平成26年(2014年) 第 3回 沖縄県議会(定例会)
第 3号 7月 1日
西銘 純恵
 

 こんにちは。
 日本共産党を代表して質問を行います。
 本日、安倍内閣が集団的自衛権を行使する閣議決定を行うことについて、満身の怒りを込めて抗議をいたします。
 憲法9条のもとでは、集団的自衛権の行使はできないとする長年の政府の憲法解釈を大もとから転換をする歴史的暴挙であります。
 日本共産党は、海外で戦争する国へと突き進む暴走政治に歯どめをかけるため、県民・国民と力を合わせて全力を尽くす決意です。
 さて、69年目の慰霊の日がめぐってきました。鉄の暴風が吹き荒れた沖縄県は、日本で唯一住民を巻き込んだ地上戦により20万余の命が奪われ、当時の県民の4人に1人が犠牲になりました。5月下旬の首里攻防で決着がついていた沖縄戦を32軍が南部へ撤退をしたため、住民を巻き込んだ南部戦線の悲劇が続いていたと言われます。
 日本軍は10代の学徒や女学生、一般住民を防衛隊などに駆り出し、壕の中で赤ん坊が泣くと言って死に追いやり、住民を壕から追い出し、食料を取り上げ、軍の命令による集団死、スパイだとして処刑し、集団疎開の強制で学徒を悲惨な死に追いやりました。国体護持のために沖縄を捨て石作戦として軍隊が県民を戦渦に巻き込んだのが沖縄戦の実相です。
 平和祈念資料館の「展示むすびのことば」には、「沖縄戦の実相にふれるたびに 戦争というものは これほど残忍で これほど汚辱にまみれたものはないと思うのです この なまなましい体験の前では いかなる人でも 戦争を肯定し美化することは できないはずです 戦争をおこすのは たしかに 人間です しかし それ以上に 戦争を許さない努力のできるのも 私たち 人間 ではないでしょうか 戦後このかた 私たちは あらゆる戦争を憎み 平和な島を建設せねば と思いつづけてきました これが あまりにも大きすぎた代償を払って得た ゆずることのできない 私たちの信条なのです」と記しています。
 辺野古に新基地建設を強行し、与那国、宮古島に自衛隊を強行配備し、米国とともに日本の国を再び戦争する国へと突き進んでいる安倍政権に今多くの県民は、米軍基地の島沖縄が真っ先に攻撃の標的にされる危険を危惧しています。
 仲井眞知事が辺野古新基地建設の埋立承認をしたことは、戦争への道に知事が手をかす行為であり、沖縄戦の悲劇を繰り返してはならないとする県民の反戦平和の願いに背くものであります。
 安倍政権は、憲法解釈による集団的自衛権行使の容認へと暴走している。米国の戦争で日本の若者の血を流す「海外で戦争する国」への大転換を、一内閣の判断で強行することは立憲主義を否定する憲法破壊の暴挙ではないか。集団的自衛権の行使容認に断固反対をすべき。知事の見解を問う。
 辺野古新基地建設問題について。
 本日、防衛局が埋立工事に着工した暴挙に改めて抗議する。
 知事の埋立承認は、新基地建設を容認し県民との公約を破り、公有水面埋立法にも違反するものである。知事は辺野古問題は「道筋がついた。どんどん実行してやっていくと思う」と発言しているが、県外を変えていないと詭弁を弄して辺野古建設を推進する立場ではないか。
 知事が承認をした直後、1月の名護市長選挙で新基地反対の稲嶺進市長が圧倒的票差で再選されたが、新基地反対を示した地元名護市民の意志は全く無視、じゅうりんされている。5月の地元紙のアンケートで県民の74%が辺野古新基地に反対をしています。知事はオール沖縄の県民意志を無視するのか。埋立承認を取り消すべき。
 戦後69年目の慰霊の日がめぐり、癒えることのない戦争の傷跡、米軍の事故、犯罪の多発、爆音被害の激増で遺族の苦悩は深まるばかりである。今回の知事の平和宣言で、昨年あった「一日も早い普天間飛行場の県外移設」を明言しなかったのはなぜか。
 埋立申請書は、ジュゴンは嘉陽地先の海草を食べているので「工事の影響は小さい」と結論づけている。民間団体の調査で、埋立予定地にジュゴンのはみ跡が30本以上発見されたが、調査結果を問う。工事を中止し、ジュゴンに対するアセスを再度やり直すべきではないか。
 日米合同委員会で制限水域を50メートルから2キロメートルに拡大を合意し、先ほど安倍内閣が閣議決定をしたが、名護市民の反対の意志を無視し、県民総意を切り捨てる暴挙であり、強く抗議する。水域拡大は県民の新基地反対運動を弾圧し排除するものであり、表現・言論の自由をじゅうりんする憲法違反の暴挙である。そもそも制限水域は米軍の「陸上施設の保安のため」に設定されたものであり、日米地位協定に照らしても不当なものである。知事は県民を弾圧し民主主義を圧殺する政府の暴挙を許すのか、見解を問う。
 知事が埋立承認と引きかえにした普天間基地の5年以内の運用停止、牧港補給基地の7年以内の全面返還について、日米政府は実行を明言したのか。何の担保も保証もない県民だましではないか。
 欠陥機オスプレイについて。
 欠陥機のオスプレイから部品が落下した。安全合意違反の低空飛行で住宅地を夜間構わず爆音を響かせて危険飛行をしている。知事は政府に強くオスプレイ撤去を要求すべき。
 東村高江の生活道路でのヘリパッド建設の工事車両の運行は非常に危険である。住民地域での工事車両の通行禁止を要求すること。また、オスプレイパッドの建設中止を要求すること。
 浦添西海岸への新軍港建設は海兵隊の戦争の出撃基地となり、沖縄県の表玄関を汚し、県経済や観光産業の振興を阻害する。環境配慮書の事業の進捗を問う。浦添新軍港建設に反対し環境アセスの中止を求めるべきである。
 米軍基地問題について。
 嘉手納基地の米軍機の離発着回数は、2012年度と2013年度の比較でどうなっているか。夜間や未明、外来機などの飛行状況はどうか。知事の言う負担軽減なのか。負担軽減の実効性をどのようにして実現するのか。
 米本国で米軍機の墜落事故が相次いでいるが、事故内容を問う。同型機の県内での飛行禁止を要求すべき。県内でも墜落や緊急着陸、部品落下事故が頻発している。危険な墜落事故の根絶のために住民地域での飛行禁止を要求すべきではないか。
 伊江島で兵士やパラシュート落下などが相次いでいる。800キロ余のドラム缶が住民の生活圏に落下したが、「隊員の教育」で再発防止はできない。パラシュート訓練場に使用されて以降の米軍機の事故状況と米軍の対応、危険なパラシュート訓練の廃止を要求すべきです。
 与那国島や宮古島に自衛隊配備を強行しようとしているが、沖縄と中国や韓国、東アジアとの経済交流や文化交流、観光産業に大きな阻害になる。紛争は軍事力ではなく平和外交によって解決すべきではないか。知事は自衛隊配備に反対すべき。
 国民健康保険世帯の1人当たり平均所得額は幾らか。無職の加入割合はどうなっているか。負担能力を超えた高過ぎて払えない国保は、診療抑制となり病気の重症化に拍車をかけている。国保に国庫負担の増額を要求すること。県が国保税軽減のために市町村国保に補助を行うこと。
 4月に県と41市町村長、議長の沖縄振興拡大会議が開催された。市町村側から、子供の医療費助成は沖縄県は全国ワーストに近い。全国並みの通院費を中学卒業まで無料にする要望が強く出され、川上副知事は県として検討する約束をしているがどうなったか、実施のめどを問う。また、窓口払いのない現物給付は全国の都道府県で何カ所あるか。現物給付を実施することについて。
 待機児童は、2010年から2013年まで536人ふえている。待機児童の受け皿となって保育を担ってきた認可外保育園に公的支援を拡充すること。また、潜在的待機を含めて待機児童は何人いるか。待機児童解消は、株式会社の参入を許さず児童福祉法24条1項の市町村の責任で認可保育所を早急に増設すること及び計画を問う。
 知事は、一括交付金で400億余の公設民営MICE施設を来年度にも建設する計画だが、カジノ誘致を前提にしたMICE施設の建設計画は中止すべきである。2万人の収容施設を県が建設しなければならない必要性、採算性を問う。国内外でMICE施設は赤字運営で税金が投入されているか、またはカジノで埋め合わせをしている。県は年間2億2000万円の赤字運営になる試算をしているが、カジノで採算を確保する計画なのか。一括交付金の使い道としての大型公共施設の建設は無駄遣いであり、将来にわたって県民に負担を押しつけることになる。建設計画をやめるべき。
 知事は、刑法で禁止されている賭博のカジノ誘致を安倍首相に要請した。県民が反対をしているカジノの誘致は言語道断である。青少年に悪影響、風俗の乱れ、依存症、借金、自殺、犯罪、暴力団問題など百害あって一利なしのカジノを知事はなぜ誘致するのか。
 千葉県在の沖縄学生会館は存続を求める声が多い中、売却されたが、本土で学ぶ学生の今後の支援策を問う。教育庁の計画を伺う。
 八重山教科書問題で、竹富町教育委員会は政府の不法・不当で強権的な政治介入に屈せずに教育の自主性を守り抜いた。石垣の教育長が、首長の意向に沿った育鵬社教科書の採択を狙い非民主的な手続を強行したのは教育委員会改悪法を先取りしたものと言える。教育委員会改悪法は、首長が教育政策の指針「大綱」を策定し、首長が直接任命した教育長をトップにして教育委員会を指揮・監督することになり、「侵略戦争を美化する教科書の採択」、「学力テストの結果公表」など首長による学校教育への不当な介入に道を開くものである。教育への政治介入により教育の自主性を脅かす教育委員会の改悪法に対する教育長の見解を問う。
 「残業代ゼロ」、「過労死促進」、「成果で賃下げ」という安倍政権の「新しい労働時間制度」導入に反対をすること。
 医療・介護総合法は、社会保障の基本を「自立・自助」として160万人の要支援者に対する訪問、通所介護を保険給付から外し、「患者追い出し」を招く病床削減など介護難民、医療難民を生み出す大改悪である。負担や給付、仕組みはどう変わり、何人がどのような介護給付から排除されるのか。特別養護老人ホームの待機者は何人いて、入所申請すらできなくなるのは何人か。医療・介護総合法に反対をすべきである。知事の見解を問う。

 
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