平成 9年(1997年) 第 7回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 12月11日
第 4号 12月11日
 

議 事 の 概 要
平成9年12月11日(木曜日)
午前10時開議
日程第1 一般質問
日程第2 乙第1号議案から乙第9号議案まで及び認定第1号から認定第20号まで(質疑)
一般質問及び質疑
 1 小渡  亨君(自民党)
 2 翁長 雄志君(自民党)
 3 西銘恒三郎君(無所属)
 4 宮城 國男君(新世会)
 5 西田健次郎君(自民党)
 6 糸数 慶子君(社大党)
 7 新垣 米子君(共産党)
午後5時33分散会

〇議長(友寄信助君) これより本日の会議を開きます。
 日程に入ります前に報告いたします。
 11月28日から12月8日までに受理いたしました陳情2件は、お手元に配付の陳情文書表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたしました。
 次に、本日質問予定の嘉数昇明君及び上原亀一郎君から発言通告の撤回がありました。
 その他の諸報告については、お手元に配付の文書により御了承願います。
〇議長(友寄信助君) 日程第1及び日程第2を一括し、これより直ちに一般質問を行い、乙第1号議案から乙第9号議案まで及び認定第1号から認定第20号までを議題とし、質疑に入ります。
 質問及びただいま議題となっております議案に対する質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 小渡 亨君。
   〔小渡 亨君登壇〕
〇小渡 亨君 おはようございます。
 会議規則にのっとりまして一般質問を行います。
 名護市の住民投票がきょう告示されました。
 そこで住民投票についてまず最初に質問いたします。
 海兵隊の普天間基地は、県が最も返還を希望していた重要3事案つまり那覇軍港、県道104号、読谷のパラシュート訓練の中には入っておりませんでした。このことは普天間の返還はあり得ないという考え方が県民の意識の根底の中にあったからだと私は思います。
 しかし橋本総理は、知事、あなたからの強い要望の中で米国のクリントン大統領とのトップ会談で返還実現のめどを立ててくれました。このことは「同盟漂流」という雑誌に詳しく記載されております。
 そして1年前のSACOの最終合意であります。当初SACOの合意を知事は評価しておりました。しかしこの1年間何一つ具体的な行動はとっておりません。貝のように黙ったまま我関せずの態度をとり続けております。
 この知事の無責任な態度で一番に被害をこうむったのは紛れもなく名護市民であります。名護市においては市民生活を二分するような激しい様相を現在呈しております。
 住民投票は単に海上施設建設という問題ではなく、日米安全保障条約の根幹にかかわる重大な判断を名護市という小さな一地方都市の市民に求める結果になってきました。日米安保のような重大な外交条約は我が国の国民全体が判断すべきことであり、限定された一地方都市の市民で判断することは大変危険であり、誤りであると私は思います。これもすべて知事、あなたの情勢判断の不足であり、責任能力の欠如であります。知事には為政者としての資質が備わってないのではないかと私は思わざるを得ません。
 そこで知事、きょうは先ほど述べましたように名護市の住民投票の告示日であります。名護市が住民投票にまで至ったことをどのように考えておるのか、明確に答えていただきたい。
 次に、北部地域の振興について質問します。
 普天間の代替施設として国はキャンプ・シュワブ沖にヘリポート建設を進めております。我が国の平和と安全を保つ意味で海兵隊の駐留はぜひとも必要であると私は考えます。
 日米パートナーシップは最も大切であります。このことは共産主義国家である中国でさえも日米安保は極東アジアにとって重要であるとの認識を示しております。
 ヘリポート建設案と同時に国は名護市を中心とした北部地域に国独自の振興策のメニューを数多く提示しております。しかし国の振興策は基本的に県の施策と一体化していなければならないと私は考えます。
 国の振興策に対し県の施策は具体的にどのように関連しているのか、まず最初に答えてください。つまり国が示した国立高専、NTT番号案内センター、北部コミュニティーセンター、女性総合会館等に関して県とどのようなかかわりを持っているのか、答えてください。
 橋本総理は来県されるたびごとに日米安保政策について、これまで沖縄に過重な負担を強いてきたこと、そしてその状況が沖縄県民に与える影響の重みについては我々の認識が十分であったとは言えず、国全体として反省しなければならないと述べております。
 これは国が県に対する反省でありますが、このことはそのまま私も含めた中南部の人々にも当てはまるのではないかと思います。つまり県が北部に対して同じようなことをしてきたのではないかということであります。
 知事が当初作成した21世紀の沖縄像を描いた国際都市形成構想の中に北部地域は何一つ入っていませんでした。名護市以北の過疎化には歯どめがかからず、特に二見の坂以北の東海岸においてはお年寄りしか住んでいない大変な状況であります。
 このことはいみじくも比嘉名護市長が常々述べております。すなわち北部(ヤンバル)地域は中南部の人々のために水を提供するということで地域の反対意見を抑えダムを数多くつくりました。そして水を中南部の人々に流しておりますが、水とともに若者までも流れていってしまったというのであります。大変な状況であります。
 そしてまた復帰直後に巨額な国家予算をつぎ込んだ国際海洋博覧会も20年たった今、結果的に北部地域の振興につながってはおりません。国はヘリポートに関連して再度北部地域に限定した支援、振興策を進める準備を現在進めております。
 この大切な時期に米軍基地問題だからといって知事が傍観することは許されません。このままでは確かに箱物だけは立派にでき上がるでしょうが、海洋博の二の舞になりはしないかと私は大変心配しております。名桜大学も開校しておりますが、北部と中南部では生活圏が全く異なるため中南部に生活の拠点を置いている教授陣の確保が大変難しい問題であるというふうに言われております。
 この際、北部地域に住んでいる人々に対し橋本総理が沖縄県民に対して示したような思いを知事が少しでも抱いているならば、北部地域の生活圏を中南部の生活圏にできるだけ近づける施策を国とともにとるべきだと私は思います。非常にいいチャンスだと思います。
 絵にかいたもちである国際都市形成や基地返還アクションプログラム、県民が納得し得ない全県FTZなんかより真っ先に取り組むべき課題であると思うんですが、知事の見解を求めます。
 復帰25周年記念式典における知事のあいさつ内容について質問します。
 コンベンションセンターで知事のあいさつを聞いて大変がっかりした県民は私一人ではないと思います。
 あいさつの全体に流れている思考は、沖縄県がみずから自立しようとする強い意気込みなど全く感じられませんでした。政府に対する復帰前、そして復帰後の不平不満を復帰措置に関する建議書を例にとり、過ぎ去ったことをくどくど未練たらしく述べているだけでありました。
 さらに沖縄県の経済的振興並びに市街地形成のおくれをすべて米軍基地のせいとし、基地があるゆえに得られた基地関連収入あるいは政府がこれまで行ってきた5兆円にもわたる振興策としての公共事業をも本県が自立できなかった原因として認識しております。全く偏った歴史認識だと言っても過言ではありません。すべての米軍基地は、知事が常に述べている銃剣とブルドーザーによって強制接収されたわけではなく、自治体が積極的にみずから誘致した基地もあります。キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンがそのよい例であります。
 確認する意味で知事にお尋ねします。
 今言ったキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンは自治体が誘致した基地なのかどうか、知事、答えてください。
 そして今回SACOで具体的に返還リストに挙げられたギンバル訓練場、瀬名波通信施設等に関して自治体の首長みずからあるいは軍用地主会が軍用地としての継続使用を防衛庁当局に申し出ております。このことも事実かどうか知事、確認します。

 また、沖縄市の新しい文化であるピースフルオキナワンロックも基地から生まれた新しい文化であります。知事はすべて基地が沖縄県の経済振興の阻害になるということを言っているんですが、そうでないということを言いたいわけであります。
 あいさつの中にあった県が政府の沖縄政策協議会に提出した国際都市形成に向けた産業振興策は投資減税の創設、法人税の軽減、必要なインフラ整備、思い切った制度面の優遇措置等県あるいは県民がみずから努力することはほとんどなく、すべて政府に対するお願い、お願い、どうしてもお願いであります。
 最後に述べていた沖縄を日本とアジア・太平洋諸国の結節点としてさらにアジアとの多面的交流、協力のかけ橋として明確に政府の責任で位置づけていただきたいというに至ってはあいた口がふさがりませんでした。
 知事、あなたが言っていることをゴルフのプレーに例えるならば、沖縄はティーショットにおいて常にレディースのティーグラウンドから打たせてください、ボールがグリーンに乗ったらカップまで距離がどんなにあってもオーケーのサインを出してください、ハンディは常に36下さいと言っているようなものであります。
 このような政府に対し、おんぶにだっこあるいは物ごい行政を続けていくならば、たとえ日本政府が知事の求めるすべての条件を満たしてくれたとしても県民の自信と誇りを持った自立は絶対に実現しませんと私は思います。
 知事、これについて何か意見があれば答弁してください。
 次、県収用委員会のあり方について。
 本日は当山県収用委員会会長が出席しております。大変ありがとうございます。
 事実関係を確認する意味で質問を行います。
 1点目、会長代理の渡久地氏について、収用委員に就任した平成8年7月16日から一坪反戦地主である実弟が土地の所有権移転をした平成9年1月9日までの約半年間、土地収用法の除斥事項に該当する事例が何回あったのか、お答え願いたいと思います。
 また、今日まで収用委員会における出席回数と欠席回数を示してください。
 2点目、渡久地氏の実弟は平成9年1月9日以降嘉手納基地の土地所有権者ではなくなっております。しかし土地収用法上は当該所有権移転前に使用裁決手続開始の登記がなされております。よって、手続上は当該土地に関する収用委員会審理等に参加できない除斥事項に渡久地氏は該当すると考えますが、そのとおり理解してよいのか、お答え願います。
 3点目、渡久地氏は一坪反戦地主を岳父に持つ県収用委員の上間氏とともに、駐留軍用地の使用裁決申請事件の10月に開かれた第8回公開審理から出席せず今後とも辞退する旨の表明をしているが、なぜ収用委員としての義務を果たさないのか、説明してください。
 4点目、知事にお尋ねします。
 本県にとって最も重大な問題である駐留軍用地特措法にかかわる事件で当初7名全員で審理したいという話でありました。しかし現在、収用委員7名のうち2名が参加できないことはこれは異常事態であります。
 これに対し知事はどう思うか、答えてください。
 交通総合教育センターについて。
 この施設は以前にも私は質問しました。交通事故を防止し、安全で快適な交通社会への確保のために効果的な運転免許行政並びに交通安全生涯教育等を推進する施設であります。
 我が国で最もお年寄りの多い県であり、高齢者の交通安全対策が叫ばれている今日、一日も早く整備すべきだと私は考えております。
 そこで財政当局、総務部長に2点ほどお尋ねします。
 1点目、建設に当たってまず最初に行わなければならない建設計画の作成のための調査費すらも計上できていないと言われておりますが、なぜなのか、説明してください。
 そして執行部はこの施設についてそれほど必要じゃないと考えているのか、その辺もあわせてお答え願いたいと思います。
 平和祈念資料館の展示についてでありますが、これは委員会等で審議してもらうことにします。
 1回目終わります。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 小渡亨議員の御質問にお答えいたします。
 名護市の住民投票について、安保にかかわる重要な問題を名護市民にゆだねることは知事の責任放棄ではないかという趣旨の御質問でございます。
 米軍基地の県内移設についてはこれまでも繰り返し申し上げたとおり基本的には反対であります。今後県としては、名護市の判断等も勘案し必要な段階では県の総合的発展を図る観点から適切に対応してまいりたいと思います。
 安保条約の問題につきましてはいろいろ見解が分かれておりますが、県が絶えず日米両政府に申し上げてきたことは安保条約が重要であるのであればぜひとも国民全体がその負担と責任というのを負うべきだと、どうして沖縄だけに過重に負担させるんですかということをずっと言ってきたわけです。
 ですからその意味では名護の問題というのはこれは県がつくった問題というよりか、やはり安保条約という国際的な条約ができていて、きのうも申し上げましたように我々がその被害を直接受けるので好ましくないですよと、この被害を受けるのを何とかしてくださいと絶えずお願いしてやっているわけですが、我々の気持ちが通らなくて今のような状態が起こっていて、その意味では私は名護の市民に申しわけないと思っているんですけれども、しかしその根本は県の施策で出てきた問題ではなくて国の施策で出てきたものですから、そこは御理解いただきたいと思います。
 それから、中南部圏域と同じように北部地域についても振興策を図るべきじゃないかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 北部圏域の振興開発につきましては、3次にわたる沖縄振興開発計画に基づいて他の圏域との均衡ある発展に配慮しながら諸施策を推進しているところであります。
 北部圏域においては農林水産業の振興や国際的な規模の観光・リゾート地としての整備など地域特性を生かした産業を振興するとともに、中南部圏域との連携を強化し振興を図る必要があります。そのため県においては、沖縄振興開発計画に基づいて北部圏域と中南部圏域の一体的な連携を可能にする広域交通ネットワークの整備を進めています。
 また、国際都市形成基本計画においても北部圏域及び中南部圏域のそれぞれの地域特性や地域における振興計画を踏まえた地域拠点機能を配置していますが、相互が補完し合い一体として機能することによって国際都市沖縄が形成されると考えています。
 今後とも両圏域が個性的な魅力を持つ圏域であると同時に、連携し合ってともに発展するよう振興策を講じてまいりたいと思います。
 それから、復帰25周年記念式典における知事あいさつについての御質問にお答えいたします。
 復帰後3次にわたる沖縄振興開発計画の推進によって空港、港湾、道路等の社会資本はかなり整備されてきました。反面、本県の経済は広大な米軍基地によるさまざまな制約の中で復帰前からの消費型の経済体質も改善されず、公共事業や基地経済に依存する極めて脆弱な構造になっています。また本県の市街地は米軍基地の周辺に無秩序に形成され、災害に弱いいびつな構造となっています。
 本県が基地依存の経済から脱却し経済的に自立するためにも、また災害に強い都市づくりを進めるためにも米軍基地の整理縮小は県政の最も重要な課題であり、……
〇小渡 亨君 議長。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午前10時22分休憩
   午前10時23分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
〇知事(大田昌秀君) 本県が基地依存の経済から脱却し経済的に自立するためにも、また災害に強い都市づくりを進めるためにも米軍基地の整理縮小は県政の最も重要な課題であり、同時にこれは国の責任において解決していただかなければならない課題であります。
 式典でのあいさつはこのことを国に改めて認識していただき、県民の意思を最大限に尊重しつつ、米軍基地の計画的かつ段階的な返還の促進はもとより、全県自由貿易地域制度の創設を初めとする国際都市形成に向けた新たな産業振興策を政府の施策として着実に進めていただきたいということを趣旨としたものであります。

 小渡議員がおっしゃるように、政府に対してお願いばかりしている感じが確かにございまして、その意味で我々としては何としても自立する意識改革が必要だと。従来のような他力依存型のものでは困るということは繰り返し繰り返し申し上げてきた点でございます。
 その他の御質問については関係部局長等から答弁させます。
〇議長(友寄信助君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 花城可長君登壇〕
〇企画開発部長(花城可長君) 北部地域の振興策との関連で、NTT、高専、コミュニティーセンター等国の施策があるが、県はこれらの施策とどのようにしてみずからの施策として取り組むのか、県の施策としてはどうなっているのかとの御質問でございます。
 今回政府が提示した北部振興策と第3次振計、地方拠点都市地域基本計画及び国際都市形成基本計画において位置づけられた施策とは重なる部分もありますが、全体的な関連についてはまだ十分明らかにはなっておりません。
 県は、計画に位置づけられた各種の事業等についてはこれまで国の協力を得て実施してまいりましたし、今後も国及び市町村との連携を深めつつ着実に実施していきたいと考えています。
 今回新たに提示されたプロジェクトについては、県土の均衡ある発展を図る観点から重要な施策であると認識しており、今後事業が具体的に提示される中で県としてどのように対応できるか検討してまいりたいと考えています。
 以上でございます。
〇議長(友寄信助君) 収用委員会会長。
   〔収用委員会会長 当山尚幸君登壇〕
〇収用委員会会長(当山尚幸君) ただいま指名にあずかりました沖縄県収用委員会の会長の当山でございます。
 初めて県議会に出席させていただきました。一度は見てみたいと思っておりましたので大変光栄に思っております。ありがとうございました。
 小渡亨議員の御質問ですが、大きく分けて2点かと思います。何か順序が逆になっておりましたんでしょうか、渡久地会長代理に係る平成9年1月9日までの収用委員会会議等の開催状況ということがまず第一点かと思いますんでお答えします。
 渡久地会長代理が委員に就任したのが平成8年7月16日です。それから平成9年1月9日までの委員会の会議開催状況は次のとおりです。委員会が8回、審理が2回、現地調査が2回、合計12回です。
 議題といたしましては羽地大川ダム建設事業、一般国道329号改築工事、石垣の名蔵ダム建設工事、そして駐留軍用地使用裁決事件となっております。
 なお、渡久地会長代理の出席状況ですが、羽地大川ダム建設事業等の一般公共事業に係る裁決事件──合計で9回ですが──すべて出席しております。また、駐留軍用地使用裁決事件では伊江島補助飛行場に係る裁決手続開始の決定の会議のみに出席しております。これがまず第1点ですね。
 それから第2点、渡久地会長代理と上間委員が審理等に今後出席しないという理由は何か、また以前に全員出席で審理したいと確認していることと矛盾しないかという点です。
 御指摘の2委員は、嘉手納飛行場については除斥事由に当たると考えております。それ以外の施設につきましては土地収用法第61条の除斥事由には該当しないと考えております。
 今回の駐留軍用地使用裁決事件は、全施設を不離一体として考えなければならない面もございます。また事務的にも分離して取り扱うのが非常に困難な点がございます。
 そういうことで2人が嘉手納以外の審理に参加しますと、委員会の公正中立が疑われるおそれがあるということで全施設の審理について出席を辞退しております。
 なお、原則として収用委員7人全員の出席で審理したいと申し合わせておりましたのは、御存じだと思いますが楚辺通信所の緊急使用案件の件でございまして、例の件は前例がなくかつ短期間に裁決を必要とするという事案でございまして、その際には全員で出席して審理しようという申し合わせをしたことはございます。
 しかしながら、現在審理している駐留軍用地の使用裁決事件というのは長期間を要するためにそのような申し合わせということは行っておりません。
 しかし質問の御趣旨は、7名がそろって審理した方がいいんじゃないかという趣旨であれば、それはできるだけ全員そろってやった方がいいというふうには考えております。
 したがって今回の場合、予備委員の補充等を行わなくても法律要件である定足数を満たしておりますので、公正公平な審理が行えるというふうに私は考えております。
 以上です。
〇議長(友寄信助君) 知事公室長。
   〔知事公室長 粟国正昭君登壇〕
〇知事公室長(粟国正昭君) 小渡議員の質問の中で、ギンバル訓練場は地元から反対が出ていることについてのことでございます。
 金武町長等から特に反対をすると、ブルービーチの方の返還を優先してほしいという向こうからの要請なんですが、そういった開発可能性の高いブルービーチへのヘリポートの移転というふうなことの条件というところから、向こうとしては開発可能性のあるブルービーチにそういうヘリポートが移されるということは、将来にわたっての金武町の開発の可能性がなくなるというふうなこともありまして町長としても反対しているし、また町議会としてもギンバル等には反対をしているというふうなことかと思います。
〇小渡 亨君 瀬名波は……。
〇知事公室長(粟国正昭君) 瀬名波も地主の皆さんが反対をしていると。
〇小渡 亨君 何に反対している。
〇知事公室長(粟国正昭君) やはり生活の問題とか、そういったところからきているというふうに認識をしております。跡利用の問題もあろうかと思います。
 それからもう一つ、キャンプ・ハンセン、シュワブは地元が誘致したものかどうかというふうなことであります。
 私たちの勉強不足もあって、今のところこの辺がどういう形でこれが導入されたのか、一部には久志村から誘致されたというふうな話もあるけれども、また同時にいろんな事情があってやむなく誘致したんだというふうなお話もあるというふうには聞いておりますが、その辺の過去の経緯について今のところしっかり掌握しておりません。
〇議長(友寄信助君) 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺 勇君登壇〕
〇総務部長(赤嶺 勇君) お答えいたします。
 駐留軍用地使用裁決申請事件で2人の委員が欠席する事態についての責任についてどう思うかというふうなことの質問にお答えいたします。
 両委員につきましては、法律、経済または行政に関してすぐれた経験と知識を有し、公共の福祉に関して公正な判断をすることができるものであるとして議会の同意を得て任命しているところであり、御質問については収用委員会の運営事項に関することであり、県として見解を述べるのは差し控えさせていただきたいと思います。
 次に、交通総合教育センターの建設についての質問でございます。
 平成10年度の当初予算については、各部局からの要求を受けて現在事務段階での調整が行われているところであります。
 交通総合教育センターにつきましては、計画規模、予算規模等の面で引き続き検討を要することから、平成10年度の予算要求には至らなかったと聞いております。
 県においては、現下の厳しい財政事情を踏まえつつ旺盛な財政需要に対応するため、事業の優先度による選択や年次計画の見直し等により徹底した歳出の節減合理化を図り、限られた財源を緊急かつ重要な事業に重点的に配分してきたところであります。
 交通総合教育センターにつきましても、今後同様な観点から対応していきたいと考えております。
〇議長(友寄信助君) 小渡 亨君。
   〔小渡 亨君登壇〕
〇小渡 亨君 再質問を行います。
 知事、私が住民投票で聞いたのは、安保問題とかそういうことじゃないんですよ。
 名護市の市民が住民投票にまで至ったと。先ほど名護市の市民には申しわけないと、この一言だけですか。申しわけないで済みますか。
 今後、どっちに転んでも名護市の生活は二分されるんです、これは。これを言っているんです、私は。それに対してどう責任をとりますかと、どう思いますかと言っているんです。それを答えてください。

 それと、キャンプ・シュワブとキャンプ・ハンセン、勉強不足でそれがどういう経緯で基地になったかわからないと。
 とんでもない。知事、あんたはうそを言っているんですよ。知事が言っているのは、沖縄の米軍基地は銃剣とブルドーザーで取られたと。しかし誘致しているんですよ、これは、はっきりと。一部の事象をとらえて、全部そうじゃないです。しっかり勉強しないか。専門でしょう、あんたは、軍事史に関しては。
 それから、収用委員会に関して2名が参加してない、できない、見解は述べられないと。
 任命したのは知事でしょう。議会が承認した。みずから任命していながら、沖縄県の重要な問題であると、特措法に関しては。それで2名が出れないと、除斥事項に該当して。それに対して何も言えない、コメントもないと。何ですかこれは。任命したのはあんたでしょう。答えなさい。
 交通センターに関して、県に対して予算要求がないということなんですが、県警の方は予算要求してないんですか。お伺いします。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 先ほども申し上げましたように、名護市民の投票しなくちゃいけないような状態というのは私がつくったものではありません。国策として条約でできて、我々はそういう移設は好ましくないですよということを繰り返し繰り返し日米両政府に訴えてきたわけですよ。それができずに今の状態になっているわけでありまして、結果としてそういう住民投票に至ったことについては私は申しわけないと思っていると申し上げているわけでございまして、安保条約のために今のような状態が起こっているわけですよ。ですから、この過重な負担を日本全国で受け持ってほしいということを繰り返し繰り返し申し上げているわけです。
 それから、収用委員の問題につきましては、先ほど総務部長から申し上げましたようにその運営については独立機関の委員会がやることでございましてコメントは差し控えさせていただきます。
〇議長(友寄信助君) 警察本部長。
   〔警察本部長 井上美昭君登壇〕
〇警察本部長(井上美昭君) お答えいたします。
 県民に対して質の高い運転免許行政に係るサービスを提供するとともに、運転者の特性に応じたきめ細かな交通安全教育を推進することにより交通事故を防止し、安全で快適な交通社会を確立するため、その活動の中心となる交通総合教育センターの建設が必要であることは、本年2月の議会でお答えしたとおりであります。
 県警といたしましては、交通総合教育センターの具体化に向けて予算面も含め関係機関と協議を重ねてまいったところでありますが、今後とも施設規模、予算規模等を検討して関係機関との協議を重ね、交通総合教育センターの建設に向けて議員御指摘の件も踏まえ、引き続き鋭意努力してまいりたいと考えております。
〇知事(大田昌秀君) 休憩してください。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午前10時42分休憩
   午前10時43分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 知事公室長。
   〔知事公室長 粟国正昭君登壇〕
〇知事公室長(粟国正昭君) 金武町の町誌ですか、その辺からの抜粋でございますが、4原則貫徹運動が行われている、並行するような形で新規土地接収に譲歩していったと。
 これは、例えば辺野古の地主と新規接収について借地契約を結んだとか、あるいは金武町の場合も同じようにいろんな苦渋の選択の結果そういう新規接収を、基地の誘致をしたというふうなことがここに書かれております。
 新規接収を受け入れ基地を誘致することであったと、苦渋に満ちた選択であったというふうなことをこの「金武町と基地」という中にそういうふうなことが書かれています。
〇議長(友寄信助君) 小渡 亨君。
   〔小渡 亨君登壇〕
〇小渡 亨君 あと8秒しかありませんのでもう何も言いません。
 知事、苦渋と思うんじゃなくて、これはキャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブは喜んで誘致したんですよ、経済振興のために。その辺を確認してください。
 それと交通センターはぜひお願いします、県民のために。
 あとは別の機会にやります。
〇議長(友寄信助君) この際、報告いたします。
 説明員として出席を求めた収用委員会会長当山尚幸君は、別用務のため本日のこれより以降の会議に出席できない旨の届け出がありました。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午前10時45分休憩
   午前10時45分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 翁長雄志君。
   〔翁長雄志君登壇〕
〇翁長雄志君 質問をする前に、私ども自由民主党県連は党税制調査会の山中貞則沖縄対策小委員長にお会いをいたしました。今週の火曜日ですね。
 特別自由貿易地域についてのいろいろな見解がございましたけれども、これはすぐ行ってそういったもろもろの成功を図っていかなきゃならない、そういうことで嘉数会長、私、西田顧問と3名、残念ながら本会議を欠席して1便で行ってまいりました。
 その結果、山中先生と本当に親しく1時間近く話ができまして、法人税については35%カットということで24.4%ということになったわけでありますけれども、特にこの特別自由貿易地域内に企業立地をする条件として200名以上の雇用が必要だということではなかなか地元の企業が参入できない。ついては20ないし50名にそのハードルを下げてくれないか、このようなお話をいたしましたら、早速それに理解を示してくれまして、わかったと、何があっても50名以内に抑えるというような話で大変心強く思いました。
 それから、沖縄型デューティーフリーショップについても、火曜日においては持ち越しとなっておりましたけれども、これも必ず導入をする、運営主体とか、これもどうあるべきかというところまで話は進んでいきまして、どういう形でやれば本土のまた市場もそれを認めてくれるかというような具体策も聞かせていただきまして、大変力強く思ったわけであります。
 その足で野中幹事長代理にお会いをいたしました。1週間前沖縄にお見えになったときに、沖縄県の高速道路を走らせまして、これはヤンバルの人は大変だなと、中南部は何かといろいろあるけれども、3000円も費やしてこういう形で都会に出てくる、那覇市に出てくるというのも大変なことであります。
 また宮古、八重山におきましては離島の航空運賃の値下げがありまして、ある意味では陸の孤島のヤンバルのこの高速料金はどうしても下げなきゃいかぬという話をずっとやっておられましたから、道路公団の総裁に会って話をするよということで1週間前そう言い残して本土に、東京に行きましたが、私どもはこの機会を逃しちゃいかぬということで、早速きのう、あの件はどうなりましたかという話をしましたら、道路公団総裁とも詰めまして、私たちが会いましたのは2時ごろだったんですけれども、4時には村岡官房長官が記者会見をするはずだと。建設省、運輸省、自治省あるいは防衛庁、そういったところの関連の省庁を呼んで、この料金の値下げをやるように指示することになるはずだという大変力強い話がございました。
 運賃の値下げ幅は官房長官がこれから指示することでありますので一、二%ではないということで記者会見で話があったようですが、野中先生は、これはヤンバルだけだと考えていたけれども、沖縄県全体の問題であると認識しているので、沖縄県民全体が利用できるようにやりたい。そういう意味で40%から50%を念頭に置いているという話もしてくれまして、私どもは政府と自由民主党本部がこういったもろもろについて本当に真剣に沖縄の将来について考えているんだなということが前からの要請でも十二分に承知をしておりましたけれども、事ここに至りましても本当に沖縄県民に対して国全体がおわびをしなきゃならぬという橋本総理の意向を受けまして、一つ一つ物事が進んでいることを確認をして大変力強く思っております。

 冒頭にこの話をしましたのも、昨日そういうことで一日じゅう本会議におりませんでしたので知事の議論等をお聞きしませんでしたから、もしかすると重複するようなところもあるかもしれませんが、それは御理解をいただいてこれから一般質問をさせていただきたいと思います。
 県内の基地の移設についてお伺いをいたすわけでありますが、私はこの問題、もう最近の大田知事の基地問題の発言というのは言語明瞭、意味不明、恐らく県民も知事が何を言わんとしているかというものは全くわからないのではないかなと思っております。言葉の限りを尽くして県民が理解できないように理解できないようにと腐心をしているような感じさえ受けるわけであります。
 基本的に県内移設に反対と言えば一方の側が喜び、そしてまた時期がたつと現実的対応をしなければ沖縄の振興は図れないなどと言うとさらに一方の側がまた喜ぶ。そしてじゃ知事の判断はどういうことなんだというと、何もそれに明快な答えは示せない。県民投票までのあの明快な知事の立場というものは、公告・縦覧の応諾によりまして、私はそれから以降の知事は基地問題に関してみずからの見識を示すことができなくなったなと、これはもうはっきりしたことだなと、このように考えているわけであります。
 ですから、きょう私の質問することは同じようなことで知事の答弁も大体似たような答弁だということで大変むなしくも感じるんですが、通告しておりますので質問をさせていただきます。
 普天間基地返還の県内移設について、大田知事は当事者能力を放棄したと考えるがどうでしょうか。
 そうでなければこれまで当事者としてどのようにかかわって県民をリードしてきたのか、今後どのような方向性を見出そうとしているのか、お聞きをいたします。
 それから北部振興策についてでありますが、これは小渡議員が本当にすばらしい形で質問をしておりました。私はここで言いたいのは、今、反対派住民が北部振興は国の責任だという形で話をしているんですが、これまでそういった北部振興については国と県が一体となって調整をしながらやったはずでありまして、県も北部振興については大変重大な責任を負っていると思うんです。その見地からこれまで中南部と比べて県は北部振興についてどのような遜色のない政策をやってきたのか、お聞かせを願いたいと思います。
 それから新石垣空港の問題でありますが、もう環境問題、大変厳しいんだということは前から指摘してきております。あの膨大な土工量と赤土の問題は、この沖縄県で幾ら赤土の防止の対策をとっても宮良牧中の案で工事をしましたら、私は白保のサンゴは死んでしまう、このように4年前から結論を下しているわけでありますが、しかし検討委員会を二、三カ月前につくりまして、赤土防止対策はもう十分だったんだというような形で報告も出しておりますが、これまでの赤土防止対策は何が不十分だったのか、これをひとつ示していただきたい。
 それからこの宮良牧中のような土木工事、860万立米、10トンダンプにして太平洋を横断してしまうような100万台の土工量のある大規模な工事というものでこの赤土の問題を考えたことがあるのか。あるいは県内で工事があったのかどうか、お聞きをいたします。
 福建・沖縄友好会館について、これもいろんな方からお聞きするんですが、どうも工事がたびたびストップしている。これはもう完成時期は当初言われたよりは相当ずれ込むのではないかと聞かされております。
 それで、この完成時期に変更はないかどうか、追加負担は一切ないかどうか、そしてその管理体制は一体どうなっているのか、お聞きをいたします。
 それから離島航空運賃の値下げについてでありますが、これも鳴り物入りで大田知事を初め離島だけに適用するんだということでやってまいりました。その趣旨に私も反対するものではありませんけれども、残念ながらこの登録の実績が相当低いという形で私も聞いておりますけれども、一体全体事前にはどの程度見込んでいたものが離島住民のその値下げの恩恵にあずかろうとする登録がどの程度でおさまっているのか、これをお聞きをいたします。
 1つ福建・沖縄友好会館について言い忘れましたが、入居の応募状況も教えていただきたいと思います。
 それから高速船マーリンの運航についてであります。
 これも鳴り物入りで始めたわけでありますが、大変芳しくない。私の友達が乗ったときには4名しか乗っていなかったということで大変この行く末に心配をしておりましたけれども、現在の運航状況について説明を願いたい。
 それから、これまでの計画と現状の違いについて御説明を願いたいと思います。
 それから、次に老人保健の問題でありますけれども、現在寝たきり老人等要介護老人は全国で約100万人で、今後高齢化が進むと21世紀にはその数は140万人を突破すると見込まれており、介護を必要とするお年寄りに対する対策は長寿社会に向けて緊急の課題となっております。本県においては寝たきり老人が約1万人と言われ、今後とも増加が見込まれています。
 このような中で老人保健施設は寝たきり老人や痴呆性老人の介護を必要とする老人が増加することに対応し、これらの介護を必要とする老人にふさわしい看護、介護やリハビリテーションを提供する施設として昭和61年の老人保健法改正により創設されております。
 介護を必要とする多くのお年寄りが住みなれた地域社会での生活を望んでおります。そのお年寄りの方々の自立を支援し家庭への復帰を目指す施設として老人保健施設はそれぞれの地域に着実に定着してきており、特に今後は新たな高齢化介護システムの構築に向け大きな役割を果たすものと期待しております。
 そこで、本県の老人保健施設は昭和63年度から準備が進められているとのことでありますが、整備を進めるに当たっては地域の高齢者及び介護を必要とする老人などの動態を踏まえた上で適正に配置し計画的に整備を図る必要があると考えております。
 とりわけ南部圏域は65歳以上人口が7万3374人、県全体の46.5%、在宅寝たきり老人の数が1047人で県内で最も多くの介護を必要とするお年寄りを抱えている状況にあり、老人保健施設に対するニーズが最も高い圏域であると認識しております。
 そこで御質問いたします。
 老人保健施設の整備状況と今後の整備計画について、さらに適正配置について県の考え方についてお聞かせ願います。
 それから我が党の代表質問との関連についてでありますが、吉元前副知事の再任の問題であります。
 これはもう私どもは吉元前副知事は大変優秀であるけれども適任ではないという形で今日まで考えてきておりました。特に民主主義という点で大変な汚点を残してきたような感じがいたします。
 朝日新聞、読売新聞、私は朝日新聞では3事案のときに、これも現実的対応と言えば聞こえはいいんですが、やはり密室政治の、表では知事が理想の基地問題、平和の話をしながら、吉元さんは裏で現実的な対応を模索している。これを県民が理解をしきれない。そして県民投票まで純粋に基地問題、平和問題を県民を引っ張っていきながら、応諾によって奈落の底に落としてしまった。この知事の姿勢も大変私は県民あるいは支持母体に対しての裏切りだと思っているんですが、さらにこの吉元さんは朝日新聞でもそういう誤解がありました。読売新聞でも今度の定例会で指摘されたとおりであります。
 それから、「同盟漂流」でも読めば読むほどこの人は現実的対応の最たるものであります。この吉元さんのあり方を見逃した、あるいは許してきた大田さんも私はこの責任は大変大きいんじゃないかなと。
 今、権力の二重構造ということも言われておりまして、平和や基地の問題では大田さんが割方理念の中で頑張っているんですけれども、実際上の県政はもう吉元前副知事が取り仕切っているのではないかと、このような疑問さえ抱かれるような今日であります。
 そして夢は大きく与えました。大変弁論さわやかな方でありますから県民に大きな夢を与えてはきたんですが、そして自分の政策に持っていくときの手法の戦略的な作業は大変すばらしい人でありますが、一たんこの政策を決定した新石垣空港、それから福建・沖縄友好会館、それから最近でいうと国際都市形成構想、あるいは全県フリーゾーン、これはもう静かに考えてみますと、この大きな大騒ぎの中でどうも砂上の楼閣になりはせぬかなと。夢だけは与えた、私どもが幾ら矛盾をついても、もう右も左も縦も横もみんなくっつけて説明のできる吉元さんでありますが、現実的にこの政策が動き始めると地道な作業を一つ一つ積み重ねるものが全くない。これは私は大変憂慮をしております。

 そういうことでこれまでは基地問題で現実的対応をしてくれるんじゃないかということで政府・与党も後光の差している吉元さんの弁舌さわやかさは大変有効な手段だったと思うんでありますが、ここ県内移設について何らみずからの指針も示し得ない大田さんの立場の中で吉元さんを再任しても、私はもう、大変失礼でありますけれども、役割は終わったんではないかなと。もう新たな人で地道な県政、そして着実な政策の遂行というものをやられたらどうかと思うのでありますが、吉元さんの提案をされるかどうか、お聞きをいたします。
 以上です。
〇知事(大田昌秀君) ちょっと休憩願います。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午前11時  休憩
   午前11時  再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 翁長雄志議員の御質問にお答えいたします。
 普天間基地の県内移設について県は当事者能力を放棄したのではないかという趣旨の御質問でございます。
 普天間飛行場につきましては、市街地の中央部に位置し地域の振興開発を妨げているだけでなく、航空機騒音の住民生活への日常的な悪影響や、航空機の離発着などによって市民の生命に極めて危険な状況にあることから、県はこれまで日米両国政府に対してその返還を強く求めてきました。
 また、この狭い沖縄の中で米軍基地を移設することについては地域住民の反発もあり、非常に厳しい状況にあるということも繰り返し申し上げてきました。今後、県としましては名護市の判断等も勘案し、必要な段階では県の総合的な発展を図る観点から適切に対応してまいりたいと考えております。
 それから、北部振興策について県は一体何をしてきたかという趣旨の御質問でございます。
 北部圏域については、豊かな自然環境を活用しながら地域特性を生かした農林水産業の振興、国際的規模の観光・リゾート地としての整備及び生活環境施設等の整備に努めてまいりました。
 これまでの主な実績として国際海洋博覧会の開催、農業生産基盤の整備、瀬底大橋の整備、農業大学校の設置、超高速旅客船の就航等がございます。
 また、北部圏域は他の圏域に先駆けて地方拠点都市法に基づく地方拠点都市地域の指定を受け、自然交響都市圏の創造を基本理念に地域基本計画を推進しています。県においても名桜大学の開学を支援するなど同基本計画の促進に努めているところであります。
 さらに、今後は沖縄振興開発計画に基づく諸事業の推進に加えて、国際都市形成基本計画に基づく国際交流拠点の形成を図るとともに、米軍基地所在市町村提案プロジェクトを促進し、北部圏域の振興を図ってまいりたいと考えています。
 次に、老人保健施設整備方針と今後の見通しについての御質問にお答えします。
 老人保健施設の整備につきましては、沖縄県老人保健福祉計画に基づいて平成11年度までに県全体で3732人分の整備を図る計画であります。
 平成9年12月1日時点における整備状況は、33施設、定員3172人分が整備され計画目標に対する達成率は85%となっており、全国平均を大きく上回っている状況でございます。
 現在、新規事業として本部町に1カ所、那覇市に2カ所、継続事業として豊見城村に1カ所、合わせて4カ所、270人分の整備を進めております。
 平成9年度末には37カ所、3442人分が整備され、達成率は92.2%になる予定であります。
 今後の整備計画については、高齢者の動態、事業の進捗状況、市町村における実態調査結果等も踏まえ、沖縄県老人保健福祉計画における各圏域間の整備目標値の見直しを行い、よりニーズの高い圏域において前向きに整備を図っていくことにしております。
 それから吉元副知事の再任の問題についてでございますが、翁長議員なりの見方があると思いますけれども、私はこれまでも申し上げてまいりましたように県民のためということで大変苦労してまいりまして、特に与党3党だけでなくて野党の方々ともこれまで3カ年半ぐらいかけて吉元副知事がいろいろと県の実情を説明したり、私と一体となってあらゆる問題について努力しておりますので、今がちょうど仕上げの段階に入るところですから、ぜひともそこを御理解いただいて再任させていただきたいということを提案申し上げたいとお願いしたいところでございます。
 ほかの御質問につきましては関係部局長から答弁させます。
〇議長(友寄信助君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 江洲順吉君登壇〕
〇土木建築部長(江洲順吉君) 新石垣空港について、宮良地区に匹敵するような赤土等流出問題を抱えた大規模工事が過去にあったかとの御質問にお答えいたします。
 宮良地区における造成工事は面積が143ヘクタール、切り盛り土量が約800万立方メートルであります。
 県内において大がかりな土工事を必要とする事業として土地区画整理事業、土地改良事業、ダム、ゴルフ場などがあります。
 事例としては、那覇新都心開発整備事業で造成面積が214ヘクタール、土工量が330万立方メートルとなっており、羽地ダムの土工量が140万、それから名蔵ダムが109万立方メートルとなっており、土工量については事例がありません。
 それから、宮良地区において赤土等流出防止が万全な体制で実施できる根拠について説明をということにお答えいたします。
 宮良地区における赤土等流出防止対策は、赤土の流出を発生源で食いとめる表土保護工、流出抑制工、濁水処理工を用いたものであり、降雨により流出した濁水を沈殿池に導き、ろ過沈殿と凝集沈殿方式による機械処理を行って河川へ放流することになっています。
 その具体的な内容は、通常、一般土木工事においては赤土等流出防止対策工の施設は2年に1度の大雨で計画をしています。
 また、濁水の排水基準については県条例に基づきSS濃度を200ppm以下としております。
 これに対し、新石垣空港においては赤土等流出防止対策の施設を10年に1度の大雨を対象にしており、通常の土木工事と比較すると十分に安全側の計画となっております。
 また、排水基準についてもSS濃度を25ppm以下とし、降雨時には県条例に基づき200ppm以下としております。
 これらの条件を踏まえて轟川流域では17万8600立方メートル、宮良川流域では21万2700立方メートルの沈殿池を設置します。
 さらに沈殿池の中でろ過施設をつくり、可能な限り赤土等を沈殿させ最終の濁水処理として凝集沈殿方式による機械処理を行います。その能力は1時間当たり1000立方メートルであります。
 これらの対策とともに計画どおりの工事が実施されているか確認するために工事着手から完成までの全期間にわたって地域の人や専門家を交えた監視体制をつくり、環境保全に万全を期していきたいと考えています。
 県では、このような対応により宮良地区における赤土等の流出は防止できるものと考えています。
 以上でございます。
〇議長(友寄信助君) 知事公室長。
   〔知事公室長 粟国正昭君登壇〕
〇知事公室長(粟国正昭君) 翁長雄志議員の福建・沖縄友好会館についてお答えを申し上げます。
 進捗状況の中で完成時期に変更はないかということ、それから追加負担は一切ないかということに対してお答え申し上げます。
 福建・沖縄友好会館の建設工事の進捗状況でございますが、ビル本体の外装工事は10月末に完了をしております。11月以降はエレベーターの設置工事、それから1階部分の外壁ガラス取りつけ工事、消防設備工事等が施工されているところでございます。
 また、セントラル空調の工事についても最近契約を終えたところであり、今後の工事の進捗にあわせて適宜建築技師等を現地に派遣し、工事の進捗状況の把握に今後も努めていきたいと考えております。
 なお、会館は平成10年5月じゅうには予定どおり完成の見込みでございます。
 追加負担については、ことし9月に締結されました福建・沖縄友好会館建設に関する協定に追加負担は一切しないと明記しておりますので、我々もその趣旨に沿って負担はしない方針でございます。

 それから管理体制の問題でございますが、福建・沖縄友好会館建設工事の進捗状況、それから工事の施工内容等について本年6月には土木建築部の技術職員を現地に派遣いたしまして、建築工程及び建築工事施工内容の確認を行っております。さらに7月と9月には福建・沖縄友好会館建設に関する協定書の改定協議に際し職員が工事の進捗状況を確認しております。
 今後の計画としては、追加資金にかかる機械、それから電気等の設備工事について工事の進捗状況を勘案しながら建築技師等を適当な時期に派遣し、適切に対応していきたいと考えております。
〇議長(友寄信助君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 幸喜良秀君登壇〕
〇商工労働部長(幸喜良秀君) 福建・沖縄友好会館の入居募集に対する応募状況についてお答えいたします。
 福建・沖縄友好会館の入居応募状況は、25区画のうち14社15区画の応募があります。県としましては入居について引き続き関係団体と調整しているところであり、会館が完成するまでには全区画入居できるよう努めてまいります。
〇議長(友寄信助君) 地域・離島振興局長。
   〔地域・離島振興局長 大城盛俊君登壇〕
〇地域・離島振興局長(大城盛俊君) 離島航空運賃の値下げについて、離島住民で登録した数の実績はどうなっているかという御質問にお答えいたします。
 離島航空割引カードの発行事務につきましては、宮古、八重山、久米島、与那国などの関係市町村の窓口で行っております。
 当該カードの発行状況は12月10日現在で6879件、関係市町村の12歳以上の住民に占める発行割合というのは7%でございます。
 ちなみに路線ごとに大まかなことを申し上げますと、宮古、八重山のいわゆる競合路線、JTAとかANKとかいろいろ複数の航空会社が就航しておりますが、そこでは営業戦略上から非常に格安の航空券が25%ですか販売されまして、広く利用されているということから宮古、八重山の路線は低くなっております。そのかわり久米島、与那国とか単独路線につきましては利用率が結構ありまして35%の利用率となっております。
 県といたしましては、市町村や航空会社との連携により離島住民への広報活動を強化し同割引カードの利用増加に向けて一層取り組んでいきたいと考えております。
 それから高速船マーリンの運航の件でございますけれども、現在の運航状況とそれからどのような準備作業をしてきたのか、計画と現状の違いについての御質問に一括してお答えいたします。
 超高速旅客船、いわゆるマーリンの運航については、7月から9月までの間は1日6便、これは往復でございます。10月から3月までは1日4便の運航スケジュールとなっております。7月20日の就航から11月末までの実績は、利用者数2万7600名余りで利用率20%となっております。
 超高速旅客船の導入までの経過を説明いたしますと、平成5年度に導入可能性調査を実施しました。そこで需要推計モデル式等が示されておりますので、このモデル式に基づいて利用者の需要推計を行いました。
 それから平成7年度には県、関係市町村及び民間で構成する超高速旅客船導入連絡協議会で検討を重ねて平成8年2月に超高速旅客船導入に関する基本構想を策定いたしました。
 このような経過を経て平成8年4月、運営主体の設立懇話会─民間、市町村、県で構成しておりますが─を設置し、同年12月に第三セクターの沖縄マリンジェット観光株式会社を設立したところでございます。
 また、事業計画では初年度の利用者数は14万4000人、利用率45%で計画しました。観光客と地元住民の利用割合はおおむね6対4で見込んだところでございますけれども、11月末における利用者のうち観光客はおおむね13%となっており低調でございます。今後、旅行エージェントとの連携を強化しまして観光客の利用増を一層図っていきたいと思っております。
〇議長(友寄信助君) 生活福祉部長。
   〔生活福祉部長 大城貴代子君登壇〕
〇生活福祉部長(大城貴代子君) 老人保健施設に関連いたしまして適正配置をとの御趣旨の御質問にお答えをします。
 老人保健施設の整備につきましては、沖縄県老人保健福祉計画に設定されております各圏域ごとの整備目標値に基づいて進めております。
 整備に当たりましては、各圏域の在宅寝たきり老人の数や既存の老人保健施設の利用状況、特別養護老人ホーム、老人病棟等の整備を勘案しながら圏域間のバランスに配慮して進めているところでございます。
 知事が先ほど答弁いたしましたように、圏域間の整備目標値の見直しを行い適正な配置を行ってまいりたいと思います。
 以上でございます。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午前11時19分休憩
   午前11時20分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 翁長雄志君。
   〔翁長雄志君登壇〕
〇翁長雄志君 新石垣空港についてですが、住民合意、来年の4月ぐらいまでですか、やると言っているんですが、今大変宮良の住民の反対に遭って苦労しているようです。
 カラ岳東も住民合意ができなかったからということで宮良牧中に持っていったんですが、カラ岳東の場合の住民合意の難しさと今宮良牧中の住民合意の難しさ、これをどのように比較して考えておられるか、お教え願いたい。
 それから環境面、工法検討委員会で赤土は大丈夫だという結論を出したようですが、環境保護団体の反対によってカラ岳東を宮良牧中へ移転したことを考えますと、知事の環境面を大変大切にする気持ちからしますと、この検討委員会で出した内容を環境保護団体をお呼びして、こういうことで赤土は大丈夫ですよと、サインをいただきたいということでやる必要性があると思いますが、どうでしょうか、お聞きをいたします。
 それから基地の問題、知事は何を言っているかよくわからないものですから推測をするしかできません。
 推測をしますと、基本的には県内移設は反対、例外はあるかと言われたときにシーメンズがあると、基地内に仮設をつくって入れましたと、撤去可能だということで基地内統合が例外だという話をしておりました。
 シーメンズもけがの功名で行政ミスから生じたことであるんですが、一応そういう形で知事が例外の一つに数えております。
 そうしますと知事の基本姿勢が見えてくるんです。吉元副知事が普天間基地の嘉手納への統合案をずっと主張してきたということが「同盟漂流」に書かれておったんですが、これもある意味では基地内に統合していく。
 それから、知事がアメリカへ行ってホワイトビーチに那覇軍港を移転できないかと。これもシーメンズを那覇軍港内に入れたという意味では基地の統合、縮小というような形で知事の明確な姿勢がこれから見えてくるんですね。このようにとってよろしいかどうか、お聞きをいたします。
 それからシュワブは新たな基地の建設ですから、これについてはまだ知事は価値判断を示しておりませんけれども、しかし投票結果を踏まえた名護市長の判断を勘案し、必要な段階については県の総合的発展を図る観点から適切な判断をしたいと言っております。
 知事は、新石垣空港できょうの少数はあすの多数になるかもしらぬということで少数だろうが多数だろうが政策判断はできるという政治判断をこれまで示してまいりました。それからいたしますと、今現実的対応というものを聞かれて、国の財政が厳しい中、今沖縄の経済振興は必要なんだとか、それから記者会見で、経済的に貧しくなっても本当に基地のない平和な沖縄を求めていくのか明確にする必要があると。
 そういったことを言い始めている知事の選択肢は私は基地問題、基本的にはやはり5分の1に縮小されることであるし後退ではないと。そして沖縄振興を考えるとこれはどうしてもシュワブに持っていくことになりはせぬかなという選択肢を考えておられるんではないかと思うんですが、これもお聞きをいたします。
 それからもう1つ、海兵隊は削減されるかもしれない、あるいは4者会談もいい方向にいっているかもしれない、それを見守りたいという話をしておりますが、知事の総合的な判断は、時期は、いわゆる海兵隊の削減が見えてきたときなのか、あるいは4者会談の内容をはっきりと見定めたときにしか知事の総合的な判断というものはないのかどうか、その時期をそれに絡めてこれは必要条件になっているのかどうか、お聞きをいたします。

〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 再質問にお答えいたします。
 基地問題に関する知事の基本的な考え方がよくわからないという趣旨の御質問でございましたけれども、県としては沖縄戦の苦い体験を踏まえまして、それから沖縄の伝統的な平和愛好、武器を持たない国として知られた伝統的な平和愛好、そして近隣との友好関係をつくり上げていくというそういうのを生かしまして、2015年までには基地のない平和な沖縄をつくろうということで基地返還アクションプログラムをつくっておりまして、その基地返還アクションプログラムというものは可能性の高いところから、その面では現実を見きわめてということでございます。可能性の高いところから第1次、そして第2次、第3次というふうにやっておりまして、ただこれは国の方針として認めてくださいということでお願いしておりますが、なかなか国としては県のお願いしている返還アクションプログラムを国の施策として今のところ認めてはいないわけです。
 しかしながら、県がお願いした第1次分については、第2次分の一部も含めて返還するということを言っているわけですが、そのうちの7つが移設条件つきなもので非常に県としては困っているところなんです。
 それで基地問題につきましてはいろいろお話がありますように、確かに経済的な側面でこれまで非常にそれに依存してしか生活ができなかったというそういう背景もありますけれども、県民の多数が基地の整理縮小、ひいては撤去というのを求めておりますので、知事としてはできるだけ県民大多数の意向に沿う政治行政をやりたいという意味で基地のない平和な沖縄をつくっていこうということで返還アクションプログラムをつくったわけでございます。
 それから、移設の問題について海兵隊の削減とかあるいは朝鮮半島をめぐる緊張の緩和とかというのを見定めてからいろいろやるのかという趣旨の御質問でございますけれども、これはこれまでも申し上げておりますように当該市町村の意向等も踏まえながら県としては県なりの今の基地返還アクションプログラムというのも勘案しながら、それから県の経済政策である国際都市形成構想というのも踏まえてそれぞれの整合性を図りながらできるところから一歩一歩実現させていきたいというのが私の立場でございまして、したがいましてケース・バイ・ケースによって総合的判断の時期というものは異なってくるというふうに考えております。
〇議長(友寄信助君) 土木建築部長。
   〔土木建築部長 江洲順吉君登壇〕
〇土木建築部長(江洲順吉君) 再質問にお答えいたします。
 カラ岳とそれから宮良地区での反対、合意の難しさの違いはどうかとの御質問にお答えいたします。
 カラ岳の場合は自然保護の保全をどうするかという問題があったと思います。さらに宮良の場合には農政上の課題があると考えております。
 難しさについてはこれからの合意形成作業の中でそのあたりをクリアしていきたいと思いますし、難しさはどっちが重いか軽いかということでは現時点でははっきりお答えできませんので、御了解をいただきたいと思います。
 それから、環境保護団体へ赤土等流出防止対策を説明する計画はあるかとの御質問にお答えいたします。
新石垣空港宮良地区においては約800万立方メートルの土地の切り盛りがあり、赤土等流出による下流域や海域への影響を極力抑える必要があります。そのため県では学識経験者で構成する工法検討委員会及び環境検討委員会を設置し、宮良地区における赤土等流出防止対策の方針を次のとおり決定しました。
 赤土等流出防止対策工の設置は、10年に1度の大雨に対応できるものとする。
 それから河川への排出基準は浮遊物質量を示すSS濃度を25ppm以下とし、降雨時には県条例に基づき200ppm以下とする。
 3番目に、工事着手から完成までの全期間にわたって地域の人や専門家を交えて監視体制をつくり、環境保全に万全を期すこととする。
 以上の方針に基づき、工事において具体的な対策を講ずることにより赤土等の流出は防止できるものと考えております。
 これらの赤土等流出防止対策を環境保護団体へ説明することは合意形成を図る上で重要なことと考えております。
 また、赤土等流出防止対策については万全を期していくことから環境保護団体の理解は得られるものと思います。
 以上でございます。
〇翁長雄志君 議長、答弁漏れ。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午前11時30分休憩
   午前11時33分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 基地問題につきましては、先ほども申し上げましたように基地返還アクションプログラムをつくってそれで市町村の意向等も踏まえながら、また基地のない平和な沖縄を実現しようというそういう立場で、できるところから着実に解決していくしか方法はないということでございます。
 それからカラ岳のときの環境問題との絡みで、いろいろ環境団体にも説明すべきじゃないかという趣旨の御質問ですが、必要に応じてそういう必要があればそういうこともしたいと思います。
 ただカラ岳の場合は御承知のように国際的な団体からも大変抗議がありましたけれども、今のところ環境団体からはカラ岳のような抗議とか、そういうことは受けておりません。
〇議長(友寄信助君) 西銘恒三郎君。
   〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 一般質問を行います。
 米軍基地の整理縮小という県政の重要テーマについては、1995年の少女暴行事件以後の10・21県民総決起大会において、県議会のすべての会派や各界各層の最大公約数的な位置づけがなされてきたものと私は理解をしております。
 ところが、どこで歯車が狂ってしまったのでしょうか、今や名護市民を賛成、反対、真っ二つに分裂させた状況となってしまいました。
 私は、この状況をつくり出した大きな原因が県知事の政治手法にあると考えております。
 すなわち、もしもあなたの政治信念が米軍基地の県内移設に絶対反対であるならば、なぜ総理大臣に対して明確にノーという意思表示をなさらなかったのか。
 言葉を変えて言いますと、普天間の返還は強力に求めるけれども、それが県内移設であるならば絶対に認められないということであります。あるいは米軍基地の整理縮小の解決の第一歩としてやむを得ない次善の策として県内移設を認めるのであれば、受け入れる側の市町村長や議会関係者、その他関係者と十分な意見交換をし、合意形成を図る中で県民同士を真っ二つに分裂させることを最小限に食いとめる努力をする。
 どちらか一方の政治手法を知事が決断していたのならば、名護市民をあえて真っ二つに分裂させることはなかったものと確信します。今さらながら知事の決断力のなさが悔やまれて仕方がありません。
 しかしいずれの方法を選択するとしても、知事、あなたがこの議場で何度も繰り返し答弁してきた政治手法に問題があることは明白であります。つまり国と地元市町村の問題だという傍観者の政治手法であります。この傍観者の政治手法を続ける限り、地元市町村の動向を見守る以外の選択肢は県知事にはないことになるわけであります。
 県知事として傍観者の政治手法をとることがなぜ問題かといいますと、県知事職には一般の県民とは比較にならないほどの情報が集中するからであります。これらの一般県民ではなかなか得ることのできない豊富な情報を判断材料として、知事の好きな総合的な決断をすることが県知事職には求められるのであります。
 例えば、総理大臣と直接会って情報交換することもできます。また県民のために必要であるならば、世界じゅうのどんな専門家の意見を聞くことも県知事職にある者としてはできるはずであります。
 このように、県民はみずから選んだ指導者にその行政判断を負託するのであります。そのことはアンケート結果にも県知事の判断を求めるという県民の声として明白にあらわれておりますし、また名護市議会の全会一致の意見書にも自明の真実としてあらわれているのであります。

 知事、県知事職という県行政の最高責任者としてあなたはみずからの責任を放棄していると断定をします。
 さらに、この傍観者の政治手法にはもう一つ問題があります。国と地元市町村の問題という論理をさらにもう一歩進めていきますと国と地主の問題ということになります。
 地元の市町村長が県知事と同じ傍観者の政治手法を選択した場合、米軍基地の整理縮小問題はすべて国と地主との問題になってしまいます。そうなりますと行政の責任者はどうなるのでしょうか。
 米軍基地の問題のみならず、県づくりや町づくりに関しても行政の責任を放棄した状況になってしまいます。
 このことに関連しまして、去る9月の議会で知事は次のような答弁をしております。
 軍事基地の提供のされ方に関連してでありますが、「漁業権の設定されている海域において構築物等を設置する場合は、漁業権の得喪または変更が伴うので、漁業権者、漁協の同意が必要とされます。その同意は、議決権者つまり漁協正組合員の3分の2以上の賛成を要します。漁業権は漁業法第23条の規定によって物権とみなされ、漁業権の得喪または変更に伴う補償は、構築物の設置者すなわち国が行うものであります。」という答弁が1つであります。
 もう一つ、「基本的に軍用地の提供の仕方、その手続がどうなっているかということを含めて考えているところでございまして、海の底は建設省の管轄になっておりますので、その底に施設をつくろうとする場合には機関委任事務として建設省の方から知事に対して機関委任事務としての責任を果たすようにということが出てくるわけですが、そういうこともまだ来てないわけです。」と。
 これらの知事答弁を見ると、傍観者の政治手法をとる知事としては県内移設を認める場合、すなわち名護での住民投票で賛成の結果が出た場合は、海は国有財産で漁業補償の問題も解決すれば、知事は建設省からの機関委任事務の責任を果たすしか選択肢がないということでやむなく県内移設を実行することが予想されます。
 県内移設を認めない場合、すなわち住民投票で反対の結果が出た場合、知事は繰り返し述べておられますように当初から県内移設には基本的に反対だったということで決着することが予想をされます。
 以上、最近の政治状況について思うところを述べてみました。
 さて質問に入ります。
 知事、私はあなたの記憶力を信じていたいのであります。9月議会の知事答弁は次のとおりになっております。
 「普天間飛行場の返還については、平成8年4月12日の午後6時ごろ橋本総理から直接に電話があり、現在の基地機能を移転した上で5年ないし7年以内に全面返還することで米国側と合意に達したとのお話がありました。」。
 次に、「普天間飛行場の返還に伴う代替施設については、昨年4月の沖縄に関する特別行動委員会の中間報告後、嘉手納弾薬庫案、ヘリポートの嘉手納飛行場への集約案、キャンプ・シュワブにおけるヘリポートの建設案、海上施設の開発及び建設案等について日米間で検討が行われてきたとの報道がありました。」。
 次、「平成8年4月の時点で、私が浮体式の海上施設をつくることに同意したということはあり得ません。」。
 これらの答弁から確認できることは、昨年4月12日の普天間全面返還合意の時期に検討されてきた複数の代替施設案の中に海上施設案も含まれていたという事実であります。
 さらに平成8年4月の時点で知事が海上施設に同意していたことはあり得ないという事実であります。
 私もこのことは知事の答弁を100%信じております。
 ところが私が問題にしているのは、知事が海上施設に同意していたかどうかということではありません。浮体式の海上施設の話が出た時期についてはっきりさせなければならないということであります。
 そこで6月の定例県議会の知事答弁をもう一度確認をします。
 平成8年4月の12日「午後6時ごろ、普天間飛行場の返還について橋本総理から直接電話があり、現在の基地機能を移転した上で5年ないし7年以内に全面返還することで米国側と合意に達したとのお話がありました。具体的な中身についてはその時点ではわかっておりません。」、「つまり基地の固定化というのはいかなる意味でもやっていただきたくないということを繰り返し申しておりましたので、そのときに移設先に浮体式のものをつくりたいというそういう趣旨のことはちょっとお話がございましたが、どういう内容のものかということはわかっておりませんでした。」。
 ここでは「ちょっとお話がございましたが、」という発言が重要のように思います。
 それから知事は、さらに詳細に次のように答弁をしております。
  橋本総理との浮体施設の問題というのは誤解していただきたくないのは、先ほど申し上げたように県は県内への移設には反対だということは絶えず言っている わけですから、それから基地の固定化というのは到底認められませんと言っておりま すから。 ただ、橋本総理がモンデール大使ともうすぐにお会いする、5 分ぐらいしてモンデール大使が見えるからそのときに知事は今一番やってほしいのは何かと言って聞いたときに、知事は普天間飛行場が一番危険な要素を持って いると、人命にかかわる事故のおそれの可能性の一番高い、懸念される、一番危険度が高いところだからそこは最優先に返してくれと言っていると。そうすると その問題についてこれからモンデール大使と話をするけれども、恐らく浮体施設をつくることになるかもしらぬというようなそれだけの話です。浮体施設という ことの中身が全然わからなかったわけですよ。 そのことを言っているわけです、わからないというのは。
 この答弁で私が知事の記憶力を信じていたいというのは次の部分であります。
 「その問題についてこれからモンデール大使と話をするけれども、恐らく浮体施設をつくることになるかもしらぬというようなそれだけの話です。」という知事の答弁であります。
 この部分の県知事の記憶力を私は評価したいのであります。
 この知事答弁を新聞で見た総理官邸が、なぜわざわざ県まで電話をしてきて4月を9月に訂正させたのか、全く意味がわからないのであります。
 私は、県知事の議会答弁は、事実であるべきものという立場で知事の記憶力を総理官邸よりも信じているわけであります。
 そこで伺います。
 1点、総理からの電話でいわゆる浮体式もしくは浮体施設の話を聞いたのは平成8年4月の12日ではなくて、9月の13日だったことを去る9月定例会で確認しました。
 ところが、モンデール大使とあと5分したら会うからという総理の電話での話と明らかに矛盾が生じております。
 すなわち、総理とモンデール大使は9月の13日には面会しておりません。知事答弁によるこの矛盾点をどう説明するのですか、伺います。
 2、4月12日の橋本・モンデール共同記者会見の内容に県内の米軍基地にかわりのヘリポートをつくることがはっきり書かれているが、このことを前もって知らされていなかったのですか、明確にしてください。
 3、4月12日の知事記者会見で嘉手納飛行場への一部移駐について質問を受けた知事は、一番望ましいのは無条件解決だが、厳しい状況の中でそれを望めば実現しない、より危険度の少ない形でこれを第一歩にして解決を図るしかないとコメントをしております。
 この発言は、知事みずから普天間の全面返還は無条件では解決しない、つまりオール・オア・ナッシングでは解決しないことを認識した発言であります。このときの心境を詳しく御説明してください。
 4、去年の4月の段階で普天間飛行場の全面返還について知事の理解するところは嘉手納飛行場への全面統合ということだったのでしょうか、伺います。
 5、シュワブ沖の海上ヘリポートについての知事の政治姿勢は今の時点で決まっているのですか。その中身は問いませんが、政治姿勢そのものは決まっているのか、それとも12月21日の結果を見てから知事みずからの政治姿勢を決めるのか、その時期について県民の前に明らかにしてください。

 フリーゾーンについて。
 国に提出した産業振興策の中でフリーゾーンの対象外品目の位置づけはどうなっているのか、御説明してください。
 アクアパークについて。
 事業内容について約2000万円かけて調査委託した結果はどうなっておりますか、その中身を報告してください。
 台湾からの投資について現時点でどうなっているのか、御説明してください。
 以上、答弁によりまして再質問をやります。
〇議長(友寄信助君) ただいまの西銘恒三郎君の質問及び質疑に対する答弁は、時間の都合もありますので午後に回したいと思います。
 休憩いたします。
   午前11時50分休憩
   午後1時24分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 この際、報告いたします。
 先ほど知事から議案2件の提出がありました。
〇議長(友寄信助君) 午前の西銘恒三郎君の質問及び質疑に対する答弁を願います。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 西銘恒三郎議員の御質問にお答えいたします。
 まず、橋本総理とモンデール大使は9月13日には会っていないけれども、浮体施設の話が9月にあったというのは矛盾じゃないかと、それから4月12日の橋本・モンデール共同記者会見の内容に代替ヘリポートをつくることについて書かれているが、知事は前もってこのことを知らされていなかったのか聞きたいという御質問に一括してお答えいたします。
 普天間飛行場の返還については、平成8年4月12日の午後6時ごろ橋本総理から電話があり、現在の基地機能を移転した上で5年ないし7年以内に全面返還することで米国側と合意に達したとのお話がありました。
 基地機能の移転の具体的な内容については、その時点で説明はありませんでした。
 普天間飛行場の返還に伴う代替施設については昨年4月の中間報告後、1、嘉手納弾薬庫案、2、ヘリポートの嘉手納飛行場への集約案、3、キャンプ・シュワブにおけるヘリポートの建設案、4、海上施設の開発及び建設案等について日米間で検討が行われてきたとの報道がありました。
 昨年12月のSACOの最終報告では、中間報告後の日米間の検討作業を踏まえ普天間飛行場の返還に伴う代替施設について海上施設案を追求することを決定しています。したがって平成8年4月の時点では浮体式の施設をつくることについて日米間で合意されておりません。
 このようなことから、私は4月の時点で代替ヘリポートについて総理からのお話はありませんでした。
 それから、4月12日の記者会見で嘉手納基地への一部移駐について一番望ましいのは無条件返還だが、厳しい状況の中でこれを望めば実現しない、より危険度の少ない形でこれを第一歩にして解決を図るしかないとコメントしているがその真意を聞きたいと、去年の4月の段階で知事の理解するところは嘉手納基地への全面統合だったのか聞きたいという御質問に一括してお答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、その時点では橋本総理から移転の具体的な内容については説明はありませんでした。したがって、どのような形で県内移設の問題が出てくるのか具体的な中身を知らないので何とも申し上げられないという趣旨のことを記者に申し上げました。
 私としましては、厳しい国際情勢の中で県民が最優先に返還を求めていた普天間飛行場の返還が合意されたということは、政府が沖縄問題に誠意を持って取り組んでいただいたことのあらわれだと一定の評価をしたところであります。
 なお、嘉手納基地への移設案については日米間で検討されているというマスコミ報道はありましたが、事実関係については承知していませんでした。
 それから、海上ヘリポートについて知事の政治姿勢は決まっているのかと、それとも市民投票の結果を見てから決めるのかと、その時期を聞きたいという趣旨の御質問でございます。
 市民投票条例によりますと、市長は、「ヘリポート基地の建設に関係する事務の執行に当たり、地方自治の本旨に基づき市民投票における有効投票の賛否いずれか過半数の意思を尊重するものとする。」とされています。県としましては、名護市の判断等も勘案し、必要な段階では県の総合的発展を図る観点から適切に対応してまいりたいと思います。
 時期につきましては、県の政策判断が最終的に決まるためには今の名護市のことも当然勘案するわけですが、県の県庁内部でのいろいろな手続を踏んで、例えば庁議とか三役会議とかというようなことを踏んでやるほか、また支持母体との話し合いとか、またはそのほかの県の方々との話し合いとかというもろもろのことを踏まえてその結果最終的な判断を出すわけですので、今の段階でいつという時期は明示することは困難でありますので御理解いただきたいと思います。
 その他の御質問につきましては関係部局長等から答弁させます。
〇議長(友寄信助君) 企画開発部長。
   〔企画開発部長 花城可長君登壇〕
〇企画開発部長(花城可長君) 国に提出した産業振興策の中で、フリーゾーンの対象外品目の位置づけはどうなったのかとの御質問でございます。
 全県自由貿易地域制度が導入される場合は、原則として消費財を含む外国貨物が自由に県内に搬入されるため県内の農林水産業や製造業との競合が懸念されます。このためこれら競合する品目については適用除外とすることを検討したところであります。
 しかしながら、新たな産業振興策においては当面那覇地区の活性化や新たな地域への拡大などを図ることとしており、全県自由貿易地域制度の導入については2005年を目途とし諸条件が整い次第可及的速やかに実施することとしています。
 このことから消費財を含む対象外品目の設定については、今後全県自由貿易地域制度の実施に向けて検討していきたいと考えています。
 以上です。
〇議長(友寄信助君) 観光文化局長。
   〔観光文化局長 照屋寛孝君登壇〕
〇観光文化局長(照屋寛孝君) アクアパークについての御質問にお答えいたします。
 まず、事業内容について委託調査した結果はどうなっているかという御質問でございます。
 株式会社アクアパークにおいては、海洋博覧会の政府出展施設でありましたアクアポリスを都市型観光施設として再生・利活用を図るため、アクアポリス活性化事業に関する基本計画調査を平成9年度に委託し、今年5月にその報告を受けております。
 この調査報告の概要を御紹介しますと、事業計画としては中華料理、韓国料理、日本及び沖縄料理等の飲食事業、アジア各国や沖縄の物産品等の販売事業並びにアミューズメントや海中展望施設等のレジャー事業を中心に事業計画が提案され、総事業費は約59億円と試算されております。また集客目標については年間80万人を見込み、67万人を観光客、13万人を県内客と見込んでおります。
 株式会社アクアパークでは、提案された事業計画を踏まえその事業計画に向けて金融機関と協議したところ、金融機関から初期投資額の圧縮、強力なキーテナントの導入及び直営事業の軽減化が不可欠であるなどの指摘がなされました。
 このような状況下で台湾を主軸とする投資グループからアクアポリスの事業運営に関する具体的な投資提案がなされたわけであります。
 株式会社アクアパークにおいては台湾からの投資提案を受け、アクアポリスの再生・利活用の早期実現を図るべく目下投資グループと鋭意投資条件等について協議しているところであります。
 次に、台湾からの投資についての現時点でどうなっているかという御質問でございますが、ことしの7月に台湾を主軸とする投資グループからアクアパークに寄せられた事業運営に関する投資提案の骨子を申し上げますと、1つはアクアポリスを現状の形状で投資グループが賃借する、2つとしてアクアポリスの所有形態と運営形態を分離し全館の運営に関しては投資グループが行うと、3つ目に当初の賃貸借契約は20年間とし賃借料については5年ごとに見直すと、そして4つ目として総事業費─これは米ドルで4000万ドルですので日本円に換算しますと40数億円でございますが─の資金調達は投資グループが行うと、こういった骨子の提案でございます。

 また、事業内容につきましては最上階のアッパーデッキを「食と歌と踊りの場」としてメガレストランを設置し、エンターテインメントには中国雑技団、アジア各地の民俗舞踊や芸能を集めた国際的なショーを展開するほか、メインデッキやミドルデッキにおいては各種の飲食事業や物販事業を行う計画となっております。
 この投資提案についてアクアパークではことし8月に取締役会の承認を得て基本的に受諾することを決定し、投資条件についての協議に入ったわけであります。
 現在、株式会社アクアパークにおいては、この投資条件をできるだけ速やかに調整して、でき得れば近々、これは年内にも予定されている投資グループ代表の来沖の際に基本的な事項を確認して年明けの早い時期に基本協定を締結する意向と伺っております。
〇議長(友寄信助君) 西銘恒三郎君。
   〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 再質問を行います。
 1点目、知事答弁の総理からの電話で、これからモンデール大使と話をするけれども、恐らく浮体施設をつくることになるかもしらぬというようなそれだけの話ですという知事答弁が6月の定例会で出ておりますが、知事の答弁からしますとこの部分は明らかに矛盾が残ったままになっております。そこまで9月にこだわるのであればこの部分をこの議場で訂正をすべきと考えるが、まず第1点それを伺います。
 第2点、かわりのヘリポートを米軍基地内に新設するという日米間の合意内容について、知事は翌日の新聞を見るまで全くわからなかったのか、かわりのヘリポートを基地の中に新しくつくるということです、新聞に出ております。もしわからなかったのであれば新聞を見て4月から12月までの間に総理大臣に対して何の行動も起こさなかったのか、伺います。
 3点目、無条件解決を望めば実現しないという嘉手納基地への一部移駐についてのコメントですが、昨年の4月の時点では嘉手納への一部移駐はやむなしと考えていたのかどうか、伺います。
 それから知事は総理への電話で協力できるものとできないものがあるという答弁をしておりますが、協力できるものとは何なのか、できないものとは何なのか、お答えをいただきたいと思います。
 最後に、海上ヘリポートの知事の政治姿勢でありますが、先ほどの答弁からすると住民投票の後ちょっと時間がかかるというお話でありましたが、それは年内には出せるのか、あるいは年を越すのか、その辺をお伺いしたいと思います。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 再質問にお答えいたします。
 ヘリポートについて新聞報道が出たがそれを知事はわからなかったのかという御質問ですが、わかりませんでした。そのときには恐らく内容は決まっていないと思います、日米の合意もできていないと思います。
 それから無条件に返還してほしいけれどもそれでは解決しないということについては、政府と話している段階でアメリカ側が無条件の返還には応じないと。だからそれを非常に厳しいと、移設つきでの返還しか合意されないというような趣旨のことを何度も聞かされておりましたので、そういった厳しい状況について述べたものでございます。
 それから嘉手納への一部移駐を知事は認めていたのではないかという趣旨の御質問ですが、全くそういうことはありません。
 それから総理への電話で協力できるものと協力できないものがあるというけれども、その具体的内容は何かという趣旨ですが、県の立場は基地のない沖縄をつくろうとしておりますので、その意味からしてまだ中身はわかっておりませんから、何が協力できて何が協力できないかというのは中身がわかってからしか判断つきませんので、その時点では何もわかっておりませんので具体的な中身について申し上げることはできません。
 それからいつ判断を下すかということを年内か、それとも年明けかということについては先ほど申し上げたようにいろいろな要素が絡んでおりますので、慎重にも慎重を期す必要がありますから今の段階でいつできるかということを申し上げるのは困難でございます。
 ほかの質問については担当者から答弁させます。
〇議長(友寄信助君) 政策調整監。
   〔政策調整監 又吉辰雄君登壇〕
〇政策調整監(又吉辰雄君) 再質問の浮体式についてはっきりしないのでこの場ではっきりさせていただきたいという御質問に私の方からお答えをいたします。
 まず午前中も西銘議員からございましたが、その経過を言った方が理解をしやすいと思いますので、ちょっとだけ説明させていただきます。
 まず、去る6月定例会で西銘議員並びに翁長雄志議員からの普天間の移設問題の質問に対しまして、午前中もございましたけれども、これからモンデール大使と話すけれども恐らく浮体施設をつくることになるかもしれぬというようなそれだけの話ですと、浮体施設ということの中身がわからなかったわけです。また5分ぐらいしてモンデール大使が見えるからとの答弁もそのとおりでございます。
 そして同じ6月定例会、上原政英議員に対するその普天間の移設関係の質問に対する知事の答弁でございます。
 西銘議員、翁長議員の一般質問の中で私が平成8年4月12日の橋本総理からの電話で浮体式のものをつくることを知ったとの答弁をしましたが、後でチェックをしてみますとこの答弁部分は私の記憶違いということがわかりました。そこで正しくは平成8年9月13日でございますので、おわびをして訂正をいたしますという答弁を申し上げました。
 そして去る9月の定例会で西銘議員から、6月定例会での知事の訂正答弁は間違いないですねという御質問がございました。これに対して知事、私が補足をいたしまして普天間飛行場の移設場所、最初は弾薬庫が出まして、嘉手納飛行場への統合案が出ましたと、そしてシュワブにおけるヘリポートの建設が出ましたと、その後海上施設が出ております、時系列的に見ますと。
 また朝、西銘議員からもございましたが、政府の大臣官房の方から、これは4月12日じゃなくして9月13日ですよと、総理に確認したのもそういうことでしたと。そして自分らがそういった海上案を議論を始めたのも8月以降ですということで答弁を申し上げまして、9月13日に間違いございませんという答弁をいたしました。
 そこで結論でございますけれども、モンデール大使と浮体施設の話との関係でございますけれども、最初の6月定例会、翁長雄志議員と西銘議員に対しましてああやりましたけども、上原議員に対する訂正答弁の中で先ほど申し上げましたとおり訂正をいたしました。そしてその4月12日の時点では浮体施設の話は答弁としては訂正していますのでなくなっています。そしてあと5分しますとモンデール大使が見えますとの答弁と浮体施設の話は同時一体ではないと、時期が違いますと。
 もっとはっきり申し上げますと、モンデール大使と総理がお会いしたのは間違いなく4月12日でございまして、そして知事に電話があったのも4月12日でございます。そして浮体の話があったのは9月13日でございます。そういうことで一体ではございませんよということです、訂正答弁で。
 そういうことを踏まえますと、その浮体施設の話は9月13日ということが客観的に総合的に言えます。
 そういうことで西銘議員の質問のそこの部分が矛盾するんじゃないかという御質問でございますけれども、今の御説明で御理解いただけたと思いますけれども、矛盾はしてないと思います。
 以上です。
〇西銘恒三郎君 休憩。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後1時46分休憩
   午後1時51分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 今申し上げましたように、県の立場としましてはただでさえ過重な負担をしているところですから、これを安保が重要だというのであれば日本全国で引き受けるべきだと。何でよその県も引き受けないですかということを、沖縄県民は自分の痛みをよそに移したくないから県民からは言いたくないんですけれども、しかしそのことは理解してくださいと。沖縄のこれだけ狭いところにまた基地をつくるというのは、現場を見てくださいと。どなたが見てもこれは厳しい状況だというのはおわかりいただけますということを申し上げたわけです。何度も何度も申し上げてきました。

〇議長(友寄信助君) 西銘恒三郎君。
   〔西銘恒三郎君登壇〕
〇西銘恒三郎君 知事、もう一度確認をしたいと思います。
 知事の今の答弁は、とにかく県内移設は全くだめだということを総理に言っているという話ですけれども、この話と無条件解決を望めば実現しないというこの話はだれが聞いても矛盾したままでしか残らないんですよね。
 総理に対して県内移設は絶対だめですよと強く言ったのかどうか。そうでないと総理が県内の米軍基地内に新たにヘリポートをつくるというのは、もう総理が単独でやったというふうにしか理解できないわけですよ。そこをお願いします。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 先日から何度も申し上げておりますように、県の立場を代弁して知事は何度も何度も我々は基地のない平和な沖縄を求めていますよということを申し上げているわけです。
 しかし総理は、国の責任者としてアメリカと安保条約を結んでいる立場から我々のそのような願いを越えて国策的にまた動かれるわけですよ。ですから我々がお願いしてもそれがすんなり通ればいいわけですが、通らないというのが現実なんですよね。
 ですからそれは総理は総理の立場でお決めになったわけであって、私が幾らこれは厳しいですよと、地元の反発もありますよということを何度も申し上げたりしておりますけれども、それがかなわないのが今の現状だと思います。そこは西銘議員もおわかりいただけると思います。
〇西銘恒三郎君 議長、休憩、確認だけ。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後1時54分休憩
   午後1時54分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 宮城國男君。
   〔宮城國男君登壇〕
〇宮城國男君 通告に従い一般質問を行います。
 まず、行財政改革についてお伺いをします。
 沖縄県は、復帰して25年余になりますが、その間に第1次から3次にわたる振興開発計画の実施に伴い約5兆円に上る財政資金が傾斜配分され、振計の目標達成の面では相当の成果を上げてきたものの、なお若年層中心の高失業率、第2次産業の低い産業構造、高い財政依存度等本県の経済体質は変わっていません。財政も低成長の持続、税収の伸びが期待できない等を背景に極めて厳しい状況にあると断言できます。
 ちなみに、ここ四、五年の県財政の動向を概観しても、歳入ではその構成比で自主財源の比率は横ばいでほとんど増減がありませんが、県税のそれは年々減少し、依存財源では県債が毎年大きな伸びを示しています。
 歳出では公債費の伸びが7%台で推移し、全国の増加率を大きく上回っています。
 一方、経済社会が高齢化、情報化、国際化等を主要な要因として変貌していく中で国民の価値観も変化し、行政に対する期待や要求は複雑多様化しています。
 環境の変化に対応して新しい行政需要は山積しており、これに取り組むためには現在の行政の見直し、すなわち行財政改革のより一層の徹底化が求められています。
 特に平成7年に地方分権推進委員会が設置されて以来、中間報告及び知事から4次にわたる勧告がなされ、地方公共団体の行政体制の整備確立で行財政改革の推進が打ち出されております。
 勧告の内容では、地方公共団体は実施計画をできる限り行政目標を数値化し住民にわかりやすいようにすることになっています。県もこれまで不断に行財政改革を行ってきたかと思いますが、平成8年には勧告も踏まえ新たに行財政改革大綱及びそれに基づく実施計画を策定し実施しています。
 実施計画期間は平成8年から10年の3年間で、多岐にわたる改革項目や方策に大きな関心の寄せられるところであります。
 そこでお伺いしますが、これまでの実施計画の進捗状況や財政上の効果はどうなっていますか。
 次に、今定例議会に平成10年4月1日より現行の環境保健部、生活福祉部を福祉保健部及び生活環境部への組織機構編成案が上程されています。今後、新規の行政需要の増大が予想される分野であり、職員定数と連動するものであるが、職員配置やその基準等いま一つ明確ではありません。
 行財政改革は定数管理の適正化が重要なポイントかと思います。実施計画期間で組織機構見直し等改革項目の実施により人件費、公債費、経常収支比率、普通建設事業費比率等はどれぐらいの水準の予定、計画であるのか、お伺いをします。
 次に、市町村合併についてお伺いをします。
 本県では復帰前に那覇市、糸満市、名護市等で合併が実施され、復帰後は昭和49年の沖縄市を最後に実現されていません。
 しかし近年、地方分権への機運が盛り上がる中、市町村合併の問題が再び国民、県民に注目されてきています。
 その大きな理由の一つは、市町村合併特例法の一部改正が平成7年に成立し、その改正法に各種の誘導案が盛り込まれ、従来の待ちの姿勢から合併促進へ転換したことであります。この改正や地方分権推進委員会の第2次勧告等を踏まえ、自治省も平成8年7月に初めて全国の都道府県広域行政担当課長会議を開くとともに、同年10月には事務次官が市町村長研修会で、分権の時代に地方みずから権限を持ち思い切った地域浮揚を実施するにはある程度の規模が必要、そのためには市町村合併しかないと述べて市町村の自主性を尊重しつつも取り組むよう強く要請しました。
 本県でも我が会派の幸喜議員の代表質問に対する県当局の御答弁にもありますように、地方分権に関し市町村合併の項目を加え、アンケート調査の結果42%の首長の方々が合併の可能性を回答し、現在固まりつつあるとのことでした。
 御案内のとおり、市町村も地域間競争の時代を迎え、住民の多様で高度化する旺盛な行政需要にこたえるためには行財政能力の強化が求められています。企業誘致、新規産業の創出、観光施設、情報機能、農業の拡大等々には市町村規模は必要条件と思われます。
 このような事情を踏まえ、県内でも久米島の仲里、具志川両村が合併協議会の設置、与那城町、勝連町では首長の方々がその施政方針で合併の所信表明をするなど合併の動きが見られますが、県はそのような動きにどのように対応していますか、お伺いをします。
 また、特例法は住民発議制度を新設し、有権者の50分の1の署名で当該市町村に合併協議会の設置を請求できる。この請求を受けた市町村長は、協議会設置に向けて所要の手続をとることが必要であるとしています。
 全国各地で経済団体や住民による市町村合併の運動が展開されつつあり、平成9年8月29日現在で住民発議が行われたのは49件が報告されています。本県でも合併の直接請求等が予想されますが、今後の県の対応についてお伺いをいたします。
 次に、基地問題について伺います。
 那覇軍港の浦添地先移設問題で、県は吉元前副知事の再任人事と絡めて与党の特定政党と話し合いを持ち、移設を容認したと受けとめられるならば遺憾である、今後移設容認と受けとめられるような発言はさせないとする文書回答をしています。取り決めか合意文書かは知りませんが、行政当局と特定政党が副知事人事を駆け引き材料にして県政の重要課題である那覇軍港の移設問題を自分たちだけのテーブルで勝手に処理していくやり方は、県民全体の立場にある行政の姿勢としては不適当な手法と指摘せざるを得ません。
 そこでまず事実関係からお尋ねします。
 大田知事が遺憾とした吉元前副知事の移設容認発言というのは、具体的にいつ、いかなる場所での発言だったのでしょうか。また発言内容はいかなるものだったのでしょうか、お伺いします。
 同時に、県が特定政党に示した文書は行政上あるいは前例として今後基地行政全般に何らかの拘束力を持つものなのでしょうか。受けとめようによっては副知事人事と引きかえに基地行政で特定政党に手足を縛られたと見ることも可能になります。
 新聞報道によりますと、特定政党は大田知事と合意した文書をとらえて、これで県内移設で政府の姿勢に打撃になると、名護の海上ヘリ建設問題にも及ぶとの見解を示したと伝えています。この点について知事の明確な御答弁をお願いいたします。

 知事の県内移設に関し基本的に反対の姿勢は、移設先の市町村の合意があってもそうであり、シーメンズクラブの国有地への移設が例外的な措置だと言われますが、県内の国有地への移設について一義的も二義的もありませんけれども、先ほどの質問に対する御答弁で、総合的判断はケース・バイ・ケースで異なるとの御答弁でしたが、今後県内の国有地への移設についてはどのようにお思いになりますか、お伺いをします。
 次に、SACOで返還合意された基地の実態を見ますと、市町村や当該地主が生活や財政上の理由で返還そのものに反対する事例がふえつつあります。宜野湾市のキャンプ瑞慶覧、金武町のギンバル訓練場、最近では読谷村の瀬名波通信施設などがそうであり、関係機関へ返還反対の要請活動を展開しているのが合意施設の実態であります。現状のまま推移すると県が策定した基地の返還アクションプログラムはおろか、国際都市形成構想は一歩も前に進まず、画餅に帰すのではないかとの疑念が増します。
 県は、返還合意した施設・区域についてはほぼ返還アクションプログラムに沿うものだと自己評価をしていますが、それらの基地をどのように掌握していますか。
 また、真に国際都市形成構想を実りあるものにするために特に地主や市町村へどのような有効な対応策をお考えになっていますか、所見を伺います。
 あとは御答弁により再質問を行います。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 宮城國男議員の御質問にお答えいたします。
 行政改革大綱を受け実施計画を推進しているが、その進捗状況はどうか、財政上の効果はどうかという趣旨の御質問でございます。
 真に効果的な行財政計画を実施するために平成9年1月に策定した沖縄県行政改革実施計画に基づいて県の行財政全般にわたる改善合理化に鋭意取り組んでいるところであります。
 実施計画の初年度に当たる平成8年度の主な実績は、事務・事業の見直しとしては191件の計画に対し、計画を上回る193件の実績がありました。
 組織機構の見直しは、宮古・八重山圏域の総合的な振興を図るため両支庁を再編強化し、地域完結型のシステムの構築を図ったほか、国際都市形成やマルチメディア関係組織の体制強化を行いました。
 公社等の見直しは、沖縄コンベンションセンターなど3団体の統合、社会福祉振興基金と長寿社会振興財団の統合、鶏卵価格安定基金協会と肉用牛価格安定基金協会の統合、農林水産技術開発協会の廃止などを行いました。
 実施計画などによる財政上の効果としては、予算要求枠の強化により一般行政経費で23億円を圧縮しました。また補助金の見直しによって9億9700万円を節減しました。
 行政改革はおおむね計画どおり進捗しておりますが、行財政状況が一段と厳しさを増していることから引き続き実施計画を着実に実行するとともに、これまで以上に行財政運営の効率化を図ってまいります。
 次に、市町村合併の関連の御質問にお答えいたします。
 平成7年4月1日に改正された市町村の合併の特例に関する法律には、合併に関する県の役割として、市町村に対し必要な助言や情報の提供、市町村相互間における必要な調整を行うことなどが規定されています。
 このため県は、啓発用のパンフレットを作成し全市町村に配布しているほか、市町村合併に向けた合併協議会の運営や先進地調査等の地域の取り組みを支援するための補助事業の実施、講演会の開催など自主的な合併の機運の醸成に努めているところであります。
 なお、平成10年1月に具志川村において合併を促進するための講演会を開催する予定にしています。また久米島の具志川村、仲里村合併協議会に委員として職員2人を派遣し協議に参画しているところであります。
 次に、副知事問題との関連の質問にお答えいたします。
 吉元前副知事の那覇港湾施設に関する発言の内容につきましては、同氏の発言が那覇港湾施設の浦添地先への移設を容認したものと受けとめられるならば遺憾に思うということを特定の政党に申し上げました。
 米軍基地の県内移設については、これまでも繰り返し申し上げましたとおり基本的に反対であります。今後、県としましては関係市町村の意向等も踏まえながら、必要な段階では国際都市形成の課題等を勘案し、県の総合的な発展を図る観点から適切に対応してまいりたいと考えています。
 それから、県の基本姿勢について合意文書という特別なものは交わしておりませんが、今後の基地政策を拘束するかという趣旨の御質問にお答えいたします。
 繰り返しになりますが、米軍基地の県内移設についてはこれまでも述べましたように基本的に反対であります。今後県としましては関係市町村の意向も踏まえながら、また県の基地返還アクションプログラム等も勘案しながら、必要な段階では国際都市形成の課題等を勘案し、県の総合的な発展を図る観点から適切に対応してまいりたいと思っています。
 それから、県内の国有地への移設についてどう思うかという趣旨の御質問でございますが、まだ具体的に話が上がっておりませんのでお答えするのはできません。
 それから、基地を抱えている市町村や地主たちの間に返還に反対するのがいるけれども、これに対してどう対応するかというお話がございました。
 この問題は実は非常に深刻な問題と私は受けとめておりまして、平和な沖縄をつくろうと思っても、これまでの歴史的な背景からして県民が基地に依存して生活せざるを得ないという状況もありましたので、収入源を断たれる地主の皆さんの不安もよくわかりますし、それからそういう地主を抱えている市町村の悩みとか、あるいはその市町村の取り組みについてもいろいろな不安がございます。
 とりわけ市町村財政に組み込まれた基地からの収入の問題とかも、雇用の問題とかも基地を返還させるためにはそれらさまざまな条件をきちっと我々の内部で整備してかからなければ基地返還というのは非常に難しいものですから、私は極力市町村長とお会いするときにそのことを申し上げて、一緒になってその問題を解決しましょうということで今努力しているところでございます。
 ほかの御質問につきましては関係部長から答弁させます。
〇議長(友寄信助君) 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺 勇君登壇〕
〇総務部長(赤嶺 勇君) 行財政改革についての関連質問で、行政改革実施計画期間で財政指標、経常収支比率とか公債費比率等のことでございますけれども、どの水準まで改善する予定かとの質問にお答えいたします。
 御質問の財政指標の改善計画等につきましては、国の長期的な地方財政対策が明らかにされていないことから、地方交付税が的確に見込めないこと及び今後の景気動向等に対応した税収見積もりが難しいこと等により具体的な目標数値等を設定することは大変難しい状況にございます。
 県では、経常収支比率と財政指標の改善に当たっては、人件費比率が33%にも及んでいることからその抑制に努める必要があることから、人件費の将来負担の平準化等既存の給与、人事制度の見直しに取り組んでいるところでございます。
 また、将来の財政運営に支障のないようにするため、内部検討資料として一定の前提で作成している中期的な財政試算につきましても、現下の地方財政状況を踏まえて見直し作業を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、県財政を取り巻く県内外の経済状況や国の地方財政対策に関する動向等を的確に把握し、将来の財政運営に支障のないように努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
〇議長(友寄信助君) 地域・離島振興局長。
   〔地域・離島振興局長 大城盛俊君登壇〕
〇地域・離島振興局長(大城盛俊君) 市町村合併関係でございますが、市町村合併特例法の住民発議制度が活用され、合併の直接請求等も予想されるが、今後の県の対応について伺いたいという趣旨の御質問にお答えいたします。
 住民発議制度は、平成7年に改正された市町村の合併の特例に関する法律で創設された合併協議会設置の直接請求制度でございます。

 住民等は有権者の50分の1以上の署名で市町村長に対し合併協議会の設置を請求することができます。また請求を受けた市町村長は、関係市町村の議会の議決を経て合併協議会を設置することになります。
 県内におきましては、初の住民発議制度に基づき平成9年5月に具志川村、仲里村合併協議会が設置されております。
 合併を進めるに当たっては地域住民の意向が最も大事であり、合併協議会設置の請求があった場合、住民の意向が十分反映されるよう市町村に対し必要な助言や情報を提供するなど積極的に支援していきたいと考えております。
〇宮城國男君 休憩お願いします。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後2時17分休憩
   午後2時20分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺 勇君登壇〕
〇総務部長(赤嶺 勇君) お答えをいたします。
 共産党からの申し入れは口頭でございます。
 その際に、吉元前副知事が議会及びまた浦添のその他のところで発言した内容が那覇軍港の浦添地先への移転を容認すると受け取られるような発言があるのではないかと、こういう指摘がございまして、これにつきましては総体の話でございます。そういうふうなことで総体的なことがございまして、それに対して一定のコメントを求められたと、こういうことでございます。
 これにつきましては、知事からは、吉元氏にかわりまして、要するに那覇軍港の移設問題については県内移設を容認するような発言をしないよう注意を促す旨のことを口頭で、文書ではございません、口頭で共産党に回答申し上げたと、こういうふうなことでございます。こういうふうなことで御理解をいただきたいと思います。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 先ほども申し上げましたが、私の支持母体は幾つかございまして、その支持母体との間で政策についての話し合いがなされております。そのいわば公約みたいなものを大事にするのは当然でございますけれども、同時に知事に当選しましたら、知事の立場というのは県民の全体的な利益を図るという立場にありますので、ある特定の政党の考えだけで、あるいは政策だけでもって県政を運営するということは厳しゅうございます。できるだけ全県民的な立場に立ってやりたいというふうに思っています。
〇議長(友寄信助君) 宮城國男君。
〇宮城國男君 休憩。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後2時23分休憩
   午後2時24分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 県の基本的な立場はこれまで繰り返して申し上げておりますように県内移設については基本的に反対でありますと。そしてその当該市町村の意向も踏まえながら、先ほど来申し上げておりますように全県的な立場に立って総合的に判断して政策を推進していきますということです。
〇議長(友寄信助君) 宮城國男君。
   〔宮城國男君登壇〕
〇宮城國男君 ただいまの執行部からの答弁について再質問をいたします。
 総務部長の方から、議会やあるいはその他の場所における前副知事の答弁の内容がということでございました。いつということについては御答弁がありましたけれども、この議会も含まれているわけであります。
 そして私もこの特定政党といわゆる知事とのやりとりの新聞を見てみますと、特定政党からはいついかなる場所での言及が全くないわけですね。
 それで執行部の答弁ですとこの議会も含まれるということでありますけれども、私は、県民を代表する知事が県政上最も重要な、この基地問題の中でも最も重要な那覇軍港の問題に関して、こういうふうに議会で発言されたことを議会外で特定政党とあるいはそういう人事の問題で駆け引きするというのはいかがなものかなと、全く健全な手法ではないというふうに考えているわけです。
 当然私もこの議会におきまして、昨年の6月の定例議会でございますけれども、この那覇軍港の浦添地先移設の問題について副知事から答弁を得たわけであります。そのときにも副知事の答弁は、浦添地先を一定期間米軍と共同使用することも可能であるとか、あるいはまた一般的に日米地位協定で米軍との共同使用が可能とする解釈もあるというような答弁等も行っております。
 また、別の浦添市選出の議員の方からもそういう質疑があり、答弁がなされているわけです。
 県議会でこういう質疑に答弁しながら、議会外でこういう駆け引きの材料に使うというのはこれこそ議会の軽視であり、ひいては議会制民主主義の私はルールに反するというふうに考えるわけです。
 それでこの問題について、特定政党と知事との間の合意の項目がありますけれども、特定政党の委員長は遺憾という表現が使われている。あるいはまた知事発言の容認ではないという部分が取り除かれた、あるいは移設容認発言はさせないというようなことで事実上の撤回だというふうに見解を述べておられるわけでありますけれども、知事はこの辺についてどういうふうにお考えになっておられるのか。撤回をされて議会における答弁とか発言等については言及していないのかどうか、その辺を伺いたいと思います。
 とりあえず本件について御答弁をお願いいたします。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 吉元前副知事の発言が那覇軍港の浦添地先への移設を容認したものと受けとめられるならば遺憾である旨を表明するとともに、那覇軍港の移設問題については県内移設を容認するような発言はしないよう注意を促す趣旨のことを申し上げたわけでございます。
 繰り返し申し上げておりますように県の基本政策は県内移設に反対でありますし、これまで述べてまいりましたように県としては基地の県内移設問題については関係市町村の意向も踏まえながら県の国際都市形成の課題を勘案し、県の総合的発展を図る観点から適切に判断していきたいと考えておりますので、特定の政党の意向だけで県政を運営するということはあり得ません。
〇議長(友寄信助君) 宮城國男君。
   〔宮城國男君登壇〕
〇宮城國男君 特定の政党に拘束されることではないということでありますけれども、新聞の報道等によれば特定政党の委員長は要するにこの那覇軍港の合意事項については名護の問題にまでもいわゆる言及するんだというような見解を述べているわけです。
 そうしますと知事の考え方と違うわけですけれども、あくまでもじゃ今後も拘束されないというふうに理解していいかどうか、それについて再度御答弁お願いいたします。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) ただいまも申し上げましたように県の基本的な姿勢は全県的な立場を考慮してやってまいります。
〇議長(友寄信助君) 西田健次郎君。
   〔西田健次郎君登壇〕
〇西田健次郎君 私は、議論を聞いている中で、本当にまじめに質問をして真剣な答弁をしてくれない知事の、行政側の姿勢についてまことに残念でたまりませんけれども、通告に従って質問します。
 まず、住民投票の件についてでありますけれども、再三この場所で申し上げてまいりましたが、住民投票とか市民投票で国民的な課題あるいは県民的課題を決定していくという手法は間違っていると。これは間接民主制度を崩壊させることになりますよと、こういうことを絶えず指摘をしてまいりました。
 なぜならば、住民投票というのはその地域に住んでいる人たちが自分の生活している範囲内の中で好き嫌いで投票行動を決定をしてまいります。したがって沖縄県全体の県益とかあるいは国全体の問題とか、あるいは日本全体、それからアジアの平和とか、そういう高いレベルでの視点でこの問題に対応するということは不可能ですから、原発とかあるいは産業廃棄物処理施設とか、あるいは騒音の出るような基地について、そこで生活している人たちに決めさせるということは、ノーという答えが出るのは当たり前なんですよ。それで果たして県政の運営、国政の運営ができるかと。

 これはあたかも住民投票で決めていくことがすべての民主主義の基本だという腑抜けなことを申し上げている人もおりますけれども、こういう直接民主制度に問うような方法というのはかつてのワイマール憲法体制が崩壊し、ナチスの独裁を生んでいった歴史の反省を踏まえてもらわなければならないんです。
 なぜワイマール体制が崩壊したのか。それに対する痛烈な反省があるからドイツは国民投票を今やりません。イギリスもそうです。フランスもEUで大失敗をしてもうこういうことはやらない。先進諸国のマスコミも政治も住民投票で決定していくということについて、その地域の感情感情で、あるいはメディアの誘導でどうにでも決まっていきますから、こういうことをやっていると国家は崩壊していきますよと。
 こういうことでこれはあえて知事に申し上げておきたいんですけれども、こういう住民投票のあり方の仕組みについて知事の見解をお聞きしたい。
 2点目、施設局職員が選挙運動しているということで批判している声が沖縄のメディアでもあります。今議会でもかなり出たようですし、また自由法曹団とか、沖縄の学者たちもそのことを批判している革新団体がやっておりますけれども、私はそれを見て腹を抱えて笑い出しました。
 あの県民投票のときに知事が先頭に立ってはっぴを着けて7億も金をかけて県庁職員を総動員して、あるいは建設団体、いろんな団体に圧力をかけてなりふり構わない投票ごっこをして、マスコミ総動員ですよ、芸能人も総動員してだ、結果としては何も意味をなさなかった。ファジーでだれもがノーと言えないような投票の設問をしておいて、まさしく投票ごっこで笑止千万だと私は批判しました。
 自分たちのときは鉛筆を配ったりお茶を配ったり、芋を配ったりして、あなた方は実際県庁が先頭に立って買収行為をしてきたじゃない、あるいは圧力をかけてやってきたじゃないか。それをやって、今施設局職員とかほかの団体が住民投票をやったら公職選挙法に抵触すると、ふざけるなというんですよ。
 これは県警本部長にちょっと聞いておきたいね。
 本部長はあれですか、重大な関心を持って取り締まりするような対象事項というのが住民投票にあるんですか。マスコミによると関心を持っている記事になっているからね。通告はしてないけれども、これは聞いておかにゃならぬ。
 私は、公平であれば文句は言いません。自分たちは県民投票のときにやりたい放題権力を使って、7億も金をかけて、鉛筆やお茶を配ってやっていて、今回市民活性協議会がやることについてけしからぬと。こういう不公平なことは目ハゲが鼻ハゲを笑うような話ですよ。こんな不公平な話はしなさぬな。
 ですからこういう片手落ちなことをするからだめなんだよ。公平なら文句言いませんよ。この点についても知事の見解、本部長が重大な関心を持つ事項があるのかを聞いておきたい。
 次、大田県政の中で私が今でも不思議なのは、新石垣空港の問題で1坪でも埋め立てをしたら世界の海が死ぬということを発言していたことがあります。
 そこで、名護のキャンプ・シュワブについても政府広報の3月号で、今の秋山防衛事務次官、あるいは及川さんですか、この関係者たちの座談会の中で、埋め立てをすることは、あるいは陸上につくることは沖縄県に対する挑戦になるからできませんと、はっきりそういうことを政府広報の中で公表しているんですよ。
 ということは、沖縄県が仮に県内移設をするにしても、あるいは沖縄県知事の一つの姿勢として埋め立て一切認めないよということを暗に政府に申し入れしているからああいう対談が出てきていると思うんです。なのに久米島に飛行場をつくったときは、サンゴ礁をつぶして飛行場をつくっている。なぜあのときは自分の島のサンゴ礁はつぶしておいて飛行場をつくったかという質問を私はやったことがあるんです。そうしたら反対運動がいなかったからやったと知事はおっしゃったんですよ。
 これについてはあほらしくて質問しませんけどね。
 次、代表質問との関連についていきます。
 普天間飛行場移設、キャンプ・シュワブ関連についてでありますが、まず知事が地元の投票行動結果を見て様子を見たいということは文字どおりリーダーシップの放棄であります。
 昨日、我が方の渡久地議員とかあるいはきょうの翁長議員、もろもろの議員から厳しい指摘がありましたけれども、向こうの様子を見て決めるということならもうリーダーシップの放棄だと思うんです。少なくとも沖縄県のためにあの危険な普天間飛行場をどうしても移設をしたい、そういうことで政府をお互いは強く揺するような形で橋本総理に決断をさせてきたんです。そういう成果も出してきた。
 移そうとすると県内移設反対と言って、基本的に反対と言って動かない。あるいは向こうの様子を見て決めますと言う。様子を見て決めるなら行政も要らないし議会も要らないんです。リーダーシップというのは一定の方向を決めれば100万人が反対しようともそこにリードしていくのがリーダーですよ。
 かつて吉田総理が全面講和と単独講和のときに、まさに命をかけて単独講和で結果として歴史から評価されています。
 岸信介総理が1960年の安保闘争のときも、自分は1人になってもこれはやらなきゃならぬ、日本国家のために。やらなきゃならないという強い決意をして日米安保体制を双務条約に持っていって辞任をした。自分1人の政治生命は終わっても国家、民族の大計のためにやらなきゃならないと決断するのがリーダーです。決断することなしに向こうの住民投票の様子を見て決める、それなら知事を続けている必要はないですよ。
 それについても、私はむしろもうおやめになった方がいいかと思う。どう思いますか。
 2番目、政府が、現職総理が5回も沖縄に来られました。外務大臣は3回ですか。開発庁長官も数回ですよ。関係者がこれだけ沖縄のために一生懸命になっている。これはひとえに県知事が公告・縦覧代行応諾の問題でかつて他府県の人が経験しなかった沖縄の苦しい悲しい歴史を訴え、戦争の悲惨さを訴え、基地の重圧、基地から来る閉塞感を全国民に訴えて大きな日本の政治的課題にしていった、動かなかった山を動かしたということについては私もこれは高く評価していますよ。
 しかし、その後の対応がどうにもよくないんですよ。これだけせっかく政府がわびをして真剣に沖縄問題に取り組もうと、そのためには県民の強い意思として何が何でもまず普天間飛行場を移してくれと。これにこたえたつもりできたら、移設しようとすると県内移設反対で騒ぎ出す。それでも政府としては一生懸命やってあげようと。ここまでやってあげて、きのうも我々は我が党から3名行きまして高速料金の値下げ問題、あるいは中城湾港の企業配置の問題200名を50名から20名にして県内企業にチャンスを与える。そのほか事業税の問題、法人税の問題24%ですが、実際は事業税を含めたら20%切るんですよ。こういう仕事をきのうやってきました。
 この場合、知事が今のようなあいまいもことした態度でリーダーとしての責任を放棄をして、結果として普天間飛行場が凍結、白紙になった場合、この政治責任というのは紛れもなく知事自体にくるということです。そしてそのときの日本の国家ロジック、国家論理を私はしっかり御理解していただきたい。
 例えば特別措置法改正のときに、あのとき吉元さんも知事も、まさか国会で特別措置法が通ると思ってなかったはずです。しかし日本の国家というのは日米安保体制が崩壊するような形で、例えば嘉手納基地が不法占拠されるような事態になったときは主権国家としての日本の国際的な地位は著しく低下をする。国家、国民全体が大変なことになるという危機意識を持ったから90%の国会議員が特別措置法の改正に賛成をしたんですよ。そういう状況に政府を追い込むことだけが得策なのか、これは疑問があります。もっとしたたかな駆け引きも必要だと思うんです、行政としては。
 そういうことで、私はここまで国がやるだけやって、もうこれ以上考えられないぐらいやってきている。それでもなお普天間飛行場が動かない。もう沖縄については我々はやりようがありませんということでのリアクションが大変怖いんです。

 今後、別に国に屈しろとは言いませんけれども、現実、事実としてそういうことが出てくるんですよ。これについて知事はどういう考えを持っておられるか、懸念もないのかどうか、お伺いしておきます。
 それから、今のままいくと普天間飛行場は間違いなく固定化されると私は危惧しております。その場合、それでもやむを得ないのか。知事あるいは支持母体が言われるような基地の全面即時返還、オール・オア・ナッシングでやむを得ないと思われるのか、このことについても明確な方針を聞いておきたい。
 それから4点目に、国際都市形成構想というのは、最近は基地以外のところも使うと言い出しているけれども、最初は基地を返還された後の跡地利用が国際都市形成構想だという形で華々しく打ち上げたんですよ。あくまでも基地を返還されて後今まで跡地利用がなかったのは、こういう形で利用しますという夢をつくったのが国際都市形成構想だということで華々しく宣伝した、当初は。それで普天間飛行場が固定化される、那覇軍港も動かないということがほぼ見通しが立ってきました。地元の市長が棚上げと言っちゃったんだから。
 そうなると国際都市形成構想は事実としてはもうできないと、こういうふうに県民の前に明らかに返事をしていただきたい。
 次、吉元発言について5番目になりますが、宮平議員の6番目の質問、池間議員の2番目の1の質問との関連で質問しますけれども、総体的な発言でそうとられたと言っているけれども、これは全く子供だましの言葉であります。いつどこでどのような形で吉元さんが那覇軍港を移設を容認するようなことを、いつどこでどの場所でどういう言葉で表現したかということを説明していただかないと、その前で翻弄されてきた県民や議会はわからないんですよ。
 これについては、いつどこでどの場所で、どういう表現で那覇軍港の移設を容認するかのような発言をしたのか。もしそういう発言をしているなら私は高く評価をします。
 この点について明快な説明をいただきたい。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 西田健次郎議員の御質問にお答えいたします。
 住民投票をどう評価するかという趣旨の御質問でございます。
 地方自治法の第74条に基づく条例制定請求は、直接民主政治の理念に基づいて地方公共団体の住民に直接に発案を行わしめようとする制度であり、住民投票の実施は地域における重要な問題について住民の意向を行政に反映させる一つの手法であると理解しています。
 アメリカのカリフォルニア州なんかでも盛んにこれが法の拘束力を持つ形の住民投票なんかも行われていると理解しております。
 それから市民投票の結果を見て判断するとのことだが、これは責任放棄ではないのかという趣旨の御質問でございます。
 米軍基地の県内移設については、これまでも繰り返し申し上げたとおり基本的に反対であります。今後、県としては基地返還アクションプログラム等を参考にしながら、名護市の判断等も勘案し、必要な段階では県の総合的発展を図る観点から適切に対応してまいりたいと思います。
 西田議員から吉田総理とか岸総理のリーダーシップのお話がございましたけれども、これは見方にいろいろございまして、現在我々が基地の過重な負担をさせられているのもある意味では吉田さんや岸さんがリーダーシップを発揮したせいだと、そういう側面もあるわけでございますので、そこは慎重に判断したいと思います。
 それから、政府の熱心な取り組みが市民投票に反映されなかった場合沖縄の振興策は何もできないということになるがどうかと、仮に普天間が固定化した場合やむなしと見るのか、その場合国際都市形成構想はどうなるのか聞きたいという御質問に一括してお答えいたします。
 普天間飛行場については、市街地の中央部に位置し地域の振興開発を妨げているだけでなく、航空機騒音の住民生活への悪影響や航空機の離発着などによって市民の生命に極めて危険な状況にあることから、日米両国政府に対しその返還を強く求めてきたわけでございます。
 その結果、昨年12月の沖縄に関する特別行動委員会の最終報告で5年ないし7年以内の移設条件つき全面返還が日米間で合意されたところであります。
 21世紀・沖縄のグランドデザインである国際都市形成構想を具体的に展開し、その機能を担う拠点を配置するためには普天間飛行場などの大規模な基地返還跡地が重要であり、早期の返還が強く望まれているところでございます。
 しかしながら、この普天間が返るまで国際都市形成構想は手つかずの状態かというと決してそうではなくて、新たに特別自由貿易地域制度の導入とか、あるいはマルチメディアの拠点構想だとか、あるいはハブ港湾、ハブ空港のインフラの整備とか、あるいは観光客のより国際的な観光・リゾート地としての整備とかということで国際都市形成構想の夢というんですか、我々の計画というものはことしも進めておりますが、次年度もずっと引き続き続けていく考えでございます。
 その他の御質問につきましては関係部局長から答弁させます。
〇議長(友寄信助君) 警察本部長。
   〔警察本部長 井上美昭君登壇〕
〇警察本部長(井上美昭君) 名護の今回予定されています投票に関しては公職選挙法上の取り締まり対象外というふうに認識しております。
〇議長(友寄信助君) 総務部長。
   〔総務部長 赤嶺 勇君登壇〕
〇総務部長(赤嶺 勇君) 共産党への知事の回答のことにつきましてお答えをいたします。
 共産党からのそういう移設容認と受けとめられるような発言云々の話は、これは総体的なことを言っておりまして、個別問題をとらえて言っているわけではないと、こういう指摘がありました。
 それを受けまして、吉元前副知事の発言が那覇軍港の浦添地先への移設を容認したものと受けとめられるならば遺憾である旨の表明をしたわけでございます。要するに総体的な発言をとらえて言ったと言っておりますが、まだ本人についてはそこまで言及した覚えはないと、こういうふうなことでいろいろございまして、結果としては移設を容認したものと受けとめられるならば遺憾である旨の表明をしたと、こういうことでございます。
 那覇軍港の移設問題については、移設内容を容認するような発言はしないよう注意を促す趣旨のことを申し上げたと、こういうことでございます。
 これにあわせまして、基地の県内移設に関する知事の基本姿勢についてはこれまでも繰り返し議会で答弁したとおり基本的に反対である旨の表明をいたしております。
 そういうことで、このところにつきましては個別具体的なものではないというふうなことを御理解いただきたいと思います。
〇西田健次郎君 答弁漏れです。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後2時53分休憩
   午後2時55分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 県民投票の場合に職員がいろいろとやったじゃないかという趣旨の御質問ですが、県民投票の趣旨を周知徹底させるために動いたことは理解しております。
 それから、普天間の問題が片づかない場合に政府のリアクションについてどう考えるかということは、実際問題として政府が予算を殊さらに削減したりということはしないと思いますけれども、これまで長年折衝してきた立場からしますと非常に厳しい、きついことになることが予想されます。
 例えば私たちが行って政府にお願いしますと、政府の首脳から県も協力しろよというようなことを目の前で言われたりしておりますので、そういう意味では県のスタッフ、私も含めましてスタッフが行ってお願い事をする場合に非常につらい立場といいますか、厳しい状況に置かれる、そういうリアクションは予想されます。
 それから、普天間が固定化した場合やむなしと見るのかという趣旨の御質問ですが、これは前に一括してお答えした点でございまして、県としては普天間の返還を非常に重要視しておりますけれども、そのほかの部門で国際都市形成構想については毎年頑張っていきたいと。いろいろな計画を一つ一つ着実に推進していきたいと考えております。

〇議長(友寄信助君) 西田健次郎君。
   〔西田健次郎君登壇〕
〇西田健次郎君 まず、施設局職員の選挙運動等々についてのことでありますが、県が県民投票の趣旨を説明するときれいごとを言っておりますが、あのときは賛成にマルをつけるということであなた方はあらゆる権力や金を使って、もうやりたい放題のことをやったんですよ。
 だから現在、施設局が選挙運動をするというのは、これは県がやったことと同じことであって、県がやったのは正しいが、彼らがやるのはけしからぬということは筋が通らないよと。
 これについて知事は確かに理解あるような発言を少しずつきのう、おととい、やっています。それは政府の立場があるからそれを理解させるためだろうということで私は理解しておりますが、余りにも片手落ちな批判がマスメディアとか議会でもあるもんですから、これは自分たちのことをちゃんと振り返って物を言えよということを言ったことですから、もうこれは再答弁はいい。
 それで吉元発言、重要なのをやりましょう。
 総体的に遺憾であるとの印象を吉元さんがずっとやっていたので、それに対しての共産党さんからの批判があって、県は基本的に反対であるから、これはもう誤解されないようにということは、これは間違いなく那覇軍港の県内移設は今後全く可能性はないというふうに我々は理解していいんですね。それを再質問でします。
 それから知事、私はお願いでありますけれども、那覇軍港にしろ普天間飛行場にしろ私は前から言ってきました。
 一時預かり論で、名護や北部の方々に知事の方が、それは北朝鮮の問題とか、いろんな状況がある。海兵隊が意外と10年かからずにして沖縄からいなくなる可能性もある。そのプレゼンスがなくなる可能性があるんだから、その間米軍がイエスと言わぬ限りだめなんですから、沖縄の基地問題はすべからく最初米軍の合意ですよ。次に地主のコンセンサスですよ。この2つのハードルをクリアしなければ何一つ進まないのです。政府の意向とか県民の意向は3番目、4番目なんですよ。これは事実ですからね。
 その立場からすると基地も5分の1になる、海の上ですから騒音もない、飛行機も落ちても海に落ちる。そういう面では普天間に比べたら、はるかにあちらの方が安全であることは間違いないです。
 そういうことで、そういう状況でまず頼むから北部の方々、一時預かってくださいと、それしかないですよということをなぜ知事はお願いしないのですか。
 知事がそれを一言頼めば事は一件落着なんですよ。そのとき知事が困るようなことがあれば我々は応援してあげますから、カバーしてあげますよ。うちの24名ぐらいいるでしょう。
 これについて知事の決意を聞きたい。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 那覇軍港の問題はずっと放置するつもりかという趣旨の御質問ですが、私は那覇軍港、極めて大事ですので、前に3事案として特に基地問題の中で3つの点を挙げて、その中の1つに那覇軍港の返還を特に力を入れてお願いしたわけです。
 ですから今もあきらめておりませんで、つい最近もアメリカの大変有力な方とお会いしたときに真っ先にそのことを申し上げて協力をお願いしたところでございまして、あきらめるわけにはいかないほど重要なところだと認識しております。
 それから、ヘリポートの問題について知事が先頭に立って、行って地元を説得してくれという趣旨の御質問ですが、基地のない平和な沖縄をつくろうということを言って基地返還アクションプログラムをつくっているこの県政が先に立ってそこに、新たな基地をつくるというふうに受け取られておりますから、そういう面でやると今度はまた逆に知事は公約違反だとか、矛盾しているじゃないかとか、いろんな形でやられます。
 きのうも申し上げましたが、この県議会の内部でも県内でもですね、意見がある方向にまとまっていれば、これは県政としても大多数の県民の意向を反映してそれなりのことをやれるわけですが、今の段階では非常にこれが極端に対立しているもんですから、そのあたりが私の場合にもとてもつらいというんですか、厳しい状況に立たされているということですので御理解いただきたいと思います。
〇議長(友寄信助君) 西田健次郎君。
   〔西田健次郎君登壇〕
〇西田健次郎君 今知事が那覇軍港の問題、あきらめてもあきらめられないほど重要な問題だと。
 これは私どもも同じような認識を持っています。どうしても那覇軍港を移設して、あそこに夢のある大きな沖縄の振興を創造すると。
 あるいはまた普天間飛行場の問題でもですね、これについては同じ気持ちなんですよ。
 ですから、何とか実現をさせなければならないという本当に祈るような思いを持っているんです。
 そのためには、知事があっちを見たりこっちを見たりうろうろしないでですよ、しっかりした一つのリーダーシップを発揮して、支持母体からどう言われようが、沖縄県の21世紀のためにしばらく基地を県内移設でもいいから、縮小されていくんですからね、普天間飛行場は5分の1になるわけでしょう。那覇軍港は45ヘクタールが浦添に移れば12ヘクタール、3分の1になるんですよ。
 それを現実的に見てそうなんですから、そういうことをぜひとも知事が思い切ったリーダーシップを発揮をして基地を縮小させていく、そして沖縄が自立、自活できる産業創造と雇用不安のない沖縄をつくるために今自分は決断しなければならない。そのときは支持母体の中に理解する人たちもいます。支持していない我々も、これだけの決断をして沖縄の夢をつくるような知事が行動をしてくれたら、我々もその場合は大いに理解をして応援してあげますよ。
 もう一度どうですか。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 貴重な御提言として承っておきたいと思います。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後3時5分休憩
   午後3時58分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 休憩前に引き続き質問及び質疑を行います。
 糸数慶子君。
   〔糸数慶子君登壇〕
〇糸数慶子君 通告に従いまして一般質問を行います。
 まず、平和行政について。
 大田県政の原点は、平和行政にあると言っても過言ではありません。現に大田県政への内外の評価は総じてこの点で高く、また県議会各派においてもこの点で一致していることは先日のマスコミの調査報道にもあらわれております。
 この平和行政の根幹をなすものは、沖縄戦の悲惨な体験や教訓を正しく次の世代に継承するとともに、平和の礎に込めた恒久平和の理念を広く世界に知らしめるため、本県を平和創造の場及び平和の発信地として形成することであるとされています。このため平和祈念資料館を移転新築するとともに、国際平和に関する研究、交流のための拠点として国際平和研究所の構想が推進されています。
 こうした大田県政の平和行政の推進は、日米両政府によるガイドライン見直し等の軍事体制への危険な移行と対比して特筆すべきものがあります。こうした今日的意義も踏まえて平和祈念資料館の再生や国際平和研究所の建設に期待するとともに、忍び寄る軍事体制化に危機感を抱くものとして数ある平和行政施策の中から、今回は特に以下のことをお尋ねいたします。
 平和祈念資料館の再生について、戦争体験の風化防止を目的とするが、戦争体験者亡き後の風化防止は可能かどうか。
 平和教育の起点と期待される国際平和研究所の平和教育活動との違いはどこにあるか。
 次に、国際平和研究所の建設に期待して質問いたします。
 平和創造の推進機関とされる場合、研究所での平和創造とはいかなるものか。
 平和発信の推進機関と期待されますが、平和祈念資料館の平和発信との違いは何か、お尋ねいたします。
 次に、新ガイドラインと平和行政についてお伺いいたします。
 本土の沖縄化、いわゆる全国総基地化の危険性をどうごらんになりますか。

 「沖縄の心」の空洞化現象、つまり基地と経済振興策のリンクをどう見るか、お尋ねいたします。
 続きまして産業振興についてお伺いいたします。
 本県の産業は、本土市場から遠隔地にあることや、県内市場が狭いことに加え、米軍施政権下でつくられた消費型経済構造が改善されてないことから自立的発展が阻害されております。
 1次産業、中でも農業については地域特性を生かし本県の持つ農業資源を高度に活用し、園芸、サトウキビ、畜産を基幹とする体質の強い農業の振興を図り、生産性の高い亜熱帯農業の確立に努めると言われてから長い歳月が経過しているわけですが、生産性の高い亜熱帯農業の確立にはほど遠いのが現状です。
 特に基幹作物と言われるサトウキビ生産の現状は厳しく、高齢化と後継者による耕作者の減少、遊休地や耕作放棄地の増大による生産量の低下、そのため原料不足による製糖工場の閉鎖や休業など、今や基幹作物としての地位を失いつつあるとの指摘もあります。
 こうした課題を解決するため、新しい土地利用型の付加価値の高い作物の一つとして今注目を集めているのが月桃、いわゆるサンニンです。
 そのことについての専門家は、ほかならぬ農水部長でありますから専門家を前に多くは申しませんが、こうした有用な植物が戦略的に産業化することができれば、本県の自立的発展は全県フリーゾーン構想よりはるかに実現性が高いと言えます。
 また、有用な植物といえば私は以前から「香りのある木」に注目しております。香りのある木は目の不自由な人々にも香りで樹木が確認でき、街路樹等にも適したものと思っておりますが、香りは人を楽しませ心を落ちつかせる効果があり、アロマセラピーとしても注目されています。
 こうした自然の利用法は、タラソテラピーと組み合わせれば新たな健康産業の創出も可能と考えますが、こうした時代傾向を踏まえて以下の質問をいたします。
 1点目、中小・ベンチャー企業の振興の現状とその支援策について、特に製造業──観光・特産品関連──の支援のための具体策はどうなっていますか、お伺いいたします。
 1次産業の2次産業化、つまりサトウキビやサンニン等のマルチ利用の例はどうか、お伺いいたします。
 次に、本県における香料植物利用の企業化の可能性について、アロマセラピーやタラソテラピーの活用はどうでしょうか。
 観光振興策における香料植物の活用の可能性について御見解を伺いたいと思います。
 次に、子供の人権と教育行政について。
 初等教育における外国語教育等人材国際化対策について。
 このことは、きのう安次富議員の質問もございましたが、二重国籍児の教育の権利とその保障について伺います。
 米軍基地の75%が集中する結果として、県内においては全国最多のおよそ5万3000人の米軍人や軍属がいます。婚姻総数に占める夫が外国人である婚姻の割合が全国一であり、このことから派生するさまざまな問題があります。
 特に、産業廃棄物処理場跡地に建てられた沖縄クリスチャンスクールインターナショナルに通う二重国籍児は環境問題がきっかけでクローズアップされましたが、教育の権利の保障という視点から見た場合、日本の行政機関による全国一律の対応や、米国側の法制度の違いにより制度の谷間に落ち込み、差別的処遇を受けています。
 本県は、国際都市形成構想基本計画を策定いたしましたが、国際都市とは単に物流拠点の形成だけでなく、多くの外国人の受け入れや、現在在住している二重国籍児のケアをすることも大事なはずです。
 そのためにも、外国人子弟を受け入れる公的なインターナショナルスクールのような機能の創出は不可欠です。
 初等教育から外国語教育を行えば、より多くの県民に学習の場を提供するとともに、国際舞台に立っても国際人として諸外国の人々に引けをとらない人材が育つはずです。
 その点でお尋ねいたします。
 外国人子弟がどれぐらい在住し、どのような教育の選択ができるのか、お尋ねいたします。
 静岡県沼津市にある加藤学園幼・小学校ではイマージョン教育、つまり国語以外の授業は英語で行っている事例がありますが、県は先進地の事例を把握していらっしゃいますか。
 また、この事例を参考にしていくつもりはありますか、伺います。
 米国籍を持つ二重国籍児に対して、米国の教育を受けられない子供たちの実情を米国に報告したことはありますか。なければ、今後報告する予定はありますでしょうか。
 経済的に負担の大きい二重国籍児に対して、県の人材育成財団において初等教育段階から英語教育を受けられるような手だてはないのか、お尋ねいたします。
 次に、人権思想の拡大と社会環境の浄化について。
 昨今、青少年の非行等問題行動は深刻さを増しており、神戸市須磨区で発生した小学生殺害事件のように社会に大きな衝撃を与えるような事案が発生しております。
 こうした問題行動の深刻化の背景には、青少年を取り巻く家庭、学校、地域社会など環境の変化や青少年自身、あるいは社会全体の価値観などのさまざまな変化があると思われます。まさに私たちの社会全体が抱えている問題そのものの反映と言えるのではないでしょうか。
 とりわけ青少年の健全な育成を阻害するおそれのある出版物あるいはビデオ等のはんらんは目に余るものがあり、青少年を取り巻く社会環境は憂慮すべき状況にあります。
 先般11月27日に警察庁と総務庁は有害図書類を青少年に販売しないようにコンビニエンスストア業界の日本フランチャイズチェーン協会に行政指導を行ったようですが、沖縄の業界への行政指導はどういうふうになっていますか。
 社会環境実態調査をしていると聞いておりますが、有害図書を扱っている店舗の数はどれぐらいあるのか。
 また、有害図書に指定されているのはどれぐらいあるのか、お伺いいたします。
 カラオケボックスは非行の温床になっていると聞きますが、実態調査の結果はどうなっているのか、行政指導はどうしているのか、お伺いいたします。
 また、沖縄県青少年保護育成条例を適用した福祉犯罪や、他の福祉犯罪の検挙状況及び全国的に青少年による犯罪が増加していると聞いておりますが、本県の少年非行の概況や全国と比較した本県青少年非行の特徴がどういうふうになっているのか、お伺いいたします。
 次に、男女共同参画型社会をつくるための教育環境の整備について伺います。
 第9期沖縄県女性問題懇話会では、第4回世界女性会議及び男女共同参画2000年プランの成果と実践を踏まえDEIGOプラン21の見直しを東門副知事に提言されました。
 北京で採択された行動綱領と2000年プランでは、女性のエンパワーメントを図るとともに、男女共同参画社会の実現のため全力を挙げて取り組むという新たな視点が打ち出されました。
 このことは、もはや女性問題は、女性の問題にとどまらず社会の半分を構成する男性の問題でもあることを意味するものです。
 そのようなジェンダーフリーの視点から、性別にこだわらない人間教育を小学校の段階から始めようということで東京都の国立市では教師向けの男女平等教育手引書が作成され、出席簿の男女混合名簿が同市の99%の学校で実施されています。
 これは、学校が必要以上に男女を区別することで文化的、社会的に性差(ジェンダー)を助長していると指摘されて、性別にこだわらない教育を進めようとして実施しているものです。
 このようにジェンダーフリー教育は各地でも盛んになっており、「学校をジェンダーフリーに・全国ネット」も形成されておりますが、本県は男女混合名簿についてどのような取り組みがなされていますか、実態と今後どのように推進なさるか、お伺いいたします。
 また、本県の教育行政のジェンダーフリーについて、特に女性管理職の登用状況についてお伺いいたします。
 次に、環境問題について。
 昨年12月、SACOは普天間飛行場の全面返還を含む11施設の返還について合意し一時は県民に期待を抱かせましたが、大部分が県内移設を前提にしているためその実現は厳しく県民の失望を買っています。

 そうした中で、唯一例外的とも見られるのが県道104号線を封鎖しての実弾射撃訓練の完全な移転でありますが、そこでも他の訓練の激化に伴い地域住民の基地被害は軽減されることはありません。
 米軍基地を発生源とする事件・事故、環境破壊は枚挙にいとまがありませんが、特に最近発生した牧港補給基地の火災事故は、化学物質が貯蔵された倉庫の中での火災だけに付近住民が受けた恐怖と不安は今なお解消されていません。
 この基地あるがゆえの危険性と恐怖感は、このような突発的な事故だけでなく、恩納村におけるPCB汚染のように継続的な事故や、頻発する山林火災や赤土汚染のような恒常的な被害までさまざまです。
 こうして山や川や住宅地域で日常的にこうむる被害の上に、今度さらに海と空から新たな基地被害の発生源が加わろうとしております。言うまでもなくキャンプ・シュワブ沖の海上ヘリポート建設であります。
 しかもヘリポート建設予定地は、大田県政が21世紀のグランドデザインと呼ぶ国際都市形成基本計画では、長期保養型の健康増進リゾート地として発展が期待される「サンライズリゾート拠点」として位置づけられており、自然修復技術開発地区にも隣接したところであります。
 大田知事が力説されるように、地元の意向や県の将来計画をも考慮して総合的に判断されるならば、絶対にヘリポート建設が容認される地域ではありません。
 それゆえ、こうした軍事基地を発生源とするこれまでの環境破壊の実態をどれだけ正確に把握し、どのように対策を講じるか、さらに将来発生するであろう事件や事故をいかに未然に防止するか、今ほど現在に生きる私たちの責任が問われていることはないと思います。
 そういう認識に立って県当局の具体策をお尋ねいたします。
 1、米軍基地を発生源とする環境破壊の実態について、恩納村のPCB汚染の現状と対策の見通し。
 金武町等の赤土汚染の実態とその対策の現状。
 北部市町村の山林火災等の被害実態と対策についてお尋ねいたします。
 次に、海上ヘリ建設予定地の環境保護について、防衛施設庁調査と日本科学者会議調査の比較検討。
 沖縄県の環境保護責任と独自調査等の対応策の見通しについて伺います。
 次に、観光行政について。
 本県の観光客は、官民の取り組みの強化もあって、ことしも昨年に引き続き大幅な伸びが期待されております。目標の360万人を大きく上回る380万人台が予想されております。このことは民間の自助努力に加え、航空運賃の低減や新規路線の開設、増便、さらに共同キャンペーンの展開など政策的努力に負うところも大きいかと思います。
 他方、このような増大する観光客に対応するためにはハード、ソフト各面において多くの課題を抱えているのが本県観光産業の今日的な状況だと思います。
 そこで、多様化する観光ニーズに対応するための短期的な課題と対応策及び長期的な施策の方向についてお伺いいたします。
 また、観光産業の発展を支えるのは多様な人材の育成が最も重要だと考えます。人材こそ沖縄観光の持続的発展の決め手と言っても過言ではないと思います。
 そこで、新たな観光関連産業の発展に対応した人材育成の課題とその対応策について伺います。
 次に、本県における修学旅行は多都道府県にわたり今や900校余り、およそ18万人に達し、年々増加の傾向にあります。平和に関する素材に恵まれている沖縄が、今や広島、長崎と並び平和学習の拠点として注目されており、修学旅行のメッカになっております。
 修学旅行は、将来のリピーターとしても大いに期待できますので、沖縄観光の発展と企画をする上でその振興を図ることは極めて重要であると考えます。
 そこで修学旅行の受け入れ体制について伺います。
 また、このような修学旅行のニーズの高まりに適切に対応していくためには情報の提供システムをきちんと整備することが不可欠です。現在のところ担当教師が関係者に電話をしながらかけずり回って必要な情報の収集をしているのが実情ではないかと思います。
 タイムリーな関連情報を提供する意味においても、OCVBの県外事務所に平和学習のデスクを設置してはいかがでしょうか、観光文化局長の前向きな御答弁をお願いいたします。
 機構改革については、特に「生活環境部」と「福祉保健部」を設置することが注目されておりますが、従来の「廃棄物対策班」で抱えていた困難な課題と、これから「廃棄物対策課」として今後発展していく展望を描いているのはどういうふうな企画か、お伺いいたします。
 次に、観光振興局の独立については、独立した「観光振興局」のメリット、デメリットをどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
 以上で終わります。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 糸数慶子議員の御質問にお答えいたします。
 平和祈念資料館は戦争体験の風化防止を目的とするが、体験者亡き後の風化防止は可能かという趣旨の御質問でございます。
 現在沖縄県では、戦後生まれの世代が人口比で約70%台になり、沖縄戦を直接体験した年齢層は年々減り続けています。また児童生徒の親で沖縄戦体験者はごく限られています。こうした状況で沖縄戦の体験を風化させないことは、相当の困難を伴うこともあります。
 しかし、さきの大戦で国内で唯一地上戦を体験した県民としては、若い世代や県内外の方々に沖縄戦の実相を語り続け、沖縄戦体験を追体験していただく必要があると考えています。
 沖縄県平和祈念資料館として創意工夫を重ね、展示内容及び展示方法をより充実させ戦争体験を風化させないよう努力していく決意であります。
 同時に、戦争体験を風化させないためには教育現場における平和教育の充実、平和ガイドの養成、さらには平和関連施設と一体となったさまざまな事業を展開することが必要だと考えています。
 なお、沖縄戦の実態というのは年々研究が進んでおりまして、まだこれまで明らかにされていないような実態も相当浮かび上がってきておりますので、新沖縄県史の方で現在沖縄戦についての総まとめをやってわかりやすい形で書いていこうという計画を持っております。
 次に、本土の沖縄化の危険性をどう見るか、つまり「沖縄の心」の空洞化現象をどう見るかという御質問でございます。一括してお答えします。
 去る9月24日に発表されました新たな日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)は、政府の発表によると「平素からのおよび緊急事態における日米両国の役割ならびに協力および調整の在り方について、一般的な大枠および方向性を示すことを目的」とされています。
 しかしながら、報道されているようにこの新ガイドラインが周辺有事の際、県内の空港や港湾が使用されることが事実であるとすれば、本県の米軍基地の過重な負担の状況から、本県の経済活動や県民の生命財産への悪影響が懸念されます。
 国際都市形成構想は21世紀に向けて共生の思想や平和を志向する沖縄の心を大切にし、本県の自立を図ることを基本理念としておりますが、とりわけ平和交流というものを重視しております。そして隣国の人たちと共生することによって双方が持続的発展に寄与できるよう努力してまいりたいと思っております。
 それから、アロマセラピー(芳香療法)やタラソテラピー(海洋療法)の活用についての御質問でございます。
 沖縄県産業創造アクションプログラムにおいて「ウェルネスアイランド沖縄」の創造を産業振興のコンセプトに掲げ、そのシンボル的なテーマパークとしてウェルネスパーク整備事業を位置づけています。
 アロマセラピー(芳香療法)やタラソテラピー(海洋療法)については、本整備事業の一機能として想定しているところであり、具体的な企業化につきましてはベンチャー企業に対する各種の支援策で企業化を促進してまいりたいと考えています。
 次に、多様化する観光ニーズに対応するための短期的な課題と対応策及び長期的な施策の方向についての御質問でございます。

 近年における国民の価値観やライフスタイルの変化に伴って観光ニーズも多様化、個性化しつつあり、従来のパッケージツアーから個人や家族、小グループ旅行が増加しつつあります。また旅先での体験型観光へのニーズも高まっています。
 このような動向を踏まえ県としては、参加型イベントの創造や客層のライフスタイルに合わせた旅行商品の提案を行うなど多面的な誘客宣伝活動を推進しているところであります。
 また、恩納海岸地区や部瀬名岬地区など本県を代表する海浜リゾート地区をネットワーク化して広域的なリゾート地域を形成することにも努めています。加えて伝統芸能や伝統工芸等を観光資源として生かした観光メニューの開発などが挙げられます。
 また、レンタカーによる旅行需要の増大に対応した道路標識や観光地の案内の整備なども必要でありますので、力を入れていきたいと思います。
 それから、新たな観光関連産業の発展に対応した人材育成の課題と対応策についての御質問でございます。
 近年、旅行形態は小グループ化、参加体験型、自然共生型の傾向にあります。
 このように多様化した旅行形態は、観光メニューの開発や各種のサービスの提供など新たな観光関連産業をつくり出すとともに、それを支える人材を必要としています。
 県においては、観光関連の人材育成としてマリンインストラクターの養成や観光ボランティアガイドの育成を行うほか、観光関連従業員の先進地への派遣研修に対する支援などを行っているところであります。
 また、名桜大学の観光産業学科を初め沖縄大学の観光専攻科のほか高校6校、専修専門学校14校で観光・リゾートに関する学科コースを設け人材育成が行われております。
 今後、海洋療法を含めたヘルスケアビジネスなど多様なニーズに対応し、また国際化にも対応し得る高度で幅広い知識を持ったすぐれた人材の育成の確保に努めているところでございますが、県では国際化に向けてあるいは国際的な観光地として形成するために6カ国語で同時通訳の育成をやっております。従来4カ国語でやっておりましたが、橋本総理の特段の御配慮を得て新たに国費でもって2カ国語すなわちタイ語とフランス語の同時通訳の育成にも努めておりまして、そういった意味では他県に負けないような人材育成の仕方だと考えております。
 その他の御質問につきましては関係部局長等から答弁させます。
〇議長(友寄信助君) 知事公室長。
   〔知事公室長 粟国正昭君登壇〕
〇知事公室長(粟国正昭君) 糸数慶子議員の平和行政について、平和祈念資料館は平和教育の起点と期待されるが平和研究所の平和教育との違いはどこかということにお答えします。
 平和祈念資料館における平和教育は、次代を担う青少年や日ごろ平和問題を考える機会の少ない社会人を対象にして平和学習の機会と場所を提供するとともに、平和学習を担う人材の育成を図ってまいります。
 具体的には、資料館独自のカリキュラムによる平和講座の開催、県内の学校や修学旅行等の平和学習の積極的な受け入れ、それから平和学習の相談、戦争体験語り部及び平和ガイドの紹介等のサービスなどが考えられます。
 一方、国際平和研究所の平和教育は、平和に関する問題について総合的、科学的に研究しその成果を公表するとともに、地域に還元することや研究成果をベースにした討論会、ワークショップ等の開催があります。
 また、大学等の外部組織と連携しての公開講座、シンポジウムの開催等が考えられ、平和祈念資料館とは平和教育のあり方に違いがあります。
 次に、国際平和研究所が平和創造の推進機関とされる場合、研究所での平和創造とはいかなるものかということについてお答えします。
 国際平和研究所の設置については、基本構想をもとに現在基本計画の策定を進めているところであります。
 同基本構想では基本的な活動内容として平和研究、平和教育、情報発信の3つを考えております。これらの活動を通して積極的に平和の創造、発信に取り組むと同時に、平和を脅かす問題を総合的、科学的に研究し、その成果を内外に発信することにより世界の恒久平和の確立に寄与したいと考えております。
 次に、国際平和研究所は平和発信の推進機関と期待されるが、資料館の平和発信との違いは何かということにお答えします。
 国際平和研究所が平和を発信していくためには平和研究、平和教育、情報発信の3つの活動が相互に連携し合うことが必要でございます。
 例えば平和に関する問題について学術的に研究しその成果を公表するとともに、地域に還元することや研究成果をベースにした討論会、ワークショップ等の開催が考えられます。また大学等の外部組織と連携した公開講座やシンポジウムの開催等があります。
 そのほか、内外の研究者、研究機関との交流を図るため研究活動の成果物、報告書、機関誌等をインターネット等の電子メディアを通して外部に発信していくことも重要であります。
 一方、平和祈念資料館における平和発信は主に史実や実物資料の展示を通して参観者に平和を訴えるとともに、展示資料のデータベース化を行い内外の資料館、博物館などとのネットワークの構築や平和学習事業として修学旅行の受け入れ、平和学習教材の開発、制作などが考えられ、国際平和研究所とは平和発信のあり方に違いがあります。
 次に、環境問題についての中で北部市町村の山林火災の現状と対策についてお答え申し上げます。
 キャンプ・ハンセン演習場では、これまで実弾を使用した射撃訓練、爆破訓練、廃弾処理訓練等が日常的に行われています。特に発火性の高い曳光弾や迫撃砲による演習は火災を発生させる要因となっており、同演習場ではことしに入って16件もの火災が発生しております。
 世界的に自然環境保護の重要性が叫ばれている中で、同演習場ではこのようなたび重なる火災の発生により大切な緑が失われ、山肌がむき出しになるなどかけがえのない自然環境が損なわれています。
 このようなことから、県はこれまで実弾演習に起因する火災の再発防止と消火体制の強化並びに演習場内の環境保全対策の強化、演習方法の見直し等について何度も要請してきたところであります。
 しかしながら、こうした強い要請にもかからわず火災が頻発することについては米軍の火災に対する認識が弱いと言わざるを得ず極めて遺憾でございます。
 県としましては引き続き地元市町村と連携を図りながら、火災発生に対する根本的な解決策を国と米軍に対し強く要請していきたいと考えております。
 以上でございます。
〇議長(友寄信助君) 商工労働部長。
   〔商工労働部長 幸喜良秀君登壇〕
〇商工労働部長(幸喜良秀君) 製造業(観光・特産品関連)支援のための具体策についてお答えいたします。
 製造業のためのベンチャー企業支援としましては、県内中小企業が行う新製品、新技術の開発、製品の高級化等試作研究事業に対する補助や組合等に対する商品・デザイン開発、市場開拓等に助成する支援があります。そのうち中小企業創造活動促進法に基づき事業認定を受けているベンチャー企業に対しては、中小企業製品開発費補助事業の中で特別枠を設け補助を行っております。
 さらに観光・特産品関連に対する支援につきましては、地域特産工芸品を地場産業として大量生産するために工業試験場において金型等の高精度自動技術を確立するための事業に取り組んでおります。
 次に、1次産業の2次産業化についてお答えいたします。
 亜熱帯植物資源を活用した1次産業の2次産業化は、本県の産業振興を図る上で極めて重要な課題であると考えております。
 サトウキビの2次産業製品化につきましては、株式会社トロピカルテクノセンターにおいて糖蜜を原料としたポリウレタンの試作品を完成し、製品化に向け企業との調整に入っております。
 また、去る11月に県の事業認定を受けたベンチャー企業との提携により水耕栽培用のマットやラン床材の農業用品の製品開発を計画しております。さらに農業試験場におけるケーンセパレーションへの取り組みを初めヘルシー塩やラム酒、バガスの堆肥化等の製品開発計画についても検討を行っているところであります。

 月桃につきましては、月桃紙を初め芳香剤や建築資材及びファイリングシステムとして既に製品化がなされております。また工業試験場においては月桃の消臭成分の抽出、濃縮に関する研究を進めております。
 そのほか、ウコンやアロエベラの薬草やモズク等亜熱帯特有の農産物資源を活用した健康食品産業の育成を図るため引き続き資源の製品化に努めていきたいと考えております。
 次に、観光振興策における香料植物の活用の可能性についてお答えいたします。
 香料植物を活用した製品には、ジャスミンやシナモンなどを原料とした香水、入浴剤、香りを売り物にしたさまざまな商品があります。
 本県においてもサンニン──月桃ですね──やハーブ等を活用した製品の開発があり、これからの有望産業として発展していく可能性があると考えております。
 香料植物を活用した具体的な企業化につきましては、ベンチャー企業に対する各種支援策で企業化を促進してまいりたいと考えております。
 また、香料植物の成分は人体の神経系、呼吸器系、循環器系、消化器系などを刺激して心理的効果を高めるいわゆるヒーリング(いやし)効能があると言われており、本県における香料植物を活用した製品の開発や新たな健康産業の創出が観光産業に大きく寄与するものと考えております。
 以上でございます。
〇議長(友寄信助君) 教育長。
   〔教育長 安室 肇君登壇〕
〇教育長(安室 肇君) 子供の人権と教育行政について順次お答えします。
 まず、外国人子弟がどれぐらい在住し、どのような教育の選択ができるかについてお答えします。
 平成9年度現在、本県の小中学校に就学する外国人子女は小学校に203人、中学校に99人となっております。しかし県内の国立、公立、私立小中学校以外に就学している外国人子女の数については十分には掌握しておりません。
 外国人子女が教育を受けようとする場合は国際人権規約に基づいて就学の機会が保障されており、両国のいずれの学校を選択することも可能であります。もし県内の学校に受け入れられた場合には入学、編入学後の取り扱いについても授業料の免除、教科書の無償給与など日本人と同様に取り扱っております。
 次に、イマージョン教育についてお答えいたします。
 那覇国際高等学校を開校するに当たりまして、イマージョン教育を実施している学校法人加藤学園等について調査をしております。
 学校法人加藤学園においては、各学年2クラスのうち1クラスがイマージョン、1クラスがレギュラーとなっております。
 イマージョンクラスでは教科の8割の授業を英語で実施し、レギュラークラスでは英語の授業のみ英語で行っております。
 現在、県教育委員会では、小学校における英語教育導入による研究開発を図るとともに、クラブ活動研究推進校においては英会話に触れ外国の生活、文化になれ親しむ活動等を実施しております。その成果も踏まえて検討していきたいと考えております。
 次に、米国籍を持つ二重国籍児の実情についてお答えします。
 現在の就学制度において二重国籍を有する児童生徒は、一国を選択し就学する権利が認められております。しかし二重国籍児全体の実数を把握することは厳しい状況にあります。
 ところで、米国の教育を希望し就学猶予・免除願いを提出した児童生徒については実情把握が可能であります。しかし米国の教育を選択した児童生徒の実情については、在沖米国総領事館等関係機関との意見を交換してみたいと考えております。
 次に、経済的に負担の大きい二重国籍児に対する県の人材育成財団の援助についてお答えします。
 日本国籍と米国籍を有する子女の場合は、日本と米国の教育のどちらでも選択する権利がありますので、基地内の学校へ就学することも可能であります。
 また、就学への経済的援助としては沖縄県人材育成財団による奨学金貸与制度がありますが、その対象は県出身の大学生及び大学院生等に限定されております。
 次に、本県における男女混合名簿の実態と今後の取り組みについてお答えします。
 県内の学校における男女混合名簿については、幼稚園の11園、高等学校の8校で採用しております。
 本県の学校教育においては子供の個性や能力を尊重し、性別にとらわれることなく一人一人のよさや可能性を伸ばす教育の充実を教育活動全体を通じて図っているところであります。
 終わりに、本県の女性管理職の登用率と全国との比較及び管理職登用の取り組みについてお答えします。
 管理職の登用については、管理職候補者選考試験を実施し優秀な人材の確保に努めているところであります。
 平成7年度本県の女性管理職の登用率は全国と比較しますと沖縄県10.2%、全国9.9%で全国より0.3ポイント高くなっております。内訳としましては校長は沖縄県4.3%、全国6.5%で全国より2.2%低くなっており、教頭は沖縄県14.9%、全国13.0%で全国より1.9ポイント高くなっております。
 女性管理職の登用については、管理職候補者選考試験の結果等を踏まえて登用しているところであり、登用率は年々高まっている状況であります。
 今後とも男女平等参画社会の流れも勘案し対処していきたいと考えております。
 以上であります。
〇議長(友寄信助君) 生活福祉部長。
   〔生活福祉部長 大城貴代子君登壇〕
〇生活福祉部長(大城貴代子君) 子供の人権と教育行政に関連いたしまして、有害図書等を扱っている業界への行政指導や取り扱っている店舗、有害図書の指定状況についてお答えいたします。
 平成8年度社会環境実態調査の結果では、図書等を取り扱う539店舗のうち約7割の383店舗が有害図書を取り扱っております。またビデオ店287店舗のうち約9割の260店舗が有害ビデオを取り扱っております。
 次に、有害図書等の指定状況でございますが、平成8年度中、有害図書等として指定をしましたのは4494本でございます。その内訳といたしましては有害図書200冊、有害ビデオ4294本であります。
 また個別指定のほか、条例では図書等の写真または絵が青少年に有害と認められるものがページ総数の5分の1以上を占めるもの、または20ページ以上あるもの、ビデオテープは描写の時間が合わせて3分を超えるものは包括指定で有害図書等としております。
 県におきましては、警察本部等と緊密な連携を図りながら関係業界、業者に対しまして青少年の非行防止、健全育成に配慮をして条例に沿った取り扱いや営業活動を行うよう条例説明会の開催や立入調査活動を通して行政指導を実施しております。
 次に、カラオケボックスの実態調査の結果はどうなっているかとのことでございますが、県内のカラオケボックスの実態につきましては店舗総数が202店舗となっております。
 営業の形態は専業店が139店、兼業店が63店で、店舗の所在の地域環境を見ますと商店街が127店、住宅街が38店となっておりまして、27店舗は学校から200メートル以内に所在をしております。
 営業時間につきましてはほとんどの店が午前0時以降も営業をしております。
 カラオケボックスは、青少年の深夜の入場制限や青少年の深夜における立ち入りを禁止する旨の掲示が義務づけられておりますが、49店舗は掲示をいたしておりません。
 また、青少年の深夜における利用や店内での飲酒、喫煙等の問題行動も見られますので、警察本部や青少年関係機関・団体と連携をして立入調査活動や夜間街頭指導を実施しておりまして、なお一層行政指導を強化していきたいと考えております。
 以上でございます。
〇議長(友寄信助君) 警察本部長。
   〔警察本部長 井上美昭君登壇〕
〇警察本部長(井上美昭君) 少年を被害者とする福祉犯罪の検挙状況について申し上げます。
 平成9年10月末現在、青少年保護育成条例違反77件、風営適正化法違反30件、児童福祉法違反10件、その他労基法違反等5件、計122件の福祉犯を検挙しております。これは前年同月の160件に比較して38件減少しております。
 警察では、このような少年の心身の未成熟につけ込んだ大人の少年に対するみだらな行為や未成年者雇用等少年を食い物にする悪質風俗営業者等に対する取り締まりを重点に推進し、少年を福祉犯の被害から保護する活動を展開しているところであります。

 次に、少年非行の実態について申し上げます。
 平成9年10月末現在、警察で検挙補導した少年は刑法犯少年751人、特別法犯少年39人、虞犯少年65人、不良行為少年1万4668人、総計1万5523人となっております。この数は前年同月の1万4522人に比較しまして1001人の増加であります。
 刑法犯少年について見ますと751人検挙しておりますが、これは前年同期の782人より31人減少しておりまして、中でも凶悪犯は16人でありまして、前年同期の28人に対し12人と大幅に減少しているところであります。
 不良行為で補導した人員は平成9年10月末現在1万4668人でありますが、前年同期比で1015人の増加となっております。
 次に、当県における少年非行の特徴的傾向について申し上げます。
 第1は、深夜の時間帯で補導される少年が多いということであります。
 本年10月末までに不良行為で補導された少年1万4668人のうち深夜の時間帯──これは22時から朝の4時を指しますが──その時間帯に深夜徘回、飲酒、喫煙、不良交遊等の不良行為で補導された少年が1万75人で補導人員全体の69%を占めておりまして、これは全国平均の約2倍であります。
 第2は、刑法犯少年のうち中学生非行が半数を占めているということであります。
 本年10月末までに刑法犯少年として検挙補導された少年は751人でありますが、これを学職別に見ますと中学生が385人、51%、無職少年137人、高校生110人、有職少年79人、その他少年40人となっております。
 第3は、窃盗犯として検挙補導される少年の比率が高いということであります。
 刑法犯少年として検挙補導された751人のうち窃盗犯で検挙補導された少年は606人であり、刑法犯少年全体の80%を占め、全国平均が63%であることから、当県では窃盗犯の比率がかなり高いといえます。
 以上の3点が当県の少年非行の最近の特徴的傾向であります。
 このような点を踏まえまして、警察としましては知事部局、教育庁等関係機関・団体と緊密な連携を図りつつ、第1に街頭補導活動の積極的推進による非行少年等の早期発見、第2に少年を取り巻く有害環境の浄化対策、第3に少年を被害者とする福祉犯の取り締まりと被害少年の保護活動の推進、第4に少年を暴力団から守る活動等総合的な非行防止対策を推進しているところであります。
〇議長(友寄信助君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 平良健康君登壇〕
〇環境保健部長(平良健康君) 環境問題について、恩納村におけるPCB汚染の現状と対策の見通しについての御質問でございます。
 元恩納通信所跡地で見つかったPCB等有害物質を含む汚泥については、那覇防衛施設局に適正な処理と早期撤去を申し入れておりましたが、適正措置が講じられることなく現在に至っております。
 返還後2年近くも進展がないため、県は去る10月14日、防衛庁長官及び防衛施設庁長官に対し汚泥の撤去及び有害物質等の環境対策に万全の措置を講じるよう、直接文書で要請したところであります。
 その後、那覇防衛施設局は当該汚泥を航空自衛隊恩納分屯基地内に移動し、一時保管する方針を示しています。それまでの間、安全対策上アスファルトを跡地内に敷設した上で、当該汚泥をドラム缶694本に貯蔵し、それをコンテナ内に収容し保管している状況にあります。
 現在、那覇防衛施設局は自衛隊基地内に移動保管することで恩納村と調整しています。
 県としては、保管施設の建設に当たっては、赤土流出防止等環境保全に配慮して工事を行うよう申し入れたところであります。
 なお、今後の対策としては、PCBの処理について新たな処理基準が平成10年6月に施行されることとなっていますので、当該汚泥はそれまでの間一時保管することとしております。
 次に、環境問題について、金武町内にある米軍基地からの赤土汚染の実態と対策の現状についての御質問にお答えいたします。
 米軍基地からの赤土流出量は、県全体の流出量の約11%に当たり、そのうちの80%近くが金武町、恩納村、宜野座村、名護市にまたがるキャンプ・ハンセンからのものと推定されております。
 金武町内にはキャンプ・ハンセンのほかにギンバル訓練場、ブルービーチ、レッドビーチの4施設があり、その総面積は金武町総面積の約60%を占めております。これら米軍基地内の赤土流出源は、実弾砲撃演習場、施設工事、訓練場内の裸地が考えられますが、那覇防衛施設局は赤土流出防止対策として主に砂防ダムの設置や緑化等による対策を行ってきております。
 しかしながら、キャンプ・ハンセンを流域とする周辺河川やギンバル訓練場下の海域において現在でも工事の赤土流出並びに堆積が確認されております。
 そのため那覇防衛施設局では平成6年度以降、赤土流出防止機能を持つ貯留型砂防ダムをキャンプ・ハンセン内に20基設置する計画で、現在までに8基が設置されております。またギンバル訓練場においては緑化等による対策を平成10年度に実施すると聞いております。
 県では、これまで米軍及び那覇防衛施設局に対し、赤土流出防止対策強化の申し入れや基地内の立入調査などをたびたび実施してきているところでありますが、今後とも引き続き赤土流出状況の監視に努めるとともに、対策強化について申し入れていきたいと考えております。
 次に、環境問題について防衛施設庁調査と日本科学者会議調査についての御質問にお答えいたします。
 防衛施設庁調査は、キャンプ・シュワブ沖水域が海上ヘリポートの建設場所として適地か否かを判断するために実施された現状把握の調査であります。
 日本科学者会議調査は、米軍海上基地がもたらす影響を自然科学、社会科学の両面から明らかにし、あるいはその問題の所在を指摘すること等を目的として実施された調査であります。
 いずれの調査もそれぞれの責任において実施されているものと理解しております。
 環境問題について、沖縄県の環境保護責任と対応策の見通しについての御質問にお答えいたします。
 現在、国は現地調査の結果等を踏まえて海上ヘリポート基本案を示しております。
 県としましては、今後の動向を踏まえて地域住民の生活環境や自然環境の保全が図られるよう対応していきたいと考えています。
 次に、機構改革について生活衛生課の廃棄物対策班が廃棄物対策課と組織がえになることについての廃棄物行政のこれまでの課題、これからの展望についてお答えいたします。2つの質問は関連しますので一括してお答えします。
 廃棄物の処理については、消費生活の向上や活発な事業活動に伴って排出量が増大する傾向にあり、これに加え処理困難な廃棄物が増加するなど質的な面でも多様化している状況にあります。
 そのような中で廃棄物処理は、1つは狭隘な県土における最終処分場の確保が困難であること、2つに、地域住民の合意形成が容易でないこと、3つに、近時問題化しているダイオキシン対策のための廃棄物処理施設が必要となるなど従来にも増して厳しいものがあります。
 これらの問題に対応するため、国においては平成9年6月に廃棄物処理法の抜本的改正を行い法制度を強化しており、それに対応して地方自治体は実効ある廃棄物行政の推進が大きな課題となっております。したがいまして今後、廃棄物の広域処理等効率的な廃棄物行政の展開を図り、廃棄物の排出抑制、減量化、リサイクルなど総合的に対応していくため廃棄物対策を強化する必要があります。
 また、ダイオキシン対策等を踏まえた廃棄物処理施設の整備を促進するとともに、一般廃棄物並びに産業廃棄物の処理困難廃棄物を適正に処理するため、公共が関与した広域処理体制の確立を図る必要があります。
 加えて沖縄県の地域特性として、離島地域における廃棄物の適正処理とリサイクルの推進を図るなど処理体制の確立が求められております。
 将来展望としては、資源循環型社会を基調としたゼロエミッション構想への取り組みと中長期的視点に立った廃棄物対策が必要であります。
 このようなことから、組織体制を強化して計画的かつ実効性の高い廃棄物行政の推進を図る必要があります。

〇議長(友寄信助君) 観光文化局長。
   〔観光文化局長 照屋寛孝君登壇〕
〇観光文化局長(照屋寛孝君) 観光問題との関連で、修学旅行の受け入れ体制についての御質問にお答えいたします。
 本県は、自然、文化、歴史の学習や体験などの修学旅行の目的地として高く評価され、修学旅行の入り込み客数は年々順調に増加しています。
 しかしながら、時期によっては貸し切りバスや宿泊ホテル、案内ガイド等の受け入れ体制において十分でない面が指摘されております。
 その対策を図るため、県や沖縄観光コンベンションビューロー及び観光関連業界で沖縄県修学旅行推進協議会を本年3月に発足させ、宿泊、交通、旅行社、観光施設、受け入れ推進等の部会を設け、それぞれの部会において課題を協議しその改善に努めているところであります。
 その一環として、平成8年度から観光ボランティアガイドの養成講座を開設し、本年8月にはその終了者でボランティアガイド友の会を結成し、修学旅行のニーズに対応しているところであります。
 今後とも修学旅行推進協議会と連携して受け入れ体制の改善に努めながら、修学旅行の誘致を積極的に推進していきたいと考えております。
 次に、沖縄観光コンベンションビューローの県外事務所に平和学習専門のデスクを設置してはどうかという御質問であります。
 県においては、修学旅行を積極的に誘致するために修学旅行の担当教師の招聘事業や修学旅行向けパンフレットの発行など関連情報の提供を行っています。
 沖縄観光コンベンションビューローの県外事務所においても、修学旅行を含めた総合的な観光案内に対応しているところであります。
 御提言のあったコンベンションビューローの県外事務所への平和学習専門のデスクの設置につきましては、現下の県の財政事情や沖縄観光コンベンションビューロー自体も経営改善3カ年計画を推進しているさなかにもあり、こういった状況を踏まえますと当面は難しいと申し上げざるを得ません。
 したがいまして御提言につきましては、その必要性を含め将来の検討課題として承っておきたいと思います。
 次に、機構改革との関連で、観光振興局を独立した組織にするメリット、デメリットをどのように考えるかという趣旨の御質問についてお答えします。
 現行の観光文化局は、観光振興課と文化振興課及び工芸産業課が三位一体となって観光及び県民文化や伝統工芸産業の振興に関する事項を所掌し一定の成果を上げてきたのではないかと考えております。
 しかしながら、本県の観光が内外の厳しい経済情勢や激化する国際市場競争に適切に対応するとともに、国際都市形成に向けた新たな産業振興策にうたわれた国際観光・保養基地の形成を目指して持続的発展を図るためには観光を所管する部署の総合調整機能をより強化するとともに、観光振興に専任できる組織体制を確立する必要があると考えます。
 このような観点から、今回の組織改正では赤土汚染対策や自然環境の保全、道路の修景美化など広い意味で観光に関連する分野に対する庁内の調整機能をより発揮することが期待できると思います。
 また、県外観光客や国際コンベンションなど新たな観光需要の開拓や、目まぐるしく変化する観光環境に対応し得る弾力性と機動性のある組織体制をつくることによって国際都市にふさわしい国際観光・リゾート地の形成や国際市場競争力の強化に努めていけるものと考えております。
 以上でございます。
〇議長(友寄信助君) 新垣米子君。
   〔新垣米子君登壇〕
〇新垣米子君 きょう最後の一般質問を務めます。
 通告に従って質問していきたいと思います。
 まず最初に、海上基地建設問題について私は環境問題に絞って質問したいと思います。
 11月5日、海上基地に関する基本案が政府によって示されました。この基本案の自然環境に与える影響について、政府のキャンプ・シュワブ沖の調査結果報告は、わずか6カ月間のみの調査で貴重なサンゴの巨大なリーフは認められなかった、サンゴや藻場に影響が少ない、影響を受けるサンゴや藻場は移植すれば心配ない、爆音による影響についても希少動物もこの地域だけに生息するものではないので問題でないと結論づけています。
 日本科学者会議は11月20日に5月と11月の2回にわたって行った独自の調査結果を発表しておりますが、環境への影響に問題ないとした政府の調査報告に対して科学的ではないと指摘し、もしこのまま海上基地が建設されれば、自然生態系及び住民生活環境全般に多大な被害を及ぼす可能性が大きいと警告しています。
 日本科学者会議の調査では、過去の赤土汚染やオニヒトデの被害で壊滅状態と言われた辺野古沖のサンゴが回復しており、5月の調査時より群生がふえており、今後巨大なコロニーを形成する可能性のある豊かな海であること、またリーフ内に広く分布が見られる海藻草類はジュゴンのえさとなっているリュウキュウスガモ、ボウバアマモを初め本島のほかの海域では見られなくなったカサノリなどが確認され、規模においても組成においても貴重性の高いものであると報告しています。
 県の水産試験場事業報告によると、本島における海藻帯が最も広く分布している地域は与那城町で、次に辺野古周辺の名護市東海岸、沖縄市、金武町となっており、これまでジュゴンが確認報告された海域とほぼ一致しており、えさ場を求めて回遊していることを示しております。
 政府の調査中に遊泳しているジュゴンが1頭確認されています。二見以北の区の地元の皆さんからは、岬の上に立って見渡すとジュゴンをよく見かけますよとの話や、12月7日の市民グループ「ジュゴンネット」の調査でジュゴンが藻を食べたと見られる跡「ジュゴントレンチ」の可能性がある2カ所を確認したとの報告に見られるように、キャンプ・シュワブ沖の藻場がジュゴンのえさ場になっている可能性が極めて大きい。世界保護動物であり天然記念動物である日本で唯一この沖縄にしか生息し得ないジュゴンの大事なえさ場を破壊する海上基地建設の是非が根本から問われなければならないでしょう。
 さらに、海水の潮流への影響について、海上に90ヘクタールの巨大な物体が浮くわけですから、とりわけ箱型浮体(ポンツーン)方式では堤防によって遮られ、基地周辺の海水がほとんど滞留することになる。このことは、既に神奈川県横須賀沖でのメガフロート実験によって実証されていることですが、海上基地直下の光合成の阻害による植物プランクトンや海藻草類の死滅のほかに無酸素水塊の形成が懸念される。この無酸素水塊は移動し、青潮となって沿岸の生物を死滅させることにもなる。またくい式桟橋方式では4000本以上のくいを立てることになり、その周辺の流れが渦となり、浅い海域への植物等に影響がある。
 塩害について、通常の台風での塩害による農作物の被害が最近特に言われていますが、巨大物体によってさらに高波の発生が予想され、さらにその被害を増大させる可能性が大きい。
 ことし8月の台風13号に伴い政府の事前調査でリーフ外の予定海域で最大13メートルの高波を観測したことが報告されています。
 さらに、油汚染の問題は陸上よりもより直接的に海面が油で汚染される可能性が強い。運搬及び給油の段階からの油漏れの危険性、そして台風のような悪天候時の油漏れの危険性は大きい。海面が油で汚染されることの自然環境への重大な影響は、昨年の福井県の三国町沖のロシアのタンカー船沈没による重油汚染で明白です。
 このようにどれをとっても重大な影響が想定されるにもかかわらず、自然環境への影響の不安や疑問を納得させるものになっていません。この政府の調査団に本当に専門家がいたのかとの疑問さえ呈しています。
 世界でも前例のない巨大な海上基地を建設する際の事前調査としては極めてずさんな調査であり、政府の調査結果によって基地建設による自然環境の保障ができたとする科学的な論拠が見当らないと厳しく指摘しています。
 自然環境の変化が通常1年サイクルであることに合わせて年間の連続観測を行い、さらに平均的な状況を把握するのに少なくとも3年の調査が求められている。現に政府の研究機関はその単位で調査をしています。

 羽地ダムの建設や関西国際空港の建設に当たってダムや空港建設の是非はともかく、環境調査を5年間かけて実施したことに比較しても、前例のない巨大な海上基地建設の事前環境調査にわずか6カ月というこの調査結果の結論に異常さを感じます。
 さらに、爆音による影響も少ないとしているが、海上基地ができれば普天間基地では配備できなかったMV22オスプレイの配備予定が明らかになりました。爆音がひどいハリアー機の2倍の爆音と言われ、余りにも爆音のひどさで米国本国でも問題になっている機種です。このMV22オスプレイの配備も市民への説明会では何ら説明されませんでした。
 また、政府の事前調査結果報告で絶滅の危険性が増大している種として環境庁のレッドブック及びレッドリストに記載されている動植物9種、国指定の天然記念物の動物も計4種確認されていたことが報告されていながら市民には説明されませんでした。都合が悪いことは市民には知らせない、何が何でも海上基地建設ありきの政府の基本案であると言わざるを得ません。世界的にも貴重な動植物が生息するヤンバルの自然環境、サンゴと世界保護動物ジュゴンや海ガメが生きる豊かな海を守る沖縄県の責務は極めて大きいと言わざるを得ません。
 その立場から次の項目について質問します。
 海上基地建設による環境への影響をどう認識していますか。
 政府の調査結果報告をどう評価していますか。
 わずか6カ月間の調査をどう評価しますか。
 配備予定のMV22オスプレイの爆音による動植物への影響をどう認識しますか。
 さて、白保海岸の埋め立てによる新石垣空港建設に対して貴重なサンゴ、海を守れという地元の闘いや、自然環境保護団体の世界の願いにこたえて大田知事も激励し白保の海は守られました。美しい山と海のこの沖縄の宝を守ってこそ沖縄とヤンバルの観光の将来の展望は開けるのではないでしょうか。
 貴重で豊かなこのヤンバルの自然は、復帰前の安田区民の実弾砲撃演習場建設反対の闘い、安波区民のハリアー基地建設反対の体を張った闘いがあったからこそ守られてきたのです。実弾演習や爆音から貴重なヤンバルの森を守れ、県民の水がめを守れと県議会でのたび重なる全会一致の意見書採択を思い起こすべきです。
 基地建設と米軍演習こそ最大の環境破壊です。知事は、104号線県道越えの実弾砲撃演習によって無残な姿にさらされてきた恩納岳を環境保護の立場からも即時中止を求めてきたのではありませんか。
 県民の生活環境、自然環境を守る立場から海上基地建設に明確に反対を表明すべきです。知事の御決意をお伺いいたします。
 2つ目に、劣化ウラン弾問題についてです。
 去る6月県議会において県当局は、未回収の劣化ウラン弾の引き続きの回収要請と、久米島住民の環境への影響の懸念から住民検診の実施を国に対して要請していきたい旨回答いたしました。
 その後、地元両村長も国に対して要請をしておりますが、いまだ住民検診が実施されてないと聞いております。その後の経過をお伺いいたします。
 また、せんだって「劣化ウラン弾の知っておくべき危険性」のタイトルのビデオを見る機会を得ました。アメリカ陸軍が兵士への教育用に作成したビデオです。戦闘や戦場は、元来私たちの健康に害を与えるものである。ある危険性は見分けやすく理解もしやすい。兵士たちはその重大な危険性をよく知っていて、その危険に対する適切な対応をしている。しかし幾つかの新兵器については余りよく知られていない。そのうちの一つが劣化ウラン弾であると。劣化ウラン弾とは何か、それはどこでどのように使用されるか、その潜在的な危険性は何か、適切な予防措置や防御方法は何かなど基本的な知識を事細かく説明しています。
 戦闘や事故で被爆した場合の対応策として繰り返しその危険性を指摘し、あくまでも作戦行動を遂行することを重視したものであるが、汚染兵器の隔離、防御服の着用を強調しています。
 同じ6月議会で伊波洋一議員が専門的な立場からもこのことは指摘しておりますが、私も改めて鳥島での劣化ウラン弾による射撃実験に対するこのことの認識とその後の処理に対する認識の欠如を指摘したいと思います。
 米軍が湾岸戦争で使用した劣化ウラン弾によってイラク兵やイラク住民や帰還した米軍兵士のがんなどの多発や奇形児の出生など深刻な人体へ及ぼす影響の実態は、これまでもマスコミで報じられてきました。改めて国に対して強く要請すべきと考えます。
 次に、障害児の放課後の問題についてです。
 保育所での障害児の受け入れが進む中、また健常児と一緒の集団保育によって我が子の発達が促進されることを実感する中で、障害児を抱える母親も働き続けたいとの要求、子供の発達保障の要求を通して今障害児の放課後の保障、学童保育への要望が広がっています。
 93年5月の全国学童保育連絡協議会の少し古い調査ではございますが、全国の約900カ所ある学童保育所で1500人近い障害児が生活しています。我が県ではごく少数の学童保育所で指導員の熱意と献身的な努力で受け入れているのが実情で、親の強い要求に対して受け入れたくても体制がないというのが実態です。
 県の障害者行動計画が策定されて3年目、児童福祉法の改正で学童保育の制度化が法的に位置づけられ、今後健常児も障害児もひとしく生き生きとした放課後を、この願いの一つの受け皿としての学童保育に対する県の積極的な施策が求められていると考えます。
 御主人を病気で亡くされ2人の障害児を抱えながら働く女性から、子供が障害を持っているために自分がやりたいこともできなかったという思いを子供のためにも自分のためにもしたくない、学校を終えた子供を迎えて家に連れていき、かぎをかけてまた職場に戻り、抜けた時間を残って穴埋めしていると訴えられました。
 同じ悩みを持つ母親が集い、今議会に1000人を超える短期間の取り組みではありましたが、署名を添えて陳情しております。当面早急に解決が求められている深刻な事態もあり、現在ある学童保育所での受け入れはできないものか、個別に相談しているところですが、ボランティアの派遣や養護学校などの放課後の教室の開放など可能な援助の方向を行政としてもぜひ検討していただきたいと要望するものです。
 1つ、障害児を抱えて働く母親と障害児の放課後の実態調査をする考えはございませんでしょうか。
 2つ、県内の学童保育所への障害児の積極的な受け入れを促進するためにも県としての何らかの助成措置を講ずる必要があると考えます。いかがでしょうか。
 そして障害児教育、障害児福祉のそれぞれの立場から積極的に可能な手立てを提示していただきたい。それぞれの御所見をお伺いいたします。
 最後に、大平養護学校の寄宿舎問題についてです。
 この問題はほかの議員の皆さんからもたくさん質問がございますが、去る6月議会、9月議会の文教厚生委員会において父母や職員から出された大平養護学校及び宮古養護学校の寄宿舎の閉舎計画の中止を求める陳情に対して、委員会の審議を踏まえて教育長は、大幅な方針の変更もあり得ることも含めて検討していきたいと答弁いたしました。
 ところがその後、9月5日に持たれた教育委員会によるPTA評議委員会への説明会で、議員の皆さんが理解してもらえていないことは残念である、方針の変更という教育長の発言はなかったということが報告されました。
 今議会でも引き続き委員会での審議をすることになると思いますが、次の3点について質問いたします。
 県民から出された陳情に対して県民の負託を受けた県議会の全会一致の採択の重みをどう認識していますか。委員会での教育長の発言を議会の外で一職員が否定することは重大な問題で議会軽視と言わざるを得ません。その真偽を確かめたいと思います。
 県民と議会の意思に基づき寄宿舎の廃舎計画を撤回すべきと考えます。
 以上です。よろしくお願いいたします。
〇議長(友寄信助君) 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 新垣米子議員の御質問にお答えいたします。

 自然環境を守る立場から海上基地建設に明確に反対すべきだと思うがという趣旨の御質問でございます。
 ただいま住民投票が予定されておりまして、その投票を前に行政の立場から意思表示するのは適切でないと思います。今後、県としましては名護市の判断等も勘案し、必要な段階では県の総合的発展を図る観点から適切に対応してまいりたいと考えております。
 それから、劣化ウラン弾の問題で久米島住民の検診の実施がなされてないがどういうことか、それから人体の影響への深刻実態はその後マスコミも報じているが、改めて強く要請すべきだと思うがどうかという趣旨の御質問に一括してお答えいたします。
 県は、未回収劣化ウラン弾の環境への影響が懸念されることから日米両国の関係機関に対しすべての未回収劣化ウラン弾の回収についてことしの2月と8月に要請を行いました。
 また、県と基地所在市町村で構成する沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会──いわゆる軍転協でございますが──においてもことしの8月と10月に関係省庁に対し要請してきたところであります。
 さらに地元住民の健康面の不安が大きいことから、軍転協は国の責任において健康診断を実施するようことしの8月と10月に関係省庁へ要請を行っております。
 県としては、今後ともすべての劣化ウラン弾の回収と定期的かつより幅広い環境調査及び住民検診の実施を強く要請してまいりたいと考えています。
 障害児福祉の立場からの放課後問題についての御質問に一括してお答えいたします。
 昼間、保護者のいない小学校低学年児童の学童保育については、児童健全育成活動を行う地域組織として市町村が児童クラブを設置し児童の健全育成に努めています。
 児童クラブは現在14の市町村に75のクラブがあり、それに対し県では運営費を補助し活動を支援しています。この児童クラブには障害のある児童も受け入れており、現在16の児童クラブに22名が在籍しています。
 県としましては、今後とも障害のある児童の受け入れについて前向きに対処してまいりたいと考えています。
 その他の御質問につきましては関係部局長等から答弁させます。
〇議長(友寄信助君) 環境保健部長。
   〔環境保健部長 平良健康君登壇〕
〇環境保健部長(平良健康君) 海上基地建設問題について、海上基地建設による環境に与える影響をどう考えるかとの御質問にお答えいたします。
 当該海上基地の建設はこれまで我が国において前例がないこと、また藻場、サンゴ等の調査結果について議論があります。県としましては、今後の動向等を踏まえ生活環境や自然環境の保全が図られるよう対応していきたいと考えています。
 続きまして同じく海上基地建設問題について、政府の調査結果報告書をどう評価するか、わずか6カ月の調査をどう評価するかとの2つの御質問でございますが、一括してお答えいたします。
 政府の調査結果報告書は、政府としてキャンプ・シュワブ沖水域が海上ヘリポートの建設場所として適地か否かを判断するため現状把握の調査結果を取りまとめたものと理解しております。
 なお、調査目的や事業計画に沿って調査期間が設定されているものと考えております。
 続きまして、配備予定のMV22オスプレイの爆音による動植物への影響をどう認識するかとの御質問にお答えいたします。
 米海兵隊の中型ヘリコプターの後継機種とされるMV22オスプレイについては、現在アメリカ国内でテストを行っている未配備の段階であり、同機種から発生する騒音等のデータは不明であります。
 一般的に騒音による動物への影響については、音に敏感な動物、特に鳥類や哺乳類への影響が危惧されます。
 なお、植物に与える科学的なデータは把握しておりません。
〇議長(友寄信助君) 生活福祉部長。
   〔生活福祉部長 大城貴代子君登壇〕
〇生活福祉部長(大城貴代子君) 障害児の放課後の問題につきまして、障害児を抱えて働く母親と障害児の放課後の実態調査についてお答えいたします。
 障害児の放課後の実態は、養護学校など特殊教育諸学校17校のうち通学児童のいる10校に対しまして放課後養育に欠けている児童の状況を調査いたしました。
 これによりますと小学部で403名中45名の児童が養育に欠ける状況にございます。
 45名の児童の放課後の状況は、学童保育所を利用している児童が30名、親戚に預けられている児童が9名、兄弟で家で過ごすなどが6名となっております。
 また母親の状況は共働きが28名、1人親が11名、その他が6名となっております。
 放課後養育を必要とする理由は、保護者の就労や病気入院などによるものでございます。
 今後、教育庁と連携を図りながら特殊学級に在籍している児童等も含めまして詳細な実態調査を早急に実施してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
〇議長(友寄信助君) 教育長。
   〔教育長 安室 肇君登壇〕
〇教育長(安室 肇君) 障害児の放課後の問題についてお答えいたします。
 障害のある子供たちのために諸条件を整備し一人一人の可能性を最大限に伸ばし、社会参加、自立を図ってあげることは大切であると考えております。
 特殊教育諸学校における児童生徒の放課後の対応については、緊急時や父母の迎えがおくれるなどやむを得ない事情がある場合には学校で預かり、その間に保護者と連絡をとるなどの手だてをとっているところであります。
 大平養護学校の寄宿舎問題について順次お答えします。
 最初に、県民から出された陳情に対して県民の負託を受けた県議会の全会一致の採択についてお答えします。
 大平養護学校の寄宿舎問題については多くの県民が関心を寄せていただいているところであります。県議会における陳情案件の全会一致の採択については真摯に受けとめております。
 次に、文教厚生委員会での発言の真意についてお答えします。
 さきの文教厚生委員会における私の真意は、大平養護学校寄宿舎の閉舎については、父母及び職員との十分なコンセンサスが得られていないと思料されますので、当初計画の閉舎の時期であった平成10年3月については先送りし、父母及び職員と積極的に誠意を持って話し合いをしたいということであり、私の真意が十分に伝わらなかったために御迷惑をおかけしております。
 終わりに、議会の意思に基づく寄宿舎の閉舎計画の撤回についてお答えします。
 寄宿舎の閉舎計画については、父母及び現場の職員等との話し合いを継続し理解が得られるよう努めているところであり、その結果を慎重に検討し対処していく所存であります。
 以上でございます。
〇新垣米子君 答弁漏れです。
〇議長(友寄信助君) 休憩いたします。
   午後5時28分休憩
   午後5時29分再開
〇議長(友寄信助君) 再開いたします。
 大田知事。
   〔知事 大田昌秀君登壇〕
〇知事(大田昌秀君) 先ほど申し上げましたように今投票が行われようとする段階ですから、今の時点で申し上げることは厳しいです。
 ですから環境問題も含めて必要な段階では県の総合的な計画とか、先ほども申し上げましたように基地返還アクションプログラムとの絡みとかいろいろ考慮した上で総合的に判断していくということでございます。
〇議長(友寄信助君) 教育長。
   〔教育長 安室 肇君登壇〕
〇教育長(安室 肇君) 一職員が議会の外で否定するという御指摘でございますけれども、教育長が撤回をすることも含めて、私の意思としてそういうことも受けて話し合いをするというふうなことはなかったというふうに私は受け取っているわけです。
 ですから先ほど申し上げましたように、父母及び職員と積極的に誠意を持って話し合いをしていきたいということで、その話し合いの中でそういうことも出てくる可能性があると。そういう問題も積極的に話し合いの中でやっていきたいという意味でそう申し上げたわけですけれども、そのことが教育長は撤回をするということを言っていたということではなかったというふうにその本人は言っているということですので、特に私の言ったことを否定しているとは受け取ってないわけでございます。

〇議長(友寄信助君) 新垣米子君。
   〔新垣米子君登壇〕
〇新垣米子君 環境保健部長の答弁の中でも、わずか6カ月の調査に対してもそういう政府がやることだからそうなんだと。
 ですから今本当に専門的に環境に与える影響、そのことがやはりどうなのかという専門的な立場、科学的な立場できちっと市民や県民を納得させるものじゃなかったらこれはゴーサインが出るものではないと思うんですよ。県の公共事業を含めてあらゆる国の事業であったとしても、少なくとも環境アセスについては十分な調査が行われている経過からしてもやはりずさんな調査であり、調査結果だと判断をせざるを得ないわけです。
 ですから、今県の環境保健部長の答弁が沖縄県の環境保護はどうなのかと、そういうことが今問われているにもかかわらず全くよそごとの、人ごとのようなそういう答弁に終始していることをとても残念に思います。
 この問題は大きな今世論になっておりますし、さらに大きな問題が出てくると思いますが、改めて強く県の責務を受けとめていただきたいと思います。
 あと教育長の答弁です。
 私は、やはり論拠も含めて委員会の審議の中身を踏まえて教育長はそういう形で言われました。必ずしもそれは撤回するということではないにしても、前向きにそういうことで検討していきたいということの答弁だったと思います。だからこそ父母の皆さんも含めて、現場の皆さんの声も受けとめて検討し直すということの発言だったと思うんですよ。そこを真に受けとめてこれからの委員会での決議も含めて県民の負託にこたえていく、そういう努力をぜひしていただきたいというふうに思います。
 以上です。
〇議長(友寄信助君) 以上で本日の一般質問及び議案に対する質疑を終わります。
 本日の日程はこれで全部終了いたしました。
 次会は、明12日定刻より会議を開きます。
 議事日程は、追って通知いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後5時33分散会

 
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