○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた公安委員会委員長幸喜徳子さんは、別用務のため本日及び27日から29日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び28日の会議に公安委員会委員翁長良盛君、27日及び29日の会議に同委員会委員安里昌利君の出席を求めました。
また、人事委員会委員長仲吉朝信君及び労働委員会会長藤田広美君は、所用のため本日から24日まで及び27日から3月1日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長岩井健一君及び労働委員会事務局長平良宗秀君の出席を求めました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(髙嶺善伸) 日程第1 平成23年第8回議会乙第23号議案を議題といたします。
本案に関し、委員長の報告を求めます。
土木環境委員長當山眞市君。
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〔委員会審査報告書(議決事件) 巻末に掲載〕
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〔土木環境委員長 當山眞市君登壇〕
○土木環境委員長(當山眞市) おはようございます。
ただいま議題となりました平成23年第8回議会乙第23号議案の議決議案1件について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
委員会におきましては、環境生活部長の出席を求め慎重に審査を行ってまいりました。
以下、審査の過程における執行部の説明及び質疑の概要等について申し上げます。
なお、本議案は平成23年11月定例会に提案されましたが、慎重に審査及び調査する必要があるとの理由で閉会中継続審査となった議案であります。
まず、乙第23号議案「指定管理者の指定について」は、沖縄県男女共同参画センターの指定管理者を指定するため、地方自治法第244条の2第6項の規定に基づき議会の議決を求めるものであります。
沖縄県男女共同参画センターの指定管理者については、指定管理候補者の選定に当たり公募を行い、沖縄県男女共同参画センター指定管理者制度運用委員会の審査を経て、財団法人おきなわ女性財団を選定したとの説明がありました。
本案に関し、男女共同参画センターの業務内容及び指定管理料についての質疑がありました。
これに対し、主な事業内容は、同センターの施設管理業務、貸し館業務、図書情報室業務と、今回から新たに加わる相談業務及び男女共同参画に関する啓発学習業務であり、指定管理料は平成24年度から26年度までの3年間で2億3426万7000円であるとの答弁がありました。
次に、今回新たに追加された相談業務は、専門的な知識がなければ対応できないと考えられることから、職員の専門性を引き継ぎ、男女共同参画センターの業務に生かしていくことを考えるべきではないかとの質疑がありました。
これに対し、相談業務については、DVの相談や女性特有の相談などかなり高度な専門性が要求されており、優秀な人材を確保することは業務を遂行する上で重要だと考えるが、同センターは、女性の地位向上及び社会参画の促進を図り、男女共同参画社会づくりを設置目的に位置づけており、同センターで勤務した期間中に得た知識や経験が地域の同様な機関等で生かされるようにしていきたいとの答弁がありました。
次に、環境生活部長は、6月定例会の土木環境委員会において、沖縄県男女共同参画センター指定管理者制度運用委員会の議題として、職員の継続雇用に関する提起を行うと答弁したが、どのような提起をし、その結果はどうだったのかとの質疑がありました。
これに対し、第2回指定管理者制度運用委員会において、募集要項に職員の継続雇用の配慮規定を盛り込むことについて議題として提起し、賛成多数でなければ募集要項に盛り込まないことを説明した上で慎重に議論し採決を行った結果、賛成が過半数を超えなかったため、募集要項に盛り込まないことになったとの答弁がありました。
次に、次期指定管理者候補に対し、職員の継続雇用を求めるよう働きかけるべきではないかとの質疑がありました。
これに対し、環境生活部長がおきなわ女性財団の理事長と面会し、職員の継続雇用について配慮を依頼する申し入れを行った。それを受けて同財団は職員に対し、財団の規程に基づく継続雇用について説明を行ったとの答弁がありました。
次に、スケジュール上、2月定例会で指定管理者が指定されなければ、4月以降の男女共同参画センターの開館に影響を及ぼすと考えるがどうかとの質疑がありました。
これに対し、指定管理者の指定がおくれた場合、男女共同参画センターの利用者や、相談業務を必要としている多くの県民等に迷惑がかかることから、県として対応を考える必要があるとの答弁がありました。
次に、現在勤務している職員の中で、おきなわ女性財団の雇用規程に定められている、原則3年の雇用期間を超えて勤務している職員はいるのかとの質疑がありました。
これに対し、現在勤務している職員の中に、平成15年度から3年間、おきなわ女性財団で勤務した後、指定管理者制度が始まる平成18年度に県からの出向職員が引き揚げたこと等の理由により、平成18年度からの3年間について、特別に継続雇用された職員がいる。平成21年度からの3年間は、現在の指定管理者であるJVに雇用されており、男女共同参画センター管理運営団体の職員として継続して勤務している職員がいるとの答弁がありました。
次に、おきなわ女性財団が組合から団体交渉の申し入れに応じないのはなぜかとの質疑がありました。
これに対し、男女共同参画センター管理運営団体であるJVとしては団体交渉に応じているが、おきなわ女性財団としては、直接雇用関係にないということから団体交渉に応じていないとの答弁がありました。
そのほか、男女共同参画センターの設置目的、指定管理者制度運用委員会のあり方と今後の課題、おきなわ女性財団の事業内容などについて質疑がありました。
以上が委員会における説明及び質疑の概要でありますが、採決に先立ち、平成23年第8回議会乙第23号議案については、社民・護憲ネット所属委員から反対する旨の意見表明があり、採決の結果、平成23年第8回議会乙第23号議案は、賛成少数をもって否決すべきものと決定いたしました。
以上、審査の経過及び結果を申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げまして報告を終わります。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
休憩いたします。
午前10時11分休憩
午前10時11分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
これより平成23年第8回議会乙第23号議案を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は否決でありますので、原案について採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、可決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(髙嶺善伸) 起立少数であります。
よって、平成23年第8回議会乙第23号議案は、否決されました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(髙嶺善伸) この際、念のため申し上げます。
本日から24日まで及び27日から3月1日までの7日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(髙嶺善伸) 日程第2 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
池間 淳君。
〔池間 淳君登壇〕
○池間 淳 おはようございます。
浦添市の池間淳でございます。
きょうは宜野湾市の大謝名小学校の生徒の皆さんが大勢傍聴されております。これはいかに静かな場所で勉強したいかというふうな気持ちも込められての傍聴かと思います。
知事、普天間の飛行場、早目に危険性を除去し、県外へ移設をして静かな場所で勉強をさせていただきたいと思います。一緒に頑張りましょう。
それでは自由民主党を代表して代表質問を行います。
1、新たな沖縄振興について。
本県は、本土復帰後40年の間、政府による沖縄振興のためのさまざまな施策が展開され、県民生活の向上を初め社会資本整備については一定の効果を上げてまいりました。4次にわたる国の振興策への依存からの脱却を図り、県経済の自立をいかに図るかは、本県における振興策を県民本位かつ県独自で計画を策定し、県が自由に施策を選択できる自由度を確保することが必要であります。そのためには、全国一律の基準でなく、多くの離島を有する島嶼県であり、本土と遠く離れた経済市場という特殊性に配慮した本県に特化した基準が必要であります。
政府は、本県が求めていた2012年3月末で期限が切れる沖縄振興特別措置法にかわる新たな沖縄振興法について閣議決定し、今国会での成立を明言し、その内容も一部明らかとなりました。仲井眞知事を初め、執行部のこれまでの取り組みが実ったものと評価するものであります。沖縄の振興策は、県みずから主体的に決めるとの方針のもとで策定した21世紀ビジョンに基づき、今後10年間の新たな計画の基本的考え方である21世紀ビジョン基本計画を策定しており、新たな沖縄振興法は、県計画の具体化を後押しするものであります。しかし、新たな振興法は首相が沖縄振興の基本方針を定め、県知事はその方針に基づき振興計画を策定すると県の自主性に一定の枠をはめた形となっており、さらに県が策定し、国に提出した振興計画が基本方針に適合しない場合は、国は知事に対し変更を求めることができるとなっているようであります。内閣府は、県の自主的な計画策定は尊重されるが最低限の関与は必要であると説明しているようであります。国の財政に依存し、国民の税金である以上、完全に国の関与がなくなるのは難しいとは思いますが、国の関与の度合いが明確でなく、官僚の裁量がどのように働くか懸念されるのであります。県として今後とも国に対する働きかけが必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、政府は、2012年3月末で期限が切れる沖縄振興特別措置法にかわる新たな沖縄振興法について、今国会に提出し成立を図るとしている。同法案に県の要望がどう反映され、県としてどう評価しているのか伺いたい。
(2)、新たに示された沖縄振興法案では、知事が沖縄振興計画を策定する際は、国が定める沖縄振興の基本方針に基づくとされているが、県の主体性や自由度は十分に発揮できるのか県の見解を伺います。
(3)、今回認められた2012年度からの沖縄振興に係る税制改正について、県が新たな沖縄振興策を展開していく上でどう評価しているのか、現行制度との比較で伺いたい。
(4)、県が要望した観光・地場産業・新成長分野等に係る全県特区が実質的に確保され、国際物流拠点産業集積地域が創設されたが、今後の活用方針について伺いたい。
(5)、酒税軽減措置、揮発油税等の軽減措置の延長が認められ、県経済や県民生活に好影響を与えるが、今後は延長された期間中に企業の経営健全化や自助努力をいかに高めるかが重要であると思います。県の取り組みを伺います。
(6)、沖縄振興開発金融公庫については、新たな沖縄振興策を展開していく上で現行の機能及び組織形態での存続による総合政策金融機関としてのさらなる役割発揮が求められているが、国における対応状況を伺いたい。
2番、沖縄振興一括交付金について。
2012年度の沖縄振興予算案は、昨年度より636億円増額の2937億円と決定しました。東日本大震災復興予算が優先される中で、異例の沖縄に配慮した予算となっております。そのうち本県が強く要請しておりました自由度が高く、自主的に事業が選択できる沖縄振興一括交付金1575億円が認められております。これまで本県は、復帰特別措置・振興計画でさまざまな施策が展開され、他県に比べ有利な高率補助制度が適用され、道路、港湾などハード事業が整備されてまいりました。しかし、これらの予算は使途が限定され県が望むソフト面への転用はできず、市町村を含め自由度がきき、使い勝手のいい予算化が求められていたのであります。今回、県の求める国直轄分を含めた一括交付金3000億円は実現しなかったとはいえ、本県の要望にこたえ沖縄振興一括交付金が創設されたことは、2012年度が新たな沖縄振興のスタートの年となるものであります。
報道によりますと、満額回答となった予算を見て県の財政担当者は、ふえた500億円をどうやって使い切ろうかと使い切るイメージができないことに戸惑いを隠せなかったということであります。まさに、今後県の予算編成や施策メニューのあり方が問われることになるのであります。確かに、今回の一括交付金1575億円について補助率は実質90%となっておりますが、その裏負担分をどう工面するかは市町村にとって現実課題であります。41市町村の一括交付金の配分についてもさまざまな議論がなされたようでありますが、離島・過疎町村、財政力の弱い町村への配慮も必要であり、同時に、自由に事業が選択できるということは、事業のあり方が問われることだけでなく、予算執行能力も問われるということであります。そのためには、県経済にインパクトを与える政策の提言と県内の厳しい経済環境の中、執行率100%を何としても実現させることが必要であると思います。
そこで伺います。
(1)、2012年度の内閣府沖縄担当部局予算案については、国の財政状況が厳しさを増す中、大幅な予算増や沖縄振興一括交付金(仮称)の創設も認められた。県としてどう評価し、沖縄振興一括交付金を今後沖縄振興にどう活用していく考えか伺いたい。
(2)、沖縄振興一括交付金の活用により、従来の国庫補助制度では対応が困難であった産業振興や離島地域の定住支援など新たな沖縄振興策を展開していくこととしておりますが、制度の持続的可能性は担保されているのか伺いたい。
(3)、県の2012年度一般会計予算は、6807億円と復帰後の最高の当初予算となりました。沖縄振興一括交付金が初めて認められ、その活用のあり方、県の執行力が注目されております。このため県の力量が問われる予算案であると考えますが、県の予算編成に当たっての基本方針と今後の懸案事項等について伺いたい。
(4)、沖縄振興一括交付金が創設され、1575億円が認められたが、県予算でどこに重点を置いて配分するか。また、市町村との配分方法や市町村間の配分について伺いたい。
(5)、大規模駐留軍用地跡地利用に係る利用計画の策定も進めておりますが、今後、沖縄振興一括交付金を活用して返還用地の取得も考えているのかどうか伺いたい。
(6)、空手道会館(仮称)の建設について、建設に向けた基本方針と今後の作業工程について伺いたい。
(7)、認可外保育所や学童クラブへの支援対策として、沖縄振興一活交付金を活用して実施する事業と支援内容について伺いたい。
3番、沖縄都市モノレールの延伸・延長について。
沖縄都市モノレールの浦添市への延長について、県都市計画審議会は、景観、環境への配慮や地域住民との意見交換などの附帯意見をつけて同意しており、去る1月26日には、沖縄総合事務局から延長申請事業に係る特許申請を受けた国土交通省は、モノレールと沖縄自動車道を連結する浦添延長事業、延長区間4.1キロ、設置駅4駅の特許状を交付しております。これにより都市モノレールの浦添延長事業は2019年度に向け本格的に動き出しました。
県は、予定路線の測量や建設に向けた詳細な設計を行い、用地の調査・交渉に向けた作業に入っており、早ければ2013年度に支柱や駅舎などのインフラの建設工事に入る計画のようであります。都市モノレールの浦添延長は、浦添市の強い要望もあり実現したものであり、本県の陸上交通の整備を図り、定時・定速という県民の利便性を確保する上で重要であることから、県、浦添市の連携による地域住民や県民への情報の提供が必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、国土交通省は、モノレールと沖縄自動車道を連結する浦添延長事業、延長区間4.1キロ、設置駅4駅の特許状を交付した。これにより2019年開業に向け本格的に動き出したが、今後の用地取得等作業スケジュールについて伺います。
(2)、県都市計画審議会は、沖縄都市モノレールの浦添市への延長事業に係る都市計画の変更について、景観・環境への配慮や地域住民との意見交換などの附帯意見をつけて同意したことについて、県は、今後どのような方針で作業を進められていかれるのか伺いたい。
(3)、事業が本格的に動き出したことで、都市モノレール事業における経営基盤の強化などの中長期計画の策定について現状を伺いたい。
4、離島・過疎地域の振興について。
少子・高齢化や高度情報化が急速に進展するに伴い、我が国の経済や社会状況は大きく変化し、東京を中心とした都市と地方との経済格差が表面化してきており、特にこの傾向は離島において顕著であります。本県離島においては高齢化の進展が著しく、島の人口減少や若者の慢性的な島外への流出で地域の衰退が懸念されております。県は、離島の定住条件の改善と振興を図る観点から、平成22年度から航空運賃の低減及び格差是正に向けた実証実験を実施し、離島における交通コストの軽減を図っており、さらに24年度は、航空運賃を加え船舶運賃についても軽減する方向で新たな制度の導入を進めるとしております。離島県における離島という不利性がある一方で、本県の離島は、全国の中でも際立った魅力ある自然的特性を有し、独特の伝統文化が継承されております。そのため、今では本県離島の持つすぐれた自然の景観や独特の伝統文化とゆったりとした生活空間を目当てに島々を訪れる観光客も増加してきたようであります。「沖縄21世紀ビジョン基本計画」で、「県民全体で離島を支える仕組みを構築するとともに、離島住民が住み慣れた島で安心して暮らし続けることができるよう、交通、生活環境基盤、教育・文化、医療、福祉等の分野においてユニバーサルサービスを提供し、定住条件の整備を図ります。」と掲げております。そのためには、新たに認められた沖縄振興一括交付金を活用し、それぞれの島々の特色を生かした思い切った施策の展開が必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、県は、本島と同じ交通・医療・教育・文化等の振興を図ることにより、離島・過疎地域における定住条件を整備するとしておりますが、具体的な施策をどのように展開していかれるのか伺います。
(2)、離島地域における特産物の開発や販売促進を図り、地域産業の振興や地域間の交流の促進、観光の振興につなげる必要があると考えますが、県の取り組み状況を伺いたい。
(3)、県は、沖縄振興一括交付金を活用し、新たな制度として24年度から離島航空運賃・船舶運賃の低減や輸送費の負担減、船舶建造補助など、離島の活性化や住民生活・交通コスト負担軽減を図るとしておりますが、その内容と県の考えを伺いたい。
(4)、沖縄振興一括交付金を活用して、離島の小・中・高校生及び父兄を受け入れる宿泊施設の建設について、県の取り組み状況を伺いたい。
(5)、下地島空港の運営費をJALが負担しない旨県に通知した問題について、その後の状況に変化はないのか。また、県として今後の下地島空港の利活用について多角的に検討する時期に来ていると思いますが、県の考えを伺います。
(6)、乗瀬橋建設に向けての県の取り組み状況を伺います。
ちょっと休憩。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前10時29分休憩
午前10時29分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○池間 淳 5、観光振興について。
本県を訪れる観光客は一時の落ち込みを脱し、確実に回復に向かっております。しかし、昨年における世界的な金融機関等による国内景気の悪化に伴う観光客の落ち込みは、観光が外的要因に大きく左右されるという現実を認識する契機となったのであります。この経験を観光に依存する本県にとって観光振興対策にどのように生かしていくかが重要であり、県に課せられた今後の課題であると考えます。
本県は特有の亜熱帯気候に伴う自然環境や独特の文化、芸能を有することから、世界に認知される素地が備わっており、また本県の地理的位置から中国やアジア諸国に近接しているという有利性もあり、世界水準の観光・リゾート地を形成する上で大きなポテンシャルが備わっております。このような本県の持つ有利性をいかに生かしていけるかが目標達成に向けての重要な課題であります。そしてその上で、那覇空港の滑走路の拡張や離島空港を含めた国内・国外の航空路線の拡張、大型クルーズ船の誘致、海外からの観光客の誘致促進を図ることが必要であると思います。その際、観光は外的要因に大きく左右されるという不安定さを克服した戦略が必要であり、そのためさらなるリピーターの増加対策と企業の会議・研修などMICEの定着が重要であると同時に、本県の持つ伝統文化、歴史等を生かした新たな観光メニューの開発や本県特有の自然環境と共生したエコリゾートアイランドを形成するなど沖縄観光ブランドの確立が重要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、県は、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」で世界水準の観光・リゾート地の形成を掲げ、沖縄観光ブランドの確立や世界に通用する観光人材の育成等を推進するとしておりますが、具体的取り組みに向けた戦略を伺いたい。
(2)、観光客1000万人誘致を達成するには、国際的リゾート観光地の形成と航空会社の新規就航や思い切った増便等が必要であり、そのため那覇空港における国際線の着陸料等の軽減を図ることが不可欠であると思います。国の理解を得るための方策をどのように考えているのか伺いたい。
(3)、景気など外的要因に左右されない観光地づくりを図るため、さらなるリピーターの増加対策と企業の会議・研修等MICEの定着が重要と考えますが、県の取り組み状況を伺いたい。
(4)、県は、新たな観光メニューの開発を進めておりますが、本県の伝統文化、芸能についてどのような形で活用し、現在の観光施設やメニューにどのように生かしていかれるのか伺いたい。
6、観光消費額について。
観光は、産業構造が脆弱な本県における総合産業として県経済の活性化を支える重要な位置を占めております。2009年度における本県の観光消費が生み出す経済波及効果は6616億円に達し、これは本県と同じ観光を主体とする北海道や京都と、観光が経済に及ぼす効果の割合を比較してもその割合は高いということであります。また、観光が生み出す付加価値の総額を示す観光GDPを見ても本県は県内総生産の4.6%に達し、ニュージーランドの4.1%、フランスの3.7%、アメリカの2.1%を上回っており、いかに本県経済が観光に依存しているかがわかるのであります。県内観光客の消費額の推移を見ますと、1987年の9万2060円から2007年は7万2458円、2008年は6万6403円と減少の一途をたどっております。県は消費額の向上を図るべく目標を8万4000円に設定し努力しておりますが、達成は厳しいようであります。観光客は大きく伸びていながら消費額は逆に減少しているという現実は、本県観光の平均滞在日数が3.75日にすぎないこととあわせ、本県観光の抱える構造的な課題があるのではないでしょうか。
県の調査によれば本県を訪れる観光客は、滞在を1日延ばすと約183万人観光客がふえたのと同じ経済波及効果が期待できると推計しております。県はこれまでの戦略を見直す必要があるのではないでしょうか。少子・高齢化社会に対応した観光戦略を構築し、60年代層リピーターの発掘、成長著しい東アジア等への誘客活動の活発化が必要であると考えます。数次ビザ発給で中国からの誘客活動にあわせ、新たな観光資源の開発を促進し、あらゆる階層を受け入れられる多様な観光メニューの提供など、観光立県としての魅力を最大限生かした観光地づくりが重要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、県の第3次観光振興計画は、2011年度で最終年度となりますが、目標と掲げた観光客1人当たり県内消費額の達成について、実績と課題について伺います。
(2)、消費額を伸ばすには、滞在日数の増加と消費需要の喚起が重要であると思いますが、県の基本的戦略を伺います。
(3)、土産品などの買い物等で消費単価が最も高いのは、60代の観光客と言われております。県の60代のリピーター率向上対策に向けた取り組みを伺います。
7、農林水産業の振興について。
(1)、本県農業の振興について。
我が国の長引く景気の低迷は、本県農産物の県外出荷にも影響し、本県が高級品として県外出荷に力を入れている肉用牛や花卉類、マンゴーなどの出荷数量も落ち込んでおります。本県は、本土市場から遠く、気候的問題もあり、現状においては他県と競争できる農産品は限定的であり、そのため県は本県特有の品目を戦略的に生産、販売することを基本におきなわブランドの開発に取り組んできたのであります。その効果もあり、ゴーヤーと言えば沖縄がイメージされるほど本土でも一般的な食材となっており、マンゴーも高級贈答品として定着し、愛用されるようになっております。しかし、これらのおきなわブランドの代表であるゴーヤーやマンゴーが他県においても生産・出荷されるようになったことで、本県製品の本土出荷にも影響が出ていることは、本県農業にとって深刻な問題であります。本県と競合関係にある他産地は、大消費地である東京や大阪とは陸続きであり、さらに高速道路や鉄軌道の整備により輸送、流通条件は大幅に改善されております。しかし、本県は離島県であり、本土市場への輸送には空と海を使う以外に方法はなく、陸続きの他県とは輸送コスト面で不利性を強いられているのが現状であります。このような離島県としての不利性を前提とした対策や戦略が必要であることは当然でありますが、一方でこの地理的不利性を変えようとしても変えられるものではなく、国の法令による改善策が必要であると思います。
そこで伺います。
ア、離島県である本県の地理的不利性は、本県農業の競争力を阻害している大きな要因でありますが、その解消を図るための県の取り組みと輸送コストや流通条件の整備をどのように図っていかれるのか伺います。
イ、本県の地理的不利性を克服し得る農業技術の向上と、おきなわブランドの本土市場への浸透が本県農業の自立を図る上で必要と考えますが、県の戦略を伺います。
ウ、2010年度の新規就農者が減少しましたが、県内の農業就業人口は、就業者の高齢化もあり、毎年約1000人が減少しているようであります。その要因と対策について伺います。
エ、本県農業が産業として安定し、雇用の役割を果たしていくためには、さとうきびやパイナップル、マンゴー等の安定品目の生産供給体制の整備が必要であります。県の強化対策に向けた取り組みを伺います。
オ、県は、県外に出荷される農林水産物の輸送費を沖縄振興一括交付金で補助するとしておりますが、補助対象品目と条件整備等仕組みづくりについて伺います。
カ、沖縄振興一括交付金を活用した沖縄新規就農一貫支援事業について、そのねらいと事業内容について伺います。
キ、沖縄振興一括交付金を活用した沖縄型農業共済制度推進事業について、事業内容を伺います。
(2)、TPP(環太平洋連携協定)等について。
政府は、TPP(環太平洋連携協定)参加問題について、参加に向けた政府間交渉を進める方針を固めたようであります。TPPへの参加には、交渉参加9カ国の了承を得る必要があります。そのため、政府は事前に関係国と折衝し、ブルネイ、ベトナム、ペルー、チリの4カ国から了承を取りつけたとしております。今後は、米国を初めマレーシア、オーストラリア、シンガポールとTPP参加に向けた事前協議を行い、了承を取りつけるとしております。しかし、TPP参加に強く反対している我が国農業の不安を払拭する努力は全くなされておらず、米国やオーストラリア等の農業大国との競争に影響されない我が国の農業のあり方、農業政策も明確に打ち出していない中での交渉開始であります。このように国民に対する情報の提供が少なく、徹底した議論がないまま事態だけが先行している状況は、後々禍根を残すことになりかねません。
TPPは、アジア・太平洋地域における貿易・投資等の自由化や関税撤廃など広い分野における自由化の交渉を通して基本的な枠組みをルール化するもので、その交渉に参加することは実質的にTPPのルールに我が国も組み込まれると懸念されます。一方、2007年に始まり東日本大震災の影響で中断していた日豪EPA(経済連携協定)が再開され、2004年以降中断していた日韓EPA交渉も再開されるようであります。日韓EPAは、我が国の農業にどのような影響を及ぼすかは定かではありませんが、日豪EPAについては、オーストラリアは農業大国であり、TPPの交渉参加国であり、農業分野が焦点になることは明確であります。
民主党内で賛否が割れているTPPへの思惑もあり、日豪EPAについては、早期の交渉開始で意見は一致しているようであります。TPPの前に農産物保護で日豪合意を締結しておきたいとの思惑があると言われておりますが、しかし、交渉で我が国農産物保護の主張が通るのかは不透明であり、我が国のTPP参加の試金石になると思われます。
農産物の保護が撤廃されることは、本県農業に深刻な影響を与えることは間違いなく、特に本県の離島地域はさとうきび生産が主たる産業となっており、TPP参加による影響は離島地域に壊滅的な打撃を与えるのは間違いありません。
そこで伺います。
ア、政府は、TPP交渉参加に向け、ブルネイ、ベトナム、ペルー、チリの4カ国から了承を取りつけたとし、今後は、米国、マレーシア、オーストラリア、シンガポールとの協議を加速するとしております。情報が不足し、国民不在の感もいたしますが、県の見解を伺いたい。
イ、本来、TPP交渉参加の協議の前に、国として海外と競争できる農業政策を打ち出されない中、TPP参加に向けた協議が進められると本県農業は深刻な影響を受け、特にさとうきびは壊滅的な打撃を受けることは間違いありません。県の対応をお伺いいたします。
ウ、日豪EPAは再開されました。日韓EPA交渉も再開される見通しでありますが、交渉の状況、内容について県は把握なされているのか、本県農業にどのような影響を与えるのか伺いたいと思います。
エ、本県離島地域は、さとうきびに大きく依存しており、TPP参加は離島農業の崩壊を招き、離島地域の衰退やさらなる若者の流出につながると懸念されておりますが、県の認識を伺いたい。
(3)、本県水産業の振興について。
本県の水産業は、近年の水産資源の減少による漁獲量の低迷に加え、輸入水産物の増大に伴う価格の低迷や生産コストの高騰、そして構造的な漁業従事者不足や高齢化など、厳しい状況にあります。加えて、日米地位協定に基づく操業制限及び禁止水域の設定等により、ただでさえ狭隘な漁場での操業が限定・制限されることから、年々漁業環境は厳しくなる一方であります。本県水産業は、これまで県民に対する水産物の安全かつ安定的な供給を果たしてきております。離島県で四方を海に囲まれた本県の特性を維持するためにも水産業の育成・振興は重要であると思います。県においては、長期的な視点に立った県内水産業の支援が必要であると思いますが、次の質問をいたします。
ア、福島第一原発事故による放射性物質の流出による海産物への影響を心配する声が多いが、本県における状況と県として調査をしたことがあるのかどうかについてお伺いをいたします。
イ、県内漁業生産額は年々落ち込んでいるようでありますが、その要因を県はどのように分析しているのか伺います。
ウ、県内漁業は、従事者の減少や高齢化という課題を抱えておりますが、県の対策の現状と今後の取り組みを伺います。
8、沖縄科学技術大学院大学について。
沖縄科学技術大学院大学は、昨年10月25日、文部科学省から大学設置認可書、学校法人寄附行為認可書を交付され、11月1日、学校法人沖縄科学技術大学院大学に移行し、2012年9月開学が正式に確定いたしました。11月19日には創立記念式典が行われ、ドーファン学長は、「卓越した技術、科学における教育や研究を行うことで、沖縄県の振興に今後とも貢献したい。そして日本と世界の科学技術の発展に力を尽くしたい」と今後の展望を語っております。確かに沖縄科学技術大学院大学は、既に研究チームが世界で初めてサンゴの全遺伝情報(ゲノム)を解析し、英国の科学誌「Nature」電子版にその成果が掲載され、他大学や研究機関との共同研究が28件、特許件数は4件と、世界最高水準の大学としての成果を発揮しております。
沖縄科学技術大学院大学が本県に設置された理由の一つが、本県の振興に資することであり、このような研究成果が将来的に本県の振興に貢献することを期待するものであります。しかし、沖縄科学技術大学院大学は、世界最高水準で国際性を保ち、他大学、研究機関等との共同研究や産学連携を基本理念に掲げ、世界的連携を目指すとしておりますが、一方で大学運営はすべて国の財政支援に依存する体制となっております。補助の根拠となっている「沖縄科学技術大学院大学学園法」には、施行10年後には大学の財政支援のあり方を見直すと明記されており、必ずしも安定的運営が保証されているわけではありません。今後、公的資金の投資に見合った成果を上げる努力と、国からの支援以外にも財政の確保を図る方策が必要となってくるものと考えますが、県の対応も議論される時期が来ることになるかもしれません。
そこでお伺いをいたします。
(1)、沖縄科学技術大学院大学は、文部科学省から大学設置認可書、学校法人寄附行為認可書を交付され、2012年9月開学が正式に確定いたしました。本県の振興・発展に大きく寄与すると考えますが、知事の感想をお伺いいたします。
(2)、沖縄科学技術大学院大学は、将来、国内外から企業を集積する知的クラスターの形成を目指しておりますが、県はどのようにかかわり、どのように県経済の振興に結びつけていかれるのかお伺いをいたします。
(3)、沖縄科学技術大学院大学は、世界最高水準、世界的連携、産学連携等を基本理念としておりますが、国からの補助に頼らざるを得ません。学園法で10年後に財政支援のあり方を見直すとされており、最先端の教育・研究制度が維持できるか懸念されますが、県の考え方をお伺いいたします。
以上でありますが、再質問がないように立派な答弁をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
池間議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、新たな沖縄振興策についての柱の中で、新たな沖縄振興のための法律案への県の要望の反映とその評価についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
去る2月10日に閣議決定され国会に提出されました新たな沖縄振興のための法律案は、沖縄県の要望を反映し、現行法を抜本的に改正する内容となっており、高く評価しているところでございます。
主な改正点を具体的に申し上げますと、第1点目は、振興計画の策定主体を国から県に変更するとともに、国による振興計画への支援規定が創設されているところでございます。第2点目は、「沖縄振興交付金」の規定が法律に明記されたことでございます。第3点目は、県知事の指定により実質的に県全域が対象となります観光地形成促進地域及び産業高度化・事業革新促進地域が創設をされております。第4点が、観光振興を図るため、沖縄特例通訳案内士制度を創設するとともに、特定免税店制度及び航空機燃料税の軽減措置を拡大いたしております。第5点目に、国際物流拠点産業集積地域を創設し、情報通信産業特別地区、そして金融業務特別地区とともに所得控除率を40%に拡大がなされており、さらに「専ら」要件を緩和しております。
このほか、鉄軌道など新たな公共交通機関のあり方の調査検討、良好な景観の形成、そして子育ての支援、情報流通の円滑化のための規定などが設けられております。また、電気の安定的かつ適正な供給の確保のためLNGを免税の対象とするとともに、科学技術の振興の規定が拡大されております。さらには、関係する法律を改正し沖縄振興開発金融公庫を10年間存続させるとともに、酒税や揮発油税等の軽減措置を延長することとされております。
県といたしましては、この法律案が年度内に成立されるよう、与野党の関係国会議員の皆様に理解を求めているところでございます。
次に、同じく沖縄振興一括交付金に係る御質問にお答えいたします。
平成24年度沖縄振興予算につきましては、国の財政状況が厳しい中で2937億円と、前年度と比べ大幅に増額され、沖縄県の要望に近い額が確保されたところであります。このことは、野田総理大臣を初めとする政府関係者、民主党沖縄協議会関係者、県選出国会議員の方々、さらには県議会の皆様等多くの関係者の皆様の御理解と御協力により実現できたものと考え、心から感謝申し上げる次第でございます。また、使途の自由度の高い交付金の創設につきましては、1575億円の沖縄振興交付金が創設され、このうち803億円につきましては、沖縄独自の制度としてソフト事業を対象とする、沖縄県が望む形に近い形でできております。そして「沖縄振興特別推進交付金」が創設されたところでございます。
沖縄県といたしましては、この交付金を活用し、これまでの国庫補助制度の枠組みでは十分に対応できなかった県民ニーズに応じた施策や沖縄の発展可能性を生かした先駆的な施策を展開し、「沖縄21世紀ビジョン」で示された県民が望む将来像の実現を図っていきたいと考えているところでございます。
次に、同じく沖縄振興一括交付金に係る御質問の中で、空手道会館(仮称)の建設に向けた基本的方針と今後の作業についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
空手道会館(仮称)につきましては、沖縄伝統空手を独自の文化的財産として保存・継承・発展させるとともに、「空手の発祥地沖縄」を国内外に発信する拠点として整備することを基本方針といたしております。今年度は、沖縄伝統空手道の歴史的・文化的意義づけの整理、そして会館のコンセプト及び必要な機能などを内容とする調査研究を実施いたしております。平成24年度は、用地の選定を初め施設規模、そして必要な機能の配置計画、さらには概算事業費などを盛り込みました「空手道会館(仮称)整備基本計画」を策定をし、測量や土質調査などまで具体的に踏み込み、基本設計の作成に取り組むことといたしております。
同じく沖縄振興一括交付金に係る御質問の中で、認可外保育施設や学童クラブへの支援事業についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
認可外保育施設への支援につきましては、平成24年度予算案に沖縄振興一括交付金を活用した待機児童対策特別事業として10億695万円を計上したところでございます。その内容といたしましては、これまで基金事業として実施してまいりました保育所入所待機児童対策事業と県単独の新すこやか保育事業を統合いたしまして、運営費の支援、そして給食費対象日数等の拡大、そして待機児童の解消と認可外保育施設の質の向上を一体的に取り組むものであります。また、放課後児童クラブの支援につきましては、市町村における放課後児童クラブの公的施設へ移行する計画策定支援や家賃補助、また老朽施設の改修・修繕への補助等を行うことといたしており、6528万円を計上いたしております。
沖縄県といたしましては、今後とも一括交付金を活用し、子育て支援の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、都市モノレールの延長に係る御質問にお答えいたします。
モノレールの延長事業につきましては、これまで都市計画の変更や特許の取得を完了いたしております。現在、実施設計や工事施行認可申請などに着手をいたしているところでございます。平成24年度は、関連街路の用地買収を進め、平成25年度には支柱工事に着手し、平成31年度の開業に向けて鋭意整備を推進してまいる所存でございます。
次に、離島・過疎地域の振興に係る御質問の中で、離島・過疎地域における定住条件の整備に係る御質問にお答えいたします。
県におきましては、離島地域の人々が住みなれた島で安心して暮らし続けることができるよう、交通、そして生活環境基盤、教育・文化、医療、福祉等の分野においてユニバーサルサービスを提供し、定住条件の整備を図ることといたしております。具体的には、離島住民の生活の安定と経済活動に不可欠であります航路・航空路の確保・維持、そして運賃の低減及び食料品や日用雑貨など生活必需品の価格低減等に向け取り組んでまいる所存でございます。また、離島出身高校生等のための「離島児童・生徒支援センター(仮称)」の整備に取り組みますとともに、県立宮古病院の改築や専門医によります巡回診療の実施など離島医療体制の充実、そして小規模離島における介護サービスの事業運営に対する支援に取り組んでまいる所存でございます。さらには、含みつ糖生産に携わるさとうきび農家や製糖事業者の経営安定及び製糖施設の近代化を支援し、離島地域における雇用の場の確保を図るとともに、新石垣空港、そして伊良部架橋建設や漁港施設の整備等、離島の住民生活や産業振興を支える基盤の整備に取り組んでまいります。
次に、離島・過疎地域の振興に係る御質問の中で、沖縄振興一括交付金を活用した離島の小・中・高校生及び父兄を受け入れる宿泊施設の建設についてという趣旨の御質問にお答えいたします。
この施設につきましては、一括交付金を活用して離島・僻地出身の高校生の寄宿舎も含めました複合施設として、「離島児童・生徒支援センター(仮称)」を計画いたしております。関係団体等との調整を進め、早期に実現してまいりたいと考えております。
次に、農林水産業に係る御質問の中で、農林水産物の輸送コストや流通条件の整備と一括交付金を活用した輸送費補助の仕組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。この御質問は、7の(1)のアと7の(1)のオに関連いたしておりますので、恐縮ですが一括して答弁させていただきます。
沖縄県といたしましては、農林水産物の輸送コスト低減を図るため、航空輸送から低コストな船舶輸送への移行促進や船舶と鉄道の複合ルートの開拓などを実施し、流通条件を整備しているところでございます。また、沖縄から農林水産物を県外に出荷する際に、鹿児島並みの輸送コストの実現を支援するため、農林水産物流通条件不利性解消事業によりまして約36億円の予算を計上いたしているところでございます。対象品目といたしましては、市場競争力の強化により生産拡大が期待されるゴーヤー、菊などの園芸作物やモズクなどの水産物等の戦略品目を対象に実施することといたしております。
次に、沖縄大学院大学に係る御質問の中で、大学院大学開学に関する知事の感想いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄科学技術大学院大学は、世界最高水準の科学技術に関する研究及び教育を実施することを目的に、昨年11月に文部科学省の設立認可を受け、ことしの9月には世界じゅうから学生を受け入れ開学する予定となっております。沖縄県において、このように国内に類を見ない新しい形の教育研究機関が誕生することはまことにすばらしいことであります。沖縄県が21世紀ビジョンに掲げる「知の交流拠点」の形成に寄与し、そこから生み出される研究成果等を活用した新たな産業創出にもつながるものと確信をいたしております。また、大学院大学が県民子弟に与えるインパクトも大変大きいものがあると考えます。国際的人材の育成にもはかり知れない効果があるものと考えます。
沖縄県におきましては、大学院大学の発展を通して沖縄県が大きく飛躍することを熱望いたしております。今後とも最大限の支援を行ってまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○企画部長(川上好久) 新たな沖縄振興策についての御質問の中で、計画が国の基本方針に基づくとされることと県の主体性や自由度の発揮についてお答えいたします。
国の基本方針に基づき県が計画を定めるという法制は、奄美群島振興開発特別措置法、離島振興法や東日本大震災復興特区法など、国と地方自治体が適切な役割分担のもと、地域振興を推進するためのあらゆる法律において採用されている法制であります。
沖縄振興特別措置法は、財政・税制上の特別措置が盛り込まれ、他の地域振興法に例を見ない画期的な法律となることから、沖縄振興については、国と県とがそれぞれ役割と責務を分担し、協働して取り組むべきものと考えております。このことから、国が沖縄振興の意義及び基本的な方向性を示した基本方針を定めることは、沖縄振興に関する国の責務や県との協働関係を明確化するものであり、県の主体性や自由度は十分発揮できるものと考えております。
次に、新たな沖縄振興税制の評価についてお答えいたします。
平成24年度以降の新たな沖縄振興税制については、東アジアの中心に位置する地理的優位性などを最大限に生かす観点から、既存制度の拡充・継続に加え、新たな特別措置を政府に求めてきたところであります。先般、閣議決定された沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案等においては、現行制度の拡充や新たな制度の創設など、今後の沖縄振興策を展開していく上でインセンティブの高い税制度が講じられたものと評価しております。このうち、地域指定制度については、観光地形成促進地域、産業高度化・事業革新促進地域が創設され、県知事が地域を指定できるようになったことで全県への展開が可能となっております。また、那覇港・那覇空港周辺地域等を対象とした国際物流拠点産業集積地域が創設され、情報通信産業特別地区などの特区制度とともに、企業進出の足かせとなっていた「専ら」要件が緩和されたほか、所得控除率が40%へ拡充されるなど、アジアと競争できる税制措置が講じられているものと考えております。
観光振興の観点からは、特定免税店制度の適用対象に海路客が追加されたほか、航空機燃料税軽減措置について、本土と宮古島、石垣島または久米島間が追加されるなど、制度の拡充が図られております。その他の税制措置としては、新たに駐留軍用地の買い取りに係る譲渡所得控除制度が創設されたほか、復帰特別措置法に基づく酒税、揮発油税等の軽減措置について、県民生活及び産業経済の安定の観点から現行制度の継続が認められております。
沖縄県としましては、これら沖縄振興税制を積極的に活用することで、本県の産業経済の振興並びに県民生活の安定を図ってまいりたいと考えております。
次に、沖縄振興開発金融公庫存続についての国の対応状況についてお答えいたします。
沖縄振興開発金融公庫については、今後予想される基地返還跡地の開発など大規模プロジェクトへの出融資や中小企業支援等、その役割が引き続き重要であることから、県経済界からの強い要望も踏まえ、現行の機能及び組織形態での存続を強く要望してきたところであります。去る2月10日に閣議決定された新たな沖縄振興のための法律案において、沖縄振興開発金融公庫については、行政改革推進法の改正による10年間の存続が認められたところであります。
沖縄県としては、沖縄振興開発金融公庫に対し、引き続き政策ニーズに即した各種金融支援制度の整備など一層の役割発揮を求め、「沖縄21世紀ビジョン」の実現を目指したいと考えております。
次に、沖縄振興一括交付金についての御質問の中で、沖縄振興一括交付金の制度の持続可能性についてお答えいたします。
沖縄振興一括交付金は、沖縄県知事が内閣総理大臣に提出する沖縄振興交付金事業計画に基づく交付金として、新たな沖縄振興のための改正法案の中で規定されており、持続的な制度として創設されたものと認識しております。なお、沖縄振興一括交付金の規模につきましては、国の財政の状況などを踏まえ、毎年度の予算編成過程の中で決定されるものであります。
沖縄県としましては、平成25年度以降も沖縄振興のための施策が持続的に展開できるよう、必要な予算額の確保に向け、引き続き県議会を初め関係各位の御協力を得ながら国へ要望していきたいと考えております。
次に、沖縄振興一括交付金の配分についてお答えいたします。
沖縄振興一括交付金1575億円のうち、ソフト事業に係る沖縄振興特別推進交付金803億円については、継続事業200億円を除く603億円を、県分300億円、市町村分303億円とほぼ均等に配分したところであります。また、市町村分303億円の市町村間の配分につきましては、市町村及び県職員で構成するワーキングチームが作成した配分基準案を参考にして、現在、市長会及び町村会で検討しているところであります。今後、41市町村長で構成する沖縄振興市町村協議会において配分が決定される見通しであります。一方、ハード事業に係る沖縄振興公共投資交付金771億円につきましては、そのほとんどが継続事業であることを勘案し、事業計画等をもとに県分465億円、市町村分306億円で配分したところであります。
次に、一括交付金を活用した返還用地の取得についてお答えいたします。
県内の駐留軍用地は、民有地の割合が高く、早期に事業着手するためには公共用地の確保が重要であることから、新たな法制度において譲渡所得の5000万円特別控除が盛り込まれております。県においても同制度を活用し、公共用地の先行取得を行う必要があると考えており、現在、一括交付金等の活用を検討するとともに、跡地に必要な公共事業について関係部局との協議を進めているところであります。
次に、離島・過疎地域の振興についての御質問の中で、離島における産業振興の取り組み状況についてお答えいたします。
「沖縄21世紀ビジョン基本計画(仮称)(案)」においては、離島の持つ活力の維持・向上に向けて、観光・リゾート産業、農林水産業、食品加工業、伝統工芸等、地域に根差した産業の総合的、一体的な振興を図ることで、地域経済の活性化、雇用の場の創出、交流人口の増大を目指すこととしております。このため、離島空港・港湾の整備を推進するとともに、小規模離島を対象とする観光客等の航空運賃の低減に取り組むほか、海外航路・航空路の充実を図り、近隣諸国等からの観光客の増大に向けた誘客活動等を推進してまいります。また、農林水産業の基盤整備を推進するとともに、含みつ糖生産地域におけるさとうきび農家や製糖事業者の経営安定を図るための施策、輸送コスト低減など農林水産物の流通条件の不利性を解消するための施策等を実施してまいります。このほか、離島固有の素材、資源を活用した特産品開発や、戦略的なプロモーションによる販売力の強化など、総合的なマーケティング支援等の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、離島の住民生活や交通コストの負担軽減及び船舶建造補助の内容についてお答えいたします。
離島振興に当たっては、離島の果たしている役割にかんがみ、負担をともに分かち合い県全体で支え合うという理念のもとに取り組むことが求められていると考えております。
交通コストの軽減につきましては、16億8114万円を当初予算に計上し、離島住民、離島出身高校生及び小規模離島の交流人口等を対象として航空運賃及び船賃をそれぞれ低減することとしております。次に、離島住民の割高な生活コストの軽減につきましては、小規模離島を中心に、生活必需品の価格を低減するための実証事業として1億3296万円を計上しております。最後に、船舶建造補助につきましては、離島航路における船舶の計画的な更新及びバリアフリー化への対応など利用環境を改善するための事業として25億7351万円を計上し、平成24年度は伊平屋、南北大東及び与那国航路の船舶の建造及び買い取りに対して支援を行うこととしております。
県としましては、市町村及び関係事業者と連携し、これらの事業の着実な執行により離島の定住条件を整備し、離島地域の振興を図っていきたいと考えております。
次に、農林水産業の振興についての御質問の中で、TPP交渉参加に対する県の見解についてお答えいたします。
TPPは、我が国の経済活動や国民生活に大きな影響を与えることが予想されているにもかかわらず、国民に対する情報提供が少なく、本県を含め全国からこれまで訴えられてきた懸念等が払拭された状況には至っていないと考えております。沖縄県としては、今後とも引き続き農業分野等の懸念について国に対して強く訴えるとともに、参加については、国民の合意が得られるまで丁寧に議論を尽くした上で、的確に判断することを求めてまいりたいと考えております。
次に、沖縄大学院大学についての御質問の中で、知的クラスターの形成についてお答えをいたします。
沖縄県では、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」において、沖縄科学技術大学院大学等を核に、産学官連携のもと、そこから生み出される研究成果を活用して、新事業・新産業を創出する国際的な「知的・産業クラスター」の形成により、県経済の振興に結びつけていきたいと考えております。具体的な取り組みとして、国内外からの企業の集積を図るためのインキュベーション施設の整備や産学官共同研究等によるすぐれた研究開発成果の県内企業等への技術移転を実施しております。
次に、大学院大学に対する財政支援についてお答えいたします。
沖縄科学技術大学院大学は、世界最高水準の科学技術に関する研究及び教育を実施することを目指し、国の事業として設置されたものであります。したがって、大学院大学が所期の目的を達成するためには、10年後においても、国が財政支援のあり方等を含め、必要な措置を講ずるものと考えております。
県においては、学校運営について、大学院大学自身が自主性を持って健全に行うことを尊重しておりますが、研究者を受け入れるに当たっての周辺整備等に力を注いでおり、今後も継続して支援をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 新たな沖縄振興策についての御質問の中の、県が要望した新制度の今後の活用方針についてとの質問にお答えいたします。
沖縄振興特別措置法の改正法案に盛り込まれた「観光地形成促進地域制度」については、地域指定の権限が県知事に移譲されていることから、今後、国が定める基本方針を踏まえつつ、市町村や関係部局と調整の上、観光地形成促進地域を指定していくこととしております。
県としましては、当該制度の税制優遇措置を積極的に活用することにより、市町村や関係部局と連携し、遊園地などのスポーツレクリエーション施設、温泉保養や海洋療法を目的とした休養施設、劇場や植物園などの教養文化施設の整備などを促進し、国際競争力を有する観光地の形成が図られるよう広く呼びかけてまいりたいと考えております。
次に、観光振興についての御質問の中の、世界水準の観光・リゾート地の形成に向けた取り組みについてとの御質問にお答えいたします。
沖縄県としましては、沖縄観光の10年後の将来像として、世界的に認知され評価される世界水準の観光地を目指していくこととしております。そのため、文化、歴史、スポーツなどを活用した沖縄独自の観光プログラムの展開や自然環境との共生が図られたエコリゾートアイランドの形成などにより、新たな沖縄観光ブランドを確立してまいります。また、那覇空港の沖合展開や離島空港も含めた国内外の航空路線の拡充、クルーズ船の誘致強化などに取り組んでまいります。さらに、通訳ガイドの育成などを推進し、国際化や多様なニーズに対応できる人材の育成確保に努めてまいります。これらを積極的に推進することにより、アジア・太平洋地域を代表する観光・リゾート地としての地位を確立してまいります。
同じく観光振興についての質問の中の、那覇空港の国際線着陸料の軽減についてとの御質問にお答えいたします。
県が要望してきた那覇空港における国際線旅客便の着陸料や航行援助施設利用料の免除について、国は、空港整備に必要な財源であるとしており、実現には至っておりません。しかしながら、当該措置につきましては各航空会社からの期待も大きいことから、去る1月27日、国土交通大臣に対し改めて着陸料等の軽減を要望したところであります。また、次年度におきましては、国際航空路線における既存路線の増便や大型化、新規就航に対する地上ハンドリング経費の一部を支援するほか、広告支援も実施することとしております。
県としましては、国際航空路線の活性化を促進し、着陸料等の収入拡大を図るとともに、機会をとらえ減免の重要性を説明することで国の理解が得られるよう、粘り強く取り組んでまいります。
次に、同じく観光振興についての御質問の中の、リピーター増加対策とMICE定着に向けた取り組みについてとの質問にお答えいたします。
県としましては、外部環境の変化に強い観光地を形成していく上では、外国人観光客の誘致強化や国内の新規市場の開拓、リピーターの戦略的な創出などに取り組む必要があると考えております。
議員御指摘のリピーター対策につきましては、独自性の高い伝統や文化、温暖な環境を生かせるスポーツなどを活用した新たな観光メニューの開発、多様な魅力を有する離島観光の促進などが重要と考えております。このため、文化観光戦略推進事業やスポーツ・ツーリズム推進事業を実施し、新たなメニュー開発を支援しているほか、離島観光を一段と強化するため、次年度からは総合的なプロモーションの展開を予定しております。
MICEの誘致につきましては、国内外での展示会への出展やセミナーの開催、専門誌での広告など複合的なプロモーションを行うとともに、開催地決定に影響力を持つ国内外の旅行会社等の招聘や受け入れ体制の整備にも取り組んでいるところであります。このほか、世界じゅうに点在するウチナー県系人やエイサー、空手など沖縄文化を愛し、そのチムグクルを希求する者たちを対象とした「ルーツ・ツーリズム」とも言うべきアイデンティティーや沖縄とのきずなを確認する新たな旅行のあり方についても今後提案をしていきたいと考えております。
同じく観光振興についての質問の中の、伝統文化や芸能等の観光振興への活用についてとの御質問にお答えいたします。
県におきましては、平成21年度から伝統文化や芸能等の文化資源を活用した誘客の取り組みに対しその事業化の支援を行っております。具体的には、修学旅行生や外国人観光客への組踊の披露、現代版組踊を活用したナイトカルチャー観光メニュー構築の取り組みなどが進められており、また、首里城や今帰仁城といった世界遺産を活用しての芸能等の披露についても支援をしております。さらに、観光施設の活用事例の一つとして、「むら咲むら」において、空手を活用した企業研修や空手と琉球舞踊のショーなどの取り組みも進めております。
県におきましては、このような取り組みのほか、沖縄の文化資源を観光資源として戦略的に活用する方策を検討しているところであり、今後はこれまでの取り組みで検討された施策の具現化を推進し、観光におけるさらなる伝統文化や芸能の活用を図ってまいります。
次に、観光消費額についての御質問の中の、県内消費額の目標達成状況と課題についてお答えいたします。
平成22年度の観光客1人当たり県内消費額は、約7万円となっており、第3次沖縄県観光振興計画における目標値8万4000円に対し、約83%の達成率となっております。しかしながら、観光客1人当たり県内消費額は近年7万円台前半でほぼ横ばいに推移しており、県内消費額を引き上げるためには、滞在日数の長期化や文化、芸能、スポーツ等を活用した付加価値の高い旅行商品の開発などが課題であると認識しております。今後、この課題を改めて観光政策の大きな柱として位置づけ、県内消費額増加のための戦略的構築を図ってまいりたいと考えております。
同じく観光消費額についての質問の中の、その滞在日数の増加と消費需要の喚起に係る基本戦略についてにお答えいたします。
平成21年度の観光客数と消費額をもとに県が実施した試算では、滞在日数が1日延びた場合、観光収入が約1200億円、経済波及効果が約2100億円増加するとの推計結果が出ており、県としましても県内消費額を増加させるためには滞在日数を延ばすことが重要であると考えております。そのため、文化、芸能などを活用した夜間のエンターテインメント機能の強化を図る文化観光戦略推進事業や離島観光の推進に向けて地域の魅力を収集・発信するディスカバー沖縄しま観光振興事業、健康・医療サービスを観光資源として活用するための医療ツーリズム促進事業など、付加価値の高い観光を促進してまいりたいと考えております。また、国内客と比較して滞在日数の長い外国人観光客につきましても、中国を初めとするアジアからの誘客キャンペーンの強化やチャーター便に対する支援、受け入れ体制の拡充を図ることで県内消費額の増大に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、同じく観光消費額についての中の、60代のリピーター率向上に向けた取り組みについてとの質問にお答えいたします。
県が実施した平成22年度観光統計実態調査において、お土産品などの買い物消費額が最も高いのは、議員御指摘のとおり60代の観光客であるとの結果が出ております。県としましては、退職を迎え、時間とお金に比較的余裕のあるシニア層を主なターゲットとして、長期滞在旅行スタイルの提案や、県内での体験・滞在型観光メニューの紹介などを行うロングステイツーリズム推進事業を実施しております。さらに、今年度は子育てが一段落し、時間的・経済的に余裕が出てきた40代後半以上の夫婦をターゲットに、「大人のふたり旅」をテーマとして、満足度と単価の高い旅行商品を紹介する「アクティブシニアキャンペーン」を展開しております。また、独自性の高い芸能や文化の観光資源としての活用は、リピーターの安定的な確保にも大きく寄与するものと考えており、これらの取り組みも活用しながらシニア層のリピーターの拡大を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 新たな沖縄振興策についての御質問の中の、国際物流拠点産業集積地域と新制度の今後の活用方針についてお答えいたします。
今回の沖振法の改正において、現行の特別自由貿易地域制度と自由貿易地域制度を発展的に解消し、これらの地域に那覇空港や那覇港周辺地域を加えて、新たに「国際物流拠点産業集積地域制度」が創設されます。新制度の主な内容は、法人課税所得の控除率が現行の35%から40%に引き上げられることから、実効税率が約19%に引き下げられること、あるいは「専ら」要件の緩和、いわゆる域外事業所の設置が一部可能となることなどであります。県では、同制度を活用して、アジアと日本のかけ橋となる国際物流拠点の形成を図るため、空港・港湾を活用する産業の集積を積極的に図ることとしております。また、対象地域が13市町村から実質的に全市町村へ指定が可能となった「産業高度化・事業革新促進地域制度」については、拡充された投資税額控除制度等を活用して県内中小企業のイノベーションを促進していきたいと考えております。
同じく新たな沖縄振興策についての御質問の中で、酒税軽減措置の延長期間中に企業の経営健全化や自助努力を高めるための県の取り組みについてお答えいたします。
泡盛業界、オリオンビール社は、復帰特別措置法に基づく酒税軽減措置の延長の効果を最大限に活用し、経営基盤を強化していくため、県外・海外向けの出荷量の拡大や新たなリキュール類の商品化、ビール副産物を活用した商品開発、物流の効率化など、事業の多様化・効率化を内容とする今後5年間の成長戦略を策定しております。また、この成長戦略を推進するための組織として、業界関係者や流通事業者及び行政で構成する「県産酒類共同成長戦略推進協議会」を早期に立ち上げていく予定であります。
県としても、酒造業界の成長戦略の着実な実施を促進していくため、同協議会に密接に協力していくとともに、県産酒類の国内外への販路拡大を支援してまいります。
以上でございます。
○総務部長(兼島 規) 沖縄振興一括交付金に関する質問のうち、平成24年度予算の基本方針と沖縄振興交付金の重点配分についてお答えいたします。2の(3)と2の(4)のアは関連しますので一括してお答えいたします。
平成24年度予算の編成に当たっては、「沖縄21世紀ビジョン」に基づき、「強くしなやかな自立型経済の構築」及び「沖縄らしい優しい社会の構築」を基軸的な考えとし、5つの目指すべき将来像の実現に向けた諸施策の展開を基本に、離島の振興、失業率の改善などの課題解決や、地理性、自然環境、歴史的事情など、本県の特殊事情を踏まえた取り組みに新たに創設される沖縄振興交付金を活用することといたしました。
沖縄振興交付金を活用した主な事業内容を申し上げますと、離島住民が住みなれた島で安心して暮らし続けることができるよう、交通コストの負担軽減などによる定住条件の整備を行うほか、世界水準の観光・リゾート地の形成を目指した外国人観光客や観光客層ごとの誘客活動等の戦略的な推進や、情報通信関連産業の高度化・多様化に向けた施策に取り組むこととしております。そのほか、臨空・臨港型産業など沖縄の比較優位を生かした新たなリーディング産業を育成するとともに、農林水産業、製造業などの産業を振興するほか、文化、医療など沖縄の特性を生かした新たな価値を創造する施策などにも取り組むこととしております。また、これまでの沖縄振興予算では対応が難しかった保育の質の向上等による待機児童の解消に向けた取り組みや、離島における介護サービスの充実といった福祉分野や、学力向上に向けた取り組みなど教育分野にも沖縄振興交付金を活用したところであります。
以上です。
○土木建築部長(当間清勝) 都市モノレールの延長の御質問の中で、都市計画審議会からの附帯意見に対する今後の方針についてお答えいたします。
景観や環境への配慮については、駅舎への壁などの設置や地域の個性に配慮した修景計画について、景観行政団体である浦添市と十分に協議していきたいと考えております。また、地域住民との意見交換については、浦添市と協力して自治会など沿線住民との意見交換の場を設け、地域の要望にこたえられるよう真摯に取り組む考えであります。
同じく都市モノレールの延長で、都市モノレール株式会社の「中・長期経営計画」についてお答えいたします。
モノレール株式会社は、ことし1月に財務状況の改善など、経営基盤の強化と浦添市へのモノレール延長を見据えた「中・長期経営計画」を策定し公表しております。同計画の内容は、顧客ニーズに対応した各種乗車券の販売、沿線施設・各種イベントとのタイアップ企画などによるモノレール利用の促進、車両検査や清掃委託業務などの見直しによる経費節減、借入金返済方法の変更による資金繰りの改善などであります。計画を実行することにより、会社の経営基盤の安定と浦添市までのモノレール延長整備が着実に図られると考えております。
次に、離島・過疎地域の振興の御質問の中で、下地島空港問題の現状及び今後の利活用についてお答えいたします。
日本航空は、下地島空港の年間練習使用料等について定めた覚書をことし3月31日をもって解約し、同空港から完全撤退することを2月7日付の文書で県に通知しております。県としましては、建設に至った経緯等から、空港の新たな利活用が実現するまでの期間、日本航空は引き続き同空港の年間維持費を負担すべきと考えており、本覚書の継続確認等についての調停申し立てを本議会に提案したところであります。また、シミュレーター化の進展により実機を使用した訓練が減少するなど、パイロット訓練を取り巻く環境は大きく変化していることから、空港についての国内外の先駆的な活用事例を調査研究し、今後の利活用方策について総合的に検討を進めていく考えであります。
同じく離島・過疎地域の振興で、乗瀬橋建設に向けた県の取り組みについてお答えいたします。
乗瀬橋は、伊良部大橋から下地島空港に至る県道計画とあわせてかけかえ整備する延長約110メートルの橋梁で、今年度概略設計を実施しております。平成24年度に道路及び橋梁の予備設計を行い、平成25年度から新規事業として着手する予定であり、今後とも宮古島市と連携して取り組んでいく考えであります。
以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農林水産業の振興についての中で、農業技術の向上とおきなわブランドの本土市場への浸透についてお答えします。
本県の農業は、たび重なる台風の襲来、病害虫の周年発生、市場遠隔性など輸送上の不利性を抱えており、それらの解決が求められております。そのため、農業技術などの生産対策として、耐風性にすぐれた新品種の開発、フェロモンや天敵を活用した環境に優しい防除技術の開発、青果物の鮮度保持技術の確立、耐候性ハウスの整備などにより安定生産に努めているところであります。また、県産農林水産物を県外市場においてPRするため、首都圏市場や量販店での販売促進キャンペーンの開催、飲食店やバイヤー等を対象とした県産食材活用の提案セミナーの開催、県産食材活用を広く消費者へ紹介するおきなわレシピサイトの開設など消費者から信頼されるおきなわブランドの浸透を図っているところでございます。さらに、平成24年度においては、県産農産物販売プロモーション強化対策事業などにより、トップセールスや商談セミナーの開催に加え、海外販路開拓などを実施することとしております。
次に、農業就業人口の減少要因と対策についてお答えします。
本県の農業就業人口は、平成17年の2万8224人から平成22年は2万2575人と減少しております。一方、新規就農者は、平成12年から平成17年までは毎年100名前後で推移しておりましたが、平成18年から250名前後で推移している状況でございます。農業従事者が減少している要因については、農業従事者の高齢化の進行、国内外の産地間競争の激化、農産物の輸入自由化による農産物価格の低迷など農業を取り巻く環境の変化があります。このため、県といたしましては、経営感覚にすぐれた農業後継者の育成確保を図るため、拠点産地の形成、農業生産基盤の整備、多様な担い手の育成などに取り組んでいるところでございます。特に、担い手育成につきましては「農でグッジョブ推進会議」を通して、農業大学校における実践的な研修教育、新規就農へ誘導するためのサポート講座や夜間講座の実施、農地を持たない新規就農者に農地を提供した「チャレンジ農場」での農業実践などの支援を行っているところでございます。
次に、さとうきび、パイナップル及びマンゴー等の生産供給体制の強化対策についてお答えします。
本県の農業の基幹作物であるさとうきびやパイナップル等については、製糖工場や食品加工事業等を通じて雇用の機会を確保するなど、農業振興のみならず地域経済の維持・発展に寄与しており、「安定品目」として位置づけております。また、マンゴー、ゴーヤー等については、市場競争力の強化による生産拡大及び付加価値を高めることが期待される品目として「戦略品目」に位置づけております。このため、県では、これらの重要な品目について、生産性の向上と安定的な生産供給体制の確立を図っているところであります。具体的な対策として、さとうきび、パイナップルについては、農業生産基盤の整備、優良品種の開発・普及、機械化の推進等に取り組んでいるところでございます。また、マンゴー、ゴーヤー等については、台風に強い低コスト耐候性施設等の整備、沖縄のオリジナル品種の開発・普及、周年栽培技術の確立等の生産振興対策に取り組んでいるところでございます。
次に、沖縄県新規就農一貫支援事業のねらいと事業内容についてお答えします。
沖縄県新規就農一貫支援事業は、経営感覚にすぐれた担い手の育成確保を図ることを目的に、就農希望者に対し、就農相談から就農定着までの一貫した支援を行う事業であります。具体的には、新規就農コーディネーターの配置による就農相談体制の充実、研修生受け入れ農家への支援、多様な技術を習得するための農業大学校の施設整備の強化、各地区に就農希望者のための研修農場の整備、農業機械や施設等の初期投資の支援、農地を保有し、新規就農者へ貸し出すレンタル農場の確保などに取り組む計画であります。今後、この事業により毎年300名程度の新規就農者の育成確保を目標としており、就農相談から就農定着までの支援体制を強化してまいります。
次に、沖縄型農業共済制度推進事業の内容についてお答えします。
沖縄県は、台風接近が年平均7.4個と全国平均の約2倍もある台風常襲地域であり、過去20年間平均の農産被害額は約22億2000万円となっております。その影響から、本県の共済掛金率は全国より高く、特に、園芸施設共済では全国の2.8倍、さとうきびでは1.3倍となっております。そのため、県では、沖縄振興特別推進交付金を活用した沖縄型農業共済制度推進事業において、ハウス等を対象とした園芸施設共済とさとうきびを対象とした畑作物共済について、農家負担掛金を全国平均並みに軽減するため、約1億3000万円の予算を計上したところでございます。その効果といたしましては、現在の園芸施設共済加入率15.8%、畑作物共済加入率39%から平成26年度を目標にそれぞれ70%に改善を図っていく考えでございます。
次に、TPPによる本県農業と離島農業への影響と対応についてお答えします。7の(2)のイ、7の(2)のエは関連いたしますので一括してお答えします。
TPPは、原則としてすべての品目で関税を撤廃することが前提となることから、県内の農業に大きな影響が出ることが懸念されております。本県においても、さとうきび、パイナップル、肉用牛、水産物などで影響が出ることが懸念されており、農林水産省が示した考え方を踏まえて計算したところ、直接影響額が約580億円、関連産業等への波及効果も含めると約1420億円の影響が出るものと試算されます。特に、さとうきび生産が主要な産業となっている離島地域においては、人口の流出、産業や経済の衰退など地域社会に及ぼす影響が極めて大きいものと考えております。そのため、県では、国民の食料安全保障の確保と国内農業への影響などの観点から、TPP交渉に参加しないよう適切に対応するとともに、農林漁業者が安心して生産に取り組めるよう万全の対策について農業団体等と連携し、国に要請しているところでございます。また、県内では、平成23年11月22日に「TPP交渉参加阻止・さとうきび政策確立沖縄県農業代表者集会」のほか、宮古、八重山、久米島、南大東など各地域で、TPP参加反対の大会開催の取り組みが行われているところでございます。
今後ともTPP交渉等の動向や国の対応を踏まえつつ、関係機関等と連携し、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、日豪・日韓EPA交渉の内容と本県農業への影響についてお答えします。
EPA(経済連携協定)交渉は、主に2国間で、関税の撤廃だけでなく、投資の自由化や人的交流の拡大、食料供給など幅広い分野を含む協定となっております。日豪EPA交渉については、平成24年2月14日から2月17日まで協議が行われましたが、合意が得られず終了したと聞いております。また、日豪EPA交渉の結果によっては、本県の重要作物であるさとうきび、肉用牛、酪農、パイナップルなどが壊滅的な打撃を受けることが懸念されております。そのため、県では、これまで日豪EPA交渉において砂糖などの重要品目を関税撤廃の対象から除外するなどの例外措置の確保について関係団体等と連携し、強く要請してきたところでございます。なお、日韓EPA交渉については、平成16年11月以降中断しており、現在、交渉再開に向けて実務協議を行っていると国から聞いております。
今後とも、日豪・日韓EPA交渉の動向や国の対応を踏まえつつ、関係機関と連携し適切に対応してまいります。
次に、放射性物質の海産物への影響と調査についてお答えします。
東日本の魚介類の放射性物質については、水産庁が週1回程度のサンプリング調査を行っておりますが、カツオ等の広域回遊性魚類については、暫定基準値を超える検査結果は出ておりません。また、九州各県では、原発周辺地域を除き、県独自での魚介類の放射性物質調査は行ってないとのことでございます。
県といたしましては、県外から移入される魚介類について、国が公表する都道府県における水産物放射性物質調査結果等を卸売市場や各漁協へ提供し、注意喚起を行っているところでございます。海産物の放射性物質調査につきましては、国の調査結果や他県の状況等を踏まえながら適切に対応したいと考えております。
次に、漁業生産額の落ち込みの要因についてお答えします。
県内の漁業生産額は、平成18年の約211億円から年々減少し、平成21年には約157億円となっております。減少の主な要因といたしましては、沿岸資源の過剰な漁獲による生産量の減少のほか、モズクの価格低迷や天候不良に伴う生産量の減少などによるものと考えております。そのため、県といたしましては、資源の回復を目的とした資源管理型漁業の推進や浮き魚礁の設置などにより、生産供給体制の整備に取り組んでいるところでございます。また、天候不良に強いモズクの品種開発や海ブドウ、ヤイトハタ等の新たなマーケット開拓など、各種施策を実施し、水産業の振興を図っているところでございます。
次に、漁業従事者の減少と高齢化対策についてお答えします。
県内の漁業就業者数は、漁業センサスによりますと、平成10年の4737人に対し、平成20年は3929人と約800人が減少しております。その構成といたしましては、60歳以上の減少が約600人と最も多い状況でありますが、40歳未満は705人から736人と増加しております。
県といたしましては、新たな担い手を確保するため、就業希望者の研修を受け入れる漁業者に対し研修に係る経費を助成する「新規就業者育成・確保事業」の実施、新規就業者への漁船購入等の漁業経営開始資金の融資、将来の担い手育成のため、小中学生を対象とした漁業体験学習を行う少年水産教室の開催などに取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
○池間 淳 議長、ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後0時12分休憩
午後0時13分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 失礼いたしました。
海産物の放射性物質の調査につきましては、沖縄県としては調査しておりませんが、今後国の調査結果や他県の状況を踏まえながら適切に対応したいと考えております。
以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後0時14分休憩
午後1時22分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
午前に引き続き代表質問を行います。
島袋 大君。
〔島袋 大君登壇〕
○島袋 大 自民党の島袋大でございます。
自民党を代表いたしまして質問を行います。
まず1点目、教育環境の整備についてであります。
少子化が急速に進行し子供の数が年々減少していく社会にあって、教育環境も大きく変化してまいりました。国際社会においてもグローバル化が拡大し国際的なシェアを持ち、多様な社会的変化に対応できる高度な専門性を有する人材が求められております。このため、今、学校教育においては多様な児童生徒の能力、個性、適性等を柔軟に見きわめ、将来社会を構成する一員として備えるべき資質を醸成し、時代的・社会的要請にこたえるための教育が重要であります。
県教育庁においては、21世紀における時代変化に柔軟に対応し、先見性に富み、発展を支える人材育成の必要性を掲げ、学校教育の充実や家庭、地域における教育への関心を高めることの必要性から、幅広い教養と豊かな心と健やかな体が調和した子供たちの能力と個性を発揮できる教育環境の整備を進めるとしております。
一方で、少子化の進行や人口の地域偏在により学校の立地、編成問題も避けては通れない課題となっております。
教育庁は、県立高校編成整備実施計画を2012年度から実施するとしております。この計画に対して、当初編成対象となった地域で強い反対運動が展開されるなど大きな問題となったのでありますが、今回示された案では廃校や編成方針が一部見直された内容となっております。
教育庁として地元の不安の解消や慎重な対応が必要であると同時に、現在のグローバル化した社会の中、多様な進路希望に対して支援し得る環境づくりが求められており、児童生徒が主人公であることの原点を忘れてはならないと考えます。
そこで伺います。
(1)、国外留学生派遣や海外ホームステイなど、沖縄振興一括交付金を活用した派遣事業について県の基本的な実施方針を伺いたい。
(2)、2012年度から10年間の県立高校編成整備実施計画案について教育庁の基本方針を伺いたい。
(3)、教育庁の編成計画に対し反対や不安が出ていた対象地域からは、計画案について今後への懸念もあるようだが、学校現場や地域住民の意見はどのように反映されているか伺いたい。
(4)、新学習指導要領が来年度から中学校において完全実施されますが、授業時間の確保や教員の適正配置など学校現場に対する支援体制について伺いたい。
(5)番、八重山地区中学校の公民教科書問題で、文科省は、竹富町が採択方針を変えない場合には町が自費で購入すべきという方針を変えていません。県としてどのような対応ができるのか伺いたい。
(6)、注意欠陥多動性障害やアスペルガー症候群などの発達障害者が増加しているようだが、発達障害は早期発見、初期の対応が必要と言われております。学校教育における発達障害児の対応・教育はどのように行われているのか、関係機関との連携を含めて対応を伺いたい。
(7)、文科省は、医療的ケアが必要な児童生徒が普通学校に通いやすくするため、一定の研修を受けケアを行うことができる介護員の導入を条件つきで来年度から実施するとしています。本県における障害のある子と障害のない子が一緒に学ぶ教育環境の整備の現状について伺いたい。
(8)、本県南部の小学校で給食に使われた食材から福島原発事故に由来する放射性物質が初めて検出された。学校給食は安全対策がなされているはずでありますけれども、これまでの経緯と今後の対策について伺いたい。
2、文化・スポーツの振興についてであります。
本県の文化は、日本、中国、朝鮮、そして東南アジア等の国々と琉球王国としての交易・交流を展開し、その歴史を得る中で沖縄独特の文化を形成してきたのであります。交易時代という荒波を乗り越えてきた我々の祖先の歴史的体験が、国際的と言われる現在の県民性をはぐくんできたと考えるのであります。県は、本県の文化振興について、文化振興計画で振興策等について種々の項目を立て施策を展開しておりますけれども、国内外への情報の発信については十分と言えないのが現状であります。
県が国際交流を推進する上で、地理的条件のみならず本県の工芸や芸能、音楽等は歴史的にアジア諸国と深いつながりがあり、現在においても受け入れられる素地を持っていると考えます。そのため、県立芸術大学や県立博物館・美術館を本県伝統文化の発信拠点として位置づけ、積極的な国内外への情報の発信体制の構築が必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、第3次沖縄県文化振興計画に掲げた本県の文化振興施策について、今後に向けた総括と課題・問題点等を新たな文化振興計画にどのように生かしていくのか伺いたい。
(2)、本県の伝統工芸品の類似品が県内で販売されていることに対して、県としての対応策と伝統産業の活性化を図るための基本方針を伺いたい。
(3)、沖縄の豊かな文化芸術の伝統を受け継ぎ、新しい創造的な文化芸術の形成や発展を担う国際的に活躍する人材育成について県の考えを伺いたい。
(4)、県立郷土芸能会館(仮称)の建設について検討が進められているが、建設に向けた基本的考え方や方向性と沖縄振興一括交付金を活用して建設する考えはないか伺いたい。
(5)、スポーツアイランド形成に向け、沖縄振興一括交付金を活用した公式サッカー場を含めた複合型スタジアムの建設について県の考えを伺いたい。
(6)、FC琉球に対する出資を含めた財政支援について、出資検討委員会での結論(報告)はどのようになっているのか。また、次年度の支援策について補助金や助成金などFC琉球の活動に対する支援内容について伺いたい。
(7)、FC琉球支援連絡協議会について、昨年12月、沖縄県が旗振り役として同協議会を設立し、オール沖縄でFC琉球を応援する体制を構築していくことになっているが、その後の具体的なアクションプランはどうなっているのか伺いたい。
(8)、県立武道館は雨天の際雨漏りが激しく、使用者から苦情が多く早急な補修工事が必要と聞いているが、今後、補修計画等対応について伺いたい。
3、雇用失業問題について。
本県の失業率は全国一高く、その解消を図ることは県政の大きな課題であります。そのため、厳しい新規学卒者の雇用情勢を改善するため昨年設置された沖縄県新卒者就職応援本部において、主要経済団体等への学卒者求人確保を要請するなど就職支援に向けた取り組みを展開しております。
しかし、2010年における本県の失業率の状況は、15歳から19歳は22.2%、20歳から24歳は15%、25歳から29歳は9.5%となっており、30歳未満でまとめると全国が8.2%に対し本県は12.6%と若者の失業率は深刻であります。また、本県は、いわゆるニートと呼ばれる仕事も通学もしていない15歳から34歳までの若者が、総務省の調査によれば2010年で9000人に上り全国一となっているということであります。
このように、県は、新規学卒者や若者の就職支援としてさまざまな施策を実施しておりますけれども、実態を見ますと決定的な効果を上げているとは言えないのが現状であります。
そこで伺います。
(1)、県内の失業率は全国一であり、特に15歳から34歳までの若者の失業率は深刻な状況にあります。新規学卒者の就職を支援する新規学卒者就職応援本部のような若者に対する就職支援体制を県に設置する必要があると考えますが、基金創設を含めて県の考えを伺いたい。
(2)、本県は、仕事も通学もしていない若者たち・ニートが全国一と言われるが、中・高校において働くことの意味や重要さを教える職業教育などはどのように行われているのか。また、新たな振興計画の中でどのような施策を展開するか伺いたい。
4、福祉問題について。
(1)、子育て支援についてであります。
政府は、すべての子供に必要な保育と教育を一体的に提供するため、幼保一体化に向けた改正案をまとめております。その内容は、幼児教育と保育所の双方を一体的に担う「こども園」を新たに設置し、内閣府に所管させるとしておりますけれども、従来の文部科学省が所管する幼稚園と厚生労働省が所管する保育所は残るようであります。
一方、各都道府県が国に対し要望しておりました子育て支援に係る構造特区の設置については、政府は、全国一律の最低基準を維持することは必要としてゼロ回答のようであります。
現在の全国一律の制度による保育所の支援については、自治体や地域によって実情に合わず対応が難しいことから、地域の実情に応じた施設基準の緩和や保育所給食の外部搬入緩和が求められてきたのであります。少子・高齢化の進展が著しく、子供をめぐる環境が大きく変化し、将来の労働力不足に対応した子育て世代や女性の社会参加が一層重要さを増す中、子供を安心して預けられる環境整備は必要不可欠であり、政府の対応はこのような社会的要請に逆行するものと言わざるを得ないのであります。特に、本県は待機児童数が多く、認可外保育園の認可化の推進や潜在的な待機児童の解消が大きな課題となっております。全国一律の基準では対応が難しいのが実態であります。
県においては、2012年度からスタートする新たな沖縄振興法や「沖縄21世紀ビジョン基本計画」、沖縄振興一括交付金の活用により、本県独自の基準・制度を創設するなど思い切った対策が必要であると考えます。
そこで伺います。
ア、待機児童対策特別事業基金の活用が効果を上げているけれども、本県における無認可保育所の認可化や潜在的待機児童をゼロにする根本的な待機児童の解消を図るためには、既存の制度に加え新たな基金の創設を含めた対策が必要ではないか、県の考えを伺いたい。
イ、本県における学童保育は行政の補助を受けていない施設が全国一と言われるが、その背景と運営実態について伺いたい。
ウ、本県は、経済的に厳しく共働きが多い事情もあり、学童保育の利用を希望する家庭が多いと言われており、国の放課後児童クラブガイドラインに沿った施設の整備が急がれているが、県の取り組み状況を伺いたい。
エ、政府が進める幼保一体化について、新たに幼児教育と保育所の双方を担う「こども園」を設置するほか、現在の幼稚園、保育所も存続させる方針のようだが、このような制度の改革で本県における待機児童や学童保育等の解消につながるのか、県の考えを伺いたい。
オ、中学までの医療費無料化について、県の基本方針と実施に向けた条件整備について伺いたい。
(2)、地域医療環境の整備について。
本県は、全国との比較において産婦人科や脳神経外科で医師数が不足しているようであり、そのためさまざまな問題が起こっております。特に、周産期医療における医師不足は深刻で、リスクの高い妊娠や出産に対する医療、高度な新生児医療施設である総合周産期母子医療センターは現在恒常的な満床状態にあり、その上、ハイリスク妊産婦への対応などで医師や看護師の過重負担が続いているようであります。
また、県立八重山病院では、産婦人科医師の転任問題で島外での出産を呼びかけるという緊急事態も起きております。八重山地域においては、出産できる設備のある病院は県立八重山病院だけであり、住民にとって深刻な問題であります。
県は、安心して子供を産み、育てる環境整備を目的に、2011年度から5カ年計画で「沖縄県周産期保健医療体制整備計画」を策定し、周産期医療施設の充実や医師、看護師などの人材育成・確保など地域の周産期医療の拡充に向けた取り組みを進めております。
また、2010年度から南部医療センター・こども医療センターで実施している7対1看護体制を今年度から中部病院で導入し、2013年度は宮古、八重山病院に拡大するとしております。しかし、県立病院においては恒常的な満床状態が続いており、現場医師からは医師不足の解消のために全国で実施している院内保育所の設置や当直医師の勤務のあり方等々労働環境の改善が不可欠であると指摘しております。
そこで伺います。
ア、2012年度の県立病院への一般会計からの繰入金59億円の積算の考え方と、繰入金の算出で病院の経営努力で生じた黒字分をほかの赤字と相殺した形にしていることについて県の見解を伺いたい。
イ、2009年度から2011年度までの経営再建期間中、病院事業に対しては単年度当たりの約84億円、総額253億円の繰り出しを行っているが、これ以外に行った耐震改修や医療機器整備などの支援総額は幾らか伺いたい。
ウ、これらの支援の結果、多額の資金不足に苦しんでいた2008年度と比べ、内部留保や損益の状況など、県立病院経営がどのように好転したのか成果を伺いたい。
エ、県立八重山病院は、産婦人科医師の転任など医師不足を理由に島外での出産を呼びかけるというが、八重山地域においては出産できるのは県立病院だけであり、県としての対策が急がれる。対応を伺いたい。
オ、本県は、産婦人科と小児科、脳神経外科などの医師が全国平均より不足しているというふうに聞いているが、平成23年度以降における養成・確保計画を伺いたい。
カ、総合周産期母子医療センターは恒常的満床状態にあり、ハイリスク出産などへの対応は逼迫した状況にあるようだが、医師不足の解消や病床改善に向けた県の取り組みを伺いたい。
キ、2011年度から5カ年計画でスタートした「沖縄県周産期保健医療体制整備計画」について、計画の内容と慢性的な病床解消や医師不足への対応は図られるか伺いたい。
ク、県は、がん対策推進条例案の今議会への提案を見送ったということだが、その理由と患者や医療・福祉関係者の要望と県の考えとの違いはどこにあるのか伺いたい。
5、那覇空港滑走路の拡張整備についてであります。
2020年度の完成に向け、2010年度から環境評価手続に着手するなど那覇空港滑走路拡張整備は着々と進められております。今後見込まれる環境アセス等の関係手続作業はおおむね3年を要するとされ、その後滑走路本体工事を含めた本格作業が約7年程度見込まれるということであります。
また、東日本大震災に伴い被災地の復旧・復興に要する莫大な予算が必要とされる中、那覇空港滑走路拡張に要する予算を当初予算どおり確保することも重要であります。今後は、現在進められている環境アセスの手続の進展に合わせ早期の事業着手ができるよう国と連携・協力し、必要予算の確保に向け県としての努力が一段と求められるものと考えます。
そこで伺います。
(1)、滑走路拡張整備の2020年度完成に向け、事業着手を含めた想定される作業スケジュールと国と県の役割分担について伺いたい。
(2)、国際空港物流ハブを活用した県産品の販路拡大や臨空港企業の誘致などを海外の主要都市へ拡大展開するとしているが、具体的ターゲット設定と戦略的事業展開について伺いたい。
(3)、国際線ターミナル内の出国手続で混雑が続いており、国際観光地としてマイナス要因となっています。今後、国際線利用者がふえる見通しの中で検査機器等の整備が不可欠であるが、県の対応を伺いたい。
6、県警関係についてであります。
(1)、信号機の設置と自転車通行の安全確保について。
昨今、危険な自転車の走行が問題となっております。道交法では、自転車は車道を走ることになっておりますけれども、車道や歩道を勝手気ままに走行する自転車利用者が多く見られております。今ではオートバイ以上に危険な走行が見られ、表に出ない人身事故も多いとの指摘がなされております。具体的な解決を図るには、自転車が安全に走行できる道路環境等の整備が必要であり、そのため自転車の一方通行の実施や自転車通行帯などの整備について行政の積極的な対応が急がれるというふうに考えます。
そこで伺います。
ア、車道や歩道を自由に通行する自転車の安全確保と歩行者の保護が大きな問題となっていますけれども、自転車利用者のルール・マナー違反の実態と良好な自転車通行を図るための基本的な考え方について伺いたい。
イ、自転車利用者に対する自転車通行のルール・マナーの周知徹底を図る必要があるが、具体的にどのような方策があり、どのように実施しているのか伺いたい。
ウ、具体的解決には自転車通行に係る道路環境等の整備が必要である。自転車の一方通行の実施や自転車通行帯などの整備について、現状と今後の計画を伺いたい。
エ、交通事故防止や歩行者の安全確保のための信号機の設置について、県警における年次計画について伺いたい。
オ、糸満市伊原で起きた交通事故現場は、これまで多くの人身事故が起きており、地域から信号機の設置が要請されているようでありますけれども、県警としての対応を考えているのか伺いたい。
(2)、県内防犯対策等についてであります。
近年、那覇市内の松山や辻地域において接待風俗店、性風俗店へ誘う風俗案内所と呼ばれる案内所が出現し問題となっているようであります。店側は、観光客を中心にキャッチと呼ばれる客引きを怖がり、案内所経由なら安心できるという利点を挙げているようでありますけれども、風俗案内所のほとんどが学校や保育所等に近接していることで教育上好ましくなく、その上、深夜から早朝にかけて昼夜問わず営業を続けている実態にあり、地域住民にとって極めて迷惑となっているようであります。県警も規制の方針のようでありますけれども、安心・安全な風俗環境の整備、健全な営業の確立の観点から指導・規制がなされるべきと考えます。
そこで伺います。
ア、近年、那覇市内の繁華街で接待風俗店や性風俗店などに客を呼び込む風俗案内所と呼ばれる営業が問題となっているようでありますけれども、国際的観光地としてのイメージダウンにもつながる。現状と県警の取り締まりについて伺いたい。
イ、県内の風俗案内所は、そのほとんどが学校や保育所等の公共施設に近接していると言われるが、そのような営業について法的に規制することはできないのか。
ウ、暴力団排除条例が全国で施行されたが、県によっては企業等に対する嫌がらせやおどしなども起きていると言われております。本県の状況と市民や企業関係者を守り保護する県警の体制について伺いたい。
エ、県飲酒運転根絶条例が施行され2年が経過したが、本県における飲酒運転で検挙される事例はなくならない。県警の取り締まりの状況と企業関係、飲食店などに対する指導や広報啓発活動はどのように行われているか伺いたい。
7、日本商工会議所青年部第32回全国大会おきなわ那覇大会についてであります。
(1)、同大会は、本県が復帰40年の節目を迎えることに合わせおきなわ那覇大会として開催されるもので、参加人員は過去最多の8000人が見込まれており、県経済の活性化に資するものと考えております。県の支援体制について伺いたい。
○知事(仲井眞弘多) 島袋大議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、文化・スポーツの振興についての中で、第3次沖縄県文化振興計画の総括及び今後の文化振興計画への反映についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
第3次沖縄県文化振興計画では、「沖縄文化の源を確認できる環境づくり」、そして「芸術を体感できる機会と環境づくり」、第3に、「多様な創造活動をはぐくむ環境づくり」、第4に、「文化の興隆を支える仕組みづくり」の4つの目標を掲げて施策に取り組んでまいり、一定の成果を上げてまいりました。
しかしながら、急速な社会環境の変化に応じた新たな取り組みが必要であると考えております。このことから、今後は「沖縄21世紀ビジョン基本計画」に掲げております「伝統文化の保全・継承及び新たな文化の創造」や「文化産業の戦略的な創出・育成」などの基本施策を積極的に推進をしてまいりたいと考えております。あわせて、文化芸術の振興に関する施策の基本となります文化芸術振興条例の制定、そして沖縄文化の基層でありますしまくとぅばの普及・継承、さらに文化関係機関と連携した文化芸術分野の人材の育成・情報発信などの取り組みを強化してまいりたいと考えております。
次に、雇用失業問題に係る御質問の中で、若年者の就職支援体制に係る御質問にお答えいたします。
沖縄県では、雇用情勢の改善に向けた各種雇用施策を推進するため、新たに公・労・使が一体となった沖縄県雇用対策推進協議会(仮称)を設立することとしております。若年者そして女性、障害者など各階層に応じた就職支援を行う総合就業支援拠点づくりに取り組んでいるところでございます。
また、平成24年度から雇用政策課に「若年者雇用支援チーム」を設置し、若年者のキャリア形成支援、そして就職支援、さらには職場定着支援などなどの対策強化を推進することといたしております。若年者等の雇用対策に係る基金の創設につきましては、中長期的な視野のもとに失業率改善に効果のある事業を継続的に実施するため必要と考えているところでございます。
次に、福祉問題に係る御質問の中で、待機児童解消策に係る御質問にお答えいたします。
待機児童の解消につきましては、安心こども基金及び保育所入所待機児童対策特別事業基金を設置し、待機児童の解消に努めてきたところでございます。平成24年度予算案におきましては、沖縄振興一括交付金を活用し、認可化促進や保育所設置増に伴う必要な保育士の確保などに取り組む経費として待機児童対策特別事業10億695万円、そして安心こども基金を活用した保育所整備事業約49億円を計上いたしております。
沖縄県としましては、これらの事業を活用し、次期振興計画の早い段階で潜在的な待機児童も含めた解消を図っていきたいと考えております。新たな基金の創設につきましては、市町村及び保育関係団体の意見もお聞きしつつ引き続き検討し、まとめてまいりたいと考えているところでございます。
次に、同じく福祉問題に係る御質問の中で、子供の医療費無料化についての御質問にお答えをいたします。
子供医療費助成事業につきましては、近年、従来の目的であります母子保健に加えまして、子育て支援としての役割も期待されております。このことから、今回必要な見直しを行うことといたしました。見直しに当たっては、実施主体であります市町村の意見も踏まえまして、保護者の負担がより重い入院について、現行の就学前から中学校卒業まで拡大をいたしたところでございます。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○教育長(大城 浩) 教育環境の整備についての御質問で、一括交付金を活用した派遣事業についてお答えいたします。
「沖縄21世紀ビジョン」に掲げる「多様な能力を発揮し、未来を拓く島」を目指して、沖縄振興一括交付金を活用し「国際性に富む人材育成留学事業」を推進してまいりたいと考えております。この事業を通しまして高校生を1年間、大学生を含む社会人を6カ月から2年間、アメリカ、欧州、アジア諸国等へ派遣いたします。平成24年度は高校生を70名、社会人を15名、計85名、平成25年度以降は高校生を70名、大学生を含む社会人を30名、計100名を派遣予定でございます。
県教育委員会といたしましては、本事業を推進することで、21世紀を切り開く人材育成を図ってまいりたいと考えております。
次に、県立高校編成整備計画についてお答えいたします。
同計画案につきましては、社会の変化や入学者の状況等を総合的に判断し策定しております。本計画案では、基礎・基本の定着を図ること、多様な学習スタイルや学び直しを必要とする者に十分対応できる教育環境の整備を図ること、キャリア教育・職業教育の展開を図り、多様な進路実現が可能になる高校づくりを推進することなどの具現化を図ってまいります。これによりまして、さらに魅力ある学校づくりの推進に努めていきたいと考えております。
次に、意見の反映についてお答えいたします。
実施計画の素案につきましては、外部有識者で構成された懇話会や各地域、学校等での説明、意見交換会等から寄せられた意見を反映させて実施計画(案)としております。さらに、実施計画(案)につきましては、1月13日から2月13日にかけてパブリックコメントを行ってまいりました。現在、県民の意見等を集約しているところであり、さまざまな観点から庁内で検討しているところでございます。
次に、新学習指導要領実施の支援体制についてお答えいたします。
県教育委員会といたしましては、平成21年度から新学習指導要領の理念や内容の周知に係る「教育課程編成要領」を作成し、説明会を通して各学校へ支援を行ってまいりました。今年度は、教育庁学校訪問等を通して各教科等の授業時数の確保や各学校の教育課程編成が適正になされるよう助言・支援を行っているところでございます。
なお、教員の配置につきましては、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」に基づき適正に配置しております。
次に、教科書問題の対応についてお答えいたします。
竹富町教育委員会は、国に対して教科書の無償給付を求めつつ、住民等の寄贈による対応も検討する旨の方針を示しております。文部科学省は、竹富町教育委員会が住民等から寄贈された教科用図書を生徒に給与することにつきましては、生徒や保護者の負担がなければ方法は問わない旨の見解を示しております。
県教育委員会としましては、竹富町教育委員会の自主性を尊重するとともに、生徒一人一人に教科書が無償で給与されるよう支援してまいりたいと考えております。
次に、発達障害児の対応・教育についてお答えいたします。
幼・小・中・高等学校においては、発達障害のある幼児・児童生徒について個別の教育支援計画、個別の指導計画を作成するとともに、校内委員会を設置し支援方法・内容等の共通理解を全職員で図り校内支援体制の推進に取り組んでおります。また、市町村においては、特別支援教育支援員を配置し、日常生活の介助及び学習支援や安全確保等も行っております。
県教育委員会としましては、巡回アドバイザーや専門家チームによる学校支援、発達障害に関する研修を実施するとともに、特別支援教育総合推進事業運営協議会を設置し、教育、福祉、医療、労働等との関係機関と連携した体制整備に取り組んでいるところであります。
次に、障害のある子と障害のない子が一緒に学ぶ教育環境の整備についてお答えいたします。
障害のある児童生徒を小・中・高等学校へ受け入れるに当たっては、障害の実態に配慮した施設の改修や教材作成、教室内での座席配置を行うなど教育環境の整備を進めております。
県教育委員会としましては、特別支援教育支援員を配置することにより障害のある児童生徒のための人的な支援を行うとともに、今後とも障害のある児童生徒と障害のない児童生徒がともに学ぶ教育環境の整備に努めてまいります。
次に、学校給食の安全対策についてお答えいたします。
本県の市場に流通している農産物につきましては、17都県において検査体制がとられており、暫定規制値を超えた食材が市場等に流通することはないと考えております。今回の学校給食から放射性物質が検出された件につきましては、直ちに人体に影響が出る数値ではないとの専門家の見解もあり、問題ないものと考えております。
また、本県においては環境中の放射性物質モニタリングを通した食品検査体制がとられております。さらに、財団法人沖縄県学校給食会においても放射性物質の検査を専門機関に依頼し、検査結果をホームページ上で公開をしております。
県教育委員会としましては、今後、民間等で整備予定の検査機器を活用した検査について市町村に周知するとともに、関係部局等と連携し学校給食食材の安全対策に努めてまいります。
次に、雇用失業問題についての御質問で、キャリア教育の取り組みについてお答えいたします。
各学校においては、児童生徒の望ましい職業観・勤労観を育成するため、発達段階に応じ学校の教育活動全体を通してキャリア教育を推進しております。小学校では大人の働く姿を見て学ぶ「職場見学」、中学校では人とのつながりの中で働くことの意義を学ぶ「職場体験」、高等学校においては職業意識を高めるための「就業体験」を実施しております。
県教育委員会としましては、新たな振興計画においてもキャリア教育の推進を位置づけ、商工労働部等と連携を強化し、児童生徒一人一人の社会的・職業的自立を目指す各種施策を実施してまいります。
以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 文化・スポーツの振興についての御質問の中の、伝統工芸品の類似品対応策と伝統産業活性化の基本方針についてお答えいたします。
伝統工芸品の類似品対策としては、産地の偽装や原産国の不当表示など消費者に誤認を与える事案については、産地組合や関係部署等と連携し、事実確認と対応策の検討、公正取引室への通知などを行ってきたところであります。今後も類似品との差別化を図るため、国等と連携した産業財産権制度の啓発と活用の促進、流通事業者や消費者に対する検査制度等の情報発信の強化などに取り組んでいく考えであります。また、伝統工芸産業の活性化については、伝統工芸の分野において起業を目指す人材や組合運営を担う人材の育成、伝統工芸のすぐれた技術や技法をもとに異業種・異分野との連携による新たな製品開発、工芸産業振興の基盤整備等に取り組み、伝統工芸を活用した文化産業の創出と育成を図る考えであります。
続きまして、「日本商工会議所青年部第32回全国大会おきなわ那覇大会」の支援についてお答えいたします。
平成25年3月に開催を予定している「日本商工会議所青年部第32回全国大会おきなわ那覇大会」への県の支援体制につきましては、事業費支援として、平成24年度当初予算案において600万円の予算措置を予定しております。県としては、同大会の成功に向け、引き続き沖縄県商工会議所青年部連合会と連携してまいります。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 文化・スポーツの振興についての御質問の中の、文化芸術の伝統を受け継ぎ、国際的に活躍する人材の育成についてとの質問にお答えいたします。
沖縄県は、古くから中国、東南アジア諸国等の交易を通して多くの文化を吸収し、国際色豊かな独自の文化をつくり出してまいりました。この豊富な文化芸術的素材を活用することは、沖縄の将来のために大変有益であると考えております。そのため、高度な専門性を持った文化芸術の人材を育成する上で、県立芸術大学の果たす役割は極めて重要であると考えております。昨年、開学25周年を迎えた同校からは、これまで美術展、音楽コンクール、演奏会などにおいて入選及び各種賞の受賞者を多数輩出しており、その卒業生は県内を初め国内、海外で活躍しております。そのほか、県の施策において、組踊や琉球舞踊等の県外・海外公演による沖縄の魅力発信事業、沖縄国際アジア音楽祭や世界エイサー大会の開催など国際交流を行う事業、イベントなどの海外展開を通した人材育成も実施しております。さらに、今後は県立博物館・美術館や国立劇場おきなわとも連携し、世界を舞台に活躍できるアーチストやその素材を生かしたプロデュースができる人材の育成など、文化に関する施策を今まで以上に積極的に推進してまいりたいと考えております。
同じく文化・スポーツの振興についての質問の中の、県立郷土芸能会館(仮称)の建設についての御質問にお答えいたします。
沖縄県では、「文化発信交流拠点環境整備調査検討委員会」において、県立郷土劇場にかわる新たな文化発信交流拠点のあり方について検討を進めてまいりました。その中では課題として、沖縄の芸能はその価値や魅力は認知されているものの、より多くの県民・観光客を引きつける舞台づくりになっていないことや、県内には既存の公立・民間の文化施設が立地しているが、その役割や機能が十分に発揮されておらず、活用の余地がまだまだ大きいことなどが挙がっております。これら課題を受け、文化発信交流拠点環境整備の基本的な考え方として、1、グローバルな文化の発信と受信の場、2、プロフェッショナルな芸能の創造と継承の場、3、専門人材の育成と登用の場の3つの機能が求められており、その上で国立劇場おきなわや各市町村の公立文化施設との役割分担・機能連携を強化しながら推進すべきであり、そのためにはまず運営のあり方、公演内容等のソフトの整備が先行して必要ではないかとの方向性が示されているところであります。これらを踏まえ、引き続き具体的に施設の整備のあり方とその運営の仕組みについての検討を進めると同時に、一括交付金の活用については、関係部局と調整しつつ、用途に合った形での活用が可能かどうかも含め今後とも考えていきたいと思います。
同じく文化・スポーツの振興についての、沖縄振興一括交付金を活用した複合型スタジアムの建設についての御質問にお答えいたします。
公式サッカー場の整備については、今年度のJリーグ規格スタジアム整備基礎調査事業において、サッカー関係者や観光関係者を委員とした検討委員会を開催し、海外事例の視察などを通しコンベンション機能やショッピング施設、宿泊施設など、沖縄に適した複合型スタジアムのあり方について、調査検討を行っているところであります。次年度、沖縄にふさわしいサッカー場の整備方針や立地条件等を盛り込んだJリーグ規格スタジアム整備に向けた基本構想を策定したいと考えており、その基本構想の中で予想される事業費の概算を算出し、あわせて沖縄振興一括交付金など財源についても関係機関と協議を行いたいと考えております。
次に、文化・スポーツ振興についての中の、FC琉球への出資検討委員会の状況及びFC琉球への支援についてとの質問にお答えいたします。
出資検討委員会は、公認会計士、弁護士、税理士で構成されており、FC琉球を運営する株式会社沖縄ドリームファクトリーへの出資について、主に財務面における専門的な視点から御意見をいただくことを目的としております。2月20日に第4回検討委員会を開き、意見書を提出していただいたところ、運営会社から提出された資本政策や事業計画について、債務の株式化による手法などを指摘する意見が述べられ、現時点では出資よりも補助、または委託による支援が適当であるとされております。その一方で、検討委員会の委員からは、新たな運営会社の設立などの提案もなされており、県としては今後とも新会社設立の動向も見据えながら、引き続き沖縄県として出資も含めたあらゆる支援のあり方を検討していきたいと考えております。
また、御質問の当初予算におけるFC琉球への支援については、スポーツ・ツーリズム戦略推進事業などプロスポーツ資源を活用した事業の中での支援が可能であるほか、沖縄初のJリーグチームを誕生させるために立ち上げたFC琉球支援連絡協議会を通したホームゲームの盛り上げなどを行ってまいります。
次に、文化・スポーツ振興についての質問の中の、FC琉球支援連絡協議会についての御質問ですが、FC琉球支援連絡協議会につきましては、昨年12月9日に沖縄県が中心となり、沖縄県サッカー協会、沖縄市、沖縄初のJリーグチームを誕生させる会を会員として設立したところであります。
FC琉球につきましては、地域貢献活動や社会活動、サッカーキャンプ誘致活動など、本県のスポーツコンベンションの振興に多大な成果を上げている反面、ホームゲームの観客動員数の低迷などチームのモチベーションの低下が懸念されております。このことから、全県的にFC琉球を応援する機運を高めるため、サッカーキャンプ受け入れ市町村を初め観光関係団体及び経済団体などにも同協議会への参画を促進し、支援体制の強化に努めていきたいと考えております。直近では、FC琉球支援連絡協議会として、まず3月11日に開催されます読谷村での開幕戦への観客動員を呼びかけるほか、「なでしこジャパン」のメンバーが所属する「INAC神戸レオネッサ」が3月24日に県総合運動公園陸上競技場で行うエキシビションマッチなどを皮切りに、年間を通じFC琉球及びサッカーに対する県民の関心を盛り上げていきたいと考えております。
次に、文化・スポーツの振興についての中の、県立武道館の補修計画についてとの質問にお答えいたします。
沖縄県立武道館は、たびたび雨漏りが発生しており、その都度、補修工事により対応してきたところであります。しかしながら、武道館の屋根が複雑な形状をしていることもあり雨漏り箇所の特定ができず、抜本的な解決には至っておりませんでした。今後、まず雨漏り箇所を正確に特定するための調査を実施し、その調査結果を踏まえて本格的な補修工事を早期に検討したいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 福祉問題についての中の、放課後児童クラブの運営実態等についてお答えいたします。
放課後児童クラブへの補助に当たっては、対象児童や利用児童の人数、開設日数、専用スペース等の補助要件が示されており、市町村においては、これらの要件を確認し、補助対象となるクラブに対し運営費の助成を行っております。平成23年度の補助対象放課後児童クラブ数は、23市町村、225カ所となっており、24年度は市町村からの要望を踏まえ、20カ所増の245カ所となる予定であります。県としましては、今後とも補助要件を満たした放課後児童クラブへの支援を市町村へ働きかけてまいります。
続きまして、放課後児童クラブ支援の県の取り組みについてお答えします。
沖縄県の放課後児童クラブについては、民立民営が多く、保育料が高いなどの課題があり、県としましては、公的施設を活用した放課後児童クラブの設置促進を行う必要があると考えております。このため、沖縄振興一括交付金を活用し、市町村における放課後児童クラブの公的施設へ移行する計画策定支援や家賃補助を行うこととしております。さらに、放課後児童クラブガイドラインを踏まえ、安全で衛生的な環境を確保するため、老朽化に伴う改修・修繕に要する経費を助成し、環境改善を図ってまいります。
続きまして、「子ども・子育て新システム」と待機児童解消等についてお答えします。
国で検討されている「子ども・子育て新システム」においては、幼稚園から総合こども園への移行、客観的基準を満たした施設及び多様な事業主体の保育事業への参入等により、保育の量的拡大を図ることで待機児童の解消を図るとしております。
本県においては、認可外保育施設が多く、公立幼稚園はほとんどの小学校に付設され、5歳児保育において重要な役割を果たしているなど、他の都道府県と異なる子育て環境にあることから、慎重な検討が必要であります。さらに、新システムにおいては、財源確保などの課題があることから、県としましては、市町村及び関係団体等と意見交換を行いながら、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
続きまして、産婦人科、小児科、脳神経外科医の医師の養成・確保についてお答えします。
沖縄県では、離島などの県立病院において、産婦人科や小児科及び脳神経外科の医師確保が課題となっております。このことから、県においては、琉球大学と連携した医師修学資金等貸与事業や県立病院の臨床研修事業において、現在、産婦人科医師11名、小児科医師15名、脳神経外科医師3名を養成しているところであり、今後、専門研修を終了後に離島等の県立病院へ派遣していくこととしております。
続きまして、周産期保健医療体制について、4の(2)のカと4の(2)のキは関連しますので一括してお答えいたします。
周産期母子医療センターの恒常的な満床状態については、ハイリスク妊婦の受け入れ、重症新生児等の入院期間の長期化、NICUからの移行先がないことなどが要因となっております。県は、このような課題を解決するために、平成22年度に沖縄県周産期保健医療体制整備計画を策定したところであります。本計画では、総合及び地域周産期母子医療センターの増床や機器整備、周産期医療を担う人材の育成と確保、妊婦への保健指導の充実、NICU長期入院児の在宅移行支援などを推進することとなっております。平成23年度は、琉球大学附属病院を地域周産期母子医療センターとして認定したところです。医師確保については、琉球大学と連携した医師就学資金貸与事業、県立病院の臨床研修事業を実施しております。平成24年度は、地域医療再生基金を活用し総合及び地域周産期母子医療センターの機器整備等を行うこととしております。
県としては、周産期保健医療体制の充実を図るため、同計画に基づき関係機関と連携し、引き続き課題の解決に向けて取り組んでまいります。
続きまして、がん対策推進条例案の見送りの理由と患者会等からの要望等についてお答えします。
がん対策推進条例を策定するに当たり、患者や医療関係者などを初め県民各層で構成する連絡会を開催し、意見集約を行ってきました。また、パブリックコメントによる県民意見等も踏まえ、福祉保健部において条例案を作成しました。条例案には、連絡会やパブリックコメントで多く意見のあった「がん患者の身体的・精神的・経済的負担の軽減」や「離島及びへき地のがん医療の充実並びに患者支援」などに関する規定を盛り込むなど、本県の特性を踏まえた条例案として一定の評価を得ることができました。しかしながら、2月2日の作業部会と2月9日の連絡会で条例案を説明したところ、「具体的施策を明示すること」や「施策の実効性を確保できるような文言へ修正してほしい」など、より一層内容の充実を図るために議論を深めたいとの意向がありました。そのため、今議会での提案を見送ったところであります。
県としては、よりよい条例の制定に向け、さらに患者関係者等との意見交換を進めていきたいと考えております。
以上であります。
○病院事業局長(伊江朝次) 福祉問題についての御質問の中で、繰入金59億円の積算の考え方についてお答えいたします。
平成24年度の繰入金については、総務省の繰出基準に基づき、小児医療、高度医療等のいわゆる政策医療の収支差を算出し、同一の項目内で病院間の黒字と赤字を相殺した後に、各県の判断とされている項目間の相殺を行った結果、試算額は約51億円となりました。具体的な予算編成作業においては、病院経営への影響を考慮して、項目間の相殺を行わないこととするとともに、特地・準特地手当等の離島増嵩経費の2分の1の2億円や、離島病院への経営支援として計2億円を措置することで庁内調整を行った結果、繰入金額は約59億円となっております。
次に、経営再建期間における繰り出し以外の支援についてお答えいたします。
平成21年度から平成23年度の経営再建期間においては、既存の国庫補助による施設等の整備のほか、経済対策等の臨時交付金や地域医療再生基金などの国の支援を活用して、施設や医療機器の整備を図ってまいりました。3年間の整備にかかる総額は約23億2000万円となっており、その内訳として、施設整備で八重山病院の耐震改修工事、宮古病院施設整備事業等で約14億4000万円、医療機器の整備で約8億8000万円となっております。
次に、病院経営支援による成果についてお答えいたします。
県立病院事業においては、平成20年度期首時点で資金不足が約100億円あり、当該年度の決算において純損失が約22億円となるなど非常に厳しい経営状況にありました。平成21年度から経営再建に取り組む中で、一般会計から支援を受けたこと等により、平成22年度決算では純利益が約17億円となり、約34億円の内部留保資金を確保することができております。
次に、県立八重山病院の産婦人科医師確保についてお答えいたします。
県立八重山病院の産婦人科においては、ことしに入って平成24年4月に着任を予定していた医師の赴任がおくれることになったことから、分娩制限のおそれが生じました。そのため、病院事業局では複数の医療機関へ医師の派遣を要請するなど医師確保に取り組んだ結果、医師の派遣が決定し、今後も分娩の取り扱いに支障がない体制を確保することができました。この件に関しましては、八重山圏域の妊産婦を初め関係者の方々に大変な御心配をおかけしましたが、県においては、離島医療を確保するため、引き続き医師確保に全力を尽くしていきたいと考えております。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 那覇空港滑走路の拡張整備についての御質問の中で、那覇空港の滑走路拡張整備についてお答えいたします。
国は、那覇空港滑走路増設事業の着手に向けて、環境影響評価法に基づく手続や調査を進めております。事業着手までの主な作業として、国においては、環境保全措置の検討や環境影響評価法に基づく準備書や評価書の作成、公有水面埋立法に基づく申請手続があります。県においては、環境影響評価法の手続における縦覧場所の提供や知事意見の提出、公有水面埋立法に基づく審査手続があります。これら一連の手続には、今後おおむね1年半の期間が見込まれております。県としては、一日も早い供用開始を目指し、必要な予算の確保及び工期の短縮等を要請しており、引き続き国と連携して環境影響評価法の手続終了が見込まれる平成25年度の事業着手に向け、取り組んでいきたいと考えております。
次に、国際航空物流ハブに関する具体的ターゲット設定と戦略的事業展開についてお答えいたします。
県は、成長著しいアジアの主要都市を結ぶ全日空の国際物流ハブを生かして、国際物流拠点産業集積地域制度を活用する臨空型企業の集積を図るとともに、アジア市場を見据えた県産品の販路拡大に取り組んでまいりたいと考えています。具体的には、那覇空港、那覇港及びその周辺地域に通販商品、緊急修理部品等のストックセンターや精密機器等のリペアセンターなど、迅速な航空物流機能を活用した臨空型産業の集積を図るとともに、物流ネットワークの拡充等に取り組み、国際物流拠点の形成を図ってまいりたいと考えております。
県産品の販路拡大については、アジアの富裕層にニーズの高いゴーヤーや豚肉等の生鮮食料品、黒糖、塩及び健康食品等を中心におきなわブランドの確立に取り組み、安定的な海外市場の拡大を図ってまいりたいと考えております。そのため、海外でのアンテナショップの展開やプロモーション事業、輸送費の支援等に取り組んでおります。これらの事業を展開することにより、新たな臨空型産業を集積及び既存産業の活性化を促進し、本県の産業振興及び雇用の創出を図ってまいりたいと考えております。
次に、国際線ターミナル内の検査機器等の整備についてお答えいたします。
出国時の混雑が指摘されている国際線旅客ターミナルビルについて、那覇空港ビルディング株式会社は、混雑の軽減を図るため、昨年7月にロビーの拡張工事を行い、11月には保安検査機2基目を設置したところであります。また、県は、保安検査から出国までの一連の手続が円滑に進むよう入国管理局に対し、出国審査の迅速化が図られるよう審査体制の強化を求めているところであります。今後とも、国際線旅客ターミナルビルの利便性が向上するよう、同社及び国等関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○警察本部長(村田 隆) 県警関係についての御質問にお答えいたします。
まず、信号機の設置と自転車通行の安全確保についての御質問の中で、自転車利用者のルール・マナー違反の実態と良好な自転車通行を図るための基本的な考え方についてお答えいたします。
初めに、自転車利用者のルール・マナー違反の実態についてでありますが、県警察では自転車利用者の交通違反につきましては、飲酒運転等の悪質な違反の検挙のほか、自転車指導警告書を交付して指導・警告を行っております。昨年中は1072件の指導警告書を交付しており、その指導・警告内容を見てみますと無灯火と2人乗りが全体の87.5%を占め、その他は信号無視や一時不停止、並進等となっております。また、昨年中における自転車関連の人身事故507件のうち半数近くの自転車利用者に安全不確認等の事故原因が認められる状況にあることから、交通ルール遵守の意識は十分に浸透していないものと考えております。
良好な自転車の通行環境を確立するためには、車道を通行する自転車の安全と自転車が歩道を通行する場合の歩行者の安全をあわせて確保する必要があり、そのためには自転車は車両であるということを県民に徹底する、スピードを出して運転するなど自転車本来の走行性能の発揮を求める自転車利用者には、車道や専用レーン等を通行するよう促進する、歩道を通行する自転車利用者には、歩行者優先というルールの遵守を徹底する必要があると考えております。
次に、自転車利用者にルール・マナーを周知するための具体的方策についてお答えいたします。
県警察では、自転車利用者にルール・マナーを周知するため、児童生徒や高齢者等を対象とする自転車安全教室等の安全教育を実施しているほか、自転車販売店やボランティア等と連携した自転車安全利用促進キャンペーンや自転車安全利用五則に関するチラシ配布等の広報啓発活動を行っております。また、自転車利用者に対する街頭指導を強化するとともに、制動装置が不良な、いわゆるピストバイクの運転を初めとする悪質、危険な自転車利用者に対する指導・取り締まりを強化しているところであります。
次に、自転車通行帯等の現状と今後の計画についてお答えいたします。
県警察では、平成19年から内閣府沖縄総合事務局や県などの道路管理者と連携して自転車通行に係る道路環境の整備を推進中であります。整備例といたしましては、平成21年10月に那覇市の赤嶺、壺川地区において明治橋付近から那覇大橋東側付近までの約700メートルの区間の歩道に自転車と歩道の通行部分を縁石で区分した自転車の歩道通行部分を整備しております。しかしながら、自転車道や自転車専用通行帯など専ら自転車の走行を確保するための通行環境については、道路幅員が狭い等の事情からこれまで設置されていませんでした。
自転車利用者の安全確保については、今後、自転車道等の整備が急務なことから、現在内閣府沖縄総合事務局や導入に積極的な自治体等と自転車の通行環境の整備を進めているところでございます。
次に、信号機の設置計画についてお答えいたします。
平成23年度における信号機の設置数は、16基であり、そのうち2基については既に設置を完了したところでございます。現在残りの14基について設計工事を行っており、本年度中にすべて完成する予定であります。
今後の設置計画につきましては、平成24年度は18基を予算要求しているところであります。以後の設置計画については、道路の新設や県民の信号機設置のニーズなどを考慮して本県の信号機数に充てる維持管理費や信号機設置による交通渋滞など総合的に検討して適正数の設置を計画していきたいと考えております。
次に、糸満市伊原の信号機設置の対応についてお答えいたします。
御質問の場所は、糸満市伊原にある国道331号と糸満市道が交差する場所であります。同交差点は、市道側の道路拡張によって市道の幅員が国道とほぼ同じとなったことなどから、主に市道側の車両の一時不停止による出会い頭人身事故が発生している場所であります。同交差点は、これまでもたびたび糸満署を通して自治体、地域住民から信号機の新設要請がなされております。県警察では、こうした要請に対して必要な現場調査を行い、信号機の設置を検討してまいりました。こうした中、残念ながら死亡事故が発生したところであります。県警察では今回の死亡事故を受け、地域住民の不安が増大していることを考慮して信号機の本年3月までの設置に向けて手続を進めているところでございます。
次に、県内防犯対策等についての御質問の中で、風俗案内所の現状と取り締まり及び法的規制について一括してお答えをいたします。
本県の風俗案内所につきましては、本年1月末現在、那覇市松山や辻地域を中心に那覇市内に27店舗、石垣市内に1店舗確認されております。
風俗案内所の中には学校等の公共施設に近接し、営業所の内外に卑わいな広告パネル等を掲示したり、音楽等の騒音を出すなどして、昼夜を問わず接待風俗営業店のキャバレー等や性風俗特殊営業店のソープランドへ案内を行っていることなどから、正常な風俗環境を害し、青少年の健全育成に悪影響を及ぼしております。しかしながら、現在風俗案内所は直接規制する法令等がないことから、指導・取り締まりが困難な状況であります。したがいまして、県警察におきましては風俗案内業を届け出制とし、欠格事由や禁止地域を定めるほか、卑わいな広告パネル等の掲示、営業時間、風俗案内所に青少年を立ち入らせることなどを規制する内容の条例を制定し、県民を初め既存の営業者に対する周知徹底を図り、実態把握、指導監督の強化及び取り締まりを実施して風俗案内業の適正化を図ってまいりたいと考えております。
次に、暴力団等からの安全確保対策に関する取り組みについてお答えいたします。
全国都道府県において暴力団排除条例が制定されるなど、社会全体による暴力団排除が一層進展する一方、昨年中、暴力団との関係遮断を図る企業幹部らへの襲撃、脅迫事件が福岡県を中心に全国で27件発生しております。このため警察庁では、暴力団の排除や関係遮断に携わる関係者の安全確保のため保護対策実施要項を改正し、身辺警戒員の配置など保護対策をさらに強化したところであります。県内においては、現在のところこれら関係者に対する襲撃、脅迫事案の発生はありませんが、県警察では、保護対策を的確に推進するため暴力団等に対する視察、捜査活動等を通じて保護対象者に対し危害を加えるおそれのある者を確実に把握するとともに、暴力団から危害を受けるおそれがある者に対しては身辺警戒、住居や勤務先等に対する固定または専従流動警戒、携帯用緊急通報装置の貸与等、必要な保護措置をとることとしております。
県警察では、暴力団排除活動を行う県民、事業者等に対する安全確保は、社会全体で暴排活動を推進するための基盤であるとの立場から、引き続き保護対策に万全を期する所存でございます。
次に、飲酒運転の取り締まり状況等、企業、飲食店等に対する指導、広報啓発活動についてお答えいたします。
平成23年中の県内における飲酒運転の検挙件数は2019件で、前年に比べ250件減少しておりますが、実数では東京都よりも多く、全国で2番目となっております。
企業、飲食店等に対する指導につきましては、企業等に警察官が出向いての飲酒運転根絶活動マニュアルを活用した交通安全教育の実施、事業所等における安全教育を促進するための飲酒運転根絶社員教育リーダー養成講座の開催のほか、二日酔い運転防止ステッカーの飲食店店内への貼付やハンドルキーパー運動の取り組み促進、飲酒運転で検挙された者が運転前に飲酒していた店舗に対する飲酒運転根絶条例に基づく指導書の交付などの取り組みを推進しております。また、県警察では飲酒運転根絶条例のさらなる浸透を図り、県民の意識向上を図るため、交通ボランティア等と連携した毎月1日の飲酒運転の根絶運動の日における広報啓発、県や県議会、関係機関・団体と連携した飲酒運転根絶県民大会の開催、交通安全アドバイザーとして委嘱したFMラジオ等のパーソナリティー115名による広報啓発などの取り組みを推進しているところでございます。
以上であります。
○島袋 大 時間がありますので、再質問させていただきます。
1点目の教育環境の整備についてでありますけれども、国外留学生派遣、これは新しく一括交付金を活用してやるということでありますけれども、ことしは85名、25年度は100名という数字が出ております。実際この中身が個人負担があるのか、あるいは市町村負担があるのか、県が全額負担するのかとかそういうのも具体的にちょっと説明してくれるかなというふうに思っていたんですが、その辺の数字的な面の説明がありませんでしたので、御答弁をお願いしたいと思っております。
2番、3番まとめて質問いたしますけれども、パブリックコメントをやって、そういった形で地域の皆さん方の声を聞いていくと言っておりますけれども、パブリックコメントをする前から県教育委員会としてはそういう編成の(案)というのは出してきていると思っております。北部あるいは南部、離島を含めての高等学校がそういう状況が起きている中で、我々自民党にも要請文として幾つか来ているところがあります。ですから、教育長としてまた教育委員長としてそういう編成(案)が上がる前に現場の長としては、その現場の声というのは実際聞いてこられたのか。あるいはそういった面で、意見交換、パブリックする前に学校側とどのような調整の中で議論されているかと非常に私はその辺に関心を持っているものですから、その辺の説明をしていただきたいなというふうに思っております。
次、文化観光スポーツであります。
スポーツアイランドの形成に向けてこの一括交付金を活用してサッカー場、複合型施設ということで言っておりますけれども、今J2規格を満たすための県総合運動公園陸上競技場の改修計画もろもろ今知事の御尽力を賜ってやっていると思っております。
先ほど部長からも話がありましたけれども、スタジアム基本基礎調査検討委員会ということで立ち上げていると思っております。昨年12月にヨーロッパのスタジアムのほうも実施しているというふうに聞いております。先ほど部長の答弁もありましたけれども、実際もう復帰40年でありますから、知事、従来の体育施設のような競技者目線の機能ではなくて、私は集客面を意識した施設整備が本県は非常に必要だと思っております。世界での最新事例では、介護施設あるいは病院、展示会場とかを含めたあるいはショッピングモールを含めたとか、ホテルも誘致したセット型の複合型施設というのが今回ヨーロッパ視察に行って現状を見てきていると思っているんですよ。だから今回僕が気になっているのは、せっかく世界のウチナーンチュ大会をやってあいにくの雨模様が2日間ぐらいありましたので、そういうのもしっかりと沖縄県独自で、全国を含めて沖縄県にしか、日本にはここしかないよというふうな施設も僕は民間も活用した案を出せば可能だと思っているんですよ。そうなればサッカーだけじゃなくて、コンベンションエリアのこの展示場とか国際会議場とかもろもろできると思っておりますし、施設だけじゃなくてその中にホテルやショッピングモールや病院等が入りますと、365日いろんな方々が来るわけですよね。そうなれば維持管理費も考えますと、通常の体育施設よりかは非常に僕はいいような形の案になると思っておりますので、県としても知事としてもその辺のお考え等もありましたら、よろしくお願いしたいと思っております。
次、FC琉球に対する出資支援でありますけれども、先ほど部長の答弁を聞いて、これは出資検討委員会4回行っていると思っております。やっぱり去年の10月あたりから第1回やっていると思うんですけれども、知事はFC琉球を県民みんなでウチナーンチュみんなで応援しようということで支援を頑張っていこうというふうに言ったわけであります。その検討委員会の中で議論はしているということでありますけれども、やはりこのFC琉球というのは本県にとってもサッカーキャンプの誘致事業を去年に引き続いてことしもやっているんですよね。ことしは11クラブのキャンプ誘致しているんですよ。来月には「INAC神戸」、「なでしこジャパン」の女子サッカーのキャンプも来ますよね。そういう方々も誘致して県内の経済効果がぐんと上がってくるわけですよ。これは県内のFC琉球というチームがなければ経済効果が反映しないんですよ。この出資検討委員会の中でいろいろ案はあると思いますよ、独自の企業をつくるべきだとか。だったら案があるんであれば、そういう結論を出して双方議論をして早目にまとめることが必要だと僕は思っているんですよ。まとめるこの終結の時期を早目にしなくちゃもう来月から新年度のチームはスタートしますから。そういった形でも考えてもらわないとなかなかなかなかいいように話はずっと引っ張っていって、5年たってじゃあ実際クエスチョンはどうなっているのという話になりますので、そういうこともいついつまでに結論を出して提案している新規会社を含めて、FC琉球さん側と話し合いを持って結論を出すというような形の答弁をいただければ非常に助かるんですけれども、その辺もお願いしたいと思っています。
次であります。雇用の問題でありますけれども、本県のニート、子供たち全国一と言っております。この質問は、振興計画の中で、新しい沖縄振興の中でどのような施策をしていくかということなんですけれども、先ほどの教育長の答弁はキャリア教育を推進してやってきて、小学校は職場見学、中学校は職場体験、高等学校は就職のそういったあっせんもろもろ含めたものをやっていると言っております。この一括交付金、新たな振興の中で今までやってきた流れの中で、かくかくしかじか問題点がある中で、ことしからこういった形で新たな考えがあるかなと思って我々は質問しているんですが、この継続的な面の発言であるものですから、なかなかニートの全国一という率は下がるわけにはいかないんじゃないかなというふうな思いがあるんですよ、今の答弁を聞いたらですね。その辺を教育委員会としてはてこ入れとして目玉的にこういう雇用を改善する策としては、我々はこういうビジョンを持っていますというような答弁があると思っていますから、その辺の御回答もお願いしたいなと思っております。
次であります。警察関係であります。信号機の設置、もろもろ含めて年次計画でありますけれども、県警本部長の話では平成23年は16基、平成24年度は18基と言っております。県会議員の皆さんは、各市町村選出の県会議員でありまして、所管の警察署もあると思っております。毎年のごとく各市町村は、信号機の設置の要請は数多く出ていると思うんですよ。所管の警察にも上がってきますから、署にもですね。署から県警本部に上がってくると思っております。この数字は16基、18基、予算措置してやっていくと言っていますけれども、これは新規も含めて維持管理も含めての数字だと思っております。実際、本当に優先的に重要な地域というのが出されていると思っておりますから、その辺の要請も含めて、実際はどれだけの件数があるんだという数字があると思いますので、その辺の答えもお願いしたいと思っております。
次、日本商工会議所青年部全国大会でありますけれども、部長のほうから予算はこういった形でやっていますよという話がありましたけれども、今回は復帰40年に向けて全国から商工会議所青年部の皆さんが集まります。これは沖縄県も商工会議所というのは12市、市の中では商工会だけやっている地域もあるんですよ、私ども豊見城市もそうでありますけれども。今回、全国の商工会員が来るんですよね。その中で8000名、約1万を目標に動いていると思っております。その中で、直接的な経済効果は5億5600万を見込んでおります、間接的な予算が4億4900万。ですから合計しますと、直接的・間接的経済効果が10億600万と見込んでいるんですよ、10億。たかが二、三日やるだけで10億入ってくるんですよ。そういうことで我々が求めているのは、先ほど企画部長の国際ハブの話もありましたけれども、今回の商工会議所のこのイベント・会は、アジアに向けての商品、商売の契約ができるようなシステムのブースの勉強会も全部持っているんですよ。だから全国から沖縄も含めてですけれども、アジアに発信できる。なぜなら24時間国際ハブ空港は沖縄あるんだから、それを活用してこの40周年でこの全国大会を持ってきてやろうということで、この10億がもっともっと広がることになるんですよ。それを600万だからもっと上げろと大きな声で言いたくないんですけれども、そういうものが実際あるんですよ。やっぱり長期的な投資ということを考えてこれは端的な投資ですから、そうすることによって回収というのは莫大な金額になると見込まれていると思います。その辺をもうちょっとこれは全国に先駆けてこういった形で、いろんな面で中小零細企業が今こそ元気になるような形になると思いますので、その辺の支援策をもうちょっとお力添えを賜りたいと思っておりますけれどもいかがでしょうか、よろしくお願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後2時53分休憩
午後2時56分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 島袋大議員の再質問の中で、商工会議所とか商工会の全国版で青年部が40周年を記念し立派な全国大会を開きたいというのは私も実はよく聞いております。来年の年明けですから少しまだ時間がありますが、僕らも議員おっしゃるように大変大きな効果があると思いますから、いろんな形で支援をし、直接な大会支援のみならず、いろんな関連する団体、商工会議所、商工会以外にもいろんな団体がありまして、一緒になっておっしゃるようなアジアへの展開を含めた大きなイベントとしてしっかりとしたプロジェクトを改めて組み直しをしてやってまいりたいと考えております。
○副知事(上原良幸) 2つお答えいたします。
1つは、複合型のスタジアムの建設という御質問だったと思いますけれども、今、島袋議員がおっしゃいましたように、単なるスポーツだけのスタジアムじゃなくて、いろんな展示場を含めた、あるいはコンベンション会場、スポーツ、コンサート、そういうものが公演実施できるようなアリーナですね。全日空のハブ基地をつくりました。この後、我々は沖縄に来ればいろいろなビジネス商談ができるというようなエキシビション、見本市の会場がぜひ必要だと思っております。それは見本市だけにとどまらず、いろんな施設・機能を多機能型にしまして、スポーツでありますとか、あるいは先ほど商工会議所の青年部の会合があると言っていましたけれども、万人規模の大会ができるような施設等をぜひ我々としてはつくっていきたい。一括交付金でどこまで戦略を立てるかわかりませんけれども、沖縄でいわゆるMICEというものの積極的な展開ができる会場をぜひ実現していきたいなというふうに思っております。
関連いたしますけれども、FC琉球につきましても、野球の次にはサッカーのキャンプ地ということでこれから評価がどんどん高まっていくと思います。その件につきましても、これはFC琉球の関係者とは情報交換しておりますけれども、これから新しい会社といいますか、我々も沖縄県一体となってサッカー関係者も含めて大いに今議論を重ねて情報交換しているところでございます。将来的にはそのサッカー専用スタジアムの整備も含めて検討しなきゃならないということで、FC琉球も新しい会社をつくるというような動きも出てきておりますので、そことは積極的に意見交換しながら、サッカーにつきましても全国からたくさんの観客を呼べるような戦略をつくっていくということでございます。
以上であります。
○教育長(大城 浩) 島袋議員の質問、私どもには3点ばかりあったと思います。
まず1点目の、いわゆる人材育成留学事業についての予算的な対応、これは実はすべて国庫でございます。自己負担は一切ございません。これは仲井眞知事の御尽力によってそういった一括交付金が獲得できまして、そういうたぐいの個人負担が一切ないという大変すばらしい事業でございます。
それから2点目の、高校編成整備計画のいわゆる経緯につきましては、私どもは素案をつくる際には学校長やあるいは地域関係団体等といろんなヒアリングを行っていく中で素案を作成したわけです。つまり、学校長といいますのは、原案をつくる際には当然基本方向とかあるいは事務方の最初のたたき台でありますから、当然そういったヒアリングもしながらつくってきた経緯がございます。と同時に、地域関係団体とその素案をもとにしながらまたいろんな意見を交換してきたわけですから、決して我々だけの素案ではないということですね。先ほど本会議でも私が答弁したように、いわゆる外部有識者で構成されました懇話会、そして各地域、学校等での説明、意見交換会に寄せられた意見も反映をしながら、この実施計画の案を作成しております。また、さらにこの案をもとにして今度はパブリックコメントを一月ばかりやっていく中でまた御意見を聞いている段階でございます。ですから、今はまさにそういった御意見を聞きながら、庁内でさまざまな観点から今後の方向性を決めていきたいと、そういったことでございます。
最後のいわゆるキャリア教育に係る対応でございますけれども、これは私、先ほど答弁したように、さまざまな知事部局との連携がございます。例えばこういったことです。一括交付金を活用いたしまして、沖縄県キャリア教育、職業教育推進のための研究協議会を商工労働部と提携をいたしまして設置いたしました。そして、本県のキャリア教育のあり方につきましてもそこで意見交換を行っているところでございます。また、沖縄県キャリア教育の形成支援プログラム協議会も連携しながら設置いたしまして、キャリア教育の実践推進校におきまして、24年度から25年度にかけまして実践研究を行い、普通高校から大学までの7カ年間のキャリア教育プログラムを策定しまして、特に26年度には普通高校において実践実施をする予定でございます。
以上でございます。
○警察本部長(村田 隆) 現在、沖縄県内で信号機は大体2000基ぐらいついているんですけれども、今2月現在では各警察署から警察本部に上申された信号機の設置箇所の件数は76件でございます。この76件の要求につきまして、警察本部では事故の形態あるいは事故の頻度、交通量等の継続調査を行いまして、信号機以外の交通安全施設では事故抑止は困難と考えられる場合には信号機設置基準に照らして設置計画を策定しております。また、新規の信号機の設置のほか、老朽化した機器の更新、それから信号機と一体となって道路交通の管理を行う道路標識や標示の塗りかえとか建てかえとか、そういった既存の交通安全施設の維持管理に要する費用についても重要でありますので、あわせて予算を確保しているところであります。
このようにして交通安全施設の予算枠の中で新規信号機の設置数を割り出して予算要求をしていると、そういったところでございます。
○島袋 大 済みません、1点だけであります。
今、警察本部長から話がありましたけれども、平成24年スタートして今2月であります。1月から2月まで各市町村担当警察署から上がっている新規信号機の設置、また既存の維持管理の信号機を含めて76件の申請が上がっているんですよ。我々は年間の予算措置というのは16件、20年は18件なんですよ。ですから予算がなかなか厳しい中でこういう命にかかわる重要な信号機の新規設置と維持管理でありますから、予算の問題であります。総務部長、大変重要なことでありますから、これはそういったいろんな面で地域から要請が来ております。ぜひとも総務部長から予算のあり方、こういう命にかかわる重要なことでありますから、ひとつ答弁をお願いしたいと思っています。
○総務部長(兼島 規) 今のは生命にかかわる問題ですので、県警のほうからそういう要望がございましたらしっかりと対応していきたいと思っています。
○議長(髙嶺善伸) 20分間休憩いたします。
午後3時6分休憩
午後3時26分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
翁長政俊君。
〔翁長政俊君登壇〕
○翁長 政俊 それでは所見をまず述べさせていただきます。
平成24年から新たな振興計画のもとで一括交付金を生かした新たな目標に向かってチャレンジを行います。使い勝手のいい一括交付金は、県が描く未来像や特色ある政策の実施が期待をされております。他方、県の予算執行体制と責任、実力が試され、問われるものとなり、国や全国自治体も注目をいたしております。よって、県民生活の向上と自立経済の確立に向けて万全の体制を求めます。
また、普天間飛行場の移設に関しては移設先が定まらない中、日米両政府の方針は依然、辺野古移設に固執をいたしております。移設に関する諸事業の準備が着々と進んでおります。じわじわと県民ののど元に迫るような圧迫感を感じております。県民の民意が押しつぶされないように、県と県議会は頑張っていかなければならないと思っております。
以上、代表質問をいたします。
まず知事の政治姿勢について。
(1)、県の安全保障研究機関の設置について。
1960年、日米安全保障条約の締結以来、日米同盟を基軸とした我が国を取り巻く環境も大きく変化をいたしました。冷戦期の極東における「ソ連」を封じ込める作戦から、東アジア・太平洋地域における安全保障問題が主眼となりました。近年、東アジア情勢は不透明さを増しており、朝鮮半島問題、台湾をめぐる問題、南沙諸島をめぐる問題、領有権問題などが存在し、特に北朝鮮における核弾道ミサイル問題は、我が国にとって深刻かつ脅威となっております。
このように、我が国の外交・安全保障は日米同盟が基軸となっておりますが、その日米同盟は東アジアに近接するという地理的位置から、沖縄の米軍基地の存在によって成り立っていることは明白であります。他方、我が国の安全保障をより複雑にしているのが中国の動きであります。東アジアにおける朝鮮問題や南シナ海問題も中国の出方次第で決まると言われております。この影響力は増してきていると言われ、我が国も尖閣諸島をめぐり中国との間に問題を抱えております。
去る1月5日、米国は国防費の削減に合わせてこれまで「2正面戦略」を放棄し、中国の軍事的脅威が増す「アジア・太平洋地域」に重点を置き戦力を増強する新たな国防戦略を発表しました。したがって、これは中国への警戒心を示したものと言われております。
一方で、日米同盟の根幹を担っている本県は、米軍基地からの過重負担を強いられており、この現状は、沖縄が日米関係の当事者であることを示しております。仲井眞知事が地方自治の立場から安全保障に関する研究や情報収集を行う安全保障に関する問題全般を研究する専門機関の設置を表明したことは、本県の置かれた状況を考えれば至極当然であります。
ここで伺います。
ア、安全保障の分野は国の専管事項と言われている中、日米安全保障体制と周辺国との関係、在日・在沖米軍の存在が本県へ及ぼす影響など、地方自治の立場から安全保障に関する研究や情報収集を行う必要性について、知事の見解と知事自身の安全保障問題に関する基本的な考えを伺います。
イ、県は、当面、少人数の課体制でスタートし、国内と米国に在住する日米安全保障問題に詳しい専門家を委嘱するとのことのようであるが、具体的な活動方針と業務計画について、また、今後、安全保障に関する問題全般を研究する専門機関の創設を考えているのか伺いたい。
ウ、このような県として検討してきた事柄や専門家からの情報・研究資料等について、地方自治体としての沖縄県ではどのように生かしていくのか。また、国との連携や情報交換等はどのように行われるか伺います。
2番、普天間飛行場移設問題について。
日米両政府は、去る8日、在日米軍再編のロードマップの見直しに関する共同文書を発表しております。
共同発表のポイントは、普天間飛行場の移設問題とパッケージとされていた在沖海兵隊8000人のグアム移転と嘉手納以南の米軍基地5施設の返還を切り離して議論を先行させること、その見直し作業を今後数カ月の間に結論を出すこと、米軍普天間飛行場の代替施設を名護市辺野古に移設する、現行案は唯一有効な進め方であることを再確認していること、この3つの点であると思われます。
今回、在日米軍再編のロードマップの見直しに至った背景には、米議会が米国の厳しい財政難から大幅な国防費の削減を進める中、一向に進まない辺野古への移設作業を非現実的として再編計画の見直しを求め、グアム移転費を全額削除するという実力行使に至ったところであります。米政府としても議会を納得させる必要性があったことであります。同時に、アジア・太平洋への影響力を強める中国が急速な膨張を続けている現状の対応が背景にあるものと思われます。
このように日米両政府の思惑が一致し、今回の共同発表となったのでありますが、しかし、沖縄が期待するような結果が出る保証はありません。
さらに、国内では、未亡人製造機とやゆされるオスプレイの配備が既定路線化しつつあり、県内では何度も出ては県民の反対で消えたはずの嘉手納統合案が、事もあろうに政権を担う党や与党関係者から公然と出されていることに警戒と不快感を覚えるのであります。
そこで伺います。
(1)、日米両政府は、普天間飛行場の移設問題を柱とする在日米軍再編計画のロードマップ(行程表)について、今後数カ月の間に見直していくことで合意したようだが、県は、その具体的内容、情報等について把握しているか、伺いたい。
(2)、今回の日米協議でグアムへの移転は4700人とし、一部を岩国基地移転やオーストラリア等への一時駐留、キャンプ瑞慶覧と牧港補給基地の先行返還などが日米双方から示されたと言われておりますが、これについて実現性を含めた知事の見解を伺います。
(3)、今回のロードマップの見直しについては、具体的な内容が示されてなく、今後数カ月の間に協議、作業により明確な見通しを示されるとしております。一方で辺野古移設を堅持することは確認されており、普天間の返還には触れておりません。これは普天間の固定化が前提にあるものではないか、知事の見解を伺います。
(4)、野田首相は、沖縄の理解を得て移設問題を進めたいと述べているが、それが本心であれば、首相みずからなぜ県外移設という公約を掲げたのか、なぜ辺野古移設が最善として辺野古へ回帰したのか、その責任の所在はどこにあるのか等々県民に対して来県時に真摯に説明するべきだと考えています。知事の見解を伺います。
(5)、報道によると、県選出の下地衆議院議員は、普天間飛行場へ配備予定のオスプレイについて、みずから米国の軍事基地で試乗し、すごくいい飛行機だ、騒音や安全性は着実に進化している。日本の基地に配備し日本のトップが責任を持って信頼性を高めるべきと安全性などに評価を示したと報じている。県出身国会議員の発言だけに影響は大きいと考えるが、県の見解を求めます。
(6)、名護市辺野古への移設が事実上不可能となった上で、消えたはずの嘉手納統合案が報道されている。今後、辺野古移設にかわり嘉手納統合案が再び議論の対象となることもあり得ると考えるか、県の認識を伺います。
(7)、今回の知事の所信表明には、普天間飛行場の移設に関し県外移設の文言が盛り込まれておりません。昨年度の所信表明で明記されていた県外移設を今回あえて削除したことに何か理由があるのか、疑念や憶測を生むおそれも懸念されるが、知事の考えを伺いたい。
(8)、環境影響評価(アセスメント)書の受理から審査会における審査・答申、それを受けて知事意見書提出期限など一連の手続について伺いたい。
(9)、審査会の審査で論点と問題とされた事項は何か。また、答申の内容は名護市辺野古への移設作業を進めることを事実上否定したものと考えるが、県の見解と答申を受けて今後どのような姿勢で臨むか伺いたい。
3番、返還軍用地跡地利用の推進について。
平成8年、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)で、普天間飛行場など11施設の返還及び平成18年度日米安全保障協議委員会(SCC)で、嘉手納飛行場以南の6施設の返還が合意されております。SACO合意から16年が経過しながら返還は進まず、返還予定面積のわずか8%にとどまっているのが現状であります。一方、嘉手納以南の6施設の返還はこれまでにない大規模な返還であり、中南部都市圏の再編、自立経済の構築に資する一大事業となるものであります。
このため本県は、政府に対し、嘉手納以南の基地返還について、普天間問題とは切り離し先行して返還するよう要望するとともに、現在の軍用地返還特別措置法にかわる新たな軍転法の制定を求めております。去る10日、政府は新たに改正駐留軍用地返還特別措置法案を閣議決定し、国会に提出をしております。政府が昨年12月の沖縄政策協議会において示した内容はほとんどゼロ回答に近いものでありました。県は、既に嘉手納以南の米軍基地返還を見越して、これらの基地が存在することにより生じた開発のゆがみを是正し、中部都市圏を一体的にとらえた広域的な利用を促進する「中南部都市圏駐留軍用地跡地利用広域構想」の策定を進めております。
そこで伺います。
(1)、政府の改正駐留軍用地返還特別措置法案について内容が報道されておりますが、検討段階で県はどの程度かかわったか。また、県の要望に沿った内容となっているのか伺いたい。
(2)、自民党が公明党を初め野党6党と共同で提出した、沖縄における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法案は、国の責務を明確にし、返還給付金を土地引き渡し日の翌日から3年間としたほか、跡地利用に関する総合整備計画に対する財政措置上の特例を設けるなど、県の要望を大幅に盛り込んだ内容となっておりますが、知事の見解を伺います。
(3)、県は、嘉手納以南の大規模基地返還に備え、中南部都市圏駐留軍用地跡地利用広域構想の骨子案をまとめたが、構想の基本的考え方と広域構想に盛り込む主な内容について伺いたい。
(4)、これまでの返還用地の跡地利用には、商業サービス店舗や娯楽施設、住宅など似通った用途となっており、県内人口が競合跡地を移動するだけで、同じような計画では県全体への波及効果は限定的と言われております。今回の広域構想ではこれまでの跡地利用との違いをどのように打ち出していくのか伺いたい。
4番、基地問題について。
日米両政府は、去る12月16日の日米合同委員会において、米軍人・軍属が公的行事で飲酒し、みずから自動車を運転する、いわゆる飲酒運転をした場合はすべて「公務外」と見なされ、日本側が第一次裁判権を行使し起訴できることに合意をする運用改善がなされました。
去る11月の合同委員会では、米軍属に対する公務中の重大な犯罪について、米国の「好意的配慮」があれば例外的に日本側で訴追できるとした合意に続くものであります。日米地位協定の見直しを求めてきた本県にとって、飲酒運転に起因するものと限定されているとはいえ、裁判権が日本に移ったことは一定の評価でありますが、運用改善はあくまでも米側に裁量権があり、今後どのような条件が持ち出されるかわからないのであります。
米軍人・軍属による事件・事故は基地が存在することで起きるのであり、全国の米軍専用施設の75%が集中する本県においては日常的に起きているのが実態であります。やはり本県は、米軍人の起こしてきたすべての犯罪に対し、日本側で裁けるようにする日米地位協定の見直しを渉外知事会と連携し、引き続き日米両政府に対し強く求めていくことが必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、日米両政府は、米軍人・軍属の飲酒運転をすべて公務外とすることで合意し、これにより日本側が第一次裁判権を行使できるとしているが、今回の運用改善について何ら条件はついていないと考えてよいのか伺いたい。
(2)、本県の要求は、地位協定の運用改善ではなくて抜本的見直しである。県として今後に向けた取り組みを伺いたい。
(3)、防衛省は、米軍嘉手納基地周辺の住宅防音工事の助成対象について、騒音のうるささ指数85以上の地域で2008年3月10日までに建築された住宅に拡大したが、地元からはうるささ指数75または80までの拡大を求めている。県の認識を伺いたい。
5、県内産業の振興について。
民間主導の自立型経済を目指す本県において、小規模経営企業が多くを占める県内産業の育成・振興をいかに図るかが最重要課題となっております。県では、県内外の企業の立地・誘致を進めるとともに、地理的優位性を生かした情報通信関連産業の集積や本県の特性を生かした「オキナワ型産業」の育成に向け各種支援策を重点的に実施しております。しかしながら、これまでのところ産業の柱である観光産業以外は、本県が自立するための新たなリーディング産業は育っていないのが現状であります。このため、県内への集積に大きな成果を上げている情報通信関連産業について、成長を続ける中国を初めアジア諸都市と我が国とを結びつける情報通信の高度化を図り、ビジネスチャンスの拡大を目指して情報通信関連産業の一大拠点の形成が必要であります。
県においても、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」で、沖縄IT津梁パーク等を拠点とする新たなビジネスモデルの創出を図るとしており、そのため、沖縄IT津梁パークに設置する「IT研修センター」の利活用を図り、県内立地企業の高度化に資する多様な研修やアジアと我が国のITビジネスを結びつけるとしております。
本県においては、新たなリーディング産業の育成・振興が経済の自立を目指す上で重要であります。その産業は本県の高い失業率の改善に資するものでなければなりません。
そこで伺います。
(1)、本県は、県内産業、経済の活性化を図るために企業立地・誘致を進めているが、これまで3年間の実績と県内産業への波及効果について伺いたい。
(2)、情報通信関連産業の集積を図る上で、通信コストの低減や業務受注の拡大は重要であるが、IT津梁パークの整備との関連で進展状況を伺いたい。
(3)、本県への情報通信関連産業の進出が進む中で、アジア諸国を視野に入れた取り組みが重要である。そのためによりIT産業の高度化と多様な人材の育成確保が求められておりますが、県の取り組み状況を伺いたい。
(4)、沖縄型のクラウドデータセンターを整備し、バックアップ機能を強化し、新しいクラウドコンピューティングの拠点形成に向けた取り組みを行うことは大変時宜を得たものと考えているが、その具体的な内容と今後見込まれる効果について伺いたい。
(5)、臨空・臨港型産業の集積により、本県の新たなリーディング産業の振興を図るために那覇空港・那覇港の物流拠点の形成に向け取り組みを行っているが、具体的戦略を伺いたい。
(6)、沖縄県中小企業の振興に関する条例に基づき、県内中小企業の経営の安定や経営革新を図るための総合的な支援策を展開しているが、その取り組み状況と成果について伺いたい。
(7)、中小企業の振興について、県は、経済団体からの強い要望を受けて内閣府や沖縄公庫と調整を重ね、沖縄公庫独自の無担保・無保証人の新資金「沖縄雇用・経営基盤強化資金(仮称)」の創設につなげたとのことであるが、当該資金の具体的内容と今後見込まれる効果について伺いたい。
ちょっと休憩願います。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後3時48分休憩
午後3時48分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○翁長 政俊 6番、土木建築関係について。
国による公共事業費の削減が続いております。その影響で県内公共事業は年々縮小され、整備が急がれる道路や港湾等の社会資本の整備もおくれております。公共事業に大きく依存する本県建設業は、公共事業費の削減で深刻な打撃を受け、県経済への影響も懸念されているところであります。
東京商工リサーチ沖縄支店の調査によると、本土復帰の1972年の世がわりを契機に創業し、現在も活動している県内におけるいわゆる創業40年企業は、315社ということであります。業種別では、建設業が122社で全体の38.7%を占め最多となっているようであります。
このように本県の産業構造は、建設業が圧倒的に大きな位置を占めている構造となっており、復帰後から建設業が県経済を牽引してきた実態がうかがえるものであります。現在、県内企業は約1万2000社あると言われておりますが、依然として建設業が多くを占めており、建設業の浮沈が県経済に及ぼす構図は一貫して変わらないものとなっております。
本県はこれまで4次にわたる国による沖縄振興策により、社会基盤は相当程度整備されてまいりましたが、道路、港湾、空港などいまだ未整備の状況であります。県として、県内建設業への支援を実施するほか、建設業全体を効率的な経営構造へ転換を促進していくことが必要であります。
そこで伺います。
(1)、本県陸上交通網の整備を図るための本島中南部と北部を結ぶ幹線道路網の整備、那覇都市圏の環状道路等の整備について、県の基本計画を伺います。
(2)、本県産業で建設業の占める割合は高く、建設業が県経済を牽引している状況の中で、公共事業費の削減が続いている。新たな沖縄振興計画において、県内建設業に対する支援策等県の基本方針を伺いたい。
(3)、中城湾港マリン・タウン・プロジェクトの西原与那原地区におけるマリーナ用地の分割や企業の立地・進出について進展状況を伺いたい。
(4)、国道58号の渋滞緩和に向けた浦添北道路・県道浦添西原線港川道路の早期整備が求められているが、現在の進捗状況と今後の推進計画を伺いたい。
(5)、識名トンネル工事の契約問題の責任の所在と説明責任について、識名トンネル工事の不適正な契約に関し多額の国庫返還金を求められることが想定される。このような事態に至った責任の所在と説明責任について、知事はどのように考えているのか伺いたい。
7、鉄軌道の導入について。
観光立県として、観光を県経済の柱に掲げている本県にとって、国内外から訪れる観光客の利便性を図るために交通の安全性や高速性に加え、空港から観光地へのアクセスの確保が大きな課題となっております。
本県は、急激な自動車交通の増加に加え、広域道路網のおくれもあり、首都那覇市を初め主要都市部は総じて慢性的な交通渋滞の状況にあります。そして本県における県民の足となっているバスは、基幹的公共交通機関としての役割を担っておりますが、公共交通機関としての定時・定速運行という使命を果たし得ない状況になっております。その要因は、本県が全国の中で鉄道の敷設がされていない唯一の県ということであります。戦後、沖縄を除く多くの都道府県は、戦災復興という形で戦禍を受けた鉄道の復旧が行われ、公共交通として再整備されております。本県は、米軍統治下にあり、県営の軽便鉄道の復旧さえ行われず、さらに広大な米軍基地の建設に伴い、周辺市街地は無秩序に形成されてきたのであります。
県民生活の向上や本県の持続的な発展を図るためにも陸上交通ネットワークの確立・強化は必要不可欠であり、その中核を担うのが鉄道であります。本県の鉄道の導入については、これまで利用者が限られていること、費用対効果の問題や国の財政事情の問題などが大きな壁となってまいりました。しかし、内閣府は、2010年度に沖縄への鉄軌道・新公共交通システムの導入可能性を調査し、需要予測を含めたデータを国として初めて示し、11年度は事業採算性などの問題の整理、そして12年度で導入に向けた本格的な調査を行うとしております。
そこで伺います。
(1)、政府は、本県における新たな沖縄公共交通システム導入に向けた鉄軌道の導入調査費1億円を計上した。2012年度で行う調査の実施主体と調査内容について伺いたい。
(2)、県は、これまでの歴史的経緯を考慮し、政府に対し、本県への鉄軌道の導入に向けた特例的な制度の創設を要望しているが、その制度の内容と鉄軌道が本県の公共交通システムに果たす位置づけについて伺いたい。
(3)、本県は、南北に長く東西に狭い狭隘な県土であり、鉄道だけでは公共交通機関としては十分機能しない。バスとの連結が重要となり、特に那覇市を中心とした都市部における交通の足は、依然バスが果たすものと思われます。県の陸上交通網の整備、公共交通システムの基本的な考え方を伺います。
8番、海洋資源の調査・開発について。
我が国の領土である尖閣諸島近くの海域で起きた中国漁船による衝突事件をめぐり、中国による報復措置として、自動車やハイテク製品に欠かせない希少資源である「レアアース」の輸出供給を停止した。我が国の製造業に深刻な影響を与えたことは、資源小国日本の弱みを強く印象づけた出来事でありました。いかに経済大国と言われても、世界最大のハイテク技術を擁しても、製品製造に欠かせない希少資源を中国に依存している限り、アナウンスなき報復はいつでも起こり得るのであります。
資源小国と言われる我が国は、しかし、中国との排他的経済水域の中間線から琉球列島にかけた東シナ海と、伊豆半島から小笠原諸島にかけての太平洋における排他的経済水域を有し、その広さは世界で6番目と言われております。この排他的経済水域において、レアメタルを含む海底熱水鉱床の存在が確認されており、特に、尖閣諸島の東シナ海には多種多様な海洋資源が眠っていると言われております。政府においても、金・銅・亜鉛・レアメタルなどが堆積している海底熱水鉱床を本格的に探査するとしております。尖閣諸島の北東海域は2015年までに実施するとしております。
そこで伺います。
(1)、沖縄周辺海域に豊富で多種多様な海洋資源が存在すると言われておりますが、経済の自立を目指す本県として調査・開発に向けた基本的な考え方、方針を伺いたい。
(2)、本県は、平成15年度から17年度の3年間、沖縄周辺における石油・天然ガス等の海洋資源の賦存状況や開発に係る法制上の問題について調査を実施したが、調査結果をどのように活用しているのか伺いたい。
(3)、本県の調査結果について、政府に対する情報提供や共同調査などはどのように行ったか。また、政府の対応について伺いたい。
(4)、県が今後、開発や利活用を行う上で、大陸棚の境界画定など法制上の問題が考えられるか、県の調査をもとに見解を伺いたい。
(5)、海洋資源の調査・開発には相当規模の予算が必要となるが、県が自由に使える沖縄振興一括交付金の活用は考えられないか、県の見解を伺います。
○知事(仲井眞弘多) 翁長政俊議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、安全保障に対する研究の必要性と基本的考え方についてという御質問にお答えいたします。
戦後60年余りにわたって、県民は過重な米軍基地の負担を担っており、基地問題の解決は長年にわたり沖縄県の重要な政策課題となっております。しかしながら、復帰後40年を迎える現在もなお、本県には依然として在日米軍専用施設の約74%が集中し、県民は過重な負担を背負い続けております。また、沖縄の基地問題は、我が国の安全保障のあり方の中で日本国民がひとしく考えるべき課題であり、国会の議論を見ましても国民の理解が不十分ではないかと考えております。こうした状況を踏まえ、私は、沖縄県が独自に基地問題や、その背景にあるアジア地域の国際情勢や日米地位協定などを調査・分析し、県の基地政策を確立する必要があると考えております。このため、南西地域の島嶼防衛を初めとした我が国の国防政策、そして米軍の世界再配置検討の状況、さらには普天間飛行場の県外移設などにつきまして研究を行うこととし、本年4月からこれらを専門的に研究する地域安全政策課を設置することとした次第でございます。
次に、普天間飛行場移設問題に係る御質問の中で、所信表明に県外移設の文言が盛り込まれなかったことについての御質問にお答えいたします。
普天間飛行場の危険性の除去は、喫緊の課題であり、一日も早い移設・返還・跡地利用の促進が必要なことから、知事提案説明要旨においてその旨を申し上げたところであります。県といたしましては、地元の理解を得られない移設案を実現することは事実上不可能と考えております。これまで政府に対し、日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け、真摯に取り組むよう強く求めてきたところであります。
去る2月17日には、軍転協を通して同様の趣旨を政府へ緊急要請したところであり、普天間飛行場の県外移設を求める考えに変わりは全くありません。
次に、普天間飛行場移設問題に係る御質問の中で、環境アセスの審査会での論点と県の見解及び今後の対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
普天間飛行場代替施設建設事業は、自然度が高い地域において大規模に実施されるものであることから、極めて高いレベルの環境保全措置が求められております。沖縄県環境影響評価審査会におきましては、評価書について客観的かつ科学的に妥当なものであるか慎重に審査を行っております。その結果、答申におきましてはオスプレイなどの航空機騒音の予測条件が不十分であること、そしてジュゴンや大浦湾の生態系に及ぼす影響が適切に検討されていないことなどが不適切な事項として指摘されております。
県といたしましては、同審査会からの答申を踏まえ、去る2月20日に25項目175件の不適切な事項を示した上で、当該事業は環境の保全の上で重大な問題があることを指摘しております。また、評価書で示された環境保全措置等では、生活環境及び自然環境の保全を図ることは不可能との意見を述べたところでございます。
次に、返還軍用地跡地利用の推進についての御質問の中で、自民党など野党共同提案による跡地利用法案に対する知事の見解いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
一言で申し上げますと、自民党の沖縄政策委員会が中心になって県連とともにまとめていただきましたこの案は非常によくできていると思います。また、野党の皆さんが共同で提案されておりますが、ぜひこういう方向でまとまることを期待いたしております。政府・民主党案もほぼこれに近い形で最近まとまっておりまして、甲乙つけがたい状況でございます。
なお、内容について簡単に特に自民党さんが中心におまとめになった点で申し上げますと、第1点目に、国の責任を踏まえた跡地利用の推進を基本的理念として盛り込んだこと、第2が、給付金の支給を土地の使用収益の開始までとされたこと、第3に、現行法の大規模跡地と特定跡地との区別をなくし、拠点返還地として国の取り組む方針を定めることとされたこと、第4点目に、国による公共用地の先行取得につきましても定めたこととともに、譲渡所得の特別控除額を5000万円に拡大したこと、そして5点目に、跡地に整備する都市公園や義務教育施設について現行の補助率よりも高い割合としたことなどなどが非常にいい方向で改善されたと理解しております。今後の跡地利用を効率的に進める観点から、よく取りまとめていただいた法案であると考えております。
次に、土木建築関係の御質問の中で、識名トンネル工事の契約問題の責任の所在と説明責任についての御質問にお答えいたします。
識名トンネル工事に関する不適正な契約では、県民の皆様に県行政への不信感を抱かせ、多額の国庫補助金の返還という重大な事態に至ったことに深くおわびを申し上げます。このような事態を招いたことに対し、知事として監督責任を強く感じております。また、この問題に関与した職員の処分と幹部の監督責任につきましては、関係法令に照らして厳正に対応する考えでございます。
本契約問題につきましては、2月20日に副知事と土木建築部長から、まず記者会見を通して県民の皆様に原因と再発防止策等につきまして御説明をさせていただいたところでございます。そしておわびを申し上げました。
今後、このような事態が二度と生じることがないよう再発防止策を徹底し、全職員が県民全体の奉仕者であるという高い使命を肝に銘じて、適正な事業執行に万全を期すよう指導してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、安全保障研究の活動方針、業務計画及び専門機関の創設についてお答えいたします。
平成24年4月に設置する地域安全政策課においては、任期つきの研究員として外部から国際関係、安全保障等の専門的な知識を有する職員を採用し、基地負担の軽減に向けた県の政策立案に資する研究業務を進めていきたいと考えております。
また、国内外の有識者による独自のネットワークを構築し、研究体制の強化を図っていきたいと考えております。
総合的な安全保障に関する専門機関の創設につきましては、同研究業務を進める中で検討してまいりたいと考えております。
次に、研究内容の活用や国との連携についてお答えいたします。
県としましては、国内外の有識者による独自のネットワークを構築し、日米関係やアジアを含むさまざまな国際情勢を調査・分析し、基地負担の軽減に向けた効果的な政策の立案を図るとともに、研究の成果や収集した情報を踏まえ、日米両政府の関係者を初め関係機関と積極的に情報交換を進めてまいりたいと考えております。
次に、普天間飛行場移設問題についての御質問の中で、在日米軍再編計画の見直しについてお答えいたします。
去る2月8日、日米両政府は、在日米軍再編計画に関する日米共同報道発表を行ったところであります。この中で、日米両政府は、普天間飛行場の辺野古移設に引き続きコミットするとともに、在沖海兵隊のグアムへの移転と嘉手納飛行場以南の土地の返還を、「普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことについて、公式な議論を開始した。」としています。政府の説明によれば、具体的な詳細については今後の両国政府の協議の中で調整されるとしていることから、県としましては、今後の協議を重大な関心を持ちつつ注視してまいりたいと考えております。
次に、在日米軍再編計画の見直しに係る見解についてお答えいたします。
政府の説明によれば、在沖海兵隊のグアム移転及び嘉手納以南の土地の返還を普天間飛行場の移設から切り離し、グアムへ移転する海兵隊の部隊構成及び人数についても見直しを行うとしておりますが、具体的な内容については今後の両政府の協議の中で調整されるとのことであります。
いずれにいたしましても、在沖海兵隊のグアム移転と嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還は、県民の要望している米軍基地の整理縮小につながるものであり、日米両政府は地元の意向を踏まえた協議を行っていただきたいと考えております。
次に、ロードマップ見直しに伴う普天間飛行場の固定化についてお答えいたします。
去る2月8日、日米両政府は、在日米軍再編に関する日米共同報道発表において、「普天間飛行場の代替施設に関する現在の計画が、唯一の有効な進め方であると信じている。」としております。県は、地元の理解が得られない移設案を実現することは事実上不可能である旨、繰り返し申し上げてきたにもかかわらず、日米両政府が辺野古移設案を推進する姿勢をとり続けていることには疑問を呈さざるを得ません。
県としては、喫緊の課題である普天間飛行場の危険性を放置することは決してあってはならないと考えており、日米両政府に対し普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け真摯に取り組むよう引き続き強く求めてまいります。
去る2月17日には、軍転協を通じ、今回の日米共同報道発表について同様の趣旨を政府に緊急要請したところであります。
なお、普天間飛行場の固定化については、去る2月6日の参議院予算委員会で、野田総理が「固定化の懸念は承知しており、そうならないよう全力で協議を進める」旨の発言をしております。
次に、辺野古へ回帰した理由等県民に対する説明についてお答えいたします。
「最低でも県外」と発言していた鳩山政権の誕生により普天間飛行場の県外移設を求める県民の期待が高まったにもかかわらず、日米共同発表において名護市辺野古への移設案が決定され、県民の間に大きな失望が広がりました。
県は、これまで政府に対し、どのような経緯で移設先を辺野古とする日米合意に至ったのか、県民の納得のいく説明と解決策を求めてまいりましたが、それらは依然として示されておりません。政府は、こうした疑問について県民に対ししっかりと説明を行うべきであると考えております。
次に、オスプレイ配備についてお答えいたします。
県としましては、オスプレイが過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では当該配備については反対であります。
沖縄県が提出したオスプレイ配備についての質問文書に対し、昨年12月、政府から2回目の回答がありましたが、回答できていない項目があり、引き続き県民生活への影響など十分な説明を求めているところであります。
次に、嘉手納統合案の認識についてお答えいたします。
嘉手納統合案については、レビン米上院議員らによる提案のほかさまざまな報道がなされておりますが、現在、日米両政府において正式に協議は行われていないものと承知しております。嘉手納飛行場周辺市町村は現在でも過重な基地負担を強いられており、さらに負担が増加するような案は断じて受け入れることはできません。
県としましては、日米両政府に対し、引き続き普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け真摯に取り組むよう強く求めてまいります。
次に、基地問題についての御質問の中で、飲酒運転の取り扱いに関する日米合意についてお答えいたします。
政府によれば、昨年12月16日の日米合同委員会において昭和31年の日米合同委員会合意を改正し、公の催事での飲酒の場合も含め飲酒後の自動車運転による通勤は、いかなる場合であっても日米地位協定の刑事裁判権に関する規定における公務として取り扱わないこととする合意をしたとのことであり、何ら条件は付されていないものと考えております。
次に、地位協定の抜本的な見直しについての今後の取り組みについてお答えいたします。
日米地位協定に関連し、昨年、米軍属に対する裁判権行使に関する新たな枠組みの合意等がなされ、裁判権に関しては一定の前進があったものと認識しておりますが、県としましては、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、米側に裁量をゆだねる形となる運用の改善だけでは不十分であり、地位協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。
民主党政権は「日米地位協定の改定を提起する」としており、県としましては、渉外知事会や軍転協等関係機関との連携や情報発信の強化等を図りながら、引き続き地位協定の見直しを国に強く求めてまいります。
次に、住宅防音工事対象の拡大についてお答えいたします。
政府は、嘉手納飛行場周辺の住宅防音工事について、うるささ指数(W値)75以上の区域においては昭和58年3月10日の告示日までに建築された住宅、W値85以上の区域においては平成14年1月17日までに建設された住宅が対象となっております。このような中、昨年12月に政府から、W値85以上の区域について平成20年3月10日までに建築された住宅まで対象を拡大する方針が示されており、県としましては一定の前進が図られるものと考えております。
しかしながら、嘉手納飛行場周辺においては、住宅防音工事対象期日以降も多くの住宅が建築されており、県としましては、騒音被害の実態や住宅の分布状況等を考慮し、住宅防音工事対象区域の拡大等さらなる騒音対策を強化する必要があると考えており、引き続き軍転協等関係機関とも連携しながら政府に対し強く求めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 普天間飛行場移設問題についての御質問の中で、環境影響評価書の一連の手続についてお答えいたします。
普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書については、沖縄県環境影響評価条例に基づき、飛行場事業については評価書の送付から45日以内に、環境影響評価法の対象である埋立事業については90日以内に知事の意見を述べることとされております。
当該評価書は、昨年12月28日に提出され、飛行場事業については条例に定める必要部数に足りなかったことから補正を求め、平成24年1月5日に追加送付を受けております。
沖縄県環境影響評価審査会については、1月19日から3回の審議を経て2月8日に答申を得ております。
知事意見につきましては、当該答申を踏まえるとともに、関係市村長や住民等意見も考慮し、去る2月20日に沖縄防衛局へ提出したところであります。埋立事業につきましては、審査会からの附帯意見等も踏まえて、3月27日までに免許等権者の意見を述べることになります。
以上でございます。
○企画部長(川上好久) 返還軍用地跡地利用の推進についての御質問の中で、改正軍転特措法政府案の検討段階での県のかかわりと要望内容の反映についてお答えいたします。
県及び関係11市町村は、昨年6月に「駐留軍用地跡地利用推進法(仮称)」県要綱案を取りまとめ、新たな法律の制定の要請を国に行っております。その後、政府に対し要綱県案の説明や意見交換を行いましたが、昨年9月の政策協議会において政府からは、新たな法律の整備は検討するとされたものの、県の求める給付金制度の見直し等については既存の枠組みの継続とされたところです。
このため、県は、要綱県案を踏まえた法律の制定を継続して政府関係要路に要望を行い、昨年12月の沖縄政策協議会においては、原状回復の徹底や立ち入りに係るあっせんなど県の要望が反映されてきたところでございます。その後も給付金の始期を「返還から」を「引き渡しから」とすること等について要請を行い、去る2月10日に閣議決定された政府案に反映をしていただいたところであります。
次に、同じく返還軍用地跡地利用の推進についての御質問の中で、中南部都市圏広域構想の基本的考え方と内容及びこれまでの跡地利用との違いについてお答えします。これは3の(3)、それから3の(4)は関連いたしますので一括してお答えをさせていただきます。
これまでの駐留軍用地跡地の利用は、各市町村が地権者の意向等を踏まえ独自に策定する跡地利用計画のもとに、その多くが大規模商業施設を中心としたまちづくりとなっておりました。今後返還が予定されている嘉手納飛行場より南の大規模な基地跡地の開発は、沖縄の県土構造を再編する大きなチャンスであり、沖縄の自立経済の構築につなげていく必要があります。
広域構想では、中南部都市圏を一体ととらえ、広域的な観点から各跡地の特性を考慮し、各跡地が都市機能等の役割を分担しながら相互に連携することにより魅力ある都市空間を形成し、沖縄全体の振興・発展につながることを目指しております。広域構想に盛り込む内容としては、各跡地の整備コンセプト、各跡地の大まかな土地利用、跡地を利用した交通ネットワークの形成、緑地の保全等による良好な都市環境の形成、新たな産業拠点の形成など、各跡地の利用の方向性を示すものとなっております。
次に、県内産業の振興についての御質問の中で、物流拠点の形成に向けた具体的戦略についてお答えいたします。
県は、成長著しい東アジアの中心に位置する本県の地理的特性を生かし、アジア市場を見据えたビジネスモデルを展開する企業の集積を図り、新たな雇用の創出及び経済、産業の振興を図ってまいりたいと考えております。具体的には、法人税等の軽減措置などを盛り込んだ国際物流拠点産業集積地域を活用した臨空・臨港型企業の誘致活動、これらの企業を受け入れる施設の整備、輸送コストを軽減する施策等を展開していくこととしております。
また、全日空が検討している中国や東南アジアなどの主要都市への路線拡大を支援し、国際物流ハブ機能の強化に取り組んでまいりたいと考えております。那覇港についても、那覇空港から沈埋トンネルを通して約10分という近接性を生かして、航空物流と海上物流を連結させたシー・アンド・エアの物流機能を活用する企業の誘致を図ってまいりたいと考えております。
次に、鉄軌道の導入についての御質問の中で、政府の鉄軌道調査についてお答えいたします。
平成24年度の調査は、内閣府が実施主体となり行われるものであります。内閣府は、平成22年度から23年度にかけて需要予測モデルの構築とルート案を想定し、導入実現化に向けた課題整理等を行っているところであります。平成24年度は、引き続き想定ルート案をもとにした諸課題の検討のための調査や、県民が求める公共交通システムに関する意識調査等を実施すると聞いております
次に、鉄軌道に関する特例的な制度及び鉄軌道の位置づけについてお答えいたします。
県は、県民及び観光客の利便性の向上、中南部都市圏の交通渋滞緩和、低炭素社会の実現、県土の均衡ある発展を支える観点から、鉄軌道を含む新たな公共交通システムの導入が必要であると考えております。
特例的な制度については、整備新幹線の建設の考え方を参考に、インフラ整備と運営を分離する上下分離方式による整備や持続的な運営を可能にする制度が必要であると考えております。このため、引き続き特例的な制度の実現を求めていきたいと考えております。
次に、公共交通システムの基本的考え方についてお答えいたします。
県は、公共交通システムの基幹軸として沖縄本島の南北に速達性の高い鉄軌道を配置し、支線としてLRT、バス等が有機的に連携する利便性の高い公共交通ネットワークの構築が必要であると考えております。しかし、鉄軌道の導入には時間を要することから、その導入に向けた環境整備を進めるとともに、短中期的な取り組みとしてバスレーンの延長及びIC乗車券、基幹バス導入等の公共交通の利用環境改善に向けた取り組みを重点的に行うこととしております。
次に、海洋資源の調査・開発についての御質問の中で、海洋資源開発調査の結果の活用と情報提供等について、これは8の(2)と8の(3)は関連をいたしますので一括してお答えをさせていただきます。
沖縄県では、平成15年度から平成17年度まで、学識経験者等で構成する検討委員会を設置し、沖縄近海における石油・天然ガス等海洋資源の埋蔵可能性などについて、既存の文献を中心に基本調査を実施をいたしました。取りまとめた結果については、国や海洋開発研究機関等に送付するなど情報提供を行ったところであります。
その後、政府においては、海洋基本法に基づき平成21年3月に「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」を策定し、その中で沖縄トラフの海底熱水鉱床の重要性などが位置づけられております。これを受け、独立行政法人海洋研究開発機構等において沖縄周辺海域における調査が活発に行われており、平成22年には伊平屋沖で世界最大級の熱水鉱床が確認をされております。
次に、海洋資源の開発や利活用に係る法制上の問題点についてお答えいたします。
調査報告書によると、海洋資源の開発や利活用を行う上での問題の一つである大陸棚の境界画定問題については、現行国際法上適用される基準が不明確であります。
海洋利用については、領域的発想にとらわれることなく、すべての関係国が合意を通じて協力関係に基づく利用を考案するという努力を積み重ねることが必要不可欠であるとしております。
以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 県内産業の振興についての御質問の中で、企業誘致の3年間の実績と県内産業への波及効果についてお答えいたします。
沖縄県では、企業の立地を促進するため、IT津梁パークの整備や賃貸工場等の整備を進めるとともに企業誘致セミナーの開催や個別企業への訪問を行い、県内投資環境のPRに努めてまいりました。その結果、実績としましては、平成23年末までの3年間でIT関連企業が55社、製造業関連企業が16社立地し、約5000人の新たな雇用が創出されております。
また、県内企業への波及効果としましては、一部工程を県内企業に発注し新たな受注機会が増大されたほか、高度な技術を要する注文を受けることによって技術力の向上が図られるなどの成果が出ております。
続きまして、同じく県内産業の振興についての御質問の中で、情報通信関連産業の集積の進展状況についてお答えいたします。
沖縄県では、情報通信コストの低減化や沖縄IT津梁パークなどの企業立地環境の整備のほか、技術基盤の確立や人材育成などの支援策を講じ、これまでに230社を超える情報通信関連企業を誘致し、2万人余の雇用を創出しております。
IT津梁パークにつきましては、平成22年9月に中核機能支援施設及び企業立地促進センターを供用開始するとともに、立地企業の受注拡大を支える技術基盤の拡充などに支援を行ってまいりました。現在、14の企業・団体がパーク内で事業を展開しており、生命保険業務システムの開発など県外からの受注拡大も順調に進展しつつあります。また、新たに企業集積施設の整備を進めており、本年6月の供用開始時にはIT津梁パーク全体の従業者数は、現在の400名から1000名を超える規模までに拡大するものと見込んでおります。
続きまして、同じく県内産業の振興についての御質問の中の、アジア展開に対応するIT産業の高度化と人材の育成確保についてお答えいたします。
沖縄県では、県内情報通信関連産業のアジアITビジネスへの展開を促進するため、クラウドコンピューティング事業者やモバイル機器検証事業者の立地基盤や技術基盤の整備を図り、アジア地域における新たなITビジネスを県内に誘致してまいりたいと考えております。
また、アジア展開に不可欠なアジアと我が国企業間の橋渡し役や新たなビジネスの創出を担う人材の育成確保を図るため、IT人材力育成強化事業や万国津梁人材育成事業等の支援策を拡充してまいります。
続きまして、クラウドコンピューティング拠点形成の内容と効果についてお答えいたします。
沖縄県では、さきの東日本大震災を踏まえ、同時被災リスクが少ない本県に沖縄型クラウドデータセンターを整備し、クラウドコンピューティング等の高付加価値サービスの創出や国内外企業等のバックアップ、リスク分散に貢献する拠点を形成してまいりたいと考えております。同センターは、うるま市の兼箇段に平成24年度から2年間で40億円程度の予算を投入して、平成25年度末の竣工を目途に県内既存データセンター間との通信回線を整備し、クラウド共通基盤システムを構築することとしております。これにより、国内では類を見ないバックアップ拠点の形成や新たなクラウドサービスの創出を促進し、県内IT産業の高付加価値化、雇用の拡大などの効果が見込まれます。
同じく県内産業の振興についての御質問の中の、中小企業振興条例に基づく支援策の取り組み状況と成果についてお答えいたします。
沖縄県では、「中小企業の振興に関する条例」に基づき、関係団体等からの提言を踏まえ、中小企業セーフティネット資金の融資枠の確保や海外展開に必要な人材育成に取り組む万国津梁産業人材育成事業などを実施しております。また、これまで234社の企業に対し経営革新計画の承認を行うとともに、健康食品の品質や衛生管理の国際基準であるGMPの認証に関し8社の取得支援を行ってまいりました。さらに、4月からスタート予定の新たな沖縄振興特別措置法において、県内の中小企業を支援する制度として、産業の高度化や地域の資源を活用して新たな事業展開を促進する「産業高度化・事業革新促進制度」を創設するとともに、雇用の安定と経営基盤の強化を促進するため、沖縄振興開発金融公庫資金の中に無担保・無保証人の「沖縄雇用・経営基盤強化資金」が創設されることになっております。
県では、これらの支援策や制度の活用に合わせて、沖縄振興特別調整交付金を活用した中小企業支援策の拡充強化により県内中小企業のなお一層の経営革新の促進や経営基盤の強化に取り組んでまいります。
続きまして、沖縄雇用・経営基盤強化資金の具体的な内容と今後見込まれる効果についてお答えいたします。
沖縄県では、県内経済団体等から強い要望のあった「中小・小規模事業者向けの融資制度の拡充等」について、内閣府や沖縄振興開発金融公庫との間で関連制度の創設・拡充に向けた調整を行ってきました。その結果、平成24年度において沖縄振興開発金融公庫資金の一つとして沖縄雇用・経営基盤強化資金が創設されることになりました。
当該資金は、県内中小企業者の経営基盤の強化を図り、本県の雇用環境の改善を目的とする沖縄県の沖縄雇用・経営基盤強化事業に基づいて、商工会議所や商工会等の実施する経営強化指導及び推薦を受けた一定規模の事業者に対し無担保・無保証人での融資を実施する内容となっております。
今後見込まれる効果としましては、県内中小企業者の経営基盤を強化することにより、全国一高い廃業率を低下させ、本県の雇用の安定・促進に寄与することが期待されます。
続きまして、海洋資源の調査・開発についての御質問の中で、8の(1)、調査・開発に向けた基本的な考え方・方針、それから8の(5)の海洋資源調査について沖縄振興一括交付金の活用は考えられないかという御質問、8の(1)と(5)は関連しますので一括してお答えいたします。
海洋資源の開発につきましては、国が平成20年3月に閣議決定した海洋基本計画において、エネルギー・鉱物資源の開発はリスクが高く技術的な困難も伴うため、基礎調査や技術開発等について国が先導的な役割を担い、その成果を民間企業に引き継ぐことにより資源開発を着実に推進することとされております。
沖縄県の周辺海域では、金、銀、銅やレアメタル等有用な金属を含んでいると言われる海底熱水鉱床が多く発見されております。これらの開発促進は、本県に大きな経済効果をもたらすことが期待されます。
沖縄県としましては、我が国の海洋資源調査・開発の支援拠点形成に向けて国や研究機関等が沖縄周辺海域において実施する海洋資源調査等に積極的に関与していく考えであります。
以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 土木建築関係についての御質問の中で、本島中南部と北部を結ぶ幹線道路網の整備と那覇都市圏の環状道路等の整備についてお答えいたします。
沖縄県総合交通体系基本計画では、本島地域間の移動の円滑化を図るため、はしご道路を初めとする幹線道路ネットワークの整備を位置づけております。南北の柱として沖縄西海岸道路を含む国道58号、国道329号等、これと連絡する東西方向の道路網として宜野湾横断道路、浦添西原線等の整備を推進することとしております。
また、那覇都市圏の渋滞緩和として交通経路の分散化や通過交通の排除を促すため、「2環状7放射道路」等を位置づけております。環状道路として那覇空港自動車道等、放射道路として与那原・南風原バイパス、南部東道路等を国及び県において整備に取り組んでいるところであります。
同じく土木建築関係で、新たな計画における県内建設業者の支援策等についてお答えいたします。
建設産業については、地域の雇用・経済を支える重要な産業であると認識しております。そのため、新たな計画では従来の社会資本整備への貢献に加え、新技術の開発、経営の多角化、協業化等による経営基盤の強化、海外建設市場への積極的な進出を促進することとしております。具体的な支援施策としては、ちゅらしま相談窓口の拡充による経営基盤の強化、公共工事における県内建設業者の受注機会の確保や米軍発注工事への参入促進などに取り組んでまいります。
同じく土木建築関係で、マリン・タウン・プロジェクトの用地分譲の進展状況についてお答えいたします。
マリン・タウン地区の公共及び民間を含めた県有地全体の分譲状況は、ことし1月末現在、分譲対象地93.7ヘクタール中74.9ヘクタールを分譲しており、分譲率は約80%となっております。そのうち、ホテル用地やコンドミニアム用地等民間への分譲対象地21.5ヘクタール中2.7ヘクタールを分譲しており、分譲率は約12%となっております。
現在、民間企業へのニーズ調査を実施しており、県内外の企業5807社を対象にアンケート調査を実施し、114社から「進出の可能性がある」、「条件次第では可能性がある」との回答を得ています。さらに、62社を対象にヒアリング調査を実施しております。今後は、ヒアリング調査結果等を分析することで土地利用計画や区画割の見直しを検討し、企業誘致の促進を図っていく考えであります。
同じく土木建築関係で、浦添北道路と港川道路の進捗状況等についてお答えいたします。
浦添北道路は、沖縄西海岸道路の一部をなす延長2キロメートルの地域高規格道路であります。国において平成18年度から整備を進め、平成23年度末の進捗予定は約20%で、平成26年度の供用を目指し鋭意整備を推進していると聞いております。
また、県道浦添西原線港川道路は、国道58号と浦添北道路を結ぶ延長1.6キロメートルの主要幹線道路であります。平成19年度から事業に着手し、平成23年度末の進捗予定は約67%で、平成26年度末の供用を目指し、鋭意整備を推進しているところであります。
以上でございます。
○翁長 政俊 それでは再質問させていただきます。
まず知事に、総理は今月の27日に来県の予定であります。知事が、再三今の政府になぜ辺野古に回帰したかの説明責任を求めておいでになりました。そこは、野田総理にも知事のほうから来県の際には、なぜ沖縄なのかということをもう一度しっかりと聞いておく必要があると私は思っていますので、ぜひそこは明確にさせていただきたいと思っております。
それと、普天間移設をめぐる問題で幾つかの動きが出てまいりました。1つは、再編見直しの問題であります。これは、グアムへ8000名の予定でありましたけれども、いわゆる米国の財政的な厳しい現状もあってこれが一部修正をされたようであります。本音のところはそこだろうと思いますけれども、中国の行為等いろいろ付随する問題はあると思います。しかしながら、こういった問題も含めて、本来であれば普天間の危険性の一日も早い除去というものがメーンになるべきでありますけれども、これが残されたままで事が進んでいるように思います。ここを私は県民の一人として大変憂慮しているところであります。
そこで、マスコミの論調等を見てみますと、仲井眞知事、さらには県政・与党の私たちも6月に行われる県議選挙が済むと普天間に対するスタンスが変化していくのではないのかという疑念を持っているような論調が新聞紙上でふえております。私はこれも大変憂慮をいたしております。
私ども自民党県連は、いわゆる選挙後においても――選挙中ももちろんそうでございますけれども――県外移設を基地問題の政策の中心に掲げて頑張ります。そして選挙が終わった後も、県議会で行われた全会一致の県内移設に反対する決議を堅持していこうと思っております。
そういう中で、知事におかれては辺野古移設に関するスタンス、ここの部分がどうなるのかということが、先ほど言ったようにメディアで取り上げられており、明確にしておく必要があるだろうと私は思っておりますので、2点質問をいたします。
6月以降に国が知事に対して求めてくる埋め立ての承認は、知事の政治意思を明確にする絶好のチャンスだろうと私は思っておりますので、改めて移設に関する知事の政治的スタンスをここでお聞かせください。これが1点です。
もう1点は、知事は、これまでの移設問題について、地元の反対している移設は不可能だという発言を繰り返しておいでになります。この地元というのは名護ということなのか、沖縄県も含んでいるということなのか、これをお聞かせいただきたいのが1つと、もう一つ、この発言に対しての解釈で、それでは地元の反対がなくなれば移設は受け入れられるのかという解釈があります。ここの部分も、これは知事の真意を明確に県民に対して伝える必要があるだろうと私は思っておりますので、ここはひとつ明確に知事の政治スタンスをお聞かせいただきたいと思っております。
それと、先日出ました県のいわゆる環境アセスメントに対する意見書であります。私は、知事がああいう厳しい意見書を出されたことに対しては大変評価をいたしております。
そこで、ここも私はちょっと憂慮しているんですけれども、この評価書の意見書が出たのに対して、国がそれに対して対応してまいるんでしょう。その中において幾つか気になるところがあります。この環境調査を請け負った業者が6業者おいでになりますけれども、防衛省のいわゆるOBが天下りをしていて、この実態をちょっと調べてみますと、これらの6社の企業でアセス環境調査の94%を受注している。この受注した落札額が90%を超える高落札率であったということが今大きく指摘をされておりまして、私もこの発注の仕方に疑義があるのではないかと思っております。そういう中で、ややもするとこうしたずさんなアセスメントが行われた背景に、国の意思に沿ってお手盛りのアセスを行ったのではないかという疑念が消えないのであります。そして、辺野古ありきでこの調査が行われたのではないかという思いも実は私は持っております。
そこで、知事に今回のアセスの問題点、これは天下りとの関連性も含めて今のアセスのあり方が問題がなかったかどうか、知事の見解を求めたいと思っております。
ちょっと説明が足りないようでありますので、説明をもうちょっと深く繰り返しますけれども、いわゆる知事が出す意見書の内容が大変厳しいものになったことによって、先ほど言いましたように私自身もこれは評価をいたしておりますけれども、何らかの形で天下りを受けたことによってアセスの内容に影響を及ぼしたとすると、私はこれは問題だと思っているんですよ。それをどう考えているのかというのが1つと、もう一つは、一般論で結構でございますので、こういう天下りの実態があるという形を知事はどう考えて、どう理解されるのか、この3点についてお聞かせをいただきたいと思っております。
以上であります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午後5時2分休憩
午後5時9分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 翁長政俊議員の再質問にお答えいたします。
幾つか御質問が少し仕分けができないところはありますが、4点から5点答弁をさせていただきます。
まず第1に、総理がお見えになったときに、そのマニフェストとか民主党が主張されていたことを自公の時代の説明方針に回帰したことについての納得のいく説明をきちっと求めなさいと、これは私のほうでも総理に求めたいと思います。
それから第2点でございますが、6月の県議選中とか県議選後とかということで私のスタンスは変わらないかという御趣旨の御質問だと思いますが、地元の理解のない内容のものというものは事実上不可能だということ、したがって県外だということはずっと言い続けておりますし、この考え方は変わりません。スタンスは変えるつもりは無論ありません。
それから、たしか地元とは何かという御質問でありますが、まず普天間の日米両政府が決めた移設先で辺野古ということであれば、地元というのは無論これはまず第1に名護市・名護市民であると思いますし、及びその周辺の市町村ですね。そして第2には、その周辺ではありませんが、41市町村に住んでいる沖縄県民であるというふうに考えております。少し粗いですが、私はそういう感じで地元という言葉を使っております。
それから4番目でございますが、もし地元に反対がなくなれば、例えば辺野古みたいなところへ戻るのかというような趣旨の御質問だったと思いますが、これはちょっと余りにも仮定が大き過ぎて少し現実離れをしている感がありまして、ちょっとこれはお答えがしにくいものだということでとどめておきたいと思います。
それから最後に、環境アセスの調査を受けた会社に防衛省を中心とした政府機関の天下りの人が多い。その中で、6社とも言えるところがかなりの仕事をとっているというようなことを踏まえて、この調査内容であるとか、そういうことについて内容に甘さみたいなものがあるのではないかという御趣旨の御質問だと理解しますと、ここはこれこそいろんな人々がいろんな推測・推定、いろんなことを思うことはあり得るかもしれませんが、ちょっとこういうことで今度の環境アセスメントがどうだったかということで、こういうような推測といいますか、そういうものがあったかどうかという点について、これもまたお答えしにくい話でありまして、ただ今度のアセスに対する知事意見で申し上げた25項目175件というものについて、不適切なという表現を使いましたが、データがない、保全措置がかなり粗っぽいとかいろんな内容のものが混在しております。そういう点から見たら、ちょっとその環境アセス、自然環境、生活環境を保全するという面から言って、客観的サイエンティフィックなデータとしてはどうかなという感を抱かざるを得ないような粗さを感じた面もないわけではありません。
以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで全部終了いたしました。
次会は、明23日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時15分散会