平成24年(2012年) 第 8回 沖縄県議会(定例会)
第 2号 12月 5日
 


○議長(喜納昌春) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 説明員として出席を求めた公安委員会委員長翁長良盛君は、別用務のため本日から7日まで及び10日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び6日の会議に公安委員会委員安里昌利君、7日及び10日の会議に同委員会委員與儀弘子さんの出席を求めました。
 また、人事委員会委員長玉城健君は、所用のため本日から7日まで、10日及び11日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長岩井健一君の出席を求めました。
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○議長(喜納昌春) この際、念のため申し上げます。
 本日から7日まで及び10日から12日までの6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(喜納昌春) 日程第1 代表質問を行います。
 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
 座喜味一幸君。
   〔座喜味一幸君登壇〕
○座喜味 一幸 おはようございます。
 自民党を代表して代表質問を行います。
 その前に、選挙戦・衆院選たけなわでございます。来る衆院選に向けて少しばかり所見を述べたいと思います。
 報道によりますと、連合沖縄が今回の衆院選で、政権党のS氏を支持する方針を示したことに大変驚いております。S氏は、辺野古移設を県民に押しつける政府閣僚であり、推進する立場にあります。しかも、オスプレイさえも容認する姿勢であります。
 10万人の県民が結集した配備反対県民大会で、県議会や市町村長、議員が先頭に立って反対する中、下地氏は大臣にとどまることを優先し、県民の総意に背を向ける判断をしております。そんな候補者を労働組合が支持できるのでしょうか。連合の仲村会長は、オスプレイ配備反対の県民大会の共同代表を務めていることを考え合わすと、理解できないものがあります。今や保守の首長も一致して、県民の声を封殺する政府のやり方に差別と不条理を主張している状況にあり、今回の下地氏支持・支援が連合沖縄が掲げる運動方針に合うのか。労働組合の平和を求める思いというものはどのように受けとめているのか大変疑問であります。
 いずれにいたしましても今回の選挙は、沖縄県にとっては迷走の中、普天間県外から辺野古に回帰した、この民主党・国民新党連立政権に厳しい判断が下されるものと思っておりますが、我々責任ある政治、信頼できる政治、安定した政治をどの政党が実行できるか選択する選挙であります。自民党には責任政党としてしっかりと日本を立て直し、沖縄を新たに振興する決意があることを表明して、質問に入ります。
 1、米軍基地問題についてであります。
 去る10月1日、山口県岩国基地に一時駐留していた米海兵隊の離着陸輸送機MVオスプレイ12機のうち6機が移設先の普天間飛行場に初めて飛来し、その後、2日に3機、6日に3機と次々飛来、12機全ての普天間飛行場への配備が完了してからはや2カ月になろうとしております。その間、県民の強い反対の声を完全に無視し、県内全域での飛行訓練を繰り返しており、県や宜野湾市には多くの県民から苦情が寄せられているようであります。
 日米両政府は、オスプレイの沖縄配備に向けて日米合同委員会において、運用ルールを取り決めた上で安全宣言を行っております。しかし、学校や病院など人口密集地域の上空での飛行を避けることや、ヘリモードでの飛行を原則として基地内に限定すること、午後10時を超えての夜間飛行を行わないことなど運用ルールは守られていないのが実態であります。その背景には、運用ルールは、運用上の必要な場合を除きなど米軍に裁量権があり、あらかじめ抜け道が用意されていることであります。市街地に近接し、世界一危険な飛行場と言われる普天間飛行場に配備され、常時飛行を繰り返している状況にあって、運用ルールの厳守は至極当然のことでありますが、違反は見られない、問題にしないなどと平然と言い放つ防衛省の姿勢を見逃すことはできません。12月からは全国各地において本格運用に向け分散訓練が実施されているようでありますが、米軍は訓練の詳細を全く日本政府に示しておらず、具体的な日程や飛行ルートを明示しないまま、日本各地の上空をオスプレイが飛ぶことになるのであります。
 このような危険なオスプレイ配備問題の根幹は、普天間飛行場の移設問題にあります。事実上不可能となった辺野古への移設に固執し続け、県民の感情をもてあそぶのは日米同盟に禍根を残すことになりかねません。日米両政府は、普天間飛行場の辺野古移設を断念し、県外に移設することを決断することであります。
 仲井眞知事は、沖縄の基地問題の解決策を探るべく訪米しております。シンポジウムや記者会見などで沖縄の実情を訴え、精力的な行動により一定の成果を上げておりますが、総じて沖縄問題に対する米国の関心はいまだ強いとは言えないのが現実のようであります。このような現実にあって県は、飛行距離が延び、移動範囲が拡大したオスプレイの配備を沖縄だけじゃなく、本土配備も可能として県外移設の道筋を探るべく検討を進めているようでありますが、相当の戦略と準備が必要であると考えます。
 そこで伺います。
 普天間飛行場移設問題について。
 ア、オスプレイが普天間飛行場に配備されて2カ月、県民の反対の中で居座り続け、日米騒音防止協定に定める午後10時以降も飛行するなど協定違反が続いている中、12月には完全運用されるようですが、この状況に対し県の見解を伺います。
 イ、仲井眞知事の今回の訪米について、米国で何をどのように訴え、どのような成果があったか。訪問先やシンポジウムの内容、人的ネットワークの構築など今後につながる成果について伺います。
 ウ、今回の訪米で米国内でマスコミ等から沖縄の基地の過重負担を取り上げるなど変化も見られます。今後も継続してじかに米国に訴えることが重要と思われるが、知事の見解を伺います。
 エ、辺野古移設に係る公有水面埋立申請について、知事の基本姿勢について伺います。
 オ、普天間飛行場跡地利用について、県・宜野湾市の計画が進んでいるようだが、具体的な工程表を含め進捗状況を伺います。また、県が計画している軍用地の取得を促進するための基金の創設について伺います。
 (2)、米軍の事件・事故、騒音等環境問題についてです。
 ア、相次ぐ米軍人による事件について、夜間外出禁止令が一向に守られていないことに対し、本県としてどのような対応が効果的と考えるか。また、森本防衛相が提案したとされる米軍との共同パトロールについて、身柄の優先的確保に対する認識が不足しているのではないか、県警の考えを伺います。
 イ、沖縄防衛局が公表した2011年度の米軍嘉手納飛行場における離着陸等の回数によると、総数の3割を外来機が占めています。政府が説明する本県の負担軽減と日米が合意した航空機騒音規制措置との関連で県の見解を伺います。
 ウ、県は、米軍北部訓練場の返還に伴う高江ヘリパッド移設工事に係る環境影響評価の再実施を求める方針のようですが、その必要性、理由について伺います。
 エ、仲井眞知事は米軍基地問題に関する全国行脚を計画しているが、その狙いは何か。また、本県の過重な基地負担の全国への分散も想定しているのか伺います。
 2、離島・過疎地域の振興についてです。
 本県は本土から遠く離れた離島県であり、地理的不利性があり、特に散在する離島は狭小な小規模離島が多く、本島との生活環境の格差が大きな課題となっております。本県における離島住民の移動手段は船舶や航空機に限定され、また、輸送に頼る生活物資等は輸送コストに加え価格が割高になるなど、本島に比べ住民生活を圧迫する要因となっております。このように離島地域における住民生活は、移動手段や物資等の輸送コストの高さが大きな重荷となっているのであります。県は、「沖縄21世紀ビジョン」に掲げる目標の実現に向け既に取り組みを始めており、その中で離島や過疎地域の生活環境の具体的改善を図るとしております。そのためには、離島における定住条件の向上をいかに図るかが重要であり、若者の流出をとめる島の活性化が求められております。社会基盤の整備を図っていくのはもちろんでありますが、空、海の運賃負担の軽減や輸送コストの低減、教育、医療、福祉等のユニバーサルサービスの充実を図ることが喫緊の課題であります。県が取り組んでおります離島における交通・生活のコストの低減策やユニバーサルサービスの充実に向けた各種事業は、離島・過疎地域の生活環境改善に大きく貢献しており、今後の施策展開にますます期待が高まっております。
 そこで伺います。
 (1)、小規模離島へ輸送される生活必需品に係る輸送費経費等に対する補助制度について、県の取り組み状況を伺います。
 (2)、離島航路船舶等建造に対する支援策について、支援の内容、規模及び対象等、県の基本的な考えを伺います。
 (3)、沖縄の離島の魅力を発信し、知名度向上を図るための沖縄離島戦略的情報発信支援事業について、取り組みの現状と効果について伺います。
 3、農林水産業の振興についてです。
 去る8月、9月に相次いで来襲した台風15号、16号及び17号は、県内農作物へ大きな被害を及ぼし、特に17号による被害は甚大で、サトウキビ、花卉類、ゴーヤーなどの野菜類、果樹類と軒並み壊滅的な被害を受けております。本県は我が国唯一の亜熱帯気候という独特の環境下であり、台風の常襲地帯と言われ、毎年のように自然災害に悩まされているのが現状であり、近年は住宅地など開発の影響もあり、大雨等による冠水など被害が増幅する状況にあります。特に、離島においては基幹産業であるサトウキビ栽培農家が多く、地域経済としての役割を担っていることから深刻であります。
 県は、2012年度から「沖縄21世紀ビジョン基本計画」を策定し、2016年度までの実施計画をスタートさせ、亜熱帯性気候を生かした農林水産業の振興を掲げております。実施期間前期5年間で台風常襲地帯にある本県における基幹作物や、おきなわブランドに対する被害をいかに最小限なものにするか、本県独特の気候、自然災害に強い作物をどのように育てていくか大きな課題であると考えます。
 一方、本県の農業従事者は、昭和60年の5万7670人から平成22年には2万2575人と4割以下に減少しておりますが、65歳以上の農家の割合は5割を超え高齢化が進行しております。また、漁業従事者は、昭和48年の6940人から平成20年では3929人と大きく減少しており、そのうち60歳以上の従事者は全体の32%を占めている状況にあります。
 このように本県は、本県に特化した農水産業のあり方や担い手の減少と高齢化への対応が急務となっており、遠隔離島を含めた地域農業の持続的な活性化を図るか大変重要な課題であります。
 そこで伺います。
 (1)、台風や大雨等自然災害の常襲地帯である本県において、基幹作物やおきなわブランドの被害を最小限に食いとめるための対策と台風等の自然災害に強い農産物の生産拡大が必要と考えるが、県の取り組みを伺います。
 (2)、おきなわブランドの販売拡大を図るには、他県で生産される同種商品との区別化を図るほか、沖縄独自の販売網の確立が重要と考えるが、県の取り組みを伺います。
 (3)、地元農産物の生産拡大と地産地消を推進する観点から、学校給食に地元特産品を活用する事業が進められているが、事業の内容と今後どのように地域・産物を拡大していくか、伺います。
 (4)、日本への米国産牛肉の輸入規制問題が決着する見通しとなったようだが、月齢20カ月以下から30カ月以下に緩和されることで本県への影響はどうなるか、伺います。
 4、TPP問題についてです。
 米国、オーストラリアなど9カ国で交渉が始まったTPPは、日本が交渉参加の方針を表明しながら国内議論が停滞している中、メキシコ、カナダの交渉参加が決定し、TPPをめぐる環境は大きく変化してまいりました。
 野田首相が突如、TPP交渉参加を表明して以来、国内農業団体や医療関係は、断固阻止を掲げて政府に対し交渉断念を求めており、肝心の政権党・民主党自体が賛否で党内から離党者が続出している状況で、TPP参加問題を論ずる状況にありません。近年、多国間の貿易自由化が進み、米国、オーストラリアなどの農業大国や新興国等から安価な農産物が大量に流入し、国内農家は大きな影響を受けております。
 農水省の年間予算2.3兆円は、農地の整備や農業施設の建設、そして戸別農業所得補償などに使われているが、兼業農家の解消、農業の大規模化、若者の農業への参入など、農家の足腰が強くなる対策が見えてこないことであります。
 野田首相は、去る20日、訪問先のカンボジアでオバマ大統領と会談し、日本の交渉参加の加速を表明するなど、TPP交渉参加に前のめりになっており、その前に我が国農業のあり方、農家の生活向上など、農業の強化策を打ち出すことが先決であり、TPPに関する情報の提供と国民の声を真摯に聞くことが必要であると考えます。
 そこで伺います。
 (1)、政府は、12月中にTPP交渉参加を表明すると言われるが、その前に我が国農業のあり方、農家の生活向上など農業の強化策を打ち出すことが先決ではないか、伺います。
 (2)、TPP参加により、我が国農業は大きな打撃を受けると考えるが、本県農業に与える影響について県はどのように試算しているか、伺います。
 5、福祉問題についてです。
 (1)、子ども・子育て支援について。
 国民生活の多様化の進展で核家族化が進行するに伴い、家族や周囲との触れ合いが希薄となり、子供を地域で育てる意識やきずなが薄れていく中、急速に進む少子化はさらなる地域社会の変化を増長しております。そのため、子ども・子育てをめぐる社会環境は大きく変化し、子育ての不安感や孤独感に悩む若い親たちに対する支援のあり方が大きな課題となっております。さらに、女性の社会進出を一層促進し、女性が働きながら子育てができる環境づくりが必要であり、子供を地域で守り育てる環境づくりが求められております。このため、子育て世代の交流、保育所の整備や幼稚園の預かり保育の充実、ファミリー・サポート・センターの設置など、子育てを社会全体で応援する仕組みの構築は喫緊の課題であります。
 保育所に入れない待機児童の解消は、子育て支援における最大の課題であり、本県は、他県と比較して待機児童が多く、さらに無認可保育所に入所している児童を含めた潜在的な待機児童も抱えております。政府は、2013年度予算で待機児童解消を図るため全国の保育所の定員を7万人ふやすとしており、県においても今後10年間で潜在的待機児童を含め9000人の待機児童の解消を目標に掲げております。
 本県は、認可外施設が多い上、公立幼稚園のほとんどは小学校に付設されており、5歳児保育に重要な役割を担っているなど他県とは異なる背景があります。また、本県における待機児童は、認可外施設へ入所している児童を含めた潜在的な待機児童が存在しており、その解消をいかに図るかなど特有の課題を抱えております。
 一方、本県における保育士登録者数は、平成24年4月現在で1万7071人となっておりますが、そのうち県内の保育所に就労しているのは7156人で、半数以上は保育所で働いておらず、那覇市を初め地域の保育所における深刻な保育士不足を引き起こしております。その要因は、保育士の賃金の問題や雇用形態にあると言われ、県においては、保育士が希望を持って働ける環境づくりに向け、国や関係機関等への働きかけを急ぐ必要があると考えます。
 そこで伺います。
 ア、子育て支援の一環としての預かり保育について、保育時間の延長や休業日における預かりの実施など、保育の充実をどのように図っていくのか、県の取り組みを伺います。
 イ、「子ども・子育て関連3法」の成立により、待機児童の解消、地域における子育て支援等はどのように変わるか。また、認定こども園の拡充に伴い保育は民間で、幼稚園は公立という形態での連携は可能か、伺います。
 ウ、障害を持つ子供たちが生き生きと学び、活躍できる地域環境の整備について、県の基本的な考えと取り組みについて伺います。
 エ、県内の学童保育は民立民営が多くを占めているが、保育料は全国平均に比べ倍近く、入所できない家庭が多いと言われているが、ひとり親や共働き家庭が多い本県の状況から、保育環境の整備が必要である。県の取り組みを伺います。
 (2)、地域医療・福祉の充実強化についてであります。
 少子・高齢化の進展に伴い生活環境が大きく変化し、高齢者の生きがいや安心・安全に子供を産み育てるための地域福祉・医療の整備をいかに進めるかが喫緊の課題であります。特に本県は、離島県であるため、県内において地域住民の医療や福祉の手当ては他県の医療・福祉施設等を日常的に利用することは難しいのが現状であります。また、本県は、長い米国統治下や復帰後の振興策が社会資本整備中心であったこともあり、総じて県依存体質に特化し、地域における小児・周産期医療等の高度医療や専門医療など公的な医療は県立病院が担っているのが現状であります。また、地域における適切な医療サービスを提供するため、県においては、良質な医療体制の整備や医師、看護師等、医療スタッフの育成確保が常に求められております。
 しかし、近年、勤務時間の常習的不規則性や訴訟の多発などによるリスクの増加により、産科・小児科医は全国的に医師不足が深刻となっており、本県においても産科・小児科医師の確保は医療行政における最も重要な業務となっております。そのため、県は、大学や民間病院との連携・協力を緊密にし、医師の派遣や臨床研修病院での医師の養成を行うほか、人的ネットワークを拡大するなど医師確保に向け懸命の取り組みを行っております。
 一方、高齢者から子供までが安心して暮らせる福祉ネットワークサービスの充実強化も現下の社会環境において大きな課題であります。高齢者の日常生活を支え、孤立化を防ぐための各種福祉活動や特別養護老人ホームなど福祉施設の増設等、福祉サービスの提供体制を整備し、ともに支え合う地域社会づくりを急ぐ必要があります。そのためには、地域と身近にあり密着した行政サービスを提供し得る立場にある市町村などの積極的なかかわりが必要であり、全ての人が人として安心して暮らせる社会の実現という目標意識が必要であります。
 そこで伺います。
 ア、県立病院の医師不足の解消に向け、今後5年間で医師不足地域への医師派遣体制の確立と産婦人科・小児科医師の確保対策などをどのように行うか伺います。
 イ、看護師不足の対応と7対1体制の完全実施に向けた目標年次を含む対策について伺います。
 ウ、県立病院施設の耐震化や老朽化対策として、「沖縄21世紀ビジョン実施計画」期間中における建てかえを含めた整備計画について伺います。
 エ、老人福祉施設の増設と老朽化が進んでいる施設の建てかえなど整備計画について伺います。
 以上です。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
 座喜味一幸議員の御質問に答弁をいたします。
 まず第1に、米軍基地問題についての中で、知事訪米についてという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
 まず第1に、今回の訪米ではアメリカ・ワシントンDCにおきまして、アメリカ政府に要請を行いますとともに、県主催のシンポジウムを開催し、多くの政府関係者やマスコミ等が参加いたしました。その際、米政府高官から米軍人等の一層の綱紀粛正、事故の再発防止に取り組むとの発言がありました。また、シンポジウムにおきましては、普天間飛行場移設問題を初めとする沖縄の基地問題につきまして議論がなされたところであります。
 今後、オバマ新政権の外交・防衛政策の陣容が整う時期など、アメリカ政府の動向を注視しつつ、効果的な訪米も計画してまいりたいと考えているところであります。
 次に、農林水産業の振興に係る御質問の中で、おきなわブランドの販路拡大の取り組みについてという御質問にお答えをいたします。
 沖縄県産の農産物には、第1に、強い紫外線を浴びていること、第2に、ミネラルを多く含んだ土壌であることなどの環境によりまして、抗酸化などの機能性が高い成分を多く含む特徴があります。沖縄県では、その特徴を生かして第1に、県外大手量販店における「沖縄フェア」の開催、第2に、首都圏におけるトップセールスや商談会の開催、第3に、海外におきまして黒糖の販売促進やアグー豚などを紹介するセミナーの開催などなどを実施しております。このような取り組みを通して、第1に、独自の販売ルートの確立、第2に、県産農林水産物の販売拡大を推進しているところでございます。
 次に、同じく農林水産業の振興についての中で、学校給食における地元農産物活用の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
 沖縄県では、県産農産物付加価値向上推進事業におきまして、県内食品メーカー等と連携をし農林水産物の加工品モデル構築に取り組んでおります。具体的には、規格外の商品を利用して、第1に、豊見城市においてトマトピューレ、第2に、宜野湾市において田芋ペースト、第3に、読谷村においてのフルーツパパイヤのジャムなどなどの試作品開発を実施しているところでございます。
 今後は、第1に、開発をした製品の学校給食における定着化、第2に、県外向けなどの加工品開発モデルの普及によりまして、県産農林水産物の利用をさらに促進してまいる所存でございます。
 次に、福祉問題についての御質問の中で、学童保育の環境整備の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
 沖縄県におきましては、放課後児童クラブの利用料の低減化を図るため、公的施設の活用を促進する取り組みを行っているところでございます。具体的には、沖縄振興特別推進交付金を財源とした市町村に対する施設整備補助や民間クラブに対する家賃補助であります。沖縄県といたしましては、今後も引き続き、放課後児童クラブの保育環境の整備に取り組んでまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 米軍基地問題についての御質問の中で、オスプレイの運用状況についてお答えいたします。
 オスプレイの運用については、去る9月19日に、可能な限り学校や病院を含む人口密集地上空を避けること等を内容とした日米合意事項が公表されております。しかし、県と市町村が連携して確認したところ、これらの合意事項から外れる事例が数多く認められております。このため、オスプレイの飛行経路や夜間飛行の実態調査及び環境レビューとの運用の検証を行い、これらについては政府の責任で説明すべきであると考えております。
 オスプレイについては、今後、運用の活発化が懸念される中、県民の不安は一向に解消されておらず、県としては配備計画の見直しと、配置分散の実施などを政府に求めているところであります。
 次に、知事訪米の内容及び成果についてお答えいたします。
 今回の知事訪米では、ワシントンDCにおいて米政府へ要請を行うとともに、県主催のシンポジウムを開催いたしました。要請では、米国務省においてキャンベル国務次官補及びリッパート国防次官補に対し、直前に発生した米兵による暴行事件に関連し綱紀粛正と再発防止を強く求めるとともに、沖縄の基地問題の解決促進を申し入れました。シンポジウムには、米政府や米連邦議会を初め、シンクタンクや報道関係者など約130名が参加し、知事からは普天間飛行場の県外移設が合理的かつ早期に課題を解決できる方策である旨申し上げております。また、パネリストからは、辺野古移設は困難であり、柔軟性を持って対応すべきとの意見も示されました。
 今回の知事訪米において、アジア・太平洋地域の安全保障環境を踏まえた沖縄の位置づけと米軍基地問題、特に普天間飛行場移設問題の解決の重要性について、米側の専門家等と直接意見交換し、ネットワークの構築が図られたことは意義があったと考えております。
 次に、公有水面埋立申請への対応についてお答えいたします。
 現在、政府は、環境影響評価書の補正作業を進めているものと認識しておりますが、現時点で公有水面埋立承認願書が提出される時期等については示されておりません。仮に提出された場合には、関係法令にのっとり検討せざるを得ませんが、県としましては、地元の理解が得られない移設案の実現は事実上不可能であり、普天間飛行場の県外移設を求める考えに変わりはなく、これを踏まえつつ適切に対処してまいります。
 次に、米軍人の事件に対する効果的な対応についてお答えいたします。
 日本にいる全米軍人に対する外出制限措置が施行された後、読谷村や那覇市で外出制限措置に違反した上、住居に侵入するなどの事件が発生したことはまことに遺憾であり、再発防止の実効性に疑問を持たざるを得ません。相次ぐ事件を受け、11月28日にワーキングチームの特別会議が開催され、米軍から生活指導巡回やホットラインの設置などが説明されました。しかしながら、具体的な再発防止策や実効性のある綱紀粛正策については、まだまだ不十分だと考えております。
 県としましては、米国政府への直接要請やワーキングチームなど、あらゆる機会を通じて綱紀粛正、再発防止がより実効性を伴うものとなるよう強く求めていきたいと考えております。
 次に、嘉手納飛行場への外来機飛来についてお答えいたします。
 嘉手納飛行場については、外来機のたび重なる飛来に加え、F22戦闘機が本年7月に一時配備されるなど、依然として目に見える形での負担軽減があらわれているとは言えないと考えております。県としましては、今後ともあらゆる機会を通じ、米軍及び日米両政府に対し、平成8年に合意した嘉手納飛行場における航空機騒音規制措置の厳格な運用等による基地負担の軽減を粘り強く求めていきたいと考えております。
 次に、基地問題に係る他県視察についてお答えいたします。
 知事は、去る8月27日から29日までの間、米軍基地等が所在する地域の実情を把握するため、長崎県及び大分県を訪問し、米海軍佐世保基地及び陸上自衛隊日出生台演習場を視察しております。県としては、米軍基地等を抱える他県の実情を把握することは、米軍基地のあり方を考える上で、ひいては本県の過重な基地負担の軽減を求める上で重要であると考えております。今後とも、機会を捉え、本県の基地問題の解決促進を図るため、他県の視察を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 米軍基地問題についての御質問の中の、普天間飛行場跡地利用計画の進捗状況と基金の創設についてお答えいたします。
 普天間飛行場の跡地利用について、沖縄県と宜野湾市は共同して平成18年2月に跡地利用計画の基礎となる基本方針を策定いたしました。平成19年5月には、跡地利用計画策定に必要な取り組み内容、手順等を示した行動計画を策定しております。平成21年度及び22年度にかけましては、全体計画の中間取りまとめ(案)を策定し、4つの公園の配置パターンによるまちづくり構想を示しております。今年度は、幹線道路や公園緑地などの全体の土地利用方針等を示した跡地利用計画の中間取りまとめに向けた作業を進めております。今後、地権者や県民の合意形成を図りながら、計画内容の具体化に向けた取り組みを進めていく考えであります。
 また、駐留軍用地の跡地利用を円滑に推進するためには公有地を拡大する必要があり、今議会において跡地利用推進法に規定する特定駐留軍用地内の土地取得を目的とした基金の設置条例案及び普天間飛行場内の土地の取得に必要な経費を積み立てるための補正予算案を提出しております。
 県としては、当該基金を活用し速やかに土地取得事業を進め、普天間飛行場の跡地利用を円滑に推進してまいりたいと考えております。
 次に、離島・過疎地域の振興についての御質問の中の、生活必需品の輸送経費等補助制度について。
 沖縄県の離島は、広大な海域に点在し小規模離島も多いことから、沖縄本島と比較して生活必需品の価格が割高な状況にあります。このため、県においては、沖縄振興特別推進交付金を活用し、小規模離島を中心とする県内離島へ輸送される生活必需品の輸送経費等を補助する離島生活コスト低減実証事業を今年度から3年間程度実施することとしております。今年度は、座間味村、渡嘉敷村、北大東村及び南大東村を対象として11月から事業を実施しているところであり、今後、実証実験の検証結果を踏まえながら、対象離島の拡大についても検討してまいります。
 離島航路船舶建造支援策についてお答えいたします。
 離島振興に当たっては、離島の果たしている役割に鑑み、負担をともに分かち合い県民全体で支え合うという理念のもとに取り組むことが求められていると考えております。
 離島航路の船舶建造支援につきましては、沖縄振興特別推進交付金を活用した離島航路運航安定化支援事業により離島住民のライフラインである離島船舶を確保・維持し、離島の定住条件の整備を図るため航路事業者が船舶を建造または購入する際の経費を補助することとしております。具体的には、離島地域の中でも特に定住条件が厳しい小規模離島の赤字航路に就航する貨客船を対象とし、補助率は、市町村が事業主体となる公営航路の場合は10分の9、航路事業者が民間の場合は10分の8としております。
 また、本年9月末に「沖縄21世紀ビジョン基本計画」の期間である平成24年度から33年度までの各年次において更新対象となる船舶を位置づけた沖縄県離島航路船舶更新支援計画を策定したところであり、平成24年度は伊平屋、南北大東及び与那国航路の船舶建造及び買い取りを支援するため、総額25億7351万円を計上しております。
 県としましては、沖縄県離島航路船舶更新支援計画を踏まえ、対象船舶の年次的更新に順次対応し、離島航路ネットワークの充実やバリアフリー対応など利用環境の改善により離島の定住条件整備に努めていきたいと考えております。
 沖縄離島戦略的情報発信支援事業の取り組み状況について。
 本事業は、平成22年度から、「いいものあるが知られていない」などの課題を抱える粟国村、渡名喜村、北大東村、南大東村及び多良間村を対象に、景観や特産品、伝統文化など島の魅力となる資源の戦略的な情報発信を行うことにより、県外での知名度の向上を図ることを目的として実施しております。平成22年度は、対象離島市町村において島の魅力となる資源リストの作成に取り組み、平成23年度は、情報発信ターゲットの特定や5村共同情報発信ウエブサイト及びフェイスブックページの構築に取り組んだところであります。今年度から実施している5村共同情報発信については、9月時点のウエブサイトへのアクセス数が約8万件、フェイスブックページのファン数が約1万4000人で、当初の目標の5倍前後となるなど予想を上回る反応を得ております。
 県としては、本事業の実施によって対象離島市町村の知名度の向上が図られることにより、観光客数及び特産品の売り上げ等の増加につながることを期待しております。
 以上でございます。
○警察本部長(村田 隆) 米軍基地問題についての御質問の中で、共同パトロールに関する県警察の考えについてお答えいたします。
 まず初めに、県警察と米軍の憲兵隊との共同パトロールについてでありますが、本県における治安の確保は県警察の責務であること、また、何らかの犯罪を犯した米軍人を逮捕する場合には、県警察と憲兵隊との共同逮捕という扱いになり、地位協定に基づき当該米軍人の身柄は米軍に引き渡され、原則として起訴されるまで米軍側がその身柄を拘束することから、県警察としては、憲兵隊との共同パトロールは容認していないところであります。
 次に、警察権を有しない米軍士官、上官による部下に対する一般的な生活指導巡回――通称カーテシーパトロール(CP)と申しておりますが――このCPとの共同パトロールにつきましても、米軍人を被疑者とする犯罪現場において共同パトロール中のCPから連絡を受けて憲兵隊が現場臨場した場合、身柄の措置に関して憲兵隊との共同パトロールと同様の問題が生じる可能性があること、また、県警察がCPと共同パトロールを実施することは米軍犯罪のみに対処するため既存の警察力の一部を割くことになり、警察力が低下するおそれがあることの2点の問題があるものと考えており、現状では望ましいものではないと認識しております。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 米軍基地問題についての御質問の中で、高江ヘリパッド移設工事に係る環境影響評価の再実施についてお答えいたします。
 北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業(仮称)は、沖縄県環境影響評価条例の対象事業ではないものの、事業者みずから同条例の趣旨を踏まえ、平成14年度から平成18年度にかけて同条例に準じて環境影響評価の手続を実施しております。
 当該環境影響評価では、CH53を用いて航空機騒音等に係る調査・予測・評価がなされておりますが、今回、オスプレイが配備され高江を含む北部訓練場周辺において運用されることにより、航空機騒音による影響、エンジンからの下降気流の風圧及び高温排気ガスによる影響が増加するおそれがあります。そのため、県としましては、事業実施区域周辺でのオスプレイの運用に伴う環境影響について調査・予測・評価を再度行う必要があると考えていることから、今年10月11日に沖縄防衛局長に対し、当該事業に係る環境影響評価の再実施を要請したところであります。
 以上でございます。
○農林水産部長(知念 武) 農林水産業の振興についての中の、県の台風対策と自然災害に強い農産物の生産拡大についての御質問にお答えします。
 沖縄県は、本土と比較して台風の接近回数が約3倍と多く、たび重なる台風により本県農林水産業は大きな被害を受けております。そのため、県においては、防風・防潮林の整備、耐風性にすぐれた新品種の開発と普及、台風対策マニュアルに基づく対応の周知、「防風林の日」の植樹や講演会等の関連行事による防風林の重要性の普及啓発などの施策を実施しております。また、台風被害の軽減による農作物の安定生産を図るため、平成24年度から沖縄振興特別推進交付金を活用し、災害に強い栽培施設の整備を進めております。さらに、農家経営の安定化のため、沖縄型農業共済制度推進事業を実施し、農業共済への加入推進により農家が災害に遭っても経営を持続できるよう取り組んでいるところであります。
 次に、同じく農林水産業の振興についての中の、輸入制限が緩和されたことによる本県への影響についての御質問にお答えします。
 BSE(牛海綿状脳症)対策見直しに関する厚生労働省の審議会は、牛肉の輸入を認める月齢を現行の20カ月以下から30カ月以下に緩和する方針を11月6日に了承しております。現在、米国で屠畜される牛の約1割が月齢20カ月以下となっており、輸入の対象となっております。仮に輸入緩和が実施されると、米国で屠畜される牛の約9割ほどが輸入対象として拡大され、日本への米国産牛肉の輸入割合が増加すると予想されます。米国産牛肉の輸入がふえると仮定した場合、米国産等の輸入牛肉間での価格競争により輸入牛肉の価格の低下、良質な米国産牛肉が輸入されることに伴い、県内肥育牛の枝肉価格への影響、全国的な肥育牛の枝肉価格低下に伴い県内の肥育素牛価格への影響などが予想されます。
 県としましては、今回の輸入牛肉の月齢緩和により県内肉用牛価格に影響がある場合は、肉用牛肥育経営安定等特別対策事業などにより県内肉用牛経営の安定を確保してまいりたいと考えております。
 次に、TPP(環太平洋経済連携協定)等についての中の、我が国農業のあり方と県の農業強化策についての御質問にお答えします。
 本県農林水産業を取り巻く環境は、台風等の気象災害が多いこと、担い手の減少や高齢化の進行、市場遠隔性などの課題を抱えており厳しい状況にあります。これらの課題解決のため、沖縄振興特別交付金を活用して、災害に強い栽培施設の整備による農産物の安定生産対策、農林水産物の輸送コストの低減対策や国内外を見据えた流通・販売・加工対策、就農相談から定着まで一貫した支援の実施による就農・担い手対策、地域の実情に応じたきめ細かな生産基盤の整備などを実施し、本県農林水産業の振興に努めてまいります。
 一方、TPP交渉参加につきましては、事前協議に関する政府の情報提供が少ないことから、1番目に、協議の内容等国民へ十分な情報提供を行うこと、2番目に、国民合意のないままTPP交渉への参加を行わないこと、3番目に、農林漁業者が安心して生産に取り組めるよう万全の対策を講ずることについて市町村等と連携し、国に対し強く要請しているところであります。今後とも、TPP交渉等の動向や国の対応を踏まえつつ、関係機関と連携し適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、同じくTPP(環太平洋経済連携協定)等についての御質問の中の、TPP参加による本県農業への影響と対策についての御質問にお答えします。
 TPP(環太平洋経済連携協定)は、原則として全ての品目で関税を撤廃することが前提となっていることから、県内の農業に大きな影響が出ることが懸念されております。本県においても、サトウキビ、パイナップル、肉用牛、水産物などで影響が出ることが懸念されております。その影響額について一定の条件のもとに試算したところ、直接影響額が約580億円、関連産業への波及も含めると約1420億円の影響が出るものと試算されます。
 今後とも、TPP交渉等の動向や国の対応を踏まえつつ、関係機関と連携し適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○福祉保健部長(崎山八郎) 福祉問題についての御質問の中で、延長保育や休日保育の県の取り組みについてお答えいたします。
 沖縄県では、平成22年度に策定した「おきなわ子ども・子育て応援プラン」において、平成26年度までに延長保育を現在の250カ所から329カ所に、休日保育を現在の5カ所から11カ所とする目標数値を設定しております。
 県としましては、目標の達成に向けて、ニーズに応じた延長保育や休日保育の実施について、会議などあらゆる機会を通じて市町村に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、子ども・子育て関連3法についてお答えいたします。
 国においては、子ども・子育て関連3法に基づき、保育の量的拡大・確保及び地域の子ども・子育て支援の充実を総合的に推進する新しい仕組みを導入するとしております。新たな制度の基本方針や基準等については、民間と公立との連携体制のあり方も含めて、現在、国において平成27年度からの本格施行に向けた検討が行われているところであります。
 県としましては、沖縄独自の子育て支援が構築できるよう市町村や保育関係者等との意見交換を行うとともに、必要に応じて全国知事会を通して国に意見を述べてまいります。
 次に、障害のある子供の地域環境の整備についてお答えいたします。
 県では、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」に掲げる障害のある人が安心して暮らし生活できる地域社会の構築を目指し、「第3期沖縄県障害福祉計画」に基づき、障害児が必要とするサービスや相談支援の充実を図り、円滑なサービス提供が行われるよう、体制の整備を推進することとしています。このため、在宅においては、地域の身近な支援の窓口として、障害児通所支援事業所が保育所・学校等と連携・協働し体制整備を行うよう取り組むとともに、障害児入所施設についても地域生活移行など自立のための支援の充実を図り、地域に開かれた施設を目指して取り組んでいるところであります。
 次に、医師不足の地域への医師派遣体制及び産婦人科・小児科医師の確保についてお答えいたします。
 沖縄県においては、医師確保の課題がある宮古・八重山、北部地域に対し県立病院の後期臨床研修を修了した専門医を派遣しているほか、琉球大学等からの医師派遣を推進するため、医師派遣等推進事業により派遣元に対する助成を行っております。また、平成19年度からは医師修学資金等貸与事業を実施しており、今後、専門研修修了後にこれらの地域へ派遣することとしております。
 県としましては、これらの事業を推進することで医師確保体制を充実していきたいと考えております。
 産婦人科や小児科の医師については、現在、後期臨床研修事業や医師修学資金等貸与事業で産婦人科医10人、小児科医19人の養成を行っているところであり、引き続き養成・確保に努めていきたいと考えております。
 次に、老人福祉施設の増設についてお答えいたします。
 県では、沖縄県高齢者保健福祉計画に基づき老人福祉施設等の整備を推進しているところであります。老人福祉施設等の増設整備については、平成26年度までに特別養護老人ホームを487床、認知症高齢者グループホームを284床、介護付有料老人ホームを285床、全体で1056床を整備することとしております。また、老朽化が進んでいる既存施設については、施設・法人とも調整を進めながら計画的に改築整備を促進してまいります。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 福祉問題についての御質問で、預かり保育の充実についてお答えいたします。
 平成24年度、公立幼稚園における預かり保育を実施している市町村は33市町村で80.5%、実施園は162園で68%となっております。
 預かり保育の終了時間につきましては、設置者である市町村によって状況が異なります。
 長期休業日の預かり保育につきましては、ほとんどの市町村において実施されております。
 県教育委員会としましては、現在、幼児教育推進委員会において公立幼稚園における子育て支援の充実について検討を進めているところであります。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 福祉問題についての御質問の中で、看護師不足への対応と7対1看護体制の完全実施についてお答えいたします。
 病院事業局としましては、看護師の確保は重要な課題の一つであると認識しており、その対応策として採用試験年齢制限の撤廃、看護学校や県内外での就職説明会への参加、各県立病院での採用イベント等を開催するとともに中途採用を行う等、その確保に努めております。また、北部病院、宮古病院、八重山病院への7対1看護体制の導入については、病院事業局内に人員体制検討チームを設置し検討を進めてきたところです。その結果、収支改善が見込まれる北部病院については、平成25年度から7対1看護体制導入に向け関係機関との調整を進めるとともに、宮古病院及び八重山病院については、今後とも他の病院での実施状況や看護師確保、経営への影響等を考慮しながら、引き続き検討を続けていきたいと考えております。
 次に、県立病院の施設整備計画についてお答えいたします。
 病院事業局では、「沖縄21世紀ビジョン実施計画」において新宮古病院整備事業を位置づけ、平成25年度の供用開始に向け取り組んでいるところであります。また、八重山病院では築32年が経過し施設の老朽化が進行していることから、今年度の老朽度調査を実施することとし、その結果等を踏まえ今後の対応を検討していきたいと考えております。また、他の県立病院での耐震化対策や老朽化対策については、築年数や劣化状況等により検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○座喜味 一幸 2点ばかりちょっと要望等含めてお伺いしたいと思いますが、まず離島振興計画です。
 今度、21世紀ビジョンに向けて離島にとってはこれまでになかった抜本的ないろんなメニューがありますし、また一括交付金等しっかりとした担保もできているということで、自民党は一日政調会しながら各地域で意見交換しているんですが、大変期待をしているものがあります。ただ、もう少し我々にも情報が欲しいなというような動き等がありますから、今後とも我々はしっかりとやっていきたいなと思います。
 離島は、今答弁いただいた交通対策とユニバーサルサービスに対するしっかりとしたフォローができつつあるんですが、地域を含めてこの目標に向かって我々地域はもっと頑張るぞというようなメッセージを発信していただきたいなというふうに思うんです。例えば、今、我々沖縄県民の県民所得が207万円ほどですか、これを10年間で270万円だったでしょうか目標を設定していく。そのためには県民としての誇りとその思い、それをやっぱり結集していかんといかぬと思いますし、そういう意味で少し離島の質問をしましたので、県民所得の7割が離島の所得だというようなことで離島はハンディ、大変苦労してきたわけなんですが、この21世紀ビジョンにおいて、県民所得の中で離島の所得目標等もシミュレーションされていると思うんですが、その辺を含めてお答えいただけるとありがたいなというふうに思っております。
 それとTPP関連ですが、これはもう自民党も聖域なき関税撤廃はだめだという政策を発表しておりますが、特に先ほどいただいた医師、看護師不足と沖縄県の医療体制にTPPがどのような影響を及ぼすか、一般論で結構ですのでお答えいただければと思っております。
 よろしくお願いいたします。
○企画部長(謝花喜一郎) 座喜味議員の再質問にお答えいたします。
 我々は、今、離島振興は県政の最重要課題だというふうに位置づけておりまして、21世紀ビジョン基本計画にも離島振興は固有課題としても位置づけておりますけれども、2つ方向性がございます。1つ目は、離島における定住条件の整備ということで、先ほども申し上げました移動コストですとか低コスト、船舶購入などは定住条件の整備に挙げております。もう一つ、やはり離島で住んでいる方が生まれ育ち、それから余生をそこで過ごすというためにはやはりそこに人が定着しないといけないということで、離島における産業振興というようなものを2つの大きな基軸に、我々は離島振興を考えていくこととしています。
 そういう中で、先ほど申し上げました発信事業などもその一環としてつくらさせていただいているわけですけれども、議員御指摘の一つの大きな目標を持つべきだということは、当然我々は、先ほど申し上げました定住条件の整備とそれから産業の振興、この2つのものを車輪としましてやっていきたいと。少なくとも21世紀ビジョン基本計画で掲げた目標に向かって離島においてもやりたいと。
 あわせまして、離島の人口をどうしてもふやしたいというふうに我々は考えております。ただいまのところ石垣島を除いては全て低下しておりますので、今の時点から離島の人口をもっと維持し、そしてさらにこれを増加させるという方向に持ってまいりたいと。そういうことを目標に離島振興に全力で取り組んでまいりたいと、そういうふうに考えております。どうぞ今後とも御支援のほどよろしくお願いいたします。
○福祉保健部長(崎山八郎) TPP交渉の関連で、医師、看護師の不足、あるいはその確保にどのような影響を与えるかということでありますけれども、この件については、我々もまだ十分認識をしておりませんで、今後、研究をしていきたいというふうに考えております。
 以上です。
○末松 文信 皆さん、おはようございます。
 自由民主党、末松文信、11月定例会での代表質問を行います。
 質問に先立ち、けさのテレビを見ていましたら、中央高速道路の笹子トンネルの天井崩落事故で相当数の方が亡くなられておりますけれども、亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、けが人もたくさん出たようでありますので、一刻も早い回復をお祈りするものであります。
 本県でも多くの社会資本が整備され、日夜、維持管理に努めておられると思いますけれども、日ごろ、目の届きにくいトンネルや橋梁など耐震補強を含めしっかりと維持管理が行われることが重要であると思います。このことは、経済の活性化にもつながりますので、「コンクリートから人へ」などと言わず、必要な対策はしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 それから、昨日公示されました衆議院選挙について少し所見を述べたいと思います。
 3年前の衆議院総選挙は、顧みますと、民主党のまやかしのマニフェストに乗せられ、我が自民党県連は全ての議席を失い、また、国政では政権の移譲を余儀なくした悪夢のような選挙でありました。特に、普天間飛行場の移設については、時の民主党鳩山由紀夫代表が「最低でも県外」などと県民の期待をあおり、ふたをあけてみると、県外どころか腹案があるなどとありもしないことを一国の総理が発言するや否や、あげくの果ては移設先を日米合意に基づき辺野古に回帰するなど県民を愚弄した鳩山総理を初め民主党・政権与党の罪は深く重いものと思います。何よりも普天間飛行場の移設を初め嘉手納以南の施設・区域の返還等、沖縄における在沖米軍の整理縮小や基地負担の軽減、そして普天間飛行場の危険性の除去はおろか、むしろ固定化の様相を呈し、ますます混迷を深める結果となっているところであります。
 このように国民の期待を裏切り、不信感を増幅させた民主党政権は水が引くがごとく離党が相次ぎ、雪崩のごとく崩落し、解散の道を選択せざるを得ない結果となったことはひとしく容易に理解できるところであります。
 申すまでもなく、我が自民党はこれまでの反省に立ち、この総選挙において議席を回復すると同時に政権の奪還を目指し、新たな沖縄振興につなげていく覚悟でありますので、県民の御理解と御支持をよろしくお願い申し上げます。
 それでは代表質問に移ります。
 1、新たな沖縄振興の推進について。
 平成24年度から創設された沖縄振興交付金は、本県の持続的な経済の発展を図る上で画期的な制度であり、知事の手腕を高く評価するものであります。これまで社会資本の整備を進める上で障害となっていた国の関与をなくし、また、これまで国の補助制度では対応が難しかった事業も独自の事業としての展開が可能となるなど、本県振興に大きく貢献するものであります。特に市町村においては、沖縄振興交付金を活用し、地域に特化した事業や地域住民のニーズを反映した事業など独自の責任と判断で施策を選択することができるようになりました。そのことにより、地域産業の振興、雇用の確保、離島の活性化及び子育て支援など地域の特性を生かした施策展開が容易となっております。
 しかし、自由度が高まった特別推進交付金とはいえ、県や市町村独自の発想を生かした事業選択が可能となった一方で、国が示した交付要綱は、沖縄振興に資する事業等で沖縄の自立・戦略的発展に資するもの、そして沖縄の特殊性に基因する事業等の要件に該当することが必要であるなど一定の歯どめがかかっております。
 今年度は、一括交付金が創設されて初めてのことでもあり、市町村においては交付金の自由度について十分な説明がなく、独自でやれる範囲や交付金でできる事業等十分に把握されていなかった感がありました。そのことが、市町村から国に提出された事業計画が審査から内諾を得るまで予想以上の時間を要し、難航した要因でもあったと思います。内閣府においても、一般会計でできる事業か、沖縄独自の振興に資する事業であるのか審査作業に予想以上の時間を要したようであります。次年度は、今年度の反省・総括を踏まえ、交付金本来の趣旨に沿った活用と事業の推進が求められます。
 県は、20年後の沖縄の姿を描く「沖縄21世紀ビジョン」を策定し、今後10年の基本計画において「沖縄らしい優しい社会」、そして「強くしなやかな自立経済の構築」を図るために思い切った施策の展開を主体的に推進するとしております。そのために特別推進交付金、いわゆるソフト分の今年度並みの確保に加え、国直轄事業に係る財源も含め本県が要望している沖縄振興一括交付金3000億円の確保が必要不可欠であると考えております。
 そこで伺います。
 (1)、自立型経済の構築のためには新たなリーディング産業の創設が必要であり、空港・港湾の物流機能を生かした臨空・臨港型産業の集積が期待されるが、県の基本構想と取り組みについてお伺いします。
 (2)、2013年度の沖縄振興に関する予算について、県は、3000億円規模の予算額と沖縄振興交付金の所要額の確保を要請しているが、衆議院選挙との関連でその見通しを伺いたい。
 (3)、2014年4月からの消費税増税に関連し、自動車取得税と重量税の廃止を求める動きがあるが、全国知事会の反応と県の考え方を伺いたい。
 2、観光振興について。
 本県の観光は、東日本大震災の影響から脱し好調に推移してきており、特に沖縄訪問を条件とする数次ビザ導入後の中国観光客の増加は海外観光客の入域を大きく押し上げる効果を上げております。
 しかし、尖閣諸島をめぐる中国の対日批判が経済や民間交流等にも影響を及ぼし、本県への中国観光客のキャンセルが予想を上回り、その減少傾向は当面続くものと思われ、短期での解決は望めそうもない状況にあると思います。
 本県は、将来の1000万人観光の目標達成に向け、本年度は観光収入4700億円、入域観光客数を620万人、そのうち海外観光客数を45万人と見込んでおります。しかし、世界的金融危機や東日本大震災の発生、そして今回の尖閣諸島問題、観光は外的要因に左右されやすい側面があります。計画の目標達成が難しいこともあるかと思います。現に、平成19年から毎年作成している「ビジットおきなわ計画」は、その時々の何らかの外的要因も影響し、目標の数値はほとんど達成されていないのが現状であります。
 また、本県の観光は、リピーターや修学旅行が定着するなど国内観光客数は好調に推移しており、全体の9割を占めております。一方、ここ数年、東京や関西の都市圏からの観光客は減少している状況にあります。我が国の人口の圧倒的多数を占める都市圏からの観光客減少は大きな懸念要因であるばかりでなく、東京スカイツリーのオープンや新しい東京駅が開業したことでこれらの施設は連日観光客であふれており、さらなる沖縄離れが心配されるところであります。
 県においては、国内市場のさらなる開拓に向け戦略の強化が必要であり、そのためには航空機利用が不可欠な本県観光にとってネックと言われる航空運賃の割高感の解消が最も重要であります。加えて、毎年のように見られる台風による那覇空港等での観光客の足どめへの対応など、観光立県沖縄として真摯な対策が急がれます。
 そこで伺います。
 (1)、MICE誘致について、これまでの実績と今後の誘致目標について。また、MICEを受け入れる県内事業者の体制はどうなっているのかお伺いします。
 (2)、海外からの誘客を図るため、県内に進出している世界的なブランド力を持つホテルと連携し、ヨーロッパやアジアのマーケットの開拓につなげるべきだと考えるが、県の考え方を伺います。
 (3)、県が実施するスポーツ・ツーリズム戦略推進事業について、その事業内容と支援対象事業の効果等について伺いたい。
 3、土木建築関係について。
 本県建設業は、公共工事費の大幅な減少により受注の激減と受注競争の激化で経営環境が悪化し、厳しい状況にあります。これまで本県の建設業は、基幹産業として県内における雇用を支え県経済の牽引役としてその役割を果たしてきたが、中小零細企業が多い経営体質もあり、近年の急激な市場環境の変化についていけないのが現状であります。一方、公共投資の減少が続く中、建設業の数は設備投資がピークであった平成5年度に比べ、逆に増加し、ここ数年高水準で推移しており、建設業の過剰供給状況の改善が大きな課題となっております。このように収益が減少する中で、技術力の維持向上や、新たな分野への進出、企業の再編・合併など市場環境の変化に対応し建設業みずからの取り組みも進められております。本県は、4次にわたる振興計画により社会資本の整備は着実に進展しておりますが、離島県としての不利性の克服や産業振興は道半ばであります。また、陸上交通体系の整備や離島の振興、基地返還跡地の利用など残された課題解決のために今後とも積極的な社会資本の整備が必要であります。しかし、これらの大型公共工事について、本県建設業が本土の大手企業と競争するには一層の体力強化が求められる中、90%以上が中小零細経営で占める本県建設業の実態からは、自己努力にも限界があり、県による本格的な支援策が必要であります。
 このような状況にあって、本県建設業の将来像をどのように描くか、県政に課せられた課題も重いものがあります。これらを克服するためにも「沖縄21世紀ビジョン基本計画」に基づく諸施策の確実な展開が待たれるところであります。
 そこで伺います。
 (1)、中南部圏西海岸の地域拠点や広域交通拠点として交通渋滞の緩和に資する沖縄西海岸道路の整備について、計画の概要と進捗状況について伺います。
 (2)、自転車道の整備や駐輪場の設置により、歩行者の安全確保や自転車走行空間の整備を図る必要があるが、県の取り組みについてお伺いします。
 (3)、県内建設業は、中小零細な企業が多くを占める上、建設投資額の減少、受注競争の激化など倒産・廃業が増加しており、新分野への進出や企業の再編統合が課題と言われている。県としてとり得る対策について伺いたい。
 4、教育・文化の振興について。
 情報通信の急速な発達・高度化によりグローバル化した国際社会における教育は、子供たちが社会の変化に的確に対応し、たくましく生きる力を身につけるよう時代に対応した教育環境を整備し、子供たちの柔軟な資質や能力を形成することにあります。そして教育は、大都市圏や地方といった地理的・地域的な要因や経済的貧富の差等で教育を受ける機会に格差が生じてはならず、全ての子供たちが平等に教育機会を享受すべきであります。
 全国学力テストの関連調査によりますと、保護者や世帯の年収が高いほど子供の学力が高いという結果が示されております。本県は全国に比較し所得が低い状況にあることを考えれば、家庭の経済格差によって子供たちの教育機会を損なうことがあってはならないと考えております。子供たちには、それぞれが持つ将来の希望や目標を目指せるように、社会全体で後押しできる教育環境の整備が必要であります。このため、近年急速に増加しつつある就学援助に対する支援や、各種奨学資金制度の拡充など経済的に就学が困難な子供たちへの支援体制を充実させることが重要であります。また、離島地域に住んでいることで高校へ進学するために要する経費等の負担増への対策や、児童生徒が遠征活動に参加する際の航空・船舶に要する移動費の負担を軽減する必要があります。
 このように、子供たちが社会で生き抜くための実践的な能力を育成するため、確かな学力、豊かな心、そして健やかな心身を育むなど教育環境の整備は我々大人の責務であります。県教育庁はさまざまな取り組みを進めているようでありますが、学校現場においては授業以外の日常的な業務が多忙で子供たちへの綿密な指導を行うための時間的、精神的ゆとりがないと訴える先生が多いようであります。確かに本県は共働きが多いことから家庭での学習時間が少ないことや、学校以外での課題も山積しておりますが、先生方が子供一人一人と向き合い、性格に応じたきめ細かい指導を行うことと同時に、子供たちが学校生活や授業に打ち込める環境をいかに醸成できるかが重要であると考えております。
 そこで伺います。
 (1)、本県は、小中全学年における少人数学級の導入・拡大を進めておりますけれども、現在の進捗状況と今後の推進計画について伺います。
 (2)、子供たちが将来に向けた職業観や勤労意欲を培うための職業教育について、関係機関との連携はどのように図られているか、取り組み状況について伺いたい。
 (3)、発達障害の児童に対する教育はより早期の支援が必要とされておりますけれども、障害のある児童の特性に応じた個別指導は教育現場において可能であるかどうかお伺いします。
 (4)、空手道会館(仮称)の建設について、建設計画の概要と建設場所等についてお伺いします。
 5、那覇空港滑走路の拡張整備について。
 本県における空の玄関口である那覇空港は、観光拠点のみならず県経済の発展を支える屋台骨的存在であり、アジアに近接する国際的観光地にふさわしい空港機能を整備することが求められております。このため、那覇空港を本県の国際的な物流拠点としての整備を進め、既に全日空が24時間稼働の那覇空港の利点を生かし、アジアへの物流貨物基地として活動を成功させております。また、宅配事業の代表格であるヤマトホールディングスも国際宅急便のほか、世界初のクール便の展開に向けた準備を進めているところであります。さらに、国内大手航空会社が出資した格安航空会社LCC2社が那覇空港へ乗り入れており、観光への波及効果が期待されております。しかし、現在の那覇空港は駐機スペースの確保やターミナルの位置など構造上の問題が指摘されるほか、航空機の年間離着陸回数は限界とも言われ14万回に近づいており、今後ふえ続ける観光客への対応など過密化の解消は喫緊の課題であります。
 一方、滑走路の拡張整備については、現在環境影響評価法に基づく一連の手続は進んでおりますが、総額約1900億円と言われる整備費をいかに確保するか大きなハードルに突き当たっております。県は、平成25年度で着工し5年間での完成を政府に要請していますが、我が自民党も関係省庁に対し、年間発着回数が既に処理能力の限界に近づいている状況から、平成25年度において予算確保を工夫し、早期完成に向け努力するよう求めております。平成24年度からスタートした沖縄振興特別措置法において国際物流拠点産業集積地域が特区として創設されており、我が国における那覇空港の位置づけはますます高まっております。東アジアに近接する地理的優位性を生かしていく上からも滑走路の拡張整備を急ぐ必要があります。
 ここで伺います。
 (1)、那覇空港滑走路の拡張整備に合わせ、国内線・国際線旅客ターミナルや航空機整備場、エプロン等那覇空港の総合的な整備計画について、完成時期を含め伺います。
 (2)、県は、那覇空港滑走路の拡張整備を平成25年度から5年間での供用開始を目指している。それに合わせた新国際線ターミナルの建設及び国内線ターミナルの増設等、新たな那覇空港の機能整備についてその取り組みを伺います。
 (3)、那覇空港と沖縄自動車道を連結する那覇空港自動車道の整備状況と供用開始時期についてお伺いします。
 6、産業廃棄物対策について。
 本県における公共関与産業廃棄物管理型最終処分場の建設について、県内3候補地を掲げ地元との調整を進めておりましたが、いずれも反対が強く難航しておりました。しかし、このたび名護市安和区に建設する方向で地元との調整が進められており、処分場建設は大きく前進しているようであります。県内の処分場である既存の3施設は残余年数が3年余となっていることもあり、猶予がない状況にあります。県においては、名護市安和区を初め、名護市に対し丁寧に説明し地域の意向を真摯に受けとめ、理解を得る努力が必要だと考えております。
 そこで伺います。
 (1)、本県における産業廃棄物最終処分場について、残余年数が3年余と言われるが、現在の状況を伺いたい。
 (2)、県は、最終処分場の建設候補地のうち名護市安和区に建設することを検討しているようだが、計画の概要、選定に至った理由と地元との調整状況を伺いたい。
 7、北部振興について。
 「沖縄21世紀ビジョン」の基本施策として情報通信関連産業の高度化・多様化に向け、人材の育成確保や情報通信基盤の整備などソフト・ハード、取り組まなければならない課題は山積していると思います。とりわけ名護市の金融業務特別地区をアジアにおける金融ビジネスの拠点形成プロジェクトに位置づけ、金融ビジネスの集積や金融特区投資環境のプロモーション及び金融人材育成など各種事業の実施計画が示されております。しかしながら、金融業務特別地区の推進については、平成10年に制度導入されて以来、沖縄振興特別措置法の目玉として期待されながら、特区制度に基づく認定企業の集積はなく、金融特区そのものが形骸化の様相を呈している状況にあります。政府は、金融特区への認定企業の誘致を進めるため、企業が常時雇用する従業員を20人から10人に減らすなど、一定の条件を緩和したものの誘致には至っておりません。企業にとっては利益を確保できる環境が整備されていなければ進出をためらうのは当然のことであります。このような中で県は、名護市と連携し進出企業が求める優遇措置や規制緩和について政府に対し粘り強く求めるなど支援措置を講じる必要があります。
 そこで伺います。
 (1)、名護市の金融特区で認定企業がふえない要因として何が考えられるのか。また、県や名護市が求めている金融特区規制緩和に対する政府の対応について伺いたい。
 (2)、北部地域の産業集積の活性化を目指す沖縄北部地域産業活性化協議会について、基本計画と国・県の支援体制についてお伺いします。
 (3)、プロの投資家向けの新興市場(TOKYO PRO Market)の上場審査等を行う「株式会社OKINAWA J-Adviser」が設立された狙いと、今後どのように生かしていくのかお伺いいたします。
 以上、よろしくお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 末松文信議員の御質問にお答えいたします。
 まず第1に、新たな沖縄振興の推進についての中で、臨空・臨港型産業の集積に向けた基本構想などについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 沖縄県は、那覇空港の物流ハブ機能を生かして、臨空・臨港型産業を集積し産業の振興及び雇用の創出を図ってまいりたいと考えております。そのための取り組みといたしまして、今年度からスタートいたしました国際物流拠点産業集積地域に新たな物流センターを整備したところであります。今後とも、引き続き同地域を拡大いたしたいと考えております。そしてロジスティックセンターなどの整備を進めてまいりたいと考えております。これらに加えまして、企業誘致セミナーの開催や国際物流展への出展、そして企業への個別訪問による誘致などを行っております。この結果、ヤマト運輸さんが進出するなど着実に成果が出ているものと考えております。今後はこれらの取り組みをさらに拡大し、臨空・臨港型産業の集積を進めてまいりたいと考えております。
 次に、同じく沖縄振興の推進の御質問の中で、沖縄振興予算に係る県の要請と衆議院選挙との関連についてという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
 平成25年度の沖縄振興予算は、21世紀ビジョン基本計画に基づく目指すべき将来像の実現に向けました諸施策を展開するために、十分な予算を確保する必要があると考えております。沖縄県といたしましては、衆議院選挙の結果にかかわらず国政における沖縄振興の重要性が変わることはないと考えております。今後とも、我が与党の先生を中心とした議員ともども必要な予算額の確保に努めてまいる所存でございます。
 次に、教育・文化の振興についての御質問の中で、空手道会館の建設計画の概要についての御質問にお答えをいたします。
 空手道会館につきましては、今年度中に基本計画を策定し次年度以降、集中して設計そして工事に取り組み、平成26年度中を目標にオープンできるよう努めてまいりたいと考えております。なお、建設場所につきましては複数の市町村から誘致の要請がございます。これを踏まえ、さらに維持管理体制や運営のあり方などについていま一つ詰める必要がございます。したがいまして我々といたしましては、「空手発祥の地・沖縄」にふさわしい建設場所を早急に決定し、長期的に維持可能な運営体制の確立をしっかりと図ってまいりたいと考えております。
 次に、北部振興に係る御質問の中で、「株式会社OKINAWA J-Adviser」が設立された意義とその活用についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 まず、「株式会社OKINAWA J-Adviser」の設立によりまして、金融特区における金融ビジネスの集積や高度化の促進と、そして県内ベンチャー企業などの成長支援が図られるものと考えております。日本の株式市場へ上場を希望する国内外の企業が沖縄県に進出するインセンティブともなると期待をいたしております。
 沖縄県といたしましては、「株式会社OKINAWA J-Adviser」を活用いたしました上場支援を行いますとともに、「TOKYO PRO Market」の活性化に必要な規制緩和を図りながら、金融関連企業や国内外の投資家の資金が金融特区に集まる環境の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○議長(喜納昌春) 答弁の途中ではありますが、末松文信君の質問に対する残りの答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時54分休憩
   午後1時23分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 午前の末松文信君の質問に対する答弁を続行いたします。
 総務部長。
   〔総務部長 川上好久君登壇〕
○総務部長(川上好久) 新たな沖縄振興の推進についての御質問の中で、自動車取得税の廃止についてお答えいたします。
平成24年10月、全国知事会は、国に対して「平成25年度税財政等に関する提案」を行っております。この中で、自動車取得税については、自動車による交通事故や騒音、CO2の排出などの社会的費用に関し地方公共団体が供給する行政サービスに対して、受益に着目した税負担を求める性格のものであるとされております。税額の約7割を自動車取得税交付金として交付される市町村にとっても貴重な税源であることから堅持すべきであり、具体的な代替財源を示すことなく見直すことがあってはならないとしております。
 県としても、全国知事会と同様に、自動車取得税については県及び市町村の重要な税源となっていることから、代替財源を示すことなく見直すことがあってはならないと考えております。自動車取得税の見直しについては、現在、国において議論されているところであります。検討状況を今後とも注視してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 観光振興についての中の、MICE誘致のこれまでの実績、今後の誘致目標、県内事業者の受け入れ体制についてとの質問にお答えいたします。
 沖縄県における平成23年度のMICE開催実績は486件、参加者数は6万6195人となっており、うち国際会議の開催実績は38件、参加者数は1万6759人となっております。ここ3年間では、長引く景気低迷や東日本大震災等の影響により開催件数や参加者数は減少傾向にありますが、外国人が参加する国際会議やその参加者数は年々増加している傾向にあります。
 県におきましては、MICEについて、付加価値の高い旅行形態であるとともにボトム期対策にも有効と認識しており、本年度は開催件数544件、参加者数につきましては7万4138人、うち国際会議で57件、参加者数2万5139人を目標に定め積極的な誘致に取り組んでいるところであり、今後もさらなる拡大を図っていきたいと考えております。
 県内事業者の受け入れ体制につきましては、MICEプロジェクトやMICEセミナーの開催を通じ県内外における商談機会の創出に努めてきたほか、本年度は新たに民間事業者の受け入れ体制充実等の取り組みを支援するMICEメニュー開発・受入体制充実等支援事業を実施し、受け入れ体制のさらなる拡充を図っているところであります。
 今後は、業界連絡会の設立や人材育成事業等にも取り組むことにより、国内外からの多様なニーズへの対応力を強化していきたいと考えております。
 同じく観光振興についての中の、世界的なブランド力を持つホテルとの連携についてとの質問にお答えいたします。
 ことし5月、世界的に有名なリッツ・カールトンが名護市に進出したのを初め、ダブルツリーバイヒルトン、メルキュールなど、県内においてはブランド力を有するホテルグループの進出が顕著となっております。
 県におきましては、観光事業者の海外からの誘客推進への関心を高めるとともに、海外誘客施策の共有化を図ること等を目的に、沖縄観光コンベンションビューローと共同で年3回程度実施している外客インバウンド連絡会にこれらホテルの参画を促し、連携の強化を図っているところであります。また、香港事務所では、世界的に有名なクラブメッドと連携した顧客向け沖縄セミナーの開催、クラブメッド香港支店の接客カウンターへの沖縄ポスター掲示などにより、同社のブランド力を活用した沖縄PRを行っております。
 県としては、今後とも世界的なブランド力を持つホテルとの連携を含め、世界各地から本県への観光誘客を効果的に図ってまいりたいと考えております。
 次に、同じく観光振興についての中の、スポーツ・ツーリズム戦略推進事業の内容と効果についてとの質問にお答えいたします。
 今年度のスポーツ・ツーリズム戦略推進事業は、5つの事業から構成されております。まず1つ目が、市町村や民間事業者が行うスポーツイベントなどの事業に対して支援するスポーツ・ツーリズムモデル事業、2つ目が、県外・海外のプロサッカーチームの誘致を行うサッカーキャンプ誘致等事業、3つ目が、沖縄のプロスポーツチームを活用し、離島の児童生徒を対象に開催するスポーツ教室や、スポーツ交流を実施する離島等スポーツ・ツーリズム受入体制整備事業、4つ目に、県外からの合宿等をワンストップで受け入れる窓口を設置するためのスポーツアイランド受入支援事業、5つ目が、プロ野球キャンプのメッカ・沖縄を情報発信するとともに、キャンプ地を周回するバスを運行させるプロ野球キャンプ訪問観光促進事業となっております。
 スポーツ・ツーリズムは、観光消費単価や新規来沖者及び若年層の参加割合が高いことから、滞在日数の増加による経済効果、新規沖縄旅行者の集客効果、閑散期の誘客効果など大きな事業効果が期待できるものと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(當銘健一郎) 土木建築関係についての御質問の中で、沖縄西海岸道路の計画の概要と進捗状況についての御質問にお答えいたします。
 沖縄西海岸道路は、読谷村から糸満市に至る延長約50キロメートルの地域高規格道路であり、浦添北道路や小禄道路等9区間、約34.4キロメートルの事業に着手しております。これまで宜野湾バイパスの全線4.5キロメートル、読谷道路の一部1.3キロメートル、那覇西道路の一部2.5キロメートル、豊見城糸満道路の全線7.4キロメートルが暫定供用されております。当該道路全線の供用予定時期は未定ですが、早期供用に向け国において今後も引き続き重点的な整備を行っていくものと聞いております。
 続きまして、自転車道の整備や駐輪場の設置についての御質問にお答えいたします。
 県内における自転車が通行可能な道路としては、サイクリング専用道路と広い歩道幅員を利用した自転車歩行者道があります。サイクリング専用道路として、現在、県道玉城那覇自転車道、自転車歩行者道としては、豊見城中央線や宜野湾南風原線等の整備を推進しているところであります。さらに、自転車通行環境整備のモデル地区として、平成21年度に那覇市の赤嶺・壺川地区を国、公安委員会と連携し自転車通行帯の整備を行いました。なお、名護市道においても自転車通行帯を整備すると聞いております。また、駐輪場については、現在モノレールの13駅周辺において全体で644台整備されておりますが、延長区間の新駅についても整備を推進していきたいと考えております。
 今後とも、歩行者の安全確保や自転車通行の環境改善の観点から、関係機関と連携し安全で快適な自転車走行ができる道路づくりを進めていく考えであります。
 続きまして、建設業の諸課題に対する対策についての御質問にお答えいたします。
 県では、厳しい経営環境にある県内建設業の経営改善を図るため、「ちゅらしま建設業相談窓口」を開設し、経営基盤の強化及び新分野進出等の相談対応やセミナー等を実施しており、これまで69社が新分野に進出しております。建設業の経営革新を支援するため、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」の実施計画として位置づけ、引き続き経営基盤の強化や新分野進出等の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、那覇空港滑走路の拡張整備についての御質問の中で、那覇空港自動車道の整備状況と供用開始時期についての御質問にお答えいたします。
 本道路は延長約18キロメートルで、現在、豊見城東道路、小禄道路の整備が進められております。これまで南風原道路が完成供用し、豊見城東道路が暫定供用されております。また、小禄道路は平成23年度に事業に着手し、おおむね10年程度での完成供用を目指し、国において整備を推進しているところでございます。
 以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教育・文化の振興についての御質問で、少人数学級の進捗状況と推進計画についてお答えいたします。
 少人数学級につきましては、現在、小学校1・2年生の30人学級に加え、今年度から小学校3年生の35人学級を実施しております。次年度につきましては、現在、少人数学級のあり方検討委員会において、4年生への少人数学級の導入について検討しているところであります。
 県教育委員会としましては、今後とも少人数学級の拡充について、市町村教育委員会の意向、国の動向等を踏まえ、引き続き研究してまいりたいと考えております。
 次に、キャリア教育の関係機関との連携についてお答えいたします。
 児童生徒の望ましい職業観・勤労観を育成するため、小学校では「職場見学」、中学校では「職場体験」、高等学校においては「就業体験」等を実施するなど、学校の教育活動全体を通してキャリア教育を推進しております。また、現在、商工労働部と連携し、高校生から大学生までの体系的なキャリア形成支援プログラムの策定に取り組んでおり、一部実証を行いながら、平成26年度から全県に普及・定着させていくこととしております。さらに、今年度よりキャリア教育マネジメント事業を立ち上げ、教職員向けの研修の実施や教科指導を通したキャリア教育の実践等の支援を行うため、普通高校7校にキャリア教育コーディネーターの配置を進めているところであります。
 県教育委員会としましては、学校の教育活動全体を通して児童生徒の発達段階に応じた組織的・計画的・継続的な取り組みを今後とも推進するとともに、関係機関と連携を強化し、児童生徒一人一人の社会的・職業的自立に向けて系統的なキャリア教育の充実に努めてまいります。
 次に、発達障害のある児童の個別指導についてお答えいたします。
 幼・小・中・高等学校においては校内委員会を設置し、支援方法・内容等の共通理解を全職員で図り校内支援体制の推進に努めております。小学校においては、個別の指導を保障するために通級による指導を展開し、「個別の教育支援計画」、「個別の指導計画」の活用を図りきめ細かな支援を行っております。
 県教育委員会としましては、今後とも障害のある児童一人一人のニーズに応じた特別支援教育の充実に努めてまいります。
 以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 那覇空港の総合的な整備計画及び新たな機能整備について、5の(1)と5の(2)は関連いたしますので一括してお答えいたします。
 平成24年9月に策定した「沖縄21世紀ビジョン実施計画」において、国際交流・物流拠点の核となる那覇空港の総合的な整備を位置づけております。那覇空港の滑走路増設事業については、平成25年度事業化に向けた取り組みがなされており、県としては、国に対し早期供用の実現を要望しているところであります。現国際線旅客ターミナルビルについては施設が老朽化・狭隘化していることから、平成25年末供用開始を目途に新国際線旅客ターミナルビルの整備を進めております。また、現国内線旅客ターミナルビルについては、搭乗手続用カウンタースペースの確保のため、平成25年10月供用開始を目途としてビルの増築を進めており、ターミナル機能の強化に取り組んでいるところであります。さらに、これらの建設工事後、引き続き国内線と国際線旅客ターミナルビルを一体化する施設の整備に向けて取り組んでおり、平成28年度供用開始を見込んでおります。エプロンの整備については、現在、旧貨物地区において整備が進められており、平成28年度末に完成されるものと考えております。航空機整備場については、那覇空港の拠点性や価値を高める観点から、その実現可能性について調査検討していくこととしております。
 県としては、さらなる国内外の航空会社の新規参入などにより、那覇空港を拠点とした航空ネットワークの拡充ができるよう、国及び関係機関と連携しながら、今後とも那覇空港の機能強化に向けて総合的な整備を進めていく考えであります。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 産業廃棄物対策についての御質問の中で、本県の産業廃棄物最終処分場の現状についてお答えいたします。
 県内の民間処理業者による産業廃棄物最終処分場は、安定型が10カ所あり、平成24年3月末現在の残余容量は約370万立方メートルとなっております。平成23年度の埋立実績(約3万4000立方メートル)から換算いたしますと十分な容量が確保されております。また、管理型の産業廃棄物最終処分場は3カ所あり、残余容量は約1万9000立方メートルとなっております。平成23年度の埋立実績(約7500立方メートル)から換算いたしますと、残余年数は約3年となっております。このため、県においては、生活環境の保全と健全な経済社会活動を支える基盤施設として、公共関与による管理型最終処分場の整備を推進しているところであります。
 次に、最終処分場の計画の概要、選定に至った理由、地元との調整についてお答えいたします。
 公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場につきましては、埋立容量15万立方メートル、埋立期間15年と計画しており、施設構造については周辺環境に配慮した被覆型で、処理水を地区外へ放流しない完全クローズド方式を採用する予定であります。これまで、県におきまして3カ所の候補地を選定しておりますが、安和区につきましては、先進地視察や事業説明会の開催などを重ねており、現在、具体的に検討いただいているところであります。
 県としましては、今後、安和区と話し合いを進めるための連絡協議会を設置し、地域の合意形成に努め、管理型最終処分場の早期整備を図っていく考えであります。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 北部振興策についての御質問の中で、金融特区の認定企業がふえない要因と規制緩和についてお答えいたします。
 金融特区の認定企業がふえない要因としましては、金融特区のみで金融業を営む新設法人であることなど、従前の制度における認定要件が厳しいことにあったと認識しております。今般の沖振法改正において、「専ら」要件の撤廃等を要望したところ、一部緩和が認められたところであります。
 県としましては、金融関連企業の集積を促進する規制緩和について、今後も検討、要請を行っていきたいと考えております。
 次に、同じく北部振興策についての御質問の中で、沖縄北部地域産業活性化協議会の基本計画と国・県の支援体制についてお答えいたします。
 名護市など北部4市町村は、平成23年1月に企業立地促進法に基づき沖縄北部地域産業活性化協議会を設立しました。同協議会の基本計画では、地域資源製造関連産業、観光・リゾート関連産業、情報通信・金融関連産業の集積を図ることとなっております。企業立地促進法に基づく産業集積や雇用創出への支援策としては、成長産業人材養成等支援事業など国庫補助事業のほか、低利融資制度や課税の特例などがあります。今年度、同協議会から沖縄県北部地域産業活性化マルチクリエーター人材養成事業が採択され、システムエンジニアとして必要なスキルを習得するなどIT人材育成事業を実施しております。
 県としましては、今後とも県内各協議会と連携を図りながら、地域による主体的で計画的な企業立地等の取り組みを支援することで地域経済の基盤強化を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○末松 文信 御答弁どうもありがとうございました。
 時間も余りありませんので、7番の北部振興策について、以前からいろいろ議論になっているところでありますけれども、この金融特区について制度は制度としてあるわけでありますが、なかなか活用されていないという状況があって、再三にわたって国の制度改善についての要望をしてきたわけでありますけれども、なかなかこれが実効あるものにならないとこういうことがありまして、今後、国としてどういう対応をされていくのか、あるいは県としてもこのことについてどういう形で推進されていこうとしているのか、ぜひお聞かせいただきたいと、このように思っております。国のほうで制度についての厳しいところもわからなくはありませんけれども、このままでは企業の集積が非常に厳しいのではないかというふうに危惧しておりますので、何とかこの地域が金融特区として成立するように御支援をお願いしたいと、こう思っています。
○商工労働部長(平良敏昭) 議長、ちょっと休憩お願いします。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後1時49分休憩
   午後1時49分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 商工労働部長。
   〔商工労働部長 平良敏昭君登壇〕
○商工労働部長(平良敏昭) 再質問でございます。お答えいたします。
 金融特区、議員御指摘のとおり、平成24年3月末現在で10社が関連企業として進出しまして、雇用で言うと470人ぐらいは確保されております。議員からも一番御指摘のある法人税の40%軽減の対象となるいわゆる事業認定企業が1社もないということで、これは我々も非常に大きな課題としてずっと抱えておりまして、先般の沖振法の改正でもそういう「専ら」要件撤廃等、あるいはそれ以外の税制、例えばキャピタルゲインの免除とかそういうものを要望しました。そういう中で「専ら」要件の一部緩和がなされたわけですけれども、県としては今回のTOKYO PRO Marketを中心に推進するOKINAWA J-Adviserの設立も含めて、現在資本金8800万ぐらいですが、今年度末には1億ぐらいの企業にしていく予定ですが、そういう新たな取り組みも含めて県内の企業あるいは県外の企業が名護市に設立されたOKINAWA J-Adviserの審査を受けて上場していく仕組みをつくっていきたいと。
 もう一つは、アジアの金融市場、例えば香港、シンガポール、こういうところあたりとどう連携していくかということも今年度から来年度にかけてそういう調査をしながら、再来年度の規制緩和あるいは税制要望について具体的に提言していきたいと、こういうことで一応県としては名護市の金融特区について積極的に対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○照屋 大河 こんにちは。
 社民・護憲ネット、照屋大河です。会派を代表して代表質問を行います。
 質問の前に、昨日公示された衆議院選挙について所見を述べたいと思います。
 今回の選挙は、沖縄に米軍基地の過重な負担を押しつけ、構造的な差別を続けるこの国の政治、これを打ち破る選挙だと考えています。自民党・公明党の時代に進められた普天間飛行場の名護市辺野古への移設、県民の心の真ん中に、ウチナーンチュの心の中にこれを許さないという気持ちがあったんだと思います。それで、鳩山さんが言う「最低でも県外」というところに大きく期待をしてしまったわけですね。だまされてしまった。しかし、今はオール沖縄の民意としてこの普天間飛行場の県内移設反対を訴えています。そして欠陥機オスプレイの配備も許さないという立場で、この国の政治に向かっていきたい。選挙後にこの国の政治が、国民が沖縄の負担にしっかりと目を向き合うような政治になるように、社民党は力強く訴えていきたいというふうに思っています。
 では、代表質問、通告のとおり行いたいと思います。
 1番、知事の政治姿勢について。
 (1)、オスプレイ配備反対県民大会実行委員会が年末から年明けにかけて県下全市町村長、議長らの総理直訴行動を計画しているが、知事もともに行動する考えはあるか伺います。
 (2)、米海軍兵による集団女性暴行事件への抗議や米軍普天間飛行場へのMV22オスプレイ配備中止を求めた知事の訪米について。
 ア、成果と課題について伺います。
 イ、県地域安全政策課の県外・国外移設に向けた具体的な取り組みについて明らかにされたい。
 (3)、普天間飛行場の辺野古移設に関し、野田政権は衆議院選前の埋立申請を見送った。言いかえれば、選挙が終わればいつ申請されてもおかしくない状況であります。埋立申請がなされた場合の対応について伺います。
 (4)、昨日、衆議院選挙が公示され選挙戦に突入いたしました。以下、今回の選挙における争点について知事の政治姿勢を伺います。
 ア、消費税増税への賛否とその理由について明らかにされたい。
 イ、TPP参加に対する是非とその理由について明らかにされたい。
 ウ、憲法改定、特に集団的自衛権行使の容認、自衛隊の国防軍化、国家緊急事態条項の創設、天皇を国家元首とすること、首相公選制の導入について賛否と理由を明らかにされたい。
 大きい2番、基地問題について。
 (1)、日米合意違反のオスプレイ訓練について。
 ア、制限時間外飛行、住宅密集地域上空でのヘリモード飛行、コンクリート塊をつり下げての飛行訓練など日米合意違反のやりたい放題の訓練強行が続いているが、市町村と連携し、合意違反を裏づけるに足るデータを収集できているか。違反内容と違反回数をそれぞれ明らかにした上で県の見解について伺う。
 イ、伊江島補助飛行場は、補助飛行場につき騒音防止協定対象外との認識を示した外務省の見解に対する県の考えについて伺います。
 ウ、関連して、沖縄防衛局は、去る11月22日、昨年度に普天間飛行場で実施した米軍ヘリの飛行状況調査結果を公表しております。航跡図データでは住宅密集地上空での飛行が常態化している運用状況が明らかになっておりますが、県の対応について伺います。
 (2)、相次ぐ米兵事件について。
 ア、ことし8月の米海兵隊員による女性への強制わいせつ致傷事件に続き、去る10月、米海軍兵2名による集団暴行致傷事件が発生した。県議会は「激しい憤りを禁じ得ない」と強く批判する抗議決議と意見書を全会一致で可決した。決議では個別の施設名を特定せずに初めて在沖の全米軍基地を対象とした「返還の促進」を要求している。基地ある限り県民の基本的人権・尊厳は守ることができない。女性暴行事件に対する知事の所見を伺います。
 イ、関連して、県は性被害ワンストップ支援センターを設置する考えがあるか、検討状況を踏まえて明らかにされたい。
 ウ、去る11月2日、読谷村で嘉手納基地所属空軍兵による住居侵入、傷害、器物損壊事件が発生した。この凶悪非道な米兵犯罪に対し、森本防衛大臣や吉良外務副大臣が、「事件」を単なる「事故」と表現するコメントを発したことに対する知事の所見について伺います。
 エ、事件当日、捜査着手の段階で藤村官房長官が「身柄引き渡しは必要ない」との見解を示したが、捜査に対する政治の不当介入ではないか。県警本部長の見解について伺います。
 オ、読谷村において、県警が起訴前の身柄引き渡しを求めなかったことに対する県民の怒りは大きいが、県警本部長はどのように受けとめるのか伺います。
 カ、普天間基地所属の海兵隊員が基地外に脱走したが、県への連絡は米軍の脱走認定後から11日後でありました。2008年5月の日米合意では、「脱走兵の認定後、ただちに逮捕要請を行う」ことになっており、余りにも遅い。市町村に連絡が届くまで約2週間を要したことについて、県は米軍当局や外務省に抗議したのか伺います。
 キ、2008年の日米合意以降、本県における米側から日本側への逮捕要請件数及び逮捕状況について明らかにされたい。
 ク、自治体に通報される脱走情報は、①、脱走認定年月日、②、逮捕要請した米軍施設・区域、③、脱走者数、④、身柄確保の情報の4点だけであります。逮捕要請があったところで氏名や年齢、性別すらわからない状況では捜査の難航は目に見えており、逮捕は不可能であります。県(県警)は、日米両政府に自治体への脱走情報見直しを求めるべきではないか伺います。
 ケ、相次ぐ米兵犯罪を受け、県は日米の関係機関に「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキングチーム(CWT)」の改善など協議の場の新設を求めております。その後、11月28日に特別会議が開かれておりますが、協議の詳細と新たな協議の場設置の見込みはあるか伺います。
 (3)、去る11月30日、第三次嘉手納爆音差しとめ訴訟の一部原告144人が、2010年の4月施行の「外交等に対するわが国の民事裁判権に関する法律」を法的根拠として、米国政府を相手に夜間・早朝の飛行や騒音の差しとめと総額2億1600万円の損害賠償を求める対米訴訟を那覇地裁沖縄支部で起こしました。提訴に対する知事の所見について伺います。
 大きい3番、ハンセン病非入所者の多くが国からの和解一時金や経済的支援のための給与金を受け取っていない状況が続いています。背景には「元患者」と知られることへの不安もあると思うが、制度自体を知らない人も相当数いると見られます。
 (1)、現段階で県が把握している非入所者数について明らかにされたい。
 (2)、周知徹底が重要と考えるが、県の取り組み状況について伺います。
 大きい4番、県立病院問題について。
 県立病院の経営再建検証委員会の平成24年度検証結果報告書案が示されております。
 (1)、報告書案では、平成21年度から平成23年度までの病院事業局の経営再建計画等に沿った経営全般にわたる改革の取り組みの成果に対して、経営改善を実現したものと評価しております。また、持続的な経営の健全化が達成される見込みがあるかについてはさらなる経営改善が行われることを前提とし、達成見込みがあるとの報告書案が示されていますが、報告書案に対する知事の所見について伺います。
 (2)、報告書案では人材確保、医師のさらなる増員、全病院での7対1看護体制、リハビリ部門を含む患者が求める経営改善につながる人員の配置に必要となる定数条例の改正についての指摘がありますが、県の見解について伺います。
 大きい5番、うるま市平安座の原油流出事故について。
 うるま市与那城平安座の石油備蓄会社沖縄ターミナルで、去る11月7日、原油流出事故が発生した。地元住民を初め周辺自治体にまで被害が及んでいます。
 (1)、事故概要を説明した上で原油の抜き取り・移しかえ作業、残渣の回収など全ての作業の工程を示されたい。また、その間の引火防止策の体制と現在の進捗状況、効果等について説明されたい。
 (2)、体調不良など健康被害者の数を明らかにされたい。また、事故発生時から今日までの間、大気汚染防止法に基づき検出されたベンゼンの数値、悪臭防止法に基づく悪臭の測定数値の推移を示されたい。
 以上、よろしくお願いいたします。
○知事(仲井眞弘多) 照屋大河議員の御質問に答弁をいたします。
 まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、知事訪米の成果と課題についてという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
 今回の訪米では、米ワシントンDCにおいて、米政府に要請を行うとともに、県主催のシンポジウムを開催し、多くの政府関係者やマスコミ等が参加しました。その際、米政府高官から米軍人等の一層の綱紀粛正、事件・事故の再発防止に取り組むとの発言があり、また、シンポジウムにおいては、普天間飛行場移設問題を初めとする沖縄の基地問題について議論がなされたところであります。今後、オバマ新政権の外交・防衛政策の陣容が整う時期など米国政府の動向を注視しつつ、効果的な訪米を計画してまいりたいと考えております。
 次に、同じく知事の政治姿勢の中で、集団的自衛権行使の容認や国防軍化等への賛否と理由についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
 今回の衆議院選挙は、民主党の3年余にわたる政権運営を踏まえ、我が国の課題であります財政再建、社会保障の改革、国際関係への対応などを問われる重要な選挙であると認識いたしております。自衛隊の国防軍化や国家緊急事態条項の創設、首相公選制の導入等につきましては、政党の公約であり国民的な議論を通じて判断されるべきものではないかと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○副知事(与世田兼稔) 照屋大河議員の基地問題についての質問要旨2の(2)のウ、防衛大臣や外務副大臣の発言についてお答えします。
 防衛大臣や外務副大臣が「事故」と表現したことに対し、10月22日に来庁した齋藤官房副長官に対して、私から、1、問題意識が欠如しているのではないか、2、「事件」は犯罪をあらわす事実であり、「事故」は民事賠償を含めた偶発的な犯罪と異なる事実として表現されるものである、3、政府として問題意識としての言葉遣いも含め、厳密に使うべきであると申し入れたところであります。
 以上です。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、県民大会実行委員会の直訴行動についてお答えをいたします。
 県民大会実行委員会の政府要請行動等の詳細は承知しておらず、参加の可否を検討する段階にありませんが、県としては各界各層が参加される運動と行政がそれぞれの立場で協力し、事態の解決を図ることが適切であると考えております。
 なお、オスプレイについては、今後、運用の活発化が懸念される中、県民の不安は一向に解消されておらず、県として配備計画の見直しを求めていくことに変わりはありません。
 次に、県外・国外移設に向けた取り組みについてお答えをいたします。
 去る10月には知事が訪米し米政府へ要請を行うとともに、県主催のシンポジウムを開催いたしました。シンポジウムには、米政府や米連邦議会を初めシンクタンクや報道関係者など約130名が参加し、知事からは普天間飛行場の県外移設が合理的かつ早期に課題を解決できる方策である旨申し上げております。また、パネリストからは、辺野古移設は困難であり、柔軟性を持って対応すべきとの意見も示されました。今後も有識者ネットワーク等を活用し、普天間飛行場の県外移設に向けた効果的な施策等について検討し、日米両政府に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、公有水面埋立申請への対応についてお答えをいたします。
 現在、政府は、環境影響評価書の補正作業を進めているものと認識しておりますが、現時点で公有水面埋立承認願書が提出される時期等については示されておりません。仮に提出された場合には、関係法令にのっとり検討せざるを得ませんが、県としては、地元の理解が得られない移設案の実現は事実上不可能であり、普天間飛行場の県外移設を求める考えに変わりはなく、これを踏まえつつ適切に対処してまいります。
 次に、基地問題についての御質問の中で、日米合意違反のデータ収集についてお答えいたします。
 オスプレイの飛行運用の実態については、市町村と連携して情報収集に努めております。500件近い情報があり、その中には可能な限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避ける、運用上必要となる場合を除き垂直離着陸モードでの飛行を米軍施設・区域内に限るなどの日米合同委員会合意事項が遵守されていない報告があり、具体的な内容について精査しているところです。
 オスプレイについては、今後、運用の活発化が懸念される中、県民の不安は一向に解消されておらず、県としては配備計画の中止を含む見直しと配置分散の実施などを政府に求めております。
 次に、伊江島補助飛行場についてお答えいたします。
 外務省によると、平成8年に日米両政府で合意された嘉手納飛行場及び普天間飛行場における航空機騒音規制措置は、両飛行場での米軍機の運用に関するものであり、伊江島補助飛行場における運用を対象とするものではないとのことであります。他方で、伊江島補助飛行場において訓練を行ったオスプレイを含む米軍機が嘉手納飛行場または普天間飛行場へ帰投するに際しては、深夜・早朝の飛行に関する同航空機騒音規制措置が適用されるとしております。いわゆる5・15メモでは、伊江島補助飛行場における空対地射爆撃訓練の使用時間が午後11時までとなっておりますが、このことは同規制措置と矛盾しているのではないかと考えております。
 いずれにしましても県としましては、米軍を初め日米両政府において、同規制措置の厳格な運用により、騒音の軽減を図るべきであると考えております。
 次に、飛行状況調査結果に対する県の対応についてお答えいたします。
 政府は、平成19年に普天間飛行場の安全向上を図る観点から、回転翼機の飛行経路等に関する具体策を示しておりますが、それが遵守されていないとの地域住民の指摘を受け、沖縄防衛局が平成22年から飛行状況調査を実施しております。今回の調査結果では、昨年度に比較して改善が見られる飛行経路等がある一方、守られていない状況もあるとしております。
 県としましては、依然として住宅密集地上空での飛行が見られるなど、普天間飛行場の危険性除去は不十分であると認識しており、引き続き飛行経路等を厳守するとともに、訓練の分散移転などさらなる抜本的な改善措置を検討するよう政府に求めております。
 次に、女性暴行事件についてお答えいたします。
 8月と10月に相次いで女性に対する米軍人による暴行事件が発生いたしました。いずれの事件も市街地で、女性が被害者となるなど県民に大きな不安を与えるものであり、極めて遺憾であります。
 県としましては、米軍に起因する事件は一件たりともあってはならず、これらの事件が多発していることは、県民の米軍に対する信用が失われるものであると考えております。
 次に、脱走兵情報の通報体制についてお答えいたします。
 平成20年5月の日米合同委員会での合意によれば、逮捕要請は、在日米軍が脱走兵を認定し、直ちに県警察に対して行われることになっております。また、自治体への情報提供については、渉外知事会と外務省による協議の結果、米国政府から情報提供があり次第、渉外知事会を通し県に提供されることになっております。脱走兵情報の県への連絡がおくれたことは極めて遺憾であり、速やかに連絡がなされるべきであると考えております。県は、11月22日、外務省に対して、規律保持や速やかな情報提供により住民に不安を与えないよう米軍に求めることを要請したところであります。
 次に、ワーキングチーム特別会議についてお答えいたします。
 たび重なる事件を受け、11月28日に「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキングチーム」特別会議が開かれました。その会議で米軍から、1点目、那覇市においての生活指導巡回、2点目として、飲食店向けのホットラインの設置、3点目として、勤務時間外行動の指針の検証などが説明されました。しかしながら、具体的な再発防止策や実効性のある綱紀粛正策については、今後十分な対応が必要であると考えております。ワーキングチームについては、次回会議を開催することが決定しており、引き続き日米両政府と地元自治体との協議が進められていくものと考えております。
 次に、対米訴訟についてお答えいたします。
 去る11月30日、第三次嘉手納爆音訴訟の一部原告が米国政府に対し夜間・早朝の米軍機飛行差しとめ等を求める訴えを提起したことは承知しております。県としては、2010年4月施行の「外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律」を根拠に米国を提訴するのは全国の爆音訴訟でも初めてのケースであると承知しており、大きな関心を持って見守っていくとともに、今後とも引き続き日米両政府に対し、嘉手納飛行場の騒音の軽減を粘り強く働きかけていきたいと考えております。
 次に、うるま市平安座の原油流出事故についてお答えいたします。事故概要と原油移送作業の工程等についてお答えいたします。
 沖縄ターミナル株式会社によりますと、原油流出事故は、11月7日、同社の浮き屋根式原油タンク1基の浮き屋根が原油中に沈下したことにより、同浮き屋根の排水口から4.5キロリットルの原油が流出したものであります。流出した原油については、同社構内において事故発生後直ちに回収されており、外部への流出はありません。なお、浮き屋根が埋没したことに伴い、タンク内の原油が露出したため、発火の可能性や臭気及び有害物質の大気中への拡散による住民への健康被害が懸念されているところであります。
 原油の移送作業等の工程については、沈下した浮き屋根の上部にある原油の抜き取りを11月17日に終え、現在、沈下した浮き屋根の上部及び浮き屋根内部にある原油の抜き取りを慎重に行っております。この工程を12月上旬までに終え、最終的にタンク内の鉄さびと油の塊の混濁物などの残渣物を回収し、1月上旬までに全ての作業を終えることとなっております。
 次に、引火防止策については、露出した原油液面が空気に触れないよう、炭酸ガスを注入するとともに、万一の引火に備え、自衛消防隊やうるま市消防隊などを現場配置し、化学消防車や大容量泡放射砲を設置し、万全の体制をとっております。現在の移送作業の進捗状況につきましては、12月4日現在でタンク内の原油約5万1500キロリットルのうち約4万5770キロリットルを抜き取り、残量は約5730キロリットルとなっております。
 県としましては、これまで情報収集、関係機関への情報提供、現地調査、対策会議への参加、沖縄気象台への雷注意報等の気象情報の提供依頼、会社やうるま市との環境面や健康面に関する調整等、関係機関と連携して対応に当たっているところであります。
 次に、体調不良など健康被害者の数についてお答えいたします。
 原油流出事故に伴う異臭により体調不良などの健康不安を訴えた人数については、11月19日にうるま市が実施した健康相談への相談件数が11件、沖縄ターミナルに対し、健康被害に関する問い合わせが12月2日現在で40件あったと聞いております。
 県といたしましては、11月28日に沖縄ターミナル株式会社に対し、事故の早期収束と住民の健康被害等について真摯な対応を求めたところであります。今後とも、県中部福祉保健所等を通し、うるま市等と連携して健康被害者等の把握に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(川上好久) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、消費税の増税についてお答えいたします。
 消費税は、他の税目に比べ景気変動による影響を受けにくいことから、少子・高齢化がますます進展する中で、国・県・市町村における安定的な財源確保のため、その役割は重要であると考えております。
 消費税及び地方消費税の税率引き上げに当たっては、経済状況に留意しつつ、国においてデフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みのほか、低所得者に配慮する対策を十分に講ずる必要があると考えております。
 以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) TPP参加に対する是非とその理由についてお答えいたします。
 成長するアジアを初めとする海外市場の活力を取り込むため、他国との経済連携を進めることは重要なことと考えております。しかしながら、TPPは、原則、全品目で関税撤廃が前提であり、特に国内農業へ重大な影響を与えるおそれがあります。沖縄県としましては、政府からの情報提供が少ないことなどから、国民合意がないままTPP交渉への参加を行わないことなどを国に対して求めてきたところであります。今後とも、TPP交渉等の動向や国の対応を踏まえつつ、関係機関と連携し適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 基地問題についての御質問の中で、性暴力被害者ワンストップ支援センターの設置についてお答えいたします。
 性暴力被害者が治療や相談などの支援を1カ所で受けられるワンストップ支援センターの設置につきましては、犯罪被害者等基本法に基づき策定された「第2次犯罪被害者等基本計画」で位置づけられております。全国では、大阪府、愛知県、東京都、佐賀県、北海道にワンストップ支援センターが設置されており、その運営主体は民間、地方公共団体などで、形態は病院拠点方式、相談センター拠点方式などとなっております。
 県としましては、ワンストップ支援センターの設置に向け、県内で性暴力被害者支援を行っている団体などと話し合いを行っているところであり、今後、関係団体を含めた検討会議を立ち上げ、支援センターの設置に向けた検討を行いたいと考えております。
 次に、うるま市平安座の原油流出事故についての御質問の中で、原油流出事故におけるベンゼン及び悪臭の測定結果についてお答えいたします。
 事業者においては、事故発生翌日の平成24年11月8日以降、平安座集落内やうるま市庁舎等10カ所で、大気汚染防止法に基づくベンゼン及び悪臭防止法に基づく臭気指数、トルエン等3物質について毎日測定しております。平成24年11月30日までの測定結果によりますと、ベンゼンは平安座集落内で最大67マイクログラムパー立方メートルを記録するなど、これまで13回の環境基準値超過が確認されております。なお、平安座島以外の地点においては、環境基準値以下となっております。また、臭気指数については、平安座集落内で最大26を記録するなど、これまで7回の規制基準値超過が確認されております。悪臭防止法に基づくトルエン等3物質は、全ての地点で基準値以下となっております。
 以上でございます。
○警察本部長(村田 隆) 基地問題についての御質問の中で、(2)のエ、オ、キ、クは関連をいたしますので一括してお答えいたします。
 初めに、藤村官房長官が身柄引き渡しは必要ないとの見解を示したことについてお答えいたします。
 本年11月2日に読谷村内で発生した事件は、米空軍兵による夜間に一般住宅内で発生した住居侵入、傷害、器物損壊事件であり、悪質な事件でありました。本件につきましては、被疑者に逃走、証拠隠滅のおそれがなく、任意捜査で目的が達成できると判断したものであります。米軍に対する身柄の引き渡しについては、逃走、証拠隠滅のおそれ等を勘案し、県警察が必要に応じて判断をしております。
 官房長官の発言については、コメントを差し控えたいと考えております。
 次に、県警察が起訴前の身柄引き渡しを求めなかったことについてお答えいたします。
 本事案の被疑者は、犯行後病院に搬送され米軍手中にあったものの、任意での取り調べに応じ大筋で犯行を認めていたことから、所要の捜査を実施して本年11月19日に那覇地方検察庁へ事件送付をしております。被疑者は、任意での取り調べに応じていること、大筋で犯行を認めていたことなどから、逃走、証拠隠滅のおそれがなく、身柄引き渡し要請は必要がないと判断したものであります。
 次に、脱走米兵の逮捕要請件数及び逮捕状況についてお答えいたします。
 脱走米兵については、日米地位協定に基づいて米軍の軍規に反する米軍人の身柄拘束の要請を受け、刑事特別法に基づく逮捕の措置をとり、米軍に引き渡すものであります。2008年5月の合意以降、米軍から逮捕要請があったのは11件、16名であり、そのうち米軍が逮捕したものは7件、12名、日本警察が発見して米軍に引き継いだものは2件、2名であります。
 次に、自治体への脱走情報の見直しを求めることについてお答えいたします。
 県警察に通報される脱走米兵については、脱走認定年月日、逮捕を要請した米軍施設・区域、脱走者数、身柄の確保の情報以外に被疑者の氏名、顔写真、生年月日、社会保障番号、身長、体重、体格、髪や目の色などの情報が提供されております。
 脱走情報の見直しを求める件につきましては、政府において検討されるべきものとの認識であります。
 以上でございます。
○福祉保健部長(崎山八郎) ハンセン病についての御質問の中で、ハンセン病療養所非入所者に対する県の取り組みについてお答えいたします。3の(1)アと3の(1)イは関連しますので一括してお答えいたします。
 ハンセン病療養所非入所者の人数については、個人のプライバシーにかかわる問題であることから、県が直接正確な非入所者数について把握することは困難であります。しかしながら、ハンセン病療養所非入所者が和解一時金や非入所者給与金を受け取るための提訴期限が平成28年3月末までとなっていることから、今後は、市町村等関係機関と連携し、各種広報媒体の活用などにより当該制度の周知の徹底を図ってまいります。
 次に、県立病院問題についての御質問の中で、検証結果報告書案に対する所見についてお答えいたします。
 病院事業の経営改善については、報告書案で述べられているように、病院事業局の内部努力に加え、一般会計からの支援や診療報酬改定等により経営改善が進んできたものと認識をしております。また、持続的な経営の健全化について、報告書案では、引き続き人材確保等の課題に取り組むとともに、将来見込まれる投資、経費等に対応できるよう、さらなる経営改善が行われることを前提として、健全化の「達成見込みがある」と評価しており、課題が付された評価であると認識をしております。
 以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 県立病院問題についての御質問の中で、検証結果報告書案で示された人材確保と必要な定数条例の改正についてお答えいたします。
 県立病院が地域の中核的な医療機関としての役割を果たすためには、医師や看護師、コメディカルなどの医療スタッフの人材確保は重要な課題であると考えております。このことから、病院事業局では、これまで医療提供体制の確保や経営改善を図る観点から、リハビリ部門の人員体制の強化など職員定数の増員を行ってきたところであります。
 今後とも職員定数につきましては、県立病院が地域の中核的な医療機関としての役割を果たすため、医療提供体制の確保や経営への影響等を総合的に勘案し、国の医療制度改革の動向を注視しながら、所要の検討を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○照屋 大河 再質問を行います。
 うるま市平安座の原油流出事故について伺いたいんですが、まず住民等への被害補償は沖縄ターミナル社の責任のもとで行われると考えるんですが、これについて答弁を求めます。
 そして地域の皆さんは、風評被害、それを大変心配をしているんですね。漁業への影響、先ほどは外部への流出はなかったという答弁でありましたが、漁業への影響が出た場合――これは風評被害の件ですよ――あるいは農業への影響、ここは観光客がいっぱい来るところです、離島も含めて。そういった被害についてもどうなるのか、これは先ほど公室長、地元うるま市と、それからターミナル社と県も一緒になって対策会議をされているということですので、その辺についてもしっかり県民目線で納得いくような対応をしていただきたいということを強く県としても言っていただきたい。
 それからわずか2日前、3日の日なんですが、沖縄ターミナル社が、このうるま市周辺住民の健康診断について特定化学物質健康診断を実施することを明らかにしたわけですが、この対象について、小学生以上の住民だということがあったわけですね。それについてその説明会に参加した皆さんからは、本来は子供やお年寄りを優先すべきじゃないかと。この特定された小学生以上だということについて、ターミナル社は産業医が小児科の専門医ではないという理由を示したようですが、それでは地域の皆さん納得しないと思いますので、そういった点を含めて県はさっきも言いましたが、地元うるま市、それからターミナル社含めて対策会議、そういうものに出席されているということですので、島の皆さん、地域の皆さんが安心して暮らせる年を迎えられるようなターミナル社へのしっかりとした指導を行っていただきたいということを質問いたしますので、本件について答弁をお願いしたいと思います。
○知事公室長(又吉 進) 照屋議員の再質問にお答えをいたします。
 平安座の沖縄ターミナルで起きました事故につきましては、大変その影響が大きく、また先ほど答弁をいたしましたように、県民の健康被害というものが懸念されるところであります。県としましては、現在火災の防止といったことを最重要にこの事故が広がらないように努めているというふうに承知しておりますが、議員御指摘の健康被害につきましては、これはやはり一方的に県民、そこの住民がこの企業責任によって健康被害を受けることがあってはならないということでその旨対応しております。先週、この会社の社長が与世田副知事と面談をいたしましたけれども、その際も与世田副知事から、住民の健康を最優先に考えてしっかりと補償、あるいは対応するようにということを申し上げております。
 したがいまして、これは私どもは報道で知っておるわけですが、この健康診断の年齢でありますとかその態勢等につきましては、万全を尽くすように県は求めることとしておりまして、これは県が参加しております対策会議において強く申し上げていこうと考えております。
 以上でございます。
○新里 米吉 社民・護憲ネットを代表し、質問を行います。
 1、教育について。
 (1)、全国的にいじめが大きな問題になっている。いじめは早期発見・早期対策が重要だと言われている。また、子供たちは担任が聞いても事実を話してくれないケースも多いと言われ、担任、部活顧問、養護教諭等が連携し、教師集団で対応しているケースもあるという。さらには、予防教育に力を入れる学校もある。沖縄県教育委員会や県内の学校における取り組みで紹介したい主な取り組みを伺いたい。
 (2)、秋田県は30人以下学級の先進県である。30人以下学級を早期に実現すべきではないか、計画を伺いたい。
 (3)、大山盛保氏の生誕100周年になる。港川人発見の意義と大山盛保氏の功績について伺いたい。
 (4)、初代沖縄県立盲学校校長故高橋福治氏の伝記「デイゴの花かげ」の作者赤座憲久氏が8月31日に亡くなったと新聞で報道された。赤座氏の功績と沖縄とのかかわりについて伺いたい。
 (5)、小学校のトイレで排便しない子供は3割、小学校で排便を我慢したことがある子は半数近いことが全国調査で明らかになった。我慢の理由は「和式トイレが苦手」、「トイレが臭い」、「汚い」、「恥ずかしい」等である。とりわけ自宅は洋式トイレが主流の中で、最大の理由は和式トイレである。県内の学校のトイレも今後建築する校舎を洋式トイレにすることや、トイレ改築・改修の際にも洋式トイレヘ変えることを検討すべきと思う。県教育庁の見解を伺いたい。
 (6)、沖縄学生会館売却の報道があった。売却益の一部を活用し改築することを要望する同窓生や父母の声も強かった。改築困難と判断をしたのであれば、沖縄学生会館が建設された趣旨を考慮し、売却益は人材育成に活用すべきと思う。県教育長と知事の所見を伺いたい。
 2、県立博物館・美術館について。
 (1)、県立博物館・美術館は、去る11月1日、開館5周年になった。指定管理者制度による運営の問題点が指摘され、累積赤字がふえる中で指定管理料が削減されたことによる問題も起きているとのことである。県立博物館・美術館の充実と安定的管理運営を考慮した見直しが必要ではないか伺いたい。
 3、経済振興について。
 (1)、沖縄型金型の現状と将来展望を伺いたい。
 (2)、マカオの高級スーパーに11月末から県産食材を専門に扱うスペースを常設することや、県産食肉の認知度とブランド力を高めるため、県が香港への流通保管施設の設置に乗り出す等県産食材の輸出に明るい期待が持てる。状況と今後の抱負を伺いたい。
 (3)、全日空が2013年度に貨物専用機を1機ふやし全9機とし、アジアヘの就航先を拡大させていく方針を示し、宅配事業のヤマトホールディングスが2013年度から羽田に隣接する物流センターと沖縄のANA国際貨物ハブを拠点に国際宅急便・クール便事業に乗り出すことを表明されたことについて、県の所見を伺いたい。
 4、観光振興について。
 (1)、琉球大学観光産業科学部の学生15人がハワイ大学で観光産業について研修した成果報告会は、「観光と経済」、「リゾートウエディング」、「観光と交流」に関し、ハワイと沖縄の現状や課題について改善点や意見を発表したとのことである。沖縄観光に生かせる発表もあったと思う。県の感想を伺いたい。
 (2)、ギンバル訓練場跡地にホテル建設の報道があった。マレーシアの大手不動産会社ディジャヤ・ランド・デベロップメントの計画によると、約200室の5つ星の海外ブランドホテルや約180室スパリゾートホテル、複合型大型商業施設、結婚式場、マリンスポーツ施設等を予定しているという。沖縄観光の振興と基地の跡地利用による自立型経済へ向けて期待される。県の所見を伺いたい。
 (3)、10月の入域観光客数概況によると、中国本土や香港が大幅減になっている。中国のプロモーション事業も延期・中止が起きており、タイ、シンガポール、ロシアなどの新規市場への誘客事業に振りかえる予定とのことだが、状況はどうなっているか見通しを含め伺いたい。
 (4)、外国人観光客が訪れる公共施設などの中国語案内表記に誤った翻訳が多いとのことである。対策を伺いたい。
 5、農業振興について。
 (1)、農林水産省統計によると、県内の耕地面積は減り続け過去最小になった。減少の主な要因は耕作放棄や宅地などへの転用だが、特に耕作放棄地による減少が大きい。耕作放棄の主な理由と耕作放棄地解消対策の現状及び市町村の先進的な取り組みを伺いたい。
 (2)、JAおきなわ青壮年部が営農ビジョンを描くための政策集「ポリシーブック」を作成したとのことである。現場や地域の問題を前向きに解決する取り組みや提案等、厳しい農業の実態がある中で明るいニュースである。県の感想を伺いたい。
 (3)、県内乳用牛の1頭当たりの搾乳量が増加傾向を続けているとのことである。1993年に比べ2011年度は約40%増加し、県酪農農家の努力のたまものである。搾乳量増加についての所見と沖縄県酪農の課題について伺いたい。
 6、労働行政について。
 (1)、新自由主義的な経済政策、労働政策によって非正規雇用、派遣労働が増加した。非正規雇用は低賃金で、不安定な状態である。改正労働者派遣法が10月1日から施行された。一定の前進ではあるが、大幅に修正され労働者の側から不満も強い。改正された内容の「派遣先企業が派遣労働者を直接雇用しなければいけないという「直接雇用みなし制度」の実施」や「マージン率公開の義務化」などについて沖縄労働局と連携しチェック機能を働かせる必要がある。県の所見を伺いたい。
 7、産業廃棄物管理型最終処分場について。
 (1)、新たな処分場が急務となっているが、地元の理解と第三セクターヘ出資する業界団体、経済団体の参画も確認される必要がある。現状を伺いたい。
 8、市町村一括交付金について。
 一括交付金は初めての経験で交付要綱が4月にずれ込み、内閣府の内諾もおくれた。評価と同時に課題や懸念もあり、以下質問する。
 (1)、内諾がおくれ、予算執行が懸念される。繰り越し(繰越明許費)は認められるか。
 (2)、市町村から「安定した予算確保・事業の継続」、「交付決定の迅速化」、「福祉や教育分野への配慮」等が課題として挙がっている。県の所見を伺いたい。
 (3)、会計検査に耐え得るか心配との声がある。内諾を受けた事業で会計検査院による検査で交付金を返還させられることも起こり得るのか伺いたい。
 9、フィリピン、シンガポール視察に関連して。
 (1)、米軍撤退後のクラーク空軍基地跡地は、日本(横浜タイヤ)、アメリカ、韓国、中国から企業が進出し、米軍基地時代6500人の雇用から6万人の雇用になり、2本の滑走路は政府、プライベートの会社、貨物輸送、パイロット訓練等で利用され跡地利用が成功している。スービック海軍基地は国内外から200社が集まり米軍基地時代の約6万人の雇用から9万2000人の雇用になっているが、2010年に米貨物航空大手フェデラル・エクスプレスが中国に移り、多くの台湾系企業も中国などに移転したため、空き地、空き倉庫等が目立ち、空港が利用されてない。3万人の雇用が可能な土地、倉庫等があり、企業誘致に力を入れている。経済特区を管理するスービック湾都市開発庁(SBMA)の累積赤字が膨らんでいるとのことである。
 そこで質問します。
 沖縄の米軍基地跡地利用は、特に大規模跡地や将来予想される嘉手納基地のような超大規模跡地については一国二制度の完全なフリーゾーン(法人税ゼロ)を可能にした跡地利用でなければ計画や活用が困難になると予想される。県の所見を伺いたい。
 (2)、シンガポールは2010年に2つのカジノを含む統合リゾートが開設された。シンガポール市民はカジノ入場料を24時間当たり100シンガポールドル、または年間会員料2000シンガポールドル。外国人無料。国民に対し入場料を課し入場規制の措置をとっても昼からカジノを利用する国民が絶えない。ギャンブル中毒に対する相談がふえ、債務者もふえている。しかし、カジノを外国人専用にしていない。その理由を聞くと、国民も利用しないとペイしないとのことである。
 そこで質問します。
 シンガポールの投資額はマカオとほぼ同額とのことで国際競争力も強い。にもかかわらず外国人専用にするとペイしないと言っている。シンガポールよりはるかに少ない投資額の計画を考えている国際競争力の弱い沖縄のカジノで外国人専用にして採算がとれると言えるのか所見を伺いたい。また、今でも知事はカジノに前向きか伺いたい。
○知事(仲井眞弘多) 新里米吉議員の御質問に答弁します。
 まず第1に、経済振興についての御質問の中で、沖縄型金型の現状と将来展望についてという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
 沖縄県では、物づくりの基盤技術であります金型産業振興を目的に、専用の賃貸工場を整備いたしますとともに、うるま市と連携をし、金型の人材育成を推進してまいりました。この結果、超精密金型を製造する技術力の高い企業など5社が入居しております。精密金型は、我が国の製造業の競争力を支える中核的な技術であり、受注製造で高付加価値であることから、沖縄県の課題であります割高な物流コストを克服することが可能であると考えられます。
 沖縄県といたしましては、引き続き金型産業の振興を図ってまいる所存でございます。
 同じく経済振興に係る御質問の中で、県産食材の輸出に対する現況についてという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
 マカオや香港などへの県産食材の輸出につきましては、沖縄県の地理的優位性や地域資源でありますアグー豚肉などのブランド力を活用し、販路拡大が図られております。
 沖縄県といたしましては、引き続き沖縄振興特別推進交付金などを活用し、香港に物流拠点としての冷蔵保管施設を設置するなど総合的に各種施策を展開し、アジア地域を初めとした海外への県産食材の輸出拡大に向けまして取り組んでまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○教育長(大城 浩) 教育についての御質問で、いじめの早期発見と予防教育についてお答えいたします。
 早期発見の取り組みとしましては、無記名式によるいじめアンケート調査や個別教育相談等が定期的に行われております。
 対策としましては、スクールカウンセラー、各種相談員、養護教諭等と連携し、教育相談体制の充実に取り組んでおります。紹介したい主な事例といたしましては、小学校では、各学級に人権擁護委員を招いて「人権を考える授業」を実施したり、全校集会を開催し「いじめ追放宣言」などを行っております。中学校では、警察官による少年犯罪やいじめ防止講話を実施したり、いじめ防止を狙いとしたロールプレイング(役割演技)を取り入れた道徳の授業を実践しております。高等学校では、非行やいじめ問題をテーマに「高校生代表者会議」を開催したり、規範意識やマナーについて「ちゅらマナーハンドブック」にまとめるなど主体的にいじめをなくす取り組みが展開されております。
 県教育委員会としましては、いじめは絶対に許されない行為であると捉え、引き続き市町村教育委員会や関係機関と連携し、「沖縄県いじめ対応マニュアル」や「人権ガイドブック」の活用及び道徳教育の充実等に努め、いじめの早期発見・早期対応を図ってまいります。
 次に、少人数学級実現の計画についてお答えいたします。
 少人数学級につきましては、現在、小学校1・2年生の30人学級に加え、今年度から小学校3年生の35人学級を実施しております。次年度につきましては、現在、少人数学級のあり方検討委員会において4年生への少人数学級の導入について検討しているところであります。
 県教育委員会としましては、今後も少人数学級の拡充について市町村教育委員会の意向、国の動向等を踏まえながら、引き続き研究してまいりたいと考えております。
 次に、港川人発見の意義と大山盛保氏の功績についてお答えいたします。
 港川人骨は、全身骨の保存状態のよさから、旧石器時代の人類の特徴を研究する上で貴重な資料として世界的な科学雑誌「ナショナル・ジオグラフィック」に掲載されるなど高く評価されております。
 港川人骨の発見は、大山盛保氏の努力などによるところが大きく、人類学史上における功績は極めて大きいものがあり、日本人類学会から2012年の学会功労賞が授与されております。ことしは大山盛保氏の生誕100年に当たり、手記や港川化石人骨研究史等から成る記念誌も刊行され、大山氏の探究心や取り組み姿勢などを県内の学校教育に生かすべく、中学校、高等学校へ配布したところでございます。
 次に、赤座憲久氏と高橋福治氏の功績等についてお答えいたします。
 赤座憲久先生につきましては、岐阜県の出身で、小学校、盲学校、大学で教鞭に携わりながら児童文学の執筆活動を行い、沖縄戦をテーマにした作品「デイゴの花かげ」や「ガジュマルの木かげ学校」等多くの作品が残されております。
 「デイゴの花かげ」の主人公である高橋福治先生は、宮崎県の出身で、視覚障害者でありながら盲学校がなかった沖縄に来県され、大正9年、那覇市公会堂の一角で点字の読み書きの指導を始め視覚障害者教育の礎を築かれました。大正10年、沖縄盲学校の前身となる私立「沖縄訓盲院」を設置したり、石垣島に分校を設置するなど県内各地で視覚障害者教育の啓発活動を行ってまいりました。昭和18年、「県立盲ろう唖学校」の初代校長も務められました。両氏の多大な御功績に対しまして深く敬意を表したいと思います。
 次に、学校トイレの洋式化についてお答えいたします。
 教育・生活の環境向上を図るため、トイレ環境の改善は重要であると認識しております。
 トイレの洋式化につきましては、小中学校では、設置者であります市町村が主体的に対応しているところであります。なお、県立学校では、改築等の際、学校からの要望を踏まえ、基本的に洋式を整備しているところでございます。
 県教育委員会としましては、快適な学習環境を確保するため、今後とも市町村と連携し学校施設の整備に取り組んでまいります。
 次に、沖縄学生会館に係る売却益を人材育成に活用することについてお答えいたします。
 沖縄学生会館につきましては、現在、建物を含めた土地の処分に向けて関係部局と調整を進めているところでございます。
 県教育委員会としましては、沖縄学生会館の売却益の有無にかかわらず、県外進学者への人材育成に資する事業を展開してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 教育についての御質問の中の、沖縄学生会館の売却益の活用についてお答えいたします。
 人材の育成は、「沖縄21世紀ビジョン」の将来像実現のための原動力であり、沖縄振興にとってさまざまな分野における人材の育成が必要不可欠であります。このようなことから、人材育成については、沖縄学生会館の売却益の有無にかかわらず推進されるものと考えております。
 次に、経済振興についての御質問の中の、ANA国際貨物ハブの新たな展開についてお答えします。
 全日空は、報道機関の取材において、来年度、貨物ハブ便のアジアへの就航先拡大を表明しており、沖縄県としましては、那覇空港の物流機能をさらに拡充し、沖縄県が目指す国際物流拠点の形成を推進するものと期待しております。
 また、国内外で宅急便事業を展開するヤマトグループは、沖縄の物流ハブ機能を活用したアジアでの国際宅急便・クール便事業の新たな展開を図っております。これにより、各空港間を結ぶ全日空の輸送機能にドア・ツー・ドアの配送ネットワークが加わることになり、より高度かつ広範囲の物流機能が構築されるものと考えております。
 これらの動きは、沖縄の国際物流拠点機能を新たなステージへ引き上げるものであり、e-コマースによって県産品のみならず、全国の特産品の販路拡大、パーツセンターや修理拠点の県内設置などのビジネスの展開が期待されるものであり、沖縄県への物流拠点の集積につながるものと認識しております。
 沖縄県としては、この国際物流拠点機能を産業振興及び雇用拡大などにつなげるべく企業誘致活動に取り組むとともに、ロジスティックセンター等の施設整備を進め、関連施策をさらに拡大して取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、市町村一括交付金についての御質問の中の、沖縄振興特別推進交付金の繰り越しについてお答えいたします。
 沖縄振興特別推進交付金の市町村分については、これまでに約270億円が内諾され事業の着手が可能となっており、現在、市町村において年度内の事業執行に向けて鋭意取り組んでいるところです。
 沖縄振興特別推進交付金は、あらかじめ予算で繰越明許費として定められていることから、繰り越しの要件を満たす場合には、制度上、繰り越しは可能となっております。
 次に、同じく市町村一括交付金についての御質問の中の、課題への対応についてお答えします。
 沖縄振興特別推進交付金は、沖縄振興特別措置法に規定されており、同法が存続する10年間は継続して実施されるものと考えております。
 次年度予算につきましては、沖縄県が要望したとおり今年度並みの額が概算要求されているところであり、事業が継続して実施できるよう必要な予算額の確保に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
 交付決定の迅速化につきましては、今年度の事務手続を通し県及び市町村において交付要綱にのっとった事業立案のノウハウが培われたと考えられること、また、県においては、次年度事業の調整を前倒しで実施できるようにするため市町村事業の支援体制の強化を図ったところであり、次年度は市町村と連携して早期に事業着手ができるよう取り組んでまいります。
 福祉や教育の分野の事業につきましても、子育て・福祉の分野では、認可外保育施設への保育士等の配置、施設改修や幼稚園の預かり保育のための人員配置、小規模離島での公立保育所の整備、放課後児童クラブの家賃助成など、教育の分野では、学習支援員等の配置や学校施設の長寿命化・老朽化対策、冷房設備の設置などによる学習環境の改善、教育用パソコンの導入などの事業が内諾されており、それぞれの分野でこれまでの制度の枠組みでは十分に対応することができなかった事業がきめ細かく実施できるようになったものと考えております。
 次に、会計検査についての御質問にお答えいたします。
 沖縄振興特別推進交付金は、交付要綱において補助金適正化法の適用が明記されており、会計検査の対象となります。検査において補助目的を達していないとされた場合や目的外使用とされた場合、経理処理が不当とされた場合などについては補助金の返還もあり得るものと考えております。そのため、県としては、今後は事業の適正な執行管理が重要と考えており、完了検査までに数回の中間執行調査を実施するなど事業執行状況の把握、課題等の整理と情報の共有等を適切に行うこととしております。
 次に、フィリピン、シンガポール視察に関連しての御質問の中の、大規模跡地利用に係る制度についてお答えいたします。
 今後返還が予定されている中南部都市圏の大規模な駐留軍用地の跡地は、沖縄の新たな発展のための貴重な空間であり、中南部都市圏の都市構造のゆがみを是正し、県土構造の再編にもつながる大きなインパクトを持っております。そのため、県では、関係市町村と共同して広域的観点からの跡地利用の方向性を示した「中南部都市圏駐留軍用地跡地利用広域構想」を取りまとめました。本構想では、駐留軍用地跡地においては、沖縄の自立的発展を担う産業の振興を図ることが極めて重要であることから、国内外から企業等の進出を誘因するのに適した受け皿空間として「跡地振興拠点」を形成することとしております。
 また、本年4月に施行された跡地利用推進法第4条においては、政府は駐留軍用地跡地の利用を推進するための必要な法制上、財政上、税制上または金融上の措置その他の措置を講じなければならないと定められております。
 県としては、今後、各跡地の利用計画が具体化する段階において同法を活用し、跡地振興拠点の形成に必要な税制上の優遇措置等を国に対して求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 県立博物館・美術館についての中の、県立博物館・美術館の充実と安定的管理運営についてとの御質問にお答えいたします。
 県立博物館・美術館の運営につきましては、平成19年度から公募による指定管理者制度を導入しております。平成23年度からは2期目の指定管理が始まっておりますが、2期目の指定管理料につきましては、仕様書等の見直しを行った上、1期目の実績を踏まえた額で公募したところであり、1期目と同じ事業者が選定をされております。
 県立博物館・美術館の安定的管理運営については、指定管理者制度の適正な運用等を目的に外部委員で構成されている指定管理者制度運用委員会において、指定管理者に対し、1、計画と実績に乖離が大きい費目が多いため見直すこと、2、複数の企業から構成される指定管理者の会計のあり方を整理すること、3、経費節減に努力することなどの指摘を受けているところであります。
 県としては、指定管理者のこれら経営上の課題に対し、企業経営の専門家を交えた経営指導等を行うなど経営改善に向けた対応を行っているところです。
 また、県立博物館・美術館の充実については、今年度、沖縄振興特別推進交付金を活用した事業を実施しており、南城市サキタリ洞遺跡において、旧石器時代人類では日本初となる1万2000年前の人骨と石器の同時発掘に成功するなどの成果を上げております。
 県としましては、引き続き指定管理者と連携しながら県立博物館・美術館の安定的管理運営を図るとともに、調査研究など内容のさらなる充実に努め、県民サービスが滞ることがないよう状況の改善に努めてまいりたいと考えております。
 次に、観光振興についての中の、琉球大学の学生によるハワイと沖縄の観光に対する意見についてとの問いにお答えいたします。
 沖縄県では、今年度策定した「沖縄21世紀ビジョン基本計画」に基づき、世界水準の観光・リゾート地の形成に取り組んでいるところであります。このような中で、次代の沖縄を担う若者が世界的な観光・リゾート地であるハワイの観光を学び、グローバルな視点からハワイと沖縄の観光について考察を行ったことは大変意義深いものと考えております。特に、沖縄の強みを生かしたMICE誘致の必要性やリゾートウエディング施設における赤瓦屋根の活用、しまくとぅばによる観光客のもてなしなどは、若者らしい感性にあふれた有意義な提案であると感じております。
 県としましては、今後ともさまざまな観点からの沖縄観光に対する意見や提言を取り込みながら、産学官一体となった観光振興を推進してまいりたいと考えております。
 同じく観光振興についての中の、ギンバル訓練場跡地におけるホテル建設の報道についてとの質問にお答えいたします。
 ギンバル訓練場跡地におけるホテル建設につきましては、金武町に確認をしたところ、平成24年10月に金武町とディジャヤ・ランド・デベロップメントとの間で、ホテル等建設に係る土地賃貸借契約書と基本合意書を締結したとのことでございました。
 今年度策定した「沖縄21世紀ビジョン基本計画」においては、環金武湾地域における金武湾の特性や自然、文化を生かした健康保養をテーマとした滞在型観光や海洋レジャーなどの取り組みを促進することとしており、ギンバル訓練場跡地ホテル等建設計画が実現すれば、金武町だけでなく沖縄県の観光振興に資するものと期待されます。
 県としましては、魅力ある観光地の形成に向け、地元金武町と連携を図りながら支援の方策を検討してまいりたいと考えております。
 同じく観光振興についての中の、中国からの誘客の見通しと今後の海外プロモーションの方針についてとの質問にお答えいたします。
 中国本土からの誘客につきましては、一般向けの訪日旅行商品の販売自粛が続いておりましたが、最近になりまして北京、上海、広東省の大手旅行社において訪日団体旅行商品の販売再開に向けた動きが見られることから、状況の変化が期待できると捉えております。
 沖縄県においては、海外事務所も活用しながら、中国本土の旅行会社や航空会社との意見交換を継続的に実施してきており、11月には旅行会社や航空会社、メディアを招聘し、モデルコースを視察・体験するFAMツアーを実施するなど、できる取り組みを続けているところであります。あわせて、比較的影響が少ない個人旅行をターゲットとする展開についても現在検討を進めており、中国の旅行繁忙期となる2月の春節における誘客に向け各種プロモーションの実施を模索しております。
 また、多様な地域からの誘客をなお一層推進するため、直行便が就航していないタイ、マレーシア、シンガポールを初めとする東南アジアの国々、イギリスやフランス、ドイツなどヨーロッパ諸国、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど新規市場についても、チャーター便の実現や乗り継ぎ便の利用促進等を図るほか、沖縄の認知度を高める広報宣伝活動を広く展開することなどにより、海外からの誘客拡大に努めてまいりたいと考えております。
 次に、同じく観光振興についての中の、中国語案内表記の誤りへの対応についてとの質問にお答えいたします。
 中国語案内表記の誤りについては、新聞報道などにより承知しております。案内表記は、インフラ管理者が整備する空港や道路の標識、モノレールやバスなどの公共交通機関の案内表示、民間事業者の商品表記、それから観光部局が整備する観光案内板など整備主体が多岐にわたることから、県単独の取り組みだけではなく、関係機関の連携・協力が重要と考えております。
 県としましては、外国人観光客の利便性向上の観点から、既存の案内表記の確認や今後の翻訳の統一について関係機関と連携を図り検討してまいりたいと考えております。
 なお、案内表記の誤訳などの情報が寄せられた場合には、各整備主体と速やかに連携を図りながら、事実確認をした上で修正をお願いするなどの対応をとっているところであります。
 次に、フィリピン、シンガポール視察に関連しての中の、沖縄のカジノにおける採算性及び知事のカジノに対する姿勢についてとの質問にお答えいたします。
 県では、カジノを含む統合リゾートを県内に導入する場合を想定した基礎資料として「沖縄統合リゾートモデル」を取りまとめ、その経済効果などについて、利用者層や立地などによりそれぞれ試算を行っております。仮に沖縄県に統合リゾートを導入する場合には、沖縄の持つ自然、歴史、文化などの優位性を生かしながら、先行するアジア地域などといかに差別化を図るかが重要と考えております。
 また、沖縄における採算性についての御質問でございましたが、施設規模や投資額について、施設の利用者層や集客機能などによる収益とのバランスが重要と考えており、今年度の調査においては諸外国の事例等について情報収集し、調査研究を進めているところであります。
 県としましては、カジノを含む統合リゾートの導入について、カジノ合法化に向けた国の動向等も踏まえつつ、今後とも県民のコンセンサスを前提として取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○農林水産部長(知念 武) 農業振興についての中の、耕作放棄の主な理由と解消対策の現状及び市町村の先進的取り組みについての御質問にお答えします。
 耕作放棄の主な理由としましては、農業者の高齢化、後継者の不足、不在地主の増加、農地の資産保有意識による貸借・売買の停滞などが考えられます。
 県におきましては、耕作放棄地解消対策として、平成18年度から平成23年度までに、耕作放棄地再生利用緊急対策交付金事業により約181ヘクタール、サトウキビ関係事業により約124ヘクタール、事業波及効果により587ヘクタール、合計892ヘクタールの耕作放棄地を解消しております。
 市町村の先進的な取り組みとしましては、西原町において、貸借等の仲介を行う農地交渉人の配置による担い手への農地集積とともに、耕作放棄地の再生利用によるシマナー栽培及び商品開発に取り組んでいるところであります。
 県としましては、人と農地の問題解決に向けた「人・農地プラン」に基づき、農地データバンク事業や耕作放棄地対策事業等の活用により、耕作放棄地を再生利用し新規就農者等の中心経営体への農地集積に取り組んでいくこととしております。
 次に、JAおきなわ青壮年部の政策集「ポリシーブック」についての御質問にお答えします。
 JAおきなわ青壮年部においては、地域農業振興に向けた課題や関係機関への要請等をまとめた「ポリシーブック」を作成し、現場の声を農政に反映させる取り組みなどを実施していると聞いております。その内容としましては、台風等自然災害に強いハウスや関連施設の導入などの整備の促進、就農希望者の実習受け入れや魅力ある農業発信による新規就農者・後継者育成の確保、TPP交渉参加反対への取り組み、安心して営農活動ができる農業政策への予算措置の取り組みなど、農家みずから行うものや関係機関への協力要請、提案事項など多岐にわたるものとなっており、本県の農政課題を的確に捉えたものとなっております。
 県としましては、JAおきなわ青壮年部と連携して農業振興に取り組んでまいります。
 次に、同じく農業振興についての中の、搾乳量増加と沖縄県酪農の課題についての御質問にお答えします。
 県内酪農家においては、県外からの家畜導入事業や搾乳牛個々の乳量や乳成分などの測定を行う乳用牛群検定を実施することにより、能力の高い雌牛の改良を行っております、その結果、現在までの1頭当たり年間平均搾乳量は、平成5年度の約5400キログラムから約7700キログラムへと着実に増加しており、これらの取り組みが酪農経営の安定化に大きく寄与しております。
 一方、酪農の課題としましては、飼料価格の高騰や牛乳消費量の減少など経営に与える影響が大きくなっております。
 県としましては、関係機関と連携しながら、引き続き飼料価格対策や「父の日には牛乳を贈ろう」などの消費拡大を推進することにより、酪農経営の安定を図っていくこととしております。
 以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 労働行政についての御質問の中で、改正労働者派遣法の適正な運用についてお答えいたします。
 改正労働者派遣法において「直接雇用のみなし制度」や「マージン率公開の義務化」等が導入されたことにより、派遣労働者の待遇の改善や違法派遣に対する迅速・的確な対処が強化され、より一層の派遣労働者の雇用の安定が図られるものと理解しております。なお、「直接雇用のみなし制度」については、3年の猶予措置があることから、実際の施行は平成27年10月1日からとなります。
 沖縄県としましては、改正労働者派遣法の適正な運用を図るため、労働者派遣事業所を監督する沖縄労働局と連携をとりながら、これまで不安定な雇用環境に置かれていた県内派遣労働者が長期就業に結びつき、安定した収入の確保や職業能力の開発につながるよう努めてまいります。
○環境生活部長(下地 寛) 産業廃棄物管理型最終処分場についての御質問の中で、地元の理解と業界団体などの第三セクターへの出資状況についてお答えいたします。
 公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場の整備につきましては、地元の理解と協力を得ながら進めることが重要であると考えており、県では、安和区において継続的に説明会や県外視察などを実施しております。また、地元自治会などにおいても最終処分場に関する勉強会を開催するなど、公共関与での事業推進についての理解を徐々に深めてきているところであります。
 公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場の整備・運営を行う官民協調の第三セクターにつきましては、沖縄振興開発金融公庫や社団法人沖縄県産業廃棄物協会などに対して事業概要を説明し出資依頼を行っているところであり、前向きに検討をいただいているところであります。今後とも、ほかの関係団体などに対し出資の依頼を行っていく予定であります。
 以上でございます。
○新里 米吉 再質問を行います。
 先ほど学生会館について答弁をいただきましたが、今、関係者に資料を配付いたしました。人材育成史の中で、この学生寮が4カ所ありますが、これがどういう経過を経てつくられたのか。非常に早い段階から私たちの先輩方が、県外で大学を出る学生たちが非常に財政的にも苦しいという中で、みんなで苦労して学生寮をあちこちにつくってきた。この経過が全部書かれていますので。そのことからすると、習志野の学生会館は1000坪近くあります、非常に広大です。その一部を使って、あとはほとんど売却して一部を残してでも、本来なら改築をするのが筋だろうと、私はそう思っているんです。しかし、もう皆さんは処分を決めたようですが、そうであるなら、これを普通の基金にして一般財源化とするということになると、この先輩方に対して申しわけが立たないんですよ。私もかつて人材育成財団の理事長をしましたので、その場合は殴り込みをかけないといけないぐらいですから。知事当局においてもそこら辺もよく理解して、あくまでもこれは人材育成のためのものであるということを歴史的にも深く自覚をしていただきたい、そのことを申し上げておきます。
 それから、先ほど今後想定される大規模跡地・超大規模跡地の問題を話しました。時間がありませんが、答弁は、国内外から企業誘致等をしていくんだと。その場合は税制上の優遇措置を求めたいと言っていますが、非常に曖昧でしたね。もっと明確にぱしっといかないと、ぱしっといってもうまくいくかどうかわからないんですから。ましてや嘉手納基地になってくると、あんなに大規模な跡地をどうするのかということは、これまでのハンビーや新都心などの比ではないわけで、そこはやっぱりぴしっといくという姿勢を持ってください。曖昧な態度では政府になめられます。
 それからカジノについてですが、実は、先ほど私が話したことの中身はかなり大使館からも聞いた話でした。それから、シンガポールに日本から派遣されている自治体国際化協会、そこの職員が自分のところにはカジノは誘致したくないと、はっきりこう答えたんですね。皆さん覚えているでしょう。自分の自治体にはカジノは誘致したくない、これは肝に銘じるべきだということを申し上げて終わります。
○議長(喜納昌春) 以上で本日の代表質問は終わりました。
 本日の日程はこれで終了いたしました。
 次会は、明6日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後3時35分散会

 
20120802000000