平成27年(2015年) 第 7回 沖縄県議会(定例会)
第 6号 10月 5日
 


○議長(喜納昌春) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 教育委員会委員長の代理として本日の会議に出席を求めた教育委員会委員新崎速君及び7日の会議に出席を求めた同委員会委員長職務代理者照屋尚子さんは、所用のため出席できない旨の届け出がありましたので、本日の会議に照屋尚子さん、7日の会議に新崎速君の出席を求めました。
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○議長(喜納昌春) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、甲第1号議案、乙第1号議案、乙第3号議案から乙第20号議案まで及び認定第1号から認定第23号までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 照屋守之君。
○照屋 守之 おはようございます。
 質問をさせていただきます。
 質問に入る前に、最初のしまくとぅばの普及については割愛し、次回に回させていただきます。
 2点目の埋立承認取り消しについてから行います。
 国は埋立法の手続によって責任を果たして、県は9カ月かけて審査をして責任を果たした。県及び県知事の果たした責任を放棄して、今なぜ承認取り消しの議論がなされているのか御説明をお願いします。
○知事(翁長雄志) 照屋守之議員の御質問にお答えいたします。
 埋立承認取り消しについてに関する御質問の中で、今ありましたように、承認取り消しについてお答えいたします。
 私は、辺野古に新基地はつくらせないとの公約実現に向け、平成27年1月26日、普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認に関し、法律的な瑕疵の有無を検証するため第三者委員会を設置しました。
 第三者委員会からは、同年7月16日、「埋立承認手続には法律的な瑕疵が認められる」との報告がありました。その報告も踏まえ、現在取り消しに向けた手続を行っているところであります。
○照屋 守之 検証委員会は県内部を検証した結果、瑕疵があるということであります。つまり、私はこの検証委員会は県が悪いということを証明したということになっていると思っております。ですから、翁長知事は、この県行政の責任者として県民あるいはまた国に対してわびるべきではありませんか。県の内部のチェックミスでそういうふうな事態を招いたというのは、これは県行政の責任ですよ。ですから、瑕疵が認められたという形で検証委員会からそういう指摘がありますから、当然翁長知事は県民にそれをわびるのが筋だろうと思いますけれどもいかがですか。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午前10時6分休憩
   午前10時6分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 翁長知事。
○知事(翁長雄志) 照屋守之議員の御質問にお答えをいたします。
 前知事の埋立承認に至った経緯も大変私たちからすると残念なことでございました。その後、そういったことを踏まえて第三者委員会をつくりまして、そして御承知のとおり法律的な瑕疵があるという答申といいますか報告がございまして、それを私どもも検証した結果、それは間違いなくそういうことだというふうになりました。
 ですから、4年前、前知事が県外移設ということで公約をして当選して、そして2カ年何カ月間は物の見事に立派な発言をされておったんですが、どういうことかわかりませんけれども、承認としてしまいました。それについては残念な思いをしながら今日に来ているところであります。
○照屋 守之 私はここで仲井眞前知事の批判というこういう発言は聞いておりませんよ。これはどなたが県知事であろうが、検証委員会が県内部のものをチェックして瑕疵があるということですから、これは国の責任じゃなくて県内部の責任なんですよ。ですから、当然これは前知事がそこにいらっしゃればそういうふうな形になりますけれども、今は、沖縄県の行政は翁長知事が最高責任者ですから、県内部の方々がミスを指摘してそれを翁長県知事が県民、国民にわびるのは当然のことじゃないですか。わびをしてくださいというそういう話をしているんです。いかがですか。
○知事(翁長雄志) 先ほど申し上げたとおりの経緯でありますので、大変残念であったということで、私は県民は御理解をいただけるんじゃないかなとそのように思っております。
○照屋 守之 御自身の判断、責任を確認していながらそれを全て周りの責任とか前知事云々ですけれども、今は、翁長知事が県政の最高責任者ですから。検証委員会は県が悪いという形で内部体制をチェックしてそういうふうに指摘をしているわけですから、この問題を前知事とか国がどうのこうのとかというふうなことではなくて、県行政としての責任、それがどうかということなんですね、わかり切ったことですけど。この国の埋立承認手続は国にも責任があり、県にも責任があり、共同責任なんですよ。国は所定の手続を踏まえて国の責任を果たして県に渡しました。9カ月かけて県は県の責任を果たしました。今検証委員会で言われているのは、その県が果たすべき役割を怠った、やってないという形で具体的になっていますからね。これは国の問題ではなくて県内部に問題があったということですから、当然最高責任者として翁長知事はそのことを素直にわびる、そこがスタートじゃないですか。いかがですか。
○知事(翁長雄志) ある意味で、承認に至った経緯とかこういったところまで深く掘り下げなければいけませんけれども、ある意味では県民からしたら法律的な瑕疵があるというような中で承認がされた。そうすると、そういったことについては、むしろ正常に戻すという中で県民に責任を負うようなそういったことが要求されているのではないかと。それが昨年の知事選挙の結果ではないかなとこのように私は思いながら、これからも頑張っていきたいと思っています。
○照屋 守之 全て周りの責任で、前知事の責任という形ですけれども、これは社会通念上も客観的に見ても国の責任、県の責任というのははっきりしているわけですから、そういう形でみずからの責任を放棄していろんな理屈をくっつけてその埋立承認取り消しをしようという、これはやっぱり県知事としてあるまじき行為ですよ。そのことを指摘しておきます。
 次、国との集中協議であります。
 この集中協議、どういう下準備、安慶田副知事は官房長官と何度かひそかにお会いをしていろいろお話し合いをして、こういう集中協議の下準備もしてきたというふうに認識しておりますけれども、この目的、どういう目的で集中協議をやっていましたか。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 集中協議につきましては、作業を一時中断して忌憚なく意見を交換することが、政府と県の間の理解を深めることになるのではないかということで県と国と意見が一致しましたので、それではそういう意見交換する場を設けようということでつくられたものであります。
○照屋 守之 意見交換をして理解を深めるのが目的ですか。翁長知事はつくらせない、反対、つくらせないということを実現するために集中協議したんじゃないですか。意見交換をして理解を求める、今さらその程度のことで集中協議やるんですか。意見を、理解を求めるのが集中協議の目的、我々県民は、今辺野古で反対している方々も含めて、この集中協議で翁長知事がつくらせないという県民に対する約束、そこをめどづけをする。しっかり当事者と意思決定する方々とやる。今まではずっと政府だけ批判していた人たちが、じっくり腰を据えてやるという、辺野古をつくらせないというそういう目的で集中協議やるわけでしょう。意見交換をして理解を深める、その程度のことですか。もっと詳しく説明してくださいよ。
○副知事(安慶田光男) 舌足らずで御理解していただけないようですが、私が理解を求めると言ったのは、国の立場は辺野古唯一だと言っておりますし、県は辺野古をつくらせないと言っているからお互い意見が違うから、一応工事を一時中断してお互いの立場を主張し、そして理解を求め合うというのが集中協議の目的だと言っているという説明であります。
 以上であります。
○照屋 守之 理解を求める集中協議をして結果的にどうなったんですか。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 残念ではありましたが、平行線でございました。
 以上であります。
○照屋 守之 だから残念というこの程度ですよね。辺野古をつくらせないという10万票の重さ、3万数千人集めてセルラースタジアムでつくらせないと言って、外では大風呂敷を広げる。それで選挙は勝つ。実際、具体的に知事が総理と会って協議をして、意思決定者と一緒に協議をしていく、つくらせない、この実現をする。その程度なんでしょう。ただやっても、セレモニーじゃないですか。反対をしましたよというセレモニーでしょう。わかり切ったことじゃないですか。
 これは非常に不思議なのは、この辺野古、普天間問題の原点が土地の強制接収、収用だというわけでしょう。今さら翁長知事がそういうこと言うわけですよね。浦崎副知事も安慶田副知事もよくわかっているでしょう。平成8年の日米合意が原点だというのは誰だってわかり切ったことじゃないですか。私は、この集中協議を通してこの原点が違うというものが明らかになってきた。普通は官房長官との事前協議の中で、私どもはこう考えていますよ、原点は。国はどうですか、考えていて。基本的なそういうすり合わせをした後に、じゃこの問題解決をどうするんだということをやるのが副知事やリーダーたちの仕事であって、それもやらないでそのまま集中協議をやった結果、原点が違います。これで話になりますか。何でそういう原点をきちっとすり合わせた上で集中協議しないんですか。何考えているんですか、副知事。いかがですか。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 協議会の中で、それぞれ国、県の立場をお互い主張し合って意見を交換するということもこれは一つの意見交換であって、事前にやるやらないというのはそれは手法の問題だと思いますから、協議会の中で、翁長知事は原点について十分にサンフランシスコ講和条約以降が問題だということを原点にしましたし、官房長官は今議員がおっしゃるように、普天間のモンデール会談が一緒だと言っていまして、それがなかなか一致点を見出せなかったということでそれは相違がありました。
 ただ、この協議会がただのデモンストレーションではないかという話には、私はそうではないと考えておりまして、協議会は平行線に終わりましたけれども、総理並びに官房長官、そして外務、防衛、沖縄担当大臣に沖縄県の思い、そして知事の思い、沖縄県の民意を伝えてなおかつ本土のマスコミが多くの本土の皆様方に呼びかけて、沖縄の立場を理解してもらった。そして、翁長知事が辺野古に基地をつくらせないというのが県政の柱であるという思いを理解してもらったという意味では、ある一定の評価をしているものであります。
○照屋 守之 今さら協議会でそういうことを理解を求めるという話になりませんよ。みんな理解していますよ、今もう。日本国民も全部、マスコミも。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 静粛に。
○照屋 守之 だからそういう形で外にPRするためだけの集中協議で、問題解決を真剣にやろうとしない。こういうものが問題だというわけですよ。だから、辺野古をつくらせないと反対するというのは結局、スローガンだけでしょう。県知事としてどうするかという話ですよ。幾らマスコミに訴えたって県民に訴えたって国民に訴えたって問題解決しますか。外だけ騒いで当事者同士はそれぞれ適当にそういう、一方はつくらせない、一方はつくります。その結果、そのままいくわけでしょう。じゃつくらせないと言った翁長知事はどうするんですかこれから。これから協議をしてやると言いますけれども、具体的にどういう協議をするんですか。
○副知事(安慶田光男) 御答弁申し上げます。
 ただ話し合いだけで、じゃ翁長知事はどうするかということでありまして、協議会が決裂した後、翁長知事は取り消しに向けての意見聴取を進めましたし、防衛省に対してちゃんとした文書を出しましたし、しかしそれに応じられないということですから、今度は聴聞手続をとって、その聴聞の10月7日までを待って、その後ありとあらゆる手段を使って辺野古には新基地をつくらせないという方向で進んでいるということは確かでございます。
○照屋 守之 ありとあらゆるということを聞いているわけじゃない。この問題解決するには、政治決着しかないんですよ。翁長知事が総理、そこと、日米合意をやった、約束をした、それをどうするかというそこでしょう。だから、今選挙で云々とかって言っていますけれども、それとは別に日本とアメリカの約束は、辺野古でしっかり約束されているんですよ。これは選挙の結果とは違いますよ、別ですよ。だから、何で集中協議の中で翁長知事が、日本政府とアメリカ政府のこの約束を白紙に戻してくれという形でそういうふうな政治的な活動結果をつくらない限りは、つくらせないと言ったって約束事ですから、約束事をそんな簡単に国際約束を破ることができますか。だから、翁長知事はそういう約束を破棄させる、そういうことを集中協議の中でどうやりましたかということですよ。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 先ほどから答弁していますように、翁長知事はこれまでの沖縄の基地のあり方というものはサンフランシスコ講和条約以降、70年にわたって本当に0.6%しかない地に74%の施設があると。これは非常に大変厳しいものがあると。そしてもう一つ、安全保障条約は認めますが、安全保障条約は国全体で考えていくべきものであるということもまた述べまして、そして沖縄県はそういうことをとって仲井眞知事が辺野古埋め立てを認めたんですが、その後に辺野古反対を打ち立てて県民の意思を確認して自分は当選してきたんです。だから自分も公約である辺野古埋め立てにはどうしても国に理解をしてもらって辺野古に基地はつくらせないということを理解を求めたということであります。
○照屋 守之 安慶田副知事もあれですね、翁長知事と一緒で、こういう質問をしているけど答弁は全然とんちんかんな答弁ですね。あなたわかっていますか、私が聞いているのを。
 議長、ちょっと休憩願います。休憩願います。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午前10時23分休憩
   午前10時23分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 安慶田副知事。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 議員が質問されているような会話は、国からも県からもありませんでした。
○照屋 守之 国からやるわけないじゃないですか。何言っているの。
 もう本当に、あなた副知事ですよね。官房長官とそういう調整役ですよね。辺野古をつくらせないと言っているのは翁長知事ですよ。向こうはつくると言っているんですよ。これは何でつくるのかですよ。日本政府とアメリカ政府は約束しているからつくるんですよ、その約束をさせたのは沖縄県ですよ。わかっていますか。だから、つくらせないと言ったって約束事項だから約束は守らないといけないわけでしょう。だからそれを守りなさいというのは……(発言する者多し)
○議長(喜納昌春) 静粛に願います。
○照屋 守之 国がやるんじゃなくて皆さん方が、知事があの約束は破棄してください、白紙にしてくださいということをまず手続としてやらないと国は考えようがないわけでしょう。国はそれを期待していたんじゃないですか。いかがですか。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 発言中は静粛に願います。
 安慶田副知事。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 議員は国の約束だからと言っておりますが、しかし、翁長知事はこういう国の約束があったにしても、沖縄県の現状はこういう事情だよと、だから私の立場では絶対に辺野古の基地をつくってもらいたくないし、つくらせないという立場であるということを何度も協議会では説明しておりました。
 以上であります。
○照屋 守之 ですから、それは沖縄県、翁長知事の言い分です。世の中ではそういうのは通りませんよ。一つ一つ約束したことは履行するのがお互い人間のやることであって、それを理屈をこねてですね。ですから、私はやっぱりこういう直接交渉で翁長知事がつくらせないということを実現できないということは、やっぱり翁長知事は反対をする、国はつくる、そのままずっと平行線でいくという、あとは自力でできないから周りの力をかりてそういう交渉をしていくという、まさに翁長知事の熱意のなさと交渉力の弱さを非常に痛切に感じましたね。
 次は、一括交付金制度です。
 一括交付金制度、私はぜひ翁長知事あるいは安慶田副知事もいらっしゃいますから聞きたいと思っていますけれども、市町村事業、これをまずどういう状況になっているか説明をお願いできますか。
○企画部長(謝花喜一郎) お答えします。
 市町村におきましては、一括交付金を活用いたしまして離島振興ですとか、子育て、福祉教育などさまざまな分野において地域の実情に即した事業を実施しております。具体的に申し上げますと、これまでに離島におきます人工透析施設の整備ですとか、認可外保育施設の施設改修、またウエブ会議システムを活用した家庭学習支援など活用が図られているところでございます。
○照屋 守之 その次の繰越事業の要因と説明もお願いできますか。
○企画部長(謝花喜一郎) 市町村の一括交付金事業におきます繰り越しの主な要因といたしまして、用地交渉の難航ですとか、法手続に係ります関係機関との調整のおくれ、また関係者等の調整による計画変更などによるものとなっております。
○照屋 守之 次の平成28年度予算化に向けての課題についてもお願いします。
○総務部長(平敷昭人) 28年度予算化に向けての課題でありますけれども、沖縄振興一括交付金につきましては27年度の予算額決定の際に、不用でありますとか繰り越しなどの執行状況を国から指摘されたところであります。28年度の予算額を確保するためにも、今年度の執行状況を改善する必要があると考えておりまして、現在不用額、繰越額の縮減に向けて全庁的に取り組んでいるところであります。
○照屋 守之 市町村の一括交付金事業、特に那覇市の龍柱建設事業、これは私少し疑問を持っておりますけれども、実はこの龍柱建設については、中国出身の評論家の石平さんという「せきへい」という方がいますね、石と平。この人が龍の持つ意味として、龍は歴代の中国皇帝のシンボルである。つまり、中国人は龍の柱が他国に立っているのを見れば、その地が中国皇帝、今なら中国共産党に服従していますと宣言をしていると感じると述べている。なぜ、中国に服従するシンボルを今那覇市に建てる必要があるんですか。翁長知事、これ説明してもらえませんか。
○企画部長(謝花喜一郎) お答えいたします。
 まず、その龍柱の件なんですが、那覇市によりますと、那覇市と福州市の友好都市の交流シンボル事業ということで実施しておりますけれども、那覇市と中国の福州市が友好都市提携30周年を迎えるに当たりまして、両市の友好交流を記念してつくったということです。
 御質問の龍のモチーフでございますけれども、これにつきましては、有識者による検討委員会などにおいて中国福州市との友好交流の歴史ですとか、沖縄の特色性などを総合的に検討した結果と。具体的に申し上げますと、沖縄独特の文化を発信できるものとして首里城正殿前の大龍柱をモチーフにしたデザインにしたというふうに聞いております。
○照屋 守之 私は那覇市長だった翁長知事が起案してやっていますから、翁長知事に答えていただきたいんですけれども、今、尖閣諸島を中国が非常に厳しい状況になっていますね。領土問題で主張しているわけでしょう。ああいう形でやるときに、こういうことをやると龍柱で占領下とか属国とかというふうなシンボルをつくると、中国、北京に利用されるおそれがあるとこの石平さんはそう言っているんですよ。そういうシンボルを何で那覇市、翁長市長がわざわざ今やったのかこの説明をお願いしますということですよ。これも一括交付金事業で。
○知事(翁長雄志) お答えをいたします。
 福建省との長いおつき合い、そういったようなものの30周年福州市とかありましたので、こういった節目節目は今向こうに公園があるように、そういった節目節目では交流をさせていただいております。
 今、尖閣の話もありましたが、尖閣がどうなるかというようなことは、私どもがそういった企画をしている中ではなかなか2年後にはそうなるだろうなどというものがわかってどうこうするわけではありませんで、なおかつ中国との関係では今定例会でも説明していますように、地方自治体は地方自治体で中国との、例えば、浦添市は泉州市と姉妹都市でありますし、それから宜野湾市はアモイと姉妹都市なんですね。そういったルートを通じながら、そういった尖閣の問題も角を突き合わせてということではなくて、何とか平和的に物事が解決しないだろうかというようなこともあろうかと思うんです。
 それから、龍の問題でありますけれども、県議会にもこういう形で龍が置かれておりますし、尖閣の問題が起きたらじゃこれは取り除くかという話にもなりますし、それから首里城にも龍がございます。その龍は、もし中国のものであるとするならば、これはもうあの時代から沖縄は中国のものだと言われてもしようがないような話を今議員はされているわけで、私からすると、そうではありませんよと。沖縄独自のアジアのいろんな国々とおつき合いをして、そういう中から出てきた文化が沖縄独自の文化なんですよという話をされているわけで、それを龍という形で、今はいいけど後はだめだとか、前はいいけど今はどうだというようなものは、これは私は考え方としては大変一貫性がないのではないかなと。
 ぜひ照屋議員のその辺の歴史観とかも聞かせていただければ私も理解が早いと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
○照屋 守之 はっきりしていますよ。今までは我々はわからなかったんですよ、中国の支配下がどうのこうのとか。
 今、知事がおっしゃっているのは、知事はずっと今まで辺野古容認で沖縄の基地を認めてきて、県知事になってその考え方が変わったわけでしょう。そのことと全く一緒じゃないですか。自分の都合のいい解釈でやってきたという。ですから、私はこの中国に服従、属国の意味を持つ龍柱とか、尖閣諸島問題で対立する日本、沖縄のこの龍柱が利用されるというそういう危険性があるというものをわざわざ今那覇市長であった翁長知事がそういうことをやる。この一括交付金事業、2カ年かけてまだ完成していませんよ。まだやっていますよ。もうとんでもない一括交付金事業の活用ですね。ですから、これは目的も含めて、これからの沖縄県の一括交付金事業、予算の獲得、非常に厳しい状況になるなというそういう危険性をまず指摘しておきますよ。
 次に、国連の理事会、国連理事会での発言、まずこの目的についてお願いできますか。
○知事公室長(町田 優) 今回の国連人権理事会では、国際的な人権保護や自治権拡大の視点も踏まえつつ、米軍基地から派生する人権や自己決定権の問題について、沖縄県の立場等を訴えるために出張したものでございます。
○照屋 守之 私はこの国連理事会の翁長知事の発言、1つ目、自己決定権を悪用している。2つ目、基地問題を政治問題から人権問題にすりかえた。3つ目、沖縄県民は先住民であると世界に誤解を与えた。4つ目、理事会で翁長知事、日本政府代表、そして県民の我那覇さんの3人が演説しましたけれども、正反対の主張で全世界に沖縄県やあるいは日本国に対する不信感それを広めた。そういう意味から、県知事として極めて不適切な発言で沖縄県や日本の立場、誇りを著しく低下させたものだと思っております。この責任は非常に大きいと思っていますよ。ですから、翁長知事は県民や日本国民にわびるべきではありませんか。いかがですか。
○知事公室長(町田 優) 今回、人権理事会では沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている辺野古の状況を世界中から関心を持って見ていただくよう申し上げました。その結果、各国の代表や世界のNGO等多くの方々へ、今沖縄が置かれている状況を伝えることができたことは、大変有意義だったと考えております。
 以上です。
○照屋 守之 知事公室長、沖縄県の自己決定権は何ですか、この自己決定権という意味は。ちょっと説明してくださいよ。辺野古の人たちが辺野古でいいと言ったあの自己決定権はどうするんですか、じゃ。漁業組合の皆様方が辺野古でいいと言ったあの自己決定権はどうするんですか。都合のいい自己決定権を認めて、人の自己決定権は認めない。こんな県知事がいますか、説明してくださいよ。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 静粛に願います。
 質問はひとつ冷静にやってくださいね。
 休憩いたします。
   午前10時36分休憩
   午前10時36分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(町田 優) 自己決定権についてはそれぞれの方々、さまざまな御意見があろうかと思いますけれども、今回はあくまで県の考え方として国連で説明させていただいたところでございます。
○照屋 守之 自己決定権詳しく説明してください、この内容含めて。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午前10時37分休憩
   午前10時37分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(町田 優) 自己決定権とは何ぞやという御質問でしたけれども、私どもとしてはこれは一般名詞としてみずから決定する権利だというふうに理解しております。
○照屋 守之 だから、みずから決定する権利が決定権だったら、何で辺野古の決定権を無視するの。どういうことですか。彼らは向こうにみずから決めたんでしょう。説明してくださいよ。
○知事公室長(町田 優) 我々は沖縄の過重な基地負担について、この国連人権理事会で御説明したところです。戦後70年間にわたって国土面積のわずか0.6%に74%の米軍専用施設面積があるというこの現実、沖縄県民が望まないそういう現実について自己決定権がないがしろにされているということを御説明したところでございます。
○照屋 守之 非常に曖昧ですね。自己決定権というのは、そんな中途半端な使い方は許されませんよ、行政のトップが。最高裁の判例でも日本の自己決定権というのはそういう判例がないんですよ、認めるというのが。そういうのがないのに勝手に自分の都合のいいように自己決定権、自己決定権。人の自己決定権は否定して、そういうのを堂々と県の行政として県知事としてやる、世界にその愚かさをさらけ出す。こんな県知事がいますか。そこを言っているわけですよ。知事、同じ理事会で日本政府代表が知事の発言を否定しました。沖縄県民の我那覇さんが知事の発言を否定しました。これについてどう思いますか。政治宣伝を信じないでくださいと言い切ったんですよ。それについていかがですか、どう思いますか。
○知事公室長(町田 優) まず、我那覇さんの意見については、これは個人としての発言ですので私どもがコメントすることは適当ではないと考えております。
 それから、日本政府の発言ですけれども、日本政府は発言の中で、1999年当時の知事や名護市長たちに辺野古移設計画は容認されたと発言しておりますけれども、私どもとしてはこれは当時の市長と知事の受け入れ前提条件は取り消されていることから、政府の主張は正当性がないと考えております。
○照屋 守之 我那覇さんのは個人の発言で、県知事のは公の発言か。
○議長(喜納昌春) 時間です。
○照屋 守之 県知事は県民の了解を得てやったのか。(発言する者多し)
○議長(喜納昌春) 時間、時間です。
○照屋 守之 そんないいかげんなことはだめですよ、県行政が。
 きちっとコメントしてくださいよ、何言っているの。
○議長(喜納昌春) 時間です。
○照屋 守之 全部自分の都合のいいことばっかりやって……(発言する者あり)
 自己決定権のしっかりしたあれもないのにさ。
○議長(喜納昌春) 時間ですよ、照屋議員。
○照屋 守之 ちゃんと説明してください、これ。
 終わりますよ。
○翁長 政俊 それでは一般質問を行います。
 よろしくお願いをいたします。
 先ほどから照屋議員が国連演説のことについて質問をされております。そして、今回の議会においてもこの質問が数多く出されました。私もこれについて、まず知事の政治姿勢として伺っていきたいと思っております。
 翁長知事が第30回国連人権理事会の一般討論において、沖縄の自己決定権や人権がないがしろにされて差別を受けているとの演説を行いました。その真意についてお伺いをいたします。
○知事(翁長雄志) 翁長政俊議員の御質問にお答えをいたします。
 知事の政治姿勢についてに関する御質問の中の、国連人権理事会での演説の真意についての質問であります。お答えいたします。
国連人権理事会では、沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている辺野古の状況を、世界中から関心を持って見ていただくよう申し上げました。また、国際的な人権保護や自治権拡大の視点も踏まえつつ、米軍基地から派生する人権や自己決定権の問題について、沖縄県の立場等を訴えてまいりました。
○翁長 政俊 それと知事が今回ジュネーブに行って、国連演説をするサポートをした、いわゆるこの行動をともにした国連NGO市民外交センター、反差別国際運動は、どのような活動を行っているか御承知ですか。
○知事公室長(町田 優) 市民外交センターのさまざまな活動はしていると聞いておりますけれども、詳細には承知しておりません。
○翁長 政俊 これは知事の日程を調整し、さらにはこの団体の時間を貸与してもらって発言をされたはずですよ。どういう団体か知らないというのは、ちょっとおかしいですよ。それは調査する義務があるのではないのですか。(発言する者多し)
○議長(喜納昌春) 発言中は静粛に願います。
 休憩いたします。
   午前10時44分休憩
   午前10時44分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(町田 優) お答えしたいと思います。
 市民外交センターはどういうことをやっているかということの御説明です。まず、南太平洋の子供たちに教育の機会を提供すること、あるいは国連の人権活動の支援と人材育成、あるいは民族文化等人権思想の普及活動、人材交流の支援等々の活動をしていると承知しております。
○翁長 政俊 反戦は、反戦もう一つ。反差別国際運動。
○知事公室長(町田 優) さらにつけ加えますと、自然災害の復旧活動などへの資金援助、国内外の市民団体とのネットワーキングあるいは出版活動を含む啓発活動、そして研究・調査活動だと聞いております。
○翁長 政俊 知事は、このNGOが沖縄人を自己決定権の主体を有する先住民であり、日本政府がこれを認めるべきだという活動をこの団体行っているんですよ。それは、団体と認識を共有されているんですか、県は。
○知事公室長(町田 優) この国連人権理事会では、各国の代表それからNGOなどが発言枠を持っておりまして、今回はそのNGOの発言枠を借りて知事の発言をしたものでございますけれども、その団体と意見が一致しているというわけではございません。
○翁長 政俊 じゃ聞き方を変えましょう。
 このNGO団体がやっている、先ほど公室長が述べた活動と、一方では琉球沖縄人を先住民だとして、いわゆる国連の人権理事会で認めさせる活動をして、さらには日本国に対してそれを批准するように活動をやっている団体なんですよ。そこは承知しているかと聞いているんです。
○知事公室長(町田 優) 議員の御指摘のような活動をしているかどうかまでは承知しておりません。(発言する者多し)
○議長(喜納昌春) 翁長政俊君。(発言する者多し)
 静粛に。
○翁長 政俊 問題はですね……(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 静粛に。
○翁長 政俊 いわゆるこういう活動している方々と、国連まで同行していって、時間枠を借りて沖縄県の代表である知事が発言をするということに私は問題がある。そこは知事と随分政治的な、さらには価値観においてもこれは問題があるなという認識を実は私自身は持っております。
 じゃ知事、琉球沖縄人は先住民ですか。そこは否かどうかは明確に答えていただけませんか。
○知事(翁長雄志) 翁長政俊議員の御質問にお答えいたします。 
 今定例会でもこういう御質問はございました。
 先住民かどうかという議論は、今沖縄県の中では議論としては十二分にされているとは思っておりません。私もそういった沖縄県の歴史含めいろんな形で本土の方々にもそれから国連でも話をしてまいりました。いわゆる1879年に日本に併合されたこと、それから戦争中は大変厳しい環境にあったこと、それから1952年には日本の独立と引きかえに米軍施政権下に置かれたこと、こういったこと等をどのように考えるかというのはこれはもう沖縄県民一人一人がこれから考えることでありまして、私自身は先住民という言葉を使って政治をやってきたことはありませんが、ただその先住民という言葉に、もし先住民というものを下に見るような価値観があるとすれば、それはいかぬだろうと。やはり世界中に最初に根づいてそこで文化を持って頑張ってきたけれどもなかなか力及ばず周辺の方々に、ある意味で何というんですかこういうのは、合併させられたというような状況でそういう形で生きていくということについて、やっぱりこれについては小さいながらも尊敬をしているところもたくさんあると思いますので、その意味での先住民という言葉の中身もなかなか簡単ではないと思うんですね。
ただ沖縄はやはりそういった意味では、全国とは歴史的に変わったところがございますので、そういったような部分をこれからいろんな議論を通じて、きょうの議論もそうでありますが、議論を通じてここのところを深めていくということは大切ではないかなというふうに思っています。
○翁長 政俊 今の知事の答弁を要約しますと、琉球民族は日本に強制併合され同化され、土地、文化等を奪われて、戦後は重い基地負担を強いられて差別を受けてきた。そういう時代背景の中で沖縄のそれぞれの県民の価値観が多様化していって、というふうに私は理解をいたします。それもそういう側面があると思っています。
 しかし、今私が質問したのは知事はいろんな意味で多様な価値観を県民が持っているということ、それと沖縄人いわゆる琉球人がいわゆる先住民かどうかは、ここは政治家として明確に今ははっきりすべきじゃないですか。これは、政治的な課題というよりも沖縄に住んでいる私たち、沖縄にルーツを持つ私たちの全ての価値観に通じるものなんですよ。そこは政治家としてきちっとした私は答弁をすべきだと思っていますが。
○知事(翁長雄志) 私が国連に行く前に自民党県連から申し入れがありました、先住民という言葉は使わないようにと。そこでも私は今日まで先住民という言葉を使ったことはございませんと、ですから使うつもりもありませんという話をさせていただいたわけであります。そしてその中で、いろんな意見があった中でお互いの背後には、それぞれ考え方が違う人がたくさんいますよと、自民党県連さんもそうでしょうと、自民党の範囲内での右から左までもおられるでしょうし、上から下もおられるでしょうと。そういったような形でそれぞれの一部を捉えてそれをあなた方の信条とどうするんだと、違っていれば切り離すべきではないかというようなことではなくて、いわゆるやはりそういったものを背景に持ちながらも政治というものはその大きな視野とそれから焦点を合わせながらやっていくということが大切だというふうに思っております。そういう意味で私は今日まで先住民という言葉を使ったことはございません。
○翁長 政俊 先住民という言葉を使わないということと、いわゆる沖縄琉球人が先住民であるのかどうかというのはこれ別の話ですよ。認識の話ですから。
 それで、この国連演説の中で一つ大きな柱になったのが自己決定権です。この国連人権憲章の中に、全ての民族は自決権を有するということがあります。これがこの自己決定権の根拠になっているんですか。(「全ての人民はですよ、民族はじゃないですよ、全ての人民はだよ」と発言する者あり) 民族は。(発言する者あり)
○知事(翁長雄志) 今厳密な意味での自己決定権という言葉がありましたが、私もこの定例会でももう前にも申し上げましたけれども、自己決定権という言葉は多くの方々がそういった言葉を使うことはよくあります。ですから、沖縄の置かれた環境というものを表現する言葉として、自己決定権ある意味ではサンフランシスコ講和条約にしても沖縄県民の意思が全くないまま切り離されたわけでありますから、そういったときに自己決定権があればよかったなと、あるいは民主主義国家の中でこの話が通ればよかったなというような思いがあっても、私たちの意のならないままそういった時を過ごしたということからすると、どういう言葉遣いがいいのか教えてもらいたいんです。いずれにしても自己決定権もそういった意味合いからすると私たちにそういうのがあれば、もっと日本国の中で沖縄の立場を説明できたのになというようなことも含めて自己決定権を使っているというふうに思っていただきたいと思います。
○翁長 政俊 自己決定権という言葉は、これいわゆる普通に使えば自分のことは自分で決めるというのが自己決定権なんですよ。市町村や地方自治体が持つこの自己決定権は、ある意味では、行政法や憲法に則した形でそれぞれの制約の中で使うのがその自己決定権ですよ。それぞれの自治体が自分の思うように自己決定を解釈して、それぞれの言い分を言い出したら日本の国なんかまとまりっこないですよ。いわゆる統治国家じゃなくなるわけです。
 そこで社大党委員長が糸数慶子さんですよ。彼女が国連に行ってどういう発言をしたかをちょっとここで披露いたしたいと思います。これ昨年の8月9日に国連人権差別撤廃委員会先住民会議国際会議に出席して琉球民族を代表して発言した内容なんです。
 在日米軍基地の沖縄駐留によって、沖縄の土地は接収され異民族である日本と米国によって、ここですよ、異民族である日本と米国によって歴史的な差別を受けていると報告し、自己決定権の回復が必要だと述べたんです。そして帰ってきてからの記者会見でどういう会見をしたかというと、琉球人は日本政府によって併合され、祖国琉球王国の滅亡から始まり、今日まで継続して土地の強制収用による差別を受けている。私たちは1879年の琉球処分以来、日本政府に101年間、アメリカに27年間、合わせて128年間もの間抑圧され、異民族の日本と米国のもとに領土を支配され、差別的な土地の強制収用が続いている。このことに対して沖縄県民は、自己決定権の回復を強く望んでおり、この会議に出席したわけです。辺野古移設についても民意の8割が反対し、新基地はつくらせないとする民意を無視して土地も海も奪い、埋め立てを行おうとしていることに県民は怒りを持っているんですと。
 以上が要約した形での糸数議員の自己決定権を求める理由なんです。翁長知事の価値観と歴史認識も私はこれ寸分も変わらないと思っているんですよ。今議会で答弁してきた知事のこの国連出席の理由と同じ理屈づけなんですよ。この発言を知事どう思われますか。
○知事(翁長雄志) お答えいたします。
 糸数委員長の発言を私がどうこうということはございません。なぜかといいますと、私を支持している方々にはいろんな考え方を持っている方がおりまして、先ほど申し上げたように自民党も大変幅広い政党でありますから、幅広いところから支持を得ていると思いますけれども、そういう意味からするとこの幅広い中での考え方がひとつそういうふうな考え方で話される人たちもいるという思いであります。
 ですから、今歴史的にそういったものが民族的に虐げられたのではないかというようなこともありますが、私はただ客観的にこの1879年に日本に併合されたと、これは併合でなければ何かということもまた言ってもらわなければいけないんですが、サンフランシスコ講和条約で日本の独立と引きかえに切り離されたと、これも認識が違っているんだったら教えてもらいたいわけですよね。そうするとその客観的に言うことを誰がどのように両立するかというのは、右も左も関係ないわけで、歴史を勉強すればそれなりに皆様方のような考え方にもなるでしょうし、糸数委員長のような考え方にもなるでしょうし、これについて私が集約して話をするということはこれは適当ではないと、このように思っています。
○翁長 政俊 それとニューヨークで行われた、同じように糸数慶子議員が国連で行った演説ですよ。
 私は沖縄選出の参議院議員です。琉球沖縄の先住民族を代表して国連において演説を行います。これを光栄に思いますと言っているんです。そして、この権利は宣言3条の自己決定権の一種の行使の形態ですと。そして琉球民族の多くが反対する基地建設を強行することは意思決定に参加する先住民族の権利の明白な違反であるとともに国連宣言30条の軍事活動の禁止にも違反しますと。私は日本政府に対し、琉球沖縄の先住民の意見を尊重するよう要求します。最後に私は参議院議員として引き続き国家レベル、地方レベルにおける先住民の権利の履行に尽力をしてまいります。議長、ありがとうございますと、こういう認識でいわゆるこの活動を行っているんです。
 問題なのは、こういうNGOが行っている団体と一緒になって、他県ですよ、ましてやこの団体は。沖縄の誰の許可も得たわけじゃないんですよ。一方的に沖縄をいわゆる糸数慶子さんも一緒になって先住民と決めつけているんです。
 そして、もう一つの問題は、このNGOは先ほど言ったように、勝手に沖縄人を先住民として扱い、国連に認めさせた他県人なんです。背景には、部落解放同盟の差別運動があります。一方では、新左翼窮民革命論の理論をもとにして日本の労働者階級が豊かになり過ぎて革命の主体にはなり得ない。窮民と言われるのは誰たちかと言うと、アイヌ民族、在日韓国人、朝鮮人、沖縄人がそれに当たり、反日闘争の活動家を生み出す貴重な人材源になり得るので、窮民革命の先兵として使おうとするイデオロギーを持って活動しているこの団体なんですよ。これは、県民の地位を著しく毀損をしているし、県民を見下したばかにした発言だと私はこのように思っております。
 こういうNGOの皆さん方と一緒になって、行動をともにして国連に演説をしに行く、その行為が私は理解ができないんですよ、知事。そこはどう思われますか。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 冷静に願います。
 翁長知事。
○知事(翁長雄志) 今紹介されたことは、今初めてお聞きをするわけでありますけれども、私たちの背後には先ほども申し上げましたが、いろんな方々がおられます。6月にもある意味で自由民主党の勉強会で沖縄県のことをあのように発言する方もおられました。そういうものをそれぞれが責任を持てという形になるかどうか。ですからそういったいろんな考え方がある中で、その沖縄が今日置かれている状況を多くの方々に御理解をいただくというような手法をとる場合に、そういったチャンスがあった場合には、それをお借りをするということはあるわけでありますが、しかしながらこれがそういった考え方で私は世の中に発信をされているとは思っていませんので、その意味で私たちの背後にはいろんな方々の意見があります。そういったものも一部一部吸収をしつつ、大きな目標のために頑張っていくというのが大切ではないかとこのように思っています。
○翁長 政俊 この件について最後に提案をいたします。
 これは自己決定権を認めさせるということになれば、いわゆるNGO含めて日本政府に今この批准を求めているんですよ、沖縄が先住民として。先住民として認められたら自己決定権がついてきます。これは私は基地を阻止する早道じゃないのかなと思っていますので、知事が言う論理でいうとですよ。ですから、知事自身が日本政府に対して批准を要求する、沖縄の自己決定権をそして認めさせる、それが私は早道じゃないかというふうに思っておりますけれども、まず、これをやってみたらいかがですか。
 そして、沖縄県はもとより日本社会を巻き込んで、沖縄人は日本人であるのか、それとも先住民であるのか。ここまで来ると歴史や言語を含め日本の異民族支配と植民地論、琉球王国を復活する独立論まで沖縄社会の全ての価値観を問う総決算が私は必要だと思っているんですよ。沖縄県のトップの知事が自己決定権を要求する以上、こういう議論が私は県内であってしかるべきだと思っているんです。そういう上に立って自己決定を要求していかないと。ですから日本政府に対してその要求をする意思があるか。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午前11時3分休憩
   午前11時3分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 翁長知事。
○知事(翁長雄志) 私は、翁長政俊議員の質問を聞きながら思うんですが、福州市とも那覇市は30周年を超える交流がありますけれども、大体3年に1回行くか行かないかなんですね。それで、福州市との交流などもやりたいという話をしますと、長崎県知事は5回も6回も来ていますよと年間ね、佐賀県知事もこう来てますよと、沖縄は3年に1回じゃないですかと。ところが年に5回も行くところは独立の話にはならないんですよね。何で何回も行くような県知事が、爆買いを東京でやって中国人いらっしゃいという日本全体で今中国の観光客を受け入れようとするところで、中国の属国になるつもりかという人はいませんよね。沖縄だけなぜそういうふうに近づくとそういうことを言われる原因がどこにあるのか、これも教えてもらわないと今のようなものに答えるというのはなかなか難しいんですよ。だから、沖縄のことはとても機微に触れるようなものがあるものですから、これをいわゆるみんなで包含をしながら物事を進めていかないといけないわけで、私はきょうの朝のニュースを見たらもう爆買いが少なくなって寂しいというような話を日本国中の人が話をしているんですね。アイヤー、中国の属国になるという意味なのかなというふうに考えるとは思えませんが、そんなふうな考え方からしたらみんなそういう考え方になってしまって、理屈としては通らないんじゃないかなと、このように思っています。
○翁長 政俊 この原点は何かというとですね、知事、沖縄の中には、今先ほど論をしているように、先住民だとか日本民族じゃないという意識、そういうのが底流にあるからそういう議論になるんです。長崎とその辺でならないのはそこが違うんですよ。ですから、日本人なのかどうなのかを議論する必要があるということなんですよ。
 時間がありませんから、先に進みます。
 質問のあれを飛ばして、まず知事訪米について伺います。
 知事、最近出版されている「新政界往来」という週刊誌がありますけれども御承知ですか。月刊誌ですね、済みません。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午前11時5分休憩
   午前11時5分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 翁長知事。
○知事(翁長雄志) 小さいころから「政界往来」というのはうちのおやじが読んでいたものですから、「政界往来」という本は知っていますけれども、「新」がついたりすると、それがずっと継続している本なのかあるいは全く別系統から来ているのかわかりませんので、今わかるともわからないとも言いにくい立場であります。
○翁長 政俊 これ日本経営者同友会の下地常雄会長という人がいわゆるかかわっている本ですけれども、下地常雄会長は御存じですか。
○知事(翁長雄志) はい、存じ上げております。
○翁長 政俊 月刊誌の「新政界往来」の10月号に下地会長の回顧録が載っています。
 知事訪米時におけるワシントンにおける最高レベルとの要人との会見のお膳立てをしたと掲載されております。それは、そのとおりでしょうか。
○知事公室長(町田 優) 知事訪米時の面談につきましては、沖縄県のワシントン事務所とそれから外務省を通じて調整をしております。
○翁長 政俊 その本の中にも、知事は訪米に当たり下地衆議院議員に要人との会見のセッティングの仲介を頼んだということになっておりますけれども、そのいわゆる根回し役をやったのは安慶田副知事ではありませんか。そういうふうに載ってますよ。
○副知事(安慶田光男) 仲介ということは……
○翁長 政俊 月刊です。
○副知事(安慶田光男) 仲介ということは頼んでおりませんし、またその面談というよりも……、失礼しました。
 ワシントン・ポストの社長があるホテルで挨拶をしたいということでありましたから、それは以前にその下地会長さんは宮古まで連れていってそれをやったぐらいの親しい人ですから、ワシントン・ポストのそのオーナーがお会いできますということですからホテルのロビーでお会いしていただけるという段取りはしました。
○翁長 政俊 今回の訪米時の重要な役割を担った方ですので、この下地常雄会長はですね。訪米成果はある意味では、下地氏の介在なくして成し遂げられなかったと言っても過言ではないと私はそのように思っています。そして、記事の内容と私なりの調査、私も調査をいたしました。そういう中で、安慶田副知事が水面下で盛んにこの下地氏とお会いして根回しをしたと本人もそう言っていますけれども、どうですか。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 この下地会長、常雄会長さんは私は正直言って下地代議士から紹介されておりません。那覇市議会のある議員から紹介されて、初めてお会いをして、その後でいろんな会合をしているうちに、自分もよく知っているよという話になりまして、それだけの話でありまして、下地代議士とこの件に関して会ったというのは一度もありません。
○翁長 政俊 それでは、USJの関係で副知事が出張する際に下地氏も同席をして、USJ関係者とお会いしているという事実もあり、USJ関係者も同席しているということですがそれは事実ですか。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 下地代議士が同席したというのは、1度あったかもしれませんけれども、それは官邸からそういう話が伝わっているということであって、その官邸に行って和泉補佐官からそういうことで森さんという方が下地代議士の部屋にいるので、そこで会ってほしいということで会ったことは事実であります。
○翁長 政俊 私が承知している状況では、安慶田氏がいわゆるこのUSJに行くときには常に下地氏が同席をしているというふうに私は聞いております。
 そこで、知事はこれまで下地衆議院議員のことをカメレオン政治家で信頼ができない。これまで同氏の政治力を一度もかりたことはない、協力をしたことはない、協力を求めたこともないと公言されてきましたが、同氏への評価はある意味で改めて関係の修復を行ったんでしょうか。そこはちょっとお聞かせいただけませんか。
○知事(翁長雄志) お答えをいたします。
 去年の暮れから新年にかけて国会にお伺いをしても、自民党の国会議員はお会いしてくれませんでした。その中で下地代議士は、毎回そういう意味からするとお会いをしていただいて、そういう中でいろいろ国の情勢も彼から聞いたことは事実であります。
 今日までの経緯は、那覇市議会でも私はいろいろ話しているとおり、政治的には同じ立場にはなっておりませんけれども、それでも彼が衆議院議員に出るときは自民党はそのとき24名ぐらいいましたけれども、少数派の5名で下地さんを担いだこともございます。その後いろいろ大胆な発想と大胆な行動でありました。ただ、私とは立場が違っていましたので、そういうことで今日まで一緒にやることはなかったんですが、今回そういう意味では自民党県連の国会議員がある意味で間に入ってやっていただくことが少なくとも4月ぐらいまでなかったものですから、その情報は菅さんと同期の立場だという下地さんからありました。しかし私が下地さんとお会いしたことはございません。ですから、そういったような形で上京する場合には安慶田副知事がいろんな分野で話をしてきましたので、そのときにある意味で偶然いた場合もあるでしょうし、どういう形で会ったかわかりませんが、いろんな分野で政府との意思の疎通という意味では御尽力をいただいたなというふうには思っております。
○翁長 政俊 知事訪米時の下地会長とのいわゆる経緯をちょっと私のほうで報告してみます。
 オバマさんにお会いさせてほしいということで、国際大学の前泊教授が下地さんに依頼をしてきたそうです。このルートでやっていました。だけれどもなかなか返事が、いわゆるこの折り合いがつかなくて、このルートは締めたそうです。その次に下地会長は、この件を安慶田副知事に話すと何としても実現したいということで積極的なアプローチを受けたと。訪米の際オバマ大統領の親書を知事がワシントンに持参するようにと安慶田副知事に進言し約束を取りつけた。しかし知事サイドは、その約束をほごにして翁長知事は親書を持参してこなかった。そのときの釈明は、オバマ大統領への親書については、米国大使館を通じてケネディ大使より大統領へ届けるめどが立ったと弁明をして見せた。これは事実ですか。米大使館との約束があって親書が届けられなかったということですか。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午前11時13分休憩
   午前11時13分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 安慶田副知事。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 確かに先ほど申し上げましたように、私が下地会長を紹介されたのは別ルートでございました。そういう話し合いで下地さんという方から電話があって、そういうことで自分はオバマさんとも親しいよ、先ほどのワシントン・ポストのオーナーとオバマさんが親しいのでそれで自分は会えるよという話があったのでそれでお願いしたんですけれども、いろんな意味で考えますと、知事の親書というものはやはり正式なルートから行かせたほうがいいんじゃないかという最終的な判断になりまして、それを取りやめたというのが本音でございます。
○翁長 政俊 私が聞いているのは、米大使館とそういう話し合いがついて、要するに親書を持っていくことをやめたという発言があったということですから、それはそのとおりかと聞いているんですよ。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 まだその時点では、ケネディ大使との面談ははっきり確定しておりませんでしたので、そういうことはないと思います。
○翁長 政俊 これは知事が訪米する直前まで日程がなかなか決まらずに難航したんですよ。新聞でもそういう報道がされていました。そういう中においていわゆるオバマ大統領との日程については、模索したはずですよ。しかしながらお断りする理由、下地会長が親書を持ってこいと言って、お断りする理由にそれが使われたということですから、どうなんですかと聞いているんですよ、私は。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 静粛に。
 休憩いたします。
   午前11時15分休憩
   午前11時16分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 安慶田副知事。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 実はそういう話があって行ったんですけれども、それからワシントンの駐在員の方々もいろいろ話をお聞きしまして、そしてやはり親書というものは、行政と行政の問題でありますから、やっぱり正式なルートでいこうということで、皆さんで話し合いまして、行く前からそういう疑問は投げかけておりました。それで、そういうことがあるものですから、行って現地の事情もみんな聞いて、それで最終的に知事が判断をしてやっていこうということになりまして、そういうことになったということであります。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 翁長政俊君。
 静粛に。
○翁長 政俊 これ水かけ論になっていますけれども、いずれにしろこのワシントンに今回知事が行った際に、先ほどから出ていますように、ワシントン・ポストのCEOフレデリック・ライマン氏、そこには親書を届けているんですよね。
○知事(翁長雄志) 何かいろいろ時間的なものもかみ合わない形で今話がされているような感じがしますが、ワシントン・ポストは私がワシントンに行く前に一面に取り上げて記事にしていただきました。そういったようなこともあって、下地さんからそのワシントン・ポストのCEOは20年来の友達だからというようなものを、先ほど那覇市議会議員からという話がありましたが紹介をされまして、ワシントンポストのCEOとお会いするということになったわけです。それで、普通のホテルでロビーで通訳の女性の方がおりましたけれども、ほぼ5分ぐらい話をしまして、中身のある話は全くございませんでした。いわゆるまたいつかお会いしましょうねというぐらいのものの話をさせていただいて、ああいう形で写真を撮られたというふうに思っております。ですからそのラインで物事が動くとかそういうことではなかったというふうに思っています。
○翁長 政俊 今、私が聞いてもいなかったワシントン・ポストのCEOとの写真の話も出ましたけれども、お会いしたということがこれで明確になりましたよ。知事が写真の話をされますから。
 それと、帰国後下地会長はワシントンで知事と自民党大物議員と帰ってきてから会食しようということで、このいわゆる約束をしたそうですよ。それで、そのセットをするのに秘書に連絡を入れると、知事は自民党幹部とは会いませんと、けんもほろろな対応だったと。頭越しで取りつく島もなく、この対応の悪さに愕然としましたが、気を取り直して直ちに安慶田副知事にその事のてんまつを告げてその対処策を求めたが、今日まで返事がないままである。
 安慶田副知事、県の対応はどうなっているんですか。
○副知事(安慶田光男) お答え申し上げます。
 正直言って、自民党の議員と会わないと言ったという秘書の対応じゃなくて、下地会長がどういうことで皆様方にお話を申し上げたかわかりませんが、知事の日程がとれなかったことは事実なんです。それであったものですから、じゃ改めて知事の日程をとってやりましょうかということともう一つあったんですね。ほかの方の話もあってその2つをまとめて私に話したんですが、それも今対応されてないというのは、これからその後知事の日程が具体的にとれて下地会長さんからもその後以来、再三再四来たというわけじゃありませんので、その話1回きりでその後のいろんな意味で話が行き違いになっているというのが現状であります。
○翁長 政俊 官邸との問題をいわゆるこの上から目線で云々というコメントもかなり出てきました。私がここで問題にしているのは、このようなたび重なる非礼千万な上から目線の対応を見ると一事が万事、県の中枢でこのような対応がなされているのではないか、これはやっぱり県政にとって問題なんですよ。ですからここを今私はただそうとしているんです。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 私は、その後下地氏とは沖縄にいらしたときに、先ほど紹介をしていただいた議員と夜、夕食を含めながら2時間ぐらい話もしておりまして、そのときはそういう話はありませんでした。ですから、上から目線だとかそういう話での感覚は持っておりません。
○翁長 政俊 時間がありませんので。
 ここで私も構えて言っておかないとならないのは、下地氏のいわゆるメンツが潰された云々の話ではなくて、沖縄の品位やいわゆる人の道を踏み外さないような最低限の品格を私は実は問うているんですよ。そこは、私自身も憂いております。国際関係をこの欠落させるようないわゆる問題があれば、やはりこれは沖縄県の損失になりますし、そこは明確にしておかないといけないというふうに思っております。
 最後に、このようなロビー活動を行うには、私は多大な費用がかかると思っています。この費用の捻出については、大変これは疑問が残りますよ。ロビー活動には、私は……
○議長(喜納昌春) 時間、時間です。
○翁長 政俊 一般的に考えると、相当な費用がかかるものと認識をしておりますので、ここは次に回します。
 以上です。
 ありがとうございました。
○又吉 清義 午前の部、一般質問ですね。
 自民党、又吉清義でございますが、一般質問に入る前に少し皆様方にメッセージをお伝えしたいと思います。
 まず、知事が国連人権機関で発言した同じ場所で、翌日、県民の我那覇真子さんが、被差別少数琉球民族は存在しないということで、こういうメッセージを送っております。
 昨日皆様は、沖縄は紛れもない日本の一部であるにも関わらず、「沖縄県民は日本政府及び米軍から抑圧される被差別少数民族である」とお聞きになられたと思います。それは全くの見当違いです。 私は、沖縄生まれの沖縄育ちですが、日本の一部として私達は世界最高水準の人権と質の高い教育、福祉、医療、生活を享受しています。人権問題全般もそうですが、日本とその地域への安全保障に対する脅威である中国が、選挙で選ばれた公人やその支援者に「自分達は先住少数民族である」と述べさせ沖縄の独立運動を煽動しているのです。 我々沖縄県民は先住少数民族ではありません。 どうかプロパガンダ(政治宣伝)を信じないでください。 石垣市議会議員の砥板芳行氏からのメッセージです。 「沖縄県の現知事は無責任にも日本とアジア太平洋地域の安全保障におけるアメリカ軍基地の役割を無視しています。翁長知事はこの状況を捻じ曲げて伝えています。中国が東シナ海と南シナ海でみせている深刻な挑戦行為を知事と国連の皆様が認識をすることが重要です」
というメッセージが送られております。
 「ありがとうございます。」ということで、この場であえて、私は言わせていただきます。良識ある県民の方は、日本人とその誇りある沖縄県民であることを私はここで宣言するとともに、決して先住少数民族でないことを私はあえてここで述べさせていただきます。私も立派な沖縄県民だということを、そして誇りある日本人ということを述べて、一般質問に入らせていただきます。
 まず1つ、西普天間地区の返還跡地利用計画の進捗状況について。
 狭隘な環境にある県立普天間高校の人材育成拠点ゾーン計画地への移転計画と進捗状況、県のバックアップ体制について。
 (2)、人の命を救う重粒子線治療施設の国際医療拠点ゾーン計画地への進捗状況と県のバックアップ体制について。
 (3)、さらに県民の命を救う利便性の高い拠点地域となり得る琉球大学附属病院の国際医療拠点ゾーン計画地への移転計画と進捗状況、県のバックアップ体制について。
 2番目、基地の過重負担や諸問題の解決に向けた県の取り組み状況について。
 (1)、誰もが認識している基地の過重負担の解決に向けて、整理縮小に向けた県の全体計画と現在取り組んでいる実績、成果等について伺いたい。
 (2)、町のど真ん中にあり、9万7000市民が非常に危険な状況にあると、誰もが理解をしている普天間飛行場の解決に向けた県の具体的取り組み状況とその進捗状況について。
 3番目、1000万人観光を目指した県の環境整備について。
 (1)、言葉のハンディを克服し、観光に訪れた方々への充実したサービス提供に向けた取り組みについて。
 4番目、道路行政についてでありますが、(2)の県道84号線は、34号線の間違いであることをおわび申し上げ、訂正といたします。担当にはしっかりとお伝えしてあります。
 道路行政について。
 (1)、西海岸道路と浦添西原線を結ぶ道路の進捗状況は。
 (2)、交通渋滞緩和に向け、新年度で計画されている県道34号線の右折帯車線工事について。
 5番目、キャンプ・シュワブゲート前国道側緑地帯に設置されているテント村、のぼり、横断幕の設置について。
 (1)、緑地帯に設置されている物件等は全て違反と思うがどうか。
 (2)、9月22日、琉球新報に掲載されている市民団体の体にペンキを塗り抵抗している行動は公務執行妨害に値しないか、またその損害金等についてお尋ねいたします。
 後は答弁により再質問させていただきます。よろしくお願いします。
○知事(翁長雄志) 又吉清義議員の御質問にお答えいたします。
 1000万人観光を目指した県の環境整備についてに関する御質問の中の、多言語対応に向けた取り組みについてお答えをいたします。
 沖縄県では、外国人観光客の満足度向上に向けて、通訳サービスや観光情報を提供する多言語コンタクトセンターの運営や観光関連事業者に対する語学研修、翻訳への支援を行うほか、市町村が設置する多言語観光案内板への財政支援等を実施しております。また、最近では民間によるスマートフォンなどを活用した通訳・翻訳サービスが充実してきていることから、これらのサービス利用に必要なWi-Fi環境の整備促進等に取り組んでおります。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長から答弁をさせていただきます。
○教育長(諸見里 明) それでは、西普天間地区の返還跡地利用計画の進捗状況についての御質問の中で、普天間高校の移設についてお答えいたします。
 県教育委員会としましては、同校の同窓会等により移設に向けての要請があることや返還跡地のゾーニングに普天間高校が示されていることなどに鑑み、昨年度から教育庁内に検討委員会を設け、慎重に検討を行っているところです。現在、関係部局等との調整会議や宜野湾市の主催する西普天間住宅地区の跡地利用に関する協議会へ参加するなど対応しているところであります。なお、同移設につきましては、膨大な費用を要するなど、大きな課題があるものと認識しております。
 以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 西普天間住宅地区の返還跡地利用計画の進捗状況についての御質問の中の、重粒子線治療施設の進捗状況等についてお答えいたします。
 重粒子線治療施設については、集患のあり方を含めた安定的な運営の見通しや高額な治療費等が課題となっていることから、これらの課題について、有識者等で構成する検討委員会を設置し調査検討を行っているところであります。今年度末をめどに検討結果を取りまとめ、施設導入の可否を含めた事業の方向性を示していきたいと考えております。
 次に、琉大病院の移設に関する進捗状況等についてお答えいたします。
 琉球大学医学部及び同附属病院については、現在、同大学において移設に向けた基本構想が検討されており、次年度より基本計画等を策定する予定と聞いております。去る9月29日には、国が主催する国際医療拠点協議会が開催されたところであり、沖縄県といたしましては、国、宜野湾市、地主会等の関係者と連携しながら、同附属病院等の移設を含む、国際医療拠点の形成を推進してまいります。
 以上でございます。
○知事公室長(町田 優) 基地の過重負担や諸問題の解決に向けた県の取り組み状況についての御質問の中で、基地の整理縮小の取り組みの実績と成果についてお答えします
 沖縄21世紀ビジョンにおいては、「基地のない平和で豊かな沖縄をあるべき県土の姿としながら、基地の整理縮小を進める」こととしております。その実現のため、在沖海兵隊の国外移転及び嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還を確実に実施することが重要であると考えております。返還の実績につきましては、SACO最終報告及び再編に基づく統合計画で示された返還予定面積5438ヘクタールのうち、これまで455ヘクタールが返還されており、進捗率は約8%にとどまっております。基地の早期返還は国の責務で行われるべきものであり、県は、引き続き軍転協とも連携しあらゆる機会を通じて、基地の整理縮小を日米両政府に対し、強く求めてまいります。
 次に、同じく普天間問題の取り組みと進捗状況についてお答えします。
 普天間飛行場の早期返還及び危険性除去は、県政の最重要課題であります。特に、5年以内の運用停止については大変重要であるとして、政府との集中協議において取り組み状況について説明を求めたところでありますが、政府からは具体的な言及はありませんでした。
 県としては、政府との今後の協議の中で普天間飛行場の早期返還及び危険性の除去を強く求めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉幸満) 道路行政についての御質問の中で、港川道路の進捗状況についてお答えします。
 浦添西原線、港川道路の平成26年度末の進捗率は約72%となっております。平成27年度の工事については、文化財調査を終えた古墓群一帯の改良工事を行うこととしております。また、米軍施設返還予定地内の工事については、来年度以降の実施に向けて沖縄防衛局を通して、米軍と調整を行っているところであります。
 今後とも、地元の協力を得ながら早期の供用を目指し、取り組んでまいります。
 同じく道路行政についての御質問の中で、県道34号線の右折車線設置工事についてお答えします。
 県道34号線(宜野湾西原線)の大謝名交差点から真栄原交差点までの区間については、沖縄地方渋滞対策推進協議会において抽出した主要渋滞箇所に含まれており、渋滞対策に取り組む考えであります。当該区間の交通渋滞緩和に向けた右折車線工事については、現在準備を進めているところであり、地元説明会の後工事着手することとしております。
 次に、キャンプ・シュワブゲート前国道側緑地帯に設置されているテント村、のぼり、横断幕の設置についての御質問の中で、国道側緑地帯に設置されている物件等についてお答えします。
 キャンプ・シュワブゲート前、国道329号の道路区域内に許可なく継続的に設置されているテント等については、道路法に抵触するとして、道路管理者である国が口頭及び文書により撤去の指導を行っていると聞いております。
 以上でございます。
○警察本部長(加藤達也) キャンプ・シュワブゲート前国道側緑地帯に設置されているテント村等に関する御質問の中で、キャンプ・シュワブゲート前における抗議行動と警察の対応についてお答えいたします。
 御質問の件につきましては、本年9月21日、キャンプ・シュワブ工事用ゲート前における抗議行動の中で、車道上に座り込んだり、寝転んだりする方々に対し道路交通法に違反する旨の警告を行った上で、警告に従わなかった方々を安全な場所へ移動させる等の措置を行った際、一部の方が自身の着衣等に塗料用の液体を付着させていたため、移動等を行った警察官の制服等が汚損したものであります。
 御指摘の行為が違法行為に当たるかどうかについては、個々の事案の具体的状況を検討する必要があり、一概に申し上げることは困難であると考えております。また、対応に当たった警察官の制服等に塗料用の液体が付着したことで、制服等合計約180点が汚損したところであります。
 いずれにしましても、県警察といたしましては、違法行為を認知した際には、法と証拠に基づき厳正に対処してまいる所存であります。
 以上でございます。
○又吉 清義 済みません、一つ……
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午前11時39分休憩
   午前11時40分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 又吉清義君。
○又吉 清義 再質問に入らせていただきます。
 先ほど、まず、教育長から1の(1)ですね。教育委員会で慎重に検討委員会を立ち上げ、検討をするということですが、立ち上げて何をどのように検討していくのかということから、まずお伺いいたします。
○教育長(諸見里 明) 教育委員会では、教育庁内へ移設検討委員会を設置して検討を行っているところですけれども、その内容は、学校現場との移設に関する意見交換、それから自民党の西普天間基地跡地における国際医療拠点化等推進小委員会への対応もしております。それから、県庁内の関係部局等との連携した取り組み、それから宜野湾市の主催する西普天間住宅地区の跡地利用に関する協議会への参加等々を通してやっております。
 先ほども触れたんですけれども、膨大な予算を伴うことなどから今慎重に対応しているところでございます。
○又吉 清義 教育長おっしゃるとおり、膨大な予算もかかるのは事実かと思います。
 仮に例えば国がこの膨大な予算をすぐ出すと即答したとしましょう。6年以内にこの学校校舎は建築できますか。
○教育長(諸見里 明) 仮での御質問で大変難しい面があるのですけれども、例えば、用地の確保、それから校舎等の建築等々ございまして、例えばこの6年以内にできるかどうかというのは、まだ未知数でございます。
○又吉 清義 ぜひ教育長、膨大な予算もかかる中で跡地利用推進をした場合には、法的には無理でございます。その流れをしっかりつかんで、ぜひ慎重に検討をする中でどのような高校をつくりたいか、そういった慎重な計画をしていただきたいということを私は申し上げたいんですよ。国があした予算出しますよと言っても、これ跡地利用推進法ではつくれませんよ。その辺もですから今多分お考えにならないで慎重に検討しているなという感じがするのですが、この跡地利用推進法についても御存じではないというふうに理解してよろしいですか。
○教育長(諸見里 明) 跡地法の利用等々についてはそれも検討には入っておりますけれども、その後の段階については、まだ各学校とも進捗を見せてない状況にあると思います。
○又吉 清義 確かに膨大な予算もかかる、そして慎重に検討することも大事ですが、1つだけ、検討する姿勢というのは、やはり狭隘な普天間高校を移したいという検討なのか、移せるという検討なのか、予算がないから、できるかできないのか、そのいずれかを検討するかどちらの姿勢なのでしょうか。
○教育長(諸見里 明) 基本的な理念と申しましては、生徒にゆとりと潤いのある良質な教育環境を提供するということは、教育活動の充実を図る上でも本当に私は望ましいことだと考えております。現在地よりもこのゆとりと潤いができるわけですから。ただその中で慎重となるのは、やはり今言った仮定の問題で、用地確保等財政の面がありますし、また気になるのはやはり反対意見もあったりしてその辺を含めて、さらに教育委員会の中でできるような順序だての受任であるとかその辺が慎重に検討しているところではありますけれども、そういう状況です。
○又吉 清義 まだ教育長自信なさそうですが、ぜひお願いがあります。
 まず、跡地利用推進法の法律に照らし合わせてみると、すぐはつくれません。それの手順がありますから。だから私この狭隘な普天間高校、これを移すことによって普天間のまちづくりができる。もう一つ、単なる普天間高校というそのような小さいレベルで考えないでくださいと。これから観光立県1000万人目指します。だから、アジアから学生を受け入れる。こちらからアジアに学生を輩出する。こういったグローバルな人間を育てる国際高校みたいなもっと規模の大きい、アジアに本当に貢献できる高校を目指すとそのような発想でやってもらいたいということです。
 なぜあえてそれを言わせてもらうかといいますと、シンガポール、あんな小さな面積で国際的にすごく進んでいます、貿易で。このような教育が行われております。高校段階で3カ国語をしっかり教えます、指導します。その中で、国の外交であり、いろんな政策であり、これに通用する人間を育てております。世界各地に派遣もしております。そのような単なる普天間高校の移動だけではなくて、こういったグローバル化に対応できる、これから本当にアジアに貢献できるそのような高校にするための移転だということで、そうしたら国も予算つくかと思いますよ。つくかどうかは私はわからないんですが、一歩前進になるかと思いますよ。
 だからそのような大きな展望、願望を持ってこれ五、六年でできる計画ではないです。タイミングよくつくろうと思ってもつくれません。そういった、そのぐらいの大きい視野でもって考えていただきたいと。まちづくりもする、世界に通用するグローバルな人間も育てる、そのような高校にするんだという、検討委員会の考えをぜひ持っていただきたいということをお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○教育長(諸見里 明) 議員の御提言のように、こうした国際的なレベルを持つ学校というのは私は必要だと考えております。例えば、教育委員会としても本県が東アジアの中心に位置するこの地理的条件、それから島嶼性、歴史・文化などの地域的特性を生かして国際的に活躍できる高度な人材育成を図ることは、私は重要であると考えております。
 ただ、議員の提案する新しいタイプであるとかこのグローバルで全く斬新な学校につきましては、御承知のようにいろんな学校教育法であるとか施行規則であるとか、教育課程による制限、それから学習指導要領、新しいタイプの学校というのは、私はいろんな各県の状況を見ましても全く違ったというのはやはり厳しい状況でございまして、この辺は今後研究してまいりたいと思っております。
○又吉 清義 ぜひ頑張っていただければ道も開けるかと思います。待ちの姿勢ではなくてもっと大きい視野でもってやっていただきたいということです。
 次、(2)の重粒子線について。
 今年度末に取りまとめをするということなんですが、取りまとめをして何をするかです。場所を位置を決定するのか、取りまとめてこれどうなるのか、どのような方向性であるかお伺いいたします。
○企画部長(謝花喜一郎) お答えいたします。
 先ほども答弁させていただきましたように、沖縄県、24年、25年、26年度、これまでいろいろ調査を行ってきました。その際に、25年度の調査におきましては移設先を候補地十数カ所から西普天間住宅地区として選定したところでございます。
 今現在、我々が調査・検討を行っておりますのは、集患のあり方を含めた安定的な運営、これが果たして可能なのかどうかですね。全国的にも既に4カ所ありまして、さらに複数箇所、重粒子線治療施設の建設が予定されているというような状況の中で、離島県である本県において果たして集患が、我々400から500というように見込んでおりますけれども、それが可能なのかどうか。それから高額な治療費等についてもさまざまな御意見がございますので、そういったものについて、26年度よりもさらに精緻な数値等を固めて安定的な運営、そして県民に御理解いただけるようなスキームをできるかどうか、そういったものを今年度末までに提示したいというふうに考えているところでございます。
○又吉 清義 部長、平成24年度から約1億4000万でしたか、予算もかけてこれを調査をしてきた。それにしてはちょっと遅いかなと思いますよ。今、市民の間からは、来年の7月までには決定しないよと、悪いうわさも流れておりますよ。参議院選終わるまでは保留にしたいんだと。これから10年、15年後と、我々県民も4人に1人はがんだと言われておりますよ。一日も早くこれをやることがいかに大切であるか、改めてもう一度お伺いします。もっとスピーディーにできませんかということです。
○企画部長(謝花喜一郎) お答えいたします。
 沖縄県はがんの死亡率が全国に比べても高いということをよく承知しておりますし、重粒子線の治療施設の効用についてもこれまでの調査で一定の成果が出ているわけですが、ただやはりさまざまな御意見があるのも事実でございます。
 県としては、やはり総工費が155億とかかる大規模な事業ですので、これは後世に禍根を残さないような形でしっかりとしたスキームをつくることがまず大事であろうというふうに考えております。
 支障除去までに2年ないし3年かかるというふうに言っております。しかもこれ建設、運用、供用開始までは7年から10年ぐらいかかるというように我々見込んでおりますけれども、そういった時間のスパンを考えたときには、しっかりとこの事業スキームを考えていく。これが一番の近道だというふうに考えております。申しわけございません、もう少し時間をいただければと思っております。
○又吉 清義 取りまとめをして位置指名をすることによって、次の段階に進むことができるし、高額な医療費もどうするか、民間立ち会いもできるものですから、皆さんが延びれば延びるほどこれはもう後手後手に回ると。救えるはずの県民の命が救えなくなると、私は大変な壁にぶつかるかと思いますから、ぜひ年度末には取りまとめどうするんだということをやはり24年度から1億円余りもかけてやってきたということをぜひ大切にしてもらいたいと思います。どうぞまた発表が4月以降なんて言わないようにしてください。
 次です。2番目のほうに、2の(1)と(2)まとめて再質問するんですが、どうも(1)では嘉手納以南、SACOのとおりを進めていくというふうにして理解していいのか。そして日米政府に皆さんただ求めるだけでみずから県は何の努力もしないというふうに理解していいのか、どちらでしょうか。
 非常に安易な答弁だと思いますが。
○知事公室長(町田 優) 基地の整理縮小につきましては、これまでもさまざまな機会を捉えて国に対してその実現を求めてきたところでございますし、今後とも軍転協とも連携してあらゆる機会を通じて整理縮小を求めていきたいと考えております。
○又吉 清義 ですから本当に整理縮小をただ求めるだけじゃなくて、やはり皆さん行動起こさないとどうしようもないですよ。私から見たらただ単なる反対運動にしか見えないですよ。
 普天間飛行場が辺野古に動くだけでも3分の1に整理縮小される。県はまだ1平米も整理縮小した実績はないですよ。大きいですよ。そして、嘉手納以南の5000ヘクタールが返される。これをいかに進める姿勢があるかです。改めて皆さんどうするんですか。
○知事公室長(町田 優) 先ほども申し上げたように、これまでに455ヘクタールが返還されておりまして、今後とも国の責務で早期返還に取り組んでいただきたいと思っております。
○又吉 清義 もう一つ、先ほど公室長の(2)の普天間の進捗状況どのように取り組んでいるかというと、早期返還、危険性除去を求めてまいりますということを言ったんですが、これは間違いないですね。
○知事公室長(町田 優) そのとおりでございまして、普天間飛行場の早期返還及び危険性除去を強く求めてまいりたいと考えております。
○又吉 清義 であるから、普天間飛行場の原点というのは、早期返還、危険性の除去なんですよ。接収だからじゃないですよ、変えないと皆さん。接収だから普天間飛行場返そう返そうとしているんですが、今明確に、早期返還、危険性の除去ですよ、危険性の除去。これを改めて変えないと。
 次ですね、時間が全くありませんので、キャンプ・シュワブゲート前国道側緑地帯についてなんですが、この緑地帯に設置させる物件等全て違反と思うがどうかということなんですが、この中で少しだけこの地域の現状を皆様方に読み上げてみたいと思います。
 まず、平成27年2月27日、辺野古区長、キャンプ・シュワブゲート前構築物の撤去、違法駐車の取り締まりについての陳情を名護市議会に出してあります。新基地に反対する団体の異常とも思える反対運動に区民の生活が脅かされ、区民から多数の苦情が寄せられていますと。ゲート前の違法構築物等の撤去と違法駐車の取り締まりを徹底させ、区民が平常な生活に戻れるように特段の御配慮をお願い申し上げたい。
 そしてまた、次は、この区民一人一人からです。母は、心臓病の持病があり、月一の定期検診と薬の処方に名護の病院に予約して行かなければならない。キャンプ・シュワブゲート前に来たら30分以上も車はストップさせられ、その日は定期検診もできず、薬の処方もできない。命にかかわる大問題です。
 名護から辺野古に帰る出来事で深夜2時ごろゲート前で車をとめられ、ゲート前は通行できませんので迂回してくださいと、潟原回りしてくださいと言われた。道路に反対の人たちが座ったり、寝転がりしていて道路が通れない。
 娘の仕事は、名護市内で帰りが午後11時ごろになる。ゲート前で午後11時半ごろ、数名の男の人たちに人間鎖として車をとめられ、とっても怖かったと。
 こういう現状が起きていることを御存じでしょうか、まず。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午前11時56分休憩
   午前11時56分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(町田 優) 辺野古のほうでは憂慮される事態といいますか、懸念される事態がさまざま生じていると理解しております。
 国道の管理につきましては、国のほうでやっておりますし、それから交通渋滞などの対処については、県警本部のほうでしっかりやっていると思います。いずれにしましても県民の安心・安全を最優先に対応することが重要であると考えております。
○又吉 清義 町田公室長、ちなみに何回見に行きましたか。3月から6月まで1回も行っていないと言っておりましたが。
○知事公室長(町田 優) 記憶は定かではないのですが、少なくとも1度はそこを通って視察しております。
○又吉 清義 知事公室長。県警の皆さんも聞いてくださいよ。こういうのが今、どういうふうに起きているかですね。(資料を掲示) このように違法駐車がある。民間の方々は相手車線に入ってからしか車が通れない。ですから、ここに違法駐車している反対運動の皆さん方のために、民間の方が車をぶつけてしまった、ぶつけてしまった。
 見てください。反対運動している方の駐車ですよ。(資料を掲示) こういう事故が頻繁に起こりつつあるんですよ。そればかりじゃないですよ。このように、前回も言いましたが、やがて枕を持ってくる。(資料を掲示) 寒いから、今度はペンキを塗ったかっぱをつけて寝間着にしてしまう、大変ですよもう。だから、心臓病を持っている名護市民の方、辺野古区民の皆さん病院にも行けない。死んだら大変なことになりますよ。皆さん、こんないいかげんなことして。辺野古区民、豊原区民、あの地区の方々を全く、皆さん無視していますよ。
 それについて、県警にまずお伺いします。
 これまで、事件・事故は何件あったかということをまずお伺いいたします。
○警察本部長(加藤達也) 交通事故の発生状況と駐車違反の検挙状況ということでお答えをさせていただきたいと思います。
 座り込み抗議行動が始まったとされる、平成26年7月から本年9月末までにキャンプ・シュワブ付近において発生した交通事故につきましては、人身事故5件、物件事故19件を認知しております。
 次に、同期間中における駐車違反の検挙状況につきましては、10件検挙しております。
 以上でございます。
○又吉 清義 知事にお伺いいたします。
 名護はこのぐらい困っているんですよ、皆さん。だから、異常団体と言われても事実なんですよ。でも残念なことに、これ誰も発信してくれない。誰も辺野古区民を救ってくれない。あそこで、反対運動をしている方、全く目的が違う方々ですよ。これについて心痛くないですか。イイバーヤサと言いたいんですか、どうですか皆さん。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 静粛に願います。静粛に。
 知事公室長。
○知事公室長(町田 優) 先ほども申し上げたように、現場においてさまざまなことが起こっているということは、私どもも承知しております。したがいまして、早く辺野古の新基地建設を中止することが大事だと考えております。(発言する者多し)
○又吉 清義 公室長、全然違うよ。(発言する者多し)
○議長(喜納昌春) 静粛に願います。静粛に。
○又吉 清義 自己決定権とかいっているんですが……(発言する者多し)
○議長(喜納昌春) 静粛に。
○又吉 清義 よろしいですか。(発言する者あり)
 名護辺野古、久志、豊原地区は、基地の受け入れは条件移設なのか、無条件移設なのかどちらですか。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後0時1分休憩
   午後0時2分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 安慶田副知事。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 いずれにいたしましても、交通事故やあるいは駐車違反、これはあってはならないことでありますから、速やかにやはりそれは警察並びにまた関係行政機関で取り締まって、地域住民の安全を守ることは最優先にしていかなければならないと考えております。
 以上でございます。
○又吉 清義 これをしっかりさせないとあるべき姿で、こちらは法治国家ですよ。名護市はこれからしたら法治国家ではないですよ。無法地帯ですよ。
 ですから、先ほどの件言いますよ。早目に基地がなくなればと考えている。基地問題解決しないとという考えがあるならば名護の辺野古移設受け入れというのは、無条件ですか条件つきですかということをまずあえてお尋ねいたします。
 受け入れは条件つきね、無条件ねと聞いているわけ。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後0時3分休憩
   午後0時3分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(町田 優) 私どもは、普天間飛行場の早期返還とそれから危険性の除去を求めております。しかしながら、県内移設ではなく県外に移設すべきだというのが県の考えでございます。
○議長(喜納昌春) 又吉清義君。(発言する者多し)
 静粛に願います。
○又吉 清義 これは基地のない被害に苦しまない方はこういう意見でよろしいと思います。名護のほうですね、辺野古、宜野湾も9万7000市民非常に苦しんでおります。(資料を掲示) 名護の辺野古も写りがよくないと思いますが、移設をすることに条件つきで、自分の民間上空を飛ぶ、高専のそばからのヘリパッドがほとんど移動するんですよ。いかに安全になるかということは知っていますか、辺野古区民は。それ知っていますか。(発言する者あり)
○知事公室長(町田 優) 議員の御提示の資料、よくこちらからは、見えにくいものですから、これを知っているかと言われましても、ちょっと確認できません。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 静粛に。
 又吉清義君。
○又吉 清義 名護辺野古区に海上埋め立ての基地をつくることで、まず宜野湾市民の命、その周辺も救われます。(「名護市民は」と呼ぶ者あり) 名護市民は今伏せて、名護市民の辺野古・久志・豊原の皆さんですね。まず、この部分の住民の皆さんの全部命が救われます。(資料を掲示) 受け入れ先の辺野古地区というのは、こういうふうにこのヘリパッド、ここに移動してもらう。安全性を確保するために受け入れようということで、早期移設をお願いしているんですよ。(発言する者あり) 違いますよ。名護市名護にヘリパッドなんかいきませんよ。それは十分わかると思う、これ全く知らないんですか。(発言する者あり)
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 議員がおっしゃることも一理あろうかと思いますが、翁長知事はその辺野古移設を反対ということで、民意を問うて知事に当選してきたことでありますから、当然のことながら翁長県政を進めていくためには、それが辺野古基地をつくらせないという県政の柱にしているということであります。
 以上でございます。
○議長(喜納昌春) 又吉清義君。(発言する者あり)
 発言中は、静粛に願います。
○又吉 清義 3地区は受け入れをしていいと、意思表明しているわけですよ。これは、立派な自己決定権じゃないですか。
 それを、受け入れている地域外の人がなぜ受け入れさせないと、強制的にこれを排除しようとするのですか。これこそ自己決定権の大きな過ちと思いますよ。
 じゃちなみに、辺野古区、あの地区は……
○議長(喜納昌春) 時間ですよ。
○又吉 清義 基地の反対運動の横断幕、立て看1枚もないですよ。御存じですか。
○議長(喜納昌春) 時間です。
 又吉清義君。(発言する者あり。)
 今のは質問……。
○又吉 清義 はい、質問、はい。
○知事公室長(町田 優) 昨年行われました、名護市長選挙あるいは名護市議会議員選挙、それから衆議院選挙、それから知事選挙、その中で名護市の辺野古移設に反対する民意は示されたと理解しております。
○又吉 清義 かみ合いませんけれども、ありがとうございました。
 また、後で質問します。
 失礼します。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後0時7分休憩
   午後1時22分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 午前に引き続き質問及び質疑を行います。
 新垣哲司君。
   〔新垣哲司君登壇〕
○新垣 哲司 皆さん、こんにちは。
 予定より順調に時間が進みまして、実はきょう、国連で演説した我那覇真子さんを初め多くの方が傍聴に来る予定ですが、2時から招集かけたもんですから、まだお見えになっていないようでございます。早速ではございますが、質問をさせていただきたいと思います。
 もうそろそろ基地問題は収拾しましょうよ、皆さん。与党も野党もなくて、これが沖縄の現実です。
 それでは、一般質問をいたします。
 まず、知事の政治姿勢と普天間飛行場移設問題についてであります。
 (1)、知事の政治姿勢について。
 ア、知事は前知事のなした埋立承認取り消しを表明したが、第三者委員会報告からようやく取り消しを決断した。取り消しを公約に掲げたことなどについて、瑕疵があると言うんですがどういう瑕疵がありますか、お尋ねします。
 イ、前県政時に埋立承認にかかわった現在在職する県職員の処分の問題が生じることとなるが、知事はどのように対処していきたいか伺います。
 ウ、9月22日の人権理事会では辺野古移設賛成派も発言し、沖縄で人権侵害はないと、知事は尖閣列島を狙う中国の脅威を無視していると反論、沖縄の基地問題で論争が交わされたということであります。異例の事態となったというんですが、それについてどのように認識しているか。
 エ、移設賛成派で沖縄県名護市に住む我那覇真子さんは、翁長知事の人権侵害発言は真意ではないと、こういうようなことを信じてはいかぬよということで、その場で呼びかけをしたようですが、これについても伺います。
 オ、沖縄生まれの我那覇さんは、沖縄が日本の他の地域と同様に人権が守られていると明言。沖縄が先住民土地だと主張することで沖縄を独立に導こうとする人たち、それを指示する中国こそ地域の平和と安定を脅かし、人権への脅威だと報告したことについても伺います。
 カ、急速に軍備を拡張している中国については、以前ほどの脅威ではないとの認識を明らかにしたようですが伺います。
 キ、国連人権理事会は沖縄の人々を先住民として認めている。沖縄の人々を先住民族としている独立を訴える団体と行動をともにし、シンポジウムに臨むなど、知事はこれら団体と誤った発信を世界にしたのではないかということであります。
 そこで伺います。
 ク、知事は、国連演説前にかつての琉球が小さな国で武力もなく平和だったことが原因なのか、あるいは人類の英知の限界かと発言した。それは、あなたは今の沖縄県を本当にわかっての話か、沖縄県を愚弄しているのではないか、明確にお答えを願います。
 (2)、基地問題について。
 ア、県と政府による集中協議が決裂し、協議期間は停止したが、新基地建設作業を再開したばかり。来週から本体工事に向け海底ボーリング試掘調査を再開し、10月にも本体工事に政府は着工するとしている。知事は本当にこの工事をとめることができるのか。できるのであればどういう手法でとめるのか伺います。
 イ、そのとき法的根拠が失われたまま、事業が行われる異例の事態になると同時に法廷闘争になる。知事は、国を相手に闘う気かどうか本気か、本音を伺いたいと思います。
 後は再質問でさせていただきます。
○知事(翁長雄志) 新垣哲司議員の御質問にお答えをいたします。
 知事の政治姿勢と普天間飛行場移設についてに関する御質問の中の、国連人権理事会における情報発信についてお答えをいたします。
 今回、国連人権理事会では、国際的な人権保護や自治権拡大の視点も踏まえつつ、米軍基地から派生する人権や自己決定権の問題について、沖縄県の立場等を訴えてまいりました。シンポジウムに出席したことにより、各国の代表や世界のNGO等、多くの方々へ、今沖縄が置かれている状況を伝えることができたことは、大変有意義だったと考えております。
 次に、国を相手に工事をストップさせることについてお答えをいたします。1の(2)アと1の(2)イは関連しますので、一括してお答えをします。
 普天間飛行場代替施設に係る公有水面埋立承認に関しては、現在承認取り消しに向けた手続を行っているところであります。辺野古新基地建設に関する権限としては、公有水面埋立法や沖縄県漁業調整規則に基づく手続等、さまざまなものがあり、今後これらの法令等に基づき、あらゆる手法を検討していくこととしております。
 私は、多くの県民の負託を受けた知事として、今後も県の有するあらゆる手法を用いて、辺野古に新基地はつくらせないとの公約の実現に向け、取り組んでまいります。
 後の質問につきましては、副知事、部局長から答弁をさせていただきます。
○知事公室長(町田 優) 知事の政治姿勢と普天間飛行場移設についての御質問の中で、承認取り消しの瑕疵についてお答えします。
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認に関しては、法律的な瑕疵の有無を検証する第三者委員会から「埋立承認手続には法律的な瑕疵が認められる」との報告がありました。その報告も踏まえ、現在承認の取り消しに向けた手続を行っているところであります。
 次に、同じく承認に関係した職員の処分についてお答えします。
 県としては、普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認を担当した職員は、審査基準に対する考え方のもとで適切に審査を行ったものと理解しております。
 次に、国連人権理事会における我那覇真子氏の演説についての御質問について、1の(1)のウと1の(1)のエ及び1の(1)オは関連しますので、恐縮ですけれども一括してお答えさせていただきます。
 御指摘の演説は、個人としての発言であり、県としてのコメントは差し控えさせていただきます。いずれにしましても、沖縄の基地問題が現状のまま放置されることはあってはならず、日米両政府は全力を挙げて沖縄の基地負担軽減に努めるべきであります。
 次に、中国の脅威に対する認識についての御質問にお答えします。
 沖縄周辺での自衛隊の緊急発進や海上保安庁の領海侵入への対応が増加する等、中国が活動を活発化させていることは承知しております。
 いずれにしましても、県としては、日米安全保障体制の必要性は理解しておりますが、日本の安全保障が大事であるならば、日本国民全体で考えるべきであります。
 次に、知事の国連演説での発言についての御質問にお答えします。
 知事の発言を確認したところ、「沖縄県民が小さな国で、武力もなく平和な国であったこと自体が、沖縄の基地問題の原因なのか」と問いかけ、次に、日本政府やアメリカ政府の責任を挙げ、最後に「人類の英知というものの限界が、そういったところにあるのか」と問うております。4つの項目を挙げ、真犯人という言葉で責任の所在について議論を呼びかけております。世界の人々に、沖縄の現状というものに関心を持っていただき、基地問題が解決しない真の原因は何かを考えてもらいたいという趣旨での発言であると承知しております。
 以上でございます。
○新垣 哲司 まず今答弁を聞いて、第三者委員会、埋立承認の手続に瑕疵があるとこういうふうに、これを精査して、県はこれを取り消しをやるということなんですが、知事、この取り消しについて、取り消しについて、この瑕疵の部分、瑕疵の部分、瑕疵、皆さんが御報告受けておりますよね。幾つありますか。これちょっと報告してください。
○知事公室長(町田 優) 今回、公有水面埋立法第4条第1項第1号に言う国土利用上適正かつ合理的であること、及び同項第2号に言う環境保全に十分配慮していることの2つの要件を満たしていなかった結果、承認には瑕疵があったと考えております。
○新垣 哲司 じゃ、この2つのことに瑕疵があったということですが、この2つについて、皆さんは二、三日後の9日からでもこれを埋立承認を取り消しをしたいということですが、この2つの件について、どういう瑕疵があるのか詳しくちょっと述べてください。環境保全とそれから埋立法に対する。
○知事公室長(町田 優) お答えします。
 まず、法第4条第1項第1号については、国土利用上適正かつ合理的なることの要件が充足していないということで瑕疵があると申し上げております。具体的には、埋立必要理由書において、普天間飛行場代替施設は沖縄県内に建設されなければならないこと、及び県内では辺野古に建設せねばならないこと等が述べられているが、その理由については実質的な根拠が乏しく埋め立ての必要性を認めることができないということ等の理由でございます。
 2つ目の法第4条第1項第2号についてのことですけれども、これにつきましては、環境保全措置は問題の現況及び影響を的確に把握したとは言いがたく、これに対する措置が適正に講じられているとも言いがたい、さらにその程度が十分とも認めがたいものであり、その埋め立てが環境保全及び災害防止につき十分配慮せられたものとなることの要件を満たしていないということで瑕疵があるとしております。
○新垣 哲司 公室長、今の件でこの取り消しをするには、皆さんは十分だと思っているんですか。
○知事公室長(町田 優) 今の時点ではまだ取り消しということを決定しているわけではございませんけれども、その手続を進める中で私どもはその方向で判断することになろうかと思います。
○新垣 哲司 確認ですが、その方向で取り消しをやるわけですよね。
○知事公室長(町田 優) まだ確定しているわけではございませんけれども、その方向で取り消しを検討しているところでございます。
○新垣 哲司 議長、休憩願います。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後1時37分休憩
   午後1時37分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(町田 優) まだ取り消しを正式に決定しているわけではございません。ただし、聴聞手続などをやっておりますので、その手続にのっとって今後取り消しの判断をしていくということになります。
○新垣 哲司 次、進みます。これはまた後で基地問題で聞くことにします。
 次に、県職員の処分についてですが、私は毛頭、県の職員を処分したいと、しようという、全くないです。ただ、この作業を進めるにおいて、承認取り消しをやるわけですが、仕事は皆さんがやったんでしょう。特に当時の副参事である公室長、一番あなたがよくわかるんじゃないの。一番かかわったんじゃないの。あの当時はなかったんじゃない、瑕疵というのは。わかったらあの時点でやるのが、あなた筋でしょう。なぜあのときはなかった、今はある。どういうことですか、これ。はっきりしてください。
○知事公室長(町田 優) この1月に第三者委員会が設置されまして、その報告書が出ております。その中で、埋立承認手続には法律的な瑕疵が認められると報告がありましたので、私どももその報告も踏まえ、承認の取り消し手続を進めているところでございます。
○新垣 哲司 私はこれを聞いているんじゃないですよ。職員の身分はどうなるかということを聞いているんですよ、あなた初め。冒頭にも申し上げたように、職員はそれなりの仕事やっているんですよ、それは私は問題にしませんが、実際あの当時はそれで進めようというのはあなたじゃなかったの。当時は、どうですか、仲井眞さんと一緒になって。
○知事公室長(町田 優) 先ほども答弁しましたけれども、当時担当していた職員は、審査基準に対する考え方のもとで適切に審査を行ったものと私どもとしては理解しております。
○新垣 哲司 今は瑕疵、当時は審査委員会のもとで順調に行ったと。これ、通りますか。通りますか、これ。なぜあの当時あなた方ストップしなかったの、わかるのであれば。今翁長知事が、もう基地は要らない。新しい基地は要らないといういうことで方向を転換、政策を転換したものだから、こういうふうに変わったんじゃないの、職員も。どうですか。
○知事公室長(町田 優) 法的な瑕疵があるというのは、この埋め立ての承認が公有水面埋立法の定める要件を満たしていないということでございまして、そのことと担当職員の法令違反の有無というのは、また別個の問題であると考えております。
○新垣 哲司 仲井眞さんの右腕として仕事をしてきたのは、あなたじゃないの。どうね、違うの、あの当時。
○知事公室長(町田 優) 右腕かどうかはわかりませんけれども、担当課長として仕事をしておりました。
○新垣 哲司 あの当時はそうだったんでしょう。埋立承認する意味での仕事をやってきたんでしょう、あの当時は。
○知事公室長(町田 優) 残念ながら、承認のころは私はその部署にはおりませんでした。
○新垣 哲司 でもかかわったのは事実でしょう。
○知事公室長(町田 優) 私は既に土木建築部、その後外郭団体に行っておりまして、承認については直接事務には携わっておりません。
○新垣 哲司 余りずらすなよ。公室にいたこともあるんでしょう、仲井眞さん時代に。知事公室にいたこともあるんでしょう。これだけでいいですよ。
○知事公室長(町田 優) 知事公室の返還問題対策課長を務めておりました。
○新垣 哲司 わかりやすく答弁してくださいよ。根掘り葉掘り聞く必要はないですよ。
 次進みます。
 次、人権委員会についてであります。我那覇さんが国連で演説したこの人権侵害について、知事があれだけ世界にアピールするんだということでやったんですが、また沖縄は先住民じゃないという、我那覇さんを初めあと2人いるんですが、発表したのが。これ、さきの答弁では、やっぱり他人が言ったことは私は干渉する必要はないというような話ですが、非常に知事の発言、つまりこの発言というのは、沖縄を独立論の話聞こえないんだと。こういうことで、そうじゃないということを我那覇さんなんかは訴えたわけなんですよ。だから、このときの知事発言、非常に不愉快だと。そしてまたこれは、独立論を申し上げる人は賛成、それからまたそうじゃないんだと、日本人だという。沖縄は日本の一角だと、文化それから教育、福祉、医療ずっとこれまで豊かに来たんだと、こういうふうに訴えた賛成派もいるわけですよね。これどういうふうにその辺は結びつけるかどうか。
○知事公室長(町田 優) 知事の国連でのスピーチは、沖縄の基地問題を主眼にスピーチをしております。例えば、日本国土の0.6%の面積しかない沖縄に、73.8%の米軍施設面積がある、そして美しい海を埋め立てて辺野古新基地建設作業を強行しようとしていますが、私はあらゆる手段を使って新基地建設をとめる覚悟ですと。こういうふうに沖縄の基地の現状、過重な基地負担の現状を知事は国連でアピールしたものでございます。
○新垣 哲司 私そもそも、この国連で基地問題を対象にして、引っかけて物事を、そして沖縄の独立論を言う自体が、これは日本国民初め沖縄の皆さんも大変不快感を持っているんですよ。その辺をこれからもやっぱり追及しなければならないなとこういうふうに思っております。
 ちょっと時間の都合で進めたいと思います。
 それから、中国の脅威、軍備増強。中国には、先ほどいろんな形で、今南西・南沙諸島に基地建設をしています。今ASEANでもどの国においても、大変中国の軍備というのは脅威だとこういうふうに思っておりますが、知事はその辺どういうふうに思っておりますか。
○知事公室長(町田 優) 中国がこの南シナ海あるいは東シナ海において活動を活発化させているということについては、私どもも承知しております。
○新垣 哲司 活動していると。どういう活動ですか、今言っている意味は。
○知事公室長(町田 優) 先ほども申し上げましたけれども、例えば自衛隊の緊急発進でありますとか、あるいは海上保安庁の領海侵入への対応等、そういうのが増加しているということについて承知しております。
○新垣 哲司 今中国は軍備、海洋進出などを含めて、世界から脅威と言われているんですよ。これ特に尖閣問題についてもそうですよ。200隻当たりもぼーんと尖閣諸島に来て、沖縄の八重山や宮古の漁民なんかも大変なことになっているんですよ。それは一国としてあるいは所在地が沖縄県ですから、尖閣列島は。その辺の認識というのはどうですか。これは知事がお答えになる、認識。
○知事(翁長雄志) 中国の現状というようなものをこれは今新垣哲司議員がおっしゃるのと、また日本国民全体で考えるのも大まか、一緒かなと思うんですが、違うのは何で沖縄がその日本の安全保障を中国との関係でみんな背負わなきゃいけないのかという話なんですよ。日本全体で安全保障を考えるという気概がないと、相手国からも私は見透かされているんじゃないかなという感じがするんですね。ですから、過剰にこの中国のことを危ない、危ないと言いながら、沖縄にはもっと基地を置けというようなこういう論調では、沖縄はこれから50年も100年もこれはもう大変なことになるなという感じがするんです。
 それと、中国と私たちとの関係は午前中にも話しましたけれども、今本土のほうでも中国の観光客はいらっしゃい、いらっしゃいと言って、みんなどの観光地でも喜んで迎えているわけですよ。こういったものと私たちは中国と毅然とした態度をとれというのは、これは日本国民全体としての問題から言っても、ちょっと哲司議員、おかしいんじゃないかなと私は思うんですね。ですから、そういったことと、全体的な、日本全体の視野で考えて、尖閣の問題も日本国民全体で考えるべきでしょう。沖縄だけで考えるものじゃないですよね。よく前にも話しましたが、私よくこういう立場があるものだから、本土の方からもよく言われるんです。あなた日米安保体制反対なのと言って、いや賛成ですよと。何で賛成なのに基地反対するのと言うんですね。では、あなた方は日米安保体制反対なのと言ったら、いや私たちもみんな賛成ですよと。何で米軍基地は受けないのと言ったら、シランフニーするんですよ。この辺のところが大きな認識の差ではないかなという感じがするものだから、哲司議員が沖縄県民や沖縄に対して、なぜ日本の国土を守るためにもっと前に出ないかというようなものは、もう少しお考えになって、140万県民の気持ちというものも考えてこういう発想をしてもらいたいなというふうに思います。
○新垣 哲司 知事がおっしゃることもよくわかりますよ。日中正常化するときは、私も中国は立派な国だなと。残された子供たちを自分の子みたいに育て、あのときはすごい立派な国だなと思いましたよ。しかし、今の軍備状況を見た場合、現状ですよ。本当に中国は他国から見てもいい国だと思われますか。
○知事(翁長雄志) 私から中国をいい国かとか悪い国かという発言は、これは差し控えたいと思います。
 ただ、軍備というものは、これ本で読んだのでその軍事専門家の話であるんですが、この日本近海に米軍の原子力潜水艦も五、六隻、常時といいますか見回りをしているらしいんですが、ミサイルが20発ぐらい入っていて、1発の原発の力が広島、長崎の5000倍というんですよ。そうすると、中国も恐らくは、そこまではいってないと思うんですが、数百倍の物を持っているんじゃないかということからしますと、こういった危険性、軍備の発達、こういったようなものは日本も中国もアメリカもどんどんどんどん進んでいって、後は何かが起きたときには、基地があるところにみんな落ちてくるんじゃないかという恐怖心があるもんだから、みんなで分かち合う分には同じ日本国民として何ら差し支えないけれども、1カ所に過重にやると、70年前のこともあったもんですから、心配するのは当たり前じゃないかなとこういうふうに思うんですね。
○新垣 哲司 今ちまたでは、アメリカの安全保障は認めながら知事は、中国と非常に親しいと、こういうふうに言われているんですよね。中国からも招待される、近々案内されるようなことがあるんですか。
○知事(翁長雄志) 私はもう三、四年前から、うちの娘は、1人は県内でずっと勤めていますし、末っ子の女の子は今埼玉のほうの大学に行っているんですよ。一度も中国行ったことないんですよね。ところが長女は中国の上海の外交官と一緒になっていると言われているんですよ。そして、娘は中国に留学していると言われて末娘はね。こんなものがどうもネットであるようで、だからそういうことを信じる方も大変多いようでありまして、本会議場でうそつくわけにいきませんから、こんなことでもないよと言いたいので、何で哲司議員が僕と中国が仲よしだと思うのかなというのも大変疑問ですね。福州市と姉妹都市を結んだのは、私のずっとずっと前の市長さんが結んだのであって、私が那覇市長になったら当然のことながら4年に1回の交流はせんといかぬでしょう、これは礼儀としても。それを親しいと言われれば親しいかもしれませんが。私も名誉市民もらいましたよ。前市長ももらいましたし、元の知事ももらいました。向こうの市長さんにもみんな上げているんですよ。これ礼儀なんですね。何も私は喜び勇んでどうこうというよりも、これは礼儀でそれぞれもらっているものだから、それで大変親しいと言われても、これじゃもう市長とかそういう人になると、個人的な思いでこういったものも断ったりするのかなという感じにもなりますが、この辺どうでしょうか、教えていただければありがたいと思います。
○新垣 哲司 知事、よかったですよ、本当に。こういうことが私も誤解、だから聞いたんですよ。非常に親しいと、娘が向こうに嫁いでいると、それも軍部とだと。こういうことで、こうしてみんなの前で明らかにすることは非常にいいことです。これはこの間違いです、みんな言っているのは。よくわかりました。
 議長、休憩願います。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後1時37分休憩
   午後1時37分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 新垣哲司君。
○新垣 哲司 知事、演説する前に、琉球が小さな国で武力もなくというようなお話をやっていますよね。これ非常に誤解を与えますね。これちょっと言ってください。
 私の質問通告にありますから、クです、ク。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後1時38分休憩
   午後1時39分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 翁長知事。
○知事(翁長雄志) この答弁といいますか、話をしたのは、イギリスのジャーナリストから、あなたは日本政府に抗議がしたいんですか、アメリカ政府に抗議したいんですかという話をされましたので、私からするとはたと、ワシントンDCにも行きますし、基本的には日本政府に私は物を申したいわけでありますが、ただ過去の経緯から言うと、アメリカ政府がこれは日本の国内問題だから、帰って外務大臣、防衛大臣に言いなさいと言われるんですよ。帰ってそれを言いますと、外務大臣、防衛大臣は、今日まで、いやアメリカが嫌だと言っているんだよというふうにたらい回しにされるもんだから、誰に抗議していいかわからないんですね。本当の実力者は誰なんだろうかというのもわかりませんし、誰が沖縄県に責任を持っているかというのもわかりにくいので、ただそういう話だけで集約すると、とてもこれは全部に答えることにならないなということで、1879年に日本に併合されたということもやっぱり小さな国、武力もない、空手で補っていましたけれども、平和な国で小さな国だったから自分たちの運命が翻弄されたのか、あるいはまた1952年もそういった意味で沖縄県にとってはなかなか力がないものだから、日本の独立と引きかえにさせられたのかという、沖縄の置かれているものが一体どれぐらいのものなんだということをまず前段では言ったんですね。そうすると、そういうことが世界中にも結構ありますから、それを防ぐことができないということもありますので、人類の英知の限界かというのはもうどうにもならない。こういうものがあった場合には、世界中が力のある者が弱い者を制するというこういったようなことで今後も推移していくのか、この辺を世界中の皆さんで考えていただいて、そして沖縄の問題にも目を向けていただければありがたいなというような意味でこの言葉は使わせてもらったわけです。
○新垣 哲司 昔はよかった、今は悪いというように誤解を与えるような感じがしたものだから、質問出したんですよ。ぜひこの辺は、やっぱり沖縄県民というのは基地問題を含めていろんなあれがありますから、気をつけていただきたいなと思います。
 それから、人権問題、この報道では、この国連理事で発言したことなんですが、どこの枠を譲ってもらっていただきましたか。どういう経路でしたか、譲ってもらった。
○知事公室長(町田 優) この国連の人権理事会は、各国の代表あるいはNGOが発言する機会を与えられております。したがいまして、発言するためには、そのNGOの枠をお借りして発言しなければならないため、市民外交センターというNGOの枠を借りて知事が発言したものでございます。
○新垣 哲司 知事は、沖縄県としての発言か、そしてまたは個人の発言だったんですか、国連での。
○知事公室長(町田 優) 発言は、沖縄県知事翁長雄志として発言してございます。
○新垣 哲司 しかし、この記者会見では、公費で行っているんですよね、知事。そういいながら、NGOとしての記者会見をやっているんですよね、記者会見は。これどうなんですか。
○知事(翁長雄志) 国連で2分間の演説をした後、多くの国内、国外のマスコミ等といわゆる記者会見をやりました。そのときに枠をある意味で提供してくれました方々がそばに座ってはおりました。私がしゃべっている間は、彼らは何もしゃべっておりませんので、その意味では、私が全部引き受けて話をしたと思っております。ただ、それ以外の場所でどういう形でどうだったかということについては、私は承知しておりませんけれども、そこでは私が応対をいたしました。
○新垣 哲司 市民外交センターというNGO、これは糸数さんも一緒の系統だと思うんですよ。これ過去の30年前にも、沖縄の琉球独立論を言ったNGOらしいんですよ、聞いたところによると。そうなんだとすれば、今非常に独立論、あるいはまた先住民扱い、沖縄県がされているものですから、この際ですから、県議会も先住民を支持する方としない方と、知事、この解散したらどうですか、県議会も、どうですか。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後1時53分休憩
   午後1時53分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 翁長知事。
○知事(翁長雄志) 午前中は、先住民について私はどう考えるかという話だったんですが、哲司議員はもう独立論まで来て、私が何か独立論を先頭切ってやっているような、そういう誤解を感じさせるような話で、大変それでは私がちょっと舌足らずだったのかなというふうに思っております。
 そういうことで、先住民という言葉も世界中に先住民とかというのはおられると思うんですが、何か先住民はとても、いわゆる認識としては下のほうにランクするかのような、言い方はまたいかぬと思うんですよね。その地域地域で一生懸命頑張って自分の文化をつくって、ただひたすら弱いものですから、後から来た人がやったというのがほかのところのそういうところだと思います。
 沖縄の場合には、いわゆるいろんな歴史があって、向こうで話をしたのも1879年のことや1952年、もうそれ以上の話はしませんでした。そういったような中で、世界中の方が、あるいはまた国内の方もそうですけれども、感じる部分があれば、私がうそを言っているなら別だけれども、客観的に年月とか、それが行われたというようなことぐらいを考えていただいて、どういうふうに思うかというのは、みんなで考えることで、沖縄県でも先住民というようなものについて議論が大きくやられたという形式が今日までありませんので、私も今日まで先住民という言葉を使って政治を語ったことはございません。
○新垣 哲司 ということは、先住民あるいは独立論とか私にはないと、私はさっき申し上げたように、そういうことであればこういう質問を言うわけですから、知事には。その際ですから、この県議会を解散やってしたらどうかということを申し上げたところですが、その辺はどうですか。(発言する者あり)
 信を問うという意味です。
○知事(翁長雄志) 県民の民意はもう、昨年の4つの選挙でみんな示されているんですよね。ですから、先住民というような形で、今議論が出てないという話をしているのに、これを解散して県民に問うなどというのは、これはやはりちょっと先回りし過ぎかなと。あるいはまたないことも言っているのかなという感じを言ってる感じがしますので、ぜひそれがとても重要なことでありましたら、県連挙げて先住民ではないというようなことを論争に持っていくような努力をされたらどうでしょうかね。
○新垣 哲司 これは私が知事にお願いしたいことなんですよ。
 時間の都合もあるから進めたいと思います。
 それから基地問題について、いよいよもう、基地問題も再開したばかりで、ボーリング調査も試掘調査に入ります。入った場合、これは再開をして10月にまた本体工事に入る、政府では着工する予定になっているんですよ。これはこの基地を進める意味で、政府はどんどん仕事をしていくと思うんですが、知事、このボーリング調査を再開するに当たって、これを知事はとめることができるんですか。
○知事公室長(町田 優) 県としては、辺野古新基地はつくらせないというのを県政運営の柱にしておりますので、あらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地はつくらせないよう取り組んできたいと思っております。
○新垣 哲司 辺野古の取り消しをするに至って、これから手続が必要ですよね。知事が埋立承認を取り消しした場合、国が行政体の立場、国交省が是正の指示、国地方係争処理委員会によって審議が行われれば、国に主張を認めた場合、勧告を認める場合は、県は敗訴しなければならないんですよ。その辺はどういうふうに思いますか。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後2時4分休憩
   午後2時4分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 知事公室長。
○知事公室長(町田 優) 現在、聴聞手続をしているところでございます。この聴聞の期日が今月の7日になっておりまして、その期日後に知事は判断をすることになります。その知事の判断した後に、国がどういうふうに出てくるか、これについては、私どもとしてもまだ承知しておりませんので、この国の対応に応じて私どもも法律的な手続をとっていくことになろうかと思います。
○新垣 哲司 国交省が勧告をして県が従わない場合は、国が訴訟を起こします。国の主張が認められる判決が出た場合には、国交省が代執行するんですよ、取り消しの。こういう順序で進むんじゃないですか。皆さん想定しているんじゃないですか、いかがですか。
○知事公室長(町田 優) 議員御指摘の今の手続につきましては、地方自治法に基づく是正勧告代執行手続だと思います。その手法も国の出方の一つの手段として我々もいろいろ想定しているところでございます。
○新垣 哲司 行政の専門家、弁護士などから、あらゆる方々からいろんなお話聞いてみますと、県は敗訴すると。こういうような手続になっているんですよ。皆さん、もしこれから訴訟して裁判になるとどのぐらいの期間見ていますか。
○知事公室長(町田 優) 訴訟の期間につきましては、これはお互いの証拠を出したりする手続、あるいは証人喚問の手続、あるいは裁判所がどのような訴訟指揮をとるのか、そういうもろもろの点について影響しますので、どれぐらいの期間かかるか予断を持って想定することは難しいと思います。
○新垣 哲司 最初はこっちから訴訟して、裁判になって、勝つか負けるかわかりませんが、いずれにしてもこれ今の情報を聞いた場合には、県は敗訴するというのが大方なんですよ、専門家の言い分は。敗訴した場合にどうしますか。
○知事公室長(町田 優) 私どもとしては、勝訴するように全力で取り組んでいきたいと思います。
○新垣 哲司 そうするようにやっているつもりだと思いますが、やっぱり法律にはかないませんですよ。国にはかないませんですよ。国はそれなりの、日本にかかわる根幹のことをやっているわけですから。敗訴した場合には、誰が責任とりますか。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後2時8分休憩
   午後2時8分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 安慶田副知事。
○副知事(安慶田光男) お答えいたします。
 先ほどから公室長が答弁しておりますように、私たちも一生懸命に弁護士とも打ち合わせて、それなりに勝訴するように闘ってまいりたいと、そして辺野古には新しい基地をつくらせないという決意で頑張っていきたいとこう考えています。
○新垣 哲司 先ほども申し上げたんですが、県は頑張って基地をつくらせないと言うんですが、大方の行政の専門、あるいは弁護士さんなんかが、もう時間の問題だと、県は。そういうふうになっているんだよ。ですから、敗訴した場合には誰が責任とりますか。安慶田さんがとってもいいよ。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後2時9分休憩
   午後2時9分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 安慶田副知事。
○副知事(安慶田光男) 先ほどから答弁しておりますように、まだ現実的に、仮定でありまして、そうしたらどうしますかという仮定の話でありますから、私たちも勝訴するようにあらゆる弁護士と相談をして頑張って、闘っていきたいと。もし訴訟になれば、闘っていきたいとそう思っております。
○議長(喜納昌春) 時間です。
○新垣 哲司 頑張ってください。
○照屋 守之 議長、ちょっと休憩願います。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後2時9分休憩
   午後2時11分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 上原 章君。(発言する者多し)
 静粛に願います。
   〔上原 章君登壇〕
○上原  章 こんにちは。
 公明党・県民会議無所属の上原章です。
 通告に基づき質問を行います。
 1、経済政策についてお尋ねします。
 安倍政権が誕生して2年9カ月、国は長引く景気の低迷、デフレからの脱却を目指してさまざまな経済対策を打ち出しました。大胆な金融政策、機動的な財政改革、民間の投資を喚起する成長戦略、いわゆる3本の矢です。そして、このほど安倍総理は2020年に向けて経済成長の推進力となる新たな3本の矢を発表。強い経済、子育て支援、社会保障の政策強化を進めるとしています。具体的には国内総生産、2014年の490兆円を600兆円にふやす。子育て支援では合計特殊出生率を1.4%から1.8%まで回復させ、社会保障では特別養護老人ホームの大規模な整備を行い待機者を2020年初めまでに解消を目指す、そして介護離職者ゼロを実現すると。翁長県政には国の経済対策を見据えながら、今後の本県の経済政策を確実に前に推し進めていただきたいと期待するものです。
 この2年9カ月、低迷していた経済が徐々に回復していることは多くの国民が感じていると思います。本県においても観光分野の好調、特に外国人観光客が過去最高を更新しているのは、国の経済対策の取り組みで進んだ円安効果が影響していると考えます。しかし、全国的にはその効果は都市部や大企業中心であり地方や地域に届いているとは言いがたく、持続可能な経済の成長を維持するには景気回復の風を全国の中小、小規模企業、地域、各家庭に確かな実感として届けることが今最も重要なことです。
 国は政府や連合などの労働者、経団連などの使用者の3者が建設的に意見を述べ合い、雇用対策や賃金上昇等包括的な課題解決に向けて共通認識を得る政労使会議を定期的に開催しています。本年4月2日に開催された政労使会議では、経済の好循環の実現に向け下請け企業の保護支援策や企業の積極的な賃上げ実現等が確認されています。景気の回復を中小企業や地方に広げるため、また今後の県経済の振興を前に進めるため県内の業界団体や企業、労働組合、行政が連携する「地方版政労使会議」の設置が必要と思います。
 そこで質問です。
 (1)、政労使会議について。
 ア、国が取り組んでいる政労使会議の目的と内容を伺います。
 イ、景気回復を地方へ波及し地域の賃金を引き上げるため、「地方版政労使会議」(仮称)の設置が必要と考えます。地域の振興や活性化の大きな一助となると思うが、見解を伺います。
 (2)、県の中小企業支援計画についてお尋ねします。
 県が取り組んでいる中小企業支援計画は、県内ほとんどが中小、小規模企業と言われている本県にとって極めて重要であり、中小企業が元気になることは県経済発展のかなめだと考えます。
 そこで質問です。
 ア、中小企業支援計画の取り組みと効果及び課題・対策を伺います。
 イ、中小企業支援課の人員をふやし、数多くの現場に足を運び、より実態に即した計画の施策に努めてほしいとの声があるが、対応を伺います。
 (3)、沖縄県中小企業の振興に関する条例についてお尋ねします。
 ア、制定・施行されて8年、成果と課題・対策を伺います。
 イ、全市町村での条例制定実現は重要と考えるが、現状と県の対応を伺います。
 2、工芸産業の振興について。
 (1)、県内の伝統工芸品の振興について、県の取り組みと課題・対策を伺います。
 (2)、後継者育成事業の内容、予算、効果を伺います。同事業を活用してどれだけの方の就業に結びついているか。今後の見通しはどうか。
 (3)、工芸産業振興拠点施設(仮称)工芸の杜整備事業の内容・効果を伺います。
 3、台風対策について。
 (1)、本年は大型で非常に強い台風が連続して発生し、各地域に深刻な被害が出ています。被害状況と支援対策はどうなっているか。
 (2)、先島は台風常襲地帯であることから暴風の中、避難救助に当たれる災害対策車両が県警に必要との声があるが、対応を伺います。
 4、福祉行政について。
 (1)、知事は子供医療費の無償化に取り組むとしているが、進捗状況を伺います。中学3年生までの通院分無料化、県が推進すれば取り組む市町村もあると思うがどうか。
 (2)、高齢者人口の割合が過去最高の26.7%となり、今後、高齢者の福祉・医療・介護等の充実は待ったなしの取り組みです。高齢者が住みなれた場所で暮らせる地域包括ケアシステムの構築はどうなっているか伺います。
 5、観光産業について。
 (1)、沖縄のマリンレジャーは多くの観光客が楽しみにしているが、水難事故を起こさせない安全管理の体制強化は重要と考えます。現状と課題・対策はどうなっているか。無届け業者、無店舗業者の増加が指摘されているが、実態はどうか。
 (2)、外国人観光客が増加し、ダイビング産業では外国人のガイドダイバー確保が必要との声があるが、現状と対策を伺います。
 6、不発弾処理及び探査事業について。
 (1)、県内の不発弾処理の現状及び予算負担はどうなっているか。
 (2)、磁気探査事業において確認探査が必要となった場合、予算措置はどうなるか。
 (3)、民間工事における磁気探査の取り組み状況はどうなっているか。工期に影響が出ないよう、予算申請や処理方法、手続の簡素化ができないか伺います。
 以上です。
○知事(翁長雄志) 上原章議員の御質問にお答えいたします。
 経済政策についてに関する御質問の中の、条例の8年間の成果と課題・対策についてお答えをいたします。
 沖縄県では、平成20年に制定された沖縄県中小企業の振興に関する条例に基づき、関係団体や各地域からの提言等を反映した中小企業支援計画を毎年度策定しております。これまで同計画を着実に実施することにより、中小企業の経営革新や創業の促進、経営基盤の強化、資金調達の円滑化などの施策が総合的に推進され、中小企業の振興が図られていると考えております。今後は、引き続き関係機関や各地域からの提言等を反映した施策を策定、実施していくことが重要であると考えております。
 沖縄県としましては、関係機関と連携を密にしながら、新規創業者の経営力の向上や、地域に埋もれたすぐれた商品を持つ事業者に対する販路開拓など実情を踏まえた中小企業支援等に取り組み、県内中小企業のさらなる振興を図ってまいりたいと考えております。
 次に、工芸産業の振興についてに関する御質問の中の、伝統工芸の振興における県の取り組み、課題、対策についてお答えをいたします。
 沖縄県の伝統工芸品は、国指定が14品目と全国3位を誇っておりますが、市場ニーズの変化や従事者の高齢化、後継者の確保難等から生産額や従事者数の減少が続く厳しい状況にあります。
 このため、沖縄県では、沖縄21世紀ビジョン基本計画等に基づき、伝統工芸を持続的に発展できる産業として競争力向上を図るため、首都圏において本県の工芸品を一堂に集めた展示販売会を開催するとともに、工芸品の常設展示販売場を設置し、販路拡大を促進しているところであります。また、工芸産業の拠点として、観光客や県民、子供たちが工芸体験できる施設や展示販売、インキュベート施設等を備えた工芸の杜(仮称)を整備するとともに、人材育成や研究開発機能を有した工芸振興センターを併設し、機能の集積強化を図ることで工芸産業の課題解決に取り組むこととしております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長から答弁させていただきます。
○商工労働部長(下地明和) それでは、経済政策についての御質問の中の、国が行う政労使会議についてお答えいたします。
 経済の好循環実現に向けた政労使会議は、平成25年6月14日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針及び日本再興戦略を踏まえ、経済の好循環の実現に向けて政労使の3者が意見を述べ合い、包括的な課題解決のための共通認識を得ることを目的として開催されております。会議は、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)が主宰し、構成員は副総理兼財務大臣、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、厚生労働大臣及び経済産業大臣、経済界の代表者、労働界の代表者並びに有識者となっております。
 平成25年度には5回、平成26年度には4回開催され、賃金上昇に向けた取り組み、賃金体系のあり方、休み方・働き方改革や女性が働きやすい制度等の見直しなどが話し合われました。平成27年度は4月2日に開催され、価格転嫁や支援協力についての取り組み策及びサービス業の生産性向上に向けた取り組み策が話し合われております。
 次に、地方版政労使会議の設置についてお答えいたします。
 沖縄における公労使の3者が認識を共有する動きとしましては、3月24日に沖縄県知事、沖縄県経営者協会、連合沖縄、沖縄労働局の4者で、雇用・労働環境の改善に向けた取り組みを強力かつ総合的に進めるため、「沖縄の雇用・労働環境の改善に向けた共同宣言」を行ったところであります。
 御提言の地方版政労使会議につきましては、参議院予算委員会において安倍総理大臣が設置について検討を進めたい旨の答弁をしていることから、今後の他都道府県の動きを注視してまいります。
 次に、中小企業支援計画の取り組みと効果及び課題・対策についてお答えいたします。
 沖縄県では、沖縄県中小企業の振興に関する条例に基づき、毎年度、中小企業関係団体からの提言等を反映した中小企業支援計画を策定し、県内中小企業の振興に取り組んでおります。これまで創業力・経営力向上支援事業による創業支援や、沖縄独自の沖縄雇用・経営基盤強化事業による中小企業の経営基盤の強化などを推進するとともに、今年度から地域ビジネス力育成強化事業を実施し、特定の中小企業の取り組みを支援するだけではなく、市町村を含む地域ぐるみの中小企業振興や地域活性化に向けた取り組みに対する支援を行っております。また、県単融資制度においては、今年度から沖縄県農業協同組合を取扱金融機関に加え、銀行等のない小規模離島等における中小企業者の利便性向上を図っております。
 今後は、同計画をより実効性のあるものとするため、関係機関との連携を密にし、各種施策のさらなる周知を図り効果的な事業実施に努めてまいりたいと考えております。
 次に、より実態に即した計画策定についてお答えいたします。
 中小企業支援計画は、経済団体、金融界等を構成員とする中小企業振興会議や地域部会において、各関係機関の提言等を聴取、反映した上で策定しております。県内6地域の地域部会は、地域の商工会や各市町村等で構成され、各地域の中小企業の課題等について協議する場となっておりますが、中小企業支援課の職員は各地域部会に参加し、条例や支援計画の内容を説明するとともに、各地域の提言や要望について意見交換を重ねております。なお、今年度の地域部会は、各地域ごと2回開催することとし、これまで以上に現場の要望等の把握に努める計画となっております。
 沖縄県としましては、今後とも同会議及び同部会を最大限活用し、中小企業の支援ニーズに沿った中小企業支援計画の策定に取り組んでまいります。
 次に、市町村の条例制定における現状と県の対応についてお答えいたします。
 中小企業の振興に関する条例は、これまで那覇市、沖縄市、うるま市、名護市、石垣市及び宜野湾市の6市で制定されるとともに、現在、浦添市及び南風原町において条例制定に向け作業が進められているところです。市町村における条例制定及び各種施策の実施は、各自治体が主体的に取り組むことが重要であることから、沖縄県としましては、市町村に対して中小企業支援計画等の説明を行うとともに、条例未制定の市町村を直接訪問し、条例制定の意義、メリット等を説明してきたところであります。今後とも、条例未制定市町村への条例制定の意義とその理解が深まるよう努め、条例制定を促す取り組みを行ってまいりたいと考えております。
 次に、工芸産業の振興についての御質問の中の、後継者育成事業の内容・効果及び見通しについてお答えいたします。
 県では、伝統工芸を担う人材を確保育成するため、昭和47年度から後継者育成事業を行っており、これまでに約3400人の後継者を輩出しております。本事業は、毎年6工芸産地組合に国・県・市町村から約1250万円の補助金を交付し、30名程度の研修生を育成しております。研修終了後の定着率については、直近の4カ年を調査したところ約84%と高くなっており、産地内工房や組合で生産活動に従事し、製品開発や販路開拓などの産地の活性化に貢献しております。今後も中堅技術者として産地の指導的立場で活躍することが期待されております。
 次に、同じく工芸産業の振興についての中の、工芸の杜の内容と効果についてお答えいたします。
 沖縄県では、沖縄21世紀ビジョン基本計画や第7次沖縄県伝統工芸産業振興計画に基づき、伝統工芸を持続的に発展できる産業として競争力向上を図るため、工芸の杜(仮称)の整備を進めております。当該施設は、工芸振興センターが担ってきた人材育成や技術支援、研究開発機能に加え、県内全ての工芸品を一堂に集めた展示販売や観光客、県民や子供たちが工芸体験できる施設、インキュベート機能等を新たに付加した施設とし、各産地へのゲートウェイとしての役割を果たすことにより、全県的な工芸産業の振興が期待されております。
 以上でございます。
○知事公室長(町田 優) 台風対策についての御質問の中で、台風の被害状況と支援対策についてお答えします。
ことしはこれまでに6つの台風が沖縄県に来襲しております。主な台風の被害状況としましては、台風第15号は人的被害が軽傷10名、住家被害が全壊2棟、半壊3棟、一部破損6棟、その他漁港防波堤の損壊、学校屋根の損壊等が発生しております。被害額については、農林水産業関連被害額が約13億8000万円となっております。台風第21号の被害状況につきましては、10月2日現在、人的被害の報告はありませんが、与那国町において住家被害が全壊10棟、半壊が27棟、一部破損285棟、その他電柱の折損等が約40本、海岸の離岸堤の被災等が発生しております。被害額については、農林水産業関連被害額が約1億8000万円となっております。
 県におきましては、台風の接近に伴い沖縄県災害対策本部等を設置し、24時間体制で情報収集を行うとともに被害状況や避難所情報を県民等に向けて発信しております。なお、台風第21号については、与那国町では特に停電や通信の途絶等が続いていることから、9月29日に自衛隊へ災害派遣要請を行うとともに、9月30日には第11管区海上保安本部へ要請し、ライフラインの復旧への対応等を行ったところです。また、9月28日から与那国町に災害救助法を適用することを決定しております。今後とも全庁的に災害状況の把握に努め、災害復旧対策に取り組んでまいります。
 次に、不発弾処理及び探査事業についての御質問の中で、不発弾処理の現状及び予算負担についてお答えします。
沖縄戦における不発弾は約1万トンと推定されており、これまでの処理実績約7967トンを差し引いた約2033トンが現在も埋没していることになります。不発弾等処理事業の費用負担については、不発弾等処理事業、広域探査発掘加速化事業、不発弾等保安管理等事業、住宅等開発磁気探査支援事業の4事業について、国が10分の9、県が10分の1の負担となっており、市町村磁気探査支援事業、市町村特定処理支援事業の2事業については、国が10分の9、県と市町村が10分の0.5の負担となっております。
 同じく確認探査の予算措置についてお答えします。
市町村磁気探査支援事業における磁気異常点の確認探査については、当初申請の予算内であれば実施が可能でありますが、大規模な確認探査の場合、追加申請することにより予算措置が可能となっております。なお、年度末に磁気探査を行い、磁気異常点が発見された場合は改めて新年度に確認探査を実施することになり、実施までに期間を要することから、県としましては、早期に確認探査が行えるよう関係機関と調整していきたいと考えております。また、住宅等開発磁気探査支援事業においては、平成25年度より磁気異常点における掘削及び埋め戻し等の確認探査に係る費用が新たに補助対象に加えられております。
 次に、同じく民間工事の取り組みと申請手続の簡素化についてお答えします。
民間工事における不発弾探査費を補助する事業として平成24年度から住宅等開発磁気探査支援事業が創設されており、平成25年度から沖縄県が事業主体となっております。平成24年度は申請件数5件、交付額517万1000円、平成25年度は申請件数81件、交付額2億552万円、平成26年度は申請件数120件、交付額3億8165万4000円となっております。申請は住民等が市町村へ探査を申し込み、県への交付申請手続を経て交付決定を受けた後、みずから業者と契約を結び実施することとなっております。
 県においては、建築工事の安全を担保できる磁気探査の内容となっているか、建築工事図面と磁気探査の計画図の整合を確認する等慎重に審査を行っております。また、申請ごとに磁気探査の積算を行い、見積書との比較において内容が最も経済的な方法であるか等の審査を行っております。なお、平成27年8月から他部局への合議を省略する等、事務手続の簡素化により民間工事への補助金交付決定が可能な限り早期に行えるよう取り組んでおります。
 以上でございます。
○警察本部長(加藤達也) 台風対策に関する御質問の中で、災害対策車両の配備計画についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、県警察においては、災害発生時における機動力の向上及び活動範囲の拡大を図り、より迅速かつ効率的な救出救助活動に当たれるよう、車高が高く、浸水域での走行が可能、重量があり暴風の中での走行が可能など、災害現場における警察活動に適した車両、災害対策車両の配備の必要性を深く認識しているところであります。
 県警察では、各警察署等への車両の配備を計画しているところ、本年度は、予算措置の上、災害対策車両として四輪駆動車1台を配備する予定であります。また、来年度以降にあっても関係部署と連携の上、順次災害対策車両の配備に努めていきたいと考えております。
 次に、観光産業に関する御質問の中で、沖縄のマリンレジャーの安全管理の現状と課題についてお答えいたします。
 本年8月末現在、沖縄県水難事故の防止及び遊泳者等の安全の確保等に関する条例に基づき、届け出のある海域レジャー提供業は、海水浴場61件、潜水業875件、プレジャーボート提供業795件、マリーナ業8件、合計1739件となっており、本年8月末現在における海域レジャー提供業者に係る水難事故は9件発生し、3名の方が亡くなっていることから、安全対策の不備による水難事故防止を図っていくことが課題であります。
 その対策としては、警察官等による立ち入りを通して、同条例で定められている事故防止等の措置が図られているかを確認し、不適事項があれば早急に是正するよう指導を行うとともに、公安委員会が行う水難救助員及びガイドダイバーに対する講習会等を通した安全意識と水難救助技術の向上を図っているところであります。
 次に、無届け業者、無店舗業者の実態に関する御質問についてですが、マリンレジャーを営もうとする者は、氏名や住所、事業に係る設備等を設置する場所の所在地等を記載した事業届出書を公安委員会に届け出することになっており、無届けでマリンレジャーを営む者は、「沖縄県水難事故の防止及び遊泳者等の安全の確保等に関する条例」第27条第2項第1号(届け出をしなかった者)により10万円以下の罰金に処せられます。
 県警察におきましては、無届け業者等の増加について現在のところ承知しておりませんが、無届けでマリンレジャー事業を行っている者がいれば届け出るよう指導を行い、指導に従わない悪質業者については同条例に基づき検挙することになります。
 以上でございます。
○保健医療部長(仲本朝久) それでは、福祉行政についての御質問の中で、こども医療費助成制度の通院対象年齢の拡大についてお答えいたします。
 こども医療費助成制度は、子供の疾病の早期発見と早期治療を図るとともに、子育て支援を目的に平成6年度よりゼロ歳児を対象に制度を開始しております。その後、平成24年10月より入院の対象年齢を中学卒業まで拡大し、平成27年10月からは通院の対象年齢を就学前まで拡大したところであります。
 通院の中学卒業までの引き上げにつきましては、就学前までの通院年齢の拡大による事業費の動向や効果を見きわめるとともに、市町村の意見も聴取した上で検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○子ども生活福祉部長(金城 武) それでは、福祉行政についての御質問の中で、地域包括ケアシステムの構築についてお答えをいたします。
 高齢者が住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を市町村が中心となって取り組んでおります。
 県としましては、地域密着型施設の整備、認知症サポーター養成研修等認知症施策の推進、リハビリ専門職等との連携による地域ケア会議モデル事業等を実施し、各市町村における地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みを支援してまいります。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(前田光幸) 観光産業についての御質問の中の、外国人のガイドダイバー確保についてお答えいたします。 
 県が実施した調査によると、ダイビングを目的とした外国人観光客は、平成25年度に約3万3000人と推計されており増加傾向にあります。このような中、国内でガイドダイバーとして従事するためには、日本語の潜水士資格試験に受験しその資格取得が要件となっていることから、外国人ガイドダイバーの確保が思うように進まない状況にあるほか、外国語対応ができる日本人ガイドダイバーの育成・確保も課題として挙げられています。
 このため県では、外国人を含むガイドダイバーが一定の研修課程修了により潜水士とみなすことができるよう、国家戦略特区の追加提案を行っております。また、外国語対応ができるガイドダイバーの育成支援や外国人ダイバーの集客や対応ノウハウに関するセミナー開催等に取り組んでおります。引き続き外国人ダイバーの受け入れ体制強化に向けて関係機関と連携して取り組んでまいります。
 以上でございます。
○上原  章 御答弁ありがとうございました。
 幾つか再質問させていただきたいと思います。
 まず、政労使会議についてなんですが、知事、沖縄県は今非常に全国一所得が低い。それから、非正規雇用が本当に大変な高い数字を示しています。その中で、先日、沖縄労働局のまとめで県内の労働者1人当たりが働いて生み出すもの、サービスの価値、労働生産性というのが、全国と比較すると沖縄県は7割にとどまっておると。1人当たりの県民所得の全国最下位が続く一つの要因ではないかと言われております。要するに、サービス業がどうしても多いところと製造業、ものづくりのところとのこの生産の価値が相当開きがあるわけで、それに対する収益というものがやっぱりこの所得にかかわってくると。労働者側からいうと正社員化を促進したいという一方で、経営者側は当然収益を高めて、そして基盤を強化して賃金に反映させたいと。この今の沖縄の産業構造のミスマッチが長年こういう形で続いているという報道がありました。
 私は、先ほど各都道府県の注視をしながら政労使会議、地方版を考えていきたいと。私は沖縄からこそこういった地方版の政労使会議を早目に研究して、また関係機関とも連携をとってやるべきじゃないかなと思うんですがいかがですか。
○商工労働部長(下地明和) 再質問にお答えいたします。
 沖縄県は、この政労使会議、そういうものが出てくる以前からかなり労働局、あるいは経営者等使用者側、それから労働組合等々とそういう政労使会議という名称ではありませんが、多くのそういう政労使で構成する会議を持っております。そこで労働者側、あるいは使用者側との意見をぶつけながら雇用の問題についても検討してきております。ですから、幾つかある同じような会議がありますので、その役割をどこが果たすのか、あるいは新しくつくる必要があるのかどうかも含めて検討していきたいという意味で他府県の状況も注視しながらという答弁をさせていただきました。
○上原  章 部長、実はこれは全国的にあるんですよ、どの県もね。例えば、ことし1月に各都道府県の労働局がリードして働き方改革推進本部ということで立ち上げて、確かに雇用環境、働き手の環境をどう改善するかというそういうポイントポイント的なのはあるんですけれども、私は、今回国がやっている本当に今の現場は何が課題なのか、雇用者側と労働者側のこの考え方をどう共有して、特に沖縄県はサービス産業、観光産業を中心とする、なかなかその商品価値が高くない中で頑張っている産業構造になっていますので、こういった沖縄の産業構造の中でどうしたらこの所得を上げていけるのか。これを本当に経営者側と労働者側がしっかり同じテーブルに着いて、沖縄県の中でどういうふうに高めていくか。私は生産を上げるモチベーション、じゃどう労働者にこの非正規雇用の中で本当に上がっていくのか、現実問題として議論する場をつくってほしいんですがどうですか。
○商工労働部長(下地明和) これまでもそういう多くの場を設けて話し合っているつもりですが、議員おっしゃるようにそういう労働者の質の向上、あるいは所得の向上ひいては生産性の向上も含めてですが、そういうのを特に特化したようなものが必要であれば我々としても前向きに検討してまいりたいと思います。
○上原  章 非正規雇用の割合が多いということで若者の早期離職率の高さというのは、全国の数字と比べると本当に高いんですよね。3年以内にやめていく若者が多い。検証しないと本当に沖縄の若い人たちが安心して結婚し子供を育てていけるそういった環境になかなかなれないんじゃないかなと。それは早急に取り組んでいただきたいと要望したいと思います。
 それから、中小企業支援計画、非常に私も中身見て県が取り組んでいるメニュー、すばらしい中身になっているなと思います。ただ、県内の中小、小規模企業、先ほど離島も含めてJAのそういった県単融資も加えるとありました。非常にこの県が取り組んでいる中小企業支援計画の中身が周知されていない。これはもうずっと言われています。今回の中小企業関係者団体から、ぜひこの広報を、もっと攻めの広報を研究して周知徹底を図ってもらいたいという声がありますがどうですか。
○商工労働部長(下地明和) お答えいたします。
 この中小企業支援計画、先ほども答弁申し上げましたように、各経済団体、中小企業中央会初めとする各経済団体、それから5つの地域部会、北・中・南それから宮古、石垣とそういう地域部会を設置してそこできちんと議論をした上で積み上げてきております。ですから、その過程で私どもとしては事業者のほうにある一定の普及といいますか広報は行き届いているんじゃないかというふうに考えておりました。しかし、中小企業同友会、そこのアンケート等を見ますと、まだなかなかわかっていないという会員が多いというアンケート結果等もございますので、そういう結果も踏まえながらよりきめ細やかな周知を図れるよう説明会等をふやしていきたいと考えております。
○上原  章 ぜひ、私は中小企業支援課のスタッフをふやしてほしいと。それは私もよく企業の方にお話をお伺いすることがあるんですが、現場ではそういう代表が集まる会とかいろんなそういうそこに声の集約あるかもしれませんけれども、実際、その工場とかまた現場の飲食業やっている方はなかなか県の担当来たことないですよと。確かに全部は回れないけれども、実は国とか市は来ることありますという声もあるんですよね。ですから、県は県で必死にやっていると思いますけれども、私はしっかりこのスタッフを強化して現場を、生の声を聞ける体制をつくってほしいなと思うんですがいかがですか。
○商工労働部長(下地明和) 組織定数、数の問題もありますが、現有スタッフにおいて可能な限り現場に足を運び、そしてより現場に近い企業の声を聞けるように努力してまいりたいと思います。
○上原  章 あと先ほどの条例の地域のこの部会とか、地域部会そういった中での議論がもう少し多くのこの公表をしてほしいと。どういった議論がされて、どういった、この地域部会等で地域支援策につながっていくか。もともとこれを共有してそれに対してまた地域の声を反映させていただきたいという声があります。ホームページとかにもそういった地域部会の議論等も掲載してもいいんじゃないですか、どうですか。
○商工労働部長(下地明和) 今、地域部会、これまで年に1回開催して意見を聴取してきましたけれども、ことしから2回という回数をふやして聴取していくこととしております。できるだけどういう声が出たのかというのを、全部は載せられないかもしれませんが、要約してまた知らせながらさらなる意見が出ることを期待していきたいと思っております。
○上原  章 次に移ります。
 工芸産業振興なんですが、知事、ぜひ沖縄の伝統工芸産業、本当に新しい拠点ができるということで関係者がとっても楽しみにしております。28年完成ですか、工芸の杜、豊見城城址公園の敷地内につくられると聞いていますが、これはあれですか、県民または観光客が本当にこの施設にどんどん来てもらえるようなそういう仕組みになっているかを教えてください。
○商工労働部長(下地明和) お答えいたします。
 今議員からもありましたように、28年度完成を目指して鋭意頑張っております。そして……済みません、29年度完成です。済みません……
○上原  章 駐車場等は何台ぐらいを予定していますか。
○商工労働部長(下地明和) 具体的な台数は申し上げられませんが、数十台の駐車場、それとその豊見城城址公園は、また豊見城市が設置する駐車場もございますので、それらを利用できるような形に持っていきたいと思っております。
○上原  章 これは総予算幾らですか。
○商工労働部長(下地明和) 基本計画段階で今から基本設計、自主設計といきますが、今の基本計画段階では用地費も含めて約三十五、六億ではないかと考えております。
○上原  章 ぜひこれだけの予算をかけて沖縄の伝統工芸の振興につなげるということですので、これつくって本当に多くの方々に来てもらわないと、ましてやこの駐車、バスも含めて私は確保してもらいたいなと。県民の皆さんがやっぱり皆訪ねていけるような施設にしていただきたいなと思います。
 ちょっと時間がないので進みます。
 福祉部長、この医療費の無料化、子供医療費、毎回私質問するんですけれども、市町村の聞き取りを調査してという話でなかなか前に進まなくてちょっとあれなんですけれども、今回10月に就学前まで通院分を無料化にした、これは本当に前の県政のときから取り組んできた内容だと思うんです。翁長知事の今後、ぜひ中学3年、入院分は無料化になり、通院分もぜひ無料化にしてほしいと言う声が私はあちこちで、先行的に市町村でやっているところも多いんですが、全国のこの1700を超える市町村の中で、中学3年まで無料、通院分無料化をしているところというのは65%。それから、小学校6年生まで無料化をしているところを入れると75%がもう無料化になっております。今回、県は就学前まで引き上げたということですが、全国の数字で見ると、2割の中に入るわけです。ですから、もっともっとこの今の子供の貧困も社会問題になっていますので、通院分はぜひ無料化にしてほしいなと思って、義務教育までは。今度、国が国保のペナルティーを見直すという議論が始まっております。この辺は認識していますか。
○保健医療部長(仲本朝久) 厚労省の研究のほうで、その子供の支援という観点から今回の国保の減額調整についても検討がされているということで聞いております。
○上原  章 ぜひこの辺も見据えながら早目にこの無料化の実現、市町村ともタイアップしてやっていただきたいと思います。
 それから地域包括ケアシステム、大変重要な取り組みだと思いますが、県や市町村しっかり連携をとらないとこれ難しいと思います。そういった推進会議というのはありますか。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 推進会議という形ではないんですが、市町村との連絡会議、主管課長会議等通して連携をとっておりますし、また講演会、地域包括構築に向けた支援のための講演会も8月に実施したところでございます。
○上原  章 ぜひ市町村の担当も交えて、県の私は推進会議でしっかりこの特化した形のケアシステム構築をつくらないとなかなか前に進まない。また市町村によってその違いが出てくるんじゃないかなと思うんですがいかがですか。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 御提案のその推進会議も含めてどういう形でしっかりとこの地域包括ケアシステムが構築できるか今後検討してまいりたいと思います。
○上原  章 公安委員、ダイビング産業安全対策について、先ほどことしは3人の方が亡くなったとありましたけれども、25年、26年の数字はありますか。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後3時2分休憩
   午後3時2分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 警察本部長。
○警察本部長(加藤達也) 過去5年のマリンレジャー業者に絡む事故の発生状況についてということでお答えしたいと思います。
 26年中は発生16件、死者3名であります。25年中は発生17件、死者6名でございます。
○上原  章 休憩お願いします。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後3時3分休憩
   午後3時3分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 警察本部長。
○警察本部長(加藤達也) ダイビング業者に係る事故でお答えさせていただきます。
 平成26年は発生7件、死者1名、平成25年は発生9件、死者5名でございます。
○上原  章 ちょっと休憩お願いします。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後3時3分休憩
   午後3時4分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 警察本部長。
○警察本部長(加藤達也) これは沖縄県内の水難事故という形の統計しか手元にございません。
 26年中は67件発生をいたしまして、死者数が37名でございます。ちょっと25年が手元にございません。
○上原  章 前もって聞き取りにちょっと伝えていたつもりなんですけれども、私が聞いている数字は、水難事故で県内で亡くなった方が26年度は36名と聞いております。交通死亡事故より多いと。そういう数字これはまた後で検証しますけれども、とにかく沖縄の海が本当に安心であるということを県はしっかりこれは構築していただきたいんですが、過去、沖縄のこの安全マニュアルをつくったと思うんですが、県の事業としてどういった内容の事業、そして予算をちょっとお聞かせください。
○文化観光スポーツ部長(前田光幸) 県においては、平成21年度から23年度まで美ら海構築促進事業、緊急雇用基金を活用しましてそういった事業を実施しております。ダイビングの安全・安心を確保しながら、そしてダイビングリゾート地としての沖縄をプロモーションしていくそういったために、そういった事業を着手しました。平成24年度からは、沖縄振興特別推進交付金を活用しまして沖縄型リゾートダイビング戦略モデル構築事業、これは主に外国人、増加傾向にあります外国人のダイバー観光客を誘致するに当たって、安全・安心を確保するための方策等について検討を行い、事業を実施しました。
○上原  章 予算……。
○文化観光スポーツ部長(前田光幸) 失礼しました。
 平成21年度から26年度までの2事業、6年間の総計で1億8991万1000円でございます。
○上原  章 ぜひ、その安全対策をしっかり進めてほしいと思います。
 最後に、磁気探査、確認探査なんですが、年度を越す事例が那覇市でありました。工期がおくれるということで、500万円余りの市の予算をみずから出してやります。ぜひこういった確認探査は予想されますので、国とタイアップしてこういった年度越えても追加予算とれるようにお願いできませんか。
○知事公室長(町田 優) 私どもも事務手続を簡素化することによって、できるだけ早目に交付決定ができるようにこれまでも取り組んでおりますけれども、今後ともさらに加速できるようにどのようなことができるのか検討してまいりたいと考えております。
○上原  章 済みません、休憩。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後3時7分休憩
   午後3時7分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
○上原  章 わかりました。
 どうもありがとうございます。
 以上です。
○吉田 勝廣 公明党・県民会議無所属の吉田です。
 私は、金武の小学校で読み聞かせをしております。この絵本を5つ子供たちに見せて、きょうは何読んだらいいかと聞いたら、「わたしのいもうと」ということで読んでちょうだいということがありましたので読みました。
 その「わたしのいもうと」というこの内容は、小学校4年生で転校していじめに遭って、不登校、拒食、そして閉じこもり、そして1人で鶴を折って、じっとお家で閉じこもり、そして拒食ですから衰弱をして中学、高校、そして行かなくて亡くなっていく絵本であります。母親も非常に看護したけれども、子供たちをその自分の行動することもできなくなっていました。その最後の文章が非常に印象に残っています。「わたしを いじめたひとたちは もう わたしをわすれてしまったでしょうね あそびたかったのに べんきょうしたかったのに」ということで最後を締めております。子供たちもシーンと静かに聞いていて、そして涙ぐむ子供たちもいます。
 私はこの文章を読むたびにさまざまなこの戦争の体験者の話とか、あるいはその戦争のとき子供たちの話とかあるいは文献を読んで、戦争に駆り出された女学生や鉄血勤皇隊であるとか、それから対馬丸で亡くなった子供たちが今生きていたらどういうことになったのかとか、あるいはまた宮森小学校に象徴されるように、ジェット機が墜落をして亡くなった子供たちが一体どうなっているんだろうかな、自分の夢が壊されてどうすることもできなかったのかなと思ったりしております。
 そして戦後70年、日本政府はこの沖縄のことを忘れたのか、意識的に思い出そうとしないのか、またあるいは沖振法に言う償いの心を忘れてしまったのか、この絵本を通して差別が戦争につながる歴史というのかそういうこともまた思い起こしました。
 そういう思いを込めて質問をいたします。
 1、知事の政治姿勢について。
 (1)、知事の国連人権理事会での演説は、内外の注目を集め、国内外に発信をしました。今後は、沖縄県の課題(基地と人権)を中心にシンクタンク、平和、環境、人権団体を初め、世界のジャーナリスト等に継続的に送付し、理解を深めることは重要と考えますが見解を伺います。
 (2)、国内に事務所を設置している大使、領事等を招待し、沖縄の文化等を紹介し、理解を深めることも大切なことだと思うが見解を伺います。
 (3)、沖縄県の歴史的な背景は、平和の発信地として、広島、長崎とともに重要な拠点であると思います。平和の発信地、沖縄をアピールするためにも、国連機関の誘致は最適だと思うが見解を伺います。
 (4)、1995年に不幸な事件が発生してから20年。人権と基地との関係は改善されたのか。日米両政府はこれまでどのような施策を講じてきたのか、その成果はあるのか伺います。
 (5)、県民の命と人権等を守る闘いは現在も続いていますが、特に国頭村の自然と水がめを守る安田・安波の闘い、恩納村の都市ゲリラ訓練施設建設反対、金武町伊芸区都市型訓練施設建設反対、実弾砲撃演習反対の闘いについて、どのように評価しているか見解を伺います。
 2、県の財政について。
 (1)、1人当たりの地方交付税、国庫支出金等の額と順位を明らかにされたい。
 (2)、1人当たりの行政投資額、生活基盤、産業基盤、農林水産、国土保全と順位についても説明をされたい。
 (3)、受益率は、どうなっているか。額と全国との比較はどうなっているか説明をされたい。
 (4)、基地依存度について説明をされたい。
 (5)、財政力指数と順位は、類似県と比較してどうか説明をされたい。
 3、基地問題について。
 (1)、米軍基地内における自衛隊の演習が増加しております。実施状況を詳細に明らかにされたい。
 (2)、地位協定における軍警備員の法的地位及び権限について、詳細に説明をされたい。
 (3)、防衛省と警備会社との契約関係を明らかにされたい。
 (4)、9月19日から20日未明にかけて発生した事件について。危機感を察知していた抗議行動を続けている団体から、早い段階から警察に通報したにもかかわらず、対処がおくれたとの報告を受けたが、警察の対応に問題はなかったか伺いたい。
 4、教育行政について。
 (1)、国内外との人事交流及び海外留学生の受け入れ、海外留学生の派遣枠拡大など、積極的に推進すべきだと思うが、見解を伺います。
 (2)、北部振興事業で設置されたさくら寮の運営状況と、今後の方向性について説明をされたい。
 (3)、寮を設置している各高校の運営状況と、父母や関係市町村の要請について説明をされたい。
 (4)、かばんを持たず登校する生徒を見かけるが、対策について説明をされたい。
 (5)、小中学校で多くの皆さんが読み聞かせのボランティアとして頑張っていると思うが、実態と今後の方向性について説明をされたい。
 (6)、宜野座村のガラマン塾を視察されたようだが、所感を伺います。
 5、水資源基金等について。
 (1)、企業局がダム設置市町村に支出している額と、その根拠について説明をされたい。
 (2)、部長の新たな水源基金制度について今年度中に解決したいとの決意を高く評価しますが、今後の見通しについて伺います。
 6、台風被害による漁港の整備について。
 (1)、県は台風で被災した北部6漁港について、調査、整備していると思うが、進捗状況と今後の方針を説明されたい。
 7、ギンバル訓練場跡地の海岸環境整備事業について。
 (1)、海岸整備事業は、ホテル等の建設を初め、跡地利用に大きな影響を与えます。進捗状況と今後の県の積極的な取り組みについて伺います。
 (2)、金武町との連携について伺います。
 8、沖縄科学技術大学院大学について。
 (1)、OISTのこれまでの研究の報告と今後の研究の課題について伺います。
 (2)、谷茶等門前町地区構想の進捗状況について説明をされたい。
 9、県道234号線から国道329号の交差点を起点とする漢那・中川線整備事業の進捗状況を説明されたい。
 10、沖縄角力(ウチナージマ)についてであります。
 (1)、沖縄角力は、角力協会が主催する大会も二十数カ所で開催されております。一歩一歩確実に広がっております。今後は、中高生等にも裾野を広げる必要があることから、担当部局、教育長の決意を伺います。
 (2)、来年開催される世界ウチナーンチュ大会で開催する第2回世界ウチナーンチュ沖縄角力大会に、移民国からの選手が参加できるよう配慮願いたい。
 11、我が会派の代表質問との関連については削除いたします。
 よろしくお願いいたします。
○議長(喜納昌春) ただいまの吉田勝廣君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合上休憩後に回したいと思います。
 20分間休憩いたします。
   午後3時17分休憩
   午後3時41分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 休憩前の吉田勝廣君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 翁長知事。
   〔知事 翁長雄志君登壇〕
○知事(翁長雄志) 吉田勝廣議員の御質問にお答えいたします。
 沖縄科学技術大学院大学についてに関する御質問の中の、これまでの研究と今後の研究課題についてお答えいたします。
 沖縄科学技術大学院大学では、物理、化学、生物学等、分野横断的な教育研究を行っており、29カ国、156の研究機関と共同研究を実施しております。
 沖縄県とは、生活習慣病を予防・改善する沖縄県産高機能米の研究など、5件の共同研究を実施しております。これら研究の結果、現在50を超える特許が出願され、既に12の特許を取得しております。
 また、本年7月には、臨海実験施設の建設に着手しており、今後は、海洋科学分野の研究が拡充するものと期待いたしております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長から答弁をさせていただきます。
○知事公室長(町田 優) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、基地問題の継続的な情報発信についてお答えします。
 県では、辺野古新基地建設問題を広く国内外に理解していただくため、ホームページを充実させるとともに、ワシントン事務所を開設するなど、情報発信を行ってまいりました。
 今後とも多くの方に基地問題について理解していただくことは重要であると認識しており、知事の発言内容を幅広く世界に発信してまいります。
 次に、同じく駐日大使等の沖縄理解の促進についての御質問にお答えします。
 翁長知事就任以来の約10カ月で、沖縄県庁を訪れた世界各国の駐日大使、総領事等は延べ24名となっております。大使、総領事等の御訪問の際には、本県の自然、文化、歴史、経済等を紹介し、さまざまな分野での交流と連携を深められるよう、可能な限り日程を調整し、知事または副知事が対応しております。
 今後も、あらゆる機会を捉え、世界各国の沖縄に対する理解が深まるよう、努力してまいります。
 次に、人権と基地との関係で日米両政府が講じた施策及びその成果についてお答えします。
 米軍人・軍属等による事件・事故防止については、米軍が実施している勤務時間外行動の指針、夜間生活指導巡回や外務省沖縄事務所が事務局となっている事件・事故防止のための協力ワーキングチームなどの取り組みがなされております。
 県としては、米軍基地に起因する事件・事故等は一件たりともあってはならないと考えており、今後とも、綱紀粛正、再発防止がより実効性を伴うものとなるよう強く求めていきたいと考えております。
 また、日米地位協定については、平成7年には被疑者の起訴前の拘禁の移転、平成23年には交通事故等、公務中の軍属の事件についての刑事裁判に関する手続、平成25年には刑事裁判等の処分結果の通報などの運用改善が図られております。
 県としては、米軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、米側に裁量を委ねる形となる運用の改善だけでは不十分であり、日米地位協定の抜本的な見直しが必要であると考えております。
 次に、都市型訓練施設建設等反対運動についての御質問にお答えします。
 米軍基地は、日常的に発生する航空機騒音を初め、実弾射撃演習による原野火災や自然環境の破壊、油類による河川及び海域の汚染や土壌の汚染、航空機事故など、県民生活にさまざまな影響を及ぼし、県や基地を抱える県内市町村は、日々厳しい対応を迫られており、その対策に苦慮しているところであります。国頭村、恩納村、金武町における米軍の訓練施設建設反対運動は、地元住民や県、市町村による要請活動等が、日米両政府の基地政策に影響を与え、県民の過重な基地負担の軽減に一定の成果を上げたものであり、県としては、今後も市町村と連携し、日米両政府に粘り強く訴え続けていくことが重要であると考えております。
 次に、基地問題についての御質問の中で、米軍基地内における自衛隊の演習についてお答えします。
 沖縄防衛局によると、防衛省が自衛隊の訓練用地として共同使用している在沖米軍基地は、継続使用として、キャンプ・ハンセン、ホワイト・ビーチ、また、短期使用として、那覇港湾施設、沖大東島射爆撃場、嘉手納飛行場であるとのことであります。
 キャンプ・ハンセンにおいては、小火器等による射撃訓練、不発弾処理等の爆破訓練、ロープ降下、警戒・防護等の戦闘訓練を実施しております。ホワイト・ビーチにおいては、桟橋を含む海上を使用した操船訓練、沖大東島射爆撃場においては、実弾射撃訓練、嘉手納飛行場においては、離着陸訓練を実施しております。キャンプ・ハンセンの使用実績については、沖縄防衛局によると、平成24年度が69日、平成25年度は103日とのことであります。嘉手納飛行場の使用実績については、自衛隊からの通告によると、平成26年度は航空自衛隊が16日、海上自衛隊が1日の合計17日となっております。
 次に、日米地位協定における軍警備員についての御質問にお答えします。
 防衛省によると、駐留軍等労働者は、私法上の雇用契約により国に雇用される者であるとのことであります。
 また、駐留軍等労働者の勤務条件等を定めた基本労務契約附表Ⅰ「職務定義書」では、警備員について、米軍人または日本人監督者の監督のもとに在日米軍施設において、正規のまたは交替制の勤務で各種の警備任務を遂行すると記載されております。
 次に、同じく防衛省と警備会社との契約関係についての御質問にお答えします。
 沖縄防衛局に照会したところ、警備に係る具体的な契約内容等については、工事の安全を確保する観点から、お答えを差し控えるとの回答がございました。
 以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 知事の政治姿勢についての御質問の中の、国連機関の誘致についてお答えいたします。
 知事公約では、沖縄から世界へ平和の発信を行うため、世界平和の礎となる国際機関の誘致に取り組むこととしております。
 国連機関を含む国際機関の誘致については、今後とも関係部局と連携を図りながら、取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、県の財政についての御質問の中の、国庫支出金等の額と順位についてお答えいたします。
 県分・市町村分の国庫支出金の1人当たりの額と順位は、平成21年度24万4000円で3位、平成22年度23万1000円2位、平成23年度21万4000円1位、平成24年度22万4000円1位、平成25年度26万4000円1位であります。地方交付税交付金は、平成21年度23万5000円17位、平成22年度25万2000円18位、平成23年度25万5000円17位、平成24年度26万1000円16位、平成25年度25万4000円17位であります。国庫支出金と地方交付税交付金の合計は、平成21年度47万9000円10位、平成22年度48万2000円9位、平成23年度46万8000円8位、平成24年度48万5000円6位、平成25年度51万8000円6位であります。
 なお、平成23年度以降の全国順位については、東日本大震災で被災した岩手県、宮城県、福島県の3県を除いたものであります。
 次に、行政投資額についてお答えいたします。
 行政投資の状況について、県民1人当たりの額と全国順位の推移は、平成17年度31万7000円9位、平成21年度30万7000円6位、平成24年度26万1000円10位であります。そのうち、生活基盤では、平成17年度14万9000円2位、平成21年度14万3000円2位、平成24年度11万4000円3位であります。産業基盤では、平成17年度8万7000円6位、平成21年度8万4000円6位、平成24年度6万8000円6位であります。農林水産では、平成17年度4万8000円5位、平成21年度3万8000円7位、平成24年度3万5000円6位であります。国土保全では、平成17年度1万3000円43位、平成21年度1万5000円32位、平成24年度1万2000円37位であります。
 これについても、平成24年度の全国順位については、東日本大震災で被災した3県を除いております。
 次に、受益率の全国との比較についてお答えいたします。
 国から県と市町村が受け入れた地方交付税交付金、国庫支出金、地方譲与税の合計を県民が納めた国税・地方税の合計で除した受益率と順位について、全国と比較すると、沖縄県は、平成21年度1.65で8位、平成22年度1.66、10位、平成23年度1.59、8位、平成24年度1.63、8位、平成25年度1.70、6位であります。この件についても、平成23年度以降の全国順位について、被災3県を除いております。
 次に、基地依存度についてお答えいたします。
 基地関連収入の県経済に占める割合は、復帰直後の15.5%に対し、平成20年度から22年度は5.2%、平成23年度は4.9%、平成24年度は5.4%となり、その比重は大幅に低下し、基地関連収入が県経済へ与える影響は限定的なものとなっております。
 次に、水資源基金等についての御質問の中の、ダム所在市町村への新たなる支援に係る今後の見通しについてお答えいたします。
ダム所在市町村への新たな支援につきましては、水源地域特有の行政需要を勘案し、これまでのスキームにとらわれず、各関係者の共通理解が得られるような仕組みについて検討を行っているところです。
 今後、今年度内の合意形成に向け、関係機関との協議を進めるとともに、ダム所在市町村に出向き、意見交換を行ってまいりたいと考えております。
 次に、沖縄科学技術大学院大学についての御質問の中の、門前町地区構想の進捗状況についてお答えいたします。
 沖縄科学技術大学院大学周辺整備基本計画における門前町地区整備は、大学院大学の良好なゲート空間を創出するため、谷茶区に居住機能、商業・サービス機能、道路機能、公共・公益機能を整備する構想であります。これまでに、村道大袋原線の供用開始や「谷茶前の浜の碑」の新設に向けた取り組み等が進んでおります。
 県としましては、関係機関等との連携・調整を図りつつ、地元の自主的な取り組みを支援していきたいと考えております。
 以上でございます。
○総務部長(平敷昭人) 県の財政についての御質問の中で、財政力指数の順位等についてお答えいたします。
 平成26年度における沖縄県の財政力指数は、0.29618となっております。その順位は、全国で第43位となっており、同規模の人口を有している類似県7県の平均0.38149を下回っているところであります。
 以上でございます。
○警察本部長(加藤達也) 基地問題に関する御質問の中で、キャンプ・シュワブメーンゲート前における事件の警察の対応についてお答えいたします。
 御指摘の事件につきましては、本年9月19日深夜から20日未明にかけ、15人前後の男女がキャンプ・シュワブメーンゲート向かいの緑地帯において、同所にいた抗議行動に参加している方々数人に対して、違法テントを撤去しろなどと抗議する過程で、2人が横断幕を引きちぎり、また、1人が抗議行動参加者の顔面を殴るなどした器物損壊事件及び傷害事件であります。
 事件発生当日、現場の警察官から被疑者等に対し、抗議行動に参加している方々とのトラブルを含めた違法行為を防止するため、必要な指導・警告・制止を継続して実施していたところでありますが、結果として、事案が発生したことは遺憾であります。
 今後、警備現場での状況の変化により速やかに対応できる応援体制のあり方等について検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○教育長(諸見里 明) それでは、教育行政についての御質問の中で、国内外との人事交流及び海外留学等についてお答えいたします。
 県教育委員会では、国際社会で主体的に活躍できる人材の育成を目指して、高校生と大学生等を対象に、海外短期研修事業と長期留学事業を実施しております。平成26年度は、両事業において314名を派遣し、今年度は海外短期研修事業において、さらに派遣枠を拡大し、合計340名を派遣する予定です。また、海外留学生等の受け入れは30名余に上り、国内外における教員の人事交流は17名となっております。
 次に、さくら寮の運営状況等についてお答えいたします。
 さくら寮は、名護市内の県立高校に通学する遠隔地出身の生徒を支援するため、名護市が条例に基づき設置した定員60人の合同寄宿舎であります。運営につきましては、北部12市町村で構成する名護市県立高等学校北部合同寄宿舎運営協議会が行っており、県から舎監1名の配置及び調理員の人件費の一部を補助しております。
 県教育委員会としましては、教育の機会均等を図る観点から、引き続き必要な支援に努めてまいります。
 次に、寄宿舎の運営状況と関係市町村等の要請についてお答えいたします。
 県立高校11校に設置されている寄宿舎では校内に学寮委員会等を設置し、寄宿舎に係る運営のあり方や諸課題について協議し適切な対応を図っているところです。さらに学校では、寄宿舎生徒に係る教育的・生活的ニーズに配慮した寮則等を通した管理運営にも努めており、こうした中で休日の開寮や食事のあり方等も決められてまいります。
 県教育委員会としましては、今後も適切な寄宿舎運営が図られるよう各学校と調整していきたいと考えております。
 なお、関係市町村から要請のありました、さくら寮に関する舎監配置等につきましては、運営状況や課題等を踏まえ、引き続き適切な教育環境の整備に努めてまいります。
 次に、かばんを持たない生徒の対策についてお答えいたします。
 学校と家庭における学習の充実のため、生徒が学習用具をそろえて登下校することは大切なことと考えております。
 県教育委員会としましては、かばんに特化した指導は行っていませんが、学校が保護者や地域と連携し、生徒に望ましい生活習慣や学習規律を身につけさせる取り組みを推進しているところです。
 今後は、学校支援訪問等を通して、各学校の現状把握と課題解決に向けた支援のさらなる充実に努めてまいります。
 次に、読み聞かせボランティアの実態と今後の方向性についてお答えいたします。
 県内の公立小中学校においては、PTAを中心にボランティアによるサークル活動を通して、小学校では222校82%、中学校は73校49%で、週1回程度、朝の読み聞かせが活発に実施されております。
 県教育委員会としましては、毎年「読書フォーラム」を開催し、講演会や実践発表等とあわせて優秀実践団体等の表彰も行っております。
 今後とも関係団体等と連携し、読み聞かせボランティアの活性化に努めてまいります。
 ウチナージマについての御質問の中で、沖縄角力の普及等についてお答えいたします。
 県教育委員会においては、学習指導要領に示された柔道・剣道・相撲に加え、空手道や沖縄角力も選択種目として、生徒に履修させるよう、各学校に依頼しております。
 本県の伝統文化に根づいた独特の競技である沖縄角力を継承・発展させることは大切なことであり、各学校では、現在沖縄県角力協会が作成した「沖縄角力教材継承・発展DVD」を活用しているところです。
 今後とも地域・学校の実態に応じて、効果的、継続的な学習ができるよう努めてまいります。
 以上でございます。
○教育委員会委員長職務代理者(照屋尚子) 教育委員会委員長職務代理者の照屋でございます。
 本日は、泉川委員長が別用務のため本会議に出席できませんので、僣越ながら私のほうから答弁させていただきたいと思います。
 教育行政についての御質問の中で、宜野座村のガラマン塾についてお答えいたします。
 宜野座村営塾21世紀未来、通称ガラマン塾は、宜野座中学校、宜野座高校等の生徒を対象に地域を担う人材育成を目的に設置されております。ガラマン塾では、効果的に配慮された学習環境を通して生徒の学力向上が図られ、国公立大学への合格実績も上がっております。
 県教育委員会としましても、今後とも宜野座村の人材育成の取り組みに期待してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○企業局長(平良敏昭) 水資源基金等についての御質問の中の、ダム所在市町村への支出額とその根拠についてお答えいたします。
 平成26年度決算におけるダム所在8市町村への支払い額は、14億1330万1000円となっております。その根拠は、県企業局が所有するダム、浄水場、取水施設等の固定資産については、国有資産等所在市町村交付金法第2条に基づき、固定資産税にかわるものとして、所在する市町村へ交付金を支払うこととなっております。
 また、国が管理するダムについては、特定多目的ダム法第35条に基づき、市町村交付金に相当する額を国に納付することとしており、国はその額をダム所在市町村へ交付することとなっております。
 以上でございます。
○農林水産部長(島田 勉) それでは、台風被害による漁港の整備についての御質問の中で、北部6漁港の台風被災の対応についてお答えいたします。
 平成24年の台風16号により、県管理の安田漁港、村管理の東漁港、慶佐次漁港、宜野座漁港、漢那漁港海岸と西崎漁港の計6漁港が被害を受けております。
 被害を受けた施設につきましては、既に国の災害復旧事業等により復旧工事を完了しております。なお、安田漁港と宜野座漁港は、今年7月の台風9号でも被災しましたが、去る9月14日から16日に国の災害査定を受け、災害復旧事業計画の承認を受けたところです。復旧工事への着手は、災害復旧事業費の決定通知後の12月中を予定しております。
 県といたしましては、災害に強い漁港づくりを目指して、東漁港、慶佐次漁港と西崎漁港は、平成25年度より漁村地域整備交付金事業により防波堤等改良を行い機能強化を図っているところです。また、安田漁港につきましては、平成28年度より漁港施設機能強化事業で防波堤の機能強化を図る予定であります。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉幸満) ギンバル訓練場跡地の海洋環境整備事業についての御質問の中で、県の海岸整備事業への取り組みについてお答えします。
 金武町は、ギンバル訓練場跡地利用について、健康と癒やしが実現できるリゾート地を目指し、ギンバル訓練場跡地利用計画を策定し、野球場、リハビリ関係施設、医療施設、人工ビーチ等の整備や民間のホテル誘致を計画しております。
 県においては、当該利用計画に基づき、町で整備する緑地や道路と連携し、人工ビーチの整備を行うこととしております。今年度、予備設計及び環境調査を実施し、平成28年度の事業化に向け、関係機関と調整を行っているところであります。
 同じくギンバル訓練場跡地の海洋環境整備事業についての御質問の中で、金武町との連携についてお答えします。
 県では、ギンバル訓練場跡地の海岸整備事業について、町の意見を踏まえながら、養浜を含めた海岸施設の整備計画を作成しているところであります。また、町においては、海没地や漁業協同組合等利害関係者の同意取りつけや地元関係者の意見集約を行っているところであります。
 今後とも、町と連携を密にし、早期整備、完成に向け、取り組んでいきたいと考えております。
 次に、漢那・中川線整備事業に関する質問の中で、漢那・中川線整備事業の進捗状況についてお答えします。
 漢那・中川線については、現在、計画検討している(仮称)宜野座横断道路の一部区間であると認識しております。宜野座横断道路については、漢那交差点から中川地区までの区間を過年度にルート検討の調査を行っております。また、現在、中川地区から恩納村喜瀬武原までの米軍基地内を通過する区間について、ルート調査等の実施に向け、検討しているところであります。
 当該道路については、米軍基地内を通過することから、宜野座村や金武町と連携し、関係機関と調整を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(前田光幸) ウチナージマについての御質問の中の、沖縄角力の裾野拡大についてお答えいたします。
沖縄角力は、県内の9つの支部で、沖縄県角力協会が中心となり、地域の祭りなどで大会を開催するなど、地域に根強く普及しております。
 県においては、平成10年度より沖縄県スポーツ・レクリエーション祭において、全島中学生角力大会を実施しております。また、平成25年度より沖縄県角力協会へ委託し、県知事杯争奪沖縄角力大会や小・中・高校生を対象とした沖縄角力教室の開催、学校教材用DVDの作成、配布などを行っております。
 今後、沖縄県角力協会、県教育委員会とも連携しながら、沖縄角力のさらなる普及に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、第2回世界ウチナーンチュ沖縄角力大会についてお答えいたします。
 世界ウチナーンチュ沖縄角力大会につきましては、平成23年の第5回世界のウチナーンチュ大会において、県民との交流を図り、大会の機運を盛り上げる連携イベントとして、第1回大会が開催されております。前回大会の主催団体からは、来年の第6回世界のウチナーンチュ大会において、第2回大会を開催したいとの意向が示されております。今後、10月27日の実行委員会で第6回世界のウチナーンチュ大会の基本方針が決定され、それに沿った連携イベントを、公募、選定していく予定となっており、第2回世界ウチナーンチュ沖縄角力大会につきましても、連携イベントとして手続を経ながら、開催に向けて検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○吉田 勝廣 ちょっと資料を配付してよろしいですか。
○議長(喜納昌春) どうぞ。
 吉田勝廣君。
○吉田 勝廣 今資料を渡しました。
 これは(5)番の質問ですね。「県民の命と人権等を守る闘いは現在も続いているが、」というところですね。これは渡してありますので、この資料これですね。(資料を掲示) これは、1970年にいわゆる国頭村の安田で105ミリ砲これを弾を撃つよということだったんだけれども、これを阻止した、水がめを守って自然を守ったと。もし仮にこの演習場が守れなかったら、金武町みたいなはげ山になっただろうな。そうすると今私たちが水飲んでいる、それから自然世界遺産にしようとすることができなかっただろうな。この闘いは、こうして米軍の演習をしようとするところに区民とか村民が米軍を引きずりおろしてやった闘いなんです。その背後には、じじい、ばばあが待機をして何かあった場合は自分たちも参加するよと。そういうことでこの闘いをやって今の水がめがあるんだということだけ、ぜひ理解していただきたいなと思います。もしそうじゃなかったら、金武町のはげ山になったということをわかれば、これ渡してありますのでよく理解していただけると思います。
 次のところが、これが恩納村の都市ゲリラで闘った住民の運動です。(資料を掲示) 皆さんこれ見て写真わかるでしょう。青年が前面に出て、じじい、ばばあは後ろで待機しています。こういうことで機動隊の皆さんだとか、この排除に対して役場の職員あるいはこの区民が先頭に立って闘った現場です。これも、都市ゲリラだからこれも阻止することができましたね。
 この次ですね。(資料を掲示) これは非常に象徴的な沖縄の闘いではなかったかと思います。これは伊芸区の都市ゲリラ反対闘争、これも約365日ぐらい1年余りやりました。そのときに例えば、稲嶺県知事、当時の議長、それからもちろん金武町の町長、このときは与野党県議全部金武町に集まって、壇上に上がってこの実弾射撃演習訓練の反対行動をしました。稲嶺知事も議長もデモ行進をやりました。失礼しました。那覇市長も参加したそうであります、当時の市長ですね。これはオール沖縄の闘いだったんですね。これを通して、これからの沖縄はどうすべきかなということで私たちも非常に感銘を受けました。ですから、今後の闘いはぜひ沖縄県オール沖縄、腹6分腹8分といろんな形で表現されていますけれども、ぜひ私たちがオスプレイだとか普天間の県外移設を求めて東京行動を起こしました。あのときは自民党も全部国会議員も一緒に頑張りました。ぜひ、そういうことでもとのさやにもう一回おさまって、やっぱり小さな沖縄ですから140万県民が心を一つにして闘えば結束すれば、必ずこのいわゆる沖縄の諸課題を解決できるんじゃないかなと思ってきょうはこういう形で説明をしました。
 そしてまたもう一つは、例えばこれ県道104号線の闘いですけれども、この写真が現実的にはありますね。(資料を掲示) これがいわゆる恩納連山の姿です。私がこの問題に対して、これハワイの訓練場なんです、射撃場。これは山に1本も弾撃っていないです。全部麓に弾撃っています。だから、ハワイではこういうことが起きているのに、どうして我が沖縄では山に弾を撃つのかということで、米軍だとかあるいはワシントンDCだとか議員だとかいろんな説明してまいりました。そういう意味で県道104号線も23年間闘いを通して移設することができました。だから、そういう思いを込めてやっぱり調査とそれから訴え、これは事実に基づいて各議員であれ、当局であれ、あるいは米軍の軍人であれ、丁寧に説明することが大事なことじゃないかなと思います。
 そういう意味では、知事の国連でのいわゆる発表、それから今後ワシントンDC事務所あるいは全ての沖縄関係の文書をやっぱり世界に配って発信することがいかに大事かということを私たちはこれまでの経験を通して知っていますので、ぜひその辺知事、これからやっぱりいろんな沖縄の闘いを通して私たちは今があるわけですから、これからどうするか、それからやっぱり沖縄の状況をどう訴えるか、知事のちょっと決意を聞きたいと思っています。
○知事(翁長雄志) 吉田議員の質問にお答えをしたいと思います。
 この沖縄の基地問題はある意味で日本政府、アメリカ政府それぞれといろんな話し合いもするんですが、やっぱり大きな権力の前になかなか大変なところもございます。ただ国内におきましても、各閣僚と話をした中でいろんな情報が国民の前に出されたところ、どの新聞でも10%程度多く辺野古に基地をつくらせちゃいかぬというようなことがございました。
 今回国連に行きまして、あるいはワシントンDCに行きまして、世界の方々にも訴えましたところ今秘書課のほうでも収集をしておりますけれども、ドイツ、フランス、イギリス、スイス、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズというAP通信という形で全部報道されていますので、こういったこと等をやりながら多くの方々に御理解をいただきながら、この私どもの思いを伝えていきたいというふうに思っております。
○吉田 勝廣 警備問題ですけれども、この写真を見ていただければわかると思いますけれども、これ拳銃を携帯しているわけよね。警備問題については非常によくわからないということだから、この辺ですね、どうして拳銃を持って、どうしてその米軍の警備員がいろんなことをやっているかということは、公室長、これは詳細に調べる必要があると思いますがいかがですか。
○知事公室長(町田 優) 私どももいろいろ防衛省あるいは外務省に対して照会して、内容についてはお聞きしております。
 先ほど答弁したように、この警備員については、その防衛省の定めの中で警備をすることが記載されておりますし、また銃の携行についてもそれができるというふうに記載されております。
○吉田 勝廣 問題はそういう例えば法律の規定があって拳銃使うかと、これ警察は警察職務執行法とかあるいは警察官拳銃警棒等使用等及び取り扱いに関する規定があるわけ。そういう規定があるかどうかまで踏み込んで調べないとだめなんだということよ。拳銃を持つということはどういうことかということですよ、基地内で。発砲もする……
○知事公室長(町田 優) 警備員につきましても、これは日本人である以上日本の法令が適用されると私どもも考えておりますし、その関係で警備員がどこまでできるのか、どこまでできないのか、それは日本の法律も適用しながら見ていくということになろうかと思います。
○吉田 勝廣 まずはこの実態調査をするということが大事なの、実態。どういうことでやっているかという、これをまず見てごらん、これ。実態をまず調査・研究することよ。
○知事公室長(町田 優) 実態についても私ども把握するために防衛局に対して照会しておりますけれども、なかなか全ての答えが返ってくるわけではないものですから、部分的に把握してないところは確かにございます。
○吉田 勝廣 こればかり議論するわけにいきませんので、企画部長、人口1人当たりの依存財源これわかりますかね、ちょっとこれ質問すべきだったんだけど。つまり、予算に占める依存度は高いけれども、1人当たりにするとそんなじゃないのじゃないかということを問いたいわけ。地方交付税と国庫支出金プラスして依存財源になるでしょう。予算に占める依存財源は、さっき言ったようにトップかもしれないけれども、1人当たりに直すと依存財源そんなに高くないんじゃないかということを問いたいわけなんです。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後4時25分休憩
   午後4時25分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 吉田勝廣君。
○吉田 勝廣 類似平均が大体39万2000円、それで沖縄県は36万8000円、大体8位、だから沖縄県の財源から言うと、みんなさっき知事もよく沖縄は基地があっていいねということを言うものだから、これはやっぱり数字で違うぞということを我々は証明せんといかぬだろうと。今聞いたのは全部その証明するための段取りを僕は聞いているわけですよ。だからそこをやっぱり本土の皆さんに発信していかなければ、要するにいつも基地があるから潤っているじゃないか、例えば金武町もそう、宜野座村もそう。しかし、これはみんな軍用地料であるわけ。軍用地料で潤っているのであって、決して基地交付金とかで潤っているわけではないと、統計我々は証明したいわけよね。企画部長どうですか。
○企画部長(謝花喜一郎) 済みません。
 まだ議員のおっしゃっている趣旨を完全に把握しているかどうかあれなんですけれども、先ほど私が答弁いたしました国庫支出金等交付税ですが、これに交付金等も入れた額を県民1人当たりで算出した数値というふうに理解してよろしいでしょうか。もしそういったことであれば、これまでちょっとそういった数字は出したことはないんですけれども、ちょっとまたいろいろ研究してみたいというように考えております。
○吉田 勝廣 受益率についてちょっともう一回説明してくれますか。
○企画部長(謝花喜一郎) 受益率は、国から県と市町村が受け入れた地方交付税交付金、国庫支出金、地方譲与税の合計を県民が納めた国税・地方税の合計で除した受益率でございます。
○吉田 勝廣 だからそのパーセントも非常に今トップじゃなくてそんなに上位にいっていないと。そこをどうするかということも大事ですから、そういうところも計算をしておくことも大事。
 それからスポーツ部長ですね。世界ウチナーンチュ大会の、この大会、外国からの招致についてどういうふうに考えますか。これ、ばちっとやってもらいたいな。
○文化観光スポーツ部長(前田光幸) 来年の第6回世界のウチナーンチュ大会への海外参加者の招待につきましては、今後決定される大会の基本方針に基づいて、招待の基本的な考え方や要項を定めた上で、渡航費の一部を支援する特別招待者のリストを作成いたします。特別招待者につきましては、前回大会では、海外への県系人社会に貢献した方や移住先と沖縄県の総合発展に貢献した方々等を対象としておりました。海外からの出演者や選手を含む一般招待者につきましては、前回大会では渡航費用は自己負担ということでございました。
 以上でございます。
○吉田 勝廣 頑張ってください。
 警察本部長ですね、警察権の限界というのがよく言われていますけれども、これ警察公共の原則とか警察比例の原則、警察責任の原則と警察消極の原則とか、4つの限界があります。私は常にそういうことを思って各警察官は社会公共のこの秩序のために公権力を行使するんだと、そういうことをぜひ指導していただきたいなと思います。
 それから先ほどの件ですけれども、カッターナイフを持ったということを僕は情報をもらっておりますから、カッターナイフのこの何というか、証拠としてまだ挙がってきていないということも聞いておりますので、ぜひその辺は公権力の発動については、警察権の限界4原則を念頭に置きながら、ぜひ公正公平で行っていただきたいなと、これは希望しておきます。
○議長(喜納昌春) 時間です。
○吉田 勝廣 終わります。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後4時31分休憩
   午後4時31分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
○金城  勉 こんにちは。
 一般質問をさせていただきます。
 まず、第1点目、子供の貧困対策について。
 子供の貧困率が16.3%、6人に1人、人数にして全国で325万人の子供が貧困状態にあります。ひとり親世帯については、54.6%が貧困状態にあると報告されております。この数字が発表されたのは、3年前の2012年であり、大変厳しい数字であります。我が沖縄県の実態については、正確な数値は把握されておりませんが、関係者の話によると、全国よりさらに厳しい実態があるのではないかと言われております。国もこの問題を深刻に受けとめ、2013年に子どもの貧困対策法を成立させ、課題解決に本格的に取り組みを始めております。
 そこで伺います。
 (1)、子供の貧困状態とはどういう生活状態をいうか。
 (2)、県は、子供の貧困対策として、これまで実施してきた事業効果をどのように検証、評価しているか。
 (3)、今年度「子どもの貧困対策推進計画」の策定に取り組んでおりますが、これまで実施してきた事業結果をどのように生かしていきますか。
 ここにちょっと棒グラフを準備いたしましたけれども、(資料を掲示) 貧困問題を考えるときに重要になるのは、いわゆる所得の再分配ということが大きな役割を果たしておりますけれども、ここにOECD加盟先進16カ国のこの所得の再分配前と再分配後の棒グラフを準備いたしました。これは、2008年の資料ですけれども、この青い棒グラフが所得の再分配前の棒グラフです。そして赤は再分配後のグラフです。これを見ますとアメリカを初め、イギリス、フランス等々、北欧諸国、16カ国主要国入っておりますけれども、この再分配前より、再分配後の貧困率というのは、各国全部下がっております。当然、そういう再分配ですから、所得のある人からいただき、ない人に分配をすると。そうすることによって、ならしていくという機能があるわけですけれども、唯一日本だけが、再分配後のほうが再分配前より貧困率は上がっているという結果になっております。ですから、これは税制の問題にもかかわってくることですけれども、そういう認識をまず共有しておきたいと思います。
 次に、生活困窮者自立支援について伺います。
 本年4月から生活困窮者自立支援法が施行されております。
 (1)、生活困窮者の定義は何か。
 (2)、県や市町村は、生活困窮者自立支援事業として相談業務や生活支援事業、学習支援事業など7項目にわたって取り組んでおりますが、それぞれの事業について、今日までの実績をどのように評価されておりますか。
 3、児童虐待、DV防止について。
 去る7月にわずか3歳の女の子が義理の父親の虐待によって、命を奪われました。家庭内では、妻に対するDVや子供たちに対する虐待が繰り返されていたと報道されております。こうした悲惨な事件が2004年以降6件起こっております。事件が起こるたびに再発防止の検討がなされますが、残念ながらまた起こってしまいました。今後二度と虐待による死亡事故を起こさないための対策が求められております。
 (1)、今回の事件の検証と再発防止策はどうなっているか。
 (2)、DVと児童虐待が重なったときの対応をどうするか。
 (3)、DVの相談件数が過去最多だった昨年を上回るペースで推移しておりますが対策はどうか。
 (4)、DV被害者の緊急避難体制はどうなっているか。
 (5)、各児童相談所の人的体制は十分か。
 次、4点目、多文化共生の取り組みについて。
 (1)、米軍人・軍属以外で県内に生活している外国人の実態はどうか。
 (2)、労働力としてどのように捉えているか。
 (3)、災害など緊急時の場合、外国人への対応をどのように考えているか。
 5、沖縄型神経原性筋萎縮症について。
 沖縄型と言われ、遺伝性のある筋萎縮症が患者の皆さんを苦しめております。これまで、原因や治療法が見つからず、患者会の皆さん方は国に対して研究班の設置、難病指定の取り組みや治療薬の開発などを要望してまいりました。何としても、薬の開発、治療、回復、そして遺伝性の病気を断ち切り、明るい未来へ希望を持てるようにしたいという執念を燃やしております。
 以下、質問します。
 (1)、県内での実態はどうか。
 (2)、国立沖縄病院で治験が始まると聞いておりますが連携はどうか。
 (3)、難病指定のあり方について、厚労省との連携はどうか。
 6、ここでちょっと訂正をさせていただきます。通告書には、無国籍と書いてありますけれども、これは国籍ではなく、戸籍の間違いでありますので訂正をお願いします。
 無戸籍者について。
 (1)、出生届けが提出されず無戸籍となっている人たちがおります。県内の実態はどうか。また、その対応はどうか。
 (2)、その原因をどのように捉えているか。
 7、中城湾港へのクルーズ船受け入れを沖縄市、うるま市、北中城村の3自治体が検討しておりますが県としての対応はどうか。
 よろしくお願いします。
○知事(翁長雄志) 金城勉議員の御質問にお答えをいたします。
 子供の貧困対策についてに関する御質問の中の、「子どもの貧困対策推進計画」の策定についてお答えをいたします。
 沖縄県におきましては、子供の貧困に関する本県の厳しい状況を踏まえ、平成27年度中に「子どもの貧困対策計画」を策定することとしております。同計画を検討するため今般、知事、両副知事、関係部局長で構成する「子どもの貧困対策推進会議」を設置し、当面重点的に取り組み、具体的な成果を上げることができる施策を抽出することなどを指示したところであります。今後は同会議を活用し、子供の貧困の現状改善に資する新たな施策の立案のほか、事業効果を踏まえ、既存事業の拡充を検討するなど、総合的な子供の貧困対策に取り組んでまいります。
 次に、中城湾港へのクルーズ船受け入れについてに関する御質問の中の、沖縄県の考え方についてお答えをいたします。
沖縄県では、クルーズ船を利用した観光振興に資するため、旅客ターミナル等の港湾施設整備を積極的に推進をしております。中城湾港新港地区は、平成10年から平成23年にかけて4万トン級のクルーズ船が寄港した実績があります。現在、地元自治体が主体となって「中城湾港の振興を考える会」を発足させて、クルーズ船誘致へ取り組む動きがあり、沖縄県としましても国と連携して港湾施設の整備を進めてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長から答弁をさせていただきます。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 子供の貧困対策についての御質問の中で、子供の貧困状態についてお答えをいたします。
 子供の貧困の生活状態について明確な定義はありませんが、経済的な貧困を背景として社会的な孤立、不適切な養育環境、不十分な衣食住など、不利な条件が蓄積し子供の生活と成長に悪影響を及ぼしている生活状態と理解しております。また、子供のころの貧困が、成人後の就労、所得、生活水準に影響を与え次世代の子供の貧困へと連鎖することが問題であると認識しております。
 続きまして、子供の貧困対策の効果検証についてお答えいたします。
 県におきましては、子供の貧困対策として要保護児童への支援、ひとり親家庭の自立支援、子ども・若者の育成支援など幅広い分野からの支援を実施しております。これらの取り組みについては、沖縄21世紀ビジョン基本計画の進捗管理において、効果検証を行っているところであり、一部事業で推進のおくれがあるものの、おおむね順調と評価されております。現在、県におきましては、「子どもの貧困対策計画」の策定作業の中で、関連事業を体系的に整理しているところであり、今後、新たな成果指標の設定を含め、事業効果の検証方法等についても検討し、同計画の着実な推進を図ってまいります。
 次に、生活困窮者自立支援についての御質問の中で、生活困窮者の定義についてお答えをいたします。
 生活困窮者自立支援法において、生活困窮者とは、現に経済的に困窮し最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある者とされております。このような生活困窮者が制度の狭間に陥ることのないよう、総合的な相談窓口の設置や就労準備支援事業、一時生活支援事業などの包括的な支援を実施しております。
 次に、生活困窮者自立支援事業の実績と評価についてお答えをいたします。
 8月末現在の県及び市における生活困窮者自立支援事業の実績は、自立相談支援事業の相談件数が1967件、住居確保給付金の給付件数が131件、一時生活支援事業の利用件数が63件、家計相談支援事業の利用件数が9件、就労準備支援事業の利用件数が13件、学習支援事業の利用人数が356人となっております。全国比較が可能である7月分の相談件数を比較すると、人口10万人当たりでは、全国で3位となっており、関係団体等と連携した支援体制の充実や個々のケースに対応した支援が図られてきたところであります。
 県としましては、今後とも、国、市町村及び関係団体と連携を図りながら、複合的な課題を抱えた生活困窮者に寄り添い、円滑な制度の実施に取り組んでまいります。
 次に、児童虐待、DV防止についての御質問の中で、虐待死事件の検証と再発防止策についてお答えをいたします。
 今回の事件は児童相談所で支援を続けていたケースであり、結果として死亡事件を防ぐことができなかったことを重く受けとめております。今回の事件について、県は発生原因の分析などを行う責務があるため、外部専門家の意見を聞き、検証を実施することとしております。去る9月15日に第1回の検証委員会が開催されたところであり、今後、同委員会の中で児童虐待対応のあり方を再点検し、問題点への対応策について提言を得て必要な再発防止策に取り組んでまいります。
 次に、DVと児童虐待の対応についてお答えをいたします。
 DVが存在する家庭の児童に関しては、子供に直接暴力が振るわれていない場合であっても、心理的虐待があったと捉え、女性相談所等の関係機関から児童通告がなされることになっております。このため、児童相談所と女性相談所の連携強化に向けて、定例の連絡会議の開催やDV被害者特有の心理的特徴を踏まえた相談のあり方、DVと虐待の関連等に関する合同研修会を実施しています。
 今回の事件における児童相談所と関係機関の連携のあり方などについては、今後死亡事例検証委員会の検証結果を踏まえ、必要な再発防止策に取り組んでまいります。
 次に、DV対策についてお答えをいたします。
 本県における平成26年度のDV相談件数は、配偶者暴力相談支援センターで2615件、沖縄県男女共同参画センターで615件、合計で3230件となっており過去最多となっております。県では、DV防止法が制定された平成13年度からDV対策事業を実施しており、DVに関する講演会や啓発講座等を行い、広く県民及び関係機関に対して広報啓発を行っております。また、女性相談所を初め各配偶者暴力相談支援センターにおいては、DV被害者に対する相談支援等を行っております。引き続き関係機関と連携を図り、DVの防止及び被害者の保護・支援を行ってまいります。
 次に、DV被害者の緊急避難体制についてお答えをいたします。
 DV被害者の緊急避難につきましては、配偶者暴力相談支援センターにおいて、安全の確保を図るため、適当な避難場所または女性相談所への同行支援などを実施しております。また、被害防止のため緊急に保護することが必要であると認められる場合には、女性相談所において、休日、夜間も含め一時保護を実施しております。
 次に、児童相談所の人的体制についてお答えをいたします。
 県では増加する児童虐待等に対応するため、平成17年度から27年度までの10年間で正職員37名、嘱託職員33名の合計70名を増員し、児童相談所の体制強化を図ってきました。国は、児童福祉法施行令において、人口4万人から7万人に1名の児童福祉司を配置するよう定めておりますが、本県では約3万3000人に1名を配置しております。これまで、児童相談所で大幅な増員配置を進めてきた結果、経験年数が浅い職員が多い状況となっているため、今後は、職員のさらなる資質向上と段階的にバランスのとれた職員構成とすることができるよう体制整備に努めてまいります。
 以上でございます。
○知事公室長(町田 優) 多文化共生の取り組みについての御質問の中で、県内外国人の実態についてお答えします。
 県内に在住する外国人数は平成26年12月末現在1万1229人で、県総人口に占める割合は0.78%、全国29位となっております。また、国別ではアメリカ2382人、フィリピン1684人、中国1604人、ネパール1128人の順となっております。ここ数年増加傾向の中、直近の2年間では1825人と急増しており、ネパール等から県内専門学校への日本語習得を目的とした留学が主な増加要因と考えられます。
 次に、同じく災害時における外国人への対応についての御質問にお答えします。
 災害時における外国人への対応については、沖縄防災情報ポータルサイトを通じて、英語、中国語、韓国語による情報提供を行っているところです。ポータルサイトから申し込みが可能となっている防災メールにより、津波警報等の緊急情報についても多言語による配信が可能となっております。また、当該ポータルサイトについては、広報誌「沖縄観光安心安全ガイド」や観光情報サイト「おきなわ物語」を活用して、防災情報の入手方法等について紹介しているところであります。
 以上です。
○商工労働部長(下地明和) それでは、多文化共生の取り組みについての御質問の中の、外国人を労働力としてどう捉えるかについてお答えいたします。
 沖縄労働局によると、沖縄県内の外国人就業者数は平成26年10月末現在で3388人で前年同期比598人、21.4%の増加となっております。産業別の就業者内訳を見ると、教育、学習支援業が外国人労働者全体の17.9%を占め、次いで宿泊業、飲食サービス業が15.1%、他に分類されないサービス業が13.4%、卸売業、小売業が10.2%となっており、塾の講師等の教育・学習支援業を初めとするサービス業への就労者や沖縄科学技術大学院大学等に勤務する「高度外国人材」と呼ばれる外国人の比率が高いことが本県の特徴となっております。現在、沖縄県においては外国人観光客の増加に伴い、ホテルを初めとする宿泊業・飲食サービス業、免税店等の小売業において、外国人の雇用が進んでおります。語学力と専門知識を有する外国人が活躍することは、アジア経済戦略構想を掲げる県経済の発展の上で、また、県民の国際交流を図る上で好ましいと考えております。
 以上でございます。
○保健医療部長(仲本朝久) 沖縄型神経原性筋萎縮症についての御質問の中で、県内の実態についてお答えいたします。
 沖縄型神経原性筋萎縮症は、遺伝性の疾病で30代から40代で発症し、約10年で歩行が困難となり、さらに進行すると人工呼吸器を必要とするほどの筋萎縮を起こし、頸部以下がほとんど動かなくなるほどに悪化することもあります。家族会によりますと県内には80人から100人程度の患者がいるとされております。
 次に、国立沖縄病院の治験についてお答えいたします。
 国立沖縄病院に確認したところ、沖縄型神経原性筋萎縮症の治験実施に向け、治験実施計画書の策定の取り組みを進めているとのことです。県としましては、沖縄型神経原性筋萎縮症における治療の前進を期待しているところであり、今後の治験の推移を注視していきたいと考えております。
 次に、難病指定についてお答えいたします。
 難病の患者に対する医療等に関する法律第1条で、難病とは、発病の機構が明らかでなく、治療方法が確立していない希少な疾病で、長期の療養を要するものと定義されております。指定難病とは、難病のうち、患者数が人口のおおむね0.1%程度に達せず、客観的な診断基準が確立している場合に、厚生労働大臣が指定したものとなっております。現在、306疾病が指定難病とされ、医療費助成の対象となっていますが、沖縄型神経原性筋萎縮症は指定難病に入っておりません。国は、沖縄型神経原性筋萎縮症の患者が、脊髄性筋萎縮症などの既存の指定難病の診断基準を満たすとして判断され、当該疾病で申請すれば、医療費助成の対象となり得るとしており、県としましては、国の見解に基づき医療費助成を行ってまいります。
 以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 無戸籍者についての御質問の中の、県内の無戸籍者の実態についてお答えいたします。
 那覇地方法務局によりますと、平成27年6月10日時点で、把握している県内の無戸籍者の数は8市町村14名とのことであります。法務局では無戸籍状態を解消するため、市町村戸籍担当部署等と連携し、無戸籍者の情報の把握に努めるとともに、戸籍に記載されるための手続に関する相談窓口の設置等の支援を行っているとのことであります。
 次に、無戸籍者が生ずる原因についてお答えいたします。
 那覇地方法務局によりますと、無戸籍者が生ずる主な原因としては、女性が離婚後300日以内に出産をした場合、出生した子は民法の規定により戸籍上は元夫の子として取り扱われることから、母親が出生届を提出していないとのことであります。
 以上でございます。
○金城  勉 どうも答弁ありがとうございました。
 まず、子供の貧困の対策についてですけれども、この子供の貧困の状態というのは、どういうことかお聞きいたしましたけれども、そういう子供にとって不利な状況等々、また成人後の影響などの説明がありました。具体的に生活費、その所得でこれ明確になっていると思うんですけれども、その辺のデータ等についてはどうですか。考え方でもいいですよ。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 相対的貧困率ということで、国民の所得を低い順から並べていって中間点のさらに半分に満たない所得以下の中で、そういう子供がいる世帯といいますか、それが今、子供の貧困率を押さえるための捉え方になっておりまして、この貧困線という額がございまして、済みません、122万円という貧困線となっております。
○金城  勉 御説明のあったように、そういう中央値からさらにその半分以下の生活レベルという数字になっていまして、ですからそういう数字を当てはめて、全国レベルのその数字と沖縄県の所得のあり方、実態等を照らし合わせると、恐らくその16.3という数字は、非常に厳しいさらに大きな数字が出てくるのではないかという懸念を持っております。今回、県としても実態調査に乗り出しておりますから、その実態を踏まえた上での推進計画をぜひ出していただきたいなと思っております。
 それで子供の貧困ということが、具体的には、家族や家庭のあり方、生活のあり方、親子の関係等々、あるいはまた子供にとっての学習環境等々、さまざまな形でこの貧困というものが出てきて、そして子供の生活のあり方に大きく影響を与えているということはもう御承知のとおりであります。ですから、そういうところを実態を把握した上で、具体的な効果ある対策を計画として出していただきたいと思います。
 それで子供の貧困、子供の貧困に限らず、貧困というものは連鎖すると言われておりますけれども、その連鎖を断ち切るためのその考え方、取り組みについて伺います。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 子供の貧困対策、いろいろと学習支援から生活支援、就労支援、いろいろございますけれども、最も効果的な支援策としては、やはり学習支援が効果的かなということで、本県におきましても今、生活保護世帯、それから準要保護世帯に対する子供たちに対する学習支援を実施しているところでございます。
○金城  勉 それで、そういう子供たちの対応の仕方については、そういう保育から始まり、子育て、あるいはまた教育、福祉、就労、生活支援、さまざまな分野に及ぶテーマになるわけですね。ですから、特にこれは市町村において重要になってくるのですけれども、県としてもそういうさまざまな課題を抱えているものをあっち行きなさい、こっち行きなさいという、そういうたらい回しが懸念されることもありますので、ワンストップでそういう対応ができるような体制というものの検討はいかがですか。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 子どもの貧困対策大綱の中で、最も今後重点的な取り組む施策として、要するに学校をプラットフォームとした子供の貧困対策を進めるということで、学校を起点にしたそういう取り組みが非常に重要だというふうに言われております。ただ今後、どういう形で相談というか、具体的な支援につなげるかという意味でも学校での貧困の子供たちをしっかりと把握して福祉のほうにつないでいくと、そういう仕組みをしっかりととることが重要かなというふうに考えております。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後5時4分休憩
   午後5時4分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 子ども生活福祉部長。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 相談機関としてのワンストップということでのあれは、今これから具体的にいろいろと検討しないといけないと思うのですが、今子供の総合相談所ということで、ニートとかひきこもりとか、受け皿となっておりますのは、石嶺のほうの総合福祉センター内に相談機関を設置しております。そこでも子供の貧困の対象となる子供たちの把握の一つのステップとしてできますし、さらに貧困対策、生活困窮者自立支援法のこの相談機関としての機能としても、その中でもそういう家庭を把握するための一つの方策としては、その分も活用は可能かというふうに考えております。
○金城  勉 この件については非常に大事な体制づくりになるかと思います。ぜひそのことは念頭に置いていただいて、今回その貧困対策の検討委員会も設置して、鋭意今取り組んでいるのですけれども、そこに市町村の代表も参加しておりますか。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 県の機関、推進会議とは別に検討会というのを立ち上げております。この検討会は、学識経験者初め貧困の、もともと児童養護施設で育った方とか、そういう経験された方とか、児童養護施設の職員あるいは各福祉関係の関係者、児童養護施設の施設長とか、その中に市町村会の代表、町村会の代表も加わっていただいて議論していただいているところでございます。
○金城  勉 ぜひ市町村においてもこれが具体的に計画が推進される段階においては、各市町村においてもしっかり対応できるような、ワンストップサービスの窓口を初めとしてさまざまな課題に対応できるように、ぜひ連携を密にしていただきたいと思います。
 それで先ほど棒グラフでちょっと紹介いたしましたけれども、やはりこれは日本の税制のあり方そのものから議論をしなければいけないテーマなんですね。ですからこれは皆さんにお聞きするというよりも、国との交渉のときにこういう問題意識を持って交渉に当たってほしいと、そういう意味で提起してありますので、ぜひ財政のほうも含めてその認識をお持ちいただきたいと思います。
 それで次に、生活困窮者自立支援法についてですけれども、皆さんからいただいた資料が手元にありますけれども、先ほど部長の答弁では、全国3位に位置するほどスムーズに事業運営ができているという説明でした。この7項目にわたる各種相談事業やあるいはまた住居確保、あるいはまた家計相談、就労支援、学習支援等々ありますけれども、これは、数字が入っているのもあれば、実績がゼロになっているところもありますね。その辺ちょっと御説明いただけますか。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 就労訓練事業というのがゼロになっております。これは、県もそれから市もどれもゼロという形になっておりますが、これは実は、要するに雇用による就業を継続して行うことが困難な生活困窮者に対して就業の機会の提供、あるいは就労に必要な知識及び能力の向上に必要な訓練を行う事業で、民間事業者等の実施事業として実施するもので、県のほうで認定するというような仕組みで、今のところまだ認定している事業がないということでございます。
○金城  勉 ちょっと気になっているのが、11の市でそれぞれ実施しているんですけれども、唯一学習支援事業で、石垣市が未実施というふうになっているんですけれども、これは何か理由がありますか。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後5時10分休憩
   午後5時10分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 子ども生活福祉部長。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 石垣市も次年度に向けて検討しているというように聞いております。
○金城  勉 ぜひお願いします。
 それで、この8月末現在の数値を見ると356件というふうになっていまして、全国のデータもちょっと見てみると8万5000件、これはちょっと訂正します。
 それで生活困窮者を掌握する方法ですね。これはその対象の方が相談に見えないとなかなかわからないですよね。ですから、どういうふうにしてその困窮している方々をサポートするかという事業ですから、どういうふうにして把握をするかということが非常に重要になってくると思うんですけれども、この部門の取り組みについてはいかがですか。
○子ども生活福祉部長(金城 武) やはり、なかなかその生活困窮者は自主的に相談に来られない方も結構いるかと思っております。そういう意味で、地域の民生委員、児童委員の方にもこの制度を我々としては説明会を行っておりまして、制度を理解していただいて、地域にそういう生活困窮者、対象になるような方がいらっしゃいましたらぜひ相談のほうにつなげていただきたいということで、これまで取り組んできているところでございます。
○金城  勉 この件は、この事業が効果を発揮するかどうかの非常に重要なポイントだと思います。ですから、例えばさっき各部署横断的なワンストップサービスの話もしましたけれども、やはり困窮者が本当にサポートしてほしいけれどもなかなか伝え切れないとか、表に出せないとか、相談できないとかいうようなケースも多々あろうかと思います。ですからそういうときには例えば福祉の状況であったり、納税の状況であったり、あるいはまた保険料の状況であったり、子供の状況であったり、さまざまなところからそういう困窮状況の把握というものは迫り方があると思うんですね。ですから、そういうことも広く検討の対象に上げながら、その把握に努めていただきたい。また市町村との連携を深めていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 今議員のほうから御指摘ございましたように、市町村における把握が非常にしやすいといいますか、そういう意味でまたそれも部署も今御指摘のとおり納税部署から福祉の部門も含めていろんな市町村における窓口といいますか、そこの連携が非常に重要だろうということで、今後県としても市町村との連絡会議もございますので、そのことも含めてしっかりと連携がとれるように今後取り組んでまいりたいなと思っております。
○金城  勉 それから市のほうはそれぞれの市のほうで運営しておりますけれども、町村は県がやっていますね。その件について、県のやり方、御説明をお願いします。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後5時14分休憩
   午後5時14分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 子ども生活福祉部長。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 県は町村部を所管しておりまして、特に生活困窮者から一時的に相談を受ける一時相談窓口を町村のほうで担っていただいて、そして県が実施するそれぞれの自立相談支援事業等へのつなぎ、そういうことをこれまでも市町村のほうに協力依頼をしてきております。
 そういう意味で今後ともしっかりと取り組んでいきたいと思いますし、離島におきましてはまた相談支援員等の巡回相談で訪問して支援をしているところでございます。
○金城  勉 皆さんからもらった資料がここにありますけれども、(資料を掲示) 町村の場合には委託事業としてある団体に委託をして、そして中北部、南部の3カ所そして久米島というふうになっていますね。
 ですからここに、ちょっと私課題を感じるんですよ。といいますのは、やはり困窮している方々というのは、交通費さえ工面するのが大変な人たちが多い。具体的に相談を受けているケースもあるのでわかるんですけれども、離れたところに相談に行くということが非常に苦痛であり、金銭的にも負担になっているんですね。ですから、町村のほうから、町や村のほうでその事業を受けたいと、実施したいというケースはどういうふうに対応できますか。
○子ども生活福祉部長(金城 武) ちょっと確認です。
 町村が事業受託するという意味ですか。
○金城  勉 事業実施の主体を町村がやるということについてはどうですか。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 今のところ町村からそういう具体的に自分たちでみずから事業ということのお話はないんですが、県としては地域の巡回相談等でできるだけ相談者が負担にならないようにということで、まず市町村で一時的に窓口となっていただくということをしっかりと周知をし、そして必要に応じてまたこちらから出かけていって巡回相談で具体的な支援策を支援していくといいますか、そういう取り組みを行っていきたいというふうに考えております。
○金城  勉 そうじゃないでしょう。町村から自分たちがその事業を実施したいという声もあるはずですよ。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後5時18分休憩
   午後5時18分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 子ども生活福祉部長。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 町村で具体的にみずから事業を実施ということについては、ちょっと済みません、把握はしておりません。
○金城  勉 じゃ具体的に私が聞いているのは、北谷町の場合は自分たちでやりたいということを、私相談を受けたんですよ。ですから、そういうところがほかにもあるのかなと思って聞いているんですけれども。先ほども申し上げたように、そういう困窮している方々というのは、交通費の工面さえも大変な状況。ですから、身近で相談できて身近で支援を受ければそのほうが一番いいんですよ、巡回サービスで回っていくのはいつになるかわからない。必要なときに必要な支援、相談が受けられるということが一番いいわけですから、それができるのは町村なんですよ、身近なところでね。ですから、これはぜひ御検討をいただきたいと思います。
 それと、ちょっと時間なくなりましたけれども、無戸籍の問題ですけれども、これもDVと非常に強い絡みがあるんですね。そういうふうにDVを受けてもう避難して、そのDVした人とは距離をとる、あるいはまた居場所を知られたくない。だからそうこうしているうちに5年、10年たつうちに、こういう子供ができて、戸籍の問題が生じて、そのできた子供が何の関係もないけれども一番苦しむのは、その生まれた子供が戸籍がとれないというこういうことが現にあって、民法の772条にかかわる部分ですけれども、これについてはまた後日改めてやりたいと思います。これについてもぜひ研究をしていただきたいなと思っておりますので、最後に一言お願いします。
○企画部長(謝花喜一郎) お答えいたします。
 議員から御指摘のように民法772条ですか、嫡出推定が根拠となっているわけですけれども、県としましても無戸籍の状態について、初めて県議会としてそういう議論になりまして、私どもも今回初めて法務局に照会等やったわけですが、全国でも確認しましたところ、全国626名いると。その中で沖縄県14名というのはこの数字が大きいのか小さいのか、これも含めてその実態等についても我々全国のベースと比べて沖縄県の特徴があるのかないのか、そういったものを含めてちょっと研究してみたいと思っています。
○金城  勉 ありがとうございました。
○議長(喜納昌春) 20分間休憩いたします。
   午後5時21分休憩
   午後5時40分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 糸洲朝則君。
   〔糸洲朝則君登壇〕
○糸洲 朝則 皆さん、こんばんは。
 最後の、きょうのしんがりでございますから、こんばんはになりました。いましばらくおつき合いのほどをよろしくお願い申し上げます。
 それでは、通告に基づいて一般質問をさせていただきます。
 まず、知事の政治姿勢についてでございます。
 (1)、新たに設置される政府・沖縄県協議会について伺います。
 政府と県による1カ月間の集中協議は、結果として決裂いたしました。これは、多くの課題を抱える沖縄問題は1カ月程度の集中協議で結論が出せるほどではないということを証明したようなものだと思います。したがいまして、新たに設置される政府・沖縄県協議会において、基地の負担軽減と沖縄振興策を議論していただきたいと思います。
 そこで伺いますが、ア、新協議会設置の意義と期待するもの。
 イ、新たな協議会は、基地負担軽減と振興策が2本柱とのことだが、基地と沖縄振興とのリンク論が懸念されておりますが、知事の所見を伺います。
 ウ、安慶田副知事は「集中協議の延長という認識ではない」とのことだが、その真意を伺います。
 エ、仲井眞県政時代にあった①、主に沖縄振興を話し合う沖縄政策協議会、②、普天間飛行場の負担軽減推進会議という2つの会議がありましたが、これとの違いについて、あるいはこのまた2つの協議会とか推進会議はどうなっているか等もあわせて御説明いただければと思います。
 (2)、県アジア経済戦略構想について伺います。
 ア、県アジア経済戦略構想策定委員会より答申を受けた知事の所見を伺います。
 イ、那覇軍港や自衛隊駐屯地などの用地活用も構想に入っているとのことだが、基地の返還を待たずに共同使用という形でどんどん進められたらいかがでしょうか。知事の所見を伺います。
 ウ、知事は5年ぐらいでしっかりと揺るぎないものにしないといけないと意欲的だが、実施に向けた取り組みについて伺います。
 エ、国の支援や連携等も必要だと考えます。よって、新たな協議会の中でも取り上げられるのか伺います。
 2、福祉行政について伺います。
 (1)、手話言語条例の制定が全国的に広がっております。これまで18県市町で施行されており、北海道や山梨県など少なくとも25自治体が検討中との報道もあります。県議会でも検討委員会を発足させていただきました。条例制定に向けた取り組みをしておりますが、手話言語条例制定について、再度県の考えと対応についてお伺いいたします。
 3、農林水産部関係についてお伺いいたします。
 (1)、オイスカの技能実習生の受け入れについて伺います。
 海外研修受け入れによる農業農村活性化事業として、公募により公益財団法人オイスカが外国人実習生を受け入れ、オイスカ会員の農家や企業に実習生を派遣していると伺っておりますが、オイスカの技能実習生の受け入れについて伺います。
 ア、オイスカの機構及び沖縄における研修体制や実習生受け入れの実績等や、あるいはまた将来展望について伺います。
 イ、研修の科目は農業や建設業関連で68種類120作業と伺っておりますが、本県における業種や傾向性等について伺います。
 ウ、研修を受け入れているオイスカ会員の農家や企業についても、実績と今後の取り組みについて伺います。また、会員登録へのシステムや条件等がありましたら、これについても御説明願います。
 エ、離島の農家や企業の受け入れはどのようになっているでしょうか。離島振興の観点からも積極的に受け入れを推進してはどうでしょうか。
 (2)、小規模離島における屠畜について伺います。
 小規模離島では、屠畜場がないために屠畜場のある島で屠畜をしなければなりません。これは、時間と費用負担を強いられる結果となるばかりか、食文化にも影響を与えかねないことであると考えております。
 そこで伺いますが、小規模離島における屠畜の現状と今後の取り組みについて、県の考えを伺います。
 イ、これまで何度か取り上げてまいりました多良間村の簡易屠畜場の建設について、課題及び見通しについて伺います。
 ウ、慶良間諸島が国立公園の指定後、観光客が急増しているとのことで、先日渡嘉敷島より、なるべく地元の食材を活用したいとのことで、ヤギ、豚等がふえており、地元で屠畜できる体制ができないかとのお話を受けました。県の考えと取り組みについて伺います。
 (3)、県は2015年度から取り組む漁業の担い手確保・育成を目指す、未来のマリンパワー確保・育成一貫事業の報道がありました。このマリンパワー確保・育成一貫事業について御説明をお願いいたします。
 (4)、県漁連は、泊魚市場の荷さばき所の移転可能性などを調査する準備室の設置を検討しているとの報道がありますが、県の考えと対応等について伺います。
 (5)、多良間村製糖工場の建設について、当村では、技術者を初めとする人的支援が求められますが、県の対応について伺います。
 (6)、多良間村の土地改良の進捗状況と今後の取り組みについて伺います。
 (7)、多良間村の農業集落排水事業について伺います。
 飲料水を初めとする生活用水を地下水に頼る多良間島では、地下水汚濁の要因の一つである生活雑排水の処理は大変重要であります。村では、農業集落排水事業は地下水の汚濁防止と日量300から400トンの処理水が農業用水として再利用できる利点があるということで、農業集落排水事業の実施に期待をしております。県の考えと対応について伺います。
 4、離島振興について伺います。
 (1)、粟国空港着陸失敗について伺います。
 ア、粟国空港での着陸失敗で、国交省や那覇署はそれぞれ調査官や署員を粟国へ派遣して調査しているが、事故の原因や県の対応について伺います。
 イ、粟国空港は滑走路が800メートルと短く、安全確保の観点からも滑走路の延長が求められますが、県の対応について伺います。
 ウ、この事故に伴って、12月には石垣―波照間、石垣―多良間で就航予定でしたが、延期の見通しとのことだが、どれぐらい延期される予定か伺います。
 (2)、渡嘉敷村の港湾整備について伺います。
 ア、昨年の台風で破壊された防波堤がまだ復旧しておりません。先日も現場を確認しましたが、破壊されたそのままで早急な復旧工事が求められますが、県の取り組みについて伺います。
 イ、渡嘉敷村は、かねてより安全な航路確保のためには、あと1本の沖防波堤の建設を要望しております。台風の前後とか冬場になりますと何日も船が入らず、島民の生活のみならず基幹産業である観光産業にも多大な影響を与えるというふうに言われております。沖防波堤の建設を求め、県の考えと対応について伺います。
 (3)、スマートエネルギーアイランド基盤構築事業、いわゆる小規模離島における再生可能エネルギー最大導入事業の進捗状況と今後の取り組みについて伺います。
 5、土木行政について伺います。
 (1)、真嘉比遊水池は50年に一度の大雨を想定してつくられたが、近年の大雨でも下流部は浸水しており、せっかくの遊水地が機能していないとのことで、これまでも何度か取り上げてまいりましたが、県は、近年の大雨でも機能できるように見直しを検討していきたいとの答弁でしたが、その後の取り組みあるいは進捗状況について伺います。
 6、我が会派の代表質問との関連について伺います。
 那覇市への特別支援学校の設置についてでございますが、今定例会にも多くの議員が取り上げているように、大変関心の高い重要な課題であります。諸見里教育長も特別支援学校設置の必要性は認識しているものの、用地確保が困難であるとのことですが、先日の島袋大議員も提案しているように、公安委員会運転免許試験場跡地や旧赤十字病院跡地は県有地であり、検討に値するものと考えます。また、東京都におきましては、中央区八重洲のJR東京駅前の建設が予定されている高層ビルを中心とした複合施設内に区立城東小学校が入居するとの報道もあります。このように県が特別支援学校の設置を決意すれば、方法は幾らでも考えられるものであると私は思いまして、再度諸見里教育長の考えを伺います。
 以上質問をいたしました。答弁のほう、よろしくお願いいたします。
○知事(翁長雄志) 糸洲朝則議員の御質問にお答えをいたします。
 知事の政治姿勢に関する御質問の中の、アジア経済戦略構想策定委員会からの報告と実施に向けた取り組みについてお答えをいたします。1(2)アと1(2)ウは関連しますので一括してお答えいたします。
 沖縄県は、中国、東南アジアなど人口20億人以上の巨大マーケットの中心に位置しており、その地理的優位性を生かし、アジア経済のダイナミズムを取り込み、ともに発展していくことは、沖縄の経済・産業の成長を図る上で極めて重要であり、アジア経済戦略構想はその方向性を示すものになると認識しております。策定委員会からは、スピード感とスケール感を持って取り組む必要があるとの意見があり、県としても同様に考えております。
 今後は、構想の実現に向け、具体的な事業やプロジェクト、スケジュール等を盛り込んだ計画を策定し、県だけでなく、国や民間等も含めた実施体制を早急に整備し、戦略構想の効果を早期に出せるよう、さまざまな施策を展開してまいりたいと考えております。
 次に、離島振興に関する御質問の中の、小規模離島における再生可能エネルギー最大導入事業の進捗状況と今後の取り組みについてお答えをいたします。
 小規模離島における再生可能エネルギー最大導入事業では、太陽光発電と風力発電及び蓄電池の組み合わせにより、島内消費電力に対する再生可能エネルギーの比率を50%から70%まで高めることを目指しております。平成25年度は、小規模離島8島で可能性調査を行い、平成26年度には実現性の高い北大東島、多良間島、波照間島において詳細な調査を実施しております。今年度は、これら3島で太陽光発電事業を行う民間事業者を公募したところであり、年度内に離島町村も含めた選定委員会において、実施事業者を選定する予定であります。また、次年度から順次整備を行い、5年程度で3島の整備を完了したいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、部局長から答弁をさせていただきます。
○副知事(安慶田光男) 糸洲朝則議員の知事の政治姿勢についての御質問のうち、新協議会設置の意義と期待するものについてお答えいたします。
 県としましては、国との対話の窓口は閉ざすべきではないと考えており、政府・沖縄県協議会(仮称)の設置について国と合意したところであります。沖縄県の基地負担軽減及び振興策については、県、国ともに重要な事項であると認識しており、今後とも国との話し合いは継続してまいりたいと考えております。
 次に、同じく知事の政治姿勢についての御質問の中で、新たな協議会と集中協議についてにお答えいたします。
 集中協議については、工事を一時中断し、忌憚のない意見交換を行うことで、政府と県の間で理解を深めることを目的として実施したものの、協議は平行線に終わりました。
 しかしながら、県としましては、国との対話の窓口は閉ざすべきではないと考えており、政府・沖縄県協議会の設置について国と合意したところであります。
 以上であります。
○知事公室長(町田 優) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、新たな協議会による基地と沖縄振興とのリンク論についてお答えします。
 県としましては、基本的に、沖縄県の振興策は基地問題とは別であると考えており、新たな協議会においても、振興策とは関係なく沖縄の過重な基地負担の軽減を求めてまいりたいと考えております。
 次に、沖縄政策協議会及び負担軽減推進会議と新たな協議会の違いについてお答えします。
 沖縄政策協議会小委員会は平成25年3月に設置され、基地負担の軽減及び沖縄振興策について協議することを目的とし、内閣官房長官、沖縄担当大臣、外務大臣、防衛大臣、沖縄県知事を構成員としております。また、普天間飛行場負担軽減推進会議は平成26年2月に設置され、特に普天間飛行場の危険性除去を中心とした負担軽減を目的とし、官房長官、外務、防衛、沖縄担当大臣と沖縄県知事及び宜野湾市長を構成員としております。
 これに対して、政府・沖縄県協議会は、沖縄県の基地負担軽減策及び振興策について協議することを目的とし、官房長官、外務、防衛、沖縄担当大臣、沖縄県知事に加えて官房副長官及び副知事を構成員としております。沖縄政策協議会小委員会と比べますと、協議目的はほぼ同様で、官房副長官及び副知事が構成員に追加されている点が異なります。普天間飛行場負担軽減推進会議と比べますと、同会議の目的が普天間飛行場の負担軽減に特化している点が異なります。
 次に、新たな協議会での県アジア経済戦略構想の扱いについてお答えします。
 基地負担軽減と振興策について協議することを目的に、政府・沖縄県協議会の設置について合意したところですが、具体的な協議内容については、今後政府と調整を進める中で検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○商工労働部長(下地明和) それでは、知事の政治姿勢についての御質問の中の、那覇軍港や自衛隊駐屯地等の用地活用についてお答えいたします。
 沖縄県アジア経済戦略構想では、成長著しいアジアの巨大市場の中心に位置する地理的優位性を生かして、国際競争力ある物流拠点の形成や航空関連産業クラスターの形成など、今後の沖縄経済を牽引する基軸となる産業の振興に重点的に取り組むことが示されております。
 県としても、これらの産業の成長を推進することが本県の経済発展を図る上で重要であり、そのためにも、那覇空港・那覇港に近接する産業用地の確保が必要であると考えております。
 御提言の趣旨については、今後、関係機関や関係者等と調整を行い、理解が得られるよう積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 福祉行政の御質問の中で、手話言語条例の制定についてお答えをいたします。
 県では、「沖縄県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例」において、障害特性に応じた情報提供に必要な施策を講ずることを規定し、それに基づき手話通訳者の養成や派遣の予算を増額するなど、聴覚障害者施策の充実に取り組んでいるところであります。
 県としましては、本条例の基本理念である障害のある人が障害のない人と等しくその尊厳にふさわしい生活が保障されるよう、聴覚障害者の意思疎通支援を初め各種施策を着実に実施するとともに、本条例の趣旨が県民に広く浸透するよう広報啓発に努めてまいります。
 手話言語条例につきましては、平成27年度に先進地の現地調査を実施して情報収集等を行うとともに、関係団体との意見交換等を行いたいと考えております。
○農林水産部長(島田 勉) それでは、農林水産部関係の御質問の中で、オイスカの機構と沖縄における研修体制、実習生受け入れの実績等及び将来展望についてお答えいたします。
 公益財団法人オイスカでは、発展途上国の産業基盤を担う若者の育成や国際的な視野に立った途上国の地域社会のリーダー養成等を目的に、外国人技能実習制度に基づき、実習生及び受け入れ農家の確保、出入国や在留資格に伴う手続等を実施しております。平成26年度末現在、98人の外国人技能実習生が県内で研修を実施しております。一方、県では、沖縄振興特別推進交付金を活用した海外研修受け入れによる農業農村活性化事業により、オイスカを通じて外国人技能実習生のうち68人の支援を行っております。
 県といたしましては、今後、当該事業の成果を踏まえ、農家が自立的に受け入れる体制構築につなげていきたいと考えております。
 次に、本県における技能実習生の職種などについてお答えいたします。
 本県における公益財団法人オイスカによる技能実習の職種は、農業関係のみで行われており、平成26年度の実習生98人は、畑作・野菜が86人、施設園芸が12人となっており、品目についてはサトウキビ、野菜、菊などとなっております。
 次に、受け入れ農家の条件等と離島における受け入れの推進についてお答えをいたします。3の(1)ウと3の(1)エは関連いたしますので、恐縮ですが一括してお答えいたします。
公益財団法人オイスカの会員登録の条件としては、1、5年以上の農業経験があること、2、農家の場合は労災保険に加入すること、3、企業の場合は社会保険、雇用保険及び労災保険に加入することと聞いております。沖縄県内における平成26年度末現在、オイスカを通じて外国人技能実習生を受け入れている農家や法人は45戸で、そのうち海外研修受け入れによる農業農村活性化事業による受け入れ農家は37戸となっております。離島地域においては、16戸の農家で技能実習を行っており、県としましても、発展途上国等の人材育成、農村地域の活性化を図る目的から受け入れを積極的に推進しているところであります。
 次に、小規模離島における屠畜の現状と屠畜場設置の考えと取り組みについてお答えいたします。3の(2)アと3の(2)ウは関連しますので一括してお答えいたします。
 県内には、沖縄本島に2カ所、久米島町、宮古島市、石垣市及び与那国町にそれぞれ1カ所、計6カ所の屠畜場が設置されております。小規模離島に限らず、家畜を屠畜する場合は、いずれかの屠畜場で行う必要があります。小規模離島において新たに屠畜場を設置するためには、1、地元住民の同意取得、2、設置に必要な衛生管理者の確保、3、事業の費用対効果などの課題を解決する必要があります。
 県といたしましては、地元の意向を踏まえて、村と検討してまいります。
 次に、多良間村の簡易屠畜場建設の課題と見通しについてお答えいたします。
 平成26年12月末現在の多良間村におけるヤギの飼養戸数は67戸、飼養頭数は474頭、豚の飼養戸数は2戸、飼養頭数は105頭となっております。多良間村では、島おこしの一環としてヤギ肉を利用した特産品の開発・製造を行っておりますが、村内に屠畜場がないことから、簡易屠畜場の整備について検討してきたところであります。しかし、設置に必要な衛生管理者の確保や屠畜場の採算性などの課題があり、事業化に至っていない状況にあります。
 県としましては、今後とも多良間村や地元の意向を踏まえて検討してまいります。
 次に、未来のマリンパワー確保・育成一貫支援事業についてお答えいたします。
 県では、今年度から沖縄振興特別推進交付金を活用し、新規漁業就業者の確保・育成を目的とする未来のマリンパワー確保・育成一貫支援事業を実施しております。具体的には、1、小中学生を対象とする水産教室によるパヤオでの釣り体験、2、インターンシップ制度を活用し、高校生を対象とするカツオ一本釣り漁業体験実習、3、新規就業者を対象とする漁具等の漁業経費の支援などを実施しております。
 県としましては、今後とも市町村、漁協と連携し、水産業の担い手確保・育成に積極的に取り組んでまいります。
 次に、県漁連の準備室設置への県の考え方と対応等についてお答えいたします。
 県漁連は、9月1日付で糸満漁港における衛生管理型市場建設に伴う新たな経費負担や泊漁港の既存施設の維持経費等を総合的に判断し、移転の是非を判断するためのプロジェクトチームを設置しております。
 県としましては、移転に伴う諸課題について、県漁連と調整を進めるとともに、流通業者や関係市町村と連携し、早期に移転が図られるよう取り組んでまいります。
 次に、多良間村製糖工場建設への支援についてお答えいたします。
 多良間村製糖工場については、多良間村を事業主体として、平成27年度から2カ年事業で整備を実施しております。現在、多良間村は、宮古製糖の技術者の協力を得て事業に取り組んでおり、県としては、随時、事業の進捗を確認しているところであります。
 県としましては、事業が円滑に進むよう、工程会議へ参加するなど、関係機関と連携し、必要な支援を行っていきたいと考えております。
 次に、多良間村の土地改良の進捗状況と今後の取り組みについてお答えいたします。
 多良間村の土地改良事業は、圃場整備が要整備面積602ヘクタールに対し、平成26年度末までの整備済み面積が526.2ヘクタール、整備率が87.4%となっております。また、農業用水源の整備については、要整備面積984ヘクタールに対し、平成26年度末までの整備済み面積が342ヘクタール、整備率が34.8%となっております。圃場整備はかなり進んでいるものの、農業用水源の整備がおくれていることから、現在国が国営かんがい排水事業の採択に向けて調査を実施しているところであります。
 県としましては、引き続き国、多良間村等の関係機関と連携し、土地改良事業を推進してまいります。
 次に、多良間村の農業集落排水事業の導入についてお答えいたします。
 多良間村における生活排水の処理については、平成23年3月に策定した沖縄県下水道等整備構想において、農業集落排水事業により処理施設等を整備し、生活環境の改善を図ることとしております。
 県としましては、今後多良間村など関係機関と連携し、農業集落排水事業の導入に向けて取り組んでまいります。
 以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 離島振興についての御質問の中の、粟国空港での事故の原因と県の対応についてお答えいたします。
 粟国空港で起きた事故の原因については、現在、国の運輸安全委員会において調査中であります。県の対応として、事故当日の8月28日に第一航空を県に呼び、事故原因の徹底究明と速やかな情報開示、再発防止策の検討、安全運航の徹底について申し入れを行っております。9月7日には、再度文書にて事故原因の徹底究明や再発防止策等を要請するとともに、運航の再開に当たっては、県や地元粟国村に対し、十分な説明を行い理解を得た上で運航を再開することを要請したところであります。
 次に、粟国空港での事故の影響による先島線就航の見通しについてお答えいたします。
 第一航空によりますと、石垣拠点の石垣―波照間、石垣―多良間路線の就航時期の見通しについては、事故原因の究明や再発防止策を含めた社内体制の強化など、国土交通省による安全運航の確認が行われた時点で、就航時期を明らかにすることができるとしております。
 以上でございます。
○土木建築部長(末吉幸満) 離島振興に関する御質問の中で、粟国空港の滑走路延長についてお答えします。
 国内の空港における滑走路長については、空港土木施設の設置基準・同解説に基づき、就航する航空機材の種類及び型式に応じて決定されます。今回、新たに就航したツインオッター(DHC-6-400、19名乗り)は、滑走路長800メートルに対応した航空機材であることから、現時点では、滑走路を延長することは検討しておりません。
 同じく離島振興に関する御質問の中で、渡嘉敷港の沖防波堤の復旧についてお答えします。
 昨年7月に被災した渡嘉敷港の防波堤については、船舶の航行の安全性を早急に確保するため、昨年10月までに港内に飛散した消波ブロックを撤去する応急対策工事を実施しております。その後、昨年12月に国の災害査定を受けましたが、災害査定の保留規定である4億円を超える約7億8000万円の決定額であったことから、国から査定額の採択が保留されておりました。
 県においては、今年5月中旬に国より保留解除の通知を受け、7月中旬に復旧工事を契約し、着工前の現地調査、測量等を実施しております。工事の本格的な着手については、台風襲来の影響を受け10月からとなっておりますが、年度末までに完了することとしております。
 同じく離島振興に関する御質問の中で、渡嘉敷港の沖防波堤についてお答えします。
渡嘉敷港は、南東からのうねりが港内まで侵入して船舶が動揺し、係留や荷役作業に支障が生じて欠航する場合があることから、過去に渡嘉敷村より沖防波堤の建設について要望がありました。要望があった沖防波堤については、設置箇所が約30から40メートルの大水深であることから、技術上の課題や多大な事業費の確保、費用対効果等の課題があり、渡嘉敷村と調整した結果、他の方策で対応することとしております。
 県としては、フェリー欠航の解消を図ることは渡嘉敷村の振興・発展のため重要であると考えており、渡嘉敷村と連携しながら、早期整備に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、土木行政についての御質問の中で、真嘉比遊水地の機能見直しについてお答えします。
 真嘉比遊水地は、安里川や真嘉比川等とあわせ、50年に1回程度の降雨で十分に機能を発揮する施設として整備しております。しかしながら、下流の河川整備が用地取得難航等でおくれており、河川改修が進捗するまでの間、比較的小規模な降雨でも同遊水地が機能し、下流の浸水被害の軽減につながるような運用を検討してきたところです。その結果を踏まえ、真嘉比川の堰をかさ上げし遊水地へ流入しやすくする暫定運用を盛り込んだ、安里川水系河川整備計画案を作成したところであります。現在、那覇市との調整を行っているところであり、今後、住民説明会を開催するとともに、学識経験者からの意見聴取を経て、河川整備計画を策定し、今年度内に工事を実施することにしております。
 以上でございます。
○教育長(諸見里 明) それでは、我が会派の代表質問との関連についての御質問で、特別支援学校の候補地及び那覇市との連携についてお答えいたします。
 県教育委員会としましては、那覇市内への特別支援学校設置の必要性を認識しており、学校用地や設置形態等について、研究を行っているところです。
 御提案のありました公安委員会の跡地等幾つかの候補地につきましては、他の利用計画の状況や敷地規模・周辺環境など立地条件に関する検討が必要であると考えております。なお、今後とも那覇市等の関係機関と連携を密にして、御提案の跡地も含め学校用地の情報収集を行ってまいります。
 以上でございます。
○糸洲 朝則 御答弁ありがとうございました。
 何点か再質問をさせていただきます。
 小規模離島における屠畜場、いわゆる島が小さいだけになかなか対応できないというのが現状だと思います。実は、先ほど渡嘉敷の話を出したのは、私は多良間の屠畜場の関連でいろいろやっておりましたこともありまして、ぜひ島に来てくれと、実情を見てくれということで行ったんです。結構、豚、ヤギの頭数がふえておりまして、加えてヤギに至ってはもう野生化して、それをとれるという状態にあるという。ただ、自分で食する分には従来の手法でもいいんだけど、観光客もこれだけ来る。したがって、これをきちっと商売に回すとなると屠殺場がないとできないということで、これは何とかできないかということで実は提案をいたしました。したがって、この問題は、渡嘉敷に限らず、特に渡嘉敷、座間味はますます観光客がふえますから、観光客の食料も含めてなるべく地元の食材をというのが、これがやはりおもてなしの基本だと思いますから、そのリクエストに応えていかなければならないだろうというのが政治や行政のまた務めでもあろうかと思ってこれは出しました。
 これは多分、行ってこいの質疑の中で解決できるとは思っておりませんので、今後ぜひ渡嘉敷、座間味を初め小規模離島の食生活の面も含めて検討していただきたいと思います。
 つきましては、多良間の屠畜場については、これまで管理衛生士の問題で厳しいということで、実は村長と宮古福祉保健所とかもいろいろお訪ねをしたりしておりますが、なかなかいい答弁が得られなくて今日に至っております。いわゆる屠畜場、屠殺場をつくる上において法的な制約というのがあるわけですよね。あるいは条例の制約という、そういうのがあろうかと思いますが、まずそのことについて御説明いただければありがたいですが。
○農林水産部長(島田 勉) 小規模離島の屠畜場の建設についてでございます。先ほども答弁いたしましたが、家畜を屠畜する場合は、と畜場法で屠畜場で家畜等の殺傷処分を行う必要がございます。渡嘉敷村や多良間村に限らず、ただ、こちらの建設については、議員もおっしゃいましたように、いろんな制約がございまして、新たに設置するためには、住民の同意取得、それから衛生管理者の確保、何よりもどうしても費用対効果というのを考えなければいけないので、今のところその辺が難しいんだろうなと思います。ただ、いずれにしましてもその状況については、多良間村や渡嘉敷村の状況も聞いてはおりますので、その辺はちょっとどういうことができるか考えてみたいと思います。
○糸洲 朝則 今部長の答弁で費用対効果の話が出ました。確かに、今多良間村は、宮古本島に送ってそこで屠殺して持って帰ると。これは、費用だけの問題じゃなくて、鮮度の問題にも影響するんです、食べ物ですから。そういう面で、やはり何とか島で屠殺ができるのであれば、これにこしたことはないなという思いは常に持っています。
 先ほどの冒頭の答弁の中に、与那国島が入っていましたね。与那国島の状況、例えば与那国島が参考にならないかという思いがいたしましたので、与那国島の状況を教えていただけませんか。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後6時23分休憩
   午後6時24分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 農林水産部長。
○農林水産部長(島田 勉) 与那国町の食肉処理場として設置されております。設置が平成23年でございます。開設者は与那国町長ということで、処理能力として、1日の処理能力が大動物2頭、小動物10頭の処理能力となっております。処理の対象としては、牛、馬、豚、ヤギ、綿羊というふうになっておりまして、屠畜検査員を1名置いております。
 以上でございます。
○糸洲 朝則 その衛生管理者いわゆる資格者が必要だということで多良間は随分苦労して滞っているんですが、それについてはどうですか。
○農林水産部長(島田 勉) 衛生管理者を設置するに当たりまして、衛生管理者になれる資格等でございますが、まず1つに獣医師……
○糸洲 朝則 いえいえ、それはちゃんと聞いている。それについてどういうふうに対処しているか、資格はわかりますよ。
○農林水産部長(島田 勉) 休憩をお願いします。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
   午後6時25分休憩
   午後6時26分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
 農林水産部長。
○農林水産部長(島田 勉) 済みません。
 今ちょっと手元にございませんので、確認してお答えしたいんですけれどもよろしいでしょうか。
○糸洲 朝則 幸い、与那国町でそういう屠畜場ができている。今お話も伺いましたので、これは小規模離島、特に多良間にとっては島の規模的な問題から言っても一番参考になるんじゃないかなと思いました。私も今後研究をいたしたいと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。
 それと、オイスカの件を取り上げましたけれども、先ほど実績等も聞かせていただきました。現場の農家2件ほどお話を伺いまして、多分これは26年度の事業がまだ継続しているから、今一括交付金の助成でやっていると思うんですが、ちまたで皆さんから聞くと、来年の3月で切れるとかいう話をしているんで、これ何とか継続できないかという声と、むしろもっとふやしてほしいという意見が現場の声じゃないかなと感じたんですが、実際今の事業はいつまでの契約で、次はどうなるかというところのお話を聞けたらありがたいんですが。
○農林水産部長(島田 勉) オイスカのその研修事業そのものが3年事業、3年の研修事業となっておりまして、今一括交付金で本県がやっております海外研修受け入れによる農業農村活性化事業、これが平成25年度から29年度までの事業としてやっております。ですから、現在25年度の途中で受け入れておりますので、25、6、7それから26年度に受け入れた研修生が6、7、8と3年間おりまして、一括交付金事業そのものが今のところ29年でございますので、それ終了した後でも、やっぱり農家から好評でございますので、何とか支援できないかどうかの、その今検討をしているということでございます。
 それから、参考までにこのオイスカでの事業については、今98名、26年度末でいると答弁いたしましたが、うちの事業で受け入れているのが68名というござますので、あと30名は別にオイスカの会員として受け入れているわけですから、以前からそういう事業としてはあったので、ただ好評でございますので、うちの一括交付金事業が終了した後でも何とかつなげられるかどうかは、ちょっと検討してみたいと考えております。
○糸洲 朝則 ぜひ労働力の確保というのみならず、この受け入れ農家の話を聞きますと、大変真面目でよく仕事もやるし、何よりもお互いの文化の交流ができると。座間味村の当山さんなんかは、今度の研修生が終わると一緒にフィリピンまで行きたいという思いを語ってくれたりしておりました。したがって、皆さん方が構想しているこの国際交流、貢献というものにもつながっていくかなという思いをいたしました。
 ただ、私がこの通告をしたら、いろんなところから情報が入りまして、何でオイスカ1社なのかと。例えば、美ら島何とかというのもありまして、ここも水産加工の実習生あるいは農家というところに出しているようでございまして、ほとんどのところがその企業が持っているんですよね。だから、この補助金をもう少しふやして、例えば同様な財団とかあるいは企業があったらそこにもっと分散というか、広げていけばもっともっと研修生を受け入れられることになるじゃないかということも感じましたので、これもぜひ検討していただきたいんです。それ一応聞きましょうか。
○農林水産部長(島田 勉) 現在実施しておりますこの海外研修受け入れによる農業農村活性化事業、これは平成25年度、26年度とも委託団体を選定するに当たりまして、公募等プロポーザル方式によって公募実施しております。その際、主な参加資格要件として、外国人技能実習生の受け入れ活動に精通し、県内の農家において研修実績を有すること、それから委託事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、十分な遂行体制がとれること等を参加資格要件といたしまして審査した結果、公益財団法人オイスカが委託先として決定したという経緯がございます。この事業のうちの一括交付金の事業の期間で、さらに受け入れをする場合に、またプロポーザル方式をとることになりますが、これは公平にやっていきたいと思います。
○糸洲 朝則 次、積極的な取り組みで外国人の研修生を受け入れて、沖縄ならではの持ち味が出されているんじゃないかなという感をいたしました。この実習生とは関係ない話ですが、我が生まれ島の多良間島では、フィリピンから嫁をたくさんいただいておりまして、そういう面でもやはり多良間のほうに研修生が、フィリピンあたりから来るともっともっと交流深まるかなという思いもしたりしております。
 それで、知事、先ほど在住の外国人について労働力云々という話、商工労働部長からありましたけれども、実は今農業と水産業の話しましたけれども、建設業においてもベトナムの実習生を受け入れるという記事が29日に出ております。これは、アイム・ジャパンという公益財団法人のほうを通して16名の21歳から26歳の男性を受け入れて、そして鉄筋業の皆さん方に配置をして、この費用については、企業が持っている月額基本給12万1000円、それでアイム・ジャパンに管理費など5万から6万円をお支払いする。もう民間企業が、あるいは民間団体がこういうふうな取り組みをしています。やはり県は農業あるいは工業、商業含めてそういう人材確保、国際交流に向けての取り組みを積極的になさったらどうかということを御提案申し上げまして終わります。
 どうもありがとうございました。
○議長(喜納昌春) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明6日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時34分散会

 
20150706000000