○議長(髙嶺善伸) 去る3月7日の会議において、本日は休会とすることに議決されましたが、議事の都合により特に会議を開きます。
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○議長(髙嶺善伸) これより本日の会議を開きます。
日程第1 「甲第24号議案 平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」の再議の件を議題といたします。
知事から再議に付する理由の説明を求めます。
仲井眞知事。
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〔「甲第24号議案 平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」に係る再議書 巻末に掲載〕
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〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
「平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」のうち、識名トンネル工事の契約問題に係る国庫補助金の返還金が削除されたことについては、県議会の意思として重く受けとめております。
識名トンネル工事の契約問題につきましては、知事として管理監督責任を痛感しております。沖縄県の行政の長として重大な責任を負っている私自身の処分はもちろん、この問題にかかわった職員及び幹部の監督責任についても、関係法令に照らし厳正に対処してまいります。
今後、このような事態が二度と生じないよう、私も陣頭に立って職員の意識改革を図っていきますとともに、全庁的に再発防止策を徹底し、適正な事業執行に万全を期してまいります。
県民の皆様に県行政への不信感を抱かせ、多額の国庫補助金の返還という重大な事態に至ったことに対し、重ねて深くおわび申し上げます。
それでは、「甲第24号議案 平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」の再議の件について、その概要及び理由を御説明申し上げます。
3月7日の会議で修正議決されました「甲第24号議案 平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」は、沖縄県の義務に属する経費を減額したものであることから、地方自治法第177条第2項第1号の規定に基づき再議に付したものであります。
沖縄県の義務に属する経費及び当該経費の減額に伴い増額された経費は、歳出の第8款「土木費」、第5項「都市計画費」の予算額5億8026万7000円の修正減額分及び第13款「諸支出金」、第4項「財政調整基金積立金」の予算額5億8026万7000円の修正増額分であります。
修正減額された経費は、平成24年3月1日に内閣府沖縄総合事務局長から返還を命ぜられた国庫補助金の返還に要する経費であり、地方自治法第177条第2項第1号に該当する経費であるというのが再議に付した理由であります。
以上、「甲第24号議案 平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)の再議の件」について、その概要及び理由を御説明申し上げました。
慎重なる御審議を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(髙嶺善伸) これより質疑に入ります。
本件に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
なお、質疑の回数は2回までといたします。
前田政明君。
〔前田政明君登壇〕
○前田 政明 日本共産党を代表して、ただいま議題となりました甲第24号議案「平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」の修正案の再議に対する質疑を行います。
この修正案は、虚偽契約による識名トンネル工事費の不正申請、不正受給が発覚して、国から補助金5億8000万円近くを返還するよう求められているものについて、原因の究明、責任の所在、再発防止がなされないなどの中で幕引きは許されないという立場から修正案が可決されました。そういう面で、知事から再議の提出が行われたものであります。
以下、質疑を行います。
1、知事は、議会の補正予算の修正案可決をどのように受けとめて再議書を提出したのか。
2、この事件は、識名トンネルの追加工事費について契約約款どおりに実施すべきところを、業者との折り合いがつかなかったといって県は請負業者の言いなりになって、既に終わった工事をこれから工事するかのように装い、虚偽の契約書を作成して国に補助金を申請し受給したという県政史上極めて悪質な官製談合事件、虚偽契約、公文書偽造罪、虚偽公文書作成罪などの違法な犯罪行為になると思うが、知事を初め関係者の責任を明確にすべきである。見解を求めるものです。
3、識名トンネルの工事の契約問題に係る第三者委員会の報告書は尊重すべきであると思いますが、見解と対応について問います。
4、予算特別委員会での私の質疑に関して、これらの契約、工事検査に関する文書は無効ではないかとの趣旨の質問に対し、部長が「有効である」と答弁しましたが、法的根拠は何ですか。
請負業者に対する代金の返還を求めるべきであります。県は、請負業者に対して虚偽契約を結び、これにより得た工事代金のうち、本体工事の請負比率を超える分の代金の返還をきっぱり求めるべきであります。
5、今回の調査において、当初、県の担当者は、契約においてトンネル工事の特殊性や本件虚偽契約が実態のない契約ではないということを強調していた。「国の補助事業として行った工事について、虚偽の契約書を作成して公金を支出するというようなことはあってはならないことであって、これにより、県民の税金からなる多額の県有財産が減少するという重大な事態を招いたことは猛省すべきである。」と第三者委員会は指摘をしております。これに対して明快な見解を問うものです。
6、この事件は、土建部の契約部門、監督部門、検査部門など幾つものチェック体制がありながら虚偽契約がなされた、まさに土建部ぐるみの組織的な悪質な犯罪であります。これに対する認識と見解を問うものです。
7、追加工事費用が10億円余になったのを議会にかからないように分割するなど、意図的な隠ぺい工作が行われたという悪質な犯罪行為であります。これに対して、なぜそのようなことを行ったのか、明快な見解を求めるものです。
虚偽契約を県が発案したということであります。5億8000万円を一般財源で返還することになるが、県民に大きな負担と損害を与えるものです。この事件は、原因の究明、責任の所在、再発防止対策がいまだ未解明になっております。責任を明確にすべきであります。この識名トンネル工事の決裁権者はだれですか。はっきり答えてください。
8、「今回の虚偽契約は、発覚はしないであろうという意識の下でなされた可能性が高い。」と第三者委員会は指摘しております。このような不誠実な処理が慢性化していたのではありませんか。明快な見解を求めるものです。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前10時16分休憩
午前10時20分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 前田議員の御質疑で、県議会の修正議決についてどのように受けとめているか、そして再議を提出した理由は何かという御趣旨の御質疑にお答えをいたします。
「平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」のうち、識名トンネル工事の契約問題に係る国庫補助金の返還金が削除されたことにつきましては、県議会の意思として重く受けとめております。
そして、再議に付しました理由でございますが、修正減額された経費は、平成24年3月1日に内閣府沖縄総合事務局長から返還を命ぜられた国庫補助金の返還に要する経費であり、地方自治法第177条第2項第1号に該当する経費であるというのが再議に付した理由でございます。
○副知事(与世田兼稔) 前田議員の第2番目の問いにまずお答えいたします。
この事件が、追加工事について虚偽契約、公文書偽造罪、虚偽公文書作成罪等の違法な犯罪になると思うが、見解と対応についてという趣旨は、県のほうで刑事事件として告訴等すべきじゃないかという趣旨も含んでいると思いますので、その趣旨についてお答え申し上げます。
まず御指摘の補助金等不正交付及び不正交付に対する罰則の第29条で「偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、」という場合には「5年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と規定しております。ここで言うこの構成要件に当たる「不正の手段」というものについて解説等によればどう言っていますかというと、仮に「不正の手段」が講じられても、もともと補助金などの交付を受ける資格のある者、ある事業に対して正当な金額を受領した場合は、補助金など不正受交付罪を構成しないものと解すべきであると、こういうふうになっておりまして、現実にかなりちょっと古い判例がございますが、私のほうで調べましたら、判例が幾つかある中で本件にちょっと適当と思われる判例で、昭和39年5月13日秋田地裁判決「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律違反事件」というのがございます。その中で、法29条1項の法意というような形で読みますと、「不正の手段により補助金などの交付を受けるとは、不正手段によって本来補助金など間接補助金の交付の対象とならない事業、又は事業について補助金など間接補助金等の交付を受け、あるいは当該事業などに本来交付されるべき金額を超えた金額の補助金等の交付を受けることを指し、例え不正と目すべき手段が講じられても、補助金など間接補助金などを交付されるべき資格ある事業などについて正当な金額が講じられて交付される資格のある事業等について正当な金額の交付を受けた場合は、これに含まれない。」と。これはどういうことかというと、本件の識名トンネルの工事、これは適正な補助事業でございます。そして、その工事の中で今回出てきている追加工事等もきちんとした追加工事でございます。追加工事をやっています。ただ、追加工事をやるに当たって、御指摘の47%の掛け率等のやりとりをせずに、いわば業者にやや押し切られたような形の中で全額の随意契約をしたという点で大変なミスがあると御指摘を受けております。そういうふうな意味で私どもとしては大変な問題であると思いますけれども、刑事事件になるとは思っておりませんので、県として告発等の考えは今のところございません。
それから3番目、識名トンネルの契約問題に関する第三者委員会の報告に対する見解と対応についてでございますが、きちんとした御調査をいただき、そして沖縄県の土木工事にかかわる一連の不祥事が大変浮き彫りになって、私としては第三者委員会に調査を委託して、そして問題点をえぐり出したということは大変よかったと思っております。それに基づいて、今後、土木行政の中において二度とこのような不祥事が生じないような対策を今着々ととっているところでございますので、その意味では、この報告書を最大限尊重して対応したいというふうに考えております。
4番目、ちょっとこれは前段部分の答弁については後に部長に答弁させるとして、請負業者に対して代金の返還を求めるべきではないかと。これについては、御指摘のとおり前向きに検討してまいりたいと思います。
私は、オリジナルの書類も見せていただきました。その中で、県の側は一方においてやはり47%を掛けるべきですよというようなこういう問題提起もしているんですけれども、トンネルをあけないと危険が大きいと、こういうような判断がどうしても現場サイドにあって、それでうやむやなままあける、そのために随意契約としての解決を迫られたというようなところがございます。そういうふうな意味では、県のほうとしては業者に対する追及も含めて、御指摘のとおり前向きに検討させていただきたいと思います。
それから、今回の第三者委員会が調査に関して「猛省すべき」と指摘していることについては、もうそのとおりでございます。私どもとしては、第三者委員会の御指摘を厳粛に受けとめ、その上で土木という問題のみならず全庁的な取り組みをして、二度と本件のような問題が生じないように努力したいと考えています。
以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 工事検査調書は有効か、法的根拠はという御質疑にお答えいたします。
当該工事の出来高を対象として実地において検査を行うものであり、契約図書、施工管理資料等に基づき工事の実施状況、出来形、品質及びできばえについて適否の判断を行うのが工事検査でございます。したがって、これらの検査資料や現地の出来形、品質に問題がなく、完成検査をし合格したものでございます。
次に、組織ぐるみではないかという御質問にお答えいたします。
南部土木事務所から請負業者との協議が難航していることを聞いて、本庁から同額変更を指示しましたが、掘削工事を途中でとめることはトンネル工事の安全性・経済性等から問題があり対応に苦慮しました。本庁と事務所で協議した結果、双方が合意できる方法として、新規工種としてやむを得ず随意契約することとしました。工期については、本体工事の完了時期と合わせた工事だと認識しておりました。
次に、議会逃れ及び決裁権者についてお答えいたします。
本体工事の変更については、増額分が請負比率の適用を受けることから、請負業者との変更協議が難航し、同額変更で処理をしたものでございます。また、新たな沈下対策工事については、工事費を積算した結果、5億円未満となったものであり、議会の承認は得る必要はない工事の金額になっております。
なお、5億円未満ですので決裁権者は土木建築部長でございます。
次に、このような処理が慢性化していたのではないかという御質問にお答えします。
今回の事態は、市街地トンネル工事の特殊性及び低入札という工事の特殊な事態でございます。決してこれまで同様な契約が行われているのではありません。なお、全庁的に5カ年間の調査を実施した結果、土木建築部において2件の同様な事例がありました。しかしながら、1件は産業廃棄物処理に関するもの、それから1件はダムの機器の落雷による至急復旧するための電気工事で、極めて特殊な事例でございました。
今後、このような事態が生じないよう、第三者委員会の報告を受けて策定した再発防止策を徹底し、法令遵守、チェック体制・執行体制の強化に取り組んでいく考えでございます。
以上でございます。
○副知事(与世田兼稔) 第三者委員会の報告書に対する見解と対応についての答弁が漏れているんじゃないかという御指摘がありましたので、お答えいたします。
まず、第三者委員会で調査・審議された中での指摘は、まず工事管理がずさんであったということ、現場指示による安易な工事の続行がなされていること、本庁の対応・体制の問題、それから法令を遵守する意識の乏しさ、これが厳しく指摘されております。また、低入札工事の管理にかかわる内容について、例えば明確な書面がないまま現場指示という方法で工事を進めていたと、こういう点で問題があります。
本庁契約でありながら本庁の適切な関与がなされず、予算がオーバーした時点で総合事務局と相談せず、また、紛争審査会の手続も経ず安易に随意契約をしたと、この問題点も指摘されております。
一番の問題は、第三者委員会が再発防止策で真っ先に指摘している問題というのは、法令遵守に対する職員の意識の欠如でございます。巨大な虚偽の内容を含む契約書などの書類を作成することが重大なコンプライアンス違反という意識をしっかり各自が強く認識し、危機意識を持って業務に当たらなければならないというそういうような意味での重大な反省を県に求めております。
そういうことから、県としましては、いま一度原点に立ち返って財務規則や補助金適確化法にのっとって対応する執行体制を、土木建築部のみならず全部局、全庁体制で強化してまいりたいと思っております。そういうような意味では県民に対して真摯に反省し、今後二度とこのようなことが起こらないような対策を着々と実行していただきたいという考えでございます。
以上でございます。
○前田 政明 答弁を聞きまして、極めて反省がない、開き直り、本当に第三者委員会の意見など全く無視しているというふうに思います。
第三者委員会の指摘では、「今回の虚偽契約は、発覚はしないであろうという意識の下でなされた可能性が高い。その意味で外部の目を意識して職務にあたる環境を整備することは極めて重要である。」と指摘をしています。そして同時に、「虚偽の契約書の作成に携わった関係者は、「実体のある工事であり、トンネル工事全体はまだ終了していなかったので、不適正な契約とは思っていなかった」などと述べている。これは、前記3(2)の従来の手法に慣れ過ぎたために、いわば原則と例外を逆転させた発想に陥っていたものと考えられる。 設計通りに工事が進まない現実があることは理解できるが、公金の支出に関する基本的な原理・理念を置き去りにした議論は誤りである。」、このように指摘しているんですよ。「虚偽の契約書作成に関わった者の法令を遵守する意識の乏しさが、不正な会計処理が行われた第1の原因」となっている。「なお、先にみたとおり、南部土木事務所の関係者は、第1虚偽契約については議会の承認を得ることを避けようとし、また、第2虚偽契約については本庁が関与することを避けようとしている。このような態度は、本件の各虚偽契約が不適正であることを認識していたことの徴表とみることもできる。他方、検証調書に一見して契約日以前のものと分かる」云々とありますけれども、まさにここで指摘されているんですよ。これを予算が残っていたから、こういう形で部長答弁をすることはこれは許されませんよ。全く本質をゆがめている。ここに書いてあるように、なれ過ぎて当たり前だと、見つかるわけがない、こういう極めて重大な中身が指摘されていると思いますが、知事、これはもう知事の責任ですよ。部長が平気でこういう第三者委員会の指摘を含めた事実関係を調査したことを無視する。このことを県議会で我々の審査権を阻害しただけじゃなくて、こういう形で県民に答弁をすることは、私は本当に県庁の事態の深刻さ、これが示されていると思いますので、後で明快な御答弁をお願いします。
それから、虚偽の問題を含めて犯罪に当たらないと、告発することは考えていないと。
公務員は、犯罪や事件を知った場合に告訴・告発をしなければいけない義務があるんじゃないですか。これは明確に公文書偽造じゃないですか。虚偽公文書じゃないんですか。それを弁護士である副知事、それをわかりながら実質的にこの工事がやられて、そして補助を受ける事業だったとしても、いわゆるこういう虚偽の形で業者言いなりになってこういう虚偽の文書を作成したということは県政史上初めてじゃないですか。これを告発する考えはない、これはまさに当事者としてなれ合って、犯罪の事実、犯罪のおそれがあるものを知った場合には、公務員は告訴・告発をする義務があるじゃないですか。明確に答えてください。
そういう面で、私は部長の先ほどの第三者委員会指摘の大変重大なところが無視されているということは、これは第三者委員会そのものの意見を全く無視する、そういうことになると思いますので、知事、改めてここのところは見解を求めたいと思います。
それから、これは今後住民監査請求も予想されますので、決裁権者はだれなのか、その当時の部長名を明確に答えてください。そうしないと事は始まりません。
そして、これはもう隠ぺい工作、追加工事10億円だったものをやらなかったということは本当に許せませんけれども、これをはっきりさせてほしいのと、それから、私は、虚偽によって文書をつくった、それを業者も合意した。これはお互い違法なことをやることを同意したということは共同正犯ですよ。同じ犯罪ですよ。そういう面で、私たちは本体工事の47%でやるべき工事の額でおさめるべきものを、それを新たな随契で上乗せをした。その損害金、沖縄県も県民もその損害を受けているんです。その損害金は幾らなのか。本体工事の請負比率を掛けて、そしてその場合の差額は幾らなのか、ここのところをはっきりしてください。これも住民監査請求をする場合に、沖縄県の被害として幾らなのかということにかかわる重要な内容でありますから、ここはそのことによってどれだけの被害を受けたのか。すなわちゼネコン言いなりになって支払わされたかというところの具体的な内容でありますから、ここは明確に答えてください。
このことに関して第三者委員会は次のように指摘しております。関係者は、議会の承認を得ることを避けようとしたことに関して、「県が主導したとはいえ、大成JVも、虚偽の契約であることを認識しながら、契約書の作成に関わっていたものである上、公共工事に携わる者としては、虚偽の契約書や完了届によって、県が公金を支出できないことは当然に理解していたものと考えられる。大成JVの責任は、軽視できるようなものではない。また、現実に支払われた金額の適正さについては、適切な検証はなされていない。」と指摘し、本来の契約に基づく金額と今回の虚偽による契約で支払われた金額との差額は幾らか。そういう面で「現在は、虚偽契約に基づく不適法な支出がなされた状態にあり、可能な限りこれを是正することは、地方公共団体としての使命である」と、このように第三者委員会は指摘しております。そういう面で、これらについてははっきりちゃんと答えてください。
そういう面で、「これらの事情に加え、当初の契約金額が5億円を超えている本件においては、本来、契約金額を超えて支払いをするためには議会の承認が必要であり、その承認がない限り「契約に基づいて」支払いをすることはできないことも考慮すると、一旦、大成JVに代金額全額の返還を求めた上で、専門家による適正な代金額の審査、議会の審議等を経て、適切な会計処理を行うことも検討すべきである。」と、第三者委員会は指摘しています。
これほど重要なことを指摘しているんですよ。その責任も全くあいまいにしながら、先ほどの見解は実に納得がいくものではありませんし、本当に反省がない。ある面で「今回の虚偽契約は、発覚はしないであろうという意識の下でなされた可能性が高い。」という第三者委員会の指摘は極めて憂慮すべきことであります。これは行政の体をなしてない。公金を使う立場からしては絶対あり得ないことです。そして、第三者委員会の指摘は、最後の資料に、なお、平成21年3月10日付で、工事内容の変更に伴う代金の額が増額されている。4億4835万円から4935万円の増額がされていると。極めて意図的にその後も議会を軽視することをやったであろうという契約目録も第三者委員会がつけております。ここのところははっきりさせていただかないと、この問題は解決しません。やはり今、答弁をお聞きしておりますと、問題の本質を明らかにするということにはなっておりません。そういう面で、議会にかからないような分割工作まで行った。議会がチェック機能を発揮することが今求められています。
そういう面で、私ども日本共産党は議員の皆さんに訴えたい。こういう議会の権能を無視して全く反省もない。こういう形では当然議会の権能であります百条調査委員会の設置をして、この原因、責任の究明を求めることが大事だと思います。日本共産党は、そういう立場で県民の皆さん、議員の皆さんと一緒に真相解明を行い、こういう歴史上かつてない組織ぐるみの、県庁ぐるみの犯罪、これを許してはならないということで終わります。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前11時45分休憩
午前11時49分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
与世田副知事。
〔副知事 与世田兼稔君登壇〕
○副知事(与世田兼稔) 前田議員の再質疑のうち、重大な犯罪行為に該当するので告発すべきだという点については、現在の時点で私どもは補助金適正化法29条の構成要件に該当していないのではないかというのは先ほど述べたとおりでございます。ただ、その他犯罪と思ったものがさまざまな場面で告訴・告発はあるだろうし、警察自体も一応重大な関心を持ちながら調査はしているとこのような形で伺っておりますので、そういうふうな意味では、そういう手続の流れというのを待ちたいとこのような形で考えております。
それから、あと損害賠償請求をするかどうかという業者に対する指摘についてですけれども、第三者委員会においてもまさに業者の責任について難しい面はあるかもわからないけれども、きちんとした手続はとられたほうがいいんじゃないですかというような趣旨の指摘もございますので、私どもは、本来的に言えば沖縄県の公共請負工事の約款によりますと、追加工事にかかわる金額も落札率を掛けた金額で当然締結されるべきもの、それは承知しているはずだとこういうようなところから、それを超えた金額をもって損害賠償、あるいは債務不履行、その他法律構成を含めて前向きにしかるべきところと相談した上で善処をしていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 議会逃れ、本庁関与逃れの第三者委員会の指摘についての対応についてお答えをいたします。
沈下対策工事については、工事費を積算した結果、5億円未満となり、また残りの5件の工事については、予算やその工事の制約で事務所契約になったものでございます。
今後、再発防止策を徹底し、しっかり対応するよう研修会等を通して厳格に行っていく考えでございます。
次に、決裁権者についてお答えいたします。
当時の土木建築部長は、漢那政弘部長でございます。
次に、損害金の額についてお答えいたします。
請負比率の差額で算出したところ、約2億3000万円でございます。
以上でございます。
○赤嶺 昇 皆さん、こんにちは。
早速ですが、識名トンネルの補助金返還について質疑を行いたいと思っています。
一昨日、本会議において、2月補正予算に計上された識名トンネルの補助金返還額5億8026万7000円が修正可決をされました。大体5分後ぐらいに知事がすぐ再議にかけたということで、私は非常に驚いているところでございます。
先ほど前田議員の質疑に対して、知事は、議会の今回の対応に対して重く受けとめるということをおっしゃっておりました。私は、知事、三役、担当部長がこういう答弁をする場とか、それから所信表明をする場じゃなくて、みずからマスコミを呼んで、マスコミの前で三役、担当部長、当事者も含めてまず県民におわびをするべきじゃないのかなと思っております。議会がこういう判断を示したことに対してまず県民におわびをする、次に議会に対してそれをおわびをする。その次に再議にかけて、どうしても義務的経費だからということであれば、私はまだ理解はするんですけれども、それを手続上、皆さんは否決されるということを想定してすぐ再議にかけているわけですね。だけど、言葉では重く受けとめるという言葉は言っているんですよ。だけど、それは態度に出ていないんですね。
私は、知事がこういう場じゃなくて、みずからマスコミ、県民向けにちゃんと――先ほどから議席で知事初め部長の皆さんの態度を見ると腕を組んでいるし、なかなか態度がそういう態度じゃないなと私は見ているんですよ。それは意地悪で言っているんじゃないですよ。本当に県民に対して申しわけないという思いが出ているかどうかは、私ももし県議じゃなくて一県民だったらそう見るんじゃないかなと思っていますので、まず今の皆さんの言葉とその態度が本当に一致しているのかお聞きしたい。
それからもう一点は、今般、議会でかなり議論をされているんですけれども、いろいろ議員の多数派工作もしているということも聞いてはいるんですけれども、それはいいですよ。ただ、皆さんがこれを重く受けとめるということに対してもう一つ聞きたいのは、皆さんは議会に対して議会軽視だと思っているんですよ。議会軽視をしているのか、議会をばかにしているのか、その件についてもお聞かせください。議員をなめているのかということもお聞かせください。
それから、先ほど知事が皆さんは大変これに対して重く受けとめているとおっしゃっていますが、きのうの新報の記事で与世田副知事はこう言っているんですよ。「責任所在などは、担当者を聴取するなど議会で幾らでも調査し、悪さかげんを浮き彫りにしていただいていい。」――上から目線ですね――としながらも、「命令に基づく返還金の支出、責任所在の議論を一緒にするのは間違っている。」、もう断定的ですね。「いたずらに異議を述べて引き延ばしするのはどうかと思っている。」と見解を示しているんですよ。議会におわびをしながら、こういうコメントがきのうの朝刊に出ているんですね。
昨年の9月の我が会派の平良昭一県議の代表質問で、この問題はもう9月に発覚しているんですね。発覚している中で、当時の副知事の答弁もよく理解できないんですけれども、今後いわゆる国としっかりまた対応を検討すると。もう9月から検討していると言っておきながら、ここに来て今度は延滞金が出るから、利息が1日22万1000円出るから、これは県議会がいたずらに延ばしていると、もう責任転嫁ですね。皆さんが去年の9月から何をしてきたのか、結果的にもう既に利息が生じていることに対する責任を明確に示していただきたいと思っております。
もう一点は、委員会でもこういう話があるんですね。総務部長が、これは利息が出ると県民負担が増すと。先日も討論で言いましたけれども、皆さんは、頭からもうこれは県民に負担をさせるということを決めているんですね、血税で。これは県職員で割った場合に1人当たり幾らになるかまず示していただきたいと思っております。
それで……。
ちょっと休憩お願いします。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前10時59分休憩
午前10時59分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
○赤嶺 昇 次に、識名トンネル工事に関連して、先ほどもあったんですけれども、虚偽の契約書は公文書偽造に該当すると県は判断しているのか、お聞かせください。
それから改めてお聞きしますが、刑事訴訟法第239条に基づき告発する考えがあるかをお聞かせください。
ちょっと済みません、前後してしまいますが、昨日の3月8日木曜日の琉球新報「社説」において、過去に北海道庁や岐阜県庁で裏金づくりが発覚した際に処分を受けた幹部職員が分担して相当額を返納したとの記事が載っておりました。さっきの質疑なんですけれども、県民への奉仕者である県職員の綱紀粛正を図る上でも検討すべき課題だと思いますので、それについてもお聞かせください。
それから、知事はみずからの減給に触れておりますが、私は、この5億8000万円という金額も含めて非常に極めて重い話だと思っておりますので、御自身の出処進退も含めて対応を検討されるかをお聞かせください。
以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前11時1分休憩
午前11時6分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 赤嶺昇議員の御質疑にお答えいたします。
幾つか御質疑をいただいた中で、議会を軽視しているのではないか、なめているのではないかという御質疑がありましたが、これまでずっと申し上げておりますように、議会をなめたり、軽視するということは絶対ありませんから、そういう御質疑は私たち大変心外でございます。そういうふうなことはやっておりませんし、考えてもおりません。
そして一番最後に、本件について知事はどういう気持ちといいますか、意識を持っているかということですが、これも先ほどから申し上げておりますように、行政の長として私は責任が重大であるという意識はきちっと持っておりますし、職員の処分の前に自分の処分は無論ですが、職員も含めてきちっと法令に照らして厳正に処分をし、基本的には二度とこういうことが発生しない、起きないという体制をしっかりとつくってまいるのが私の使命だと考えております。
○副知事(与世田兼稔) 赤嶺昇議員の公文書偽造罪に当たるのではないか、告発する考えはあるのかという問いについてお答えいたします。
先ほど補助金適正化法に関しては、構成要件の該当性に疑問もあるので告訴する、告発する考えはないと申し述べましたが、公文書偽造の点についても、現在時点、私ども犯罪の明確な要件に充足しているのか確たる判断は持ち合わせておりませんので、現在時点においては検討しておりません。
以上でございます。
○土木建築部長(当間清勝) 昨年9月に県議会で指摘を受けて、その後の実施した状況についてお答えいたします。
10月7日に臨時の土木建築部所課長会議で全課所長に本問題の内容と問題点について説明し、今後の変更契約、随意契約についての注意喚起をまず行いました。その後、会計検査院が11月7日に指摘をし記事になったことから、11月7日に私のほうで記者会見を開き県民に説明をしております。その後、11月16日から28日に各出先に行って土木建築部全職員に注意喚起しております。
その後、12月20日に新たに南部土木事務所で5件の不適切契約が完了検査で見つかったものですから、それで改めて記者会見をし謝罪し、また経緯を説明しております。
それで第三者委員会の報告を受けて、2月20日に与世田副知事が土木建築部全課長及び本問題に関与した南部土木事務所職員を対象に訓辞をし、徹底した執行体制の強化、あとやはり会計検査で指摘を受けた時点から第三者委員会を開いて原因を究明して、もっと早目にやるべきじゃなかったかということを与世田副知事から強く言われて、土木建築部全職員として強く反省したところでございます。
3月12日、来週月曜日から研修会を全庁的に行いまして、来年度以降しっかり執行体制を強化し、また二度とこのような事態が起こらないよう肝に銘じて、しっかり取り組んでいく覚悟でございます。
次に、返還金について、利息を含んだ1人当たりの金額についてお答えいたします。
県の知事部局の職員数が4200名ですので、仮に1人当たりで算出しますと、13万8000円でございます。
以上でございます。
○赤嶺 昇 再質疑いたします。
今、4200名で1人当たり13万8000円、これは全職員で割ったという単純な数字なんですけれども、私が言っているのは、この数字の重さを言っているんですよ。さっきやじも出ていたんですけれども、皆さん、例えば自分の地元の県民に対して、こういうミスがあったから5億8000万円を血税で出しますよとなかなか説明つかないんですよ。これも全職員が悪いわけじゃないですよ、一部ですよね。ところが、同じ組織で働いているときに、これが単純に知事部局で割られたときに1人当たり13万8000円出るというのは、どれぐらい重みがあるかと、皆さんはそういうことも考えたかということを私は問いたいんですよ。
この5億8000万円は県民負担だから、特に一般財源だからと、そういうことが何となく当たり前みたいな感じで、しかもこれを早くやらないとどうも利息が出るとか、私は、そういう県民の立場に立った議論を本議会で我々が二元代表制のもとでやっぱりしっかり議論をするべきだと思っているんです。これは仕方がないから、再発防止で今後徹底するとおっしゃっているんですけれども、先日討論でも述べさせていただいたんですが、2年前の予算特別委員会で安里副知事が知事にかわって謝罪をしているんです。1億円余りの予算もまた返還をしているんですね。仲井眞県政において7億4000万円も返還が出ているんですね。ですから、皆さんは反省しているということをおっしゃっているんですけれども、この間も討論で言いましたけれども、あの当時も自宅に帰った安里副知事が戻って、知事にかわって謝罪をしたんですよ、仲井眞知事の名前で。2年たって、それが今回5億8000万円、それだけやっぱり重たいということをしっかり受けとめてもらうべきだと思っています。
知事は、議会軽視をしていないということをおっしゃっているんですが、改めて聞きます。私は、こういう場じゃなくて正式に知事みずから謝罪の場を設けて県民に謝罪するべきだと思っています、三役も。マスコミを呼んで、そういう議会云々じゃなくて、それは例えば企業が国民負担を与えるときに、社長みずから、みんな並んで頭を下げるんですよ。私は、そこから始めるべきだと思っています。そうすると、職員の皆さんもやはり県民が一体となってこれを起こしちゃならないということをやるべきだと思っています。
議会も確かに県民にアピールする場なのかもしれません。しかし、本当に県民に申しわけないと思うんであれば、しっかりと皆さんがそういう思いを県民に対して、みずからそういう場を設けて謝罪をするべきだと思いますが、さっき同じことを言ったんですけれども、もう一度その考えがないのかをお聞かせ願いたいと思っております。
それから、さっき大事な答弁があったんですけれども、与世田副知事が刑事告発に該当するかどうかわからないということをおっしゃっていながら、県警がすごい関心を持っているということを述べているんですね。これは県警がもう既に関心を持っているということは、もう調査に入っているということじゃありませんか。ということは、これが結果的に県警が県に対して立ち入りとかそういったことをやった場合に、私は、それこそ大きな問題に発展すると思うんですが、それについて知事なのか、副知事なのか、しっかりまた今後の調査も含めて原因究明に向けて今の考え方をしっかりと述べていただきたい。
最後に、前田議員もおっしゃっておりましたが、先ほどあえて副知事の新聞コメントで「悪さかげんを浮き彫りにしていただいていい」とおっしゃっていますので、百条委員会を設置していいということに私は受けとめています。それについても我々はやるべきだと私は思っていますが、それについて与世田副知事の御答弁をお願いします。
以上でございます。
○知事(仲井眞弘多) 赤嶺昇議員の再質疑にお答えいたしますが、知事、三役、前面に出て県民に謝罪、おわびをするべきでないかと。
私どもも、なるべく早くそれを実行しようと考えております。
○副知事(与世田兼稔) 赤嶺議員の県警もという発言についての再質疑に対する答弁をいたします。
たしか今回の議会だと思うんですけれども、県警の村田本部長のほうが一般論としまして、本件問題については関心を持っているという答弁をされた。それを受けて私のほうも発言をしているわけで、具体的に県警がどのような状況にあるのかについては承知しておりませんので、補足しておきます。
それから、百条委員会の問題に関してですけれども、既に県のほうからの答弁がありますが、百条委員会を設置するかどうかというものは議会の権限でございまして、県のほうからコメントできる立場にはございませんので、その旨お答えいたします。
以上です。
○上里 直司 民主党の上里直司でございます。
甲第24号議案「平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」の再議について、識名トンネル契約問題に係る国庫補助金の不正受給について質疑をさせていただきます。
まず先ほどから質疑がございましたとおり、問題の発覚、そして返還金の返還に至るまでの間、非常に県の対応が遅いと言わざるを得ません。県民の大切な税金を預かっている意識が欠けているのではないかということはまず指摘をさせていただき、この責任の所在をいつまでに明らかにするのかお答えをいただけますか。
続いて、知事を含む責任者――これは当時の責任者を含む――が返還金の支払い義務を負うべきだという意見がございますが、それに対する見解をお聞かせください。
続いて、徹底した原因究明の後、全庁的な再発防止策が必要でありますが、その見解についてもお伺いをいたします。
以上です。
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前11時22分休憩
午前11時27分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 上里議員からの御質疑にお答えいたします。
責任の所在と処分といいますか、これらは一体いつごろまでをめどにしているかという御趣旨の御質疑に対してですが、責任の所在といいますか、責任の内容、重さ、その他も含めて厳密にはもう少しお時間を下さい。なるべく早くはっきりさせたいと思います。また、処分につきましても、関係した職員、その他我々自身も含めまして、今の予定では6月、次の議会の手前ぐらいまでにははっきりできると考えております。
○総務部長(兼島 規) 県庁職員の責任、返還金の支払い義務等についての趣旨の質疑にお答えいたします。
職員の賠償責任という問題がございます。それにつきましては、地方自治法の法令にのっとって十分検証しながら判断していきたいと思っています。それ以外の責任のとり方につきましても、さまざまな観点から検討してまいりたいと思っています。
それから全庁的な再発防止策でございますけれども、土建部だけではなくて全庁職員の法令の遵守という観点から、全庁職員を対象に法令遵守するような注意喚起を研修会等々を通じてまずやっていきたいと思っています。
それからもう一つは、2年前の事務の仕様の関係での不適切な適用が出ましたんで、ちょっと性質別に分けて、例えば事務関係と工事請負関係という形で少し性質別に分けて細かくやらないと、なかなか全庁的なチェック体制はできないのかなと思っていますので、そのあたり分けながら全庁的なチェック体制を再度構築していきたいと思っています。
もう一点は、やっぱり部内だけでやるというのが一番困るところでございますので、例えば会計職員のチェック機能を再度構築する関係で、会計職員のチェック機能をもうちょっと充実したいと思っています。
もう一点は、やっぱり行政考査という手段がございます。国でいいますと、行政監察的なものですけれども、それにつきましても県庁内部でこういった工事請負関係についても行政考査を積極的に活用しながら、公正・効率的な執行を確保するということに努めていきたいと思います。
以上でございます。
○上里 直司 それでは再質疑を行います。
第三者委員会の報告書が平成24年2月13日に発表されました。その後、副知事、土木建築部長がかかわった職員あるいは出先機関等に訓辞をされたということを報告を受けました。ただ、ここは県全体として、この報告書に対する県独自の調査報告書を作成すべきというのが正確な準備ではないか、とるべきところではないかと思っていますので、この第三者委員会の報告書に対する県の正式な報告書作成を速やかにすべきでありますが、その点についてお尋ねをいたします。
続いて、徹底した原因究明のうち全庁的な再発防止策については先ほど総務部長からお答えがございました。ぜひそこを進めていただきながら、この実施についても早目に取り組んでいただいて、全庁的な取り組みを行っていただきたい。これは要望にしておきますので、ぜひ全庁的な再発防止策に努めていただきますようお願いいたします。この1点だけ最後にお尋ねいたします。
○副知事(与世田兼稔) 上里議員の第三者委員会を踏まえた上での県の正式な原因等を含めた調査結果を作成すべきじゃないかという御指摘を受けまして、まさに再発防止等も含めて総合的な意見を出すためには、県独自も前向きに検証していく必要性があると。そういうふうな意味においては、御指摘の点を踏まえて、そして今後の要望とされている全庁的な対策を練る上においても自覚的に第三者委員会の意見を踏まえた調査を実施した上で総括、反省して、県議会のほうに報告したいと思います。
以上でございます。
○議長(髙嶺善伸) 以上で通告による質疑は終わりました。
これをもって質疑を終結いたします。
この際、お諮りいたします。
ただいま議題となっております甲第24号議案「平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」の再議の件については、会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 御異議なしと認めます。
よって、本件については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 休憩いたします。
午前11時34分休憩
午前11時35分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
これより討論に入ります。
甲第24号議案「平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」の再議の件に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
辻野ヒロ子さん。
〔辻野ヒロ子さん登壇〕
○辻野 ヒロ子 ただいま議題となっております甲第24号議案「平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」につきまして、修正予算に反対し、原案に賛成する立場から討論を行います。
3月7日に可決された修正予算は、国から返還を命ぜられた国庫補助金の返還に要する経費を削除するものでありますが、これは義務的経費であることから、知事は再議に付したものであります。
国庫補助金の返還の原因である識名トンネルの契約問題に当たって、知事は、自身の処分と関与した職員及び幹部の監督責任についても関係法令に照らして厳正に対処する考えを示しておりますが、知事の管理監督責任を重く受けとめ、今後職員の意識改革を図っていくとともに、このような事態が二度と生じないよう、みずから陣頭に立って再発防止策を徹底すべきであります。今後の執行部の取り組みを与党としても厳しく注視したいと考えます。
一方、削除された返還金が国から示された期限を超える場合、年率で10%を超える延滞金が課されることからも、当該返還金は至急予算措置を講ずる必要があります。
現在、補正予算全体が確定しておらず、補正予算の原案に計上されている予算執行への影響が懸念されるところであります。補正予算の原案には、国の補正予算に関連し、県民福祉の向上や雇用の安定を図るための経費のほか、新石垣空港の供用のための工事や市町村に対する福祉関係の補助金などが含まれており、至急確定する必要があることから、修正予算に反対し、原案のとおり決すべきものと考えます。
御賛同賜りますようよろしくお願いいたします。
○崎山 嗣幸 では、これより討論を行います。
去る3月7日に修正議決をされました甲第24号議案「平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」に賛成し、原案である再議に反対する立場で討論をいたします。
当局は、3月1日、国から返還を命じられた国庫補助金の経費5億8000万円を、地方自治法第177条第2項第1号の義務経費に該当するとして再議にかけてきております。
この事件の事の発端は、2006年、予定価格の47.2%の低入札額23億3100万円で大手ゼネコンなどの共同企業体(JV)が落札しているところから起こっております。その後、追加工事が発生をし、県は架空の工期を記した契約書を事後作成し、今度は落札率99.8%で同じJVと随意契約し、補助金を受給しております。追加工事は、本来本体工事の落札率に準じて支払われるが、この落札率が47.2%という異例の低入札だったために金額の折り合いがつかず、新規に発注したように装ったのであります。国の会計検査院は、この契約を虚偽で不適正と断じ、国は補助金の交付決定を取り消し、5億8000万円の返還を求めております。
県当局は、当初は工事の安全性確保や経済性、早期開始などを勘案して、やむを得ず施工中の業者と随意契約したとして、工事は完了しており、架空工事ではないと弁解をしておりました。その後、2011年11月に入り、国から不当性を指摘をされ、工期の偽装を認め、県民へ謝罪をし、第三者委員会での検討を始めております。しかしながら、最も重要な地方自治法、補助金適正化法、公文書偽造等の違法性は諮問をされず、さらなる調査が求められております。したがって、真相究明、再発防止、責任の所在は明確にはなっていないところであります。
当局は、このことに対して、5億8000万円は返還がおくれれば利息が加算するからとして原因究明を先送りをして、まず返還から先に処理しようとの考え方であります。このような考え方、手順だからこそ、いつまでたっても再発防止に歯どめがかからず、同様な事件が繰り返されてきております。
昨年9月、会計検査院の指摘から今日まで、真相究明、再発防止、責任の所在などは十分な時間があったはずであります。当局は、特殊工事や早期完成などを理由にやむを得なかったことを繰り返す弁明に終始し、事態の深刻さを認識していなかったのではないかと考えられます。また、私たちの議会審議への態度に対してパフォーマンスだと批判をする幹部のコメントが新聞報道されておりますが、事実であるならば、みずからの非を棚に上げ、議会に対する冒涜だと言わざるを得ないと思います。議会の役割を軽視し、議会の審査から逃れようとする意図が私は感じられます。この幹部の発言は、議会を単なる追認機関としてとらえ、何の反省もなく、返還金を早く返せば幕引きだとたかをくくっている態度と思われます。この姿勢は、今の県の組織体制をあらわしており、厳重に注意を喚起するものであります。この体質を改善しない限り再発防止はできないと私は思います。県は、県民や議会に真摯に向き合い、透明性を高め、不正防止に最大限の努力を払うべきだと私は思います。
今回の事件は、随意契約の金額を議会の承認事項である5億円以下に分割をし、議会の承認事項から逃れようとする悪質な手口にもあらわれております。
県議会は、議会基本条例を制定をし、議会の役割と任務を強化する方向で動いております。議員は、県民の選良として予算の執行が適正であるかどうか、議会のチェック機能を高めることは議員の当然の責務であることは言うまでもないと思います。県当局は襟を正して、県民への不信感を払拭するためにも、スピード感を持って原因究明と再発防止、知事の政治責任を明確にすることが先決だと私は考え、再議に反対をするものであります。
これをもって討論を終わります。
○議長(髙嶺善伸) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
休憩いたします。
午前11時43分休憩
午前11時43分再開
○議長(髙嶺善伸) 再開いたします。
これより「甲第24号議案 平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」の再議の件を採決いたします。
お諮りいたします。
本件を、さきの議決のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(髙嶺善伸) ただいまの採決については、起立者の多少が認定できません。
よって、会議規則第64条第2項の規定により、「甲第24号議案 平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」の再議の件については記名投票をもって採決いたします。
議場を閉鎖いたします。
〔議場閉鎖〕
○議長(髙嶺善伸) これより投票札を配付いたします。
〔投票札配付〕
○議長(髙嶺善伸) 投票札の配付漏れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 配付漏れなしと認めます。
ただいまの出席議員数は、議長を除き46人であります。
会議規則第31条第2項の規定により、立会人に
1番 上 原 章 君 及び
6番 仲 村 未 央 さん
を指名いたします。
投票箱を改めます。
〔投票箱点検〕
○議長(髙嶺善伸) 異状なしと認めます。
念のため申し上げます。
甲第24号議案「平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」の再議の件について、さきの議決のとおり決することを可とする諸君は白票を、否とする諸君は青票を、職員の点呼に応じて順次投票願います。
なお、棄権者は否と取り扱います。
点呼いたします。
〔氏名点呼〕
〔投 票〕
○議長(髙嶺善伸) 投票漏れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙嶺善伸) 投票漏れなしと認めます。
投票を終了いたします。
開票を行います。
上原章君及び仲村未央さん、立ち会いを願います。
〔開 票〕
〔立会人点検〕
○議長(髙嶺善伸) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 46票
白票 23票
青票 23票
ただいま報告いたしましたとおり可否同数であります。
よって、地方自治法第116条の規定により、議長において「甲第24号議案 平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)」の再議の件に対する可否を裁決いたします。
ただいまの再議の件について、さきの議決のとおり決することについては、議長は可決と裁決いたします。
議場の閉鎖を解きます。
〔議場開鎖〕
――――――――――――――
〔甲第24号議案 平成23年度沖縄県一般会計補正予算(第5号)の再議の件に対する記名投票の結果 巻末に掲載〕
――――――――――――――
○議長(髙嶺善伸) 以上をもって本日の日程は終了いたしました。
次会は、28日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後0時0分散会