平成24年(2012年) 第 1回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 2月23日
 


○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 新里米吉君。
   〔新里米吉君登壇〕
○新里 米吉 おはようございます。
 社民・護憲ネットの新里米吉です。
 代表質問を行います。所見を述べ、質問をします。
 12月28日、一番鳥の朝を告げることができない暗やみの中を沖縄防衛局長指揮のもとで評価書が県庁守衛室へ運び込まれました。このような卑劣な行為で県民の怒りを買った局長は、宜野湾市在住の職員と宜野湾市に親戚が在住する職員の名簿を作成させ、局長の職権で職員を集め、勤務時間中に市長選挙に向けての講話を行いました。講話内容の問題点として、①、2人の候補者の基地政策の違いを述べ、応援すべき候補者を示唆し誘導したこと、②、親戚が在住する職員には、親戚と話をするときは局の立場を説明することとして応援すべき方法を暗示したこと、③、過去においても基地問題が争点の選挙で講話を実施したと明言しており、講話の意図が明白であること。もし服務の説明であれば、すべての選挙で説明しなければならないことから、業務・服務として講話を実施したのではなく、局長の地位を利用して勤務時間中に選挙介入の講話を行っていることは明らかです。しかも、選管の業務である投票に行くことも勧めています。国家公務員法、自衛隊法、公職選挙法違反の疑いがあるが、その自覚があるかとの追及に、自覚はありますと局長みずから答えたことでも違法行為は明白であり、厳しい処分と更迭は当然であります。また、2006年の知事選では、当時の局長が県内10社の企業回りに奔走していたことをマスコミも明らかにしています。防衛局の選挙介入は、常態化していることから厳正な処分が求められます。
 一括交付金は、待機児童対策特別事業、含みつ糖振興対策事業、沖縄型農業共済制度推進事業、沖縄県新規就農一貫支援事業、未利用資源・エネルギー活用促進事業、泡盛域外出荷拡大支援事業、戦略的誘客活動推進事業、複式学級教育環境改善事業等評価できる事業があります。しかし、政府が縛りをかけたことや裏負担があることで自由度が低下しているのに、県民に使い勝手のいい一括交付金として誤解を持たれていることを懸念するものです。また、当初予算案説明資料3ページで述べているように、社会保障関係費や一括交付金関連事業の増等により予算編成課程で174億円の収支不足が生じた。このため、財政調整基金及び減債基金からの取り崩し等により対応したとしており、将来的には県内市町村より財政力のある沖縄県でも裏負担が苦しくなることが予想されます。財政力の弱い町村等では早くも今年度から執行に懸念の声が出ています。
 そこで質問します。
 1、知事の政治姿勢について。
 (1)、12月28日午前4時ごろ、沖縄防衛局長指揮のもとで評価書が県庁守衛室へ運び込まれたことについて、知事の所見を伺いたい。
 (2)、宜野湾市長選に向けて沖縄防衛局長が地位利用をして講話を行ったことについて知事の所見を伺いたい。
 (3)、防衛省幹部は、宜野湾市長選に佐喜真氏が当選したことで辺野古への移設が比較的進めやすくなると歓迎していると報道されている。防衛省幹部の発言について知事の所見を伺いたい。
 (4)、一括交付金は一定の評価ができる。しかし、昨年末から社民・護憲ネットが指摘してきたとおり、政府が方針を定め縛りをかけたことや、裏負担があることで自由度が低下しているのに使い勝手のいい一括交付金が宣伝されていることを懸念する。財政力の弱い町村では十分執行できるのかとの懸念もある。県の所見を伺いたい。
 (5)、一括交付金は、国と県の協議、県と市町村の協議及び配分作業に時間を要したため、市町村では新年度予算に間に合わず、補正予算になる事態も起きていると思うが実態を把握しているか。結果として年度内に執行できず繰り越すことも想定されるのではないかと思う。県の所見を伺いたい。
 (6)、2012年度予算の自立型経済構築に向けての重点を伺いたい。とりわけ農業、水産業を輸出・移出できる産業に育成するための施策、予算を伺いたい。
 (7)、地域安全政策課の設置の趣旨と目的について伺いたい。
 2、2012年度予算について。
 (1)、県の基金と県債の状況を2010年度、11年度と比較して12年度はどうなるのか伺いたい。
 (2)、新すこやか保育事業は、一括交付金を活用して2011年度より増額されている。拡充と新規の事業について伺いたい。
 (3)、待機児童対策特別事業の目的と主な内容を伺いたい。
 (4)、沖縄県新規就農一貫支援事業の目的と主な内容を伺いたい。この事業で就農定着が図られると考えているのか伺いたい。
 (5)、農業共済制度推進(1億3042万円)の新規事業の内容を伺いたい。この事業で共済加入がどの程度推進できるのか伺いたい。
 (6)、未利用資源・エネルギー活用促進事業の①、「海洋温度差発電」について実証実験の例はあるか。また、将来への見通しと課題について伺いたい。②、水溶性天然ガスの有効活用を目指した試掘調査について、水溶性天然ガスの利用可能性を伺いたい。
 (7)、戦略的誘客活動推進事業(55億5000万円)の沖縄観光国際化ビッグバン事業(34億4000万円)の主な事業内容と目的について伺いたい。また、その事業で海外観光客の飛躍的増大が期待できるか伺いたい。
 (8)、新規の民間建築物耐震診断、改修等事業(3546万円)の事業内容を伺いたい。また、次年度以降事業費をふやす考えがあるか伺いたい。
 (9)、不発弾処理事業費が約1.5倍増になり、磁気探査の対象範囲を民間事業者の施設工事や個人の宅地に広げたことは評価したい。24億余の予算で2012年度に想定される民間、個人の工事もすべて対応できる見通しがあるか伺いたい。
 (10)、空手道会館(仮称)基本計画等策定事業について、2012年度中に用地選定を行うか。また、空手道会館の規模や総事業費はどの程度を予定しているか伺いたい。
 (11)、沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業(16億8114万円)と離島航路運航安定化支援事業(25億7351万円)は高く評価するが、将来にわたって継続できる見通しがあるか伺いたい。
 (12)、電柱の地中化事業について、当面重点的に整備する地域等を伺いたい。
 (13)、新規の私立学校施設整備支援事業費(6億円)は、2012年度は基金に積み立てるとのことだが、事業実施の時期と補助率等について伺いたい。
 次に、基地問題について質問します。
 米軍は、ハワイにおけるオスプレイ配備の準備書で、学校への騒音は平均55デシベル以下としたが、米環境保護庁は、就学時間中は平均45デシベル以下にするよう勧告したとのことです。嘉手納基地周辺や普天間基地周辺も多くの学校があり、70デシベルは日常茶飯事で、80デシベル以上も起きています。アメリカのダブルスタンダードは明らかであり、米政府や米軍の沖縄差別が根底にあると思います。また、日本政府が岩国基地への海兵隊移転打診を拒否したことについて、政府は岩国市や住民の反対に配慮し、厚木基地の空母艦載機移駐などが計画されていることを踏まえ、追加的な移転をこれ以上お願いすることはしない、安心してほしいと明言しています。岩国への移転を求めるものではありませんが、辺野古は16年も反対運動を闘っており、しかも沖縄県は米軍専用施設の74%が集中しているのに政府の配慮がなく、逆に辺野古への押しつけに躍起になっています。まさに日本政府による沖縄差別のあらわれだと言わざるを得ません。
 ところで、昨日の翁長政俊議員の再質問への答弁は、あいまいで、はぐらかし答弁の感を否めませんでした。本人も不満な雰囲気で納得できない感じでした。知事の明確な答弁を求めて質問します。
 3、基地問題について。
 (1)、「在日米軍・海兵隊の意義と役割」についての県の質問に対し防衛省は6カ月以上経てやっと回答したが、極めて不十分、不満足な内容と思う。また、防衛省への再質問が必要と思うが、県の所見を伺いたい。
 (2)、一括交付金を活用して普天間飛行場の軍用地を先行取得する方向で調整と報道されたが、なぜ実現しなかったのか伺いたい。
 (3)、去る2月8日の日米共同発表について、県の所見を伺いたい。
 (4)、キャンプ・シュワブ周辺水域・陸域生物調査の業務を独占的に受注していた業者とJVを組んだ業者等に防衛省OBが天下りしていたことについて県の感想を伺いたい。
 (5)、ハワイでの米軍は、準備書でオスプレイ配備による学校への騒音は平均55デシベル以下としたが、米環境保護庁は米連邦航空局の騒音基準を適用、就学時間中(午前8時から午後3時まで)は平均45デシベル以下にするよう勧告したとのことである。嘉手納基地周辺や普天間基地周辺と大きな違いがあり、まさにダブルスタンダードである。県の所見を伺いたい。
 (6)、ハワイで進められているオスプレイ配備へ向けて環境影響評価準備書では米軍の運用よりもコウモリなどの動物の保護を優先させることが明らかになっている。沖縄ではジュゴン等に対しこのような配慮は見られない。県の所見を伺いたい。
 (7)、評価書に対する知事意見作成に当たって、県アセス審査会答申を尊重し反映されるか伺いたい。
 (8)、評価書は、「事業の実施に際して、環境保全上特段の支障は生じない」としているが、答申は「名護市辺野古沿岸域を事業実施区域とする当該事業は、環境の保全上重大な問題があると考えられ、評価書で示された環境保全措置等では、事業実施区域周辺域の生活環境及び自然環境の保全を図ることは、不可能と考える。」としていることについて県の所見を伺いたい。
 (9)、知事意見で移設断念を明記する姿勢が必要と思うがいかがですか。
 (10)、2月10日に改正駐留軍用地返還特別措置法案(軍転法)の政府案が閣議決定し国会に提出された。自民党が中心になって作成した野党共同提案の改正軍転法案と比較し、どちらの法案が望ましいと考えるか伺いたい。
 (11)、政府は、米海兵隊の一部約1500人を米軍岩国基地に移したいとの米側打診を短期間で判断し拒否した。普天間飛行場の閉鎖・返還と県内移設断念も早期に判断する姿勢があるべきと思う。政府の沖縄差別のあらわれと思うが知事の所見を伺いたい。
 次に、質問通告後に報道がなされたオスプレイの滑走路等について、議事課に連絡してありますので質問を行います。
 (12)、MV22オスプレイが配備されるハワイの環境影響評価準備書で、オーバーランを含む滑走路の長さを最低でも2146メートル以上必要と見積もっていることがわかったと報道されている。辺野古の1800メートルと距離に違いがある。辺野古埋め立てが強行されたら、将来施設を拡張して滑走路延長することも危惧される。知事は辺野古移設は困難、不可能と考えるから、さらに踏み込んで反対を明確にすべきではないか、県の所見を伺います。
 答弁の後、再質問を行います。
○知事(仲井眞弘多) 新里米吉議員の御質問に答弁をいたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、沖縄防衛局長の講話問題についての御質問に答弁いたします。
 沖縄防衛局長の講話問題につきましては、報道等により承知いたしておりますが、防衛省において現在調査そして処分を決定するものとされており、また、同局長が刑事告発されたと聞いております。私からのコメントは差し控えたいと考えております。
 次に、同じく知事の政治姿勢に係る御質問の中で、地域安全政策課の趣旨と目的についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 戦後60年余、県民は過重な米軍基地の負担を担っております。基地問題の解決は、長年にわたり沖縄県の重要な政策課題となっております。しかしながら、日本に復帰して40年を迎える現在でも、なお沖縄県には依然として在日米軍専用施設の約74%が集中し、県民は過重な負担を背負い続けております。また、沖縄の基地問題は、我が国の安全保障のあり方の中で日本国民が等しく考えるべき課題であると思います。国会の議論を見ていても国民の理解が不十分だという印象をぬぐえません。こうした状況を踏まえ、私は、沖縄県が独自に基地問題や、その背景にあるアジア地域の国際情勢や日米地位協定等を調査・分析・研究し、県の基地政策をさらに進め、確立する必要があると考えております。このため、南西地域の島嶼防衛を初めとし、我が国の防衛政策等、米軍の世界再配置検討の状況、そして普天間飛行場の県外移設などにつき研究を行うこととしております。本年4月からこれらを専門的に研究する地域安全政策課を設置することといたしております。
 次に、基地問題に係る御質問の中で、特にアセス関係の御質問の中で、審査会からの答申の反映及び県の所見についてという御趣旨の御質問にお答えをいたします。3の(7)と(8)が関連いたしておりますので、恐縮ですが一括してお答えいたします。
 県におきましては、沖縄県環境影響評価審査会からの答申を尊重するとともに、関係市村長や住民等の意見も考慮して知事意見を形成しております。去る2月20日に述べた知事意見では、25項目175件の不適切な事項を示した上で、当該事業は、環境の保全上重大な問題があると指摘しております。また、評価書で示された環境保全措置等では周辺地域の生活環境及び自然環境の保全を図ることは不可能との意見を述べたところであります。
 次に、同じく基地問題に係る御質問の中で、改正軍転特措法の政府案と自民党案の比較についての御質問にお答えいたします。
 改正軍転特措法の政府案におきまして、原状回復措置の徹底、そして返還前の基地内立入調査、そして給付金の始動するスタート時期を引き渡しからとしていることなどにつきましては、おおむね県の要望を反映していただいたと考えております。また、自由民主党案につきましては、国の責任を踏まえた跡地利用の推進を基本理念に盛り込んだこと、そして給付金の支給を土地の使用収益の開始までとしていること、国による公共用地先行取得の施策と土地の譲渡所得の特別控除分5000万円としたことなどなど、今後の跡地利用をより効率的に進める観点から取りまとめられた案であると考えております。
 県といたしましては、県の要望内容を踏まえ、今国会で議論を尽くしていただき、よりよい形で新たな法律を年度内に成立させていただきたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○環境生活部長(下地 寛) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、評価書の午前4時ごろの持ち込みについてお答えいたします。
 環境影響評価制度の趣旨は、事業の実施による環境影響について適正な配慮を図るとともに、その手続を通じて、事業に対する住民等の理解に資することでもあります。こうしたことを勘案しますと、事業者として適切な方法ではなかったと考えております。
 次に、基地問題についての御質問の中で、生物調査業務等の受注業者への天下りについてお答えいたします。
 環境影響評価制度においては、事業の実施が環境に及ぼす影響について、客観的・科学的に調査し、予測し、評価した結果をもとに、方法書、準備書、評価書を作成する必要があります。そのため、県におきましては、技術指針を作成し、調査・予測・評価の手法等を示しております。事業者においては、当該技術指針等に基づいて環境影響評価に係る図書を作成しているものと理解しております。
 次に、アメリカ環境保護庁の勧告とダブルスタンダードについてお答えいたします。
 嘉手納飛行場及び普天間飛行場周辺地域における航空機騒音につきましては、国の環境基準の評価指標としているW値で測定し、同基準に基づき、基準を超える地点等についての軽減措置等を求めております。同様に、普天間飛行場代替施設建設事業に係る航空機騒音の測定につきましても、日本の法令が適用され、日本の環境基準であるW値で評価されることになります。評価書で示された予測評価は、15の予測地点においてW値で53.2から69.2とされております。
 県としましては、オスプレイの配備や現普天間飛行場における運用実態を踏まえると、当該評価書で示された航空機騒音の予測値よりも影響はさらに大きくなり、環境基準値のW値70を超えるおそれがあると考えております。そのため、「当該評価書で示された内容では、予測結果よりも高い値になると考える」と問題点を指摘した知事意見を述べたところであります。
 同じく基地問題についての御質問の中で、当該事業のジュゴンへの影響についてお答えいたします。
 名護市辺野古沿岸海域一帯には、絶滅危惧種に指定されているジュゴンが生息し、えさとなる海草類が分布しております。普天間飛行場代替施設建設事業に係る評価書においては、こうしたジュゴンに対する影響について適切に予測・評価されておらず、環境保全措置についても、米軍の運用等にゆだねる措置があることから、航空機騒音によるジュゴンへの影響について十分検討されておりません。このため、「より騒音レベルが大きいと思われるオスプレイを用いて、または、ジュゴンの可聴域において騒音レベルが最大になる航空機を用いて行う必要がある」と問題点を指摘した知事意見を述べたところであります。
 次に、知事意見での移設断念の明記についてお答えいたします。
 環境影響評価制度は許認可制度ではなく、環境影響評価の手続について定めた手続法令であります。そのため、同制度におきましては、「環境保全の見地からの意見」に限られており、事業の可否について述べることはできません。
 県としましては、沖縄県環境影響評価審査会からの答申を踏まえ、環境保全の見地から、当該事業は重大な問題があると述べたところであります。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、宜野湾市長選後の辺野古移設に関する防衛省幹部の発言についてお答えいたします。
 宜野湾市長選後の防衛省幹部の発言については、報道等により承知しておりますが、どのような趣旨で発言されたのか明らかではありません。
 県としましては、地元の理解を得られない辺野古移設案を実現することは事実上不可能であり、日米両政府は、普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け、真摯に取り組むべきであると考えております。
 次に、2012年度予算についての御質問の中で、来年度の不発弾等処理事業予算による民間の磁気探査への対応についてお答えいたします。
 不発弾等処理事業の予算額は、本年度が対前年度比約2.2倍、来年度は対前年度比約1.5倍と対策強化を図っているところであります。来年度は、新規事業として住宅等開発磁気探査支援事業(約5億8000万円)を創設し、これにより施主が磁気探査業者に直接探査を発注できることとなり、民間ニーズに即した磁気探査の促進が図られることとなります。同事業や、継続事業である広域探査発掘加速化事業等に係る総額約25億円の事業費により、来年度見込まれる開発事業や個人住宅建設に係る磁気探査ニーズをおおむね満たすことができるものと考えております。
 県としましては、今後とも、引き続き市町村や関係業界等と連携を図り、不発弾の磁気探査の促進に取り組んでまいります。
 次に、基地問題についての御質問の中で、在日米軍海兵隊の意義及び役割に対する御質問についてお答えいたします。
 在日米軍・海兵隊の意義及び役割への県の質問書に対し、昨年12月19日付で防衛省から回答がありましたが、移設先の検証過程について具体的な検討内容が記述されておらず、海兵隊の抑止力や、一括して県外に移設することは困難とする理由についても納得できるものではなく、十分な説明がなされていないものと考えております。
 県としましては、今後、これらの点について再質問を行いたいと考えております。
 次に、日米共同報道発表についてお答えいたします。
 去る2月8日、日米両政府は、在日米軍再編計画に関する日米共同報道発表を行ったところであります。この中で、日米両政府は普天間飛行場の辺野古移設に引き続きコミットするとともに、在沖海兵隊のグアムへの移転と嘉手納以南の土地の返還を、「普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことについて、公式な議論を開始した。」としております。政府の説明によれば、具体的な詳細については、今後の両国政府の協議の中で調整されるとしていることから、県としましては、今後の協議を重大な関心を持ち注視してまいりたいと考えております。
 次に、普天間飛行場の閉鎖・返還と県内移設断念を早期に判断できない政府の姿勢についてお答えいたします。
 去る2月7日の参議院予算委員会において野田総理は、「米海兵隊を岩国飛行場に移転する協議は行っていない」旨の発言をしております。地元の理解を得られない移設案を実現することは、事実上不可能である旨、繰り返し申し上げてきたにもかかわらず、日米両政府が辺野古移設案を推進する姿勢をとり続けていることは、まことに遺憾であります。
 県としましては、日米両政府は、普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け、真摯に取り組むべきであると考えております。
 次に、2月18日の新聞報道に係る緊急質問についての中で、辺野古移設は反対を明確にすべきことについてお答えいたします。
 県は、地元の理解を得られない移設案を実現することは事実上不可能と考えており、これまで政府に対し、日米共同発表を見直し、普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け、真摯に取り組むよう求めてきたところであります。去る2月17日には、軍転協を通じ、同様の趣旨を政府へ緊急要請したところであり、普天間飛行場の県外移設を求める考えに変わりはありません。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、沖縄振興一括交付金の使途の自由度と町村への配慮についてお答えいたします。
 沖縄振興一括交付金1575億円のうち、沖縄振興特別推進交付金803億円につきましては、これまでの国庫補助制度の枠組みでは対応できなかった事業を対象とし、国費率が実質9割と沖縄県の要望に近い形の制度が創設されたものと理解しております。また、沖縄振興公共投資交付金771億円につきましても、市町村事業も含めた対象事業の拡大が図られるとともに、現行の高率補助制度が維持されているところであります。
 沖縄県としましては、これから作成される交付金制度要綱等において、基金事業への活用や事業費の翌年度繰り越し、さらなる対象事業の範囲の拡大など、沖縄県の要望が盛り込まれるよう国へ求めていくこととしております。なお、小規模町村が実施する事業については、沖縄県と連携した実施なども含め、個別事業ごとに検討してまいりたいと考えております。
 次に、市町村の予算計上の状況等についてお答えいたします。
 沖縄振興一括交付金(仮称)の政府予算案が12月末に示されたのを受けて、配分に関する協議を進め、2月4日に沖縄振興会議を開き、県と市町村の配分を決定し、2月中には市町村間の配分が決定される見込みであります。一方、これに先立って市町村に対しては12月末に事業説明会を開催し、1月に要望事業の調査を行った後、現在は個別相談会を行うなど事業立案に向けた作業を支援しているところであります。平成24年度当初予算への計上は、現時点で41団体中14団体が予定しており、また、次年度早期の補正予算も視野に入れていると聞いております。市町村にとっては初めての沖縄振興に資する交付金事業を立案することとなっており、沖縄県としては、市町村への情報提供・助言等の支援を通じて、効果的な交付金事業が年度内に執行できるよう取り組んでまいります。
 次に、2012年度予算についての御質問の中で、交通コスト負担軽減事業及び離島航路運航安定化支援事業の継続の見通しについてお答えいたします。
 離島振興に当たっては、離島の果たしている役割にかんがみ、負担をともに分かち合い、県全体で支え合うという理念のもとに取り組むことが求められていると考えております。交通コスト負担軽減事業及び離島航路運航安定化支援事業につきましては、このような理念のもとに行う事業であり、平成25年度以降も実施してまいりたいと考えております。
 次に、基地問題についての御質問の中で、一括交付金を活用した軍用地の先行取得についてお答えいたします。
 県内の駐留軍用地は、民有地の割合が高く、早期に事業着手するためには、公共用地の確保が重要であることから、新たな法制度において譲渡所得の5000万円特別控除が盛り込まれております。県においても、同制度を活用し、公共用地の先行取得を行う必要があると考えており、現在、一括交付金等の活用を検討するとともに、跡地に必要な公共事業について関係部局との協議を進めているところであります。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 知事の政治姿勢に関する質問のうち、平成24年度予算における自立型経済構築に向けた重点についてお答えいたします。
 平成24年度予算におきましては、「沖縄21世紀ビジョン」に基づき、「強くしなやかな自立型経済の構築」及び「沖縄らしい優しい社会の構築」を基軸的な考えとし、5つの目指すべき将来像の実現に向けた諸施策を展開することといたしました。そのうち、自立型経済の構築に向けては、観光や情報産業に加え、臨空・臨港型産業など沖縄の比較優位を生かした新たなリーディング産業を育成するとともに、農林水産業、製造業などの産業を振興するほか、文化、医療など沖縄の特性を生かした新たな価値を創造する施策などにも重点的に取り組むこととしております。
 次に、2012年度予算に関する質問のうち、県の基金及び県債の状況についてお答えいたします。
 県の主要3基金の残高は、平成22年度末残高が523億円となっており、平成23年度末残高が576億円、平成24年度末残高が458億円と見込んでおります。また、一般会計の県債残高は、平成22年度末残高が6724億円となっており、平成23年度末残高が6816億円、平成24年度末残高が6876億円と見込んでおります。
 次に、私立学校施設整備支援事業の実施時期と補助率等についてお答えいたします。
 私立学校施設整備支援事業は、私立学校の老朽化施設の改築を促進し、安全・安心な学習環境を整備することを目的として新たに実施するものであります。平成24年度は、本事業の原資となる基金への積み立てを行い、平成25年度から補助を実施する予定であります。なお、補助率は対象事業費の3分の1とし、補助金交付の上限を1億円とする予定であります。
 以上であります。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 知事の政治姿勢の中で、農業、水産業の輸出・移出に対する施策・予算についてお答えいたします。
 県では、「沖縄21世紀ビジョン基本計画(仮称)(案)」に基づき、亜熱帯性気候や多様な地域資源など、本県の地域特性を最大限に生かせる効果的な農林水産業振興施策を推進し、安全・安心なおきなわブランドを国内外で確立することとしております。このため、おきなわブランドの確立と生産供給体制の整備、流通・販売・加工対策の強化、農林水産物の安全・安心の確立、農林漁業者の担い手の育成確保及び経営安定対策等の強化、亜熱帯・島嶼性に適合した農林水産業の基盤整備などを推進することとしております。
 平成24年度におきましては、生産基盤の整備等に加え、沖縄振興特別推進交付金を活用した約130億円の予算を計上し、農林水産物流通条件不利性解消事業による輸送費支援、災害に強い栽培施設の整備事業による台風に強いハウス等の整備支援、養殖ハタ類の国際的産地形成推進事業による大量生産技術の確立などを行う計画でございます。
 次に、2012年度予算についての中で、沖縄新規就農一貫支援事業の目的と内容についてお答えします。
 沖縄県新規就農一貫支援事業は、経営感覚にすぐれた担い手の育成確保を図ることを目的に、就農希望者に対し就農相談から就農定着までの一貫した支援を行う事業であります。具体的には、新規就農コーディネーターの配置による就農相談体制の充実、研修生受け入れ農家への支援、多様な技術を習得するための農業大学校の施設整備の強化、各地区に就農希望者のための研修農場の整備、農業機械や施設等の初期投資の支援、農地を保有し新規就農者へ貸し出すレンタル農場の確保などに取り組む計画であります。
 今後、この事業により毎年300名程度の新規就農者の育成確保を目標としており、就農相談から就農定着までの支援体制を強化してまいります。
 次に、沖縄型農業共済制度推進事業の内容についてお答えします。
沖縄県は、台風接近が年平均7.4個と全国平均の約2倍もある台風常襲地域であり、過去20年間平均の農産被害額は約22億2000万円となっております。その影響から、本県の共済掛金率は全国より高く、特に園芸施設共済では全国平均の2.8倍、さとうきびでは1.3倍となっております。そのため、県では、沖縄振興特別推進交付金を活用した沖縄型農業共済制度推進事業において、ハウス等を対象とした園芸施設共済とさとうきびを対象とした畑作物共済について、農家負担掛金を全国平均並みに軽減するため、約1億3000万円の予算を計上しているところであります。その効果としては、現在の園芸施設共済加入率15.8%、畑作物共済加入率39%から平成26年度を目標にそれぞれ70%に改善を図っていく考えでございます。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 2012年度予算についての中の、新すこやか保育事業の拡充等についてお答えいたします。
新すこやか保育事業については、本県の保育行政における特殊事情に対応するため、平成24年度予算案に沖縄振興一括交付金の充当事業として拡充を図り計上しております。拡充内容としては、牛乳代や米代等の対象日数を月20日から24日に拡充することや、新たに保育施設賠償責任保険料を助成するものであります。
 続きまして、待機児童対策特別事業の目的と主な内容についてお答えいたします。
 待機児童対策特別事業については、平成24年度予算案に沖縄振興一括交付金を活用した待機児童対策特別事業として10億695万円を計上したところであります。その内容としましては、これまで基金事業として実施してきた保育所入所待機児童対策事業と県単独の新すこやか保育事業を統合し、運営費の支援や給食費対象日数等を拡充し、待機児童の解消と認可外保育施設の質の向上を一体的に取り組むこととしております。具体的には、認可化移行支援や指導監督基準達成施設をふやすための修繕費助成などを行うとともに、新たに保育士確保支援事業を実施することとしております。
 沖縄県としましては、沖縄振興一括交付金を活用し、次期振興計画の早い段階で潜在的な待機児童も含めた解消を図ってまいりたいと考えております。
 以上であります。
○商工労働部長(平良敏昭) 2012年度予算についての中の、海洋温度差発電の実証実験の例と将来の見通しについてお答えいたします。
 海洋温度差発電の研究開発については、佐賀大学において行われておりますが、商用化に向けた実海域における実証事業はまだ世界に例はないと聞いております。
 海洋温度差発電の特徴は、出力が天候に左右される太陽光発電や風力発電と異なり、安定的な電力が得られるところにあります。このため、沖縄県では、平成24年度に沖縄振興一括交付金を活用して、久米島町にある海洋深層水研究所の敷地内において海洋深層水と表層水の温度差を利用する実証実験プラントを設置する予定であります。海洋温度差発電の課題は、取水システムの投資額が大きいこと、熱交換システムの高効率化等が挙げられますが、今後、これらの技術開発によっては再生可能エネルギーの一つとしての可能性を秘めているものと理解しております。
 同じく2012年度予算についての中の、水溶性天然ガスの利用可能性についてお答えいたします。
 沖縄県が今年度実施した天然ガス資源緊急開発調査の結果によれば、本島中南部には広範囲にわたって水溶性天然ガスの鉱床が広がっており、同様に宮古島においても天然ガスの賦存が期待されております。水溶性天然ガスを利用していくためには、その採取量やガス・水の比率等を踏まえ、経済性の面から検証する必要があります。このため、沖縄県としましては、平成24年度には具体的に試掘調査を実施し、その結果を踏まえ、水溶性天然ガスの利活用について検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 2012年度予算についての御質問の中の、沖縄観光国際化ビッグバン事業の内容と目的及びその効果についての御質問にお答えいたします。
 沖縄観光国際化ビッグバン事業につきましては、外国人観光客を対象に観光客数や観光消費額等の飛躍的な拡大を図るほか、将来の需要拡大に向けた取り組みを行うこととしております。
 主な取り組みとしては、台湾・韓国・中国・香港の重点市場に加え、タイやシンガポールなどの新規市場から年間300便を目標にチャーター便を誘致するとともに、将来の定期便就航の可能性を高めていきたいと考えております。さらに、海外の重点市場や新規市場14地域で旅行博に出展するほか、100名規模で各地域からマスコミを招聘するなど認知度の向上を図り需要の創出につなげていきたいと考えております。
 県としましては、これら取り組みを通じ加速するアジアンマーケットの積極的獲得を図るとともに、外国人観光客の大幅な拡大等を促進することで沖縄における国際観光客のビッグバンを実現したいと考えております。
 次に、空手道会館(仮称)の建設に係る用地選定、施設規模及び総事業費についてとの質問にお答えいたします。
 県では、独自の文化遺産である沖縄伝統空手を保存・継承・発展させるための拠点づくりとして、空手道会館の整備に向けて取り組んでおり、今年度は沖縄伝統空手道の歴史的・文化的意義づけの整理、会館のコンセプト及び必要な機能を内容とする調査を実施しております。
 議員御質問の用地の選定、施設規模及び総事業費につきましては、これまでの検討をもとに次年度策定する「空手道会館(仮称)整備基本計画」の中に盛り込んでいきたいと考えております。
 以上です。
○土木建築部長(当間清勝) 2012年度予算についての御質問の中で、民間建築物耐震診断と改修事業の内容についてお答えいたします。
 本事業は、昭和56年6月以前に建築された民間住宅の所有者等が実施する耐震診断及び改修等について助成を行う市町村に対し、沖縄振興特別推進交付金を活用して補助を行うものであります。沖縄県の住宅の多くが鉄筋コンクリート造であり、その耐震診断・改修費用が木造に比べ高額であることから、本事業では補助対象限度額の引き上げや補助率の拡充により県民の負担軽減を図り、住宅の耐震化を推進していきたいと考えております。
 事業費については、平成24年度より実施する事業であり県民への普及啓発が必要であることから、当初予算では耐震診断を中心に3546万円としておりますが、今後順次拡大していきたいと考えております。
 同じく2012年度予算で、電線類地中化事業の重点整備地域についてお答えいたします。
 電線類地中化事業は、安全で快適な歩行空間の確保や防災対策及び景観向上の観点から整備を進め、これまでに98キロメートルが完了しております。今後、重点的に整備する路線としては、観光地アクセス道路の那覇市の龍潭線や歩行者の多い沖縄市の県道20号線、台風対策としての宮古島市、石垣市の国道390号等であります。
 以上でございます。
○新里 米吉 再質問を行います。
 まず、知事の政治姿勢の(4)、(5)との関係、一括交付金に関してですが、新聞の報道でこういうことが出ています。沖縄振興一括交付金を活用した基金創設について、井上源三内閣府政策統括官は、運用上、基金を設けるのは排除していないと述べ、県の要望があれば基金創設を検討する考えを示したと。自民党は、複数年にまたがる基金設立が可能となるよう、衆議院で沖縄振興特別措置法案の修正を求める方針と、こういうのが出ています。やっぱり使い勝手がちょっといまいちというのはかなり多くの人に浸透し始めているのではないかと思うんですね。それだけに使い勝手をよくするという意味では、これも一つの方策かなと思います。そういうことで、県のほうでもこの点は検討されてはどうなんだろうと。そのほかに、恐らく市町村においてはほとんどが補正で活用することになりそうな感じです。そうすると、さらにその裏負担との関係で十分活用できないところが出てくると、これをどうするかということがまたさらに年度途中で起きてくる可能性も今、想定されます。すると、9月補正や12月補正ということも一部に起こり得ると考えざるを得ません。そういう財政力の弱い町村などの場合、そういう問題が起きたときには、当然繰越明許が起きてくる。それがやっぱりちゃんと使えるように、基金の複数年だけじゃなくて一括交付金の複数年にまたがった繰り越しで使える方策等も考えていかないと、これはみんな喜んで万歳万歳だけでは済まない。それが十分活用できないと沖縄は使い切れないんじゃないかと、政府の攻撃に利用されかねないということを懸念をしています。そういったことについて県はどのように考えておられるのか伺いたいと思います。
 それから知事の政治姿勢との関係で、(7)の地域安全政策課の設置についてであります。
 一昨年、県議会全会一致の意見書、そして4・25県民大会、そしてその後、鳩山総理が裏切って県内で大きく基地問題の運動が盛り上がりました。しばらくすると、今度はいわゆる日米安保で食べている人々という言葉がよく言われるんですが、いわゆる日米安保に非常に詳しい人たちですよ、特にアメリカ寄りの人たち。この皆さんの巻き返しが起こりました。この巻き返しが起こったおかげで全国大手の新聞、テレビなどでどういうことが起き始めたかというと、日米安保の危機、辺野古移設やむなしの論証が起き始めたんです。それは、国民世論にも変化が起きてきた。沖縄で運動が盛り上がっているときは国民世論も沖縄に同調していたのが、いつの間にかもう辺野古やむを得ないんじゃないかという論調に国民世論まで誘導されて変わっていったという経過があります。
 ひどいのは、こういうことをテレビ番組でやっていたんですよ。ベトナムとかフィリピン、南沙諸島問題・西沙諸島問題があります。中国との関係でそういう問題が起きている。そうしたら、ここに米軍基地で食べているような人たちが出てきまして、米軍がおれば中国との間でこんな問題は起きなかったのにというようなことを発言させるわけです。ところが、よくよく考えないといけないのは、そこの国は政府も国民世論も米軍に来てほしいと思っていない、駐留してほしいと思っていない。駐留してほしいと思うんだったらもう駐留していますよ、とっくに。確かに中国との西沙諸島・南沙諸島問題は起きているけれども、ごく一部の国民の、しかも基地でかつて食べていた人たちを出してこういう発言をさせて、沖縄も米軍がいないと大変なことになるぞと。そして海兵隊を撤退させたら米軍が撤退するぞというおどしまでかける論調、学者あるいは評論家がおりました。中にはかつてアメリカの特派員の、アメリカの総局長をやった人たちまで出てきてこんなことを言い始める。以前は沖縄に非常に理解があったような話をしていた人たちが突然変わるんですね。こういうことを考えたときに、今回の地域安全政策課の設置は、それはいろんな資料を集めて県が県の施策に照らして活用するということがしっかりと遂行できればいいんですが、こういう皆さんの意見も聞かないといけないわけですね。いわゆる日米安保に詳しい人たちですから。そうすると、この人々の発言や何かがマスコミをにぎわすととんでもない方向に行きかねない。私はもろ刃の剣にもなりかねないと思っています。そこら辺はしっかりと県のほうが認識をして、そういうことにならないように、とりわけ沖縄の政策判断に合わせてそういうものを活用するような姿勢が求められると思っていますが、県のお考えを伺いたい。
 それから基地問題の(1)ですね、在日米軍・海兵隊の意義と役割についての県の質問、県のほうも再質問をするということで非常に心強い限りです。前にも県の質問を評価いたしました。これまで沖縄になぜ米軍基地がこれほど大規模にあるのかということに対して、日本政府はずっと地理的優位性と抑止力の維持といって説明してきました。それで思考停止して終わりなんです。そう言えばもう説明ということになっている。具体的な内容がない、非常に抽象的、あいまい。その言葉でもう全部途切れてしまっていたんですね。これは沖縄の4・25県民大会前後から私たちもこの問題を指摘し始めて全国的にその問題が議論になって、やっと政府がその問題について説明を始めた。しかし非常にあいまい。だから、県が質問状を出したんですね。見事でしたね。高く評価していますよ。そういう質問に対して、まだしかし今回の答弁もあいまいさがかなり残っています。
 今回の例を1つ取り上げますと、政府はなぜ沖縄の地理的優位性かというと、県は中国や朝鮮半島と近過ぎない、遠過ぎないと、勝手にそれだけで片づけるんです。非常にあいまいですね。何をとらえて近過ぎないのか、何をとらえて遠過ぎないのか、ちょうどいいぐらいだと勝手に自分たちで決めてもっともらしく言うけれども、今や中国を考えたらミサイルが飛んでくるんだから、沖縄は近過ぎて大変なんですね、本当は。何十年前の中国じゃないですから。それを近過ぎないと言うんですよ、平気で。遠過ぎない、だから沖縄だと。こういう抽象的な言葉でかわしてしまおうという政府の対応、これについて全く説明できない。県が質問しても全く説明できない。何キロあれば近過ぎなくて遠過ぎないのかと。そんな近過ぎもしない、遠過ぎもしないというのはあり得ない話ですよね、今日の軍事情勢では。あり得ないことを平気でもっともらしく言う日本政府というのは相当時代おくれだと思います。
 そして、県のほうが海兵隊の救出活動についても質問をしました。海兵隊は一般市民の救出にも役立つんだと言っている。県は立派な質問をしていますよ。米軍は救出活動で最優先はアメリカの国民、アメリカ国籍を持っている人、次はイギリス、カナダ。日本はその他、一番最後。にもかかわらず、今回の答弁でもまだ懲りずにこんなことを言っていますよ。在外邦人を含む民間人の救出活動や特殊任務などでも活躍しますなんて書いてある。あれだけ県のほうが明確に指摘したにもかかわらずまともに答えないで、あたかも日本人を救出するのが海兵隊の任務であるかのごとく答弁している、回答している。こういうものをやっぱり問いただしていく必要があろうと思います。先ほどの公室長の回答で、やっぱり再度問いただしていくということが必要ではないかと思っております。
 それから軍用地の先行取得の件ですが、先ほど検討するとのことでした。例えばその検討する場合、また一括交付金、今回の予算に全部じゃないですよね、一部残していますね。今後、例えば6月なのか9月なのかわかりませんが、補正でその残りが出てきたときに、その中でも検討するのかどうか、それをお答えください。
 それから基地問題の(8)、(9)に関してですが、知事意見は県民の総意、あるいは審査会の答申の反映ということでかなり踏み込んだ内容であると評価をしております。ただ、やっぱりもう一歩踏み込むんであれば、移設断念を求めるというところまでやればなおよかったなと思っております。
 そこで知事にお聞きしたいんですが、今後、政府から埋立申請があった場合には認可しないとの姿勢を持っておられるのかどうか。あれだけ知事意見で述べたんだったら、当然、今後想定される問題として埋立申請が起こることが考えられますが、認可しないとの姿勢であると理解していいのかどうか、考えていいのかどうかお答えを願いたいと思います。
 それから最後に、辺野古移設反対の質問に対して、事実上不可能、県外移設を求める考えに変わりはないとのことで、きのう翁長議員もそのことに対して政府が期待しているものだから、それを打ち消すために踏み込んでほしいという質問をしましたら、従来どおりの答弁でした。先ほども従来どおりの域を出ませんでしたが、もっと明確に辺野古移設は反対だとなぜ言えないのかをお聞きして終わります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午前11時17分休憩
   午前11時23分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 新里議員の再質問の中で、最後の2点について私のほうから答弁させていただきますが、まず、将来埋立申請が出てきたときに認可しないということをなぜ今の段階で言わないかという趣旨の御質問だったと思うんですが、これは今の段階で先のことについて最終的な意見は申し上げられません。そういうことで今はコメントできかねると考えております。
 そして最後に、辺野古反対というのをはっきり言いなさいという御趣旨の御質問だったと思うんですが、これは私は事実上不可能であり県外移設だということで申し上げておりますから、御理解いただきたいと思います。
○企画部長(川上好久) 再質問にお答えいたします。
 まず1つは、一括交付金、これはもう少し使い勝手をよくする努力が必要ではないかというふうな御趣旨と、それから小規模市町村への対応をどうするかというふうな御質問がございました。
 確かに一括交付金の使い勝手についてはそのとおりでございます。事業によっては基金の活用がより便利な事業が当然ございます。また、繰り越しが必要な事態が予測されることもこれも当然でございまして、このため、先ほど申し上げましたように、沖縄県としましてはこれから作成される交付金制度要綱等におきまして基金事業への活用、そして事業費の翌年度繰り越し、さらにまた、対象事業の範囲の拡大など、沖縄県の要望が盛り込まれるように国に求めていきたいというふうに考えております。
 また、小規模町村などに対する対応でございますけれども、これにつきまして沖縄県は既に市町村の事業立案に対する相談窓口を設置をしております。サポート体制を強化をしているところでございます。この後、小規模町村が実施する事業につきましては、沖縄県と連携した事業実施等を含めて個別事業ごとに検討していく考えでございます。
 それからもう一つの再質問でございますけれども、基地跡地の公共用地の先行取得に関する一括交付金の活用についてでございますけれども、現在、政府内で基地跡地に係る新法の細かい内容について、例えば譲渡所得の5000万控除の適用の手続等について検討されている状況でございます。
 これらの内容も踏まえながら、跡地に必要なまた公共事業等に関する関係部局との調整も進めながら、この制度を活用して公共用地の先行取得を行っていきたいというふうに考えております。そして、一括交付金の活用も当然検討していきたいというふうに考えております。
○知事公室長(又吉 進) お答えいたします。
 地域安全政策課の研究内容につきましては、先ほどの議員の意見、議員の見解もしっかり踏まえてまいりたいと思っております。この分野につきましてはさまざまな御意見があるわけで、それも幅広く聞きながら、知事の公約といったものをしっかり確立するような方向で進めてまいりたいと考えております。
 また、防衛省が提出しました海兵隊の意義・役割につきましては、しっかりと再質問をしてまいります。
 以上でございます。
○照屋 大河 こんにちは。
 社民・護憲ネット、照屋大河です。
 2012年最初の定例会に当たり、所信を述べて代表質問を行います。
 さて、ことしに入り2カ月がたとうとしています。
 2012年、ことしはたつ年。たつ年のたつをかりて、昨年からことしにかけての野田総理大臣、野田政権、外務大臣、防衛大臣、防衛官僚である沖縄防衛局長に対する県民の思いは、たつ年のたつをかりれば腹が立つに尽きるかと思います。
 昨年末の沖縄防衛局長の女性を差別する、県民を蔑視するような発言、さらにその当時の防衛大臣、沖縄における少女暴行事件のことをほとんど知らなかったようであります。今は姿を消してしまいました。その後、沖縄防衛局に舞い戻った局長は、姿を消すのが得意なようで、夜中に辺野古移設を前提とする大切な環境評価書を真夜中未明に搬出する。年が明けて宜野湾市長選挙に関し名簿を作成し、その講話を行う。こそこそと動くのが好きなようであります。そして新しい防衛大臣は、国会中に席を立ち、コーヒーを飲みに行っております。コーヒーは飲まないと言っていますが、新しい防衛大臣に対するコメントはやめておきたいと思います。そして総理大臣でありますが、沖縄の負担軽減をと言って、この日米の沖縄問題の再編に対するパッケージを切り離しました。しかし、この切り離しはアメリカの事情であり、アメリカ政府に促されたものである。その具体的な方策を示すべきでありますが、そのパッケージを外す中に改めて辺野古の基地移設を強調するところ、とても県民には許せるものではありません。腹が立って仕方がありません。
 社民・護憲ネットは、普天間飛行場の県内移設を許さない、そして県外・国外を求める県民の総意その立場に立ち、県議会議決の立場に立って、この問題解決、危険性の除去、固定化を許さない闘いをことしも全力で進めてまいります。
 一方、ことし復帰40年になります。新たな沖縄振興一括交付金という制度がスタートします。質問通告にもありますが、医療の問題、命を大切にする政治、あるいは児童生徒、障害者やがん患者の皆さん、苦しい立場にある皆さんの立場に寄り添って命が大切にされる政治の実現に全力を尽くしてまいります。
 最後に、こちらに突っ立っていてもしようがありませんので、質問を始めてまいります。
 1番目、県立病院問題について。
 石垣市だけでなく竹富町や与那国町の妊婦も受け入れ、八重山地区で唯一出産に対応している県立八重山病院で、一時、産婦人科医を確保するめどが立たないとして石垣島以外での出産を呼びかける事態が発生した。今回は順天堂大学から2人の医師派遣があり、何とか急場をしのいだが、産科医不足の根本的な解決にはならない。県は一時的ではあっても島外出産を呼びかけられた出産を予定する妊婦の皆さんや、八重山地域の皆さんの不安や困惑を厳しく受けとめるべきであります。
 昨年10月、私も三男坊が生まれました。もちろん身近に妻である妊婦がいるわけでありますが、昔で言う十月十日、40週と言われます、赤ちゃんが体の中にいる間がですね。早い場合、そういう事態もありますが、その間、お母さんは心配をしたり期待をしたり、元気で生まれてこいよというふうな思いを持ちながら体の変化など、環境の変化などに不安定な時期を過ごすわけですね。そういった時期に島外、地元で生めないよというような通告というか、そういう発言は先ほども申し上げましたが、やはり県として関係機関として厳しく受けとめるべきであろうと思います。産科が崩壊すれば地域の崩壊にもつながりかねず、県を初め関係機関が連携して医師の継続的・安定的確保に全力を注いでほしい。ただ医師の確保については、県立病院全体での早期の条件整備、環境整備が必要であり、一般会計操出金の基準やルールを明確に示し、職員定数の必要数の確保をすること、現場で働く皆さんの納得できる、自信を持って安心して働く環境づくりが必要であると考えます。
 以下、伺います。
 (1)、病院事業に対する一般会計繰出金について。
 平成24年度繰出金59億円の内訳と根拠について伺います。
 (2)、職員定数について。
 ア、111人増員の定数条例改正案が提出されているが、その根拠について伺います。現場からの増員要求との差について伺います。
 イ、今回の定数条例改正案では看護師が52人となっているが、北部病院の7対1看護体制は実現できるか。
 (3)、医師の確保について。
 県立八重山病院において、一時、産婦人科医を確保するめどが立たないとして、石垣島以外での出産を呼びかける事態が発生した。離島において安心して出産のできる医療体制づくり、医師の安定確保について知事の見解を伺います。
 (4)、経営形態について。
 地方公営企業法全部適用(全適)か、地方独立行政法人化(独法化)かの是非を問う3年間が経過しようとしている。平成21年度から平成23年度の病院事業は、職員や関係者の努力により経営は驚くべき改善を達成している。職員やこの関係者の努力の背景には、全適により公的医療を守るとの強い決意がうかがえる。知事はその決意にこたえるべく今すぐにでも全適の継続を決断すべきである。見解を問う。
 2番、教育行政について。
 (1)、八重山教科書問題について。
 教科用図書八重山採択地区においては、来年度から使用する中学校用公民教科書をいまだに一本化できない状態が続いています。
 そこで伺います。
 ア、昨年9月8日の八重山地区全教育委員協議の有効性と、竹富町への公民教科書無償給付を文科省に求めていく県の姿勢に変わりはないか、見解を伺う。
 イ、間もなく年度末を迎える。現在、教育庁は文科省及び八重山地区の3市町教育委員会と連絡をとり合い、事態解決に向けた調整を行っているのか、状況を具体的に示されたい。
 ウ、竹富町教育委員会は、市民から現物を寄贈された場合に受け取る、あるいは寄附金で基金を設定することが可能かなど公金支出を伴わない形での教科書調達を検討しており、来る2月22日の臨時会で正式な調達方法を決めるようだ。これについてはきのう臨時会で、一般住民有志からの支援や寄贈で東京書籍版教科書を調達することを決めたようであります。ただ、給与については現在県の助言を得ながら進めている、あくまでも暫定的なものということもおっしゃっております。竹富町教育委員会の調達方法決定に対する県の見解について伺います。
 (2)、高校再編問題について。
 教育庁は、「県立高校編成整備計画」素案で示した高校の統合について、実施時期の見直しや状況に応じての計画再検討など一部を変更し、同実施計画案を作成した。
 ア、計画変更後、県立学校校長研修会で各学校長への説明がなされているが、当該校長からはいかなる意見が寄せられたのか、具体的に示されたい。
 イ、教育庁は、「県立高校編成整備実施計画案」と「県立特別支援学校編成整備実施計画案」について2月13日までパブリックコメントを募集したが、県民からいかなる意見が寄せられたか、特徴的な意見を示されたい。
 ウ、各学校長からの意見やパブリックコメントを受けて再検討の必要性を感じているか否か、それは統合方針見送りも含めたものであるか、県の見解を示されたい。
 (3)、教員のボリビア派遣事業廃止について。
 教育庁は、戦後ボリビアに移住した県出身者子弟に体育と音楽を教えるために実施してきたボリビア国沖縄県民移住地教育施設への派遣事業について来年度での廃止を決めた。
 伺います。
 ア、教育庁は、事業廃止に至った理由を音楽、体育の両科目を定着させるという当初の事業目的を達成したためと説明するが、県が事業目的を達成したとする根拠は何か。具体的に示されたい。
 イ、沖縄ボリビア協会は、日本語だけでなく日本人としての誇りやウチナーンチュのチムグクルを伝えているとして事業存続を強く要望している。ウチナーンチュ大会の成功はこのような事業が下支えしていると考えるが、県の見解について伺う。
 ウ、代替事業を実施する考えはあるか。態度を明らかにした上で新事業検討の進捗状況について伺います。
 3、離島振興について。
 (1)、TPP(環太平洋連携協定)について。
 TPP(環太平洋連携協定)の交渉参加をめぐり、去る7日、日米の政府間事前協議が行われ、日本はすべての品目を自由化交渉の対象とするとの基本方針を示した。農業、さとうきび生産を基幹産業とする離島地域では相次いで反対・抗議の大会が開催されている。県は、政府に対しTPP参加について強い反対の要請行動を行うべきと考えるがいかがか。
 (2)、JALの下地島空港利用終了について。
 下地島空港を操縦士訓練のために利用しているJALから県に対し、同空港の利用をことし3月末で終了するとの通知があった。
 ア、通知内容の詳細を明らかにされたい。
 イ、この間の交渉経緯についてJAL側の主張を踏まえて明らかにした上で、県の見解及び今後の対応方針を伺う。
 ウ、JALの撤退方針を受け、ANAは来年度以降について撤退を含めた対応を検討しているようだ。この件に対し、県とANAは連絡をとっているのか事実関係を明らかにされたい。
 エ、両社が撤退した場合も想定し、県は早急に下地島空港の活用策を検討する必要があると考えるが、見解を伺う。 
 (3)、県立図書館八重山分館の廃止について。
 県教育委員会は去る13日、本年度末での県立図書館八重山分館廃止を決定し、八重山3市町に伝達した。
 ア、廃止決定に至った経緯と理由を明らかにされたい。
 イ、八重山地域のコンセンサスを得た上での廃止決定と言えるか。県の認識を示されたい。
 ウ、今後、廃止決定に関する住民説明会を開催する考えはあるか、態度を明らかにされたい。
 大きい4番、農林水産業について。
 (1)、再生エネルギーを活用した農業振興について。
 沖縄県の農業基盤整備の整備率は平成22年度までの実績ベースで圃場整備が53.6%、かんがい施設整備が41.3%と進められ、農業生産性の向上、機械化による労力の省力化及び効率的な農家への効果等により農家所得の向上に大きく寄与しているところである。一方、農産物価格低迷や燃料、肥料等の価格高騰による農業生産費のコスト高は農業経営に大きな支障を来しており、生産費の一層の軽減が求められている。これまで土地改良事業で整備されたかんがい施設においても大きな電力の需要が伴う施設であることから、農家の生産性の高騰の一因となっている。
 そこで沖縄の熱帯性気候と地域の特性を生かした再生エネルギーを活用した施設整備を推進し、農家の負担軽減を図るべきと考えるが、現在の整備状況と今後の計画について、また推進するに当たっての問題点などについて伺います。
 (2)、土地改良施設の維持管理費の補助について。
 土地改良事業で造成された施設については、受益者管理の原則として土地改良区等が管理することは当然として理解できるところであります。しかし、農業を取り巻く環境は高齢化や農家所得の低迷等厳しい状況にあり、維持管理費の負担は農業経営に大きな影響を与えております。特に、県営事業で造成されたダム等の大規模施設の維持管理費は大きいと思われるがどうか。維持管理費を軽減する施策等の取り組みについて伺います。
 大きい5番、産業振興について。
 (1)、クラウドコンピューティングの拠点形成について。
 情報関連産業の振興は、新たな沖縄振興計画でも目玉に位置づけられている。県はうるま市兼箇段にインターネットを介して外部のサーバーからソフトウエアやデータを呼び出して利用するクラウドサービスを提供するデータセンターを設置するようだが、事業目的、予算規模、今後の展開等を踏まえて詳細な計画を示されたい。
 (2)、古酒の郷(クースのさと)について。
 昨年末の税制改正で、我が県における向こう5年の酒税軽減措置の延長が認められた。酒税軽減措置については、前回2007年の延長時に泡盛の共同貯蔵施設建設が実質的な条件とされた。うるま市特別自由貿易地域における古酒の郷(クースのさと)計画の進捗状況、課題等について明らかにされたい。
 大きい6番、警察行政について。
 (1)、暴力団排除条例について。
 暴力団排除条例制定から間もなく5カ月を迎える。この間の成果、課題等について具体的に示されたい。
 (2)、脱法ドラッグについて。
 ア、いわゆる脱法ドラッグを販売している店舗の数を県は把握しているか、調査状況について明らかにされたい。
 イ、去る6日、県警と県が行った那覇市内の雑貨店5店舗への立入検査の結果、摘発の有無等について、及びこれら店舗の共通点、県が受けた印象など明らかにされたい。
 ウ、県内における蔓延を防ぐため、県の監視体制強化は不可欠だが、今後の取り組みについて具体的に示されたい。
 (3)、児童ポルノ・児童虐待について。
 警察庁によると、2011年に警察が摘発した児童ポルノ事件が全国で1455件、被害者も638人と過去最多であることがわかった。また、昨年の児童虐待の摘発数は384件、被害児童は398人、うち39人が死亡しており、いずれも過去最多を記録しています。
 伺います。
 ア、沖縄県における2011年の児童ポルノ事件の摘発数と摘発ケースの内訳及び被害者数について、それぞれ増減の傾向や被害実態の特徴を踏まえて明らかにした上で県の対策を示されたい。
 イ、沖縄県における2011年の児童虐待の摘発数と被害児童数、被害者・加害者の内訳について、それぞれ増減の傾向や被害実態の特徴を踏まえて明らかにした上で県の対策を示されたい。
 大きい7番、消防広域化について。
 今年度をめどに県内消防の一元化を目指してきた県は、消防広域化推進計画を休止する方針を固めたようであります。
 (1)、休止を決めた理由を伺います。
 (2)、広域化推進計画は、県内18消防すべての参加が前提か、一部が参加しなくても進める方針か、方針を明確に示されたい。
 大きい8番、がん対策基本条例について。
 ことし4月施行を目指して策定作業を進めていた県がん対策推進条例案について、県は今議会への提出を見送った。
 (1)、条例案見送りを決めるに至った経緯、理由について伺います。
 (2)、条例案策定に向けた作業に当たり、患者や医療関係者など当事者との連携は十分であったのか認識を伺います。
 大きい9番、県障害者権利条例について。
 (1)、条例制定に向けた作業の進捗状況について伺います。
 (2)、障害者県民会議の17回にわたるヒアリングにより440件もの差別事例が示されており、早急に対処すべきであると考えます。新年度における障害者支援施策について伺います。
 大きい10番、土木行政について。
 (1)、識名トンネル工事の契約問題について。
 契約問題に係る第三者委員会の報告書によると、県と大成JVとの間には契約書に示された内容の工事を発注し、受注するというような合意はなかったものである。それにもかかわらず、これらの契約は、このような合意があるかのように装って締結されたものであって虚偽の契約であると言わざるを得ないと断言、述べております。国に求められる5億8000万円もの補助金返還について、県民負担をお願いするのであればその責任所在を明確にすべきであります。知事の見解について伺います。
 以上、よろしくお願いします。
○議長(髙嶺善伸) ただいまの照屋大河君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時52分休憩
   午後1時21分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 午前の照屋大河君の質問に対する答弁を願います。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 照屋大河議員の御質問に答弁をいたします。
 まず第1に、離島振興に係る御質問の中で、TPP参加に関する要請についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 TPPは、原則としてすべての品目で関税を撤廃することが前提となり、国内農業への影響などが懸念されております。このようなことから、沖縄県としましては、十分な農業対策が打ち出されない状況においてTPPに参加しないよう適切な対応を求めるとともに、農家が安心して生産に取り組めるよう、万全の対策について農業団体等と連携をし、国に対して強く要請しているところでございます。
 今後とも、TPP交渉等の動きや国の対応を踏まえつつ、関係機関等と連携をして適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、農林水産業に係る御質問の中で、再生エネルギーによる農家負担の軽減という御趣旨の御質問にお答えをいたします。
 再生エネルギーの利活用につきましては、環境への配慮や施設の維持管理の軽減を図る上で重要であると考えます。このため、農業振興における再生エネルギーの利活用としては、現在、宮古島における国営かんがい排水事業によります風力発電施設の整備を初めとして、石垣島や伊是名島におきまして太陽光発電施設が整備されております。また、県営かんがい排水事業によりまして、平成24年度に久米島町カンジンダムの維持管理費の軽減を図るため、太陽光発電施設等の整備を計画いたしているところでございます。
 再生エネルギーの推進に当たりましては、課題として施設用地の確保などが挙げられております。
 県といたしましては、関係機関と連携し用地の確保などに努め、再生エネルギーを活用した農業の振興に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、土木行政に係る御質問の中で、識名トンネル工事の契約の問題と責任の所在についての御質問にお答えをいたします。
 識名トンネル工事に関する不適正な契約では、県民の皆様に県行政への不信感を抱かせ、多額の国庫補助金の返還という重大な事態に至ったことに深くおわびを申し上げます。このような事態を招いたことに対し、知事としての監督責任を強く感じております。また、本問題に関与した職員の処分と幹部の監督責任につきましては、関係法令に照らして厳正に対処する考えであります。
 今後、このような事態が二度と生じないよう再発防止策を徹底し、全職員が県民全体の奉仕者であるという高い使命を肝に銘じ、適正な事業執行に万全を期すよう指導してまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○病院事業局長(伊江朝次) 県立病院問題についての御質問の中で、平成24年度繰出金59億円の内訳と根拠についてお答えいたします。
 平成24年度の繰入金については、総務省の繰出基準に基づき小児医療、高度医療等のいわゆる政策医療の収支差を算出し、同一の項目内で病院間の黒字と赤字を相殺した後に、各県の判断とされている項目間の相殺を行った結果、試算額は約51億円となりました。
 具体的な予算編成作業においては、病院経営への影響を考慮して項目間の相殺を行わないこととするとともに、特地・準特地手当等の離島増嵩経費の2分の1の2億円や離島病院への経営支援として計2億円を措置することで庁内調整を行った結果、繰入金額は約59億円となっております。
 次に、定数111人増員の根拠と現場からの増員要求との差についてお答えいたします。
 定数改正については、医療提供体制の確保や経営への影響等を考慮する必要があることから、今年度、病院事業局内に人員体制検討チームを設置し検討を行ったところであります。具体的には、病院からの347名の増員要望について現場調査やヒアリング等を行い、増員の必要性や緊急性、人材確保の見通し、経営への影響等を総合的に検討し、病院長へも説明を行った上で局として定数改正の考え方をまとめ、総務部との協議を経て111名の増員を行うこととしたところであります。
 次に、北部病院の7対1看護体制についてお答えいたします。
 北部病院においては、内科や産婦人科の医師確保が困難なことにより救急患者の受け入れ等を一部制限するなど、急性期患者の受け入れ、確保が課題となる一方で、北部地域に慢性期の入院患者の受け入れを行う医療機関が不足していることなどにより長期入院患者が増加する傾向があります。
 7対1看護体制の導入検討においては、北部病院の状況を踏まえ、入院単価の実績等をもとに経営への影響を試算した結果、収支が悪化する見込みとなりました。そのため、7対1看護体制については、医師確保や急性期患者の確保、効率的な病床運用等の課題について引き続き検討を行う必要があると判断し、今回導入を見送ることとしたところであります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 県立病院問題の中の、離島における産婦人科医師の安定確保についてお答えいたします。
 沖縄県では、県立病院の臨床研修事業において産婦人科医を養成し、離島の県立病院等へ派遣しているところであります。また、平成19年度から実施された医師修学資金等貸与事業では、琉球大学と連携し産婦人科医師の養成を行っており、今後、専門研修終了後に離島の県立病院等へ派遣することとしております。さらに、ドクターバンク等支援事業により県内外から産婦人科等医師の確保にも取り組んでいるところであります。
 県では、引き続きこれら事業の充実を図り、離島において安心して出産ができる医療体制を確保してまいります。
 続きまして、県立病院事業の経営形態についてお答えいたします。
 病院事業の経営改善については、その実現にかなり近づいてきたものと評価しております。一方、持続的な経営の健全化に向けては道半ばであり、引き続き経営全般にわたる改革に取り組む必要があると考えております。
 病院事業の経営形態については、「県立病院のあり方に関する基本構想」に基づき、経営再建検証委員会における平成23年度決算の検証結果も参考にして最終的に判断することとしております。
 続きまして、違法ドラッグ販売が疑われる店舗の数についてお答えいたします。
 県内で違法ドラッグを販売していると疑われる店舗については、関係機関と連携してその把握に努めているところであります。現在のところ、那覇市と沖縄市を中心に24店舗を把握しており、そのうち8店舗に立入検査を実施したところであります。
 続きまして、立入検査等の結果についてお答えいたします。
 今回の立入検査は、薬事法第76条の8に基づくもので、店舗に対し健康被害を及ぼすおそれのある製品の販売自粛を促すことを目的に実施したものであり、犯罪捜査のために実施したものではありません。
 検査に際し、店舗へは全国的に健康被害による緊急搬送の事例が多発しており、危険なものであるという認識を持つこと、また、これらの製品を人体への摂取を目的として販売した場合には薬事法違反となることを強く指導しております。ほとんどの店舗は、日用雑貨を販売する傍らで違法性が疑われる製品をお香などと称して販売しており、だれでも簡単に入手が可能であることから、県としましては、今後、店舗に対する監視を一層強化していくとともに、一般県民への注意喚起もあわせて実施していくこととしております。
 続きまして、今後の取り組みについてお答えいたします。
 現在、県におきましては、違法ドラッグの乱用を防止するために違法ドラッグに関する啓発用ポスター及びリーフレットを作成し、学校、ゲームセンター、ディスコ等へ配布するとともに、県の広報媒体を利用した啓発を実施しているところであります。また、救急指定病院及び各消防本部に対し、違法ドラッグによると思われる緊急搬送事例に関する情報提供を依頼し、違法ドラッグの実態把握に努めております。
 県としましては、今後も引き続き県警等関係機関と連携し、合同で立入検査を実施するなど監視・指導を強化していくこととしております。
 続きまして、児童虐待の増減の傾向、特徴や県の対策についてお答えいたします。
 県の児童相談所が対応した児童虐待相談処理件数は、平成19年度440件、20年度408件、21年度435件、22年度420件となっており、高どまりの状況にあると考えております。相談種別の内訳では、ネグレクトが一番多く174件で41.4%、次いで身体的虐待が140件で33.3%、心理的虐待が92件で21.9%、性的虐待が14件で3.3%となっております。また、主な虐待者の内訳では、実母が一番多く241件で57.4%、次いで実父が116件で27.6%、実父以外の父が34件で8.1%などとなっております。
 県では、引き続き児童相談所の体制強化、虐待通告があった際の初期対応及びその後の支援、市町村との連携強化、県民への広報啓発など児童虐待の未然防止と早期発見に取り組んでまいります。
 続きまして、がん対策基本条例についての、がん対策推進条例見送りの理由及び患者関係者等との連携が十分であったかについてお答えします。8の(1)と8の(2)は関連しますので一括してお答えします。
 がん対策推進条例を策定するに当たり、昨年7月から本年2月までの間、患者及び医療関係者などの県民各層で構成する連絡会や作業部会を合計10回開催し、意見集約を行ってきました。今回提案を予定していた条例案には、連絡会等で多く意見のあった「がん患者の身体的・精神的・経済的負担の軽減」や「離島及びへき地のがん医療の充実並びに患者支援」などに関する規定を盛り込むなど、本県の特性を踏まえた条例案として一定の評価を得ることができました。
 しかしながら、2月2日の作業部会と2月9日の連絡会で条例案を説明したところ、「具体的施策を明示すること」や「施策の実効性を確保できるような文言へ修正してほしい」など、より一層内容の充実を図るために議論を深めたいとの意向があり、そのため今議会での提案を見送ったところであります。
 県としましては、よりよい条例の制定に向け、さらに患者等関係者との意見交換を進めていきたいと考えております。
 続きまして、障害者権利条例制定の進捗状況についてお答えいたします。
 県は、障害者県民会議において、障害を理由とする差別等に関する事例ヒアリングを実施しているところであり、現在、課題の整理を行っております。また、去る1月には、県の関係部局で構成する「沖縄県障害者権利擁護の推進に関する連絡会議」を設置し、意見交換を行っております。
 県としましては、幅広い県民議論を踏まえ、条例制定に取り組んでまいります。
 続きまして、事例の対応と新年度における障害者施策についてお答えいたします。
 障害者県民会議で把握した事例については、今後事例集として取りまとめ、広く県民に公表していくこととしております。
 県としましては、こうした事例についてタウンミーティングなどによる広報啓発を行い、障害に対する県民理解を深めることとしております。また、新年度における障害者施策については、「障害者権利擁護推進事業」や「障害者週間の集い」等を実施し、障害者の権利擁護について、関係機関や地域社会の共通理解と協力体制の整備等に取り組んでいくこととしております。 
 以上であります。
○教育長(大城 浩) 教育行政についての御質問で、八重山地区全教育委員協議についてお答えいたします。
 県教育委員会としましては、9月8日に開催された3市町教育委員会による協議は有効であると認識しております。
 次に、事態解決に向けた調整等についてお答えいたします。2の(1)のイと2の(1)のウは関連しますので一括してお答えいたします。
 文部科学省は、「竹富町教育委員会が、住民等から寄贈された教科用図書を生徒に給与することについては、生徒や保護者の負担がなければ方法は問わない。」旨の見解を示しております。
 県教育委員会としましては、竹富町教育委員会の自主性を尊重するとともに、生徒一人一人に教科書が無償で給与されるよう支援してまいりたいと考えております。
 次に、県立学校編成整備計画への県民等の意見等についてお答えいたします。2の(2)のアからウは関連しますので一括してお答えいたします。
 パブリックコメントによる県民から寄せられました主な意見としましては、実施計画策定手法について、学校・課程・学科の再編統合及び廃科について、再編対象校の選定理由について、分校・分教室を市町村立の小中学校に設置についてなどが挙げられます。
 なお、校長研修会における校長からの意見はありませんでした。
 現在、県民の意見等を集約しているところであり、さまざまな観点から庁内で検討しているところであります。
 次に、教員のボリビア派遣事業についてお答えいたします。2の(3)のアからウは関連しますので一括してお答えいたします。
 当該事業につきましては、「ボリビア国沖縄県民移住地の教育施設へ現職の教員を派遣し、本県出身移住者の子弟等への教育を行うことにより、これら子弟の教育の向上を図ること」を目的に、25年余にわたり26名の教員を派遣してまいりました。昭和61年度の派遣当初、ボリビア国では行われていなかった体育または音楽等の情操教育を目的としておりましたが、現在ではこれらの授業も行われており、所期の目的は達成されていると考えております。
 県教育委員会としましては、引き続き関係機関と調整し、ウチナーンチュのチムグクルの継承等を含めた事業の可能性について検討してまいりたいと考えております。
 次に、離島振興についての御質問で、分館廃止決定に至った経緯及び理由等についてお答えいたします。3の(3)のア、イ、ウは関連しますので一括してお答えいたします。
 八重山地域における図書館サービスのあり方について、平成22年度から2カ年間にわたり地元と幅広く意見交換を重ねてまいりました。これまでの意見交換の成果や検討の結果とともに今後の方針について八重山市町会に説明を行い、八重山分館の地元での活用も含めて八重山全体の図書館サービスの充実に向けて取り組む考えが地元から示されました。
 県教育委員会としましては、八重山分館の資源の一部を本館に集約し、3市町とも連携しながら、八重山地域を含めた県全体の図書館サービスの充実に向けてできる限り支援に努めたいと考えております。
 住民説明会につきましては、3市町が主催する意見交換の場に参加の求めがあれば出席したいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 離島振興についての御質問の中で、JALの通知内容についてお答えいたします。
 日本航空は、平成22年5月から下地島空港における訓練を中断しており、経営再建を進める中、当面の間、訓練計画がないとのことであります。このため、下地島空港の年間練習使用料等について定めた覚書に基づく空港使用料の定額負担は経済合理性に合致しないとし、本覚書をことし3月31日をもって解約し、同空港から完全撤退することを2月7日付の文書で県に通知しております。
 同じく離島振興で、交渉経緯及び今後の対応方針についてお答えいたします。
 日本航空は、覚書をことしの3月末で終了し、年間維持費について、これまでの定額負担から使用回数に応じて負担する新たな枠組みへ移行させることを昨年3月25日付の文書で県に通知しております。このため、昨年の4月から、県は、日本航空及び全日本空輸に対し本覚書の継続や新たな費用負担のあり方等について提案し、協議を重ねてきたところであります。
 しかしながら、日本航空は、当面の間、訓練計画はなく、経済合理性のない費用負担には応じられないとして合意に至らなかったものであります。
 県としましては、建設に至った経緯等から、空港の新たな利活用が実現するまでの期間、日本航空は引き続き同空港の年間維持費を負担すべきと考えており、民事調停による早期の解決を図る考えであります。
 同じく離島振興で、ANAの来年度以降の対応についてお答えいたします。
 全日本空輸は、平成24年度においても引き続き下地島空港で訓練を実施する予定であり、現在、県は同社と年間維持費の協議を行っているところであります。
 なお、平成25年度以降の訓練につきましては、県と日本航空による民事調停の推移を踏まえ対応を検討していく方針であると聞いております。
 同じく離島振興で、下地島空港の活用策についてお答えいたします。
 パイロット訓練を取り巻く環境は、シミュレーター化の進展により実機を使用した訓練が減少するなど大きく変化しております。
 県としましては、空港についての国内外の先駆的な活用事例を調査研究し、今後の利活用方策について総合的に検討を進めてまいります。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 農林水産業についての中で、ダム等の施設の維持管理費の補助についてお答えいたします。
 県営事業で造成されたダム等の施設については、土地改良区等と管理協定を締結し維持管理が実施されているところであります。平成23年度の与勝地下ダム土地改良区の年間維持管理費は約1173万円で、長浜川土地改良区の場合は約4541万円となっております。
 施設の維持管理費については直接的な助成はありませんが、基幹水利施設ストックマネジメント事業等により施設の長寿命化対策や機能保全のための工事等に対して支援を行っております。また、現在、維持管理費に係る助成については他県の状況等を調査しており、今後、沖縄振興一括交付金も含めて検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 産業振興についての御質問の中の、クラウド関連事業の目的、予算規模、今後の展開等を踏まえた計画についてお答えいたします。
 沖縄県では、さきの東日本大震災を踏まえ、同時被災リスクが少ない本県に沖縄型クラウド・データセンターを整備し、クラウドコンピューティング等の高付加価値サービスの創出や国内外企業等のバックアップ、リスク分散に貢献する拠点を形成していきたいと考えております。
 同センターは、うるま市の兼箇段に平成24年度から2年間で約40億円の予算を投入して、平成25年度末の竣工を目途に県内既存データセンター間との通信回線を整備し、クラウド共通基盤システムを構築することとしております。これにより国内では類を見ないバックアップ拠点の形成や新たなクラウドサービスの創出を促進し、県内IT産業の高付加価値化、雇用の拡大などの効果が見込まれます。
 同じく産業振興についての中の、特別自由貿易地域における「古酒の郷」計画の進捗状況、課題等についてお答えいたします。
 県内泡盛業界は、琉球泡盛の戦略商品である古酒の生産及び販売力の強化を図るため、平成20年5月に「協同組合琉球泡盛古酒の郷」を設立し事業を進めてきました。平成23年4月には施設整備に着手し、管理棟100平米と貯蔵施設220平米が本年3月末までに完成する予定であります。また、平成24年度は貯蔵タンク等を整備し、9月から貯蔵を開始することとしております。
 本事業の課題としては、販売収益確保までの間の資金確保と出荷する新商品のブランド構築などがあります。そのため、事業主体の組合はさらなる増資を計画しており、また新商品の開発にも取り組んでいくこととしております。
 沖縄県としても、「古酒の郷」事業が発展してくため、販路拡大事業や商品開発事業等を支援してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○警察本部長(村田 隆) 警察行政に関する御質問の中で、暴力団排除条例施行後の成果と課題についてお答えいたします。
 県警察におきましては、条例施行後、あらゆる警察活動を通じて条例の広報啓発活動を行い、県民への周知を図っているところであり、各事業者・団体等からも講話や説明依頼が相次ぐなど、条例制定による暴力団排除機運のこれまでにない高まりを感じております。
 具体的な成果といたしましては、先般、県内のリゾートホテル、ゴルフ場の関係者から、県外広域暴力団が団体で来島予定のため対応要領に関する相談がもたらされ、管轄署において関係事業者と緊密に連携をとり、所要の措置を講じてホテルの予約をキャンセルさせ、来島を阻止しております。また、昨年11月、県内に所在する4代目旭琉会及び沖縄旭琉会の2つの指定暴力団の一本化に向けた杯儀式が行われたところでありますが、これも条例制定によって事業者側が暴力団との関係遮断を図り、資金源が得られにくくなったことによる体制立て直しの動きと見ております。
 次に、今後の課題について御説明いたします。
 条例制定に伴い暴力団との関係遮断を図る企業が相次ぐ中で、他県におきまして企業関係者を対象とした襲撃事案が発生しております。条例を県民、事業者に浸透させ、その効果を上げるためには、暴力団事務所の撤去活動等暴力団排除活動を行う者などの安全確保に万全を期す必要があり、県警察においては、保護対象者の身辺等の警戒、携帯用緊急通報装置の貸与等必要な保護措置をとることとしております。
 県警察では、引き続き条例の周知徹底を図るとともに、暴力団排除活動を行う県民、事業者等に対する保護対策を徹底してまいりたいと考えております。
 次に、児童ポルノ事件の摘発状況と対策についてお答えいたします。
 平成23年中の児童ポルノ事件の検挙件数は8件、被害児童は3名で、前年と比較しますと10件、9名の減少となっております。検挙した事件8件の内訳は、携帯電話機のカメラ等で児童の裸を撮影した者3件、ファイル共有ソフトで児童ポルノの動画をインターネットに公開等をした者4件、児童ポルノDVDを販売した者1件であります。
 児童ポルノは、児童の権利を踏みにじる極めて悪質な犯罪であることから、県警察といたしましては、引き続きインターネット上に流出する児童ポルノ事案を初め児童ポルノ販売店舗等に対する取り締まりを強化するとともに、児童ポルノの拡散を防ぐため、サイト管理者への削除依頼や児童を被害から守るため関係機関等と連携した諸対策を一層推進してまいる所存であります。
 次に、児童虐待の検挙件数と対策についてお答えいたします。
 平成23年中の児童虐待の検挙件数は2件(被害児童は2名、被疑者2名)で、前年と比較しますと7件、7名の減少となっております。
 児童虐待事案は主として家庭内で発生することが多く、また被害児童が加害者の庇護なしでは生活できない弱い立場であり、被害申告が期待しにくいことから、虐待事案が潜在化しやすい特徴があります。
 県警察といたしましては、児童虐待防止を徹底するため、街頭補導活動、迷い子・家出少年の保護、警察相談等の各種警察活動を通した児童虐待事案の早期発見とともに、児童相談所等の関係機関との連携を緊密に図りながら、児童の安全の確認及び安全確保を最優先とした児童虐待への対応に努めているところであります。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 消防広域化についての御質問の中で、消防広域化推進計画の休止についてお答えいたします。
 県におきましては、平成20年3月に「沖縄県消防広域化推進計画」を策定し、全市町村参加の「県域1ブロックによる消防広域化」を推進することとしました。これを踏まえ、那覇市長を会長とし市町村長で構成される協議会において、平成22年度から消防広域化に係る組織体制のあり方や財政上の課題等について協議が行われてまいりました。
 しかしながら、那覇市を初めとする4市が、将来的な財政負担の懸念等を理由に当該協議から離脱する方針を明らかにしたことなどにより、去る2月9日に開催された「第5回沖縄県消防広域化推進協議会」において「県域1ブロックによる消防広域化」の実現は困難であるとの結論が示され、同協議会を解散する方針が決議されました。
 このことから、県としましては、現行の「沖縄県消防広域化推進計画」に基づく「県域1ブロックによる消防広域化」の推進につきましては、見直しが必要になるものと考えております。
 次に、消防広域化推進計画の参加団体に係る方針についてお答えいたします。
 県としましては、「沖縄県消防広域化推進協議会」の結論から、現行の「沖縄県消防広域化推進計画」に基づく全市町村参加の「県域1ブロックによる消防広域化」の推進は困難になったものと考えております。
 しかしながら、東日本大震災の教訓を踏まえると、本県の消防体制については、1、非常備消防町村や小規模消防本部が多いこと、2、消防職員の充足率が低いこと、3、本土から遠く離れ、多くの離島が散在する島嶼県であり、大規模災害時の応援・受援が困難なことなどの課題があります。このため、県が市町村と連携のもと、来年度、消防体制の課題や充実強化策等について幅広く検討する新たな検討会議を設置することといたしました。
 県といたしましては、同会議の中で本県における消防広域化のあり方について改めて市町村と意見交換し、地域ブロックでの消防広域化等の可能性を含め検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○照屋 大河 では再質問を行います。
 まず、脱法ドラッグ、違法ドラッグについて伺います。
 この問題について、沖縄県は塀の向こうに米軍施設があります。米軍人・軍属関係者たくさんの皆さんがおりますが、その皆さんの間にもこのドラッグが広がっているということがあり、県警は薬物関係日米捜査機関担当者情報連絡会議を開いて対策を持ったようであります。この会議の内容、この米軍に関する薬物ドラッグの状況などについて伺います。
 次に、クラウド関連企業、データセンターなんですが、企業のバックアップ拠点として40億円をかけて24年度からスタートする。この場所は、県の農業試験場跡地であって連なる地域は農業に関して非常に盛んな地域であります。そういう意味で、地元の皆さんから農業に関する跡利用、土地活用の提案もあったと思うんですね。一方、うるま市にはIT津梁パークといってこのIT企業産業を集積する場所もある。去年、会派で視察に参りましたが、高台、テラスのほうから見渡すと津梁パークの周辺は随分広大な土地が広がっているんですよ。そういう意味で、今回このデータセンターが農業試験場跡地、先ほど言った地域の要望もあったはずなんですが、この場所に設定された経緯について伺いたいと思います。
 続いて、教育長に伺います。
 教育長、教科書問題や高校再編問題、混乱に混乱をしておりますが、その当事者である生徒たちは敏感に感じると思うんですね。そういう意味では、こういう混乱に対して児童生徒の立場を一番に考えた対応をまずお願い申し上げたいなと思います。きのう、寄贈での教科書の購入というかそれが決まったようです。ただ問題解決したわけではありませんから、しっかりとした対応を今後もお願いしたいなと思います。
 一方、このボリビアの事業や図書館の廃止についてはしっかりと協議が積み上げられたのかなという点で反対の声が多くありますので、その辺は疑問に感じております。特に、図書館の八重山分館の廃止をめぐっては、先日21日の八重山の中山市長の記者懇談会で、存続を求める選択肢もあったが要望を挙げずに存続を求めた場合、希望がかなえられないと述べ、廃止後も図書館サービスの維持を図るためのこの要望事項を出されたということだと思います。一方、教育長は地元からの2年間にわたる協議をしながら地元の了解があったというような答弁だったと思うんですが、ちょっと先日の記者会見からはかけ離れているなというふうに感じざるを得ません。特に、回答の姿勢が見られない場合は簡単な形の廃止は認められないという立場をとらざるを得ないということで、県の対応によっては廃止に反対する可能性を示唆したということでもあります。そして、存続を求める会については、先ほど教育長の答弁では3市町の説明会の要望があれば出ていって話すということだったんですが、県がこうしますという話だったと地元のほうはですよ、県が廃止しますという話だったので、市が説明会を開催することではないというふうな発言をされている。そういう発言を得て、まだ新たに市長は廃止決定後に県教委の担当課長が訪れた際、中山市長は市が説明会を開催するとの意向を示したようだが、この後でまたよくよく考えてみると県がやるべきだ。竹富、与那国とも連携して県に説明会の開催を強く求めたいというふうにまた少しこの存続を求める会の意見を聞いてからなのか、ちょっとちぐはぐな市長の対応も見られます。先ほど答弁でも感じましたが、地域の声をどちらが反映しているのか。県教育長と中山市長が一緒になってこの分館廃止を進めたかのような印象を受けますので、その辺、もう一度答弁をお願いしたいと思います。竹富町など小さな地域にとっては、この図書館の存続問題、大きな要望でもあるようです。あと1年、2年間やってきたということではありますが、こういう状態の中であと1年だけでもという声も聞こえております、受け取っております。その点について教育長の再答弁を求めます。
 以上です。
○警察本部長(村田 隆) 脱法ドラッグに関する再質問で、米軍側との共同での取り組みについてお答えいたします。
 脱法ドラッグの問題につきましては、米軍人の中でも乱用者が増加傾向にあるとそういった情報を得まして、関係機関と連携して対策を講じる必要があるということで本年の1月18日に県警察本部におきまして、米軍四軍の捜査機関や県の薬務疾病対策課、那覇地方検察庁、九州厚生局の沖縄麻薬取締支所、沖縄地区税関といった日米捜査機関6機関による情報連絡会議を開催し、県内における脱法ドラッグの使用状況や検挙状況、あるいは米軍内における共用等の実施状況について意見交換を行っております。
 県警察といたしましては、関係機関と連携を密にしてあらゆる機会を通じて県民に対する広報啓発活動の推進を図っていくとともに、今後とも県の薬務疾病対策課等、関係機関と連携しながら脱法ドラッグの販売が疑われる店舗への合同立ち入りや薬事法違反での立件、また健康被害が発生したときには指定薬物に該当しない場合であっても傷害罪等での立件を視野に入れた捜査を徹底するなど取り締まりを強化していきたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) クラウドデータセンターをうるま市の兼箇段に場所を選定したその経緯という趣旨の再質問だったかと思います。
 この兼箇段の園芸市場跡につきましては、たしか四、五年前からうるま市と連携してIT津梁パークをそこに選定しようということでうるま市が積極的に絵をかいていろいろ県と調整してきました。その後、場所がちょっと狭い、いろいろ問題があってIT津梁パークについては、特別自由貿易地域に整備したという経緯がございます。今回、ここにクラウドデータセンターを整備する一番大きな理由としては、東日本大震災を踏まえてやはりデータセンターもきちんとして基盤が強固で、高台にある、こういう場所の特性といいますか、一番県有地の中で、IT津梁パークにも近い、またかつてうるま市のそういうまちづくりの絵もあったと、この辺を踏まえて当該場所にこのデータセンターを整備しようというこういう経緯でございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 照屋大河議員の再質問についてお答えいたします。
 これまでの分館廃止の経緯について拙速ではないかというたぐいの御質問かと思いますので、実はこれまで私どもは平成22年度から2カ年間にわたって計13回の意見交換会をしてまいりました。この中では、行政連絡会議とかあるいは八重山全体の図書館サービスを考える自由討論会とかさまざまな意見交換会を持ってきております。この中には当然反対する方々も参加をしながらいろんな意見交換をしてまいりました。そういう中で、私どもは改善の方針といたしまして3点ばかり意見交換をしていく中で形成をしてきた経緯がございます。
 まず1点目です。これは県のスタンスは県内の図書館未設置町村への支援を行うため分館の資源を一部本館に集約をして県全体の図書館サービスの充実を図ろうと、これはまず県の最初の考え方でございます。2点目は、県は、石垣市立図書館と連携をしながら、竹富町、与那国町に対しまして地域の要望に応じた支援を行い、効果的なサービスの充実を図っていきたいとこれが2点目でございます。3点目は、分館が今所有しております蔵書、そういったもの等につきましては八重山全体の財産として地元で活用していただきたいと。そういった基本方針の3つを掲げながら実はさまざまなチャンネルを通しながらこれまでも意見交換をしてきたつもりでございます。そういった観点から、今回は先ほど答弁したような結論に至ったという状況でございます。
 以上です。
○照屋 大河 教育長、質問が足りなかったかもしれません。先ほどの中山市長の会見の中にも、教育長が地域の求めがあれば参加するといった説明会を強く求めていくということですので、県主催による説明会、それについての見解を伺いたいなと思います。
 商工労働部長、理解はするんですが、先ほどの答弁だと貿易地域、そこにあるIT津梁パークとか企業の皆さん、地震の話で高台にという答弁をされると非常に不安を感じると思うんですね。先ほども申し上げたようにIT津梁パーク側に、周辺にも土地がある。IT津梁パークもその土地活用に苦しい中、その場所に建設されたという点もありますので、先ほどの答弁はいかがかなということも申し上げて、兼箇段については一部の土地の活用ということですので、全体に残る土地活用を地域と連携してやっていただけるようにお願いを申し上げて終わりたいと思います。
○教育長(大城 浩) 先ほどの答弁で、住民説明会につきましては3市町が主催する意見交換の場への参加の求めがあればという言い方をして答弁をしましたけれども、実は私どもは県主催の話し合いが13回ございました。なおかつこれからやはり意見交換が大事であれば、県主催の意見交換会を持っていく中で対応を考えていきたいと思っております。
○比嘉 京子 こんにちは。
 社大・結を代表いたしまして、代表質問をいたします。
 まず初めに、去る1月下旬にアメリカ・ワシントンを議員を初め民間の皆さん一緒に訪れまして、沖縄の問題を直訴いたしました。その中で4チームに分かれて4日間回ったわけですが、私どものチームは計15名の上院・下院議員にお会いをし、そのうちの5名は直接御本人、あと10名は補佐官、それからジョージ・ワシントン大学のモチヅキ教授、それから民間の平和団体、人権団体の方々、いろんな方にお会いしました。ちょうどその期間中にアメリカの予算教書が発表されました。ですから、言ってみれば非常にタイムリーな訪米だったという評価を受けております。その中で、沖縄という名前、それから普天間、嘉手納、辺野古という名前はわかるけれども、それが一体どういう状況にあるのかはほとんどの方が知らない。その中で、ほとんど視覚に訴える形で皆さんにまず普天間をお見せするとあり得ないと、こういうことがあり得るのかと。それから辺野古の写真を見てもこんなところにつくるのかと、まずもって驚き、それから直接の声を初めて政府以外の人から聞いたというような声が上がりました。私たちはその4日間の滞在期間中に、ワシントン・ポストのウエブサイトを買い上げまして、ずっと24時間その沖縄問題を放映し続けておりました。そのことも含めて多くのニューヨーク、それからワシントンの県人会の方々にもお世話になりましたけれども、私は今回のさまざまなアメリカの新防衛戦略、それから今回のパッケージ論を切り離すというこういうような問題というのは、全くのアメリカの論理であると。日本政府が何かを働きかけたわけでもなく私はそれは実感として感じてまいりました。そういう意味で言うならば、私は今、エアシーバトルの構想の話等も出ておりますけれども、いわゆる中国の軍事力が強くなったために沖縄は射程距離に入っていて一撃される距離にあるから後方支援に行くんだということでグアムやハワイの話が出ているわけなんですね。そのことは裏を返すと、沖縄は一撃されるところにあるということは抑止力ではなく、言ってみれば防衛基地になっている、前線の防衛基地にされるんではないか。私たちが今求めているのは、そういうことではなく、基地を返還させることによる安全を我々が勝ちとると同時に、そこから経済やそれから雇用やそれから地産地消や我々が21世紀ビジョンに掲げたさまざまな問題を実現をしていくという、ことしは第一歩にしたいとそういうふうに思いますと同時に、アジアに開かれた経済文化、それからさまざまな分野の拠点になるような沖縄のあり方に基地の要塞ではなくアジアの要塞いわゆる平和的な要塞になるように我々が頑張っていきたいなというふうに思います。
 さて、質問をいたします。
 まず第1番目に、知事の政治姿勢についてですが、さきの訪米において印象を聞きますと、仲井眞知事は普天間基地の辺野古移設に対して反対ではあるけれどもノーとは言われなかったよと。日米両政府は、知事が翻意をするのではないかと、考え方を翻すんではないかと期待をしている様子がうかがえました。知事の見解を伺います。
 (2)番目に、知事が辺野古新基地建設反対の立場を貫くため、政府に対し今後手続を進ませないような手法があるのかないのか。施策を講じておられるのか、そういうことについてどういうようなお考えをお持ちなのか。そして代理執行が来た場合はどうするのか。そこら辺もお聞かせいただきたいと思います。
 また(3)番目には、知事提案要旨の中にあります「自然環境の保全・再生・適正利用」においては、本島北部の生物多様性地域の戦略を打ち出しておりますが、一方で、東村高江のヘリパッド建設は容認をしておられますし、同時にオスプレイ配備に反対しながらも高江オスプレイパッド建設を容認しております。これらの矛盾について説明を求めます。
 (4)番目に、宜野湾市長選挙における沖縄防衛局長による有権者職員リスト作成や講話問題に対する政府の対応について知事の認識と見解を求めます。
 基地問題について2番目にお聞きします。
 (1)、在沖米海兵隊のグアム移転と嘉手納より以南の基地の返還を普天間移設と切り離すことで協議が始まっていることについて、今後の県の対応策を伺います。
 (2)、オスプレイ配備については、まず普天間基地配備における県の認識と対応について。それからイ、北部訓練場ヘリパッドの人的及び環境への影響をどう認識しておられるのか。
 それから(3)番目に、この一、二年、基地問題が大きく動くような時期であると認識をしています。米国の財政難、大統領選挙を踏まえ本県がこの時期にどう対応するか戦略が必要ではないかと思います。見解を伺います。
 (4)番目に、思いやり予算が基地撤去を妨げているということを米国で実感をさせられました。思いやり予算は米国にではなく被災地へというキャンペーンを本県から強化していく必要があると考えますがいかがでしょうか。
 (5)番目に、米国での情報収集・発信等の必要性について、県の考え方と今後の計画について伺います。
 3番目に、県立病院問題について。
 (1)番目に、県立病院が担うべき公的医療、それと役割とは何か、改めて伺います。
 (2)番目に、医師、看護師を初めコメディカル等の定数が人材を確保するため、また医療を維持するため、経営改善を図るための最大の課題になっているというふうに思いますが、認識を伺います。
 (3)番目に、知事部局及び企業局は条例定数と配置定数に余裕がありますが、病院事業局には全くなく、条例定数に加え臨時任用職員163名、嘱託任用職員456名で対応している。その理由と解決策について伺います。
 (4)番目に、平成21年度から23年度までの定額措置から今年度は新たなスタートとなるため、県の繰出基準のルール化が求められています。平成24年度病院事業繰出金の算出根拠を示されたい。
 (5)番目に、平成24年度病院事業局繰入金の59億円は、県立病院が担うべき医療を維持できる金額であるとの認識であるか伺います。
 4番目に、教育・福祉行政について。
 (1)、八重山教科書問題における県の姿勢と今後の方向性について伺います。
 (2)番目に、図書館行政における県の役割とは何ですか。また、突然の県立図書館八重山分館廃止は、手続のあり方、議会や地元住民への説明責任が果たされていないと考えますが、意見を伺います。
 (3)番目に、県立高等学校の教職員の定数削減は、生徒数の減少によるものとしておりますが、1クラスの下限生徒数を何名としてのカウントなのか根拠を伺います。
 (4)番目に、県立高等学校編成実施計画案は、地域や学ぶ生徒の立場、新たな沖縄振興計画で言う「離島や僻地の定住支援」とも相反するように思いますが、再考すべきではないでしょうか。
 (5)番目に、学校給食の放射能汚染を危惧する声に対し、安全性のチェックはどのようになされているのか。
 (6)番目に、先日発生した放射能汚染まき問題は、業者が自主的に検査を依頼して明らかになったようでありますが、県の放射能に対するチェック機能体制や情報発信はどうなっているんでしょうか。
 (7)番目に、新たな沖縄振興において、保育、幼稚園教育に対する位置づけと具体的な施策、予算について伺います。
 (8)番目に、新たな沖縄振興において、知事の公約である「長寿県おきなわ復活」への具体的な施策を伺います。
 (9)、那覇市が進めている中核市移行に伴い県中央保健所の機能移管はどのようになるのか。また準備状況、それから那覇市との連携はどのようになされているのか伺います。
 5番目に、沖縄振興特別推進交付金事業について。
 (1)、世界水準の観光・リゾート地の形成について。
 ア、多言語観光案内サイン整備事業では、何カ国語を表記するのかを含め具体的な説明を求めます。
 イ、世界に通用する観光人材育成事業の具体的な内容を伺います。
 (2)番目に、亜熱帯性気候等を生かした特色ある農林水産事業の振興については、ア、次世代沖縄ブランド作物特産化推進事業において計画されている作物の種類等、今後の展開について伺います。
 イ、沖縄型農業共済制度推進事業について、台風等の被害時の農家救済につながる全国一律ではない沖縄型に期待しております。具体的な説明を求めます。
 (3)番目に、離島における定住条件の整備について。
 ア、沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業の対象、軽減割合等について伺います。
 イ、離島生活コスト低減実証事業費の目的、内容について伺います。
 以上です。指定席から再質問をしたいと思います。
○知事(仲井眞弘多) 比嘉京子議員の御質問に答弁をいたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、辺野古移設に関する知事の意向という意味でしょうか、知事が翻意することを期待しているとの意見があるが、これについてどう思うかという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 私は、昨年9月、「沖縄クエスチョン」において有識者等に対し講演を行うとともに、レビン、ウェッブ、そしてマケイン上院議員と面談を行ってまいりました。その中で、辺野古移設案は事実上不可能であるという沖縄の実情を説明し、国内の他の都道府県への移設が最も合理的かつ早期に課題を解決できる方策である旨、訴えてまいりました。また、去る2月17日に軍転協を通じて同様の趣旨を政府へ緊急要請したところであり、普天間飛行場の県外移設を求める考えに変わりはありません。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中で、防衛局の講話問題に係る御質問にお答えいたします。
 沖縄防衛局長の講話問題につきましては、報道等により承知しておりますが、防衛省において今後調査し処分を決めるものとされており、また、同局長が刑事告発されたと聞いております。私からのコメントは差し控えたいと考えております。
 次に、教育・福祉行政に係る御質問の中で、新たな沖縄振興計画における保育に関する位置づけや施策についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄の未来を担う子供たちが健やかに生まれ育ち、そして豊かな可能性が発揮できる社会の構築のため、新たな振興計画では、子育てセーフティネットの充実を県政の重要課題として取り組んでまいる所存でございます。
 平成24年度予算案の中に沖縄振興一括交付金を活用して、待機児童の解消と認可外保育施設の質の向上を一体的に取り組む経費として、待機児童対策特別事業10億695万円、そして安心こども基金を活用した保育所整備事業約49億円を計上いたしております。沖縄県としましては、これらの事業を活用し、次期振興計画の早い段階で潜在的な待機児童も含めた解消を図ってまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、政府に対する移設手続を進ませないための施策と代執行が来た場合の対応についてお答えいたします。
 県は、これまで日米両政府に対し、地元の理解を得られない移設案の実現は、事実上不可能であり、普天間飛行場の県外移設及び早期返還の実現に向け、真摯に取り組むよう、繰り返し求めてきたところであります。今後とも、総理を初め各大臣との面談など、あらゆる機会を通じて要請するとともに、普天間飛行場の県外移設に向けた効果的な施策等について検討を進め、日米両政府に対応を求めてまいりたいと考えております。
 なお、田中防衛大臣は、1月19日のインタビューで、特別措置法や代執行の可能性について「念頭にない」旨の発言をしたとのことであり、県として、代執行等への対応は現在考えておりません。
 次に、高江ヘリパッドとオスプレイ配備についてお答えいたします。
 北部訓練場のヘリパッドについては、SACO最終報告において、同訓練場の過半を返還することに伴い残余部分に移設されるものであり、県としましては、SACOの合意事案を着実に実施し、段階的に基地の整理縮小を図ることが現実的で実現可能な方法であると認識しております。
 オスプレイ配備については、沖縄県が提出した北部訓練場への影響を含む同機種の具体的な運用上の問題等についての質問文書に対し、昨年12月、政府から2回目の回答がありましたが、回答できていない項目があり、引き続き県民生活への影響など十分な説明を求めているところであります。
 次に、基地問題についての御質問の中で、在沖海兵隊のグアム移転と嘉手納より南の基地の返還を普天間移設と切り離すことについてお答えいたします。
 去る2月8日、日米両政府は、在日米軍再編計画に関する日米共同報道発表を行ったところであります。この中で、日米両政府は普天間飛行場の辺野古移設に引き続きコミットするとともに、在沖海兵隊のグアムへの移転と嘉手納以南の土地の返還を、「普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことについて、公式な議論を開始した。」としています。政府の説明によれば、具体的な内容については、今後の両国政府の協議の中で調整されるとしていることから、県としましては、今後の協議を重大な関心を持ちつつ注視してまいりたいと考えております。
 次に、オスプレイの普天間基地配備と北部訓練場のヘリパッドについて、2の(2)のアと2の(2)のイは関連いたしますので一括してお答えいたします。
 沖縄県としましては、オスプレイが過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から県民が不安を抱いており、十分な情報が示されない現状では当該配備については反対であります。沖縄県が提出した北部訓練場への影響を含むオスプレイ配備についての質問文書に対し、昨年12月、政府から2回目の回答がありましたが、回答できていない項目があり、引き続き県民生活への影響など十分な説明を求めているところであります。
 次に、基地問題について、この一、二年の戦略についてお答えいたします。
 現在、米国議会における国防費削減の議論や、在日米軍再編計画の見直しなどが行われております。県としましては、沖縄県の過重な基地負担の軽減に向け、こうした日米の国防・安全保障政策等の動向を十分に精査し、考え方をまとめる必要があると考えております。このため、本年4月に地域安全政策課を設置し、安全保障に関する調査研究を進め、効果的な政策の立案を図るとともに、世論を喚起するための広報活動や、知事が米国を訪問し米国政府等に直接訴えるなどにより、沖縄の基地負担の軽減が図られるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、思いやり予算についてお答えいたします。
 在日米軍駐留経費負担、いわゆる思いやり予算については、我が国の安全保障の一翼を担う在日米軍の駐留を円滑かつ安全に行うとの観点から、我が国が負担しているものと理解しております。思いやり予算のあり方や、震災対応に必要な予算については、今後も国政の場で十分に議論を深めていただきたいと考えております。
 次に、米国での情報収集・発信についてお答えいたします。
 県は、米政府や連邦議会、米軍等の動向を適時・的確に把握するため、県独自の情報収集を強化する必要があると考えております。また、米国政府や連邦議会等の関係機関に沖縄県の実情を伝え、理解と協力を求めることは、沖縄の基地問題の解決を進める上で重要であると考えております。
 県としましては、知事訪米を実施するなど、研究者や専門家等とさまざまな意見交換を行っており、このようなネットワークも活用しながら、米国における効果的な情報の収集や発信のあり方について検討を進めております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) 県立病院が担うべき医療及び役割についてお答えいたします。 
 県立病院が担うべき役割は、地域において提供されることが必要な医療のうち、採算性等の面から民間医療機関では提供が困難な医療を提供することにあると考えております。具体的には、救急医療、小児・周産期医療、離島医療など、高度医療や採算医療などの医療を引き続き提供していくこととしております。
 続きまして、長寿県おきなわ復活に向けた施策についてお答えいたします。
 本県においては、糖尿病、肝疾患、心筋梗塞など、生活習慣の影響が大きい疾病の死亡率が高く、健康・長寿復活に向けては、壮年期での生活習慣病をいかに減少させるかが課題であります。そのため、県では、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」においても、県民一体となった健康づくりに対する意識改革、生活習慣の改善等に取り組むこととしております。具体的な施策としては、食生活の改善に向けて、食生活改善推進員の育成・拡大や活動支援の充実強化を図ってまいります。また、弗化物応用の促進などの歯科保健の推進、禁煙施設の認定等のたばこ対策などの取り組みについても強化していきたいと考えております。
 続きまして、那覇市の中核市移行に伴う県中央保健所の移管等についてお答えいたします。
 那覇市が進めている平成25年度の中核市移行に伴い、県中央保健所で実施している地域保健法や食品衛生法に基づく1156の事務が那覇市へ移管されることになります。県においては、平成22年6月に、那覇市中核市移行県・市連絡会議を設置し、移譲事務や那覇市の保健所設置に係る準備業務の支援を行っているところであります。今年度は、中央保健所で8人の那覇市職員を受け入れて研修を実施しており、平成24年度は28人の研修生を受け入れる予定であります。また、保健所事務がスタートする平成25年度には、那覇市との人事交流を行い、円滑な保健所運営を支援してまいります。
 以上であります。
○病院事業局長(伊江朝次) 県立病院問題についての御質問の中で、職員定数の課題の認識についてお答えいたします。
 県立病院が地域の中核的な公的医療機関としての役割を果たすためには、医療提供体制の確保と経営の安定を図る必要があると考えております。職員の定数については、国の医療政策でチーム医療が推進され、それを受けて診療報酬制度が改定されてきていることなどを勘案しながら、医療提供体制の確保や人材確保の見通し、経営への影響等を総合的に考慮して検討していく必要があると考えております。
 次に、臨時的任用職員や嘱託職員で対応している理由と解決策についてお答えいたします。
 病院事業では、医療の高度化や専門分化、患者ニーズに対応するため、定数条例で規定された定数を限度に職員を配置してきました。また、平成21年度からは、各病院長が業務量や経営への影響等を勘案して、臨時的任用職員や嘱託職員を柔軟に配置してきたところであります。今年度は、このような経過を踏まえ、医療提供体制の確保と経営への影響等を総合的に考慮して定数条例の改正を検討したところであり、病院事業局としては今後も定数について、所要の検討を行うなど適切に対応していきたいと考えております。
 次に、平成24年度病院事業繰出金の算出根拠及び金額の妥当性についてお答えいたします。3の(4)と3の(5)は関連しますので一括してお答えいたします。
 平成24年度の繰入金については、総務省の繰出基準に基づき、小児医療、高度医療等のいわゆる政策医療の収支差を算出し、同一の項目内で病院間の黒字と赤字を相殺した後に、各県の判断とされている項目間の相殺を行った結果、試算額は約51億円となりました。具体的な予算編成作業においては、病院経営への影響を考慮して、項目間の相殺を行わないこととするとともに、特地・準特地手当等の離島増嵩経費の2分の1の2億円や、離島病院への経営支援として計2億円を措置することで庁内調整を行いました。その結果、繰入金額は約59億円となっており、県立病院が担う医療を今後も維持する上で妥当な額と考えております。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教育・福祉行政についての御質問で、教科書問題への対応についてお答えいたします。
 竹富町教育委員会は、国に対して教科書の無償給付を求めつつ、住民等の寄贈による対応も検討する旨の方針を示しております。文部科学省は、「竹富町教委が、住民等から寄贈された教科用図書を生徒に給与することについては、生徒や保護者の負担がなければ方法は問わない。」旨の見解を示しております。
 県教育委員会としましては、竹富町教育委員会の自主性を尊重するとともに、生徒一人一人に教科書が無償で給与されるよう支援してまいりたいと考えております。
 次に、図書館行政における県の役割等についてお答えいたします。
 県は、広域的な図書館サービスの充実を図る観点から、市町村立図書館の設置及び運営に対する指導助言を行う役割があります。市町村は、図書館の設置に努め直接的な図書館サービスを担うこととなっております。本県では18の図書館未設置町村があり、県は設置に向けた支援とともに移動図書館等の直接サービスも過渡的に行っております。
 八重山地域における図書館サービスのあり方につきましては、平成22年度から2カ年間にわたり地元と幅広く意見交換を重ねてまいりました。これまでの意見交換の成果や検討の結果とともに、今後の方針について八重山市町会に説明を行い、八重山分館の地元での活用も含めて、八重山全体の図書館サービスの充実に向けて取り組む考え方が地元から示されました。
 県教育委員会としましては、八重山分館の資源の一部を本館に集約し、3市町とも連携しながら、八重山地域を含めた県全体の図書館サービスの充実に向けてできる限り支援に努めたいと考えております。
 次に、1学級当たりの生徒数についてお答えいたします。
 公立高等学校1学級当たりの生徒数は、「公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」において、40人を標準とすることが定められております。
 次に、県立高等学校編成整備計画についてお答えいたします。
 高等学校教育において、生徒はさまざまな考えを持った他者との出会いにより自我を確立する大切な時期であり、そのためには適正な学校規模が必要であると考えます。
 県教育委員会としましては、地域文化の拠点の一つでもある高等学校は生徒の多様な変化やニーズを考慮し、時代の変化に対応し得る教育の方法を研究しながら、より一層魅力と活力ある学校づくりを推進していく必要があると考えております。現在、離島地区も含め県民の意見等を集約しているところであり、さまざまな観点から庁内で検討しているところでございます。
 次に、学校給食の安全性のチェックについてお答えいたします。
 本県の市場に流通している農産物については、17都県において検査体制がとられており、暫定規制値を超えた食材が市場等に流通することはないと考えております。本県においては、環境中の放射性物質モニタリングを通した食品検査体制がとられております。また、財団法人沖縄県学校給食会においても、放射性物質の検査を専門機関に依頼し、検査結果をホームページ上で公開しております。
 県教育委員会としましては、今後、民間等で整備予定の検査機器を活用した検査について市町村に周知するとともに、関係部局等と連携し学校給食食材の安全対策に努めてまいります。
 次に、新たな沖縄振興における幼稚園教育についてお答えいたします。
 質の高い幼児教育の推進につきましては、新たな沖縄振興計画において小学校との連携を強化した沖縄型幼稚園として位置づけております。
 県教育委員会としましては、その実現に向けて平成24年度に「幼児教育推進委員会」(仮称)を設置いたしまして、具体的施策や予算等について国や市町村、保育関係機関等と調整し合意形成を図ってまいります。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 教育・福祉行政についての御質問の中で、県の放射能に関するチェック機能体制、情報発信についてお答えいたします。
 沖縄県では、福島原子力発電所事故以降、環境放射能のモニタリング調査を強化しております。これまでの調査結果では、県民の健康や環境に影響を与えるような放射能汚染は確認されておりません。また、今年度中には空間放射線量率を常時監視するモニタリングポストを3基増設し、より広域的な監視体制を構築する予定であります。
 食品につきまして、国は、安全確保のため緊急的に暫定規制値を設定し、出荷制限等安全対策をとっております。しかしながら、県内においても放射性物質に汚染されたまきや灰を調理・加工に使用した食品から放射性セシウムが検出されるなど、食品への汚染が確認されております。こうしたことから、県におきましては、今年度中に測定機器整備を行うとともに、来年度からは流通している食品の定期的なモニタリング検査を実施することとしております。また、放射性物質に汚染された廃棄物がリサイクル製品の原料等として県内に入ってくることも想定されることから、産業廃棄物処理業者及び関係団体に対し、県外からの廃棄物を受け入れる計画がある場合には県へ事前に連絡するよう通知したところであります。
 県としましては、今後とも継続して放射能調査を実施するとともに、その測定結果等につきましては県のホームページやマスメディア等を通して公表していく考えであります。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 沖縄振興特別推進交付金事業についての御質問の中の、多言語観光案内サイン整備事業の具体的な説明についてとの御質問にお答えいたします。
 県では、平成21年度から外国人を含む観光客の利便性の向上を目的に、道路、空港、港湾、主要な観光地等において日本語、英語、中国語及び韓国語の4カ国語表記による観光案内板の整備を行っております。平成24年度に予定している多言語観光案内サイン整備事業においては、県内全域を対象に市町村との連携のもと、地図上に現在地や周辺施設などを示した周辺案内板を約40基、特定の観光施設や史跡等までの方向や距離を示した誘導案内板を約200基整備する予定であり、多様化する外国人観光客の対応環境の整備を図っていきたいと考えております。
 同じく沖縄振興特別推進交付金事業についての中の、世界に通用する観光人材育成事業の内容についてとの質問にお答えいたします。
 沖縄県は、国内外の観光客が満足する質の高いサービスを提供できる人材の育成確保を図るため、平成24年度に世界に通用する観光人材育成事業として約3億8500万円を計上して行うことにしております。本事業は、大きく4つの事業に内容が分けられます。主なものとして、海外ホテルスクールへの派遣留学生を支援するとともに、観光産業経営者層へのスキルアップを目的としたセミナーを実施することにより、将来の観光産業を担う高度な人材の育成を推進すると同時に、観光関連事業者、団体等が実施する研修等への支援を行うことによりホスピタリティーの底上げを図ります。また、外国人観光客の受け入れ能力の向上を図るため、外国人のマナー及び慣習に関するマニュアルの作成、さらに、観光関連事業者による外国語の語学研修の支援、アドバイザー派遣事業なども実施してまいります。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 沖縄振興特別推進交付金事業の中の、次世代おきなわブランド作物特産化推進事業についてお答えします。
 次世代おきなわブランド作物特産化推進事業は、これまで品種育成に相当の期間を要していることから、遺伝子解析装置等を導入し、農産物の品種特性の遺伝子情報を収集することにより優良な品種を早期に開発するための育種システムを確立することを目的に実施することとしております。具体的には、品種によって高品質で食味のいいもの、輸送性にすぐれているもの、収量の安定したものなど、それぞれの品種特性の遺伝子情報を収集し、これらのすぐれた品種をかけ合わせた新品種を早期に開発することにより、市場ニーズに対応した園芸品目や黒糖向けさとうきびなど次世代のおきなわブランド作物の生産展開を図っていく考えであります。
 次に、沖縄型農業共済制度推進事業の内容についてお答えします。
沖縄県は、台風接近が年平均7.4個と全国平均の約2倍もある台風常襲地域であり、過去20年間平均の農産被害額は約22億2000万円となっております。その影響から、本県の共済掛金率は全国より高く、特に園芸施設共済では全国平均の2.8倍、さとうきびでは1.3倍となっております。そのため、県では、沖縄振興特別推進交付金を活用した沖縄型農業共済制度推進事業において、ハウス等を対象とした園芸施設共済とさとうきびを対象とした畑作物共済について、農家負担掛金を全国平均並みに軽減するため、約1億3000万円の予算を計上しているところであります。その効果といたしましては、現在の園芸施設共済加入率15.8%、畑作物共済加入率39%から平成26年度を目標にそれぞれ70%に改善を図っていく考えであります。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 沖縄振興特別推進交付金事業についての御質問の中で、交通コスト負担軽減事業の対象及び軽減割合についてお答えいたします。
 本事業は、離島住民、離島出身高校生及び小規模離島の交流人口等を対象とし、航空賃及び船賃をそれぞれ低減するものであります。運賃は、県が設定した負担額を参考に事業者において設定することとなりますが、航空運賃は現行のおおむね4割程度、船賃はJR地方交通線並みの運賃まで低減されるものと考えております。
 次に、離島生活コスト低減実証事業についてお答えいたします。
離島の定住条件を整備する上で沖縄本島に比べて割高な生活コストを軽減することは重要な課題であります。離島生活コスト低減実証事業は、沖縄本島から小規模離島を中心とする県内有人離島へ輸送される食料品や日用雑貨など、生活必需品の輸送経費及び販売経費の一部を補助し、離島における生活必需品の価格を低減するための実証実験を行うものであります。
 以上でございます。
○比嘉 京子 では、再質問をさせていただきます。
 まず、環境アセスの問題ですけれども、特に北部訓練場のヘリパッドの問題でお聞きしたいと思います。
 せんだっての報道でハワイや米国西海岸におけるオスプレイ配備の環境アセスの報道がありましたが、本県の高江においてはアセスが行われたかどうか。それからまた、着陸地帯周辺から約35フィート(107メートル)の緩衝地帯が必要であると、それは守られているのか。それから山火事の可能性というのが心配であるということがありましたが、その周辺の土の検査までもやるというお話が書いてありました。本県でそういうところのヤンバルの森は本当に大丈夫なのか、そこのことを質問したいと思います。
 それから続きまして、米国での情報収集についてお聞きしたいと思います。
 大変いい取り組みではないかなと思いますが、特に常駐するロビイスト等を置くような用意があるのか。その計画というのは、今、手始めにことしはこうして、次年度からさらにというような何か計画があればお聞きしたいと思います。
 それから県立病院の問題ですけれども、特に繰入額ではなく、私は定数の問題について取り上げてみたいと思っています。
 まず、本来でしたらばこのような医療をするのでこれぐらいの繰り入れをするんだという県の考え方がどーんと前にあるべきではないかなと思うんですね。例えば民間ができない不採算医療、そういうのをゆだねるんだからこれだけ繰り入れしますよという考え方がまずあってしかるべきではないかというふうに思います。その上で定数なんですけれども、調べてみますと……。
 ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後3時8分休憩
   午後3時8分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○比嘉 京子 今ちょっと見えにくいかもわかりませんが、知事部局と企業局、それから病院事業局の条例定数がここにあります。Aですね。(資料を掲示) 条例定数があって、そして配置定数があります。このことで私は文章の中で、非常に多くの臨時であるとかそれから嘱託が必要になっていると。いわゆる条例定数2496名に対して現状で3001名配置されている。今、知事部局はというと4448名に対して4445名、そして企業局のほうは359名に対して275名。こういうような配置の中において条例定数を毎年のようにこの3年間、我々議会に提案されているわけなんです。そのことをもう少し見てみますと、これは同じ公営企業法の中における企業局の過去5年間の定数でございます。そうすると、これは条例定数が359名でずっと5年間動いていないにもかかわらず、こういうふうにどんどん下がってきている、配置定数は。それでも条例定数というのは大枠でとられているということが御存じではないかなと思うんです。今、本当に人がいることによって採算を上げていくというのがまさに医療現場である。これはDPCのお話も前に私いたしましたけれども、人がお金を生んでいくというのはちょっと言い過ぎですけれども、人がお金を生んでいくのが病院現場なんですね。そのことを考えますと、今、行政の考え方をやはり逆転をさせなければこの考え方は理解ができない。行政をふやせばふやすほどそのことについて回るものがあるけれども、言ってみれば450億の収益を上げるような企業なわけです。そういうところに人を配置することによって生み出されていくという実態、それと今回の111名の定数条例の提案があるわけですけれども、この定数条例というものについて総務部長の御意見を伺いたいんですが、もともと条例定数というのは毎年改正することについて、おかしいとかいうことではなく、よくあることなんでしょうか。それから条例定数というのはそもそもどういうものなのか、これは総務部長にお願いします。
 それから病院事業局長にお聞きしたいんですが、これまで21年ぶりに一昨年定数改正がありました。これは南部医療センターの7対1看護がスタートしたためですね。7対1看護をスタートさせ、去年は中部病院の7対1体制、そしてことしはというと、さまざまな分野から上がってきて、でも上がってきたものをすべて認められたわけではない。それは、まだまだ県立病院は人をふやすことが必要で、そのことによって収益が増加していくというような考え方でいいのかどうか。まだ伸び代があると考えていいかどうか、病院事業局長にお聞きしたいと思います。
 それから臨時的任用職員や嘱託職員というので病院がこれだけ抱え込んでいるわけなんですけれども、それは必要な要員としてなのか、それとも一時的なものなのかどうなのかということを病院事業局長にお聞きしたいと思います。
 それから八重山分館問題ですけれども、石垣市長に対して市民から公開質問状が出ています。この公開質問状を見てみますと、中山市長は、条件つき容認はしておりませんと。それから石垣市においてはそういう資料を保管できるようなスペースはありません等を答えておられます。そういうことを考えますと、私は今、県立の図書館が担うべきものというのは、一律にそれをおぶさってやることではなく、県立がやることと市町村がやることと学校図書館、これは連動してやるべきことであって、何があるからそこに移管していくんだという考え方、または未設置があるから1つをつぶすんだという考え方、そのことも発想的におかしいのではないかと。しかも、これだけ今問題が提起されているということは、話し合いが13回といえども十分でなかった証拠ではないか。そのことについての見解を求めたいと思います。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後3時14分休憩
   午後3時15分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 環境生活部長。
   〔環境生活部長 下地 寛君登壇〕
○環境生活部長(下地 寛) 北部訓練場のヘリパッドに係るアセスについての御質問ですけれども、当該ヘリパッドは沖縄県環境影響評価条例の対象ではございませんけれども、その条例に準じてアセスメントが実施されております。平成14年に方法書相当の図書が送付されまして、その後、平成18年に準備書相当、それから同じく18年の12月に評価書相当の準備書が送られまして、それに対して北部訓練場における貴重種の保護とか移植とか、そういった形の知事意見を提出しております。
 以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) オスプレイの配備に伴うヘリパッドの山火事の可能性、周辺の土の検査等についてお答えいたします。
 12月19日付、県が提出しましたオスプレイに対する2回目の質問に対する回答が返ってまいりまして、その中で県の質問は、MV22が排出する高温の排気ガスにより草地を燃やしたケースや火災リスクが危惧されると。当該高温排気と周辺の影響について御説明いただきたいという質問を出しております。
 この回答に対し――長いんですが――その概要をかいつまんで申し上げますと、「ハワイへのMV―22等の配備に係る環境影響評価書案によれば、「未舗装地でのMV―22の運用は安全に達成することが可能である。 これらの条件、排気デフレクタ、及び、当該基地における既存の原野火災管理対応マニュアルに鑑み、MV―22の排気により原野火災が引き起こされる危険性は低く、追加的措置は必要とされない。 以上のことから、高温の排気ガスにより火災が発生する可能性は極めて低い旨米側から説明を受けている。」と、これが一応防衛省の回答でございます。
 また、35フィートが守られているのかどうかということについては、回答がございません。
 いずれにしましても、このMV22オスプレイの質問に対する回答は依然不十分な部分が多いことから、県といたしましては引き続き政府に確認を求めていきたいと考えております。
 次に、米国での情報収集につきまして、将来ロビイストを置くということを想定して、手始めにこうしてといった計画をお聞かせ願いたいという御質問でしたけれども、来年度から地域安全政策課を設置いたしまして、その課の任務といたしまして、米国での情報収集というものを強化しようということを考えております。このため、内外の有識者を網羅しましたネットワークをつくること、さらに情報収集の拠点について検討すること、さらに知事訪米等で情報収集を図ってまいりたいということでございます。
 こういったことを総合いたしまして、ロビイストについては検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 比嘉議員の再質問にお答えいたします。
 まず、病院事業にまだ雇用の伸び代があるかということでございますが、昨今の診療報酬の改定を考えてみましたら、チーム医療というのがやっぱり重視されていると。病院現場でしっかり人を手厚くやれば、それだけの収益は上がってくるというふうな傾向にあることは皆さん御承知のことだと思います。
 それはさておき、県立病院事業としましては、その際にやはり収支をどう見るかというふうな費用対効果の問題もあると思いますので、その辺はやはりしっかり分析しながら病院事業そのものの経営が成り立っていかないような状況になっては困りますので、その点を押さえて今後とも雇用に関しても考えていきたいと思っております。
 それからもう一つ、臨時的任用職員は必要かというふうな御質問でございますが、現在、臨時的任用職員としては定数内の111名と定数外の52名が臨時的任用職員でおります。それから嘱託職員で454名というふうな形でおりまして、定数内の111名というのはいわゆる育休の方々が大半であるということでございます。そういう状況の中で実際この臨時的任用職員の人たちは、一時的というよりも恒常的にしっかり業務を支えていっているという状況がございます。
 それから定数の改正については、平成22年に約二十何年ぶりかでありました。まず南部医療センターが7対1看護をするということですね。それから平成23年には中部病院ということでやってきております。予定では次年度が北部病院ということでございましたが、現在のところ費用対効果を考えますとすぐ実施するのはやっぱり厳しいということで、一応さらなる経営状況を検討しながら、今後どうあるべきか、関係部局とも調整していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 定数条例はどういったことで定められているのかという趣旨と、それから毎年病院事業局は増員という形での定数条例を提案していますけれども、これは通常のパターンなのかという趣旨の質問にお答えします。
 まず、職員定数を条例で定めている趣旨というのは、地方自治法172条の3項のほうに職員の定数については条例で定めるという規定があるわけですね。その職員というのは知事部局、それから教育委員会、警察、それから企業局、それから公益関係の病院事業局を含めての職員ということになっています。なぜ定数が条例で定められたかといいますと、実をいいますと、本来、定数というのは執行部が業務を執行するに当たって必要な職員を採用したりしてやるわけですけれども、執行部が恣意的にやってもいいと思います。ただ、それについてはやっぱり職員を採用するということは、地方公務員というのは定年まで解雇できないという条件もございます。そうすると人件費がかさむわけです。そういった意味で定数条例で総数を定めると。それを議会に諮って議会がチェックするという機能を付与するために定数条例をつくっているわけです。そういう形でやりますと、やっぱり執行部は恣意的に職員をふやすわけにいかない。議会にちゃんとこれだけの人が必要なので定数条例を改正していただきたいということで提案し説明する。そして理解を得て議決をいただくというのが定数条例の設けられた趣旨であります。
 そういった観点から言いますと、今確かに知事部局、それから企業局、定数条例と配置定数の間にあきがあります。たしか知事部局は約600名程度、それから企業局は110名ぐらいあろうかと思います。これは、本来の趣旨で言いますと、これについては、私は減数条例をしくべきだと思っています。近々、それにつきましてはもっと配置定数と条例定数が接近するようなことが本来の趣旨だと思っています。そういった意味で言いますと、減数条例を近々検討しなきゃいけないかと思っています。そういう関係で、議会と執行部のある面、議会のチェック機能、執行部の提案、それが緊張関係を持った形で定数条例というのは提案されるべきだと思っています。
 そういった意味で言いますと、病院事業局は配置定数と条例定数が本当に一つの差ぐらいで接近しています。その関係で言いますと、皆さんのほうにこれだけの増員が必要ですよという形でお願いして審議していただいて、定数条例を可決していただいて職員を採用するということをとっているということでございます。そういった関係で言いますと、やっぱり過去3年間ずっと定数を上程しています。過去3年間合わせて、今回認められますと約300名の病院事業局の条例定数がアップしたという形になります。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 比嘉議員の再質問にお答えいたします。
 八重山地域におけるこの図書館サービスのあり方につきましては、先ほども答弁させてもらいましたけれども、平成22年度から2カ年間にわたり13回、地元と幅広く意見を交換してまいっていく中で、3点に集約した結論が出たわけです。
 いま一度申し上げますと、まず1点目は、県は県内の図書館未設置町村への支援を行うため、分館の支援を一部本館に集約いたしまして、県全体の図書館サービスの充実を図ると、これが1点目でございます。2点目は、県は石垣市立図書館と連携しながら竹富町、与那国町に対しまして、地域の要望に応じた支援を行いながら効果的なサービスの拡充を図っていこうと。3点目は、分館の蔵書等につきましては、八重山全体の財産として地元で活用していただくということでございます。
 さまざまな懸案事項もありますけれども、ぜひ今後とも私どもは3市町とも十分に意見交換をしながら、八重山全体の図書館サービスの充実に向けてできる限り支援をしてまいりたいと思っています。よろしくお願いいたします。
○比嘉 京子 再質問の総務部長の答弁は、まさに知事部局における定数条例の考え方、大原則をおっしゃったなと思います。地方公営企業法においてはこう書いてあります。「常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない。」と。病院事業局においては、医師を初めとする人的資源を確保することによってのみ収益が上がるわけです。そのことが今、診療報酬の改定に全く県立病院がついていけない現状。このことをどう考えるのかということを今質問をしているつもりです。
 今、中部病院の院長は、多くの優秀な医師を定数ということがないために逃がしてきたと。それから、宮古病院はコメディカルを3年で養成したら、定数がないためにほかのところの正職にとっていかれているんだと。条例定数がふやされたからといって、各病院の職員を野方図にふやすわけではないと。これこそ経営責任を自分たちが問われているんだと。その配置定数をどう使うか、これこそ各病院の院長の采配によるんだということで、もちろんもっと気が引き締まらないといけない。そういうことを言っているわけですから、今の定数条例の考え方を根底から私は考え直す時期に来ているというふうに申し上げて終わります。
○議長(髙嶺善伸) 20分間休憩いたします。
   午後3時30分休憩
   午後3時53分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 休憩前に引き続き代表質問を行います。
 奥平一夫君。
   〔奥平一夫君登壇〕
○奥平 一夫 それでは、きょうのしんがりになりますけれども、代表質問を行いたいと思います。
 大分、議員の皆さんがいらっしゃらないようですけれども、どうなっているんでしょうか。
 ことしは復帰からちょうど40年を迎えます。
 振り返れば屋良主席が40年前に苦渋の思いで書き上げた「復帰措置に関する建議書」、そのことについて少し触れたいと思っております。
 26年間の長い苦しいイバラの道のりでありました。これはまさに国民的十字架を一身に担って国の敗戦の悲劇を象徴する姿と言えましょう。数限りない消し去ることのできない多くの禍根を残したまま、復帰の歴史的転換期に突入しているのであります。この重大な時期に当たり、私は主人公たる沖縄100万県民を代表し、本土政府・国会に対し国民の率直で心底から志向する基地のない平和な島としての復帰の実現を期しての県民の訴えをしますと記してあります。
 建議書は日本政府に届くことはなく、軍事要塞としての沖縄を押しつけられた40年前の沖縄でありました。そして今日、基地の県内移設を振興策と振興費とで基地の固定化論でおどしを仕掛ける日本政府、国権で沖縄を屈服させようとする体質の戦略は40年たってなお変わっておりません。
 知事がこのような愚かしい国の策謀を県民とともに拒否することを切望し、代表質問に入ります。
 1番目、知事の政治姿勢について伺います。
 (1)、知事の所信について。
 ア、世界に誇れる「低炭素島しょ社会実現」について伺います。
 (ア)、太陽光・風力発電の普及やエネルギー技術開発の支援で温暖化対策、再生エネルギーの最適化モデル構築のための実証に取り組むとしています。世界に誇れる社会実現の定義、普及や対策による目標数値、どのような実証モデル事業を実施して、どのように次の展開につなげていくのか伺いたいと思います。
 (イ)、宮古島や本島中南部における天然ガスの資源開発調査の中間報告内容について県の見解とその可能性について伺います。また、12年度に試掘を実施するとしているが、地域は決定しているのか伺います。
 イ、「世界水準の観光リゾート地の形成」について伺う。
 世界水準の定義について明確にしていただきたい。そしてそれは「カジノ統合リゾート」を導入しなければ実現できないのかについても伺います。
 (2)、南西諸島における自衛隊配備について伺います。
 ア、南西諸島への自衛隊配備、基地配備は、地域住民への負担と不安を負わせることになります。また、外交的措置や軍事的緊張を高めるという意味でデメリットがはるかに大きい。知事は南西諸島への配備に反対すべきではないのか。
 イ、知事は、防衛白書では必要最小限の部隊を新たに配備するなど、南西地域の態勢強化が示されているとしました。自衛隊による離島を含む国土の防衛は重要との認識を示しました。今後、中期防衛力整備計画に基づく宮古や八重山への配備についても容認するということなのか見解を伺います。
 ウ、与那国における防衛省の強引な配備計画、住民宣撫の圧力によって配備問題は住民を分断しています。知事は最大限の努力をしっかりすべきであると発言されているが、防衛省は配備に向けた調査費を予算計上しています。今後強引な配備実施となりますと住民間に深刻なあつれきを生むことになります。見解を伺います。
 エ、米軍と自衛隊の共同訓練や一体化が進む中、ケビン・メア前在沖米国総領事は、与那国は台湾海峡有事の際の掃海拠点となると本国政府に進言していたことが「ウィキリークス」の公開で判明した。自衛隊を前面に出しながら住民の感情をそらし米軍との共同使用をもくろむ。大型艦船が入港可能な港を持つ宮古や石垣や南西諸島が前方展開の拠点として利用される可能性もあります。先島諸島全体の住民にとっては明らかに過重負担となるが、見解を伺います。
 (3)番、沖縄振興一括交付金(仮称)について伺います。
 ア、現行の沖縄振興自主戦略交付金の全国並みを上回る拡充や経常的経費や市町村事業も対象としたとしているが、なぜこれだけの拡充が行われたと考えるか見解を示してください。
 イ、沖縄振興特別調整交付金(ソフト分)の対象事業は、沖縄振興に資する事業対象範囲をとし、沖縄振興公共投資交付金は沖縄独自の対象範囲を図るとしている。国における沖縄振興一括交付金は1575億円だが、当初予算には計上されない未計上額がある。政策立案力と実施手腕が求められるが、知事の見解を伺います。
 ウ、配分基準を明確にルール化した全国制度(一括交付金制度)となっていない中で、沖縄へ特化・先行した一括交付金だが、次年度以降の予算獲得が非常に懸念をされます。知事の見解を伺います。
 エ、市町村においては事業費の裏負担分の捻出、対応に困難を伴う市町村も出てくることも予想されるが、県は支援について検討すべきではないか。
 (4)、「沖縄21世紀ビジョン基本計画(案)」について伺う。
 ア、点在する離島、重くのしかかる米軍基地の存在、戦後処理の問題、急速に進む少子・高齢社会化などの多くの越えなければならない課題をどのように克服をして自立し、そしてあるべき沖縄の将来像をどのように実現しようとするのか知事の見解を伺います。
 (5)、離島振興について伺います。
 ア、離島地域と本島地域間格差の解消、離島地域の不利性の克服によって人口減少、若年者の島外流出などをとめ、定住促進を図るべくさまざまな施策を展開してきたが、なかなか解消できていない。今回の新たな振興計画で提案している施策で離島振興がどのように図られていくのか見解を伺います。
 イ、今回の離島振興計画の中で目玉となる施策は何か。それはどのような振興効果が期待できるか示してください。
 ウ、離島を多く抱える沖縄には必然ながら小規模校、少人数学級が多く点在をする。来年度、一括交付金を活用した複式学級解消のための非常勤講師配置事業は離島の不利性を克服する事業として高く評価をしたい。小学校で8人以上の複式学級が対象校としているが、すべての複式学級に拡充すべきではないのか教育長の見解を伺います。
 エ、離島地域における石油製品の本島並みの価格の安定と供給を図るためとして、復帰特別措置によりこれまで揮発油税等軽減措置や石油製品輸送等補助事業が実施をされてきた。この間、価格差は20円ないし30円もあり、費用対効果がほとんど見られない。交通コスト、生活コストの低減になっていないのではないか。抜本的な事業の見直しを検討すべきと考えるがどうか。
 オ、知事所信の「離島の特色を生かした産業振興と新たな展開」について伺う。新たな展開とはどのようなことなのか。また、農林水産業の生産基盤を整備し、高付加価値な農産物の生産・販売・ブランド化を図るとしているが、具体的説明と数値目標を示してください。
 カ、台湾などから輸入する物資を沖縄本島から離島へ輸送する際、貨物輸送費が高額なため事業者にとっては大きな負担となっている。離島の生活コスト低減実証事業では、生活必需品の輸送経費等に措置するとあるが、このような事例でも該当できるのか伺います。
 キ、先島離島においては本島間を結ぶ旅客船が途絶えて久しい。地域住民からは旅客船の就航を望む声は大きい。10万人以上の住民が住む先島離島で本島への交通手段が空路だけというのは理解できない。離島軽視も甚だしいと思います。ぜひ海路での交通手段も確保すべきではないか見解を伺います。
 大きい2番目、下地島空港及び周辺残地の利活用問題について。
 (1)、JALの撤退に伴う課題について伺います。
 ア、下地島空港からJAL撤退申し入れに対する県の調停の申し立てについて見解を伺います。
 イ、国策として建設された同空港の経緯からすれば、国も責任の一端があるのではないのか。
 ウ、今後JALから維持費負担が担保できないとなると空港の運営は厳しくなるが、どのように対処するのか伺います。
 エ、JAL撤退後の空港の利活用については早急に検討すべきと考えるが見解を伺う。利活用検討委員会等の早期立ち上げの考えはないのか。
 オ、下地島空港を「沖縄21世紀ビジョン」③の離島空港整備・利活用促進―国際線拠点空港として位置づけるべきではないのか、知事の見解を伺います。
 カ、昨年11月定例会で中国人観光客が増加する中で、那覇空港が手狭なため宮古・下地島空港の使用を求めたところ、知事は、島の空港をフルに活用することが必要になる。そういう方向の展開ができるよう大至急詰めてみたいとの答弁であった。これまでどういうふうな詰め方をしてきたのか知事の見解を伺います。
 (2)、周辺残地の利活用について伺います。
 ア、農業ゾーン利活用の進捗状況、そして今後の事業推進と課題について伺います。
 大きな3番目、離島・僻地医療について。
 (1)、県立八重山病院で起こった産婦人科医師不足による出産ができない事態が発生をした。離島においては恒常的に医師や看護師、コメディカル等の不足が生じている。島内で完結できる安定した医療体制を構築するためにも、抜本的な解決は定数枠を大幅にふやして配置定数を検討すべきである。見解を伺います。
 (2)、新宮古病院建設の進捗状況と建設に伴う研修宿舎の整備について伺います。
 大きい4番目、福祉行政について。
 (1)、がん条例について。
 ア、条例(案)の提案を見送った具体的な理由を示してください。
 イ、平成22年6月に陳情された「沖縄県がん対策推進基本条例」と比べ相当乖離のある条例(案)となっている。施策の具体性に欠けるがどうか。
 ウ、市町村の責務については盛り込むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 エ、「がん対策推進協議会」と「がん診療連携協議会」の設置は条例の進捗と評価、診療の連携体制についての提言、評価を行う上で必要と考える。見解を伺います。
 大きい5番目、学童保育事業について伺います。
 これまで県内における行政の補助要件を満たす学童保育は361カ所あるが、そのうち補助を受けていない施設が140カ所もあるといいます。学童保育事業に対する行政支援のおくれが顕著になっている。新たな振興計画や一括交付金による補助金支援や公施設の増設、保育の質の向上のための支援を行うべきではないのか見解を伺います。
 答弁を聞いて再質問いたします。
○知事(仲井眞弘多) 奥平一夫議員の御質問に答弁をいたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢の中で、沖縄振興一括交付金の拡充についてという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
 沖縄県は、これまでの全国一律の国庫補助制度の枠組みの中では、沖縄の発展可能性を生かす先駆的な施策や沖縄固有の特殊事情に起因する課題の解決に向けた施策に十分な対応ができないことから、使途の自由度の高い沖縄振興一括交付金の創設を県選出国会議員や県議会議員、そして市町村長を初めとした関係各位と一体となりまして国へ粘り強く求めてきたところであります。政府におかれましては、こうした沖縄の置かれた特殊事情や沖縄振興の重要性にかんがみ、沖縄振興予算の大幅な増額と沖縄振興一括交付金の創設を決定したものと考えております。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中で、課題の克服と将来像の実現についてという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
 新たな計画(案)では、「沖縄らしい優しい社会の構築」と「強くしなやかな自立型経済の構築」を施策展開の基軸として、「沖縄21世紀ビジョン」で示された県民が描く将来像の実現及び固有課題の解決、克服に向け、県民主体で取り組むこととしております。
 「沖縄らしい優しい社会の構築」では、子供が健やかに生まれ育つ環境づくり、そして豊かな自然環境のもとで医療や福祉、そして保健、教育などが充実し、安全・安心できる社会の構築、そして離島の定住条件の向上などに取り組んでまいる所存でございます。また、「強くしなやかな自立型経済の構築」という柱では、観光・リゾート産業や情報通信関連産業に加えまして、沖縄の特性を踏まえた臨空・臨港型産業の集積を図ってまいります。第3、第4のリーディングインダストリーを育てるとともに、域内産業を活性化させ、経済社会の変動にも柔軟に対応できる経済を構築してまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○商工労働部長(平良敏昭) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、「低炭素島しょ社会」の定義と目標値、実証事業等についてお答えいたします。
 沖縄県が目指す「低炭素島しょ社会」については、「沖縄21世紀ビジョン」において「亜熱帯の海洋島しょ圏の立地特性を戦略的に活用し、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーなど環境技術の革新を進め、世界の環境フロンティア及び地球温暖化対策の先進的モデル」となるよう取り組むこととしております。この実現に向けて、沖縄県では平成22年度に策定した「沖縄県地球温暖化対策実行計画」において、運輸・産業・民生の各部門ごとに排出量の削減目標を掲げ、2020年度までに各部門合計で2007年度比10%削減することとしております。また、平成22年度に策定した「沖縄県エネルギービジョン」においても、新エネルギー導入割合を2007年度の0.2%から、2030年までに10%に引き上げること等の数値目標を掲げております。現在の実証事業としては、スマートエネルギーアイランド基盤構築事業において、再生可能エネルギーの普及拡大に向け必要となる系統安定化対策、宮古島市来間島における再生可能エネルギー100%自活実証等に取り組んでいるところであります。また、平成24年度は新たに海洋温度差発電の実証事業に取り組むなど再生可能エネルギーの導入を推進してまいります。
 同じく知事の政治姿勢についての御質問の中の、天然ガス資源開発調査の調査結果等についてお答えいたします。
 沖縄県が今年度実施した天然ガス資源緊急開発調査の結果によれば、本島中南部には、広範囲にわたって水溶性天然ガスの鉱床が広がっており、同様に、宮古島においても天然ガスの賦存が期待されております。
 沖縄県としましては、最新の技術を用いた調査により、地質の構造等について詳細な解析が行われたことは、今後の地産エネルギー開発促進に資するものと考えております。水溶性天然ガスを利用していくためには、その採取量やガス・水の比率等を踏まえ、経済性の面から検証する必要があります。このため、沖縄県としては、平成24年度に具体的に試掘調査を実施し、その結果を踏まえ、水溶性天然ガスの利活用について検討してまいりたいと考えております。試掘地域につきましては、現在のところ本島中南部、そして宮古地域を予定しているところでございます。    
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 知事の政治姿勢についての中の、世界水準の観光・リゾート地の定義と統合リゾートの導入についてとの質問にお答えいたします。
 「世界水準の観光リゾート地の形成」につきましては、沖縄観光が独自の観光価値を発揮し、アジア・太平洋地域を代表する観光・リゾート地として、世界じゅうに広く認知され評価される状態を確立していくことと定義しております。沖縄県としましては、このような状態を構築していくため、国際的な沖縄観光ブランドの確立や、市場特性に対応した誘客活動の展開、外国人観光客に十分満足していただける「ストレスフリー・アイランド沖縄」の実現などに努めてまいります。統合リゾートの導入につきましては、沖縄観光の魅力を向上させ、世界じゅうから観光客を呼び込む可能性のある施策の一つとして研究・検討を進めているところであります。
 次に、下地島空港及び周辺残地の利活用問題についてとの御質問の中の、宮古空港及び下地島空港の活用についてとの質問にお答えいたします。
 沖縄県としましては、観光客の一層の拡大を図るため、昼間の時間帯の需要が増大している那覇空港に加え、離島空港を積極的に活用していくことが必要であると考えております。そのため、次年度は離島観光を総合的に支援する離島観光活性化促進事業を実施してまいります。宮古圏域におきましては、現在の宮古空港を最大限活用するため、定期化に向けたチャーター便誘致を図るとともに、地域の観光情報の発信強化や、地域特性を生かした旅行商品の造成支援など、地元の観光協会と連携し、地域の実情に合った季節ごとのきめ細かなセールス活動を展開してまいります。また、下地島空港につきましては、宮古空港との役割分担や旅客ターミナル施設の整備などについてさまざまな課題があると考えており、その利活用につきましては、今後とも関係部局間で議論を深めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、南西諸島への自衛隊配備についてお答えいたします。1の(2)のアと1の(2)のイは関連いたしますので一括してお答えいたします。
 防衛白書では、自衛隊配備の空白地域となっている島嶼部に、必要最小限の部隊を新たに配備するなど、南西地域の態勢強化が示されております。自衛隊の配備については、我が国の防衛やさまざまな緊急事態対応などの観点から、政府において適切に検討されるべきものと認識しております。しかしながら、その配備に当たっては、地元の理解と協力を得るよう、最大限の努力をするべきであると考えております。
 次に、同じく自衛隊配備問題について、住民間にあつれきを生むのではという御質問にお答えいたします。
 防衛省は、今年度から先島諸島への沿岸監視部隊の配備等について調査を実施し、来年度の予算案に与那国島への部隊配備に要する経費として約10億円を計上したところであります。自衛隊の配備に当たっては地元の理解が不可欠であり、防衛省においては今後とも引き続き地元の理解と協力を得るよう、丁寧に説明を行うなど最大限の努力をするべきであると考えております。
 次に、宮古・石垣や南西諸島が米軍との共同使用や前方展開の拠点として利用されることについてお答えいたします。
 民間港湾は、民間船舶の運航を目的として設置されたものであり、緊急時以外は、米軍の使用は自粛すべきであるというのが県の一貫した方針であります。民間船舶の円滑な定期運航及び安全性を確保するため、今後とも日米両政府に対し、米軍による緊急時以外の民間港湾の使用自粛を求めてまいります。なお、施設の米軍との共同使用については、公式に日米両政府から示されておらず把握しておりません。
 以上でございます。
○総務部長(兼島  規) 知事の政治姿勢に関する質問のうち、沖縄振興交付金未計上分の対応等についてお答えいたします。
 平成24年度予算の編成に当たっては、新たに創設される沖縄振興交付金を最大限に活用することとし、同交付金1575億円のうち1451億円を当初予算に計上したところであります。
 沖縄振興交付金の未計上分123億円につきましては、沖縄振興に資する事業であることを原則として、本県の特殊事情を踏まえた取り組みに活用することとしております。また、補正の時期につきましては、予算執行期間を確保する観点から、平成24年度の早い時期を念頭に調整を進めていくこととしております。
 以上でございます。
○企画部長(川上好久) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、沖縄振興交付金の次年度以降の予算獲得についてお答えいたします。
 沖縄振興一括交付金については、新たな沖縄振興のための改正法案の中で規定されており、持続的な制度として創設されたものと認識しております。沖縄県としましては、平成25年度以降も沖縄振興のための施策が持続的に展開できるよう、必要な予算額の確保に向け、引き続き県議会を初め、関係各位の御理解と御協力を得ながら国へ強く要望していきたいと考えております。
 次に、市町村の裏負担分に対する支援についてお答えいたします。
 沖縄振興特別推進交付金(仮称)は、交付率が10分の8とされ、裏負担分10分の2の半分は地方交付税で措置されることとなっており、したがって実質的な交付率は10分の9となります。沖縄県としては、現在、市町村の事業立案に関する相談窓口を設置するなど、サポート体制を強化しているところであります。また、小規模町村に対しては、年度を通して一括交付金の執行に加え、財政運営に関する助言を行うとともに、その実施する事業については県と連携した事業の実施なども含め、個別事業ごとに検討してまいりたいと考えております。
 次に、新たな計画における離島振興の考え方についてお答えいたします。
 沖縄の離島地域は、多様で豊かな自然環境や、独自の伝統文化等の魅力を有している一方で、遠隔性、散在性、狭小性等の条件不利性からさまざまな課題を抱えております。このため、「沖縄21世紀ビジョン基本計画(仮称)(案)」においては、交通・生活コストの低減、生活環境基盤や交通基盤の整備、教育、医療、福祉の分野におけるユニバーサルサービスの提供など、生活面での条件不利性を克服するための施策を盛り込んでおります。また、産業の総合的な振興に向けて、農林水産業の生産性向上を推進するとともに、観光・リゾート産業や製造業等については、美しい海洋環境などの離島の魅力を最大限に活用し、総合力を高める施策を展開することとしております。さらに、県内及び本土との地域間交流や、文化、経済などさまざまな分野における近隣諸国との国際交流を推進するなど、我が国の国益に貢献する地域として新たな展開を図ることとしております。
 次に、新たな計画における離島振興策について、これは今回の離島振興計画の中で目玉となる施策についてでございます。
 「沖縄21世紀ビジョン基本計画(仮称)(案)」においては、離島における定住条件の整備や、各島の特色を生かした産業振興等、総合的な離島振興策を推進することとしております。離島の定住条件の整備に関しては、離島航路・航空路の確保・維持や運賃の低減及び生活必需品の価格低減を盛り込んでおります。また、水道事業や廃棄物処理の広域化の推進、高等学校等が設置されていない離島の進学に伴う家庭の経済的な負担の軽減、ドクターヘリ事業の強化等急患空輸体制の充実及び介護サービスの事業運営への支援等を盛り込んでおります。産業振興については、それぞれの島の魅力を生かした着地型観光プログラム等の開発を促進するほか、海外航路・航空路の充実、近隣諸国等からの観光客増大に向けた誘客活動の推進等を盛り込んでいるところでございます。このほか、特産品の開発については、離島固有の素材・資源を活用した製品の開発や、戦略的なプロモーションによる販売力の強化など、総合的な支援の強化等を盛り込んでいるところであります。
 次に、離島地域の石油製品価格の低減についてお答えいたします。
 県は、これまで復帰特別措置である揮発油税等軽減措置を活用し、石油製品輸送等補助事業により、沖縄本島から離島へ輸送される石油製品の輸送経費をほぼ全額補助してきたところであります。平成22年度のガソリン価格を長崎県や鹿児島県の離島と比較すると、本県離島が1リットル当たり約15円安くなっており、揮発油税等の軽減措置以上に価格が低減されていることから、石油製品輸送等補助事業の効果は大きいものと考えております。しかしながら、離島においては、市場規模が小さいために、販売単価の引き下げが困難であることや、輸送コスト以外に貯蔵施設の設置・管理等の経費が必要であることなどにより、依然として本島との差が生じております。このため、次年度において本島・離島間で価格差が発生する要因を定量的に分析するため、離島における石油製品販売事業者の経営実態調査を行い、その調査結果を踏まえ、価格差を縮小する方策を検討することとしております。
 次に、離島振興の新たな展開についてお答えいたします。
 沖縄県の離島地域は、我が国の領空・領海及び排他的経済水域の保全並びに航空機や船舶の安全な航行等、国益の確保に重要な役割を担っております。県においては、こうした離島地域が果たしている役割について、県民や国民の理解を深めるため、離島と他地域との多様な交流を促進することとしております。また、特殊病害虫の防除、クリーンエネルギーの開発など、離島地域からアジア・太平洋地域への国際協力や国際貢献が可能な分野における取り組みを促進する離島の振興モデルを構築することとしております。
 次に、離島生活コスト低減実証事業の対象経費についてお答えいたします。
 離島生活コスト低減実証事業は、沖縄本島から小規模離島を中心とする県内有人離島へ輸送される食料品や日用雑貨など生活必需品の輸送経費及び販売経費の一部を補助し、離島における生活必需品の価格を低減するための実証実験を行うものであります。同事業においては、沖縄本島から離島へ輸送される生活必需品の輸送経費等を対象としており、台湾等から輸入される物資も生活必需品については、沖縄本島から離島までの間の輸送経費等は補助の対象になるものと考えております。
 次に、先島航路への旅客船の就航についてお答えいたします。
 先島航路につきましては、身体的理由から航空機に搭乗できない者について、平成23年1月から、琉球海運株式会社の貨物船内にある船室の一部を活用し、乗船が可能となっております。先島航路の再開につきましては、民間事業者が撤退した経緯、旅客需要や採算性などの課題を検証する必要があり、次年度において就航の可能性の有無について調査をしていきたいと考えております。
 次に、下地島空港及び周辺残地の利活用問題についての御質問の中で、農業ゾーン利活用の進捗状況等についてお答えいたします。
 下地島空港周辺県有地の利活用については、これまで県関係課及び宮古島市で構成する「下地島空港残地有効利用連絡会議」において、農業的利活用の具体化に向けた検討を重ねてまいりました。その結果、昨年6月に開催をした同連絡会議において、農業的利用ゾーンを現在の30ヘクタールから85ヘクタールへ拡大し、農業的利活用を先行的に推進することを確認したところであります。また、宮古島市において、「下地島農業基本計画書」の策定に取り組んでいるところであり、昨年12月には現に耕作している方々を対象とした現地説明会を県と市が合同して開催をしたところであります。今後、宮古島農業振興地域整備計画の変更等の諸手続や、現に耕作している方々への対応、県有地の処分などについて地元宮古島市と連携しながら取り組んでまいります。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 知事の政治姿勢についての御質問で、複式学級の課題解消についてお答えいたします。
 県教育委員会としましては、平成24年度から、複式学級に在籍する児童の教育環境の改善を図るため、個別指導が比較的困難な8人以上の複式学級に非常勤講師を配置することとしました。今後につきましては、本事業の成果等を検証し、複式学級の課題解消に向け研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(比嘉俊昭) 知事の政治姿勢の中で、高付加価値な農産物の生産、販売、ブランド化と目標についてお答えします。
 離島の農林水産業につきましては、さとうきび、肉用牛、モズクなどの生産が行われておりますが、農林漁業者の経営安定を図る観点から、付加価値の高いマンゴー等の品目の生産拡大が求められております。そのため、県では、さとうきび等の土地利用型作物に加え、ゴーヤー、マンゴーなど収益性の高い園芸作物の生産拡大を図るため、圃場やかんがい施設の整備、台風等災害に強いハウスの整備、ヤイトハタの養殖技術の確立・普及などを推進しているところであります。また、新たな取り組みとして、観光と連携した6次産業化による新市場開拓や国内外を見据えた流通・販売・加工対策の強化などに取り組む考えであります。なお、ブランド化の数値目標につきましては、市場から信頼される定時・定量・定品質の出荷が可能な拠点産地数などを考えておりますが、「沖縄21世紀ビジョン基本計画(仮称)(案)」の策定作業と並行して検討しているところであります。
 以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 下地島空港及び周辺残地の利活用問題についての御質問の中で、調停の申し立てについてお答えいたします。
 日本航空は、当面の間、下地島空港における訓練計画はないとし、同空港から完全撤退し、平成24年度以降の維持費負担はできないと県に通知しております。しかしながら、県としては、建設に至った経緯等から、空港の新たな利活用が実現するまでの期間、日本航空は引き続き同空港の年間維持費を負担すべきと考えており、本覚書の継続確認等について民事調停の申し立てを本議会に提案したところであります。
 同じく下地島空港で、国の責任についてお答えいたします。
 下地島空港は、航空会社の強い要望と国の航空審議会答申を受け、国内唯一のパイロット訓練飛行場として多額の経費を投じて建設されました。そのため、今後の利活用のあり方などについて総合的に検討を行い、国を初め関係機関と連携・調整し対応していきたいと考えております。
 同じく下地島空港で、今後の空港運営についてお答えいたします。
 下地島空港の年間維持費については、県と航空会社が締結した覚書に基づき、これまで日本航空及び全日本空輸が折半してきたところであります。このため、新たな利活用が実現するまでの維持費についても日本航空は全日本空輸とともに引き続き負担すべきであり、県としましては、民事調停による早期の解決を図る考えであります。また、空港の将来にわたる運営につきましては、新たな利活用を行う中で適正な維持費の確保に努めていく考えであります。
 同じく下地島空港で、下地島空港の今後の利活用と国際線拠点空港の位置づけについてお答えいたします。2の(1)のエと2の(1)のオは関連しますので一括してお答えします。
 パイロット訓練を取り巻く環境は、シミュレーター化の進展により実機を使用した訓練が減少するなど大きく変化しております。
 県としましては、空港についての国内外の先駆的な活用事例を調査研究し、今後の利活用方策について総合的に検討を進めていく考えであります。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 離島・僻地医療についての御質問の中で、定数枠の大幅増と配置定数の検討についてお答えいたします。
 八重山を初め離島の県立病院が地域の中核的な医療機関としての役割を果たすためには、医師等の人材確保は重要な課題であると考えております。そのため、病院事業局においては、離島の県立病院に欠員が生じないよう、大学病院等との協力・連携や採用年齢制限の撤廃等により医師や看護師等の確保に取り組んでいるところであります。また、今年度は医療提供体制の確保や経営改善を図る観点から、各県立病院に配置した臨任医師等のうち診療体制の確保に不可欠な診療科目やリハビリ部門の人員体制の強化に向けて増員の検討を行ったところであります。
 病院事業局としましては、離島における医療提供体制の確保を図る観点から、人員体制について今後も所要の検討を行うなど適切に対応していきたいと考えております。
 次に、新宮古病院建設の進捗状況と研修宿舎の整備についてお答えいたします。
 新宮古病院の建設工事は、現在、2階床コンクリートの打設に向けて準備作業を行っているところであります。ことし1月末時点の工事の進捗率は、地盤改良工事用の機材が東日本大震災の関係で搬入できなかったことなどにより、当初予定の26.5%を下回る18%となっていることから、平成24年11月の本体工事の完成におくれが出ないよう、現在、工事スケジュールの再調整を行っているところであります。
 また、研修宿舎については、平成24年度に設計を行い、平成25年度に着工、完成する予定となっております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) がん対策推進条例案の提案を見送った理由についてお答えいたします。
 平成24年2月2日に開催した作業部会と2月9日の連絡会でがん対策推進条例の福祉保健部案を説明したところ、患者や医療関係者などから、具体的施策を明示することや施策の実効性を確保できるような文言へ修正してほしいなど、より一層内容の充実を図るために議論を深めたいとの意向がありました。そのため、今議会での提案を見送ったところであります。
 連絡会で説明した条例案は具体性に欠けるのではないかという問いにお答えいたします。
 がん対策推進条例を策定するに当たり、患者会等が検討してきた条例案を含め、他府県の条例も勘案しながら検討を行ってきました。現在検討中の案には、連絡会での意見、パブリックコメントの意見を踏まえ、基本的な事項については可能な限り反映いたしました。とりわけ、連絡会やパブリックコメントで多く意見のあった「がん患者の身体的・精神的・経済的負担の軽減」や「離島及びへき地のがん医療の充実並びに患者支援」などに関する規定を盛り込むなど、本県の特性を踏まえた条例案として一定の評価を得ることができました。
 しかしながら、2月2日の作業部会と2月9日の連絡会で条例案を説明したところ、具体的施策を明示することや施策の実効性を確保できるような文言へ修正してほしいなど、より一層内容の充実を図るために議論を深めたいとの意向がありました。
 県としましては、よりよい条例の制定に向け、さらに患者関係者等との意見交換を進めていきたいと考えております。
 「市町村の責務」に関する規定についてお答えいたします。
 「市町村の責務」について、がん対策基本法では、国と連携しつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、実施する責務を有すると、都道府県と同様の責務が規定されております。県と市町村は対等な立場であり、県条例において「市町村の責務」を規定する必要性はないものと考えております。
 続きまして、「がん対策推進協議会」等の設置についてお答えいたします。
 今回提案を予定しておりました条例案では、がん対策推進計画の策定等について沖縄県医療審議会へ諮問することを検討しています。また、計画案の策定・評価並びに診療連携体制づくり等については、患者や医療関係者など県民各層から幅広く意見を聞く場を設ける旨の規定を盛り込む予定です。
 患者会等からは、「がん対策推進協議会」の名称を明示してほしいとの要望があることから、引き続き意見交換し検討してまいります。
 続きまして、放課後児童クラブへの支援についてお答えいたします。
 放課後児童クラブの実施主体である市町村においては、国が定める実施要綱に基づき補助対象となるクラブに対して運営費の助成を行っており、平成24年度においては、市町村からの要望を踏まえ、23年度より20カ所増の245カ所のクラブに助成することとしております。また、平成24年度当初予算案においては、放課後児童クラブ支援事業として沖縄振興一括交付金を活用し、市町村における放課後児童クラブの公的施設へ移行する計画策定支援や家賃補助、老朽施設の改修・修繕への補助を行うこととしております。さらに、保育の質の向上を図るために、放課後児童クラブ指導員の研修も引き続き行ってまいります。
 以上であります。
○奥平 一夫 再質問をしたいと思います。
 最初に、世界に誇れる低炭素社会実現、これは世界に誇れるわけですから、今のような具体性のない部長の答弁では非常に納得いきません。
 そこで再質問したいと思いますが、県内における市町村の温室効果ガス削減計画の策定状況、それと再生可能エネルギーの自給率向上に向けてどういう戦略を持っているかをお聞きします。
 もう一つは、県内離島における再生可能エネルギー及び自然エネルギーの地産地消体制の推進と進捗はどうなのか。
 そして、もう一つは、温室効果ガス削減に向けた公共交通の目標について伺いたい。
 4番目に、世界に誇るわけですから、その誇れる低炭素社会実現は、現在のエネルギービジョンで可能なのかどうかお伺いしたいと思います。
 カジノについてでありますけれども、4つ、5つぐらいお聞きしたいと思います。
 アジア圏ではマカオや香港、ほか多くの国で中国人富裕層をターゲットにしたカジノをつくっただけでは済まない。巨大な宿泊施設や商業施設、テーマパークなどのインフラ設備で相乗効果が必要といいます。何千億の世界だといいますが、投資の回収には当然安定した集客が必要になり、税率の競い合いで顧客の獲得にしのぎを削っていると私は理解しておりますが、県は世界のカジノの現状についてどのように理解しているのかお伺いしたいと思います。
 もし集客が思うようにいかなければ、日本の内需に頼ることになります。今、この日本ではスロット、パチンコ業の売り上げがおよそ20兆円ぐらいあると言われておりますけれども、そういう日本の内需に頼ることになるわけですから、沖縄で県民の出入りはさせないということにはならないと思いますが、どうでしょうか。
 そしてさらに、出入りしますと依存症を含めさまざまな問題が起こってくることが予想されます。結局、沖縄らしさを失った単なるカジノ観光地に成り下がるのではないのかなという懸念がありますが、いかがでしょうか。
 もう一つは、このような懸念があるとしても、知事は、カジノは沖縄にとって打ち出の小づちになるというふうに考えているのかお伺いしたいと思います。
 次に、狭隘な県土に1000万人誘客目標について相当な無理を感じます。キャパシティーの問題について見解を伺う。また、むしろ観光の質の充実で滞在日数や消費額を上げていくということが重要であると考えるが、どのような戦略を持ってやっていこうとしているのかお伺いいたします。
 私は、離島を含めた小規模離島を巻き込んだ周遊ツアーの多様な商品をつくって対応すべきだというふうにも思いますし、エコツーリズム、スポーツ・ツーリズム、そしてヘルシーツーリズム、例えば先進的なエネルギー地の視察に観光客を呼び込むというそういうツーリズムなど、離島を含む地域特性を生かした観光にもっと取り組む必要があるのではないのかなというふうに考えますが、いかがでしょうか。
 南西諸島における自衛隊の問題についてお伺いいたします。
 照屋寛徳衆議院議員の質問主意書に対する答弁によると、与那国にはヨナグニカラスバト、クワガタ、ヨナグニサン、与那国馬など固有種がおり、自然文化的な景観が備わっているとしております。これは自衛隊基地と相入れないと考えるが、知事の見解をお伺いします。
 もう一つは、知事は、南西諸島への自衛隊配備についても非常に理解を示しておりますけれども、さらに宮古とか八重山とかというところへ防衛省からその計画が持ってこられた場合に、知事は一切関知しない、あるいは了承するという姿勢をそのまま貫くのかお伺いいたします。
 それから、21世紀ビジョンについてお伺いいたします。
 県審議会から示された中間報告で、10年後の失業率4%、県民所得250万から275万円、県内総生産額4.8から5.4兆円の展望値としている。その際、離島と本島の所得格差は解消するのか、産業構造は一体どうなるのか、観光産業が一体どれぐらいまで売り上げを伸ばしていくのか、その辺についてもお伺いをしたいと思っています。
 それから、下地島空港について。
 利活用検討委員会の立ち上げを検討するというお話でありましたけれども、その際、宮古島市が提案している下地島空港利活用計画も選択肢となるべきではないのかお伺いをいたします。
 がん条例について。
 新聞報道によりますと、6月提案を予定するというふうになっておりますが、それが担保できるのかどうかお伺いしたいと思います。
 以上。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後4時53分休憩
   午後5時5分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 商工労働部長。
   〔商工労働部長 平良敏昭君登壇〕
○商工労働部長(平良敏昭) 奥平議員の再質問の中で幾つかありましたけれども、再生可能エネルギーの推進戦略、あるいは離島で具体的にどういう戦略を持っているか、それから現在のエネルギービジョンで「低炭素島しょ社会」の実現は可能かという御趣旨の質問だったかと思います。再生可能エネルギー推進戦略とエネルギービジョンは、ある面で関連しますのでまとめてお答えいたします。
 現在のエネルギービジョンは平成22年度に策定したわけです。その中で目標を掲げておりまして、まずエネルギービジョンは新エネルギーのみを限定としたビジョンではなくて、本県のエネルギー構成を「低炭素島しょ社会」に向けてどういうふうに構成を持っていくかというまず前提があります。それを踏まえて可能な限り石油依存度を減らしていこうと、もう一つは、省エネルギーを進めていこうと、そこに新エネルギーを導入していきましょうということで、2005年のベースで言うと現行の新エネルギー導入割合が0.2を2020年で4%、2030年で10%と。それから石油依存度を低減していこうということで、2005年がおおむねエネルギーの大体55%を石油に依存していたというデータがありますので、これを10%程度に2030年までに削減しましょうと。もう一つは、省エネルギーを2005年ベースを100としますと、2030年には70ぐらいにしようと、つまり30%の省エネルギーを進めていきましょうと、こういうエネルギー構成を今回のビジョンでつくったわけです。
 しかし、さきの東日本大震災、こういうもので東京電力福島第一原子力発電所の事故等を受けて、国のほうでもエネルギー政策を抜本的に見直すと、そういう動きが今日あるわけで、したがいまして、エネルギービジョンについても、もう一回このエネルギー構成を抜本的に見直さんといかぬと考えておりまして、これについては早急に取り組んでいきたいと。その中で、新エネルギーの導入割合をどのぐらいにするかという目標をきちっと位置づけて、その上で、これをどうやって推進していくかという戦略をもう一回きちんとつくっていきたいと、このように考えております。
 それから、離島での取り組み・戦略ですが、一応離島については、今年度から実施しているスマートエネルギーアイランド事業、これは総額約70億円前後の予算を投入して今年度から26年度までの4年間で実施いたします。
 それから、クリーンエネルギーの一つとして水溶性天然ガス、これは燃やせばCO2の排出量が少ない、こういうものをきちんとやっていくと。それから、久米島においては海洋温度差発電。特に、再生可能エネルギーは小規模離島においては非常に導入しやすい、エネルギーの規模というのが小さいですので、できるだけ離島については再生可能エネルギーを導入していくようなそういう戦略もきちっとつくっていきたいと、このように考えております。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 再質問にお答えいたします。
 温暖化対策についての御質問で3点ばかりあったと思いますけれども、まず1点目、市町村の地球温暖化対策の計画の策定状況はどうなっているかということでしたけれども、地球温暖化防止実行計画ということで県内の41市町村のうち15市町で策定をされておりまして、策定率で言いますと37%。全国の市町村は47%策定されておりますので、若干低いという状況であります。
 それから2番目に、県のCO2削減の目標はどうなっているかという質問だったと思いますけれども、新しく地球温暖化対策実行計画を2010年に策定しまして、2000年度を基準年としまして、2007年度に基準年から10%増加しておりましたけれども、2020年度までにそのレベルまで落とすということで、10%削減目標を設定をして取り組みを進めるということにしております。
 その中で部門別のお話が出ましたので、3番目としまして、それでは部門別にどういうふうな目標を設定して取り組むかということを今度新しく目標設定しましたけれども、例えば産業部門でマイナス2%、民生家庭部門でマイナス6%、民生業務部門でマイナス2%、運輸部門でマイナス1%とそのような目標を立てまして、それぞれ部門別にさまざまな事業を展開していこうというふうに考えております。例えば、県が実施している具体的な事業を1つ申し上げますと、公共施設の遮熱化事業ということで、市町村とか県の公共施設に遮熱を要する事業を行ったり、それから民間住宅の遮熱化事業を支援したり、そういった具体的な事業を行いながら温暖化対策を実行していくということであります。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 再質問にお答えいたします。
 カジノに関する部分で、まず世界のカジノの現状についてという御質問がございました。
 今、世界じゅうの120カ国でカジノ導入がありますけれども、議員が御指摘しましたIR――これはシンガポールから始まっている名前のカジノでございますが――いわゆるエンターテインメント、それからMICE、そういったものを含めた複合型のカジノ、これが今世界で一番視察が多い、注目を集めているカジノの一つでございます。
 そして、県民の入場をどう考えているかという2つ目の質問でございますが、これは例えば今言いましたシンガポールですと、国民が入るためにはすごく多額のお金を払って入る。そして、海外の人が入る場合にはパスポートを見せて入るというような形でございまして、いわゆる国民や県民が入場をどう考えるかということに関しましては、そういうことを考えてみますと、これはいろんな形での入場の方法というのを思考していかなきゃいけないというふうに思っておりますが、いずれにしましても、国の動向はまだどういう形でカジノが、IRが導入されるかという形がありませんので、そこら辺を見ながら、県民の入場というものに関しては、しっかりビジネス的なバランスも考えながらしなくてはいけないのではないかというふうに考えております。
 それから、先ほどの話とも付随しますが、依存症の問題、その対策・対応についてということでございますけれども、おっしゃるとおり、依存症に関しましては、既に今もギャンブルに限らず依存症というのがあります。これ以上のギャンブルの依存症を絶対に増加させないというのがまず絶対条件、導入する際にはそういうふうな心構えで臨むべきだというふうに考えておりまして、そのために恐らく今後研究・検討する上で必要になってくるのは、この依存症の対策というものに関しましてはうちの部だけではなくて、いろんな部がまたがっていかなきゃいけないということになってまいりますので、そういったところも考えていかなきゃいけないのではないかというふうに思います。
 それから、懸念があってもそれでも導入をするのかというような御質問でございますけれども、カジノを導入する大前提としましては、まず経済的な効果が確かに見込まれる事業であるかどうか。確かにリスクも集中する事業ではあると思いますが、地域経済の発展にどう貢献するかということがまず第一義だというふうに考えておりますので、そういった部分を含めて、もし導入すると仮定した場合、そういうふうな懸念はしっかりと断固とした形で対策をとっていくと、それを前提とした上で経済的なビジネスとしてのエンターテインメントと合わせたIRリゾートをしっかり導入していくべきだというふうに考えております。
 それ以上に滞在日数、消費額を上げるほうがいいのではないかというような御質問もありましたけれども、いわゆるMICE、それからIRを含めまして沖縄が1000万人の観光を目指している、これはもう大きな目標として、知事の公約にありますし、我々もしっかりそれを果たしていこうと思っておりますが、本当にそういう面で言うならば、この1000万人を確実にするために大事なことは、まず1回沖縄に来てもらうと。来てもらった人たちにあと1泊してもらうと。そしてもう一度来てもらうという――これはトリプル・ワン・プロジェクトと我々は呼んでいますけれども――この3つの1をどうふやしていくかということにおいては全くおっしゃるとおりで、滞在日数や消費額を上げるということも非常に重要だと思っております。その上で最も大事なことは、まず1泊ふやす施策をどう打っていくか。そういった面で言うならば、1つは、やはり文化やスポーツ、そういったカルチャーのナイトカルチャーを充実させること、2つ目に、やはり離島に行ってもらうということでもう1泊ふえるわけですから、そういった面で言うならば、まさに議員がおっしゃった離島を生かしたエコとかスポーツ、それからヘルシー、エネルギーの視察等も含めてですけれども、この離島を周遊するツアーというものも我々はしっかりと24年度から促進事業として組んでいるところでございます。
 いずれにしましても、まだ国のほうでもこれから上程がされるということでございますので、この国の動きも見ながら、県としてもこれからしっかりと話を詰めていきたいと、研究・検討をしていきたいと思っております。よろしくお願いします。
 以上です。
○知事公室長(又吉 進) お答えいたします。
 与那国島への自衛隊配備について、自然保護と配備は相入れないのではないかという御質問であったと思いますが、御指摘のように、与那国島にはヨナグニサン等貴重な生態系が存在することは承知しております。
 防衛省は、今後、与那国町との協議を経て場所等を確定していくと説明しておりまして、当然のこととして自然環境保全への配慮がなされるべきであると考えております。
 次に、宮古・八重山に自衛隊が配備される計画が来た場合、知事は関知しないのか、了承するのかという御質問でありましたが、現時点で同地域に対する具体的な配備計画等が示されていない中で態度を明確にする段階ではありませんが、先ほど御答弁をさせていただいたように、自衛隊の配備につきましては、我が国の防衛政策の中で決定されるものであり、その配備には地元の理解が前提であると考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 下地島空港の利活用調査で、宮古島市が提案している案も含めて検討するのかとの再質問についてお答えいたします。
 宮古島市は、平成20年3月に下地島空港等利活用計画書を策定し、その中で平常時は国際的な航空教育の拠点とし、災害時は国際緊急支援活動の拠点としての下地島空港の活用を位置づけております。
 今回、県が委託発注する利活用検討調査の中で、国内外の活用事例を調査研究した上で、宮古島市のその2つの案も含めて検討していく考えであります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(宮里達也) がん条例に関する再質問にお答えいたします。
 今回提案を見送った条例案も関係者から一定の評価を得ておりました。しかしながら、より一層よいものをという御意見もありまして提案を見送ったという事情があります。6月提案に向けて最大限の努力をします。
 以上です。
○奥平 一夫 知事にちょっとお聞きしたいんですけれども、世界に誇る「低炭素島しょ社会」の実現という大きな目標を掲げているんですけれども、今、部長の皆さんが答弁したものでは私は全然満足できていないんですけれども、知事いかがですか、これ。
 もう一つ、これはやっぱり1つの部署だけでできるようなものではないと僕は思うんです。ですから、例えば温暖化効果ガス削減や、あるいはエネルギーの創出そういうものを含めた新しい部署をつくるべきじゃないのか、ちょっとお伺いしたいと思っています。
 それから、下地島空港。
 やっぱり何といっても厳しい状況には変わりはないんですけれども、年末の議会で知事がおっしゃっていました国際拠点というぐらいの空港の利用の仕方ということについて、知事から直接お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 以上で終わります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
   午後5時22分休憩
   午後5時25分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
 仲井眞知事。
   〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 奥平議員の再々質問に答弁させていただきます。
 おっしゃるように、低炭素社会と言ったときのこの低炭素は、鳩山内閣のころに象徴的にいろいろ言われたCO2ないしは温室効果ガスを70%ぐらい削減するというえらい強烈な目標をセットしたんですが、これがもうほんの二、三年であいまいになっているというぐらいなかなか難しい面があります。それに応じて沖縄県もそれほどの意欲的なレベルではありませんが、かなりの目標設定した計画は既に持っているわけです。
 そして一方でそのときには、その二、三年前にはまだ原子力発電所の事故が出てくる前ですから、恐らく原子力発電所をカウントしてのものだったに違いないと思います。そういうことですから、現在、当時の環境省も経済産業省も見直しを行っている最中だと聞いております。
 沖縄県にとりましても、もともと原子力発電所は大き過ぎて入り切れないという事情もあって入っておりません。ですが、LNGと石炭と石油というCO2製造装置しか大きなエネルギーがないという宿命にあるわけですが、ただ、このサイズですから、再生エネルギーとか新エネルギーというものに意欲的に取り組んでいけば、沖縄のエネルギーの半分または3分の1ぐらいは、そう遠くない時間帯でかなりのところまで行けるかもしれないという目標の設定もあり得ないわけではありません。ですから、これは議員がおっしゃるように、ここはもう少し一体的に考えて、具体的なプランを踏まえたものに我々もブラッシュアップしていく必要があると思っております。
 そして一方で、この組織が要るのではないかという、新しい低炭素エネルギーを扱う組織をつくったらどうかという御提言だったと思うんですが、これはきょうのところは御提言としていただいておきますが、ただ、横の連絡でかなりいろんな部局が一緒になって取り組めば目標の設定とアクション計画をつくって行動がとれると思います。きょうのところは御提言をいただくことと、我々、横の連絡の組織をぜひつくってみたいと考えております。
 それから、国際的な災害救助拠点というのを例えば下地島空港が使い勝手がいいものですから、ああいうところにつくってはどうかということで、今、知事公室でも研究をしておりますが、ただ我々は、これは下地島だけではなくて沖縄のいろんな地域で可能性があるということで、この中身について詰めていき、どこの地点がいいかというのはその次の段階で決めたいと思っていますが、ただ、下地島が有力な候補地の一つになり得るということで勉強をしているところでございます。
 以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 以上で本日の代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで終了いたしました。
 次会は、明24日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時29分散会

 
20120103000000