平成13年(2001年) 第 6回 沖縄県議会(定例会)
第 4号 12月10日
農林水産部長(天願貞信)
 

 農業行政について、BSEの実態と原因究明について、また本県の実情についての御質問にお答えいたします。
 BSE発生の原因究明については、現在、国においてBSE発生県3つの道県を対象に疫学調査、飼料給与調査等を行っているところであります。しかしながら、現在のところBSE発生の明確な原因究明には至っておりません。
 本県においても、国内でのBSE発生後、県内約8万8000頭の牛について全頭検査を実施したところであります。その結果、県外の発生農場からの牛の導入及びBSEを疑うような症状の牛は確認されておりません。県としては、今後とも「BSE対策本部」を中心に県内へのBSE侵入防止に万全を期する考えであります。
 次に、畜産農家の損害と今後の見通しについての御質問にお答えいたします。
国内でBSEが発生した9月以降、県内家畜市場の子牛平均取引価格は、11月現在、対前年比で1頭当たり約2万2000円の下落となっております。また、去勢肥育牛1頭当たりの推定取引価格は、対前年度比同月で約8万1000円の下落となっており、県内の肉用牛価格に影響を及ぼしております。
 県内における子牛価格及び枝肉価格は、一時的に回復基調にありましたが、新たにBSE感染牛が発生したことから今後も予断を許さない状況となっております。県としましては、今後とも国及び関係機関との連携を図り、BSEによる畜産農家への影響を最小限にとどめるよう努めていく考えであります。
 次に、BSEによる損害や風評被害の原因と国の責任についての県の見解はどうかということについての質問にお答えいたします。
 風評被害の原因につきましては、BSEの感染経路及び原因究明がなされていないこと、また情報の混乱が国民に不安を与えていること、さらに消費者に対してBSEに関する正しい情報が伝わっていないことなどが挙げられます。
 なお、BSEの発生による国の責任について県が言及することにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。
 次に、屠畜牛の全頭検査以前の在庫の実態はどうかとの質問にお答えいたします。
国の調査によりますと、BSE検査実施前の国産牛肉の在庫量は全国で約1万3000トンとなっております。これらの牛肉については、消費者の不安解消を図るため全国団体が国の牛肉在庫緊急保管対策事業により、県内分を含めて全量買い上げを行い市場隔離を行うこととなっております。
 次に、経営資金の支援についての対応についての御質問にお答えいたします。
 BSE発生に伴い畜産農家が経済的影響を受けることに対する支援としては、つなぎ資金として大家畜経営維持資金制度が講じられております。
 当該資金の貸付要件としては、出荷販売額が平成13年9月10日以降おおむね2割以上減少していること、貸付期間は平成13年10月5日から12月31日までであります。また、償還期限及び償還方法については1年以内の元利一括払いとなっております。県としては、農家負担の軽減を図るため末端金利1.6%に対し県費1.01%を上乗せし農家の負担率を0.59%とするとともに、各地域での説明会を開催し活用の促進に努めているところであります。
 次に、肉骨粉の流通の実態と今後の対応についての御質問にお答えいたします。
 肉骨粉等の使用については、平成13年10月1日付の国の通達により飼料工場での肉骨粉等を含む配合飼料の製造及び出荷販売が全面的に禁止されております。
 また、肉骨粉の処理については、平成13年10月2日付の国の通達によりまして一般廃棄物としてすべて焼却処理することになっております。したがって、肉骨粉等はすべての家畜の飼料に使用されることはございません。
 現在、県内で保管されている肉骨粉等は約1100トンあり、その焼却処理に要する経費につきましても国が助成することになっております。肉骨粉等については年内をめどに焼却を開始する予定であります。
 県としては、今後とも県内の飼料工場及び畜産農家への監視体制を強化し、BSEの侵入防止に万全を期することとしております。
 以上でございます。

 
20010604090140