○議長(喜納昌春) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
説明員として出席を求めた副知事浦崎唯昭君は、別用務のため本日の会議に出席できない旨の届け出がありました。
また、人事委員会委員長玉城健君及び労働委員会会長藤田広美君は、所用のため本日から10月2日まで及び10月5日から7日までの会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として、人事委員会事務局長親川達男君及び労働委員会事務局長大城玲子さんの出席を求めました。
――――――――――――――
○議長(喜納昌春) この際、申し上げます。
知事公室長からの発言の申し出がありますので、これを許可します。
知事公室長。
〔知事公室長 町田 優君登壇〕
○知事公室長(町田 優) 今回の台風21号に対する対応等について御説明いたします。
県では、今回の台風の襲来に備え、9月26日の16時に災害警戒本部を設置し対応に当たっていたところ、台風が急速に発達したため、9月28日9時、沖縄県災害対策本部を設置いたしました。そして、翌9月29日16時30分に沖縄県災害対策本部会議を開催いたしまして、当会議におきまして、部局長等を現地に派遣する指示を知事からいたしました。その検討をしていましたところ、その後の情報収集の結果、本日副知事を派遣することを決定いたしました。
県議会に対する御報告がおくれたことについては、心から陳謝したいと思います。
以上でございます。
○仲宗根 悟 議長。
○議長(喜納昌春) 仲宗根 悟君。
○仲宗根 悟 ぜひ議長のほうにおかれましては、要望をしたい事項があります。
きょうもそうなんですけれども、議会の運営のあり方なんですが、きょうみたいに冒頭でこの時間までストップをするという事態、まさにルールづくりをしていただいて、まず定刻の10時には始めていただいて、しかるべき調整事項があるんだというようなことがあればそれから休憩に臨むのが私は議会運営上、筋ではないのかなというふうに思います。何が何だかよくわからない状態で休憩をされて、こちらも情報が入らない。県民の皆さんも10時には開会だということで傍聴にも来ておりますし、このルールづくりにぜひとも要望をしたいというふうに思いますが、議長におかれましては、ぜひ御考慮をいただきたいというふうに思います。
以上です。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 今後の議会運営にしっかり、与野党でまた……(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 静粛に願います。
生かしていきます。(発言する者あり)
静粛に願います。
この際、念のため申し上げます。(発言する者あり) 静粛に。
本日から10月2日まで及び10月5日から7日までの6日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
――――――――――――――
○議長(喜納昌春) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
仲田弘毅君。
〔仲田弘毅君登壇〕
○仲田 弘毅 おはようございます。
まずもって、去る28日の台風21号による大きな災害をこうむった先島地域の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。まだ生活の混乱が続いているようでありますが、一日も早い復旧を願っております。
これまで、本県における幾多の災害に関し、現地の調査、視察、見舞い、そのことに関して、県三役の皆さんが迅速に対応していく、これが求められております。また、県においては翁長知事を初め、担当部局の皆さんには早急に対応、対策に取り組んでいただくよう、よろしくお願いをいたします。
それでは、通告に従い代表質問を行います。
1、知事の政治姿勢と普天間飛行場移設、基地返還問題について。
去る9月14日、知事は普天間飛行場の辺野古移設に係る公有水面の埋立承認の取り消しを表明し、沖縄防衛局に対する意見聴取を開始いたしました。知事は辺野古への基地は絶対につくらせない、埋立承認は法的に瑕疵があるなど、選挙戦での公約どおり承認取り消しを視野に入れた発言をこれまで繰り返し行ってきました。にもかかわらず、11カ月もの長きにわたり、国にここまで辺野古移設作業をさせ、決断しなかった知事の姿勢が問われております。
知事は、取り消し表明に向けての記者会見で、取り消しに踏み切った決め手とタイミングを問われ、「5月の集中協議で私の考えを政府に申し上げたが、残念ながら取り入れてもらえなかった」、また「工事再開の話があった時点で、取り消しの決意を固めた」と述べております。取り消しの重要な理由としては、まさに後づけではないかとの意見もあります。
そもそも辺野古移設の原点は、普天間飛行場の危険性の除去であり、返還を話し合うとの政府の姿勢に対して、知事は原点を銃剣とブルドーザーでの土地強制接収を強調し、政府の原点の捉え方を批判しております。米軍統治下にあった当時の沖縄を論議する中で、日米両政府の批判を繰り返しても話がかみ合うはずはありません。
また、知事は国連人権理事会で日本政府の沖縄に対する差別や理不尽を批判し、糾弾しております。その姿勢は、基地問題は日本国内政治の問題であり、あくまで政府との話し合いで解決するとの基本的問題意識が感じられません。
そこで伺います。
(1)、知事の政治姿勢について。
ア、知事は、前知事が行った埋立承認の取り消しを表明しました。知事の就任から10カ月、第三者委員会報告から2カ月にしての決断でありますが、取り消しを公約に掲げながらなぜここまで時間を要したのか伺いたい。
イ、取り消しに向けた作業中も国は埋立本体工事に向けた作業を加速させると思われますが、知事は、阻止に向けどのような対抗措置を講じるか。また手段の何を行使するのか伺いたい。
ウ、知事の埋立承認取り消しにより、これまでの事務作業や今後政府との法廷闘争への発展、財政負担など、膨大な損害を与えたことに対する責任の所在が問題となります。前県政時に埋立承認にかかわった現在在職する県職員の処分問題が生じることも考えられますが、知事はどう対処するか伺いたい。
エ、翁長知事は、辺野古移設問題の原点の捉え方について、米軍の土地の強制接収が原点としておりますが、県議会議員当時には普天間飛行場の早期県内移設の推進でありました。米軍の土地強制接収が原点であれば、その当時にも原点は存在していたはずであります。当時は、その原点を無視して県内移設を主張していたのか、それとも当時は原点ということに思いが至らなかったのか伺いたい。
オ、国連人権理事会は沖縄の人々を先住民族として認めているようですが、140万県民の知事としてどう認識しているか。また、沖縄の人々を先住民族として独立を訴える団体と行動をともにし、シンポジウムに臨んだことは、世界に向けて知事は団体の代表と誤ったメッセージを送ったことにならないか危惧しております。見解をお聞かせください。
カ、知事は、国内問題であるはずの基地問題を国連の場に持ち込み、しかも日本政府の人権侵害と決めつけ批判をしております。知事は、基地問題は人権問題であるとの認識をいつから持っていたのか。また、基地問題が人権問題であれば、知事自身、基地問題の対応で人権侵害をし、加担したことはないか伺いたい。
キ、知事は、沖縄の人々は自己決定権もないがしろにされているとの主張をしております。知事の言う自己決定権とは何か。また、沖縄に認められていない自己決定権は、他県では認められているのか、見解を伺いたい。
(2)、普天間飛行場移設、基地返還問題について。
ア、知事は埋立承認の取り消しを表明しましたが、辺野古移設の原点である普天間飛行場の返還について、その方策を示しておりません。普天間飛行場の固定化を容認するのか、それとも県に代替案を示せというのは理不尽だとの主張を言い続けるのか伺いたい。
イ、知事は、普天間飛行場の移設に係る辺野古への代替施設建設に反対をしておりますが、嘉手納以南の6施設・区域の統合計画は県内移設が条件の返還となっているにもかかわらず、施設によっては反対の姿勢を明確にしておりません。その理由を伺いたいと思います。
ウ、那覇港港湾整備計画に係る那覇港湾施設、牧港補給地区の返還は、他の施設への機能移転が条件となっておりますが、知事は、当初計画どおり推進することを求めております。辺野古移設との違いを示してほしいと思います。
エ、知事は、東村高江のヘリパッド建設について、県議会における答弁でも、4回目の菅官房長官との協議後の記者会見でも明確な姿勢を示しておりません。本島北部を含む世界自然遺産登録との関連を含め知事の明確な答弁をいただきたい。
オ、知事は、嘉手納以南の大規模基地返還が実現しても73.8%から73.1%の0.7%しか減らないと述べておりますが、本県の米軍基地面積の大部分を占める北部訓練場約7600ヘクタールの過半となる約4000ヘクタールが返還されれば、大幅な負担軽減につながると考えますが、知事の見解を伺いたい。
カ、県は、辺野古移設に係る臨時制限区域内での立入調査、いわゆる潜水調査を実施しました。調査の概要と今後どのような活用を目指すのか伺いたい。
キ、キャンプ瑞慶覧西普天間地区跡地利用に関し、西普天間住宅地区に隣接するインダストリアル・コリドー南側部分の返還は、西普天間住宅地区の開発促進や利活用に向けた利便性が大きく期待され貢献するとされております。県はどのように評価するのか、お聞かせください。
2、沖縄振興策の推進について。
次年度予算は、翁長知事にとって自身初の予算編成となるものであります。何としても今年度と同程度の沖縄振興予算の確保は、最低限の条件であり、県経済の自立とさらなる発展・振興を考えれば、内閣府要求額の全額獲得が必要不可欠であります。また、平成28年度は、沖縄21世紀ビジョン基本計画期間10年の中間年であり、残された課題や問題点等の解決に向け取り組む重要な予算編成となります。沖縄振興予算については、仲井眞県政時に3000億円台の確保が約束されており、国家戦略として位置づけられております。しかし、3000億円台の中身が重要であり、知事は沖縄振興策の必要性を政府に訴えながら、対決姿勢、現状打開のため継続した政府との話し合いができる環境づくりに努力することが必要であることは言うまでもありません。また、翁長知事の置かれた立場がどうあったとしても、政府と譲れないもの譲れるもの、腹を割って信頼関係を構築していくことが最も必要であります。沖縄県知事に課された、県政の課題は基地問題だけではありません。県知事に就任して10カ月、このことを最も重く受けとめているのは翁長知事自身ではないでしょうか。
そこで伺います。
(1)、政府の経済財政運営と改革の基本方針における沖縄振興策の位置づけと県の沖縄振興予算確保に向けた取り組みについて伺いたい。
(2)、平成28年度沖縄振興予算について、県は、予算額3000億円台を含む6項目を要望しましたが、内閣府は、本年度より89億円増の3429億円の概算要求額を決定しております。県の要望どおり満額回答となったか伺いたい。
(3)、21世紀ビジョン基本計画は平成28年度で中間年となりますが、これまでの取り組みの成果と今後に残された課題、問題点等にどのように取り組むか伺いたい。
(4)、USJの沖縄進出について、同社役員は2016年度着工、2020年開業を目指しているとの考えを示しておりますが、県は、政府と候補地の町や関係者とどのような調整を行っているか伺いたい。
(5)、那覇空港第2滑走路増設に関し、早期建設を沖縄県の総意として国に認めさせた経緯があります。知事の政治姿勢が今後の建設作業の進捗に影響しないか懸念されます。現在の進捗状況と今後の進展について、お聞かせください。
3、子ども・子育て支援について。
認可保育所に入所できない待機児童については、全国的に大きな問題となっております。本県においてもその解消に向けた取り組みが進められておりますが、根本的な解決が難しい現状であります。
国や県は待機児童についての集計を発表しておりますが、それぞれの自治体における潜在的待機児童の数や隠れ待機児童の数が問題となっており、完璧な集計と言えるか疑問であります。特に本県は、保育政策の歴史的経緯もあり、認可外保育所が他県に比べ圧倒的に多く、認可外の保育所数や保育所に入所している児童数も認可保育所と同程度と言われるほどその存在は大きいものがあります。
無認可保育所の認可化の推進や待機児童の解消が喫緊の課題となっている本県において、その実態把握が必要であり、積極的な国有財産の活用を図るべきだと考えております。一方、学童保育における待機児童問題への対応も重要であります。去る4月から始まった子ども・子育て支援新制度による対象児童が、これまでの10歳未満から小学6年生まで拡大されたことで利用がふえていることが実際に明らかになっております。しかし反面、学童に入れない待機児童も増加しており、対策が急がれております。
そこでお伺いします。
(1)、学童保育の利用が全国で過去最多となったようでありますが、本県における状況はどうか。また、共働きやひとり親家庭が多い本県における学童保育の待機児童の現状と解消に向けた県の取り組みを伺いたい。
(2)、子供の貧困対策について、生活・就労支援や奨学支援の拡充など、貧困からの脱却に向けた取り組みの現状と子ども貧困対策推進法に基づく県の対策計画の策定について伺いたい。
(3)、幼稚園や保育所に通う園児の幼児無償化について、無償化の対象世帯と支援の内容、そして本県における対象世帯数等支援状況について伺いたい。
(4)、認可保育所に入所できなかった児童の集計について、国基準で保護者が育児休職中の場合に集計に加えるか否かは自治体の判断に任されております。本県の場合はどうなっているか。その場合、隠れ待機児童と言われる児童数は把握されておりますか伺いたい。
4、地方創生について。
政府は地方創生を打ち出し、昨年11月、地方創生法を制定いたしました。地方においては、人口減少と地域経済の縮小という悪循環を断ち切り、リスクを克服するという観点から、東京一極集中を是正し、また、若い世代の結婚、出産、子育てについての希望をかなえ、地域特性に即したさまざまな課題を解決するという基本的な視点が求められております。
そして、まち・ひと・しごと創生と好循環を確立することにより、国民の希望を実現し、人口減少に歯どめをかけ、50年後の1億人の人口確保と活力ある日本社会の維持を目指しているとされております。地方に新しい価値を生み出し、「ひと」が「しごと」を呼び、「しごと」が「ひと」を呼ぶ新たなシステムを構築する政策は、県の戦略的、積極的な取り組みが必要とされます。
そこで伺います。
(1)、都道府県や市町村区に対し、地方創生に係る地方版戦略の策定について、本県の取り組みについて伺いたい。
(2)、地方創生が出てきた背景とこれまでの地域活性化とはどのように違うのか。また、新型交付金と一括交付金の関連について、県の考え方を伺いたい。
(3)、政府は、地方創生を目指す上で地方が主役となり、地域特性に応じた地方を創生するとしており、そのための情報支援や人材支援、財政支援を行うとしております。県として、地方創生に沿った切れ目のない施策を展開するための将来展望をどのように図っているか伺いたい。
(4)、政府は、地方創生に関し、まち・ひと・しごと創生事業を推進するとしておりますが、本県としてどのような活用を検討しているか事業についてお聞きしたいと思います。
5、教育・文化の振興について。
少子・高齢化や核家族化の進展、あるいは情報の国際化が急速に進み、子供たちを取り巻く社会環境も大きく変化しております。このような社会状況にあって、将来を担う子供たちが心豊かにたくましく生きることを目指す人材育成の中で、教育の果たす役割は最も大きいものがあります。この観点から、学校現場においては、幼児・児童生徒の基本的な生活習慣の定着や社会の一員としての自覚を持たせ、確かな学力を身につけさせるため「わかる授業」に重点を置いて推進し、同時に教師の授業力の向上に傾注することが肝要であります。
2015年の小学6年生と中学3年生を対象とした、全国学力・学習調査(全国学力テスト)の結果によりますと、本県は、小学校が全5科目で前回の24位から20位へ、長年全国最下位を続けてきた本県としては大躍進であります。残念ながら、中学は4教科について全国との差は縮まってはおりますが、いまだ最下位で課題が残っております。県教育庁は、全国学力テストの結果に基づき、県内公立小中学校における学力向上に向けた取り組みを進めており、その重要な施策と実践は今後とも続けていかなければならない大きな課題であると考えております。
そこで伺います。
(1)、2015年度の全国学力テストで本県は、小学生が全国20位に上昇しました。職員の頑張りに敬意を表したいと思います。残念ながら中学生は全国との差は縮んではいるものの、なお最下位となっております。どのように分析をし今後に生かしていくか、お聞かせください。
(2)、いじめ問題について、またしても全国においては、自殺にまで追い込まれる事態も起きております。いじめは、できるだけ早くその芽を断つことが最も重要であることは言うまでもありません。本県における状況といじめ防止対策推進法に基づく対策をどのように図っているか伺いたい。
(3)、県内小中学校の不登校率がふえる傾向であるようでありますが、全国との比較と本県特有の要因は何であるか伺いたい。
(4)、学校における部活動について、学業との関係が指摘されておりますが、県内学校における部活動の現状と部活動の必要性、学業との両立をいかに図っているか伺いたい。
(5)、県立芸術大学において、琉球舞踊や組踊などの後継者の育成を図り、本県の伝統文化の継承・発展に努めておりますが、これら卒業生の出口問題として就職状況はどうなっているのか、県立芸大と県との連携はどのようになされているか伺いたい。
以上であります。
○知事(翁長雄志) ハイサイ グスーヨー チューウガナビラ。
仲田弘毅議員の代表質問にお答えをいたします。
知事の政治姿勢と普天間飛行場移設問題についてに関する御質問の中の、埋立承認取り消しの経緯についてお答えをいたします。
私は、辺野古に新基地はつくらせないとの公約実現に向け、平成27年1月26日、普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認に関し、法律的な瑕疵の有無を検証するため、第三者委員会を設置しました。第三者委員会からは、同年7月16日、埋立承認手続には法律的な瑕疵が認められるとの報告がありました。その報告も踏まえ、埋立承認の取り消しについて検討しておりましたが、政府との集中協議を実施したことから、その期間は対応を中止しておりました。その後、集中協議期間が終了したことから、公有水面埋立承認の取り消しに向けて、沖縄防衛局への意見聴取手続を経て、9月28日に聴聞手続を開始したところであります。
次に、国連人権理事会の沖縄県民に対する認識及び総会での発言についてお答えをいたします。
沖縄県では、これまで沖縄県民が先住民であるかどうかの議論をしておらず、また、県全体においても大きな議論となっていないことから、このことについて意見を述べる立場にはないと考えております。今回、国連人権理事会では、国際的な人権保護や自治権拡大の視点も踏まえつつ、米軍基地から派生する人権や自己決定権の問題について、沖縄県の立場等を訴えてまいりました。
国連人権理事会では、国の代表及び全ての利害関係者の発言が認められているものの、発言の権利は各国の代表者及びNGOが持っていることから、NGO団体市民外交センターの枠を借りて、沖縄県知事として発言してまいりました。NGOが国連へ提供した発言者リストにも、沖縄県知事翁長雄志として登録されており、特定の団体とのつながりを強調するものではないと考えております。
次に、基地問題に係る人権問題の認識についてお答えをいたします。
沖縄の米軍基地は、そもそもが県民の土地を強制接収した上に建設されたものです。県民は、その後も基地から派生する環境問題やいつ起こるかわからない事件・事故に不安や恐れを抱きながら生活をしてきました。こうした歴史的事実を学べば学ぶほど、基地問題は人権問題であるという気持ちが強くなってまいりました。
なお、私自身が基地問題の対応で人権を侵害し、または、加担したことはないものと考えております。
次に、自己決定権についてお答えをいたします。
自己決定権は、長い歴史の中で、沖縄、琉球が抱えてきた問題であると考えております。今日もなお、多くの県民が基地の存在に違和感を持っており、70年前の悲惨な地上戦だけではなく、将来に向けても不安を感じています。自己決定権がないため、長きにわたり基地の問題に翻弄されるようでは、沖縄に生まれた政治家として、沖縄の将来を担う子や孫に責任が持てないと考えております。他県の自己決定権については、各地域の価値観に基づいた多様な考え方があってよいと思います。したがって、私のほうから他県の自己決定権について申し上げる立場にはないものと考えております。
なお、他県では、普天間飛行場移設の候補地として話があるとすぐに反対の声が上がり、これに応じて移設に向けた議論がとまります。こうしたところが、沖縄と比べて違いが大きいものであると思っております。
次に、地方創生についてに関する御質問の中の、地方版総合戦略の策定についてお答えをいたします。
沖縄県では、国の総合戦略や有識者で構成する沖縄県地方創生推進会議からの提言、市町村からの意見などを踏まえ、平成26年3月に策定した沖縄県人口増加計画を改定し、沖縄県版の総合戦略として取りまとめたところであります。市町村の総合戦略は、都道府県の総合戦略を勘案することになっていることから、沖縄県としましては、市町村説明会を開催するなど、市町村における総合戦略の策定を支援してまいります。
後は、副知事、関係部局で御答弁をいたします。
○副知事(安慶田光男) 仲田議員の2番、沖縄振興策の推進についての御質問の中で、USJの沖縄進出に関する調整状況についてお答えいたします。
株式会社ユー・エス・ジェイは、県内北部の複数の地域を候補地として検討していると聞いております。現在、同社においては、候補地の絞り込みを行っているようであり、沖縄県では、USJと意見交換するほか、適宜国との協議を行っております。今後、同社が正式に候補地を決定した際には、沖縄県として地元自治体等に説明をしていきたいと考えております。
以上であります。
○知事公室長(町田 優) 知事の政治姿勢と普天間飛行場移設問題についての御質問の中で、埋立阻止に向けた手法についてお答えします。
普天間飛行場代替施設に係る公有水面埋立承認に関しては、現在、承認取り消しに向けた手続を行っているところであります。辺野古新基地建設に関する権限としては、公有水面埋立法や沖縄県漁業調整規則に基づく手続等さまざまなものがあり、今後これらの法令等に基づき、あらゆる手法を検討していくこととしております。
次に、同じく承認に関係した職員の処分についてお答えします。
県としては、普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認を担当した職員は、審査基準に対する考え方のもとで適切に審査を行ったものと理解しております。
次に、辺野古移設問題の原点の捉え方についてお答えします。
知事は、辺野古に新基地はつくらせないという公約を掲げ、多くの県民の負託を受けました。県民の理解を得られない辺野古新基地をつくることはできないと考えており、そのような県民の思いを政府に伝えるため、在沖米軍基地がつくられてきた歴史的経緯について説明してきたところであります。
次に、辺野古移設の代替案提示についてお答えします。
戦後27年間に及ぶ米軍統治下において、民有地の強制接収などによって、沖縄県の広大な米軍基地が形成されたものと承知しております。戦後70年間、過重な基地負担を背負う沖縄が、危険性除去のためとはいえ、代替施設を考えなければならないというのは大変理不尽であると考えております。政府においては安全保障の負担は全国で担うべきとの認識のもと、普天間飛行場の早期返還に取り組んでいただきたいと考えております。
次に、嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還と那覇港湾施設の移設についてお答えします。1の(2)のイと1の(2)のウは関連しますので一括してお答えします。
嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還は、沖縄の過重な基地負担の軽減及び振興・発展につながるものであり、確実に実施されることが必要と考えております。また、計画の推進に当たっては、政府は地元へ丁寧に説明し、地元の意向に十分配慮することが重要であると考えております。
那覇港湾施設について、県としては、那覇港湾施設の返還が実現されれば、基地負担の軽減、跡地の有効利用による発展に寄与すると考えており、これまでの経緯を踏まえつつ、協議会の枠組みの中で進めることが現実的と考えております。一方、知事は、辺野古に新基地をつくらせないという公約を掲げ、多くの県民の負託を受けております。日米両政府が辺野古移設計画を唯一の解決策であると固執することは、沖縄の社会的安定を損ない、日米安全保障体制に大きな禍根を残すものであります。
次に、高江のヘリパッド建設と世界自然遺産登録についてお答えします。
北部訓練場の過半の返還について、県はSACO合意事案を着実に実施することが本県の基地の整理縮小及び地元の振興につながることから、その実現を求めているものであります。その条件とされている6カ所のヘリ着陸帯の移設については、当該地域の自然環境や地域住民の生活への影響をめぐってさまざまな意見があるものと承知しております。
オスプレイについては、日米両政府に対して配備撤回を求めてまいります。今後、地元の意見も伺いつつ、検討してまいりたいと考えております。
北部訓練場の過半の返還がなされた場合は、世界自然遺産登録の候補地になるものと考えております。
次に、北部訓練場の返還についてお答えします。
沖縄21世紀ビジョンにおいては、基地のない平和で豊かな沖縄をあるべき県土の姿としながら、基地の整理縮小を進めることとしております。北部訓練場の過半の返還については、県はSACO合意事案を着実に実施することが本県の基地の整理縮小及び地元の振興につながることから、その実現を求めているものであります。
以上でございます。
○農林水産部長(島田 勉) 知事の政治姿勢と普天間飛行場移設問題についての御質問の中で、臨時制限区域における立入調査についてお答えいたします。
臨時制限区域における立入調査は、8月31日から9月11日までに延べ10日間実施したところであります。調査は、構造物の設置状況確認のほか、許可区域周辺や施行区域内での岩礁破砕の有無等の状況を確認するため、潜水調査を中心に行っております。調査で得られた資料としましては、水中写真や映像に加え確認された構造物においては、それぞれの位置情報や水深を記録しております。
これら調査資料につきましては、内容を精査しているところであり、県としましては、今後その結果を踏まえ適切な判断を行ってまいります。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 知事の政治姿勢と普天間飛行場移設問題についての御質問の中の、インダストリアル・コリドー南側部分の返還についてお答えいたします。
西普天間住宅地区に隣接するインダストリアル・コリドー南側部分は、国道58号へのアクセス等の交通利便性の向上及び西普天間住宅地区との一体的な土地利用の観点から、早期返還が必要であると考えております。
沖縄県は、これまで宜野湾市、市地主会とともに同南側部分の早期返還を求め、政府へ要請を行ってきており、その実現を期待しているところであります。
次に、沖縄振興策の推進についての御質問の中の、21世紀ビジョン基本計画のこれまでの取り組みの成果と今後の課題等についてお答えいたします。
平成27年度沖縄県PDCAにおいて、1700余の主な取り組みのうち、8割以上が順調に推進するなど、成果があらわれてきております。
沖縄県では、平成28年度をめどに基本計画の中間評価を行うこととしており、後期5年においてこれまでの流れを加速させ、県民生活の一層の向上に取り組んでまいります。
次に、地方創生についての御質問の中の、地方創生の背景及び新型交付金と一括交付金についてお答えいたします。
地方創生は、我が国における急速な少子・高齢化の進展や東京圏への過度の人口集中等を背景に、人口の減少に歯どめをかけるとともに、将来にわたって活力ある日本社会を維持することを目的としております。
新型交付金は、まち・ひと・しごと創生法に基づき、地方公共団体が策定する地方版総合戦略に基づき実施する地方創生に資する事業が対象となっております。一方、一括交付金は、沖縄振興特別措置法に位置づけられた沖縄21世紀ビジョン基本計画等に基づき実施する沖縄の特殊性に基因する事業が対象となっております。
次に、地方創生に係る施策展開についてお答えいたします。
沖縄県版の総合戦略では、「安心して結婚し出産・子育てができる社会」、「世界に開かれた活力ある社会」、「バランスのとれた持続的な人口増加社会」を「沖縄が目指すべき社会の姿」として描いております。
同戦略においては、目指すべき社会の実現に向け、「自然増を拡大するための取組」、「社会増を拡大するための取組」、「離島・過疎地域の振興に関する取組」を行うこととしております。
次に、地方創生に係る事業等についてお答えいたします。
沖縄県では、地方創生先行型交付金を活用して、IT技術者のUJIターン受け入れ促進、移住サポート体制の構築、保育士の正規雇用化による定着促進、各離島の魅力を再発見し将来のUJIターンにつながる体験交流の実施などに取り組んでおります。今後、沖縄県版の総合戦略に新たに位置づけた、地域産業の競争力強化や新しい人の流れを支えるまちづくりに係る事業等について、新型交付金も活用しつつ取り組みを推進していきたいと考えております。
以上でございます。
○総務部長(平敷昭人) 沖縄振興策の推進についての御質問の中で、骨太方針における沖縄振興策の位置づけと県の沖縄振興予算確保に向けた基本方針についてお答えいたします。
県では、沖縄21世紀ビジョン基本計画に基づき、沖縄振興交付金等を活用し、子育て支援や離島の定住条件の整備などきめ細かな施策を展開するとともに、産業振興の分野においても、自立型経済の実現に向け、観光客の誘致や国際物流拠点の形成など、県民ニーズを反映した各種施策を戦略的に推進しているところであります。また、政府の2015年版のいわゆる骨太方針においても、引き続き国家戦略として、沖縄振興策を総合的・積極的に推進するとしています。
県としましては、引き続き内閣府沖縄担当部局と連携を密にするとともに、県選出国会議員並びに県議会議員各位の御支援を賜りながら、今後も沖縄振興に資する各種施策を継続的、安定的に推進していくために必要な予算が確保されるよう取り組んでまいります。
次に、平成28年度沖縄振興予算の概算要求についてお答えいたします。
平成28年度の内閣府沖縄担当部局の概算要求額は、内閣府に一括して計上し各省庁に移しかえて実施される道路、空港、教育施設等に係る補助事業や国直轄事業に要する経費等を含め、総額で3429億円となっております。また、その内容についても、沖縄振興一括交付金、那覇空港滑走路増設事業、沖縄科学技術大学院大学の拡充に要する予算、鉄軌道の調査費等が計上されるなど、骨太方針や県の要望を踏まえ要求がなされたものと考えております。
以上です。
○土木建築部長(末吉幸満) 沖縄振興策の推進についての御質問の中で、那覇空港滑走路増設事業の進捗状況と今後の進展についてお答えします。
那覇空港滑走路増設事業については、国において護岸工事が進められ、全体延長約8.5キロメートルのうち約7.8キロメートルが発注済みであり、9月14日から一部埋立工事に着手するなど全体として順調な進捗だと聞いております。
工事の進捗率は、事業費ベースで平成27年3月末、約24%となっており、平成31年度末の供用に向け鋭意取り組んでいるとのことであります。
以上でございます。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 子ども・子育て支援についての御質問の中で、放課後児童クラブの状況についてお答えをいたします。
平成27年5月1日現在の放課後児童クラブの登録児童数は1万4452人となっており、前年度と比較して473人増加しております。また、登録できなかった児童数は471人となっており、前年度と比較して95人増加しております。
県におきましては、クラブの新規設置のための施設改修及び備品の購入等に対する支援や公的施設活用のための施設整備に対する支援を実施しているところであり、引き続き市町村と連携し、放課後児童クラブの設置促進に努めてまいります。
次に、子供の貧困対策についてお答えをいたします。
県におきましては、子供の貧困対策として、要保護児童への支援、ひとり親家庭の生活・就労支援、生活保護など幅広い分野からの支援を実施しております。平成26年度から、低所得世帯の高校生等への奨学支援を導入したほか、平成27年度においては、ひとり親家庭の認可外保育施設利用料の負担軽減を図るなど支援の拡充に努めているところであります。
県としましては、子供の将来が生まれ育った環境に左右されることなく、夢や希望を持って成長していける社会の実現に向けて、平成27年度中に「子どもの貧困対策計画」を策定し、総合的な子供の貧困対策に取り組んでまいります。
次に、保育料の無償化についてお答えをいたします。
保育所等における利用者負担の軽減については、生活保護世帯及び市町村民税非課税世帯のうち、母子世帯等が無料となっているほか、小学校就学前の特定教育・保育施設等を同時に利用する子供のうち3人目以降が無料となっております。対象児童数につきましては、平成26年度の実績で延べ約5万人となっているところです。
県におきましては、九州各県と連携し、さらなる保育料の軽減を国に要望しているところであり、引き続き取り組んでまいります。
次に、待機児童の取り扱いについてお答えをいたします。
待機児童の定義は、保育の必要性の認定がされ、保育所等の利用の申し込みがされているが、利用していない者となっております。その中で、保護者が育児休業中の場合については、市町村がそれぞれの実情に応じて待機児童に含めないことができるとされているところです。
平成27年4月1日現在で、保護者が育児休業中のため待機児童としていない市町村は、7市町村であり、その児童数は161人となっております。
以上でございます。
○教育長(諸見里 明) それでは、子ども・子育て支援についての御質問の中で、幼稚園児の保育料無償化についてお答えいたします。
幼児教育の無償化につきましては、平成26年度から生活保護世帯と多子世帯の5歳児の無償化が段階的に実施され、保護者の負担が軽減されております。本県公立幼稚園の保育料は、設置者である市町村が定めており、平成26年度の減免対象者数をもとに推計しますと、対象世帯は約2630世帯になります。
次に、教育・文化の振興についての御質問の中で、全国学力調査の結果を踏まえた中学校の今後の取り組みについてお答えいたします。
本県中学校は、全国学力調査において徐々に全国との差を縮めておりますが、発達段階における生徒指導上の困難さや部活動の適正化など、学習指導以外にも多くの課題を抱えております。
県教育委員会としましては、同一の教科担当教諭による教科会や教科の枠を超えた研究、授業と連動した宿題提供等、全校体制での取り組みを充実させることで、中学校の学力の底上げを図ってまいりたいと考えております。
次に、本県におけるいじめの状況及びいじめ防止対策推進法に基づく対策についてお答えいたします。
文部科学省の調査によりますと、本県におけるいじめの認知件数は、平成25年度、小学校228件、中学校251件、高等学校50件、特別支援学校10件の合計539件となっております。
県教育委員会としましては、いじめ防止基本方針の運用を通して、教職員の指導力の向上やスクールカウンセラー、相談員等の配置拡充による支援体制の充実に努めているところです。
次に、不登校の実態と本県特有の要因についてお答えいたします。
平成26年度、1000人当たりの不登校の児童生徒数は、全国が12.1人、本県は13.1人となっており、全国平均を上回っております。本県特有の要因としましては、遊び・非行による不登校の割合が高いことから、家庭や地域の教育力の低下や夜型社会の影響等があると考えられます。
県教育委員会としましては、スクールソーシャルワーカー等の活用を通して、学校、家庭、地域、関係機関と緊密に連携を図り、不登校対策に努めているところです。
次に、部活動の現状等についてお答えいたします。
平成26年度における運動部活動の加入率は中学校で61.8%、高等学校で47.8%となっております。部活動は、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養、好ましい人間関係の形成等に資するとともに、健康の保持増進と体力の向上等に極めて有効であると認識しております。
県教育委員会としましては、部活動と学業の両立を図るために、各学校、関係機関・団体等と連携し、休養日や練習時間等の適正化に努めているところです。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(前田光幸) 教育・文化の振興についての御質問の中の、県立芸術大学の卒業生の就職状況と県との連携についてお答えいたします。
県立芸術大学の琉球芸能専攻における平成24年度から平成26年度の就職状況は、卒業生35名のうち、卒業時点において、就職者が8名、進学者が14名、就職準備や進学準備を含めたその他が13名となっております。
県立芸術大学では、平成26年度からキャリア支援事業を実施し、学生と企業のマッチングを主な目的とした学内の合同企業説明会、教員に対するキャリアカウンセリング研修、企業開拓等の取り組みを行っております。
また、県においては、同大学の琉球芸能専攻の卒業生が、若手実演家として活躍できる公演機会の創出や技芸の向上に向けて公演等に対する支援を行うことで、伝統芸能の後継者育成に努めております。
以上でございます。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午前11時54分休憩
午後1時21分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
午前に引き続き代表質問を行います。
砂川利勝君。
〔砂川利勝君登壇〕
○砂川 利勝 こんにちは。
所見を述べさせていただきます。
まずは、台風21号で災害に見舞われた八重山郡民の皆様へお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧を望むものであります。
県政を預かるトップリーダーの役目は、国政と対立するだけではないことは翁長知事は百も承知だと思いますが、基地問題だけにパフォーマンスを繰り広げ、住民生活の窮状には目をそらす態度には納得いかないばかりか、離島軽視とも受け取られるような対応に強い憤りを感じざるを得ないのであります。
台風15号が八重山地方を襲来し、甚大な被害をもたらしたにもかかわらず、県民の生命と財産を最優先に守るために最大限の対策を講じることが必要なときに、重い腰をやっと上げて現地視察をしたものの、視察日程も形ばかりでアリバイづくりとしか思えないような内容では納得いかないばかりか、翁長知事の離島住民に対する思いやりのなさ、トップリーダーとしての資質を疑われても仕方ないと言わざるを得ないのであります。
さらに今回の台風21号、与那国町の対応についても本会議直前に副知事を派遣するとのことだが、昨日中に県の対応を議会に説明し速やかに与那国への派遣を対応すべきであった。さらにお粗末なことは、台風対策本部を立ち上げながら9月29日副知事派遣を決定せずに、9月30日本会議の朝の新聞報道によって副知事派遣を決め、議会に説明するありさまは翁長知事の危機管理のなさを指摘せざるを得ません。本来は、沖縄県知事や副知事がいち早く現場を視察し、それをマスコミ等へ明らかにした上で対策を講ずることが危機管理の常識であります。今回の台風21号は、甚大な被害いわゆる激甚災害であると私は思っております。新聞報道によって被害が大きいから副知事を派遣する。新聞報道によってしか対応できなかった沖縄県の危機管理能力の欠如を指摘せざるを得ません。また、台風15号の被害について、その対応に離島住民から不満を寄せられた県は反省したにもかかわらず、今回の与那国についてもその反省を生かせず、離島軽視と言わざるを得ず、憤りを感じます。
次に、県民の皆様に御報告をいたします。
去る9月28日、東京五輪大会組織委員会は理事会を開き、空手道を含む5競技18種目の実施を国際オリンピック委員会(IOC)に提案することを決定しました。
私ども自民党会派は、ことし2月17日に上京して舛添東京都知事と文科省に対し、空手種目の導入とオープニングセレモニーで空手道演武を取り入れるよう、強く要請を行った。自民党会派の要請に、舛添知事は組織委員会に積極的な働きかけを約束し、文科省からも全面支援の決意をいただいた。今回の空手競技の国際オリンピック委員会の提案は、私ども自民党の熱意、要請に応じたものであると高く評価したい。引き続き、空手がオリンピック競技種目として決定されるよう頑張っていく決意を表明いたします。
それでは、自由民主党を代表いたしまして、通告に従い質問をいたします。
まず1、尖閣諸島周辺海域の安全確保についてであります。
尖閣諸島をめぐる中国による我が国への圧力がおさまる様子はなく、ますます強まってきております。2012年9月尖閣諸島を国有化して以降、中国艦船による尖閣周辺の領海侵入はとまることなく日常化している状況にあります。航空機による領海侵入や海上自衛隊護衛艦に射撃用管制レーダーを照射するという無謀な行為まで行っています。
近年の中国の海洋進出の動きは資源の確保と相まって、南シナ海における南沙諸島の例に見られるように露骨さを見せており、我が国においても離島保全は喫緊の課題であると考えます。我が国は、北海道、本州、四国及び九州を含め、6850もの島から成る海洋国であり、膨大な離島を抱えておりますが、そのうち有人島は420ほどにすぎず、残りは全て無人島のようであります。本県離島は55島を数え、そのうち有人島が40島もある状況を考えれば、我が国における離島保全は喫緊の課題であります。
本県の漁業者は、尖閣諸島を中心とする周辺海域の好漁場で操業しているものでありますが、近年、中国艦船による領海侵入や台湾漁船による操業で厳しい状況に陥っております。膨大な島々から成る広大な領域・海域を守るのは容易ではありませんが、このところの中国による露骨で理不尽な言動を見れば国際的に我が国の立場を示す上でも、適切な対応、領域保全、領海警備は必要であると考えます。
尖閣諸島は、本県の行政区域であり、尖閣周辺海域で操業する県内漁船の安全を守るのは国の責務であると考えます。この意味で平和安全法制の成立は、尖閣諸島を含む我が国離島の防衛に大きく貢献するものと考えます。
そこで伺います。
(1)、尖閣諸島をめぐり中国公船による領海侵犯が常態化している中、尖閣諸島を所管する沖縄県知事として、どのような対応ができるのか伺いたい。
(2)、翁長知事は、尖閣で小競り合いがあると石垣への観光客が減少し、米軍基地の存在が沖縄の危険性につながると述べているが、知事は我が国周辺の脅威をどう認識しているのか、米軍が沖縄から撤退すれば沖縄は安全という意味か、また、安全保障法制の制定は我が国の離島防衛に大きな役割を果たすと考えるが、知事の考えを伺いたい。
(3)、尖閣諸島周辺水域は、本県のマグロ漁の重要な漁場であるが、中国の監視船が頻繁に航行する中、不測の事態を避けるため出漁を避けることが多いということだが、安全操業に向けた県としての取り組みを伺いたい。
2、観光振興について。
本県観光が好調に推移する中、2014年度における観光収入は前年度より19%増加し、5341億円超えと過去最高となったようであります。観光収入が5000億円台を達成したのは初めてであり、県経済に好影響を与えるものでありますが、今後の課題も浮き彫りとなったようであります。懸案であった1人当たりの消費額が伸びたことは評価されますが、県の目標とする観光収入1兆円を達成するには、現在の7万450円から大幅な伸びが必要であります。そのためには、観光収入を押し上げる平均滞在日数をいかに伸ばせるかであります。
また、本県観光客数の増加に大きく貢献しているのが近年急増しているクルーズ船であります。複数のクルーズ船が同時に寄港することも珍しくなく、接岸される那覇港では、受け入れ体制が追いつかず、寄港予約を43件も断ったようであり、受け入れ整備が追いついてないとの不満も聞かれるようであります。
観光立県として、来県する観光客の満足度を高める対策を県や市町村、観光関係等が一体となって構築することが急がれていると考えます。
そこで伺います。
(1)、本県に寄港するクルーズ船は急増しているようだが、那覇港では岸壁不足で寄港を43件も断ったという。県内の受け入れ体制が追いついていないようだが、現状と対策について伺いたい。
(2)、県内の宿泊施設は、過去最多となったようだが、都市部やリゾート地区、地域によって偏在はないか、宿泊希望者と施設側と価格設定でミスマッチはないか伺いたい。
(3)、外国人観光客の増加で県内における通訳ガイドの不足が指摘されているが、現状と育成に向けた取り組みについて伺いたい。
(4)、2014年度の観光収入について、増加した要因とその内訳、また、1人当たりの消費額と平均滞在日数について、県の目指す観光収入1兆円に向けた今後さらなる取り組みを伺いたい。
(5)、本県の離島の魅力を生かした離島観光をどのように推進するか、県の基本的な考えを伺いたい。
(6)、修学旅行の受け入れで、地域との交流や体験に特化した民泊が注目されているが、離島における受け入れ体制の現状と今後どのように取り組みを強化していくか伺いたい。
(7)、豪華客船でプライベートヨットであるスーパーヨットについて、その経済効果が大きいことから世界中のリゾート地で誘致が進められている。富裕層誘致を進める本県においても国際観光イノベーション特区を生かし、離島観光の活性化の観点から八重山への誘致について、県の考えを伺いたい。
3、離島・過疎地域の振興について。
本県の離島は亜熱帯気候にあって、それぞれの島々の持つ豊かな自然の中で育まれた世界に誇れる文化遺産や伝統芸能などを有しており、それぞれの島の魅力をいかに発信するかが大きな課題であります。
他方では、小規模離島における深刻化する人口減少や高齢化に対する対応も喫緊の課題となっております。それぞれの島々に住む人々の日常の生活は、本島とあらゆる面で生活格差があり、このような負担増の解消を図ることが島に住む若者の流出防止につながることから、県において定住条件の整備に向けた取り組みが進められております。そのため、離島の空港、航路など交通コストの負担軽減や離島農林水産業の輸送費用の一部補助の拡充などにより、離島・過疎地域住民のユニバーサルサービスの確保を図ることが求められております。そのため2012年度からスタートした離島振興計画の着実な実行が求められ、計画期間10年間で、定住条件の整備、特色を生かした産業の振興等の施策をいかに充実強化するか、具体的な実行力が求められていると考えます。
そこで伺います。
(1)、離島地域の農水産物や特産品等の販売促進・販売網の整備は、離島地域における農産業の活性化や若者の定住等を図る上で重要であるが、離島ゆえの不利性や財政面での制約などで厳しい状況にある。県として、どのような支援を行っているか、取り組みを伺いたい。
(2)、県が実施している離島生活コスト事業は、小規模離島住民の生活コストの低減に貢献しているが、さらなる拡大も必要である。今後の計画について伺いたい。
(3)、沖縄21世紀ビジョン離島振興計画は、住みよく魅力ある島づくりを目指し、平成24年度から33年度までの10年計画となっている。その中で離島の特色を生かした産業振興と新たな展開について、具体的な施策展開をどのように図るか伺いたい。
(4)、小規模離島における深刻化する人口減少や高齢化に対する対応が喫緊の課題となっている中、離島農水産業の活性化を図るため、定住促進に向けた取り組みを伺いたい。
4番、農林水産業の振興について。
本県は、台風常襲地で毎年のように農産物に甚大な被害が出ており、特に本県の基幹作物であるサトウキビ生産に及ぼす影響ははかり知れず、サトウキビ生産を主産業とする離島における影響は一層深刻である。
今、本県のサトウキビは生産者の減少で生産農家は曲がり角にあると言われ、これまで基幹産業として行政による支援が続けられながら、キビ離れに歯どめがかからない状況にあります。
今日のサトウキビ生産の衰退は、従事者の高齢化、後継者、担い手不足による耕作の放棄、さまざまに講じてきた対策がキビ農家の置かれた現実と隔たりがあるとの指摘もあります。
キビの耕作面積が小さく、収益を上げる上で農地の集約の必要性を訴える声も多く聞かれます。サトウキビは依然、本県における基幹作物であり、特に離島においては経済そのものがキビ生産に依存していることから、21世紀ビジョン基本計画の中でこれらの本県農林水産業のあり方、体制づくりについて、打開策に取り組みを期待するものであります。
そこで伺います。
(1)、台風13号及び15号により、特に離島において農林水産関係に深刻な被害が出ているが、被害状況と県の支援対策について伺いたい。
(2)、本県の糖業は、サトウキビの生産の減少、操業率の低下で球陽製糖と翔南製糖が合併するなど厳しい状況にある。基幹作物としてのサトウキビ生産をいかに守るか、県の取り組みを伺いたい。
(3)、TPP交渉は、大詰めを迎えながら最終合意に至らず、協議が難航しているようだが、本県に関係する農業分野5品目について、交渉の経緯はどうなっているか、県はどのように把握しているか伺いたい。
(4)、我が国の食料自給率は、5年連続39%と伸びがなく、目標も45%に引き下げられた。本県における自給率の目標と向上に向けた取り組みについて伺いたい。
(5)、日台漁業協定対象水域における県内漁船の操業状況とさらなる操業ルールの改善について伺いたい。
(6)、本県周辺海域における中国漁船によるサンゴの密漁について、現状と国による被害状況等の実態調査について伺いたい。
(7)、泊漁港及び糸満漁港の整備について、両漁港の位置づけを明確にし、水産物流通体制の確立を図るための流通加工施設等関連施設の整備の進捗状況を伺いたい。
5、県内社会資本の整備について。
本県は復帰後、3次にわたる沖縄振興開発計画及び沖縄振興計画により、基本的な社会資本や産業基盤の整備は相当程度達成されております。しかしながら、本県が目指す経済の自立を図る上で、なお一層の整備が必要であります。特に、沖縄21世紀ビジョン基本計画に基づく那覇空港滑走路増設事業の推進や本島南北軸・東西軸を有機的に結ぶ道路ネットワークの構築、沖縄都市モノレールの延長事業など、早期の整備が求められております。
一方で建設業界では人材不足が深刻化しており、業界によれば、県内には約6000人の技術者がおりますが、人材の補充が追いつかず、自治体においても技術者不足が慢性化しており、本県における建設業の人材不足は構造的と指摘されております。
このため、県においては、長期的な観点から本県の将来を担う人材をいかに確保するか、業界を含め議論を深めていくことが必要であると考えます。
そこで伺います。
(1)、災害緊急対策に伴う緊急輸送道路での電柱設置の禁止や景観維持の観点から無電柱化の推進が求められているが、現状と今後の推進計画について伺いたい。
(2)、国発注の公共工事、米軍発注工事に県内企業の参加条件の緩和等について、県の取り組み状況について伺いたい。
(3)、県は、伊平屋島と伊是名島を結ぶ架橋の整備に向け検討を開始したということだが、同事業については両村が50年前から要請していたものである。2011年度調査結果の概要と事業化に向けた県の今後の取り組みを伺いたい。
(4)、伊平屋空港の整備の概要と2021年度開港に向けた作業の進捗状況について伺いたい。
6、地域福祉・医療の充実強化について。
少子・高齢化が進行する状況にあって、地域医療の確保については全国的にも厳しい状況にあります。
本県においては、県立病院に対する依存度が高いこともあり、地域医療をいかに確保するかは県の重要課題となっております。特に、北部地域や離島の県立病院における産婦人科、小児科などの医師確保は地域住民にとって喫緊の課題となっております。
他方、本県は観光立県であり、県内外から多くの観光客が訪れます。特に海外からの観光客の場合、言葉が通じず、患者や同行者との意思疎通ができないと人命にかかわる事態に発展するおそれがあります。本県には、中国や香港、韓国、台湾などのアジア諸国やヨーロッパからの観光客も多い状況にありますが、県国際交流・人材育成財団の登録する医師通訳100人中、対応言語では英語とスペイン語、中国語(北京語)に限られているようであります。さらに、外国語対応可能な医療機関は22医療機関中20カ所は、英語でしか対応ができないようであり、観光立県を標榜するには余りにも寂しい現状ではないでしょうか。
今後とも海外からの観光客の増加を目指すのであれば、受け入れ体制の整備を進めるのは必要不可欠であります。
そこで伺います。
(1)、北部地域における医療提供体制の整備を図るため、県立病院と北部地区医師会病院の統合再編について、現在検討が進められているようだが、進捗状況と県の基本姿勢について伺いたい。
(2)、県立病院における7対1看護体制の導入について、県の基本方針と北部、宮古、八重山病院における導入状況について、また、看護師増員に伴い費用負担が恒常化するという課題にどう対応するか伺いたい。
(3)、国において、医療制度改革もあり、一般病床の機能分化の推進とあわせ7対1看護体制の導入のあり方や要件の厳格化、病床数の削減が議論されているようだが、本県における導入に与える影響について伺いたい。
(4)、観光立県である本県において、外国人観光客の増加に対応する医療面の体制整備が求められているが、医療通訳の確保や育成について、県の取り組みを伺いたい。
(5)、介護保険料が全国平均より本県は高額となっている中、介護が必要な高齢者はふえ続けているようだが、本県における状況と介護施設や職員については、適正な状況にあるか伺いたい。
(6)、厚生労働省の調査によれば、自治体に届け出をしていない有料老人ホームが、本県は全国で5番目に多いということだが、その理由と県の対応について伺いたい。
(7)、本県における知的障害児を受け入れる特別支援学校の設置状況と生徒数について、また、県教育長は那覇市へ特別支援学校の設置について要請を受けたが、どのように取り組むか伺いたい。
(8)、本県の知的障害児を受け入れる特別支援学校が那覇市になく、市外地の支援学校に通学せざるを得ず、児童生徒や保護者の負担は想像以上である。知事は、誇りある豊かさを掲げ、全ての人々が尊重される社会を目指すとしており、特別支援学校の那覇市への設置について考えを伺いたい。
以上、よろしくお願いします。
○知事(翁長雄志) 砂川利勝議員の代表質問にお答えをいたします。
まず、尖閣諸島周辺海域の安全確保についてに関する御質問の中の、尖閣諸島をめぐる問題への対応についてお答えをいたします。
尖閣諸島をめぐる問題については、日中両国政府の冷静かつ平和的な外交によって解決されるべきものと考えております。日中関係は、昨年11月及び本年4月に相次いで日中首脳会談が開催されるなど、改善の方向に向かっていると考えております。中国と長い交流の歴史を持つ沖縄県としては、これまで築いた友好関係を生かし、沖縄ならではの中国との交流を推進することにより、日中関係の改善に貢献してまいりたいと考えております。
次に、観光振興についてに関する御質問の中の、離島観光に関する基本的な考え方についてお答えをいたします。
離島地域は、美しい自然環境や祭祀、御嶽等の貴重な歴史・文化資源を有するほか、地域独特の伝統芸能、民俗芸能が伝承されるなど、優位性のある観光資源が多数存在しております。これらの資源を保全しつつ、離島ならではの新たな観光商品を創出していくことが離島観光の振興につながるものと考えております。
沖縄県としましては、沖縄21世紀ビジョン基本計画に基づき、豊かな自然環境と共生する観光地の形成に向けて、観光受け入れ体制の整備や観光人材の育成支援、離島の魅力や認知度を高める情報発信など、それぞれの島の独特な文化や趣など、島々の個性や魅力を生かした取り組みを推進してまいります。
あとは、担当部局によって答弁させていただきます。
○知事公室長(町田 優) 尖閣諸島周辺海域の安全確保についての御質問の中で、我が国を取り巻く環境と安全保障関連法についてお答えします。
防衛白書によると、中国は軍事力を広範かつ急速に強化し、さらに東シナ海や南シナ海を初めとする海空域などにおいて活動を急速に拡大・活発化させているとのことであります。また、報道等によれば南沙諸島の領有権をめぐる中国とフィリピンの対立など、南シナ海や東シナ海においては、近年、周辺国による主権と国益をめぐる問題が顕在化しつつあるものと認識しております。
県としましては、日米安全保障体制の必要性は理解しております。しかしながら、国土面積の約0.6%にすぎない本県に在日米軍専用施設の約74%が集中し、沖縄県民は過重な基地負担を背負い続けていることから、日米両政府は、県民の目に見える形で基地問題の解決が図られるよう、強力に取り組むべきであると考えております。
安全保障関連法につきましては、十分な議論がされるべきところ、採決が強行されたことは、まことに残念であります。
県としては、これまでの政府の説明は十分ではなく、今後の運用や日本の安全保障に与える影響について政府は丁寧に説明すべきであると考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(島田 勉) それでは、尖閣諸島周辺海域の安全確保についての御質問のうち、尖閣諸島周辺水域における安全操業に向けた県の取り組みについてお答えいたします。
県は、尖閣諸島の周辺水域における漁業者の安全操業及び安全航行の確保について、これまで国土交通省や外務省、水産庁などに対し、安全操業に対する適切な対応や外国漁船の取り締まりの強化など、抜本的な措置を講じるよう、要請してきたところであります。また、本県漁業者が安心して操業できるよう、沖縄振興特別推進交付金を活用した漁業無線機の整備や沖縄漁業基金事業を活用した漁家経営の支援などについて、国や漁業関係団体と連携して取り組んでまいります。
次に、農林水産業の振興についての御質問のうち、台風13号及び15号の被害状況と県の支援についてお答えいたします。
台風13号による農林水産業関係の被害額は約4億2396万円、台風15号による被害額は約13億8367万円となっております。
農林漁業者に対する支援としては、1、県内各地域の農業改良普及機関への営農相談窓口の設置、2、農業・漁業共済等の制度活用の周知、3、農林漁業セーフティネット資金など低利な制度資金活用の周知、4、融資機関に対する農業制度資金の円滑な融通や既貸付金の償還猶予措置の依頼、5、災害復旧事業による漁港施設等の復旧などを行っております。
県としましては、引き続き関係機関や団体などと連携を密にし、支援について取り組んでまいります。
同じくサトウキビ生産振興対策についてお答えいたします。
サトウキビ生産は、近年、たび重なる台風や干ばつ等の気象災害、生産農家の高齢化の進展、病害虫被害により低迷している状況にあります。
県としましては、1、農業用水源、かんがい施設、圃場整備等の生産基盤の整備、2、早期高糖性及び耐風性等にすぐれた新品種の育成普及、3、ハーベスター等の導入による機械化の促進、4、生産法人の育成、作業受委託組織の支援等による担い手育成対策など、生産性の向上に取り組むとともに、さとうきび増産基金を活用して、生産回復を図るための取り組みを実施しているところであります。
今後とも市町村、JA、製糖企業等関係団体と連携し、サトウキビ生産振興に取り組んでまいります。
同じくTPP交渉の状況についてお答えいたします。
TPP交渉の経緯については、去る7月にTPP閣僚会合が米国において開催されましたが、農産物の関税分野を含め、合意に至りませんでした。そのため、9月30日から米国において、TPP閣僚会合が開催されることとなっており、交渉が急速に進展する可能性があります。政府は、これまでの交渉の内容を明らかにしておりませんが、仮に本県の重要品目であるサトウキビや肉用牛などの関税が譲歩された場合、本県農林水産業へ極めて大きな影響があると懸念されることから、引き続き、交渉の動向を注視しつつ、時機を逸しないよう適切に対応してまいります。
次に、本県の食料自給率についてお答えいたします。
沖縄21世紀農林水産業振興計画における平成33年度の食料自給率は、カロリーベースで50%の目標値を掲げておりますが、平成25年度の本県の食料自給率――概算値でございますが――、カロリーベースで27%となっております。食料自給率の向上を図るためには、県内農林水産物の生産拡大と地産地消を推進することが極めて重要であります。
このため県においては、沖縄21世紀農林水産業振興計画に基づき、1、おきなわブランドの確立と生産供給体制の強化、2、輸送コストの低減や地産地消など流通・販売・加工対策の強化、3、農林水産業の担い手の育成・確保及び経営安定対策等の強化などの基本施策を推進し、食料自給率の向上に努めております。
県としましては、今後とも、諸施策を推進し、農林水産業の振興を図ってまいります。
次に、日台漁業取り決め適用水域における県内漁船の操業状況と操業ルールの改善についてお答えいたします。
平成25年4月に合意した日台漁業取り決めについては、平成27年3月の日台漁業委員会会合等において操業ルールの見直しが図られております。新たな操業ルールのもと、本年4月から7月のクロマグロ漁期に、日台漁業取り決め適用水域において操業した隻数は、昨年同時期の52隻から171隻に増加しております。また、同水域におけるマグロ類やソデイカ等の漁獲量は、昨年同時期の約75トンから約116トンに増加しております。
県としましては、今後とも漁業関係団体や国と連携し、船間距離4海里の確保や日本漁船が優先的に操業できる水域の拡大等、さらなる操業ルールの改善を求めてまいります。
次に、中国漁船によるサンゴ密漁の現状と国による被害状況調査についてお答えいたします。
中国サンゴ網漁船の不法操業により、本県周辺水域においては、漁場環境の悪化や本県漁船に対する操業妨害など、さまざまな被害が生じ問題となっております。
このため県は、1、中国サンゴ網漁船の実質的な取り締まり体制の構築、2、本県周辺漁場への影響調査などについて国に要請してきたところであり、その結果、日中漁業共同委員会において、中国サンゴ網漁船の不法操業の根絶に向け、両国が取り組むことで合意し、その後、中国サンゴ網漁船の操業は見られなくなっております。
また、国は、本年8月から9月にかけ、水産庁調査船による海底状況調査を実施したところであります。
なお、調査結果につきましては、今後、水産庁が県内漁業関係者や県に対し説明を行う予定と聞いております。
次に、泊漁港及び糸満漁港の位置づけと関連施設整備の進捗状況についてお答えいたします。
泊漁港は、沖縄県漁連及び那覇地区漁協で構成する泊魚市場有限責任事業組合が市場を運営しており、那覇市を中心とする消費者への水産物供給機能を有しております。また、糸満漁港は、本県唯一の第3種漁港であり、県内外の漁船の水揚げ及び県外出荷も行う産地市場としての機能を有しております。
県としましては、県内水産物の流通拠点として、糸満漁港における卸売市場及び関連施設の整備に向け、県、関係市町村及び団体で構成するワーキングチームにおいて、実施設計に反映するための要望事項等を取りまとめ、年度内に基本設計を策定することとしております。
また、消費市場としての泊漁港については、那覇市及び関係団体と連携し、再整備に向けた調整を進めているところであります。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉幸満) 観光振興についての御質問の中で、クルーズ船受け入れ体制の現状と対策についてお答えします。
県内において、クルーズ船の受け入れが可能な港湾は、那覇港、中城湾港(新港地区)、平良港、石垣港及び本部港の5港となっております。その中で、クルーズ船の寄港回数が最も多い那覇港については、泊埠頭地区にクルーズ船専用バースが整備され、平成21年9月から供用を開始しております。近年のクルーズ船の大型化、大衆化に伴いクルーズ需要は世界的に増加傾向にあります。
那覇港管理組合では、那覇港長期構想検討委員会を開催し、増加するクルーズ需要への対応について検討を進めているところであります。那覇港管理組合は、短期的には寄港地としての利用拡大を図るため、第2バースの整備を推進し、また、中長期的には定期・定点クルーズの拠点港化を目指し、あわせて4バースの整備を目標とすることを同検討委員会に提示したとのことであります。
次に、県内社会資本の整備についての御質問の中で、無電柱化の現状と今後の推進計画についてお答えします。
県が管理する道路における電線類地中化は、21世紀ビジョン基本計画に基づき、平成28年度までの整備延長目標を85キロメートルとしており、平成26年度までに約60キロメートルの整備が完了しております。平成24年度までは、合意路線のみの整備を行っておりましたが、平成25年度からは、沖縄振興特別推進交付金を活用した要請者負担方式もあわせて実施しているところであります。
今後とも、災害に強いまちづくりに向け、無電柱化の推進に取り組んでいきたいと考えております。
同じく県内社会資本の整備についての御質問の中で、国及び米軍発注工事に関する県の取り組みについてお答えします。
県では、国の関係機関に対して分離・分割発注や共同企業体方式による発注により県内建設業者への受注機会の拡大等の要請を行っております。その結果、沖縄総合事務局や沖縄防衛局においては、分離・分割発注、入札参加資格要件の緩和及び総合評価方式における評価項目の見直しを行っております。
さらに沖縄防衛局においては、契約保証金等の緩和が行われ、県内企業の受注機会の拡大が図られております。
米軍発注工事に関しては、米軍等関係機関に対して県内業者への分離・分割発注及びボンド率減免の要請を行っております。
また、沖縄型ボンディングシステム実証事業において、県内企業に対して米軍発注工事の参入支援を行っているところです。
同じく県内社会資本の整備についての御質問の中で、伊平屋・伊是名架橋の過年度調査結果の概要と今後の取り組みについてお答えします。
伊平屋・伊是名架橋については、平成23年度に、整備の可能性について調査を実施しております。調査結果から、将来交通量や技術上及び環境上の課題、また、これまで実施してきた離島架橋に比べ、距離が長く大規模であり、費用対効果や膨大な予算の確保など解決すべき課題が多いことが明らかとなっております。
県としては、伊平屋・伊是名両村からの要望等を受け、今年度から建設工事費の縮減など、課題の克服について、より詳細に調査・研究していきたいと考えております。
同じく県内社会資本の整備についての御質問の中で、伊平屋空港の整備概要等についてお答えします。
伊平屋空港の整備につきましては、伊平屋・伊是名地域における住民生活の安定と地域振興の観点から、その必要性を十分認識しております。平成23年5月の環境影響評価書に対する知事意見の中で、埋立回避の意見が出されたことから、滑走路長を800メートルとして基本設計を見直し、現在、環境影響評価書の補正を行っているところであります。
なお、新規事業化に当たっては、航空会社の就航意向取りつけや需要喚起策が重要なことから、伊平屋空港協議会や関係機関と協議し、早期に事業着手できるよう取り組んでいるところであります。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(前田光幸) 観光振興についての御質問の中の、県内宿泊施設の状況等についてお答えいたします。
県が実施している宿泊施設実態調査によると、平成26年12月末現在における宿泊施設数は対前年比6.9%増の1541軒、客室数は3.4%増の4万243室、収容人員は4.6%増の10万4724人となっており、いずれも過去最多となっております。施設数は宮古島市が214軒と最も多く、次いで石垣市203軒、那覇市181軒の順となっており、客室数については那覇市1万4543室、恩納村4177室、石垣市4067室の順、収容人員についても那覇市2万8711人、恩納村1万4634人、石垣市9939人の順で多くなっております。
県としましては、好調な入域観光客数の増加に伴い、今後とも宿泊施設数はふえるものと考えておりますが、立地場所については、観光客ニーズや交通機能、自然景観などのさまざまな要素を踏まえ、決定されるものと認識しております。また、宿泊施設では、施設の規模や客層、予約状況や稼働率等により客室単価が設定されていると承知しております。
同じく次に、通訳ガイドの現状と育成の取り組みについてお答えいたします。
県内では、平成27年8月31日現在、通訳案内士が61名、地域限定通訳案内士が162名、沖縄特例通訳案内士が205名、合計428名が登録されております。
沖縄県は、増加する外国人観光客に対応できる人材を育成・確保するため、全国的な制度である通訳案内士や地域限定通訳案内士の試験を実施するほか、平成24年度に創設された沖縄独自の制度である沖縄特例通訳案内士に関する育成研修事業を実施しており、今年度の受講生は86名となっております。
さらに、各通訳案内士の活動を支援するため、登録者リストを県庁ホームページ上で公開し、また旅行会社とのマッチング会等のフォローアップ支援を通して、就労機会の増大につなげているところであります。
次に、観光収入の増加要因と観光収入1兆円達成に向けた取り組みについてお答えいたします。
平成26年度の観光収入は、観光客1人当たり消費額が対前年度比9.5%増の7万4502円、入域観光客数が対前年度比9%増の717万人と、ともに大きく増加したことにより、対前年度比19.3%増の5342億円となっております。観光収入の費目ごとの内訳は、宿泊費で1600億円、飲食費で1207億円、土産・買い物費で1174億円等となっております。観光収入1兆円を達成するためには、平均滞在日数の延伸等による観光客1人当たり消費額の増加に向けたさらなる取り組みが必要であると考えております。
このため、沖縄県としましては、離島観光の推進等による滞在日数の延伸や魅力ある観光土産品の開発、リゾートウエディングなどの付加価値の高い観光の推進、消費単価の高い外国人観光客や富裕層の誘致等に取り組むとともに、新たな市場の開拓に向けて、大型MICE施設の整備等に積極的に取り組んでまいります。
次に、同じく観光振興についての中の、離島における民泊の現状と今後の取り組みについてお答えいたします。
沖縄への修学旅行における民泊は、県内各地域の自然、歴史、文化等を生かした体験交流を提供する宿泊形態として高い評価を得ており、ことし9月時点で県が把握している29の民泊受け入れ団体のうち11団体が離島地域に所在しております。
修学旅行を受け入れるに当たり、第1に求められる課題は、安全や衛生の確保であると考えており、県では各地域観光関連団体を通じて民泊事業者に対し、旅館業法に基づく営業許可等、関係法令で定める手続を遵守するよう求めているところであります。また、沖縄県修学旅行推進協議会において、民泊に関する議論を深めるため、今年度から民泊分科会の開催を予定しております。
県としましては、よりよい民泊が提供されるよう、安全や衛生の確保及びサービスの質の維持向上に向け、当協議会を通して関係者との連携を図ってまいりたいと考えております。
次に、スーパーヨットの八重山への誘致についてお答えいたします。
スーパーヨットについては、富裕層の誘致を図る観点から、市場規模、経済効果、誘致の可能性等について現状を把握する必要があると考えております。
今後は、関係者との意見交換を行い、現状把握に努めるとともに、その可能性について検討していきたいと考えております。
続いて、地域福祉・医療の充実強化についての御質問の中の、医療通訳の確保等の取り組みについてお答えいたします。
沖縄県では、外国人観光客に対する医療面での体制づくりを支援するため、平成23年度から県内医療機関のスタッフなどを対象に、英語・中国語の医療通訳講座を開催し、平成26年度までに延べ522人の方が受講しております。また、県内医療機関が外国人観光客の医療通訳に対応できるシステムのあり方などについて、関係部局と意見交換を行うほか、それに関するモデル実証事業を行うこととしております。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 離島・過疎地域の振興についての御質問の中の、離島地域の特産品等の販売促進に関する取り組みについてお答えいたします。
沖縄県では、離島地域の特産品等について、離島の事業者がみずから販売戦略を構築し実践できる人材を育成するため、離島特産品等マーケティング支援事業を実施しております。具体的には、専門家の指導助言を受けながら、自社製品の強み等の研究、販路拡大に必要な知識やノウハウの習得、物産展への出展などの実践的な活動への支援を行っております。
次に、離島生活コスト低減事業の今後の計画についてお答えいたします。
離島生活コスト低減事業の対象離島の拡大につきましては、今年度、離島ごとの物流の状況や島内の小売店立地状況などの事業環境、沖縄本島との物価差の状況等を把握した上で、外部有識者等で構成する「離島生活コスト低減事業在り方検討委員会」において検討することとしております。
次に、離島振興計画の具体的な施策展開についてお答えいたします。
沖縄県は、「住みよく魅力ある島づくり計画」において、「離島の特色を生かした産業振興と新たな展開」として、観光・リゾート産業や農林水産業、地域産業の振興など7つの基本施策と252の「主な取組」を推進することとしております。また、「主な取組」についてPDCAを実施し、必要な見直し、改善を行い、施策の効果的な推進を図ってまいります。
次に、離島の農水産業の活性化と定住促進についてお答えいたします。
離島地域の定住促進に向けては、基幹産業である農水産業の振興が重要と考えております。このため、亜熱帯海洋性気候や地理的特性、多様な地域資源など各離島の地域特性を最大限に生かしたおきなわブランドの確立を推進しております。また、離島地域の経済を支えるサトウキビ等の安定生産を図るなど、離島地域の農水産業の活性化や定住促進に努めてまいります。
以上でございます。
○保健医療部長(仲本朝久) それでは地域福祉・医療の充実強化についての御質問で、県立北部病院と北部地区医師会病院の統合再編についてお答えいたします。
北部地域の医療提供体制については、昨年12月の「北部地域における医療提供体制の確保に関する研究会」報告において、「病院の統合再編による基幹的病院の整備が望ましい」と提言がありました。
県としましては、北部市町村議会からの要請で示された北部地域の医療の窮状は、危機的状況であると認識しており、地域医療の中核としての役割を担っている県立北部病院について、まずはその充実強化に取り組むことが重要であると考えております。このような中、ことし3月には、地域医療構想の策定に関するガイドラインが示され、都道府県においては、10年後の目指すべき医療提供体制を示す同構想の策定が求められております。北部地域の医療提供体制については、同構想の内容とも大きく関連することから、構想の策定を進める中で、あわせて議論していくこととしております。現在、同構想の策定に向けた検討会議を県並びに各地域に設置し、検討を進めているところであり、専門家である医療関係者や北部地区関係者の意見を十分にお伺いし、しっかりと議論していきたいと考えております。
次に、医療制度改革による本県の7対1看護体制導入への影響についてお答えいたします。
7対1看護体制については、平均在院日数、看護必要度の見直しに加え、平成26年度の診療報酬改定により、新たに在宅復帰率も算定基準に追加されるなど、要件の厳格化が図られております。医療制度改革により、今後も要件の引き上げ等が予測されることから、7対1看護体制の病床は全国的にも減少していくものと考えられており、県内においても同様の影響が想定されます。
以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 地域福祉・医療の充実強化についての御質問の中で、県立北部病院、県立宮古病院及び県立八重山病院における7対1看護体制の導入についてお答えいたします。
7対1看護体制については、手厚い看護による良質な医療の提供が期待できると考えております。県立北部病院、県立宮古病院及び県立八重山病院の7対1看護体制の導入については、導入で生じる恒常的な費用負担によって、経営に大きな影響を与えることが見込まれることから、慎重に検討を行っているところであります。
病院事業局としましては、診療体制や経営状況に加え、7対1看護体制のさらなる要件の厳格化など、医療制度改革の動向も注視しながら、導入について引き続き検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 地域福祉・医療の充実強化についての御質問の中で、介護が必要な高齢者等の状況についてお答えをいたします。
本県の要介護認定者数は、平成27年3月の速報値によりますと約5万4000人で、前年同月と比べ約2000人の増となっております。平成26年10月末時点で施設入所の必要性が高い高齢者は751人となっており、県としましては、市町村が地域の需要を踏まえ必要量を見込んだ沖縄県高齢者保健福祉計画に基づき計画的に施設を整備してまいります。また、今後急速な高齢化が進むことが見込まれており、団塊の世代が75歳以上となる平成37年には、約4000人の介護職員が不足すると推計されております。
県としましては、地域医療介護総合確保基金を活用し、介護人材の参入促進、介護従事者の資質の向上、労働環境・処遇の改善等、介護人材の確保に向けた取り組みを強化してまいります。
次に、届け出をしていない有料老人ホームが多い理由と県の対応についてお答えをいたします。
本県における平成27年9月25日時点で、届け出の指導を行っているが届け出をしていない有料老人ホームは、県所管で20施設となっております。本県においては、全国と比較して小規模の施設が多いことが届け出をしていない施設が多い要因ではないかと考えております。
県としましては、市町村や関係機関と連携し、届け出をしていない施設の情報収集、実態把握に努め、電話、文書及び実地訪問等により届け出の指導を行っております。また、届け出の有無にかかわらず、有料老人ホームの立入検査を実施しております。今後とも、有料老人ホームの適正な運営と質を確保し、入居者処遇の改善が図られるよう指導を行ってまいります。
以上でございます。
○教育長(諸見里 明) それでは、地域福祉・医療の充実強化についての御質問で、知的障害特別支援学校の設置状況と生徒数、那覇市への設置の取り組みについてお答えいたします。6(7)と6(8)は関連しますので、一括してお答えいたします。
知的障害を対象とした特別支援学校は、島尻特別支援学校など9校で、幼児・児童生徒数は、平成27年5月1日現在1568名となっております。
県教育委員会としましては、那覇市内への知的障害特別支援学校設置の必要性は認識しており、沖縄県特別支援学校PTA協議会等からの要請を受け、学校用地や設置形態等について研究を行っているところです。今後とも、那覇市等の関係機関と連携を図り、通学時の児童生徒や保護者の負担感の軽減につながる特別支援学校の設置について、どのような対応が可能かさらに研究を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○砂川 利勝 それでは、再質問させてください。
まず、尖閣諸島の周辺海域の安全確保についてです。
石垣市議会は、9月15日の定例会において、「翁長雄志沖縄県知事の国連人権理事会における演説で、尖閣諸島の問題を取り上げることを求める意見書」を賛成多数で可決しております。即日県知事宛てに送付いたしましたが、その対応について説明を願いたいと思います。
2番目に同じ項目なんですが、国連人権理事会での演説の前の市民外交センターなどが主催したシンポジウムで、知事は尖閣諸島の現状について発言されたか伺いたいと思います。
3つ目に、国連人権理事会の場での知事発言に対し、沖縄県の女性のほうから知事の発言に対しての反論が行われていたと思います。その中で東シナ海における中国の挑発行為を指摘していたが、このことに関しどのような見解を知事が持っているのかお聞かせください。
次に、農林水産業の振興についてであります。
竹富町では、製糖工場の整備がなされました。しかしながら、ハーベスター含めた集中脱葉機の整備がなくて、今高齢化と人手不足でこれからのキビ産業が危ういという方向性、現状が出ております。その意味も含めてこれからのハーベスター含めた集中脱葉機の導入について県の方向性を伺いたいというふうに思います。
次に、観光関連で観光振興ですが、先ほどの(7)番目のスーパーヨットの件でございます。
ことし石垣において4隻のスーパーヨットが寄港いたしました。1隻当たり約1000万円の経済効果があったということで、それは食料、水、燃料、宿泊ですね、その経済効果があったという報告を受けております。これはNPOからの説明で私もちょっと教えていただいたんですが、このように1隻当たり1000万落とすということであれば、世界には数多くの、今スーパーヨットがあります。そういった中で、そういうヨットをぜひ誘致したいという思いがありますので、当然ながら検討していきたいというお言葉がありましたが、しっかりと私は調査費をつけて、これはやはり離島のかなりの経済効果が私はあるというふうに思いますので、調査費をつけていく方向性がないのか再度お聞きしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後2時21分休憩
午後2時25分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
知事公室長。
〔知事公室長 町田 優君登壇〕
○知事公室長(町田 優) 砂川議員の再質問の中で、尖閣諸島についての御質問、3つございました。
まず、石垣市議会の要請を受けて、国連人権理事会で尖閣について取り上げたかという御質問でしたけれども、スピーチの中では、特に尖閣諸島については触れてございません。
それから、シンポジウムではどうだったかという御質問ございましたけれども、シンポジウムでも尖閣諸島について特に発言はしてございません。
それから3点目に、その国連人権理事会で女性の方が、中国の挑発行為について発言したけれども、それについてどう思うかというお話でしたけれども、私どもその女性の発言について現在手元にございませんので、それに対するコメントは控えたいと思います。
以上でございます。
○農林水産部長(島田 勉) 砂川議員の西表島における収穫の機械化についての再質問にお答えいたします。
竹富町の西表島においては、現在刈り倒し機を導入し、収穫作業の一部を機械化しておりますが、梢頭部の除去や脱葉作業は人手による作業が必要な状況となっております。そのため、地元生産者から竹富町に対して収穫作業のさらなる省力化のための体制整備について要望・相談があったと聞いております。
県といたしましては、現在、竹富町、製糖工場、JAなど関係機関と今後の方向性等について検討を進めているところでございます。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(前田光幸) スーパーヨットの誘致に向けた調査についてお答えいたします。
沖縄県においては、観光収入1兆円の達成に向けて取り組む項目の1つとして、富裕層の誘致を掲げております。このことから次年度、富裕層の誘致に向けた取り組みの方向性等について調査を行うこととしております。
御質問のスーパーヨットにつきましても、富裕層の取り込みの一環として検討していくのではないかと考えております。
以上でございます。
○砂川 利勝 先ほどの尖閣諸島の件ですが、発言がされなかったと、どちらの会議でもされなかったということで、同じ私の思いとしては、同じ沖縄のことですので、やはりそういうなかなか行けない場所でしっかりとそういう沖縄県の立場として、私は、話すべきであったんじゃないかなというふうに思います。理由については、述べられませんでしたので、もしどういった理由でできなかったのか、答えられるのであれば答えてください。
それと、先ほどの製糖工場の件ですが、これは前向きに検討していきたいということですので、これはやはり今サトウキビが離島の基幹作物であると、それと主力がもう離島に来ているという流れで必ず実現をしてほしいというのが農家の要望です。ぜひともこの農家の要望に応えるように、当局はしっかりとまたやっていただければというふうに思っております。
スーパーヨットの件に関しては、調査をしていくということですので、ぜひ部長、頑張ってください。よろしくお願いします。
以上です。
○知事公室長(町田 優) 今回の国連理事会での尖閣に触れなかった理由についての御質問でしたけれども、今回のこの集会、国連人権理事会というのは、その名前のとおり人権についてあるいは自己決定権についてそういうことについて話し合う場でしたので、その場には、尖閣諸島について触れるのはなじまないのではないかということで、今回はそれについては触れてはございませんでした。
以上でございます。
○新里 米吉 ハイサイ。
新里米吉です。
先島地域を非常に強い台風が襲いました。特に、与那国では最大瞬間風速81.1メートルと県内観測史上2位の台風で被害も民家全壊10戸、半壊27戸、電柱40本が折れたと報道されています。与那国の皆様にお見舞い申し上げます。
県が早速、副知事を与那国へ派遣されたことを評価するものです。県議会としても早急な被害状況の視察調査が必要と思います。
さて、翁長知事を誕生させてよかったとの声が県内外で聞かれます。
米軍基地問題で、民意に基づく明快で理路整然とした発言は、多くの県民の賛同と信頼を得ています。政府に対しても米軍基地の歴史、形成過程や基地から派生する事件・事故等の被害、県民の苦悩を語られ、沖縄への基地押しつけには毅然たる態度で対応されております。県民はもとより全国の皆さんにも理解が深まり、辺野古基金への賛同もふえています。国連での演説で国際的な理解も広がりつつあり、辺野古新基地をつくらせないとの国際世論に発展しようとしています。経済振興もアジア諸国を訪問してトップセールスを行い、沖縄県アジア経済戦略構想が答申されるなど、県経済の展望も明るい方向にあります。
私たちは知事を支え、県勢発展のため全力を挙げて取り組みます。そのような視点から、社民・護憲ネットを代表し、質問します。
日本時間9月29日未明に締結された環境補足協定は、質問通告後に起きた事例ではありますが、沖縄県にとって重要な問題でありますので、議事課にも連絡してあり、先例を踏まえ質問させていただきます。
補足協定については、一定の評価はあるものの識者からも多くの問題点の指摘があります。県の所見を伺いたい。
以下、通告に基づき質問します。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、沖縄21世紀ビジョンについて。
ア、「はじめに」の中に「沖縄は軍事面での安全保障ではなく、幅広い分野において我が国とアジア・太平洋地域との交流や信頼関係の構築など積極的な役割を担うことができると考える。」について知事の所見を伺いたい。
イ、「めざすべき将来像」に「沖縄の自然は、天賦の貴重な財産であることを認識し、豊かな自然を守り育みながら、持続的発展を志向する」、「世界に誇る豊かな自然環境を劣化させることなく次世代に引き継いでいく取り組みを、県民全体で推進することが求められている。」と明記している。将来像から考えると新基地建設のために天賦の貴重な財産である辺野古沿岸部、大浦湾を埋め立てることがあってはならないと考える。知事の所見を伺いたい。
ウ、「沖縄における米軍基地の存在は、長期にわたり望ましい都市形成や交通体系の整備、産業基盤の整備など、地域の振興開発を図る上で大きな障害となってきたが、基地の返還は遅々として進まず、過重な負担が続いてきたことで、本来ならば得られるべき県民の生活上の利益を失い続けている。」、「早期返還と、跡地利用の推進は、基地を提供してきた国の責務において行われなければならない。」について知事の所見を伺いたい。
エ、「東アジア・太平洋地域の十字路に位置する島しょ圏沖縄は、歴史的にも交流の要所である。沸騰するアジアのダイナミズムを踏まえ、アジアのゲートウェイとしての役割を積極的に果たすことにより、我が国経済を牽引する一翼を担うことができる。」、「自由化、アジアへの経済的シフトを基底にしつつも、地域に負の影響を及ぼす要素を排除する制御にも配慮すべきである。県民の利益を損なう自由化には、ローカルルールを課し、自由と制御のバランスの下、県民の厚生の最大化を目指す。」、「返還跡地の状況をみると、那覇新都心地区、小禄金城地区などこれまでの中南部圏における返還跡地利用は、市街地形成や経済活動に大きなプラスの経済効果をもたらしているとの調査結果も発表されており、県経済を牽引する活発な経済活動が展開されている。」について知事の所見を伺いたい。
オ、「沖縄は、陸域、海域、空域とも駐留米軍の制約を大きく受けている。特に、在日米軍への基地提供は著しい不均衡状態にあり、同時に、沖縄の新たな発展にとって重大な阻害要因となっているという現実は直視されなければならない。我が国が全国的に負担すべき「安全保障」の未解決の課題として、負担の公平等の適正化を図る必要があり、この問題は、米軍の運用や我が国の国防に関わることから、国が責任をもって対応するべきである。」について知事の所見を伺いたい。
カ、「公的支出の県経済に占める割合をみると、平成18年度の県民総所得の3兆9592億円に対して、政府最終消費支出と政府固定資本形成の合計で35.6%を占め、九州6県平均31.6%と比較すると、本県が4ポイント高くなっている。全国では、秋田県に次いで構成比が高い順に5位となっている。また、一人当たりでみると、14位となっており、全国と比較して突出して高いというわけではない。」について知事の所見を伺いたい。
キ、人口増加がもたらす2020年までの経済成長予測の中で「シンクタンクの調査によっても、全国が人口減少に向かう中で、沖縄県の人口増加は、大きな強みであることを示している。」と述べていることについて知事の所見を伺いたい。
(2)、辺野古埋立承認取り消しについて知事の所見を伺いたい。
(3)、翁長知事の国連演説に対する出席者等からの激励や反応及び海外メディアの反応を伺いたい。
(4)、歴代政権が認めなかった集団的自衛権の行使をできるようにする安全保障関連法案についての国民世論は、多くの国民が憲法違反、圧倒的多数が慎重審議を求めてきた。SEALDsやママさん等若い人たちの反対行動も広がった。政府・自民党は国民世論を反映し、「丁寧な説明をし国民の理解を求める」としてきたが、国民の理解を得ないまま採決を強行した。知事の所見を伺いたい。
2、経済振興について。
(1)、翁長知事は、4月に中国と台湾を訪問され、台湾ではトップセールスもされ多くの成果もありました。さらに7月にはシンガポール、8月に香港を訪問されましたが、シンガポール、香港訪問の目的と訪問しての感想を伺いたい。
(2)、昨年度の入域観光客数実績と今年度の現状と見通しについて。
ア、2014年度(平成26年度)の入域観光客数について伺いたい。
イ、2015年度(平成27年度)の入域観光客数の現状について。
ウ、平成27年度の入域観光客数の見通しについて。
(3)、世界最大の航空会社商談会ルーツ・アジアの2017年沖縄開催について、課題、対応方針、事業効果等について伺いたい。
(4)、情報通信関連の中でアジア有数の国際情報通信ハブの形成について伺いたい。
(5)、県アジア経済戦略構想策定委員会は「国際競争力のある物流拠点の形成」など重点戦略や産業成長戦略を盛り込んだ構想を答申したと報道されている。主要な重点施策と実施に向けての課題を伺いたい。
(6)、中城湾港新港地区へのクルーズ船寄港誘致について沖縄市、うるま市、北中城村が主体になって「中城港湾の振興を考える会」が10月に発足するとのことである。クルーズ船の寄港が急増して那覇港が過密状態になっており、中城湾港を初め他の港湾もクルーズ船寄港地として検討することが大切であると考える。県の所見を伺いたい。
(7)、砂糖制度の堅持及びサトウキビ生産振興に関する下記の事項について伺いたい。
ア、甘味資源作物交付金の支援水準は生産者が意欲を持ち、再生産可能な水準となるよう確保すること。
イ、沖縄糖業振興対策費の拡充強化を行うこと。また、老朽化の著しい製造設備の整備や維持に向け、継続的な支援策を講ずること。
ウ、農業用機械リース支援事業を維持継続すること。
エ、サトウキビ生産者の経営安定と再生産を確保するため、畑作物共済の加入率向上政策の一環として農家掛金負担の軽減と、加入条件の緩和をするなどの措置を国へ働きかけること。
(8)、与那原・西原地区へのMICE建設決定に与那原町・西原町を初め周辺町村の皆さんが喜んでいます。MICE建設に向けて県庁内の連携を強化するための横断的組織や関係市町村との協議機関が必要と考える。県の所見を伺いたい。
3、基地問題について。
(1)、高江のヘリパッド建設(オスプレイパッド)と宮古・八重山の新たな自衛隊基地建設の動きについて、県の所見を伺いたい。
(2)、米カリフォルニア州のバークレー市議会は、9月15日夜の本会議で、米軍普天間飛行場に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対し、県民と連帯する決議案を全会一致で可決したと報道された。県の所見を伺いたい。
(3)、集中協議で知事が述べられた下記のことについて説明を伺いたい。
ア、戦後、住民がいない間に強制接収されてつくられた基地、それが問題の原点だ。
イ、基地問題では魂の飢餓感がある。
ウ、普天間飛行場が世界一危険だから代替案を出せというのは、日本の政治の堕落だ。
(4)、9月19日夜から20日未明にかけて辺野古のキャンプ・シュワブゲート前に約20人の集団が襲撃し、傷害容疑1名、器物損壊容疑2名が逮捕された。このような暴力行為は民主主義と沖縄の民意に対する挑戦と言わざるを得ない。事件の概要説明と警察の対応に反省すべき点がなかったか本部長に伺いたい。
○知事(翁長雄志) 新里米吉議員の代表質問にお答えをいたします。
知事の政治姿勢についてに関する御質問の中の、アジア・太平洋地域との交流についてお答えをいたします。
沖縄は、琉球王国時代から友好的な交流を通じて、中国などアジア各国との信頼関係を築いてまいりました。
沖縄県としましては、今後も、学術文化、観光、経済等のさまざまな分野での交流を通じて、アジア・太平洋地域における平和発信や国際交流の拠点を目指してまいります。
次に、辺野古埋立承認取り消しについてお答えをいたします。
普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認に関しては、法律的な瑕疵の有無を検証する第三者委員会から「埋立承認手続には法律的な瑕疵が認められる」との報告がありました。その報告も踏まえ、現在、承認取り消しに向けた手続を行っているところであります。
私は、多くの県民の負託を受けた知事として、今後も、県の有するあらゆる手法を用いて、辺野古に新基地はつくらせないとの公約実現に向けて取り組んでまいります。
次に、国連演説に対する反応についてお答えをいたします。
国連人権理事会では、沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている辺野古の状況を、世界中から関心を持って見ていただくよう申し上げました。各国の代表や世界のNGO等、多くの方々へ、今沖縄が置かれている状況を伝えることができたことは、大変有意義だったと考えております。また、欧米メディア各社においても演説内容等が報道され、国内外に対しても効果的に情報発信できたと考えております。今後とも国内外に向けた効果的な発信方法を検討してまいります。
次に、経済振興についてに関する御質問の中の、シンガポール、香港訪問の目的と感想についてお答えをいたします。
7月に訪問したシンガポールでは、シンガポール事務所開所記念事業の一環で、航空会社への定期便就航の要請、現地バイヤーを招聘した県産品の商談会等のトップセールスを実施したほか、大型MICE施設や航空機整備基地等の視察も行いました。開所記念レセプションには約200名の招待客が出席し、シンガポールの関係機関との交流、協力関係を深めることができ、沖縄への関心の高さや期待を感じました。8月に訪問した香港・マカオにおいては、沖縄県が出展した「香港フードエキスポ2015」の視察を行ったほか、香港貿易発展局のマーガレット・フォン総裁と面談し、平成26年に締結した覚書による連携を進めていくことで合意をいたしました。さらに、香港ディズニーランド、ザ・ベネチアン・マカオ等を視察し、香港・マカオの急速な発展・変貌を体感することができました。
私は、一連の訪問を通して、アジアのダイナミズムを実感したことから、スピード感を持ってアジア経済戦略構想を推進することが、沖縄経済の振興・発展に寄与すると意を強くしたところであります。
次に、基地問題に関する御質問の中の、バークレー市議会での決議に対する所見についてお答えをいたします。
私は、辺野古新基地をつくらせないという公約実現のため、あらゆる機会を捉えて情報発信に努めてきました。その結果、国内外においてさまざまな沖縄を支援する団体の活動の輪が広がりつつあることについて心強く感じております。今回のバークレー市議会決議についても多くの関係者の御尽力によるものとして大変意を強くしております。
次に、基地問題の原点についてお答えをいたします。
戦後、27年間に及ぶ米軍統治下において、民有地の強制接収などによって、沖縄県の広大な米軍基地が形成されたものと承知しております。戦後70年を経た今もなお、国土面積の約0.6%である沖縄県に、在日米軍専用施設面積の約74%に及ぶ広大な米軍基地が存在し、これら米軍の運用は、騒音を初め地域住民にさまざまな影響を与えております。世界一危険とも評される普天間飛行場の危険性除去のため、1996年4月、同飛行場の全面返還が日米合意されました。しかしながら、県内移設が条件とされ、県民の理解が得られないまま進められてきたことが今日に至る問題につながったものと考えております。
次に、「魂の飢餓感」との発言についてお答えをいたします。
私は、政府との1カ月間の集中協議の中で、基地の形成されてきた状況を含め、沖縄の歴史や県民の心、そして今日まで続く過重な基地負担の現状について説明いたしました。しかしながら、政府は、国民全体で日本の安全保障を考えるという気概もなく、どのように訴えても一向に沖縄の過重な基地負担が軽減されない状況に対する県民の気持ちを「魂の飢餓感」と表現したものであります。
次に、政治の堕落との発言についてお答えをいたします。
戦後70年間、過重な基地負担を背負う沖縄が、危険性除去のためとはいえ、代替施設を考えなければならないというのは、大変理不尽であると考えております。政府においては安全保障の負担は全国で担うべきとの認識のもと、普天間飛行場の早期返還に取り組んでいただきたいと考えております。
○副知事(安慶田光男) 新里米吉議員の経済振興についての御質問の中で、MICE施設建設に向けた協議会設置についてお答えいたします。
国内外から多くのMICEを誘致し、地域への経済波及効果を高め、東海岸地域の振興を図るには、競争力のある大型MICE施設を整備するとともに、周辺地域に宿泊施設や商業施設の立地を促すほか、交通網、道路の整備等を行うことが重要と考えております。このため、交通網、道路整備等を所管する関係部局が連携して取り組める部局横断的組織を構築していきたいと考えております。また、大型MICE施設建設については、地域住民や地元自治体の理解と協力を得ることが重要であることから、地元4町村で構成する東海岸地域サンライズ推進協議会と連携していく体制づくりも検討していきたいと考えております。
以上であります。
○環境部長(當間秀史) 知事の政治姿勢についての中の、辺野古沿岸部、大浦湾を埋め立てることに対する所見についての御質問にお答えします。
辺野古沿岸部及び大浦湾は、県土の適切な土地利用への誘導及び調整を図るため沖縄県が策定した自然環境の保全に関する指針において、評価ランクⅠ及びⅡと評価されております。また、国により「日本の重要湿地500」や「ラムサール条約湿地潜在候補地」に選定されるなど、生物多様性が高い海域であると認識しております。海域を埋め立てる行為は、自然環境の回復が困難な不可逆性の高いものであり、自然環境に与える影響は非常に大きいものであり、貴重な財産である沖縄の自然は次世代へ引き継いでいくべきものと考えております。
次に、緊急質問の環境補足協定に係る所見についてにお答えいたします。
これまで沖縄県及び渉外知事会等が求めてきた環境補足協定が締結されたことについては、評価したいと考えております。しかしながら、補足協定には県が要望する「少なくとも返還3年前からの立入調査の実現」が盛り込まれておらず、また、事故時の立入申請に対しては、米軍が全ての妥当な考慮を払うとされており、米軍の運用に左右されるなど十分とは言えない部分もあります。
県としましては、日米両政府に対し、引き続き沖縄の基地負担軽減及び環境保全対策の強化を要請していきたいと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(町田 優) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、米軍基地の早期返還及び不均衡の適正化についてお答えします。1の(1)ウの(ア)と1の(1)オは関連しますので、恐縮ですけれども一括してお答えさせていただきます。
沖縄21世紀ビジョンにおいては、基地のない平和で豊かな沖縄をあるべき姿としながら、基地の整理縮小を進めることとしております。戦後70年を経た今もなお、国土面積の約0.6%である本県に約74%の在日米軍専用施設が存在する状況は、異常としか言いようがありません。そして、その米軍基地が沖縄経済発展の最大の阻害要因であることは明確であります。日本の安全保障が大事であるならば、日本国民全体で考えるべきであります。沖縄の基地問題が現状のまま放置されることはあってはならず、日米両政府は全力を挙げて沖縄の基地負担軽減に努めるべきであります。
次に、安全保障関連法についての御質問にお答えします。
安全保障関連法については、十分な議論がなされるべきところ、採決が強行されたことは、まことに残念であります。沖縄県は、在日米軍専用施設の約74%が集中し、過重な基地負担を抱えております。また、さきの大戦の経験を踏まえ、我が国の安全保障政策の変更に県民は大きな不安を感じております。
このような中、国民の理解が十分得られていない重要な法案を強引に押し進める政府の姿勢は容認しがたいものであります。安全保障関連法の成立により、米軍の運用や米軍基地機能が強化され、沖縄の基地負担の増加につながることがあってはならないと考えております。
次に、基地問題についての御質問の中で、高江のヘリパッド建設及び宮古・八重山の自衛隊基地建設についてお答えします。
北部訓練場の過半の返還について、県はSACO合意事案を着実に実施することが、本県の基地の整理縮小及び地元の振興につながることから、その実現を求めているものであります。その条件とされている6カ所のヘリ着陸帯の移設については、当該地域の自然環境や地域住民の生活への影響をめぐってさまざまな意見があるものと承知しております。
オスプレイについては、日米両政府に対して配備撤回を求めてまいります。今後、地元の意見も伺いつつ、検討してまいりたいと考えております。また、宮古島の自衛隊配備については、去る5月11日、佐藤防衛副大臣が宮古島市を訪問し、陸自警備部隊等の配置について協力を要請しております。
県としては、自衛隊の配備については、地元の理解と協力が得られるよう、政府は丁寧に説明を行うべきであると考えております。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 知事の政治姿勢についての御質問の中の、跡地利用に関する国の責務についてお答えいたします。
国が戦後、長期間にわたって駐留軍に提供してきた駐留軍用地は、市街地を分断する形で存在し、都市機能、交通体系、土地利用などの面で大きな制約となっております。このようなことから、跡地利用推進法の基本理念において、国は、沖縄県及び関係市町村との密接な連携を確保しつつ、国の責任を踏まえ、駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用を主体的に推進しなければならないとされたところであります。
次に、沖縄21世紀ビジョンにおけるアジアとの関係に関する所見についてお答えいたします。
沖縄県は、中国、東南アジアなど人口20億人以上の巨大マーケットの中心に位置しており、その地理的優位性を生かし、アジア経済のダイナミズムを取り込み、ともに発展していくことは、沖縄の経済・産業の成長を図る上で極めて重要であり、それがひいては我が国の発展に寄与するものと認識しております。
そのため、県では沖縄県アジア経済戦略構想を策定したところであり、今後もアジアとの連携を深めるとともに、同構想の実現に向けて取り組みを進めることで、アジアのゲートウェイとしての役割を果たしてまいりたいと考えております。また、アジアへの経済的シフト、自由化の進展による経済社会の変動にも対応できる強くしなやかな自立型経済を構築し、県民の福利や厚生の最大化を目指し、適切に対応してまいります。
次に、返還跡地の経済効果についてお答えいたします。
本年1月に県が公表した駐留軍用地跡地利用に伴う経済効果の調査においても、返還跡地の飛躍的な発展が示されており、かつての基地経済の効果を大きく上回るものとなっております。今後、返還が予定されている駐留軍用地においても円滑な跡地利用を進め、沖縄の発展をさらに加速させてまいります。
次に、公的支出の全国との比較についてお答えいたします。
県民経済計算における公的支出について、平成24年度の1人当たりの公的支出額を見ると、107万5000円、15位となっており、全国と比較して突出して高いわけではありません。
沖縄県としましては、さまざまな機会を通して、こうした状況について説明を行ってまいりたいと考えております。
次に、沖縄県の人口増加についてお答えいたします。
全国が人口減少社会を迎えている中、沖縄県の人口は復帰直後から今日に至るまでふえ続けており、東京都に次いで高い増加率となっております。人口減少社会の影響として、社会保障システムの維持が困難となることや、経済活力の低下、伝統・文化を継承する担い手の減少などが懸念されております。経済成長や地域社会の活力を維持する上で、沖縄県の人口増加は大きな強みであると認識しております。沖縄県人口増加計画では、このような状況を踏まえ、人口が増加基調にある現段階から積極的な施策を展開し、地域の活力と成長力を維持・発展させることとしております。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(前田光幸) 経済振興についての御質問の中の、平成26年度の入域観光客数についてお答えいたします。
平成26年度の入域観光客数は、対前年度比9.0%増の716万9900人となり、2年連続で過去最高を更新するとともに、初の700万人台を記録しております。国内客は、対前年度比3.9%増の618万3900人、外国客は、対前年度比57.2%増の98万6000人で、いずれも過去最高を記録しております。
観光客増加の要因としましては、円安等の外的要因のほか、那覇空港新国際線旅客ターミナルビルや那覇クルーズターミナル等のインフラの整備、誘客プロモーションの積極的な展開による国内外の航空路線の拡充やクルーズ船寄港回数の増加、さらに、官民一体となって観光施策の推進に取り組んだことによるものと考えております。
次に、平成27年度の入域観光客数の現状についてお答えいたします。
平成27年4月から8月の入域観光客数は、いずれの月も過去最高を記録し、累計で336万8300人と前年同期の307万1500人に比べて29万6800人、9.7%の増加となり、好調に推移しております。そのうち、国内客については、263万7100人、対前年同期比3200人、0.1%の増加となっております。外国客については、73万1200人、対前年同期比29万3600人、67.1%の増加となり、前年を大きく上回っております。
次に、平成27年度の入域観光客数の見通しについてお答えいたします。
国内客については、円安傾向と景気のやわらかな回復基調が持続すると予想されていることから、堅調に推移するものと見込んでおります。外国客については、訪日旅行需要の高まりに加え、海外航空路線の拡充やクルーズ船寄港回数の増加が予定されていることから、好調に推移するものと見込んでおります。
県としましては、引き続き国内外の市場特性に応じた誘客活動の展開や、外国客への多言語対応などの受け入れ体制の整備を図るなど、観光施策を積極的に推進することにより、今年度の目標である760万人の達成を目指してまいります。
次に、ルーツ・アジア沖縄開催の課題、対応方針、事業効果等についてお答えいたします。
県では、2012年より、イギリスUBM社の主催するアジア最大の航空路線開拓の商談会ルーツ・アジアの誘致に取り組み、このほど2017年の沖縄開催が正式に決定しました。ルーツ・アジアには、世界各地の航空会社約100社、空港会社約300社の路線開発責任者が参加することから、この機会を捉えて世界の主要航空会社の路線開発責任者に対して、新しい就航地としての沖縄の可能性を十分に理解していただくことが課題となっております。そのため、参加者に対し詳細なデータに基づくプレゼンテーションを行うとともに、主要観光施設の視察やイベントの運営全体を通して沖縄の魅力を体感していただき、沖縄観光のブランド力を印象づけていきたいと考えております。
2017年のルーツ・アジア沖縄開催は、2020年の那覇空港第2滑走路の供用開始や東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えた絶好のタイミングであることから、本県と海外を結ぶ航空路線の開設に多大な効果が期待できると考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(下地明和) それでは、経済振興についての御質問の中の、アジア有数の国際情報通信ハブ形成についてお答えします。
県では、平成10年に沖縄県マルチメディアアイランド構想を策定し、情報サービス、コンテンツ制作、ソフトウエア開発の3つを重点分野と位置づけ、さまざまな施策を推進した結果、コールセンターを初めとするIT関連産業の集積が図られております。平成25年に策定した「おきなわSmart Hub構想」においても、この方向性を引き継ぐとともに、アジアを初め広く国内外から沖縄へ企業・人材・知識を集積させ、IT関連産業が観光、医療、農業など他産業を下支えするサポーティング産業として、多様なイノベーション創出を促進するスマートな拠点の形成を目指しております。さきに報告を受けたアジア経済戦略構想においても、その実現に向け、産学官が一体となった沖縄IT産業戦略センターの設置が求められているところであります。
このため県では、最先端の研究開発への支援に加え、アジアとのビジネス連携とそのかけ橋となる人材の育成等に取り組むとともに、クラウド基盤や国際海底ケーブルなど、直接アジアと接続するインフラを構築することで、IT産業の高度化・多様化を図り、産業のブランド力と国際競争力を高め、国際情報通信ハブの形成につなげていきたいと考えております。
次に、アジア経済戦略構想の重点施策と課題についてお答えいたします。
沖縄県アジア経済戦略構想については、去る9月17日に策定委員会から報告を受けたところであります。その中で、今後の沖縄経済を牽引する基軸となる産業の振興を図る観点から、質の高い世界水準の観光・リゾート地の形成、那覇軍港や自衛隊駐屯地等を活用した国際物流機能の拡充、航空関連産業クラスターの形成促進、県内IT産業の国際競争力向上を推進する拠点となるセンターの設置など、各種施策が盛り込まれた5つの重点戦略が示されております。また、農林水産業や先端医療、バイオ産業など、沖縄の特性を生かしたアジア市場を取り込むことで新たな成長が期待される4つの産業成長戦略とあわせて、アジアにおけるビジネス・ネットワーク拠点の形成やグローバル人材の育成など、戦略を推進するための5つの機能が示されております。
一方、課題としては、各種施策の予算規模や実施主体等の整理が必要であり、県としては、今後、具体的な事業やプロジェクト、スケジュール等を盛り込んだ計画を策定し、本構想の実現に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉幸満) 経済振興についての御質問の中で、中城湾港を初めとするクルーズ船寄港地についてお答えします。
県は、クルーズ船を利用した観光振興に資するため、旅客ターミナル等の港湾施設整備を積極的に推進しております。中城湾港新港地区では、平成10年から平成23年にかけて4万トン級のクルーズ船が寄港した実績があります。現在、地元自治体が主体となって「中城湾港の振興を考える会」を発足させて、クルーズ船誘致に取り組む動きがあり、県としても国と連携して港湾施設の整備を進めてまいりたいと考えております。平良港においては、クルーズ船の大型化にも対応可能な係留施設を計画しております。石垣港においては、現在、新港地区に新たなクルーズ船岸壁を整備しており、その完成に合わせて旅客ターミナルビルの整備を行う計画であります。本部港においては、クルーズ船対応の岸壁整備を行ったところであり、今後、クルーズ船の大型化にも対応した施設の整備を検討していくこととしております。
以上でございます。
○農林水産部長(島田 勉) それでは、経済振興についての御質問の中で、砂糖制度の堅持及びサトウキビの生産振興についてお答えいたします。2の(7)アから2の(7)エまでは関連いたしますので、恐縮ですが一括してお答えいたします。
サトウキビは本県農業の基幹作物であり、製糖業を通して雇用機会を確保するなど、農家経済はもとより、地域経済を支える重要な作物であります。
県としては、サトウキビ生産農家や製糖企業の経営安定を図るため、糖価調整制度の堅持、甘味資源作物交付金及び国内産糖交付金の確保、沖縄糖業振興対策に要する予算の確保、ハーベスター等高性能農業用機械の整備、畑作物共済の充実強化について、国に対して要請を行っているところであります。今後とも、市町村、JA、製糖企業等と連携し、サトウキビの生産振興に取り組んでまいります。
以上でございます。
○警察本部長(加藤達也) 基地問題に関する御質問の中で、キャンプ・シュワブメーンゲート前における事件概要と警察の対応についてお答えいたします。
御指摘の事件につきましては、本年9月19日深夜から20日未明にかけ、15人前後の男女がキャンプ・シュワブメーンゲート向かいの緑地帯において、同所にいた抗議行動に参加している方々数人に対して、違法テントを撤去しろなどと抗議する過程で2人が横断幕を引きちぎり、また、1人が抗議行動参加者の顔面を殴るなどした器物損壊事件及び傷害事件であります。
また、警察の対応に反省すべき点はないかとの件につきましては、事件発生当日、現場の警察官から被疑者等に対し、抗議行動に参加している方々とのトラブルを含めた違法行為を防止するため、必要な指導・警告・制止を継続して実施していたところでありますが、結果として事案が発生したことは遺憾であります。
今後、警備現場での状況の変化に、より速やかに対応できる応援態勢のあり方等について検討してまいりたいと思います。
以上でございます。
○議長(喜納昌春) 20分間休憩いたします。
午後3時19分休憩
午後3時42分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
仲宗根 悟君。
〔仲宗根 悟君登壇〕
○仲宗根 悟 ハイサイ グスーヨー。
こんにちは。
社民・護憲ネットを代表しまして、質問を行います。
議席16番、仲宗根悟であります。
よろしくお願いをいたします。
さて、2020年の東京オリンピック追加種目に空手が提案されました。空手の持つ精神、もちろん素手で身を守るこのことが代表される精神かと思います。平和の祭典、オリンピックにふさわしい競技だということで、提案されたというふうに私は思っております。正式決定のほうは来年8月のようでありますが、まずは提案されたことに県民の一人として喜びたいというふうに思います。沖縄は発祥の地、この空手の発祥の地、広く世界へアピールができ、空手普及・発展に大きな意義を持つことになります。実現に向けた取り組みに期待をしたいものであります。
それでは、質問に移ります。
1点だけ追加をさせていただきたいと思います。
先島地域へ襲来した台風21号に関してですが、質問通告後に発生した大きな事案でありますので、議事課に連絡をしてありまして、先例を踏まえ質問を行います。
9月28日、宮古島・八重山地方、与那国島を暴風域に巻き込んだ台風21号は、最大瞬間風速81.1メートルを記録する猛威で襲いかかったようであります。その被害状況、今後の対策について伺いたいと思います。
それでは、通告に従い具体的に質問を行います。
まず最初に、沖縄振興施策の取り組みに関してお聞きをしたいと思います。
(1)、内閣府は2016年度沖縄振興予算の概算要求額を3429億円とし、県の要請を踏まえ2015年度を90億円上回る内容について伺いたいというふうに思います。
(2)番目、沖縄振興特別推進交付金については今年度同額が要求されました。執行率の課題が指摘されております。その改善に英知を結集し取り組む必要があります。県の見解を伺います。
(3)番目、政府は名護市の辺野古、久志、豊原(久辺3区)を対象に新たな枠組みの交付創設を検討しているとしていますが、交付金制度は地方自治体を対象としているものであり、直接交付は地方自治への介入であり許されるものではありません。知事の見解を伺います。
2番目に、教育・文化の振興に関してお聞きします。
本県教育・文化の課題、取り組みについてお聞きしますが、古くて新しい課題と言われてきたこの学力向上対策、大きな課題克服に向けて取り組みの成果、明るい兆しが見えてまいりましたが、なお課題も残っております。また、本県児童生徒の体力あるいは泳力も全国平均を下回っているとのことであります。この対策や、また教育環境施設整備等について伺いたいと思います。
以下、伺います。
(1)、学力向上対策の取り組みについて現状と課題を伺う。
(2)、沖縄独自の歴史が育んできた文化の継承や伝統芸能の振興及び育成の取り組みについて伺う。
(3)番目、公立学校施設整備事業における耐震化事業の進捗状況について伺いたいと思います。
(4)番目は、児童生徒の体力・運動能力の実態及び体力向上推進事業の取り組みについて伺います。
(5)番、離島児童・生徒支援センター整備事業ですが、その進捗状況について伺いたいと思います。
3、子供・生活・福祉の振興に関してであります。
(1)、総務省は1977年から2013年までの毎年、全国戦災史実調査報告書を発刊しているが、沖縄県は調査対象から外されている。調査の内容は、空襲、学童疎開、孤児の実態、婦人の実態など毎年テーマがあり、46都道府県の県史、市町村史、地方紙等からさきの大戦に係る被害をまとめ、また被害の大きかった都市等には調査員を派遣して実態把握を行っている。明らかに沖縄が復帰した後に開始された調査事業であるにもかかわらず、沖縄県だけ対象外となっているのはなぜか。その理由と今後の県の対応を伺う。
(2)番目は、子供の貧困についてであります。既存のデータから読み取れる本県の実態を伺う。児童のいる世帯の世帯収入、保育料階層、ひとり親家庭の割合など全国平均との比較において子供を取り巻く経済環境はどうなのか。
(3)、実施中のアンケート調査(子供の貧困)は全国初の取り組みとして注目され、本県の実態を浮き彫りにするものと思われる。調査結果は適切に貧困対策計画に反映し、対策に生かす必要がある。進め方を伺う。また、貧困対策を実施する上で県の役割を伺う。
(4)番目は、待機児童対策の実績、取り組みについて伺う。
4、保健・医療に関してお聞きをいたします。
(1)、県立病院における救急・高度医療サービスの提供は医師及び看護師等、医療従事者の安定確保が不可欠であります。特に離島・過疎地域の診療所などの慢性的な医師不足に対する取り組みについて伺う。
(2)、平均寿命日本一を取り戻し健康・長寿おきなわの推進について現状と課題、今後の取り組みについて伺います。
5、土木建築行政に関してお聞きをいたします。
建設産業は地域経済や雇用を支える重要な役割を果たしております。本県の経済発展に大きく寄与するものであります。また、一方で技術者・技能工の不足が顕在化し、入札の不調・不落や工期のおくれが生じているとしています。受注した工事が赤字になるケースも少なくないようであります。工事をしたら適正な利潤が確保され、働きがいのある産業でなければなりません。人材確保、経営安定につながる建設産業の支援策、以下、取り組みについてお聞きをしたいと思います。
(1)、国・県発注公共工事に県内業者への受注機会の拡大が求められていますが、現状と取り組みについて伺います。
(2)、県発注建設工事の最低制限価格の引き上げの見直しを県建設業審議会に諮問したとしているが、人材育成や経営基盤の安定確保の点においても期待されます。その背景と内容について伺います。
6番目、環境行政に関してお聞きをいたします。
まず(1)点目、外来種対策事業が新規事業として補正予算に計上があるが内容について伺いたい。
(2)、地球温暖化防止対策の推進や環境技術の革新を進め、温室効果ガスが最大限に抑制された環境モデル地域の形成を目指す低炭素島しょ社会を実現するための取り組みについて、現状と課題、今後の方向性について伺います。
(3)、米軍飛行場の戦闘機等訓練の激化や那覇空港の自衛隊機の訓練回数の増加等による騒音がもたらす生活環境に大きく影響を及ぼしています。県の騒音測定の実態はどのようになっているのか伺います。
(4)、米軍基地キャンプ・キンザー周辺で捕獲されたハブの体内に有害物質のPCBやDDTが高濃度で蓄積されている例があることが名桜大、愛媛大の研究グループによって明らかになったと報道があります。県として事実確認と詳細な汚染調査の実施を行うべきと考えるがどうか。
(5)番目は、沖縄市サッカー場の環境汚染問題についてです。沖縄防衛局、沖縄県、沖縄市で3者会議を行っていますが、その中身を伺います。あわせて住民説明会の必要もあると思います。県の取り組みについて伺います。
(6)番目、基地汚染問題は原因、責任主体、汚染の実態について明らかにされないことが多く、日米地位協定の壁もあり、到底、発生市町村のみで対応できる問題ではない。汚染調査や分析、国や米軍との協議の場の設定、汚染処理、原状回復、補償問題、作業員の安全対策、地域住民への説明及び安全確保など関係機関の関与が求められており、これら調整の役割は県にこそ期待される。その対応を伺います。
(7)番目は、産業廃棄物最終処分場の適正処理に対する問題が指摘されています。地域住民との信頼構築を得るためにも県による指導・監視体制の強化が求められていると思います。その取り組みについて伺います。
(8)番目は、世界自然遺産登録へ向けての進捗状況、その取り組みについて伺いたいと思います。
7、離島・過疎地域の振興に関してお聞きをいたします。
本県離島は、排他的経済水域や海洋資源の確保など我が国の国土保全に大きく貢献をし、豊かな自然及び文化・歴史的遺産は癒やしの場や学習の場の提供に大きな役割を果たしています。離島地域はその地理的・自然的条件から生活環境などで依然として格差があります。離島の持つ不利性の軽減に努めるとともに、離島の持つ優位性をさらに伸ばしていく取り組みが重要であります。
以下、伺います。
(1)、離島の定住条件整備を図る離島住民等交通コスト負担軽減事業の取り組み状況を伺います。
(2)、島々の独特な魅力を最大限に生かした観光や交流等、活性化の取り組みについて伺います。
(3)番目は、知事公約である島たび助成、離島観光・交流事業により離島地域の活性化に寄与できるものと期待するものであります。事業の効果と今後の方向性について伺います。
(4)番目、過疎地域の支援事業等、そして過疎地域の振興の取り組みについて伺いたいと思います。
8番目は、交通政策に関してであります。
(1)、陸上交通において慢性的な交通渋滞にある国道58号の渋滞解消に向けて西海岸道路やバイパス道路に期待がかかるが進捗状況と取り組みを伺います。
(2)、ことし2月に延長した国道58号のバスレーンの効果と制限時間の30分の短縮がどのように影響したか伺います。
(3)、また「検証結果を踏まえて次なる延長を検討する」というものがありますが、その内容について伺いたいと思います。
(4)番目は、粟国空港での第一航空小型機のオーバーラン事故による機材破損に伴い、先島線就航時期におくれが生じる可能性があるようでありますが、どの程度の影響になるのか、見通しについて伺いたいと思います。
(5)番目、離島空路確保対策及び離島航路運航安定化事業の内容と取り組み状況について伺います。
9、台風被害の実態と対策に関して最後にお聞きをいたします。
(1)、今夏の台風13号、15号は県民生活へ大きな影響を及ぼしました。特に先島地域へ甚大な被害をもたらした。被害状況と対策について伺います。
以上であります。
よろしくお願いいたします。
○議長(喜納昌春) この際、報告いたします。
説明員として出席を求めた副知事安慶田光男君は、別用務のためこれより以降の会議に出席できない旨の届け出がありました。
休憩いたします。
午後3時56分休憩
午後3時57分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
仲宗根悟君の質問に対する答弁を願います。
翁長知事。
〔知事 翁長雄志君登壇〕
○知事(翁長雄志) 仲宗根悟議員の代表質問、まず緊急質問についてお答えをしたいと思います。
台風第21号の被害状況と今後の対策について。
台風第21号の被害状況につきましては、30日午前10時現在、人的被害の報告はありませんが、与那国町において住家被害が、全壊10棟、半壊が27棟、一部破損282棟、また被住家被害が75棟となっております。また、電柱の折損等が約40本、海岸の離岸堤の被災等が発生しております。
県においては、台風の接近に伴い沖縄県災害対策本部を設置し、24時間体制で情報収集を行っているところです。今回の台風で、特に停電や通信の途絶が続いていることから、昨日、与那国町の要請により、県から自衛隊へ災害派遣要請を行い、電力や通信事業者の復旧要因を空輸して、ライフラインの復旧への対応等を行ったところであります。今後とも現地視察を行うなど全庁的に災害状況の把握に努め、災害復旧対策に取り組んでまいります。
なお、災害救助法の適用については、先ほど議会中に担当職員において、内閣府との調整を踏まえ適用したことを御報告したいと思います。
次に、教育・文化の振興についての御質問の中の、沖縄独自の文化の継承や伝統芸能の振興及び育成の取り組みについてお答えいたします。
沖縄県では、誇り高きウチナー文化の普及促進の実現に向け、さまざまな事業を展開しております。沖縄文化の基層であるしまくとぅばの普及継承については、県民大会や語やびら大会等による県民意識の醸成、小中学校における読本を活用した学習機会の創出のほか、講師や話者の養成等に取り組んでおります。伝統文化の継承・振興については、地域の文化の再発見と保存・継承を目的としたシンポジウムや、各地の伝統芸能の魅力の発信と活性化を目的に、特選沖縄の伝統芸能公演を開催しております。組踊や琉球舞踊、沖縄芝居については、沖縄県立芸術大学における人材育成や、若手実演家の育成等を目的にかりゆし芸能公演への支援等も行っております。
沖縄県としましては、これらの事業を推進するとともに関係機関等との連携を強化し、伝統文化、芸能の継承・発展等に取り組んでまいります。
次に、離島児童・生徒支援センターの進捗状況についてお答えいたします。
離島児童・生徒支援センターにつきましては、平成28年1月の開所に向け整備を進めており、現在、来年4月からの入寮に向け、現中学3年生の募集を行っているところであります。また、現高校1年、2年生につきましては、既に入寮者を内定しており、来年1月から入寮する予定であります。
沖縄県としましては、離島の子供たちの支援のために、今後とも公平な教育機会の確保や経済的負担の軽減などに努めてまいります。
次に、保健・医療についてに関する御質問の中の、健康・長寿おきなわの推進についてお答えいたします。
沖縄県では、健康長寿復活に向けて、県民がとるべき好ましい生活習慣として、特定健診やがん検診の定期受診、肥満の解消、適正飲酒の理解及び実践を推奨しております。そのため、県庁内に部局横断的な施策を推進する健康長寿おきなわ復活推進本部を設置し、ウオーキングがしやすい歩道の整備など県民の健康づくりに資する社会環境整備を進めております。さらに、健康長寿おきなわ復活県民会議を発足させ、経済団体や労働団体など官民一体となった健康づくり運動を推進しております。
また、県としましては、今後の計画的な取り組みを示したロードマップを作成し、各団体の主体的かつ継続的な取り組みを促すことにより、平均寿命日本一の奪回に向け、全力で取り組んでいきたいと考えております。
○総務部長(平敷昭人) 沖縄振興施策の取り組みについての御質問の中で、2016年度沖縄振興予算の概算要求の内容についてお答えいたします。
2016年度の内閣府沖縄担当部局の概算要求額は、内閣府に一括して計上し各省庁に移しかえて実施される道路、空港、教育施設等に係る補助事業や国直轄事業に要する経費等も含め、総額で3429億円となっております。その内容についても、沖縄振興一括交付金、那覇空港滑走路増設事業、沖縄科学技術大学院大学の拡充に要する予算、鉄軌道の調査費等が計上されるなど、骨太方針や県の要望を踏まえ要求がなされたものと考えております。
次に、沖縄振興特別推進交付金の執行率の改善についてお答えいたします。
沖縄振興特別推進交付金については、効果的・効率的な活用の観点から、不用額の圧縮に取り組む必要があると考えております。そのため、予算編成過程では、交付金の事後評価結果を活用して事業内容の見直し、改善に取り組むとともに執行段階での対応として、本年度より、各部局間の連携及び執行管理体制の強化を図るため、執行管理連絡会議を設置したところであります。同連絡会議においては、年度途中の事情変更や新たなニーズの把握など、不用額の圧縮に向けた方策について検討を行っており、その検討結果を踏まえ、9月補正予算においては、不用が見込まれる事業について減額する一方、新規事業など他の事業に配分するための予算案を計上したところであります。
県としましては、今後とも執行状況を勘案しながら適宜補正などに取り組むとともに、県と市町村間の融通についても検討するなど、県全体として有効に活用することができるよう努めてまいります。
以上です。
○企画部長(謝花喜一郎) 沖縄振興施策の取り組みについての御質問の中の、政府の久辺3区に対する交付金の直接交付についてお答えいたします。
久辺3区など地縁による団体に対する交付金の交付方法については、地方自治法や地方財政法上、特段の規定はありません。しかしながら、地域への交付金は、基礎自治体である市町村と連携して行うことが望ましいと考えております。
次に、離島・過疎地域の振興についての御質問の中の、沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業の取り組みについてお答えいたします。
県では、離島住民の割高な船賃及び航空運賃を低減しており、船賃についてはJR在来線並み、航空運賃については新幹線並みの運賃を目指し、船賃では約3割から最大約7割、航空運賃では約4割の運賃低減が実現しております。また、病院や高校がない小規模離島については、観光客等の交流人口の航空運賃を約3割低減しております。
次に、観光や交流等、離島活性化の取り組みについてお答えいたします。
沖縄県においては、住みよく魅力ある島づくり計画を策定し、島々で異なる個性豊かな自然環境、文化、歴史的遺産等の魅力、すなわち離島力を生かす取り組みを実施しております。具体的には、新たな沖縄の魅力となる離島観光の認知度の向上を図る離島観光活性化促進事業、本島の児童を離島に派遣し、地域の人々や児童との交流を通して離島の重要性、特殊性、魅力に対する認識を深めることを目的とした沖縄離島体験交流促進事業等に取り組んでいるところです。また、農林水産業の振興や離島を支える地域産業の振興を展開するなど離島力の向上に向けて、引き続き離島の特色を生かした産業振興に取り組んでまいります。
次に、島たび助成についてお答えいたします。
島たび助成につきましては、本島住民が離島の重要性や魅力に対する認識を深めるとともに、交流促進による離島地域の活性化を図ることを目的としております。
沖縄県としましては、今後、各離島の実態や関係団体の意向、本島住民の離島に対する認識などを調査し、効果的な事業スキームを確立した上で平成28年度からの実施に向け取り組んでまいります。
次に、過疎地域の振興についてお答えいたします。
県におきましては、沖縄県過疎地域自立促進方針等に基づき、産業基盤、交通・通信体系、生活環境等社会資本の整備等に取り組んでおります。また、基幹的な市町村道・公共下水道整備の代行事業や補助事業に対する県費のかさ上げを行うなど、財政上の支援を行っております。
現在、過疎地域自立促進特別措置法の延長に伴う新たな方針等の策定作業を進めているところであり、同方針に基づく市町村の自立促進計画の策定を支援し、過疎地域の自立活性化を推進してまいります。
次に、交通政策についての御質問の中の、バスレーンの区間延長と時間短縮の効果についてお答えいたします。
県では、昨年7月にバスレーン時間の30分短縮を実施し、本年2月にはバスレーン区間を延長したところであります。バスレーン区間延長の効果として、久茂地から伊佐までの所要時間が朝の南向けで約48分から43分と5分短縮され、夕方の北向けでは約53分から43分と10分短縮されるなどバスレーン延長の効果があらわれております。
次に、バスレーン延長の検証効果を踏まえた次なる延長についてお答えいたします。
バスレーン延長の効果については、延長前後の路線バスの運行速度、バス利用者数、一般車両の走行速度等の変化を確認するとともに、道路の整備状況及び県民の意見を踏まえて総合的に検証することとしております。その検証結果を踏まえ、基幹バスの導入に向けた沖縄市までのバスレーン延長について検討することとしております。
次に、粟国空港での第一航空機事故の影響による先島線就航の見通しについてお答えいたします。
第一航空によりますと、石垣拠点の石垣―波照間、石垣―多良間路線の就航時期の見通しについては、事故原因の究明や再発防止策を含めた社内体制の強化など、国土交通省による安全運航の確認が行われた時点で就航時期を明らかにすることができるとしております。
次に、離島空路確保対策事業及び離島航路運航安定化支援事業についてお答えします。
県では、離島航空路の確保・維持を図るため、離島空路確保対策事業において国と協調して航空機購入補助を行っているほか、赤字路線に対し、国及び関係市町村と協調して運航費補助を行っております。また、離島航路の確保・維持を図るため、離島航路運航安定化支援事業において、船舶の建造または購入補助を行っており、平成24年度の事業開始から6隻の船舶が就航しております。
以上でございます。
○教育長(諸見里 明) それでは、教育・文化の振興についての御質問の中で、学力向上施策の現状と課題についてお答えいたします。
学力向上の推進につきましては、正答率30%未満や無解答率を改善するため、わかる授業の構築と基本的な生活習慣の確立を柱に諸施策を展開してまいりました。その結果、児童生徒の学習意欲が高まるとともに、全国学力調査における小学校の躍進や中学校の改善など着実に成果を上げております。
今後とも、児童生徒一人一人が夢や目標に向かって着実に歩み続けることができる体制づくりに努めてまいります。
次に、公立学校施設の耐震化の状況についてお答えいたします。
公立学校施設の耐震化率は、平成27年4月現在、小中学校が85.7%、高等学校が96.2%、特別支援学校が100%となっており、県立学校はおおむね順調に進捗しておりますが、小中学校についてはさらなる取り組みが必要であります。
県教育委員会としましては、小中学校の設置者である市町村とも連携して、改築事業の前倒しを積極的に働きかけるなど、引き続き早期の耐震化に取り組んでまいります。
次に、児童生徒の体力・運動能力の実態等についてお答えいたします。
平成26年度における本県児童生徒の体力・運動能力は、全国調査において、投力、握力など一部の種目ですぐれておりますが、総合得点では全国平均を下回る状況となっています。
県教育委員会としましては、体力向上推進委員会を開催し、教職員の指導力の向上を図るとともに、学校、家庭、地域で取り組める一校一運動等を推進するなど体力向上に向けた取り組みの充実に努めているところです。
以上でございます。
○子ども生活福祉部長(金城 武) それでは、子供・生活・福祉の振興についての御質問の中で、全国戦災史実調査報告書についてお答えをいたします。
全国戦災史実調査報告書から沖縄県が対象外となっている理由について、国は、「当時の行政文書が残っていないことから、不明である」としており、国において沖縄戦の被害状況を記録として残していないことは残念であります。沖縄戦終結から70年が経過し、その悲惨な記憶が薄れていく中において、沖縄戦の歴史的事実を次の世代へ継承していくことが必要となっております。
県としましては、沖縄戦に関する資料を提供するなど、今後国と連絡をとりながら国の責任において沖縄戦の被害状況について記録を残すよう求めてまいりたいと考えております。
次に、本県の子供の貧困の実態についてお答えをいたします。
平成24年の我が国の子供の貧困率は16.3%と最悪の水準となっております。また、母子世帯など子供がいる大人が1人の世帯の貧困率は54.6%とその半数が貧困状態にあります。都道府県ごとの子供の貧困率は算出されておりませんが、沖縄県は、県民所得が低いこと、ひとり親家庭の出現率が全国平均の約2倍と高いことなどから、全国より厳しい状況にあると考えております。
平成25年10月現在の私立保育所における入所人員のうち、生活保護世帯及び市町村民税非課税世帯の割合を見ると、沖縄県は24.9%となっており、全国平均の14.5%と比較して10ポイント以上高く、本県の子供を取り巻く経済環境は厳しいものと考えております。
次に、子供の貧困の実態調査と県の役割についてお答えをいたします。
子供の貧困に関する調査は、子供の貧困対策を効果的に実施するため、沖縄県における子供の貧困の現状把握等を目的として実施しております。現在、既存統計データの収集・分析やアンケート調査の実施など、本県の子供の貧困の実態把握に向けて取り組んでいるところであります。
県としましては、当該調査の結果も踏まえ、平成27年度中に「子どもの貧困対策計画」を策定することしており、同計画の推進に当たっては、市町村や各種団体等と連携し、総合的な子供の貧困対策に取り組んでまいります。
次に、待機児童対策の実績、取り組みについてお答えをいたします。
平成26年度の待機児童対策の実績につきましては、前年度と比較して約2600人の定員増を図ったところであります。
今年度は、約6600人の保育の受け皿の整備を行うこととしており、今後も市町村と連携して平成29年度末までの待機児童の解消に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 保健・医療についての御質問の中で、離島・過疎地域の医師確保についてお答えいたします。
離島・過疎地域においては、県立病院で後期臨床研修を修了した医師、県内外の大学病院からの派遣、県立病院間での人事異動及び一般公募により医師確保を行っております。特に県立病院附属診療所については、中部病院及び南部医療センター・こども医療センターにおいて後期研修を修了した医師や自治医科大学を卒業した医師を配置しております。
また、病院事業局としましては、今年度、北部地域及び離島緊急医師確保対策基金を活用して、離島・過疎地域の医師のスキルアップ環境の向上に取り組んでおり、今後とも医師確保に努めてまいります。
以上でございます。
○土木建築部長(末吉幸満) 土木建築行政についての御質問の中で、県内企業への受注機会の拡大についてお答えします。
県が発注する公共工事については、「県内企業への優先発注及び県産品の優先使用基本方針」に基づき、可能な限り分離・分割するなど地元企業の受注機会の確保に努めております。
また、国の関係機関に対して分離・分割発注や共同企業体方式による発注により、県内建設業者への受注機会の拡大等の要請を行っております。その結果、沖縄総合事務局や沖縄防衛局においては、分離・分割発注、入札参加資格要件の緩和及び総合評価方式における評価項目の見直しを行っております。
さらに沖縄防衛局においては、契約保証金等の緩和が行われ、県内企業の受注機会の拡大が図られております。
同じく土木建築行政についての御質問の中で、最低制限価格の引き上げについてお答えします。
県発注建設工事の最低制限価格については、沖縄県建設業協会等から適正な利益の確保や人材育成等のために最低制限価格を引き上げるよう要請がありました。また、いわゆる担い手三法の改正により、担い手の中長期的な育成・確保のため、事業者の適正な利潤確保が発注者の責務として明確化されました。これらのことを受け最低制限価格の見直しの必要性を検討するため、平成26年度にコスト調査を行い、その結果をもとに、去る8月に沖縄県建設業審議会に諮問を行ったところです。
なお、最低制限価格の見直しの内容については、現在審議中であり、最終的には同審議会の答申を踏まえて判断することとしております。
次に、交通政策についての御質問の中で、沖縄西海岸道路やバイパス道路の進捗状況と取り組みについてお答えします。
沖縄西海岸道路は、国において整備が進められており、事業化している区間は7地区10区間で延長は約37キロメートル、73%の事業化率となっております。また、北部地域においては、恩納バイパスや恩納南バイパスの整備が進められており、それぞれ76%、78%の進捗率となっております。
県としましては、今後とも沖縄西海岸道路等の整備促進を関係市町村と連携し国に要請していきたいと考えております。
以上でございます。
○環境部長(當間秀史) 環境行政についての中の、外来種対策事業の内容についての御質問にお答えします。
補正予算は、平成27年3月に国が策定した外来種被害防止行動計画において、地方自治体に求められる役割等が具体的に示されたことから、沖縄県における非意図的な外来種の導入に対する具体的な予防措置の方法など、外来種対策のための基本指針を策定することとしたものであり、これに要する経費であります。
あわせて、既に県内に定着しているグリーンアノールやタイワンスジオなど、対策の緊急性が高い外来種について、生息範囲の調査や効果的な捕獲手法の検討などを行うこととしております。
同じく環境行政についての中で、地球温暖化防止対策の取り組みについての御質問にお答えします。
沖縄県では、温暖化防止対策として、県民環境フェアや環境月間における街頭キャンペーン等の普及啓発活動を実施するとともに、観光施設等の総合的エコ化促進事業を実施しております。また、災害に強く、低炭素な地域づくりを推進するため、県内の防災拠点や避難所等への太陽光発電や蓄電池等を導入する再生可能エネルギー等導入推進基金事業を実施しております。
温暖化をもたらす温室効果ガスの沖縄県における排出量は、平成23年度から減少傾向にあります。今後とも、沖縄県全体の温室効果ガス削減に向け、県民一人一人や個々の事業者の取り組みに加えて、公共交通機関の利用促進や低炭素エネルギーの利用促進等の取り組みを進めてまいります。
同じく環境行政についての中の、米軍飛行場や那覇空港周辺における騒音の実態についての御質問にお答えします。
平成26年度の航空機騒音測定結果によりますと、嘉手納飛行場周辺では22測定局中8局で、普天間飛行場周辺では15測定局中1局で環境基準値を超過しております。また、最大ピークレベルでは、嘉手納飛行場周辺の砂辺局で116.0デシベル、普天間飛行場周辺の上大謝名局で120.5デシベル、那覇空港周辺の与根局で104.9デシベルを記録しております。嘉手納及び普天間飛行場周辺の多くの測定局においては、午後10時から午前6時までの夜間騒音の発生回数について前年度より増加しているところであります。
これらのことから、依然として嘉手納及び普天間飛行場並びに那覇空港周辺住民の生活環境に大きな影響を及ぼしている状況にあります。
同じく環境行政についての中で、ハブから高濃度のPCBなどが検出されたとの報道についての御質問にお答えします。
新聞報道を受け、県においても当該分析を行った研究者へ調査内容を確認するとともに、浦添市から要請のあった市内のPCB保管事業者の管理状況について現在調査を実施しているところであります。
県では、昭和51年からキャンプ・キンザーを初め県内の米軍基地の排水及び基地周辺公共用水域の水質、底質中の有害物質の調査を実施しておりますが、これまで基準値を超えるPCBやDDTは検出されておりません。
県としては、今後とも基地排水及び周辺環境について継続して監視するとともに、浦添市及び沖縄防衛局等関係機関と連携し対応してまいりたいと考えております。
同じく環境行政についての中で、基地汚染問題に関する県の役割についての御質問にお答えします。
基地に起因する環境問題については、供用中の基地からの油流出事故や返還された跡地等における土壌汚染、埋設廃棄物の確認など、環境保全上大きな支障となっております。
このようなことから、県としては、基地に起因する環境問題に迅速かつ適切に対処するため、汚染調査や分析方法、汚染除去技術、国や県、市町村の役割、情報公開のあり方などを取りまとめた環境調査ガイドライン(仮称)の策定作業を進めているところであり、平成28年度末を目途に策定したいと考えております。
同じく環境行政についての中で、産業廃棄物最終処分場の監視体制についての御質問にお答えします。
県では、県内17カ所の産業廃棄物最終処分場における廃棄物の適正処理及び施設の安全管理を徹底させるため、産業廃棄物最終処分場等総点検実施要領及び立入検査等実施計画に基づき、計画的な立入検査を行っております。
平成25年度は、各保健所において最終処分業者を含め産業廃棄物処理業者に1250回の立入調査を行っており、立入検査の結果、違反が確認された施設に対しては、廃棄物処理法に基づき、行政指導やさらに悪質な事案については、改善命令等の行政処分を行っているところであります。平成25年度の総点検に基づく最終処分場に対する指導件数は37件で、また、行政処分を1件行っており、今後とも監視指導を強化していくこととしております。
同じく環境行政についての中で、世界自然遺産登録へ向けての進捗状況、取り組みについての御質問にお答えします。
世界自然遺産の登録に当たっては、国立公園化等の保護担保措置が必要不可欠であり、今月末には西表地域の国立公園区域の拡張に向けたパブリックコメントが終了したところであります。ヤンバル地域については、現在、公園区域の範囲について環境省と関係機関において調整が進められているところであります。
沖縄県の取り組みとしては、これまでマングースの駆除対策やオーバーユースの検討等を行ってきており、今年度、地域住民等を構成員とする連絡会議を設置し、世界遺産登録を念頭に置いた地域振興策等の検討を行うこととしております。
世界自然遺産の登録については、平成29年夏の登録に向けて取り組んでいたところでありますが、関係者等の理解を得ながら作業を進める必要があるとのことから、今年度の推薦は行わないことが環境省から公表されたところであります。
県としては、今後とも関係機関と連携し、世界自然遺産登録の早期実現を目指していきたいと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(町田 優) 環境行政についての御質問の中で、沖縄市サッカー場に係る3者会議及び県の取り組みについてお答えします。
沖縄防衛局が行っている沖縄市サッカー場における調査については、沖縄防衛局、沖縄市及び沖縄県の3者により、調査内容や手法等について協議を行っております。3者会議において、県は環境法令等に関する指導や助言を行うとともに、調査結果等の公表などについて関係機関へ働きかけてきたところです。
沖縄防衛局は、これまで8回にわたり調査結果をホームページ上で公開しております。
県としては、今後とも3者会議を踏まえて行われる調査の内容、過程、結果等について、できるだけ速やかに、わかりやすい形で県民へ公表するよう沖縄防衛局に働きかけてまいりたいと考えております。
次に、台風被害の実態と対策についての御質問の中で、台風第13号及び第15号の被害状況と対策についてお答えします。
台風第13号の被害状況につきましては、人的被害が軽傷3名、住家被害が一部破損44棟となっております。また、ブロック塀の倒壊や道路の冠水が発生しております。被害額につきましては、農林水産業関連被害額が約4億2000万円となっております。
台風第15号の被害状況につきましては、人的被害が軽傷10名、住家被害が全壊2棟、半壊3棟、一部破損6棟となっております。また、漁港防波堤の損壊、学校屋根の損壊等が発生しております。被害額につきましては、農林水産業関連被害額が約13億8000万円となっております。
県においては、台風の接近に伴い、沖縄県災害警戒本部を設置し、24時間体制で警察、気象台から情報収集を行い、また、市町村、消防本部から、沖縄県防災情報システムにより情報収集に当たったところであります。
また、沖縄防災情報ポータルサイトやLアラートを通して、被害状況や避難所情報を県民や観光客に向けて情報を発信しております。
なお、現在、全庁的に災害復旧対策等に取り組んでいるところであります。
以上でございます。
○議長(喜納昌春) 以上で本日の代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明10月1日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後4時34分散会