○議長(喜納昌春) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
議会運営委員長から、6月24日の委員会において副委員長に中川京貴君を互選したとの報告がありました。
次に、説明員として出席を求めた公安委員会委員長翁長良盛君は、別用務のため本日、7月2日、4日及び7日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日及び7月2日の会議に公安委員会委員與儀弘子さん、7月4日及び7日の会議に同委員会委員金城棟啓君の出席を求めました。
また、人事委員会委員長玉城健君及び労働委員会会長藤田広美君は、所用のため本日から7月4日まで及び7日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長平良宗秀君及び労働委員会事務局長真栄城香代子さんの出席を求めました。
――――――――――――――
○議長(喜納昌春) この際、お諮りいたします。
常任委員の所属変更の件を日程に追加し、議題といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(喜納昌春) 御異議なしと認めます。
よって、常任委員の所属変更の件を日程に追加し、議題とすることに決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(喜納昌春) 常任委員の所属変更の件を議題といたします。
総務企画委員の新垣良俊君から土木環境委員に、経済労働委員の翁長政俊君から総務企画委員に、それぞれ委員会の所属を変更されたい旨の申し出があります。
お諮りいたします。
新垣良俊君及び翁長政俊君から申し出のとおり、それぞれ委員会の所属を変更することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(喜納昌春) 御異議なしと認めます。
よって、それぞれ委員会の所属を変更することに決定いたしました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(喜納昌春) この際、お諮りいたします。
特別委員の選任の件を日程に追加し、議題といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(喜納昌春) 御異議なしと認めます。
よって、特別委員の選任の件を日程に追加し、議題とすることに決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(喜納昌春) 特別委員の選任の件を議題といたします。
本件については、議員の辞職に伴い、米軍基地関係特別委員に欠員が生じていることから、委員を選任する必要があります。
お諮りいたします。
委員会条例第5条第1項の規定により米軍基地関係特別委員に仲田弘毅君を指名いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(喜納昌春) 御異議なしと認めます。
よって、米軍基地関係特別委員に仲田弘毅君を選任することに決定いたしました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(喜納昌春) この際、念のため申し上げます。
本日から7月4日まで及び7日の6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
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○議長(喜納昌春) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
新垣哲司君。
〔新垣哲司君登壇〕
○新垣 哲司 おはようございます。
自由民主党を代表して、通告に従い代表質問を行います。
まず、知事の政治姿勢についてであります。
(1)、集団的自衛権の行使について。
自分の国と密接な関係にある同盟国などが武力攻撃を受けた際に、自国への攻撃とみなし実力で阻止する権利、集団的自衛権については、主権国家の権利として国連憲章第51条の個別的自衛権とともに認められております。しかし、政府は、これまで集団的自衛権の行使について1972年に憲法第9条を根拠に集団的自衛権の行使は憲法上許されないとの見解を示し、81年に再確認として同様の見解を出しており、歴代内閣もこれまで同見解を継承してきております。主権国家として当然の権利として認められておりながら憲法上認められないというわかりにくい状況が我が国において長く続いてきたのであります。ここに来て安倍首相は、集団的自衛権の行使について、安全保障に関する有識者懇談会からの報告を受け、憲法解釈の変更を検討する考えを表明いたしました。
政府が一貫して否定してきた集団的自衛権の行使を認めるかは、我が国の安全保障政策の一大転換を意味することから、閣議決定による解釈変更ではなく、憲法改正によって行うべきとの指摘もあります。しかし、我が国を取り巻く情勢は,連日のマスコミ報道を見れば安閑としておれない状況にあることは間違いありません。
北朝鮮のミサイル開発や尖閣諸島がある東シナ海で続発する領海侵入問題など、安全保障環境が悪化している状況への対応を急ぐ必要があると考えるものであります。
そこで伺います。
ア、集団的自衛権について、憲法解釈変更による行使容認を閣議決定することに関し賛否の議論が高まっている。本県はさきの大戦の経験もあり、県民感情も複雑な状況にあるが、知事の考えを伺いたい。
イ、他国からの武力攻撃に至らないグレーゾーンへの対処も検討されている。尖閣諸島を抱える本県の知事としてどのような見解を持っておられるのか伺いたい。
(2)、県知事選挙について。
仲井眞知事2期8年間の任期も今年12月に満了を迎えますが、来る11月にも予想される県知事選挙について仲井眞知事の去就に関心が集まっています。
沖縄振興予算3000億円規模の確保、那覇空港第2滑走路建設着工、一括交付金の創設、観光客の増加、失業率の改善、待機児童の減少など、歴代の知事の中でも群を抜く実績を示した仲井眞知事が、来る県知事選挙に向けどのような結論を出されるのか県民の注目を集めております。仲井眞知事の現在の心境について率直にお聞きしたいと思います。
ア、来る11月に予定されている県知事選挙について、知事の去就に県民の関心も高まってきておりますが、仲井眞知事自身の心境はどこにありますか、率直な考えをお聞かせください。
(3)、知事公約の達成状況について。
ア、仲井眞知事の任期が約半年となりましたが、これまで2期7年半の期間における知事公約の達成状況や成果等について伺いたい。
2、米軍基地問題について。
普天間飛行場の移設問題の原点は、住宅地の中にあり住民の安心・安全が脅かされている状況から一刻も早い普天間の危険性の除去、返還を実現することにあります。普天間飛行場がそのまま残り使用され続けることは許されず、絶対に阻止しなければなりません。しかし、普天間飛行場の早期返還については今のところ辺野古移設以外に方策はないというのが日米両政府の考えであります。平成8年4月、普天間飛行場の条件つきながら全面返還に合意してから18年が経過しながら、依然住宅地の真ん中に居続けている現状がそれを物語っております。県が求める普天間飛行場の5年以内の運用停止は、何としても普天間の現状を打開しようとの知事の強い思いがあらわれたもので、普天間の危険性の除去、早期返還を実現する上で今考えられる最も可能性のある方策であると考えます。
安倍首相は、来日したオバマ米国大統領との会談で県が求めている5年以内の運用停止について言及し、直接、大統領に対し協力を要請しております。全国民が注目する日米首脳会談の場でこの問題を取り上げたこと自体が国民に対する首相の決意を示したものであり、また、安倍首相も知事からの要請に取り組む決意を述べております。しかし、普天間飛行場の5年以内の運用停止問題については、県内から否定的な声や報道が多くあるのは残念であります。5年以内の運用停止を実現するには、本土他県の協力、受け入れがなければ実現はしないのであります。そのことで政府が協議の場をつくり、直接大統領に協力を要請したことは大いに注目すべきであり、その実現に向け県全体の声として届けるべきであると考えるものであります。我が自民党は、その実現に向け全力で取り組む決意であります。
そこで伺います。
(1)、普天間飛行場移設問題について。
ア、普天間飛行場の5年以内の運用停止を含む4項目の基地負担軽減について、知事は、安倍首相を初め関係閣僚に対しその実現を要請しているが、政府の反応と手応えについて伺いたい。
イ、高良副知事、又吉知事公室長は、県が政府に求めている普天間飛行場の5年以内の運用停止の実現等、基地負担の軽減について要請するため訪米した。要請先や反応、見通し等について伺いたい。
ウ、辺野古移設に係る埋立工事水域への全面立入禁止や漁業操業の制限範囲の拡大等の手続が進められているが、県として何らかの関与ができるか伺いたい。
エ、沖縄防衛局が実施する海底ボーリング調査について、岩礁破砕に関し県と協議を進めているが、協議の状況と県の許可が必要であるか伺いたい。
オ、米議会が国防総省に求めていたグアム移転に係るマスタープランの提出が大幅におくれることが明らかとなり、2015年度会計予算凍結の可能性が高まったようだが、普天間飛行場移設への影響について県の認識を伺いたい。
カ、普天間飛行場のKC130空中給油機15機と870人の軍人の岩国基地への移駐が7月上旬から始まり8月に完了することが明らかとなった。山口県岩国市の受け入れ容認の評価と今後の普天間の負担軽減にどのようにつないでいくか、県の考えを伺いたい。
(2)、騒音問題等について。
ア、2013年度の嘉手納基地への米軍航空機の離着陸回数は、前年度を約1万回以上上回る26.9%増と負担軽減に逆行する状況となっており、夜間や未明を含めるとさらにふえると言われている。訓練移転や飛行制限等で負担軽減するとした日米合意に逆行していないか伺いたい。
イ、今年に入り米軍機による部品落下が相次いでいるが、その状況と政府の対応について伺いたい。
ウ、沖縄近海の海域で米海軍艦艇による県内漁船のマグロはえ縄の切断が相次いでいるが、事実関係と県としての対応について伺いたい。
エ、災害時の避難路として米軍基地を使用する際の米軍と市町村との協定や覚書について、本県3市町と神奈川県内5市との協定内容に大きな違いがあるということだが、本県として実態を調査する必要があるのではないか伺いたい。
3、県内空港の整備促進について。
那覇空港の第2滑走路の拡張整備に向けた作業が本格的に動き出しました。長年その実現に向けて取り組んできた努力が実を結んだことで、本県の目指す自立型経済構築に大きく前進するものであります。第2滑走路の建設工事は5年10カ月と、当初計画から1年2カ月短縮され、完成時期を2020年春としております。その時期は東京オリンピック・パラリンピックの直前となり絶好のタイミングであります。国や県には、完成時期がおくれることなく計画どおりに建設工事が進むよう万全の体制で臨んでほしいと願うものであります。一方、下地島空港については、懸案でありました空港の維持管理費について、今年度は全日空が半額負担することで合意に達し、空港維持が可能となったようであります。しかし、来年からの全日空の全面撤退は確実であり、問題が先送りされただけであります。宮古島市は空港と周辺残地を一体的に活用できる総合防災訓練施設としての整備を提案しており、県は空港を新たに利用する事業者の公募を進めるとしております。現在の状態が続く限り、下地島空港の訓練空港としての運用は行き詰まることは確実であり、地元下地島との緊密な連携のもと、早急な対応
が求められております。
そこで伺います。
(1)、那覇空港整備拡充について。
ア、2020年春の供用を目指し那覇空港第2滑走路拡張整備を進めているが、2020年春の完成供用開始は東京オリンピック前という絶好のタイミングとなる。早期完成とそのための財源確保について県の取り組みについて伺いたい。
イ、那覇空港貨物ハブを活用したアジア向けの貨物取り扱いが好調に推移し、活用を希望する企業も広がり、国内とアジアを結ぶ拠点として沖縄の位置が高まっている。今後の展望について伺いたい。
ウ、那覇空港滑走路増設事業への県内建設業の優先活用について、県の取り組みを伺いたい。
(2)、下地島空港の利活用について。
ア、全日空は、下地島空港の維持費の半額負担は今年度限りで、来年から完全撤退の方針である。訓練空港として今後も維持し続けるとすれば、県の持ち出しは避けられない。県の考えを伺いたい。
イ、県は、下地島空港を利用する事業者の公募を始めたが、その狙いは何か。また、宮古島市が提案した総合防災訓練施設の取り扱いはどうなるか伺いたい。
議長、ちょっと休憩してください。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午前10時22分休憩
午前10時22分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
○新垣 哲司 4、教育・文化・スポーツの振興について。
全国学力・学習状況調査が全国一斉に行われ、本県からは国・公・私立の中学校155校、小学校263校の418校で3万1928人が参加しております。本県は、学力テストの結果は毎年最下位に甘んじており、学校現場の努力は相当なものでありますが、なかなか結果に結びつかないのであります。
教育の重要性は、子供たちが社会を生き抜く上で心身の鍛錬や人間としてのあり方について、学校の教育活動を通して学び、豊かな経験を通して道徳性を育むことにあります。このため、学力重視一方に偏ることは極力避けなければなりませんが、小学校からの基礎学力の向上を図ることは重要であります。一方、国際的なグローバル化が進展し、情報が氾濫している社会状況の中で、地域や家庭での人とのかかわりが希薄となり、地域コミュニティーや地域で子供たちを見守るという地域の結びつきが希薄になっております。
道徳教育が形骸化していると言われる中で、子供たちといかにかかわり、子供たちにいかに体験をさせるか、そのような仕組みや教育の場をつくることが教育に課された課題であります。その意味でスポーツを通した健康な心身の形成や文化の継承を通した豊かな感性を育むことも重要であります。
そこで伺います。
(1)、教育環境の整備について。
ア、八重山地区の教科書採択問題は、県教育委員会が竹富町教育委員会を単独の採択地区に変更することで決着を見たが、今後の教科書採択への影響はないか。また、ほかの単独採択を希望する町村の取り扱いについて伺いたい。
イ、教育委員会制度を見直す地方教育行政法の改正案が今国会で成立したが、県教育委員会として今後の対応を伺いたい。
ウ、これまで実施された全国学力・学習状況調査の結果は全国で最下位となっている。全国最下位からの脱出を目的に設置された学力向上推進室における取り組みと成果、また、学校現場ではどのような取り組みを行っているか伺いたい。
エ、少人数学級について、小学校1年生から3年生までと中学校1年生で実施されているが、全学年への拡大を目指す上で21世紀ビジョン基本計画の計画期間までの達成目標について伺いたい。
オ、公立小中学校の耐震化率について、本県は国の振興策や高率補助制度を使って対応を進めていながら全国41位の状況にある。取り組みの現状と今後の計画を伺いたい。
(2)、文化・スポーツの振興について。
ア、しまくとぅばの継承・普及について、しまくとぅば普及推進計画(10年計画)に基づき運動を進めているが、取り組みの現状と改善すべき課題等について伺いたい。
イ、昨年公布、施行された県文化芸術振興条例に基づく短期的・長期的施策展開と県民参加による仕組みづくりについて、取り組み状況を伺います。
ウ、空手発祥の地である沖縄を世界に向けたアピールの場として、世界空手道連盟プレミアリーグが開催されるが、その概要と期待される効果について伺いたい。
エ、日本代表侍ジャパンとMLBオールスターチームが熱い戦いを繰り広げる日米野球を本県で開催することとなった。誘致に至った経緯と期待される効果について伺いたい。
○知事(仲井眞弘多) おはようございます。
新垣哲司議員の御質問に答弁をいたします。
まず第1に、知事の政治姿勢についての中で、武力攻撃に至らない侵害への対応についての御趣旨の御質問に答弁をいたします。
尖閣諸島をめぐる問題につきましては、日中両政府の冷静かつ平和的な外交努力によって解決されるべきものと考えております。
政府が示すいわゆるグレーゾーンについては、国会においてさまざまな立場から議論が行われているところであり、県といたしましては、政府の検討状況に重大な関心を持ち、今後も引き続き情報収集などに努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、同じく知事の政治姿勢の中で、県知事選挙についての御質問にお答えいたします。
私は、知事に就任以来、沖縄の振興そして基地問題等の諸課題の解決、さらには県民生活の向上に取り組んでまいりました。今後もこれまでと同様、公約の実現に向け、残された期間に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
なお、多くの人々から、次の選挙に向けて頑張れという御趣旨の御声援をいただいておりますが、よくその御趣旨を踏まえて、なるべく早い時期に、特に与党の皆さんと相談の上、態度を決めてまいりたいと考えております。
次に、知事の政治姿勢に係る御質問の中で、知事の公約の達成状況や成果についての御質問に答弁をいたします。
私は、これまで公約に掲げました約210項目の施策を全力で推進してまいりました。特に、沖縄21世紀ビジョンの実現に向けまして、新たな沖縄振興特別措置法の制定及び基地跡地利用推進法の制定並びに沖縄振興特別推進交付金制度の創設などなどの実現に取り組んでまいりました。
沖縄振興予算は、沖縄振興計画期間中、平成33年度まで約3000億円台が確保されることとなっております。産業振興につきましては、情報通信関連産業がこれまでこの誘致が約300社に達しているほか、国際貨物ハブ事業では、国内4路線、海外8路線、合計12路線に拡大いたしております。これらの取り組み等により就業者数は大いに増加し、平成25年の完全失業率も18年ぶりに5%台となっております。平成25年10月から平成26年2月まで約5カ月間、完全失業率は連続で4%台を記録いたしております。また、平成25年度の入域観光客数は、658万人と過去最高を更新いたしました。待望の那覇空港第2滑走路につきましては、ことし1月に着工いたしている次第でございます。その他、都市モノレールの延伸を初め、現在は鉄軌道の導入に向けさらなる取り組みをいたしているところでございます。
次に福祉・医療につきましては、7年間で7000名余りの保育所の定員増を行いました。また、さらなる待機児童対策のため、30億円の基金を創設したところであります。これにより約1万1000人の保育の量を拡大し、平成29年度末までの待機児童の解消に取り組んでいるところでございます。
次に、障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例の制定、そして高齢者等に配慮した低床バスの導入を推進しているところでございます。
また、県立病院事業の経営改善を実現するとともに、新石垣空港の供用を開始し、伊良部大橋の整備を推進してまいりました。ことし3月には、慶良間諸島が国立公園に指定されております。
文化・スポーツの振興につきましては、空手道会館――これはまだ仮称ですが――の建設、そしてJ2規格のサッカースタジアムの整備に取り組んでいるところでございます。
人材育成につきましては、毎年約300人の高校生や大学生などを海外に派遣する制度をスタートいたしております。
基地問題につきましては、普天間飛行場の5年以内の運用停止や牧港補給基地の早期返還及び日米地位協定の環境に関する補足協定の作成に向けた日米協議がスタートし進められているところでございます。一歩一歩負担軽減の動きが出てきております。駐留軍用地の跡地利用につきましては、西普天間住宅地区などの円滑な利用に向け取り組んでいるところであります。
さらに、長期的な取り組みとして、人口増加や健康・長寿日本一復活への施策などを推進してまいります。
今後とも、雇用の創出や拡大、そして産業の振興、教育、医療、福祉、文化、スポーツ、離島振興などを初め、過重な基地負担の軽減など、公約の実現に全力で取り組んでまいる所存でございます。
次に、県内の空港の整備促進についての御質問に答弁をいたします。
那覇空港の国際貨物取扱量は、国際貨物ハブの開設以来急激に拡大、増加し、平成25年度には国内第3位となっております。約16万トンまで拡大いたしております。貨物路線数も本年5月にシンガポール路線が新たに開設され、平成21年度の8路線から12路線に拡充されております。さらに、ANAでは東南アジアへのネットワークを順次広げていくと聞いております。
沖縄県といたしましては、引き続きリペアセンターなどの誘致、県産品の販路拡大を図ってまいります。また、既に始まっております北海道の海産物や静岡県のイチゴなどのように、日本各地の特産物を沖縄へ集約し、アジア各国へ輸出する拠点の形成と付加価値を高める流通加工拠点の形成に取り組み、臨空・臨港型産業の集積を図ってまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁をさせていただきます。
○副知事(高良倉吉) 米軍基地問題に関する御質問の中で、4項目の基地負担軽減策に対する政府の反応と手応えについてお答えいたします。
安倍総理は、沖縄の要望である4項目の基地負担軽減策について、米国との交渉をまとめていくという強い姿勢を示し、政府を挙げて全力で取り組むことを表明されました。
現在、政府に設置された普天間飛行場負担軽減推進会議が2回、作業部会が3回開催され、具体的な取り組みを議論しております。
第2回普天間飛行場負担軽減推進会議においては、安倍総理からKC130の岩国移駐、オスプレイの訓練移転、日米地位協定の環境補足協定、西普天間住宅地区の返還前立入調査などについて説明があり、改めて政府一丸となって全力で取り組んでいく旨の表明があったところです。また、米国への働きかけについては、去る4月24日の日米首脳会談では安倍総理がオバマ大統領に対し、普天間飛行場の5年以内運用停止を初めとする4項目への協力を要請し、大統領からは沖縄の負担軽減に取り組みたい旨の発言がありました。
続きまして、訪米における米側の反応等についてお答えをいたします。
私は去る6月12日、ワシントンDCにおいて米国務省、国防総省そしてNSCの実務責任者と面談し、普天間飛行場の5年以内運用停止を初めとする4項目の基地負担軽減策について、沖縄の考えを説明してまいりました。
米側からは、簡単ではないが、負担軽減のアイデアを探っていきたいとの発言がありました。また、沖縄の負担軽減は日米両国首脳レベルのコミットメントであり、アメリカは日本政府と協力して引き続き取り組んでいくという旨の発言があり、今後もこれを踏まえて協議がなされるものと考えております。
第2回普天間飛行場負担軽減推進会議においては、政府から米側の大臣クラスや実務者など、各レベルでの議論を始めているとの発言があったところであります。このため、今後も訪米等を通じ、沖縄の考えをしっかり米国に伝えてまいることとしております。
続きまして、教育・文化・スポーツの振興に関する御質問の中で、日米野球沖縄開催の誘致経緯と期待される効果についてお答えいたします。
沖縄県では、昨年末、日米野球が東京などで開催されるとの情報を得て、主催者に対し、沖縄県での開催も要請したところであります。
日米野球の開催は、世界に「スポーツアイランド沖縄」を発信できる絶好の機会であり、スポーツ及び観光の振興、地域活性化等に大いに寄与するものと考えています。
また、日米野球は、間近で世界最高水準の技術を見られるまたとない機会であり、県民に夢、希望、感動を与えてくれるものと考えております。
以上です。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午前10時48分休憩
午前10時49分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) まことに申しわけありません。
先ほどの答弁の中で、私が取り組んできた公約の実現の中で、福祉関係の次に病院関係のお話をさせていただきました。その中で「県立病院事業の経営改善を実現するとともに……」と、ここまでは申し上げたんですが、その後、答弁が抜けておりましたので、きちっと答弁させていただきたいと思います。
これは、抜けていた部分は、「新宮古病院を開設し、新八重山病院の整備に着手しました。そして離島振興につきましては、離島住民等の交通コストの負担軽減、さらに離島出身の生徒向けの寄宿舎の整備に着手するとともに、新石垣空港の供用を開始し……」と、この今申し上げた点で「新宮古病院から離島出身の生向けの寄宿舎」、ここの部分が抜けておりましたので、追加して読み上げさせていただきました。よろしくお願いします。
○副知事(川上好久) 県内空港の整備促進についての御質問の中で、那覇空港第2滑走路の早期完成についてお答えいたします。
那覇空港第2滑走路の整備につきましては、工期が7年から実質5年10カ月に短縮され、平成32年3月31日の供用開始が予定されております。整備財源につきましては、国は、「沖縄振興の施策展開へ影響が出ないよう特段の配慮をすることとし、事業最終年度である平成31年度の所要額まで予算措置を講ずる」との方針を示しております。
県としましては、同滑走路の早期完成に向け、財源についても国の責任において確実に確保されるものと考えております。
続きまして、県内空港の整備促進についての御質問の中で、那覇空港滑走路増設事業に係る県内業者優先活用についてお答えいたします。
沖縄県では、機会あるごとに国に対し、那覇空港滑走路増設事業に係る県内建設業者への優先発注について要請を行っているところであります。このことを受けて沖縄総合事務局においては、県内企業の受注拡大に配慮した発注方針が策定されました。これまでに契約の終了した22件のうち17件については全て県内企業が単独で受注しており、政府調達対象工事(WTO対象工事)の5件についても、県内企業が共同企業体の構成員として受注をしております。
今後とも、県内企業への受注促進を働きかけてまいります。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、集団的自衛権の行使容認についてお答えいたします。
集団的自衛権の行使については、政府によって憲法解釈の閣議決定最終案が示され与党協議が行われている状況であり、国会や県内でもさまざまな意見があるものと承知しております。広大な米軍基地が所在する沖縄県としては、我が国の安全保障政策の変更には重大な関心を持っており、政府は、国政の場などで十分に議論した上で、その影響も含めて国民に丁寧に説明すべきであると考えております。
次に、米軍基地問題についての御質問の中で、水域の使用条件の変更及び一部水域の共同使用についての県の関与についてお答えいたします。
今回、キャンプ・シュワブ提供水域において臨時制限区域が設定されるとともに、沖縄防衛局が同水域を共同使用することについて日米合同委員会で合意がなされました。日米地位協定に基づく水域提供の一般的な手続としては、国において、日米合同委員会での合意、閣議決定、政府間協定を経て官報告示が行われるものとされており、法的に県が関与するものとはなっておりません。
次に、在沖海兵隊グアム移転の普天間飛行場移設への影響についてお答えいたします。
米軍再編については、平成24年4月の日米共同発表において、海兵隊のグアム移転が普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離されたところであります。また、米国議会では2015会計年度予算の審議の中で、グアム移転費に関して議論がなされているものと承知しております。米下院では、グアム移転費の執行凍結解除を盛り込んだ国防権限法を可決しており、グアム移転費の動向については、現時点で確実になっていないものと承知しております。米国議会の動向については引き続き情報収集を行い、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、KC130の岩国移駐と普天間飛行場の負担軽減についてお答えいたします。
平成8年のSACO合意後、山口県岩国市は、普天間飛行場のKC130の受け入れには条件つき容認との立場をとり続けてきました。昨年12月、福田岩国市長は、KC130、15機の岩国飛行場移駐を容認する考えを政府に表明しました。その理由として市長は、沖縄の負担軽減や普天間飛行場の危険性の除去の重要性等を踏まえて総合的に判断した旨であると述べております。さらに去る6月23日、岩国市議会においても沖縄の基地負担軽減を図るための決議がなされたところであります。これらは、全国各地の自治体が沖縄の基地負担軽減に協力する姿勢を示す動きが始まったものと認識しており、県としては、今後とも沖縄の基地の現状を全国に発信し、基地負担の軽減を日本全体の問題として考えていただく取り組みを行いたいと考えております。
次に、嘉手納飛行場の基地負担軽減についてお答えいたします。
沖縄防衛局の嘉手納飛行場における航空機の運用実態調査によると、平成25年度の離着陸等回数は約4万7000回で、前年度より約1万回増加しております。嘉手納飛行場をめぐっては、米軍再編に伴う一部訓練移転がこれまで28回実施されており、一時的な軽減が見られるものの、外来機のたび重なる飛来に加え、ことし1月から4月までの間、F22戦闘機が暫定配備されるなど、依然として目に見える形での負担軽減が十分あらわれているとは言えないと考えております。
県としましては、引き続き軍転協等関係機関と連携しながら、航空機騒音を初めとした周辺住民の負担軽減が図られるよう、粘り強く働きかけていきたいと考えております。
次に、米軍機の部品落下と政府の対応についてお答えいたします。
米軍機の部品落下事故は、ことしに入り5件発生しております。1件目は、3月4日にF15戦闘機から沖縄本島北西沖の海上で風防ガラスが落下したもの、2件目は、4月24日にHH60ヘリコプターからうるま市上空で通風孔カバーが落下したもの、3件目は、5月15日にF15戦闘機から排気口の周りの部品の一部が飛行中に落下したもの、4件目は、5月21日にHH60ヘリコプターから海上飛行中にアンテナのカバー部分が落下したもの、5件目として、6月17日にMV22オスプレイから海上飛行中に放電装置の一部が落下したものであり、いずれも民間地域での被害の情報はありません。
県は、政府に対して遺憾の意を表明するとともに、事故原因の究明と公表、再発防止措置、今後の安全管理の徹底及び情報の早期伝達を求めております。県の申し入れを受けて、政府から米側に同様の申し入れを行っていると承知しております。
次に、災害時の米軍基地を使用する協定についてお答えいたします。
県内市町村が基地司令官と締結している協定は、日米合同委員会合意に基づき都道府県または他の地方公共団体の当局による防災準備と防災対応のための在日米軍の施設及び区域への限定された立ち入りについて取り決めたものとされております。
一方、神奈川県5市が締結している覚書は、当該市と在日米軍基地管理本部間の災害準備及び災害救援活動を調整するための範囲を定めるものとしております。当該協定と覚書は、締結の根拠や作成の過程等が異なっており単純に比較することは適切でないと考えておりますが、今後、住民防災の観点からどのような取り決めが必要かも含め、渉外知事会等も通じ情報収集を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(山城 毅) 米軍基地問題についての御趣旨の中で、漁船の操業制限に関する県の関与についてお答えいたします。
キャンプ・シュワブ沿岸域における漁船操業制限水域の変更については、漁船操業制限法に基づき防衛省から農林水産省に意見照会があり、農林水産省から5月26日に県に対し意見照会がありました。これを受けて、県は、5月27日に名護市、名護漁業協同組合及び沖縄県漁業協同組合連合会に対し、漁船の操業制限等に関する意見照会を行っております。水産庁に対しては、6月12日付でこれらの意見を添付するとともに、当該漁業権者と十分協議すること、漁業者が漁業経営上こうむった損失の補償について万全を期すこと、訓練等の実施による周辺漁業等への影響や漁船の航行の安全に配慮をすることなどを回答したところであります。
次に、海底ボーリング調査に係る岩礁破砕の協議状況と許可の必要性についてお答えいたします。
漁業権漁場における岩礁破砕等の許可に関しては、沖縄県漁業調整規則第39条及び岩礁破砕等の許可に関する取扱方針により事務処理を行うこととなっております。県では、海底ボーリング調査に係る岩礁破砕について、現在、沖縄防衛局と調整をしているところであり、協議書の提出を受けてから許可の必要性について判断することになります。
次に、沖縄近海におけるマグロはえ縄の切断の状況と県の対応についてお答えいたします。
去る5月、沖縄本島南西の公海上で本県漁船9隻のマグロはえ縄漁具が相次いで切断される被害が発生しました。県としましては、直ちに各漁業協同組合に対し注意喚起を行っております。また、米軍の音響測定艦が当該水域で連日目撃されていたことから、漁業関係団体と連携し、沖縄防衛局及び外務省沖縄事務所に対し、米軍へ事実関係を照会するよう申し入れたところであります。さらに、高良副知事訪米の際に、米国務省及び国防総省に対し、損害賠償請求に対する真摯な対応を申し入れるとともに、6月17日、18日に農林水産大臣、防衛大臣、外務大臣に対し原因究明及び再発防止、原因が特定された場合の被害補償請求、漁業者が安心して操業できる抜本的な措置に関する要請を行ったところであります。関係省庁からは、米軍に照会しているが回答はいまだない、沖縄の漁業団体が米海軍法務部への被害申し立てを行った後、政府として適切に対処するなどの発言がありました。現在、沖縄県漁業協同組合連合会が米海軍の法規に基づき、米海軍法務部に対し損害賠償請求手続を進めているところであります。
県としましては、賠償までの手続が円滑に行われるよう漁業関係団体を支援していくとともに、再発防止に向けた対応を政府に強く求めてまいります。
以上でございます。
○土木建築部長(當銘健一郎) 県内空港の整備促進についての御質問の中で、下地島空港の維持管理についての御質問にお答えいたします。
下地島空港については、シミュレーターの発達により実機訓練が激減している現状があることから、パイロット訓練専用空港としての役割を終えつつあると考えております。
県といたしましては、下地島空港の新たな利活用を検討するため、平成26年度は周辺の土地利用とも連携した利活用をグローバルな視点で幅広く調査検討することにしております。
なお、平成27年度以降の管理運営については、同調査検討結果を踏まえて判断していきたいと考えております。
同じく県内空港の整備促進についての御質問の中で、下地島空港利活用における事業者公募の狙いと総合防災訓練施設についての御質問にお答えいたします。
下地島空港の新たな利活用検討については、事業の実現性、持続性及び地域経済への貢献度等をより具体化するため、下地島空港及び周辺の用地を利活用したいという事業者からの提案を国内外から募ることにしております。宮古島市から提案のありました総合防災訓練施設については、利活用案の一つであると考えております。
以上でございます。
○教育長(諸見里 明) それでは教育・文化・スポーツの振興についての御質問で、今後の教科書採択の課題等についてお答えいたします。
長きにわたり膠着状態にありました八重山地区の教科書採択につきましては、子供の教育の視点から協議を重ね努力してきたところ、今般、解決に向かうことができ大変安堵しているところです。
県教育委員会としましては、教科書採択を支援する指導主事を配置するとともに、教科用図書選定資料を提供するなど採択地区変更による影響がないように努めているところです。
なお、採択地区の設定に際しては、各市町村教育委員会の意向を十分考慮するとともに、当該地域のよりよい教育指導行政が展開できるように努めてまいります。
次に、改正地方教育行政法に係る対応についてお答えいたします。
今回の改正は、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築や、首長との連携の強化を図ることを趣旨としております。
県教育委員会としましては、今後、文部科学省からの施行通知等を踏まえた上で、関係部局や各市町村教育委員会と連携し、本県における教育行政がさらに充実していくよう適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、学力向上推進室の取り組みと成果等についてお答えいたします。
学力向上推進室は、学力向上に係る諸課題を効果的・効率的に解決するため学校を直接訪問し、授業観察や校長等との意見交換等を行い、児童生徒が意欲的に授業に参加する指導方法等について支援しております。各学校における本年度の全国学力調査の自校採点によりますと、正答率30%未満の児童生徒の割合や設問ごとの無解答率等が改善されており、小学校においては全国最下位を脱することも期待できる結果となっております。
なお、各学校においては、全国学力調査等の結果を踏まえて各教科の年間指導計画を見直すとともに、授業の改善・充実や補習指導などの取り組みを全校体制で推進しております。
次に、少人数学級についてお答えいたします。
本県では、現在、小学校1・2年生の30人学級、小学校3年生の35人学級に加え、今年度から新たに県単定数も活用し、中学校1年生での35人学級を実施しております。次年度以降の少人数学級に関する計画については、小中学校の設置者である市町村の意向や国の動向、全国の実施状況等を踏まえ検討してまいります。
次に、公立小中学校の耐震化の取り組み等についてお答えいたします
本県における小中学校施設の耐震化率は、平成26年4月現在、全国平均92.5%に対して84.1%となっております。本県では、沖縄振興計画に基づく高率補助を活用して改築事業により耐震化を推進してまいりました。一方、全国では比較的短期間で対応できる耐震補強を中心に取り組んでおり、耐震化率の伸びが著しいものがあります。結果として、沖縄県の耐震化率が全国平均を下回っている状況となっております。
県教育委員会としましては、小中学校の設置者である市町村に対して改築事業の前倒しを積極的に働きかけるとともに、耐震化に係る推進計画の策定や早期実施を促すなど、引き続き耐震化に取り組んでまいります。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(湧川盛順) それでは教育・文化・スポーツの振興に関する御質問の中の、しまくとぅば普及運動の現状と課題についてお答えいたします。
県においては、しまくとぅば県民大会や語やびら大会及び各地域でのシンポジウムなどの開催により、県民運動の周知と県民意識の醸成を図るとともに、会話の事例を載せたハンドブックを県民に広く配布し、活用の促進に努めているところであります。さらに、交通機関、金融機関など18の企業団体に行ったしまくとぅば励行に関する協力要請を、今後は介護関係の企業団体等にも広げ、県全域へ波及する運動に展開することとしております。また、昨年度実施した県民意識調査においてしまくとぅばの普及啓発の方法を尋ねたところ、学校における総合学習などでの実施とする回答が最も多かったことを踏まえ、今年度は、学校や家庭でも活用できるCDつきの読本を小学5年生、中学2年生の全員に配布することとしております。
県としましては、しまくとぅばを広く普及させるためには、各地域の取り組みの拡大やしまくとぅばを教える人材の育成確保が重要だと考えております。そのため、NPO団体や文化協会とも連携を図りながら、しまくとぅばを広める仕組みの構築や人材の育成確保の方法について検討してまいりたいと考えております。
次に、沖縄県文化芸術振興条例に基づく施策の展開等についてお答えいたします。
県におきましては、昨年10月に沖縄県文化芸術振興条例を制定し、県民一人一人を文化芸術の担い手とするなどの10の基本理念のもと、県が長期的な視点で取り組むべき基本的施策の体系を明確にしたところであります。具体的な施策については、伝統文化の継承や新たな文化の創造の実現に向け、しまくとぅばの普及事業、離島や過疎地域における伝統文化の支援事業、空手道会館(仮称)の建設事業などに取り組んでいるところであります。また、県民等が参画する仕組みについては、今年度実施する文化芸術振興施策に関しパブリックコメントを実施するとともに、先般、文化芸術振興審議会を開催したところであります。審議会においては、沖縄の文化芸術を国内外に発信するだけではなく、異文化を取り入れ新たな文化芸術を創造する視点が必要であるなど、さまざまな意見がございました。これらの意見を踏まえ、今後、文化芸術の効果的な施策の展開につなげてまいります。
次に、世界空手道連盟プレミアリーグの概要と期待される効果についてお答えいたします。
プレミアリーグは世界空手道連盟が主催するイベントで、世界各地の空手家が一堂に会する世界規模のリーグ戦であります。同リーグは2012年から開催されており、同年のトルコ大会、昨年のドイツ大会と2年連続で沖縄県チームが個人形、団体形で優勝するなど、本県の高い競技力を世界に知らしめました。日本で初めての大会が沖縄県で開催されることは、「空手発祥の地沖縄」を世界にアピールする絶好の機会であり、今後、空手を活用したスポーツコンベンションの振興に大きく寄与するものと考えております。また、同大会には世界50カ国から選手や関係者が約1000名参加する予定とされており、大会を通じた宿泊施設や飲食店などの利用による経済効果が見込まれます。
沖縄県としましては、公益財団法人全日本空手道連盟や沖縄伝統空手道振興会等とも連携し、大会成功に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
○新垣 哲司 先ほど教育関係について、時間の都合で早口になりましたが、教育長に再質問をさせていただきたいと思います。
まず学力向上について、先ほど答弁で、小学校では学力の改善がかなり期待されていることと、そして全国最下位脱出の可能性もあるということを聞いて大変感動をしております。学力向上推進室の取り組みについて、もうちょっと詳しく御説明願えますか。聞かせてください。
次に、最下位脱出に向けて一番力を入れた点は何ですか。
3点目に、全国学力テストにおいて、小学校でこれまでより得点が向上したということですね。もう少しこれも説明を願いたいと、こういうふうに思います。
今、教育長から聞いて、やはり本県の子供たちもやればできるという大きな自信につながることは確実ですね。その最下位脱出は大変うれしい。ぜひこれからもしっかり頑張っていただきたいことを希望して終わります。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午前11時19分休憩
午前11時20分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
教育長。
〔教育長 諸見里 明君登壇〕
○教育長(諸見里 明) 再質問のありました3点についてお答えいたします。
まず、学力向上推進室の具体的な取り組みについての再質問にお答えしたいと思います。
先ほど全国学力テスト最下位の脱出が期待できると答弁しましたけれども、これはあくまでも県教育委員会が本年度全国学力テストを実施した全学校に対して独自に調査・分析をしている結果でありまして、御承知のように文科省からの正式発表は8月になる予定だということです。あくまでも独自調査からの推測として最下位を脱出することが期待できるというものです。子供たちの学力が改善あるいは向上しつつあるというのは確かです。
最下位脱出の可能性の件はひとまずそばに置いておきまして、昨年11月に設置した学力向上推進室の取り組みについて具体的に説明したいと思います。
まず、推進室の取り組みにおいて特筆したいのが推進室の指導主事等による学校訪問が挙げられます。昨年11月より本年の3月末日までに実に120校の小学校を訪問して、直接学校とやりとりを行っております。当時の課長も鋭意訪問しておりまして、私自身も各地区の小学校を回って校長、職員等を激励してまいりました。この訪問する学校では、私たちが持っているあらゆるデータを活用しまして、当該学校の児童生徒の学力の状況や学校での体制等を徹底的に分析して臨んでおります。授業観察、それを終わりまして授業研究会、これを通して先生方の授業の組み立て、これはもとより板書とノートなどの日常的な授業改善、充実や、宿題等について多様な観点から意見交換を行っております。続いて校長等管理職、それから主任等との情報交換でも、子供たちを伸ばせる学校体制づくりのための提言を行っております。また、市町村教育委員会の理解並びに協力・連携というのは何よりも必要不可欠でありまして、そのため各教育事務所にも全力投球を呼びかけてきたところです。
次は、最下位脱出に向けて一番力を入れた点という御質問にお答えいたします。
今回の推進室の設置と学校訪問として一番力を入れてきた点ですけれども、まず私どもの合い言葉としたのが、先ほど議員がおっしゃったように「本県の子供たちはやればできるのだ」、そのためにも学校の意識そのものを変えていこうというこの決意にありました。本当にやればできるというのをモットーにして、それから学力の向上は私たち学校、教師の最大の責務であるということをモットーにして、校長の意識が変わるということ、そして先生方の意識が変わる。そうすれば必ず子供たちには響くと。本県の学力という大きな山だったんですけれども、これも必ず動くものだと信じて行動しているところです。
それから得点が向上したことについて具体的に申し上げますと、独自調査を具体的に申し上げますと、これまで学力テスト終了後というのは、各学校は文科省に送付するだけであったんですけれども、ことしから全テストをコピーしてもらって、相互に全部採点してもらって、今回、ことしからウエブシステムを全学校で共有していまして、それにその得点を入力してもらっております。それで採点したのは全部集計できるシステムになっていますので、全学校ごとの得点、それから県全体の平均点、学校ごとの子供たちの取り組み状況でどこが悪いのかとか、それを把握することができました。その結果からですけれども、学力向上の改善、もう点数は来ていますけれども、学力の向上並びに改善とか、それは確認できるものとしております。
それから今回の学力テストにつきましては、県教育委員会、市町村教育委員会及び学校がそれこそ一体となって学力問題を自分たちの問題だと意識して取り組んでいると感じております。いろいろ声は聞こえてくるんですけれども、学校の意識が大きく変わりつつあるとか、子供たちは本当に頑張っているというのを聞いております。何より一番頑張っているのは、いろいろ取り組んでいることに対して納得している先生方ではないかなと思っておりますけれども。最下位脱出の件は抜きにしても、この点は推進室の大きな成果だと感じております。
それからもう一点、ぜひ強調したいんですけれども、これは我々は強制ではなくて、学校の主体的な意見交換を通してこういう取り組みであるとかそういうのをやっておりまして、あくまでも学校サイドが主体であるということをつけ加えて答弁にかえさせてほしいと思います。
以上です。
○砂川 利勝 こんにちは。
ちょっと訂正というか削除がありますので、よろしくお願いします。
7番目の地域福祉・医療の中の(1)番です。最後のほうの、措置がない市町村等の現状については削除をします。
それでは、自由民主党を代表して、通告に従い代表質問を行います。
まず1、沖縄振興策の推進についてであります。
経済の自立を目指し、これまでの国主導の振興計画から県が主体となり県の責任のもとに実施する振興計画、沖縄21世紀ビジョン基本計画が動き出して3年目に入りました。21世紀ビジョンの成否を占う沖縄振興一括交付金の活用も軌道に乗り、観光客数は過去最高の658万人に達し、完全失業率は4%台を維持するなど、県内経済目標は総体的に上昇傾向にあります。21世紀ビジョン基本計画に掲げる多くのプロジェクトが芽出しや実現するなど、自立型経済構築に向け沖縄発展の条件整備は確実に進展しております。
市町村においても、一括交付金の活用で独自の施策が打ち出され、地域ニーズの取り組みが行われるようになり、那覇空港第2滑走路の建設が本格化し、ハード面の整備に経済の循環も期待できるのであります。県の2014年度の経済見通しにおいても名目で2.0%、実質で1.5%と予測し、県内総生産は前年比で2.0%増、1人当たりの県民所得も1.7%増と県経済の成長を見込んでおり、沖縄振興予算の増額や一括交付金の活用が軌道に乗ったことなどが要因であります。
さらに、安倍政権の沖縄重視により、大胆な規制緩和で地域におけるビジネスや産業の促進を目指す国家戦略特区について全国で6地区指定され、その中で本県も指定されました。本県は国際観光拠点として指定され、今後海外からの観光客や人材確保を図るためのビザの発給要件の緩和、入管手続の迅速化が期待されますが、国際的観光・リゾート地の形成にいかに生かしていくかが大きな課題と考えます。また、沖縄振興特別措置法が改正され、名護市の金融特区において金融以外でも新たな特区を受けられるようになり、県は製造業、通信業、観光関連業、農林水産業の5業種について税制優遇対象とする計画案を国に対し申請しております。申請が認められれば企業誘致や雇用の確保に大きく貢献することは間違いありません。
しかし一方で、県内中小企業の業績に沖縄振興一括交付金が実際に反映されているかについて、民間企業の団体が調査した結果で約7割が実感がないと答えていることに対し、県として活用のあり方を精査する必要があると考えます。2040年までに20代から30代の女性の人口が半減する市区町村が全国で896自治体に上り、本県では9町村が該当しているようであります。これらの自治体ではこのまま自然減や都市部への人口の流出が続けば、将来自治体の運営が難しくなり、消滅する可能性があるとしております。本県は離島の人口減少という問題も抱えており、人口減少及び高齢化の進展による影響について早急な対策が必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、揮発油税等の軽減措置については、平成24年3月に3年延長で改正され、平成27年5月14日までに期限切れとなる。主要な交通手段が自動車に限られている本県において、揮発油税等の軽減措置終了は県民生活全般や産業経済、離島振興に与える影響が大きい。制度の延長に向けた県の取り組みを伺いたい。
(2)、県経済の振興に大きな効果が期待できる国際商談会・沖縄大交易会の拠点となる大型展示・常設場の新設が求められているが、県の計画について伺いたい。
(3)、県は、大型MICE施設について、平成32年度の供用開始を目指して取り組みを進めているが、試算によれば年間約3000万円の赤字が出るとしている。管理運営の主体をどこにするか等課題も山積するが、場所選定を含め県の基本的な考えを伺いたい。
(4)、国家戦略特区に本県も指定されたが、本県において規制緩和で特例が認定される分野と期待される規制緩和の内容について伺いたい。
(5)、県は、国際物流拠点産業集積地域を那覇市、浦添市、宜野湾市、糸満市、豊見城市の5市全域に拡大した。新たに拡大される地域への優遇措置と県外企業等への制度の活用をどのように働きかけているか伺いたい。
(6)、沖縄振興特別措置法が改正され、従来の金融特区を発展的に解消し、新たに経済金融活性化特別地区が創設され、名護市を指定した。その狙いと従来の特区との違い、県への権限移譲等、北部圏域の経済波及について伺いたい。
(7)、2014年末までの返還が予定されているキャンプ瑞慶覧西普天間地区について、国の拠点返還地指定を受け、県は、琉球大学医学部及び附属病院の移転や重粒子線治療施設の導入などを図り、国際医療拠点の形成を目指している。同地区の跡地利用に向けた取り組み状況と国際医療拠点について伺いたい。
(8)、鉄軌道の導入について、公設民営型の特例制度の創設など国の全面的な協力が必要だが、見通しについて伺いたい。
2、観光振興について。
2013年度の本県の観光客数は前年度比で11.1%も伸び、65万人増の658万300人と過去最高となっております。県の13年度目標として掲げた630万人を大幅に超え、県の年度計画である「ビジットおきなわ計画」の目標値が初めて達成されたのであります。国内客が7.4%も増加し、特に海外客は64%増と一気に伸びております。そして2014年度の「ビジットおきなわ計画」でも13年度を上回る観光客数690万人、観光収入は11.4%増の4970億円の目標を掲げております。このように県は着々と2021年度における本県の観光客数1000万人、そのうち海外観光客数を200万人とする目標達成に向け戦略的な取り組みを進めております。しかし、13年度の実績は米国経済の持ち直しやアベノミクス効果で円安となり、海外から国内へシフトした国内客の増や、割安感で海外からの観光客大幅増につながりましたが、観光はそのときの経済事情や自然災害など外的要因に左右されることから、残り7年で300万人超えの誘客増を図るのは容易ではありません。さらなる本県観光のグレードアップを図り、国際観光・リゾート地としての国際的認知度を向上させることが必要であります。そのため、県は、東京、関西などの大都市圏からの観光客の定着と、海外からの観光客誘致に向けた沖縄と海外を結ぶ航空路線の誘致戦略の展開、さらに欧米客を呼び込むための沖縄への乗り継ぎ路線に対する支援策等についても取り組みが進められております。そのためには、国内誘客に効果のあるLCCの就航拡大や離島路線の拡充、海外観光客のための空港における観光バス専用の駐車スペースの確保、新国際線旅客ターミナルのさらなる改善、手荷物検査やチェックイン等待ち時間の短縮など課題解決が不可欠であります。
一方、製造業等大型企業の立地がない本県の産業形態において、観光は本県におけるリーディング産業であります。県経済の牽引役であります。県経済のさらなる振興には、観光のさらなる発展と観光産業の経営強化を図ることが重要であり、そのため、県は観光収入1兆円の目標を掲げております。観光にかかわる企業は裾野が広く、企業として成り立つためには観光客により多くお金を使ってもらわなければなりません。そのためには、観光客の滞在日数と1人当たりの消費額の増加が必要であります。観光客は増加に転じておりますが、消費額と滞在日数は伸び悩んでいるのが実態であります。観光客数1000万人と観光収入1兆円達成は一体でなければなりません。今後の県の取り組みに期待したいと考えます。
そこで伺います。
(1)、2013年度の観光客数は658万人超えと前年比で11.1%増、海外観光客は64%も増加し過去最高となった背景の分析と、2014年度は観光客数690万人、観光収入は11.4%増の4970億円の目標の達成に向けた新たな戦略と施策展開について伺いたい。
(2)、2013年度の外国人観光客数は過去最高の63万人となった。今後、さらなる誘致を図る上で、受け入れ体制の充実強化と満足度の向上をどのように図っていくか伺いたい。
(3)、県は、数値目標として掲げている、2021年度までの観光収入1兆円、入域観光客数1000万人の達成に向け、沖縄観光推進ロードマップ(仮称)の策定を進めている。進捗状況と活用方法について伺いたい。
(4)、県が計画している沖縄県観光危機管理基本計画(仮称)について、計画の概要と計画をどのように生かしていくか伺いたい。
(5)、新国際線旅客ターミナルと那覇クルーズターミナルが2月から運用され海外観光客への対応が期待されているが、運用の実態と今後の対応を伺いたい。
(6)、新石垣空港の供用開始は石垣島への観光客増につながっているが、八重山諸島へのさらなる関心を高めるため、八重山諸島の各島々を結んだ観光の展開をどのように図っていくか。また、外国人の受け入れ体制の整備について伺いたい。
3、離島・過疎地域の振興について。
本県の離島・過疎地域は、その遠隔性、散在性、狭小性等、地理的に不利な条件下にあり、住民生活環境の基盤整備等ユニバーサルサービスの提供が大きな課題となっております。そのため、本県における離島・過疎地域の振興について、空港、架橋等の交通手段や社会資本の整備を中心に沖縄振興開発特別措置法に基づく高率補助制度の活用が図られてまいりました。しかし、離島・過疎地域というと、構造的な条件不利性から割高な移動コストや行政サービスの高コスト等は依然解消されないままであります。さらに、本県離島は人口規模が小さい上に、台風の常襲による被害に毎年苦しめられております。現在の国等による災害救助法や激甚災害法は、地震や大規模な土砂災害など家屋が倒壊する災害を想定しており、本県離島における被害等が適用基準に当てはまらないのが現状であります。
このような本県離島等の振興を図るには、これまでの高率補助制度のみでは対応には限界があり、沖縄振興一括交付金を最大限活用した離島・過疎地域の振興が求められております。現在進められている離島における交通コストの低減、船舶等の建造・購入に対する支援、離島の生徒が高校進学する場合の親負担を軽減するための離島児童・生徒支援センターの整備などのさらなる支援の拡大、促進が必要であります。また、海底ケーブルの整備による情報通信環境の整備等、ソフト面の対策も重要であります。住みよく、魅力ある島づくり計画に基づききめの細かい離島振興策の推進が求められております。
そこで伺います。
(1)、離島医療の現状については、医師の任期切れや出張等で医師不在の場合が多く、離島住民は不安な生活を余儀なくされている。離島医師及び医療従事者の安定確保について県の取り組みを伺いたい。
(2)、海洋漂着ごみ処理問題について、特に本県離島は大量の漂着ごみで海岸線や海浜の景観を損ねているほか、有害・危険物質による海浜や海岸・海洋生物への汚染・危害も懸念されることから、継続的な処理対策が必要である。県の対応を伺いたい。
(3)、離島住民の負担軽減を図るため離島航空運賃等の低減、離島路線への航空燃料税の軽減措置等を国や県が進めている中、本県離島航空路線運航に関し、旅客運賃の改定の動きがあるが、改定の理由と県の対応を伺いたい。
(4)、石垣―多良間、石垣―波照間航空路線再開に向け、県は、関係町村や航空会社と協議を進めているが、その進捗状況と解決すべき課題等について伺いたい。
(5)、南北大東空港の夜間照明施設については、村民の生命の安心・安全や夜間緊急輸送の安全のためにも必要不可欠な施設だと思うが、県の取り組みを伺いたい。
(6)、県は、離島のインターネットなど通信状況を向上させるため、海底通信ケーブルを敷設するとしている。計画の概要と対象地域、供用時期、経済・雇用への波及効果等について伺いたい。
(7)、自然環境の保全・再生とその適正利用を推進することで地域の観光等経済振興につなげる地域振興策を、県・町村・民間が協働して推進する事業について県の取り組みを伺いたい。
4番、県内産業の振興について。
経済の自立を目指す本県において、経営基盤の弱い中小企業の振興、育成は喫緊の課題である。県において沖縄県中小企業の振興に関する条例に基づき経営革新を図り、経営基盤の強化や新たな操業に努め、中小企業の活力の向上を図っております。そのため、地域を支える企業が情報の国際化の波にのまれることなく、社会の変化や消費者の多様なニーズに対応できるよう、技術力の強化や生産性の向上、多様な人材の確保等に取り組まなくてはなりません。ここに来て県内の中小企業が海外へ進出する事例がふえているようであります。沖縄という亜熱帯気候、島嶼性の地理的特殊性に培った技術やノウハウを生かした太陽光の発電関連技術、飲料水の浄化システムなどの有望分野で本県と似通った環境にある島嶼国や新興国の技術輸出を展開するものであります。政府も国際協力機構(JICA)を通じて中小企業の海外展開支援を勧めており、那覇空港や那覇港を基軸とした国際物流ハブ機能の向上で新たな活路を開く可能性が広がった県内企業の海外展開を県としても促進を図る取り組みが必要であります。
おきなわブランドとして全国に知られた泡盛の出荷数が9年連続減少を続けております。近年、国内の酒類市場が若者のアルコール離れもあり、厳しい状況にありますが、下げ幅が拡大している状況は沖縄泡盛の今後に深刻であります。新たな市場開拓に向け海外へ目を向けた大胆な取り組みが求められているのではないでしょうか。県内の企業はほとんどが中小零細企業であり、経営基盤の強化が主要目標であります。一方で、県内中小企業は地域経済や雇用を支える存在であると同時に、その振興が中心市街地、商店街の活性化につながり、地域コミュニティーの拠点であります。21世紀ビジョン基本計画に掲げる施策の着実な実施が求められています。
そこで伺います。
(1)、中国福建省福州市の沖縄・福建友好会館の現状、今後どのような活動を考えているか伺いたい。
(2)、本県泡盛の出荷が苦戦している。国内酒類市場が全体的に厳しさを増しているとはいえ9年連続での減少は深刻である。その背景に何があるか、改善に向けた取り組みを伺いたい。
(3)、県は、情報通信関連産業を高度化・多様化させ、産業の振興と活性化を促進するため、アジア情報通信ハブ形成促進事業(海底ケーブル敷設事業)を進めているが、その狙いと国内外企業の誘致にどうつなげるか伺いたい。
(4)、長時間労働や残業代不払いなどで法令違反の勧告を受けた、いわゆるブラック企業が問題となっているが、本県における実態と県としてどのような対策ができるか伺いたい。
(5)、百貨店沖縄三越が9月にも閉店することとなった。本県唯一の老舗店が閉鎖を決めた原因と残される従業員の雇用に対する対応について伺いたい。
5、農林水産業の振興について。
本県における農林水産業は、少子・高齢化の進展もあり、従事者の高齢化や後継者不足が深刻な問題となっております。農業従事者の高齢化に伴う担い手不足は耕作放棄地の増加につながり、生産基盤の縮小傾向が構造化しております。国は農業の衰退に歯どめをかけ、農家の将来に対する不安の解消を図るため「攻めの農林水産業」の展開を図り、農地対策や生産現場の強化、海外市場を見据えた需要フロンティアの拡大を戦略的に進めるとしております。また、農林水産業の振興と所得増大を図る施策として、生産から加工、販売まで取り組む6次産業化の推進を図っております。県においても国の6次産業化ネットワーク活動資金を生かし、相談窓口となるサポートセンターを設置しプランナーを配置し、関係市町村や関係団体等と連携しソフト・ハード両面から支援を進めるとしております。また、優良農地の担い手への集約化を図り、農業の効率化を進める対策として農地中間管理機構の活用が重要となっており、県内における機構の体制整備を進め耕作放棄地の拡大防止に努める必要があります。
漁業においては年々漁獲量の減少に加え、日台漁業取り決めや日中漁業協定により、県内漁船の安全操業が脅かされるなど漁場の確保の問題も起きております。ことし1月に一部水域で暫定的な操業ルールで合意しておりますが、県内漁業者の間には依然不満が残っており、完全解決に向け国の一層の努力が求められます。さらに、漁業者を苦しめているのが漁業用燃料価格の高騰であります。近年の原油価格の高騰に加え、急激な円安の影響もあり漁業用燃料価格は平成21年6月の1リットル当たり54円から平成25年9月には86円と約6割も上昇し、県内漁業者の経営を圧迫しております。県は漁業用燃油緊急対策事業を実施し、漁業者の経営安定に努めております。離島県である本県の農林水産業の持続的発展と従事者の生活安定を図るには、全国的な一律の施策ではなく、本県の特性に合った大胆な施策の展開が必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、高齢化の進展や若者の農林水産業離れ等、担い手不足に対する対策が急がれている。県新規就農一貫支援事業、青年就農給付金事業等の内容と新規就業者の育成確保の実績について伺いたい。
(2)、県が実施している農林水産物流通条件不利性解消事業について、取り組みの現状、今後の事業の拡大等について伺いたい。
(3)、近年の原油価格高騰や急激な円安等の影響で、漁業用燃油価格が高騰している。県は、緊急対策事業を実施し支援を行ったが、平成26年度における漁業燃油支援対策費や沖縄漁業基金を活用した支援について具体的な内容等について伺いたい。
(4)、日台漁業協定について、ことし1月に一部水域で暫定的な操業ルールで合意したが、県内漁業者の間には依然不満が残っている。完全解決に向けた国・県の取り組みを伺いたい。
(5)、TPP(環太平洋経済連携協定)について、日米交渉で農産物重要5品目の大幅譲歩の懸念も高まり、県内農業関係団体等に危機感が広まっている。現状と県の認識を伺いたい。
(6)、政府が進めている農業改革について、農業委員会や農業生産法人の改革とあわせ、農業協同組合の見直しに関し踏み込んだ内容が掲げられている。地域における実態や実情に合わせ、農業者の意向を反映した改革が必要と考えるが、県としての考えを伺いたい。
(7)、国営かんがい排水事業石垣島地区について、本年度で新規着工が予定されているが、その進捗状況について伺いたい。
6、子ども・子育て支援について。
総務省がまとめた2014年4月1日現在の人口推計によりますと、14歳以下の子供の数は1633万人と33年連続で減少し、総人口に占める割合は12.8%で、調査を始めた1950年から実に1300万人以上減っており、減少に歯どめがかからない状況となっております。本県は17.6%と全国で最も高くなっておりますが、一方で保育所に入れない待機児童数は全国的に高い状況にあり、子育て支援策が十分に機能していない状況も見られます。県は待機児童解消を図るべく受け皿の設置に努めており、2013年4月1日現在、本県には公立保育所が94カ所、認可保育所が305カ所、認可外保育所が478カ所設置されておりますが、依然2216人の待機児童が存在しているのであります。そのため、昨年県において策定された待機児童対策行動指針に基づき、市町村においては独自の待機児童解消計画を策定しております。そして国の待機児童解消加速化プランを活用し、2017年度末までに認可保育所83カ所の創設や92カ所の増改築を図り、約1万1000人の保育の量を確保し、約1400人の保育士を確保するとしております。しかし、本県は共働きが多く、保育の受け皿を必要とする割合が高く、さらに子育てを終え働きに出る女性の増加、また数字にあらわれない潜在的な待機児童が県の予想を超えて存在することなど、保育行政への期待は大きいものであります。
一方、保育による子ども・子育て支援を確実なものにするには、保育を担う保育士の確保が不可欠であります。そのため、保育士の待遇改善は避けては通れません。給与支給額の増や正規雇用率の上昇を図るなど保育環境の充実を図ることが重要であります。さらに、潜在保育士の就労支援を促進するための取り組みの強化も急がれており、県保育士・保育所総合支援センターにおける人材バンクへの登録、相談等関係行政機関の一層の取り組みが求められております。
そこで伺います。
(1)、幼稚園と保育所の機能をあわせ持つ認定こども園が全国的に増加しているが、本県における状況と2015年4月から施行される新たな子育て支援制度に向けた県の取り組みについて伺いたい。
(2)、政府は、放課後子ども総合プラン(仮称)を策定し、2015年度から5年間で学童保育30万人の受け皿を整備するとして放課後児童クラブを拡充する方針のようだが、本県における現状と今後の対応について伺いたい。
(3)、県は、待機児童解消加速化プランを活用し、2017年度末までに認可保育所83カ所の創設、92カ所の増改築を見込み、約1万1000人の保育量の拡大、1400人の保育士を確保し、待機児童の解消を図るとしている。市町村の対応を含めた県の取り組み状況について伺いたい。
(4)、消費税増税に伴う子育て世帯臨時特別給付金について、支給対象者から手続に関する問い合わせ等が相次いでいるようだが、制度の周知方法はどのように行われているか。また、支給を装った振り込め詐欺などの懸念も指摘されている。対応の状況について伺いたい。
(5)、本県においては、不登校、ひきこもり、ニートなど、社会生活を円滑に営む上で困難を有する子ども・若者に対する支援のあり方が課題となっている。子ども・若者育成支援推進法の趣旨に基づく取り組みについて伺いたい。
7、地域福祉・医療の充実強化について。
2040年度までに男女とも平均寿命全国一奪回を目指し、本県において官民一体となった取り組みが本格的に動き出した。少子・高齢化の進展が急速に進む我が国において、高齢者が安心して暮らし、安全な住環境のもとでお互いが支え合う地域社会を形成していくことが重要であります。しかし、年々ふえつつある高齢者を取り巻く環境は、国や自治体の財政状況もあり決して満足がいくものではありません。国の調査によれば、ことし3月時点で全国の特別養護老人ホームへの入所を希望している待機者は、全国で52万2000人に達し2009年の調査より約10万人もふえたようであります。高齢化対策を重点的に進めながら待機者がふえる背景には、余りにも急速に高齢化が進んだことで自治体が特別養護老人ホームを整備するスピードを入所希望者が上回っていることであり、これにより高齢者の住まいの確保がおくれていることであります。本県は5153人の待機者がおり、21世紀ビジョン基本計画に掲げる「高齢者が住み慣れた地域で生き生きと暮らせる環境づくり」に向け、官民一体となった取り組みが必要であります。
一方、本県の特性を生かした医療の充実強化を図り、地域住民が安心・安全できる地域医療体制の整備も必要であります。多くの離島を抱える本県は、市町村財政が弱く、特に地域医療は県立病院に依存しているのが現状であります。その県立病院においては産科や小児科医師の不足が毎年のように問題となり、そのたびに医師確保に奔走しているのが現状であります。そのため、県立病院の医療現場では看護師の過重勤務から退職者が増加していることが地域医療における懸念要因となっております。いつでもどこでも安心して医療サービスが受けられるよう、地域医療の充実強化が求められており、そのため地域における中核病院としての役割を担う県立病院が安定的な医療提供ができるよう、必要な体制整備を図ることが必要であります。看護師の大半は女性が占めており、出産を機に退職した女性看護師の現場復帰が大きな課題であり、子供を預ける保育所の夜間保育体制の整備が重要であります。
そこで伺います。
(1)、本県は、養護老人ホームへの入所率が全国で最も低い状況にあるようだが、その要因と本県における養護老人ホーム数、定員数について伺いたい。
(2)、特別養護老人ホームへの入所を希望する待機者は何人か。特養の整備が追いつかない状況のようだが、本県の整備計画について伺いたい。
(3)、地域の相談役として重要な役割を担う民生委員について、本県は充足率全国最下位ということだが、その背景と活動の周知方法について伺いたい。
(4)、児童養護施設を出た若者の進学、就職や障害者の民間賃貸住宅への入居に際し大きな壁があると言われるが、県内における実態と公的助成の拡充、社会全体で支援の輪を広げる必要性について伺いたい。
(5)、健康・長寿復活に向けた県の取り組み状況と今後の対応方針について伺いたい。
以上です。
○議長(喜納昌春) ただいまの砂川利勝君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時58分休憩
午後 2時 2分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
午前の砂川利勝君の質問に対する答弁を願います。
仲井眞知事。
〔知事 仲井眞弘多君登壇〕
○知事(仲井眞弘多) 砂川利勝議員の御質問に答弁をいたします。
まず第1に、観光振興についての御質問の中で、昨年度の観光客増加の要因と今年度の目標達成に向けた戦略いかんという御趣旨の御質問にお答えいたします。
まず第1に、昨年度の観光客増加の要因としましては、外的要因として、円安による訪日旅行需要の高まり等が挙げられます。次に、県の観光客増大に向けた取り組みとして、国内外における航空路線の拡充、そして新石垣空港等の観光インフラの整備の進展、さらには航空機燃料税等の沖縄特例措置の拡充、そして一括交付金等を活用した観光関連予算の大幅な増額等々により、そして最後に官民一体となって観光施策に取り組んだこと等によるものと考えております。
今年度は、入域観光客数690万人、観光収入4970億円などの目標の達成に向けて、引き続き国内外における戦略的な誘客活動を展開いたしますとともに、離島観光の推進や観光人材の育成、観光客受け入れ体制の充実そして強化などに取り組んでまいりたいと考えております。ことし3月に国際観光拠点として国家戦略特区の指定を受けましたことから、最大限その活用を図るべく、関係機関と連携して取り組んでまいる所存でございます。
次に、県内産業の振興に係る御質問の中で、海底ケーブル敷設事業の目的と企業誘致についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県は、情報通信関連産業をリーディング産業としてより一層発展させるため、クラウドデータセンターを整備いたしますとともに、沖縄と首都圏・アジアを高速・大容量・低価格のネットワークで接続する海底ケーブル敷設事業に取り組んでいるところでございます。これによりまして、付加価値の高いクラウドサービスやバックアップサービスなどを提供する基盤を強化し、国内外企業の誘致インセンティブとして積極的に活用したいと考えております。この海底ケーブルを起爆剤として、県内のクラウド基盤の活用や通信ネットワーク技術の開発など、さらなるIT産業の高度化を図り、企業の集積や新規雇用の創出を促進してまいりたいと考えております。
次に、地域福祉・医療の充実強化についての御質問の中で、健康・長寿復活に向けた取り組みと対応についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県では、2040年までに平均寿命の都道府県順位1位を奪回することを目指し、健康・長寿世界一復活プロジェクトを推進いたしているところでございます。
健康・長寿復活に向けた取り組みといたしまして、まず県庁内におきましては、全部局で構成する健康長寿おきなわ復活推進本部を立ち上げております。そして健康・長寿復活に向けた諸事業を実施しているところであります。さらに、健康長寿おきなわ復活県民会議を4月に立ち上げております。これは県民の健康意識の高揚や職場における健康づくりの推進など、官民一体となった健康づくり運動を推進するものでございます。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁をさせていただきます。
○副知事(高良倉吉) 離島・過疎地域の振興に関する御質問の中で、自然環境の保全・再生の推進と地域振興についてお答えいたします。
県では、沖縄らしい自然環境を戦略的に再生するため、再生すべき場所や範囲、再生の程度、自然の有する防災機能の活用等を体系的に取りまとめた自然環境再生指針――現時点で仮称ですが――を平成26年度中に策定することとしております。
今後、同指針を踏まえ、河川の自然の営みを視野に入れた川づくり、心が安らぐ景観の回復、水質の改善、赤土等の対策を総合的に実施し、カヌー体験などのエコツーリズムの魅力向上により観光振興や地域振興につながるよう、関係町村等と協働して取り組んでまいります。
続きまして、農林水産業の振興に関する御質問の中で、農業の担い手育成対策についてお答えいたします。
沖縄県においては、沖縄21世紀ビジョン基本計画に基づき、新規就農者を年間300名、平成33年度までに3000名を育成することとしております。主な取り組みとして、沖縄県新規就農一貫支援事業により、就農相談体制の充実や農業施設・機械の導入等に対する支援を行っております。また、青年就農給付金事業においては、就農前の研修段階及び就農初期段階の青年就農者に対する給付金の支給等を行っております。その結果、新規就農者はこれまでの年間約250名から、平成24年390名、平成25年357名と増加しております。
続きまして、TPP交渉の現状と沖縄県の認識についてお答えいたします。
TPP交渉については、農産物の関税分野を含めいまだ合意に至っておらず予断を許さない状況にあると認識しております。このため、去る4月16日に県内農業団体と連携し、国に対して「重要5品目などの聖域が確保できなければ交渉からの脱退も辞さない」とした衆参農林水産委員会決議の遵守等の要請を行ったところであります。
沖縄県としましては、今後ともTPP交渉の動向や国の対応を踏まえながら、時期を逸しないよう必要な対策について適切に対応してまいります。
以上です。
○副知事(川上好久) 沖縄振興策の推進についての御質問の中で、国家戦略特区の規制緩和内容についてお答えいたします。
国においては、我が国の産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点を形成するため、去る5月に国家戦略特区として6地域を指定しました。この中において、沖縄県全域が国際観光拠点として指定され、外国人観光客の受け入れ拡充に向けた入管手続の迅速化、高度人材の受け入れ促進に向けたビザ要件の緩和などの規制緩和が位置づけられております。また、去る6月24日に閣議決定された「新たな成長戦略」において、「法人設立手続の簡素化・迅速化」など、国家戦略特区内でのさまざまな規制緩和の追加が検討されることとなりました。
県としては、これらの規制緩和を活用し、観光ビジネスの振興やイノベーション拠点の形成に取り組み、引き続き沖縄振興を総合的・積極的に推進してまいりたいと考えております。
次に、鉄軌道導入の見通しについてお答えいたします。
鉄軌道の導入の実現には、持続的な運営を可能とするため、全国新幹線鉄道整備法を参考とした特例制度の創設が必要不可欠であります。このため、知事は、鉄軌道の早期導入を求める沖縄県経済団体会議の要請を踏まえ、去る6月18日に菅官房長官、太田国土交通大臣、山本沖縄担当大臣、23日には安倍総理大臣に対して特例制度創設に向けた取り組みの早期着手を要請したところであります。総理大臣及び官房長官からは、「沖縄県側の要望も踏まえ検討していく」趣旨の発言、また、国土交通大臣からも前向きな発言を頂戴しております。これを受け、内閣府から、今年度の調査において特例制度の研究・検討を行うことが示されております。
沖縄県としましては、今後とも国と連携し、早期導入に向け取り組んでまいります。
次に、子ども・子育て支援についての御質問の中で、保育の量の拡大に向けた取り組み状況についてお答えします。
今後5カ年間で潜在的待機児童を含めた約1万1000人の保育の量の拡大に向けて、市町村においては、今年度は42カ所の保育所整備等により2950名の保育の量を確保することとしております。
県においては、安心こども基金による保育所緊急整備事業や待機児童対策特別事業による認可外保育施設の認可化や待機児童解消支援基金事業の活用による市町村の独自事業等による取り組みの加速化を支援してまいります。また、保育士等処遇改善臨時特例事業、保育士修学資金貸付事業や保育士産休等代替職員配置支援事業等を実施し、保育士の確保に努めてまいります。
以上であります。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 4月1日付で子ども生活福祉部長を拝命いたしました金城武でございます。
本県の子育て支援の充実、そして県民福祉の向上のために全力で取り組んでまいります。議員各位の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
それでは砂川利勝議員の御質問にお答えをいたします。
まず1の沖縄振興策の推進についての御質問の中で、揮発油税等の軽減措置の延長に向けた県の取り組みについてお答えをいたします。
揮発油税等の軽減措置につきましては、県民生活及び産業経済に及ぼす影響を考慮し本土復帰時に創設され、これまで県民生活及び産業経済を支える重要な役割を果たしてまいりました。鉄道網がなく主要な交通手段が自動車である本県においては、ガソリンの消費に高く依存する状況にあります。このため、揮発油税等軽減措置が廃止された場合、県民生活及び県産業に与える影響は大きいものと考えております。
沖縄県としましては、関係団体と連携をし、本軽減措置の延長に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、6の子ども・子育て支援についての御質問の中で、認定こども園の状況と子ども・子育て支援新制度に向けた取り組みについてお答えをいたします。
本県における認定こども園の認定件数は、平成26年4月1日現在で2件となっており、定員数は合わせて355人となっております。新たな制度の本格施行に向け、県においては、沖縄県子ども・子育て支援事業支援計画(仮称)を策定するため、沖縄県子ども・子育て会議において審議を行っております。今後、9月末を目途に計画のおおむねの案を取りまとめ、パブリックコメントの実施後、今年度末までに計画を策定したいと考えております。また、事業実施主体である市町村職員への説明会や意見交換会を実施するとともに、保育所及び幼稚園関係者等への説明会を開催するなど、子ども・子育て支援新制度の円滑な実施に向けて取り組んでいるところであります。
次に、放課後児童クラブの現状と今後の対応についてお答えをいたします。
本県における放課後児童クラブの現状は、平成25年5月1日現在で26市町村、306カ所で実施されており、登録児童数は1万2481人となっております。放課後児童クラブについては、沖縄振興特別推進交付金を活用して実施をしております放課後児童クラブ支援事業により公的施設の活用を推進し、市町村と連携して利用料の低減と量の拡充に取り組んでいるところであります。今後国において取りまとめられる「放課後子ども総合プラン」を踏まえ、さらに充実させていきたいと考えております。
次に、子育て世帯臨時特例給付金の周知方法等についてお答えをいたします。
子育て世帯臨時特例給付金について、国においては、特設ホームページの開設や問い合わせ専用ダイヤルの設置のほか、ポスターやチラシの配布、新聞やテレビCM等の広報を実施し、注意喚起に努めております。また、県や市町村におきましても、順次ホームページや広報誌への掲載、ポスターやチラシを関係機関、大型スーパー、コンビニ等へ設置するなどして制度の周知を図るとともに、振り込め詐欺への注意喚起を行っているところであります。給付事務が適切かつ円滑に行われるよう、引き続き国や市町村と連携して周知に努めてまいります。
次に、子ども・若者育成支援に係る取り組みについてお答えをいたします。
沖縄県の子ども・若者の現状は、全国と比較してニートの割合や高校生の不登校率及び中退率が高いことなど、厳しい状況にあります。このような状況を踏まえ、県におきましては、本年9月を目途として、子ども・若者総合相談センターを設置することとしております。同センターにおいては、社会生活を円滑に営む上で困難を有する子ども・若者からの相談に応じみずから助言を行うとともに、適切な支援機関の紹介や複数機関からの多面的な支援に係る調整等を行い、社会的自立を支援してまいります。同センターを有効に活用し、沖縄県における子ども・若者育成支援の効果的な推進に努めてまいります。
次に、7の地域福祉・医療の充実強化についての御質問の中で、養護老人ホームの入所率等についてお答えをいたします。
養護老人ホームは、老人福祉法に基づく市町村の措置により、環境上及び経済的な理由により居宅での生活が困難な高齢者を入所させ、社会復帰や自立のための援助を行う施設であります。県内には6施設の養護老人ホームが設置されており、定員は300人で、平成25年4月1日現在の入所者は212人、入所率は71%となっております。本県の入所率が低い要因については明らかではありませんが、背景には多様な高齢者の住まいが増加したことなどがあるのではないかと考えております。
次に、特別養護老人ホームの入所待機者及び整備計画についてお答えをいたします。
平成24年10月末現在の特別養護老人ホームの入所申込者のうち、在宅の方は2041人となっており、そのうち施設入所の必要性が高い高齢者は916人となっております。
県としましては、入所待機者の解消を図るため、平成24年度から26年度までを期間とする第5期沖縄県高齢者保健福祉計画に基づき、特別養護老人ホーム等を1056床増床することを目標に整備に取り組んでいるところであります。また、平成27年度以降の整備計画につきましては、今年度策定する次期計画の中で検討することとしております。
次に、民生委員の充足率最下位の背景と活動の周知方法等についてお答えをいたします。
本県における平成26年6月1日現在の民生委員の数は、定数2348人に対して委嘱数が2040人で、充足率は86.9%と全国最下位となっております。充足率が低い背景として、民生委員の役割の複雑化・多様化による活動の困難性や負担感、民生委員の役割や活動内容が十分に周知されていないことなどが挙げられます。
県においては、県広報誌やPRチラシ、市町村と連携した広報活動の促進により民生委員の活動や役割の重要性などの周知を図っているところであります。今後とも、引き続き市町村と連携をし、民生委員の充足率の向上に努めてまいりたいと考えております。
次に、児童養護施設退所者と障害者への支援についてお答えをいたします。
平成25年3月末において高等学校を卒業した児童養護施設入所児童20名の進路につきましては、大学・専修学校等への進学が1名で、就職が16名となっております。施設を退所した児童に対しては、就職・大学進学等の支度費を最大で27万6190円助成するほか、資格取得に係る経費として5万6570円を支給するなど、助成の拡充が図られております。また、一般社団法人沖縄県指定自動車学校協会においては、平成26年度から免許取得費が児童1人当たり10万円免除されているほか、沖縄大学における授業料の全額免除など、児童の自立に向けた支援が広がっております。障害者の民間賃貸住宅への入居については、連帯保証人の確保が難しく受け入れが進んでいないところがありますが、市町村において家賃保証等を行う国庫補助事業の実施が可能となっております。
県としては、市町村に対して先進事例の情報提供や助言等を行い事業化を促進するなど、障害者の居住支援に取り組んでまいります。
以上でございます。
○商工労働部長(下地明和) こんにちは。
4月1日付で商工労働部長を拝命いたしました下地明和です。
産業振興と雇用の確保・拡大に一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。議員各位の皆様の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
それでは沖縄振興策の推進についての中で、国際商談会等の拠点となる大型展示場の新設に係る県の計画についてお答えします。
沖縄大交易会を初めとする国際商談会等の開催に必要な大型展示場については、県内経済界からの強い要望があり、県としてもその整備を進めていきたいと考えています。整備については、現在県で検討を進めている大型MICE施設との連携の可能性を含めて検討してまいりたいと考えております。
次に、国際物流拠点産業集積地域制度の活用についてお答えします。
国際物流拠点産業集積地域について、県は、去る6月18日に那覇港及び那覇空港に隣接・近接する那覇市、浦添市、豊見城市、宜野湾市、糸満市の市内全域と、うるま市及び沖縄市の一部から成る中城湾港新港地区に指定地域を拡大したところであります。同地域においては、知事が認定する法人の課税所得40%控除や投資税額控除等の優遇措置を受けることが可能となります。県では、5月から6月にかけて内閣府と共催で県内経済団体や関係企業、市町村を対象とする制度説明会を開催したところであり、今後、県外で開催する企業誘致セミナー等においても広く周知活動を実施し制度の活用推進を図るとともに、企業誘致活動を積極的に展開してまいります。
次に、県内産業の振興についての中で、沖縄・福建友好会館の現状と今後どのような活動を考えているかについてお答えします。
福建・沖縄友好会館は、平成10年の落成以来、沖縄県と福建省の経済・文化交流の拠点として活用されており、現在の県内企業の入居状況は昨年度より1社ふえて3社となっております。福建省は、近年、台湾との活発な経済交流等により経済発展が進み、沖縄へのクルーズ船による観光客が増加するなど、沖縄との経済交流の活性化が期待されております。そのような中、県では同会館1階に沖縄の物産と観光をPRするコーナーを開設する準備を進めております。
県としましては、同会館を有効活用し、今後とも沖縄県と福建省の一層の経済・文化交流を進めてまいります。
次に、泡盛の出荷量減少に対する県の取り組みについてお答えします。
泡盛の出荷量は、平成16年をピークに9年連続で減少しております。その主な要因は、人口減少と若者のアルコール離れによる国内酒類市場の縮小傾向、消費者嗜好の多様化等が考えられており、単式蒸留焼酎や清酒等、ほかの酒類においても減少傾向にあります。
県においては、沖縄振興特別推進交付金を活用し、県外での泡盛の飲み方等のプロモーションや原料米等に関する調査研究、首都圏等での展示会への出展等を通じて県外市場の開拓に取り組んでいるところであります。また、海外における物産展、展示商談会への出展支援、広告販売促進支援のほか、海外の飲食店における泡盛マイスターによる泡盛カクテルのPRなどにより海外への販路拡大も支援をしているところであります。
県としては、引き続き泡盛業界と連携し、琉球泡盛の販路拡大に取り組んでまいります。
次に、本県のブラック企業の実態と対策についてお答えします。
沖縄労働局によると、平成25年9月、若者の使い捨てが疑われる企業27事業所に重点監督を実施し、そのうち21事業所に何らかの労働基準関係法令違反があり是正勧告等の指導を行ったとのことであります。これに従わない事業所に対しては、労働基準法違反等で書類送検した上で、当該事業所名を公表することも検討していると聞いております。
県としましても、沖縄労働局と連携を図り、労使双方に対する労働関係法令の周知や情報の提供及び労働相談等に努めてまいりたいと考えております。
次に、沖縄三越閉店の原因と従業員の雇用に対する対応についてお答えいたします。
沖縄三越によると、閉店の原因について、経済環境や競争環境の変化に対応した有効な施策を講じることができず、平成16年からの再生計画スタート以降も売り上げの低迷が続いていること、10月以降は「三越」の商号及び商標が使用できなくなることから収支はさらに悪化することが予想されること、本店建物を継続利用するためには一定程度の老朽化対策を講じる必要があること、以上のことから閉店を決めたということであります。また、従業員の雇用対策については、沖縄三越及びテナント従業員の再就職支援を目的として、沖縄県、沖縄労働局、那覇市、沖縄三越の4者で構成する緊急雇用問題連絡会議を開催し、総合的再就職支援プログラムを決定いたしました。同プログラムでは、具体的な支援策として、経済団体や関連企業への求人確保の要請、合同就職説明会・面接会、グッジョブセンターおきなわ等での就職相談、職業紹介、生活相談の支援、さらに職業能力開発校における職業訓練などを行ってまいります。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(湧川盛順) それでは沖縄振興策の推進に関する御質問の中の、大型MICE施設についての基本的な考えについてお答えいたします。
MICEは、一般観光に比べて消費単価が高く地域への経済波及効果が大きいことから、沖縄県では平成25年度より有識者検討委員会を設け、大型MICE施設の整備に向けて必要な機能などについて検討を行ってきたところであります。去る6月10日に開催した同委員会では、建設場所選定に係る評価項目に基づき一定の評価を行いつつ、各候補地の現況や課題などについて御意見をいただいたところです。場所選定については、同委員会の意見を踏まえつつ引き続き調査検討を行い、可能な限り早期に判断していきたいと考えております。また、大型MICE施設の整備や運営に係るコスト圧縮を図るため、今後、調査を実施し詳細に検討していくこととしております。
次に、観光振興に関する御質問の中の、外国人観光客の受け入れ体制の充実強化と満足度の向上についてお答えいたします。
外国人観光客につきましては、言語、文化、宗教などが異なることから、それぞれのニーズに即したきめ細やかな対応が重要であると考えております。
県としましては、外国人観光客のニーズが高い外国語観光案内板の設置や観光施設等の多言語表示の促進、Wi-Fi機器導入の支援により外国人観光客が快適に旅行できる環境整備を進めるとともに、海外カード対応のATMや外貨両替機設置の支援によりショッピングの利便性の向上を推進しております。また、外国人観光客への対応能力の向上を図るため、沖縄特例通訳案内士の育成や観光関連企業が実施する語学研修を支援するほか、コールセンターの設置による多言語案内などを実施しております。これらの取り組みを着実に進めることにより、外国人観光客の満足度の向上を図ってまいります。
次に、沖縄観光推進ロードマップの策定に向けた進捗状況と活用方法についてお答えいたします。
沖縄観光推進ロードマップは、第5次沖縄県観光振興基本計画の目標値である観光収入1兆円、入域観光客数1000万人などの達成に向けて、年度ごとの誘客目標などを可能な限り国や市場別に設定するとともに、空港、港湾などの交通インフラや宿泊及び観光施設などの受け入れ体制の課題を明らかにし、関係機関と連携して必要な施策と実施体制を構築することを目的に策定するものであります。現在、国内外の旅行動向や県内の受け入れ体制の情報収集を行っているところであり、7月にはロードマップのたたき台を作成し、今年度中をめどに取りまとめたいと考えております。
県としましては、このロードマップをもとに、これまで以上に関係機関と緊密に連携し、目標達成に向けた施策に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、八重山諸島の各島々を結んだ観光の展開及び外国人の受け入れ体制の整備についてお答えいたします。
平成25年の石垣島入域観光客数は、南ぬ島石垣空港の開港やクルーズ船寄港数の増加などに伴い、約94万人と過去最高を記録しております。
県としましては、石垣島を訪れる観光客を周辺離島へ誘客する施策を充実させることにより、滞在日数の延長や消費額の増加、ひいては観光客の満足度向上を図るなど、その効果を広く圏域全体に波及させることが重要だと考えております。このため、地域資源の活用や民間ノウハウを積極的に活用した魅力ある周辺離島商品の造成や、これらのきめ細かな情報発信への支援を行うとともに、離島の観光事業者が参加する国内外での商談機会の創出に取り組んでおります。また、今後も増加が見込まれる外国人観光客の受け入れ体制については、多言語対応の充実や人材の育成確保が課題となっております。引き続き県が実施する多言語案内板の設置や翻訳支援、語学力・専門スキルを高める人材育成支援などの各種施策の活用促進を図るとともに、地域と連携した受け入れ体制の整備に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
失礼しました。答弁漏れがあるようですので追加させていただきたいと思います。
観光振興に関する御質問の中の、沖縄県観光危機管理基本計画(仮称)の概要と活用についてお答えいたします。
沖縄県は、災害時においても観光客の安全・安心が守られる観光・リゾート地の形成を図ることを目的として、沖縄県観光危機管理基本計画を策定することとしております。
その概要は、台風や地震、津波などの災害が発生した場合に観光客へ必要な情報を発信するほか、災害の規模に応じて避難誘導や安全確保、早期帰宅支援などの危機管理体制を整えるものであります。また、観光・リゾート産業は、県経済に与える影響が大きいことから、災害後の風評被害対策や観光産業の事業継続など沖縄観光の早期復興を支援する仕組みについても構築することとしております。
県としましては、基本計画の活用促進に向けて周知・啓発を図るとともに、次年度以降、基本計画をもとに災害発生時の具体的な取り組みや役割を明確にする実行計画を策定し、市町村や観光関連団体・事業者が定める観光危機管理計画の策定支援を行ってまいります。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 沖縄振興策の推進についての御質問の中の、経済金融活性化特別地区の狙いなどについてお答えいたします。
経済金融活性化特別地区は、名護市の地域特性を生かした多様な産業の集積を促進し、雇用機会を創出することで、北部圏域の産業の振興や沖縄の均衡ある発展、ひいては沖縄における経済金融の活性化を図るため創設された制度であります。同特区においては、対象産業の設定等の権限が知事に移譲されるとともに、従業員数要件の緩和など、課税の特例措置が大幅に拡充されております。これにより、沖縄県ではこれまでの金融関連産業に加え、情報通信関連産業、宿泊業、娯楽業、農業、畜産業、水産養殖業、製造業などの多様な産業を設定したところであります。
沖縄県としましては、地元と連携し、同特区制度を最大限に活用することにより、名護市のみならず、北部圏域の産業の振興を図ってまいりたいと考えております。
次に、西普天間住宅地区の跡地利用に向けた取り組み状況及び国際医療拠点の形成についてお答えいたします。
県と宜野湾市は、西普天間住宅地区において、医療や健康をテーマとした特徴的なまちづくりを進めるため、重粒子線治療施設や研究開発等の機能を集積させた国際医療拠点の形成を目指し、去る4月28日に拠点形成に向けた国の支援等を要請いたしました。
また、国際医療拠点の形成を進める上で、琉球大学医学部及び同附属病院を同地区に移設することが非常に有益であるとの結論に至り、去る6月3日に、同施設の移設について国の積極的な財政支援等を要請したところです。さらに、同日開催された駐留軍用地跡地利用推進協議会において、西普天間住宅地区の跡地利用に関する国の取り組み方針を定めることが確認されました。
県としては、国、宜野湾市及び琉球大学等と連携を図りながら、高度医療や研究機能の拡充、地域医療水準の向上、国際的な研究交流や医療人材の育成等を推進することにより、国際医療拠点の形成を目指してまいります。
次に、観光振興についての御質問の中の、新国際線旅客ターミナルビルの運用の実態と今後の対応についてお答えいたします。
ことし2月17日に供用が開始された新国際線旅客ターミナルビルは、年間150万人の乗降客数への対応を想定して整備されております。平成23年度に約50万人であった国際線の乗降客数は、平成24年度に約60万人、平成25年度には約100万人と年々利用実績が伸びており、今年度はさらなる利用が見込まれております。近年の急激な国際線旅客数の伸びを踏まえ、那覇空港ビルディング株式会社は、ハイジャック検査機器を8月上旬に1基増設し3基体制とすることとしており、さらに、国内線と国際線を結ぶ際内連結施設の整備に向け取り組んでいるところであります。
県としては、国際線の旺盛な旅客需要に対応できるよう、同社及び国等の関係機関と連携して、国際線ターミナルビルの拡張を含む際内連結施設の早期整備に向けて取り組んでまいります。
次に、離島・過疎地域の振興についての御質問の中の、県内離島航空運賃の改定理由と県の対応についてお答えいたします。
航空会社を取り巻く事業環境については、急激な燃料高騰や円安、格安航空会社等の参入など厳しさが増している状況にあり、各航空会社においては、昨年度末ごろから運賃改定が行われております。
県内離島航空路線においても同様な動きがあったところですが、県の離島振興策や今年度から拡充された県内離島航空路線に対する航空機燃料税の軽減措置の趣旨を踏まえ、県は各航空会社に対し、運賃改定の再考と路線の安定的な確保及び利便性の向上について要請したところであります。その結果、離島住民向け運賃については、競合路線の改定幅が抑制されるとともに、単独路線については当面の間、運賃が据え置かれるなど一定の配慮がなされたものと考えております。
県としましては、運賃改定をめぐる今後の動向を注視し、離島住民の負担軽減に努めてまいりたいと考えております。
次に、航空路線再開に向けた進捗及び課題についてお答えいたします。
石垣―多良間間、石垣―波照間間航空路線の再開については、就航機材調達や施設整備、さらには継続的な運航を可能とする需要喚起策や運航コストの縮減など、ハード面及びソフト面での課題解決が必要であり、「石垣拠点航空路開設検討協議会」において協議を重ねております。ハード面での課題のうち、就航機材については、定員19名乗りのプロペラ機が平成27年3月までに納機される予定であるほか、波照間空港ターミナルビルについても、今年度予算で改築設計を行っております。ソフト面の課題である需要喚起策については、地元主導で「利用促進協議会(仮称)」を立ち上げることとし、波照間島では8月、多良間島では9月をめどに設置される予定となっております。
また、運航コスト縮減策については、就航を予定している第一航空株式会社が搭乗手続業務などの他社への委託や、機体整備体制のあり方など、可能な限りのコスト縮減策を検討しているところであります。
県としましては、今年度末までに竹富町、多良間村及び第一航空株式会社などと連携し、各主体の役割やスケジュールを明確化した「石垣拠点航空路就航基本計画(仮称)」を策定し、平成27年度下半期の路線再開に向けて取り組んでまいります。
次に、離島海底通信ケーブルの事業概要等についてお答えいたします。
県においては、本島都市部と離島地区との情報格差を是正するため、離島地区情報通信基盤整備推進事業を実施しております。
事業概要は、先島地区においては宮古島、多良間島、石垣島、西表島、竹富島、小浜島、黒島、波照間島、与那国島の9離島、本島南部周辺においては久米島、粟国島、渡名喜島、座間味島、渡嘉敷島の5離島を対象に、総延長約915キロメートルの海底光ケーブルを新たに整備し、ループ状に結ぶものであります。
平成25年度に実施設計を行ったところであり、平成26年度から海底光ケーブル整備工事を行い、平成28年度に完成し供用開始する予定です。総事業費は90億円を見込んでおります。
本事業の効果として、低廉かつ超高速のブロードバンド環境が整備されることにより、新たにコールセンターなど情報通信関連企業の進出が促進され、雇用の創出と経済効果に大きく寄与するとともに、観光産業、農林水産業等既存産業においても動画等を利用したPR等地域情報の発信、生産性の向上や販路の拡大など産業振興に寄与するものと考えております。
また、離島の医療や教育などにおいても、高品質の画像や動画の受発信によるさまざまな利活用が可能となり、医療・教育分野の充実につながるものと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(當銘健一郎) 観光振興についての御質問の中で、那覇クルーズターミナルの運用の実態と今後の対応についての御質問にお答えいたします。
ことし4月1日から供用を開始した那覇クルーズターミナルでは、ボーディングブリッジが完成していないため、船からおりてターミナルの1階から2階に上り、CIQ手続を行った上で、改めて1階へとおりる動線となっております。そのため、雨天時には服や荷物がぬれやすくなるとの不満が寄せられていると聞いております。
那覇港管理組合では、ボーディングブリッジの早期の完成・供用に向け鋭意取り組んでいるところであり、それまでの対策として、雨天時には仮設テントを張るとともに、ターミナル施設内では動線の改善で対応すると聞いております。
次に、離島・過疎地域の振興についての御質問の中で、南北大東空港の夜間照明施設についての御質問にお答えいたします。
離島飛行場のうち、南北大東空港における常設の夜間照明の整備については、夜間急患搬送の安全性を高め、離島住民の安全・安心を確保する観点から重要な課題であると認識しております。現在、基本設計を行っているところであり、平成27年度内の完成を目指して取り組んでいるところであります。
以上でございます。
○保健医療部長(仲本朝久) こんにちは。
4月1日付で保健医療部長を拝命いたしました仲本でございます。
沖縄県の保健医療の充実、生活の向上のため頑張りたいと思います。議員各位の御指導よろしくお願いいたします。
それでは答弁させていただきます。
離島・過疎地域の振興についての中で、離島の医師などの安定確保についてお答えします。
県としましては、離島・僻地における医療体制の充実を図るために、医師等の確保は重要な課題であると考えております。
離島における医師確保については、ドクターバンク等支援事業で県内外から医師確保に努めているほか、県立病院の後期臨床研修事業や医師修学資金等貸与事業の中で、専門医を養成し、派遣するなど取り組んでいるところでございます。また、離島診療所の医師が研修等で不在の際は、ドクタープール事業により代診医を派遣しております。看護師につきましては、ナースバンク事業等を実施しており、その中で離島等で勤務する看護師の確保を図っているところでございます。
以上でございます。
○環境部長(當間秀史) 離島・過疎地域の振興についての中で、離島地域の海岸漂着物対策についての御質問にお答えします。
県内の漂着ごみ量のうち、約7割は宮古、八重山諸島、本島周辺離島で占められており、離島地域の漂着ごみ対策は大きな課題と認識しております。
県では、国が創設した地域環境保全対策費補助金を活用し、海岸漂着物対策を推進しているところであり、引き続き海岸管理者や市町村、ボランティア団体等と連携して効果的な漂着物対策に取り組んでいきたいと考えております。また、平成27年度以降の財政措置については、国に対し、継続的な支援を要望しているところであります。
以上でございます。
○農林水産部長(山城 毅) 農林水産業の振興についての御質問の中で、農林水産物流通条件不利性解消事業の取り組みの現状と今後の事業の拡大等についてお答えいたします。
農林水産物流通条件不利性解消事業については、今年度新たに戦略品目と位置づけられている肉用牛や豚といった畜産物を初め、観葉鉢物、温州ミカンなどの8品目を追加し、補助対象品目を55品目へ拡充したところであります。また、事業の実施に当たっては、昨年度に引き続き県内5地区における事業説明会の開催やホームページへの掲載など、さらなる事業の周知を図り、現在、出荷団体からの交付申請を受け、交付決定に向けた作業を進めているところであります。
なお、今後の事業の拡大等につきましては、今年度の実績を踏まえ、各関係機関とも調整を行いながら検討してまいりたいと考えております。
次に、漁業用燃油高騰対策の内容についてお答えいたします。
漁業用燃油価格につきましては、近年の原油価格高騰に加え急激な円安の影響により、平成21年6月の1リットル当たり54円から、平成26年6月には98円と1.8倍に上昇しており、県内漁業者の経営を圧迫しております。
県としましては、今年度漁業用燃油対策支援事業により、漁業経営セーフティネット構築事業積立金の借り入れに対する利子助成を実施することとしております。また、沖縄漁業基金事業においても外国漁船操業等調査・監視事業を活用した燃料費等の支援を行っております。
今後とも漁業関係団体と連携し、漁業者の負担を軽減するため、燃油高騰対策に積極的に取り組んでまいります。
次に、日台漁業取り決めの完全解決に向けた取り組みについてお答えいたします。
本年1月に策定された操業ルールの中で、日本漁船のルールを優先する水域が設定されたことに対し、漁業関係者からは一定の評価を受けております。しかしながら、一部の漁業者からは、当該水域の面積、位置に関する不満や実効性に対する疑問などの反応がありました。
県としましては、国及び漁業関係団体と連携し、今期のクロマグロ漁期の実施状況を踏まえ、7月以降に開催される日台漁業委員会等の場で協議を重ね、日台漁業取り決めの影響が緩和されるよう、操業ルールの改善に努めてまいります。また、政府に対しては、取り決め適用水域の一部撤廃や違反操業外国漁船の取り締まり強化などを引き続き求めてまいります。
次に、政府の進める農業改革についてお答えいたします。
政府においては、去る6月24日に「規制改革実施計画」を閣議決定しており、農業分野では、農業協同組合、農業委員会、農業生産法人のあり方を見直す内容となっております。
県としましては、農業協同組合等は地域農業の発展はもとより、地域社会を支える重要な役割を果たしており、農業改革の実施に当たっては、生産現場に混乱を来すことがないよう、関係者の意見を広く聞くことが重要と考えております。このため、「見直しに当たっては、農業を取り巻く情勢が厳しさを増す中、その構造改革を進めていく上で、極めて大きな役割を担っていることに十分配慮し、関係者の意見を聞いた上で、慎重かつ丁寧な議論を行うよう」、九州地方知事会を通じて、関係省庁に対し要請したところであります。
今後とも見直しの状況を注視し、適切に対応してまいります。
次に、国営かんがい排水事業石垣島地区の進捗状況についてお答えいたします。
農家経営の安定化を図るためには、ダムや貯水池等の整備による農業用水の確保が重要であります。
本年度、新規着工が予定されている国営かんがい排水事業石垣島地区では、石垣島全体の農業用水を確保することとしております。
現在、着工に必要な土地改良法に基づく同意取得が進められているところであり、6月末時点での同意率は、事業申請を行う目安としている90%を超えたと聞いております。
今後は、申請人による農林水産大臣への事業申請書の提出、農林水産大臣による県知事等との事業計画に関する協議、事業計画書の公告・縦覧などを経て工事に着手することとなります。
県としましては、国、石垣市、石垣島土地改良区と連携し、早期着手に努めてまいります。
以上でございます。
○新田 宜明 グスーヨー チューウガナビラ。
社民・護憲ネットを代表いたしまして、質問をいたしたいと思います。
1番目に、知事の政治姿勢についてでございます。
(1)、21世紀ビジョンに描かれている沖縄の将来像と、耐用年数200年とも言われる辺野古新基地建設は全く相反し、禍根を残す。沖縄の県政史上、知事みずから基地建設を承認した例はかつてない。埋立申請手続において得られる知見を得ようともしない防衛局事業者の態度が明らかになっている。知事は埋立承認申請を取り消すべきではないか。
(2)、4月25日の日米共同声明で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画などに関して「早期移設及び沖縄の基地の統合は、長期的に持続可能な米軍のプレゼンスを確かなものとする。」と明記した。この記述は米軍駐留と基地の存続を半永久化することを意図している。知事の見解を問う。
(3)、副知事の訪米について。
高良副知事は、6月9日からワシントンDCに出かけ、米シンクタンクや米政府スタッフの若手研究者と意見交換したと報じられている。
ア、知事にかわって何を託されたか。訪米の目的、訪問先について。
イ、基地問題についてはどのようなスタンスで訴えたか。米政府は、普天間飛行場の運用停止は5年以内で可能であると確認できたか。肯定したか否定したか。牧港補給地区の7年以内の返還についてはどうか。
ウ、日本政府からアメリカ政府に対する働きかけはどうか。昨年12月25日の総理の回答どおり「日本政府としてできることはすべて行う。」という強い姿勢が米側に伝わっているかどうか。
エ、普天間飛行場の県外移設は求めたか。
(4)、集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈について。
戦争放棄をうたう日本国憲法の実質的な破壊行為である集団的自衛権行使について、多くの県民が不安を抱いている。時の政権の解釈で憲法解釈が変われば法治国家としての安定性が損なわれ、国家権力を縛る立憲主義が否定される。
ア、安倍総理は、これまで禁じられてきた集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈を閣議決定しようとしている。知事の見解は。
イ、集団的自衛権の行使が可能となった際は、沖縄の安全保障環境はどのように変わると想定されるか。2013年11月1日と2014年5月22日に行われた離島奪還作戦は明らかに南西諸島、我が沖縄県域での戦争を想定した軍事演習だ。与那国島への自衛隊配備や宮古・八重山への新たな自衛隊の配備計画はますます日中間の緊張を高めるばかりだ。知事は、このような政府の軍備増強政策と緊張激化に対してどう対処する考えか。
(5)、69年前の沖縄戦と戦後の米軍占領について。
69年前、国内で唯一地上戦があったこの沖縄では、県民の4人に1人がとうとい命を落とした。戦争体験者が少なくなり沖縄戦の風化が危惧される。歴史は繰り返すと言われるが、今日の沖縄を取り巻く状況は、再び戦場になるのではないかという恐怖である。軍事基地が集中する沖縄が真っ先に標的にされることは理の当然である。沖縄から一刻も早く軍事基地をなくすことが恒久平和の実現に向けての最も正しい道である。戦争には勝者も敗者もない。沖縄の歴史的経験からして、沖縄のこの地で「力のバランス」による平和構築などあり得ない。沖縄は非武の国であることが恒久平和と生存への道であると確信する。今日ほど沖縄戦を教訓化することが問われているのではないか。
ア、沖縄戦は国体護持と関係があったか。戦前の皇民化教育に対する知事の見解は。
イ、「軍隊は住民を守らなかった」と多くの県民が証言している。知事の見解は。
ウ、昭和天皇は、1947年9月にマッカーサー占領軍総司令官に対し、対日講和後の沖縄の地位に関して、アメリカによる相当長期の軍事占領が望ましいと提案していた。復帰後もなお政府による米軍基地の集中・押しつけに連なる対沖縄政策ではないか。知事の見解は。
(6)、日中間の緊張緩和について沖縄県の役割、施策について。
昨年11月から12月にかけて沖縄県が県民の中国に対する意識調査を行っている。約9割近くが中国に対してよい印象を持っていない。
ア、最近の県民世論調査を踏まえて、沖縄県の果たすべき役割と施策について伺う。
イ、なぜ知事は訪中しようとしないのか。全方位交流・自治体外交で中国を重視すべきではないか見解を伺う。
(7)、1972年の沖縄返還交渉に携わった元国防次官補代理のモートン・ハルペリン氏は、5月8日に国会議員会館で地元紙のインタビューに応じ、新基地建設について「沖縄に新たな基地が必要とは思わない」と既存の基地で対応できるとの見解を示したと報じている。知事はこの見解をどう評価するか。辺野古の埋め立てを承認したから、こういう見解とは向き合うつもりはないと考えるのか見解を伺う。
2、教育行政について。
沖縄の未来を担う人材を育成する教育の果たす役割は絶大である。沖縄の歴史的・文化的特性を生かした教育を発展させることが重要だと考える。改憲を標榜し、戦争準備のための教育の国家統制にひた走る安倍政権の教育や地方自治への強権的な介入を許してはならない。
(1)、沖縄らしい個性を持った人づくりの推進を図るヤーナレー、フカナレー事業の取り組み状況について伺う。
(2)、教科書採択地区について。
1997年に当時の橋本内閣が将来の学校単位の教科書採択に向け、法整備を検討する旨の閣議決定をしている。教科書無償措置法と地方教育行政法との矛盾を長年放置したのは国の責任である。竹富町に対する一方的な扱いは、義務教育は無償とするとの憲法に反する行為である。
ア、採択地区見直し後の課題に対する県教育庁の支援体制と取り組みについて伺う。
(3)、平成24年12月6日付、沖縄自治研究会代表大城航氏より提出された「「琉球・沖縄史」を必履修科目または必履修に準ずる科目として設置することを求める陳情」の処理方針に基づく取り組みについて伺う。
(4)、改正地方教育行政法による教育の政治的中立性の確保について。
平成27年4月1日に施行される同法は、首長による教育行政への介入、関与が強化されること、文科大臣が教育委員会に対して是正の指示ができるようにしたことなどは、教育の政治的中立性が損なわれ教育の国家統制にもつながる危険性をはらんでおり改正に反対である。
ア、改正点の内容と仕組みについて教育長の見解を伺う。
イ、首長の権限について教育長の見解を伺う。
(5)、知事は、1期目の公約では、「よりきめ細かな学習指導など、学校教育の充実を図ることにより、世界で活躍できる優秀な人材の基礎づくりを行うため、30人学級の実施」を掲げている。2期目の公約は「少人数学級制」にトーンダウンしている。教育行政の現場では少人数学級制の現状はどうなっているか。課題は何か伺う。
3、文化行政について。
沖縄文化の基層であるしまくとぅばがなくなると組踊や琉球舞踊等も衰退する。また、沖縄に対する愛着、郷土愛も失う。21世紀ビジョンで重要施策に位置づけられているしまくとぅばについて。
(1)、しまくとぅばの普及・継承事業の取り組み状況について、学校、地域ではどのような現状にあるか。
ア、県内自治体の行政内での取り組みはどうか(午後の休憩時間にしまくぅとば体操の活用を)。
イ、地域の伝統行事への支援の取り組みについてはどうか。
4、健康、福祉、医療について。
(1)、県は、2040年までに平均寿命全国1位を目指すとしている。健康・長寿県復活に向けての事業と取り組みについて伺う。
(2)、養護老人ホームの現状と課題、施策について。
沖縄県は、奈良県と並んで入所率が70%で全国最下位である。全国平均は90%である。措置控えの背景には市町村財政の問題やマンパワー不足などが指摘されている。
ア、入所率が低い原因について、県の分析はどうなっているか。
イ、定員増と入所率アップのための施策についてはどうか。
(3)、失業、病気等による生活保護世帯が増加している。県内市町村の生活保護の現状とその要因、施策について伺う。
(4)、4月1日現在の待機児童数、潜在的待機児童数はどうなっているか。平成29年度末までに待機児童ゼロを目指す県計画に沿って進んでいるか伺う。
(5)、「沖縄県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例」が4月から施行されたが、その後の施行による効果は条例の趣旨に沿って取り組まれているか伺う。
(6)、認知症が大きな社会問題となっている。県内の現状と課題、取り組みについて伺う。
(7)、北部病院の診療科の現状と基幹病院としての整備充実について伺う。
(8)、八重山病院の建てかえ工事の進捗状況と、平成29年度の開院に向けての取り組み状況について伺う。
5、戦後処理について。
戦争は国家によって引き起こされた暴力であり、最大の環境破壊である。国家が全ての戦争責任と戦後処理に責任を持つべきである。
(1)、沖縄戦戦没者並びに遺族のDNA鑑定について。
ア、戦没者の遺骨を一時的に保管する糸満市摩文仁にある県平和祈念財団「戦没者遺骨収集センター」の遺骨安置所が満杯状態になったため、DNA鑑定もせず焼骨する予定だと言われているが、遺族の声を無視するものである。増築して対応すべきではないか。
イ、戦没者並びに遺族のDNA鑑定をデータベース化するよう国に求めるべきではないか。
ウ、豊見城城址公園内の戦没者遺骨収集の早期実施と遺族のDNA鑑定実施について県の対応を伺う。
(2)、沖縄戦、南洋戦などの一般民間戦争被害者救済のための新援護法制定について、援護法の適用から除外された未補償者は県内に推定何名いるか。国に援護法適用を求めるべきではないか、県の見解を伺う。
6、公共交通等対策について。
(1)、鉄軌道のない本県にとって交通弱者の足となるバス等の利便性の向上を図ることは急務である。
ア、路線バスの定時性向上の取り組みはどうなっているか伺う。
イ、IC乗車券システムの導入に向けての取り組みはどうなっているか。
(2)、地方税法改正により、道路特定財源が一般財源化されたことに伴う軽油引取税の免税制度が2015年3月末をもって廃止される。離島県である本県経済にとって重大な影響を及ぼす。県の対策について伺う。
7、公契約条例について。
公共部門で働く労働者の雇用安定、賃金、労働条件の維持、生活の確保と公共サービスの向上に向けて公契約条例の制定が必要である。
(1)、ILO94号条約の基本的な考え方、趣旨は何か。その趣旨は自治体として尊重し推進すべきではないか。
(2)、全国自治体の制定の状況、制定に向けての動きはどうか。
(3)、沖縄県として制定に向けて検討委員会等の設置の考えはどうか。
以上、質問いたします。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後3時17分休憩
午後3時17分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
○新田 宜明 失礼いたしました。
知事の政治姿勢についての(8)ですが、カジノについて、知事選では争点化するのを避け、あえて賛否を表明しなかったにもかかわらず、その後、法案が提出されるのが遅いぐらいだなどとあからさまにカジノ賛成を表明している。選挙公約に対する姿勢、カジノ導入への姿勢について伺う。
以上でございます。
○知事(仲井眞弘多) 新田宜明議員の御質問にお答えいたします。
まず第1に、知事の政治姿勢の中で、埋立承認の取り消しについてという趣旨の御質問にお答えいたします。
辺野古埋立承認申請につきましては、承認基準に適合していることから承認したものであり、取り消すことは考えておりません。
次に、同じく知事の政治姿勢の中で、統合リゾートと選挙公約との関係及び導入に対する姿勢についてという御趣旨の御質問に答弁をいたします。
私の公約におきましては、統合リゾートについて、観光振興に大きく寄与するエンターテインメント施設として念頭に置いておりました。私の就任後、沖縄県では、懸念事項への対応策を含め、統合リゾートの導入に関する調査研究を続けております。国会においては、カジノの合法化につながるIR関連法案の審議が始まっております。
沖縄県といたしましても、その審議を注視しつつ、引き続き統合リゾートの導入に関する検討を進め、導入に当たっては、具体的構想・計画を示しながらコンセンサスを得てまいる所存でございます。
次に、健康、福祉、医療についての柱の中で、健康・長寿復活に向けた事業と取り組みについてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
まず、健康・長寿復活に向けた取り組みとしまして、県庁内におきましては、全部局で構成する「健康長寿おきなわ復活推進本部」を立ち上げております。そして、次世代の健康教育事業などの諸事業を実施いたしております。
さらに、県内の各種団体で構成される「健康長寿おきなわ復活県民会議」を4月に立ち上げております。県民の健康意識の高揚や職場における健康づくりの推進など、官民一体となった健康づくり運動を推進しているところでございます。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁をさせていただきます。
○副知事(高良倉吉) 知事の政治姿勢に関する御質問の中で、訪米の目的、訪問先についてお答えをしたいと思います。
去る4月24日の日米首脳会談において、安倍総理はオバマ大統領に対し、普天間飛行場の5年以内運用停止を初めとする4項目への協力を要請いたしました。これを踏まえ、私が訪米し、県が求めている当該4項目の具体的な内容について直接説明を行いました。
訪問先は、米国務省、国防総省、国家安全保障会議、そして連邦議会上院議員であります。
続きまして、普天間飛行場の5年以内運用停止及び牧港補給地区の7年以内返還への米政府の反応についてお答えをいたします。
私は、普天間飛行場の危険性除去が喫緊の課題であり、一日も早い解決が必要との考えで米国にその趣旨を説明いたしました。普天間飛行場の5年以内運用停止及び牧港補給地区の7年以内返還については議論が開始されており、今後、日米両政府により具体的かつ確実な方策が示されるよう取り組んでまいります。
続きまして、日本政府の姿勢は米側に伝わっているかについてお答えをいたします。
去る4月24日の日米首脳会談では、安倍総理がオバマ大統領に対し、普天間飛行場の5年以内運用停止を初めとする4項目への協力を要請し、大統領からは、沖縄の負担軽減に取り組みたい旨の発言がありました。
私の訪米時においても、米政府から沖縄の負担軽減は日米両国首脳レベルのコミットメントであり、アメリカは日本政府と協力して引き続き取り組んでいく旨の発言がありました。
第2回普天間飛行場負担軽減推進会議においては、政府から米側の大臣クラスや実務者など、各レベルでの議論を始めているとの発言があったところであります。
続きまして、訪米時に県外移設を求めたかについてお答えをいたします。
今回の訪米は、県が求めている普天間飛行場の5年以内運用停止など4項目について考えを伝えたものであり、その方策として、機能の県外移設を行うことも検討すべきである旨申し上げました。
続きまして、世論調査を踏まえた沖縄県の役割と施策及び知事の訪中についてお答えいたします。なお、アとイは関連いたしますので一括してお答えをいたします。
平成25年11月に県が実施した「沖縄県民の中国に対する意識調査」によりますと、県民の中国に対する意識は、「良くない印象」、「どちらかといえば良くない印象」が合わせて89.4%となっております。一方、台湾については、「良い印象」、「どちらかといえば良い印象」が合わせて85.2%となっております。
これらの結果には、昨今の尖閣諸島周辺をめぐる日中間の対立等が影響しているものと考えられます。
沖縄と中国とは長い交流の歴史を持ち、友好的な関係を築いてまいりました。この友好関係を生かして文化、観光、経済など多分野にわたり沖縄ならではの交流を推進することとしております。また、知事は、平成22年から24年にかけて航空会社の直行便開設要請等のため3回の訪中を行っており、中国政府の外交部長等とも面談しております。なお、私自身も交流推進のため、昨年4月と7月に北京、11月には福建省を訪問しております。
今後とも、知事の訪中を含むさまざまな取り組みにより日中両国の関係改善に貢献してまいりたいと考えております。
以上です。
○副知事(川上好久) 健康、福祉、医療についての御質問の中で、待機児童数及び市町村待機児童解消計画の進捗についてお答えいたします。
平成26年4月1日現在の待機児童数は、対前年比で56人減の2160人となっております。また、市町村待機児童解消計画において、潜在的待機児童の解消も含めた保育の量の拡大目標につきましては、約1万1000人としているところであります。平成25年度の保育の量の確保については、2663名の計画に対して事業の繰り越し等により1656名の実績となっております。当該繰り越しについては、今年度繰越事業の実施に伴い達成する見込みとなっており、また、平成26年度分としての計画値2950名についても達成に向けてさらなる支援を実施してまいります。
次に、県立八重山病院の建てかえ工事の進捗と開院に向けての取り組み状況についてお答えいたします。
新県立八重山病院の建てかえ工事につきましては、現在、基本設計に着手し、平成27年度の着工を予定しております。
沖縄県としましては、平成29年度の開院に向けて用地取得、予算確保、インフラ整備等について関係機関と調整を進めているところであります。
次に、公共交通等対策についての御質問の中で、路線バスの定時性向上の取り組みについてお答えします。
沖縄県は、急激な自動車利用の拡大とバス利用者の減少により極めて高い自動車依存型社会が形成され、交通渋滞が日常化しております。路線バスの定時性向上に向けては、公共交通利用への転換が重要であると考えていることから、国道58号を中心とする那覇市から沖縄市までの区間に定時速達性が高く多頻度で運行する基幹バスシステムの導入を目的とした低床バスの導入やバス停のグレードアップなど各種事業に取り組んでおります。また、基幹バスシステムの導入に当たっては、定時速達性の向上を図るバス専用の走行空間が必要不可欠であるため、関係機関と連携して、今年度中に国道58号におけるバスレーンの区間延長を実施する予定であります。さらに、バスからバス、またはバスからモノレールへの乗降時間の短縮と運賃精算の手間を軽減するIC乗車券システムの導入についても取り組んでおります。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、4月25日の日米共同声明の意図についてお答えいたします。
去る4月25日に安倍首相、オバマ大統領が発表した日米共同声明においては、「普天間飛行場のキャンプ・シュワブへの早期移設及び沖縄の基地の統合は、長期的に持続可能な米軍のプレゼンスを確かなものとする。この文脈で、日米両政府は、沖縄への米軍の影響を軽減することに対するコミットメントを再確認する。」とされております。同声明は、日米同盟の強化とともに、本県にとって最も重要な基地負担の軽減が盛り込まれているものと受けとめております。
次に、集団的自衛権の行使容認及び宮古・八重山への自衛隊配備についてお答えいたします。1の(4)のアとイは関連いたしますので一括してお答えいたします。
集団的自衛権の行使については、政府によって憲法解釈の閣議決定最終案が示され与党協議が行われている状況であり、国会や県内でもさまざまな意見があるものと承知しております。広大な米軍基地が所在する沖縄県としては、我が国の安全保障政策の変更には重大な関心を持っており、政府は、国政の場などで十分に議論した上で、その影響も含めて国民に丁寧に説明すべきであると考えております。また、自衛隊の配備については、我が国の防衛や緊急事態対応などの観点から、政府において適切に検討されるべきものと認識しております。
県としましては、政府において今後も平和的な外交を通じ、不測の事態が生じないよう万全を期していただきたいと考えております。
次に、復帰後も続く基地負担についてとの御質問にお答えいたします。
昭和22年9月、当時のシーボルト連合国最高司令官政治顧問からマーシャル米国務長官に宛てられた書簡がいわゆる「天皇メッセージ」と言われておりますが、その意図や政治的・外交的影響についてはさまざまな論評があるものと理解しており、米軍の沖縄駐留との直接の関連は明らかではないと認識しております。
次に、元国防次官補代理の発言についてお答えいたします。
本日も新聞報道がございましたけれども、米国内には米国外における米軍の駐留や派遣をめぐりさまざまな議論があると承知しております。御質問の発言もその一つであると受けとめております。
県としましては、普天間飛行場の危険性除去が喫緊の課題であり、日米両政府において一日も早い危険性除去のため、米軍の運用のあり方を含むあらゆる方策を追求すべきであると考えております。
以上でございます。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 1の知事の政治姿勢についての御質問の中で、沖縄戦と国体護持との関係及び軍隊は住民を守らなかったとの県民の証言についてお答えをいたします。1の(5)ア及び1(5)イは関連しますので一括してお答えをいたします。
沖縄戦の実相はさまざまな形で指摘をされており、それぞれの解釈、見方があると思いますが、戦争は人間のとうとい生命を奪うということにおいて人間性に反する行為であり、決して許されるものではありません。戦後69年が経過して、戦争体験者及び遺族の高齢化が進み、沖縄戦の風化が危惧されるところでありますが、県民一人一人が沖縄戦の教訓を継承し、平和を希求していくことが最も大切であると考えております。
次に、4の健康、福祉、医療についての御質問の中で、養護老人ホームの入所率が低い原因についてお答えをいたします。
養護老人ホームは、老人福祉法に基づく市町村の措置により、環境上及び経済的な理由により居宅での生活が困難な高齢者を入所させ、社会復帰や自立のための援助を行う施設であります。県内には6施設の養護老人ホームが設置されており、定員は300人で、平成25年4月1日現在の入所者は212人、入所率は71%となっております。本県の入所率が低い要因につきましては明らかではありませんが、背景には多様な高齢者の住まいが増加したこと等があるのではないかと考えております。
次に、養護老人ホームの定員増等の施策についてお答えをいたします。
養護老人ホームの必要入所定員総数につきましては、県老人福祉計画で目標値を定めることとなっており、今年度策定する次期計画の中で、市町村が必要とする事業量を踏まえ検討してまいりたいと考えております。また、市町村が行う養護老人ホームへの入所措置につきましては、これまでも「老人ホームへの入所措置等の指針」に基づき適切に実施するよう市町村に助言をしてきたところであります。
今後とも、入所の対象となる方に対し適切な措置がなされるよう、市町村に対し助言してまいります。
次に、生活保護の現状とその要因及び施策についてお答えをいたします。
沖縄県の平成25年度の生活保護世帯は2万4393世帯で、全国と同様に増加傾向で推移しております。
保護の主な要因としましては、傷病によるものや高齢・失業による収入減等となっております。
県におきましては、経済的な自立を支援する観点から、就労可能な方につきましては、福祉事務所において公共職業安定所等と連携をし就労支援を行っているところであります。
次に、沖縄県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例施行後の取り組みについてお答えをいたします。
この条例は、障害を理由とする差別の禁止等を定め、その解消のための支援等を総合的かつ計画的に推進することを目的としております。県では、同条例に基づき平成26年4月から広域相談専門員を配置し、相談体制の整備に取り組んでいるところであります。4月1日から5月31日までに寄せられた32件の相談のうち差別に関するものは、不動産取引に関するものなど6件あり、情報提供や助言等で解決を図っております。今年度も引き続き障害のある人に対する理解を深める啓発広報や、相談員研修を実施するなど、市町村や関係団体と連携して取り組んでまいります。
次に、認知症の現状、課題、取り組みについてお答えをいたします。
県内市町村の報告によりますと、要支援、要介護認定者のうち何らかの支援が必要な認知症高齢者は、平成25年3月末現在で約3万4000人おり、65歳以上被保険者に占める割合は約13%となっております。今後、高齢者人口の増加に伴いさらに認知症高齢者の増加が見込まれ、認知症になっても安心して地域で暮らし続けられる基盤づくりが課題となっております。現在、県では、認知症サポーターの養成等による認知症に対する正しい理解の促進、かかりつけ医に対する研修の実施等による認知症地域医療の支援、認知症疾患医療センターによる早期診断・早期治療の推進等、基盤づくりに取り組んでいるところであります。
次に、5の戦後処理についての御質問の中で、戦没者遺骨の仮安置所増築とDNAのデータベース化についてお答えをいたします。5(1)アと5の(1)イは関連しますので一括してお答えします。
戦没者遺骨のDNA鑑定につきましては、国において平成15年度より、遺留品をもとに死亡者名簿等の記録資料から戦没者及び関係遺族を推定できることなど一定の条件のもとで実施されております。一定の条件に合致しない遺骨については、遺骨の尊厳の観点から、焼骨の上、国立戦没者墓苑に納骨することになっており、現在のところ今の仮安置所で対応可能と考えております。また、南方地域における戦没者のDNA鑑定のあり方について、現在、国の有識者会議において検討されているところであります。
県としましては、その動向を注視し、必要に応じて国に意見を述べていきたいと考えております。
次に、豊見城城址公園内の戦没者遺骨収集と遺族のDNA鑑定についてお答えをいたします。
戦没者の遺骨収集事業は一義的に国の業務であり、県においては、国から委託を受け業務の一部を実施しております。
県においては、今年度、豊見城市地域における埋没壕等調査を実施する予定であり、当該調査において収集された未収骨情報を国に提供し、遺骨の収容及びDNA鑑定が迅速に行われるよう求めてまいりたいと考えております。
次に、援護法が適用されていない一般民間戦争被害者数と新援護法制定についてお答えをいたします。
国に対して一般民間戦争被害者の救済のための新援護法の制定を求める動きがあることは承知をしております。
県としましては、戦争被害に対する補償については、対象の範囲も含めその制度のあり方については、基本的に国において対応すべき事項であると考えており、今後の訴訟の動向や国における対応状況を注視していきたいと考えております。
なお、援護法が適用されていない一般民間戦争被害者の数は、3万8276人と推計されております。
以上でございます。
○教育長(諸見里 明) それでは知事の政治姿勢についての御質問の中で、皇民化教育に対する見解についてお答えいたします。
戦前の国家主義的な教育のもとで住民を忠良な皇民にする、いわゆる皇民化教育が進められてきたことは承知しております。戦後69年が経過し戦争の風化が叫ばれる中、沖縄戦の悲惨な実相や教訓を正しく後世に継承することは重要なことであり、平和教育の推進は県民が心から望んでいるものと考えます。
次に、教育行政の御質問の中で、家庭教育力促進「やーなれー」事業についてお答えいたします。
家庭教育は全ての教育の出発点であり、子供の基本的な生活習慣や豊かな情操、善悪の判断、自立心、社会的なマナーなどを身につける上で重要な役割を担うものであります。本事業では、去る6月6日に11名の委員で構成する家庭教育推進委員会を設置し、保護者向け学習プログラムや啓発活動等の家庭教育推進計画について検討を始めたところです。また、家庭教育支援リーダーを委嘱し、家庭教育支援アドバイザー養成講座やフォーラムの開催等、家庭教育支援に向けた準備を進めているところです。
次に、教科書採択見直し後の支援体制等についてお答えいたします。
長きにわたり膠着状態にありました八重山地区の教科書採択につきましては、子供の教育の視点から協議を重ね努力してきたところ、今般、解決に向かうことができ大変安堵しているところです。
県教育委員会としましては、教科書採択を支援する指導主事を新たに配置するとともに、教科用図書選定資料を提供するなど、採択地区変更による影響がないように努めているところです。
なお、採択地区の設定に際しては、各市町村教育委員会の意向を十分考慮するとともに、当該地域のよりよい教育指導行政が展開できるように努めてまいります。
次に、「琉球・沖縄史」に関する取り組みについてお答えいたします。
「琉球・沖縄史」を学習することは、本県児童生徒が郷土を愛する心や誇りに思う気持ちの育成につながるもので重要なことだと認識しております。沖縄の歴史教育につきましては、小中学校においては、社会科等の授業で地域の実態等に応じて教科書や副読本等を活用して取り組んでおります。高等学校においては、日本史の授業や学校設定科目等により、地域や学校の実態等に応じて教材や内容を創意工夫して授業に取り組んでおり、現在の教育課程の中で対応しているところです。
県教育委員会としましては、今後とも学校との連携を通して沖縄の歴史に関する指導の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、改正地方教育行政法の内容と仕組み及び首長の権限に対する見解についてお答えいたします。2の(4)アと2の(4)イは関連しますので一括してお答えいたします。
今回の改正では、教育委員長と教育長を一本化するほか、首長が総合教育会議を設置し、教育振興に関する大綱の策定のほか、教育条件の整備等重点的に講ずべき施策や緊急事態における措置などについて協議・調整を行うこととされております。改正後も教育委員会は教育行政の執行機関として引き続き存続し、職務権限は従前のとおりとされておりますが、教育の政治的中立性や継続性・安定性については今後も確保していくことが重要だと考えております。
県教育委員会としましては、今後、文部科学省からの施行通知等を踏まえた上で、関係部局や各市町村教育委員会と連携し、本県における教育行政がさらに充実していくよう適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、少人数学級の現状と課題についてお答えいたします。
本県では、小学校1・2年生で30人学級、小学校3年生で35人学級を実施してまいりました。さらに、今年度から新たに県単定数も活用し、中学校1年生での35人学級を実施し、対象学年を拡大したところであります。
県教育委員会としましては、国の動向、全国の実施状況等を踏まえるとともに、教室不足の解消を担う市町村の理解と協力を得ながら、次年度以降の少人数学級について検討してまいります。
次に、文化行政についての御質問の中で、学校におけるしまくとぅばの現状についてお答えいたします。
小中学校においては、教科等で地域の方言や歴史を学ぶとともに、学校行事やクラブ活動等でエイサー、琉舞、三線等に取り組むなど、しまくとぅばの継承へつながる実践が行われております。高等学校においては、学校設定科目や国語科等の授業で副読本を活用しており、現在、さらなる活用の充実を図るため、副読本の増補改訂を行っているところです。
県教育委員会としましては、今後ともしまくとぅばを児童生徒に理解させ誇りを持たせるとともに、尊重する態度を育む教育環境づくりに努めてまいります。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(湧川盛順) それでは文化行政に関する御質問の中の、地域におけるしまくとぅば普及事業の取り組みについてお答えいたします。
地域におけるしまくとぅば普及の取り組みについては、昨年8月に調査を行ったところ、各地域の文化協会やNPO法人が市民講座や講師養成講座、語やびら大会、放課後のクラブ活動の学習支援等を行っている状況にあります。
県としましては、しまくとぅばを広く普及させるためには、各地域の取り組みの拡大やしまくとぅばを教える人材の育成確保が重要だと考えております。そのため、NPΟ団体や文化協会とも連携を図りながら、しまくとぅばを広める仕組みの構築や人材の育成確保の方法について検討してまいりたいと考えております。
次に、しまくとぅばに関する県内自治体の取り組みについてお答えいたします。
市町村のしまくとぅば普及の取り組みについては、那覇市において平成24年からハイサイ・ハイタイ運動が行政内で実施されております。一方、県においては、昨年度、部局長に対ししまくとぅばを活用した挨拶を例示し、しまくとぅばの活用を促しているところであります。また、今年度からは沖縄県自治研修所において、しまくとぅばの実践会話も含めた職員向けの研修を行うこととしております。
今後、県としましては、しまくとぅばを普及させるためには各自治体が率先して行動することが重要であることから、実施可能な普及事例を検討し、各自治体に働きかけてまいります。
次に、地域の伝統行事への支援についてお答えいたします。
県内各地域において受け継がれてきたしまくとぅばは、地域の伝統行事等で使用される大切な言葉であり、沖縄文化の基層であります。しまくとぅばを普及・継承させることは、地域において長年継承されている綱引きやハーリー、村芝居などの伝統行事を保存・継承することにつながっていくものと認識しております。
県においては、昨年度、地域の伝統行事への支援として4カ所の市町村でしまくとぅばの普及と地域の伝統行事の保存・継承に関するシンポジウムを開催するとともに、国立劇場おきなわにおいて各地の伝統芸能を紹介する公演を実施してきたところであります。今後も引き続き各地域の伝統行事等への支援を行い、しまくとぅばの普及・継承につなげてまいります。
以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 健康、福祉、医療についての御質問の中で、県立北部病院の診療科の現状と基幹病院としての整備充実についてお答えいたします。
県立北部病院においては、現在、内科、外科、小児科を初め25の診療科を有しております。同病院の診療科のうち、産婦人科については医師不足の状況から診療制限を行っておりますが、その他の診療科につきましては、夜間対応等において他の医療機関との連携を図りながら必要な医療機能を確保しております。
病院事業局としましては、新たに指導医の招聘によるスキルアップ環境の改善や研修支援等を行い、医師の安定確保に努めているところであります。また、最新のMRIへの更新や電子カルテの導入、研修医等宿舎の整備を行うなど、北部圏域における中核的な医療機関としての役割が果たせるよう、引き続き医療機能の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 公共交通等対策についての御質問の中の、IC乗車券システムの導入についてお答えいたします。
IC乗車券システムは、乗り継ぎ時の運賃精算の効率化や乗降時間短縮による定時速達性の向上、バス相互やモノレールとのネットワークの連携強化を図るものです。平成25年8月、沖縄都市モノレール株式会社及び沖縄本島バス4社がIC乗車券システムの導入に合意し、11月には本システムの管理運営を担う「沖縄ICカード株式会社」が設立されました。また、平成26年1月には、公募したIC乗車券の名称をアルファベットで「OKICA」に決定し、現在、平成26年10月からのモノレールでの先行サービス開始、平成27年4月からのバス及びモノレールでの本格運用開始を目指し、システム開発に取り組んでおります。
次に、軽油引取税の免除特例措置の期限到来に伴う県の対策についてお答えいたします。
軽油引取税の課税免除措置については、平成27年度の税制改正の議論において国民生活への影響等を精査し、引き続き延長するかどうか判断されるものと認識しております。沖縄県は離島県であることから、軽油引取税の課税免除措置の廃止や燃料価格の上昇は離島航路事業者の経営、ひいては離島住民の日常生活や地域振興への影響が懸念されます。このため、県としましては、軽油引取税の課税免除措置の延長など、離島航路の確保・維持を図るための各種支援策を国に求めていきたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(下地明和) 公契約条例についての中の、ILO第94号条約とその対応についてお答えいたします。
ILO第94号条約は、公の機関を一方の契約当事者とする契約において、国内の法令等により定められたものよりも有利な条件に関する条項を契約に入れるよう求めているものであります。我が国における労働者の賃金等、個々の労働条件については、労働基準法や最低賃金法等に定める最低基準を満たした上で、労使が対等の立場において決定されるという枠組みとなっており、国は、労使の自主的な取り組みに政府が介入することは適当ではないとの考えから、条約の批准には至っておりません。
沖縄県としましては、県におけるそれぞれの契約において労働者の賃金、労働条件が適正に確保されるよう、契約業者等に対し法令遵守等の徹底を図っていく考えであります。
次に、全国自治体の制定の状況及びその動きについてお答えします。
滋賀県が都道府県を対象に行った調査によりますと、検討した結果制定しないとしたのが1都1道2府の4件、制定の可否を含め検討中が11件、同様に検討を予定しているのが4件、検討を予定していないのが23件となっており、条例案を6月議会に上程するのは奈良県1県であります。市区町村では、平成21年9月30日に千葉県野田市において制定されて以降、神奈川県川崎市、東京都渋谷区、福岡県直方市などで制定されております。
次に、制定に向けた検討委員会等の設置についてお答えします。
国では、現在、公契約条例等を制定した地方自治体等の取り組みに関する情報収集及び関係団体との意見交換により研究を行っていると聞いております。
沖縄県としましては、国や他県の動向を見守るとともに、公契約条例の必要性も含めて検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(喜納昌春) 20分間休憩いたします。
午後4時 2分休憩
午後6時23分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
仲宗根 悟君。
〔仲宗根 悟君登壇〕
○仲宗根 悟 ハイサイ。こんにちは。こんばんはになりますかね、もう。大変長らくお待たせをいたしました。
それでは社民・護憲ネットを代表いたしまして、質問を行いたいと思います。
まず最初に、基地問題に関してお聞きをしたいと思います。
米軍嘉手納基地の2013年度の離発着機の目視調査結果を沖縄防衛局は公表した。それによると4万7078回と前年度の3万7110回を約1万回も上回る結果となっており、爆音被害に苦しむ周辺住民の負担は増すばかりであります。負担軽減は名ばかりであり、日米合意を守る姿勢を持たない米軍と、またそのことを傍観する日本政府に対する県の見解を問うものであります。
次は、第四次厚木爆音訴訟の件であります。
横浜地裁は、厚木基地周辺住民7000名余りが訴えていた第四次厚木基地爆音訴訟で、自衛隊機の夜間・早朝の飛行差しとめを命じる全国で初めての判決を言い渡しました。爆音被害で苦しむ周辺住民の請求が認められ一定の評価をできるものであります。本県における自衛隊訓練の騒音実態及び共同訓練時の騒音規制、これはどのようになっているか示していただきたいと思います。
戦闘機やオスプレイなどからの部品・装備品の落下事故が頻発しており極めて異常な事態であります。住宅上空の飛行禁止を求めるなど怒りは頂点に達しています。米軍は周辺住民への安全対策に対する配慮が全く見られない。このような米軍の姿勢を県はどのように捉えているのか伺います。
次に、高江ヘリパッド建設です。
高江ヘリパッド建設で今後予定されている箇所は、ノグチゲラの営巣やヤンバルクイナなどの観測状況が確認されており、貴重な動植物の聖域であります。厳重に保全すべき場所であります。県もオスプレイ運用に係る再アセスを要求しているが、沖縄防衛局が応じる姿勢は見せておりません。ならば県として中止を求めるべきではないのか、県の見解を伺います。
去る4月29日、30日及び5月16日にトリイ通信施設内で離着陸が繰り返し行われたMⅤ22オスプレイは、兵士十数人が乗りおりしているのが確認をできています。同日、伊江島でパラシュート降下訓練が行われ、訓練兵士の輸送訓練であることは明らかであります。なお、先日6月26日にも同様な訓練が行われて兵士20名前後が都合6回にわたり乗りおりしているのが確認をされております。環境レビューではトリイ通信施設の使用は「VIP輸送や医療避難等、緊急または特別な目的のために不定期に使用される」管理着陸帯とされ、訓練目的の戦術着陸帯ではないはずであります。昨年5月の同様の訓練強行に村民抗議大会で訓練中止を求めたにもかかわらず訓練が行われたのは、環境レビューの形骸化であり、訓練の常態化をもくろむ姿勢そのものであり断じて許されるものではありません。県の対応を伺いたいと思います。
オスプレイ配備後のオスプレイのもたらす低周波や騒音、振動などで健康被害の訴えがあります。2010年普天間基地爆音訴訟で低周波の被害認定を認めた判決が下されました。国は健康被害の実態調査と対策をとるべきであります。一方で県民の生活に係る問題であり、県も主体的に調査し健康被害の把握に努めるべきであると思うが県の姿勢を示されたい。
オスプレイ12機の県外配備を求めているが、なぜ12機なのか。県民要求は配備の撤回であります。オスプレイ全機の配備撤回を要請する考えはあるか伺います。
沖縄防衛局がキャンプ・シュワブの水域制限の立入制限、現行の沿岸50メートルから最大2000メートル余りまで拡大するとしています。その根拠は何か伺います。
県は、これまで射爆撃場や訓練水域の返還を求めるなど基地の整理縮小の姿勢であったはずであります。制限水域拡大は基地の拡大そのものであります。基地の拡大に対する知事の姿勢はどうなのか伺いたいと思います。
2番目は、観光産業と県民所得全国中位の知事公約についてお聞きをいたします。
年収200万円以下、150万円以下、100万円以下の有業者は本県において増加の一途にあります。総務省調査の結果について推移を示していただきたい。
とりわけ観光産業を支える飲食・宿泊業は「50万円から99万円」の所得階層に従業者が集中をしている。
平成9年から平成24年の15年間で観光客が何万人ふえたか。
そして平成9年と平成24年の県民所得の比較を示していただきたい。
平成9年と平成24年の非正規雇用の割合、そして県内と全国との比較を示されたい。
若年についてはどのようになっているのか。所得水準、非正規雇用の割合について特徴を示されたい。
観光客の伸びと県民所得が連動しないのはなぜなのか。産業政策としての労働形態や所得への影響をどう分析しているのか伺いたいと思います。
知事公約は「県民所得全国中位」であります。公約に照らし、県民所得に関する現状認識を示されたい。あわせて、任期中に達成する所得目標について明らかにされたい。
次に3番目、農林水産業の振興に関してお聞きをいたします。
亜熱帯気候の地理的優位性を生かした競争力のある産地の形成を確立することにより、消費者に信頼され、生産者の生産意欲の向上につながる。農林水産業の安定的な振興をどのように描いているのか伺いたいと思います。
農家所得の向上、地域活性化に結びつける農林水産業の6次産業化への取り組み状況、課題について伺います。
県外市場の高評価を得る園芸作物の責任生産地としての安定生産・供給の確立、信頼される産地形成は重要な課題だと思います。その取り組みについて伺いたいと思います。
畜産における他府県のブランド力に対抗できる本県独自のブランドの確立を必要としているとしていますが、その取り組みについて伺いたいと思います。
(5)番目は、日台漁業協定締結後の漁業操業、その実績はどうなっているのか伺いたいと思います。
県内マグロはえ縄漁船のはえ縄が本島近海で相次いで切断される事件が発生し、米海軍の音響測定艦「インぺッカブル」の関与が疑われている問題について、誰が加害者を特定するのか、県の認識を伺いたいと思います。
次に、環境行政に関してお聞きをいたします。
知事公約において、「環境保全と経済発展が両立する沖縄版グリーンニューディール政策を策定します」としたが、どのようになったのか伺います。
希少動植物の生息・生育環境の保存・確保に取り組むとしていますが、辺野古の埋め立てやあるいは高江のヘリパッド建設はその趣旨に逆行していると思うがどうか。
民間における産業廃棄物最終処分場の適正処理の問題がたびたび上げられています。指導・監視体制が問われています。地域住民との信頼構築を得るためにも監視体制強化が求められよう。その取り組みについて伺わせてください。
最後に、DV、ストーカー被害についてお聞きをいたします。
県内の被害実態、そしてまた特徴を伺います。県警の体制についてもお聞かせをいただきたい。
加害者への対策はあるのか、課題を伺いたいと思います。
以上でございます。
○知事(仲井眞弘多) 仲宗根悟議員の御質問に答弁をいたします。
まず第1に、農林水産業の振興についての中で、農林水産業の安定的な振興についてという御趣旨の御質問に答弁をいたします。
沖縄県では、沖縄21世紀ビジョン基本計画に基づき、亜熱帯性気候や地理的特性を生かした農林水産業の振興を図ることといたしております。具体的には、おきなわブランドの確立と生産供給体制の強化、さらに、流通・販売・加工対策の強化、そして農林水産技術の開発と普及など7つの基本施策を展開し、持続可能な競争力のある農林水産業を推進してまいる所存でございます。
次に、農林水産業の振興についての中で、畜産物のブランド確立についてという御趣旨の御質問にお答えいたします。
沖縄県におきまして、畜産物のブランド確立に向けて、優良系統の作出や品質向上などに取り組んでいるところであります。具体的には、アグー豚の遺伝子を活用した「世界一おいしい豚肉」の開発、アグー豚肉の「トレーサビリティシステム」の構築、優良系統豚「オキナワアイランド」の普及、優良な「種雄牛」の開発などを行っております。また、畜産物の安定供給や安全・安心の確立に向けて、国際規格に対応した食肉センターの整備などを行っているところであります。
次に、環境行政についての御質問の中で、沖縄版ニューディール政策についてどうなっているのかという御趣旨の御質問に答弁をいたします。
沖縄県では、新たな環境対策を積極的に講じることにより、豊かな自然環境の保全及び経済発展・雇用の創出につなげるため、平成23年10月に沖縄版グリーンニューディール計画として「ちゅら島おきなわの環境による島おこし」を策定しているところでございます。本計画では、「環境と開発の調和」、「環境共生型観光の推進」、「環境にやさしいまちづくり」、「新たな環境産業・リサイクルの推進」などを掲げ、各種施策を展開しているところでございます。これまで、サンゴ礁保全再生事業、観光施設等の総合的エコ化促進事業、EVバスの開発・実証運用事業や廃材等を利用したリサイクル事業等を実施しているところでございます。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁をさせていただきます。
○副知事(高良倉吉) 基地問題に関する御質問の中で、オスプレイ全機の配備撤回要請についてお答えいたします。
県としては、まず12機程度の訓練の分散から始まり、拠点の分散、そして普天間飛行場の運用停止に伴い全機を県外に出すことも含めて着実に進めることを政府に対して求めているところであります。
続きまして、農林水産業の振興に関する御質問の中で、マグロはえ縄切断の加害者の特定についてお答えいたします。
本県漁船のマグロはえ縄漁具の切断が発生した水域においては、米軍の音響測定艦が頻繁に目撃されていたため、県は、漁業関係団体とともに、原因の究明等について、米海軍への照会を含め、政府に要請したところであります。また、現在、沖縄県漁業協同組合連合会は、米海軍の法規に基づき、米海軍法務部に対し損害賠償請求手続を進めているところであります。はえ縄切断の加害者特定については、請求を行った後、米海軍法務部の中で審議されるものと聞いております。
県としましては、賠償までの手続が円滑に行われるよう、漁業関係団体を支援していくこととしております。
以上です。
○副知事(川上好久) 観光産業と県民所得全国中位の知事公約についての御質問の中で、県民所得全国中位についてお答えいたします。
沖縄県では、「県民所得全国中位を目標にあらゆる産業を振興する」という知事公約の実現に向け、これまで観光、情報通信を初めとしたさまざまな産業振興に取り組んできたところであります。平成23年度は、リーマンショック以降の景気低迷や東日本大震災の影響等により、観光客数は553万人まで落ち込み、また、沖縄振興予算も約2300億円まで減少したことなどにより、1人当たり県民所得は201万8000円で全国最下位となっております。しかしながら、平成24年度以降は、沖縄振興予算が約3000億円に引き上げられ、また、新たな沖縄振興特別措置法のもと創設された一括交付金などの活用により公共投資は拡大し、あわせて入域観光客数や企業立地が大幅に増加し、その結果、完全失業率の21年ぶりの大幅な改善、復帰後最高の有効求人倍率を記録するなど県経済は好調に推移しております。今後も、安倍総理が沖縄振興計画期間中、沖縄振興予算を3000億円台確保することを約束されており、これを活用した各種施策の展開や、拡充された特区・地域制度の活用などにより、さらなる観光客の増加、新たなリーディング産業である臨空・臨港型産業の成長などが見込まれ、県経済が好調を維持し、発展すると期待されることから、1人当たり県民所得は全国中位に近づいていくものと考えております。
なお、平成26年3月に公表した県経済の見通しにおいては、平成26年度の1人当たり県民所得は218万1000円になると予測しております。
以上であります。
○知事公室長(又吉 進) 基地問題についての御質問の中で、嘉手納飛行場の騒音対策についてお答えいたします。
沖縄防衛局の嘉手納飛行場における航空機の運用実態調査によりますと、平成25年度の離着陸等回数は議員御指摘のとおり約4万7000回で、前年度より約1万回増加しております。嘉手納飛行場をめぐっては、米軍再編に伴う一部訓練移転がこれまで28回実施されており一時的な軽減が見られるものの、外来機のたび重なる飛来に加え、ことし1月から4月までの間、F22戦闘機が暫定配備されるなど、依然として目に見える形での負担軽減が十分あらわれているとは言えないと考えております。
県としましては、引き続き軍転協等関係機関と連携しながら、航空機騒音を初めとする周辺住民の負担軽減が図られるよう、粘り強く働きかけていきたいと考えております。
次に、米軍機の部品落下と米軍の姿勢についてお答えいたします。
県としましては、航空機に関連する事故は、県民に大きな不安を与え、一歩間違えば人命にかかわる重大な事故につながりかねず、あってはならないものと考えております。米軍機の部品落下事故は、県が再発防止を再三申し入れたにもかかわらず、ことしに入り5件発生しており、米軍の安全管理体制に疑念を抱かざるを得ません。
県としましては、具体的な事故原因の究明と公表、実効性のある再発防止策と一層の安全管理の徹底を強く求めております。
次に、高江のヘリパッド建設中止についてお答えいたします。
県としては、SACO合意事案の着実な実施が本県における基地の整理縮小及び地元の振興につながることから、北部訓練場の過半の返還の実現を求めているものであります。その条件とされている6カ所のヘリ着陸帯の移設については、地元東村とも連携を図りながら、当該地域の自然環境や地域住民の生活に十分配慮するよう求めてきたところであり、直ちに工事の中止を求める考えはありません。
次に、オスプレイのトリイ通信施設内の離着陸と環境レビューについてお答えいたします。
沖縄防衛局によりますと、環境レビューは、米軍がオスプレイの配備に際し、地域住民や周辺環境への影響を分析するために実施したものとのことであります。トリイ通信施設の着陸帯は、環境レビューでは管理着陸帯とされ、給油、人員輸送、VIP移動、緊急医療活動が行われるとされております。5月16日のトリイ通信施設におけるオスプレイの離着陸については、米陸軍から沖縄防衛局を通じ、伊江島でパラシュート降下訓練を行うための人員輸送のためのものと連絡がありました。沖縄防衛局は、海側を飛行する等、周辺住民への影響が最小限となるよう最大限の配慮を米軍に申し入れており、県としても、引き続き、オスプレイに関する日米合同委員会合意事項の徹底的な遵守を求めております。
オスプレイについては、県民の不安が払拭されておらず、県は軍転協とも連携して、配備計画の見直しや配置分散の実施等を求めております。
次に、水域の使用制限の変更及び一部水域の共同使用の根拠についてお答えいたします。
今回、キャンプ・シュワブ提供水域において臨時制限区域が設定されるとともに、沖縄防衛局が同水域を共同使用することについて、日米合同委員会で合意がなされました。これら水域の使用制限の変更及び一部水域の共同使用の手続は、日米地位協定第2条第1項(a)、同条第2項及び同条第4項(a)の取り決めに基づいて行われております。
次に、質問1の(9)の、同じく一部水域の共同使用に対する県の姿勢についてお答えいたします。
防衛省によれば、今回の臨時制限区域の設定は、既に提供されている水域内で設定し共同使用するものであり、新たな水域を追加提供し拡大させるものではないとのことであります。米軍訓練水域の返還につきましては、鳥島射爆撃場及び久米島射爆撃場の返還並びにホテル・ホテル訓練区域の一部解除について、漁業関係者の要望を踏まえ、平成20年度以降要請を行ってきたところであり、公約に沿って引き続き求めてまいります。
以上でございます。
○環境部長(當間秀史) 基地問題についての中で、自衛隊訓練の騒音実態及び騒音規制についての御質問にお答えします。
県では、那覇空港周辺の4地点において航空機騒音の常時監視測定を実施しており、平成25年度は4局中1局で環境基準を超過しておりました。自衛隊機による騒音の年間最大ピークレベルは、豊見城市与根局で101.7デシベルで、民間機は99.2デシベルとなっております。騒音発生回数については、与根局で月当たりの平均で自衛隊機が1035回、民間機で4688回を記録しており、そのうち22時から6時までの夜間・早朝については自衛隊機が28回、民間機で304回を記録しております。また、航空自衛隊那覇基地における訓練時の騒音規制については特にございませんが、県としましては、引き続き航空機騒音の監視に努め、航空自衛隊那覇基地に対し、航空機騒音の軽減について要請を行ってまいります。
同じく基地問題についての中の、低周波音による健康影響調査についての御質問にお答えします。
低周波音によるものと考えられる健康影響としては、不眠、いらいら感、頭痛、吐き気などがあるとされておりますが、年齢、個人差等が大きく、健康影響が明確になっていないのが現状であります。現時点では、低周波音における規制値や環境基準等も定まっていないことから、県におきましては、平成25年9月に国に対して低周波音の実態調査や健康影響調査などを要請したところであります。また、県におきましては、低周波音調査を実施し、基地周辺の低周波音の実態把握に努めているところであります。
次に、環境行政についての中で、希少動植物の保存・確保と高江ヘリパッドなどの建設についての御質問にお答えします。
沖縄県としましては、希少動植物の生息・生育環境の保全については、「レッドデータおきなわ」や、「自然環境の保全に関する指針」、「生物多様性おきなわ戦略」の策定など、保全のための基本的方針を示すとともに、適切な土地利用への誘導などを行ってきたところであります。また、鳥獣保護区や自然環境保全地域などの指定とあわせ、特定外来生物であるマングースの駆除対策など、本県の貴重な自然環境の保全に努めているところであります。
高江ヘリパッドなどの建設については、事業者に対し、希少動植物の生息・生育環境を含めた環境保全措置などについて意見を述べてきたところであります。
同じく環境行政についての中で、産業廃棄物最終処分場の監視体制についての御質問にお答えします。
県では、産業廃棄物最終処分場における廃棄物の適正処理、施設の安全管理を徹底させるため、産業廃棄物最終処分場等総点検実施要領に基づき、毎年、総点検を行っております。また、最終処分場への立入検査回数等を規定した、廃棄物処理施設等立入検査等実施計画に基づき、計画的な立入検査を行っております。立入検査の結果、悪質な違反が確認された施設や改善が見られない施設に対しては、廃棄物処理法に基づき、改善命令の行政処分を行っているところであり、今後とも監視指導を強化していくこととしております。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 観光産業と県民所得全国中位の知事公約についての御質問の中の、年収200万円未満、150万円未満、100万円未満の数と推移についてお答えいたします。
総務省が5年ごとに実施している就業構造基本調査によれば、沖縄県における年収200万円未満の者の数と比率は、平成9年が有業者57万9000人に対し、26万4000人で45.6%、平成14年が59万9000人に対し、28万8000人で48.1%、平成19年が63万4000人に対し、31万6000人で49.9%、平成24年が65万1000人に対し、33万7000人で51.8%となっております。
年収150万円未満の数と比率は、平成9年が有業者57万9000人に対し、19万1000人で33.0%、平成14年が59万9000人に対し、21万7000人で36.2%、平成19年が63万4000人に対し、23万4000人で36.9%、平成24年が65万1000人に対し、25万人で38.4%となっております。
年収100万円未満の数と比率は、平成9年が有業者が57万9000人に対し、9万9000人で17.1%、平成14年が59万9000人に対し、11万3000人で18.9%、平成19年が63万4000人に対し、12万5000人で19.6%、平成24年が65万1000人に対し、13万5000人で20.8%となっております。
次に、平成9年と平成24年の県民所得の比較についてお答えいたします。
平成9年度の県民所得は2兆6781億円、現時点での最新の県民所得の推計値は平成23年度でありますので、その数値との比較を行いますが、平成23年度は2兆8268億円となっており、この14年間で1487億円の増加となっております。率にして5.6%の増となっております。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(湧川盛順) 観光産業と県民所得全国中位の知事公約に関する御質問の中の、平成9年度から平成24年度までの観光客数の増加についてお答えいたします。
平成9年度の入域観光客数は394万700人、平成24年度は592万4700人となっており、この間で198万4000人増加となっております。
次に、宿泊・飲食サービス業における平成9年と平成24年の非正規雇用の割合等についてお答えいたします。
国の就業構造基本調査では、平成14年から宿泊業と飲食サービス業を合わせた分類について、雇用状況が示されております。この中の飲食サービス業には、一般客も利用する居酒屋やファストフード店など、主にパートやアルバイトの雇用により運営されている業種が含まれております。平成14年の調査では、県内については、役員を除く全雇用者数3万7200人のうち、非正規の職員は2万5100人で 67.5%となっております。全国では、全雇用者数260万7900人のうち、非正規の職員は175万9400人で67.5%となっております。平成24年の調査では、県内については、役員を除く全雇用者数4万3100人のうち、非正規雇用の職員は3万600人で71%となっております。全国では、全雇用者数307万8600人のうち、非正規の職員は225万5400人で73.3%となっております。
次に、若年者の所得水準、非正規雇用の割合などについてお答えいたします。
国の就業構造基本調査では、都道府県ごとには、年齢区分による産業別の調査結果が公表されていないことから、全産業の状況についてお答えいたします。
平成24年の調査について、県内では役員を含む全若年者雇用者数18万5900人のうち、所得が100万円未満となっている者の割合は、20.2%となっております。全国では、全若年者雇用者数1652万1900人のうち、所得が100万円未満となる者の割合は、15.4%となっております。非正規雇用の割合について、県内では、役員を含まない全若年者雇用者数18万5400人のうち、非正規の職員は9万3300人で50.4%となっております。全国では、全若年者雇用者数1638万7600人のうち、非正規の職員は578万500人で35.3%となっております。沖縄県の若年者における所得100万円未満及び非正規雇用者の割合は、全国と比べて高くなっております。
次に、観光客の伸びと県民所得が連動しない理由とその影響についてお答えいたします。
県民所得は、雇用者報酬、財産所得、企業所得の合計となっており、全産業の経済活動の影響を受けますが、県民所得と観光客数の推移について長期的に見ると、観光客数の増加に連動し県民所得は増加しているものと考えております。平成23年度の県民所得を見ると、対前年度比で0.6%減少しておりますが、これは、東日本大震災により、平成23年度の入域観光客数が減少したことも影響していると考えております。なお、平成24年度の入域観光客数は対前年度比で7.2%の増加となっており、さらに平成25年度は対前年度比で11.1%の大幅な増加となっていることから、県民所得の向上に寄与するものと考えております。また、観光産業における雇用環境の改善を図るためには、年間を通した安定的な収益の確保による経営基盤の強化が重要であることから、入域観光客数の平準化や観光客1人当たり消費額の向上に向けた取り組みを進めているところでございます。
以上でございます。
○農林水産部長(山城 毅) 農林水産業の振興についての御質問の中で、6次産業化の取り組み状況と課題についてお答えいたします。
農林漁業者が生産から加工、流通、販売まで取り組む6次産業化により農林水産物の高付加価値化を推進することは、農家所得の向上や農山漁村の活性化を図る上で重要であると考えております。そのため、県では、地域資源を生かした加工品の開発や加工機材の整備等を支援するアグリチャレンジ普及推進事業、モンドセレクションなど国際認証の取得等を支援するプレミアム加工品開発支援事業などを実施しているところであります。また、課題としましては、生産から加工、流通までの一貫したノウハウを有する人材の育成、6次産業化法に基づく認定事業者の計画達成に向けた支援体制の整備などがあると認識しております。そのため、総合的な相談対応を行うサポートセンターの設置に加え、今年度は人材育成研修会や交流会の開催、新商品開発や販路開拓等に対する助成、加工施設や直売施設等の整備に対する助成などを実施することとしております。
県としましては、引き続き市町村、関係団体等と連携し、6次産業化の推進による農林水産物の高付加価値化に努めてまいります。
次に、園芸作物の産地形成についてお答えいたします。
県においては、沖縄21世紀農林水産業振興計画に基づき、生産拡大が期待できるゴーヤー、菊、マンゴー等の園芸品目を戦略品目として位置づけ、計画的・安定的に供給できる拠点産地の育成に取り組んでいるところであります。園芸品目の拠点産地数は、平成25年度末現在、野菜31地区、花卉21地区、果樹24地区、合計76地区となっております。産地形成に向けた主な取り組みとしましては、強化型パイプハウス等の施設整備、省力化機械の導入、オリジナル品種の開発・普及、新技術の導入・普及などとなっております。
県としましては、今後とも市町村、JA等関係機関と連携し、拠点産地の育成強化を図ってまいります。
次に、日台漁業取り決め合意後の操業の実績についてお答えいたします。
日台漁業取り決めの適用水域内で操業する本県のマグロはえ縄漁船、ソデイカ漁船等の隻数は、日台漁業取り決めが発効した平成25年5月以前は年間180隻程度でありました。取り決め発行後の平成25年5月から7月のクロマグロ漁期には取り決め適用水域内での台湾漁船の操業が多く県内漁船は操業を自粛しておりましたが、台湾漁船の操業が減少した昨年8月以降、適用水域内における操業を再開した本県漁船は160隻程度と思われます。
県としましては、ことしのクロマグロ漁期についても昨年同様に操業ができないことが懸念されることから、漁業関係団体、国と連携しクロマグロ漁期に本県マグロはえ縄漁船の操業ができるよう、台湾側との協議を重ねてまいりました。この結果、ことし1月に取り決め適用水域の一部に日本側の操業ルールを優先する水域を確保することが合意され、これを受け、八重山漁業協同組合のマグロはえ縄漁船が操業を再開したと聞いております。
以上でございます。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 5のDV、ストーカー被害についての御質問の中で、県内のDV被害の実態と特徴についてお答えをいたします。
平成25年度の配偶者暴力相談支援センターにおけるDV相談件数は2484件で、前年度比173件の増、男女共同参画センターにおけるDV相談件数は442件で、前年度比276件の増となっております。また、同年度のDV被害者一時保護件数は110件で前年度比20件の増となっており、相談件数同様に増加傾向にあります。さらに、平成25年度に裁判所が発令した接近禁止等の保護命令件数は65件で、10万人換算では沖縄県は4.6件であり、全国3位となっています。
次に、DV加害者への対策及び課題についてお答えをいたします。
県では、平成18年度から委託事業により加害者更生相談窓口を設置しております。平成25年度の電話相談件数は283件で、対前年度比45件の増となっており、年々増加の傾向にあります。なお、被害者の安全を第一に考えた実施体制の整備などの課題がありますが、県では、誰もが加害者とならないため、講演会やリーフレットの作成等の広報啓発を行うとともに、特に若年者層に対し学校現場で講座を実施するなど、予防教育に努めております。
以上でございます。
○警察本部長(笠原俊彦) DV、ストーカー被害についての御質問の中で、(1)の県警察が把握する県内の被害実態及び県警の体制、(2)の加害者への対策と課題については関連をいたしますので一括してお答えをいたします。
最初に、県内の被害実態及び県警察の体制についてお答えをいたします。
県警察が受理をいたしました過去5年間のDV被害の相談件数は、平成21年が497件、平成22年が609件、平成23年が557件、平成24年が558件、平成25年が656件となっており、昨年は前年よりも98件、率にすると17.6%増加をしております。また、ストーカー被害の過去5年間の相談件数でありますが、平成21年が103件、平成22年が106件、平成23年が107件、平成24年が88件、平成25年が155件となっており、昨年は前年より67件、率にして76.1%と大幅に増加をしているところであります。
相談が増加した理由といたしましては、全国的に凶悪事件が発生したことや関係機関と連携した広報啓発活動等により相談しやすい環境が整ってきたことが考えられます。
県警察といたしましては、年々増加傾向にありますDVやストーカー事案に迅速・的確に対処するため、本年4月1日付で生活安全部に子供・女性安全対策課を新設したほか、同課を中心に生活安全部、刑事部、警務部の捜査員等で構成をいたします「DV・ストーカー事案等対処チーム」を構築しております。また、各警察署にも同様の対処チームを設置して、これまで以上に被害者の保護対策や加害者の積極的検挙措置等の組織的対応を行っているところであります。
次に、加害者への対策についてお答えをいたします。
DV、ストーカー事案については、被害者の意思を確認しながら積極的に事件検挙することにより加害者と被害者の一時的な隔離措置を行うとともに、それぞれの法律に基づく加害者への指導警告等による再犯防止対策を実施しております。特に、DV事案について裁判所から保護命令が発令された場合には、警察官が加害者に対して再度の指導警告を実施しております。
DVやストーカー事案につきましては、他県の事例に見られますように事案の状況が刻々と変化し、重大事件に発展する危険性が高いという特徴がありますので、県警察といたしましてはこれまで以上に同種事案への対応を徹底していく所存であります。
以上でございます。
○仲宗根 悟 それでは再質問を行いたいと思います。
嘉手納基地の離発着回数の激しさの問題なんですけれども、訓練の目視調査は午前6時から午後6時までと12時間の調査なんですね。その前後、早朝そして夜間も飛んでいるわけですから、それを含めると数字はもっと上がる実態があるというようなことです。この周辺自治体と交わした騒音防止協定、今現在どのように扱われているのかと。公室長の答弁だと軍転協を通じながら要請をしているんだというようなお話なんですが、まさにこの騒音防止協定ですね、形骸化しているのではないかと。そういった運用実態、形態をどのように対処されるのか、これをお聞かせをいただきたいと思います。
あとオスプレイの低周波の問題です。
この低周波の影響ですね、実際に私たちも聞き取りの調査を行いましたが、ペースメーカーを入れている男性のお話ですと、CH機の場合は車に逃げ込むと余り影響はないというんですが、オスプレイが飛ぶと車の中に隠れても動悸はもう大変なことだというような証言もあるんですよ。部長のほうは普天間基地周辺の低周波の調査をなさっているというようなことですが、音の調査のみなのか、いろんな調査の仕方はどうなのかなと思うんですがね。
琉大の渡嘉敷先生の調査によりますと、コンクリートの家であってもガラス窓を媒体として部屋の中に入り込んでくるんだというような調査結果を示しています。現在、防衛省が進める住宅防音工事も効果が全く見られない、意味をなさないというようなことなんですよ。このような研究者の調査を参考に、県がもっと主体的にこういったのを取り入れた対策が必要だと思うんですが、その点についてはいかがお考えなのかお答えいただきたいと思います。
あと観光客と所得の件なんですけれども、皆さんどのような数字をデータ分析をされているのかということで聞き取りの方に聞きましたら、入域観光客の数とそれから所得との連動というのは全体的な数字しか持ち合わせていませんで、そのことでいいですかというような言い方をしていました。ただ、実際に私たちリーディング産業としての観光政策であるわけですから、きめ細やかな分析が私は必要だと思います。そのことがわかることによって次の一手をどう生かしていくか、施策をどう展開していくかということが如実にわかってこようかと思いますので、その辺の分析のあり方というんでしょうか、きめ細かな調査の仕方が県にはもう少し求められてくるんじゃないのかなというような気がするので、その辺お考えをお聞かせをいただきたいと思います。
あと農林のほうなんですけれども、しばしば市場関係者のほうから安定供給の問題で指摘がやはりありますね。台風時になったらいよいよわかるんだけれども、それ以外に品物が出てきたりあるいは出荷がとまってみたりということで非常に私たちの園芸作物は取引はあるんだということを聞きながらも品物が出せないという状況が多々あったりするそうなんですね。その辺、行政として災害に強い、求められたりしましたですよね。あの辺についてどう結んでいくか、そして安定供給どうして私たち沖縄の園芸作物が本当に信頼されて本土の方々に消費をしていただく、海外の方々に消費をしていただける施策をつくり上げるかというようなことで、こちらのほうも御回答いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後7時21分休憩
午後7時27分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
川上副知事。
〔副知事 川上好久君登壇〕
○副知事(川上好久) 再質問にお答えします。
観光と所得との関係で、リーディング産業でありながら細かな分析がなかなかないのではないかというふうなお話もございましたけれども、まず、きょう御質問の中で平成9年度と平成23年度、24年度、その後時点的な比較を観光と所得でいろいろ聞かれておられました。
ざっくり言って、まず観光が沖縄経済にどれだけの影響を与えているのか。
平成9年の時点での沖縄の経済構造というのは、外部から金が来るその仕組みというのは基地収入と、それから大きな財政移転があるわけですね。それに若干の観光収入、当時は三百五、六十万の観光収入。そういうふうなものが中心になるわけです。当時の財政移転、沖縄振興事業費はおおむね4600億あったわけですね。これが平成23年には2300億まで落ちていく。そうするとこの2300億を一体何で補ってきたのかというふうなのが一つポイントになるわけでございますけれども、この間出てきた産業というのは観光が600万まで拡大をしていく。そしてもう一つはIT関連産業というのがあるんですね。これは全くゼロの段階から今300社ぐらいまで拡大していくわけです。そういうふうな意味合いにおきましては、沖縄県の人口はその当時から約14万ぐらいふえていますね。そして失業率は現在5.8%まで落ちて、この間4%台を6回記録をしております。そのことを考えると、まず感覚的に言うと、この観光の増大というのは沖縄経済そのものをまず支えている。IT関連産業と2つは紛れもなくリーディング産業として確立されてきているというふうなことが言えます。
それで分析のほうでございますけれども、沖縄県では毎年沖縄県における観光消費の経済波及効果、これをやっております。例えば経済波及効果、観光の消費が例えば4400億程度であれば、それが直接効果として幾らか、そしてまた間接的に観光産業と関連ある産業にどれだけ影響あるか、そういうふうな分析をやって、例えばそれは6600億ぐらいになるんだとかそういうふうな分析はきちんとやっております。
それからまた、ことしからですけれども、これをさらに業種別に一体どんなふうな影響を与えているのか、これは今年度の事業として平成26年度に沖縄県観光産業実態調査というふうなものを今実施をする予定でございます。そういうふうなものを分析をしながら、先ほど申し上げました沖縄県の経済構造の中における巨大な役割を果たしているこの観光産業、そしてまたこれまでこれだけの実績を持ってきた観光産業の分析については、これからもより細かい分析をしながら、そしてまた県経済の新たな展開というふうなものを図ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 嘉手納飛行場の騒音の問題についての御質問にお答えいたします。
議員御承知のとおり、平成8年3月に「嘉手納飛行場及び普天間飛行場における航空機騒音規制措置に関する合同委員会合意について」、これが合意されておりまして、この中の「嘉手納飛行場における航空機騒音規制措置」といたしまして「2200~0600の間の飛行及び地上での活動は、米国の運用上の所要のために必要と考えられるものに制限される。」、これを騒音規制措置と私どもは呼んでいるわけですけれども、議員がおっしゃったように周辺住民の方からしますと、現在の早朝・夜間の飛行が行われている状態というのは、これは形骸化と言われても仕方がない状態でないかというふうに県も考えております。
引き続き県といたしましては、この措置の徹底、遵守を米軍、日米両政府に求めていくことにしております。
なお、議員の御質問の使用協定につきましては、嘉手納基地に関しましては、嘉手納飛行場周辺の三連協が政府に対して基地使用協定の締結を求めているというふうに承知しておりますが、現在のところ協定は作成されていないというふうに承知しております。
以上でございます。
○環境部長(當間秀史) オスプレイの低周波音についての対策及び調査について、県が主体的にやるべきではないかという御趣旨の質問だったかと思います。
お答えします。
オスプレイの低周波音につきましては、騒音と異なり常時自動監視測定ができずマンパワーを必要とすることから、基礎的なデータが不足している状況にあります。
低周波音につきましては一般的に距離による減衰が少ない、あるいは壁を貫通する、あるいは回折性が高いというようなことが言われておりますけれども、現在普天間周辺のどの地域でどの程度の低周波音が発生しているのか、暴露量はどの程度なのか、他の航空機と比較してどうなのかなどの基礎データが不足している状況にあります。このため、まず県としましては、確実に現在の実態調査を行って基礎データの収集に努めたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(山城 毅) 園芸品目の安定供給の対策ということでの再質問にお答えいたします。
確かに園芸品目は沖縄県は台風が毎年襲来するものですから、一番台風の影響を受けるものが熱帯果樹のマンゴー等とかございますし、菊につきましては9月ごろに植えつけして12月収穫に対して影響が出るということでございまして、それ以外でもまた冬場の露地物については季節風の被害等も出てきて不安定要因がございます。それを解決するために研究部門も含めていろいろ議論した中では、マンゴーであれば従来ネットを1枚ビニールでやると、大きな台風が来るとビニールが飛んでネット1枚になってしまうので、ネットだけでは下の実が強風で落下してきたという経緯がございました。そこは室内の中で二重カーテンをすることによって防護することができたということが一つございます。
それから菊につきましては、9月植えつけから平張り施設を入れることによって、苗が小さいですから台風が回避できて12月、それから3月出しと二作収穫できる体制ができたということがございます。
それからカボチャについても非常に多いときがございましたが、季節風の対策がうまくいっていないので種苗が病気にやられたという経緯がございまして、そこは防風垣を設置したりいろんな工夫をしまして、現在安定的に生産できるようなものができているのかなと思っております。そういう意味では災害に強い園芸施設をつくるために基本的には台風回避というのが一番大きな課題でございますので、それについては栽培施設を導入するということで災害に強い栽培施設の整備事業を活用をしているわけでございますが、今年度25年度につきましては約12億円の予算でもって16市町村で36カ所の施設整備をしたところでございます。農家さんの要望はまだございますので、その辺については継続して26・27年度というふうにして整備をしていって安定した生産ができるように、東京市場にも信頼されるような産地形成に向けて一生懸命頑張っていきたいなというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
○奥平 一夫 議長、45番。
○奥平 一夫 動議の提案をしたいと思います。
「集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書」を日程に追加をし、議題とすることを提案いたします。
○照屋 大河 議長、31番。
○照屋 大河 ただいまの奥平一夫議員の動議に賛成をしたいと思います。
○議長(喜納昌春) ただいま奥平一夫君から議員提出議案第1号「集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書」を日程に追加し、議題とされたいとの動議が提出され、所定の賛成者がありますので動議は成立いたしました。
この際、お諮りいたします。
議員提出議案第1号「集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書」を日程に追加し、議題とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(喜納昌春) 起立多数であります。
よって、議員提出議案第1号は日程に追加し、審議することに決定いたしました。
暫時休憩いたします。
午後7時39分休憩
午後9時25分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
議員提出議案第1号 集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書を議題といたします。
提出者から提案理由の説明を求めます。
仲宗根 悟君。
――――――――――――――
〔議員提出議案第1号 巻末に掲載〕
――――――――――――――
〔仲宗根 悟君登壇〕
○仲宗根 悟 こんばんは。
ただいま議題となりました議員提出議案第1号「集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書」について、提出者を代表し提案理由の説明を申し上げたいと思います。
提案理由は、集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求めることについて関係要路へ要請するためであります。
議員提出議案第1号を朗読をいたします。
〔集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書朗読〕
以上で提案理由の説明を終わりますが、慎重に御審議の上、御賛同賜りますよう切にお願いを申し上げます。
以上であります。
○議長(喜納昌春) 提案理由の説明は終わりました。
これより質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告はありません。
質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(喜納昌春) 質疑なしと認めます。
これをもって質疑を終結いたします。
この際、お諮りいたします。
ただいま議題となっております議員提出議案第1号については、会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(喜納昌春) 御異議なしと認めます。
よって、本案については、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
――――――――――――――
○議長(喜納昌春) これより討論に入ります。
議員提出議案第1号に対する討論の通告がありますので、順次発言を許します。
島袋 大君。
〔島袋 大君登壇〕
○島袋 大 今回も動議が提出をされております。
そもそも総務企画委員会でこの意見書は議論をされていたというふうに思っております。総務企画委員会の審議を見ましたけれども、総務企画委員長みずから野党中心だけの調整のもと、自民党は蚊帳の外、これが全会一致を目指す委員会のあり方なんでしょうか。総務企画委員長は、自民党は最初からこの意見には乗らないと思っていた。極めて自分自身だけの判断で進めようとする委員会のあり方はまさしく数の暴挙だと思っております。この運営の仕方は、まさしく総務企画委員長不信任に値するというふうに思っているところであります。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 静粛に願います。
○島袋 大 自民党は開かれた政党であります。しっかりと議論もいたします。しかし、今回余りにも我々以外のところで行われた議論のもと、自民党としても全会一致ができませんでしたので反対討論いたしますけれども、県民がわかりやすく納得できる委員会のあり方をしっかり丁寧にしていただきたいというふうに思う次第であります。
それでは自民党を代表いたしまして、議員提出議案第1号「集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書」案に反対する立場から討論を行います。
集団的自衛権の行使については、これまで政府の立場は、1972年10月に参議院決算委員会に提出した資料において、「わが憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。」との見解を示し、さらに、1981年5月、質問主意書に対する答弁書において、「憲法上許されない」との同様の見解を示し、今日に至るまで事実上認められないとの政府の憲法解釈を歴代内閣は継承されてまいりました。
しかし、我が国を取り巻く安全保障環境は、米ソ対立の冷戦当時とは大きく変わりました。
冷戦時は、米ソ大国両陣営にあって、それぞれに内部対立は米ソの圧倒的な力によって抑えられてきたのでありますが、冷戦が終えんした今、地域間紛争やテロが頻発し、抑えがきかず地球上に拡散しつつあるのが現状であります。もはや、どの国においても一国のみでは自国の安全と平和を維持することは難しく、国際社会と協力して世界の平和を確保していくことが必要不可欠となっております。
我が国は、日米安全保障体制のもとで国の安全と経済の発展が維持されてきたのでありますけれども、近年、中国の急激な伸長に伴う東シナ海における安全保障の懸念が表面化してきており、我が沖縄への影響も無視できなくなっていることは御承知のとおりであると思っております。
現行の憲法解釈や法制度のもとでは、日本近海の公海上で活動中の米軍が武力攻撃を受けた場合に、我が国は何もできない状態であり、日米同盟は尖閣諸島も対象となるとのオバマ大統領の発言を引き出しながら、一方の同盟国日本は、憲法上米軍の支援ができないというのは、国際常識として通用しないのではないでしょうか。
また、憲法解釈を強引に推し進めるとの指摘について、確かに憲法改正によって行うべきとの声があることは承知しておりますけれども、現行憲法には、個別的自衛権と集団的自衛権について明文規定はなく、個別的自衛権の行使に関しては、憲法解釈を固めることによって認められるとした経緯があります。そうであれば、集団的自衛権の行使を容認する判断も政府が適切な形で解釈を明らかにすることで可能となると考えております。
さらに政府はこれまでも自衛権について憲法解釈を行ってきており、また、時代背景に即して変更も行ってきていることから、憲法に基づいて行政を適正に行うに当たり、政府が憲法解釈を見直すのは立憲主義に反するものではありません。そして、閣議決定がなされた後、政府は自衛隊法を初めとする安全保障法制の改正案が作成され、与党による事前審査を終えた後、国会に提出され与野党による慎重な審議がなされ採決が行われるのであります。
このように国会審議を通じて国民を巻き込んだ広範な議論が行われると考えているのであります。
与党による安全保障法制協議会において閣議決定案が協議され、これまでの自衛権発動の3要件にかわる、新たな自衛の措置としての武力行使の3要件は、集団的自衛権を認める要件を「国民の権利が根底から覆される明確な危険があること」とし、極めて厳格な枠をはめているのであります。
現憲法は、前文で平和的生存権を確認し、第13条で「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を定めております。これらの権利は、ほかの基本的人権の根幹であり、これらを守るためには主権者である国民の生存の確保や主権者である国民を守る国家の存立が前提条件であります。また、国際協調主義を前提とした憲法の平和主義は、今後もこれを堅持していくべきであり、政府が進めている集団的自衛権の行使容認についても、決してその前提を逸脱するものではありません。
以上の観点から、議員提出議案第1号「集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書」案に反対するものであります。
どうぞよろしくお願いをいたします。
○渡久地 修 日本共産党県議団を代表して、集団的自衛権の行使容認への憲法の解釈改憲の閣議決定に断固反対する立場から、意見書案への賛成討論を行います。
まず、今回の意見書提出の経過についてですが、総務企画委員長は自民党の副委員長に意見書の打診をしたところ、できないとの返事だったので賛同できる会派で準備を進めてきたというのが真相だということをまず指摘しておきたいと思います。
さて、権力を握った政権が独裁政治や専制政治に走り、国民に塗炭の苦しみと惨禍を与えることを食いとめるために、政権を縛るためにあるのが憲法です。その憲法が一内閣の勝手な解釈だけで変わったのでは立憲主義が根底から否定されてしまいます。安倍内閣の閣議決定は、憲法破壊の暴挙と言わなければなりません。
日本国憲法について、自民党の古賀誠元幹事長は、「憲法はわが国の最高法規です。他の法規を扱う基準と違うのは当然」と強調し、現行憲法について「平和主義、主権在民、基本的人権という崇高な精神は尊重しなければならない。なかでも平和主義は「世界遺産」に匹敵する」と述べています。
集団的自衛権について、改憲派の憲法学者、小林節慶応大学名誉教授・弁護士は、「集団的自衛権とは、国際法上の概念で、自国にたいする武力攻撃がなくても、同盟国が戦火に巻き込まれたときに、是非を問わず助けに入る権利です。 同盟国とは、是非を問わず相手の戦争に巻き込まれてあげる関係です。 したがって、集団的自衛権には本質的には「限定」はありません。いったん認めるとアメリカの要求でどんどん広がっていくでしょう」と警鐘を鳴らしています。
加藤紘一元自民党幹事長は、「米国は、中東だけでなく、南米の政治的に不安定な地域への介入も考えています。集団的自衛権の行使容認をすれば、米国の要請で自衛隊が、地球の裏側まで行くことは十分に想定されます。」と反対の立場を述べています。
戦争をしない国から、戦争をする国になってしまうのです。集団的自衛権の行使は、アメリカが敵国とする国に日本が宣戦布告をするようなものであり、相手国からの攻撃の対象になってしまいます。在日米軍基地の74%が集中している沖縄は、一番危険な攻撃対象地域になってしまいます。
2001年の9・11同時多発テロのときには、米軍基地がある沖縄はテロの対象になると言って、世界や日本本土からの観光客が激減して沖縄の観光や経済が大打撃を受けたのは記憶に新しいところであります。
あの忌まわしい沖縄戦が終わって69回目の慰霊の日がことしもやってきて、そして過ぎていきました。住民を巻き込んだ地上戦が戦われ、二十数万人のとうとい命が奪われ、県民の4人に1人が亡くなりました。
県立平和祈念資料館の県民の誓いの言葉は、「戦後このかた 私たちは あらゆる戦争を憎み 平和な島を建設せねば と思いつづけてきました これが あまりにも大きすぎた代償を払って得た ゆずることのできない 私たちの信条なのです」と結んでいます。
麻生太郎副総理は、ワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうかと発言しましたが、戦争はいきなりやってくるものではなく、国民・県民の気がつかないうちにひたひたと忍び寄ってくることを過去の歴史は教えています。
1925年(大正14年)治安維持法が制定されました。1931年(昭和6年)満州事変。1933年(昭和8年)小学校1年生の国定教科書が改悪されました。これまでの「ハナ、ハト、マメ、マス、ミノ、カサ」といった小学校の読本が、「サイタ、サイタ、サクラガサイタ」、「ススメ、ススメ、ヘイタイススメ」になり、小学校唱歌は、「春の小川はさらさらいくよ」から、「肩を並べて兄さんと、今日も学校へ行けるのは、兵隊さんのお陰です」に変わっていきました。
1938年(昭和13年)国家総動員法が制定され、1940年(昭和15年)10月、大政翼賛会が発足。そして1941年(昭和16年)真珠湾攻撃、太平洋戦争が勃発しました。1945年(昭和20年)沖縄戦。そして、1945年8月、広島、長崎に原爆が投下されました。
ワイツゼッカー元ドイツ大統領は、「過去に目を閉ざす者は、結局のところ現在にも盲目となります。」と述べましたが、日本が戦争に突入していったこの歴史と比べてみると、今、安倍内閣がいかに危険な方向に暴走しているかがよくわかります。
2013年11月、首相のもとに国のあらゆる情報と権限を集中させ戦争司令塔をつくる国家安全保障会議(日本版NSC)設置法が強行可決されました。2013年12月には、戦前の治安維持法と同じような国民の目、耳、口を塞ぎ国民を弾圧する「特定秘密保護法」が強行可決されました。2014年4月、軍需産業を育成し、武器輸出国を目指し、武器輸出三原則を廃止し、武器輸出を原則解禁する「防衛装備移転三原則」を決定しました。八重山教科書問題に見られるように、子供たちに、日本が引き起こした侵略戦争を正しい戦争と教え込む教科書の採択に乗り出してきています。2014年、与那国島への自衛隊の強行配備が始まりました。そして2014年6月、辺野古の海の埋立工事強行へ制限水域を強制的に拡大し、7月中旬にも埋立工事のボーリング調査を強行しようとしています。
まさに、安倍内閣のこのような一連の動きは、戦争に突入していった戦前の日本の歩みを再び歩み始めているのではないか、多くの県民が危惧しています。
憲法9条は、あの侵略戦争の反省と教訓から導き出され、私たちが平和に生きる道筋を示した世界に誇るべきものです。この憲法の解釈改憲を絶対に許してはなりません。解釈改憲に反対の意見書・決議などは、この1週間で急増し、28日現在で158自治体に上っています。
毎日新聞の最新の世論調査では、集団的自衛権の行使を容認すれば、「他国の戦争に巻き込まれる恐れがあると思う」が71%、「思わない」は19%にすぎません。
歴史の教訓は、声を上げるときに上げなければ、手おくれになることを教えています。二十数万人のとうとい命が奪われた、この沖縄の県議会として、今、戦争への歩みをとめるために声を上げなければなりません。子供たち、孫たち、ひ孫たちの将来に禍根を残さないように声を上げようではありませんか。
「集団的自衛権の行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書」に県民の代表として賛同するよう求めて討論といたします。
○座喜味 一幸 「集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書」に反対する立場から討論を行います。
なかんずく私は離島であります。今まさに離島の人々、それから尖閣諸島周辺で漁業操業をしている2社がおりますが、まさにこの離島の人々の、今、中国の脅威、それからまさに操業しているウミンチュは、かつて我々のかつおぶし工場のあった尖閣周辺、それからその漁業がまさに日本のものではなくなっている。南に下って島に寄れば中国船との激しいこの操業のバトルが続いているという、我々のこの領土・領海というのは一体何なんだと。ましてや今の自衛隊、海上保安庁等と警察との業務仕分けのこの空白ゾーン、我々にとって生活圏はないのかという悲痛な訴えと、この日々不安に対する高まりは大変なものがあります。ましてや、東シナ海、南沙諸島、西沙諸島におけるこの中国の覇権主義というものは、間もなく我々その周辺にも来るものだと。この宮古・八重山は中国にもはやもう侵略されるのかという話さえ出ている。間違いなく中国は沖縄を含めて中国の領土だと言ってはばからない。
こういうさなかにあって、我々は確かに地上戦を経験したわけでありますから、平和を求める沖縄県民であることは間違いない。そういう意味からすると、現実的に我々こそこの日本の安全保障をしっかりと見据える目線というものがあるのではないかというふうに思うわけであります。
戦後60年の日本の平和と繁栄は、まさに世界の奇跡と言われているわけであります。言うまでもなく、この日本人の勤勉さはさることながら、日米の安全保障、日米同盟のこの基盤というものが大きくこの平和と繁栄に果たしたことは否定するものはいないというふうに思うわけであります。しかしながら我々は、今、日本を取り巻くアジアの安全保障環境が大きく変化してきているという現実をも直視しなければならない。そして今まさに日本が独立国家として国際社会の先進国の一員として果たすべき役割、これは大きいものがあります。もちろん安全保障についても米国に依存することばかりではなく、日本の国家はみずから国民が守るという国民の自覚、そして国際社会に共存共栄を図るべく使命をリーダーとしてしっかりと果たしていくということは、当然といえば当然であります。
今回の集団的自衛権行使について、政府・与党間で慎重に協議されております。この集団的自衛権の問題については憲法改正を含め、もはやこの集団的自衛権の行使の議論は遅きに失したという感もありますが、今まさにこれまでその議論さえできなかった中において慎重に協議が進められている。この行使は極めて限定的なものになっておりますが、国民の権利が根底から覆される明確な危険性があることとして、厳格な枠組み、たがをはめております。
したがってこの今回の意見書で、集団的自衛権が行使されれば他国の戦争に巻き込まれ、県民の生命や財産が脅かされ、本県への経済的影響がはかり知れないというこの意見書の中身、これは沖縄県民のみならず国民全体に対する誤解を与えるものであって、大変残念でなりません。
また、自民・公明の協議では、閣議決定を経て、この関連の法案を作成する中で丁寧に国民や国会に説明する場があり、この法制度を進めていく中で具体的な課題を持って国民に理解を求めている、国会に理解を求めていくという極めて当然といえば当然の手続を考えておりますので、この国民的な議論がなされず閣議決定で行う乱暴な姿勢は許されるべきではないとする認識もまたこれ大きな誤りであるというふうに思うわけであります。
ようやく、今回、集団的自衛権行使について議論が始まったこと、先ほども申し上げましたが、遅きに失した感もするわけではございますが、大変結構なことであります。憲法改正をもってこの議論を進めるべきという多くの意見もありますが、まさにこれも当然であります。この今回の集団的自衛権の行使の議論が憲法改正まで国民的議論として展開されることを期待しますし、そうあるべきだというふうな思いもあるわけであります。
我々は、沖縄県は、特に悲惨な戦争を経験したわけでありますが、平和を求める、平和の重要さを知っている沖縄県民であります。しっかりと我々沖縄県から日本の安全保障を提言するまでにこの議論が大いに展開されることを期待するものであります。
どうか私たちは、この今回の集団的自衛権の行使を容認するこの国の協議をしっかりと見詰めながら、日本のあるべき姿を考えていこうではありませんか、ということを申し上げ、反対する立場からの討論といたします。御賛同よろしくお願いします。
○玉城 義和 「集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書」に賛成する立場で討論を行います。
集団的自衛権は、国連憲章51条に規定されているわけでありますが、1944年の国連憲章草案では多国間の武力行使は安保理の承認事項となっていたわけであります。ところが、米ソはそれを障害と考え、足かせと考えて、また個別的自衛権だけでは生存できないと中南米諸国に言わせることによって、米ソが他の国に介入するシステム、すなわち51条に個別的及び集団的自衛権の規定を設けたわけであります。そもそもこれは、冷戦を控えた米ソの世界分割、世界戦略の遂行のためにできた概念であります。
この集団的自衛権については、我が国政府は1970年の田中内閣以来、その行使は憲法9条の規定から許されないとしてきたわけであります。しかし、今次安倍内閣は、その行使について国民世論を無視をしあすにでも閣議で決定しようとしているわけであります。到底許せるものではありません。
以下、何点かにわたって問題提起をしていきたいと思います。
まず1点目は、果たして国民はこの集団的自衛権の行使について国民的要求として求めているかどうかということであります。
これまでの各報道機関の世論調査の結果を見ても、総じて反対が賛成を15ポイントから20ポイント近く上回っているのであります。国民が政府に求めているのは、雇用の安定やあるいは医療だとか年金だとかという生活の安定に関するものが上位を占めているのであって、決して今次この法案のような、戦争のできる国にすることではありません。
第2に、集団的自衛権の実態とはどんなものかということであります。
冷戦時代を見ても、ソ連のハンガリーに対する侵攻、ソ連のチェコへの介入、アメリカのベトナム戦争、ソ連のアフガン侵攻、米国のグラナダ侵攻等々、数え上げれば切りがありませんが、これらは全て集団的自衛権を名目にして行われているわけであります。イラクへの介入で集団的自衛権を行使したイギリス軍も、数百人にわたる犠牲者を出しているわけでありますし、スペインなども報復テロによってマドリード列車爆発など190名の犠牲者を出しているのであります。
今、安倍内閣の進めているこの集団的自衛権の行使によって、当然に自衛隊員に犠牲者が出ることは予想されますが、このことのリスクの議論が全くされてないということが現状ではないでしょうか。このことによって自衛隊員の応募者が減少する、あるいは隊からの離隊が起こってくることは容易に想像されます。少子化と相まって、そのことがひいては徴兵制に道を開くことになるのではないかという議論が現実味を帯びてまいっております。現に2003年、イラク特措法で陸自のイラク派兵が決まると、陸自の応募者が1300名近くも減ったという事例があるわけです。海と空は逆にふえていますが、陸自だけがこの年1300名近くも減っている、こういうことであります。現に自衛隊員の中に戦死者が出る、あるいは自衛隊員が海外で人を殺すことがあるという、そういう覚悟が現に今国民にできているのかということを考えなければならないと思います。
第3点目は、このような戦後日本の進路を大きく変える重要な政策の変更を国民的な議論も経ずに、一内閣の閣議で決定するということについてであります。閣議決定で憲法の解釈が許されるならば、政権交代ごとに憲法解釈が揺れ動く、そういうことになり、安全保障関係だけではなく国の法規そのものの法的な安定性を著しく欠くことになるのではないかというふうに考えます。
我が国は、戦後69年にわたって憲法9条の規定のもと戦争により1人の犠牲者も出さず、また、1人の外国人も殺しておりません。その中で今なされようとしている集団的自衛権の行使は、国の基幹を変える重大な問題であります。この集団的自衛権の行使をするということは実質的に9条を改定するということであり、憲法改定は当然に国民投票などハードルの高い規定があるわけであります。まさに国民的議論もなしに実質的に憲法の改定を行うということになるわけであります。また、米軍基地が集中する我が県は、報復テロなどの標的になる可能性が極めて高いというのも事実であります。
簡単に以上3点申し上げましたが、「集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書」に賛成する討論といたします。
議員各位の御賛同をいただきますよう、お願いを申し上げます。
ありがとうございました。(拍手)
○照屋 守之 ただいま提案されております意見書に反対する討論を行います。
日本は平和を維持するために、いつまで米国に頼っているのだろうか、いつまで米軍を沖縄に駐留させているのであろうか、このことは日本の現在の国防のあり方が大きな要因としてあります。
世界の先進国でありながら第二次大戦の敗戦後、国防は米国に委ね、日本本土や沖縄に駐留を許し、日本の経済成長、国民の暮らしを優先にし世界の経済大国になったにもかかわらず、自分の国は自分で守る、この当たり前のことがなされてこなかった現実、その影響で沖縄の米軍基地の返還も進まなかったのであります。全ての国民も米国に守られている平和の状態を当たり前のように受け入れております。さまざまな国際紛争が起こっている中で、日本だけがこれまで同様、米国頼みの国防体制でいくのか問われております。
今回の集団的自衛権の問題は国防を考えていく上で、国の果たすべき役割を考えていくために大変重要なことであります。話し合いで平和を維持していく、国際紛争を解決をしていく、大変もっともな意見であります。しかしながら、過去も現在も世界のどこかで戦争が起こっているわけであります。この現実に、いつ起こるかわからない戦争にどのように対応するのか、このことが国の大きな責務であります。平和な日本だからこそ、今、いざというときの備え、対応を考えていくことも当たり前のことであります。
国民は、現在の集団的自衛権について不安を持っていると言います。しかし、いざ有事になったときに日本がそのような対応能力を持たなければ、国民に大きな不安を与えると同時に国民から大きな批判を受けるのであります。政治は国民の生活、経済、福祉の向上をつくり出すことは当然であります。同時に政府の果たすべき大きな責任は、国民の生命財産を守り、幸福の追求を保障することであります。つまり、国防に大きな責任を持つことであります。このことは、私ども沖縄県の尖閣諸島の領土問題の対応についても厳しい対応がございます。領土を守る中国とも真っ向から対立していて、いつ有事の危険性があるかわからない状況でございます。話し合いで済む問題であれば、とっくに解決をしております。残念ながら今の平和な状態は、力と力の均衡によって保たれている現実は無視できません。私ども国民が好む、好まない、その次元を超えているのであります。
国防については、大変厳しい現実がございます。集団的自衛権については、国際法上は認められております。憲法を改正しないと行使できないと言われておりますけれども、世界の現状は、いつ、どこで、何が起こるかわからない状況でございます。我々は自分の目線や経験、考えで物事を判断しますけれども、有事は我々の考えや思いを超えて発生いたします。国として内閣として、集団的自衛権という形で備えをしていく、今国会を構成するほとんどの政党が理解を示しております。私自身の好き嫌いは別として、このことについて理解したいと思っております。
よって、反対討論といたします。
○議長(喜納昌春) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより議員提出議案第1号「集団的自衛権行使を容認する解釈変更の慎重審議を求める意見書」を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(喜納昌春) 起立多数であります。
よって、議員提出議案第1号は、原案のとおり可決されました。
―――――◆・・◆―――――
○議長(喜納昌春) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
次会は、明7月1日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後10時10分散会