談してさらに強化すること。沖縄に避難してきた被災者を励ますとともに、団地、民間アパートなどの仮設住宅入居者に1日1500円の食費、諸経費1人当たり1000円を支給するなど災害救助法にのっとった支援を行うこと。
 (3)、公営住宅への入居期間については、災害救助法の趣旨を踏まえた対応を行うこと。
 (4)、沖縄は地震・津波が来ないという誤った安全神話を払拭し、津波・地震の防災対策を抜本的に強化する沖縄県防災対策の見直しを行うこと。防災意識の強化を急ぐこと。当面、各地での海抜表示、津波警報発令時に避難すべき近くの高台やビルなどへの確認及び避難経路などの周知徹底を急ぐこと。県庁や県議会棟などを津波避難ビルに指定するなどできるところから急いで行うこと。
 (5)、海岸沿いの小中学校、幼稚園、保育園、高校など緊急避難訓練を実施すること。
 (6)、防災行政無線の整備を緊急に進めること。
 (7)、震災復興財源については、震災復興債を発行して大企業の244兆円に上る内部留保の一部を活用する制度をつくり、大企業に社会的な役割を果たさせる。また、大企業・大金持ち優遇の2兆円減税、辺野古新基地建設、グアム米軍基地建設などの米軍再編関連の3兆円、米軍への思いやり予算の1兆円など政党助成金320億円を震災復興に回すなどで財源を確保すべきであります。消費税増税はとんでもありません。知事の見解を問うものです。
 2、東日本大震災の沖縄経済への影響と対応について。
 (1)、経済的影響について具体的に調査を行っているのか。
 (2)、どのような影響が出ているのか。また、今後の具体的な対応について当局の対応と見解を問うものです。
 3、福島原発事故関連について質問します。
 福島原発事故は、3カ月が経過しても被害が拡大し続け、日本の災害史上でも類を見ない深刻さを持つ災害となっています。原発事故は、放射性物質が外部に放出されるともはやそれを抑える手段は存在せず、被害は空間的にどこまでも広がる危険があり、時間的にも将来にわたって危害を及ぼし、地域社会の存続さえも危うくする。他の事故には見られない放射能被害という異質の危険の恐ろしさを示しています。
 (1)、危険な原発に対して我が党は繰り返し警告を発してきました。歴代政権は電力業界の経営陣とともに、日本の原発は安全とする安全神話にしがみつき、繰り返しの警告を無視して重大な事故への備えをとらなかったことが今回の福島原発事故の深刻な被害を拡大する結果をもたらすことになりました。福島原発事故に対する知事の見解と対応を問うものです。
 (2)、国の原発依存のエネルギー政策を抜本的に見直し、自然再生エネルギーへの取り組みを抜本的に強化すべきであります。沖縄に原発は立地すべきではありません。知事の見解と対応を問うものです。
 4、米原子力艦船・原潜問題について。
 (1)、県は、外務省に文書で原潜寄港の核密約問題で申し入れたが、その後の対応と見解を問う。
 (2)、米原子力艦船自体がこれまで何度も重大な事故を起こしています。復帰前、那覇軍港では海水からコバルト60が検出され、奇形のカエルが発見されるなど大問題になりました。この際、県民の命を守るために危険な原子力艦船・原潜寄港に反対すべきではありませんか、知事の見解を問うものです。
 5、米軍基地問題について、日米2プラス2の合意、共同発表について。
 2プラス2は、「より深化し、拡大する日米同盟に向けて:50年間のパートナーシップの基盤の上に」と題する共同発表と、「在日米軍の再編の進展」、「在日米軍駐留経費負担」などの文書を発表しました。2プラス2で合意された一連の文書は、沖縄の普天間基地を名護市辺野古に移設する計画を確認し、新基地の滑走路の形状をV字型一本に絞り込んだ。新基地建設計画の破綻が明確になっているのに、移設が「2014年より後のできる限り早い時期に完了させる」とあくまで明記したのは、新基地に反対する県民を愚弄するものであります。新基地建設でも県内移設でもなく、普天間基地を無条件に撤去するしかありません。
 以下、質問します。
 (1)、県内移設反対、普天間基地の閉鎖・撤去、辺野古新基地建設反対の民意を踏みにじり、基地押しつけの日米共同発表は断じて許せません。知事の見解を問うものです。
 (2)、嘉手納統合案、安波移設の策動に知事は明確に反対の意思を示すべきであります。知事の見解を問うものです。
 (3)、防衛省「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」のパンフの内容について、日本政府に見解を求めることについて知事の見解を問うものです。
 (4)、危険なオスプレイを配備し、普天間基地の固定化をねらう日米両政府の対応は絶対許せません。約60カ所のヘリパッドやオスプレイによる飛行訓練が行われることは、全県民の生命と安全を脅かすものであります。オスプレイ配備反対の県民の総意を結集して配備を中止させる先頭に知事が立つべきであります。知事の見解を問います。
 (5)、危険なオスプレイが訓練することになる高江ヘリパッドの建設は、住民の安全を守る立場から、この際、知事も反対すべきではありませんか。
 (6)、嘉手納基地パラシュート訓練について。
 「本日の降下は、伊江島における天候が要因ではありません。」、「嘉手納基地は、日本政府に了承された降下地帯です。」との米軍見解は、訓練の恒常化を表明しているものです。危険なパラシュート降下訓練はすべて中止すべきであります。知事の見解を問います。
 (7)、震災救助という名目で実質的に下地島空港を軍事利用することは許されません。知事の見解を問うものです。
 6、自衛隊配備増強問題について。
 (1)、民間の港、那覇新港の軍事利用はすべきではありません。外国貨物のトランシップ貨物ゼロの外貿への自衛隊潜水艦とイージス艦の寄港を容認したのは、破綻した那覇港湾計画のもとで今後も那覇新港を軍事利用の港にする考えか、知事の見解を問うものです。
 7、米軍人・軍属等の犯罪と日米地位協定について質問します。
 (1)、米軍などの飲酒も公務、米軍・軍属の事件・事故の公務中の日本の一次裁判権が及ばないとすることについて知事の見解を問うものです。
 (2)、那覇地方検察庁の検察審査会は、被害者の家族の訴えに対して「起訴相当」との議決を行いました。議決内容に対する見解と日米地位協定の抜本的な見直しに向けての知事の決意を問うものです。
 8、沖縄振興について。
 (1)、沖縄振興計画についての基本的な考え方について。
 米軍基地のない沖縄の実現を目指し、経済振興と米軍基地押しつけの基地とのリンクをきっぱりと拒否し、沖縄振興の初心としての「償いの心」の原点を踏まえ、沖縄県民が真に主人公となる振興計画にすることを基本とすべきであります。知事の見解を問うものです。
 (2)、鉄軌道について。
 日本共産党沖縄県委員会の前身の沖縄人民党が国政参加選挙に当たって1970年9月に沖縄本島を縦断する鉄道を国営で敷設するとの政策を発表し、国会、県議会でも提案し、沖縄振興計画についても毎回提案を行ってまいりました。
 沖縄経済の発展と県民生活の向上の立場から、沖縄縦断の定時・定速・大量輸送の鉄軌道の実現が必要であります。そのために県庁内に鉄軌道実現のプロジェクトチームを設置して当たるべきではないか、当局の見解を問うものです。
 9、孤独死問題の対策の強化について質問します。
 福祉医療を切り捨てる自民・公明の構造改革路線と、それを継承している民主党政権のもとで深刻な格差と貧困の広がりの中で長年、社会の発展のために御苦労されてきた高齢者がだれにもみとられることなく亡くなる孤独死が大きな社会問題になっています。孤独死をなくする対策と高齢者福祉対策の充実が求められています。
 (1)、孤独死など県内の変死の状況(5年分)と、65歳以上の人数と各自治体別の状況と社会的背景について、警察当局の見解と対応を問うものです。
 (2)、お年寄りの単身世帯の状況と孤独死対策についての現状と対応について、当局の見解を問うものです。
 (3)、沖縄県は県警と連携をして独自の孤独死(変死)の分析を行い、市町村と協力してより効果的な孤独死対策に役立てるべきではありませんか、当局の対応と見解を問うものです。
 10、文化行政について。
 多くの文化・芸能関係者の強い要望である県立郷土劇場の実現について、当局の見解と対応を問うものです。
 11、歴史教科書検定について。
 (1)、沖縄戦の真実をゆがめる不当な教科書検定意見の根拠にも利用された「岩波・大江訴訟」は岩波・大江側が勝利しました。政府は、教科書検定意見を撤回すべきであります。知事と教育長の見解を問うものです。
 (2)、戦争体験者から証言を直接聞く機会はやがて失われてしまいます。戦争体験者からの証言を掘り起こし、沖縄戦を継承する事業について当局の対応を問うものです。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時27分休憩
   午前11時27分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 前田政明議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1に、東日本大震災に係る御質問の中で、東日本大震災に対する知事の見解と対応についてという御質問にお答えいたします。
 3月11日に発生しました東日本大震災は、東北地方を中心として、死者・行方不明者が約2万5000人と言われる未曾有の災害であり、今なお約13万人の方が避難生活を余儀なくされております。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 今回の震災は、想定されていた地震や津波の規模を超えるものであり、私も実際に被災地を訪問をし被害の甚大さを目の当たりにして大災害の恐ろしさを実感するとともに、県民の生命と財産を預かる者として責任の重さを改めて認識いたしました。このため、沖縄県におきましては、東日本大震災の被災者支援に全力を挙げますとともに、今回の震災の教訓を踏まえた県内の防災体制強化を図るべく、国や市町村とも連携の上、防災計画の見直し等を強力に進めていく所存でございます。
 次に、福島原発事故に係る御質問の中で、福島原発事故と沖縄への原発立地に対する知事の見解と対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。特に、この3の(1)のアと3の(1)のイは関連いたしておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
 エネルギー資源の乏しい日本にとりまして、低廉で安定的なエネルギーの確保は不可欠でありますことから、国として原子力発電の導入を推進してきたものと理解をしております。しかし、今回の東日本大震災により東京電力福島第一原子力発電所が深刻な事故を引き起こし、我が国の経済・社会全般にわたり多大な影響を与えたことはまことに残念であります。私は、循環型社会の実現を目指し、再生可能エネルギーの導入を積極的に推進する観点から、既に宮古島や本島北部において大規模な風力及び太陽光発電の実証事業等に取り組んでおり、引き続き取り組みを強化してまいります。
 なお、原子力立地に対する知事の見解を問うとのことでございますが、沖縄県内における原子力発電の導入計画はないものと理解しており、今後とも我が国におけるエネルギーに関する技術開発の状況等を踏まえ、沖縄県に適したエネルギーの安定確保に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、日米2プラス2の合意に係る御質問の中で、辺野古新基地建設反対の民意を踏みにじり基地押しつけの日米共同発表についての御質問にお答えいたします。
 去る6月21日、日米安全保障協議委員会において、「沖縄における再編」等を含む共同発表があり、普天間飛行場の代替施設について、「位置、配置及び工法の検証及び確認を完了した。」とのことであります。昨年5月の日米共同発表は、県外移設の実現に期待する声が高まっている中で唐突に行われたものであり、県民の間に大きな失望を招きました。その後、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を求めてまいりましたが、それらは依然として示されておりません。これまで日米両政府に対し、地元の理解を得られない移設案を実現することは事実上不可能であると、機会あるごとに申し上げてきたにもかかわらず、今回、このような決定がなされたことはまことに遺憾であります。
 県といたしましては、日米両政府は普天間飛行場の県外移設の実現に向け真摯に取り組むべきであると考え、強く要望してまいりました。
 次に、同じく2プラス2に係る御質問の中で、嘉手納統合案、安波案に対する知事の見解についての御質問にお答えいたします。
 嘉手納統合案につきましては、嘉手納飛行場周辺市町村が現在でも過重な基地負担を強いられており、さらに負担が増加するような案は断じて受け入れることはできません。また、国頭村安波区への移設案につきましては報道等により承知しておりますが、宮城国頭村長は、いかなる条件があっても受け入れる考えはないとのことであります。いずれにいたしましても、県としましては、地元の理解が得られない移設案を実現することは事実上不可能であると考えており、引き続き普天間飛行場の県外移設に真摯に取り組むよう、日米両政府に強く求めてまいります。
 同じく2プラス2に関連する御質問ですが、防衛省「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」のパンフレットの内容について、日本政府に見解を求めていることについての御質問でございます。
 去る5月7日、北澤防衛大臣から示されました「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」について、在沖海兵隊の作戦・任務や沖縄にまとまって所在する理由等、その内容を検討したところ、県民の納得のいく説明ではなかったため、疑義を取りまとめ、6月1日に防衛大臣あて質問書を提出したものであります。防衛省としては、省内で精査した上で回答するとのことでありましたが、現時点で回答はいただいておりません。
 県といたしましては、政府に対し速やかに回答するよう求めているところでございます。
 歴史教科書検定に係る御質問の中で、教科書検定意見の撤回についての御質問にお答えいたします。
 今回の最高裁の判決は、沖縄県民の思いを受けとめた判決であると考えております。教科書検定問題につきましては、平成19年の県民大会の後、検定意見の撤回等を要請し、その結果、広い意味での「日本軍の関与」の記述が回復されたものと認識をいたしております。
 教科書検定意見の撤回につきましては、長期的な取り組みになるものと考えており、今後とも国及び文部科学省の動向を注視していきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○環境生活部長(下地 寛) 東日本大震災の被災者支援に関する御質問の中で、被災地への衣服、生活用品などの支援及び仮設住宅入居者に対する食費、諸経費の支援についてお答えいたします。
 生活物資の支援につきましては、県では6回にわたり物資支援を行ってまいりましたが、4月初旬に全国知事会及び被災県から物資受け入れ一時停止の要請を受け、被災地への搬送は一時中断したところであります。物資支援の再開について、5月に岩手県、宮城県、福島県災害対策本部へ再度確認したところ、物資は充足しているとの回答を得ております。
 物資支援については、今後とも全国知事会及び被災県の要請を踏まえて適切に対応していきたいと考えております。
 災害救助法に基づく支援につきましては、現物給付を原則とするものであります。避難所におきましては、炊き出しなどの食費、光熱水費等の諸経費が支援対象となりますが、仮設住宅入居後は自立を促すこととなることから、食費及び諸経費は支援対象とはなりません。しかしながら、県としましては、沖縄県内へ避難している方々の生活を支援するため、独自に受け入れ被災者支援見舞金として、1世帯当たり20万円、単身者に対しては10万円を給付しております。
 次に、歴史教科書検定についての御質問の中で、戦争体験者からの証言掘り起こしについてお答えいたします。
 戦争体験者の証言記録の収集につきましては、沖縄戦の実相を正しく伝えていくため、戦後50年の節目である平成7年度から証言映像の収録に取り組むほか、各市町村の教育委員会や役所などから資料の提供を受け証言集を作成しております。収集した記録は、平和祈念資料館で展示するほか、平和学習の教材として貸し出しなどの活用を図っております。平成23年度は与那国島で映像収録を行い、これにより県内全域で証言記録の収集を終えることになります。
 今後も引き続き証言が可能な戦争体験者を掘り起こし、県として積極的に収録に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 東日本大震災の被災者支援に関する御質問で、公営住宅への入居期間についてお答えいたします。
 県営住宅への入居について、県は東日本大震災被災者への住宅支援の一環として、国土交通省の通達に基づき、一時入居を実施しているところであります。入居期間については原則6カ月としており、延長申請が提出された場合は必要に応じて延長が可能としております。入居期間経過後の対応については、被災者本人の意向を確認した上で適切に対処していきたいと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 東日本大震災の被災者支援と沖縄県の防災体制の対策についての御質問の中で、県の防災対策の見直し、避難経路の周知徹底及び県庁や県議会棟の津波避難ビル指定についての御質問にお答えいたします。
 県におきましては、東日本大震災を踏まえ、6月16日に「沖縄県地震・津波想定検討委員会」を設置するとともに、6月21日には市町村防災担当課長会議を開催し、県及び市町村の地域防災計画等の見直しに向けた作業を進めております。また、防災意識の強化を図ることは重要であり、市町村との連携のもと避難訓練を実施すること等により、県民の防災意識の向上を図ってまいりたいと考えております。また、避難路、避難所及び避難ビル等につきましては、県内市町村においては1295カ所の避難所及び26カ所の避難ビルが指定されておりますが、これらを市町村の防災マップに記載するなどにより、住民への周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
 県庁や県議会棟を津波避難ビルに指定するとの御提案につきましては、那覇市と調整してまいりたいと考えております。
 次に、防災行政無線の整備についてお答えいたします。
 防災無線システムは、地震や津波等の災害発生時の避難指示・勧告等に有効な広報手段であり、国の中央防災無線、都道府県防災行政無線及び市町村防災行政無線のネットワークにより構成されております。
 県内の市町村防災行政無線は、平成23年3月31日現在、41市町村中32市町村で整備されており、県全体で1194カ所に屋外拡声子局が設置されておりますが、未整備の市町村を含めさらなる整備促進に向けて市町村と連携し取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、米原子力艦船・原潜問題についての御質問の中の、核密約についての御質問にお答えいたします。
 いわゆる「密約」問題について、県の照会に対し、昨年6月に外務大臣から回答がありました。過去の核搭載艦船の寄港については、これまで公にされた米国の核政策に基づけば、核搭載艦船の我が国への寄港はないと判断し、また、菅内閣として非核三原則を堅持する方針に変わりないと回答しております。
 県としましては、政府の説明を踏まえ、引き続き非核三原則を堅持するよう政府に対し強く求めているところであります。
 次に、同じく原潜寄港に反対すべきではないかとの御質問にお答えいたします。
 県としましては、日米両政府においては、原子力艦船の安全性の確保に最大限の努力を払うべきであると考えております。
 なお、県においては、国と協力して原子力潜水艦の寄港時に放射能調査を行い安全性の確認に努めるとともに、軍転協や渉外知事会を通じて地方公共団体への適時・的確な情報提供や、原子力事故対策について予防対策及び応急対策の両面にわたり、国が責任を持って対応すること等を要請しているところであります。
 次に、日米2プラス2の合意、米軍基地問題についての御質問の中で、MV22オスプレイと高江ヘリパッドについて、5の(1)のエ、5の(1)のオは関連いたしますので一括してお答えいたします。
 MV22オスプレイの配備について、去る6月6日、沖縄防衛局より口頭にて「地元へのお知らせ」がありました。
 沖縄県としては、当該機種が過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では当該配備については反対であります。去る6月24日、沖縄県は、高江ヘリパッドを含む北部訓練場への影響を含むオスプレイの具体的な運用上の問題等についての質問文書を防衛省へ提出し、速やかな回答と説明を求めたところであります。
 次に、嘉手納飛行場におけるパラシュート降下訓練についてお答えいたします。
 県は、これまで米軍を初め関係機関に対し、嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練の中止を強く要請してきましたが、それにもかかわらず米軍は今回、事前通告なしに同訓練を実施しました。嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練は、周辺住民を初め県民に多大な不安を与えるものであり、まことに遺憾であります。
 県は、パラシュート降下訓練は例外なくSACO最終報告の趣旨に沿って実施されるべきであると考えており、通告のあるなしにかかわらず、今後も引き続き嘉手納飛行場において実施することがないよう、日米両政府に対し強く求めてまいります。
 次に、下地島空港の軍事利用についての御質問にお答えいたします。
 今回の日米安全保障協議委員会共同発表では、地域の人道支援等の後方支援の拠点を日本に設置することの重要性につき一致したとされておりますが、災害救援に係る具体的な場所は示されておりません。また、去る5月に開催された沖縄政策協議会のもとに設置された米軍基地負担軽減部会で、北澤防衛大臣から、災害拠点として下地島空港の使用について発言がありましたが、沖縄防衛局に確認したところ、具体的な内容等については決まっていないとのことでありました。
 県としましては、引き続き情報収集を行っているところであります。
 次に、自衛隊配備増強問題につきまして、那覇新港の軍事利用についてとの御質問にお答えいたします。
 今回の那覇新港への自衛隊艦艇の入港につきましては、海上自衛隊の艦艇広報活動及び乗員の休養の一環であると聞いております。自衛隊艦船の民間港の利用については港湾管理者によって判断されるものであり、県としましては、民間船舶の運航等に支障を来すことがない場合は特に反対するものではありません。
 次に、米軍人・軍属等の犯罪と日米地位協定についての御質問の中で、飲酒の公務扱いや公務中の事件・事故に第一次裁判権が及ばないことについての御質問にお答えいたします。
 昭和31年3月の日米合同委員会合意によれば、米軍人及び軍属が出席を要求されている公の催しごとで飲酒後に自動車を運転した場合、公務中の扱いになるとのことであります。しかしながら、飲酒運転は決して許されるものではなく、飲酒運転を公務扱いとするのは理解に苦しむものであります。
 外務省によれば、飲酒の公務扱いについて米側に対して改正を求めているとしておりますが、政府においては、毅然たる姿勢で早期に見直すべきであります。また、公務中であれば加害者側に過失があっても、我が国が第一次裁判権を行使して刑事責任を問うことができないことから、公務中か否かの判断は厳格に行うべきであり、政府は個別の事案ごとに公務中とした理由等について公表すべきであると考えております。
 次に、検察審査会の議決に対する見解と地位協定の抜本的見直しに向けた決意についてお答えいたします。
 米軍属男性が沖縄市で起こした交通死亡事故に関し、去る5月27日、那覇検察審査会は「起訴相当」と議決しております。現在、那覇地方検察庁において検討されていると承知しており、同議決に対するコメントは差し控えたいと思います。
 県は、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、日米地位協定を抜本的に見直す必要があると考えており、平成12年以降、11項目にわたる見直しを要請しているところであります。
 県としては、引き続き軍転協や渉外知事会とも連携しながら、粘り強く日米地位協定の見直しを求めてまいります。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 東日本大震災の被災者支援と沖縄県の防災体制の対策についての御質問で、緊急避難訓練の実施についてお答えいたします。
 平成22年度の学校における津波を想定いたしました避難訓練の実施状況は、小学校30.4%、中学校20.3%、県立学校13%でございます。平成23年度におきましては、6月29日現在、小学校で51校、中学校17校、県立学校2校が実施しております。
 県教育委員会といたしましては、各学校へ津波を想定した避難訓練の実施に向けて周知をしており、今後、完全実施を目標に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 東日本大震災の被災者支援と沖縄県の防災体制の対策についての中の、保育所における緊急避難訓練の実施についてお答えいたします。
 認可保育所及び認可外保育施設については、「児童福祉施設最低基準第6条」及び「認可外保育施設指導監督基準」に基づき、非常災害に対する避難及び消火に対する訓練を毎月1回以上実施するよう求めております。
 県といたしましては、津波を想定した緊急避難訓練を消防部局と連携して実施するよう、保育所等に対し指導助言を行ってまいりたいと考えております。
 続きまして、孤独死問題の対策の強化についての中の、高齢者の単身世帯の状況及び孤独死対策についてお答えします。
 本県における高齢者単身世帯数は、平成22年10月の調査で5万4174世帯となっており、年々増加しております。
 高齢者の孤独死対策といたしましては、市町村において、ひとり暮らしの要支援高齢者を対象に、福祉電話の設置や配食サービス並びに緊急通報体制整備事業等を行い、安否確認や孤独感の解消に努めているところであります。また、地域包括支援センターにおいては、高齢者本人や家族等からの相談に応じるとともに、見守りネットワークの構築などにより、高齢者と介護者を総合的・包括的に支援しております。
 県としましては、今年度「地域支え合い体制づくり事業」を実施し、市町村等が行う高齢者の見守り等の取り組みを支援することとしております。
 続きまして、孤独死の分析と効果的対策についてお答えいたします。
 高齢者の孤独死については、調査・分析を行うことは困難であると考えております。
 県といたしましては、今後、市町村、県警とも協力して発生状況の把握に努めるとともに、引き続き市町村が実施するひとり暮らし高齢者への施策に対して必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(髙嶺善伸) 答弁の途中でありますが、ただいまの前田政明君の質問に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時58分休憩
   午後1時21分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前の前田政明君の質問に対する答弁を続行いたします。
 総務部長。
   〔総務部長 兼島 規君登壇〕
○総務部長(兼島  規) 東日本大震災の被災者支援と沖縄県の防災体制の対策に関する質問のうち、震災復興財源についてお答えいたします。
 去る6月20日に「東日本大震災復興基本法」が成立し、歳出の削減や復興債の発行による復興財源の確保が規定されたところであります。また、国が設置した「東日本大震災復興構想会議」でも復興のための財源確保について、既存歳出の見直しや基幹税を中心に臨時増税措置を検討すること等が提言されております。
 今後、同会議の提言も踏まえ、国においてより適切な財源確保のあり方について検討されていくものと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 東日本大震災の沖縄経済への影響と対応についての御質問の中で、東日本大震災による経済への影響調査についてお答えします。
 県では、4月に中小企業関係団体の会員企業など約4万社を対象とした「東日本大震災の県内企業への影響に関するアンケート調査」を実施し、県内商工分野における震災後の現状把握を行ったところです。
 その調査結果によりますと、震災の影響があったと答えた企業は56.7%になっており、業種別で見ると旅行業100%、宿泊業88.9%、卸売業80.3%、小売業66.7%、製造業60.0%となっております。
 主な影響としましては、旅行業や宿泊業については、旅行マインドの低下による予約のキャンセルや客数の減少があり、卸売業や小売業については、サプライチェーン寸断による原料調達や製品納期のおくれが生じたとの結果になっております。
 次に、同じく東日本大震災の経済的影響と県の対応についてお答えします。
 東日本大震災の発生により、沖縄県においても旅行マインドの低下等による入域観光客の減少や県外出荷花卉の需要減少など観光関連産業や農林水産業等へ影響が生じております。また、サプライチェーン寸断に伴う自動車など一部製品の納品に遅延が見られ、県内消費者の需要を十分に満たせない状況も発生しております。一方で、東京電力、関西電力による節電要請を受け、企業による夏休み取得の推奨が予想されることから沖縄への送客数増加が見込まれております。
 県としましては、このような状況を踏まえ、菊農家の再生産に向けた取り組み支援などを実施するとともに、今議会の補正予算(案)において観光振興強化に関する経費約18億7000万円を計上しているところです。
 次に、沖縄振興についての御質問の中で、沖縄県民が主人公である計画とすることについてお答えします。
 復帰40年を経て沖縄を取り巻く環境は、国と地方の役割の見直し、一括交付金化等の地方分権改革等の進展に加え、グローバル経済の進展等大きな時代の節目にあります。こうした中、県では、昨年3月に県民とともに20年後のあるべき沖縄の姿を描いた「沖縄21世紀ビジョン」を策定いたしました。新たな計画は、県民が望む将来像の実現を図るため、県民と一体となった県民主体の県計画として策定するものであります。この計画では、「強くしなやかな地域経済の構築」と「沖縄らしい優しい社会の構築」を基軸として施策展開することにより、「沖縄21世紀ビジョン」で県民が望む将来像を実現していきたいと考えております。
 次に、鉄軌道実現のプロジェクトチーム配置についてお答えします。
 「沖縄県総合交通体系基本計画」における検討状況、国が行う2年間の可能性調査の結果を踏まえながら、必要な体制については、今後、検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部警務部長(磯 丈男) 孤独死問題の対策の強化についての御質問の中で、孤独死など県内の変死の状況、65歳以上の人数と各自治体別の状況、社会的背景についてお答えします。
 県警察におきましては、孤独死についての統計はございませんので、警察が取り扱う死体の統計に基づいてお答えをいたします。
 初めに、警察が取り扱う死体にはその死亡が犯罪によらないことが明らかな死体、その死亡が犯罪によることが明らかな死体、その死亡が犯罪によるかどうか明らかでない死体があります。変死体とは、その死亡が犯罪によるかどうか明らかでない死体を言います。
 過去5年の死体取り扱い総数と65歳以上の死体取り扱いについては、平成18年は総数1606体のうち734体、平成19年は1612体のうち814体、平成20年は1612体のうち813体、平成21年は1724体のうち836体、平成22年は1687体のうち854体となっております。過去5年間における死体取り扱い総数は8241体で、65歳以上は4051体、全体の49.2%となっております。
 各自治体別の統計については、持ち合わせてございませんが、平成22年中における各警察署の65歳以上の死体取り扱いは、那覇警察署が204体、沖縄警察署が90体、浦添警察署が65体、名護警察署が61体、うるま警察署が58体、糸満警察署が55体、与那原警察署が51体、宮古島警察署が46体、宜野湾警察署が45体、豊見城警察署が44体、八重山警察署が38体、石川警察署が34体、本部警察署が33体、嘉手納警察署が30体となっております。
 次に、65歳以上の孤独死の社会的背景については、一般論で申し上げますと、都市化の進展や地域社会における連帯意識の希薄化、核家族化等、家族構成の変化などが考えられます。
 以上であります。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 県立郷土劇場の実現に関する見解と対応についてお答えしたいと思います。
 沖縄の文化の振興を図る上で、県立郷土劇場にかわる新たな文化発信交流の拠点となる施設は、重要なものと認識をしております。そのため今年度は、「文化発信交流拠点環境整備調査」で県民を初め、観光客、県内で活動する文化団体等のニーズを把握するとともに、関係団体、専門家等で構成される検討委員会を設置し、基本的なコンセプト、運営計画等を含めた基本構想を取りまとめることとしており、今後整備に向けた議論と検討を加速させていきたいと思っております。
○前田 政明 答弁漏れ。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時31分休憩
   午後1時32分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 又吉 進君登壇〕
○知事公室長(又吉 進) 前田議員の質問の中で、海抜表示との質問への回答が漏れておりましたのでここで答弁いたします。
 海抜表示につきましては、宜野湾市の一部で県内では実施されていると承知しております。
 こういうことも含めまして、県としましては市町村とも連携し、避難訓練を実施する等の防災対策を強化してまいりたいと考えております。
 以上、失礼をいたしました。
○前田 政明 再質問を行います。
 大城教育長、教科書検定意見について見解をお伺いいたします。
 先ほど公室長からありました海抜表示についてですけれども、自分のいる場所、勤めている場所、住んでいる場所が海抜何メートルなのかとわかる表示は大変大事だと思います。専門家の加藤琉大名誉教授が具体的に提案しているんですけれども、沖縄電力と協力して電信柱に、この場所は大体海抜何メートルだとこういう表示をやることはすぐできるんじゃないかと。そうすれば大体何メートルだなというふうに自覚ができるんじゃないかという具体的な提案がありますので、これはもう元電力の会長でありました知事、速やかにお話をして直ちにできることですので、まず具体的な問題としてこのことについて実現をしていただきたい。知事の決意をお伺いいたします。
 それから辺野古は不可能であると、移設は不可能であると。これは大事なことだと思います。ぜひ知事、振興策と基地とリンクして辺野古移設は絶対ないということで、このことについては知事から答弁がなかったものですから、改めて知事の御決意、振興策と基地とリンクして移設を認めることはないという決意を改めて確認したいと思います。
 それからオスプレイ配備について、宜野湾市長と連名で質問を出されたことは、本当に僕は県民を激励していると思います。中身も大変鋭い視点で追及していることに対しては、大変評価したいと思います。そういう面で危険なオスプレイの中身で、例えば高江の問題で論じておりますけれども、高温を排気するガスによって山火事があったりとか、それでまた自然環境が破壊されるとそういう視点も火災リスクについても質問を出しております。それから下降気流が激しいと、重いのは上がりますから、そういう面ではCH46と比べても大変じゃないかと。だからN―4は県道に近いし、これはオートバイ事故などを含めて危惧されるんじゃないかというふうに指摘をされております。この指摘はまさに正しいことだと思うんです。
 そういう面で、これまでの高江のヘリパッドはオスプレイパッドになりますので、これまでのヘリパッド建設推進という立場を見直すべきじゃないかということでお聞きしたいと思います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時36分休憩
   午後1時38分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 前田議員の再質問に答弁いたしますが、辺野古への移設の話と振興策等は、リンクしないというのをきちっと知事もしっかりそういう決意を開陳せよという御趣旨の御質問だったと思うんですが、無論、きのうも申し上げましたが、辺野古への普天間基地の移設というのは、米軍普天間基地が危険であるから、そして騒音も大変であると。今の宜野湾にあること自身、非常に問題が大きい。したがって、一日も早く移設・返還を進めたいというのが私の公約でもあり、目的がそういうことです。
 そして、もう一つ我々のこれからの沖縄振興法であるとか、振興計画をつくるということは、4つの条件これはもう40年余り変わっておりませんが、沖縄の歴史的な事情、そして沖縄の地理的な事情、自然的な事情、そして最後は基地が集中しているという社会的な事情、ここがある限り、実はこの40年余り変わっていません。ですから、無論一部には経済がかなりよくなった、社会資本が整備されたとあるんですが、この4つの事情といいますか、特殊な沖縄の事情というのは基本的には変わっていません。ですからこれはこういうことを中心に、さらに現在ないしはこれから先の我々のビジョンを実現していく上で必要なことを盛り込んで延長を要求していくものですから、目的と必要性が全く違うと思いますので、リンクすることはあり得ないと考えております。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 再質問にお答えいたします。
 まず、海抜表示の問題ですけれども、建物や電柱への海抜表示につきましては、住民の避難意識を高める効果があるものと考えておりまして、県内では宜野湾市の一部で実施されております。この海抜表示も含めまして、避難経路や避難訓練のあり方等も含め、この防災計画の見直しの中で、市町村、電柱を管理している企業とも十分相談をしてまいりたいと考えております。
 次に、オスプレイと北部訓練場、ヘリパッド移設の関連ですけれども、議員御指摘のように、オスプレイに関しましては29項目の質問状を出しております。その中で、北部訓練場の関連では3項目の質問になっておりまして、その回答を早急に県としては政府に求めているところでございます。
 いずれにしましても、県としてはSACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることが現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 再質問にお答えいたします。
 教科書検定問題につきましては、平成19年9月に県民大会が開催され、県や実行委員会及び県教育委員会が政府及び関係団体へ検定意見の撤回等を要請してまいりました。その結果として高校歴史教科書の訂正申請が承認され、広い意味での日本軍の関与の記述が回復されたとともに、沖縄戦における集団自決の背景の説明や県民大会についての記載がなされており、高校生がこれまで同様に学習ができるものと考えております。
 今回の最高裁の判決は、沖縄県民の思いを受けとめた判決であると考えております。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時43分休憩
   午後1時44分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 前田政明君。
   〔前田政明君登壇〕
○前田 政明 再々質問になっておりますけれども、電柱ですね、海抜。知事、単純明快なので余り中途半端なことじゃなくて、本当に県民の安全を守るためには一番わかりやすい、自覚しやすいものだと思うんです。ですから、これはすぐできることなので、ここのところは公室長も答弁しましたけれども非常にあいまいなので、この電柱に対する海抜表示、これはぜひ実現していただきたいと思いますので、これについては知事の御答弁をお願いしたいと思います。
 私どもは、今大事なこの時期に知事が沖縄のどこにも基地は受け入れられない、辺野古は不可能だとこういう立場で最後まで県民とともに歩んでいただきたいと。そういう面では高江のヘリパッドも質問の中身からしますと、私は見直すべきだと思いますので、このことも含めて沖縄の苦難を軽減するために、今、私たちが一致団結して頑張るべきだと思います。日本共産党も県民・国民の皆さん、議員の皆さんと一緒に基地のない沖縄を目指して頑張ってまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後1時46分休憩
   午後1時46分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 再々質問にお答えしたいと思うんですが、確かに一つのお考えだと思いますし、あの電柱というのは、私がいた時代も実は広告から始まっていろんなことが書き込まれております。これは、すぐれて電力会社にお願いし相談するしかありませんので、私のほうでちょっと相談をかけて、書けるものなら書いたらどうかという提案まではしてみようかと思っております。
○金城  勉 こんにちは。
 公明党・県民会議を代表して質問をさせていただきます。
 まず初めに、今回東日本大震災で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、また被災者の皆さん方には衷心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 では、質問に入ります。
 1、新たな沖縄振興に関する取り組みについて伺います。
 本年度で期限切れを迎える沖縄振興計画に続く、新たな振興法・新計画の議論が展開されております。県は、これまでその準備に鋭意取り組んで国にも要請をしてきました。公明党・県民会議としても、実現に向けて共同責任を果たすつもりで、党中央に沖縄問題を取り扱う「沖縄21世紀委員会」所属の衆参国会議員5人に沖縄に来ていただき、新たな振興法や「沖縄21世紀ビジョン」、新たな駐留軍用地跡地利用推進法案など勉強会を重ねてまいりました。その上で実現に向け、内閣府への要請も行ってまいりました。
 今、まさに政治力が問われております。このテーマについては、ぜひ与野党の立場を超えて、県民の立場に立って実現させたいものであります。
 以下、質問をいたします。
 (1)、新たな振興法・新計画の進捗状況はどうか。また、実現に向けての県の戦略をお示しいただきたいと思います。
 (2)、新たな振興法や新計画の要望と平成24年度予算要求との兼ね合いをどのように取り組んでいきますか。
 (3)、「新成長戦略「元気な日本」復活のシナリオ」と銘打ち、地域の責任ある戦略、民間の知恵と資金、国の施策の「選択と集中」の観点を最大限生かすことを目標に「総合特区制度」が創設されました。「国際戦略総合特区」、「地域活性化総合特区」の2つのパターンがあります。「総合特区」の認定を受ければ県の条例で上位法を修正することも可能と聞いておりますが、積極的に活用すべきではないでしょうか。県の新たな振興法、振興計画推進との併用も検討すべきではないかと思いますけれども、県のお考えをお聞かせください。
 (4)、県が求める一括交付金について3000億円を要求しておりますが、政府を説得するに当たって、3000億円の積算根拠を明確にする必要があります。そのことについての方針をお聞かせください。
 次、基地問題について伺います。
 (1)、普天間飛行場の移設問題について。
 普天間飛行場の移設について「最低でも県外」との党首発言を受けて、県民は県内移設に反対し、県外移設を求める決断をいたしました。しかしながら菅政権は、さきの日米安全保障協議委員会(2プラス2)で辺野古沿岸域にV字型の滑走路にすることを確認したと報道されております。先日、仲井眞知事が菅総理に県外移設を要請した際に、総理は普天間飛行場の固定化を持ち出して知事に圧力をかけたとされております。
 これまで菅総理から、沖縄県民に対して感謝するとか、謝罪するとか、ざんきにたえない等々の発言がありましたが、それらがいかに表面的で空虚なものであったかが明らかであります。
 我々沖縄県民が主張していることは、国土面積0.6%の小さな島に74%の米軍基地を集中させて平然としている日本政府の方針を見直せ、整理縮小により基地負担の軽減をせよということであります。沖縄の経済自立の観点から考えても米軍基地は、特に中南部の基地は、県経済発展の阻害要因になっていることは明らかであります。米軍基地から見込まれる県民所得や雇用効果よりも、返還させて県民がみずから活用することのほうが所得の面からも雇用の面からもはるかに上回ることは、新都心やハンビー・美浜地区の例からも明瞭であります。
 一方、現実的解決策として、根拠のない騒音軽減を前提とした嘉手納統合案や基地内移設のシュワブ陸上案、果ては地域振興と引きかえに純真な住民をもてあそぶ国頭村安波案など、県民世論を分断し、暗躍する県選出の国会議員がいるとの報道がありますが、言語道断であります。沖縄県民は、金銭や条件次第でどうにでもなるとの誤ったメッセージを日本政府やアメリカに発信することになりかねない行動は厳しく糾弾すべきであります。
 そこで知事に伺います。
 2プラス2で確認された辺野古案や嘉手納統合案、シュワブ陸上案、国頭村安波案などの県内移設案に関し、知事の見解をお聞かせください。
 (2)、普天間飛行場へのオスプレイ配備について、知事の見解を求めます。
 (3)、日米地位協定の改定について、実効ある見直しへの取り組みをどうするかお答えいただきたいと思います。
 (4)、固定資産税のかわりの財源となる基地交付金が固定資産税相当額の半分以下しか交付されていないことが沖縄市の調査で明らかになったと報道されております。2009年度の差額は27億円にも上るとされております。県としてこの問題にどうかかわるのか、関係市町村との連携の上、国に適正額を要求すべきではないでしょうか。
 3、東日本大震災への対応について。
 3月11日の東日本大震災は、かつてない甚大な被害をもたらしたという意味で、今後の地震や津波に対する防災対策に決定的な影響を与えることになることは間違いありません。
 私ども公明党・県民会議も今月13日から16日までの間、福島県庁、岩手県宮古市、宮城県気仙沼市を訪問し、県民からお預かりした義援金もお届けしてまいりました。テレビや新聞などのマスコミ情報で予備知識はあったものの、現実を目の当たりにしたとき、余りの被害の大きさにアキサミヨー、アキサミヨーという以外の言葉が出てきませんでした。この機会に、我が沖縄県としてもこれまでの防災計画をいま一度再検討し、いざというときに想定外という言葉で片づけることのないよう、準備を徹底していかなければなりません。
 以下、質問します。
 (1)、沖縄県地域防災計画について、地震や津波、火事などをどう想定するか。そして、電気、通信などの確保、避難計画や避難訓練等どのように見直していくのか、今後の取り組みについて伺います。
 (2)、県の防災計画と市町村の計画は連動しており、整合性が求められます。市町村との連携のとり方や地域自治会などコミュニティーの意識啓発などの取り組みをいかに進めていくかお答えください。
 (3)、今回の大震災で浮き彫りになったこととして液状化の問題があります。県内の液状化が懸念されるマップを作成し、長期的視点からの対策を検討すべきではないでしょうか。
 (4)、地震発災時を想定した行政の業務継続計画について県計画はどうなっているか。例えば発災後何分、何時間で何人の職員が集まるとか、また、国や市町村との連携をどうするかとかいろいろあると思います。御説明をお願いします。
 (5)、阪神大震災の後、兵庫県西宮市が独自に開発した被災者支援システムが高い評価を受け、総務省から全国の各自治体への導入促進が図られております。県内市町村の導入状況はどうでしょうか。
 4、経済振興政策について。
 (1)、中国人向け数次ビザ発給を観光誘客にどう生かすか。
 政府は7月1日から沖縄県を訪問する中国人観光客に対し、有効期間内なら何度でも使用できるビザを発給することを決めました。最初の旅行で沖縄を訪問することが発給の条件とのことであり、中国人誘客への期待が高まっております。今後の誘客活動について御説明をお願いします。
 (2)、「ビジットおきなわ計画」について。
 ア、平成19年度から毎年観光誘客の目標値を設定して取り組んできましたが、今年度は、東日本大震災の影響で数値目標の設定を再検討しているとのことであります。数値の設定についてどのように取り組んでおられますか。
 イ、東日本大震災の影響により、観光客数の減少が懸念されます。その影響を極力抑えるために「沖縄観光緊急特別対策」を実施することとしておりますが、具体的な取り組みを御説明お願いします。
 (3)、格安航空会社について。
 全日本空輸などが設立した格安航空会社「ピーチ・アビエーション」が関西空港を拠点に事業展開することになりました。この格安航空会社の那覇空港への就航誘致の取り組みはいかがでしょうか。
 5、病院経営、健康・長寿、子育て支援について伺います。
 (1)、県立病院の経営改革の取り組みについて。
 病院事業局は、2010年度の決算見込みを発表し、経常収支が2年連続で黒字化、しかも過去最高の18億円余を記録したとの報道があります。7対1看護を導入した南部医療センター・こども医療センターは10億円余を初め、精和病院を除く各病院でも黒字化に成功したということであります。2011年度までの再建目標を予定より早く達成できたことはまことに喜ばしいことでありますが、一方で過去の経営のあり方への率直な分析も必要だと考えます。
 以下、質問します。
 ア、黒字化の要因は何でしょうか。そこから見えてくる病院経営の重要ポイントをどのように分析しておりますか。
 イ、これまで慢性的に赤字経営だった県立病院が短期間で黒字化に成功したことは、逆の視点で考えるとき、従来の経営のあり方に大きな疑問符がつくのですが、どのように分析しておりますか。
 ウ、今後の経営のあり方として、独立行政法人化による経営、公営企業法全適による経営についてどのように考えますか。
 エ、中部病院の7対1看護導入の進捗状況と成果について御説明ください。
 オ、今後の他の県立病院への7対1看護体制の導入計画について御説明をお願いします。
 (2)、がん対策条例の制定について。 
 がんは、病気による死亡の最大原因となっており、今日3人に1人ががんで死亡している状況であります。県民の生命及び健康にとって重大な問題となっていることを考えれば、がんの予防及び早期発見の推進、がん患者がひとしく科学的知見に基づく適切な医療を受けることができるよう、医療提供体制が整備されることは非常に重要であります。そのためには、県としての責任を明確にし、がん対策への積極的取り組みの方針を県民に示すために、がん対策条例の制定が求められております。県のがん対策条例に対する方針をお聞かせください。
 (3)、子宮頸がん予防ワクチン接種、ヒブ、小児用肺炎球菌の予防ワクチン接種の取り組み状況について御説明をお願いします。
 6、文化芸術、観光振興について。
 平田部長、文化観光スポーツ部長への就任、改めてお喜びを申し上げます。また、仲井眞知事の英断に心から喝采を送るものであります。県民だれもが賛嘆し、敬意を払う平田部長のこれまでの文化芸術分野での活躍は県内のみならず、県外・国外にまで鳴り響き、高い評価がなされております。南島詩人・平田大一さんの文章に次の一節があります。「「戦いの力」ではなく「文化の力」で琉球をまとめ上げていく。」、「時代の架け橋、次代の息吹」とは「伝統と未来」。どちらも大切なのである。自信に満ち溢れた「文化」に人は集う!僕が思う「文化」の可能性は無限に広がるとあります。実践に裏づけられた表現には、力強い説得力があります。
 沖縄の文化振興、経済振興にこれまでの経験を思う存分発揮され、大いに貢献されんことを願って、以下質問をいたします。
 (1)、沖縄の伝統芸能、舞踊、音楽、空手などの文化振興と沖縄の観光産業を含めた経済振興との関係性について、平田部長の見解をお聞かせください。
 (2)、文化芸術振興条例の制定について、文化芸術は、県民の誇りと自信を喚起し、心豊かな人間性を養い、次代を担う人材育成にも大きな役割を持つものであります。特に、他の都道府県と比べてみても文化芸能や音楽、舞踊、空手など独特な世界を持つ沖縄において、文化芸術振興に関する理念と指針を明確にすることは大きな意義があります。
 そこで、文化芸術振興条例を定め、県民挙げて文化芸術振興への思いを共有していくことが求められております。県の考えをお聞かせください。
 (3)、県立郷土劇場再建の進捗状況について御説明をお願いします。
 (4)、空手道会館建設の進捗状況について御説明をお願いします。
 (5)、公式サッカー場建設について。
 ア、県総合運動公園に建設予定の公式サッカー場建設の取り組みがおくれております。地元沖縄からJ2を目指して頑張っているサッカーチームがあり、多くの県民のファンから早期の公式サッカー場の建設が期待されております。今後のスケジュールの御説明をお願いします。
 イ、他の都道府県のサッカーチームの場合、地元自治体の物心両面からの支援体制により成績の向上、人材育成、地域経済への貢献がなされております。県としても、金額の多少にかかわらず具体的支援策としてFC琉球への出資をすることで後押しをすることが求められております。ぜひ御検討いただきたいのですが、いかがでしょうか。
 7、エネルギー政策について。
 「沖縄県エネルギービジョン」については、県は、平成22年7月に「沖縄県エネルギービジョン」を策定しました。本ビジョンは、エネルギー自給率の向上や低炭素社会への方向性を目指すものとなっております。
 以下、伺います。
 ア、東日本大震災後、全国的に節電や再生可能エネルギー利用の促進が叫ばれるようになりましたが、県は、再生可能エネルギー拡大に向けてどのように取り組んでいきますか。
 イ、このビジョン実現に向けて市町村や民間、消費者との連携、啓発活動などどのように取り組んでいきますか。
 ウ、最近注目を集めている液化天然ガス(LNG)発電について県の考え方はいかがでしょうか。
 8、観光行政について。
 (1)、公共関与最終処分場建設についての進捗状況を御説明ください。
 (2)、沖縄市倉敷の産廃ごみ問題について県の対応を御説明ください。
 9、教育政策について。
 ア、県教育委員会は、日本語力に支障のある海外帰国生徒に配慮する高校入試特別枠についてどのように考えておりますか。
 イ、県内中学生の中で、帰国子女や基地内学校から転校した生徒など、高校入試の特別枠を必要とする生徒の実態調査を実施したことがありますか。
 ウ、全国的にはこの制度の実施状況はどうでしょうか。
 エ、今後、海外帰国生徒の高校入試特別枠の設置が必要と考えますがいかがでしょうか。
 (2)、教育の情報化ビジョンについて。
 文科省は、本年4月に「教育の情報化ビジョン」を発表しております。21世紀に生きる子供たちに求められている能力をはぐくむために、情報技術を活用した教育はますます重要になってきております。子供たち一人一人の能力や特性に応じた学び、わかりやすい授業を進める上で極めて重要なツールであります。
 以下、質問します。
 ア、学校現場での情報端末、例えば電子黒板やデジタル教科書等の導入状況はどうか。
 イ、校内LAN整備率、光ファイバー接続状況はどうか。
 ウ、特別支援教育への情報通信技術の活用状況はどうか。
 エ、教員の情報技術活用の現状と技術力アップの取り組みについて伺います。
 (3)、幼稚園の3年保育について伺います。
 ア、3年保育に対する教育長の認識を伺います。
 イ、県内の3年保育実施状況はどうか。2年前に質問したときからどう進展したのか。
 ウ、全国の幼稚園3年保育の実施状況はどうか。
 エ、3年保育実施のためには、市町村の財政や人的配置がかぎになります。その課題をいかに克服していきますか。
 10、土建部関連について。
 (1)、沖縄市山里地区再開発事業への県の支援策について御説明をお願いします。
 (2)、中城湾港での定期船就航実験事業についての御説明をお願いします。
 11、農水産業について。                
 (1)、香港やシンガポールなど東南アジアに輸出する県産の牛肉の屠畜が県内の食肉センターではできず、県外に移送した上で処理し、その上で輸出するという仕組みになっているようです。なぜでしょうか、理由を伺います。
 12、離島振興策について。
 離島住民の交通、輸送、医療、教育など生活コストの低減化について県の方針を御説明ください。よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 金城勉議員の御質問に答弁させていただきます。
 まず第1に、新たな沖縄振興に関する取り組みに係る御質問の中で、新たな計画の進捗状況いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 新たな計画につきましては、去る4月18日の沖縄県振興審議会におきまして、私から審議会会長へ「新たな計画の基本的考え方」の諮問を行ったところでございます。その後、各専門部会の審議も終了し、6月21日の正副部会長会議におきまして、各部会における調査審議概要の報告や「新たな計画の基本的考え方」の修正内容等につきまして審議がなされたところでございます。
 今後は、審議会会長からの答申を踏まえ、「新たな計画の基本的考え方」を決定する予定となっております。
 一方、国に対しましては、沖縄県が策定する新たな計画への支援や一括交付金、そして各種制度の実現などを要請しているところであります。菅総理大臣は、6月23日の沖縄全戦没者追悼式におけるあいさつの中で、沖縄県が主体となる計画などについて述べられております。
 沖縄県といたしましては、議員各位の一層の御理解、そして御協力をお願い申し上げますとともに、県選出国会議員の皆様や各政党に対しても新法制定の必要性や新たな計画についてしっかり説明をし、御支援をいただきながら、新たな法律制定の実現に向け取り組んでまいる所存でございます。
 次に、基地問題に係る御質問の中で、日米安全保障協議委員会における辺野古案確認についての御質問にお答えいたします。
 去る6月21日、日米安全保障協議委員会において「沖縄における再編」等を含む共同発表がありました。普天間飛行場の代替施設について、位置、配置及び工法の検証及び確認を完了したとのことでございます。
 昨年5月の日米共同発表は、県外移設の実現に期待する声が高まっている中で唐突に行われたものであり、県民の間に大きな失望を招きました。その後、政府に対し県民の納得のいく説明と解決策を求めてまいりましたが、これらは依然として示されておりません。これまで日米両政府に対し、地元の理解を得られない移設案を実現することは、事実上不可能であると機会あるごとに申し上げてきたにもかかわらず、今回このような決定がなされたことはまことに遺憾であります。
 県としましては、日米両政府は、普天間飛行場の県外移設の実現に向け真摯に取り組むべきであると考え、この旨要請をしているところであります。
 基地問題に係る御質問の中で、辺野古案以外の県内移設案についての御質問にお答えいたします。
 辺野古以外の県内移設案につきましてさまざまな提案があることは、報道等により承知いたしております。しかし、具体的な内容につきましては把握いたしておりません。
 いずれにしましても、日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設を求める県の考え方に変わりはございません。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(川上好久) 新たな沖縄振興に関する取り組みについての御質問の中で、平成24年度予算要求との兼ね合いについてお答えします。
 沖縄県は、新たな沖縄振興に向け、52の制度と沖縄振興一括交付金の創設等を国へ要望しているところであります。
 現在、総務部と企画部が連携し、平成24年度予算要求に向けて必要となる国庫総額について調査・整理しているところでございますが、県民が求める将来像実現に向け、産業、雇用、社会資本整備、教育、医療・福祉など「沖縄21世紀ビジョン」計画に盛り込んだ施策を展開する新たな計画初年度にふさわしい概算要求資料を取りまとめてまいりたいと考えております。
 次に、総合特区の新たな振興法、振興計画との併用についてお答えします。
 総合特区制度は、地域の包括的・戦略的な取り組みについて、規制・制度の特例措置、税制及び財政・金融上の支援措置を総合的に実施することを盛り込み、海外に対して競争力のある産業を育てることを目的とした「国際戦略総合特区」、地域の活力を高めることを目的とした「地域活性化総合特区」の2つのパターンが法定されております。
 沖縄県としましては、現在国に求めている制度提言を踏まえつつ、沖縄振興策の一つとして総合特区制度の導入についても検討してまいりたいと考えております。
 次に、沖縄振興一括交付金の積算についてお答えいたします。
 沖縄振興予算は、全国の公共事業費の削減と連動して、ピーク時の平成10年度最終予算の4713億円から平成23年度当初予算では2301億円と半減してきており、今後さらに沖縄振興予算が削減されることを非常に危惧しているところであります。また、沖縄県は、全国と異なる社会構造の中で産業振興、雇用、離島、教育、子育て、医療・福祉などさまざまな課題を今なお抱えており、これらの課題解決に向けた施策を展開するために必要な財源を確保していく必要があります。
 これらのことから、沖縄県としては、現行の内閣府沖縄担当部局予算の国直轄事業費や補助金等の一括交付金化に加え、従来の補助金等では対象とされていない交通・物流コスト対策、待機児童の解消、離島の定住支援などの新たな沖縄振興のための予算額を加算することを国へ要望しているところであります。
 次に、基地問題についての御質問の中で、基地交付金の交付額は固定資産税相当額の半分以下ということについて、県はどうかかわるかという趣旨の御質問にお答えします。
 基地交付金は、米軍や自衛隊の施設が所在する市町村への財政上の影響等を考慮して、総務大臣が所在市町村に対して、毎年度の予算の範囲内において使途の制限のない一般財源として交付するものです。
 県としましては、「基地が所在することで市町村財政に著しい影響があることに対する措置」という基地交付金制度の趣旨を踏まえ、基地所在都道府県や県内の基地所在市町村と連携しながら適切に対応していきたいと考えております。
 次に、東日本大震災への対応、今後の防災計画についての御質問の中で、「被災者支援システム」の県内市町村への導入状況についてお答えします。
 「被災者支援システム」は、平成7年の阪神・淡路大震災を踏まえ、地震や台風などの災害発生時における被災者支援業務のためのシステムとして、兵庫県西宮市において開発、導入されております。
 平成21年1月に、総務省より「被災者支援システム」の積極的利用を呼びかける文書及び同システムのCD-ROMが都道府県及び市町村に配布されており、現時点において県内市町村における導入実績はありませんが、検討中とするものが6団体となっております。
 県としましては、東日本大震災において同システムが有効に活用されていると聞いており、今後、県内市町村において同システムの活用が図られるよう、導入事例の紹介など積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、経済振興政策についての御質問の中で、格安航空会社(LCC)の那覇空港への誘致についてお答えします。
 全日本空輸などが出資して設立した格安航空会社「ピーチ・アビエーション」は、関空から4時間圏内の都市への就航を想定しており、平成24年3月に福岡と札幌、同5月にソウルの3路線からスタートする計画であると聞いております。
 県としましては、国内及び国際観光客の増加につながり、観光産業の振興に資することから、同社についても新規路線開拓の要望も含め、誘致活動を行っていきたいと考えております。
 次に、離島振興政策についての御質問の中で、離島住民の交通及び輸送コストの低減化についてお答えします。
 離島の定住条件を改善し、その振興を図っていくためには、離島住民の交通コスト及び輸送コストの軽減は重要な課題であると認識しております。そのため、県では、国に対し船賃及び航空運賃の低減及び離島住民の割高な生活コストを軽減するための新たな制度の創設を求めているところであります。
 以上です。
○知事公室長(又吉 進) 基地問題についての御質問の中で、MV22オスプレイの配備についてお答えいたします。
 MV22オスプレイの配備について、去る6月6日、沖縄防衛局より口頭にて「地元へのお知らせ」がありました。沖縄県としては、当該機種が過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では当該配備については反対であります。
 去る6月24日、沖縄県は、オスプレイの具体的な運用上の問題等についての質問文書を防衛省へ提出し、速やかな回答と説明を求めたところであります。
 次に、日米地位協定の見直しについてお答えいたします。
 日米地位協定について、県は、平成12年から11項目にわたる抜本的な見直し要請を行っているところであります。現在、民主党政権では、「日米地位協定の改定を提起する」としておりますが、政府からはいまだ改定の方針等が示されていないことから、本年2月8日には軍転協を通じ、5月7日には防衛大臣、5月28日には外務大臣に対して知事が直接、早急に見直し作業に着手するよう求めたところであります。
 県としましては、引き続き軍転協や渉外知事会等とも連携しながら、沖縄政策協議会のもとに設置された米軍基地負担軽減部会等を通して粘り強く地位協定の見直しを求めてまいりたいと考えております。
 次に、東日本大震災への対応、今後の防災計画についての御質問の中で、県の地震・津波の想定及びライフラインの確保策、避難計画・避難訓練についてお答えいたします。
 県におきましては、東日本大震災を踏まえ、6月16日に琉球大学教授等の専門家で構成される「沖縄県地震・津波想定検討委員会」を設置するとともに、6月21日には市町村防災担当課長会議を開催し、県及び市町村の地域防災計画の見直し作業等を進めているところであります。この中で、災害時における電気・通信などライフラインの確保策や住民の避難計画・避難訓練のあり方等についても市町村や関係機関と連携して検討を行い、県や市町村の地域防災計画の見直し等に反映させていきたいと考えております。
 次に、防災意識の向上に係る県の取り組みについてお答えいたします。
 県におきましては、災害時の被害を最小限に抑えるためには、県や市町村の取り組みだけではなく、住民の防災意識の向上や地域ぐるみの防災活動が重要であると考えております。これまで各市町村との連携のもと自主防災組織の結成や活動の支援などを行ってまいりましたが、東日本大震災の教訓を踏まえ、防災訓練や防災教育等の取り組みを強化し、市町村、県議会とも連携しながら県民の防災意識の普及啓発に一層努めてまいりたいと考えております。
 次に、液状化への対策についてお答えいたします。
 東日本大震災においては、埋立地など地盤の弱い地域で液状化現象が起こり、家屋が傾くなどの被害が発生いたしました。液状化現象が起こるような地盤の弱い場所が県内のどの地域にあるのかにつきましては、今後ボーリング調査などによる詳細な調査が必要と考えられております。
 県としましては、専門家の意見を積極的に聴取しつつ、国・市町村等関係機関と連携し、今後の東日本大震災の教訓を踏まえた防災対策の見直しの中で液状化現象への対策について検討してまいりたいと考えております。
 次に、地震等の災害発生時における県の業務継続計画についてお答えいたします。
 地震等の災害発生時における業務継続計画につきましては、各部局において計画を策定し実施することとしております。
 また、地域防災計画では、災害の発生または発生の恐れがある場合には、その規模に応じた職員が定められた場所に登庁し、災害対策本部の業務などあらかじめ定められた災害対策を推進することとしており、県におきましては、4段階の災害対策要員配備体制を定めております。
 災害発生時における国や市町村、関係機関・団体との連携につきましては、県に設置される災害対策本部に関係機関が参加して調整を図るとともに、防災行政無線等により連絡を密にとっていくこととしております。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 数次ビザ発給と観光誘客についての問いにお答えいたします。
 沖縄を訪問する中国人個人観光客への数次ビザ発給につきましては、沖縄の国際観光振興に大きな追い風になると考えております。
 沖縄県では、ビザ創設に伴うキャンペーンを官民一体となって展開するため、6月7日に観光関係事業者を対象に当該制度やキャンペーン内容についての説明会を開催しております。キャンペーンとしましては、「沖縄から始まる日本の旅~3年間日本自由旅行~」をキャッチフレーズに、中国におきましてもトップセールスを実施するほか、中国国内メディアでの沖縄情報の発信や上海及び新たに就航予定の北京定期便の利用の促進等に取り組むこととしております。
 本県では、これらの取り組みの拡充を図るため、本議会において補正予算を計上したところであり、数次ビザ発給制度の創設を最大限活用した観光誘客の展開をこれからも積極的に図っていきたいと考えております。
 続きまして、今年度の「ビジットおきなわ計画」の数値目標の設定に関する取り組み状況についてお答えいたします。
 沖縄県の入域観光客数は、4月と5月の2カ月間の合計で対前年度と比較して約18万人の減、マイナス19.3%の厳しい状況となっております。しかしながら、今後は、国内企業の電力需要の調整による夏季休暇の長期化や本土―那覇間の航空路線の増便などが予定されていること、また、海外につきましては、中国人観光客に対する数次ビザの発給開始や北京―那覇路線の新設など航空路線の拡充が予定されていることから、回復基調に転ずるものと考えております。
 県としましては、このような状況を踏まえ、今年度の目標値について入域観光客数600万人、うち外国人40万人と設定することとしております。目標の達成に向けては、文化・スポーツ・医療などを活用した新たな観光メニューの開発を促進するとともに、国内外に対する情報発信や誘客キャンペーンなど官民一体となった取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えております。
 続きまして、沖縄観光緊急特別対策についてお答えいたします。
 沖縄県では、4月12日に「東日本大震災に伴う被災者支援及び沖縄観光振興緊急対策」を発表し、県内対策や国内対策、海外対策に取り組んでまいりました。県内対策としましては、ホテルのウチナーンチュプランの県民周知や利用依頼等により県民向け需要喚起を行ったほか、6月16日には災害対応の意識の高揚を図るための「沖縄観光危機管理セミナー」を開催しております。国内対策としましては、修学旅行運賃の引き下げ等を航空会社に要請をしたほか、旅行社の沖縄プロモーションへの支援等を実施しております。また、海外対策としましては、重点市場である台湾や香港、中国、韓国を中心に、有力メディアを招聘しての沖縄情報の発信等に取り組んできております。さらには、国際観光振興のため、一定以上の所得者のビザの免除や着陸料等の免除を政府に対し要請していたところ、5月28日に沖縄を訪問する中国人個人観光客に対する数次ビザ制度が創設されております。
 続きまして、文化芸術、観光振興について、文化振興と経済振興との関係性についてお答えいたします。
 琉球舞踊や組踊、空手などの沖縄文化は、その芸術性と精神性において世界的に高く評価され、ワッターシマウチナーの大きな魅力となっております。これらに代表された沖縄独自の文化をさらに発展させ世界へ発信することにより、沖縄観光の競争力強化につながるとともに、文化産業関連の雇用創出等にも寄与するものと確信しております。
 ところで、私は、以前から「感動産業」という沖縄の新しい仕事の形を提唱しておりました。文化やスポーツは「感動体験」そのものであり、磨き方によっては、それは強烈な磁力を持った「マグネットコンテンツ」と呼ばれるものになります。その「マグネット」に引き寄せられた「人の交流」が活発になると「観光産業」となり、訪れた人たちが出会った「本物の感動」を持ち帰りたいとなれば、そこで関連の商品やグッズが売れて「経済振興」が図られます。「文化振興」というその「マグネット」をより強くすることで、それに関連する新たなコンテンツ・産業をつくり出していく。この関係性を「感動産業クラスター構想」と位置づけ、相乗効果を発揮していく中で経済振興も図られるものと考えており、思うに「文化観光スポーツ部」という新設された我が部の意義もそこにあると認識しております。
 続きまして、文化芸術振興条例の制定に関する県の方針と進捗状況についてお答えいたします。
 現在、本県では沖縄県文化振興指針を策定しており、それに基づき「平和で安らぎと活力のある文化の薫り高い県づくり」を目標として施策を進めているところであります。
 文化芸術振興条例につきましては、県議会で「文化議員連盟」が結成され、議員提案による同条例制定の動きもあると伺っており、今後は関係者等との意見交換などを踏まえ研究してまいりたいと考えております。
 次に、県立郷土劇場再建の進捗状況についてお答えいたします。
 県立郷土劇場にかわる新たな文化発信、交流の拠点となる施設の整備に向けて今年度調査検討を行うこととしており、早速専門家から意見を聞き、施設のあり方についての検討委員会設置に向けた準備を進めているところであります。
 今後の取り組みといたしましては、県民、観光客、県内で活動する文化団体のニーズ把握や県内外の公立文化施設の実態調査などを行うこととしております。あわせて検討委員会で議論を重ね、今年度中に基本的なコンセプト、運営計画等を含めた基本構想を取りまとめることとしております。
 次に、空手道会館建設の進捗状況についてお答えいたします。
 空手道会館の建設につきましては、沖縄伝統空手を振興する観点から、これまで空手関係団体等と意見交換を行ってまいりました。今年度は、沖縄伝統空手の歴史的・文化的意義の整理を初め建設のコンセプトや必要な機能等に係る調査を実施することとしております。今年度の調査を踏まえ、次年度は建設に向けてふさわしい立地環境や具体的運営方法について検討を進めていきたいと考えております。
 続きまして、公式サッカー場建設の進捗状況についてお答えいたします。
 公式サッカー場建設につきましては、県総合運動公園陸上競技場を改修し、暫定的にJ2公式戦に使用するための調査をことし1月に実施したところ、改修内容についてJリーグから多くの指摘を受けたことから、改修計画に係る調査を継続しているところであります。
 今後、Jリーグとの調整を経て、早期に県総合運動公園陸上競技場の改修に係る実施設計を完了し、改修工事を実施する予定であります。また、J1公式戦が開催可能なサッカー場の整備に向けて、今年度サッカーの観光活用の可能性やスタジアムに必要な機能等に係る基礎調査を実施してまいります。
 FC琉球への県の出資についてとの問いにお答えいたします。
 FC琉球につきましては、マスコミ報道等にもありますとおり、JFLの上位2チームに与えられます天皇杯サッカー全日本選手権大会のシード権を獲得するなど、その活躍は目覚ましいものがあります。県は、FC琉球に対し、これまでホームタウン宣言を初め練習場の確保及び集客のための広報活動への協力・支援を行ってきたところであります。
 県からの出資につきましては、FC琉球を応援する県民機運の高まりやFC琉球の地域への貢献などを考慮し、運営母体である株式会社ドリームファクトリーと意見交換を行いながら引き続き検討してまいりたいと思っております。
 以上です。ありがとうございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 病院経営、健康・長寿、子育て支援についての御質問の中で、黒字化の要因と経営分析についてお答えいたします。
 平成22年度は、一般会計からの繰入金の増額による支援の継続、診療報酬改定、南部医療センター・こども医療センターでの7対1看護配置基準の取得、入院患者数の増加等により収益が増加した一方で、給与費等の費用を抑制したことで利益が拡大したと分析しております。
 病院事業においては、地域において必要とされる医療を適正に提供することにより収益性を向上させるとともに、明確な経営目標を設定することにより職員の意識改革を図ることが重要と考えております。
 次に、経営のあり方についてお答えいたします。
 過去、4次にわたる健全化計画の策定を行ってきましたが、実効性のある経営改善には至らず、経営状況は悪化を続けてきました。要因の第1は、患者数の減少傾向への取り組みや設備投資による元利償還金の増加等にあると分析しております。このため、7対1看護の導入など経営環境の変化への柔軟な対応や必要な設備投資の適切な実施により、持続的な病院事業の運営を目指してまいりたいと考えております。
 次に、中部病院の7対1看護体制導入の進捗状況等についてお答えいたします。
 中部病院では、ことし5月から7対1看護体制を実施しております。病院現場からは、ゆとりを持って一人一人の患者のケアができるようになった、夜勤体制が厚くなり、より安全に看護ができるようになった、新人の指導、サポートに当たる時間がふえたなど評価する声が上がっています。
 次に、今後の7対1看護体制の導入についてお答えいたします。
 県立北部病院等への7対1看護体制の導入については、南部医療センター・こども医療センター及び中部病院での実施状況や経営への影響等を考慮する必要があることから、病院事業局内に人員体制検討チームを設置し検討を進めているところであります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 県立病院事業の経営形態についてお答えいたします。
 県立病院の役割である地域において必要とされる医療を持続的・安定的に提供していくためには、病院経営の自立性と健全性を高めることが重要であり、県立病院の経営形態は、このことを踏まえ検討を行う必要があります。
 県においては、「県立病院のあり方に関する基本構想」に基づき、病院事業局の「経営再建計画」に沿った経営全般にわたる改革の取り組みの成果を検証しているところであり、病院事業の経営形態については、経営再建検証委員会による平成23年度決算の検証結果も参考にして最終的に判断することとしております。
 続きまして、がん対策条例の制定方針についてお答えいたします。
 沖縄県がん対策推進条例(仮称)につきましては、平成23年度中を目途に制定することで取り組んでいます。
 条例案の検討に向け、去る5月20日に関係団体等に意見を伺ったところ、医療関係者、患者関係者及び県民各層で構成する条例検討会を設けてほしいとの要望があり、現在、その設置に向けて調整しているところであります。
 続きまして、子宮頸がん予防ワクチン等の接種の取り組み状況についてお答えいたします。
 県内の市町村においては、7月に事業開始予定の1村以外のすべての市町村で3種のワクチン接種事業が開始されております。
 県としては、市町村及び医療機関と連携を図りながら、新聞広告やポスターにより同ワクチンの接種を県民に広く広報しております。なお、市町村においても説明会の開催、広報誌への掲載等により対象者への周知を図っているところであります。
 続きまして、離島住民の医療に係る生活コストの低減化についてお答えいたします。
 本県の離島においては、当該地域の医療機能等から本島の医療機関を受診せざるを得ない患者がおります。県としては、これらの患者等に対し本島への受診に係る交通費負担の軽減を図るため財政支援を国に要望しているところであります。また、離島地域において可能な限り治療が行えるよう遠隔医療や専門医による巡回診療の実施を検討しているところであり、その財政支援についても国に要望しております。
 以上です。
○商工労働部長(平良敏昭) エネルギー政策の中で、再生可能エネルギーの拡大に向けた取り組み、もう一つは市町村等との連携、啓発活動の取り組みについて、これらは関連いたしますので一括して答弁させていただきます。
 平成22年度に県が策定した「沖縄県エネルギービジョン」では、1次エネルギーに占める新エネルギーの導入割合を2020年で4%、2030年で10%とすることとしております。
 県は、新エネルギーの普及促進のため、平成23年度から「スマートエネルギーアイランド基盤構築事業」において、4メガワットの風力発電、1メガワットの太陽光発電の整備等に取り組んでおります。また、「新たな沖縄振興のための制度提言」におきましては、民間事業者や一般消費者等を対象としたグリーン投資税額控除等の新エネルギー導入に対する支援制度を要望をしているところであります。
 県といたしましては、本ビジョンの目標達成に向けて市町村等と連携し、再生可能エネルギーの導入拡大に積極的に取り組んでいく考えでございます。
 続きまして、液化天然ガス発電に関する県の考え方についてお答えいたします。
 液化天然ガス、いわゆるLNGを燃料とした発電は、石炭に比べ発電コストは割高なものの、燃焼時における硫黄酸化物やばいじんの発生がないこと、二酸化炭素の排出量が少ないことからクリーンなエネルギーであると考えております。
 LNGを燃料とする沖縄電力吉の浦火力発電所が平成24年に運転開始される予定となっておりますが、これにより県内の二酸化炭素排出量が大幅に削減されるものと理解しております。また、燃料を多様化することで電力の安定供給に寄与するものと考えております。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 公共関与産業廃棄物処分場の建設についての進捗状況についてお答えいたします。
 公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備に向けては、最近のリサイクルの進展などに伴い産業廃棄物の最終処分量が減少していることなどを踏まえ、平成16年度に策定した基本構想について、昨年度、施設の規模及び事業採算性などの見直し作業を行ったところであります。
 同事業の推進に当たっては地元の理解を得ることが重要であることから、継続的に住民説明会などを開催するとともに、本年3月、地権者等関係者による先進地視察を行ったところであります。また、事業主体となる会社の設立に向け、関係団体等と調整を図っているところであります。
 県としましては、今後とも公共関与による産業廃棄物最終処分場の早期整備に向け取り組んでいく考えであります。
 次に、沖縄市の産廃問題への対応についてお答えいたします。
 県では、沖縄市の産廃問題について、当該事業者に対し平成16年12月に警告書を発出し、安定型最終処分場の改善を強く指示しております。当該事業者は、安定型部分については、本年7月までに地主であります沖縄市に土地を返還するため改善作業を進めております。また、管理型最終処分場の廃棄物につきましては、平成22年10月に超過廃棄物を適正に処理するよう改善命令を発出しており、安定型部分の改善が終わり次第、本格的に作業を開始することとなっております。
 県としましては、今後とも早期に問題を解決できるよう当該事業者を指導していきたいと考えております。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教育政策についての御質問で、帰国子女等の高校入試特別枠についてお答えいたします。9の(1)アと9の(1)エは関連しますので、一括してお答えいたします。
 県教育委員会では、現在県立高等学校入学者選抜において、帰国子女等の特別枠は実施しておりませんが、配慮願を受け、問題文にルビをふるなどの配慮を行っております。また、入学定員の枠や通学区域等については弾力的に取り扱い、高等学校長の判断で入学定員の枠外での合格を認めることができることとしております。
 今後とも帰国子女等の受け入れにつきまして柔軟な対応に努めていきたいと考えております。
 次に、生徒の実態調査についてお答えいたします。
 実態調査は実施しておりませんが、配慮を必要とする生徒は、入試出願の際に生徒の在籍する学校から、「学力検査等に際しての配慮願い書」を志願先高等学校長へ提出できることとなっております。配慮願い書を受け、志願先高等学校、中学校及び県教育委員会で調整し具体的な配慮事項を決定しております。
 次に、全国的な実施状況についてお答えいたします。
 平成23年度公立高等学校入学者選抜におきましては、特別に定員枠を設定しているのが17都道府県、定員枠を設定していないのが30県となっております。
 次に、電子黒板等の導入状況についてお答えいたします。
 平成23年3月1日現在、県内公立学校における電子黒板の導入状況は、小学校が54.0%、中学校が58.1%、高等学校が11.7%、特別支援学校が12.5%となっております。
 デジタル教科書の導入状況につきましては、小学校が13.0%、中学校が8.4%、特別支援学校が6.3%となっております。
 次に、校内LAN整備率等についてお答えいたします。
 平成22年3月1日現在、校内LANの整備率は、小学校では76.5%、中学校では69.1%、高等学校では100%、特別支援学校では95.6%となっております。
 光ファイバーの接続率は、小学校では66.9%、中学校では63.0%、高等学校では83.3%、特別支援学校では75.0%となっております。
 次に、情報通信技術の活用状況につきましてお答えいたします。
 特別支援学校におきましては、手や指に障害のある児童生徒に対しまして、マウス操作を補助する支援機器を利用し、コンピューター操作を可能とするなど、児童生徒の障害の実態に応じ、コンピューターやインターネットなどを活用した授業が行われているところでございます。
 次に、情報技術の活用等についてお答えいたします。
 平成21年度の文部科学省の調査によりますと、教材研究等で情報技術を活用できる教員が本県では84.9%で、全国3位となっております。また、授業での情報技術の活用等、その他の調査項目につきましては全国5位と高い水準にあります。
 技術力アップにつきましては、県立総合教育センター等において授業における情報技術活用や教員の指導力向上を図る情報技術に関する研修を実施してございます。
 次に、3年保育に対する教育長の認識についてお答えいたします。
 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものでございます。幼稚園の3年間の長期的な見通しを持った教育課程の実施が求められております。
 県教育委員会といたしましては、平成22年3月に策定いたしました「沖縄県幼児教育振興アクションプログラム」に基づき、市町村や関係機関等と連携して3年保育の拡充に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、3年保育実施状況等についてお答えいたします。
 本県の3歳児、4歳児、5歳児の保育実施状況は、平成20年度は3歳児が7.7%、4歳児が15.6%、5歳児が80.7%、平成21年度は3歳児が7.3%、4歳児が17.3%、5歳児が80.8%、平成22年度は3歳児が7.8%、4歳児が17.1%、5歳児が80.5%となっております。
 次に、全国の幼稚園3年保育の実施状況につきましてお答えいたします。
 文部科学省の学校統計調査によりますと、平成22年度における全国の3年保育の実施状況は、3歳児が41.0%、4歳児が52.3%、5歳児が55.6%となっております。
 次に、3年保育実施の課題克服についてお答えいたします。
 教育委員会といたしましては、人的配置等に必要な財源につきまして、全国都道府県教育長協議会等を通して地方交付税措置の充実などを関係省庁に要請しているところでございます。また、施設等の整備につきましては、幼稚園の設置者であります市町村に対しまして、学校施設環境改善交付金などの補助制度の活用等について助言をしているところでございます。
 次に、離島振興政策についての御質問で、教育コストの低減化についてお答えいたします。
 離島住民の教育に係る費用の負担軽減を図ることは、重要なことだと考えております。現在、離島等における教育面の支援には、高度へき地修学旅行費の補助金制度等があります。
 平成24年度以降の新たな計画での制度提言では、「離島・へき地支援のための教育振興総合対策」における交通費の負担軽減、「離島・へき地支援のための離島児童・生徒支援センター(仮称)の設置」を国に要望しているところでございます。
 以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 土木建築部関連についての御質問で、沖縄市山里地区再開発事業への県の財政支援についてお答えいたします。
 当該事業は、沖縄市が平成21年に策定した「中心市街地活性化基本計画」の要素事業の一つとして位置づけられている事業であります。現在、沖縄市と県において財政支援のあり方等について調整を行っているところであります。
 県としましては、今後の調整状況を踏まえ、必要な助言・協力等を行っていきたいと考えております。
 同じく土建部関連についてで、中城湾港への定期船就航実験の進捗状況についてお答えいたします。
 県では、中城湾港(新港地区)で定期船就航実験を行うため、平成22年度に背後圏の企業調査を実施し、貨物や航路等について港湾利用者等のニーズを把握しました。今年度は、実際に船舶を運航させる社会実験の実施に向け、関係者と調整を行っているところであります。この実験の中で、定期船就航に向けた課題の把握と対応策を検討し、定期船就航の実現を目指す考えであります。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農水産振興の中で、県内で屠畜した牛及び豚の輸出についてお答えいたします。
 我が国から牛肉及び豚肉を輸出する場合は、厚生労働省等による食肉輸出取り扱い施設としての認定を受けていること、農林水産省動物検疫所の輸出検疫証明書の発行を受けることなどの条件を満たす必要があります。豚肉については、沖縄県食肉センターが輸出取り扱い施設として認められており、複数の食肉業者が香港へ輸出を行っております。
 県産豚肉の輸出実績は、平成22年度で約8トンとなっております。牛肉については、現行の県内の食肉センターではHACCP対応の施設となっていないことなどから、輸出の認定を受けておりません。そのため、県産牛肉については、一たん輸出取り扱い施設のある鹿児島に出荷し、屠畜処理後に県外業者が買い取り、香港・マカオ等へ輸出している状況にあります。県産牛肉の輸出実績は、県外業者からの聞き取りによりますと、平成22年度で約2トンとなっております。
 県としては、肉用牛の生産振興の観点から、牛肉の輸出ができるようHACCPシステムの構築に向けて関係部局・団体等と連携し取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
○金城  勉 知事公室長に1点だけ再質問をいたします。
 ことし1月の成人式の帰省の際に、米軍属のアメリカ人と相手が事故を起こして、そして亡くなった事件。このことは残念ながら公務中ということで控訴ができなかった、告訴ができなかった。そういうことがあって、この日米地位協定においては抜本的な見直しというものを進めるということは前提としながらも、今許されている18条8項においてこの刑事事件で問えない場合、民事事件の手続において仲裁人を介して、公務中か公務外かということの裁定をして、それが最終的に確定すればその罪が問えると、そういう規定になっております。
 この18条8項の規定を今日まで使った例がないというふうに聞いておりますけれども、県として今後このような事件・事故の対応の仕方について、この地位協定の17条と18条との関係においてきちっとした対応で県民の人権を守る必要があると思いますけれども、いかように考えるか御答弁をお願いします。
○知事公室長(又吉 進) 再質問にお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、日米地位協定第18条8項では、米軍人等による損害についての民事手続を定めており、米軍構成員等の不法行為が公務執行中にされたものかどうか等について紛争が生じた際、その問題を仲裁人に負託し仲裁人の裁定を最終的なものとする旨規定されております。
 県としましては、去る1月に発生した事故の御遺族の心情や議員御指摘の点も踏まえつつ、引き続き政府に対し公務中か否かの判断を厳格に行うよう求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○當間 盛夫 改革の会を代表いたしまして代表質問を行います。
 まず沖縄振興(新生)計画について。
 私たちはこれまで沖縄のリーディング産業である観光、そして大型公共工事、コールセンター等の企業誘致など外部依存の成長戦略を策定してきております。しかし、持続可能な本物の強さを得るためには、全国一律の政策ではなく、沖縄の特殊事情に対応した効果が期待できる沖縄独自の政策を展開することが重要ではないでしょうか。沖縄の人々が創造的に活躍し、地元企業が元気になる産業振興、物流コストの低減化、また次代を担う子供たちを夢と人材として、子育て、教育、医療などのソフト事業も今回の計画の中心とすることで特別扱いの沖縄から特別な沖縄に変革していかなければならないと思います。
 今回の計画が日本とアジア諸国に貢献し、日本の復興に寄与する役割を積極的に担う沖縄であるべきであると思いますが、実情は県の計画にしても一括交付金にしても退陣をする菅総理が実現をしていくと言われても進展が見えません。また、国会議論は東日本大震災であり、沖縄振興や基地問題は棚上げ状態ではないでしょうか。その中で、理論構築も納得いく説明もなく、ただ民主党の公約だからでは策がなさ過ぎます。4つの特殊事情でやって当たり前の交渉では振興策と基地がリンクするということを沖縄が示しているようなものではないでしょうか。
 (1)、沖縄振興計画における県の主体的役割と国の責務について伺う。
 (2)、振興一括交付金で対応する項目と政府の見解を伺う。
 (3)、県が主体となる新たな計画の個別政策提言について政府の対応を伺う。
 (4)、総合事務局の事務・権限を沖縄県へ移譲することへの政府の対応を伺う。
 2、東日本大震災について。
 3・11、この未曾有の大震災は、世界の歴史にも刻まれ、私たちも忘れることはありません。復旧・復興の道筋が不透明な中、被災地の皆様は自力で立ち上がるために一生懸命に歯を食いしばりながら頑張っています。いまだ8000名近くの皆様が行方不明の状況に、一日も早く自宅へ戻れることを願っております。お亡くなりになりました方々、そして被災地の皆様に改めてお悔やみを申し上げるものであります。
 私たちは、被災地の皆さんとともに前に進まなければなりません。明治維新、第二次大戦が日本の変革期であったように、今回の大震災が第三の改革・変革期であることを認識してこれまでの日本のシステムを大転換していく決断をすべきです。しかし、原発事故や民主党政権での政治空白が復興や大転換の足かせになっていることは残念でなりません。沖縄においてもこれまでの概念を捨て、新たな経済システム構築と想定外を想定する防災対策を早急に整備していかなければなりません。
 (1)、県の支援状況と今後の取り組み、体制について伺う。
 (2)、公務員等の「ボランティア休暇」の活用で継続的な支援体制について伺う。
 (3)、地域防災の重要性から、県内の消防広域化と消防団の状況と対策を伺う。
 3、基地・防衛問題について。
 辺野古が不可能であることは、これまで自民党・公明党と一緒になって辺野古推進をしてきた仲井眞知事が県外移設と言ったことで日米両政府はあきらめるべきであります。しかし、沖縄側にもカードも対応策もないことが現状ではないでしょうか。また、米国が基地機能、運用を提供基地内へ移転することを沖縄が阻止することができるのか、疑問でもあります。
 (1)、アメリカ議会からの嘉手納統合案について、知事の見解を伺う。
 (2)、災害拠点基地で南西諸島・下地島空港活用について見解を伺う。
 (3)、米軍発注工事の現状は、県民から大きな反響があります。県のこれまでの取り組み状況と今後の対策を伺う。
 (4)、中国の弾道ミサイルの先制攻撃に、嘉手納基地、普天間基地、自衛隊那覇基地が対象との報道がありますが、知事の見解を伺います。
 (5)、中国国家海洋局の海洋権益拡大について、認識と県域の安全対策を伺います。
 4、沖縄電力と自然エネルギーについて。
 沖縄電力の役割は大きなものがあります。しかし、それは沖縄県民のためになるものでなければなりません。県民生活や中小企業振興のためにどこよりも電気料金が軽減されている地域でなければ振興策を沖縄電力に制度をとることは無意味です。今回の振興策でも、物流コストの軽減を産業振興の重点に挙げておりますが、電気料金の低減、値下げをすることが最も効果が上がるのではないでしょうか。140万県民の電力会社がどの地域よりも電気料金が安いという政策をつくらなければなりません。
 (1)、電気安定供給支援制度でのこれまでの負担軽減状況と、電気料金の割高が改善されない原因と沖縄電力の経営状況を伺う。
 (2)、県庁や学校等の電気料金の状況と節電対策を伺う。
 (3)、風力・太陽光・バイオマスの自然エネルギー導入を加速する必要性について、状況と計画の見直しなど今後の方針を伺う。
 (4)、家庭からのCO2排出削減や節電の推進から、太陽光発電、エコ製品に対する助成制度は重要である。国・県・市町村の取り組みと今後の方針を伺う。
 5、新たな高齢者医療制度及び国民健康保険の広域化について伺います。
 (1)、現状と課題について伺います。
 (2)、市町村国保の財政状況と構造的な問題への対応について伺います。
 (3)、事業と財政の広域化での課題と今後の方針を伺います。
 6、観光振興について。
 ことしの入域観光客数は、私案ではございますが、昨年に比べて約50万人から70万は減少するのではないかと予想されております。知事の掲げる1000万人はますます遠のくことになりますが、受け入れ体制強化や海外観光客プラン200万人ということを大胆に変革していくことも重要であります。制度はもらったが、単なる通過地点になったのでは減少の歯どめはきかない。基地問題、領土問題、海洋圏域など中国や台湾とは多くの問題がありますが、観光は平和のパスポートという観点から沖縄がどこまでできるかが問われてきます。
 (1)、震災後の沖縄観光の現状と対策、入域観光客の見通しを伺う。
 (2)、数次ビザが本県だけに許可された要因を伺う。
 (3)、観光は、平和のパスポートである。中国や台湾の動向などを踏まえ、取り組み、対策を伺う。
 (4)、銀聯カードの状況と問題点、支援等の取り組みを伺う。
 (5)、国際線ターミナル増強が計画されております。県が目指す観光客1000万人との整合性はあるのか。空港施設は公共財産との認識で支援を行うべきではないでしょうか、伺います。
 (6)、JTAは本来の「県民の翼」に戻さなければなりません。状況と対策を伺う。
 最後に、離島振興について。
 (1)、社会資本整備総合交付金による離島町村の船舶購入に対する支援についてお伺いをいたします。
 (2)、離島振興や生活安定の観点から、離島の新造船建造は県が担うべきであるとこれまでも指摘してきましたが、取り組みをお伺いいたします。
 答弁により再質問させていただきます。
○議長(髙嶺善伸) ただいまの當間盛夫君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後3時13分休憩
   午後3時37分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前の當間盛夫君の質問に対する答弁を願います。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 當間盛夫議員の御質問に答弁いたします。
 まず第1問目の沖縄振興計画についての御質問の中で、新たな沖縄振興の県の主体的役割等についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 復帰40年を経て沖縄を取り巻く環境は、国と地方の役割の見直し、そして一括交付金化などの地方分権改革等の進展に加え、グローバル経済の進展など大きな時代の節目に来ております。このような時代変革を踏まえ、県では昨年3月に、県民とともに20年後のあるべき沖縄の姿を描いた「沖縄21世紀ビジョン」を策定いたしました。新たな計画は、県民が望む将来像の実現を図るため、県民と一体となった県民主体の計画とすることが必要であると考えます。また、今後の沖縄振興につきましては、鉄道網、鉄軌道で結節している本土各県とは経済発展の道筋が異なることや、発展著しい東アジアの中心に位置すること、さらには日本全体が人口減となる中、しばらく人口増が続くことなど、全国一律ではない沖縄独自の施策が必要ともされております。このため、新たな時代にふさわしい、主体的な施策を盛り込んだ県計画が必要であり、国においては、沖縄の特殊事情を踏まえるとともに、沖縄のさらなる発展のための制度や財源等について支援する必要があると考えております。
 次に、同じく沖縄振興計画に係る御質問の中で、新たな計画に係る個別制度提言への政府の対応についての御質問にお答えいたします。
 「新たな沖縄振興のための制度提言」については、全国一律とは異なる新たな仕組みの構築を求めるものであります。枝野官房長官兼沖縄担当大臣から、沖縄振興部会等において、必要に応じて政務レベルに引き上げて検討していくとの発言がありました。また、首相から、去る6月23日の全戦没者追悼式において、一括交付金、県が主体となる計画への支援、跡地利用に関する法律の制定、出先機関の見直しなど、地元の方々の声に耳を傾けながら実現してまいりますとのあいさつをいただいたところであります。政府においては、沖縄県の考えを可能な限り取り入れた検討がなされていくものと期待をしております。
 沖縄県としましては、引き続き制度の実現に向け政府に対して働きかけてまいりたいと考えております。
 同じく沖縄振興に係る御質問の中で、総合事務局の沖縄県への移譲に係る政府の対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 国の出先機関改革は、昨年末に閣議決定された「アクション・プラン」に基づき、出先機関単位ですべての事務・権限を移譲することを基本として、沖縄総合事務局も対象機関となって進められております。
 沖縄県としましては、沖縄政策協議会の振興部会などの場において、政府に対し、沖縄総合事務局の事務・権限の県への移譲を要望したところであります。
 今後は、政府において、関西広域連合や九州地方知事会が移譲を求める国の出先機関と沖縄総合事務局とをあわせて検討し、本年秋ごろに移譲対象機関が決定され、平成24年通常国会における法案成立、そして平成26年度中の移譲を目指して作業が進められることになっております。
 基地・防衛関係に係る御質問で、嘉手納統合案に対する知事の見解いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 レビン米国上院軍事委員長らが、沖縄の現状を踏まえて辺野古移設を「実行不可能」と判断したのは、米議会の中で、現行の辺野古移設案に対する疑問が生じてきたものと受けとめております。しかしながら、嘉手納飛行場周辺市町村は現在でも過重な基地負担を強いられており、さらに負担が増加するような案は断じて受け入れることはできません。
 県といたしましては、日米両政府に対し、引き続き普天間飛行場の県外移設に真摯に取り組むよう強く求めてまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(川上好久) 沖縄振興(新生)計画についての御質問の中で、沖縄振興一括交付金で対応する項目についてお答えします。
 沖縄振興一括交付金は、内閣府沖縄担当部局予算の国直轄事業費や補助金等の一括交付金化に加え、従来の補助金等では対象とされていない「交通・物流コスト対策」、「待機児童の解消」、「離島の定住支援」などの新たな沖縄振興のための予算額を加算することを国へ要望しているところであります。また、沖縄県のこの要望に対し、今月23日の沖縄全戦没者追悼式において、菅首相から一括交付金、県が主体となる計画への支援などの実現についての発言もなされたところであります。
 沖縄県としては、これらの動きも踏まえつつ、新たな沖縄振興に必要な財源として沖縄振興一括交付金の創設を引き続き強く求めていきたいと考えております。
 次に、観光振興についての御質問の中で、国際線ターミナル増築と観光客1000万人との整合性及び県の支援についてお答えします。
 国際線ターミナルビルについては、国の「那覇空港ターミナル地域整備基本計画」に基づき、那覇空港ビルディング株式会社が事業計画を立て、段階的に整備を進めているところであります。国の計画では、ターミナル規模は2025年度の需要予測に相当する国内旅客1900万人、国際旅客50万人(いずれも乗降客数)となっておりまして、うち国際旅客については航空ダイヤを効率的に設定することで150万人の旅客にも対応が可能であり、観光客1000万人という目標に対しても対応できるものと考えております。さらに、アジア地域の急速な発展に伴い旅客需要が急増することも想定し、設計当初から拡張しやすいような施設設計となるよう調整を行っております。また、新国際線ターミナルビル建設への県の支援のあり方については、今後検討してまいります。
 次に、JTAを県民の翼に戻すことについてお答えします。
 JTAは、JAL及びその関連グループとの間で、株式の関係のみならず営業、機体整備、ハンドリング業務や運航管理システムなど多岐にわたり連携し、一体となって業務を行っております。JTAの株式については、日本航空会長から経営改革を2年ほどかけて進めた後、地元資本の割合を引き上げる報道がありましたが、具体的な時期等は明示されておりません。
 県は、JTAの経営の健全性及び県民の利益が確保されることが重要であると考えており、JTAの今後の動向を注視しながら適切に対応していきたいと考えております。
 次に、離島振興についての御質問の中で、離島の新造船建設に係る県の取り組みについてお答えします。
 離島航路は、離島住民の生活及び産業活動を支える生命線であり、その確保・維持は重要な課題であると認識しております。離島航路につきましては、利用環境及び収支構造の改善など抜本的な構造改革が必要であると認識しており、新造船建造のあり方についても検討しているところであります。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 東日本大震災についての御質問の中で、県の支援状況と今後の取り組み・体制についてお答えいたします。
 沖縄県におきましては、東日本大震災発生後、直ちに東日本大震災沖縄県支援対策本部を設置し、被災地への人的・物的支援と被災者受け入れ支援を実施してきたところであります。被災地への人的支援といたしましては、県職員を中心に市町村や民間医療機関等の協力を得て派遣チームを構成し、6月24日現在で緊急消防援助隊、県警広域緊急援助隊、保健師チーム、医療チーム、心のケアチーム及び建築・漁港・港湾技師等を494人(うち県職員165人)を派遣したところです。また、被災地への物的支援といたしましては、毛布、おむつなどの生活物資を計6回送付したところです。
 県内への被災者支援といたしましては、「県内への一時的緊急避難に係る旅費・宿泊費の支援」として、4月から6月までの3カ月間、往復の航空運賃及び3食つきの宿泊費用を260世帯計576名に対して支援をいたしました。また、6月以降は中長期的な避難をされる方への支援策に移行しており、住宅・宿泊支援として民間賃貸住宅と付随する旅費・宿泊費の支援を実施するとともに、東日本大震災支援協力会議において「ニライ・カナイカード」を計480枚発行し、県内流通業界や交通機関等において割引等を実施しております。そのほか、避難者の生活費の支援として、「受入被災者支援見舞金」を1世帯20万円(単身者は10万円)を計155世帯に対して給付しております。
 今後も被災者の避難生活に係るニーズを十分に勘案の上、東日本大震災支援協力会議と連携し、官民一体となって被災者支援を進めてまいりたいと考えております。
 次に、消防広域化と消防団の状況と対策についてお答えいたします。
 消防広域化につきましては、本年4月に県内38市町村による「消防広域化推進協議会」が発足し、平成25年度からの消防広域化の実現に向けた協議を行っているところです。また、県内の消防団の状況につきましては、平成22年4月1日現在で30団、118の分団が組織され、消防団員数は1625人となっており、これは全国の中で最も少ない状況となっております。
 県としましては、引き続き消防広域化への実現に向けた支援や調整等を行うとともに、消防団員の確保等について住民への広報啓発等を行うなどにより、今後も国や市町村との連携のもと、消防防災体制の強化を図ってまいりたいと考えております。
 なお、消防広域化推進協議会の参加を見送っている3市につきましては、県として今後も参加を呼びかけてまいります。
 次に、基地・防衛問題についての御質問の中で、災害拠点基地としての南西諸島・下地島空港の活用についてお答えいたします。
 今回の日米安全保障協議委員会共同発表では、地域の人道支援等の後方支援の拠点を日本に設置することの重要性につき一致したとされておりますが、災害救援に係る具体的な場所は示されておりません。また、去る5月に開催された沖縄政策協議会のもとに設置された米軍基地負担軽減部会で、北澤防衛大臣から、災害拠点として下地島空港の使用について発言がありましたが、沖縄防衛局に確認したところ、具体的な内容等については決まっていないとのことであります。
 県としましては、引き続き情報収集を行っているところであります。
 次に、中国の弾道ミサイルの対象についての御質問にお答えいたします。
 報道によれば、米国のシンクタンクの見解として、普天間飛行場・嘉手納飛行場などが中国の弾道ミサイルの標的になるとの予測が示されておりますが、詳細については承知しておりません。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 東日本大震災に関する質問のうち、ボランティア休暇活用による継続的な支援体制についてお答えいたします。
 県では、被災地の要望に基づく国や全国知事会等からの職員派遣要請を受け、これまで165名の職員を派遣しているところであります。ボランティアによる被災者への支援につきましては、職員が被災地で支援活動を行う場合のボランティア休暇の付与日数を、現行の5日から2日拡大して7日まで取得できるようにしたほか、被災者を受け入れている地域での支援活動についても休暇の対象とするなどの改正を行ったところであります。
 今後は、ボランティア休暇の周知を図り、ボランティアによる被災者への積極的な支援活動を促進することとしております。
 次に、沖縄電力と自然エネルギーに関する質問のうち、県庁の電気料金の状況と節電対策についてお答えいたします。
 本県では、省エネを目的としたESCO事業を導入し、冷房設備や照明設備の高効率化等を実施することにより、厳しい財政状況に対応したコスト削減を推進しております。さらに、環境対策としてのCO2削減を図るため、全庁的に節電対策に努めております。
 具体的には、冷房期間を5月中旬から10月中旬までの5カ月間とし、勤務時間外冷房を行わないこと、昼休みの消灯の徹底、ノー残業デーの推進等に取り組んでいるところであります。その結果、平成22年度の電気料金が2億5875万円となっており、ESCO事業導入前の平成19年度の3億440万円と比較して4565万円の節減となっております。
 以上です。
○土木建築部長(当間清勝) 基地・防衛問題についての御質問の中で、米軍発注工事の取り組み状況と今後の対策についてお答えいたします。
 県では、米軍発注工事の受注における最も大きな課題は、ボンド枠の確保と考えていることから、在沖米軍に対しこれまで2度にわたり県内企業への優先発注やボンド率の縮減、分離・分割発注等について要請を行ってきました。その際、米軍側からは米国の法律との兼ね合いや規模の利益が受けられないとの理由で対応困難との回答がありました。しかしながら、県では、米軍発注工事において県内企業の参入機会の拡大は重要であると認識しており、関係機関への要請活動の強化や新たな沖縄振興に向けた制度として、保証事業会社等によるボンド支援制度の創設を国に要望しているところであります。
 次に、離島振興についての御質問の中で、社会資本整備総合交付金による船舶購入についてお答えいたします。
 社会資本整備総合交付金には、基幹事業、関連社会資本整備事業、効果促進事業の3つの事業があります。
 効果促進事業は、基幹事業と一体となってその効果を一層高めるために必要な事業であり、全体事業費の2割以内での制約があります。船舶購入については、基幹事業を道路事業とする効果促進事業で対応することになりますが、多大な費用を要することから道路整備の進捗に支障を来します。そのため、社会資本整備総合交付金による船舶購入は予算的に厳しいものと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 基地・防衛問題の中で、中国国家海洋局の海洋権益拡大に伴う漁業への影響と安全操業の確保についてお答えします。
 本県の周辺海域は、マグロ・カツオ類やマチ類などの好漁場が多く形成されております。最近、中国国家海洋局が東シナ海等において海洋権益の拡大を計画しているとの新聞報道がありますが、これにより本県周辺海域において漁業の操業が妨げられるようなことがあってはならないと考えております。
 県といたしましては、我が国の領海及び排他的経済水域内における漁業者の安全操業の確保の観点から、外務省や国土交通省などに対し、去る6月15日から17日にかけて安全操業に対する適切な対応や取締船等の強化など、抜本的な対策を講じることについて要請したところでございます。
 今後とも、漁業者の安全操業の確保について適切に対応してまいります。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 基地・防衛問題の中で、中国国家海洋局の海洋権益拡大に対する認識についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県の周辺海域には天然ガスや石油に加えて、これまで多数確認されております海底熱水鉱床、その周辺には有望な鉱物資源が豊富に賦存すると言われております。これらの貴重な海洋資源は、沖縄県ひいては我が国の経済発展に大きく貢献することから、沖縄県の立場としては、国と連携し国益かつ県益に沿って対応していくことが重要であると認識しております。
 続きまして、沖縄電力と自然エネルギーの中で、沖縄県の電気料金の割高さと沖縄電力の経営状況等についての御質問にお答えいたします。
 沖縄電力に対するこれまでの負担軽減状況は、現行の沖縄振興計画の期間において、年平均約25億円の税制上の特別措置がなされております。この特別措置による軽減額は、電気料金の低廉化を通じて県民へ全額還元されているとの説明を受けており、県としてもそのように理解しております。
 電気料金が割高な理由としては、地理的・地形的及び需要規模の制約により化石燃料に頼らざるを得ないこと、本土の電力系統と連系されておらず広域融通の枠外にあるため、本土の電力会社より高い供給予備力を持たなければならないこと、広大な海域に島々が多数点在しており、供給コストの高い離島を多く抱えていることという構造的な不利性を有していることが挙げられます。また、沖縄電力の経営状況は、平成22年度の決算説明資料によりますと、売上高が1508億9600万円、経常利益が92億4000万円となっております。
 続きまして、自然エネルギー導入を加速することに関する県の方針についての御質問にお答えいたします。
 沖縄県では、平成22年度に「沖縄県エネルギービジョン」を策定し、「石油依存度低減」、「エネルギー源の多様化」、「エネルギー自給率の向上」を図るため、2020年までに新エネルギー導入割合を2007年度比の0.2%から全国並みの4%に、また2030年までに10%程度引き上げることを目指しております。
 現在の取り組みとしては、「スマートエネルギーアイランド基盤構築事業」において、4メガワットの風力発電、1メガワットの太陽光発電を整備し、系統安定化のための実証事業などを実施しており、今後とも自然エネルギーの導入・普及の促進に努めてまいります。
 エネルギービジョンの見直しについては、国のエネルギー政策や自然エネルギー導入に伴う系統安定化及び低コスト化などの技術動向等を踏まえ柔軟に対応していきたいと考えております。
 同じく太陽光発電に対する国・県・市町村の取り組みと今後の方針についての御質問にお答えいたします。
 国は、住宅用太陽光発電に係る設置補助とあわせて平成21年度より電気事業者に対し余剰電力の買い取りを義務づける制度を実施しております。また、家庭用以外に新たに全量固定価格買い取り制度を盛り込んだ「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」が今国会に提出されているところであります。
 県内における住宅用太陽光発電補助制度については、沖縄県が平成23年度(今年度)予算で800万円を計上しているほか、那覇市を初め6市町においても約2000万円の予算措置がなされております。
 県としては、このような助成制度だけではなかなか自然エネルギーの導入が飛躍的に伸びることが厳しいと感じていることから、「新たな沖縄振興のための制度提言」においては、民間事業者や一般消費者を対象としたグリーン投資税額控除等の新エネルギー導入に対する支援制度を要望しているところでございます。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 沖縄電力と自然エネルギーについての御質問で、学校の電気料金の状況等についてお答えいたします。
 県立学校の電気料金の実績は、平成22年度で約9億8700万円となっており、対前年度比で約290万円、0.3%の減となっております。また、節電対策といたしましては、各学校において昼休みや放課後の消灯、空調設備の稼働期間や温度設定の工夫及び照明器具類の交換等の省エネ改修を行っております。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 沖縄電力と自然エネルギーについての御質問の中で、エコ製品に対する国・県・市町村の取り組みと今後の方針についてお答えいたします。
 エコ製品に対する助成制度につきましては、グリーン家電やエコ住宅に対するエコポイント制度などがあります。国において実施しておりますグリーン家電に対するエコポイント制度は、平成23年3月に終了しておりますが、住宅エコポイント制度は継続しております。
 県におきましては、平成22年度から住宅及び市町村の公共施設からの二酸化炭素排出を削減することを目的に、外壁の高遮熱塗装及び窓の遮熱化を実施する工事に対して補助制度を設けております。
 県としましては、今後とも国の新たな支援の動向等を踏まえながら、支援制度のあり方について検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 新たな高齢者医療制度及び国民健康保険の広域化についての中の、新たな高齢者医療制度案の現状と課題についてお答えいたします。
 新たな高齢者医療制度につきましては、後期高齢者医療制度の廃止を前提に、国の高齢者医療制度改革会議において議論が進められ、平成22年12月に改革案が示されたところであります。同改革案により多くの高齢者が加入することとなる市町村国保では、年齢構成が高く医療費水準が高いこと、所得水準が低いこと、小規模市町村では財政運営が不安定であることなどといった構造的な課題を抱えております。これら市町村国保の課題について、その抜本的な解決策が示されていないことから、全国知事会等の理解が得られていない状況にあります。
 次に、市町村国保の財政状況と構造的な問題への対応についてお答えいたします。
 平成21年度の本県の市町村国保の決算収支は、県全体として76億7664万円の赤字で、赤字保険者数は17市町村となっております。国においては、厳しい市町村国保の財政状況に対し国保財政基盤強化策を延長し、国・県による財政支援を行うとともに、財政運営の安定のため運営の広域化を推進することとしております。また、社会保障と税の一体改革においてさらなる低所得者対策等を行うことが検討されております。
 続きまして、国民健康保険制度の広域化における課題と今後の方針についてお答えします。
 市町村国保の広域化に当たっては、保険税の賦課方式や賦課額の標準設定、医療機関の偏在等による1人当たり医療費の格差、都道府県や市町村国保等の関係機関の役割分担の明確化など、解決しなければならない課題があります。
 県としましては、これらの課題について、県内の市町村国保で構成される各地区協議会の代表者を委員とする沖縄県国民健康保険広域化等連携会議において意見交換を重ねながら検討してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 震災後の沖縄観光の現状と対策、入域観光客数の見通しについてお答えいたします。
 沖縄県の入域観光客数は、東日本大震災の影響を受け、3月から5月までの累計では、対前年同月と比較して約29万人、19.5%の減少となっております。そのため、県としましては、緊急対策として、国内の需要回復に向け各航空会社に対する修学旅行運賃の引き下げ等を要請したほか、各旅行社の沖縄プロモーションに対する支援等を実施いたしました。また、海外対策としましては、重点市場である台湾や香港、中国、韓国を中心に有力メディアを招聘し、沖縄情報の発信等に取り組んでおります。
 県としましては、沖縄観光に対する需要は、航空路線の拡充などにより回復基調に転ずるものと考えております。
 今後とも、さらなる需要の拡大に向け、もう一泊滞在キャンペーンや国内外のチャーター便に対する支援、中国人観光客の誘客キャンペーン等を一層強化してまいりたいと考えております。
 次に、数次ビザが本県だけに許可された要因についてお答え申し上げます。
 沖縄県では、新たな沖縄振興に関する制度要望の一つとして、ビザ制度の要件緩和を求めてきたところであります。5月10日には、東日本大震災に伴う我が国への外国人観光客の大幅な減少を踏まえ、政府に対し国際観光の振興のため、一定以上の所得者のビザの免除や着陸料等の免除を要請しております。これらにつきましては、県内観光事業者からも強い要望があったほか、政権与党からも同様の要請が政府になされております。
 数次ビザが本県だけに許可された要因につきましては、沖縄と中国との長い歴史的関係や、沖縄県の国際観光振興に対する取り組み等も踏まえ、政府において沖縄県のさらなる観光振興と日中間の人的交流促進への期待などがあったものと考えております。
 続きまして、中国や台湾の動向などを踏まえた取り組み・対策についてとの質問にお答えいたします。
 アジアのクロスロードに位置する沖縄は、中国、台湾を初めとしたアジア地域と古くから交流してきた歴史的な特性を有しており、万国津梁の鐘の銘文にもうたわれているところであります。
 「沖縄21世紀ビジョン」におきましては、「世界に開かれた交流と共生の島」を目指すことを将来像として掲げ、沖縄が担うべき地域外交として、地理的優位性や歴史的特性を生かしつつ、我が国とアジアのかけ橋として地域交流やネットワークづくりに積極的に取り組んでいくこととしております。
 本県としましては、新たに数次ビザの発給が開始される中国や、これまでも交流が深い台湾に対し、今後とも文化・スポーツなどを通じた観光交流を推進してまいりたいと考えております。
 次に、銀聯カードの状況と問題点、支援等の取り組みについてお答え申し上げます。
 中国人観光客の海外での利用がふえている銀聯カードにつきましては、ホテルやショッピング施設を中心に、県内でも約570台の対応端末が設置されていると聞いております。県が実施した調査では、利用可能店舗が少ないことや、店舗を事前に知ることができなかったこと等が指摘されております。
 沖縄県では、昨年度、銀聯カード端末の導入経費を支援するなど、利用可能店舗の拡大に努めてきたところであります。また、今年度は数次ビザ制度の導入や北京からの定期便就航等による中国人観光客の増加も見込まれるため、利用可能店舗のさらなる拡大支援を行うとともに、銀聯カードとタイアップした積極的なプロモーションを展開していきたいと考えております。
 以上です。
○當間 盛夫 答弁ありがとうございました。
 それでは3点質問させていただきます。
 まず、沖縄振興計画の中での振興一括交付金でありますが、自由度の高い予算ということは、私もそれは重要だというふうに思っているんですが、県が言うこの3000億という中身、各市町村もそうなんですが、県民がちょっと中身がわかりにくいということなんです。そこで今皆さんが出している一括交付金、27項目が一括交付金だということを国に示しているんですけれども、この総額は幾らなんでしょうかということですね。
 そして、一括交付金、今年度は約2300億なんですが、県の一般会計予算というのは約6000億なんですけれども、今度出されている一括交付金と県の一般会計予算との違いというのが何なのかがちょっと見えてこないと。市町村分をどのように考えているのかということ。そして今度その一括交付金を要求している27項目の中に不発弾処理が入っているわけですよね。でも不発弾処理というのは50年、70年かかるということで、これまで国の責務だったというはずなのにこれを一括交付金に入れた理由というものが何かということをお聞きしたいと思います。
 そしてまたこれから平行滑走路もつくらないといけません。港湾の整備ももちろん大型のものをやらないといけません。糸満から本部までの鉄軌道もやるといっているわけですから、この大規模社会資本整備はこれは県が担うということになるのか。そしてこの予算は、皆さんどれぐらいだと見積もっているのかをちょっとお聞きいたします。
 そしてまた、3000億という予算ですから、この大きな予算が出てくると知事は大きな権力を握ることになるんですよね。ということは、もう国ではなくてこれから県は霞が関化するということになるわけですから、そういう心配を市町村はしているわけですよ、知事。ならないんじゃなくて市町村はそういう心配をしているわけですから、その懸念がないんであればないということをやってください。
 そして最後に、一括交付金と出先機関も廃止をするということであれば、権限も責任も県が担うということになるわけですから、沖縄県は特別道州制を求めるということを私は大前提で要求すべきじゃないかと思うんですが、その件についてお尋ねをいたします。
 2点目なんですが、きょうの朝の新聞でもありました。8月の沖縄電力、8月の電気料金117円値上げということであります。九州電力、48円しか値上げしておりません、料金で6439円。沖縄は117円、料金として7774円、これだけの差があるわけですよね。先ほども答弁にあったように、負担軽減で年間25億、26億という分の負担軽減をする中でのこの沖縄の今の現状であるわけですから、原油価格の高騰で117円値上げするということがあります。原料価格の変動だけでしかないのか、この経営努力はどういうふうになっているのか、全く見えてきていません。沖縄県民の平均所得が200万円だというのに、沖縄県が最も高い電気料金を負担をしています。一方で、沖縄電力の会長、社長の年収は5000万円だと言われております。県職員でも沖電に就職すればよかったなと思っている方々も多いんではないかと思うんですが、そこで沖縄電力の従業員1人当たりの平均年収と、沖縄県の一般行政職の皆さんの平均年収を比較するとどうなるのかお答えください。これは沖電も有価証券報告書や県も人事委員会のデータを公表しておりますので、平均年齢や勤務年数もあわせて答弁をいただければありがたいです。
 そして最後になりますが、離島振興、離島振興といいながら、船一隻も沖縄県はつくったことがありません。それからすると、私は以前も離島の船というのは県がしっかりと責任を持つべきだということを訴えております。この離島航路で公設民営化方式を実現すれば、リース料金も安くなり、黒字化する航路も出てくると考えます。そうなれば県の補助金も不用になる時期が早まると思いますが、これは企画部と土建部が一緒になって離島航路の船舶建造計画や港湾整備を作成し、離島市町村の支援を本格的に行うべきではないかと思いますが、これは土建部、企画部ともにお答えを願いたいと思います。
 以上です。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時24分休憩
   午後4時31分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 企画部長。
   〔企画部長 川上好久君登壇〕
○企画部長(川上好久) 再質問にお答えいたします。
 幾つかございますので順次お答えをしたいと思いますが、まず1点目、一括交付金3000億というのが27項目の総額なのかというふうなお話でございますけれども、これは実はきのうもお答えしたとおり、3000億のこの中身というのは、現行の国直轄経費それから市町村の事業費を含めた内閣沖縄担当予算の全額に加えて、今後の「沖縄21世紀ビジョン基本計画」に盛り込まれた施策の展開に必要な財源を対象とすると、これが3000億という考え方です。
 そのおおむねの内訳でございますけれども、現行の2300億のうち1000億は国直轄事業の予算額となっております。そしてまた県・市町村の補助事業分が1300億と。今後、新たな沖縄振興の中で那覇空港の整備、それから交通物流コストの低減、待機児童の解消、離島の定住支援など、新たな沖縄振興に係る事業分、この中で那覇空港の整備を除けば27項目に係るような部分、それが約700億円程度あるというふうなことでおおむね3000億というふうなことでございます。これが1点目でございます。
 それから2点目は、一括交付金と一般会計の関係、その国庫支出金2300億が県と市町村にどのように配分されているかということでございますけれども、確かに県のこの予算額は6000億ございます。その財源がちょっと手元にございますけれども、ざっとこの内訳を見ますと、大体2000億余りが地方交付税、そしてまた1000億の県税、そしてまた国庫とか起債とかそういうふうになっております。その中で一括計上予算の2300億のうちまず県のほうに913億、これは23年の予算で来ております。それからまた市町村のほうには337億、そして国直轄予算として1057億とそのような関係になっております。
 それから3点目に、市町村分というふうなものをどのように考えていくのかというふうなことでございますけれども、県のほうは市町村分も含めた内閣府沖縄担当予算の全貌を沖縄振興一括交付金とすることを求めております。市町村分につきましては、市町村の当然この自由裁量というのを損なわないように、市町村にゆだねていくというふうな考え方が出てくると思います。市町村間の協議において検討されていくというふうなことを考えております。その中で必要があれば、沖縄県としてはその協議の中で市町村の求めに応じた助言等を行っていくと、そういうふうな考え方を整理をしていきたいというふうに考えております。
 それから4点目は、不発弾でございます。
 不発弾につきましては、これは当然、戦後処理の一環として国の責任のもとに実施されるべきでございます。今般これをこの一括交付金の中に入れてございますけれども、国の責務とは何かというふうなことは、当然それは国がその財源をすべて措置するというふうなことでも国の責務としてあると。そういうことで、一括交付金の中に入れてございますけれども、これは国の責務はないというふうなことではなくて、そういうこの財源をすべて公費で賄うというふうなことで責務があるというふうな形で整理をさせていただいております。
 それから5点目に、空港、港湾などの社会資本整備の件でございますけれども、今後出てくる大きな事業としては基地跡地の整備、それから鉄軌道等がございます。これはまさしく戦後処理に起因をして国の責務で実施する必要があるというふうに考えています。そしてまた、これまでの沖縄振興開発予算の枠を大幅に超えてしまう。そういうふうな資金需要が想定されることで、これは別途、国による資金の確保が必要だということで、今回のこの一括交付金の枠の中に考え方としては入れてはございません。そういう形で整理をさせていただいております。
 それから、知事の権限、霞が関化するのではないかというふうな話がございますけれども、これは先ほども申し上げましたとおり、その市町村のほうの一括交付金については、当然市町村の枠を市町村のほうの裁量にゆだねるというふうなことでそこのところは不安はないものというふうに考えております。
 それから、特別道州制に関連する質問でございますけれども、一括交付金の導入と出先機関の移管というのは、現在の都道府県制度を改革する地域の主体的な経営を可能とする一つの政策にはなろうかと思います。しかしながら、道州制そのものはこれはもう既にいろんな議論がございましたけれども、国の形を根本的に変えていく。外交・防衛以外の国の権限、それから税財源、一部の立法権、課税権を地方に移す大きな改革だというふうに言われておりまして、これにつきましては今後他都道府県との動きも見ながら、制度導入というものは検討していく必要があろうかと思います。
 道州制の意向につきましては、現在のこの地域主権改革の進展、それから道州制議論――最近はこの議論少し動きがとまっているような状況もございますけれども――その具体化の動きを見ながら進めていく必要があろうかというふうに考えております。
 それから離島航路の件でございますけれども、これにつきましてはまさにこれまでの決算補助だけではなくて、新たな方策についても検討していく必要があろうかというふうに思います。
 公設民営化を含めて新造船に係る議員のこの御提言につきましては、これは他県の取り組みだとか、あるいはまた関係市町村、また関係部局との意見交換も含めながら、その新しい方策をまた検討してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 再質問の中で、沖縄電力の従業員と沖縄県庁の行政職給料表の職員の年間給与の比較という御質問でございました。
 まず、沖縄電力は平成21年の有価証券報告書、それから沖縄県は平成22年の給与等に関する報告及び勧告――これは沖縄県人事委員会が昨年10月7日に出した資料で、これに基づいてお答えいたします。
 まず、沖縄電力のほうですが、平均年齢が35.9歳、平均勤続年数が14.4年、平均給与――これは1000円単位で四捨五入して申し上げます――735万8000円でございます。それから、沖縄県の行政職給料表のほうは平均年齢が41.6歳、平均勤続年数が18.9年、年間平均給与がこれも1000円単位で四捨五入して申し上げますと、566万8000円となっております。
 比較するとこういうことになりますが、聞くところによりますと、沖縄電力の給料は全国の電力会社の中では一番低いということも聞いております。
 以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 離島振興のための船舶購入についての再質問にお答えいたします。
 離島振興のために、港湾整備の推進とともに船舶の運営維持は重要と認識しております。しかしながら、予算枠の関係で社会資本整備総合交付金での対応は厳しいものがありますが、他府県で実施している事例もわずかながらあることから、その事例を含めて船舶購入のあり方を企画部と連携して研究していきたいと考えます。
○議長(髙嶺善伸) 以上をもって代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで終了いたしました。
 次会は、明7月1日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後4時42分散会

 
20110503000000