○議長(喜納昌春) これより本日の会議を開きます。
諸般の報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
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〔諸般の報告 巻末に掲載〕
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○議長(喜納昌春) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案から甲第4号議案まで及び乙第1号議案から乙第52号議案までを議題とし、質疑に入ります。
質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
玉城義和君。
〔玉城義和君登壇〕
○玉城 義和 通告に従い、一般質問をいたします。
まず知事の政治姿勢についてであります。
ただいま衆議院選挙が行われておりまして、TPPだとか原発、消費税、日本のこれからの政治方向の根幹にかかわる課題だと思います。当然それと並んで沖縄の基地問題、日米関係とりわけ日米同盟についてもこれらと同列で私は論じられるべき国民的な議論が必要だと思いますが、なかなかそうなっておりません。これについて知事の見解を伺います。
(2)、総選挙の結果いかんにかかわらず普天間を県外へというのは変わらないということでありますが、新政権になって最も知事が期待すること、要請することは何かをお聞かせください。
(3)番目、訪米要請の結果はどうでしたか。
(4)番、ワシントン連絡事務所の設置はどうなっていますか。
(5)番、尖閣諸島問題で、沖縄県知事ならではの立場を表明し問題の解決に向けてリードすべきだと思いますがいかがでしょうか。
2番、基地問題について。
(1)、オスプレイの12機が強行配備をされました。県としてどういう対処をしますか。
(2)番、辺野古の公有水面埋立申請は新政権になって行われると思いますが、県はどう対応しますか。
(3)番、また、埋立申請を県が拒否した場合、その手続はどうなりますか。
(4)番、県の軍用地取得についての考え方を伺います。
3番、交通対策について。
(1)、沖縄県の将来の交通網のあり方について。
(2)番は削除いたします。
4番、教育行政について。
(1)と(2)は削除いたします。
(3)、学校現場におけるいじめの実態とその対応について。
5番、観光行政について。
(1)、沖縄観光を支えていくには優秀な人材が必要であると思いますが、どのような施策を実施しますか。
(2)、個人消費額を伸ばすために新たな観光商品の開発が必要であります。対応策を伺います。
(3)番、沖縄観光経済は県民所得にどのように反映されているか。1人当たり県民所得にどのように反映されているかを教えてください。
6番の雇用問題については次回に譲ります。
7番、北部地域の課題について。
(1)、ヤンバル地域の国立公園化について、県の対応はどうなっているか。
(2)番、琉球諸島の世界自然遺産指定について、現状と課題は何か。
(3)番、北部地域の医療体制のあり方について、県立北部病院はどのような位置づけか。また、その充実のための対策はどうか。
(4)番、北部から中南部の進学校などに在籍している生徒はいかほどか。また、北部に進学校の設立を望む声があるがどうか、教育庁の見解はいかがですか。
(5)番、愛楽園の視察を知事が行いました。関係者は大変喜んでおります。将来構想の県の取り組みについて伺います。
以上でございます。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
玉城義和議員の御質問に答弁をいたします。
まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、日米軍事同盟のあり方等の争点についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
今回の総選挙におきましては、多くの政党が沖縄の基地問題や日米同盟のあり方などにつきまして公約で触れております。選挙戦が展開される中で、これらの公約についての議論が尽くされることを望んでいるところでございます。
次に、同じく知事の政治姿勢の中での御質問で、総選挙後の新政権に期待することについての御質問にお答えいたします。
これまでも繰り返し申し上げてきましたように、地元の理解が得られない辺野古移設案の実現は事実上不可能であると考えます。他の都道府県への移設が合理的かつ早期に課題を解決できる方策と考えております。沖縄県の声に真摯に耳を傾け、一日も早い普天間飛行場の危険性の除去、県外移設そして返還を実現してもらいたいと考えております。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、訪米要請についてお答えいたします。
今回の訪米では、米ワシントンDCにおいて米政府に要請を行うとともに、県主催のシンポジウムを開催し、多くの政府関係者やマスコミ等が参加しました。その際、米政府高官から米軍人等の一層の綱紀粛正、事件・事故の再発防止に取り組むとの発言があり、また、シンポジウムにおいては、普天間飛行場移設問題を初めとする沖縄の基地問題について議論がなされたところであります。今後、オバマ新政権の外交・防衛政策の陣容が整う時期など、米国政府の動向を注視しつつ、効果的な訪米を計画していきたいと考えております。
次に、ワシントン連絡事務所についてお答えいたします。
県は、米政府や連邦議会、米軍等の動向を適時・的確に把握するため、県独自の情報収集を強化する必要があると考え、本年4月、地域安全政策課を設置いたしました。現在、電子会議システム等を活用し、ワシントンDCの研究者や専門家等と随時、意見交換を行うとともに、去る10月には知事が訪米し、県主催のシンポジウムを開催したところであります。また、委託事業によって米国での情報収集を行っており、現地における拠点の設置についてもこれまでの活動の成果を踏まえ検討を進めているところであります。
次に、オスプレイの強行配備についてお答えいたします。
オスプレイについては、安全性の確認や県民の不安が払拭されていないことから、県としては一貫して配備の見直しを求めてまいりました。しかし、再三にわたる要望にもかかわらず配備が強行されたことは、極めて遺憾であります。県としては、現在、市町村と連携して、オスプレイの飛行実態や運用等の確認を行っております。
オスプレイについては、今後、運用の活発化が懸念される中、県民の不安は一向に解消されておらず、県としては配備計画の見直しと配置分散の実施などを政府に求めているところであります。
次に、基地問題についての御質問の中で、公有水面埋立申請への対応についてお答えいたします。
現在、政府は、環境影響評価書の補正作業を進めているものと認識しておりますが、現時点で、公有水面埋立承認願書が提出される時期等については示されておりません。仮に提出された場合には、関係法令にのっとり検討せざるを得ませんが、県としては、地元の理解が得られない移設案の実現は事実上不可能であり、普天間飛行場の県外移設を求める考えに変わりはなく、これを踏まえつつ適切に対処してまいります。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) おはようございます。
まず知事の政治姿勢についての中の、尖閣諸島における沖縄県知事の立場についてとの質問にお答えいたします。
尖閣諸島をめぐる問題につきましては、日本政府の平和的かつ冷静な外交交渉によって解決されるものだと考えております。沖縄は、中国や台湾と長い交流の歴史によって独自の信頼関係を構築していると思いますので、今後も文化や観光、経済などの交流を推進してまいります。
次に、観光行政についての中の、観光人材の育成に関する施策についてとの質問にお答えいたします。
県では、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」において、国内外の観光客が満足する質の高いサービスを提供できる人材を育成・確保し、国際観光地としての沖縄の評価を高めるとしております。そのため、これまで実施してまいりました基礎的な接遇等に関する研修や、海外ホテルスクールへの留学支援に加え、今年度より新たに企業などが実施する人材育成に関する各種研修に対し支援を行っております。また、増加する外国人観光客に対応するため、ことし4月に研修などを修了することにより通訳案内を行うことが可能となる沖縄特例通訳案内士制度が創設されたことから、今年度中に育成事業計画を策定し、次年度以降、当該制度による通訳案内士を育成していくこととしております。これら施策に取り組む一方、県としては、長期的には県民一人一人がこれまで以上にホスピタリティーにあふれ、地域に誇りを持ってもらうような取り組みも必要であると考えていることから、今後とも、あらゆる世代があらゆる機会において、沖縄らしいチムグクルに触れることのできる観光人材の育成に積極的に取り組み、世界に通用する沖縄型観光人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
同じく観光行政についての中の、個人消費額を伸ばすための観光商品開発についてとの質問にお答えいたします。
沖縄県におきましては、観光客の個人消費額を引き上げるため、これまで経済効果の高いMICEや、リゾートウエディングの誘致、ロングステイツーリズムの推進などに取り組んでおります。また、沖縄観光の新たな魅力の創出や観光客誘致を目的として、民間などが企画する新たな観光メニューを支援するエンターテイメント創出・観光メニュー開発等支援事業や、観光客など人を強く引きつける魅力ある芸能や演劇などのコンテンツを制作し、文化観光のメニュー確立を目指す文化観光戦略推進事業を実施しております。さらに今年度より、市町村・観光協会・NPOなどを対象として、地域の観光資源の発掘及びそれらを活用した観光商品の造成を目的とした地域観光資源創出支援事業を新たに推進しているところです。
県としましては、これらの取り組みを通して官民一体となって魅力ある観光商品を創出し、観光消費額の拡大に努めてまいりたいと考えております。
同じく観光行政についての中の、観光経済と県民所得についてとの質問にお答えいたします。
沖縄県が平成22年度に実施した「観光統計実態調査」によると、観光消費額4418億円がもたらした経済波及効果は6616億円と推計され、うち付加価値効果は3383億円で、県内総生産の9.1%に相当しております。観光消費は、直接・間接を含め県内関連産業に幅広く波及し、企業所得や雇用者報酬を誘発し、最終的には県民所得の増大に貢献しているものと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(當銘健一郎) 基地問題についての御質問の中で、埋立申請を不承認した場合の手続についてという御趣旨の質問にお答えいたします。
公有水面埋立法では、不承認に対する国の不服申し立て手続が規定されておらず、県が埋立申請を承認しないと判断した場合、その通知の発出をもって手続は終了いたします。なお、公有水面埋立承認に係る事務は、地方自治法に基づく第1号法定受託事務であることから、国が県による不承認処分を公有水面埋立法に違反、または著しく適正を欠き、かつ明らかに公益を害していると認めるときには、地方自治法に基づき是正の指示等をすることができると規定されております。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 基地問題についての御質問の中の、県の軍用地取得の考え方についてお答えいたします。
本県の駐留軍用地は民有地の占める割合が高く、駐留軍用地跡地の円滑な利用を推進するためには、返還前の早い段階からの公有地の拡大が必要であると考えております。そのため、今議会において、跡地利用推進法に基づき指定される特定駐留軍用地内の土地取得を目的とした基金の設置条例案及び普天間飛行場内の土地の取得に必要な経費を積み立てるための補正予算案を提出しております。今後、他の特定駐留軍用地についても、県は、市町村が策定する跡地利用計画の進捗に応じて、道路、公園などの事業の「種類」及び「面積」を示した「特定事業の見通し」を広域的な観点から定めるとともに、必要な予算を確保し、跡地利用を円滑に進めてまいりたいと考えております。
次に、交通対策についての御質問の中の、沖縄県の将来の交通網のあり方についてお答えいたします。
沖縄県では、本県の総合的な交通体系のビジョンを示した「沖縄県総合交通体系基本計画」をことし6月に策定したところであります。当計画では、観光及び産業振興、都市や離島、災害対策など、5つの施策分野ごとに展開すべき施策を取りまとめております。このうち、陸上交通につきましては、はしご道路を初めとする幹線道路ネットワークの整備や、定時性・速達性などの機能を備えた鉄軌道を含む新たな公共交通システムを基幹軸とし、フィーダー交通としてLRT、バスなどが有機的に連携する利便性の高い公共交通ネットワークの構築を図ってまいります。また、本島離島間の交通ネットワークの充実により、全ての離島から圏域内中心都市までおおむね1時間、那覇までおおむね3時間での移動の実現を図ってまいります。さらに、沖縄県と国内・海外の主要都市を結ぶ航路及び航空路ネットワークの充実により、国内外との積極的な交流及び国際競争力の向上を図ってまいります。
県としては、これらの取り組みにより、県民及び観光客の移動利便性の向上、中南部都市圏の交通渋滞緩和、低炭素社会の実現、離島の定住条件の確保、県土の均衡ある発展に寄与するものと考えております。
以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教育行政についての御質問で、いじめの実態と対応についてお答えいたします。
文部科学省による平成24年4月から8月までの緊急調査の結果、県内の認知件数は、小学校2727件、中学校353件、高等学校187件、特別支援学校6件、合計3273件であります。なお、解消した件数は2646件で、解消率は80.8%となっております。
いじめの態様としては、冷やかし、からかい、悪口等が最も多く、次いで仲間外れや集団による無視、軽くぶつかる、たたかれる等となっております。具体的には、毎月の「人権を考える日」の設定や「人権ガイドブック」の活用、道徳教育の実践等に努めております。また、いじめアンケート調査や個別教育相談の定期的な実施、スクールカウンセラー等との連携による教育相談体制の充実に取り組んでおります。さらに、「沖縄県いじめ対応マニュアル」を活用した教職員の指導力の向上及び支援体制の充実を図っております。
県教育委員会としましては、いじめは絶対に許されない行為であると捉え、引き続きいじめの未然防止、早期発見、早期対応を図ってまいります。
次に、北部地域の課題についての御質問で、中南部の高等学校普通科等に在籍する生徒数等についてお答えいたします。
平成24年度、本島内北部地域から中南部地区の普通科等に在籍している生徒数は、私立高等学校も含めて262名となっております。
県教育委員会としましては、県立高等学校編成整備計画において、名護高校に理数科等大学進学に特化した学科の設置を予定しており、学校整備準備委員会幹事会の開催や先進県視察を行うなど、計画の推進を図っております。
以上でございます。
○環境生活部長(下地 寛) 北部地域の課題についての御質問の中で、ヤンバル地域の国立公園化への対応と琉球諸島の世界自然遺産指定に向けた現状と課題についてお答えいたします。(1)と(2)は関連しますので一括してお答えいたします。
琉球諸島が世界自然遺産へ登録されることは、本県の自然環境のすばらしさが世界に認められることであり、自然環境の保全や地域振興の面から意義があることと考えております。しかしながら、絶滅危惧種が生息・生育する重要地域の保護担保措置や外来種対策など、貴重な自然を守る対策が十分ではないなどの課題があります。
県としましては、こうした課題を解決するため、保護担保措置として、国によるヤンバル地域の国立公園化が不可欠なことから、地元自治体との連携を深めるとともに、シンポジウムや意見交換会を開催するなどの取り組みを行っております。また、外来種対策として、マングース防除事業や希少種回復調査などを実施しております。今後とも、地元自治体を初め関係機関と連携しつつ、地域住民の方々の理解と協力を得ながら世界自然遺産登録を目指していきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(崎山八郎) 北部地域の課題についての御質問の中で、北部地域における県立北部病院の位置づけ及び充実のための対策についてお答えいたします。
沖縄県保健医療計画では、北部圏域等、各医療圏域において県立病院と民間医療機関等との連携を推進し、適切な医療提供体制を構築することを基本としております。県立北部病院については、救急医療を初め第2種感染症指定医療機関、災害拠点病院、僻地医療拠点病院として、北部圏域の中核的な役割を担っております。これらの医療機能を充実するためには専門医の確保が重要であり、県としては、後期臨床研修事業で養成した専門医を派遣しております。また、平成19年度から実施している医師修学資金等貸与事業でも専門医を養成し派遣することとしており、県立北部病院における安定した医師確保の仕組みを構築していきたいと考えております。
次に、愛楽園の将来構想に対する県の取り組みについてお答えいたします。
沖縄愛楽園の将来構想は、入所者の良好な生活環境の維持向上を図る、地域開放の推進と交流の充実、地域振興等にも資する施設の整備を図るものとされております。
県としましては、将来構想の実現に向けた愛楽園の取り組みを支援するため、愛楽園自治会等で構成する検討会議を設置し、意見交換を進めております。今後とも、愛楽園や名護市等関係機関と連携し、将来構想の実現に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
○玉城 義和 休憩お願いします。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午前10時30分休憩
午前10時32分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
玉城義和君。
○玉城 義和 せっかくの議会ですから、やはり誠実にやりとりはしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
まず訪米についてでございますが、県の出した報告書を読んでいますと、まず政府に対する要請は、10月22日13時から13時30分まで、カート・キャンベル国務次官補、アート・リッパート国防次官補、30分でこれ両方一緒に合わせて、次官補でそろえて合同で会うと。形を整えたという感じであります。通訳も入れていくとこれはもうまさに七、八分、五、六分の立ち話程度ではないかというふうに思いますし、そして両次官補はもらい受けた資料については、クリントン長官やパネッタ長官にお渡ししますと、こういう取り次ぎですよね。これで果たして私は沖縄から知事がたくさんの職員も含めて行かれて、こういうことでいいのかどうか。やはりかなり準備不足だったのではないかとこういう感を深くするんですね。だから、どうせ知事が行かれるわけですから、もう少しその当事者にお会いになってやらないと、これは変にこういうことが慣例になってしまうこともあるんで、私は非常にこれは今回は準備不足だったんではないかとこういうふうに思うんですが、公室長どうですか。
○知事(仲井眞弘多) 準備不足だったのではないかというのも、これもまた見方の違いだと私は思えて仕方がありません。事件が起こって私たちは、日本政府は無論ですが、大使に直接会ってきちっと抗議をし、その内容をアメリカ政府にきちっと送ってくれと。その後、すぐにたまたま20日からでしたかタイミングよくワシントンに行き、キャンベルさんや国防総省の方にお会いして話をしました。ですから、これが時間が短いからどうのというより、これはいずれにしましても非常に短時間での対応、短時間といいますか事件の発生から直ちに行ったというタイミングのある意味でよさはあって、これはクリントン国務長官も関心を持っているんで、きちっとその内容については知らせてもらいたいというような前書きもあって、まずあなた方の意見もさることながら、国務省、国防総省でこれをきちっと受けてもらわないと、これ自身あなた方が日米同盟にひびを入れ始めているということすらあり得ますよという、このやりとりはやりとりできちっと私たちは話をしたつもりです。ですから、これが準備不足という点を言われても、これはタイミングよくきちっと相手に我々の怒りを伝え、遺憾の意を激しく伝え切れたと私は思っております。
○玉城 義和 基地問題全般を含めて言っているわけですから、その辺を言っているわけです。駐米大使が言っていることと同じことを向こうも言っているわけで、その辺を指摘をしているわけでございます。
それからシンポジウムですが、このパネリストの道下教授がこんなことを言っていますね。中国の軍事費が過去10年で大きくふえていると。アジア・太平洋地域における米軍の前方展開と沖縄の役割は重要だとこう言っている、シンポジウムで。もう一人のパネリストの高原教授は、日本に新しい基地を建設するに当たってはいかに同盟の機能を強化し、中国を統制することができるかについて検討すべきだとこういうふうにもう一人のパネリストが言っている。また、基調報告をしたウェッブ議員も、沖縄の基地は南シナ海や尖閣諸島について最近の論争を考慮してもこれらの基地の重要性は確認されていると、こういうことを言っているわけです。
これらの発言を見ると、このシンポジウムの性格は一体どういう性格なのか、何を獲得目標としたのか、わからないわけですね。だから、たくさんの人が参加したというのは結構でございますが、このパネリストが基調報告はこういう基調報告で一体どういう結論を導き出そうとしているのか、県は何をこのシンポジウムで言おうとしているのか。この発言からはむしろ結果として沖縄の基地の重要性を強調することになっているのではないかとこういうふうに思われるんですが、いかがですか。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午前10時37分休憩
午前10時37分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) シンポジウムにおきましては、日米のいわゆる安全保障、軍事といったものを専門的に研究されている方の知見をしっかりそこで紹介していただいて、あわせて沖縄県は過重な基地負担を負っているという立場から、知事が参加し、そこで実際的、あるいは現実に即した議論をしていただこうということです。
この道下さんの発言に関しましては、重要であると発言した後に先生は、同時に沖縄は大きな負担を強いられているとして、日本本土の人々は実際的で実行可能な選択肢や代替案を考え出し続けていかなければならないと。つまりこの研究者も沖縄県の基地が重要であるとこういう見方というのは現実にある。またはアメリカもそう考えている。しかしながら、沖縄県は沖縄県としてその重要であるがゆえになぜ沖縄県がこの負担を負わなければならないかといったことを問いかける、そういった議論の場がこれまでなさ過ぎたと。したがいまして、それをワシントンでさらにワシントンの有識者の前で展開する。そして沖縄の立場をしっかりと主張していくという意味を持ってこのシンポジウムは開催したわけでございます。
○玉城 義和 県が出した文書ではここまでしか書いてないんで、それにしても沖縄の負担が大きいというのは当たり前の話であって、米軍の前方展開と沖縄の役割は重要だという大前提に立てば、議論の展開というのはおのずと知れるわけですね。私はそういう意味でこの両方のパネリストの基本的な立場、どういう方を選択してどういう結論に持っていこうかということが明確ではないということがうかがわれるんで申し上げているわけであります。したがって、このシンポジウムの雰囲気がどうだとか私は現実に見ていませんが、全体の議事録が出た段階でもっと精査をしますけれども、やはり沖縄県の基本的なスタンスといいますか、このシンポジウムに臨むところが詳しくきれいに調整をされていないのではないかとこういう印象を非常に受けているわけでございます。
それから、このシンポジウムのために5700万円の委託費が――このシンポジウムだけではないんでしょうが――これらのために払われています。これはワシントンのある調査機関に丸投げという状態ですね。例えば有識者の活動経費1800万、意見交換会2252万円、米人スタッフ人件費2714万円、シンポジウム開催経費747万円などかなり大盤振る舞いではないかというふうな私は印象を受けます。きょうは時間がありませんので、この内容について一つ一つ詰めていけませんが、それは委員会等でやりたいと思いますけれども、このような丸投げをするということが果たして適切であるかどうか私は非常に不審に思っております。これについては引き続き内容について確認をしてまいりますので、問題提起としてひとつ申し上げておきたいと思います。
次に、辺野古の埋立免許出願についてでございますが、先ほど部長からありました。知事のその手続の中で主務大臣が知事のこの不作為に対して是正・修正をすることができるということが言われました。その後の手続、それについて例えば仮に知事がそれに応じないという場合に、客観的な手続として次はどうなるんですか、その後の手続は。
○土木建築部長(當銘健一郎) 例えばの話ですけれども、知事が不承認とした場合、先ほども答弁いたしましたとおり、その行政処分が法令に違反し、または著しく公益を害するというような判断があった場合には、まず是正の指示をすることができるということがあります。それからまたいろいろな方法があるわけですけれども、基本的にはいろいろな文書での指示とか勧告を経て、最終的には法定受託事務ですので根源的には国の権限であるというようなところに立ち戻るわけで、国土交通大臣が埋立承認の事務を県にかわって行うというようなところに至ることもあるのかなというふうに考えております。
○玉城 義和 地方自治法だとおっしゃるようにまず最初のほうは245条の7、法令に違反するか著しく適正を欠くか、公益を害するかということですね。それに基づいて不承認是正を求めると。それに応じない場合はその地方自治法251条7の1項によって法的な手続に入るということになるんですか。
○土木建築部長(當銘健一郎) おっしゃるとおり、245条の7第1項の規定による指示を行った後、不作為の違法の確認を求めるというような手続もできるというふうに書かれてございますし、またそれから別の手続としてその代執行に向かって進んでいくというような手続もあるようでございます。
○玉城 義和 そうしますと、結局この埋立出願については沖縄県知事が第一義的に不承認をしても、国は最終的に代執行で可能だとこういうことですか、制度的には。
○土木建築部長(當銘健一郎) これは最初の答弁に戻りますけれども、都道府県のこの法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠き、かつ明らかに公益を害していると認めるときはいろいろな手続が始まるということでございます。
○玉城 義和 すると、最初の関門というか埋め立てに反対をするというところに立てば、この埋め立てに対して沖縄県知事が不承認をするというときに、この不承認が法令に違反しているか、適正を欠いているか、あるいは公益に害しているかとこの基準にはまるかはまらんかというのがまず一つの焦点になるとこういうことですね。
○土木建築部長(當銘健一郎) 法令上は多分そうだと思いますが、実はこの条文、国が県に対して適用した事例がございませんので、実例としてはよくわかりませんけれども、法文上はそういうことではないかと思われます。
○玉城 義和 仮定の質問ということになるとあれですが、今部長、これまでの経過もありますので、辺野古の埋め立てを知事が不承認をするということが今出た3条件に反するかどうかというのは今の時点でどうですか、見解を出せますか。
○土木建築部長(當銘健一郎) まだこういった埋め立ての願書を出せる状況ではございませんし、また申請を出すという話も聞いておりません。そしてまた、審査結果として承認・不承認というものが出てくるわけでございますので、現時点でそのことについてはコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○玉城 義和 私はまさに公益に合致するんで、これはこの3条件とも全く沖縄県知事としてはクリアするに問題はないというふうに思っております。引き続きこれについてはまたやっていきたいというふうに思っておりますが、先ほど公室長も答えたとおり、県外移設ということを堅持して、ここのところは理論武装も含めて断固として対応をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
県の軍用地の取得についてですが、私は今度のこの条例を見ても非常に違和感があるというか、国費の特例交付金で買ったものにそれを今度は国に貸し付けてそこからまた賃料を取るという、こういう非常に持って回ったような手続。もう一つは、沖縄県は普天間の基地は返してほしいとこう言っているわけですから、それをまた沖縄県の土地を貸すということもひとつ矛盾ではないかというふうに考えると、やはり何といいますか持って回ったような手続がどうしてもこれは必要になっているわけですね。そういう意味で言えば、私はこの法律がどうできたかというのは経過は詳しく知りませんが、むしろ国のほうは直接国庫で出して買って国有財産にして、そして最終的にそれを沖縄から基地が返還されたときに利用するというのが私は筋ではないかと思うんですね。だから、そこのところは国の金を出して買って、県が持ってまたそれをというそういう煩雑な手続が出て今のような話も出てくるんで、そこのところはどういうふうに考えればいいのか。私はそういう感じを持っているんですが、総務部長、いかがですかそこは。
○企画部長(謝花喜一郎) 跡地法を所管しておりますので、企画部長のほうから答弁させていただきます。
まず先ほども答弁させていただきましたけれども、本県の駐留軍用地の特徴といたしましては、民有地の割合が高いということがございます。やはり駐留軍用地の円滑な跡地利用を進めるためには、公有地を先んじて返還、引き渡す前に取得しておく必要があるということで今般この制度が認められたというところでございます。
したがいまして、議員御指摘の国のほうが全て取得すべきではないかということについては、国が公有地をどういった形でやるかという事業スキームがなければなかなかそれは難しいのかなというふうに考えているところであります。
実は、我々この跡地法を制度要望するときには、その事業主体に国も入れて要望しておりました。ただ、国のほうからは今の時点で国のほうがいわゆる公有地を確保する事業計画はないということでこの法律からは国という文言が削除されたという経緯がございます、県の案からはですね。そういったことがございますので、国におかれましては今後いろいろ跡地利用の計画が進みまして、国のほうで事業用地を確保する必要があるということであればこの法案を改正して国も用地を先行取得し、まず5000万の控除ができる。そういったスキームもまたつくることになるのだろうというふうに考えておるところでございます。
○玉城 義和 私はこれはここまで来ているので、とりあえずは走らせて、この法律の改正も含めてやはり軍用地の跡は国の責任でということをやっているわけですから、ここはやはり国のほうで買い取って国有地にしておいて、そして返還された暁には国の責任でもってやるという、そういうほうがずっと法的には筋が通るし、わかりやすいと思うんですよ。そのほうが一括交付金がいつまで続くかという不安定性もありますし、そこのところは少しこれからの法律改正を含めて――できたばかりの法律で申しわけないけれども――少しその辺は県としても持続的に交渉を続けたほうがいいんじゃないかと思うんですが、知事いかがですか。
○企画部長(謝花喜一郎) 先ほども御答弁させていただきましたけれども、公有地の確保というのは県・市町村がそれぞれどういった跡地利用計画かということが重要になっているだろうと思っております。
玉城議員の御指摘は、まずは国が確保してそれから後、国から譲渡なりを受ければよろしいのではないかという御指摘だとは思いますが、ことし4月にできたばかりの法律ですので、まずはこのできた法律に基づいて県・市町村しっかり公有地を確保しまして、跡地利用を円滑に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○玉城 義和 防衛省にちょっと問い合わせたら、国の一括交付金で買った土地を県が所有してそれを防衛省に貸して、またその地代を取るというこういうやり方について、法的安定性を欠くというかそういうところがあって、防衛省としてもどういう契約をするのかということについてはまだ議論をしていないとこういう話でした、正式な答弁として、答えとして。そういう中で言うと、今の条例は少し議論不足というか未消化というか、そういう感はやっぱり否めないんですよね。だから、幾つか今私申し上げたような課題もあるし、そこのところは少し検討の余地があるというか少し議論が足りないんじゃないかという感じは持っていますね。だから、これは委員会で少し詳しく議論をすべきだと思いますが、そこのところも含めて少し法律の補強というか改正も含めてぜひ念頭に入れておいていただきたいというふうに思います。
次、交通問題でございますが、先ほどの答弁にもあるように、県の総合交通体系基本計画で見ると、名護―那覇間あるいは先島―那覇間を1時間で結ぶと、こういう県土構造とするということが出ていますよね。そうすると1時間で結ぶとすると、名護―那覇間でいうと70キロ近くありますので、この距離を1時間で結ぶとなると、駅の停車時間も含めると時速70キロぐらいのものでないとこれはなかなかうまくいかないわけですね。そういう意味で、新しい交通システムをどのようにして想定するか、そこのところをちょっと教えてください。
○企画部長(謝花喜一郎) 議員御指摘のように、県が考えております公共交通システムのネットワークというものは、骨格がまず重要だろうということを考えています。そのときには定時性だけではなく、速達性というものも重要だというふうに考えております。そうしますと、やはりこの那覇―名護間の仮にルートというものは、LRCとかいうものよりも鉄軌道という形になろうかと思っております。ただ、一方でそれぞれ拠点拠点でフィーダー交通としての支線というものを、じゃ鉄軌道でできるかというと、やはりこの辺は効率性などを考えた場合に鉄軌道、トラムトレインよりもLRTというほうがいいだろうというふうに考えております。
いずれにしましても各交通システムに求められるいろんな機能ですとか、また事業費などがありますので、そういったものも踏まえながら県としては多角的・総合的に調査研究を進めているところでございます。
○玉城 義和 多少議論が混乱しているような様子もありますので、この糸満―那覇―名護間というのは鉄軌道ということをやっぱりきちっと方針として出してやったほうが私は議論は進むというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから5000万でしたかことし調査費がついていますね、県の。その調査の内容はどうなっていますか。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午前10時54分休憩
午前10時54分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
企画部長。
○企画部長(謝花喜一郎) お答えします。
県の調査はどのようにすれば早期導入が可能かという観点から、県全体の交通体系として鉄軌道に求められる役割と整備効果の検討、それから国内外の整備事例を参考とした新たな整備手法によるコスト縮減の検討、あと持続的な運営を可能にする特例的な制度等に関する検討、その他早期導入に向けた合意形成を促進するための方策の検討、そういったものの調査の経費として提案させていただいております。
○玉城 義和 知事のお話だと、今年度から10年間でやろうと。それで5年ぐらいをめどに事業着手をするということをおっしゃっております。これはこの方針は今も変わりはありませんか、知事。
○企画部長(謝花喜一郎) 前回と申しますか、知事のほうからの御答弁を受けまして私のほうからも、この計画の半ばごろには敷設のための計画を示せるようにしてまいりたいというふうに答弁させていただいたことをしっかり記憶しております。そのために、次年度も導入ルートシステムですとか、事業手法のスキームなどを検討しまして、26年度から27年度には学識経験者なども含めた検討委員会を立ち上げまして、少なくとも27年ごろには県民にわかりやすくその計画案を示すと同時に、その後のまたスケジュールについて国と調整を図っていけるそういったことを今工程として考えているところでございます。
○玉城 義和 謝花部長、非常に優秀で知事候補にでもなれる人ですが、知事ではないので知事にひとつ答弁するところは知事に答弁をしていただきたいと思いますが、細かい話は部長に聞きますから。
知事、この5年間でその事業着手をする、めどをつけるということについては知事のほうはお変わりはありませんか。
○知事(仲井眞弘多) 5年ぐらいでもうめどもつけてスタートさせられるぐらいに持っていきたいということです。
○玉城 義和 今部長から話がありましたが、平成26年、27年ごろまでには各委員会をつくってやるということですが、例えば5年間の大まかな作業の手順ですね、それをざっと示してくれませんか。
○企画部長(謝花喜一郎) 先ほども若干申し上げましたけれども、次年度は導入ルートシステム、それから整備手法等のスキーム、公共交通の再編、まちづくりとの連携ですとか県として最適と考えられる県案を出していきたいと。それを受けて26年、27年に学識経験者などの検討委員会を立ち上げまして、いろいろ議論をしていただいて県民にわかりやすい案を27年をめどに提出したいというふうに考えているところであります。
○玉城 義和 3年後、来年は25年ですから恐らく2年後にはこの大体の全貌が出せると、線も引っ張って。どういうシステムなのかということでいいですね、27年。
○企画部長(謝花喜一郎) この計画の中ごろまでに示すようにという答弁を実現するためには、これぐらいのスピード感でやらなければならないものと考えております。
○玉城 義和 ぜひ頑張ってピッチを上げていただきたいと思います。
観光収入と1人当たりの県民所得の関係ですが、私は以前から疑問に思っていますが、1つは、例えば県民所得が200万台になった平成4年から22年まで、1人当たり県民所得の伸びと観光収入の関連を見ると、観光収入が1200億ぐらい伸びているのに県民所得はほとんど変わらないですね、203万から206万になっている。2800億から4000億に伸びているのにこの県民所得が伸びないと、この辺はどういうふうに考えればいいんですか、これは。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) お答えいたします。
議員御指摘の1人当たり県民所得との関係に関しましてですけれども、昭和47年以降、観光客数及び県民所得の総額というのは増加をしてきていると。1人当たり県民所得については、人口増加率や非生産年齢の人口の比率等から1人当たりに換算すると県民所得の伸びは大きくないのが実情であるというのはおっしゃるとおりだと思います。特に県民所得の総額も増加はしているんですが、実は人口も増加をしているため1人当たりの所得が横ばいとなったといったような状況だというふうに分析しております。
○玉城 義和 だから、両方の相関関係がどうかということを聞いているんですよ。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午前11時0分休憩
午前11時1分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
企画部長。
○企画部長(謝花喜一郎) お答えいたします。
県民経済といいますのは、県内におきます経済活動から見た姿、さまざまな付加価値を明らかにするマクロ統計だというふうに認識しておりますけれども、例えば観光産業といいますと農業から始まりまして、それから製造、それから卸・小売り・運輸サービスなどいろんな分野に影響をしているものだと思います。こういった形で観光分野に付加価値というのは、それぞれの各産業の付加価値を構成する要素として包含されておりまして、今議員御指摘の観光産業は伸びているけれども県民所得は伸びないのはなぜかというような御質問につきましては、トータルで見た場合には、この傾向としては観光の総収入の伸びと一応県民所得の伸びのものは我々から見たときにはほぼ同じ傾向で伸びていると。ただ、207万程度で今推移をしているというのがございますけれども、今ちょっと手元にその観光関連のデータは持っていませんが、私が見たところ観光収入の最近のこのトレンドとして5年の伸びと県民所得のトレンドとしての伸びは今ほぼ一致しているであろうというふうに考えております。
○玉城 義和 引き続きやりましょう。
観光人材育成についてですが、我々この前会派で台湾の高雄に行きまして、ユニバーシティー・オブ・ホスピタリティーエンドツーリズムという台湾の国立の大学に観光学科がありまして、4000人の学生を擁しておりますが、料理から語学からホテルマネジメントからキャビンアテンダント全部含めて総合的にやって、就職率は100%ですね。沖縄にも来ていますし、アジアにも行っています。そういう意味で芸大にも芸術と文化と観光を一体化させておりますので、芸大あたりにひとつそういう県立のあれで組み入れて考えてみてはどうかと思うんですが、知事どうですか、ひとつやってみたらどうですか。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 今芸大のほうで、ちょうど芸大のあり方に関する検討委員会等々開きながら、次年度からいろんな形での芸大の新たな取り組みというのがいよいよ始まろうとしております。その中にアートマネジメントと言われている、このアートの世界をマネジメントするような中にキャリアアップの分野もありまして、その中でぜひこの文化がしっかり輝くための一つの仕事の形として観光とマッチングしていくというのが非常に重要だというところもありますので、このあり方検討の議論の中でぜひとも今議員から指摘のあった、文化的な要素を持った人が例えば観光的な分野でも活躍できるというような形も考えながらぜひ検討のテーブルにのせてみたいというふうに思っております。
○玉城 義和 ありがとうございました。
○玉城 満 質問をする前にメーユンタクを少しばかりやりたいなと思います。
きょうは珍しいなと思ったら、一般質問の本日の出番の人たちの名前を見ていると、3人が玉城名なんですよ。そしてのぶこ名が2人いる。ああ、珍しいなと思いましたけれども。私も初日の2番バッターでやるのも初めてでございまして、何か初めてずくしで。
そして、きのうダンパチヤーに行きまして、質問ダンパチをしてまいりました。ダンパチヤーのオトーといろいろと話をしたんですが、やっぱり最近正月ダンパチとか七月ダンパチとかというのがだんだんだんだんなくなってきていると。これは何かというと、やっぱり沖縄の文化は昔から何かあったらニービチダンパチとか、もう何でもダンパチに引っかけてダンパチしたものでございますが、僕はたまたま議会ダンパチというか、質問ダンパチをするほうですけれども、皆さんはいかがなものでしょうか。
せっかくウチナーグチの話をしているものですから、「チャンパク」というのを皆さん御存じですか。「チャンプルー博覧会」というのが沖縄市のほうできょうからスタートするんですけれども、これはどういう博覧会かといいますと、他市町村の観光資源と地元の観光資源の物々交換みたいなイベントなんですね。ということは、こっちに遊びに来なさいよ、あんたたちのところにも遊びに行くよというふうなイベントを、もう全島ネットというか、そして県外もやっているんですね、東北ともやっているんです。これが「チャンパク」というんですけれども、最近ウチナーグチのタイトルが出てきて、今は当たり前になってきたんですが、昔、僕らが「お笑いポーポー」という番組をやったときに、こんなタイトルをつけていいのかとか、要するに「バチクヮイライブ」とかこんなタイトルをつけたらばかにされるとか、チャンプルーとか名前をつけるとばかにされるとかよく言われたものですが、今、意外とやっぱりウチナーの文化というのは結構来ているなと思いまして、僕は、ウチナーグチのタイトルが今後も続いてほしいなと思っております。
先ほどチャンプルーの話をしましたが、私の師匠はあの照屋林助さんという方、この人はもうチャンプルー学の大家でございまして、もう何でもチャンプルーの発想で考えるんですね。さっき「チャンパク」の話をしましたけれども、この人の一番すごいのは、チャンプライズムじゃない。チャンプルー主義という考え方じゃなくて、いつもチャンプラリズムという乗りを、要するにチャンプラリズムというネーミングをつくった人なんですけれども、この人はおもしろいことに、ウチナーグチと言われている言葉を、何でウチナーグチがこういうふうな表現をするんだろうということを全部分析した方なんですよ。一番おもしろいのが、ジンブンという言葉がありますけれども、どんな先輩に聞いても、ジンブンとはどういう意味ですかといったら、知恵のことさと言うんだけれども、林助さんというのは知恵とすぐ結びつけるのが嫌だったんでしょうね。どこかで学術的なものがないと絶対納得いかぬということで、よく僕らはいろいろ研究会をしたんです。最終的にこのジンブンの意味は何かといいますと、お金がないときに、いろんな話をするけれども、お金がなくてこういうことができない。ということは、「ジンヌブンヤ カンゲーレー」というところからジンブンという言葉が生まれてきたと、そういう結論を僕らは持っているんですが、この話をいろんな学者の先輩にしても反論できる先輩は今のところおりません。多分、これが僕は一番近いあれじゃないかなと思います。ちょっとユンタクし過ぎて時間がなくなるので、質問したいと思います。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、消費税増税後の沖縄の経済・労働への影響に対する知事の見解を伺う。
(2)、オスプレイ強行配備に対する知事の今後の対策を伺う。
(3)、辺野古移設に対する各政党の中央本部と県連のねじれについての見解を伺う。
2、文化観光スポーツ部関係について。
(1)、観光入域客数と失業率の因果関係について伺う。
(2)、観光関連産業の職種と正規・非正規雇用の割合について伺う。
(3)、観光関連産業従事者の平均月収について伺う。
(4)、県内各自治体の観光協会に対する県の支援について伺う。
(5)、観光関連施設のWi-Fi整備について伺う。
3、総務部関係について。
(1)、私学に対する校舎増改築支援の進捗について伺う。
(2)、沖縄県の人口増に対する県税収の上昇率について伺う。
4、企画部関係について。
(1)、鉄軌道導入について。
ア、調査の進捗について伺う。
イ、国・県・広域市町村・交通関連業者との連携はどうなっているのかを伺う。
5、商工労働部関係について。
(1)、国際物流拠点産業集積地域制度を新設したことで旧特自貿における企業進出の動向について伺う。
(2)、三線の沖縄県工芸士の認定、今後の三線支援について伺う。
(3)、金型技術研究センターの実績と今後の沖縄県金型産業の展望について伺う。
(4)、製造業等を支える沖縄県のサポーティング産業の現状について伺う。
6、土木建築・環境関係について。
(1)、土木建築関連技能者の高齢化対策について伺う。
(2)、北部東海岸における赤土流出対策について伺う。
7、農林水産関係について。
(1)、沖縄県における植物工場の可能性と今後の県の取り組みについて伺う。
(2)、県において、ダイビング業界や海洋関係の総合振興対策支援を行う部局はどこで、どのような施策・事業を行っているのか伺う。
8、教育関係について。
(1)、いじめ問題とインターネットの因果関係について伺う。
(2)、児童生徒に心・体の痛みに対する教育が必要と考えるが、教育長の見解を伺う。
9、我が会派の代表質問との関連については、国際映画祭、この国際映画祭を開催しているわけですが、その国際映画祭を開催する打ち上げ花火ではなく、その映画関係の中でどういう切り口を県は今後持っているのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
それともう一つは、総合評価方式なんですけれども、総合評価方式のあらゆるパターンがあると思うんですが、例えば比謝川というところがあって、地元の業者の皆さんが、協会の皆さんがそこで「比謝川をきれいにする会」ということで毎週土・日、例えばここで清掃活動をする。しかし、河川工事が始まった。そして河川工事の入札が始まったら他市町村の業者がここで事業をしているというそういう実態を目にすると、ウマ ジョートーナチョーシェーワッターヤシガ ヌーガ クッターガシグトゥトゥイルというふうなそういう疑問が出てくるんですね。だから、そういうふうなことが総合評価にどの程度加点になっているのか、そういうことなんですが、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
以上です。
○知事(仲井眞弘多) 玉城満議員の御質問に答弁をいたします。
第1に、知事の政治姿勢についての中で、辺野古移設に対する政党のねじれについてという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
辺野古移設案に関してさまざまな意見があることは承知いたしております。どの政党が政権をとったとしましても県外移設を求める考えに変わりはなく、引き続き日米両政府に一日も早い危険性の除去、そして県外移設・返還を強く求めてまいります。
次に、商工労働部関連の御質問の中で、金型技術研究センターの実績と沖縄県金型産業の展望についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県では、物づくりの基盤技術であります金型産業振興を目的に専用の賃貸工場を整備いたしますとともに、うるま市と連携をし、金型の人材育成を推進してまいりました。この結果、超精密金型を製造する技術力の高い企業など5社が入居いたしております。精密金型は、我が国の製造業の競争力を支える中核技術であります。受注製造で高付加価値であることから、沖縄県の課題であります割高な物流コストを克服することが可能となると考えております。
沖縄県といたしましては、引き続き金型産業の振興に取り組んでまいる所存でございます。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○総務部長(川上好久) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、消費税増税の経済・労働への影響についてお答えいたします。
消費税率の引き上げによる県経済への影響につきましては、個人消費等の落ち込みが懸念される一方で、社会保障の安定など県民の将来への不安を減らすことで消費や経済活動にプラスの影響があることも考えられます。また、消費税率の引き上げについては、低所得者ほど負担が重くなる逆進性の問題や中小企業等の価格転嫁などの課題があることも認識しております。そのため、国においては、消費税率引き上げに当たっては、経済活性化に向けた取り組みや中小企業の価格転嫁対策、低所得者対策を実施するほか、就労や生活支援などの施策を実施するとしております。
県といたしましては、今後とも引き続き国の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、総務部関係についての御質問の中で、私学に対する校舎増改築支援の進捗についてお答えいたします。
沖縄県では、平成24年度に私立学校施設改築促進事業基金として6億円を積み立て、私立学校の施設改築に対する助成制度を創設したところであります。補助の対象となる老朽校舎等は9校に20棟あり、現在、平成25年度から校舎等改築に着手する学校法人との調整を進めているところであります。
次に、人口増と県税収の上昇についてお答えいたします。
沖縄県の平成14年度から平成23年度までの人口は約7万人、率にして4.9%の増に対し、県税収入は約872億円から約907億円と約35億円、率にして約4.0%の増となり、おおむね連動した数字となっていると考えております。
なお、各税の性格においても個人県民税均等割のように人口に応じてふえる税目もありますが、法人関係税や消費税のように主要な県税の収入額の増減は、専ら経済の動向や税制改正等その他の要因に大きく影響を受けるものと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、オスプレイの配備強行についてお答えいたします。
オスプレイの運用については、去る9月19日に、可能な限り学校や病院を含む人口密集地上空を避けること等を内容とした日米合意事項が公表されております。しかし、県と市町村が連携して確認したところ、これらの合意事項から外れる事例が数多く認められております。このため、オスプレイの飛行経路や夜間飛行の実態調査及び環境レビューと運用の検証を行い、これらについては政府の責任で説明すべきであると考えております。
オスプレイについては、今後、運用の活発化が懸念される中、県民の不安は一向に解消されておらず、県としては配備計画の見直しと配置分散の実施などを政府に求めているところであります。
以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 文化観光スポーツ部関係についての御質問の中で、入域観光客数と失業率の関係についてお答えいたします。
完全失業率は、県内外の社会情勢や季節的要因などさまざまな影響を受けて変動いたします。沖縄県の年別の入域観光客数と完全失業率についてここ11年を見ますと、そのうち7年は一致しております。つまり観光客が増加すれば失業率は低下、逆に減少すれば失業率が上がるという年が7年間は一致しております。特に、観光客数の多い夏場においては就業者数も増加傾向にあります。
また、平成22年度に実施した観光消費による経済波及効果の調査では、県内の総就業者数の12.8%に相当する約8万人の新たな雇用が創出されると推計されております。このことから、観光関連産業が県内の雇用創出の役割を大きく担っているものと理解しております。
続きまして、商工労働部関係についての御質問の中の、制度の新設に伴う旧特自貿における企業進出の動向についてお答えいたします。
県では、新たに創設された国際物流拠点産業集積地域制度を活用し、うるま市の旧特自貿地域において、先端高度部材加工など付加価値の高い製造業を中心に企業誘致を進めているところであります。これにより、自動化ラインを製造する中核企業と関連企業4社が一体的な立地を決めるとともに、既存の賃貸工場に2社が新たに入居したほか、分譲地においても1社が内定するなど、生産拠点分散の流れと相まって企業との積極的な折衝がふえているところでございます。
続きまして、三線の工芸士認定と今後の支援策についてお答えいたします。
三線については、去る11月30日付で沖縄県伝統工芸製品に指定したところであります。これを踏まえ、三線を沖縄県工芸士認定事業の対象品目に追加しております。現在、沖縄県三線製作事業協同組合等から推薦された候補者に対し、審査に必要となる作品の製作を依頼しているところであります。
今後の支援策については、工芸士認定事業に加え、「沖縄工芸ふれあい広場」事業を活用した販路の開拓、工芸公募展を通じた情報発信や認知度の向上に取り組むほか、同組合と連携し、県産三線の規格づくりや後継者育成等の支援を行ってまいります。
同じく商工労働部関係で、製造業を支えるサポーティング産業の現状についてお答えいたします。
県内では、金型、メッキ等の表面処理や金属加工など物づくりに不可欠な基盤技術であるサポーティング産業が脆弱なため、各種製品製造に必要な部材や機械装置の多くを県外から調達せざるを得ない状況にあります。また、県外からの企業誘致においても大きな支障となっております。このことから、サポーティング産業の振興を目的に素形材産業向けの賃貸工場を整備するとともに、その中に先端の加工機器を設置し、これを活用した人材の育成や県内企業との共同研究を推進してまいっているところであります。その結果、同賃貸工場には、ディーゼル車の排気ガスを無害化する触媒製造に不可欠な超精密金型を生産する技術力の高い企業など5社が入居しております。
なお、同賃貸工場は満室状態でございます。引き続き、同賃貸工場周辺に関連する企業の誘致・集積を図り、県内物づくり企業との連携を推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 文化観光スポーツ部関係についての御質問の中の、観光関連産業の職種と正規・非正規雇用の割合についてとの質問にお答えいたします。
観光関連産業は、宿泊業や旅行業のほか交通運輸業、飲食業、小売業など多岐にわたっております。観光関連産業のうち統計データのある宿泊業の雇用につきましては、直近の平成24年9月の毎月勤労統計調査によると、一般労働者数が約8100人、パートタイム労働者が約3800人となっており、宿泊業の労働者全体に占めるパートタイム労働者の比率は32.3%となっております。また、調査対象業種の産業全体に占めるパートタイム労働者の比率は30.3%となっております。
次に、観光関連産業の平均月収についてとの質問にお答えいたします。
観光関連産業のうち、平成23年の宿泊業における現金給与総額につきましては約16万2000円となっており、調査対象業種の産業全体では約23万9000円となっております。また、直近の平成24年9月の調査によると、宿泊業の現金給与総額は約19万3000円となっており、産業全体では約21万円となっております。
同じく文化観光スポーツ部関係についての中の、県内各自治体の観光協会に対する支援についてとの質問にお答えいたします。
沖縄県では、魅力ある観光地の形成や観光客の受け入れ体制の充実強化を図るため、県内各自治体の観光協会などが行う観光振興の取り組みに対し支援を行っております。具体的には、県と市町村及び各観光協会などとの間で観光まちづくりに係る意見交換会などを開催することで各観光協会に県や市町村の事業の活用を促すなど、各観光協会による自主的・意欲的な取り組みを支援をしております。特に、久米島、宮古、八重山など離島の観光協会については、県、沖縄観光コンベンションビューロー、地域観光協会などで構成する広域連携会議を開催し、離島観光のプロモーション事業などを通して支援を行っております。加えて、本県の観光協会が新公益法人制度へ円滑に移行できるよう随時個別相談に応じるとともに、新法人移行後においても各協会が健全に運営できるよう引き続き助言などを行ってまいります。
県といたしましては、今後とも市町村やビューローと連携を図りながら、各観光協会などの主体的な取り組みに対して支援を行い、地域の観光振興や経済活性化につなげてまいりたいと考えております。
次に、観光関連施設のWi-Fi整備についてとの質問にお答えいたします。
沖縄県では、増加する外国人観光客の受け入れ体制の整備を図るため、現在、外国人観光客が利用する公共的施設及び民間施設を対象にWi-Fi導入に係る費用の助成事業を実施しております。当該事業の実施により、観光客の情報取得の利便性及び満足度の向上を図るとともに、観光客が発信するブログやツイッター、フェイスブックなどによる沖縄観光の魅力発信への活用が期待できるものと考えております。
県としましては、今後とも外国人観光客の充実した受け入れ体制の整備を図りながら、観光客誘致につなげていきたいと考えております。
次に、農林水産関係についての御質問の中の、ダイビング業界の総合振興対策支援についてとの質問にお答えいたします。
県では、ダイビング事故の防止、ダイビング産業の振興及びダイビングガイドの安定的雇用の創出を目的に、平成21年度から平成23年度までの3年間、雇用再生特別基金事業を活用した美ら海構築促進事業を実施したところです。当該事業では、ダイビング業界の実態把握調査や事業者向けの安全対策マニュアルの作成、全県的なネットワーク組織の構築を実施いたしました。
一方、海外で開催されるダイビングに特化した旅行博に出展し、海外のダイバーにダイビングスポットとしての沖縄をアピールし、認知度の向上に努めているところであります。さらに、今年度より新たに外国人ダイバーの受け入れ体制構築及び誘客のため、沖縄型リゾートダイビング戦略モデル構築事業を実施しております。
県としては、沖縄の観光産業の一翼を担うダイビング産業は重要であると考えており、今後ともその振興に向け積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、我が会派の代表質問関連についての中の、「映画村構想」についてお答えいたします。
沖縄国際映画祭は、各種メディアへの露出効果や観客動員数などによる経済効果など観光誘客の面においても多大な貢献があることから、市町村と連携して年内を通した告知活動に努めているところであります。
議員から御質問のありました「映画村構想」につきましては、現在、構想そのものは検討はまだしておりませんが、その一方で、沖縄観光の持続的発展を図るためには、夜間や雨天時、季節を問わない新たなエンターテインメントの創出が必要であるとも認識しておりますので、県としましては、今後ともさまざまな可能性について関係事業者や市町村などと意見交換をしながらしっかり議論を深めてまいりたいと考えております。
以上です。
○企画部長(謝花喜一郎) 企画部関係についての御質問の中の、鉄軌道の導入に向けた調査の進捗についてお答えいたします。
国は、平成22年度から23年度にかけて複数のモデルケースについて、沖縄における新たな公共交通システムの導入についての課題整理などを行い、今年度は、モデルルートをもとにした導入課題検討に向けた調査や県民が求める公共交通システムに関する意識調査、過年度調査結果を紹介する県民説明会の開催などを実施しております。
県は、今年度、鉄軌道を含む新たな公共交通システムの早期導入の可能性を高める観点から、これまでの調査結果を踏まえ、県民のコンセンサスを得るための広報活動、先進事例調査などによるコスト縮減策の検討、持続的な運営を可能にする特例的な制度の検討など導入のための条件整備に資する調査を実施しております。
次に、国・県・広域市町村・交通関連業者との連携についてお答えいたします。
県は、鉄軌道の調査検討に当たり、国が設置している有識者委員会及び現地視察等に参加し、国や委員らと情報交換や意見交換を行うとともに、国が10月に開催した県民説明会や今後開催予定のタウンミーティングに参加するなど国と連携しながら取り組んでおります。
今後、県が進める鉄軌道を含む新たな公共交通システムの導入に当たっては、都市構造の再編誘導や駅を中心としたまちづくりなど持続可能な都市形成の観点から、各市町村におけるまちづくり計画との整合を図る必要があると考えております。また、利便性の高い公共交通ネットワークの構築を図る観点から、交通関連業者との連携や交通網の再編等複合的に検討を進めていく必要があると考えております。
県としましては、引き続き国と連携して調査を進めるとともに、市町村や交通関連業者と適宜協議しながら導入に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(當銘健一郎) 土木建築・環境関係についての御質問の中で、土木建築関連技能者の高齢化対策についての御質問にお答えいたします。
技能労働者の育成につきましては、次世代を担う若年入職者の確保と熟練工の持つ技能を若い世代に承継することが課題であります。その課題への対応といたしまして、若手の育成に取り組む企業の評価や技能労働者の適正な就労環境の整備が必要であると考えております。そのため、県では、等級格付における新規学卒者雇用に対する加点措置及び社会保険未加入対策に取り組んでおり、引き続き業界団体等とも連携しながら取り組みを進めていきたいと考えております。
次に、我が会派の代表質問関連についての御質問の中で、総合評価の地域性考慮についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
総合評価方式における地域精通度・地域貢献度の評価項目として「地域内における本店、営業所の有無」があり、特Aクラス対象以外の工事につきましては、本店、営業所の有無の評価は管轄区域もしくは市町村単位とすることとなっており、各発注機関が個別の工事の特性により判断しております。総合評価方式は、原則として5000万円以上の比較的規模の大きい工事に適用しており、本店、営業拠点の有無は管轄区域として設定される場合が多くなっております。
今後、工事の特性に応じて、より地域性を考慮した設定の方法について検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(知念 武) 土木建築・環境関係についての中の、北部東海岸における赤土流出対策についての御質問にお答えします。
沖縄県においては、農地からの赤土流出を防止するため、平成5年度からこれまで4市町村19地区において水質保全対策事業により勾配抑制、排水路、沈砂池等の設置による土木的対策に加え、地域と行政が一体となったマルチング、緑肥作物の作付やグリーンベルトの設置等の営農的対策に取り組んでおります。平成24年度は、宜野座第3地区ほか4地区で勾配修正などの対策を実施することとしております。
さらに、本年度から沖縄振興特別推進交付金を活用した沖縄の自然環境保全に配慮した農業活性化支援事業において赤土コーディネーターを育成し、流出防止対策が効率的かつ持続的に実施できる体制の構築を進めているところであります。
県としましては、引き続き関係機関と連携を図り、赤土等流出防止対策に取り組んでまいります。
次に、農林水産関係についての中の、沖縄県における植物工場の可能性と今後の取り組みについての御質問にお答えします。
沖縄県の夏場の野菜生産は、高温及び台風の襲来等により不安定であり、特に葉野菜類は安定的な供給が厳しい状況にあります。そのため、葉野菜類を計画的・安定的に供給できる植物工場の導入が期待されております。
しかしながら、植物工場は、光、温度等の植物の成長に必要な要素を人工的に制御するシステムとなっているため、施設の整備コストやランニングコストが割高であるなどの課題があります。このため、県としましては、今年度から沖縄振興特別推進交付金を活用した実証事業において、光ダクト、太陽光パネル等を活用した電力の低減、バガス炭を活用した空調システムの構築、生産性の向上を目指した作物ごとの光合成に適した光波長の特定などについて取り組み、低コスト沖縄型植物工場の実証及び導入品目や栽培技術の確立などを検証していくこととしております。植物工場の導入の可能性については、本事業の実証結果を踏まえつつ、生産農家段階における生産や流通・販売及び経営収支を総合的に検証した上で検討してまいります。
次に、同じく農林水産関係についての中の、海洋関係のうち、農林水産部所管の部分についてお答えします。
沖縄県は、釣り客の安全確保及び利益保護などを目的に「遊漁船業の適正化に関する法律」に基づき、釣り客を案内する者に対し事業者としての登録や営業内容に関する規制等を行っております。また、海面における漁業と海洋性レクリエーションとの紛争の予防及び調整・解決を促進し、海面の円滑な利用を図るため海面利用協議会を設置し、その調整業務も行っております。
以上でございます。
○教育長(大城 浩) 教育関係についての御質問で、いじめ問題とインターネットの関係についてお答えいたします。
文部科学省による平成24年8月の緊急調査の結果、県内におけるパソコンや携帯電話で誹謗中傷や嫌なことをされたいじめについては、中学校でいじめ認知件数353件中19件、高等学校で187件中36件が報告されております。
各学校における取り組みとしましては、中学校においては、いじめ防止フォーラムを生徒会主催で開催するなどいじめ防止への意識高揚を図っております。高校においては、生徒が自己指導力を高めるために自主編集した「ちゅらマナーハンドブック」において、人の痛みに気づく優しい気持ちやいじめに気づく目を持つことなどを呼びかける「いじめ防止五箇条」、携帯電話等の情報端末の正しい使い方を呼びかける「ケータイちゅらマナーアップ」の取り組みなど生徒の主体的な取り組みが行われております。
県教育委員会としましては、情報モラル指導、人権教育の徹底を図るとともに、県警察によるサイバー犯罪防止教室や学校と警察の連絡協議会等を開催し、連携を強化してまいりたいと考えております。
次に、心と体の教育についてお答えいたします。
学校教育においては、命の大切さや思いやりの心等豊かな心を教育活動全体を通じて育成することが必要であります。
いじめの背景としましては、人の心や体の痛みが理解できないこと、価値観の多様化や人間関係の希薄化等が要因として挙げられます。各学校におきましては、道徳の時間の充実、「人権を考える日」の設定、いじめアンケートの実施等に取り組んでおり、教育活動全体を通じ豊かな心の育成に努めております。
県教育委員会としましては、今後とも自他の生命を大切にする心、相手を思いやる心、正義を重んじる心等児童生徒の豊かな心の育成を推進してまいります。
以上でございます。
○玉城 満 オスプレイ強行配備に対する知事の今後の対策なんですけれども、先ほど国に訴え続けるという知事公室長の答弁がございましたが、僕は、沖縄県がやっぱりある種の広報活動をしないといけないと思うんですよ。これはどういうことかといいますと、合意事項じゃない、要するに危険地域をオスプレイが今飛んでいるわけですね。そういうものをしっかり映像を捉えて、「沖縄の基地負担」とか、「こんなことをするアメリカ」とかそういうふうなタイトルをつけてユーチューブで配信するんです、県が堂々と。そして、こういう小さな島で、こんな危険な飛行場の周りでこういうことをしているんですよ、アメリカというのを、これをユーチューブで全世界に発信する、そのぐらいの予算を組んでやっぱりやるべきじゃないかなと思うんですが、これはいかがなものでしょう。知事、どうですか。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午前11時48分休憩
午前11時49分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 今、議員御指摘の点は非常に理のあることだと思います。ただ、これはオスプレイに限らず沖縄の基地問題をいかに世界に知らしめるかということでございますが、ある意味では非常にその報道が日本全国で沖縄の基地問題についてはなされておりまして、ある一定のそういう周知効果というのは報道上であると。その一方で、能動的にユーチューブ等を活用して沖縄の基地問題を発信していくということにつきましては、これはさまざまな広報啓発手段というのはこれまでも検討しておりまして、その中でその費用対効果等も含めて検討してまいりたいと考えております。
○玉城 満 日本政府に訴えるとか、アメリカに訴えるとかということも大事なんだけれども、実際僕らはインターネットを見ていて、海の向こう側でこういうことが起きているんだと、これは絶対許せないなというようなことをやっぱりインターネット上で目にするわけですよ。やっぱりそういうことを米国民にも知らしめるという意味でそういう発信事業もやるべきではないかと言っているわけですね。これを映像で見たら、我がアメリカはこういうことをやっているんだ、こういう小さい沖縄の島で、こういう日本の75%の基地を押しつけて、こういう危険なところをこういうふうに飛び回っているんだという、アメリカ本土ではあり得ないようなことをやっぱり発信し続けるということも一つの抵抗だと僕は思っているので、ぜひこれは検討していただきたいなと思いますよ。そういうことに予算をかけて、どんどん発信していくということも必要だと僕は思います。どうでしょうか。
○知事公室長(又吉 進) 地方自治体の役割として、行政機関として日米両政府にその条約上で置かれている米軍の問題点について、行政の立場で申し入れたり、あるいは要請していくというのは我々の仕事として極めて重要であって、それを着実にやっていくと。さらに、それを補完というんですか、県民の意識を醸成するという意味での広報活動ということで、ちょっとフェーズが違うと思うんですけれども、そこのところはやはり議員のおっしゃることもきちんと参考にしつつ取り組んでまいりたいと思っております。
○玉城 満 ぜひやっていただきたいなと思います。
続いて、観光関係の話なんですが、前回会派で私たちは台湾のほうに視察に行ったんですが、このWi-Fiの重要性、やっぱりすごく沖縄でも必要だなと思ったんですが、もう一つ、さっき僕は「チャンプルー博」の話をしたんですが、やっぱりお互いの観光の物々交換というのが今後交流になって、それが定例になって、もっとお互いがふえていくような構図、これを台湾でやった方がいるんですね。知事、スタンリーというブロガーを御存じですか。スタンリーというブロガーがいるんですが、御存じですか。聞いたことございませんか。
スタンリーというブロガーがいまして、この人が沖縄に来て、いろんな沖縄の珍しい食堂とかレストランとかに入って、一緒にここのおばさんたちと写真を撮ったり、料理を写真に撮ったりしてこれをすぐ配信するんですね。この人は台湾の人で、沖縄がすごく好きで、台湾からこんなに身近なところにこんなすばらしい島があるじゃないかということを、沖縄を本当に台湾中に紹介して、台湾の観光客数をふやした男なんですね。僕らは、一切彼に県の予算を組んでこういう宣伝をしてくれと言っていないけれども、彼がやっぱり沖縄が好きで来て、こういうふうなブロガーとして宣伝してくれたおかげで、今、台湾の観光客のほとんどの発想は、沖縄というところは老人が旅行するところだと思ったというのが台湾の皆さんのイメージだったと。ところが、彼がこっちに来始めて若い人たちが沖縄に遊びに来るようになった。ということは何が大事かというと、いろんな予算をしてキャンペーンをしたり、そういうふうなことも大事なんだけれども、そういう僕らが目に見えないところですごい貢献をしている人がいるんですよ。その人の名前がスタンリーという人なんですね。この人は、沖縄関係の本でこのぐらいの分厚い本を2冊ぐらい出しているんですね。これは全部沖縄の本ですよ。そういう人たちがいるということをもう少し観光部局もしっかり見て、外国に行って、アジア各国に行っていろんなキャンペーンをするだけじゃなくて、ここはどういうふうな仕組みで、どういうふうな宣伝マンがいるのかなという、やっぱり沖縄が今一番足りないのはこういうことではないかなと思います。
先ほどの国際映画祭の話にもそのままつながるんですけれども、せっかくあれだけの芸人が一気にこっちに来ているわけだから――何人か知り合いの芸人がいるものだから、例えば僕は社長にお願いしたんですよ。吉本の芸人全員をもう「美ら島沖縄大使」にしたらどうかと、面倒くさいから一人一人するのはと言ったら、それいいんじゃないかという話をしていたんです。要するに、広告効果としてあれだけ三十何億円の広告効果が出ている。これはどういうことかというと、彼らがヤマトに持ち帰って番組をやっているんです、いろんなレギュラー番組を。それでウチナーの話がどんどんどんどん出てくることで、これに予算をかけてはいないけれどもどんどん広がっていくという、そういう作戦をもう少し考えたほうがいいんじゃないかなという気はしているんですが、部長、どうでしょうか。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) ありがとうございます。
スタンリーさんは今初めて知りましたけれども、ブロガーと言われているまさに有名なブロガーは、特に今議員がおっしゃるように、世界に対しての非常に大きな発信力がある。それを実際に沖縄に来ていただいて、それでまた沖縄の紹介をダイレクトにしてもらうと。このような事業を実は台湾以外でもうちのほうでもいろいろとさまざまこれをやっております。そして、それともまた別にファンツアーみたいな形で、そういうふうにいろいろと発信力のある方々を招いて沖縄をダイレクトに旅をしてもらって、そしてそれを発信していくというモニターツアーも実際に今行っているところでございますので、ぜひ国際映画祭も含めて、本当に発信力のある皆さんとどうやって沖縄がつながっていくかというところも非常に重要な課題だと思っております。今後とも議員から提案があったところも含めてしっかりと検討していきたいと思っております。
○玉城 満 要は、こういう祭りを打ち上げ花火に終わらせないためには、映画関係者が来るんですよ。そうしたら、ここに映画村をつくろうかとか、こっちにスタジオを誘致しようかとかという話は当たり前にやっているんですよ。そういうものをキャッチして、沖縄県はこういう誘致だったらどうにかなるなと。要するにそういう施策を盛り込むことができるわけですよね。だから、それをやることで、ただ映画祭をするだけじゃなく、ここから発信できるような何か仕組みをやっぱり組んでいくということをもう少しやるべきじゃないかなと。どうも打ち上げ花火だけで終わっているような気がしているんです。もう少し利用していただきたいと思いますね。
時間がないので次に行きますけれども、教育長、このいじめの問題なんですが、僕は思うんですよ。いじめの件数の御紹介がありましたけれども、僕らがワラバーしていたころのほうが絶対いじめは多いんですよ、ずっと多いと思います。(「当事者だった」と呼ぶ者あり) もちろん当事者です。ところが、このときのメカニズムというのか、いじめの構図と今のいじめの構図というのはもう全然違っているんですよ。これはどういうことかというと、今、いじめるでしょう。いじめたらもうこれを分けさせて、隔離して、もう一切これにかかわらせないという、今それがあるんだけれども、僕らのころのいじめの構図というのは何かというと、いじめたりけんかしたりすることで、お互いけんかしたりした後で和解したりして、結局そういうことの積み重ねが友情に結びついていったというのが僕らの少年時代だと思うんですね。今は、どうも教育現場においては分ける傾向があるような感じがする。ディキヤークラス、普通クラス、ポットンクラス、みんな分けられている。こんな分ける傾向、僕はこういうことから始まっているんじゃないかなと思うんですね。だから、さっき昔のチャンプルー文化の話をしたんですが、僕は今後のいじめ対策は、このチャンプルー文化がすごく参考になると思いますよ。僕らは、ディキヤーとか、こう言ったら失礼だけれどもディキランヌーもいた。チューバーもいたし、ヨーバーもいたし、ナチブーもいた。そういう連中が一緒になって遊ぶことで、相手の痛みとかそういうことをやっぱりみんな感じたわけですよ。ところが、今は親が教えようとしている、先生が教えようとしている。だから、そこに大きな違いがあるんじゃないかなと思うんですね。そこで、心と体の痛みで一番わかりやすいのは、もちろん体罰が悪いことはわかります。しかし、僕はメーゴーサーとヒサマンチューぐらいはもう復活させていただきたいなと思うんですけれども、いかがなものでしょう。
○教育長(大城 浩) 体罰については、もうこれは禁止されておりますので、どんな理由があれ、いけないことは難しい状況でございます。ただ、やはり昔と現在の状況についてはさまざまな変化がございますので、そういう中で、やはりいじめへの対応も大事でございます。したがいまして、今、メーグヮーサーどうのこうのということでおっしゃいましたけれども、基本的にはやはりいじめは私は人権侵害であると、絶対許されるものではないという認識を持っておりますので、そういったことを通していく中でさまざまな対応をしていきたいと考えております。
○玉城 満 もう時間がないので持論を述べるしかないんですが、僕は、前に多分委員会で教育長に質問したと思うんですよ。メーゴーサーは体罰ですかと言ったら、いや、愛のむちだと思いますというのは教育長の発言なんですから、やっぱり僕は愛のむちというのは、これからもやっぱりもっと論じられるべきだと思います。体罰は悪だということで、そういうコミュニケーションがもう既に先生と生徒の間にないというところから僕はスタートしているような気がするので、ひとつこの辺はもう少し粘り強く話し合っていただきたいなと思います。
以上です。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後0時1分休憩
午後1時23分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
午前に引き続き質問及び質疑を行います。
狩俣信子さん。
〔狩俣信子さん登壇〕
○狩俣 信子 皆さん、こんにちは。
社民・護憲ネットの狩俣信子でございます。
玉城満さんが言っていましたのぶこ、そのナンバーワンを切りまして、次にまた玉城ノブ子さんにバトンタッチします。
それでは、通告に従いまして質問申し上げます。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、立て続けに米兵絡みの事件・事件が起こっています。日米地位協定の運用だけでは、県民の人権や尊厳は守られない、そのことはもう知事も御承知のとおりです。多くの県民が日米地位協定の全面改定を訴えています。今後、県民の負託を受けている県知事としてこれまで以上の対応が求められていると思いますが、どのような取り組みをするのか伺います。
(2)、11月6日、55の女性団体・グループで、米兵による女性集団強姦致傷事件に抗議し、オスプレイの強行配備を許さない女性集会が持たれました。約400人の女性たちが結集し、米軍基地の全面返還を求める要請を決議しました。これ以上の人権や人間としての尊厳を侵害することは許されません。これ以上の犠牲も許されません。女性たちの切実な要請・要求に対して知事の所見を伺います。
(3)、識名トンネル建設工事で県が国に返還した約5億8000万円について、仲井眞知事や請負業者に損害賠償を求めた住民監査請求で、県監査委員は2012年11月26日、県に勧告を出しました。県の損害を返還金の利息7178万円と認定し、関係職員や請負業者に補塡のための再調査など必要な措置を講ずるように勧告しました。今後の県の対応について伺います。
2、雇用・若者支援について。
(1)、県は労働政策の一環としてグッジョブ運動等に取り組んでいますが、労働基準法第15条で規定されている「労働条件の明示」が県内の事業所でどのようになっているのか伺います。また、「労働条件通知書」の交付の徹底について、労働行政としてどのように指導を進めているのか伺います。
(2)、労働相談の中で、最近、県外からの企業による事業所等において、労働法規違反の事案が見られます。この3カ年間で県外資本によって起業した事業所数はどれぐらいあるのか。また、県内事業所数との比較はどうなっているのか伺います。
(3)、シングルマザーらを対象に実施した在宅支援事業が思うような成果を上げていないというのが実情です。その批判を受けています。3億円もの税金をかけてやった事業の効果が、大半の人が月収1万円程度の収入しか得られないとのことですが、なぜそうなったのか詳細を伺います。もっと効率のよい支援事業はなかったのでしょうか。
3、県工事での地盤沈下問題について伺います。
(1)、那覇市首里末吉町の河川改修工事が3回も延長され、工事費も当初の約8300万円から2倍近い約1億5500万円になったとの記事――タイムスです――がありました。工法の見きわめなどが当初から甘かったのではないでしょうか。責任はどこにあるのか伺います。
(2)、住民から「住宅の壁や家具にひび割れが生じた」と苦情があるようですが、どのくらいの被害が出ているのでしょうか。どこが責任をとるのか伺います。
4、脱法ハーブについて伺います。
(1)、若者の間でいわゆる脱法ハーブの広がりが懸念されています。現在の状況について伺います。
5番、我が会派の代表質問との関連についてですが、1番目に、いじめ問題について伺いたいと思います。いろいろアンケート調査などもしておられるようですが、どのような頻度でやっているのか、もっと具体的なことを教えていただきたいと思います。
それからあと1つ、トイレ問題についてですが、この問題も結構大変な大切な問題だと思っておりまして、小・中・高における和式・洋式の比率とかそこらあたりがわかれば教えてください。小学校の古い校舎は圧倒的にまだ和式が多いと聞いていますので、そこらあたりもあわせてお願いいたします。
以上です。
○知事(仲井眞弘多) 狩俣信子議員の御質問に答弁をいたします。
まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、基地の全面撤去についてという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
米兵の犯罪により県民が被害者となる事件が立て続けに発生し、特に、女性や少年が被害者となる事件が発生したことは地域住民に大きな不安を与えるものであり、極めて遺憾であります。10月16日の集団強姦致傷事件の発生を受け、翌日、直ちに防衛大臣、外務副大臣、そして駐日米国大使、内閣官房副長官等々に対し強い遺憾の意を伝えるとともに、県警への捜査協力及び一層の綱紀の粛正を強く求めたところであります。しかしながら、その後も事件・事故が発生し、綱紀粛正や再発防止策は不十分であると考えており、米軍に対する県民の信頼は大きく揺らいでいると考えております。
次に、脱法ハーブについての御質問の中で、違法ドラッグの現状についてという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
沖縄県内の違法ドラッグを販売していると疑われる店舗の数は、平成24年11月末現在で13店舗であります。
違法ドラッグは店舗のみでなく、インターネット等で販売されていることから、若年層でも容易に入手できる状況にあります。このようなことから、沖縄県では販売店舗等に対し、県警察と合同で立入検査を実施するなど指導を強化しております。また、学校等において薬物乱用防止に関する講習会を行っております。
沖縄県といたしましては、今後とも県警察等関係機関と連携をし、薬物乱用防止対策を講じてまいることといたしております。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、日米地位協定の改定についてお答えいたします。
日米地位協定の見直しについて、県は、これまであらゆる機会を通じて要請活動を展開してきたところであります。これまで、政府は運用の改善で対応するとしておりますが、県としては、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、米側に裁量を委ねる形となる運用の改善だけでは不十分であり、地位協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。県としては、今後とも軍転協や渉外知事会とも連携し、さらには関係閣僚への直接の面談による要請や訪米での要請など、あらゆる機会を通じ、日米両政府に日米地位協定の見直しを求めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(當銘健一郎) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、識名トンネル工事契約問題における監査委員の勧告に対する県の対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
識名トンネル工事契約問題における住民監査請求について、去る11月26日に監査委員より、監査結果の報告書を受領いたしました。現在、報告書の内容を精査しているところであり、その結果を踏まえて対応を検討したいと考えております。
次に、県工事での地盤沈下問題についての御質問の中で、安謝川河川改修工事の工法変更等についての御質問にお答えいたします。
県発注の安謝川河川改修工事は、既設護岸背後の那覇市道側に新設の護岸を整備し、河川を拡幅するものであります。施工方法については、当初土質調査の結果等から土どめ工事を行わずに掘削する工法をとっておりました。しかし、実際に掘削を行ったところ、市道に埋設された下水道管等の保護砂などの影響により掘削面が安定せず一部崩落したことから、施工の安全性、周辺住宅への影響を防ぐために仮設土どめ工事を追加したものであります。その結果、工事費と工期に変更が生じたものであります。
次に、同じく住宅の壁等の被害状況と責任の所在についての御質問にお答えいたします。
安謝川河川改修工事に隣接する住宅等のひび割れに関する苦情につきましては、建物等の調査を専門の業者へ委託しており、現在はその調査結果の取りまとめを行っているところであります。
工事の施行による建物等の損傷が発生したと認められた場合は、県と施工業者が協力してその処理解決に当たってまいります。
以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 雇用・若者支援についての御質問の中で、労働条件の明示についてお答えいたします。
平成23年に沖縄労働局が1387事業所に定期監査を実施したところ、労働条件通知に係る違反が179カ所、違反率は12.9%となっております。県としましては、沖縄労働局と連携し、季刊誌――これは春夏秋冬年4回の季刊誌でございますが――「労働おきなわ」の発行や「労働大学講座」の開催等を通して、労働基準法を初めとした諸法規の啓発、周知に努めているところでございます。
次に、県外資本により起業した事業所数等についてお答えいたします。
平成21年に総務省が実施した「経済センサス基礎調査」によれば、平成18年から平成21年にかけての3年間に、県内で新設された事業所数は7305事業所となっております。その中で、県外資本かどうかについては調査の項目に入っておらず、県外資本の事業所数については特に把握しておりません。なお、平成23年に沖縄労働局が1387事業所に定期監査を実施したところ、就業規則に係る違反が140カ所、労働時間管理に係る違反が246カ所、安全基準に係る違反が243カ所、割り増し賃金に係る違反が210カ所となっておりますが、県外資本による事業所かどうかについては、沖縄労働局では統計をとっていないとのことであります。
以上でございます。
○福祉保健部長(崎山八郎) 雇用・若者支援についての御質問の中で、ひとり親家庭等在宅就業支援事業についてお答えいたします。
ひとり親家庭の親が仕事と子育ての両立を図るためには、在宅就業が効果的な施策の一つであると考えております。そのため、資格取得希望の多かったITを用いた在宅就業に向けての能力開発、環境づくりを図るため、ひとり親家庭等在宅就業支援事業を実施することとしたものであります。当該事業により、受講生のIT技能の向上や在宅就業支援体制の構築などが図られ、ひとり親世帯の就労意識の向上と在宅就業の可能性が広がりましたが、収入が低額にとどまるなどの課題もあります。在宅就業については、在宅就業者としてひとり立ちするまでには時間がかかることから、受注を拡大するシステムの構築と継続してスキルアップを図ることが重要であると考えます。このため、今後も沖縄県在宅就業支援センターが業務の開拓や在宅就業者に対する技術支援を行っていくこととなっております。
以上でございます。
○教育長(大城 浩) 我が会派の代表質問との関連についての御質問で、無記名のアンケート調査についてお答えいたします。
いじめアンケート調査は、多くの学校で毎月の「人権の日」等に実施されております。平成23年度、学校で認知されたいじめのうち、9.3%はアンケート調査により発見されております。無記名式アンケート調査は、いじめが深刻であるほど被害者がその事実を言えないこともあることから、児童生徒の実態をしっかり把握するために実施されております。調査項目には、被害者及び加害者の視点のほか、いじめられているのを見たことがないか、最近表情が暗く元気のない子がいないかなど第三者の視点での設問を設け、早期発見・早期対応に努めております。
次に、トイレの和式・洋式の割合等についてお答えいたします。
教育生活の環境向上を図るため、トイレ環境の改善は重要であると認識しております。小中学校における和式・洋式の割合に関する統計はありませんが、改築等、建物を新たに整備する際は一般的に洋式化されているところでございます。県立学校におきましても、改築等の際、学校からの要望を踏まえ、基本的に洋式を整備しており、高校60校中22校において洋式が半数以上を占めており、高校全体での洋式の割合は約44%となっております。
県教育委員会としましては、今後とも快適な学習環境を確保するため、学校施設の整備に取り組んでまいります。
以上でございます。
○狩俣 信子 御答弁ありがとうございます。
まず、知事の政治姿勢についてのことからお伺いしますが、先ほどから日米地位協定の問題が出ているんですね。非常に大切な問題で、しかも御答弁は、あらゆる機会を使っていろいろやっているというこの努力はわかるんですよ。私はこれは県の知事の問題だけじゃなくて、全県民挙げて運動をしていかない限り、この問題はもう本当にどうしようもないところまで来ているんだろうというふうに思っているわけです。そういうことで、ぜひ先ほどもいろいろ言っていました、玉城満さんからもブログを使ってやったりとか、インターネットを使ってやったりとかいろんなのがあると。私はこういうことを一生懸命やる対策チームみたいな、日米地位協定についてのいろんな人も集めて、そういうものも立ち上げて全国に、そしてアメリカにぜひ発信していくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○知事公室長(又吉 進) 日米地位協定の見直しが遅々として進まないという認識は、恐らく議員と県は共通する部分があろうかと思っております。
いろいろな方策を講じるべきだという御趣旨だと思いますけれども、確かに県民の中にも大変こういう声が高まっておりまして、その運動が広まっているという中で、県は行政としましてこれまで知事公室の中に担当者がおりまして、さらに渉外知事会、軍転協とも連携をするという体制をとっているわけでございます。いずれにしましても、これは日米間の条約を変えさせるというような試みでございまして、この関係団体と十分連絡をとりながら一生懸命やっているということでございます。
チームのあり方につきましては一定の体制をとっているというふうに考えておりますけれども、さらに必要な市町村との連携等についてはまた考えてまいりたいと思っております。
○狩俣 信子 努力していらっしゃることはよくわかるし、担当者の皆さんがいらっしゃるというそこらあたりは心強い部分があるんですが、ただ、今これはなかなかそこらだけでは進んでないというのが実態としてあるわけで、アメリカ軍はもういろいろ悪いことをしたって逃げ込めば終わりよみたいなものもあるわけですから、私はいつまでもこういう不安定な状況にいるというのは本当に大変だと思うんですよ。ですから、この不平等の条約をまず直していかなくちゃいけない。そのためには、沖縄県民も総力を挙げてやらなくちゃいけないし、本土の政府にもしっかり、知事も渉外知事会でやっていらっしゃるというのはわかるんですが、しかしそれだけでは、これまでずっとずっとやってきてもう本当に変わらない状況があるわけですから、私たち女性たちは本当に我慢ができないというところまであるんですね。だからこれは県の皆さんだけの問題ではなくて、県民挙げてやらなくちゃいけない。この思いがあるものですから、担当者がいるというのはわかるんですが、もっともっと広げてやらない限り、日米地位協定なんていうのはいつまでたっても不平等なままで残ると思うんです。きょうも在日米軍のアンジェラ司令官が、地位協定は平等なんてぬけぬけと言うわけですよ。こういうことをいつまでも続けさせたらいけないわけで、やっぱりもっと私たちの強力な取り組みが求められていると思うんです。そういう意味で、知事にもここらあたりのやっぱり強力な体制づくりというんですか、日米地位協定を変えるためのそこらあたりにぜひ取り組んでいただきたいと思って、これは私たちも全部協力してやらなくちゃいけないことなんですよ。そういうことでぜひ前向きに御検討いただけますか、知事。
○知事(仲井眞弘多) 今、知事公室長が答弁したようなある種の難しさがどうしても我々行政を担当する側には制約というか抑制をせざるを得ない部分がないわけではないんですが、ただ、議員のおっしゃっていることは非常によくわかるし、我々も何かいいやり方というのをもう一度原点に戻るといいますか、戻って対応・対策を考える必要があるということは実は我々自身もよく感じております。ですから、民主党さんがスタートしたときには、改定を提起するというのに実は大変期待をかけていたんですが、あのままになってしまったという点も残念ではあります。ただ、この点については国会の議員の中にもかなりの人が必要だという人も実はおられるものですから、いろんな形でこれを前に進めるやり方については、私たちもいろいろなるべく早く言及して行動に移したいと思っておりますので、ぜひまたいろんな御提案がありましたらいただければと思います。
○狩俣 信子 ありがとうございます。
次、(2)点目の、女性団体が抗議集会をやりました。今回、県のほうもその女性の暴行に対する被害者ワンストップ支援センターを立ち上げるということもありますので、非常に私はこれは心強いと思っているんですね。
沖縄の女性・子供たちが被害を受けるんですが、実は今回アメリカ側のイラクで戦争を体験してきて向こうで傷ついた米兵たちをお呼びしてイラク帰還兵の話を持ちました。そのときにアーロンさんとアッシュさんという人が来て――30歳と31歳なんですが――イラクでの物すごい戦争体験。あちらで何があったかというと、イラクの女性や子供たちを物としか見ない。この言葉が恥という言葉で言っていたんですよ、恥。最初何なんだろうと思いました。そういう人たちは恥の部類だから木の椅子と一緒よと、何も気にすることないんだということで、要するに最初は爆撃を受けて車の中で苦しんでいる女性がいて車をとめて助けようとしたら、上官があんな恥のことは放っておけと。だんだんだんだんこの人たちは心も人殺しの心に変わっていくわけですよ。そういうことをやってきて、このイラクから帰ってきた皆さんが、やっぱりあの戦争はだめなんだと。戦争はイラク戦争だけじゃない、いろんな戦争はだめなんだということで話をしているんですが、イラクや沖縄の人々を人間として見ていない。そのように見ないように訓練されることで自分自身も人間性を失っていくんだという話をしておりまして、こちらで若い人たちが来て訓練するんですが、ホームシックにもかかるし、20歳前後の子供たちですからやっぱり訓練するならアメリカ本国ですよ。何もここに連れてくることはないんですよ。アーロンさんたち帰還米兵たちが反戦の運動を行っている。私たちはそういう人たちともつながりながらここらあたりも沖縄から基地をなくす運動、これをやっていきたいと思ったんですが、実はこの女性抗議集会、残念ながら来ていなかったのが、知事、自民党だけでした。公明党さんも来ました。超党派に呼びかけたんです。島尻安伊子さんにも電話しました。けれども来なかったんです。だからそういう意味では、知事は支持していらっしゃるとおっしゃいましたけれども、こういう超党派でやるときは私は正直言って多くの女性たちが結集してもらいたいなと思いました。これからも女性たちがこれ以上の犠牲はもうできないよと、もう米軍基地要らないよという声を上げ続けていこうと思っていますので、また知事も一緒に基地撤去、基地は要らない。そこらあたりも連携をしてお願いしたいと思います。これはもう要望だけです。
次、識名トンネルの件についてですが、これは勧告に対して何とおっしゃいましたか。内容を精査してその結果でやるという話でした。これはいつまでにやるおつもりですか。
○土木建築部長(當銘健一郎) 勧告につきましては措置期限というものが定められておりまして、これが平成25年の5月31日ということになっております。
○狩俣 信子 では年明けてからということですね。でも住民側は、これはもう何か提訴するというふうに新聞にも載っていますので、やはりこれはどういうふうな対応をするのかということを県は問われていると思います。その時点でまた何かありましたら改めてお伺いします。
ちょっと休憩。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後1時58分休憩
午後1時58分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
○狩俣 信子 労働相談の中で、県外資本によるというのがあるんですが、実は相談を受けたのが他府県から来た人が企業を経営するわけですけれども、そこで働いている沖縄の子供たち、その子たちに対して物すごい暴言も吐くし、これじゃ勤務時間が長くてきついからもう続かない、やめると言ったら、あんたそういうことを言ったら裁判に訴えるよとかこういうひどいことを言うわけですよ。社長みずからが本人にどなって電話をかけてくる、ある意味では脅しですよ。そういうことが行われている実態があるわけですから、これは本土か誰かわからないなんておっしゃっていましたけれども、そこらあたりきちっとした指導が恐らく必要じゃないかと思うんですが、それについていかがですか。
○商工労働部長(平良敏昭) いろんな労働相談が労働基準局には来ていると聞いていますけれども、ただ県内資本か県外資本かについてはなかなか把握するものがなくて私どももそういう数値を持っていないということです。県内資本、県外資本にかかわらずやはり労働者のそういう身分あるいは生活、労働条件、そういうものをきちんと守るべきことだと認識しております。この間、県のほうで誘致した企業、この3年ぐらいで五、六十社ちょっと超えていると思うんですが、直接私どもにそういうような情報は来ておりません。ですから、県は労働講座とか各地域で実施したりして、その労働者の皆さんのそういう働く条件、権利含めてこういうものをきちんと周知しながら、そして問題があればちゃんと労基署等に相談するようにということで、そういう取り組みをしているところでございます。
○狩俣 信子 実態としてこういうものがあって、県のほうには報告ないかもしれないんですが、相談している私たちには来るわけですから、こういう実態があるということは見過ごしてはいけないと思います。
それからあと1つ、先ほど労働条件通知書とかの問題で、1387事業のうちの179カ所がされていないというお話でした。この後の指導はどうなっていますか。
○商工労働部長(平良敏昭) これは労働局が実施した調査ですけれども、当然違反した者については改善命令等を出してちゃんとその報告を求めて改善に向けて取り組みを進めているとそういうふうに聞いております。
○狩俣 信子 先ほど賃金とかその他いろいろおっしゃっていましたね。そこらあたりも全て指導済みだと受けてよろしいですか。
○商工労働部長(平良敏昭) 賃金問題についてはやはりその経営状況とかいろいろな問題もあって、指導しても実態として不払い等があった場合になかなか原資がないという状況がありますので、これが全て解決されたものとは今のところ認識はしておりません。
○狩俣 信子 次行きますが、先ほどの首里末吉町の工事で土どめ工事をせずにやっていたということなんですよね。そこらあたりは最初から見きわめが甘かったということになりませんか。
○土木建築部長(當銘健一郎) こういった河川の拡幅工事の掘削などを行うときには、工事に入る前に地盤の調査をいたします。土質調査ということで通常はボーリング調査などをやるわけですけれども、やはりこの地盤面下、見えない部分について何本か打ったボーリング調査の結果に基づいて推定をするわけです。そのとき、今回はそのボーリング調査の結果を見ますと、土どめが要らないと、安定しているという結果でございましたので、土どめ工事なしに掘削をいたしましたところ、予期していなかった下水道管などがございまして、その下水道管を取り巻くように保護砂という割ともろい部分がございましてそれの崩落によって沈下したと。沈下の規模は、全体が120メートルぐらいある中の22.5メートルぐらいで幅が4.5メートルぐらいと。最大沈下量では10.5センチメートルで、現在は毎日沈下量を測定しておりますけれどもとまっているという状況でございまして、見きわめが甘かったのではないかということでありますけれども、確かに地盤を推定するという過程において100%推定し切れなかったという部分があろうかと思います。
○狩俣 信子 下水道管の埋設があったということも知らなかったということですか、最初。
○土木建築部長(當銘健一郎) はい、わかりませんでした。
○狩俣 信子 だから、そこらあたりが見きわめがどうだったのかと私は思っているわけですよ。それとして、こういう形でなったときは、もう2回、3回工事するわけですが、責任はどこにあるんですか。どこにもないんですか。
○土木建築部長(當銘健一郎) まず工事を始める前に周辺の住宅については全て調査を入れております。そしてこういった沈下がございましたので、その後も既に調査を入れてその調査は終わっております。現在、調査結果を取りまとめておりますので、その結果、工事に起因する例えば住宅のひび割れでありますとか、ふぐあいでありますとかそういうものがあれば、これは発注者である県と施工業者である建設会社と協力して責任を持って対応させていただきます。
○狩俣 信子 そこらあたりがもうちょっと詳しく知りたかったんですが次に行きます。住宅の壁や家具にひびが入ったとか、そこらあたりは専門家に今調査を依頼していると。その後のその責任というのは県と業者が負うとおっしゃいましたね。これでよろしいんでしょうか。
○土木建築部長(當銘健一郎) 工事の施工に何らかの瑕疵があれば業者の責任も免れられない部分がございますけれども、発注者としての県の責任もございますので、工事に起因する、先ほど申し上げましたようにひび割れでありますとか、ふぐあいでありますとかというものがあれば、県と業者のほうで協力して対応させていただきます。
○狩俣 信子 脱法ハーブは後にしまして、いじめの問題でちょっとお尋ねします。
先ほどいじめについてはいろいろ対応していらっしゃるということで、本当に教育庁の努力もよくわかりますが、ただいじめ調査、頻度として年に何回ぐらいやっていますか。
○教育長(大城 浩) いじめアンケート調査は先ほど答弁したように、毎月「人権の日」というのがありまして、多くの学校ではその「人権の日」を活用しながら調査をしております。
○狩俣 信子 では毎月各学校でやっているというふうに受けとめてよろしいですか。わかりました。お疲れさまです。
それであと1つ、これはいじめが9.3%、アンケート調査でわかったということですね。ということからしても、やはりこのアンケート調査というのはこれからもずっと続けていかなくちゃいけないのかなと思ったりしているんですが、このアンケート調査で発見された大きないじめというんですか、そこらあたりはどんなものがありますか。
○教育長(大城 浩) 今回アンケート調査をしていく中で、重大な事態に至るおそれがあるのもございました。重大ないわゆる事態といいますか、そういったことにかかわるような事案もございまして、これは合計18件ございました。小学校で5件、中学校で9件、高校4件、特別支援学校はゼロでしたけれども、そういう中で私ども全て対応済みでございまして、その重大な事案に対応した子供たちはもう既に登校している状況でございます。
以上でございます。
○狩俣 信子 さっき知事からお答えいただきました脱法ハーブ、違法ハーブですが、学校とかあちらこちらで乱用に対する講習をしていらっしゃるというお話でしたけれども、学校ではどのような形でされていますか。
○教育長(大城 浩) 私どものほうといたしましても、学校においては薬物乱用防止教室といいますか、薬物乱用防止教育という視点から実はさまざまな取り組みをしておりまして、一例を申し上げますと、例えば県立学校の保健主事の研修会を持ったり、あるいは地区別に薬物乱用防止教室の研修会を持ったり等々いろんな防止のための対応をさせてもらっております。また、学校における薬物乱用の緊急対応マニュアル、そういったものも策定いたしまして、その活用を研修会を通しながらやっている状況でございます。
○狩俣 信子 ありがとうございます。
実は私は保護司の仕事をしているんです、知事。7年になるんです、保護司をして。その間でやっぱり麻薬の件とかシンナーとかいろいろありまして、実は刑務所まで会いに行くんですよ。その中で言えるのは、こういう麻薬とか脱法ハーブもそうですが、そういうのはもう幼少期のころからきちっと教育しないと、30歳、40歳になってもこういう形で刑務所にいるもんですから、やっぱり麻薬というのは常習性も出てきますので、学校の取り組みとか、県警の取り組みとかそこらあたりはしっかりお願いしたいと思っております。県警の方で何かありましたら、この脱法ハーブについて。ありますか。
○警察本部長(村田 隆) 議員おっしゃったとおり、やはり売るほうも、知事から申し上げたとおり13店舗ございます。ここに県と県警で合同で立ち入るというのをまず第一の大きな業務としております。
それから、やはりおっしゃったとおり、小学校・中学校・高校に対する教養というのは大事でございますので、県教育庁と合同で教養を実施しております。
○狩俣 信子 あと20秒はサービスです。ありがとうございました。
○玉城 ノブ子 日本共産党の玉城ノブ子でございます。
最初に米軍基地問題について質問を行います。
(1)、日米両政府は、県民総意を踏みにじり米海兵隊輸送機MV22オスプレイを普天間基地に強行配備しました。オスプレイ撤去を要求する県民の怒りと運動が広がっています。オスプレイの飛行訓練は、日米合同委員会の安全対策も全く無視して保育所や学校、病院、公共施設等の上空で低空飛行訓練を繰り返し、県民を不安と恐怖に陥れていることは絶対に許されません。さらに、12月から本格運用することを明らかにしています。県は、この飛行訓練の実態をどう認識していますか。直ちにオスプレイ撤去の運動を起こしていくべきではありませんか。
(2)、オスプレイが強行配備され、さらに米兵による女性暴行事件、男子中学生への暴力事件等相次ぐ米兵犯罪に県民の怒りは頂点に達しています。米兵犯罪に抗議する女性集会では、「沖縄に基地がある限り、沖縄から米兵犯罪をなくすことはできない、沖縄の女性、子供の人権、生命を守ることはできない。基地を撤去せよ。」との抗議の訴えが相次ぎました。知事は、この県民の声を受けとめ、日米両政府に米軍基地撤去を求めていくべきではありませんか。
2、介護保険制度について。
ことし4月から介護保険制度が大幅に値上げされ、月5000円を超える保険料に悲鳴の声が上がっています。介護が必要と認定されながら、利用料を負担することができずにサービスを利用できない高齢者がふえ続けています。多くの高齢者が介護の必要性ではなく、重い利用料負担によって受けるサービスの内容を決めざるを得ない状況になっています。特養ホームに入所を申し込みながら待機している高齢者もふえ、2年から3年待ちが当たり前になっています。「保険あって介護なし」の状態を根本的に変えていくことが求められております。
(1)、沖縄県の第1号保険者の保険料と全国との比較について伺います。
(2)、県は、独自の支援策を実施して介護保険料の引き下げと減免制度をつくるべきであります。
(3)、特別養護老人ホームの待機者数と増設計画について伺います。
3、県産品の優先使用について。
(1)、県産品の優先使用は、生産と雇用の拡大に大きくつながることが明らかになっています。沖縄県産品の優先使用を積極的に推進することについての知事の御所見を伺います。
(2)、沖縄県は、「県産品の優先使用基本方針」で、県は公共工事で使用する製品、資材の優先使用を促進するための公共工事の特記仕様書の中で「県内で生産製造された製品を優先使用する」旨を明記していますが、公共工事で県産品の使用比率はどうなっておりますか。比率を高めるための具体的な取り組みについて伺います。
(3)、学校、病院、福祉施設及び各部局で使用する物品の調達に当たっては、県産品を優先使用するとなっています。使用比率と比率を高めるための取り組みについて伺います。実施状況についてお答えください。
4、地産地消の推進、農水産物加工施設の建設について伺います。
沖縄の産業振興を図っていく上で農業、水産業、地場産業の振興は重要な位置を占めています。しかし、沖縄の農業、水産業に従事する人口は毎年減少し続け、その結果、食料自給率も低下しています。農業、水産業の衰退に歯どめをかけ振興を図っていくためには、農水産物の輸入を規制し価格保障制度や台風時の災害補償制度の確立など、農漁業の将来に展望が持てるような制度の充実が求められています。それと同時に農水産物、地場産業の販路拡大に力を入れること、学校給食やホテル、旅館での積極的な活用など県産品の県内での新たな市場拡大に本腰を入れることが大切です。
(1)、地元農水産物の全小中学校での給食の食材、県観光産業での使用状況はどうなっていますか。使用率を高めるための具体的な対策について伺います。
(2)、農水産物の高付加価値化、新たな商品の加工・製造を促進するために、JA、漁協への農水産物加工施設の建設について伺います。
(3)、農水産物地場産業の積極的な活用を進めるためには、生産、流通、販売、消費の連携がとれるようなシステムづくりと供給体制の確立が求められています。県としてどのように指導、促進を図っているかお答えください。
(4)、県産品の販路拡大については、啓蒙宣伝活動も重要であります。ITやインターネットも活用した幅広い啓蒙活動を行い、積極的に販路拡大を進めていくことが重要です。見解をお伺いいたします。
5、住宅リフォーム助成制度の実施について。
県は、住宅リフォーム助成制度は地域経済の波及効果が高い、沖縄振興特別推進交付金の活用を検討しているとのことですが、実施時期について伺います。
6、台風16号、17号による農林水産業被害への支援について。
台風15号、16号、17号と連続する台風襲来により農林水産業が甚大な被害を受けています。台風16号は国頭を中心に多くの漁港が被害を受け、台風17号は強風と塩害でサトウキビ、葉野菜類、オクラ、ニンジン、菊等の農業用施設に甚大な被害をもたらしました。毎年繰り返される台風被害で農水産業の生産意欲が失われかねない深刻な事態になっています。農林水産被害へ支援の強化が求められています。
(1)、台風16号、17号の農業、漁業への被害総額について伺います。
(2)、被災した漁港施設整備、漁船補修について伺います。
(3)、露地栽培(オクラ、菊等)のビニールハウスの整備について伺います。
(4)、再生産に必要なビニールハウスの資材、苗、肥料等への支援について伺います。
(5)、かんがい施設未整備地区の整備を促進すること。
(6)、借入金の返済猶予を金融機関等に申し入れること。
(7)、無担保・無保証人、無利子、低金利の融資を行うこと。
(8)、台風被害農作物の価格保障制度や台風時の災害保障制度の確立について伺います。
(9)、台風に強い園芸、施設整備の強化を図ること。
(10)、農業共済の加入状況、給付実績、円滑な運用を実施するための支援について伺います。
(11)、台風常襲地域の沖縄の農林水産業を支援するため一括交付金を積極的に活用していくべきであります。答弁を求めます。
7、青年就農給付金事業について伺います。
(1)、給付金の申し込み件数、認定件数について伺います。
(2)、青年就農者を認定する前提になっている地域農業マスタープラン「人・農地プラン」の進捗状況はどうなっていますか。
(3)、給付金対象希望者が全員給付を受けることができるよう受給要件を緩和し、予算増額を図ることについて伺います。
8、性犯罪被害者の相談支援のワンストップ支援センターの設置について伺います。
9、県道那覇糸満線の潮平部落入り口の冠水被害について。
県道那覇糸満線の潮平部落入り口で、11月に集中的に降った大雨で冠水被害が起きています。人の腰の上までつかるほどの冠水で車の中にまで水が入り込み、運行中の車3台が使用不能になる事態が起きています。近くに住んでいる住民は、潮平の高台から物すごい勢いで水が流れ込んでいた。車に乗っている子供たちを避難させるのに精いっぱいで、身の危険を感じたと訴えています。
(1)、県道那覇糸満線の潮平部落入り口の冠水被害はこれまでも繰り返し起きていて、2年前に対策会議も開催しているとのことですが、どういう対策がなされてきたのか答弁を求めます。
(2)、地域住民は、以前より冠水被害がひどくなっていると訴えています。冠水被害の抜本対策について伺います。
10、糸満市高嶺交差点の改良工事と冠水被害対策について伺います。
以上です。
○知事(仲井眞弘多) 玉城ノブ子議員の御質問に答弁をいたします。
まず第1に、県産品の優先使用についての御質問の中で、県産品の優先使用推進についての御質問にお答えいたします。
沖縄県では、中小企業の活性化と雇用の拡大を図るため、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」を策定いたしますとともに、産業まつりの開催や県産品奨励月間の実施を通じまして消費者意識の啓発に努めているところであります。また、沖縄総合事務局と沖縄防衛局につきましては、直接訪問をし要請もいたしております。
沖縄県といたしましては、今後とも関係団体と連携をして、県内企業への優先発注及び県産品の優先使用に取り組んでまいる所存でございます。
次に、地産地消の推進、農水産物加工施設の建設についての御質問の中で、インターネット等を活用した農林水産物の販路拡大についての御質問にお答えいたします。
沖縄県では、インターネットの普及に対応して、県産農林水産物消費拡大のための情報発信事業等におきましてインターネットを活用し、これまでに県産食材を活用したレシピ情報等を発信するサイト、そして第2に、島野菜等に関する情報を集めた伝統的農産物データベースなどを構築し、インターネット上で公開いたしております。今年度は、主な県産農林水産物を英語や中国語で紹介するサイトを公開することといたしております。
沖縄県といたしましては、引き続きインターネットの積極的な活用によります県産農林水産物の販路拡大に取り組んでまいる所存でございます。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 米軍基地問題についての御質問の中で、オスプレイの飛行訓練についてお答えいたします。
オスプレイについては、安全性の確認や県民の不安が払拭されていないことから一貫して配備の見直しを求めてまいりました。しかし、再三にわたる中止要請にもかかわらず配備が強行されたことは極めて遺憾であります。
県としては、現在、市町村と連携してオスプレイの飛行実態や運用等の確認を行っているところであります。オスプレイについては、今後、運用の活発化が懸念される中、県民の不安は一向に解消されておらず、配備計画の見直しと配置分散の実施などを引き続き政府に求めてまいります。
次に、基地の全面撤去についてお答えいたします。
米兵の犯罪により県民が被害者となる事件が立て続けに発生したことは極めて遺憾であり、米軍の再発防止策の実効性に疑問を持たざるを得ません。米軍に起因する事件は一件たりともあってはならず、これらの事件が多発していることにより、県民の米軍に対する信用が失われているものだと考えております。
県としましては、ワーキングチームでの議論や米国政府への直接要請など、あらゆる機会を通じて綱紀粛正、再発防止がより実効性を伴うものとなるよう強く求めていきたいと考えております。
以上でございます。
○福祉保健部長(崎山八郎) 介護保険制度についての御質問の中で、介護保険料の全国との比較についてお答えいたします。
第5期介護保険事業計画の期間となる平成24年度から26年度までの県の平均保険料は5880円となっております。全国の平均保険料は4972円となっており、県の平均保険料が908円上回っております。
次に、介護保険料の軽減に対する県独自の支援策についてお答えいたします。
介護保険は、介護を国民みんなで支え合うという理念に基づき運用されており、介護費用は、保険料と国・県・市町村の公費負担も含めてそれぞれの負担割合が定められております。第1号被保険者の保険料については所得段階別に定められており、低所得者に対しては負担軽減が図られております。このような制度運用において、保険料の引き下げや減免については介護保険制度において講じられており、県が独自の支援等を行うことは適当でないと考えております。
次に、特別養護老人ホームの待機者数と増設計画についてお答えいたします。
特別養護老人ホームの入所申込者数は、平成23年10月末時点で約2200人となっており、そのうち、施設入所の必要性が高い高齢者は約1000人となっております。
県としましては、入所待機者の解消を図るため、平成26年度までに沖縄県高齢者保健福祉計画に基づき、特別養護老人ホーム等を1056床整備することとしております。
以上でございます。
○土木建築部長(當銘健一郎) 県産品の優先使用についての御質問の中で、公共工事で県産品の使用比率と比率を高めるための具体的な取り組みについてという御質問にお答えいたします。
県が発注する公共工事においては、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき、特記仕様書に「本工事で使用する資材等のうち、沖縄県内で生産、製造され、かつ、規格、品質、価格等が適正である場合は、これを優先して使用する。」と明記し、県産資材の優先使用に努めているところであります。特に、鉄筋、セメント、アルミサッシ等の主要資材については、請負業者に対し県産品の使用状況報告を義務づけており、これらの資材の昨年度の県産品使用率は、鉄筋で99.8%、セメントで99.9%、アルミサッシ97.6%となっており、高水準の使用状況となっております。
県としては、引き続き請負業者に対し工事着手前の使用資材計画を確認するなど、県産資材の優先使用に取り組んでまいります。
今後も関係機関と連携し、県産品優先使用を推進してまいります。
次に、住宅リフォーム助成制度の実施についての中で、助成制度の実施時期についての御質問にお答えいたします。
住宅リフォーム助成制度は、地域経済への波及効果が高いと考えられることから、沖縄振興特別推進交付金や社会資本整備総合交付金の活用を含め事業の可能性について検討を行い、平成25年度以降、実施に向け取り組んでいきたいと考えております。
次に、県道那覇糸満線の潮平入り口の冠水被害についての御質問の中で、冠水対策についての御質問にお答えいたします。9の(1)と9の(2)は関連しますので一括してお答えいたしたいと思います。
那覇糸満線の当該地域は、道路が周辺より低いことや海抜も低く満潮時には排水機能が低下することにより冠水しやすい地域となっております。これまでに県・糸満市、地元自治会が冠水対策について意見交換を行っており、道路の応急対策として、側溝の詰まりを解消し、早目に排水処理ができるようグレーチングを7カ所増設しております。しかしながら、その後も道路冠水は発生していることから、今後、地域排水の管理者である糸満市や関係機関等と連携して抜本的な対策を考えてまいります。
次に、糸満市高嶺交差点の改良工事と冠水被害対策についての御質問にお答えいたします。
当該交差点については、交通混雑を解消し路線バス等の運行改善や歩行者の安全利用を図るため改良工事を行うことにしております。なお、現道の冠水は排水溝の詰まりや雑草の影響と考えており、堆積土砂の撤去や除草等を行うことにしております。
以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 県産品の優先使用についての御質問の中の、物品調達における県産品の使用比率と比率を高めるための取り組みについてお答えいたします。
県の物品調達につきましては、物品調達基金による集中調達を行っており、可能な限り県産品を優先するよう配慮しているところであります。平成23年度における物品調達基金による発注総額は約2億2500万円で、このうち県産品発注額は39.1%の約8800万円となっております。
なお、学校、病院、福祉施設等の物品調達額について関係部局に確認したところ、物品調達額は総額で31億円以上ありますが、この中に占める県産品の割合の把握はできておりません。
今後、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき、各部局と連携し実態把握に努めてまいります。
以上でございます。
○教育長(大城 浩) 地産地消の推進、農水産物加工施設の建設についての御質問で、学校給食の県産食材の使用状況と対策についてお答えいたします。
学校給食における県産農水産物利用率は、平成22年度で31.9%であります。使用率を高めるための具体的な対策としては、県産食材を活用したゴーヤーチャンプルー等の郷土食を提供しております。
県教育委員会としましては、引き続き各種研修会や県産品奨励月間における県産品活用の啓発を行うとともに、県農林水産部等関係機関と連携し、県産食材の積極的な活用を促進してまいります。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 地産地消の推進、農水産物加工施設の建設についての御質問の中の、観光産業における県産食材の使用状況と使用率を高める対策についてとの御質問にお答えしたいと思います。
沖縄県が平成21年度に実施した「観光産業実態調査」によると、観光関連産業の飲食部門における県産食材の使用率は48.5%となっております。一方で、県が毎年実施しております「観光統計実態調査」によると、土産品の購入動機として「沖縄らしさ」が上位に挙げられ、また、「道の駅」の訪問率が向上するなど県産食材等のニーズが高まっており、これらの積極的な活用は沖縄観光の魅力向上と消費拡大に貢献するものと考えております。
県としましては、県産食材を活用する飲食店や土産品等について、沖縄観光コンベンションビューローと連携し積極的な情報発信を行うとともに、観光客のニーズに対する観光事業者の理解を深めることにより、県産食材等の使用率向上に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(知念 武) 地産地消の推進、農水産物加工施設の建設についての中の、農水産物加工施設の整備についての御質問にお答えします。
沖縄県では、農林水産物の高付加価値化、新たな商品の加工、製造を促進するため、JAや漁協などと連携し、モズク、熱帯果樹、薬用作物などの加工施設の整備を推進しているところであります。具体的には、JAおきなわのハーブセンター、有限会社グリーンフィールドのカット野菜施設、JAおきなわの青果物パッキングセンター、東村のパイン等総合農産加工施設、今帰仁村の「きのこセンター」などを整備しております。平成24年度は、南城市において部分肉処理加工施設(ミートパッケージセンター)、北大東村において水産加工処理施設の整備を行っております。
今後とも、農水産物加工施設の整備を推進し、農水産物の高付加価値化や新たな商品の加工、製造を推進してまいります。
次に、同じく地産地消の推進、農水産物加工施設の建設についての中の、生産、流通、販売、消費の連携がとれるようなシステムづくりについての御質問にお答えします。
沖縄県では、生産、流通、販売が連携した地産地消を推進するため、生産者と消費者の交流拠点として農林水産物直売所を活用し、今年度より直売所を核とした県産食材消費拡大事業を実施しております。具体的には、JAファーマーズマーケットのように学校給食等への供給に成功している事例の収集・普及、現在、学校給食センターやホテルと取引がない直売所を対象としたマッチング支援、新聞配達の配送車両を活用し、直売所から学校給食及びホテルへ食材を配達する実証試験などに取り組んでおります。
今後とも、各種事業の実施を通して地産地消を推進してまいります。
次に、台風16号、17号による農林水産業被害への支援についての中の、台風16号、17号による農林水産業の被害額についての御質問にお答えします。
平成24年9月に相次いで襲来した台風16号、17号は、サトウキビや露地野菜、菊などの農作物、漁船や漁港施設などの水産業、農道・林道及び山腹の崩壊など、本県農林水産業に大きな被害をもたらしております。被害額につきましては、台風16号が約12億8000万円、台風17号が約27億円となっております。
次に、被災した漁港施設整備、漁船補修についての御質問にお答えします。
台風16号、17号の高波等により、漁港及び漁港海岸施設等が被害を受けております。災害復旧事業につきましては、11月19日から21日にかけて国頭村、東村、宜野座村及び宮古島市の災害箇所の査定を完了しており、12月中の復旧工事の着工に向けて取り組んでおります。渡名喜村、浦添市、恩納村及び伊江村の災害箇所の査定につきましては、12月4日から7日にかけて行っているところであります。復旧工事については、年度内の完成を目指して取り組んでまいります。また、漁船や漁業関連施設の被災のうち、漁船被害については漁船保険の補塡により操業を再開しております。さらに、漁業関連施設は火災共済による修繕を行い、そのうち国頭村安田漁港の製氷施設は11月中に修理を終え、ソデイカ漁等への供給が始まっております。
次に、同じく台風被害の中の、災害に強い栽培施設の整備についての御質問にお答えします。この質問の6の(1)ウと6の(1)ケは関連しますので一括してお答えします。
沖縄県の農業振興を図るためには、台風等の自然災害の影響を受けにくく計画的・安定的に農作物を供給する産地を形成することが重要であります。このため、平成24年度より沖縄振興特別推進交付金を活用した災害に強い栽培施設の整備事業を創設し、農作物栽培施設の整備を図ることとしております。具体的な整備内容は、強化型パイプハウス等の整備、マンゴー・果菜類等の果実落下防止のためのハウス内の二重カーテンの整備、防風林が整備できない圃場における防風ネット等の整備、台風通過後の塩害防止のための散水施設の整備、排水不良圃場における暗渠排水施設の整備などを行うこととしております。
今後とも、市町村などの関係団体と連携し栽培施設の整備を促進し、災害に強い農業の振興に努めてまいります。
次に、再生産に必要なビニール等資材の支援と台風時の災害補償制度の確立についての御質問にお答えします。6の(1)エと6の(1)クは関連しますので一括してお答えします。
県としましては、台風等により生じる園芸施設の損壊やビニールの破損等の被害に対する備えとして、農業災害補償法に基づく農業共済へ加入することで農家経営の安定を確保することが重要であると考えております。そのため、沖縄振興交付金を活用した沖縄型農業共済制度推進事業を今年度から開始し、共済加入率向上に取り組んでおります。当該事業では、共済事業の周知や損害防止技術の普及活動等を支援するとともに、農家の営農資材等の購入や農作業委託等に係る経費の助成を行っております。これらの支援により共済に加入する農家が増加し、台風等による農業被害を受けた場合であっても共済金が支払われることで農家経営の安定が図られるものと考えております。
次に、かんがい施設未整備地区の整備についての御質問にお答えします。
かんがい施設の整備による安定的な農業用水の確保は、収益性の高い作物への転換や生産性の安定向上を図る上で不可欠なものであります。国営本島南部地区のかんがい施設については、平成23年度までの採択ベースで対象農地となる1352ヘクタールに対し705ヘクタール、率にして約52%の採択率となっております。本島南部地区のかんがい施設については、効率的な水利用の観点から圃場整備後に実施してきたところであります。しかしながら、圃場の1筆当たりの面積が小さいことや、農家の高齢化等の要因により圃場整備の合意形成が図りにくくなっております。そのため、かんがい施設の未整備地区については、営農形態や整備水準等のニーズを把握した上で、今後の整備の方針等について糸満市等の関係機関と連携を図りながら検討してまいります。
次に、借入金の返済猶予についての御質問にお答えします。
県においては、沖縄公庫等の金融機関に対し、台風被害農家の既貸付金の償還猶予等について特段の配慮を行うよう申し入れたところであります。沖縄公庫やJAおきなわとしては、台風被害農家を対象として、希望に応じて償還猶予を行うと聞いております。
次に、無担保、無保証人、無利子の融資についての御質問にお答えします。
沖縄公庫やJAおきなわにおいては、農林漁業セーフティネット資金や台風災害等復旧支援資金等の災害資金を融資する際、担保・保証人について弾力的に運用すると聞いております。
県としましても、沖縄公庫やJAおきなわ等関係機関と連携を図り、農家の経営支援に努めていきたいと考えております。
次に、農業共済の加入状況、共済金支払い見込み額等についての御質問にお答えします。
沖縄県では、農家経営の安定を図るためには、基本的に農業共済へ加入する必要があると考えております。そのために沖縄振興特別推進交付金を活用した沖縄型農業共済制度推進事業を今年度から開始し、共済加入率向上に取り組んでおります。平成24年産の農業共済加入状況は、農作物共済は863ヘクタール、畑作物共済は5215ヘクタールとなっております。また、随時加入の園芸施設共済は11月末現在108ヘクタール、1453棟となっております。台風16号、17号による加入農家の被害に対する共済金の支払いについては、農作物共済で2050万円、畑作物共済で2億7400万円、園芸施設共済で5080万円が支払われる見込みとなっております。
次に、農林水産業の支援における一括交付金の活用についての御質問にお答えします。
沖縄県は、本土と比較して台風の接近回数が約3倍と多く、たび重なる台風により本県農林水産業は大きな被害を受けております。そのため、県としましては、沖縄振興交付金を活用して、農作物の安定生産のためのハウスの導入など災害に強い栽培施設の整備、潮害や風の影響による農作物やハウス等の被害を軽減するための農地防風林の整備、農家経営の安定化のための沖縄型農業共済制度推進事業の推進などを実施しているところであります。
今後とも、沖縄振興特別推進交付金等の各種制度を活用して台風など気象災害に対応し、持続的で安定した本県農林水産業の振興を図ってまいります。
次に、青年就農給付金事業についての中の、給付金の申し込み件数、認定件数についての御質問にお答えします。
青年就農給付金事業は、県が研修計画を承認し給付する「準備型」と、市町村が経営開始計画を承認し給付する「経営開始型」の2つのタイプがあります。「準備型」においては、申し込み件数及び認定件数が27件となっております。「経営開始型」は30市町村を予定しており、11月末時点で19市町村で認定しております。その内訳は、172件の申し込みに対し134件を承認しております。残り38件については給付要件の確認をしている途中で、要件を確認し次第、追加承認することとしております。また、11市町村については現時点で50件の申し込みがあり、申請を確認の上、早急に計画の承認をすることとしております。今年度は、準備型で27件、経営開始型で220件程度を見込んでおりますが、要件を満たしている申し込み者に対しては、給付金を給付できるよう関係市町村と調整してまいりたいと考えております。
次に、「人・農地プラン」の進捗状況についての御質問にお答えします。
沖縄県内の農業振興地域36市町村のうち27市町村が平成24年度に「人・農地プラン」の作成を予定しております。県においては、市町村に対し、「人・農地プラン」作成事業の補助を行うとともに、市町村、JA等の関係機関で構成する推進会議及び地区支援チームを設置し、市町村の「人・農地プラン」作成に対する指導・支援を強化しているところであります。この結果、既に国頭村、本部町、沖縄市、竹富町において「人・農地プラン」が作成され、12月末までに合わせて22市町村がプランを作成する予定であります。
次に、青年就農給付金の受給要件緩和及び予算増額についての御質問にお答えします。
青年就農給付金事業については、特に経営開始型の給付要件については、親元就農時の5年以内の経営継承や三親等以外からの農地の賃借など本県での現状に照らして厳しい要件となっていることから、要件緩和について市町村からの意見が出ております。このため、県においては、九州知事会等を通して親元就農の場合の支援要件緩和など制度の弾力的運用を行うとともに、必要な予算額を確保することを国へ要望しているところであります。
以上であります。
○環境生活部長(下地 寛) 性犯罪被害者の相談支援のワンストップ支援センターの設置についてお答えいたします。
性暴力被害者が治療や相談等の支援を1カ所で受けられるワンストップ支援センターの設置につきましては、犯罪被害者等基本法に基づき策定された「第2次犯罪被害者等基本計画」で位置づけられております。全国では、大阪府、愛知県、東京都、佐賀県、北海道にワンストップ支援センターが設置されており、その運営主体は民間、地方公共団体等で、形態は病院拠点方式、相談センター拠点方式などとなっております。
県としましては、ワンストップ支援センターの設置に向け、県内で性暴力被害者支援を行っている団体などと話し合いを行っているところであり、今後、関係団体を含めた検討会議を立ち上げ、支援センターの設置に向けた検討を行いたいと考えております。
以上でございます。
○玉城 ノブ子 どうもありがとうございました。
まず最初に、性暴力被害者の相談から必要な支援までを1カ所で行うワンストップ支援センターの件なんですけれども、設置に向けた検討会議を本年度中に発足をさせたいというふうな答弁がありました。ぜひ積極的な推進をよろしくお願いしたいというふうに思います。
支援センターの設置を望む各団体の皆さんからさまざまな意見が出ております。24時間365日体制のホットラインの設置、診療費などの公的援助等も当事者の視点に立った支援を求めているわけですね。ですから関係団体の皆さんの意見・要望が反映できるようなものにしていただきたいというふうに考えます。関係する団体も入れた検討会議にするということでしたので、ぜひそういう関係する皆さん方の意見・要望が反映できるようなセンターとして必要な検討会議、協議会等を設置をしていただいて、この皆さんの意見が反映できるようなものにしていただきたいということを再度要望したいんですけれども、答弁をお願いします。
○環境生活部長(下地 寛) 既にもう1回は会合を持ってどういう形で今後進めるかという話し合いもしております。ちなみに、話し合いの機関ですけれども、強姦救援センター・沖縄とか、県の男女共同参画センターとか、それから公益社団法人の沖縄被害者支援結センター、いわゆる現在でもそういう性犯罪の被害者の相談窓口になっている皆さんが、自分たちの今までの経験をもとに話し合いをしています。これらの団体が一緒に話し合いをすることによってよりいい形でこのワンストップ支援センターができないかどうかというふうに我々は考えておりますので、その方向で進めていきたいと思います。
○玉城 ノブ子 ぜひ積極的な推進をよろしくお願いしたいと思います。
次に、青年就農給付金制度でありますけれども、申請をしてもなかなか認定が受けられないというふうな訴えも寄せられております。申込者が予想以上にふえているということも聞いておりますけれども、予算が不足をしているということで農業を始めたいという青年がたくさんふえている中でかなり厳しい要件がつけられているというふうなことも出ております。ですから、後継者不足に悩んでいるこの沖縄で農業を続けたいと、農業をやりたいという青年がたくさん出てきていることは大変いいことだし、それを推進していかなくちゃいけないというふうに思います。そういう意味ではぜひ要件緩和を求めていただきたいというふうに思います。要件緩和をしてそれにふさわしい予算をふやして、農業を志す青年全員が認定を受けられるようなそういう仕組みにしていただきたいと思います。再度ぜひこれに対して強い要望をしていく必要があるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○農林水産部長(知念 武) 今答弁したとおりでございますが、要件の中でやはり親元就農でありますとか、その要件以内に農地が確保できないとかという状況もあって要件に合致しないというふうなこともあります。県としましては、先ほども述べましたが、九州知事会等を通して既に要望を出しておりますので、今後ともまたそのお願いをしながら予算の確保を進めていきたいと思います。
○玉城 ノブ子 ぜひ沖縄の農業後継者不足を解決するためにもこれは非常にいい制度でありますので、農業を志す青年たちが申請したら、全てそれが認定につながるようにぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
それでは次に、県産品の優先使用の問題なんですけれども、アルミと鉄筋、セメントについては優先使用比率が非常に高まってきているというふうなことなんですけれども、そのほかの製品についての使用比率の掌握はなさっていないんでしょうか。それ以外はどうなっていますでしょうか。
○土木建築部長(當銘健一郎) それ以外の製品について御紹介をいたします。プラスチック製のパイプ66.1%、鋳物製品61.1%、コンクリート二次製品100%、ワイヤーメッシュ100%、FRP浄化槽100%、高架水槽あるいはPCの桁などは各100%、アルミ型材については43.8%、こういうふうに把握してございます。
○玉城 ノブ子 ちょっと休憩願います。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後3時2分休憩
午後3時2分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
○玉城 ノブ子 病院、福祉関係、その他の公共施設での県産品の使用比率が掌握されてないということなんですけれども、これについてはやっぱり使用比率をしっかりと調査をして掌握していく必要があると思うんですが、どうでしょう。
○商工労働部長(平良敏昭) おっしゃるとおりそういう努力は当然していきたいと考えております。ただ、病院とか福祉施設等のリネン等、こういうものは当然県内の企業を使っているわけですけれども、それ以外のいわゆる備品類、沖縄県で製造されてないような機器類が多数あるものですから、その辺はなかなか県内の企業を通して納入はできても、製品そのものは県外産というケースがほとんどですので、いずれにしましても優先使用基本方針に基づいて各部局にきちんと再度徹底をしていきたいと、このように考えております。
○玉城 ノブ子 実は、沖縄県工業連合会が前に経済効果の調査研究報告書を出しているんですよね。それを見ると自給率が変化した場合の経済効果なんですけれども、食料品、木製品、家具、印刷、出版、鉄製の製品、金属製品の6種類で県産品の使用割合が3%及び6%伸びた場合の生産誘発型、雇用者誘発者数をシミュレーションしているわけですね。それによると、3%向上の場合は生産誘発型が374億8417万円、雇用誘発型が5918人で、6%では生産誘発型が803億6956万円、雇用誘発者数が1万1851人というふうになっているんですよね。これから見ると、県産品の優先使用が生産と雇用に大変大きな役割を果たしているということが出ているわけです。ですから、ぜひこれは沖縄県のまず公共工事の中、沖縄県の各施設、それぞれで県産品の優先使用の比率を上げていくということは、この経済効果、雇用誘発効果から言って大変大きなものがあるというふうに思うわけです。ですから、そのためにはやっぱりしっかりと使用比率がどうなっているかということを各分野にわたって掌握をすると同時に、私は計画をきちんと持つ必要があるんじゃないかというふうに思います。その計画に基づいてこの分野で、この製品で何パーセントまで引き上げていく、次の年度は何パーセントまで引き上げていく、そういう計画を持って、その使用率を引き上げていくためには何が課題になっているのか、何を解決していかなくてはならないのかということで具体的な計画を持って進めていく必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○商工労働部長(平良敏昭) 工業連合会のそういう調査は当然承知しております。先ほど土木建築部長からも答弁いたしましたけれども、県内の製造業というのは公共工事関係の素材系、例えば鉄筋だとかあるいはセメントだとかアルミとか、こういうものに対しては基本的には100%使用を目指しているわけです。要は、それ以外の例えば病院等の場合は、高度なそういう診断機器とかそういうものは残念ながら沖縄県ではつくってないということで、どうしても県外産に頼らざるを得ないということがございます。ですから、この辺を振り分けて、例えば病院だとリネンとかいろんな食材供給、あるいは学校でもそうですね。そういうものがありますので、その辺をちょっと区別して少し各部局とどういう取り決めができるか、やるべきか、この辺を少し具体的に議論していきたいと考えております。
○玉城 ノブ子 公共工事の資材については。目標と計画を持つ必要があるんじゃないかという……。
○土木建築部長(當銘健一郎) 私ども基本的に県産品については県内で製造・生産されるものについては使うようにということでございます。先ほど商工労働部長のほうからもお話がございましたとおり、鉄筋、セメントとかアルミサッシはもうほとんど100%に近いという状態まで来ております。それ以外の例えば鋳物製品など、あるいはプラスチック製のパイプといいますのは特殊物がございまして、実は県内では製造されてないということですので、これは100%に持っていくことがなかなか難しい部分もございます。しかし、公共工事ではきちんとした資材を計画的に使うものについて、工事に入る前にチェックするなどしまして、県産品の使用について今後また推進していきたいというふうに考えております。
○玉城 ノブ子 県産品の優先使用の問題については、それぞれ商工、観光、土建のほうにもかかわっています。それ以外にもかかわってくると思いますので、その使用比率を高めるための協議会、それを立ち上げてきちんとした使用比率を高めるための目標と計画を持って、そしてその計画を引き上げるための具体的な課題についてもやっぱり議論をして推進を図っていくということが私は必要だろうというふうに思っております。ぜひそれについては協議会等を立ち上げて、優先使用を推進するための課題がどうなっているのか、具体的に目標をどこまで到達させていくのか、それぞれの製品ごとにそういう目標を持ってきちんと優先使用を積極的に推進していく必要があるというふうに思うんですが、どうでしょうか。優先使用についての知事の……。
○知事(仲井眞弘多) 県産品の優先使用、県産品の利用については昔からの議論で大分よくなってきたとは思いますが、議員のおっしゃった御提案をきょうは伺わせていただきまして、改めて協議会などが必要かどうか、また関係部局とちょっと相談をさせてください。
○玉城 ノブ子 最後に、米兵犯罪の問題についてなんですけれども、オスプレイが強行配備をされて米兵犯罪が頻発するというふうな状況が起きています。本当に女性や子供の人権、尊厳が踏みにじられる。命や安全が脅かされるというふうな事態が続いているわけです。多くの女性たちが、これは基地がある限りこの米兵犯罪をなくすことはできないというふうに訴えています。皆さんの答弁は、綱紀粛正、再発防止策というふうなことをおっしゃっておられますけれども、これまでもずっとそういうことを皆さん方は言ってきたんですよね。でも、この再発防止、綱紀粛正では何の解決にもならないということがこの間のことで明らかになっているんです。
日本共産党が米総領事館に米兵犯罪の抗議の申し入れを行ったときに、マグルビー米総領事は、米兵犯罪はもう100%基地がある限りなくすことはできないということを言っているんですよ。沖縄に基地がある限り米兵犯罪をなくすことはできない。県民や女性や子供たちの人権、安全、県民の命を守ることができないということが明らかになっているのではないかというふうに私は思います。やっぱりこの沖縄から基地をなくしてほしいというこの県民の、女性や子供たちのこの思いに応えていく必要があるんじゃないかというふうに思います。知事、最後にこの米兵犯罪の本当の再発防止は、沖縄から基地を撤去させる以外にないというふうに思うんですが、その答弁をお願いします。
○知事(仲井眞弘多) 基本的に犯罪をなくすというのは世界共通どこでも当然のことであります。ですから、これはこれできちっとした内容を米軍にしてもらうのが必要でありますし、日米両政府の責任でもあると私は思っております。ただ、基地の全面撤去ということとは少し意味合いが違うのではないかとも思っております。
○議長(喜納昌春) 20分間休憩いたします。
午後3時12分休憩
午後3時40分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
髙嶺善伸君。
〔髙嶺善伸君登壇〕
○髙嶺 善伸 こんにちは。
連日、米軍基地の過重な負担に対する議論が続いております。
昨日、午前9時過ぎ、那覇空港から県議会棟までタクシーに乗りました。沈埋トンネルを出たところで、那覇市の上空をオスプレイがヘリモードで飛んでおりました。運転手さんが、またあの危険なオスプレイが飛んでいると、沖縄はどこの国かね。あれがあっちの海に落ちたらそのときが撤去できるんじゃないかという話をしておりました。大変責任を感じて、県民の不安をこれ以上放置できないなという決意をしながら来たわけであります。
通告に従って一般質問を行います。
1、知事の政治姿勢についてであります。
①、日本政府によると在沖米軍は、「日本防衛に必要な抑止力」と説明しております。開示された外交文書が8月1日の琉球新報で報道されましたが、米国高官の発言として「日本の防衛ということなら沖縄はいらない。沖縄の基地を必要とするいわれは極東の安全のためである」という内容でありました。最近、米国内でも在沖海兵隊不要論などさまざまな報道がなされております。去る4月27日の日米安全保障協議委員会でも、在沖海兵隊のグアム、オーストラリア、ハワイ、北マリアナ諸島への分散移転等の検討が発表されました。私は、一昨年、北マリアナ連邦を訪問し意見交換をしてまいりました。テノリオ下院議長やテニアン市のデラクルズ市長や地域評議会の皆さんから、テニアン島への海兵隊移転について沖縄からも日米両政府へ働きかけるよう支援の要請を受けました。北マリアナ連邦議会は普天間基地の在沖海兵隊のテニアン島への誘致を全会一致で決議をいたしております。在沖米軍、特に在沖海兵隊の抑止力と国外移転についての仲井眞知事の所見をお伺いいたします。
②、在沖米軍基地問題解決について。
ア、太平洋戦争をきっかけに銃剣とブルドーザーで建設された在沖米軍基地は、主権国家とは言いがたい治外法権的な運用がなされてまいりました。10月23日の沖縄タイムスは、社説の見出しに「沖縄は軍事植民地か」と論評したほどであります。これは、米兵が女性を襲い集団強姦事件を犯したことで、沖縄県議会が10月22日の臨時会で、本土復帰後米軍絡みの事件・事故に対する100件目の抗議決議をしたことに関連して言及したものであります。復帰後、昨年末までに米兵等による刑法犯は5747件に上り、異常事態であります。「軍事植民地」同様の在沖米軍についての仲井眞知事の認識をお伺いします。
イ、去る11月13日、都道府県議会議員研究交流大会があり、第3分科会で東日本大震災被災県の福島県議会の取り組みが報告されました。福島県は原発事故の影響もあって、いまだに16万人が自宅に帰れず、6万人は県外に避難しているとのことでありました。福島県内の原子力発電所で東京の65%の電力を供給していると言われ、一極集中的な福島県への過重な負担から県民の命と安全を守るために脱原発、再生エネルギーヘの転換を目指した復興ビジョンを策定したとのことでありました。沖縄県においても国土面積の0.6%しかない県土に74%の米軍専用施設が一極集中的に押しつけられており、過重なそして危険な米軍基地負担を容認するわけにはいきません。県民の声、日米両政府が発表した安全基準を無視して危険きわまりない飛行を続けるオスプレイは絶対許されないというのが県民の総意であります。
そこで、県民の命と安全を守るために沖縄県は脱軍事基地ビジョンを策定して、そして日米両政府初め全国民へのアピールが必要ではないのか、知事の認識をお伺いいたします。
2、離島振興について。
①、離島振興法が5回目の改正・延長となりました。今回の改正で、「我が国の領域、排他的経済水域等の保全、海洋資源の利用、自然環境の保全等に重要な役割を担っている離島」が明記されるなど、離島振興に踏み込んだ条文が盛り込まれております。沖縄県は沖縄振興特別措置法が適用されるため離島振興法は適用外と位置づけられており、そこで改正離島振興法と沖振法での離島振興施策の比較についてお伺いいたします。
②、一括交付金による離島振興策について。
本土復帰後40年にわたる沖縄振興開発計面や沖縄振興計画に伴う沖縄振興事業費は、社会資本整備を初め産業振興や雇用面で大きな役割を果たし、あわせて離島振興も実施してまいりました。改正離島振興法では離島活性化交付金等の創設等も盛り込まれ、私がこれまで提言しておりました離島振興交付金制度が現実のものになったわけであります。沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興特別交付金いわゆる一括交付金は、本県の島嶼性を配慮した離島振興財源でもあると評価しており、ぜひ離島振興にこれまで以上に取り組んでいただきたいと思います。
ア、これまでの沖縄振興事業費と離島振興事業費の予算額の推移と成果についてお伺いいたします。
イ、一括交付金による離島振興関連(県・市町村)の主な事業、予算措置と今後の対応をお聞かせください。
③、沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業への取り組みについて。
今議会において沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業として2億7000万円余の補正予算が提案されております。離島住民の船賃や飛行機運賃の軽減措置が大きな効果をもたらしており、評価いたしたいと思っております。一方で、これまでも再三指摘してまいりましたが、児童生徒の航空運賃については団体割引運賃等が離島割引運賃より割高なために改善を求める声が大きく、石垣市議会からも要請が出されております。これまで教育長は、学校研修割引制度の活用との説明もあるが、全く具体的には改善されておりません。
そこでお伺いします。
ア、航空運賃低減事業の内容と効果について。
イ、児童生徒等の航空運賃低減拡充についてどう取り組むかお伺いいたします。
④、新石垣空港開港に向けての取り組みについてでありますが、ア、国内・国際線の就航予定と旅客・貨物の増加の見通しはどうなっているか。
イ、新空港のPRはどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
⑤、ゼロエミッション構築の現状と取り組みについて御説明をいただきたいと思っております。
3、農林業振興について。
①、本県のサトウキビ産業は全県的に栽培されている基幹作物で、農家の7割が栽培農家であります。特に離島ほど依存度が大きいのが特徴であります。国の「さとうきび増産プロジェクト基本方針」に対応してサトウキビの生産振興が図られてまいりましたが、一方では日本政府のTPP参加問題等で農家は大きな不安を抱えております。第3次沖縄県農林水産業振興計画における糖業振興の進捗状況と今後の具体的な施策についてお伺いいたします。
②、畜産振興について。
本県の畜産業は、農業生産額の約半分近くを占め、台風被害が心配される中で順調に飼育頭数等が伸びてきて期待されております。特に肉用牛生産は全国有数の産地として評価されており、今後の成長産業として期待しております。去る10月に長崎県で開催された第10回全国和牛能力共進会でも沖縄県からの入賞部門もあったと聞いておりますが、この大会についてはぜひ沖縄開催を求める声も多く聞かれております。離島ほど肉用牛生産が基幹産業として重要視されており、今後、枝肉出荷や飼料等輸送コストの低減や家畜伝染病への怠らない万全の対策が求められており、課題が山積しております。
そこでお伺いします。
ア、畜産業の現状と課題について取り組みをお聞かせください。
イ、和牛オリンピックとも言われる全国和牛能力共進会沖縄大会誘致への取り組みについてお伺いいたします。
ウ、口蹄疫等の家畜伝染病対策への対応についても御説明いただきたいと思います。
③、林業振興について。
最近、沖縄自動車道沿いの中北部一帯の松が例年以上に赤茶けている様子が見受けられ、松くい虫等の被害が拡大しているのか県民から懸念の声が寄せられております。
ア、松くい虫防除の現状と今後の根絶への取り組みについて伺います。
イ、リュウキュウマツの分収林等の現状と利活用への対応をお伺いいたします。
4、観光振興について。
本県の観光・リゾート産業は、ハワイを追い越し、あるいはまた東洋のハワイ、あるいは世界的な観光・リゾート地として持続的に発展することが期待されております。観光客のリピーターは約8割に迫る勢いで増加していると言われておりますが、一方では沖縄観光に比べるとハワイ観光のほうが滞在日数や1人当たりの消費額も多く、経済効果もはるかに大きいのが現状であります。沖縄観光は量より質への取り組みが必要とも指摘されており、来訪者の期待や満足度も踏まえた観光振興が求められております。
そこでお伺いします。
①、沖縄観光の現状と課題について。
②、量より質への政策拡充の必要性への認識と対応について。
③、人材育成の取り組みについてお伺いしたいと思います。
以上であります。
○知事(仲井眞弘多) 髙嶺善伸議員の御質問に答弁いたします。
まず第1に、離島振興についての御質問の中で、航空運賃の低減についてという御趣旨の御質問にお答えをいたします。
離島の振興は、県政の最重要課題の一つであります。離島の振興に当たっては、離島の果たしている役割に鑑み、負担をともに分かち合い、県民全体で支え合うという理念のもとに取り組むことが必要であると考えます。そのため、沖縄県では今年度から離島の割高な交通コストを低減する沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業を実施いたしております。その結果、航空路は約4割引、航路では最大約7割の運賃低減が実現いたしております。事業の効果といたしましては、航空路における利用状況が前年度比約40%の大幅増となっております。離島住民の経済的負担の軽減に大きく寄与しているものと考えております。
沖縄県といたしましては、離島住民の経済的負担の軽減など、離島地域の定住条件の整備に資する本事業につきまして国・市町村及び関係事業者と連携をし、推進してまいる所存でございます。
次に、観光振興に係る御質問の中で、沖縄観光の現状と課題についての御質問にお答えをいたします。
最近の沖縄観光につきましては、LCCの就航や日本オープンゴルフの開催など明るい話題もあって、観光客数は前年度実績を上回って推移いたしております。また、外国人観光客は、9月以降、尖閣問題、円高等の影響を受けておりますが、台湾や韓国からの新たな航空路線の就航などにより好調に推移いたしております。
沖縄県といたしましては、世界水準の観光・リゾート地を目指し、那覇空港第2滑走路の早期供用の実現に向けて取り組むとともに、観光人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、在沖海兵隊の抑止力と普天間基地の移転についてお答えいたします。
国は、防衛白書において、「在日米軍がわが国への侵略に対する抑止力」となり、「わが国に駐留する米海軍、米空軍、米海兵隊などが一体となって十分な機能を発揮する」としております。しかし、県といたしましては、これらの説明は具体的でなく、在日米軍基地の大部分を占める沖縄の米軍基地の役割や必要性について、これまで政府や国民全体で十分な議論がなされてきたとは言えないと考えております。現在、防衛省より示された「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」に対し再質問を行うなど、政府に対し十分な説明を求めているところであります。また、さきにワシントンDCにおいて開催したシンポジウムのパネリストから、在沖海兵隊は米本国へ移転させることが合理的であるといった意見も示されております。
沖縄の海兵隊は、日米安保条約における米軍兵力の一翼を担っていると理解しておりますが、沖縄の過重な基地負担の軽減のために、在沖海兵隊の削減は最も重要であり、その具体的な方策として、普天間飛行場の危険性の除去は、喫緊の課題であることから、日米両政府に対し、引き続き県外移設及び早期返還を求めてまいります。
次に、在沖米軍への認識についてお答えいたします。
在日米軍基地の大部分を占める沖縄の米軍基地の存在は、日米安全保障条約に基づき、国際の平和に貢献していると認識しております。しかしながら、県民の不安が払拭されないままオスプレイは配備され、また、頻発する米兵の犯罪により、県民の米軍に対する信頼は失われていると言わざるを得ません。このような事態が放置されることがあってはならず、日米両政府は全力を挙げて沖縄の基地問題の解決に取り組むべきであると考えております。
次に、沖縄の過重な負担解決についてお答えいたします。
県としては、これまで本県の過重な米軍基地の整理縮小に取り組んできたところであります。このため、既に合意されたSACO及び再編の実施のための日米ロードマップで示された約5300ヘクタールの基地の整理縮小を着実に進める必要があり、日米両政府に強く求めてきたところであります。県は、「沖縄21世紀ビジョン」の中で「基地のない平和で豊かな沖縄を目指す」ことを掲げており、御質問の脱軍事基地ビジョンについては、具体的な基地の整理縮小の施策を推進する上での御提言として受けとめさせていただきたいと思っております。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 離島振興についての御質問の中の、改正離島振興法と沖振法の比較についてお答えいたします。
離島地域の振興の基本方針等を定めた離島振興法が本年6月に可決、成立いたしました。今回の改正においては、離島が果たしている役割の重要性等に鑑み、離島振興に関する国の責務に関する規定が新設されたほか、住民負担の軽減等の配慮規定が充実し、離島活性化交付金が創設されております。一方、沖縄振興特別措置法では、離島振興法の規定は除外されておりますが、離島振興を含む沖縄振興施策の策定及び実施に当たっての包括的な配慮規定や、沖縄振興計画の円滑な実施について、国の援助義務が定められております。沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興計画である「沖縄21世紀ビジョン基本計画」においては、交通・生活コストの低減、生活環境基盤や交通基盤の整備、教育、医療、福祉の分野におけるユニバーサルサービスの提供など、離島における定住条件の整備や、離島の特色を生かした産業の振興など総合的な離島振興策を推進することとしております。また、今回の法改正により、沖縄振興交付金が創設され、離島における定住条件の整備など、沖縄固有の特殊事情に起因する課題の解決に向けて、より的確かつ効果的に施策を展開できる環境についても整備されたところであります。
次に、離島振興事業費等の推移と成果についてお答えいたします。
昭和47年度から平成23年度までの国の沖縄振興開発事業費は、合計で9兆2048億円となっております。予算額の推移は、第1次沖縄振興開発計画の計画期間である昭和47年度から昭和56年度までが1兆2492億円、第2次計画の計画期間である昭和57年度から平成3年度までが2兆1348億円、第3次計画の計画期間である平成4年度から平成13年度までが3兆3704億円、沖縄振興計画の計画期間である平成14年度から平成23年度までが2兆4503億円となっております。一方、沖縄県における昭和47年度から平成23年度までの離島振興事業費は、合計で2兆8961億円となっております。概算事業費の推移は、昭和47年度から第1次沖縄県離島振興計画の最終年度である昭和59年度までが4910億円、第2次計画の計画期間である昭和60年度から平成3年度までが5136億円、第3次計画の計画期間である平成4年度から平成13年度までが1兆1285億円、新沖縄県離島振興計画の計画期間である平成14年度から23年度までが7630億円となっております。これまでの離島振興の取り組みにより、離島における農業用水源施設、かんがい施設等の農業生産基盤が整備され、離島架橋や島内一周道路のほか、空港、港湾等の交通基盤が整備されております。また、光海底ケーブルの敷設による地上デジタル放送が視聴できる環境の整備、県立病院、診療所の整備など、社会資本の整備を中心に各方面にわたり、離島地域における住民生活の向上に一定の成果があったものと考えております。
一括交付金における県分の離島振興事業についてお答えいたします。
平成24年度における沖縄振興特別推進交付金を活用した県の離島振興事業の予算額は、107億円となっております。主な事業では、定住条件の整備に関連するものとして、離島の住民の割高な交通コストの低減を図るための事業に約16億8000万円、離島航路の確保・維持に向け、航路事業者の船舶建造等の経費の一部を補助する事業に約25億7000万円、小規模離島における介護サービスの提供確保、基盤充実を図るための事業に約8000万円、離島住民が島内で専門医の診察を受診できるようにするための事業に約5000万円などであります。また、離島の特色を生かした産業振興に関連する事業として、本土向けに出荷する農林水産物の輸送コストを軽減する事業に約2億3000万円、含蜜糖地域のサトウキビ農家及び製糖事業者の支援を図る事業に約39億6000万円、離島の特産品等の販路拡大を支援する事業に約7000万円などであります。
県としては、引き続き沖縄振興特別推進交付金を有効に活用し、離島住民が住みなれた島で安心して暮らし続けることができるよう、総合的かつきめの細かい離島振興策を推進してまいります。
一括交付金による離島市町村の事業についてお答えいたします。
沖縄振興特別推進交付金の市町村事業では、石垣市、宮古島市を含む15の離島市町村において、これまでに342事業、約58億円が内諾され、離島ならではの特色ある多くの事業が実施されております。主な事業は、「定住条件の整備の分野」では、負担が大きかった妊婦健診や専門病院受診のための交通費・宿泊費等の助成、島内で安心して生活ができるための人工透析施設の整備、天候の影響を受けやすい航路を補完するヘリによる空路移動手段の確保、Iターン受け入れや専門家招聘のための定住促進住宅の整備など、「子育て・福祉の分野」では、民間の参入が困難で保育や福祉サービスを受けにくい小規模離島における公立保育所の整備や総合的な社会福祉サービスの拠点整備など、「環境保全・防災の分野」では、太陽光発電施設の整備や、本土や沖縄本島からの遠隔性や離島の散在性などの地理的条件、沿岸部への住宅密集、観光客の避難誘導等の観点から防災無線施設や津波避難タワーの整備など、また、産業振興については、「観光産業の分野」では、離島の特色を生かした観光拠点の整備や植栽等の景観美化、観光情報発信や地域の誘客イベントの強化事業など、「農林水産業の分野」では、基幹作物であるサトウキビの生産向上を図るための薬剤の散布や農薬購入の支援、離島の農産物の特産品開発や販路拡大の支援、子牛生産体制強化のための繁殖雌牛の更新促進など、「教育の分野」では、学力向上のための学習支援員等の配置、情報教育充実のための電子黒板やデジタルテレビ等を整備するICT教育環境整備、離島の児童生徒が島外のスポーツや文化の各種大会等へ参加する場合の交通費や宿泊費の助成など、地理的・社会的な離島の条件不利性等を克服し、定住促進を図る観点等から、離島市町村や離島住民のニーズに対応した多岐にわたる事業が内諾され着手可能となっております。
県においては、離島市町村の事業の執行管理の強化を図るとともに次年度事業の立案を前倒しで調整・支援するための体制を強化したところであり、今後とも離島市町村のニーズに対応した事業がきめ細かく実施できるよう、取り組んでまいります。
以上でございます。
○教育長(大城 浩) 離島振興についての御質問で、児童生徒の航空運賃低減拡充についてお答えいたします。
県教育委員会では、派遣費補助について、これまで航空会社に対して「学校研修割引運賃」の設定及び引き下げを要望しているところであります。なお、市町村においては、沖縄振興特別推進交付金等を活用した事業により派遣費を補助しているところでございます。
県教育委員会としましては、今後とも市町村の補助事業の状況を踏まえ、関係部局とも連携し、どのような支援の方法があるか研究するとともに、今後「沖縄版 学校研修割引運賃」の設定について航空会社へ要望してまいります。
以上でございます。
○土木建築部長(當銘健一郎) 離島振興についての御質問の中で、新石垣空港の国内・国際線の路線拡充と旅客・貨物の増加の見通しについての御質問にお答えいたします。
新石垣空港につきましては、滑走路が2000メートルの本格的なジェット化空港となるため、石垣からの本土直行便や中型機の就航が可能となります。さらに、駐機スポット数が2スポット増加し、国内線ターミナルビルの敷地面積が現空港の約3倍となり、国際線ターミナルビルも新たに建設されるなど、国内・国際線の路線拡充に対し対応可能な施設となっております。また、県は地元石垣市などと連携し、国内線及び国際線の路線拡充や誘客に積極的に取り組んでおり、国内外の航空会社の現地視察など新たな動きも見られ、今後は旅客・貨物の増加が期待できるものと考えております。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(平田大一) 離島振興についての中の、新石垣空港開港に向けての誘客・宣伝の取り組みについての質問にお答えいたします。
新石垣空港につきましては、使用機材の大型化が図られることやCIQ設備を備えていることから、その開港により八重山地域への国内外からの誘客を拡大する環境が整うことになります。県では今年度、八重山ビジターズビューローや石垣市と連携しながらメディアを活用したキャンペーン、旅行会社や航空会社と連携したプロモーション、国内外の航空会社のチャーター便支援、各都市での観光PRイベントの開催等により、新石垣空港の開港をPRしつつ誘客の拡大を図っているところであります。あわせて、石垣市が中心となり発足した「国際線受入検討連絡会」にも参加し、地元と連携しながら国際線受け入れに係る課題の整理や解決の方向性を協議しているところであります。これらプロモーションや受け入れ体制の拡充を推進することにより、八重山地域への誘客を強化するとともに、同空港の開港当初からの円滑な観光活用を推進していきたいと考えております。
次に、観光振興についての中の、量より質への政策拡充についてとの質問にお答えいたします。
世界水準の観光・リゾート地の形成を図るためには、世界に誇れるおきなわブランドの確立や世界に通用する観光人材の育成などが重要と考えております。そのため、県としては、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」に基づき、沖縄の豊かな自然環境を活用した「環境共生型観光」や、文化遺産、空手、組踊、エイサー等の独特な文化・芸能を生かした「文化資源活用型観光」、それから温暖な気候を活用したスポーツ・ツーリズムなど付加価値の高い観光を推進してまいります。また、県民一人一人がしまくとぅばや伝統的な食文化、生活様式などの価値を尊重し、沖縄独自の感動体験を提供できる観光地づくりを目指すとともに、危機管理対策等にも取り組み、安全・安心・快適な沖縄観光を確立してまいります。
県としましては、これらの施策の展開により量的な確保も目指しつつ、質の高い観光地の形成に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、同じく観光振興についての中の、観光人材育成の取り組みについての質問にお答えいたします。
県では、観光人材の育成として、沖縄観光コンベンションビューローに設置している観光人材育成センターにおいて基礎的な接遇等に関する研修や、経営者向けのセミナーを実施するとともに、海外ホテルスクールへの留学支援等を行っております。さらに、今年度から新たに企業等が行う従業員向けの人材育成に関する研修への支援を行う観光人材基礎育成事業を実施しております。また、外国人観光客に対応できる人材の育成については、接客に関する研修を実施しているほか、新規事業として、外国人観光客受入人材育成事業及び中国人観光客受入支援事業を実施し、企業等が行う従業員向けの語学研修に対する支援を行っております。また、県としては、そのほかにも、県民一人一人のホスピタリティーの醸成のための取り組みも必要であると考えており、今後とも、関係機関と連携しながら、中長期的にわたり沖縄らしい豊かな感性にあふれた観光人材の育成に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
○環境生活部長(下地 寛) 離島振興についての御質問の中で、ゼロエミッション構築への現状と取り組みについてお答えいたします。
「ゼロエミッション・アイランド沖縄」構想は平成11年度に策定され、沖縄の豊かな自然環境の保全と社会経済活動とのバランスがとれた持続可能な社会の形成を目指して推進されてきましたが、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」の中で、循環型社会の構築及び低炭素島しょ社会の実現として位置づけ引き継がれております。こうした計画を踏まえ、具体的な取り組みとして、石垣島においては、今年度から2年間の計画で、木くずなどをバイオ燃料として発電するバイオマス資源活用コージェネレーションシステム構築事業を実施しております。宮古島におきましては、宮古島市と連携し、廃糖蜜を原料としたバイオエタノール混合ガソリンの製造・普及に向けて離島地域廃棄物高次利用推進調査事業を実施していく予定であります。また、沖縄電力が平成22年度に4メガワットのソーラー発電設備を同市に整備し、クリーンエネルギーの普及に向けた系統安定化対策の実証事業を実施しております。
県としましては、今後とも、ゼロエミッションの理念のもと、離島の振興に取り組んでまいります。
以上でございます。
○農林水産部長(知念 武) 農林業振興についての中の、糖業振興の進捗状況と今後の施策についての御質問にお答えします。
第3次沖縄県農林水産業振興計画における糖業振興につきましては、サトウキビの増産と製糖企業の経営体質強化を基本とし、各種施策に取り組んでまいりました。その結果、サトウキビ生産量につきましては大減産となった平成23年産を除いて平成22年産までは85万トン前後で推移しております。また、製糖企業の経営安定のため、気象災害等に対する助成や省エネルギー施設等の整備に対する助成による支援等に取り組んでまいりました。特に含蜜糖につきましては、需給バランスの是正、黒糖表示の適正化及び新たな含蜜糖工場の整備等を行い、沖縄黒糖のブランド化に取り組んでおり、需要は回復基調にあります。今後とも、サトウキビ生産並びに製糖企業の地域経済に与える影響が大きいため、サトウキビの安定生産に向け、担い手の育成や機械化一貫作業体系の導入等による増産対策、製糖企業の経営安定に向けた各種支援、沖縄黒糖の地域ブランドとしての確立に向け、安定生産や食の安全・安心への対応等について、関係機関と連携して取り組んでまいります。
次に、畜産業の現状と課題についての御質問にお答えします。
本県の畜産業は、肉用牛を中心に順調に進展し、平成23年度における畜産産出額は370億円と農業産出額の約46%を占めております。畜産振興上の課題としては、近年の配合飼料価格の高騰、畜産環境対策、価格安定対策及び家畜伝染病対策などがあります。県としましては、沖縄食肉価格安定等特別対策事業の活用、元気の出る畜産活性化プロジェクトの推進、沖縄振興特別推進交付金を活用した事業の確保などの取り組みを通して、沖縄の畜産業の課題解決に向けて積極的に取り組んでまいります。
次に、全国和牛能力共進会についての御質問にお答えします。
全国和牛能力共進会は、和牛の能力向上と改良の進展を確認するため、5年に1度、全国和牛登録協会が開催する和牛の祭典となっております。第10回大会は去る10月に長崎県で行われ、沖縄県は久米島からの出品牛が繁殖雌牛高等登録群の6区で過去最高の優等5席を受賞しました。次回、宮城県で開催される第11回大会に向けては、本県での将来的な開催も視野に入れ、関係機関と連携を図りながら、さらなる上位入賞を目指して取り組んでまいります。
次に、口蹄疫対策などの取り組みについての御質問にお答えします。
沖縄県では、関係機関などが連携して口蹄疫などの家畜伝染病の侵入防止対策を実施しております。主な取り組みとしましては、入国者への空港・港における靴底消毒、法律に基づく農場への立入検査、発生を想定した防疫実働訓練など県内の各地域で実施しております。特に、肉用牛が盛んな八重山地域においては、台湾からのチャーター便やクルーズ船が増加しており、口蹄疫の侵入が懸念されています。そのため、国は、家畜伝染病予防法に基づき、ことし4月に石垣港を、来年3月に新石垣空港を指定港に認定し、国の家畜防疫官の配置による監視を強化することとしております。今後とも、関係機関と連携し、口蹄疫などの家畜伝染病の侵入防止に万全な防疫体制を講じてまいります。
次に、松くい虫被害対策についての御質問にお答えします。
松くい虫防除対策については、森林病害虫等防除法に基づき、保安林等の公益的機能が高い松林を「保全松林」に指定し、薬剤散布や伐倒駆除及び薬剤樹幹注入を実施しております。また、保全松林以外の「その他松林」については、景観保全対策として、幹線道路周辺等においては、伐倒駆除及び薬剤樹幹注入を実施しております。これらの取り組みの結果、平成23年度の松くい虫被害量は9970立方メートルとなっており、平成15年度の被害量4万3980立方メートルと比較すると22.7%に減少しております。今後とも、松くい虫の防除対策については、国・県・市町村及び関係機関と連携して防除に取り組むとともに、天敵昆虫による防除技術や抵抗性松の研究などに総合的な対策を実施してまいります。
次に、リュウキュウマツの分収林等の現状と利活用についての御質問にお答えします。
分収林は、他人の土地に造林を行い、将来、土地所有者と造林者が収益を分け合う契約で、現在、県内には72件の分収林があります。このうち、石垣市においては、地域団体が石垣市有地に造林している分収林約300ヘクタールと、県が石垣市有地に行っている県行造林約53ヘクタールがあります。石垣市の分収林は、主にリュウキュウマツやイヌマキ等が造林されており、現在、樹齢約50年の充実した林分となっております。しかしながら、その活用がなされていないのが現状であります。現在、県行造林のリュウキュウマツ林は、樹齢が約45年で利用伐期に達していることから、今年度から利用間伐事業を行い、家具工芸材や土木用材として利用する予定であります。今後は、県行造林での間伐事業の成果を踏まえ、石垣市の分収林の利活用についても、市と調整しながら検討していきたいと考えております。
以上であります。
○髙嶺 善伸 知事の政治姿勢について知事から御答弁がありませんでしたので、再質問させていただきたいと思います。
まず県議会は普天間飛行場については県内移設反対、県外・国外移設ということで全会一致しております。知事の最近の答弁は、国外移設という言葉が抜けて専ら県外、国外移設がなくて県外移設になっているんですね。そういう意味では知事にとって早い解決方法は、県外移設と言っている背景には知事なりの見通しを持っておられるのか。国外移設については知事のお考えはどうなのか、これを先にお聞かせください。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後4時30分休憩
午後4時30分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) 私は、国外というのはたしか一度も言っておりません。かなり外交的な分野があって、私どもが人の国へ行ってあっちだこっちだというような性質のものではないということで、そういうある枠がやっぱりあると思うんです。ですから、日本国内の問題としてまず整理すべきだろうという考えでこれは変わっていません。
○髙嶺 善伸 国内移設が早い、県外だというには知事なりの見通しを持っておられますか。
○知事(仲井眞弘多) 私なりにといいますか、見当はないわけではありませんが、ただし人様の軍隊に賛成であれ反対であれ、条約に基づいて日本国にいるものを、本来これはすぐれて防衛省が場所だ行き先だというのは考えるべき彼らの仕事だと私は思っております。ですから、本来どこにどうするか我々は要求をし、その答えを出すのはすぐれて防衛省の仕事だと私は考えております。
○髙嶺 善伸 私は、九州各県にある航空自衛隊の基地あるいは米軍基地あるいはまた山口、北は北海道の千歳の航空隊の基地まで行ってまいりました。できるだけ各議長あるいは知事ともお話をすることにして、海兵隊の分散移転であるとか普天間飛行場の移設問題について率直な意見交換をしてまいりました。その点意外だったのは、どの県の知事も議長も、国からまだそういった打診を受けたことがないというような話なんですよ。私は実際に行って回ってそういう感じを受けましたが、知事は知事なりに全く当てがないというわけじゃないということですので、それなりに国内移設のある程度のルートなり情報を持っておられるんじゃないかと思っているんですよ。我々議会も知事も連携して、本当に国内の県外が移転可能なのかどうかについて、今後もう少し胸襟を開いて情報交換していくと思うんですが、知事、知事自体が知事会などやほかの他府県を訪問されていろんな情報を収集した範囲で県外移転というものはどのような状況に受けとめておられるのか、知事の情報をお聞かせください。
○知事(仲井眞弘多) 無論、こういう基地の移転とか変更とか場所をどうする、縮小する、拡大するというような話というのは知事会といえども各地の知事さんといえども、ある意味でこれは内々の話であって、ああだこうだというのをオープンの場で言うにはかなりこれは煮詰まってからの話だと私は思いますよ。ですから、これを今議員がおっしゃったように、あれはどうだこれはどうだ、今どこまでどういうふうに進んでいるかと言われても、これはまだ感触の段階を出てない部分がかなりあるというふうに申し上げるしかないと思います。
○髙嶺 善伸 私は、福島県が脱原発ビジョンとか打ち出して国民全体に理解と協力を求めたいということで復興ビジョンをつくったのは偉いと思っています。高く評価したいんです。
このように一極集中的な負担を持った県が、内外に国民全体にどういうアピールをするか、メーセッジ性が仲井眞知事にほしいと私は思っております。これについてはこれぐらいにしますが、これは議会の政務調査資料の「ありんくりん」というんですが、(資料を掲示) これの中に沖縄の海兵隊は本当に必要かということで、アメリカのシンクタンクの中にはもうそろそろいいころだろうということで、沖縄から海兵隊の移転について実際にいろいろ論じられている資料が我々議員にも配られております。今回の2プラス2の話の中にも海外移転の話がありました。知事はすぐれて外交分野だからと言わずに、国外移転の可能性についてもメッセージを持つべきだと思う。
それで私は北マリアナ連邦に行ったときに、もう上院・下院が全会一致、普天間の海兵隊を受け入れたいということで決議しているんですね。そういう意味では、これから沖縄県が発する情報に対する注目度は他府県の知事より大きいと私は思っているんですよ。ぜひそういう県民の負担軽減という意味では、知事はおっしゃらないかもしれないけれども、情報を大概持っておられるんじゃないかなと。私はハワイに行きましてもそういうふうな情報を受けましたよ。だから、できたら沖縄の海兵隊を受け入れてもいいというような話はあるんですが、すぐれて外交分野と言わずに知事自体が県外移設もさることながら、国外移設についても沖縄の負担はもうだめなんだということをはっきり今言うことが見直しにつながっていくと思うんですが、改めて知事の決意をお聞かせください。
○知事(仲井眞弘多) 私は、少なくとも普天間基地を一日も早くその危険性を除去・移設そして返還というのをしっかりとやっていきたい。頭からよけたことは全くありません。ただ、そういう中で、企業の工場移設とは性格が違うと私は思っているんです。ですから、我々が例えばフィリピン――別の国でもいいですよ――に行き、アメリカ国内の信託統治下にある地域へ行き意見交換を自由にすることは可能ですよ。だから、そのときに受け入れるというような話も出るかもしれません。だけど、現実のいわばある種の国のこけんにもかかわるような部分を持っている軍隊そのものを――企業の工場移設ならどんな自由な議論もできますが――それぞれの国に行って、あるかなり制約された立場の私たち知事というのがいかがですかというのは、自由な議論はできてもこれは基地を移設するというような防衛とか安全保障問題にそのまま各政府のテーブルに上がっていく状態に持っていかすためにいい方法かというと、私は必ずしもそういうやり方はかえって複雑にしかねないという予想・予感さえしております。
○髙嶺 善伸 ちょっとこれはもう残念です。話を変えます。
学校研修割引運賃にこれから要請してまいりますと、前の議会から教育長同じなんですよ。いいですか、離島割引運賃について、この一括交付金を利用してもう既に大人は9400円ですよ。ところが、小中学生の団体割引は1万2000円から1万6000円でしょう。何で子供が高いんですか。私は一括交付金で何とかできないのかということを提言しているんですよ。教育長が言っている学校割引運賃というのは、この改善につながらないんですよ。その辺をもう少し企画部交通政策課と教育委員会は連携をとらないと。何のために一括交付金で子育て支援をしていくのか、少しこの辺についてちょっとピンぼけのような気がする。もう少しこれが改善につながるのかどうか、教育長答弁してください。
○教育長(大城 浩) 先ほど答弁したとおりの見通しでございますけれども、実はこの沖縄版の学校研修割引運賃の件につきましては、これまでも要望してまいっております。ただ、航空会社との兼ね合いがございまして、航空会社のシステム改編といいますか、それが2015年の3月期に向けて2カ年前に申請をする必要があるとそういったことで、2013年の初頭には航空会社に要請できるように取り組んでいく今計画をしております。当然、関係部局とも連携をとりながら対応させてもらっていますけれども、基本的にはこの企画部が企画いたしました今回の制度につきましては、残念ながら団体割引が適用されないわけですね。そういったことがありまして、さまざまな視点から今教育委員会といたしましても関係部局と調整しながら取り組んでいるとそういう状況でございます。
○髙嶺 善伸 知事、聞いてもおかしいでしょう。大人の運賃より今小中学生の団体割引運賃が高いんですよ。一括交付金を活用して何とかいい方法を出しましょう。最後に知事の御意見を聞かせてください。
○知事(仲井眞弘多) 今の件、私きちっとわからない部分があるものですから、これは少し内部で調整させてください。議員の御意見も踏まえていい形でおさめられるか取り組んでみたいと思います。
○髙嶺 善伸 そのようによろしくお願いします。終わります。
○渡久地 修 オスプレイの強行配備、米兵による女性集団暴行事件を初めとした相次ぐ米兵犯罪に対して、多くの県民の間から、ここまで来たら全米軍基地の撤去しかないとの声が上がっています。去る県議会決議でも「県民からは米軍基地の全面撤去を求める声も出ている。」と初めて明記しました。知事の見解と対応を伺います。
フィリピンが20年前に基地使用協定を廃棄して、フィリピン全土から米軍基地が1年後に撤去され、その跡地は経済発展、雇用の場に変わりました。その概要と県の見解について伺います。また、普天間基地が撤去されれば、大きな経済発展効果と雇用効果があるとの試算がなされていますが、県の見解を伺います。
県民の命と安全を守ることについて。
米兵の夜間外出禁止令が出されましたが、その後の事件の続発で実効性のないものであることが明らかになっています。県と県警の見解と対応を伺います。
日米地位協定の抜本改定が必要です。県の見解を伺います。
日米地位協定の抜本改定が進まない現状の中、「民間地域での夜間(午後11時から午前5時)の米兵の行動を禁止する沖縄県条例(仮称)」を議員提案ででも制定し、米兵の行動を規制し取り締まれるようにすべきとの声が上がっています。県と県警の見解を伺います。
軍用地内土地取得事業基金条例について。
普天間基地の固定化を許さず、早期閉鎖・撤去を実現し、跡利用の早期推進のためにも今から公共用地分の先行取得を大いに進めるべきと提案してきましたが、今後の具体的な計画を伺います。
普天間基地の跡利用計画を早期に策定し、県民にも公表し、閉鎖・撤去の機運を高めることが必要だと指摘してきました。進捗状況を伺います。
県内の中小企業支援融資制度の強化・充実について。
県の制度融資の総額に対する執行率は幾らか。九州各県との比較はどうなっていますか。低い原因と対策について伺います。
中小企業から借りかえ制度の創設・充実の強い要望がありますが、ぜひ実施すべきです。
モノレールについて。
延長工事の工事発注については、地元企業優先、分離・分割発注方式を徹底すべきです。具体的に説明をお聞きします。
日本がTPPに参加すると、この工事は国際競争入札になり、海外及び国内の建設業などが参入することになります。これでは県内企業を守れなくなるのではないでしょうか。
ことしの予算特別委員会で、モノレール車内、あるいは駅でのウチナーグチによるアナウンスについて提案しました。県は、大変すばらしい提案だと、対応したいと答弁しましたが、ウヌアトゥ、チャーナトーイビーガヤーサイ(その後、どうなっているでしょうか)。
県の公共工事の進め方について。
当蔵龍潭線沿線工事などや49号線についての住民からさまざまな苦情、意見、要望等が寄せられています。住民の合意と納得を得る努力について伺います。
安謝川河川工事での末吉の道路陥没、住宅の亀裂について、これまでの対応に問題はなかったか伺います。
沖縄県民の財産である砂浜、海岸で県民の利用が妨げられていることはないか、実態と対応を伺います。
我が党の代表質問中、復興支援、災害支援との関連について聞きます。
被災地緊急消防援助隊の特殊勤務手当の規定がないことを指摘し整備を求めてきましたが、その後の対応と整備状況について伺います。
防災の先頭に立つ消防士の充足率が53%で、1326人も不足していることを指摘し増員を求め続けてきました。県は、市町村と連携して増員したいと答弁していましたが、その後の対応と増員計画について伺います。
○知事(仲井眞弘多) 渡久地修議員の御質問に答弁をいたします。
まず第1に、県内の中小企業支援融資制度の強化・充実についての御質問の中で、借りかえ制度の創設についてという御趣旨の御質問に答弁します。
沖縄県では、中小企業者の資金繰りの改善や平成25年3月末の金融円滑化法の期限切れの影響緩和を目的として、既存借入金の一本化や償還期限の延長などを柱とする借りかえ資金の創設に向けまして調整を進めているところでございます。今後、関係機関とも連携をしながら、次年度の創設に向け制度設計に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、モノレールに係る御質問の中で、工事発注方式についての御質問にお答えいたします。
モノレール延長工事の発注方式につきましては、分離・分割発注を進めますとともに、県内企業への優先発注を実施したいと考えております。さらに、特殊な工事につきましては、県内企業との共同企業体方式で発注したいと考えております。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) オスプレイ配備について、基地の全面撤去と対応についてお答えいたします。
米兵の犯罪により県民が被害者となる事件が立て続けに発生したことは極めて遺憾であり、米軍の再発防止策の実効性に疑問を持たざるを得ません。米軍に起因する事件は一件たりともあってはならず、これらの事件が多発していることにより、県民の米軍に対する信用が失われているものと考えております。
県としましては、ワーキングチームでの議論や米国政府への直接要請などあらゆる機会を通じて綱紀粛正、再発防止がより実効性を伴うものとなるよう強く求めていきたいと考えております。
次に、夜間外出禁止令の実効性についてお答えいたします。
米軍人による事件の発生により、10月19日、日本にいる全米軍人に対する外出制限措置が施行されました。しかしながら、その後も読谷村や那覇市で外出制限措置に違反した上、住居に侵入するなどの事件が発生したことはまことに遺憾であり、再発防止の実効性に疑問を持たざるを得ません。
相次ぐ事件を受け、11月28日にワーキングチームの特別会議が開催され、米軍から生活指導巡回やホットラインの設置などが説明されました。しかしながら、具体的な再発防止策や実効性のある綱紀粛正策についてはまだまだ不十分であると考えております。
県としましては、ワーキングチームでの議論や米国政府への直接要請などあらゆる機会を通じて綱紀粛正、再発防止がより実効性を伴うものとなるよう強く求めていきたいと考えております。
次に、県民の命と安全を守ることについての中で、日米地位協定の抜本改定についてお答えいたします。
日米地位協定の見直しについて、県は、これまであらゆる機会を通じて要請活動を展開してきたところであります。これまで政府は運用の改善で対応するとしておりますが、県としては、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、米側に裁量を委ねる形となる運用の改善だけでは不十分であり、地位協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。
県としては、今後とも軍転協や渉外知事会とも連携し、さらには関係閣僚への直接の面談による要請や訪米での要請など、あらゆる機会を通じ日米両政府に日米地位協定の見直しを求めてまいりたいと考えております。
次に、沖縄県条例の制定についてお答えいたします。
相次ぐ米軍犯罪の発生を受け、米軍に対する県民の目が厳しいものとなっていることは承知しております。
御質問の「民間地域での夜間の米兵の行動を禁止する沖縄県条例」につきましては、地位協定の見直しの中で検討されるべきものと考えております。
次に、我が党の代表質問との関連についての中で、緊急消防援助隊に係る特殊勤務手当の規定の整備状況についてお答えいたします。
東日本大震災においては、沖縄県からも緊急消防援助隊沖縄県隊として消防職員が出動したところです。当時、緊急消防援助隊に係る特殊勤務手当の規定を整備している消防本部はなかったため、県は、昨年6月及び11月に関係消防本部消防長宛てに、緊急消防援助隊として出動した場合の特殊勤務手当支給に係る規程の整備につき検討するよう働きかけたところであります。その結果、現在までのところ緊急消防援助隊に登録している12消防本部のうち8消防本部において所要の規程が整備されております。
県としましては、規程の整備に至っていない残りの4消防本部に対し引き続き働きかけてまいりたいと考えております。
次に、消防士の増員計画等についてお答えいたします。
平成21年度の消防庁実施調査によると、県内の消防職員数は目標数に対して53.1%の充足率にとどまっており、消防職員の充実を含む消防体制の強化が課題となっております。各消防本部に今後の消防職員の増員等の計画について照会したところ、那覇市消防本部においては、平成25年4月1日に消防職員の定数を275人から71人ふやし346人とした上で、実数についても今後増員していく予定としております。また、沖縄市消防本部においては、平成24年4月1日に消防職員の定数を97人から15人ふやし112人としたところであり、今後実数についても増員していく予定としております。
県におきましては、消防に関する広域的な課題を県と市町村がともに検討するための「沖縄県消防力強化意見交換会」を8月に設置したところであり、その中で消防職員の適正な数や増員の方策について市町村と検討していくこととしております。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) フィリピンの基地跡地利用の概要及び普天間飛行場跡地利用における経済波及効果についてお答えいたします。
フィリピンでは、1992年の米軍撤退後、スービック海軍基地跡地やクラーク空軍基地跡地などにおいて自由貿易港や国際空港を備えた経済特別区に転換し、税制面での優遇制度を活用して国内外から多くの企業を誘致し、新たな雇用を創出するとともに、自然保護林などを活用した観光の開発も行い、大きな経済効果を生み出していると聞いております。
県は、平成18年度に実施した調査において、普天間飛行場が返還後に那覇新都心並みに整備・発展した場合を想定し、その経済波及効果を試算したところ、商業活動に伴う経済効果が4522億円、誘発雇用人数が約3万2000人となっております。
普天間飛行場を初め今後返還が予定されている嘉手納飛行場より南の駐留軍用地の跡地については、「沖縄21世紀ビジョン」において自立経済構築の柱として位置づけており、跡地利用に当たっては、新たな産業の振興を図るなど経済効果の高い魅力あるまちづくりを推進し、沖縄全体の発展につなげていきたいと考えております。
次に、軍用地内土地取得事業基金条例についての御質問の中の、公共用地先行取得の今後の計画についてお答えいたします。
県においては、駐留軍用地跡地の円滑な利用を推進するため、跡地利用推進法に基づき指定される特定駐留軍用地内の公有地を拡大することとしております。そのため、今議会において、特定駐留軍用地内の土地取得を目的とした基金の設置条例案及び普天間飛行場内の土地の取得に必要な経費を積み立てるための補正予算案を提出しております。
今後、他の特定駐留軍用地についても、県は、市町村が策定する跡地利用計画の進捗に応じて道路、公園などの事業の種類及び面積を示した特定事業の見通しを広域的な観点から定めるとともに、必要な予算を確保し、跡地利用を円滑に進めてまいりたいと考えております。
普天間基地の跡地利用計画の進捗状況についてお答えいたします。
普天間飛行場の跡地利用については、沖縄県と宜野湾市が共同して、平成18年2月に跡地利用計画の基礎となる基本方針を策定いたしました。平成19年5月には、跡地利用計画策定に必要な取り組み内容、手順等を示した行動計画を策定しております。平成21年度から22年度には、4つの公園配置パターンによるまちづくり構想を示した「跡地利用計画の中間取りまとめ(案)」を作成しました。今年度は、幹線道路や公園緑地などの全体の土地利用方針等を示した「跡地利用計画の中間取りまとめ」を作成し、今後、平成25年度以降は、その内容の具体化に向けて地権者や県民の合意形成を図りながら跡地利用計画につなげていくこととしております。
以上でございます。
○警察本部長(村田 隆) 県民の命と安全を守ることについての御質問の中で、3の(1)と(3)は関連いたしますので一括してお答えいたします。
まず初めに、夜間外出禁止令の見解と県警察の対応についてお答えいたします。
10月16日の集団強姦事件後、米軍が午後11時から午前5時までの間、基地から外出することを禁止していることについては承知をしております。
県警察といたしましては、夜間外出禁止令の実効性に関連しまして、各ゲートにおける厳格な出入りチェックの強化等による深夜の外出制限の徹底、隊員教育の強化などによる綱紀粛正の徹底等再発防止について米軍側へ申し入れを行っております。
なお、県警察におきましては、これまで実施していた渉外警ら隊による深夜徘回する米軍人への声かけを、今後はその他の自動車警ら隊、機動捜査隊、交通機動隊、機動隊等まで拡大し、あらゆる機動力のある部隊の通常警戒、警ら等の通常勤務においても米兵の帰宅を促すこととしております。
次に、米兵の夜間の行動を禁止する沖縄県条例議員提案の見解についてお答えいたします。
県警察といたしましては、沖縄県条例議員提案の具体的内容がわからない現段階においては答弁を差し控えさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(平良敏昭) 県内の中小企業支援融資制度の強化・充実についての御質問の中で、県融資制度の執行状況、九州各県との比較及び低迷の原因についてお答えいたします。
平成23年度における県融資制度の融資実績は28億8610万円であり、融資枠154億8000万円に対する割合、執行率は18.6%となっております。また、平成23年度における九州各県の状況について申し上げますと、最も低い熊本県で39%となっております。
県融資制度の執行率の低下については、平成20年から21年にかけて導入された景気対応緊急保証制度や金融円滑化法の効果により、全国と同様に県内中小企業者の資金需要が大幅に落ちついてきたことや、沖縄公庫の小規模事業者向け資金――いわゆる無担保・無保証の資金でございます――いわゆるマル経資金の活用が各県に比べて進んでいることなどが要因として考えられます。
県融資制度の利用促進について、今後とも中小企業者に対し各資金の周知を図るとともに、資金ニーズを踏まえた融資制度の創設や融資条件の改善などに取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(當銘健一郎) モノレールについての御質問の中で、TPP参加に伴う公共工事の影響についての御質問にお答えいたします。
現在、公共工事に関係する政府調達分野に関しては、協議の状況も明らかにされておりませんが、仮に現在のWTO協定より対象工事の基準額が引き下げられ地方自治体にも適用された場合には、分離・分割発注や地域要件の設定が制限され県内企業への影響が懸念されます。
県としては、公表される情報を注視しつつ、県内企業育成の観点から、引き続き県内企業への優先発注に努めてまいります。
同じくモノレールについての御質問の中で、モノレール車内、駅でのウチナーグチでのアナウンスについての御質問にお答えいたします。
去る9月にモノレール駅に新たに放送機器を設置し、平成24年9月18日の「しまくとぅばの日」から駅のコンコース内で「ハイサイ」を冒頭に挿入した放送案内を約5分間隔で開始しております。さらにウチナーグチを交えた放送につきましては、運行上支障が出ない放送内容となるよう、モノレール株式会社において検討しているところでございます。
次に、県の公共工事の進め方についての御質問の中で、住民の合意と納得を得る努力についての御質問にお答えいたします。
まず龍潭線沿線につきましては、那覇市が都市景観形成地域の指定に向けて、平成11年から平成14年にかけて地元自治会等への説明会を行い、地域住民の意見や要望を聞いております。平成16年度に着手いたしました県の龍潭線の工事におきましても、その際にいただいた意見等を踏まえて整備を行っているところであります。また、平成22年度からは「龍潭線修景検討会議」を開催し、地元の意見を反映させながら工事を進めているところであります。
さらに、県道49号線につきましては、首里城公園の利用者の安全・安心の確保のために、平成23年4月1日から公園区域内を通行どめにしております。この措置につきましては、県警や那覇市等と協議した上で、通行どめ実施前の2月2日に地域住民や関係機関への説明会を開催したところでございます。しかしながら、地域からの苦情も確認されたことから、今後、県道49号線沿線地域の方々に通行どめに至った理由等を改めて説明し理解を得たいと考えております。
同じく県の公共工事の進め方についての御質問の中で、安謝川河川改修工事におけるこれまでの対応についてという御趣旨の質問にお答えいたします。
安謝川改修工事につきましては、事前に工事説明会を実施するとともに、工事に隣接する住宅については、工事着手前に建物等の状況について事前調査を行っております。施工方法につきましては、当初、土質調査の結果等から土どめ工事を行わずに掘削する工法をとっておりました。しかし、実際に掘削を行ったところ、市道に埋設された下水道管等の保護砂などの影響により掘削面が安定せず一部崩落したことから、施工の安全性、周辺住宅への影響を防ぐために仮設土どめ工事を追加したものであります。
住宅等のひび割れに関する苦情につきましては、建物等の調査を専門の業者へ委託しており、現在はその調査結果について取りまとめを行っているところであります。工事の施行による建物等の損傷が発生したと認められた場合は、県と施工業者が協力してその処理解決に当たってまいります。
次に、沖縄県民の財産である砂浜、海岸についての御質問の中で、砂浜、海岸で県民の利用が妨げられていないかというような御趣旨の御質問にお答えいたします。
海浜は、万人がその恵みを享受し得る県民共有の財産であります。そのため、県民の自由な海浜利用を確保することを目的に、海浜及びその周辺地域において事業を営む事業者に対し、海浜へ自由に立ち入ることができるよう配慮することを義務づけた「海浜を自由に使用するための条例」が平成2年10月に制定されております。条例制定後、海浜利用者からの相談があった場合は、事業者に対して条例の周知を図るなどの指導を行っております。今後とも、県民が海浜を自由に利用できるよう必要な措置を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○渡久地 修 知事、けさの新聞で地位協定について在日米軍の司令官が、米国籍、日本国籍の国民が平等に扱われるので地位協定の改定は必要ないと、平等だということを発言しているものが載っていました。知事、日米地位協定で我々は平等に扱われているんでしょうか。これに対して、私は、きちんとこの本会議場から知事が遺憾の意を表明して反論することは大事だと思いますけれども、知事の見解をお聞かせください。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後5時10分休憩
午後5時10分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
知事公室長。
○知事公室長(又吉 進) 御承知のとおり、日米地位協定は我が国に駐留する米軍人・軍属等のその地位を規定した条約でございまして、昨日、在日米軍司令官が平等であるといった旨の発言をしたことは報道等で承知しておりますけれども、その意図、あるいはそこでいうところの平等というものの意味については判じかねておりまして、今、何か論評あるいはコメントをすることはできないと考えております。
○渡久地 修 ちょっと休憩。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後5時11分休憩
午後5時12分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
渡久地 修君。
○渡久地 修 県警本部長にお尋ねします。
米軍は、女性暴行事件以降、夜間外出禁止令を出しました。しかし、その後も事件は続いています。先ほど県も疑問だということを言っていました。これはもう実効性がないですね。県民もみんな信頼していません、これは県民の共通の思いです。これは先ほど答弁があったように、あくまでも米軍の内部規定ですね、県警がその根拠に基づいて取り締まれるということじゃないと。先ほどの答弁では、職務質問で帰宅を促すということで、やっぱり限界があると思うんですよね、地位協定が進まない中では。やっぱりそういう限界があるんじゃないでしょうか、どうでしょう。
○警察本部長(村田 隆) 限界があるという意味の表現がちょっと難しいんですけれども、警察としては、米軍の犯罪に対しては現場に早く行くということを基本に据えておりまして、現場で適正に処理をするということ、今までの対応については御承知のとおりだと思いますけれども、今後の発生につきましても毅然と対応していくということを基本にしております。
○渡久地 修 私が聞きたいのは、犯罪とかが起こったらそれは当然ですよね、それは逮捕もできるわけですよ。夜12時にただ道を歩いているのを取り締まることは実際上はできないわけですよね、どうでしょう。
○警察本部長(村田 隆) おっしゃるとおり、夜間歩いているということでは取り締まることはできません。
○渡久地 修 11月9日、中部市町村会は「米軍の夜間外出禁止令措置の恒久化を求める」という決議を出しています。警察法の第2条で「犯罪の予防」も「警察の責務」としてありますよね、それはどうでしょう。
○警察本部長(村田 隆) 警察法第2条でおっしゃるとおり規定をされております。
○渡久地 修 休憩。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後5時14分休憩
午後5時15分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
渡久地 修君。
○渡久地 修 私が、県民から夜間の民間での行動を禁止する条例という声があると言いましたけれども、この条例制定の際は、もう当然これは県警本部とか県当局とかいろんなところと調整してこれはやらないといけないわけですよね、十分調整してやるのが当然です。これは、米兵による事件・犯罪が起こらないように未然に防止するというのが大きな目的になると思います。そのために夜間の民間地域での行動を制限しようというものです。そして、県にそのためのいろんな措置に努めるように求めるということになる。そうするとどんな効果が出てくるかと。1つは、県が米軍・米兵に対してのこういう条例をつくることに対して、県や県民の怒り、米兵犯罪防止への県の決意をやっぱりしっかり発信することができるんじゃないかなと。そして、2つ目には、この怒りがおさまれば、また外出禁止令が解除されるんじゃないかなと不安に思っている。だから中部市町村会も恒久化を言っている。だから、その解除を恒久化せよということへの圧力にもなると思います。そして……。
休憩お願いします。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後5時16分休憩
午後5時17分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
○渡久地 修 この条例ができると、県や市町村、あるいは県警などが民間地域の繁華街などに、この条例に基づいてこういった看板とかステッカーなども張ることができるようになると思うんです。(資料を掲示) 「注意 この地域への米兵の立ち入りは、沖縄県条例で以下の時間帯で制限されています。(午後11時~午前5時) 沖縄県 ○○市 沖縄県警察本部」と、こういう看板で県条例がありますよと掲げられることで――これは英語で書いてあります、米兵がわかるように――そういうことができるようになると思います。そして4つ目には、県民の間でも夜間、米兵を見かけたらこれは条例違反だと、気をつけないといけないという警戒感を持てるようになってくれます。そして5点目に、県警も条例違反ですよということで動けるようになってくると思うんですよね。そういう意味で僕は、本部長、これは未然防止の対策としてはかなり効果が出てくるんじゃないかなと思うんですけれども、もう一度お願いします。
○警察本部長(村田 隆) いろいろとおっしゃったようでございますけれども、この「Caution」という紙自体に「県警本部」と書いていただくのはちょっと抵抗があるんですけれども、この条例がどういうものかというのは、地域への立ち入りというこの「地域」というのは何かとか、立ち入った場合はどうなるかとかそういったことも含めまして、議員御提案の内容であれば、こちらとしてはもちろん相談に応じさせていただきますので、その内容を見てからということでございます。
○渡久地 修 この「県警本部」というのはあくまでも案ですので、こういったのも可能じゃないかなと思います。
11月10日の新聞に沖縄市青年団協議会の若者たちが40人で夜間巡視を始めたということが報道されているんですよ。(資料を掲示) 県民はみんな何とかしてほしいということが出ているんですよね。先ほど、公室長、地位協定の中でやってほしいと言っていたけれども、地位協定改定は全然進まないですよ。今までは地位協定があるから、こういったものは県条例ではできませんよとか何とか言っていました。しかし、今、米軍は外出禁止令を出しているんですよ。出している同じ時間に向こうは出るなと言っている、こっちは入るなという条例をつくろうということなんですよ。だから、国や米軍から沖縄県はとんでもないものをつくってくれたと言われる筋合いは全くないと思うんですよね。だから、僕は、県民の命と安全を守るために、これは一つの非常に有効な手じゃないかなと思うんですけれども、知事、どうでしょう。
○知事公室長(又吉 進) 今の議員の御意見あるいは御質問は、やはり多発する米軍の軍人・軍属による犯罪、事件・事故、しかも非常に弱者が犠牲になっているという事態を県民として大変怒っているという状況でございまして、大変理解ができるところでございます。しかしながら、条例は――一般論でございますけれども――これは我が国の憲法を頂点とする法制度の中で制定されるものでございまして、そのお気持ちを条例に直ちに反映させるということにつきましては、これは相当な検討が必要なのではないかと思います。
○渡久地 修 国とか米軍に求めるだけじゃなくて、じゃ県としてどうするんですかということを私は聞きたいんですよ、県として。それで、県は無力じゃないはずなんですよ。米軍基地の中は提供している国、米軍がどうのこうの言っていいと思いますけれども、しかし、基地外、民間地域はその主権は県、そして県警が担当なんですよ。だから、そこに向こうは米兵出るな、だからこっちは入るなという条例をつくったって、理論的にはとやかく言われる筋合いはないんですよ。
私は、以前にこの議場で、島津の支配に抗して知恵を出して当時頑張ったという「モーイ親方」の話をしましたよね。知事、こういう知恵を出して、やっぱり今こそこういう知恵を発揮して、今公室長が言ったいろんなあれがありますよ、条例をつくるとなると。じゃ国との関係はどうなりますかとか。しかし、そういった壁を一つ一つ崩していかないと、私たち県民の命と安全は守れませんよということなんです。だから、そういった壁を崩して、例えばもしこれを議員提案で、超党派で議論できてこうなったら、皆さん当然県とも県警とも調整しないといけないし、一つ一つ崩していこうじゃないかということなんですけれども、知事、見解を聞かせてください。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後5時21分休憩
午後5時22分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
仲井眞知事。
○知事(仲井眞弘多) おっしゃっている意味も非常によくわかるし、わかりましたと言いたいところもあるんですが、先ほどから知事公室長が言っておりますように、条例にするという難しさもいろいろございます。ですが、きょうのところは議員のお話として承っておきたいと思うんですが。
○渡久地 修 いずれにしても、県民はみんなそういう思いでいるということで、これは知事も、公室長も、県警本部長もみんな一緒だと思います。だから、みんなで知恵を出して、日米地位協定が改定されないからどうじゃなくて、県として何ができるかというのをお互い模索していこうではありませんかということを言いたいと思います。
そして次に、先ほどあった融資制度について、知事、ぜひ借りかえ制度創設、先ほど次年度につくりたいと言っていましたけれども、ぜひ中小企業の要望に応えてやっていただきたいと思います。
それで、部長に再度お尋ねします。先ほどの答弁をまとめました。これは融資枠の比率。(資料を掲示) 一番高いのが佐賀県で100%ですね。熊本が39、沖縄は18%ですよ、融資枠の中で。なぜこんなに低いのかというのは、公庫とかいろいろおっしゃっていましたけれども、やっぱりこれがなぜなのかというのはもっともっと分析しないといけないと思いますよ、沖縄は中小企業が多いわけですからね。ですから、この問題を、部長、銀行の審査がきついのか、その辺どうなのかと。そして銀行への実際の申し込み、希望金額とか幾らなのかという調査はやられていますか。
○商工労働部長(平良敏昭) 確かにその表は私どもから提供したデータだと思うんですが、確かに九州各県の中で一番低いと。ただ、その一方で、例えば公庫のマル経資金――これは無担保・無保証の零細企業向けの融資でございますが――これが沖縄県の場合、約100億(99億余り)、ほかの県は十数億、こういうのを全体足していくと、執行率ベースで言うと、沖縄県の中小企業はより条件のいいといいますか無担保・無保証の、そういうところに流れているという点では、そこはやはり理解していただかないと、単に県の融資が低いということだけでは少し私はどうかなと思います。ただ、おっしゃるように絶えず現状を分析して、おっしゃるように特に零細企業の多い沖縄ですから、融資がしやすいような仕組みは絶えず検証していく。そういうことで、今年度も融資利率を引き下げたり、いろんな努力をしています。あるいは、雇用を1人以上ふやすと0.5とか、あるいは2人以上ふやすと1.5でしたか、そういう引き下げをするとかいろんな努力はしてきています。
そして、御質問のあったいわゆる貸し渋りということをおっしゃりたいんだろうと思うんですけれども、一応、今、保証協会等の状況を見ても申し込みに対しての融資率等を考えてもそんなに低いわけじゃないので、もちろん借り入れ側と貸す側の意識はいろいろあると思うんですけれども、今の現状はそういう厳しい状況ではないと認識しております。
○渡久地 修 知事、この表は県からもらった表で、ただ18%というのは事実なので、それで皆さんが一生懸命やっているというのも、私は公庫との関係でもあるというのも当然否定はしていません。しかし、それは数字がそうあらわれているのでね。それで先ほど来部長が言っているニーズ、本当に今の時代に合ったものにやっぱり日々改善していくというのはとても必要だと思います。知事、ぜひこの融資枠というのはきちんと維持しながら、そして本当に利用する企業などが利用しやすいように常に改善を図っていく、常に中小企業や業者などの要望を取り入れたものに改善していくという点での努力を――来年の借りかえ制度もぜひやっていただきたいんですけれども――ぜひやっていただきたいと思います。決意を聞かせてください。
○知事(仲井眞弘多) 何年か前に中小企業振興条例というのもつくらせていただきましたし、今の県政は中小企業や小規模企業に対する施策や融資制度、それから無担保・無保証の制度も先日4月からまた改めてスタートさせておりますし、決してほかの県に劣っていると私は思っておりませんが、今のこの数字がどういう意味なのか後でまた詳しく私どもも分析いたしますが、無論その小規模企業、それから中小企業に対しての政策はニーズに合わせてどんどん展開してまいりたいと考えております。
○渡久地 修 次に、モノレールなんですけれども、部長、モノレールは分離・分割発注を進めていくと知事から答弁がありましたけれども、県内企業優先と。それで、具体的に延長する工事の支柱、RCというコンクリート支柱、それから鉄骨、桁とか、それの本数とかそういう数と、どれぐらいに分離・分割しようとしているのか、今わかる範囲で教えてください。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後5時28分休憩
午後5時28分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
土木建築部長。
○土木建築部長(當銘健一郎) 実施設計はこれからですので概算になります。本数は実際のものとは多分合わなくなるかと思いますけれども。まずPCの桁ですけれども、これは約300本ぐらいということになります。それから支柱は、RCの支柱が120基、鋼製の支柱が13基ほど――これはちょっと前後しますけれども――そのぐらいになるかなというふうな感じでございます。
○渡久地 修 いわゆるRCの支柱、そして鉄骨の支柱、そして桁、これはそれぞれどちらが県内企業、どちらがJVになるのかというのは、今の段階でわかるんだったら教えてください。
○土木建築部長(當銘健一郎) これから実施設計しますので、どういうものになるかというのはちょっとわかりにくい部分はありますけれども、前回つくったものを参考に言わせていただきますと、PCの桁やPCの支柱についてはもうほとんど県内企業で十分対応可能でございますが、この鋼製の桁、鋼製のピア、これにつきましては、前回、県外企業でないとできない部分が若干ございましたので、そのときには、先ほど知事のほうからも答弁させていただきましたけれども、共同企業体方式で県内企業と一緒になってやったというようなことはございました。
○渡久地 修 それで、もう県内企業の技術力というのはアップしていると思うんですよね。だから、前回と比べたからこうだということじゃなくて、やっぱり技術力アップしているものに関しては、前回はJVだったかもしれないけれども、今回は県内でできるという技術力のアップとかよく見きわめてその辺はやっていただきたいと思います。これが1つ。
それともう一つは、例えばJVを組むとしますよ。JVを組むとすると大体本土企業が親企業になりますよね。このJVを組んだとしても県内企業が親企業になると、そして本土企業と組むというようなことは可能ですか。
○土木建築部長(當銘健一郎) 2つ御質問がありましたので、まず最初のほうの御質問からお答えいたしますけれども、これから実施設計を行っていきますので、その設計の中で県内企業ができるような形の設計になるべくやっていきたいなと。ただし、ある程度このスパンを飛ばさないといけないところとか出てきます。そうしますとPCでは届かずに、そういう場合には鋼製の桁なり、鋼製のピアなりが必要になってくるというようなことは若干あろうかと思いますが、これはまた努力していきたいと思います。
それから、今、県外企業と県内企業を逆転させると。通常、JVの場合には共同企業体協定書でJVを組むわけですけれども、そのときには出資比率というものがございまして、どちらが多く責任を持つかということになります。これはやはりその施工する技術を持っているところが当然のことながら多くの責任を持つのが普通ではないかというふうに考えます。
○渡久地 修 モノレールの総事業費、今の段階で231億円ということですよね。先ほどありましたTPP、識名トンネルはWTOでの政府調達、これはTPPになると7億6000万円以上が国際競争入札になると。これではISD条項とかもありますから、分割発注というのは禁止されるんですよね。今のWTOでも禁止されている。だから、このTPPというのは分離・分割発注というのが禁止されるということがあるので、ぜひ私はこれを反対していくということで、これは見解を述べておきます。
それから部長、県の土建部の公共工事の進め方、もっと住民の意見・合意を進めるようにしないと、もういろんなところが多いんですよ。例えば49号線、首里城の中を通っていた道、あれは戦前の道ですよ、戦前の道。私もずっと利用していました。この道をとめることについて、私は賛否は今、いろいろ困ったという人もいるし、安全だから必要だという人もいますよ。それはそれとしていいんです。ところが、皆さんこれは説明会を開いていますよね。何回で、何名参加しましたか。
○土木建築部長(當銘健一郎) ちょっと回数までは確認しておりませんけれども、1回は開いたということは確認しておりますが、そのときの参加者は4名というふうに聞いております。
○渡久地 修 1回しか開いてないんですよ。それで今言った参加者。あそこ一帯は戦前からの道なんです、みんなが利用していた道。それを4月1日にとめる、それも説明会は2月ですよ。首里の人たちはみんな利用していた。そういうやり方は、本当に住民合意を得るという県政のあり方としてはちょっとお粗末と言われても仕方のないやり方ですよね。だから、こういったものは十分住民の合意を得るという努力は今後もやって、特にあの沿線通りの商店街の皆さん、みんな今の工事も含めてきちんとアンケート・要望など聞き取りも含めてやっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょう。
○土木建築部長(當銘健一郎) 県道49号線につきましては、一部が公園区域内に入っておりまして、首里城公園は200万人を超えるような多くのお客様に来ていただいております。それで、やはり安全・安心のためには、もちろん全部ではなくて一部分は通行どめにするべきだということでしたけれども、そのときの対応としまして2カ月前に説明会を行ったわけですが、確かにおっしゃるとおり、参加者が住民2名と芸大関係者2名の4名しか来ていなかったということがございます。そういったことで、今、私どものほうで苦情も受けておりますので、また改めてきちんと説明などをしていきたいというふうに考えております。
○前田 政明 議長。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後5時35分休憩
午後5時36分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
本日の日程はこれで全部終了いたしました。
次会は、12月10日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時37分散会