○議長(喜納昌春) これより本日の会議を開きます。
日程に入ります前に報告いたします。
12月10日から12日までに受理いたしました請願1件及び陳情3件は、お手元に配付の請願及び陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
――――――――――――――
〔請願及び陳情文書表 巻末に掲載〕
――――――――――――――
○議長(喜納昌春) 次に、説明員として出席を求めた教育委員会委員長宮城奈々さんは、別用務のため本日及び17日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として本日の会議に教育委員会委員照屋尚子さん、17日の会議に同委員会委員泉川良範君の出席を求めました。
また、人事委員会委員長玉城健君は、所用のため本日及び17日の会議に出席できない旨の届け出がありましたので、その代理として人事委員会事務局長平良宗秀君の出席を求めました。
その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
――――――――――――――
〔諸般の報告 巻末に掲載〕
――――――――――――――
○議長(喜納昌春) この際、念のため申し上げます。
本日及びあすの2日間にわたって行われます代表質問並びに一般質問及び議案に対する質疑につきましては、議会運営委員会において決定されました質問要綱に従って行うことにいたします。
――――――――――――――
○議長(喜納昌春) 日程第1 代表質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
座喜味一幸君。
〔座喜味一幸君登壇〕
○座喜味 一幸 おはようございます。
自民党を代表いたしまして、通告に従い代表質問を行います。
まず第1点に、知事公約についてであります。
去る11月16日に行われた第12回沖縄県知事選挙において初当選されました翁長雄志知事に、自由民主党を代表しておめでとうと述べさせていただきます。
おめでとうございます。
我が自民党も、3選を目指した仲井眞弘多知事を全力で応援をいたしましたが、力及ばず敗れました。
選挙が終わってみれば、戦った相手であっても、これからの沖縄の振興・発展に向け頑張っていただくことを願うものであります。
しかし、オール沖縄をアピールし戦ったのが翁長知事でありますが、県議会の構成を見ましても革新県政与党そのものであります。翁長知事のオール沖縄とは一体何であったのか、何をもってオール沖縄と言ったのか、釈然としないのが本音であります。
翁長知事は、その選挙公約の中で、「沖縄では、もはや保守が革新の敵ではなく、革新が保守の敵でもありません。いたずらに保革の対立を煽る手法はもう過去のもの」と述べ、オール沖縄を強調しているのであります。しかし、一部経済界からの支援があったとはいえ、革新陣営に支えられた翁長候補を含め、保守・中道など4人の候補者が選挙戦を戦ったこと自体、既にオール沖縄候補は存在しなかったのであります。
衆議院選挙を見ましても、根っからの保守を自認しながら、沖縄の保守で根っからの保守である自民党候補を全て追い落とす先頭に立って奔走する姿から、オール沖縄、保守政治家としての確固たる姿勢は見受けられません。
さらに、私は保守だが沖縄の保守ですと強調したことも、かつて自民党県連の幹事長を担って那覇市長に転身した翁長知事でありますから、革新候補として出馬することはあり得ず、現実は革新陣営のみこしに乗っかっていても保守であることを言い続ける必要があり、その担保となるのがオール沖縄であったと私は考えます。しかしながら、10万票差で完勝したのは現実であります。
今後4年間、翁長知事の県政運営となるのでありますが、県の行政事務の範囲は那覇市という1市だけとは違い、41市町村全てを見なければならず、知事一人が全てを把握することは事実上不可能であります。その意味で2人の副知事のうち1人は行政、他方は経済学識経験者を登用してきたこれまでの慣例を破り、政治家出身を2人充てたことに疑問を呈さざるを得ないのであります。まさか基地問題に集中するため、経済を後にしたとは思いませんが、県経済はいまだ国による振興予算や特別措置に大きく依存している状況にあることを認識するべきであると考えます。
また、県議会における翁長知事を支える与党の構成を見ても、辺野古移設と基地問題を除けば、経済、雇用、産業育成、医療福祉、教育など必ずしも考え方や政策が一致しない枠組みにあることで、那覇市長のときのような立場で県政運営ができるか懸念されるものであります。
我が自民党も翁長県政に対し、何が何でも反対という立場をとらないことは当然でありますが、「オール沖縄」や「イデオロギーよりアイデンティティー」、「誇りある豊かさ」など県民受けする耳ざわりのいい言葉で県民の共鳴を得た翁長知事が、これらの言葉どおりの県政運営で県民との約束を果たすことができるか、注目していきたいと考えます。
そこで、まずこれからの4年間、翁長知事がどのような政治姿勢で県政を運営していくのか、その基本的な考え方から伺いたいと思います。
まず、知事選挙の結果についてであります。
今回の県知事選挙は、翁長知事が初当選し沖縄県知事に就任されました。選挙結果の率直な御感想と今後の県政運営に向けた決意などについてお聞きしたいと思います。
(2)番目に、これからの県政運営に向けての基本姿勢について伺います。
オール沖縄とは何か。去る知事選挙の翁長陣営はオール沖縄であったか。また、建白書を政府に突きつけた行動がオール沖縄であれば、県議会における与野党の枠組みとオール沖縄とは相入れないものであるかお聞きします。
次に、翁長知事の言う自己決定権とは何かということであります。仲井眞県政下で沖縄21世紀ビジョンや一括交付金の創設を見ましたが、それは自己決定権の範囲に入るのか。それとも自己決定権は基地撤去運動や平和運動だけから生まれるものであるかお伺いします。
ウ、翁長知事は、保守とはどのように定義しているのか。自分は保守だが沖縄の保守だと言っています。対比する本土の保守というのがあるのか。また、その姿勢は政治家として一貫して持っていたものであるのかお伺いします。
エ、翁長知事は、自分は根っからの保守であると言っているが、今後4年間、県政運営を保守の政治家として行っていくのか。そうであれば、知事を支える県議会与党とは辺野古移設を除けば考えや政治姿勢で大きな違いがあると考えられるがどうか。また、知事の政治姿勢が貫けるのかお伺いします。
オ、翁長知事は、もはや保守・革新ではない。保革の対立をあおるのは過去のものと述べオール沖縄を強調していながら、衆議院議員選挙で沖縄の保守である自民党候補追い落としの先頭に立ちました。そして、自分は沖縄の保守で根っからの保守と言っています。保守政治家としての信条や政治姿勢と矛盾しないかお伺いします。
(3)、普天間飛行場移設問題等の基本姿勢についてであります。
「建白書で大同団結し、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念、オスプレイ配備撤回を強く求める。そして、あらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地はつくらせない」。翁長新知事の県知事選出馬に当たっての基本的な認識であります。しかし、今回の選挙を通して翁長知事は、辺野古移設阻止を声高に繰り返すばかりで、普天間基地の危険性の除去、一日も早い返還についてどのような方策がとり得るか等の具体的な説明はありません。もう一度申し上げますが、辺野古移設阻止を声高に繰り返すばかりで、普天間基地の危険性の除去、一日も早い返還についてどのような方策がとり得るか等の具体的な説明がありませんでした。
辺野古への普天間飛行場の代替施設建設問題はなぜ起きたのか。その原因は、世界一危険と言われる普天間飛行場の危険性の除去、一日も早い返還の実現にあったことを翁長知事は忘れてしまったようであります。
戦後70年にもなろうとする今日においても、国土面積の約0.6%しかない狭隘な本県に全国の米軍専用施設面積の約74%が集中している現状を容認する県民はおりません。だからこそこれまで幾度となく基地の整理縮小を本県の声として日米両政府に強く求めてまいりました。その象徴的な存在が普天間飛行場の危険性の除去、早期返還の実現であったのであり、それこそオール沖縄としての要求であったのであります。
翁長知事は、辺野古移設を今後100年は置かれる新基地であると県民に強調しておりましたが、辺野古移設は普天間飛行場の代替施設を現存するキャンプ・シュワブ基地の沿岸に埋め立てを含め移設するものであります。同時に、海兵隊とその家族の削減、嘉手納以南の5施設の全面返還と1施設の一部返還が約束された、まさに基地の整理縮小そのものであります。したがって、辺野古移設問題は、普天間の危険性の除去、返還を実現することが主目的だったのであり、辺野古移設は主目的を実現するためのもので、新たに基地を建設するものでは断じてないのであります。
普天間飛行場が現状のまま固定化されるのは何としても避けなければなりません。しかし、圧倒的な県民の支持で翁長県政が誕生しました。普天間基地の移設問題の解決は翁長知事に託されたのであります。この上は、普天間飛行場の危険性の除去、早期返還をどのように実現するのか。少なくとも仲井眞知事は、5年以内の運用停止という具体案を国に対し要求し、県民に提示いたしました。翁長知事にはその案を超える具体策があるのか、その実現に向けどのような工程が提示されるのか。また、辺野古移設を「あらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地はつくらせない」との県民との約束をどのような政策で、どのように具体化するのかであります。
翁長知事は当選後のインタビューで、新基地をつくらなければ物事は動かざるを得ないというのが私の確信だと述べております。そのことは、辺野古移設を阻止できれば普天間はなくなることにつながるとの確信のようであります。
翁長知事は、県外に持っていけというのは無責任との批判が沖縄から出るのは寂しいと述べておられます。確かにそのとおりであります。本来、政府の責任でなすべき問題であります。しかし、県外移設をなすのは政府の責任だとして、ひたすら要求し続けてきた結果、今なお普天間基地は現存し続けているのもまた現実であります。
政治家として、知事として耳ざわりのいい言葉、県民受けする言葉だけでは普天間基地が動かないのは現状を見れば明白であります。日常的に轟音を響かせ市民生活を脅かしている普天間の現状を見れば、沖縄から何らかの方策を提示することも必要であると考えます。翁長知事の普天間基地への対応を県民は注視しています。
質問します。
翁長知事は、普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題が起きたそもそもの原点をどのように認識しているのかお伺いします。
イ、仲井眞前知事が国に対し強く訴えた普天間飛行場の5年以内の運用停止について、翁長知事は否定的な見方をしておりますが、今後とも県の方針として5年以内の運用停止を含め4項目を県の方針として国に求めていく考えはあるか伺います。
次に、普天間基地の閉鎖・撤去を求めるとしているが、どう実現するかについては明確には語っておりません。翁長知事は、新基地をつくらなければ物事は動かざるを得ないというのが私の確信だと述べているが、辺野古移設を阻止できれば普天間基地はなくなるとの確信を抱いているのかお伺いします。
次に、「あらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地はつくらせない」としているが、あらゆる手法とは何か。また、その中には物理的な行動も含まれるのか、具体的な方策について伺います。
次に、公有水面埋立承認について、法的に取り消しができなければ撤回することを明言しておられますが、県は、法律に定められた承認基準に適合し、かつ漁業協同組合等公有水面権利者の同意が得られている等合理的理由があると判断し承認したと説明しております。手続に瑕疵がなく適法と認定・判断された行政行為を、知事がかわったとはいえ取り消すこと、また、適法な承認を撤回してまで守るべき新たな事情や高度な公益上の理由があるのか伺います。
次に、知事は、公有水面埋立承認について、承認した過程を検証するため外部の専門家でつくる委員会の設置を考えているようでありますが、新たに就任したとはいえ行政の長たる知事自身が、県がなした行政行為を外部に検証させることに矛盾はないのか伺います。
次に、翁長知事は、辺野古に新基地をつくらせないことを掲げ当選したことで、埋立承認の撤回の理由となり得るとの考えのようだが、そうであれば、当選したことをもって適法な承認を撤回してまで守るべき高い公益上の理由があるとして、撤回すれば承認取り消しの検証に入る必要もないが、考えをお伺いします。
翁長知事は、埋立承認取り消しまたは撤回した場合、その後の国の対応や県と国との関係についてどのように見通しを持っておられるのか伺います。
次に、翁長知事は、東村高江のヘリパッド建設に反対するとしているが、反対の具体的な行動を起こすのか。また、辺野古移設では地元名護市が反対していることを理由としながら、東村が容認している高江のヘリパッドに反対するのは、政治姿勢として矛盾しないのか伺います。
次に、普天間飛行場辺野古移設に係る沖縄防衛局が提出した埋立工事に関する設計変更申請のうち、残り1件について、審査状況と承認するか否かの判断時期について伺います。
(4)、経済振興関係の基本姿勢について伺います。
4次にわたる沖縄振興策について、県内社会資本や産業基盤の整備は大きく進展してきました。投下された資金の割には県経済への効果が薄く、その多くが本土企業に吸収されているとして地元企業の不満が大きかったのであります。そのような状況からの脱却を図るため、仲井眞県政のもとで県みずからの計画と責任で沖縄の将来像を沖縄県みずから描いた沖縄21世紀ビジョンが策定され、そして21世紀ビジョン計画の各種施策等を具体化させるため一括交付金が創設されたのであります。これにより本県の目指す自立型経済の構築に向けた施策展開が可能となりました。
翁長知事は、かつて県市長会会長として沖縄の将来を担う沖縄21世紀ビジョンの策定にかかわったことで、今後ビジョンの実現を目指して丁寧に推進していきたいと述べ、さらに、ビジョンにない案も盛り込み、既にあるものもめり張りをつけて進めたいと述べております。知事がかわっても本県の経済振興策は沖縄21世紀ビジョンが主体となることに変わりはないと考えます。
また、一括交付金については、県のみならず市町村においても当該地域の実情に合わせた施策が展開できるようになり、まさに使い勝手のよいものとして仲井眞県政の評価につながったのであります。翁長知事は、これからも県経済の発展に欠かせない一括交付金を決して失うようなことがあってはなりません。
また、翁長知事の変質を示すものが、消費税増税に対する姿勢であります。翁長知事は、消費税反対を表明しておりますが、しかし、選挙公約では「消費経済に影響を及ぼす増税に反対します。」と掲げております。消費経済に関係しない税はあり得ないと考えることから、全ての税の増税に反対するということになりますが、そのとおり実行するのか、説明が必要であると考えます。
沖縄県は、去る2月議会において、国の消費税改定に合わせ県水道料金徴収条例など39件の県使用料及び手数料等の消費税に係る改定を行っております。一方、翁長知事は、那覇市長時の2月定例会で、消費税引き上げに伴い那覇市行政財産使用料条例の一部改正や那覇市手数料条例の一部改正を行っておりますが、市長のときは消費税を認めておきながら、県知事になったら消費税を含め全ての増税に反対する理由は何か、明確な説明が必要であると考えます。
そこで、ア、基地建設とリンクしたかのような経済振興策は将来大きな禍根を残すと、基地と経済のリンク論を批判しております。翁長知事は、昨年8月の県市長会総会後の懇親会で、基地に反対するほうが振興策は多くとれると発言したと言われておりますが、これは基地を逆手にとった経済とのリンク論ではないのか伺います。
次に、知事は、「消費経済に影響を及ぼす増税に反対します。」と、消費税だけでなく全ての税の増税に反対するとしているが、全ての税の増税に反対しながら国からの振興予算はもらうというのは、行政として筋が通らないのではないか。
次に、沖縄県は、去る2月議会で県の使用料及び手数料等の消費税に係る改定を行っているが、今後、消費税増税が決定されても水道料金等県の使用料及び手数料等の改定は行わないと理解していいのか。また、その場合、消費税増税分の財源をどこに求めるのかお伺いいたします。
次に、翁長知事は、那覇市長時の2月定例会で、消費税の引き上げに伴い那覇市行政財産使用料条例の一部改正や那覇市手数料条例の一部改正を行っております。市長では消費税を認め、県知事になったら消費税を含め全ての増税に反対するのは政治姿勢に一貫性が欠けているのではないか。
次に、離島力の向上を掲げておりますが、前県政8年間の離島振興の実績についての評価と、翁長県政として多くの離島を抱えさまざまな課題が山積している本県離島の振興をどのように図っていこうとするのか、基本的な考え方を伺います。
次に、知事の憲法観・安全保障等に関する基本姿勢について伺います。
戦後70年近く経過した中で、我が国を取り巻く安全保障は大きく変化してきております。特に、中国の軍事力を背景とした海洋進出、尖閣諸島をめぐる露骨な対日姿勢は我が国の安全保障のあり方に脅威を与えている現状にあります。尖閣諸島を抱える本県にとっても海洋防衛、離島防衛など無関心ではいられないと考えます。そこで、翁長知事の憲法観・安全保障に関する考え方などについてお聞きしたいと考えます。
ア、憲法9条を尊重し世界平和を希求するとしているが、翁長知事は、憲法改正には賛成か。また、集団的自衛権については容認の立場か。
次に、日本の安全保障は日本国民全体で考えるべきとしている。翁長知事は、日米安全保障体制について認める立場に変化はないのか伺います。
以上でありますが、公約、政治姿勢等についての質問でありますから、明快な知事の御答弁をよろしくお願い申し上げます。
○知事(翁長雄志) ハイサイ グスーヨー チューウガナビラ。
座喜味一幸議員の御質問にお答えをいたします。
知事公約についてに関する御質問の中で、県知事選挙の結果及び県政運営についてお答えをいたします。
私は、去る11月16日の県知事選挙において、有権者多数の支持を得て当選をいたしました。142万県民の知事として、その責任の重さに改めて身の引き締まる思いであります。これから県民が誇りある豊かさを手にしていけるよう、議員各位、県民の皆様と心を一つにして全力で県政運営に取り組んでまいります。
次に、オール沖縄についてお答えをいたします。
私は、21世紀はイデオロギーを乗り越えた県民本位、県民の心に寄り添った政治が必要であると考えております。これまで私たちは、みずから持ってきたわけでもない基地を挟んで、経済か平和かと厳しい選択を迫られてまいりました。しかし、社会情勢の変化とともに、これらは両立し得るものとなってまいりました。今後は、保守対革新という古い思想から脱却し、未来を担う子や孫のために誇りある豊かさをつくり上げ引き継いでいくことが重要であり、これがオール沖縄の精神であると考えております。
今回の知事選挙においては、このような私の考えに賛同し、イデオロギーの垣根を乗り越え多くの方が私の支持団体に参加していただきました。県政の幾つかの重要課題については、与野党を問わず率直に私の考えを申し上げ、御協力をお願いしていきたいと考えております。
次に、自己決定権についてお答えをいたします。
自己決定権は、長い歴史の中で沖縄、琉球が抱えてきた問題であると考えています。今日もなお多くの県民が基地の存在に違和感を持っており、70年前の悲惨な地上戦だけではなく、将来に向けても不安を感じております。自己決定権がないため、平和、基地の問題に翻弄されるようでは、沖縄に生まれた政治家として、沖縄の将来を担う子や孫に責任が持てないと考えております。仲井眞県政においては、県民の英知を結集し沖縄21世紀ビジョンを策定いたしましたが、沖縄の自己決定権の考えを踏まえ、具体的な諸施策を展開してまいりたいと考えております。
次に、保守政治家としての姿勢についてお答えをいたします。
私は、沖縄の豊かな自然、琉球王朝時代から育まれてきた歴史、文化や伝統、万国津梁の精神というソフトパワーを大切にし、未来を担う子や孫に引き継いでいくことが沖縄の保守の立場であると考えております。また、私は、保守の政治家として日米安全保障体制の必要性は理解しております。しかしながら、戦後約70年を経た現在もなお、国土面積の約0.6%である本県に約74%の米軍専用施設が存在する状況は異常としか言いようがありません。日本の安全保障が大事であるならば、日本国民全体で考えるべきであります。日本全体の安全保障の必要性を理解した上で、どうしても認められない不条理なものについては問いただしていくことが沖縄の保守であると考えております。
私は、保守としての政治家の立場であっても、ウチナーンチュとしてのアイデンティティーは一貫して持ち続けております。
次に、今後の県政運営についてお答えをいたします。
私は、今回の知事選挙において、保革を乗り越えオール沖縄で普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念、オスプレイ配備撤回に取り組むことを訴え、有権者多数の支持を得て当選いたしました。今後の県政運営については、知事選挙で私を支援していただいた与党の皆様と連携してまいりたいと考えております。県政の幾つかの重要課題については、与野党を問わず率直に私の考えを申し上げ、御協力をお願いしていきたいと考えております。
私は、県政運営に関し多くの公約を掲げました。未来を担う子や孫のために、誇りある豊かさをいかにつくり上げ引き継いでいくか。県民全てが生き生きと活躍できる協働のまちづくりの理念を大事にし、公約の実現に邁進する覚悟であります。
次に、衆議院議員選挙についてお答えをいたします。
私は、知事選挙において、保革を乗り越えオール沖縄で普天間飛行場の閉鎖・撤去、県内移設断念、オスプレイ配備撤回に取り組むことを訴え、有権者多数の支持を得て当選をいたしました。今回の衆議院議員選挙についても、私と信条、政治姿勢を同じくする候補者を応援したところであります。
次に、辺野古移設問題の原点についてお答えをいたします。
世界一危険とも評される普天間飛行場の危険性の除去のため、1996年4月、同飛行場の全面返還が日米合意をされました。しかしながら、県内移設が条件とされ、県民の理解が得られないまま進められてきたことが今日の辺野古移設問題につながったものと考えております。
次に、普天間飛行場の5年以内運用停止など4項目の基地負担軽減策についてお答えをいたします。
普天間飛行場の危険性除去は喫緊の課題であり、5年以内運用停止を初め4項目の基地負担軽減策について、引き続き政府と調整してまいりたいと考えております。
次に、辺野古移設の阻止と普天間飛行場についてお答えをいたします。
世界一危険とも言われる普天間飛行場の固定化は絶対に許されないと考えております。また、戦後69年間、過重な基地負担を背負う沖縄が、危険性除去のためとはいえ代替施設を考えなければならないというのは大変理不尽であると考えております。政府においては、安全保障の負担は全国で担うべきとの認識のもと、同飛行場の早期返還に取り組んでいただきたいと考えております。
次に、新基地をつくらせない手法についてお答えをいたします。
政府から提出されている設計概要変更承認申請については、厳密かつ詳細に審査をしてまいります。また、埋立承認の過程に法律的な瑕疵がないか専門家の意見も踏まえ検証いたします。法的瑕疵があった場合は承認の取り消し、さらには撤回も視野に入れて検討してまいります。以上のことも考慮に入れながら、辺野古の新基地はつくらせないということを私の県政運営の柱にしていきたいと考えております。
次に、辺野古埋立承認の取り消し撤回についてお答えをいたします。
普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認につきましては、辺野古新基地の建設に断固反対することを公約に掲げて知事選挙に当選した経緯を踏まえ、その公約の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。そのため、今後、承認の取り消し・撤回も視野に入れながら、法律的な瑕疵の有無について、承認の経緯等を検証してまいりたいと考えております。また、県知事選挙の結果が承認後に生じた新たな事由として撤回の理由にできるかどうかなどについてもあわせて検討してまいりたいと考えております。
次に、高江ヘリパッドの移設についてお答えをいたします。
沖縄県としては、SACO合意事案の着実な実施が本県における基地の整理縮小及び地元の振興につながることから、北部訓練場の過半の返還の実現を求めているものであります。その条件とされている6カ所のヘリ着陸帯の移設については、当該地域の自然環境や地域住民の生活への影響をめぐってさまざまな意見があるものと承知しております。
オスプレイについては、県民の不安は一向に払拭されておりません。今後、地元の意見も伺いつつ検討してまいりたいと考えております。
次に、消費経済に影響を及ぼす増税に反対することについてお答えをいたします。
私が公約の中で、消費経済に影響を及ぼす増税に反対するとしたのは、本年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられた後、個人消費が押し下げられ、全国的に景気回復がおくれている中で、消費経済に影響を及ぼすようなさらなる税率の引き上げはすべきでないという趣旨から増税に反対するとしたものであります。今般、政府において経済状況等を総合的に勘案し、引き上げの実施時期を平成27年10月から平成29年4月に延期することが表明されたところであります。今後、国において、地域経済にも景気回復の効果を十分に波及させるための経済対策の実施や低所得者に配慮した軽減税率の導入等が検討されると聞いており、国の動向を注視してまいりたいと考えております。また、使用料及び手数料は特定の受益者に対する行政サービスの対価であることから、受益者負担の原則に基づき消費税率の引き上げに伴う行政サービスの提供に要する増加経費については、適切に料金に反映させる必要があると考えております。
次に、憲法改正についてお答えをいたします。
憲法改正については、国民の間でさまざまな意見があるものと理解しております。沖縄県としましては、現憲法が国民生活の向上と我が国の平和と安定に大きな役割を果たしてきたことを踏まえ、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の基本理念が尊重される形で十分な国民的議論が必要であると考えております。
次に、集団的自衛権についてお答えをいたします。
集団的自衛権の行使については、国会や県内でもさまざまな意見があるものと承知をしております。広大な米軍基地が所在する沖縄県としては、我が国の安全保障政策の変更には重大な関心を持っており、政府は、国政の場などで十分に議論した上で、その影響も含めて国民に丁寧に説明すべきであると考えております。
次に、日米安全保障体制についてお答えをいたします。
私は、日米安全保障体制の必要性は理解をいたしております。しかしながら、戦後約70年を経た今もなお、国土面積の約0.6%である本県に約74%の米軍専用施設が存在する状況は異常としか言いようがありません。そして、その米軍基地が沖縄経済発展の最大の阻害要因であることは明確であります。日本の安全保障が大事であるならば、日本国民全体で考えるべきであります。
このような基本認識のもと、私は、日米両政府に対し過重な基地負担の軽減、日米地位協定の抜本的な見直しを求めるとともに、騒音問題や米軍人・軍属による犯罪など米軍基地から派生する諸問題の解決に取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長から答弁をさせていただきます。
○副知事(浦崎唯昭) 答弁の前に御挨拶を申し上げます。
本日12月16日付で副知事を拝命いたしました浦崎唯昭でございます。
身に余る大役、大変な重責であり、緊張感と重圧感で身が引き締まる思いであります。翁長知事の荒海における大切なかじ取りを側面から徹底して支え、安定航海への足もとを固めていく役割を文字どおり身を挺して果たしていく覚悟であります。
議員各位におかれましては、何とぞ御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。(拍手)
知事公約に関する御質問の中で、前県政の離島振興の評価と今後の離島対策についてお答えいたします。
前県政においては、新たに創設された沖縄振興特別推進交付金を活用し、従来の補助制度では十分な対応が困難であった割高な移動コストや行政サービスの高コスト構造等の課題解決に向けて、さまざまな施策が推進されたものと認識しております。
沖縄の離島は、島々で異なる個性豊かな自然環境、文化、歴史的遺産等の魅力を有しているとともに、日本の領空・領海、排他的経済水域の保全など国家的利益の確保に重要な役割を果たしており、こうした離島の持つ魅力や役割、すなわち「離島力」は、「沖縄の未来を拓くソフトパワー」の一つであると考えます。
今後は、こうした考えのもと、「離島力」の向上に向けて、定住人口を増加させる魅力ある生活環境の整備や特色を生かした産業の振興に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
○副知事(安慶田光男) おはようございます。答弁の前に御挨拶を申し上げます。
私も浦崎副知事同様、本日12月16日をもち副知事を拝命いたしました。
県政の誇れる豊かさと、基地のない平和な沖縄を目指す翁長知事の公約を実現することが、県勢の発展と県民福祉の向上につながるものと確信し、副知事としての職務に全力で取り組んでまいりたいという覚悟でございます。
どうか議員各位におかれましては、御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。(拍手)
知事公約に関する質問の中で、外部の専門家に検証させることについてお答えいたします。
このたびの県知事選挙の結果を受けて、公約の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
埋立承認については、その過程に法律的な瑕疵がないか、専門家の意見も踏まえ検証してまいりたいと考えております。
以上であります。
○企画部長(謝花喜一郎) 知事公約についての御質問の中の、埋立承認取り消し、または撤回後の国と県との関係についてお答えいたします。
沖縄の振興は、沖縄振興特別措置法に基づき、沖縄の置かれた歴史的、地理的、自然的、社会的な特殊事情に鑑み、沖縄の自立的発展や豊かな住民生活の実現に寄与することを目的として、総合的かつ計画的に講じられているものであります。
普天間飛行場の辺野古移設問題につきましては、埋立承認の過程に法律的な瑕疵がないか専門家の意見も踏まえ検証されることとなっております。
沖縄県としましては、国と県の間で立場による考えの違いがあったとしても、沖縄の現状や考え方を丁寧に説明し、協議を重ねることでその解決につなげ、沖縄振興の着実な推進を図ってまいります。
次に、基地問題と経済振興についてお答えいたします。
沖縄の振興は、沖縄振興特別措置法に基づき、沖縄の置かれた特殊事情に鑑み、沖縄の自立的発展や豊かな住民生活の実現に寄与することを目的として、総合的かつ計画的に講じられております。
また、沖縄振興予算の額は、全国の税収や政策ニーズなど予算を取り巻く社会経済状況を踏まえ、毎年度の予算編成過程を経て決定されるものであり、基地問題とは別であります。
御指摘の発言はそのような趣旨で述べられたものと考えております。
以上でございます。
○土木建築部長(當銘健一郎) 知事公約についての御質問の中で、辺野古埋立変更承認申請についての御質問にお答えをいたします。
辺野古埋立変更承認申請のうち、埋立土砂発生区域における土砂運搬方法の一部変更につきましては審査が継続している状況にあります。
今後、審査が終了した段階で知事に審査結果を報告し、判断を仰ぎたいと考えております。
なお、審査の終了時期につきましては、現時点でまだ明確には決まっておりません。
以上でございます。
○座喜味 一幸 再質問させていただきますが、知事の答弁、当局の答弁を聞きまして大変がっかりいたしております。誠意の感じられない答弁だなというふうに思っておりますが、もう少し具体性を持った答弁をいただきたい思いがまずあります。
まず、再質問、全部答弁されてないような思いもありますが、かいつまんで、きょうは初日でありますからやりますが、まず、この消費税の問題につきましては、知事を支える政党間でも相当違いがあると思います。国の動向を見てという話もありましたが、共産党は消費税反対ですよね、増税反対なんですよ。そういう中で、県民から私は実は、今度の翁長候補が税をほとんど上げないと言っているけれども、これ上等ヤッサーという話と、このまさに耳ざわりのいい公約というのか、消費税反対というこの題目が知事の答弁とは違った形で動いているんですよ。そういう中で信任を得るということは、私はあってはならないのじゃないか。消費税そのものは、そもそもは国の専管事項であって、これを県知事が消費税賛成、反対ということは言えないと思いますし、今後沖縄県が観光振興していく上で、観光税だとか環境保全のための環境税だとかという自治体でも議論がされている。そういうことも含めて国でやるべきこと、県でやるべきことは、明確にしなければならない。これについては、いま一度、公約では消費税反対と言いました、あらゆる増税反対だと言いました。それはちょっと、実はこうですというような説明をしなければならないというふうに思います。(発言する者あり)
○議長(喜納昌春) 静粛に、静粛に。
○座喜味 一幸 もう一点、今度、高江の問題で地元の問題でありますが、東村は同意してヘリパッド工事は進んでいるのに、名護市は市長が反対だからだめだというようなことが世の動きであります。それに関して、高江は反対、東村は賛成だったんですよ。その地元というこの言葉の使い方、これも極めて曖昧なんです。したがいまして、高江のヘリパッド反対ということが、東村の意見を、地元の意見をほごにしたことになるんです。それから地元という言葉をよく使っておりますが、名護市長だけじゃないんです。例えば辺野古に関しますと、久志3区、久辺3区は、条件つきながら、普天間の危険性の除去については苦渋の選択として受け入れる方向で条件を示しております。そういう地元というものは何なのかというものを明確にせずして選挙戦を戦っている。ましてやマスコミにあおられて、これはいかにも地元は反対だ、名護市長は反対だという一色において、この政治的な判断が進められていることに関しては問題だと思います。知事、この辺は整理をしておく必要があると思います。
それから、答弁の中で余りにも抽象的だったんで、少し具体的な事例でちょっと確認をいたしますが、建白書を政府に突きつけた行動がオール沖縄でありました。そして、建白書の中でいろんな議論がなされたと思います。その中では建白書に同意、押印する際に、一日も早い普天間の危険性の除去が最優先されるべきで、辺野古移設以外の選択肢を排除しないとする立場の方たちもいたと思います。多くの意見があったと思います。しかし、この問題は、大変大きな意味を持っているんです。これに関しては、市長時代でありますが明確に押印をしております。知事の理解と、本当にそれを容認してそのとおり理解していいのか、その中におりました安慶田副知事についても答弁をいただければと思います。
それからもう一点、これは少し建設的な提言をさせていただきますが、国民全体で米軍基地の負担は負うべきだということを知事もおっしゃっておりますし、我々もそのようなスタンスでおります。政府の対応、政府がしっかりと動くべし、日米協議してしっかりと沖縄の過重負担軽減すべきということは、これは共通しております。それで、もう一つの課題として、我々が政府に要求を突きつける。しかしながらこの我々の国民ひとしく安全保障を担うべきというスタンス、それから米軍基地の負担を受け入れてくれという思い、それは他府県の自治体におりてないんです。そういう意味におきまして、我々自民党が行動いたしましたのは、政府に要求を突きつけると同時に、沖縄の過重負担を理解して受け入れてくれる自治体と話し合いを進めてまいりました。そうして岩国を初めとする6つの議会では、沖縄の過重負担は軽減すべきというような議会決議をして、その動きが始まっております。その根本的な原因の中に、平和団体、民主団体と言われる団体勢力が各地方の議会、そこの阻害要因になっております。そこを幸いにも今私たちの翁長知事は多くのそういうネットワークのできる支持者をいただいたわけで、全国の自治体に平和団体等々ネットワークもしながら、下からの沖縄の基地の過重負担それを受け入れてくれる運動を起こすのも、私は今の知事だったらできるのではないかというふうに思っております。
もう一点であります。
私、知事の当選後のマスコミ、よく見ておりましたが、やはり本土のマスコミの多くが指摘したのは、辺野古反対で通った知事は、今後どうなさるのかという具体的な対案を聞いておりました。
「プライムニュース」を見ましたが、ちょうど中継でやっておりましたが、鳩山元総理は普天間基地は最低でも県外云々という、できなかったことを辺野古新基地反対で知事が当選したけれども、何ができるんでしょうかということに対して、知事は結構感情的になってそれこそ上から目線だというふうにおっしゃっておりました。これはマスコミの指摘は大変的を射ていると思いますし、長年沖縄県の保守政治として経験のある翁長知事だから、辺野古反対と言っているのはそれなりに普天間の危険性の除去をするすばらしいアクションプログラムを持っているだろうという期待があります。そういう意味においては、具体的にやはり政府との関係、それから県民への説明等を含めてどのような方策で、その普天間の一日も早い危険性の除去を進めていくのか、原点に戻っていくのか、その辺の説明はみんな待っているんです。首を長くしていつか説明あるはずだと思っておりますので、よろしくお願いします。
もう一点であります。
翁長知事は、1999年ぐらいから保守のかなめとしてきておりました。普天間を一日も早く動かす、それはもう県民の思いでありましたから、ベストよりベターでも構わないんじゃないかという普天間の危険性の除去、早期返還のために推進してきたことは間違いないことだと思います。今、普天間の移設反対という政策を変換した背景というか環境というか条件というか、それは何があって今、辺野古の代替施設、もう先ほどの答弁で辺野古代替施設という言葉は聞きましたから、新基地とは今後使わないのかなとは思っておりますが、その条件の変化等についても、知事、御説明をぜひともいただきたいなというふうに思います。
もう一点、この辺野古の承認問題でありますが、知事は、第三者でつくる専門委員会等でしっかりとチェックをして、瑕疵があれば撤回云々等々がありますけれども、現在の法律の中で環境に関する法律も極めて濃密に整備されております。そして、これからこの法律を超えて外部の第三者機関をおつくりになるというような話等を選挙期間中しっかりされておりましたが、果たして法律を超えてどのような機関をおつくりになるのか、今の法律を超えて行政で判断したことをチェックする、そういう第三者委員会というものはどういうものなのか、そしてそれはどのような権能が与えられる第三者委員会をつくろうとするのか。それから、特に環境に特化する問題だと思いますが、この第三者委員会で新たに基準をつくるのかチェックルールをつくるのかわかりませんが、このような公有水面埋立等に係る問題を那覇第2滑走路だとかその他のそういう事業までもしていこうとするのか、その辺についてもこれは一つ一つ辺野古の公有水面埋立問題だけではない。県の行政のこの基準、視点というものを標準化しないといけませんので、こういう事業まで及ぼうとするのか、その辺についてぜひともに御説明をいただきたいなと思います。
もう一点は、離島振興についてであります。
離島振興についてちょっと今までの当たり前の答弁でありましたが、知事、離島は極めて島チャビと言われて、人頭税から始まってその解放のため、沖縄本島がヤマトを見るのと、離島からナーファを見るのとでは二重の差別の構造というか、虐げられた部分も持っているというこの事実も私は歴史の中で持たないといけませんし、人頭税廃止というこれは久米島・八重山・宮古のあの制度等もまさに辺野古の問題とも僕は底辺で流れている部分を沖縄県民の思いというのを感じるわけですが、この島チャビの、これ少しおいて、島チャビの根本的な原因は何なのか。それに関して何をどうすれば離島苦というこの離島のハンディを克服できるのか、これは大変重要な問題です。これは、物価が高いということはなぜなのか、交通費が高いということはなぜなのか、そういう物流・交通費のハンディを行政的に今一括交付金という形で充当しているけれども、ぜひ知事にも離島のこのハンディをどう克服しようとしているかということについて、ぜひとも思いを聞かせていただければというふうに思っております。
それから最後になりますが、沖縄の振興計画について、聞いていて公約を見ても極めて21世紀ビジョンに書かれていることが羅列されているのかなという感じで見ておりますが、しかし、やっぱり翁長知事は21世紀ビジョンをつくる中から当事者でありまして、よく熟知しているだろうと思います。仲井眞県政と何ら変わってないんじゃないかと言われるのは、大変心外だと思っておりますので、めり張りのあるこの21世紀ビジョンの推進と言っておりますから、翁長カラーとは何なんだというような部分をぜひともに主張、説明をいただければなというふうに、ぜひ出していただければなというふうに思います。
以上、質問をさせていただきます。お願いします。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午前10時13分休憩
午前10時22分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
翁長知事。
〔知事 翁長雄志君登壇〕
○知事(翁長雄志) 座喜味一幸議員の再質問にお答えをいたします。
1番目の消費税でありますけれども、これは先ほども申し上げましたとおり、公約の消費経済に影響を及ぼす増税に反対をするとした答弁をしたと思っております。ですから消費税率が5%から8%に引き上げられていた際の影響緩和のための効果が見られないため、消費経済に影響を及ぼすさらなる税率の引き上げはするべきではないという趣旨でありますので、これは誤解がないようにお願いをしたいと思っております。
それから高江の問題でありますけれども、今おっしゃっている東村の判断、あるいはまたいろんな高江区の区長さんの要請書、そういったことも承知をしております。私がこの高江の問題で話をしているのは、私たちの周りにある建白書の内容でありますけれども、普天間基地の撤去、あるいはまた県内移設反対そしてオスプレイの配備撤回というものは、いずれにしても連動してこれが実現しますと、高江のものも変わっていくだろうというような意味で申し上げているのであって、この高江の問題を取り上げてこの1点で反対と言っているわけではございません。私たちのこの大きな枠の中でこの問題が位置づけられるということであります。
それから、地元とか民意とかという言葉を使いましたけれども、今、議員のおっしゃるような地元とか民意とかという言葉を厳密に使えというと言葉は成り立たないですよ。同じような立場で皆様方もよく民意という言葉を使うでしょうし、それから地元という言葉も使うでしょうし、それはこういう地元ですとこういう民意ですという話をすればいいのであって、それで100%補っているかのような話では私はないと思うんですね。ですから、こういった言葉というのは私のほうにも出てきますし、皆様方の場合にも出てくると思いますので、その意味ではぜひその内容等を吟味して判断をしていただきたいなというふうに思っております。
それから、建白書、みんなで行ったけれども反対する人もいたんじゃないかという話がございました。私が確かに市長会でいろいろ説得もいたしました。しかし結果的に全員がそれに了解をしてサインをして印鑑を押しております。そうでないちょっと留保する方もおられました。しかし心情的に、沖縄県民全体の思いを自分も大きく包み込みたいと、こういうようなことでそういう形で一緒に東京まで行って行動したわけで、むしろ私は若干の引っかかりはあってもそういったような沖縄県民の思い、いわゆる多くの方々が県外・国外というのは理想であるけれども、現実ではこうなんだというようなものの中で沖縄県全体で統一行動をするときに、この方がそれを理解をしてやったというのは、むしろ私は英断であって政治家としてそういったところに重きを置いて行動するというのも私は大変敬意を表していたところでございます。
それから政府に要請して、皆様方も岩国とか行かれてあちこち県連で回られて、どこかで受け入れてくれないかと頑張っておられることに対しては敬意を表したいと思います。私も県議時代に104号線の問題等、解決をする本土の政治家が頑張った、あるいは私たちが要請した。そういったようなことで解決したことも見てきておりますので、その件については、私自身は十二分にそれぞれの立場でやる必要があると思っております。私自身は、また覚えていらっしゃるかどうかわかりませんが、8年前に、本当ならば那覇市長ごときがそんなことをするのはどうかと思ったんですけれども、普天間の県外・国外、普天間基地の解決のために、一部でもいいから宜野湾市民の負担を軽減できないかということで、当時の防衛局長にお願いをしてP3Cに乗って硫黄島に行って視察をしてきました。そうしましたら、自衛隊員が200名ぐらいいて、タッチ・アンド・ゴーからも恐ろしい音を出しながらそこでやっておりました。大体大きさは伊江島ぐらいの大きさです。そこでそういったところにぜひとも米軍の一部を移転させてもらいたいということで、当時の福田康夫、その後すぐ総理になったんですけれども、そのころ総理になる前でありましたが、1時間ぐらい要請させていただきましたし、石原都知事にもお会いをして、小笠原村になりますから御理解を得て了解を得ました。そして神奈川県の松沢知事にもお願いをしてそういった横須賀とか、いろいろ持っていますので御相談もしました。あっちこっち7カ所ぐらいやっておりましたけれども、ここでこういう話をするのもなんですが、ちょっと大病を患いまして途中でそれは断念をせざるを得ませんでした。これが続けたからどうなったかはわかりませんけれども、いずれにしろそういった行動もしていて、私はあの当時から普天間はぜひとも除去したいという、一首長としてそこまでやったということをぜひ御理解いただきたいなというふうに思っております。
それから、本土のマスコミの方で、対案も示し切れないのにこんな話をするのはどうかという話があるんですけれども、だから私は本土と沖縄の乖離の大きさにそこで大変幻滅をするんですよね。私たちは戦後69年間、自分たちで提供した土地というのは基地というのは一つもないんですよ。その中の普天間基地が大変危険になって、もうこれ以上は耐えられないと、もうこれはどかさないといかんというときに、沖縄県側に新しい対案を示せというのはこんな民主主義国家ってあるのかなと私は思いますね。どうしても日本国政府が、沖縄県民は名護市長選挙でも知事選挙でも衆議院選挙でもある意味では民意は示しているんですよ。本土のところは行こうとしたら、いや私たちは受け入れませんよと、議会が決議したわけでもない、首長が反対するわけでもない、何があったわけでもないのに向こうには拒否権があって、沖縄県には拒否権がない。これだけの人が反対してもどうにもならないという、このものは政治状況の中であり得ることは私自身も理解はし切れますけれども、それにいたしましても戦後69年間、このような形で今日まで来てなおかつあの大浦湾を埋めて、あれ国有地に変わるんですよね。これはあとの自己決定権にもつながると思いますけれども、国有地に変わりましたら69年間戦後一貫して私たちは自分たちで基地を提供したわけではないわけですから、できなかったにしても出ていけという話はできますが、あの国有地はもう出ていけというのが言えない土地になるんですね。新しい基地の形態が出てくるわけですよ。ですから、そういったこと等も踏まえますと、私たちは本土政府にぜひとも沖縄県はノーと言っていますよと。日本国民全体で日本の安全保障を考えていただきたい。ここお願いしますよと、もう勘弁してくださいよというのは私たちの素直な気持ちじゃないですかね。これを言い切れないというのは、これから50年、100年、お互いの子や孫のために沖縄県はどうやって将来像を描いていくかというときに、やっぱり一番保守の皆さん方が頑張っていただかなきゃいかんと私は思っております。自由民主党と一番皆さん方一緒でありますから、皆さん方がここで多く声を上げないと本当の意味での私は沖縄の将来というのはないのではないかと、こういうことを考えておりまして、ですからイデオロギーよりはアイデンティティーというのも、これはもうイデオロギーではどんなことを言ってもなかなか通用するようなことでもないものですから、私からするとそういったような、もう69年間沖縄にこうしてしわ寄せをしてきたものを今後新しい形態でさせないでくれと、そして沖縄に代替施設を求めるようにという発言そのものには大変私からすると残念で、これから日本国の中で沖縄がアジアのダイナミズムを受け入れながらかけ橋となって一生懸命頑張ろうとしているのに、沖縄のそういった声をなかなか取り入れられないというのは、やっぱりこれはいかんのではないかなと、私はまず思っております。
それから7番目ですけれども、普天間移設反対が変わったというようなことでありますけれども、一番は今度の知事選挙でそれを訴えて変わりました。これまでの経緯については、私のものは硫黄島もそうでありますけれども20年来そういった話をしてきておりますので、どこで私自身が変わったかというようなことについてのものは、またおいおい出てくると思いますけれども、いずれにしましてもこの戦後の冷戦構造、あるいは55年体制、そういったようなものの中で私も体を張って自衛隊受け入れをやったほうでありますし、那覇市役所に32年間の革新市政の中で日の丸を上げたのも私であります。こういったようなこと等も含めてこの時代背景というのがありますので、今日における普天間の問題は県民の私の知事選挙の判断にも示されたように、もう県民の皆さん方はこれはぜひ勘弁してくれというようなことになっているんだということをここでは申し上げたいと思います。
それから検証委員会の第三者委員会ですね。これはまだ入り口ですけれども、やっぱりいろいろ環境問題、私なりに勉強をさせてもらいました。これは職員も一生懸命頑張って今までの検証をやってきておりますけれども、やっぱり政治的な意味合いという意味では、あるいはまた環境問題を全体でやるという意味では、今までのセクションでやってきたものとのつながりがちょっと見えてこないところがあるなという感じはしております。そこら辺のところを今ちょうど私自身も勉強しているところでありまして、ただ一つ言えるのは、やっぱり専門的な方々の意見も聞く必要があるだろうなというふうには思っております。どういうやり方をするかというものにつきましては、これからまたできるだけ早くどういう組織にするかというものを判断していきたいと思っております。
以上です。
○副知事(安慶田光男) 再質問にお答えいたします。
昨年の1月、沖縄県が行政5団体が中心となって建白書を携えてオール沖縄で政府に対し要請をしたときの那覇市議会の議決は、スタンスの多少の違いはあれ、私の記憶違いでなければ全会一致だったと記憶いたしております。
以上であります。
○企画部長(謝花喜一郎) 座喜味一幸議員の再質問にお答えいたします。
まず1点目は、離島振興の御質問の中で、島チャビの根本原因は何かというような御質問だったと思います。
離島地域におきましては、御承知のとおり住民生活そして産業振興の両面で依然として沖縄本島のこの地域と比べて格差が生じているということがございます。そういったこともありまして沖縄21世紀ビジョン基本計画におきましても、沖縄における固有課題といたしまして、離島における定住条件の整備というものを掲げております。
この格差が生じる原因なんですが――島チャビの原因ですけれども――離島における遠隔性、散在性、狭小性などの離島地域が抱える条件不利性に起因しているものと考えております。
沖縄県としましては、離島におきます交通コストや水道料金などの生活コストの低減など、県民全体で離島地域を支える仕組みを構築してまいりたいというふうに考えております。
それから沖縄振興計画の中で、めり張りのある翁長カラーというのはどういったものがあるかというような趣旨の御質問があったと思います。
沖縄県が主体的に初めて策定しました沖縄21世紀ビジョン基本計画、これには翁長県知事も審議委員として、一員として加わっていただきました。基本計画には「沖縄らしい優しい社会の構築」と「強くしなやかな自立型経済の構築」、この2つの基軸がありまして、この好循環によって沖縄の発展を図るというふうになっております。
翁長知事は、「ソフトパワーで沖縄の未来を拓いていく」ことを掲げておりますので、その2つの基軸の好循環というものはその沖縄21世紀ビジョン基本計画にも相通ずるものがあるだろうというふうに考えております。
また、めり張りということですけれども、翁長知事は経済発展、生活充実、平和創造の3つの視点から成る基本政策、そして15の実施政策などを公約として掲げておりまして、また、「沖縄の未来へ夢が広がる 10のYES」というものとして「アジア経済戦略構想の実現」、「次世代型交通ネットワークの構築」、「こども環境・日本一の実現」など、「沖縄に暮らす人々の夢が、沖縄の次代を担うこども達の夢が広がる10の重点施策」を掲げております。こういったことが翁長カラーにつながるものかなというふうに考えているところでございます。
以上であります。
○座喜味 一幸 簡単に再々質問をさせていただきます。
消費税そのものに反対と書いてあったんですが、反対か賛成かと聞いておりまして、動向を注視するとかということではなくして簡単な回答をお願いします。
それから、建白書のオール沖縄の行動、それは翁長市長時代先頭に立っていただいたのはよく存じておりますが、今、県知事になられて、私は行政のトップとして今後どうなさるのか。どうも世論は、知事が先頭になって辺野古新基地反対運動を起こすのではないかというような見方もしておりますが、知事になられてこれまでのようなオール沖縄の行動が起こせるのか、知事として大所高所からの判断を今後どうされるのか、お聞きしたいと思います。
それから、先ほど安慶田副知事から答弁がありました建白書の文面の調整の中で、そういう意見があって確認書をとられているというのは、それは確認書には附帯がついていると私は理解して、それを認めた上での全議員賛成だったと思うんですが、これに関しては認めているんですかという質問なので、簡潔に答弁願います。
以上です。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午前11時39分休憩
午前11時41分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
翁長知事。
〔知事 翁長雄志君登壇〕
○知事(翁長雄志) 座喜味議員の再々質問にお答えいたします。
消費税というものにつきましては、少子・高齢化あるいは安定的な財源の確保、財政の健全化を図るということで、重要な役割をしていると思っております。ただ先ほど申し上げましたとおり、これからちょうど安倍さんが引き延ばしをしたように消費経済が大変影響を及ぼしていますので、これには反対ですよと、この増税にはですね。ですからそれを申し上げました。
それから、建白書にのっとって私が動くときに、何かしらデモの先頭に立ってやるぐらいのものかというような感じ――ニュアンスでそういう感じを受けたんですが――いわゆる政治というのはそういった目標を定めて、そして県民に御理解を得て、そして多くの方々の理解の中からその目的を達成していくということでありますので、私からするとそういった県民の心が一つになって向こうに辺野古基地はつくらんでくれよと言っているようなことについての多くの民意がございましたので、その先頭に立ってこれからも頑張っていきたいということであります。(拍手)
○副知事(安慶田光男) 再々質問にお答えいたします。
建白書の件に関しましては、先ほど市町村長の間で意見が異なり確認書が交わされていないことに関しましては、先ほど知事が答弁したように、心を開いて結果としては全員で政府に要請していったと、知事の答弁のとおりであります。
○新里 米吉 社民・護憲ネットを代表し、代表質問を行います。
翁長雄志新知事の御就任を心からお祝い申し上げます。
おめでとうございます。
知事選挙で掲げた公約の実現に向けて取り組まれることを期待します。また、私たちも県政与党として知事を支えていく所存であります。
翁長知事には、課題と難問が山積する中、これから4年間県政を担うことになりますので、健康に留意され課題解決に向けて力を発揮されることを望むものです。
4年前の仲井眞知事2期目の県議会代表質問で自民党の佐喜眞淳氏は、次のように述べ質問しています。「仲井眞知事は、選挙後の会見で日米共同声明の見直し、県外移設を政府に求める考えを改めて示し、もはや県内はどこにもないと述べております。普天間問題をめぐる日米関係がぎくしゃくすれば、日本にとってどれほどのマイナスをもたらすか、昨今の中国やロシアの言動を見れば明らかであります。 政府においては、日米同盟のあり方や我が国の安全保障問題が国民的な関心を集めているこの時期に、国の安全保障は国民すべてが担うとの機運を盛り上げ、沖縄の基地負担についても全国で分かち合う方向に転換すべきと考えます。」と所信を述べ、次の質問をしました。「日米共同声明を見直し、県外移設を求めるとの県民に対する公約の実現に向け、政府との交渉を含め知事の決意をお伺いいたします。」。
その質問に対し、仲井眞知事は以下の答弁をしました。「普天間飛行場移設問題を初めとする米軍基地問題は、基地が集中する沖縄県だけの問題ではなく、我が国の外交や安全保障にかかわる全国的な課題であることから、移設先の選定に当たっては、日本全体で米軍基地の負担を分かち合うという原点に立ち返って解決することが必要であると考えます。 このような観点から、県といたしましては、総理を初め各大臣との面談などあらゆる機会を通して普天間飛行場の県外移設を粘り強く実現するべく折衝を続けてまいりたいと考えております。」。
4年前の質問と答弁で明らかなように、「もはや県内はどこにもない」、「国の安全保障は国民すべてが担うとの機運を盛り上げ、沖縄の基地負担についても全国で分かち合う方向に転換すべき」との自民党の4年前の見解であったわけです。この4年前の見解に自民党県連が立ち返ることになれば強固なオール沖縄の再構築になります。
翁長氏は、ぶれずに4年前のオール沖縄の姿勢を堅持し知事選挙に立候補したことは明白です。そして、翁長知事のオール沖縄に対する原点は、一括払いに対する「島ぐるみ闘争」であることを以前から直接聞いていた私にとって信頼できる知事候補でありました。選考委員会で知事候補の協議中に県内各地でたくさんの県民の皆さんから、新里さん、今回の選挙は保守・革新じゃないよ。知事選に勝って辺野古をとめてほしい。仲井眞チジェー 許チェーナランドーの訴え、要望を受けました。県民の熱い思いはセルラースタジアムでの総決起大会、Vロード、最終日の必勝集会に結集し約10万票差の圧勝になりました。
病を押してセルラースタジアムの総決起大会に出席された菅原文太さんは、政治の役割は国民を飢えさせないこと。安心・安全な食べ物を提供すること。しかし、最も大切なことは戦争をしないこと。そして、沖縄の海も山も風土も国家のものではない、辺野古もしかりと応援演説をされました。がん患者にとって飛行機に乗ることが体力の消耗になることを知りながら、覚悟して選挙の応援で来県された菅原文太さんの思いを私たちがしっかり受けとめて、辺野古新基地をつくらせないために闘い続けなければならないと私も決意を固めたところであります。
経済においては、近年アジアの国々を初め国内外から沖縄へ投資をする動きがあり、航空貨物のハブ空港としても発展しつつあることから、翁長知事におかれては、大いなる可能性を秘めた県経済を牽引していただきたいと思います。
そこで、知事の政治姿勢について質問します。
(1)、翁長雄志知事は、4名の立候補者が競う中で、得票率51.6%と過半数を超え、仲井眞氏に約10万票の差をつけて圧勝しました。「普天間基地の閉鎖・撤去」、「辺野古に新基地はつくらせない」の民意を明確に示したと思いますし、翁長新知事への期待のあらわれでもあると思います。選挙の結果をどのように受けとめておりますか。また、県政運営に向けた決意も伺いたい。
(2)、「米軍基地は、沖縄経済発展の最大の阻害要因である。基地建設とリンクしたかのような経済振興策は、将来に大きな禍根を残す」との基本的な認識について伺いたい。
(3)、「沖縄21世紀ビジョンの平和で自然豊かな美ら島などの真の理念を実行する」、「アジアのダイナミズムに乗って動き出した沖縄の経済をさらに発展させる」、「大いなる可能性を秘めた沖縄の「ソフトパワー」こそ、成長のエンジンである」との基本的な認識について伺いたい。
(4)、「新しい沖縄を拓き、沖縄らしい優しい社会を構築する」、「平和的な自治体外交で、アジアや世界の人々との交流を深める」との基本的な認識について伺いたい。
(5)、辺野古新基地をつくらせないためにいろいろな手法等が考えられます。知事の所見を伺いたい。
次に、基地問題について質問します。
名護市長選挙、知事選挙の圧勝に続き衆院選挙でも知事選の枠組みで戦った辺野古新基地をつくらせない4候補が各選挙区で当選しました。沖縄においては、今回の衆院選挙が辺野古新基地建設及び政治家の公約が最大の争点であったことから、民意を改めて明確に示したことになります。しかし、安倍総理は辺野古を進めるとしており、民意を受けとめることができないようです。自民党は全国的には勝利したが、なぜ沖縄で全敗したのか素直に理解すべきであり、辺野古を断念し日米両政府で計画見直しの協議をすべきであります。知事は県民の民意を受け、県民の信任のもとに沖縄の誇りと尊厳をかけて、困難な道を切り開いて公約を実現されることを期待し、質問します。
(1)、名護市長選挙と知事選挙、そして衆議院議員選挙において辺野古新基地はつくらせないとの公約を掲げた候補が圧勝した結果を受けて、日米両政府は辺野古埋め立て、新基地建設を断念するのが民主主義の原則と思います。知事の所見を伺いたい。
(2)、10月16日の沖縄タイムスによると、米軍人や軍属が基地外に住む際、軍から受け取る住宅手当は、東京の横田基地より沖縄が高いとのことであり、基地外への居住を誘導する要因になっている可能性が高い。県の所見を伺いたい。
(3)、米軍基地で働く従業員に国内の労働関係法規が適用されない問題をめぐり、連合沖縄は国連のILOに実態を提訴して勧告を求める方針であると報道されている。県も地位協定の全面改定とあわせて、政府に従業員の国内法適用について米国と交渉するよう働きかける必要があると思う。所見を伺いたい。
(4)、10月30日午前、北谷町桑江内の居住地区で米海兵隊員が自宅に立てこもる事件が発生した。発砲はなかったが、もし発砲したら民間住宅から近距離とのことで危険な状況であった。このような場合、米軍から連絡があるべきと思う。連絡はあったのか。事件の内容や今後の対応について伺いたい。
(5)、在日米軍基地などの騒音被害で損害賠償が確定した13の判決で、米軍側が日米地位協定で規定されている分担に応じず、日本側が全面肩がわりしたままとなっているとのことである。菅官房長官は、米側に支払い分担に応じるよう求める考えを示したようであるが、米軍の当事者意識の欠如、加害責任の欠如があると思う。県の所見を伺いたい。
(6)、11月13日に開催された沖縄への新基地建設や安倍政権の安全保障政策を考えるシンポジウムで柳澤協二氏は、「合意から18年たっても実現できない政策は、どこかに無理がある。県内移設の前提に間違いがある。」と指摘されたとのことである。私も同感である。県の所見を伺いたい。
(7)、沖縄防衛局は、岩礁破砕申請書で長さ約300メートルの「仮設岸壁」を辺野古崎付近に設置する計画であるとのことだが、詳しい説明を伺いたい。
(8)、沖縄市美里の県道でのひき逃げ事件は、米海兵隊の少佐の容疑が固まっているようだが、立件を含めこれからの対応を伺いたい。
(9)、米保守系シンクタンク、ケイトー研究所のダグ・バンドー上級研究員は、辺野古移設計画に「県知事選で県民が強い反対の意思をあらためて示したと指摘。在沖海兵隊は安全保障上の必要がないと指摘し、米本国に撒退すべきだと強調した。」。また、ジョセフ・ナイ元国防次官補は、朝日新聞のインタビューに「辺野古移設を沖縄の人々が支持するなら私も賛成する。しかし、沖縄の人々の支持が得られないなら、われわれはおそらく再検討しなければならないだろう」と述べ、「卵を1つのかごに入れれば(全て)壊れるリスクが増す」と沖縄への過度の基地集中の問題点を指摘したと報道されている。県の所見を伺いたい。
答弁の後、要望を行います。
○議長(喜納昌春) ただいまの新里米吉君の質問に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
休憩いたします。
午前11時59分休憩
午後1時23分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
午前の新里米吉君の質問に対する答弁を願います。
翁長知事。
〔知事 翁長雄志君登壇〕
○知事(翁長雄志) 新里米吉議員の御質問にお答えをいたします。
知事の政治姿勢についてに関する御質問の中で、県知事選挙の結果及び県政運営についてお答えをいたします。
私は、去る11月16日の県知事選挙において、有権者多数の支持を得て当選をいたしました。142万県民の知事として、その責任の重さに改めて身の引き締まる思いであります。これから、県民が「誇りある豊かさ」を手にしていけるよう、議員各位、県民の皆様と心を一つにし、全力で県政運営に取り組んでまいります。
ソフトパワーなどの基本的な認識についてお答えをいたします。
私は、成長著しいアジアの中で、かつての万国津梁の精神を存分に発揮し、豊かな自然や歴史、魅力あふれる文化と伝統に彩られ、大いなる可能性を秘めたソフトパワーで沖縄の未来を開いていくことが重要であると認識をしております。このような認識のもと、アジアのダイナミズムを取り込んだ産業の振興などにより、沖縄21世紀ビジョンで示された将来像の実現を図り、平和で豊かな「美ら島」沖縄を目指してまいります。
次に、沖縄らしい優しい社会などの基本的な認識についてお答えをいたします。
私は、沖縄の豊かな自然や伝統文化を大切にし、子供や高齢者の笑顔が輝き、女性や障害のある方などの力が正しく生かされる活気に満ちた沖縄らしい優しい社会の構築が重要と認識をしております。また、沖縄が世界のかけ橋となる万国津梁は、アジアを中心に、人と文化の交流を築いてきた我が琉球の先人たちから、現在、未来にわたって追い求める大きな夢であります。
このような認識のもと、人と人とのきずなによる協働のまちづくりを礎とした幸せ感あふれる社会の実現や、ソフトパワーで近隣諸外国との平和交流を促進してまいります。
次に、新基地をつくらせない手法についてお答えをいたします。
政府から提出されている設計概要変更承認申請については、厳密かつ詳細に審査をしてまいります。また、埋立承認の過程に法律的な瑕疵がないか専門家の意見も踏まえた検証をいたします。法的瑕疵があった場合は承認の「取り消し」、さらには「撤回」も視野に入れて検討してまいります。
以上のことも考慮に入れながら、辺野古の新基地はつくらせないということを私の県政運営の柱にしていきたいと考えております。
基地問題についてに関する御質問の中で、選挙の結果と民主主義についてお答えをいたします。
このたびの県知事選挙の結果を受けて、公約の実現に向けて全力で取り組んでまいります。日米両政府においては、現行の移設計画をこのまま進めることなく、両国が世界に冠たる民主主義国家であるという姿勢を示していただきたいと思います。
次に、米軍基地従業員への国内の労働関係法規の適用についてお答えをいたします。
平成22年に公表された防衛省の「駐留軍等労働者の労務管理に関する検討会報告書」によると、基地従業員の労働条件が我が国の労働法令に合致していないものが3項目あり、以前から防衛省と在日米軍との間において調整が行われており、早急に解決する必要があるとされております。県としても、基地従業員の適切な労働環境の確保を図ることは重要な課題であると認識しており、渉外知事会と連携し、政府に対し、労働条件の向上を図るとともに、労働法令にのっとった労働安全衛生が円滑に図られるよう求めているところでございます。
次に、県内移設の前提についてお答えをいたします。
御指摘のように、普天間飛行場の返還合意において、県内移設が条件とされ、県民の理解が得られないまま進められてきたことが今日に至る問題につながったものと考えております。
次に、米有識者の指摘についてお答えをいたします。
普天間飛行場の移設問題をめぐっては、これまで海兵隊駐留の意義など、米国でもさまざまな意見があったことは承知をしております。政府においては、安全保障の負担は全国で担うべきとの認識のもと、同飛行場の早期返還に取り組んでいただきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長から答弁させていただきます。
○企画部長(謝花喜一郎) 知事の政治姿勢についての御質問の中の、米軍基地と経済振興についての基本的な認識についてお答えいたします。
沖縄の振興は、沖縄振興特別措置法に基づき、沖縄の置かれた歴史的、地理的、自然的、社会的な特殊事情に鑑み、沖縄の自立的発展や豊かな住民生活の実現に寄与することを目的として、総合的かつ計画的に講じられているものであり、基地問題とは別であります。一方、基地関連収入の県経済に占める割合は、復帰直後の15.5%から平成23年度は4.9%となり、その比重は大幅に低下しております。北谷町美浜地区や那覇新都心地区などの基地跡地の飛躍的な発展は、かつての基地経済の恩恵をはるかに凌駕しており、今や基地の存在は、沖縄経済発展の最大の阻害要因となっております。今後、返還跡地の円滑な利用を進め、沖縄の発展をさらに加速させてまいります。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 基地問題についての御質問の中で、米軍人等の住宅手当についてお答えいたします。
国防総省旅費センターの公表資料によりますと、海外住宅手当額については、現地から報告された実際の家賃に基づいて設定しているとのことであります。この住宅手当の額が報道にありますように、基地外への居住を誘導する要因となっているかについては明らかではなく、県として確認しておりません。
次に、キャンプ桑江立てこもり事件の内容、連絡の有無及び今後の対応についてお答えいたします。
沖縄防衛局によりますと、去る10月30日の午前にキャンプ桑江の住宅地区において、M16―A4ライフルを所持する米海兵隊員1名が自宅にバリケードを築いて立てこもるという事案が発生しました。米側当局が対応に当たり、同日の12時55分には、当該海兵隊員の身柄を確保したとのことであります。事件についての米側からの正式な連絡は、13時34分に、沖縄防衛局経由で事件の概要と事態が解決した旨の連絡がありました。当該事件発生を受けて、沖縄防衛局からは、関係自治体への速やかな情報提供の重要性について米側と認識を共有したことなどの説明がありました。
県としましては、このような事件が発生した場合、米軍は関係自治体に対する正確な情報を速やかに提供するよう求めたところであり、今後も引き続き強く求めてまいります。
次に、航空機騒音訴訟における損害賠償金の負担についてお答えいたします。
政府は、平成21年12月の質問主意書に対する答弁書で、米軍機の騒音に係る訴訟に関する損害賠償金等の日米地位協定に基づく分担のあり方については、日本政府及び米国政府の立場の相違の問題解決に向け、今後とも努力していく旨の見解を示しております。
県としましては、嘉手納飛行場周辺や普天間飛行場周辺などの航空機騒音に関する訴訟における米国の損害賠償金の分担が日米地位協定の規定どおりになされていない状況にあることから、渉外知事会を通じて、国が支払った賠償金のうち、同協定に応じた分担金を米国の当局へ強く要請し、確実に払われるよう措置することを求めているところであります。
以上でございます。
○農林水産部長(山城 毅) 基地問題についての御質問の中で、岩礁破砕等許可申請書における仮設岸壁の記載概要についてお答えいたします。
岩礁破砕等許可申請書添付書面によると、辺野古崎先端部近くに、延長298.8メートル、幅17メートルから25メートルの仮設岸壁を設置すると記載されております。施工方法は、クローラークレーンによる割栗石の投入ならし、根固め用袋材の設置、港湾築堤マットの設置、採石舗装の順に施工し、埋立開始1年次以内の完成予定とされております。
以上でございます。
○警察本部長(加藤達也) 基地問題についての御質問の中で、沖縄市美里の県道におけるひき逃げ事件のこれからの対応についてお答えいたします。
この事件は、本年12月4日午前5時ごろ、沖縄市美里の県道75号線において、米軍人の運転する車両が同一方向に進行中の原付車に接触転倒させ、沖縄市に居住する60代の男性に重傷を負わせたものの負傷者の救護等の処置を講ずることなく現場から逃走した重傷ひき逃げ事件であります。
県警察におきましては、事件発生当初からひき逃げ事件を視野に捜査を実施し、事故後に現場から逃走した車両を判明させ、在沖米海兵隊少佐の男性をひき逃げ事件の被疑者として特定したものであります。
県警察といたしましては、今後所要の捜査が終了次第、被疑者を過失運転致傷と救護義務違反等により那覇地方検察庁へ書類送致する所存であります。
以上でございます。
○新里 米吉 浦崎・安慶田両副知事、御就任おめでとうございます。言うのを忘れておりました。しっかり知事を支えて頑張ってください。
先ほど基地問題の(3)、米軍基地に働く従業員の国内法適用、渉外知事会と連携をとっていきたいということでした。まさにそのことを要請したかったわけでして、渉外知事会で協議をして渉外知事会として政府とこの問題を協議していただけたらと思っています。
以上、要望して終わります。
○仲村 未央 こんにちは。
社民・護憲ネット、代表質問を引き続き行います。
翁長知事の就任、そして新たな副知事を含めての新体制の発足、心からお祝いを申し上げ、連帯の決意を冒頭に述べてまいりたいと思います。
辺野古の海を埋め立ててつくり出される土地は国有地となり、米軍に提供される。一旦、提供されれば半永久的に米軍による排他的使用が約束され、県民の権利は及ばない。つまり我々県民の側には将来にわたり返還を求める地主としての権利すらない。戦後、沖縄の先人たちは土地の一括払い下げを拒み、先祖代々の土地を守り抜いた。空腹すら満たされない占領の時代にあって、それでも命にかえて土地を守り、島ぐるみで圧倒的支配者と対峙してきた。その歴史の上に立ち、今、目の前で起きている埋立承認、米軍基地建設問題が呈する本質的意味を語り、将来に禍根を残さない誇りある選択へと県民の結集を呼びかけた翁長知事の訴えは、県民の中に気概と団結を呼び覚ましました。歴史的勝利であり、結果は重い。この審判が100年の沖縄を定めていくという大局に接し、有権者はそれぞれの一票に決意を込め、主体的に将来への責任を果たそうとしています。
公約実現への翁長知事の使命は、辺野古埋め立てを中止させ、沖縄の土地を、海を、空を、県民のものとして生かし、真の豊かさを実現していくことであり、この確信のもと全力で支えることを表明し、質問に入ります。
1点目、「アジア経済戦略構想」の策定について。
知事は「大半が県外企業に還流するザル経済」、「県内企業に恩恵が十分に行き渡っていない」との認識で、既存「特区」の改善、地理的優位性を生かす新たなビジネスの展開等を主張されています。「アジア経済戦略構想」、自立型経済へのビジョンを伺います。
2、観光政策について。
「2021年を目処に、観光客1000万人超、観光収入1兆円超」の目標を掲げましたが、以下について考え方を伺います。
(1)点目、「カジノ」への認識、沖縄観光発展の見地から見解を伺います。
(2)、大型MICE施設整備への取り組み、設置要件等について方針を伺います。
(3)、J1対応サッカー場やキャンプ誘致など、「スポーツコンベンションアイランド」の構築に必要な環境整備についてどのような考えか伺います。
3点目、ウチナー文化の普及促進について。
(1)、空手道会館の整備、ユネスコ無形文化遺産への登録、2020年東京オリンピック競技種目への採用など発祥地沖縄から空手道・古武道を強力に推進していくことについて考えを伺います。
(2)点目、しまくとぅばの保存、普及・継承への取り組みを伺います。
4、農林水産業の振興について。
(1)、本県農林水産業振興への決意、その戦略を伺います。
(2)、TPPに対する見解、県としての今後の対応、同時に、日台・日中漁業協定への見解と対応も伺います。
5、環境政策について。
(1)、国立公園化、世界自然遺産登録などヤンバルの森保全への決意を伺います。
(2)、ジュゴン、アオサンゴ群などが生息する辺野古、大浦湾の自然環境を知事はどのように評価しているか。保全への取り組みを伺います。
6、「こども環境・日本一」の実現について。
(1)、本県の子供を取り巻く現状への認識はどうか。「こども環境・日本一」に向けた決意を伺います。
(2)、「2018年までに待機児童ゼロ」との方針ですが、実現の見通しについて伺います。
「30人以下学級、少人数学級」、「教職員の全国並み正規雇用化」など教育環境の充実に向けた所信を伺います。
7、離島振興について。
(1)、本県の発展を支える「離島力」について知事の所見を伺います。
(2)、「島たび」助成の導入などを通じた活性策についてビジョンを伺います。
8点目、入札改革、市町村との連携について。
総合評価制度改善の課題、「公契約条例の制定」について、その意義と方向性を伺います。
一括交付金の使途に対する柔軟性、有効性を高める上での課題はないか。市長としてきたこの間の課題、それから市町村との連携について伺います。
9点目、雇用・労働政策について。
全国一割合の高い非正規雇用率、所得の低さなどを踏まえ、県は本年度、初の大規模な「労働環境実態調査」を行いました。把握された県民の雇用環境について示されたい。
また、本県が長く抱える雇用の質に対する課題にどう対応するか、知事の見解も示されたい。
10点目、医療、保健行政について。
(1)、県立病院の経営形態のあり方、充実強化に対する認識を伺います。
(2)、県立八重山病院建設への決意を伺います。
(3)、沖縄の特殊事情に起因する市町村国保財政の恒常的赤字が大きな課題となっています。国保財政健全化に向けた課題、国への働きかけについて伺います。
11、辺野古埋立申請、承認問題への対応について。
(1)、地元市町村長との合意のない計画、これは過去に例がありません。「地元の同意が得られない移設計画は事実上不可能」と言いながら、これを無視して行った仲井眞前知事の「承認」は、結局、変更申請を招き、工法への矛盾を生じさせています。地元の同意が得られない移設計画は実現不可能ではないか、知事の見解を伺います。
(2)、地元との協議が整わず、ましてや名護市の権限を奪う形で代執行など強権が発動されることがあってはなりません。オスプレイ配備の後出し、閾値超えなど、環境評価にも保全措置にも妥当性がない埋立申請に対し、名護市が同意できないのは当然だと思いますが、知事の見解を伺います。
(3)、国内外への働きかけ、訪米計画について伺います。
○知事(翁長雄志) 仲村未央議員の御質問にお答えをいたします。
「アジア経済戦略構想」の策定についてに関する御質問の中で、「アジア経済戦略構想」の策定についてお答えをいたします。
私は、アジアの巨大なマーケットの中心に位置する沖縄の地理的優位性を生かし、成長著しいアジアのダイナミズムと連動した「アジア経済戦略構想」を策定し、その実現に取り組むことで、アジアの活力を取り込み、本県の自立型経済を発展させていきたいと考えております。
同構想は、沖縄の持つ地域力、文化力、人間力、自然力等、沖縄の持つソフトパワーを生かし、国際物流拠点の形成を初め、情報通信関連産業、観光・リゾート産業などのリーディング産業の拡充、強化を進めるとともに、沖縄の持つ独自の技術を生かした環境ビジネス・再生可能エネルギーなどの産業も含め、アジア諸国と本県の相互の発展につながるような経済戦略にしたいと考えております。
2番目の観光政策についてに関する御質問の中で、カジノへの認識についてお答えをいたします。
私は、沖縄の自然、文化、伝統等のソフトパワーは、沖縄の未来を開くエンジンであるとともに、国内外の多くの人々を魅了するすぐれた観光資源であると考えております。カジノを含む統合リゾートは、こうしたソフトパワーに牽引される好調な沖縄観光の将来に影響を及ぼしかねないほか、ギャンブル依存や地域環境への影響が懸念されることから、沖縄への導入は考えておりません。
3番目のウチナー文化の普及促進に関する御質問の中で、しまくとぅばの保存、普及・継承についてお答えをいたします。
県内各地域で受け継がれてきたしまくとぅばは、地域の伝統行事で使われる大切な言葉であるとともに、組踊や琉球舞踊、沖縄芝居などといった沖縄文化の基層であり、いわば県民のアイデンティティーであります。このためしまくとぅばの消滅は、大切な伝統文化の衰退を招くだけでなく、沖縄の心の喪失にもつながるものと危惧をしております。
ここで私も那覇市役所のときに、ハイサイ・ハイタイ運動をやりまして、今県庁に来まして、既にそれを自由にさせてもらっておりますので、やっぱりなれないということもありますし、ちょっと違和感もあると思いますので、ここでなぜ私がそういうハイサイ・ハイタイ運動をするかをちょっとだけ御説明させていただきたいと思います。
御承知のように、21世紀ビジョン、いろんな各分野の専門家が集まって分科会初め委員会でやりまして、3年前になりますか、この21世紀ビジョンをつくったわけですが、その審議会の一番最後でこれ偶然でありますけれども、人間国宝の照喜名朝一先生が沖縄の歴史、伝統文化を代表して出られているわけですけれども、10分から15分の御挨拶をしました。その先生が、ある意味では泣きながら最後の締めくくりの挨拶をしておったんですけれども、こういうことでございました。
私は、人間国宝に認定をされて沖縄の歴史、伝統文化が認められたことに、天にも上る気持ちで大変光栄に思っておりますと。だけれども、家に帰るとはたと目が覚めて、寝られない夜が多いんですと。それは何かといいますと、この私が人間国宝をもらったのは、どうせ滅び行く文化だから、今のうちに上げておけといって私はもらったのではないかという大変恐怖感に襲われて、夜眠れないんですと。
それはなぜかというと、沖縄の組踊も、琉球舞踊も、沖縄芝居も、歌・三線も、旗頭も、エイサーも、みんなしまくとぅば、ウチナークトゥバで成っている。そうすると、今の県民でウチナーグチがしゃべれて、聞くことができるのは、正確なパーセンテージではないんですけれども、二、三割。聞くだけの人が二、三割、それ以外の人がわからないというような感じのこの沖縄県で、二、三十年後、沖縄言葉、しまくとぅばなくなりますよと。この沖縄の文化がなくなるんですよというような形で泣きながら訴えながら、どうか再興させてくださいと言ってテーブルに手をついて、テーブルに土下座みたいな形になるわけですが、大きな声でよろしくお願いしますという話をされておりました。
それを聞いて私も14年前、那覇市長になったときに、お年寄りの対策課を「ちゃーがんじゅう課」に変えたように、若干のウチナーグチというものに対しての認識はありましたが、照喜名先生の話を聞いて、これは21世紀ビジョンのソフトパワー、沖縄の自然、歴史、伝統文化がなければ沖縄の魅力というのはなくなるんだなと。これは単に文化だけの問題じゃなくて、経済にも全ての社会活動にも影響を及ぼすんだなということでこれをぜひともやりたいということで、しかしひとりではできませんから、那覇市役所に戻りまして庁議のメンバーにお願いをして、どうだろうかと言ったらみんながやろうということになりまして、そして庁議でも最初から、ハイサイ グスーヨー チューウガナビラ、ニフェーデービルとこれだけでやろうということで始まりましたら、議会もそういうふうに言っていただいて、今、那覇市役所では割合遠慮なくそういった言葉が使われるようになりました。しかし、最初に使うというのは大変恥ずかしいことで、伊狩典子さんというウチナーグチのすばらしい方がおられるんですけれども、この方がラジオでおっしゃるには、このウチナーグチを使うのは一番教養が邪魔するんだそうです。それぞれどの分野でもある意味で一人前に人生を送ってきた中に、今からウチナーグチをしゃべるとなると、人によっては10点満点から90ぐらいまで、敬語ができないとかそういったことがありますので、自分の人格まで疑われるような、そういうような大変恥ずかしさがあるから使い切れない。使い切れないと二、三十年後にはウチナーグチがなくなるというようなことでありますので、実践することが大切なんですよというのを伊狩典子さんが言っていました。ですから、条例をつくっても何をしても、使わなければどうにもならないものですから、私は廊下ですれ違う人にもいろんな人にもハイサイ、ハイサイしているんですね。恥ずかしかったですよ。とても恥ずかしくて大変だと思いましたが、3年前からずっと言い続けてきてやっております。
ですから、今後ともこの議会でもいろんなところで使うと思いますが、単なる懐古主義ではないということだけ御理解いただいて、できれば御協力をお願いしたいなというふうに思っております。
そういうことで、照喜名朝一先生の話を聞いてやったわけでありますけれども、県のほうでもしまくとぅばの保存・普及に向けた県民運動として、県民大会や語やびら大会、各地のシンポジウムの開催等による県民意識の醸成を図っているところであります。加えて、しまくとぅばを広く普及させるためには、教育現場や各地域での取り組み拡大とあわせてしまくとぅばを教える人材の育成・確保が重要だと考えております。そのため、教育機関やNPO団体、文化協会等とも連携を図りながら、しまくとぅばを広める仕組みの構築や人材の育成確保に取り組んでまいります。
次に、農林水産業の振興についてに関する御質問の中で、農林水産業振興への決意と戦略についてお答えをいたします。
島嶼県である本県にとって、農林水産業は地域経済を支えるとともに、農山漁村の活性化に寄与する重要な産業であると考えております。このため、本県の亜熱帯性気候や地理的特性を生かし、農林水産業の振興に努めてまいります。具体的には、沖縄21世紀ビジョン基本計画に基づき、野菜や果樹、畜産物などのおきなわブランドの確立と生産供給体制の強化、そして輸送コストの低減や県内外への販売促進などの流通・販売・加工対策の強化、そして耕作放棄地の有効活用や亜熱帯・島嶼性に適合した生産基盤の整備、次に6次産業化や海外展開などフロンティア型農林水産業の振興など7つの基本施策に取り組んでまいります。
環境政策についてに関する御質問の中で、ヤンバルの森保全についてお答えをいたします。
ヤンバルの森は、イタジイが優先する常緑広葉樹林が広く分布し、ノグチゲラやヤンバルクイナ等の多くの固有種を初めとする極めて多様性に富んだ生物相が見られる重要な地域であると認識をしております。また、ヤンバルの森が世界自然遺産へ登録されることは、沖縄県の自然環境のすばらしさが世界に認められることであり、自然環境の保全や地域振興の面から意義のあることと考えております。
沖縄県としましては、当面の課題であるヤンバル地域の国立公園化に向けて取り組むなど、関係機関と連携し、世界自然遺産登録の早期実現を目指していきたいと考えております。
次に、辺野古、大浦湾の評価と保全についてお答えをいたします。
辺野古崎周辺海域及び大浦湾については、沖縄県が策定した「自然環境の保全に関する指針」において評価ランクⅠ及びⅡと評価しております。また、国により「日本の重要湿地500」や「ラムサール条約湿地潜在候補地」に選定されるなど、生物多様性が高い海域であると考えております。
沖縄県としましては、ジュゴンやアオサンゴ群落の保全については、今後、専門的知見の集積を図り、保全のあり方について検討していきたいと考えております。
「こども環境・日本一」の実現についてに関する御質問の中で、待機児童解消の見通しについてお答えをいたします。
現在、市町村においては、子ども・子育て支援新制度の施行に向けて、子ども子育て支援事業計画の策定が進められているところであります。同計画における11月時点の速報値によると、平成29年度末までに約1万8000人の保育の量を拡大し、待機児童を解消するとしております。
県としましては、市町村と連携し、安心こども基金や待機児童解消支援基金等の活用により、市町村計画の着実な実施を支援してまいります。
次に、教育環境の充実についてお答えいたします。
人材こそが最大の資源である沖縄県において、児童生徒の育成は将来の発展にとって極めて重要であります。
学校教育においては、家庭や地域との連携を図るなど、きめ細やかな指導を通して、子供たちの学力向上や豊かな心、たくましい体を育む必要があると考えております。そのため、教育環境のさらなる充実に向け、小中学校における少人数学級の推進や教職員の正規率改善等、公約の実現に向け取り組んでまいります。
次に、医療、保健行政についてに関する御質問の中で、県立病院の経営形態のあり方についてお答えをいたします。
病院事業については、平成25年1月の経営再建検証委員会の評価において、経営改善は実現したとしているものの、持続的な経営健全化の達成については、さらなる経営改善が行われることなどが課題として示されております。そのため病院事業局では、平成24年度から平成27年度までの期間を対象とした「経営安定化計画」を策定し、これらの課題への対応を含めた一層の県立病院改革に取り組んでおります。
県立病院の経営形態については、公約で示したとおり現行形態を維持していきたいと思います。今後、病院事業局及び関係部局から現状等の詳細を確認した上で進めていきたいと考えております。
次に、県立八重山病院建設の決意についてお答えをいたします。
新県立八重山病院建設につきましては、地域の急性期医療を担う中核病院として、可能な限り圏域内で完結できる医療機能を整備することとしております。
沖縄県としましては、患者・家族や医療スタッフに優しい施設を目指すとともに、大規模災害などに対応可能な医療施設として平成29年度の開院に向け、事業を着実に進めてまいります。
次に、国保財政健全化に向けた課題、国への働きかけについてお答えをいたします。
市町村国保は、高齢者や低所得者の加入割合が高く、ふえ続ける医療費に対し、十分な保険税収入の確保が困難であるという構造的な課題を抱えております。特に、沖縄県の市町村国保においては、加入者の平均所得が全国で最も低いこと、また、沖縄戦の影響等により前期高齢者の割合が低く、前期高齢者交付金が全国に比べ極端に少ないという特殊事情等により、年々赤字が増加し、平成24年度の実質的単年度収支は98億円の赤字となっております。
沖縄県としましては、このような状況を踏まえ、本県の市町村国保への財政支援について、県、市長会等の6団体で国に要請を行ったところであります。国は、この要請に対し、沖縄の特殊事情について理解を示し、国保制度改革等において、沖縄県の特殊事情を勘案して対応したいとの意向でありました。
沖縄県としましては、本県の市町村国保への財政支援が早期に実施されるよう、今後とも市町村等と連携を図りつつ、国へ働きかけを行ってまいりたいと考えております。
次に、辺野古埋立申請、承認問題への対応についてに関する御質問の中で、地元の同意が得られない移設計画についてお答えをいたします。
普天間飛行場の返還合意において、県内移設が条件とされ、県民の理解が得られないまま進められてきたことが、今日に至る問題につながったものと考えております。
政府においては、現行の移設計画をこのまま進めることなく、我が国が世界に冠たる民主主義国家であるという姿勢を示していただきたいと思います。
次に、辺野古埋立承認申請に対する名護市長意見についてお答えをいたします。
名護市長からは、「環境保全に重大な問題があり、沖縄県知事意見における指摘のとおり、事業実施区域周辺域の生活環境及び自然環境の保全を図ることは不可能であると考え、本事業の実施については強く反対いたします。」との意見が提出されております。今後、承認の取り消し・撤回も視野に入れながら、法律的な瑕疵の有無について、承認の経緯等を検証してまいりたいと考えております。
次に、国内外への働きかけ、訪米計画についてお答えをいたします。
戦後69年間、過重な基地負担を背負ってきた沖縄県にとって米軍基地問題は最重要の課題であり、その解決促進のため、国内を初め米政府や国際社会に沖縄の実情や私の考えを直接伝えることは、意義あることだと考えております。
私の訪米については、効果的な活動が実施できるよう、情報の収集や分析等に努めながら、関係者とも調整の上、具体的な内容及び日程を決定していきたいと考えております。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長から答弁させていただきます。
○文化観光スポーツ部長(湧川盛順) それでは観光政策に関する御質問の中の、大型MICE施設整備の取り組みについてお答えいたします。
沖縄県では、既存の施設では対応できない大型MICEを誘致するために、2020年度の供用開始に向けて施設整備の検討を行っているところであります。
施設の概要としましては、展示会、コンサート等多様なイベントに対応できる2万平米程度の展示場、企業の報奨旅行のディナー等に対応可能な7500平米程度の多目的ホール、学会開催時の分科会等に対応できる20室から30室の中小会議室などの機能を持った複合施設を想定しております。なお、立地場所については、全体のスケジュールに影響を与えないよう可能な限り早期に判断していきたいと考えております。
次に、スポーツコンベンションアイランドの構築についてお答えいたします。
平成25年度のスポーツコンベンション開催件数は、沖縄県スポーツコンベンション振興協議会の調査によりますと、対前年度比14.5%増の578件と過去最高となっております。プロ野球春季キャンプやサッカーキャンプについても、それぞれ過去最多のチームがキャンプを実施しております。
沖縄県では、スポーツコンベンションをさらに拡大発展させるため、県外・海外からの誘致・受け入れのワンストップ機能を有するスポーツコミッション沖縄(仮称)の平成27年度本格稼働に向け取り組んでおります。また、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会も見据えたスポーツコンベンション誘致戦略を本年度新たに策定するとともに、平成27年度以降は、同戦略を踏まえ、効果的・計画的な誘致を行っていきたいと考えております。さらに、J1対応サッカー場を含めたスポーツ施設の整備についても関係機関と連携・協力しながら推進してまいります。
沖縄県としましては、「スポーツアイランド沖縄」の実現に向けて、引き続き各種施策・事業を積極的に展開していきたいと考えております。
続きまして、ウチナー文化の普及促進に関する御質問の中の、空手道・古武道の推進についてお答えいたします。
空手道・古武道は、沖縄を発祥とし、沖縄の歴史と風土の中で育まれ、洗練されてきました。今や、国境を越えた世界の武道として発展し、180カ国以上、約6000万人以上の空手愛好家がいると言われており、国際的にも評価が高い沖縄の伝統文化となっております。このため、県としましては、国内外に「空手発祥の地・沖縄」を発信する拠点となる「沖縄空手会館」の整備を進めるとともに、ユネスコ無形文化遺産登録に向けた取り組み、空手国際セミナーの定期的な開催、空手指導者の海外派遣、10月25日の空手の日演武祭の開催など、空手道・古武道を普及する施策を積極的に推進しているところであります。また、2020年東京オリンピックにおける空手道の正式種目への採用につきましては、国内外から「空手発祥の地・沖縄」が注目されるとともに、県民が空手の価値を再認識する効果が期待されます。
県としましても、国や東京五輪・パラリンピック組織委員会などの動きについて情報を収集し、適切に対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○農林水産部長(山城 毅) 農林水産業の振興についての御質問の中で、TPPに対する見解と今後の対応についてお答えいたします。
TPP交渉は、原則として全ての品目で関税を撤廃することが前提となることから、サトウキビ・肉用牛等の本県農林水産業に深刻な影響を及ぼすことが懸念されます。
県としましては、サトウキビや肉用牛・豚肉等の重要5品目などの聖域が確保できなければ交渉からの脱退も辞さないとした衆議院及び参議院農林水産委員会決議の遵守について、国に対して強く要請していくとともに、TPP交渉の動向や国の対応を踏まえながら、時期を逸しないよう適切に対応してまいります。
次に、日台漁業取り決め及び日中漁業協定についてお答えいたします。
平成25年4月に、本県漁業者の頭越しに合意された日台漁業取り決めについては、本県周辺水域において台湾漁船の操業が認められ、操業時のトラブルを恐れた本県漁業者は操業を自粛している状況にあります。このため、県としましては、漁業関係団体と連携し、日台漁業取り決め適用水域の一部撤廃及び台湾漁船の取り締まりの徹底を国へ要請するとともに、操業ルールの改善に努めてまいります。
一方、平成9年に署名された日中漁業協定及びそれに附帯する外務大臣書簡では、本県周辺水域は、我が国の法令が適用除外とされており、中国サンゴ網漁船の集団操業による漁場環境の悪化、漁船の操業等さまざまな被害が生じております。このため、日中漁業協定の見直し、外務大臣書簡の破棄及び中国サンゴ網漁船の取り締まりを国に強く求めてまいります。
以上でございます。
○子ども生活福祉部長(金城 武) それでは「こども環境・日本一」の実現の御質問の中で、「こども環境・日本一」に向けた取り組みについてお答えいたします。
沖縄県においては、全国一高い出生率を維持している一方で、保育所入所待機児童の多さ、学力が定着していないこと、少年非行や若年無業者の増加など多くの課題を抱えています。 特に、子供の貧困については、所得水準が低くひとり親家庭が多いことなどから、全国より厳しい状況にあると考えられ、子供たちが健やかに育成される環境の整備が求められています。このため、県としましては、市町村と連携し、平成29年度末までの待機児童の解消に取り組むほか、要保護児童の自立支援、発達障害児の支援体制の整備、総合的な子供の貧困対策など子供目線の施策を推進することにより、「こども環境・日本一」の実現に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 離島振興についての御質問の中の、離島力及び離島の活性化策についてお答えいたします。7の(1)と7の(2)は関連いたしますので一括して答弁させていただきます。
沖縄の離島は、島々で異なる個性豊かな自然環境、文化、歴史的遺産等の魅力を有しているとともに、日本の領空・領海、排他的経済水域の保全など国家的利益の確保に重要な役割を果たしており、こうした離島の持つ魅力や役割、すなわち「離島力」は、「沖縄の未来を拓くソフトパワー」の一つであると考えます。
県としては、今後こうした考えのもと、「離島力」の向上に向けて、離島における交通コストや水道料金などの生活コストの低減、福祉サービスの総合支援、医療サービスの確保、離島出身者の寄宿舎など生活環境基盤の整備、サトウキビを初めとする離島の農業を維持するとともに、島々の特産品を生かした多様な産業の育成・支援、離島の魅力を発信するとともに、県民にもその魅力を体験してもらう離島体験交流の推進などの施策に取り組み、県民全体で離島地域を支える仕組みを構築してまいります。
次に、入札改革、市町村との連携についての御質問の中の、一括交付金の課題及び市町村との連携についてお答えいたします。
一括交付金は、地域の実情に即した事業を自主的な選択により実施することができる使途の自由度が高い交付金で、これまでの制度の枠組みでは十分に対応することができなかった事業がきめ細かく実施されております。
今後とも、同交付金の有効性を高める観点から、市町村との連携を一層密にし、子育て・福祉、教育、防災、観光などさまざまな分野において協働のまちづくりの促進や地域力の向上・発展に努めてまいります。
以上でございます。
○土木建築部長(當銘健一郎) 入札改革・市町村との連携についての御質問の中で、総合評価制度改善への課題についてお答えをいたします。
総合評価方式は、公共工事の入札において価格以外の多様な要素をも考慮し、価格及び品質が総合的にすぐれた企業を落札者とする方式であります。
課題といたしましては、提出資料の作成に時間を要すること、入札から落札決定までの期間が長いため配置予定技術者が拘束されること、工事実績を評価の対象としているため新規参入しづらい等が挙げられます。
県といたしましては、提出書類の簡素化等の対策を図ってきたところであり、今後とも関係機関の意見を踏まえ改善に努めてまいります。
以上でございます。
○商工労働部長(下地明和) 入札改革・市町村との連携についての中の、公契約条例の制定についてお答えします。
公契約条例については、労働者の適正な労働条件を確保することにより労働者の生活の安定を図り、公共工事及び公共サービスの質の向上に資することを目的に制定されているものと認識しております。現在、県が発注する公共工事や業務委託等については、担当部局において適正な積算が行われ、公共サービスの質及び公正な労働条件が確保され、労働関係法令やその他の法律等についても、下請業者まで含めて遵守されるよう指導がなされているものと考えております。
沖縄県としましては、今後、国の「公契約に関する基本法」の法制化や他県の動向を注視しつつ、公契約条例の必要性も含めて検討してまいりたいと考えております。
次に、雇用・労働政策についての中の、実態調査から把握した雇用労働環境についてお答えいたします。
ことし9月中旬から10月末にかけて、県内企業の労働環境について約1万4000社を対象にアンケート調査を実施したところ、事業所からは約2600票、従業員からは約5700票の有効回答を得ております。現在、集計作業を進めているところであり、今後、さまざまな角度から分析を行い、年度内に結果を取りまとめの上、公表する予定としております。
次に、同じく雇用労働政策についての中の、雇用の質に対する知事の見解についてお答えいたします。
沖縄県の雇用情勢は一定の改善を示しているものの、非正規雇用率の高さ、所得の低さ等の課題があり、雇用の質の向上に取り組むことは大変重要なことと認識しております。そのため、県では、経済団体及び業界団体に対して正規雇用化等の要請を行ったところであります。また、従業員の正規雇用化や処遇改善を促進するため、人材育成や雇用環境にすぐれた企業を認証する「人材育成企業認証制度」や仕事と生活の調和に積極的に取り組む企業を認証する「ワーク・ライフ・バランス企業認証制度」の実施に加え、若年従業員の定着を支援する若年者定着支援実践プログラム事業を実施しております。さらに、緊急雇用基金を活用し、中小企業診断士等の専門化を企業に派遣して経営相談や経営戦略セミナー等により、経営者の意識啓発を図ることで従業員の正規化を促進する沖縄県正規雇用化促進モデル事業を実施するとともに、国が行う「キャリアアップ助成金」等の周知徹底に努めております。
県としましては、引き続き沖縄労働局、経済団体等関係機関と連携し、雇用の質の向上に努めてまいります。
以上でございます。
○病院事業局長(伊江朝次) 医療・保健行政についての御質問の中で、県立病院の充実強化についてお答えいたします。
県立病院は、本県の基幹病院として、また、地域の中核病院として救急医療、小児・周産期医療、離島・僻地医療等の政策医療や、地域に必要な一般医療の提供など地域医療の確保に重要な役割を担っております。
病院事業局においては、このような県立病院の使命や役割を踏まえ、引き続き国の医療制度改革の動向を注視しつつ、関係機関と連携を図りながら持続的な経営健全化に取り組むとともに、医師を初めとする医療従事者の安定的な確保や効果的・効率的な設備投資など、適切な医療提供体制の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○仲村 未央 翁長知事、イッペー ニフェーデービタン。
先ほどの知事の沖縄のしまくとぅばを通じた文化に対する、また、本当に沖縄のよさを生かしていこうという決意、文化だけではなくてヤンバルの森、それから辺野古、大浦湾、そして環境政策もさることながら、カジノに対する考えも含めて非常に沖縄に対する思いとその深い愛情、そういったものを県政の柱に据えていくという決意を感じることができました。ぜひともその分野の大きな発展をともに支えていきたいと考えています。
それから、再質問です。
知事に対しては、辺野古埋め立ての承認問題に関する部分で再質問をお願いしたいと思います。
まず1つは、検証のことが先ほど来答弁をされています。このことに関する知事の政策は明快です。辺野古に新基地をつくらせないということを県政の柱に据えると。そして県民の心に寄り添う県政をつくり上げる。子や孫への責任を果たしたいとの決意も聞かれました。この間の埋立承認をめぐる状況の中には、もう既に環境保全は不可能とした前知事の意見が示され、また、地元自治体としては名護市が明確に議会の議決を経て名護市意見で反対を表明すると。そして辺野古に新基地はつくらせないと重ねて強調した公約を掲げてこの知事選挙で圧勝をされた翁長知事、そして続く衆議院選挙で示された民意、これらを踏まえて臨む検証ですから、その検証の視点というのは明快であり、必ずやその県民の願いにかなう結果が導き出されるものと確信をしております。
一方で、埋立着工に向けての作業というのは着々と進められています。これら民意を一顧だにしない、その衆議院選の結果を受けてなお安倍総理は粛々と進めるとしており、2月にはその業者の選定、春には着工をしていく、こういう見通しが示される中です。その意味では余り時間がありません。環境と公益の面から科学的で公正性、そして透明性というのは当然にその検証に求められるとは思いますが、かつ速やかな検証を必要としているとも認識をしています。その意味でこの検証に当たるスケジュール、スケジュール観について知事はどのように考えていらっしゃるかお尋ねをいたします。
それからもう一点目、訪米をこれから検討されるということが先ほどありました。今、その訪米の中でもちろん国際社会に対してもこの沖縄の置かれた現実、現状を大きくアピールをしていくということも求められましょう。一方で、今、5年閉鎖をめぐる日米の認識が一致をしていないというふうに報道等からは見受けられます。1つには、5年閉鎖というのは、今、日本政府と仲井眞前知事は、辺野古移設を前提とするということを言っています。辺野古移設を前提としての5年閉鎖であると。これについて翁長知事はどう思われますでしょうか。
これに対して一方のアメリカ側は、辺野古移設が完了するまでは普天間基地を使い続けるというのが姿勢であり、5年閉鎖は空想だと言う。そういった不快感が示されたというような認識が伝わってきます。その意味で、一方では辺野古移設を前提とする5年閉鎖が可能であると、一方ではそれは空想だと。全く日米間でその認識は一致をしていないというふうに見受けられます。このことについて、5年で閉鎖してその9.5年後にまたその機能が戻ってくるというようなことができるのかどうか。5年で閉鎖できるものであれば、そもそも辺野古基地建設は必要ないのではないかというのがこの間の議論でもあります。このことについて知事はどのようにお感じかお尋ねをいたします。
それから、その訪米については、仲井眞知事は安倍総理の発言が最大の担保だと。そして、そのことは総理からオバマ大統領にも伝わっているというような言い方をしていました。ぜひその真偽、そして5年で閉鎖をし9.5年後に戻ってくることが軍事戦略上、海兵隊としてあり得るのかどうか。そういった真偽についてもぜひお尋ねになり、現地で直接確認をする必要があるのではないかと思いますが、その点についてもお尋ねをいたします。
以上です。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後2時27分休憩
午後2時29分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
翁長知事。
〔知事 翁長雄志君登壇〕
○知事(翁長雄志) 仲村未央議員の再質問にお答えをいたします。
今回の衆議院選挙の結果を受けても、安倍総理が粛々と進めるとおっしゃったことについては大変残念であります。
ことしは一連の名護市長選挙、名護市議会議員選挙、県知事選挙、そして衆議院選挙とありまして、沖縄の民意が辺野古につくっちゃいかぬということがはっきりしている中で、なかなか御理解がいただけるような言葉が出てない中で粛々と進めるということでありますから、私どももこの辺野古はやっぱりつくらせちゃいかぬと、こういうような気持ちでしっかりと検証していきたいと思います。そのスケジュールにつきましては、今、そういった検討委員会、どういう形にするか等も今、議論をしているところでありまして、一番衆議院が解散になったということがある意味で若干物事を進める上で全ての分野においておくれてきておりますけれども、それでももう終わりましたので、全力を挙げてそのスケジュール等々を見通す中でこれにしっかり対応できるような、そういった検証を含め進めていきたいと思っております。
それから2番目の、日米が一致していない、つまり仲井眞さんは5年以内の返還、運用停止というようなことで御理解をいただいたということであるわけですが、アメリカのほうは辺野古基地ができなければ普天間は返さないぞというようなニュアンスで話をされている中では、私は基本的に辺野古はもうつくらせないというような判断でありますので、そういったようなものの中で普天間は早急に返還をしてもらいたいというような形で物事を進めていきたいと思います。
訪米のときには当然オバマ大統領に会えるのであれば、あるいはそれにつながるような形で話ができるのであれば、今までのそういった経緯等を説明をしながら、ぜひとも御理解をいただけるようなそういった話し合いを早目に訪米をして訴えていきたいというふうに思っております。
○玉城 義和 県民ネットを代表いたしまして質問を申し上げます。
知事、改めて御当選、そして御就任おめでとうございます。
そして、浦崎・安慶田両副知事の御就任、心からお祝いを申し上げます。まことに慶賀にたえないところでございます。
知事は、本来、保守政治家として唯々諾々と政府の意向に従うのであれば、知事の座は禅譲が約束されていたと思います。しかしながら、知事は我が身の政治信念に従ってあえてその道を選ばなかった。なんじはやすき道を行けと、我はイバラの道を選ぶと、こういうことだと思います。歴史の中で、政治家として、今、自分がどのようなところに立っているのか、そしてどこに向かって進むべきかということを明確に認識をした政治行動だったというふうに思います。
そして、圧倒的な県民の期待を背に受けての船出でありますけれども、こぎ出す四海は波は高く風雨は強うございます。この風雨の海にこぎ出す知事を、しかし140万県民は心から支援をいたしております。後世、県民が、沖縄には翁長という名知事がいた、後世の歴史家をして、沖縄が大きく変わったのは翁長知事の時代であったと、こういうふうに言わしめる。そういう歴史的な任務をぜひともお果たしをいただきたいというふうに思うわけであります。
そこで、140万県民のこの期待を担って船出する知事就任の思い、胸中をお聞かせをいただきたいと思います。
次に、事務局及び執行部には質問通告提出後のことでして、衆議院議員選挙の結果が出ましたので、追加質問の手続をいたしましたのでお伺いをいたします。
本県におきましては、4選挙区全てにおいて国政野党の候補者が当選をいたしました。そのことについて知事の所見を賜りたいと思います。
次に、知事選挙及びオール沖縄、建白書の実現ということについてであります。
今次知事選挙は、1968年の主席公選に並ぶ意義があったものと思いますし、また、いわゆる保守と革新が垣根を越えて一つになり戦ったという意味で歴史的な意味を持つものであります。また、辺野古移設の是非を最大の争点とした選挙であったことから、辺野古移設を問答無用に推し進める政府が、菅官房長官などを送り込んで必死になって応援した現職が大敗をしたということに鑑みれば、まさに第2の敗者は安倍政権であります。
そこで、この選挙戦で何が争われたのかということであります。私は、本選挙の特徴的なことは次の5つのキーワードにあらわれているように思います。
1つ目は「自己決定権」ということであります。このような言葉が知事選の争点になる県がほかにあるでありましょうか。この言葉は、沖縄がこれまでたどってきた幾多の歴史的な経過を踏まえております。残念ながら、今日なおそういう言葉を、自己決定権などという言葉を言わなければならないそういう状況にあることだと思います。
また、「誇りと尊厳」という言葉もよく使われました。現職の知事が補助金をもらって、驚くべき内容とか、これでいい正月が迎えられると言ったことが県民の心をいたく傷つけ逆なでをしたわけであります。こんな知事の言葉が全国のメディアに載りました。東京にいるお嬢さんから友人に、沖縄はいろいろ言っているけれども、結局は金で片がつくのと言われて悔しい思いをしていると、電話を受けた母親もおりました。
また、1月の名護市長選挙で石破自民党幹事長が、自民党の候補者の当選のために500億円の基金を創設すると言うなど、まるで公金による買収のようなことを平気で言ったことも県民の怒りに火をつけたのであります。これらによって県民の自尊心は傷つけられ、誇りと尊厳は争点の一つになったわけであります。
次に、「イデオロギーよりアイデンティティー」ということであります。これは今次選挙の核心をなすものであります。政治的な主張よりも県民の心にある共通項を優先させるということであります。つまり、構造的差別と言われるように、沖縄がたどってきた近現代史に対する県民の共通の思いであります。それを県政を動かす原動力にまで昇華させたことは、まさに特筆すべきことだと私は思います。しかし、これは誰彼が言っても生きる言葉ではありません。力のある政治家が言わないと言葉として生きてこないのであります。まさにこの選挙の中で翁長雄志という人を得てこの言葉が政治の舞台に登場したわけであります。
そして「基地は経済発展の阻害要因」という言葉であります。これは基地収入が県民所得の中でウエートが低くなってきていることや、返還跡地が商業施設として雇用や生産誘発効果を生んでいるということがリアリティーをもって県民に訴えることができ、県民に定着しつつあるということです。
そして「オール沖縄」ということであります。申し上げましたようなことをひっくるめてオール沖縄で当たっていこうということであります。よく知られているように、植民地主義的な支配の要諦は分断支配にあります。沖縄のような小さき者が分裂しているのではまるで力にならない。知事が訴えてきたのは、分裂ではなく統合ということであります。もちろん知事選の政策は多岐にわたるものでありますが、基本的な哲学として、私はこのようなことが基本的に争われたのではないかと、こういうふうに思っているわけであります。
そこで、知事に改めてお尋ねをいたします。
(2)、知事選に関して。
知事選挙に対して基本的にどのようなお考えで臨んだのかということであります。
イ、約10万票差という圧勝でありますが、これをどのように受けとめられておりますか。
(3)、「オール沖縄、建白書」の実現に関して。
ア、知事の持論は「イデオロギーよりアイデンティティー」ということでありますが、どのような意味合い、どのような意義づけをされておりますか。
イ、建白書の今日的な意義についてのお考えをお伺いいたします。
ウ、2012年9・9県民大会の実行委員会の解散時に、基地問題等の解決のためには新たな政治的枠組みが必要と述べられておりましたが、どのようなイメージを描いておりますか。
(4)、次に、知事の歴史認識についてお聞きいたします。
ア、沖縄は、1609年の薩摩藩の侵攻に始まり1879年の琉球処分、1880年、沖縄本島以北を日本に、明治政府に、以南を中国、当時の清に分割しようという提案、1945年の沖縄戦、1952年のサンフランシスコ講和条約による米軍統治等々特異な政治的な経緯をたどってまいりました。これら一連の流れは琉球、沖縄の主体的自己決定権を奪うものであります。知事のこの沖縄の近現代史への認識を伺いたいと存じます。
イ、我が県が沖縄県として日本の一員に組み込まれて135年。長い歴史から見ればわずかの歳月であります。世界は冷戦の終結以来、主権国家のあり方では極めて流動化しております。このような状況の中で我が県の将来のあり方、将来像、中央政府との関係、間合いのとり方をどのように認識をされておりますか。
(5)、県政運営について。
県政運営について重要なことは、県民に開かれた行政運営だと思います。県民の力を結集する、あるいは国内外も含めた人士の知恵を大いに活用することだと存じます。そのため、多彩な人材の助言が受けられるよう幅広くブレーン・トラストを組織すべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
2、基地問題について。
普天間飛行場の移設問題については、この18年間多くの紆余曲折を経てまいりました。海上ヘリポート案から今日まで、県知事も大田、稲嶺、仲井眞の3代にわたります。普天間の危険性の除去というわけでありますが、辺野古に移したとてオスプレイなどは県土の上を常時飛んでいるわけでありまして、墜落などの危険性は全く変わりません。5年以内の運用停止も米国側は全く同意されておりませんし、不快感さえ示しているのが現状ではないでしょうか。今次知事選の結果も受けて、名護市長選挙など何度も民意は示されたわけでありますから、辺野古移設計画を撤回するという仕切り直しをすることこそが普天間の危険性除去につながるということを改めてこの選挙も受けて表明をすべきだと思います。
そこで質問をいたします。
沖縄の米軍基地のあり方全般についての御所見をいただきたいと思います。
(2)、普天間移設問題について。
ア、辺野古移設についての所見を改めて伺います。
イ、1月の名護市長選挙、11月の知事選いずれも圧倒的に移設反対を掲げた候補者が勝利をいたしました。また、県民世論調査でも70%から80%が反対であります。知事としてまずやるべきことは、これら県内の県民意思を内外に周知をさせるということだと思います。すなわち、この一連の選挙を通じて示された民意を改めて国内そして国際的にもアピールをし、周知徹底させることではないかというふうに思います。
埋立承認の過程を検証するための機関はいかようなものですか。
エ、海兵隊の駐留や抑止力等について県内外の専門家でチームをつくり、その不当性について内外に発信するべきではないかと思いますがいかがでしょうか。
政府に対して沖縄県の民意について早急に説明する必要があると思いますがいかがでしょうか。今月末、ことしいっぱいの上京計画がおありであれば、明らかにしていただきたいと思います。
カ、米国や国際社会への訴えについては十分にタイミングをはかりながら有効的に行う必要があると思います。また、ハワイや米本土の沖縄県系米国人との連携も図るべきであると思いますがいかがでしょうか。
キ、ワシントンに沖縄事務所を開設をし情報収集に当たる必要があると思います。これは私は、前県政からずっと主張し続けてまいりましたが、なかなかいまだもって実現をしておりません。ワシントンに事務所を置くことによってロビー活動なども行いながら情報収集をするということがどうしても必要でありまして、的確な情報が得られない中では適切な対応ができない。当たり前のことでありますが、これをぜひ実現をしていただきたい。そのためにも沖縄県系の米国人社会との連携も探る必要があるのではないかと、こういうふうに思いますし、いろんな知識人も含めてそういう助言もあります。ほとんどボランティアで行ってもいいというそういう東京にいる方々もいらして、非常に私はこれは手をつけるべきだというふうに思っております。
それから、上京の折にぜひともお会いしていただきたいのがアメリカのキャロライン・ケネディ駐日大使でございます。これはぜひともお会いしていただきたい。非公式ではありますが、私のほうでは在沖の領事館には、総領事にはその意向はお伝えしてあります。ぜひ決まれば非常に好機でありますから、就任の御挨拶ということでぜひとも実現をしていただきたいというふうに思います。
それから、「アジアの中の沖縄」についてということであります。
琉球は、かつて万国津梁の鐘にうたわれているように、南海の恵まれた地域に立地し、東アジア世界を股にかけて、外国の珍しい物品や宝物が国中にあふれていたとされています。当時のレキオ琉球王府の気概を今に伝えているのであります。このいにしえの人々の自信と誇りを受け継いで、あの14世紀から200年続いた大交易時代に思いをはせるときに、我が県が果たすべき役割は、国内・国外で果たさなければならない多くのことがあることに気がつくのであります。果たすべき役割がたくさんあるということであります。偏狭なナショナリズムにとらわれることなく、日本ここに終わり、アジアここに始まると、こういう気概を持ってこの東アジア、アジアとの関係を結ぶべきだと思います。
以下、質問をいたします。
(1)、沖縄の独特な歴史や文化を生かし、中国や朝鮮半島等アジア諸国との間で経済・文化交流等を積極的に進めるべきだと思いますがいかがでしょうか。
(2)、尖閣問題についても沖縄県としての役割を果たすことが可能だと思いますがいかがでしょうか。
観光振興について。
沖縄観光を考えるに当たって、ハワイの現状を見てみたいと思います。人口は140万、ほぼ同数だと思いますが、2013年のハワイの入り込み客は全体で820万人、うち日本人は152万人、沖縄は640万人ですね。ハワイの滞在日数が9日間、日本人がそのうち約6日間ぐらい滞在をしている。沖縄は3.8日、売り上げはハワイが1.5兆円、沖縄が4700億、ハワイにおける日本人1人当たりの消費額は、1ドル100円とすれば16万1000円になります。沖縄は6万7000円ですね。3倍近い1人当たり消費額がハワイはあるわけです。これからおわかりのとおり、消費額が圧倒的に多いわけであります。何が違うのか。何が違ってこういう差が出てくるのかということを徹底的にやっぱり分析・研究をする必要があると思います。
以下、質問いたします。
観光入域客の増加に比して個人消費額が減少しております。伸びない。7万円を割っているわけですね。一時12万ほどあったときもありましたが、これがどんどんどんどん落ちてきているわけです。リピーターが多いからということを言うこともありますが、ハワイもリピーターが約6割いるわけで、これは理由にはなりません。抜本的な政策転換が私は求められているというふうに思っております。これまでのどちらかというと客数主義ですね、入り込み客だけが前に出てくるようなそういう意識を少しやっぱり変えていかなきゃならんだろうと思います。この客数主義からの転換が求められている。1000万人という政策も出しておりますが、数ももちろん重要でありますが、これだけにとらわれているのではなかなか個人消費額が上がらない。いわゆる豊作貧乏ということに相なるわけであります。そのことの見解を賜りたいと思います。
カジノについての知事の見解を伺います。
5番、県土の有効利用について。
金武以北のヤンバル地域の人口は、大正年間から変わっておりません。12万、13万で、これを少なくとも20万人にするということが地域の要請であります。中南部を通勤圏・通学圏にするということが肝心であります。
以下、質問いたします。
(1)、那覇―名護間を1時間で結ぶ鉄道の導入は、中南部の過密と名護ヤンバル地域の過疎を同時に解消することになります。鉄道導入にかける知事の思いを御披瀝ください。
(2)、沖縄は大小160の島々が東西約1000キロメートル、南北約400キロメートルの海域に点在をいたします。それはまさに何物にもかえがたい宝物であります。離島の振興を県全体の発展にどう結びつけていくか見解を賜りたいと思います。
○知事(翁長雄志) 玉城義和議員の御質問にお答えをいたします。
知事の政治姿勢についてに関する質問の中で、知事就任の思い及び知事選挙の結果についてお答えをいたします。1(1)アと1(2)イは関連しますので一括してお答えをいたします。
私は、去る11月16日の県知事選挙において、有権者多数の支持を得て当選をいたしました。142万県民の知事として、その責任の重さに改めて身の引き締まる思いであります。これから、県民が「誇りある豊かさ」を手にしていけるよう、議員各位、県民の皆様と心を一つにし、全力で県政運営に取り組んでまいります。
次に、知事選挙に係る基本的な考え方についてお答えをいたします。
私は、今回の知事選挙において、保革を乗り越えオール沖縄で普天間飛行場の閉鎖・撤去、県内移設断念、オスプレイ配備撤回に取り組むことを訴え、有権者多数の支持を得て当選いたしました。
また、「イデオロギーよりアイデンティティー」で保革を乗り越え、「誇りある豊かさ」を手にしていくことが今後の沖縄が目指すべき姿であるとの考えのもと知事選挙に取り組んでまいりました。
次に、「イデオロギーよりアイデンティティー」についてでありますが、私は、21世紀はイデオロギーを乗り越えた、県民本位、県民の心に寄り添った政治が必要であると考えております。
今後は、保守対革新という古い思想から脱却し、未来を担う子や孫のために「誇りある豊かさ」をつくり上げ、引き継いでいくことが重要であると考えております。このことが沖縄のアイデンティティーであると信じております。
次に、建白書の今日的意義について。
オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会実行委員会、沖縄県議会、市町村関係4団体、市町村、市町村議会の連名で、安倍総理大臣及び関係閣僚に直接、建白書を提出したことは、大きな意義があったものと考えており、私も実行委員会共同代表として先頭に立って東京での行動に参加しました。
建白書の精神に基づき、県民が心を一つにし、ともに力を合わせて、国内外に向けた働きかけを行っていくことが基地負担軽減の実現につながるものと考えております。
次に、新たな政治的枠組みについてお答えいたします。
私は、建白書の精神に基づき、県民が心を一つにし、ともに力を合わせて、国内外に向けた働きかけを行っていくことが基地の負担軽減の実現につながるものと考えております。この問題の解決のため、県民の皆様と力を合わせて全力で取り組んでまいります。
次に、知事の政治姿勢についての中で、1(4)アと1(4)イは関連しますので一括してお答えをいたします。
沖縄の歴史は、薩摩藩の侵攻、琉球処分、沖縄分割提案、沖縄戦、サンフランシスコ講和条約による米軍統治等、苦難の連続でありました。先人たちはこうした歴史を乗り越え、琉球・沖縄のアイデンティティーを守ってまいりました。
これまで、沖縄県民はみずから持ってきたわけではない基地を挟んで、経済か平和かと厳しい選択を迫られてきました。しかし、社会情勢の変化とともに、これらは両立し得るものとなってまいりました。
沖縄は、豊かな自然や歴史、魅力あふれる文化と伝統に彩られ、大いなる可能性を秘めたソフトパワーを有しており、これを最大限に生かして沖縄の未来を開いていくことが重要であると認識しております。こうした県民の誇りの上に沖縄経済や社会が成り立つ「誇りある豊かさ」を手にしていくことが今後の沖縄が目指すべき姿だと考えます。政府に対しても「誇りある豊かさ」を求める沖縄県民の意思を明確に示してまいりたいと考えております。
次に、県政運営について。
県政運営に当たり外部の有識者から率直な御意見をお聞きすることは重要と考えております。
御提案につきましては、貴重な御意見として承り、どのような組織があり得るのか検討してまいりたいと考えております。
それから衆議院選挙の結果についてでありますが、今回の衆議院選挙の沖縄県選挙区については、知事選挙と同様なオール沖縄という基本姿勢で取り組んだ結果、私が支持した全ての方が当選をいたしました。当選された議員にお祝いを申し上げるとともに、これから力を合わせて沖縄が抱える諸課題の解決に邁進してまいりたいと考えております。
次に、在沖米軍基地のあり方についてでありますが、私は、日米安全保障体制の必要性は理解をしております。しかしながら、戦後約70年を経た今もなお国土面積の約0.6%である本県に約74%の米軍専用施設が存在する状況は、異常としか言いようがありません。そして、その米軍基地が沖縄経済発展の最大の阻害要因であることは明確であります。
日本の安全保障が大事であるならば、日本国民全体で考えるべきであります。このような基本認識のもと、私は、日米両政府に対し、過重な基地負担の軽減、日米地位協定の抜本的な見直しを求めるとともに、騒音問題や米軍人・軍属による犯罪など米軍基地から派生する諸問題の解決に取り組んでまいります。
次に、辺野古移設についてでありますが、私は、多くの県民の負託を受けた知事として、公約の実現に向けて全力で取り組んでまいります。辺野古の新基地はつくらせないということを私の県政運営の柱にしていきたいと考えております。
次に、県民意思の周知についてでありますが、このたびの県知事選挙の結果を受けて、公約の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
戦後69年間、過重な基地負担を背負ってきた沖縄県にとって、米軍基地問題は最重要の課題であり、その解決促進のため、沖縄の実情や辺野古移設に関する私の考えを直接伝え、周知させることは意義のあることだと考えております。政府においては、安全保障の負担は全国で担うべきとの認識のもと、取り組んでいただきたいと考えております。
政府に対する説明についてでありますが、多くの県民の負託を受けた知事として、可能な限り早期に上京をし、公約の実現に向けて全力で取り組む私の考えを政府に説明してまいります。政府においては、現行の移設計画をこのまま進めることなく、我が国が世界に冠たる民主主義国家であるという姿勢を示していただきたいと思います。
次に、米国や国際社会への訴えについてでありますが、私の訪米については、効果的な活動が実施できるよう、情報の収集や分析等に努めながら、関係者とも調整の上、具体的な内容及び日程を決定していきたいと考えております。ハワイや米本土の沖縄系米国人との連携についても検討していきたいと考えております。
次に、ワシントン事務所についてでありますが、米国の政府機関が所在するワシントンに、沖縄の情報収集の拠点を設置することは、意義があるものと考えております。情報収集のあり方や駐在については、機能、人材の確保などを含め検討していきたいと考えております。
次に、ケネディ駐日大使との面談についてでありますが、ケネディ駐日大使との面談については、日程等を含め、検討していきたいと考えております。
次に、カジノについてであります。
私は、沖縄の自然、文化、伝統等のソフトパワーは、「沖縄の未来を拓くエンジン」であるとともに、国内外の多くの人々を魅了するすぐれた観光資源であると考えております。カジノを含む統合リゾートは、こうしたソフトパワーに牽引される好調な沖縄観光の将来に影響を及ぼしかねないほか、ギャンブル依存や地域環境への影響が懸念されることから、沖縄への導入は考えておりません。
今のは、4番目の観光振興についてのカジノについてでございました。
次は、5番目の県土の有効利用についての中で、鉄道導入にかける決意についてであります。
沖縄本島を縦貫し、那覇と名護を結ぶ鉄軌道の導入は県民の長年の悲願であります。
私は、公約の重点施策においても、沖縄の産業発展に必要不可欠な基盤整備として鉄軌道の導入を掲げており、県土の均衡ある発展、県民及び観光客の移動利便性の向上、中南部都市圏の交通渋滞の緩和、駐留軍用地の跡地の活性化、低炭素社会の実現などを図る観点から、那覇―名護間を1時間で結ぶ鉄軌道の導入実現に全力で取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長等から答弁をさせていただきます。
○副知事(安慶田光男) 基地問題に関する御質問の中で、埋立承認過程の検証機関についてお答えいたします。
普天間飛行場の辺野古移設問題については、埋立承認の過程に法律的な瑕疵がないか専門家の意見も踏まえ検証いたします。
検証機関の位置づけについては、早急に進めてまいりたいと考えております。
以上です。
○知事公室長(又吉 進) 基地問題についての御質問の中で、海兵隊駐留の不当性の発信についてお答えいたします。
在沖海兵隊の役割や駐留意義については、国による県民の納得できる説明が必要であります。
県は、防衛省より示された「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」について2度の質問を行い、回答を得ておりますが、海兵隊の役割について政府の説明は十分ではなく、政府はさらに丁寧な説明を行うべきであると考えております。また、県独自に基地問題に係る国際情勢や安全保障問題等について調査・分析・研究を行っており、情報発信のあり方につきましても、今後、御質問の内容も踏まえ検討してまいりたいと考えております。
次に、「アジアの中の沖縄」についての御質問の中で、尖閣問題に係る沖縄の役割についてお答えいたします。
尖閣諸島をめぐる問題については、日中両国政府の冷静かつ平和的な外交によって解決されるべきものと考えております。
去る11月には約3年ぶりに日中首脳会談が実現し、安倍総理は、日中関係の改善に向けて大きな一歩が踏み出されたとしております。
中国と長い交流の歴史を持つ沖縄県としては、これまで築いた友好関係を生かし、沖縄ならではの中国との交流を推進することにより、日中関係の改善に貢献してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○商工労働部長(下地明和) 3、「アジアの中の沖縄」についての中の、アジア諸国との経済交流についてお答えします。
本県においては、アジアからの観光客が増大しているほか、ANAの国際航空貨物ハブによる物流ネットワークの拡大や、アジア情報通信ハブの構築等を進め、アジアとの経済交流の拡大に取り組んでいるところであります。
県としましては、これら観光、情報通信、物流などのリーディング産業のさらなる発展に加え、沖縄の持つソフトパワーを生かした健康・医療、環境ビジネス、再生可能エネルギーなどの新たな産業の海外展開方策を総合的に網羅した、アジア経済戦略構想を策定し、アジアのダイナミズムを着実に県経済に取り込んでいきたいと考えております。
また、東アジアから東南アジア諸国も含めた20億人市場を見据え、各国の経済団体との連携・協力を推進するとともに、新たに5つ目の海外事務所として、平成27年度のシンガポール事務所の設置に向けて作業を進めてまいります。これらの取り組みにより、アジア各国との経済交流を進め、本県経済の自立的発展に結びつけていきたいと考えております。
以上でございます。
○文化観光スポーツ部長(湧川盛順) それでは「アジアの中の沖縄」に関する御質問の中の、アジア諸国との文化交流についてお答えいたします。
沖縄はかつて琉球王国の時代においては、日本、中国、韓国を初めタイやインドネシアに至る広範なアジア地域において交易を展開し、東アジアのかけ橋の役割を果たしておりました。こうした万国津梁の精神を受け継ぎ、文化など多面的な交流を行うことは、相互理解が深まるとともに、人材育成や観光振興などさまざまな分野において重要であると考えております。
そのため、沖縄県では、直行便が就航しているアジア諸国を中心に沖縄の芸能団を派遣し、沖縄の魅力を発信する事業を実施しており、また、国立劇場おきなわにおいてアジア・太平洋地域の芸能公演を行っております。さらに、今月9日から韓国の国立古宮博物館において、琉球王室の歴史と文化を紹介する展覧会が開催されているところであります。
県としましては、引き続き多彩な沖縄文化を内外に発信するとともに、文化交流を積極的に推進してまいります。
次に、観光振興に関する御質問の中の、沖縄観光の施策展開についてお答えいたします。
沖縄観光の持続的発展を図るためには、引き続き国内外に向けた誘客活動を展開し、入域観光客を増加させるとともに、1人当たり消費額の向上につながる施策の拡充強化を図ることが重要であります。
このため、県では、離島観光の推進による滞在日数の延伸、魅力ある観光土産品の開発、MICEやリゾートウエディングなどの付加価値の高い観光商品の造成などに取り組んでおります。あわせて、新たな市場の開拓に向けて、大型MICE施設や空手会館を整備するほか、USJの誘致等に積極的に取り組んでまいります。さらに、今後は、消費単価の高い外国人観光客や富裕層の誘致を強力に推進する等、沖縄観光の市場構造の転換を図り、世界水準の観光・リゾート地の実現を目指してまいります。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 県土の有効利用についての御質問の中の、離島振興と県全体の発展についてお答えいたします。
沖縄の離島は、島々で異なる個性豊かな自然環境、文化、歴史的遺産等の魅力を有しているとともに、日本の領空・領海、排他的経済水域の保全など国家的利益の確保に重要な役割を果たしており、こうした離島の持つ魅力や役割、すなわち「離島力」は、沖縄県全体の未来を開くソフトパワーの一つであると考えております。
県としては、今後こうした考えのもと、「離島力」を向上させる施策に取り組み、県民全体で離島地域を支える仕組みを構築してまいります。
以上でございます。
○玉城 義和 再質問をいたします。
ケネディ大使との面談はぜひ実現をしていただきたいと思います。民主党の中でもオバマ大統領とじかに話ができる、こういう方だというふうに伺っておりますし、むしろこれまでのジャパン・ハンドラーと言われるような人たちよりもこういう大使を通してやることが、米国政府の中枢部に入るそういう道筋だと思います。だから、寄り道ではなくて真っすぐやっぱり入っていくというそういう政治効果を持ちますし、正式なそういうルートのほうが私は効果が高いというふうに思っておりますし、領事館も非常に厚意を持って対応していただけるものと思っておりますので、ぜひ実現をしていただきたいと思います。
それから、海兵隊の駐留の必要性や抑止力についてですが、これも一度、仲井眞県政の中でも研究の必要性が認められて幾つかの提言も出しておりますが、いつの間にか何か立ち枯れしてしまったような感じを受けています。一方で、移設を認めなければ普天間を固定化するぞという無責任なそういう議論を論破するためにも、やっぱりきちっとした理論武装が必要だと思うんですね。海兵隊が本当に必要なのかということですね。そして抑止力が本当に効いているのかという、そういうある面で言えばこのつくらせないという議論と並行してこういう議論を起こすことは極めて私は重要なことだろうというふうに思っておりますので、ぜひ恒常的な部署をつくって内外の知恵も集めて本格的な研究をして内外に発信をすることが必要ではないかということを思いますので、ぜひこれはちょっと決意をお聞かせいただきたいというふうに思います。
それから古い話を申し上げてきたんですが、要するに私は1つには、日本にとって沖縄とは何であったのかと、琉球はですね。そして琉球にとって日本というのは何であるのか、あったのか、あるのか、あり続けるのかというそういうところをやっぱりきちっと沖縄県のかじ取りをする知事としては、私はお持ちをいただきたいとこういう思いで言っているわけでありまして、この135年というのは短いか長いかというのは議論はあると思いますが、私はいつまでも沖縄という県が日本の一県であるというそういう絶対的な考えを一度捨てて、もう少し総体的に物を考えることをしたほうがいいという、決して私は独立論者ではありませんので、そういうことではありませんが、そういう総体的なことをやっぱり考えて行政をやるのとそうではないのとは全然違うということを申し上げているわけでありますから、忌憚のない御意見をお聞かせいただきたいと思っております。
それから、辺野古の移設阻止ということでありますが、これは一番のメーンテーマでありますが、私は1つには、この取り消しとか撤回ということも当然これやらなきゃならんと思っています。ただし、それによってどういうことが起こるかという話ですが、下手に法律論だとか行政手続論にはまってしまうということはこれは避けなきゃならんですね。だから、要するにこれまでの沖縄県民の出した政治決定はあるわけですから、現にですね、この1年間を通しても。そこのところに視点を置かないと下手に取り消しとか撤回に入ってしまって法律論にそこで矮小化されていくようなことは私はいかがなものかという心配もするわけです。ただ、しかしながら逆に言えば時代はどんどん進んでいくわけであって、そこにストップをかけるためには有効な方法であることも間違いないですね。この2つの世論を喚起して政治決定を伝えていくという考え方と、そういう一方でどうすれば現場の動きをとめられるかというこの2つのことが出てくるわけで、そこのところは知恵を出していかなければならないところだなというふうに思っております。そういうところの考え方がもしおありであればぜひお聞かせをいただきたいというふうに思っております。
幾つかありますが、この辺で終わらせていただきますが、ぜひ知事の御決意をもう一度お聞かせください。
ありがとうございました。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後3時18分休憩
午後3時22分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
翁長知事。
〔知事 翁長雄志君登壇)
○知事(翁長雄志) 玉城義和議員の再質問にお答えをいたします。
海兵隊のあり方でありますけれども、抑止力という意味の厳密な意味合いも今日までの十二分な説明はございません。国からもそういう意味からいうと沖縄側から発する疑問等に対して懇切丁寧な説明がない中で、今こういう形で沖縄県内の軍隊の中での75%を占めているというものに対しての説明が本当はもっと必要であるなという感じはいたしております。
またいろんな識者の中で、昔はかなめ石ではあったけれども、最近はミサイルの技術が発達して近いということそのものが危ないんだと。そこにそういった基地を置くということがある意味では沖縄県民の安心・安全という意味からすると、一瞬の出来事で大変取り返しのつかないことも起き得ると。抑止力そのものが本来沖縄にとりましては、抑止力どころかある意味で日常と非日常の境目を動いているような感じがするというのも私はあろうかと思っております。しかしそういったいろんな意見がありますけれども、私どもは新辺野古基地はつくらせないということを県政の柱としておりますので、それを中心にしながら物事を考えていきたいと思っております。
それから、いろいろ日本にとっての沖縄とは何かというようなことは、これはもう本当に先ほど来の歴史的な経緯含め、何百年にわたってということから話が始まってもよろしいですし、あるいは最近の地上戦も含めあるいはサンフランシスコ講和条約の中で沖縄の27年間があったということ等も踏まえながら、沖縄が日本にとって何であるのかと、あるいは復帰してからもこれだけの基地を背負っているという沖縄は、一体何なのかというようなものはあろうかと思います。ですから私は、今日までいろいろ議論があって一国二制度でどうだとか、あるいはまた九州の市長会でもそうでありますが、九州は道州制度の導入が大変元気なところで、ほかの地域ではないんですけれども九州そのものが道州制の取り入れに熱心でありまして、ただその九州でもある意味で自然な形で沖縄は単独州がよかろうというような形になっております。
それから、県議会のOBで勉強会をしておりますけれども、そういったようなOBの皆さん方の結論もやはり単独州ということについては大変意義深いものがあるというような形で結論を出しておりますので、沖縄がこれからのあり方を問うときには、やはり地方自治体のあり方と自己決定権、こういったこと等が世の中の時代の推移の中でどういう形で話し合われるかというのはこれからの問題でありますが、いずれにしろ沖縄が地理的なものでもあるいはまた今置かれている環境においても大変独特な立場になっているということだけは認識をしながらこれも考えていきたいと思っております。
それから、この辺野古埋め立てのことについて法律論にするのか、あるいはまた今日的な政治的な意義でやっていくかということにもなりますが、今法律論ではずっときょうの答弁でもしょっちゅう同じことを話をしておりますが、確かにそういった議員のおっしゃるような懸念もあろうかと思います。そして私はもう一つまたずっと申し上げているのは、やはりことしの名護市長選挙、あるいはまた名護市議会議員選挙、知事選挙、あるいは衆議院選挙、1年でもこういうことがあって民意というのが示されていると。それからまた今日までの数年単位あるいは10年単位でもいろんな出来事がありますから、こういった政治的な側面等々もやはりお知らせをしながら、なおかつ埋め立てに関しての検証というものはしっかりやっていくという両方を大切にしていきたいと思っています。
○議長(喜納昌春) 20分間休憩いたします。
午後3時27分休憩
午後3時50分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。
金城 勉君。
〔金城 勉君登壇〕
○金城 勉 皆さん、こんにちは。
公明党・県民会議無所属を代表して質問をさせていただきます。
まず翁長知事、去る11月16日の沖縄県知事選挙において約10万票の大差をつけての勝利、まことにおめでとうございます。県民の大きな期待が込められた勝利であろうと思います。これからの4年間、県民の期待に応えられるような県政運営を願っております。頑張ってください。
今回の県知事選挙は、普天間飛行場の辺野古移設の是非が最大の争点と言われました。その意味では多くの県民は辺野古移設にノーの審判を下したということになります。
私ども公明党沖縄県本部も昨年、県本部内に基地問題に関するプロジェクトチームを立ち上げ、沖縄の基地問題を徹底して調査研究、議論をいたしました。そのときの結論は、辺野古移設についてノーという判断を示し、仲井眞前知事に対しては、政府から求められている辺野古埋立承認に対し不承認にするよう提言をいたしました。
その理由として1点目、戦後70年近くも国土面積0.6%のこの小さな島に約74%の米軍専用施設を押しつけてくることは明らかに不平等、不公平、差別である。2点目、これまで政府は沖縄に基地を集中させている理由として、抑止力や地理的優位性などを挙げて説明をしてきましたが、我々が海兵隊の役割や訓練のあり方を検証した結果、沖縄でなければならないという根拠は確かなものではありませんでした。沖縄に集中させている理由は軍事的理由ではなく、受け入れ先が他府県にないという政治的理由であることを森本元防衛大臣も率直に認めました。3点目に、政府は普天間飛行場の固定化か辺野古移設かという議論に矮小化しましたが、我々は、第3の選択肢を検討しないのは政治の不作為であると訴えてきました。4点目に、経済的側面から考えても今後の沖縄の経済自立は基地経済から脱却し、アジアをも視野に入れた独自の沖縄振興策を展開することのほうがはるかに沖縄の未来は明るい。
以上のような理由から、我々公明党県本部は辺野古移設にノーの姿勢を示したのであります。
一方、沖縄県政の課題は基地問題だけではないことも明らかであります。自立経済へのさまざまな施策、雇用問題、教育、医療、福祉、人材育成、離島振興、県土のバランスある発展への施策等々、課題は山積しております。翁長知事がそうした県政課題にどのように取り組んでいくかも県民注目のテーマであります。
また、ことしはつい2日前、衆議院議員選挙も行われました。全国的な選挙結果は自民党の圧勝に終わりました。連立を組む我が公明党も若干議席を伸ばすことができました。しかしながら、我が沖縄県においては選挙区の自民党候補が全員落選するという結果になりました。民意がどこにあるかということについて謙虚に受けとめなければいけないと感じております。
今回の衆議院選挙で公明党は、沖縄においても選挙協力のために自民党の4選挙区の公認候補を推薦し、選挙協力を行いました。県知事選挙の際には辺野古移設が最大の争点となったため、県本部として自主投票を選択しました。その視点から辺野古移設を容認した自民党候補をなぜ推薦するのかという疑問の声もありました。衆議院選挙の性格は、政権選択の選挙であります。今回は自民・公明の連立政権の継続について国民の審判を仰いだわけであります。連立政権であっても、政党が違えば政策に違いが出てくることもあるわけであります。
我々公明党県本部としては、辺野古移設について県外移設というスタンスを堅持しながら全国的な視野から政権選択の選挙と位置づけ、選挙区と比例区の選挙協力という判断をしたわけであります。その判断が県民からどのような評価になったかについて、今後も真摯に県民の声に耳を傾けていきたいと思います。
では、通告書に従って質問をさせていただきます。
1、知事の政治姿勢について。
(1)、県知事選挙及び衆議院選挙の結果をどのように受けとめていらっしゃいますか。
(2)、平成24年度に仲井眞知事のリーダーシップのもと、沖縄21世紀ビジョンを策定しました。沖縄21世紀ビジョンについて翁長知事の認識を伺います。
(3)、2期8年間の仲井眞県政の評価を伺います。
(4)、憲法観について伺います。
昭和22年(1947年)5月3日に施行された日本国憲法は、これまで一度も改定されることなく今日に至っております。最近、憲法についてさまざまな議論がなされるようになりました。自民党は党是として憲法改正を目指しております。平成24年に独自の憲法改正草案も示しております。
今後、安倍政権において憲法改正論議が国会の場に登場することが予想されます。その際、国会議員だけの議論ではなく、国民参加の中で憲法改正の是非や内容についての議論の広がりが重要だと考えます。現行憲法の成立の過程、欽定憲法との違い、憲法そのものの位置づけ等々じっくり時間をかけてしっかり議論をしていくことが非常に重要だと考えます。
そこで伺います。
ア、現行の日本国憲法は、GHQによる「押しつけ憲法」との評価について翁長知事の認識を伺います。
イ、護憲、改憲、加憲などいろいろな議論のある現行憲法について知事の認識を伺います。
ウ、憲法に関する考え方は当然いろいろあるわけですが、憲法を制定する権利は国民にある、憲法は主権者たる国民が国家権力を管理するための法であるという考え方が立憲主義と言われております。平たく言えば、一般の法律は国民を縛る、憲法は国家権力を縛るということになるかと思います。この立憲主義について知事の認識を伺います。
エ、戦後レジームからの脱却ということについて知事の認識を伺います。
戦後レジームとは、一般論として戦争に負けた日本はアメリカ軍による国土占領の屈辱を受け、憲法まで押しつけられた上に日米安保条約、日米地位協定なるもので未来永劫アメリカの属国として生きていく道を強いられた。この敗戦後の体制が戦後レジームと言われているわけですが、翁長知事の戦後レジームからの脱却という言葉についての認識を伺います。
(5)、日米関係について知事の認識を伺います。
ア、私は日米同盟を認める立場ですが、疑問に思うこともあります。戦後69年、サンフランシスコ講和条約締結、日米安保条約締結から63年がたちましたが、今日でも日本はアメリカの強い影響下にあります。知事の日米同盟についての評価と認識を伺います。
イ、また、将来の日米関係をどう考えますか。
(6)、日中関係について。
現在、日中関係は歴史認識問題や尖閣問題などがあり極めて険悪な状況にありますが、沖縄県知事の立場は極めて重要な役割が果たせるのではないでしょうか。関係改善への知事の考え方を伺います。
2、翁長知事の公約について。
さきの県知事選挙での翁長知事の公約は、「誇りある豊かさ」のキャッチフレーズのもと、ソフトパワーで沖縄を開くとうたっております。また、知事就任挨拶には、1、「「経済」を拓く」、2、「「幸せ」を拓く」、3、「「平和」を拓」くという3つの視点を提示しました。県政運営への意欲のあらわれだと受けとめておりますが、基地問題以外にもさまざまな課題が山積しております。
そこで伺います。
(1)、「誇りある豊かさ」、「沖縄の未来へ夢が広がる 10のYES」及び選挙公約の翁長知事ならではの特徴を御説明ください。
(2)、基地問題以外の仲井眞県政が進めてきた政策との違いは何でしょうか。
3、基地問題について。
県知事選挙や衆議院選挙ではまさに辺野古移設を初めとする基地問題が最大の注目を集めました。我々公明党沖縄県本部も、普天間の県外移設という意味では翁長知事と共通のスタンスに立っております。一方、仲井眞前知事が承認した辺野古移設工事は着々と進められております。今後、翁長知事の対応に注目が集まります。
以下、質問します。
(1)、普天間飛行場の辺野古移設工事が進行する中で、知事としてまずどういう対応をするか伺います。
(2)、普天間移設問題の危険性除去をいかに進めるか。
(3)、在沖米軍基地の整理縮小をいかに進めるか。
4、財政基盤の確保について伺います。
このたびの県知事選挙は、政府が支援する仲井眞候補との対決になりました。結果は、翁長知事が勝利したわけですが、県民が注目しているのは、基地問題で政府と対立する翁長知事は予算折衝で苦労するのではないかということです。仲井眞県政でスタートした一括交付金制度や国からの財政支援について、翁長知事がどのような交渉手腕を見せるか県民は注目しております。
以下、質問します。
(1)、一括交付金制度が継続できるか。また、予算額についても注目が集まりますが、政府との交渉をどのように取り組みますか。
(2)、一括交付金制度は沖縄への優遇措置と考えますか。
(3)、沖縄県の地方交付税、国庫支出金など政府からの財政支援について、他の都道府県との比較でどう評価されておりますか。
(4)、県民1人当たりの財政支援額を他の都道府県との比較でどう評価しておりますか。
5、子ども・子育て支援新制度について伺います。
来年度から導入が予定されている子ども・子育て支援新制度について、市町村や県民からは戸惑いの声があるやに聞いております。移行手続はスムーズにいっているでしょうか。待機児童の解消や多様な子育てを支援するための制度であります。利用者が喜ぶような制度運営が求められます。
以下、質問します。
(1)、新制度への移行によって、対象児童数と受け入れ体制の整備はどうでしょうか。
(2)、幼稚園に通う5歳児童は、これまで預かり保育や学童保育を利用してきました。しかし、新制度移行後は学童の利用ができなくなり、放課後の居場所問題が注目を集めております。学童保育を利用する5歳児は、22市町村1337人、園児全体の11.3%もいると報道されております。一義的には市町村が対応することになりますが、県としても重要な課題としてかかわる必要があります。5歳児問題について対応はどうでしょうか。
(3)、幼稚園での受け入れ体制はどうでしょうか。スタッフの確保、予算、延長時間、土・日の対応等々課題がありますが、お答えいただきたいと思います。
6、国保財政について。
各市町村の国民健康保険が慢性的な赤字運営に陥っており、速やかな改革・改善が求められております。国も安定的制度運営に向けて鋭意検討しているようであります。
そこで伺います。
(1)、国保運営の都道府県への移管の理由は何でしょうか。
(2)、国保の財政上の構造問題と解決の方策はどうでしょうか。
(3)、移管後の県と市町村の役割はどのように変わりますか。
(4)、さきの大戦の影響により、前期高齢者が少ないという本県の状況が国保財政に多大な影響を与えています。前期高齢者交付金の見直しについて国の対応はどうでしょうか。
7、カジノを含む統合リゾートの誘致について翁長知事の認識を伺います。
8、危険ドラッグの問題が全国的に厳しい状況になっております。本県における現状と対策について伺います。
○知事(翁長雄志) 金城勉議員の御質問にお答えをいたします。
知事の政治姿勢についてに関する御質問の中で、県知事選挙及び衆議院選挙の結果についてお答えをいたします。
私は、去る11月16日の県知事選挙において、有権者多数の支持を得て当選をいたしました。142万県民の知事として、その責任の重さに改めて身の引き締まる思いであります。これから県民の皆様の御期待に添うべく、全力で県政運営に取り組んでまいります。
今回の衆議院選挙の沖縄県選挙区については、知事選挙と同様なオール沖縄という基本姿勢で取り組んだ結果、私が支持した全ての方が当選をいたしました。当選された議員にお祝いを申し上げるとともに、これから力を合わせて沖縄が抱える諸課題の解決に邁進してまいりたいと考えております。
次に、沖縄21世紀ビジョンの認識についてお答えをいたします。
沖縄21世紀ビジョンは、県民の英知を結集してつくられた県民全体で共有する20年後の沖縄の将来像を描いたものであり、沖縄振興を進めていく上でベースになるべきものと考えております。また、県が主体的に策定した初めての総合計画であり、私も策定にかかわった沖縄21世紀ビジョン基本計画においては、「沖縄らしい優しい社会の構築」、「強くしなやかな自立型経済の構築」の基軸的な考え方のもと、社会と経済の好循環による沖縄の発展を図ることとしております。このことは、私が公約で掲げた「ソフトパワーで沖縄の未来を拓いていく」ことに相通ずるものであります。
私は、ビジョンで示された将来像の実現に向け、公約で掲げた施策に全力で取り組んでまいります。
次に、仲井眞県政の評価についてお答えをいたします。
私は、仲井眞前知事が実現された沖縄21世紀ビジョンの策定、新たな沖縄振興特別措置法及び跡地利用推進法の制定、沖縄振興特別推進交付金の創設について評価をしております。過去最高の入域観光客数、完全失業率の改善、待機児童解消の取り組み、離島住民等の交通コストの負担軽減など、沖縄の経済振興や県民生活の向上につながる取り組みについても評価をしております。私も、沖縄21世紀ビジョンで示された将来像の実現を目指して全力で取り組んでまいります。
次に、押しつけ憲法及びいろいろな議論のある憲法に対する認識についてお答えをいたします。1(4)アと1(4)イは関連しますので一括してお答えをいたします。
日本国憲法の制定についてはさまざまな説がありますが、日本国憲法は広く国民に浸透し、国民生活の向上と我が国の平和と安定に大きな役割を果たしてきたものと認識をしております。
憲法改正については国民の間でさまざまな意見があるものと理解をしており、沖縄県としましては、現憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という基本理念が尊重される形で十分な国民的議論が必要であると考えております。
次に、立憲主義に対する認識についてお答えをいたします。
立憲主義とは、憲法に基づいて政治を行うこととされており、日本国憲法においては、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を基本理念としているところであります。
次に、戦後レジームからの脱却に関する認識についてお答えをいたします。
戦後レジームからの脱却については、安倍総理が、第1次安倍内閣時の施政方針演説において言及したものと承知しております。その中で、戦後の憲法を頂点とした行政システム、教育、経済、雇用、国と地方の関係、外交・安全保障などの枠組みについて見直しをしたいという安倍総理の政治姿勢を示したものと認識をしております。
次に、日米同盟の評価と認識及び日米関係についてお答えをいたします。1(5)アと1(5)イは関連しますので一括してお答えをいたします。
私は、戦後の日本が国際紛争に巻き込まれることもなく経済発展を遂げたことや平和な国民生活を享受してこられたのは、日米安全保障体制を含む日米同盟関係が我が国及び東アジアにおける国際の平和と安定の維持に寄与していることによるものと理解をしております。しかしながら、戦後約70年を経た今もなお国土面積の約0.6%である本県に約74%の米軍専用施設が存在する状況は、異常としか言いようがありません。そして、その米軍基地が沖縄経済発展の最大の阻害要因であることは明確であります。日本の安全保障が大事であるならば、日本国民全体で考えるべきであります。また、日米関係につきましては、軍事のみならず、経済、文化等の分野において、これまでの歴史を踏まえ緊密な協力関係を構築することが重要であると考えております。
次に、私の公約についてに関する御質問の中で、選挙公約等の特徴についてお答えをいたします。
これまで沖縄県民は、みずから持ってきたわけではない基地を挟んで、経済か平和かと厳しい選択を迫られてきました。しかし、社会情勢の変化とともに、これらは両立し得るものとなってまいりました。沖縄は、豊かな自然や歴史、魅力あふれる文化と伝統に彩られ、大いなる可能性を秘めたソフトパワーを有しており、これを最大限に生かして沖縄の未来を開いていくことが重要であると認識しております。こうした県民の誇りの上に沖縄経済や社会が成り立つ「誇りある豊かさ」を手にしていくことが今後の沖縄が目指すべき姿だと考えます。
このような認識のもと、私は、経済発展、生活充実、平和創造の3つの視点から成る基本政策及び15の実施政策などを公約として掲げました。また、「沖縄の未来へ夢が広がる 10のYES」として、「アジア経済戦略構想の実現」、「次世代型交通ネットワークの構築」、「こども環境・日本一の実現」など、沖縄に暮らす人々の夢が、沖縄の次代を担う子供たちの夢が広がる10の重点施策を掲げております。
今後、公約の実現に向け全力で取り組んでまいります。
次に、基地問題以外での前県政との違いについてお答えをいたします。
私は、県民の英知を結集してつくられた沖縄21世紀ビジョンを高く評価するものであります。私自身、その策定作業に参画をし、自身の思いを込めてまいりました。
私の政策の特徴としましては、アジア経済戦略構想の策定、協働のまちづくりの推進、幸せ感があふれ、若者が希望を持てる社会の構築などが挙げられます。その実現に向けては、ウヤファーフジ(先祖)から受け継いだソフトパワーを生かし、関連する施策を実施してまいります。
基地問題に関する御質問の中で、辺野古移設への対応についてお答えをいたします。
私は、多くの県民の負託を受けた知事として、公約の実現に向けて全力で取り組んでまいります。辺野古の新基地はつくらせないということを私の県政運営の柱にしていきたいと考えております。
普天間飛行場の危険性除去についてお答えいたします。
普天間飛行場の危険性除去は喫緊の課題であり、5年以内運用停止を含め危険性除去の方策について、引き続き政府と調整してまいりたいと考えております。
在沖米軍基地の整理縮小をいかに進めるかについてお答えいたします。
私は、日米安保条約を認める立場でありますが、国土面積の約0.6%にすぎない本県に在日米軍専用施設面積の約74%が集中するなど、沖縄県民は過重な基地負担を背負い続けております。
沖縄21世紀ビジョンにおいては、基地のない平和で豊かな沖縄をあるべき県土の姿としながら、基地の整理縮小を進めることとしております。その実現のため、在沖海兵隊の国外移転及び嘉手納飛行場より南の施設・区域の返還を確実に実施することが重要と考えており、今後、軍転協とも連携し、あらゆる機会を通じて基地の整理縮小を日米両政府に対し強く求めてまいります。
国保財政についてに関する御質問の中で、国保への財政支援の国の対応についてお答えをいたします。
沖縄県の市町村国保においては、沖縄戦の影響等により前期高齢者の割合が低く、前期高齢者交付金が全国に比べ極端に少なく、財政赤字が年々増加する主な要因となっており、去る8月に、県、市長会等の6団体で国に要請を行いました。国は、この要請に対し、沖縄の特殊事情について理解を示し、国保制度改革等において沖縄県の特殊事情を勘案して対応したいとの意向でありました。
沖縄県としましては、本県市町村国保への財政支援が早期に実施されるよう、今後とも市町村等と連携を図りつつ国へ働きかけを行ってまいりたいと考えております。
次に、カジノを含む統合リゾートの誘致についてに関する御質問の中で、統合リゾートの誘致についてお答えをいたします。
私は、沖縄の自然、文化、伝統等のソフトパワーは、沖縄の未来を開くエンジンであるとともに、国内外の多くの人々を魅了するすぐれた観光資源であると考えております。カジノを含む統合リゾートは、こうしたソフトパワーに牽引される好調な沖縄観光の将来に影響を及ぼしかねないほか、ギャンブル依存や地域環境への影響が懸念されることから、沖縄への導入は考えておりません。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長から答弁させていただきます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、日中関係の関係改善への考え方についてお答えいたします。
沖縄と中国とは長い交流の歴史を持ち、友好的な関係を築いてまいりました。今日も人的交流や観光を中心とした経済交流を積極的に推進しているところであります。
沖縄県としては、これまでに築いた友好関係を生かし、沖縄ならではの中国との交流を推進することで日中関係の改善に貢献してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 財政基盤の確保についての御質問の中の、一括交付金制度の継続及び認識についてお答えいたします。4の(1)と4の(2)は関連いたしますので一括して答弁させていただきます。
一括交付金制度は、沖縄の置かれた歴史的、地理的、自然的、社会的な特殊事情に鑑み、国が特別の措置を講ずることが定められた沖縄振興特別措置法に基づく制度であり、同法が効力を有する平成33年度まで継続するものと考えております。また、同制度は全国一律の制度・政策では解決できなかった課題に対応するため県から国に創設を求めたものであり、沖縄の特殊性に起因する事業等の自主的かつ効果的な実施により沖縄振興を図ることを目的に創設されたものであります。
次に、財政支援及び県民1人当たりの財政支援額についてお答えいたします。4の(3)と4の(4)は関連いたしますので一括してお答えいたします。
平成24年度の県分・市町村分を合計した国庫支出金と地方交付税交付金の合計額は6833億2000万円、全国17位となっております。また、県民1人当たりの額では48万5000円、全国6位となっており、いずれも沖縄が突出して多いわけではありません。なお、全国順位については、東日本大震災で被災した岩手県、宮城県、福島県の3県を除いたものとなっております。
以上でございます。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 子ども・子育て支援新制度についての御質問の中で、新制度における対象児童数と受け入れ体制の整備についてお答えをいたします。
子ども・子育て支援新制度においては、市町村がニーズ調査等により、教育と保育それぞれの量を見込んだ上で受け入れ体制を計画的に確保することとなっております。県が11月時点で取りまとめた県内市町村の計画によると、教育が平成31年度末で約1万9000人の量の見込みに対し、約2万4000人の受け皿を確保することとなっております。
また、保育につきましては、待機児童解消の目標年次である平成29年度末において約5万5000人の量の見込みに対し、約5万7000人の受け皿を確保することとしており、いずれもニーズに応じた受け入れ体制が整備されることとなっております。
次に、5歳児問題への対応についてお答えをいたします。
午後の居場所の確保など、いわゆる5歳児問題については、現在、市町村において保育所における5歳児受け入れの促進や公立幼稚園の預かり保育の拡充による取り組みを進めているところであります。
県としましては、引き続き安心こども基金等を活用した保育所整備を支援するとともに、新たに創設される預かり保育に対する補助や待機児童解消支援基金の活用など、5歳児の居場所が確実に確保されるよう教育委員会と連携して市町村の取り組みを支援してまいります。
以上でございます。
○教育長(諸見里 明) それでは子ども・子育て支援新制度についての御質問の中で、幼稚園での受け入れ体制についてお答えいたします。
子ども・子育て支援新制度に係る公立幼稚園での受け入れ体制につきましては、新制度スタートに向け各市町村が必要な措置を講ずることになっております。スタッフの確保や予算等については、現在、市町村が設置する子ども・子育て会議において検討しているところであり、地域や保護者のニーズに応じた確保方策がとられるものと考えております。
県教育委員会としましては、幼児教育の振興の観点から、子ども生活福祉部と連携・協力して取り組んでまいります。
以上でございます。
○保健医療部長(仲本朝久) それでは国保財政についての御質問の中で、国保運営の都道府県への移管理由についてお答えいたします。
国保運営の都道府県への移管につきましては、国保を持続可能な制度とするため、保険財政運営が不安定となるリスクの高い小規模保険者の安定化を図ることが主な理由となっております。
なお、平成25年8月の社会保障制度改革国民会議の最終報告において国保の都道府県移行の方向性が示され、平成25年12月に制定されました社会保障制度改革プログラム法において、国保については財政上の構造的課題を解決することとした上で、財政運営を都道府県が担うこととされております。
次に、国保の財政上の構造問題と解決の方策についてお答えします。
市町村国保は、高齢者や低所得者の加入割合が高く、ふえ続ける医療費に対し十分な保険税収入の確保が困難であるという構造的な課題を抱えております。現在、検討が進められております国保制度改革において、国は、国保に対する財政支援の拡充等により国保の抜本的な財政基盤強化を図ることとしており、県としましては、早期に国費の拡充等による国保の財政基盤強化策が実施されるよう、全国知事会を通し要望しているところでございます。
次に、国保制度改革における県と市町村との役割についてお答えいたします。
国保制度改革における県と市町村の役割分担のあり方につきましては、本年8月に国と地方の協議の場である国保基盤強化協議会の中間整理において、都道府県が財政運営を行い市町村が保健事業を行う等の方向性が示されておりますが、具体的な役割分担については、同協議会で引き続き検討中でございます。
県としましては、今後の国保制度改革の動向を注視し、市町村と連携して国保の都道府県化に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、危険ドラッグの現状と対策についてお答えいたします。
沖縄県内の危険ドラッグを販売していると疑われる店舗の数は、平成24年には24店舗ございました。県警や沖縄麻薬取締支所等関係機関と連携し、店舗への合同立入検査などさまざまな対策を講じてきた結果、12月現在ゼロとなっております。
危険ドラッグ対策については、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の改正により、販売等停止命令の拡充、広告中止命令の創設など、取り締まりが強化されることとなっております。
条例の制定につきましては、この法改正の効果を注視しつつ県内の実態把握に努めるとともに、他県の状況等を踏まえながら検討してまいります。
以上でございます。
○金城 勉 では、再質問をさせていただきます。
憲法についてでありますけれども、立憲主義についても御答弁をいただきました。私が理解する立憲主義というのは、いわゆる一般の法律が国民に対するさまざまな規制をかけるという視点と、憲法は逆に国民が国家権力に縛りをかける、こういう理解であります。今後、恐らく憲法改正論議の中でそういう視点からのさまざまな議論もあるかと、出てくるかと思います。そういう意味では、この憲法というものの位置づけ、考え方ということは非常に重要なポイントであろうかと思いますけれども、いま一度知事の認識をお聞かせください。
それから、戦後レジームからの脱却ということについてですけれども、私は、日米関係というのは非常に重要な関係であるということは認識をしておりますけれども、ただ、戦後70年近くのこの方、やはりアメリカの影響というものが日本のさまざまな分野において軍事的な分野、防衛の観点のみならずさまざまなところであります。最近でも武器輸出三原則あるいはまた特定秘密保護法、集団的自衛権等々の問題もやはり米国との関係において議論されていることであります。そういう意味では時には日米地位協定がこの日本国憲法を優先するような解釈もなされている現状を、やはり日米関係を良好なものにするためにも、今後その外交の立場でやはり独立国家としての矜持を示していくべきではないかというふうに考えます。この件については非常にデリケートな問題ですから特に答弁は求めませんけれども、もし知事が主体的にお答えになるようでしたらお願いをいたします。
そして、この普天間移設の問題でありますけれども、政府のほうはこの選挙が終わった後の総理の話にもありますように、辺野古移設が唯一の解決策であるということで粛々と進めていくというふうに言われておりますけれども、普天間の固定化かあるいはまた辺野古移設かという二者択一ではない、第3の選択肢ということをやはりこれは模索すべきであろうというふうに思います。そのことについてはやはり日本政府の壁が厚いということもあって、米国との直接交渉、あるいはまた米国世論に対する訴えかけということも非常に重要なことになろうかと思います。そういう意味では訪米も視野に入れている翁長知事の今後の取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。
次に、子ども・子育て支援新制度についてですけれども、特に幼稚園での受け入れ体制、この5歳児問題とのかかわりで、現場の皆さん方からの声としては、幼稚園というのは今でも非常にスタッフが少ない中でそういう非常に過重な仕事に追われているということが聞こえております。ですから、そういう意味では教育庁としても各市町村の教育委員会との連携のもとでそういった課題に積極的にかかわることによって課題解決に動いていただきたい。そういうことで子ども・子育て会議で協議するという答弁がありましたけれども、さらなる積極的なかかわり方を求めたいと思います。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後4時33分休憩
午後4時36分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
翁長知事。
〔知事 翁長雄志君登壇〕
○知事(翁長雄志) 金城勉議員の再質問にお答えをいたします。
立憲主義について改めて何かあればということでございます。
立憲主義というのは本当に多くのいろんな説がありまして、なかなか一言で言いがたいわけでありますけれども、ただ先ほども申し上げたものの中で、日本国憲法は国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を基本理念とし、広く国民に浸透し、国民生活の向上と我が国の平和と安定に大きな役割を果たしてきたものと評価をしております。今後ともこの基本原理を維持すべきだということで先ほどの質問に答えていることになるかどうかわかりませんが、そういった思いを持っております。
それから、戦後レジームからの脱却と、また今日米国からの影響が強くなってきて、これはいろいろTPPも含めいろんな形で武器三原則の話もされておりましたが、日米地位協定のいろんな中身の問題等含めると、やっぱり対米従属というものは大変大きいのではないかと。むしろ日米地位協定が憲法を上回っているのではないかというようなぐらいの日本の今の国のあり方ですね。この2番目の戦後レジームからの脱却ということと、それから3番目の普天間で、首相が唯一の選択は辺野古であるというような形でやっておりますけれども、第3の道も模索をする必要があるのではないかと。
そして米国への訴えが重要ではないかというような話を一括して私のちょっとした経験から話をさせてもらいますと、私も県議時代に少女暴行事件のときに訪米をしまして、そしてその当時のアーミテージさんとか、キャンベルさんとか、マイケル・グリーンさんとかいろいろ話をし、私だけじゃないんですけれども七、八名で行って話をさせてもらって、そのときの印象なんですけれども、アメリカのそういった方々は、私たちから1時間ぐらい話を聞いていただいて、熱心に聞くんですが、最後に話するのは、これは日本国内の問題だと言うんですね。いわゆる沖縄に基地があるのはですね。だから、日本政府と交渉しなさいという話をするんですが、日本に帰ってきて時の外務大臣、防衛大臣にお話をすると、いや後ろでアメリカがノーと言っているんだよという話をされます。これは私たちからするとたらい回しになっておりまして、日本が本当に当事者国としてこの問題に向き合っているのかどうかというのがなかなか見えてこない。ですから、普天間基地もアメリカは去ってもいいと言っているけれども、日本のほうがとめているんだという話もこれも私もそうかなと思ったりもしますが、ただ実際上、本当に裏でどういう話をされているかというのが見えてこない分、なかなかこういうのはわかりにくいなというふうに思っております。
ですから、このアメリカと日本との関係というものは大変今ゆゆしい関係だというふうにも思っておりますし、それから戦後レジームからの脱却という中には、安倍総理の話を聞いておりますと、沖縄だけは戦後レジームの死守をしているような感じがするんですよね。沖縄に関しては戦後レジームの死守、それ以外のところでは項目は言いませんけれども、レジームからの脱却というのは少しずつ自主独立含めいろいろあるような感じがしますが、沖縄に関しては戦後レジームの死守をしているような感じがいたしまして、その意味から言うと、やはり沖縄問題を解決することが日本の民主主義国家としてのあり方と、それから独自の国としての考え方を模索するアジアに冠たるリーダーとして頑張っていける、そういった素地が沖縄にあるのではないか。だから、私たちは県益として基地が早くなくなってほしいというのもあるわけですが、これはむしろ沖縄の基地問題を解決することが日本の正しい国のあり方につながっていくというような意味からすると、私は国益と県益は矛盾はしてないとこのように思ってはおります。思ってはおりますが、全員がそう思ってくれればいいんですが、そうなってないものですから今からもいろんなことがあると思いますけれども、そういったことをぜひこれからしっかりと話をしながら、沖縄の気持ちを伝え、そしてその中で沖縄の基地問題を解決しなければ日本は民主主義国家としてはいかがなものだろうかというようなことを強く訴える中に、訪米してそのアメリカの方々に今の沖縄県民の民意というもの、意思というものをしっかり伝え、そして日本と沖縄の関係も含めて私どもの自然な意見を話をさせていただいて御理解をいただければありがたいなというふうに思っております。
○教育長(諸見里 明) 金城勉議員の再質問にお答えいたします。
先ほどもお答えいたしましたけれども、公立幼稚園での受け入れ体制につきましては、各市町村が地域や保護者のニーズに応じた確保方策がとられているものと考えておりますが、今後も市町村、各関係部局と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○渡久地 修 日本共産党県議団を代表して質問します。
翁長雄志県知事、就任おめでとうございます。
ことし激動の2014年、沖縄の未来を切り開く転機となった年として歴史に刻まれることでしょう。
1月の名護市長選挙、9月の名護市議選挙、11月の県知事選挙、那覇市長選挙、県議補欠選挙、そしておととい12月14日の衆議院選挙と、建白書実現、辺野古新基地建設ストップのオール沖縄の候補を圧勝させていただいた県民の皆さんの、未来へ禍根を残さない誇りある選択に心から敬意を表するものです。
公約は守るもの、破るものではありません。
翁長雄志県知事の誕生を心から歓迎し、公約実現にともに力を尽くすことを表明して質問します。
県知事選挙で翁長雄志候補は、これまで県民がみずから望んで持ってきたわけでもない基地をめぐって県民同士が対立させられてきた。それを上から眺めて笑っている日米両政府がいる。県民が一致して初めて日米両政府の基地押しつけをはね返せると述べ、県民の団結を呼びかけていました。
これまでの保革の対立を乗り越え、オスプレイ配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念の建白書実現で一致して、翁長県政が誕生しました。悲惨な沖縄戦では二十数万のとうとい命が失われ、戦後も米軍による異民族支配のもとで県民の命と土地と財産を奪われてきました。復帰後も国土面積の0.6%のこの沖縄に全国の米軍専用施設の74%が居座り続ける米軍基地の存在に脅かされるなど、国策に翻弄され続けてきました。このオール沖縄の団結は、このような沖縄の苦難の歴史に根差し、県民の苦難の中から芽生えたものだと言えます。この県民の力をこれからの沖縄の未来を切り開く力に発展させることが大事だと思いますが、知事の決意を伺います。
県知事選挙に続き一昨日の総選挙では、オール沖縄の建白書実現を目指す候補が1区から4区まで全ての選挙区で勝利しました。今度の選挙結果は、県民は公約破りは許さない、県民裏切りは許さない、辺野古新基地建設についてはきっぱりとノーの審判を三たび、四たびと下したものです。知事の認識を伺います。
名護市長選挙、名護市議選挙、県知事選挙、那覇市長選挙、県議補欠選挙、そして今度の総選挙と名護市民、県民の審判は明確です。政府がやるべきことは何度も示された県民の民意を謙虚に受けとめ、辺野古新基地建設を断念し、普天間基地の米本国への撤退を米国政府と交渉することであります。辺野古移設を粛々と進めるという政府の姿勢は、選挙結果を否定し、民主主義を否定するものです。知事の認識を伺います。
1970年代、イタリアのナポリに共産党の市長が誕生したときに、アメリカの第6艦隊基地の司令官が、今までと同じでいいんでしょうかとお伺いを立てたそうです。フィリピンでは、議会が基地存続の条約を延長しないと決めたらアメリカは出ていっています。現地の住民、県民、国民の民意に従わざるを得ないというのが世界の常識です。名護市民、沖縄県民の民意ははっきりしています。日本政府が米国や世界にこのような民意をひた隠しに隠している状況のもとで県民の民意を直接米国と国連など国際社会に訴えることが重要です。知事の見解と計画を伺います。
県民の民意を伝える一つの方法として、これまで在日大使館を通して世界の国に沖縄の基地の実態を知らせるパンフレットを県として送るべきだと提案してきました。仲井眞前知事が知事時代にまだ公約を堅持しているときに一度送付しましたが、再度基地の実態、辺野古新基地反対の県民の民意、翁長県政の立場をパンフレットにして送付すべきであります。
仲井眞知事の辺野古埋立工法変更申請の承認というのは、選挙で審判を受けて政治生命を失った死に体の知事がやめる寸前に行った悪行であり、日本の47都道府県の歴史の中にもない暴挙です。仲井眞知事の承認の押し逃げについて見解を伺います。
政府は民意に従い、辺野古移設を当然断念すべきですが、それでも進めるというのであれば知事の権限を最大限行使して阻止すべきです。知事の決意を伺います。
環境アセスは、オスプレイの配備で前提条件そのものが崩れ、やり直すべきものです。また、環境保全は不可能と知事意見を出したにもかかわらず、環境保全への懸念は拭えないに変わり、最終的に埋立承認になっていきましたが、一連の手続は整合性がとれてなく、不透明です。しっかりとした検証が必要ではないでしょうか。
検証の結果、瑕疵があれば取り消しができます。さらに、県知事選挙の10万票差という県民の民意を受けての結果は、承認後に新たに生じた事態であり、公益に照らして埋立承認を撤回できるとの判断も成り立つと思いますが見解を伺います。
辺野古の基地は巨大な新基地になることについて認識を伺います。
政府や辺野古推進勢力は盛んに面積は普天間基地の3分の1になると言っていますが、それは飛行場エリアだけの単純な比較であり県民だましのトリックです。埋め立てられる飛行場エリアと陸上部の弾薬庫エリア、キャンプ・シュワブの演習場エリア、大規模な再編が計画されている兵舎エリアなど既存施設と一体化されるため実際の面積は5倍に膨れ上がることになるのではありませんか。
沖縄に駐留する海兵隊は日本と沖縄を守る軍隊ではありません。第3海兵遠征軍の名前のとおり世界への侵略の殴り込みの軍隊ではありませんか。
辺野古新基地は滑走路が1本から2本にふえ、普天間にはなかった弾薬搭載エリアと軍港もつくられます。飛行場と弾薬庫と軍港と兵たん基地と演習場が一体化した米軍の持っている機能を全て集中した、文字どおり世界でもここしかない、すぐに出撃できる第3海兵遠征軍の侵略の基地をつくろうとしているのではありませんか。
また、この基地は耐用年数200年の基地です。沖縄に米軍基地をあと200年固定化させていいかどうかが問われているのではありませんか。
辺野古に計画されている軍港には、米軍の強襲揚陸艦が接岸できます。強襲揚陸艦とはどのような目的と役割を持った軍艦なのですか。また、米軍の最新鋭の強襲揚陸艦の規模と性能について県は把握していますか。
沖縄の米軍基地は、占領中に勝手に米軍が奪い取ったものであり、戦争が終わっても居座り続け、その後も銃剣とブルドーザーで奪い取ったものではありませんか。沖縄の米軍基地の形成過程と普天間基地の形成過程についてお答えください。
戦後69年間も居座り続けていること自体、異常なことであり、普天間基地は閉鎖・撤去して当然ではありませんか。アメリカ本国への撤退を求めるべきです。
米軍占領下の主席公選で屋良朝苗氏が当選し、祖国復帰運動の高まりの中、米国は普天間基地の本国への統合を検討していたことが公開されたオーストラリアの公電で明らかになりました。また、95年の少女暴行事件に端を発した県民の怒りの前に、米国は米軍基地の大幅縮小と普天間の本国統合を検討したことを、当時の交渉担当者のモンデール在日米国大使が回顧で明らかにしました。過去に何度か普天間閉鎖の機会があったのです。しかし、いずれも日本政府の反対で潰されたのです。昨年、仲井眞知事が埋め立てを承認しなければ、普天間基地の閉鎖・撤去に大きな可能性が切り開かれていたと思います。その機会を仲井眞前知事が潰してしまったと思いますが、知事の見解を伺います。
米軍占領下で初めて行われた主席公選で当選した屋良朝苗氏と相手候補の差は3万1400票でした。それでもアメリカ政府を震撼させ、サンフランシスコ条約の壁を打ち破って復帰へとつながっていきました。そのときと比較しても今回の翁長知事の10万票差での勝利は、日米両国政府にはかり知れない衝撃を与えています。クリントン政権時代に普天間飛行場の返還の日米合意を主導したジョセフ・ナイ元国防次官補は、辺野古移設を沖縄の人々が支持するなら私も賛成する。しかし、沖縄の人々の支持が得られないなら我々は恐らく再検討しなければならないだろうと述べているように、米国議会、政府の中でも辺野古移設は困難との見方が広がっています。一昨日の衆議院選挙での辺野古反対の4選挙区での全員勝利は、日米両政府にさらに衝撃を与え、普天間基地の閉鎖・撤去の4度目の機会となる可能性を大きく切り開いたものです。そこに確信を持って、普天間基地の閉鎖・撤去、辺野古移設断念を正面から堂々と日本政府に求めるべきときです。知事の決意を伺います。
高江のヘリパッド建設はオスプレイの訓練基地です。ヤンバルの自然を壊し、世界遺産登録にも逆行し、基地の強化につながる高江のヘリパッド建設に反対し、工事の中止を求めるべきであります。
米軍基地は沖縄経済発展の大きな阻害要因です。基地をなくしてこそ沖縄経済は発展するというのは基地返還跡地の発展で証明されているのではないでしょうか。
米軍基地返還跡地の経済効果と、これから返還される基地の経済波及効果等の再調査をこれまで求めてきましたが、進捗状況について伺います。
69年前の沖縄戦では多くの命が奪われました。戦後の復興は、この戦争で犠牲になった人々の人骨を集めることから始まったと言われています。真和志市誌には、「此処かしこに人骨散乱し、見るも痛ましく」と記されています。そして「金城和信村長らを中心に、1万余りの柱を集めて納骨し、魂魄の塔を建立した」と書かれています。その魂魄の塔には、知事のお父さんである翁長助静氏が「にぎたまと なりてしづもる おくつきの みとこの上を わたる潮風」と歌碑にしたためています。そしてひめゆりの塔、健児の塔もあわせて建立したとのことです。
沖縄の県政に携わる者の最大の使命の一つに、絶対に戦争をさせてはならないということがあると思います。
翁長知事が市長時代の2003年、県内の新聞インタビューで平和の思いについて、「修羅を秘めて深く鎮まる「魂魄の塔」を見守る歌碑を前に、3つの塔を建立した真和志村民のこころを誇りとして大切にしたい」と語っていますが、来年は悲惨な沖縄戦から70年の節目の年に当たります。戦争体験者も年々少なくなっています。来年の1年間を平和な年として位置づけて県と教育庁、市町村と連携して後世に伝えていくさまざまな取り組みを積極的に行うべきであります。
子供の通院医療費の中学校までの無料化について、県内自治体の実施状況について伺います。県が主体となって市町村と協力し全県的に実施すべきです。
30人学級を全ての学年で実施するよう求めます。また、現在実施している学年でも教室が不足して未実施という学校がないように、次年度に向けて今から対策をとるべきです。
待機児童解消のためには保育園をふやす必要がありますが、具体的な計画を伺います。
沖縄本島縦貫鉄道の建設について、具体的な推進計画を伺います。
本県の農業を初め、産業に打撃を与えるTPP交渉から脱退するよう政府に求めるべきです。
以上ですが、日本共産党県議団は、日米両政府に翻弄され続けてきた沖縄県民の苦難を解消するために、幾多の困難をも乗り越えて県民とともに歩み、建白書実現、翁長雄志県知事を支えて頑張ることを表明して代表質問とします。
○知事(翁長雄志) 渡久地修議員の御質問にお答えをいたします。
知事の政治姿勢についてに関する御質問の中の、建白書実現で一致した県政についてお答えいたします。
オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会実行委員会、沖縄県議会、市町村関係4団体、市町村、市町村議会の連名で、安倍総理大臣及び関係閣僚に直接、建白書を提出したことは、大きな意義があったものと考えており、私も実行委員会共同代表として先頭に立って東京での行動に参加しました。建白書の精神に基づき、県民が心を一つにし、ともに力を合わせて、国内外に向けた働きかけを行っていくことが基地負担軽減の実現につながるものと考えております。
次に、辺野古新基地建設についてお答えいたします。
このたびの県知事選挙の結果を受けて、公約の実現に向けて全力で取り組んでまいります。辺野古の新基地はつくらせないということを私の県政運営の柱にしていきたいと考えております。また、今回の衆議院選挙の沖縄県選挙区については、知事選挙と同様なオール沖縄という基本姿勢で取り組んだ結果、私が支持した全ての方が当選をいたしました。当選された議員にお祝いを申し上げるとともに、これから力を合わせて沖縄が抱える諸課題の解決に邁進してまいりたいと考えております。
次に、選挙結果と政府の姿勢についてお答えいたします。
私は、多くの県民の負託を受けた知事として、公約の実現に向けて全力で取り組んでまいります。政府においては、現行の移設計画をこのまま進めることなく、我が国が世界に冠たる民主主義国家であるという姿勢を示していただきたいと思います。
次に、米国と国際社会への訴えについてお答えをいたします。
戦後69年間、過重な基地負担を背負ってきた沖縄県にとって、米軍基地問題は最重要の課題であり、その解決促進のため、米国や国際社会に沖縄の実情や私の考えを直接伝えることは、意義あることだと考えております。
私の訪米については、効果的な活動が実施できるよう、情報の収集や分析等に努めながら、関係者とも調整の上、具体的な内容及び日程を決定していきたいと考えております。
次に、辺野古移設阻止についてお答えいたします。
政府から提出されている設計概要変更承認申請については、厳密かつ詳細に審査してまいります。また、埋立承認の過程に法律的な瑕疵がないか専門家の意見も踏まえて検証いたします。法的瑕疵があった場合には承認の「取り消し」、さらには「撤回」も視野に入れて検討をしてまいります。
以上のことも考慮に入れながら、辺野古の新基地はつくらせないということを私の県政運営の柱にしていきたいと考えております。
辺野古埋立承認の取り消し、撤回についてお答えいたします。
辺野古埋立承認については、承認の取り消し、撤回も視野に入れながら、法律的な瑕疵の有無について、承認の経緯等を検証してまいりたいと考えております。また、県知事選挙の結果が、承認後に生じた新たな事由として撤回の理由にできるかどうかなどについてもあわせて検討してまいりたいと考えております。
在沖海兵隊の認識についてお答えをいたします。
戦後の日本が国際紛争に巻き込まれることもなく経済発展を遂げたことや平和な国民生活を享受してこられたのは、日米安全保障体制を含む日米同盟関係が、我が国及び東アジアにおける国際の平和と安定の維持に寄与していることによるものと理解をしております。在沖海兵隊につきまして、県は、防衛省より示された「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」について2度の質問を行い、回答を得ておりますが、海兵隊の役割について政府の説明は十分でなく、政府はさらに丁寧な説明を行うべきであると考えております。
沖縄県としましては、沖縄に米軍基地が集中し、騒音や事件・事故の発生等、県民は過重な基地負担を背負い続けており、県民の目に見える形での基地負担の軽減が図られなければならないと考えております。このため、在沖海兵隊約9000人のグアムを含む国外移転は、確実に実施されなければならないと考えております。
次に、普天間飛行場の閉鎖・撤去と米国への撤退についてお答えいたします。
普天間飛行場の返還合意において、県内移設が条件とされ、県民の理解が得られないまま進められてきたことが今日に至る問題につながったものと考えております。
普天間飛行場の辺野古移設問題につきましては、県民の負託を受けた知事として、公約の実現に向けて全力で取り組んでまいります。日米両政府においては、現行の移設計画をこのまま進めることなく、両国が世界に冠たる民主主義国家であるという姿勢を示していただきたいと思います。
仲井眞前知事の埋立承認についてお答えいたします。
昨年の埋立承認については、沖縄県民の誇りを傷つけたと考えており、大変残念な結果であったと認識をしております。
次に、県民の民意についてお答えいたします。
このたびの選挙において、多くの県民の負託を受けた知事として、公約実現に向けて全力で取り組んでまいります。日米両政府においては、現行の移設計画をこのまま進めることなく、両国が世界に冠たる民主主義国家であるという姿勢を示していただきたいと思っております。
高江ヘリパッド移設工事の中止についてお答えいたします。
沖縄県としては、SACO合意事案の着実な実施が本県における基地の整理縮小及び地元の振興につながることから、北部訓練場の過半の返還の実現を求めているものであります。その条件とされている6カ所のヘリ着陸帯の移設については、当該地域の自然環境や地域住民の生活への影響をめぐってさまざまな意見があるものと承知をしております。
オスプレイについては、県民の不安は一向に払拭されておりません。今後、地元の意見も伺いつつ検討してまいりたいと考えております。
子供の医療費の中学校までの無料化についてに関する御質問の中の、子供医療費の通院対象年齢の拡大についてお答えをいたします。
こども医療費助成事業において、通院対象年齢を中学卒業以上としている市町村は、平成26年10月現在、15市町村となっております。通院対象年齢の拡大につきましては、中学卒業までの入院年齢の拡大による事業費の動向や市部の意向等を踏まえ検討していきたいと考えております。
待機児童解消についてに関する御質問の中の、待機児童解消のための具体的な計画についてお答えをいたします。
現在、市町村においては、子ども・子育て支援新制度の施行に向けて、子ども子育て支援事業計画の策定が進められているところであります。同計画における11月時点の速報値によると、平成29年度末までに約1万8000人の保育の量を拡大し、待機児童を解消することとしております。
県としましては、市町村と連携し、安心こども基金や待機児童解消支援基金等の活用により、市町村計画の着実な実施を支援してまいります。
沖縄本島縦貫鉄道の建設についてに関する御質問の中の、沖縄本島縦貫鉄道の建設についてお答えをいたします。
沖縄本島を縦貫し、那覇と名護を結ぶ鉄軌道の導入は県民の長年の悲願であります。私は、公約の重点施策においても、沖縄の産業発展に必要不可欠な基盤整備として鉄軌道の導入を掲げており、県土の均衡ある発展、県民及び観光客の移動利便性の向上、中南部都市圏の交通渋滞の緩和、駐留軍用地の跡地の活性化、低炭素社会の実現などを図る観点から、那覇―名護間を1時間で結ぶ鉄軌道の導入実現に全力で取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、副知事、部局長から答弁をさせていただきます。
○副知事(安慶田光男) 知事の政治姿勢に関する御質問の中で、埋立承認に至る一連の整合性についてお答えいたします。
普天間飛行場の辺野古移設問題については、埋立承認の過程に法律的な瑕疵がないか専門家の意見も踏まえて検証いたします。検証作業については、早急に進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○知事公室長(又吉 進) 知事の政治姿勢についての御質問の中で、大使館へのパンフレット郵送についてお答えいたします。
県では、沖縄の基地問題を幅広く一般に理解していただくため、ホームページを充実させるとともに、英語版パンフレットを各国の在京大使館へ送付するなど、情報発信を行ってまいりました。多くの方に基地問題について理解していただくことは重要であると認識しており、知事の公約を踏まえてパンフレットの作成、郵送についても検討してまいります。
次に、普天間飛行場代替施設の面積についてお答えいたします。
普天間飛行場の施設面積は、約481ヘクタールとなっております。普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認書の中で、代替施設の埋立面積は約152.5ヘクタール、既存陸域も含む施設全体面積は204.8ヘクタールとされております。
議員の御質問の、5倍という見解については確認しておりません。
次に、普天間飛行場代替施設の機能についてお答えいたします。
普天間飛行場の代替施設について、防衛省は、弾薬搭載エリア、係船機能護岸について、「基本的には普天間飛行場の機能を維持するために整備するものである」と説明しております。
次に、普天間飛行場代替施設の耐用年数についてお答えいたします。
沖縄防衛局は、普天間飛行場代替施設の耐用年数については、港湾施設の設計基準に基づき50年で設計していると説明しております。
次に、強襲揚陸艦についてお答えいたします。
強襲揚陸艦は、陸海両面で揚陸作戦を実施し、海上からは揚陸艇や水陸両用車両を、空からは各種ヘリコプターと固定翼攻撃機をもって、高い戦闘力で任務を遂行できる指揮能力を備えた艦船とされております。アメリカ海軍により公表された資料によりますと、米軍の最新鋭の強襲揚陸艦については、全長257.3メートル、幅32.3メートルで、速度は20ノット強の性能を有しているとのことであります。また、艦載機として、F35B戦闘機、 MV22オスプレイ及び各種ヘリコプターを搭載する機能を有しているとのことであります。
次に、沖縄の米軍基地及び普天間基地の形成過程についてお答えいたします。
去る沖縄戦において激しい戦闘の末、沖縄を占領した米軍は、住民を一定の地区に設置した収容所に強制隔離し、軍用地として必要な土地を確保した上、基地の建設を進めました。その後、朝鮮戦争の勃発等、極東における国際情勢の変化により、米国は沖縄に大規模な軍事基地の建設を開始しました。昭和27年4月の対日平和条約の発効により、沖縄は米国の施政権下に置かれ、その後も米国は既接収地の使用権原と新規接収を根拠づける布令を次々発布し、新たな土地接収を強行していきました。戦後27年間に及ぶ米軍統治下において「銃剣とブルドーザーによる接収」と呼ばれた民有地の強制接収などによって、沖縄県の広大な米軍基地が形成されたものと承知しております。また、普天間飛行場は、昭和20年の米軍占領と同時に接収され、米陸軍工兵隊が本土攻撃に備えて滑走路を建設しております。その後、昭和29年には滑走路が2400メートルから2700メートルに延長され、昭和53年には、キャンプ瑞慶覧のハンビー飛行場の返還に伴い、格納庫、駐機場、その他附帯設備の代替施設が建設されたところであります。
以上でございます。
○企画部長(謝花喜一郎) 米軍基地と沖縄経済発展についての御質問の中の、基地問題と経済についてお答えいたします。
基地関連収入の県経済に占める割合は、復帰直後の15.5%から平成23年度は4.9%となり、その比重は大幅に低下しております。北谷町美浜地区や那覇新都心地区などの基地跡地の飛躍的な発展は、かつての基地経済の恩恵をはるかに凌駕しており、今や基地の存在は、沖縄経済発展の最大の阻害要因となっております。今後、返還跡地の円滑な利用を進め、沖縄の発展をさらに加速させてまいります。
次に、駐留軍用地跡地利用に伴う経済効果等調査の進捗状況についてお答えいたします。
沖縄県では、現在、既に返還された駐留軍用地の経済効果等について、直近のデータをもとに再調査を行っております。また、返還が予定されている駐留軍用地についても、県と関係市町村が連携して平成25年1月に策定した「中南部都市圏駐留軍用地跡地利用広域構想」に基づく土地利用を踏まえ、経済効果等の調査を行い、その数値について精査を行っているところであります。調査結果につきましては、平成27年1月中ごろをめどに公表していきたいと考えております。
次に、TPP交渉についての御質問にお答えいたします。
沖縄県は、輸出を行う製造業が少ない一方、特に離島地域ではサトウキビを初めとする農畜産業が主要な産業となっています。このような状況を踏まえ、県としては、平成26年4月に、政府に対して農林水産分野の重要5項目などの聖域が確保できなければ、交渉からの脱退も辞さないものとするなど、慎重な対応や万全の対策を講ずるよう、JAなどの関係団体と一体となって要請を行ったところです。引き続き、交渉内容等に関する十分な情報提供を求めていくとともに、本県農業の発展の阻害要因とならないかどうか、議論の状況を注視し、適切に対応してまいります。
以上でございます。
○子ども生活福祉部長(金城 武) 沖縄戦についての御質問の中で、沖縄戦の継承に関する取り組みについてお答えをいたします。
沖縄戦は、住民を巻き込んだ苛酷な地上戦の場となり、20万人余のとうとい生命が失われたばかりでなく、多くの文化遺産が破壊されるなど悲惨な戦争でありました。このような戦争を二度と起こさないためにも、沖縄戦から学んだ教訓を後世に正しく継承し、戦争を起こしてはならないことを確認し続けることが重要であると考えております。県では、この趣旨のもと、毎年6月23日の慰霊の日に沖縄全戦没者追悼式を実施しております。また、デジタル化、他言語化した沖縄戦の証言記録や写真を国内外に発信することに加え、来年が終戦70年の節目であることから、平和祈念資料館の充実や平和学習への支援拡充等取り組みを強化することにより、国境を越え、さまざまな世代に、戦争の愚かさと平和のとうとさを伝えてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○教育長(諸見里 明) それでは30人学級についての御質問で、30人学級の実施と教室不足の学校への対応についてお答えいたします。
30人学級、少人数学級の推進につきましては、市町村の意向や国の動向、全国の実施状況等を踏まえ、知事の公約の実現に向けて取り組んでまいります。
なお、教室不足の学校につきましては、当該市町村との緊密な連携のもと、対策を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(喜納昌春) 休憩いたします。
午後5時19分休憩
午後5時19分再開
○議長(喜納昌春) 再開いたします。
翁長知事。
〔知事 翁長雄志君登壇〕
○知事(翁長雄志) 答弁漏れがございました。
辺野古埋立変更申請の承認についてであります。
お答えをいたします。
仮設道路の追加、中仕切り護岸の追加の2項目について、前知事が承認したことは大変残念なことであります。ぜひ私に判断をさせていただきたかった、こういうふうに思っております。
○議長(喜納昌春) 以上をもって代表質問は終わりました。
本日の日程はこれで終了いたしました。
次会は、明17日定刻より会議を開きます。
議事日程は、追って通知いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後5時20分散会